科学技術振興対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/11/17
会議録
○岡本委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大石千八君。
○大石委員 きょうは、科学技術特別委員会の中で、原子力その他につきまして、特にエネルギー問題を中心に、通産省エネルギー庁の方にも来ていただきまして、伺います。最後に地震の問題に関しても少々伺いますが、当面現在のわが国の政治問題の中で特にこれから重要さを増してくると思いますエネルギー問題、とりわけその研究開発をこれからどういうふうに進めていかなければならないかという点を中心にお伺いしてまいりたいと思います。 まず、本来でしたら長期対策を先に伺いたいところでございますが、科学技術特別委員会でございますので、原子力の当面の問題に関して最初に伺いたいと思います。 現在、世界的にエネルギーの問題がこれから十年前後たつと逼迫をするのではないか、特に現在のエネルギーの最も根幹となっております石油の需給バランスが崩れていくのではないか。そのときに、日本は当然石油に頼るウエートが非常に多いわけでございますし、新しいエネルギーを開発していくということをいまからやっておきませんと間に合わないという点がございます。そのために原子力エネルギー、特に原子力を基本とした電源開発というものを考えていく。つまり、資源は確かにウランという資源があるかもしれませんけれども、これは人間の知恵でもって造成していくエネルギーである部分があるわけでございます。そういう意味におきまして、これからの原子力開発を進めていく上で、当然核燃料サイクルというものをうまく回すことによってエネルギーの有効利用をしていかなければならないわけでございます。 その意味で、東海村の再処理施設、これは前々から高速増殖炉の実験炉をつくり、それを開発して実用化していくということに対して、日本は相当の力を込めていかなければならないということでがんばってきたわけでございますけれども、カーター大統領の政策の中で、これがプルトニウム単体抽出に絡んで国際的に核爆弾が製造される心配が広がるという意味から、世界的にこれを抑制していこうという方向になったわけでございまして、日本ではせっかく実験炉をつくってやり初めたのでありますけれども、一時暗礁に乗り上げたことは御承知のとおりでございます。 ようやく宇野長官の努力、そしてわが国のエネルギーに対する熱意というものがある程度認識をされまして、東海村の再処理施設がこの九月からでございますか、二年間ということで認められたわけでございまして、一応プルトニウムの抽出にも最近成功した。このことは、わが国の原子力の実用化、高速増殖炉、核燃料サイクルの実用化という意味におきましても非常に明るいことではございますが、この東海村の再処理施設も一応二年間でもう一遍再交渉しなければならないということになっております。この二年間という限定された年数でございますけれども、これも相当御苦労されて、とにかくとりあえず二年間は実験を進めるという確認がアメリカ側とできたわけでございますが、その二年後にまた新たな問題が待ち受けていて、これが原子力開発の阻害になりはしないかという心配は常に現在でもつきまとっているわけでございます。 この点に関して、この二年間のうちに相当実験を進めていくことができ、さらにその後この実験に対して抑制をされないで研究開発を進めていかれるような段取りというのは、日米の話し合いがついてまだ時間はそれほどたっておりませんけれども、これからどのような対策を進めていかれようとしているのか、お聞きしたいと思います。
○宇野国務大臣 仰せのとおり、日米原子力交渉におきましては、向こう二年間に九十九トンの使用済み核燃料の再処理をする、こうしたことで合意をしたわけでございます。ちょうど九月二十二日に再処理施設が動きましたから、それから勘定して二年目、こういうふうにお考え賜りたいと思います。また、九十九トンという数字を明らかにいたしておりますから、この分だけは処理をしたいと思います。あるいは何らかのことで二年よりちょっとずれるということがあるかもしれませんが、やはり約二年と九十九トンということで日米間の合意を得ておりますから、その間に、いま御指摘のとおり、日本といたしましても混合抽出、これが確立される技術があるかどうかということに対して最大限の努力をしたい、こう私は思うのであります。 現状といたしましては、日米間の多くの技師諸公もこれに関しまして共同調査をしたわけですが、まだ未確立の技術であるということに関しましては双方異議はございません。しかしながら、現在の再処理施設をもし混合抽出の方法にかえるのならば、最低五年の歳月を必要とするだろうし、最低二億ドルの費用を必要とするだろう、こういうこともまた日米双方で専門的に検討されて確認されております。 ただ、では二億ドルかけて改造した、だからと言って完全な混合抽出ができるかどうか、これははなはだむずかしい問題でございます。よく私は申すのですが、混合抽出というのはプルトニウムとウランとが望ましい比率において抽出されることである。私たちは、プルトニウムを単体抽出いたしまして、それを三とするのならば、あとの七にウランを加えまして、そうしたものを高速増殖炉の燃料として、つまり三対七ですから、言うならば混合抽出もさようなことで終始不変の比率をもって出てくれなければ困るわけであります。それが時と場合によっては二対八であるとか、比率が変わるようなことではかえってはなはだ迷惑であるわけでございます。しかしまた、できるであろうということはわかるのですが、その比率まではまだ、実のところ日米の専門家をもっていたしましてもむずかしいという一言に尽きておるわけであります。それをアメリカは、何としてもこの際混合抽出に改造してほしい、こういうふうにきたものですから、私は、未確立の技術に関しましてこれ以上日本のタックスペイヤーによけいな負担をかけることははなはだ遺憾とするところだから、そのようなアメリカの申し入れに対してはこれを受容することはできない、またそのような新しい権利義務を発生することも、この協定に基づくお互いの仕事をしているときには不適当である、こういうふうなことで断ったわけでございます。 したがいまして、この間に、私たちは混合抽出の努力を懸命にいたします。また日本が努力をすると同様に、この問題に関しましては、御承知の核燃料サイクル再評価計画なるものがございまして、通称INFCEと呼んでおりますが、すでにワシントンで十月に開かれました。これには約四十カ国が参加いたしました。しかも一つの大きな発見としまして、いままでNPTには参加をしておらなかったところのイスラエルとかブラジルとかあるいはエジプトといった国々が今度は思いを新たにして参加をしておるということは、将来核不拡散と平和利用というものが両立し得るというわが国の主張が、言うならば大きく世界的にも一つの至言として受け入れられておるのではなかろうか、私はかように思う次第でございますから、そのINFCEにおきましても再処理問題に懸命の努力をする、しかもその議長国をわれわれがとりましたから、それだけの責任があるわけでございます。 そういうふうに、国内においても努力をしますし、また国際的にも努力をしますし、努力の結果、これは世界的にもその方が安全だ、アメリカも日本もヨーロッパもみんなこぞってそうしよう、金は多少高くつくがそうしようというのならば、また何をか言わんやでありましょうが、その間にもし技術がまだ未確立であるということならば、われわれといたしましてもさらに努力をしなくちゃならぬ。こういうことでございましょうから、そうした面においては当然アメリカとまた話し合いをしなくちゃならぬと思います。 しかし、いずれにいたしましても、日米原子力協定が厳としてある以上は、その八条C項で、二年先には保障措置に関する共同決定をするという作業は残っておるわけですから、それまで私たちは誠意を尽くしていく、そしてまた二年先に、できることはできる、できないことはできないとはっきり言うことが必要である。現にアメリカも、日本のそうしたプランに関しましては妨害しませんよ、また差別しませんよ、こういうふうに言ってくれまして、このことは共同声明でお互いが確認し合っておりますから、そういう体制で二年間努力をしていく、こういう決意でございます。
○大石委員 宇野長官の話によりますと、相互理解に対して相当努力もされておられるし、また日本側の事情に関して理解をしてくれている部分があるという感触を持ちますけれども、最近カーター大統領が、アメリカのいわゆる高速増殖炉、実用炉、原型炉になりますか、クリンチリバー計画を、議会で通ったものを認めなかったということで、これは恐らく議会でもう一度両院三分の二以上の賛成を得てカーター大統領の決定をまた覆すことがきわめてむずかしい状況のようでございますので、カーター大統領の計画のように、アメリカではこのクリンチリバー計画は中止になりますか、あるいは延期になりますか、とにかくとりあえずはやらないということになっております。この辺でアメリカの一つの姿勢、とりわけ大統領のエネルギー政策の中で、核の平和利用に関してまだ国際的にはなはだ自信が持てないので、自分の国は高速増殖炉計画はまだやらないのだという範をたれ、世界にもこれにならうようにという姿勢を示しているように思うわけでございます。 確かに、INFCEそのほかでは、各国が相当理解を持って、お互いに平和利用のために力を合わせようという雰囲気が一方である反面、カーター大統領のそのような姿勢がこれからの日本の計画にも一抹の不安の陰を投げかけているわけでございますけれども、この辺のことに関しては長官、どのようにおとらえでいらっしゃいますか。
○宇野国務大臣 これは一つの貴重な今後の判定の資であろう、こういうふうに考えております。 しかし、率直に申しまして、私はアメリカの代表にも言ったのですが、私たちが批准をいたしました核不拡散条約の四条に基づけば、この参加国の核の平和利用に関しては何ら差別待遇はないのだ、皆それぞれの権利を持っておるのだ、こう書かれておるが、たまたま日米間に原子力協定というものがあるから、それを奇貨として何か日本だけにアメリカが自分たちの政策を押しつけようとしておるのじゃないか、カーターさんの核不拡散におれたちは賛成だけれども、といって資源の多いアメリカのように、そう高速増殖炉の開発をちょっと待ったとか再処理の商業化を待ったとかいうわけには私たちはまいらないのだ、それぞれ各国には各国の事情がございますということは十分申し上げた次第でございます。だから、アメリカのカーターさんの政策に対しましては、日米原子力交渉の半ばでございましたが、オーストリアにおきましてザルツブルクの会議が行われました。これはIAEAの会議でございます。この会議においても世界各国が、アメリカひとりがわれわれの平和利用にストップをかける、そういうようなことはおかしいじゃないかという疑問が投げかけられまして、言うならばアメリカは総スカンのような形になったわけでございます。 しかし、日本としてはカーターさんが言っておる核不拡散は正しいと思いますし、今後わが国は核の軍事国になってはいけない、こういうかたい決意をいたしておりますから——だからといって平和利用を閉ざすのはいかぬということで、両立し得るということを世界で初めて宣言したのは日本だと私は高く誇りに思っております。これは福田・カーター会談で福田さんが言い、なおかつ原子力委員長の私も八月十五日、さらに念を押して、そのことを内外に談話として発表した、こういうことでございます。 したがいまして、私は、今後、アメリカの政策は政策だろうが、そのアメリカの政策を日本に押しつけることは許されないことである、こういうふうに思い、アメリカにもそのことをやかましく言いました。ただ、せっかく世界が集まって、言うならばINFCEでいろいろな検討をしようというときであるから、われわれも軽水炉にプルトニウムを使うことはしばらく自粛をしましょうとか、あるいはまた肝心の抽出いたしましたプルトニウムを粉にすることはしばらく自粛いたしましょうということは申し述べておりますが、私たちは、核の平和利用に対しましては、速やかに核燃料サイクルの確立、先ほど大石委員が申されましたようなことは死活問題ですから、やりたいと思います。しかし、お互いが誠意を持って結んだ協定でございますから、誠意を持っておこたえしなくちゃいかぬ、いやしくもその協定に反するようなことがあってはいかぬ、私は堂々と言いたいことは今後も主張してまいる、こう考えております。 議会とカーターさんの間もやはりそういうものがあるのじゃなかろうか。大統領とされましては宗教的信念に近いそうした理想のもとに核不拡散をおっしゃって、特に具体的政策では商業化はだめだ、こういうふうに言われましたから、クリンチリバーの高速増殖炉もさような意味で建設をしばらく見合わせよう、また予算を減らしましょうということになった、こう思います。しかし、アメリカの政策といたしましては、高速増殖炉そのものの建設を将来にわたってストップだというふうなことは、一切だれも言っておらないわけでございますので、この辺もやはりINFCEを考えてのことかなとわれわれは思っております。
○大石委員 当然アメリカにはアメリカの立場というのがありますから、恐らくこれは世界に向けて一つのアメリカの立場というものを長官おっしゃるように見せている面があるので、私は日本がそれなりのベストを尽くしてやっている限り、それほどアメリカの強い姿勢に対して物おじすることはないと思いますし、また日本のそういう姿勢が恐らくこれからも理解されていくであろうと思いますので、ひとつそのような気持ちの中で堂々と進めていただきたいと期待をするわけでございます。 さて、高速増殖炉の実用化ということを考えた場合にも、いま研究段階で、資源のない日本としてはこういうものを早くやっていかなければならないというためにいまやっておるわけでございますが、さらに来世紀のエネルギーということになりますと、私は考えますに、今世紀は資源がないということで相当苦労したわけでございますが、できることならば新しい来世紀のエネルギーに関しては、やはり日本の頭脳で世界をリードするくらいの気持ちで開発をしていきたい。今世紀資源で悩んだものを来世紀は世界に先んじて堂々と開発をしていくというくらいの気持ちを持ちたいと思っておるわけでございます。そのためには、いまからそれなりの覚悟で研究開発を進めていかなければならぬわけでございます。 その中で、現在非常に日本もある意味で研究が進んで有望だというもの、特に四方を海に囲まれていて無尽蔵にある海水を利用する核融合、この研究を日本としてはこれから相当力を入れて進めていくべきであろうと思います。最近、福田・カーター会談でも核融合の共同開発研究ということを確認し合っておりますし、この点に関しては長官も十分に認識をしていただいてお骨折りをいただいているわけでございますけれども、この核融合の共同開発研究といいますか、このことは具体的にこれからどのように進められるのだろうか、これは非常に大事なことだと思いますので、聞いておきたいと思います。
○宇野国務大臣 二十一世紀のエネルギーとして、核融合によって私たちの生活を支えるということは非常に大切なことでございますので、過般も福田総理としてはこれにもっと積極的に取り組もうじゃないかということであった。特に核融合の特色は軍事転用ができないということでございます。しかも四面海の日本にとりましては、もうエンドレスでそれだけの資源が四方を取り囲んでおるということになりますと、どうしてもこれはその開発を進めなくちゃなりません。 そうしたことで、先般訪米のときにアメリカのシュレジンジャーエネルギー長官にそのことを申し入れました。またブレジンスキー特別補佐官あるいはそのほか国務省関係の人たちにも私が直接そういうお話をいたしました。また、私自身も核融合の実験をいたしておりますオークリッジに参りまして、その施設の見学をしてまいりました。 率直に言いまして、わが国もやっておりますが、規模からいいましても予算からいいましても、相当な開きがあることは事実であります。したがいまして、出発前に私は福田総理に、アメリカに提携を申し入れる以上は、いままで防衛ただ乗り論がまかり通っておるが、また科学ただ乗り論と言われないように、日本といたしましてもがっちりした予算を組んで、そしてお互いに人類の平和のために尽くすのだという決意を新たにしてほしい、そうでなければ、いまの体制では私が行きましても、宇野さん予算は大丈夫ですかと言われますよ、こういうことで総理の御了解を得て、実は私はそれだけの責任のもとに参ったわけでございます。 幸いにもただいまERDAの核融合の専任の部長が日本を訪問いたしておりまして、そしてわが庁初め通産省、そうした関係者といま真剣に今後の問題に関しましていろいろと打ち合わせいたしております。それに基づきますと、どういたしましても日米間の核融合に関する一つの協定、アグリーメントをつくりまして、それに基づいて今後日米は動いていくことが必要ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第であります。 この間、ソ連が参りました。ソ連もやはり核融合に関してはしばしばアメリカと打ち合わせしているよというような話で、いまや世界はこの問題に取り組んでおります。 しかし、核融合の部面は非常に大きゅうございますから、したがいましてそれぞれの国がそれぞれの部門を受け持つことになるだろう、こういうふうに思います。特に現在わが国で実験中の臨界プラズマ実験装置というのは、これはいつもこの委員会においても申し上げましたが、ただいま手のひらをあけて内輪を皆出したらどうだということが仮にありとせば、世界の相当トップレベルに達しておる技術ではなかろうか、私はこういうふうな自信を得ておるわけでございます。そのことはアメリカも言っておりました。だから、特に明年度アメリカと提携いたします以上は、予算等の面におきましても、また技術者の面におきましても、お互いが充実した体制で臨んでいかなければならない、かように存じております。 大石委員なんか若い方々が寄っていろいろとその面で勉強していただいておると聞いておりますから、今後ともひとつ政府を御鞭撻していただきますようにお願い申し上げます。
○大石委員 確かに一番の大きな問題はそこにあると思います。共同開発していく、研究をしていくという意味におきまして、五分と五分の条件で堂々と胸を張ってこちらもやっていけるという体制をつくるために、これはさらに国民的認識をしてもらうことも大事でございますし、そういう中から核融合にかけてのさらに力強いわが国としての心構えを、いろいろな面で、特に予算の面で示していくことによってこの共同研究が成功していくと思います。ひとつ大いにみんなで力になり合ってがんばっていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。 それから、この国会でも問題になっておりますけれども、原子力の平和利用の推進のためにやはり原子力基本法の一部改正という問題はどうしてもやっていかなければならぬ問題だと思います。特に原子力安全委員会という確立した、国民がこの委員会なら信頼できるという一つの委員会を中心として、研究開発の科学技術庁あるいは実施段階での通産省そして運輸省がそれぞれの役割りを果たしていく、原子力安全委員会というものが国民に信頼されるということが一番必要な問題になると思います。そういう健全な組織の中で原子力の平和利用を推進していかなければならないと思います。そのために、この基本法の一部改正の促進はこの委員会でやるべきことでございますけれども、この問題に関して現場から具体的に、その必要性をもう一度確認する意味でお話しいただきたいと思います。局長、いかがですか、基本法の一部改正について。
○山野政府委員 原子力基本法の改正につきましては、これはもとをただせば「むつ」問題に端を発しました大山委員会から出るわけでございますが、その後内閣に設置されました有沢委員会の結論にもあるとおりでございまして、私どもとしましては、原子力開発利用を推進する原点と申しますのは、国民一般の理解と協力、特にまた地域住民の理解と協力が不可欠の要件であるというふうに考えております。 そういう意味で、この行政体制の強化拡充、しかも安全と推進というものを画然と分けた形での強化拡充というのが最優先して行われるべきであるという確信を持っておるわけでございまして、そういう趣旨で今次国会にも基本法をお願いいたしまして、現在、推進と安全規制と両面の機能を持っております原子力委員会というものを、推進だけを担当します新しい原子力委員会と、安全規制に専念いたします安全委員会というふうに二分するということにあわせまして、これも「むつ」問題で指摘されたことでございますが、行政レベルにおける安全規制というものの一貫化を図るという趣旨から、発電炉の形態によりまして科学技術庁、通産省、運輸省と、おのおの責任の分担を明確にするということにしておるわけでございます。 そういう意味で、今次国会、鋭意この委員会におきましても御審議をお願いしたわけでございますが、引き続き審議を煩わしまして、できるだけ早く、できれば今次国会中にもこの基本法等の改正案が成立することを私どもとしては強く希望し、期待する次第でございます。
○大石委員 それでは次に、エネルギー全般の問題につきましてエネルギー庁にお聞きしたいと思います。 原子力の開発その他も、これからのエネルギーを確保していくという前提の中できわめて必要の度合いの高いものだということで、この委員会でもいろいろ取り上げられているわけでございますけれども、時間もなくなりましたので、数字を長くおっしゃらなくて結構でございますけれども、一応これからのエネルギー対策のための総合計画ですね、いま通産省として必要と考えられているものを、重要なものだけ少し抽出してお答えいただきたいと思います。
○武田政府委員 これから十年、十五年先のエネルギーの需給でございますけれども、現在の日本の生活あるいは経済の状況から申しますと、これからふえてくる労働人口、雇用の確保とかあるいは生活水準の向上、または社会福祉の向上というような観点から、六%程度の成長が少なくとも必要である、こういうようなことが前提になっておりまして、そういう前提のもとで総合エネルギー調査会でいろいろ検討していただき、これから十年先、十五年先の暫定的な需給見通しを出していただきました。 それによりますと、現在、石油に換算いたしまして四億キロリットルをちょっと割る程度の消費と供給が日本で行われておりますが、十年後には七億キロリットルをちょっと超すくらいの必要量である。十五年後には九億キロリットルをちょっと超す程度である。ただ、省エネルギー努力をさらに上積みいたしまして、十年後六億六千万キロリットルくらいの供給で何とか賄っていく。一方、現在石油の輸入量が三億キロリットルをちょっと下回っておりますが、従来のようなことをやってこのまま続けてまいりますと、勘定いたしますと十年先には五億キロリットルを超すような数字になってしまいます。これは世界の石油供給あるいは需要の環境からいきまして、不可能と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、きわめて困難である。したがって、それを何とかして減らしていかなければいけない。そういう意味で、先ほど先生御指摘の原子力の開発というのは非常に大きなウエートを持っているものでございます。 そういった観点から、たとえば原子力のみで全部賄うというわけにはまいりませんが、たとえば原子力につきましては昭和六十年度三千三百万キロワット、昭和六十五年度六千万キロワットという、もろもろの対策を積み上げ、官民協力してそこまで持っていきたいというのが全体の需給見通しでございます。その結果として、そういうものが原子力についてもほかの分野についても達成できれば、油の必要量というのは六十年度で四億三千万キロリットル程度、六十五年度では四億五千万キロリットル程度というようなところにおさまり、これはいろんなバランスから考えて——もちろん努力が必要でございますが、達成可能なレンジに入っておるというようなことになっておるわけでございます。 さて、原子力の開発にいたしましても、そのほかの石油以外のエネルギーの取得にいたしましても、あるいは石油自体の取得にいたしましても、なかなか大変なことでございます。幾つかの要素がございますが、一つは資金的な裏づけが必要である、こういうことでございまして、その資金の裏づけの具体論につきまして、いま鋭意総合エネルギー調査会の段階でも詰めてもらっているということでございます。 もう一点は、先ほどのお話にもございましたけれども、原子力の開発、あるいは石炭を輸入して日本の中でさらに上積みして使うようにしよう、それからLNGもございますけれども、国内的にも立地の問題がございます。しかし、エネルギーの確保が非常に大切である、それがどうしても必要なんだ。それからブレークダウンしてまいりますと原子力の開発、これが一番大きな項目でございますが、是が非でも必要である、こういう必要性を御理解してもらうというようなことからスタートいたしまして、国民なりあるいは立地地点の周辺の方々の御理解と御協力を得なければいけない、その方策を進めていきたい。こういう二つの裏づけを伴う実効性のあるものにしていきたいというのが、いま私どもの考えておることでございます。
○大石委員 十年から十五年の中期計画といいますか、どうしても必要とされる見通しの中では、つまり省エネルギー、なるべくむだを省く、端的に言えばそういうことになると思います。それとともに、石油の需給バランスがやはり逼迫していくであろうという見通しの中から、石油の依存度を低めていくということが大きな目標になるわけでございますね。
○武田政府委員 先生御指摘のとおりでございます。エネルギーの十年、十五年の目標によりますと、現在七三%程度の石油依存度を十年先には六五、六に、それから十五年先には五七程度にというような努力目標を設定しております。
○大石委員 通産省の総合エネルギー対策の数字の中で、そのように省エネルギーを進めた場合の可能性としてかなり目を引くものが、原子力のエネルギー依存度を高める、電力の依存度を高めるということと、それからもう一つLNG、これが相当大きなウエートを占めていくようでございますけれども、原子力の問題に関しては先ほどからいろいろお話を伺っておりますが、LNGに関してはたしか六十年で一八%くらいじゃございませんでしたかね。かなり高い依存度になっていると思いますが、これは相当エネルギーの代役として——代役といいますか、今後大きな役割りを占めると思いますが、この安定供給に関しては相当確かな見通しがあるわけでございますか。
○武田政府委員 先生の御指摘のとおり、原子力よりはちょっと量が落ちますけれども、液化天然ガスを輸入いたしまして利用するというのに相当なウエートをもって考えておりまして、総合エネルギーバランス上でも七、八%のウエート、それからLNGの相当部分が電力発電用に使われますけれども、電力ウエートでは二割近いウエートになるようにというようなのが目標数値でございます。 LNGにつきましては、産出国におきまして液化をする、それからタンカーで運びまして日本で気化をするというような先行投資がかなりございます。それから、これまた何分外国から取得することでございますので、長期契約に基づいてやるわけでございますが、やはりいろいろ分散をし、それからそれぞれの個別のものにつきましても供給の信頼性を高めるという努力が必要でございます。 なお、目標としております六十年度三千万トン、六十五年度四千四百万トンという数字は、現在の段階ではそれだけ全部長期契約ができておるということではございませんで、さらに新たなものを開拓し、国内的にも外国の基地におきましても、先ほど申し上げましたような先行投資をする、そういう体制整備、さらに国内的に需要をまとめる。というのはある規模のものに、たとえば四百万トンとか五百万トンとかいうようなロットになりませんとなかなか扱いにくいということが、経済的にもその他の問題でもございますので、そういったいろいろ施設の整備、体制整備が必要でございまして、こういった努力を加えてそこまで達成していきたい。信頼度の点についても同様でございます。
○大石委員 十年間で、五十一年から六十年までの見通しの中で、一応民間資金、政府資金全部合わせてエネルギー対策費が六十八兆円、政府の公的支出が七兆円という計画でいま言われたような計画を達成しようということでございますが、五十一年からスタートしてことしがまだ二年目でございます。恐らくちょっと見たところでは、年間七千億円になりますけれども、まだまだエンジンがフル回転をしていないという感じもいたしますし、エネルギー対策費といいましても、たとえば石炭石油特別会計などでは、エネルギー対策費といいますと一応エネルギーを開発していく、あるいは安定確保していくというための対策費というふうにわれわれは解釈しておりますが、石炭石油特別会計などは石炭離職者対策というような、開発とかエネルギー確保という前向きの開発費以外の、言ってみれば後追いのようなそういうお金も入っているわけでございます。これは決して悪いわけではございませんが、エネルギー対策費、前向きにエネルギーを確保していく、あるいは開発していくという面の純粋のお金から言うと、これはもっと下回るように思うわけでございます。そうしますと、全体的にこのような巨額なエネルギー対策費がこれからもいまのペースでいけるのかどうか。それから、特に核融合と同じように新しいエネルギー開発という意味では、サンシャイン計画というのが通産省が所管官庁としてこれからも力を入れてくると思いますが、これもアメリカの一千億に比べて現在五十億足らずというようなことでございますけれども、全般的に研究開発費という意味では、このままでいきますとどうしてもおくれをとるのではないかという心配も数字から受けるわけでございますが、その辺に関していかがですか。
○武田政府委員 総合エネルギー調査会でこれから十年間に必要な資金の試算をしていただきまして、その結果は先生御指摘のとおりでございます。ただ、仮に今後六%前後の物価上昇があるといたしますと、先ほど御指摘のあった六十八兆円が八十八兆円という数字になり、公的資金七兆円が九兆円ぐらいという計算になるわけでございます。したがいまして、どちらの計算をとるかでございますが、物価上昇を見込みませんでも現在一般会計なり特別会計から支出しているお金の二倍平均のもの、もし物価上昇を見込みますと二倍半平均のものを公的資金として調達しなければいけないというポジションにございます。したがいまして、そういうものを調達するための財源のあり方につきましていろいろ鋭意検討を進めているところでございます。それで、来年の予算の締めくくりがもうしばらくで来るわけでございますが、来年がその取っかかりでございまして、今後十年を通じまして、現在に比べて二倍なり二倍半なり程度の財源を確保できるようなその第一歩ということで、いま現実に財源をどう調達するかということを鋭意検討し、関係方面と御相談をしかけているところでございます。 なお、一言つけ加えさせていただきますと、先ほど石炭のお話が出たのでございますが、総合エネルギー対策の中でも国内の石炭生産二千万トンを維持する。これは比率でいきますと一、二%の比率ということであるいは小さく見えるかもしれませんが、これもなかなか大切なことでございまして、先ほど後ろ向きというようなお話がございましたが、これは整理の仕方によればそうでございますけれども、やはり石炭対策のための費用も必要不可欠なものでございますので、御理解を賜ればと思います。 それからもう一点、サンシャイン計画についてお話がございました。これは工業技術院の方からお答えするのが適切かと思います。
