地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/10/27
会議録
○地崎委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、本案について、本日、参考人として日本道路公団理事大塚勝美君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○地崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三谷秀治君。
○三谷委員 本年度の交付税制度運用上の問題で軽視できませんのは、大阪府が交付団体に転落したという事実でございます。五十年度に神奈川県、五十一年度に愛知県、五十二年度に大阪府と、相次いで交付団体に落ち込んだわけでありまして、今日、都道府県では東京都のみが不交付団体であるという異常な事態になっておりますが、この主要な原因はどこにあるのか、お尋ねしたいと思います。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、本年度から大阪府が交付税の交付団体になったわけでございます。交付税の歴史から申し上げましても、東京、大阪というのはずっと不交付団体を続けていたわけでございますから、まさに非常にさま変わりになったというように存じます。 その原因といたしましては、何と申しましても、やはり石油ショック以来の日本経済の方向の転換というようなことからいたしまして、府県税の大宗でありますところの法人事業税といったようなものにおきますところの落ち込みがひどい。それがやはり大府県におきましては最も端的にあらわれておるわけでございまして、その税収入の減少ということによりまして基準財政収入額が減額になるという点が、やはり交付団体になった最大の理由であると存じます。
○三谷委員 東京都に次ぎます大府県である大阪府などが交付団体になるという事態は、これは地方税、地方交付税制度を通じまして、現行制度が正常に機能しなくなってきたということを意味しておると思います。交付税制度の本来の任務といいますのは財源調整であるわけでありますが、この財源調整の面で見ますと、地方と地方間の財源調整というものはもはや機能をしなくなってきている。もう一つ、国と地方との財源調整という点から申しますと、税率改定が行われませんから、この面でもすでに機能喪失が示されてきておる、こういう事態になっておると思いますが、これについてはどのようなお考えでいらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、地方交付税の機能といたしましては、一つには地方団体間の税収の不均衡を一般財源というかっこうで全体として均衡をとる、財源調整の機能があるわけでございます。地方税財政制度としてながめました場合には、地方税一般、自主財源でございます地方税収入というのが相当程度確保されまして、さらにそれと地域的な不均衡というのを交付税制度によってならすという程度であるべきなのが理想の姿であろうと存じます。従来はそういうかっこうで機能してきたわけでありますが、現在のような経済の急激な変換というような事態に対応いたしまして、やむを得ざる措置として、御案内のとおりの、各年度ごとにおきます。単年度として、地方財政として困らないような措置、臨時的な措置というようなことによって財政対策が行われております結果、ただいま御指摘のような事態になったと思うわけでございます。
○三谷委員 現在の状態で見ますと、もはや交付税というものの制度を根本的に考え直さなければならない、そういう状況が迫ってきたと考えられますが、この点はいかがでしょうか。 それから、大阪府が交付団体になりましたことについて当時の新聞が伝えておりますのは、今日までの交付団体が、招かれざる客がふえたというので、大変迷惑を感じていらっしゃるというような報道がなされております。ですから、神奈川、愛知、大阪などが交付団体になりまして、交付団体が増高しておりますのに、交付税の原資は一向に変わっていない。そうしますと、当然交付税の原資が相対的に減少するわけでありますから、結局薄まきという事態が生じざるを得ない、そういう形でこの二、三年推移してきておるということが推定されますけれども、この点はいかがでしょう。
○山本(悟)政府委員 先ほど申し上げましたように、地方税財政制度といたしましては、より地方自主財源の多い、地方税の多い姿の方がよりベタであるということは御指摘のとおりでございまして、その多くを特別な措置によりますところの財源対策によらなければならないこの数年の事態は、むしろそれが異常であるという御指摘はそのとおりだと思います。さような点から申せば、やはり将来の問題といたしまして、自主財源のふえるような方向におきますところの税財政制度の改正というものを目指さざるを得ない、かように思っている次第でございます。 大阪府が交付団体になるということによりまして、他の団体が迷惑を受けるのじゃないかというようなことが報ぜられたようでございますが、その点から言えば、地方財政計画全体といたしましても、やはり必要な税収入というものの計算におきましては、減るものは減るというかっこうで計算をいたすわけでございまして、交付税の総額がふえない、ふえないと申しますか、率が変わらないということによりましての直接の因果関係というものは出てこないのじゃないか。それに対しまして、全体として足らない額の補てん措置として考える場合に、交付税率をどうすべきかというようなことはまた別の問題といたしてあるわけでございますけれども、本年なら本年の対策として、地方財政対策をとらえた中におきましての措置といたしましては、特定の団体が不交付から交付になったということによって、他の団体が不当に圧迫を受けたんだというようなかっこうになってこないのじゃないかと存じます。
○三谷委員 現に新聞の伝えるところによりますと、鹿児島県の交付税のシェアが五十年度で三・八%、五十一年度で三・五%、五十二年度で三・三%と、交付団体がふえるたびにダウンしてきておるということを伝えております。岩手県などの実例も示されておるわけであります。ですから、これは共通の現象と見て差し支えがないわけでありますが、要するに交付団体がふえるに伴って配分シェアが減少するという事態が実際に存在しているということが伝えられております。要するに、交付税制度がたてまえどおりに機能していないということが地方の行政水準を明らかに侵食しておる、むしばんでおるということがここで示されておりますが、この点はいかがでしょうか。
○山本(悟)政府委員 交付税そのものだけの配分シェアという点から言えば、御指摘のような数字になることは事実であろうと思います。いままでゼロでありましたところに五十億なら五十億というものが行くわけでございますから、その部分に行った分、他の全体が減るということでございますが、やはり財政需要と財政収入の差額を補てんするという機能におきましては、交付税制度としては従来どおりの機能を果たしているわけでございまして、全体としての財政需要、財政収入というものがどうであるか、これは地方財政計画上から導き出されてきているわけでありまして、地方財政計画が本年度で言えば二兆七百億円の不足というものを、当面の措置といたしまして財政措置をいたしたわけでございまして、それによって地方財政全体といたしまして補てんはなされている、こう思うわけでございます。
○三谷委員 交付税のシェアが減るということは、自主財源の比率が減るということを意味しております。それから、交付税が減少するということは、同時に地方税収もそれに伴って減少をもたらすという結果になってくるわけでありますから、地方財政計画がどのように伸縮されるかわかりませんけれども、いずれにしましても、実質的には地方の行政に対して重大な影響を及ぼしておるということは争う余地がないと思いますが、その点はどうでしょうか。交付税のシェアが幾ら減っても、それは少しも地方自治体の行政内容には影響のあるものではない、こういうお考えなんでしょうか。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、交付税は需要と供給の差というかっこうで補てんされるものでございますので、各団体ごとのシェアの変動というのは、収入の面が総体としてどうであるかというところからも大きく影響をしてきているわけでございます。総平均に対します収入の伸び率がどうかという点、鹿児島等におきましても案外と、率という面から言うとそういうような伸びが平均よりも高いというような事態も起こっているのは事実でございます。そういうようなことがいろいろあるわけでございまして、財政計画におきまして収支全体として償うという財政措置がとられます限りにおきましては、個々の問題といたしましては、算定上の技術的な問題もございますけれども、総体としては賄えるのではないか、こう思うわけでございます。
○三谷委員 算定上の技術的な問題で地方財政計画が伸び縮みされるということしか考えようがないわけです。それはそれとしまして、このようにして地方団体間の財源調整ということが事実上機能しなくなってきておる。これは一つの条件です。 もう一つは、国の方で交付税率の改定をどうしてもやりませんから、国と地方との財源調整ということも機能しなくなってきておる。これが現状なのですが、この事態に対して一体どういう措置をおとりになろうとするのか、これをお尋ねしたいと思います。
○山本(悟)政府委員 明年度の地方財源対策ということにつきましては、現時点におきまして数字等も出ない、あるいは明年度の税制改正等の状況も判明をいたしていない段階でございますので、具体的に申し上げることは困難なわけでございますが、各種の方法を考慮しながら、地方制度調査会あるいは税制調査会等の御意見を伺ってまいりまして、私どもの立場といたしましては地方税源の充実、地方交付税の所要額の確保、こういう両面から地方財政対策をできるだけやってまいりたいというのがただいまの気持ちでございまして、そのために大いに努力をしてまいりたい。また同時に、本年度もそうでございましたが、明年度の地方財政の運営に支障がないということを一番の基本といたしまして考えざるを得ない。その上で、制度といたしまして安定的な自主財源の確保というものができるだけ図られるように努力をしてまいりたい、こう思っているところでございます。
○三谷委員 聞いておりますと、何か他力本願的なお考えであって、地方自治、地方財政に責任を持つ自治省としての明確な方針とか確信がないような感じがするのです。地方制度調査会だとか税制調査会だとか、これは諮問機関にすぎませんから、行政責任を持つものではありません。その行政責任を持つべき自治省として自主的な方針、判断がどうあるのかという問題ですね。これが少しも明らかになっていない。先般来質疑を承っておりましても、この点がまことにどこかの風任せになってしまっておる。そういう態度では、私たち、自治省の責任のある姿勢として受け取るわけにはいかないのでございます。 大臣にもお尋ねしたいのですが、地方自治の問題というのは地方自治、かつ地方自治を保障します財源保障の問題でありますが、これは国の政策の都合で恣意的に左右されるものではない、私はそう思っております。地方自治というのは憲法規定であって、地方自治の本旨というものが明らかにうたわれておるわけであります。したがって、地方自治を保障するあるいはそのための地方財政措置をとるということは、国の政策上、財政上の選択範囲において行われるというものではなしに、地方自治を原点に置いて国の財政や国の方針が打ち出されるものである、私はそう解釈しておるのであります。 そういう点からしますと、いまのようなお答えを聞いておりますと、一体どこで地方自治の問題や地方財政の問題の基本的な方針が明らかにされるのか、どこでそれが立案されていくのか、全くこれは不分明になってしまっておる。何か地方制度調査会が決定するような口吻もあるし、あるいはまた税制調査会がこれを左右するかのようなお答えもあるわけですが、それは少し責任回避にすぎやしませんか。自治省としてはどうしていくのか、どういう基本的な姿勢で臨んでいくのか、この点を明らかに示してもらうことがいま必要である。また、地方自治体はそれを願望しておると私は考えておりますが、その点はいかがでしょう。
○山本(悟)政府委員 地方制度調査会なり税制調査会なり、各種の審議会でいろいろと御議論を願っておることも事実でございまして、それはそれなりに御答申を賜ることを期待いたしておるわけでございます。そういうものを伺った上で、もちろんいろいろと最終的に出ていくわけでございますが、先ほど気持ちとして申し上げましたように、自治省の気持ちといたしましては、当然のことながら、地方財政の面におきまして自主財源の増強、その一番は税であろうと思いますが、それを中心にいたしまして自主財源の増強を図ってもらいたい、そして足らざる分は交付税その他におきまして一般財源の増強を図ってもらいたい、こういうことを基本の考え方にいたしまして要求をしている段階でございます。
○三谷委員 その自治省が要求されております地方税源としては何をお考えになっておるのか、そしてまた、いまおっしゃいます交付税をさらに十分に機能し得るものにするためにはどのような措置をとるべきなのか、これをお尋ねしたい。
○森岡政府委員 御指摘のように、またいま財政局長からお答え申し上げましたように、地方財政の構造を健全化いたしますためには、何よりもまず地方税源の充実を図ることが第一だと思っております。そこで、その場合の具体的な方策につきましては、経済がこういう流動的な時期でございますかち、中期的な見方と短期的な対処の仕方に分けて考えていく必要があるのではないか。 先般、税制調査会の中期答申が出されました。ここでは、中期的には、国、地方双方とも公共部門の財源が不足しておる。社会資本の充実なり社会福祉の向上を図っていくためには財政収入全体としてふやさなければならない。一般的な租税負担の増加を国民にお願いしなければならぬだろう。その場合に、やはり選択として、所得税なり個人住民税という問題が一つでありましょう。しかし、これはなかなか負担感の強い税でありますから、現実問題として所得税とか個人住民税の増税をお願いするということは困難ではないか。一方、それが困難であるとすれば、一般消費支出に対する消費課税というものの水準が先進工業国に比べましてかなり低い状況でございますので、一般的な消費支出に対する課税ということが一つの選択として残るのではないか。国、地方を通じまして、中期的にはそういう観点から見ますと、税制調査会の選択は、一般消費税という新税を検討していくべきであろう、これはもちろん国民の十分な理解なり納得を得なければならぬ、あわせて歳出の合理化なり不公平税制の是正という問題もやらなければならないというふうなトーンで答申が行われておるわけであります。 しかし、これだけの大きな新たな税の創設ということになりますと、これは経済の状況とか物価の状況とかいろいろなことを考え合わせなければなりませんから、それを踏まえまして、短期的にそれでは来年度どうするのかということにつきましては、これからやはり私ども先ほどお答え申し上げましたように、税制調査会の御意見なども伺いながら、予算編成時期までに具体的に取り組んでまいりたいという気持ちでおるわけでございます。
○三谷委員 自治省が地方財源対策として、一般消費税の導入とそれの地方への配分を要望されておるという報道もありますが、いまはそういうところが焦点になっておるわけなのでしょうか。
○森岡政府委員 ただいま申し上げましたように、中期的な税制のあり方といたしましては、個人所得課税の増加負担かあるいは一般消費支出に対する新たな税の創設か、この二つの選択しかないだろうということが基本的な認識になっております。私どももそれはそうだろうと考えております。しかし、その導入の時期とか内容とかにつきましては、なおもう少し詰めなければいかぬという時期にあるわけでございますから、それでは明年度どうするのか、一般消費税の導入に踏み切るのか、あるいはそれ以外の面であらゆる手段を講じて増収策を確保するのか、その選択はこれから予算編成時期までに十分努力していく、勉強してまいりたい、かような考えでございます。
○三谷委員 地方税源の問題の一つの考え方はわかりましたが、交付税はどうなっていくのでしょうか。交付税は現行税率のままで、従来どおり制度を維持温存するというお考えなのでしょうか。
○山本(悟)政府委員 明年度の地方財政の対策というものを考えてみますと、ただいま税務局長から申し上げましたように、国、地方を通じまして公経済への収入というのが非常に足らない。何兆という単位でもって足らないというような状況のもとにあるわけでございまして、その際に、やはり第一次的には国民の負担もお願いもした上で、税というものをどう扱っていくのかという考え方が明年度の分についてはっきり出てまいりませんと、地方財政といたしましてもその第一次の分がどうなったから次はどうなるんだ、この次のどうなるときには当然の話ながら、交付税という問題が大きくクローズアップされてくるのじゃなかろうかと思っている次第でございます。 そういうような点から申せば、私どもといたしましては、交付税率の問題も含めまして、予算編成までの間に税の面も詰まってまいりますし、その他の対策といたしましての地方財政対策全体が詰まってくる、その過程におきましていろいろと論議もし、努力もしたい、こう思っておるところでございます。
○三谷委員 今日すでに五十三年度の予算の編成過程に入っておるわけでありますが、その段階におきまして、なお地方財源問題についてはこれというまとまった方針が決まっていない。自治省としても決まっていないということはまことに面妖な感じを私は受けるのであります。 そこで、いま御意見がありました一般消費税の問題でありますが、この一般消費税の新設によりまして地方財政の当面します危機が打開できるかという点につきまして、私どもは多分な疑点を持っておるのであります。今日税制調査会が答申しております一般消費税の導入という問題は、付加価値方式でありますが、この付加価値方式の消費税というものが物価にはね返ることは避けがたいのであります。物価に転嫁される、そういう全面的な性格を持っております。そうしますと、物価にそれがはね返ってきますならば、当然地方財政支出というものが膨張することは避けがたいことであります。そうしますと、消費税によりまして——それが譲与税方式で行われますのか、あるいは交付税方式で行われますのか、これはまだわかりませんけれども、いずれにしましてもこれが地方の財源になりました場合に、物価高騰によりまして地方の財政支出の膨張という問題が避けがたい問題として起きてくる。そうしますと、そのような手段によりましていまの地方財政の困難が果たして打開できるだろうかという疑問をだれしもが抱くのであります。入るものがふえますかわりに、出るものがふえるわけでありますから、結局これは本質的な解決にはならないという問題が一つあると思います。 さらに申し上げますと、今日の財政危機というものがインフレによります財政需要の膨張と不況によります税収減が最大の要因になっておる。これは争う余地がないと思いますが、一般消費税によりまして果たしてこの財政危機の基本的な要因が打開できるだろうかという疑問をだれしもが抱くのであります。物価の面から見ますならば、消費税がすべての物価の上昇にはね返っていく。そしてインフレ傾向をさらに助長する。これは避けがたい問題です。同時に、これによりまして実質賃金が低下をし、実質所得が低下をしますから、国内の購買力の縮小というものが当然起きてくる。不況要因をますます助長する結果になってしまうのではないか、こういう懸念が起きてくるのであります。 ですから、今日の不況の問題を考えます場合に、好況を支えてきました設備投資というものに期待が持てません。もうすでに設備は過剰になってしまって八十数%しか稼働していない、こういう状況がある。一方におきましては貿易でありますけれども、貿易も御承知のように最近の円高が示しますように、貿易環境は決して展望の持てるものではありません。そうしますと、好況を支えてきました設備投資においても展望が立たない。貿易におきましても見通しがよくない。そうなってきますと、今日の不況の打開のためには国内購買力の増強以外にありません。ところが、消費税によりましてさらに物価をつり上げていく、あるいはそれによりまして実質所得や実質賃金が低下をするというふうな状況になってまいりますと、いまの財政問題の解決は全然期待が持てない、こういうことが懸念されるわけでありますが、そういう中で果たして一般消費税の導入というものが、地方財政問題に対する対応策として妥当かどうかという問題につきまして大きな疑問を私は持っておりますが、その点はいかがでしょうか。
○森岡政府委員 仮に一般消費税という新税を創設いたしました場合に物価が上がるであろうという懸念が持たれております。しかし、その物価が上がるというのは、非常に端的に申しますと、消費支出に対して祖税負担が新たに課されるわけでありますから、その分だけが上がる。理論的にはまさしくそう考えるべきなんだろうと思う。ただ問題は、それに伴って便乗値上げでありますとか、そういう状態が起きる。それが心配だ。これは確かに一つの問題でございます。しかし、それにつきましては、そういう便乗値上げによって一般的なインフレーションが起こらないように、導入時期とかタイミング、内容、それを慎重に検討するということ、その他あらゆる施策を通じて便乗値上げを抑制する、防止をするということ、これはどうしても必要だろうということは税制調査会の答申でも指摘されております。 それから購買力が実質的に減少するではないかという御指摘でございますが、それは確かにそうだと思います。しかし、最初に申しましたように、一般的に公共部門の財源が不足だ、所得課税の増税か一般消費税の新設か、どちらをとるかという選択だということになりますと、所得税を増税すれば、あるいは住民税を増税すれば、その分だけ実質所得が減るわけでございますから、実質所得の減少という効果は、新税の創設と所得税増税とは同じではないかということになるわけでございましょう。 それから第三に、インフレーションになるのが問題だという御指摘がございました。これは確かに国家財政、地方財政あるいは国民経済全般を通じて問題でございますけれども、しかしその一番危険がございますのは、いまのように国債あるいは地方債あるいは交付税の借り入れという形で大幅な借金財政に依存しておる、それがいつまで続けられるか。それをいつまでも続けていきますと、要するに民間資金需要が上がってきましたときに大変な競合関係に立って、これはまさしく恐るべきインフレーションに突入するという危険を持っておる。ですからそういう点から考えますと、やはりこの際何らかの形で公共部門のシェアをふやしまして、公債、地方債依存の財政から速やかに脱却するという方策を講ずることが、むしろインフレ抑止の最大の政策ではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○三谷委員 ただいまの御説明は総体的な議論として御提示になったと思いますが、インフレ要因あるいは不況要因というものは新税によって、特に一般消費税によって解決できるものではないということも一つの事実だと私は思うのです。 そこで、この問題はもう少し後に回しまして、消費税を導入した場合、現在の消費税的な地方税がありますね、これはどうなるかという問題。たとえば料飲税だとか電気ガス税などというものは当然一般消費税と競合する性格のものでありますが、こういう地方の古来の自己財源についてはどうなっていくのかという問題ですね、これについても御研究になっておれば御説明願いたい。
