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82回国会衆議院1977/11/04

商工委員会 第6号

発言数
42
登壇者
8
会派数
2
開催日
1977/11/04

会議録

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水勇君。

清水勇日本社会党

○清水委員 けさは大分張り切って質問をするつもりでおりましたが、いささか時間がずれて、少し気が抜けたビールになるかもしれませんが、しかし、事態が非常に深刻なときでありますから、この際、お尋ねをしておきたいと思います。  まず、政府は、九月二十日の閣議で円高対策、大幅な黒字減らしのためにいわゆる総合経済対策を協議しております。その中で、石油の緊急備蓄輸入あるいは濃縮ウランの前払い購入などを目玉として、深刻な事態を回避しようとしたようでありますが、その後の情勢をずっと見てまいりますと、円相場は天井知らずと言われるような高値を続けておりまして、むしろ悪化の傾向にあると言わなければならない、そう思います。どうも政府の根本的な対策に欠けるものあるいは誤りがあったのではないか、こういうふうに思うわけであります。  これまで政府は、口を開くと輸入立国という立場を強調しております。しかし、重要なことは、この深刻な不況によって冷え込みあるいは落ち込んでいる内需を活発にする、そういう政策を思い切って行うべきときに来ているのじゃないか。つまり、発想の転換を行うときに来ているのではないかというふうに思います。  通産大臣にお尋ねをしたいのでありますが、幾ら輸入枠を拡大してみたところで、基本的な経済政策が従来の政策のパターンのままであるとするならば、しょせんそれは一時しのぎの当面の糊塗策以上には出ないのじゃないか。また、大事なことは、内需の拡大ということが最近強調されるようになりましたが、この点について言えば、末端における最終需要の増大を図る、つまり、今日国民の消費支出が非常に落ち込んでいるからこれを積極的に拡大するなりあるいは社会資本の充実を図るといったような、そういう政策の重視ということが必要になってきているのではないかというふうに思うのでありますが、まず、この点についての大臣の御所見を承りたい、こう思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 お答えをいたします。  御案内のとおりに、わが国の経済構造というものが食糧、米以外ほとんどすべての食糧、燃料、原料、材料、これを海外に依存いたしておりまして、その付加価値によって貿易立国をいたしておる国柄でありますことは申すまでもございません。そういう関係に立ちまして、私は、今日の非常な不況のいろいろな原因の中で当面いたしました最大のものは、何と言いましても円高であろうと存ずるのでございます。  円高以外の問題につきましての不況対策という問題は、御案内のとおりに、それでは景気対策としていかなる方途がよろしいかということにつきまして、昨年、今年、いろいろと御議論を尽くしてきたところでございます。その中における景気対策の一番大きな問題といたしましての公共投資の前倒しという問題を決定し、さらにまた四月十九日の閣議に従いましての景気対策、つまり、できました予算を早く執行するということを基本にいたしました対策を立てたのでありますが、タイムラグといいますか、大分ずれ込みがございまして九月三日の景気対策となり、また九月二十日には、ただいま御指摘がございましたような当面の黒字減らしという問題を決定いたした次第でございます。  このような一連の対策の中におきまして、やはり何と申しましても私は、政府の主導型といいますか、財政主導型の景気対策をとらざるを得なかった。これによってそもそもフライホイールを一応スタートを切って始動させ、その間における国民経済全体のフライホイールが回り始めるような一つのスタートを切ったわけでございますが、これがなかなか、その後のいまの円高等々によりまして水をかけられたような状態になっておりますことは、申すまでもございません。  そこで、いまの内需の喚起という問題につきましては、一つは、政府の財政資金散布によります公共投資その他と、もう一つは、対外協力に基づきます商品輸出といいますか商品援助によります大量の内需の喚起という問題、そういうふうなものが両々相まっていきたいと思っております矢先が、この円高の問題でございます。  そういうことを踏まえましてこれからいろいろと御相談をいたさなければなりませんし、また御協力を仰ぎたい、かように考えておる次第でございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 私がいま申し上げた質問の中で内需の拡大、こういう点について最近政府が強調されているのですけれども、単にいわゆる公共投資というものに依存をする、こういうことではなしに、やはり全体として国民消費支出の中に占めている個人消費支出の割合、そのウエートをもっと高めていくような意味で、つまり言うところの有効需要、末端需要を高めるような政策あるいは社会資本の充実といったようなものを通してそれを補完していくといったような、こういう点にもっと腰が入らなければいけないのじゃないか、こういうふうに考えているのですけれども、その点、どうでしょう。