商工委員会 第10号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/11/22
会議録
○武藤(嘉)委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長が都合によりおくれて参りますので、その間、委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。 内閣提出、中小企業倒産防止共済法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田治一郎君。
○前田委員 時間がありませんので、端的にお尋ねしますから、手短にお答え願いたいと思います。 まず、この法律の中で「共済金」という文字が使われていますが、「共済金」とは何でしょうか、お尋ねいたします。
○岸田政府委員 この制度におきまして「共済金」と申しますのは、該当する中小企業者が掛けました掛金につきまして、一定の事由が発生いたしましたときに、その掛金を原資として当該事由の該当者に対して給付する金でございます。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、中島(源)委員 長代理着席〕 具体的には、法律の定めるところに従って貸付金の形で給付されることになっております。
○前田委員 関連した問題でありますけれども、これの立案者は損害保険等の保険とこの共済とどういうふうに区分してお考えであるか。言いかえますと、この法案のねらっておるところは保険なのか共済なのか。私が読んでみて、中に非常に混乱している節があるように思いますので、その辺の見解をお尋ねしたいと思います。
○岸田政府委員 私ども、この制度を立案いたしますときにいろいろの構想を研究いたしました。お話しございましたように、保険という方法をとれないかという点もいろいろ研究いたしましたものの、いま考えております前提からいたしますと、なかなか保険制度というものが有効に成立しにくいという判断をいたしまして、共済という方式をとったわけでございます。 共済方式の基本的な骨格といたしましては、参加する事業者が自分で積み立てた金を運用しながら、その全体の収益及び一部元本を原資として、相互扶助の精神をもって助け合うというところが基本でございます。 本質的に申しまして、共済と保険との違いかどこにあるのか、これは学問的にもいろいろむずかしい問題があるようでございますが、私ども一応頭の整理といたしましては、いま申し上げましたようなことを念頭に置いて整理をいたしたつもりでございます。
○前田委員 自分で積み立てた金、みんなで積んだ金の中から、自分の積んだ額の十倍を限度として事情に応じて貸し付けを受ける。貸し付けを受けたお金はもらい切りじゃございません。保険の給付とか共済の給付じゃなしに、返済をしなければならない金である。もし期限までに返済を怠ったら一四・六%の大変高利の延滞利息を取られるという条件かついている。そういうふうな貸付金がこの制度の眼目でございます。だから私は、これは一体保険なのか共済なのかと考えてみたわけでありますけれども、矛盾があります。 たとえば、貸し付けをするのだけれども利息は取らない。利息を取らないというのは大変善政をしいておるようでありますけれども、実はその以前にたくさんの掛金をちょうだいしている。掛金の十倍まで貸すのだというのは、私をして言わしめれば、羊頭を掲げて狗肉をというその羊頭に当たるものでございまして、十倍まで貸すのだという打ち出しは非常にいいけれども、実際の貸し付けは実情に即してでございますから、たとえば連鎖倒産の場合、もらっている手形が仮に何万円かである、その何万円は自分が貸し付けを受け得る限度、十倍の半額であったとするなればその半額しか借りられないという条件がございますから、十倍というのは一種の見せ金である。 そのようにして借りる機会を持つ人は、現下の状況から見ましたらかなりたくさんあるでしょうけれども、少し平常に戻ったら貸し付けを受ける人は案外少ないのじゃないか。言いかえると、掛金がどんどんとたまるばかりであるという状況になってくるかもしれない。そのたまった掛金に対しては、この制度では利息はつきません。貸付金に対して利息をつけないから、掛金に対しても利息をつけないのだということであるかもしれないけれども、全然利息がつかない。 ところが、これ、いつやめるともいつやめていいとも指導がなされておりません。言いかえたら、六十回分を掛け込んだならばそれをずっと持続して持っておきなさいという指導方法がなされるのだと思います。そうすると、六十回分掛けたものを向こう何カ年か何十カ年かそのまま据え置くといたしまして、全然それに対する利息はつかない。一方、貨幣価値がもしどんどん下がってきましたら、掛金が目減りしていく勘定になりますけれども、それに対する考慮が払われていないという点で私は非常に疑問を持っているのですが、いかがなお考えをお持ちでしょうか。
○岸田政府委員 私どもも、貸付金方式をとるかあるいは渡し切り方式をとるかについては、ずいぶんいろいろ研究をいたしたつもりでございます。ただ、率直に申しますと、中小企業者の声をいろいろ聞いてみましたところ、取引先が倒産したときにとっさに金が欲しい、しかも相当まとまった金が欲しいという声が強うございます。給付する場合と貸し付けの場合では、事の性質上貨し付けの方がまとまった金が用意できるという点に着目いたしまして、それも一つの理由として貸付方式をとった次第でございます。 第二にお尋ねのございました、経済が落ちついた場合にはこの掛金が非常にたまってしまうのではないか、しかもそれが無利子であるという点についてどう考えるのか、この点につきましては、私どもは、今後の倒産の発生率あるいはそれに関連をして被害を受ける中小企業者の数あるいは貸付金の事故率等々、一定の前提のもとにこの制度を組み立てまして、一応十倍が限度であることを予定いたしておりますが、これは、この制度を発足いたしましてしばらく運営してみた上で、この経理に構造的に相当ゆとりがあるというような判断ができました場合には、たとえばいまの十倍というものを再検討するとか、その他給付内容の改善を図るとか、こういうような見直しが必要であろう、こう考えておるところでございまして、条文の中にもそのような見直し規定を用意した次第でございます。
○前田委員 実は、私はこの法案には総論賛成でございます。ところが、各論において疑問があるという立場でお尋ねをしておるのでありますけれども、五年ごとの見直し計算という条項がありまするから、五年間やってみてその時点で見直すのだとおっしゃればそれまでのことでありますが、私は、やはり発足に当たってその点は考えておくべきであるというふうな気がいたします。 また、給付じゃないのだから、貸付金だから、その貸付金に対して利息を取るという原則でいってもいいじゃありませんか。もし延滞をすれば延滞利息を一四・六%も取ると書いてあるのだから、だから通常の場合でも、たとえば国民金融公庫よりももっと安い、言うなればしるし的な利息でもいいから取ったらどうだろうか。自分の掛金を借りるのだから利息を取られるのはおかしいという考えがあるかもしれぬけれども、借りた金に対して利息を払うのは当然じゃないかという考え方、それで状況に応じて、中小企業に対して非常に過酷な情勢であると政府が判断した場合は、その利息補給を別途考えてもいいじゃないか、私はさように思います。そのかわりに掛金に対しては利息をつけるべきである。そして皆さんが目減りしないように、しかもいつでもそれを利用し得る状態で、六十回分掛けたなれば、それをずっと永年にわたって持続していくという考え方で加入されるような制度にすべきじゃないか、こう思うのです。 だから、もう原案ができているからいまから原案修正ができないとお考えでしょうが、近き将来において、掛金に対する利息をつける、また貸付金に対しては若干の利息をちょうだいするという物の考え方が正しいのじゃないかという私の意見に対して、どうお考えでございましょうか。
○岸田政府委員 私ども、倒産の実情を見ておりまして、一つの企業が倒産をするとその企業の取引先が非常に経営上困難に陥るという事例をたくさん見ております。往々にして高利の金に走ってみずからの経営体質を弱化させる、あるいは場合によってはそれが連鎖倒産に落ち込む、こういう事例をたくさん見ております。したがって、倒産対策につきましても、従来いろいろ万全を期しておりましたが、さらにそれを一歩進めることがどうしても必要であるということから、この制度を用意をした次第でございます。 したがって、この制度については、たとえ貸し付けの形式をとる場合におきましても、その条件だけはできるだけ有利なものにしようということでそもそも私ども考えておりましたので、御承知のとおり、無担保、無保証、無利子ということを一応の原則としてスタートさせていただいたわけでございます。 ただ、仰せられるように、貸付金について利息を取るというようなやり方をすれば、計算上は確かに貸付倍率をそれだけ引き上げる可能性も出てくるというような点もございます。これらの点につきましては、一番問題は、やはり中小企業者の意向あるいは動向であろうかと思います。したがいまして、法律を制定いたしました後にも、この法律を運用しながらその運用実績を見、さらに中小企業者の声も、この運用についてどう考えているのか、どういう感想を持っているのか、この辺もよく聞いてみまして今後の参考にしていきたい、かように考えております。
○前田委員 時間がありませんから、もう一点だけお尋ねをいたします。 私は、冒頭に、これは保険か共済かというお尋ねをしたのでございますけれども、たとえば解約の場合に、解約手当金を払い戻すことになっておる。その手当金は、掛金全額じゃなしに、何ほどか減額した額を計算するようになっておりまするけれども、その辺の考え方も私は実は了とできないのです。相手が中小零細業者であるということを忘れちゃいけない。だから、解約した場合には、将来における十倍まで貸してもらえるという権利は放棄なさるけれども、掛金はやはり減額せずに、掛けただけのものは返戻するという方が、この制度として私は望ましいと思うのです。そういうふうに将来見直していく、制度を改正していくというお考えはないでしょうか。
○岸田政府委員 一年以上経過した加入者に対しては、掛金の全部または一部を返済するという制度になっております。私どもは、五年たった加入者に対しては元本は保証するという形で運営をしていきたいと思っております。五年未満のものについて若干返還率が下がってまいります。これは、やはりこの制度が安定をしたものであってほしい、したがって、少なくともやはり五年を掛けるということを原則にしてほしいということを考えたことが一つの原因でございます。それをいたしませんと、入った、しばらくたってやめる、また入るというようなことでは、この制度自体が不安定になるという点が心配でございます。ただし、掛金の返還率につきまして若干目減りした分は、結局はやはりこの制度全体の原資につながってまいるわけでございまして、その分だけは、いざ困ったというときに応援をする原資になり得るという形であろうかと思っております。
○前田委員 私の質問はこれで終わりますけれども、たとえば第十一条に、解約の場合には解約手当金を支給するというふうな字句が用いられている。これもおかしいんでありまして、保険か共済かという質問もこの辺から出てくるのでありますけれども、こんな場合は支給じゃなしに、返還するとか還付するとかというふうな穏当な言葉を使うべきであって、まるで給料を支給するような言葉の使い方は私はおかしいと思うのです。言いかえると、せっかくのいい制度があちらこちらでちょいちょいと衣の下からよろいを出してしまって、言うなればおためごかしの制度というふうな味になってしまっておる。私は、それを非常に残念に思うのであります。 大変政府としてはいい思いつきであり、いい制度を実施に移そうとなさっておるのですから、そういう点、今後とも大いに補完してもらいまして、完全な、そして本当に中小零細業者が喜ぶような制度に仕上げてもらいたい、こういう要望をいたしまして、ちょうど時間が参りました、私の質問を終わります。
○中島(源)委員長代理 玉城栄一君。
○玉城委員 「この法律は、公布の日から起算して五月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」このようにうたわれておりますけれども、この政令で定める施行月日というのは、承るところによりますと四月一日というふうに伺っておるわけであります。そして、その三カ月後に実際の貸し付けがなされるというようなことになりますと、来年の七月、こういうことになるわけでありまして、現実にきわめて深刻な状態に置かれております中小企業の倒産の危機というものに対しては、現在は間に合わない、こういうことになるわけでありまして、私たちもかねがねこういう法律をぜひ制定すべきであると主張してまいりましたし、したがって、保険制度にすべきであるという主張をしてまいったわけであります。そのことにつきましては御説明もありましたけれども、現段階では共済制度で発足をしていくのだということでありますが、将来の問題としまして保険制度を検討するお考えがあるのかどうか、その点をお伺いをいたします。
○岸田政府委員 先ほども触れましたように、私どもも、この制度を研究いたします際に、いろいろの制度についてその可能性を探ってみたわけでございます。私どもも、保険制度ができないかということをいろいろ勉強いたしてみました。ただ、率直に申しまして、いまの段階では、一体保険の事故率がどのぐらいになるかということについて、確たる資料がないという点が第一の問題でございます。それから、もしやるといたしますと、相当安全度をとっておかなければならないということから、保険の料率が非常に高くなってしまわざるを得ないという点が問題でございます。 さらにまた、先ほど申し上げましたように、一定の給付を行います際に、やはり貸し付けによります方がより多くの金額を即座に用意できるという面もございまして、当面やはり保険制度というものはとりにくいのではないかと考えたわけでございます。 ただ、いまお話し申し上げた事故率の点等につきましては、この制度をかなり長く運用してそれらについて自信のあるような数字がもし用意できたという場合には、保険制度ということも可能になり得るわけでございます。この辺はしばらく制度を運営した上でさらに考えてみたい、かように考えておるところでございます。
