逓信委員会 第3号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/11/02
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木強君。
○鈴木(強)委員 きょうは官房長官は大変御多用の中をおいでいただきまして、ありがとうございました。 きょう、私は、日本放送協会の経営委員の選出のあり方の点と政府の宣伝活動の基本方針について若干お伺いをしたいと思います。 御承知のように、協会には経営委員会というものが設置されることになっております。それで、「経営委員会は、協会の経営方針その他業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する。」というふうに放送法第十三条に明定されております。そして、十六条に、「委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、」となっているが、ここなんです。「その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない。」と決められておるのでございます。 私は、今日までの経営委員の選任について資料をずっと調べてみましたが、現在もそうでありますが、過去におきましても、この放送法第十六条の精神に合致した選出がされておるかどうか、これは大変疑問でございます。われわれは問題があると考えまして、長い間、この逓信委員会なりあるいは議運委員会、さらには国対レベルを通じて政府にわれわれの意向を伝えておりましたことは御承知のとおりでございます。ところが、今日までわれわれの意向というものがほとんど入れられておらない。大変不満を持っております。したがって、ぜひ一度長官においでをいただいて、われわれの考え方も率直に聞いていただいて、十六条に適合する委員の選出をしていただきたいという考え方からきょう私はこの問題を取り上げたのでございます。 何もかもわかっておる長官でございますが、いかがでしょうか。この十六条にぴったりと適合して、なるほど経営委員がすべての視聴者を代表する経営委員であるというふうに視聴者にとられるような委員になっておるかどうか、この点に対してひとつ御所見を承りたいのであります。
○園田国務大臣 経営委員の人選についてはいま御指摘をされたとおりでございまして、十分注意をして人選をしなければならぬと考えますが、長い間の経緯からいたしまして、前の人が任期が切れて後の人を人選する場合には、前の人がこういう業界の代表であるからこういう業界の代表からという、やや惰性に流れた傾向にもなっております。 そこで、おしかりを受けるようなことが間々あると存じますので、今後はその精神に基づいて、特にこの法律で国会の承認も受けるということを決められておるのはそこにあるわけでありますから、今後の人選については、おしかりのことを十分肝に入れながら人選をし、また、各党の御意見等も承ってやりたいと考えております。
○鈴木(強)委員 率直な長官の御所見を承りまして、概念としてはわかりましたが、そこで、若干手続的なことで恐縮ですが、最初に、この任命をするに当たりましては、所管は当然内閣官房にあるわけでございますね。事務的な手続はかわって郵政省がおやりになるかどうか知りませんが、いずれにしても、郵政大臣なりあるいはNHK当局のこの経営委員選出に対する御意向等は率直にお聞きになった上で、最終的に内閣総理大臣がお決めになるのかどうなのか、この辺はどうなんでございましょうか。
○園田国務大臣 関係方面の役所なりその他の関係者の御意見、御推薦等を受けて、その中から内閣で人選することになっております。あるいはまた、特殊の場合には、こちらの方でこういう方はどうだろうということを出すこともときにはございます。
○鈴木(強)委員 それから、この問題の後任選任の基準については、明確に、「教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない。」とありますね。そこで、この「教育、文化、科学、産業」はいいのですが、「その他の各分野が公平に代表される」という、ここに問題があるのだと私は思うのでございます。 そういう観点からひとつ具体的にお伺いしたいのは、私がずっと調べてみますと、たとえば農業関係を代表する委員の方が一人おりますが、漁民ですね。まあ農民と言えば漁民とくるわけでございますが、漁民を代表した委員がまだかつて出たことがない。こういう点も大いにひとつ考慮する必要があろうかと思いますね。(「ありますよ」と呼ぶ者あり)ありますか。私は、この十年間の統計を見ましたが、この十年間にはないのでございます。ですから、十年間ということを前提にして私は申し上げましたが、過去にあればそれは結構でございますが、十年間なかったことは事実です。 それから、法第十六条に欠格条項というものがございますが、ここに、「新聞社、通信社その他ニュース若しくは情報の頒布を業とする事業者又はこれらの事業者が法人であるときはその役員若しくは職員」云々とございますね。そこで、現在経営委員になっておる構成を見ますと、言論の方はプロパーで二人ですね。それから、言論、文化という二またかけているような方が一人おりますが、いずれにしても、言論関係が三人おります。そこで、「新聞社、通信社その他ニュース若しくは情報の頒布を業とする事業者」を欠格者としたことは、やはり一社独占のマスコミのあり方というものが大変問題になっておりますね。歴代内閣も、マスコミの独占ということについては、新聞もテレビもラジオも一社が独占することはまずいという御方針を持ってこられたと私は思うのでございます。 したがって、そういう見地から言うと、いま出ております具体的な名前を私ははばかりますが、それぞれ新聞社の社友ということでございますが、しかし、これは考えてみると、過去にその社のそれぞれ重要な立場におられた方もいらっしゃいますし、かかわり合いがある方ですから、そういう方が経営委員になることについては、この欠格条項の第六号の点からしましても私はいささか疑義を持っておるのです。しかも、これも十年間の資料でございますが、特定の二社に限っておるというようなことも他の社から見るとまたおかしなことになるでしょうし、もっと根本の問題をお考えになって、これらの問題についての過ちのない法解釈等、マスコミ独占排除の方針はひとつ貫いていただきたい。恐らく福田内閣もその点についてはお変わりはないと思うのでございますが、その点を含めまして、そういう点が一つございます。 もう一つは、婦人代表というのがいま一人いらっしゃいますけれども、それは言論、文化の分野から一人出ておることになっておりますけれども、国民の過半数、視聴者の過半数が婦人であろうと思いますから、そういう面から御婦人の経営委員の選任ということもぜひもう少し考えてほしいと思うのです。 それから、もう一つ最後に、これは経団連からは一人お出になっておるわけですけれども、労働界を代表する方がいまだかつてなったことがない。そういう点も国民から見ると奇々怪々なことなんですね。 これらの申し上げましたような四つの点は確かに問題があるところだと思いますから、ぜひ十分御検討いただいて、そしてわれわれの長い間政府に申し入れてまいりました意見等もたまには入れていただいて、NHKというものがみんなのNHKであるという意識に立って、公共放送としての使命を果たしていただくようにしていただきたい。 そういうことに対しての経営委員のあり方というものは非常に大事でございますね。最近のある新聞なんかでも、選出の方法や経営委員のあり方に対していろいろな批判が出ておりますが、長官、内閣改造もあるようですけれども、恐らくお残りになるでしょうと思いますけれども、どうかぜひ長官の手でいままでできなかったことをなし遂げて、歴史に一ページを画してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○園田国務大臣 御指摘のとおりでございますが、御承知のとおり、十二人中八人は地区別に決められておるわけであります。そこで、住所によって八人は採るということで、職業別その他のこと等がなかなかうまくいかぬときもあるわけでありますが、いま言われました婦人、それから労働関係の方など、世間が見た場合に、少なくともNHKという公共放送機関が国民みんなのものであるというような印象を与えるように人選にも十分注意をし、また御相談もしてやることをここでお約束いたします。
○鈴木(強)委員 私は、いまの御所見を承りましたので、これはぜひ実行に移していただきたいと思うのでございます。そうしませんとNHKの経営についても世上いろいろと批判が出ておりますし、根本的な経営のあり方もございますが、その基本になるのはやはり経営委員会だと思いますね。その経営委員会が私たちの代表だ、私たちの立場を利益してくれているんだという実感を持っていてこの経営委員のメンバーが視聴者の前にあらわれたときに、私は、不払い運動というものもなくなるのではないかと思う。それだけではございませんけれども、まあ、ファクターの一つには入っているような気もするものですからあえてひとつここで申し上げたわけでございますから、よろしくお願いいたします。 あと三、四分で終わりますが、かねがね私どもは政府の広報活動については深い関心を持っております。新聞、テレビ、ラジオ等いろいろなパンフレットやたくさんの書物も出ております。私たちはできるだけ読ませていただいておりまして、大変参考にもさせていただいておるわけです。 そこで、特に手っ取り早い宣伝の方法としてはテレビ、ラジオというものが利用されるわけでございますが、五十三年度の予算、概算が決まっておると思うのでございますけれども、大体どの程度内閣広報費の中からテレビ、ラジオの方に使おうとしておるのか、そういう点をお差し支えなければお示しをいただきたいと思いますが、どうでしょうか。 それから、利用計画の基本と言いますか、テレビ、ラジオを使う基本計画というか、そういうものがあったら……。
○園田国務大臣 数字でございますから、事務当局から御報告をいたします。
○島村政府委員 五十三年度の内閣及び総理府の広報予算の要求額が百十八億五千四百万円でございますが、そのうちテレビ放送につきましては四十六億四千八百万円、ラジオ放送につきましては二億二千五百万円、こういうことで一応要求をいたしてございます。
○鈴木(強)委員 テレビを利用する場合、ラジオを利用する場合に、主にどういうふうな政府の施策を重点的にやろうとしているのか、そういうことはいかがですか。
○島村政府委員 テレビにつきまして、私ども広報の目的といたしまして大体三つを考えておりまして、一つは、たとえば資源の問題でございますとか、あるいは外交の問題でございますとか、そういうわが国の長期的観点に立って国民の方々の御理解をいただく、あるいは国民とともに考えるための広報、二番目に内閣の主要施策についての広報、三番目に国民のために利益になる広報、たとえば交通安全の問題でございますとか、防犯の問題でございますとか、年金の問題でございますとか、大体そういう三つの分類にいたしておるわけでございますが、主としてテレビにおきまして広報いたしておりますのは、内閣の主要施策につきましての大臣等の出演によりますテレビ対談、それからもう一つは国民のための広報ということで、スポットでございますとか五分番組というものを通しまして国民のための広報を実施しておるわけでございます。
○鈴木(強)委員 わかりました。時間がありませんので終わります。 どうもありがとうございました。
○八百板委員長 青山丘君。
○青山委員 今回の預貯金金利引き下げに当たって、私は、郵政省当局に対してその経過と今後の見通しについて御見解を求めたいと思います。 まず、今年、公定歩合の三回に及ぶ引き下げがありました。これに連動して預貯金金利も五月と九月と、二回にわたって合わせて一・五%と大幅に引き下げられました。 私は、預金者の立場に立って、今回の金利の引き下げに対する郵政省のとられた施策について意見を述べて、若干の質問をいたしたいと思いますが、二回に及ぶ預貯金金利の引き下げに当たって、郵政省の姿勢はこれまで余りにも安易ではなかったか、もっと慎重に対処すべきではなかったかと思うのです。 実は、私は、この五月とさらに九月に、いずれも郵政省に対して、主婦連、消費者連盟、そしてゼンセン同盟の役員の人たちと金利の引き下げ反対の陳情をいたしました。しかし、郵政省はすでにもう預貯金金利引き下げの方向に動いていたことに間違いはありません。預貯金の利率というものは、郵便貯金法第十二条の二項で、一般金融機関の利率も配意するように規定しておりますが、預金者の利益の増進、貯蓄の増強を考慮することも重要とされているわけであります。 この際お尋ねをいたしますが、郵便貯金の金利というものは民間の貸出金利や景気対策と歩調を合わせる仕組みとはなっていないと思うのですが、いかがでしょうか。また、金利引き下げは郵政審議会に諮問するよう郵便貯金法第十二条の三項で規定されているわけですが、にもかかわらず諮問する前から郵政省が引き下げを決めているのはおかしい。私はあの陳情の経過の中でそういう感じを持ちました。まず白紙の状態で審議会に諮問するのが法の趣旨に沿っているのではないかと思うのですが、御見解を求めます。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 先生の御指摘のように、郵便貯金法第十二条二項におきましては、前段におきまして、「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うとともに、」となっており、この次に、「あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配意しなければならない。」という規定がございまして、今般の措置につきましても、預金者のお立場から考えますれば、確かに金利の引き下げというものは歓迎すべきことではないということは重々承知いたしておる次第でございますが、十二条二項の趣旨に従って措置をとったものでございます。 なお、郵政審議会に諮問する前に何らかの決定があったという御指摘がございますが、さような事実はございません。九月三日、経済対策閣僚会議の結果といたしまして総合経済対策が樹立され、五日に公定歩合が引き下げられた次第でございます。それから九日に民間金融機関の預金につきまして、一律〇・五%引き下げが決まり、二十六日実施ということが決まったのでございますが、その前の段階で郵政省として郵便貯金の利下げを決定したということではなく、その段階におきましては郵政審議会に諮問を行う必要が生じたということが決まったわけでございまして、その結果といたしまして諮問を行った次第でございます。
○青山委員 いま、その諮問をする前に郵政省の見解としてそういう決定をしたわけではないと言いますが、これは当然のことであります。決定をするということは郵政審議会の諮問を待って決定をするということですが、当時私どもが陳情した趣旨を聞き入れようという意向は全くなかったのですね。そういう点からすれば、郵政省は景気対策のために、雇用安定対策のために今度の貯金金利を下げなければならないというような見解であったことはもう間違いないのです。そういう点からしますと、一体郵政省というのは景気対策、雇用対策のための責任ある担当省庁なのかということになる。郵政省というのは零細な預金者の立場に立って大蔵省等に対して働きかけをするもので、預金者の立場に立って発言してくれる省庁が郵政省だというふうに受けとめておった預金者の立場からしますと大変な失望を感じた。そういう意味で、なぜ預金者の立場に立って、大蔵省等に向かって金利引き下げの動きに対して反対という立場がとれなかったのか。これが一つです。 それから、第二に、郵政大臣は閣議の中でそのような、いま私が申し上げたような発言をされたことがありますか。郵政省が景気対策の一翼を担ってやってこられたことは多くの皆さんが理解してはおられますけれども、しかし、郵政省の本来の立場というのは、景気対策や雇用対策のための責任ある担当省庁だというふうには受けとめておりません。預金者から見れば、自分たちの利益を守ってくれる郵政省だと思っているわけですね。その辺の御見解を求めます。
○小宮山国務大臣 私も、金利の引き下げというのは好きこのんでやっているわけではございません。しかし、連動ということをおっしゃいましたけれども、実際連動はしていないのです。三月の要求払いのときには、総理からも大蔵大臣からも再三再四の要請があり、今回の金利引き下げについても大蔵大臣がわざわざ郵政省に参りまして私にも要請がございましたが、そのときにもノーでございます。かつ、閣議の中でも、公定歩合の引き下げが決定されて、その発表があったときにも私は特に発言を求めまして、郵政省としてはその点についてまだ決定しておりませんということも発言しております。かつ、政府・与党連絡会議のときにも総理から特に発言を求められて、私の方は、総理に対して、その点については考えておりませんという発言をいたしております。 しかし、御承知のとおり零細な預貯金でありますけれども、ひとつメンションをさせていただきたい問題が二、三ございますが、第一点は、この金利引き下げについては、私自身金利自由化論者であります。これは先生も御承知のとおり、前回のときにも申し上げたように、公社債市場というものが設定されて、それが金利を決定してくるということでございますので、私自身としては、前回と同じように、今回も住宅ローン等々の長期金利の決定、日付決定、引き下げ利率の決定を大蔵省に求めております。そういうものを求めた上でそれを思量判断といたしております。 もう一つ思量判断といたしましては、やはり、経済的効果というのはどうなんだという問題がございます。資本金一千万円以上の企業で、いわゆる中小企業で約四千億の税負担が軽くなる、それによって約二十万人の人が失業から免れるという数字が出てまいりますと、その財政投融資の原資である郵貯の金というものは、やはり引きかえにもう一つ問題が出てくるではないかということと、それからもう一つは、開銀、政府三機関等の九・九%等の金利については、総理との話し合いでそれを一%引き下げていただくということが私の要求で、かつ、財政投融資が非常に効果のある、いわゆる即効性のあるものでなければいけないですから、土地買収等のようなものはいたしませんなという念を押し、かつ、公共事業の中でどのようなことをするかということも総理と再三再四討論いたしております。 最後に、もう一つは、幾つかの理由がございますけれども、大きなものの一つとしては、郵貯の中で、御承知のとおり、定額は十年、積立は二年というふうに、大体八五%近くは旧金利が適用されるということでございます。 そういうようなことを見てまいりますと、やはり九月三日の総合経済対策——非常な非常時事態の中で、私自身としては、この景気等を回復することが一番の大きな重要課題であり、かつそれが国民に大きな利益を還元するという前提条件になるであろうと、閣僚の一人としてそういうふうな物の考え方も考えざるを得ない。 それで、先生がおっしゃいましたように、郵政審議会の前に決定したということではございません。事実、私自身も、前回も今回も郵政審議会を差しおいて自分自身が決定するようなことはいたしておりませんし、相当激しい討論をやっております。 そういうようなことで、ぜひ先生にも御理解いただきたいと思いますし、私自身金利の引き下げというものは据え置いた方がよろしいということで、断腸の思いでありますことも事実でありますし、かつ、弱者対策というものはどうするのだということがやはり前回からの大きな論争であり、来年の五月二十日まで、いわゆる年金受給者等には旧金利を適用するという形で福祉預金というものを取り扱っておる。そういうようなことを考えていただき、御理解いただければ大変幸いだと思っております。
