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82回国会衆議院1977/11/01

社会労働委員会 第3号

発言数
41
登壇者
11
会派数
6
開催日
1977/11/01

会議録

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は、去る十月二十七日終了いたしております。  この際、委員長の手元に斉藤滋与史君、住栄作君、戸井田三郎君及び中山正暉君から、本案に対する修正案が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。戸井田三郎君。     —————————————  健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員 ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、  第一に、本法律案の題名を健康保険法等の一部を改正する法律案に改めること。  第二に、政府管掌健康保険の特別保険料の料率を千分の二十から千分の十五に引き下げ、被保険者負担分の五分の一を当分の間免除し、免除された額に相当する額を国庫が補助すること。  第三に、健康保険組合の特別保険料の料率を千分の二十の範囲内から千分の十五の範囲内とすること。  第四に、国民健康保険組合に対する国の補助を、組合の財政力等を勘案して、療養の給付費等の額の百分の四十に相当する額に達するまでの範囲内において、増額することかできること。  第五に、施行期日を昭和五十二年十二月一日に改めること。ただし、国民健康保険組合に対する国の補助に関する改正規定は、昭和五十三年四月一日から施行することであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。  この際、本修正案について、内閣の意見があればお述べ願います。渡辺厚生大臣。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○渡辺国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府としては、やむを得ないものと認めます。     —————————————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 これより本案及びこれに対する修正案を討論に付します。  討論の申し出かありますので、順次これを許します。石橋一弥君。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案につきまして、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の意を表するものであります。  医療保険制度を取り巻く諸情勢を見ますと、人口の老齢化の進展、医療の高度化等により医療費はますます増大することが予想される一方、わが国経済の安定成長への移行に伴って保険料収入の方はかつてのような大幅な伸びは期待できない情勢にあります。  今後の医療保険制度につきましては、このような情勢を踏まえて、真に国民生活の安定に寄与し得る給付のあり方と、これを支え得る負担のあり方の検討を急ぎ、一日も早く充実し、かつ健全な制度を確立する必要があります。  しかしながら、健康保険の財政状況を見ますと、現在すでに窮迫した状況にあり、制度の運営に重大な支障を生ずることが懸念される状態になっております。このような事情を考慮するとき、健康保険制度の当面の円滑な運営を図るため、この法案を成立させることは、必要不可欠なものであると考える次第であります。  われわれは、以上のような政府原案の趣旨を一応了としながらも、現今の経済社会情勢等にかんがみ、  第一に、政府管掌健康保険の特別保険料の料率を千分の二十から千分の十五に引き下げ、被保険者負担分の五分の一を当分の間免除し、免除された額に相当する額を国庫が補助すること。  第二に、健康保険組合の特別保険料の料率を千分の二十の範囲内から千分の十五の範囲内とすること。  第三に、国民健康保険組合に対する国の補助を、組合の財政力等を勘案して、療養の給付費等の額の百分の四十に相当する額に達するまでの範囲内において、増額することができること。  第四に、施行期日を昭和五十二年十二月一日に改めること。ただし、国民健康保険組合に対する国の補助に関する改正規定は、昭和五十三年四月一日から施行すること。とすることが必要であると考える次第であります。  以上のように、今回の改正案及び修正案は、医療保険制度の健全な運営を図り、かつまた、今後における医療保険制度の抜本改正を円滑に進める上からも、ぜひとも必要な改正であり、わが党としては、修正案及び修正部分を除く原案に賛意を表するものであります。(拍手)