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいまの御意見は、産業構造審議会等々によります一つのビジョンといたしましても、これからのいわゆる方向が、おっしゃいましたような国民の社会資本の充実というような線に求めていこう、こういうふうな非常に貴重な、重要な議論がありますことは、お説のとおりでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 なお、経済政策の基本に触れては同僚議員の方から質問をすることになっておりますから、私は先へ進めたいと思いますが、円高問題に関連をして、私はこの機会に二つの問題についてお尋ねをしてみたいと思います。  その第一は、いわゆる円高を通じて輸入業者が莫大な為替差益を得ている、その事態をほうっておくべきではないじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。たとえば石油業界のごときは、円高でぼろもうけをしていると言われております。その具体的な事例として、去る一日に発表された日石の上期の決算は、まさに過去最高の利益を計上をしていると言われております。     〔委員長退席、山崎(拓)委員長代理着席〕 その内容を見ると、経常利益は前年同期の一・五倍に当たる百五十六億円余りでありまして、このうちいわゆる為替差益は、実に九〇%近い百三十八億円を占めている、こういうふうに言われております。さらに、同社の精製部門である日本石油精製等の分を加えますと、いわゆる日石グループとしての為替差益は、半期で実に二百八十億の巨額に達している、こういうふうに伝えられているわけであります。  こうした為替差益は、たとえば電力も同様じゃないかと私は思います。通産当局は、昨年の六月から七月にかけて、九電力に対して平均二〇%前後の料金の値上げを認可をしているわけであります。その際の値上げの理由としては、無論電力の将来にわたる安定供給のための設備投資が一つのコストとして加味されているということは、私もよく承知をしております。しかし、何といっても最大の値上げ理由というものは、OPEC等による原油の値上げにあった、このことは否定のできない事実だと思います。その際、通産当局は、一ドル三百八円という建て値で新料金を認可をしているわけでありますが、御承知のようにその後円高がずっと続いて、ついにいまや二百四十円台、こういうような状況になっているわけであります。したがって、原油代金だけを単純に計算をしてみても、少なくてもその部分で一五%から二〇%というような為替差益を出しているのじゃないか、私はそういうふうに思うわけであります。  それで、電力料金は認可料金なんでありますから、そういう立場で言えば、こういう膨大な為替差益を、企業努力によって収益率が高まったという場合とは事情を異にしているわけでありますから、こういう利益を企業に勝手に処分をさせるということは大変な問題ではないのか。少なくともこの差益分を消費者である国民に還元をする、あるいは需要業界に還元をする、こういうことを当然考えてしかるべきではないかというふうに思うわけでありますが、大臣、そうした点についていかがでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 御案内のとおり為替の問題は、一方におきましては為替差損に対しまする緊急の救済対策をいたしますると同時に、この差益の国民経済に対しまする還元という問題につきましても、御承知のとおりに、石油を初め電力その他、いろいろな面におきましての差益が出ておりますことは当然でございます。私どもといたしましては、物価対策の関係官会議、さらにまた通産省といたしまして、この輸入業者あるいはまた流通業界の組合等に対しましては、その傘下の業界に対しまする差益の問題の調査並びにその還元の問題につきましてアンケートを出しておるような状態でございまして、一応十一月十日をもってこれを収集する予定にいたしておりますが、しかし、ただいま先生が御指摘のような最近の日石の決算の発表、その他の問題等につきましては、政府委員の方からさらに具体的に詳細御説明を申し上げたいと存じます。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 石油製品と電力料金における為替差益の還元ということで御指摘があったわけでございます。私から二つの問題についてお答えいたします。  御指摘のとおり、石油におきましても為替メリットが出ております。一応私たちの計算といたしましては、一円の円高につき、原油一キロリッター当たり八十五円のメリットが出てくるというふうに計算いたしておりまして、仮に二十円の円高で本年の輸入見通しである二億八千六百万キロリッターが入着いたすといたしますと、五十二年度間を通じまして、かれこれ五千億円程度の為替メリットが出てくるであろうというふうに試算いたしておるわけでございますが、一方、御理解賜りたいのは、さような為替メリットを相殺する要因として、大幅なコスト上昇要因があるということでございます。  