予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 395 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/04/14
会議録
○主査(小柳勇君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨十三日、前川旦君及び沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として森下昭司君及び安武洋子君が選任されました。 また、本日、戸塚進也君及び中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤信二君及び柄谷道一君が選任されました。 —————————————
○主査(小柳勇君) 昭和五十二年度総予算中、厚生省所管を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○粕谷照美君 総理がよく物、物、物、金、金、金という時代だということをおっしゃっておられますけれども、そういう時代にあって自分の持てる能力をぜひ社会のために奉仕をしたいということで、ボランティア活動に参加をする人たちが非常にふえております。厚生省はそのことを非常に大きく評価をし、助長するような政策をとっているということについては、私は高く評価をしたいというふうに思いますが、その人たちが大変障害にぶつかっているときに、厚生省としてもやっぱり各省庁と連格をして何とかその善意が十分実るような形で御協力をいただきたいという立場でひとつ質問をしたいのは、大臣、こういう本を御存じですか。ちょっと見ていただきたいと思いますけれども。——これは目の見えない子供たちに絵本を与えたいということで、ボランティア活動をやっている方々がつくったものなんですね。こうやってさわってみると、お母さんがお話をしながらこれはクマちゃんだとか、そのクマちゃんがどこへ遊びに行ったとかいうようなことをやってくれるわけです。たとえば干し物があれば、物干しはこういうふうになっていてそこへ何か下がっているんだよというような、こんな本をつくっているんですが、なるべくたとえば動物なら動物に似たような感触のきれを集めるとか、非常に苦労をしているわけです。 でも、その人たちにとってはそれが生きがいですから、それをつくること自体は苦労ではないのですが、去年の大幅な郵便料の値上がりで、この本をようやくつくって、一冊つくるのに大変長い時間がかかるのですけれども、どこかの施設に送りましょう、それを見たいという子供のうちに送りましょうというときに、全部それが自分の持ち出しになるわけです、郵便料が。三百円なり四百円なりかけて送らなきゃならない。で、送ってもらった方も、これを見ますと見た後で返さなきゃいけないんですけれども、三百円なり四百円なりの手数料が容易じゃない。こういう問題点が出てきまして、返ってこないんです。だからそれが死んでしまう。こういうことがありまして、ぜひこれは点字なんですから、点字扱いで無料の郵便物にならないだろうかという願いを持っているんです。このことについて、一つは郵政省に一体こういうようなものの取り扱いがどうなっているかという実態を報告をしていただいて、後で大臣からそれに対してこういうふうに協力をしたいというふうな決意をいただきたいというふうに思うんです。
○説明員(山口武雄君) ただいまお尋ねのございました点につきまして御説明させていただきます。 点字等の盲人用郵便物につきましては郵便料金を無料といたしておりますが、これは盲人の方々の郵便に依存する度合いが高いということがございますこと、それから点字等につきましては、その内容が特別のものでございまして、取り扱い上だれでも容易に区別できることなどの事情を考慮したものでございます。 ところで、ただいまお示しの手でさわる絵本、手で触れる絵本につきまして、私どもこういったものを拝見したことはございますが、詳細な実態というのをすべて承知いたしておるわけではございませんけれども、これらの絵本を郵送なさる場合、その形あるいは内容から見まして、視力障害児用の特殊な絵本でありますかどうか、たとえば一般の飛び出す絵本とかそういったものとどこが違うかということを、実際に現場で働いております局員が容易に判断し、それから区別して取り扱うということがきわめてむずかしいということ。それからまた一方、郵便物の取り扱い経費がかかるわけでございますけれども、経費に比べまして特別に安い料金で設定をいたしますということは、私ども特別会計の枠の中で収支相償わしていくべき郵便事業、郵政事業にありましては、結局他の国民の方々がお出しになる一般の郵便の負担となるということに留意しなければならない点、あわせて考慮いたしますと、こういった手で触れる絵本を点字郵便物と同じように無料にすることはきわめて困難なことと考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 じゃ、郵政省ね、なるほどこのさわる部分だけやってみれば、これは飛び出す絵本とかさわる絵本とかということになりますけれども、ここのところに点字が打ってあるわけですから、郵便局員がこれを見て普通の飛び出す絵本と同じだというふうに思うでしょうか。その辺の判断はいかがですか。
○説明員(山口武雄君) 点字につきましては、これは郵便法の第二十六条で「盲人用点字のみを掲げたものを内容とするもの」というものを無料の対象と現在いたしておる次第でございます。点字につきましては、先ほど申し上げましたとおり、これは盲人の方々が郵便に依存する度合いがきわめて高い、あるいは点字を内容といたしますそういった出版物あるいは印刷物等につきましては、その重量あるいは容積、そういうものが非常にかさばって郵便料の負担も大変であるというようなことから、そういった措置をとっておるものでございます。
○粕谷照美君 お金が特別会計の枠内で操作をするという点についてはわかるわけですよね。それはわかりますけれども、いままでの盲人というような部分については、大人の盲人しか相手にされなかった。子供のことはもう念頭になかったという、そういう時代から、ようやく子供たちのことが念頭に上がってきた。その子供たちの本のことがありますと、子供用の本の点字のことについては取り扱っていますから子供のことは頭にありますとはおっしゃっても、しかし、その子供たちの情操をどのように育てていくかという点では、いままでそこまで、こういうような本をつくる人たちが出てくるまでは意識が広がっていなかったというふうに思うんですよね。そういう意味では、私は非常に新しい発想が出てきたというふうに思いますので、ぜひこれが、点字がちゃんと入っているわけなんですから、お金の面は別にして、この点字の入っている絵本については、点字のみというふうにならないで、点字等というような部分に拡大をしていくことができないかどうか。今後の検討課題としていただくわけにはいきませんか。
○説明員(山口武雄君) 郵便の種別につきましていろいろ検討をいたしまして、たとえば料金上特別の取り扱いをいたす出版物、その趣旨にかなうような利用というものが確実に保障されるということを私ども前提にいたしておりますので、そういった観点から考えました場合、点字のみということで一応そういった取り扱いが保障されるように私どもは法規上いたしておる次第でございます。
○粕谷照美君 ですから、国民の要求というのはどんどんどんどん変わっていくわけですよ。点字のものが無料になって取り扱われたなんといったって、初めから取り扱われたわけじゃないでしょう。だんだんそういうふうにしなきゃいけないんだということになると法律を変えていく、施行令を変えていくというものだというふうに考えますから、このことについては十分に考慮をしていただきたい。特に目の見えない子供たちというのは、普通の子供たちよりは教育の条件というのが非常に狭められるわけですから、小さいときからの教育条件をつくり上げるという意味でも、ぜひそのことについては郵政省としても格段の努力をお願いしたいというふうに思いますが、これがそれまでの間では間に合いませんので、郵政省がきちんとそのことを決めるまでは間に合いませんので、いまこの本を送ったりやったりすることで、何というんですか、特別な取り扱いというのはありますか。
○説明員(山口武雄君) お送りになりますものが書籍のみでございます場合、実は現行制度上、書籍小包という制度がございまして、これを利用できるわけでございます。この書籍小包につきましては、御承知かと存じますが、一般の小包に比べまして相当割り安になっております。さらに、重度身体障害者の方が図書館法に定めます図書館から本を借りられる、または返本なさる、そういった場合のために、身体障害者用書籍小包郵便物という制度を昨年設けておりまして、書籍小包の料金の半額で取り扱うということといたしております。 まあ先ほど三百円、四百円というようなお言葉がございましたわけでございますが、たとえば東京−大阪間一般の小包料金一キログラムのものを仮定いたしますと四百五十円ということでございますが、書籍小包ではこれが、まあ重量によっても違いますが、一キロの場合二百円。それからただいま私申し上げました身体障害者用の書籍小包、これを利用なさいますと百円ということで、一般の小包の四分の一以下の、私どもといたしましては非常に割り安な料金で御利用いただけるということになっております。したがいまして、手で触れる絵本につきましても、郵送の際にこの制度を御利用いただければ、かなり割り安な料金でお送りいただけることは可能なものと、このように考えております。
○粕谷照美君 重度身体障害者ということになると、これは該当しないんじゃないですか、大丈夫ですか。
○説明員(山口武雄君) 全盲の方、こういった方方は当然対象になるものと考えております。
○粕谷照美君 それでは、これが図書館から送られる場合ですね、それは品川あたりでも現実に実現をしているようですけれども、施設に送られる、それから盲ですから盲学校に送られる。そういう盲学校の図書館に置いておくとか、施設の図書館に置いておくとか、普通の図書館に置いておくとか、そういう場合にはこれが該当いたしますか。
○説明員(山口武雄君) 先ほど申し上げましたとおり、図書館法で定められております図書館から発受される場合ということにいたしております。
○粕谷照美君 もうその図書館しかだめだということになりますと、図書館から盲学校へ行くのはいいですね、図書館から出ていくんですから。そうすると、その盲学校から図書館へ返るというような場合はいかがですか。
○説明員(山口武雄君) 図書館法に定めます図書館へお返しなさる場合、その場合もやはり一般の小包の半額で取り扱わさしていただいております。
○粕谷照美君 それでは、こういう盲児などを預かっている施設もその図書館並みに扱うということができるかどうか。
○説明員(山口武雄君) 図書館法に定める図書館と先ほど来申し上げておるわけでございますが、なぜこれに限定するかということにつきましては、図書館の利用が非常に困難な状態にあります重度の身体障害者の方々に対して公立図書館で、たとえばこの図書館の巡回バスの設備であるとか、あるいは家庭配本でございますとか、その運営の充実が非常に最近図られてきておると伺っております。 昨年の改正で私ども設けましたあの重度身体障害者用書籍小包郵便物は、こういった図書館の運営の充実に郵便の分野で対応できるように、これが本旨でございまして、図書館が重度の身体障害者のある方に対し郵送によって一般の書籍の家庭配本を行う場合の貸し出し、返本の際の郵送料について配慮しようという趣旨で設けたものでございます。こういった趣旨でございますので、対象とする図書館につきましては、一般の公衆の方が日常的に容易に利用しやすい図書館である、図書館という実体が備わっている、公に認められるもの、図書館法上の図書館とするのが適当であろうと、このように考えた次第でございます。(「質問に答えていないじゃないか」と呼ぶ者あり)
○粕谷照美君 私も、本当に質問に答えていただいていないというふうに思うんですよね。その図書館はわかりますと言うんです。だから、その図書館が本当に各市町村で充実しているかと言えば、充実していないんです。都市部なんかまだそれでもあれですけれども、田舎なんかに行きますと、もう図書館なんというのは、あなたは巡回で回りますなんておっしゃっているけれども、そんなふうになっていないから問題があるんですよ。それで、そういうふうに施設にも拡大できないか、学校にも拡大できないかということを私は聞いているんですが、郵政省で、はいと言うわけにもなかなかすぐはいかないというふうに思いますから、ぜひ今後御検討いただきたいということを要望して、大臣ひとつ文部省にもその学校図書館あるいは地域の図書館、その充実に当たってはこういうようなことがあるんだがというふうなこともおっしゃっていただきたいし、郵政省に対しては、やっぱりその点については十分研究をするようにということをおっしゃっていただきたいと思いますが、御決意はいかがでしょうか。
○主査(小柳勇君) ちょっと待ってください。山口業務課長、さっきの粕谷君の質問ね、施設ではだめですかと、いまの法律では。だめ。
○説明員(山口武雄君) はい。
○主査(小柳勇君) はい、わかった。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 粕谷先生から、ボランティア活動について積極的にこれを進めることについて御質問をいただいて大変うれしく思っております。 ただいま聞いておりまして、そういうせっかく郵政省でも図書館から施設等に盲人用の本を送ることについては、まあ半額に値引きをしますというような御答弁があったんですが、せっかくそういうふうな制度があるんならば、施設から施設とか、そういうようなものにもひとつぜひ適用するように私の方からもお願いをしてみたいと思います。恐らく郵政省の方では、せっかくそういう制度をこしらえてもこれがのべつもなく広がっちゃって収拾つかなくなって困るとか、恐らくまあそんなことでしょう。どこかでけじめがなきゃ困るんだというようなことで御心配になって、がんじがらめな規則をつくっておるものと存じますが、こういうものが悪用されてはもちろんいけないことでございますから、悪用されないでしかも実際日常に利用されやすいと。余りむずかしくしちゃったんでは、そういう制度があるけれども利用する人がないでもナンセンスなことでございますので、厚生省においてもぜひともそういう制度があるならば、それが本当に実務的に利用できて、しかも悪用されないというようなことでどうしたらいいかということをひとつお願いをしたり、まあ向こうからの御要望があれば相談に応じたり、いずれにいたしましても接触をさしていただいて、先生のおっしゃる趣旨が十分に全国に広がるように努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○主査(小柳勇君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○主査(小柳勇君) 速記起こして。
○粕谷照美君 まあ、大臣から大変心強いお考えを述べていただいて、該当者の人たちも大変喜んでいるだろうというふうに思いますので、よろしく今後お願いをしたいと思います。 じゃ二番目に、大臣はトルコぶろを御見学になったことありますでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は、残念ながら行ったことはないのであります。
○粕谷照美君 前の田中厚生大臣は、粕谷さん一緒に行こうなんて、こうおっしゃってくださったんですけれどもね。実は私、一月の十五日からの社会労働委員会の見学でたまたま滋賀県と岐阜県のトルコ、特に有名な雄琴のトルコぶろを見てまいりました。 そのトルコの内容とかいろいろなことについては先国会の中でも質問いたしましたので、きょうはそのトルコふろの存在することによって売春が事実ある。売春防止法がありながら売春が事実行われている。それからその陰に暴力団が介在をしている、麻薬の事件が起きている、暴力事件があると、こういう社会悪が多発しているのにトルコだけは健全に栄えているということについて、何とか厚生省でもって規制をする法律を出す気構えがないかということに関連して質問をしたいと思います。それは、社会党、共産党、公明党、民社党それから二院クラブの議員が議員立法でもって公衆浴場法の一部を改正する法律というのを先国会でも出しましたし、今国会にもまた出す予定にしておりますので、それと絡まって、議員立法なんというよりも政府そのものがきちんとした姿勢で、そういう規制の法律を出していくという必要があるんではないかという立場で質問をしたいと思います。 まず総理府に。総理府には審議会というものがたくさんありますけれども、あの審議会の役割りというのは一体どのくらいの効力を持つものなんでしょうか。
○説明員(田中宏樹君) 総理府には、先生の御質問のとおりかなりたくさんの、審議会がございますけれども、ほとんどの審議会は、審議会令というのが総理府令で決まっておりまして、その中でもって審議し、調査するというのがおおよその審議会の現状でございます。実際にそれが法律をつくったり、あるいは実際に取り締まりしたりと、こういうことは余りないようでございます。これが実情でございます。
○粕谷照美君 じゃ何にも意味ないじゃないですか、審議会が法律をつくったり実際に役立つことが余りないなんという答弁だったら。そんなもの意味ない。無用の長物じゃないですか。税金使うだけもったいないじゃないですか。いかがですか。
○説明員(田中宏樹君) 私の説明がちょっとまずかったので訂正いたしますけれども、役に立たないというわけではございませんで、たとえば売春対策審議会の例を申し上げますと、総理大臣あるいは関係大臣から売春問題について諮問がございまして、その諮問にこたえまして審議し調査する。そして、その結果を内閣総理大臣または関係大臣に意見を答申しまた具申をすると、こういう ことをやっております。
○粕谷照美君 それはやっぱり必要だから調査をしなさいと、こういうふうに言うわけですからね。その調査をしたものがやっぱり関係省庁において実行するということがなければ、審議をしたり調査をしたりする意味がないじゃないですかと いうことを聞いているんですよね。たとえば文部省なんかにおいては、中教審——中央教育審議会というのがあって、それが答申しますでしょう。そうすると、日教組の反対がありますけれども、もう文部省は強引にそれを実施をしていくというふうに、そのくらい大変権威のあるものだというふうに私は理解していたんです。ところがこの売対審に関しては、もう全然権威のない審議会のような感じがしてなりませんが、総理府としては、あずかるだけであってそのことは余り関係ないと いうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。いかがですか。
○説明員(田中宏樹君) 現在までの売春対策審議会の例を申し上げますと、売春対策審議会に政府から諮問がございましたのは、売春防止法が制定されるときに一度あっただけでございます。以後、審議会が活動しておりますのは、売春対策の問題に関連いたしまして、その周辺にあるものなどを検討いたしまして、そしてそれを意見として申し上げてきたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、その意見を申し上げただけでもって十分というふうに毛頭考えておりません。その審議会の中では、御承知のとおり各関係官庁、売春に関する関係官庁が出席していただきまして、その中で議論をしておるわけでございます。したがいまして、いろんな問題が出てきたときに、たとえば厚生省はどうなっておるんだとか、あるいは文部省はここのところどうなっているんだとか、審議会としてはこういう要望をしたんだけれどもこれはできたのかとか、そういうようなことをそこの場でもって議論するということを通じまして各関係官庁の行政に反映していると、こういうこともやっておりますし、同時にあわせまして、総理府といたしましては売春対策を総合的に進めるというような意味から、ただいま売春を含みまして、先ほど先生お話がございました暴力とかあるいは麻薬の問題も取り上げまして、社会の風紀、環境を浄化する運動、こういう運動も主宰しております。
○粕谷照美君 私は、昭和四十八年の七月、四十九年の七月、五十年の四月と売対審が三回にわたってこのトルコ問題について答申をし、そしてもはや看過することができないというせつぱ詰まった答申をしておりますのに、総理府はそうやって各関係官庁でやっていると言うけれども、具体的には警察も取り締まりを一生懸命にがんばっているけれども向こうの方が知能が上で、とてもじゃないけれどももう困難だという報告が国会の中でも答弁をされているわけです。ところが厚生省の方については、こういうことをやりましたというようなことが具体的に効果として上がってこないように思いますので、ぜひ売対審の答申がきちんと各省庁に行き渡りますように総理府としても御努力をいただきたい、なお一層の御努力をいただきたいというふうに思います。 そして、総理府が世論調査をやっておりますね。去年の十二月、この本が出ております。その中で、六十五ページのところに、トルコふろについて、トルコが売春の場になっていると思う者の判断の根拠は一体何かというので非常におもしろい統計が出ているんですけれども、「友人・知人の話、新聞・テレビ・ラジオの売春犯ニュースから」、これが一番多くて五六%、次いで「週刊誌などの記事、テレビのレポート番組から」というのが三三%で、この二つでもってもうほとんどを占めている。だから、トルコが売春をやっているんだということは週刊誌、テレビ、それから友人だとかあるいは新聞、ラジオなんかのそういうニュースから知っていると、こういうことを言っているんですが、そういうことになると、テレビだとか週刊誌というのは非常に大きな役割りを果たしているというふうに思います。ところで、週刊誌に総理府は大分広報費というのを出していますね。たとえばエネルギーを、原子力は安全ですとか、お米の値段が上がるのばしょうがないとか、物価はこうやって安定してますとかというふうにいろいろな広報を出しておりますが、売春問題に関する広報、たとえばトルコ嬢が、あなたが困ったときにはここのところに逃げていけるんですよ、トルコ嬢の駆け込み寺があるんですよとか、それからこういうようなことはしちゃいけないんですよとかという、そんなPRというのはおやりになったことがありますか、広報費を使って。
○説明員(楢島文穂君) お答えいたします。 私、過去の相当昔のことは存じておりませんが、週刊誌を使って売春問題につきまして広報したことは、私の記憶としてはございません。さかのぼりますと、ちょっとはっきりいたしませんのですが。
○粕谷照美君 非常に残念ですね、私たちに言わせてみれば。同じく総理府の調査——私、調査というものと広報というのは一体化してやっぱり考えていただきたいというふうに思うんですけれども、その六十八ページに、未成年者の性に関する非行の原因は一体どこにあるかと、こういう調査がありますが、最高に多いものが「出版物の内容」だというふうになっています。その次に映画、それから最近の社会的な風潮、それからテレビ、こんなようなことがずっと挙がっているわけですけれども、テレビなんかもずいぶん最近はおかしなテレビがありますね、この間のNETの問題にも上がりましたけれども。それから週刊誌なんかでも非常に興味本位に、トルコ街、特に千葉の幸町だとか、あるいは川崎の駅前だとか、あるいは雄琴のところへ行ってみたらこんなような状況だったという非常に扇動的な記事が載っている、そういう週刊誌にあなた方は広報記事をお出しになる。そうすると国民の目から見れば、ああ政府の記事が載っているんだからこの週刊誌は非常にりっぱなものだと、こういう感覚を持つわけです。そうすると、何か推薦しているような感じを受けるんじゃないんですか。いかがでしょう。そんなこと全然感じられたことありませんですか。
○説明員(楢島文穂君) 週刊誌はかなりたくさん出ておりまして、私ども週刊誌が広報で効果を上げるきわめて有意義な媒体と考えておりますけれども、週刊誌の中をかなり選びまして、厳選をいたしております。そうして広報の性格とかそれから媒体の週刊誌の発行部数、内容等を十分考慮いたしまして慎重に決めておるということでございます。
○粕谷照美君 原則はそうでしょうけれども、その週刊誌にそういう記事が載らないという保証はないわけでしょう。告訴記事があったその週刊誌にちゃんと載っていました。それからあなた方の記事が出ていたときに、私が読んだ週刊誌の中にちゃんとそのトルコの記事がありました。だから、そういう意味では、私はそういう危険性のあるものにはもう一切出さないという、こういう原則を立てていただいたらどういうものかなという感じを持たないわけにはいきません。ぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。 特に、社労委員会で雄琴へ行きましたときに、大臣、雄琴というのはたんぼの真ん中にトルコ街があるんですよね。そして、夜になりますとネオンが輝くばかりです。私は江戸文学をいろいろ読んでみまして、吉原のさんざめく繁況ぶりなんていうのを目に思い浮かべることがあったんですけれども、まさにそんな感じが雄琴のトルコ街においてはあるんです。遠くからきらきらきらきら本当に挑発するような状況になっているんですね。そのときに県庁の人たちといろいろなお話をしたんですけれども、どうしてここのところがこんなふうになったんでしょうね、駅前でもないのにと言ったら、実は週刊誌が書いてから非常に大きくなってきた、繁盛するようになってきたと言うのですよ。だから、まさに週刊誌そのものが実にそういう役割りを果たしている。そういう意味で、そんなところに私は政府の広報費を使うということは非常にもったいない話だ、反社会道徳的な行為を政府がやっているということになっているんではないか、こういう疑問を持っている国民が大ぜいいるということを、反省をしていただきたいという気持ちからいまのことを申し上げました。 ところで大臣は、この社会労働委員会の報告をお聞きになりましたよね。新しい大臣になられてからの報告じゃなかったかと思いますが……。五十二年の三月の一日ですから、大臣いらっしゃったでしょうか、そのときに。いかがでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この前一番最初のときに、ちょうど報告の中間か三分の一ぐらいのときに私は出席いたしまして、全部ではなかったけども一部聞かしてもらいました。
○粕谷照美君 じゃ、ちょっと時間がありませんけれども、私そこの部分だけ読ましていただきたいと思います。 「雄琴の個室付浴場業営業禁止除外地域は、滋賀の風紀環境をよくする婦人団体がトルコぶろ営業がこれ以上増加しないようにとの陳情をきっかけとして、昨年十月にこれまでの半分以下の地域に縮小されたところであります。いままで三回地域規制が行われましたが、地域規制がされた年に営業所の増加が目立ち、現在四十六営業所が四万六千平方メートルの地域に林立し、五百七十七名のトルコ嬢がおります。」地域規制がされたとたんにその雄琴が物すごく大きくなってきた。「林立し、」というのは、本当に林立という感じです。そして、そこに働く人たちは賃金台帳もないし固定給もいずれも実行されていない。サービス料を収入源としてトルコ嬢の平均月収は三十万から四十万だ、こう業者の人たちは言っていますけれども、県警本部は四十五万から五十五万円と推定をしています。ここの間に食い違いがあるわけですね。そして「一店舗当たりの建築費は二億円前後をかけ、個室一部屋にすると一千万円になります。岐阜市水野町で視察した店舗の改築費が七百万円でありましたから、比較にならない設備投資を行っております。これらの建設資金は主に中小銀行、信用金庫から融資を受けております。」とあるのですけれども、二億円のトルコの建物が一体何年間で減価償却をされるんですかという話を私が聞きましたら、四年間で二億円償却されるんだということを言っていました。最高にデラックスなところは四億円もかけているというお話でした。その一室一千万円——庶民はもう一千万円の家を買うことすら大変なのに、一室一千万円というのは物すごいんですよね。外国から取り寄せた大理石でおふろの周りもちゃんとやってありますし、いすやテーブルも大理石でもってでき上がっているんです。大変なことなんですけれども、そこの入浴料金は一万円でした。そのほかにサービス料幾ら幾らとあるんですが、そのほかのまたサービス料が大変なんだということを付き添いの人たちは私たちに話をしてくださいました。 「外装のネオンは想像を絶し、各営業所がそのけんらんさを競っておりました。」と、こうあるんですが、県警本部の私は報告が非常におもしろいと思ったんです。「県警察本部によりますと、人口千人当たりのこの地区の刑法犯罪は大津市の二倍から三倍と多く、売春検挙状況は四十九年十四件、五十年十九件、五十一年四十二件と激増しており、検挙内容は場所提供によるものが多くを占めております。」と、こうあるんですけれども、非常にこれは数が少ないんじゃないんだろうかという感じを私は受けました。「また暴力団が直接営業をする店舗はありませんが、用心棒として介入している店が二、三軒で、その他暴力団関係会社が石けん、タオル等を営業所に卸しているとの説明がありました。」。 さらに、今度、県からの要望です。これは政府に対しての要望ですからよくお聞きいただきたいわけですが、「滋賀県から、個室付浴場の規制については、公衆浴場法に基づく条例、規則では限界があるので、風俗営業等取締法に基づく風俗営業として許可対象にするか、新しい法律によって規制する等の措置を講じてほしいとの要望がありました。」ですから、これを受けて政府は何らかの私は返事を出さなければならないというふうに思っているんです。本当に滋賀県も一生懸命にがんばっておりまして、トルコの窓を見ましたら、いままでですとこんな窓なんですね。だから、ちょっとガウンなどかけると見えない。バスタオルなどかけると見えないんですが、いまの窓はもうこんな大きくなっています。そして中なんかも、本当にこの部屋よりももっと明るいような窓なんで不思議な感じがしたんですね。わざわざそんなところに、あかあかとして、窓を大きくして、人がちゃんと通るところでだれがおふろに入りに来るんだろうか、一万円も出してと言いましたら、まあそれはいろいろありましてという御返事ではありましたけれどもね。警察ですらその売春が行われているということを認めているわけなんですから、こういうものをやっぱり許可をしないということが必要になるんじゃないんだろうかというふうに私たちは考えるわけですが、大臣の御返事を最初に受けないで、厚生省の人にちょっと伺いたいと思いますけれども、県条例の改正は非常に努力をしているというふうに、一緒に行ってくださった方がいらっしゃるわけですから、認めてくださるでしょうか。どうでしょう。県としては非常に努力をしているということがおわかりになりましたでしょうか。
○政府委員(松浦十四郎君) 県として精いっぱいの努力をしているというふうに私どもも考えております。