○蓼沼説明員 サンシャイン計画につきましては、長期的なエネルギーの供給対策といたしまして、通産省におきましては四十九年から始めております。一応その対象としておりますのは、太陽エネルギー、地熱エネルギー、石炭エネルギー、それから水素、この四つを柱としておるわけでございます。(大石委員「計画どおりいっているか、それだけ答えてください」と呼ぶ)この計画はちょうど三年を経過いたしましたが、いまの時点では順調にいっておりまして、基礎研究の段階のものがすでにプラント段階に幾つか入ってまいっております。今後ともサンシャイン計画は非常に重要になってまいりますので、工業技術院といたしましてはそれに力を入れてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○大石委員 まだまだこれでは予算が足りないので、もう少し力を入れていきたいという御主張もあるかと思いましたが、まあまあいまのままでがんばっていけるというような見通しでございますので、その点はわれわれとしてはある意味では安心でございますが、研究開発というものに対してはやはりこれからも相当前向きの姿勢でいってもらいたいと思います。 そのためには財源が非常に必要になってくるわけでございますが、われわれといたしましても力を入れろと言うことは簡単でございますが、よその方へ行って福祉に大いに金をかけろと言い、そしてまた建設省へ行って道路に大いに金をかけろと言い、そしてまたここへ来てエネルギー開発に力を入れろと言うのは、政治家の非常に無責任な言動でございますので、そういうことに関してわれわれ自身も反省をしなければならぬと考えておりますが、とかく目先の問題に関して日本の場合は解決しなければならない問題が非常に多いということから、未来にかけての問題に関してどうしても——決して軽く考えているわけじゃない。未来に対しての対策、特にこのエネルギー問題はリードタイムというのが非常に大事でございますので、気がついたときにやればいいというものではない。そういう意味では非常に先見性を持ってやっていかなければならないにもかかわらず、いろいろな意味で現在は財政状況も苦しいときでございますし、そしてまたその中で他の予算の配分ということも非常に必要度が高いときでございますから、とかく将来に対する展望というものが優先順位としておのずと下がってくるという一つの問題があると思います。その点はもちろん政治家の責任が非常に大きいわけでございますが、担当の省庁といたしましても十分御配意いただきまして、全力を挙げていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。 時間も余りなくなりましたが、最後に地震の予知体制についてちょっと伺いたいと思います。 十一月三日の読売新聞に、関西の山崎断層で十年間の京都大学の実験が一つ大きく前進をしたといいますか、新しい発見をしたということで、予想される東海大地震などに対して非常に大きく予知の面で前進をしたようにも見受けられます。もちろん、この地震の予知というのは非常にむずかしい問題がありますので、簡単にできる問題ではないと思いますが、現在の日本における地震予知の促進状況を最後にお伺いしたいと思います。
○園山政府委員 ただいま先生御質問の新聞記事に出ておりましたものは、来週行われます地震学会の秋季大会に京都大学の先生方が出される研究成果と伺っております。お話ございましたように、兵庫県にございます山崎断層と言われております地震地帯における御研究の成果でございます。私ども伺っておりますところでは、この山崎断層という地帯で起こります地震のいわゆる法則性と申しますか、周期が四年周期で起こるとか、一年の中でも季節性があって、三、四、五月と九月が活発になる、あるいはまた雨が直接の引き金になることが多いというようなことがおわかりになりまして、ことしの九月でございますかに起こりましたマグニチュード四の地震について予測ができたということであるかと伺っております。この御研究の成果に対する評価といった問題は、恐らく今度の学会でいろいろ御議論なされる問題だと思っております。 先生御質問になりましたように、こういった研究によって現在心配されている東海地域の大地震の予知に対してどういう関係があるかということが一つの問題でございます。私どもも地震の専門家ではございませんけれども、いろいろ先生方のお話を伺っておりますと、やはり地震というのは地面の底の地殻の変動等で起こりますので、地域、地域による特性というものがございましょうし、特に東海地域の地震というのは、先生御承知のように、百年規模の周期で起こるという南海地震に関連いたしておりますし、今回の山崎断層の四年周期と、またマグニチュード四といった規模の地震の御研究の成果が、直接東海地震の予知にそのまま適用できるという問題ではないと思っております。 私ども、昨年の国会で、当委員会での御議論もございまして、東海地域の大地震に対してどう予知体制をしくかということの御指摘を踏まえまして、昨年十月、内閣に地震予知推進本部が当科学技術庁長官を本部長として設置されたわけでございます。そこで当面東海地域に対してとっております観測強化策というのは、まず、もし大地震が起こるとするならば恐らくはその直前にある種の前兆現象が出るであろう、これを直前でもいいからとにかくつかまえて、そして被害の減少に寄与しようという問題でございます。したがいまして、非常にたくさんの観測施設を埋めてございますけれども、このことによって直ちに東海地震というものの性格、特徴、周期性その他が見出せるということではないと思います。これには相当長い年月をかけました努力が必要かと思っております。しかし、こういった先生方の御努力もございまして、各方面での地震に関する研究が非常に活発化いたしまして、先生御指摘のいまの京都大学の御研究あるいはその他もいろいろ各方面で成果を上げておられますので、こういった御研究の成果が合わさりまして、いずれ日本の地震予知の技術というのが進んでいくことについて非常に希望を持たしていただけたことだと思っております。 政府といたしましては、地震予知というのができますれば、やはり地震災害の軽減に非常に役に立つということで、先ほど申し上げました地震予知推進本部を中心に関係機関協力して地震予知を進めておるところでございます。今年度も昨年度に対しまして五〇%以上の予算、約三十七億を投下いたしております。来年度につきましてはさらに五十九億、約六〇%増の要求をいたしておるところでございまして、関係機関協力していよいよこの予知の確立に向かって努力をしていきたいと考えておるところでございます。
○大石委員 どうもありがとうございました。 —————————————
○岡本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興対策に関する件について、本日、参考人として日本原子力研究所理事長宗像英二君並びに動力炉・核燃料開発事業団副理事長瀬川正男君及び同理事中村康治君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、御意見は質疑応答の形で承りますので、さよう御承知願います。 —————————————
○岡本委員長 質疑を続行いたします。石野久男君。
○石野委員 通産省は、一昨日ですか、日本の原子力発電所の稼働率、設備利用率の状況について報告をなさいました。それによると、本年度の稼働率は非常によくない。特に四月から九月までの稼働率よりも十月ははるかに悪くなっていて、昨年度よりもずっと悪い状況になるというような報告です。この設備利用率あるいは時間稼働率の悪くなっている原因は、大別してどういうところにあるか、簡単にひとつ。
○武田政府委員 一昨日、十五日でございますけれども、この二カ月間の定期検査の状況というものについてプレスリリースをいたしました。そのときに、その時点現在でわかっております稼働率の表等も一緒にお配りしてございます。 先生御指摘のように、五十二年度上期、四月から九月につきましては、時間稼働率で申し上げまして、全体の炉を平均いたしまして四二・八%でございます。十月はさらにちょっと下がりまして三八・五%でございます。先の見通しは、まだ五カ月ございますので断定的には申し上げかねますけれども、先生御指摘になったとおり、あるいは一部の新聞等にも出ておりますが、場合によるとその年間稼働率で五〇%を下回るかな、こういうような感じがしているわけでございます。 そこで、稼働率あるいは設備利用率の低い理由でございますが、一言で申し上げますと、定期検査の過程でいろいろ手直しをすべき場所が発見されて、その手直しに手間取りまして、発電所によりましては定期検査の期間が一年を超してしまうという見通しのものが出てきたというようなことでございまして、そういったものを積み上げますと平均的な稼働率が下がってしまっている、こういうようなことでございます。
○石野委員 大臣にちょっとお尋ねしますが、先ほどから原子力発電の必要性が論じられておりますし、また期待されておるようですが、いま定期検査で手直しするだけでも一年を超すというような手直し、これは率直に言って手直しという理解の範疇に入るのかどうか、私は非常に疑問に思うのです。大臣はそれをどういうふうに思いますか。
○宇野国務大臣 いろいろ原因はいま武田君が申したとおりでございますが、過般来衆参両院でこの話が常に出ております。私といたしましても操業率が低いことは非常に遺憾なことだとは存じます。しかし、総括的にながめますと、現在の軽水炉は御承知のとおり非常に国産化も進んでおりまして、わが国の技術陣が双手を上げて、今日までのいろいろな欠陥なり経験をもととして、やがてはそうしたことを一つの大きな基準に標準化を図りたいという努力もいたしておりますので、特に本年になってそうした傾向が著しかったわけでございますが、先般も申したかもしれませんが、中には九州の玄海のごとく非常によい成績を上げて、過般も現地の方々に承りますと、世界で一番長く稼働していますという誇りを持って私たちはこの原子炉を動かしていますというものもあるわけでございますが、確かに御指摘の点は私はもっともな点だと存じます。今後最大の努力をして、そうした標準化への方向の対策を講じていきたい、かように存じております。
○石野委員 対策を講じていきたいという願望は願望として承りますけれども、事実はかくのごとくに非常に問題点の多い実情にある。大臣はしょっちゅう玄海の話を出しますけれども、かつて島根の発電所なども、非常に優良児ということでずいぶん言われたわけですが、稼働してから二、三年たちますと問題が出てまいります。玄海にしても、稼働に入りましたのが五十年十月でございますから、まあ二年そこそこ、これからあと一年、一年半の間に、従来の統計上から言えば、問題が出る可能性を持っているわけです。だから、大臣が言うように、玄海のように世界でも優秀ですよということは、それはある瞬間をとれば言えたとしても、長い目で見ると、必ずしもそこまで自信を持って言えるかどうかわからない、未知数を持っております。 そこで、いま出ておる事故というのは、最近日本では非常に国産化が進んでいて、標準化を目途にしておるとは言いつつも、現在ある十五基の原子炉というものは、ほとんど皆アメリカのものを中心にしておるわけです。そして現に大きな問題になっておる福島第一発電所の第二号機のコレットリテーナーチューブの応力腐食の問題にしても、あるいはまた高浜第一号機の蒸気発生器の漏洩にかかわる問題、これなどは漏洩細管が三本見つかったのが、また後で今度は渦電流探傷検査で十三本の異常が出てくるというふうに、調査すればするほどいろいろな問題が出てくる。浜岡第一号機の問題は、再循環系統の分岐配管の問題ですが、ここでも問題があり、さらにそこでは制御棒の駆動水戻りノズルの問題が出てきている。通産省が常に言っているように、いずれの場合も外部に放射能の影響はない。けれども、それはまた同時に、他の発電所で発見されたものと同様の原因でありまするからというようなことで、安易な物の見方をしているというのが現状ですよ。こういうふうな実情から見て、しかも稼働率が三〇%台になってくるというようなことになると、日本の原子炉というものの、技術的な側面はさることながら、経済的な側面で、これは耐えられるのかどうかということを非常に疑問に思う。大臣はそういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○宇野国務大臣 やはり稼働率が高ければ高いほどペイするのも早いわけでございますから、それを願うわけであります。しかし、先ほどから申しましたように、現在は日本といたしましても、いろいろなことで、言うならば初期の段階でございます。したがいまして、いろいろな問題があるかとは存じますが、長い目で見ました場合に、どういたしましても将来のエネルギー確保のためには原子力の占める部面はもう否定することはできないということは、しばしば申し上げておるところでございます。したがいまして、その開発も急がなければなりませんが、いま御指摘の点に関しましては、もっともな点も多うございますから、極力そうした点の是正には努めたいと存ずる次第でございます。 はっきり申し上げまして、電力業界から申しましてもこれは大変な負担だと思うのです。将来一般的なエネルギー確保のために七十兆円、八十兆円というようなお金が要るということは、大変な負担だと私は思うのであります。特に原子力だけで公的負担は四兆円を算するということでございますから、国家といたしましてもそれだけの決意で臨みたい、かように存じます。 もちろん、経済性を無視するわけにはまいりません。極力経済性を高めるということは、やはりすべての面におきまして必要なことであり、特に電力というのは公益事業でございますから、極力経済性を高めて、そして利用者の負担を常に高めないように考えていくということは、行政の中心であろうと存じております。
○石野委員 通産省にお聞きしますが、この稼働率を年度内にはどの程度まで高められる見通しを持っておるか、それから来年度あたりになるとこの稼働率は上昇する可能性を持ち得るのかという問題についての見解をひとつ聞かせてもらいたい。
○武田政府委員 先ほど申し上げましたように、十月には三八・五という数字で非常に低かったわけでございます。現在十四台のうち、たしか七台動いて七台が定期検査であったかと思いますが、逐次定期検査が終わりまして復帰するものがございます。そういったものを頭に描きまして、大体今年度を通じてこんな見当になるかなという勘定をいたしますと、年度を平均いたしまして五〇%台はちょっと無理かな、ちょっと下回ってしまうかもしれないなという感じでございます。ただ、十月の数字である三八・五とか、上期の平均の数字でございます四二・八というものに比べますと、十一月から三月にかけましては向上して、それで平均値が五〇にいくのはちょっとむずかしいかなというのが本年度の状況でございます。 それから、来年度に入りまして、五十三年度、五十四年度と逐次年月が進行するわけでございますが、私どもといたしましては、ことしの初めあるいは去年の暮れぐらいからいままでにかけまして、あちこちの発電所で相当な手入れを、定期検査の過程で時間をかけてやっております。それから、その手直しと同時に、運転のやり方といいますか、たとえば水の処理の問題等々も含めまして、運転のやり方の改善というものが経験とともに積み重なってまいります。そんなことも含めまして、五十三年度につきましては五十二年度よりいいし、五十四年度は五十三年度よりもいいしということで、これから二年、三年、四年ぐらいの間に六〇近い線まで戻っていくというふうに考えて期待しているわけでございます。 〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕
○石野委員 各発電所の手直しが順次整っていけば稼働率の上昇は期待できる。それにしても、五十四年度ぐらいで六〇%程度にいくのかどうかという問題があるということです。たとえば、一番問題になっている美浜の一号炉が現在停止中でございます。そしてこの夏の委員会での話によりますと、八月か九月に稼働に入ろうとしたものを一応十二月までとめましたね。この一号炉は、現在どういうような作業をしており、そして見通しとしてはいつごろから稼働に入り得るような可能性を持っておるのですか。
○武田政府委員 美浜第一発電所につきましては、このところずっととまっておりますけれども、この夏までの経緯につきましては、いままで何度か御説明したとおりでございます。それで、現在やっております発電所サイトに着目いたしますと、やっておりますことは、前回御報告したとおりなのでございますが、折損した燃料片の数合わせが、これだけ燃料の量が欠けている、そのうち確認されたものがこれだけということで、たしか、六、七百グラム不足分があるわけでございます。それが水の中に溶けているのか、炉の底にたまっているのか等々のことで、どうなっているかということの調査が進行中でございます。 運転の再開という点につきましては、再開の準備もございますけれども、その調査の答えが出まして、その結果を判断して、これならば運転を再開しても安全であるという判断が出てから先の話でございます。したがいまして、いつ運転ができるかということは、ちょっときょうの段階では申し上げかねますが、先ほど申し上げましたように、調査そのものは年内ぐらいには終わるだろう、こう思っております。
○石野委員 一応調査が終わるというのは現場での調査のことで、それから今度は通産省が判定を下すということになりますと、また一、二カ月かかる。結局、年度内に、いわゆる来年四月までの間に稼働に入るかどうかということはまだしっかり返事ができない、こういうように読み取ってよろしいのですか。
○武田政府委員 年度内に営業運転再開できるかという御趣旨かと思いますけれども、断定的に申し上げることは無理なんでございますが、私の感じといたしましては、調査結果が出まして、それを私どもとして判断して、それでその後、営業運転再開前には実は蒸気発生器を洗うというような作業が必要でございまして、これが一カ月、二カ月で終わるというような簡単なものではございません、確認等も含めまして。したがいまして、私のきょう現在の感じでは、来年三月までの間に営業運転再開というのはちょっとないのではないかと思っております。しかし、断定的にタイミングを申し上げられる時期は十二月ぐらいかと思いますけれども、現在やっております調査結果が出て、それを私どもなりに判断してからでございます。
○石野委員 大臣にお聞きしますけれども、事故なり修理という問題がいろいろむずかしい。特に美浜一号炉のごときは、ことしの春先の話では、夏のピーク時には稼働に入るだろうということまで関電では言っておったわけです。しかし、実際問題としては、年度内にもなかなかむずかしいのが実情なんです。この一つの事実から見ましても、電力業界としてはなるべく早く稼働に入りたいという気持ちがある。しかし、事実、安全性を確保しようという立場からすると、かくのごとく非常に大きな差が出てくるわけです。ここで行政上の立場から考えなければならぬ問題が非常に大きいものがあると思っているのです。 私は、日本の原子炉十五基いま稼働しており、新たに建設しようとするもの、申請などがたくさんございますが、しかしそれは皆同じようにアメリカのウエスチングハウスあるいはGEの型式によるものでございまして、そこから出てくるいろいろな事故というものはほとんど皆同じ形で出てきているわけです。こういう実態の設計図に基づく建設というものを何の反省もなく繰り返しやれば、同じような事故がこれから何年も続くのだ。先ほど大臣も言われたように、わが国の国産化の問題、自主技術の開発という問題をこれと見合いに考えました場合には、建設許可等の問題についてもう一遍考え直すべきでないか。類型の同じ形の事故が数多く出ている問題については、いわゆる申請許可をする場合にもう一度再チェックをする必要がありはせぬか。それはただ単に安全性を強調するという意味だけじゃなしに、国は相当大きな金も使いまするし、日本の国の経済界においてもそれだけの金を使い、しかも物資の面においてもいろいろ節約しなければならぬときに、こういうむだな施設が次から次へ出てしまうということは、国家の資源の節約という側面から言いましても、経済の側面から言っても、政治の上から言っても、こういう節穴のような政治をしておってはいけない。財界がどんなに望もうと、大臣が言われるように、エネルギーを原子力に依存しなければならぬといっても、原子力発電所自体がこのような稼働率であるという実態は、これは覆うべくもない。私はやはりこの点、原子力行政の上で真剣に考えなければならぬ問題がここにあると思うのですよ。同時にまた、この機会に、自主技術の開発の側面に対する行政上の手当てを厚くするということを非常に必要としている時期じゃないだろうか、このように思いますけれども、大臣の所見を伺わせてください。
○宇野国務大臣 美浜一号炉に関しましては、従来からこの委員会でいろいろ話をしてまいりました。特にこの八月ごろには運転に入るんじゃないかというお話でございましたが、特に定検をやっておりました通産省あるいは立ち入り検査をやりました科技庁としては、その経緯からかんがみましても、拙速をたっとばずさらに慎重を期して、動いた以上は再びこのようなことがないようにしてもらわなくちゃ困るよというので、あえてわれわれの方からその運転の早いということを希望しなかった次第でございます。そうしたことを率直に関西電力も受け入れてくれましても、鋭意、ただいま武田審議官が申したような措置をとっておるわけでございまして、原子炉におけるトラブルがこういうふうな形において処理されることは今後も必要だと私は思います。 しかし、そうしたことがしばしば同じようなタイプに移っていけば何もならないんじゃないかという御心配に対しましては、私も決してそのこと自体を否定するわけではありません。先ほどから申しておりまするが、極力そうした点に関してはさらに安全性を確かめていきたいというのが政府の方針でございまして、特にそうした面では、もう設置からずっと運転に至るまでの規制の一貫化に関しましても、政府は政府として新しい行政組織を確立しなければならぬというので、去る国会にもお願いをしたような基本法の改定等を出しまして、鋭意努力しているわけでございます。 だから、先生のおっしゃることも、私は決して全面的に否定するものではございませんが、一面におきましては、やはり各電力会社の従業員の人たちも、みずからの安全を期しながら、今日は誇りを持ってこの原子力発電に臨んでいる人たちが非常に多いんです。私もしばしば現場を訪れています。そして率直に、私が言った以上はいろんな話をしてほしいということを望んでおりまするが、現在といたしましては、安全性はもちろんみずから期しながら、さらには環境に御迷惑をかけちゃいけない、そういうことも心得ながらお互いが誇りを持って、この電力によって将来のエネルギーを支えよう、こういうふうなことでございますので、私はやはりその間に当然さらに安全性の確立を期し、また新しい技術の開発もやりながら、そして極力、せっかく設置された原子炉がいまのような状態がないように祈っておるような次第で、決してこれは精神的な問題だけで済む問題ではありませんが、十分技術面におきましてもわれわれは自信を持って今後臨んでいきたい、かように存じております。
○石野委員 大臣の言うこともよくわかるし、現場で働いておる諸君が積極的に取り組んでおることを何も否定しません。私は、いま問題なのは、運転技術や操作技術に習熟すればこの問題が解決するという内容でないということなんですよ。むしろ設計上の問題がある、材質上の問題がある。そういうような問題に対して、わが国がGEあるいはウエスチングハウスの設計図に対して手直しを加えるとかなんとかしなければならないような内容に入ってきているじゃないかということを言っているのです。そういうことになれば、当然同じ類型の炉を、PにしてもBにしても、それをそのままつくるようなことはもうやめなければいけない。少なくとも日本のようなこういう資源の少ない国でこれを開発しようとするならば、そこまで手を加えなければならぬということになると、これは日本だけの問題じゃなくて、アメリカのメーカーであるGEやウエスチングハウスとの間のお互いの連携をとって、設計上の問題にまで入ったところに論議を広げていかなくちゃいけない。そういう事態に入っているのじゃないか。そうだとするならば、わが国におけるところの安全審査だとかあるいは設置許可とかというような問題は、そういうものが整うまでの間は一時、ストップと言ってはいけませんけれども、足踏みすべきような状態に来ておりはせぬかということを私は言っておるのですよ。それを放置したまま物はどんどん前の形でつくらせていく、後から事故を追っかけていくというようなやり方、こんなむだなことはない、こういうことを私は言っているのです。その点を政治の上で考えなければならぬ時期に来ておりはしないのかということを言っておるのです。どうなんです。
○牧村政府委員 先ほど通産省の方から御説明がありましたような共通的なトラブルを含めまして、原子力委員会の安全専門審査会では常時通産省当局あるいは施設者等からの報告を受けておりまして、先生御指摘のいろいろな改造計画等につきましても審議をいたしまして、必要なものにつきましては通産省にこの実施方を要請する、あるいはその審議事項については原子力委員会に報告してその了承を得るというような措置を現段階においてとっておるわけでございます。 なお、先生御指摘のこういうような経験を生かして安全審査等にどういうふうに反映するかというようなことの御質問につきましては、現在原子力委員会の中に原子炉審査に当たって必要な審査基準を審議する専門部会等がございます。こちらの方にもこのようなトラブル等の状況につきまして常々検討をしていただいております。そういう状況でございますので、新しい炉に対しての審査に当たりましても、できるだけ反映させていきたいというふうな態度で臨んでいる次第でございます。
○石野委員 私はいまわが国の国内におけるところの安全審査委員会とか原子力委員会がどうあるかこうあるかという問題を超えて、いわゆる発注、受注の関係におけるアメリカと日本とのいわゆる日米原子力協定に基づいて当然考えなければならぬような問題まで入ってきてますから、そういうようなところに手を入れないというと、新しい発電所を幾らつくってみても同じような結果が出てくるだろう。たとえばノズルのひび割れの問題も、これはノーリターンシステムに入っていくという形で改造はしていきますけれども、とにかくそういう応力腐食や何かの問題が同じ場所で同じようなものが数多く出ているわけですよ。PにしてもBにしても同じことでしょう。Pの方は蒸気発生器で同じような事故が出てきているのだ。そうなるとするならば、いわゆる設計原図に対しての意見を述べなければならぬような状態に入っている。それもやらないで、こちらの中だけで、日本の国内だけの安全の基準をどうするとかこうするとかというようなことでは、本質的には解決できないのではないかということを私は言っているのですから、そういう細かいことはもういいんだよ、もっと大きなところでひとつ大臣から所見を聞かしてください。時間がないんだから、簡単にやってください。
○牧村政府委員 私どもといたしましては、先生のおっしゃる趣旨のことにつきましては、アメリカの規制局NRCと科学技術庁あるいは通産省との間に定期的な情報交換の場を持っておりまして、このようなトラブル等あるいはその他の事故あるいは先ほど御説明いたしました安全審査基準につきまして、常々情報交換をする機会を持って意見の交換を進めているところでございます。
○石野委員 そういうような状況であるとするならば、時間が余りありませんからこういうことをひとつ聞いておきたいのです。 率直に言いまして、これは大臣、私は別に反対とかあるいは設置許可を延ばせとかという意味で言うんじゃありませんよ。とにかく日米の間で、いわゆる設計原図についてのいろいろな意見の交換をせねばならぬような問題が出ている限りにおいては、その期間は、審査にしても何にしても一応はそれの結果を見てやらなければむだが出てくる、こういうことはもうはっきり言えると思うのですよ。そういうかかわり合いでなく、それはそれ、こちらは審査は審査でこう行くというような形をやりますと、結果はちっともこれに反映してこない、もし原図が変わってくればまた審査はやり直ししなければいけないわけですからね。だから、そういう基本的な問題についての行政上の指示かなされなければいけない、そういう状態になってきていると私は思うのですよ。原子力はわれわれも、安全性が確保され、危険性がなくなれば、どんどん進めてエネルギー確保の一翼を担わすことについて何も反対する理由は持っていません。だけれども、いろいろな問題があるからそれを提起しているのです。 だから、いまのように日米の間で交渉が行われているとするならば、その期間中は、いろいろな作業をとめろとは言いませんけれども、足踏みしておれというようなくらいの配慮がなければ、問題の解決は進まないと私は思いますけれども、大臣はどういうふうに考えますか。
○武田政府委員 先ほどノズルの問題、ノーリターン方式あるいはSCCの問題等御指摘ございましたので、実は定検等では私どもの方が現場の部門を扱っておりますので、科学技術庁の前にちょっとお答えさせていただきますけれども、こういういろんなアセンブルをいたしましたシステム、機械装置というものは、一般的にはある実用レベルになりましたときに、それを使いまして運転の定検なり保守の定検をフィードバックいたしまして、物によりましては設計を変えるという部分もございましょうし、あるいは運転方法を変えるという部分もございましょうし、そういうようなことで信頼性がますます向上しあるいは経済性も向上し、機能も向上する、こういうようなのが通常の進歩のパターンでございます。原子力の場合には一つだけ違いますのは、一つだけと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、何分、中にウランなりあるいは燃焼のかすなりが入っていて、これの管理を十分しなければいけない。したがいまして、そういう観点も含めまして、これは原子力委員会、科学技術庁におかれて設計の基本概念の段階から機能の面に着目されて、かたがた外にどういうようなものを出すだろうかという点で安全審査等から……(石野委員「釈明はいいんだよ」と呼ぶ)あったわけでございます。私どもとしてはそういうようなものが実体のいろいろなものをアセンブルしたシステムでございますので、一方で実用段階に達したものを使いながら、しかし同時に改善の努力をする。その改善の努力は一部は運転のやり方の改善でございますし、もう一部は設備の手直しでございます。しかし、同時にGEなりウエスチングハウスなりから技術導入をして、いわばそのまねをして入れたものでございますが、そこにいろいろな問題点、改善すべき点がたくさんございます。そういうことがわかってきておりますので、日本のメーカーもアメリカのメーカーとの間でいろいろ議論をし、あるいは日本の電気事業者も自分の運転上の経験をメーカーの今後のデザインの進歩に反映させてもらうということで、そういう段階でのネゴもいろいろ進行しております。それで私どもはそのうちの一つが……(石野委員「もういいよ、わかった」と呼ぶ)私どもは改良標準化である、こう思っておるわけでございます。