○青山委員 いまの大臣の御答弁の中で、幾つか触れなければならない問題がたくさんあるので、私は、御答弁いただいたものについて順次触れていかなければならぬと思うのです。余りあちこち流れてもいけませんので、順次触れていかせていただきます。 一つは、郵政省の立場で、総合景気対策の中で果たしていく役割りというものがあるように思うのですが、しかし、預金者の立場で、いまおっしゃったように預金金利、貯金の金利は据え置いた方がいいと郵政大臣は思っておられたと思うのです。そういう意味で、零細な預金者からすれば、郵政省は郵便貯金の金利引き下げは反対だというような意思表示が欲しかったと思うのです。たとえばよく大臣はおっしゃるが、白紙だとか、あるいは考えておらないとか、そういう発言が大変不安になるわけです。白紙であるということは反対とも賛成とも言っていないということなんでしょうが、基本的には、預金者の立場に立てば反対だという発言が私はいただきたかった。そういう預金者の立場でひとつ行政に当たっていただきたいというのが一つの考え方であります。 そこから来る郵政省に対する不信感は相当深刻なものがいま出てきておると私は思うのです。これは順次触れていきたいと思うのですが、何といっても、郵便貯金というものは九九・二%が個人性貯蓄です。しかも、国民の六〇%がこの郵便貯金を利用しています。この零細な郵便貯金、庶民のいわゆる個人性貯金、預金というものは、大臣はいま私は基本的には金利について自由化論者だとおっしゃったけれども、現実には二本立てになっています。したがって、それは営業性の預金と個人性の預金とは現実にはおのずから区別されていると私は思うのです。そういう意味で連動ではないとおっしゃるが、具体的に公定歩合の引き下げ、貯金金利の引き下げということになってくると、やはり連動だと言わざるを得ないと思うのです。同時に下がらないから連動ではないとおっしゃるのでしょうけれども、しかし、現実には下がっているのですから、やはり公定歩合の引き下げに見合った形で今度下げられている。 その辺の、営業性の預金と個人性の預金が現実に区別されておる立場からすれば、今度の預金金利引き下げは個人の預金者に対しては大変なむちであったと私は思うのですが、郵政省の御見解を伺います。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 郵便貯金の総預金高中に占める個人性預金の割合が九九・二%であることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、個人性預金全体から見た郵便貯金のウエートということになりますと、実は、日銀調べによりますと、総個人預金の中では二一・一%ということになっておりまして、個人性預金がすべて郵便貯金のいわば専売特許という形には実はなっておらない。これは事実でございます。 たとえば都市銀行におきましても、都市銀行の総預金高中に占める個人性預金というのが三六・七%ある。これがまた地方銀行、相互銀行等々に行くに従って、実は個人性預金のウエートは非常に上がっております。申し上げますと、地方銀行においては五二・五%、相互銀行においては五七・一%、信用金庫では七〇・七%が個人性預金であるという事実がございます。 個人性預金が大部分であるという点に着目いたしまして、郵貯のみが枠外ということになりますと、それは事実といたしまして、いまの非常にむずかしい景気情勢の中にありまして大変むずかしい問題を惹起するおそれがあることも、これまた事実であろうと思います。郵便貯金の総預金高三十四兆円というウエートは、日本の経済社会の上におきましては大変大きなウエートになっております。都市銀行上位四行の総預金高を合わせたよりもさらに大きいという事情がございます。ここで仮に膨大な預金シフトが起こった場合に、さらに日本の経済情勢を混乱させることになり得るという点も私どもとしては十分考えなければならない点であろうと考えておる次第でございます。
○青山委員 個人性預金が郵便貯金だけではないとおっしゃいました。都市銀行でも、地方銀行でも、相互銀行でも、信用金庫でも、個人性預金というのは高いとおっしゃるわけですね。都市銀行では三七%、地方銀行では五二%、相互銀行では五七%、信用金庫では七〇%以上ということですね。ところが、郵便貯金だけを見てください。おたくは郵便貯金の立場で考えていただかなければならぬと思うのですが、郵便貯金は九九・二%、ほとんどこれは個人性預金です。預金と言うよりも貯金ですね。預金じゃない。都市銀行その他の銀行においては預金性の性格が強い。貯金じゃない。貯金じゃないと言えばちょっと言い過ぎですが、預金性の性格が強い。ところが、郵便貯金の場合は貯金なんです。そして、財産を守りつくり上げていこうという考え方で、零細預金者の立場からすれば、せめてここで自分たちの生活を守っていこうということで、ヨーロッパの預金者とは、貯金者とは違うんですね。 前に私は質問で触れたんですが、日本人は貯蓄性が高いなんて言いますけれども、何も好きこのんで貯金しているわけじゃないのです。生活を守らなければいけない。老後の心配があるし、子供たちの教育のこともいまから計画していかなければいけないし、住宅の問題もあります。いろいろなことで生活を守っていくという、そういう貯金なんです。そういう財産を削っていくという立場に立って考えてみますと、この預金金利引き下げは庶民生活にとって重大な問題なんです。しかも、財投原資の中では、簡易保険とあわせて大きな役割りを占めています。そういう点からすれば、その環境が悪化していくということは、やがて国の経済、財政にも大きな支障を来すときが来るのではないか。そういう長い目で見れば、今度の金利引き下げということは大変な責任が郵政省にもあるというふうに私は思うのです。 郵政省は責任はない、景気対策上やむを得なかった、そのしわ寄せは庶民が受けてくれと言うんでしょうか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 預金者の立場を考えました場合、利下げというものはまことに歓迎すべからざることであるということは私どもも考えております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、現在の経済情勢というものは非常にむずかしい、顕在失業者がすでに百万をずっと超えておる、企業内潜在失業者の数も相当数あるということが言われております。こういう非常の場合に対しての総合経済対策が樹立されたわけでございまして、私どもとして、決して預金の利下げ自体を喜んでやっておるということではございませんけれども、全体の景気が浮揚することによりまして間接的にすべて国民の利益となるという立場から、総合経済対策の趣旨にのっとりまして審議会に諮問をし、利下げはこの際万やむを得ないという答申をいただきました結果これを行った次第でございます。 なお、郵便貯金の預金者と申しましても、一見は零細でありましても、私どもの調べによりますと、各所得階層別に広く分布しておるという事実もございます。そういう点から考えまして、この際万やむを得ないものと考えてこれを行った次第でございます。
○青山委員 現実には消費者物価の上昇率が預貯金金利を上回っています。預貯金金利と同じくらいであっても、預け入れしたお金の価値がようやくそのまま維持されたということになるわけです。しかし、それは下回っている、物価上昇率の方が高い、預金金利の利率の方が低いということになっていけば、努力して苦労してお金をためたという実感はわいてこない。徐々に財産が減っていくという感覚です。 こういう実質的な預貯金の価値が下がっていくということに対しては、やはりその辺の責任は郵政省にある。大蔵省じゃない。もちろんこれは政府の責任なんでしょうが、郵政省の責任をどのようにお考えですか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 消費者物価の上昇の方がここ相当の期間預金金利を上回っておることは事実でございまして、こういう点はまことに困った問題だと思っておりますが、物価と金利の問題は、鶏と卵ということになりますれば、物価の安定を図るということがまずもって基本だろうと私は思っておりますし、政府の方針といたしましても、物価の安定を重要な項目として掲げ、これを実現すべく努力をするということを承っておりますので、この際全体の景気回復という点からまことにやむを得ない措置であると考えておる次第でございます。
○青山委員 ずいぶん入り口で時間がかかってしまうのですが、要するに景気は立て直さなければいけないということで金利が下げられたが、市場にお金が出回れば物価は上がってきます。物価が上がってくるような一役を郵政省が買っていると言ったら言い過ぎですか。 問題は、郵便貯金の預金者は、一般の市中銀行を利用しておられる預金者と違って、貸出金利が下がっていく恩恵は受けていないのです。したがって、公定歩合の引き下げに連動した形で預金金利が下がっていくのは納得できない。そういう預金者の立場はわかりますね。わかっていただけると思うのです。 そういう点から言って、今回もさらにまた預金金利が下げられていったわけだが、そういう経過の中で、いままで貯蓄奨励月間に協力してきた団体がもう協力できないと言っているのですが、その辺の責任を感じられませんか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 郵便貯金の預金者に対しては、確かに直接的な貸し付けによるペイバックというものはないことは御指摘のとおりでございますが、これは、郵便貯金の預金はすべて資金運用部に預け、財政投融資として使われるという点から来ておる制度上の問題でございます。その場合におきましても、財投資金の貸出利率というものは郵便貯金金利が下がることによって下がるわけでございます。 また、財投の内訳を見ますと、いわゆる一−六分類に非常に多くの原資が使われております。たとえば一は住宅でございますが、これが財投のうちの二四・三%である。生活環境整備が一四・七%で、以下、厚生福祉、文教、中小企業、農林漁業等々、合わせて一−六で大体六八%ぐらいが使われておる。これはやはり間接的なペイバックということになろうかと考えております。 もちろん、当初私が申し上げましたとおり、預金金利が下がるということは、預金者の立場から考えればまことに歓迎すべからざることでございますが、景気の回復あるいは財投による直接国民生活に関連している部分の改善ということは、広い意味におきましてはペイバックの一種になろうかと考えておる次第でございます。(「本当に物価は下がるか」と呼ぶ者あり)
○青山委員 物価は上がるのですね。 今度の場合に、公定歩合の引き下げに連動して預貯金金利が下がってきたのは、銀行の圧力はありませんか。郵政省直接じゃないかもしれませんが、そういうことはありませんね。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 銀行の圧力ではございません。政府の政策決定と審議会答申によって利下げを行った次第でございます。
○青山委員 貯蓄性の預金と営業性の預金を区別して、貯蓄性の預金の金利を有利に取り扱っていくという対策がやはり必要だと思うのです。先ほど申し上げたと思うのですが、営業性預金は、預金利子が下がっても、借入金利も下がっていくから、結局相殺勘定になっていく。そういう意味からすると、預け入れだけの預金金利が下がっていくということは大変な不利になるということは御理解いただけると思うのです。その辺が一般市中銀行を利用しておられる預金者と、郵便貯金を利用しておられる人、貯金をされる方との違いなのですね。 そういう意味では、西ドイツで利用しておるような、個人性の預金の利子は据え置くというやり方をぜひ検討していただきたいと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○高仲政府委員 原則といたしましては先生のおっしゃるとおりでございますが、一番むずかしい点は、何をもって営業性預金とし、何をもって個人性預金とするかという点でございます。たとえば郵便貯金に個人名で預けられておるのは、これは当然のことながら私どもでは個人性預金というふうに考えておりますが、その中に、たとえば商店を営んでいらっしゃる方あるいは中小企業等をやっていらっしゃる方が営業的に使うものがあるのかないのか、この点を考えますと、たとえば欧米の諸国といいますか、フランスにおきましても、個人のいわば少額貯金についてはある種の特恵を与えておりますが、この場合は厳重に一個人に一冊の通帳という原則が貫かれておるのでございます。 これは理論としては簡単でございますが、実際にこれを動かすということになると、今後十分検討いたしませんとむずかしい問題でございます。極端な、安易な形で申し上げるならば、国民総背番号的な制度ができておれば比較的スムーズにできるものだと思いますが、これは言うべくしてなかなかむずかしい問題がございまして、目下これを直接検討するという段階にまでは立ち至っておりませんが、原則といたしましては、先生のおっしゃる点はよく理解できる次第でございます。
○青山委員 いろいろな理由があるためになかなか困難だとおっしゃるのですけれども、基本的に理解していただけたと思うのです。しかも、これは最高制限額は決まっているのですから、それを営業性あるいは個人性というようにどんどん狭く考えていかれることは、個人性預金、つまり郵便貯金に対して将来国民的な不信感が出てくるのではないかという不安が私はあるのです。 実は、定期性の貯金については、本年五月と九月で計一・五%引き下げられましたが、貸出金利の中で、一般庶民が利用している住宅ローンだとか、それから家庭電化製品だとか自動車だとか、いわゆる耐久消費財の購入ローンは実際に下がっていますか。郵政省は調査しておられますか。
○高仲政府委員 これは郵便貯金の直接関与している問題ではございませんが、外界の動きそのものにつきましては私ども関心を持っておる次第でございますが、たとえば新規貸し出しの住宅ローン金利について見ますと、五十年十一月におきましては、これは十一年ないし二十年ものの非常に長いものでございますと、都市銀行、地方銀行では九%であったと思います。五十二年の五月には八・四%、八月には八・一六%、現時点の十月はたしか三日以降適用でございますが、これは七・九二%というようになっております。 その他、信託銀行あるいは住宅金融専門会社の例を見ましても、五十年秋以降逐次金利が下がっております。たとえば住宅金融専門会社のある一つの例でございますが、五十年五月二日以前は一一・二八%であるものが、五月二日に一〇・五二%、七月一日に一〇・二%、十月三日以降九・七二%というふうになっております。 あるいは消費者ローンについて見ますと、これは都銀の一つのローンの例を申し上げますが、これは期間によっていろいろ違いますが、六カ月ものについて見ますと、五十二年六月一一%、五十二年七月一〇・二五%、五十二年九月九・二五%等々、全体の傾向といたしましては貸出金利も低下の傾向にあるというふうに承知いたしております。
○青山委員 しかし、なかなか一・五%まで下がっているようではないのですね。 〔委員長退席、阿部(未)委員長代理着席〕 去る二十一日の参議院予算委員会で、民社党の栗林委員の、総需要管理政策として今後の金融政策はどうあるべきかという質問に対して、日銀の総裁は、資金の有効配分を進めるには金利は究極的に自由化を目指しつつ一層弾力化を進めることが必要である、当面は貸出金利よりも郵貯を含む預金金利の弾力化が運用上の重要な問題であるという発言をしておられますが、郵政省の方としてはこれに対してどんな御見解を持っておられるのか、伺いたい。
○高仲政府委員 お答えを申し上げます。 全体としてのトーンといたしましてはまことにもっともだと思いますが、後段の方になるに従いまして、何か言外に、一般金融機関の金利と郵便貯金の金利は当然に連動すべきだというニュアンスがあるやに感じられるので、そこの点については私といたしましては反対でございます。
○青山委員 わが国の金利決定システムは現在二本建てです。金利体系決定の一元化が主張されてきておりますが、いまの弾力化、自由化と関連させて、大臣はおられませんが、政務次官、この金利体系決定の一元化の方向にどうも動いておるように感じるのですが、郵政省の最高幹部として、この主張についてどう考えられるか、お尋ねをいたします。
○綿貫政府委員 郵便貯金法の第十二条に、よく御存じのように、預金者の保護と同時に、金利、金融体系全般のことを考えなければならぬということになっておりますが、私は、これはやはりあくまでも郵便貯金の趣旨だと思っておりますし、この線に沿って現状維持ということでやっていくべきだと考えております。
○青山委員 現状維持でやっていただきたいが、預金者の利益の増進、貯蓄の増強についてはさらにひとつ努力をしていただきたいと思います。 大分時間が来てしまいましたのでちょっと急ぎますが、私は、基本的に今度の金利の引き下げについては反対しなければならぬ。反対なんです。しかし、現実にはそういう方向でいま動いているわけですからいつまでもそういうわけにはいかないのですが、現実にわれわれが生活していく中で、最高制限額がいま三百万と決められておりますが、預金者の立場を守るということから考えてみれば、その制限額を五百万あるいは一千万と引き上げていかなければならぬと思うのですが、どうでしょうか。
○高仲政府委員 先生の仰せのとおりでございまして、郵政省といたしましては、来年度予算の重点事項といたしまして、郵便貯金最高制限額を三百万円から五百万円にするということで、これを実現すべく鋭意努力をいたしておるところでございます。
