予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 288 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/04/13
会議録
○小川半次君 ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもって私が、正副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより正副主査の選任を行いますが、選任は投票によらず、主宰者にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川半次君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に小柳勇君、副主査に吉田実君を指名いたします。(拍手) ————————————— 〔小柳勇君主査席に着く〕
○主査(小柳勇君) 一言ごあいさつ申し上げます。 ただいま皆様方の御推挙によりまして、本分科会の主査を務めることになりました。ふなれでございますが、皆様方の御協力を得て、その責務を果たしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。 本分科会は、昭和五十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管を審査することになっております。 十四日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日の午前を自治省、午後に文部省、十四日の午前を厚生省、午後に労働省という順序で進めていきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(小柳勇君) 次にお諮りいたします。 慣例では、予算の細部にわたる説明を、各省庁審査の冒頭にそれぞれ聴取するのでございますが、時間の都合上これを省略し、それぞれの審査日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○主査(小柳勇君) まず最初に、昭和五十二年度総予算中、自治省所管を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前川旦君 私は、地方自治というのは民主主義の原点だろうというふうに実は前々から考えております。そして、数多くの地方自治体の議員さんが、この民主主義の原則を踏まえながら、日夜非常に努力しておられる姿を見るにつけ、いつも胸を打たれるわけでございますが、それにつけましても、この地方議員さんの年金について、いままで余りにも論議されることが少なかったんではないだろうか。国会の議事録をずっと繰ってみましても、これほど大事な仕事をしておられる地方議員の方々の年金問題を取り上げている論議というのは余り見受けられません。 そこで私は、地方議員年金に限りまして御質問を申し上げますが、まず、ことしはどういうふうにこれを改定される御予定になっているのか。今年度の改定は、地方公務員共済年金の改定に伴って国会にすでに提案されていると思いますけれども、ことしの地方議員の年金の改定の主な点について、事務当局で結構でございます、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。 地方議会議員の五十二年度におきます年金の改善につきましては、ただいまお示しのございましたように、今国会に提案をいたしております一般公務員の共済年金の改定法の中に織り込んで御審議を煩わすことにいたしておるわけでございますが、その内容は、大きく分けまして二点と申し上げることができると思うのであります。 その第一点は、年金額の改定の対象者の範囲を拡大をしようということでございます。その内容といたしましては、昭和五十一年度におきます年金改定は、国会議員の互助年金制度におきます年金改定者の範囲との均衡を考慮いたしまして、四十八年三月三十一日以前の退職者について行われるということになっておるわけでございますけれども、五十二年度におきましては、この改定対象者の範囲を、直近年次の退職者まで拡大することによりまして、年金改定の実質的な効果を高めたいということで、いま申し上げましたように、昭和五十一年度におきましては、昭和四十八年三月三十一日以前の退職者としておりましたものを、今回五十年五月三十一日までの退職者を対象として、年金額の改定を行うということにいたしておるわけであります。 と同時に、その改定額の基礎となります仮定標準報酬月額の限度額を算定いたします場合における昭和三十七年十二月一日の標準報酬月額に乗ずることとされております乗率を、従来までは二倍ということにいたしておりましたものを、二・七倍に引き上げるということにいたしておるわけでございます。