○石野委員 ぼくはそういうことを聞いているんじゃないんだよ。もっと大きな政策上の観点へぶつかってきているだろうということを聞いているのですよ。政府に考え方がなければないでいいですよ。 東海原発で定検中に作業者の墜落事故がありました。その実情はどういうことになっておりますか。
○松田説明員 日本原子力発電会社の東海発電所におきまして十一月十四日の十四時三十分ごろ、先生御存じのガス炉でございますが、ガス炉のダクトにありますマンホールに溶接部分がございましたのを、気密テストをするためにつくりましたマンホールをテスト後外すときに、外す作業をしておりました作業員二名が、突然マンホールが中に吸い込まれるように落ちたというのにつれて転落し、同日の五時から五時半にかけまして両名とも死亡した、こういう事故がございました。
○石野委員 マンホールのふたを外そうとしておったのに吸い込まれるようになったというのは、どういうことが原因でしょうか。
○松田説明員 本件につきましては、その点については現在県警及び勝田署で調査中でございますし、私どもといたしましても、どういう機器の操作がなされていたか現在調査中でございますので、断定的なことは申し上げられませんが、一つの可能性としましては、このダクトの内部を真空にする、つまり気圧を下げる真空ポンプが働いている間に、あるいは働いてから時間がたっていてほとんど大気圧状態に戻すまでにマンホールのふたをあけたのではないかということが可能性としては考えられます。
○石野委員 動燃がおいでになっておりますね。動燃で先般爆発の事故がございました。なぜあのようなウラン濃縮開発部における爆発事故は起きたのだろうか、あるいはまたその原因はどういうことであったのであろうかということについて疑義を持っておりますけれども、その事情をちょっと説明してくれませんか。
○瀬川参考人 ただいま御質問の爆発の問題は、濃縮関係の遠心分離機の試験におけるいわゆる遠心機そのものではなくて、遠心機の中の六弗化ウランを引き出すコールドトラップというものが、遠心機室とは別に、ガス系室の方にあるわけでございます。このコールドトラップの手入れを終わって、それに対する真空ポンプを働かしたときに、真空ポンプの排気パイプでございますか、エグゾーストパイプと申しますか、その真空びきの排気パイプが急に破裂して、大きな音がして、ガス系の機器をおさめてあるフード室のガラスが壊れたという問題でございますが、これに対しましては、特に主要な機器が壊れたということもございませんし、真空パイプの一番最後の引き出しパイプであるということで、特段、この機器の欠陥というふうには私どもは現在考えておりません。ただ、そういうコールドトラップにおける補修の際の真空びきの作業の順序というものについて、若干ふなれがあったんじゃないかという点が考えられますので、この点、作業管理をもう少し徹底させるというようなことを十分考えていきたいと思いますし、またフード内のガラスというものも、そういう際に簡単にガラスが壊れないということのために、網入りガラスを使うとかいうような対策を一応現在考えておる次第でございます。 〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕
○石野委員 ここでの事故でガラスが割れて網入りのものにかえようという乙となどは、当初予想していた内容になるのでしょうか、それとも、今度初めてわかったことなのか、どうなんですか。
○瀬川参考人 そういう御質問でございますと、このガス系室の仕切りがガラスであったという点につきましては、私ども、真空びきの最後の排気のビニールパイプがそんな大きな音を立てて壊れるという事態は、余り予想しなかったわけでございまして、この点は、私どもの粗漏であるかもしれません。 ただ、現在、ただいま御質問のガス系室というのは、あくまで過渡的な遠心機の性能試験のためのガス系室でございまして、将来遠心機による濃縮のパイロットプラントにおきましては、そういう過渡的な設計というものではなくなるものである、ここ数年間の試験の段階における過渡的なガス系室のレイアウトであるというふうに考えてございますので、今後本番になりますと、改善の余地は多々加えることができるというふうに思います。
○石野委員 この問題では、新聞によりますと、緊急退避も行われるような事態でもあって、非常に予想しなかったことのようですが、なぜそういうふうに急に爆発が起きたかという究明は、その後行われ、原因を突きとめられておるのですか。
○瀬川参考人 ほぼ見当はつけ得たと思っておりますが、つまりコールドトラップというのは、ふだんは液体窒素で冷却しておる。それを補修の際には一たん引き抜きまして、中の手入れをする。その際に空気が入る。その空気が液体窒素の影響もございまして、中で、酸素が非常な低温のもとにある程度液化してくっついていたのじゃないだろうか。したがって、真空ポンプを動かしたときに、急激にそういう酸素の多い気体を真空ポンプで引き抜いた、それが恐らく真空ポンプの出口における静電気の作用で大きな音を立てたというふうな推定を現在しております。したがって、作業の手順ということによって対処可能であるというふうに考えます。
○石野委員 ちょっとした、その空気が入り、そこの酸素が液化しておったのが、急にまた気化するというようなことで爆発が起こったということは、後で考えてみれば、それはそうだろうなあということになるのでしょうが、これは最初にはなかなか考えてやられなかったことでしょう。東海発電の事故で二人の人が亡くなる、これなども、真空ポンプが作動している間にふたをあけてしまったから吸い込まれたんだ、それからいまのような、ちょっと手入れをしたら、そこに液体空気が入っておってそれが気化したんだというような、こういうきわめて予測できないような問題がこういうふうに出てくるということと、ラスムッセンにおけるところの確率の問題との関係をどのように考えたらいいのだろうかということに疑問を持つのですよ。もしラスムッセンの確率でいきますれば、こういう問題はどういうふうに解釈したらいいのだろうか。環境庁の方、あるいは通産でもいいですが、皆さんは常にラスムッセンを出してきて、事故についてはラスムッセンはこういうふうに言っておるということで非常に安全性を強調されるわけですけれども、こういう問題をどういうふうに見たらいいのでしょう。
○松田説明員 ラスムッセンレポートにおきます人為的なミスの確率の見込み方というのは、一つの理論になっておるところでございますが、ラスムッセンレポートにおきましても、いろいろな人為的なミスの確率については、それなりのデータをもとにいたしまして一つの分析をした結果に基づきまして解析をしておるわけでございます。もちろん、個々の人為的ミスにつきましては、なかなか事前にこれを予測することはむずかしいとは思います。しかし、私どもは、個別個別の現象は予測できないといたしましても、そうした人為的なミスが全体としてどれぐらいの確率で起こるかという評価は、いろいろな統計を調べた結果によりますと、マクロ的には、オーダーとしてこの程度のミスが考えられるというふうには十分評価できると考えております。 また、そういうラスムッセン的な確率理論とは別に、一つ一つの安全装置につきまして人為的ミスも考慮した上で、その系統が十分働くように、重複性でありますとかあるいは防壁装置でありますとかいうものも設計上はつけていくというふうに、そういうことで安全性が確保されると考えております。
○石野委員 これらの二つの問題は、たとえば東海で起きた転落事故というのは、福島におけるところの、作業中に転落した事故とよく似ているわけですね。しかし、原因はまた違うかもしれません。片方は真空が問題だし片方は渡り橋をすべり落ちたというようなことにもなるのですけれども、いわゆる外部作業者が入っておったとか、あるいはこの場合にはどういう作業者がやっておったか知りませんけれども、転落ということでは同じだし、あるいは補修中とか修理中とかいう条件も同じなんですね。私はラスムッセンの確率論からこういう問題をどういうように解釈すべきかということについて、やはりこの際科学技術庁ではしっかり計算を出してほしいと思うのです。そしてラスムッセンは、こういう事故に対してどれだけの信憑性を持って本委員会等において例証する何になるのかどうかということの一つの具体的な問題ですから、ひとつ計算してほしいのですよ。その計算の結果を、いま出るならやってもらいたいし、出ないなら後からひとつ報告してもらいたいのです。
○松田説明員 ラスムッセンがやりましたような、いろいろな確率計算のもとになります細かい事象につきましての日本における確率はどういうふうに評価したらいいかということにつきましては、これは実は、いまたまたまラスムッセンがやっておりますような放射線が出るようなそういう事故とは関係のないような事故が対象になっているわけでございますけれども、それを含めましてそういった日本における確率計算につきましては、これは相当膨大な作業が必要なわけでございます。しかし、これは何とか日本でもやりたいということで、科学技術庁の方でそういった研究を外部のそれぞれの専門分野に委託してやる計画を立て、予算をたしかある程度持っている、そして数年かけてやるという体制に現在入っておりますので、すぐにはなかなか出ませんけれども、いずれまとまるものと思います。
○石野委員 これはたまたま人身事故の問題ですけれども、いわゆる炉の事故というか、故障といいますか、損傷といいますか、それにも同じことが言えるのですよ。先ほど私が問題にしましたノズルの問題にしましてもあるいは蒸気発生器の問題にしましても、各種のいま炉に起きている事情というものは共通の問題がたくさんあるのです。その共通の問題がたくさんあることが繰り返し繰り返し起きてきているにもかかわらずその反省に基づく施策が行われないとするならば、これほどばかげたことはない、そんなことをやるならばこんな委員会でやる必要はちっともないのですよ。しかもそれには国家の予算がつぎ込まれておる。だから、私は炉におけるところの事故の問題で共通事項が数多くあったならば、設計変更とか何とかということは当然やらなければならない。その設計変更をやらなければならぬということについて、たまたま日米原子力協定というものがあって日本がなかなかおいそれと口が出せないような事情もあり、あるいはまた契約内容の問題もあったりして、すぐには手を加えられないものも数多くあると思うのです。 しかし、そういう細かいことよりも、基本的に軽水炉というものを日本がどのようにわが国においてこれを設置するかという問題にまで触れてきている内容が、稼働率の低下、利用率の低下というものによって出てきていると私は見ておるので、先ほど問題を提起し政府の意見を聞いた。ところが、通産省や科学技術庁のなには釈明だけであって、それに答えていない。大臣から先ほどお聞きしたことについて、一方ではやはりラスムッセンの確率論をどのように適用するかという作業もしてもらわにゃならぬけれども、同時にまた政策の路線ではやはり政府は基本的にこの問題について考えなければいけない、開発優先ということだけではいけないのだということで、原子力船「むつ」でわれわれは反省をさせられておる。最初の段階でも、基本法の改正の問題については「むつ」におけるところの大山委員会で云々という答弁もあったわけですよ。その反省に立つならば、この稼働率の低下、利用率の低下という問題について政策の基本に触れた考え方をやはり明確にしなければいけない、こう思うから先ほどから聞いているのですよ。大臣の意見を聞かせてもらいたい。
○宇野国務大臣 先ほどからの稼働率を含めての設計問題、日米間におけるところのそうした交渉、またその間においては当然機械を極端に言えばストップしてはどうかというふうな問題、私もきょう初めてお伺いした問題ですから、現状とそしていろいろなことを私みずからも、ふだん聞いておりますが、さらに確認をしたい点がたくさんございます。確認をした上で今後どういうふうにそういう問題に対処していくかということを考えたい、こう思います。 また、ラスムッセンの話も私が聞き及ぶ限りは、もう莫大な予算でアメリカ政府みずからが行った結果でございまして、これはあくまでも原子炉そのもの、また放射線そのもの、それらについてのことでございますから、いま言われるような原子炉施設内での事故、これもまたいろいろ原因もございましょう、そうしたこと等も含めまして、いま規制課長からは現在日本は日本としてのあらゆる措置を考えていきたい、こういうふうな発言を聞き及んでいただいたと思いますから、これもまた将来の原子炉の安全性のためにも政府として今後どういうふうにそういう問題に取り組んでいくか、私といたしましても重大なことだと思いますから、これも今後私みずからひとつ検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○石野委員 これはぜひ作業してわれわれに対して答えを出してもらいたいと思うのです。要請しておきます。 東海の事故による二人の死傷者が出ている問題について、労働省はどういうような対策をとっておりますか、この際お聞きしておきたい。
○津沢説明員 御指摘の事故につきましては、ただいま茨城労働基準局、水戸労働基準監督署合同で調査をいたしておりまして、詳細原因等がわかり次第私どもとしても措置、対策等を考えたいと存じます。 先ほど来御説明がありました発生状況については私ども伺っておりまして、調査結果がまとまり次第必要な措置をとりたいと思います。
○石野委員 この問題は、事故死した方は、作業を指示しているのは、どういう組織に属している方でございますか。
○津沢説明員 この工事は川崎重工業の下請であります大平電業の東海作業所というところの作業でございまして、亡くなられました方は大平電業の山口貞次郎さんという方と、さらにその下請の草野工業の小松力松さんの二人でございます。こういったいわゆる重層下請関係にございます。
○石野委員 作業に入って転落即死というような形になってしまうことは、労働者にとっても大変なことだ。しかし、その労働者がまた下請というような、そういう方たちがやっておる場合の監督というのは非常に重大だと思うのです。労働省はこういう事故の起きないような指導監督をする必要があると思うのです。この場合、いわゆる日本原子力発電所の責任もあると思いますし、それから下請した責任もあると思うので、そういう問題について監督官庁としてはどういうふうに——これは労働省は労働省ですが、通産などはどういうふうに対処しておりますか。
○武田政府委員 東海の転落事故につきましては、先ほど労働省、科技庁からお話がございましたように、当該地域の警察及び労働基準監督署でいろいろ実態の調査を進行されておるところでございますので、その結果を待たなければいけませんが、私どもとしては私どもなりに、先生先ほどおっしゃったような観点から、原子力発電会社に対しまして実情を調べ報告するようにということで、現在私どもなりにもその実態を調べているところでございます。最終判断は御担当の警察なり労働基準監督署の調査結果が出ませんと断定的なことは申し上げかねるわけでございますけれども、その結論を待ちまして私どもも必要な措置をとる必要があればそういう措置をとりたいというふうに考えている次第でございます。
○石野委員 これは労働省も通産省も監督上の問題が非常に大きいと思うし、特に労働省の方は、こういう災害があると労災の仕事はてきぱきと処置してもらわないと困るので、事故の解明はそれとしましても、事故死した方々に対しては十分な積極的な対策をしてもらうように希望しておきます。よろしいですね。
○津沢説明員 先生御指摘のように、大変遺憾なことでございます。また、この工事は当然のことながら東海発電所定期修理工事という形で労災の適用がされておりますので、御指摘のように、速やかに補償等の措置をとるように努めたいと思います。
○石野委員 それはよろしくお願いしておきます。 使用済み核燃料の再処理が行われるようになって、最近、核燃料の輸送について安全確保に関する協定が地元の方で結ばれておるようです。そして情報によりますと、十二月の初旬に福島第一原発から空のキャスクを運ぶリハーサルが東海村のあれで行われるというふうに聞いておりますけれども、そういうふうになっておるのですか。
○山野政府委員 ただいま使用済み燃料の輸送についての安全協定が締結されたことは事実でございますし、また今後これに基づきまして十二月の初めに核燃料輸送のリハーサルがあるというのは事実でございます。
○石野委員 協定の内容については、時間がございませんので、余りきょうは触れませんけれども、リハーサルが行われるということになれば、福島の港から茨城の港へ船が進んでくるわけでございますが、運輸省なりあるいは海上保安庁は、その問題についてこの協定とはどういうかかわり合いを持って話を進めてまいりましたか。
○赤岩説明員 使用済み核燃料の輸送につきましては、従来から危険物船舶運送及び貯蔵規則で規制してきたところでございますけれども、今回動燃の再処理工場が事業開始するにつきまして日の浦丸を使って輸送をするということを聞いておりますけれども、運送を行いますNTSという会社の方からこういうリハーサルをやるということを聞いております。これにつきましていろいろと相談を受けておりますけれども、具体的な実際の輸送については来年の早々に入ってからやるというふうに聞いております。
○石野委員 そうしますと、運輸省としてはこの協定の問題については、いままで協定が行われることについて、いわゆる核燃料の輸送に関しての話し合いには直接まだ入っていないわけですね。
○赤岩説明員 地元との協定は、電力関係の九電力と地元との間の協定というふうに聞いておりますので、運輸省としてはその協定そのものに直接はタッチしておりません。
○石野委員 日の浦丸に積み込まれるであろういわゆる使用済み燃料、あるいは将来はいわゆる核汚染をされておる廃棄物なども入ってくると思いますが、運輸省としては、この問題について、安全確保のたてまえから、特別にかかわり合いを持たなくてもよろしいのですか、どうですか。
○赤岩説明員 動燃事業団の東海事業所の使用済み核燃料の再処理の事業開始に伴いまして、日の浦丸によりまして使用済み燃料の輸送が来年早々に行われるということになっておりますけれども、その安全対策につきまして、一般的な安全対策とそれから日の浦丸に対する安全対策と二つに分けて考えられると思います。 それで、一般的な安全対策につきましてまず申し上げますと、放射性物質の海上輸送の安全確保につきましては、先ほど申し上げましたように、危険物船舶運送及び貯蔵規則によりまして従来とも実施してまいったわけでございます。動燃の国内再処理開始等に伴いまして、放射性物質の海上輸送が多くなるということが予想されますので、これをなお一層万全を期するということのために、科学技術庁それから運輸省の航空局あるいは自動車局と歩調を合わせまして、放射線審議会にも諮問の上、それぞれ所掌の府令、省令の全面改正を行いまして、運輸省関係の省令の改正規則は本日公布されたわけでございます。来年の一月一日から施行されることになっております。この改正規則におきましては、輸送時に必要な安全の規制につきまして詳細かつ具体的に規定いたしますとともに、使用済み核燃料等放射線レベルの高い輸送物につきましては、輸送物が安全に作成されていることを確認するということはもちろんでございますが、事前にこの運送計画書を作成させまして、その計画がいまの規則の基準に適合していることにつきまして運輸大臣の確認を受けなければならないということになっておるわけでございます。また、実際にその輸送物を船に船積みいたします場合には、従前から、安全に積みつけられているかどうかということにつきまして積みつけ検査を実施しておりますので、これも今後とも続けられるというわけでございます。 これが一般的な安全対策でございますが、日の浦丸につきましての安全対策を申し上げますと、使用済み核燃料を運搬する専用の構造設備につきまして、運輸省に学識経験者及び専門家から成る検討会を四十九年の初めに設けまして、安全基準を作成してまいったわけでございます。その内容につきましては、この種のいわゆる使用済み核燃料を輸送する専用船は耐衝突構造にする、それから一定の区画に水が浸水した場合でも沈没しないような構造にする、いろいろな厳しい要求をしまして、国際的な規制基準よりも一層高い基準となっておるわけでございます。日の浦丸は建造の段階からこの基準に適合するように審査されておりまして、すでにその審査は完了しておるわけでございます。それから日の浦丸の運送計画の確認の申請につきましては、まだこれから提出されることになっておりますけれども、これにつきましても学識経験者の意見を聞きながら十分審査をやりまして、輸送の安全に万全を期していきたいというふうに考えております。
○石野委員 日の浦丸についての安全規制は一応できておるとして、これから運送についての規制は、新たに特殊なものとして規則をつくったり何かする段取りになっているのですか。もうすでにできているのですか。
○赤岩説明員 規則の中に輸送についての「安全の確認等」という条がございまして、運送の計画書を出させまして、それを運輸省で十分チェックいたしまして、船の構造とか積みつけの方法など必要な事項については是正について指示することができることになっております。それから輸送物とかそういうものについては規則の中に具体的に詳細に書いてございますので、それに従ってやっておるかということをわれわれは確認する必要がある。それは当然やるということでございます。
○石野委員 この船が大海の中を一隻でずっと行く場合はいいですけれども、そうでなくて、非常にふくそうしている船舶航路の中で動く場合の航路指示といいますか、何かそういうものは特別に考える必要はないのかどうなのか。それからまた、何か海難事故などがあったときに、こういう船は何か特別な扱いをする必要があるのかどうか。しなければいけないのだろうと私は思うのだけれども、その点についてひとつ。
○久世説明員 まず、いま先生から御質問いただきました航行上の問題でございますけれども、実は日の浦丸についていろいろお話がございましたが、すでに御存じのとおり、レーベンフィッシャーというイギリス船が、使用済み核燃料物質の輸送につきまして、東海村あるいは敦賀の港を中心にイギリス、フランスにもう数年前から輸送しているところでございます。これにつきましては、いま船舶局の方からいろいろお答えしましたのと同じようなことが国際的になされておると思いますが、特に私どもは港の中と一般航行上の問題というふうに分けまして、外国船でございますので、日本の法律にかかわりますものには、港則法等に基づきまして、港内での荷役の許可に関しては安全性を確保するためのいろいろの規制を行うと同時に、港内の出入に際しましては経路の指定とか濃霧による視界不良時の出入制限等を行うというようなことを前提に、安全措置をいろいろとっておるところでございます。 また、一般的港外におきましては、特に外国船でございますので、行政指導という形で、当該船舶は主要通過地点において海上保安庁に位置を通報しなさい。要するに、こういう特別の船でございますので、海上保安庁では絶えず位置をとる。一般船舶はそういうことをやっておりませんけれども、そういうような行政指導をやっております。それから狭水道あるいは操業漁船の多い海域を指定いたしまして、こういうところでは見張りを強化しなさいという指導をするとともに、万一緊急事態が発生した場合には、海上保安庁に必ず通報しなさいという指導を行っておるところでございます。
○石野委員 いまのような外国船に対する指導は、日の浦丸についても準用されるような扱いになるのですか。それとはまた別なのですか、どうですか。
○久世説明員 先ほど船舶局の方からお話ししましたような船舶安全法の問題については、日本国船舶でございますので、当然適用されますけれども、それ以上につきましても、このような特殊な船なので、私どもとしては十分指導したいと考えております。
○石野委員 これは運輸省の船舶局よりも港湾局の方になるのかもしれませんが、東海村の原子力港と言われるところのすぐ近隣がいわゆる米軍の対地射爆場でございました。これが返還になって、あそこへ流通港湾の構想があると聞いておるわけです。流通港湾の構想がもし聞くようなことであるとすると、港湾ができると約二千八百万トンの水揚げをするということになっております。そういう状態になりましたときの船舶の沖合い停泊なり航行というものは大変なものになるだろうと思うのです。しかも日本原子力発電所の原子力港と流通港湾とは全く防波堤一つで境目を接しておるわけでございまして、一キロも先へ行けば皆同じになってしまうというような海域です。そういうような情勢のもとでこういう船が出入りすることについては、やはり安全性の問題からいっても、いま海上保安庁が言うように、特殊な監視をする必要性が出てくると思いますし、私自身はそういう状況のところに流通港湾などというものをつくることに一つの疑義を持ったりするのです。二千八百万トンの港ができた場合、大体どのくらいの船の出入りを予想されておるか。 それから、この港はすぐ隣に日立港があります。また太平洋に向かって右の方には大洗があって、大洗港と流通港と日立港を含めて四千万トンというわけです。その直線距離は四十キロしかない。四十キロの間に四千万トンの水揚げということになりますと、船舶の沖合い停泊というのは物すごいものになるだろうと思うのです。そこへ非常に危険なものが出入りをするという状態が出てくるので、海上安全の上からいっても、陸上どころじゃない厳しさが出てくるやに思いますが、運輸省はこういう問題を考慮に入れておられるのかどうか。あるいは、流通港湾そのものがどの程度固まっているか私もわかりませんけれども、もし流通港湾を考えるとすると、こういう関係を運輸省あるいはまた内閣はどういうふうに考えるかということをここで聞いておきたい。
○小池説明員 まず北関東流通港湾群、先生御指摘のとおり、日立それから水戸の射爆場前面の新港の構想がございます。それと大洗で、将来約四千万トン程度の港湾貨物を取り扱うこととなるだろうというふうに県が構想を持っておりますが、その場合の入出港船舶は二万ないし三万隻程度かというふうに推定されるところでございます。 この二万ないし三万隻程度の航行安全の問題でございますけれども、これらのいずれの港も外海に面しておりまして、また既存のたとえば東京湾の港というようなところではすでに数万隻といった船舶の出入りがございます。そういうような点から特に非常に大変なものというふうには私ども考えませんですけれども、先生御指摘のとおり、すぐ北側には原子力発電所の専用港がございまして、そこで使用済み核燃料を荷役するというような状況でございますから、やはり安全の問題には十分配慮する必要があろうというふうには考えているところでございます。 先生がお話しのとおり、北関東流通港湾群構想と申しますのはまだ具体化しておりません。今後、港湾管理者が具体的な計画を立てる段階で、航行の安全、港内の安全といった点を海事関係者と十分協議をするよう指導してまいりますし、また港湾管理者が港湾計画を立案いたしまして運輸大臣に審査が上がってまいりますが、その段階では港湾審議会に諮問いたしまして海事関係者等学識経験者の意見も十分徴する、こういうふうに考えているところでございます。
○石野委員 科学技術庁からもお聞きしたいのですが、その前に、いま港湾局からお話がありました大体四千万トンで隻数にして二、三万隻でしょうというのは、ちょっと私は疑問に思いますね。あなたのところから出しているこの統計月報によりますと、四千万トンということになると大体四日市港と同じぐらいです。四日市港でいきますと、ここでは四十九年、五十年が年間大体四万隻から四万五千隻です。しかも四日市で出入りする船の関係を考えると、ここではどういうものを予想されているかわかりませんが、仮に流通港湾の構想が二千八百万トンということになりまして、その出入りの船のトン数がどのくらいになるかということによりましょうが、恐らく姫路港くらいの状態になるのじゃないだろうか。姫路港くらいになりますと、これが大体三千二、三百万トンくらいの出入りなんでございますけれども、ここで船にしますと約四万八千隻からの船が出入りしている。室蘭が二千六百万トンの出入りをしておって、そこでは一万一千隻くらいです。こういうようなことをずっと見てきまして、日立港あるいは大洗港等を含めてみますると、大体この辺で平均トン数が三千トンくらいになるのかなというふうに予想します。三千トンにならないのじゃないかなと思うんだ。二千トンくらいになるのかもしれません。そういうことになってまいりますと、これは隻数はそんなに簡単なものじゃない。三千トンにして大体九千三百隻、それから千五百トンにして一万八千隻、大体停泊期間が四日か五日ということになると、これは大変な数字になってきます。大変なものですよ。みな五万隻から、場合によれば、千五百トンくらいだとすると、十万隻くらいになってしまいますよね。東京湾の中で船がふくそうするにしても、航路も決まっているわけですね。それから流通港湾と原子力港というのは航路はもっと狭いですよ。出ていく沖合いというのは、本当に狭いところを出ていくことになるだろうと思いますから、これは私は流通港湾構想を考えるときに、原子力港の存在ということを全く頭に置かない構想が出てきているように思っております。これは三年前に私が港湾局長に聞いたときには全く頭になかったのですよ。議事録で局長は私にそういうふうに返事をしています。そんな話があったら大変だから相談しますという議事録になっています。長官、私は、流通港湾構想というのは、非常に広大な土地を持っておるし、沖合いもありますので、考えられる一つの方策だとは思っておりますけれども、危険物といっても恐らくこれ以上のものはないだろうと思うのですよ。こういうようなものを運んでいるすぐ隣にこのようなものを、いままであったのなら別ですけれども、これからつくるというようなことがもしあるとするならば、放射能に対する安全規制というものについての配慮全くなしと見ざるを得ないと思うのです。これはまだ決まっていることじゃございませんけれども、流通港湾と原子力港という問題との関係はもっとシビアに政府の中で検討すべき課題であろうと思う。運輸省は運輸省で考えなさい、科学技術庁は科学技術庁でございます。そういうものじゃない。これは全体を含めて射爆場跡地の問題に絡む流通港湾構想を考えなければならぬのじゃないか、こう思います。長官の意見をひとつ聞きたい。