○玉城委員 いろいろ技術的な問題があろうと思いますけれども、中小企業の方々の中には、いざというときに返済を考えなくてもよいいわゆる保険金として受け取りたい、そういう強い希望を持っておられる方々もたくさんいらっしゃるわけでありまして、ぜひこの点は今後の問題として御検討を願いたいと思います。 それからもう一点でありますけれども、この貸付枠の拡大の問題でありますが、現在の中小企業の倒産の方々が非常に負債額が大きいということからいたしまして、現在の最高の月二万円の掛金で千二百万円という貸付枠、これをさらに拡大をするお考えがないかどうか、その点をお伺いをいたします。
○岸田政府委員 毎月の掛金額を幾らにするかという点につきましては、私ども、当初は五千円コース、一万円コース、一万五千円コース、三つのコースを考えておりました。これを前提にして考えてみますと、仮に一万五千円コースを五年間掛けまして、それの十倍貸し付けられるということであれば、大体九百万円ということになるわけでございます。この原案をもとに中小企業者の意見を徴しましたところ、やはりもう一息高い給付が受けられるようにしてほしいという声が非常に強うございました。そのような声を受けまして、新たに二万円コースというものを設けて法案の中に盛り込んだ次第でございます。私どもも、一方では多い方がいいという声がよくわかりますものの、やはり貸付制度をとっておりまして、余り過大な返済を要請をするということもいかがと思いますし、また、それを超える部分については、一般の金融上の応援もかなり手厚く用意をしてある。いわば制度をスタートするときにはとりあえずこの辺からスタートしてみて、そして制度を運営した上でこの辺についてはまた検討する、こういうような方針をとりあえずとった次第でございます。
○玉城委員 この問題も、将来の問題としまして二十一条に制度見直し検討の条項もあるわけでありまして、今後の問題としまして貸付枠の拡大の問題につきましても、実情に即応した形でそういう方向で御検討されることを要望をいたしておきます。 この法案が成立をいたしまして、加入件数予想が大体十万件というお話があったわけでありますが、このことに関連をいたしまして、実はこれは特殊な問題としてこの法案の絡みもありますので、ぜひお伺いをしておきたいわけでありますけれども、十万件といいますと、たとえば沖繩県の場合、その十万件という積算の大体の目安があろうと思いますけれども、加入件数をどれぐらいに予想しておられるのか、お伺いをいたします。
○岸田政府委員 十万件の予想につきましては、特に県別のブレークダウンの数字は用意をいたしておりませんが、ただ、やはり沖繩県にもたくさんの中小企業の方々がおられ、しかもいまの経済情勢のもとでいろいろの不安を持っておられるということからしますと、やはり相応の加入者というものがあるだろう、かように考えまして、沖繩県に適用する場合にも必要な準備をいまのうちからやっておかなければならない、かように考えております。
○玉城委員 そこで、ぜひこの機会に、その沖繩の中小企業の問題につきまして通産省のお考えをお聞きをいたしておきたいのでありますけれども、沖繩の中小企業の倒産の問題につきましては、よく御存じのとおりであります。本土復帰後六年目を迎えた沖繩の九九・七%を占める中小企業の実態は、海洋博の後遺症、加うるにわが国経済の長期にわたる不況と、そして最近におけるこの異常な円高問題等により、企業倒産の続出、連鎖倒産の激発、失業者の激増等、経済的にはもとよりでありますけれども、社会的にも大きな不安と混乱に発展しつつあります。 ことしに入ってから沖繩の中小企業の倒産は、大型も含めまして十月末で負債額一千万以上が百九十二件、負債総額二百七億一千七百万円。これは昨年の海洋博関連倒産で史上最悪を記録した数字よりも、すでに件数でこの十月末現在で四十件も上回っております。さらに年末にかけて倒産の激発が予想され、きわめて深刻な、そして未曽有の危機に直面していると言っても過言ではありません。 通産省とされて、このような沖繩の中小企業の深刻な実態をどのように認識をされ、またどういう対策を立てておられるのか、お伺いをいたします。
○岸田政府委員 実は、昨年の秋に中小企業の全国大会が沖繩で開催されまして、私も出席をさせていただきました。その際に、現地の中小企業団体の方々にお目にかかって、沖繩経済の状況をいろいろ教えていただいた次第でございます。 当時は、沖繩海洋博後のいわば反動とでも申すべき時期でございまして、かなり大型倒産がたくさんございました。また、ホテル関係者等から、非常に切実な声もいろいろ聞かしていただいたところでございます。その後、大型倒産こそ減ったものの、お話にございますように、小型の倒産がかなりふえておるという実情も私、聞いております。沖繩経済自体をこれからどう持っていくのか、やはり考えておかなければならない問題がたくさんあるように思っておりますし、また、中小企業対策につきましても、特にきめ細かく配慮していかなければならないと思っておるところでございます。 沖繩関係の中小企業対策としては、御承知のとおり、沖繩金融公庫におきまして一般の政府関係金融機関よりもより安い金利を適用いたしておりますし、それから近代化促進法でも適用業種が一般よりも拡大をされておる等の面にあらわれておりますように、できるだけのことはいままでやっておるつもりでございます。ただ、金融的な手段だけではなくて、やはり私どもは、一つ一つ実情を話を聞いて、そして親切にこれからどう持っていくのかというようなことを相談に乗ってあげるということが、特に沖繩の場合大切なことなのではないかと思っておるところでございます。
○玉城委員 沖繩の中小企業の倒産のほとんどが、特に復帰後見てみますと、ほとんど地場産業であります。そして、本来の経済的要因による倒産、本来経済的基盤が脆弱でありまして、それに沖繩が本土に復帰する前のドルショック、三百六十円から三百五円に切り下げられたドルショック、復帰ショックあるいは石油ショック、それから例の海洋博ショック、そして現在は円高ショック、沖繩はきわめて特殊な形でそういう衝撃が二重、三重、四重とかぶさっておるわけですね。そういう本来経済的基盤の脆弱な沖繩の経済の中で、特に中小企業の方々はもう目も当てられない実情です。 それに加えまして、沖繩の場合、御存じのとおり、本土に復帰する以前には小切手とかあるいは現金決済といいますか、どちらかといいますと手形取引という制度が余りなじんでなかったわけです。復帰後そういういわゆる手形取引というものが入ってきまして、いまそういう制度のふなれと申しますか、そういうような形で、最近も本土の悪質な金融ブローカーが沖繩の方で暗躍をする。俗に言われている手形のぱくり屋と申しますか、そういう詐欺事件等によって、本来の経済的要因による倒産に、さらにそういうこととは別の犯罪的といいますか、そういう要因が加わって、先月の末も、非常に優良な企業と言われている中小企業でありますけれども、倒産をして、その関連する中小零細企業も相当の犠牲を受けているわけです。ですから、これは私は、ただ制度のふなれ、それにつけ込まれた形だ、経営者の問題だというだけでは済まされない。沖繩が本土復帰する以前はそういう手形取引に制度的になじみがなかった。そして復帰しまして六年、今度はそういう形で別のものがどんどん入ってきて倒産に輪をかけるような状況が出ておるわけです。 したがいまして、通産省とされましてもこういう問題については何らかの手を打たないといかないと思うのですけれども、長官とされて、こういう問題についてどのようにお考えになっておるのか、お伺いをいたします。
○岸田政府委員 私どもも、中小企業の資金繰りの状況をいろいろ調べてみますと、金融機関から借りておる資金のほかに、やはり手形による業者間の金融がかなり大きなウエートを占めておるということを承知いたしております。沖繩の場合、そういう手形取引についてまだふなれである、そういうことに乗じていろいろ事故が起こっている、そういうことでございますと、やはりこれから相当改善をしていかなければならない問題があるのではないかと、いまお話を聞いておりまして感じたところでございます。特にこの法律ができまして、倒産を防止しようということが主なねらいでございます。もし成立をいたしましたならば、この成立を一つの契機といたしまして、いま御注意のような点につきましては、沖繩開発庁等ともよく連絡をとり、また、現地の中小企業団体とも連絡をとりまして、手形取引が円満に確立をするという方向を目指して、少し指導事業の強化というような面で配慮していきたい、こう考えます。
○玉城委員 その際に、ぜひ御要望申し上げておきたいわけですけれども、聞くところによりますと、そういう悪質なぱくり屋と申しますか、あるいは金融ブローカーと申しますか、何か国内で三百くらいのグループがあるというようにも聞いているわけです。ですから、さっき長官がおっしゃいましたように、指導の強化ということにあわせまして、そういう情報の提供とか経営者に対するそういう被害に遭わないような指導というものもぜひやっていただきたいと思うわけであります。 それと、もう一点でありますけれども、御存じのとおり、沖繩は米軍の基地が非常に多いわけです。したがいまして、米軍と直接的に契約をして商取引をやっている業者の方々がたくさんおります。これは現地では特免業者というふうな言い方をしております。いろんな方々がおります。沖繩は、御存じのとおり、基地が多いという関係でそういう特殊な業者が数多くいらっしゃいます。いまこの急激なドル安、そして急激な円高、もろにこの方々は打撃を受けておるわけです。こういう方々も、沖繩の一つの特殊な問題としまして、そのまま放置はしておけないと思います。ですから、通産省とされましても、こういう業者の方々の実態をよく掌握されまして、また適切な救済の措置を行う必要があるのではないかと思うわけでありますけれども、そういう点について長官としてどのように認識しておられるか、お伺いをいたします。
○岸田政府委員 いま御指摘の問題は、実はいままで私どもうっかりしておりまして、十分注意を払っていなかった問題でございます。確かに仰せのとおり、米軍との取引でドル建て取引をやっておりますと、いまお話しのような問題が起こり得るわけでございます。そうだとすれば、この急激な円高というものは相当経営に悪影響を及ぼしておることは容易に推察されるわけでございまして、やはりこれらの方々が長期的にどうやっていくのかということを考えていかなければなりませんが、同時に、さしあたっていろいろ金融面等でお困りの場合もあろうかと思いますので、せっかくこの席で御指摘をいただいた問題でございますから、私どももその実態について調べさせていただきまして、そしていろいろの悩みを持っておられるとすれば、その悩みにいかにこたえるかという面で、中小企業庁もあるいは関係諸機関も少し知恵を出し、また具体的なお手助けもしていきたい、かように考えております。
○玉城委員 この法案で、先ほど冒頭に申し上げましたとおりに、実際に貸し付けを開始されていくのが年を明けて七月ということでありますので、現実に深刻な中小企業の方々の倒産の危機というものにこの法案は現在もう間に合わないわけですね。特に、先ほど申し上げましたとおり、沖繩の場合、いろいろの特殊な要素が絡み合いまして、なお非常に深刻な状態に置かれておるわけです。したがいまして、先ほど数字も申し上げましたが、具体的には通産省の方がよく御存じのとおりでありますので、この法案が現実に間に合わないのであれば、この沖繩の場合につきましても、既存のあらゆる制度を動員して、現地の実情に即応した弾力的な運用と申しますか、そういう意味では、沖繩開発金融公庫の資金の貸し付けあるいは条件の問題とかいろいろと細々したことがたくさんあります。これはすでに現地の方からも何回も陳情、要請等も来ていると思いますけれども、そういう問題をよく御検討いただきまして、現実にああいう特殊な地域の実態に即応した形で、既存のあらゆる制度を動員して何とか犠牲を最小限度に食いとめる、そして立ち上がらせていく、そういう対策がぜひとも必要であると思うのです。そういう意味で、長官のお考えをお伺いいたします。
○岸田政府委員 中小企業が長い不況を耐えに耐えて今日に至った、そこへ円高の問題が起こってきた、中小企業にとりましてはことしは非常に重要なしかも厳しい年であったという感じがいたします。中小企業の方々に伺ってみますと、やはり一番心配は倒産の問題でございまして、この倒産問題については、私どももできるだけのことをやってまいりたいと思って、いろいろの制度を用意いたしてまいりました。従来からやっておりました問題としては、政府関係金融機関の資金の確保、あるいは中小企業信用保険制度による信用補完制度の充実、それに加えまして、ことしになりましてからは倒産緊急融資制度を新たに創設をいたしましたり、あるいは円高の緊急融資制度、これも急遽用意をいたすなど、できるだけの手を打ってまいりました。なおまた、政府関係金融機関につきましても、基準金利を引き下げるだけではなくて、既往金利も一部引き下げを図り、また、信用補完制度につきましても、ことしになりまして不況業種の大幅な追加を行うというような対策を講じてきたところでございます。私どもも、本来であれば、この法律が一日も早く動き出しまして、中小企業の不安にこたえることを希望いたしておりますものの、やはり所要の準備期間がかかることは免れません。したがいまして、私どもは、この法律が動き出すまでの期間、いまお話しございましたように、既存の制度をできるだけもう最大限に活用いたしまして、中小企業の不安にこたえていきたい、こういうように考えておるところでございます。 特に沖繩の場合には経済の範囲が狭うございます。また、企業の方々もわりあい零細な方々が多いという実情からしますと、とりわけ不安が多いのではないかと私どもも推察をするところでございまして、いま御指摘のような点につきましては、私どもも十分気をつけて今後とも対処してまいりたいと考えます。
