内閣委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/08/11
会議録
○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。 まず、一般職の職員の給与についての報告並びにその改定についての勧告に関し、人事院から説明を聴取いたします。
○説明員(藤井貞夫君) 一昨九日、本年の一般職公務員に関する給与改善についての勧告を国会と内閣に対して提出をいたしたのでございます。本院におかれましては早速当委員会を御開催いただきまして、この勧告の内容等について御説明をお聞きいただく機会をお与えいただきましたことに対して心から感謝を申し上げる次第でございます。 お手元に一連の書類をお配りをいたしておりますが、その中に「給与勧告についての説明」というものがございます。これに従いまして概要の御説明を申し上げたいと存じます。 本年の官民較差は、民間の景況等をも反映をいたしまして、その比率は六・九二%ということに相なりました。昨年は御承知のように六・九四%でございましたが、それよりもさらに〇・〇二下回るという結果が出てまいったわけでございます。これは、現在の勧告制度が今日のような姿になりましたのは三十五年以降であるというふうに考えております。それまでは、勧告がございましたが全然やっておらない時期もあり、また全体にわたっての勧告ということでなくて一部の手当についての勧告だけであったりというようなことがございました。本格的に今日の形でやり出したのは三十五年でございますが、それを振り返ってみますると、四十一年に六・九というものがございましたが、それ以来の低率の勧告という結果に相なっておる次第でございます。官民較差方式ということで厳密な調査をいたしました結果の集計でございますので、こういう姿もやむを得ないものではないかというふうに考えております。 金額にいたしまして一万二千五円ということでございます。したがいまして、本年の配分に当たりましては、当然本俸、俸給表の改定に重点を置きますとともに、その他につきましては、諸手当に関してはいわゆる生活給的なものに重点を置いて所要の改正をお願いをするということに相なった次第でございます。配分の比率を申しますと、本俸関係が六・一二%、諸手当が〇・四七%、その他〇・三三%。その他と申しますのは、たとえば本俸が上がれば当然それを基礎として上がっていくいわゆるはね返り分でございます。これが〇・三三%ということで、合計六・九二ということに相なる次第でございます。 内容について概略申し上げます。 第一は、俸給表の改定でございます。俸給表につきましては、これは重点配分をいたしておりますが、昨年、一昨年以来、大分民間におきましても上下配分の模様が変わってまいりました。非常に好況を持続いたしておりました時代には求人難というようなこともございまして、初任給あたりが非常に上がりました。姿としては余りいい姿ではない、給与制度自体のあり方としてはいい健全な姿ではなかったわけでありますが、これはやむを得ないということで初任給周辺、若い層というものに非常に重点が置かれた改正が行われてまいりました。したがいまして、これとの関係でどうしてもいわゆる中堅層と申しますか、世帯持ちの階層というものが比較的冷遇されてきておったということは事実として認めざるを得ないと思います。ところが、去年あたりからいろんな景況が移り変わってまいりましたことに伴いまして、初任給関係というものがかなり落ちついて低くなってまいっております。それに伴って、いわゆる中堅階層以上について改善の重点を置くという傾向が出てまいりました。ごく率としてはわずかなことでございますけれども、傾向としてはそういう姿が顕著に出てまいったのであります。これは公務員の態様といたしましても、いわば好ましい姿であるというふうに認められますので、民間の上下配分の傾向ともにらみ合わせましてそのような措置を講ずることに努力をいたした次第でございます。その結果、資料にもございますように、行政(一)表について見ますると、初任給周辺の八等級は六・七、七等級は六・九、六が七・〇ということになりましたが、五等級以上は軒並み全部同率の七・一%ということに相なった次第でございます。これに伴いまして、各俸給表について全部改定の措置を講ずることにいたしたいと存じております。 その中で若干申し上げておきたいと思いますのは、特に大学、高専の先生の中で、助教授、講師でございますが、これは義務教育教員につきまして例の人材確保法が制定され、これに伴いまして予算措置も講ぜられることに相なりまして、一次、二次の改善の結果、義務教育教員の給与というものは大変目立った改善が行われました。それはそれとして結構でございますけれども、私たち人事院といたしまして、すべての公務員の給与を取り扱っておりまする立場といたしましては、明確な相互不均衡が起きるということは、これは極力避けなければならないという要請がございます。そういう見地から、義務教育教員との見合いで大分見劣りのするようになってまいっておりまする助教授、講師等につきまして、若干手厚い改善措置を講じてそれとの均衡を図ることに留意をいたしました。 それから指定職関係でございますが、これは御承知のように昨年、一昨年、民間あたりでは非常に景気が悪くて、そのための対応策といたしまして、たとえば役付手当等についてのカットが行われたことがございます。それが調査の結果わかりましたものですから、やはり姿勢としてそれに対応する措置を講ずることが適当であるというので、役付手当に対応いたしまする管理職手当、これは課長さん以上のクラスにはついているわけですが、管理職手当、特別調整額と言っておりますこれをカットいたしました。一年間でございますけれどもカットいたしました。それとの見合いで指定職の俸給表をかなりきつく抑えた実情がございます。と申しますのは、指定職については各種の手当がつかないで俸給表一本、本俸一本でございます。そういうことでございますから、手当てをしようと思えばどうしても俸給表自体に取り組まざるを得ないという現実がございまして、かなり抑え込んだ結果に相なっておりました。去年は、それらの点も配慮いたしまして平均八・八%の引き上げを行った次第でありますが、われわれの従来の取り扱い方といたしましては、大体本省の事務次官のクラスは民間の会社の重役——重役の最高というわけにもまいりませんので、大体三番目、上位から三位程度を目安にして、大体それとの見合いで事柄を処理して今日まで来ております。いわば社長、副社長とありますれば、その次の専務あたりをめどにして、それとの均衡を図るようなことを一つの大きな目安にしておるのであります。そういうことで、民間につきましては毎年はやっておりませんが、大体一年置きぐらいに調査をやっております。民間もその点協力をしていただきまして、われわれの満足するような資料を報告をいただいております。ことしもやりました。それによりますと、民間でもやっぱりかなり上がっております。これは事実数字となって出てまいっておりますが上がっております。パーセントにいたしますと一五%以上、ほとんど一六%に近い差額が出ておるわけでございます。しかし、全体としてこういう低率の勧告が行われることはやむを得ない時代でございます。また一般の思惑その他の点もございまするので、民間との対比で大変な差があるといいましても、指定職だけを一〇%以上もこの際引き上げるということは、これはいかがであろうかという点を考慮いたしまして昨年並みの八・八%、平均八・八%ということにお願いをいたしたいということでございます。したがって、その差額分は今後の問題点として残るわけでございますけれども、これは時代に応じて較差のあり方その他下とのつなぎというようなことを十分に考慮しつつ措置を講じてまいらなければならないのではないかというふうに考えております。指定職について、やはりもっと自粛すべきではないかというような御議論もあることはよく承知をいたしておりますが、いま民間との対比の問題もあり、さらに余りこれの方を抑えますと、結局行政(一)の一等級以下におもしがかかって、それの頭を押さえるということに相なってまいります。それとまた指定職関係等の俸給表は、これは他の特別職、すなわち裁判官、それから検察官等にも直接間接に影響を持ってまいります。また政務次官さんあたりは、やはり公務員の一番上と対比して、それより下回ってはならぬというような法律上の規定もございますから、それとの連動のこともございますので、まずまずこの程度でほどほどのところではないかというふうに考えたわけでございます。 以上が俸給表関係でございます。 それから、諸手当でございますが、諸手当は、先刻申し上げましたように生活関連的な、生活給的な手当に重点を置きました。扶養手当、通勤手当、住居手当、いずれも民間の実情も調査をいたしまして、それぞれ通勤手当、住居手当については、全額支給限度額あるいは最高支給限度について改善措置を講ずることにいたしたいと存じております。特に重点を置きましたのは扶養手当でございまして、なかんずく配偶者に重点を置きまして、配偶者は現在七千円でございますものを八千円ということにお願いをいたしておるのであります。 それから期末勤勉手当、いわゆる特別給でございます。これは昨年、本委員会においてもいろいろ御論議をいただきました。われわれも十分その内容を承知をいたしております。やむを得ざる措置として昨年は〇・二カ月分を減額いたさざるを得なかったのであります。これについていろいろ御論議の結果、本委員会においても附帯決議をいただいていることも十分承知をいたしておるところでございます。本年も、無論重要な事項でございますので民間の実態を詳細に調査をいたしました。その結果出てまいりました数字は四・九九ということでございます。これはまあ昨年の夏はまだ非常に悪かったのでありますが、冬の分が若干上向いたということがございまして、昨年の四・九五よりも若干ふえはいたしましたけれども、なお四・九九ということでとどまったということでございますので、したがって、期末勤勉手当は五カ月分は据え置かざるを得ないということでございます。 その他の手当的な問題でございますが、初任給調整手当の改善がございます。これは調査の結果でも明らかでありますように、まだまだ医師とか薬剤師は民間の方が高うございます。特に僻地関係地帯ではその較差が非常に歴然と出てまいっております。ただ公務員の場合、他とのやはり均衡の問題も一つの限度としてございますし、またこの本俸自体というものが直ちに退職年金なり退職手当の基礎になるというような状況もございますので、全部本俸をもって処置することはなかなか困難であるというところから、初任給調整手当をかなり高額のものを支給をいたしましてその穴埋めをいたしております。本年の場合も、これにつきまして最高支給限度を十五万円から十六万円に上げることにいたしましたのと、薬剤師につきましても、民間の給与まあかなりよくなっております。特に初任給が引き続き顕著な上昇を示しておるという事態に着目をいたしまして、現在法文系相当の初任給調整手当一千円ということに相なっておりますものを、理工系ということで二千五百円に引き上げる措置を講じたいということでございます。 それから国立病院なり、それから国立大学の付属病院がございますけれども、たくさんございます。これらにつきましては、いずれも夜お医者さんが当直しなければならぬというのが医療法の規定でございます。これは当然のことで、急患がございましたり、あるいは入院している患者の急変の事態に対処するためにお医者さんが泊まっていなきゃならぬということに相なっております。その場合、大きな規模の病院ではこういう問題はまずございませんですが、地方の比較的お医者さんの数の少ない病院等に参りますと、院長さん自身がやはり当直をしなければならぬという事態がございます。これは事実を調査いたしまして歴然と出ておるわけでございますが、そういう場合に、現在は一般のお医者さんが業務当直をいたしました際には、これに対する手当は超過勤務手当で措置をいたしておるわけでございます。ところが院長さんなんかは、これは要するに管理職でございますから特別調整額で管理職手当がついておる。管理職手当というのは、御承知のように超勤見合いの面も含めて措置をいたしておりますから、したがって管理職手当の支給対象になっておる職員には超過勤務手当が支給されません。したがって、院長さんが当直なんかのときに、やはり実態は大変な御苦労であるということでその手当てをしなければならぬということを考えましても、やはり超過勤務にはなじまないということでありますので別の制度を考えなければならないということがございます。そういうことで、関係各省とも十分に連絡をいたしましたり、その内意を伺ったりいたしました結果、従来の制度を改めて宿日直制度としての業務当直制度を新しくつくり出すことにいたしました。したがって、院長先生あたりも業務当直をなさった場合には宿日直手当としての手当を差し上げるという道を開くことにいたした次第でございます。一般のお医者さんの場合は、大体勤務一回が一万円ということでございますが、院長さんにつきましてはいま申した超勤見合いの特別調整額——管理職手当もついていることでもございますし、それらの点を勘案をいたしまして若干減額をして、約六千円程度になるかと思いますが、その程度のものを差し上げることにいたしたいということでございます。 それから、週休二日制の問題でございます。本年も民間の実態を引き続き調査いたしております。昨年は六八・九%の普及率でありましたが、ことしは微増ではありますが、やはり伸びておりまして六九・一%でございます。対象になっておりまする従業員の数、比率で申しますとすでに八割を突破しておるという状況に相なってきております。その内容も、民間の場合いい方に移行いたしております。いい方に移行と申しますのは、たとえば現在週休二日制というけれども、月に一回しかやっていないというようなものがやはり二回の方へ移行していく、二回が完全に移行するというふうに内容の改善が目立っておるということは注目すべき現象であろうかと思います。その結果でございますが、休日数を調べますと、平均をいたしまして民間の場合八十六・四日、なかんずく二日制をしいておりまする企業は実に九十三・八日ということに相なってきております。これに対して公務員の場合は六十八日でございますから、そこに非常に顕著な開きが出てきたということでございまして、この点からも、勤務時間その他の勤務条件について情勢適応なり官民均衡という原則がございますこともありまして、やはり放置できない状況が出てきつつあるのではないかというふうに考えております。ただし、現在そういうことでいろいろ問題点を把握をいたしますために、週休二日制のテストを官庁関係でもやっております。これは内容としてはいろいろ御批判もいただいておりますように大変中身の薄いものではありますが、初めからそう濃くやるわけにはいかないということでやっておりまして、一年間の予定で現在進行中でございます。九月いっぱいで一応終わるという状況になっておるのであります。こういうふうにやりませんと、国家公務員の職場なり職種なりというものはまことに多様でありまして、すべて国民生活にも大変な影響を及ぼすものでございますので、それらの問題点の把握なり対処の仕方なりというものを十分考えてやりませんと、国民生活に影響を及ぼして混乱が生ずるということになっては困りますので、そういう点からテストについては慎重を期してやっているわけでございます。ただし、いまやっておりまするテストの中では、いろいろな事情から全然まだ手がつかない、とてもそこまでやれないということでやっておらない役所もごくわずかではございますがあります。それから、先刻内容が薄いと申しましたが、私たちの一応立てております基準は、役所の中でもある省について一遍に全部はやらない、その中で三分の一程度を対象にして、しかもその対象になった局を基礎にして言いますと、その局の四分の一の職員が参加するんだというようなかっこうでございます。そういう非常に薄いことでやっておりますので、年間を通じてやったらどうなるかということについてのやはり問題の掘り下げにはまだまだ十分じゃないという面があることを承知をいたしておるのであります。したがいまして、九月の時点において一応の試行が終わりました段階で早急に結果を取りまとめ、報告を徴しまして、それを検討いたした結果次のステップを考えたいというふうに考えておる次第でございます。その場合においては、恐らくいまの全体の情勢では、直ちに本格実施ということはむずかしいというふうに思われるのでありまして、もう少し密度の濃いテストの再実施等を含めて次のステップを考えてまいりたいというふうに現在のところ考えておるわけでございます。 それから、最後に申し上げたいのは、例の人材確保法に基づく教員給与の勧告の問題についてでございます。人材確保法に基づく給与改善につきましては過去三回にわたって勧告をさせていただきました。一次、二次はすでに成立をしておることは申すまでもございませんが、第三次の去年三月十一日にやりました勧告については、いろいろな事情から今日なお成立をせずにまいっておるわけでございます。しかしながら、これはやはりわれわれ人事院の勧告のたてまえもございます。やはり勧告したことは内容の実現をひとつやっていただきたいと強くこれは期待をいたしておりますし、それに、何よりも第三次の改善と申しましてもこれには前期と後期がございます。この間やりましたのは前期でございます。後期分がなお残されておりまして、この分は予算措置といたしましてもすでに五十二年度の予算に当初から組み入れられているというような経緯もございますので、私たちはこれで最終の仕上げというような意味で、後期の給与改善もやらなければならぬというふうなことでいろいろ検討を加えておる最中でございますが、何分にも第三次の前半が通らないことには全体の姿がつかめません。それができないのに後半のものが先に立つということはできませんので、そういう意味から申しましても、去年三月の第三次改善に関する勧告はぜひともひとつ早急に成立方について御配意が賜りたいという意味のことを言及することにいたした次第でございます。 なお同時に、去年出しました育児休業給についての勧告もこれは同様でございます。育児休業制度については、すでにこれは制度としては昨年の四月から発足しているわけであります。したがいまして、それらの対象になった職員の方々については、いわば自腹でもって共済の掛金その他を払っておられるという現実がございます。御本人のためにもこれはやはりできる限り速やかに実施をしていただかなければならないというふうに考えておる次第でございます。 以上、ごく簡略でございますが、今回の給与勧告の内容についてあらまし御説明を申し上げた次第でございます。ありがとうございました。
○委員長(塚田十一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○片岡勝治君 いま人事院総裁の方から給与改定についての説明がございました。すでに衆議院では昨日これに関する質疑応答が行われたようでありますので、あるいはダブる点があると思いますが再確認の意味で若干の質問をしていきたいと思います。 最初に私は、今度の人事院の勧告に当たって、改定の率の問題について一部新聞で報道されておりますとおり、数字の見方が疑問があるというようなことが盛んに報道されております。社説におきましてもこの問題が取り上げられておるし、また新聞の報道によれば、人事院の総裁と給与局長の談話とがあたかも異なるような見解が表明されている、こういう点にも触れているわけであります。この点について、まず人事院のひとつ考え方をお聞きしたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) 昇給率の問題につきましては、いままでさほど問題として取り上げられることはなかったわけでありますが、二、三年来その問題が民間給与との関連で取り上げられまして、説明を求められ、あるいはこちらから積極的に説明をして御理解をいただくという努力を払ってきておるのであります。詳細は給与局長から申し上げた方がよいかと思いますが、問題が問題でございますので私から概略のことを申し上げさしていただきたいと思います。 人事院が行っておりまする給与勧告の前提になりまする民間給与の実態調査、これは四月時点でやるわけであります。四月時点で民間の実際上の賃金台帳、四月に幾ら支払ったかということを中心にして精密な調査を行うわけでございます。その際に、四月時点ということですから、一般の民間の場合は、昇給の関係について申しますと、公務員の昇給を四月時点でどうとらえるかということがあります。その点は頭をそろえませんと厳密な比較対照にはならないということがありますので、国家公務員については毎年一月の十五日現在でそれぞれの公務員について悉皆調査をいたします。その調査の結果、四月にだれが上がるかと、四月に昇給の順番が来ているのはだれかということはみんなつかめます。つかめますから、一月十五日の現在ではまだ上がっていないけれども、四月に上がる人をつかまえまして、それが四月時点ではどうなるかということをみんな加算いたします。加算をした結果、民間との対比でこれを比較するという方式をとっておるのであります。 で、昇給といいますと、このとらえ方がいろいろむずかしいわけですが、大体民間の場合は四月時点でべースアップと込みで行われる。すなわち定昇込み幾ら幾らと。大体それが三%とか二・九%とか言われておりますけれども、平均いたしまして大体税込みで幾らという表現をいたしておるのであります。この間の春闘の、たとえば労働省発表の大手の関係等で八・八というのが出ましたが、これなどはやはり定昇込みの八・八ということで処理がされるわけであります。みんな四月時点でもってベースアップ分も昇給分も一年分ずっとそろって出ていくというかっこうになるわけであります。ところが公務員の場合は、昔から制度的に一斉に昇給するという制度をとっておりません。年四回に分けまして、四月、七月、十月、一月というふうに分けて昇給が行われていくということに相なるわけでございます。したがいまして、民間との対比で申しますと、四月に一斉に出ていくということに対比いたしますと、公務員の場合は、七月の方々はこれは四分の三になりますし、十月の場合は二分の一、さらに一月に至っては四分の一しかないと、こういうことになるわけです。特にまあ原資の関係等考えますとそうなります。したがいまして、民間の昇給率見合いということになりますと、私たちといたしましては三回分の一・八二、一・八二というものが見合いの昇給率としては正しいものであるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今回の場合六・九二が差額でございまするので、それに一・八二を加えるということになりますと結局八・七四と、民間の見合いの数字に当たるものは八・七四という理解をいたしておるということでございます。この点につきましては、表現のあやその他につきましては若干のニュアンスといいますか、表現の方法の違いというものはあったかもしれませんが、しかし趣旨としては、われわれいろいろ検討の結果このような結論に到達をいたしておるものでございますからして、無論これは人事院としての見解でございまして、私と給与局長との間に意見の相違があるということはあり得ないというふうに考えておるのであります。
○片岡勝治君 まあそう高等数学の問題じゃないと思うんです。いわば初等数学の問題ですからね。しかし、私もこの問題の取り上げ方によって、人事院に対して国民の皆さんあるいは公務員自身あるいはまた民間の労働者の方にも多少不信感を与えたと思うんですよ、そういうふうな人事院のいままでのやり方について。これはある新聞の社説でありますけれども、人事院勧告への疑問というような見出しでいま指摘されたような問題について指摘をしております。つまり、人事院は、大変民間の企業の景気が悪い、したがって民間労働者に対する春闘も大変厳しかった、そういう状況もあったので、人事院勧告というものは実際はもう少し高いんだけれども、低いようなそういう印象を与える、そういう発表をしているのではないか、そういう疑問があるというようなことを社説でほとんどの新聞が指摘をしておりますね。ですから、この点は私は人事院の発表の仕方あるいは、いま総裁は給与局長と意見の違いはないんだということを言っておりますけれども、しかし、新聞によれば、昨日の衆議院における内閣委員会において藤井総裁は、「「これをベア率に加え八・七四%になるのは間違いない」と断言した。」、こういう報道がされております。しかし他の新聞ではまた「国家公務員ベアの人事院勧告をめぐり、定昇込みでは「八・七四%」なのか、「九・三五%」なのか解釈が分かれていた問題で、人事院の角野給与局長は十日夜、記者会見して」云々、記者会見の内容がずっと書かれております。その後、「人事院が主張してきた「八・七四%」の正当性については合理的な説明ができず、十一日にも人事院としての統一見解を文書でまとめることになった。」と、こういう記事が出ています。この辺の経過はどういうことなんですか。十一日に人事院として統一見解を文書でまとめるという局長の談話が載っておりますけれども、局長としてこの問題について、こういった経過についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
○説明員(角野幸三郎君) 今回の公務員給与の引き上げ率及びこれに関します定昇問題との関係の経緯について御説明いたします。 この人事院勧告といいますのは、六・九二という官民較差、高さの差を埋めるということ及びその配分ということですべてでございます。 ところが、民間のいわゆる春闘、たとえばことしの場合八・八というような労働省御発表の数字がございますが、これと比べて理解するにはどういうふうに理解すべきかという質問がございます。したがって私どもは、人事院としてはベースアップの高さに定昇を足すということは無理があるということを従来申し上げております。といいますのは、昇給といいますのはこれは一号上がりますと同時に一歳年をとります。そうしますと、これはそこで一歳高い人のその水準にそのまま乗るだけでありまして、給与水準というのは別に上がらないわけでございます。極端に言いますと、ローテーションが完全に行われました場合には昇給率ゼロという状態になるわけでございます。したがいまして、これは見かけの制度の高さだけ申しますと高さがございますが、そのローテーションの歩どまりのいかんによっていかようにでもなる、人件費という関係でその財源的な高さというものは結果的に出てくるというものでございます。したがいまして、私どもがベースアップをしておりますのは、これは実質の高さを意図しておるものでございまして、そういうふうなローテーションできょうもあすも変わるというような昇給率をとらえるということは非常にむずかしいので、これを足すということはちょっと慎重にやらなくちゃならないというようなことで申し上げておりましたところ、いまのように民間と比べてみるにはどうだということで、それではということでそのいろんなケースを御説明したわけでございます。たとえば、民間のように一年に一回、まあ大多数そのようなものが多いんですが、四月に一斉に上がると仮定すれば、現に公務員はそうではございませんけれども、そういう仮定を用いれば幾ら上がるかという話を申し上げたわけでございまして、それは二・四三という数字があります。それは現在の公務員の上がる仕組み、昇給の仕組みとは違いますけれども、民間のたとえばそういう状態で上がると、仮定でございますが、そうしますと二・四三ということになりますと。しかしこの数字をそのまま足すということは、これは上がり過ぎになります、足し過ぎになりますということを申し上げたわけでございます。で、これはやはりいま総裁から御説明がございましたように、公務員の上がり方というのは年に四回、その一回どれかにみんなが上がるというかっこうでありますので、それを無視した足し方は、それは民間と対比するときにはちょっと足し過ぎではないかということを昨日も申し上げたわけでございます。で、しかしこれは考え方によりまして、その中の職員一人一人の上がり方というので見るとどうだとか、いろんなとらえ方がございます。私はそのとらえ方を言っている意味ではございませんで、ベースアップの率に足すとした場合に何を足すかというところは考えてくださいということを言っているわけでございます。ですから、そこのところが何種類かの数字が出ておることは事実でございますが、いろんな足し方がございますが、そういうことで結果的に申しますと、それならばそこに出ております、たとえば二・四三をまるまる足すということになりますと九・三五という数字になりますが、こういう数字と、それから私どもが四分の三を足しましてやっております八・七四という数字と、それぞれの数字についての調整といいますか、その調整をそれでは私がしましょうと——考え方の話でございます——ということでゆうべは終わったわけでございます。別にそれで統一見解とか、文書で発表するとかいうことを申し上げておりませんが、実質的に数字がいろいろ両立したままで終わりましたら、私どもとしてもやっぱり理解として皆さんに困りますものですから、その数字の性質なり取り扱いの調整をいたしましょうということで昨日の記者諸君との会見は終わったというのがその実情でございます。
○片岡勝治君 そうすると、十一日にも人事院としては統一見解を文書で発表するということは、これはないわけですか。 それからもう一つ、いま局長がその数字の調整をしようと、そういうものについてはこれはいつか発表なさるわけですね。
○説明員(角野幸三郎君) それは記者クラブの皆さんが、数字と数字の間でどういうふうに理解したらいいかということで、その考え方を教えてくれということでございまして、それで、それをまあ皆さんがお書きになってもよろしいわけでございますけれども、一応そのまとめた原案的なものは私が書いてみましょうと、打ち明けて申しますとそういうお話をしたわけでございます。それで、できれば十一日——できればでございますが、もう一度お会いして、それでこういう考え方でどうかということを皆さんと御相談するつもりでおります。発表とか、あるいは新聞でどう取り扱いなさるかということはちょっとよくわかっておりません。
○片岡勝治君 先ほども私が申し上げましたように、今度の人事院の見解について多少意見の違いがあるように、われわれ国民の側からすると受け取れる要素はあったと思いますよ、これは。やっぱり新聞は一つの世論のあらわれだと思うのですけれども、まあ春闘相場に比較して公務員の賃上げ率が上回っているような印象をなるべく与えない、そのために人事院がこういったことをやったのではないか、そういう姿勢が問題だというふうに指摘されておりますね。この疑問は、これは一般国民も持っておりますよ、それは。もしそういう配慮があれば私はとんでもないと思う。そうじゃなくて、今度の人事院勧告の実態はこうなんだということを私はやっぱりもっと明確に公務員の皆さん、あるいは一般民間労働者の皆さん、あるいは国民の皆さんにその正しい姿を、本当にああそうかというような理解のできる資料を人事院から当然出すべきではないですか、これは。この点もう一度お伺いしておきたい。