二・七倍といたしました根拠といたしましては、昭和三十七年の十二月の標準報酬月額を基準としてそれに倍率を乗ずるわけでございますので、昭和三十七年度を一といたしました場合の昭和五十年度の消費者物価の指数の上昇率二・七というものを用いまして、二・七倍に引き上げるということにいたしておるところでございます。 それから第二番目は、年金額の改定にかかわります昭和三十七年の標準報酬月額の最低額の引き上げをお願いをしておるところでございます。内容といたしましては、改定年金額の基礎となります仮定標準報酬月額の限度額を計算いたします場合におきます昭和三十七年十二月一日の標準報酬月額の最低限度額というのは、従来一万円とされておったわけでありますけれども、これを二万円に引き上げるということをお願をしておるわけであります。 以上二点が、大体今回五十二年度におきます地方議会議員共済年金制度の改善措置の大まかな内容でございます。
○前川旦君 そうしますと、従来よりかなり前進をしておる。皆さんの御努力よくわかるんですが、五十年の五月三十一日ということでありますと、五十一年度の物価上昇率は入ってまいりません。大変これは御努力の跡が見えるんですが、もう少しこれを前へ近くまで持ってくるということは、これはむずかしいんでしょうか。やはり一番近い物価上昇のところへできるだけ近づけてもらいたいというのは、もうこれは素朴な気持ちなんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(石見隆三君) 御指摘の御趣旨は、私ども十分理解をいたすわけでございますが、何分にも、御案内のとおり、この地方議会議員の年金制度は、国会議員互助年金制度を基本といたしまして、この国会議員互助年金制度に準じたものとして制度が発足し、いままで取り扱ってまいったわけでございます。したがいまして、従来からの例を見てまいりますと、地方議会議員の年金額の改定につきましては、昭和四十九年からは国会議員の互助年金の額の改定方式を参酌いたしまして、国会議員互助年金制度とのバランスをとりながら四十九年度からやってきたことは事実でございます。したがいまして、地方議会議員の年金額の対象者の範囲につきましては、昭和五十一年度までは国会議員互助年金制度の改定対象者の範囲と全く同様に、先ほど御答弁申し上げましたように、昭和四十八年三月三十一日以前の退職者を改定の対象者ということにしてまいりました。その点、国会議員互助年金制度とのバランスをとってまいったわけでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、今国会に御審議をお願いをいたしております改正法案におきましては、従来の方式を改めまして、地方議会議員についてその対象者の範囲を二年余りこちらに引っ張りまして、五十年五月三十一日以前の退職者ということによりまして相当大幅な改善をさしていただくということにさしていただいたわけであります。 なお、いま御指摘にございましたように、この改定の対象者の範囲をさらに直近年次の退職者まで拡大するということにつきましては、ただいま申し上げましたように、一つには、国会議員互助年金制度とのやはりバランスという問題があろうかと思うわけであります。で、今回の措置によりまして国会議員互助年金制度とのバランスが崩れたと言いますと語弊がございますけれども、地方議会議員年金制度の方が一歩前進をしたわけでございますが、私どもその理由といたしましては、何分にも五十年の春には地方の統一選挙があったというふうな経緯をも考えまして、やはり年金の実質的な価値を高めるためには、その分まで含めて改定するのがきわめていいんではないかというようなことで、国会議員互助年金制度よりも形式的には一歩先んじたような形になったわけでございますけれども、五十年五月三十一日以前の退職者まで対象にするというふうな措置をとらしていただいたわけでありまして、そういう意味での国会議員互助年金制度とのやはりバランスということも一つ考えなきゃならない問題であろうと思うわけであります。 さらには、もう一点。これは大きな問題になるわけでございますが、もしそのようなさらに直近年次にまで近づけるということになりますと、かなりの財源を必要とすることになるわけであります。そういたしますと、この制度は当該地方議会議員の掛金と一部公的負担によって賄っておりますので、その財源率に及ぼす影響というのもこれまた見逃すことのできない大きな問題だろうと思うわけであります。今後これらの問題も十分にらみながら、お説の点につきましては引き続き検討もさしていただきたいというふうにも存じておるわけであります。 