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 安島友義君。

安島友義日本社会党

○安島委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案及び自由民主党の、これに対する修正案に対して、ともに反対するものであります。  反対理由の第一は、健康保険財政の構造的な赤字要因について、これまで政府は何らメスを入れようとせず、今回もまた、当面を糊塗することにのみ、きゅうきゅうとしていることであります。  近年、医療費は個人所得の伸び率を大幅に上回り、年々二〇%の伸びを示し、その対国民所得比は、すでに国際的水準に見合う六%に達しようとしております。さらに保険外負担として、この国民医療費の統計に含まれない差額ベッドや基準看護病院における付添料などがあります。したがって、わが国の医療費の実態は、すでに異常に肥大していると見ないわけにはいきません。  この異常肥大の主な原因について、私は水増し請求や架空請求、また過剰診療を常態化させている点数出来高払い制度と、薬を使えば使うほど医療収益が大きくなる薬価基準制度との二つを強調するとともに、このような制度改革に対する政府の誠意が全く見られないのであります。  反対理由の第二は、政府が五十三年度を目途に抜本改正に取り組むという、その実行を裏づけるものが何もないことであります。  これまでの経過を振り返ってみても、健康保険法改正のたびに、政府は私たちの主張に対して、いつも同じことを公約してまいりました。しかしながら、政府が財政対策以上のものを提示したためしは、いまだかつて、ないではありませんか。  反対理由の第三は、政府案は当分の間ボーナスからも千分の二十の保険料を取るなど、他の社会保険とのバランスをまるで配慮しない、場当たり的な対策になっていることであります。  周知のように、社会保障制度審議会は去る二月二十一日の答申で、この特別保険料については「たとえ時限的措置を講ずるとしても、にわかに容認することはできない。」と全会一致で確認しており、したがって千分の二十を千分の十五にするなどの部分的修正には、とうてい容認しがたいところであります。  反対理由の第四は、初診時及び入院時の一部負担の引き上げについては、昨年の第七十七国会において、全会一致で削除された経過を全く無視するものだということであります。  患者、利用者負担の適正化は、本人と家族の給付率格差の撤廃、保険外負担の解消等と同時に措置しなければ、とうてい国民の理解と協力を得ることはできません。  以上、主な理由を申し上げまして、原案及び修正案に反対するものであります。(拍手)

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 古寺宏君。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 私は、公明党・国民会議を代表して、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案並びに同修正案に対して反対をするものであります。  本法案は、給付の改善には何ら見るべきものがないばかりか、初診時、入院時の一部負担等を強化して保険財政の赤字解消を意図する財政対策にすぎません。  わが党が機会あるごとに申し上げてきたように、政管健保の構造的、体質的な欠陥を是正しない限り、将来にわたって必然的に赤字が生ずる可能性は当然であり、その都度、被保険者の負担を強化することによって補完するという悪循環を繰り返すことについて、国民は、もはや容認することはできないのであります。  厚生省が近く抜本改正を行うというのであるならば、現在、累積するところの赤字は、厚生保険特別会計法の借入制限規定の緩和措置の法改正によってたな上げなどの工夫をし、赤字については、抜本改正後に根本的な対策を講じても遅くはないのであります。  しかるに、すでに委員会の審議を通じて主張してきたように、各種保険制度間の格差、保険外負担、救急医療、薬価基準の改善、人口構造の変化によって危機に直面している老人医療のあり方及び医療資源の開発等、いわゆる医療をめぐる周辺問題の解決に明確な施策や展望も示されないまま、国民の理解と協力を得る努力を怠って、無理やり本案の成立を図ろうとすることは、きわめて遺憾であります。  今日の医療の混乱は、もはや目先の財政対策のみでは解決し得ないものであります。かえって本案の成立によってもたらされるものは、初診時等の一部負担の増大によって勤労者の家計に重大な影響を及ぼすばかりでなく、真に医療を必要とする国民の受診抑制を招き、医療サイドから見るならば、軽症のときに早期に診断し、早期に診療してこそ意味があり、予防、早期治療を目指す医療の本来のあり方に逆行する措置と言わざるを得ないのであります。  私どもとしては、一部負担が急激なものでない限り、保険制度の存続とそれに期待する機能からいって、ある程度の応能負担はやむを得ないと考えるものの、本改正案には低所得階層への配慮か全く欠けており、きわめて画一かつ大幅なものであり、断じて容認することはできないのであります。  また、給付の改善については、かねてから強い要望があるにもかかわらず、肝心の家族給付については全く見送られ、わずかに傷病手当金の支給期間の延長措置のみを図っていますが、この場合でも、改正という以上、手当の算定基礎となる標準報酬月額が低い水準にある被保険者への配慮か当然なされるべきであり、算定基礎となる標準報酬が適切な額に引き上げられることを国民は期待しているのであります。さらに家族給付の改善は目下の緊要な課題であり、国民の強い要請があるにもかかわらず全く触れられず、いわゆる抜本改正後にゆだねられていることは、まさに本案がただ単なる財政対策に終始していることを示すものであります。  わが党としては、健康保険制度の構造的な要因で生じた累積赤字を単年度で、しかも過去幾たびか抜本改正をほごにしてきた行政責任を全く反省することもなく、国民の負担のみによって解決しようとすることには全く反対であり、まず増大する医療費のメカニズムを解明することこそが先決問題であることを重ねて主張するものであります。  また修正案については、国保組合に対する補助率の引き上げについては、ある程度評価しますが、本来、制度改正問題にかかわるべきボーナス保険料徴収を導入したことは、たとえ一時的な措置であったとしても、総報酬制導入への足がかりであるということは疑う余地のないところであり、年金制度との関連など、これこそ抜本改正へゆだねるべき性質のものであり、本案に盛り込むべきではありません。したがって、小手先の負担割合の変更で了承するわけにはまいらないのであります。なおまた、高額療養費制度については、その趣旨と効果を期待するため、これを法律事項に改めるべきであり、本法案の改定事項に含まれていないことは、はなはだ遺憾に思うものであります。  以上の理由から、本法案並びに修正案に対し反対を表明し、討論を終わります。(拍手)