○粕谷照美君 それで、その次にちょっとお伺いしますけれども、公衆浴場にお金を貸す環衛公庫というのがありますね。それで、その環衛公庫から私そんなところにお金が出ているんじゃないかと思ってちょっと調べてみましたら、とてもじゃないけれども、二億円のあれを建てるのに環衛公庫ぐらいの金額ではもう間に合わないということがわかりましたし、環衛公庫の内容をちゃんと見てみましたら、やっぱり問題があるところには絶対に貸さない。たとえばストリップ場だとかこういうようなものがありましたが、トルコを認めてないわけですね、環衛公庫では。そうすると、その法律でトルコが公衆浴場に該当するということを認めているということとは矛盾するんじゃないですか。公衆浴場であるということと環衛公庫がそんなところに金を貸さないということが同時に位置するということは、非常に矛盾しているということに厚生省お考えにならないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府委員(松浦十四郎君) 公衆浴場法によりまして、公衆が使うところの浴場、これは法律的にもトルコぶろも入るというふうな解釈でございますが、そういったところの衛生状態を確保するというのがそもそも公衆浴場法の目的でございます。ところが、一方環衛公庫というのは、日常生活に必要な公衆が利用する公衆浴場を、これはその場合の公衆浴場と言いますといわゆる銭湯になるわけでございますが、そういうところをきちんとしょうという考え方で貸しておるわけでございまして、そういったトルコがいわゆる日常生活に必要なものというものではないという考え方からそういうところには貸さないと、こういうふうな方法をとっておるわけでございます。
○粕谷照美君 だからそれはわかるんですよ、そんなこと聞かなくったってわかるんです。それは矛盾をしていないかということを聞いているんです。矛盾していると思わないことが私は頭がおかしいんじゃないかという感じするものですから、さっきからそれを聞いているわけです。
○政府委員(松浦十四郎君) 矛盾していると思わないからやっているわけでございますが、といいますのは、トルコにつきまして、これは浴場法の規制をかけないといって野放しにしますと非常に非衛生的になるわけでございますから、そういう意味から、トルコというものはやはり公衆浴場法で取り締まらなければいかぬと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○粕谷照美君 そうじゃなくて、じゃ公衆というのは一体何ですか、辞書を引いてみたらどういうことなんですか、こういうようなものが公衆的なものであるというふうにお考えになるんですか。
○政府委員(松浦十四郎君) その場合の公衆というのは不特定多数が利用すると、こういうことでございます。
○粕谷照美君 その場合のその場合というのは、どれがその場合ですか。
○政府委員(松浦十四郎君) トルコの場合でも銭湯の場合でも不特定多数が利用されると、こういうことでございますので、いわゆる銭湯の場合は先ほど申しましたように日常生活に必要だということで、これは環衛公庫のお金を貸してそしてきちんとしていくと、それからトルコというのもやはりこれは日常生活に不可欠ではないと私ども思いますが、やはり入りたい人がおり、そういうものがあるという以上は、それはやはり公衆浴場法によりましてきれいな水というような、そっちの面からの衛生上のチェックはしなければならないと、こういう立場でございます。
○粕谷照美君 私、その厚生省の考え方は国民の考え方とは遊離しているというふうに思うんですよ。最初にトルコができたころは、いまのサウナみたいに非常に健康的な感じを持って発足したけれども、現状はそうでなくなっているという報告がちゃんともう官報に載っているわけでしょう。そういう時代になってもなおかっこのトルコが公衆であるという、そこのところをがんばられる理由は一体何か。
○政府委員(松浦十四郎君) 先ほど申し上げましたように、その公衆という意味は不特定多数の人が利用すると、こういう意味合いでございますので、そういうふうなものが存在した場合に、それを野放しにしていいかと言えば、やはり厚生省の立場とすると衛生上の見地からこれはチェックしなければらぬ、こういう考え方を持っているわけでございます。 ですから、たとえばこれは時代によって、先生おっしゃるように非常に変わります。ですから、私どもも通達筆で、先ほど先生おっしゃいました窓を大きくしろとかなんとか、いわゆる衛生上の見地からの規制以上のことまで一応手は伸ばしたわけでございますけれども、もうこれ以上どうにもならない、先生が御指摘なさるような面のチェックというのはわれわれの手には負えない、まあこういうことでございます。
○粕谷照美君 厚生省も、われわれの手に負えないということを認められたわけですから、こういう状況をなくするためには何らかの法規制をやらなきゃならないというふうに私たち考えて、先ほど御説明しましたような法律を出しているんですけれども、政府としてそういうことをやる気持ちはないかということを大臣にお伺いしたい。なぜかなれば、そんなに電気が明るくなったって、電気を明るくしない条件だって幾らでもできるんです。窓がこんなに大きくなってもう隠すことできないなんだって、いまもういろんな接着条件の、ガウンみたいなものがあるわけですから、ちょっとこうやれば、私どもが点検に行ったときにはそんな条件はなくたって、その窓を隠す条件というのは幾らも出てくるわけです。もう抜け道なんて幾らでもあるんですから、そういうものをつくらせないということが非常に重要になってくるんではないかというふうに思いますので、大臣のお考えをお伺いいたしまして私は質問を終わりたいというふうに思いますが、その御答弁のいかんではまたもうちょっと質問をするかもわかりません。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはむずかしい実は問題だと私は思います。 厚生省はいま松浦局長が言ったように、売春そのものは厚生省の所管じゃないんですよ。厚生省の方は要するに空気、きれいな空気とか、それからきれいな水とかそれから採光ですね。採光がどうなっているとか、お客さんの入るところへどぶ水が入ったりおかしな水が入っちゃ困る、健康上の問題を取り締まっているわけですから。そこで売春の取り締まりを厚生省にやれと言われましても、これは大体厚生省は医者とか薬剤師とか、それから地方に監視員とかおります。そういうところの衛生監視員なんてのがおりますが、衛生監視員は水の監視に行ったり、空気が悪いかどうかというのを見に行くのであって、男女関係を調べに行くのが厚生省の監視員じゃないわけなんですよ。そういうような点から、厚生省の権限でこれをやれと言ってもなかなかできない。ところが、現実は先生がいまおっしゃったように、あるそうです。私も聞きました。週刊誌でも見ています。ところが暴力団なんかがいると、厚生省の役人は大体おとなしいのが多いですからね、それはもう暴力団がいるとか、ひもがついているとかいうとおっかなくて大体立ち寄らないですよ、これは。やさ男ばっかりでね、ピストルを持っているわけでもないし。ですから、これはやはりもしそういうことを徹底するとすれば、政府として、厚生大臣としてでなくて政府として、たとえば警察庁なり何なりが、あなたがいまおっしゃったように、風俗営業という問題についてもっときちっとけじめをつけられないのかという疑問は私は一つ持っているわけなんですよ、これは。 それはともかく、バーやキャバレーに行っても電気は何ルクス以上にしろと、ここだけが明るくてほかが暗くちゃね、向こうでおかしなことをやっちゃいかぬと、だから全部すみからすみまで何ルクスとこれは書いてあるわけですから、これは風俗営業法に。ですからそういうような問題で、仮にそういう浴場に異性を雇ってマッサージをしたり何かするのを禁止すると、これはなかなかむずかしいらしいんですね。異性がマッサージしては何で悪いんだと、個室で異性がマッサージしたら、それじゃたとえば個人のうちとかあるいは旅館の一部屋とかに女性のマッサージ、熱海であるとか何かへ行くと個人の人が行ってマッサージすると。そういうのも、それじゃ異性がマッサージ、女の方が男の人に、あるいは男の人が女の人のところヘマッサージに行って悪いということになれば、やっぱり法律、同じ法律になりますから、そこらのところの関係は一体どうなるのかと、なかなかむずかしいらしい、これは。 問題は、やはりこれは社会全体の私は問題じゃないかと、社会全体の問題。一つは、そういうところで本当にマッサージを受けて体を流してもらうなら何も一万円も出して行くばかは私はないんじゃないかと思うんです、本当の話が。何かほかの下心を持って行くんじゃないかというふうに勘ぐられても、これは仕方のない私はことだと思います。ですから、そういうところに行かないような社会運動を起こすことも一つでしょうし、地域規制をすることも一つでしょうし、利用者がなければつぶれるわけですね。利用者があるから栄えているわけですから、利用者をなくすというのは腕ずくでこれは縛るというわけになかなかいかないということになれば、結局これは一つの社会教育とか、道徳教育とか、モラルの教育とかなんということでなく、世間一般の常識上の教養として、あるいは教育としてそういうところへ行かないようにさせるという、これは文部省でしょうね。そういうふうなことが一つ必要だと。 それから、もしそういうところへ行っても、結局そういうところで管理売春をさせているというようなことになれば、これは売春防止法があるんですから、警察庁はもっとこれは取り締まってもらわなきゃいかない。警察庁は見て見ぬふりなんかされたんでは困るわけですからね。ですから、これはそういう管理売春のようなものについては警察庁がきちっとこれはやってもらわなきゃならぬと、私はそう思うんです。 厚生省のやることは何かと言うと、厚生省として先ほど言ったようなことと、やはりこれは何でそういうふうに女性が転落をするかという問題、この問題もやっぱり社会全体の問題だけれども、昔は非常に生活に困窮をして転落をするというケースが多かった。厚生省でも婦人相談所のようなものがございまして、いろんなことで家出をしたり、あるいはそういうふうな売春等をやって検挙をされて厚生をするために預けられるという施設を持っておるわけです。そういうところで統計をとって、婦人相談所の統計ですが、三年ぐらい前の統計ですかね、転落の動機というのを書いてあるんですよ。昭和十年ぐらい前までは半分以上の者は経済的理由だということを書いてあった。ところが最近の統計では、自分の意思によるんだというのが半分近い四八%ぐらい、経済的なものはずっと引っ込んじゃって、経済的なものは二八%か二七%ぐらいになってきておる。実際問題として、女性自身が普通勤めたって十万円しかもらえないと、そういうところへ行ってかせげば三十万になると、金ためるのにということなら経済的な理由だろうけれども、私は、好きだからそういうことをやるんだというのが自分自身という意思表示になっているかどうか知りませんが、そういうような本人自身の意思でやっているというのがかなり最近多いんですね、これは実際問題として。二十何回検挙された女性が、検挙して調べてみたら一億何千万か貯金を持っていたと。そうして、もう二十何回も売春で検挙されている。こういうやつは本当にめんどうの見ようがないね、本当の話が実際問題として。ですから、これはやっぱり社会全体の問題としてどういうふうにやっていくのか。経済的な問題、女性の地位の向上の問題、それからそういうふうな売春取り締まりの問題、それから暴力団の撲滅の問題、もう全部の問題が私はかかわった問題であって、これを売春問題と、ただ単にトルコぶろだけのそういうような小さな問題ではなくて、もっともっと大きな私は大問題ではないだろうかというような気がするわけであります。 先生のおっしゃる趣旨はよく私わかりますので、これは総理府が中心になってやることで、私が余りしゃべるとしかられちゃうかもしれないが、やはり文部省、厚生省あるいは警察、あるいは自治省、地域団体、こういうような意見を盛り上げて、もし立法措置をするとしても自治省だけでなかなか解決のつかぬ問題ですから、私も閣僚の一人として、国務大臣でもございますから、先生のおっしゃる趣旨もわかりますので、何とか社会的な弊害のないような形に持っていく工夫をもりと研究をしてみたいと、かようにまじめに実は考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 大臣、実力の大臣だというふうに私は思っておりますので、ぜひ各省庁に働きかけていただきまして、私、売春問題がこのトルコをなくしたらもうほかは一切なくなるというふうには考えていないんです。もう本当に浜の真砂のようなものだというふうに思うんですけれども、余りにも目に余るということが一つあります。そういう意味で御努力をいただきたいし、特に日弁連からぜひこのことについてはこういうふうに対処していただきたいという要請書も来ておりますので、ぜひお考えいただきまして善処方をお願いし、私の質問を終わりたいと思います。 —————————————
○主査(小柳勇君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。 —————————————
○久保亘君 私は、最初に下垂体性侏儒症の問題についてお尋ねをいたしますが、 〔主査退席、副主査着席〕 いま全国で下垂体性侏儒症として認められる方々が何人ぐらいおられると厚生省は把握されておりますか。
○政府委員(上村一君) 学界の専門家の話では、約八百名ぐらいではなかろうかというふうに言われております。
○久保亘君 この下垂体性侏儒症については、日本ではつくられておりません、スウェーデンの会社がつくっております薬品か、ホルモン剤か、これが非常に効果があると言われているのでありますが、この人間の脳下垂体からつくられる薬品の効果というのは、厚生省でも顕著な効果があると認められておりますか。
○政府委員(上村一君) これは人成長ホルモン剤と言われるものでございますが、下垂体性の小人症の治療のためのたった一つの医薬品であるというふうに考えております。
○久保亘君 現在全国に八百人程度存在すると厚生省で見ておられる方々は、その大部分の人たちがこの薬品の使用を希望しておられると考えてもよろしいのですか。
○政府委員(上村一君) そのとおりでございます。
○久保亘君 現在輸入によって提供される薬品は、この八百人の希望者のうち半数程度にしか提供されない、こういうことだと聞くのでありますが、私の知人にもこの下垂体性侏儒症の患者を双子で持つ人がおりました。それでこの薬品を提供してもらうために親が大変苦労しておったことを知っておりますが、この輸入は現状よりも輸入量をふやすということは非常にむずかしいと聞くんですが、その辺の事情について少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(上村一君) 御質問にもございましたように、この人成長ホルモン剤、クレスコルモンという商品名でございますが、スウェーデンのカビ社がつくりましたものを輸入しておる。それで年間入ってまいります量が五百人分五万三千バイアルということでございます。この医薬品の輸入を承認いたしましたのが四十九年の九月、薬価基準に載りましたのが五十年の一月でございますから、まだ実績は五十年、五十一年とまあ二年ぐらいでございますが、例年大体五百人分ぐらい入ってくる。 いま御質問ございましたように、これ以上ふやすことができないかというお話でございますが、非常にむずかしゅうございます。と申しますのは、この人成長ホルモン剤というものは人間の脳下垂体ホルモン——脳下垂体というのが原料になる。したがいまして、人の死体からとらなければならない。したがって、どうしても原料に制限がございまして、これは私聞いた話でございますけれども、これ以上ふやすについてスウェーデンの会社の方では、原料の提供がない限りこれをふやすことは無理であるというふうに、言われておるわけでございます。
○久保亘君 そうすれば、厚生省としても、今後もこういう患者は新たに発生してくることも予想されるわけでありますから、やっぱりこの種の薬品というのは常時一定のものが需要として存在をすると考えなければなりませんが、その場合に外国の会社で、スウェーデンのカビ社で製造されたものを輸入するについては原料の面から見ても限度である。しかも、私が聞きますところでは、スウェーデンのカビ社は、いわゆる自分の国の人あるいはヨーロッパで提供をしてもらえるところの国の人間の脳下垂体を原料としてつくられておる。日本はその原料を一切提供しない、こういうことになりますと、やっぱり問題があろうかと思うんでありますが、厚生省から私お聞きしましたところでは、人間の脳下垂体一体からこの薬が二本しかできない。そうすると、一年間に一人百本これは使用しなければならぬということなんで、一人の人が一年間にこの薬を利用する場合には五十人分の原料が提供されなければならぬ、こういうことのようであります。そうすると、この問題については具体策を講じなければならぬのではないか。いま日本では、この原料の提供を受けるということについては、法律上何か制限があってできないという事情がありますでしょうか。
○政府委員(上村一君) 法律的には若干議論のある問題でございます。それで、いまお話しになりましたように、一方で、下垂体性の小人症の患者がいて、それはそういった子供自身にとりましても、その子供を抱えた親御さんにとりましてもきわめて不幸なことである。そして、これには非常によく効く薬があると。一方で、その薬の原料というものが、一人一年分五十の死体から取る脳下垂体でないと賄えない。したがって、原料に制約があるから供給に制約があると。それを解決する方法としましては、国内で脳下垂体が提供されるように持っていかなければならないということになるわけでございます。一方で、死体について、死体に勝手気ままに手を加えますことは、刑法の規定があるわけでございます。ただ問題は、あらかじめ生きておる間に、自分が亡くなった後はそういうものを提供するというふうな意思の表明があれば、これは違法にならないんじゃないかという説が非常に強うございます。 そこで、こういった子供たちの治療に当たっておられます先生方で組織しております学会、内分泌学会なり、日本小児科学会がこれに当たるわけでございますけれども、その学会の先生方から、生前あらかじめ承諾をしておいた人から脳下垂体を集める運動をしてまいりたいというふうな申し出があったわけでございます。私ども当初、死体からあるものを取り出すといいますことは、国により、あるいは宗教によりまして、人の持つ感情というものが非常に差があるわけでございます。したがいまして、いろいろ検討してなかなか結論が出なかったわけでございますが、いろいろ考えました結果、こういった運動については積極的に協力をしようということで、いま話し合いを進めておる最中でございます。
○久保亘君 すでにわが国でもアイバンクなどが設置されておりまして、角膜の移植とか、それから腎臓の移植とか、こういうものについては社会的にも認められてきているんではないかと思います。脳下垂体だけがどうも何かぐあいが悪いというのは、これは日本人の一つの社会的な慣習、そういうものだけが障害だと考えればよろしゅうございますか。
○政府委員(上村一君) いま御指摘になりましたように、角膜につきましても、生前承諾をして提供するという、角膜移植に関する法律という法律があるわけでございます。腎臓につきましてはそういった法規はございませんけれども、腎移植というものが行われておる。それから生体から取りますものとして、血液というのがあるわけでございます。私ども当初いろいろ迷いましたのは、そういった血液なり、あるいは腎臓なり、あるいは角膜というのは、取られました臓器そのものがその臓器の形で患者に移されると。それに対しまして、この薬の場合には、死体から取り出されました臓器というのが加工されまして医薬品になると。人間の体を原料にして医薬品をつくる一番最初になるんじゃないかというふうなことで迷いがあったわけでございますけれども、いろいろ考えました結果、積極的に協力しようというふうに踏み切ったわけでございます。
○久保亘君 何かこの問題について厚生大臣が、最近、検討を進めるように指示をされたということをお聞きしているんですが、大臣のこの問題に対するお考えと、何か具体的にいま進められていることがありましたら、ひとつお聞かせいただけませんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は、先般来鎮目教授とそれから患者の親御さん方の一部の方が陳情に来られまして、るるお話がございました。いま局長から御答弁申し上げましたように、いろいろな問題点があるんでございますが、日本人も物の考え方を少し直さなきゃいかないんじゃないかと私は思っているんですよ。たとえばこの間血液の問題でも同じように、アメリカから血液を買っちゃいかぬと。アメリカの黒人とか貧民街の血液を買ってきて、日本では輸血とかあるいはいろんな血清ですな、血漿分画製剤等に使っておるというけれども、現実には献血が足らないから、交通事故が多い、手術が多い、ですから買わざるを得ないわけですね。そうすると、日本人は金に飽かして人の血を買ってくると、こういう非難がある。ところが、日本人自身の中に献血者がなければそういうことになる。それと同じように、この問題もスエーデンでは、日本人は自分の仲間には脳下垂体を提供しないで、金に飽かして人の方から死体ばかり取って運んでくると、そういうものにはもう四百五十体きりやらないよと。これも私は、向こうの国の国民感情から見るともっともじゃないかと。しかし、一方には、そういう小人症の患者がいるんですから、やっぱり日本国内においてもお互いに助け合い運動をやると、アイバンクようなね。それは私は基本的にはいいことではないのか。 したがって、法律が必要ならば将来法律をつくってもいいし、またこれが人の体の一部を材料にするんですから、そこが営業でうんと金もうけできるというようなことになったのでは、体を提供する人もないし、それは困るよと。だから、何かそういうことにならないような方法で、そしてしかも現実にいま治療を受けている患者あるいは患者の親たちがボランティア活動をやって、皆さんからそういう者に脳下垂体の提供をしてくれる人を募集するというような社会運動を起こしながらこれは進めていくというならば、これは日本でこの薬をつくることを許可してもいいんじゃないのかと。学問的に弊害があるかどうか私はそれはわからぬから、それはそれでそれぞれ局長なり専門家の方で検討をしなさいということで、大きな筋道においては私はいいのでないかと。もし弊害があれば率直に言ってくれということで、これは前向きで進めるようにしたらいいだろうということを指示したということであります。
○久保亘君 大臣のお考えはよくわかりましたが、実際にはこの薬品の提供を待っている人がずいぶんたくさんありまして、それでお聞きしますと、そういうことで希望者全員にこの薬品を使ってもらうことができない、供給の関係で。それでそのために百五十センチまで身長が伸びてくると、もうその人はそれで薬品の提供をあきらめてもらう、そしてほかの人へ回すと、こういうことをおやりになっておるようであります、いま鎮目教授の委員会でですね。それはやむを得ぬところではなかろうかと思うんでありますが、だからこれは八百人の人たちが求めているといっても、実際には長期に使用すればもっと通常の身長まで——いくのかどうか知りませんが、かなりのところまでは直すことができると、こういうことなんで、非常に希望されているわけでありますから、私はアイバンクのような制度でできるものならば手がけてもらって、この学者の人たちとも協議をされて、そういう制度を速やかにおとりになる方がよいのじゃないかと思っております。これは生前に提供の申し出が必要だということであれば、そういうものについては厚生大臣も私もその提供者として登録をするというようなことは一向に差し支えないことじゃないかと思うんでありますが、できるだけひとつこの問題は、私は直接この双子の患者という特殊な立場の人を自分の身近に持っておりますだけに非常に気になる問題でありまして、ぜひそのいまのお考えの方向を積極的に進めていただくようにお願いをしたいと思うんであります。 それから、この薬品は非常に輸入の関係かどうか高価な物のようであります。で、一本一万六千円で現在使われているということでありますから、この患者が一年間に百本打つということは百六十万円必要になるわけです。もちろん、健康保険の対象として認めてもらっているということのようではありますけれども、しかし家族の場合など、これは対象が子供でありますから十割健康保険の負担ということにはいかないわけでありまして、それでかなり自己負担分も出てくると。だから、その薬の価格の面から考えましても、もし国内で生産が可能になればある程度価格も緩和が可能なのではないか、こう考えております。しかし、いま、局長どうなんでしょう、これは原料を仮に日本で提供することが認められるようになったとしても、当面はスウェーデンに送って、向こうで生産された物を輸入で提供してもらうという方法しか考えられないですか。国内では生産可能ですか。
○政府委員(上村一君) この薬を輸入しております会社の話によれば、それほどむずかしい技術ではないわけでございますので、つくっておりますスウェーデンの会社から技術供与を受ければ、国産は可能であるというふうに考えております。ただ、いずれにしましても、それまでの間は輸入に頼らざるを得ないということになるわけでございますし、同時に、冒頭お答え申し上げましたように、八百人分ということになりますと、全部を国産で賄うということになりますとこれは相当たくさんの遺体の供与を受けなければならない、当然そこに限界があるのじゃないかと思うわけでございます。したがいまして、輸入と国産というふうなことに持っていかざるを得ない、それが一番現実的ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
○久保亘君 アイバンクの方も、提供の申し出者が現在で六万五千人ぐらいと聞いておりまして、それでこちらの方は八百人分を全部国産で賄うということになれば、四万人年に提供者がなければならぬわけでありますから、申し出てくれる人がその何倍かなければ、その申し出た人が皆死ぬわけではありませんから、それでなかなか大変なことだとは思います。しかし、ひとつ大臣が言われる方向で、国民の皆さんの理解を得ながらぜひ進めていただきたいと、こう思います。 次に、今度はちょっと年金の問題で大臣に具体的な事例を一つお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、いま仮に老夫婦がおりまして——私、一遍二年ほど前にもお尋ねしてその後改善を求めておったんですが、なかなかうまくいかない制度上の障害もあるようでありますけれども、老夫婦が、御主人の方が仮に七十万の年金をもらっているとします。その場合に、奥さんの方は老齢福祉年金をもらっておるわけです。今度改正になりますのでいきますと年に十八万ですね。そうすると、八十八万円で夫婦二人で暮らしているわけです。ところが、不幸にして御主人の方が亡くなりますと、加算がわずかありますがそれは別にしまして、年金が五割になりますね、遺族扶助料になって三十五万円になります。そうすると奥さんの方は、三十五万を遺族扶助料で受け取るという理由によって、受給をしていた老齢福祉年金がストップされるわけです。そうすると、八十八万円二人が受け取っておった年金が、御主人の死去によって一挙に半分以下の三十五万円に落ち込むわけであります。これは大変実際問題としては不合理で気の毒な問題だと思うんでありますが、こういう問題についてやっぱり厚生省としても救済の方向を検討される必要が出てきているのではないか。そういう事例はもういっぱいあるわけです。その点について、大臣のお考えをお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは年金制度の根本に関する大問題なんです。実は福祉年金の所得制限の問題が起きたときにも、私もこういう議論をしたんです、あなたと同じような議論を内部で。福祉年金を二万円に上げろというふうな御議論も一方あるわけですね。ところが、福祉年金というのは、確かに所得制限、御主人の場合なら、八百七十六万円まで御主人が所得があっても奥さんは福祉年金はもらえるわけですね。それから財産が幾らあってももらえるわけです、関係なく、億の財産があったからといっても。生活保護とは全然違うわけですよ。ところが、これをちょっと上げると数が多いものですから莫大な金額が必要になると、莫大な金額が。で、一方においていまあなたのおっしゃったような現実があるんですよ。そこで、ことしは、いままで二十八万円だったんです、併給禁止の限度というのは。それでも今度は三十三万まで五万円大幅に上げたんです、ことし。しかし、それでもあなたがいま言ったように、一方においてはともかくだんなさんが七百万も月給もらっておりながら奥さんが十八万円福祉年金もらえると。私の場合はおやじさんが学校の先生して勤めておって、七十万円もらっておったけれども亡くなったら三十五万円しかもらえないと、だんなさんが生きていたときには十八万福祉年金もらってたのにだんなさんが死んだ途端にもらえなくなったと、公的年金併給せずという大原則があるから。これは大問題なんですよ。ところが、たとえば共済の問題にしても、国家公務員で五十五歳でやめてどこかの会社へ勤めて年に何百万か収入があっても今度は年金をもらえるという現実がある。非常にそういう点は内部的にも矛盾しているんじゃないかと。それなりの歴史はあるけれども、やはりここへ来たならば、そういうふうなでこぼこ是正というふうなものは社会的不公正の是正の一環として——全部国費で足りないところを継ぎ足しできるんならまたそれも一つの方法だが、それができないとすれば、やはり全体の問題としてこれは一遍見直す必要があるんじゃないかと、こう考えるんです。 したがって、年金の基本構想の懇談会というふうなものを厚生省の中でつくっておりまして、まあ一遍にできるかどうか、皆さんの御協力がなけりゃ、なかなかこれは総論賛成、各論反対でむずかしい問題なんですよ。むずかしい問題なんですが、あなたのおっしゃることはまことにそれはやっぱり一つの大問題でございますから、真剣に制度全体の問題の中で再検討をされるべき筋合いのものじゃないかと。恩給にもこれは波及していきますからね。全部国がそこのところだけ持つんだと言われてもなかなかできない。したがって、全体の制度の中で一遍見直す必要があると、かように考えております。