○森岡政府委員 税制調査会の答申におきましては、いわゆる一般消費税のような税を創設いたしました場合に、他の既存の消費税、間接税との調整が必要であろうということを指摘しております。ただ、その場合に、いわゆる新税の税率がどの程度になるのか、それはまた税収規模がどの程度になるのかということとも密接に関連いたします。あるいはまた、新税の免税点をどのように決めるのか、そのようなこととも関連いたしまして、詳細にこれは検討する必要があると私どもは考えております。 ただ基本的な方針といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、地方財政にとって地方独立税というものの重要性ということを念頭に常に置かなければいかぬと思いますから、既存の税目の中で地方税として定着しておりますものにつきましては、私は、できるだけ地方税として存置をしてまいりたいという気持ちを持っております。 また、一般消費税を創設いたしました場合に、先ほど申しましたように、税率との関連でいろいろな形が出てくると思います。と申しますのは、諸外国でも油だとか自動車とか、それぞれ品目によりまして一本の税率ではなくて、複数税率を使いましたり、あるいは別の税で課税したりというふうな例が多く見られるわけでございますから、それらもいろいろ検討いたしまして、基本的には地方独立税の拡充ということに重点を置き、かつ、租税負担が全体として国民の間に適正に分配されるような方向で検討してまいることが必要かと思っておるわけでございます。
○三谷委員 その地方税源というものに中心を置いて新税の問題を検討するという場合に、自治省としてはどういう税源をお考えになっておるのですか。どれがいい、どのものが望ましい、そういうものがあるわけですか。
○森岡政府委員 仮に一般消費税という新税が創設されます場合に、地方税としてどのような措置を考えるかという御質問であろうかと思いますが、税制調査会の答申をお読みいただきますと、一般消費税の創設をするということは国と地方双方の財源不足に対処するためのものだということを明らかにしております。そこで、その場合に地方独立税としてどういうふうな受けとめ方と申しますか、があるのかということが一つ問題になるわけでございますが、それについて答申の中でも書いておりますように、一つは事業税の外形標準課税導入問題というのがあるわけでございますが、事業税の外形標準課税導入についていままで検討されてまいりましたことは、売上額を課税標準にする外形標準課税を導入してはどうかということであったわけでございます。一般消費税も売上額を課税標準にしようとしているわけでございますので、一つの方式としては、私どもは事業税の所得課税方式に新たな売上課税方式を加えて、それによりまして事業税の外形標準問題を一方において解決し、一方において地方独立税を拡充するという方式があるのではないかと考えておるわけでございます。 それからいま一つの案として、もう一案併記されておりますのは、先ほどお話がありました譲与税のような形で、一定の基準で地方に配分するという案があるだろう、その両案のどちらをとるかは、一般消費税の具体化の段階において明確な結論を得たい、かように思っておるわけでございます。
○三谷委員 いま考えられております一般消費税というのは、物が動きます都度に利潤が発生したと見て、その都度課税をするという考え方のように私どもは理解をしておりますが、そういう性質のものじゃないのでしょうか。 それからもう一つ、いまおっしゃいました法人事業税に対する外形標準課税の問題でありますが、これは知事会もすでに決定をしております。この知事会の事業税の付加価値課税といいますのは、人件費などのコストに対して課税をするという内容になっております。そういう方式が示されておるわけであります。コスト課税が実施されますと、これまた価格に当然転嫁される。そのことの転嫁の正当性が生まれてくるという要素を持つわけであります。ですからすべて物価への転嫁というものが前提になってくるわけでありますが、果たしてそういうやり方をもってしまして、いまの不況とインフレの中で苦しんでおります国民生活に対応し、かつ地方財政というものを真に立て直すということができるものでしょうか。
○森岡政府委員 一般消費税は物の製造、流通各段階で課税する多段階課税と、それから単一段階で課税するというやり方と両方あると思いますが、税制調査会はどちらかというと多段階の課税の方が望ましいだろう、こういうふうな選択がされております。したがいまして、物が動くときというお話でございましたが、製造、流通それぞれの段階で課税をしていく、こういう税であろうかと思います。 それから知事会が検討しております外形標準課税の導入問題でございますが、これはいま知事会で勉強しておりますのはいわゆる加算法の付加価値額でございます。しかしその基本は売上額を基準にいたしまして、各段階の課税の累積を排除するという効果を持つわけでございますので、税制調査会が一般消費税の課税標準として提案しております売上額とやはり同種のものだというふうに考えてよかろうと思います。転嫁の問題は、外形標準課税という形をとります場合には、当然実質的な負担は価格なりサービスの価格に織り込まれて、最終的には消費者に帰着していくだろう。それはもう当然考えられることでございます。それが国内経済にどういう影響を与え、いまおっしゃいました現在の不況の状況から見てどうなのかという問題は確かにあるわけでございますけれども、その点については先ほど申し上げましたように、要するにいまの状態のもとでそういう阻害要因といいますか、国民経済に与える悪い要因をできるだけ排除しながら、しかしやはり一方において公共部門の財政の健全性を確保しなければならない。どういうタイミングで、どういう内容で、どういう形で処理するのがいいかということが、やはり検討課題になってくるものではないか、かように思うわけであります。
○三谷委員 いまの新税問題につきましては、言葉の上ではいろいろと言えるのです。いろいろな面の条件を考えてできるだけ弊害を少なくする、そういう観点に立ってやっていくとおっしゃいますけれども、これは本源的に言いますと、ツケを国民に回す、特に消費税などは広範な国民大衆に課税の強化を求めるという性質のものでありますから、途中、どんな修飾をしましても、結果的には同じことになってくるわけであります。 そこで、税や財政のゆがみを正すためには、まず不公正の是正からやるべきだという意見が強いことも御承知のとおりだと思います。特に大阪などにおきましては、大企業の法人税を軽くしておる租税特別措置の撤廃、電気ガス税などの非課税措置の撤廃ということを非常に強く求めております。大阪で試算をしてみますと、租税特別措置のはね返りで百四十四億の地方税の減収が出ております。それから、地方税の非課税措置で五十六億の税収減となっております。合計しまして約二百億円の減収がある。本年度の大阪府の財源不足額は五十七億円でありますから、この特別措置を撤廃しますならば、交付団体転落という事態はなかったというのが大阪の実態になっている。ですから、こういう措置を含めました地方財政対策が必要ではないか。それをあえて実施しないのであれば、これは当然国が交付税の改定を行って、地方の自主財源を保障すべき責任があるというふうに私は考えておりますが、この点はいかがでしょう。
○森岡政府委員 一般的な租税負担の増加を国民にお願いいたすという場合には、いわゆる不公平税制、これは制度面、執行面、両方の指摘があるわけでございますが、是正するように格段の努力をすることが必要だということは当然のことだと思います。 昭和五十年以来、大蔵省も租税特別措置の整理についてはかなり積極的な措置をとってこられました。それに伴いまして地方税のはね返りも相当減少してきております。しかし、なお残っておる問題があることは事実でございます。しかし、その最大の問題は、税制調査会の中期答申でも指摘しておりますように、医師税制の問題である、いま一つは利子配当の総合課税の問題であろう、かように思うわけでございます。それぞれにつきまして、その整理合理化という問題に真剣に取り組む必要があると思います。しかし、租税特別措置全体は、国税で八千六百億円、地方税で五千五百億円程度でございますので、かなり思い切ってやりましても限界がございます。しかも、この中には個人の貯蓄奨励でありますとか、中小企業対策でありますとか、やはりどうしても存置しなければならぬものがあるわけでございます。そういう点を考慮してまいりますと、不公平税制の是正はもちろん必要でございますが、それでもって事柄が全部片づくというわけにはとうていならないということは御認識いただけるものだと思うのでございます。 大阪府の例で、大阪府の交付税額と特別措置による減収額との比較がございましたけれども、やはりこの問題は国家財政、地方財政全体の中での特別措置の整理による増収額と、国債なり地方債なり、交付税の借り入れなりという、いま抱えております借金、財政収支のギャップ、そこの比較でお考えいただきませんといかぬのではないか、かように思うわけでございます。
○三谷委員 いま御説明のありました特別措置によります減収額が私どもの計算とは若干違っておる。内部留保などをどう見るかという点などにおきまして差があるのだと思います。ですから、そこはいまおっしゃいます説明どおりには私どもは受け取ってはおりませんけれども、いずれにしましても格段の努力をしまして、租税特別措置についての改善を幾らかやってきた上の計算がこうなっておるということを私は申し上げておるのであります。しかも、そこからまず手をつけるべきだ。不公正税制の是正もしないで、新税をもって大衆収奪を行うというようなところに飛躍すべきではない、まず不公正税制の是正というものを行うところから手をつけていくべきであろうということを私は申し上げておるのでございます。 そういう点から申しますと、国税の租税特別措置あるいは地方税の特別措置というものがなお少なからぬ額に達しておるということは間違いがないわけでありますが、これについてはどうお考えでしょうか。国税は大蔵省の方から御説明願いたいと思いますし、地方税は自治省の方から御説明願いたいと思います。
○森岡政府委員 地方税の特別措置によります減収は、御承知のように、国の特別措置のいわゆるはね返りによります減収と、地方税独自の非課税の問題とがございます。それらを通じて一番大きな問題は、先ほど申しましたように、医師税制をどうするかという問題が一つでございます。これは第一義的にはやはり国税の方で結論をお出しいただいて、それでもって地方税の措置もできる、こういう問題でございます。 それから、利子配当の総合課税問題でございますが、これは総合課税をいたしますためには、所得の把握につきまして相当な技術的、事務的な問題がございます。それらの条件を整えませんと、制度だけ総合課税にしましても、現実はちっとも動かない、こういうことになってしまう。それでは実効が上がりませんので、大蔵省でも現在いろいろ御検討いただいておりますが、その条件を整えて総合課税に移行する。問題は、それまでの間、住民税をどうするのかという問題でございますが、昨年来申し上げておりますように、住民税自体で総合課税を独立に行うことはできませんので、国庫からその減収額相当分を何らかの形で、たとえば臨時特例交付金のような形で暫定的にもらいたい、こういうことで措置してまいりたい。その他の特別措置につきましては、これから各省庁と折衝いたしまして、あとう限り整理合理化に努力を続けてまいりたい、かように思っております。
○梅澤説明員 ただいま御指摘になりました国税サイドの租税特別措置の問題でございますが、五十二年度の予算ベースで申し上げますと、国税ベースで租税特別措置による減収額が八千四百億でございまして、税目別に見ますと、約六千二百億が所得税、二千二百億円が法人税、こういう構成になっております。その所得税の六千二百億のうち六割近くはいわゆる少額貯蓄の非課税制度とか、あるいは勤労者の財産形成とか、あるいは住宅関係の各種の控除というものでございまして、残りの約二千億近くが問題になっております医師優遇税制にかかるものでございます。この点につきましては今回の税制調査会の御答申にもございまして、過去何回かにわたってこの是正を推進すべきであるという御指摘をいただいておりますので、財政当局といたしましては、この御答申の趣旨に沿って、五十三年度からぜひこの是正を実現したいという方向で考えております。 それから法人税につきましては、二千二百億のうち約半分は中小企業の軽減関係の部分でございまして、この法人税関係の租税特別措置についてどういう対応をするかということにつきましては、これは私ども、過去二年にわたりまして租税特別措置の全項目につきまして総点検をいたしまして、計画的に整理合理化を進めてまいっておりますが、五十三年度におきましても、既存の企業関係の各種の税制措置につきましてもう一度洗い直しまして、整理合理化を引き続き進めるというふうに考えておりますが、ただ、租税特別措置全体を不公平税制のかたまりとして全廃すべきであるかどうかということについては、やはり個々の政策目的、つまり税制のサイドから個々の、たとえば公害の問題でございますとか、エネルギーの問題でございますとか、いろいろ政策目的があるわけでございまして、その政府目的との兼ね合いの上で、整理合理化すべきものは整理していく、そういう方針で臨みたいと思っております。
○三谷委員 税の問題につきましては、なお細かい議論が必要ですけれども、きょうはそれだけの時間がありませんから、御説明を承った段階で終わっておきます。 もう一つは、大都市における財政需要の算定の問題です。これが果たして実情に合ったものかどうかという点について多分の疑問を私は持っておりますが、昭和五十三年度に向けまして、大都市圏における人口急増府県知事会議の名で、地方交付税率の引き上げを図るとともに、その配分に当たっては人口急増団体財政需要の増高が十分に反映されるように算定方法の合理化を図ってほしい、こういう陳情が政府にも来ておると思います。来ておりますか。
○山本(悟)政府委員 ちょっと私は現在のところ記憶をいたしておりませんが、いろいろそういった御要望のあっていることは全体論としては存じております。
○三谷委員 これは大阪府の議長からも、大都市圏行政需要の算入基準の改定についての意見書が出ておるはずであります。そこで示されておりますのは、地方交付税の算定が実情に即したものとなっていないという問題なのであります。 そこで、大阪府は、交付税法に定められました算定方法によって算出されました大阪府における基準財政需要額と、実際に支出しました額とを比較した資料を出して、問題点を明らかにしております。これによりますと、昭和五十年度における基準財政需要額と決算における一般財源支出を比較しておりますが、その差が九百九十五億にも上っております。この額は、同年度の大阪府の財政不足額八百五十二億を優に超えるものになっておるのであります。 では、どのような事業においてこのような不足が生じておるかと申しますと、大阪府が二月にまとめました大阪府財政の運営の基本方向によって見ますと、たとえば公害対策費であるとかあるいは高等学校費だとか河川費だとか、都市問題解決のために必須と見られております経費について、基準財政需要額が大幅に実支出額を下回っておるのであります。そこで、たとえば公害対策費で見ますと、支出額が百九十二億円でありますが、基準財政需要額は二十六億円にすぎない、算入不足が百六十六億円に達しております。高等学校建設費では、支出額が百六十八億円でありますが、基準財政需要額が四十七億円にすぎませんから、算入不足額が百二十一億円になっておる。河川改修費でも、支出額が百六十四億円でありますが、基準財政需要額が五十一億円になっておる、算入不足が百十三億円に達している。いずれも昭和五十年の決算の数字であります。このようにしまして、大都市需要と言われます費目について、はなはだしい算入不足が出ておりますけれども、これは改善されないでいいものでしょうか、どうでしょうか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、決算におきます一般財源と基準財政需要額との対比をいたしますと、相当の差があろうと思います。御案内のとおり、言うまでもないことでございますが、普通交付税の算定上におきます基準財政収入額、都道府県は基準税率による額の八〇%、市町村分七五%という計算をいたしておるわけでございますから、留保されております二〇%なり二五%の税収部分に対応いたす部分が、基準財政需要額の計算上全体として算入されてこないという事態にあることは、御承知のとおりでございます。そういった事態を踏まえました上で、私どもといたしましては、基準財政需要額の算定におきましては、もちろん交付税が各団体の共通の一般財源でございますから、それが公平に配分されますように、できるだけ的確な測定をいたしたいということで努力をいたしてまいっているところでございまして、非常に差のあるもの、それが非常に不合理なものというものはなるべくなくすような努力をしなければならない、そのこと自体は御指摘のとおりだと思います。
○三谷委員 どうもお答えが抽象的で困るのですが、初め私が、交付団体が増加するにかかわらず、交付税の原資が固定したままになっている、あるいは減少してきているという状態から、薄まき現象が出るのではないかということをお尋ねしました。その具体的な事例としていま幾つかの数字を挙げたわけでありますが、立ち入って算定内容についてお尋ねします。 たとえば高等学校の投資的経費の問題でありますが、五十年度の場合で見ますと、標準団体で学校建設に充当されます一般財源は七億五千二百万円とされている。これが計算の基準になっている。これは標準団体五十校に対して七億五千二百万円となっておりますから、一校当たりにしますと千五百万円と見積もられておるのであります。これは一体何を根拠とするものなのかお尋ねしたいと思います。
○石原(信)政府委員 高等学校費と基準財政需要額の計算でありますが、標準的な規模の高等学校を想定いたしまして、生徒一人当たりの経費を計算するというやり方で、経費の内容といたしましては、教職員の給与費あるいは維持管理費、それから投資的経費につきましては校舎の建設費を算定いたしております。単位費用としては最小限度のものを計算し、具体的には補正係数を通じて加算的に算定しております。補正係数の算定に当たりましては、五十年度までは増加生徒数、危険改築を要する面積の程度、それから産振等の必要度、こういったものを要素として算定をいたしておったわけであります。しかし、五十一年度、五十二年度におきましては、御案内のように一般財源が非常に不足いたしましたので、投資的経費の大部分を地方債に振りかえておりまして、たとえば五十二年度の場合でありますと、高等学校費につきましては、投資的経費のほとんど大部分を地方債の充当を認め、この地方債の元利償還につきましては、将来交付税の財政需要に一〇〇%算入するという方式をとっております。
○三谷委員 基準財政需要の算定をするわけでありますから、当然そこには一定の方式に基づきました需要額が上ってこなくてはいけませんけれども、これを見ますと、一つの学校が千五百万円になっている、そうして標準団体で五十校、合わして七億五千二百万、こういう計算になっておるのであります。ですが、これを見ますと、投資的な経費というふうな性質のものではなしに、現在校を維持するための経費としか考えようがないわけです。そうしますと、高等学校が従来どおりの数で維持されておって、それで十分に充足するものでありますならば問題はないわけでありますけれども、そういう静態的なものではないわけであって、絶えず動いておる、動態的なものでありますから、大阪あたりでは一年間に十校も二十校も高等学校の建設が必要になってきておる、しかも一校の新設が五十億円も必要とする、こういう事態になっておる。ところが計算といいますと一校が千五百万円、こういう積算がなされておるのであります。大阪府の五十年度の需要額が四十七億円にすぎない。ところが現実には一般財源で百十八億円、さっきおっしゃいました公債費が五十億円になっている。ですから、基準財政需要額に見合う費用の合計は百六十八億円、結局百二十一億円が算入不足になってきておる。したがって、大阪府などのように——大阪だけではありません。大都市府県というのは大体同じ条件でありますが、高校の新設、整備が行政の重要課題になっておりまして、短期間に集中して建設を余儀なくされる府県が多いわけでありますが、ここで投資的な補正、投資補正ですね、これを充実させることが必要になっておる。改正をしてもらう必要がある。たとえば、道路なども従来はそうでありました。道路などにつきましても、従来は既存の道路についてどれだけ経費がかかると、これが算定の基準になっておりました。これでいきますと、新設の建設費が基準財政需要額に全然算入をされないという問題がありましたから、事業費補正によりましてその点を大幅に是正をするという措置がとられましたけれども、高等学校の場合におきましてはそのような適切な措置がとられていない。そのために非常な財政負担というものが超過してくる。こういう問題について、もう少し実情に合ったものに改定してほしいと思いますが、いかがでしょう。