それで、為替メリットを計算する場合には、これは一定の前提を置くわけでございますが、コストアップ要因の方は、御承知のように、ことしの一月と七月にOPECによる原油価格の引き上げがございます。これはざっと計算いたしまして五千億円程度あるわけでございます。そのほかに保安、防災、備蓄、それから関税の増徴、こういった面での要因が約千五百億ございますので、合計いたしますとコストアップ要因が六千五百億。この六千五百億に上るコスト上昇と御指摘の為替メリットとの関係がどうなるかということが、どの程度まで為替差益ができるのかできないのかという判断の根拠になってくるかと思うわけでございますが、為替レートにつきましてはまだきわめて流動的である、あるいはことしの十二月にカラカスにおきましてOPECの総会がございますが、この総会で来年の一月一日以降の原油価格の引き上げ問題をどのように処理するかといったような問題も含めて流動的な要素がございます。  それから、もう一つ御理解賜りたいのは、ことしの三月末におきまして、民族系だけとりましても約七百億の繰り越し損を持っておる、こういった事情もございますので、私といたしましては可能ならばもちろん為替差益の還元ということを考えなければならないと思いますが、この三月あるいは四月にそれぞれ二千四百円あるいは二千円といったような価格引き上げの発表を元売り各社はいたしておったわけでございますが、そういったものが現在事実上進んでない、あるいは一部のものにおきましては値上げを撤回する、かようなことで対処いたしておりますので、現在時点においてはその限りにおいて為替差益は還元されておる。今後の動向につきましては、われわれといたしましては先ほど申し上げましたような情勢の推移というものを注視してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それから二番目に、電力の問題でございますが、先ほど先生からは三百八円という御指摘がございましたが、実は昨年の六月から八月にかけての九電力会社の料金査定に当たりましては、過去三カ月の平均レートをとっておりまして、三百八円ではございません、大体平均して二百九十八円か九円くらいではなかったろうかと思うわけでございますが、それはそれといたしまして、電力におきましては、原油だとかLNG、こういったものにつきまして外貨建てで契約している面がございます。これと為替メリットの関係をどう考えるかということでございますが、五十二年度で試算いたしますと、いわゆる為替メリットが九電力合計で千百二十一億円くらいございます。一方、その間における原油価格の上昇というものは、昨年の料金査定の際にコストに織り込んでおらないわけでございますが、この分が三百八十億ほどございまして、差し引きいたしまして七百四十一億というのが五十二年度間を通じての為替メリットというふうに申し上げられるかと思いますが、これは九電力の五十二年度の総括原価に対しまして約一・三%ぐらいになるわけでございます。それからキロワットアワーに換算いたしますと、十八銭でございます。御承知のように、わが国における標準世帯におきまして一月百二十キロワットアワー使っておるわけでございまして、これで換算いたしますと二十一円六十銭、家庭一戸当たり平均一月二十一円六十銭ということに相当するわけでございます。この二十一円六十銭が高いか安いかという問題があろうかと思いますが、電力料金は当然公共料金でございますので、私たちといたしましては公共料金というのはできるだけ低位安定的に維持する必要があろうか、かように考えておるわけでございます。  現在の九電力の原価を計算するに当たりまして、いわゆる原価計算期間なるものを来年の三月末までに置いておるわけでございます。二十一、二円程度のものを還元するよりは、むしろ来年の四月以降もできるだけ長く現在の料金水準を維持した方がいいというふうに判断いたしまして、九電力社長に対しまして、それぞれ来年の四月以降もできるだけ長く現在の料金水準を維持するようにすでに指示いたしておるところでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 いまの長官の説明に関連をしてちょっとお尋ねをいたしますが、いわゆるコストアップ要因も別に出ているんだ、こういうふうなお話でありますが、しかし、現実に日石のみならず、関係企業のいわゆる利益計上というものはかつてない膨大なものになっていることもまた事実なんです。ですから、長官が言われるような要因を相殺をして、かつ、そうした利益が計上されている、この点について適切な何らかの還元措置を講じさせるということは当然なことじゃないかというふうに私は考えるわけであります。  