○宇野国務大臣 地元で非常にそうした要望が強いということは承っておりますが、これはもちろん大蔵、国土庁がいろいろ検討することと思います。しかし、いまおっしゃった安全問題に関しましては、私どもといたしましても関係各省庁と十分連絡して、いろいろ検討を加えたいと思っております。
○石野委員 この機会に私は、原子力発電所の発電炉の事故の問題やあるいは人身事故の問題もありますけれども、周辺汚染の問題を通じて特に海の問題、これからどこへ行っても海が問題になってくるのでございますけれども、二百海里問題でだんだん遠洋漁業が追い詰められてきて、近海漁業、沿岸漁業というものが重大視される、食糧の上でもいわゆるたん白質を確保するためにはどうしても養殖水産をやらなければならぬ、こういうような情勢のときに、海洋汚染の問題もさることながら、原子力発電所をつくることによって、あちらでもこちらでも漁業権がみんな放棄されていきます。いま水産庁は、原子力発電所だけではない、いわゆる産業にかかわって漁業権放棄をしているのが、日本列島の周辺でどのくらいの面積になっておるか計算が出ておるでしょうか。
○吉國説明員 ただいまお尋ねの漁業権の放棄の事例でございますけれども、全国で相当数の規模に及んでおりますが、面積についてはただいま資料を持っておりません。
○石野委員 これは私も相当広い面積になっていると思うのです。これはひとつ漁業権を放棄しているのが全海域の中でどのくらいあるかを計算して出してほしいのです。このことは、同時に日本の食糧問題の将来について非常に大きな関係があると思います。私はここでは、そういう数字が出ていなければどうにもなりませんから、これは調査して報告してもらうことにとめなければなりませんけれども、大臣、ひとつこれは内閣の中で——陸上産業、工業が非常にいろいろな要求を海に対してします。そのために漁業権の放棄は至るところで出てきております。その漁業権放棄という問題は、漁獲物がないのに漁労者は一定の収入が得られるということになりますから、これはどちらかといえば物価に影響する面が非常に大きいわけですよ。大変なものになるだろうと私は思うのです。そういう意味からしましても、この問題は検討を加えなければなりませんが、もう一つは、具体的に物資を確保するという側面に及んで、いわゆる漁獲物がそれだけなくなるわけでございますから、目の前にあるけれどもそれは漁獲できないというような事情が出てきてしまうのですよ。そこへ今度公害問題が入れば、もっときついものになってきます。とったものが食べられないということになりますから、政府で漁業権放棄の問題と産業の関係、こういう問題についてはどのような検討をなさっておられるか、あるいはまたそういう問題の提起をしてもらう必要があると思うのです。これは科学技術庁長官の問題じゃない。実際は総理の問題だと思いますけれども、長官にちょっとその所見だけ聞いておきたい。
○宇野国務大臣 原発施設と漁業との関係は、現在は本当にいろいろの意味において深い関係がございます。しかし、幸いにいたしまして、今日までは大体両者の相互理解に基づきまして、いまのところこれといった問題もなくスムーズに運んでおると思います。また当然それに対する補償もされておりますが、しかしマクロにそれをとらまえました場合に、二百海里時代と食糧難というようなことから考えますれば、一つの問題であろうと思います。しかし、それに対しましては農林省は農林省として沿岸漁業、近海漁業に対しましても魚族の養殖を進める、このごろでは栽培と言っておりますが、われわれといたしましても、科学技術庁は湧昇流を開発して二百海里内において魚族の繁殖を図ろうとか、あらゆる手を打っておるわけでございますが、そうしたことも一つの問題であろうかと受けとめますから、どういうふうな実態にあるかというふうなことに関しましては、水産庁ともよく連絡をとって、また私は私なりに考えていきたいと存じます。
○石野委員 原研からおいでになっておりますが、原子力研究所ではこの前重油の流出事故がありました。これは後で聞いてみると、こんなばかげたことが、というような事故なんですけれども、どういうことでああいうことになったのですか。
○宗像参考人 いまお話がありましたように、本当に問題にならぬようなことを起こしまして恐縮しているわけでございますが、事情は十一月七日の午前に重油タンク、これは暖房用の重油を冬季に向かってきましたから買って、そこへためて、それで暖房用の準備をしようとしていたわけですが、油をタンクに貯蔵している間に、しばらくして異常を発見しました。異常というのは、ゲージに油が出てこないことを知りました。早速それに対して処置をしたわけですが、タンクの異常を発見したのが、油を入れ出してから五十分ぐらい後です。パイプが長いものですから、パイプの中を流れていくのが時間がかかりまして、海へ出るまでに約一時間くらいかかったわけです。早速排出パイプですが、キャナルですが、それに対して処置をしまして、油が流れるのをとめて、そのパイプの中にたまっているような油は、そのパイプのそばにあります別の目的で掘った穴に流し込んで海への流れをとめたわけです。漏れた油は約八キロリットル半くらい、その半分くらいが海へ流れて、半分くらいは処置をしたために別の方へ回収といいますか、取り込んだわけであります。 どうしてこんなことが起こったかということについてちょっと触れますと、この貯油タンクは、原研の中の暖房の要求がちょっと事情が変わったために、あるところにありました三十トンくらい入るタンクを移設しまして、移設をしたのがことしの四月ですね。五月の下旬に移設が終わりまして、移設工事が一応竣工した。六月に竣工検査に合格をしまして、それから重油用のタンクですから、保温工事、塗装の工事などをしていたのですが、油輸送パイプもタンクからついていますが、掃除をしたり何かする俗に言うドレーン抜きの方のパイプのバルブを、工事業者が厳重に締めていなかった、また入れる前にそれを検討するのに若干手抜かりがあったということが原因でございます。
○石野委員 話を聞くと、ざるで水をくむということがありますけれども、とにかくタンクの栓どめもしてなければ、あるいはずっと海洋に出ていくところのさくどめもしてないという中で油をどんどんつぎ込んだのだから、流れるのはあたりまえのことで、どんなに流れるなと言っても流れる。これは結局作業監督の問題になるのですね。原研としては、こういう問題についての作業監督上、規律の乱れといいますか、そういうようなものがここへ一つ出てきているのではないだろうか。この仕事をしたのはやはり下請の方ですか。
○宗像参考人 原研では、暖房のようなこと、たとえば構内ボイラーとか独身寮のボイラーというようなものの設備、運転、保守、そういうものは一応下請業者にやらせております。もちろん、原研の施設ですから、施設者として原研の者が監督はしているわけでございますが、そういうところに若干、後で考えますと抜かっていたところがあった、こういうことでございます。
○石野委員 いずれにしても、タンクには栓はしていない、排水口のところにはとめがしていない、こういうところへ、タンクローリーからどんどん重油を入れているというようなこと、初歩的も初歩的ですね。こういう緩みがいま至るところに出ているように思うのですよ。こういう点については、幾ら所内の労働者にきつく言っても、外から来ている人に対して、建設省の癒着の問題なんかできのう、きょう大変問題になっておりますが、ああいうようなこととの関連性がもしこういうようなところにまで響いてきている、まあそこまではいかないけれども、これはしかし作業規律の上で十分注意すべきものだろうと思うのです。これは注意してもらわなければいかぬと思うのです。私は宗像さんに、こういうような問題の手抜かりがあるのに、労働組合に対しては厳しいなと思っているのです。とても厳しいと思うのです。 それで、時間がないから宗像さん、いわゆる労働組合の定年制の問題が出ていますね。同じように政府機関関係で、もうおたくだけでしょう、五十五歳定年で、あと一年余裕がありますから何とかしますなどということを言っているのは。政府自身が六十歳の定年制へ持っていこうというようなことを言っているときに、宗像さん、何で五十五歳にかじりついて、労働組合の話を聞こうとしないのですか。ひとつ真意を聞かせてください。
○宗像参考人 いま先生がおっしゃるように、私は組合にきついとかいうことは絶対にないと思うのですね。ただ、やはり筋を通すということをしませんと組織体をきちんと守っていくことはできないものですから、筋を通すということ、それをきちんとしているつもりなのでございますが、何か私の態度がやたらにきついように見えましたら、決してそういうことはないことを先生にまず私よく申し上げておかなければならないと思います。 それから、組合の人に限らず、原研の者、非組合員についても、作業のようなことについてはきちんとしなければいけないということは、私自身もよく機会あるごとに触れてみんなに注意をいたしておりますから、こういうまことに申しわけない、注意すればバルブを締めるくらいのことはじきにわかることだし、せっかく安全のために外側に枠をつくっている、その枠のバルブを締めておくということも当然わかり切ったことですからしなければならぬ、それを抜かっていたことは、いまさら申しわけといいますか、申し開きすることはできないわけでございますけれども、今後緊張の度をもう少し高くして、そういうことの起こらないようにいたしたいと思います。 それから次に、いま先生がおっしゃった、組合にやかましいからという考え方で見ていただくのは非常に困るのでございまして、私の方も定年の問題についてはいろいろ十分考えているのですが、しかし原研のいまの人員構成やそれから給与費の問題そのほかのいろいろな点から考えまして、いまいきなりそれを延ばすということは、延ばしたいのですけれども、いきなりということはちょっといろいろ問題がありますので、しかしもうすでにわれわれの方の持っている人事関係の専門の連中がいろいろ工夫しておりますので、近いうちに成果を出して、そして組合と約束をしているようにだんだん持っていこうといましているところでございます。具体的にいつということは私ちょっと申し上げかねるのですけれども、それはぜひしたいと思っております。
○石野委員 宗像さんは、科学技術庁関係の他のあなた方と同じようなところでは、ほとんど皆定年は五十五歳なんかのところはないのですよ、それはよく御存じですね。
○宗像参考人 はい、よく知っております。
○石野委員 それでは科学技術庁、いま自分の管轄下にあるところの原研等いろいろな機関で、定年はどういうふうになっているか、ちょっと教えてください。
○山野政府委員 原研はいま御説明ございましたように五十五歳でございますが、実質上は五十六歳になっております。それから動燃が五十八歳、技研が研究職六十歳、情報センターが六十歳、宇宙開発事業団は定年なしという状況でございます。
○石野委員 宗像さん、いまおわかりのように、動燃で五十八歳なんですけれども、あとは皆六十歳ですよ。定年なしのところもあるわけです。いろいろ年齢や何かを考えてあなたもそういうことをおっしゃっていると思いますけれども、原研の中で事実問題として人員の採用はこのところぐっと締めているわけです。そして定年の問題は五十五で、実質は五十六歳だといいましても、実質はそうであっても、五十五歳ということになるといろいろ影響するところは大きいのですよ。給与体系の中で、本給はこれこれで実質支払い額は三倍くらいになっている給与の体系はたくさんある。そういうところでは、退職金などは本給で決められますから、退職金は三分の一の計算になってしまう。そういう非常にこうかつなやり方をしておる事業所がたくさんある。そういうような悪い例をここに持ってきてはいけないので、やはり原研の労働者の諸君を、科学技術庁傘下の各機関と同じような扱いをしてもらいたい。それ以上のことがあれば結構でしょうけれども、原研の諸君は決してそれ以上のことは言ってないですね。これはひとつ早急に、時期は明示できませんなんということを言っていないで、次の団交くらいでひとつ話をし、来年度予算の中にはそのくらいのことは組み込めるような努力をすべきじゃないだろうかと思いますが、まずあなたの意見。そして科学技術庁としても、そういうことに対して側面的に積極的に協力しませんと、技術陣営の安定感と、それから前進が出てこないと思うのです。後で科学技術庁からの所見を聞いておきたいと思います。
○宗像参考人 いま先生もおっしゃいましたように、新規採用が、このごろは幾らかふえておりますけれども、数年前相当の期間非常に少なかったために人員構成が非常に妙になってしまっておりまして、われわれの身内で考えますと、いまここで定年延長をしますと、新規採用をすることもますます困難になってくるような状況になるものですから、われわれはそれでじっとしているわけではなくて、努めて、人件費をたくさん取れるように、定員をふやすようにして新規採用もとる。新規採用をとって新しい若い人を入れませんと、原子力研究所に期待されるような活動が原子力研究所としてできませんから、そういうことは非常に努力しているつもりなんでございます。しかし、まだそれがわれわれに期待しているほどにいきませんものですから、それやこれやで定年の方もそう簡単になにすることはできませんので、いままで過去はもっぱら定年でやめるような人の第二の職場を探しに私自身も非常に走り回ってやりまして、それでなにしているのですが、そうでなしに、やはり科学技術庁全般の中で若干見劣りがする状況にありますから、これはぜひ延ばすようにしたいといつも願っているわけでございます。決してそれをないがしろにしているようなことはありません。 それから、いずれ近いうちにもうしなければなりませんので、われわれの方の専門家がよく検討しておりますので、いずれ近いうちにはそれを具体化させようと思っております。その点を含んでください。
○石野委員 これは長官にも聞きたかったのですけれども、いまのお話のように、新規採用が少なかったので年齢構成に非常に問題がある。そこで定年延長にもいろいろ問題があるという理事長の話です。率直に言いますと、これは非常に重大なんです。そういうことのゆえに五十五歳定年にいつまでもしがみついているんだということになりますと、技術者養成の側面から言いましても、あるいは労働者管理の上から言いましても、これはきわめて重大です。いまのような理事長の考え方で労働組合との折衝が行われるとすれば、恐らく労働組合の要求を達成することはできないと思います。こういうような一つの枠をはめて、しかもその枠も、何年間か新規採用しないという事実の中から出てきている。なお大事なことは、原子力研究所というのは原子力における一番の研究センターなんですよ。そこがいつも新規採用はしないで老齢化する。しかし、老齢化するけれども、今度定年は五十五歳、あるいは実質は五十六歳ですというようなところで抑えて、予算的な措置の上からきているかどうかは別としましても、こういうような状態があるからこそ、原子力の問題について本質的な解明ができないんだと私は思います。これは理事長の問題というよりも科学技術庁長官の問題になってくると思うのですが、この理事長の発言はきわめて重大だと私は思います。私も労働組合の関係がありますけれども、理事長がもしこういうような関係があったら、労働組合としてはどうもこれでは歯が立ちませんよ。これは行政上の問題ですよ。長官、どういうふうに考えますか。
○宇野国務大臣 閣内におきましても労働大臣からしばしば定年制の延長に関しましては各省庁の協力を要請されております。したがいまして、われわれといたしましても将来そういう方向で検討しなければならぬと考えております。原研の問題は、すでに予算委員会でも私から明らかにいたしておきましたが、現在としては労働組合と話をして、理事長も現状を説明したと私は思うのですが、これからこうやりますと言っておられますから、私もそうしたことを十二分に、やはり内閣の一つの重要な問題でもありますから、将来定年制のあるべき方向、そうした問題に即してこの問題は前向きでいろいろまた考えていきたい、こう考えております。
○石野委員 もう一つだけ聞いておきますが、いま長官の言葉で、理事長は内閣の趣旨もよくわかっていると思うし、労働省の考え方もわかっておると思います。組合の要求していることは、決して異なことを、とっぴなことを言っているのではない。世間並みにしてくれということを言っている。世間並みにできない理由が、予算の問題だとか何かにかかわるとするならば、技術を一番中心にして最も進歩的にここでは研究しなければならぬというときに予算で枠がはめられているということになるとすれば、これは政府折衝の中で、あなた方、労働組合との折衝ではないですよ、政府との折衝の中でこの定年制延長の問題だけは答えてやるようにしなければいけないと思います。理事長、そういう問題を労働組合にいつもかけておるようなことをしてはいかぬと思うのですが、決意を聞かしてくださいよ。
○宗像参考人 政府に向かって私はずいぶん努力をしているつもりでございます。これについては、先生いま御指摘がありましたが、それにこたえるのに決して恥じることがないくらい努力はしているのではございますけれども、やはり結果としてこういうことになってしまったことは非常に残念なんです。しかし、何とかして道を開きたいと思っております。
○石野委員 長官、いま政府に対して積極的に努力しているのだけれども、政府で抑えられている、裏を返せばそういうことになる。結局、政府に問題がある。 政府は、いま労働省の要求もあるし、政府としても考えますと言っておったにもかかわらず、現場の長が一生懸命努力しているけれども上で抑えられているということになれば、これは宗像さんの問題ではない、科学技術庁の問題ですよ。科学技術庁長官は食言はないと思う。労働省の要求にこたえてそのようにしますということを私にいま言ったのだ。これはどうしてもよそ様並みにしてやってもらいたい。それ以上ということは私はいま言いませんから、よそ並みにだけはしてやるということをここではっきりお答えいただかないと、これは困りますね。どうですか。
○宇野国務大臣 当然、科技庁といたしましては、どの事業団に働いていていただきましても、やはり意欲を持って働いてもらわなくちゃなりませんし、特にわが庁の所管ならば、その間に大きなアンバランスがあるということは決してよいことではない、こういうふうに考えておりますから、極力われわれもそういう方面のことを十分に考えまして、今後検討していきたいと思います。
○石野委員 では、私はこれで終わります。
○岡本委員長 午後一時四十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○岡本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。与謝野馨君。
○与謝野委員 まず、宇野国務大臣にお伺いしたいのですが、日本が持っているいろいろな力、その中でやはり科学や技術の高い水準ということは、日本人のこれからの生活を保障していく非常に大事な柱だと私は思うわけでございます。 しかし、海外諸国と比べますと、日本全体として、政府機関あるいは民間が科学技術の研究開発に使っている資金というものがやや少ないのではないかという感じもするわけですが、この点について、広い意味での安全保障等の観点から、宇野国務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○宇野国務大臣 仰せのとおりでございまして、これは政府としても反省もし、さらには努力もしなくちゃならぬ、かように存じております。現に核融合に関しまして、アメリカと日本とが話し合おうということでアメリカから来ていますが、やはりアメリカの最初の言葉は、予算をしっかりつけてくださいねというところから始まっておるということでございます。したがいまして、さような意味において、私は、科学技術の研究費というものは、これは当然民族の将来の、言うならば安全保障である、こういうふうにまで考えておる次第でございますから、今後さらに努力をいたしまして、これの獲得に努めなくちゃならぬ。特に民間と政府の比率が七対三で、政府が三ですから、これは諸外国に例を見ないようなところでございます。 いままで民間は、高度成長でございまして、それだけの意欲もあったかもしれません。では、このような時期を迎えた場合に、従来どおり意欲を持って進んでもらいたいと思いますが、そのためには、やはり政府予算というものがその牽引力を発揮する立場になければならぬ、こういうようなことで、仰せのとおりの問題を今後さらに鋭意確定すべく努力したいと思います。
○与謝野委員 それと同時に、原子力を初めといたしますエネルギー対策、これは今後十年くらいをとってみますと、天文学的な数字の資金を必要とするわけでございますが、そういうものを一体どういうふうに調達すべきか、あるいは、国民に公平に負担をしていただくことになるわけですが、一体そういうものは目的税で取るべきものなのか、あるいは一般財源の中からエネルギー対策費あるいは原子力その他の科学技術研究費を負担していただくことが適当なのか、そういう大きな意味からの、大きな観点からのお考えをお聞きしたいわけです。
○宇野国務大臣 原子力に関しましては、特にこの八月にエネルギー庁の諮問機関である調査会において中間見通しというものが立てられましたが、御高承のとおり、公費負担だけで四兆円になります。したがいまして、これは昭和五十年を基点として十年間というふうな計算で、もうすでに二年間先食いをしておるわけですから、私たちはさらに今後の十年、こういうふうに考えたいと思いますが、それにいたしましても、毎年毎年四千億、五千億というふうな予算計上がなければとうていこの問題は解決し得ないということを考えますと、どういたしましても私は、この財源問題が焦眉の急ではなかろうか、こういうふうに存ずるわけであります。 公費だけでもそうですか、民間を合わせますと、さらに七兆円、八兆円とふくらむであろう、こう思いますと、私は民間の手当てのこともやはり考えてあげなくちゃならぬと思うのです。なるほど、電力会社はいずれも大企業だから、こう言いますけれども、しかし大企業といたしましても、私企業である以上は、この投資というものは大変なもので、公益事業だからという一方的なことだけではなかなかむずかしいのではないか。だから、政府予算におきましても、民間の資金調達におきましても、格段の新しい段階から出発しなくちゃならぬのじゃないか、こういうふうに私は思います。 特に、政府資金に関しましては、一般財源からというふうなことができればよろしゅうございますが、今日すでに科学技術庁の予算だけで二千二百億くらいのものであるということを考えますと、それにプラスすること何千億でございますから、やはりこれは安定して資金が獲得できるというふうな体制でなければ試験研究はやっていくわけにはまいりません。単に試験研究だけではなくて、これは開発費という実用的な問題が絡んでくるわけでございますので、私は、できたら特別会計、そうしたものにおいて確保してほしいのです。それにおいて、安心してまず政府がリーダーシップを発揮して、それに続いて民間が政府のいろいろなてこ入れによってついてきてもらうという姿勢でございませんと、何でもかんでも民間任せで政府の方は一向に予算がつかなかったということでは、本来の目的を達成することはできない、かように考えております。 その財源に関しましては、ではどこからがいいだろうということになれば、いろいろ国会でも御意見がございましょうし、私たちがいまからああだこうだと言うことは、いろいろ問題もございましょうから、これは速やかに政府全体の問題として考えていきたい、かように考えております。
○与謝野委員 それでは、大蔵省にお伺いしたいのですが、いま揮発油税は年間大体一兆二千億円税収がございますが、そのうちの四千億につきましては、暫定税率が明年切れるわけでございます。私は、従来はこの全額を道路財源に振り向けるということについては、社会的要請もあったし、またそれはそれなりに正当性のあることだったろうと思いますが、政府全体として非常に財源難、財政難に陥っているいま、明年度の暫定税率が切れた後、これを更新、延長するにいたしましても、これを果たして特定財源として延長することが、国の財政の運営の健全性ということにつながるかどうか、その点をまずお伺いしたいわけであります。
○宍倉説明員 道路につきましては、先生御指摘のように、ガソリン税、それから石油ガス税は特定財源でございまして、これはいま約一兆一千億で、ことしいっぱいで切れるわけでございますが、この先どうするのだということについてはいろいろ御議論もあることは、私ども承知しております。それから内部的にもいろいろ検討はいたしております。 ただ、申し上げておきたいのは、道路の特定財源の期限が一応ことしいっぱいで切れるといたしましても、明年度以降それじゃ道路に対する財政需要というのはなくなるのかというと、決してそうではございませんで、一ころに比べますと道路の改良済み延長も舗装済み延長も相当よくなっておりますが、しかし現に地域住民の足を確保してほしいという要求は非常に強いし、それから都市の通過交通を排除するためのバイパスの要求も大変に強い、それから交通安全に対する要求も強い、それからまた、面を変えまして、都市の住環境の改善とか、それから防災のための空地空間を確保するための道路といったようなものが非常に財政需要として出てきておりまして、これが決して小さいものではない。単純な計算例で申し上げますと、つまり道路にいままで特定財源としておりました揮発油税と石油ガス税合わせて約一兆一千億から二千億の間でございますが、これよりも道路に対する需要が小さくなるといった場合には、先生御指摘のような問題が直ちに起こってくるわけでございますが、これが現に大きいわけでございますけれども、大きい限りにおきましては、これを特定財源にしておかないで一般財源にした方がいいではないかということには、全体の計算上は直ちにはそうにはならないということになろうかと思います。
○与謝野委員 私は、ガソリン税は一般財源化して、その一部はやはりエネルギー対策に返すべきではないかというふうに考えているわけであります。いま御説明の中にありました防災とか交通安全とか等々、あるいはモノレール、街路計画等にこの資金が使われているわけですが、これは本来特定財源によって支出されるべきものでもありませんし、むしろ一般財源から支出されるべき性質のものだと私は思うわけでありますが、その辺はいかがでしょうか。
○宍倉説明員 私いま、たとえば防災ですとか、住環境の問題とか、こういうことを申し上げましたけれども、本来はもちろん街路なり道路なりの用途に使えるわけでございます。副次的に道路なり街路なりというものが、いま申し上げましたようなことで同時に効用があるという意味で、単に道路だけではないという意味では一般財源に入れてもいいじゃないかという御議論もあると思いますが、現にまた一般財源に入れております。入れておりますが、そういうことで本体は道路だということは、これは間違いなく申し上げられることだと思います。 それから、新交通システムですとか、それからモノレールですとか、そういったものにもやっておるではないかということでございますが、このモノレールなり新交通システムなりでやっておりますのは、道路そのものを、もしもそういうものをつけませんときには、もう一遍拡幅するなり新しい道路をつくるなりということで、道路に対する投資額がある程度要る。それに対しまして、いま申し上げましたような基礎構造を道路に付随してつけることによりまして、道路の投資額自身が縮小できるといいますか、同時に道路の空間というものが高度に利用されるということになるということで、いままで道路の中で金額的には大した金額ではないかと思いますけれども、やってきておるわけでございまして、いままでの考え方で、また現にやっている程度のことでございますれば、道路事業の中ということで頭の整理はできるんではなかろうかというふうに考えております。 〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕
○与謝野委員 それでは、大蔵省は御退席願って結構でございます。 次に、先ほど石野委員からも御質問がございましたが、日本の原子力発電所の稼働率の問題でございます。 一般的には五〇%を切れるとか切れないとかというふうに報告をされておりますけれども、私は日本の場合は稼働率そのものでいろいろな物事を判断をしていただくということは非常な間違いだと思うわけであります。 一体、資源エネルギー庁にお伺いしたいのですが、それでは西独が採用している運転基準あるいは米国が採用している運転基準が仮に日本の運転基準と同一であったといたしますと、こっちの稼働率というのは一体どのくらい上がるのか、あるいは向こうの稼働率というのは一体どのくらい下がるのかということを御検討願ったことがあるでしょうか。
○武田政府委員 いま数字的にはっきりしたことを申し上げられるような勉強をいままでしたということは申し上げかねるわけでございます。ただ、私ども、原子力発電所の運転なり管理なりあるいは定期検査のやり方なり、これは設計のフィロソフィーとも関連することでございますが、アメリカではどうだろう、西ドイツではどうだろうというようなことはいろいろ調べております。それで、そのレビューの結果が出ませんとはっきりしたことを申し上げかねますが、直感的に申し上げますと、日本の方が定期検査に余分に時間をかけているのではないか。したがいまして、その部分が、これは技術的な意味の合理化なのか、考え方の点であるか、両方含まれるか、ちょっとその辺を比率的に申し上げかねますけれども、やや向上する、あるいは相互の差が、仮にアメリカなり西ドイツがいいとすれば、相互の差が接近する、こういう方向であろうかと思います。
○与謝野委員 そういう点で、やはりそういう運転基準等も明確にしていただいて稼働率というものは発表していただきませんと、何か日本でつくっております原子力発電所だけ、他国でつくっている原子力発電所よりも非常に不安定だという印象を国民が持つのではないか、そういう憂いを持っているわけでございます。 それから、次の質問は宇野長官に、科学技術庁長官としてでなく、内閣の一員としてお答えいただきたいのですが、先般、八月に福田総理並びに総理周辺の方々が非常に熱心に行政改革ということを言われたわけであります。その中で、当然科学技術庁あるいはエネルギー省の構想も提示されたやに私は伺っておるわけでございますが、私は、科学技術に関しましてもあるいはエネルギー行政につきましても、行政改革の必要性がないということは全くなくて、むしろ積極的に行政改革をすべきものはすべきだというふうに考えておりますが、一般論として宇野国務大臣にお伺いしたいわけです。