○青山委員 ぜひその方向で努力をしていただきたいと思います。 さらに、もう一つは、マル優といっては正確ではありませんが最高制限額、これの範囲内での預貯金については公定歩合に連動させない。預貯金金利を引き下げない。本当は私は上げてほしいのですよ。郵政審の答申の中にも、景気が回復した時点で緊急に対応措置をとると言っております。この問題は後でちょっと触れたいと思いますが、基本的に下げないという、そういう方向でこれから努力をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 金利の変動はあらゆる債権債務にすべて及ぶことになっております。こういう点から、理想論としては郵便貯金について下げるということをしないというのはわかるのでございますが、郵便貯金のみこうすることにつきましては、先ほど来申し上げましたように、日本の金融界に占める郵貯のウエート等、検討すべき非常に多くの問題がございます。また、そういうふうに金利を高い水準で固定した場合の財源措置等きわめて困難な問題がございますので、理想論としてはおっしゃる点はよくわかるのでございますが、これを実現するのは非常にむずかしいのではないかと考えております。
○青山委員 物価の上昇率よりも預金金利の方が低いということは、財産がどんどん減っていくということになるのです。財産が確実に目減りをしていっている。これは明らかに政治の責任です。その政治の責任を零細の預金者にしわ寄せをしている。こういうことではやがて貯金される人たちから郵便貯金は見離されるときが必ず来ます。財産なり貯金が少なくなっていくことはわかっておっても、いまはまだそれ以外に方法がないものですからやむを得ずやってきておるのです。大体、預金金利の方が物価上昇率よりも低いなんということがおかしい。そういう政治の責任を庶民にしわ寄せさせないということが政治でしょう。その責任を庶民に転嫁しないという確固たる立場をとっていただかないと、やがて必ず郵便貯金に対して大変深刻な事態が起きますよ。そういう預金者の立場で郵政省は努力をしていただきたいというのが私の質問の趣旨なんです。 そこで、反対運動をしておられる方々は、物価にスライドさせた形で新種の預貯金制度を要求してきております。五十年に、国民生活審議会が、インフレによる国民生活のゆがみを是正するために元本を物価にスライドさせた特別貯蓄国債制度の創設を提言しておりますが、とれに対してどのように努力してこられたか、お尋ねをいたします。
○高仲政府委員 大変むずかしい御質問でございまして、私もいささか答弁に窮するのでございますが、これは金融機関すべてにある意味では該当する問題ではなかろうかと思います。大変むずかしい問題でございます。その中でひとり郵便貯金においてのみそうしたことをやるとした場合に、いわゆる財源措置あるいは他の金融機関に対する公平といった点から非常にむずかしい問題がございます。 郵便貯金の預金者の立場という点から考えますれば、これは確かに結構なことでございますが、検討すべき事項が余りに多過ぎるので、いま現時点におきましてはどうも即答できない次第でございます。
○青山委員 さっきちょっと触れまして、そして話を進めなければならなかったのでそちらの方を進めたのですが、九月の答申に、景気の回復の目安がつき次第対応措置を講ずるという答申がありますが、それは見通しは大体いつごろですか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 これまた大変にむずかしい質問でございまして、景気の回復、経済の正常化がいつになるのかという御質問とほぼ類似しておる御質問でございまして、私の立場からいたしますと、その点については答弁の資格がないのではないかと考えておりますが、一般論といたしまして、景気が回復してくれば、また金利の状態が全般として上昇してくれば、十二条の預金者を保護すべき立場と、それから一般金融機関の金利を考える立場と、これの二つを考えながら預金者の利益にかなうように措置していかなければならない、このように考えておる次第でございます。
○青山委員 具体的に景気が回復した、あるいは回復する目安がついたという段階は客観情勢としてどういうふうにとらえられますか。
○高仲政府委員 景気の回復という点につきましては、各種企業の稼働率の問題であるとか、失業者の状況であるとか、こういうったものが考えられますが、郵便貯金の立場から考えます場合には、主として金利の動向を考えていくのが至当ではないかと考えております。
○青山委員 貸出金利、預金金利、市中銀行におけるその金利の動向で郵便貯金の金利引き上げを考えていこう、こういう考え方ですね。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 一般民間金融機関における預金金利だけではなくて、全体としての金利の動向というものも広く検討していくべきであろうと考えております。
○青山委員 景気回復のために、公定歩合の引き下げに連動した形で預貯金金利の引き下げがありましたが、社会保障が全く不十分な中で零細な貯金金利が下げられることによって、貯金が目減りをしてきております。これは政治の責任としては重大です。 先ほど申し上げたように、一定限度の金額内で物価にスライドさせた特別郵便貯金あるいは貯蓄債券を創設していく考え方はありませんか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 先ほど来申し上げておりますように、理想論としてはまことにごもっともな御趣旨と考えますが、現実の問題として考えるならば、問題は物価の上昇の方が先にあるのであって、鶏が先か卵が先かと言えば、物価の安定を図る方が急務であろうと考えております。
○青山委員 物価の安定と先ほどからも繰り返されますが、預貯金金利を下げて物価が安定しますか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 今回の金利一般の低下というのは景気対策の一環でございます。景気を回復するというのが第一義でございますが、その際あわせて物価の問題も考えていこうということでございます。 問題は、関係はあるが、物価と金利というのはこの際直接的な関係ではないと考えております。一般論といたしまして、金利と物価というのはある程度の関係はあると思いますが、直接的な関連はこの際考えておらないので、いま考えておるのは景気対策であると理解いたしております。
○青山委員 しかし、金利を下げることによって物価は上がりやすいですね。そういう意味で、私は、物価問題が先だという立場からすれば、預金者の財産を守っていくというのが郵政省の役割りだと思うので、具体的に先ほど申し上げたような施策を検討していただきたいと思うのです。 それから、庶民の財産の価値が、景気対策のためとは言っても、企業の設備投資や金利負担の軽減のために切り下げられてきております。預貯金金利の目減り対策がなされておらない。これはやはり国民不在の政治だと言っても過言ではないと私は思うのです。そういう意味では、先ほど大臣がちょっと触れられたが、福祉定期預金制度を復活させていって預金者の財産を守っていき、増進させていってほしいのですよ。しかし、最低限度引き下がって、守っていくという立場で郵政省は検討していただくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○高仲政府委員 福祉定期預金につきましては、来年の五月二十日までその適用を延期いたして利用者の利便を図っておる次第でございます。 また、一般論として、先生が預金者の利益を守れとおっしゃることはまことによくわかる次第でございまして、今後ともその点は十分頭に置きながら、業務の運営を図っていきたいと考えておる次第でございます。
○青山委員 それでは私はちょっと伺っておきたいのですが、郵便貯金を利用しておられる方は、こういう金利の引き下げによって不利益ばかり受けて、受ける利益がない。三十四兆といえば、国家の財政の中で相当大きな役割りを果たして、ちょっと時代的な発言でありますが、国家建設のために大きく寄与してきました。この点はお認めいただけると思うのです。しかし、いまのような状況では、それだけ苦労して努力して国のためにお役に立っても何ら利益が還元されておらないということをずっと繰り返してきたのですが、いま郵政省では進学ローンを検討していただいておるそうですが、これは試案がもうすでに発表されておる。発表されておりますね。資料はありますね。出ていますか。それで大蔵省はイエスと言っておりますか。
○高仲政府委員 本件は、先ほど申し上げました総額、制限額の引き上げ等とあわせて、五十三年度予算の要求事項として要求したものでございますが、大蔵省の方はまだ特定の意思表示をいたしておりません。 五十三年度予算の編成に当たって、十分検討するということを期待しておる次第でございます。
○青山委員 しかし、郵政大臣の発言の中では、もう大蔵省は了解しておると言っておるのでしょう。違いますか。
○高仲政府委員 予算関連の事項でございまして、予算の政府案はまだ決まっておるわけではございません。これは通常十二月末の時点で決まるものでございます。そのときにはっきりするものと考えております。
○青山委員 この進学ローンの内容はどんなものですか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 これはまだ試案でございまして、政府案ではございません。こういう方向で目下鋭意検討を進めておるというものでございますが、仮称進学積立郵便貯金という制度を設けます。それで、一年以上二年までの間毎月一定額を積み立てていただき、その金額は一万円、二万円、三万円、四万円といったものを現在考えております。積み立ての最高額は五十四万円程度ということを考えております。 これを積み立てていただいて、この貯金契約のときに、その内容に対象となる子弟の名前を入れていただくわけですが、この方が高校あるいは大学に入学したことを条件といたしまして、五十四万円の積み立てに対して、その五十四万円を含めて百八万円御用立てをいたしたい。 なお、返還は、積み立てを行った期間、つまり二年間にわたる積み立てでございましたら二年間に返していただく、一年の積み立てでございましたら一年で返していただくという形を考えております。 金利等につきましてもいま鋭意検討を進めておるところでございますが、これは預けていただく場合の金利と貸し出しの場合の金利とを考えまして、なるべく利用者の方の利便になるように考えていきたいということで、目下検討を進めておるところでございます。
○青山委員 五十三年度から利用できますか。
○高仲政府委員 本件は法律事項でございます。郵便貯金法の一部改正によりましてこれを実現いたしたいと考えております。法律の通った時期から直ちに実施することといたしましても、積立期間を一年以上二年までという間に定めますと、入学のケースに当たるのは大分先になるのが実情でございます。
○青山委員 最後にお尋ねさせていただきますが、郵政省の進学ローンの構想がかなり関心を呼びまして期待されているのですが、市中銀行も検討しておるようですね。その辺の御見解をお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
○高仲政府委員 市中銀行でも検討を進めておるということは承知いたしております。これは、やはり郵便貯金が始めるということが一つの刺激になって検討をお始めになったのではないかと感じておりまして、そういう点、この構想のある意味でのプラスの面がすでに出ておるものと考えております。
○青山委員 終わります。
○阿部(未)委員長代理 藤原ひろ子君。
○藤原委員 現在、インフレと不況のもとで国民生活は大変困難をきわめております。しかも、このような状態の中で、ことしに入りまして二度にわたる郵便貯金の金利引き下げが行われました。過去を振り返ってみましても、一年間に二度にわたる金利の引き下げが行われた例はほかにはございません。今回の郵便貯金の金利引き下げは、国民生活を防衛する上でゆるがせにできない大変な問題であると思います。 まず、最初に郵政大臣にお尋ねをいたしますが、インフレと不況の中でなおかつ国民生活に犠牲を強いるような今回の措置、すなわち金利引き下げをなぜ行われたのですか。その理由をお聞きしたいと思います。
○小宮山国務大臣 最近の経済情勢を見ますと、経済は大変混迷を続け、雇用情勢の改善がおくれておると言われておりまして、政府といたしましても、去る九月三日の経済対策閣僚会議におきまして、このような経済情勢にかんがみ、景気の着実な回復を図り、雇用の安定を確保するため、財政、金融の措置を含む総合的かつ強力な景気対策をとるという、いわゆる総合経済対策を決定したところであります。 この経済対策の一環として、金利全般にわたりその水準の引き下げを促進するため、御承知のとおり〇・七五%公定歩合が引き下げられ、これに伴い、民間金融機関の預金金利が去る九月二十六日に一律に〇・五%引き下げられたのであります。 郵便貯金といたしましては、前回の引き下げのときからわずか四カ月しか経過しておらず、また、御承知のように消費者物価の上昇率が郵便貯金の利率を上回っている状況にかんがみ、種々検討を重ねてまいったところでありますが、今回策定された金利水準の全般にわたる低下の促進を含む総合経済対策は景気の着実な回復を図ることにあり、当面するわが国の国政の最大の課題であるということも御承知のとおりだと存じます。 したがいまして、このような経済情勢下におきまして、郵便貯金がわが国の金融全体の動向に大きな影響を及ぼしていること、また、郵便貯金の融資金をその主要な原資として活用している財政投資資金も一層低利の運用が要請されていること等、郵便貯金をめぐる諸般の情勢にかんがみ、この際、郵便貯金法第十二条の規定に照らして、その利率の改定もやむを得ないと判断し、去る九月十三日、郵政審議会に郵便貯金の利率の改定につきまして諮問いたしておりましたところ、九月十九日に郵便貯金の利率をこの際引き下げることもやむを得ないという答申をいただきましたので、去る九月二十九日から〇・四五%ないし〇・五%の幅で引き下げることといたしたわけであります。
○藤原委員 景気回復等の理由で金利が引き下げられたということでございますが、わが党の荒木議員が、先日、十月十二日の予算委員会で明らかにいたしましたように、各企業に対して金利引き下げが景気に及ぼす効果についての聞き取り調査を行いましたが、その結果、各企業の中で、電気事業連合会、伊藤忠商事、三井物産、日本鋼管、住友金属などは運転資金に回しますというふうに言っており、また、関西電力は借入金が減るでしょうと言っております。さらに、丸紅では収益の下支えになるというふうに言っております。野村総合研究所の方は、現在の減量経営のもとでは景気刺激策としての効果は非常に少ないと言っております。政府が言っております景気回復や雇用促進などという理由については、企業側は消極的ないしは否定的な意見を持っているわけです。 一方、国民からは、九月十三日の郵政審議会に諮問された翌日の各新聞の投書欄に、政府の金利政策に対して非常に強い非難の声が上がっておりました。ここに読売新聞の九月十四日付のものを持っておりますが、これは茨城県新治郡の飯沼政次郎さんという七十七歳の御老人でございますが、「新聞報道によると、今回の公定歩合引き下げで、資本金千万円以上の企業約十七万社の金利負担の軽減は、実に最終段階で約二千六百億円にのぼるといわれている。だが、私どものような零細預金者は、物価高に悩み、更に公定歩合の引き下げの追い打ちで、金利は三回も下がってしまった。若い時から老後のために営々と働き、ためたわずかばかりの定額預金の利子も、水のアワのようになってしまった。老後の安定どころか、路頭に迷う寸前である。いまさら、七十七歳の老人が出稼ぎに出ることも出来ない。あわれな者は零細預金者である。貯蓄などしないで、蓄えた少しばかりの金で、土地でも買っておけばよかったと後悔しても、後の祭りである。大企業の膨大な利益獲得に比して、われわれ零細預金者は、数の上では多数を占めていても、少数の大企業の圧力には勝ち目がないのは、どういうわけなのであろうか。万民に公平な政治を行う大政治家は出ないものか。私は自民党に一票を投じてきたが、今や、その岐路に迷っている。」というふうな投書をしておられます。 郵政大臣は、これらの国民の声に対してどのように対処し、どのようにこたえるつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 いまの方の御投書に対しては、年齢から見ますと老齢福祉年金の受給者の方だろうと想像いたしますが、この方々に対しては、預入する定期預金の利率を年六・七五%に据え置き、来年の五月二十日までそのような取り扱いをいたすことにいたしております。そういうようなことでございますので、御理解いただきたいと思います。
○藤原委員 御老人のために施策を行っているということでございましたが、それは政府が行っているのではなくて、零細預金者の貯金を使っているということで、本当に老人福祉のために心を尽くしているということにはならないと私は思う次第でございます。 次に、前回五月の金利引き下げのときにも、その理由といたしまして、景気対策、景気回復等といった名のもとに金利が引き下げられましたが、郵政省にお伺いいたしますが、郵政省として、国民の零細な貯金を預かるという立場から、前回の金利引き下げによってどのような景気回復の効果があらわれてきたのか当然調査をされたと思いますが、その結果を明らかにしていただきたいと思います。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 大変むずかしい御質問でございますが、郵便貯金の金はすべて資金運用部に行きまして、財政投融資の一環として使われておるものでございます。その非常に大きな部分が国民生活に密着した部分に使われておるのでございますが、こういう場合、郵便貯金の金利を引き下げることによって、財政投融資でそういう国民生活関連部門あるいは中小企業等に融資する場合の金利も間接的に下がっておるわけでございまして、こういう点からは、預金者一般に対するペイバックというものはある程度図られているものと考えております。 具体的に数量的に把握するのは大変むずかしい問題でございますが、たとえば中小企業金融公庫の基準貸出金利について見ますと、五十二年四月時点では八・九%であったものが四月二十八日には八・一%になっており、九月二十一日には七・六%になっているという点で、やはり、郵便貯金といたしましても、この金利引き下げによりまして、ある意味では直接的な効果を発揮している部面もあると考えておる次第でございます。
○藤原委員 先ほど私どもの調査でも述べましたように、この引き下げによってどのような変化が起こってきたのか、一つ一つについてもっと具体的な調査をし、その結果を明らかにすべきだというふうに思いますが、そういった調査は一体できるものなのでしょうか、できないものなのでしょうか、お尋ねをいたします。