○玉城委員 それでは、経済企画庁長官が御出席になっておられますので、この法案に関連をして、ぜひ当面の重要な問題について二、三お伺いをしておきたいわけであります。 中小企業の問題といいますのは、この法案が成立をしていくという一つの立場から言いますと、まあ一歩前進である、こういうように評価をするわけでありますけれども、やはり基本的には、わが国の不景気と申しますか、これを一日も早く回復をしていく、これが重要な問題であると思うわけです。と同時に、いま最大の問題になっておりますところのいわゆる円高の問題、これを早く何らかの形で解決しなくてはならない。したがいまして、いま国民は、政府がどういう対策をとって一日も早くこの円高の問題を解決してくれるのかということを、真剣に見守っておるわけであります。しかし、この間の日銀の短期流入資金の規制並びに介入にもかかわらず、その効果は出ておらない、相変わらず円高傾向は続いておる。御存じのとおり、きのうは一ドル二百四十二円八十銭、そういう状態で、相変わらず円高傾向が続いているわけです。政府が必死になっていろいろな手を打っておられるようでありますけれども、このような状態である。 したがいまして、経済企画庁長官とされまして、この円高問題がどこまでどういう状態で続いていくのか、どのようにお考えになっておられるのか、率直にお聞かせをいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 円高の見通しをここで私が申し上げることは、ちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、この円高の背景は、御承知のとおり、日本の貿易収支の大幅な黒字、経常収支の黒字、それにまたアメリカの貿易収支の大幅な赤字というのが円高の背景になっておるわけでございます。したがって、円高そのものよりも、急激な円高ということにポイントがあるわけでございますので、やはりこのような急激な円高は、お話しのように中小企業にとって、特に輸出を中心とする中小企業にとって非常に大きな打撃を与えるということでございます。したがって、私ども、やはり日本の経常収支の黒字が非常に大きいということについて、この黒字幅を縮小するように最大の努力をしていかなければならない。日米間の事務レベルの協議におきましても、アメリカ側がやはり日本の経常収支をひとつ減らしてほしい、そういう向こう側の要望を伝えてきておるわけでございます。 この経常収支が減るためには、やはり日本の輸入がもっと大幅にふえることが必要である。したがって、輸入がふえるためには、基本的には内需を拡大することによって輸入がふえていかなければなりませんけれども、御案内のとおり、日本の輸入構造が原燃料が三分の二を占めておるというような状況でございまして、なかなかすぐふえてくるという状況でないものですから、ここになかなかむずかしい問題がございます。 しかし、政府といたしましては、総合経済対策その他を実施いたしまして着実に輸入がふえていく努力をしていく。しかし、これには相当時間がかかる。したがって、緊急輸入ということで、先般九月二十日に、輸入できるものについていろいろ検討をいたしまして、約十億ドル程度の輸入の見通しがつきましたけれども、しかし、これでは不十分であるので、さらに上乗せしていろいろな品目について、備蓄であるとかあるいは前払いで品物が入れられないかというようなことで、ただいま一生懸命関係各省と御協力してやっておるところでございます。 ただ、相手があることでございますし、数量や金額等をいろいろ申し上げることは、交渉の過程においてやはり相場にも影響したりいろいろなことがあるものですから、どうも国会の答弁として歯切れの悪い答弁になっておりまして申しわけなく思っておりますけれども、いま一生懸命あらゆる知恵をしぼって努力をしておるということを御理解いただきたいわけでございます。
○玉城委員 この円高の問題は、こういう状態でいきますと、もはや二百三十円台にも入っていくのではないか、その結果わが国の経済に与える影響というのはきわめて大きなものがある、そういうふうにも非常に憂慮されるわけです。 いま長官がお話しになりましたとおり、そういう意味で、リバーズ氏、アメリカのSTR法律顧問と十八日からきのうまでですか、四日間いろいろと協議が重ねられたということもわれわれは報道で知っております。その報道からわれわれか受ける感じは、アメリカはきわめて強固である、日本の経常収支の赤字の時期を明示しろ、いろいろときわめて厳しい要求を具体的に数多く日本側に対して突きつけてきておるわけです。 それは私たち、アメリカ側の言い分がそのままそのとおりであるとは決して思わないわけでありますけれども、実は、わが党の矢野書記長一行の訪米団がこの間行きましたときにも、モンデール副大統領にしましても、あるいはストラウスSTR代表も、きわめて強固な——強固といいますか、厳しいものを米国側は対日経済問題について示しておるわけです。そういうような状況からしまして、こういう状態でいくならば、あるいはアメリカの議会等におきまして保護貿易主義が台頭する、それを増大させる、こういうふうなことも言っておるわけです。したがいまして、今回のリバーズ氏との協議で意見の調整というものがなされ、きのう、けさあたりの新聞でも、何かすれ違いになっておるというような感じがするわけです。そうしますと、何かストラウスSTR代表の訪日というものも中止されるのではないかということもありますけれども、その辺の見通しと、今月末に政府とされまして日米貿易不均衡の是正策の具体的措置を提示するということも報道されておりますけれども、その辺の問題をぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいまお話しのように、アメリカの国内において保護主義的な傾向が非常に強まりつつある。これは御案内のとおり、OPECが毎年四百億ドル前後の黒字を出しておる。このOPECの黒字のツケが各国に赤字となっていっておるわけでございまして、この赤字をひとつ各国で分け合ってほしいというのがアメリカを初め関係国の主張でございます。にもかかわらず日本は膨大な経常収支の黒字を出しているじゃないかということと、各国が非常な失業問題を抱えて国内にいろいろな問題を包蔵しておるものですから、いらいらしておる。したがって、保護主義を抑えるために日米間の当局者が協力して、保護主義ということは世界の経済にとって非常に好ましくないことであるので、いい知恵を見出していこうということで、今回アメリカ側が日本に参りましたのは、決して要求ではない、そういう保護主義を抑えるためにお互いの知恵を出し合って協議をしていこうということでございました。 したがって、わが方としましては、そういう立場に立って、保護主義を抑えるための、それらの人たちを説得し得るだけのものをいろいろ準備していくことが日米双方にとって望ましいことであるということを考えまして、誠意をもってこの協議に応じたわけでございます。もっとも、アメリカ側でいろいろ考えておりますことの中におきましても、やはりできることとできないことがございます。日本は市場経済をとっておる社会でございますから、計画経済ではございませんから、いついかなる時点で金額をどうするというようなことはなかなか明示をすることはむずかしい。そういう誠意をもって対処すると同時に、できることとできないことについて、向こう側にも日本の立場を十分説明をいたしたところでございます。 そこで、その経過は、十八日から行われまして、当初は二日間ぐらいということを言われておりましたけれども、一日延長しまして二十一日に終了いたしました。この協議におきまして、アメリカ側は、現下の世界経済情勢に照らして日米両国が保護貿易主義の抑制に努力すべきこと、そのためには日本の経常収支の黒字の縮小や市場の開放が望ましい、とにかく日本はいろいろな点で障害を設けておるから日本の市場を開放してほしい、この二点が先方の主張の中心でございました。 そこで、日米両国の協議の中では、いわゆる多角的貿易交渉、東京ラウンド等を通じて相互に協力すべきことについていろいろ相談をいたしまして、わが国としましても、総合経済対策に基づいて対外経済対策会議という私が座長であります閣僚会議を設けておりますので、ここでいろいろ関税の前倒し、東京ラウンドの前倒し等の問題、あるいは非関税障壁の問題やその他のいろいろな問題について、いま検討中のことについて説明をいたしまして、そして事務レベルでは日本側の立場も相当理解をし、評価をしてもらったものと確信をいたしておるわけでございます。さらに、リバーズさん一行がアメリカに帰りまして、そして日本側といろいろ協議した日本の事情も向こうに報告をし、さらに事務当局同士で詰めるべきものはずっと詰めまして、月末までにこの諸問題について共通のアプローチを見出すように詰めましょうということを話し合って、昨日リバーズ一行は帰国されたわけでございます。 したがって、今後も絶えず連絡をとりながら日本の国内の問題につきましてもいろいろ検討を重ねまして、そして向こうからしかるべき代表がまたやってこられるのかどうか、日程等はまだ決まっておりませんけれども、そういう時期があれば、その時期に最終的なものをお互いに話し合うということになろうかと思うのでございます。
○玉城委員 私の持ち時間が参りましたので、最後に一点だけお伺いしておきますけれども、この問題は短時間でできる問題ではありません。したがいまして、米国側の対日経済問題に対する姿勢というものがきわめて厳しいだけに、それをうのみにするわけではありませんけれども、保護貿易主義の台頭というような問題等がアメリカの国内世論の中に台頭してきているというようなことからしますと、やはりこの際、来るのを待って交渉するというだけではなくして、政府の特使を何らかの形で派遣をして、わが国の立場、考え方というようなところまでお考えになる必要があるのではないか、そのように考えますけれども、いかがでしょうか。
○倉成国務大臣 これは総理大臣がお考えになることじゃなかろうか、私の守備範囲でございませんが、私は、やはり日本側の態度を確立することが一番中心じゃなかろうか。仮に人が参りましても、日本側が十分な対応のものを持たないで行きましても、これは話にならないと思いますので、まず、日本側がアメリカ側の意向も十分そしゃくして、世界経済の安定のために日本がどういう役割りを果たすかという姿勢を確立することが第一の要件であると思います。したがって、そのための最大の努力をいたしてみたいと思っておる次第でございます。
○玉城委員 以上です。
○中島(源)委員長代理 宮田早苗君。
○宮田委員 今日の経済不況の実態を評して氷河時代だと表現する経営者がいるほど、深刻そのものでございます。加えて、とどまるところを知らない円高という外圧、特に戦後の日本経済復興に重要な使命を果たしてきました輸出関連中小企業は存亡の危機に直面していると思います。私ども民社党は、業況のますます悪化するこれら中小企業対策として、この夏以来、中小企業連鎖倒産防止法案の制定を国民運動の一つとして提唱、政府に対しましてもその実現方を強く要望してまいったところでございますが、今国会にこうして政府案が上程されたことを高く評価しているところであります。この上は、会期もあとわずかでございますので、来年度予算執行とともにこの共済制度がスタートできるよう、前向きに取り組んでいきたいところでございます。 さて、質問に入ります前に、円高対策について通産大臣にお尋ねいたします。 いまや補正予算の補正が必要なことを政府・自民党内でも認めざるを得なくなっているのでございますが、輸出に大半を依存しております中小企業は、国の施策で当面の資金対策を講じても、二百四十円あるいは三十円時代が定着すれば、ごく一部を除いて市場がなくなってしまうのじゃないか、恒久的な国としての方策が問われているわけでございますが、政府のお考えをまずお聞かせ願いたい、こう思います。
○田中国務大臣 ただいま御指摘のごとく、私のところに入りましたメモでございますと、本日は二百四十一円三十銭と、またまた大変な値段でございます。われわれといたしましては、このような超非常時と申しますか、最近の急テンポの問題が中小企業、特に産地産業に対しましていかに甚大な影響があるか、ただいま七十六主要産地についての影響を精密に調査いたしておるのでありまするが、中小企業庁におきましても特に十項目の対策を決定いたしまして、そうしてこの円高の問題に対する基本対策は、何といいましてもやはり根本は内需の振興にあるというので、明年度の予算編成等におきましても特段に景気浮揚政策に踏み切りたい、かように考えておる次第でございます。
○宮田委員 私は、冒頭に本法案の成立を一日も早くと申し上げたわけですが、私どもが政府案を評価しました一つは、不渡り手形の救済項目を入れた点でございます。そこで対象になるのは一般金融機関ということですが、いわゆる町の高利金融によります手形割引は認めないというように理解してよろしいかどうか、この点をお聞きします。
○岸田政府委員 その点は御指摘のとおりでございます。
○宮田委員 倒産の定義の一つに更生手続開始が挙げられております。更生手続に入りますと倒産した企業の債権には手をつけられなくなる、こういうわけですが、共済給付を受けた企業は五年間で返済しなければならない、この五年という期間は妥当なものかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○岸田政府委員 取引先が倒産したわけでございますから、当面資金繰りにいろいろ支障を生ずるであろうということから、返済について、ある程度長い期間で返済できるようにこの制度で考えたつもりでございます。五年という期間は、他の制度融資におきましても一般的には一番長い限度でございますし、また、小規模企業経営改善資金等と比べましてもはるかに長い期間を用意した次第でございます。こういう長い期間の間に徐々に返済することによって、当面の打撃から立ち直ってもらうということを期待をしておるところでございます。
○宮田委員 共済金の貸付額でございますが、掛金の十倍の範囲内で回収不能な売り掛け債権相当額という規定が妥当かどうかという問題があるわけです。といいますのは、回収困難な債権といいましても、契約者の取引依存率二〇%以上または五十万円以上という、いわば線引きがされているわけでして、その契約者にとっては、相手方の倒産は、その債権だけでなく、お得意さんを完全に失ってしまうわけであります。中小企業庁の説明資料によりますと、倒産企業との取引依存度が高い場合においては取引高の減少による影響を緩和するために必要な額を加える、こういうことになっておりますが、どの程度を考えておられますか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○岸田政府委員 取引先との関係がかなり密接であるというようなときには、やはりいま御指摘のような影響が出てくることが予想されますので、この制度におきまして、特別の場合には一定の限度において必要な資金を付加し得るように配慮をした次第でございます。 この金額をどのくらいにするかということにつきましては、倒産企業との取引高とそれから取引依存度の大きさ、これらを勘案をしまして省令で定める予定でございますが、大体いまのところでは一月当たりの被害額、これに相当する金額を考えておるところでございます。
○宮田委員 この法案が成立をいたしまして、ある程度定着をする、こう思うわけですが、いまのところ十倍ということになっておるわけでございますが、定着をして一応軌道に乗るということになった場合に、十倍という天井をそのままということでお考えか、それとも天井をある程度緩和なさるかどうか、この問題についてお聞きをいたします。