○石原(信)政府委員 ただいま申し上げましたように、現在の算定方式では、投資的経費の大部分を地方債によって当面は賄う、その地方債の元利償還額を基準財政需要額に算入する、こういう方式をとっておりますので、実態との乖離はきわめて少なくなっていると承知いたしております。将来、一般財源が強化されまして、起債方式でなしに、いわば理論方式、かつてのような理論算定方式に復帰する場合におきましては、生徒の増加要因、校舎の増築要因をより的確に算定するような方式を考えなければいけないと思います。ただし、その場合、その程度によりましては、初めに局長からも御答弁申し上げましたように、この基準財政需要額の算定内容を実態に近づければ近づけるほど、基準財政収入額の算入率の問題が壁になってまいります。片方で標準的な税収入の二割を計算の外に置く、その二割の額は、大規模団体は非常に大きくて、田舎の団体は非常に少ないわけであります。こういった要素を考慮しないで、各費目の算定内容だけを実態に極端に近づけるということになりますと、結果として非常に不公平な形になる、こういうこともやはり算定上考えなければいけないと思います。 いずれにいたしましてもこれらの点は、各行政費目の財政需要額の計算の適正化と、それから全体としての財源配分の均衡化と、この両面を考え合わせながら検討していかなければならない問題だと思います。いずれにいたしましても、当面は幸か不幸か、投資的経費の大部分は起債で充当されておりますので、御指摘のような点はほとんど解消されている、こういうふうに考えております。
○三谷委員 さっき言いましたように、五十年度で見ますと公債費として基準財政需要に算入されましたのは五十億円なんでしょう。ところが実際にはこれを含めますと百六十八億円でありますから、多分な不足が出ておるという実態になっております。留保財源の不均等といいますか、これをどうするかという問題ですね、これはまた別の議論として私どもも検討していきたいと思いますけれども、いずれにしましてもこのような実態に合わない算定の基準というものは改定してもらいませんと、大都市需要というものが絶えず除外をされまして、そして大変な超過負担を自治団体が負担をするということになっておるのであります。 もう一つ極端な例で申しますと、たとえば河川費でありますけれども、河川費の算定の仕方を見ますと、これは投資補正でありますが、河川の延長当たりの人口比率は人口が五百万人で頭打ちになっている。この五百万人で頭打ちにしました理論的な根拠がわからない。これは一体どういうことなんですか。
○石原(信)政府委員 河川費の基準財政需要額の計算に当たりまして、河川の延長当たりの人口の要素を取り入れることによって、いわば都市河川的な財政需要を考慮する算定方式をとっているわけであります。その場合に最高限を人口五百万で打ちどめにしているという考え方は、法令に基づく河川の財政需要、こういったものを勘案いたしますと、おおむねその密度補正におきましては五百万程度まで勘案すれば適正な判定ができる、こういう考え方で、実際標準的な経費との対応で係数をそこでとめているわけであります。なお、大阪の場合について申しますと、補助事業の裏負担その他標準的な財政需要だけの面から見ると、現在の基準財政需要額の算定はほぼ妥当ではないかと考えております。ただし、大阪の場合には単独でかなりたくさんの事業を行っておられます。この単独的な経費をどの程度河川費の中で反映させるのか、またこの問題は、その他土木費で人口要素としまして包括的にいろいろな経費を算定している、こういった算定方法の問題、あるいは初めに申し上げました都市的な団体の場合には独自の財政支出がある、そのかわり基準財政収入額では二割を計算外に置いている、こういった要素も勘案しなければならないということでございまして、いずれにいたしましても公共事業の裏負担、その他通常の団体との対比で標準的と考えられる経費を算入する場合の人口密度の要素としては五百万程度が妥当ではないかと、こういう考え方で現在の算定方式を決めておるわけでございます。
○三谷委員 五百万で妥当だという根拠がわからないのです。むしろ私は、人口集中地区は人口比率を用いて割り増しをしなければいけない。たとえば、大阪でこの河川の問題で一番大きな悩みの種になっておりますのが東大阪の治水対策なんです。この河川の流域人口は約三百万人に上るものでありますが、これが従来は御承知のように湿地帯でありましたけれども、ここにどんどん人家が建て込みまして、そうして宅地造成をされる。そのために遊水地域が喪失してしまって、雨が降りますと鉄砲水が寝屋川水系に一挙にはんらんしてくる。そのために、五十年度で見ましても時間雨量三十ミリ程度の雨で数度の浸水が起きておるのであります。ですから、ここにおきましては河川の拡幅のための土地買収だとか、あるいは河川の屈曲是正のための土地買収だとかいろいろな経費を食いまして、これが大変な大阪の河川費の増高になっております。こういう点からしますと、むしろ人口集中比率というものが増加されてこそ至当であって、五百万で頭打ちにしてしまって、五百万以上は幾らでも一緒であるという考え方自体に理論性がない、私はそう思っておるのであります。 大阪の場合で見ますと、従来は不交付団体でありましたから、こういう算定上の矛盾につきましても余りやかましく言っていない。やかましく言ったって同じことなんであります。不交付団体でありますから、どんなに交付税率の算入方式につきまして是正を求めましたところで、これは実際問題として交付税が来るわけではありませんから、従来はそれで済みましたけれども、交付団体になってきますとこれはそうはいかなくなってくる。どうしても理論的な点を明らかにしていただいて、やはり合理的な算入方法をとってもらわなければいけなくなってくるわけであります。この点からまいりますと、大阪府が都市河川の緊急整備に充当しました一般財源が五十年で百七十八億になっている。ところが基準財政需要額が五十二億である。百二十六億の算入不足が出てきておる。こういう事態はこのままではいけません。どうしても合理的な算入の基準をつくってもらって、実際に必要な状態に合った交付税というものを算出してもらうということが必要だと思いますが、この点についてはどうでしょうか。高等学校の問題にしてもそうでありますし、河川費の問題にしてもそうでありまして、非常に不合理な状態で今日までこれが続いてきております。
○石原(信)政府委員 ただいま五十年度の大阪府の河川費のお話がありましたが、五十年度の決算統計で見ますというと、大阪府が河川費のために支出している一般財源は十三億円であります。百七十八億円という数字は恐らく減収補てん債を充当された分を全部一般財源と見なして計算されているのではないかと思います。それは決算の一つの統計のつくり方の問題でありますが、いずれにいたしましても、河川費を計算する場合に、各団体の支出実績をそのまま基礎にして計数を算定するというわけにはまいらないと思います。ある程度長期的に見まして、公共事業、単独事業を通じて各団体の支出の状況、同じような条件の場合に、各団体の選択によって支出の内容に差がある場合もありますので、類似の団体における傾向、こういったものを見ながら、現在の算定方式について妥当を欠くものがあれば絶えず見直しをしていかなければいけない。そういう意味で、御指摘の点も含めて今後見直しをしてまいりたいと思います。ただ、繰り返し申し上げますように、単独事業費につきましては、やはり基準税率の問題あるいは他の包括算入の問題とも関連づけて、その算入の程度を考えていかなければいけない、このように考えております。
○三谷委員 私は、単純に支出実績と基準財政需要額が違うということを言っているわけじゃない。いま申しましたように、基準財政需要の算出方式に問題がある。たとえば高等学校一校が千五百万円である、しかも年間に十校も二十校も建てなくちゃいけない、それに対して一校わずか千五百万の算定をもってしてどうするんだという問題。それから河川費にしましても、大阪は人口八百数十万でありますけれども、人口が集中しましたために宅地造成がどんどん行われまして、河川に対する鉄砲水がどんどん増加してきている、その被害が年々出てくるというふうな状態になってまいりますと、一体五百万という人口の基準がどういう理論的な根拠に立つものかわかりません。そういう点を含めながらこの算出の不公正の是正を願いたいということを申し上げておるわけでありまして、単に支出実績はこうだから、だからもっと金をください、こう言っているわけじゃない。確かに支出実績と基準財政需要との差はありますが、しかし機械的にそれだけで問題にしているのじゃありません。算定の仕方に問題があるんじゃないかということを提起しておるわけでありますから、その点は誤解がないように、よく質問の趣旨をお聞き取り願いたいと思います。 これにつきましては、さっき申しましたように、従来不交付団体というのは交付税の算定方式を変えたって実効がなかったものですから余り問題にしていなかったわけでありますが、これからはそうでなくなってくるわけですから、そこで、従来の矛盾を一般的にここで申し上げたということであって、御検討願いたいと思いますが、いかがでございましょう。
○石原(信)政府委員 先ほど申し上げましたように、私ども基準財政需要額の計算をする場合に、法令に基づく義務負担を最優先とし、それに各ときどきの社会経済情勢の実態に即応した単独的な支出、これも平均的なものを基準にしながら算定をしていく。その場合に団体ごとの地域的な差に伴う財政需要の差、これをなるべく反映させようということで、たとえば河川費の場合であれば、流域の人口要素などを加味した現在の算定方式をつくっているわけであります。もちろん、これらにつきましては、時代の移り変わりとともに算定内容も変えていかなければならない面があると思います。これらの点につきましては、御指摘の点なども踏まえて今後検討を重ねてまいりたいと思います。 それから各費目につきまして、ただいま先生からは、基準財政需要額の方が非常に少ない例を幾つか挙げられましたけれども、逆に費目によっては、時代の推移等もあってか、基準財政需要額の方がかなり上回っている費目もございます。これらの点につきましては、全体として、現時点における妥当性というものを考えながら見直しを図っていきたい、このように考えております。
○三谷委員 確かに、おっしゃいますように基準財政需要額の多い費目もあります。警察費などは大阪でも基準財政需要の方が多く算定されております。しかし都市的な需要、特に大阪あたりが直面しております。あるいは大都市が直面しております都市的な需要についての算入が足りないということを私は先ほどから申し上げてきたのでございます。その点につきまして十分な検討をいただいて、是正すべきものは是正をするということをお願いしたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○小川国務大臣 大阪府の財政運営の実態に関連をしていろいろ御指摘をいただいておりますが、今後も財政需要が的確に反映されまするように、算定方法の改善には努めてまいりたいと存じます。
○三谷委員 厚生省、環境庁の方がお越しだと思いますが、徳島市が同市の国府町の北岩延地区というのですか、ここに建設しようとしておりましたごみ焼却場設置というものをめぐりまして、住民との間に六年越しの紛争がございました。そしていずれもが法廷闘争に持ち込みまして、裁判所はこの十月七日に第二清掃工場の建設の差しとめを言い渡しまして、市側が敗訴しております。この経緯について厚生省にお尋ねしたいと思います。
○森下説明員 お答えいたします。 詳細につきましてただいま資料を持ち合わせておりませんが、原告の方から、一つは、この清掃工場ができました場合に公害が出るのではないかというようなことでいろいろな指摘がされまして、これに対しまして被告側、市の方といたしましては、法廷で十分な説明ができないまま、あのような判決が出た、このように記憶いたしております。ただいま資料を持ち合わせておりませんので御容赦いただきたいと思います。
○三谷委員 この判決を見ますと、いろいろな問題が指摘されている。その一つは、廃棄物処理に関する市町村の責務のいかんが問われている。もう一つは、長期的な処理計画の欠如が問われている。もう一つは、新しく設置する焼却場の公害問題が問われているわけであります。ですから、これは要するに、裁判所が徳島市のケースを通じまして、現在わが国で行われておりますごみ処理行政の問題点を指摘しておると言わざるを得ないと私は思うのであります。 この徳島市の例は、単に徳島市だけの問題じゃありません。同様の問題を抱えております各市町村の問題であって、決して対岸の火災ではないというところに問題の深刻さがあると私は思っておるのであります。そういう点からしますと、この徳島市の訴訟と判決において、わが国の廃棄物処理行政に対する重大な警告がなされておる。これについて厚生省はどのように受け取っていらっしゃるのか、お尋ねしたい。
○森下説明員 こういうふうな反対運動等がたくさんございますわけですが、そのよって来るところをいろいろ考えてみますと、およそ四つほどあるのではないかと思います。 一つは、その設置すべき場所にその計画が決まるまでに大変二転、三転しておるというふうなこと。それから、そこに設置しなければならないということ、そこが一番適当であるというふうなことにつきまして、地域住民の方々に十分な説明が行政サイドからなされておらない場合が多いということ。それから、住民の了解を得る、たとえば同意書をとるというふうなことにつきまして、かなり強引といいましょうか、十分説得をしないでやっておるという場合がある。それから、これは大変重要なことでございますけれども、同じような施設が実は余り上手に管理されておらない。その市町村のほかの施設が煙を出したり、汚水を出したりというふうなことで、適切に管理されていないために、住民が今度つくられる新しい施設もああいうふうなことになるのではないかということで不安を持っておられる。このようなことが大きな原因ではないかと思います。 私どもは、まず施設につきましては、いわゆる公害というものをできるだけ出さないようなりっぱな施設ができるように財政面でも応援いたしたいと考えておりますし、できました施設につきましては十分な管理をするということ、それから必要な事前の補修、点検を徹底するように、こういったことを指導していきたいと思いますが、それとあわせまして、今後必要な技術の開発等につきましても国として十分対処してまいりたい、そういうふうに考えております。
○三谷委員 一つの問題は、地方自治法並びに廃棄物処理法によりまして、法律的にごみ処理の責務を市町村が負っておる、処理をしなければならないという責務を負っておるとは言えない、こういう主張が行われておるのであります。また、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を見ますと、確かに地方自治体が廃棄物の処理をしなければならないという規定はない。ですから、自治体がそのような責務を負っておるとは必ずしも言えない、こういう主張がなされておるのであります。つまり、廃棄物処理施設の設置をめぐる争いの中で、自治体がよるべき廃棄物処理法そのものの規定が問われておる。これについてどうお考えでしょうか。この規定にありますのは、市町村は法律的にごみ処理の責務を負っておるものではなくて、廃棄物処理法第六条一項によりまして、市町村の処理に関する規定は単なる努力規定である、義務規定ではない、だから、徳島市がそこにごみ処理場をどうしてもつくらなくちゃいけないという根拠にはなり得ない、こういう論点になってきておる。この点はどのようにお考えですか。
○森下説明員 一般廃棄物の処理につきましては、歴史的に市町村が責務を持っておるというふうに私ども理解しております。
○三谷委員 それはどの法律で規定されておるわけでしょうか。
○森下説明員 廃棄物処理法では「市町村の処理」ということで、第六条に「市町村は、その区域内における一般廃棄物の処理について、一定の計画を定めなければならない。」ということと、市町村は、その計画に沿って、一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないように始末しなければならないという規定がございます。
○三谷委員 これは訓示的な努力規定であって、絶対的な義務規定ではない、そういう主張が行われておるのであります。また、この条文を見ますと、確かに計画はやらなくちゃいけません。ですから、ごみ処理計画をつくりまして、たとえば個々の住民がそこで処理をしてもよろしい、山間僻地に行きますとそういう状態になってきている。場合によっては市町村がそれを直接処理する場合もある。それはいずれも選択は自由なものであって、ごみ処理の計画をつくる必要はあるけれども、ごみ処理そのものを市町村が責任を持ってしなくちゃいけないという規定はない。そうなっているでしょう。しかも判例がそういう主張を受け入れて出てきている。ここに問題がある。
○森下説明員 廃棄物処理法では「廃棄物を適正に処理し、」「生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る」ということが目的になっておりまして、市町村はそれを受けて計画をつくるということになっておりますので、住民がみずから、ここは私どもがやりますとか、あるいは屎尿でございますが、これは十分に腐熟した後で畑で使いますというふうな個別の計画があります場合は別ですけれども、市町村がここの部分はやらないというふうな否定的な計画というのができるということについては、私どもも非常に疑問を持っております。
○三谷委員 そういう疑問がありましても、実際にそういう主張が行われまして、それが判決に反映するとなりますと、そこはもっと明確にする必要がある。市町村の処理としましては、「一定の計画を定めなければならない。」というだけであって、市町村みずからがそのごみの処理をしなくちゃいけないとなっていない。義務規定はない。そういう廃棄物処理及び清掃に関する法律そのものがひとつ問われてきておるということが今度の徳島の裁判の中で明らかになってきている。これについて、このままで果たしていいのか。徳島だけじゃありませんよ。大阪府下などでも、いま廃棄物処理場をつくろうとして、地元の反対によりましてにっちもさっちもいかないというところがたくさんある。そのたくさんあるところがそのような論理でやられたのでは、これはもう廃棄物の処理なんというものはとてもできるわけがない。それができるような規定というものを採用してもらう必要がありゃせぬのかと私は思いますが、どうでしょうか。
○森下説明員 私ども、歴史的にこれが市町村の固有事務ということで理解しておりましたし、それから自治法の規定などに照らしましても、一般廃棄物の処理は市町村の義務であるというふうに理解しておりますが、これが大変不明確であるというふうなことでございますと、ここで私がちょっと御答弁するわけにはまいりませんけれども、私どものレベルでは検討いたしたいと思っております。
○三谷委員 廃棄物の処理についての行政的責務がどこにも存在していない。産業廃棄物については、これは事業者が「自らの責任において適正に処理しなければならない。」となっている。ところが、ごみにつきましては、どこそこが処理しなくちゃならないとはなっていない。どこにも規定がない。この点が一つの問題として今度の訴訟の中で俎上に上ってきている。それで、この責務を明らかにしますとともに、財政上の措置、責務も明らかにする必要があると私は考えておるものであります。 そこでもう一つ、これは長期的な処理計画に関する問題なんですが、徳島市の新焼却場建設に対しまして裁判所側は、既設の焼却場における増築や、第三の適当な候補地がないわけではないとして、市側の当該地区における建設は不可避であるという主張を退けております。これが二つ目の理由になっている。長期的な見通しを持った計画的な準備が市側になかったという、要するに行き当たりばったりであったと言うんですね。しかし、これは何も徳島市に限ったことではない。少なくない自治体におきましてこの現象は見られる現象、普遍的な現象なんです。厚生省もそのことは認めていらっしゃるのであって、「生活と環境」の三本木徹氏の論文を見ますと、「長期計画については、一般に現行の廃棄物処理事業体は策定しておらず、したがって、状況が逼迫して初めて対策を講じようとすると、時間が不足するため十分効果を得ることができない。現在の廃棄物問題の多くは、こうした結果から生じたもの」こういう指摘をなさっておるのであります。この長期的な計画をすべての市町村が持てるように、どのような指導や援助を厚生省がおやりになっておるのか。これは当然財政上の援助、技術的な援助、指導を含むものでありますが、これについての基本的な姿勢をお尋ねしたい。
○森下説明員 水道計画とか下水道計画に比べますと、長期的な計画については対応がおくれておる分野でございます。学問的にも体系づけられておらないというような実情もございますけれども、私どもは、かねがねからこういう施設整備を含んだ長期的な計画を進めるようにというふうなことで県を通じて指導しておりましたけれども、これではやはりもっと詳細な指導が必要であろうということで、ただいまその長期的な計画のつくり方、パターン、様式等について通牒を出す準備をしております。
○三谷委員 通牒を出すだけじゃだめなんです。私は、ごみ問題は前国会から続きましてずっとお尋ねしてきましたけれども、いま通牒を出すというふうなことだけで問題が解決するものじゃありません。当然これは厚生省自体が財政の問題、技術の問題、全面的な体制をとって、そして地方自治体を指導し、援助するということがなければ、ごみ問題の解決は絶対できるものじゃありません。 そこで第三に指摘しておりますのは、公害の蓋然性の問題なんです。徳島市が設置しようとしましたごみ焼却施設に関しまして、裁判所側は、公害発生の可能性は高い、そういう判断をしておるのであります。これはどこに原因があるかと言いますと、地方自治体の財政問題が一つのネックになっている。徳島市あたりで完全な無害のごみ焼却場をつくるということは、財政的に非常に困難であります。しかも、いまの国の援助体制というものがきわめて不十分なものである。したがって、公害というものはいつの場合でもついて回っている、こういう判断を裁判所がしておるのであります。 こういう問題を含めまして、厚生省がごみ問題についてもっともっと積極的に、抜本的に取り組む必要があると思いますけれども、それについてはどのような御方針なんですか。