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私は、民社党を代表いたしまして、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案並びにこれに対する自由民主党の修正案に対しまして反対の討論をいたします。  医療費がだんだんと高くなっていく、この問題を私どもは目をつぶるわけではありません。私どもは、特に政府に対して要望する点は、今後の国民に対する高い医療を供給するために高負担が必要であるということであれば、十分に負担をする準備を持っております。問題なのは、そのような医療制度の現在のゆがみに対して真剣に取り組む姿勢が、政府に、どうしても出てこないということでございます。医療制度をめぐる有力な圧力団体がいろいろありますけれども、多分その人たちに気がねをしておるということだと思いますけれども、この十年来、医療保険の問題点に対して審議会その他たくさんの方々から抜本的な改革についての提案が行われております。しかも、この提案に対して政府は一度も本格的に取り組んだことがないということ、このことを一番遺憾に思うわけでございます。  今回の場合も、来年は抜本策をやるから、これは本当に当分の間だからということで、このボーナスを対象とした赤字対策の案を出しておりますけれども、こういうことは、いままでも、しばしばやられたことでありまして、これだけの理由で、このような案に賛成するわけにはいかないのでございます。特に政管健保の場合は収入の少ない人が被保険者の中にたくさんおるわけでございまして、この人たちに対してボーナスから特別保険料を取るという措置、これはまた、他の保険制度では行われない、このような差別的な措置をあえてするということにも問題があるわけでございます。そういうふうな意味におきまして、私どもは、この案に対して反対の意思を表明するわけでございます。  この修正案の中には、たとえば被保険者の負担を若干緩和する道を開くとか、あるいはまた国民健康保険組合に対する援助をするとか、かなり前進した、あるいは今後の芽になる要素があるのでございますけれども、しかしながら、そういう問題も非常に不十分であるし、そのような意味でこの改正案に対しても賛成するわけにはまいらないのでございます。  特に私は、この際、御要望を申し上げたいのは、厚生大臣も、今後の来年、予想されておる抜本対策に対して本気になって取り組んでいただきたいと思うのでございます。そういういろいろな意味を込めて、今後の政府の本気になった抜本策を期待しながら、その意味を込めて反対をしてまいりたいと思います。重ねて申し上げますけれども、このボーナスから特別保険料を取るというような、こんなけちなことを出さないで、もし必要であれば給付の改善と同時に保険料を引き上げるというような方向をとってもらいたい、むしろ、そういうことを願うわけでございます。  以上でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案並びに自民党提出の同修正案について、反対の討論を行います。  今臨時国会は、何よりも不況とインフレの深刻化にあえぐ国民生活の防衛問題など景気対策について審議を尽くし、その対策を講ずることこそ重要であり、当委員会はその先頭に立って国民の期待にこたえるべきです。ところが政府・自民党は、この期待に逆行して、赤字対策のつじつま合わせに健保改悪を強行成立させようとしています。これが不況に苦しむ国民の生活を一層破壊することは火を見るより明らかであります。  自民党は国民の怒りをそらすために、政府原案のうち、ボーナス保険料率を原案の二%から〇・五%引き下げて一・五%にする修正案を提出していますが、これは何ら評価できないものです。仮に〇・五%引き下げても、政府の試算によると、ボーナスからの特別保険料二千六百五十六円を初め、年間一人当たりの負担増は五千円にもなります。さらに特別保険料の導入は、政管健保と組合健保の負担格差を一層拡大するものであり、断じて容認できないものであります。  次に、政府・自民党は、今日の赤字を生み出した政管健保の構造的な問題には何ら必要な対策を講ずることなく、いま、その責任を回避し、そのツケを国民と中小企業主に押しつけようとするものです。  また、今回の一部負担の引き上げである初診料二百円から七百円に、入院時一日六十円から二百円への大幅引き上げは、差額ベット料、付添料などの保険外負担に苦しむ患者をますます苦境に陥れるばかりでなく、国民の受診機会を抑制しようとするものです。私は、このような政府原案並びに自民党修正案は、国民生活をいよいよ破滅に導くものであり、いささかも評価できるものでないことを重ねて強調し、強く反対いたします。  製薬大企業は保険財政に寄生して、もうけをほしいままにしてきました。さらに、最近の円高による為替差益でますます肥え太っています。薬の安全性と有効性の問題、労使の負担割合の問題など、当面、解決すべき課題は山積しています。いま重要なことは、健保財政の赤字を招いた根本原因にメスを入れることであり、それを避けた、このような安易な値上げ法案は、赤字と値上げのイタチごっこという、保険制度そのものの存立を根底から掘り崩すものです。  共産党・革新共同は、かねてより医療保険と医療制度全体の抜本的な改革案を国会で十分に審議することこそ先決であると主張してきました。  なお、離職者対策特別措置法と健保改悪法案とを絡める問題についてです。  今日きわめて深刻になっている雇用・失業問題について十分審議し、その対策を講ずることは、当委員会独自に追及する課題であることは言うまでもありません。ところが自民党は、離職者法案の成立と引きかえに健保改悪法の成立を図ろうとする態度は許すべからざることです。  また、自民党修正案は、国保組合の国庫補助率の引き上げの法定化を出していますが、共産党・革新共同は従来から、この法定化について、その実現のため奮闘しており、当然な改善措置であると考えます。しかし、これが健保改悪との抱き合わせである以上、本修正案全体としては賛成できないことを表明して、私の討論を終わります。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 工藤晃君。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) 私は新自由クラブを代表して、政府提出の健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対する修正案及び修正の部分を除く原案に対し、賛成の意思を表明いたします。(拍手)  このたびの改正法案は、昭和四十九年度以降五十二年度までの推定一千六百二億円の累積赤字の解消を目的としたものであります。診療内容の向上に資するところが皆無であることに対しては、まことに遺憾と言わざるを得ないものであります。特にボーナス保険料を、政管健保には強制、組合健保には任意とする、このような不公正の拡大は、社会保障の後退であり、社会正義にもとるものであるとの非難に対しても、反論の余地のないものであります。しかし、あえて、このような措置を講ぜざるを得なかったところに、現行健康保険制度の矛盾点を露呈していると言わざるを得ないのであります。すなわち、あくまでも受益者負担の原則を貫く保険をたてまえとするゆえんのものであるからであります。  いまこそ、このような考え方を改め、社会保障の推進という立場に立って、いつでも、だれでもが、到達し得る最高の水準の医療が享受でき、健康権の確立を図ることに対しては、だれしも異論のないところであります。平均寿命の延長、疾病構造の変化、国民の健康概念の発達に伴い、これから保健、医療要求の増大、拡大に対応した、よりよい保険、医療サービスの供給体制が整備されることが強く要求されることは当然であり、現行制度は、このような国民の強い要求に対応し得ない古典的で形骸化されたものであります。  私は、社会労働委員会において、自由主義経済体制の中における健保制度のあり方について、人命尊重を平等にするためには応分の負担を公平にしなければならない。換言すれば、負担の平等のみに注目していたのでは人命が不平等に取り扱われることを強く指摘し続けてまいりました。その改善のためには、各制度の合理的一元化を目標に、まず各制度間の財源のプール化、物から医療技術尊重への診療報酬制度の改革を含め、近代医学に即応できる制度への抜本的改革を図り、構造的赤字財政のつくろいに終始しているようでは何の前進もあり得ないことを強く主張いたしてまいったのであります。  それに対し、私との質疑の中で渡辺厚生大臣は、私の主張に対して大筋の賛意を表明され、今回は累積赤字解消のためのあくまで緊急避難的暫定措置であり、この暫定措置は昭和五十四年度中に抜本改正とともに整合性ある解決を図ることを明確に約束をされ、前国会の社会労働委員会において私か提案いたしました  一、抜本改正のための受け皿としての小委員会を設置してはどうかとの発言に対しても、社会労働委員会の中に一歩前進の具体的内容を含んで設置される運びとなってまいりました。この小委員会をして、人命か尊重される社会保障的健康保険制度の抜本的改革の強い足がかりとしたいものであります。  二番、今国会において、健保の抜本改革に関連して、医師税制改革の代案として、一人法人を初め、診療担当者側に強制されていた税制上の不都合なものを整合性あるものにしたいとの積極的かつ明確な答弁を渡辺厚生大臣より回答を得ました。  三番「薬剤公害発生時の患者に対する経済的救済の為の製薬メーカーサイドに於ける、強制薬害対策保険の新設と、国及び、製薬業界、医薬関係者並びに、被治療者相互を一体とした社会経済的救済を主眼とする、相互薬害対策基金新設に関する提案」に対しても、政府側から積極的に取り組む姿勢を提示されました。  四番、政府が五十三年度の重要政策として掲げている「健康づくり」については、企業の抱えている遊休土地を開放して、国民の健康づくりの広場や農園などに利用するため、新自由クラブの提唱している交付公債の発行による公有化あるいは税制面よりの配慮により、国民の健康づくりのための有効利用を図るべきではないかとの意見に対しても、大臣は前向きに考えるとの発言をなさいました。  五番、国民にとって健康の問題は瞬時もゆるがせにできない最も大切なものであります。  最後に、ボーナス保険料に対しても可能な限りの譲歩を示したことなど、一歩前進と認め、今後、国会の場においての公約を誠意を尽くして実行していただくことを強く要求し、あすへの整合性ある健康保険制度を確保するため、健保法の一部改正法案をやむを得ない措置と判断し、賛成の討論を終わります。(拍手)