○久保亘君 時間がなくなりましたので、最後に一つ大臣のお考えとしてお聞きしておきたいのは、いま私どものところには、戦後三十二年を経過したにもかかわらず、たくさんの戦時中の犠牲にまつわる訴えがあります。たとえば当時中学生であった自分の子供が、学校へ行ってもほとんど勤労奉仕であった。言ってみれば、国家のために仕事をしておったんだと。その帰りにアメリカの飛行機に機銃掃射を受けて死んだ。しかしこれは全然、殉職とかそういうような立場では扱ってもらえない。それからまた、戦時中に軍隊で除隊になって、そして病気のために除隊になった者が自分の父母のところへ帰る途中、軍用船と一緒に沈んだけれども、除隊になった後郷里へ帰る途中であったという理由によって、これは一般の人の死亡と同じに扱われているとか、そういうような問題で検討してもらいたいという訴えが幾つもやってまいります。ここにも私は一つ二つ手紙を持っておるんですが、そういうものが今日なお、特にもう七十歳を超えた八十に近い親たちから申し出が多いということを考えてみますと、戦後が終わらないままこれらの人たちはこの世を去ってしまうんじゃないか、こういうことなんで、厚生省としてこういう人たちの訴えというものをどこかでひとつ集中的に検討されて、そして類型によってもし救済の措置のあるもの、またはケース・バイ・ケースで何らかの制度に準用できるもの、こういうものについて積極的に検討を進めてもらうことはできないものかどうかですね。これはきょう、そのことをきちんとした御返答をいただくというのはむずかしいかもしれませんけれども、ただ、こういう問題に対する厚生大臣としての考え方をお聞きできればと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も援護法とか恩給の問題とか、実は議員連盟なんかにも加入をして非常に熱心な一人なんですよ。しかし、御承知のとおり、援護法というようなものは、国と直接の雇用関係とか、命令服従関係とか、そういうようにあった人を救うということに限定されているわけですね。できるだけそれも、かなり拡大解釈実はされておる。しかし、戦争犠牲者の中には、いまあなたのおっしゃったように除隊後機銃掃射されたとか、学校の途中でやられたとか、そういうふうな方もある。それから一般の戦災で焼夷爆弾で、もう警戒警報がなくってやられたり、あってやられたりする場合もありますが、直接アメリカ軍のためにやられたというのもある。民間であるがゆえに、これは全然構わないのかという議論もある。しかし、全部入れるとなったらこれは国民全部ほとんど被害のない人はないというようなことになって広がっていってしまう。 そこで、なかなか広げろといっても限界があって、どうしても援護法というものは国と直接雇用関係とか命令服従関係とか、そういうものにあった者にしぼってこないというと、とめどもなく広がってしまうというところに悩みが実はあるわけなんですよ。戦争という大きな惨事ですから、ですから少しそいつからはみ出して、これくらいいいじゃないかということになると、今度はこれもいいじゃないか、これもいいじゃないか、これも大体似ているじゃないかという話になっちゃって全部へ広がっちゃうということなものなので、非常にむずかしい案件かと存じますが、せっかくの御発言でもございますから、お役所の方で検討してもらいたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 初めに大臣にお考えを伺いたいんですが、歯科の問題が非常に大きく社会問題化したのは昭和五十年、歯の一一〇番も設置をされまして二年たったわけですけれども、現状としてこの歯科問題はその後どういうふうになってきたと大臣は思われますか。解決をしてきたかどうか。
○政府委員(八木哲夫君) お答え申し上げます。 差額問題につきましては社会的に非常に大きな問題になったわけでございまして、中医協でもこの問題についていろいろ御議論いただいたわけでございます。そこで、昨年の三月の中医協の答申というようなこともございまして、四十二年の従来の差額の考え方というのを改めまして、基本的には材料差額の方針というものを中心にいくというようなことから、従来の取り扱いを変えたわけでございますが、ただ、今後の問題につきまして、中医協の御審議もまだ済んでおりませんので、条件整備等の問題があるわけでございますが、ただ、私どもが言えますことは、社会的にも大きな問題になったわけでございますけれども、昨年来の中医協でも御論議になったとか、あるいは厚生省の指導通知等によりまして、従来に比べまして苦情というものは非常に減ってきたということは言えるのではないかというふうに思われます。
○矢追秀彦君 大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま局長が答弁をしたように、歯科差額問題というのは本当に大変な歴史があるものですから、なかなか理屈だけであしたからばちっといかないところにむずかしい問題があるんですよ。あるんですけれども、やはり筋道は筋道、現実は現実というふうなことで、なるべく筋道を立てて、現実にも対応できるようにやっていくほかないんじゃないだろうか。いまのところ、そう思っているわけです。
○矢追秀彦君 その差額の問題も、これをやり出したら切りないわけですけれども、歯科医療、医療一般を含めて、やっぱりいま非常に国民の間には関心も高いし、また不満も非常にあるし、その騒ぎは確かに、いま苦情が少なくなったと言われているように、減ってきたかもしれませんが、抜本的に歯科医療あるいはまた医療そのものはまだまだいい線へ行っているとは私思えないわけです。これは大臣、その点はどの程度認識をされておるか。
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、国民の歯科医療の確保という意味で、国民の歯科医療をいかに確保するかという意味から申しますと、基本的には多くの問題点があるわけでございます。そういうような意味で、中医協におきましても必要な条件整備が必要ではないかということで、基本的にこの問題につきまして保険の範囲の拡大なり、あるいは国民に安心して歯科医療ができる、あるいは適正な技術料を付加するとか、いろいろな総合的な問題もあると思いますけれども、今後とも中医協の御審議等も賜わりまして、この問題につきまして積極的な解決を図っていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○矢追秀彦君 大臣、どうですか。日本の現在の医療というものをどう大臣は受けとめて、この点とこの点とこの点がやはり大きな問題点であるからこの点をこう変えていかなくちゃならぬ——総論的なことから、まずお伺いしようと思います。大臣はどう掌握しているか、医療というものを。一
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは短時間の中で日本の医療をどう大臣解決するんだと、こう一口で言えと言われましても抽象的な話にならざるを得ないわけでございますが、日本の医療というものは国民皆保険というようなことになりまして、やっぱり銭がないために医者にかからない、かかれないというようなことは解消する。やっぱり国民皆保険というものはこれは維持増進をしていくということが、基本的な物の考え方です。 しかし、医療の内容というか、医療保険制度はいろいろあるんだけれども、保険制度の歴史というものはみんなもう、政府管掌あり、組合保険あり、また国民保険あり、船員保険あり、その他のいろいろな保険制度適用のものがたくさんある。その中には、とにかく歴史が違う、給付の内容が違うとか、いろいろ問題点がございます。一長一短はあります。しかし、余り極端な違いがあるということもこれはよくないことなので、こういうようなことは給付の平準化といいますか、そういう方向でこれはやっぱり努力していかなきゃならぬ、こう思います。 第三番目の問題は、やはり医療制度そのものの中にむだがないか、むだが。やっぱり国民総医療費が九兆円近いと言われるような時代になってくると、それは医療費それ自体についてもやっぱり莫大な金がかかって、それによって国民の、医療増進にはなる、それはいいことだけれども、しかしながらむだがもしあるとすれば大変なことで、なかなか負担にたえない。政府も負担にたえなければ被保険者もたえないという問題にもなりますから、むだのないような医療制度というものを考えていかなければならぬ、こういうようにまあ思っておるわけであります。内容の充実ということによって、たとえば医療の中でも、やれ歯科差額の問題もあれば、ベッド差額の問題もあれば、一方においては政府の保険制度が不備だからだと言われるんだが、もっともっとよい医療を要求して、要するに保険会社の保険、医療保険というのがどんどんふえているという現実というものは、やっぱりどこか盲点を突かれているんじゃないかという気もする、これは実際。したがって、そうなると、要するに保険の医療診療というものが果たしてこれでいいのか。しかし、ある一定の限りある財源の中でやるとするならば、この程度はもう少し自前でいっても、こういうふうな非常に問題があるところは、金が莫大にかかるというようなものはもっと公費でめんどうを見てやらなけりゃ気の毒じゃないかという議論もある。 ですから、まあ一概には言えないことだけれども、そういうようなものなども含めて、私はまあ素人なので結論的なことをいまここでどうだということは申し上げられないけれども、皆さん方の意見を十分聞いて、とにかく医療問題については公正なしかも充実をしたむだのない効率的な体系というものを一遍再検討すべきである、かように考えておるわけでございます。
○矢追秀彦君 次に、歯科の保険の点数についてちょっと具体的な面でお伺いしたいんですが、その前に、まずこの歯科の治療の点数、まあ非常にいろいろ中医協等で議論をされて、少しずつは上がっている面もございますけれども、まず基本的な考え方として、私はやはり歯というものはできるだけ残さなきゃいけない、やはりそういう立場に立つべきであると私は思うんですけれども、そういう上からの点数というものが果たしてこの中に概念として、理念といいますか出てきておるのかどうか、その点はどうお考えになりますか。
○政府委員(八木哲夫君) 診療報酬の具体的な点数の設定につきましては、やはり専門団体の御意見というものを十分参考にしてやっているわけでございまして、ただいま先生御指摘の方向ということにつきましては十分念頭に置きまして現在の点数表は考えられているというふうに、また今後ともそういうふうに考えるべきではないかというふうに思っている次第でございます。
○矢追秀彦君 具体的に申し上げますと、たとえば根管治療の場合ですね、単根管で十八点、結局百八十円ですね。三根管以上でも三十点。これは、大臣、感じとして安いか高いか、どう思われますか。
○政府委員(八木哲夫君) 具体的な点数表の設定につきましては、いろいろな御議論等あると思います。しかし、現在の診療報酬の基本的な考え方としましては、一つは国民の経済力を考えると。さらに物価、賃金の上昇という変動の要素を考える。さらに、医学の進歩等に応じまして技術料の適正な評価を考えるということを基本に考えているわけでございます。したがいまして、基本的にはそういう考え方のもとに点数表の設定がなされているわけでございます。 具体的な点数表の個々の項目につきますと、場合によりましてはいろいろアンバランスもあるという御議論もあろうかと思いますけれども、従来とも中医協におきまして、診療報酬の改定の際にそういうような不均衡がある場合には、できるだけアンバランスをなくしていくという方向でこの問題を処理していくということでございます。したがいまして、個々の点数表を取り上げました場合に、あるいは十分じゃないという点もあろうかと思いますけれども、それは全体の中のバランスを考えていくということでございます。
○矢追秀彦君 私は、その全体の中でのバランスと言うより、私の申し上げたいのは、要するになるべく抜かない、抜歯なんかはしない方向へ持っていかなくちゃいかぬわけですよね。要するに補綴は、もうこれは最終的に歳がいって自然に歯が抜けた後の入れ歯、これはやむを得ないとしても、やはりできる限り歯を残さなくちゃいかぬという考えに立った上で、そういう考えで点数というものはつくられていかなくちゃいけない。いま言われたんだったら、要するに全体を見渡してというようなことを言われますけれども、私はそういうふうにむしろ治療のあり方を誘導する上からも、やっぱりこの治療に非常に力を入れる、そういうふうに変えなければ、私はやっぱりもう問題が解決していかない。 やっぱり歯医者さんが一生懸命この根管治療ないしはこういった歯髄抜髄等も含めまして一生懸命やれるようにするためには、それなりの技術、非常に高度な技術を要するわけですから、ある程度それに見合った報酬というものが必要だし、ただそれだけではなくて、私はいま言ったそういう考え方に切りかえていくと。そういう意味で、この前予算委員会のときにも大臣に申し上げた、やはり子供さんの治療もまあ二百円ではまだまだ少な過ぎると、やはりそこからきちんとしなきゃいかぬと、要するにそういうふうな私は考え方がまだまだこの保険の点数をつくるに当たってできてこない。それは厚生省が決めるものじゃありませんから、それは中医協だと言われるでしょうけれども、やっぱりそういったことを含めた上で中医協にも厚生省からも要請をしていただいて、そういう考え方にこうぐっと変えていくと、私はそれがやっぱり国民が望んでおる歯科医療ということになってくると思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、全体のバランスの中でもやはり一つの方向というのは考えていかなければいけないわけでございまして、そういう意味におきまして、診療報酬の改定の際にやはりどこかに重点を置くということは従来ともやっていることでございます。しかし、その際におきましても、やはり専門的な問題でございますから、学術団体の御意見を伺うということで、専門団体の御意見等も十分伺った上で従来の点数表の改正等の作業は行われているわけでございます。 御指摘ございました乳児等の問題につきましても、現在二十点の加算が行われているということでございます。先生御指摘の問題等につきましては、今後中医協の審議の際にも十分この問題につきまして御論議いただきたいというふうに思っている次第でございます。
○矢追秀彦君 それと、よく聞く話ですけれども、私自身はまだ計算をしておりませんので何とも言えませんが、学校で教えられたとおりの治療をした場合この保険の点数ではやっていけないと、まあそういうふうなことをよく言われるわけですけれども、その点はいかがお考えですか。要するに学校で教えますね、そのとおりのきちっとした治療をしようと思うと、まあ時間的な面、いろんなことでこれじゃだめだという話がかなり出てくるわけですが、そういった点での見方をされたことはございますか。
○政府委員(八木哲夫君) 現在国民皆保険でございますし、医学的に医療上必要なものという問題につきましては、医療保険の中で取り組んでいくということが基本的な考え方でございます。そういう意味におきまして、教育内容につきましてもそういうような問題を含んでおるというふうに思われますけれども、ただ保険で必要な問題以外に、ある程度まあ学問的な特殊な問題等につきまして保険で入ってないという問題も場合によってはあろうかと思いますけれども、通常必要とする医療というのは、原則として保険の中に取り込まれているというふうに私ども考えている次第でございます。
○矢追秀彦君 その点はもう少し私も勉強しますし、厚生省としてももう一度改めて研究はしていただきたいと思います。また、やはり学問も進歩しなきゃなりませんし、一番最近の傾向として、こういう大きな問題になる前ごろからですけれども、この歯科医療がこういう高度になってきたのは、むしろ大学で教えるよりも開業医の先生の勉強会というのが非常に多くなって、むしろアメリカから高度な技術というものが開業医のルートからいろいろ研修会等が行われ、いろんな外人講師等も呼んできてやったり、そういうような点がかなりぐっと出てきた。そういった点で、もちろん高度な治療等は私は大いにやらなきゃならぬと思いますけれども、むしろ逆にそちらの方が先に進んじゃって、行政というか教育というか、そちらの方がむしろおくれてきているんじゃないか、そういう感じを受けるんですが、その点はいかがお考えでございますか。
○政府委員(八木哲夫君) 皆保険でございますし、医学の進歩に伴いまして当然医療内容が高度化してまいりますれば、医療保険の中に取り込んでいくことは当然の方向であるわけでございます。そういうような意味におきましても、昨年の秋におきまして中医協の審議の際にも、保険の中に医学の進歩等に応じましてどこまで保険範囲の中に取り込むかということも熱心に議論されている次第でございまして、医学の進歩に伴う問題につきましては今後とも真剣に取り組むべき問題だというふうに理解しております。
○矢追秀彦君 次に、これは齲蝕の予防、虫歯の予防についての問題ですが、これもこの前予算委員会でも少し触れましたが、学校歯科医だけでは十分なことができない現状にあるわけです。いま学校歯科医でやられていることは、ただ口を診てこれだけであると、その程度で終わらざるを得ない。あと歯医者さんが診てくれない、休みになってもう拒否されてしまうと。やはり計画的にその地域をどうやって虫歯を撲滅していくかということをしていかなくちゃいかぬわけですから、そういった意味で、もうすでに外国では行われておる歯科衛生士にある程度の治療をさせると。たとえば初級のアマルガム充てんぐらいはやらして、もちろんそれは歯科医師の指導下ということにしないといろいろ診療等の問題も出てまいりますので、これはもうやられている国もあるわけですが、この点についてはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生の御質問、歯科医師と歯科衛生士の業務範囲の境界の問題というふうに理解いたしましてお答え申し上げますと、特に乳幼児におきます鶴歯の早期治療という点から考えまして、アマルガム充てんということが非常に大きな意味を持っているというふうに考えておるわけでございますが、このアマルガム充てんの場合の前処置といたしましての窩洞形成ということがあろうかと思いますが、この窩洞形成の部分を除きまして歯科医師の指示のもとに歯科衛生士がアマルガム充てんをやることは、現在の法律でも可能というふうに考えております。
○矢追秀彦君 可能とかそういうことを私は聞いているのじゃなくて、むしろ学校に全部歯科衛生士を配置をして、そしてもう少しそこを広げましてやればかなり私は半減ぐらいするのじゃないかと、こう思うんですね。それで、もしそういう問題があれば法律改正すればいいわけですから、その点大臣はどう考えますか。
○政府委員(石丸隆治君) ただいまの問題、学校保健の問題とも絡んでまいるわけでございまして、そういった点さらに文部省の方ともよく連絡をとりたいと思いますが、ただ先生御承知のように、やはり歯科衛生士は医科医師の指示のもとにいろんな仕事をやるわけでございまして、果たして各学校にその歯科医師の配置がうまくいくかどうか、そういった問題もあろうかと思いますが、やはり先生の御指示、わが国の歯科衛生のためにごもっともでございますので、さらに今後検討さしていただきたいと思います。
○矢追秀彦君 ぜひその点は、お役所というのはいままでのこととかに触れられますとわりあい頭がかたいところがありますので、やっぱりそういうことではなくて、もっと前向きにこれはきちんとしていただきたい、こう思うわけですが、とにかく世界で一番虫歯の多いのは日本ですからね、大臣、これは余り名誉なことじゃないんで、文明病ということも言われてきましたからそれだけ文明が高いのだということになるかもしれませんけれども、これは決していいことじゃなくて、砂糖の消費量は日本よりアメリカの方が多いんです。しかし、アメリカは齲蝕は少ない、日本より少ないと、こういう現状で、ということはそれだけ予防が進んでいるということですから、そういう点でひとつこの問題は真正面から取り組んでいただきたいと思うんですがね、大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 歯の健康の問題は、やっぱりこれは幼児のときからの問題だと思うんです、一番の問題は。私どもも前は、乳が足りなくてカルシウムでもよけいとれば赤ちゃんの歯はよくなるのじゃないかぐらいに思っておったけれども大きな間違いでありまして、それはともかく、良質なたん白も必要だとか、ビタミンAもビタミンDもビタミンCもみんな歯の形成に必要であるというのが学問だそうですから、やはり胎児のときからそういうような保健指導というようなことを、生活の向上というものも含めてやはり偏食をさせないとか、いろんな点でやらなければ健全な歯を持った子供ができないということなので、まあ生まれてからはもちろんいろんな治療の方法や虫歯の予防等あるでしょう。そういうような予防医学というものには私はちょっといままで足らなかったんじゃないか。したがって、もうことしの間には合わないけれども、来年度は歯もその他のことについても予防医学というものをもう一遍掘り起こして、それで国民全体の力で国民の健康管理をやっていく、その一環として虫歯退治の問題もやっていきたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 最後になりますが、これは確認になりますけれども、この前の予算で質問をいたしました、いまの問題とも絡みますけれども、妊娠中の母親に対する教育ですね、これの充実、これは一応約束はしていただきましたが、重ねてもう一度大臣のお考えと、それから最後に虫歯予防法ですね、これをかなり言われて久しいんですが、これは厚生省としてはどこら辺まで検討されてどういうお考えなのか、法律はなくても現状でできると、そういうお考えなのか、その点お伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的にどういう方法をとるかということは、技術的な問題は医務局長から答弁をさせますが、やはり保健婦等の活用あるいは研修あるいは診断、定期診断、そういうようなものを含めて、それから妊産婦、それから産後、幼児、こういうようなものの食料や生活、こういうようなものの指導を通して一つは虫歯の指導をやる、あるいは学校あるいは歯科医師、団体、そういうものの協力によって、今度は小中学生あるいは大人の歯の衛生思想、それから歯の健康、こういうものの指導をやっていきたいと、こう考えて厚生省でもやっておるわけでございます。 さらに専門的なことがあれば、医務局長から答弁をさせたいと思います。
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生御指摘のように、虫歯予防についてはいろいろな方法があるわけでございまして、特にわが国におきまして現在一つの大きな研究項目になっておりますのが弗素塗布の問題あるいは水道への弗素添加、そういったようないろいろな問題もあるわけでございまして、そういった広い意味におきまして齲歯予防についてのいろいろな方策について現在検討を進めている段階でございます。 さらに、先ほどもお答え申し上げましたように、歯科医師の問題あるいは歯科衛生士の業務の問題、そういったことを含めまして総合的に検討させていただきたいと思います。
○安武洋子君 風疹の問題について御質問申し上げます。 風疹は一昨年から約十年ぶりに大流行したわけですけれども、患者数が百十万人以上というふうなことが言われておりまして、ことしも五月から六月にかけて再び流行するんではないかと言われているわけなんです。政府の対策のおくれというものが、妊娠中の婦人に特に大きな不安を与えました。妊娠中に風疹に感染すると胎児に影響を与えて、先天性風疹症候群、こう言われる難聴とか白内症とか心臓奇形などの子供が出生するというふうなことで、国民はこのことをよく知らされなかった、よく知ってないから不安を抱いたというふうなことがありまして、政府の対策がほとんど立ちおくれてしまったというところに流行の時期を迎えたというふうなことで、母と子、これが非常に被害を受けたと思うんです。むだな妊娠中絶もやられたというふうなことも聞いております。こういうふうな政府の対策の立ちおくれというのが、私は風疹問題を困難にし大きくしたのではないかと思うんですけれども、大臣として公衆衛生対策を進める上で、今度の風疹の問題は大きな教訓を投げかけていると思うわけなんです。大臣はこの風疹の問題について、政府の対策の立ちおくれについていかがお考えでございましょうか。まず最初にお尋ねいたします。大臣にお尋ねいたします。
○政府委員(佐分利輝彦君) まず、技術的な問題がございますので私からお答えいたします。 確かに先生が御指摘のように、昨年は風疹のワクチンが間に合わなかったわけでございます。しかしながら、こういった急性伝染病対策の基本になります衛生教育だとかあるいは国民の抗体価を調べて流行予測をするとか、そういったことは従来からやっていたわけでございまして、ワクチンがおくれましたのは、昭和四十五年ぐらいから日本の国民の中に一種のワクチン恐怖症が巻き起こってまいりまして、特に風疹のワクチンの場合にはワクチン自身によって奇形児が生まれるおそれがあるんじゃないかというようなことも疑われた時代があったものでございますから、メーカーを初めとしてワクチン開発の担当者が非常に慎重な態度をとったわけでございます。 そういうわけでおくれたわけでございますが、しかしながらいま御審議をいただいております五十二年度の予算が成立いたしますれば、風疹を定期の予防接種に取り入れまして、ことしの秋ぐらいから中学の女子学生に予防接種をするという予算も計上しておりますし、またすでにワクチンも三十万人分できておりますので、希望なさるお母さん方あるいは乳幼児の方には予防接種ができるものと思っております。また、当然風疹の抗体価測定のための検査機関の整備もかねてから努力しているところでございまして、現在全国に百五十の検査担当機関が設けられております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま公衆衛生局長がるる述べたとおりでございます。
○安武洋子君 いまお答えのは、後でまた触れます。 今回、いまのお話の中では女子中学生を対象としてワクチン接種を行う、こういうことを言われましたけれども一、これは流行期は六年とか九年、これを周期にして繰り返すというふうなことですので、いまの女子中学生に対して行われるということは次の流行期に備える、こういうことになろうかと思われるわけなんです。私は当面妊娠可能な成年婦人、これに対して緊急の措置が必要だろうと思うんですけれども、この対策はどうお立てでございますか。
○政府委員(佐分利輝彦君) お母さん方も御心配なさる方がございますから、いま御示唆があったような方法も考えられるわけでございますけれども、世界各国見ますと、ヨーロッパでは日本が今回採用したように、中学校の女子学生に打つという方式をとっております。またアメリカでは、児童生徒に風疹のワクチンを使うという形をとっておりまして、定期の接種としては欧米ではそのような体系をとっているわけでございます。したがって、お母さん方の接種でございますが、これは従来から各国とも任意の接種といたしまして、希望なさる方に接種をするという体制で臨んでおります。
○安武洋子君 いま欧米並みのことを言われましたけれども、じゃ日本も欧米並みにやられると、そういうおつもりはおありなんですか。
○政府委員(佐分利輝彦君) ただいま申し上げましたように、日本の方式はヨーロッパ方式でございます。なお、将来ワクチンがどんどん増産されるようになれば、あるいはアメリカ方式を考えるという時期もそう遠くはないのではないかと思うのでございますが、このヨーロッパ方式、アメリカ方式はそれぞれいろいろな理屈がございまして、一長一短があるわけでございます。しかしながら、現在においてはワクチンの量の観点から、私どもはヨーロッパ方式の中学校の女子に定期の予防接種をやるという方式を採用したわけでございます。
○安武洋子君 では、ワクチンの量がふえるとアメリカ並みのことも考えるというふうなことでございますね、いまのお答えでは。 それからワクチンはこれは無害なんでしょうか、副作用はないんでしょうか。
○政府委員(佐分利輝彦君) ごくわずかでございますが、成人の方に注射をいたしました場合に関節痛が出てまいります。これまでの経験では約一%と考えられておりますが、手足の小さな関節に関節痛が出てまいりまして、二、三日痛みが残るという副作用でございます。そのほか、従来からいろいろ議論されてまいりましたのは、このワクチンのウイルスによって感染流行が起こるのではないか、またこのワクチンのウイルスによって胎児が感染して奇形児を発生するのではないか、そういったことがここ十年ぐらい長い間議論をされ、また検討をされてきたところでございます。
○安武洋子君 では、今回女子中学生に接種をするということになると、私はやはり関節痛なんかがあるというふうなことは親切に知らすべきだと、こういうふうに思いますけれども、お知らせなさいますか。
○政府委員(佐分利輝彦君) すでにパンフレット等もつくりましてお配りしてございますし、またいろいろ日本医師会雑誌、学会雑誌にもそのようなことを掲載しております。さらにこのような問題については、一般国民が対象でございますので、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等の報道関係も十分に協力をしていただいているというふうに考えております。
○安武洋子君 風疹にかかれば、いまのところ一番被害を受けるのは妊産婦なんです。結婚をしましたら、妊娠をして出産をするというのが正常な姿なんですけれども、私はやはりこの結婚する際に抗体があるかどうか、こういうことをチェックすると一番効果があると思うんですが、こういう点に関してはいかがでございましょう。
○政府委員(佐分利輝彦君) 確かにそのようなことば望ましいことだと思っております。したがって、わが国においても先ほど申し上げましたように、百五十の検査担当機関を整備いたしまして、御希望の方にはいつでも検査ができるようにしておりますし、また特に公的な検査機関であれば、低所得の方々については費用の減免が行われるものと考えております。
○安武洋子君 現在、結婚に当たって性病予防、こういうことで梅毒の血清反応、これを受けることになっております。こういう制度がありますけれども、なかなか性病予防ということでは検診が受けにくいというふうなこともありまして、なかなかこの検査の実績が上がっていないと思うんです。私はしかしこれは大変いい制度であると、不幸な子供を生まない運動だというふうなことでよくキャンペーンが張られますけれども、梅毒とともにこういう風疹についても、こういうふうな結婚の前に医者の検査を受けるというふうなことがあれば非常に効果的ではなかろうか。 しかも、現在の性病の事前検査ですね、受診率というのを私、調べてみますと、四十九年度には二百万人の男女が結婚しておりますけれども、受診者というのはわずか十四万三千人、これは受診率にいたしますと七・二%なんです。五十年度はさらに六・二%、こういうふうに低下をいたしております。これでは私は、政府の趣旨が生きないというふうに思うわけなんですけれども、この性病検査と風疹の抗体価、この検査を一緒にやる、こういうふうにいたしますと、性病検査の受診促進にもなりますし、風疹の知識も徹底し、不幸な子供が生まれないというふうなことにもなろうと思うんです。私は、こういうふうにして制度をつくってキャンペーンをおやりになると、政府の趣旨もうんと生きるし、非常に風疹の防疫面にも役立とうかというふうに思うんですけれども、この点、いかがお考えでしょうか。大臣にもお伺いいたしとうございますが、大臣聞いてくださっていたかしら……。
