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82回国会衆議院1977/10/18

物価問題等に関する特別委員会連鎖販売・ネズミ講等調査小委員会 第1号

発言数
272
登壇者
17
会派数
4
開催日
1977/10/18

会議録

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 これより連鎖販売・ネズミ講等調査小委員会を開会いたします。  この際、一言あいさつを申し上げます。  私が再び小委員長に選任せられましたので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。  この連鎖販売及びネズミ講の被害が各地にその後発生しておるようであります。ことに長野県におきます損害賠償要求の事案については、東京高裁で争われるという段階になっております。これらの問題にかんがみまして、この連鎖販売・ネズミ講の問題を一層ひとつ調査をいたしまして、国民の皆様の生活の平安を回復したいという気持ちでおるわけでございますので、よろしく御協力を賜りたいと存じます。  連鎖販売・ネズミ講等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部小委員 私は、前回の当委員会でマルチ商法の問題についていろいろと政府側の意見を聞き、また同時に、具体的な実態を述べて、取り締まりを要望いたしました。幸い警察庁は、あの委員会の直後、早速全国各地で摘発に乗り出されまして、すでに新聞紙上、テレビでもその実態を明らかにいたしておりますが、訪問販売等に関する法律によってマルチ商法の摘発が行われたわけですが、警察庁として、一体今日までこの摘発は何件、どういう会社について行われたか、最初にそれをお伺いいたしたいと思います。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 法施行後現在までに警視庁など七都府県でベストライン・プロダクツ・リミテッドなど七件の違反を九事件検挙いたしております。九事件のうち六事件は、法第十五条書面不交付及び第十二条重要事項不告知容疑でございます。残りの三件は、法第十五条違反容疑でありますけれども、最終的には何とか法第十二条を適用したいということで、捜査を進めておるところでございます。また、すでに送致いたしました事件は、いずれも法第二十四条の両罰規定を適用しておりますが、現在捜査中の事件につきましても、両罰規定を適用する方向で捜査を進めていくつもりでございます。また、検挙いたしました七社のうち二社につきましては、外為法第二十七条も適用いたしておるわけでございます。二社と申しますのはベストラインとゴールデン・ケミカルでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 七社が摘発されたわけですが、通産省の第一次と言いましょうか、マルチ商法に該当する会社は二十二社、これが発表されたわけです。  これは後で申し上げますが、現在七社が摘発をされたわけですが、その中で、その根拠を十五条と十二条ということで、私どもは十二条ということを強く要請をしてきたわけです。十五条と十二条とはその内容が大変違うわけでありまして、七社のうちほとんどが十五条の摘発になっておる。なぜ十二条としてこれが摘発できなかったのか、その点はいかがでしょう。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 十二条を適用いたしましたのは、検挙の会社名で申し上げますと、ベストライン・プロダクツ・リミテッドそれからライフ社の二社でございます。さらにセレクト、サバニーという会社につきましても十二条適用を考えておるわけでございます。  私どもも十二条をなるべく適用したいということは、先生のお気持ちと同じなんでございますけれども、どうしても最初入りますのが十五条から捜査に入っていって、やがて事案の内容が明らかになるに従って十二条を適用していくという形態をとるものでございますので、現在まだ適用されてないものがあるということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 この法律の最も重要なことは、私は十二条だと思っておるのです。この法律そのものが完全禁止法ではございませんから、そういう意味ではなかなかむずかしい点があるだろうと思うのですが、ここで具体的な例を申し上げましたように、その本家本元をつかまえなければだめだということを言いました。具体的には、外人の社長がおりましたね。あの外人の社長は現実にはどうなっておりますか。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 お尋ねの件はベストラインとゴールデン・ケミカルのことではないかと存ずるわけでございますけれども、ベストラインにつきましてはジェームズ・リチャード・アーノットというのが代表者であったわけでございますけれども、この人は現在外国におりまして日本におらないわけでございます。したがって、捜査ができないという状態でございます。  もう一つのゴールデン・ケミカルの社長でございますけれども、これはモリ・レーブ・サチオ、カナダ国籍の人でございますけれども、この人が社長でございまして、これにつきましては、すでに検挙いたしております。

武部文日本社会党

○武部小委員 私が申し上げましたのは、例のベストラインのジェームズ・アーノットですが、これは逮捕状が出ておりますね。間違いありませんか。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 逮捕状をとっております。

武部文日本社会党

○武部小委員 この社長はいち早く逃亡しておるのですよ。それはやはり検挙の、あなた方もいろいろ努力をされたことは認めるわけですが、十五条で一応手を打たれたから、それが十二条になってくる可能性は当然出てくるだろうと私どもは思っておるし、あなた方もそういう考え方でおやりになっておる。そのためにいち早くこれは察知をして海外に逃亡して、帰ってくれば逮捕状が出ておるわけですから、そういうことで帰ってくる可能性はない。こういうふうに見てくると、せっかく七社について摘発をされておるわけですが、現実にはいわゆる末端の責任者のみが十二条の違反にひっかかってしまって、肝心かなめの責任者というものは法の目を逃れてしまうということになっておるというふうに思います。ですから、まだ残されましたたくさんのマルチ会社があるわけでして、そういう面ではぜひ、完全禁止法でありませんからいろいろ問題があるだろうと思うのですが、やはり十二条で摘発をして、法の不備があれば将来改正するというところでこの問題にメスをどんどん入れていただきたい。これがわれわれの警察庁に対する要望であります。  そこでもう一点お伺いいたしますが、摘発され公表されたマルチの企業はその後どうなったのか、それをどういうふうにつかんでおられますか。これは通産省でも結構です。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 お答え申し上げます。  六月の十六日に二十二の連鎖販売業者のリストを添付いたしまして都道府県その他に協力を依頼したわけでございますが、その後現在までにその二十二社からいろいろな働きかけがございましたが、マルチ業者でなくなりまして名簿から削除いたしましたものが三社、それから通産省に廃業届が出ましたものが二社、それから倒産をいたしましたものが一社、それから販売方法をマルチでないように変更するという申し出がございましたものが八社、それから販売方法を変更することを検討中であるということが当方に申し出がありましたものが二社、実質合計十三社の動きがございます。  この販売方法の変更につきましては、変更の内容の確認をいたしまして、そして苦情がないという判断があった段階で名簿から削除することにいたしておりますので、現在、販売方法の変更の申し出がありましたものにつきましても監視中でございます。それで、確かにそれが変更され、かつ苦情がないということがわかりました段階で名簿から削除したい、かように考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 確かに摘発後マルチに対する加入者というものは減少しておるだろうと思うのです。しかし、被害者がそれならばその摘発によって損害金を取り戻せたかというと、決してそうではない。これは金がないというような理由でもって損害が被害者に返らないというような面もたくさんあって、そういう問い合わせもまだ続々と続いておるわけです。ですから、いまおっしゃるように、十三社がこの対象になり、倒産をしたり廃業したりいろいろなことをしておるでありましょうが、しかし姿を変えてまた新しいマルチが、後でもここで申し上げますが、出てきておる。ネズミに姿を変えて出てくるというようなかっこうもあるわけです。ですから、あなたの方が二十二社という社名を発表されたことについては、私は敬意を表します。確かにいいことだったと思うのです。しかし二十二社という限定されたものではないはずです。われわれが承知しておるところでは五、六十社は優にある。だとするならば、姿を変えて出てくる可能性もあるわけですから、二十二社にとどまらず、現在あなた方が調査をしておられるマルチの会社というものはしかじかだということを、ひとつ第二次発表、第三次発表という形で、これを国民の中に明らかにする必要があるのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょう。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 御指摘のとおりでございまして、この二十二社の中で、商法変更あるいは廃業いたしましたものがまた別の形で生まれ変わるという可能性もあるし、また現にそういう事実もつかんでおります。私どもは、この二十二社の第一次発表に続きまして、第二次発表を現在準備中でございまして、すでに二十九社につきまして調査票の回収をし、一つ一つ、通産局並びに本省でヒヤリングを行い、指導を行っております。これがまとまり次第公表いたしたいと考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。  幸い手がついたわけですから、被害者を未然に食いとめるために、ぜひいまおっしゃったような第二次、第三次のマルチの社名をひとつ英断をもって発表して、未然に防ぐようにしていただきたい、このことを強く要望しておきます。  警察庁に対しましては、先ほど申し上げましたように、肝心かなめの張本人は国外に逃亡する、こういうことが現実に起きておりますが、その後もまだ問題が起きておるようでありますので、ひとつ十分に摘発をやっていただいて、このマルチの商法が根絶するように特に警察庁にお願いをしておきたいと思います。  それでは、次にネズミ講の問題についてお尋ねをいたすわけです。  この問題は、国会では昭和四十九年に予算委員会で取り上げられておるわけであります。非常に古い論議が取り交わされて今日に至っておるわけですが、御承知のような状況であります。それで五十年の十一月七日、第八回消費者保護会議、総理大臣が座長でありますが、関係各僚を含めたこういう消費者保護会議が初めてこの問題について決定を下したわけです。いわゆるネズミ講による消費者被害を防ぐため、出資法などにより取り締まり、監査を強化する。その後関係七省庁が六回にわたって対応策を検討したということを聞いておるわけです。しかし結論が出ない。翌年の第九回消費者保護会議でも同じようにこの問題が取り上げられて、決定は、「出資法等による取締りの限界にかんがみ、ねずみ講の危険性等を広く国民に周知させるとともに、利得者に対する課税の徹底を図る。さらに、これの取締りのため、早急に出資法の改正を含め新規立法を検討する。」という決定を第九回の消費者保護会議がやっています。当委員会に七省庁の皆さんに出席をいただきまして、いろいろ見解を承りましたけれども、残念ながら見解は統一されておらない。今日に至るも、この問題についての関係省庁は一体どこであるかということもいまだに決定しておらない、そういう状況であります。  この消費者保護会議の二回にわたる決定、これを受けて——窓口は経済企画庁になっておるようです。消費者保護会議ですから、これは消費者保護基本法に基づいて消費者保護会議が設置されたわけですから、窓口は経済企画庁でありますが、これまでの経過と今後の見通しについて端的にひとつ御説明いただきたい。

井川博経済企画庁国民生活局長

○井川政府委員 結論から申し上げますと、立法につきましてはまだ最終的な結論を得ていないわけでございます。七省庁によります関係官庁の打ち合わせば、実際上もまた公式的な会合も繰り返しておるわけでございますけれども、大変むずかしい問題がございます。しかし、それ以前の問題として、やはりこうしたネズミ講につきまして、一般の庶民の方々が簡単にひっかかるというふうなことがあってはいけない、そのためにはやはり啓発が大切であるというふうなこともございまして、こうした七省庁の会合で諮った上、消費者啓発を受け持っております経済企画庁におきまして、特にこの六月、七月を中心にいたしまして、大いにネズミ講が問題であるということの啓発をいたしてまいったわけでございます。  その効果は、私たちとしては大いに出つつあるというふうな感じがいたしますけれども、これにつきましても、御案内のように、ネズミ講の被害というのが具体的に被害者が出てこないとわからないという面がございまして、いろいろなリアクションがありますものの、どの程度の効果があったかということは申し上げられないわけでございますが、しかし、どうも全般的な感覚から言いまして効果があった。特に六月一日付でもって都道府県、特定市町村の長に対しまして、私の名義で、やはり一般の庶民なり市民、住民の方へそういうことを周知をしてもらいたいというふうな通知も出し、府県でもそういう方向でやっていただいているわけでございます。  しかし、新規立法の中身につきましては、先生すでに御案内のように、好ましくないという結論は出ておりますけれども、立法をすべきかどうか、する場合にも、一体どういう立場でどういう方向でやるかということになりますと、大変むずかしい問題がございまして、これについてはまだ結論が出ていない、検討中であるというふうな段階でございます。先ほど先生六回とおっしゃいましたが、先般まで十回ばかり会合を開いておるのでございますが、まだその結論を得ていないという状況を残念ながら御報告申し上げたいと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 この立法に至らない点については、また後で触れることにいたしまして、この保護会議の決定に従って経済企画庁が新聞広告をして、「ネズミ講にご用心」というような広告が全国紙に載っておりますね。私どもあれを読んでおるわけですが、しかし現実に天下一家の会、第一相研の内村健一会長は、政府広報はまことに結構だ、あれはネズミ講とは言っておるが天下一家とは言っていない、類似のにせものが横行して被害者が出ているから、それらが整理される意味からも結構だ——これは例のマルチのあの社長と同じことですよ。逆手にとっている。これは天下一家の会と関係ない、これはネズミだ、天下一家の会とは違うものだ、だからそういう類似のネズミどもが整理されるのはまことに結構だというふうにうそぶいておるわけですよ。これは明らかにあの広告に対する挑戦ですよ。これから天下一家の会がいかなるものであるかということをわれわれは皆さんとここで論議しなければならぬと思うのです。そういうことを堂々と述べておりますよ。そしてついせんだって、天下一家の会、いわゆるネズミの会長である内村健一が経済企画庁を訪問したそうですか、これは一体何の目的で、どういう人数で、いつやってきたのか、それをちょっとお知らせいただきたい。

井川博経済企画庁国民生活局長

○井川政府委員 天下一家の会の内村会長が参りましたけれども、大臣への陳情というかっこうで来たようでございます。しかし、事前の連絡も全然ございませんし、大臣にしろ私にしろそれぞれ用務がございましたので、担当課長補佐をして面会をさせたわけでございます。いろいろな話があったようでございますけれども、話のやりとりでございますから各般の要望があったようでございますが、大きい点は、天下一家の会というのはいろいろなことをやっている、自分たちとしても相互扶助その他というふうなことをやっておるのだということを盛んに強調をしておったようでございます。  それからもう一点は、政府広報でもってネズミ講というふうなものが大変いけないことであると言うことは構わないけれども、天下一家の会自身はネズミ講ではないというふうなこと、まさにいま先生がおっしゃったようなことも言っておったようでございます。そこらについての政府の見解をただすということで来たようでございますが、われわれのところの担当官としては、本日は話を聞くだけであるというふうなことで、それに答えずに結局本人たちも帰っていったというふうに聞いておるわけでございまして、実際面会をいたしましたのはたしか六名か七名でございますけれども、下の方にたくさんの集団で来たというふうな話を聞いておるわけでございます

武部文日本社会党

○武部小委員 第一相研、天下一家の会、これは非常にややこしくてよくわかりにくいことになってくるのですが、それほど巧妙にやっておるわけです。経済企画庁としてはネズミ講の取り締まりについて窓口として一生懸命やっておられるわけですが、現在の天下一家の会、第一相互経済研究所なるもののやっておる事業はネズミ講だというふうに考えておられるかどうか、その点いかがですか。

井川博経済企画庁国民生活局長

○井川政府委員 天下一家の会、第一相互経済研究所自体ではいろいろな事業をやっているのだろうと思います。しかしながら、その中にはわれわれが言っておりますネズミ講といったやり方が含まれている、こういうふうに解釈をしておるわけでございまして、ネズミ講というふうなものをどの程度広げるか問題でございますし、あるいはまた、これの規制云々となるとそのうちのどの点をとらえるかという問題がございましょうが、少なくとも特定の会員が要するに二名以上の会員を加入させるということが条件になっておる。しかもそのことのためにまず会費を拠出する、それが会の方であるかあるいは先輩会員であるかは別として会費を拠出する、そういうことによって一定の会員数に達した場合に、元の金にあるいは数倍するような金ないし役務が返ってくる、こういうやり方はネズミ講である、こういう解釈を持っております。そうだとすれば、現在の天下一家の会、第一相互経済研究所がやっております業務の中には、ネズミ講業務が含まれておる、こういうふうに判断をいたしております。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。  それでは具体的な問題についてこれからお伺いをいたしたいと思います。  最初に法務省の刑事課長にお伺いいたします。  昭和四十八年四月二十日、それまで約二十年間睡眠状態であった財団法人肥後厚生会、これは前回当委員会でいろいろ問題になりました昭和二十二年に設立をされた熊本県の財団法人であります。それが二十二年ばかり何か保育園のような仕事をやっておったのですが、それ以後全然何にもしない。そういうことで約二十年間睡眠状態にあった財団法人肥後厚生会から、いま申し上げるように、四十八年四月二十日、突如として事務所、役員、資産総額の三つの点について登記申請が行われたわけです。この申請書には寄付行為の謄本が添付されておりますが、われわれが調べたところによると、熊本県庁から入手した当時の肥後厚生会の寄付行為とは全く似ても似つかぬものが寄付行為として登記簿に添付をされております。しかも、この謄本は登記官が原本と照合の上、原本を本人に還付しておる、こういうことであります。私どもが調査をいたしたところによりますと、熊本県が当初認可をいたしました寄付行為は、その後変更申請をやった証拠はない。もちろん認可をしたこともない。これは熊本県として明確に述べている。だといたしますと、二十年間も睡眠中であったのに、その間に理事会を開いたというようなことはとうてい考えられません。ということになると、全く虚偽のものが作成された疑いがここに強くなってきます。もしそれが虚偽のものだということになってくると、刑法第百五十七条の公正証書不実記載、こういうのがございますが、  「公務員ニ対シ虚偽ノ申立ヲ為シ権利、義務ニ関スル公正証書ノ原本ニ不実ノ記載ヲ為サシメタル者ハ」刑法第百五十七条の公正証書不実記載の罪に該当する、こういうことになると思うのですが、刑事課長、どう思われましょうか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  登記手続の具体的な詳細を把握しておりませんので、明確なお答えをいたしかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、虚偽事項の申請をして、登記官吏にその旨の申し立てをして、登記原本にその旨の記載をせしめるということに相なりますれば、いま先生御指摘のとおり、公正証書原本不実記載罪が成立するわけでございます。ただし、これにつきましては、それぞれ所管の警察署あるいはまた検察庁等の捜査機関が登記手続等の詳細を捜査いたしました上で、証拠に基づいて判定するということになりますので、私のただいまのお答えは一般論というふうな形でお受け取りいただければ幸いだと存じます。