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 以上で討論は終局いたしました。     —————————————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 これより健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案の採決に入ります。  まず、戸井田三郎君外三名提出の修正案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 この際、戸井田三郎君、枝村要作君、大橋敏雄君、和田耕作君及び工藤晃君から、医療保険制度の改善に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。  本動議を議題とし、まず、趣旨の説明を聴取いたします。戸井田三郎君。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    医療保険制度の改善に関する件  医療保険制度の現状にかんがみ、その抜本的改正のため次の事項を重点に、その実施を目指し、最善の努力を講ずるものとする。 一 老人保健医療制度の創設の準備に直ちに着手するとともに、公費負担医療のあり方、退職者医療の再検討を引き続き行うこと。 二 給付及び負担の公平化を図るため、保険者間の財政調整を行うものとするが、当面、健康保険組合間の財政調整を行うこと。 三 診療報酬の技術料を重視するとともに、そのあり方について検討すること。 四 薬価基準の引下げを行うとともに、実勢価格に見合う薬価算出方法を考慮すること。 五 本人、家族の給付率の均一化、出産の保険給付問題等を含め、給付の改善を図ること。 六 保険料負担、患者一部負担を含めた負担の合理化、低所得者への軽減措置、差額ベッド、付添料等のいわゆる保険外負担の改善を図るとともに、保険料の労使負担割合について検討すること。 七 医療資源の開発、医療供給体制の整備を図り、救急医療の拡充、地域医療対策、医療従事者の養成と待遇改善を図ること。 八 医薬分業を進めるとともに、医薬品の安全対策を確立し、薬害救済制度の創設につき検討すること。 九 その他医療保険制度に関連する諸課題の整備を図ること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 起立多数。よって、戸井田三郎君外四名提出の動議のごとく決議することに決しました。  ただいまの決議に対し、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺厚生大臣。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○渡辺国務大臣 ただいまの御決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨を十分理解し、医療保険制度の改善に取り組んでまいる所存であります。(拍手)