○森下説明員 先生御指摘のとおり、その判決文では、公害を出すおそれがあるというふうにおっしゃっておるようでございます。現在の技術をもっていたしますと、国で決めました大気とか水質の環境基準、こういうものは十分に満足できる施設ができるわけでございますが、これに対しましてはやはりコストがかかるというふうなことで、先生も昨年からもいろいろ御指摘がありましたことに基づきまして、私どもこの施設の建設単価の改善には相当力を入れてまいりましたし、それから予算で入りました平均の単価を中心といたしまして、これを弾力的に適用するというふうなことで、相当なコストのものまで御援助をすることができるというふうに考えております。 それから技術の問題でございますが、廃棄物処理法には、国は「技術開発の推進を図るとともに、」というふうなことがございますが、国による技術開発ということで、国がみずから、あるいは委託をいたしまして直接技術開発をやるケース、それから民間で廃棄物処理の技術をいろいろ開発しておりますけれども、これのリスクを負担するとか、開発を促進するというふうなかっこうでの援助のあり方、こういうものがあるかと思いますが、これはむしろ通産省サイドでいまおやりになっていることでございまして、私どもの方といたしましては、当面する清掃事業の諸問題、これを市町村から直接お聞きし、また清掃関係の団体がございます。全国都市清掃会議、こういうところからの御要望も踏まえまして、むしろソフト面を中心とした調査研究をやっておりまして、そのほかにシステム開発的なことで廃棄物の総合処理、あるいは資源化事業というふうなものについての特別な補助をするということも考えております。 これらの結果でございますが、調査研究の結果は、基本的には県を通じて市町村を指導いたしたい。県も市町村に対する技術援助の責務があるわけでございまして、このネットワークを使って指導いたしたいと思っております。実際やっておりますが、現在のところはこういった報告書などを県にお渡しして、県がこれを市町村に指導なさるというようなことをやっておりますが、私ども今後のやり方といたしましては、こういった膨大な調査資料を実はかみ砕きまして、指針化いたしまして市町村に直接流すというふうなこともいたしたいと思います。そのために、県の担当者の指導や、それからこれからも行いますけれども、市町村の施設に張りついておりますというか、施設の維持管理をやっております技術管理者という方々がおられるわけですけれども、こういう方の全国の研修会、ブロック別にやっておりますが、こういったものを支援して、よりよい施設の管理をやっていただこう、こういうふうなことをやっておりますし、今後考えていく、このように考えております。
○三谷委員 徳島市の問題に限って申しますと、法の第四条二項の、都道府県の市町村に対する技術的援助が問われなくてはいけない。何もしていない。それから、同様の理由によりまして、第三項の規定でありますが、国もその責務を問われなくてはなりません。 事、徳島市の問題に限って言うならば、この六年間の経過の中で厚生省が行ったことは何かといいますと、これは、問題をはらんでおりますこの事業に補助金の内示を与えたこと、そうして裁判の経緯の中でこれを取り消したこと。無定見きわまる。補助金を出します、やりなさい。裁判が進行する過程で、補助金は出せません。それだけのことじゃないでしょうか。そういう無定見な指導の仕方、扱い方をもってしまして、いま地方自治体が非常な財政需要を必要とするごみ問題の処理が適正にできるでしょうか。 そこで、いまお尋ねしておりますような問題を突き詰めまして、第一点の問題としましては、市町村の責務ないし義務の問題については、これは法の改正を伴う問題なんです。法の改正をしなければこれは明確になりませんが、これに対する厚生省の見解はどうか。法の改正につきましては、たとえば空きかんだとかあるいはびんだとか、古タイヤだとか古自動車だとか、こういうものについての処理は一体どうするかという問題などを含めまして、これは生産者に対する一定の回収義務を持たせるとか、そういうものなどを含めまして、当然法の改正をやっていかなければごみ問題の本当の解決はできない。これについてどう考えるか。 それから第二点につきましては、長期契約に関する問題でありますが、これは現行法で十分に解決ができる。それから、公害に対する問題でありますが、これも現行法の範囲で解決する問題でありますが、これについては解決はしますけれども、厚生省の強い対策が要る。金の要る問題ですから、一片の文書指導だけで物事は解決するものじゃない。それについては一体抜本的にどうお考えになるのか、この点についてお尋ねしておきたいと思うのです。 厚生省は確かに技術問題につきましては最近研究をなさっております。それは承知しております。たとえば、都道府県を通じまして、市町村に対して指導上の援助は幾らかなさっている。その一つが、六月十日付のごみ処理施設構造指針、こういうものがある。これは通知で述べられておりますように、法改正に基づく施設の公害対策、つまり排水、排煙に対する技術基準をまとめたものだと思うのです。そうでしょうか。 それから、私は、この指針は法に基づく国の責務のうちの技術的な援助の規定によってなされたものだというふうに考えておりますが、この指導をもっと強めますとともに、その財政の問題については一体どうなのかということですが、これについてもあわせてお尋ねしたい。
○森下説明員 お答えいたします。 法改正の問題でございますが、その中には、先生御指摘のような処理が非常にむずかしい、いわゆる適正処理困難物というふうなものの問題も入っているかと思います。私ども、そのいわゆる適正処理困難物の処理がどうあるべきか、これは最終的には費用負担の話まで入ってくるわけでございますけれども、これは本年度からこの研究に着手したわけでございますが、こういったものを含めまして、実は昭和五十年の十二月に、産業廃棄物の問題を中心にいたしまして生活環境審議会から答申が出てございますが、その答申の中で、やはり一般廃棄物問題について引き続き検討する必要があるというふうなことを承っておりますので、そういったものを踏まえまして、今後必要があります部分については改正をしなければならないのではないかと思っております。 ただ、市町村の固有事務であるというふうなことについては、私ども、これは清掃法時代あるいは汚物掃除法の時代からそのように理解しておりますので、この辺については私も明確なお答えができないわけでございます。 それから、公害対策等含めて財政問題はどうかということでございますが、いろいろ新たに公害の規制が加わるというふうなことで、それに応じて施設の整備をしなければならぬ。それも、これからつくる施設ばかりではなく、すでにできておる施設についても対応が必要であるというものにつきましては、所要の補助をするというふうなことで、五十三年度の予算には実は要求してございます。はっきり申し上げて、塩化水素ガスの対策のために必要な施設整備、これは古い施設につけるものについても必要でございますので、この分について財政当局の方に御要望しておりますので、そういったことを中心といたしまして、また、市町村の御要望はさらに補助対象範囲の拡大というふうなこともございますものですから、これはなかなかむずかしいことではございますと思いますが、今後の問題として検討してまいりたいと思っております。
○三谷委員 補助の問題で言いますと、五十二年ですか、トン当たり千七十二万円の補助限度が設けられておりますが、茨木市の溶融炉の場合を見ましても、トン当たりで千百七十七万円になっている。限度額を超えているわけです。これは本体だけです。関連施設設備等を入れますと、実際の事業費と補助基本額の間には大きな格差が生じてくる。こういう事態のままでいかに技術指導をしたところで、これはどうにもなるものではない。その点につきましてはどのような改善をなされますのか、お尋ねしたいと思うのです。 それから、環境庁がお越しになっていると思いますが、環境庁も廃棄物処理についての行政的な責務についてどうお考えになっているのか。それを抜きにしまして環境の保全だとか、自然環境の保護及び整備と言ったところで、これはどうにもなるものじゃありません。この責務とそれを保証する財政問題についてどうお考えになっているのか、これを聞いておきたい。
○神戸説明員 お答えいたします。 環境庁は、先生御承知のように、第一義的には最終処分と最終処分場の基準、いわゆる基準行政を所掌しているわけでございます。 廃棄物法の運用につきましては、先ほどから厚生省の方からお答えがありますように所掌しておりまして、私たちは環境問題全般、いわゆる環境保全につきましてかかわっているということでございますので、厚生省に対しましては必要に応じまして連絡して、国の施策にそれをどう反映するかということをいろいろ協議というか相談していきたい、こういうふうに思っております。
○森下説明員 お答えいたします。 いま先生、茨木市の施設というふうにおっしゃいましたけれども、茨木市の件につきましては、まだ国庫補助の内示も行っておりませんし、契約額が幾らかということも承知しておりませんが、恐らく、国庫補助対象事業ということになりますと、先ほど申し上げました弾力的な扱いによって、ほとんどの部分がカバーできるのではないかと考えております。 それから、先ほどの件について補足させていただきますけれども、市町村の責務というところで、実は一般廃棄物の中に、われわれの日常生活から出てまいります一般廃棄物と、それから事業系、たとえばこういう議事堂からも廃棄物が出るわけでございますけれども、そういった事業系の一般廃棄物というものがございまして、事業系の一般廃棄物につきましては、市町村の責務ということについては若干問題があろうかと思いますが、日常生活から出てまいります一般廃棄物については、これは市町村の責務であるということは問題がないと考えております。
○三谷委員 問題はないと言いましても、法廷においてそれが争われるというふうになってきますと、問題がないと言えない。主観的な判断だけではだめであって、客観的に明確な規定づけが必要になってきている。これはあなたではお答えができないとおっしゃいましたから、どなたがお答えになるか知りませんが、いずれまた機会をかりてお尋ねすることにさしていただきます。 茨木市の問題につきましては、限度額が決まっておりますから、この限度額を超して補助ができるのかどうか、これをもう一度お尋ねしたいと思うのです。 それから、話がもとに戻りますけれども、徳島市のごみ焼却施設は、当時にさかのぼってみた場合、厚生省のごみ処理施設構造指針に適合しておりましたものかどうか、これをお尋ねしたいと思います。
○森下説明員 お答えいたします。 限度額といいますのは、五十二年度の予算、平均予算に合わせまして定めた額でございますので、これが上限ということでございます。 それから徳島市でございますが、当然国庫補助事業ということで申請がありましたものでございますから、私どもの古い基準でございますが、その基準に合わせた設計がなされておると信じております。
○三谷委員 限度額が千七十二万円でありますならば、それを超して関連施設設備等につきましての費用を十分に賄うということができるわけですか。 それから徳島市の問題ですけれども、これが厚生省のごみ処理施設構造指針に適合しているとしますならば、これは指針に問題がある。そうしますと、第二、第三の徳島市のような事態が発生しないという保証は全くない。このような指針に適合したものであるというものが公害の発生の懸念が問われるというふうになっておるわけでありますか。そういうことなんでしょうか。
○森下説明員 限度額でございますけれども、予算で入っております単価が一千十七万五千円ということでございまして、これは平均でございますので、これを中心といたしまして上下に振り分けするということで、先生おっしゃいました額よりはもっと上だと思いますが、詳細ちょっといま数字を持っておりませんが、もう一割以上高いはずでございます。 それから、構造指針の件でございますが、先ほど通知ということでおっしゃられましたが、新しい構造指針はことしの六月十日に出されておりますが、それ以前に、昭和四十一年につくられました古い構造基準というのがございまして、その古い構造基準には合致しておると思います。
○三谷委員 先般、近畿圏あるいは首都圏におきまして、ごみの最終処理場の問題で非常に困難な状況に置かれておるということをお尋ねしましたが、それについて、厚生省の方で首都圏、近畿圏におきまして最終処理場を設置する、大都市の海上における廃棄物最終処理場の建設案というものが新聞などを通じまして報道されましたが、これについてはどのような御計画なのか、あるいは規模はどのようなものをお考えになっているのか、その内容はどういうものなのか、あるいはそれは一般廃棄物を対象にするのか、産業廃棄物を対象にするのか、廃棄物の種類等について御説明いただきたいと思います。
○森下説明員 四月に先生の方からこの処分場の問題で御指摘がありまして、早速対策をいろいろ検討したわけでございますが、特に大都市、近畿圏、首都圏ではこういった問題が大変だ、周辺の陸上では埋め立てが困難である、また遠隔地に持っていくということも輸送の問題から大変困難であるというふうなことから、実際につくりますにはいろいろな難点があるかと思いますけれども、スペースとしてはやはり海面を利用せざるを得ないというふうなことで、貴重な海面の利用を関連いたします都府県あるいは市町村の利害の調整を図りながら、国の関与のもとにやっていこうというふうなことで考え方をまとめて、いま財政当局に予算を要求しております。 考え方は、ステップといたしましては、まず関連いたします自治体の利害を調整するための準備のための会をつくりまして、第二番目といたしまして、必要な資金の調達、それから技術を結集いたしまして国が——国がと申しますのは、国が既存の公団あるいは事業団のうちから最も適当なものを用いまして最終処分場を建設する。第三番目に、できました処分場を自治体に貸与いたします。そしてこの中に廃棄物の埋め立て処分をしてもらおうということでございまして、建設、貸し付けは国のレベルで行います。そして、その中に廃棄物を処分するという事業は自治体が運営するということでございまして、全体の規模といたしましては、面積でございますが、首都圏の分として考えておりますものが千九十ヘクタール、仮に正方形の処分場ということにいたしますと三・三キロメートルの真四角になるわけでございます。それから近畿圏に考えておりますのが六百八十ヘクタールということで、およそ二・六キロの正方形というふうなことになります。実際の形は変わるわけでございますが、大きさとしてはそのくらいのものでございます。 そうしてその処分いたします物でございますが、昭和六十五年度までに排出される一般廃棄物の——一般廃棄物と申しましても焼却などをいたしますから焼却残渣の形になりますが、一般廃棄物の相当な部分、それから産業廃棄物に関しましても、都市の事業活動、たとえば上水道とか下水道から汚泥が出てまいりますが、これは分類上は産業廃棄物になります。こういったものを中心にいたしましてそのほかの産業廃棄物を対象にしております。 現在このプロジェクトをフェニックス計画という名前のもとに、私ども関係省庁と折衝を続けながら実現に向かっておるわけでございまして、来年度の事業といたしましては、これに必要な調査並びに関係府県、市町村の調整を行うというふうなことで、二億二千万円を要求してございます。
○三谷委員 昨日の新聞によりますと、東京湾の埋め立てにつきましては、これはもはやそのような余地がないということが報道されておりますけれども、この点についてはどのようなお考えなんでしょうか。それから大阪の場合はどの地域をお考えになっておりますか。
○森下説明員 東京湾に余地がないというふうな新聞の報道でございますが、港湾計画との関連で私どもはまだ余地はあると考えております。 それから東京湾のどの地点あるいは大阪湾のどの地点ということにつきましては、いまいろいろな案を詰めておるところでございますので、御勘弁いただきたいと思います。
○三谷委員 最後に自治省にお願いしますが、前国会でもいろいろお尋ねしましたが、このごみ焼却最終処理場をつくりますために大阪府下の衛星都市において用地の買収をやった。ところがこれが地元の反対がありまして実現を見ない。そこで年々膨大な利息の支払いに追われておる。吹田市などは一カ月五十万というのですか、そういう状態になってきている。しかもこれは反対がありますから、実際問題としては早急に解決する見通しがないわけでありますが、こういう地方自治体の財政難の中でそういう苦境に立っている自治体が大阪には三つあります。これについて、低利資金の借りかえとかなんとか、これをそのまま放任するのでなしに、自治省としてできるだけの手を考えていただきたいということを申し上げておきましたが、この点についてはどのようなお考えなのでしょうか。
○山本(悟)政府委員 御指摘の大阪府下におきます衛星都市におきます問題、先般来お話のあった点でございますが、起債であるいは公社等で借りて、借金をして買っているというような事態になっていると存じております。そうなりますと、やはり正式にできるという段階のところまで何とか転がしていって確保をしておくというよりほかになかなか妙案も浮かばないわけでありまして、ただ当該市の財政状況全般との関連におきましては、やはり一つの事情として考えさせていただきたい、こう思います。
○三谷委員 大変あいまいなことでありますが、何か考えていただきたいのであります。これも悪意なものでございませんから、何とかしょうということで、善意で努力した結果がデッドロックに乗り上げるという状態になってまいりまして、非常に当該自治体が困窮しているわけでありますから、自治省としても、それは全く関知しないことだというふうな態度では血の通った行政にはなりませんから御考慮願いたいと思いますが、いかがでしょう。
○山本(悟)政府委員 よく市当局からも状況を聞き、いろいろできる限りの判断をいたしたいと思います。
○三谷委員 終わります。
○地崎委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。川合武君。
○川合委員 交付税特別会計の借入金の現在高はどのくらいでございますか。これはどなたでも結構でございます。
○関根説明員 交付税会計の借入額は、ただいま御審議をお願いいたしております法律に基づきます九百六十億円の借り入れを含めまして、五十二年度末におきまして三兆六千二百五十六億四千万ということに相なります。
○川合委員 何年度からですか。
○関根説明員 これは従来からの借り入れで現在までに残のあるものをすべて含んだ数字でございます。もちろん一番大きいものは、昭和五十年度以降の財源不足に対処するために借り入れましたものがその大部分でございます。昭和四十六年、七年に借り入れましたものの残額が千五百五十五億六千万現在残っておりますので、それを含めた数字でございます。
○川合委員 ただいま審議されております地方交付税法一部改正案を見ますると、交付税特別会計で資金運用部から借りて、そして今度それを返すときに全額臨特で補てんする、こういう措置がとられようとしておるわけですが、これは従来から貸したり借りたり、最近は貸すことはないようでございますけれども、借りたり返したり、それで元利がどうのこうのというような複雑多岐な方式をとっておられる。今回も依然としてこの方式をとられた、こういう感じがいたしますけれども、私はいまの国民一般の要望は、わかりやすい行政、簡素な行政である。してみると、どうも借りたり返したりこういう方式がいつから始まったか——これは別にお答えは要りませんが、いつから始まったか依然として続けられているということに対して、何かもう少し知恵がないものだろうか。こういう方式に対して疑問を持つわけですが、その点につきまして局長はどういうふうなお考えでございましょうか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、ここ数年特に石油ショック以来経済変調を来しましてから、交付税特別会計でも大きな借り入れをいたしているわけでございまして、交付税特別会計におきます現在の借入額は、先ほど財政課長から御答弁申し上げましたように、相当の大きな金額に達しているわけでございます。今回御審議をお願い申し上げております法律案に基づきますところの措置、これは、当初国会におきますところの国税の所得税の減税措置に伴いますやむを得ざる国の補正による所得税の減額計上ということに伴います分でございまして、年度途中におきまして交付税自体を減額することはもちろんできませんし、また同時にそのことによって本年度の地方財政に悪影響を来しては困る、しかも国から直ちに現金を一般会計から特別会計に入れるだけの余地がない、かような情勢のもとにおきますところのやむを得ざる措置といたしまして、交付税特別会計における借り入れ、しかもそれが地方財政にとりまして、将来にわたって悪影響を来しませんように、国から、将来における元利金につきまして臨特で入れる、こういう措置をいたしたところでございまして、そういう意味では御指摘のように、もっと簡明にわかりやすく、そういった差し入れをしないで済むような状況がもちろん希望なのでございますけれども、現状の国、地方を通ずる財政状況のもとにおきましてはやむを得ない措置としてとったところでございまして、その点は、地方財政に実質的な悪影響を及ぼさないためのやむを得ざる措置として御了解を賜りたいと存ずる次第でございます。
○川合委員 今回は九百六十億円であるわけですが、しかし、先ほど財政課長の言われるところによると、三兆六千億円の借入金の現在額がある。してみるならば、交付税率を上げるというようなことを行うべきではないか、こう思うのですが、局長の考えを伺います。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、本年度の当初予算におきますところの地方財政といたしましては、二兆七百億円に及ぶ財源不足があったわけでございまして、これをどう地方財政上各団体が困らないように措置をするかということに議論が集中をいたしまして、その結果、半分は交付税会計におきますところの措置、半分は建設地方債の増発、こういうことによってやっと措置をしたというような状況にあるわけであります。 理想から申せば、もちろんこれらの措置につきまして交付税の率の改定というようなこと、あるいは地方税源の増強というようなことによって措置し得れば最もいい手段方法ということは申せるわけでございますけれども、国の財政も地方の財政も同様に非常にむずかしい状況になっている、そういうもとにおきましての措置といたしまして、やむを得ず、交付税会計におきましての借入金をもって相当部分を賄う、こういう措置をいたしたところでございまして、国、地方を通ずる現在の日本の経済情勢のもとにおきますところの財政措置としてやむを得ない措置ではないか、かように思っている次第でございます。
○川合委員 従来行われてきた臨特の例と申しますか、一々細かくは結構ですが、どういうタイプのものがあったか、どなたからでも結構ですが……。