武部文日本社会党

○武部小委員 一般的な例としての御答弁のようですが、この財団法人の寄附行為というのは、財団法人として届け出を受けたのは熊本県であります。熊本県で許可を受けておるわけであります。今度登記をする場合に知事の許可を要するということを知っておりながら、許可を得ずして登記をやってしまったということについてはどうなりますか。いまの問題とどうなりますか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 ただいま私がお答えいたしましたとおり、登記原本等につきましての不実の申請をしたということが証拠上明白であるということに相なりますれば、公正証書原本不実記載罪が成立するということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 あなたに一々これを見せてやっておったのでは時間がたってしまってしょうがないのですが、これが登記の申請書ですが、登記官は、この申請による登記すべき事項がいわゆる財団法人の理事会によって決定されて、その理事会の決定が寄附行為の規定に違反しないものかどうか、この後ろに寄附行為が載っておりますが、それと間違いないかということを原本と照合して一つ一つチェックしておりますよね。全部ゼロックスにとってきたのですが、全部これをやっております。一つ一つ間違いがないかとチェックしておるわけです。そういうことをチェックしておるから、この寄附行為がまさに虚偽のものだということになるならば、登記官をだまして登記をしたということになりはしませんでしょうか。その点はどうなりますか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 再三のお尋ねでございますけれども、登記手続関係の詳細を詳しく調査いたしませんとやはり明確なお答えをすることはちょっと適当でないというふうに考えますが、いずれにいたしましても、ただいまの御指摘の点を踏まえまして、地元の検察庁あるいは警察署等の方にその旨の伝達をして所要の調査をいたさせたいというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 法務省でこの登記の関係の方、いらっしゃっておりますか。——それではあなたにちょとお伺いいたしましょう。  財団法人肥後厚生会の当初の寄附行為のこれが原本であります。昭和二十二年のものです。この第五条は「本会ハ本部ヲ熊本市健軍町六〇〇〇番地ニ置ク」ということになっております。これが一番最初の財団法人の認可になった事務所の所在地です。事務所の変更ということは寄附行為の変更になるわけですから、県知事の許可が必要です。ところが登記変更申請書、これです、これを見ますと、全くこれと違ったものが書いてある。何と書いてあるかというと、「この財団法人の主たる事務所を熊本市におき、枢要の地に支部又は事務所をおくことができる。」と直してあるわけです。書きかえてある。こっちは明確に「熊本市健軍町六〇〇〇番地」、これが原本であります。全然違った寄附行為——これをつけて持って出たら話はわかる。にもかかわらず、これを持っていかないで、これを持って出てきて、これを持って出たら内容がこれと違っておる。こういうものを持って出て登記官に申請をした。  さらにもう一つ、資産の問題です。当初の寄附行為第八条、あなたそこに持っていらっしゃると思いますが、第八条「本会ノ基本財産ハ別紙ノ如シ」、こうなって、別紙では、調べてみると基本財産は十七万一千円であります。第八条は、いま申し上げたように「別紙ノ如シ」となっておるわけです。ところが今度この申請書に添付してある「資産」の中には、新しい申請書には資産の額は取り決めをしてありません。この中には資産のことは全然載っておりません。このように虚偽の寄附行為の原本を作成して、これによって登記官をだました、そうして登記をさせたということになれば、明らかにこれは公正証書不実記載の罪に当たるということは当然だと思うのですが、こういう具体的な問題についてどうですか。刑事課長、いかがでしょう。あなたは一般的なことをおっしゃったけれども、具体的にこれが事実とするならばどうでしょう。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 再三の御答弁で恐縮でございますけれども、具体的なケースにつきまして、この段階で私から積極であるあるいは消極であるというふうなお答えをすることは適当でないというふうに考えますので、先ほど申し上げました一般的な答えということで御了承いただきたいと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 どうもあなたとやりとりしておっても、具体的なことに入らぬようです。それではちょっと困りますので……。あなた民事第四課長ですか。  寄附行為の変更というのは主務官庁の許可を要する。これは前回の委員会でそのようにお述べになりましたし、そうだとわれわれは解釈しておる。間違いありませんね。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それでは、もう一回登記の変更がありますから、これからひとつ入っていきましょう。  虚偽の寄附行為をもって登記官をだまして、そして所在地を現在の天下一家の会、ネズミ講の所在地に変更しておるわけです。変更するように内容を変えておりますが、その中で、今度は財団法人肥後厚生会が財団法人天下一家の会として名称が変更されておる。これが登記簿です。昭和四十八年五月十八日付財団法人登記変更申請書というのがございます。いままで財団法人肥後厚生会というものがあったのに、四十八年五月十八日に今度は財団法人天下一家の会として登記申請がなされたわけですが、登記官はこの申請に対して、知事の許可があったということを確認して認めたのかどうか、その点いかがでしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 その点はどうも古いことと申しますか、その後の調査でございますが、登記官としては、その寄附行為の変更について知事の許可書の添付を要するということを看過して登記手続を行った、つまり登記官のミスであるというふうに調査の結果は出ております。

武部文日本社会党

○武部小委員 申請書に必要な許可書をつけなければならぬのに、登記官がそのことを看過した、見過ごした、ミスをした、そしてこれを受け付けてしまった、このように法務省は了解しておるのですか。もう一回述べてください。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 そういう全く初歩的なことを見過ごしたというふうにいつあなた方は御承知になりましたか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 原局におきましては、原局というのは熊本地方法務局でございますが、これは五十一年の二月ないし三月ごろ、本省に正式に伝達がございましたのはことしの八月でございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それじゃ、この問題も後で追及いたしましょう。  商業登記法第十九条、これによりますと、登記申請は、「官庁の許可を要する事項の登記を申請するには、申請書に官庁の許可書又はその認証がある謄本を添附しなければならない。」したがって、この申請は、同法第二十四条「申請の却下」、「登記官は、次の場合には、理由を附した決定で、申請を却下しなければならない。」こういうふうになっておりますが、それが登記官のミスで登記されてしまった、看過してしまった、こういうことで一応登記されてしまったということになるならば、これは職権をもって抹消しなければならぬと思うのですが、いかがでしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 これは法人の登記でございますので、商業登記法がストレートに適用になるのではなく、非訟事件手続法を通じて商業登記法が準用されるという関係になるわけでございますけれども、一たん登記されました事項について職権で抹消ができる事項につきましては、商業登記法の百十条という規定がございまして、それで百九条という規定を引用しております。それによりますと、二十四条の一号から三号という本来登記事項でない事項を登記したとか、あるいは管轄登記所でないところの登記である、そういうようなことのほかに二号というのがございまして、登記された事項について無効の原因があるということが確かに抹消原因になっているわけでございます。ただ、この無効の原因があるということは、登記官に直ちにわかる、形式審査権の範囲内で登記官にわかるというようなことが必要でございまして、添付書面で明らかであるとか、あるいは登記面上明らかであるとか、そういうことが必要でございまして、実体上そういう無効であるかどうかということを審査するという権限は登記官に与えられておりませんので、この登記は現在の段階では直ちに抹消することはできないものである、そういうふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 そんなばかなことがありますか。それは法務省の見解ですか。もう一遍述べてください。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 事務所の移転あるいは資産額の変更、そういうものの登記がにせの寄付行為書でだまされた。これは確かにだまされておる。これは二つあるが、間違いなくうそのものですからね。登記官がだまされてしまった、そういうことが仮にあったとしても、少なくとも名称変更というようなことは口だけの寄付行為の変更であって、これをただ見過ごして、肥後厚生会がいつの間にやら天下一家の会になりました、そんなことを熊本県の県知事の許可も何にもなしにぽんと受け付けて、はいそうでございますかと言って登記する、それを職権で取り消すことができない、そんなばかなことがありますか。ちょっともう一遍述べてください。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 登記の却下事由につきましては、もう一つ、登記について添付しなければならない書面を添付しなかったという事由、これも却下事由になっているわけでございますが、そういう場合には職権で抹消することはできないということになっております。ですから、この場合で申しますと、県知事の許可があったかなかったかということが登記官にはその形式審査権の範囲内では必ずしもわからないということが前提になるわけでございます。ですから、本来は許可があったにもかかわらず、たまたま添付書面を落としたという事態も考えられるわけでございますから、そういう場合には職権抹消ができないわけでございますので、その可能性がある以上は職権では抹消ができない、こういうことであります。

武部文日本社会党

○武部小委員 あなたの言っていることは、私どもにはよくわかりませんね。こういう重大な——後で言いますが、何で私どもが財団法人を問題にするかということを後でよく聞いていただきたいのです。これは普通の問題と違うのですよ。そういう点で、私は裏で何かがあったとさえ疑いたくなるようなことなんですよ。こういう、少なくとも登記官というものは——登記官と言っているけれども、これは熊本の法務局長でしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 登記官は必ずしも局長ではございませんで、登記課に数名の登記官が配置されているということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。少なくとも登記官は専門家のはずですよ。この専門家がこんな全く初歩的なことを、何で許可書も見ないで言われるとおりにその名称変更をしたかということに非常に大きな疑問を私は持つのです。  あなたはいま条文を指して言われたから、それならばあなたがさっきおっしゃった商業登記法第百十四条「登記官の処分を不当とする者は、監督法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。」こういうことになっておりますが、だれでもできますか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 これは法律上の利害関係を有する者であることを要する、一般的にそういうことになっております。

武部文日本社会党

○武部小委員 法律上の利害関係というのはだれですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 たとえば登記申請を却下された者というものは、これは当然法律上の利害関係を有するということになります。