○説明員(角野幸三郎君) 私どもとしましては、そのベースアップの高さ及びそれの配分ですべてでございまして、本当に、申し上げますがこれに昇給率を足す足し方というのは、ありのままに申しまして、民間の昇給率に見合うものとしての昇給率を何を足すかということは非常にむずかしいことでございますので、まあ厳密に申しますと、どれをとらえて足すかということは、取り上げられている民間企業の中での昇給の性格判断ということがなければ見合うものを持ち出せないという限界がございまして、技術的に申しましても、足しようとしてはいろいろあるとおっしゃいましても、その中のどれが一体絶対なのかという答えはなかなかむずかしい事情にございます。それで、いままで申しております八・七四といいます四分の三を足すということが、一番まあ結果的に実態に近いということで、ここ一、二年来ずっとそういう説明をいたしてきておりますが、現在私どもとしてはそれが正しいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
○片岡勝治君 まああなた方は専門家ですからね、これでいいんだと。私が言っているのは、しかしなおかつ一般国民の側からすると大変大きな疑問を持っていることは事実なんですよ。そうでしょう。新聞の報道なんか見ても、その人事院の説明については納得しかねる。はっきり書いてあるではありませんか。だから、そうした疑問を持っている国民に対して解明をしていくというのは、私は当然の責任だと思いますよ。大変計算がむずかしいとかなんとかということで、それは説明できないなんということでは、これはちょっと納得できませんね、それは。私はそんなむずかしい問題ではないと思うんですよ。専門家である人事院はそのくらいの私は努力をすべきだと思う。責任者である総裁のひとつ見解を聞いておきたい。
○説明員(藤井貞夫君) 今回いろいろなやりとりの中で、十分クラブの方々の御納得を得ない分も出てまいったということで、新聞記事等にそういうような取り扱いが載っておりますことは大変私も残念に思っております。しかし、これはわれわれのやり方、われわれの態度、また努力の仕方というものが足りなかったということについては、これは率直に反省しなければならぬと思いますし、折あるごとにわれわれの見解というものを申し上げ、御理解を深める努力は今後ともやってまいらなきゃなりませんし、さらに勧告時には常にこの問題が今後はつきまとってまいるわけでありますので、さらに明確な資料等も今後の場合に備えて十分に整備をいたしまして、その過程においてさらに御納得を十分にいただくという努力を大いにやってまいりたいというふうに考えております。ただ繰り返して申し上げますが、われわれといたしましては定昇込み見合い、民間の定昇込みベースアップの見合いということになりますれば、いま申し上げておりまするように八・七四というのが最も正しい数字であるというふうに考えておることは、これは間違いがございません。
○片岡勝治君 局長も先ほどちょっと触れたように、数字の調整等についてまあ検討しましょうということでもあり、人事院総裁も今後こういう点についてみんなが理解できるような努力をするということですから、これはぜひやっていただきたい。少なくとも相当多くの疑惑というか、疑問を持っていることは否定できない事実ですから、私はそういう点について積極的に解明の努力をする、専門家が見ればこれでわかるじゃないかということだけでは、なかなか率直に言ってわれわれ国民の側からすれば素人ですから、そういった人たちにもわかるような、そういう説明をするのは私は当然のあなた方の責任だろうと思うんです。この点はひとつ宿題にして他日納得のできる説明をぜひ発表していただきたい。 次に、今度の民間較差との調査の実態が発表されて、一万二千円の較差があるということが発表されました。この報告書の中にも指摘されておりますが、これは四月における民間給与実態調査に基づく資料によって出されたものであります。これもいまお話がありましたとおり、この時点でいわゆる春闘の成果の要素が含まれた事業所、もちろんこれはその大宗を示す要素であります。しかし同時に、四月ではまだ春闘の成果を含めた給与になっていない企業も、この報告書によると二四・三%、これがいわゆる四月に遡及して支給をする、これも含めて較差を遡及分の較差として計算をしたわけですね。そういたしますと、さらに残りがあると思うわけであります。つまり本較差の要素が何%、遡及分が二四・三%、そうすると本較差の対象になった企業のパーセント、それが出れば自動的に残余の企業のパーセントが出ると思いますが、これについてお聞きをしたいと思います。
○説明員(角野幸三郎君) 本較差、それから遡及改定をされました事業所それぞれの重みといいますか、事業所のウエートの御質問と思いますが、私どもが四月時点で調査をいたしました約七千五百事業所の中のその割合をここに書いておるわけでございます。全事業所の二四・三%、その全というのは約七千五百と、こういうことになっておりまして、それで七千五百のうちすでに支払われましたもの、それから残っておりますものと、こういう関係に相なるわけでございます。それで、結果的に一年サイクルといいますか、終わってみまして後から去年の民間の引き上げはその後どうなったかということをトレースしてみませんと、本年の場合に全体の年という長さの中の位置づけがわからないわけでございまして、ちょっといまその先生のお尋ねに見合う数字が用意できません。終わってみての位置づけになります。大体これは労働省で発表なさっております毎月勤労統計の支払いベースの結果が出ておるわけでございますけれども、これをごらんになりましても四月、五月、六月、七月ぐらいまでかかりまして大体支払いが終わる。八月にもう若干、一けたくらいのパーセントの金額の伸びが見られますけれども、大体そんなサイクルでございますので、そういう点で全体のながめといいますのはわかりませんが、私どもの調査が終わりました後で、調査の中で少なくとも妥結をしておりまして高さがわかって四月にさかのぼって支給するという、そういう約束ができておりますものについてはとらえてきておりますが、それの支払いが実際いつになるかということを含めて、あるいはその後秋ごろあるいは十一月ごろまでまた改定する会社もございまして、全部終わってみないとその辺の数字がよくわからない。全体的にはそういう関係にございます。
○片岡勝治君 そういうことじゃない。たとえば、この七千五百の調査をした場合に、それでは、つまり四月に現に支給をした企業、それから遡及して支払った企業の数と全体の数の割合はどのくらいか、それもわからないんですか。
○説明員(角野幸三郎君) そういう分析のデータはまだつまびらかになっておりません。とらえてきましたものは、四月に現に払われた賃金台帳に幾ら載っているという金額をまとめて高さを出している、そういう作業をずっとやってきておりまして、それから積み残しといいますか、約束できておるものを集めておりまして、したがいまして積み残しになっておらないものは、四月分に払われておる高さの中にすでに入っているものもあるし、入っていないものもある状態でその中に入ってしまっている、その高さの中にあらわれておる、そういうことでございますが、その中に入っておるものの一部が、これが実は秋組であるというものがその中に入っておるかもしれませんが、その整理がまだできておりません。
○片岡勝治君 それはやがてわかるわけですか。
○説明員(角野幸三郎君) はいわかります。
○片岡勝治君 いまではわかっていない。
○説明員(角野幸三郎君) 後で資料を分析、それからまた一年終わりましてどうということをトレースをやります。後でわかります。
○片岡勝治君 大変不況の深刻な事態でありますから、民間の賃金の方もなかなか上がらないということはあるいは当然かもしれません。しかし、そういうときによく使われる手として、賃上げを公表しない部分というものが、実態はなかなか捕捉するのはむずかしいかもしれませんけれども、賃金や一時金の上積みというような、何といいますか、ドリフトというのですか、そういうことがあるというようなこともいままでよく言われておりましたね。そういうものの実態を捕捉するということ、捕捉して今度の給与勧告に入れたという要素はあったのかないのか。
○説明員(角野幸三郎君) ことしの私鉄、それから公労協という春闘のおさめの段階でそういう話が非常に耳に聞こえてきたものですから、春闘の跡を追って私どもが調査をいたしますその関係のときに、実際に調査に参ります調査員に命じまして、テスト的でございますけれども、伺っておりますその企業に解決一時金のようなものがあればそれを聞いてきなさいということで、テスト的に応急調査を命じております。 それで、その結果でございますが、大体七千五百事業所のうちで、そういう解決一時金的なものを支払っておりますのは一%強でございます。百社の中で一社か一・二、三社という関係でございまして、払われております金額を試しに七千五百事業所に割ってみましたところ、一社当たり二百二十円前後でございます。それで、その中で四月に、これは臨時給与という形に台帳上はそうなりますが、四月にすでに支払われて解決一時金が出てしまっておるものといいますと、またその一けたくらい下でございまして、〇・一%ぐらい、千社に一社、本当に四月にもうお金まで出ておるというのはわずかでございまして、それをさらに金額に直してみますと一社当たり十円程度の感じに相なると、そういうことでございます。 それで、私どもがこれをどういうふうに受けとめるかと申しますと、民間給与実態調査の中で特別給、民間の会社で支払われました臨時給与を含む総体を調べておりますが、その中に、たとえばいま四月に現に出ております十円のようなものは臨時給与としてそこに入っているわけでございます。それから、二百二十円ぐらいの風袋でございますが、これは支払いとしては来年といいますか、四月から漏れているわけでございますが、これは来年私どもが調べますボーナスの基礎になります臨時給与の総体の中に入ってまいります。そういう関係でございます。
○片岡勝治君 次に、政府関係者に質問をいたしますけれども、今度の人事院勧告に対して政府はどのように対応していくのか、またそのタイムテーブルといいますか、日程上どういうようなことを考えているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(藤田正明君) 一昨日人事院から勧告をいただきまして、そして給与関係閣僚会議を開きました。各閣僚からいろいろ意見も出ましたが、結果まとまらず再度開くと、こういうことで解散をいたした次第でありますが、その再度開く時期でありますけれども、これはまだつまびらかにいたしておりません。恐らく九月の初旬、そういう時期になろうかと思います。そこらで方針が確定いたしますと、政府の方で法律案の作成にかかります。今度の臨時国会に、これもまだ時期がいつかわかりませんけれども、臨時国会にその法律案を提出ということに相なろうかと思います。
○片岡勝治君 これは、閣僚会議を開いて結論が出ないというのは、これは何かこれに対してどういう角度でそういうような——私たち常識的に言えば、いままでの人事院勧告に対して原則的にここ数年は政府としてもそのまま尊重して実施をしてきたわけですね。何か特別の理由がおありで閣僚会議で再度審議をする。それもいま私の聞き違いですか、九月初旬ですか、大分先へいくようですね。その点お差し支えなければ、どういう理由で保留になっているのかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(藤田正明君) 政府の方は人事院の勧告を尊重するというのは、これはもうもちろんたてまえでございますから、それはそのとおりでございますけれども、御承知のように一般会計におきまして一千七十億ぐらいの不足財源が生じますし、また地方公務員関係では千五百億ぐらいの不足財源が生じます。これらをどのように処置していくかという問題もこれは大きな問題でございますから、いまの景気対策その他いろいろ問題がございます中で、そういうふうな財源問題の処理をどうするか、こういうことがございます。そのほか経済あるいは社会一般に対してどういうふうに対応するかというふうなこともあわせて各閣僚からいろいろ意見が出たわけでありまして、決して人事院勧告をおろそかにするとか、そういうふうな意味で延ばしたということではございません。
○片岡勝治君 そうすると、こういうふうに理解してよろしいですね。つまり、今度の勧告に対して、政府は当然それに見合う財源が必要でありますから、その財源措置をとらなければならぬ。そういうためのいわば対策というか、そういうもののために若干の日時を必要とする、こういう理解でいいわけですね。
○国務大臣(藤田正明君) 一番大きな問題はやはり財源の問題でございますから、主として財源の問題において、そういうふうな締めくくりが今回の関係閣僚会議ではできなかったというふうに御理解願って差し支えないと思います。
○片岡勝治君 ことしは臨時国会が、九月下旬あるいは遅くも十月上旬ということがうわさされております。早晩その時期に開かれるであろうということが想定されるわけであります。そういうことは別にして、一般論として、これまでもいわゆる人事院の勧告が出て、国会で審議をし、これを成立さして実施をする。大変おくれるわけですね。特に地方公務員の場合には、十二月の地方議会に間に合えばまあまあ正月早々にも改定ができる。しかし、そうでない場合ですと二月の県市町村議会、そうなってまいりますと、そこで審議をして実施するのが三月末、あるいは時によっては四月に入ったというようなことがありますね。まさにちょうど一年おくれるわけですね、勧告の実施の日時に対比いたしますと。これがいつも大きな問題になってきておるわけでありますが、これまでもこの内閣委員会で公務員の賃金改定の実施の方法について何かうまい方法がないのかということを、私どももずいぶん検討もし、質問もしたことがあるわけでありますが、臨時国会を開いたらどうか、そのほか二、三の案が当時政府の方からも出されたわけであります。一般論として、その後政府がこの問題について何か検討したことがあればそれをひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(秋富公正君) この問題につきましては、四十九年の暮れの本委員会の附帯決議もございましたし、また昨年五十一年度の本委員会におきましても附帯決議をいただいておりまして、私たちといたしまして鋭意検討を続けてきたわけでございます。 かつてこの委員会で中間的に御報告申し上げましたのは四つの案でございまして、一つは予備勧告及び本勧告、すなわち四十九年度に人事院からまず一〇%の勧告、さらに民間調査に基づく本勧告ということがございましたが、こういった二段階に分けての勧告を人事院から受けるということはいかがなものかということも検討したわけでございます。それから第二は、いわゆる通常国会に御審議いただけるように前の年の予算編成前にいわゆる一定の枠を設けて、これに対して人事院から勧告をいただく、あるいはこちらから一つのベースを決めるということも考えたのでございますが、これは民間のまだ春闘の結果も決まらない前にそういうことの一体処置をすることが適切かどうかという問題があるわけでございます。第三は、俸給表の改正、現在国会で御審議をいただいて一般職給与法の改正をするわけでございますが、これを政令に委任することはできないかということでございます。で、これにつきましても、いわゆる一般職につきましては人事院の勧告がございますが、防衛庁の給与法、あるいは判事、検事、また総理以下の特別職、これにつきましては勧告がないのでございますが、これにつきまして国会の審議なしに政令でやることの適否、また財源上の問題もございます。いろいろとこの案につきましても問題があるわけでございます。それから第四の案は、人事院の勧告をいただきましたときに、この問題に限りまして臨時に国会を召集していただきまして、短時日にこれを処理するということの問題でございますが、これは申すまでもなく政府だけでできる問題でございませんで、これにつきましてもいろいろと問題があるということを、かつて中間的に御報告申し上げたことがございますが、その後も決して放置しているわけではございませんで、いま言った四つの案以外にもいろいろと案がないだろうか。実は公務員共闘の皆さん、あるいは全官公の皆さんにも率直に何か皆様方の方でいい御案があれば、私たちの方としましてもそれに虚心坦懐に御一緒に検討していきたいということも申したのでございますが、とは申しましても、私たちといたしましても今後いろいろと検討はいたしておりますが、現段階におきまして的確な具体案、改善案というものを持っていないということも事実でございます。なお検討を重ねてまいりたいと思っております。
○片岡勝治君 これはもちろん政府だけの責任ではなくて、私ども国会の側にもその責任の一端があるわけでありますから、これはひとつ政府の方も積極的にいま言ったような具体策についてさらに深い検討を進めるとともに、ぜひこの国会の側でも、この問題についてはもう少し積極的に取り組んでいくようにぜひ関係者の方で御努力願いたい、このように考えるわけであります。特に今日のような大変激しいインフレ時代でありますから、一年先にこの決まった改定が実施されるということであってはならぬと思うわけでありまして、この点はひとつみんなでもっと積極的に取り組んで早期に実施できるような方策をぜひつくり上げていただきたいことをお願いをする次第であります。 次に、この勧告の最後、報告ですか、いわゆる人確法に基づく教員給与の改定についてのいわゆる第三次改定について同時に実現されるよう期待するというようなことがあるわけです。育児休暇法については、もちろんこれは当然のことでありますから、私たち社会党としてはさきの国会においても議員立法でこれに基づく給与法をつくるようにお願いをしたわけであります。御承知のように、人確法に基づくいわゆる給与改定については、率直に言って関係労働組合に大変大きな反対の運動があるわけでありますから、こういうものの取り扱いについてはぜひ慎重にしていただきたい。同時に、すでにこの法律案は二回にわたって事実上廃案になっているわけでありますから、こういうものの取り扱いについては、人事院としても政府にしてもぜひ慎重に取り扱っていただきたい。特に国会は、衆参通じていまや与野党接近といいますか、保革伯仲時代、まあ福田総理も協調の精神でやりたい、また国会の運営についても与野党できるだけ話し合いの上で進めたいというのが、これからのいわば国会の姿勢あるいは政治姿勢と言えると思うわけでありまして、そういう点では、率直にこの教員給与の改定問題については、私はぜひ関係諸団体と本当に粘り強い話し合いをぜひ行って、少なくともこの教職員、教育関係職員の給与改定、まあ公務員でもそうでありますけれども、少なくとも関係団体の合意を得たものを提出する、そのくらいの私は努力をぜひしていただきたい、すべきだと、こう思うわけであります。人事院は勧告すればそれでもう用はないという、あるいはそういう態度かもしれませんけれども、人事院においても私はしかりだと思うんですよ、これは。少なくとも教職員自身の給与改定について、その当該団体である教職員の団体からいろいろ異議や意見が出ておる、そういう問題については本当に話し合いを進めていくという、その合意を得てやっていくということが、特に保革伯仲時代の国会の運営で欠くことのできない要素だと思います。これについて人事院並びに政府の見解を承りたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) 人確法に基づく第三次勧告の取り扱い方、それをめぐるいろいろの経緯等については、十分問題の重要性を人事院といたしても認識をいたしております。事実、頻繁にいまお話しになりましたような職員団体等との接触がございます。私自身も責任のある方々と数次にわたってお会いしていろいろ意見の交換もやっております。話し合いで円満にやれればこれにこしたことはないわけですから、そういう方向でなお努力はいたさなきゃならぬ。人事院といたしましても、勧告を出したらもう後は知らぬと、そういうような態度でおるわけではございません。できる限りの努力はいたしてまいっておりますし、今後も継続をすることについてやぶさかではございません。ただ、勧告につきましては、これは人確法という法律があり、また予算措置も特に講ぜられたというようなこともございまして、それを受けて人事院に勧告を義務づけられておるというようなことがございますので、第一次、第二次についてやりましたし、また第三次についてもお願いをしたということでございます。しかし、諸般の事情から今日まで実現せずに来ておると、その原因は何かというようなことについては、いろいろ私なりにやはり承知はいたしておりますけれども、一応勧告は出たことでもございますし、やはりこの際できるだけ速やかに同時にやっていただきたいということ、なお特に今後の最終的な仕上げの問題が残っておりますので、そういうことについてもやはり片づけなければならぬという問題がございます。そういうような点もあって成立を期待をするということを申し上げた次第でございます。しかし、事柄の重要性はよくわれわれとしても認識をいたしております。また円満にいけばそれにこしたことはないわけであります。その方面の努力もなお私たちなりにやっていくということはぜひとも続けたいと考えております。
○国務大臣(藤田正明君) この件につきまして経緯はよく存じております。大変むずかしい問題であろうと思うんですが、各政党間の意見が分かれておることも、これもよく承知いたしております。そこで、政府の方としましては、三つの給与の勧告が現在あるわけでございますから、これを臨時国会に提出することはもちろんでございますが、これをどういうぐあいに提出するかにつきましては、各政党の御意見も伺って、また、でき得れば各政党間でお話しの上一致した方向で提出をしたいと、三本を一本にするとか、別々にするとか、そういうことにつきましては各政党間のお話し合いを実は願いたいと、かように思っておる次第でございまして、おっしゃいましたように、協調を本旨としてこの保革伯仲の国会に対しては臨んでおるわけでございますから、どうぞひとつ円満にこの法案の成立をさしていただきたい、かように考えておる次第であります。
○片岡勝治君 いま総務長官のお話、大変前向きで、私も大変結構な態度だろうと思うわけであります。私たちも、できればこうした公務員全体の給与改定の問題でありますから、本当に全会一致で各党賛成をする、そういうようなぜひ案が出てくることを期待するわけであります。その案を作成する過程においていま各党の意見を求めたいというお話でありまして、ぜひとも十分各党の意見を聴取され、あるいはまた各党間の調整を行ってひとつ満場一致できるような、そういう法律案をつくって提案をしていただきたいことを心から期待をするわけです。 それから、人事院の方にもう一度申し上げますけれども、すでに御承知のように、この人確法に基づく給与で何が問題かといえば、その焦点になっているのは人事院のいわば権限になっておるいわゆる主任手当の問題ですね。ですから、それはいま人事院総裁がおっしゃったように今後も努力をするということであれば、私はそうした問題についてはひとつ徹底的に話し合いをして、その合意の上でそういった行政措置をやるべきである、こういうことを申し上げているんです。いまこの法律案全体については各党の意見を十分聞くということですから、まあひとつこれは各党間でぜひ話し合ってりっぱな案をつくるようにお願いをしたいと思うわけでありますけれども、それと一応別になっておるいまの問題、人事院の権限でやろうとしている問題について、特に関係団体との話し合いをしてこの問題の解決を図っていく、こういうことを私はお願いをしておるわけなんです。これについてはどうですか。
○説明員(藤井貞夫君) 去年の第三次勧告は四本の柱がございます。いわゆる教員の特別手当の引き上げ、大体四%見当になっておりますものを二%上げて六%見当にするということ、それが一点、これはまあ勧告事項で法律関係の問題でございます。あと三本は、いま御指摘になりました主任手当の関係、それから部活動についての措置を講ずるということ、第三点は、いわゆる平教諭と申しますか、一般の教諭についてその経歴なり成績なり実績に応じて一等級昇格の道を開くと、この三つでございまして、これはセットになっております。そういう意味で、一部ではやはり主任等については、これはすでに文部省令で制度化されておる、したがってこれは人事院がやろうと思えばできるんだから、まずそれをやったらどうかというような意見さえございます。しかし、これは私はできるならばやはり円満なことで処理をしていく、そのために非常な混乱が起きたりなんかすることは好ましいことではございません。そういう点は十分認識いたしておりますので、あくまでやはりこれはワンセットという考え方を現在のところ捨てておりません。したがいまして、これだけを何か取り出して先行するとかいうようなことは適当ではあるまいという考え方は現在のところは捨てておりません。あくまでワンセットとして処置をしていきたいということでございます。これにつきましては、やはり法案全体の取り扱いの問題とも絡みまして、先刻申し上げましたように主任の関係についても頻繁な接触と話し合いというものが並行して行われておることは事実でありまして、その点は今後ともさらに努力はいたす姿勢は崩さないというつもりでございます。
○片岡勝治君 これは大変大きな問題になっておりますので、ぜひこの人確法にかかわる法律案あるいはそれに基づく人事院規則等の制定に当たっては、まあ法律案の場合には各党の意見ということでありますから、これは私たちも十分われわれの見解を表明したいと思いますし、できるだけ合意を得るような法律案をつくるように私たちも努力をしていきたいと思います。同時に、いま申し上げましたこの問題については、ひとつ人事院でも十分関係団体と本当に粘り強い話し合いをする、そういう態度を今後ともひとつおとりいただきたいと思うわけでありまして、そういう問題において紛糾をするなどということは、日本の教育界においても大変大きな障害をもたらすことは明らかであります。特に冒頭申し上げましたように、まさに新しい政治情勢になったわけでありますから、協調の精神、対話の精神、そういうものを模範的に人事院は受けとめてぜひ対処をしていただきたいと思います。言ってみれば、人事院はいわば公務員の権利とかあるいは生活を守っていく、そういう保障的な立場でもあるわけでありまして、そういう点からすれば、私は当然関係諸団体との話し合い、その合意の上に諸般のできるだけ合意を得た上でそうした行政措置をぜひやっていただきたい、このことを強く申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。
○黒柳明君 きのうからもういろいろな論議が尽くされているわけですから、私はダブることを割愛しまして、先ほどから聞いていますと、昨日の給与局長の衆議院における発言が、何かマスコミの方の理解が足りないみたいな、あるいは書き方が不満のように総裁の言葉の端にも聞かれたんですけれども、あくまでもあの衆議院の場においての発言ですし、まあむずかしい問題、複雑な問題であればあるほど発言は慎重にしなきゃならなかったんではなかろうか、こういう面でやっぱりみずからの反省がちょっと足りないんではないかなというような、私いま総裁と局長の話を聞きましてそんな感じがいたしました。あるいはこれは私だけの感じであって、総裁、局長はそうじゃないんだとおっしゃるならば意見の食い違いですけれども、少なくともあの新聞記者の皆さん方の発表から始まった問題じゃなくしまして、国会の委員会の場においての発言、ここから始まっておるわけでありまして、それについてむずかしいということならば、あるいは本来ならば、きのう一晩時間があったわけでありますから、ここで明快なやっぱり納得できるような説得力あるような説明をしていただかなきゃならないわけでしょう。それが何か非常にむずかしいんですと、これが終わってから、まあ納得していただくかどうかわかりませんが説明するというような局長さんの話もありましたが、それじゃちょっとこれはもう本末転倒だと思いますよ。ひとつむずかしい問題ならば慎重な発言をしてもらいたいということはもう言うまでもありません。官民の較差というものが、年金問題を初めにしまして相当選挙の前後マスコミの話題にもなっておるんですし、国民の意識にも上っておるわけであります。九・三五と八・七四じゃこれは相当差がありまして、しかもこの八・八という平均のベースがあるわけでして、ここらあたりが私いまの発言を聞いている範囲ではちょっと反省が足らないんではなかろうかと、こう思います。 それから、昨日の会見で一人一人見れば九・三五という発言があったかにマスコミでは報じられておるんですが、ここの見解は変わりないんですか。
○説明員(角野幸三郎君) 昨日記者諸君に会いましたときにいろいろ質問を受けました。それで、その質問の中に、定期昇給の見方、いろんな見方がございますが、その見方の一つとして、一人一人の職員が自分について幾ら上がるかという見方をすれば、二・四三という定期昇給のそういう見方があるではないかというお話がございましたことは事実でございます。で、一人一人見ればそういう考え方はあると、それは申し上げました。しかし、私は公務員の人事院のベースアップの率の上にどういう定昇を加えるかという、その何を加えるかという、そのときに持ってくる定昇はそのどれなのかということは非常にむずかしい問題でありますと。どれを選ぶかということがむずかしいというむずかしさはそれでございまして、定昇の考え方がいろいろありますその中に一つそれがございますと。たとえば、民間のように四月に全員一斉に昇給すればそれと同じような形になりますと、ところが違う昇給の形をとっておりますと。そういうふうに、それぞれについて質問を受けました中にその話がございましたことは事実でございます。
○黒柳明君 あの質問に答えられて一つの見方という見解をお示しになったわけでしょう。ですから、四回にグループ別に分かれるので、どの定昇分を上乗せするかというこういう見方がある、この計算はむずかしいのだと。一つは、要するに二・四三というものを上乗せする、個人個人見ればその見方もあると、これはあくまでも否定はだからできないんじゃないんですか、九・三五という数字は。これは全くそうじゃないんですと、先ほど言ったように八・七四はより近いと、四分の三を上乗せした方がより近い、これが正確なんですと、こういうことじゃなくて、要するに見方が、同じ程度の、まあ若干の差はありますよ、若干の差はあるけれども、より近いんだけれども九・三五という見解があるということをお認めになったことは、一人一人といったって、グループだって結局一人で個からグループになるんですから、一人一人が九・三五のこのベースアップになるということになれば、結局これも実際的に給与局長、人事院としては認めたことになるわけです。認めたことになる。この見解、もう正しいということを認めたんでしょう、正しいということを。そして、いま言ったように八・七四の方が正確ですと、こういうふうなこともいま発言があったわけでしょう。だから、九・三五も一つの見方ということは、これも正しいんですということを明確に人事院も給与局長としても見解をお持ちなんでしょう。これは間違いじゃないんだということははっきりしているんでしょう。間違いじゃない。少なくとも一つの見方。ということは、これも正しいんですと、こういうこと。だけれども、いまの答弁では八・七四が正確なんです。そうなりますと、またさっき言いましたようにここの場で明快な答弁をしなきゃならない時間的余裕があるんですけど、その間の事情がちょっと私はっきりわからない。まして、マスコミの方はおわかりでしょうけれども国民の方はちょっと理解しにくい要素がある。ですから、結局新しい見解をきのうお述べになったのは、新しい見解じゃないんだと、こういう観点からもわかりませんけれども、そういう見方自体も、いままで人事院としても持っていたからきのうはっきりそれについて見解をお述べになったんであって、これは間違いであるという見解をお述べになったわけじゃないんでしょう。どうですか、その点。