○政府委員(佐分利輝彦君) 確かにそのようなお考えがあるわけでありまして、たとえば一九七五年に赤十字のジュネーブのアンリーデュナン研究所が発表いたしました公衆衛生の未来予測におきましても、あと十五年、二十年たてば血液を取っていろいろな検査をして、その情報をフィードバックするというようなシステムを先進国ではできるのじゃないかと言われているわけでございます。しかしながら、当面たとえば梅毒の血清反応も受診率が非常に低いということは、やはり血液を取られるということに対する国民や住民の抵抗がかなりあるわけでございます。また一方においては、梅毒の場合には、御案内のように、医療もまた衛生教育も進歩し普及してまいりましたので、日本は罹患率の低い国の一つであろうと思います。そういうこともあって、国民の方におのずから安心感があるのじゃないかと思っております。また風疹の場合も、これは普通の場合には、自然に感染して一生免疫を持っているわけでございまして、結婚なさる御婦人の場合にも少なくとも八〇%、普通は八五、六%はもうすでに感染して自然の免疫を持っていらっしゃるという方でございますので、そういうふうないろいろな要素が働きまして、それほど希望者が多く出てこないという実情でございます。 そういう関係で、確かにただいまの御示唆のような方法があり、かなり先にはそのような方向に進んでいくかと思うのでございますが、現時点におきましては、現在私どもやっておりますように、抗体検査がいつでも受けられるようにしておきまして、希望なさる方については検査をして差し上げる、低所得の方については減免をして差し上げるという方式で十分であると考えております。
○安武洋子君 なぜ十分なんでしょうか。私は、梅毒の検査につきましては、非常にこういうものに対しては行きにくいという面があるから受診率が低下をしているという一面もあるんです。ただ単に血液を抜かれる恐怖心があるからというだけではない。風疹の問題につきましても、いままで風疹がどんなに危ないものであるかということが知らされてない。国民が知らないからこそ、この風疹問題というのが大変大きな問題になってきたという面もあるわけなんです。ですから、この性病の問題とそれから風疹の問題、これを一緒に結婚の前にやるんだということをどんどんどんどん政府としてキャンペーンをなされば、私は性病の予防対策にもなる、風疹の予防対策にもなる、政府がお考えの不幸な奇形児を生まないと、こういうことに全く合致する、こういういい制度だと思います。大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 専門的なことは私はよくわかりませんから、ですから公衆衛生局長がいろいろ研究した結果答えるわけですから、公衆衛生局長の意見を採用します。しかし、あなたのおっしゃったように、確かに梅毒の問題とか、風疹のこわさとか、案外最近忘れられちゃって知らないという人が多いということは私事実だろうと思います。したがって、そういうようなことはあんまり恐怖心を与えても困りますが、正確な知識は持ってもらわないと困るわけですから、何らかの方法で、結婚前にそういうふうな梅毒検査の励行というようなことは徹底させるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○安武洋子君 梅毒だっていまひそかに進行して蔓延しつつあると、こういうふうに言われているわけなんです。だから私は、何も自分が感染したという自覚を持たなくても、潜在的に梅毒にかかっていることもあるから検診を受けなさいと、こういうことなんですね。風疹の問題についても、不顕性で自分では風疹にかかったとは思わないのに、今度の医学会の実例の中でも出ております。二十四例、自分が風疹にかかったかもわからないというふうなことで中絶したと。調べてみると、病気にかかっていない、不顕性だったのに、その中で四例も奇形の胎児があったというふうなこともあるわけなんです。 だから、こういう問題は、正確に国民が知識を持つことが必要なんですね。だから私は、結婚前にチェックをするというのが一番合理的ではないかというふうに学会の中でも言われているわけなんです。政府がどうしてこういう対策をおとりにならないか。いま局長の意見、いろいろ調べているから正しいだろうとおっしゃるけれども、私はさらに、こういうふうにすると政府の政策も進みますよということを言っているわけですから、大臣、これを取り入れていただきたい。もう一度お答えを願います。——いや、大臣に言っています。
○政府委員(佐分利輝彦君) このようなことは、やはり強制すべきことではないと思うのであります。その関係から、衛生教育とか健康教育というのは非常に大切であると思うのでありますが、私どもとしては、こういった健康教育にもずいぶん力を入れてきたと思うのでございますけれども、なお足らないところがございましょう。そういった点は、今後一層努力をいたしたいと考えております。
○安武洋子君 じゃ、いまの御趣旨で、私が結婚前に梅毒検診と一緒に風疹もやると。何も強制になっておりませんよ、受診率ずいぶん低いんですから。取り入れて悪いという理由は何なんですか、お答え下さい。
○政府委員(佐分利輝彦君) 先ほど来申しておりますように、現在でも希望者の方には抗体の検査ができる体制ができておると考えております。
○安武洋子君 この九日、十日ですね、日本感染症学会総会、これが開かれておりまして、風疹の問題が論議されております。これによりますと、従来よりも非常に重症例が多いというふうなことで、脳炎とか紫斑病の合併症もある。で、死亡例もあるというふうなことがありますし、それから妊娠の罹患率、非常に妊娠している人の罹患率も高くなっているのでそのために中絶例も非常に多いというふうなこと、心配のために中絶したケースも非常にあるというふうなことなんです。これで非常に母と子が被害を受けているわけなんですね。学会の中で出ている意見では、妊娠前の抗体価、この測定が定着することが望まれると、これは学会の意見なんです。さらに学会の方では、先天性風疹の出生防止のため、非妊娠時あるいは結婚以前に風疹免疫を検査し、その結果に基づいて適宜の対策をとるのが最も理にかなうと、こういうふうに言っております。ですから、婚姻前の検査というのが私は早急に制度化される必要があると思うんです。いかがお考えでしょうか、この学会の意見などに対して。
○政府委員(佐分利輝彦君) いまでも私どもは、お受けになりたい方がお受けになれるようになっているのでございますから、もう事実上制度化されていると思うのでございますけれども、また先ほどございました三日ばしか、風疹というのが脳炎も起こす、死亡も起こすということでございますが、これは私どもが戦前習いました教科書にももう書いてあったことでございます。五千人に一人ぐらいは脳炎を起こすであろうというようなことも書いてあった。また、紫斑病のことも書いてあったわけでありまして、特に最近の新しい治験ではないと思うのでございますが、確かにこういった対策はいろんな角度から推進をしていく必要があると存じます。その場合一番大切なのは、先ほど来申しておりますやはり健康教育の徹底ということではないかと思っております。
○安武洋子君 学会の方では、そうは言っておりません。いままでの臨床例をはるかに超えてこのたびは重症が出たというふうなこと、そして臨床医も、この問題については非常に迷ったというふうなことも言われているわけなんです。私は御認識が違うと思います。 じゃ、聞きますけれども、性病予防法に基づく検査といいますのは、全額公費負担になっておりますけれども、これは国が二分の一、自治体が二分の一出しますけれども、この検査は保健所で行っておりますね。
○政府委員(佐分利輝彦君) 保健所を中心といたしまして、各都道府県あるいは政令市にございます地方衛生研究所でも行っておりますし、またそのほか性病の指定病院、診療所、また一般の病院、こういったところにも御協力を願っております。
○安武洋子君 抗体検査にはどれぐらいの費用がかかりますか。
○政府委員(佐分利輝彦君) ただいま資料を持ち合わせておりませんので間違っておるかもしれませんが、大体六百円から七百円の間であったと思います。
○安武洋子君 妊婦の場合は二回やらなければならないわけですね。
○政府委員(佐分利輝彦君) そうです。
○安武洋子君 この費用もかかりますけれども、私は、保健所で梅毒と風疹とあわせて検査をすれば、梅毒の方はこれは全額公費負担なんですね。ですから、この経費もそんなにかからないのではないかと。ぜひ私は、婚姻前に両方一緒におやりになれば、いまでもいろいろの道が開けているといいますけれども、保健所で一緒にやるというふうにすれば国の施策は進むんじゃなかろうかと、このことを繰り返して申し上げているのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐分利輝彦君) それは一つの考え方でございまして、いい御示唆であると存じます。 ただ、費用の負担につきましては、これはやっぱりいろいろ議論のあるところでございまして、全部の費用をただにするというような時代でもないのじゃないかと思います。先ほど来申し上げておりますように、貧困者とか、低所得の方を減免すればいいのじゃないかと、このように考えるわけでございます。
○安武洋子君 なぜ、貧困者だけを減免すればいいというふうにお考えなんですか。
○政府委員(佐分利輝彦君) 私ば、やはり健康というのは自分で守るというのがたてまえであり、そのためには相応の負担はしてもいいのではないかと。しかし、そういった負担のできない方は免除するとか、減免するとかという措置を講ずる必要があるのではないかと考えております。
○安武洋子君 大変な御発言をなさいました。健康は自分で守るというのはあたりまえのことですけれども、しかし予防接種というのはそういうたてまえじゃないと思います。私は、伝染病の発生とか、蔓延とかを防止するのはこれは国の責任だと思います。それを健康は自分で守るんだから自分で負担すればいいとおっしゃるのは、余りだというふうに思うんです。やはり公共の福祉の前進のために予防接種というものはするのではないんですか、大臣、いかがなんでしょうか。大臣にお伺いしています。
○政府委員(佐分利輝彦君) 予防接種の第一の目的は、やはり個人防衛にまずございます。その個人防衛が全体として集まって社会防衛になるものでございまして、やはり予防接種のねらいは個人の病気を防ぐというところが出発点ではないかと思います。
○安武洋子君 大臣、お答えくださいませ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは非常にむずかしい問題でして、あなたの言うのも一理もちろんありますし、しかし公衆衛生局長の言っているのも間違っているとは思えないし、まあよく検討してみます。
○安武洋子君 予防接種というものとか、それからこういう伝染病の伝播していくというふうなことは個々、個々の問題に解消されてしまって、これが伝染病、風疹とかがうんと広がると社会的な大問題になるわけですわ。社会的な損失もずいぶんと大きいと。私は、やはりこういうのは公衆衛生の立場から、福祉という面で考えていただかなければならない国の責任じゃなかろうか。それを単なる個人で、健康は自分で守ったらいいんだというふうなことで、低所得者だけ国が補助をすればいいんだというお考え方を改めていただきたいと思います。重ねて大臣に申し入れますけれども、そういうお考え改めていただけませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公衆衛生局長の言ったのは、検査を梅毒と同じに風疹も無料にしろと、梅毒の方は無料になっているわけです、いまね。で、風疹の方は無料でないと、そいつを無料にするかしないかという話でエキサイトしているんじゃないかと思うんだけど、風疹を無料にするのはいいのはいいんでしょうけどね、やっぱり結婚前に検査をするということについては無料でなければ検査を受けないということでもないし、大金かかるというわけでもないからね。全部無料にすればそれはいいんだろうけれども、いろんな問題等もあるし、横並びの話もあるしするから、これは検討してみたいと、かように考えております。 それから、風疹の定期予防接種というのは大体義務づけられたような形で行われておるということでございますから、健康に関する問題でどこまで無料にするかというような問題についてはいろいろ議論のあるところでもございますから、私がここで風疹も無料でいいということをいまこの段階で申し上げるわけにはまいりません。しかし、よくいろいろ検討してみたいと、かように考えます。
○安武洋子君 ぜひ検討をお願いします。金額にしても大したことないんです。二百万人の結婚数のうちですから、女子は半分ですね。ですから、金額的にも私はやろうと思えばすぐできることなんです。ぜひ検討していただきたい。 それから、今回の女子中学生ですね、このワクチン接種ですけれども、補助対象者数、これは全体の接種者数の中ではどれくらいのパーセンテージに当たっているんでしょうか。
○政府委員(佐分利輝彦君) まず、全対象者の中から、もうすでに自分で風疹にかかったということがはっきりしている方を除くことにしておりますが、これは四五%、約半分ぐらいがもうすでにかかったという方であろうと思います。残った方について、これは従来の行政経験で出てくるわけでございますが、一〇〇%がお受けになるということはございませんので、八〇%を掛けている、そのような計算をいたしております。
○安武洋子君 今回の補助について、私は兵庫県の国に対する要望を聞いたんです。兵庫県下のほとんどの自治体といいますのは、一応実費負担が原則になっておりますけれども、ポリオとかジフテリアとか百日ぜき、こういう定期接種についても無料で実施をしているわけなんです。これはなぜそういうことができるかといいますと、ポリオは国、県、市それぞれ三分の一ずつ負担をしているわけですから、ワクチンも安いというふうなことがありますので、定期接種の費用も地方交付税の中でも措置をされているというふうなことでできるわけなんです。しかし、今回の風疹ワクチンですね、これはワクチンの値段も高いですし、千円以上かかるということですから、お医者さんの報酬も加えるというふうなことになりますと、かなりの負担が自治体にかかる、自治体の負担がふえては困ると、こういうことを言っているわけなんです。こういう自治体の要望についてはどのようにおこたえになるのでしょうか。
○政府委員(佐分利輝彦君) 風疹の定期接種を実施するための予算をただいま御審議いただいております予算案に、二千四百六十一万五千円でございますからこれは三分の一の補助でございますが、計上してございます。これはやはり低所得者を対象として費用を減免するための補助金でございますが、単価は千二百二十二円ということで計上してございます。
○安武洋子君 地方交付税の中に予防接種費の支出の手当てがされているわけですけれども、これは五十一年度と五十二年度と比べてみますと、五十二年度の方が、十万都市にこれを当てはめますと、大体四百万円ぐらい少ないというふうになるわけなんですね。なぜこんなに削減をされているのか、どういうことなんでしょう。
○政府委員(佐分利輝彦君) 地方交付税の予防接種の部分が、そのように削減されているということは私初めて聞いたのでございますが、この予防接種の費用につきましては、定期の予防接種の場合、従来はポリオの予防接種、それから一部でございますがワイルの予防接種、こういったものだけが補助対象になっておりまして、その他のジフテリア、百日ぜき、そういったものは交付税に入っていたわけでございます。それが五十二年度の予算からは新たに風疹も補助対象の予防接種として補助金が計上されたというとこでございますが、地方交付税の中の各市町村に参ります予防接種の交付税が減ったということは私は聞いていないのでございますが。
○安武洋子君 とんでもないことで、私調べました。ここに数字も持って来ておりますけれども、時間がありませんからいま数字は挙げませんけれども、四百万大体十万都市では減ると、こういうことになるのです。こういうことを知っていただ不在と、私は厚生省としては怠慢だと思うのですね。これがやられていきますと、私は所要経費の一部が公費負担、これの削減をするということはどんなことになるかと言いますと、やはりこれは福祉の後退、国民負担の増大だと、こういうことにつながるわけなんですね。それで自治体がいままで実施してきましたポリオとかジフテリア、百日ぜき、こういうような無料化の制度といいますのも、政府がこういうことをやるから無料化でなくなってしまうということで、私は五十一年度並みにもとに戻さなければいけない。検討していただきたい、こう思いますけれども、大臣、自治省にかけ合っていただけますか。大臣に聞いています。
○政府委員(佐分利輝彦君) その点につきましては、私どもよく調査をいたしまして善処をしたいと考えております。ただ、交付税の場合は、その管内の人口が少なくなったりいたしますと当然配付額が減ってくるわけでございますので、そういうふうな点もよく調べてみたいと考えております。
○安武洋子君 ぜひ五十一年度並みに戻すように、大臣御努力をお願いいたします。大臣よろしゅうございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 突然のお話で、数字的なことはよくわかりません。調査の上善処いたします。
○安武洋子君 あと一問。風疹による先天性異常障害児対策、これを最後にお伺いいたしますけれども、こういう出生に対してどのような監視体制をとっておられるのか。いままでの出生数、それから症状はどんなだったか、どういうふうな治療が求められているのか、そして流行地の後追い調査をされているのか、されていないのならなさるべきだと思いますが、この点をお伺いして私の質問を終わりますが、お答えいただきます。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省におきましては、昭和四十五年から予防接種の調査研究会を設けておりまして、特にここ三、四年は風疹に重点を置いて調査研究をしているところでございます。したがって、今回の風疹の流行も一昨年から始まっているわけでございますが、その際どの程度先天性障害児がお生まれになったか、そういったことも調べてございます。一昨年は三名、またその後十一名ということで現在十四名を把握しているわけでございますが、なおこういった調査は継続中でございます。また、そういった障害児の方々に対しましては、児童福祉法等そういった児童の健康関係の制度を活用いたしまして、できるだけの措置を講じているところでございます。
○政府委員(石野清治君) ちょっと補足的に申し上げますが、結局乳児の検診なり幼児の検診というものをやりまして、早く早期に発見するということがまず第一点。それから第二点は、特に治療が必要な場合につきましては、育成医療の制度がございますのでこれを活用したい。それからさらに、聴覚障害とか視覚障害、知覚障害が非常に多うございますので、そういう場合につきましては補装具等の給付もいたしますし、それから施設への入所措置あるいは通園施設での治療と、こういうものを考えているわけでございます。
○柄谷道一君 年金の業務体制について御質問をいたします。 昭和五十年の二月に人口問題研究所が発表した将来人口の推計によりますと、六十五歳以上の高年人口は昭和五十年の八百七十七万、総人口の七・九%が、七十五年には千八百七十九万、九十五年には二千五百六十二万、総人口の一八%に達しまして、人口の高年化がいわゆるピークに達すると、こう言われております。このように人口の高年化が急ピッチで進み、これに伴って各種年金の受給者が当然逐年増加してくるわけでございます。年金の業務量はしたがってますます増大すると考えられるわけでございますが、年金受給者の現状とその今後の推定というものについて、簡潔にお答えを願います。
○政府委員(大和田潔君) 年金受給者の現状でございますが、昭和四十七年度、これは厚生年金、国民年金合わせまして二百三十一万人の受給者でございました。それが昭和五十年度には五百四十九万人。さらに今後の見込みでございますが、昭和六十年度におきましては千二百七十九万人という伸びが見込まれるということでございます。
○柄谷道一君 年金の相談件数も逐年増加しているものと思われますが、その現状と将来の推定をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(大和田潔君) 年金相談件数でございますが、昭和四十七年度、これが二百六十八万件でございましたが、その後受給者の伸びにほぼ比例いたしまして伸びまして、昭和五十年度におきましては五百六十八万件、さらに今後の見込みといたしましては、昭和六十年度におきまして約千五百万件にも達するのではないかというふうに見込まれるわけでございます。
○柄谷道一君 私は、そうした相談件数の増加とともに、最近年金の受給資格を得ようとしている人、また年金受給者から非常に多くの苦情が出ているわけでございます。それは、現在の年金相談体制が非常に不十分であるという指摘でございます。私はこの苦情というものをいろいろ分析をいたしますと、まず第一に最近の年金相談の内容が、いわゆる従来の年金制度一般に対するものから、定年を目前にした被保険者から個々の年金額を知りたい、そのことによって老後生活の設計に資したい、こういう強い要望がある、いわゆる相談内容の変化が一つでございます。それからまた、従来は生涯雇用の体制があったわけでございますけれども、これが逐次数企業を生涯に渡っていく、ないしは厚生年金と国民年金の被保険者間を往復する、こういう変化もございます。また特に女の一生ということを考えますと、学校を出て厚年の被保険者になる。結婚をして子供が生まれると被保険者の空期間というかっこうでつながれていく。また、任意に加入して国民年金の被保険者になる、子供が大きくなると再び企業に働いて厚生年金の被保険者になる、このように非常に各種年金間を、皆年金下渡り歩く傾向が多い。そうするとどうしても単純な年金計算ができない、こういう変化が一つあろうと思います。さらにもう一つは、これは裁定が約現在三カ月ぐらいかかりまして、裁定の期間が非常に長過ぎるんではないかという苦情もございます。 私は、現在の体制で定員増や業務課のコンピューター増強だけで、こうした国民の要望にこたえる国民サービスということを行うということはとうてい不可能な現状に達しつつあるのではないか、こう考えますが、当局として業務処理上の現在の問題点についてどのように理解をしておられるのか、お伺いします。
○政府委員(大和田潔君) ただいま御指摘のような問題が実はあるわけでございます。年金相談件数の著しい増加ということが最近の特徴でございますが、実は私どもこれに対応いたしますために年金相談体制の整備に努力をしております。たとえば年金相談センター、これは中央にそういうセンターを近く発足させる予定でございますし、大都市におきます年金相談コーナー、これを増設をするというようなこと、あるいは社会保険相談員の増員というようなことを図りながら、大変急増いたします年金相談件数に対処いたす努力はしておるわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘のように年金受給者の急増、相談件数の急増、こういう事態に今後とも的確に対処していかなければならないというようなことのためには、どうしてもなお改善しなきゃならない点がかなりあるというふうに私ども考えております。 先ほどのいろいろ具体的な相談といったようなことにつきましても、なお社会保険事務所、国民の身近な社会保険事務所においても必ずしも十分行われないといったようなことを受給者等から聞いておりますので、そういったような改善すべき点につきましては、十分今後とも受給者あるいは被保険者等から意見を聞きながら今後とも努力をしてまいりたい、かように考えております。
○柄谷道一君 御努力されている点は私評価いたしますけれども、しかし、現体制を糊塗的に手直しをする程度では、とうていこの激増する受給者とまた質的な変化を遂げつつあるこの相談に対応していくということはほとんど絶望的であると言ってもいいのではないか、こう思うのです。 そこで、こういう現実の中で、公労使三者構成から成り立っております社会保険審議会は五十年の八月二十日、「長期的な展望のもとに、電算組織を総合的に活用してオンライン化を図る等近代的かつ効率的な業務処理体制を早急に確立し、国民に身近かな場所で年金に関するすべてのサービスがうけられるよう努力すべきである。」こういう満場一致の意見書を出しております。また、八月十九日に、国民年金審議会も同様趣旨の意見書を満場一致で大臣に出していると思います。さらに、五十二年二月十八日の社会保険審議会の答申では特に「業務改善等当審議会が昭和五十年八月二十日全員一致で意見書を提出したにもかかわらず今回まで実施にうつされていない部分があるのは極めて遺憾であり、その早期実現を図る」べきであるという、強い、また厚生省にとっては耳の痛い答申も出されているわけでございます。いま冒頭御質問いたしましたように、受給者を四十七年と五十一年を対比しますと約二・六倍であります。厚生省の資料によりますと、七十年と対比いたしますと約十倍にふくれ上がる。相談件数も四十七年と五十一年を対比しますと約三倍、今後二割ぐらい相談件数はふえていくであろう。こういう現実に対処いたしまして、厚生省としてはこの審議会の意見書ないしは答申書をどう受けとめてどのように今日まで取り組んできたのか、また今後どのように対処しようとするのか、お聞かせを願います。
○政府委員(大和田潔君) お答えいたします。 実は、私ども社会保険庁におきましてもこういった事態、今後の受給者相談件数の増というものに対処すべく、昭和四十八年からこういった新しい事務処理方式というものにつきまして研究調査を続けてきたわけでございます。それで、最近におきましてこの事務処理方式の中身と申しますか、コンピュータを積極的に活用いたしまして、オンライン計画をつくることによりまして新しい事務処理方式に対処していくという、こういうようないわば社会保険庁案を私ども取りまとめまして、これにつきまして現在関係各方面と協議をしておるところでございます。今後関係者の御理解と御協力を得ながらこの実現に努力をしてまいりたいと、かように思っておる次第でございます。
○柄谷道一君 いま答弁されました保険庁が本年二月「年金時代にふさわしい社会保険の業務体制づくり」という六カ年計画を発表された。これは承知しておるところでございますが、その目的と概要、これは時間の関係もありますので、簡潔にひとつお知らせを願いたいと思います。
○政府委員(大和田潔君) この計画の目的でございますが、この計画は年金を中心といたします社会保険の業務量増と再々申し上げておりますこの問題に対処いたしまして、あわせて行政サービスの向上を図る、いわゆるそういったようなことの業務体制を整備するということを目的としておるわけでございます。 で、この概要、中身でございますけれども、この社会保険業務の新しい事務処理方式としてコンピュータを積極的に活用いたしまして、現在の社会保険庁業務課、この機能を充実させましたデータセンター、これと二百数十個所全国にございますが、その全国の社会保険事務所との間にオンラインシステムで結んでいこう、こういうことを考えておるわけでございます。その結果といたしまして、年金相談や照会に対しまして国民に身近な場所でございます最寄りの社会保険事務所、そこで直ちにそういった照会とか相談に応ずることができる。それから、年金の裁定でございます。これも、やはり現在は社会保険庁の業務課で行っておりますけれども、この裁定を最寄りの社会保険事務所で行うことができる、こういったようなメリットが出てくる、これが概要でございます。
○柄谷道一君 私は、実はそのいま言われました計画実施に必要な投資額とかランニングコスト、損益分岐点、こういったものについてもお伺いしたいわけでございますが、時間の関係と、またいま立案中の過程でございますので、これについてまた改めての機会にお伺いをいたしたいと思います。 そこで、これは大臣にお伺いしたいんですが、私はその内容は別としても、いま部長の言われました計画によりますと、これに投ずる費用も相当多額に上るものと考えられます。しかし、科学技術の急速な進歩に支えられましたコンピュータの導入とオンライン化、それによって得られる効果はきわめて大きい、こう思うわけでございまして、これは短期間のうちにいわゆるペイできる、採算がとれるというのが、これは一般コンピュータを導入した企業等における通則でございます。特に、この計画がいま部長言われましたように、行政サービスの向上というものを目的にするとするならば、いわゆる金の上での損益分岐点とはまた別個に、大きな国民の福祉の充実という効果も生ずるという点はこれは否めないと、こう思うのであります。経費その他の面から計画達成に困難も多いと思われるわけでございますが、大臣としてこれは英断をもってこの計画を推進されるべきではないかと、こう思います。大臣の決意をお伺いいたしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) コンピュータにすると首切りになるんじゃないかとか、いろいろなことを言って心配する向きもございますが、いま保険部長から言ったように、非常に加速度的に事務量がふえておるという点から、絶対に、人はむしろコンピュータを入れてもふやしてもらいたいぐらいであって、首切りとかそういうことには一切つながらないということがまず一つであります。 それから、いま先生の御指摘のように、やはりただ単に官庁だけの損益ということでなくて相談がすぐにわかると。非常に利用者にとってサービスが即応に答えられるというようなメリット、あるいは正確な答えができるというような点等を考えて、やっぱり私はこういう時代ですから、全国オンライン化のコンピュータ組織というものを、従業員はもちろん、関係自治体等にもよく理解をしてもらっていトラブルなく理解と協力のもとに一刻も早く進めていきたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 いま大臣も指摘されましたように、本年の二月二十五日開かれた自治労第三十一回臨時大会で、このオンライン化に反対する決議が行われたということを雑誌、新聞等で拝読いたしました。私は、きょうはその決議に対する批判は一応さておきたいと思います。 ただ、ここで若干確認をしておきたい点は、第一に、いま解雇問題についてはそういうことはあり得ないと、こういう大臣の答弁でございますが、そのように確認してよろしゅうございますね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) さようで結構でございます。
○柄谷道一君 次は、社会保険行政の中央集権化は地方自治を破壊すると、こういう批判がございますが、大臣の見解はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はさように考えておりません。
○柄谷道一君 それでは、プライバシーの侵害につながる国民総背番号化である、こういうことの指摘もございますが、この点に対する御意見はいかがですか。
○政府委員(大和田潔君) この計画に当たりましては、実は現在使用しております厚生年金、国民年金あるいは船員保険の記号番号をそのまま使ってこの計画にのせると、こういうことになっております。したがいまして、国民のすべてを通じた統一的な記号番号というものをここで新たにつくるというようなことを考えておりませんので、ただいまの御心配につきましては、全く心配はないというふうに考えております。
○柄谷道一君 この計画と地方事務官制度との関係はどうでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この計画は単に事務処理の方式、この技術的な改善を図ろうという考えでございまして、地方事務官の問題とは直接的にはつながらないと、かように考えております。