武部文日本社会党

○武部小委員 却下されておりませんなら、これは受け取っておるんじゃないですか。却下された者なんというのは話にならぬですよ。一体、法律上の利害関係者とはだれですか。だれがそういうことに対して法務局の長に請求をすることができるのですか。利害関係というのはだれですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 その場合には受理されているわけでございますから、特に利害関係に当たるという者はないと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 そうならば、だれもできぬじゃないですか。私どもの調査によりますと、熊本県は財団法人肥後厚生会を財団法人天下一家の会に名称を変更することについて許可を与えていない、これは間違いないのです。あなた方が調べてみたらおわかりのとおり。そうでしょう。許可を与えていない。財団法人天下一家の会として名称が変更登記されておるということは現実ですね。となると、これは無効なのですか、有効なのですか。どうですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 もし許可を与えていないということが真実であるといたしますと、定款変更は効力を生じてないわけでございますから、実体上無効であるということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 無効でありますね。それならば——厚生省、いらっしゃいますか。財団法人肥後厚生会、これが存在をして、休眠法人になっておることも御承知のとおりです。いわゆる財団法人肥後厚生会、それが天下一家の会に変更することについて熊本県は全然許可を与えていないということについては、そのように御承知ですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どもの方の調査では、そのようになっております。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。  それでは、法律的には財団法人天下一家の会というものは存在をしないということになりますが、これは間違いありませんね。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 法律上はそういうような名称の団体は存在しないということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。  先ほどここでやりとりいたしましたように、抹消の問題、あるいはこの処分を不満とする者が審査を請求することができる、こういうことについていまお話があったわけですが、私、よく納得できませんが、この登記が無効であった場合、商業登記法第百九条「登記が次の各号に該当するときは、当事者は、その登記の抹消を申請することができる。」「二 登記された事項につき無効の原因があること。」ということになっております。そうすると、この第二の登記された事項について無効の原因があることを法務省は知ったはずです。そうすると、天下一家の会内村健一に対して抹消を申請するようにあなたの方から指導されたことがありますか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 私どもの方からはしておらないはずでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 法務省は、このことがわかっておりながら何にもしておらぬということがわかりました。  そうすると、利害関係者がこの法人の登記の抹消を求める、そういう訴訟はだれでもできますか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 法律上の利害関係がある者がもちろん抹消請求権を有するわけでございまして、この場合にどういう者が法律上の利害関係を持ち、したがって登記の抹消請求権を持つかということは疑問でございますが、もしそういう者がおれば、そういう訴訟を提起することは可能でございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 そういうことは不可能です。  そこで、あなたのいままでの答弁を聞いておりますと、職権抹消もできない、審査の申し立てもできぬ。本人がすることはできるとあなたはおっしゃったが、本人は受理してもらったばかりだからするわけはないのだから、本人の審査の申し立てもできぬ、抹消申請もさせぬ、訴訟もできぬ、困難だ。手続の間違いによってこういう事態が起きておるのに、それを是正される手段が全然ない、そういうばかなことが一体あり得るでしょうか。これについてあなたはどうお考えでしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 法人につきましては、実体的な監督というものは主管官庁がやるということになっておりまして、民法の六十七条では監督権を一般的に持っておるわけでございます。したがいまして、法人に対しまして、もし監督官庁がそういう違法事態があるということがわかった場合には、すぐさま監督権を発動してその登記——これは本人が抹消申請をすればその場合にはもちろんできるわけでございますので、そういう手続をとるというのが本来の筋ではないかと私どもは考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 あなたがおっしゃった監督官庁はどこのことですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 この場合は認可した熊本県ということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 熊本県はだまされておるのですよ。熊本県をだまして、許可がないのにあったようなことを言って登記所に持っていってやっておるのですよ。あなたは熊本県とおっしゃる。熊本県というなら即厚生省という意味でしょう。自分の方がへまをやってこういうばかげたことをやっておいて、監督官庁がそれについて文句を言うことが適当だなどというのは、ちょっとこれはおかしいじゃないですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 確かに登記官がミスをしたことは事実でございますが、そのミスの原因をしたのはやはり法人の代表者ということになるわけでございます。法人、つまり肥後厚生会でございます。そうすると、肥後厚生会を監督しているのはだれかと申せばやはり主管官庁である。もともとやったのは、登記というのは申請行為がないと絶対登記が行われないわけでございますので、そこのところのもとがおかしいということになれば、当然もとのやった行為者というものについての監督権というものは及ぶ、むしろやらなければならぬのではないかと私どもは考えております。  ちなみに、熊本県は別にだまされたわけでも何でもなくて、熊本県が知らぬ間にやられた。むしろそういう虚偽の、先ほど先生もおっしゃいましたように虚偽の寄附行為を持ち込まれて、だまされたのは登記所がだまされたということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 だまされた——それはもっと複雑な事件なら、だまされたということがあるでしょう。しかし、財団法人の名称を変更するのに、これは全く、何遍も言うように初歩的なことじゃないですか。財団法人の名前が変わるということは大変なことですよ、名称の変更ということは。それなのに、そういう全く初歩的なことを自分で見過ごしておいて——見過ごしたのか見過ごされたのか知らぬが、そういうことが現実に起きておるでしょう。そういうことを自分の方でやっているのだから、法務省は、自分でまいた種なんだから自分で刈らなければいかぬじゃないですか。そういうことを、監督官庁の熊本県や厚生省がこれについて異議を申請して、おかしいからといって出すのがあたりまえだ、それまではおれは知らぬ、わしら知ったことじゃない、こういうことをおっしゃるのはおかしいじゃないですか。自分がやったミスを他人に転嫁することになりやしませんか。どうですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 確かに登記というのは適正に行われなければならないということはもうおっしゃるとおりでございまして、私どももふだんそういうことは現場に対して事あるごとに注意しているわけでございますが、御承知のように、登記所というところは非常に事務が忙しい、あるいは物的施設も不十分であるというようなことがございまして、ある意味で、非常に申しわけないことでございますが、ミスがあるという現状があるわけでございます。そういう場合に、商業登記法なり不動産登記法のたてまえというのは、職権で登記官が乗り出していってそのミスを是正するということはできないで、あくまで実体法上の争いがある者がそれを是正していくという登記法のたてまえになっているわけでございまして、登記法で一たんそういう登記がなされますと、それに基づいていろいろな権利関係ができていくということをおもんぱかって、登記官の力でその登記を変えてしまうというようなことが、むしろ一般的に見れば——この事件はともかくといたしまして、一般的に見れば弊害があるということで、そういう登記法のたてまえになっているわけでございます。確かにこの事件を見ます限りにおいては、先生のおっしゃるようなことが言えるのではないかと思いますけれども、しかしながら、登記法一般のたてまえというのはそういうことでございまして、この事件についてだけ特例を設けるというわけにはいかないということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 たくさんあるので、一応ずっと進んでから、後でまた結論的にやりとりいたしましょう。  財団法人肥後厚生会は、熊本県内で事業を行うという目的を持って設立されて、それが申請をされて熊本県知事が認可をした、こういうことになっておりますね。これでこの財団法人肥後厚生会なるものが認可になっておるわけです。主たる事業は熊本県ですから、この一番最初の寄附行為の第三十条には、「本会ハ知事ノ認可ヲ経テ支部及事業場ヲ縣内所要ノ地ニ置クコトヲ得」、でやるということでもって熊本県知事が認可をやっているわけですから、その点はもう寄附行為の内容から見て当然です。  ところが、ここに天下一家の会・第一相互経済研究所なる事業概容があります。この中に写真がずっと載っております。これは昭和五十一年度北海道大会です。北海道大会の写真が載っておりますが、これに三つ名前が載っておりまして、宗教法人——あとで申し上げます。宗教法人大観宮、財団法人天下一家の会、天下一家の会・第一相互経済研究所、一番下がネズミです。これは明らかに北海道その他でも堂々と事業をやっておる、こういうことになりますね。この写真から見てもそういうふうになっているのです。  このように、当初の設立の趣旨から全く逸脱した行為がこの写真を見ても——まだほかの県もございますがございます。  それからもう一つ、このネズミ講なるものが、天下一家の会というのが何をやっておるかということについて、ここにチラシがありますが、ここには「心」「和」「救け合い」、三位一体です。こっちが宗教法人、真ん中が財団法人天下一家の会、こっちがネズミ、このように三つが肩を並べておるわけです。  これからいよいよ本論に入るわけですが、こういうふうにして、三位一体となって活動しておる。ですから、財団法人天下一家の会はネズミ講であることは間違いない。ネズミ講の一環として動いておる。なぜならば、ここに六十万円から四万円とかコースがたくさんございますが、たとえば六十万円のコースを見ましょう。六十万円のうちで五十万円は、これは先輩の会員へ金を送るわけです。ネズミ講がもうかるのはそのためですが、先輩会員に六十万円のうち五十万円がいきます。十万円は熊本のネズミ講の本部にいくわけです。十万円のうち四分の一は財団法人天下一家の会に寄付されることになっています。四分の三がネズミ講の本部に入ることになります。こういうふうに分けられているわけですね。四分の一が天下一家の会という財団法人にいく、四分の三がネズミ講の本部にいく、こういうふうに分けられていくわけです。これは積み立てられていくわけですね。  そうして次に、もう一つ特殊なコースがあって、いままでは天下一家の会という財団法人に金を納めておったが、今度はそうではなくて、宗教法人大観宮というところに別なもう一つのコースの四分の一の金がいくことになっています。ネズミの金は宗教法人に寄付されることになっております。こういうやり方にいまなっておりますね。したがって、ネズミ講と財団法人と宗教法人というものは、まさに三位一体、同じ根元だということだけはおわかりだろうと思うのです。これについて長野地裁の判決も明確にこのことを述べていますね。この裁判で被告は、財団法人天下一家の会というものはネズミとは全然別だということをしきりに述べておるようですけれども、現実に判決文の中に、はっきりこれは三位一体だ、そして内村健一会長なる者はこの三つを連ねたものの教祖的な存在だということを具体的に述べています。それはお読みになっていると思うのですが、このようにして、まさに財団法人を隠れみのにしてこのネズミ講というものの金がここへ流れてくるということが明確になってくるわけです。だとすると、先刻あなたがおっしゃったように、この財団法人天下一家の会なるものは法律的には存在をしていないことになっているわけです。これはさっきのあなたの明確な答弁でわかりました。そうなってくると、これから一体この金をめぐって法律的に何をしなければならぬか、ここが問題になってくると思うのです。  私は、前回の当委員会で、財団法人天下一家の会というものをなぜしつこく追及したかというと、このネズミ講の勧誘に財団法人という名前を非常に強く訴えておるわけです。靖国神社の裏のあの建物をごらんになってもおわかりのように、あの十階建ての建物の上に書いてあるのは「財団法人天下一家の会」となっております。財団法人というものは国が認めた団体だ、国が許可をした団体だ、だれでも財団法人になれるわけでない、それだけ信用があるんだということを、勧誘の際に何も知らない人にしつこく言っておるわけですね。財団法人というのはだてや酔狂で許可になるものじゃない、それだけ信用がある、国に貢献をしておるから財団法人の許可をしてもらったんだ、こういうことを言って勧誘をし、多くの被害者を出しておることはもう明白なんだ。具体的にその勧誘を受けた当時のことは、前回皆さんの前で申し上げましたから改めて申し上げません。そういうふうになってきておるわけです。そこで、もうしつこく目的以外のことをしたとかいろんなことについては申し上げません。これだけ言えば、財団法人天下一家の会というものが一体どういうものであるかということは、もうお互いの論議の中でわかったことですから、これ以上のことは申し上げません。  そうすると、現在、天下一家の会というものは一体どれだけの資産を持っておるのか、これが問題になるだろうと思うのです。ことし出してきましたこの事業概要を見ますと、財団法人天下一家の会の財産目録の資産総額は四十七億二千三百二十五万九千五百五十円、負債はゼロ、したがって差し引き正味財産四十七億です。四十七億というのが、財団法人天下一家の会の昭和五十一年三月三十一日現在の資産です。これだけの資産を持っておることを明らかにしております。そうして、さらに今度は今年度にどれだけの収支予算を予定しておるかということが、ここに明確に書いてあります。これを見ますと、本年度は本部に送金されてくる額が二百五十二億、いわゆるネズミ講の本部に金がいくのが百八十九億、差額は財団法人天下一家の会に寄付としていくわけです。その差額の合計は六十四億であります。推定約六十億と見てよかろうと思います、これは向こうの資料によってですから。そうすると、五十一年三月三十一日に四十七億の財産がございます。ことし一年に財産がさらに六十数億ふえます。約百億の財産が五十二年三月三十一日の決算で出てくる可能性がある。恐らくこれは明らかになるでしょう。これはすべてネズミ講によってまき上げられた金の四分の一の寄付金として財団法人に入った金です。この百億の金は、財団法人でもない天下一家の会がここに積み立てておる。みんなから金をかき集めた。これは税金の対象にならぬのですか、国税庁。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 お答えいたします。  いわゆるネズミ講から天下一家の会に寄付がされておるということは、天下一家の会の規約によって明らかでございます。私どもが調査いたしました段階では、ネズミ講の加入者が天下一家の会に寄付をするというものではなくて、一応ネズミ講に入りましてネズミ講から天下一家の会へ寄付しておるということでございますので、その寄付金に対しましては課税の対象としておるところでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 ちょっとよくわかりませんでしたが、課税の対象になるのですね。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 そうです。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。  そういたしますと、ちょっとお伺いいたしますが、昭和四十六年でしたか二十何億円の脱税容疑でもってこれが適用されて裁判にかかっているそうですか、この裁判はどうなっておりますか、法務省。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 被告人の内村健一に係ります所得税法違反事件につきましては、四十七年三月熊本地裁に公判請求がありまして、今年の七月六日までの間に三十八回の公判を開いております。おおむね検察官の立証は順調に進捗しておりまして、ほぼ近い将来におきまして結審の見通しが立っておるというふうな熊本地検からの報告でございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 財団法人天下一家の会として彼らは名乗っておるわけですね。したがって、財団法人ですから法人税は免除されておる、税金をかけられていない、このように私どもは理解をしている。だから、この四十七億というものに対しても一銭の税金もかけておらぬじゃないかというふうに思うし、これから入ってくる六十億というものについても、いままでは税金の対象になっていなかったと思うのですが、これはどうですか。国税庁としては、これは全く財団法人でないのだから正規の税金をとるというふうにされますか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 先ほどもお答えいたしましたように財団法人に対して寄付されるもの、これが課税の対象外であるということになりますと、先生いまおっしゃいましたような状況が起きるわけでございますが、ネズミ講の収入としていわゆる加入手数料というものをとっておりますが、その全額を課税の対象としておるわけですから、したがいまして、寄付金そのものについての一般の特例はございますが、それを除きましては、全額課税の対象にしておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 四十六年に、いま刑事課長さんが説明されましたけれども、脱税で裁判にかかりましたね。そうすると、四十七、八、九、五十、五十一、みんなこの財団法人天下一家の会に対して課税をし、税金を取っておりますか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 お答えします。  いま議題となっております天下一家の会に対する寄付というものは、四十九年に規約を改正して、加入金のうちの二五%を財団法人天下一家の会、大観宮へ直接加入者から寄付するという規約改正をしたわけでございます。それは規約の文面を見ていただきますとはっきりしておるわけでございますが、それについてわれわれの方といたしましては、それが真実に従ってその規約どおりに実行されておるかどうかということが問題になるわけでございます。詳しいことは差し控えたいと思いますが、現実の姿として、加入者から天下一家の会へ寄付するという形をとらずに、いわゆるネズミ講に一応全額収入をしてそれから寄付をしておるということでございますので、われわれといたしましては、寄付も含めましてその収入の全額を課税の対象にしておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 あなたの言うことはよくわからぬのですが、これは財団法人でも何でもないのですから、うそだということがわかったのですから。はっきりしたのでしょう。財団法人じゃないのですから、普通の会社の収益、普通のもうけですよ。だから、もうけに対して普通の税金をぽんといままでずっと取っておりますかということを聞いておるのですよ。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 その収入の全額について課税しておることは間違いございません。ちょっと税法はむずかしいですから、一般的な話で御説明いたしますと、まず収入を取得して、それからその収入から特定の財団法人なら財団法人に寄付するということになるわけでございます。その収入に対しましては、これを当該法人の収入として一応課税の対象にするわけでございます。ただ、その場合に、財団法人なんかに寄付をいたしますと、税法の規定によりまして、資本金の千分の二・五と所得の百分の二・五、これを足したものの二分の一が寄付金の限度額ということになって、それ以下のものは課税上損金にされますが、それを超えるものにつきましては法人税が全額課税されるということになるわけでございます。そのような形態をネズミ講についてもとっておるということを申し上げておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 私、頭が悪いので、あなたのおっしゃっておることがよくわからぬですね。天下一家の会というのは、前は脱税しておったが——脱税して問題になったのですから。その後はもう正規のとおり、国税庁はどんどん入ってくるものは、私の言ったとおりこれだけの金が入ってきておるのだが、それにはほかの国民と同じように税金をかけておるというふうに了解していいのですか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 税務当局といたしましては、ネズミ講に対しましては、局長が指揮するいわゆる特別調査班というものを設けまして、課税漏れが生じないように万全の対策を講じて調査しておるところでございまして、先生いま御指摘になるような課税漏れはないというふうにわれわれは確信しておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 何だかおかしいですよ、それは。特別調査班を設けてというのは、やはり裏で何かいろんなことをやってなかなかつかみにくい、これだけは国税庁も恐らく知っておられると思うのです。大変なものですからね。あれは郵便局の窓口を通して現金書留が入ってくるわけでして、さっき読んだとおり二百五十二億です、そういう金が現金書留でもって入ってくる。金額は一千万だ、一億だというのではないのです。最高が十万なんですから。ネズミに入ってくるのは十万円です。そういう金ですから、莫大なコースになるのです。そういうものに対して一体正規に税金を取るということがあなた方としては可能だ、可能でやっておるという自信がありますか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 いま先生おっしゃいましたように、われわれも、具体的なことは申し上げられませんが、特別調査班と先ほど申しましたが、非常に大きな規模でございますので、いろんな形の調査を続行するために特別な調査グループを設けておるということでございまして、その収入の全額につきましてわれわれは完璧な課税をやっておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 じゃもう一つ重ねて。財団法人だから財団法人に準じて税金を一これは自分たちが財団法人と言っておるのですよ。これにもみんな書いてあるのです。「財団法人天下一家の会」とみんなどこにも書いてあるのですから、そういうことをして宣伝をし、自分たちは財団法人だと思っておるのですから、それに対して財団法人でない税金をかけても何も向こうは言いませんか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 先ほどよくわからないとおっしゃいましたが、まず二つに分けて考えなければならないと思うわけでございます。  まずいわゆるネズミ講という内村健一を主体とする一つの団体と、それからいま議題になっております財団法人であるかどうかということが問題になっております天下一家の会、それから大観宮という三つのグループがあるわけですね。その三つのグループにつきまして、先ほどお答えしたのは、いわゆるネズミ講が加入金、要するに加入者から徴収する加入金を全部吸い上げておるわけですね。われわれとしてはこの吸い上げた収入金に対してその段階で全額を課税すれば問題がないわけでございますね。  財団法人に課税するか課税しないかということにつきましては、財団法人としての性格を見きわめて課税するか課税しないかを判断していくわけです。一般的には、財団法人ないしは法人格を持たない人格のない財団というものにつきましての課税は、いわゆる収益事業を営んでおる場合に限ってその収益事業に対して課税をするという形をとっておるわけでございます。現在のところ、人格があるかないかの問題はともかくといたしまして、われわれの調査した段階では、いわゆる財団法人と言われる天下一家の会は収益事業はやってないということでございます。したがって、財団法人に対する課税をするしないの話はともかくとしまして、ネズミ講が収入の全額——ネズミ講という内村健一を主体とする一つの団体があるわけですから、その団体が収入を得ておるので、それに対する調査をやっていけばよろしいという方針のもとにわれわれは調査を続行しておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 大体わかりました。  そうすると、財団法人ではなしに、ネズミ講の方に入ってきた十万なら十万というものが二つに分かれるが、分かれる前の十万について課税をしておる、だからそれが分かれて出ていったってそれに対してはとやかく言う必要はない、もとを押さえておるということですね。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 もう一つお伺いいたしますが、このネズミ講というのはもうかるということがキャッチフレーズですね。ですから、ネズミ算でいって八代目のところで六十四人の子ができたときには一番上の親分は三千三百万もうかることになる、そういう者がこういうふうにたくさん出ておる、こういうふうに宣伝をしてたくさんの会員を募っておるわけです。そうすると、この各コースごとに、一番大きいのを見ると、さっき言ったように六十万ですから、それで三千三百万円贈与金を受け取ることになる。こういういわゆる三千三百万円もうける資産家がたくさんあちこちに出ておるということになっておるわけですが、そういう者にはどういう税金のかけ方をしておりますか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 いわゆるネズミ講への加入者には法人と個人とがあるわけでございますが、加入者が他の加入者から現金を取得いたしました場合には、その加入者が個人であるときには雑所得といたしまして他の所得と総合して所得税の課税を行っておるわけでございますし、法人であります場合には、法人の益金として法人税の課税が行われておるところでございます。これらの課税に当たりましては、講の主宰者から資料の収集などをいたしまして、過誤納が生じないよう、適正な課税を行っているところでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 後でもう一つ国税庁の方にお伺いしたいことがありますが、これは先に急ぎましょう、時間が大分たちましたから。  いろいろやりとりをしておるうちに、この財団法人天下一家の会というものは全く、何遍も言うようですが、架空のものである、法律的には全く存在をしない団体であることが明らかになりました。しかし、現実にはそれが登記をされておるわけですね。たとえ架空だとあなたがおっしゃり、私どもそうであると思っても、登記簿には財団法人天下一家の会というものが厳然と熊本法務局に登記をされておる。それは全くでたらめで虚偽の申告、あるいはそれをだまそうと思ってやった、また簡単にだまされておる、これだけは間違いなくはっきりしたわけです。はっきりしたにもかかわらず、これが残って、そして名称がどんどん使われてくるということについてば納得できません。これについて一体どういう方法でもって財団法人天下一家の会というものを抹消することができるのか、ひとつ法務省から聞かせてください。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 先ほど申しましたように、登記法のたてまえから申しますと、職権抹消はできない。この天下一家の会というものは名称変更が無効であって、実体があるのは財団法人肥後厚生会だけであるということになりますので、やはり基本的な法律のたてまえといたしますと、先ほど申しましたように、監督官庁の方からその法人を監督し、つまり、もとの肥後厚生会でございますが、それを監督してもとの名前に復させる、そして、そういう登記申請をさせるというのが、筋といいますか、そういうことになろうかと思います。そういう方法によってやるのが一番早いのではないかということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それは法律的にはそうかもしれませんが、私はちょっと納得できないのですね。自分たちがやった間違いを、そうではなくてよその方から、監督官庁からこうこうこういうやり方をしたら直せますというようなことであってはならぬと思うのです、現実に全く初歩的なミスなのですから。こうなってくると、このやりとりを通じてわかったことは、財団法人肥後厚生会なるものはいつの間にか知らぬうちに完全に天下一家の会に乗っ取られておるのですよ。そういうことになっておるのです。この登記簿の申請の条件から見ますと、そうなっておる。そうしますと、熊本県というものは、自分が二十二年に許可して、睡眠になって、二十年間何にもせぬものが、現在財団法人天下一家の会——熊本に行ってごらんなさい。これぐらい知らぬ者はないでしょう。熊本で天下一家の会といったら大変な名士ですよ。先生さんですよ。そういうものが県庁でも闊歩しておるのに、それを黙っておるというのは何かあるのじゃないですか。おかしいと思われませんか。それを指揮監督する厚生省、これがまた黙っておるというのはどういうことですか。厚生省はいま法務省が言われたことについてどうお考えですか。財団法人肥後厚生会なるものは存在しておるが、財団法人天下一家の会というものは存在をしていない。にもかかわらず、堂々とこれが名前を使って宣伝をし、世間を騒がせておる。このことについて、この過ちを正すには、監督官庁がいまおっしゃったような手続をとることによってもとへ戻ると、ミスをやった法務省があなた方の方にそういうことを言っておるのですが、あなた方はどう思いますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どもの方といたしましては、先般の小委員会の後、直ちに熊本県の方に、天下一家の会という名称で財団法人肥後厚生会が悪用されているということが重要な問題になっているのだということを申しまして、早速にその名称変更の手続、あるいは事業内容の定款違反、それから活動範囲が全国的にまたがっているといったような、肥後厚生会としては違法的な行為が行われているので、早急にこれを是正するように指導をいたしておるところでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 そうすると、厚生省としては、熊本県に対して、財団法人天下一家の会の申請を取り消す、そのように手続をとれというふうに指導されたのですか。もう一遍聞かしてください。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 現段階で直ちに許可の取り消しをしろとかいうような指示はいたしかねるわけでございますので、したがって、実態を早急に調べまして適正な措置ができるように指導をいたしておるところでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 その適正な措置というのがよくわからないのですよ。それで、さっきから法務省にいろいろ聞きますと、本人が抹消申請をすればいいということをおっしゃいましたね。ですから、内村健一に命令をして、おまえはかくかくのうその寄附行為をつくって出して、だまして申請をした、だから、商業登記法に基づいて本人が登記の抹消を申請しろと言うことは、厚生省としてできるじゃないですか。それをやればできると法務省は言っているのですから。それをやる意思がありますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 ただいま適正な措置と申しましたのは、先生がただいま申されましたことも含めまして、場合によっては許可の取り消しもあり得るというような方向でもって検討をしてほしいというふうに指導しておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それじゃ、この問題はきょうの私の中心の問題ですから、この財団法人天下一家の会なるものは、何遍も言うようだが、まさに法律的には架空なものだ。そのことを鬼の首でもとったように宣伝をして、今日判決にあるように、全くたくさんの人をたぶらかしておる。公序良俗に反する行為をやっておる。財団法人天下一家の会というものは存在しない。これは全く架空の、虚偽の名称を使っておるということは、もう明らかになったと思うのです。ですから、これから早急に、熊本県を監督する厚生省としては、これが登記から抹消されるように、法務省と連絡をとり、あるいは熊本県と連絡をとって、早急に処置をされて、当委員会にぜひ報告をしていただきたい。これを要望いたしておきます。  次に、文化庁にちょっとお尋ねいたしますが、宗教法人のことであります。  このビラを先ほどお見せいたしましたが、昭和四十八年ごろですか、宗教法人大観宮というのが設立をされたわけです。それまでは、ネズミは金をここへ送っていなかったのです。ところが、この中にはっきりと書いておりますが、いままで四分の一を財団法人天下一家の会に寄付をしておったけれども、これを取りやめて、今後は宗教法人大観宮に四分の一の金を寄付することに変更した、こういうことをはっきりここに書いております。したがって、宗教法人大観宮というものはネズミから金をもらっておる、寄付を受けておる。そして、宗教法人は御承知のように無税であります。そうなってくると、この大観宮というものの内容に非常に多くの疑問を持つのですが、そういう事実を文部省は知っておられますか。

石井久夫文化庁文化部宗務課長

○石井説明員 お答えいたします。  ただいまお聞きしただけで、その内容等については承知いたしておりません。

武部文日本社会党

○武部小委員 知っておらないわけですね。宗教法人にこういう汚れたネズミの金が入っておる、こういうことを知っていないわけです。これもまた、われわれから見れば相当な額になるわけですが、脱税のためにこういうことをやっているのじゃないかということさえ疑いたくなるのですが、国税庁はこのことを知っておりますか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 お答えします。  先ほどお話しいたしました財団法人と同じような課税の方式、すなわちいわゆるネズミ講から宗教法人大観宮に対する寄付、この部分につきましては、収入をする段階でのいわゆるネズミ講なるものを課税主体ということで課税をいたしておりますので、課税済みの所得が大観宮に寄付されておるということでございまして、脱税所得が大観宮にいっておるのだということではないと考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 お話を聞いておりますと、ネズミ講には全く間違いなく課税しておるように聞こえるのです、そんなことを言うとおかしいが、聞こえますね。あなた方は、全く間違いなくネズミ講の金をつかんでおりますか。ネズミの本部にどのくらい入ってきて、そのうちの四分の一がここで、四分の三がこっちだということを本当につかんでおりますか。それをちょっと聞かせてください。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 われわれ税務当局といたしましては、収入は完全に捕捉しておるということを自信を持ってお答えできると思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 きょうのところはこの問題はこれだけにしておきましょう。  それならばもう一点、せっかくのところですから、課税のことについてお伺いいたしたいのであります。  けさの東京新聞をごらんになりましたでしょうか。これに「税務署が“横取り”」という大きな字で書いてありますが、これはマルチです。これは大阪の白光ですが、マルチの被害者が同盟をつくって、自分たちの被害を食いとめるために仮差し押さえをした、金額としては百数十万円のわずかのことですけれども。ところが、これが倒産をしてしまった。そうしたら、その翌日国税庁がやってきて、源泉所得税、法人税、そういうものを対象にして現金とか机とかそういうものの差し押さえも全部取ってしまった、こういうことになったわけです。たまたまこれがきょうの新聞に出ておるわけです。被害者の人は、せめて自分たちの被害金額を何とか食いとめようとしてこれを訴え出、費用も使って差し押さえしておった。ところが倒産をしたら——あなたの方はなかなかよくおやりになる、税金を取ろうと思ってやっていることだから、それば敬意を表しますけれどもね。さっと行って、その連中のをばっと横取りしてしまった。国税最優先だから、これはよくわかりますよ。しかし、せめて、被害者の人たちが金を払って、何とか自分たちのものにしようと思って机や現金を仮差し押さえをしたのに、そっとやってきて、ひょっと持っていってしまった。もし仮差し押さえをしておらなかったら、とうの昔にこんなものはどこかに行ってしまって、あなた方の課税の対象にはならなかったでしょう。そういうものは恐らく税金として取れなかったでしょう。そういうことをやっておる。この被害者の方から見れば、連中を逆なでするようなやり方にとれますね。ですから、検察庁の事務官が、あんまりだから——検察庁の人がなかなかいいことを言ったのですよ。これはちょっと国税庁はむごい、だからせめて裁判の費用というか、訴訟の費用くらいは認めてやったらどうだという仲介の労をとったそうだが、そんなことは知っちゃいない、国税庁は国税最優先だからと言ってやってしまった、そういうことがあります。現実に起きたのですよ。きょうの新聞ごらんになってみればわかります。  そういうことで、このマルチの被害者あたりがそういう努力をしておる。ところがあなたの方では、倒産をやってしまってからびっくり仰天をして、そうして税金を取りに行く、こういうようなことがマルチの企業にありますね。たまたま大阪の白光に出てきたわけですが、そういう点について、ネズミとかマルチとかに対する課税は本当にしっかりやっておるだろうかどうだろうかということについて疑問を持っておるのですが、この点どうですか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 本件の詳細につきましては、私承知していないわけでございますが、恐らく国税の差し押さえ優先権に基づきまして差し押さえをやったものだと考えております。課税と徴収の関係というのは常に一体でなければいけないわけでございますが、幾らの税金が漏れておるかということを調査した後でないと徴収という段取りにならないわけでございますので、あるいは倒産寸前の会社に対しまして、滞納税額が生じておる場合に、それの調査との兼ね合いで時間的に倒産の寸前にあるような会社に対して差し押さえが行われるということもあろうかと思います。  本件につきましては、詳細を調べまして、わが方に無理があれば善処したいと考えておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 いままで時間をかけてやりとりしたわけですけれども、このネズミ講の問題、特に天下一家の会というものの今日までの経過を調べてみると、実に目に余るものがある。したがって、判決の中にもあったように、公序良俗に反するということで、いま控訴になっておりますけれども、この禁止の問題をめぐって、われわれは七省庁が一日も早く結論を出してもらうように要望してきたわけですが、冒頭に国民生活局長の話にあったように、このネズミ講禁止の法律は全く進んでいないどころか、主管官庁さえいまだに明らかになっていないということです。私どもから見ればまことに遺憾であります。  前回の委員会でいろいろやりとりした中で出資法の改正の問題が出たわけですけれども、これについても明確な答弁がございませんでした。しかし、消費者保護会議では、二回にわたって出資法の改正云々ということを総理も出席の上で明確に決定がなされております。ですから、大蔵省はこの出資法の改正について現在どう考えておるか、これが一つ。  もう一つは、法務省ですが、刑事課長は前回、刑事罰は適当でない、行政罰が適当ではないかということを言われた。私ここにちょっとメモしておりますが、そうではなくて、刑事課長が言われたように、末端の加入者まで取り締まるようなことになってくることは大変なことだとおっしゃったが、むしろマルチの十二条と同じように、いわゆる計画し実行した、そういう者に対しての罰則から入っていくことがわれわれとしてはいいじゃないかということを申し上げたわけです。加入した者全部が対象ということではなしに、計画し実行した、そういう者に対しての罰則をまずつくって、そこから禁止の方向へ向かって進んでいくというのがいいじゃないかという意見が各委員の中から出たことを私よく覚えておりますが、今日なおネズミ講について禁止の話し合いが進まぬということについて、法務省はどう考えておるのか。  いままで具体的な事実が起きてきて、集団訴訟が近く二十六日からまた行われるようでありますが、そういうふうにどんどん訴訟が行われてくる。判決文も明確に言っておるように、こういうことが許されていいはずがない。ですから、消費者保護会議でも、ネズミ講は明確に禁止されなければいかぬのだ、そういう新しい立法に向かって努力しようということを決定しながら、今日なおこの問題が進まぬというのは一体何が原因だろうか、われわれ大変疑問に思うのです。たとえば、去年の大会に七十五億円も現ナマを机の上に積んで誇示したということが報道されました。この間は一億円の宝石をブラジルに行って買ったということが週刊誌にも出ておりました。何か六十億円の金を積んでパレードをしたそうですか、そういうばかげたことが今日の世の中で行われているのですよ。そして彼らは莫大な利益を得ておるのです。このさっきの計算書を見れば明確です。そして、この財団法人天下一家の会は政治家が加入しておるのだ。私はこの記事を別に信用しようとは思いませんが、元総理夫人が二億三千万円もうけておる。元大臣のS議員、熊本県選出。そうなってくると、だれかだんだんわかってくることになるのですが、こういうことまで新聞や週刊誌にどんどん出てくるのです。全く火のないところに煙は立たぬと私は思うのですが、今日いまなおネズミ講が禁止にならぬのは何か政治的な圧力があるからじゃないか。熊本県の県議会の有力者がこの問題に大変大きな力を持っているということを私どもは耳にしております。これから調べます。調べますが、そういう政治的な背景があるがゆえに、これだけ問題になりながらネズミ講というものがいまなおある。もたもたして、禁止する立法どころの話じゃない。所管官庁さえ決まらぬ。こういう話に対して、私は大変疑問に思うのです。  法務省それから厚生省、企画庁、この御意見をもう一遍お伺いして終わりたいと思います。