○説明員(角野幸三郎君) 私はその席でほかにもう一つ言ったことをちょっと思い出しておりますが、新聞なり報道を聞かれた方が、私どもが言っております六・九二じゃどうもわからないと、定昇入れてくれなきゃわからないとおっしゃる、その基礎は一体何だろうかというときに、そこで出てくるものは、たとえばことしの春闘の、労働省なら八・八というような定昇込みの数字を頭に置いてみたときに、人事院の勧告のこの六・九二というのはどういう関係になるんだろうかと、こういう発想で出てくるその人事院の数字をごらんになりたいと、こういうことだろうと思うんです、基本的には。ところが、そこで出てくる民間の春闘のような中に含まれておる平均的な定昇込みのその定昇というのはどういう性格のものなのか、それに見合う、翻訳すれば公務員の定昇をどう計算したらいいか、このつながりが大事なことだと思うんです。定昇はたくさんあります。いろんな計算の仕方がありますが、民間の実態に見合うような定昇に、翻訳すればどういうものがいいのかということで言いますれば、いろいろある中で八・七四といいますこの四分の三を加えるのが一番妥当であるという話をしておりまして、定昇自体のはかり方はまだほかにいろいろございます。民間の中では、たとえば財源でどうだというのがほとんどでございますから、もっと低い定昇が込みになっている場合も多いわけでございます。ですから、そういうものが溶け込んでの八・八ですから、それと比べますときに、表向きだけの数字じゃ高過ぎるということとか、一回分定昇が終わっているとか、いろいろな要素を調整して比べないと読者の方が対応される感じとしてはどうだろうかという疑問を申し上げておったわけでございます。
○黒柳明君 それはいまさつき説明あったからそこまでは理解できるんですよ。で、六・九二自体がいままでにない異例な低い勧告ですから、それも踏まえて、しかも物価の値上げも高いし、それになかなか見合わないという、要するに公務員自体の反発もある。そういうような中で九・三五だなんということが出た、それに問題があるわけですから。何も民間より低ければいいんだということを言っているんじゃないんですよ。年金と同じですね、官民の逆差がまたあるんじゃないかと、こういうことを人事院が何か暗に一つの見方と言って、いや実は、ということを言ったように、私たちあるいは国民の皆さん方は受け取る可能性があったわけです。それと、私いま言ったことは、一つの見方ということはこれは誤りということじゃないんじゃないんですかということを私いま言っているんです。誤りという意味じゃなくして、一つの見方というのは事実だからおっしゃったんであって、実際に一人一人は九・三五ということにもなるんですねと、これは誤りじゃないんですねと、こういうふうに私言っているんです。それについては誤りじゃないんでしょう。これは誤りなんですということじゃないんでしょう。
○説明員(角野幸三郎君) 定昇率の二・四三という一年分の定昇率があるということは誤りじゃございません。で、これを私どもが勧告いたします六・九二にその定昇を足すというところは足し過ぎであると、こう申し上げておるわけでございます。それは一人一人についての高さを足すんだとあえておっしゃれば、それはもう私どもとしては手の届かない話でございますけれども、そのこと自体、定昇率の高さ自体の一年分の二・四三は誤りであるとは決して申しておりません。ベースアップの高さに継ぎ足して民間並みの定昇込みという表現で共通するようなレベルの数字として評価できるかどうかというその判断の問題でございまして、それ自体の高さとしてはそれは間違いでございません。
○黒柳明君 そこでね、一人一人とればそういう見方もあるということなんで、だからその基準になる民間のこの八・八、これは従来からいろいろ疑問があることはもうわかっております。公務員の方からも、あるいは五十人規模以上にやれと、大企業を重点的にやれと、あるいは民間の方からもっと低いところもやれと、いろいろあるんで、だからいまの考え方も、やっぱり民間の給与の水準八・八の問題にも私は絡むと思うんですよ。もっとやっぱり幅広く平均値というものを出す必要が起こってくるんじゃなかろうかと、こう思うんです。いま言った、まだこれから検討して何かこう合理的な説得力あるような答えをつくるというやに私受け取られますけれども、そこらあたりの数字の一つのむずかしさ、平均値を出すむずかしさもあるわけですね。これはやっぱりどこまでいきましても、底辺と、上限と下限をこう広げたってこれは切りがないですよ。だから、一つのやっぱり限度を持って平均値を出してきたし、出さなければならないとは思いますけれども、いまの二・四三は間違いありませんと、それを今度は六・九二にプラスすることについては民間の定昇とはちょっと違いますと、ここらあたり、民間の平均の給与ベースを出すところにもやっぱり矛盾があると思うんです。ですから、この公務員のいつも勧告を出す一つの基準になる民間の方も、もう一回ここでやっぱり考える余地があると思うんですけれども、これは年々年々いろんな情勢も違ってきますし、物価もアップダウンがありますし、ひとつ民間のこの給与ベースを出す基準、これをもうちょっと合理的に、いわゆるその上限と下限をもっと広げる、こういうことですよ。こういうことについては、何かいままで検討もされてきたとは思いますけれども、この点どうですか総裁。
○説明員(藤井貞夫君) 御意見ごもっともでございまして、承った次第でございますが、私たちの見解は見解といたしまして、新聞紙上でいろいろ論議をされた、その論議の結果、先刻来からもお話がございますけれども国民に少なからざる何か疑惑といいますか、そういうものを与えたことに相なりますと、これはやっぱりわれわれとして十分反省しなければならぬことだというふうに受けとめております。ただ、われわれの調査の方法は、四月時点の実際に支払われた民間の給与というものと公務員の給与とを比較するという作業を、これは厳密にやっておりまして、その結果出てまいりますものがこの較差でございます。これは六・九二ということでございます。それに対して、今後の昇給というものがある。それが公務員の場合は四期でございますが、これからの分は三期あるというようなことで、その三期分の昇給というものを要するに八・八の昇給率見合いというものとしてとらえるとらえ方をすればどうかといえば、やはりいまの段階では、従来からそういう考え方で来たわけですが一・八二というのが一番正しい数字であるというふうにこれは考えておるのであります。ただ、個人個人について言えばというような話が出てまいっておりますが、その点についてはやはり面積と申しますか、民間の場合は四月からやっぱりずっと出てきている。ところが公務員の場合は四月の昇給期の人はもう全部これは入って計算の基礎になっておりますから、これは来年の四月にならなければ上がらないというものもあるし、あとは九カ月組、六カ月組、三カ月組ということに相なります。したがって、それを原資的なにらみとも考えてやりますと、やはり一・八二というのが一番いいんじゃないかという結論を出しておる次第でございます。しかし、周知徹底の方法その他について誤りというか反省すべき点があるならば、これは謙虚に反省をしなければならぬということは考えております。それと、いまお話しになりました民間の給与実態調査のやり方というのは、長年の経験でいまのやり方がまずまず妥当な方法ではないかというふうに考えておりますけれども、しかし、これが理想的でそれ以外の考え方はないんだというような不遜なこともこれは考えておりません。そういう点につきましてはじみちに検討も加えておりますし、なお改善すべきいい案があるならば、そういう方向に向けての努力は鋭意続けてまいる所存でございます。
○黒柳明君 それと、六・九二の人もいれば九・三五の人もいるという、こういうことにつきましても、まあ四回に分けてグループ別のいま定昇であるから、人事院としては既成の事実を踏まえてそういう一人一人見れば九・三五もあると、こういうことなんですが、そのこともやっぱり抜本的に考えていかなきゃならないということも含んでの発言と、こう私たちは受け取らざるを得ないんですね。一人一人見ればそういう人もいるんだと。そうすると、やっぱりその中でまた格差が出てくるわけであって、少なくとも公務員が勧告一律に受けて格差があるなんということは考えられないわけなんですけれども、これはもう年四回の定期昇給というところに問題点があるんだと、こう言えばそれまでのものですけれども、そこらあたりも何かやっぱり勧告する可能性が出てきているんではなかろうかと、こういうこともまたきのうのむしろ局長の発言を聞いて、いままでそういうことも考えながらまた一つサゼスチョンを受けたというような感じもいたすんです。これはいまの問題ということじゃありません。また来年からも同じ問題、いまおっしゃったようにこれからずっと同じ問題が続きますと、こうおっしゃっているわけですから、これはもう官民の較差というのは、これはある程度ギャップを埋めるという努力を絶えずしていただく。これ自体これでいいということは考えられません。いろんな方法がまた総裁言ったようにやらなきゃならない。ところが今度は官の中でも、要するにずっとこうグループ別の四回の定昇に対しての格差ができている。これはもういまさらわかったことじゃありませんよ。しかしながら、やっぱりそういう答弁、発言というものについて、いま総裁おっしゃったように何らかの誤解を与えたと、これは発言したから与えたんじゃなくてむしろ矛盾が内在してきたわけですから、内在してきたものはやっぱり何らかの、みんながこの認識を新たにしたときに変えるという努力も、きょうならきょう、来年なら来年という可能性があるかどうか別にしましても、やっぱりこれは一つの人事院の仕事ではなかろうかと、こう思いますが、いかがでしょう。
○説明員(角野幸三郎君) 昇給システムの問題でございますが、全員が一度に昇給するような、四月一斉昇給のような形が一般的でございますが、公務員の場合には特殊な形になっておりまして、その昇給期について人によって早い遅いがあるということは、従来そういう形で運用されてきた制度にいま乗っかっているわけでございますけれども、まあ先生のお言葉もあり、今後こういう昇給制度について、これでどうなのかというようなことも謙虚に研究してまいりたい、そういうふうに思っております。
○黒柳明君 そうじゃないと毎年このことは続くわけです。 長官、公務員の完全実施、早期ということは、これはもう何回きのうから同じ答弁をされているかわからないんですけれども、これはもうぜひお願いしたいと、こう思います。いまも九月と、なぜ遅くなるのかという発言もありましたが、臨時国会が九月下旬、十月初めなんで、そのときまでに法案としてということはこれは当然でありますけれども、私が言いたいのは、ともするとこれがいつも年末ぎりぎりになりまして、十二月の暮れぎりぎりになって、何か国会の政治レベルの政争の具に供される可能性があったやに私は仄聞もしているんですけれども、ひとつ、これはむしろ国会での問題でありまして行政の問題じゃない、私たちの責任の中にあるんですけれども、わが党としては、ここで完全実施と、こう迫り、長官の方も、行政の方もこれは当然ですと、やりますと、こういう言葉をやっぱり具体的に陰もひなたもなく実行に移さなきゃならないんですけれども、そういう面が、従来ともすると私の十二年の国会生活では、何か政争の具に、取引にされていたといううわさも仄聞もしておりますので、そこらあたり私たちも国会のレベルにおいてがんばりますので、ひとつ長官としましても、在任中は早期実施ということについて全面的な御配慮をいただきたいと、こういうふうにもつけ加えてお願い申します。よろしく。一言締めくくりの答弁を。
○国務大臣(藤田正明君) ただいまおっしゃいましたこと、給与閣僚会議の方で方針決定という一つの手続がございますので、政府として完全に早期実施ということをいま私がここで申し上げることはちょっと差し控えさしていただきたいと思うのでありますが、考えてみますと、昭和四十五年から人事院の勧告をそのまま完全実施してきておりますから、もう慣例といたしまして私としてはそうなるであろうと思いますし、またそうなるであろうことを期待して今後とも努力をするつもりでおります。また、国会の中におきますいろいろな問題につきましては、これはまた各党ともひとつ御相談の上で早期実施になるようにひとつお取り計らいを願いたい。こちらでお願いをする次第でございます。よろしくお願い申し上げます。
○山中郁子君 人事院勧告につきましては、私どもは国公労働者の労働基本権、ストライキ権の問題などとの絡みで基本的な意見を持っております。それからまた、すでに議論にもなっておりました民間比較との調査の方法その他についても多くの意見を持っておりますし、問題も認識しております。しかし、限られた時間ですので、きょうはそうした意見を持っているということを初めに申し上げまして、具体的な点について質疑をしたいと思います。 で、初めに、ただいまお二人の委員からも問題にされましたけれども、人事院が新聞記者の方たちから問われるからということでもっていろいろ言われて、結局いかにも国家公務員の賃金が不当に民間との比較でアンバランスに高目になっているではないかという世論をつくり上げるかのような役割りを実際には果たしているということについて、私はそれが、先ほどから給与局長その他さまざまな意見を言われておりますけれども、根本に立ち返って私はそういう問題に対する人事院の姿勢というものをはっきりさせなきゃいけないというふうに強く感じております。 具体的に申し上げれば、たとえば先ほどの一人一人を見ればということ、これは私は全く意味のないことだと思います、この問題に関して言うならば。実際に民間との比較ということで、それを埋めるということで出されている人事院勧告、そしてそれが出されたことによって実際に民間との比較はどうなってくるかというふうなことが新聞その他でも論ぜられたり、あるいはそれが話題になっているという、そういうところにおいて、一人一人を見ればとか、あるいは平均はという、そういう意味のない言辞を弄して——私はあえて言辞を弄してと申し上げますけれども、そういうことで、実際には人事院勧告に基づく給与の改定が実施されれば、国家公務員の給与が高く見えるかのような政治的な意図、こうしたものと切り離しては考えられない、このことを強く私は指摘をしておきたいと思います。 で、これはなぜかといいますと、人事院の存在自体の基本にかかわる問題だというふうに思います。私が申し上げるまでもありませんけれども、人事院というのは国公法の第三条にも明記されていますが、「職員に関する人事行政の公正の確保及び利益の保護」をつかさどりと、こういうふうに明記されているんですね。結局このような成り行きが職員のそうした利益の保護に通ずるのかどうかということは、私が申し上げるまでもないと思います。ですから、給与局長は一昨日でしたか、私はこの人事院勧告の説明をお受けしたときに、私どももこのことについて確認をいたしました。そうしましたら、そのとき人事院発表はあくまでも六・九二%だけであり、定昇については触れないんだということを再三確認をされて約束をされておりました。で、そういう性格のものですから、ですから、仮に質問があったから、一人一人を見れば九・三五%にもなると言うことが、どのような形で新聞報道されて、それがどのような社会的な認識に間違って移っていくかということは、明らかに十分御承知のはずなんです。それは理屈だけの問題で解決できる問題ではありません。また解決してしまえる問題ではありません。私がここで申し上げたいのは、あくまでも人事院はそうした職員の利益を守るためにあると、そういう立場に立って、そうしたものも全部把握した上で慎重な発言をしなければいけないし、正確な発言をしなければいけないと、このことについては強く警告もし、今後の問題としても見守っていきたい。このことはあえて御答弁は要りません。先ほどからいろいろお話がありましたその上に立って申し上げていることだということを認識いただきたいと思います。 次に、昨日の衆議院における委員会質疑の中で、わが党の柴田議員も質疑をいたしまして、またきょうも片岡委員の方からもお話がありましたけれども、昨年の三月十一日に行った勧告、つまり主任手当がらみの第三次教員給与改善の勧告についてはということで、今回の人事院勧告の報告の中に述べられています。で、「この勧告に合わせて実施されることを期待している。」と、こういう表現になっておりますが、昨日柴田議員の質問に対しまして人事院は、法案としてこれをセットとして出すということを期待したものではないと、こういう御答弁がありました。私はその御答弁の上に立ちまして、ぜひとも総務長官に御確認をいただきたいわけですけれども、いままでもお話がありましたように、その問題については各党とも御相談をして、そしてやみくもに強行するというふうな考えは持っていないと、こういうお話がありました。それで、一つだけ正確に確認をしておきたいんですけれども、人事院が報告の中でこうしたことを述べていることを理由にして、今回の勧告と昨年の三月の勧告とこれをセットにして提出するというようなことは考えてもちろんいらっしゃらないと思いますが、この点についてのお約束をいただきたいと思います。
○国務大臣(藤田正明君) 私も、人事院の方の報告事項は、何もその三本の勧告を一本にしてこれを成立せしめることを期待すると、こう言われているのではないと、要するに三本出してやるから、この勧告はどのような形であろうとも成立を期待しておると、こういうふうな意味と解しておりますから、法律を別々に出すとか、三本を一本に出すとか、そういうふうなことは人事院の方としてはおっしゃっておらない、このように解しておりますから、別段人事院がこう申されておるからこういたしますというふうな関連性はございません。
○山中郁子君 次に、今回の勧告の問題とも関連をいたしますけれども、私は公務員の中におけるいわゆる男女不均衡の問題について質疑をし、問題の解決の促進についてのお約束をいただきたいと強く思っております。具体的に申し上げますと、今度の勧告によりましても、いわゆる足を延ばすというふうに言っているらしいんですけれども、等級別の号俸数ですね、これが毎年毎年延びていくわけですよ。具体的に申し上げるならば、今回は三等級が十九号までだったのが二十号までに延びているし、四等級が二十一号が二十二号までに延びて、五等級が二十三号が二十四号までに延びて、六等級が二十二号が二十三号までに延びていると、こういうことがあります。私は、いま全体の問題についてのこの分析に関しては申し上げる時間がありません。端的に申し上げまして、中心的には六等級、五等級にもそれが出ております。つまり、そうしたところに号俸の足を延ばしていくということは、そこでたまってきている人たちがいるから、結局六等級の場合だと二十二号の人がいるから、このまま二十二号のままに置いておくと昇級頭打ちになるということで二十三号というものをつくるという経過でもってつくられてきたというふうに認識をいたしますが、この点について簡単に人事院の方の御認識をお伺いしたい。
○説明員(角野幸三郎君) 本年の号俸延長は非常に小部分でございますが、いま具体的な六等級について申し上げますと、ほかの等級も同じ観点でやっておりますが、その最高号俸あるいは枠外と俗に言いますが、それ以上のところにもおられますが、そういう在職者の実態と、それから年齢その他を考えあわせて、その辺の実情に応じて延ばしてきておる、毎年その実態を見ておるということは事実でございます。
○山中郁子君 そこで具体的な問題に入りますが、厚生省の場合、これはもう十分に認識をされていらっしゃるというふうに思いますし、かつて社会労働委員会でも、衆議院で革新共同の田中美智子議員が取り上げた経過がございます。それで、実際問題として六等級で昇給間差額に差が生まれてくるというのが六等級の十号俸からです。そして実態を見ますと、これは厚生省からいただいた資料でも確認をいたしましたが、厚生省全体で、六等級の間差額に差が生まれてくる、枝に入るというふうに言いましょうか、そうしたところの人たちのいまの実情は全部で百三十七人います。十号から二十一号まで、十四号が十七名、十五号が十八名、十六号が十八名、十七号が三十二名と、こういう膨大な数字になっています。合計して百三十七名、これが全部女子なんですね、婦人なんです。全部、一〇〇%婦人です。男の方は一人もいません。それから、特に統計情報部には婦人の方が多いわけですけれども、このうち統計情報部だけを取り出してみましても、十号以降が八十七名います。一〇〇%婦人です。私はこれは結果として異常な状態だというふうに思います。 後ほど総務長官からも御意見を伺いたいと思いますが、初めにちょっと御紹介をしておきますが、国際婦人年を経まして、それで政府は男女平等、婦人の社会的活動への進出、公的活動分野への進出、そうしたものを保障もし促進もするという観点で国内行動計画を策定されました。これの問題についてはいろいろ意見はあります。しかし、その中にも「公務員については、婦人の登用等について十分配慮する。」ということもちゃんと述べておりますし、それからまた、これはこの問題と直接関係はありませんが、「女子の受験制限職種の見直しを行うなど、その職域全般に進出することを可能とするための条件整備に努める。」と、これは公務員の問題として述べています。つまり、日本の政府としてもそういう問題認識を持ち、また国会でも、私も何回も取り上げましたし、多くの委員の皆さんによって取り上げられたところです。そうしたことを前提としてぜひとも考えていただきたいんですけれども、このように厚生省全体で百三十七名の、いわゆる昇給間差額が不利になっていく、そういうところに全部女の人がいる。二十年、三十年と勤めている人たちですよね。そして、厚生省の統計情報部といったらまさに統計の基幹の仕事をしているわけですよ。実際の作業は、その統計情報部という仕事の基幹の作業ですよね。そこにいる人が、二十年三十年と勤めて、そしてベテランになって、そうしたベテランの人たちの仕事なしには統計情報部の仕事は成立しない。それは厚生省の仕事も成立しないし、日本の政府の仕事が成立しないという、こういうことになるわけでしょう。そういうところにこうした人たちがずっとたまっているという事態、異常な事態を何とかして解決をしなければいけないし、解決をしなきゃならないというふうに私は思っているはずだと、この国内行動計画の精神に立ってもそういうふうに思っておりますけれども、そこのところを私はぜひ具体的に、きょうのこの委員会の質疑の機会を得まして具体的に解決を図る道をつくりたいというふうに切実に思っております。 そこで、まず厚生省にお伺いいたしますけれども、いま申し上げました数字、そしてそこの人々が、等級別資格基準上——等級別資格基準というのがあります。その資格基準上については昇格するということは全く問題がないと私は判断をいたしますが、その点についての厚生省の見解を承りたいと思います。
○説明員(北村和男君) お答えを申し上げます。 いま御指摘のございました実態はほぼ私どもも現状であると、そのような認識を持っております。厚生省、特に統計情報部におきましては、各省各庁の事情によりましてどのような年齢層にどのような男女比で多いかということは、それぞれ沿革があるわけでございますが、少し事情を述べさせていただきますと、統計情報部は二十二、三年ごろに、他部局からの移管でありますとか、大量の増員とかがございまして、そのほとんどが女子職員で占められているという実情がございます。それで、最終的には役付になる人たちをできるだけふやしたいということでいままで努力してまいりましたけれども、何分いろいろな事情で定数が十分確保できないとか、あるいは男子職員の場合ですと他部局への転出が比較的容易だけれども、女子職員の場合にはそれが若干困難であると、そういうぐあいな事情もございまして、今後とも大いに定数の確保に努力をいたしまして、いま申し上げましたような実情を打破したいと思っております。しかしながら、私どももいままで全然努力しなかったかということはございませんで、十年前から比べますと、ほぼ五人に一人の役付でございましたのが、いまはもう二人に一人の役付まで改善をしてまいりました。その改善した中身はほとんど女子職員に充てる、そういう努力を続けてまいりましたが、なお数が多いために十分に確保できない実情でございます。関係方面ともよく御相談いたしまして、今後とも努力をいたしてまいりたいと思っております。
○山中郁子君 昇格基準について問題がないということはそのとおりですね。
○説明員(北村和男君) さようでございます。
○山中郁子君 いま、たとえば一つの問題としては、六等級の人が係長になることによって五等級に上がると、このことについて婦人の場合にはいろいろな困難があると、こういうふうにおっしゃったけれども、私は細かい点にはいま入りません。だけれども、その点について積極的に、この行動計画でも言われているように、女子の登用を図るという観点で、厚生省が婦人に対しては、係長昇格に基づくいわゆる職場配転も含みましょうし、また省内の中での配置がえにもなりましょうし、そこの職場での昇格にもなりましょう。そのことを私は細かくは言いませんけれども、そういうことについては積極的に推進する立場にあるということをお約束もいただきたいし、当然のことながらそれは職員の希望を無視したり、別な問題を引き起こすようなものではなくて、純粋に婦人であるから、女子であるから昇格をさせないということはないと、このようにはしないと。現実にはあるんですよ。私は全部詳しく厚生省の統計情報部の話を聞きましたし、実態も調べました。男の人は六等級の九号になるとちゃんとみんなこうやって移って五等級に行くんです。一人も残る人はいないんです。女の人はみんなそうやって残っていくんですね。そのことは今後の問題として絶対に打破をしていくということの約束をしていただきたい。
○説明員(北村和男君) そういう御指摘の点につきまして今後とも一層努力をいたします。ただ、統計情報部におきましては、いまお話し申し上げましたように、非常に努力が足りませんでしたけれども、役付以上の方を並べてみますと十人に六人は女性でございます。その率をもっと高めるように特段の努力をいたしたいと思います。
○山中郁子君 ごまかしちゃだめよ。十人に六人が女性だと言ったってもともと女性が多いんだから。そこのところを踏み込んでいくと時間がなくなるからやめておきますけれども、そうじゃなくて、本当にそういう立場に立って実施をしていくというお約束をいただきましたので、そこのことは具体的にも今後また私は詰めてもいきたいというふうに思っています。 で、実際には昇格評価が男女の別なく結局厳正に審査をされているたてまえですよね。で、少なくとも今後はそういうふうにちゃんとやりますというお約束をなさいました。そうすると、定員の枠や職務区分が大きな問題になってきて、結局実際に六等級のそこのところに、つまり不利なところにたくさんの婦人がたまってきてしまうということになる一つの要因であるというふうに私は判断をいたしますけれども、この問題について、主任制度などの導入で努力もされたということもありますし、その間の事情も私も知ってはおりますけれども、いずれにいたしましても、いま現在ここで先ほど申し上げました数字の人たちがたまっているということについての早期の解決ですね、そのことについての展望をお示しをいただきたいと、こう思います。
○説明員(北村和男君) 例年この問題を解決いたしますために、関係の官庁の方にも、端的に申し上げれば主任の数をふやしていただくようにお願いを申し上げております。例年八十から九十といった数字を要求を申し上げているわけでございますが、やはりその職場職場のチーフでございますから、何人部下がいて、どういう仕事をしているかと、そういう厳密な御査定をいただきまして、大体ならし二十人分ぐらいの定数をちょうだいいたしております。しかしながら、今後は、そういう御指摘の点もございますし、私どもといたしましても早急にこの問題を解決いたしたいと思っておりますので、例年のベースを上回って御査定をいただくように特段のお願いをいたすつもりでございます。
○山中郁子君 八十ないし九十要求されて、二十しかいつも来ないということなので、これはまた人事院の問題にもなりますけれども、この問題で御承知だと思いますが、労働組合やあるいは現場の労働者の方たちが、いわゆる平五というふうに言っておられるようなんですけれども、一般係員の五等級、これのいわゆる改定ですね、これを大変強く要求をしていらっしゃる。そういうことによって一つ解決するという、ある意味では抜本的な解決が必要だということでこれが問題になっているわけですけれども、この点については厚生省の立場として、お考えとしてはどのように考えていらっしゃいますか。
○説明員(北村和男君) やはり職務内容に比例して、職務の重要性があるから役付にするというのがこれが大原則でございます。したがいまして、役につかないけれども等級だけ上げるということにつきましては、なかなか関係官庁の御承認を得られないという点がございます。しかしながら、そこは知恵の出しようでございまして、どのような職務であるかということをもう一遍よく検討いたしまして、理屈のつく限りはできるだけたくさん定数をちょうだいして、男子職員もおりますから、男の人にはやらぬというわけにはまいりませんけれども、いま言った事情もございますので、できるだけ高号俸の女子職員を処遇する道を開いてまいりたいと考えております。
○山中郁子君 いま知恵の出しようというのも、聞きようによっては妙な話なんですけれども、私はそんなふうに何も苦しんで知恵出さなくたって、現実の問題としてあるのよ。それは同じ仕事しているでしょう。そうすると、十年、二十年とたてばその人たちはベテランになるんですよ。特に統計情報部の仕事なんというのは熟練という問題がかなり大きな問題でしょう。私も実は公共企業体でずいぶん長いこと働いてきまして、それでもう何人も何人も男の人、係長を養成したり課長を養成したりしてきましたから、もうそれはずいぶん頭にきているんですけれども、そういうことをちゃんと正しく見れば、何も特別な知恵出さなくたって、現状からいって、そして熟練を重ねて、そして仕事の上で役割りを果たしている人たちをしかるべき内容でもって処遇するための給与の改定ということは当然できることなんです。そのことを私は厚生省が認識をされているというふうに理解をいたします。 それで、問題は人事院の問題になるんですけれども、私は厚生省の問題をいま申し上げました。だけれども、全部がとは言いませんけれども、私は実際問題として全部を調査するというだけの力がいまなかったですから、いま手元にあるのを御披露いたしますと、運輸省の本省関係、これも同じように申し上げますと、六等級の十号俸からたまっている人たちは五十九名です、合計がですね。で、これが全部やっぱり婦人です。男の人は一人もいません。通産省の本省で見ますと七十七名います。で、これは二人だけ男の人がいます、特別な何かケースらしいんですけれども。で、七十五名が全部婦人です、七十七名のうちですね。ですから、すべてがそうだと、各省庁が全部そうだとは言いませんけれども、少なくとも私がいま調べ上げた範囲での厚生省、運輸省、通産省ですね、ここを見てもこんなに極端な、ほぼ一〇〇%は全部女だというふうな事態になっています。そこで、私は人事院にお伺いいたしますけれども、各省庁の六等級高位号俸者の実態、これについて調査をされていないようなんですね、事前に私ちょっとお話をいろいろ伺いましたら。だけれども、これについての実態をどのように把握しておられるかということをまず伺って、調査がないようですので、これは何としてもとにかく早急に調査をするというお約束をいただきたいと思いますけれども、あわせてお願いします。