また、たとえば電力会社についても、いま一戸当たりに直すと二十一円何ぼというような還元額にしかならない、そこで云々というふうなお話があったわけでありますが、それでもなおかつ、全体の消費者を対象に還元をするほどのものでないにしても、たとえば仮に生活困窮世帯、よく言われるボーダーライン層、こういった面に対する何らかの福祉的な措置といったようなものが個別に講じられるように助言なり指導をされてもしかるべきなんじゃないか。  たとえば、昨年あるいはその二年前の値上げの際にも、値上げ料金の通産の認可にかかわらず、そういう弱者救済というような意味合いで、中部電力を初め幾つかの事例がございますけれども、一定期間の料金値上げを凍結するといいましょうか据え置くといいましょうか、そういうような措置をとってカバーをしたというような事例もあるわけですね。だから、そういうふうな世帯に限定をしてしぼれば、一戸に割れば二十一円何ぼであるけれども、もっと救済度の高い還元ができるのじゃないか、こういったようなことも感じられるわけでありますが、そうしたことなどについて検討なさったようなことがあるかどうか、お尋ねをしたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 まず、石油についての御指摘でございますが、一昨日でございましたか、日石は御指摘のような五十二年度上期の決算内容を発表したようでございます。ただ、日石と申しますのは、御承知のように最有力企業と申しますか、最も経営効率の高い企業でございまして、元売り十三社と申しますか、精製三十六社という中でもトップレベルの企業でございます。そういったところで企業間格差が非常に強く出ておりまして、たとえばコンビナートリファイナリーというものが全国で九つあるわけでございますが、これだけとりましても三月末に百三十五億円の赤字を出しておる。その間、為替メリットによって赤字分は少なくなっておるとは思います。あるいはコスト上昇が、値上げをせずともその限りにおいてカバーされておるということも私はわかるわけでございますが、石油全体として考えた場合に、しかく簡単にまいらない面もある。もちろん私といたしましても為替の動向というものをよく見ながら、できるものなら還元いたしたいという気持ちは毛頭変わりないわけでございますが、一方で石油の安定供給に支障を及ぼすようなことになってもという点もございますので、いましばらく注目してまいりたい、かように思うわけでございます。  それから電力につきまして、たとえば生活困窮者などに特に安く出せないかという御指摘でございますが、これも釈迦に説法で恐縮でございますが、電力料金というのは原価主義をとっておる。それから公平負担の原則をとっております。したがいまして、一部のものにだけ安くするということは他に対してそれだけ負担を多くするという関係になりますので、一部のものだけ、たとえば生活困窮者を取り上げた場合に、じゃ病院で手術用の電力をどうするんだとか、学校、特に定時制の学校の料金をどうするんだとか、きわめて多くの要請が出てまいりますと、電力体系がどうにもならなくなってしまうといったような実情もございますので、先ほども申し上げましたように、できるだけ長く維持したい。かつての料金引き上げの際に一定期間据え置いたじゃないかというお話もございますが、これも全体としてさような取り扱いをいたしておりまして、その中の一部でという取り扱いはございません。ただ、先ほど申し上げました百二十キロワットアワー、いわゆるシビルミニマム、そういった階層にできるだけ安い料金で供給するようにといったようなところから三段階の料金制度が導入されておりまして、原価主義の範囲内ぎりぎりのところで三段階、その一番下の料金、先ほど申し上げた百二十キロワットアワーまでの消費家庭に対しては原価主義の中での一番安い料金を適用しておる、こういうことでございまして、残念ではございますが、御指摘のように生活困窮者にだけ安くするということは現在の電気事業法のたてまえからいたしまして事実上困難であるということでございます。御趣旨はよくわかるわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 この点について、最後に一つだけ申し上げておきたいことは、たとえばことしの三月期決算の際に各電力会社ともに予想以上の利益の計上ができたということを理由に、株主に対する増配を行っておりますね。ですから、そういうような形での還元といったような結果が起こらないように篤と通産当局では指導をしてもらいたい、この点どうでしょう。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、せっかくの為替メリットは現在の料金水準ができるだけ長く維持されるように活用されるべきだと思います。さようなところから、いまの配当の問題もございますが、そのほかに不要な土地の取得だとかそういったことのないようにわれわれとしても十分監視をしてまいりたい。来年の三月が原価計算期限の終期であるにかかわらず、いまの時点で強く電力会社に、長く現行料金体系を維持するように指示いたしましたのも、いまからその心構えで対処するようにという意味を含めて指示したものでございますので、先生の御指摘の方向に沿って今後ともよく監督してまいりたい、かように考えます。