○高仲政府委員 郵便貯金の金利の引き下げによりまして財投原資の資金コストが低くなる、それで財投関係の貸出金利が低くなっていくという点につきましては、これは調査することができる次第でございます。 ただし、私はいま手元に詳しい数字は持っておりません。たとえば、先ほど申し上げました中小企業金融公庫から先にどのように流れて、この貸出金利の引き下げの効果がどうであったか、その先までは私どもといたしましては直接的には調査する手段、方法を持っておりません。
○藤原委員 それでは、調査されたいまの段階で結構ですから、私どもの手元にいただきたいということを要望しますとともに、この御老人の声あるいは中小零細業者の人たちがこの金利引き下げによってどのような状態になっているかというようなことについて、できないというのではなくて、ぜひ手を尽くして調査をしていただきたいというふうに強く要望したいと思います。
○高仲政府委員 ただいま私は政府関係金融機関の貸出金利について申し上げましたが、郵便貯金の金利の引き下げというのは全体的な預金金利の引き下げと関連して行われたものでございますが、この全般的な預金金利の引き下げというものの結果といたしましては、たとえて申し上げますれば、貸出金利一般というものが現在下がっております。 先ほどもちょっと触れましたが、新規貸し出し住宅ローンの金利の推移を見ますと、九%が、八・四%、八・一六%、七・九二%と、これは都市銀行、地方銀行の場合ですが、こういう事実がございます。また、先ほども申し上げましたが、住宅金融専門会社の例で見ましても一一・二八%が、一〇・五六、一〇・二〇、九・七二といったように逓減いたしておるということは、今般の金利の引き下げが、大企業及びその関連のみではなくて、いわゆる庶民の借りる金利についても引き下げが行われておるということが言えようかと思います。消費者金融の金利についても同様でございます。
○藤原委員 それでは、いまのあらわれが景気回復をしたという証明になるわけですね。
○高仲政府委員 ただいま私の申し上げましたのは、個人が借りる場合の金利がどうなっておるかという点について申し上げたのでございます。 景気の問題ということになりますと、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、現在の時点においては膨大な完全失業者を抱え、かつ、稼働率の低下に伴う潜在失業者が企業内に多数おるという憂慮すべき事態にあるわけでございますが、こういう事情のもとにおきましては、金利の引き下げは、これ以上の失業者の発生を防ぐということはもちろん、失業者の解消に役立つものと私どもは考えておる次第でございます。
○藤原委員 憂慮すべき事態というところまでわかっているのですから、この金利引き下げによって景気がどのように回復してきているのかという具体的調査をぜひともしていただくことを強く要望して、時間がありませんので次に進みたいと思います。 郵便貯金の現在高は三十四兆円にも上っております。郵政省の資料によりましても、その内訳は九九・二%が個人の預金であるというふうに言われております。国民一人当たりに三十四万円、一世帯に約百万円以上の貯金をしているという計算になるわけです。そして、その貯蓄の目的というのは、将来の生活不安や不時の出費に備えるという人たちが圧倒的な数を占めております。したがって、このような一人当たり三十四万円、一世帯約百万円以上、つまり三十四兆円というような数字は、こつこつと備えている零細な庶民の気持ちがにじみ出たことの結集の数字だというふうに私は思います。 国民の零細な貯金を預かる郵政省が、別に調査もせずに一方的に金利引き下げを行うというのは余りにも無責任ではないでしょうか。郵政大臣は、物価上昇率が郵便貯金の金利よりも上回るということが正常な姿なんだというふうに思っていらっしゃるのでしょうか。いかがでしょうか。大臣にお答えをいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 五月の郵政審議会の中で、物価抑制を一番先に条件としてまいりました。しかし、現在の経済を見ますと、有効求人倍数をごらんになっていただければよくわかりますけれども、大変ばらつきがあり、かつ、青森あるいは鹿児島、沖繩等では〇・一%台の大変な有効求人倍数であります。また、企業の稼動率も、四十八年を一〇〇とすると八六%ぐらいの稼動率であります。かつ、失業者が百五万人で、これは十八年ぶりの、なべ底景気以来の失業者であるということがございます。そういうような産業全体の中で、政府といたしましても、郵政大臣といたしましても、失業者を出さない、多くの人が雇用できる状態に抑えていくということがやはり今回の利下げの大きな原因でございますことは先ほど申し上げたとおりでございます。 願わくは、物価と金利と比較してそのようなことがない、いわゆるバランスのとれた金利であることが望ましい。しかし、経済は生き物でございますから単純にそういう形にいかない。どれをとるかということになれば、やはり失業者を出さないということが一番重要なことであるし、また、この不景気を一日も早く回復することが一番重要である。もちろん物価はその前提にあることであります。しかし、物価というのは突然下がるのではございません。物価というのは一気に下がるものではないということもわれわれよく知っておりますし、長い努力と経済政策の中でやっていく問題であろうと思います。そういう中での物価というものは、狂乱物価以来まだまだ尾を引いておる。 しかし、この七月以降その鎮静化を見、特に卸売物価などは非常な下降状況を見ておるという状況を見ますと、少なくとも経済政策が浸透しているということで、今回の総合経済政策の中でやはり財政を主体にして、かつ、金融政策がそれにバックアップして日本の経済が上昇ぎみになり、かつ、失業者が減り、その上物価が安定することを願っておるのであります。
○藤原委員 願わくはバランスのとれた金利であるのが望ましい、しかし失業者を出さないこと、景気回復が大事だ、物価も徐々にまあまあ何とかなっているじゃないかという意味の御答弁だと思うのですけれども、それでは先ほどから郵政省に聞いておりますように、景気回復についてどのような景気回復になったのかという具体的な例も出ないし、また、失業者も一体なくなりつつあるのかというと、そうではなく、ますます増大するという方向にある。物価安定になるのかどうかというと、国鉄運賃の値上げをすれば諸物価にはね返ってくるというような火を見るよりも明らかなようなことばかり起こっているのに、御答弁では、金利を引き下げたら何か失業者を出さない方向が出そうだ、景気回復になりそうだというような御答弁を聞いたのでは、国民はむだな期待をする。そういうことだというふうに私は思います。こんな中で、実際には一片の政令で、しかも一方的に国民に対して犠牲を強いる結果を持ち出してきているということではないでしょうか。 郵便貯金の協賛団体になっております各婦人団体からは、この新聞で見ますと、貯金をする気にならない、また、協賛団体を返上するというような声も出ているのは大臣もお読みになっただろうと思いますが、これらのことは異常な事態だと言っても決して過言ではないというふうに思います。それほど郵政省に対して不信を持っているんだというふうに私はこの新聞を見て感じたわけですが、このように国民に反対され、不満を持たれて、果たして郵便貯金の事業が正常に運営されていくというふうに思っておられるのかどうか、その点をお聞きしたい。 それから、先ほどの大臣の景気回復ということとあわせて、郵便貯金法の第十二条に照らしてやむを得ない措置をとったんだというふうにおっしゃいましたが、しかし、第十二条というのは、御存じのとおり、「これを変更する場合には、郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うとともに、あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配意しなければならない。」と書かれておるわけです。そうしますと、十二条に照らしてやむを得ないということは、この文章では前半が主になるはずだ、後半は従になるはずだと私は思うのですが、これは後から書いてあることを主にとって、金融機関の預金の利率についても配慮するということを非常に強調された施策だというふうに私は思いますが、主客転倒ではないか、十二条に照らした措置というのは全く主客が転倒しているというふうに私は理解いたしますが、いかがでしょうか。
○高仲政府委員 お答え申し上げます。 十二条の問題について言及されましたが、私どもといたしましてはどちらが主でどちらが従ということは考えておらないのでございまして、ここに書いてあることを素直に読みまして、預金者の利益を増進し貯蓄の増強に資するということと、一般金融機関の預金についても配意することというのを同時に考えなければならないと考えた次第でございまして、こういう基本的な考え方に立った上で郵政審議会に諮問し、万やむを得ないという御答申をいただいて、この際郵便貯金の金利を引き下げた次第でございます。 なお、いささか蛇足になろうかとも思いますが、先生も御存じのとおり、また、先ほど大臣が申し上げましたとおり、郵便貯金利下げの時点におきます残高は約三十四兆円でございますが、この三十四兆円に対して〇・五%の引き下げというのが直ちに全部ひっかかってくるのではございません。三十四兆円のうち一三%余りが通常貯金でございますが、この通常貯金につきましては直ちに利下げが適用されます。しかしながら、その他の預金につきましては、定額貯金については、預入の期間から十年間というものは従来の高い金利をそのまま適用するという措置が講ぜられておりまして……
○藤原委員 はい、わかりました。 前半と後半はないんだ、主と従はないんだ、両方ともだとおっしゃいますが、新聞の投書その他によっても、もう貯金をするのいやだ、協賛団体なんかもうお断りしようというふうな事態が、両方同じように尊重してやったつもりでもすぐの結果として出ているとするならば、少額貯蓄の手段として——経済生活の安定と福祉の増進のためにこの金利引き下げは間違っている、改めなければならないという論法になるのではないかというふうに私は思います。 時間がありませんので、この御答弁は長くなりますから次へ進みますが、とにかく、国民は今回の利下げが血も涙もない措置だというふうに指摘をしているということと、また、そういった指摘と同時に、私は、この利下げを審議する郵政審議会のあり方というものについて疑問を持っているわけです。といいますのは、公定歩合引き下げに連動する貸出金利引き下げの恩恵を受けるものは主として大企業であります。いろいろ中小零細企業もこのようにというようなことがありましたが、全体の総枠のパーセントから言えばやはり大企業が恩恵を受けているわけです。そして、今回の郵便貯金の金利引き下げが、預金者の負担で大企業と大銀行の利益を保障するものであることは明らかであります。 このような重要な内容を審議する審議会の委員構成自体が、財界出身者であるとか官僚出身者などが多数を占めております。郵政審議会の審議会令第三条では、「委員及び専門委員は、左に掲げる者のうちから、郵政大臣が任命する。」というふうになっておりまして、そして、左に掲げる者というのは何かといいますと、まず、「一 関係行政機関の職員 二 学識経験のある者 三郵便貯金の預金者の利益を代表すると認められる者 四 簡易生命保険又は郵便年金の契約者の利益を代表すると認められる者」というふうになっております。 委員を任命する権限を持っておられる郵政大臣にお尋ねをいたしますが、現在の審議会委員のうちで、土光経団連会長、池田三井物産社長、亀井住友電機工業社長、佐方富士重工業専務取締役などの財界関係者は、郵便貯金を預ける側の代表なのか、それとも郵便貯金を借りて利用する側の代表なのか、どちらでしょうか。審議会の委員の選び方などについては私が申し上げたのですから、これらの人がどちらの代表であるのかということ、この点にしぼってお答えをいただきたいと思います。
○河野(弘)政府委員 お答えいたします。 いま先生から土光さん以下の個別の先生方につきまして、経済界といいますか、その代表者かどうかというお話がございましたけれども、私どもが委員の方々の個人個人をそれぞれ個別に分類いたしますことは非常にむずかしいものでございます。 また、先生も御承知のとおり、この郵便貯金と申しますのは、その地域あるいは職業、所得、世代のいかんを問わずして、あらゆる地域あらゆる階層にわたりまして普遍的に利用されているわけでございます。現在、御承知のとおり、その利用率は全世帯の約六〇%に及んでいるということでございますし、審議会委員の先生の多くの方々がこの郵便貯金の利用者であるというように考えております。したがいまして、一般的には、ほとんどの先生方委員がそれぞれの立場において何らかの形でこの預金者の利益を代表しているというように私どもは考えているところでございます。
○藤原委員 土光会長がどれだけ郵便貯金をしておられるのか、どれだけ大銀行に預金をしておられるのか、まあ笑い話だと思いますからお尋ねいたしませんが、だれが聞いたって常識ででも判断ができる。そのような苦しい御答弁をなさるのは全くこっけいだとしか私には思えないわけです。 私がこのことを聞きますのは、現在の郵政審議会の構成自体が財界代表と官僚出身者で多数を占められている。いろいろな人で構成されておりますと言われておりますが、肩書きを調べて一覧すれば、一目瞭然でこのことはわかるわけです。しかも、会長には大企業本位の金融政策を主張しておられる経団連会長が就任をしておられるわけですが、この構成について、委員の一人である勝部氏は、今回の審議会でこう言っておられます。「こんな構成の審議会では小口預金者の意見などは反映されるわけがない。その点をずいぶん強調したのだが、多勢に無勢の感じだった。」とか、「山高さんが腰痛で欠席されたので、消費者代表は私一人、労働界と学者の一部の方が同調されたが、結局は賛成派が圧倒的で、郵便貯金のような零細小口のとらの子をどうするかの論議に大衆団体を代表する人をもっと入れないのはおかしいですよ。郵政審は役所代表が多過ぎる。」とか、こういうふうに述べておられるのが新聞でニュースとして出ていたわけです。これは天下に言明をしておられるわけです。 これは構成自体に疑問を出しておられる発言だというふうに思います。金利引下げの答申を出すのは郵政審発足以来五回目と聞きますが、その会長は足立正日商会頭、藤井丙午経済同友会副代表幹事、それに現在の土光会長と、いずれも財界の大御所です。このことは他の審議会では考えられないことです。 私は、ここに大変な問題があるというふうに思います。郵政審議会の構成を国民本位に改めることはもちろんのこと、会長の選出自体も財界出身者で占められないように改めるべきだというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 今後とも、各界各層から学識経験者を厳正に選ぶつもりであります。
○藤原委員 厳正に選ぶということに重点をかけていただきたいと思います。いまは大変偏っているというふうに私は感じているわけです。いまのが厳正だというふうには考えないという意味で御答弁をいただいたと確認したいと思います。 次に、金利問題一つをとってみましても、国民の理解と協力を得るためには、まず、国民が納得する審議会の構成と会長の選任について配慮しなければならないと思うから、いまのように厳正な意味で私は理解したわけですが、郵政事業は当然国民の理解と協力なしにはできない事業だと私は思います。私は、このことを再度強く要望いたしまして、主張いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
○小宮山国務大臣 郵政審議会は、金利だけではございませんで、郵政全般にわたる問題でございますので、現時点でも厳正に選んでいると考えております。
○藤原委員 次に、私は、郵便配達の問題についてお伺いをしたいと思います。 まず、最初に、確認をしておきたいと思いますが、現在の郵便の収集及び配達の業務は、郵便法五十六条、郵便規則第二条及び郵便集配運送計画規程に基づいて行われているというふうに理解をいたしておりますが、それでよろしいでしょうか。
○神山政府委員 郵便の運送配達につきましては、私どもとしては、それぞれ所定の法律、規則にのっとってやっておると、こういうふうに考えております。
○藤原委員 郵便の配達区は市内と市外とに分かれておりますね。市内と市外というのは、配達度数はどのように変わっているのでしょうか。
○神山政府委員 現状を申し上げますと、総配達区数が約四万九千六百区ございますけれども、そのうち配達度数二度以上の区数が約二万二千九百というような状態でございまして、配達度数一度の区数が約二万六千七百、パーセントにしますと、二度以上の区数が四六%、一度の区数が約五四%、こういった比率になっております。 それで、二度配達でございますが、これは御承知のように、郵便区市内につきましては二度、それから市外地につきましては一度、ただし通信力の非常に高い特殊なところについては二度配達、こういうことでやっております。
○藤原委員 それでは、次に、郵便集配運送計画規程の第二章の「集配」と、それから第一節の「郵便区」に該当するところで、第七条に「郵便区市内の設定」という条項がありますけれども、ここにはこのように書かれております。「郵便区市内は、集配局所在地及びこれと人家の連なる集落をもって、その地域とする。」とあって、その第二項には、「前項の地域の極端から六百メートル以内に、又は六百メートル以外にまたがって集落がある場合は、更に、これを市内とすることができる。但し、」云々というふうにありますが、これに間違いはないでしょうね。お尋ねいたします。
○神山政府委員 この郵便集配運送計画規程第九条で、「市内の集配度数は、次の標準による。」ということになっておりまして、その中で具体的に規定されております。こういう考えに基づいて具体的にやっておるということでございます。
○藤原委員 それでは、郵便集配業務の問題で具体的にお聞きしたいと思います。 京都府に向日町郵便局というのがございます。私も三回ほど、今日までいろいろなことで寄せていただいたのですが、ここで聞いてみますと、ここの担当している地域は京都市の南西に当たる向日市及び長岡京市であるわけです。ここは京都府下の中では有数の人口急増地帯であります。私はここに資料をまとめたのを持っているわけでございますが、これで一覧してみますとよくわかるわけですが、昭和四十年と五十年とを比較してみますと、向日市は昭和四十年には二万七百三十人という人口でありましたのが、五十年には四万五千八百八十六人というふうに、二・二倍にふえているわけです。また、長岡京市では、二万七千五百二十二人であったのが六万五千五百五十八人と、二・三八倍にと増加をしております。 ここの配達は、市内が二十二区、市外が八区となっているようですけれども、これは昭和何年に決まったものか、わかれば答えていただきたいというふうに思います。