石川周大蔵省銀行局総務課長

○石川説明員 大蔵省が出資法の関係でいろいろ行政をいたしておりますゆえんのものは、元本の返還を確約して広く一般人から金銭を受け入れる預金類似行為というものがいろいろな問題を起こすおそれがあるという観点からでございまして、現在の出資法はそういった角度から構成されていると考えております。  問題になっておりますネズミ講の問題は、もう少し幅広い角度からの問題であろうかと思います。つまり、先般来の長野地裁での判決にもございますような公序良俗等の社会的観点といいますか、そういったやや幅広い観点からの問題でございますので、大蔵省がそれに全面的に取り組むというのはいささか行き過ぎではないかという感じもいたしますが、関係省庁の連絡会議には常時出席をし、御協力をしてこれからもその論議には加わっていきたいと思っておりますが、やはり銀行局、大蔵省の立場からは若干の限界があろうかと存じております。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  立法問題につきましては、御承知のとおり、ただいま各省の連絡会議におきましていろいろな考え方がそれぞれの省から示されておる段階でございますので、私がいま申し述べますことはむしろ個人的意見というふうな形でお受け取りいただければ幸いかと思いますが、いずれにいたしましても、問題は、こういう違法まがいの講を組織いたしまして、そこから不法な利益を上げておるというその講元をどういうふうにして征伐をするのかというところに問題があるのだろうと思います。  その一つの考え方といたしまして、講に加入した者からいろいろな意味で寄付金とか加入金とかいう形で講の本部に送金させる、その金の流れを抑える方法はないだろうかということで、先般、ただいま先生御指摘の関係閣僚の協議会等におきまして、御指摘のありました出資法の改正はどうかというのも、そういう角度での取り上げ方ではなかったかというふうに理解するわけです。私が先般の委員会におきまして行政罰でということを申し上げましたのは、そういう形での金の流れを抑える、これは刑法犯としてのとらえ方ではなくて、行政罰則的なとらえ方であろうか、こういうふうな考え方であのようなお答えをしたわけで、私といたしましては、やはりそういう形でのアプローチが最も素直ではなかろうかというふうに考えております。ただ個人的な見解でいささか恐縮でございますが、御容赦いただきたいと思います。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ネズミ講につきましては、いま大蔵、法務両省から御説明申し上げましたように、どんなふうに規制するのか、またどんなやり方で規制していくのかという点につきましていろいろ問題がございまして、過去すでに連絡会、先生御承知のとおり十回ほどやっておりますが、まだ結論を見るに至っておりません。  しかし私どもとしましては、立法の可否を含め、しかも、どういう方向でやるのかという点をなるべく早急に詰めたい、かように考えておる次第でございます。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 厚生省といたしましては、熊本県を督励いたしまして、早急に財団法人として正しい姿に戻すよう、一日も早くそれを実行するように指導をいたしたい、こういうふうに思っております。

武部文日本社会党

○武部小委員 それではこれで終わりますが、結局、この大もとの大ネズミを禁止しなければ次から次へと新手のネズミが出てくると思うのです。私の手元にございますが、公務員の奥さん、これは省庁はわかっておりますが名誉のために名前は伏せますけれども、公務員の奥さんの手紙です。いわゆる主婦ネズミが出てきておるのですね。こういう新しい形態のものが次から次へと出てくるのです。これを一枚五円で買うのですよ。最初金を五百円出して、そしてこういうものを送ってもらって、そして七千円振り込むと会員に指名される。次の会員を取れば二千円の金がもらえる。これを見ると、ダイレクトメールのあて名書きのアルバイトだといってごまかして、こういうものをまいて申し込ませておいて、そして七千円払い込ませておいて、あとは返さない。そのために、もうかる口があるからこのはがきでもってあなたの知人を誘え、誘ってくれば千円プラス千円でそれだけの収入になりますぞ、こういうことをやっておるのです。奥さん方がまんまとこれにひっかかっておる。こういう形を変えた新手のネズミが次から次へと出てくるのです。洗剤や自動車部品を背負ったそういうネズミは、商政課がつかまえておる、また警察庁がつかまえておるように、これがいわゆるマルチでしょう。ですから、洗剤や自動車部品を背負って歩き回っているネズミはつかまりますよ。ところが、そうでない大ネズミは、こいつが一番悪いやつで、窮鼠ネコをかむで、われわれに刃向かってきておる。これが天下一家の会ですよ。こいつを取り締まって禁止しなかったら、またこういうものが次から次へ出てくるのです。これをわれわれはおそれておるのですから、ぜひひとつ決断をもって、きょう言ったように、ありもしない財団法人の名をかたって、それをえさにして、そして看板を出してみたり不当な利益を得て庶民をだましたりしている天下一家の会というものを糾弾しなければいかぬです。そういう名前をかたられてのうのうと登記を許してしまったり、これに対して熊本県がうんともすんとも言わぬということは、何としてもわれわれは納得できない。  そういうことで、改めてまた追及したいと思いますが、きょうは時間が参りましたから、これで終わりたいと思います。以上です。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十八分休憩      ————◇—————     午後一時十分開議