○岸田政府委員 貸付倍率を幾らにするかということにつきましては、取引先が倒産をしたという場合に、一体どのくらいの資金量がさしあたって必要であるかという面が一つの大きな要素になろうかと思います。同時に、やはりこの制度が一応安定的なものであるということが必要でございますので、私どもは私どもなりにこれからの経済情勢を勘案をいたしまして、幾つかの前提条件を決め、その前提条件の範囲内で最も有利な貸付倍率を実現しようと、種々の試算をいたしました上で、御提案申し上げておりますような十倍という数字を決めたわけでございます。 ただ、これからの経済情勢、どういう情勢が起こってくるかということは、予想もできない面が多々ございます。したがいまして、私どもは、この制度を実施いたしました上で、そのときどきにおける経済情勢を見直しをしてみる、他方、この新しい共済制度の運営の状況を絶えずチェックをしてみる、こういったことを背景にいたしまして、いまお話しのございましたような貸付倍率につきましても、少なくとも五年ごとには見直しをしてみよう、こう考えておるところでございます。
○宮田委員 十倍という倍率に対して不満の意見というのが大分多いようでございまして、五年間経過した後でという答弁でございますけれども、過程の中でそういう事態が起きましたら、急遽天井を破るというぐらいのお考えを出していただきますように、これは要望でございますが、特にお願いをしておきます。 本共済制度の窓口業務の委託制度についてただしておきたいことがございますのは、窓口として中小企業団体や金融機関を考えておいでになるということです。この種の問題が出てくると、商工会議所や商工会ということになるのですが、私は、いわゆる業界団体の力をつけるにはかっこうの制度と思いますので、少し幅を広げることも考えたらいいと思うのでございますが、この点についてはどういうお考えを持っておられますか。
○岸田政府委員 この制度を運営いたします場合には、事業団自身でやるといいましても、これはもう対象が非常に膨大な数に上るわけですから、おのずから限界がございます。したがいまして、お話ございましたように、一部の業務につきまして金融機関または中小企業団体に委託をするということを考えております。その中小企業団体につきましては、やはり一つは公正に運営していただけるということが必要でございますし、また、全国的にネットワークを持っておるというようなことも大事でございます。また、特に大事なのは、日々中小企業の実態に触れておるというようなことが大事な要素ではないかと考えておるところでございます。その意味におきまして、とりあえずは、中小企業団体としましては商工会、商工会議所あるいは中小企業団体中央会、場合によっては一部大きな協同組合、こういった範囲をとりあえず念頭に置いて運営をしていきたいと思っておるところでございます。
○宮田委員 金融機関を窓口とすることには若干の問題があるような気がするわけです。金融機関を疑ってかかるわけではありませんけれども、倒産防止のために共済給付の手続を銀行窓口でやる。銀行はその企業の中身を百も承知なわけで、銀行側が債権保全に悪用しかねない。不渡り手形の買い戻しの場合は当然銀行が請求するからいいわけですけれども、倒産企業の債権回収相当分の給付金に目をつけられたら困るんじゃないかというような意見もあるわけですが、この点はどうですか。
○岸田政府委員 この制度は、共済契約者の取引先が倒産した場合に回収が困難となった売掛金債権等に相当する金額を貸し付けるものでございます。金融機関が共済契約者に当該倒産に関連をした手形割引等に基づく債権等を有する場合におきましても、この貸し付けられた共済金の中から支払われるということになりますので、大体御懸念のような問題は起こらないで済むのではないかと思っておるところでございます。 なお、この制度が金融機関によってその債権保全手段の一つとして利用されることがないように、共済事由発生の確認に当たる中小企業団体に対しましては十分な指導を行いたいと考えております。また、貸し付ける共済金の支払い窓口につきましても、貸し付けるときに共済契約者が希望する窓口ということにいたしまして、いまのような誤解を避け得る道を開いております。
○宮田委員 銀行は単なる掛金の窓口で、給付申請は事業団本部ということなんですが、銀行に対する手数料、委託料といいますか、そういうものについてどうお考えになっておりますか。
○岸田政府委員 銀行につきましては、共済金の、給付等金銭に関する事務を委託するわけでございますが、その際はいわば実費を支給するという形にいたしまして、いわゆる手数料というものは交付しないというたてまえで運営したいと思っております。
○宮田委員 小規模企業共済事業団の改組に伴います要員の問題についてでございますが、一応四十六人ですか、理事が一人というふうになっておりますが、今日行政改革による経費の節減ということが国民の非常に大きな声になっておるわけです。職員は今度出されております四十六人といいますか、大変多いような気もするわけでございますが、どれくらいの共済加入者が見込めるかを予想して要員を決められたものか。それから都道府県あたりで職員一人、こういうことにもなると思うわけでございますが、若干多いような気もするわけでございますので、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○岸田政府委員 この新しい共済制度は、中小企業の当面しております倒産に対する不安ということを何とか新しい道によって打開していこうということがねらいでございますが、これを運営する機構につきましては、極力簡素なものにしていきたいと私どもは考えておるところでございます。本来ならば、対象が初年度だけで十万、自後そのような数字がずっと続いていく、これらを事業団だけで賄いますと幾ら膨大な人数を用意しても大変なことでございますが、先ほど申しましたように、金融機関あるいは中小企業団体等を活用することによって、本部機構としては職員四十六名という形で取りまとめた次第でございます。 なおまた、理事につきましても、現在の小規模共済事業団自体がほかの機関と比べますと非常に簡素な機構になっておるところでございます。理事長一、理事二、監事一というような形で、しかも現在五十数万件、六十万件を超えたかと思いますが、小規模企業に対するサービスを行っておる。今回つけ加わります共済事業の仕事はそれに匹敵する大きな仕事でございますものの、これまたやはり役員の増員は極力最小限度にとどめるという趣旨から、理事一名の増員という形で予算要求をいたしたという経緯になっております。
○宮田委員 最後でございますが、極力要員の問題については切り詰めて、また、他と比べて非常に簡素化ということでございますので、これは結構と思うわけですけれども、何しろ今日の話題、また国民的ないろいろな声といいますか、大変人の問題には敏感じゃないか。そういうときに理事一名を置く必要があるのだろうかという疑問もあるわけです。ちょっとお触れになりましたけれども、もう一度その点についての考え方をお聞かせ願いたい。 これで終わります。
○岸田政府委員 いま小規模共済事業団の役員構成は、先ほど申し上げましたように理事長一、理事二、監事一という非常に簡素な構成になっておりますが、その理事二の内訳は、いわば総務的な仕事をしております役員が一名とそれから実際の業務を行っております役員が一名、それぞれ手いっぱいで仕事をいたしておるところでございます。本来ならば、それとほぼ匹敵するような新しい仕事ができるので、理事二名というようなことも考え得るかと思いますが、いま先生の御指摘のような客観情勢のもとにおいて、極力簡素な機構を用意をしようということから、理事の増員を一名にとどめたわけでございます。理事一名でこの新しい仕事の実際の業務の全責任を負うということは非常に大変な仕事かと思いますが、御指摘のような情勢を十分踏まえた上での判断でございますので、その辺は御了解をいただきたいと思います。
○中島(源)委員長代理 安田純治君。
○安田委員 私ども日本共産党・革新共同は、中小企業の連鎖倒産防止のこうした制度については、保険の方がよりよいのではないかというような考えも持っております。しかし、とにかく現在審議の対象になっておる共済法、これをぜひ今国会中に成立させたい、こういうふうに考えておるわけでありますので、質問時間は非常に短いわけでございますけれども、したがって質問もまとめて質問をいたしますので、端的にお答えいただきたいというふうに思うわけでございまして、ぜひ御協力いただきたいと思うのです。 まず一つは、二条の二項でございますが、ここに倒産というものの定義がございます。この中にいわゆる内整理というか、こういうものが入らないわけですけれども、その理由は何かということが一つであります。 それから、三条三項の三に、「共済事業の適正円滑な運営を阻害することとなるおそれがある事由として」「省令で定める事由」というふうになっておりますけれども、どのようなケースを考えておられるのか。 それから、八条の二項の減額の場合ですが、この「省令で定める場合」というのはどういうケースをお考えになっておるのか。 それから、九条一項の二号でございますが、この「省令」はどのような内容を考えておられるのか。 それから、同じ九条一項の三号の、倒産に「準ずる事態として通商産業省令で定める事態」、これはどういうケースを考えておられるのかということ。 それから、九条の二項の「売掛金債権等」、これは売掛金債権を中心としておりますが、「通商産業省令で定める債権」ということになっていますが、この「売掛金債権等」の中身、どんなものを省令としてお考えなのか。 それから、九条二項、附則の二条三項の二号にもございますが、「回収が困難となったものの額」云々とあります。それで、この括弧内に「通商産業省令で定める要件に該当する場合にあっては、」云々とありますが、この内容、どのようなものを考えておられるのかということであります。 それから、十条の一項の償還期間、これの中で償還期間を五年とした理由と、「政令で定める期間」はどのぐらいを予定したのか。つまり据え置き期間、こういう点はどうかということ。 それから、十条二項の「通商産業省令で定める場合」とはどのようなケースを考えておられるのか。 それから、十条の五項の「共済金の償還期日後通商産業省令で定める期間を経過した」云々、この省令の期間はどのようなものを考えておられるのか。 この予想される省令などの内容について、一応端的にお答えをいただきたい。
○岸田政府委員 お尋ねいただきました点について、順次お答えをさせていただきます。 まず、最初にお尋ねございました第二条第二項の内整理の問題でございますが、私どもは、内整理は倒産には含めておりません。これは、一つは内整理について具体的なあらわれ方が非常にさまざまでございまして、共済事業の内容として特定することが困難であるという点が第一の理由でございます。第二の理由としましては、その発生時期が客観的に特定しがたいという点が第二の理由でございます。ただ、現実には、内整理の場合につきましても、事前に取引停止処分がなされるのが通例でございますし、また、それが伴わないときにおきましても、債権者の側から破産ないし整理開始の申し立てをするという道が開かれておりますので、実際問題としてはそう混乱が生じないのではないかと思っておるところでございます。 それから、次にお尋ねのございました第三条第三項第三号、「共済事業の適正円滑な運営を阻害することとなるおそれがある事由」というものを省令で定めることになっております。この内容は現在検討中でございますが、たとえば取引高の認定が著しく困難なもの、もっと端的に申すならば、悪質ブローカー等がこれに当たるかと思います。また、納付すべき税を完納していないもの、こんなものが省令で定められるのではないかと予定をいたしております。 それから、次にお尋ねのございました第八条第二項の省令、すなわち掛金月額の減少の申し込みが可能である場合、これは具体的には大体現在の小規模企業共済と同じようなものを書きたいと思っておるところでございます。一つは事業経営の著しい悪化、二番目が疾病または負傷、三番目が危急の費用の支出、大体このようなことを省令に盛り込んでいったらいかがかと考えておるところでございます。 それから次に参りまして、第九条第一項第二号の省令の内容でございますが、これは先ほどのお話にもちょっと出ておりましたように、五十万円以上の場合、あるいは五十万円以下であっても取引依存度が二〇%以上のものを対象とするということを考えておるところでございます。 それから次へ参りまして、第九条第一項第三号の関係で倒産に準ずる事態としてはどういうものが考えられるかということでございますが、この辺もまだ多少検討を要するかと思っておりますが、たとえば加入者みずからが事業所を閉鎖する場合であるとか、国税当局が使用機械の差し押さえをした場合であるとか、こういった場合がこれに該当するのではないかと考えます。 それから次に参りまして、第九条第二項のその他の債権としましては、売掛金債権のほかに前渡金を含めるということを予定をいたしておるところでございます。 それから、回収が困難なもの以外に付加すべきものといたしましては、先ほども答弁を申し上げましたところでございますが、取引依存度が非常に高い企業が倒産したというときにはおのずから影響が大きいと考えられますので、おおむね取引先との取引額、月商一カ月分程度を予定をいたしておるところでございます。 それから、次に第十条関係でございますが、第十条で返済期間の法定をいたしておりますのは、これはいわばこの制度の非常に根幹部分であると考えたから、そのような考え方を取り入れたわけでございます。十条四項におきまして、期日を延ばした場合に一体期間全体はどうなるかという問題もあるわけでございますが、これは期日が延びれば期間の方も延びてくる、かように考えてよろしいのではないかと思います。 それから、十条の二項の省令の内容でございますが、法文上は、確かに御指摘のとおり、通産省令で定める場合を除きまして、担保なり保証を提供させないという書き方になっておりまして、逆に申せば、通産省令で定める場合には提供をさせるという形が規定をしてございますものの、私どもは、やはり少なくともこの法律制定当初におきましては、この省令を当分定めずにおきまして、無担保、無保証という原則でスタートしてはどうかと思っておるところでございます。 それから、最後にお尋ねがございました第十条第五項の省令の期間の問題でございますが、これは大体いまのところ三カ月程度を予定をいたしております。 以上でございます。