○説明員(角野幸三郎君) 私どもでは、現在官民給与を比較いたします基礎として、国家公務員の全職員の実態の調査をいたしておりまして、その中で、先生のお話しの点につきまして、たとえば男女ということの別々のそういう資料という、そういう締め方の集計はいたしておりません。
○山中郁子君 ないみたいですね。
○説明員(角野幸三郎君) で、それは現に男女の別ということでどういう取り扱いということも別に考えておりませんので、そういう意味の集計は余り要らないということで、現にやってないわけでございますけれども、その基礎になります調査そのものは全数調査で記録はございますから、集計の仕方ということに相なります。そういうことで、これは全数の個票で大変膨大なものでございますので、ちょっと急にというわけにはまいりませんが、そういうことで考えてみたいと、そういうふうに思っております。
○山中郁子君 これは説明に来ていただいた、何か給与課の筆頭課長補佐の方が何回も言っていらしたんですけれども、男女の差別はないからそういうデータはとる必要はないんだと、こういう趣旨のことを言われているんですね。私、これもってのほかだと言うんですよね。いま私が申し上げたこの事例をとってみても、それを差別と言おうと何と言おうといいですよ、おたくの好きなように言っていただいていいけれども、異常な偏りになっているわけでしょう。これはお認めになるでしょう。そうしたら、少なくとも国内行動計画で、差別がないんだと、公務員に関しては一〇〇%差別がないんだというふうにおっしゃるなら、国内行動計画について、「公務員については、婦人の登用等について十分配慮する。」と、こういうようなものを書くはずがないんですよ。これは国会の中でも明らかになっているし、いわゆるおたくの総理府の企画推進本部の中だって、そういう認識に基づいてたくさんのことがあるから書かれている問題ですね。だから、まず私は、そういう調査がされてないということについては遺憾に思います。遺憾に思ってこれは直ちに調査をしていただきたいということで、具体的に申し上げますが、全俸給表にわたってですよ、等級別、号俸別の男女別構成を省庁別に、時間は大変かかるというお話は何回も伺いました。だから、あしたすぐとか、あさってすぐとかは申し上げません。しかし、この問題は政府として、人事院として押さえておかなければならないデータなんです。このことについては御異議はないと思いますが、まずそのことについての資料の提出のお約束をお願いいたします。 〔委員長退席、理事秦豊君着席〕
○説明員(角野幸三郎君) 省庁別、等級号俸別ということになりますと、とても足がたくさんになりまして、改めてそういう集計のパンチのやり方からまたやりますが、ちょっと時間がかかりますので……
○山中郁子君 時間はまた後ほど具体的に詰めます。
○説明員(角野幸三郎君) 省庁別が外れますと大分それで結果表の数が少なくなりますが、そこまでいきますととても時間がかかりますことを御容赦いただきたいと思います。
○山中郁子君 できる部分から、最初に早目に出していただくというお約束された分もありますから。しかし時間がもしかかったとしても、それは把握していただかなければならないデータだと思います。私が欲しいというだけでなくて、政府としても把握されなきゃならないはずです。そのことをお願いいたします。そして、こうした幾つかの問題を解決をしていくということは、今後の人事院の主要な一つの問題だというふうに私は考えています。 それで、まとめて申し上げますけれども、標準職務表の改正ですね、それから定数枠の増加、また昇格要件の特例の弾力的運用、昇格についての基準の明確化。いま一口に私がずっと申し上げましたけれども、それはおわかりいただけると思います。そういう内容に基づいて根本的な解決をとにかく目指すということは人事院の私は責任だというふうに思います。それで、これは先ほど引用いたしました人事院の存在の役割りの本旨に照らしても、利益を保護しなきゃいけないわけですから、そういう方向を含めて人事院としては、いま私が指摘をいたしました少なくとも男女の不均衡の問題に関する抜本的解決を図る検討をお約束いただきたいということでございます。そのほかにももっといい方法があれば、十分たくさん入れてくだすって結構です。
○説明員(角野幸三郎君) 昇格問題、いま焦点は昇格問題でございますけれども、昇格につきましては職務給のたてまえをとっておりますので、たてまえは外すわけにいかないという、そういう制約がございますが、片やいま先生お話しのように、処遇問題としての接点も同時にございます。そういうことで、いま厚生省さんからもお答えになっておりますが、主任という形で、それからもう熟練したという状況と踏まえてということで運用をさしていただいているということも事実でございます。それを従来もう何年か重ねてきておりますが、その方向で解決したい、こういうことで今後とも考えております。 それから、基本的に標準職務表の改正ということが別途ございますが、これはまた全般問題、これは同時に官民比較の基礎になる骨組みでもございますので、もう少し広い意味で検討いたしておるという現状でございます。
○山中郁子君 広い意味の検討も結構で、その中に当然この観点からの、とにかく平五等級の問題で解決をしなければ、そういう打開の道を探っていかなければこの問題が解決しないということはほぼ一致した見解なんですよ。これは厚生省の考え方も含めてですね。ですから、そのことはいまおっしゃいましたから、必ずしも否定はされていませんから、私はあえてそれをさらに具体的な御答弁はいただかないけれども、ぜひともその問題を含めて抜本的なこの男女不均衡の問題の改善を図るための努力を、検討を人事院においてやっていただきたいと、こういうことをお願いもし、お約束もいただけたというふうに理解をいたします。 それで、最後に総務長官にお尋ねをいたしますが、先ほどもちょっと触れましたが、いま申し上げましたような実態です。で、もっと時間があれば、細かいことももっとたくさん申し上げたいんです。それほどやはり不均衡があります。ですから、国内行動計画での政府がお立てになった考え方、具体的な事項に照らしても、政府としても早急に、これまた五年も六年もかかるということじゃ全然役に立たないわけですから、そうした観点から早急に解決を図るという点でのお約束もいただきたいと思います。ちなみに申し上げますが、労働省では、いま申し上げました六等級十号俸以上に婦人の方が一人もおりません。つまりやればできるんです。それがいろいろな経過でもっていま現在そういうところにはまり込んじゃっているわけですね。身動きができない状態になってきています。努力はされているということは私は否定はしないけれども、幾ら努力をしても解決ができないような根本的な問題があるわけです。その点についてのお約束をいただきたいと思います。
○国務大臣(藤田正明君) おっしゃいますように、婦人国内行動計画におきまして、婦人の政策決定への参加だとか、そういうことはもうすでに始まっておりますし、促進をいたしておる現況でございますから、 〔理事秦豊君退席、委員長着席〕 そういう、いま山中先生がおっしゃったようなことがあるということでありますれば、われわれとしては、その打開のために大いに今後検討努力をいたすつもりでございます。
○委員長(塚田十一郎君) 本件に関する調査はこの程度にとどめ、休憩といたします。 午後零時五十八分休憩 —————・————— 午後二時三分開会
○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 国の防衛に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○秦豊君 最初に防衛庁側にお願いしておきたいんですが、大変窮屈な時間帯ですから要点をのみぐさりとお答えをいただきたい。私は、きょうは対潜哨戒機の選定経緯、現状と見通し、この辺を主に伺いたいと思います。 きょうの朝刊を含めまして最近の報道によると、防衛庁側は、ロッキード・エアクラフトと児玉譽士夫との例の契約ですね、とのコンサルタント契約については廃棄についてめどを得たと、めどを得たから概算要求だというふうなことがもっぱら報道されているわけですけれども、一体そういう感触やめどは何に基づいているのか、何を根拠にそのような感触を得たのか、まずその辺を明らかにしていただきたい。
○説明員(間淵直三君) お答えいたします。 当庁といたしましては、児玉の公判における検察当局の冒頭陳述などによりましてコンサルタント契約があるということを仄聞しているところでございます。私ども当庁としての考えといたしましては、もしも当庁へ売り込みを図るため巨額の成功報酬を伴う契約があるというようなことはあってはならないと考えておる次第でございます。
○秦豊君 間淵さんね、新任早々でお気の毒とは思うが、そんなのはここで通用しない、この委員会では。そういうのは答弁になっていない。作文にもなっていない。気をつけてもらいたい。仄聞どころか現にある。あるものが邪魔になっている。どうする、疑惑を晴らす、こういう話なんです。気をつけて答弁をしていただきたい。 防衛庁側は、いま横にいる同僚の久保君の質問に対して、去る四月ごろのロッキード特別委員会では、法務省側もですが、形式的には契約は生きていると思うという答弁を政府委員がしておる。当時四月です。それからあなた方はさぞや導入を急ぎたいから精力的に詰めたに決まっている。そうでしょう。相当な接触をし、窓口を開き、そうしてこれだという確証を得たから方々でしゃべり概算要求になった、こう考えるのがあたりまえじゃありませんか。もっとしかと答弁しなさいよ。どういう根拠に基づいて契約破棄の確証を得たのか、こう聞いているんです。
○説明員(間淵直三君) 本日の朝日新聞でございましたか、そういう報道がなされておることは存じておりますが、私どもといたしましては確証を得たというようなことは申しておりませんでございます。
○秦豊君 いま大事な話をしているんですから一語一語注意してお答えをいただきたい。御要望申し上げますがね。これは三原長官の前の坂田長官以来、一点の疑惑なきを期したいと、これが対潜哨戒機その他FXを含めた新規装備を確定する場合のあなた方の原則です。心構えです。ロッキードスキャンダルの教訓です。だから、あれは朝日の報道だ、私は知らないと、こんなことであなた概算要求のめどがついたとは言えませんよ。 では正直に言ってください。全然ロッキード側とは接触していないんですか。
○説明員(間淵直三君) 全然接触しておらぬということはございません。
○秦豊君 ではどのように接触したか言ってください、だれと。
○説明員(間淵直三君) 昨日でございましたか、私が接触いたしました。
○秦豊君 まあ小出しの答弁はなかなか慎重でいいけれども、あなたがじゃ窓口ですね、新任早々御苦労だと思うが。先方さんどなたですか、どこでお会いになったんですか、どんな話をしたんですか。
○説明員(間淵直三君) 先方はロッキード・エアクラフト・アジアの社長のデービットソンでございます。防衛庁で会っております。
○秦豊君 そうすると、たったきのう一回だけですか、一回でこのめどを得たんですか。ならばどういう話がなされたんですか、明らかにしていただきたい。
○説明員(間淵直三君) きのう初めて、一回だけでございます。
○秦豊君 じゃあれですか、あなた方は児玉譽士夫のロッキード公判は十月から十一月が山ということも御存じでしょう。織り込み材料の一つでしょう。だから、やがて久保さんに聞くけれども、久保さんの方の国防会議の正式決定もまあ十一月ごろだろうという、それも末ぎりぎり、こういう予測をお持ちのようですね。そこで、しかしまあ三原さんがいまFXもそれから対潜哨戒機もと意気込んでおられる。その問題も後で聞きたいが、間淵さんは担当としてそのロッキードの責任者に会った。しかしあいまいに、じゃ破棄されるんですか、したいと思います、安心しました、こんなあいまいな話で、あなたが長官に報告できるような内容とは言えますまい。たとえばロッキード・エアクラフトと児玉との契約を調べてみると、そのコンサルタント契約の第五において契約の期間と停止期限というのがある。それを見ると、いずれか一方の当事者が他の当事者に対して書面で六十日前に停止を通告するまでこの契約は継続するという条項があるんです。これはあるんです。そうすると、逆に言えば通告をすれば六十日後には児玉とロッキード・エアクラフトは切れると、この解釈が法的に常識的ですね。こういうふうな解釈が援用されるという心証をあなたは得たんですか、それともほかの方法、何かほかのニュアンスがロッキード側からこぼれたから何か心証を得たんですか、明らかにしてください。
○説明員(間淵直三君) 昨日までは幅広い選択を行っておりまして、ロッキードとは一回も接触しておりませんでございましたが、ようやく大詰めを迎えたという段階でございますので、昨日初めて接触をいたした次第でございます。
○秦豊君 通産当時の癖が抜けていらっしゃらないようだが、内閣委員会の場合、あなたが装備の最高責任者なんですよ。国民の皆さん注目しているわけですよ、最近余り活字が大きいから。だから正確に答えていただきたい。じゃ、私が申し上げた第五項、このようなこともあり得るというふうな説明がロ社側からなされたと解してよろしいですか。
○説明員(間淵直三君) 先ほども申し上げましたように、確証を得たということは私は申しておりませんでございます。
○秦豊君 確証は得ていないが、もう概算要求は今月下旬の話ですよ。庁議は終わったんですよ。久保さんの方に移るんですよ、三十日ごろから。そうでしょう。あなた方はぴしっとしたオペレーションでやっているわけだ、まるであたかも。一点の粗漏もあっちゃいけない。そのために一つ一つ踏み固める。ロ社側から心証を得ずしてどうして長官に重大な政治責任の伴うような決定の上申ができますか。何か心証を得たんでしょう。確証とは言わぬが、あなた少なくとも装備局長として、じゃP3Cを導入するときにも、国民の皆さんから疑惑を持っては見られないような何か安心のできる材料はあったんでしょう。
○説明員(間淵直三君) 国民の目から見て疑惑を持たれることのないように最大限の努力をいたしまして、概算要求までにはそのめどを得たいと思っております。
○秦豊君 少しわかってきました。概算要求までにはめどを得たい。今月の下旬じゃありませんか。なかなか有力な心証じゃありませんか。そういうふうにずばっと、ぐさりと言っていただければ素人の私どもにもわかりやすいんです。余り情報を秘匿しないでいただきたい。 そうしますと、廃棄は、つまり廃棄という保証はロ社側からまた改めて間淵装備局長に報告、連絡があるという形で概算要求までに確認されるんでしょうか、どうなんでしょうね。
○説明員(間淵直三君) いろいろの様式を含めまして最大限の努力をしておるところでございます。
○秦豊君 しかしきのうもお会いになったんだから、今度そういう正式な態度をロ社側で決めればあなたを訪問しますよね、これは表敬訪問じゃなくてビジネスとして。そういうことがあり得るというわけですね。
○説明員(間淵直三君) そういうこともあり得るかもしれぬと思います。
○秦豊君 じゃ、もう高い金を使ってロサンゼルスへどなたかを派遣、飛ばさなくたって、東京の六本木でそのことが行われるわけですね。
○説明員(間淵直三君) そういう場合もあり得ると思います。
○秦豊君 それでは、商社筋を調べてみると、こういう場合便法がある、抜け道が。児玉が、これは私的契約だから弁護士を立ててどうしようがそれは御自由だ、関知しない。だが、こういう場合のロッキード・エアクラフトというのは、なかなかしたたかな死の商人、多国籍企業だから抜け道をよく知っておる。契約は破棄しました、防衛庁を安心させる、三原さんは勢い込む。ところが、いつかある時期になってみると、ロッキード・エアクラフトのあるいは別会社、あるいは別な法人から、広報費あるいは何とか工作費、PR費と称して児玉譽士夫の手に契約相当額が渡っているというふうなことはよくあり得るらしい。そのようなことがもし今後判明したような場合には、一体防衛庁側は、それはただじゃ済まぬでしょうね。どうされるおつもりですか。
○説明員(間淵直三君) 先生のただいまの御指摘、非常に参考になってありがとうございました。そういう場合も頭に入れて対処していきたいと思います。
○秦豊君 長官にこの点を確かめておきたいんですが、いやしくも国民的疑惑の中にある対潜哨戒機導入なんです。だから、三原長官はもうかねがね背骨を伸ばして一点の疑惑なきという御答弁を貫いていらっしゃるが、もちろん私が申し上げたのは仮定です。仮定ですが、それがよくあるんです。そのようなことが起こったらこれはもう猛烈な非難の矢面にあなたはお立ちにならなきゃならぬ。だから、そういうふうな場合には決然としてこうするとか、こうするつもりだとかいうことぐらいは御答弁願っておきたいんですが。
○国務大臣(三原朝雄君) そのことをお答えいたします前に、ごく簡単に私の考え方を申し上げさしていただきたいと思いますが、私はこの八月の末、こうして予算を出さねばならぬという事態でございます。その前におきましても、この問題はかねて国会において御答弁申し上げておりまするように、慎重の上に慎重を期してやらねばならぬという立場を堅持してまいりました。しかし、防衛を担当する責任者といたしましては、対潜能力に欠如した点があるということはもう先生御承知のとおりでございます。そういう点、それからP2Jもここ四年もいたしますとこれがダウンをしてくるというような事態にも迫られておるわけでございます。しかもこの対潜機の整備につきましては、過去十年、最近に至りましてもここ三、四年間この問題と取り組んでまいった事情は御承知のとおりであります。
○秦豊君 その分は恐縮ですが簡略にしていただきたい。
○国務大臣(三原朝雄君) はい。そういう立場でいよいよ予算を編成をしてまいるという事態でございまするので、私といたしましては、先ほど装備局長が申しましたように、ロ社との関係はどうあるべきか、あるいは商社との関係はどうあるべきか、あるいは公安がいま審理を続けておりますロッキード事件の推移はどうなるであろうか、それらの問題でございまするとか、あるいはアメリカにおきまする証券取引委員会の状態、そういうものの推移がどうであるかというような問題等、これは一にかかって国民の理解、国民に疑惑を持たれるような結果になっては相済まぬ。しかも多額な国費をこれに投ずるわけでございまするので、そうした点で私は全般的に一個一個詰めてまいらなければならぬということで慎重に今日までやってきたわけでございます。したがいまして、予算編成の時期に当たって、それらの詰めがなされなければ庁議において防衛庁としての内定をすることも差し控えたいという事態で参っておるわけでございます。残されましたあと二週間前後の今日でございまするので、そういう点を一つ一つ担当者に対してその詰めをいたしておるというのが現況でございます。したがって、いま秦先生から御指摘があった、そういう詰めはしておるであろうけれども、その中でやはり老獪なそうした会社の行為が、まあ犯罪とは申せなくても見ようによっては道義にもとるような結果になった場合にはどうするかということでございまするが、長官として外国社なりあるいは商社についてそういう仮定の御返答を申し上げることは差し控えねばならぬと思いまするけれども、そういう事態につきましても、十分やはり事前に私は、転ばぬ先のつえと申しまするか、そういう立場で詰めて条件を整備して最終決定を月末にはいたしたい、そういう考え方でおるわけでございます。
○秦豊君 全然アングルを変えてお伺いしますが、これは伊藤さんなのか間淵さんなのかちょっと、お二人だと思いますが、防衛庁の抜本、技術本部から、担当者が、七月中旬だと思うが、PXLについては国産化で大丈夫だという意味の、第一読会とあなた方が言っているか第二読会と言っているかつまびらかではありませんが、何らかの接触、説明会のようなものがあったかどうかだけちょっと聞かしてください。
○説明員(伊藤圭一君) 御承知のように、ことしの初めから三つの考え方、国内開発、それからP3Cのライセンス国産、それから折衷案、こういうものにつきまして特別調査費をいただきまして技本を中心に検討をいたしておりました。その結果の報告会が七月の中旬にございました。
○秦豊君 それは七月の中旬ですね。確認だけです。
○説明員(伊藤圭一君) ちょっとはっきりした日は記憶いたしておりませんが、中旬であることは間違いございません。
○秦豊君 これは各紙報道されたところですが、たまたま手にしておりますのは七月十四日読売の朝刊です。見出しのとおりです。これは国産化前提にして「7−10年後に量産」「防衛庁決定」、七月十四日の朝刊だと思います。だから、サブタイトルはしたがって「P3Cつなぎ導入」になっている。いま八月十一日のはずですけれども、そうすると、その間にブラウン氏の来日を含めて、たとえば私どもの調査では、少なくとも七月のこの記事の出たころ、七月の中旬から下旬ごろまで、少なくとも二十七日ごろまではメーカー筋を含め、たとえば川崎を含めその他を含めて、あるいは溜池の関心を持ったグループを含めて国産化路線はもうかたいんだという印象がずっと流れていたことは御存じだと思います。それは否定されませんね。
○説明員(伊藤圭一君) それは実は事実ではございませんで、そのときに国内開発案という方向で物事が進んでおったということは間違いでございます。この三つの案につきまして、それぞれ可能性につきましての説明がありまして、そのことを報告として聞いただけでございまして、そのときには何らの決定はなされていないわけでございます。
○秦豊君 もちろん三案同時並行審議ですからね。そんなに早急に、しかもあなた方は内定の権限しか持っていない。すべては久保さんのところの国防会議において重要装備は確定する。これは正式決定。その間、こういう慎重な言い回しは結構だが、技術本部としては数々のデータをそろえて国産化にも対応できるという説明をしたはずなんです。そういう内容ではなかったですか。
○説明員(伊藤圭一君) それは国産化といいまして、国内開発——機体、装備ともに開発、これはいま先生がおっしゃいましたように、七年程度の時間があれば可能であるという説明はございました。それから、もちろんその国産化をいたしますということは、新しい立場で研究開発をするわけでございますから、将来性を持っているというような説明もございました。それからまた、いわゆるソフトウエアの面などから考えますと、すでに実績を持っているP3Cのライセンス国産というものが一番信頼できるだろうという報告もあったわけでございます。さらにまた、いわゆる折衷案と申しますか、これにつきましても十分成算はあるというような報告があったわけでございます。
○秦豊君 これは私の一つの予断ではなくて、私の心証なんですが、やはり国産化国産化という相当強い印象の話が唐突として急転回したと、少なくとも七月下旬から八月早々の間にブラウン訪日を境目にして。私はやっぱり四十七年当時のドル減らし時代、田中角榮、後藤田、あの連中がうごめいたあの密室の逆転劇、これではないけれども、そうとは決めつけないけれども、いまから調べますけれども、少なくとも七月下旬から八月第一週ぐらいまでの間に防衛庁はやはり明らかに方向を転換したと、三案同時並行審査をしたが、一応国産についてはソフトウエア、こういう点弱いところがある、いろいろやっていった、落としていったと、消去法。残ったのはP3Cだとおっしゃるかもしれないけれども、やはり何が最も痛烈なインパクトでそうなったのかはまだわからない。わからないがどうにも解せない、おかしい、何か密室の逆転劇があったような印象を私は否定できません。で、私のような言い方は勘ぐりが過ぎておりましょうかね、どうなんですか。
○説明員(伊藤圭一君) それは実は私どもといたしましては、国産化を推進しておって急転した、特にいま先生がおっしゃいましたように、ブラウン訪日をきっかけにしてということは、これは全く事実と相違いたしております。で、もちろん先生も御承知のように、国内の航空機産業というものはみずから国産し、そして完全な生産をするという希望は持っておるのは事実でございます。したがいまして、そういった国内の航空機メーカーの立場からいたしますと、そういうものに期待を持ったいろいろな談話といいますか、アナウンスといいますか、そういうものはあったということはこれも否定できないことだと思います。しかし、私どもはある一つの方向を決めて、そして進んでおって、ある日突然変わったというようなことは全くないわけでございます。
○秦豊君 ブラウン氏は、ソウルの帰りに立ち寄ったにしてはずいぶん仕事をしていったという印象を持っております。佐世保母港化の問題は後で聞きたい。それでFXの問題、PXLの問題、単なる表敬訪問の域を超えて、三原さんとなごやかに写真を写しただけじゃなくてなかなか能吏ぶりを発揮したと私は思っている。これはだけど詰められませんからね、永遠の水かけ論議ですから時間がもったいない。後日のあれにゆだねますけれども。 それでは伺いますけれども、一機が予備機であって、そのP3Cは四十五機だというふうに積算をされましたね。それはどういう根拠に基づいてその四十五機という数が出てきたんですか。
○説明員(伊藤圭一君) 四十五機というふうに決まったと先生はおっしゃいますけれども、実は最終的な機数というのはこの二週間ぐらいの間にはっきりいたすと思います。で、これは私どもといたしましては、新しい対潜機の運用で新しい装備品を装備いたしますときには、一応十年前後というものが見通し得る将来といたしまして、その期間にその装備品を運用するという従来からのたてまえがございます。したがいまして、新しい対潜機にいたしましても、今後十年程度の間に現在のP2Jがどのような形でフェードアウトしていくか、そういうものを判断しながら一応十年ごろの時点を見ますと、四十数機というものがフェードアウトしてまいります。そしてまた一方、御承知のように、計画生産をするときには、一万時間飛んだらどれぐらいの事故率があるかというようなのを計算いたしまして、そういうものを含めました形で計画生産をするわけでございますが、御承知のように対潜哨戒機の事故率というものは、私どもの二十年間の経験によりましてもきわめて少ないものでございます。P2Jに例をとって申し上げますと、普通の戦闘機でございますと一万時間飛びまして一機ないし一機半ぐらい落ちるというのがいわゆるその事故率と言っておりますが、これに対しまして対潜哨戒機は〇・二以下の数字でございます。したがいまして、そういう数字を勘案しながら十年後落ちていくP2J、これに対応する新しい対潜哨戒機の数というものをいま詳細に検討しておるところでございます。
○秦豊君 去年の七月十四日、ロッキード特別委員会でぼくがPXL問題をやったときは丸山さんが局長でおられた。丸山さんからいわゆるP2Jの減耗という答弁があって、たとえば五十三年に七十八となり、以下だらだらっと答弁があった。じゃいまそれを計算中とはおっしゃるが、いまあなたがお手持ちの減耗の正確な数ですね、それからタイミング、これを、この四十五機が仮にアバウトな数字でやがて詰めるにせよ一応報道されている機数的なものですからね、それを裏づける関連する減耗の正確な答弁をここで願っておきたい。
○説明員(伊藤圭一君) これは丸山局長時代に御説明いたしたかもしれませんけれども、現在持っております対潜哨戒機というものはP2J、P2V、それからS2Fという飛行機を持っております。これを総合いたしまして、S2Fの場合には足が短いものでございますから、たしか四機をP2J一機というふうに換算をいたしまして、現在約九十機を持っているわけでございます。しかしながら、防衛計画の大綱にお決めいただきました十個飛行隊、それを維持するというような形で今後なるべく長くこのP2Jというものを使っていきたいと思いまして、そのうちの十機程度は補完機として通常の訓練に使わないようにしてなるべく寿命を延ばしている状況でございます。で、その八十機を切る時期というのがただいまの飛行時数、それからP2J、P2Vの寿命、それからS2Fの寿命から見ますると、五十六年の初めから一機ぐらいずつ減ってまいります。それが私どもの現在の計算によりますと、六十一年度の終わりごろに四十四、五機に減ってくるという計算になっているわけでございます。
○秦豊君 そこで伺いますけれども、四十五機がやがて、じゃあと一週間、来週ぐらいにはやや——ややじゃなくてびしっとした数になりますよね、だって予算が関連しますから。そうすると、たとえばFXの場合には第一次契約二十九機、最終的には五スコードロン百二十三機、これはあなた方のいわゆる兵力増勢計画ですよね、言ってみれば、名前をつければ。そうでしょう。導入計画ですね。そうすると、PXLにも当然同じような観点に立った兵力増勢計画があって当然ですね、それはどうなっているんですか。
○説明員(伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいましたのは、増勢計画という形では実はないわけでございまして、F15は十個飛行隊を維持するために、104が減勢してまいります、寿命がなくなりまして減っていくのに見合う形でつくっていくわけでございます。したがいまして、十個飛行隊というものはずっとそのまま維持されていくわけでございますが、これはPXLにつきましても同じような考え方をとっているわけでございます。で、一個飛行隊、現在十機で編成しておりますけれども、その中のP2Jが落ちてまいるわけでございますが、それに見合うような形で、その八十機を維持していくという形でこのPXLをつくっていこうという考えであるわけでございます。
○秦豊君 防衛局長ね、対潜機の故障率は少ないし、まるで緩やかに減衰していくというふうなイメージの答弁なんですよね。あわてることないよと私は受け取りたい。ところが、一方では四十五機という数がぽんと出てくる。それで減耗の話を聞いてもどうもアバウトである。おぼつかなげに、やや自信なげにお答えになるしかない。だから納得できない。どうもその辺がすとんと落ちてこないんだけれども、どうなんですか、防衛庁の庁議には、いろんな積算のデータというのは、ぼくらに見せないようなものをたくさんお持ちだが、お得意だから。だけれども五十機を超えれば児玉ケースに抵触をする。大前提は五十機を超えるなということだという点で、帰納法じゃなくて演繹法か何か知らないけれども、初めに結論ありきで、五十機以内という大枠をあらかじめ設定していてすべてのプランをそれに合わせるという作業じゃないんですか。