○神山政府委員 これは私の方で調べた数字でございますが、現在、市内区が二十三区、二度地でございます。それから市外区が七区になっております。それで、これは市内外兼行区が二区ございまして、これは一度地でございます。市外区が五区ということでございまして、七月三日に定員を一名増員をいたしまして、それで五十二年十一月四日に一区増区の予定、こういうことにいたしております。 それで、二十二と二十三の違いはありましたけれども、とにかくこういう体制は、配達区画の細分化ということをいままでやられてきたわけです。たとえば昭和四十一年には市内が十六で市外が三、五十一年、十年後には二十三と八ですか、こういうふうに数の変化はありますけれども、その枠の中で細分化しただけであって、地域では、従来の市外区は、四十一年以来ずっと市外区のまま推移してきているわけです。
○藤原委員 そこで、私はお尋ねをしたいと思うわけですが、郵政省の郵務局が編集をしました規画例規集の四十九年度版の二百五十六ページですけれども、ここに「郵便集配運送計画規程の改正 昭和二十七年八月三十日 郵施六四九」という通達文書があるわけですが、これによりますと、このように書かれております。「市内集配度数は市内人口(昼間人口によること、但し、これにより難い場合は居住人口によるも差つかえない。)を基礎として定めることに規定されているが、人口の増減により現行集配度数を改定する必要が生じた場合は、予算並びに公衆の便益等諸般の事情を考慮の上、善処するよう配意のこと。」というふうに決められているわけです。 すなわち、人口がふえたならば善処するようにしなさいというふうに私はこれを読んで理解をしたわけですけれども、向日町郵便局はこれで善処するというふうに配意してもらえることになるのでしょうか、ならないのでしょうか、御説明いただきたいと思います。
○神山政府委員 お答えいたします。 先生御指摘の向日町郵便局の区内でございますが、確かに、大阪市、京都市のベッドタウンとして発展が著しいという話を聞いております。 配達区内の配達度数につきましてどう検討するのかという御質問でございますが、現在われわれの運行している基本的な考え方というのは、先ほども申し上げましたが、市街地につきましては、特に通信力の高い地域では一日二度配達をすることにしております。しかし、一般の住宅地などについてどうするかということでございますが、これを二度配達にするということになりますと、要員の問題も絡んでまいりまして、要員増を来すというようなことで、結局そちらに事業のコストというものがかかっていって、利用者の負担にまた返っていくというようなことにもなるわけでございます。 たまたまことしの七月二十日に郵政審議会の答申をいただきましたが、これは、現在の、「社会経済の動向に対応する郵便事業のあり方」ということで昨年の六月に諮問申し上げたわけでありますが、その中にも、現在の二度配達ということを事業の効率化という観点から検討すべきではないかというようなことで御提言をいただいているわけであります。 私どもとしても、諸外国の趨勢なども勘案し、また、この答申の趣旨を踏まえまして、二度配達は今後真剣に検討していかなければいけないというふうな考えでいるところでございます。
○藤原委員 だから、私は一番初めに確認をしたというふうに思いますが、この配達の業務は、郵便法五十六条、また郵便規則第二条及び郵便集配運送計画規程に基づいて行われるというふうに理解してよろしいかと一番初めに聞いたら、よろしいということなので私は論議を進めてきているつもりです。しかし、ずっと来たらひっくり返るということは全く納得がいかない。要員を増員するのは当然のことです。人口急増で郵便物が多くなれば、いまのままの人間で配達しなさいというようなことはむちゃな話ですから、増員は当然のことです。答申が出ているからといって、上前をはねていまからそういった準備をしているということでは、一番初め私が確認したことは水のあわということになるわけです。あなた方はこの地域のことをよく御存じないからそんなことをおっしゃっているのだというふうに思います。 もう少し具体的に詳しく言いますと、向日市というのは面積が八平方キロメートル、世帯数は、昭和五十年十月には一万三千五百三十三世帯で、一平方キロについて千六百九十四世帯が住んでいるわけです。つまり、約三百メートル四方に約千七百世帯が住んでいるわけです。こんな地域でも市外区域というのが現にあるということはいまの制度から言っておかしいということを言っているわけです。あなた方はそんなことはこの制度とは無関係だと言われるのでしょうか。私は、現行の制度から見ても、この制度どおりには実施されていないと言っているのですけれども、そうではないのでしょうか。
○神山政府委員 確かに、全国的に見た場合、大都市周辺地域の発展というものは非常に激しいものがありまして、また、人口増加もそうですが、それ以外に戸数がふえていくという現象もありまして、そういうところにつきましては、私どもは、要員の事情ということを先ほどいろいろと申し上げましたけれども、そういうことを勘案しながら対策というものを考えてまいりましたが、現在、先ほど申し上げたように、郵政審議会においても配達の二度のものを一度化することを検討しなさいというような提言をされたというような時期でもありますので、この問題は、この答申の趣旨もありますので、これを十分踏まえて検討を今後していかなければいけないというふうに私どもは考えているということを申し上げた次第です。
○藤原委員 それでは、この答申というのは労働者にとっては全く気の毒なものだというふうに思うわけです。私は、戸数だけでなくて、配達量の推移についても調査してみましたが、普通、速達、書留、通常郵便だけを見ましても、昭和四十一年度を一〇〇といたしますと、五十一年度では二三六・七%というふうに増大しているわけです。全国平均はどうなのかというふうに調べましたら、増加率は四十年から五十年までの十年間に一四三・三%です。そうしますと、これはずいぶんとふえているではありませんか。 こういった中で放置されたまま労働者にしわ寄せが現在来ておる。こういう状態がずっと続けられた。この規程では当然もっと前に変えておかなければならないわけです。ところが、それがずるずると来ていた。それで質問したら、答申が出ているからこのまましかしようがないですということですが、そうであれば答申は一体何のために出てきておるのか。労働者泣かせであるのか。そんなことではないはずです。そういった点からぜひとも検討していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○神山政府委員 先生の御質問は、先ほど配達の二度化ということでございましたので、そういうお答えを申し上げたわけでありますが、ただいま、郵便物数が非常にふえたので、それに対する措置というふうにお聞き申し上げましたので、それにつきましては、毎年郵便物数調査というものを行ってまいっておりますし、そういう状態に応じた措置というものを郵政局においては検討してまいりますし、今後ともそういうことでいきたいと思います。 向日町局の増員、増区の状況でございますが、郵便外務の面につきまして、四十六年以来、定員八人、区数八区をふやしたというふうに報告を受けている状態でございます。
○藤原委員 私は、市内と市外という問題でずっと一貫して聞いているわけですが、その中でもう少し具体的に聞いていきたいと思います。一向日市に物集女町というところがありますけれども、ここは五十二年七月一日現在の世帯数が千六百七十九世帯です。この中に市内の区域があるわけです。それは二百五十九世帯だけで、あとの千四百二十世帯は市外になっているわけです。市内になっているところは灯篭前七十六世帯と、南条というところが百八十三世帯です。ここと隣接する出口というところは三百七十三世帯もあるのに市外になるわけです。もともと向日市という行政区は、先ほども言いましたように非常に狭いところです。この物集女町も通称物集女街道を中心に人家がずっと並んでいるところなのですけれども、そんなところで市内と市外があるというふうなこと自体が住民にすれば納得がいかないやり方ですし、こんなことは、郵便集配運送計画規程の改正の精神から言っても改善すべきではないかということを私は先ほどから言っているわけですが、検討していただく用意はあるでしょうか、どうでしょうか。
○神山政府委員 向日町の市内、市外の問題でございますが、確かに、向日町だけでなく、よそでも市街地の連檐地域というものが広がりつつあるのは事実だと存じます。郵便集配運送計画規程でも、「集配度数は、実況に応じて減回することができる。」というようなことで運用をいたしております。 そこで、ただいまのお話の市内、市外の問題でございますが、これをどういうふうに検討するかということでございます。先ほど答申の話を申し上げましたけれども、配達一度化を検討しなさいという答申の背景には、現在の郵便物は、二度配達の場合は一号便と二号便というふうに分かれるわけでありますが、全国的に見ても平均八割以上が一号便にかかっている。残りの十数%が二号便へ行っている。ところが、局によっては九〇%を超す郵便物が一号便で、ほとんどそちらに移っていっている。今後ともそういう傾向がますます進んでいくのではないかというような実情がある。また、諸外国においても二度地を一度地にするというような傾向がとられてまいっております。 そういった背景のもとに今回の提言というものがなされたのではないかとわれわれは理解している次第でありますが、私どもとしても、そういう点で事業の効率化を考えることもまた私たちの重大な責務でありますし、こういう提言の趣旨を踏まえて検討していきたいという段階でございますので、御了承願いたいと考える次第でございます。
○藤原委員 事業の効率化になっていないから質問をしているわけです。 先ほど、人がふえているということもちょっとおっしゃっておりましたけれども、昭和四十一年度の該当職員を一〇〇といたしますと五十一年度は一四四・一%で、確かにふえているわけです。しかし、先ほど述べました配達量の推移から見ますと、二三六・七ということですから、当然増員をしながら市内区、市外区の検討をしなければならない。私も、一日一度にする方向だということは答申で読ませていただきましたし、そういう中で質問をしているわけですが、こういう矛盾があるのだ、特に向日市のここではいま矛盾が出てきているのだという点で、全般的に言えば答申は事業を効率化せよということですけれども、こんな矛盾も調査、検討なしに一括してだあっと押し流されるというようなことがあってはならないと思うわけです。これは再度調査、検討を要望いたしたいと思います。 時間がありませんから続いて配達の問題でお聞きをしておきたいのですけれども、あなた方は郵便物標準送達所要日数表というものをつくっておられるようです。昨日私も手元にいただきました。各郵便局の窓口ではその表を公表しているようですけれども、このことについてお尋ねをしたいと思います。 まず、第一に、この表には一日ないし二日とか、二日ないし三日とかいうように幅を持たせてあるわけですけれども、標準といいながら幅を持たせてあるのはなぜでしょうか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○神山政府委員 郵便物数は、御承知のように非常に波動性がありまして、多い日、また時間帯、出方によって郵便物の送達に非常に影響を来すということでございますし、そのほかにも、配達作業の条件がその日によって変わるようなことが起きますと直ちに送達速度に影響するということで幅をとった決め方をさせていただいている、こういうことでございます。
○藤原委員 これは多少のゆとりを持たせてつくられたことになるというふうに理解をいたしました。 それでは、この標準日数よりもおくれて配達された場合にはどういうことになるのでしょうか。多少のゆとりを持ってこの日数表をつくったが、しかし、このとおりに到着しなかった場合、郵政省としては国民に対して、つまり利用者に対してどのような措置をとられるのでしょうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○神山政府委員 郵便日数表を四十六年十月に公表してやってまいったわけでありますが、郵便の業務運行はいろいろなことで影響されます。平常時と違った条件等があらわれますとそれに影響されますが、その公表以来、比較的順調にこれは守られてきたと考えております。 ただ、四十九年、五十年当時、正常結束の率が多少落ちたかという感じがいたしますが、その後、最近におきましては、年末年始の繁忙期とか闘争期等を除きますと標準日数はおおむね確保されているという状態で、五十二年度につきましてはおよそ九五%の郵便物が日数表どおり配達されているという私どもの方のテストの結果が出ております。
○藤原委員 一般郵便の場合も問題がありますけれども、速達の場合は一体どうするのか。速達料金として特別に料金を取っているのですから、それがおくれたら一体どうなるのか。たとえば国鉄の場合には、急行料金や特急料金というのは、二時間以上おくれますと払い戻しをするわけですけれども、郵便料金の場合はどういうことになっているのかということです。 つまり、言いたいのは、国鉄も郵政事業も同じ国営事業だ。それ房に——その精神といいますのか、考え方の基本という立場を私は言っているわけですが、多少おくれてもいい、九五%いっているのだからまあまあいいじゃないかということでなくて、一〇〇%に挑戦するにはどうするのかということなんです。多少おくれてもいいとか、そんなに急いでいるものはないというような安易な考え方で郵便事業をやられては困るということを私は言っているわけです。日数表を掲げているというのは電車やバスが時刻表を掲げているようなものですから、少々幅がありましても、それよりうんとおくれるというようなことが五%あったら困る。実際に歩いて調べたら、出したこちらの案内状なども期日よりおくれて届くというような場合があるわけですね。ですから、ことしの七月二十日に出されました郵政審の答申に関連をして郵政省の考え方を聞いておきたいというふうに思うわけです。 つまり、十七ページに「一日一度の配達サービスの見直し」と書かれておりますが、それについて、私は、一日一度がいいとか悪いとか言っているのではありません。そうしなければならない地域もあるだろうし、効率化という点でそうしなければならないという県等もあるだろうが、しかし、これによって国民の郵便事業は一体どのようなメリットが出てくるのか、利用者国民はどうなのか、郵便労働者の立場からはどうなんだろうかと、こういう範囲で、答申についてのメリットについて、たとえば配達を一日一度にしたら一体どのようなメリットがあるのか、もう時間が来ておりますので、ちょっと簡単に答えていただきたいと思います。
○神山政府委員 まず、郵便日数でございますが、これは速達についてお尋ねでございましたが、この郵便日数表は、一、二種定形についての日数表であるということを申し上げておきます。 それから料金でございますが、郵便法の三十八条で、「郵便に関する既納の料金は、左のものに限り、これを納付した者の請求に因りこれを還付する。」とありまして、これの二号で、「郵政省がその取扱をしなかった場合、又はその取扱をしないのと同様の結果を生じた場合」ということで、速達の場合は普通扱いのものよりおくれたときは速達料金を還付するという措置をとってございます。 それから、配達一度化につきましてどのようなメリットがあるのかというお話でございますが、これは先ほど申し上げましたが、現在一号便の配達が平均で約八割を超えており、これが年々非常に高くなってきているというようなことから、これを一度化することによって事業運営上メリットが生ずるのではないかということで審議会の答申をいただいていると存ずる次第であります。 そこで、では全体としてどういうメリットがあるのかということでございますが、ただいま一号便でほとんどの郵便物が配達されているということでございますけれども、そのほかいろいろの面にこれは当然効率化の結果をもたらすと思いますが、これは具体的に検討しないと出てこない……
○藤原委員 それでは一日一度ということの検討をこれからもしていただかなければならないと思いますが、その検討のときに労働者はどうなるのか。配達度数が変われば郵便ダイヤも変更になるだろうし、労働条件が変化してくるだろうと思いますが、そういう労働条件が悪化されないのかどうか。こういう可能性が強いからこういった質問をしているわけです。郵便事業というのは国家の事業ですから、国民の不利益になるようなことをやってはならないという立場からこのメリットの問題も聞いているので、その点を今後とも深く検討していただきたいというふうに思うわけでございます。国民に奉仕するということを忘れて、一日一度の配達というような答申が出たからといって、これに追随してしまうというのはやめるべきだということを強く主張しているわけです。 同時に、最後に私が主張いたしたいのですが、いま郵便離れというものが大変起こっているというふうに思います。それは値上げの問題とかいろいろ含まれますけれども、テレビを見るとか、電話で済ましておくとか、大変国民が安易に流れているのではないかと思うのです。やはり、もっと文章を書くことによって思考力が高まる。それを抜きにいまのような視聴覚時代に入りますと、全く条件反射というような、子供にいたしましてもそういう人間が育っている。もっともっと文章を書かせる必要があると思いますが、そのためには郵便が非常なよい手段だと私は思うわけです。電話で済ますのではなくて、恋人にはラブレターを書くというふうなことが必要です。 創造的な人間を取り戻していきたいというようなことからも基本的に答申は出発をしていかなければならないだろうし、こういった思考力を高めるというふうな国民的な見地からも、郵便事業、郵政事業というものは国家の事業として非常に重要だというふうに私は思うわけです。だからこそぜひとも国民の側に立った事業を進めるべきだと、このことを主張をさせていただいて終わりたいと思います。 おくれまして申しわけございません。
○阿部(未)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 本会議散会後委員会を再開いたします。 午後零時五十六分休憩 ————◇————— 午後二時二十五分開議
○阿部(未)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長が所用のため、委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 逓信行政について質疑を続行いたします。依田実君。
○依田委員 きょうは最初に海底ケーブルのことについてお伺いをさせていただきたいと思っております。 先般私ども招かれましたのですが、沖繩−ルソン−香港の間の海底ケーブルが完成をいたしました。今後、東南アジアはいろいろと海底ケーブルの計画を各国が持っていると思うのでありますけれども、いま考えられる東南アジアにおきます海底ケーブルのプロジェクトの計画はどこにどういう形でということをひとつお答えをいただきたいと思います。