なお、御参考までにいま申し上げました財源率に及ぼす影響ということにつきまして問題があるわけでございますが、現在、都道府県、市、町村と分けてこれを見ました場合、都道府県におきましては現在の会員数が二千八百二十二名でございますが、これに対しまして都道府県段階で退職年金等の受給者は千五百五十人ということになっておりまして、結果的には、会員十人に対しまして年金受給者が五・五名ということになっておるわけであります。同じく市段階では、会員十名に対しまして受給者が六・八人。町村段階へまいりますと、会員十名に対して年金受給者が五・七人ということになっておりまして、かなり成熟度は高くなってまいっております。こういう状況のもとで、やはりいま申し上げましたような財源率の問題というのは無視し得ない問題となってきておりまして、いま申し上げましたように、今後この辺の状況も踏まえながら、なお引き続き十分検討さしていただきたいというふうに存じておるわけでございます。
○前川旦君 従来よりも大分その面で前進しているということ、これは御努力が要ったと思います。評価をしたいと思いますが、それでは、地方議員年金のアップ時期なんですけれども、この制度がスタートしました当初は十月にアップするということでございました。それが毎年少しずつ繰り上がりまして、五十一年度は七月まで繰り上がってきた。その例からいきますと、これは六月ということにことしはなるだろうというふうにみんな思っておりますが、それとせんだって衆議院で予算が修正されまして、各種の年金が全部二カ月繰り上がりました。二カ月繰り上がったということは、この地方議員の年金にもこれは適用されるのでしょうか。適用されるとすれば、四月に改定ということになろうかと思いますが、その点いかがでしょう。
○政府委員(石見隆三君) 地方議会議員の年金の改定時期につきましては、従来から一般公務員の改定の時期と同様に取り扱ってまいったことは御案内のとおりでございます。したがいまして、ただいま先生お示しにございましたように、昭和五十一年度におきましては、公務員と同じように七月からこの改定を実施するということになっておったわけでございますが、今回のいまお話にございました問題との関連におきまして、今年度はさらにこれを三カ月結果的には繰り上げるという措置をとることにいたしておるわけでございます。したがいまして、結果的に恩給あるいは一般公務員の年金の改定時期と同様に、昭和五十二年四月から改定をするということでただいま法案を準備をいたし、御審議を煩わしておるところでございます。
○前川旦君 次に、遺族の年金ですが、議員の年金は、退職時の報酬の百五十分の五十ですか、ですから三分の一、遺族になりますとこれが半分になって六分の一になるわけです。ところが、公務員の場合は、扶養加算あるいは寡婦加算といってかなり大きな金額が上積みをされます。しかし、地方議員の年金の場合には扶養加算、寡婦加算といったようなものがございませんが、そういう制度を取り入れてもらいたいという要望が強いんです。この点はどう取り組んでいかれますか。
○政府委員(石見隆三君) 地方議会議員の年金制度につきましては、先生すでに御案内のとおり、国会議員の互助年金制度を基本といたしまして、これに準じた制度として昭和三十七年に発足をいたしまして今日に至っておるわけでございます。御案内のとおり国会議員互助年金制度は、その前すでに三十三年から創設されたものでございますが、地方議会議員につきましてはこれにならって三十七年度から本格的な年金制度が出発しておるものでございます。したがいまして、その内容につきましては、いま申し上げましたように、国会議員互助年金制度を基本といたしまして、これに準じて制度というものが組み立てられてきておるわけであります。したがいまして、現在、国会議員の年金制度でございます国会議員互助年金法におきましても、ただいま御質問にございました遺族に対する扶養加算あるいは寡婦加算というような制度が、国会議員互助年金には設けられておらないというただいまの現状におきまして、ひとり地方議会議員の年金制度についてのみ、議員の遺族に対して特別な加算制度を導入していくといいますことは、やはり前段申し上げましたこの制度ができました経緯あるいはその趣旨という面から見まして、国会議員互助年金制度とのバランスというものを考えました場合に、直ちにお示しのような制度を、地方議会議員に導入することは現時点では非常に困難だろう、むしろやはり問題があるんではないかというふうに存じておる次第でございます。
○前川旦君 国会議員の互助年金とのバランス、これが基本的な原則であるということは伺いましたけれども、国会議員の年金に比べて地方議員の方は、たとえば国会議員は十年で資格ができますけれども、地方議員は十二年、これは二年間のバランスがとれておりません。それから若年停止の問題も、国会議員は若年停止がなかったと思うんですが、その点もバランスがとれておりませんが、いずれにしても、私が感じますのは、公務員の共済とそれから国会議員の互助年金と、その間にあってどうも両方の悪いところに合わされるという感じがやっぱりせざるを得ないんです。 そこで、それはそれとしまして、いまの扶養加算、寡婦加算、もしこれを国会議員の互助年金の方に取り入れるということになれば、当然地方議員の年金にも取り入れるということになると考えてよろしいですか。