○安田委員 いままでのお答えで、大体予想される省令の中身などについてはわかったわけですが、この法文の随所に債権回収の困難とかいろいろございます。これがこの法の運用を生かすも殺すも非常に重要なポイントになるのではないかということを考えられるわけであります。 たとえばこの共済契約者が倒産企業に対しての債権について抵当権を持っておった。抵当権を実行すれば自分の債権まではどうやら回収ができる、しかし、競売に売れば、自分より次の順位の抵当権者まで及ばないかもしらぬ、ところが、任意売買で買い手を見つければ、そういう次順位までもいくかもしらぬというような微妙なケースが実際にはたくさんございます。その場合に、自分のところさえよければいいんだといって競売にすんなり出しちゃうのか、それとも任意売買の努力をして、できるだけ次順位の債権者までも取れるようにするのかということは非常に重要な問題なんですが、このときに債権の回収困難ということをただ機械的に考えますと、おまえ一番抵当を持っているんだから、どんどん売ったって、多少安く売れたって、おまえのところだけは回収できるじゃないか、こういうふうに運用されますと非常にほかの債権者にとっても迷惑になりますし、それから倒産した企業自身も、抵当物権をなくしても債務が残る、そういうことが起こるわけであります。 私どもは、実務上いろいろ企業の整理などをやってみますと、そういう微妙なケースが起きて、債権者同士、抵当権者同士でいろいろ長い間話し合いを続けなければならぬというようなケースにしょっちゅうぶつかるわけでありまして、そういう意味で債権回収の困難性なるものを、この関連倒産防止を目的とした本法の趣旨に従って、ひとつ弾力的にといいますか、この趣旨を生かすように解釈しなければいけないのじゃないか、一番抵当を持っていれば機械的に債権回収は困難でないんじゃないかというような解釈でいきますと、いろいろな条文のときに問題になってくるというように思うわけであります。 そういう意味では、たとえば九条の三項に、回収困難となった原因での契約者の悪意あるいは重過失ですね。この場合、重過失というのはどの程度までいうのかは非常に問題ですけれども、少なくともこの認定は厳しく限定をする必要があるのではなかろうか。一番抵当だからすぐに実行すれば回収できるものを、長々と債権者同士で話し合っておる、おまえ、債権の回収できるじゃないか、何やっているんだということで共済の貸し付けが受けられないということがないように、ひとつそういう点をどうお考えかということを伺いたいわけであります。 そういう意味では、たとえば七条二項にも「偽りその他不正の行為」ということがございますが、債権回収の努力をしない場合というようなことがもし入るとすれば、その努力というものは主観的な努力なのか、いろいろありますね。こうした段階でも、やはりこの連鎖倒産防止の法の精神を生かすように解釈運用をしていかなければならないのじゃないかというふうに考えるわけであります。 それから、九条一項三号の倒産に準ずる事態を先ほど伺いましたけれども、これも倒産寸前の状態を含まないように解釈してもらわないと、みずからが先に先手を打って事業場を閉鎖したということは別ですけれども、それ以外の場合に、倒産しそうだから、じゃあだめだよということになりますと、まさに俗に言う首くくりの足を引っぱることになりますので、その首をくくらんとする人を助けるのが趣旨ですから、そういう点では、この九条一項三号の「準ずる事態」も限定的に解釈をしなければいかぬのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。 それから、十四条の五項に「やむを得ない事情」ということがございます。これも本法の趣旨を生かすように、「やむを得ない事情」というのをできるだけ広く認定していただきたい。 こういう点について中小企業庁長官、それから、あと運用についての通産大臣の根本的な考えを承って、質問を終わりたいと思います。
○岸田政府委員 条文に関連した点だけ私からお答えをさせていただきたいと思います。 条文の順序で申しますと、まず、七条二項の「偽り」「不正行為」、この範囲につきましていろいろ御懸念が出たわけでございますが、私どもは、債権回収努力がどうであるかということが、即「偽りその他不正の行為」につながり、契約解除になる、こういうことには理解をいたしておりません。九条三項の規定によりまして、回収をしなかったことについて悪意または重大な過失があるときに初めて共済金の全部または一部について貸し付けをしない場合がある、こういう関係になるのではないかと思っておるところでございます。 そこで、九条三項の問題に移るわけでございますが、この九条三項の規定は、他の共済契約者の利益を害することがないようにということで設けられたものでございますが、他方、できる限り広く本制度上の利益を受け得るようにという配慮から、悪意または重過失に要件をしぼったわけでございます。ただ、この認定につきましては、確かにいま御指摘ございましたように、一方では制度の安定性というものを考えなければなりませんが、同時に、中小企業の実態を踏まえて認定をするということで、この制度の趣旨を尊重しながら考えていきたいと思っておるところでございます。 それから、十四条五項の「やむを得ない事情」という点でございますが、これは、取引先の企業が倒産をしたというときに中小企業者が経済的な困難に陥っておる、その実情を配慮するということでございますので、被害額、それから取引高の減少の度合い等を考えて、具体的に「やむを得ない事情」であるかどうかを判定をいたしたいと考えておりますが、御指摘のとおり、この点につきましても実情を踏まえまして弾力的に処理をいたしたい、かように考えております。
○田中国務大臣 安田先生の私に対しまする御要望でございますが、この制度をつくりますに当たりましても皆様方のいろいろと御協力をいただいたり御意見を賜りまして、ようやっとこの段階に来たわけでございます。いろいろとなお不備な点も多々あると存じますが、これは御承知の見直し規定もあることでありますので、今後これを調整してまいりたい。それから、より迅速に、こういうふうな冷え切った経済でありまするし円高でありまするから、早く実施いたしたいのはやまやまでございまするけれども、やはりこれには、これを取り扱います方々に対しまするいろいろな準備行為というものもありますので、どんなにがんばりましても来年の七月、こういうところからスタートを切らざるを得ない、こういう点はまことに遺憾でございまするが、やむを得ません。しかしながら、御趣旨を体しまして全力を挙げましてこの制度の完璧を期したい、なお、その運営に当たりましても、今後なお一層改良に改良を加えましてりっぱな制度にいたしたい、かように考えております。
○安田委員 時間が来ましたので、ほかに伺いたいことが若干ありますけれども、これで終わります。
○中島(源)委員長代理 大成正雄君。
○大成委員 倒産防止共済法に関しまして若干の御質問をさせていただきたいと思います。 まず第一点として、通産大臣に承りたいわけでありますが、本法施行のその背景となるわが国の経済動向あるいは産業環境等を展望したときに、きわめて困難な情勢がうかがわれるわけであります。そこで、本法が実施段階に入りますのは明年の七月以降だというふうに説明されておるわけでありますが、もしそうであるとするならば、この当面する円高、構造不況というものの実態は、いわばこれから胸突き八丁に入る、こう言ってもいいと思うのでございます。そこで、本年末から明年の秋ごろまでと思われるこの胸突き八丁をどう乗り越えるかということが大臣としても非常に御苦労のあるところでありましょうし、私たちもそれに期待をいたしておるわけでありますが、そのつなぎ対策として政府は本法とあわせてどのように考えておるのか。去る四日に、地方通産局長会議とあわせて円高対策推進本部との合同会議で十項目の対策を政府は発表しておりますが、これもつなぎ対策の一つであると拝察をするわけでありまして、これらについて、まず大臣のつなぎ対策としてのお考えを承りたいと思います。
○田中国務大臣 御承知のとおりに、ただいま本当に一日を争うような今日の不況でございます。本質的な不況、さらにまた構造的な不況、そこに円高の不況が加わりまして、われわれといたしましてはこれらの共済制度というものを早く発足させたいということはやまやまな点でございまするが、その間におきまして、私どもは、中小企業対策といたしまして、政府系三機関を動員いたしまして、あらゆるこれらの問題についてのきめの細かい措置を講じておることは先生もよく御承知のとおりでありますが、そのほかに、信用保険法に基づきまするいわゆる不況対策といたしましてのいろいろな制度をつくっております。それからさらに倒産の問題につきましては、倒産に対しましての緊急融資制度というものをつくりまして、これらについての同じような緊急措置をいたしております。こういうふうな二重三重の制度を十二分に活用いたすことによりまして、少しでも当面の問題についての処理をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 なお、ただいまも申し上げましたように、一日も早くこの制度を発足させたいと存じますけれども、これを取り扱う機構にいたしましても、金融機関あるいはその他の商工会議所、各方面の団体等の制度、訓練あるいはまた事務的な整理、こういうふうなものをまたなければなかなかこれが運用できないことは非常に残念でございまするが、来年の七月を待ちましてりっぱな制度の発足を期待いたしております。
○大成委員 次に、第二点としまして、中小企業庁長官に承りたいと思いますが、本法二十一条による五年後の見直し事項として予想される主たる内容というものはいかなる内容であるか。この立法準備の段階でいろいろなことが予想されておったと思うのですが、その点をひとつ承りたいと思います。
○岸田政府委員 二十一条で申しております基本的事項は、この制度を構成する骨格をなす部分について、、五年以内に見直しをするという旨を定めておるわけでございます。具体的に申しますと、掛金の額をどうするか、それから共済金の額その他貸付倍率をどうするか、それから解約手当金の支給率をどうするか、それから償還期間をどうするか、また、先ほどお尋ねがございましたが、利子を付することが適当であるかどうか、その他この制度は現在のとりあえずの経済情勢をもとに急遽取りまとめたものでございますので、今後の経済情勢の推移を見、また、この法律の運用状況を見まして、基本的部分について十分見直しの機会を用意しようという趣旨から設けられたものと理解しております。
○大成委員 次に、第三点といたしまして、掛金は五千円から二万円までの四ランクがあるわけでございますが、加入者が契約時の選択としていずれのランクを選ぶかということについては、いろいろ指導の方針があろうと思うわけでありますが、その目安としてどういう指導をもって臨まれるか、その点を承りたいと思います。
○岸田政府委員 これは、いわば取引先との取引関係が一体月商どのくらいで、取引依存度がどのくらいになっておるかという面が第一の要素になり、他方では、中小企業者の支払い能力というのが第二の物差しになろうかと思っておるところでございます。非常にラフな試算でございますが、三カ月分くらいの資金が必要である、また、取引依存度が二割というような前提で考えてみますと、月掛け一万円コースであれば、大体月商一千万円ぐらいがこれに当たるという計算が一応あるわけでございます。それぞれの方々の取引状況と取引依存度を見ながら具体的には決めていただくことになろうかと思います。
○大成委員 次に、第四点といたしまして、最高の二万円コースの加入者がもしあったと仮定しますが、この共済契約者が借り入れの場合に五百万の借り入れで用が済んだとした場合に、事後最高額で積み立てて掛金をしていくことは、無利子であるということからしても矛盾があろうと思うのですが、そういう場合にはどういう指導をされるのでしょうか。
○岸田政府委員 お話ではございますが、一つの企業者の取引先が一遍倒れて、後そういうことが起こらないという場合でございますと、まさに御指摘のような矛盾が出てくるかと思いますが、またほかの取引先が倒れるという場合もあろうかと思います。やはりそのときのために、いままでの掛金を続けておくことは十分意味のある場合が多々あろうかと考えておるところでございます。
○大成委員 各業種団体の御協力をいただいてこの制度の普及がなされるわけですが、委託団体の取り扱い手数料というものに対しては、いま具体的に基準をどのように設けておられるのか、承りたいと思います。会議所、商工会等の取り扱い手数料を含めてひとつ承りたいと思います。 また、この制度によって間接的には金融機関もずいぶん恩恵を受けるわけでありますから、そういう取り扱い金融機関の掛金の振り込み手数料であるとか、いろいろな金融機関としての事務手数料があろうと思うのですが、本制度に関する金融機関の手数料に関してはどのようにされるか、承りたいと思います。
○岸田政府委員 手数料につきましては、いままさに予算要求の段階でございますので、それが確定しました上で正式に決定を見るという形になるわけでございますが、とりあえず予算要求の段階でどういう要求をしておるのかということを御披露をさせていただきますと、中小企業団体につきましては、まず加入時の手数料という問題がございます。これは掛金月額一万円、一件当たり五千円という数字を一応念頭に置いております。それから、毎月の掛金収納につきましては、掛金月額一万円、一件当たり三百円という形で予算要求をいたしておるところでございます。 なお、金融機関の関係では、実際は証票等の送付に関していろいろ実費がかかるわけでございまして、この実費だけは支弁をするということを予定いたしておりますが、先ほど申しましたような形のいわゆる手数料的なものは特に用意しないという形でいま考えておるところでございます。
○大成委員 次に、借り入れ申し込み手続の簡素化ということは非常に大事なことだと思うのですが、これは他の金融機関の借り入れも同じでございますが、より一層この手続の簡素化というものをお願いしたいと思います。 また、この借り入れの取扱窓口をどこに定めるかということも問題だと思うのですが、その点について承りたいと思います。
○岸田政府委員 借り入れ申し込みは中小企業団体に行うという形を考えておりますし、取扱機関としては、中小企業団体のほかに金融機関を考えております。いずれにせよ、これは取引先が倒産したという場合の措置でございますので、借り入れについては非常に迅速、簡易にやるという方向で処理手続を定めたいと思っております。 また、取扱機関についても、なるべく窓口を広くとりまして、手軽にこの制度が利用していただけるように配慮していきたいと思っておるところでございます。
○大成委員 最後に承りたいのですが、仮定の話としてお聞きするわけですが、もし借り入れが実行されたとして、その契約者と当該金融機関との間に他に債権債務があったとした場合に、金融機関がこの共済借入金を先取り担保するというようなことはないのかどうか。もしそういうことがあるとすれば、その企業はその月の人件費の支払いにも事欠いてしまう、こういったことも予想されるわけであります。同時にまた、金融機関の従来の性向、体質等からするならば、この先取り担保ということは十分予想されることでありますが、企業の立場に立って、せっかく共済から借り入れた金というものを企業としての独自の立場から有効に活用するということを確保することは大事なことだと思うのですが、その点の指導をどうするかを承りたいと思います。