○説明員(伊藤圭一君) 大変説明がまずくて申しわけございませんでした。いま十年後の六十一年に四十五機になると申しておりましたけれども、これは毎年のペースからいきますと、五機あるいは六機という形で落ちてまいります。これはどういうことかと申しますと、それぞれの飛行機というものは寿命を持っておりまして、七千五百時間ぐらいというのがP2Jの寿命になっております。これが一挙にばたっといかないように、それぞれの飛行機の運用を考えまして計画的に落としていくということにいたしませんと、それに見合うような形でつくるというのは、ある年にがたっと十機も二十機も落ちてしまいますと、非常にたくさんのものをつくらなきゃならない。そうすると、そのつくるときに一つの工場がフル生産で二十機をつくって、翌年また三機というようなことになりますときわめて効率が悪いわけでございます。したがいまして、落ちる方も緩やかに、なるべく平均的に落ちていくような運用のいたし方をしておりますので、いま六十一年に四十五機と申し上げましたが、それに至るまでは毎年五機あるいは六機という形で落ちていくわけでございます。
○秦豊君 最終的には何機ぐらい配備すれば足りるんですか。
○説明員(伊藤圭一君) これは新しいPXLと、それからP2Jの性能の差もございます。で、私どもは防衛計画の大綱におきましてお認めいただいております十個飛行隊を維持してまいりたいと思っております。で、この新しいいわゆるP3級の電子機器を積みました飛行機というものは、広域を捜索し、そのために非常な高度をとるというような、いろんなオペレーションの仕方があると思います。片や、ある潜水艦がいると思われるようなところに急速に行ってその捜索をするデータム捜索というものもございます。それから一方、日本の国土の周辺の海域というものを捜索する区域捜索という任務も持っているわけでございますので、そういうものを勘案しながらいくわけでございますが、いずれにいたしましても、現在のP2J、これは八十機をもって編成し、運用するという考え方に立っておりますので、それを超えるということはもちろんないわけでございますけれども、いま最終的にそれが何機という形になるのかということは、ちょっと正確にお答えすることはむずかしい問題であろうかと思います。
○秦豊君 F15の場合には五スコードロン百二十三、どうせ大蔵がばさっとやりますがね、われわれが追及しますがね。しかし、なぜ対潜機の場合だけいまお答えできないんですか。そんなアバウトなORでもって、積算、見積もりでもって、あなた方はこの重大な作業をお進めになっているんですか、解せませんね。
○説明員(伊藤圭一君) 私がいま申し上げておりますのは、再々申し上げておりましたように現在持っておるのは八十機でございます。これは日本の周辺の海域の捜索、それからデータム捜索ということを前提にしているわけでございます。したがいまして、この八十機というのは、いわゆる一個飛行隊十機の編成でやるということでございますので、もちろんその八十機は必要であろうというふうに私どもは考えているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、S2Fを一機のP2Jに換算する場合には、一応いろんな運用の形態を考えまして四機がこの一機に相当するというような計算をいたしました。で、そういうようなことから、私どもといたしましてはこの八十機を維持してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○秦豊君 装備局長、あなた方が選び取られようとする選択、内定にせよ確定でないにせよ国産化という線は全く消えたんですか、そう理解してもいいんですか。
○説明員(間淵直三君) 今後十年に関する限りは、PXLを国内で開発するということは、正直に申し上げて非常に影が薄くなったということでございます。
○秦豊君 あなた方はP3C、P3Cとおっしゃいますけれどね、鬼の首のように。疑惑にまみれたからやめろというふうな短絡したことは言ってないんです。あなた方はあくまで軍事的合理性とか、対米協力とか海域分担とかいろいろあるからね、あなた方の合理性。われわれはそれに反対しているから、そんな議論したら夜が明けるから言わないだけであって、だからよく聞いてくださいよ、装備局長、いいですか。あなたのいまの答弁は、もう国産化は目がないと、そう思ってくれていいと、こういうニュアンスの答弁なんだが、P3C、P3Cとおっしゃるけれども、ユニバックのセンサーシステムが優秀なんであって、あんなボデー、機体なんていうのは、さんざん故障続きで不評の、悪評さくさくであったエレクトラの機体なんですよ。そんなものが優秀だなんていう航空関係専門家はどこにもいませんよ。何が優秀、センサーシステムじゃありませんか、これは。そうでしょう。それが優秀なんだ。P3Cが優秀というと何だか全体にロッキード・エアクラフトのあれが全部優秀というふうにとられるが、そういうイメージは、それは間違い。もちろん周辺のいろんなソフトウエアに類するものは、なるほど対潜哨戒技術はロッキードは優秀なものも持っているが、セットで考えた場合にあの機体は悪評続きのエレクトラである。中身が優秀なんだ。ならば国産のいわゆる、あなた方、久保さんの時代にあったじゃないですか、あなたペンタゴンにも行かれたけれども、このどんがら・はらわた論があって、S3Aの中身を国産開発のボデーに載っけたら航空機産業の工程数はふえる、大喜びだと、防衛生産委員会は乾杯をするというふうなことで真剣に論議をした機会があった。CP140のオーロラの調査団も税金使って行った、行くなとは言わなかったけれども、こちらも行くのは必要だろうと、一つ一つ詰めなさいとは言ったけれども、そうしてP3C、これが伊藤さんの言う三つなんだ。じゃ、なぜ国産の機体に精密なセンサーシステムを導入することは、結果的にアメリカの合意が得られなかったのか、児玉、小佐野が働きかけたからそうなったのかと、そう言いたくなる。どういうふうに一つ一つを評価、解析してP3C大量導入という結論になったのか、ぼやけていてちっともわからない。この委員会で一つ一つを明らかにしてください。
○説明員(伊藤圭一君) 昨年の暮れから私どもがやりました作業についてはすでに御承知だと思いますけれども、私どもは、いま先生がおっしゃいましたように、機体そのものは、日本で昭和四十三年ごろからいろいろ研究開発をしたいということで頭に描いて、またその可能性を追い続けてまいりました日本でできます機体の方が、もちろん優秀だというふうには考えております。といいますのは、まずスピードがターボファンのエンジンでございますので、百ノット以上も速くなるわけででございますから、特にそのある区域を限りますデータム捜索の場合にはこれは優秀であるわけでございます。しかしながら、いま先ほどお答えいたしましたように、現時点からこの両方を開発するのには七年の歳月がかかるわけでございます。したがいまして、七年の歳月がかかると同時に、いわゆる日本の技術の面からいたしますと、ハードコアと申しますか、その機械そのものは十分成算があるというふうに考えておりますが、これは技術研究本部で検討いたしましたときにも、やはりそのソフトウエアを中心としたシステムの面におきましては幾らか現時点において問題になるかもしれないというようなこともその報告の中に入っておったわけでございます。そして、この機体に現在のP3Cに積んでおります電子機器を積んだ場合のソフトウエアのシステムといいますか、この開発というものは、現に私どもが調査いたしましたカナダのCP140というものが、あのオライオンの機体にS3Aを積みまして、そのソフトウエアの開発に当たってはきわめてむずかしい問題を抱えているという実情もわかりました。そしてまた、それをやるためには、ほとんどロッキード社の力によらなければ、いわゆる部外の者だけでは時間がかかり、お金がかかるというようなこともカナダの調査の結果わかったわけでございます。そうなってまいりますと、機体をつくってそれに載せるということは、いわゆる機械の面からいたしますとそうむずかしい問題ではないという判断がございますけれども、やはりそのソフトウエアを含めたいわゆる十分な運用に耐えるような飛行機というものを完成するのには、七年ないし八年という歳月がどうしてもかかるというようなこともあったわけでございます。
○秦豊君 詰めて言わしていただくと、時間の要素、費用の要素、二つにしぼれますか。
○説明員(伊藤圭一君) いまおっしゃいました時間の要素、費用の要素、それともう一つはいわゆる運用面から見まして、一つの装備品、兵器というものができまして、それを本当に部隊で運用するというところの間には、実用実験あるいは運用実験というものを繰り返しやらなければならないわけでございます。で、そこのところで、本当にいままで運用を重ね、実用してきたものと比べてそれと同じ結果が得られるかどうかという点になりますと、やはりこれからの開発ということになりますと、一つのアンノーンのファクターというものは否定し得なかったという点もあるわけでございます。
○秦豊君 三原長官、あなたは防衛局長や装備局長のそのような上申というより説明、これプラス対米配慮、たとえば対潜防空能力の向上、これが第一義として要求されているアメリカのその要請にもこたえる、一石二鳥はおろか三鳥にもなり得る、しかもドル減らしにもなる。まるで四十七年ごろ聞いたセリフですけれども、万事八方よろしいというふうな判断がやや分厚にあってこの路線にゴーのサインを出されたんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) いま言われました対米配慮というような問題、もちろん日米安保条約というものを基本にして日本の安全体制を組んでおりますので無視はいたしておりませんけれども、しかし、この対潜機の問題につきましては、対米的な要請があるからというようなところを重点に置いて考えておるのではございません。なおまた、ドル減らしというような問題につきましては、私はある人からそういう意見も聞いたことはございまするけれども、そうしたかつて私どもが、ちょうど符合するという先ほども御意見がございましたが、そういう点の誤解を招くようなことがあってはならない、十分やはり日本の防衛的な立場で、この最後の決断を下すということを申し上げたぐらいでございまするので、特に対米的あるいはドル減らしというような立場を考えて配慮をしたということにはならぬと思うのでございます。
○秦豊君 国防会議久保局長に伺いたいんですが、いま私は、かなり見過ごせない重大な選択が防衛庁独走という形で突っ走っていると思う。少なくとも来年度の予算要求に関する限りはAEWは見送り、しかしP3CとF15は同時に頭を出すというきわめて強気なこれは選択です。私に言わせれば、これは順逆で言えば逆立ちした選択だと言わなきゃならぬ。あなたが次官時代に道を開かれたいわゆる基盤的防衛力構想、まさにそれを論理的に適用すれば優先順位はAEW、PXL、FXになってしかるべきである。それが全く逆立って倒錯をしているというふうなこの進み方を一体国防会議の局長としてはどういう思いでながめていらっしゃるのか。たとえば、さらに言えば、国防会議が最終決定最高機関のはずが、単に六本木のこれは庁議だ、まだインナーキャビネットだ、まだいいんだ、内輪の話だと言うけれども、官僚機構の常としては一たん内定を庁議で決めて概算要求をするとこわい敵はもう大蔵省しかいない。国防会議は防衛庁の決めた庁議の追認機関にすぎない。それではせっかくあなたほどの人が座っていらっしゃるのに一体機能していないじゃないか。かつて四十七年にはあの空の問題をめぐって予算の先取り問題があったけれども、ケースは違う、目標は違うけれども、明らかにこれは一種の類似的な現象だと私は言いたい。きわめてこれは危険なんですよ。AEW、優先順位をどうすべきかなんていう問題は、まさに防衛庁に任せるんじゃなくて国防会議事項じゃありませんか。ぼくらは少なくともそう理解しますよ、どうでしょう。
○説明員(久保卓也君) FXについては相当説明を受けておりますが、PXLについては現在まだ説明を聞いておりません。AEWについてもしかりでありますが、いまの御質問について言えば、このFXにしましてもPXLにしましても、部隊の減衰するその時期というもの、タイミングというものがありますので、それに合わせるという問題が一つあろうと思います。いまの御質問はその機能という面であろうと思うんですけれども、機能という面から見るならばPXLが一つの。パッケージでありますし、他のパッケージはAEWとFXのパッケージになると思うんです。で、どちらを優先すべきかということはなかなかむずかしい問題で、やはり両方必要である。ただし諸般の状況からしてどちらを先に取り上げるかというのはまさに今後の問題であろうと思うんですが、そこでFXとAEWとどちらが先かと言いますと、AEWが先だという考え方もあり得るわけですが、御承知のようにAEWの場合は採用するとすればこれは完成機の多分購入になるでありましょうし、FXの場合には生産という段階がありますので、整備のタイミングを考えればどちらが先になるかということは多分防衛庁側で結論として出てくるんだろうと思います。 そこで、それらのものをまず防衛庁が考えるというよりもむしろ国防会議が検討すべきではないかと、こうおっしゃるわけでありまするが、国防会議はまさに、まあ私というよりも議員、つまり各大臣方が御判断になるわけで、大臣方は技術的というよりもむしろ政治、軍事的な立場から御判断になるわけでありまするから、最初からなかなかこういう順序がよろしいということは、やはりたたき台がないと御意見も出にくいんではなかろうかと思います。そこで防衛庁が仮に決めましても、大蔵省でも審議しましょうけれども、関係各省で、われわれ事務当局で十分審議したその結論は国防会議の議員方に御進講申し上げ、そして十分に議員方が御見識を持って、防衛庁もしくは私どものつくりましたたたき台を御検討になるというふうに私は思っております。
○秦豊君 しかし久保さんね、そうおっしゃいますけれども、私はかねがね持論として、日本の防衛計画というのは少なくとも精緻でない、精密ではない、国民に十分な説明もなされないままに、ひたすらに姿勢を低くして首をすくめていれば風は通り過ぎるというふうな路線だと思っている。今度の場合でも事は防空システムに関する問題。あなた方は抗たん性が大事で、シェルターがほしいとかいろいろ言っている。ところが日本の空を有効に守るということを考えた場合に、無限に予算は使えない、窮屈な予算だ、今後ますますそうだという場合に非常にディジタルに合理的にプライオリティー——優先順位を決めるという態度はむしろ誠実な行政としての対応じゃありませんか。防衛庁の義務です。任務です。ところがユニホームは、とにかくイーグルが欲しいんだとがんぜなく思い込んでいるんだから。これはあたりまえなんだ、彼らに言わせれば。より精強な、より強い、これはもうユニホームの通有性なんだ、属性なんだ。これは直らない。それを内局がチェックしなければならぬ、それを防衛庁長官が歯どめをかけねばならぬ、それを国会がにらまなきゃならぬ、そして機関としては国防会議がある。いまだかつてトータルな防空構想について突っ込んだ、納得のいく議論が国防会議で行われたか、私は寡聞にして知らない。で、FXのみが突進をする、突出をする、バランスがいつまでも失われる。こういう現状を抜きにして——まただから国防会議が機能していないとあえて言いたいのは、防衛庁の追認機関にこのままだと成り下がりますよ、今後とも。多少大臣の数をふやそうが、あるいは議員の数をふやそうが、参事官会議の頻度を高めようが、そんなものは枝葉末節、私は任務は全うできないと思う。そうじゃありませんか。
○説明員(久保卓也君) おっしゃることは正論でありまして、私が申し上げたいのもいまおっしゃったようなことであります。
○秦豊君 そう言う久保さんは率直ですから、防衛庁の後輩を傷つけたくないと思われながら慎重な言い回しだがずばっとおっしゃった。あれが常識ですよ。長官、非常にいま危険です。傾向は危険です。またラフです。傲慢ですよ。とにかくこういうときに、もともとどうせ削られるんだから出しておけと。とにかくおれが責任を持つから出せと。ところが防衛白書は、後で時間があれば触れたいが、さんざんミグ25で愚痴を並べながら、結論を見るとPXLとFXだけが突き出してくると。国民の皆さんからしてみると、基盤的防衛力構想と正面装備の強化、一体どこがどうつながってどう整合性があるのかさっぱりわからない。あんな防衛白書なんというのは、あなたあれですよ、まるでFX、P3C導入の陳情書です、あれは。本質はそれにすぎないと私は思う。 とにかく時間が時間だから、この問題は一回きりではとってもとっても詰まらないと思いますけれども、しかし、では観点を変えて国防会議で今後そのようなトータルな論議を真剣にやる用意と決意と謙虚なお気持ちがおありかどうか、長官どうなんですか。久保さんずばっとおっしゃっていますよ。
○国務大臣(三原朝雄君) 謙虚な気持ちで国防会議の議を受けたいと考えております。
○秦豊君 その場合には、庁議で決めたんだから、概算要求をしたんだから、メンツがあるからというんじゃなくて、やはり相当真剣な論議をされて、チェックがかかったら、修正が加えられたら謙虚にそれに従うと、あるいは国会の場で。そういうお気持ちですね。
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほど防空システムについてきわめてラフだという御意見もございましたが、そういうような御指摘の点もあろうかと思いまするけれども、しかし、防衛庁においてF15なりあるいはPXLを決定するに至りました経過というようなものをお考えいただきますれば、御承知のように対潜機につきましてもすでに十年近くでございます。またFXについてもここ数年来検討に検討を加えてまいった事態でございまするから、そういう点で今回概算要求にPXLとF15を計上しようというに至ります間におきましては、十分なやはり詰めをいたしてまいっておる点でございまするので、国防会議におきましても、その検討を続けてまいりました経過等につきましては十分進言を申し上げ、最終決断を仰ぐという考え方でおるわけでございます。
○秦豊君 じゃくどいようですが伊藤さんと間淵さん、今度やがて決まるであろう四十数機、これはつなぎじゃつまりないわけですね。つなぎという言い方は妥当しないわけですね、こうなれば。
○説明員(伊藤圭一君) つなぎという概念は、長い目で見ますると、あるいはその次に出てくるものがまた違った対潜哨戒機になるということになりますと、またそれはつなぎということになるわけでございますが、いわゆる従来考えておりましたようにP3C級のものを、機体、電子機器を含めて国産する、その間わずかなものをつないで入れるという考え方ではないわけでございます。
○秦豊君 ちょっと先を急ぎますけれども、また閉会中審査あると思うから観点をちょっと変えてみたいと思いますが、白書を拝見しましてね、私いま少し口が悪かったかもしれないが、陳情書にすぎないと申し上げた理由は、やはりこれは久保さんと三原長官両方お伺いしたいんですけれども、どの国にあろうがなかろうが、なぜあれ説得性がないかというと、ナショナルセキュリティーという問題、安全保障の問題がトータルでとらえられていなくて、ワン・オブ・ゼムのはずのおたくの意向だけが赤裸々に出ていると。それも責任をなるべくとりたくないというふうな中途半端な腰だめで出ているからますます中途半端になる。読んだ人は薄い味の作文にすぎないとつい言いたくなる。そこで、お出しになるのは非常に結構だ、出さないよりはいい。いいけれども、ひとつやはりここ来年あたりからそろそろエネルギー、外交、資源、食糧、そうして防衛というふうなジャンル別な討論を一年間みっちりやられて、日本の安全保障白書というふうなものを、国防会議がコーディネーターとして調整をし、世に問うというふうな用意はあるのかないのか。相変わらず十年一日のような「日本の防衛」というふうな、あのような味の薄いものをおくめんもなくお出し続けになるお気持ちなのかどうか、その辺はどうなんですか。
○説明員(久保卓也君) 昨年防衛白書を出しましたときにも新聞の社説の批判の中に、あるいは論説委員の御意見の中にそういう御意見が出ておりました。そこで、政府及び多分与党の立場に立ちますると、食糧の問題あるいはエネルギーの問題、そういったいわゆる防衛、軍事以外の分野についてはそれぞれの所掌のところでやっているではないか、外交もちろん含めまして、ということに一応なるわけでありまして、それはそれなりに正しいと思うんですが、しかし、国民の立場に立ちますると、安全保障というライト、照明といいますか、そういうもので当てて横で整理をした広義の安全保障政策があってしかるべきであるし、国防会議が設立されました当時の国会議事録などを見ましても、やはり広義の国防という立場で議論をされているわけであります。で、私どもがいま考えましても、たとえば国防の基本方針というものは出ておりまするけれども、さて、その方針に従ってどういう政策が出ているかというその関連づけが行われておらないということであります。そこで、どこの国でも安全保障白書というのは出ておりませんが、日本の場合にはやはり軍事問題あるいは安全保障問題というものを国民に納得させるためには、何らかの政府の説明があってしかるべきであると私も思うわけであります。しかし、その白書の前に、いま申し上げた安全保障というライトで照らした安全保障政策というものも一つ形づくらないといけないと思うんです、政府としまして。それがなくて白書ができるわけがありませんから。したがって、私は政府がまだ決定しておるわけではありませんけれども、国防会議の設立当時の趣旨からするならば、そういったものがあってしかるべきであり、あってしかるべきであるならば、われわれ事務当局としてはどういう勉強と準備をするかということを現在考えておるわけであります。ちょっと問題がありますのは、たとえば運輸とか通信とか食糧とかいうものは、現在の国防会議のメンバーに入っておられない役所もあるわけで、そういった分野の問題もありますものですから、あるいは国防会議の性格なども含めまして検討しなきゃいけないかもしれない。若干——若干と申しますか、ある程度時間をかしていただいて勉強をさしていただきたいと思っているわけであります。
○秦豊君 三原長官ね、私の思い違いでなければ、福田総理もたしか国防会議を安全保障会議的なものに発展強化というふうなことを、ちらっとどこかでしゃべられたようにも思います。白書の単につくり方だけではなくて、やはりわれわれ野党も、機能しない盲腸みたいな存在よりは機能する対立物の方が評価できるんです。だから閣議あたりで提唱されたらどうですか。「日本の防衛」を出したら余り評判よくなかったと、率直に言って。来年からやり直したいと、ついては安全保障白書みたいなものをつくりたい、国防会議もじっくり考えたがこういうふうに改組したいと思うがどうだろうという提唱をされたらどうですか、具体的にどうでしょう。
○国務大臣(三原朝雄君) 実は今回の国防白書を出しまして、各方面の御意見を整理をいたしまして、研究会などもいたしたわけでございます。その間にいま御指摘のような点が論説等に出ておる二社もあるわけでございまして、各方面から先生のような御意見が出ておりますが、そこで、いま国防会議の事務局長も申しましたが、そのときに私どもは、防衛庁自身で安全保障全体の問題について出すことは適当でないかもしれない。そこで、いま一面そういうものも考えなければならぬという意見も出ておりまするので考える必要があろう。それからまた、来年のことを実は検討いたしたわけでございまするが、来年出すとすれば、防衛庁においてはどういうものを出すべきかというような点についてもいろいろな御意見を参考にして考えていかねばならぬだろうというようなことで、大綱まあ二点を実は考えてまいっておるわけでございまするが、いま先生御指摘の閣議等においてひとつ安全保障という全体の総括的な立場で問題を取り上げる必要はないのかという点につきましては、貴重な御意見として受けとめて善処してまいりたい、こう考えております。発言をする場合があろうと思いますが、そういうことで進めてまいりたいと思います。
○秦豊君 時間がいよいよ窮屈になっていますので、いよいよ簡潔にお答え願いたいんですが、白書で、基地対策費を予算要求で二四%も上げておきながら、ふやしておきながら、基地問題に全然触れてない。たとえば、ここで激しく論議された沖繩のあの基地問題などが全然顧みられていない、いわんや全日本の基地問題は。これは一体どういうわきまえなんですか、軽視をしていらっしゃるのか、無視をしていらっしゃるのか、全然基地を整理統合、縮小というような発想がどだいないのか、どうなんですか。
○説明員(夏目晴雄君) ただいま御指摘のありました項目につきまして、私ども白書作成に当たっていかなる項目を取り上げるかについていろいろ検討した結果、まあいまごらんになっていただいているような白書という形になったわけでございますが、これには一つの理由がございまして、私ども昨年の白書を出したときから基盤的防衛力構想の一端というものを解説したわけでございますけれども、その際、基盤的防衛力の中身についてなかなか具体的にわかりにくいという御批判がございました。しかも、その後昨年の秋に、防衛計画の大綱、基盤的防衛力というものを中心とします防衛計画の大綱が決定されたわけでございますので、当然その直後に出される白書においてそういうものを説明する必要があろうというふうに判断をして出したわけでございます。しかも、そういった基盤的防衛力というものを受けました各論としてFX、PX、先ほど来御批判になっておりますが、そういったものの必要性という防衛庁の考え方を前広に御説明する必要もあって私どもああいう構成をとったわけでございます。 そこで基地問題、あるいは資源、いろいろな問題がございますけれども、そういうものを取り上げなかったというのは、いま私が申し上げたように、あくまでもことしのテーマを防衛力整備にしぼったということでございまして、そのしぼったことがいいか悪いかという御批判はあろうかと思いますが、今年の白書では取り上げることができなかった。したがって、いまお話のあったようなテーマにつきましては、来年度以降の白書についてどういうふうにするかということを研究してまいりたい、こういうふうに思っております。
○秦豊君 防衛庁側に端的にお答え願いたいんですが、一部の報道機関が報道しているアメリカ政府筋、佐世保を空母母港として要請というのは単なる報道なのか、あるいはしかるべき正式機関から防衛庁長官に対して、いつ、どんなルートでそういう要請がなされたのか、ブラウン来日のときなのか、あるいはごく一両日前のことなのか、明らかにしていただきたい。
○国務大臣(三原朝雄君) この点につきましては、全く防衛庁に対しましても、また、私どもは外務省にも照会をいたしましたが、政府筋に対しましてもそういう要請は受けたことがございません。
○秦豊君 あなた方は重要な事柄が動こうとするときには絶えずそういう答弁を用意していらっしゃる。やがて事があらわれるというケースが多いから今回もそうであろうと思う。 そこで、長官は、これはアメリカに行くことも単なる風聞ですか、渡米計画は煮詰まりましたか。
○国務大臣(三原朝雄君) 計画はいま一応九月の上旬ということで準備をいたしておる段階でございます。煮詰まってまいりました。なお、ブラウン長官からも招待状が参っておるような次第でございます。
○秦豊君 普通二国間の外交——これはやや外交にも関連しますから日にちがいまごろの段階では煮詰まっていないとかえって非礼になる。そんな接遇はペンタゴンはしないと思うが、お差し支えなければ、九月何日ごろ行かれてどれぐらい滞在して、何をどうしてこられようとするのか伺っておきたい。
○国務大臣(三原朝雄君) 日程は、九月十日ごろ出発しまして約十日間の日程でございます。 中身につきましては、かねて申し上げておりまするように、わが国の防衛が日米安保条約を堅持をして防衛の任務を遂行いたしておるわけでございます。そういう立場で安全保障条約の運用というような問題について、防衛責任者同士が忌憚のない意見の交換をしようというところにあるわけでございます。具体的に何を持っていって、あるいは何の項目を決めて、そうして話し合いをするというようなことは考えておらないのでございます。
○秦豊君 最後に、FXの問題には全く触れることができませんでしたから次回にいたしますが、あと二、三分残っているようですから……。 アメリカのたしかF15の生産は、八二年の五月に終わる予定ですね、これは。ところが、日本に第一番機が入ってくるのはたしか昭和五十六年だから一九八一年ではなかったですか。そうすると、以後ライセンス生産で、八一年から八六年までライセンス生産が続く。ところが、そうなるとアメリカで八二年五月以降は生産がとまるんだから、日本はライセンス生産がその前年から始まるが、だれが考えてもパーツ類が急騰をする、大幅に値上がりをすると考えた方がクールじゃありませんか。そういうふうなことはFXの値段を積算する上ですでに装備局長を含めて織り込み済みなのかどうか。去年の十月の委員会では、FX一機はつくり方にもよるが六十四億円です、ことしの春聞いたら七十二億円ですと、きょうはどれぐらいだとお答えになるつもりか、いまのことを含めて答弁願いたい。
○説明員(間淵直三君) ただいま先生の御指摘になりました問題は当然検討しなければならないと思っております。FXの価格につきましては、五十二年度の整備着手というのがおくれたことに伴いまして、防衛庁といたしましては五十三年度予算案に計上できるよう現在積算中でございますが、取得年度のずれによって物価上昇等を含めまして、第一次契約平均で昨年十二月の見積もりに比しまして五%程度上昇するというふうに考えております。昨年十二月のF15の見積もり価格は、総調達機数百二十三機、五十二年度第一次契約二十九機の場合、第一次契約平均で約七十二億円でございました。
○秦豊君 時間ですから、委員長、やめます。