○柄谷道一君 いまの答弁、時間があればもっと私深く聞きたいわけでございますが、素直に当局の言明を受けとめておきたいと、こう思います。 そこで繰り返すわけでございますが、私自身としましては、増大する業務量に対処できる効率的な事務処理体制を確立するということ。第二には、国民皆年金下における国民サービスの向上を図ること。この二つは、まさに時の要請であり国民の強い要求でもあろうと思います。したがって私としては、この計画が実現されることを強く期待するものでございますけれども、実現するに当たって二つの私は問題があろうと思うのであります。 その一つは、社会保険関係職員との対話を十分に深める、こういう処置がまず必要であろうと思います。 第二には、相当多額の設備投資を要するわけでございますから、財政硬直化のこの現状、大臣が相当の決意を持ってこの実現のための理解を深める、大蔵を説得させるという強い姿勢が私は必要だと思います。この二つを何としても行うことによりまして、社会保険審議会が数次にわたり強く要望いたしておりますこのオンライン化の実現を通じての体制の整備、それが私は新しい年金時代を迎えるに当たって厚生行政として意を用いなければならない最大の問題の一つだと、こう理解するのであります。 五十分まで質問時間が許されておりますが、一時から衆議院本会議で大臣また健保の提案説明に立つということでございますから、人間尊重の立場から食事時間もとっていただきたいと思いますので、質問はこの点でとどめますけれども、ひとつ重ねて大臣の本制度実現に対するいわゆる意欲と力強い所信というものをお伺いをいたしたいと、こう思う次第でございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変結構な御意見でございますので、その趣旨に沿って今後とも努力をしてまいりたいと存じます。
○柄谷道一君 終わります。
○副主査(吉田実君) 以上をもちまして、厚生省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 午後は、午後二時から再開いたしたいと存じます。休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 —————・————— 午後二時零分開会
○主査(小柳勇君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、森下昭司君、矢追秀彦君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君、塩出啓典君及び近藤忠孝君が選任されました。 —————————————
○主査(小柳勇君) 昭和五十二年度総予算中、労働省所管を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 三公社五現業につきましては、国の事業の範囲内で事業が営まれている限り当事者能力の制限は免れず、その業務が現行の国営事業から分離するものでなければ争議権は与えては無意味ではないだろうか、また制限されるのもやむを得ないといった議論が過去にありました。 昭和四十年、公務員制度審議会が持たれて、労働基本権として争議権を与える方向で検討するという公益委員の意思というものがございました。しかしながら、四月二日、これらの関係を踏まえた中における石田労働大臣は、労働問題に対しては精通されている大臣でありますが、私どもは予算委員会において特に私の質問で、現状における労使は正常化しつつあることを認められるかどうかということを申し上げたところが、その点については認める、福田総理もその点については常に認めておられるのでありますが、スト権ストももうそろそろ語りぐさとなった今日、スト権問題の処理に向かってもう結論を出すべき時期にきているんじゃないかというように考えるわけでありますが、大臣いかが考えますか。
○国務大臣(石田博英君) 昭和四十年、ちょうど私がやっぱり労働大臣をしておるときでございましたが、いわゆるドライヤー勧告に基づきまして、いま御説のような審議会が発足したわけであります。いろいろな経緯があって、いまだに決着を見ないことは私としても大変残念なことと存じます。この問題について私は私なりの個人的意見は無論持っておりますが、ただいまのところ、御承知のように政府が委嘱をいたしまして中山伊知郎先生を座長に協議、検討が進められている過程であり、それのスケジュールもまあほぼ決まって、八月いっぱいには一応の意見聴取を終えて、今度は具体案の作成について労使双方の意見を取りまとめにかかるということを承っております。したがって、そういう段階でありますので、この問題についての私の個人的な意見、私の労働大臣としての意見を申し上げることは差し控えたいと思いますが、早期に決着をすべき問題、できるだけ早く決着をつけるべき問題だと考えております。
○青木薪次君 この点、国鉄並びに電電公社、郵政の当局についてもひとつどう考えているか、簡単に述べてください。
○説明員(橘高弘昌君) ただいま御指摘のスト権問題につきましては、昨年三月に総裁がかわりまして最初に違憲である、ないの議論がございまして、いろいろ労使間で紛糾したことがございましたけれども、その後、再建問題懇談会を発足させるに当たりまして、労使で三つの問題につきましてメモと申しますか、覚書と申しますか、労働基本権問題につきましても、この問題については労使間で交渉して決めるという問題ではないけれども、労使関係の改善のためには避けて通れない重要な問題であると認識しております。そしてまた、この課題を解決するためには、国民的理解が必要なので、労使はこのための最大限の努力をしようというメモと申しますか、覚書を交換いたしました。その後、総裁かわられましてからもうかなり日時がたってまいりまして、国会でも同じような質問が何回かあったわけでございますけれども、労働大臣からただいま説明ございましたように、基本問題会議の方でこの問題について御協議を願っておる最中でもございますし、総裁としてのこの問題についての見解を申し上げるのには適当な時期ではない。しかし、いずれの時期かに自分としての考えをまとめて申し上げる時期も来るであろうということを申しておりまして、ただ現段階で意見を申し上げないというんじゃなくて、まだそれを取りまとめていない状況でございますというふうに総裁も答弁いたしておりまして、私出てくるときに聞いてまいりましたら、そういうことでお答えしてくれということでございました。
○説明員(秋草篤二君) 公労協と当事者との労使の問題を解決すべく公制審から発足してずいぶん長い間、かれこれ十四、五年経過しております。私どもは管理者としましては、一刻も早くこの問題の決着することを希望するものであります。
○政府委員(浅尾宏君) 争議権の問題につきましては、現在、関係閣僚協議会のもとで基本問題会議等で鋭意検討していただいておる段階でございます。したがいまして、郵政大臣はその関係閣僚協議会の一員でもございますし、いま労働大臣が申されましたように、いまの時点での意見を述べるということにつきましては差し控えさせていただきたい、かように思いますけれども、審議が促進されまして結論が出ることを願っておる次第でございます。
○青木薪次君 昭和二十一年の三月一日のいわゆる終戦直後でありますけれども、労働組合法が施行されまして、警察とか消防とか監獄とかの職員以外にスト権が認められてまいったのは御案内のとおりです。二十三年七月に政令二〇一号が出まして、すべての公務員のスト権の禁止がなされ、二十四年六月に国鉄と専売が公共企業体に移行し、それから電電公社が二十七年八月に公企体に移行したわけであります。団交権に基づく団体交渉権が認められたのでありますが、いま公労協を初めといたしまして、官公労関係の組合が一回ストライキ権を認められて、それをマッカーサーによって剥奪された。だからストライキ権をひとつ返してもらいたい、回復せよという要求を出していることについては、労働大臣その運動については理解できますか。
○国務大臣(石田博英君) 経緯は青木さん御存じのとおりの経緯、おっしゃったとおりの経緯でありまして、その後私ども昭和二十七年ごろを一番ピークとしまして、次第に労使関係というものが整理されてきております。特に、最近においては労使関係が次第に正常化の道をたどりつつあること顕著なものがあると私は考えておるわけでございます。そういう情勢認識の上に立って、組合側の御主張というものは私は十分理解できます。
○青木薪次君 この点は国鉄、電電、郵政とも大臣の答弁のとおりでいいですね。 昭和五十一年の一月二十日の閣議決定によって、公共企業体の閣僚協は三公社五現業等の経営形態と当事者能力、それから公労法等の関係諸法令の改正三点について検討することになっておりました。必要に応じて学識経験のある者によって基本問題会議が持たれていることは御案内のとおりでありますが、この担当されておられる伊豫田次長見えてますか。伊豫田次長からその進捗状況と主な審議内容ですね、ひとつ簡単にお述べください。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 基本問題会議につきましては、ただいまお話のございましたように、五十一年一月二十日の関係閣僚協議会の決定に基づきまして設けられることになりました。昨年五十一年の五月二十七日、第一回の座長連絡会を開催して以来、現在まで精力的に審議が続けられております。これまでのところ各部会とも大体月一回のぺースで、それぞれの検討対象についての現状と問題点についてのヒヤリングを中心に審議を進められております。現在、部会等は経営形態懇談会として中に六部会、当事者能力懇談会及び法令関係懇談会として中に二部会、合計九部会ございまして、現在までの審議回数は延べ五十三回に及んでおります。以上でございます。
○青木薪次君 基本問題会議の現状は、それでも先ほど私が冒頭申し上げたように、早く結論を出すべき時期に来ているということから考えると、それぞれ忙しい皆さんが、学識経験者が参加しておられるので、回数は一カ月一回じゃ少ないじゃないか、問題が大き過ぎる、また問題を大きく求め過ぎたという傾向が実はあるわけであります。そういう点から精力的に問題を煮詰めていかなければいけないと思いますが、この問題についてはいかに労働通の石田労働大臣といえども、煙幕を先ほど若干張っているんですね、まだここでもって意思は持っているけれども自分では余り言いたくないという。このことはやっぱり私はよくないと思うんです。ですから、その点については行政府の立場として、いま九つの会議について、一定のやはり行政府の意思というものを示すべきじゃないか、また、諮問に答えて説明しているかもしれませんけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 私の意見を聞かれるとするなら、もう一つ先になるんじゃないかと思います。私は煙幕を張っているんじゃないんです。政府がお頼みして御審議を願っているのに、政府が意思を表明するということは、私は適当でない。意思を聞かれる時期が中山委員会の方でいずれ出てきたとして、そのときに私の意見を聞かれるというのなら、それはその時期に言うのが適当であって、人にお願いをしているやつを、先に政府が、お願いした方が方向を示すなんということはこれはよくないと、こう私は申し上げている次第であります。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいまの審議を続けておりまする状況のもとにおきましては、ただいま労働大臣がおっしゃられたとおりと考えております。
○青木薪次君 基本問題会議における現状説明については、三公社五現業の労使からの意見を聞かなきゃならぬということを、先ほどちょっと大臣もあなたも言われたと思うんでありますが、これは現状は労使から意見を聞いて進行しておりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 基本問題会議におきまして、現状及び問題点のヒヤリングを、現状という意味に重点を置きまして一応伺いましたことでございまして、今後、労使双方から御意見を伺うことは基本問題会議としてはぜひ必要なことと考えております。 ただ、ただいまのところ、それは将来に予定はしておりますが、現在までのところまだそういうことはいたしておりません。
○青木薪次君 各公共企業体を初めとする三公五現の関係については、数十年の歴史と伝統を持っておりますし、それぞれまた労使慣行の積み上げをまじめにやってきている。だから、問題点の摘出という問題については、相当これはなかなか困難な問題が伴うわけでありまして、労使からの意見聴取をするというなら、いまのところ考えて、その時期と内容または回数なんかについてどうお・考えになっておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 基本問題会議の委員の方々には、それぞれ有識者になっていただいたわけでございますが、必ずしも三公社五現業のそれぞれにつきまして完全にお詳しいというわけでございませんので、ただいままでのところ、じっくりとある意味で現状の説明をし続けたわけでございます。したがいまして、その一般的なヒヤリングは大体五月または六月ぐらいに一応終わると思いますので、その補足的なヒヤリング並びに問題点の若干の粗ごなしをいたしまして、その段階で労使の双方の御意見を伺うと、このようなことを考えております。 なお、さらに具体的な日時あるいはどの程度の時間をかけて聞くかというふうなことは、今後十分検討してまいりたいと、このように考えております。
○青木薪次君 「三公社五現業等の争議権問題に関する基本資料」、おたくで発行されておりますね。この中の二十二ページ、「三公社五現業等の経営のあり方等と労働基本権問題に関する今後の検討について(昭和五十一年一月二十日公共企業体等関係閣僚協議会決定)」、この中に、「三公社五現業の経営のあり方等と労働基本権問題については、公共企業体等関係閣僚協議会専門委員懇談会の意見書の趣旨を尊重しつつ、」と、こうあるわけでありますが、一昨年、問題のこの専門懇の意見書を、これを尊重して今後おやりになるということは、これはどう考えておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 政府といたしましては、専門懇意見書の趣旨につきましては、先ほど青木先生がおっしゃいましたような筋で考えており、おおむねそういう趣旨であると理解しております。したがいまして、公共企業体等基本問題会議の審議の方向といたしましては、意見書の個々の指摘はともかく、その基本的認識に関する限り、前記のような趣旨に沿いまして、さらに掘り下げた検討が行われるものと、このように考えております。 なお、ただいま青木先生がおっしゃったのに申し上げましたが、念のために、一応私の方はあくまで趣旨でございますから、全体の方向としての話でございますが、ここで若干読み上げさせていただきます。三公社五現業については、国有・国営という経営形態をとる限り、その使用者側の当事者能力は、国会等からの実質的な統制によって制約されざるを得ない。したがって、団体交渉の補完的機能としての性格を持つスト権は有効に機能することがなかなかむずかしい。したがって、これを認めることはなかなか問題がある。今後はむしろそれぞれの経営形態はいかにあるべきかの点にさかのぼって基本的に検討すべきものと考えております。
○青木薪次君 いま次長、先にしゃべっちゃったんですけれども、それは後で聞こうと思っておったのです、私は。
○政府委員(伊豫田敏雄君) どうも申しわけございません。
○青木薪次君 それで、おたくの作業の進行状態を私は資料として、項目ですけれども、もらっているのです。だから、その点については専門懇の意見書を尊重し、それを中心としておやりになると言うなら、専門懇の問題についておたくが各部会に対して、あなたなり道正さんが説明されておられると思うのでありまするけれども、説明者としてあらゆる部会に出て説明されておられる。私にもやはりその点については説明をしていただきたいという意味でいまから質問申し上げますので、御答弁願いたい。 まず第一に、給与部会のですね、「賃金の水準を含むその実態に関して客観的な立場からの調査を実施する新しい機関を設け、」と、こう書いてある。いま調査機関はないだろうか、あるだろうかということになりますと、それぞれ調査機関はあるわけです。この点については、いまの調査は政府が主観的な立場に立った調査なのかどうか、どういう認識をされておられるのかという点について御答弁願いたいと思います。現在もあるわけです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 現行制度の説明につきましては、私といたしましては、その全部を必ずしも詳しく存じているわけではございませんので、大変恐縮でございますが、現在調査制度があるかないか、あるいはその内容がどんなものであるかにつきましては、むしろ労働省の方から。
○青木薪次君 いいです。今後のことでいいです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 今後の問題につきましては、そういうふうな問題について検討をいたしていることは事実でございますが、ただいまのところ、まだ制度上の問題等に主力を置いてお話を伺っておりますので、あるいは基本問題会議として検討が続けられている模様でございまして、今後一体どの方向に持っていくか、あるいはその場合にいかなる種類の調査機関を設けるとしたならばどのようにするかというふうなことにつきましては、まだ具体的にそこまで討論が至っておりませんので、私の方といたしましても、ただいまの段階ではちょっと説明できないということでございます。
○青木薪次君 いま公労委には調停仲裁の制度があることは御案内のとおりです。この専門懇の意見書には、この制度は国民に知らされていないというように言っているわけです。この点、どう理解しておりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 専門懇の意見書の申しておりますところの趣旨は、調停仲裁の段階においてどのような議論がなされ、どのような調停仲裁の結論が出てきたかという、その間の経緯が必ずしも国民一般からは知り得ない状態であるということを指摘したものと考えております。
○青木薪次君 単に労働問題だけでない、公共部門の給与問題を担当する部局を設けなさいと言っているわけですけれども、現に人事院という制度はそこに的中しているんですね。その点について人事院との関係はどう考えておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 人事院につきましては国家公務員法の関係、国家公務員の非現業の関係でございまして、三公社五現業につきましては、ただいま人事院は直接には関係がないものと承知しております。
○青木薪次君 労働基本権問題というのは、これは単に公労協だけの問題ではないわけですね。したがって、すでに先ほど労働大臣からお話のあったように、ドライヤー勧告に基づく公務員制度審議会というものは、これは全般の、現業、非現業を問わず官公労働者全体の問題について言及しているわけですけれども、その趣旨からいうと、人事院というのは政府の機関ですから、そういう意味ではあなたの言ったことは当たらないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 御意見としてはそのようなものがあるかと思いますけれども、ただいまのところ私の方の基本問題会議ではその点までの検討はいたしておりません。一応、三公社五現業に範囲をしぼって検討を続けていると、このように心得ております。
○青木薪次君 争議行為の抑制については政府、使用者の毅然たる態度において規制措置を強化しなさい、それから労働運動をそういう立場から専門懇の意見書は治安立法の対象のように考えていると思うんでありまするけれども、その点についてはどういうようにお考えになっておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 必ずしも治安立法というふうな考え方はとっていないのではなかろうかと考えておりますが、われわれは専門懇意見書につきましては、公共企業体等の労働問題の解決に当たっては法令が完全に守られる状態であることが必要であるとの見地から、争議行為に対する抑制措置のあり方について方向を示唆したものと、その具体的検討を行うべきことを提言したものと、このように理解しております。治安立法というふうなことはわれわれは全然考えておりません。
○青木薪次君 そうしますと、規制措置の強化ということと現実の労使関係を直視することと、どういうようにお考えになっておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 私の意見を申し上げる、と申しますよりは、ただいまの基本問題会議では、先ほど申し上げましたように、そこまで議論が進んでおりません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、私は専門懇意見書につきましてはそのように理解しているということを申し上げたいと思うのでございます。
○青木薪次君 どうも議論が余りかみ合わぬですけれどもね。争議行為が行われたときには規制措置を強化しろということは、これは相当進んで取り締まりということでしょう、規制措置を強化するということは。現行じゃいけないんだということなんですよ。そのことについてどう考えているかということなんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 専門懇意見書につきましては、法令が完全に守られる状態であることが必要であるということを第一前提といたしまして、争議行為に関するただいまの状態では完全に守られていないのではないかということから、それに必要な抑制措置のあり方につきさらに具体的検討を進めるべきである、このように申しておるものと解しております。
○青木薪次君 規制措置を強化して守られる状態に置けということは、これは法に照らして、たとえば端的に言えば国として相当な制裁措置をとりなさい、規制措置をとりなさいということを意味するでしょう。その点いかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 専門懇意見書におきましては、その具現化を図るため慎重に検討を行うべきであるということを申しておりまして、現在公共企業体等関係閣僚協議会のもとにおける基本問題会議におきましても、その具体的検討を行う予定で部会を設けております。ただ、実際にそれを具現化を図る等のためには、なお法制面、実務面その他におきまして検討をすべき事項が多々あるものともちろん考えております。
○青木薪次君 専門懇に書いておる内容について、まだ明確な答弁をされておられないようでありますけれども、時間の関係がありますから先へ進みますが、ストライキの結果について損害賠償制度の適用についての法理の検討が進められ、法制的仕組みを設けるなどということを本気で考えるとしたら、最も近い時期に歴史上の私は物笑いになると思っているんですけれども、事務局の責任者として、次長、どう考えますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) そのような御意見もあることは承知しております。承知しておりますが、先ほど来、専門懇意見書の趣旨を申し上げましたとおり、あの趣旨に沿ってともかくその具体的検討を進めてみるという線でただいま進めさせていただいております。
○青木薪次君 じゃ、先に進んでみまして、争議行為が行われたならば団体交渉権の一時停止、それから法人格の否認等を考えよということはどういうことですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) それは一つの例示と考えておりますが、専門懇意見書のあの表現の部分につきましては、およそあらゆる抑制措置というものを列挙した感じがございまして、そのような意味で団交権の一時停止、法人格の否認というふうなことにつきましてさらに具体的な表現なく、それだけで書いてございます。したがいまして、これらの問題につきましては慎重な検討を要するものと考えております。
○青木薪次君 あなたは慎重な検討を要するものということを言われたり、一つの例示にすぎないと言われたりするんですけれども、ここにちゃんと権威ある専門懇の意見書として、こう書いてあるわけですよ、活字になって。そのことについて単なる例示で済まされますか。私はその点については、これはやっぱり責任逃れの説明だとしか考えられないわけです。したがいまして、もし団体交渉権の一時停止や法人格の否認をするということは、私なりに考えますと、今日、毎日それぞれの公共企業体は合理化合理化で人が減らされて、どんどん新しい業務ができてもこれは人が埋まらないというような中で非常に苦しんでいるわけでありますが、むしろ、このことによって困るのはこれは使用者側であって労働組合じゃないと思うんです。だから、その点についてはどういうようにあなたはお考えになりますか。専門懇の関係ですからあなたにやはり聞いている。
○政府委員(伊豫田敏雄君) そういうふうな点を含めまして、いかなる影響があるかというふうな問題も含めまして、ただいま検討を進めるべきものと、このように考えております。
○青木薪次君 法人格を否認するということは、組合を解散するということと、あるいはまたアウトサイダーにするということ以外にはございませんね。その点いかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) アウトサイダーという意味は、ちょっと必ずしも私よくわかりかねますけれども、法人格の否認ということになれば、直ちには組合の解散につながるとは考えませんけれども、これ非常に重大な問題をいろいろ生じてくるであろうということは考えております。
○青木薪次君 法規課長にお伺いしたいんですがね、法人格を否認するということは、労働組合にとってアウトサイダーか組合解散かどっちかしかないと思うんですけれども、その点どう解釈したらいいでしょう。
○説明員(岡部晃三君) 法人格制度は、先生御承知のとおり民事上の言うなれば取引関係を明確化するという一つの考え方、システムでございます。労働組合につきましては、法人格が労組法上与える道が開かれておるわけでございますが、したがいまして、それはやはり基本的に法人格というのは、先ほど申し上げたような商行為上の便宜という観点に着目いたしまするというと、法人格が与えられなくなった場合に組合として組合名義の財産を持ち得ないとか、あるいは商行為ができないという不便を生ずるというのが、その場合の直接の法的効果であろうかと存じます。
○青木薪次君 いまの説明でわかりますように、私は有効に自分たちが第三者に対抗する権限、権能を有しないというようにもとれると思うんでありますけれども、その点、非常に重要な問題を扱っておられる事務局の責任者として、伊豫田次長どうお考えになりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 直ちには第三者に対してもその組合の権利を主張することができないとは考えておりません。それは法人格否認というふうなもし法律規定を入れるようなことがあれば、そのときに検討して定めるべき問題ではなかろうか、このように考えておりますし、また法人格否認というものを単独でここで必ずしも持ち出したわけではない。その場合には慎重な検討をして、その周辺の問題を整理して処置すべきものである、このように考えております。
○青木薪次君 ここに、おたくの書いた四十一ページにちゃんと書いてあるわけです。そのときにならなきゃわからないじゃ余りにも頼りないと思うんです。現に、公労協はこの春闘に向かっていろいろ争議行為をやっておりますわね。これは繰り返して行っているという範疇になりますか、入りますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 四十一ページの「繰り返し違法行為をあえてする労働組合については、」ということに該当するかどうかにつきましては、そこまでのことは具体的にまだこの四十一ページの段階では趣旨として申し上げてないのではなかろうか、「あえて」を私がどう考えるかということをここで申し上げるということは、むしろ専門懇意見書の有権的解釈を少し進め過ぎるのではなかろうかと私理解いたしておりまして、したがいまして、ただいまの段階ではこの点についてこれ以上の問題は基本問題会議で検討さしていただきたい、このように考えております。
○青木薪次君 九つの分科会に分かれてやられるそのことについて、特に柱としては経営の問題とか給与の問題とか損害賠償とかというように、大きく柱三つ立っているでしょう。その中の問題として「民事上の損害賠償制度の強化」、それから「刑事的訴追の実行」「労働組合の団体交渉権の一時的停止および法人格の否認」「賃金カットの実行と財源の凍結」「実損回復措置の再検討」、この五つに集約されるんでしょう、抑制措置については。どうなんですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 抑制措置につきましては、ただいまこれから損害賠償問題懇談会で検討していただくにつきましては、それ以外にも果たして問題があるかどうか、あるいは適当な抑制措置があるかどうか、またそれを行うことが適当かどうかということにつきましても、含めて検討していただくつもりでございます。
○青木薪次君 あなたの言うことは答弁になっていないと思うんですよ。こんな重大な問題について専門懇の意見書を尊重して、それを中心としてこの今回の基本問題会議に出すというんだから、私は聞いているんですよ。したがって、労働の基本権に関する問題でありますからね。 さらに一つお聞きしますけれども、争議が起こったら賃金カットを確実に行い、しかも公表し、支出削減に対応する財源の凍結を行う必要があるとは一体どういうことなんですか、これは。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 賃金カットを確実に行い公表しというところまでは、特にお答え申し上げる問題ではないかと考えておりますが、支出削減に対応する財源凍結とは、この問題につきましては、先生がいまごらんになっていらっしゃるとおり、ここまでしか書いてございませんけれども、この意味しておりますところは、やはり賃金につきましては給与総額主義というもので一応予算総則上アッパーリミットが決められております。その範囲内で物事を考える場合においては、賃金カットを確実に行って、その行った金額は給与総額から引くというふうなことを考えているものと了解しております。