○岸田政府委員 御指摘の点につきましては、そのようなことがないように十分指導してまいりたいと思っております。 また、この制度がスタートするまでに中小企業団体等にもいろいろPRの機会があろうと思いますので、その辺のところもよく念頭に置いて指導を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○大成委員 終わります。
○中島(源)委員長代理 中村重光君。
○中村(重)委員 通産大臣に、この法律案と関連をするわけですから、不況業種の問題についてお尋ねをするのですが、不況業種の対策としてカルテル等をやっているのだけれども、こういうつけ焼き刃的なことは根本的な解決にはならないと思うのです。 〔中島(源)委員長代理退席、林(義)委員長 代理着席〕 この不況業種の過剰設備の廃棄というようなことは、これはもう低成長時代においては積極的に推進をしていくということでないといけないのだろうと思うのだけれども、不況業種の中で設備廃棄をしなければならないとお考えになっている業種はどういう業種なのか。
○田中国務大臣 ただいま問題になっております設備廃棄の問題でございます。構造不況の問題から申しましても、特に平電炉の関係でありますとかあるいは繊維産業、その中におきましても綿紡績等の短繊維でありますとか毛紡績あるいは絹織物等々、こういうような繊維関係、同時にまた、カルテル等を結成いたしまして特段の措置をいたしておりますものは、塩ビの問題でありますとか段ボール原紙、アルミ圧延製品、小形棒鋼、こういうふうないろいろな業種が、特にオイルショック以来の石油の関係によります構造的な問題を内蔵いたしておりますので、かような設備に対しましての対策を緊急に講じなければならない、かように考えております。
○中村(重)委員 化合繊の設備廃棄も考えているのですか。化合繊はほとんど大手になるわけだから、その場合はその他繊維と同じように国が助成をやって廃棄するということなのか、自前でやるのか。 それから、通産省と直接ではなくて、むしろ運輸省の関係になるんだけれども、造船の設備廃棄も五〇%というように業界は考えていると伝えられているんだけれども、それらの点に対してはどうお考えになっているのか。
○田中国務大臣 御承知のとおりに、化合繊の問題につきましては、特に設備の勧告操短といったような指導もいたしておりますので、担当の政府委員が参っておりまするから、お答えをいたします。 なお、造船関係におきましては、私の方でお答えできません点は運輸省の政府委員からお答えいたしましょう。
○藤原政府委員 化合繊関係の設備の問題についてお答え申し上げたいと思います。 化合繊関係につきましては、糸綿の段階につきましては、お話しのようにおおむね大企業でございます。したがいまして、その設備がどの程度過剰であるかということを目下検討中でございますが、いずれにしても、過剰であることは大体はっきりいたしております。過剰の程度がはっきりいたしましたところで廃棄のことを考えるわけでございますが、化合繊の設備につきましては、これは紡糸段階等は化学工業的なものでございまして、普通の紡績業のように何万錘落とすというふうなわけにはちょっとまいりませんので、これは業界体制全体との絡みにおきまして考えていくことだろうかと思います。 ただ、この大企業ベースの設備廃棄につきまして、国が資金的な助成をするということはむずかしいかと思います。 なお、化合繊の関係は、機屋段階、化合繊織物の段階におきましては、これは非常に広範な中小企業の問題でございますので、化合繊の織機の設備廃棄という問題につきましては、中小企業の振興事業団によりますところの十六年無利子という制度がございますので、これによりまして廃棄を進めるべく現在段取りが進みつつある状況でございます。
○中村(重)委員 大手の化合繊の設備廃棄については国としては助成をするのはむずかしいと思うということなんだけれども、いまの勧告操短の問題にいたしましても、必ずしもこれは化合繊と話し合いをしておやりになったんではなくて、勧告操短に対して大変不満も持っているということも言われているわけなんだけれども、そこらあたりの経過はどういうことなのか。 それから、設備廃棄の問題については国から積極的に推進をしておるということになってくると、今日の異常な不況の状態、特に構造的な問題ということになってくると、これは業界も反省しなければならない点もあるだろうけれども、やはり政府の施策がもたらしたということになるわけだから、それらの点は十分業界とも話し合いをやって対処していくということでないといけないんだろう、こう思うのです。その点いかがです。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。 最初に、操短の件でございますが、化合繊の市況が非常に悪くなりまして、綿糸あるいは羊毛紡績の方にも影響を及ぼすというふうな状態がはっきりしてまいりまして、私どもといたしましては、短繊維紡績等とあわせまして、化合繊につきましても不況カルテルの結成が望ましいというふうに思っておったわけでございます。ところが、御案内のように、化合繊の関係のメーカーの足並みがなかなかそろいませんで、どうしてもうまく不況カルテルの結成ができない、こういう状況でございまして、そうなりますと、需給状況をにらみまして、私どもといたしましては、余り好ましくはございませんが、直接の減産指導、いわば勧告操短でございますが、これを実施せざるを得ない、こういうことで決めたわけでございまして、したがいまして、業界と必ずしも全部話を進めたというよりは、ある程度通産省の方で独自に判断をいたしまして操短の指導をしておる、こういう状況でございます。 それから、設備廃棄につきましての御質問でございますが、対象が大企業でございますので、中小企業関係のような金融措置ということはむずかしいわけでございますが、その金融のあっせんと申しますか、必要な場合の措置につきましては、いろいろ可能な方法を探りたい、このように思っております。
○中村(重)委員 繊維の中小企業の状況というものはきわめて深刻ですね。日本の伝統的な産業であり、また、歴史的な産業であるわけだから、異常な決意でこの繊維不況対策、円高対策、なかんずく中小繊維業者の対策には取り組んでいくということでないと、私は、どうも政府の取り組みというのがおざなりみたいな感じがしてならないのです。その点はひとつ精力的に対処してほしいということを強く求めておきます。 それから、大島つむぎなんだけれども、これは円高対策の対象になっていないということですが、広い意味で、同じように影響があると言えるかどうかは別として、強い影響を受けているということは事実なのだから、これに対する対策はどうお考えになっているのかということ。それから、大島つむぎの場合は、本委員会において議員立法でつくられました伝統工芸産業の振興法の大きな柱なのだから、これが不況によってつぶれていくという形になっては大変なのだから、これについては円高の対策の対象ではないという、そういう機械的なことではなくて、伝統産業といったような点も加味しながらこれに強力な対策を講じていくということでないといけないし、それから、本委員会でも特別決議をしたように記憶するのだけれども、特に韓国からの輸入の影響というものを強く受けているわけだから、原産地表示ということについても、これもまた精力的に対処してもらいたいと思うのです。その点に対しての考え方はいかがですか。
○藤原政府委員 大島つむぎの件につきましてお答え申し上げたいと思います。 大島つむぎにつきましては、実は今日の円高以前から、ここ数年来の問題でございまして、非常に対策に苦慮いたしておった問題でございますが、昨年以来、輸入につきましては、韓国との間に昨年度よりも低い数字で協定が一応できておりまして、現在の通関実績で見ます限りにおきましては、協定が守られておるという状況であろうかと思います。 それから、円高対策の中に入っておらないではないかというお話でございますが、絹織物業は全体として円高対策の中に入っておりますので、大島つむぎがその中から外れているということではございませんで、総括的に入っているというふうに御理解いただいて結構かと思います。 なお、大島つむぎにつきましては、仰せのとおり、伝統産業振興法の対象として早くから指定されておりまして、その線に沿いまして振興を図ってまいりたい、このように思っております。 ただ従来、奄美大島と鹿児島県、本土の方との間に実は業界内部で相当もめごとがございまして、その解決に非常に手間がかかりまして、伝統産業振興計画の作成等にもやや手間がかかった、こういう経緯がございますが、現在はその問題も解決いたしまして、伝統産業振興法の趣旨に沿いまして助成措置も進んでおると思いますので、御趣旨のような方向で私ども進めてまいりたいと思っております。
○中村(重)委員 大島つむぎに対してのいまのお答えだと、これはいわゆる絹織物だから、そういう意味で円高対策になっているとおっしゃる。ならば、輸出関連中小企業の緊急融資の六分二厘の対象になるというふうに理解してよろしいですね。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。 織物全体として当然カバーをするわけでございますが、為替差損の問題に絡みますと、輸出比率が二〇%という線がございますので、大島つむぎにつきまして輸出というものは非常に少のうございますので、その意味から言いますと、為替差損をもとにいたしました融資ベースというものには乗りがたい、こういうことであろうかと思います。
○中村(重)委員 いまの答弁、よく聞き取れなかったので、申しわけないのだが、もう一度……。
○藤原政府委員 申し上げますと、中小企業の為替変動対策緊急融資制度でございますが、これにつきましては、織物業は包括的に指定されているわけでございますけれども、個々の企業につきましは、当該業種に係る事業について、輸出高の総売上高に対する比率が二〇%以上という枠がはまっております。したがいまして、大島つむぎはほとんど国内消費でございまして、輸出比率という点から見ますとやはり非常にむずかしゅうございますので、個々の企業としてこの制度の適用という点になりますと、むずかしいということになるかと思います。
○中村(重)委員 時間の関係があるからまた改めて質問をするけれども、絹織物はその対象に入るというのが先ほどのあなたの答弁なんだからね。それから、大島つむぎという固有のものとして扱う場合、それがいわゆるパーセンテージからいって落ちるということになるかもしれないのだけれども、伝統産業の非常に重要な柱となる産業であるという点も加味しながらできるだけ弾力的に運用をしていくということでないと、そう機械的なことだけではそうした伝統産業を守ることにならないのですよね。だから、七分六厘の融資以下の対象にならないのだということではなくて、それらの点を十分配慮されるように求めておきたいと思います。 次に、通産大臣、この四日間にわたる日米通商会議には、これは通産省も関係深い重要な省になるわけですから、あなたもこれに対しては関心を持って対処してこられたと思うのですが、七項目の対応策については米側はコメントしてないんだろうと思うのだけれども、今後の具体的な詰めはどういうことになるのですか。
○田中国務大臣 今回のリバーズ法律顧問が来日いたしました交渉は、事務当局間の交渉でございまして、政府といたしましては、倉成企画庁長官が元締めになりまして今回の交渉をいたしたわけでございます。アメリカの方からの要望等々につきましても、広い視野から申すならば、あくまでも自由貿易、保護貿易に対しまして反対をいたしておりまするわが国といたしましては、日米間も相ともに世界経済を牽引していかなければならぬという意味合いにおきまして、大所高所に立っての交渉を遂げておるわけでありまして、その点で関税の問題あるいは非関税障壁の問題、その他いろいろな貿易収支、経常収支の問題等につきまして、個々の点におきましてはいろいろと話し合いをいたしておりましたが、なお、先方の方では再度ストラウスさんがお見えになるというようなことまでの中間的な姿において一応帰ったような次第でございます。
○中村(重)委員 新聞報道によっていまお答えの点は大体わかるのだけれども、今後の詰めをやらなければいけないのだから、日程的なものが決まっているんじゃないか。アメリカがまた来月なら来月に来るのか、日本が行くのか、そういったようなことは決めてないのですか。
○田中国務大臣 私はその会議には出ておりませんし、なお、倉成長官からも経過につきましてはいまだ詳細に伺っておりませんので、私の方でも非常に重大な関心を持っておりますから、一度早く連絡を受けたい、こう考えております。 いまの段階におきましては、まだ最終的な詰めということではなく、双方がいろいろ論議を交わして、そうして一応われわれの方といたしましてもできる限りの協力をいたす体制において本国に帰っていったように聞いております。
○中村(重)委員 時間がありませんから、法律案の中身についてお尋ねをいたします。 集団加入に対する優遇策という点はどうお考えになっているのかということ。 それから、まとめて質問しますけれども、加入をする企業の数をどの程度見ているのかという点が二点。 それから、初年度貸付件数及び貸付額はどの程度見込んでいるのか。
○岸田政府委員 この制度が本当に安定的なものになりますためには、なるべくたくさんの中小企業の方々に入っていただくということが望ましいことでございます。その意味におきまして、私どもは、商工会なり商工会議所なりあるいは中小企業団体中央会、さらに可能であれば特に大きな協同組合等を窓口にしまして、これらの方々が加入促進の一翼を担っていただくという形を考えておるところでございます。これらの事務を協力していただく方々にはしかるべき手数料をお払いするということを予定いたしておりますので、これらによりまして、中小企業者の方々が団体を通じて手続的には一括して入られる、こういう形が予想し得るのではないか。中小企業団体に伺ってみましても、ぜひこれは協力をしようというような答えをいただいておるところでございます。(中村(重)委員「時間がないから結論みたいな形で答弁してください」と呼ぶ) それから、加入の見通しでございますが、これは初年度大体十万件の加入を予定いたしております。 それから第三番目に、貸付件数と金額でございますが、初年度につきましては、これは年度途中から実際に動き出すことになろうかと思いますので、貸付金額としては大体二十億円から三十億円程度になろうかと推算をいたしております。