○江上政府委員 東南アジア関係の海底ケーブルの計画でございますが、昨年の九月にバンコクでASEAN五カ国の会議が持たれまして、海底ケーブル網の計画が評定をされました。この計画によりますと、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイを結ぶ海底ケーブルを順を追って建設していこうというものでございます。シンガポール−フィリピン間は明年夏完成する予定でございまして、これに続いてシンガポール−インドネシア間、シンガポール−マレーシア間、マレーシア−タイ間が建設され、、タイ−フィリピン間のケーブルは最終段階のプロジェクトというふうに予定されると聞いております。 ASEAN諸国は、この全部の計画を一九八二年から八三年にかけて達成することを一応の目標としているというふうに言われております。
○依田委員 いま御報告の中にありましたシンガポールとマニラの間は、これは五月イギリスによって実施されるということに決定したわけでございます。イギリスは御承知のように以前は七つの海を支配しておったわけでありますが、戦後は昔日の面影がない。そこで、せめてこの海底ケーブルについて、特に昔の自分の植民地間については意欲を持って自分で敷設をしたいということで、このシンガポール−マニラ間の海底ケーブルを落としたわけでありますけれども、一説には、このプロジェクトに対して日本側から円クレが出ない、そのためにイギリス側にとられたというふうに言われておるわけでありますけれども、この間の事情はどういうふうになっていますか。
○江上政府委員 お尋ねのフィリピン−シンガポール間の海底ケーブルの国際入札についてでございますが、これに応札いたしましたのは日本とフランスと英国でございます。そこで、ただいま御指摘の一説によればというお話でございますが、このときには先方から日本に対しまして円クレの要求がございませんでした。 それで、入札の審査に当たりましたのはフィリピンとシンガポールでございますので、その理由につきましては正確にお答えいたしかねるわけでございますが、現在承知しております範囲内で申し上げますと、まず、フランスが提案いたしましたものにつきましては、容量が著しく大き過ぎる、かつまた価格も高く納期も遅いということのために失格となったというふうに伝えられております。 そこでイギリスと日本の提案につきまして審査をされたわけでございますが、イギリスのケーブルシステムは日本のケーブルシステムよりも容量の点で若干まさっていた。それから、第二番目に、英国が入札した価格は正確にはわかりかねますが、日本のものよりも総額において若干低かったのではないかというふうに推測をされます。さらに、納期でございますが、日本の場合は納期までに二十四カ月程度かかるということに対しまして、イギリスの方は十五カ月ぐらいで納期までに間に合わせることができるというようなことがあったようでございます。そのことのためにイギリスのケーブルが採用されることになったというふうに現在のところは承知をいたしております。
○依田委員 シンガポールは、先ほどのいろいろな計画にもありましたように、シンガポールからインドネシア、あるいはまたシンガポールからマレーシア、タイというような海底ケーブル網の中継地になる大事なところでありまして、そこへ通ずるフィリピンからシンガポールへのケーブルがイギリスに落ちた。そういう意味では、将来も日本がこれをとることはなかなかむずかしいのではないかというふうに思うわけでありますけれども、一方、最近マレーシアとサラワク、東西マレーシアの間、地点にしますとクランタンとクチンの間、この間にマレーシアとしてはケーブルを引きたいという話があるわけであります。 衆議院の逓信委員会が昭和四十七年に調査団を東南アジアに出されたときの報告書にも、マレーシアがここへ海底ケーブルを引きたいという報告が出ておるわけでありますけれども、福田総理がASEANの訪問をされたときにもこういう話がきっと出てきておるのではないかと思いますが、この計画の現状はどういうふうになっておるでしょうか。
○江上政府委員 東西マレーシア間のケーブルでございますが、御指摘のとおり、東マレーシアのクチンと西マレーシアのクランタンとの間、約六百キロメートルを結ぶ海底ケーブルの建設計画がございます。これに対しまして、マレーシア政府から海洋調査に関する技術協力の要請がわが国の政府に提出をされておりまして、これを受けまして、日本の政府が中心となりまして、本年の七月、九月と二回にわたりまして調査団を現地に派遣をいたしまして、海洋調査の形で協力をいたしております。 その報告でございますが、まだこの結果は取りまとめ中でございまして、技術的には実現が可能という簡単な報告だけを徴しております。
○依田委員 マレーシア政府としましては、向こうの第三次五カ年計画の中にこのプロジェクトを入れてぜひやりたいという計画だというふうに聞いておるわけであります。 日本の外務省へもマレーシアの方から、これについてぜひ日本の援助を欲しい、円クレをぜひ欲しいという形で来ておるのではないかと思うのでありますけれども、外務省の方ではいかがでしょうか。
○中曽根説明員 ただいまの先生の御指摘のとおり、マレーシア政府といたしましては、本件計画も含めまして、かなり多数のプロジェクトに対して日本からの円借款の供与を要望しております。しかしながら、他方、マレーシアに対しましては毎年ベースで円借款を供与するというたてまえから、現在は、ことしの分、第四次円借款ということになるのでございますが、このプロジェクトをどれに決めるかという話を目下両国実務者レベルで協議中でございます。 他方、この協議のためにマレーシア政府から出してきております対象プロジェクトの中にはまだ海底ケーブルは入っておりません。したがいまして、現段階までのところ、この海底ケーブル建設計画についての円借款のための政府間交渉というものはまだ行われていないのが現状でございます。
○依田委員 いま、外務省からの御報告によりますと、まだマレーシアの方からのプロジェクトの中には入っていないというお話でございますけれども、聞くところによると、確かにいろいろなプロジェクトをマレーシアとしてはやりたい、そのために日本の援助を欲しい、こういうことですが、その上位の方にこの海底ケーブルというものを入れておる。 聞くところによると、外務省の方へ持ってきた向こうのいろいろなプロジェクトの中で、海底ケーブルというものは優先順位が上の方にあったというふうに聞くのですが、いかがでしょうか。
○中曽根説明員 先ほど郵政省の方からも御説明がございましたとおり、日本政府といたしましては、マレーシア政府の要請に従いまして政府ベースでの調査団を派遣いたしまして、この調査団の最終的な報告書をいま取りまとめておる現状でございますので、これが完成いたしますのが来年の二、三月ごろと聞いております。これを受けまして、マレーシア側としては、最終的に他のプロジェクト等との関係においての優先度を決めた上で改めてわが方に要請してくるのではないかと実は予想はしております。 その段階に至りました段階では、もちろん外務省といたしましても、先方の優先度等慎重に検討いたしまして、関係省庁との協議を詰めた上で最終結論を出したいと思っております。
○依田委員 いまのお話ですと来年ということでございますけれども、先ほどのお話にもありましたように、いまKDDがこの調査を、もうすでに日本側で一億二千万円でしたか、かけてやっておるわけでございます。せっかく日本側で調査をやるわけでありますから、ひとつこのプロジェクトは日本にとりたいというふうに思うわけであります。マレーシア側からいろいろ出ているプロジェクト、発電所とか、いろいろと日本側としては先にやってやりたいというものもあるのでしょうけれども、海底ケーブルの重要性もあるわけでありまして、来年のその会議、打ち合わせのときには、ひとつ日本側から積極的に、どうだ、海底ケーブルを最初にやらぬかというような形でこれを優先順位を上に持ち上げるというような方針はあるのでしょうか。
○中曽根説明員 先ほども御説明申し上げましたとおり、その段階になりまして、もちろん郵政省等の御意見を聞きながら慎重に検討することになると思います。
○依田委員 外務省のいまのお話でございますけれども、郵政省としては、この東南アジア一帯の海底ケーブルについて将来どういう取り組み方をしたいか、ひとつ郵政省の御方針を伺わせていただきたいと思います。
○江上政府委員 郵政省といたしましては、国際協力ベースの問題でございますので、できる限りの御協力はしていきたいと思っております。 なお、日本の場合には、海底ケーブルを海底に埋設するという外国にない特殊な技術を持っておりますので、そういう意味も含めまして最大限の御協力をしていきたいと思っております。
○依田委員 それでは、海底ケ−ブルの話はそれまでにさせていただきまして、今度は話題を少し郵政省の労使問題の方に向けさせていただいてお話を伺わせていただきたいと思います。 御承知のように、郵政事業はもう九〇%は人件費で、そういう意味でこの労使関係は非常に大事だろうと思うわけであります。ところが、この労使関係について、先般出ました郵政審議会の答申を見ましてもいろいろ書かれておるわけでございますけれども、つい先般、新聞に例の習志野郵便局での事件のことが出ておりました。習志野郵便局で、全逓の船橋支部の習志野第一分会長と書記長が分会の班長を呼んで部屋の中へ監禁をして殴ったとかけったとか、いろいろ暴力行為に及んだという新聞記事が出ておったわけであります。 この事件は目下警察で調べているところでしょうから、その結果を待たなくちゃならぬのでありますけれども、一般的に、郵便局職員内の人間関係についていろいろと問題があるというふうに言われておるわけでありますけれども、郵政省といたしましては、日常この監督についてどういう心構えでやられておるのか、その辺を伺わせていただきたい。
○守住政府委員 お答えいたします。 先ほどの習志野郵便局のような事件は、本人が告訴をして警察の逮捕というふうな非常に異例の事件でございまして、そういうようなものは全国的に見ましてまことにまれだというふうに見ておるわけでございます。しかし、職場の中で、管理者との間あるいは労働組合相互というよりも、むしろ組合員相互間というふうな意味合いにおきまして暴力あるいはそれまがいのものが発生する事件が間々ございます。習志野のような例外的なやつは別でございますけれども、軽いちょっとしたトラブルというようなことからそういうことも出ておりますが、件数といたしましては、ことしの一月から九月まで、情報として把握しておりますところでは、職員相互間というのは約四十件ぐらい発生しておるわけでございます。 こういう問題等も含めまして、私どもといたしましては、特にその中で暴力というのは、法秩序の立場からも、まして職場秩序の維持ということからもあってはならぬことでございますので、その職場の管理、起こった場合の的確、迅速な措置ももちろんでございますが、そういうことが起こらないように十分——やはり、基本といたしましては、労使の信頼、正常化の中で、職場の中で人間関係を尊重しながら、明るい秩序のある規律のある職場をつくっていくことが最大の基本であるというふうに方針を立てまして、その浸透に常々いろいろな方面から努力をいたしておるところでございます。
○依田委員 いま、職場の中の組合間のトラブルと申されましたけれども、いま、全逓、そして全郵政、現状の組合員数はそれぞれ幾つになっておりますでしょうか。
○守住政府委員 全逓信労働組合が約十八万七千でございます。全郵政労働組合が約五万六千でございます。
○依田委員 この二つの組合の間で、いまお答えになりましたように、暴力事件というものは非常に少なくなっておる、しかし、トラブル、いざこざは依然として発生をしておる、こういうことでございますが、ここに「全郵政ジャーナル」という雑誌がございまして、これを見ても、そういう人間関係がなかなか微妙なことがここにも書いてあるわけでございます。 ちょっと読ませていただきますけれども、「全逓の中にも、全逓の運動方針に従わなくて、ストライキに入れといっても入らなくて、仕事をサボれといってもサボらないでまじめにやる職員がかなりいるわけですね。そういう人たちに対して全逓はマル生組合員とかいって、その人間をひどくやっつけるようなことばかり考えているんですよ。いやがらせしたり、暴力をふるったりしている」とこういうことも書いてあるわけであります。また、職場の中で、先輩が後輩に物を教えない、つまり、全郵政に入っているといろいろそういう物を聞いても教えないというようなことも書いてある。これは全郵政の方が書いておるのですから、笑い話として済ませば済んでしまうが、「全逓の組合員とうちの組合員と、顔をみれば大体わかるというんですよ。向こうの組合では、大体陰険な人相の悪い顔が多くて、こっちの方はわりあいに顔がいいですよ。」と言っている。まあ、そういうこともないと思うのですが、ここにも全逓の御出身の方がいて、こちらの方は大変人相がいいですからそういうことはないと思うのでありますけれども、しかじかさように職場の中でいろいろそういうトラブルが起きるということは困るんじゃないだろうかと思うのであります。 私は、労働組合それぞれの行き方が別にありまして、組合の基本方針があって存立しておるわけでありますから、それを一つにするというのは暴論だろうと思うのでありますが、しかしながら、郵政当局としては、こういう二つの組合があり、この対応の仕方になかなか御苦労をされておるんじゃないだろうかと思うのでありますけれども、基本的な対応の姿勢といいますか、そういうものはどういうふうになっておるのでしょうか。
○守住政府委員 お答えいたします。 組織のいかんで、私ども郵政省管理者としてそれの対応に差があるということは、これは絶対にあってはいかぬことだということを基本に置いておるわけでございまして、まして、職場というのは仕事をするための場でございますので、その仕事につきまして、たとえ組織が違いましても、管理者相互間に共通の認識と申しますか、共通の理解を持っていき合いながら、そこの中での人間関係を正しく醸成していくということが基本であるというふうな、まあ言い方はいろいろできようかと思いますけれども、そういう理念のもとに現場の管理者の指導をしておる段階でございます。
○依田委員 多少のいざこざならいいんですが、ここに一つチラシがあるのでございます。これはある郵便局の全逓と全郵政の争いみたいなものに巻き込まれていろいろチラシを双方で配っておるんでしょうけれども、たとえば「全逓に歯向う反動主任を職場から追放しろ」とか「T主任ヤクザに変身」とか、見ておりますと、それぞれなかなかけんけんがくがくとやっておるようでございますけれども、こういう職場の秩序が荒廃するようなことを野放しにしておいていいのかどうか。 やはり、ある程度のところで、それが組合活動の分野のうちならいいんですが、それが仕事へはね返ってくるというようなことに必ずなるわけでありますが、その線をどこに引くか。こういうことはどの辺でとお考えになっておるでしょうか。
○守住政府委員 お答えいたします。 一つは、一般に信賞必罰と申しまして、これが基本だと思っておりますけれども、必罰の方でございますが、遺憾ながら暴力事件等が発生いたしておりまして、五十一年度の実例を見ました場合に、職員間の暴力事件で百二十八人懲戒処分をいたしております。停職、減給、戒告でございますが、あるいはまた管理者に対する暴力事件として八十七名を五十一年中に処分いたしておりまして、同じく停職、減給、戒告ということでございます。これは必罰の方でございますけれども、そういうけじめをつけますと同時に、関係の労働組合に対しましてもいろいろな事案をこちらの方からは積極的に説明いたしまして、今後そういう再現がないような強い申し入れをいたしております。 なお、一方、労働組合の方も、それぞれこれは自律運動というものが当然にあるわけでございまして、最近におきましても、これは全逓の方でございますけれども、全国大会で、組合運動とサボることとは混同してはいけないということを運動方針の中にも掲げまして、これを今後の運動の一環としてとらえるという動きも出ておるわけでございまして、私どもは、職場の秩序は秩序できちんと維持しながら、一方ではそういうものは労働組合のいい方向というふうに感じておりますので、それが本当に現場の中にどう浸透していくか注意深く見守りながら、また、一方ではその職場の中での安定した正常な労使関係をつくっていきたい、このように考えておる次第でございます。
○依田委員 こういう職場の荒廃が、それが職場の中だけならいいんですが、やがて働く者の足を引っ張るとか、あるいはまたそういうトラブルが絶えないということになると、郵便のおくれであるとか、あるいはまたそのほか紛失だとか、そういういろいろな事故に必ずそれが結びついてきて、国民の皆さん方に大変御迷惑をかけることになるわけで、そういう状態になるのが一番困るわけでございます。 そういう荒れている職場ではきっとまたいろいろと外部からの苦情が多いのじゃないかということで、これはある関東の局でございますけれども、私がいろいろ調べさせていただきましたが、どういう苦情が来ているかというと、これは夏前の調査でございますけれども、非常にたくさん局へ苦情が寄せられておるわけであります。たとえばある学校が入学通知のはがきを出したところが、全国に出したわけですけれども、それが配達されない。ですから、生徒さんの方は大変困ったわけであります。そういう苦情が来ておる。半月くらいのおくれは数限りなくある。小包を出したのだけれども着かないが、どうなっておるのだろうか調査してほしいという苦情も寄せられております。あるいは、また、本当なら土曜日ごとに配達されるべき雑誌が二週間分、三週間分一緒になって配達されてくる。出す方は一週間ごとに出しておるのですが、着くときは二週間分一緒に着いておる。そのほか、届かない、おくれるというものはたくさんあるわけでございまして、一つの郵便局だけでもそれだけあるというようなことになると、全国的にもいろいろとそういう意味での苦情が寄せられておるのじゃないだろうかというふうに思うのであります。 不可抗力の事故なら仕方がございませんけれども、サボタージュによる苦情というものは見逃せないのじゃないだろうかと思いますけれども、郵政省の方へいろいろそういう苦情が来ておるかどうか、そして、また、明らかにこれはサボタージュと思われる、そういうようなものの苦情だと思われるというものはどういう傾向になっておるのでしょうか。
○神山政府委員 ただいまの先生の御指摘のような、入学通知が一枚も配達されないとか、半月も届かないというような苦情につきまして、私どもの方は承知いたしておりません。また具体的にお教えをいただければ調査いたしたいと思っております。 また、サボタージュによる郵便のおくれがどうなっておるかというお話でございますが、一部の局におきまして、超過勤務拒否とか、あるいはその他のトラブル等で一部そういうことが間々起こるということは過去にございました。 ただいまどうかということでございますが、そういうことが直接の原因となって遅配とか欠配が起きているということはただいま承知いたしておりません。