清水勇日本社会党

○清水委員 第二の問題は、私が改めて申し上げるまでもなく、一連の円高によって輸出関連の中小企業はいまや円高倒産という言葉が出るような深刻な事態を迎えております。  実は、九月の下旬に中島理事を団長とするチームに私も加わって新潟県下を訪ねたわけでありますが、その際、たとえば燕の洋食器業界その他繊維や工作機械などの輸出関連業界の代表から非常に切々たる陳情を承っている。当時、二百六十円台であったかと思いましたが、この二百六十円台でももはや出血輸出である。さらに円高が続いて仮に二百五十円台にはね上がるというようなことになればもう全くお手上げである、こういうふうな訴えがあったわけでありますが、現状は二百四十円台というような円相場になろうとしている。  この間も、この委員会で参考人が強調されておりましたが、仮に円高なりに何とか一定の相場に落ちつかせてもらえないものか、こういうことを訴えておられた参考人もおりました。無論変動相場制をしいているわけですから、一ドル二百何十円というふうな固定は無理な話ではありますけれども、しかし、政府も成り行きに任せるとか情勢待ちといった消極的な態度ではなしに、もっと積極的に国際投機資金の流入を規制する、たとえばそういったことなどについて先進諸国と話し合いを持つとか、あるいはさらに、日銀をして適正に介入させるとか、要するに出た結果についてどう手だてをするかという姿勢だけではなしに、円相場の安定化に向けての努力というようなものを払うべき時期に来ているのじゃないか、どうもその点、根本的な対策に欠けるうらみがありはせぬか、こういうふうに思うわけでありますが、どうでしょう。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいまのお話は、私の所掌事項といたしましては、円高の影響によって輸出企業並びに産地が深刻な打撃をこうむっております、それに対します救済なり緊急融資の問題をいたしておりまするが、円高それ自体に対しまして政府といたしましては、あるいは日銀でありますとか大蔵省でありますとか、さらに物価の問題までも関連いたしまして、経済企画庁の方でいたしておりますので、本件は企画庁の政府委員の方からお答えいたします。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○宮崎(勇)政府委員 先生御指摘のように、最近の急激な円高というのは、経済界にいろいろの影響を与えているわけでございます。自然に円高に移行するということについては、経済情勢を反映しているという意味でそれを素直に受け取るべき面もございますけれども、非常に急激にあらわれます場合には非常に影響が大きいわけでございまして、当然先生が御指摘のような円高対策というのを精力的に行わなければいけないわけです。  最近の円高の原因は、すでにこの委員会でもいろいろ御議論がございましたように、わが国の経常収支の黒字が依然として大きいという問題と同時に、アメリカの国際収支、特に貿易収支の赤字が非常に大きくなっている、一月から九月ですでに百四十億ドル近くになっているというようなことがございますので、アメリカに対しても節度ある経済運営をやってほしいということを要求し、ドルの安定を図ってもらいたいということを当然要請するわけでございますが、わが国としましても景気対策を着実に実行するほか、できるだけ個別の対策において輸入を促進するというような形で、急激な円高というのを防ぐ、さらに生じました円高によって出てくるものについては、たとえば中小企業対策その他きめ細かい対策をしていく必要があるということで、先ほど先生が御指摘のように、日本以外のアメリカを中心として節度のある経済政策をやってほしいということに対する注文は当然すべきものだというふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 いま局長から、すべきものであると考えているというふうに言われておるのですけれども、現時点までに具体的にどういう手が打たれているのでしょうか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○宮崎(勇)政府委員 さきのIMFの会議でも通貨当局同士が話し合いをしておりますし、今日でも通貨当局同士の連絡は頻繁に行っているわけでございますし、その範囲内において、たとえば日本銀行が乱高下を防ぐという意味の通貨の介入をしている、さらに今後一連の国際会議が予定されておりますけれども、そこでもわが方として積極的に発言していきたいというふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 