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 なお、ただいまの決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 特定不況業種離職者臨時措置法案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。  その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。  本案は、雇用の機会が著しく減少している状況のもとで、特定不況業種に係る事業分野において一時に多数の離職者か発生することが見込まれること等の事情にかんがみ、失業の予防、再就職の促進等のための特別の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、特定不況業種とは、経済基調の変化、国際経済環境の変化、長期にわたる不況等の経済的事情により、その製品または役務の供給能力が著しく過剰となっており、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれ、このため、法令に基づく行為または国の施策に基づき、事業規模の縮小等がなされ、これに伴い相当数の離職者の発生か見込まれる業種であって、あらかじめ、その業種に係る主な事業者団体及び労働組合の意見を聞き、政令で指定するものをいうこと。  第二に、失業の予防及び再就職の促進に関する国、地方公共団体及び事業主等の責務を明らかにするものとすること。  第三に、再就職援助等に関する計画について公共職業安定所長の認定を受けた特定不況業種事業主が雇用保険法上の事業転換等に係る雇用安定事業の対象となる教育訓練等を実施する場合には、政府は、同法の定めるところにより雇用安定事業を行うものとすること。  第四に、労働大臣は、特定不況業種の区分ごとに、事業者団体か提出する労働力の需給見通しに関する資料を勘案して、職業紹介等に関する計画を作成し、必要な措置を講ずるものとすること。  第五に、一の事業所において相当数の労働者について離職等の影響を生ずることとなる労働省令で定める事業規模の縮小等を行おうとする特定不況業種事業主は、労働組合等の意見を聞き、再就職援助等に関する計画を作成し、(一カ月以内の期間に三十人以上の離職者を生ずることとなる事業規模の縮小等を行おうとする場合は、その離職者の生ずる最後の日の少なくとも一カ月前に提出して)公共職業安定所長の認定を受けなければならないこととすること。  第六に、労働大臣は、特定不況業種離職者に必要な職業訓練の実施に関し、訓練時期、訓練期間、職業訓練に係る職種等について特別の措置を講ずるものとし、国は、専修職業訓練校における職業訓練に要する費用について、職業訓練法による負担割合を超えた負担をすることができることとすること。  第七に、公共職業安定所長は、特定不況業種離職者で当該離職が認定を受けた再就職援助等に関する計画に含まれ、かつ、当該離職の日まで一年以上引き続き当該計画の認定を受けた事業主に雇用されていたこと等の要件に該当すると認定した者に対し、特定不況業種離職者求職手帳を発給することとし、求職手帳の有効期間は、労働省令で定める期間とするものとすること。  第八に、公共職業安定所長は、求職手帳の発給を受けた者に対し、就職指導等を行うものとすること。  第九に、国は、手帳所持者等に対し、労働省令で定める基準により、訓練待期手当または就職促進手当、広域求職活動費、移転費その他の給付金を支給することができることとし、都道府県は、手帳所持者等に対し、労働省令で定める基準により、訓練手当、職場適応訓練費を支給することができることとすること。  第十に、国は、手帳所持者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対する助成金の支給その他雇用機会の増大のための措置を講ずるものとすること。  第十一に、離職の日において四十歳以上である手帳所持者等であって、雇用保険または船員保険の受給資格者のうち一定の要件に該当する者に対する雇用保険または船員保険の個別延長給付は、現行の日数六十日に三十日を加えた日数を限度とするものとすること。  第十二に、右のほか、公共事業の計画実施者等に対する特定不況業種離職者の雇い入れの促進についての配慮の要請明中央職業安定審議会における専門部会の設置、その他所要の規定を整備すること。  第十三に、この法律は、公布の日から起算して三カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、施行の日から起算して二年を経過した日にその効力を失うこととすること。  以上が本起草案の趣旨及び内容であります。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 この際、本起草案について内閣の意見があればお述べ願います。石田労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 特定不況業種離職者臨時措置法案については、政府といたしましては、やむを得ないものとして承認をいたします。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 お諮りいたします。  特定不況業種離職者臨時措置法案起草の件につきまして、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 この際、住栄作君、枝村要作君、大橋敏雄君、和田耕作君、浦井沖君及び工藤晃君から、特定不況業種の離職者対策に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。  本動議を議題とし、まず、趣旨の説明を聴取いたします。住栄作君。