○中村(重)委員 御承知のとおり、この法律案についてはわが党はさきの通常国会のときから準備をしてきたわけですが、今度法律案の中身で、当初三コースを考えておったのを、わが党の考え方も取り入れて四コースということになって、五千円から一万、一万五千、二万と、こうなったのだけれども、これを五千円よりまだ下と二万円以上と六コースぐらいに広げないと、四コースでも十分満足させることはできない。六コースに広げても十分満足させることができるかどうか別として、そのことの必要を感じるのだけれども、いかがです。
○岸田政府委員 お尋ねの点は、私どもも中小企業団体にいろいろ様子を聞いてみました。 まず、五千円コース以下のコースを設けるという点につきましては、中小企業団体は特にそれを設けろという強い声は私どもの方には聞こえてまいりませんでした。恐らくそれは他の無担保全融等によってカバーされているという点が背景にあるのではないかと思われます。 それから、二万円コース以上のコースを設けるという点、これは中小企業団体は、当初一万五千円コースを予定しておりましたのに対して、ぜひ二万円コースを設けてほしいという声が確かに強くございましたので、提案の中には二万円コースを取り入れたわけでございます。これをさらにふやすという点につきましては、悪意防止の点がどうかというような点もいろいろございまして、なお踏み切れなかった経緯があるわけでございます。ただ、この制度を運用いたしまして、運用の実績を見、また、その後の経済情勢の変化を織り込みまして見直しをするということは法律の中にも規定されておるところでございまして、その辺は今後の情勢の推移を見てまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 据え置き期間が六カ月、償還期限が五年ということなんだけれども、これはもう少し据え置き期間を延ばすとか、償還期限もまた延ばしていくということが必要であろうということを考えるのが一点。 いま一つは、共済貸し付けを掛金の十倍、これも少な過ぎるというように思うのだが、二十倍程度にするようなことは原案作成の段階において検討しなかったのか。 それから、いま見直しを二十一条に入れているのだけれども、これの検討の対象というふうにしなければならないとお考えになっておられるかどうか。いかがです。
○岸田政府委員 貸付金の償還期間につきましては、私どもも、取引先が倒産したという中小企業が対象になるわけでございますから、少しでも償還期間を長くということで、できるだけの工夫をしてみたつもりでございます。従来の諸制度とのバランスからいいましても、五年といいますのはきわめて長い期間でございます。その辺のところを御勘案を願いたいと思います。 それから次に、十倍の倍率でございますが、これは、この制度の趣旨が、中小企業者の掛ける掛金を運用いたしまして、その元利からいかにしてうまく貸付金を生み出していくかということがポイントになるわけでございまして、私どもも一定の前提条件を設けまして、その範囲内でできるだけの貸付給付をしようということから十倍の倍率を算出したという経緯がございます。 〔林(義)委員長代理退席、委員長着席〕 現在の段階ではいま申し上げましたようなことでございますが、今後見直し条項を発動いたします場合には、当然その中には倍率をどうするかあるいは貸付金の期間をどうするかというような問題、いわばこれも制度の根幹に当たる問題でございますので、当然見直し条項の中に含まれて再検討されるべきものである、かように考えております。
○中村(重)委員 不正手形のいわゆる融通手形、これは不正行為としてお考えになっていらっしゃるんだろうと思う。この融通手形のことを頭に置いて、われわれが主張してきた保険制度というようなこともちゅうちょしておる、結局原案の中に入れられなかった、こう思うのだけれども、融通手形の不正行為をどうしてつかもうとお考えになっているのか。貸し付けはしたけれども直ちに償還をさせるということなんだろうけれども、これは法律案の中には償還をさせると書いているんだけれども、即時償還ということは書いてないわけだから、どうして融通手形等の不正行為というものを把握するのか、それから、そういう不正行為が明らかになった場合は即時償還をさせるのか。 これは無担保、無保証というような融資であるだけに、きわめて扱いにお困りになるんだろうと思うのだけれども、そういう場合に、銀行と一緒になってやったというようなときに、公表の制度というものもないんだけれども、いろんなことを考えないと不正行為をつかむことはできないであろうし、つかめないかち、保険制度も、五年以内の見直しを考えたけれども、なかなかこれはむずかしくて保険制度の併用まではできませんよということになったのでは話にならない。だから、ポイントはここにあるわけですから、その点に対する考え方、対策をひとつお聞かせください。
○岸田政府委員 この制度におきましては、制度上売掛金債権に限定いたしておりますので、商品取引の裏づけのないいわゆる融通手形は制度上対象にならないという形になっておるところでございます。これについて、もし偽り、不正行為があったときには償還をするという制度も用意をいたしておるところでございます。償還につきましては、私どもは、もしそのようなものが発見された場合には、即時償還ということになろうかと思っております。ただ、現実問題としては、融通手形とそうでないものとの区別というものはなかなかむずかしい問題があることは御指摘のとおりでございますし、それなるがゆえに私どももいろいろ悩んだ経緯はよくお聞き及びのことかと思うわけでございます。ただ、実際の取引先との間の月商をチェックをしてみまして、余り過大な融通手形というものが出た場合には、これはおかしいぞというようなことでチェックをしてみる、こういうことが必要なのではないかと思っておるところでございます。
○中村(重)委員 二十条の課税の特例というのは、掛金を損金扱いにするということですね。これは全額そういうことになりますか。
○岸田政府委員 そのように考えております。その面につきまして、大体税務当局ともいろいろ打ち合わせをしているところでございます。
○中村(重)委員 そのように考えておるとおっしゃるのは、これは予算の概算要求かなんかならば大蔵省折衝が残されているからということなんだけれども、これは法律案として御提案になったわけだから、考えているのではなくて、掛金を全額損金扱いにすることになっている、こうはっきりお答えできるのでしょう。
○岸田政府委員 最終的には形式的に租税特別措置法の改正という手続が必要なものでございますから、いまそのような答弁をいたしましたが、税務当局とは大体その方向で了解ができておるところでございます。
○中村(重)委員 それから、保険制度を併用する問題についての各委員の質問に対して、保険制度というものは検討してきたと、まあその必要性を否定はしておられないのだ。ところが、収支がつかめないとか、保険制度ということになってくると掛金が掛け捨てになるから、その掛け捨て額が非常に大きくなるとかといったようなことを理由として挙げていらっしゃる。私どもが保険制度という場合において、銀行が裏づけをした手形ということを対象にしたのだけれども、私どもなりにあらゆる機関から実績を調査をしてつかんだ。だから、つかみにくいというのではない、つかもうとすればつかめるということだ。それから、掛金の掛け捨て額は大きくはなるけれども、貸付金は支払いをしなければならぬけれども、これは支払いをする必要がないわけだ。だから、共済制度とそれからこの保険の制度というものは、そうした点の違いがあるわけなんで、一概に掛け捨ての掛金額が大きくなるから保険制度は併用できないという考え方は、私どもは理解ができないわけだ。 だから、この二十一条にいう五年以内に見直しをするということの柱としてあなた方がこの条項を入れた中には、保険制度を併用するということを検討したいということが中心であろうというように思うのだけれども、いかがです。
○岸田政府委員 私どもも、保険制度ができないかということについては、いろいろ勉強をいたしてみましたものの、いま御指摘のようないろいろの条件、前提がございまして、いまの段階で踏み切ることができなかったという経緯でございます。これは中小企業団体の意向もいろいろ聞いてみなければなりませんし、また、この制度の運営の実績等も考えてみなければならないと思いますが、私どもも、この二十一条の見通しの事項の中には、保険制度の採用も含み得るというふうに考えております。この点は今後の情勢の推移、特にいま御指摘になりました悪意の利用というものがどの程度排除できるか、また、その場合に一体事故率をどの程度算定できるか、この辺の経験的な数値というものがつかめるかどうか、この辺が一つのポイントになるのではなかろうかと思っているところでございます。
○中村(重)委員 政府が原案作成の段階において私どもの考え方を示して、そして、保険制度というものを併用しないということになってくると、社会党としては単独に法律案をいわゆる保険制度の併用という形において提案せざるを得ないということで、そこでその二十一条に見直し条項を入れるということは、その保険制度の併用というものを中心課題として取り組んでいこうとする考え方であるという理解の上に立って実は独自の法律案を提案をしなかったということを、御承知でもございましょうが、改めて今回はっきりいたしておきます。 したがって、二十一条は、保険制度の併用という問題を中心にして、その他いろいろありますけれども、最大限の努力をしていただきたいということをお願いをいたしておきますが、この点はポイントですから、通産大臣からもひとつお答えをいただきます。
○田中国務大臣 ただいまお話しのような経緯もあったと存じますが、十分に御趣旨をさらに検討さしていただきとうございます。 なお、見直し規定もあることでございますので、今後の運営によりましてさらに一層いいものをつくりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 それから、この業務委託の団体の問題について、先ほど中小企業三団体をお挙げになった。私どもは政府三機関というものを当然対象にすべきであるということ、この点も主張してきたわけです。これは省令事項であるわけですから、私どもが主張してまいりました三機関の中の国民金融公庫と中小企業金融公庫は、預金業務を扱っていないということになって問題が若干あるだろうとは理解をいたしておりますが、商工中金は、これは預金業務も扱っているわけですから、当然この対象団体となり得るというように思っておりますが、この点どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○岸田政府委員 この制度の運用におきまして、商工中金は、掛金の納付、それから共済金の貸し付け、償還業務、これらについて委託団体として扱うように考えております。
○中村(重)委員 はっきりしたお答えがありましたから、商工中金はそれではそういう対象の団体にされるということを確認をいたしておきます。 それから、出資金の二十億、これは少ないことは言うまでもないですね。ともかく今臨時国会は不況国会、その不況国会の中において唯一の倒産防止法なのだから、これに対して政府の出資が二十億、それから事務費が十四億と伺っているのだけれども、そういうみみっちいことでは話にならないですね。出資金というものが大きくないと、どうしてもこの制度というものが非常にシビアに運営をされるということになってきて、仏つくって魂入れずということになるわけです。上積み二十億をお考えになって、四十億という形に大蔵折衝はなされるであろうということは伺っておりますけれども、私どもは、保険制度の併用という問題もあわせて、二百億ということを考えてきたわけなのです。保険制度が併用という形にならないといたしましても、いまお考えになっていらっしゃる二十億、最終的に上積みという形で折衝をしようというようにお考えになっているやに伝えられている二十億といたしましても、四十億でも不足をすると私は思う。したがって、大蔵折衝の段階において、大幅にこの出資額をふやしていくということが一つ。 それから、事務費というのももっと奮発をするのでないと、これまた制度の運用というものがうまくいかないというように思います。ですから、この点は、長官の答弁ということよりも、大臣の答弁というのが好ましいわけですから、ひとつ大臣からお答えをいただきたい。
○田中国務大臣 御案内のとおりに、制度が発足いたしたばかりでありまして、その活用の問題につきましてもいろいろと議論のあるところでございます。いまの二十億という問題につきましても、私は、この制度が実際に滑ってまいりました暁におきまして不足であるような状態でありますならば、またこれが調整をいたしたいと考えております。
○中村(重)委員 濃野局長に分野法の問題でお尋ねするのだけれども、分野法の運用が弾力的になされるだろうと思ったところが、そうではなくて、むしろ私どもが期待しておったことからいたしますと非常に後退をした、硬直的な、機械的な運用をしているように感じるのです。かといって、銀行なんかの取り扱い業務というのがある中では、この関係で銀行が扱っておる業務があるのだけれども、それはそういうことをやらしてはいけないというようなことをやらしているのだな。そうしてみると、やはり銀行等の大きい企業というものの利益を可能な限りこの分野法の中において守っていこうとする考え方、そして弱い中小企業というものをこれからはみ出させる考え方があるというように思うのです。 軽印刷も一つの例として挙げられるのだけれども、かつて大日本印刷との間にトラブルが起こった。それで、これに対しては、私どもも精力的にその軽印刷の主張は正しいということで通産折衝もやって、一応の妥結を見たということなんですが、こういう軽印刷は一般印刷との区別がつかないので申し入れ団体じゃないということで取り扱いをしないというように伺っている。これは既得権なんだ。私どもは十数年前から中小企業の事業分野の確保に関する法律案というのを提案をして、そして政府に要求をし、与党に要求をして、ようやく重い腰を政府・与党も上げて、不十分であるけれども現行分野法というものが制定をされるということになってきたわけです。その際に、この促進協というようなものをつくって中小企業の団体が積極的な取り組みをした際に、この軽印刷の団体というものが柱になったわけなんだ。だから、その柱になった軽印刷を締め出すなんてとんでもないことだと私は思っている。 そういうような硬直した、機械的な扱いではなくて、弾力的に、この法律をだれのために生かしていくのか、中小企業を育成していかなければならぬ、中小企業を育成することによって消費者利益を守っていくということ、そして低成長時代における中小企業の果たす役割りを十二分に発揮させるということでないといけないと、こう思うのだけれども、どうも通産省のおやりになっていらっしゃることは逆さまになっているような感じがしてならない。私は、その具体的な例として二つを挙げたけれども、今後どのような態度で対処してまいりますか。