○依田委員 夕方どき私が一度行きまして、いろいろ入れる箱のところを見せていただきましたのですが、箱の中に、本当ならその日に配達しなければならぬものを一部残してある。「全郵政ジャーナル」の中にも書いてございますけれども、全逓の組合員の指導で、積み残しといいますか、配達を全部やらないで一部残しておくというような指令が出ておるとか、いろいろ書いてございます。確かにそういうことが行われておるところを見たわけでありますけれども、五十二年七月二十日に出ました郵政審議会の答申自体の中にも、十六ページに、「従来とかく労使関係が円滑を欠き、業務の正常運行を確保するうえで大きな障害となっていたようにも見受けられるので、健全な労使関係の樹立に格段の努力を要するものと思われる。」というふうに書いてあるわけであります。そこで、こういう労使関係と業務の正常化を確保することが大事だろうと思います。それは先ほど局長が言われましたように信賞必罰につながる、一つはサボる方を罰する、これは当然だろう、こういうふうに思うのでありますけれども、もう一つはよく働く方を登用してあげること、これがやはり大事じゃないかと思うのであります。 この答申の十五ページには、「現在の給与体系は、作業能率の高い職員に対して、その意欲を高める配慮が不十分であるように思われる。したがって、職員の能力に相応する手当制度を設けることや、勤務成績が良好な職員に対しては、それに見合った処遇を行うことなどについて検討すべきである。」と書かれておるわけでありまして、その一つとして、一般職の国家公務員あるいは三公社四現業で行われております特別昇給制度というものがあるのでありますけれども、これはまだ郵政の方では行われていないわけでありますが、これは理由があるのでしょうか。
○守住政府委員 お答えいたします。 お尋ねのように、まじめで優秀な職員、業績の向上に特に寄付した職員につきまして、処遇をよくするということはいろいろな手段を通じて考えていかなければならぬわけでございますが、表彰その他人事上のいろいろな制度がございますし、その中でも考えていかなければなりません。また、そのように心がけておるところでございます。 もう一つ、おっしゃいますように特別昇給制度というものがあるわけでございます。この職員の勤務条件につきましては省と労働組合との間の合意の上で実施してきておるところでありまして、特別昇給制度もやはり給与に関係する事柄でございますものですから、同様に労働組合とも十分に話し合いをし、交渉をしまして、全体の合意を得まして実施したいと考えまして、長い間提案をいたしてきておるところでございます。しかし、現在、省と労働組合の間で制度の検討に入るいわば入り口、それ以前のところで基本的に認識、意見の対立がございまして、制度の中身をどうしていくかということに議論がなかなか入れない状況があるわけでございます。 しかしながら、私どももそういうことを絶えず念頭に置いておりますので、今後とも鋭意組合との話し合いを進めまして、何とかこれが早く実現できますように万般の努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○依田委員 聞くところによりますと、いわゆる実損回復というようなことを主張して、これの実施を防いでおる組合があるというふうに聞いておるのですが、そういうことはあるのでしょうか。
○守住政府委員 実損回復のみというものの主張がございまして、実損回復という意味はいろいろございますけれども、一つの違法な行為を行って処遇を受けた者が、その後もずっと勤務成績がいいのにそのままの状態で置かれるというのは問題がある。しかし、その問題を考えていきます場合に、やはり、特別昇給制度の中で、その中の一つの要素として対処し、対応していきたい、このように私どもは考えておるわけでございますけれども、実損回復のみという、それ優先の考え方がございまして、入り口から中へなかなか入っていけないというのが現在の事情でございます。
○依田委員 最後に郵政大臣に伺いますが、いまいろいろお話を伺いましたけれども、最近は郵便離れといいますか、そういう現象も一部に起こっておるとも言われております。いままでのような親方日の丸的な企業の経営で郵政が長く成り立つとはどなたもお考えにならぬわけでありますが、こういう中で、国民に対するサービス不足になりがちな労使関係というものをどういうふうにこれからお考えになっていらっしゃるか、大臣のお考えを最後に聞かせていただきたい。
○小宮山国務大臣 まず、第一に、郵政業務というのはどこにあるかということを職員が認識していただきたい。国民にサービスするという一つの使命がございます。それから、いま先生がおっしゃっておりました労使間のトラブルについては、朋友相信じてやっていただきたいと思っておりますし、そういうことと労働運動とは違うことだろうと思います。何としても、やはり、国民のためにある郵政であるということも認識していただきたいということで指導していきたいと思っております。 —————————————
○依田委員 終わります。
○阿部(未)委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のために、本日、参考人として日本放送協会技師長沢村吉克君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○阿部(未)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○阿部(未)委員長代理 鳥居一雄君。
○鳥居委員 最初に、電電公社の総裁がお見えですから、官公需につきましてお伺いしたいと思います。 電電公社の電気通信工事について伺いますが、昭和五十年度でありますけれども、各省庁別の官公需の総実績で見ますと、電電公社のそれは一兆三千億円を突破しておりまして、各省庁及び政府関係機関のトップを占めております。これは全体の官公需の総額六兆二千億円という中に占める割合が約二二%で、大変大きなシェアであります。 政府は毎年中小企業に対する官公需の受注の機会をなるべくふやすようにということで閣議決定を行ってきておりますけれども、公社の中小企業に対する受注の機会というものがきわめて限られており、こういう点を重視しなければならないと私は思うわけです。 そこで、まず、公社の工事の中で五十二年度請負金が五千五百億円ですけれども、このうちで建設工事に対する請負金額はどのくらいになっておりますでしょうか。
○山口説明員 お答えいたします。 ただいま約五千億というお話でございましたが、建設工事のうちに、特に建設工事会社に契約しております額が五十一年度で約四千五百億でございます。
○鳥居委員 その請負工事ができる認定業者の数は何社ですか。
○山口説明員 公社が認定しております建設工事業者は六十八社でございます。
○鳥居委員 この六十八社以外は、電話の、電気通信建設工事が請け負えないことになっているわけですけれども、しかもこの十年間の推移を見てみますと、十社減って六十八社というふうになっているのが現状です。 それで、官公需の受注の機会を、他の省で、非常に近いところを取り上げて見てみたいと思うのですが、ちなみに建設省の建設工事を取り上げてみますと、登録業者数が二万六千六十九社、官公需の総額が五十年度で四千九百四十六億。公社の場合に六十九社——ことし一社倒産して減っておりますから六十八社ですが、そのわずか六十八社で、同じ年度の五十年度で四千四百億。そうすると、これを比べてみますとオーダーが二けたも違う。こういう実情でございます。 それから、また、同じように住宅公団の場合、五十年度で登録業者数が一万二千四百社で、官公需が五千二百六十億円。建設工事という点で非常に近いわけでありますけれども、これも大変大きな違いがございます。 受注できる業者が、公社の場合比較にならないほど非常に限定されたものであるということがこの数字からわかるのですけれども、これは一体どういうことでしょうか。
○秋草説明員 詳細な点はまた担当の局長に御答弁させますけれども、いま先生が御比較なされました建設省ないしは住宅公団というようなものと対比するならば、私どもには建築局というものがございます。この建築局系統の登録業者は、いまここでは定かに数字は持っておりませんが、一千オーダーの登録業者がひしめいて、わずかの注文をもらうチャンスを得ておるわけであります。この建築関係の予算の額はわずか一千五百億程度でございまして、それならば、電気通信関係の建設が四千五百億にもかかわらず、業者は六十数社ということは非常に少ないようでございますが、これは、基本的には、その工事の内容が高度の技術を持っておるし、しかも、この技術を使って私どもは国民にサービスを提供するという重要な役割りを持っております。建築ももちろんその入れ物ではありますけれども、建築の方の問題は間接的な役割りを果たしておりますが、電気通信事業というものの形成につきましては、念入りにこれをやっていかなくてはならぬ。どうしてもやはりそういう習得技術というものも年期が要ります。それから、また、その技術の中でもいろいろクラシフィケーションがございまして、なかなかそうだれにでもできるという問題ではございません。 そういうことから、私の所見を申させていただくならば、私はまだ多過ぎるんだという気持ちを持っておりまして、従来は、一番数の多かった時代は、公社発足当時各県に相当たくさんの会社ができまして、一時は百数十社に及んだことがございますけれども、なかなか検査も厳しかったのでだんだんと統合され、自然淘汰されまして今日の姿になっておるのでございます。 そういう特殊な事情も御勘案いただきたいと思いますが、単に工事量、業者の比率だけでは律し得ないものがございまして、建築のようなものは非常に数の多い業者に機会を与えております。
○鳥居委員 建設局長、もし答弁があれば……。
○山口説明員 お答えいたします。 先ほど総裁からも御答弁を申し上げましたように、電気通信の設備の工事は、御案内のように大変に専門、高度の技術を要しております。特に、電気通信技術、エレクトロニクスを中心とします技術革新というものがここのところ大変に激しい革新を行っておりまして、たとえて申し上げますと、同軸ケーブルによる多重伝送方式とか、あるいは、最近では、電子交換機を使いました新しい電気通信サービスの設備とかいったものが導入されておるわけでございまして、そういった技術に対応するためには、先ほど申しましたように、高度な、一般性の余りない電電公社の通信技術のみに通用するといいますか、適用されます技術が必要でございます。 したがいまして、私どもが業者を認定する場合には、それなりの特殊な高度な技術を持った業者に工事をやってもらうことがやはり一番最適だというふうに存じておりまして、そういう立場から業者を認定しているわけでございます。
○鳥居委員 電気通信工事にはいろいろな種類がある。大きく分けて、線路工事、通信機械工事、あるいは伝無工事と三つある。それで、もちろん業者が認定を受けるわけですから申請をする。そして、その申請に従って認定業者として登録をし、電電公社の仕事をやってもらう。こういうふうに考えてみましたときに、確かに高度の技術というものは要請される。それもわかります。ところが、私の方で非常に不可解に思うのは、どういう基準で業者にするのかしないのか。これは各地の電気通信局が窓口になり、物差しを当てて認定業者として認定をしていく。ですから、努力をすれば、または条件さえ整えば公社の仕事ができるのだというふうに門戸をあけていくべきが公社の立場だろうと思うのですね。 公共性の上から言っても、また、大変な投資額から言っても、限られた一握りの人たちがそれをやっていくということがどうにも理解できないわけなんですが、その点について、門戸を開く基本的な考えがあるのかないのか。条件はいろいろあるでしょうが、その点はどうでしょうか。
○山口説明員 お答えいたします。 先ほども御答弁申し上げましたように、私どもの電気通信設備工事は高度でございまして、かつ、専門的な技術を必要としております関係上、その認定につきましては、技術者の数、保有している機械器具類並びに工事の成績といったものから見ました技術能力と、これに加えまして工事実績あるいは資本の内容、営業年数といった経営状況を加味しまして、総合的な工事能力について公社が定めております一定の基準を具備しているかどうかということを調査の上決めておるわけでございまして、こういった能力を具備している業者さんでありますれば、決して公社は閉鎖的に門戸を閉じてやっておるわけではございません。 なお、こういった内容に若干触れますが、たとえば技術者でありますと、技術そのものとかあるいは実務経験のある技術者の数、機械器具類につきましては、計測器、工事機械あるいは車両といったものは、公社が一応工事の種別別に決めております機械器具、測定器類がございますので、こういうものを保有しているかどうか、あるいは従来からの工事の成績はどんなものであるか、あと工事実績とか資本金、営業年数、経営状況における財務諸表等をいろいろ調査して、その上で認定をしておりまして、こういうものを具備した業者につきまして、私どもは拒否するとか門戸を閉ざすとか、そういうことは決して考えておりません。
○鳥居委員 いま、建設業の届け出をし、認定をする業種というのは二十二種類ありますね。この業者の指導に当たる建設省に言わせますと、業者の掌握と申しますか、実態をつかんでいくということは、専門的ではあっても、要するにこの仕事がほとんどという皆さんですから、どっちかというと計数管理の上から言っても非常につかみやすい業界じゃないか。もちろん高度の技術という、それを乗り越えての要請ではあるわけですけれども……。また、その二十二種で、たとえば建設省の場合の業者登録においても、条件がきちんと明記されているわけです。ところが、公社の場合、認定業者の登録締め切りがいつで、条件が何でということは一切公開されていないわけです。これは実態において閉鎖と言うしかないわけですし、その意味で、門戸を開いていく姿勢というか、そういう開こうという立場に立てば開かれていくことだろうと私は思うのです。 それで、いま技術者と申しましたけれども、この技術者が問題なんです。技術者というのはどういうライセンスを持っている人を言うのですか。
○山口説明員 技術者の範囲につきましては、たとえばそれがどの程度の学歴を持っているか、あるいは経験年数が何年ぐらいあるか、国家試験で建設工事等の資格試験がございますが、そういった各種の試験の合格者がどのくらいであるかといったことを中心に決めているわけでございます。
○鳥居委員 ですから、学歴というのは何が必要なんですか、それから経験年数というのは何年必要なんですか、また、国家試験というのは何の国家試験が必要なんですか、そういう人が何人いればいいのですかというような、具体的な、つまり申請をしようという立場の人が申請できるような条件の公開というものはできないものですか。
○山口説明員 ただいま先生がおっしゃいました事柄等につきましては、私ども特にこれを非公開というふうには考えておりませんので、もしそういった面に問い合わせ等がございましたら、できるだけお知らせするように検討したいと思っております。
○鳥居委員 そうすると、積極的に門戸を開いていこうということではなくて、問い合わせがあれば教えてあげるということですか。これじゃ実態は閉鎖じゃないですか。いわゆる高度の技術、これは条件として最も大事なことだと思うのです。条件さえ整えばだれでも公社の仕事ができるということになって初めて門戸が開かれたと言えるんじゃないでしょうか。どうでしょうか、総裁。
○秋草説明員 この問題は、うちの通信器材メーカーについても大きな悩みでもあり、原理が一つ横たわっておるのは、うちの資材の機械、線材というものは、これだけ膨大なものを日本でつくっても買うのは私どもしかないわけでございます。それだけにマーケットはどこにもない。輸出以外にはない。多少自営的な民営的なものもありますし、絶無ではありませんが……。それから電力ケーブルは、電力会社がたくさんあります。これはうちは買いませんけれども、少なくとも通信器材に関しては、どんな高価なものでも、売れ残ったからといって道へ出しても拾ってくれる人もないような品物でございます。ここに非常に大きな悩みがあります。 それで、それに対してメーカーでもだれでもどんどん参画しなさいと言うならば、必ず翌年はまた倒れる者も出る。また新しいものができる。結局、国家的には統制経済のような形をとっておりますから、効率的な事業をやる上においてはやはりコストを安くするという意味から言えば、特にメーカーなどは、線材メーカーなどもだんだんにこうしてふえてきておるのですけれども、アメリカのように一社でやるということの方が——あるいはドイツのように数社でやるとか、どこの国でもできるだけ集約してコストを安くするという考え方が電信電話事業を経営する経営者側から見ればどうしても働きます。 そこで、先生の御質問の工事会社も高度の技術をもっていろいろ検査も厳しくやっておりますけれども、この技術はほかじゃどこにも使い道にならない。もちろん多少の応用はできますが、しかし、何といいましても、主たるものは電電公社の事業でございます。建築のようなものは建設省が非常に大きな量を持っておりますけれども、民需というものは怒濤のごとく大きいのでございますから、その中で幾らでも泳げるし、電電公社でも、建築については千以上の登録会社が、地方末端までではありますが、その機会をねらっておりますけれども、電電公社ではこの建設業者を支えなければならないという、何か淡き責任感のようなものは働く必要もないことでございます。 建築などはうちなど一千五百億の発注をしておりますけれども、しかし、日本全体の建築土木業に比べれば九牛の一毛でございます。ところが、電気通信建設業に至りますと全部、一〇〇%とは申しませんけれども、まず九五%ぐらいうちに依存しておるということでございますので、この点は契約する私どもとして非常に苦しいところでございます。 そこで、業者を、規制をつくってできるだけ数多くしないで、そしてできるだけ機会を与えるというようなことにしていくということが——これはまた余りだらけますと癒着だと言われるし、温室の業者だと言われるし、そこの点は非常にむずかしい問題だと私は思っておりまして、その辺の産業界の姿もちょっと背景が違うという悩みも持っておりますので、御了承を得たいと思っております。