○堀江正夫君 私は、先般出されました防衛白書で提起をされた問題のうちの若干について質問をいたしたい、このように思うわけでございます。 質問に先立ちまして、私のこういった防衛についての基本的な認識、姿勢、こういったものについてちょっと申し述べたい、このように存じます。 一昨年でございましたか、内閣が世論調査をいたしました。これによりますと、自衛隊を支持すると答えたのが七九%あった、このように承知をしておるわけであります。もちろん自衛隊に反対をする回答もあったわけでありますが、ほとんど八〇%近い国民が自衛隊を認めておる。これは私、まず十分認識してかかるべき問題じゃないかと、こう思うわけでございます。さらに私、先般の選挙を通じまして、最近の日本を取り巻く情勢も大いにあるわけでありますが、国民の防衛に関する関心がきわめて高いということをはだで感じたわけであります。そうして、その関心の最大のものは何か、これは、日本は本当にいまのままでいいんだろうか、いままでのような防衛政策でいいんだろうかと、こういったような国民の率直な懸念と疑念であったと、このように私は受けとめておるわけであります。言うまでもございませんけれども、戦後三十二年間いろんな原因がございました。これらからしまして、わが国が防衛上多くの問題を抱え、基本的ないろんな問題においても早急に改善、整備を要するものが余りにも多い現状にある、これはもう世界の常識だと、このように私は受けとめておるわけであります。また、日本があくまでも平和を希求して、そして国際社会の有力な一員としてその責任を果たす、こういうような上においても、この日本の防衛問題、これはいつまでもいたずらに放置しておける問題ではない、このように思うわけであります。私はこのような認識の上に立って、やはりただすべきものはもちろんたださなきゃならない、推進すべきものは責任をもって進めなきゃならない、これが国民に対する責任じゃないかと、こう思うわけでありまして、私はこのような基本的な姿勢で質問をいたしたいと思います。したがって、できるだけ率直、具体的なお答えをいただきたい、このように要望する次第であります。 まず第一は、在韓米地上軍の撤退問題についてであります。去る七月下旬に行われました第十回の米韓の安保協議会におきまして、在韓米地上軍の撤退計画が決定されたわけであります。これに対しまして、白書によれば、もちろんこの白書はこの決定前に書かれておるものでございますが、この在韓米軍の撤退ということを予想し、前提として書かれておるように私は思うわけでありますが、米国は、半島の平和を損なうことのないように十分な配慮を行っていると言っておる、このように述べております。また、この計画の推進によって、「依然小規模紛争発生の可能性は排除できないものの当面大規模紛争が発生するとは考えにくい。」、こういった防衛庁の見解が述べられておるわけでございます。しかし国民の中には、この米韓両国によって決定された計画には幾つかの重大な前提条件がある、また現状の一方的変更に伴うところの不安定な要素の生起ではないかといった感じ等から、日本の防衛についても、北東アジアの安定にとってもきわめて重要な問題であるという危惧を抱いている者が少なくないように思われるわけであります。こういったような意味合いからしまして、まず私は長官にお聞きしたいのは、あの米韓の合同会議が行われました直後、二十七日でございますか、長官とブラウン会談が行われた、このように報じておりますが、その会談の状況はどうだったのかというようなことをまずお聞きしたいと、このように思うわけであります。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 去る七月の二十五日、六日、米韓の第十回安保協議会が行われました。その帰りにブラウン長官一行が防衛庁に寄られたわけでございますが、その際には、御承知のように在韓米地上軍の撤退計画について説明をまず聴取をいたしたのでございます。そこで、それに関連する若干の質疑応答をいたしたということでございます。 それから、その内容につきましては、いま堀江先生も御指摘ございましたように、すでに新聞等でその声明が公表されておりますから、中身はその公表された内容でございます。 なお、お互いが意見を交わしました数点ございますから、これも申し上げてみたいと思いますが、それは私の方でお尋ねをしたりいたしたのでございまするが、在韓米地上軍が撤退をしたその結果、在日米軍の配置等について変化を来すというようなことはないのかというお尋ねをいたしたのでございまするが、この点については、そういうこの地上軍の撤退に伴って日本の配備を変えるというようなことはありませんというお答えでございました。二番目には、聞くところによりますると、米韓の連合司令部をつくられるようであるが、その指揮系統というものはどういうことになるのかというお尋ねをいたしたのでございます。これに対しましては、その長を米軍から出すということだけは決めておるが、これから先、米韓の両軍において研究をして徐々に固めてまいりますということでございます。三番目にお尋ねをいたしましたのは、示された計画によると、来年までのことは決まっておるようであるが、第一次は決まっておるが、一九七九年以後のことは決まっていないが、それはどういうことなんだと申したのでございまするが、これから先、米韓とも十分ひとつ協議をして具体的なものは進めていくが、しかしそれはその推移を見て慎重に段階的にやりたい、その際には日本ともまた連絡をするということでございました。 なお、具体的な内容についてお尋ねでございますれば防衛局長から説明をさせたいと思いますが、大体大要以上でございました。
○堀江正夫君 そうしますと、あれは八月五日の日経でございましたか、対日五項目の要請がなされたと、このようなことが大きく載っておったわけであります。実は私自身は日本の防衛ということを考えた場合に、要請があるとかないとかじゃなくて、日米の首脳の間に本当にいろんな問題を真剣に具体的に討議されなければならないと私は思っております。思っておりますけれども、実際に新聞が報ずるようなあの五項目の要請というものはあったんでございましょうか。その点を承りたい、このように思います。 〔委員長退席、理事秦豊君着席〕
○国務大臣(三原朝雄君) 八月の五日でございましたか、整理をされて五項目が記載されておりました。このこと自体は米国の議会、予算局その他でいろいろこういう論議があったような問題で皆さん方も御承知のとおりでございまするが、あの会談におきましては、そういう具体的な問題についての要請などはございませんでした。なおいま先生御指摘のように対潜能力あるいは防空能力をどうするかというようなことは、かねてから防衛庁において自主的にその防衛力の強化について論議を進めておることでございまするので、事新しく要請を受けるという立場ではございません。
○堀江正夫君 さらに私は、在韓の米地上軍の撤退問題につきまして二つの点を、これは防衛局長にお伺いしたいと思いますが、その第一点は、恐らくブラウン長官が来日されたときのお話の中にあったんじゃないかと思いますが、米韓両国においてあの会議の内容が決定されるについては、当然朝鮮半島の情勢、これについていろいろなディスカッションが行われたと思うわけであります。それらについて米韓両国がどのような情勢判断の上に立ってあのような決定をしたのか、これが第一点であります。 第二番目は、地上軍が撤退をする、そういうことになりますと、これは常識的に考えますと、朝鮮半島の戦争の抑止力というのはきわめて減少すると、このように考えられるわけであります。米国はこれについてどのように考え、そしてどのように対処しようとしておるのか。もしもそういったような問題が話題の中で出ておりましたならば御返答いただきたい、このように思うわけであります。
○説明員(伊藤圭一君) いま先生の御質問にございました二つの点について御説明申し上げますが、まず第一点の朝鮮半島の情勢の判断の問題でございます。これは御承知のように五月の末にハビブ、ブラウン統参議長が参りまして、その帰りに寄りましたときの会議において説明がありましたときには、実はこの情勢判断の問題というものはほとんど触れられておりませんでした。ところが、この間ブラウン長官が参りましたときには、これはすでにコミットメント等にも多少出ておるわけでございますけれども、まず、北朝鮮の軍事力というものがやはり最近能力を高めている。したがって、朝鮮半島の軍事情勢というものはきわめて厳しいものであるという判断を、韓国も、またアメリカも同じような立場で合意いたしているというのがきわめて特徴的でございました。したがいまして、私どもが当初カーター大統領になりましたときに、その情勢にはほとんど触れられないで、ただ地上軍の撤退だけということがプレイアップされておった時期とかなり違ってきて、そういった情勢を踏まえながら紛争が起きないような形でこの地上軍の撤退をやるというために大変努力をしているんだという印象があったわけでございます。で、この地上軍の撤退ということにつきましては、御承知のように七一年のいわゆる韓国からの一個師団の撤退以来、やはり期間をかけてやりたいというのが米政府の基本的な態度であったというふうに私どもは考えているわけでございます。これにつきましては、国防総省の事務当局の次官補あたりの話によりましても、とにかく韓国にはもう二十何年間か地上軍が駐留しているんだ、いわゆるアジアからはその地上軍の撤退については可能なところからやっていきたいという考え方は常々持っていたということを言っておりました。そういった考え方がやはりアメリカの政府には底流としてあったと思います。そしてまた一方、そういった軍事的な緊張があるということも踏まえておったわけでございますが、同時に、最近の韓国軍の近代化のテンポあるいは韓国の経済力、そういったものを背景といたしまして、いわゆる韓国の国力というものが上がってきた。したがって、アメリカ軍の地上軍が撤退しても、五十数万の陸軍がおり、それに、引き揚げる際に近代的な兵器を与えるとか、あるいは防衛産業というものを育成するとか、そういうことによって韓国の近代化を進めていくことによれば、北朝鮮との軍事力の均衡を失することなくこの撤退が可能であろうというような判断に立ったものと思われます。しかしながら、そうは言いましても、やはり海・空軍力につきましては依然として抑止力としての価値は高いという判断のもとに、特に空軍力などは戦術空軍の部隊を増強するということまで話し合っているというようなことでございました。したがいまして、そういう全体の国力、それから陸軍の北と韓国との均衡、そういうものを考えながら今度の撤退計画というものを進めていくというような説明があったわけでございます。で、ただいま大臣からも申し上げましたように、いま決まっておりますのは七八年度末までに一個旅団を中心とする六千人の部隊の引き揚げということだけが決まっておるわけでございます。その時点におきまして、その時点における朝鮮半島の情勢をレビューしながら、再びどういう形で撤退をするのかというようなことを検討したいというのが基本点な態度のようでございます。さらにもう一点残ります一個師団の中の二個旅団というものは、地上軍の撤退の最終の時期までやはり必要な部隊と考えて韓国に駐留させるというようなことを言っておった次第でございます。
○堀江正夫君 私はいまのお話を伺いまして、今後やはりその朝鮮半島の安定というものが、日本の安全にとって重大なかかわり合いを持っておるという認識は、政府も国民も、大分の国民がもう変わらないところだと思うわけでございまして、今後の地上軍の撤退について、やはり防衛庁が、 〔理事秦豊君退席、委員長着席〕 日本の安全という立場からも重大な関心を持って、やはり総理を補佐していただきたい、このような希望を表明したいと、このように思います。 在韓米地上軍の撤退問題につきましてはそれだけにしまして、次は、PXLとFXの問題について質問をしたいと、このように思います。 先ほど秦議員からもいろいろ質問がございましたが、私は国民に疑惑を生ぜしめないような配慮、これはもうもちろん政府の責任においてしっかりやらなければいけない、このように思うわけでありますが、同時に、防衛庁はもっと腹を据えて、そして右顧左べんしないで、あくまでも純粋に防衛上、そして純軍事専門的な立場から施策を進めていただきたいなと、このようなことを強く思うわけでございます。 まずそこで、PXLでございますが、先ほどの秦議員の質問でも若干わかったわけですが、もう一度まとめてPXLの選定作業の進捗状況、これについて承りたい、このように思います。
○説明員(伊藤圭一君) 先ほど秦先生の御質問にもございましたが、私どもといたしましては、昨年来一つの問題といたしましては、S3Aという新しい対潜哨戒機が米国で部隊に配備されたという事実、それからCP140という対潜哨戒機、まあ新しいと言えるかどうかわかりませんけれども、これはP3の機体にS3Aの電子機器を積んだ対潜哨戒機をカナダで採用したというような具体的な事実がございましたので、それを含めまして検討を重ねてまいったところでございます。 この三つの案というのは、これは御承知のように四十四、五年ごろから、電子機器、機体ともに国産しようという考え方が一つございます。それから電子機器をP3Cの電子機器、あるいはS3Aの電子機器を、日本でつくった飛行機の機体に載せるという考え方、これを折衷案というふうに呼んでおるわけでございます。それからもう一つは、P3Cそのものを導入してこれを装備するという考え方、この三つにつきましていろいろな角度から検討してまいったわけでございます。 その前に、CP140というものにつきましては、実はカナダに調査団を出しましてその詳細について調査をいたしました。しかしながら、実はこれは、まあカナダ政府としての方針が決まった段階でございまして、実際にこの十機ができ上がるのにはさらに数年、まあ五十九年ごろだというふうに記憶いたしておりますが、そのころまでかかるというような問題、しかもその価格が、そのトータルの価格だけが決まった段階でございまして、個々のいわゆる予算を積み上げるという作業は現在やっているような状況でございます。したがって、なかなかこれを私どもがいまの段階で予算化して装備をするというのにはむずかしいという判断をいたしました。そういうようなことで、先ほど申しましたように完全に国産をするのか、あるいは機体だけを国産して電子機器を載せるのか、P3Cというものをライセンス国産するのかという、この三つの案について具体的なコストの計算、あるいはまたその全体の費用の問題、あるいは将来にわたっての開発性の問題、あるいは開発に伴う機具の問題、そういったものをさまざまな角度から検討をいたしました。そして事務的にはすべてにわたってもう概算要求ができるのに近いようなところまで計算を進めてまいっております。したがいまして、大臣の御判断をいただくための資料というものはほぼそろったというふうに私どもは考えている段階でございます。したがいまして、近日中にそのケースケースにつきまして大臣に詳細に御説明した上で御判断をいただきたいというふうに考えている段階でございます。
○堀江正夫君 このP3Cの選定問題につきまして秦議員からいろいろと疑問を投げかけられたわけであります。少なくとも私の理解によりますと、このロッキード事件、これは現在までの司法当局の解明によって、このP3Cを選定をするということについてもう支障はないじゃないのか、このように私自身は思うわけでございます。これについてどのようなお考えか、はっきりと承りたい、こう思います。
○説明員(間淵直三君) PXLの選定に至るまでの間にロッキード事件の公判が終了する、そういうようなことは考えておらないわけでございますが、ただいままでのところの司法当局の捜査、あるいは米国における証券取引委員会その他の証言というものを見ましても、P3Cに関しまして犯罪が成立するというようなことはいままでのところあらわれておりませんし、ないと思っております。その他のいろいろの疑惑というものに対しましては、先ほど申し上げましたようにあらゆる方策を検討して、これを実施に移している段階でございます。
○堀江正夫君 ただ、このPXLの導入問題につきまして大きく国民が疑惑を抱いたことは明瞭でございます。ここでいよいよ概算要求をされる、恐らくP3Cということで概算要求されるんだと思いますが、P3Cをこの段階で、大体ロッキード事件の解明、この状況からしてまあ導入を決定をされるとしても、やはり防衛庁としては十分な配慮といいますか、国民に疑惑を生ぜしめないための配慮というものがやはり必要だと思うわけであります。これらについて、具体的にどういう配慮を現在されておるのか、また今後されようとされておるのか、この辺をひとつ承らしていただきたい、こう思います。
○説明員(間淵直三君) 防衛庁といたしましては、仮にP3Cを導入するというようなことになりました場合、国民の疑惑を晴らすということは非常にその重大なポイントでございまして、まあ具体案にはいろいろあるわけでございますが、想像され得るあらゆる具体案というものを想定いたしまして、その線に沿って鋭意努力中でございます。
○堀江正夫君 ここで具体的にいろいろお聞きするのは差し控えたいと思いますが、次にFXの問題でございます。 F15、大体防衛庁の方では内定をされたと、このように伺っております。ところが、F15につきましてはアメリカのブラウン長官の議会証言、これが行われております。いよいよもう五十三年度要求をされるというふうに聞いておりますけれども、このブラウン長官の議会証言との関係といいますか、もう心配しないでいいのかどうか、心配ないのか、その辺をひとつはっきりと承らしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(三原朝雄君) いま御指摘のように、ブラウン国防長官の証言が非常な大きな問題を提示をしたことは御承知のとおりでございますが、私ども防衛庁におきましても、すぐ公式の記録を取りましたり、あるいは国防省の情報の収集をいたしましたり、あるいはヒルトン海軍少将が外務省のアメリカ局長にあてました書簡でございまするとか、あるいはブラウン長官が私に対しまする書簡でございまするとか、そういうようなものを私どもといたしましては十分ひとつ受けとめまして、御承知のようにこのブラウン長官のやりました証言そのものが、決して欠陥ではない。御承知のように航空機は就役をいたしまして運用をいたしておりまする間にふぐあいなものが次々に出てくるというようなことで改正をしてまいるわけでございまするが、そういう立場から、やはりこの内部の機器等について、完全なものでよりよいものは、こういうようなものにすればよりよいものになるであろうというような立場から指摘をしたものである。せんだってもブラウン長官が参りました際に、私から、あなたの議会における証言というようなものが問題になって非常に迷惑をいたしたということを率直に申し上げたわけでございまするが、いま申し上げましたように、いまのF15というようなものが欠陥機だとは思っておりません、やはり現在最優秀な飛行機と考えておるが、内部の機器等についてより一層改革をしてまいりたいということを指摘したものであるというような発言があったぐらいでございまして、そういう点で、私はブラウン発言というようなものは決して欠陥機だと受けとめるようなものではなかった。なお、詳細につきましては、専門家側の政府職員から説明をさしたいと思います。
○説明員(伊藤圭一君) ただいま概要につきまして大臣から御説明がございましたが、ブラウン証言の中で幾つかの大きな問題がございます。 まずその一つは、F15のウエポンシステムに若干のデフィシェンシーがあるということが二十四日の証言で出ているわけでございます。実は、この六月に航空自衛隊の者が価格調査等を含めましてワシントンに参りましたときにこの問題なんかも聞いておりますし、またちょうどその時期に私もワシントンに参りましたので、国防総省の担当官等にこの問題についていろいろ話を聞いてまいったわけでございますが、このウエポンシステムにつきましては、実は私もいままでは確実に知らなかったわけでございますけれども、最初の、要求性能よりもきわめて優秀な性能を発揮していたようでございます。一つの例を申し上げますと、レーダーで目標を選別いたしますときに、いわゆる妨害装置をかけられたり、あるいは非常にクラッターが起きるようなときに、反射波が起きるようなときに、その中から目標を選び出す機能というものがこのF15のウエポンシステム、火器管制装置はきわめて性能がよかったようでございます。私もちょっと説明を聞いたわけでございますけれども、要求性能をたとえば五といたしますと、八か九のところまで、非常に性能がいいわけでございます。御承知のようにミサイルは別につくっているわけでございますが、ミサイルの持っておりますレーダーというものはきわめて小型なために、これはそのミサイル自体が持っている要求性能は満たしているわけでございますが、それを大幅に上回るというところには行っておりませんでした。したがいまして、非常に極端な言い方をいたしますと、飛行機が持っておりますレーダーによって目標を拾った場合にも、直ちにそのミサイルを撃ってもその能力がまだないというようなことが起きていたようでございます。このことは、FCSの性能がきわめて予期以上によくできたというのがどうも原因だったようでございますが、ブラウン長官という人は御承知のように科学者でございまして、そういったものに対しましては、もっとそういういいレーダーが使えるんならばそのミサイルのレーダーももっと改善したらいいではないかということを当然考えておりまして、そのことはブラウン長官が就任する前から空軍自体がそれを考えておりまして、非常にこれは技術的になりまして私もよくわかりませんけれども、モノパルスシーカーという方式を採用する方向で研究をいたしておりました。これが四、五年後に完成するだろうということを空軍省では言っておったわけでございますが、この違いは、いままでのミサイルが持っておりましたレーダーというものは、回りながら目標を探していくんでございますけれども、モノパルスシーカーというのは、四つの点からレーダーの波を出しましてその目標を拾う装置だそうでございます。これを小型化するのがやはりなかなかむずかしい問題だということを言っておりました。したがいまして、先ほど申し上げましたいわゆる科学者であるブラウンさんにしてみれば、そういうものも早く完成したいというお気持ちがあったのではないかというような気がしたわけでございます。 それが一つの例でございますが、同じようにF15というものも、現在ございますのはF15Aでございます。ファントムにいたしましても104にいたしましても、最初できました飛行機はだんだん改善をしてまいりまして、AからBに移り、Cに移り、Eに移るというかっこうになるわけでございます。そういう手順を経まして改善事項をやることによりまして、もっとこの飛行機は改善されていくだろうという期待をブラウン長官自身も持っておられるというふうに見受けられたわけでございます。したがいまして、私どもが調査いたしました結果は、昨年空幕の調査団が行って調べてきたことと大差はございませんでしたけれども、実際ブラウン長官の発言の背景にあったもの、そういったものがある程度解明できたというふうに考えている次第でございます。
○堀江正夫君 その問題はそのくらいにしまして、次にミグ25事件の教訓と改善、この問題につきましてお聞きしたいと、このように思います。いろいろな教訓があの事件を通して提供されておると、このように私は思っておりますが、ここでは二つの点だけについて御質問したい、このように思います。 第一は、これは先ほど秦議員からも御質問があったところでありますが、早期警戒機の整備の問題であります。これはミグ25事件にかんがみてはもちろんでありますが、同時に今度の白書で示しておりますところの昨年度の領空接近あるいは侵犯事犯等の増加、こういったような問題から見ましても、やはり喫緊に整備すべき問題じゃないかと、このように私は考えるわけであります。ところが私が聞いておりますところでは、来年度は要求しない、このようにも伝えられておりますが、これは示された概算要求枠内に含ますことができないからやめたのか、あるいはそのほかのいろいろな理由があるのか、その辺の事情につきましてお答え願いたい、このように思います。これが第一であります。まず第一についてお願いします。
○説明員(伊藤圭一君) ミグ事件の教訓といたしまして、低空侵入の飛行機に対処する現在のレーダーというものがきわめて弱点を持っているということは明らかでございます。したがいまして、私どももなるべく早くこのAEWというものを装備したいというふうに考えております。で、ことし、どういう飛行機が適当であるかということについては調査団も派遣し、私どももそれなりの勉強をいたしました。で、現時点におきましては、アメリカのE2CというこのAEW機が、やはり一番性能がいいという結論を得ているわけでございます。しかしながら、このE2Cという飛行機は艦載機でございます。したがいまして、船との連係によりましてこの低空侵入というものに対応していくわけでございますが、わが国でこれを運用いたしますときには航空母艦なんかでやるわけではございませんで、地上から、現在私どもが使っておりますバッジシステムとの連係というものを考えなければならないわけでございます。したがいまして、その飛行機自体を買ってきただけではわが国で必ずしも十分な運用というものが可能ではございません。したがいまして、実はこのE2Cを地上に置きまして、地上の警戒装置と結びつけて運用しているところはないわけでございますので、新たなシステムの開発というのが必要になってきておるわけでございます。したがいまして、そういう点をもう少し勉強して、そしてどういう装置を付加するのか、結びつきをどうするのか、そういう点についてもう少し自信のある勉強をした上で予算を要求したいというのが私どもの基本的な考え方であるわけでございます。先ほども御説明申し上げましたように、これは常時、平時においても常に飛ばしているというわけにはなかなかまいらないわけでございまして、二十四時間この飛行機を飛ばすためには膨大な費用とたくさんの機数が必要なわけでございます。したがいまして、情勢が悪化したようなときにはこういうものを飛ばしてやるわけでございますので、私どもも現時点におきましてはそうたくさんのものを一挙に装備する考え方は持っておりませんので、これをライセンスで国産するとか、そういう考え方ではございませんので、輸入という形にしたいと思っておるわけでございます。そういう関係で慎重に検討の上、早い時期に装備したいというのが現在の状況でございます。
○堀江正夫君 いまの早期警戒機につきましては、もちろんやっていただけると思いますけれども、早急な検討、そして具体的な施策の推進というものをお願いをしたい、このように思うわけであります。 第二番目は、領空侵犯機に対するパイロットの武器使用の問題でございます。この問題はもういろいろと論ぜられてから長いわけであります。結局一番困っておるのはパイロットでございます。現在のような状況ではとうてい確信を持った侵犯阻止任務の達成と、こういったような問題は望んでも無理じゃないかと、私はそのように感ずるわけでございます。恐らくミグ25事件の教訓の重要な一つとして、この問題、検討が行われておるだろうと、このように私思うわけでありますが、その検討の実情あるいは方向、こういったような問題につきまして承りたいと、このように思います。
○説明員(伊藤圭一君) ミグが参りましたときに、その後、国会等でもいま御質問がございましたようなことが数多くございました。で、私どもは、やはり現時点におきましては正当防衛あるいは緊急避難というものがこの武器を使用するのに許されている範囲だという考え方はいまも持っているわけでございます。もう来たものは積極的に撃ち落とすというようなことは、とてもこれは専守防衛といいますか、その域を超えているという気がいたしますし、また世界各国とも、現在はなるべく武器を使わないで領空侵犯したものは退去をさせるとか、あるいは着陸させるとか、そういうような方法をとっているわけでございます。しかしながら、この正当防衛または緊急避難という抽象的な言葉だけでは、仰せのようにパイロットの判断というものはなかなか困難でございます。で、現在におきましても、航空自衛隊の内訓の中で、こういう場合には使用してよろしいというようなことがございますが、たとえば攻撃準備態勢をとったときには使用していいというような形になっております。しからば、その攻撃準備態勢というのは何かというようなことになると、またこれもややあいまいなところがあるわけでございます。したがいまして、この正当防衛または緊急避難に当たる具体的な事例というものを、いまそれぞれの部隊のパイロットの意見なんかを徴しまして、その基準をなるべく具体的に示せるような、そういったものを内局と幕の運用課を中心にいたしまして具体的な基準づくりをやっております。しかしながら、このことはまあ千変万化でございます、飛行機の行動というものは。したがいまして、だれが見てもすぐわかるというようなものをつくるのに大変事務的には苦労をしているわけでございます。しかし、もうすでに一年になるわけでございまして、その間の積み上げた勉強の結果もございますので、この秋ごろには何かもう一歩進んだ基準のようなもの、これは平時における専守防衛の立場、これを維持しながら武器の使用というものをある程度規定できるような形のものをつくりたいというふうに考えているわけでございます。
○堀江正夫君 ぜひ本当に領空侵犯阻止任務についているパイロットが困らないような判断の基準といったようなものを具体的になるべく早くつくっていただく必要があると、こう思うわけでございます。 次は、私は五十三年度の防衛力の整備の問題につきましてお伺いしたいと、このように思います。 新聞によりますと、すでに概算要求、大体防衛庁の方は具体的に検討を進められておるようでございます。わが国の防衛にとりまして、日米安保が絶対不可決だということについてはもう私がちょうちょう言うまでもないところでございますが、最近の米国、特に政府関係等の動向を見ますと、これは別にアメリカの政府関係筋がどう言ったからということじゃございませんが、日本自体の自主的な立場において考えてみても、この日米関係の紐帯という問題は弱化させてはならないんだと、私はそう思うわけであります。そこで、これを弱化させないための積極的な施策をどうしてもとらなきゃならない、こう思います。特に、国民もこの問題につきましては、最近のソ連の示した一方的な強硬な外交姿勢なり、あるいは在韓米地上軍の撤退、こういったような問題から、いろいろと不安と、そしてこれに対する燃え上がりを見せておるわけであります。ところが、本年度、基盤防衛力というものが確定をされた第一年度であったわけでありますが、昨年度に比べましてことしの防衛関係費の対GNP比は〇・九%から〇・八八%に下がっておる。これは統計によるとそのとおりでございます。さらに、きのうの朝の新聞によりますと、防衛庁の概算要求額は、大蔵省が各省に示した一三・五%ですか七%ですかの伸び率に対して、集計をすると大体一二・二%ぐらいだと、このようにも報じておりました。恐らく五十三年度は、具体的にPXLの問題あるいはFX等の施策の推進が行われるというふうに思いますが、同時に私は、少なくも防衛関係費、これはいま申し上げましたような日本の防衛のために日米安保体制を強加をする、少なくとも紐帯を弱くしない、こういう観点からも、対GNP比、本年度より増加するのは当然じゃないかと、またその努力がされなきゃならないじゃないかと、こう思うわけであります。これについての見解、まあ見通しは大変むずかしいと思いますが、できれば見通しなりを承らわしていただきたい、このように思います。