そうした中で、いわゆる国際的な投機資金がどんどん流入するというものを何らかの形で歯どめをかける、規制をするといったようなことが、どの程度の議題になっているのでしょうか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○宮崎(勇)政府委員 細かい為替管理上の措置につきましては、通貨当局が適切に展開するわけでございますが、一般論といたしましては、情報の頻繁な交換によって各通貨当局が節度ある態度をとることを要請するわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 そこで、次に通産大臣にお尋ねをするわけでございます。  昨今の新聞報道等を通じても、連日にわたって当面する深刻な中小企業の円高対策について一連の政策を検討していることを承知しておりますが、たとえばその中で、為替変動緊急融資制度の金利引き下げをやりたい、こういうことが言われているわけであります。言うまでもなく、現在の七・六%という金利は通常の金利幅とほとんど変わらない、特別融資制度の意味がないじゃないか、だからこれを思い切って五%ぐらいに下げられないか、これが関係業界の切実な要望になっているというふうに承知しているわけでありますが、どうも通産当局の対応はそこまでこたえられないのじゃないかという感じが強いのですが、この点はどうでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 先生おっしゃるように、その問題につきましては政府の方としても緊急な処置をいたしつつあるわけでありまして、たまたま中小企業庁長官がおりますから、政府委員からお答えいたします。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 為替変動対策緊急融資制度につきましては、私どももこれがうまく使われまして、当面受注の減に悩んでおります中小企業のつなぎとして役に立つようにと思っておるところでございます。  それにつきまして、金利の軽減を図ってほしいという要望が中小企業業界からも、また、関係の方面からもございまして、私どももこの問題について鋭意内容を詰めてまいっておったところでございます。関係当局との話が進んでまいりまして、いま通利七・六%となっております金利について、六・二%という金利を三年間、その後三年間については六・七%という金利に持っていくべく大体の調整を終わったところでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 同時に、いまそれぞれの企業が金融機関からの借り入れをしておる、現状ではとうてい返済ができかねるような状況にある。こういうところから、私が強調するまでもなく、借入金の返済の猶予を、つまり償還の延期を求める切実な要望が強く出ているわけであります。この点について、少なくとも一年といった償還期間の延期をすべきは当然じゃないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 まず、先ほどの答弁をちょっと補足させていただきたいと思います。     〔山崎(拓)委員長代理退席、委員長着席〕  先ほど金利の改定について大体事務的な調整は終わったということを御報告申し上げましたが、実はけさほどの閣議でそのような方向を大体御決定いただきまして、本日通産省において発表するという段取りを予定しておりますことを御報告させていただきたいと存じます。  それから、いまお尋ねのございました返済猶予の問題でございますが、これは私どもとしても大事な問題であると思っております。  金融機関におきましても相当の貸し込みをいたしておりますものの、それを当初の計画どおり実行したために企業が倒れてしまっては元も子もないわけでございます。したがいまして、相手方の企業の実情をよく見きわめて、これは残していきたい、残すことが必要だという見きわめがつきましたら、そこは返済条件等について親切に相談に乗ってやることが特に大切ではないかと思っております。  返済猶予の実績につきましては、中小企業三機関の数字を見てみますと、五十一年度で年度間合計で約四万件の返済猶予を実施しております。これは前年の数字と比べますとかなり増加をいたしております。こういった数字にも私どもが返済猶予の問題について弾力的にするようにという指導をしてまいったことがあらわれているのではないかと思っておるところでございます。特に円高の問題に絡んで企業の経営が当面非常にむずかしい局面に来ております。こういった実情をよく判断をしてしかるべき措置をとるように指導させていただきたいと思います。