○鳥居委員 この認定業者の認定の条件を公開して、それで、世の中が自由経済ですし、いまは不況ですから仕事がなくて大変困っている時期でありますが、これが自然の形であればふえていくわけですね。ところが、かたく門戸を閉じて、公社の仕事がほしければ下の下の下へ入って仕事をとる。こんなような形でずっと来ているわけですよ。 この十年間の推移はさっきも申し上げましたとおり、十年前が七十九社、十社がふるいに分けられるような形でふるいにかけられ、そして現在六十八社です。理由は、非常に高い水準の技術が必要だからなかなか免許を与えない。だから、方針として、建設省なり努力していますが、たとえば建設省の努力なんかを見てみますと、一社で請け負えないような大きな仕事が出てくる。そういう場合にはジョイントベンチャー方式で、共同企業体の特例措置でその共同企業体に仕事を与えていこう、それでも仕事が大き過ぎてジョイントベンチャー方式ではだめだという場合には、協同組合方式をそこで指導してとらせて、それで受注の機会を与えていこうという努力を現にやっております。同じ政府関係機関であり、また、公社は性格がちょっと違いますけれども、その努力が見えなければいけないと私は思うのです。ですから、景気のいいときあるいは悪いときもあり、また、非常に特殊な仕事であって、それ以外のことはできないということで、条件は悪いかもしれませんが、しかし、公社ですから、その悪い条件を乗り越えてでもなるべく多くの皆さんに受注の機会を与えられるようにしていこうという、そういう努力があって当然だと私は思うのです。 大臣に伺いたいのですけれども、門戸を開いていこう——建設業者としては、建設省の指導のもとにあるのかもしれませんが、しかし、官公需の発注主が電電公社ですから、開く方角で努力をしていくということであるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 先ほど総裁から申し上げたように、電電公社の発注というのはユーザーの方が限られておりますし、そういう意味では建設省等々の発注工事とは大変違った面がございますので、今後とも電電公社とよく協議の上指導していきたいと思っております。
○鳥居委員 さらに進めたいと思います。 私は、実際に公社の仕事がどんなふうなぐあいで電気通信工事が行われているのか、現場で苦労している皆さんの声を聞いてみましたが、この公社の仕事を直接受けるのは六十八社ですが、ところが、実際に仕事をやっているのは下で受けて仕事をするという会社の皆さんです。これはもちろん大きいものから小さいものまでさまざまな形であります。また、受けた会社はまた下に出すという形でもあるわけです。 具体的に事例を申し上げますが、こんなことがあってはならないわけでありますから、前向きの姿勢で御回答いただきたいと思うのですけれども、実例の一は重層下請業者です。これは実際にいま倒産に追い込まれまして、大変に苦労をされています。これは公社、元請、下請の順に仕事がおりてまいりまして、孫請に当たります。元請が公社発注の七割の額で下請に仕事を出しまして、一括まる投げです。そうして下請はさらに元請の六割から七割の額で孫請に仕事をさせております。現場では、ひどい場合には公社発注額の三割、よくて五割ぐらいの工事費で施工しております。倒産の理由をいろいろな角度から話を聞きまして、私自身も本当にびっくりしたのですけれども、まず、第一に、工事をやるに当たって契約書がないのです。契約書をつくらせないのです。それから、また、工事に当たって見積書がないのです。これもつくらせないのです。必要な場合には後から見積書を元請がつくって持ってくるというのです。そういう実態です。 私は、そんなことでは請求もできないじゃないか、一体どういうことになっているんだというので事情をいろいろ聞きましたら、最初から契約書なんかはつくらせない。まして、見積もりなどというものは孫請から下請に出せるような状況にない。一方的に、今度の工事はここだ、ああそうですかということで孫請の業者は仕事をやる。そして、支払いは、下請から先月分はこれだけですと来る。これは仕事を与える方の側、下請ですね。ですから、下請から孫請に対してこの金額が与えられる。とても工事量に見合うような額ではない。こういう訴えでございます。 これは実際に倒産した具体的な事例でありますが、最初からそういう事情なのかと言いますと、最初はある程度利益のある仕事が与えられた。だんだんマージンを上げていく。ですから、原価を割るような金額を一方的に支払われる。倒産の直接の原因は仕事をとめられたことである。その理由は、孫請の方がもう借金ができなくなってしまったというのです。最初は利益の大きい仕事が与えられ、だんだん単価を割っていくようなわけで、工事をしていくうちに当然赤字になる。だんだん単価を下げていかれますから、どんなに努力をしたって赤字はつのる一方である。八人の従業員を抱え、従業員とその家族を養わなければならない。とにかく仕事がもらえなくなったら大変だというので、赤字でもやはり仕事をもらわなければならなかった。こういう悲惨な実態です。 実例の二は、創立が昭和三十四年、年間の工事高一億二千万、従業員四十人の会社で、多いときは五十人いたそうです。資本金二百万円で、下請のこういう工事会社では中の上と私は見ています。元請から受ける下請工事金額は公社発注額の七七%で計算をされ、この中から、本来元請が負担しなければならない工事長経費という名目で、一人当たり月額三十万から五十万を差し引かれるので平均七二%である。この中から現場管理費が公社発注額の一八%、さらに、上から与えられますから材料費の一五%を引かれるので、実際に元請から受ける金額というのは公社発注額の三九%にしかならない。現場の仮設材料費あるいは車両、機械費、旅費、事務所経費を払い、社員の給料を払うと完全に赤字だ。数年前までは公社発注額の八〇%でも請け負うことができたが、この一、二年は工事高で年間二千万から三千万円仕事量が減ってきている上に、七二%の下請金額になっている。当然社員のボーナスや法定の福利費を払ってあげられない。この一年、二年の間に、資材を担保にして一千万借り入れをしているそうです。それでボーナスや給料の支払いに充て、これ以上は借金するところがどこにもない。 そこで、つい最近やっとの思いで手に入れた本社事務所を売却した。それから、私財の会社への投入もこれが限度で、いまでは社員にもやめてもらうしか方法が残っていない。技術社員が一人立ちできるようにというのが夢であって、十八年間一筋に公社の仕事を続けてきた結果がこれでは余りに情けないというふうに訴えております。 もう一つ聞いてください。実例の三です。これは四十四年の設立です。年間工事高一億二千万で、十六人従業員がおります。下請は四班、三十人抱えております。臨時雇いとして五人いるそうです。資本金二百万で、下請会社では中級の工事会社だと私は思います。昭和二十八年から公社の線路工事を始め、昭和四十四年に会社設立以来元請の一社のみの仕事を続けて八年になります。最近の元請の下請に対する締めつけは、まるで倒産しなさいと言わんばかりである。従来、元請から発注される金額は公社発注額の七九%であった。この中から下請は現場管理費を負担させられ、管理要員費を引かれてきた。現場管理費とは、現場事務所の仮設、撤去費あるいは書類の作成、提出に必要な人件費、書類の購入、文具、コピー、トイレットペーパーに至るまで下請の負担であった。これは本来元請D社の負担すべき費用だと下請側から主張してきたけれども、それは受け入れられなかった。さらに管理要員費、これは元請から下請に派遣される工事長経費で、工事長の給料やガソリン代、宿舎費、旅費等で、月額一人十七万円程度差し引かれてきた。これも本来元請が負担すべきものである。こういう事情でございます。 以前に、建設局長名の公用私信が出ておりますね。私は、こういった実態は一社でもあってはならない話だと思うのです。公社の言い分は、法人と法人の間の民事の争いである、公社は直接関係しないという立場をずっとおとりになってきたわけです。しかし、少なくとも公共事業とし、官公需として認定業者に渡していく仕事であるのに、その仕事が現場においてどういうふうにやられているのか。これではまるで残酷物語です。本来であれば、こんな閉鎖社会は日本のどこを探したってありません。それがいま現実の問題としてある。もちろんこれは名前は挙げられないのです。推定であそこじゃないかということになりますと、これはもう完全に仕事を干されてしまうわけです。 そういう仕組みでこれまでずっと締めつけが行われてきておりますが、この実態をどうお考えになりますか。
○秋草説明員 下請の問題は、いつの国会でも必ずお一方、お二方の諸先生から御質問がございます。私どもとしますと、そういう点は実態は直接にはわからない立場になっておりまして、常々下請の正常化、合理化ということを指導して、先ほどの関係の六十八社の社長クラスあるいは建設部長を通じて、地方の末端の細かい建設契約にわたっても注意深く指導しております。 いまの三つの実態は、私は先生の御説明を静かに承っておりまして、決して否定はいたしておりません。ただ、一番の孫請の点は、私どもが行ってもう少し実情を見れば、この辺はやむを得ないのだというものもありますけれども、いま先生がはからずもおっしゃったように、その人を見つけて出すということは、その孫請をさせた下請業者から見れば好感を持てることではありませんので、非常にまずい立場になりますので、絶対そういう点には触れてはいけない、やはりこれは非常な隘路で、調査しにくいのでありまして、いまの先生の例について、具体的にどこの会社で、いつの行為でと知らせてほしいと言いたいところですけれども、これは必ず親の方ににらみが出てまいります。それはわれわれはやはり避けなければいけない。 この問題は、参議院でも、前に共産党の山中郁子先生から、それから昨今では沓脱先生からも同じような御質問がございまして、前回の国会でも、山中先生の御質問に私は非常に感銘を受けましたので、直ちに実態調査をしろ、ただし、その場合に、会社にそういう悪いことをしたのだと言ってしかると必ずいい資料を出さないから、隠してしまって実情はわからなくなるから、この調査は絶対にそういうことには関係ないのだからあからさまに出してほしいということにしましたが、件数は、全体の件数からすれば、これは抜き取りでございますから非常に少なかったのでございますが、実態を見ますと、まあ九五%ぐらいは契約のパターンに比べて大体妥当なんでございます。 というのは、契約のパターンがございますし、標準単金というものがございますけれども、個々の契約は、先生は御存じと思いますけれども、この条件はおれが持つ、これはおまえが持てということで、たとえば一番極端なのは、おまえは穴だけ掘ればいいんだ、労力だけ提供すればいいんだということがある。これは一番簡単なことでございますが、ところが、パターンは一〇〇というものがありまして、穴を掘るだけなら三〇%ぐらいでいけます。それから材料はおまえが持てよとか、もう少し事務所も持てよとか、あるいは書類もおまえがつくれとかいろいろございますから、そこを、これを抜いたのか抜かないのか全部取り直さなくちゃいけませんが、そうして見ますと全部がそういうふうに見えて、いまの先生の質問と違ってあれはちょっとどっきりするような御質問だったんですけれども、調査をしましたところが、まあ九〇%から九五%ぐらいは妥当なんだと——しかし、いま先生が御指摘したような、それから前の共産党の両先生が御質問なすったようなケースが二、三件ありました。しかし、これは一件でもあってはならない。一、二件ぐらいしようがないじゃないかというんじゃなくて、やはり、直すべきものは正常なものに直さなければいけないと思っております。 しかし、これの監督というものはなかなかむずかしゅうございまして、やはり根気強く親会社にも言って、指導をしていかなくちゃならぬと思っておりますけれども、まあ、いずれにいたしましても、私どもとしては大変申しわけないことでございまして、施行者側とすればりっぱな契約をしておるんですけれども、だんだん下に行くほど非常に厳しく出てくる。 特に、いま先生が申されましたところの契約をしてないという点も、これはもちろん孫請でございます。こういうものも二、三件ありました。これは私どもの責任でもないんですけれども、もちろん私どもは親会社と契約するときは堂々とした契約書はあります。それから、親会社と下請会社との間も契約があります。しかし、孫請になりますと、非常に安易に、電話一本で、ひとつあした何人工事人を出してくれというようなことで、事後清算のようなことにもなりかねない。 そういう点が、受ける方もある程度親の指導に待たなくちゃならぬということで安易に流れて、仕事だけもらえばという気持ちもあろうと思いますが、そこの点は監督するといいましてもなかなかむずかしい問題で、電電公社の電気通信工事に限らず、道路にしましても建築にしましても、たくさんの下請に動員をかけて建設物というものは完成されるものでございますから、そういうような従業員が五人とか八人とかいうようなものになりますと、そう厳正な契約書というようなことにはなかなかいけないものもあろうと思うのでございます。 できるだけそういう秩序は正しまして、問題を絶滅するという方向に私ども努力しなければいけないと思っております。
○鳥居委員 指摘されますけれども問題は改善されないんですよね。公用私信でどんな効果があったのか。公社は実態調査すると言いますけれども、公社の人が出向いていく。認定業者の中には公社の先輩だった人たちがいるわけですよ。だから、現場へ行って実態をいかにしてつかむかということに心を砕くしかないわけです。それが一点だと思うのです。 さまざまな角度からこの天下り問題も議論されてまいりましたが、私も、今回、これが一体どういうことになっているのか調べてみましたが、大変な数の公社出身の人がおります。ちなみに数字を挙げてみますと、これはもう大変な数です。ですから、実態調査といってもおざなりなものになっていく傾向がある。弱い立場の人の声が届かない。実際に一つの事件があったとしても、それが正当な評価をされない。そういう背景を考えたときに、その弊害の余りに大きいことは、実は、天下りの実態というものがその原因の一つになっているんじゃないかと思うわけです。 建設局長さんの方でつかんでいる天下りの実態では、公社出身者が六十八社の中にどのくらいいらっしゃる実態ですか。
○山本(孝)説明員 先ほど来建設局長あるいは総裁からも申し上げましたように、電気通信技術というのは非常に高度の進歩を遂げております。それで、日進月歩で、進歩が非常に大きなものがありますので、その技術をいかにこういう工事業者に移転するかということで、かねてから公社の技術者の多くが請われて会社に行っておりますが、私どもは天下りという言葉にちょっとなじまないと思うのでございますが、一般的に公社の幹部で現在会社の役員をしているという人数を調べますと、この十年という話がちょっとありましたけれども、この十年間で、公社の、いわゆる本社の次長クラス以上で現在会社六十八社の役員をしておりますのは二十一名でございます。
○鳥居委員 私の調べたことを申し上げます。 昭和五十年度の六十八社への公社出身の方の籍を置かれている数でありますけれども、百十八人で、四十四年度からこの七年間で千八百十二人が認定業者の六十八社の中にいらっしゃる。役員の構成なんかを見てみますと、八割から九割公社幹部出身の方がいらっしゃる。これが実態です。そこから弊害が出てきちゃいけないと思うのです。ですから、なれ合いという形で公社の指導が通らないということが心配されるのです。それは、もちろん、皆さんの言い分は天下りという言葉が気に入らないとおっしゃいますけれども、気に入らなければ公社出身の会社幹部で結構だと思うのですが、この弊害は見過ごすことができないと思うのですね。 どうなんでしょうか。実態をどのようにして正確につかんでいくか、現場のこういう非常に弱い声をどのようにしてつかんでいくかということでもうちょっと御検討いただけないでしょうか。総裁は、御自身で生の声をひとつ聞いてみようとか、あるいは何か公平な機関でもうちょっと実態を調査してみようとか、そういうことは思わないのですか。公用私信だけでは認定業者に対する指導が行き届いているとは思えないのですが、どうでしょうか。
○秋草説明員 天下りの話は、確かに大ぜいの方が関連の建設業者には出ておりますけれども、しかし、これは管理者にもならずに定年後やめていく人もあるし、あるいは定年前にやめる人もある。そういう人をまぜれば、関係業界とすればうちの出身者の一番多い業界だと思っておりますが、しかし、天下りという言葉は、いつも国会で御答弁を申し上げますけれども、会社からの要請がきわめて激しく出てきておりまして、私どもは、いつも、それならば差し上げるというようなことで、そのかわり事務系統の人はほとんど一人もなかなか——これは本当に頼んで出てもらうというようなことでありまして、やはり技術中心の会社でございますから、圧倒的に技術系統の人が多うございます。しかし、重役の八割がそうだというようなことはちょっと多過ぎると思っておりますが、二、三割は確かにおります。 それから、一般の、管理者にもならずに行った人は、これは天下りと言われましても、公社で勤めてまだやる気十分のような人も、定年になって働く場所がないといった場合は、私は決して悪い政策ではないと思っております。 そこで、先生の御質問の問題は、繰り返すようですけれども、いま先生のおっしゃったような例があれば、親会社なり発注をいただいた会社には、絶対に私は言わないからということを言わないと、こわいですから、先生に御説明するようなことは私にはきっと聞かしてくれないと思うのです。それは非常に重要な問題でありまして、そういう前提で私に聞いてくれと言うならば、私はいつでも喜んでそういう実際の実情を聞いて参考にしたいと思っております。 その他いろいろ御注意もございましたが、この問題につきましては調査の仕方もなかなかむずかしいし、間接間接の仕事ですから、建設局とか私どもの耳などにはなかなか入りにくい問題でございますけれども、機会があれば、そういう条件で、絶対親会社の方には言わないからということを言ってよく聞く気持ちは私は持っております。
○鳥居委員 この業界は、天下りと指摘されるそういう傾向が非常に著しいというお話がございましたけれども、弊害をいかにして抑えていくかということにあると私は思うのです。 最後に、大臣からお考えをお聞かせいただけませんか。
○小宮山国務大臣 私も天下りという言葉は余り好きじゃないのです。要請があってということより、人が行くというのは、その会社の経営そのものがよくなるという経営陣の熱意のあらわれであろうと思うし、中には困る人もいるのかもしれませんけれども、いまの総裁の話を聞いて、さすがに苦労人の名総裁だということで、そういうことはぜひどしどしやっていただきたいと考えております。
○鳥居委員 それで、きょう実は電波行政で関係の方においでいただいているのですが、大変恐縮なんですが、時間の都合で次の機会にまたお世話になりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○阿部(未)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十三分散会