武部文日本社会党

○武部小委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。片岡清一君。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 午前中、武部委員からこのネズミ講の本家である財団法人天下一家の会というものがいかにいいかげんなものであり、架空のものであり、しかもきわめてインチキ性のあるものであるかということを剔抉していただいたと思います。これでかなりその実体がわかってきたのでありますが、私は、調査に基づきましてさらに細部にわたって、若干重複する点があるかと思いますが、一わたり質問をいたしたいと思います。  まず最初に私が申し上げたいのは、先ほども武部委員からお話がありましたように、非常に複雑な機構を持っております。いわば宗教法人、財団法人と、それから別な定款を持ったネズミ講といったようなものと、世界をいわゆる「心」 「和」「救け合い」という三つの機構をつくってやっておるのでありますが、この天下一家の会はすなわち財団法人の部類であります。ところが、これがいかにもそれぞれ別な仕事をしておるように見えるのでありますが、実はそうでない、これはみんな先ほども一つのものであるということをある程度立証されたのでありますが、事業概要、そして昭和五十会計年度事業報告書、それから昭和五十一会計年度歳入歳出予算書というのが手元にありますが、これを見ますと、その事業概要は「天下一家の会・第一相互経済研究所」という名前が入っておるのでありますが、それを見ますと、結局、この財団法人天下一家の会というのは、最初二十二年七月に設立せられた肥後厚生会というものの後身であるということが、はっきり自明の理としてここに書かれておるわけであります。したがいまして、この天下一家の会と肥後厚生会とは、やはりそのまま関係をしておる、一つのものとして筋を引いておるということがはっきり言えるわけであります。  ところがその肥後厚生会というものをよく調べてみますと、その財団法人の肥後厚生会寄附行為というのを見ますと、その中に、「本会ハ前條ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ」ということを書いて、そして「母子寮及保育園ノ経営」「遺家族ノ援護事業」「保健並ニ衛生事業」「製材木工精米工場ノ経営」「授産場及臨時授産事業ノ経営「職業補導所ノ経営」 「托児所及孤児院ノ経営」 「消費組合及販費組合ノ経営」「共同作業組合ノ経営」「「エリ蚕」並ニ紡績加工業」 「其ノ他保護並ニ援護事業」それから「右事業達成ニ必要ナル事業」、こう書いてありまして、何でもかんでもやるようなことが書いてあるのであります。それは、社会事業を行って、政府の施策と相まって国の目的に沿うような福祉事業をやるのだ、こういう名目でいま挙げたようなことを実施する、こういう寄附行為になっておるのであります。  それが昭和二十二年の七月二十八日に熊本県知事の認可を受けておりまして、そしてその登記を二十四年の十月十日に受け付けておるのであります。民法四十五条によりますと、「法人ハ其設立ノ日ヨリ主タル事務所ノ所在地ニ於テ八二週間、其他ノ事務所ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ登記ヲ為スコトヲ要ス」、こういうふうに書いてあるわけでございます。したがって、これは当然早くこの期間内に、二週間ないし三週間以内に登記すべきものであるのが、登記を受け付けておるのは昭和二十四年十月十日、こういうことで、この登記を受け付けたときがすでにその認可になったときより非常におくれておる。こういうことについて登記所が調べたのであるか調べないのであるか。これは大分前のことですからなかなかわからぬようであります。しかし、登記を受け付けた以上、当然それらの事項はちゃんとこの法律に基づく要件にかなっておるかどうかということが調べられた上で受け付けらるべきものだと思いますが、その点法務省のお考えはどうですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 御説のとおりでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 そうすると、これを受け付けたこと自体誤りであり、後から私も言いたいのですが、全然認可になっていないものを登記で受け付けておる、こういうことでありますが、これは登記官が間違いをした、こういうことになりますか、先ほどそんなような話だったのですが。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 登記官が間違いをしたということになろうかと思います。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 登記官が間違いをしたことによって登記が受け付けられて、それで登記簿に入りますと、これによって第三者に対抗要件ができるわけであります。そのことによって国民がいろいろ迷惑をする。今度のときのようにいろいろな悪いことをする、その悪いことによって被害を受けるのは国民の方、しかしその間違った登記をやったのは公務員じゃないですか、登記官じゃありませんか。その登記官が自分で間違いをやって国民が迷惑をしても、それは知らぬのだ、おれは間違っただけでそんなのは知らないのだ、こういうことで事は済むのですか。法規のたてまえがどうなっておろうと、あなたは公務員としてそれでいいと思われますか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 法務省は御承知のようにこういう一般私法を主管しておりまして、法律上で許されるような行動しかできないわけでございます。確かにこの登記の処理について誤りがあったことは御指摘のとおりでございまして、その点は深くおわびをしなければならないと思いますけれども、法律のたてまえとしては、やはりそういう場合には登記官の職権で元へ戻すことはできない。ただ、もしどうしてもそれによって国民が損害を受けたということであるのならば、そのために国家賠償法という法律がある、公務員の故意または過失で国民に損害を与えたということのためにそういう法律があるわけでございますから、それによって救済を求めるというのが法律のたてまえになろうかと思います。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 民法にはいろいろ何々することを「要ス」と書いてあるのですが、その「要ス」ということは、やらなかった場合には効力に関係ありますか、ないか、あるいは瑕疵があることで後から取り消すことができるか、できないか、どういう考え方になるのですか、その「要ス」という言葉は。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 必ずしも「要ス」ということは一義的に決まるわけではございませんで、「要ス」というのが効力要件でそういうふうに書いてある場合もございますし、そしてその効力要件の場合に、それをやらなかったために無効になるということもございます。それから、瑕疵が軽い場合には取り消し得る行為になるということもございます。それからさらに、単に訓示的にそういうふうに命じているということだけで、それをやってしまった場合には法律上の効果には影響を及ぼさない、こういう場合もございまして、この場合、「要ス」と書いてあるのは、必ずしも一律に、常に無効になるというわけではございません。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 この財団法人肥後厚生会は、その後昭和二十三年十月一日付で、健軍保育所というものを児童福祉施設として認可が与えられております。これは知事の認可の問題であるのですが、これも実に熊本県知事が、これは二十四年に登記したのですから、登記される前の二十三年十月一日付で健軍保育所、そしてそのあて名は、財団法人肥後厚生会というものに対して保育所の認可を与えておるのであります。これもどうもおかしいので、とにかくこの肥後厚生会そのものについても、熊本県がほとんど適正な監督もやっていない。あるいはまた、正しい法人の運営が行われているかどうかということについて注意をしての監督が全然行き届いていない。肥後厚生会の寄附行為を見てみますと、第四条には、「本会ノ事業計画ハ毎年度其ノ関係官庁ノ認可ヲ受ケ事業成績ニツイテハ毎年度之ヲ報告スル」ということをちゃんと寄附行為の中にうたっておるにかかわりませず、これは全然出しておらない。こういう監督の仕方をやっておるわけでございます。  そこで、私は厚生省にお伺いしたいのですが、この監督は主務官庁であると、こう書いてあるのですが、このときの主務官庁というのは、もちろん第一義的には熊本県なんでしょうが、この熊本県と厚生省との関係、監督の度合いといいますか範囲、それはどういうふうに分かれているのですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 公益法人の監督でございますが、厚生省の扱いといたしましては、その法人の事業の活動範囲が二県以上にまたがる場合は、厚生大臣の認可ということにいたしております。その範囲が一県の範囲内であれば、各道府県の知事に委任をいたしているわけでございます。したがいまして、本件の肥後厚生会は、この寄附行為にございますように活動範囲が熊本県一県にとどまっているということで、熊本県の方で認可をされたわけでございます。したがいまして、一義的にはそれぞれの認可したところが主務官庁となるわけでございます。厚生大臣はこの肥後厚生会に対しますところの指導、監督というものは直接には行っておりません。一般的に、各都道府県が認可した団体に対しましては、それぞれの県の知事の権限としてお任せをいたしているわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 そうすれば、したがって一県だけにとどまっている場合には、その県知事のやり方がどんなにまずかろうと、そういうことがわかってきても、それは厚生大臣が注意を与えるとか、監督権を発動するという余地は全然ないのですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 本件の場合につきまして、私どもがこの事実を知りましたのは、ごく最近でございます。したがいまして、先般の当小委員会の後、直ちに私どもは熊本県の方に対しまして、この実態を調査し適切な措置をとるように指導いたしているわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 そうすれば、あなたの方でわかってから厳重な注意を与えておる。それに対して何か効果が出ましたか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 現在の段階では、熊本県の方といたしましては、その実態の調査に努力している段階でございまして、その実態がわかり次第、適切な措置をとるような方向でもって検討をいたしているという報告でございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 この肥後厚生会は、さっき言いました麗々しい事業をいろいろ並べておりますが、これは一つもやっておりません。やったのは、ただ健軍保育園というのを一時やっておって、そして二十八年三月三十一日にその保育園をやめております。そのやめておる理由を何か理事会で報告しているのを見ますと、その登記の申請の中で見ますと、自分はとうていその任でないので、申しわけないがこの仕事はやめる、こういうことを言って辞退しておるわけなんで、柄にもないことをやっておったのを本当の福祉協議会の団体に譲った、こういうことのようです。したがって、この肥後厚生会というのはいかに最初から全然やる気がないものだったか。そして保育園だけはかっこうをつけて何かやっておったが、それもとても能力もないし、その資格もないのでやめた、こういう言いわけをしながら、知事に廃止の申請をして、そして認可になっておる、こういうことのようです。したがって、その後、この法人は眠ってしまって睡眠法人になってしまった。それから四十八年にもう一遍名前を変えて出直すまでの間、全く何もしていなかったということがはっきりいたしているのでありますが、そういう場合に、知事は、毎年計画の報告をしてもらい、事業計画を見、そして予算、決算を見る当然の責務があるのですから、だからそういうことからいいますと、本当に熊本県のこの法人に対する監督は全然ほったらかしになっておったということがはっきりするのですが、それに対して、さらにその上の監督官庁としてあなたはどういうふうに考えられますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 全く先生の御指摘のとおりでございまして、鋭意この法人が正しい姿に戻るように適切な措置を講ずるように指導いたしていきたいと思っております。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 私は、先ほどの武部先生への答えの中にもありましたが、正しい姿に戻すように努力していきますとあなたはおっしゃったけれども、こんなもの正しい姿に戻せるようなものだと考えておられるのですか、いまだに。それが私はちょっと不思議に思うのです。その認識の点について、私と、私のみならずいま世間の人が考えておる考え方と、厚生省の考え方と、大分隔たりがあると思うのですが、それはどうですか。正しい軌道に戻りますか。もう全然何にもやったことがないこんなものが、どうして——これから託児所やいろいろな材木屋やるとかなんとか書いてある。そういうものにちゃんと戻すことができますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私の方ではまだ実態がよくわかりませんので、明確なお答えはできないわけでございますが、先ほど来話がございましたように、名称の変更が無許可で行われておるといったような面を正しくするとか、あるいは実態によって、先ほども申し上げましたように、許可の取り消しということで法人格を喪失させるというような、法人でなくするという方向にまで十分考えて検討をしてもらいたいというふうにお願いをいたしておるわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 試みに、昭和四十八年四月二十日に睡眠をしておった法人を生き返らせて、そうしてこれから悪いことをする道具に使おうと、こういう、私率直に言えばそうだと思うのですが、道具に使おうと思って眠っているやつを起こしてきた。そのとき、長い間眠らしておったことに対して、内村理事長がこの理事会に報告しておるのをここで一応読んでみます。「本法人が設立され、当時としては本法人の目的に基づいて社会的にも貢献したが、其の後経済ならびに民生の安定と共に本法人の活動も低調になり、以来今日まで、資金的、客観的諸条件の下に心ならずも仮眠状態を続けて参りました。従って当然開くべき理事会も御承知の通り開催せず今日に至ったことは、登記面に於いても当初のままであり、本法人の責任者として誠に面目なく、その点深く関係各位に対してお詫びを申し度い。」理事会でこういう言いわけをしておるわけです。自分自身で十分そのまずかったことを自覚をしながら、じんぜんほったらかしてきたというのでありますから、この悪意に満ちたやり方に対しては、本当に私は、普通の考え方でこれを処理されては相ならぬ、こういうふうに思うわけでございます。  それからさらに、そのときの四十八年の四月二十日に、事務所の移転と理事の更迭、これが有働清松というのがいままで主としてやっておったのを、内村健一がかわってやる、そういう理事の立て直し、新しいメンバーによる理事の発足、それともう一つ、資産の変更、先ほども話がありましたが、いままで十七万一千円であった資産を三百万円にふやした、こういう三つの変更をしておるわけでございますが、これは全然先ほどから話になっておりますように熊本県知事には届けてない。したがって、これは登記がされておるのでありますが、全然所定の手続を経ていない登記であって、これは先ほどから話の登記官の間違いによって登記せられたものである、こういうことであります。ところがその中に、いままで前の寄附行為の中になかった一項目が加わっております。それはその財団法人の「目的を推進するため次の事業を行なう。」というので、第二条にその事業が先ほど言ったように挙げられておるのでありますが、その第二項に「収益に関する事業。」というのが新しくついているんです。これが仮眠から目を覚ましたこの肥後厚生会が収益事業を新しくやろうということで、これが揺り起こされた、こういうふうに思われるのであります。そこに非常に問題があるのですが、この収益事業というのは何を指しておるのか。前の眠っておったときの厚生会がすでに収益事業を、いろんなさっき読みましたような収益事業と思われるものもたくさんあったのですが、そのときには「収益に関する事業。」という項目がなかったのですが、今度新しく揺り起こしたときから、この「収益に関する事業。」というのを入れておる。この入れておるのを見ますと、私はやはり何かここで金もうけして大いにやろうという意気込みがこのときにあらわれておる、こういうふうに思うのです。  そこで先ほど午前中の質問の中にありました例の脱税の問題といいますか、税収の問題、税金の問題ですが、私は、天下一家のネズミ講、いわゆるネズミ講の部類で税金をかけておる、それだから、それから寄付を受けた財団法人の方では税金をかけないんだ、こういう考え方をしておることに対して、非常に何かおかしな割り切れないものを感じておるのであります。この「収益に関する事業。」というのは、まさにこのネズミ講から金を持ってきて、そしてそれを形の上では寄付にして、そしてそれを基本財産の中へ繰り入れてそして税金を免れるというようなかっこうをとっておることは私ははっきりいたしておると思いますので、それをそのまま受け取って、ネズミ講で課税をしたから、収益事業であると思われる寄付金の形を持つこの財団法人の収益、これに対して課税をしないのは片手落ちである、これは非常な間違いである、こういうふうに思うのでありますが、国税庁の考え方を伺います。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 お答えいたします。  財団法人天下一家がいわゆるネズミ講から寄付を受ける。その寄付によって運営された収益——御承知のように公益法人に対しましては、収益事業を営む場合に限ってその収益から生ずる所得に対して法人税を課税するということが定められておるわけですが、いま申しましたように、その寄付金を財源として収益事業を営み収益を上げるという段階になりますと法人税を課税するということになるわけでございまして、われわれの承知いたしておりますところでは、収益事業はいまだ行っていないということでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 どうも納得いかないのです。寄付という形でネズミ講から持ってきておる。持ってきておるけれども、その財団法人ではやはりそれが収益であるというふうに私は思います。寄付であるというのは、この財団法人がほかに何か事業をしておる、その事業をするための資金として寄付される、こういうのであれば、これは寄付だということは言えると思うのです。ところが、この財団法人は何もほかにしていないじゃないですか。保育所も託児所も何もやっていない。老人ホームも何もやっていない。そういう何にもやっていないその法人がそこにある。そして金をもらうだけ。金をもらうだけの法人じゃないですか。そういうものが、どうも形の上では寄付だから、それは取らないんだというふうに、収益事業じゃないんだというふうに見ておるのは、非常に間違いである。ここは、四十八年の眠っておった財団を揺り起こしたときにこの「収益に関する事業。」という項目を入れたのは、明らかに何かこういうことをするとまずいから、だからそれを言い逃れするために、私はこの収益事業というのを入れたと思うのです。だから、それをまんまとそのまま受け取って、そうしてほかに何にもやっていない、金をもらうことだけが商売のそういう財団、それが寄付なんですか。おかしいと思うのです。もっと納得いくように私は話をしてもらいたい。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 いわゆるネズミ講から天下一家の会に対して流れていった金というのは、ネズミ講の段階で法人税を課税することにしておるわけでございます。課税されたものが課税済み所得でもって財団法人に入った場合に、それが財団としては収入になることは先生のおっしゃるとおりでございますが、さらにそれから受けた金から所得を生んでこそ初めて財団自身が収益といいますか所得といいますか、それを得たということになるので、法人税というのは御案内のように所得に対して課税するわけです。だから、一たん課税を受けた金が寄付されて、そして財団の資金になる、これだけでは課税関係を起こす事態ではないわけでございまして、それからそれが運用されて初めて所得が発生するということになれば、その段階で課税関係が生ずるということになるわけでございます。一般的に、財団法人を初めとする公益法人は、公益を目的とする法人でございますので、現在の税法におきましては、財団といえども、要するに営利を目的とする収益事業、これを営む場合のその営利を目的とする収益事業においてだけ課税するという定めになっておるわけでして、その定めに従って国税庁としては処断しておるというのが現状でございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 理屈はまさにそうだろうと思います。ところが、国税庁は普通の国民に向かっては、そういう理屈の通るところでも、実際の姿を見て、そして、それはやっぱり脱税であるとかあるいはそれはいけないと言って、課税を非常に厳しくしていらっしゃる。ところが、こういう大きな逃げ道をつくりながら、財産の保全といいますか、やっておる、そして一年、二年のうちに十七万一千円であったものが三百万円になり、それから十二億になり、最後は、ことしはもう四十七億、先ほど武部先生のお話の中にもあったように。どんどん、どんどん金がふえている。それはもちろんいまお話しのように、ネズミ講のところで課税をしたから、それでどこへ行こうと、それはいいんだと。ところが、これは法人格が全然別なものがその金をもらうわけですから、そしてその金をなにするわけでもない。ほかに社会福祉のために使うわけでもない。ほかの事業のために使うわけでもない。ただ、その金を持っているだけ。そして、持ってきたその金を収入と見ないで、そこで収益というのか、私は、それはやはり収益だと思うのです。ぬれ手にアワの収益ですよ。もう少し実態を見て、当然この問題を考えていただかなければ国民は納得できない、こういうふうに私は思います。もう一遍、同じことかもしれぬけれども……。それはどうしてもそういう考えになりませんか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 租税というのは御承知のようにいろいろあるわけでございますが、租税というものは所得が発生しない限りにおいては課税ができないというおきてになっているわけでございます。先生のお気持ちは十分わかるわけでございますが、租税は罰科的に課税をするというものではございませんで、この法人はこういう性格の非常に悪い法人だから、したがって税法がどうであろうともこれに対して過重な負担を課税すべきだというようなことは、租税公平の概念に照らしまして必ずしも適切な措置ではないというふうに考えておるわけでございます。それで、その法人が非常に悪い犯罪行為をする、あるいは社会秩序を乱すというようなことであるならば、それはそれなりの方法で処断していただくということが適切であろうかと考えておるわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 納得がいきません。理論的には、理屈を言うとそういうことになるのかもしれませんが、しかし、行政というものはやはり理屈でなしに実態を把握して、ことに税金の問題なんかは、脱税をしたりいろいろ工夫をして税金のかからぬようにするのですから、余り庶民をいじめてもらっては困るけれども、しかし、やはりこういういいかげんなものに対しては、実態をつかまえて、そうしてやはり社会正義に照らし、また社会の公平を維持するという意味で、もう少し何か考えてもらわなければならぬ余地がある、私はそう信じておるのですが、これは幾ら議論してもしようがありませんので、その程度にしておきます。その点で非常におざなりの理屈を言っておられるが、私は、この財団法人に関する限り納得がいきません。  そういうふうにしてこの天下一家の会という財団法人は、これはもう登記の上においても最初から間違った登記が行われておるのであり、そして、しかもその後、登記簿の中でも事業計画やら事業の種類やらあるいはその他名前を変更したというような——名前は一応登記されておるのでありますが、その登記はいいかげんな登記である。そして全然やってもいないことをやったように届けておる。そういうことからいって、まさにこの法人は、民法七十一条に「法人カ其目的以外ノ事業ヲ為シ又ハ設立ノ許可ヲ得タル条件ニ違反シ其他公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキハ主務官庁ハ其許可ヲ取消スコトヲ得」、こういうことがちゃんと明定せられておるわけでありますが、この財団法人は、まさに「公益ヲ害ス」というのにも合致しましょうし、「其目的以外ノ事業ヲ為シ」あるいはまた「設立ノ許可ヲ得タル条件」に違反しておる。やると言っておいて一つもやらない。そういうこと。これは明らかにこの七十一条に該当する。これは事実、熊本県について調査をいたしますと、最近、五十二年の九月ごろでございますか、内村健一が県庁へ来て、そしてずっと前にさかのぼって寄附行為の変更の許可申請を出すので何とかしてくれぬかと言うてきておるわけです。これは本人もちゃんと、最近問題になってそうして法人の正当性が問われておる、そういう段階においてやはり何とかとりつくろうというような考え方だと思いますが、ことしの九月ごろに県庁の社会課へ来て、何とか前にさかのぼって認可をしてくれぬかという相談に来たそうであります。  それからまた五十一年の五月あるいはまた五十二年の五月ごろ年次報告を県の社会課へ持ってきて、そうして何とかこれを受け取ってほしい、こういうふうに持ってきたそうですか、県では、認可をしていない財団から報告を受ける理由がないということで拒絶をしたという話が調査の結果わかっておるのであります。  こういうことからいたしまして、私は、この法人はまさにいかなる立場から考えても取り消さるべき法人である、これをいままで生かしておいたのがおかしい、こういうふうに思うわけです。これは県の方がやるべきなんでしょうが、県のやることに対して、私は、やはり主務官庁として厚生省が当然指導すべきだ。先ほど厚生省の御意見は、正しい財団に戻るように指導するんだ、こうおっしゃっておったのですが、そんなことはもう手おくれで、最初から全然何にもやっていない、金をもらって脱税をする、そういうことしかやっていないこの財団法人、しかもその財団法人の名前をいろいろなところに掲げて、そうして国民を迷わせておる。そういうものをいつまでも生かしておくということに私は非常な憤りを感ずるのであります。ですから、これはやはり厚生省として、当然これに対して取り消しをすべきである、こういうことを指示し指導してもらわなければいかぬ、こういうふうに思うのですが、その点はいかがですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 先ほども申し上げましたとおりに、実態がまだ私どもはっきりいたしておりませんので、私どもの方からこの法人を取り消せということを申すわけにはまいらないわけでございますが、そういうことも含めて調査、検討をするように指導をいたしておるわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 これは大分前からこの物価特別委員会でも取り上げられて、この前のときもあなたに出てきていただいておる。そういうことで、調査、調査と言っても、もうすでにわれわれがその後調査をしてもこれだけのことがはっきりしてきたわけです。そんな調査段階はもう過ぎておると思うのですが、いつまでも調査、調査でじんぜん日を過ごされることは、非常に害悪を社会に流すというふうに思います。その点私は、そんな通り一遍の返事では了承できません。ですから、もっと強力に、またいつまでにそれをやって、そしてわれわれの言うておることをあなたが聞いて、それはまたいいかげんなことを言っているんだというふうに思われるのか、まさにどうもおかしいと思われるのか、その点どうですか、あなたのいまの感じは。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私個人といたしましては、もう先生のおっしゃるとおり、同意見でございますけれども、何分にも熊本県知事の権限でございます。したがいまして、早急にその結論を出すように指導をいたしたいと思っております。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 それでは、いま私が言いましたようなことから言うて、あなたはこの七十一条に該当すると思われますか。あなたはまだそれを正式に認めたわけではないのだけれども、私の言うことが事実であるということになったときには、そればやはりこれに該当すると思われますか、しないと思いますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 民法の解釈になりますので、これは本来ならば法務省の方でお答えいただきたいわけでございますが、私どもといたしましても、まあ七十一条に該当するおそれは多分にあるのではないかというふうに考えております。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 民法裁判事件としていま東京の高裁で審理が進められておりますが、それも結局公序良俗に反する契約であるから無効だというたてまえから、損害賠償すべきだという判決が一応地裁で決まっているわけです。これがどうなりますか。それが決定しなければ何とも言えないわけですけれども、とにかく公序良俗に反する、そういう契約であり、そういうものと何か一体になったようないいかげんな財団法人、しかもそれを麗々しく第三者に対抗できるかのようにあちらこちらに看板を出しておるということは、私は大変問題だと思います。その点はひとつ課長さん、上司にお話しになって、これは相当ゆゆしき問題である、だから行政的にも何とかしないと、これは裁判の上で刑事事件になるのか、あるいは民事事件で賠償の責任を負うか、これは裁判の結果に待たなければなりませんけれども、しかし、そういうものを待たなくても、やはり行政的に処置をするということが私は行政当局として非常に大事なことだと思います。国民のためにあるところのこの行政がいいかげんにほったらかされておる、そしてそういう不法、不当なことがそのままいつまでも生かされておる、そうして大きな顔をしてあちらこちらを濶歩しておるというようなことは許すべからざることだと思うのです。そういう点、ひとつ厚生省としても十分心して対策を立てていただきたい、こう思います。  もう時間がなくなりましたが、最後に、先ほどからの午前中の質問に対する刑事課長さんの御答弁、どうもはっきりいたしません。そのもの、ずばりで刑法の犯罪としてなかなかやれないのだというお話ですが、私もどうも余り刑法はよくわからないのですが、ただしかし、このネズミ講の一部分だけとってみますと、ことにまた子供、孫という段階における人たちは、これは私は相手方を詐欺しょうとか何とかということにはならぬと思います、その部分だけとると。しかし、これは内村が考えておるこのネズミ講全体としたときに、これはやはり理論的に成り立たぬことです。日本の国民は一億一千万おる。ところが一億一千万になっても、さらにこれが広がっていくだけの可能性がなければこれは究極的に成り立たぬということはもうはっきりしておると思うのです。そういう点で、それは明らかに人を欺圏しておるのではないですか。だから、詐欺罪として当然捜査することだけはいいのじゃないか。そして私は、それだけの立証がなぜできないのかということを、素人論かもしれませんが、非常に強く感ずるのでありますが、出資法やその他いろいろの方法で行政的に措置をするということは二の次で、やはり賭博罪というのはむずかしいでしょうが、詐欺罪になるのじゃないですか。明らかに成り立たぬことを成り立つように言うて、そして人を欺罔して財物を取るのですから、私は、やはり広い意味においては明らかに詐欺罪が成立する、こういうふうに思うのですが、もう一遍課長さんのはっきりした御見解を承りたい。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  ネズミ講と申しましてもいろいろな形態がございますので、一概に申し上げることははなはだ危険だろうかと思いますが、一つの例といたしまして、昭和四十六年十二月二十七日に起訴いたしまして、昭和四十七年四月七日京都地方裁判所におきまして詐欺罪で懲役二年の判決を受けた例がございます。これをちょっと御披露しておきたいと思いますが、このケースは、宗教法人友情の家、交通安全マイハウス友の会という名称でもってネズミ講を主宰した男が被告人になっておりまして、この勧誘の方法と申しますのは、判決の摘示例で申しますと、一口四万円の口数のようでございますが、一口四万円の講に入れば、子、孫以下が順次二名ずつふえて、百二十六名に達した段階において九十六万円が配当されることになり、合計百二万手元に入る。そのために必要な子、孫は岐阜で五、六十人を使って集めさせているから心配することはないというふうなことを申して講に加入させたということをとらえて、詐欺罪というふうに問擬しております。これの要点は、利得を得るために必要な子や孫は自分の方ですべて手配してやる、よってもってその加入者は、極端な言い方をいたしますと、加盟金を払って、後はもう寝ていてももうかるであろう、すべてこちらの方で手配をするから入りなさいということで入らせて詐欺したという形のようでございます。こういう形態は明らかに詐欺になるというふうに私は考えます。  ただ一般的に申し上げますと、なかなかこういう形態のネズミ講というのは類が少ないのではなかろうか、おおむね加入する者も、また勧誘する者も、この講の成り立ちには、いつぞや私申し上げましたが、大きなピラミッドの構築が必要であって、そのピラミッドを構築するためには、加入した者が一生懸命働かねばならない。それが要件になっておる。きわめてもうかる確率が少ない。しかし、少ないが自分の力で何とかなるのではないか、ひとつ入ってみようと思って加入する。しかし、思ったようになかなか事が進まないので、ついに途中で挫折してやめていくという形。この場合には詐欺罪をもって擬律するということはむずかしいように考えます。  しかし、いずれにいたしましてもこれは事実問題でございまして、熊本のネズミ講につきましても、詐欺で当時検察庁があらゆる角度から捜査をいたしましたが、やはり詐欺罪をもって構成することはむずかしいという判断で不起訴処分にいたしております。  この点につきまして、被害者の方から検察審査会に申し立てがございまして、検察審査会におきましても慎重に検討いたしましたが、やはり本件のケースは詐欺罪としては問擬できないということで、検察官の不起訴処分が支持されておるようでございますが、ここで御紹介いたしました京都のようなケースの場合には、明らかに詐欺罪に該当するということで、それ相応の措置がとられておるということを御報告いたしておきます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 もう時間が参っておりますが、法律的にはなかなかむずかしいことかも存じません。しかし、何とかこれを取り締まる法律的なものを——行政措置といいますか、これは警察でもいろいろ考えてもらわなければなりませんが、これは警察の方で何かこの法案について考えておられますかどうですか。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 ネズミ講が望ましくないということは考えておりますけれども、その立法を警察がするのが適当だというぐあいにはいまのところ考えておりません。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 まあいま各省が寄っていろいろ審議してもらっておるのだと思いますが、いまの段階はやはりむずかしいという段階ですか。何かこういう方向に進んでいけば何とかなるというようなことがあるかどうか。経済企画庁が中心になってやっていらっしゃると思うのですが……。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ネズミ講につきましては、いま先生御指摘のように各省連絡会を開いておりまして、鋭意検討中でございます。規制のあり方あるいはどういった形でやるかということを含めていろいろ検討してございますが、いま警察の方からもお話がございましたが、各省もそれぞれ実態につきましていろいろ意見がございまして、まだどういう方向でというところまで固まっておりませんが、引き続き検討を進めたい、かように考えております。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員 まあ私は結論的には、結局このような犯罪として捜査をするというのはなかなかおいそれといかぬということはある程度わかるわけですが、先ほどからやかましく言っておりますように、とにかくこの財団法人というものはインチキなものだ、だから早くこれを取り消して、そして国民の前に、これは認可になっておるというのは、手続も十分でない、だからこれは取り消さるべきものだということをはっきり言って、そして早く取り消ししてもらうような何らかの手続をひとつ強力に進めてもらうように、政府部内で考えていただき、また経済企画庁でもひとつそういう方向で、行政措置としてこれはできるわけですから、これは早くひとつ推進していただくように強く要望して、私の質問を終わります。