○政府委員(石見隆三君) 前段御指摘のございました点は、確かに一つの私ども今後の地方議会議員の年金制度のあり方として問題を御指摘賜ったものと存じております。先ほどから申し上げておりますように、地方議会議員の年金制度は国会議員互助年金制度を基本といたしまして、これに準じた措置ということを根本原則にはいたしておりますけれども、一歩やはり同じ地域で勤務をと申しますか、地方行政に携っておりますやはり一般の地方公務員との問題ということもこれまた無視できない問題だろうと思うわけでありまして、その辺基本的には国会議員互助年金制度を基礎にしながら、やはり公務員の年金制度というものも片方にらみながら現在の制度ができ上がっておることは事実だろうと思うんであります。 後段お示しにございましたように、今後国会議員互助年金制度におきまして、これらの遺族に対しまする特別の加算措置というようなものが導入されるというふうな時期に至りますれば、私どもこの制度の趣旨から見まして、地方議会議員の年金制度につきましても、こういう制度の導入につきまして、国会議員互助年金制度の扱いも十分見きわめながら検討してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○前川旦君 似たような問題ですが、公務員には老齢加算がございます。しかし、この地方議員の互助年金には老齢加算がございませんで、こういうことを言ったら何ですけれども、高年齢者の方がずいぶん多い。老齢加算をしてほしいという意見、要望がずいぶん強うございます。この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(石見隆三君) 老齢、長期在職者のいわゆる老齢加算につきましては、いまお話もございましたように、国会議員互助年金制度にも、地方議会議員の年金制度にも、この種の制度はないということは事実でございます。したがいまして、先ほど御指摘ございました問題と、これもやはり同じような問題かと思うんでございますが、このような国会議員互助年金制度におきまして、長期在職者のいわゆる高齢者加算というふうな制度が現在とられておらない時点におきまして、地方議会議員についてのみこの制度を導入していくというのは、やはり先ほどの問題と同じように、ひとつやはり大きな問題があるんではないかというふうに考えるわけであります。ただ、先生ただいま御指摘もございましたように、いわゆる国家公務員、地方公務員を通じまして、一般の公務員につきましては、この種の制度があることは事実でございます。 で、この一般の公務員におきます年金制度の中で設けられております老齢者加算の制度といいますものの中身でございますが、これはすでに御家内のとおり、戦前からございました恩給制度との関連におきまして、過去に恩給制度の適用を受けていた期間を持っております組合員、いわばかなり長期の在職者でありまして、具体的には地方公務員共済法ができました昭和三十七年以前、あるいは国家公務員につきましては国家公務員共済法ができた三十四年以前に、すでに恩給等の期間を持っておられる方がなお引き続き現在一般公務員として勤務しておられる方があるわけでありまして、このような恩給制度等の適用を受けておりました期間を持っておられる組合員についてのみ、その恩給期間等を対象として経過的な措置として設けられておるわけでございます。したがいまして、地方議会議員につきましてこのような恩給制度の適用があったというふうな時期はいわばないわけでありますから、地方公務員あるいは国家公務員におきますこのような制度を、直ちに地方議会議員に導入してくるのは、その制度の趣旨から見ましても問題があろうかと存じます。と同時 に、一つにはやはりもう申し上げるまでもないわけでありますが、地方議会議員というのはあくまで非常勤であり、一般公務員は常勤でありまして、その勤務の形態あるいは公務員法上の身分の取り扱い等全然異にしておるものであり、かついま申しましたように一般公務員につきましても恩給期間を持っておる者のみ、その期間についてのみ適用しておるというふうなものでございますので、このような制度を地方議会議員に導入することにつきましては、いま申しましたような趣旨あるいはまた国会議員互助年金制度にこの制度がないというふうな点からも非常にむずかしい問題ではないだろうかというふうに存じておるところでございます。