住栄作自由民主党

○住委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    特定不況業種の離職者対策に関する件  特定不況業種離職者臨時措置法案の提出に際し、政府はその趣旨を十分に尊重し、その施行に当たつては、次の事項に十分留意して、特定不況業種からの離職者の再就職の促進と生活の安定に万全を期すべきである。 一 特定不況業種の指定に当たつては、法の趣旨を生かし、経済の実情に即応して弾力的に行うこと。 二 就職促進手当、訓練手当等の給付金の給付水準の改善について、来年度予算の実施を期し、一層努力すること。 三 中小零細企業においても、再就職援助等に関する計画が作成されるよう行政指導に努めること。 四 再就職援助等の計画の認定等に当たつては、労働者の就労状況及び企業経営の実情を勘案し、弾力的に対処すること。 五 この法律は、公布後できるだけ早い時期に施行すること。 六 この法律の円滑かつ実効ある運営を図るため、定員増を含め、行政の実施体制を充実強化すること。 七 船員については、国際的な船員労働関係を踏まえ、船員の技能を生かした雇用の確保について早急に立法措置を含めた措置を講ずること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 起立総員。よって、住栄作君外五名提出の動議のごとく決議することに決しました。  ただいまの決議に対し、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石田労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 ただいま御決議されました特定不況業種の離職者対策については、政府としては、その趣旨を尊重いたしまして、これが実現に努力してまいる所存でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 なお、ただいまの決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十八分散会      ————◇—————

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