武部文日本社会党

○武部小委員長代理 次に、宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 本日はマルチ、ネズミを中心として集中的に小委員会で行っているわけでございますが、特に午前、午後とわたって行われてまいりまして、私たち国会議員として、また国民の一人として、特に私は、当委員会が調査いたしました今回のネズミ講の最たるものである天下一家の会・第一相研につきまして、わずかな日数でございますが、当委員会並びに職員の皆さんの御努力で種々大変に貴重な資料と調査の結果がわかったわけでございます。そういう中で、まず第一に法務当局が登記のミスをしておった、また厚生省が非常に弱腰である、熊本県がこの問題について何か厚い壁の中で黒いもののうごめいているというか癒着といいますか、政治と行政、何かの癒着の中でこの問題がうごめいておる、こういうことが明確になりつつあるわけでございます。     〔武部小委員長代理退席、小委員長着席〕  私は、最初に、この問題について、今回の当委員会における調査で判明するまで、本当にこのような登記上のミスの問題などが関係当局でわかっていなかったのかどうか、その点について、まずいままでいろいろ論議を呼んできたわけでございますが、その経過本当に事実がこの調査あるいは当委員会の本日の質疑の中でわかったのかどうか、この点についてまず所管の省庁の皆さんに伺いたいと思います。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 刑事事件の立場から申し上げますと、内村のこの事件につきまして、刑事事件として捜査いたしました罪名は、所得税法違反ということになっておりまして、その過程でいろいろもちろん関係事項は取り調べたと思いますが、法人税法違反という形での取り上げ方ではございませんでしたので、熊本地検においても登記関係の詳細を把握していなかったのではないかというふうに考えます。したがって、われわれといたしましても、検察当局からの報告は受けておりませんでした。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どもが公式に知りましたのは、前回の当小委員会の席上でございまして、その後早急に熊本県に対しまして、このような問題になっている点を指導をいたしておるわけでございます。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 私どもの方でも、事件としてこれが最近行われたことがございませんので、最近までこのことについての報告は受けておりません。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 実は、企画庁は直接の所管官庁ではございませんので、この事態についてはいままで承知しておりませんでした。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 大変その点が、まず基本的問題として、行政当局の姿勢といいますか、このいわゆる国民に多くの被害者を出しておるネズミ講に対する取り組みの姿勢が、私は問題ではないかと思います。天下一家の会・第一相研は、ネズミ講の業務をしておる、午前中経企庁の局長さんがおっしゃいました。法律的には、財団法人天下一家の会は存在しない、これは法務省の見解。長野地裁では公序良俗に反するという司法判断が出ておる。天下一家の会・第一相研の責任者で代表の内村健一なる者は、逆に経企庁に、大臣に陳情と称して、天下一家の会はネズミ講ではない、こう開き直っておる。しかし、当委員会の調査による、いろいろ謄本を調べ、また設立の趣意書を調べてみますと、午前中から審議があったように全くでたらめであります。これは私のところの所管ではないとか、所管であるという以前の問題として、本当にこのネズミ講という問題に対して、真剣に国民の被害者に対してこたえていくという姿勢があるならば、私は、こういう登記のミスだとか、あるいは財団法人肥後厚生会が仮眠状態から生き返って、そしてでたらめな状態に復活というか、法律的に無効の状態で存在しておるこういうことについて、一番大事なことは、所管のなわ張り争いよりも、この問題に関係する当局の皆さん方、またわれわれ政治家にいたしましても、基本の原点に返って、本気になってこの問題に取り組んでいかなければならない。また勇気を持って取り組んでいかなくては、国民の皆さんに私は申しわけないと思う。登記のミスでございました、因果関係がございまして、これは監督官庁の不行き届きではないですか。まことにみっともない答弁を法務省はしておる。私は非常に遺憾であり、残念でならない。こういうような現象に対して、本当に国民の皆さんも不愉快だし、むしろ行政当局は怠慢ではないか、私はこういう声も聞かれると思います。  そういうようなことでございますから、御存じのとおり、今月の二十六日には東京でいよいよ集団訴訟が行われようとしております。私は、そういうような背景、また皆さん方がいままで答弁してきた中、いろいろまたいままで努力してきたその経過というものについては敬意を表しますが、本当に国民のための行政、こういうものをやっていく上において、当委員会を契機に大いに反省をし、大きく出発をしなくてはならない、私はこういうふうに思うわけでございますが、その点についてのまず決意を私は伺いたいと思うのです。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ただいまの先生御指摘のとおり、ネズミ講につきましては、大衆の方々に大変迷惑がかかっているということは事実でございまして、私ども昨年来関係省庁集まりまして、鋭意検討を進めておるわけでございますが、何分にも実態がかなり複雑でございます。したがって、いまだ結論を見てないわけでございますが、これを機会にさらに検討を進めていきたい、かように考えております。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 立法問題につきましては、ただいま経企庁の方から述べたとおりでございまして、私どももこの協議会には参加いたしておりまして、いろいろ意見を述べ合って、十分に問題点を煮詰めて、しかるべき方策を模索している、こういう段階でございます。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 これを機会にさらに重大な関心を持ってまいりたいと思っております。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 御趣旨を体しまして、鋭意熊本県を督励をいたしたいと思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 では具体的にこの問題について、聞くところによりますと、さかのぼって認可をしてもらえないか、こういうような話をすでに天下一家の会・第一相研が行っておる、こういうことについて、断じてそういうようなことはさせないように強く行政指導していく、そういう考えが厚生省はありますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 ただいまの話は、本席で私初めて伺ったわけでございますが、そのような措置は講じないというふうに信じております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 さらに法務省におきましても、これは登記上のミスという事務的な問題だけでは済まされないと私は思います。それは商業登記、不動産登記、人の足りない中にいろいろ仕事はたくさんある。それは理解はできますけれども、事この問題については、社会的にこれだけ大きな問題になっているわけでございますので、当然慎重にまた注意深くチェックもし、また管理をしていくという姿勢があってあたりまえであります。それがずさんにも登記上のミスだ。そして私は残念なことは、その責任の転嫁を他の所管庁に向けていくというような感じが受けとめられるような発言が午前の答弁の中にもありました。まことにそれは残念でたまりません。  そういう意味においていまこの問題については新規立法もするべきだという声が日増しに国民世論の中に高まってきております。私たちも議員立法で検討していこう、こういう気持ちで検討また勉強しております。法律の中心所管といえば、やはり法務省がそのリーダーシップをとっていくぐらいの気概があっていいと私は思うのです。そういう点について、法務省当局としての新規立法に取り組むその基本的姿勢、また今回の登記ミスについて本当に申しわけなかったという国民に対する反省があるのかどうか、この二点について伺いたいと思います。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 まず立法問題につきましては、先ほどもお答えいたしたとおりでございますが、お言葉を返すようでございますけれども、法務省の刑事局におきましては刑法等のいわゆる基本立法の立案ということを所管しておるわけでございまして、このような問題に対する方策といたしましての行政的な罰則あるいは行政的な規制ということになりますれば、それぞれの所管官庁におきましてやはり検討していただくということが筋道でございまして、私どもといたしましては、もちろん罰則の明確化という観点からこのような協議会には当初から加わっておりまして、十分に御協力はさせていただいておるということでございます。  それから登記関係の問題につきましては、私の所管ではございませんので、先生の御趣旨は十二分に担当の部局長に伝えさせていただきたいと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 さらに経済企画庁におきましても、消費者保護という立場からも、きょうのこういう論議の中で天下一家の会・第一相研のずさんな一面というものが理解できたと思うのです。そういう中から、特に皆さんの方としては、国民生活センターなどを通じて、テレビ、ラジオ、週刊誌などを通じて非常に国民、消費者にPRをしてまいりましたが、そのやってきた経過並びに今後さらに被害者が出ないようにどういうように計画をされているのか、来年度予算のことについてはまた検討されていると思いますが、その辺の今後の予算的な面、またそういう宣伝活動の内容の面など、いままでの経過と今後について、さらに何といっても所管の主務省庁の決まらない今日でございますので、やはり経企庁がその中心としてリーダーシップをとっていかなければならない一つの使命といいますか、そういうものもあると私は思いますので、そういう点、このずさんな実態を本日耳にいたしまして、今後どういうふうに七省庁の中核としてリードしていくお考えなのか、この点もあわせてお伺いしたいと思います。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 第一のPRの点からお答えいたしたいと思いますが、PRにつきましては、六月、七月、非常に集中的に実施したわけでございます。政府サイドといたしましてリーフレットを十万部ほどつくりましてそれぞれの都道府県なり地方の消費生活センターに配布いたしましたし、あと、いま先生お話しございましたように、新聞なりテレビ、週刊誌等に各般にわたりましてネズミ講の危険性につきましてPRをしたわけでございます。なお、国民生活局長名をもちまして市町村広報での啓発依頼を実施したわけでございまして、六月一日付で都道府県知事、政令指定都市の市長あてに依頼文書を出しておるわけでございます。なお、国民生活センターでございますが、テレビ、ラジオあるいはテレホンサービス、国民生活センターが発行しております「国民生活」という雑誌等々でいままでPRを実施してきたわけでございます。  以上が従来の概要でございますが、今後、先生御指摘のように、ネズミ講の危険性につきましてはさらにPRを続けてまいりたいと思っております。いまのところ、国民生活センターが十二月にテレビ番組を予定しておりますが、あと政府サイドでどうするかというのはこれからもう少し詰めてまいりたいというように考えております。  来年度予算につきましても、目下のところ、予算は大蔵省と折衝中でございますので、何分にもまだ確定しない状況でございます。  それから第二の今後の進め方でございますが、先ほども申し上げましたように、先ほど来いろいろネズミ講、ことに天下一家の会につきまして御指摘がございまして、これを機会に各省庁連絡会議を通じましてさらに検討を強めてまいりたい、かように考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 ネズミ講といいましてもいろいろ形態なり種類なり数もたくさんあるというお話でございますが、天下一家の会・第一相研についてはそういう状況でございますので、関係当局が厳重に監視とまた強い行政指導のもとに努力をしていただきたいと思います。  まだそのほかにもいろいろ新手のネズミが出てきておる、こういう状況でございますが、これについてはどの程度掌握をされておるのか、その点について説明いただきたいと思います。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 ネズミ講につきましては、御承知のとおり、会主導型というのと会員主導型というのがあるわけでございます。会主導型につきましてはいままでもずっと検挙いたしてきておるわけでございます。本年に入りましても神奈川県警で一組織を検挙いたしております。それから五十一年は沖縄を中心としまして十組織、四十九年は四組織の検挙をいたしておるわけでございます。ただ先ほどから問題のあります会員の主導型、いわゆる天下一家型でございますけれども、これは大変にむずかしいということでございます。現在までに私どもがこういう形態のものとしてつかんでおりますのは、天下一家の会を含めまして二十四組織つかんでおるわけでございます。その内容等につきましては、基本的なパターンは同じでございますけれども、部分的なところでいろいろバラエティーに富んだものが出てきておる、さらにまたマルチとの乗り合いのような形のもの、つまりマルチと混合されたようなネズミの形態も出てきておるというのが事実でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 そういう二十四の組織、また、マルチ乗り合い、混合という形態があるそうでございますが、マルチについては、通産省を中心に訪問販売等に関する法律に基づいていま努力していると聞いておりますので、この後に質問したいと思いますが、そういう組織について、経済企画庁とよく連絡をとって、私は、一つはそういう苦情処理相談ということについては、国民生活センターあるいは都道府県の消費生活センターなどを通じてやられているとは思いますが、ネズミに関するセンターといいますか、そういうようなものを集中的に経企庁かどこかにつくられまして、またそういう被害に遭うような組織については、マルチのようにぜひ公表したらいいんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、その点についての御見解を伺いたいと思います。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ネズミ講の実態につきましては、関係省庁と十分連絡をとりまして、それに伴うPRと同時に、苦情処理につきましても今後どういう形でやっていくかということを十分検討したいと思います。  ただ、いままでのところ、たとえば私どもネズミ講についてのPRをした際にいろいろ話が出てまいっておりますが、その際に、国民生活センターなり地方消費生活センターにネズミ講についての資料をそれぞれ流しておりますので、ある程度それで処理できるのではなかろうかというふうに考えております。ただ、実態がなかなかつかみにくい面もございますし、類型もいろいろ違っておりますので、今後どういうふうに考えていくか、各省連絡会もございますので、そういった場を通じて検討を進めたい、かように考えます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 マルチなんかの場合には、商政課が通産省の中にあって、担当の方も二人くらいで専門できちっとやられて、商政課の課員十一人の方がダイレクトメールみたいに受け付けて、電話応対をする、こういう努力をマルチなどはされていますね。ネズミについて、いま経企庁として具体的なそういう動き、対策というか、事務的ないわゆる対応できるそういう組織といいますか、仕組みはできておるのですか、いかがでしょうか。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ネズミにつきまして特段の専門官というのは設置してございませんけれども、常々各省とも連絡をとりまして、実態を把握し、苦情等々については対応できる形で体制は整備しているつもりでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 その点、今後経企庁内部で、担当の係官あるいは係長さんぐらい置いて、積極的にこの情報の収集、調査、また国民に対する公表、PRというようなものを行っていくことをぜひ検討していただきたい。まず新規立法に向かって努力する、これはある意味では大変むずかしい問題でございます。しかし、その間に国民の間に被害がどんどん続出し拡大する、これをまず防がなければいけない。そういう面で、また各省庁所管のむずかしさがいろいろあると思いますが、やはり消費者保護という立場から、経企庁がまず隗より始めよで、その第一歩のスタートを切るべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ネズミ講に関するPRの重大性は、まさに先生御指摘のとおりでございまして、そういった体制のあり方を含めて、今後ネズミ講のPRについては十分前向きに検討してまいりたいと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 特に組織の公表についてはいかがでしょう。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 組織の公表につきましては、私ども実態について関係省庁と十分連絡をとりました上で検討してまいりたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 特にマルチは通産省が二十二社公表したということで非常に大きな反響を呼んでいるとも聞いております。そういう一つの実例もあるわけでございますので、このネズミについても、二十四組織警察庁で掌握しているそうでございますが、その内容、規模的な問題、どういう方法でやっておるか、こういうようなことについても、やはり経済企画庁としても掌握をし、公表して、そして国民の皆さんに被害者が出ないように万全の対策を講ずるべきではないか、私はこういうふうに思うわけでございますので、ぜひ経企庁内部で御検討をお願いしたいと思います。  続きまして、マルチについて少し御質問したいと思います。  通産省はマルチ業者二十二社について公表いたしまして、非常に効果があったと私も聞いておりますが、その点についてどういう影響があったか、御説明をしていただきたいと思います。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 二つほどあったかと思います。  まず一つは、公表された会社自体が、多くのものが商売がそのままでは成り立ちにくいということで、通産省に対してこの法律の対象にならないように販売方法なりを変更したいので指導してほしいというような要請、あるいは廃業、倒産というようなことになりまして、この二十二社のうち約十三社が実質的に法の対象外になりつつあるというふうに言えるかと思います。  もう一つは、多くの方がこのマルチ業に誘われて入るということについて再検討し、あるいは私どもに対していろいろ相談にお見えになる、そういう意味で非常に効果があったのではないかと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 現在、さらに第二弾の公表ということで二十九社の掌握をされておると聞いておるわけでございますが、その第二弾公表は大体時期的にいつごろになるか、お伺いしたいと思います。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 できるだけ早急に公表したいと思っておりますが、実は第一回目の公表のときには非常に問題が大きかったということもありまして、法第十一条の定義に該当することが明白なものについて積極的に公表したわけでございますが、その後、これらの会社から、弁護士を通じたりして、事前に指導してもらえれば公表の前に業態を変更する用意があったというような苦情申し入れもございましたので、今回二十九社につきましては、実情を調査をし、法に違反をしないように変更するよう指導いたしまして、指導の実が上がったものについては公表しない、しかし、当方の指導に従わないで依然として苦情があるというものについて公表するというような手続をとりたいと考えておりまして、現在、実情調査と指導を行っております。したがいまして、若干時間がかかりますので、現在の見通しでは十一月の中ごろになるのではないかと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 特にこの実情調査の内容などにつきまして、通産省は関係省庁あるいは経済団体、中小企業団体などと非常に連携をとりながら、このマルチの防止に努めている、こういうふうに聞いておりますが、具体的にどういうように連携をとり、どういう団体と連絡をとり合って努力をしておられるのか伺いたいと思います。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 中央官庁では経済企画庁にPRをお願いをいたしておりますのと、それから警察庁の方に情報交換を行うという形で連携をとっております。それから官庁以外では、主としてこの業者名の公表という形で協力依頼をいたしております。——失礼しました。もう一つ、文部省の大学局にお願いをいたしまして、このマルチ業者の名前を出し、それから学生がこのマルチにひっかからないように各大学に通知をお願いしたいということで、御協力いただいておりまして、大学局からの御返事では、すでに大学四百三十一校、短期大学四百八十四校、高専六十五校、合計九百八十校に文部省大学局より通知をしたというお知らせをいただいております。  外部につきましては、都道府県知事にお願いをいたしまして、末端市町村に至るまで広報紙にマルチに気をつけるようにというPR文を載せるようにお願いをいたしておりまして、かなり実施されていると思います。そのほか、経済団体連合会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、チェーンストア協会、こういう団体にお願いいたしまして、傘下の会社並びにその社員に対して、マルチに気をつけるようにというPRをするようにお願いをいたしております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 特に最近マルチの被害者が内容的には若い学生さんが非常に多い、こういうふうにも私たちは聞いているわけでございます。そういう中から、文部省大学当局としても、いま御説明のとおり約九百八十の学校に通知などされていると思いますが、特に大学生、それから高等学校ですね、この辺を注意をしなくてはならないと思います。文部省として具体的にどいうふうに各大学あるいは高等学校にやっているのかいないのか、この辺についても伺いたいと思います。

浪貝一良文部省大学局学生課長

○浪貝説明員 いわゆるマルチ商法によりまして被害を受けている者が学生を含める青少年であるということにつきまして、世の中に暗い社会的な弱者というものが被害に遭う、そういった商法の存在についてはまことに遺憾であると思っております。先ほど通産省の方からお話がありましたように、今年六月に通産省におきましては広く国民全体にPRするということで、その際文部省にもマルチ商法にかかる不正摘発についての御依頼がございました。その御依頼によりまして、通達をもちまして、大学等に学生への指導、周知方をお願いしたところでございます。各大学におきましては、掲示あるいは学内の広報紙等によりまして学生に周知方を図っているというのが現状でございます。なお、今後とも各種会議等を通じまして、この趣旨の徹底方を図りたい、こう思っておるところでございます。  なお、高等学校につきましては、このマルチ商法が最初に問題になりました昭和五十年に、特に警察庁の方から各都道府県の教育委員会等に警告方の文書が参りまして、また、それが文部省にも参りまして、文部省からも各都道府県教育委員会に対しまして指導周知方を徹底しておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 さらに、最近マルチ業者の中にやみ送金があったということで、某銀行の行員が逮捕されるというような事件も耳にしておるわけでございます。大蔵省として、外為管理上やはりマルチ商法との関係においてこれは注意しなければならない、こういうふうに思うわけです。そういう点について、現在どういうふうに行政指導をしたのか、また、今後こういうやみ送金に対して、特にマルチとの関係について、そういうマルチ業者などについて警察庁あるいは経企庁と連絡をとり合い、そういう会社、そういうものに対しての銀行行政をどういうふうに検討されているのか伺いたいと思います。