○宇野国務大臣 あの当時、各国務大臣の意見を聞かれました。私も率直に関係者には言ったわけですが、エネルギー省というものが将来必要かどうか、こういうことについて私自身もまだ判断を得ておらないから、したがってそのことのイエス、ノーということはいまお答えする段階でもないと思う。 ただ、エネルギーに関与する閣僚として申し上げるならば、いままでの行政機構改革というのは、ぜい肉を取るとか、さらには国民のためにもっと能率を上げるような役所にするとか、言うならばチープガバメントということから出発しておる。その限りにおいては、私はエネルギー省というものが入れ物論だけで、エネルギー省をつくったからすべてがそういう趣旨に合うというものではないと私は思う。エネルギー省をつくったからには、やはりエネルギーを確保できるかどうかということが大切なことなんで、だから入れ物をつくったからエネルギーが確保できたという結果を持たなければ、エネルギー省というものの意味は私はなくなるであろう。そういうことから考えると幾つかの問題がありはしないか。 たとえば、現在原子炉等を設置する、発電所を設置するという場面を想定しても、はっきり申し上げますと、各省庁にまたがるところの法令、そうしたものが数限りなくある。そうしたままの姿でエネルギー省ができても、依然として言うならばお役人のなわ張り争いで何をしたかわからないというふうなことであっては、私はまず内閣の不明を問われるのではなかろうか。 二番目には、やはりエネルギーというものは、今後日本においては、言うならば省エネルギーという面も忘れてはいかぬし、そうしたことから言えば、必要なところにはどんどんエネルギーを送り、不必要なところにはエネルギーを極力節約してもらうというふうな方針を持すべきである。そこからいくと、価格政策というものも一つの大きなポイントになるのではなかろうか。現にアメリカにおいてエネルギー省がつくられた、その最も大きなのが、エネルギー法に見られるがごとくに、価格によっていま申したような緩急自在の操作がし得る、そうしたことが一つのエネルギー省の特技でなければならぬと思う。こう考えてくるときに、それらの問題を何ら解決せずして、ただにわかに役所だけつくったのだというのでは私はいかがであろうかと思う。これが第一点でした。 第二点は、よく言われますが、エネルギー庁と科学技術庁と合わせたらいいじゃないかという簡単な議論もございましょうけれども、私はいま申し上げたとおりに、エネルギー省そのものは価格政策に当然の責任を持たなければならぬということになれば、これはやはり生臭い面がたくさん出てくるわけであります。しかし、科学技術というものは、そういう生臭いものがない面が科学技術であって、言うならばチープガバメントだから、科学技術庁も節約するということでは科学技術の振興はできないので、チープガバメントではないというところに科学技術の一つの持ち味もある、こういうふうに考えますと、そう簡単に二つのものを一つにすればいいじゃないかというふうな単純なことでは問題でございますよ、私は現在もそういうような思想を抱いております。
○与謝野委員 そこで、日本のエネルギー源あるいは電源を確保していくために、どうしても電源立地を促進するということが必要になってきたわけであります。それと同時に、福田内閣がとっておられます景気振興対策の中でも、電力に対する投資をてこにして景気を引っ張り上げよう、こういう考え方もあるわけですが、いまたとえば一つの原子力発電所をつくるときに、一体幾つぐらいの許認可があって、大体どことどこの省が関係されるのか、その点をまずお伺いしたいと思うわけです。
○武田政府委員 許認可の定義によりますけれども、たとえば電源開発調整審議会というものも含めまして、そういうもろもろの手続という、少し広い意味でお答えさせていただきますと、許認可の項目が三十、四十ございまして、しかし手続は一つの項目についてステップが二つ三つあるケースもございます。ですから、ものによりましては五十とか百とかいうようなもろもろの手続を踏んでいかなければいけないというのが、数の方のオーダーでございます。 それから、関係の省庁でございますけれども、実は電源開発調整審議会に関係省庁の連絡会議というのがございます。それは十二の省庁で構成されております。ただ、行政機関というものをもう少し広義に解釈いたしますと、地方公共団体、都道府県なり市町村も入りますので、そういうところまで含めますと、もっと数多くの関係部門があると言えるかと思います。
○与謝野委員 そこで、お伺いしたいわけですが、そういう百近い許認可をとらないと発電所をつくれない、こういう問題があるわけです。そのうち一つでも許認可がとれませんと、全体の仕事ができないということになるわけです。 いま御説明の中に十二省庁にまたがっている、ものによっては地方自治体の首長さんにも権限が委譲されている、あるいは地方自治体の首長が独自の権限で判断する事項もある、こういうことになりますと、電源立地については、一体政府のだれが責任を持っているのか、最終的な責任はだれがとるのかということが、そういう権限を分散することによって非常に不明確になっているのではないかと思うわけであります。たとえばすべての省庁あるいは地方自治体がその発電所に対しまして許認可をいたしましても、ある町の町長さんがある一つの事項について許認可を渋った、あるいはしなかったということになりますと、その発電所の計画全体が立ち往生する。こういう国全体の発電所建設あるいは電源立地促進ということが一地方自治体の首長に事実の問題として任せられているということは、法の体系としては私はおかしいのではないかと思うわけであります。内閣総理大臣も責任をとれない、あるいは通産大臣、科学技術庁長官も責任をとれない、どの政府機関の責任者も責任をとれない、権限がない状態というのは、国全体の問題を考える場合には私は不適当だと思うわけであります。そこまで地方自治の精神というものは及んでないのではないか。やはり最終的な物の判断というのは、電源立地を促進するような場合は、国、特に内閣総理大臣が持つべきではないかというふうに考えますが、その点はいかがでございましょうか。
○宇野国務大臣 現実をながめますと、いま武田審議官が詳しく申しましたようなことが一つの隘路になっておるということも多々ございます。したがいまして、あすに迫りくるエネルギー危機ということを考えますと、やはり強力なものがほしい、これは私だけではなくして、エネルギー関係閣僚の考え方ではなかろうかと存じます。もちろん、あまたの法律がこれに絡んでおるわけでございます。そうしたことが一朝一夕にできるかできないか、これは慎重に対処しなければならない、こういうふうに考えております。 アメリカの例を申し上げますと、エネルギー省の創設に際しまして、聞いておるところでは、アメリカの国防省の海軍が海底油田を持っておる、その採掘権も持っておる、そこまでして、言うならばセキュリティーを確保しておったわけですが、その海軍の採掘権すらも今度のエネルギー省が獲得をした。そうしたことにおいて、すべての権限のもとに国としてのエネルギーの方向づけをしておるというふうなことを聞きましたとき、いま申し上げたようなわが国がどうであろうかということには、私はやはり深く思いをいたさなくちゃならない、こういうふうに思うのでございます。 しかし、地方自治というりっぱな一つの制度も今日まであるわけであります。やはり自治体は自治体としての問題もございましょうから、軽々に私がここでとやかく申し上げることは、かえってまたあらぬ憶測を生み、またせっかくの問題があらぬエスカレートしては大変だと思いますから、発言は慎重にいたしているつもりでございますが、いま審議官が申されたようなこと、また与謝野さんがずばりとお聞きなっておるようなこと、今日のエネルギー危機とその関係はどうかといえば、この関係はきわめて重大な関係にある、私はそういうふうに考えております。
○与謝野委員 そこで、電源開発調整審議会というものがございますけれども、これはもう一昔前の、水利権を調整するということが必要だった時代にできた法律に基づくものであるわけであります。そういう非常に古い、時代おくれの法律に基づいて電源開発基本計画がつくられ、あるいは各省庁の調整がなされているということが、果たして、ともかく発電所をつくるために計画から完成まで十年もかかるというような時代に、一体そういう古い制度でやっていくということが正しいことなのかどうかということを資源エネルギー庁にお伺いしたいわけです。
○武田政府委員 電源開発促進法は、先生御指摘のとおり二十数年前、たしか昭和二十七年だったかと思いますが、そのころの法律でございまして、電源開発調整審議会もその時点におきまして、電源開発の促進を図ろうということで総理大臣を会長として発足した審議会でございます。先ほどちょっと御説明したこととも関連いたしますけれども、現実に電源開発を推進してまいるということになりまして、現在の諸制度のもとでは、先ほど御説明したように多数の手続、多数の関係省庁がございます。電源開発調整審議会の場は、そういう関係の省庁がその審議会のメンバーであり、あるいはその幹事会メンバーということで、そこで全体的な調整が図られるというようなことでございます。 ただ、それだけでいいかどうかという点につきましては、実はことしの初めから内閣総理大臣をリーダーとされましてエネルギー対策の閣僚会議ができまして、そこでも個別の立地問題も同時に扱っていただけるということになりまして、そのリーダーシップのもとで中央ベースでも相互に各省庁間の連携を図るし、あるいは地方単位、場合によりますと電源立地点単位で関係の行政機関及び地方公共団体のメンバーが集まって、相互にコミュニケーションを図り協調を図りながら個別の問題、先ほど幾つか手続きがある等々申しましたが、そのうちのネックになっている問題をどう解決するかということをお互いに協力し合うという体制が形としてできまして、その形が逐次実施に移されております。 昨年の状況ときょう現在の状況を比べますと、多数の関係する省庁、多数の地方公共団体の方々が電源開発の重要性というのを御理解いただき、それぞれの手続をそれぞれの立法の趣旨に基づいていろいろな角度で行われているわけでございますが、その角度と電源開発を大いに進めるということの調整を図っていただいて、逐次状況は改善されているというのが現状でございます。
○与謝野委員 一時的には地方自治体の首長が判断をされるということは大変結構なことだと思うわけですが、最後に内閣が責任をとれないということは、電源立地あるいは日本全体のエネルギー政策の責任者としてはややおかしい体系になっているのではないか、権限が分散化することによって無責任の体系が広がってしまっているというふうに私は考えるわけであります。ただ、そう急に法律を変えるというわけにもまいりませんし、制度を変えるというわけにもまいりませんが、せめて運用を改善していただくということはできないでしょうか。
○武田政府委員 先ほど申し上げましたように、現実の実態は改善の方向に移ってきておりますけれども、私どもといたしましては、今後さらに立地の円滑化というような観点から、主要な関係手続をどうしたらいいのだろうかというような勉強を進めております。そういう勉強の結果も踏まえまして、逐次関係の省庁なり関係地方行政機関との間で手続の迅速化あるいは効率的な処理について一層配慮できるように、あるいは相互に連絡といいますか、関連のある手続もございますので、そういたしますと、個々ばらばらではいけない点もございまして、そういった点では相互間の処理の連携とでもいいましょうか、そういうものの徹底を図っていく、そういうような面でさらに促進を図りたいと思っている次第でございます。
○与謝野委員 私は、手続を並行に進めるとかあるいは条件づきの認可をするとか、いろいろな運用改善あるいは手続の簡素化ということこそが、民間が要請している、あるいは国民が要請している通産省あるいは資源エネルギー庁に対する行政改革であろうと個人的には考えているわけであります。 それからもう一つは、これはもうここ十年近く続いております悪弊だと思うわけでありますが、資源エネルギー庁、通産省は電力会社を監督される立場にあるわけですが、電力会社が発電所を立地しようとするときに、一体どういう根拠で漁業協同組合に補償を出すのか、その根拠というのは一体何かということを御説明願いたいわけです。
○武田政府委員 原子力発電所の場合も火力発電所の場合も同様でございますが、現在の技術のもとでは、発電所を設置いたしますと、かなりな量の海水、冷却水を使用いたします。そういたしますと、取水口と放水口を比較いたしますと、六度、七度というような程度の温度差が出てまいります。魚の生態あるいは魚の食糧になりますプランクトンの生態についてきわめて明快に量的な答えが出ているわけではございませんが、温度の六度、七度という影響、それが少し薄められて一度、二度ということでございましても何らかの影響がある、あるいはあり得るということが目下の定説でございます。 ところで、日本の海岸どこをとりましてもほとんど全部漁業権の対象区域でございます。その漁業権が単純な場合もございますれば、複雑な場合もございますが、発電所を設置した放水口のすぐ近くのところ、場所によりまして数百メートルまでということもございますし、一、二キロということもございますが、そういう区域につきまして漁業権の消滅をしていただくというようなことが一つございます。同時に、消滅区域の外側におきまして、温度差がもう少し下がるわけではございますが、何らかの影響があるというような勘定ができる部分がございます。そういたしますと、従来そこで漁業をされて収獲を上げていたというのが、そこでは漁業ができない、あるいは何らかの影響が出る、またはその海水の状態といいますか、微少といえども温度というのはわりに響くケースがございまして、漁獲の種類が変わるというようないろいろな現象がございまして、そういう影響のあるものにつきましては、この影響を補償するに足る何らかの見返りが必要である、こういうことでございます。その必要である見返りがいわば漁業補償ということになろうかと思います。したがいまして、そういう範囲内で発電所を設置する人が漁業組合との間でいろいろな相談をし、取り決めをして、それを支払うということにつきましては、これは発電所を建設するに際してのいわば妥当なお金の使い方であろう、こう思っている次第でございます。
○与謝野委員 宇野長官にお伺いしたいのですが、最近の各地でのいろいろな動きを見てみますと、むしろめんどうくさいから、つかみ金をやってやらしてもらった方が、着工も早くなるし、オーバーオールでは損をしない、そういう非常に退廃的な考え方で漁業補償がなされているのではないか。むつ市に補償したときも、非常に政治的な部分が多かったのではないか。税金のむだ遣いではなかったか。特に漁業協同組合と電力会社あるいは政府との関係をもう少しきちっとするべきではないか。特に漁業補償の基準や、あるいは温排水公害というのが一体あるのかどうか、生態系に一体どの程度の影響があるのかということももう少し水産庁を初め関係省庁で御研究をされた上で、漁業補償の基準と申しますか、そういうものをするときのめど、目安というものをはっきり政府の方でお決めになった方がいいのではないか。私はそういうふうに考えておりますが……。
○宇野国務大臣 お説も一つの考え方だろうと思います。現実の問題といたしましては、漁業補償の出発点はいま通産省が言ったとおりですから、それに沿って今日まで電力会社と地域漁連との間に契約が結ばれて円満にいっておるというのが実態でございます。しかしながら、場所場所によりましては、やはり魚の種類とかあるいは漁法とかいろいろな問題がございます。島根等におきましてもうるみ現象といいまして、水中めがねでのぞいて下の貝を突く、ところが現実の問題として温排水のためにやや水がうるんだのでそれがとりにくい、こういうような話もあったわけで、そうしたことに関しても、現在電力会社はつかみ金で邪魔くさいというのじゃなくて、本当に極力努力をして、あつれきを少なくし、またこの間そのようなむずかしい問題も解決しまして、そういうようなことで現在両者の間には相当な努力が払われておる。 ただ、今日まで政府がおまえたちでやれよ、政府のスケジュールはこうだと言うところが、私といたしましてもこの問題に関していささか水臭いのではなかろうか。もちろん、政府が一つの基準をつくればいいわけでございましょうが、いま申し上げたようなことで、なかなかそう簡単に全国一つの規格品ができ上がるというわけでもございません。しかし、言うなれば電源開発においてはもう少しく政府が前面に名のりを上げて出ていく、市町村長や知事や漁連や電力会社だけに任して、政府だけは何かしらん、計画を立ててこれを推進するのだというのではおかしいので、私は、やはりもう少しくさような面におきましても政府が乗り出していくという態度があってこそ、初めてこの問題はより合理化されるのじゃなかろうか、こういうふうに思っておりますので、私自身もこのごろは極力第一線に出ております。そして関係者にお目にかかると、やはり政府が乗り込んできてこうだと言ってくれると非常に安心するということでございます。それがいままでは市町村長さんが政府のかわりに漁連に対して大丈夫だからと言っておられたという面が多々ございますから、この点に関しましては、やはり政府が前面に乗り出して、自分の生活圏が消滅するということもあるわけでございますので、決して補償漁業にならないように、やはりその次の生活を保障するという意味で私たちも臨んでおる問題でございますから、この点は今後も政府が責任を持ってあらゆる問題にしっかりした方針を打ち立てて臨むということが必要ではないか、私はこういうふうに考えます。
○与謝野委員 その他手続の問題はぜひ簡素化していただきたいですし、また地方自治体の地位も明確にしていただきたい。また、いま申し上げた漁業補償の基準等もつくっていただきたいし、調整役としての政府の機能をやはり発揮していただきたい、かように思うわけです。 現実にあります電源三法の運用をもう少し活用したらどうかという意見もございます。たとえば都道府県に対する交付をしてはどうか、あるいは交付の時期をもう少し技術的に早めたらどうか、こういう意見もあるわけですが、その点についてはいかがでございましょうか。
○武田政府委員 電源立地に当たりましては、その当該地域の福祉の向上を並行して進めなければいけないということで、先生御指摘の電源三法ができたわけでございます。 その電源三法によります資金の大半は地方、当該地域に対する交付金というかっこうでございます。ただ、交付金には、たとえば原子力発電所の場合、基本的には三百円五年間、そういう数字的なベースが定まっております。そういう点につきましては電源三法施行以来もっと基準単価を上げられないのか、あるいはその交付の対象の事業が決まっておりまして、それがいわば公共施設でございますが、たとえばそれをもっと広げられないのか。一例を挙げますと、産業基盤の整備というようなものもございます。そういった御要望につきましては、この二、三年来逐次改善はしてきたところでございます。 たとえば昭和五十二年度予算におきましては、三百円を三百四十五円に単価アップを——結果的に単価アップでございますけれども、事業の対象範囲を広げましてそういうことにするという措置を講じてきており、これから来年に向かいましても同様に交付金額の引き上げなりあるいはその対象事業の範囲なりを広げる、それから先ほど先生おっしゃいましたように、交付時期を繰り上げるという措置を逐次とって、地元福祉の向上の内容を充実させていきたいということを現在行っており、また将来に向かって努力したいと考えているところでございます。
○与謝野委員 最後にお願いしておきたいのは、エネルギー省という構想はつぶれたわけであります。通産省あるいは資源エネルギー庁が展開しましたエネルギー省反対運動の理論的な根拠と、民間がエネルギー省は反対だと言う根拠とは、実は全く違っていたわけであります。 民間が言っておりましたのは、現在のような縦割り行政のもとで、通わなければいけない役所がもう一つふえるというのは手間ひまがかかるだけだというのが国民の、あるいは民間業者の率直な声だったのだろうと私は思うわけでございます。国際的ないろいろな影響で日本のエネルギー事情が非常に困難を迎えるということも避けねばなりませんが、まず第一にそういう手続の問題として救済できるもの、あるいは日本国内で制度を改善して対策を講じられるもの、こういうものこそ通産省や資源エネルギー庁が社会的に要請されている行政改革ではないかと私は思うわけでございます。 最後に、宇野国務大臣にお伺いしたいのですが、今国会で与野党が原子力規制法の修正をいたしました。私どもが期待しておりました再処理の部分が切り離されたわけでございます。宇野長官が八月に米国と強力な交渉を展開されまして、その中で米国側から、いろいろな新しい再処理施設についての口頭での言質というものを聞かれているわけでございますが、そういう観点から、次の通常国会における政府の原子炉等規制法についてのお考え方、姿勢というものをお伺いしたいと思います。
○宇野国務大臣 これは仰せのとおり、日米原子力交渉におきましても一つの大きな論争点でございましたし、またアメリカの言い分をわれわれがのんでいるようなことでは、将来のわが国の核燃料サイクルの確立に大きな影響を与える重要な部分でもあったわけでございます。したがいまして、結論としては、御承知のとおりに、われわれは現在立法措置を進めておる、議会でこれの審議をしていただいている最中である、このことに関してはアメリカといえども指一本指されまい、したがってこの法案が成立した暁には、私たちとしては直ちに会社を設立したい、なおかつその会社によってサイトを取得したい、それはわれわれとしてはどんどん進めていきたいのだ。ただ、一応プルトニウムに関するいろいろな話があるから、したがってINFCE等の結果も待たねばならぬので、われわれとしては一応その段階でとどめておきたいと思うので、決して再処理施設そのものの建設をギブアップしたものではないということはアメリカも十分知ってほしい、こういうことで言うならばアメリカとの間において合意を見たわけであります。 したがいまして、私は二年先には、やはり八条C項に基づいてもう一度原子力協定というものがあると思います。そのときに、日本はあくまでがんばったものがまだ通っておらぬじゃないかというふうなことでは、来るべき第二次のアメリカとの原子力協定において重大なことであろう、こう思いますから、私はできたならば、この国会において成立を期したかったのでございます。しかし、衆議院におきましては審議時間が短い等々の理由によりまして、また片一方のNPTの関係協定の批准という問題もございますから、政府といたしましては、衆議院でやっていただきました修正案、これは一つの方法であろうと思いまして、それを尊重いたしておるわけでございます。しかし、規制法の改正によるところの第二次再処理施設の建設、この問題はいま申し述べました理由から非常に大切な問題でございますから、私といたしましては、来るべき国会においてこれを御審議賜るチャンスをぜひとも得たい、こう思っております。
○与謝野委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。
○宮崎委員長代理 次に、貝沼次郎君。
○貝沼委員 原子力の問題がずっと一年間議論されてまいりましたけれども、やはり国民の率直な疑問と言いますか、はっきりしてもらいたい点は何点かあると思うのです。そのうちでも特によく聞く意見としては、細かいことはよろしい、要は日本の原子力発電あるいは原子力エネルギーの対制というものは成り立つのかどうか、こういう疑問であります。 その具体的な問題としては、ウランの資源は本当に確保できますかということ、それから安全性の問題は、あれだけ一生懸命安全性を言っているのだからまあある程度はあるんだろう。それで問題は、その使用済み燃料あるいは廃棄物といったものはどうなるんだろうか。さらにもう一点は、いま使っておる原子炉自体もやはり寿命がある、したがってその後原子炉というものはどういうふうに扱うんだろうか。これをそのまま残してずうっと日本の海岸に並べていくんだろうか、それとも壊してその跡につくるんだろうか、というような素朴な疑問が実はあるわけであります。 そこで、私は、初めの方から議論していくと後の方がなくなってしまいますので、後の方から議論していきたいと思います。 要するに、原子炉廃炉というのですか、壊す、デコミッショニングとかなんとかいうのだそうですけれども、この廃炉のやり方について見解を伺っておきたいと思いますが、廃炉についてはどこの省庁が責任を持つことになるわけですか。
○牧村政府委員 規制法に基づきまして、内閣総理大臣に廃炉をいたしたいという届け出をすることになっております。
○貝沼委員 規制法によればそういうふうになっておりますが、そこで、原子炉の耐用年数ですけれども、これは経理上の年数と実際上の年数とがあると思いますが、これはまずどういうふうになりますか。
○武田政府委員 原子力発電所の減価償却を行うという経理上の処理のための耐用年数というものは、おおむね十五年程度というような勘定でございます。これはいろいろな設備もまざっておりますので、その平均値というかっこうが十五年程度ということでございます。 さて、物理的な意味でどれだけもつだろうかということにつきましては、現在、日本で動いております発電所は一番長いものでまだ十三、四年でございますので、結果は出ておりませんけれども、たとえばアメリカなどでは三十年もつというような計算がいろいろ行われております。十五年よりはもう少し長く、使う気であれば使えるということであろうかと思います。現実には時間がたって老朽化したということと、それから新たに出てくるものとの相対比較で、経済的に陳腐化するかどうかということで具体的なタイミングが決まってこようかと思います。
○貝沼委員 使う気であれば使えるということは、耐用年数が過ぎた後、たとえば実際に発電をしておるわけでありますから、これは通産省になると思いますが、通産省の方が定期検査その他でもってこれは判断するということになりますか。
○武田政府委員 現実に使っております限りにおきまして、私どもといたしましては、電気事業法の規定に基づきまして常時運転についてチェックをし、毎年一回といいますか、一年動かしますと定期検査をするというようなプラクティスを繰り返します。 なお、先ほど原子炉等規制法におきまして炉を廃止するときに届け出るというお話がございましたが、電気事業法上設備の廃止というのは許可の対象になっております。そういう意味でも、私どもとしても科学技術庁と協力しながら、安全の確保というのは一緒にやっていかなければいけないというポジションでございます。
○貝沼委員 原子炉の廃炉という問題は、まだそう急ぐことないじゃないか、まだずいぶん先の話だというふうな感じがあるといけませんので申し上げておきたいと思うのですけれども、一つはたとえば、これは恐らく話だけのことだろうと思いますが、日本原子力発電の東海一号が来年早々にも解体のための作業グループを発足させることになった——なったかどうかわかりませんが、こういう話が現実に出てきておるというようなところから、決して遠い話ではない。 それからもう一つは、原子炉を建設するときにすでに、この炉の耐用年数がきた場合にはこのように処分するのですよというそのときの計算までも、そのときにかかるたとえば資金であるとか、そういうところまで計算に入れて原価計算をしていかないと、採算が合うか合わないか計算していかないと、本当の推進というのはむずかしいのではないか。 さらにもう一つは、先ほど申し上げましたように、日本の海岸に古い原子炉がどんどん残されて、そして立ち入り禁止区域がふえて、日本の海岸は原子炉で埋まってしまうというような心配までしている人もおるわけでありますから、こういうようなことを解消する意味においても、これに対する明確な答えはもう建設のときから用意していなければならない、こう思うのです。 そこで、伺いたいのでありますけれども、いまお話がありましたように、この規制法においては三十八条に「原子炉の解体」というものがあります。そして原子力基本法の方は「解体」という言葉はないんですね。第十六条には「原子炉を建設し、改造し、移動し、又は譲り受けた」こうなっているわけであります。それからもう一つ、原子炉の設置、運転等に関する規則の十五条の二には「解体の届出」というのがあります。 原子力基本法に「解体」がないのはどういうわけですか。
○牧村政府委員 「解体」という文句がないということでございますが、基本法あるいは規制法の考え方で申しますと、原子炉をつくりましてそれが使用されて、寿命がきて解体されるという段階において、解体する技術的可能性は十分あるという判断を現在しているわけでございます。したがいまして、その寿命がまいりましたときは、規制法によってその処置をとることによりまして、十分目的を果たせると考えておったことから、基本法の方にそれは明記していなかったというふうに考えております。
○貝沼委員 そうですか。何かわかったようでわからないような気がしますけれども……。 要するに、解体ということは基本法で含んでおるということですね。そういうふうに聞いてよろしいですか。
○牧村政府委員 原子炉の管理の中で十分できるという考え方でございます。
○貝沼委員 私は入っても別におかしいことはないと思うのですけれども……。 それで、原子炉の設置、運転等に関する規則の十五条の二によると、解体の場合に届け出を行う。その中に「解体に係る工場又は事業所の名称及び所在地」それから「解体の方法及び工事工程表」それから「核燃料物質及び核燃料物質によつて汚染された物の処分の方法」これを記載した書類を長官に提出しなければならない、こうなっているんですね。したがって、この文面から考えますと、「解体の方法」あるいは「汚染された物の処分の方法」これは解体をする人が決めて届け出をする、こういうふうに読んでよろしいわけですか。
○牧村政府委員 おっしゃるとおりでございますが、この解体につきましては、これだけでは、その届け出を受けた当方でその内容が十分わかるものではございません。したがいまして、この解体に関する手続並びに検査につきまして、現在、原子力安全局の方でございますが、一応の内規を持ちまして、そういうようなケースが起きたときに行政指導して対処していくというふうなことを実際にいたしております。 ただ、いままで原子炉の解体というケースは、先生がおっしゃいますような大きな発電炉については日本においては皆無でございます。小型の研究用の原子炉について何件かの経験がわが国にあるわけでございますが、その対応として、ただいま私が申し上げましたような届け出に対処する行政の進め方につきまして、一応の基準を定めてそれにのっとって行っておる。なお、解体の方法につきましても、原子炉本体であるとか、それぞれ付属施設につきまして、細かい申請を行わせる、あるいは解体に際しての立入検査につきましても、われわれの基準として設けて業務を進めるようにはしております。 なお、大型の発電炉につきましては、まだわが国でも経験がないことでございますが、先生も先ほどおっしゃっておりましたように、そう遠くない時期にこういうケースが起こるわけでございますので、慎重に対処してまいりたいと考えております。
○貝沼委員 それで、この法律には「解体」という言葉が出ておるわけです。ところが「解体」とは一体どういうことをいうのかと思って一生懸命探してみた。具体的には「解体」とはどういうことかというのはないのですね。どこかにあるなら教えていただきたい。