○岸田政府委員 分野調整問題につきましては、私どもも、せっかくあの法律ができまして、これをいかにうまく使っていくかということにいま腐心をいたしておるところでございます。 いま御指摘の問題は、私も先般そういう問題が起こっておるということを聞きまして、業界の中でいろいろの問題もあるようでございますが、私なりにこの問題をどうおさめるか、工夫をさせていただきたいと思っておるところでございます。
○濃野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま中小企業庁長官から分野調整法の運用ということでお答えがございましたが、私は、分野調整法の運用のみならず、これからの低成長下で各産業間の問題あるいは産業内部で、分野調整法が予定をしておりますような問題、いろいろ個々の問題としてたくさんの問題が出てくると思います。分野調整法、法律の運用を離れましても、やはりそういう個々の問題すべてについて弾力的に取り組んでいくという方針でこれから対処していきたい、かように考えております。
○中村(重)委員 時間が参りましたからこれで終わりますが、日本ぐらいに中小企業の法律というものが無数にある国は、先進国家の中でないわけです。それほど中小企業関係の法律がある日本で、また日本ぐらいに中小企業というものが不安定な経営をやっている国というものもない。だから、小売商業調整特別措置法なんといういい法律をつくりながらこの法律が働かなかったということも、例として政府はお考えにならなければならない。だから、この法律を活用させるために、先般私どもは商調法の改正をやった。なおかつこれは不十分な点もありますから、再改正をちゅうちょしないという態度で対処してまいりたいと考えているわけですから、この法律案が成立をいたしましたならば、ひとつ有効にこの法律を活用してもらいたいということについて、これは附帯決議もあるわけでありますから、通産大臣からひとつお答えをいただきたいというように考えます。 それから年末融資。大蔵省からもおいでていただいておるわけですから、年末融資、民間は三兆六千億か八千億というように伝えられておりますが、この民間の金融機関の年末融資ということについて、大蔵省、通産省といろいろと話し合いをしながら、またその運用の点についても十分検討しながら、民間金融機関が三兆八千億というのを打ち出したのかどうかという点が一点。 もう一つは、政府三機関の年末融資というものをどのようにお考えになっているかという点が二点。 それから、政府機関の貸付条件というのをこの際勘案をしていくのでないと、金利にいたしましても通利七・六%、大臣、これはどうかすると民間金融機関よりも高いのですよ。私の地元で、この間市場が街路灯をつくるというので、近代化資金を使ったらどうかということにしたところが、これは非常にむずかしい条件があるのですが、それをできるだけ弾力的にやるといたしましても七%、それから保証協会の保証料というのがつくんだな。ところが、民間の金融機関に話し合いをした、相談をしてみた。相互銀行が六・五%で貸し付けをするのですよ。こういうことで、政府関係金融機関の融資というものが民間金融機関よりも利息が高いというようなことでは、これは政府関係金融機関としての任務を果たすことにはならぬと私は思う。だからして、大幅にひとつこの金利を引き下げる。 それから、貸付条件というものも、金は借りたいけれども担保というものを持たないのです。したがって、国民金融公庫等の担保貸し付けという条件は、もっと担保なしの貸し付けというのを引き上げていくということでないと、五年も十年も一つも変えないということは、貨幣価値はこんなに下がっているのにその条件を緩和しないということは、私はもってのほかだというように思う。 それからもう一点は、いつも言われていることだけれども、なかなか改まらないのが歩積み両建てなんだから、最近はにらみというようなものが効いて、なかなか歩積み両建てが改まらない。この不況の中において、本当に中小企業はもう政府の施策というものに対して強い憤りを感じているということなんですから、こういう点も改めていかなければならぬ。 それから、この不況対策の際に、弱い中小企業には保証つきで融資をする場合、保証つきであればそれだけ金利を下げますというのだけれども、一向これも改まっていない。だから、保証つきの融資というものは、むしろ保証料をただにして、それを何らかの形において埋めていくということにするのか、責任を持って保証つき融資というものはそれだけ金利を下げるということにするのか、そのいずれかをおやりにならないといけないと私は思いますから、通産並びに中小企業庁、それから大蔵省からそれぞれお答えをいただきまして、私の質問を終わることにいたします。
○田中国務大臣 詳細な点につきましては担当の政府委員からお答えいたしますが、私といたしまして概括的に申し上げたいことは、せっかく分野調整法をつくっていただきまして、それが運用の面におきましてなかなかむずかしいことがあるというような御指摘に対しまして、私ども、この分野調整の問題やら、あるいはまたそれだけではなくて、商調法の問題やら大店舗法の問題やら、中小企業の諸立法というものはまだまだ改良していかなければならない、今後ともに勉強して少しでもいいものをつくりたい、せっかく懇話会等を持ちまして、ただいま研究をさしておる次第でございます。 それから、御承知のとおりに、政府系三機関の貸出枠三兆六千億の中におきまして、第三・四半期の分の一兆三千三百億というものが、毎年の例でありまするが、年末の融資に充てられるのでありまして、さらに別途この年末金融ということで、政府といたしましても特段の融資をいたすのでございますが、しかし、ただいまのところでは、むしろ景気というものが非常に冷え込んでおるということで、われわれの方はむしろ枠をつくってもつくってもなお足りないというようなほどに景気が上昇してもらいたいのでありまするが、そういう点は、どうも冷え込んでおる点はまことに残念でございまして、今後なお一層、景気浮揚の問題については努力をいたしとうございます。 それからなおまた、年末金融についての必要な資金量というものは、これは随時大蔵の方とも交渉いたしまして、万遺漏なきを期したいと存じます。 それから、手続等の簡素化の問題、これも大事でございまするが、さらにただいま御指摘になりました拘束預金の問題でありまして、これは昨年の暮れあたりから大蔵省の方におきましてもだんだんと拘束預金の問題について関心を持ち、また銀行等に対しましていろいろと通達も出しておるようでございます。しかしながら、この歩積み両建てあるいはにらみ預金といったようなものがいまなおございますことにつきましては、特に政府といたしましてはあらゆるきめの細かい対策をつくっておりますにかかわりませず、むしろ非常に逆行するようなことでありまして、特に私どもが政府系の金融機関において歩積み両建てが行われたというようなことを仄聞いたしまして、非常にこれは不都合千万なものだ、それにつきましては特に注意をいたします。 それから、政府系の金融機関の金利と一般市中銀行の金利が、むしろ市中銀行の方が少ないじゃないかというお話もときどき承ります。これは事実であるかもしれませんが、しかし、いま市中銀行の場合におきましては、貸し出し対象がないために、非常に低い金利でもって特別な融資をいたしておる場合もあるようでございまするし、一方また、われわれの方といたしましても、政府系金融機関の金利というものはむしろ下げていかなければならない、こういうふうな趨勢にありますことは申し上げるまでもございません。今後諸般の問題につきまして特段の注意をいたしながら行政を執行してまいりたい、かように考えております。 なお、さらに詳細は担当の政府委員からお答えいたします。
○石川説明員 民間金融機関についてお答え申し上げます。 年末金融でございますが、お話しのように三兆八千七百億の年末金融枠を用意いたしておりますが、中小企業庁にも御連絡申し上げておりますが、基本的には各金融団体みずからが設定をし、用意しているものでございます。大蔵省といたしましては、その運営に遺憾なきを期するよう指導しているところでございます。 それから、歩積み両建ての問題でございますが、御指摘のように、にらみ預金が最近特に問題となってきております。これは長い歴史がございます拘束性預金の整理、過当な歩積み両建てがないように指導してきておりますが、昨年のちょうどいまごろからでございますが、そういう正規の手続をとらないにらみ預金というものがなお残っている、それを新しい目標といたしまして整理をしていこうということで、新しい通達を出しまして整理に乗り出したところでございまして、まだ実はにらみ預金の整理を始めましてから時間がたっておりませんので、思うような成果が出ていないことは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、今後とも歩積み両建ての問題につきまして最大限の努力を払っていきたいと考えております。
○岸田政府委員 大臣及び大蔵省から詳細な御説明がございました。私どもも、中小企業をお預かりしておりますと、中小企業の率直な声として、必要な資金はぜひ確保してほしい、それから貸付条件は少しでも改善してほしいという声を聞いております。私どもとしても、今後できる限りこのような中小企業の声にこたえるべく、最大限の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 大蔵省、答弁漏れだからね。 国民金融公庫等の政府機関の貸付条件というものをもっと緩やかにしないといけない。担保なんてなかなかないわけだ、特に零細企業は。だから、国民金融公庫が、三百万あるいは五百万からぜひ担保を持っていらっしゃい、こういうことでないと貸し付けをやらない、その条件はもう少し緩和する必要があると言うのです。その点は今後どう改めますか。
○藤田説明員 いま先生の御指摘がございました、まず国民公庫の金利の問題でございますけれども、これは御承知のように、七・六%という長期の金利といたしましては民間金融機関が一流企業に適用している金利を適用しているわけでございます。しかもこの四月以来、国民公庫の借り入れのコストでございます運用部の金利が一%しか下がっておりませんけれども、国民公庫の貸出金利は一・三%下げるという形で、われわれとしてもできるだけの引き下げを図ってきております。さらにまた、先生御承知のように、円高問題につきましては六・二%という金利を出しておりますし、また倒産防止、それから既往金利の引き下げとか、こういった特別の問題につきましてできる限りの引き下げを図ってきているわけでございます。この辺のわれわれの努力を評価していただければ大変ありがたいと思うわけでございます。なお、今後ともにこの方向で努力してまいります。 それから次に、担保の問題でございますけれども、かねてから私どもも、担保の供給につきましてはできるだけ弾力的にやるようにという指示をしております。ゆえに、国民公庫の場合について申し上げますと、八五%が無担保で貸されております。さらにまた、たとえば中小公庫、そういった問題につきましても、担保の供給、たとえば評価がえの問題とかその他手続の関係で、できるだけこれを弾力的にしていくように引き続きわれわれとしても指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○野呂委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 ————————————−
○野呂委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 中小企業倒産防止共済法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野呂委員長 起立総員。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 ————————————−
○野呂委員長 次に、本法案に対し、中島源太郎君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。佐野進君。
○佐野(進)委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明いたします。 まず案文を朗読いたします。 中小企業倒産防止共済法案に対する附帯決議(案) 政府は、現下の厳しい経済情勢の中で中小企業の倒産を未然に防止するため、本法施行にあたり、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。 一 本共済制度の実施体制を速やかに整備するとともに、今後の経済情勢及び中小企業者の要請に即応できるよう、その運営実績を勘案して、共済保険制度の導入その他共済制度に関する基本的事項につき検討を加え、制度の改善を期すること。 二 本共済制度の普及について積極的な措置を講じ、制度の基盤の確立を図るとともに、その安定的運営のための政府出資及び中小企業共済事業団に対する助成措置の充実に努めること。 三 共済契約の締結及び共済金貸付け等に関する業務の公正迅速を期するため、窓口となる中小企業関係団体及び金融機関の広範な活用を図るとともに、これらに対し、本法の趣旨を徹底させるよう強力に指導すること。 なお、中小企業者が協同組合等を通じて容易に加入できるよう、運用について配慮すること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によりまして御理解いただけると存じますので、詳細の説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。 以上であります。
○野呂委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野呂委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。田中通商産業大臣。
○田中国務大臣 ただいまの御決議の趣旨をば尊重いたしまして、本制度の運用等に万遺憾なきを期してまいる所存でございます。ありがとうございました。 ————————————−
○野呂委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————− 〔報告書は附録に掲載〕 ————————————−
○野呂委員長 次回は、来る二十五日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十六分散会