橋本貞夫大蔵省国際金融局企画課長

○橋本説明員 お答え申し上げます。  一般にマルチ企業等を含めまして外国企業の本邦の支店が利潤または資金を外国に支払う場合には、現在外国為替管理法によりまして日本銀行の許可を得るということになっております。したがいまして、そういう外国企業の支店等がその会社の社員や会員等の海外渡航の名目で利潤または資金を送金することは違法になるわけでございます。しかし、その会社の会員とか社員等が現実に海外に渡航いたしまして、その会費が会社の負担になっておる関係上、会社が一括して外貨買い入れを申請いたします場合もありますので、その場合、個人の渡航外貨として送金することは可能でございます。したがいまして、問題は、個人の渡航の外貨の申請がありましたときに、その金額の範囲内及びその送金の手続につきまして違法性があるかどうか個別に調べてみないと直ちに問題にするわけにはいかないわけでございます。  今回の事件では、特に外国為替銀行の職員もともにこのような不正送金に加担したという疑いがかけられておるわけでございますが、当時マルチというものがまだ社会問題化していなかった場合、窓口に来たお客様の便宜のために若干行き過ぎたサービスをしたという報告も受けておりますので、この点につきましても司直の判断を仰いで措置しなければならないと思っております。  いずれにいたしましても、本問題が外国為替公認銀行の職員に与えた影響は大きうございまして、私どもも常に業界との会合の際、これが話題になっておりますので、明文による通達等、この際特に出す必要はなかろうかと現在のところ思っておりますけれども、今後も引き続いてそういうふうに対策をとっていきたいと思っております。  なお、外国為替銀行の窓口には、毎日膨大な数のお客様が個人の海外渡航及び送金等のために来店しておられますので、その事務の手続の簡素化のために、私どもも省令改正を含めまして逐次努力しておるところでございますが、今回の件が契機となりまして窓口の業務が停滞するということがあってはまた逆に問題になりますので、そういう方面もあわせて指導していきたいと思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 また特に公正取引委員会に伺いたいのですが、このマルチに対しての誇大広告あるいは不当表示、こういうものでいままでに摘発の実例、また今後の対策についてどのように努力されておるのか、伺いたいと思います。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 お答えいたします。  私どもは、これまでマルチ商法販売を行っておる事業者に対しまして、主として不公正な取引方法による不当な顧客誘引であるという形で取り締まっております。なお、先ほどからお話が出ておりますように、マルチ商法もいろいろな形態があり得るかと思いますので、場合によりましたら不当表示という形による取り締まりもあり得るかと思います。現在まで不公正な取引方法として取り締まりましたのは一件ございます。さらに厳重な文書警告いたしましたものが一件と、それから、これは行政指導によりまして販売方法その他を改善さしたものが一件、なお、そのほか現在二件ほど調査中でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 最近エフ・エム・シーなどが摘発をされておりますが、警察庁として、いままで摘発の実態、取り締まりの状況、この辺について説明をいただきたいと思います。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 法律ができてから現在まで検挙いたしましたのは、七都道府県におきまして七社の事犯を検挙いたしております。事件数は九件でございまして、そのうちの六件は、法第十五条と第十二条を適用いたしております。  以上のとおりでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 各所管の省庁の皆さんにいま伺ったわけでございますが、特にマルチにつきまして通産省としてはいろいろ努力をされておると思いますが、特に売り込みの状況の中で、会場あっせんということで非常に通産当局としても悩んでいるようでございます。りっぱなホテルを使ったりりっぱな公民館を使ったり、そういう場所が非常にいい、PRしやすい、そういうことで、場所を貸さないということは非常にむずかしいわけです。そういう中で、何か方途はないかということで通産省も努力しているというふうに聞いておりますが、この会場あっせんについて特にこのネックですね、具体的にどういうふうに持っていったらいいのか、こういう点について通産省にお伺いするわけでございますが、何か妙案がございましたら御説明いただきたいと思います。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 実は妙案がないので非常に困っておるのですが、ことしの六、七月ごろまではかなり地方の有名な会館あるいは公共的な施設というものが使われておりまして、あるいは商工会議所を使ったものもございまして、私どもの関係のある範囲では、貸すことをとめるというのは、私ども法律上そういう権限がございませんが、貸している相手先が問題になっている企業であるというインフォメーションは与えるというような方法をとっております。それによって自発的にやめたところもあれば、あるいはそのまま貸したところもございます。最近はそういう公共的なもので会場を貸すというのはかなり減ってきていると思います。私の手元に九月のベストラインの日程が入っておりますが、これを調べてみますと、公共的機関というのはかなり減ってきてはおりますが、まだ依然として、たとえば農協会館でありますとかそれから福祉会館、公民館というようなものが使われている例も若干残っておりますが、そこまでは法律上はちょっと無理かなという感じがいたしておりますので、これは会場を管理している方たちの社会的責任と申しましょうか、理解にまつ以外にないのではないかというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 要するに訪問販売等に関する法律の不当な勧誘の禁止という十二条、これが私は、このマルチに対する一番の決め手にしていかなくてはならない、そういう方向づけというものをつくっていかなければならないと思います。そういう点で、特にこの連鎖販売取引における書面の交付という十五条で御苦労を警察当局などもしておるようでございますが、通産省として、この十二条を前面に押し立ててこのマルチの取り締まり、防止、こういうことをやっていく上において、今後どういうふうに努力されるのか、この点について伺いたいと思います。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 通産省の所管でまいりますと、十二条を踏まえて、十三条に基づきます勧誘停止あるいは営業停止ということになるかと思っておりますが、これにつきましては条件が二つございまして、一つは、現に不適当な適切を欠く勧誘が行われていること、それからもう一つは、それが今後引き続き行われるおそれのあること、この二つが要件になっております。  たとえばベストラインを例に挙げますと、本年六月初めの段階で現に適切でない勧誘が行われておりまして、今後もその可能性がございましたので、アーノット代表を数回通産省に呼びまして事情聴取それから資料提供を求めまして、最後十三条命令発動という大体私ども腹を固めたのでございますが、その段階で先方も、もし十三条命令が発動になりますと組織が完全に崩壊をするということを考えまして、六月に私あてに誓約書を出してまいりまして、当面一週間勧誘を停止をし、それから不適切な勧誘についてはその間に改善をし、二ヵ月後には新しい販売方法に変更するという誓約書を出してまいりましたので、私どもは十三条命令の発動を差し控えて事態を見守っているという状態でございます。  そのほかのマルチにつきましても、一つ一つ現在チェックをいたしておりまして、今後も不適切な勧誘が引き続き行われるおそれがあるという場合には、積極的に十三条命令の発動を考えたいというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 きょうは警察庁の柳館保安課長が見えているわけでございます。あなたは「マルチ商法の実態と問題点」というので、過日朝日新聞の「論壇」にお書きになりました。私も読ましていただきまして非常に敬意を表しているわけでございますが、その中であなたがいみじくも「被害を防ぐため国民のみなさんに次のことを要望したい。」ということで、大きく三つ挙げております。「第一に、マルチはシステム的に行き詰まることを理解し、宣伝にまどわされないこと。第二に、不明の点は納得のいくまで質問し、納得のいかないうちは絶対に契約しないこと。第三に、契約締結前および契約締結時には、必ず法に定められた書面を受けとり、その内容を確かめること。第四に、契約締結後やめたいと思ったときは、契約解除に関する規定を活用すること。」いわゆる訪問販売等に関する法律を、この知識というものをしっかり消費者に知らせることが肝要であるという要約に私はとれるわけでございます。そして最後に、「困ったときは、消費者相談室、消費生活センター、警察などに相談されるよう薦めたい。」こういうふうに書いてあるわけです。私は非常に敬意を表する「論壇」であったと思います。このように、私は、関係当局がこれをぜひこの心に沿って実際に行動を起こしていただきたい、このことを強く要望いたしまして、本日の質問を終わります。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 次に、藤原ひろ子君。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 私はここに一通の手紙の写しを持っておりますが、これを書かれた方は京都の方でございます。ネズミ講天下一家の会・第一相互経済研究所の会員である方ですが、この方はこのようにおっしゃっております。ちょっと読んでみます。  「先輩会員や私達の中心人物千葉の「葉山謙」という男が度々来京し 国会議員や有名知名人多数入会している 何がおそれる事が有るか マスコミがこわいのかと云って 旧軍隊式の説教です天下一家の会は 財団法人で有る 他のネズミ講と違うという事を強調されます 私達としてははたして此の様な会が何故財団法人として認可されているのかぎ問に思っております」、こういうことです。  また、次のようにもおっしゃっているわけです。「私としてはもう之以上会について行く自信もなく かと云って後輩会員の事を思うと止めることも出来、ず(簡単にやめられない様な規則が有ります)毎日暗い日々を送って居ります」、このような手紙が来ているわけです。  天下一家の会・第一相互経済研究所にかかわりました最近の人々は、財団法人天下一家の会という、この法人名にだまされて加入を行っているわけです。ですから、いままでもずっと朝から議論になっております財団法人天下一家の会なるものをどのように扱うのか、きわめて重要な問題だというふうに思います。と同時に、もう一つの問題は、公序良俗に反すると言われるネズミ講そのものをどう禁止していくのか。この二つの問題が、ネズミ講にはあるというふうに思います。  まず最初に、私は経済企画庁にお尋ねをいたしますが、禁止法の作成については一体どのようなやり方で考えていらっしゃるのか、また、それにはどれぐらいの期間が必要であるのか、お答えをいただきたいと思います。