清水勇日本社会党

○清水委員 実はこの点に触れて、たとえば法人税の還付の問題だとかいろいろお尋ねをしたいこともあるわけですが、時間の制約もあるようでありますから、円高問題については以上で終わることにいたします。  次に、一面では黒字減らしの政策に直接かかわり合いのある問題でもありますが、通産省と農林省から来ていると思いますから両方にお聞きしたいと思います。  ことしの七月の半ばごろだったと思いますが、通産省は貿易収支の大幅な黒字減らし対策という立場から、その一環として農水産物を中心とする残存輸入制限品目、二十七品目だったと思いますが、このうち一部を自由化して輸入枠を拡大する、こういう基本方針を固めたという有力新聞の報道が行われております。まず最初に、その報道の真偽について承りたいと思います。

西山敬次郎通商産業省貿易局長

○西山政府委員 昨今のわが国の経常収支の黒字対策の一環といたしまして、われわれとしては輸入をできるだけ拡大したいという方針でおるわけでございます。その一つの施策といたしましては、残存輸入制限品目の輸入枠の拡大等も当然検討されるべきであろうと思ったわけでございます。九月二十日に決定いたしました対外経済対策にもこの項目は入れておるわけでございまして、これにつきましては現在検討中でございます。  ただ、残存輸入制限品目につきましては、国内の需給関係を十分勘案いたしまして、特に生産者に過大な負担にならないように検討してまいりたいと思っておる次第でございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 いま局長の御答弁でも、残存輸入制限品目のいわば洗い直しを検討しているんだ、こういうことなんでありますが、しかし、二十七品目のうち多分二十二品目はこれは農林省所管のものではないか、私はそういうふうに思っておりますが、間違いありませんか。

西山敬次郎通商産業省貿易局長

○西山政府委員 残存輸入制限品目につきましては、ただいま御質問のとおり、二十二品目は農林省所管、残余の五品目は通産省所管となっておりますが、自由化その他の輸入割り当ての問題につきましては、輸入令の規定によりまして通産大臣が決定する、ただし、これにつきましては主務大臣の同意を必要とするということになっておるわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 そこで、たとえば通産省が検討されている中で、輸入自由化に踏み切ることができる、踏み切り得るというような判断をしているものの中に、トマト加工製品、ジュースだとかケチャップだとかソースなど、この四品目と、また輸入枠の拡大という方向については水産品、牛肉、酪農製品、鮮魚などが含まれている、こういうふうに伝えられておりますけれども、その辺の真偽はどうでしょうか。

中島達農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○中島説明員 ただいま検討いたしておるわけでございますが、そういうふうな結論には至っておりません。

清水勇日本社会党

○清水委員 先ほども局長が言われているように、現在残存品目となっている物について見れば、輸入の規制措置をとるということが一面では国内生産者の保護のために欠くことのできない措置である、また、そのことを通して国内の産業を、何と言いましょうか、ぎりぎりの水準で守っていく、こういう立場も同時にあるというふうに私は思っているわけなんであります。  いずれにせよ、二十二品目については所管大臣、つまり農林大臣等との協議がなければ決まらないんだろうというふうに思っておりますが、この点についての農林省との協議は進んでいるんでしょうか。

西山敬次郎通商産業省貿易局長

○西山政府委員 自由化につきましては、ただいままだ協議もいたしておりません。

清水勇日本社会党

○清水委員 農林省とまだ協議をしていない、こういうことでありますから、そこでこの際、私は農林省にお聞きしたいのであります。  率直に言って、いま通産省が検討をしている方向というものは、結局のところ工業製品輸出増というもののツケがどうも農畜産物の輸入の方向へ回ってくる、こういった性格のものではないかというふうに考えざるを得ないわけでありますし、また同時に、先ほども申し上げたように、残存品目というものは国内の農業を守るあるいは生産者を保護する、こういうための最低限の必要措置ではないのか、こういうふうに私は考えているわけであります。  そういう立場から言えば、輸入規制が緩和をされるということは、関係者にとってあるいは生産者にとって大変な打撃を与えることになるというふうに思わざるを得ないわけでありますが、農林省のこれについての御見解を承りたいと思います。