○前川旦君 これも先ほどと同じように、国会議員の互助年金制度に老齢者加算が加わるということになると、やはり同じように地方議員の方にもこれを取り入れるという道が開けると、こういうふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(石見隆三君) 国会議員互助年金制度に将来どういう形かは存じませんが、長期在職の高齢者に対して特例の措置をおとりになるというふうなことに相なりますれば、私どもその制度の趣旨あるいは内容等十分検討さしていただきまして、地方議会議員についてこの問題をどう対処するのかということにつきましても、十分検討させていただきたいというふうに存じておるところでございます。
○前川旦君 私、ちょっといま思いついたんですが、国会議員の場合百五十分の五十で、十年超えて一年、在職がふえるたびに少しずつふえますね。これは地方議員の場合はどうなんでしょう。これは百五十分の五十そのものの据え置きですか。とすればこれはやはり考えなきゃいけない問題じゃないかと思いますが、バランスとして、この点いかがでしょう。
○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘のございました点につきましては、国会議員の互助年金制度と地方議会議員年金制度とは全く同趣旨の規定が現在設けられておりまして同じ扱いをしております。で、国会議員互助年金の場合には、在職期間が十年以上十一年未満の方は退職当時の歳費の年額の百五十の五十ということになっておりまして、在職期間を十年以上一年を増すごとに百五十分の一ずつ加算をしていくということをいたしておられるわけでありますが、地方議会議員につきましても、在職期間が十二年から十三年未満の方につきましては、百五十分の五十と、この率は同じでありまして、在職期間が十二年を超しますごとに、一年ずつについて百五十分の一ずつ加算をしていくという制度があるわけであります。ただいま先生御指摘ございましたように、その年金のつく年限が国会議員さんの場合と地方議会議員の場合とは二年余り違っております。これはやはり、どう申しましょうか、国会、特に衆議院におきましては解散というような事態も起こり得るわけでありまして、十年ということになっておりますが、地方議会議員の場合には通常、解散ということがまずございませんもんですから、三期十二年というところで、大体まあいわば三期というところにめどをつけまして片方十年、片方十二年というようなことにはなっておりますけれども、加算率は同じような加算、長期加算をいたしておるということでございます。
○前川旦君 それから、公務員の場合は最低保障の制度があります。先ほどの御説明にちょっと触れられたようですけれども、公務員の場合五十一年度の最低保障が五十五万円であったのが、五十二年度には五十八万九千円というふうに最低保障の額が上がります。この地方議員の互助年金の場合には、この最低保障の制度がない。したがって、これをぜひ設けてもらいたいと、こういう陳情なり要望もかなりあるわけです。先ほど答えられた一万円を二万円にと、これがこの最低保障の部分に相当するんでしょうか、この点どうなんです。
○政府委員(石見隆三君) 地方議会議員の年金制度は、繰り返しの御答弁になってまことに恐縮に存じますが、国会議員の互助年金制度とはずを合わしてつくられておる制度でございます。したがいまして、国会議員互助年金制度において、現在最低保障額制度というものが設けられておらない現段階でございますので、地方議会議員についてのみこれもやはり同じく先んじてその制度を設けていくというのは、やはり大きな問題ではないかと存じております。なお、いま御指摘ございましたように、一般公務員につきましては、最低保障額の制度というものが設けられておるわけでございますが、これは何分にも一般公務員の場合には非常に給料そのもの、退職時の給与そのものが低いという方がおられるというふうなことも勘案をいたしまして、一定の退職後の生活に資していただきますために、最低保障額というふうなものを設けておるわけでございます。こういう趣旨から見まして、直ちに地方議会議員の年金制度に、国会議員互助年金制度にないこういう制度を導入するとは、ちょっと問題ではないかというふうに存しております。 ただ、後段お示しがございましたように、あるいはまた、先ほども御説明をさせていただきましたように、地方議会議員の退職年金等の額を算定いたします場合におきまして、その実質的な価値を高めるという目的を持ちまして、先ほど申しましたように、現在昭和三十七年十二月一日におけるその団体の議会の議員の報酬が一万円に満たない場合には一万円とするという、いわゆる、もちろん形は違っておりますけれども、一万円というその標準報酬月額の最低限度額を設けておったところでございますが、さらに今回の、ただいま国会に提案をいたしております法案では、これを二万円に増額をするということで御審議をお願いをいたしておりますので、これによりまして、もちろん一般公務員とは形が違うわけでございますけれども、最低保障額というものの導入と同じようないわば効果がもたらされるのではないかというふうに考えておるわけであります。 