○牧村政府委員 法律の中にはどういうことが「解体」であるかという中身はございません。要するに、その原子炉の寿命をとめまして、原子炉でなくしてしまうということでございます。したがいまして、現段階におきましては、どういうふうなものが技術的に一番いいのかということも、まだ世界的にも解体のやり方につきましては決まった情報と申しますか、そういうものは確立されていない段階でございます。
○貝沼委員 そうすると、この法律に決められておるものは、「解体」という実態はぼやっとして実はないけれども、届け出をしなさい、ないものについて原子力委員会なりあるいは科学技術庁の方で審査をいたします。不適当なものは認めませんというような話に聞こえるわけでありますが、これは何を基準にしてそういう審査などをなさるのですか。
○牧村政府委員 ただいまの私の説明が悪かったかと思いますが、原子炉の解体のやり方についてはっきり決まった方法というものはないと申し上げたわけでございます。解体の方法も、全くばらしてしまう方法と、あるいは核燃料等を引き出しまして、その放射化された圧力容器等は建物の中に封じ込めてしまうというような方法もあるわけでございます。いろいろ考えられておるわけでございますが、大きな発電炉で解体作業が世界的に行われていないわけでございまして、どちらの方法を今後とられるかということは、これからの調査研究等によって明らかにされていくものだと考えております。
○貝沼委員 いまの答弁の中から言うと、大体解体の内容として内々考えておることは、一つは完全解体である。完全にもうばらしてしまう。その跡につくるかつくらぬかは別として、つくるためにばらすのでしょうけれども、完全にばらしてしまう。それからもう一つは、たとえば生体遮蔽とかそういうところまではコンクリートで固めるとか何かして、一部建屋とかそういったものはばらすという、いわゆる現場廃棄と言われるやり方ですね。それからもう一つは、そのままそっくり、たとえばいま原研のJRR1ですか、これみたいにそのまま置くというやり方ですね。大体三つ考えられるのじゃないかと思いますが、ことにこのやり方が最も望ましいというものはあると思うのですね。たとえば一番最後に言った閉鎖しておくというやり方については、これは場所がどんどん必要になってくるわけでありますから、日本のようなこういう土地の狭いところでは、まず選ぶべき方法ではない。さらに完全解体という問題は最も望ましいと思うけれども、技術的に非常に問題があるのではないかということですね。たとえば圧力容器であるとかそういうハイレベルの廃棄物をどうするかという問題が出てきますから、その辺の解決がなされないとまずだめ。それで、結局現場廃棄ということがあると思いますけれども、これもやはり相当部分の低レベルの廃棄物が出てくるというようなことで、廃棄物の処理の問題で非常に関係が深くなってくるのですけれども、少なくとも政府はいまどの方向に推し進めようと考えておるのか、この点はいかがですか。
○牧村政府委員 先ほども申し上げましたように、その解体のやり方については現在原子力委員会の専門部会で若干の検討が始まった段階でございますが、実はこれらの問題につきましては、世界的にもまだ未経験の分野でございまして、非常に小型の原子炉のみに経験があるわけでございます。そういう点に関連いたしまして、現在IAEA、国際原子力機関におきまして、この解体に関します技術委員会が持たれておるわけでございます。これは一九七五年に初会合を持たれまして、最近第二回目が持たれたようでございますが、ここに世界じゅうのこれに関連いたします学者、学識経験者が集まりまして、いま盛んにどういうふうな技術基準でやればいいかということ等を議論しておる段階でございます。したがいまして、私どもはこの結果を待つということだけではございませんけれども、こういうところで行われる議論も踏まえまして、これから十年あるいは二十年先にこういう問題が起きてくるわけでございますので、関係省庁並びに発電会社等の意見等も徴しながら、慎重に検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○貝沼委員 それで、このような原子炉の解体ですね、まあ三種類にいま分けてみたわけですけれども、世界的にこういう例というものは、どういうのがございますか。
○牧村政府委員 小型の動力炉と申しますか、動力試験炉みたいなものにつきましては三つございます。 それはスウェーデンの重水炉、八万キロのものでございますが、この炉は非常に特殊な立地条件にございまして、炉本体と蒸気発生器が岩盤内に、地下に設置されておったということで、解体はいたしましてそのまま保存しております。 それから米国のエンリコ・フェルミという高速増殖炉の実験炉がございますが、これは燃料と冷却剤のトリウムを取り出して、その汚染区域はそのまま閉鎖、密閉しておるという方法をとっております。 それからもう一点、解体方式を実験的に行いましたのがエルクリバーというBWRの、六万キロのこれは熱出力でございますが、この炉につきましては、完全に解体した、サイトは原子力建設以前の状態に復元した。したがいまして、解体した高レベルの放射線を持っておるものは別の地域に永久貯蔵するなりして対処したということでございます。 日本におきましては、先生おっしゃられましたように、原研の一号炉が解体をすでに行っておる。これは核燃料を抜いて閉鎖したということでございます。その他、小さな臨界装置等も大体そのような方法で日本ではいまの段階では行われているということでございます。
○貝沼委員 それで、この問題について二点伺っておきたいと思いますが、一つは、こういうような解体の技術、方式、方向、これはいつごろまで科技庁ないしは通産省と打ち合わせ、いろいろあると思いますけれども、打ち合わせをして煮詰めようとなさるのか。いまの答えばかりではこれは実際問題わからないということですね。 それからもう一点は、そういう解体をする場合には、当然お金がかかるわけでありますけれども、そういう処理コストといいますか、解体処理コスト、こういったものがどれくらいかかるという見通しがあるのか。これは海外で果たしてやった例があるのかどうか、もしあれば、ここで示していただきたいと思います。
○武田政府委員 解体に伴います問題は二つございます。一つは、いま第二番目に先生御指摘になりましたように、コストがどうなのか、経済的にどうなのかという面でございます。もう一点は、先ほど安全局長の方からいろいろお答えがございました、主として技術的に、安全に外部に被害を与えずに解体しあるいは保存できるのか、こういう問題でございます。 第一点の方につきましては、どちらかと言いますと科学技術庁が中心的な感じでございますので後回しにさせていただきまして、第二点の解体のコストでございますが、アメリカ等で幾つか計算した例がございます。ちょっと数字を記憶しておりませんが、私ども考えなければいけないことはこういうことであろうかと思います。実は原子力発電所に限りませず、各発電所を運転いたしますと、普通でございますと最後にはスクラップにして売って、それでもとの建設資金の五%なり一割なりを回収する、そのときは帳簿上の価値はそういう価値になっておるわけでございます。ただ、原子力発電所の場合には、先ほど先生の御指摘ございましたように、安全を確保する範囲内で、方法はいろいろあろうかと思いますけれども、放射線を伴うものでございますので、かなりコストが高くなるということを覚悟しなければいけないわけでございます。実際の解体方法、それを全部解体するのか、一部たとえばベッセルみたいなものあるいはコンクリのブロックみたいなものはそのままにして凍結してしまうのか、それから、できればこれはリプレースして次の炉を隣へでも置くのが一番土地の有効利用でございますが、それが可能になるようにちゃんと整理できるのかどうかというのが、安全技術上の問題というよりは、その時点におけるコスト比較での選択の範囲の問題であろうかと思っております。その選択ということでございますと、私ども電気事業法でも、これは安全のみでなく、電力会社の経理等々を規制いたしておりますので、その角度からも考えざるを得ないわけでございますが、そういう角度からも含めて、現に持っている電気事業者がこれを完全に解体するのかあるいは部分的に凍結するのか、またはさらにその横にリプレースするのかという判断を選択させ、それが安全上あるいはコストの処理上適切かどうかという判断を私どもいたしましてやらなければいけないわけでございます。 なお、先ほど私一番初めにお答え申し上げましたときに、まだたかだか十二、三年しか動かしてないのでということで、まだずいぶん先のような印象をあるいは答弁の中で出ていたのかとも思いますけれども、私どもとしましては、すでに何年も前から立地に当たりまして、立地点を十年、二十年、三十年たったときにどうするんだ、ゴーストタウンができるのじゃないかというような御疑問を出される向きが各立地点の方々の中にございまして、いろいろ議論はしているところでございます。それで、先ほど先生お話しのような会社自身もそういう勉強をいろいろやっておるようでございますし、それらの成果もあわせまして、私どもとしても答えを出したい、こう思っておるわけでございます。 なお、安全問題につきましては当通産省も非常に関心を持っておるわけでございますが、科学技術庁と御協力しながら、この方法の場合にはこうやればいい、あの方法の場合にはこうやればいいという、その答えを出していく必要があろうかと思っております。
○貝沼委員 審議官のおっしゃることよくわかるのですけれども、確かにその場合場合に応じて解体の方法については指示した方がいいと思うのですね。しかし、指示する前に、こういう方法はこういうことであるということをはっきり決めておかないとだめだということなんです。ですから、それをはっきりしてもらいたい。それがなければ、恐らく国民的な合意を得るということはかえってむずかしくなるんじゃないか。いま安全性の問題で発電所立地に対するいろんな反発その他が出ておるわけでありますけれども、私は、これから出てくるのは、むしろこういう別の問題が大きなウエートを占めてくるのではないかと思うのですね。 それからもう一点は、こういうような問題を、私は真っ先に断るのを忘れましたけれども、要するに長期エネルギー需給暫定見通しという立場から考えると、六十五年には六十八基もできるわけでありますから、これも果たしてそのとき六十八基、いまのものがそのままあるものか、あるいは途中変わってあるものかわかりませんけれども、途中でものすごい技術の進歩があれば古い物はやめて恐らく新しいものにいくでしょうし、そういった問題があるので、決してゆっくりしておっていい問題ではありませんというふうに申し上げたいわけであります。 なお、私が聞いたところによりますと、アメリカの原子力産業会議の試算によりますと、出力百万キロワット程度の大型の原子炉であると大体PWRで二千六百八十六万ドルかかる、あるいはBWRで三千百十五万ドル、HTGRで二千八百万ドルかかるというようなことを聞いておるわけでありますけれども、こういうことは聞いたことはございませんか。
○松田説明員 先生のおっしゃいました文献、ほかの文献ももちろん含めまして、たとえばIAEAの、先ほど安全局長も申しましたけれども、特に最近はザルツブルクあたりでかなり文献が出ております。そこでいろいろな数字が出ております。もちろん、原因は先生が先ほどおっしゃいましたように、つまりすぐに解体するのかあるいは長期間置いて放射性物質の放射能を減衰させてそれからやるのか、その場合にはもちろんその間の監視の費用が必要でございます。そういうことの過程によりましてずいぶん違ってくるわけでございますが、先生がおっしゃいましたように、大体三千万ドルくらいの試算が多く出ております。
○貝沼委員 そういうふうに試算を問題にするのは、結局、それを実際に建設するときに、電力の計算をするときに、どれだけのコストで上がるかという計算をするときに加味していかなければならない、こういうところからいま申し上げておるのでありますので、その辺は御理解いただきたいと思います。 それから、今度は解体をした場合に出てくる廃棄物の問題でありますけれども、この廃棄物はハイレベルあるいはローレベル、両方あると思います。これは何も解体するだけでなく、実際いま原子力発電所にはドラムかんに詰まった低レベルのものはたくさんあって、本数は私が申し上げるまでもなくものすごいものでありますが、これを一体どういうふうにするのかということなのです。捨てるのか、とっておくのか、何とかするのか、これはどういうふうに考えておりますか。
○牧村政府委員 ただいまの先生の御質問は、炉の解体に伴うというふうに了解してよろしゅうございますか。
○貝沼委員 両方になるわけです。
○牧村政府委員 炉の解体に伴いまして、先ほども申し上げましたように、完全に解体するときには、固体廃棄物を中心としていろんなレベルのものが出てくるわけでございます。これは非常に高い放射線レベルのものであれば、当然永久貯蔵されるわけでございます。その後廃棄処分等を考えなくてはいけないという問題があろうかと思います。また、再処理工場等から特に出てまいります高レベルの廃棄物につきましては、これはかねてから原子力委員会において検討を進めてきておりまして、五十一年十月に、今後高レベルの放射性廃棄物対策については原子力委員会が決定した方針に従ってやっていこうというわれわれの対処方針がございます。 それによりますと、基本的な考え方といたしまして、高レベルの放射性廃棄物は安定な形に固化いたしまして、一時貯蔵しておくということでございます。その貯蔵したのをその後処分する。その一つの理由としては、処分をします方法につきまして今後十年程度実証試験研究を行う、その後その試験研究が完成した上で処分するという方針でおります。 どういうふうな処分の仕方をするか、現在考えておりますのは、当面地層処分を行っていきたいということで、今後三ないし五年間をかけまして処分方法の研究、方向づけを行いまして、昭和六十年代ごろから実証試験に入りたい、こういうような目標で必要な調査並びに研究開発計画を立てていこうというのが、現在のところの基本的な考え方であります。 このような試験研究の実施の機関でございますけれども、私どもの方では、この高レベルの廃棄物を出すのは再処理が一番多いわけでございますので、動力炉・核燃料開発事業団を中心にいたしまして、主として研究開発を動燃事業団、日本原子力研究所にそういう投棄等の安全面の評価を担当してもらうというふうなことで研究体制の強化を図っていきたい、また関連する国立試験研究機関あるいは民間の研究所等にも適宜支援を頼みまして、総合的、計画的に推進してまいりたい、かように考えておる次第でございます。 〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕
○貝沼委員 いまの答弁は高レベルのものですね。
○牧村政府委員 はい。
○貝沼委員 高レベルのものは非常に技術的な問題がありますからなにですが、低レベルのもの、いま原子力発電所にドラムかんに入って積んであります。これはたしか政府の数字だろうと思うのですが、ドラムかんで一九八〇年には三十二万本とかいろいろ出ておりますけれども、このエネルギーの計画から見るならば、これはものすごい数になってくる。したがって、幾ら原子力発電所が広いといっても、いつまでも積んでおくというわけにはいかないだろうと思うのですね。したがって、この低レベルのものをどう処分するのか、これが率直な疑問であります。ところが、わりとこれがすっきりした答弁が返ってこないのですね。きょうはすっきりした答弁をお願いいたします。
○牧村政府委員 先ほど原子力委員会の高レベルのお話を申し上げましたが、それと同時に、低レベルにつきましても原子力委員会の方で方針を出しております。先生おっしゃいますように、低レベルの固体廃棄物につきましては、当面原子力事業所の施設内で保管されておるわけでございますが、だんだんその発生量が増大することに対処して、他の最終的な処分方法を考えなければいかぬわけでございますが、その処分方法としては二つ考えております。海洋処分と陸上処分、この二つを組み合わせて実施していきたいと考えております。 このうち、相当の試験研究の実績が積まれております海洋処分の方法につきましては、事前に安全性を十分評価した上で五十四年ごろから試験的に海洋処分を行っていきたい。いまの計画では、五十四年から約三年程度の試験期間を置きまして、そこで海洋処分をいたしましてその安全性を確認するという方法をとりまして、その後で安全評価が完全に済みましてから事業者等が持っております廃棄物を本格的に海洋に処分していきたいというふうな考え方でおります。 また、陸地処分につきましては、まだ試験研究がそれほど進んでおりませんので、地中で処分する実証試験から開始しなくちゃいけないということでございまして、直ちにこの研究を始めまして、その成果を踏まえて、本格処分に対応する計画をこれから練っていこうというふうな考え方でおる段階でございます。
○貝沼委員 ただいまの答弁ですと、低レベルのものについては、大きな方向としては海洋処分の方に重きがかかっておる。陸上の方は、これから検討するそうでありますから、いつのことかわかりませんが、海洋処分については少なくとも五十四年ごろ試験的に海洋投棄をやりたい、こう言っておるわけですね。実を言うと、これもおくれているわけですね。 五十一年の十月八日に原子力委員会が「放射性廃棄物対策について」という基本方針を決定しておりますね。それでこれを受けて科学技術庁は試験的海洋処分の環境安全評価報告書というものを原子力委員会に提出した。これを原子力委員会の専門部会で検討して五十二年三月には結論が出される予定であったわけですね。ところが、水産庁等の反対があってこれが延びておるらしいのですけれども、この五十四年度試験的に海洋投棄をするということについて、水産庁は了解をしておるわけですか。
○牧村政府委員 この計画の推進に当たりましては、関係省庁と密接な連携をとっておりまして、水産庁にもこの計画に参画をいただいておるわけでございますので、もちろん、水産庁が御了解いただいたから直ちに水産業界の方々が御了解いただけるということになるとは思いませんけれども、十分密接な連携をとり、海洋処分でございますので、水産業界の御了承をいただくということが最も大事だと思って慎重に対処しておるところでございます。
○貝沼委員 それで試験的に投棄をする海洋の話でございますけれども、話によりますと、大体四カ所くらい考えられておる、一番近いところで日本の海岸から大体八百キロメートルくらいのところを考えておるということで、いろいろと反発もあるようでございますが、この試験的投棄の場所、これは場所そのものが発表ができるのか。もしできないならば、いま私が四カ所と申し上げましたけれども、四カ所でよろしいのか。四カ所別々に試験をやるということなのか、それとも一緒にやるということなのか。
○牧村政府委員 おっしゃいますように、四カ所につきましていろいろ海洋にかかわる調査を実施したわけでございます。 それで、先ほど先生がおっしゃっておりました科学技術庁にこの海洋処分の安全を検討していただきました。ワーキンググループをつくって学識経験者の御意見を聞いたわけでございますが、いまのところ、四カ所のうち一地点が最も望ましい地点である、他の二カ所はちょっと地形が悪いとかいうようなことで、余り望ましくないというような評価もいただきつつも、現時点におきまして原子力委員会の専門部会で御検討をいただいておるのはなお四カ地点でございます。必ずしもいまの段階で一地点にしぼったということではございません。ただ、一番距離的にも近く、海底の状況が平たんである地点というのは、B地点とわれわれ呼称しておりますが、その地点でございます。
○貝沼委員 そこから先は、誤解があるといけませので慎重に聞きたいと思いますが、試験的投棄という問題です。これは実際に低レベルのものを固化したというか、そこはまだ聞いていないわけですけれども、恐らく固化するのだろうと思いますね、ピッチか何かでやるとか、コンクリートでやるとか、いろいろあるのでしょうけれども、そういうものとして試験をするのでしょうけれども、低レベルのものを使って試験をされるのか、それともほかのもので試験をされるのか、この点が一点です。 それからもう一つは、その試験の目指すものはどういうことなのかということです。つまり下の方に投棄をしたけれども、壊れるとか壊れないとか、あるいはほかのいろいろな問題がありますね。そういう具体的な目標というものは、ここで示すことはできますか。
○牧村政府委員 まず最初の、どういうような方法でということでございますが、先生おっしゃいますように、これは実際の固体廃棄物を使用いたします。この数量は、いまのところ計画しておりますのは、五百キュリー程度の量を考えております。この廃棄物をセメントで固化いたしまして、ドラムかん詰めにしたものを投棄しようとしておるわけでご、ざいます。 この固化剤に関する技術指針につきましては、すでに昭和四十九年に一応決めたものがございまして、試験的海洋処分用低レベル放射性廃棄物のセメント固化体に関する暫定指針というものを決めております。この指針に従って製作したものを海域に持ち出して約三回に分けて投棄をいたしたい、こういうふうに考えております。 この投棄の目的として当然一番重要なことは、この試験投棄によりまして海域にどういうような影響を与えるかということ、環境に及ぼす影響でございますが、これは安全審査を現在進めておるわけでございますけれども、仮にすべてのドラムかんが海底に沈められたときに全部破壊しても絶対に影響がないという被曝評価をいたしておりまして、許容値の数千分の一くらいの評価になっております。したがいまして、非常に安全度をとっておる。投棄したものが全部壊れてしまうというようなことは、ほかの廃棄物のドラムかんの耐圧試験等、別に行った試験で安全性がほぼ確認されておりますので、そういうことはまずないということがわかっております。そういうようなことではございますが、すべて壊れてしまうというような過酷な安全評価を行っても許容値の数千万分の一でおさまるというような評価をいたしておりまして、その評価につきまして、さらに原子力委員会の安全審査会でそういう評価をしてもらい、さらに詳しい審査をいただきまして、その上で試験投棄をいたしたいと考えております。
○貝沼委員 急がなければならない問題でもありますが、また慎重を期さなければならない問題だと思うのですね。 そこで最後に、時間もありませんので一言伺っておきたいと思いますが、要するにそういうような廃棄物が、陸上で捨てるにしろあるいは海底に捨てるにしろ、もしもそれで何か事故らしい影響を与えた場合、責任がどこにあるかということです。要するに、所有権を持っておる事業者にあるのか、それともそれを監督した科技庁にあるのか、それとも電力会社の直接の上部機関であるところの通産省にあるのか、この辺のところはどうなっておるかということが一点。 それから、最後に大臣から承っておきたいと思いますが、いま私は原子炉の廃炉という問題と廃棄物の処分という問題と二つだけ取り上げましたけれども、要するに一般の方々から見て素朴に疑問に思うことは大体こういうことである。あとは燃料が実際入るかどうかという問題があると思うのですね。そういったことについて積極的な姿勢で説明をし、納得をしてもらわないと、原子力政策というものは大変なんじゃないか、こういう感じがするわけでございます。この点についての感想を述べていただきたいと思います。
○牧村政府委員 この試験的海洋投棄については、科学技術庁がプロジェクトの中心になりまして、実施機関としては、すでに電力会社あるいは民間会社等の支援を得て原子力環境整備センターという中立的な機関をつくっておりまして、そこに実施させようとしておりますが、この試験投棄につきましては、全面的に科学技術庁が責任を負うものだと思います。 ただ、これが実用化が進みまして、試験が終わりまして実際の投棄が行われた場合には、当然その設置者の責任、並びに環境放射能の問題を所掌する科学技術庁の責任、これは行政責任との関係で出てこようかと思います。
○宇野国務大臣 きょうは、いままで余り試みられなかった面から、いろいろと貴重な御意見を拝聴いたしまして、われわれといたしましても大いに参考になった次第でございます。 とにかくわが国の宿命的な問題として、資源小国であれば、当然新しいエネルギーを求めて原子力行政は進めていかなければなりませんが、素朴な国民の方々から見ていただく疑問、確かに廃炉でありあるいは廃棄物の処理であろう、私もさように考えます。いろいろと関係局長からお話がございましたが、さらにそうした問題に関しましてはより明確な方針を打ち立てまして、それを国民の前に堂々と示しながら御協力を得るように努めたい、かように存じております。
○貝沼委員 終わります。
○牧村政府委員 先ほど答弁の中で、安全評価のところで許容値の数千分の一と申し上げましたが、数千万分の一の基準に入っておるというふうに訂正させていただきます。
○岡本委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 十月の十九日からワシントンにおいて国際核燃料サイクル評価計画の発足総会が開かれたはずであります。この総会は今後の世界各国の原子力開発の方向を見定めるもので重要な意味を持っておるものでありますが、特にわが国は東海村の再処理工場をめぐる日米原子力交渉で運転期間を二年に限られたのも、このサイクル評価計画の結果が出るまでというように理解しておりますけれども、この総会の状況について御報告を願いたいと思います。
○山野政府委員 御指摘のように、この総会ワシントンで開かれたわけでございまして、世界から四十カ国の国々が集まりまして、これは東西両陣営並びに南北各地域から集まられたわけでございますけれども、核不拡散の強化と原子力平和利用、この両面の道を両立させるための検討というのがいろいろ行われたわけでございます。 わが国といたしましては、かねて私どもの主張しておりますエネルギーの安定供給のためには原子力開発利用はわが国にとっては必須の要件であるということ、それからまた、ウラン資源の有効的な利用を図りますためには、使用済み燃料を長期に貯蔵するのではなく、これを再処理しましてウラン・プルトニウムサイクルという形で活用する必要があるということを基本的な考え方としておるわけでございます。 この基本的な考え方に沿いまして、まず対処方針としまして、第一点は、原子力の技術開発の長い歴史とこれまでの研究開発の継続性というものを十分尊重する、かつ代替技術の検討に際しましては、単に核拡散を防止するという観点だけではございませんで、これを実用化します難易度でありますとか、あるいは所要の期間、さらに所要の資金といったふうなものにつきましても十分検討を行うということ。第二点としましては、原子力の平和利用と核不拡散の強化というこの二面の問題を両立させますために、具体策を検討するにつきましては、わが方の動燃事業団の再処理工場の研究成果といったふうなものも積極的にこれを提供して協力するということ。さらに第三点としましては、技術面の検討以外にも、国際的な規制の制度面での改正あるいは改善、創設といったふうな問題にもわが国が積極的に参加していくというこの三点を、わが国の基本方針として臨んだわけでございます。 その結果、結論的に申し上げますと、このINFCEの結果、八つの作業グループが設けられたわけでございますが、わが国はこのうち第四グループの再処理とプルトニウムの取り扱いを担当いたしますグループの共同議長国になりまして、日本にとりまして最も大事な問題を扱うグループの共同議長国になったということでございまして、私ども所期の目的を達し得たと思っております。それから、第四グループ以外の各グループにつきましても、今後わが国はすべてのグループにメンバー国として参加してまいりたいというふうに考えております。
○小宮委員 再評価計画でプルトニウムの混合抽出法の開発が技術的に可能かどうかという結論が果たして二年間で出るのかどうかということも考えられるわけですが、日米共同決定では、二年の間に混合抽出法の実験を行い、国際核燃料サイクル評価計画に提出するということになっておりますね。そうしますと、この評価計画でプルトニウムの混合抽出法の開発研究が行われるというよりは、むしろ日米共同決定によるいわゆるわが国が混合抽出法の実験を行って技術的に可能かどうかということを、まず日本がそれを研究開発して、それを再評価計画に提出するという段取りになるわけですか。
○山野政府委員 この混合抽出法につきましての検討は、INFCEにおける検討と国内におけるわが国独自の検討と同時並行的に進められることになろうと考えております。 INFCEにおきましては、第四グループでこの混合抽出問題というのが検討されるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、わが国の研究開発の成果というのも当然に第四グループの場に持ち出しまして研究の用に供するわけでございますが、一方、同じ国内の研究によりまして日本独自の検討、これは技術的検討のみならず経済的な側面からの検討も含めたものでございますが、これを行いまして、日本は日本としての判断というものを持たなければならぬと思います。一方、INFCEはINFCEとしての結論といったふうなものもあろうかと存じますが、この双方を勘案しながら二年後には日米間で改めて原子力協定に基づいて協議を進めていくというふうなことになろうかと存じます。
○小宮委員 わが国の基本方針として、あくまで厳重な国際査察のもとで慎重に管理すれば、核不拡散と平和的利用は両立できるということをいままでの基本方針として日米原子力交渉の中でもいろいろやってきたわけですね。いままでは単体抽出か混合抽出かという問題よりは、こういうふうにわれわれは考えておるから核不拡散と平和利用は絶対両立するんだということを主張してきたそういった基本方針というのは、今度の会議に臨むに当たっては、また日米交渉の結果を見ても、やはりわれわれ国内でも検討するのだ、向こうの再評価計画の中でもやってもらうというようになってくると、いままでそんな混合抽出や単体抽出ということでなくて、単体抽出一本でいっても厳重な国際査察のもとでやっておれば絶対に核不拡散と平和利用は両立するんだということを言っておったとすれば、若干日本側が譲歩したような形になるわけですが、どうですか。そのとおりですか。
○山野政府委員 先生御指摘のように、私ども従来、現在の査察体制のもとで単体抽出による再処理を行っても十分に核の不拡散ということは守り得るというふうに考えておるわけでございまして、先般の日米交渉におきましてもそういう立場からの主張をしたわけでございます。この私どもの立場というのは、現在も変わっておるわけではございませんが、将来にわたって核不拡散を強化する、改善するということは、これは人類共通の願いでもあるわけでございますので、そういう意味で、これを改善しながら、しかもなおかつ原子力の平和利用を損なわないという、この両方の調和点を見出すというのがINFCEの目的でもあるわけでございます。そういう意味で、従来の私どもの主張を変えたわけでは決してございません。これはINFCEにおきましても当然に主張してまいりますけれども、しかし改善のための協力というのは、これは私どもも労を惜しまずに参加していこう、こういう趣旨でございます。