○青木薪次君 これを「公表する」と、公表するというのは世間一般に知らせるということですよ。本人だけじゃないんですね。それから「支出削減に対応する財源の凍結を行う必要がある。」ということは、兵糧攻めにするということですよ。あなたかっこういいことを言っているけれどもね、兵糧攻めにするということを意味しているわけです。だから、そういうような意地悪な専門懇の意見書というものを尊重するというところに問題があると思います。 次の質問に移りますけれども、「実損回復措置の再検討」の中で、処分に対する昇給延伸の措置に関して実損回復を行えとILOは指摘しているわけです。使用者の厳正な措置で実損回復をやめろとしているけれども、これは権威あるILOの勧告に背くつもりなのかどうなのか、この点についてはいかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 私の承知しておる限りにおきましては、実損回復をやめろということがILOの勧告に背くというふうな性格のものではないと考えております。
○青木薪次君 たとえば処分された、昇給の停止をされた、これはいわゆるそれがずっと将来までたたるわけでしょう。そのことは、これは過酷な制裁だとしているんですよ。この点について、あなたはちょっとILOの勧告ということについて御理解いただけないと思うんですけれども、それについてはどう理解をされておられますか。これは大臣にお聞きした方がいいと思いますけれども。
○政府委員(関英夫君) 恐れ入ります、事務的にまず答弁さしていただきたいと思うんですが、ILOの勧告と、この意見書でございますが、この意見書を読みますと、「繰り返し実行している者に対しても安易に行われている」というような表現もございます。どういう論議が行われてこういう意見書になったか、私詳細に存じませんが、ILOで言っていることに全く相反して意見を出そうということで出したのかどうか、こういった文言を見ます場合に、繰り返し実行している場合に対して安易に行ってはならないというようなところを見ますと、必ずしも反するということにもならぬではないかというふうに私個人は考えるわけでございます。
○青木薪次君 関審議官にILOの勧告に違反してこの専門懇の意見書が出されたなんということを言えというのは無理かもしれないし、また言うわけにもいかないと思いますけれども、じゃ繰り返し行って安易にこの救済措置を講ずるということは一体どういうことですか。いままでやったことは安易にやっているんですか。じゃ、あなた言ってください。
○政府委員(関英夫君) 専門懇の論議の中で、従来のそういった実例が詳しく検討され、そしてどこまで検討されて出たか、私わかりませんが、先ほど申し上げましたように、この最後の文章、これだけで見ますと、必ずしも相反すると言い切れるものではないかと思います。
○青木薪次君 私の申し上げたいのは、これは労使関係というものは相互不信感を除去して、そうしてその正常化のために進んでお互いに努力し合う、そうしてそのことが労働関係法や刑法や、それらによって規制するということではないという、基本的考え方がないということを私は言っているんですよ。この点については大臣いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 私は労使関係だけじゃなく、人間の関係というものはやっぱり基礎は相互の信頼だと思うんです。それからもう一つは、法治国家の中で生活をする以上は、法制度の改正を要求する立場というものは、法律を守るということが前提の立場でなきゃならぬと、こう思います。人間関係というものを法律だけで縛って、それで完全にできるというわけでなくて、やはり相互の信頼関係を確立するために、お互いができるだけ話し合いの場を求めていくということが、あわせて行わなきゃならない。 それからもう一つは、法改正を要求する立場、法改正がされることを希望する立場というのが、気に入らないものは守らないというのではなくして、法制という、法治国家においては法律を守るということが前提であろう、こう考えます。
○青木薪次君 いまの大臣のおっしゃったことについては、私は一般的意味において理解できます。この点について、特に私は国鉄と郵政は、いままでマル生とか何とか言って非常に職場が混乱した。その反省の上に立って今日労使の関係が非常に順調なスムーズなものになってきているということは認めますけれども、私は電電公社も大分合理化をやりました。むしろ、その合理化というよりも機械化、近代化の政策だと思うんでありまするけれども、この中で使用者側が組合の組織に手をつけないというような点等については、相当労使間の一番基本的な問題についての理解が私はあったと考えているわけであります。いま私の申し上げました労使関係というものは、相互不信感を除去するための一つの努力の集積の中にこそ初めてあるという点について、国鉄と電電と郵政の当局の考え方を聞きたいと思います。
○説明員(橘高弘昌君) 御指摘のとおり、最も大事なことだと思っております。
○説明員(山本正司君) 電電公社におきましても、相次ぐ合理化施策を実施するために、やはり何といっても労使の信頼関係が一番大事だ、こういった観点に立って、いろいろな経緯はございましたけれども、そういう信頼関係を基本とした近代的労使関係の確立に、労使双方努力してまいったというふうに考えております。
○政府委員(浅尾宏君) 先生おっしゃいますように、労使関係を正常化していくということのためには、仰せのとおりだと考えます。
○青木薪次君 伊豫田次長、私はあなたにまだ聞きたいのです。たくさん聞きたいのです。この専門懇の意見書を、これは見れば見るほど現実に即さない、まことに感情をあらわにした攻撃的な、労働組合を治安立法の対象にするかのごとき意見書であることは、あなたも私はここでそうだと言うわけにいかないけれども、お気づきのことだと思うのです。その点について、これから閣僚協議会並びに基本問題会議の中でやはりその運行をしていく責任者として、今後の決意をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいまの先生のおっしゃいました御意見につきましては、御意見といたしまして十分承り、この点について検討の問題の中に含め、十分検討さしていただきたいと考えております。
○青木薪次君 そこで、先ほどあなたが申された争議権は団体交渉を補完するものであって補助的機能である。それから、争議権が認められた場合には団体交渉の機能がその底辺に十分働いているということが必要であるというように言っておりまするけれども、その点はまさに私も賛成です。そうして、また、経営者側にもそれに見合う当事者能力が実質的に付与されていることが必要である。当事者能力とは経営形体の問題だと考えているのかどうなのか、その点についてお聞きしたいと思う。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 当事者能力と経営形体の結びつきにつきましては、いろいろな考え方があると思います。ただ、私は相互に関連をしているものを、どちらのサイドから見るかというふうな問題に若干近いのでありまして、経営形体を全く考慮することなく当事者能力だけ単独に考えましても、非常に著しい当事者能力についての変更があった場合には、おのずから経営形体もまた変わってくるのではなかろうか、このような性格のものではないか、このように当事者能力を考えております。
○青木薪次君 そういたしますと、スト権というものは経営形体の問題を離れて議論できないというようにお考えになっておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 経営形体と密接に関連するものであろうと考えております。
○青木薪次君 密接に関連するということは、関連するけれども、経営形体の問題、スト権の問題というものは、これはセットになったものだ、単なる関連じゃないというように考えているのかということを私は言っている。その点いかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) お言葉を返すようですが、先ほど私が申し上げましたように、スト権について検討を進めていく段階におきまして、当事者能力という問題が出てくる、その当事者能力という問題は経営形体を離れては考えにくい問題だ、こういう意味でスト権と経営形体との関連を考えております。したがいまして、経営形体に至らない段階において、当事者能力の変更というものはどこまで可能かということも、また別途に考えているわけでございまして、そういう問題を全般に含めますと、セットと申しますよりは相互に密接に関連する、このように考えております。
○青木薪次君 大臣にお伺いいたしたいと思いますけれども、いま公共企業体は当事者能力を持っているとお思いになりますか。持っていても局限されたものだとお考えになっておりますか。また、当事者能力はないと考えておられますか。その点いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 政府の予算編成権、国会の予算審議権、そういうものとの関連において当事者能力の制限を受けていると、こう考えております。
○青木薪次君 いま、ストライキ権を与えられたときに、現行の体制でこれを有効に活用できると、現状において活用できるというように思っておられますか、どうですか。
○国務大臣(石田博英君) 大変うまいこと引っ張り出されそうなんで、油断ができないところでありますが、(笑声)私は、その当事者能力のというか、団体交渉等において決定される内容によっては、審議権、編成権との絡みがやっぱり出てくると、こう考えております。
○青木薪次君 当事者能力とは、給与上の決定権というものはありますね。これはいま大臣のおっしゃったように、給与総額との関連も出てくるというように思うのでありまするけれども、労働協約の締結権というようなものについては、いまの公社においてはこれは有効に働いていると思うのでありますけれども、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(石田博英君) その労働協約の内容ですけれども、労働協約から給与の問題を外してしまえば、これは半分以上、何といいますか、労働協約としての役割りを果たさないわけで、給与の問題を労働協約からは外せないと思うんです。そうなってくると、それについて決定される内容が、いま青木さん御自分でおっしゃったような関連を持ってくると、こう考えます。
○青木薪次君 これも一昨年の専門懇の意見書で、賃金決定上三公社五現業は当事者能力を持たないと指摘したんであります。これは国民の代表である国会が給与総額を含めた予算の決定をするから、労使の当事者で能力を持たないということなのかどうなのかという点については、私たちも実はまだ解答を得られないでいるわけであります。この財政法第三条の特例法ですか、この関係も実はあるわけでありまするけれども、その他の関係で能力、実能力の関係も出てくると思うのでありますけれども、運賃法定主義の立場から自主的に財政的裏づけができないから、その点について自主的能力が局限されたものだ、半減されたものだというように解釈されておられるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) それも一つの要素でありますが、基本的にはしかし国会の予算審議権、政府の予算編成権だと思います。
○青木薪次君 国鉄と電電の当局にお伺いしたいと思いますけれども、現在、当事者能力が現状であるとお思いになっておられますか、どういうように考えておられますか。
○説明員(橘高弘昌君) 物事によって違うと思うのでございます。たとえば給与総額内で処理できるものであれば、それらのものにつきましては団体交渉でいろいろ交渉の結果、これを協定、協約にまとめておりますし、ただ、ベースアップのように、非常に巨額の原資を要するもの、それをすることによって給与総額を超えることが明白なものについては、これは先ほど来労働大臣から説明いただいておりますように、国会審議権、財政の問題との絡みが出てきて、おのずからそこに当事者能力が制約されるということに相なろうかと存じます。
○説明員(山本正司君) 電電公社においても、ただいま国鉄から答弁がございましたのと同様でございます。
○青木薪次君 私はその扱い方に実はあると思います。当事者能力はいまの公共企業体の当局に私は存在すると。それはやはりこの国会や行政府の対応の仕方、労働問題をどう見るかということによっての対応にもよってくると思うのでありますが、厳密に言うならば、やはりこの給与総額制というものについて、これを勝手に当事者の一方が変更してはいけないというようなことを言った場合においては、相当これは異なってくると思うのでありまするけれども、この問題はこれからやはり議論されていくと思いますので、今度は伊豫田次長に再度質問いたしたいと思います。 この三公社五現業のほかに、公庫、公団、事業団というのがあるんですね。これらの点についてもやはりこの専門懇は、またこれは冒頭に近い方だと思ったんでありまするが、真ん中辺に読んでまいりますると、これもストライキ権を禁止するような、制限するようなことを言っているんですね。だから、あっちへ当たったりこっちへ当たったり、破れほうだいに、子供が刀を持って大人に襲いかかるように、危なくてしようがないというように思うのでありまするけれども、これをまた参考にするといって参考にする基本問題会議も困ったものだと思っておりまするけれども、いずれにいたしましても、参考にすると言って参考にしなけりゃいい問題ですけれども、この点についてはどうお考えになっておられますかね、専門懇の意見書に出ておりますけれどもね。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 専門懇意見書の「三公社五現業等の事業の性格」というところの一番おしまいの十六ページに、なお書きでただいま生生の御質問の問題が出ております。この点につきましては、ただいま私の方は、公共企業等の経営のあり方、当事者能力という、公共企業体等に内容をしぼりまして検討をしております。したがいまして、このなお書きは、いわば「具体的提言」のところでなく、前段の方にいわば付言されたものと、このように解しております。
○青木薪次君 専門懇の意見書としては、ちょっとその権限を逸脱した書き方をしているというようにお思いになりませんか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 専門懇に対しまして、具体的にこれこれの範囲内で答申をとか、意見書をとかというふうなお願いをしていないと思いますので、三公五現の関係を浮き立たせる意味においてなお書きで触れたものと、このように解しております。
○青木薪次君 三公五現の問題を議論していくときに、参考にしろ何にしろ、こういうことになっているということを平面的に書くならこれはわかるんです。ところが、現にストライキ権のあるものについて、これを制限した方がいいなんというようなことを書くということについて、私は越権行為じゃないかというように考えているんですけれども、これを取り扱われる皆さんどう考えているかということを聞いているんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) たしか昨年の暮れかと思いますが、国会におきまして、当時の専門懇の会長をしておられました小野吉郎さんが、この点について御発言をされておりますようでございますが、決して労働基本権を奪えということを提言しているわけではないと、そういう趣旨ではないということを言っておられます。従いまして、書いた方がそう言っておられるのでありまするから、私もそのように解して、いわばこれは付言であると、このように解さしていただいて、今後の問題の処理を考えてまいりたいと、このように考えております。
○青木薪次君 国鉄当局にお伺いしたいと思いますけれども、国鉄を民営にすることについて、いま経営問題に対するこの分科会で議論をいたしていると思うんでありますけれども、国鉄を民営にする可能性があるとするならばどういう点がございますか。
○説明員(橘高弘昌君) この経営形態の問題につきましても、基本問題会議でただいま御協議を願っておるわけでございますので、私の方からとやかく申し上げる事柄ではないと思うのでございますが、ただ感想的なことを申し上げますと、鉄道輸送というのは、御存じのように非常に複雑多岐な専門的な分野が有機的に連携を保って、初めて毎日毎日の列車がダイヤどおりに動くという仕組みになっております。北海道から南は九州まで一本の列車を動かしておるわけでございますので、輸送機能の維持ということはきわめて大事であろうと思います。仮に民営ということになりました場合には、輸送をどうするかという問題でいろいろと検討を要する問題も多かろうかと存じます。この問題につきましては、いずれまた基本問題会議等で御下問があれば、そのときにいろいろと検討の結果をお話しするチャンスもあろうかと存じます。
○青木薪次君 民営にすると運営に困難を来すという数々の点がございます。それらの点については、当局としてはどういうようにその点をお考えになっておられますか。
○説明員(橘高弘昌君) 御指摘のとおり、民営ということになりました場合には、どういう形でやられるかによってその対応の仕方もずいぶんと変わってこようかと思いますので、たとえば、一本でやるのか、分割するのか、あるいは分割する場合に何分割するかと、いろいろなケースが考えられますので、それらについて抽象的に申し上げられますのは、先ほど申しました鉄道輸送の特殊性をどう配慮してもらえるかということでございまして、具体的にこういう場合はこう、こういう場合はこうということまではまだまだ検討いたしておりません。
○青木薪次君 橘高常務は非常に遠慮して物をしゃべっておられるのでありますが、私はこの問題のときに、七十七国会だと思ったんでありまするけれども、前の藤井総裁に質問いたしました。そのときに、北海道とたとえば内地の関係、特に東京周辺なんかの関係等については運賃が違ってくるじゃないか。それから、地方交通線と幹線を結ぶ関係に対するネットワークをどうするのか。あるいはまた指令系統はどうするか。あるいはまたCTCを設置した場合におけるその形態はどうなるのかというような点等について、全く今日見当がつかぬ、相当な大混乱が予想されるというように私は前藤井総裁から聞いたわけであります。私もその点はよく理解できるわけでありますけれども、この点についてはどう考えておりますか。
○説明員(橘高弘昌君) 私が輸送上と申し上げましたのは、その一つの要素でございますし、それからまた前提条件として運賃をどうするのか、あるいは関連事業をどうするのか、全く無制約に民営が許されるものかどうか等々、いろいろと前提条件として解決しなければならない問題がある。そういう意味において、なかなか簡単にはお答えできないということを申しておるのでございます。
○青木薪次君 電電公社の総裁は、いまの民営に移管するということついての可能性がいまの電電公社の組織上、業務上あり得ると思いますか。
○説明員(秋草篤二君) 現時点ではそうした要素は何も感じられませんので、経営形態を変更するという理由も私どもには発見できません。
○青木薪次君 しかしながら、この基本問題会議の中におきまして、総裁の意思とはかかわりなくその問題の審議が進められていることについては御存じですか。
○説明員(秋草篤二君) 存じております。
○青木薪次君 民営に移管した場合においては、国鉄のそれとはさらにある意味では比べものにならないくらい弊害が生ずると思うのでありまするけれども、その弊害と思われるような点についてちょっと説明してください。
○説明員(秋草篤二君) 民営化の場合の弊害とおっしゃられますけれども、弊害というか短所というか、私は民営にするということならば、国民がもっと電信電話事業を利用する場合により便利である、あるいは料金がもっと安くなる、あるいは長持ちするとか、そういうメリットが国民に対しては一番大きなメリットであります。そういう観点から民営というものが論ぜられるならば、これは傾聴に値するというふうに思うのでありますが、その答申は何回も拝見しましたけれども、何か労働問題のスト権を与えるならば、やっぱり民営の方にいくよりほかないというような書き方になっておりますから、どうもその点私どもからすれば、もちろん労働問題も大事でございますけれども、もっと大事なことは国民のサービスというものがより便利であり、もっと安いものであるというメリットが堂々と立証できるならば、これは耳を傾けなければならぬ、われわれも検討しなければならぬ問題だと思います。民営になれば、当然税金もかかりましょうし、相当な競争というむだも出てきます。もちろん一社独占の競争というまた規制もあると思いますけれども、もし自由な民営を、アメリカのようなことをするならば、相当やっぱり競争によるメリットとデメリットというものも考えなければならない。そういうこともいろいろ考えて、やはり労働問題から企業形態をどうする、ああするということはちょっと角度が強過ぎるのではないかという感じを持っております。
○青木薪次君 大臣、いま国鉄と電電公社の、代表される公共企業体の責任者からお聞きになったとおりであります。スト権を与えるかわりには、これは当事者能力を持たなければいけないという議論のほかに、労働問題以外に国民に対するサービスと、それから廉価でそれが機関を利用できるというようなことと、これが社会的、経済的に発展をそのことによってなし得ることができる、といったような、ある意味で国民経済的な視野に立ってこの問題を考えなければならぬと思うんでありまするけれども、大臣はいかに考えますか。
○国務大臣(石田博英君) 労働問題を処理することだけで経営形態の変更にすぐ結びつくという考え方は、私は簡単にすぎると思うんです。民営にする場合あるいは国営でやっている場合の、いま秋草総裁のお話しのようにメリットとデメリットを検討する。どうすれば国民により多くの利便を与えることができるか、どちらがいいか、そういう点、あるいはまたその中でいわゆる民営的な発想、民営的な要素というようなものを取り入れるというような工夫も必要かとも思いますが、労働問題だけで経営形態へ結びつくというのは私は短絡過ぎると、こう思います。
○青木薪次君 伊豫田次長ね、二十一ページに「経営形態の見直しの必要性と争議権」という真ん中の辺に、「第三次公制審の答申も、「三公社五現業等の労働関係については、……その経営形態のあり方をも含めて、広く検討すべき問題を含んでいる。」と指摘している。」と書いてある。これはこのことがあるがために、いま経営形態の問題に対する分科会が六つ開かれているんですね。この点については、両公共企業体の責任者と、いま大臣の説明があったわけでありますけれども、あなたは、その事務局の責任者として、どうお考えになっておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 経営形態問題を検討いたします場合の視点といたしましては、まず第一に国民のため、あるいは国民経済のため、国民経済的に見て何が一番有利であろうかという点からまず検討をし、もちろんあわせて、その後におきまして、労働関係の問題を入れてさらに検討する、このような方向で現在の検討が進められております。私としても、その方向でよろしいのではないか、このように考えております。
○青木薪次君 そういたしますと、労働問題だけで経営形態は考えられない。しからば、そのことに対する議論は、いま分科会においてどのような形で議論が進められておりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいままでのところは、主として、先ほど申し上げましたように現一状についてのヒヤリングでございますが、その現状を説明していただく場合におきましても、その根底には、やはり経営形態を決めるのは、たとえば鉄道がとまったらどうか、あるいは電信電話がとまったらどうか、そういう停廃を許さないという公共性の問題、あるいは効率の面で国営がよろしいのか、民営がよろしいのかというふうな問題、あるいはさらには現在国有あるいは国営でいっておるが、そこでいつも気をつけなければならないことは何か、こういう面から検討を進めております。したがいまして、ただいま青木委員の言われたような線で、あるいは大臣の言われましたような線で、現在の検討が進められているものと、このように考えております。
○青木薪次君 そういたしますと、単に労使の立場だけではなくて、国民の立場に立って、そうして総合的に三公社五現業等の個々のあるべき姿というものを見て、その性格とか、経営の形態とか、国の関与のあり方というものについて、広く全般的に検討していくということでよろしゅうございますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) そのとおりでございます。
○青木薪次君 そういたしますと、範囲が店を余り開きすぎちゃったんです。そうすると、その中で特にストライキ権の問題についてだけ、これだけ一本持出して出さなければ、恐らくこの二、三年には片がつかないんじゃないか、政治上、経済情勢も相当変わってきておりますからね。その点について大体いつごろ決着をするように考えておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 青木委員のただいま言われましたように、非常に間口が広くなっております。したがいまして、これの収束をつけるのはなかなか大変であり、委員の皆さん方に精力的な御審議を願わなければならないということで、現在までその線で一生懸命審議を進めております。その中の座長会議の代表をされております中山伊知郎先生の御発言によりますと、審議を開始してからおおむね二年ということを一つの目途として現在努力を続けている、審議を進めていると、このようなことと考えております。
○青木薪次君 これは、やはり先進諸外国との事例においても、やはりその参考とすべき点が大いにあると思いますけれども、ヨーロッパ諸国、特にイギリス、フランス、西ドイツ等においてはどういうような労使慣行になっておられますか。 〔主査退席、副主面着席〕 あるいはまた争議権の問題については付与されているかいないか、簡単に説明してください。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 外国の争議権のあり方の問題につきましては、いろいろ細かい問題がございまして、私詳しくここで全部、ただいま手元に資料もございませんし、申し上げきれないと思いますが、大要を申し上げますと、イギリス及びフランスにおきましては一般的に争議権が認められている。それに対しまして西ドイツにおきましては、いわばたとえば鉄道の中におきましても管理運営にあずかるような者、あるいはいわば非現業の事務に近いような者につきましては争議権が認められていないが、その他の者については認められている。アメリカにおきましては、一般的に申し上げれば全般的に禁止されていると、このように承知しております。
○青木薪次君 ILOの関係と、この日本における争議権の付与との現状等に対応する相互の連携の関係というものは、今日持たれていると思うんでありますけれども、いまILOの関係との連絡はございますか。
○説明員(岡部晃三君) ILOの場で、どのような公共部門の労働基本権問題が扱われておるかという点につきましては、先生御高承のとおり、第一次の公務合同委員会、それから第二次公務合同委員会、それからさらに公務技術会議というふうな場で論議が行われまして、それが本年六月のILO総会におきまして正式に総会議題として、公務員の勤務条件に関する手続事項という議題で、条約あるいは勧告の採択の可否ということも含めまして議論が行われると、こういうふうな状況でございます。
○青木薪次君 いまお話になりましたように、国際労働機構の考え方と日本の労使関係、労働事情というものについては、これはいまの日本の経済が国際経済を抜きにしてやられないと同じように、その労働の基準その他についても、やはり国際連帯の中で行われていかなきゃならぬ性格を私は必然的に持ったものだというように実は考えているわけでありますが、そういう方向でひとつ大きく視野を広めて、かりそめにも専門懇の意見書の各くだりに見られるように、また皆さんがいろいろなことについて例を出していけば、それこそ政府当局でさえ、笑いが表面に浮かび上がってくるような荒唐無稽な専門懇の意見書というものについて、私は取捨選択する努力を当然基本問題会議においては行うべきであると思いますけれども、その点についてはいかがお考えになりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 基本問題会議における検討を行う場合につきましては、ただいま青木先生のおっしゃいましたように、できるだけ広くILO関係あるいは諸外国における公営企業、公共企業等の運営の実情というものを踏まえまして検討を続けさしていただきたいと、このように考えております。
○青木薪次君 いまストライキ権のある民間産業は、ストライキに対してもちろん処分はないわけです。しかしながら、ストライキ権のある民間の方が概して私は労使関係が安定していると思うのです。それはなぜか。たとえば国鉄、全逓、電通、専売やアルコールやその他公労協の関係等について、やむにやまれぬ形でストライキを行った場合に、直ちにそれが処分につながっている。処分をされた場合に、今度はそれに対して処分反対のストライキが行われるというような、いわゆるスト、処分、ストといったような悪循環を断ち切るという点が、これが労使正常化への大きな一歩をしるすことになると考えているわけであります。だから、その点について議論がなされているのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊豫田敏雄君) もちろん、現在の労働情勢あるいは労使のあり方の実情というものについては、十分なヒヤリングを行っております。
○青木薪次君 国鉄当局にお伺いしたいと思いますが、公労法施行以来今日まで、解雇を含む処分者数について報告してください。
○説明員(橘高弘昌君) 公労法施行以後、昭和二十四年以降の懲戒処分者の数は合計で十七万三百六十一名でございまして、これは先生御案内のとおり戒告以上の処分者数でございます。そのうち・解雇免職者の数は、先般行いました三名を入れまして、七百三十五名に及んでおります。
○青木薪次君 電電公社はいかがでしょうか。
○説明員(浅原巌人君) 電電公社におきまして、処分を始めましたのが昭和三十一年からでございますが、その間の懲戒処分並びに訓告処分を合わせまして三十五万六千名に及んでおります。
○青木薪次君 全逓の関係はどうでしょうか。
○政府委員(浅尾宏君) 昭和二十八年公労法が適用されましてから今日まで、解雇者が七十三名でございます。