○関根説明員 従来、国の一般会計から交付されました臨時地方特例交付金に類するものといたしましては、大きく分けまして四つに分けられると思います。 一つは、昭和三十年から三十八年までの間に行われました臨時地方特別交付金、特別という字を使っておりますが、それがございます。総額で二百四十二億円入っておりますが、これの理由といたしましては、昭和三十年に入りましたのは、地方財政の窮状打開に対する特別措置として百六十億円入っています。また、三十五年に入りましたものにつきましては、住民税の減税に伴う減収の補てんのための措置、こういうようなものでございます。それから、臨時地方特別交付金は、考え方としては、三十七年度でもうやめようという方針が決まっております。その後三十七年、三十八年には、過年度の精算分として総額七億ばかり入っております。それらを全部含めまして、いわゆる特別交付金という形では二百四十二億円入っております。 第二番目のものは、昭和四十一年度以降に、現在と同じ名前でございまして、臨時地方特例交付金という形で入っている金額でございます。この金額が四千四百八十一億総額でございます。これはそれぞれ理由があるわけでございますが、主として地方財政の財源不足に対処するための臨時的なもの及び年度途中におきます減税に伴いまして、地方に減税分を補てんするといった趣旨で入っているものもあるわけでございます。 それから第三番目の分類が、沖繩に交付いたします特別交付税の財源といたしますために、総額千二百八十四億円が昭和四十七年度から昭和五十年度までの四年間にわたりまして交付をされております。 第四番目の、最後のものが昭和四十一年度に起こしました特別事業債に対します償還交付金というものでございまして、昭和四十二年から四十四年度まで、総額二百八十八億円入っております。 以上を総計いたしまして、過去に交付税制度ができましてから現在までに、六千二百九十四億円の臨時地方特例交付金及びそれに類するものが入っておるわけでございます。
○川合委員 財政課長、いまの臨時地方特別交付金の、昭和三十五年度にありますですね、県民税、市町村民税の減税による地方財源の減収に対処して、臨時地方特別交付金に関する法律。その法律に基づくというか、そのときの臨時地方特別交付金の配分方法といいますか交付方法、これをちょっと説明してください。
○関根説明員 三十五年におきましては、先生お話しのような趣旨で住民税の減税が行われまして、それの減収を補てんするという意味合いを込めまして、国税三税の〇・三%に相当する金額を臨時地方特例交付金として交付いたしました。したがってこれは、交付税の中におきまして、一般の交付税の配分と同じように一緒に配分をいたしたわけでございます。
○川合委員 今回の一部改正法案の姿と、いま財政課長の言われた三十五年度の臨時地方特別交付金の姿と比較すると、今回もこの昭和三十五年度の臨時地方特別交付金のような交付のやり方をなぜやらないのか。いま話を聞くと〇・三%ですか、それに相当する額という話で、今回は、この九百六十億円はどのぐらいのパーセントになりますか、〇・六……。
○関根説明員 〇・六七五%でございます。
○川合委員 そうしますと、今度は〇・六七%、前回は〇・三%で臨時地方特別交付金というような方式でやっているわけですね。なぜ三十五年度のような方式をとらないで今回のような方式を、私から言わせればややこしい方式をとるのか、その点について局長から……。
○山本(悟)政府委員 三十五年の当時におきましては、地方税でございます住民税が減税になりまして、減収ではございませんで制度的に減税をいたしまして、それの穴埋めを国庫の方からする。その対策といたしまして、交付税に直せば〇・一三%相当額のものを当初から予定をいたして繰り入れたわけでございます。 今回の措置は、当初の予算におきましては国税が、所得税等がこれだけ入るということでもって三二%を繰り入れる予定にいたしていたわけでございますが、その後の特別減税の措置によりまして、国の予算といたしましてその所得税の減収額の三千億円を予算計上せざるを得ない、こういう事情になりまして、国の所得税の方の減税に伴って交付税が機械的に落ちてくる、こういうことになったわけでございます。そこで、それを交付税にはね返して埋めろということになりましても、国は自然増収もなくて減収を立てるような状況でございますので、特段にまた別なものを出すというだけの現在の国庫の財政の状況でもない。そこで、やむを得ざる措置といたしまして、先ほど申し上げましたように、実質的な地方団体に被害の及ばない方法ということで、やむを得ずこういう措置をとったということでございまして、国の方に現ナマを一般会計から特別会計に入れるだけのものがあれば、こういうかっこうはとらないで済む手段もあるわけでございますけれども、やむを得ないところで借入金をもって賄う。しかし、借入金で本当に将来地方財政の負担において返すのでございますと、地方財政は被害を受けるわけでございますからそれは困るということで、将来の元利の返還というものは法律をもって国に義務づけて、臨特というかっこうで将来入れるということをはっきり約束をする、こういうことにいたしているわけでございまして、そういう意味から申し上げますと、三十五年の場合のように、地方税自体の制度改正による住民税の減税というものの財源措置というものとはちょっと今回の場合には趣きが違っている。国庫の財政の状況から言っても、こういう措置で今回はやむを得ないのではないかというぐあいに私ども存じた次第でございます。
○川合委員 そうすると、財源の不足した事情、理由が違うからこういう三十五年度のような措置はとれなかったというのか、やればそれはやれぬこともないが、国の財政もきついから、今回はこういう措置をとって三十五年のようなやり方はやれなかったというのか、どっちですか。
○山本(悟)政府委員 もちろん金の問題もあるわけでございますが、三十五年の場合には、恒常的な制度といたしまして、地方税法における住民税に対しまして減税の制度改正があったわけでございます。そして、その減税というものは将来にわたってずっと続くというようなことでございますので、それに対しまして将来にもわたる財源補てんの方策といたしまして、〇・三%相当分というのを国が臨特で出す。これは御案内のとおり、二年ばかり続きまして、その次の段階には交付税率のアップのときに吸収される、こういうようなことが三十年代には行われたわけでございます。今度の場合には、交付税の率そのものの三二%自体には変更がないわけでございまして、ただその三二%として計算をいたしました基礎の数字が今度の国の補正予算によって変わってまいった、そういった何と申しますか一種の単年度の措置、その穴埋め、こういうような観点もございまして、確かに御指摘のとおり、だんだんと複雑になることは好ましくはございませんけれども、そういう措置をやらしていただいた次第でございます。
○川合委員 そうすると、いまのお話を極端に言うと、制度の改正がないと交付税の方はいじくれないようにもとれるが、そういうことですか。
○山本(悟)政府委員 本年度の地方財政対策といたしましては、当初に何しろ二兆七百億円も足らないという数字があったわけでございますから、それをどう措置するかというときの議論といたしましては、これはいろいろと御論議のあったところでございます。それで、国庫財政の状況あるいは地方財政の状況全体を勘案をいたしまして、半分は交付税で措置をする。しかし交付税で措置をすると言いましても、こういった経済の変動しつつあるときにおきまして、恒久的な制度といたしましての交付税率の変更をすることは非常に困難でございましたので、一部借入金、一部臨特というようなやむを得ざる措置として本年度の対策をとった、こういうことでございまして、交付税率そのものということになりますと、やはり恒久制度としてどうなんだという議論になってまいりますので、そういう意味では、今回の特に九百六十億というのは、本年度の穴のあいたものの単年度の措置というようなことでもございますので、こういった借り入れ、それから国が償還を約束するという方式によって処理をさせていただいたということでございます。
○川合委員 これはしばしば同僚委員からも質問があり、前々から言われていることですからくどくは申しませんけれども、いまの局長の話を理解すると、経済も変動している、そこで国の財政も定まってないというので、交付税率をいじくる、変えるというような制度の基本に関することはちょっと様子を見るんだ、こういうことでいいわけですか。
○山本(悟)政府委員 当初におきます二兆七百億円を地方団体が困らないようにどうやって財政措置をするかという点につきましては、御指摘のとおり、今日の経済情勢といったものを踏まえまして、やむを得ざる措置としてその財政措置をいたして、その場合に恒久制度であります交付税率のアップというような段階までは困難であるということになった次第でございます。 ただ、今度の補正予算の分は、先ほど来申し上げますように、国の所得税の予算計上額が変更したことに伴いまして、三二%の額が自然に九百六十億減ってしまう、そういうものの本年度の分としての穴埋めの措置だけでございますので、交付税率を全体としてどうするかという御論議までは、今度の補正の場合には論議としても起こらなかった、こういうかっこうになっていると思います。
○川合委員 それではお尋ねしますけれども、今回の措置は交付税特別会計が金を借りる、こういうことですね。一般会計が資金運用部から借りてそして交付税特別会計に交付金で渡す、一般会計が借りる、これはなぜ行われないのですか。
○山本(悟)政府委員 一般会計が運用部から金を借りるということは、やはり国債の発行ということになるのじゃないかと思うのでございますが、それは国の財政政策といたしまして、国債の発行はなるべく一定の率でもってとめたいというような国としての財政上の政策があって、そのような措置はとられない。交付税特別会計の方で借り入れますのは前例も幾らもあることでございますし、また実質地方財政自体としても、国が元利償還を払うということを今度は法律でもって約束してもらうようになるわけでございますが、そういうことになれば地方財政としては影響ない。こういうような両面からの判断から今回の措置がとられたということのように存じます。
○川合委員 一般会計で借りると公債の三〇%に響く、だから一般会計が借り入れるのは避けた、それで特別会計で借りたんだ。しかしこれは、何と言うか、役所の形の上での三〇%の線を守るためのものであって、実質的には特別会計で借りても違わないのじゃないかと思うのですけれども、そうじゃないのでしょうか。三〇%の線をただ形式的に守るために一般会計を避けて特別会計で借りている、こんなふうに思えるのですが、その点はどうなんでしょうか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりないろいろのお考え方があり得る点であろうかと存じますが、交付税につきましては過去の多くの例も、交付税会計におきまして直接資金運用部から借り入れをする、こういう制度がよしあしは別にいたしまして、慣習的にできているわけでございまして、その従来の方針のままに最も適合した手段をとったということでございます。
○川合委員 その従来の慣習というのがどうも私には余り賛成できないのでして、一般会計が借りる場合には、公債の三〇%のラインから見て困る、しかし、今度借りたのは実質的には交付税特別会計のために借りるのだから、三〇%とは別だ、別に一般会計が借りたって三〇%に影響ないのだ、こう言っちゃえばそれでいいじゃないかと私は思うのですが、結局実質は大して違わないように思うのです。どうも言い方が少しわかりにくいかもしれませんので、恐縮ですが、なるべく、さっきから申し上げているように、ややこしく複雑にしない方がいいのであって、それならば、一般会計が資金運用部から借りてそのまま直に交付金で渡せばもっとすっきりいくのじゃないか。皮肉を言うわけではございませんが、いつごろからこういう借りたり返したりというのが始まったか、それはともかくとしまして、今回の措置も従来のしきたりをとっているのだけれども、何かキャッチボールをやっているみたいで、ボールを投げたり返したりやっているみたいで、もっと皮肉を言えば、本当の財源の調整をやる前に、自治省と大蔵省が両方のメンツの立て合いで、大蔵省と自治省の調整みたいな気もするのですね。どうも余りややこし過ぎるのがならわしになってきているのではないか、こう思うのです。これは地財法の趣旨から言ってもこういう方式はなるべく避けるべきじゃないか。自治省は知恵の点においてはひけをとらないという自負心があるはずですから、そういう知恵ぞろいの集団のはずですから、いつ始まったか、こういう複雑多岐な方式を避けて、もっと簡明な方法をとるような知恵をしぼってもらいたいと思うのですね。 私がそういうことを申し上げるのは、私どもは、地方財政の基本というのは、これは皆様方も御同感のように、やはり地方の自主財源をはっきりして、国と地方との仕事の分担もはっきりして、それに見合う財源もはっきりして、そして補助金なんという制度はなるべく早くやめて、両方すっきりした分野で、責任を持った守備範囲でもってやっていきたい、こう思っているわけですね。そういう点から言うと、どうでしょうか、さっきから同じことを繰り返して恐縮ですけれども、こういう借りたり返したり、キャッチボールで行ったり来たりしているみたいな方式じゃなくて、もっと何か知恵を出してもらえないですかね、局長。
○山本(悟)政府委員 お手元の資料で見てまいりますと、交付税会計におきます借入金というのは、昭和三十九年度あたりからすでにそういった貸し借りの状況が起こってまいっていると存じます。確かに財政制度というのも、より簡明であるのがベターであるとおっしゃられます点は、全くそのとおりに思うわけでございますが、地方団体そのものから見れば、交付税会計から出ます金はいずれも、原資が運用部からの借入金であろうと、一般会計からの繰入金でございましょうと、同じかっこうでの地方交付税ということで収入もし、決算もされるわけでございまして、地方団体の財政運営の方にはこういうかっこうによって特段の支障は起こっていない、こうは思っているわけでございます。ただ、地方財政全体としてながめました場合には、国との間でいろいろ差し引きが出てくるということで、しかも、だんだんと交付税会計におきます借入金も増大しつつあるというような点におきましては、やはり将来の問題として非常に問題をはらんでおると思うわけでございまして、でき得べくんば、もちろんこういうことをしないで済むような国、地方を通ずる財政制度というものが確立されることが念願でございますが、何しろ現在のような経済情勢のもとにおきまして、残念ながら本年度までそういう体制にならなかったということでございます。
○川合委員 重ねて申しますけれども、私も、これによって地方団体が困らないようにするための措置として行われている今度の法律の一部改正法案について、こういう応急措置がなければ地方団体は現実に困りますから、この法案そのものに反対しようとしているわけではございません。だけれども、さらに思い、さらに言えば、応急措置を講じておきながら、それもなるべく簡明な応急措置を講じておきながら、国の財政が定まるのを見て、やはり交付税率の再検討ということをすべきだと思うのですね。その点はむろん御異議ございませんね。
○山本(悟)政府委員 全く御指摘のとおりのことだと存じておりますし、そういう機会が早くできますような経済情勢にわが国全体としてもなってもらわなければ非常に困ることじゃないかと存じます。
○川合委員 最後に、大臣の御所感を承りたいのですが、私は、今回の法案に盛られている、三十九年から行われているこの方式、何遍も言いますが、借りたり返したりという方式について、これは応急措置の一つの方法だということはわかりますけれども、しかし、もっと簡明な応急措置の方法があるのじゃないか。それは初めに申しましたように、わかりやすい行政、簡素な行政という見地が一つでございます。もう一つは、私申しまして局長も同感されましたように、基本は国、地方を通ずる財政を基本的に建て直して、地方の自主財源をはっきりとして、その分野をはっきりする、こういうことがわれわれの目指す点ですから、応急措置といえども、なるべく私どもの目指す理念に近い応急措置の方が望ましいのじゃないか、それを考えるべきじゃないか。そうしますと、借りたり返したりという応急措置は、どうも分野が入り乱れて、将来われわれが描いているところの国、地方を通ずる財政の分野の確立、自主財源の明確な確立というものとはちょっと違う、ぐあいの悪い、分野を混乱させるような応急措置、こんなふうに思うのでございます。ごたごた申しましたけれども、おわかりでございましょうか。 それで、地方自治が三十周年にもなったことでございますし、やはりここで、たとえ応急措置であろうと、それは事態は応急措置はやむを得ないけれども、しかし、ただいま申しましたような基本理念に向け一歩でも前進する応急措置をしてもらいたい、こういう私どもの考えでございます。来年度の予算編成に当たってその点をひとつ真剣に御配慮していただきたいということを要請いたしますが、大臣の御所感を承りたいと思います。
○小川国務大臣 応急措置であっても、もっと簡素な方法によるべきではなかったかと仰せられる意味は、臨時特例交付金を受け入れるべきだったという御指摘であろうかと思いますが、これにつきましては、先ほど来申し上げておりまするように、地方公共団体の立場といたしましては、今回のような措置をとりましても今年度の財政運営に支障を生じるわけではございませんから、どちらでもよろしいわけでございましょう。一面において国の財政の都合も実際問題として考えないわけにはまいりませんし、財政の健全性を維持するために、三〇%の線をどうしても維持するという政府の決意を示すということも意味がないことだとは私は存じておりませんが、どっちにいたしましても、交付税率にも変更を加え、税源の拡充にも努めまして、地方公共団体の自主財源を増強することによって、地方財政の現状に対処していくということが本格的な方法であるべきでございましょうから、一日も早くこのことが実現をいたしますように努力をするつもりでございます。
○川合委員 くどくなりますが、大臣もおわかりになっていただいてのお答えと思いますけれども、念のために申しますけれども、自主財源、自主税源の確立というこのわれわれの本格的な行くべき道、これを目指していただきたい。それは一応こちらに置きまして、そしてさりとて地方団体が現実に困ることに対処するための応急措置、これもまたあらねばならぬ。いまの本格的なことと一応切り離してもあらねばならぬ。だからその応急措置というものは、これは認めざるを得なしまた認めなくちゃ困る。だけれどもその応急措置といえども、やはり本格的な行く道に一歩でも近づくような考え方の応急措置でないとなかなか自主税源、自主財源の確立というわれわれの掲げる理想のところに近づかないんじゃないか。現に地方自治三十年に至ったけれども、遅々として率直に言って進まない。それで今回とられているところのこの応急措置は実害はない。実害はないというか、地方団体として実益はあるかもしらぬ。しかし国に借りたり返したりという国のお金と地方のお金とが入り乱れる。毎年毎年入り乱れていく。借りたり返したり、こういう方法は地方と国との財源、税源の分野をはっきりするという本格的な理想像から言うと望ましい方法と言えないんじゃなかろうか、応急措置も。であるから応急措置は認めるけれども、それといえどもなるべく一歩でもその理念に近づいた応急措置を考えるべきではないか。実害はない、実益があるから同じだというふうに考えるべきではなくて、聡明なる自治省の顔ぶれもそろっていることでもあるから、もう少し何らかの理念に近づく応急措置というものを考えていくべきではないか。それでくどくなりますが、来年度の予算編成に当たっても、無論本格的な地方税源の充実ということも望ましいけれども、しかし現実問題として、やはりそれに近づくまだ過程としての方策がとられざるを得ないかもしれない。その場合においても、ただいま私が申しましたようなことを念頭に置いて、そして予算編成と申しますか、地方財政の確立のために御努力いただきたい、こういうことでございますが、もう一度御所見を承りたいと思います。
○小川国務大臣 いろいろ繁雑な措置をとらざるを得ないような状況から一日も早く脱却をいたしたいと思っておりますが、それにしても応急措置としてもっと知恵を出せ、こういう御指摘かと存じます。これは具体的な御指摘でもいただきますれば、ひとつ十分研究をいたすべき問題だと考えております。
○川合委員 具体的な案を出せとおっしゃいますが、たとえば先ほど私の言いましたのは、一般会計が運用部資金から借りて交付金として渡してもちっともおかしくないじゃないか、こういうのも一つの方法で、それでそれが地方団体のためのものなんだから公債の三〇%のラインとはちょっと違うんだと説明すればそれでもいいんじゃなかろうか。これは試見でございます。しかしもっと方法というものはあり得るんじゃなかろうか、もう少し苦慮していただきたい。三十九年から続いているからこれは実績があるから、ならわしになっているから、これならば別にだれも異議がなくて通りがいいということで、依然としてこの方式をとられたということは、理念に向かって前進しようとする自治省としては少しく意欲と情熱が欠けておるんじゃなかろうか、こう思います。 以上を私の要望といたしまして、質問を終わります。
○地崎委員長 新村勝雄君。
○新村委員 交付税の問題点についてお伺いしたいのですが、交付税の基本的な機能というか目的は、千差万別の地方団体の行政水準を均一に近づける、地方団体の財政力を保障するということが基本になっていると思いますけれども、それでよろしいわけですか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、地方交付税等の根本的な考え方といたしましては、地方団体に必要な財源の保障をいたしますと同時に、各地域間におきまして非常に財政力に差のあります地方財政につきましてその財政の調整をする、この二つの機能を中心にいたしている制度と存じます。
○新村委員 交付税法の二条には「標準的条件を備えた地方団体が合理的、且つ、妥当な水準において地方行政を行う場合」云々とありますけれども、この「合理的、且つ、妥当な水準」というのは、それはどういうものでしょうか。