○小宮委員 だから、わが国としてはあくまでも従来の基本方針を堅持しながらも、日米交渉の結果を踏まえて、国内でも混合抽出法についての実験研究をやっていくというように理解していいですね。
○山野政府委員 そのとおりでございます。
○小宮委員 そこで、東海村の施設内でOTLを使って混合抽出、混合貯蔵などの混合処理の研究に積極的に取り組んでいるという話ですが、どうですか、率直に言って、この二年間で結論が出そうにありますか。出そうにあるというのは、単体抽出も混合抽出もできるということの実験、研究が、実際結論が出ますかということですから。
○山野政府委員 私どもの混合抽出に対する研究開発はもちろん積極的に進めてまいろうとしておりますし、現に本年の初めにはすでに小さな施設、これはOTLじゃございませんが、ミニミキサセトラという小さな施設を使って実験の実績もございますし、それからまた来年の春ぐらいからいよいよOTLを使って混合抽出法の研究を鋭意進めてまいろうと思っております。そういう混合抽出だけの研究開発というのは、私どもそれほど難事とも存じておりませんけれども、実はこの混合抽出法の研究開発を進めていくに際しましては、あわせて混合抽出したものをどう処理するかという問題もあるわけでございまして、そのためには言われております共沈法の研究開発というのもあわせて行う必要があるわけでございます。そういう全体としてクローズする形での各種、各面の技術を開発するということはそれほど簡単な問題ではないわけでございまして、この二年間にすべてのものが全部できるかという御質問をいまちょうだいしましても、私、自信を持ってできますということはなかなか確言できない問題でございます。私どもはできるだけ短期間に成果を上げるように最大限の努力をいたしますということ以上申し上げようがないというのが実情かと存じます。
○小宮委員 しかし、二年間で混合抽出法が確立されない限り、日本の核燃料サイクルは二年間で中止になるというおそれがあると思います。したがって、これはいやがおうでも最終的にはアメリカが目指す混合抽出方式に全力を挙げて取り組まざるを得ないのではないか。また、もしそれを開発したならば、日本の再処理工場の単体抽出というのは混合抽出の方に勢い進まなければならない、従来の日米の原子力交渉の過程から見てもそういう方向へ進まざるを得ないのじゃないかというふうに考えるのです。だから、そういった意味では、もう日本は単体抽出を捨ててしまって、混合抽出の方向に進まざるを得ないのではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
○山野政府委員 二年たちました後、三年目からの運転方式がどうなるかという点は、日米共同声明、共同決定にもございますように、INFCEの結果並びにその後の研究開発の成果に照らしまして、混合抽出が技術的に可能でありかつ効果的であるという点について両国政府が合意した場合にはそういう混合抽出の行い得るように改造しましょうということになっているわけでございまして、これはあくまでも日米双方の合意という前提があるわけでございます。したがいまして、もしこの二年間のうちに技術的に十分いける、また経済的にも十分やっていけるということが確認されて両国政府が合意しない限り、また別途の運転方法というふうなこともあり得るわけでございまして、これは全く仮定の問題でございますが、現在INFCEにおきましてはこの保障措置の改善といったふうなこともやっておりますし、また、私どもは動燃の再処理施設におきまして、これも日米共同声明にうたわれておりますけれども、保障措置技術の改善の研究というのをやるわけでございます。そういうことで、従来の単体抽出に加えるに改善された保障措置という形での運転方式というのも可能性としてはあり得るわけでございますので、三年目になりましてもし混合抽出が技術的に確立されていないという状況の場合には、東海の再処理工場は運転を休止せざるを得ないんだということにはならないわけでございますから、その辺はぜひ御理解を賜りたいと存じます。
○小宮委員 それは少しこちらの都合のいいような判断をしておるのではないか。ぼくはやはり日本が考えておるようなそういう甘いものではないのじゃないか、こういうふうに思うのですよ。だから、その混合抽出方法が開発されない限り、それは日米両国がその合意をしなければ、結局そのままいまの東海村は一応二年間終わって、後、また日本とアメリカの——幸いにして評価計画の方でそういったものが出れば別ですけれども、そうでなければ、そこで改めてまた交渉が再開されて、またすったもんだやるということをわれわれは心配するわけですよ。それはいまのような話からいくと、たとえばその混合抽出法の技術が開発されなくても、いまの東海村の方ではそのまま単体抽出の形で運転が続けられるんだというように理解していいですか。
○山野政府委員 二年後の日米協議の内容をいま先取りして仮定の議論を展開するというのは余り好ましいことではないと存じますが、私、先ほど例示的に二つのケースについてだけお話ししたわけでございますが、そのほかにいろいろなケースがあろうかと存じますし、二年たちましても、また双方十分に腹蔵なく話し合って、必ずや理解し合える妥協点はあろうかと思います。 〔委員長退席、貝沼委員長代理着席〕 しかし、先生のただいまの御意見を私ども十分に頭に置きまして、鋭意混合抽出法の研究開発に努力するという方向で考えたいと思います。
○小宮委員 日米の共同決定を読みましても、アメリカは依然として基本方針はあそこの中には生かしておりますよ。それで日本の主張も表現の中には入れておりますけれども、よく読んでみると、やはりアメリカは基本方針をあそこの中に貫いておるわけですよ。だから、いま言われたような、日本は日本で都合のいいような解釈をするし、向こうは向こうでやはり基本方針は貫いたということを言っておるし、そういうような意味で、二年先のことだから二年間で技術的に混合抽出方法が開発されれば別として、やはり混合抽出法の技術開発を日本はいやがおうでもやらなければいかぬということに追い込まれてくるというように私は感じておるものですから、将来そういうような問題が起きた場合に、そうでなかったとか言ってみたって、あの決定の言葉を裏返してみればいろいろに考えられるし、また解釈ができるわけですよ。だから、そういった意味で私は心配しておるわけですが、まあしかし局長がそう心配する必要はないというようなことであればそれは幸いです。私の心配が杞憂であればいいわけですけれどもね。 その問題はその問題として、仮に混合抽出法の技術が開発されたとしても、その場合は、いま言われておるように、いまの炉自体をもうそのままで使えぬようになるわけですから、勢いどうしても商業用規模の第二再処理工場というものを別個に考えなければならぬということになってきますね。たとえば技術的に混合抽出が開発された、日米両国で合意があったというようになっても、あそこの東海村の施設をそのまますぐ切りかえるわけにいかぬわけですから、そうすると、第二再処理工場というのがどうしても必要になってくると私は考えるわけです。その場合には、第二再処理工場になったらいやがおうでも混合抽出法を採用しないと、またいままでのようなことをやったってだめです。将来日本の原子力の再処理というのはすべて混合抽出法に変わっていかざるを得ないというふうに考えるわけですが、この第二再処理工場の問題も今度の国会でNPTの保障措置と切り離したから、また改めてこれは国会に出されると思うのですが、次期通常国会にこの再処理法案を単独法案として提出しますかどうか。
○山野政府委員 今回、規制法の一部改正の本院における最後の審議の段階におきまして再処理部分が削られたということは、これは再処理事業は重要でないという御趣旨ではないと私どももちろん考えておるわけでございまして、一九九〇年ごろに第二再処理工場を稼働させますためにはいま直ちに準備に入らなければならぬわけでございますので、そういう趣旨からも、再処理事業を民営に移管する法案につきましてはできるだけ早く、できれば次期通常国会にも提出したいというふうに考えております。
○小宮委員 次期通常国会に提出すべきだと考えます。 それから、ことしの一月以降ウランの輸出停止措置がとられている日加原子力協定の改定交渉は現在どうなっておりますか。
○山野政府委員 日加原子力協力協定の改定交渉につきましては、本年当初以来鋭意進めておるわけでございますけれども、あらましの合意に達しました後、一点だけ未解決で残されております。これはいわゆる二重規制問題と言われるものでございまして、たとえばカナダ原産のウラン精鉱を使いまして米国で濃縮して日本に入れる場合、現在は米国だけが本件について規制権を持っておるわけでございますが、これにウラン精鉱の原産地であるカナダもあわせて規制権を持ちたいという問題でございまして、この点、世界的にもまだまだ例のない問題でございますし、わが方も国益という観点からそう簡単に譲歩できる問題でもないということで、いまのところこれが懸案になっておりまして、まだ解決を見るに至っておりません。
○小宮委員 二重規制の問題が未解決であるとしても、ウランの輸出については話し合いはついたということですか。
○山野政府委員 ことしの初め以来、カナダはこの改定交渉が妥結するまでの間ウランの輸出を停止いたしておりまして、現在も停止したままでございます。私どもはできるだけ協定改定の完了を待たずにウランの輸出を再開するようにカナダ側に働きかけておりますけれども、まだ解決を見るに至っておりません。
○小宮委員 最近、豪州もやはり日豪原子力協定の改定案を提示されて、カナダと同様に二重規制の問題が持ち出されておるようですが、この問題については現在交渉を始めておるのかどうか。その点、いかがですか。
○山野政府委員 オーストラリアも、ウラン資源国としまして輸出に際しては核の不拡散という観点から厳重な規制をしようという姿勢、これは先生おっしゃるとおりでございますが、その新しい方針に従いまして各国と協定改定の交渉を開始しようとしておるところでございまして、わが国にも十一月十五日にその草案が送付されております。まだこの協定改定の交渉には入っておりません。
○小宮委員 こういう乙とになってきますと、結局日本の原子力行政というのは、がんじがらめに縛られて、にっちもさっちもいかなくなるのではないかという気がいたします。 そこで、参考までに質問しますけれども、このウラン濃縮技術の確立が非常に急務になってくるわけですが、わが国でも岡山県の人形峠でこのウラン濃縮のパイロットプラントの建設が始まっております。このウランの濃縮については日米原子力協定とは無関係だと思いますけれども、いまはそれでいいわけですが、本格的にいよいよ操業するようになっくてると、また何とかかんとか文句をつけてくるのではないかというような気がするのですが、そういう心配はないですか。
○山野政府委員 カーター大統領の原子力政策と申しますのは、もともと米国の国内政策でございますので、そういう意味では先生おっしゃいますように、わが国のウラン濃縮の研究開発に直接の影響はないわけでございますし、現に私どもパイロットプラントのくわ入れ式を本年夏に行いまして、現在その建設に着手しておるわけでございます。私どもの予想としましては、現在軽水炉に使われておりますこの低濃縮ウランにつきましては、今後も米国等関係諸国からさしたる制肘はないのではないかというふうに考えております。
○小宮委員 これはいま局長も言われたように、アメリカが今度核不拡散の問題を大義名分にして、日米原子力協定をてこにいろいろやってきたというのは、本当に核拡散の問題を心配してのこともあろうけれども、私はやはりカーター政権がアメリカの原子力産業の保護育成というものを考えられておるのではないか。各国がどんどん自主技術でウランの濃縮もやりいろいろやったら、日本もいままで向こうに依頼してやっておったのが、将来一本立ちになると、向こうはその分だけ減ってくる。それだけ困るわけですから、そういう意味で、私は原子力協定と直接関係ないにしても、またそのときは核不拡散という問題を表に出して介入してくるのではないかという気がするわけですけれども、それは来てみぬと何とも言えませんので、余り先走って心配する必要もないかと思いますが、やはりそういった意味での問題の背景というものをわれわれは十分認識しておかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えます。 それでは、今度は通産省に質問したいと思いますが、ことしの六月総合エネルギー調査会の需給部会が発表したわが国の「長期エネルギー需給暫定見通し」によれば、原子力エネルギーは昭和五十年度実績の六百六十二万キロワットから、六十年度は対策現状維持ケースでも二千六百万キロワット、対策促進ケースでは三千三百万キロワット、六十五年度は対策促進ケースでは六千万キロワットになっておるわけです。 ところが、従来の経験からいっても、現状ではこれは原発反対運動によって遅々として進まないということは通産省は百も承知だと思いますけれども、こういうようにいろいろ見通しは立てても、これが単なる机上プランとして立てるだけならそれはいいかもしれぬけれども、現実にこれを遂行するということになると、やはりこれは非常に問題が山積しておると思うのです。そういうような意味で、通産省は本気でこの問題を考えておるのか。また、考えてもらわぬとほかのエネルギーのバランスが、これもその一環としてあるわけですから、これが崩れたらみんなほかも崩れるわけですから、そういった意味で、通産省としては本気でこの目標を達成するために取り組むのかどうか。そういう点、いかがですか。
○服部政府委員 原子力発電の将来の計画でございますが、いま先生御指摘になったとおりでございまして、私どもとしては政策促進ケースを目標として考えたいということでございますので、六十年度は三千三百万キロワット、それから六十五年度は六千万キロワット、これを目標にしてぜひその実現を見たい。実はこれは総合エネルギー調査会でも、あるいはその後に行われました電気事業審議会におきましても、この原子力の数字、特に政策促進ケースの数字はかなり高いのではないか、実現性は大丈夫か、こういう議論もずいぶんされたわけでございますが、最終的にはその数字でよろしい。ただ、脚注がつきまして、この目標を達成するのにはやはり官民挙げて最大限の努力をしない限りは達成が非常にむずかしいということで、官民挙げた努力が必要だということがうたわれているわけでございます。御案内のように、現在まで電源開発調整審議会を通りました原子力発電の規模は、現在稼働中の八百万キロワットを含めまして二千百八十九万キロワット、約二千二百万キロワットということでございますので、仮に電調審を通ったものが全部稼働いたしましても、なお三千三百万には千百万キロワット足りないということでございまして、御指摘のように、なかなか前途はむずかしい問題があろうかと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、官民挙げて国民的コンセンサスをもって立地の諸問題打開に努力をしなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小宮委員 この前でも、大体目標を立てながらも実際は半分ぐらいしか達成していないのですね。だから、反対運動はいまからむしろ盛んになるような傾向の中で、なかなかこれが実際に達成できるかどうかということは疑問なんです。そういう立場から、最近電気事業者間でも非常にこれは頭を痛めておりまして、幾ら政府が需給計画を立ててみても、電源立地が地元の反対運動によってなかなか計画どおり進まぬ、片や電力需要はますますふえる一方である。だから、供給予備率だって、夏場の最大のピーク時には、五十三年度が七・六%ですね。五十四年が八・一%、五十五年が七・六%、五十七年には六・九%にまで下がるということが予測されておりますよ。適正予備率が大体八%から一〇%になっておりますから、それを下回るということは、これは供給に自信が持てないということをいま電気事業者間で言われておる人もあるわけです。そういう意味で、官民挙げてと言ってみても、「官民挙げて」が具体的にそれならどうなるのかということになると、言葉としては官民挙げてという言葉が使われても、実際問題として果たしてどうするのかという問題にもかかわってくるわけです。だから、電気事業者間では、たとえば電気事業法の一部改正をやるか、あるいは臨時立法措置をとって電気事業法の第十八条の電気供給義務を、義務づけしておるわけですから、これを免責してもらいたいという声すら上がっておることは、通産省御承知のとおりだと思う。これはだから、そういった意味で、従来であれば、幾ら需給計画を立てても、やるのは企業だけが前に出てやる、そのためにいろいろな問題にぶつかる、そういう状態では電気事業者がもう電気供給の義務を免責してもらいたいという気持ちが出るのは私は心情としてはよく理解できると思うのですよ。だから、そういう立場から、通産省は官民挙げてということを言われておりますけれども、「官民挙げて」というのはどういうことを考えておるのですか。
○服部政府委員 電力事情の需給が逼迫しておるのは、いま先生が御指摘になったとおりでございます。私どもの方も毎年度年度当初に施設計画をつくりまして、そこで五年先の需給がどうなるかということをチェックしているわけでございますが、ことしの春にやりました五年先、五十六年度におきます需給、実は四・八%程度の予備率しか持てない。電調審を通ったものだけ計算いたしますと、そうなります。適正予備率はいま御指摘になったとおり八多でございますから、それをかなり下回った非常に憂慮すべき状態になるということをわれわれは痛感しておるわけであります。 官民挙げて努力というのは一体どうするのかという御指摘でございますが、私どもとしてはやはりじみちに立地予定地の地域社会の理解と協力を求めていくということが一番大事なことではないかということで、特に原子力の場合でございますと安全性、あるいは環境問題について十分地域社会の理解と協力が得られるように、われわれとしてももちろんPRに努力しなければいけませんし、電力会社にもその方向で努力をさせる、それからまた、地域社会に対する福祉の向上策といたしまして、御案内の電源三法がございますが、これもやはりできる限り弾力化いたしまして、できるだけその地域社会に還元される額が多くなるように、それで公共施設等の整備が行われるようにという方向で考える必要があるのではないかというふうに考えております。 それから第三点といたしましては、やはり役所というか、国も特に安全性について地域社会の理解を求める際には、必要があれば出かけていって、そこで御説明をするというような個別具体的な立地に即した対策が必要なのではないか、こういうふうに考えておりして、現に私どもの方でも電源立地企画官という制度をスタートさせまして、三名の課長クラスを発令いたしまして、それぞれ地点別に担当を割りつけまして、随時必要がある場合に現地に出かけていって、関係の地方公共団体でございますとか、あるいは漁業団体でございますとか、そういったところの要請に応じまして説明をしている。そういったいま申し上げたような三つの方策が中心でございますが、その他随時われわれとしてもやはり立地難の打開ということで全力を挙げていかなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小宮委員 確かに通産省は電源三法の運用の弾力化の問題あるいは重要電源十五地点の指定など、電源多様化法案を検討されておるということは伺っておるわけですが、この法案は次の通常国会に提出するのか。この問題は、電源三法の弾力運用の問題はありますけれども、最近石油備蓄の問題にしても、やはり電源三法と同じような考え方の法律案をつくらなければ、備蓄を幾ら通産省が鳴り物入りで、やれ石油はまた九十日を三十日ふやして百二十日にするのだといっても、これも行き詰まっておるわけですから、そういった意味で、電源三法の運用の弾力化の問題、これも先ほど質問の中にありましたが、私は前にも質問したことがあるのですが、この重要電源十五地点の指定など電源多様化法案の考え方、そして次の通常国会にこの法案は出すのかどうか、その点ひとつお聞きしたいと思います。
○服部政府委員 電源多様化の必要性は、私どももエネルギー調査会あるいは電気事業審議会の答申を受けまして、その方向で進めなければいかぬということで、検討しているわけでございますが、重要なことは、やはり電源多様化の計画がきちっとでき、それを実施するということだと思います。現在私どもとしては六十年、六十五年の目標を踏まえて、とにかく個別に一体これをどういうふうに具体的な計画に置き直していくかということで、いま電気事業者に検討をさせているところでございます。そういった計画を見まして、それが実現性がどうかということを見まして、必要があれば立法化もしなければいかぬだろうということで、検討しているところでございます。
○小宮委員 立法化の必要があるかどうかということは、現在電源立地の非常な困難さから見れば、そんな検討する段階は過ぎて、手を打たなければ簡単にいきませんよ。たとえば長崎県にしても、松島の火力発電所、松浦、次から次と控えているわけですが、すべて反対運動ののろしが上がる。そんなのんびりしておったのでは、六十年度、六十五年度のいわゆる対策促進ケースに間に合うはずはないですよ。 もう一つ、通産省はことしの八月ごろ、わが国の原子力産業を育成するため、仮称ですが、特定原子力事業法を制定する方針を固めた、早ければ次期通常国会に提出する予定である、こういうことが報道されておりましたが、特定原子力事業法の考え方と、これを通常国会で出すのか出さぬのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○武田政府委員 御指摘の原子力産業の振興でございますけれども、原子力開発を円滑に推進いたしますためには、核燃料関係の事業であるとか、原子力機器の製造業というような原子力産業を発展させる必要がございます。これらの事業が各分野お互いに整合性を持って発展していくということが望まれるわけでございますが、膨大な資金を要しますし、また新しい事業化という面もかなり入りますのでリスクも大きい、そういうようなことで、国の強力な施策の展開が必要であろうと考えております。現在そういう面の検討、実は原子力産業関係の健全な発展を図るという見地から、総合エネルギー調査会に原子力部会というのがございまして、そこで長期的な振興策をいろいろ検討していただいておるところでございまして、その結論は来年夏までということになっておるわけでございますが、そういう検討で結論を得ますまでの過程の間で、そういう法律をつくるかどうかという必要性につきまして、それも含めて慎重に検討してまいりたい、こう考えておる次第でございます。 〔貝沼委員長代理退席、委員長着席〕
○小宮委員 お役所仕事というのはスローモーで、そういうことを考えてやっておったのではなかなか間に合いませんよ。だから、いいと思ったものはやってみるというくらいにやらぬと、官民挙げて努力すると言って、幾ら行って説明しても、聞いて理解してくれる人ばかりじゃないのです。もう頭から原子力発電所反対、原子力行政にはすべて反対という人たちもおるわけですから、そういうような人たちに、行って説明をし、理解を求めるというのは実際非常にむずかしいのです。しかしながら、それもほうっておくわけにはいかないので、やはり従来以上に皆さん方が現地に出かけて話し合うきっかけをつくって、話し合いを進めて十分理解してもらうということはもちろん必要ですし、またいろいろな機会にあらゆるPRをやることも必要でしょうし、そういうようなことはぜひやってもらわなければいかぬわけですが、ただ、最近立地の問題で地元の人たちの反対運動、あるいはその中に漁業関係の反対運動が非常に強いのですね。だから、これらの問題についても、海に面したところであればすべて漁業組合は頭から反対であるから、そういう対策をどうするのか、それも皆さん方としては、出かけていって話し合いをしたいということのようですけれども、これらの問題も皆さん方も真剣に考えていただかなければ、すぐそちらの方でひっかかるわけですね。 たとえば、長崎県の松浦の電発と九電の発電所建設にしても、原子力ではございませんけれども、それでもすぐ反対、こうなる。そうすると、それだけで恐らく何年かかるのか、建設のめどは非常にむずかしい。その場合に、先ほどの質問にもありましたけれども、漁業の補償問題について一つの考えを示す。先ほどの答弁の中では、漁業が多種多様化しておるからなかなかむずかしいと言うけれども、あらゆるものを想定してやればできるわけです。そうしないと、たとえば長崎県の松島の火力発電所の場合でも、漁業補償関係はある程度の金額で話し合いは済んだ。ところが、ある真珠業者一業者だけが百億以上も吹っかけてきた。だれが見たって不当だとわかっておっても、幾ら百億は不当だと言ってみても、いや百億補償金をくれなければおれは同意しないのだと言われればおしまいだ。そういった意味で、いまは吹っかけた方が勝ちだというような傾向になりつつあるのではないかというふうにさえ心配されるので、やはり漁業補償の基準というものを示されるものなら示して、それで交渉に際しては、電気事業者あたりが漁業組合とも話し合いに入るというぐらいにしないと、皆さん方はいろいろ机の上で考えておられるけれども、現地でいろいろ折衝に当たる人の苦労は並み大抵の問題じゃないのですよ。皆さん方はただ、金を出そう、用地取得に対してもわれわれは協力しようと言っているけれども、それはあなた方が考えられるようななまやさしいものじゃないですよ。だから、そういった必要と思われるものは、漁業補償の基準にしても、あるいは原子力産業育成事業法、そういうものにしても早く出して、少しでもそういうような条件を緩和して、条件整備をやるように努力してもらわぬと、通産省がやった今度の需給計画だって、いまのような状況であれば、また五年も先には、これも半分しか達成しなかったということになりかねないのです。これは私ははっきり指摘しておきます。 通産省もいままでに比べれば少しは乗り出したような姿勢を見せておりますので、私もそれは歓迎しますけれども、まだまだそれぐらいの乗り出し方ではむずかしい、こういうように考えるのですが、もう少し前向きに考えてもらうように所見をひとつお聞きしたいと思います。
○服部政府委員 先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、やはり電源立地に当たりましては、地域社会の理解、協力をどうやって求めていくかということが最大のポイントだろうと思います。そういったことで、先ほども三点ほどわれわれの対応策を申し上げたわけでございますが、なお一層国としても現地の具体的な問題解決に、国が乗り出した方が適当な場合とそうじゃない場合がございますが、地方公共団体と連携を密にいたしまして、必要な場合には積極的に乗り出すという構えでいきたいと思っております。
○小宮委員 なかなか言うてみてもむずかしいのですよ。特に、議員さんと名のつく人は、国会議員にしろ、県会議員にしろ、市会議員にしろ、町会議員にしろ、選挙の問題が絡んでくるので、これは町長さんにしてもそうですか、なかなかあなたたちが考えておるように、本当にそこまで乗り込んでやってくれるかどうかというのはむずかしいのですよ。しかしながら、その点はここでいろいろ議論しておっても前には進みませんので、今後政府としても全力を挙げて取り組んでもらいたいと思います。 それから、通産省は、最近わが国の原子炉の出力を、八十万キロワットと百十万キロワットの二つのタイプに統一する方針を打ち出したようですね。だから、原子炉の標準化によって稼働率を欧米並みの六五から七五ぐらいまで引き上げたい、こういうように言っておるようですけれども、どうですか、ただ原子炉の出力規模を標準化して八十万キロワット、百十万キロワットにするだけで稼働率が上がるのかどうかということについては疑問を持つわけです。というのは、いままでの日本の既存の原子力発電所を見ても、大体故障の出るところは決まっておるのです。それで、これはその意味から見れば、九州の玄海にある原子力発電所は稼働率は世界一なんですね。ただ出力の規模によって標準化するという問題も確かに便利な面はあると思います。しかしながら、たとえば原子炉の沸騰水型だとかあるいは加圧水型、そういういろんなタイプによって何か故障の発生率に差異があるような気がするのです。だから、そういう意味では、そういうような原子炉のタイプも考えなければ、ただ出力の標準化だけで稼働率が上がるということについてはいささか疑問を持つわけですが、いかがでしょうか。
○武田政府委員 先生御指摘のとおり、キロワットを統一するというだけで稼働率が上がるというようなものではございません。実は、私ども三年ほど前から改良標準化という作業を進めておりまして、いま第一次段階が終わり第二次段階に入っているところでございますが、改良標準化の過程で八十万キロワットクラス、百十万キロワットクラス、それぞれのクラスに向くような改良標準化設計をつくろう、こういうことでございまして、そのとき選ばれた規模がたまたま八十万、百十万というふうに御理解いただければと思います。 それで、改良標準化で稼働率の点では二つメリットがあろうかと思っております。一つは、改良標準化の作業の第一次ステップには幾つかのことが包含されておりますが、実は現在の動いております発電所、これもいろいろなタイプがございますけれども、定期検査等々における作業性、人が入っていろいろ調べたり直したりするスペースが非常に狭いとか、あるいはその配置がそういう観点から見ると余りよくないというような点で、作業性の悪い点がございます。作業性が悪いと、同じ仕事をいたしますにも時間がかかり、同時に放射線被曝の問題というのを余分に気にしなければいけない、こういうふうに二重に問題がございます。そんな角度で改良標準化の第一次ステップをいま適用しようとしておりますが、これができますと、そういう何かあるかどうかを調べ、それから何かあったときに手直しをするというようなことの作業がスムーズに行われる、被曝線量も同時に少なくて済むというような効果がございます。これが稼働率の向上にまず役立つと思っているわけでございます。 もう一点は、今度は物の各部の設計なり材料の選び方あるいは配置の仕方でございますが、これはきょうもいろいろ御指摘ございましたけれども、問題があるようなところをいろいろ手直しをいたしております。そういった成果を踏まえ、いろいろ考えてこの方が性能的にも、それからトラブルを起こさないという意味でもいいんじゃないかというようなものも、政良標準化作業の中に入れていきたいと思っております。第一次段階で十分入るかどうかちょっと問題でございますが、いま続けております作業では、そういったことも含めたいと思っておりまして、こういうものそのものがより一層よくなっていくという面の効果も持っております。 両方ともいずれも稼働率向上に役立つ、こういうふうに考えておりまして、私どもの目標としております数字は、先生先ほどおっしゃいましたように、六十五とか七十とかいうふうに将来持っていきたい、こういうことでございます。