○青木薪次君 先ほど申し上げましたように、今日の厳しい情勢下、何としてもこの問題に対してひとつ英知を結集してストライキ権の回復という問題について英断をふるっていただきたい。これは行政側の、あるいはまた使用者側の意思というものも相当やはり反映されるわけであります。むしろ、このスト権をなくしておいて、そうして筋が通ろうが通るまいが、ストはいけない、ストはいけない、直ちに処分するという警告だけで、あるいはまた処分やあるいはまたあらゆる処罰の中で、この労使関係というものは決して安定しないというように私は考えているわけであります。 旅人と太陽ということを私はよく思い出すのでありますけれども、マントをしっかり着て放さない人に対して、マントをどうしても脱げということを言うのだったら、これは厳しい風や雪を当てるのじゃなくて、逆に暖かい太陽を当ててやることが、私はそのマントを脱いでいくということにつながると思うのです。 そういう点から、やはりこの辺で、労使関係の正常化という意味においてストライキ権を与えたからそのあしたから、先ほどの話のように、電話や国鉄がとまってしまうのじゃないかなんということを言わないで、逆な意味で、ストライキというものがだんだんなくなっていくものだ、伝家の宝刀というものは、これは抜かずして切れるというものが本当の伝家の宝刀だということを考えて、いつも抜いておればさびてしまうということをよくひとつ理解をされて、そうしてこの問題に対して公正な英断をふるうように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○塩出啓典君 それでは、労働大臣はちょっと所用でいらっしゃいませんが、どなたにお尋ねすればいいのですかね、これは。 家内労働の問題についてお尋ねしたいと思いますが、全国の家内労働者を保護するために家内労働法が昭和四十五年に制定をされ、六年を経過しておるわけであります。そこで、この家内労働というのは、一般的には自宅または自宅に付随する仕事場で仕事をし、自分一人かあるいは家族が手伝い、仕事の内容は問屋や製造業者から委託を受けた下請加工である。一般的にはいま述べたことが家内労働法の対象となる家内労働者であると、このように判断をしていいのかどうか、簡単に御答弁ください。
○政府委員(桑原敬一君) ただいま先生のお話しのように私どもも理解をしております。
○塩出啓典君 そこで、わが国の家内労働者の数、それから作業形態別に見た場合どうなるのか。また、委託者、仲介者の数など、家内労働の現状について、もし掌握しておれば御説明を願いたいと思います。
○政府委員(桑原敬一君) 昭和五十一年十月末現在で家内労働者の数は約百五十万人、こういうおうに推定をいたしております。なお、このほかに補助者として十二万程度おられるというふうに推定をいたしております。それから、家内労働者も専業の方と、それから副業的にやられる方と二つに分けられると思いますけれども、専業的な家内労働者は約十二万人、主にこういう方は男子の世帯主でございまして、金属洋食器研摩とか、あるいは玩具のプレス加工などに従事しておる者が、専業的な方が多うございまして、約十二万人でございます。それから、内職的な家内労働者、これは主として家庭の主婦がメリヤスかがりとか衣服縫製などに従事している方でございますが、これは非常に多うございまして百三十六万人。それから、副業的家内労働者という定義で私ども言っておりますが、農業の余暇等に竹細工等の内職をやっておる方が約三万人、こういうふうに見ております。それから、家内労働者の委託者の数でございますけれども、これも昭和五十一年十月末現在で十万二千人、委託者というのも私ども二つぐらいに類型を見ておりますが、一つは製造または販売業を兼ねて委託者になっている方が約九万三千人、それから請負的な仲介人というような形で委託者になっておる方が約九千人、それから委託者の代理人というような形の方が約九千人、こういうふうな実態になっています。
○塩出啓典君 そこで、家内労働法はいろいろ欠陥なり問題点があるとは思いますが、家内労働者にとっては憲法とも言うべき法律であると思います。しかし、家内労働者の多くは、こういう法律があるということを知らない。五十年三月東京都がまとめた家内労働の実情によりますと、家内労働法の存在を知っている家内労働者は五人に一人の割合である、このように報告をしておるわけでありますが、労働省としてはどのように認識をしておるのか、お伺いいたします。
○政府委員(桑原敬一君) 私どもいまお話しのように、家内労働者の基本的な法律でございます家内労働法が十分周知されてないということにつきましては、私どもも否定できないのではないか、こういうふうに思っています。私どもといたしましては、できるだけこの啓蒙普及につきましては努力をいたしておりますけれども、いまお話しのように、データは必ずしも持っておりませんけれども、十分周知をされてないということは事実だと思います。
○塩出啓典君 やはり家内労働者によく徹底をさしていくことは、私は労働省の一つの務めではないかと思います。この予算書もずっと見さしていただきましたら、三十八ページですか、一項目一行だけ家内労働と入っておりました。ちょっと私は百七十万もおれば、立ちおくれた分野の労働条件の改善とその中に一行だけ家内労働対策の推進ということで、まあ百七十万もいるにしてはちょっと一行ではさびしいな、こういう感じがするわけでありますが、まずこれを周知徹底をしていくということが大事だと思いますが、一年間に家内労働月間ですか、そういうものを持たれているようでありますが、いままでと同じようなやり方ではなしに、さらに徹底をしていくようにやるべきだと思いますが、どういう点を考えておるのか、お伺いをします。
○政府委員(桑原敬一君) 特に周知につきましては、私どももこれから最大の努力をしてまいりたいと思いますし、予算につきましても、お話しのように五十二年度につきましては一六%増の予算を計上いたしておりまして、こういった予算をもとにいたしましてその周知の徹底を図ってまいりたいと思います。それで、私ども五月の近く旬間を迎えますけれども、やはり何と申しましても周知の手段といたしましては、リーフレットあるいはポスターというようなものを積極的に配ってまいりたい。それから特に、安全衛生の関係の危険な家内労働産地等につきましては、最重点にこういった啓蒙活動をしてまいりたい。結局、私どもといたしましては、この啓蒙の中心にはいま申し上げました安全衛生関係あるいは手帳の普及というようなものを最大眼目に置いて、家内労働者の保護のために法律があるのだということを十分御認識いただくような周知徹底を、地方の労働基準局あるいは監督署それからまた地方公共団体を通じて積極的な広報展開をやってまいりたい、こういうふうに考えます。
○塩出啓典君 この家内労働法の第一条には、「この法律は、工賃の最低額、安全及び衛生その他」「家内労働者の労働条件の向上を図り、もって家内労働者の生活の安定に資することを目的とする。」と、このように目的としては非常にりっぱな目的があるわけでありますが、ところが、これは労働基準局は「婦人と年少者」という雑誌、一九七六年の冬季号に載せたのを見ますと、大体指導監督実施件数三千九百九十二件のうち違反件数が三千五十五件と、実に七六・五%がこの法律に違反をしておる、こういうデータであります。その主なるものの中では、先ほど局長の言われました家内労働手帳というものが交付されていない、こういうような例が非常に多いわけでありますが、こういう実態は一体どうなのか。余りにもちょっと違反件数も多いし、手帳も持っていない人も多いし、そういう点、労働行政が非常に不徹底である、こう言わざるを得ないわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(桑原敬一君) 御指摘のように非常に違反率が高うございます。ただ四十六年、施行の翌年でございますけれども、違反率が九〇・三%、それが五十一年におきましては七六・五%ということで、違反率は法の周知徹底の結果やや改善を見てきているように思うわけでございます。私どもといたしましては、家内労働旬間を中心にいたしまして産地、そういったところを最重点に監督しておりまして、こういう高い違反率は遺憾でございますけれども、そういった私どもの監督の結果でもあろうかと思います。で、こういった違反につきましては、即時改善を指導いたしておるようなわけでございます。
○塩出啓典君 まず、やはり家内労働手帳というものをこれが第三条にあるわけでありますが、「委託者は、委託をするにあたっては、家内労働者に対し、労働省令で定めるところにより、家内労働手帳を交付しなければならない。」、この手帳の存在意義は、業務の内容、工賃の単価あるいは工賃の支払い期日など、重要な事項を文書で契約をしてトラブルを防止させるところにあるわけであります。さらに委託者が支払い不能とか倒産に追い込まれたときには、労働債権を請求する有力な証拠にもなるわけでありまして、この家内労働手帳を徹底していくということが、私は家内労働法の周知徹底にもなっていくんじゃないかと思うわけでありますが、この家内労働手帳の普及状況というのはどの程度であるのか、私の聞いている範囲ではだんだん低下をしているんじゃないかと思うのでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(桑原敬一君) お話しのように、この家内労働手帳がやはり保護の一番基本になるものだというふうに考えております。そういった意味で、私どもの周知徹底の一番大きな柱にいたしておりますが、お話しのようにまだ完全な交付率になっておりません。ただ、だんだん改善は見てきております。四十六年の交付率を見てまいりますと四〇・七%、五十一年は六四・七%、余りまだ十分ではないというふうに考えておりますが、お話しのように手帳というのはやはり契約条件の明確化、特にトラブルがありましたときに非常に有効な機能を果たすわけでございますので、ぜひこれの普及に努力をいたしてまいりたいと思います。実は、五十一年の二月にこの問題非常に家内労働審議会で議論になりまして、何とか普及の方法はないだろうかということでいろいろと御議論をいただきまして、その報告を二月にいただいております。その報告の趣旨に乗って私どもは今後大いに普及をしてまいりたいと思いますが、その論点は、一つはやっぱり委託者団体にそういった交付についての理解を求めると同時に、家内労働手帳の一括印刷というようなことを要請をして、ばらばらにもらいに来たときにやるということではなくて、一括して印刷して渡すというようなことをやれというような御指示でございますし、それからまた、こういった手帳に対するいろいろなメリットについても、地方公共団体と十分話し合って、そういった指導をしながら家内労働者が喜んでこの手帳をもらうような、何と申しますか、裏づけと申しますか、そういったものを考えるというようなことで御指摘ございましたので、この線に沿っていま地方を通じて指導いたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 ただいま六五%ですか、六五%手帳が交付されておると。しかし、それは交付されているけれども内容がきちっと書かれていない、こういうのも非常に多いわけでありますが、こういう細かいことは別といたしまして、いまの六五%というのは、先ほど家内労働者にも専業的なのといわゆる内職的なのがあるというお話でありましたが、これは専業的なのがそういうパーセントであって、内職の方なんかはほとんど交付されてないんじゃないか、この点はどうなんですか。六五%というのは内職も含めたパーセントですか。
○政府委員(桑原敬一君) 百五十万もおりますので、そう悉皆的な調査ではございませんので、正確な数字じゃありませんけれども、委託者を通じて調べた調査でございますので、どうしても先生おっしゃるように専業的な者を中心にした把握率になると思いますので、結果的にはそういうような事情にあろうかと思います。
○塩出啓典君 この手帳を交付していないのがいわゆる三五・三%、交付している中でも委託状況等を記入していない、法定の委託状況を記入していない、こういうようなのが二〇・六%ですから、それを両方合わせて計算しますと半分くらいしかきしっとしたものは守っていない、こういう現状でございますので、その点についてはさらに周知を徹底してもらいたいと思います。 そこで、委託者の方としても家内労働手帳というものは知っていてもなかなかそのことを口に出して言わない、また家内労働者の方もそういうようなことを言いますと、そんなこと言うのだったらほかのところへ仕事を頼むぞ、こういうようなことがあるようであります、どうしても力関係でございますので。したがって、どうしてもこうしたような問題については行政が介入をして、非常に数の多い問題ではございますけれども、ときどきは抜き打ち調査をするなり、ただ委託者だけからの報告というのでは非常に不十分でもあると思いますし、こういう点にひとつ力を入れてやっていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 それから次に、重要な問題は、労働条件の一つである工賃の問題でありますが、家内労働法の第八条には最低工賃の規定があるわけであります。そこで、現在この家内労働に関する最低工賃の決定状況というのは一体どの程度行われておるのか、これを御説明ください。
○政府委員(桑原敬一君) 五十二年の四月一日現在で、最低工賃の決定件数は百四十六件でございます。適用委託者数が三万三百二十六、それから適用家内労働者数が三十六万九百七十七人、こういうふうになっております。業種別に大きくくくってみますと、繊維衣服が九十七件、電気器具、機械器具が十二件、こういうような主要な内容になっております。 工賃の額でございますけれども、八時間換算で必要経費を除いておりますが、内職的なものにつきましてはおおむね千五百円から二千円程度のものでございます。専業的なものではある程度技能を必要とするというようなものになりますと四千円程度になっております。
○塩出啓典君 石田労働大臣あてに静岡県富士市に住んでおるはらふじこさんという人が、今年の三月五日付の読売新聞紙上で「主婦の内職にも労働保護を」、このような投書が載っておるわけであります。ここでこの投書を読んだ感想を聞く予定でございましたが、大臣がおりませんのでこれは聞きませんけれども、この投書欄ではビニールつきのショッピングバッグの内職が一枚の工賃が一円五十銭で、肩が痛くなるほど一生懸命やっても一時間で得る工賃は平均して二十五円だと、一日十時間働いても二百五十円にしかならない、こういう投書が載っておるわけであります。いまどきわれわれもちょっとこれはひどい話という感じがしたわけであります。先ほどの局長のお話では一日千五百円なり二千円ですね、手内職でも。そういうものが大半ではあると思うんですけれども、やはりこういうようなことがまかり通っているということはかなりあるんじゃないかというような感じがするわけでありますが、こういう問題についてはどう考えているのかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(桑原敬一君) 御指摘の投書につきましては、私ども早速目を通しまして、新聞を通じまして私どもの考え方を申し上げておりますが、家内労働の作業工程というのは千差万別でございまして、工程ごとにすべて決められれば非常に理想的でございますけれども、非常にそれはむずかしいということで、いま申し上げたような工賃決定の状況になっております。御指摘のこの二百五十円程度というのは、私どもも新聞を通じて回答いたしましたのは、やはり非常にいろいろ事情がございましょうと思いますけれども、子供さんのおられる実態等もありまして、能率等もございましょうが、私どものこの家内労働者の保護の考え方から見ますと低いのではないか、こういうような考え方を持っておりますし、そういうお答えをいたしました。それで、実はこの御指摘のショッピングバッグにつきましては、現在この工賃が決められてないという一つの問題がございます。工賃が決められておりますれば、それは当然に適用になって、それ以下のことはあり得ないんでございますけれども、たまたま先ほど申し上げました工程が非常にたくさんあって、この工程については決められてないという問題がございます。したがって、私ども現地といまいろいろと連絡しながら、今後こういった作業がふえていくとするならば、こういった作業工程の最低工賃についてその設定を検討するように、こういうようなことを考えております。
○塩出啓典君 現在のこの最低工賃というのは決定することができると、こういうことで決定をしなければならないというようにはなっていないわけです。だから、もちろんいろいろな職種があって一律には決められないとは思うんですが、しかし、何らかの形で少なくとも普通の男女が、主婦が一日じゅう内職をした場合、少なくともこれぐらいの収入になるぐらいでなければならないというような、そういうようなやはり最低工賃を決めることをはっきり明確化する、立法化する、そういう決定することができるというんじゃなしに、決定をしなければならないというように、このようにすべきではないかと思うんでありますが、こういう点は労働省として賛成かどうかですね、何か問題はありますか。
○政府委員(桑原敬一君) 最低工賃の問題は、いろいろ複雑な需給関係とも絡んでおりまして、私どもとしてはできるだけ低い工賃がないように努力はしてまいりますけれども、やはり関係者の方方がその業種あるいは作業工程について設定しようというようなコンセンサスがやっぱりどうしても必要じゃないか。強権的に決めましても、それがうまく需給関係と結びついて、結果的には家内労働者がそういう仕事が十分もらえないというようなことにもなろうかと思いますし、また国際的な面から見ますと、いろいろな後進地域からの追い上げ等もございまして、どういった形でそれを決めていくかということは非常にむずかしい問題がございまして、したがって、にわかにそういう何といいますか、工賃を一律的に決めるということが果たして現状に妥当かどうかということは、私どもにわかに判断しかねるというような気持ちでございます。
○塩出啓典君 それでは、もう時間がまいりましたので、最後にお尋ねいたしますが、日本の今日までの経済発展の、それを支えてきたのは劣悪な条件の中で努力してきた中小企業が、その大きな原動力であると言われておるわけであります。さらに、その中小企業を支えてきたのがこういう家内労働者でもあったわけで、しかも家内労働者の場合はもちろん委託者の方も大企業ではない。非常に大企業から見れば中小企業でございまして、そういう点で行政としても非常にむずかしい点があると思うのでありますが、このような低成長時代あるいはまた不況期になればなるほど、しわ寄せが一番集まりやすいところでございまして、私は今後の労働行政としては、できるだけやっぱり不公平をなくしていく。やっぱり額に汗を流して苦労した人が、その苦労にふさわしい報酬を受けるような、そういう労働条件をつくっていくことが、これは大きなかなめではないかと思うわけであります。そういう点から、この家内労働者というのは、労働組合を結成する、一部そういう動きもありますけれども、まだ力もないし、常にその声は埋もれておるわけでありますが、まあしかしそういうやはり大きな声を出しているところだけじゃなしに、声なき声を聞き分けて公平な労働行政をしていく務めがあると思いますので、そういう点にはひとつ労働大臣にもよく御相談をいただいて、積極的に取り組んでいただきたい、このことを要望いたします。最後に、局長がひとつ大臣にかわってその決意を表明していただきたい、そう思います。
○政府委員(桑原敬一君) いまお話しのように、家内労働者あるいは家内労働に関連する委託者等の方々の御努力によって、日本の産業経済の大きなすそ野を背負って立っておられるという意味におきまして、非常に大きな役割りを果たしておられるというように思いますし、また日本のこれまでの経済成長というのが、そういった方たちの一つの大きな役割りとして貢献したということは、私どもは十分認識できるわけでございます。特に、いまお話しのように、石油ショック以来成長率が低下してまいりまして、そのいろいろな不況のしわ寄せというのが中小企業等を初め、こういった家内労働者に及んできておることも十分労働省としては大臣初め理解をいたしております。したがって、私どもは一般の労働者だけでなくて、家内労働者含めまして、こういった労働者の労働条件の維持向上については、一段とこういった厳しい条件の中で努力をしていかなければならない、こういうふうに考えております。そういった意味で私どもは労働組合もないような業界でございますので、家内労働審議会の中に委託者代表あるいは家内労働者代表も入っておられますので、こういった方々の意見を十分踏まえながら、家内労働政策をさらに推進してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 最初に振動病についてお伺いいたします。 最近、振動病が原因となって死亡した件について、公務災害に認定されるという、こういったこともありましたように、全国に二十万台以上にも及んでおりますチェーンソーを使っている山林労働者、さらに削岩機、びょう打ち機や農機具など振動機械を使う労働者にとって、機械化が進めば進むほど深刻な振動病が出ております。それがさらに、表面に出るだけではなくて、体内の深部にまで深くその影響が出ているという、こういったことが言われておりますが、そこで労働省にお伺いしたいんです。 振動病の早期認定業務のあり方など、多くの点でいままでの通達について見直しが必要である、こう思われます。そこで、労働省が通達改定について考えがないかどうか。この二点だけです。
○政府委員(桑原敬一君) 御指摘の振動障害の認定基準の問題でございますが、現在、先生御承知と思いますけれども、チェーンソーにつきましての認定基準がございます。実は、チェーンソー以外の振動工具につきましては、振動工具の数がいろいろございまして、振動数とか速度とか重量等いろいろ千差万別でございますので、なかなか専門家のコンセンサスが得られておりませんので、現在チェーンソーだけについての認定基準というのがございます。しかし、お話しのようにいろいろ建設業その他にもたくさん振動工具を使われておるわけでございますから、私どもといたしましては、内外の文献あるいは臨床例等を中心にいたしまして、専門家会議を開いてこういった問題につきまして多角的な検討をお願いする、こういうような考え方をもちまして、できるだけ早くチェーンソー以外の振動工具についての認定基準をつくりたい、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 そうしますと、近く通達改定という形で出てくる、こう聞いてよろしいですね。
○政府委員(桑原敬一君) できるだけ早く認定基準をつくりまして、通達いたしたいと思います。
○近藤忠孝君 次に、今度国鉄労働者の問題について伺うんですが、直接は労働省の担当ではないことになっていますが、私は、これをやっぱり労働者自体の健康を保持する、こういった点から労働省自身の監督をひとつ求めたいという点で質問いたします。 まず、国鉄労働者の腰痛ですが、これは国鉄労働組合の職業病調査資料、ここにはもうあらゆるところに腰痛を訴える労働者が出ている、こういう報告があります。また国鉄当局の資料でも、昭和五十年調べの関節疾患、これが三千四百六十三件の中で腰椎疾患が二千八百十九件、これほども占めておりまして、とりわけ動力車、それから乗務員、車掌、軌道掛、そこでさらに七百三十六件にも及んでいるという、こういう状況であります。 そこで、国鉄当局来ておりますか。
○説明員(橘高弘昌君) はい。
○近藤忠孝君 国鉄当局に伺いますが、実際の腰痛等の業務上の認定はどうなっているのか、これについて数字をひとつお知らせいただきたい。
○説明員(橘高弘昌君) 業務上の認定件数でございますが、昭和五十年度で百三件ございます。
○近藤忠孝君 その前は。四十六年から。
○説明員(橘高弘昌君) 最近の数字でございますが、昭和四十六年が二十二件、四十七年が五十五件、四十八年が三十九件、四十九年が八十四件、五十年が先ほど申しましたように百三件でございます。なお、これは腰痛等——正確な腰痛だけではございませんで、腰部捻挫とか腰部挫傷、いわゆる腰痛等を総括した数字でございます。
○近藤忠孝君 いまそういう数字が示されましたが、これは私労働省にぜひ聞いてもらいたいんですが、そしてまた国鉄当局もぜひ知ってもらいたいんですが、実際の実情をそのまま正しく反映していないんじゃなかろうかと思うんです。 具体的に私は、たとえば北陸各県、それから兵庫県などの国鉄の現場を歩いてみますと、口々に腰痛を訴えるわけですね。たとえば富山の客車区では、中腰になってあの重い蓄電池ですね、乾電池、こいつを入れる。人数が減ったために、一人 一人の分担の量がふえたためにかなり職場の、最近入った人は別にして、ほとんどの人が腰の痛みを訴えている、こういう状況を聞いております。それから、神戸では、これはたとえば貨車の入れかえですね、これが十数年前から蒸気機関車から電気機関車にかわった。そうなりましたらスピードが違うそうですね。そうすると、スピードが違うために飛びおりるときもこの速度が速まる。それから下が前に比べてかたくなった。たとえばコンクリートの部分があるというと、受ける側がやっぱりがしんと受ける。そういったことで、最初ひざの痛みを訴えたり、それがやがて腰へいくという、こういう状況を各地で訴えられるわけであります。 そうなりますと、私は、実際はいま国鉄当局が言ったようなこういう事態ではなくて、さらに先ほどの調査資料に出ておった大変な数ですね、痛みを訴える人々、そしてあるいは入院治療をした人々、いわば認定にまで至らないけれども、その下にはたくさんのそういう状況が現実に起きているんじゃなかろうか。これはいわゆる合理化が進む中で進んでいる。あるいは蒸気機関車から電気機関車にかわるときに、そういう職場の変化の中で出ているんじゃなかろうかと、こう思うわけであります。その辺の国鉄当局の認識状況どうでしょうか。
○説明員(橘高弘昌君) ただいま御指摘のような傾向は絶無とは申しませんけれども、むしろ、いろいろな近代化をやっていく上におきまして、逆に労働条件がよくなっているという面もございます。 それからもう一つは、先生御存じのように、国鉄の年齢構成というものがございまして、現在すでに四十五歳以上の者が半分を占めるというようなことで中高年齢層が非常に多い。考えてみますると、腰痛というのは年齢ともかなり比例すると申しますか、そういう意味でのちょうど年齢構成がそういうところへ差しかかって、腰痛を訴える者がふえている層がどんどんと毎年ふえてきている、そういう面の影響もあるんじゃなかろうか。 いろいろ御指摘のように、腰痛の問題、かなり国鉄としては真剣に考えなくちゃならぬ実態に来ておると存じております。
○近藤忠孝君 いまのお答えにもあったんですが、かなり深刻な状況で、たとえば職場などを回ってみますと、ごろんと寝ちゃっておる人が、昼休みなどたくさんおるわけでしょう。これはやはり日常の業務のきっさが具体的に腰などに出ている一つの現象であろうと思うんですが、ただ、それを単に年齢の問題にしまして、いわば人間の自然の身体上の年の原因にしてしまうとやはり問題があるんじゃなかろうか。現に、これは富山客車区分会では二十一世紀の蟹工船という名前をつけまして、そして現実にこの腰痛の問題を訴えておるんですよ。実際、数から見ましてその職場のほとんどの人が、最近入った若い者は別にして、腰の痛みを訴えているということは、これはやっぱり異常な事態でありますし、単に客車区だけじゃなくて多くの職場に出ている、こういう事態ということを、ひとつこれは認識をしてもらいたいと思うんです。 そこで、労働省に伺いますが、昭和五十一年十月十六日付、「業務上腰痛の認定基準等について」の第七百五十号の通達趣旨をより徹底させるために、労働省といたしましては、いま私が指摘したような事実を一応考えまして、国鉄当局に対し国としての監督、指導の責務を果たすように私は希望したいんですが、これについてのお考えはどうでしょう。
○政府委員(桑原敬一君) 国鉄などの公共企業体につきましては、労災保険法の適用がないことは先生御存じだと思います。したがって、労働基準法の規定によりまして使用者の責任においてこういう脊椎疾病につきましては認定をし、その適正な補償をしなければならぬと、こういうふうなたてまえになっております。したがって、私どもはこの認定が適正に行われるということを期待いたしておるわけでございますので、私どものこういった認定基準をつくりました場合、あるいは新しく改定いたしました場合には、本省から国鉄本社に対して連絡をし、またそれに基づいて適正な認定補償をしていただくというようなことを指導しておるわけでございます。
○近藤忠孝君 ただ、私が具体的に職場を歩いてみて、口々にそういう腰痛を訴えられるということは、これはやはり国鉄当局のこの腰痛の職業病認定に対する体制が決して十分ではない面があるんではなかろうかということを、私は労働省にこの場でひとつ伝えたいと思うんです。もちろん、これは国鉄当局が元来やるべきことですけれども、しかし、私は労働省としてもそれをほうっておっていい事態ではないだろう。もしそういう事態があれば、それは国鉄に対してもっともっと積極的に関与し、そして監督指導責務を果たすべきであると、こういった点でのひとつ積極的な答弁はいただけないものでしょうか。
○政府委員(桑原敬一君) お話がございますので、十分国鉄当局とも連絡をとってみたいと思っております。
○近藤忠孝君 大臣はまだ……
○副主査(吉田実君) 間もなく来ると思います。
○近藤忠孝君 それじゃ、ひとつ大臣に直接聞きたかった問題が職業病についてあるんですが、これはちょっと後に置きまして、環境庁来ていますか。——この機会にちょっと環境庁に伺いたいんですが、環境庁は瀬戸内海の環境保全基本計画と恒久法の策定に取り組んでいるということでありますが、今日の瀬戸内海は臨時措置法の立法趣旨にもかかわらず埋め立てがどんどん進行しておりますし、海難事故や油流出事件などが依然として多発している、こういう状況であることは御承知のとおりです。 そこで、昭和四十九年六月十八日付瀬戸内海環境保全審議会の答申が播磨灘海域——ほかにもありますけれども、特に私はあすこについて言っておきたいんですが、播麿灘海域については公害防止環境保全に資するもの、それから特定施設を設置しないもの、汚濁負荷量の小さいものに適合しない埋め立てはできるだけ避けるように配慮する、要するに埋め立ては基本的にはしないという、こういう方針ですし、 〔副主査退席、主査着席〕 私も当時の環境庁長官にもその点をただしたらば、まず埋め立てはもう認めない方針だと、こういう答弁も出ておるんですが、この点と、それから臨時措置法第十三条一項の埋め立てについての規定の運用に関する基本方針、これが通達が出されているにもかかわらず、実際播麿灘を抱えた姫路港はもう休む間もなく連日埋め立てしゅんせつの港湾工事が進んでおります。現に私もこれ写真写してまいりましたけれども、本当にこれはもう実際どんどんやっているわけですね。これはその状況です。——そういう状況で姫路LNG基地の第二期工事の免許にかかわる認可申請が受け付けられているんです。そして、いま運輸省で審査中なんですが、これは地元住民の意見を本当に無視している。たとえば、地元住民の人はこれができたらばどれだけ影響があるか、大体この姫路東部工業港は欠陥港であるという具体的な指摘もしておりますし、このLNGタンク破損時のガスの流れが実際こういう状況であって、いざ火災になったならば七キロにも及ぶ。有名な日本一の名城と言われている姫路城のあたりまで及ぶとなれば、姫路市全域が影響があるという、こういった指摘もされておるんですが、実際いままで出されております環境影響評価、これは大変ずさんなものであるということはもうすでに委員会でも指摘されていますし、私もきょう実際運輸省でその点を指摘してきました。やがて運輸省からこの点についての、LNG基地についての意見が問われる立場に環境庁あるわけですが、臨時措置法の趣旨にのっとり厳正な態度で臨んで、環境保全に資する環境庁の役割りを私は期待したいんです。この点どうか、これは大臣に聞きたいんです。 また、冒頭に述べた瀬戸内海の基本計画策定に当たっては、自主的に組織されている住民団体の意見を徴する考えはないのか。つまり、自主的な住民参加を保障した基本計画づくりを私は切望したいわけであります。実際、京都で開かれました国際環境保全科学会議、これは日本を含めて三十一カ国、五百七十四人が参加して開かれたんですが、瀬戸内海の汚染は世界の学者からもその危険性を指摘されている、こういったところだから特にこの点を指摘したいと思います。 それから三番目には、環境庁はアセスメント法にある住民参加の範囲を次第に狭める、いわばこれは後退しているんじゃないか、こういう報道もされておりますし、私も実際そういう危惧を感じておりますが、アセスメントの命とも言うべき住民参加の保障についていささかも後退してはならない、こう思いますが、この点について環境庁の考えておられる点を述べていただきたいと思います。