○山本(悟)政府委員 ただいまお読みになりました文言は、単位費用のところに規定されている文言と存ずるわけでございますが、基準財政需要額で計算いたします財政需要、これは交付税といたしまして、各団体が標準的な規模によって標準的な施設をやって、標準的な程度でそれぞれ行政を行います場合というものを基礎にして、基準財政需要額を計算するというようなことであろうと存じます。どれが標準的なのかということは、そのときどきの財政状況あるいは社会の状況というようなことで多少その変化は来してきていると存じます。交付税法ができました当時から見まして、やはり地方財政全体としての状況というのも変わってまいっておりますし、そのときどきの変わり方というものは、毎年度におきます単位費用並びにそれをもとにいたしまして計算しました基準財政需要額、こういうようなことによってあらわされてきているのではないかと思います。 何をもって標準的な規模、施設というようにとるかという御質問になりますと、非常に抽象的には言いにくいわけでございますが、具体論といたしましては、それぞれ単位費用等の積算の基礎になっている行政水準、こういうものを基礎にして考えているもの、平たく言えば通常のレベルで行政をやっていただくに必要な水準、こういうことになるのじゃないかと思います。
○新村委員 単位費用の算定の方針とおっしゃいましたが、これは単位費用もさることながら、交付税の基本的な考え方、交付税運営についての基礎的な考え方であると思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○山本(悟)政府委員 その点はお説のとおりだろうと存じます。
○新村委員 そういたしますと、いわゆるシビルミニマムという言葉がありますけれども、このシビルミニマムを地方団体に保障するということが交付税の基本的な機能であり考え方だと思います。そういたしますと、いま局長おっしゃいましたような非常に抽象的な考え方では不適当ではないか。地方自治は憲法にも保障されておりますし、地方自治を保障するものはその基礎をなす財政の保障でありまして、それがなければ地方自治の保障あるいは実現というものが、これは空文、画餅に帰するわけでありますから、そういう意味でこの二条の規定を受けて、もっと交付税法の運用についてはより具体的なシビルミニマムというか、そういうものの構想があって、それに基づいて各団体の需要を積み上げてそれに対する、その需要を保障する、そういうシステムが必要だと思いますが、現在の交付税法、もちろんこれは相当に機能はいたしておりますけれども、そういう面での地方財政を具体的に保障するという点でまだまだ欠ける面があると思いますけれども、そういう点についての御見解を伺いたいと思います。
○山本(悟)政府委員 何がシビルミニマムであるか、何が交付税をもって保障しなければならない行政水準であるか、これはなかなか個々の行政に当たりましてむずかしい問題であろうと思います。交付税法に規定をいたしております標準的な行政水準、標準的な施設、こういう意味が、一定のあるべき姿、理想というような方向にとらえられますと、実際問題といたしまして非常にむずかしい問題が起こってまいると思います。やはり現実としての地方財政、これの財源対策というのは、御案内のとおり地方財政計画の策定を通じまして、どれだけ需要があり、どれだけ収入があるか、そうしてそれに足らざる分をどう措置するか、こういうことで積み上げられていっているわけでございまして、そういったその年々における行政水準というものをやはり一方では頭に置きながら、また一方では先生おっしゃいますようなシビルミニマム、あるべき姿というようなものを置きながら、その間の調和をとりながら基準財政需要額というものを計算していかなければならないのじゃないか、こういうようにも思えるわけでございまして、そういう意味で、先ほども申し上げましたが、時代によってこの交付税法で言っておりますところの標準的なというものの具体の行政水準というものも変わってくる、また、それぞれの行政におきましても、初めはそれほどのものとして取り上げられていなかったものが現在では非常に重要になってきて、非常にレベルが高くなる、そういったような変化というのはそれぞれの年度において、やはり単位費用の計算等を通じまして、その積算基礎等を通じまして各団体にもお示しをし、また国会におきましても御論議を賜っている、こういうことになっているのじゃないかと思っている次第でございます。
○新村委員 あるべき姿と、それから実際にこれを実現できる経済力あるいは財政力はこれは違うと思いますが、それにしても現在の日本の経済力あるいは財政力の中で、地方自治体がどの程度のことは実現可能であるかというような具体的な構想というか計画というか、それがやや不明であるというふうに考えるわけです。特に地方交付税の論議などの場合にはそれが基本をなしますので、自治省は地方団体あるいは国民に納得してもらえるような、もっと具体性のある考え方や計画、構想ですね、これを持つべきではないかと思いますけれども、これはいかがですか。
○山本(悟)政府委員 先ほど来申し上げましたように、各年度におきますところの地方財政についての対策というものは、地方財政計画の策定を通じまして行っている次第でございます。それのところにおきまして、それぞれの年度におきます歳入の構成、税が幾らで地方債が幾らで交付税が幾らでというような意味での、それぞれの全体といたしましての地方財政の収入の姿というようなものが想定されてまいり、また一方では、歳出の方におきましては経常費あるいは公共事業費というようなことで、それぞれの項目にわたりましてこの程度の水準ということが論議され、決定をされてくるわけでございまして、それに従いまして国といたしましては地方団体に対しまして財政措置をする。交付税といたしましては、その与えられました交付税とそれから地方財政計画によりますところの収入、支出というようなものを念頭に置きました上でこの単位費用の積算等をいたしているわけでございます。 ただし、いまおっしゃいましたように、やはり具体的な各行政につきましてのあり方、あるべき姿あるいは水準といったようなものは、より多く研究し、より多くわかるように示すべきではないかという点は、その考え方の基本そのものはまさにそのとおりであろうと存じますが、具体の各年度の問題としては、その点は、交付税法の一部改正ということで当初予算の審議の際に御審議をいただいておりますことの内容といたしまして各地方団体等には示している、こういうように思っているわけでございます。
○新村委員 交付税の運用については、その決定に当たって経費の種類あるいは測定単位、測定費用というようなことについては確かに法定されますけれども、それ以外のきわめて広範な部分は自治省で独自の判断でおやりになるわけです。ですから、経費の種類や測定単位や単位費用が法定されておりましても、具体的に各団体に交付をされる段階になりますと、補正係数の魔術によって非常に変わってくるわけですね。それより減る場合もあれば何倍にもなる、魔法のつえのような作用をするわけです。これは補正係数あるいは法定されない省令によって決められる部分、これが非常に多いわけですけれども、これは自治省がお決めになるわけですけれども、具体的にはだれがお決めになるわけですか。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおりに法律をもって規定をさせていただいておりますのは基本的な事項、具体の数字といたしましては単位費用、こういうことになっているのは御指摘のとおりでございます。補正係数は自治大臣の決定にゆだねられまして、自治省令をもって決定をいたしておりますが、御案内のとおり、この普通交付税の積算につきましては財政局において所管をいたしまして、その際それぞれの各費目ごとに各団体からの資料等を基礎に、あるいは統計資料等を基礎にいたしまして積算をいたしている次第でございます。やはり何と申しましても各団体の実態というものを抽象化、形式化いたしまして計算をするような技術をとっておりますものですから、個々の団体につきましては多少ずつの誤差というものは免れない。三千団体につきましてどうやって一番誤差を少なくし、あるいは方向として実態に合うように持っていくかというのが私ども事務担当者といたしまして一番頭の痛い点でございまして、こういう点につきましては常に見直しを行って、具体の事項に適応をいたしますように研究をしなければならないと存じておる次第でございます。
○新村委員 五十二年度におきましても交付税の総額は五兆七千五十五億ときわめて膨大な資源であります。国家予算の二割を占めるわけでありまして、他の省庁でこれ以下のところがたくさんあるというようなことでありまするけれども、自治省の皆さんは非常に有能、経験の豊富な方々でありますが、これを自治省だけでお決めになる。しかも、お役人のサイドだけで全国三千団体の死命を制する資源配分というか、配分をお決めになるということについてどうお考えですか。
○山本(悟)政府委員 各団体に対しまして具体に補正係数等を決定いたします際には、もちろん各団体からの資料あるいは統計、決算といったようなものとの対比を客観的にもいたしておりますし、また各団体からいろいろ御要望のある点も十分に私どもとしては聞かしていただいているというようにも思っているところでございます。 〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕 制度的に申し上げれば、御案内のとおり、自治省には地方財政審議会がございまして、それぞれ六団体の代表というようなかっこうで推薦をされた方も委員になる。これは法律でそう決められておるわけでございますが、そういったことによりまして具体の決定につきましての議も経ているというように存じますし、また、実際には補正係数その他の内容につきましてもこれを各地方団体の方には公表をいたしまして、御自分のところのいろいろの御意見をつくっていただくよすがにもしておるし、そういう意味での見直し、研究というものは地方団体ともどもにいたすような考え方をとっているところでございます。
○新村委員 そうしますと、この補正係数の決定に当たっては自治省だけではなくて、第三者あるいは学者あるいは有識者、特に地方団体、そういったものの意見をおくみになっておりますか、どうですか。
○山本(悟)政府委員 地方財政審議会は、国の機関といたしましてただいま御説明申し上げましたような代表者も入りましての機関として正式にあるものでございまして、交付税の決定はすべてこの審議会の議を経る必要があるということになっているものでございます。また、各地方団体からの御意見というのは、市長会あるいは知事会といったような意味でのまとまった御意見もございましょうし、あるいは個々の団体あるいは個々の府県というような意味での御意見もございましょうし、いろいろ私どもに聞かせていただいているわけでございまして、そういうものを参考にしながら、ただいま申し上げましたように、こういうようなかっこうで補正係数はつくっているということは公表もいたしていることでございまして、そういう意味での御批判も仰いでいると思っているところでございます。
○新村委員 財政審議会あるいは税制審議会は確かにございますけれども、そこでは税制の基本的な方針については論議されると思いますが、補正係数等の事務的な、きわめて事務的な問題について果たしてどの程度の論議があるのか、その論議の概要なりあるいは過程なりについて、その一例でもいいからお示しをいただきたいと思います。 〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(悟)政府委員 ただいま申し上げました地方財政審議会は、自治省の付属の機関として設置をされております。たしか自治省設置法に根拠のある機関で言いまして、審議会の責は五名でございますが、そのうち三名はそれぞれの県段階、市段階、町村段階の連合体から推薦された方をもって充てるというような制度になっているものでございます。また自治省設置法に審議会としての権限の規定がございまして、交付税関係の主要なる事項の決定はすべてその審議を経る、こういうようなことになっているものでございます。
○新村委員 確かにおっしゃるとおりかもしれませんが、実際の交付税の事務そのものが地方団体にも理解されておらない。市町村ではこういうものをつくるわけですが、これをつくる場合でも、県の指導によって、あなたのところはこうしなさいということで、人口なりあるいは基礎数字を記入して、機械的にここにある数字を書け、あるいは足したり引いたりしまして数字を出すわけですけれども、その内容はほとんど理解されていないというような実態だと思いますね。担当の職員すら、この数字がどういう過程で出てきているのかわからないということなんですね。ですから交付税の決定の過程あるいは交付税の運用そのもの全体が、秘密ではないのでしょうけれども、非常に密室性があるというようにわれわれは感じておるわけです。そういう点の運用についてどうお考えでしょうか。
○山本(悟)政府委員 技術的な点が多分にございますために、各地方団体の方々すべてにまでなかなか御理解をいただけてないという面がございますことは否定はできないことだと思います。ただ同時に、私どもの方にいろいろと各県あるいは各市町村から提出をされてまいります改善意見というようなものにはきわめて細密なものもずいぶんございますし、また大いに参考になり、採用させていただいている分もずいぶんあるわけでございまして、そういうような意味で、非常に研究、検討がされている部面もずいぶんとあるように思います。全体としてながめて、どうも機械的な計算というか論理的な計算なものだから、なかなかその内容についてまで全部が全部御理解を賜っていないという点につきましては、私どもとしてはなお一層県、市町村の方々に御理解をいただくような努力をしなければならない。この点は御指摘のとおりだろうと思いますし、確かに私どもといたしましては、その積算の内容そのものについて秘密性を持たせないようにするために、単位費用の積算内容につきましても、補正係数の積算内容につきましても、あるいは基準財政収入額の算定方法につきましても、こういう資料で、こういうものでということを公表いたしておる次第でございまして、そういうようなものを通じまして、一層県、市町村の担当の方々に御理解をしていただくような努力は重ねてまいりたいと存じます。
○新村委員 念のために伺いますけれども、交付税関係の資料なり計算の過程、そういったものはすべて公開されますか。
○山本(悟)政府委員 公開資料といたしましては、単位費用につきましては積算基礎全部を入れました単位費用編を地方財務協会というところから公表をいたしております。これが一年ごとの単位費用編で、大体このぐらいのものでございます。これは補正係数と基準財政収入編でございまして、各費目、各税日ごとにこれだけの資料がございませんと、実を申しますと積算の基礎にはならないわけでございまして、そういうようなところまで公表はいたしている次第でございます。こういうものでございますから、確かに簡単にさっと読んでわかるというしろものではないわけで、交付税の担当の職員に対します研修といいますか啓蒙、勉強をしていただくための手段、方法といいますか、そういうことはわれわれとしても一層続けなければならないと存じます。そういう意味で、積算内容そのものははっきりとお示し申し上げているというように思っているわけでございます。
○新村委員 これは解説の本ですけれども、こういう方針なり基準なりではなくて、具体的に各市町村に対する指導資料ですね、具体的な計算の過程、どの県はこうなる、この市町村はこうなるんだというその計算の過程まで公表されますか。
○山本(悟)政府委員 各費目ごとの計算というようなことは、実は各地方団体の方にお願いをしているわけでございまして、算定資料というのが各団体ごとに一冊ございまして、それには、単位費用に何を掛けろ、補正係数は幾らを掛けろというようなことを全部書きましたものを、各団体の方でおつくり願うことになっております。市町村の場合には、あるいは統一をとるために地方課の方である程度代行している面があるのかも存じませんけれども、私ども県にも行ったわけでございますが、県の財政課あたりでは、それぞれのこういう一冊のものを各自分のところで計算をするという意味におきまして、それぞれの財政課の職員が計算をして、それを自治省の方に持ってくる。自治省の方で各団体のことを計算をしますのは、とても作業的にもできないことでございまして、各団体にお願い申し上げていると思っております。
○新村委員 いや、それは知っているんですがね。各市町村ではこの制度がわからないだけに疑心暗鬼というか、疑問を持っているわけですね。自分の市は果たして公平に扱われているんだろうか、隣の市に比べて非常に低いけれども、これはどういうわけなんだろうというような疑問があるわけなんですよ。ですから、それは計算の具体的な内容をすべて公表してもはばからないかどうかということなんですがね。
○山本(悟)政府委員 たとえば、人口なら人口というものを測定単位にとります場合に、人口一万でございますれば、鹿児島県の人口一万も青森県の人口一万も係数としては全く同じようになるはずでございますし、あるいは都市的な程度での態容補正というようなもので、同じ段階の程度のところであるとなれば、それぞれ同じ係数になる。そういう意味におきましては全くの不公平ということはあり得ない。これは普通交付税としての一番基本的な考え方であり、制度であると思っておりますところでございまして、もしも隣に比べて非常に自分のところの需要の計算が少ないじゃないか、あるいは、ある費目についておかしいじゃないかというようなことがございますれば、具体的によく調べまして、御説明もさせて結構であろうと存じます。
○新村委員 ですから、自治省にお伺いをして、こういうものを縦覧したいんだが見せてもらいたいと言った場合に、すべての交付税資料を拝見できますか。
○山本(悟)政府委員 計算そのものは個々の団体でやっていただいているということでございまして、それについて、自分のところは隣に比べて非常に少ないというのであれば、補正の扱いが違う、扱いが違うというのは、人口といったようなものが違うのか、都市的の程度が違うのかという、こういう議論になっていくのであろうと思います。ただ、その都市的の程度が違うというようなことについて、自分の方はそういうふうには思わないけれども、客観的な計算をいたしますと差が出てくるというようなことは、それはもちろんないわけではございません。それは議論の存するところで、その補正係数をそう決めたこと自体のよしあしということになってきて、これは自治省といたしましての省令に決めている事項についての責任のことでございますから、自治省で、こういう理由によってあなたの団体はこの段階なんだ、この隣の市はこういう段階なんだということの御説明は十分できると思いますし、それから個々の団体の具体に数値を当てはめまして、補正係数を当てはめての計算は、それぞれの団体で御存じになっているはず、あるいは隣のものを見せろとおっしゃられれば、これは市町村の場合でありますと、県の地方課の方にあると思いますが、そこのところで十分お見せもできるような状況にあるというふうに思っております。
○新村委員 そうしますと、全国の各団体の計算の基礎、これは全部拝見したいと言えば見せていただけますか。
○山本(悟)政府委員 市町村分は県の段階にございます。それぞれの県の段階にありまして、それの積み上げのものだけが総計といたしまして自治省に上がってきているというかっこうでございますので、具体の計算の資料そのものは県の地方課の方で十分把握をいたして、そこで持っていると存じます。
○新村委員 こういう問題は、原則なり方針なりをいかに説明を願っても、具体の問題について検討しないとなかなかわからないですね。また、そこからこの制度なり補正係数の批判というものも生まれてくるわけですから……。そうしますと、交付税関係のすべての資料については秘密性はない、すべて公開されるというふうに承知してよろしいですか。
○山本(悟)政府委員 私は、原則は全くそのとおりに思っております。
○新村委員 わかりました。 それで、交付税の運用については、先ほど局長からお話があったように、財政審議会の議を経るとありますけれども、しかし実際は、財政民主化のがんだと思いますね、言葉は過ぎるかもしれませんが。それほどに内容が知られていないということなんですよ。ですから、財政民主化という見地からしても、それからまた交付税の機能を十分に発揮する見地からしても、もっと交付税の決定、具体的な法定の段階ではなくて、省令で決められる部分の補正係数なりあるいは運用ですね、これについてはもっともっと地方団体なり第三者の参加を許す必要があるのではないか。そして、財政審議会がありますけれども、できればそのほかに地方団体の代表の参加を認め、また第三者の参加を認めるようなそういう審議機関のようなものをつくって、交付税の一層の民主化と効率化に役立ててはどうかと思うのですけれども、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
○小川国務大臣 作業そのものに地方公共団体の代表を参画せしめるということでありますると、これはやや問題があるのではなかろうかと存じますが、地方団体の要望なり意見というものは、現行の制度のもとで十分反映されておると存じまするし、自治省の担当者といたしましても、いろいろな機会に地方公共団体の言い分に耳を傾けるという態度で臨んでおりまするから、この際、仕組みとして特別のことを考えませんでも、これはそれによってはなはだむずかしい問題が生ずるとも考えておらないわけでございます。
○新村委員 計算の実務に参画するのじゃないのです。補正係数の決定とかあるいは運用ですね、これはきわめて複雑で理解しにくいわけですよ。それが額の決定に大きな影響を及ぼすわけですから、補正係数の決定とかその運用の方針についての地方団体の参加というものを認めてはどうかということです。
○山本(悟)政府委員 方針というような点につきましては、先ほど来申し上げます地方財政審議会というようなところでも、方針もそうでございますが、具体の問題につきましても決定をいただいているわけでございますし、また、国会の御審議の際におきましても、法律の中におきましても、やはりそれぞれの需要の見込みというような段階におきまして、いろいろ補正につきましての御意見あるいは御審議、御討議というようなものも経ているわけでございまして、そういう意味から言えば、現在のところでも十分機能をしているのではないかというように思っております。
○新村委員 そうしますと、地方団体が交付税の配分についての研究をしまして、合理的なあるいは妥当な基準なり要望なりを提示した場合には、これに耳を傾けていただけますか。
○山本(悟)政府委員 地方団体から具体にいろいろの御要望あるいは御意見、ことにこういう方が合理的ではないかという方法論的な御意見等がありますれば、私ども喜んで議論もし、またぜひ一緒に検討させていただきたいと思います。