中島達農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○中島説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のように、現在残っております農産物のいわゆる残存輸入制限と申し上げますものは、わが国の農業の基幹的な作目あるいは地域的にきわめて重要な地位を占めている作目といったものにかかわるものでございます。したがいまして、このような観点から見ます場合、やはりわが国の農業あるいは関連の産業といったものの健全な発展を図るという観点から見ますと、これを現時点において直ちに緩和をするというようなことは、きわめて困難ではないか、このように考えているところでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 実はそのことに関連をして、私きょう議事録を持ってきませんでしたが、七月の十九日、閉会中の審査で、農林大臣が農林水産委員会で、同僚議員の質問に答えて、たとえばトマトなどの輸入は絶対しない、こういうふうに言い切っております。ところが通産当局の方は、その後も、御承知のように九月二十日の閣議の決定の中にはその点が織り込まれている。  だから、この辺のところは、内閣一体論というような立場からいっても、どうも私は腑に落ちないのですが、農林省側とすれば、いま言われるような重要な問題であるとすれば、当然事前に通産側と協議をしてしかるべき課題ではないか、こういうふうに受け取っていいと思うのですが、いかがでしょう。

中島達農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○中島説明員 お答え申し上げます。  ただいまの点につきましては、先ほど通産省の貿易局長から御答弁を申し上げたとおりでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 ちょっとわからない答弁ですが、要するに、通産省の方はまだその点は検討してない、だから農林省も特段検討はしてないのだ、こういうふうに承っていいのですか。そういうことでいいですか。——うなずいておられるから、それではそういうふうに理解をしておきます。  いずれにしても、農林省に特にこの際注文をしておきたいことは、御承知のように、米の余剰という問題が出てきて以来、昭和四十四年ごろから減反政策あるいは米の生産調整等がとられている状況になってきて、たとえばことしも九十万トンの生産調整、来年度はこれが百五、六十万トンくらいに及ぶのではないか、こういうことで、いわゆる米の生産制限を政策として推し進めようとされておる。かたがた、それとの関連で、いわゆる稲作の作付転換作目として、たとえば原料用トマトといいましょうか加工用トマトといいましょうか、この種のものは転換作目としては非常にかっこうなものではないか、こういうようなことで、これまでその生産を奨励をするというような政策をとられてきている。そこで、最近五カ年間の推移を見ても、原料用トマトなどの場合には、御承知のとおり加工業者との契約栽培で耕作面積もだんだん広がってくる、あるいは全体としてこれが定着をするというような傾向になっているわけですけれども、そういうやさきにたとえば輸入規制を緩和するなんというようなことになりますと、国がこれまで行ってきた農民に対する政策というものが、まさに朝令暮改という状況に陥ってしまう。いままででも農民は、御承知のように、農林省の政策を称してネコの目行政でいつどうなるかわからぬというような不信感を持っておる。さらにそういう不信を増幅するようなことにつながってしまうのじゃないか。ですから、少なくとも国の方針に最終的に不満があっても、一応これに協力しながら多くの農民が作付の転換を行ってきている。ところが、その労を無にするような、その努力を無にするような暴挙と言ってもいいようなやり方はとらないということをはっきりさせてもらう必要があるというふうに私は思うのです。  いずれにせよ、私は申し上げたいことはたくさんありますが、時間の関係でこれ以上は触れられませんが、来年の作付をどうするかという見通しが今日立たないというような状況では、実際ににっちもさっちもいかないわけでありますから、その辺、いまの二十二品目等については自由化は困難だ、やれないのだ、こういう態度をさらに早急に明確にしてもらいたい。また、通産当局の場合も、加工用トマトの生産農民が輸入自由化を通して壊滅的な打撃を受けるということは、加工業者もまた同様な壊滅的な打撃を受けるというようなことにつながるわけでありますから、同時にあわせてこの辺はきちっと対応をしていただきたい。  最後に、そうした点で、通産でも農林でもどっちでも結構でありますが、私の申し上げた要請に対する所信を御披瀝いただきたい、こういうふうに思います。

中島達農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○中島説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘されました輸入の規制、こういった問題につきましては、先ほど私から御答弁申し上げたとおりでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 終わります。ありがとうございました。      ————◇—————

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 この際、参考人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま本委員会において審査中の第八十回国会内閣提出、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案につきまして、参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十四分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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