○説明員(岩崎壽男君) いま先生御指摘になりました三点のうち、第一点のLNGの基地の問題でございますが、これにつきましては先生御承知のように、埋め立てにつきましては瀬戸内海の特殊性を十分配慮しろという瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づきます規定がございまして、それの運用の基本方針があるわけであります。現在、そのLNG基地の埋め立てに関しましては、運輸省の方に認可が上がっておるということを私ども聞いております。それが環境庁の方に意見を求めてきたという場合におきましては、私どももその基本方針にのっとって、その環境影響等の評価についての十分な審査を加えてわれわれとしての意見をまとめたいと、かように考えておる次第でございます。 それから、第二点の基本計画の策定、これも瀬戸内海環境保全臨時措置法で義務づけられているわけでございますが、これにつきましては昨年瀬戸内海環境保全審議会から基本計画を策定するに当たっての基本的な考え方の御答申をいただいたわけでございますが、当審議会は学識経験者それから関係府県の知事さんあるいは市長さん、そういった方々によって構成されているわけでございまして、そういった審議の過程の中で地元の御意向といいますか、も盛り込まれたような形でなっているというふうに一応考えているわけでございます。なお、基本的な考え方の答申をいただきましたので、現在基本計画の中身につきましていま具体的な詰めをやっておるわけでございますし、今後その審議会のまた御意見を伺わなきゃいけないし、あるいは関係府県等からもいろいろ御意見を伺うということで、地元の御意見といいますか、そういったものが反映されるものにしていきたいと考えておるわけでございますが、もちろん、地元住民の方あるいは漁業者の方という方が直接御提言なりあるいは御意見といいますか、それにつきましては私どもとしてはそれをお受けしてまいりますし、そういったことについて今後も耳を傾けてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○説明員(望月美之君) ただいま検討しておりますアセスメント制度におきますところの住民参加につきましてのお尋ねでございますが、現在、私どもとしては常に事業をする立場でみずから行った予測評価、この結果を公表することが一つ。そして、それに対しまして地域住民などの意見を求めてそれで適切に意見を反映さしていく、これが何といっても柱といいますか、基本であろうというふうに考えて、そのための手続、こういうものを築いてまいりたい、こういうことでおるわけでございます。さらに、その住民等の意見の聴取ということが、やはりどうすれば環境保全上有効かと、こういう観点に立っての検討もまた当然中身としてしていくべきだということで鋭意検討を重ねている、調整もまた進めているところでございます。そのような視点で進めてまいりたい、このように思います。
○近藤忠孝君 じゃあ、大臣見えたのでまた労働災害の問題に戻りますが、いまお手元にお渡ししましたのは、つい先日の四月十日に私神戸へ行ったときに、これはことしの一月に初めて三菱造船所で難聴について労災認定された会の皆さん、会長初めたくさんの人からぜひ労働大臣に渡してくれと言って、持ってまいったものであります。そこでもありますように、難聴の苦しみというのは大変なものでありまして、ともかく会話が正しく聞こえないわけですね。だから、家庭内の不和の原因にもなっている。また、自動車のクラクションが聞こえないために交通事故に遭うとか、大変な問題を抱えておりますし、さらにこの難聴が原因で夫婦別れするとか、あるいは再就職にも難聴があるために困難であるということで、大変な問題を抱えておるわけであります。この点については、三月一日に衆議院の委員会で浦井議員が聞いておりますが、そこで具体的に認定の問題、それから検査等の対策についても具体的に大臣の方からも答弁がございました。そこで、私、ここでもらった、手渡された機会に実情を聞いてみたんですが、検査をするというお約束があったわけですが、実際はぼつぼつやり出したと、職場で。一番ひどいと言われているような職場ではまだ実際行われていないという、こういう状況でありますし、また検査する人の話では、一台で一日五人しか検査できないので大変だという話を聞いてます。それから、本工はまだしも、下請に対してはそれは一つのところで実施しただけでまだ全然やられていないと、こういう状況も聞いておるわけであります。前回、下請については余りうまく行われていないと、こういったことでありますが、三月一日からもうすでに一ヵ月半たっておりまして、こういう状況ではせっかくの大臣の答弁も生かされていないんではなかろうか。 そこで、具体的にお伺いしたいのは、まず、こういう検査ですね、いつごろまでに、どういう対処をするのか、この点についての御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 浦井議員から御質疑がありまして、直ちに調査をするように、対策を講ずるように命じました。労働省といたしましても、直ちに調査を開始したんです。その速度等については御不満はあると思いますが、できるだけ速やかに、約一万一千人くらいを対象にして行いたいと、詳細は基準局長からお答えいたします。
○主査(小柳勇君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○主査(小柳勇君) 速記を起こしてください。
○政府委員(桑原敬一君) 聴力検査の問題でございますが、いま大臣がお答えいたしましたようなことで早速進めておりますけれども、やはり聴力検査の設備の増設等も要るんだということでございます。したがって、四月一日から着手をしております。そして、約二千人の下請労働者を含めまして、一万一千人の方を約二カ月間の間に完了したいと、こういうことでやっております。
○近藤忠孝君 そうしますと、二カ月後には完了すると、こう聞いてこれは大丈夫でしょうな。
○政府委員(桑原敬一君) 早速、その後私ども中央の局を通じまして指示をし、またそういうような報告を受けておりますので、そういうことになると思います。
○近藤忠孝君 それから、騒音測定の問題ですが、これは四月二日から実施していると聞いておりますが、これはどれくらいで完了する予定になっていましょうか。
○政府委員(桑原敬一君) 四月二日から測定を開始しておりますが、約一ヵ月間で完了する予定でございます。
○近藤忠孝君 それから、耳栓も職場に備えつけると、そして、これは労働省のお答えでは、現在五千個を備えつけてあって、これらの装備率の向上を図るというのですが、耳栓ですね、これはたとえば耳に実際入れるものですから、汚いものを置いてあってもなかなかやる気にならぬ。そこで、私は労働省にぜひお願いしたいんですが、先ほど述べたこういう実情から見まして、労働安全衛生法、それからその施行令、諸規則、その趣旨から見ましても、一人でも難聴者を少なくするために、予防措置をとるために国は当然の義務としてあらゆる努力を払う。そのために、第一に有害原因の除去のために専門家、それから科学者に委託研究などをすること。それから二番目には騒音防止用の保護具ですね、いま言ったようなものだけじゃなくて、もっとこれをより優良製品を購入して常備するなど、これは該当事業主に要請するという、こういう行政指導を積極的に行えないものでしょうか。
○政府委員(桑原敬一君) 騒音対策としましては、予防対策については意見の分かれるところでございます、専門的に。したがって、いま専門家の方々に騒音の生体に対する影響あるいは健康診断をどういう形でやったがいいかとか、健康管理の手法をどうしたらいいかというようなことをいま御研究いただいております。したがって、いま御指摘の問題を含めまして、今後専門家の方にさらに御研究願うと同時に、耳栓の問題でございますけれども、これは日本工業規格にのっとってメーカーにおいて改良、改善をやっておられますので、そういったものを私ども十分勉強しながら、そういった予防の面にこういう耳栓が活用できるように努力をいたしたいと思います。
○近藤忠孝君 最後に、大臣にもう一度お伺いしますが、この三菱造船所における労災が昔からありながら、ようやくことしの一月に認定されるという、こういう状況で、しかも実際の現場ではそこを離れない限りは労災と認定されないというこういう問題もありまして、どんどん進行していくというこういう問題もありますが、まだまだたくさんのこういう被害者がおると思いますし、そうして認定されないまま、まだまだ放置されている、こういう問題があると思うんですね。この切について基本的な大臣のお考えをひとつ述べていただきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) まあ、そういう実態がありながら監督行政がおくれておる、これははなはだ遺憾に思います。ただ、何しろ人数が少ないものですから、回って歩いて発見するということじゃ大変なので、やはりそういう実態があれば監督署の方へ積極的に教えていただくようにお願いをしたいものだと、こう思っております。 それから、いまの具体的な事例に対しては、基準局長からお答えをいたします。
○政府委員(桑原敬一君) 幾つかの論点が書いてございますが、私どももいろいろ検討してみたいと思いますけれども、ただ、難聴の障害認定の問題はいろいろ意見の分かれるところでございまして、実は早く在職者のときに認定しますと、その後悪くなりましても一時金だったらそれを改定できないわけでございますね、有利に。そういうこともございますので、やはり騒音職場からやめるときに、最終的に判断した方が労働者のためになるということでやっているわけでございますね。そういうこともございますので、現行の運用面についても十分私ども改善すべきところは改善をしてまいりたい、こういうふうに思います。
○近藤忠孝君 終わります。
○柄谷道一君 職業訓練行政の改革に関して御質問いたしたいと思います。 大臣御承知のように、現在、有効求人倍率は〇・六倍と、依然として低うございます。また、他方失業率は一・九%という高い水準を続けております。雇用不安はまさに慢性的な状態になっていると、言うべきであろうと思います。しかも、この傾向は減速経済のもとで固定化し、今後急速には雇用機会の増加を大きく期待できないという情勢と冷厳に受けとめなければなりません。労働者がその能力を向上し、希望する職業につけるようにすることは、質的な完全雇用を達成するための重要な繰越であります。今後、産業構造の変革等によりまして、離職、転職を余儀なくされる労働者が多数発生することが予測されるということを考慮するならば、職業能力を向上させる機会を拡充する。それはまさに総合的雇用保障政策の柱となるべきではないかと思います。従来の職業訓練行政は、率直に振り返ってみますと、こうした経済や雇用情勢、さらにその展望、それに伴う雇用政策に密着した訓練という考え方が不足していると言わざるを得ないと思うのであります。雇用の安定という見地から、職業訓練行政を抜本的に見直す時期がいま来ているのではないかと思いますが、今後の職業訓練行政についての大臣の基本的な方針をお聞きしたいと存じます。
○国務大臣(石田博英君) 雇用情勢、御指摘のような非常に困難な状態にある一面においては、やはり技能労働力の不足を訴える声も非常に多いわけであります。したがって、雇用問題解決のためには、職業訓練の整備、拡充が一番決め手の役割りを果たすんではないかと、そう私は考えておるわけであります。ただ、訓練行政が、初めに職業訓練が出発した時期と、そのときのその背景、まあ始めてから二十年たちますが、一番最初のときは、やはり経済がようやく復興した時期でありましたので、雇用問題というのは農家の二、三男の就職問題というのが一番大きかった。その後二度目、三度目の時代は、やっぱりいわゆる高度成長期でありまして、労働力が不足基調。ところが今回は、いわゆる石油ショックに端を発した資源問題を背景として、非常に高度成長を支えてきた条件の崩れの上で起こってきている。そういう意味におきまして、高度成長期に行った職業訓練と、それから今度新しい構造変化に応ずる職業訓練というようなものは、そういう視点から、訓練科目その他において見直しをしていかなければならぬと、そう考えて、いまそういう新しい情勢に応ずるような対応の仕方を訓練局を中心に検討させておるところでございます。
○柄谷道一君 いま大臣御答弁がありましたように、職業訓練行政が技能労働者の養成確保をねらいとしていることは、これ当然でございます。しかし、その場合の技能労働者の範囲というものは、私はできるだけ広く考えるべきではないかと思います。すなわち、製造業を中心とする第二次産業の現場部門ばかりではなくて、第三次産業や事務系の部門、さらには福祉国家建設のために今後ますます必要度を加えますいわゆる福祉産業部門についても積極的に行政の手を広げるべきではないか。さらに言えば、全員訓練の視点から、すべての労働者の教育訓練を手がけていく意欲と姿勢というものが当然にあってしかるべきだと思うわけであります。これらの部門の教育訓練についてどの程度関与しているのか。また今後、職業訓練の手を広げていくことについて具体的にどのような考えをお持ちなのか伺います。
○国務大臣(石田博英君) これは、いわゆる文部省の教育行政との関連も当然考えなきゃならぬことだと思います。 それからもう一つ、一般的に考えますと、これから増加していく雇用構造というのは、結局第三次が多くなってくるんじゃないかと。確かに御指摘のように、いままでの職業訓練は主として第二次を目当てとした訓練であった。その第三次に対する需要が起こってくる。一例で言いますと、たとえば難聴とかいわゆる聾唖者、そういう人たちは調理士とかそういうものなら向くんじゃないかと私はふと考えるんです、いつも考えるんですが、そういうような面も、つまり新しく出てくる雇用情勢という面に対応した訓練教科、課目というようなものを創設していきたいと、そう考えておりますし、それから文部省行政の中にあるそういう職業訓練のあり方というものも、やはりこういうわれわれの方と協力し合った、背馳しないような方法というものをやっぱり考えてもらうことも必要であろうと、こう思っております。
○柄谷道一君 現在の公共職業訓練校の訓練と、こう言いますと、養成訓練が中心のように思われます。しかし、高度経済成長時代から低成長時代への移行という経済産業の質の変革が行われます。産業構造改革も行われます。こういう情勢に対応して雇用の安定を図っていくためには、私は在職者の職業転換なり、離職者の再就職のための訓練、これが今後ますます重要なウエイトを持ってくると思うのであります。こうした現況に対処するために、政府は雇用安定資金制度を本国会に提出されているわけでございますが、私はこの制度を生かすも殺すも訓練次第だと言っても極言ではないと思うわけです。職業訓練行政の立場から雇用安定事業における教育訓練についてどのようなものを想定し、またどのような指導をこれからしていこうとしておられますか。
○国務大臣(石田博英君) 御指摘のとおりなんでして、一番最初にスタートを切ったときは、先ほど申しましたように農家の二、三男というのが。だから養成訓練がどうしても中心になりました。しかし、それから後には、要するに石炭産業を中心としたいわゆる構造変化が起こりました。これはやはり在職中に訓練をする。北海道で私自分で視察して見た例で言いますと、ある炭鉱で、炭鉱に働いているうちに自動車の運転技術を教え込む、そして順次各地にタクシー会社をこしらえて、そちらへ異動させることによって摩擦なき転換というものができた例があります。これがやっぱり一つの柱にならなければならない。養成訓練だけでなくて、この転職訓練、再就職訓練、こういうようなもの、特に失業する期間をなくするためには在職中の訓練というものが必要である。それから、定年の延長というものを考えますと、要するに単能工でなくて、やはり年をとってもできるような仕事も覚える、いわゆる複能工化するということが必要だ。そういうことをやはり二本の柱としてやっていかなきゃならぬと思っておりますが、具体的にやっておりますことをいま局長から説明いたさせます。
○柄谷道一君 簡潔にお願いします。
○政府委員(岩崎隆造君) 今回、雇用保険法の改正に基づきます雇用安定事業としては、雇用調整の場合、それから事業転換の場合の教育訓練ということが柱になっておるわけでございますが、これにつきましては法定公共職業訓練というか、法定訓練基準に基づくもの、これは公共訓練施設並びに事業内訓練で行っているわけですが、それのみにとどまらず、事業転換に伴う職業転換訓練、職業転換に対応できるような訓練を受けるためには、現在特に第三次産業等の転換ということを考えますと、あるいは専修学校、各種学校、またそのようなものをやっております、事業内訓練をやっております事業主に対して、委託をするというような形で訓練ニーズにこたえていきたいと、こういうように考えております。
○柄谷道一君 いまの答弁にもございましたように、私としましてもこの教育訓練の概念をできるだけ広く考えるということを強く望んでおきたいと思います。訓練校でやっているものだけが訓練ではございません。従来の職業訓練行政は学校経営と同じで、これは極端な言い方かもしれませんが、訓練校という施設をつくり、それを運営していくというものにすぎないのではないか。私は能力開発の需要に応じて、専修学校、各種学校、企業内訓練などさまざまの施設でさまざまの態様の教育訓練が行われているというのが現実でございます。こうしたものを踏まえて多角的な教育訓練を積極的に活用していく、これが職業訓練のこれからの基本的姿勢でなければならぬと思うんです。 そこで一つお伺いするんですが、そのためには、私は学校経営方式の職業訓練行政から脱皮して、教育訓練に関する情報の提供、相談、指導、援助、こういうものを含めた本当の意味での行政サービスというものが今後の訓練行政にとってきわめて重要な課題であると、こう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 私どもの方は訓練所だけが訓練行政だとは決して思っていないのでありますが、いま御指摘のような、要するに、何と申しますか情報の提供、こういうようなことがやっぱり、ちょうど教育における通信教育というようなものがあるように、訓練についても通信訓練というようなものを考えていくべきものだと思っております。
○柄谷道一君 私は、在職者や離職者の産業構造改革に伴う訓練について、特に中小零細企業への適用をどう配慮していくか、これはきわめて重要な課題であると思うのであります。たとえば、繊維産業など地場産業を形成しておりますところの職業転換訓練ということになりますと、いわゆる地域ぐるみの転換政策または地域振興政策というものと深いかかわり合いを持ってくることはこれ当然でございます。私はこれに対処するためには、国、地方自治体、それから関係産業の労使、これが一体となって取り組む体制を整備する。あわせて各県に、少なくとも地場産業等を抱えるような県につきましては——私は全県に設置することを望むわけですが、当面そういう地域については、離転職者のみを対象とする能力開発訓練課程専門の職業訓練施設、こういうものを設置して、中小企業、零細企業がこれを活用する道を開くということが非常に重要な課題になると、こう思います。この内容につきまして私案を持っておりますが、時間の関係でその内容は省略いたしますけれども、特に中小零細企業、しかも地場産業そのものの転換、こういう現状に対応できる訓練体制の整備が必要だと思うわけです。いかがでございますか。
○国務大臣(石田博英君) たとえば今度の二百海里問題で、要するに魚の加工業というものが町で現状のとおり続けられない、そういうものに対するいわゆる転換訓練というものを立てる前に、一体どういうものに転換できるだろうかというような見通しも必要だと思うんでありますが、現在でも、新しい別個の施設をつくるんじゃなくて、いまの施設の中でそういう訓練を、職業転換のための訓練というのは現在でもやっておりますし、それからそういうものに変えていっているところもかなりあるわけであります。私は元来、昼間働いておって夜企業内でなく私の方の訓練所で受けたいという人のために、夜も、夜といいますか勤務終了後も訓練を受けられるような方法を、何か広く実施したいと労働省へ来るたびごとに思うんですが、なかなか今度労働省の方の職員の勤務体制の問題とか、あるいは指導員の確保の問題というようなことでなかなか困難もございます。ございますが、これを乗り切って、こういう構造変化に対応できるような訓練を広げたい、こう考えております。
○柄谷道一君 それに関連して、たとえば中小企業が共同で行う職業訓練、こういうことを私は強化していく必要がある。そういうことになりますと、労働省の認定を受けていわゆる共同で訓練を行う、そういう中小企業団体に対する運営費及び施設費の国庫補助率を、現行の四分の一をもっとやはり強化していく、そういうことでないと実際問題として零細企業が訓練を行うということは困難になる。しかも、これ転換を要する産業といいますとこれは不況産業ですから、よほどのてこ入れがないとスムーズな訓練が行われないということになると思うんです。その点に対する御配慮はいかがでございますかね。
○政府委員(岩崎隆造君) 共同事業内訓練につきます補助について、これを強化助成していかなきゃならぬということは先生おっしゃるとおりでございまして、昭和五十年前におきましては先生が御指摘のような補助率だったわけですが、昭和五十年度以降は、事業主が三分の一、それから補助が三分の二、そのうち国庫補助が三分の一、それに地方公共団体の補助が三分の一ということにいたしておりますし、それから五十二年度におきましては、この運営費補助につきましては平均いたしまして七割ぐらいの——従来毎年十何%というような程度のアップであったんですが、昭和五十二年度には従前に比べて七割程度のアップをいたして大幅に助成を強化したというのが現状でございます。
○柄谷道一君 私は、特に繊維等の地場産業の不振、これに伴う転換ということになりますと、確かに徐々に強化はされてきておるんですけれども、今度は地方自治体が果たしてその負担に耐え得るやいなやという問題があるわけです。そういう意味で、これはきょういきなりどれどれに上げますということは言えないでしょうけれども、やはり国と地方の持ち分についてもこの際真剣な前向きの検討を強く望んでおきたいと思うわけであります。 また、在職中における訓練受講のための時間をいかにして確保するか。ILOにおきましては、有給教育休暇に関する条約及び勧告の採択が行われております。わが国におきましてもこの制度について、創設に向かっての検討が当然進められてしかるべきではないかと、こう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 奨励金というのはやっておりますけれども、内容は局長から。
○政府委員(岩崎隆造君) この点は先生御指摘のとおりでございます。私どもも昭和四十九年のこの前の雇用保険法の制定によりまして、能力開発事業の一環として、有給訓練休暇をとらせて、そして教育訓練を受けさせるその事業主に対しましては訓練休暇奨励給付金というものを給付することにいたしまして、その助成に踏み切ったわけでございますが、今後ともこの重要性につきましては私どもも認識を同じくしますので、そのより一層の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。
○柄谷道一君 次に、教育訓練行政の一元化について質問したいと思うんです。たとえば、同じ労働省の中でも定年前訓練などいわゆる雇用政策的色彩の強いものは職業安定局が所管いたしております。そのように教育訓練行政が分散しているというのがこれ現実ではないかと、こう思うのであります。少なくとも労働省が手がけている教育訓練ぐらいは職業訓練局で一元的に処理する、こういう体制を整えなければ体系的、効果的な能力開発行政というものはとうてい行われない、このように私は思うのであります。労働省の一例だけを引きましたけれども、この行政一元化に対するお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(石田博英君) これはもう私は全く同感でございまして、実は前におりますときに、保険の徴収事務ですね、これを当時の失業保険と労災保険、別々に徴収していた、これも一元化をさせました。いまの労働省内の一元化は無論でありまするが、これは文部省等のやっております教育ですね、そういうものとの兼ね合い、それから仕事を、何といいますか、いまの乱塾時代に似たようなものが、任意の団体として、あるいは任意の施設としていろいろ誇大宣伝めいたことをやっている状態もあるんです。そういうものの取り締まりと申しましょうか、そういうものともやっぱりあわせて考えなきゃならぬと思っております。労働行政の中における訓練の一元化については、私はどういうわけで六十歳以上の者の訓練を安定局が持つのか、私はどうもまだよく私自身としては納得ができないので、事情を聞いた上で一元化のために努力をしたいと思います。
○柄谷道一君 公共職業訓練校の運営について言いまするならば、主として新規学卒者を対象として行われる養成訓練、これは定型化されている上に受講者も扱いやすい。これはきわめて楽であります。しかし、新規学卒者の教育訓練は中小企業を含めて企業が相当程度手がけているのが現状でございます。これに反して、離職者について言えば、公共的な訓練施設がこれを引き受けなければ個人の負担でやるしかないということになります。私はこれは極端な議論かもしれませんけれども、むしろ公共職業訓練校においては養成訓練は相当程度民間に任しても、むしろ転職訓練を中心に運用していく、これが必要なひとつ視点ではないか、この点はぜひ御検討願いたい。 それから次に、質問でございますが、率直なところ、現在離職者が再就職に当たって公的な職業訓練を余り活用されていないうらみがございます。私はその大きな理由の一つは、訓練を受けても、それが期待するほど労働条件の向上に結びつかないという点にあるのではないか。こうした状態を打破するには訓練と労働条件の関係を突っ込んで研究することが必要であります。少なくとも広く情報を集めて労使双方にこれを提供していくという姿勢がまず必要であろう。従来の職業訓練行政は訓練なり技能検定なりを実施するだけで終わっている。訓練受講者がどのような条件で就職し、その後どのような発展を遂げているかを追跡したことがないと、こう思うのであります。また、技能検定の合格者はこれまで六十万人を超えているわけでございますが、これらの人たちが合格の前と後で処遇がどのように変わったか、さらにその後の異動や昇進の状態がどうなっているのか、これを調べたこともないと私は思うんであります。調べておられれば結構でありますが。私はそういう視点に向かってもっときめの細かな行政指導を徹底していくことでなければ、この訓練というものが実効をあらわすということはなかなかむずかしい、こう思いますが、この点、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 訓練を受けた者がそれだけ報いられなければ、これは訓練を受けに来ないということになるだろうと思います。技能労働力が不足しているという裏には、確かにそういう面があるから、不足の状態が生まれると思います。したがって、就職状況を調べて、後のことも追跡でやっておりますけれども、後で局長からお答えをいたします。 それから、検定を受けた者あるいは技能の資格を取った者、そういう者がもっと社会に認められ、誇りを持つようにするためにはどうしたらいいかといま考えて、何といいますか、記章ですね、記章を付与していく方法をいま実行に移しつつあるところでございます。
○政府委員(岩崎隆造君) 先生いま御指摘の点につきまして、十分な調査ではございませんが、四、五年前でございますけれどもアンケ−ト調査をしたことがございます。それによりますと、能力再開発訓練の修了生について、これは修了生につきましては就職状況は九〇%ぐらいになっておりまして、実は安定所の窓口に職を求めてきております中で、訓練を受けない者については実はそれの十分の一ぐらいの就職率というようなことになっております。 それから、そのアンケート調査の結果といたしまして、訓練を受けたことが就業を有利にしたというように、意識調査でございますので十分ではございませんかもしれませんが、答えた者は四分の三になっております。 それから、技能検定を受けた者につきましても、その後の処遇についてどうかということについてのアンケート調査をいたしました結果、やはり六四%ぐらいの者が企業によって何らかの優遇措置を講ぜられたというような答えになっております。ただ、これは前のものでございますので、もう一度またその辺については追跡調査をしたいと思います。
○柄谷道一君 時間が参りましたので、もう一点だけに質問をとどめたいと思いますが、私は教育訓練を魅力あるものにするために考えなければならないもう一つの点は、教育訓練受講中の保障を改善するという問題だろうと思います。こうした観点から職業訓練手当について、この際見直しを行い、増額を図っていくべきではないかと思うことが一つでございます。 次に、いまも短い時間の質問ではございましたけれども、中央職業訓練審議会が五十二年二月十四日に答申もいたしておりますように、いま教育訓練行政というものが根本的に見直され、新しい時代に対応する制度を確立する、それがきわめて必要な時期であり、いまその曲がり角に来ているということは大臣も御認識されているところだろうと思うのであります。したがいまして、私は遅くても来年の通常国会には、新しい計画実施のための法改正と予算の確保というものが当然行われてしかるべきだとこう思いますが、大臣の御決意をお伺いしたい。以上をもって質問を終わります。
○国務大臣(石田博英君) 前段の御質問でございますが、これは私どもとしてはあとう限りのことを現在しているつもりでございますけれども、さらに魅力あるものにする方法について検討をいたしたいと思います。 それから第二の点は、法改正をしなければできないものか、あるいは現行法の中で直し得るものはどうかということを振り分けて検討いたしまして処置をいたしたい、こう考えております。
○主査(小柳勇君) 以上をもちまして、労働省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省、厚生省、労働省及び自治省に対する質疑は終了いたしました。 これをもって本分科会の審査は終了いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会 —————・—————