○新村委員 自治省の御見解と第一線にいる者とはかなり隔たりがあるようですけれども、今後ともに交付税の運用については、一般の者にわかりやすいように、納得ができるような運用を特にお願いをいたしたいと思います。 以上で交付税の問題を終わりまして、ほかの省庁に関係がありますけれどもよろしいですか。防衛庁いらっしゃいますか。——ほかの省庁のことで申しわけないのですが、米軍基地柏通信所というのがございます。これは百八十七ヘクタールが米軍によって使用されていたわけですが、今回、当局の御努力や地元の運動によりまして返還されるわけです。半分返還になって、あとの半分についてはロランC局という電波灯台ができるということになったわけですが、その経過についてお伺いをいたしたいと思います。
○広田説明員 お答えいたします。 先生御承知かとも思いますが、昭和五十年の十一月ごろでございますが、事実上の問題といたしまして、従来の所沢の通信施設の機能が停止されたわけでございまして、私どもはいち早くそういう状態をキャッチいたしまして、早速米軍に、全面返還ができるかできないか、そういうことについて、地元の御意向も体しまして再三にわたり交渉し、打診してまいったわけでございます。ところが、米軍側といたしましては、まだあの施設、区域に関しましては直ちに返還に踏み切れないということで、目下米軍内部で検討中だという返答が本年までずっと続いたわけでございまして、本年七月に入りまして、実はここにロランC施設を設置したいのだという申し入れがございましたので、今日御承知のようにロランCの設置ということに踏み切ったわけでございます。
○新村委員 施設は軍事目的と思いますが、これはアメリカの極東戦略なんかとも当然関係があるのだと思いますけれども、そこの関係について伺いたいと思います。
○広田説明員 地位協定の二条一項で使用を許される施設、区域でございますので、これは申し上げるまでもなく在日米軍陸海空の所属の施設でございます。そういう意味で軍事目的と言われればそのとおりでございますが、ロランは一般の船舶及び航空機の安全航行のための無線航行援助施設だというぐあいにも拝聴しておりますし、事実、私どもが調べた結果もそのとおりでございますので、そういう意味ではもちろん陸海空在日米軍の航空機、船舶の目的ではございますが、そういうロランCを受信する施設を有しておれば、一般の船舶も航空機も利用できると承知しております。
○新村委員 柏の場合には従来基地がありまして、その中へつくるわけですからそのまま移行してしまったわけですが、八丈島においては、ロラン計画が発表されるや、住民の反対によって設置が不可能になってほかへ行ったというような話がありますけれども、そこらの経緯について伺いたいと思います。
○広田説明員 八丈島につきましては、昭和三十六年から七年にわたりまして新しく施設、区域を設置するということでございますので、関係市町村はもちろんのこと、地元の住民の方の御同意を得なければ設置できないということでございました。柏の通信施設につきましては、すでに地位協定二条一項の通信施設ということで提供しておりますので、恐縮でございますが、大きく申し上げれば安保条約の六条の目的にかなった施設、区域として開設されておるわけでございますので、それに反しない目的の施設、区域であるならば、地位協定の三条によって米軍がそういう種類の施設を設置することは許されるというぐあいに解釈しております。
○新村委員 この局を設置するときに、米軍は日本政府に対して、これは日本政府がやってもいいのだ、日本政府がやらないかという勧告というのか何というのかがあったというふうにも聞いておりますが、そこらの真偽について伺いたいと思います。 それから、現にロランAというのを海上保安庁で実際にやっておりますね。ですからCについてもこれは日本政府の手によってもやればできるのじゃないかと思いますけれども、そこらの辺を伺いたいと思います。
○広田説明員 本件のロランCにつきまして日本政府で設置しろという要望が米側からあったとは私どもは承知しておりません。 それからロランAでございます。これは私どもが承知しておる範囲でございますが、現在海上保安庁の方で十カ所持っておるそうでございますが、どういうぐあいになっておるか、私どもの所管でございませんので承知しておりません。 ただ米軍としましては、現在日本の国内ではロランC施設は北海道の十勝太から沖繩、マーカスを入れまして四カ所、柏を入れますと五カ所になるわけでございます。それからロランAは二カ所持っておると承知しております。
○新村委員 ロランCの運用ですね、全体の系統の運用を日本で積極的にやろうとするお考えがあるのかどうか。またやれるとすればアメリカと交渉してこれはやるべきだと思いますけれども、そこらのお考えはいかがでしょうか。
○小池説明員 お答えいたします。 このロラン施設はあらゆる船舶、航空機に開放されております航行援助施設でございますので、日本では海上保安庁の所管ということになっておりまして、ロランCにつきましても、このロランチャート等はすべて海上保安庁から出され、もろもろのことは海上保安庁の水路通報あるいは航行警報、そういうもので出されておるわけでございまして、防衛庁としては、実は本件の所管庁ではないのでございますけれども、本日海上保安庁から参っておられないようでございますので、私どもの承知しておる範囲といたしましては、特にロランCを日本側で設置、管理運用したいという積極的な意向があるということは、防衛庁としてはそのようにはいまのところ承知しておらないわけでございます。
○新村委員 これは、現地の状況は百八十七ヘクタールの基地がいままであったわけですけれども、その真ん中へロラン局が今度できるわけです。そうしますと、返還は周りだけを返還する、ドーナツ状に返還されるということで、返還を受けた地元も利用に非常に困るわけです。それから中心の立ち入り禁止区域の周りに緩衝地帯というのがありますけれども、緩衝地帯については全然何の施設もないし、利用できるわけなのですね。ですから、もし日本でやっているとすれば、これはもっともっと地元に都合のいいような設置ができるし、また運用もできるはずなのですけれども、これが米軍であるために地元としても非常に迷惑をしているということがございます。まずそれだけをお伺いします。
○広田説明員 当初返還するに当たりましても、できるだけそういうような残地的なことがないようにもいろいろ私どもも米軍とも検討いたしたわけでございます。何分中心から三百メーター、半径三百メーターでございますが、合計しますと直径六百メーターになるわけですが、これはどうしても専用地区として確保しなければいかぬ。それからさらに二百メーター、そうしますと、幅、中心から五百メーター、いずれも約でございます。約五百メーターの円を描く場所をあの柏の中に求めるといたしますと、ずらしましても、どうしても中心部に寄らなければいかぬような地形になったということがはなはだ結果的に残念でございます。 それからもう一つは、現在あのやや中央部分を中心といたしまして従来の通信施設の建物がございますが、米軍といたしましてもこれを改修いたしまして、できるだけ利用したいというこの二つのことから、地形上とれなかったというのが実情でございます。 ただ、先生ただいま言われました半径三百メーターの地点につきましては専用でございますが、あと差の二百メーターの緩衝地帯でございますが、これが約三対六ぐらいの比率になると思いますが、その分につきましては、もしも地元関係で御利用願うとか何かのお話がございますれば、私どもとしては十分御協議を申し上げたいというぐあいには思っております。
○新村委員 緩衝地帯については利用は可能であるということですね。(広田説明員「御協議申し上げたい」と呼ぶ) それから、それと関連しますけれども、この基地の中に自動車教習所があるわけですけれども、この自動車教習所は直接この立ち入り禁止区域に接しておりますね。ですから、そういう意味から言って、緩衝地帯は地元の利用も可能である、そういうように承知をいたしたいと思います。 それから、こういうことになりますと、現在指定をされております立ち入り禁止区域、直接使う区域については、地元としては今後ともこの返還に努力をしたいということで運動を進めておるわけですけれども、全面返還の見通しはいかがでしょうか。
○広田説明員 ただいま御説明申し上げましたとおり、これから約、来年の秋ごろにかけまして施設、区域としてまた新しくそういう施設をつくるということでございますので、将来の返還の見通しと申しますと、私のような立場では全然お答えできないわけでございます。
○地崎委員長 加藤万吉君。
○加藤(万)委員 柏の通信施設でもそうだと思うのですが、基地がある都市、地方自治体と、それから新設の基地機能ができる場合に、必ず何か覚書を結んでいるのですね。私はいまここに座間市のものを持っています。これは自衛隊が移駐をする場合の覚書ですよ。あるいはその他米軍の新しい施設ができるときは必ず何かしらの覚書を結んで、そして地方自治体に受け入れをさしている。しかし、最近どうなんですか。いまの柏の通信基地もそうだと思うのですが、渕野辺キャンプのときも確かに回りには緩衝地帯ないしは大丈夫だという地帯があるのですが、たとえば耕運機を使っても火花が出るから、通信機能に影響があるということで当時は使わせない。アイロンもそうだった、螢光灯もそうだったというような形ですね。したがって、実際は緩衝地帯を設けるといっても、事実上はその緩衝地帯が使えない、そういう条件になるのではないでしょうか。したがって、勢いたとえば返還を予定をされる地域でも、住民の側から逆に今度は二階屋をつくってしまう、三階屋をつくってしまう、そういう形でやや住民パワーによって基地機能を事実上返還をさせる、そういう動きになっているのではないでしょうか。そこで、私はそういう覚書を結ばれる条件に、最近たとえば自衛隊の移駐の問題を含め、あるいは米軍の機能変化の問題を含めて地方自治体との覚書がやや薄らぐ、そういう方向に強くあるのではないかという感じが強くしてならないわけですが、この点はどうでしょうか。
○広田説明員 私、大変地位の低い者でございますので、施設庁あるいは防衛庁の立場における覚書の取り扱いということについては明快な責任あるお答えはできないかもしれませんが、(加藤(万)委員「防衛庁ではない、施設庁だよ」と呼ぶ)施設庁でございますが、お答えはできないわけでございますけれども、通常たとえば先生、いま具体的に例として挙げられたわけでございますが、米軍施設に自衛隊が入るという場合は、やはり地位協定上は二4(b)あるいは二4(a)とかというような手続によらなければいかぬということにもなりますし、それから米軍に提供しているのに自衛隊が入るということは、周辺地域の住民の方たちから見ましても約束が違うということになるわけでございますので、そういう場合には施設庁としては意を尽くしまして、地元関係の方々と御協議を申し上げ、当然条件的なものあるいは覚書を取り交わさなければいけない分についてはやっているというのが、私がいままで施設庁におりまして見ておった実態のように拝見しております。そういうことでございます。
○加藤(万)委員 ぼくは覚書をずっと見まして、大体前半の部分は防衛施設庁のサンプルですよ。たとえば住民に御迷惑をかけました、いままでの協力ありがとうございましたというような調子で。そして後半の具体的な部分になってくると、それぞれの具体的条項になりますからこれは変わるのですが、たとえばここにあるのは座間市と横浜防衛施設局との覚書の取り交わしの文書ですが、第二条に、キャンプ座間の基地縮小については最大限の努力をする、こう書いてあるのですね。恐らくこの第二条的文書は、各地でも同じような文書の締結をされているのではないかと思うのです。 そこで私は具体的な一つの例を挙げて、これはどうなるのかということをお聞きをしたいと思うのですが、米軍の医療センターが今度返還になりますね。私は今年の予算委員会でお聞きをしましたけれども、五十一年度三億円、五十二年度二十六億円の調査費をつけて返還をするということが大体決まった。しかし、当時の高島政府委員の発言では、この医療センター、昔の悪名高い在日米陸軍四〇六部隊ですかがあったところですが、これが五十三年度に返還をされるという見通しが大体立ち、その移転先が当時の国会の答弁ではわからない、こういうことでしたが、現在ではどうなっているのでしょうか。
○近藤説明員 相模原にございます医療センターにつきましては、本年の三月に先生から御質問をいただいておりますが、その当時の状況はいま先生がおっしゃいましたように、移設先等の具体的な状況について米側と協議中でございまして、米側といたしましてもまだ十分な検討が固まってない状況でございました。その後、米側内部の検討も進みまして、このほど米側の方から一部につきましてはキャンプ座間、これは診療所、隊舎等でございます。それから病院等一部につきましては横須賀海軍施設の方に整理統合したいという具体的提案がございまして、種々調整した結果一応の調整が整いました、そういう状況でございます。
○加藤(万)委員 医療センターが横須賀と座間にそれぞれ医療機関と診療施設という形で分けられるわけですが、座間の場合は診療施設じゃないのじゃないですか、研究機関じゃないですか。
○近藤説明員 現在、座間に移設を計画しております施設は診療所それから下士官宿舎それから食堂、体育館、それから将校宿舎、これは改修でございますが、大体そういったような内容でございます。
○加藤(万)委員 今年度の予算で二十六億一千八百万調査費をつけましたね。当時私が聞きましたときには大体あと八十億くらい予算が必要だろう、こう言われておりましたが、今度そういう形で防衛施設庁と米軍との話し合いがついたということになると、当然予算が大蔵省に請求されているというように思いますが、総額幾らですか。
○近藤説明員 相模原医療センターの移設に関しまする五十三年度概算要求の予算でございますが、これは先生御承知のとおり特別会計でございます。防衛施設庁としまして大蔵省の方に出しておるところの概要を申し上げたいと思いますが、まだ政府案としての決定前の段階でございますので、大まかな数字で御了承いただきたいと思いますが、昭和五十三年度には歳出額で約四十五億円程度出しております。したがいまして、残りの額は、ことしの三月に御説明いたしましたときに大体八十億円程度というように申し上げておりましたが、それは工事費の額で申し上げておりましたが、事務費を含めますと、これもごく大まかな数字でございますが大体九十億ちょっとになるのではないかと思います。
○加藤(万)委員 いまお話がありましたように総額あと大体九十億、事務費を含めて追加ということですね。そうしますと、工事費から見ましても、いま診療機関、米軍兵舎あるいは食堂の改築、恐らくいままでの旧陸軍士官学校が使っておった当時の木造建築から鉄筋コンクリートに改造されるものだというように推定されるわけです。そうしますと、座間の市民にとってみれば基地の縮小あるいは先ほど覚書がありましたように、基地の縮小に最大限努力をするという傾向から、木造から鉄筋化するということは恒久化につながるわけですし、結果としては基地の定着化、拡大化、そういう方向に向かう、そういうことになるのじゃないでしょうか。たとえばいま言った、私は研究機関だというふうに実は推定をしておったのですけれども、診療所がつくられるということになりますと、一方における、神奈川県全体で医療センターを抱えるわけですから、そういう面では縮小になるわけですが、座間の当事者と結んだこの覚書の範囲からいけば、基地の定着化あるいはその新しい診療機関を導入することによって拡大をする、こういう方向になるわけでして、地方自治体の結んだ覚書と防衛施設庁との間のこの覚書は違反する、背信する、こういう行為になりませんでしょうか。
○近藤説明員 四十六年の自衛隊が参ります当時に、先生おっしゃるとおり座間基地の縮小について最大の努力をするということを申し上げておるわけでございますが、これにつきましては、その後も一部施設の返還等、地元の要望の趣旨をも踏まえまして逐次実施してきておるところでございます。 ただいまの古い建物のかわりに新しいものをつくるということにつきましては、米軍の基地を維持するために旧軍時代の古い建物が使えなくなって、これを新しくするというようなことも含めまして、恒久施設をつくることがあり得るわけでございまして、そのこと自体がいま申し上げた覚書の趣旨に沿わないということにはならないのではないかと私は思っておる次第でございます。 なお、今後も基地の縮小という点につきましてはできるだけの努力をいたしてまいりたいというように存じております。
○加藤(万)委員 関連質問ですからこれでやめますけれども、古いものを新しいものに建てかえるのは基地の拡大にはならないとぼくは思うのです。しかし、いままで診療機能というものがなかったのですから、それを持ち込まれるということは結果的にはその部分だけ機能としては拡大することになるでしょう。 そこで、これは大臣、ぜひお聞きいただきたいと思うのですが、相模原でも同様趣旨のような覚書というのはあるのですね。これは推定ですが、恐らくそういう覚書は地方自治体と施設庁の間で各地で結ばれていると思われるのです。もしそういう中でいまのようなことが起きてきますと、防衛施設庁の行為に対して町民の側からいけば不信行為になるわけですから、うちの市長さんと防衛施設庁と結んだ、基地がだんだん縮小していくんだろう、ところが、結果として新しい機能がどんどん拡大されてくる、こういうことになると地方自治体の長としてはたまらぬわけですよ。いままでそういうことで町民を納得させ、自衛隊の移駐も認めましょう、こういうことで、だんだん縮小になっていくのですよ。ところが、ふたをあけてみれば、基地はだんだん木造から鉄筋になってくる、鉄筋の上に今度は診療機能が入ってくる、こうなってくると、だれが見たって基地の縮小ということにはならぬのですよ。したがって、私は、そういう意味で市民の中、国民の中から防衛に対する、あるいはそういう市町村の覚書そのものに対する不信行為が生まれることは率直に言ってゆゆしいことだと思いますので、ぜひ閣議もしくは防衛施設庁で、いろいろな関係が自治省はあるわけですから、そういう際にはそういう覚書を完全履行できるように大臣の方からもお話し合いをしていただきたい、このことをひとつお約束をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○小川国務大臣 これは具体的な事情、事実のいかんによるものでございましょうけれども、仮に覚書の趣旨に正面から背反するようなことが行われるということになりますると、これは問題でございましょうから、さようなことが起こりました場合には自治省として必要な調整の努力をいたしたいと存じます。
○新村委員 もう一点だけお伺いしたい。 それは、いままでの基地の時代に、その一部が自動車教習所に使われたという事実があるのですけれども、これはどういう経過で許可になったか、われわれには不思議なんです。今後、立ち入り禁止区域、米軍に貸しておる地域ですけれども、この地域についても場合によっては相手との協議の結果では借り受けをして使用することができる、そういう可能性があるかどうか伺いたいと思います。 それから大臣に伺いたいのですが、いま大蔵省の方針としては有償三分割なんですけれども、現在の地方財政はとても有償の負担には耐えられないわけです。それに対する何か長期の起債であるとか特別の措置をお考えですか、お伺いしたいと思います。
○広田説明員 専用地区に対する将来の利用の可能性につきましては、現在のところ大変申し上げにくいのですけれども、専用にさせていただきたいと思うのでございます。そうでないところにつきましては、十分御相談申し上げたいと思っております。
○山本(悟)政府委員 基地の返還跡地の利用の問題でございますが、地方団体が有償でそれを取得するという際には、施設の使途がはっきりいたしておりますれば、それぞれのものにつきましては、たとえば学校なら学校の用地の取得債というような、いろいろな事情があると思いますが、用途がはっきりしないで一括して取得をするというような場合は用地の先行取得債、こういったものによって処理をしていきたいと思います。
○新村委員 それではとても自治体の負担に耐えられないということを申し上げたわけです。これはまた後で結構でございます。 それから、さっきちょっと申し上げたように基地の一部が使用されていたということですけれども、これについての経緯なりその事情についてはおわかりでないでしょうか。
○広田説明員 自動車教習所につきましては、実は細かい当時の経過を現在持ち合わせておらないのですが、米軍の使用された状態におきまして通信機能に支障を与えないということから、地位協定上の二条四項(a)による共同使用という形をとったと承知しております。それ以上詳しいことは、先生もし経過が御必要であるならば、後ほど細かい御説明は申し上げたいと思いますが、そういう使用状況でございました。現在は返還になっております。
○新村委員 防衛庁、防衛施設庁の皆さんにはどうもありがとうございました。私に関しては以上で終わります。 次に地域の問題で、やはり公共事業の問題なんですが、東京外郭環状線国道二百九十八号というのがございますが、これにつきましてはかねてから住民、県、関係市がこぞって反対ということで当局にも強く計画の撤回をお願いいたしておったわけです。この計画は、人口稠密地帯、千葉県の市川、松戸市中を通過するわけで、とうていこういう大規模な道路建設が不可能であると思われるわけですけれども、この計画を撤回するお考えはございませんか。
○渡辺説明員 ただいまお話のありました外郭環状線につきましては、大きな首都を抱えておりますので、どうしても各地から放射状に入ってまいります幹線道路の交通を適切に分散導入を図る、あるいは東京に全く用のない車はこれを通してバイパスさせてしまうという機能を持っておりますので、首都圏にとりましては欠くことのできない重要な施設であろうかと思います。 そのような意味合いで現在、この道路につきましては、首都圏整備計画におきましても整備の促進が図られておるわけでございまして、建設省といたしましては四十五年度から、国道二百九十八号線ということで一部を指定をいたしました。国道十七号から湾岸道路に至る間でございますが指定をいたしましてその促進を図ってまいりました。埼玉県につきましては、すでにもう一部区間を使えるようになったというような状態でございます。市川、松戸地区につきましては、昔から非常に人家密集でもございまして、反対があることは十分承知しておりますが、今後とも環境対策等を十分考えながら、また地元公共団体等とも連絡を密にしながら、これは必要なものでございますので建設を進めてまいりたいと考えているわけでございます。
○新村委員 この計画の策定に当たって、住民や地元の団体とどういうふうに交渉なさいましたか、またどういう配慮をなさいましたか。