○説明員(原徹君) 御指摘のように、来年度の概算要求のシーリングと申しますのが、毎年大蔵省と申しますか、閣議了解がございまして、七月の終わりでございますか、その閣議了解ができまして、それを自動的に計算をいたしますと、九月に概算要求をいたします数字の枠というものは前年度の予算に対して一二・二%ということになります。しかし、まあどこでもそうでございますが、同時に、せんだって人事院の勧告がございました。ございますと、そのベースアップに相当するものは、九月ではなくてまあ十月か十一月ごろ、例年でございますが、その分を追加要求をいたすということになります。その金額はまだ精査中でございますが、約六百数十億になりますので、一二・二というのが実力といたしましてはほぼ一六%ぐらいになろうかと、そういうふうに推計をいたしております。 ところで、まあいまお話ございましたように、確かに来年度のGNPと申しますもの、これは非常に景気の見通しもはっきりいたしませんし、例年これは予算の内示の日に同時に来年のGNPの見通しが経済の見通しとして出るわけでございます。で、そういうことでございますので、いま何ともこれは本当に申し上げる段階ではございませんけれども、確かに先生御指摘のように、まあ安保体制の上に立って防衛努力をするということになりますと、やはり私どもといたしましては、いま先生御指摘のような線に沿いましてできるだけ防衛費の予算の増額を図ってまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○堀江正夫君 いまとやかく言ってみても、これはもう全く具体的な問題にならないわけでありますけれども、ひとつ御努力を願いたいと、こう思うわけであります。またそうしなきゃならないんだと私ども強く感じておるわけであります。 次に、私は有事の法令の問題につきましてお尋ねしたいと、このように思います。 言うまでもございませんが、自衛隊が警察予備隊として発足してからもう二十数年になるわけであります。ところが、現在まだ防衛出動時必要な法令というようなものが定められておらないと、これは世界じゅう私はこんな国はないと思うわけでございます。このことは、私は自衛隊員にとってその士気に関係する問題である、また自衛隊の抑止力としての効果を減少することにもなっているんだと、このようにも思うわけであります。ところが、最近ある本で長官がこれにつきましていろいろと御意見を述べておられるのを拝見をしました。やっと本当のことを考えている長官を得たんだと、私の率直な気持ちでございました。これにつきまして長官のお考えを承りたいと、このように思います。
○国務大臣(三原朝雄君) ただいま御指摘がございましたように、有事の際に防衛出動というようなものが下令されたときのことを考えてみたりいたしますると、自衛隊員のそのときの処遇等についても明確なものが決められておりません。その他施設、資材を使わしてもらうというような場合におきまする問題等も、やはり政令にゆだねられたりするような面もあるようでございまするが、そういう点も明確でないというようなことを考えてまいりますると、実際に有事の際のことを考えてみますると、政令ばかりでなく法令まで突っ込んで検討を加える、加えておく必要があろうということで、先般来担当者に対して、そうした防衛出動あたりが下令された場合に整備せなければならない法令なり政令等についてひとつ勉強をしておくようにということを指示した次第でございます。そういうことでただいま勉強いたしておるところでございます。
○堀江正夫君 従来の防衛庁のとってこられた姿勢からして大変な前進じゃないかと私は心強く思うわけでございます。確かに、自衛隊法の百三条に基づくいろんな問題につきましては、一遍にやろうと思ってもいろんな問題があるわけでございましてそう一遍にはできるような状況にはないようにも感ぜられます。が、まず私は、たとえば防衛庁職員給与法の第三十条に基づく問題、これなんかは、もちろん防衛庁だけでできる問題じゃないわけでございます。できるものからやはり実現を図っていくというような姿勢を持っていただければ大変いいんだと、このように感じておるわけでございまして、御検討をお願いをして私の質問を終わらしていただきます。
○黒柳明君 私も時間ないんでP3C中心にやりますが、二、三日前の記者会見で、長官がこの五十三年の予算の大綱の中に盛りたいと、P3C及び15をですね。私は政治的配慮があるいはあったのかなと、こんなことも思っていたんですが、いま御答弁聞きますと、相当庁内では論議は尽くされているような感じがいたします。そこで、装備局長が盛んにおっしゃっていました、もしその巷間伝えられるような、三十日の国防会議までにこの大綱を煮詰めてそこで提出する、決定するとなると、あと二十日を切っているわけですね。そうすると、それまでに一この前代未聞の事件が尾を引いているわけでありますから、盛んに装備局長おっしゃいました、あらゆる努力をして国民の疑惑を除くんだと。そうすると、長官も、これは事務レベルよりある意味では政治的配慮を待たなきゃならない問題も相当あると思うんですが、具体的にひとつどういうことを庁内において、あと十九日ですか、二十日足らずの間に除去しなきゃならない問題点があるのか、改善しなきゃならない問題点があるのか、あるいはこれとこれとこの項目だけが決まればP3CとF15の大綱、概算要求に対してゴーのサインを長官としてできるのか。もうあと二、三日で事務的には長官の決裁をもらえる書類が調うと、こういう答弁もありましたので、ひとつその排除すべきもの、またこれからきちっと構築しなきゃならない問題点、これを具体的にお聞かせいただけますか。
○国務大臣(三原朝雄君) 黒柳先生すでに御承知と思うのでございますが、FXを内定いたしました際に諸般の処置をとった例もあるわけでございます。それ以上に私は、やはりロッキード事件の公判が、まだ審理が係属中である、それが、年末までにそういうことが解明ができるのかどうかという見通し等につきましても明快な見通しも立たないという事態でございます。そこで私ども、まず客観的に見て、アメリカにおきまするSECにおけるこの審議の状況でございまするとか、あるいは法廷で児玉陳述が検事からございました、そういうものの中身でございまするとか、そういう事件に関係をいたしまする問題も一つの見通しを明確にするということが必要であるわけでございます。それとともに、これから先そういうことが起こらないためにはロ社に対してどういう処置をするか、あるいは商社に対してどういう処置をするか、そういうような詰めの問題もあるわけでございます。そのほか、私どもといたしましては、国民に対して理解をしてもらうために、何ゆえに私どもが防衛の任務を遂行するために絶対に現在のPXLというようなものが必要であるかというような必要性をやはり理解をしてもらわねばならない、そういうような諸般の条項をずっと羅列をいたしまして、そして一つ一つを処置をなして詰めてまいっておるというのが現在の段階でございます。そういう詰めを大体今月いっぱいにはぜひ終えたいということで進んでいるわけでございます。その上に立って政治的な判断を下さざるを得ぬかなというようなことでおるわけでございます。
○黒柳明君 そうすると三つに分かれるわけですね。SECないし児玉公判の内容、これは三十日まで、国防会議までとなると、これはもう過去の内容を検討するよりほかないと、これから三十日までは何もありませんからね。それからもう一つは、ロ社ないしは商社に対してどういう手を打つか。これは一つは昨日のあらわれだと思いますね、ロ社との接触。もう一つは国民に対してのPRを含めての理解を得ると、こういうこと。これはこれから皆さん方大いにやっていただかなきゃならない。私たちもやっぱりいい意味で国防に必要ならば、もうイエスとかノーとか、こう両極端の、与野党で対決するような時代じゃないと、こういうことはわかっていますよ。しかしながら、余りにも事件が事件だっただけにかなり慎重を期さなきゃならない、こういうこと。 そうすると、第一の枠のSECと児玉公判についての問題、これはいままでやられてきてあと十九日、二十日足らず、この間においては私はもう内容というものについては大体検討を終わったのじゃなかろうかと、こう思います。それからもう一つ問題は、要するに国民に対してのPR、理解、これは多岐広範にやらなきゃならない。これはもう永遠に続けられなきゃならない。問題は、要するにロッキードと、それから商社に対する問題ではなかろうかと、こう思うんですが、これは私当事者じゃないものですから、そこらあたり私一方的に決めつけるわけにはいきませんが、そこらあたり担当の局長いかがでしょうか。
○説明員(間淵直三君) FXの選定の場合でございますと、関係の各米国の三社から、いままで不正は行っておらない、あるいは今後行わない、それから原価調査には十分応ずると、代理店契約などの内容を公示するという三点につきましては誓約書をとっておるわけでございます。PXLの導入に当たりましても、もしP3Cというようなことになりますれば、これは戦闘機と同様非常に巨額の国費を要するものでございますし、またロッキード事件がございまして、一般とその疑惑が深いということでございますから、私どもといたしましては、少なくともこの三社に要求した誓約書と同じ内容のものはどうしても提出させることが必要だと、こう考えております。
○黒柳明君 わかりました。それが一つの条件ですね。それから、もっと具体的にきのうの接触、これはいろんな高度の秘密の面もあるでしょうし、これからコマーシャルベースで接触もあると先ほどおっしゃいましたが、できればきのうのまず第一回の接触の内容をですね、どんなものであったか、許せる範囲だけでもお教えいただけますですか。
○説明員(間淵直三君) 昨日の接触の模様でございますが、これは向こうもいろいろ弁護士との相談その他いろいろあると思うわけでございまして、まあその内容につきましてはいましばらくお答えすることを御猶予を願いたいと思うわけでございますが、さきに申しましたような方針はぴちりと申し伝えてございます。
○黒柳明君 少なくとも、そこで何らかの形でP3Cを導入するというようなサゼスチョンなり意思表示みたいなものはやったんですか。
○説明員(間淵直三君) そういうことはやっておりませんです。
○黒柳明君 そうすると、きのう接触したという主目的は何なんでしょうか。要するに、概算要求がここにもう間もなくあると、それに対して国民の疑惑を払うためにいろんな妨害を排除しなきゃならない、その一環としてきのうお会いになったというような私は感触があるんですけどね。その一環として会うと、やっぱりまあ具体的に言えない分もあるかと思うんですが、やっぱりその概算要求を目指しての、ロッキード、ああいう事件があった、それについて不備な点をやっぱり排除しなきゃならないと、こういう意図があっての接触だと思うんですけれどもね。それが、P3Cという問題が全然なくてお会いになったということはちょっと考えられないんですけれども、そうすると、主目的はP3Cの大綱、概算要求に対しての主目的というものは腹にあったけれども、全く一口も出さなかったのか、あるいは目の口あたりちょろちょろ出して向こうの読みに任せたのか、そこらあたりちょっと私わからないんでね、今後また尾を引く問題であるかと思います。装備局長とロッキード、この出会いというものは、これからまた一年たつともう第二のロッキードになったなんというような可能性もこれはなきにしもあらず、ちょうど暑い盛りですからね、そこらあたりまた慎重にやっぱり、装備局長としても転向まだ一カ月で一番お忙しいさなかですけれども、私たちとしても、もう間もなくこの大綱がということ、概算要求がということで、まあこれはもう事細かくやっぱり認識しておかなきゃならないということなんで、ちょっと局長、P3Cは全く関係ないと、こうおっしゃるのか、それじゃ何が目的だったのか。いま言ったようにあらゆる国民の疑惑を排除するためにやっているんだと、その一環としてきのうロ社に会ったと私たちこう理解するんですが、その一環の目礼との接触じゃないんでしょうか。
○説明員(間淵直三君) そのP3Cを導入するとかなんとかということの決定というような上に立っての話ではなくて、P3Cを重要候補としていま検討しておると。その場合、まあ国民の疑惑というものを晴らす方途といたしましては、こういう点、こういう点を明らかにしなければならないということを腹に秘めてやったわけでございまして、相手がそれをどういうふうにとりましたか、十分伝わっておるとは思うわけでございますが、そういうかたい決意を腹に秘めて要求したわけでございます。
○黒柳明君 それ以上お聞きになると非常に苦しいんで、長官、やっぱりこれは政治的な決断を相当要するところなんです。まあ具体的にいま言ったように、私が三項目に分けていいかどうかわかりませんけれども、SECとこの児玉公判の問題、あるいはロッキードと商社の問題、国民のPRの問題、この三つに私勝手に長官の御答弁を分けさせていただいたんですが、長官としまして、いまの装備局長がお会いになったそこにおいて、まあ重大なものを腹に秘めた、相手がわかったかどうかわからないと、これは私も何だかわからない答弁なんですけれどもね、やっぱりロッキードと児玉との契約は破棄することが、このP3Cをもし導入する、あるいは概算要求する場合には、破棄するということが大前提として必要条件と考えていらっしゃるかどうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 長官といたしましては、お説のような考え方を腹に持っております。 それから私、いま三点にお分けいただきましたが、もちろん国会の諸先生方に対して十分な私は御理解を願う必要があるということも、概算要求決定前にはできるだけの処置をせねばならぬということも考えておるわけでございます。
○黒柳明君 要するに、児玉とロッキードとの契約は破棄することは大前提であると、こういう確認。 装備局長、その命は当然腹に秘めてやったと、こう思うのですが、それは間違いございませんか。まあ念のためにきのうお会いになった当事者なんで。
○説明員(間淵直三君) 腹に秘めておったことは間違いございません。
○黒柳明君 そうすると局長、具体的に、このロッキード、私も一年間暑い中でやったんで、その経験あるいはそれが記憶に残っておりますので、ある時代においてアメリカの国防総省、これに介入してきましたですね。それで、要するにロッキードがそれだけ疑惑があると、アメリカはどうしても売りたいと、まあ防衛庁の方もこれは優秀だと、何としても買いたいと腹に秘めていたんです。そういう時代があった。ロッキードのさなか。ところが、具体的な契約になりますとね、いまこれからコマーシャルベースで、その商社とロッキードと接触する可能性もあるんだと。そうすると契約は、要するにアメリカ政府、国防総省と防衛庁じゃなくして、ロッキードと防衛庁と、こういうことになりますね。
○説明員(間淵直三君) もしロッキードに決まりました場合には、最初の数機というものはアメリカの政府と防衛庁が契約して買うことになると思いますが、それ以下のものにつきましてはライセンス生産ということを思っておりまして、その場合には、国内のライセンスを得てロッキードの生産を行う者と防衛庁との契約ということになるわけでございまして、商社は介入いたしません。
○黒柳明君 これも新聞報道なんですが、当時、まあ四十五機云々なんていま話ありましたけれども、四機くらいは五十三年度に導入と。これは要するにライセンス生産のための導入ですか、あるいはノックダウン用としての導入ですか。もう一つ、それからそれに関連して、アメリカの政府と初め契約して購入するというのは、これは新聞情報なんで私はっきりわかりません。その確認も含めてなんですが、五十三年度初期に四機入れるという、この分だけアメリカ政府との購入契約になるのですか。その以後はすべてアメリカ政府を……。
○説明員(間淵直三君) もしそのP3Cを導入するということになった場合には、最初の二、三機はアメリカのFMSと申す政府機関から購入することになると思います。
○黒柳明君 それから、いま言ったそれはノックダウン用かライセンス用かということ。
○説明員(間淵直三君) それはノックダウン用ではございません。
○黒柳明君 ライセンス用ですね。
○説明員(間淵直三君) はい。
○黒柳明君 それでね、これは長官も、これまたロッキードにさかのぼって申しわけないが、あのときにはライセンスというのは当然国産という定義に入るんだということを何回も繰り返された。要するに国産ということを何回もあれしました。そうすると、いまおっしゃいましたようにライセンスということは、ロッキードの延長、これは変わってないと思うのですけれども、大体局長さんほとんど変わったんですけれども、これはもう国産ということにもし——まあ私ももしとつけましょう。装備局長は盛んにもしもしとおっしゃっているんで、もしそのP3Cを導入することになると、これはもうライセンス、いわゆる国産であると、こういうことですね、長官。ちょっとそこらあたりさっきと違ったんでどうかなと。
○説明員(間淵直三君) 国産化でございます。
○黒柳明君 ちょうど夏だから、化け物取ったって取らなくたって同じようなもので、出るときは出るでしょうから結構。国産化でも国産でも、そのために——私きょう三十分だから余りがたがたやって、またこの暑い盛りにがたがたやってもしようがない。もうここへ私は、こういうこともあるだろうと思って資料として、活字としてとった。いいですか、国産の点、国産とは——国産化とは書いてませんよ、国産ですよ。国産がどういうことかということで盛んに論議されたんです。国産でも輸入でもいいじゃないかと、四十七年の九月の幾日、久保さんが非常にやっぱり苦労されたときに、そういう問題で国産とは何なんだと、これが蒸し返し繰り返しやられたので、きちっとやっぱり今後のためにと。国産化とは書いてなかった。国産、これにはライセンス生産も含むと完全に書いてあった。防衛庁、これは五十一年三月二十五日。国産化とか国産とか、そういう夏向きのそういう化があるとかないとか関係ないですよ。先ほど国産じゃありませんと。だから、そういうところまで私慎重に——ロッキードだけがこの事件に対処するすべてじゃないことはわかっております。私はむしろ必要ならP3Cだろうが何だろうが導入すべきだと、こういう考えも持たなきゃならないぐらいの国防、安保に対して私たちは真剣に取り組んでいこう、いい意味で。悪い意味じゃありませんよ、いい意味で、こういうふうに考えているんです。その場合に、当面まだ公判最中で、いま長官が挙げました国会議員も後からつけ加えていただきましたけれども、SECと児玉の公判、それに対してまだまだ国産というのはという定義の中に全く入っていない。そうすると、なぜ私がこのことを問題にするかというと、あの四十七年の九月十九日のあの結論がここで出るわけですよ。田中角榮さんと、それから三人、そこに官房長官と加わって、それで密室会談やって決めちゃったんじゃないかと、こういう結論がここで出るわけですよ、P3Cを導入するという概算要求に踏み切れば。いいですか、三原長官。あれだけの論議を踏まえて、あれだけの大問題を踏まえて、それでいいにつけ悪いにつけ長官が結論出すわけです、国防会議の議を踏まえてですよ。その先兵になるわけでしょう。それにはやっぱり国産とか国産化とか、こんな簡単な問題とあるいはお思いになるかもしれないけれども、これはとんでもない話でありまして、化が一つあるとないとは大変なことなんです。ライセンス生産というのは国産の中に入るんです、これは、五十一年三月二十五日の防衛庁の見解で。そうすると国産です。そうするとどういうことになるかというと、私はここで断言はしたくない。したくはないけれども、やっぱりあの田中角榮さんの密室会議と、ここで三原長官がやっぱり国産ということに踏み切ると、何かあれと一環の連動性——ないですよ、そんな悪い長官じゃないこと私知っています。だけれども、これは世間が許しません。世間の世論、あるいは公判でこれから何が明るみに出るかわからないじゃないですか。そのときに、この国防会議で三原長官中心にして国産化に踏み切ったんだ、やっぱりこれが連動してたのかと言われるだけだって損じゃないですか。ひとつ私はここで、皆さん方十二分に知っていることですけれども苦言を申すと同時に、そういう細かい点までも微に入り細に入り配慮をしないと後でまた尾を引き大変なことになる。本来ならば、ここで国産か国産化じゃないなんということでがたがた私やりたいんですけれども、初めての選挙終わっての委員会ですし、またこれから長官もアメリカに行ってさあ一踏ん張りというときに、黒柳ごときになめられてなるものかというようなところでいるんでしょうから、ひとつがんばってきてくださいよ。だけれども、こういうことをこの次には厳しく、これはどういうふうな決定が出るかわかりません。私はこういうものをどんどんこれから厳しく皆さん方の姿勢をただします。いいですね、長官、あるいは装備局長も、御苦労ですけれども頭に入れておいてくださいよ。 それから、いろんなこと言って変なことを言ったら時間がなくなっちゃったが、さっき商社は入れないと、こうおっしゃいましたね。そうすると、二機か三機はいいですが、そのあとはどこと契約結ぶんですか、ロッキードと直接契約結ぶんですか。
○説明員(間淵直三君) 先ほど申し上げましたように、ライセンス生産するということになりますると、ライセンス生産をする日本国内の会社と防衛庁が契約するということになります。
○黒柳明君 だから、それは従来ならロッキード−川重、川重−防衛庁、こういうことになるのでしょう。ですからこれはまだ未知数のことですよ。概算要求まだこれからするということ。だから余りにも時間がないから、もう大体われわれは既定方針どおり行くのだろうということになれば、ロッキード−川重、川重−防衛庁、こうなるんじゃないですか、いままでのパターンなら。またそれを踏襲する可能性は十二分にあるんじゃないですか。
○説明員(間淵直三君) そういうパターンになると思います。
○黒柳明君 そうなった場合に、ひとつロッキードの方もいま言いましたように児玉との契約を破棄するということが大前提なんだと、導入に踏み切るためには。と同時に、もうこれは防衛産業の問題、なかんずく川重の問題、あるいはFXの場合には日商と。いろいろな固有名詞を出して失礼かと思いますけれども、もう問題があり過ぎた。あの前装備局長の江口さんのときには、もう一つ一ついろいろな不備を取り上げて、それで皆さん方むしろ知らない点まで、リベートを取っていたのを明るみに出したわけです。もしこれがいままでのパターンを繰り返すならば、川重——川重になるかどうかわからぬが、そうでしょう、落ちつくところは、いままでのパターンで。これとてもロッキードと児玉との契約を破棄することが前提なら、ひとつあのロッキードの委員会における、国会におけるいろいろな問題点一つ一つ言ったらこんなものにもなるのです。ロッキード、あれ防衛庁、完璧にこれを整理するとともに、また何か皆さん方わからないところ出てきたらこれは神のみ知ることであって、人間のわかる範囲じゃないと思いますよ。これはまた出たときと言っちゃいけないと思いますが、幾ら皆さん方が神経使ったってある場合があるでしょう。少なくとも国会で指摘され、皆さん方が認知しているところなんですが、皆さん方と商社、川重との問題じゃなくて、国会で問題になった、国会で指摘された。むしろ皆さん方がそれについて、ああ知りましたと、こういう面が多いのだからあからさまに川重との契約なり、川重との契約に持っていく前の話し合いなり、ひとつこの委員会なりに、あるいはしかるべく理事会なりに報告してください。少なくとも報告をして、国と、あれだけ問題のあったロッキードと、間接的にまた問題が指摘された商社を通してやるのですから、それを、やってしまいました、問題起こりました、それ言わないことじゃないというときは装備局長どこかへ行っちゃっているんじゃないですか。また新しい人じゃしようがない、こんなことを繰り返しておったって。だから、もうつい去年にその例があるのですから、ひとつ長官が真剣に対処されているときにこそ、その間に入る商社と防衛庁との不備な点をさんざん国会で明示したのですから、明らかにしたのですから、それもしかるべく理事会でも何でも結構です、皆さん方が公開の場でできないときは秘密だっていいじゃないですか。どういうふうになっているかもひとつはっきり認識さしてもらいたい。行政府と立法府といろいろ分野は違いますけれども、認識してもらいたい。それで私たちまた気づいた点については、むしろ皆さん方についてこれはうまくないよとサゼスチョンもさしていただきたい。ひとつ長官そのくらいな決断を持って、この導入に当たっては防衛庁の最高責任者として訓令し、防衛庁長官もそのくらいな慎重さを持っていいんじゃないかと思います。何もわれわれは皆さん方の行政に介入しようとか、何か起こったら、何かあるかないか、そこまで神経を使っているんじゃない。そんなことを言っているんじゃない。だけれども、そのくらいに対処しないと、国産の問題だってもうすぐこういう文書が全く無視されちゃっている、こういうことになる。これは非常に政治的な問題なんです。長官ひとつ考え方言っていただけますか。
○国務大臣(三原朝雄君) 再三各先生方から御指摘がございますように、防衛庁にとりましてはきわめて重要な防衛体制整備のプロジェクトでございます。しかし、これについては国民の疑惑があってはならないという非常な御指摘でございますし、いまの黒柳先生の御意見等を十分ひとつ踏まえまして対処してまいりたいと考えております。
○黒柳明君 あと一、二装備局長、ソフトウエア、盛んにさっきから問題になりました。このソフトウエアについては、もし導入する場合ですよ、もし。もう完全にアメリカは了解してくれるんでしょうね。いわゆるソフトウエアについて何かアメリカが日本に対して秘密事項があったら、これはもう機能発揮できませんよ。さらに拡大解釈すると、アメリカの陸上、地上のその機能だって、われわれ——われわれじゃない、済みません、防衛庁。制服が使えませんと、このソフトウエアというのは完璧に機能しない可能性が十二分にありますよ。要するにアメリカのその潜水艦に対しては全く秘密であって、暗号の手帳があるのか、秘密事項があるのか。第三国に対してはこれはもう認知できるけれども、アメリカにはそれじゃもう識別できませんな。そんなことはもう言うまでもありません、素人の私が。そういうソフトウエアについては完全にアメリカがもう一〇〇%秘密ないということを前提に導入しなければ、要するに三機購入したって、ライセンス生産したって、具体的な実際なこの対潜用の防御能力を発揮しないと、こういうことになるんですけれども、その点はまあこれから概算要求、これから導入計画ということで、そこらあたりお考えなりともひとつ教えていただけますか。
○説明員(間淵直三君) アメリカはその例外がございまして、すべてをリリースするということはないと思いますが、私どもにとって必要な範囲のものにつきましてはすべてリリースを強く交渉いたします。
○黒柳明君 要するに、すべてリリースしないということは、やっぱりアメリカの潜水艦に対しての識別についてはリリースしない。こうなりますとね、これは私たちが知っているその素人の知識でも全く機能を発揮しないというものになっちゃうということですよ。これはもう議論の余地がないということです。ですから、このP3Cを導入に当たって、それはもうソフトウエアの要するに機能というものを一〇〇%——だから私はそれは拡大すると米軍の地上施設までも——いい悪い別だ、私いい悪いの論議までやる時間ない。また後日に譲る。そういうものまでも利用させてくれるという前提になければ、これは導入したってまた秘密事項ができる。要するに国会で報告することと実際の制服がやっていること、あるいは皆さん方が知っていることと制服とのギャップ、こういうものが尾を引くと、これはまた日本のためにうまくないという結果になりますよ。ですから、いままでたしか全部リリースしないという、これは今度の場合には全部リリースさせるという条件を踏まえないとね、あるいはいま言ったように米軍の施設までも使わせるという条件まで含むのか、そういうものまでないと、うかつにロッキードと接触した、まあこちらとしてはもう早く購入しなかったらP2Jはもうオブソリートするからだめだということだけが先行していると、これは実際な能力発揮に対して欠陥物になる、こういう可能性あるんじゃないですか。長官、いまのことは当然検討されたと思います。もう私二分二十秒しかありません、時間が。その点についてもこの問題についてはただ慎重に対処するという問題じゃなくて、もし導入する場合には莫大な税金を使うわけです。いいですね。使うならば万々が一、百歩譲ったとしても完全に能力発揮するものじゃなけりゃしょうがないじゃないですか。それがいいということじゃないでしょう、百歩譲ったとしても。それがまた中途半端なものにきて、それでまた堀江先生から何やってんだと怒られたらしようがないじゃないですか。ひとつその点、検討され尽くしている問題だとは思いますけれども、非常にこれは技術的にむずかしい問題、対米折衝に非常に問題がある、私はこう判断しているんですが、長官、この点についてはどう内局からこの話を受け、長官はこの一部リリースされない問題があるというものについて、このソフトウエアについてリリースされない問題があってもいいと判断しているのかどうか、そんなところ検討したのかしないのか、もう最後ですから。
○国務大臣(三原朝雄君) この点につきましては、ヨーロッパとの関係等も調査をさしてまいっておるわけでございまして、必要なものにつきましては、私どもといたしましてもできるだけ広範なリリースを受けたいということで折衝をしておるわけでございますが、しかし相手のことでございまするので、全部リリースを受けるというようなことは困難なところはあろうと思います。そういう点は秘密会議等で、こういうものについては発表しないというようなことで、また先生方と意見を交換する場もあろうと思います。事態はそういうことでございます。
○黒柳明君 秘密会議になるかどうか。またいま言ったことで、ひとつ意見交換ぜひとも、これは社会党の先生方の意見聞かなきゃならないんで、私は聞かしてもらいたいと、こういう、善悪は別にしましてやっぱり前向きな考えを持っておりますので、またひとつ後ほど対処していただきたい。 済みません、時間ですので終わります。
○山中郁子君 PXL選定の経過についてただします。本意ではないんですが大変限られた時間ですので、その中で多くの問題がありますが、私は主として一つの問題にしぼりたいと思います。 それは、かねてから問題になっております疑惑の解明なくして選定なしと、この問題ですね。私は先ほどからの質疑のやりとりを聞いておりまして、大変不可解に思っていることがあります。その点についてだけしぼってお伺いすることになると思いますけれども、まずその前提として、新聞報道などの確認もあるんですが、概算要求を前にいたしまして、たとえば防衛庁が三日の幹部会においてP3Cの導入を内定したとか、あるいはきょうの新聞にも出ておりますけれども、昨日の庁議で採用内定を決めたという報道になっておりますが、庁議で採用の内定したんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 正式の内定はまだいたしておりません。
○山中郁子君 そうすると、どういう内定をしたんですか。正式でないどういう内定をしたんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 各担当者から報告を聞いた程度でございます。最終決定は概算要求をいたします月末ごろに決定をいたしたいと考えております。
○山中郁子君 簡単にもう一度、いまのことも含めまして選定作業の今後の日程をもう一度はっきりしてください。