田中誠一郎経済企画庁国民生活局審議官

○田中説明員 ネズミ講につきましては、昨年六月以来関係各省庁の連絡会を開きまして、十回にわたりまして、実態を初めといたしまして、立法の可否を含めて、仮に立法するとすればどういつだ形でどんな法規制が適当かということを検討中でございます。  ただ、何分にもネズミ講につきましてはいろいろな形態がございますし、したがって、目下のところまだ詰まっていないという段階でございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 この問題は大変急ぐわけですから、必要としている、こういうふうにも言われるわけです。何よりも早くということが望まれているのですから、特段の御努力をお願いをしたいと思います。  そこで、まず法務省にお尋ねをしたいと思います。  財団法人天下一家の会の前身であります財団法人肥後厚生会、これが長い間の眠りから覚めて動き出しました。  ちょっと委員長、済みませんが、法務省の民事局をお願いしたのですが。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 いま出たそうです。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 そうですか。それじゃ待っている方がいいですか。——それじゃお待ちいたします。——いいですか。  財団法人天下一家の会の前身であります財団法人肥後厚生会、これが長い間の眠りから覚めて動き出して、現在の財団法人天下一家の会に登記の変更が行われる、こういう過程の中で、民法第三十八条の二項に定められている規定に反していると思うわけです。二項は、「定款ノ変更ハ主務官庁ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其効カヲ生セス」ということですから、これに反しているというふうに思います。また、非訟事件手続法第百二十一条、これの「変更の登記」、つまり「事務所ノ新設又ハ事務所ノ移転其他登記事項ノ変更ノ登記ノ申請書ニハ事務所ノ新設又ハ登記事項ノ変更ヲ証スル書面ヲ添附シ且主務官庁ノ許可ヲ要スルモノニ付テハ其許可書又ハ其認証アル謄本ヲ添附スルコトヲ要ス」というふうにあるわけですから、この「変更の登記」にも反することが行われているというふうに思いますけれども、それは間違いございませんでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 民法では、社団法人について、御指摘のとおり定款変更については主務大臣の認可を要するということにしているわけでございまして、寄附行為の変更については必ずしも規定を置いておりません。民法自体は、寄附行為というのは寄附行為者の意思によって決まってしまって、それ以後変更が行われるというようなことについては、余り考慮していなかったのだろうと思われますけれども、たとえば事務所の移転というようなものを例にとってみましても、これは寄附行為の必要的記載事項でありますけれども、事務所を変更しなければならないという事態は当然予測されるわけでございまして、民法自体ではそういう規定は置いておりませんけれども、御指摘の三十八条二項の趣旨が生かされなければならないというふうに解釈されております。したがいまして、登記手続においてそういう認可書というものが要求されるというのは、御指摘のとおりでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 このような法人の登記をめぐりまして、ことしの八月七日の朝日新聞の熊本地方版によりますと、こういうふうに言っております。「これに対し、財団法人「天下一家の会」の理事でもある中谷正次郎第一相研副会長は「手続きに問題がないからこそ登記されている。設立者から頼まれ、会で引き受けたが、これからは財団法人を通して広く世間のため福祉事業をやる」」このように断言をしているわけです。つまり手続に問題はないから登記をされたんじゃないか、こういうことを大きな顔をして言っているわけです。法務省のミスから多くの人たちが被害を受けているということに現実なっているわけです。  先ほども御質問がございましたが、あなた方はこの点について一体どのように考えておられるのか、その点再度お尋ねをしたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 これは登記官のミスであるということはもう間違いない事実でございますので、まことに申しわけないというふうに考えております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 その登記にミスがあったということを、いつ気がつかれたのでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 熊本の地方法務局に問い合わせましたところ、去年の二月ごろに、こういうことを、県の職員が人権擁護課に出入りしていて、その人から登記が間違っているのではないかというような話があって、調べてみたところ添付書面がついていなかったということを発見したということでございました。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 法務省は昨年の二月ごろからこのことに気がついていた。しかし、そのことは何ら触れずにことしの八月まできていたわけですね。この天下一家の会の会長が内村健一氏、彼は昭和四十六年に所得税法違反で熊本国税局の強制調査を受けていた、こういう人物であることは、熊本に住んでいる人ならば多くの人が知っていることです。しかも、これは現在起訴されて裁判にもなっているわけです。このような事情がある人物が会長になっているこういう法人の問題であるにもかかわらず、手をこまねいていたということになるわけですけれども、あなた方はこれを一体どのようにしようとしておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 この登記がなされましたのは四十八年でございまして、気がついたのが五十一年の二月ごろ、そして本省に報告がございましたのがことしの八月ごろということになるわけでございますが、御承知のとおり、あるいはすでに再三申し上げましたとおり、登記手続上は、一たん登記がなされますと、職権で消すことができるという場合は非常に限られるということになっておりますので、これを職権で消すということは現在のところできないというふうに考えているわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 この登記のミスにつきましては、初歩的なミスが生まれているわけですけれども、なぜこのようなミスが生まれたのか。あなた方は一体どのように考えておられるのでしょうか。  私も申請書の写しをもらって持っておりますけれども、これを見ますと、まず初心者というか法人登記になれない人の場合にはむしろ間違いは少ないのではないか。なぜかと言いますと、初心者であれば、初めてのものを扱う場合、だれも間違いがないために法律と首っ引きで処理をするものだ、こういうふうに考えます。それが、まず最初の変更申請では事務所の変更をやっております。これは民法の上でも変更の場合は承認を必要としているものです。また、第二回目の場合には名称変更、こういうことですね。これも民法上に規定のあるものです。その上この申請書には寄附行為が添付されていて、寄附行為の変更は主管官庁の許可を得なければならない、こういうふうに書いているわけです。それにもかかわらず主管官庁の承認した文書は添付されていない。そして、そういう状態であるのに登記手続をしてしまっている。全く恥ずかしいと思うわけです。また、最後に出されている申請書に添付されている財産目録を見てみますと、監事であります櫻木氏がいっこの財産目録が正確なものと認めたのか、その日付も記載されていないという目録が添付されているわけです。こんな書類が役所で通用するということ、わけても登記というような重要な仕事をしている役所でこんなものがまかり通っている。こんなことが単なるミスだということで国民は受け取れるでしょうか。それも一度ならず一連の過ちが起こっているわけです。あなたは、こんな業務を行っている地方法務局の仕事について、他に誤りがなかったかどうか調べてみたことがありますか。法人登記に限定してで結構ですから、お答えいただきたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 御指摘のとおり、この事件については非常に初歩的な誤りであるということは否定できないと思います。  法人登記について申し上げますと、どうして誤りが生ずるかというと、まず一つには、法務局全体、特に登記課全体の事務処理体制というものが、非常に人員が少ないということと、それから環境も余りよくない、そういうような問題があるわけです。しかし、これは言いわけにすぎないわけでございますので、そういう問題があるということだけでございます。  そのほかに、法人登記の場合には、民法法人に限りませずいろいろな法人がございまして、それぞれ登記の根拠法令を異にしているわけでございます。宗教法人でございますとか、あるいは協同組合も各種の農協あるいは水産業あるいは事業協同組合、いろいろな種類の法律がございまして、それぞれに幾分か違った手続をしているというようなこともございます。そのためにふなれであるということ、それからふなれであるがゆえに先生の御指摘のようにちゃんと調べてやればよろしいわけでございますけれども、なかなか忙しいということで、類似の法人等を見間違えてやってしまうというようなこともございまして、そういうようなことでいろいろ過誤が起こり得るというような状況になっているわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 人員が少ない、手が足りない。言いわけだけではなくて、実際そういう事態だと思います。それなれば、このように人員を配置すべきだという要求を積極的にされるということも必要だと思います。  同時に、もう一つ質問いたしました法人登記の誤りがこれ以外にもあるのかないのか、それはいかがでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 やはり数多い事件でございますので、全く誤りがないというように断言はできない、あり得るだろうというふうに考えております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それではどれぐらいあるのか調べられたことがございますか。であろうということでなくて、もしもそういった数などが科学的に出てくれば、人員増だって正当に要求ができる。そういうこともなしに、調査もしないで、ただあるであろう、人手が足りません、これでは納得ができないわけですから、ぜひとも調べて御報告をいただきたいというふうに思います。  重ねて法務省に確かめておきたいと思います。  熊本県の知事が認可をしております法人の場合は、その法人の活動は熊本県内に限られると考えてよいと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 必ずしもこの登記面上ではそういうことになっておりませんで、要するに熊本県が認可するかあるいは厚生省が認可するかというのは行政庁の内部的な事務処理の問題でございまして、公益法人という民法の目から見ますと、その点については差異はないというふうに、もっぱら定款の記載あるいは登記面の記載、目的の記載ということによって規律されるということになろうかと思います。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは県外で活動してもよいということになるわけですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 行政上はやはりまずいと申しますか、そういうことがあれば当然監督が及ぶだろうというふうには考えますけれども、民法四十三条で申します目的の範囲内でのみ権利を持ちあるいは義務を負うというような規定の適用が直ちに問題になることはない、こういう趣旨でございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、先ほどから同僚議員が質問されております民法第七十一条の件ですけれども、広く県外で活動するということになると、認可をされている条件に反して活動した場合にはこの七十一条の条項が適用できるのではないか、こういうふうに思うのですが、その点、いまのですと、これが適用できるのかどうかということがちょっと自信がないわけですけれども、いかがでしょうか。「法人カ其目的以外ノ事業ヲ為シ又ハ設立ノ許可ヲ得タル条件ニ違反シ其他公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキハ主務官庁ハ基許可ヲ取消スコトヲ得」、これは大事なところだと思いますが、どうなんでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 これが民法に直ちに違反するかどうかということは、「公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキハ」ということになっております。つまり「設立ノ許可ヲ得タル条件ニ違反シ」というまでは「公益ヲ害スヘキ行為」の例示ということになり得るわけでございまして、問題は公益を害しているかどうかということになるわけでございますし、さらにその「設立ノ許可ヲ得タル条件」というのは、これが行政行為の補完ということになろうかと思いますが、熊本県内でやるということがこの認可、設立許可の条件になっていたのかどうかという、その事実認定の問題と絡むのではないかと思います。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、法務省の刑事局にお聞きをしたいと思います。  先ほどからお話が出ておりますように、東京で活動することがいまのではできないのではないかという判断に立てば、こういった財団法人が現に東京に事務所を持って天下一家の会ということで活動している、こういう場合にはどんな取り締まりができるのでしょうか。また、この罰則規定というのはあるのかどうか、御説明を願いたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 東京で行為できるかどうかというのは、いま申し上げたように、当然にそのした行為が無効になるというようなことにはならないのではないかということになるわけであります。  それから罰則につきましては、民法は八十四条という規定を設けて過料の規定を置いておりますので、それ以外の場合については特段の罰則は設けておりません。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 刑事局の立場からお答えいたします。  ただいまのような設例で、この法人が東京で活躍した場合に、民事上の問題につきましてはただいま第四課長の方からお答えしたとおりでございますが、特に刑事上これによって取り締まりを受けるというふうな罰則はないというふうに考えております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは活動してもよいということになるわけですか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 刑事上の罰則があるかないかという問題と、認可の条件等に反して外部で活躍できるかどうかということとはまた別の問題であろうかと思います。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、七十一条に該当するというふうに考えますと、権利を持たないという人が県外でやる場合活動できない。そういう権利を持たない者が勝手に権利を行使した場合に——しかし、そんなことが許されるのでしょうか。そういうことであれば、だれでもそんなことをやり出すのではないか、財団法人を名乗って動けるということになると思いますが、そういうふうに理解してもいいわけですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 もちろんそのこと自体で罰則を受けることはないということでございます。ただし、それが刑法上詐欺罪に当たるというようなことになりましたらまた別でございますし、民事上の責任を負うということは当然あり得ると思います。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それじゃ七十一条適用ということがされるとして、天下一家の会がそういうことを無視して右往左往しているということであれば、全く無法地帯のようなことが許されているのではないかというふうに思いますが、そうすれば、こういった法律自身の改正も含めて、そんなことができないような措置を検討しなければならないのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 先生の御質問は、財団法人でないものが財団法人を名乗って行動をするというようなことは許すべきではないのではないか、こういう御質問でございましょうか。(藤原小委員「しかも県外に出てね」と呼ぶ)ただ、県外に出るか県外に出ないかということは、これは設立許可の要件がそういうものであったかどうかということによるわけでございますし、また設立許可の要件があったからといって、そのやった行為は直ちに無効になるということではなくて、取り消しの事由になる。取り消されて初めてそこで法人格が消滅するということになるだけでございまして、そのことで直ちに無効になるということにはならないわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 委員長からちょっと。  あなたはさっき、七十一条を「法人カ其目的以外ノ事業ヲ為シ又ハ設立ノ許可ヲ得タル条件ニ違反シ其他公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキハ」と、こうなっているのを、「其他公益ヲ害スヘキ行為」というのは全部にひっかからないと取り消しの原因にならぬのだという説明をされたのですが、それでいいのですか。これはそれぞれ独立じゃないのですか。「法人カ其目的以外ノ事業ヲ為シ」、これも一つ。「又ハ設立ノ許可ヲ得タル条件ニ違反シ」、それも一つ。それから「其他公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキ」でしょう。だから三つそれぞれ別じゃないのですか。さっき例示だと言われたのは、それでいいのですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 はい、訂正いたします。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 それをもう一遍訂正してください。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、その点もう一度お答えをいただきたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 これは、目的以外の行為をなし、あるいは設立の許可を得た条件に違反するということが必要なわけでございまして、先ほど申しましたように、その目的以外の事業をなしているか、あるいは設立の許可を得た条件が、県外でやっているということが条件になっているかどうかということに絡むわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 先ほど申しましたように、こういうことが許されているということであれば大変なことだというふうに思いますが、法律自身の改正も含めて、こんなことができないような措置というものがなければならないというふうに思いますが、どうでしょうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 民法の改正あるいは商法の改正というようなものについては、非常に大事業でございますので、先生の御趣旨をよく伝えまして十分検討したいと思っております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 朝からこれだけ議論をして堂々めぐりやら穴の中へ入ってにっちもさっちもいかないというふうな質疑が交わされているわけですから、いまの御答弁のようにぜひとも御検討いただいて、抜本的に対策を立てていただきたい。強く要望をしたいと思います。  それでは、厚生省にお尋ねをしたいと思います。財団法人肥後厚生会、これの「目的」を見ますと、「生活困窮者対策遂行の一翼として、保護並びに援護に関する各種事業を行ない、政府の施策と相俟って、困窮者層の円滑急速なる厚生に資し、社会福祉を増進するための事業を行なうを以って目的とする。」こういうのが掲げられているわけです。また、調査室の報告をいただいたわけですけれども、これを見ますと、「昭和二十二年当時の保存文書の目次に、当時の民生部厚生課で「財団法人肥後厚生会」の設立許可をした記載がある」というふうに書いてあるわけです。当時は民生部厚生課であったわけです。いまこれが社会課となっているわけですけれども、こういうことを考えますと、これは主として厚生省の所管する内容のように私は考えられてならないわけです。厚生省はいかがでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 御質問のとおり、肥後厚生会の事業として寄附行為に挙がっております三条に掲げられております各種の事業の中には、厚生省の所管をいたしますものが幾つかございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 明快にお答えをいただきたいんですが、幾つかございますではなくて、それは言うていただかぬでも私見たらわかるわけですから。厚生省の主として主管する内容のように私は考える、こういう目的などの内容を見てですね。で、あなたはいかがですか、こう聞いているわけです。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 おっしゃるとおり、厚生省が所管いたしますところの事項、事業内容が目的として挙がっておりますので、一応厚生省が熊本県を指導する立場にもあるというふうに考えておるわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 日本語は大変微妙で大変便利であるわけです。立場にもあるのでなくて立場にあるというふうに思います。それはなぜかと言いますと、昭和十八年にできました許可認可等臨時措置法、これがございますね。これがなければ、これは当然あなたの省で所管すべき法人であるわけです。いままで述べてきたような筋からいたしましても、厚生省に熊本県に対する強力な行政指導、この責任があってしかるべきだ。立場にもありますでなくて、これを徹底して行政指導する立場にあるのだ、その責任があるのだ、こう思いますが、いかがでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私が申し上げるのは、その責任がないというふうに申し上げておるのではございませんで、たとえば厚生省が直接許可いたしました法人の場合でございましても、その事業内容によりまして数省にわたる場合には数省が共管でもって指導監督をいたす立場にあるわけでございまして、本法人の場合におきましても、製材、木工、精米工場の経営とかあるいは職業補導所の経営とかいったような農林省あるいは労働省にかかわるような事業内容があるものですから、私いまそのように申し上げたわけでございまして、決して厚生省に責任がないというふうに申し上げたわけではございません。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、それは私も正しく理解をしたい、このように思います。  先ほどお見せになった事業概要ですけれども、ここの十四ページに写真が出ているわけです。これはここにあるのですけれども、後で見ていただいても結構です。昭和五十一年度の北海道大会の写真を見ますと、「宗教法人大観宮」、それから「財団法人天下一家の会」、「天下一家の会・第一相互経済研究所」、こういうふうに名前が並んでいるわけです。大書されました大看板のもとで大会が行われているわけです。この看板を見ただけでも全く三位一体の姿だ、こういうふうに思うわけです。また、ことしの三月三十日に長野の地方裁判所で出ましたのにも明快に書いてあります。「被告内村が財団法人天下一家の会、宗教法人大観宮の各代表者であって、第一相研もこれらの団体と密接不可分の関係にあり、」こういうふうにきちんと出ているわけです。三位一体だという判断を下しているわけです。この中の、いわゆるネズミ講を行っております天下一家の会・第一相互経済研究所の活動は公序良俗に反する、こういう判決をあわせて下しているわけです。そうしますれば、財団法人肥後厚生会あるいは天下一家の会に熊本県を通して厳重な措置と指導が必要だ、こういうふうに思います。労働省とか各省庁関係するところももちろん大事ですけれども、こんな姿になっているとすれば、厚生省が先頭に立ってやっていただくということが必要だというふうに思いますが、どのような指導を今日までしてこられたでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どもが本件につきまして公式に報告を知り得ましたのは前回の当小委員会においてでございまして、したがいまして、私どもといたしましては、その後直ちに熊本県の方に対しまして、この肥後厚生会が重要な問題になっておるので、早急にその実情を調査いたしまして適切な措置をとるよう指導をいたしておるわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 適切な指導というのはどういう指導でしょうか。それから、それはいつだれにどのような手段でおやりになったでしょうか。電話かあるいは書類でもっておやりになったのでしょうか、いかがでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 方法といたしましては、電話でもって直ちに担当の課長に対しまして指導をいたしたわけでございまして、その内容といたしましては、もし法人自体が勧告に従うのであれば、解散の指導をし、なおその実情を調査の上、必要があれば許可の取り消しまで考えて検討をしてもらいたいというふうに指導をいたしたわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 この事業目的がもう完遂しているという点から見ましても、いま課長さんがおっしゃいました法人を解散せよというふうな指導をなさったということは、大変適切であったというふうに私は思います。  同時に、先ほどから論議をされております民法七十一条で設立認可の取り消しを行えというふうな指導は県知事に対して行っておられないわけですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どもの方から直接に許可の取り消しをしろとかいうことは申し上げられないわけでございまして、あくまでも権限は熊本の知事にございますので、したがいまして、実態を十分に調査の上、場合によっては許可の取り消しも考える方向でもって検討をしてもらいたいというふうに指導いたしております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、それに対してどのような回答があったのでしょうか。八月二日に委員会に出られてすぐされたということでしたけれども、もう二カ月半もたっているのですが、いままでに熊本県からどう言ってきたのでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 現在のところはそのような指導を受けた方向でもって鋭意調査中であるという報告でございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 では、課長さんは、この指導なさったことに対して二カ月半鋭意努力中だという回答で、それでいいわけですか。心休まっておられるわけですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どもといたしましても、熊本県のやり方に満足いたしておるわけでございませんで、はなはだ残念に思って、今後督励をして早急に結論を出すように指導をいたしたいというふうにいま考えておるわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 この早急とか、また日本語は便利なわけですけれどもね。熊本県をお呼びになりましたか。電話で言うている、二カ月半も検討中、それでは全く厚生省はばかにされていると私は思うわけです。国民の怒りは本当に大変なものだ。この中で困っている人は大変な数に上っている。全国大会まで開いて、裁判にかけようかというふうなところまでいっているわけです。そんな中で、電話一本で指導しましたとか、まだ回答をいただいておりませんとか、それ以上は権限ではありませんというふうな、自主性に任しますとか、本当に自主性のある指導ならばこんなこと大体起こしていない、もうすでに手がついているのですから。管轄下にある熊本県に対してそういうときこそ呼びつけられたらいかがですか。いろいろなところで自治体を呼びつけておられる、それで大変困っておられるというふうなことは私たちいっぱい聞いているわけですけれども、このような重要なことでなぜ熊本県を呼んで徹底的に指導をなさらないのですか、いかがでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 先生の御指摘の点、ごもっともでございますので、直ちに熊本県に強力に指導をいたしたいと思っております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 それでは、いつそれをやられたか、どう回答してきたか。もう二カ月半もたっているからまだ検討中というようなばかなことは絶対にあってはならないと思うわけです。それではぜひとも、たとえば早急にですから、きょう委員会が済めば帰られたらすぐということが一番早急ですし、それができなければあした、それではあしたやったならばどのような回答をしたかということを私にお返事をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 御趣旨に沿いまして早速手配をいたしたいと思っております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 これは私個人に対する返事ではなくて、本当に多くの国民の方々が期待をしておられる。一日も一時間も早く、一刻も早くということで待っておられるという立場に立ってぜひこのお返事をいただけることを強く要望したいと思います。  なぜこのようにしつこく言いますかといいますと、厚生省は、ネズミ講天下一家の会・第一相研、これが財団法人天下一家の会の名前を使って活動しておる。こういうところから寄付をもらっている。先ほどから何遍も言われておりますが、具体的に申しますと、たとえば「相互経済協力会」というふうな「救け合いコース」というふうなうまい名前を使いながら、四万円出さなければならぬわけです。そうすると、先輩会員への贈与金として三万円が使われる。本部への送金として一万円が使われる。その一万円の内訳がどうなっているかといいますと、七千五百円が天下一家の会・第一相互経済研究所の入会金に出さなければならない。二千五百円を、四分の一を財団法人天下一家の会へ寄付金として出さなければならない。こんなことになっているわけです。ですから、その内村さんなるものはどんどんふところはふえていく。全く人の血を吸い取っているというふうな事態があるわけです。いまこうしている間もあるわけです。こんなみんなのつらさを本当に知っておられるのかどうか、ここまで具体的に御存じないから、この二月半もついつい忙しかったということになっているのではないかということで、私は具体的に申し上げているわけです。ぜひともいまのお約束を実行していただきたい。  それから、今度は人事の面から検討してみたいと私は思います。  財団法人天下一家の会、理事が五人おられるが、このうち市野何がしという人を除きまして、四人は、第一相研の会長、副会長、理事、こういう人たちです。あなた方は天下一家の会がなぜ財団法人肥後厚生会に入り込んで名称を天下一家の会と変更したのか、いま朝からずっと聞かれてどのように考えておられるでしょうか、お答えいただきたいと思います。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 肥後厚生会が二十八年以後休眠法人になってそのままあった。その公益法人を利用されたと申しますか乗っ取られたと申しますか、そのような形になりましたことは非常に残念に思っておるわけでございまして、公益法人としては非常にいびつな形になっているというふうに考えられますので、これは早急に正しい姿に改める、もしそれが不可能であれば法人格を剥奪する方法を講ずべきであるというふうに考えております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 先ほど小委員長もおっしゃいましたけれども、正しい姿とかあるべき姿はないということをおっしゃって、あなたは、そうですというふうにお答えになったと私は後ろの席で理解したわけです。聞き損ないでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 現在、私どもはまだ実態を詳細に知り得ていないわけでございますので、したがいまして、この法人が絶対に法人格を剥奪する以外に方法はないというふうにここで私が申し上げるのはいささか行き過ぎではないかというふうに考えてそのように申し上げたのでございまして、個人的に申し上げれば、このような法人というものは法人格を剥奪するのが正しいというふうに考えますけれども、何分にも私どもその証拠を、明確なものが手元にございませんので、はっきりは申し上げられないということでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 実態を知り得ていないということはサボリましたということにほかならないというふうに思うわけです。私はそんなことはないと思いますけれども、もう八月二日から二カ月半、向こうが回答しないということと、それじゃ厚生省も実態を調査しなかったということと全くイコールになるというふうに思います。この調査室は徹底的に行って調べてこられたということをしておられるわけでしょう。私自身も八月二日の後すぐ熊本に行って調査をした。こんなことが私たちにでもできるのに、厚生省がこの実態を詳細にまだ調べていない。これは全く逃げだと思うのですけれども、それが事実であれば、たちどころに派遣をしていただいて、詳細に知るのと同時に、もとへ戻すなどというようなことはできないわけですから、解散せよと、直ちに解散をさせるべく熊本県を指導する、七十一条はどうなんだということで詰めていかれるということをどうしてもやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私どももその方向でもって現在指導をいたしておるわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原小委員 私はここに、熊本経済研究会の「くまもと経済」といいまして、季刊でしたか、部厚い雑誌が出ているわけですけれども、これをコピーしてまいりましたけれども、これは熊本で出版をされております。  この中で、内村健一、この人自身が財団法人天下一家の会のことについて次のように述べております。ちょっと読んでみたいと思います。「〃史上空前といわれる二十七億円の個人脱税額〃で熊本国税局の強制査察を受け、全国的なスキャンダルとなった天下一家の会「第一相互経済研究所」会長・内村健一。あれから満四年。一時はマスコミの集中砲火を浴び、入会者がパタリととまり、息たえだえになっていたネズミ講だが、どっこい蘇えった。今年度の入会金予算はなんと九十一億円余り、最盛期だった四十六年の七十七億円を上回る復活ぶり。なぜにアメーバーのように広がり、会員がどんどん増えていくのか。天下一家の会の組織はどんなものか、内村健一とはどんな人物なのか、脱税事件からさかのぼって全容を追跡してみた。」というのがこの文章であるわけです。全部読みますと大変長いですから……。最後に、内村さんがこう言っております。「国税局が査察したのは、会としては法難です。難があったということですね。だが考えてみると、これは有難いことです。字にも書くでしょう。難があったから「有難い」ことなんですね。いま、われわれは感謝していますよ。なぜなら、査察をきっかけにこの会を宗教法人にしたり、財団法人をつくったり、国の許認可行政の中に入って、盤石の態勢を整えたからですよ。ありがたいことです。」括弧して「(笑い)」があります。全くばかにされているではありませんか。愚弄されているというふうに私は思うわけです。法人の目的に書いてあったあのことをやるのではなくて、厚生省であるとか、労働省が担当だとか、そんな問題じゃないわけです。ネズミ講そのものを盤石の態勢に置くためにやったのは、彼自身の口からも明らかにしているではありませんか。しかもそれが正規の手続を経ずに行われております。これは意図的にそのような方法をとった、こうしか考えられないわけです。あなた方はこの点をしっかり踏まえてもらわなければ困るわけです。しかも、先ほど法務省の答弁でも明らかになったように、この天下一家の会というのは民法七十一条を適用できる、そういうことも考えられるという団体だというふうに私は思います。あなた方は、熊本県に対して責任を持った指導をすべきであるというふうに思います。  一番最初に述べましたように、七省庁集まって禁止法の作成など早急にやる必要がある、こういうことと同時に、当面すぐに、いまネコの首に鈴をだれがつけに行くのか、このことが真剣に考えられて、きょうは私は厚生省だということを明らかにしたと思います。厚生省がネコの首に鈴をつけに行く。それをおずおずしている間に、ネズミは幾らでも暴れ回るわけです。国会で小委員会を開いて、最高の決議機関であるというところで質疑をしても、大山鳴動ネズミ一匹出ずというようなことがあったら大変だと私は思うわけです。すぐに厚生省が手をつけられることが、ネズミ一匹出ずではなくて、ネズミ一匹出たということに変化をさせていくことだ、このように思うわけです。当面すぐに手を下せる省庁は厚生省だ、こう思いますから、再度、厚生省に直ちに行動を開始していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ただいま武部委員から関連質問の申し出がありました。これを許します。

武部文日本社会党

○武部小委員 午前中に私が聞いておったのと、いまの藤原議員との答弁がちょっと違うので、改めてもう一遍念を押しておきたいと思います。  私は、いろいろ事例を述べて、財団法人天下一家の会というものは法的に存在しない、そういう点について何遍もしつこく聞いたわけですが、財団法人天下一家の会というものは法的に存在しないということを認められたわけでしょう。これは法務省、みんな認められたのです。それはなぜ認められないかというと、熊本県の許可を得ていないものを、架空なものを持ってきておるから、それはそのとおりだというふうに法務省は認めたわけなんです。そうなれば、当然厚生省は、そういう誤った虚偽のものをやったという責任を熊本県にとらせなければいかぬ。取り消すためにも、熊本県が天下一家の会を呼んで、財団法人天下一家の会という申請を取り下げろということをやりなさいと言ったら、やりますと言ったじゃないですか、午前中に。いまそういうことを言わないじゃないですか。それはおかしいですよ。もう一回答弁してください。話が違うじゃないですか。どうなんですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私が先生にお答えいたしましたのは、適切な措置をとるということの内容の一つといたしまして、天下一家の会という名称が無許可で登記されているのを改めるというのも一つの方法であります、そのほかに許可の取り消しということもあり得るというふうにお答えしたと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 法務省は、法的に財団法人天下一家の会というものはない、そういうものは存在しないと明確に言われたのですよ、手続が誤りだから。その手続のもとは、熊本県の許可を得ないで勝手につくって持っていたということを法務省が認めたからこそ、法的に存在しないとはっきり言われたのですよ。ですから、法的に財団法人天下一家の会というのはないのですよ。ないものが現実にあるのだから、それを根拠としてあるところの——熊本県はそのことに気がついて、あなたの方もそれを認めたのですから、聞いておったのだから、そうすると、当然熊本県に行って、そういうばかなことを天下一家の会はやっておるが、それを呼びつけて、おまえはなぜうちの方の許可を得ないでそういうことをしたか、おまえは財団法人天下一家の会として認められておらぬのだから、それを法務省に行って申請の取り消しをやれということを言ったら、あなたの方はやりますと言ったじゃないですか。だから私は了解したのですよ。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私の方で理解いたしております財団法人は、あくまでも肥後厚生会として私どもは考えております。したがいまして、その肥後厚生会が熊本県知事の無許可のまま名称を変更して登記がえをしたというその現実をもとに改めるというのも、適切な措置の一つではないかというふうにお答えしたわけでございまして、私どもは、あくまでも財団法人としての肥後厚生会というものはまだ存在しているというふうに考えておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。それならば、一つじゃないですよ。それだけですよ。それをやればいいのです。一つとしてそういうこともあるのじゃない。財団法人肥後厚生会というものは残っておる。いまこの場合指摘しておるやつは間違いで、インチキで、うそのものだということがはっきりしたのですから、そうすれば、あなたの方は主務官庁として熊本県知事に、財団法人肥後厚生会というものは存在するが、その他のものは存在しないのだから、その手続をとりなさいという指導さえすればよいのです。それならば私は了解いたします。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 これで質問は終わりましたが、この際、本日の各委員の御審議、御調査の様子を総括いたしまして、委員長から二つのことを政府側に要望しておきたいと思います。  一つは、先ほど稲葉課長から七十一条の解釈についてきわめてあいまいな答弁がありました。この条文の解釈について、これが何か最初例示的なものがここに掲げられてあるのだ。それだから、「設立ノ……」と「其他公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタル」というものが重なってこないと取り消しの条件にならないの、だというふうに聞こえるような答弁もされましたが、そうでないと思うのですが、これらについてひとつはっきりした解釈の見解を当委員会に来週中……(「いまここで答えてもらったらどうですか」と呼ぶ者あり)それでは、いま答えてもらいますか。それが一つ。  それからもう一つ、私は柴庶務課長に、いま盛んに取り調べをしていらっしゃる、事情調査をしておられるということですが、各委員からの要望がありましたように、これは電話でもたもたしておるのじゃなしに、はっきりだれかを派遣してお調べを願いたい。そうすればこれはすぐわかることだと思います。したがいまして、調査の結果きょう問題になったような法人であるかどうかということの認定を早くしていただいて、それが七十一条に該当するかしないか、それらについて今月中に全部調査が終わらなければ中間報告をしていただきたい、そういうことです。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 七十一条は、その目的以外の行為をなし、あるいは設立の許可を得たる条件に違反するということ自体が公益を害すべき行為の一類型であるというふうにとらえているものでございまして、この条件を満たしておれば、設立許可が取り消せるということになろうかと思います。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私の方から人を熊本に派遣いたしまして、できる限り今月中にでもまとまった報告ができるように努力いたしたいと思います。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 わかりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時六分散会

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