○小宮委員 稼働率をよくすることと安全面、安全性も高めていくという目的から標準化を図っていくということであれば、それはそれなりに結構だと思います。 それから一つ先ほどの質問の中にもありました、私も不勉強で、原子炉の寿命はいまの軽水炉で大体どのぐらいなんですか。
○武田政府委員 現在、日本の場合には、軽水炉が運転を始めましてまだ十年たっておりません。私ども電力会社の経理で、ことし幾らお金がかかったというような勘定をいたしますときに、あるいは幾らかかるんだろうかという勘定をいたしますときに、税法上の償却期間というものがございまして、これが大体十五年でございます。それでは、物理的にどれだけもつだろうかという点につきましては、二十年、三十年ぐらいはもつのじゃないかと思っております。しかし、申しわけございませんが、何分三十年間動かした原子炉がございません。しかし、いままでアメリカの例あるいは私どもの例等を含めまして、物理的にとにかく安全に動けるというのは、税法上の耐用年数を超えましてもっと長期であろうと思っております。ただ、いつまで動かすかという点は、経済的な意味あるいは原子炉技術の進歩でもっと非常にいいもの、リプレースしてもその方が有利であるというようなものが出てまいりました場合には、経済的な陳腐化の現象が起こりますので、これにつきましては個別にいつまで動かすかという判断をしていくかっこうだろうと思います。
○小宮委員 これで質問を終わります。
○岡本委員長 中馬弘毅君。
○中馬(弘)委員 きょうは、少し基本的な問題についてお伺いしたいと思います。 いま世界的に見まして、第三次経済戦争に入っているとも言われております。と同時に、世界の資源戦争がいよいよ始まったという認識に立ってもいいような状況になってきております。これは四十八年の石油ショック後から出発したと考えていいわけですが、あのときには産油国と消費国との間の一つの戦争、そしてそれに引き続くところの原子力の国際的ないろんな絡み合いの一連の動き、それの基礎になっておりますのは、八〇年代に石油が枯渇段階に入るだろうというようなことでございますが、それすらも場合によってはアメリカとメジャーとの一つの謀略かもしれないという、最近そんなような雑誌あたりが出初めております。実はそのときには石油危機は来ないのだ、いま世界的な不況で少し油がだぶついていることもありまして、そのときには何も起こらないのだといったようなことすら言われてもきておりますけれども、そのところをどう御認識なさっておるか。いまはすべてのことが、やはり八〇年代に石油が一つのピークを迎えるということに立って事が進んでおりますが、政府としてそのことを御認識なさるといいますか、国民の前にはっきり言明されることの方がいいのじゃないか。これはいずれにしましても、そのときに場合によっては起こらないかもしれないけれども、やはり無資源国日本としてそこまでの対応はしておかなければならないのは事実ですから、このことをはっきり国民の前に明らかにされることがいいのじゃないかと思うのですが、ここのところをどう御認識なさっておるか、まずお伺いしたいと思います。
○宇野国務大臣 大切なポイントでございまして、私も同じように考えております。極端な例を申し上げれば、私たちは一九八五年を一つのめどとしての計画を立てておりますが、それを待たずして石油のパニックが来るという意見の方がしばしば耳に入ってくる次第であります。だから、今回日米間におきましても円高問題でいろいろ議論をしておりますが、アメリカがなぜ自分の井戸にふたをして海外の石油をじゃんじゃん買うのだろうか、しかも赤字を出してまでなぜ買うのだろうかというふうなことに関しましても、やはり友邦アメリカだからこうだろうああだろうということもありましょうが、われわれはもっと深刻な問題としていろんな角度から分析をしていくことも必要ではなかろうか、私はもうそこまで思っておりまして、そういうような危機感を当然国民の方々にも訴えるべきだと思うのであります。 近くエネルギー閣僚懇談会も開かれますが、特に国民の方々の御協力を得んがために、そういう実態と同時に、やはり一人の国民の方でもよいからその実態を認識していただいてなおかつ省エネルギーには協力してもらう、そういうふうなパンチの効いた政策を、単に科技庁だとか通産省だとか言わずに、内閣全体の姿勢として打ち出す必要がある、こういうことは非常に必要だということが、先般も強くお互いの間で意見が交換されました。さようなことにおきまして、新しい事態にいまから備える心がけをしたい、かように思っております。
○中馬(弘)委員 このことは、日本の非常な何か甘さみたいなのがあるような気がするのですね。少し話が外れますけれども、たとえば国防の問題にしましても、日米安保条約があるから日本は大丈夫なんだ、しかし、果たしてそうかどうか。アメリカといま安保条約を結んでおっても、たとえば第三国に攻められたときに、アメリカから地上軍を持ってくるには相当な期間がかかりましょうし、第七艦隊をまたインド洋から連れてくるにも、これも時間がかかるわけでございます。そういう中にあって、日本は自主的に何かをつかんでいかなければいけない。そのことの何か甘えが日本にあるような気がするのですね。これは原子力の問題でもそのような気がするのです。 それと比べまして、たとえばフランスやドイツ、この間の国際核燃料サイクル評価の問題にしましても、日本は何かアメリカに非常におんぶしているような形でございますけれども、フランスやドイツは、かなり自主的な発言もしておりますし、そういった態度も示しております。こういう、アメリカと場合によっては対等、対等まではいかなくても、そのような関係ができるのはどうしたらいいのか、また、逆に言うならば、フランスやドイツはどうしてああいった自主的な態度がとれるのか、その点についての御認識をお願いします。
○宇野国務大臣 戦後のわが国の歴史を私自身が静かに顧みますると、やはり甘えの構造が多分にあったということは、一番苦しいときに朝鮮半島で戦争が起こった、あるいはまた、景気が苦しくなったときに南ベトナム、北ベトナムにおいてあの戦いが起こったというふうなこと等によって、何かしら、黙っておれば自然と日本が救われるような、そういう歴史が幾つかあったのじゃなかろうかと思うのです。だから、お互いに心配事は語るけれども、何とかなるのじゃないかということで今日きておりますが、私はいま冷静に日本の資源小国という観点並びにそれを取り巻く環境を考えますと、もうそういうふうな甘い期待感で臨んでおっては、それこそ大変なことになるというふうな思いをひとしく抱いております。したがいまして、われわれといたしましても、その面においてははっきりと日本の立場というものを明らかにする、それはアメリカに対してだけではなくして、あらゆる国々に対して明らかにしながら、世界全部がどうするかという問題に真剣に取り組みたいと思うのであります。現に人口もふえることですし、食糧の問題もあり、エネルギーの問題もあるわけですから、単にアメリカ、日本、あるいはヨーロッパというだけの問題では解決できません。したがいまして、資源がある国、ない国を問わず、私はこの問題に関しましては、もっと発言力を増大せしめる必要がある、かように存じております。 特にアメリカに対しましては、やはりいままで、ややもいたしますと、国民の側から見れば、何か政府というものがアメリカに対してもみ手ではなかったのではないだろうか、まあまあ主義ではなかっただろうかというふうな批判がございます。決してそればかりではなかったと私も信じますが、しかしそのためには、私みずからも外交の先頭に立ったときには、ひとつ過去を改めて、新しい立場で自主性を重んじた外交をすべきである。まずみずからがどういうふうな方向を決めていくか、その立場というものを明らかにしなくちゃならぬ。こういう決意でかつての日米原子力交渉にも臨んだわけでありますが、いまそういう気持ちで実はINFCEにも臨んでおります。INFCEにおきましては、日本の発言というものが非常に大きく諸外国に評価され、そのことは必ずや二年の間に相当な成果をもたらすのじゃないだろうかとさえ私は考えておりますが、いま御忠告賜りました点は、確かにわれわれ、そうした立場をもっともっと反省し、なおかつ強い立場を保持しなくちゃならぬと考えますので、御意見ごもっともと存じますから、より一層しっかりした立場をとるべく努力をしたいと考えております。
○中馬(弘)委員 再度あれしますが、フランスとドイツがあのような自主的な態度がとれるのを、どういう原因だとお考えですか。
○宇野国務大臣 やはり国民性にもよります。二番目には、ヨーロッパにおけるそれぞれの誇り、そしてお互いが長い歴史の間において友好を保ち、同時にまた競り合ったという歴史もございましょう。そうしたことから、民族として持つべき一つの大きなものを見出しておるのではなかろうか。その点、アジアの一隅にありました日本、幸いにも大きな発展は遂げてまいりましたけれども、やはりどこか大陸と島国と違うのじゃないだろうかというふうなところが、私たちにはもうみずから痛感されます。 はっきり申し上げれば、西ドイツのシュミット首相は、ワシントンへ行きまして記者会見しても、アメリカ政府の、言うならば不評を堂々と鳴らしておる。そういうようなことを平然とします。またアメリカも、そのことを決して不快に考えておりません。よくぞ言ってくれたという面もあるわけでございますから、私はそういうふうな意味から申し上げましても、国民性の差あるいはまた歴史というものが大きな民族の性格を形成してきたのではないだろうか、こう考えるのであります。 現在の世界の経済から考えましても、日本はもうすでに第二番目の地位を占めておるわけですから、また、日本だけがアジアにあってアジアの代表もしなくちゃなりませんが、しかしグローバルな経済の中におきましては、技術的にもあるいは経済的にももう少しくわれわれの立場を鮮明にしなくちゃいかぬ、それを心がけていかなくちゃならない、こういうふうに考えております。
○中馬(弘)委員 迎合するから信頼されるのじゃなくて、むしろ自分のものをはっきりと打ち出して初めて信頼の対象になり、尊敬の対象になるという気がするわけでございます。そういう形での臨み方をしていただきたい。これがお願いでございます。 事ほどさように、いろいろな国際的な絡みが非常に大きくなってまいりました。その中で、この間IEAが決めました石油の輸入、輸入国は大体いまの一日二千二百万バレルを一九八五年には二千六百万バレルということを決めましたね。一方、わが国がこの間発表しました長期需給の暫定見通しによりますと、輸入石油はかなり大幅に伸びることになっております。かなり抑えておりますけれども、この割合じゃないですね。これはせいぜい二割弱ですけれども、四割くらい伸びるような形になっております。そこの違いをどうお考えでございますか。
○木下説明員 お答え申し上げます。 先月、十月にIEAで閣僚理事会が開かれまして、ここでいまお話がございましたように、一九八五年にIEA全体として石油の輸入を一日当たり二千六百万バレルに抑えようという目標を決定いたしました。この目標は、IEA全体としてその数字まで持っていこうという努力目標という形で決まったものでございまして、それを国ごとに分けまして、日本は幾ら、アメリカは幾らというような形で決めたものではございません。いま御指摘がございますように、全体としての伸びは二十数%でございますけれども、いまから八五年までの間には、北海の石油がどんどん出てくるというようなことがございまして、ヨーロッパ全体で見ますと、石油のOPECからの輸入は若干減るというような予想が一応立てられております。それからアメリカの場合には、いろいろとアメリカのエネルギー政策が現在議会で問題になっておりますけれども、シュレジンジャー・エネルギー省長官は閣僚会議の席で、アメリカとしては国際的責務として六百万バレル・デーの目標を達成するように努力したいということをはっきり明言しております。そのようなヨーロッパの事情、アメリカの事情を考えますと、日本としてエネルギー調査会の中間見通しで一応見通しました四億三千二百万キロリットルの数字、これは一日当たりのバレルにいたしますと約七百四十万から七百五十万ぐらいでございますけれども、この数字は十分確保できるというふうに考えておる次第でございます。
○中馬(弘)委員 では、そのいまからの増分の輸入先をどうお考えなんでしょうか。
○木下説明員 輸入先につきましては、全体としての輸入数字を決めたということでございまして、したがいましてどの国から幾ら輸入するという内訳はつくっておりません。 ただ、IEA全体として一日当たり二千六百万バレルという数字をベースとしまして、一九八五年におきましてはOPECの生産量が三千七百万から三千九百万バレル・デーぐらいになるだろうというふうに一応見通しております。現在の生産数字が三千万から三千百万ぐらいでございますから、現在の生産数字よりも六百万ないし八百万ぐらいふえるくらいの数字のところを一応予想しておりますが、内訳は全然考えておりません。
○中馬(弘)委員 この長期エネルギーの需給見通しは、わが国の輸入先も考えてないということでございますか。
○木下説明員 一応わが国が現在輸入しております国は、中東を中心にして輸入しておりますけれども、それがどの国からどのくらいの数字にふえるかということは、特に国別には私どもも算定しておりませんし、IEAの中でも全く議論しておりません。
○中馬(弘)委員 だけれども、細かい国別じゃなくても、中東からの増分は、このくらいは十分賄えるということですね。
○木下説明員 中東諸国の国ごとの生産見通しというのは、それぞれの国の政策あるいはそれぞれの国の埋蔵量によって決まってまいりますので、国によっては現在以上の生産を上げたくないという国もありますし、それから国によりましては現在よりも相当大幅に増産をしていこうという計画を持っている国もございます。したがいまして、今後世界の需要が伸びましたら、その分はやはり今後の増産計画、あるいは増産計画をしてくれるだろうとわれわれが期待している国の生産がふえてくるということは当然言えると思います。その場合に、一つの国としてサウジアラビア等が考えられますが、サウジアラビアについては、私どもは、その埋蔵量等から見て、今後増産をある程度してくれるんではないかというふうに考えております。
○中馬(弘)委員 私がお聞きしておりますのは、今後それだけふえていく増分の中で、日本の取り分だけが割合として大きくなるわけですね。それで国際的な関係がまずくならないかどうか。今後、後進国も石油の需要がかなりふえてまいります。その点についての御見解です。
○木下説明員 おっしゃいましたように、後進国あるいはOPEC諸国自身の石油の需要もふえてまいります。したがいまして、IEAで算定いたしましたときには、そういう国のふえてくる需要は一応満たすという前提で、ただやはり一番消費量の大きなグループは先進国でございますから、その先進国の中でできるだけの努力をしていこうということで決めたわけでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたけれども、たとえばヨーロッパの場合には、域内の生産がふえてくるということもありますし、アメリカでは石炭の利用をするということも言っておりますので、国によっていろいろエネルギー事情が違いますので、日本みたいに大部分を海外のエネルギー源、特に石油に依存している国の場合には、その国の経済成長に従って必要な量は一応確保できるかどうかという点は考慮しなければなりませんが、いろいろ各国のデータを集めた上で全体としての数量を決めましたので、日本につきまして四億三千二百万キロリットルという中間見通しの数字は十分確保できるとわれわれは考えております。
○中馬(弘)委員 その四億三千二百万キロリットルの中に、たとえば中国だとかといったようなところがどのくらい入っているか、あるいは日本の自主的な開発、これがどの程度入っているか。何か具体的なものはあるのですか。
○木下説明員 総合エネルギー調査会の中間答申にもございますように、今後政策原油をできるだけふやしていこうという目標は一応立てております。それと同時に、できるだけエネルギーの供給源を多角化していくということで、いま御指摘がございました中国等からの輸入も今後可能な限りふやしていくように考えていきたいと思っております。
○中馬(弘)委員 同じ需給見通しの中で原子力は三千三百万キロワット、これの新立地、電調審で決定済みのところも含めまして、いま二千万ぐらいですか、そのあたりをちょっと数字的にもお願いします。
○武田政府委員 原子力の六十年度対策促進ケースの目標は三千三百万キロワットでございますが、いままでに電源開発調整審議会で御決定いただきました時点の統計をとりますと、約二千二百万キロワットでございます。
○中馬(弘)委員 もう着工しているところはともかくといたしまして、決定しただけでまだ着工してないというところがございますね。これの現地との調整とか、その点についてはいかがでございましょう。
○服部政府委員 電調審を通過いたしましたのは、審議官が答えましたように二千二百万キロワット弱でございます。そのうち、現在なお工事にかかってないものにつきましては、約四百七十五万キロワット、五基分でございますが、これについてはまだ着工に至ってないという状況でございます。
○中馬(弘)委員 その分についての現地とのトラブルとかあるいは進捗状況、それはそれぞれどういう状況かだけをお願いしたいと思います。
○服部政府委員 五カ所それぞれ事情は若干ずつ地元の事情によりまして違っておるわけでございますが、概して地元の理解をどういうふうに得ていくかという点で、なお着工まで至っていない、このために長引いているということが主たる原因だと思います。
○中馬(弘)委員 今後の見通しについてはいかがですか。
○武田政府委員 いま公益部長が申し上げたとおりでございますけれども、あの中にはまだ安全審査をやっているところがございます。その安全審査がまだ終わってない場所につきましては、安全審査が終わってからでございませんと着工できないかっこうでございます。これは原子力委員会の審査の結果待ちでございます。 それ以外の地点につきましては、いま公益部長からも御説明申し上げましたように、当該地元の御理解を得てその上で着工していくというようなことになるわけでございまして、現在そういう努力を続けているところでございます。
○中馬(弘)委員 具体的に何か反対運動が起こっているとか、そういうことはないのですか。すべて順調にいっていると理解していいのですか。
○武田政府委員 いまの五地点のうちで、これは地点にもよりますけれども、強弱の度合いもいろいろございますが、それぞれやはり原子力発電所の設置に反対なさる方々もその当該地域におるようでございます。ただ、同時に、原子力発電所をつくっていこうという方々、あるいはそうやって促進したらいいではないかという方々も多数おられるという状況でございまして、これは賛成の方々、反対の方々、あるいはそういうすべての方々を対象に一人でも多くの方々の御理解を得、そして大方の御理解を得て工事をスタートさせていきたいということで努力しておるところでございます。
○中馬(弘)委員 往々にしてそういった場合に、俗な言葉で言うならば、よく金で解決するというような形がとられているんですね。企業の社会的責任といったようなことが問題になり出しましてから、特に公共的な電力だとかあるいはガスといったものが、企業の社会的責任というのは地域に金を出すことかというようなケースが往々にしてあるんですね。かえってそれはまずくなっていはしないか。 企業の社会的責任というのであれば、その企業の方々、かなり地域的な企業ですから、本当に地域の中に入られて、いろいろな地域の活動、たとえばPTAの役員さんになるとか、あるいは町内会の会長さんになるとか、そういう方々は会社においてはいままでは余り評価されてなかったかもしれません。むしろ一生懸命夜おそくまで残業して、地域との結びつきのない人が会社では評価されていたのかもしれないけれども、企業の社会的責任といった場合に、地域の活動もその方がやっておられるということが、これまた一つの企業に対する大きな貢献でもあるわけですから、その企業に対する貢献度というのも、ただ会社の中に入ってそこで仕事をすることだけが貢献度じゃなくて、地域におけるいろいろなお役をされていることも、これは場合によっては貢献度として見なければならないというようなこともあるかと思うのです。いずれにしましても、そのような形でただ金で解決するというような形での地域対策、これに一つの反省を加える必要があるという気がするのですね。この辺いかがお考えでしょうか。
○武田政府委員 原子力発電所の設置と当該地域の福祉の向上というのは、私どもとしては並行して進めなければいけないと考えておりまして、たとえば電源三法によります交付金の交付、これは公共施設等々に行くものでございますが、そういったようなお金を出していくということはやはり必要なことだ。もちろん、先生御指摘のように、適切な範囲でなければいけない、また適切な使い方でなければいけないと思います。一方、当該企業もやはりその地域に立地するわけでございまして、その企業に勤める人もその地域の住民になるわけでございます。これは先生御指摘のように、当該地域の住民として二十四時間住んでいるわけでございますから、それなりに当該地域に貢献するような活動が必要であろうと思います。私どもとしても、原子力の立地すべき発電所の人たちあるいはその会社の人たちが、当該地域の昔からおられる方々とお互いに意思が疎通でき、お互いに協力してその地域の発展に尽くすような態度をもって心がけていく、先生御指摘のようなことは必要不可欠だと思います。
○中馬(弘)委員 そのような、ただ金だけで解決するという形ではなくて、そこまでの非常に地域との結びつきがついたような形での対策、あるいは場合によっては一つの制度化までしていかなければ、この三千三百万キロワットすら達成できないのじゃないかという気がしているわけでございます。 と同時に、ウラン資源の確保のことについてお伺いしますが、カナダとの原子力交渉あるいは西南アフリカからの搬入の問題、それからオーストラリアとの関係の問題、これについてその後の推移をお伺いしたいと思います。
○宇野国務大臣 ウラン資源の確保は非常に必要でございますから、現在、アフリカのマリという国がございます。ここで大体日本の本州くらいの面積を借りまして、昨年大きな露頭を発見しました。マリの鉱業大臣もやってまいりまして、今後の日本との協力関係を明らかにいたしておりますから、鋭意そうした方法で開発輸入ということを考えていきたいと存じております。なおかつ、現在といたしましては、カナダに負うところが多いし、また豪州に負うところが多いのでありますが、カナダは、御承知のとおりに、一たんカナダの天然ウランはそのままアメリカへ持っていって濃縮してわが国に入ってくるわけですが、そのことについてもやはりアメリカと同じように、日本が再処理をする、輸出するという場合には共同決定を必要とする、そのような趣旨の原子力協定の改定を求めてきております。これは不合理だとわれわれは言っております。二重規制を受けるというようなことは、とてもとても日本としてこれは許される事情ではないというので、現在外交交渉中でございます。また豪州からも最近フォックスという元判事がやってまいりまして、私も直接出会いましたが、この方が去るINFCEにおきましては、やはりカナダと同じように、天然ウランを輸出する国はもっと強い態度で核の不拡散を図らなければならないからというので、つい先般も、カナダと同様その再処理等々に関しましては豪州政府の同意を必要とするというふうな態度で臨みたいということが伝えられてきております。
○中馬(弘)委員 いまのたまり過ぎました過剰ドル、これをウラン資源の備蓄に使おうじゃないかというふうな話がございますが、そのあたりの状況と、それからもう一歩進めて、たとえば鉱区までも買ってしまうというようなことは、お考えになっていないのかどうか。
○宇野国務大臣 現在、円高ドル安の問題、特に貿易収支のバランスの問題は世界的な問題になっておりますが、しかし特にアメリカとの間におきましてバランスを保ってほしいというのが、今日のアメリカ政府の強い要望でございます。極端に申し上げれば、ここ数年の間に国際収支は日米ともにうまくやれるようにしてもらえないだろうかというふうなことすらアメリカは考えているのではないかと思われるほど、執拗にいろいろなことを申し入れております。 率直に、この間の予算委員会におきましても、政府各省庁懸命の努力をいたしまして、さらにアメリカから何か買えるものはないだろうかというので、鋭意努力をしておるのですが、せいぜいそれが七億ドル程度であります。したがいまして、多々ますます弁ずでございますから、もっと大きな買い物はということになれば、ウランが一番大きな買い物だと想定されるわけでございますから、現在アメリカに対しましても、あなたのところの赤字を黒字に直す、また日本の巨大なる黒字を多少とも減らそうというためには、ウランを売ってくださらないかという話をしておることは事実でございます。これに対しまして、アメリカもいろいろ事情がございますから、まだすっきりした返事は参っておりません。
○中馬(弘)委員 一歩進めて、鉱区まで買うことは御検討なさっていませんか。
○宇野国務大臣 非常にむずかしい問題だろうと思います。しかし、石炭におきましてはそのような開発輸入ということが試みられておるわけでございますから、ウランに対しましてもそういうようなことができればいいのですが、マリにおきます露頭発見について今後どういうふうにしていくかという問題に関しては、まだ詳細な取り決めはしておりません。しかし、動燃の職員が相当多数行きまして考えております。だから、資源小国の日本が鉱区まで手にするならばこれは強いことでございましょうけれども、ここでそのような意見を私が発表していいかどうか、非常にデリケートな面もございますので、一応今日は、開発して輸入する、われわれも各国の協力を得たいということだけにとどめておきたいと思います。
○中馬(弘)委員 そのような、ただ当面のことだけじゃなくて、日本の将来のことまでも考えた対策でやっていただきたいということをお願いする次第です。 最後に、一つの科学技術というものの進歩と人類の生存の問題、これが最近少しうるさくなってきております。テクノロジー・アセスメントといったようなことですが、これは遺伝子の配列をさわることによって、いままでなかったような大腸菌が実験室外に漏れ出してくる、あるいは医薬の問題なんかもすでに起こっていることかもしれませんが、それが何年か先に、場合によっては人類を滅ぼしてしまうことになるかもしれない。それからまた、もっと卑近な例では、男女の産み分けといったような問題でもこれができるようになったら、人類の男子、女子半々のバランスが崩れてしまうかもしれない。これまた大変な問題ですね。そういったことをいまの役所の中で、行政の中でどこが責任を持って提示し、また取り組んでいくのか、それはどこでございましょうか。
○大澤政府委員 お答えいたします。 科学技術の進歩と人数の問題といいますか、非常に大きなことは、大分前から先生御承知のように言われていることでございまして、実は昭和四十六年に科学技術会議が日本の科学技術政策の基本ということにつきまして答申をいたしておるのでありますが、そのときに、これから日本の科学技術を進めていくときの基本は人間の尊重である、こういうことを基本理念に打ち出しまして、そして具体的にはそれをどういうことで進めていくのかというようなことで、テクノロジー・アセスメントといったような言葉を使いまして、つまり科学技術の進歩に伴いまして出てくるような負の影響を事前によく評価するというようなことがこれからは必要だということで、これは当時アメリカでも盛んに言われ、行われ出したわけでございますが、テクノロジー・アセスメント、こういうことを進めていくべきだということが提唱されまして、それで私ども科学技術庁の方がそういうやり方を進めていかなければならない、こういうことで、各省庁にも、連絡会等々開きましてそういうことで今後の科学技術を進めていってもらいたいということをいたしまして、しかもその進め方につきましては、どういう方法論があるかといったような方法論の検討もするというようなことを以来やってきております。そういう一環の中に、いま先生からお話ございましたような、生物の遺伝子を操作するとかいったような話もその後に出てまいっております。 この問題につきましては、科学技術会議の中にライフサイエンス部会という部会がございまして、そこでつまりライフサイエンスの推進ということあるいは振興ということがこれからの世の中に大変必要だというようなことで、これは昭和四十七、八年ごろでございますけれども、その振興を図っていこうということをやり出したわけでございます。 科学技術庁が先頭に立ってやり出したわけでございますが、その際にも、当然のことながら、ライフサイエンスといいますのは、将来こういう遺伝子の操作ということに及ぶような研究分野でございますので、ただいま申し上げましたテクノロジー・アセスメントといったようなことを相当前広にやっていく必要がある、そのことはどうしていったらいいのかということについても検討をしていくということで、以降、ライフサイエンス部会におきまして鋭意その問題を頭に置きながら、あるいは検討をしながら、あるいは外国の様子を調査し、把握しながら進めてきておるわけでございます。これは遺伝子の操作、それからたまたまいま先生から御指摘のございました、特に男女の生み分けの問題等々のことは、ライフサイエンスとしては基本的な大事な問題になってくるということで進めてきております。 この科学技術会議のライフサイエンス部会の中には、生物学者とかお医者さんといったような専門家の方以外にも、哲学者とか、そういうような方々も入っていただきまして、そういう観点から、間違いのない形で進めていくようにということで現在展開を図ってきておる、こういうことでございます。
○中馬(弘)委員 時間がなくなりましたので、それについてもう少し詳しく、行政のどこが実際担当してやるかとか、そういう調査をどういう形で科学全般幅広く——ただ科学技術庁だけではなくて、農林省も厚生省の分野も、あるいはそれ以外のところもひっかかってくるかと思いますが、そこを幅広く調査をし、いろいろな審議をしていかなければいけない時代になってきたという気がするわけです。そこでの一つのはっきりした行政の部署あたりもこれから決めていかなければならないというような気もするのですね。 以上、そういうことを御提言申し上げまして、質問を終わらしていただきます。
○岡本委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。 次回は、来たる二十四日木曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十三分散会