○渡辺説明員 通常やっておりますように、工事の説明会等を数次にわたって各地区で行っております。また関係の市議会懇談会であるとか、そういったところにも御説明を申し上げておるわけでございます。ただ、特に御指摘の地域につきましては現在のところ、特に市川地区で非常に反対が強いというような情勢もございまして、現在はそういう御説明を一たん、やや中断しておるような形になっております。
○新村委員 この計画に基づいて五十一年度までに実際に執行した事業量あるいは金額、これを伺いたいと思います。
○渡辺説明員 四十五年度から五十一年度までに、全体で百六十五億円使っております。この内訳といたしましては、埼玉県下が大部分でございまして百五十八億円、それから千葉県下が七億円、こういうことになっております。 その年度別の内訳も申し上げますと、四十五年度が三億円、四十六年度が五億二百万、四十七年度八億七百万、四十八年度十五億七千三百万、四十九年度二十五億九千九百万、五十年度五十二億五千四百万、五十一年度五十四億四千七百万でございます。なお五十二年度につきましては、五十八億円という予算でございます。主として埼玉県内におきます用地買収それから埼玉の安行地区の工事、それから千葉県内では、都市計画決定がしてございますので買い取り請求がございます。これに対応するといったようなものをいたしておるわけでございます。
○新村委員 五十二年度の執行の見通し、それから五十三年度はどういうお考えであるかお伺いします。
○渡辺説明員 五十二年度は、ただいま申し上げましたような埼玉県下に主として用地工事がございます。千葉県下におきましては、まだ正式に始めたわけではございませんけれども、一部の江戸川の架橋に着手をいたしたいと思っております。そういうことになりますと五十三年度も、引き続き工事を実施することになろうかと思います。
○新村委員 八十国会の参議院の予算委員会第三分科会におきまして、長谷川国務大臣の答弁に、今度行おうとする道路のやり方は、いままでどこでもやったことのない方法を考えておるというふうな御答弁があるわけですけれども、これはどういう工法であるか、またできればその構造の概要を伺いたいと思います。
○渡辺説明員 市川市内の約十一キロメートルがただいまお話のございました区間かと思います。この区間につきましては当初、専用部分を四車線、一般道路を四車線、合計八車線ということで考えていたわけでございますが、環境の保全を図る必要があるということから構造を見直すことにいたしまして、八車線をやめまして専用道路六車線ということに直したらどうかということを検討しておるわけでございまして、かつ、平面道路、高架道路ということではなく、地下にもぐらしまして、その上に、私どもスリット構造と申しておりますが、ほとんどふたをかぶった状態で真ん中に細長い穴があく、こういう構造を考えているわけでございます。 そういたしますと、全体の幅といたしましては、市川区間では都市計画幅が四十メートルでございますが、その地上部分につきましては、周辺の住民の方々の利用に供するいわゆる生活道路をつくることができる、あるいは木を植えましたり、自転車・歩行者専用道路といったものを設けることができるわけでございますし、また、細長いスリットといいます穴は排気ガスの排除のためには必要でございますけれども、場所によってはふたをかけることもできるわけでございますので、こういったところを公園とか緑地に利用することも可能になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○新村委員 そうしますと、必要によっては完全にふたをかける、ですから、完全地下道になるということですか。
○渡辺説明員 特に交差する道路がありますような周辺につきましては、当然その道路のために橋をかけるといいますか、完全にふたをしなければいかぬわけでございますので、そういったところの周辺についてはそのような構造も考えられるのではないかと思っております。
○新村委員 それで果たして住民の納得が得られるかどうか、自信がおありでしょうか。 それからまた、最後にお伺いしますが、このような工事については、やはり何と言っても地元の住民、自治体がこぞって疑問を示して反対しているわけですから、どうしても完全な合意がなければ実行ができないと思いますが、住民、自治体と完全な合意がなければやらないというふうにお約束がいただけますか。
○渡辺説明員 一つの例として先に埼玉の方を申し上げたいわけでございますが、埼玉も先ほど申し上げましたような、当初計画は平面道路と高架道路という計画でございましたが、埼玉の方ではこの道路は必要だというような御要請もございまして、実は環境を十分考慮しましたものに内容を少し変えたわけでございます。変えた上で、現在本格的な用地買収、工事を進めて、先ほど申しましたように、安行につきましてはすでに八百メートルほど使える状態になっておる、こういうことでございます。 千葉県区間につきましても、ただいま申し上げましたような地下のスリット構造といったものを大幅に採用しました計画、いわゆる修正計画を県御当局の方にお示しをいたしまして、いまいろいろ御意見を伺っておる段階でございます。 こういったことで、県の方としましては、当然関係の市町村あるいは住民の方々にもお話しになるかと思いますが、私どもも必要であったらいつでも説明会に参りますけれども、そういったことで密集地の方々は非常に御心配になっておりますが、私どもといたしましては、これらの説明等を通じまして、この路線の必要性、その環境対策の結果がどうなるということについて御理解を得ながら進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○新村委員 そうしますと、住民、それから自治体との合意がなければ強行しないというふうに理解してよろしいですか。
○渡辺説明員 最近はもう全部、大規模なものにつきましてはそういうことになっておりまして、実は先生も御承知のとおり、私は地元の所長もいたしておったわけでございまして、中には、もう十年以上にわたって交渉を続けたものもあるわけでございますが、完全に最後の一人までということはあるいは無理かもしれませんが、大多数の方の御納得をいただけるような状態にまで持っていきつつ仕事を進めてまいりたいと思っております。
○新村委員 公共事業というのは、要するに国民の福祉のためにおやりになるわけですから、ぜひひとつ地元住民、自治体と完全な合意のもとに仕事を進めていただくようにお願いをいたしたいと思います。 最後にもう一つ、同じ道路の問題ですが、常磐高速自動車道路というのがございますけれども、この道路がまた、千葉県の市街化の人口棚密地帯を通過する部分で非常な困難に直面をいたしております。これについては、前にも公団当局にお願いをいたしまして、地元との完全な合意のもとに、公害を完全に防ぐ形でやっていただくようにお願いしたわけですけれども、その後の経過、事情について伺いたいと思います。
○大塚参考人 お答えいたします。 常磐道の流山地区は、いま御説明がありましたように非常に住宅の密集地でございまして、そこの道路構造につきましては、私ども特に意を用いまして、いろいろ検討し、あるいは実験も行いまして、そして一番いいと思われる構造を選びまして、昨年十一月に半地下構造というものを提示いたしました。しかしながら、一部住民の方々はこの構造になお不満を持っておられまして、あくまで地下道方式というものを要求されておられます。公団といたしましては、半地下構造というのはこの地区で一番望ましいというふうに考えておりまして、いわゆる関係の機関の御理解を得るように現在協議を努めております。 最近、江戸川のこちらといいますか、流山側でございますが、流山の農村地区につきまして、九月に流山市の方に協議を申し上げましたところ、その農村地区につきまして設計協議をしてもよろしいという市及び市議会の同意が得られまして、現在、設計協議を進めておる段階でございます。 いまの住宅地域につきましては、先ほど申し上げましたように、その半地下構造について御了解を得るように、市及び議会等にお話を申し上げておるところでございます。 なお、用地買収につきまして、隣接しております柏市におきましては、伊勢原と西原地区におきまして、十月二十一日に合意に達しまして、現在、一部用地買収を進めております。流山につきましても、引き続いて用地買収に着手していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○新村委員 公団の御努力はわかるのですけれども、まだ現在の構造では住民の合意は得られないということですね。
○大塚参考人 はい。
○新村委員 なぜもう一歩進めて、ふたをする完全地下道方式ができないのか、その理由を伺いたいと思います。
○大塚参考人 道路といいますのは、鉄道と違いまして走る車が排気ガスを出しますので、たとえばトンネルにいたしますとか、あるいはふたをかけますとどうしても排気ガスがたまる、また、騒音も一カ所に集中して、たとえばふたをかぶせたその両側の出入り口のところの騒音が非常に大きくなるというようなことで、住宅地においてはそういう構造は非常に向かないというふうに考えております。また、それを長くトンネルにいたしました場合は、もちろん住宅地域はそういう影響はなくなりますが、今度は出ました排気ガスを完全に集中して一カ所に出すものですから、その地域の公害、いわゆる二次公害というのが生じてくるわけでございます。そういう意味で、トンネルといいますか、ふたかけ構造で密閉にしない方がいいというふうに考えておるわけでございます。 騒音につきましては、穴があいておりましてもなるたけ消すという方法を実は実験等で研究いたしまして、現在示しております両側、立ち上がりましてちょっとひさしを出す。それから中央分離帯に柱を立てまして、上にひさしを出す。そして車道のところはあけております。しかしながら、内面には音を吸収する吸音板というものを張りました。それで音は相当減殺できる。やはりあいているところから若干音が出るものは、この遮音壁というものを立てまして防ぐことによりまして、いわゆる環境基準を満足するような五十ホン以下の音に抑えることができる。 排気ガスにつきましては、やはり集めるということをできるだけやめて、道路の延長上でなるたけ希釈をするという方が一番適しているというふうに実は考えております。 それからもう一つ、トンネルといいますか、そういう密閉されたところに入る交通のことを考えますと、運転者はそれだけ非常に圧迫感を感じるものです。われわれもよく運転しておりますが、トンネルに入りますときはどうしてもスピードが落ちるというようなこともありますし、それからアメリカあたりでよく言われておりますが、女性のドライバーというのは、トンネルに入るのを非常にこわがるというようなこともございまして、トンネルというのは、そういう明るいところから暗いところに入るということもありますが、やはり潜在的な事故の発生という危険性を持っているだろうと思います。それからもう一つ、トンネルの中で事故が万一起きた場合、火災を生じたりあるいは大きな追突が二、三つながるというようなことになった場合には、これまたトンネルの中では非常に救助活動とかそういうものに対しては抑制されることになりますので、そういう面からも、もしトンネルでない構造でいける場合には極力トンネルを避けたい。これは、恵那山とか大きな山脈がありましてそこをどうしても抜かなければいかぬという場合にはやはりトンネルに頼らざるを得ませんが、それ以外のことで十分済ませられる場合には、トンネルというものをなるたけ避けていきたいというふうに考えておりまして、そういう観点からここの区間についてはトンネルあるいはふたかけ構造というものを採用したくないと思っております。
○新村委員 土地の状況からいたしましても、これはトンネルあるいは完全なふたかけでなければ、とうてい環境を守ることができないし、住民の納得も得られないのではないかと思います。いま騒音というお話がありましたけれども、騒音についてはふたかけを断続的に細切れにやるのではそういうことになるかもしれませんけれども、一定の区間をふたかけをするということであれば、出入口の騒音というのは問題がないと思います。それから排ガスについては、そのままではこれは問題だと思いますけれども、排ガスを処理する施設が十分いまの技術では可能でありますから、それによって中の排ガスの処理は完全にできるのではないか。それから、何よりもこういう地下道の例がほかにございますし、あそこの地区もそんなに何キロもの長い区間ではございませんで、技術的には十分できるし、また、騒音、排ガスあるいは運転者の安全という点からしてもそれを防止をする手だてが十分あるのじゃないかと思いますけれども、それを伺いたいと思います。
○大塚参考人 いま先生言われましたトンネルが長くなった場合の排気ガスの問題、これは現在の技術ではなかなか完全に浄化するということはむずかしいのじゃないかと思います。それから、現在首都高速で沈埋をやりました東京のあそこのところの沈埋の区間では、約千三百メートルほどのトンネルでございますけれども、その浄化処理に非常に大きなタワーが立っております。ごらんになればわかると思いますが、高さ約五十メートルぐらいのタワーが立っております。そういうようなものをああいう住宅地の真ん中に立てるということも、今度は周囲の環境から言いましてやはり似つかわしくないし、環境を害するというふうな感じがいたします。 それから、先ほど申し忘れましたけれども、現在われわれの推奨しております半地下方式につきましては、陸上に上がっております上の部分の両側二十メートルの区間をいわゆる環境緩衝地帯ということにいたしまして、できれば緑の地域にしたい。それが一つの拡散の余裕幅というような形にもなりますし、それから先ほど申し上げましたように両側に立ちます遮音板も、中に吸音板を入れますことによりまして非常に低いもので足りるという計算結果になっておりまして、住宅から見た場合の美観も決して損なうものではないと思います。そういうことで現在はいまのトンネルをやめて半地下方式にしたいというふうに考えております。
○新村委員 技術的には十分可能だという調査の結果があるわけですね。そして現在の設計でも七メートル掘り下げるという構造ですから、あと一歩進めて、その上にふたをかけるだけで住民に完全に公害の心配をさせないで済むわけですね。そしてふたをかければ両側の緩衝地帯は要らなくなると思います。要らなくなるはずですね。ですからその用地費もそこで節約をできるということで、経済的にもそれほど現在の設計に比べてよけいな経費を使わなくてもできるのではないか、そういうような試算も実は行われておるわけです。そういったことで、いまの設計にさらに一歩を進めて、全区域についてふたをかけてもらう、これをひとつぜひ再検討を願いたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○大塚参考人 先生いま再度申されましたけれども、私の方も実はいろいろ検討した結果、いまのわれわれの案がいわゆる環境を害するものでないというふうな自信もございますし、それからふたをかけ長いトンネルにいたしますと、やはり両側における二次的な公害の心配が非常にございます。そういうこと、それから、先ほど申し上げましたように、トンネルの中に入るという、いわゆる走行上からの危険性も実は余り軽視できないというふうに考えております。 そういうことで、構造につきましてはトンネルにするつもりはいまのところございません。そのことについて市あるいは県にいろいろお話をして、御了解をいただくよういま極力協議を進めている段階でございます。
○新村委員 道路は一回できますともう恒久的な施設ですから、その沿道の住民は長期にわたって被害を受ける、あるいは不利益な影響を受けるわけですね。これを施行者あるいはそれを利用する者、そして住民、自治体、これらが均等に負担をする、被害を受けるとすればとうてい住民の納得は得られないのじゃないかと思います。公団のいままでの御努力は十分理解できますけれども、さらに一歩を進めて完全なふたをしていただく、そうして住民と合意の上でこの事業を進めていただくように特にお願いしたいのですけれども、さらに再検討のお考えはございませんか。
○大塚参考人 いま、一応住民の代表であります流山市、それからその担当をしております自治体の千葉県、そういうところにわれわれの計画をよく御説明をいたしております。環境にも影響がないということもいろいろ御説明をしておりまして、まずその納得を得られるように努力をしていきたいというふうに考えておりまして、現在ふたかけに直接結論を出すというようなことは考えておりません。
○新村委員 それでは念のためにお伺いしますが、いろいろ経過があると思いますけれども、要するに、住民、それから自治体、これらとの完全な合意がなければ強行しないというお約束はできますね。
○大塚参考人 やはり、非常に大きな公共事業でございますので、自治体の了解がなくてこういう工事ができるとは思いません。住民の方の代表として、私どもは地方自治体あるいは市の議会等の御意見を聞いて、その御了解を得て仕事を進めたいというふうに考えております。
○新村委員 最後にお伺いしますが、住民は決してむちゃを言っているわけじゃないようですね。決してむちゃを言っているわけじゃございません。合理的な根拠に基づいて要請をしているわけですから、なおひとつ窮状を御理解をいただきたいと思います。 それから特にお願いをしたいことは、住民の納得がない中で強行しないということですね。すでにことしの一月ですか、測量で強行突破をされまして、現地では非常な混乱があったわけです。そういったことを絶対に繰り返さないように、住民との合意の上でなければやらないという基本方針を最後にもう一回確認しておきたい。
○大塚参考人 先ほど一月の測量のときのお話が出ましたけれども、実はこれも十二月になりまして市議会等にいろいろお話を申し上げて、そしてわれわれとしては御了解を得たという判断で測量を実施したわけでございます。ただ、やはり住民の方々の反対がございまして、一部実力行使的なことがございました。それはわれわれは特に協定に違反したとかいうようなことではございませんで、一応手を尽くして、そして了解を得て測量を実施したというふうに考えております。 それから、今後につきましては、先ほど申し上げましたように、市の御協力がなければ何もできませんし、住民の全部が、一人でも反対があったらやれないということじゃないと私も考えておりますので、住民の大部分の方が御賛成になり、かつ、市が御賛成になれば私どもは工事ができるというふうに考えております。
○新村委員 最後に、特に住民と自治体の完全な合意のもとにおやりをいただきたいということをお願いをいたします。 どうもありがとうございました。
○地崎委員長 これにて本案に対する質疑は終了 いたしました。 —————————————
○地崎委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○地崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○地崎委員長 次に、地方自治に関する件について調査を進めます。 この際、地方公務員法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、理事会等において協議が行われましたが、その結果に基づき、木村武千代君、佐藤敬治君、小川新一郎君、山本悌二郎君、三谷秀治君及び川合武君から、六党共同をもって、お手元に配付いたしておりますとおり、地方公務員法の一部を改正する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。 この際、その趣旨について説明を求めます。木村武千代君。
○木村(武千代)委員 地方公務員法の一部を改正する法律案の起草案趣旨説明をいたします。 お手元にお配りいたしてあります案文につきましては、先般来、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブとの間におきまして、それぞれ検討を続けておりましたところ、このほど意見の一致を見るに至りましたので、便宜私からその立案の趣旨及び内容の概要を御説明いたします。 本案は、各党の合意による案でありますので、各位の御賛同を得て、国会法第五十条の二の規定により本委員会提出の法律案とし、その成立を希望いたす次第であります。 まず本案の全文でありますが、これはお手元に配付してあります印刷物によることとし、朗読を省略させていただきます。 次に本案を立案した理由を述べますと、本案は、特別区の規模及びその特殊性にかんがみ、特別区が条例で人事委員会を設置することができる道を開こうとするものであります。 御承知のように、現行法では特別区に公平委員会を設置することが義務づけられておりますが、昭和四十九年の地方自治法の改正により、特別区について区長公選、保健所の移管など事務、事業の増大、配属職員の身分切りかえ等が行われるとともに、原則として市に関する事務を処理することとされ、特別区は実質的に完全自治体としての性格をきわめて強くしてきております。その人口規模も大は七十万人を超える状況でありまして、これまでの都・区における人事行政の歴史的沿革や特別区における公正な人事行政の確保を図る趣旨から申しましても特別区に人事委員会を設けることは適切な措置と考えられるのであります。 次に、その内容を申し上げますと、現行法では地方公務員法第七条第三項の規定により特別区は条例で公平委員会を置くこととされておりますが、これを改正して特別区に人事委員会を置くことができることとするものであります。 以上が本案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞ全会一致で御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手) ————————————— 地方公務員法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○地崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 地方公務員法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○地崎委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明二十八日午前九時四十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会 ————◇—————