○説明員(伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいました三日なり五日なり、これは事務的にいままで詰めてまいりました費用対効果の面、それから、それぞれの場合の将来性の問題、あるいは全体の計画としてどれぐらいの費用がかかるか、それが将来の防衛庁の予想される予算の伸びの中で賄えるか、そういうことにつきまして、先ほど来申し上げておりますように、国内で開発する案と、それから折衷案と申しまして電子機器を積んで機体だけを開発する案と、それからP3Cをライセンスする案につきまして、それぞれ具体的な事実を詰めまして、そのことを大臣に御報告申し上げまして御判断をいただく最後の詰めをやっているというのが現在の状況でございます。
○山中郁子君 防衛庁長官に重ねて確認をお願いしたいんですけれども、従来とも、解明なくして選定なしと言明してこられました。この点はもちろん変わりありませんね。
○国務大臣(三原朝雄君) この点につきましては、その解明の受け取り方でいろいろあろうと思いまするが、いま先ほどから申し上げておりまするように、公判の状況でございまするとか、あるいはアメリカにおきまするSECの会議の結末でございまするとか、諸般のそうした条件等を判断をいたしまして、ここまで解明されておればというような判断をせざるを得ないというような立場でおるわけでございます。
○山中郁子君 私はそこが大きな問題だと思います。で、防衛庁はさっきから腹に持ってるなんてことを何回も言っているけれども、腹に持っていたんじゃさっぱりわからないんで、端的に私は伺いますし、それから明らかにしてもらわなければ困るし、これだけの大事件の残りなんという問題じゃないんです。それそのものですよね。その解明がなくて、そして選定がされるということは、私は絶対にあり得ない。疑惑の解明がなくて選定はない。どういう言い方をして、どこにどういう段階をつけようとも、再三福田総理大臣も、先回の臨時国会でわが党の市川議員の代表質問に対して答弁をされました。それから、防衛庁長官もロ特で解明なくして選定なしということを言明されております。ですから、そこの点について疑惑の解明がなくて選定しないといういままでの政府の国民への約束、そして防衛庁の表向きそういうふうに主張してきたこと、これはいささかも変わるものではないんだということを国民にわかるようにここで確認をしてください。いろんなことを言って、あれこれ言って、腹に持ってたりなんかして言ったってだれもわからないですよね。要するに、この疑惑についての解明がされなければ選定はないということを確認をしていただきたい。
○国務大臣(三原朝雄君) 疑惑についての解明をいたすことについては変わりません。
○山中郁子君 そうしなければ選定がないということです、あなたが言ってきたように。
○国務大臣(三原朝雄君) したがいまして、私は国民の疑惑を解く努力をいたします。こういうことで疑惑を解くことができるという判断に立って私は決断を下す考えでおります。
○山中郁子君 要するに、疑惑なくして選定なしという態度は変わらないと、こういうことですね、よろしいですね。
○国務大臣(三原朝雄君) 疑惑を生むようなことはないという判断をいたしますれば、その時点で私は決断をいたしたいと考えております。
○山中郁子君 そのことはまた問題にいたします。 そうしますと、要するに疑惑の解明がなくして、つまり国民が理解をするということをつけようがつけまいが、実質的にはそういうことで解明されるかされないかの問題になるわけですよね。あなたのはされるという前提でと、こういうふうに言われているけれども、実際問題として、PXLをめぐる疑惑は解明するどころか、これは一層また新たな事態として進展してきているということははっきりしています。それは小佐野公判、児玉公判の冒頭陳述の中に、私がいまあえて申し上げるまでもないと思いますけれども、それぞれについてそうした疑惑、問題が冒頭陳述の中で触れられているわけです。冒頭陳述が、ちゃんとした証拠でもって解明されるもの以外には、推測や予断で書かれるものでないということは私が何ら申し上げる筋合いもないほど御承知のところだと思います。こうした意味で、PXLの選定をめぐって、P3Cとの関係で新たな疑惑が動かないものとして公判の中で冒頭陳述として位置づけられてきた段階で、このPXLの、P3Cの選定が行われるということは私はあり得ないというふうに考えますけれども、この問題についてはいかがですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 国民の疑惑を受けるようなものを残して結論を出すということはいたしません。あくまでも疑惑についてはこれを晴らすだけの態勢をとって私は決断をいたしたいと考えております。
○山中郁子君 じゃ具体的に申し上げましょう。 児玉公判の冒頭陳述に、結局児玉譽士夫が分離輸入その他の問題に関して決定をしてもらうようにした方がよいという助言をロ社にしたとか、米国のつながりとの関係でそうした問題が冒頭陳述で出されています。それから小佐野公判の関係にすれば、ロッキード社がP3Cを日本政府に売却する活動を援助してもらいたい旨依頼し、小佐野はこれを了承したと、こういうことが冒頭陳述に述べられています。ですから、私は法務省にお伺いしたいんですけれども、こうしたものの内容がどのように把握をされているのか、どういうものであるのかということについてまずお伺いをしたいと思います。
○説明員(佐藤道夫君) お答え申し上げます。 御指摘のように、児玉の冒頭陳述書におきまして、検察側は、問題の情報につきましてこれが児玉被告人からロッキード社に伝達されたという事実を主張してございます。この主張している事実につきましては、これに関連いたしまして、児玉被告人に、この情報をどこから入手したか、あるいはまたどのような方法によって入手したか等、細部にわたる点も踏まえまして関係証拠によって今後の公判において立証していくという方針でございます。御承知と思いますが、児玉被告人は公訴事実をほぼ全面的に否定しております。したがいまして、公判がただいま大変微妙な状況にございますので、これ以上冒頭陳述書の細部にわたる点についての御答弁は御容赦願えれば幸いと考えております。
○山中郁子君 小佐野問題、小佐野公判……。
○説明員(佐藤道夫君) 小佐野公判につきましてもほぼ同じことでございまして、冒頭陳述書で指摘している事実につきましては、関係証拠によって今後立証してまいりたいと考えておりますが、冒頭陳述書以外に小佐野被告人がどのような動きをしたかという諸般の問題につきましては、やはり今後の公判対策上、いまこの段階におきまして申し述べることは適当でないと考えますので、ひとつ御容赦いただきたいと思います。
○山中郁子君 法務省の言われるのは大体そういうことなんですけれども、それはそれで問題はあります。しかし、そういう仮に法務省の言われることを前提として考えるならば、これからの公判の過程の中でどういうことが出てくるかわからないわけでしょう、どういうことが出てくるか、それを明らかにしていくわけだから。そういう事態なんですよ、防衛庁長官。これからどういうことが出てくるか。必ず出てくるんです。冒頭陳述でそういうことがちゃんと触れられているんだから、根拠のない、証明できないものでもって冒頭陳述に載せるということはないんですからね。だから、小佐野の問題に関して言えば、こういうことを働きかけをしてほしいと、小佐野はこれを了承したとなっているんでしょう。だから、何らかの形で小佐野が何かの働きかけをしたのかどうか、どういうことをしたのか、こういうものが確かだとすれば、それは可能性としては十分にそうした行為が出てくるということが前提です。そういう事態のもとで、概算要求で日程がもう詰まっているところで、お話を聞けば正式に決定はしてないけれども、すぐに正式に決定する運びになっているPXLの、P3Cの選定が、どんなにいままであなた方が国民にお約束してきたことと全く違った中身になるか、そしてどんなに国民の疑惑に対して裏切り行為であるか、そのことは私は子供が考えたってわかる理屈だと思いますけれども、一体公判でこれから出てくるそうした問題が明らかにならないのに、国民に納得できる解明が、その概算要求の前の庁議決定も含めて、そういうことの時点で明らかになるとあなたはそういう保証ができるんですか。私は絶対できないと思いますよ、物理的に考えたって。防衛庁長官に伺っています。
○国務大臣(三原朝雄君) 公判の中身について私は論断をすることはできませんし、私はそれなりにそうした公判の審理がどういう方向に行くであろうかということだけですべてを決するわけじゃありません。しかし、国民の方々に訴える、そして疑惑を持っていただかないような処置につきましては、いろいろな点で対策を練って処置いたしたい、そう考えておるところでございます。
○山中郁子君 公判の推移は、結局児玉、小佐野、ロッキードのPXL、P3Cの関係の犯罪の問題の一つの大きな中身です。そしてあなた方がいままで再三、疑惑の解明をして国民の誤解を解いて、そしてきれいな形でやると言われていた中身は、まさにその犯罪の事実があったのかなかったのか、その疑惑が解明されなきゃ成り立たないでしょう。で、公判の問題だけじゃないと言われるけれども、公判の問題が重要な問題でなくて何があるんですか。疑惑を解いてから選定をするとあなた方が何回も約束してきたことが、公判での、つまりその犯罪事実の問題の解明のほかにもっと大事な何があるんですか、私はないはずだと思いますよ。そうしたら、公判の成り行きが解明されないままに、それがどうなるのかわからない。法務省は公判が微妙なあれだからいまの段階で申し上げられないと。法務省がいまもし、確かに実際問題としてはそういう事実はないですというふうなことをもし仮におっしゃるならば、あなたはそういうことを盾にとってそういう主張をなされるかもしれません。だけれども、そういうことは言えないと言っているわけでしょう。わからないわけですよ。どうしてそういうことが言えるんですか。国民が納得できるように答弁してください。
○国務大臣(三原朝雄君) もちろん私どもは公判の推移を注視して処置をするわけでございます。
○山中郁子君 わからないじゃないですか、どういうことが出るか。
○国務大臣(三原朝雄君) そういう点につきましては、年末までにそういう推移も出てまいりましょうし、またアメリカにおきましてSECにおける報告書なども犯罪的な行為は認められないというような点も出ておるわけでございまするが、その他あらゆる防衛問題のこれをじんぜん——仮に公判が一年も二年も続くというような予想ができるのかどうか、そういう判断もせなきゃなりませんけれども、そういう点から国民に、私どもは私どもなりに国民の方々にそうした点、防衛関係とは何ら関係がないんだというようなことも申し上げねばなりません。そういうような点で国民の方々にひとつ誤解のないように、あるいは疑いが晴れるような処置を考えてまいる所存でございます。いまここで具体的にどうだというようなことを申し上げることは差し控えたいと思うのでございます。
○山中郁子君 大事なことなんで私はもう一度繰り返して言います。概算要求でいましかるべき手続を踏んでPXLの選定をしますと、こう言っておられるわけでしょう。そしてP3Cの問題があたかも既成事実のごとくに、新聞報道を含めてですよ、ずっとつくられてきているんですよ。そしていま公判の問題はこれからその中身が明らかになるという時点で、それが概算要求の関係、おたくが庁議で正式に決定するというところまでに明らかにならないということははっきりしているんです。そのときになぜ選定ができるんですか、P3Cを中に含めてですよ。百歩譲っても、P3Cを対象の一つとしてなぜ選定ができるんですか。できないはずでしょう、解明できないんだから、それまでに。
○国務大臣(三原朝雄君) 御承知のように、PXLの問題につきましては過去十年間でございます、防衛庁は防衛力の整備のために研究をしてまいったところでございます。たまたま児玉、小佐野、それらの人々によって不正な行為がなされたということがいま公判で問題になっていることも承知をいたしております。しかし、少なくとも防衛庁関係においては、一点のこれらに対しまする関係はございませんという事態も明白でございます。そういうような点を、一例を挙げましたが、国民の方々に訴えながら、防衛力整備のためにはPXLの問題を今回五十三年度の概算要求にのせなければならないという事態を私どもは国民に訴えねばならぬと思うのでございます。そういう立場から私は判断をして、諸般の条件を具備しながら決定をいたしたいと考えておるところでございます。ただ単に公判廷の推移、公判の推移等だけで問題の疑惑は晴らせないということにはならないと、私はそう考えておるわけでございます。
○山中郁子君 合理的なというか、適切な答弁ができない問題だということがはっきりいたしました。お聞きになった方はおわかりだと思います。で、いま防衛庁としては何ら問題がないみたいにおっしゃいましたけれども、たとえば伊藤刑事局長が、これもやはり参議院のロ特委で、要するに分離輸入の助言をしたことは、やっぱりそれはそれなりのルートを通ってきたことだというふうに考える以外にないという趣旨の答弁もされています。私はそこら辺にも大きな問題があると思います。時間がありませんのでそれには深入りはいたしません。 で、いま申し上げました結論として、防衛庁長官からは合理的な適切な答弁がされない、できないと。これはやはりあくまでも、このロッキード問題の政財官癒着のこの大問題になった国民の大きな怒りと批判を受けたその事件の重要さ、その本質の底の深さ、そうしたものを防衛庁が本当にちゃんと理解をしていないということの私は端的なあらわれだと、証明だというふうにしか受け取れません。私はそのことについて強い警告を発しておきたいと思います。それで、事実そういうことであいまいな表現をされながら実際には進んできている経過の中で、特に私は明らかにしてほしいというふうに思いますのは、これも新聞報道その他で言われているんですが、こういう事態のもとで、おたくがまだ庁議決定正式にしていないとかなんとか言っていらっしゃってごまかしている時期に、すでにロッキード社が、結局川崎重工とライセンス生産の打ち合わせをしているというような、交渉をしているというようなことが報道されています。これは八月四日の読売の夕刊の記事ですね。それからまた児玉にかわる代理人を考えていると、具体的には七人挙がっているけれどもというふうなことを、これはサンケイの特派員がハーク・ロッキード社の会長と対談をしたという記事の中に含まれています。こうしたことが次々といま現実に行われている。私はこういうこともあわせて、防衛庁がどのように把握して、どのような措置をとっているのか伺っておきたいところです。あなたがもし、それは知りませんと、新聞報道ですと——時間がないからちょっと一緒に言ってしまいますけれども、もしそういうふうにおっしゃるなら、こうしたことを防衛庁としてちゃんと調査なさるのかどうか、含めて回答をお願いします。
○説明員(間淵直三君) 選定の過程におきましていろいろの計算をするというようなとき、必要な情報といたしまして川崎重工というようなところから必要な数字を徴したことはございます。
○山中郁子君 児玉にかわる代理人。
○説明員(間淵直三君) 新聞報道にあることは存じておりますが、直接これは全然聞いておりません。
○山中郁子君 あのね、そういうことじゃないんですよ。新聞報道はさらに、日本が「P3C対潜しょう戒機の導入を決定したことで、同機のライセンス生産について、すでに川崎重工との間で交渉が開始されている」ということを言っている。それからハーク会長の会談は、あなたも新聞をごらんになればすぐわかるわけですよ、ちゃんとそういうふうに書いてあるわけだから。私はこういうことについて、防衛庁がここで答弁なさっているようなことを、本当にそれが通るものとしておっしゃっているなら、うそをついていないなら、それはちゃんと直ちに一々についてロッキード社なり何なりについて調査をしたり、そうしたことを常に国会で質問されれば解明できる、すぐ答弁できる、そういう状態にしておくべきだということを申し上げておきます。なぜならば、そういうことが本当に日本の全体の大きな問題として、そして世界的な問題にもなって、現にまだ大きな問題が残っていて、現実にこうしたことでもって関連をしているロッキード事件を、本当に政府が口で言うようにちゃんと解明をすると、そう言うならば、そうしたことを一つ一つちゃんと防衛庁が誠意を持って正しい立場で行わなければ、国民の疑惑を晴らすなんということはとんでもないことだということを私は強調しておきたいと思います。 最後に一つだけ別な問題で質問いたします。 先ほど秦議員の方からも関連してありましたけれども、きょうのこれは読売ですね、佐世保の問題です。もう一つだけこれを正確に確認をしておきたいと思います。こういうふうに新聞は報道しているんですね。「政府筋は十日、福田首相に対し米国政府首脳がこのほど「在韓米地上軍撤退後の朝鮮半島での紛争に備え、米第七艦隊空母部隊のため佐世保港の補給、兵たん能力を増強したい」と要請してきたことを明らかにした。」と、こういう報道をしているんです。こういう事実はあったんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほども秦先生に私はお答えをいたしました。アメリカの議会の予算局かなんかの報告の中に、意見の中にそういうものがあったかなといういま記憶をよみがえすわけでございますが、そういうことがありましたが、いまの佐世保の港の問題について、基地化の問題について交渉があったかどうかということでございますが、これは全然ございません。明確に私はここで申し上げておきます。ございません。
○山中郁子君 これで終わりますが一言。先ほどのお話もあったんですけれども、こういう問題は、ありません、明確にございませんなんておっしゃっていて、そしてやがてだんだん浮上してくるんですよね。いずれ、これは大変重要な問題です。私は次のしかるべき機会におきまして問題の追及をしたいというふうに思っております。
○井上計君 初委員会の初質問でありますし、また従来の経過を十二分に熟知をいたしておりませんので、あるいはややピント外れの質問になるかと思いますけれども、ひとつあらかじめ御了承いただいてお願いをいたしたいと思います。 まず最初に、これは質問と同時に若干の意見を交えてお伺いしたいと思いますけれども、米ソの軍事力の均衡によって世界の特にアジアの平和が保たれておる、これはわれわれこのように従来考えておりました。ところがこの十年来、ソ連の軍事力が著しく増強されましてバランスを失いつつある、それによって戦争の危機がまた迫っておるというふうな説も最近行われておるわけであります。特にこの半年来、ミグ25事件以来幾多の問題が近辺に発生をいたしまして、国民の間に防衛という問題についての関心が過去とは全く違うような形で非常に高まっておる、あるいはまた不安が高まっておる、これは事実であろうというふうに思います。ミグ25の侵犯事件あるいはまた先般の日ソ漁業交渉におけるところのソ連の不法な、いわば強引な態度、あるいはまた北方領土問題等に対するソ連の頑迷な態度、あるいはまた最近新聞にも写真が出ておりますけれども、ソ連艦船の領海侵犯、そういうふうなこと等から、非常に不安が国民の間に実は高まっておるわけであります。さらにまた、先ほど来論議になっておりますけれども、在韓米軍の撤退、これらを考えてみますと、かつてないような国民の間に防衛についての不安が非常に高まっておりますが、ところが一方では依然として、日米安保条約があることが日本に戦争の危機があるんだとか、あるいはまた自衛隊があることによって戦争を誘発をすると、こういうふうな無責任なまた考え方、論議もなされておることも実は事実であるわけであります。私は全くそうは思っておりませんけれども。そこで国民の中には、先ほど申し上げておりますように、一方では非常に防衛に対する関心あるいは不安が高まっておりますと同時に、また一方では依然として、もう自衛隊は即時解散した方がいいと、日米安保条約はすぐに廃棄した方がいいと、そうすれば戦争の危険が全くなくなるんだと、こういう考え方の人も残っておることも事実であるわけであります。したがって、一機何十億するような飛行機を買わなくても、それらのものを他に回せばいいではないか、税金を安くすればいいではないかというふうな誤った——あえて誤ったと私申し上げますけれども、そういう考え方もあるということもこれは事実でありますけれども、そこでお伺いをいたしたいと思いますけれども、防衛庁側として国民に対してもっと積極的に、なぜわれわれは国を守らなくてはいけないのか、国を守る目的といいますか、そのようなこと等についてもっとやはり明確な啓蒙をされる必要があるんではなかろうかというふうに思います。先ほど秦議員から、先般出されたこの防衛白書、これは白書とは言えない、陳情書だというふうな御指摘がありました。私も、そうは思いませんけれども、なるほど若干読みましたけれども、どうも何か抽象的な表現が多くて、必ずしも国民に明確に国の防衛ということについての訴えというふうなものについては欠けておる。わずかに一ページ程度の問題で若干抽象的な表現しかされておりませんけれども、したがって、もっとこれを明確に、国民に防衛の意義、防衛の目的、必要性等についてもっと明確にひとつ啓蒙をされる、そういうふうなことが必要ではなかろうかと思いますが、そういうことについてお考えになっておられるかどうか、これが第一点。 それから第二点は、まあ当然のことでありますけれども、仮想侵略国といいますか、そういうふうなものを想定をして、当然それらについての作戦計画といいますか、そのようなものを立っておられると思いますけれども、外交上のいろんな問題等もありますから、これは表現されないことも当然だと思いますけれども、そういうふうなものをお考えになっておると思いますが、また今後とも——これはお答えいただかぬで結構でありますけれども——そういうことを考えながら、やはり国民に逐次明確なそういう意識が国民の間に高まるように、そういうこともひとつお考えをいただきたい。まず、意見を交えまして、第一点ひとつ御質問を申し上げます。
○国務大臣(三原朝雄君) 防衛の基本的な方針につきましては、防衛の基本方針で一応明確にいたしておるわけでございまするが、それは、第一には外交的な努力が必要である。第二番目には、真に国民が国を愛するようなりっぱな国の形成が第二番目でございます。内容を充実し、民生を安定していくとかいうようなことが必要でございます。これに関連して第三番目には、国民に防衛に対しまする気概をひとつ高めていく。国民が国を守っていくという、そういう精神を持っていただくように努力をせなければならぬ。第四番目には、平和憲法を持っております日本としての防衛体制を整備していかねばなりません。そういうような、要するに専守防衛体制の日本の防衛をひとつ整備していこうというような四点を示しておるわけでございます。いま先生の御指摘、私は、防衛というのは自衛隊だけで日本の防衛ができるとは思いません。いま先生御指摘のように、全国民がやはり国を守るという気概を持ち、そうして自衛隊を理解をし、支援をしていく体制の確立がきわめて重要な条件であると思うのでございます。したがいまして、先生御指摘のように、国民の皆さん方に日本の防衛はどうあるべきか、国を守るために自衛隊の存在というものはこういうことでございますということを解明することが大事であると、そのとおりでございます。そういう点で、あらゆる角度から国民に理解を願い御支持を願うような努力をいたしておるところでございます。
○説明員(伊藤圭一君) 先ほど仮想敵国のお話がございました。私どもは仮想敵国というものは考えていないわけでございますが、当然のことながら日本の防衛の立場からいたしますと、周辺諸国の軍事力というものを一応わが国の防衛力整備の考え方の参考にいたしておるわけでございます。そういう観点からいたしますと、現時点におきまして侵攻の能力を持っているというのは、何といいましても軍事大国であるソ連というものがあるわけでございます。したがいまして、いまその国防の問題についてPRをしなければならないというお話がございまして、先ほど堀江先生の御質問の際にもございましたように、私はかなりこういった意味の国防というものに対する国民の考え方の中に、やはり最小限の軍事力は必要だというのが、過去二十年間の間に徐々に浸透してまいっていると思います。しかし一方には、そうは言うものの、きわめてこの兵器というものは高くなってきておりますので、こういうものが一体要るのかどうかという御疑問が当然あろうと思います。したがいまして、私どもは国防白書にもそういったことをできるだけ具体的に御説明したいと思っておりますし、また機種の選定等に当たりましては、いかなる脅威というものに対してこれを装備する必要があるのかというようなことを、今後ともできるだけ具体的に御説明してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○井上計君 長官並びに局長のお答えをお伺いして、ややというか、期待をいたしておりますが、ただ単にこの防衛白書の発行だけではなかなか一般多くの方々に理解されないという面もあろうと思いますので、まあこれらの問題等につきましても、防衛庁側としてもまた別個のひとつ国民に対するPRの方法等についてもお考えをいただいたらどうかと思います。特に、国民に自衛隊の必要性といいますか、自衛力を持つことについての、国を守ることについての必要性というものを理解してもらうことが、同時に自衛隊員の士気の高揚にも当然これは連動するわけでありますので、特にひとつ今後とも十分御配慮をいただきたい。これは希望しておきます。 そこで、先ほど来もう論議が出尽くしておりますので、重複することばかりでありますから余り多くお尋ねすることはないわけでありますが、先ほど黒柳議員の御発言等の中で、国産化ということについての定義の問題等いろいろございました。私、個人的な理解としては、やはり国産化というのは、全部もしくは大部分のものが国内生産されるものが国産化と、こういう理解をいたしておりましたが、先ほどの黒柳議員のお話では、若干過去の防衛庁側のお答えと多少違うようでありますが、それはさておきまして、ロッキード問題の疑惑が徹底的に解明されなければこのP3Cの導入・選定等についての結論が出されないということになりますと、全くこれはタイミングを失すると、こういうおそれもあろうかと思います。もちろん、長官先ほどからお話しのように、国民に対してこの疑惑の解明等については最大限の努力をしていただかなくちゃいけませんけれども、しかし、一〇〇%の国民が、やはりこの疑惑についてこれが解明されたということになりますとまたなかなかむずかしい問題もあろうかと思います。あるいは大ぜいの人の中でありますから、すべて実はもう疑ってかかっておる、疑いが前提であるという人がある場合には、なかなか一〇〇%の国民の疑惑の解明ということは不可能であろうと思いますが、一定の時期になりますれば、ロッキードとやはりこの対潜機の導入の問題とは別個の問題でありますから、勇断をもってひとつ処していただくということが必要ではなかろうかと、これは希望を兼ねての質問であります。 それから、そこで先ほど来のいろんな御答弁を聞いておりますと、P3Cの導入等については、もちろんまだ未決定のようでありますけれども、ただ私の理解する感じといたしましては、大体そういう方向にいくであろうというひとつ理解のもとにお尋ねをいたしたいと思いますが、そこで、先ほどどなたかの質問にお答えでつなぎというふうなこともちょっとあったかと思いますが、ではいつの時点でまあ国産機の、国内開発機の導入を考えておられるのか、あるいはまた、そのことにつきまして性能的にP3Cよりすぐれたものが国産化されるのかどうか、これをまずひとつお伺いいたして、時間の関係がありますから続いてお伺いをいたしますが、そこで、ライセンス生産等になった場合でありますけれども、特にソフト面の、これはもう全面的に輸入だということになろうかと思いますが、その場合に国内の航空機の生産技術者というふうなもの等についての、将来への問題としての確保というものが必要であるというふうに思いますが、そのような技術者の維持確保についてはどういうお考えを持っておられるのかどうか、これもひとつお伺いをいたしたいというふうに思います。 それからもう一つは、やはり先ほど質問に出ておりましたけれども、ライセンス生産になった場合、次期対潜機が、特に重要部門等につきましての全面輸入でありますが、その場合に今後の防衛上、維持管理、運用上問題がないのかどうか、以上三点をひとつお伺いをいたしたいと思います。
○説明員(間淵直三君) PXLの選定の現状は先ほど来いろいろ御説明したとおりでございますが、いつの段階になって国内開発機と申しますか、純国産機と申しますか、そういうものを考えるかというお尋ねでございますが、国内開発機は開発を始めましてから七、八年は時間を要する問題でございまして、私どもがまだその事務的な案として考えておるところは、とりあえず数十機をライセンス生産をする、その間にP3Cと同様の性能のものをまた国内開発でつくるということは、非常に費用対効果といったような点から見ましてもロスが多いというふうに考えておるわけでございまして、しばらくこのP3C、もしそういうふうになった場合にはこれを使用いたしまして、次の時代にどういうものを備えるべきであるかということを検討いたしましてそこら辺の関係を決めていきたい、こう思っておる次第でございます。 次に、ライセンス生産をした場合の維持補給あるいは技術者の維持確保といったような点でございますが、ライセンス生産、国内で純粋に開発するというものに比べますれば、非常にと申しますか、ある程度工数的に見ましても、純国内開発機に比べますれば工数も少ないというようなことでございますが、ある程度の国内の技術の維持保存というものはできると、こういうふうに考えておる次第でございます。 次に、その維持補給というような面でございますが、ライセンス生産をするということの基本的な考え方といたしましては、一たび一つの航空機を入れる、使用するということになりますれば、かなりこれは長期間にわたって使用いたしていくわけでございまして、その間の修理であるとか、使用中に必ず起こってくると思われまするいろいろの何と申しますか、ふぐあいと申しますか、そういうものに即座に即応できるという体制を維持するためにライセンス生産をするわけでございまして、そういう目的でライセンス生産を行っていくということでございますれば、維持補給といったような面、あるいは予想され得ないようなふぐあいといったようなことが起こってまいりましても、即座にこれに対応できる体制は整えられる、こう思っておる次第でございます。
○井上計君 最後にじゃもう一つこれは希望を申し上げておきますが、防衛兵器と申しますか、兵器産業のやはり国内での生産開発というものは、ただ単に兵器の生産ということだけにとどまりませんで、やはり一般の民間産業の技術革新あるいは技術の開発というものと重大な関係があるわけでありますから、できるだけ早い機会にやはり国内生産がなされるように、そういう方向で今後ともひとつ十分御配慮、御検討をいただきたい。これを最後に要望いたしまして質問を終わります。
○委員長(塚田十一郎君) 本件に関する調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会