で、ちなみに、ちょっと計数的な点を御説明をさせていただきますと、議員年金の、地方議会議員の年金の昭和三十七年十二月におきます基準報酬月額の額——当時一万円という算出をされておりました、いわば根拠と申しますか、理由でございますが、当時、市議会議員の平均的な標準報酬は二万七千三百六十七円ということになっておりまして、そのときの会員数が約一万八千人であります。一方、町村議会議員につきましては、当時の平均標準報酬が五千六百三十七円でございまして、当時、町村段階での会員数が約五万九千人おられたわけであります。 このような実態を踏まえまして、これを加重平均をいたしましたところ、一万七百五十円という額に相なりますので、そこのいわば平均的なものとして一万円という額を押さえたわけでありますが、今回これを二万円ということに倍に引き上げることをお願いしたわけであります。その結果、昭和三十七年当時を見てまいりますと、少なくとも町村段階では標準報酬月額が三千円から二万円ということになっておったわけでありますが、今回、この当時の標準報酬月額を一万円から二万円に引き上げますと、少なくとも町村段階では全団体最高限度までカバーし得るというふうな状況に相なるような次第でありまして、相当な改善が行われるものというふうに私ども承知をするわけでございます。
○前川旦君 そこで、先ほど伺いますと、都道府県会議員で現職、つまり会員というのは現職のことだろうと思いますが、二千八百二十二人に対して退職して受給している方が千五百五十人とか、あるいは市会議員の場合は現職であり、会員である方が二万人ちょっと、それに対して受給者が一万四千人を超えると。それから町村議会議員の場合は四万八千百五十六人の現職会員に対して、かなりこれまたその半分近い受給者がいる。となりますと、これは現職の会員で非常にたくさんの人を賄わなければいけないということになりますね。やはりこれも高年齢者社会といいますか、やはりこれもこれから先ふえる趨勢にあるのでしょうか。つまり負担が受給者がこれからまだまだふえていくという見通しが立つのでしょうか。そうなりますと、この財源の問題が非常にこれは心配になってまいります。いま会員の個人の負担は報酬の百分の九・五を月々納めておられると思う。これに対して、公的負担は百分の一からスタートしまして、五十一年で百分の五まで進んできましたけれども、これはもともとは趣旨から言いますと、個人の会員の負担百分の九・五まで公的負担を持ち上げていくということでなければいけないと思うのですね。またそういうふうな方向であるという御発言も以前にありました。で、これについてはどうなんでしょうか。百分の一からスタートして、いま百分の五まできて、五十二年度は百分の六にする。いまのところ一年に百分の一ずつ前進しているようでございますけれども、これはこのまま毎年一ずつふやして百分の九まで持っていくのか。あるいはもう少しテンポを早めてもらいたいという意見があるのですね。その点はどのように考えておられますか。
○政府委員(石見隆三君) 地方議会議員共済年金制度の現状につきまして先ほどお答え申し上げたわけでありますが、将来の趨勢がどうなるかという御質問でございますが、これは私どもといたしましては、一般的にはやはり一般公務員なり、あるいは一般公務員におきます恩給あるいは共済制度とは異なりまして、受給資格の発生する年限が、地方議会議員の場合には十二年という、一般公務員に比べて非常に短こうございますので、三期をお勤めになれば受給資格が発生するということで、今後やはり退職年金受給者の数というのはかなり伸びが出てくるだろう。一方現在の会員数、議会の議員さんの数というのは、そのようにむちゃくちゃ伸びるわけではございませんので、最終的にはやはりこの成熟割合というのが徐々にではありましょうけれども高まってくるんではないかというふうに考えておるわけでございます。 なお、計数的に今後どういう推移をたどるかということは、ちょっと三期お勤めになる方がどの程度になってくるのかということにも絡んでまいりまして、まことにこれは一般公務員のようには単純には推計ができないわけでございますけれども、やはり成熟度は高まってまいるであろうというふうに存じておるわけでございます。 そこで、ただいま御指摘のございましたように、この地方議会議員の年金制度につきましては、現在、本人さんの掛金のほかに公的負担が入っております。で、これはいまもお示しがありましたように、この地方議会議員の年金制度につきましては、制度が創設されました時点におきましては、すなわち昭和三十七年にこの制度が発足いたしましたときには、議員の掛金のみでお互いが互助の精神にのっとってこれを運営していくと、給付を行っていくという制度として発足をいたしたわけでございますけれども、その後の収支の状況といいますものが、やはりこの成熟度が高まるにつれまして、収支状況が次第にむずかしい事態に相なってまいりましたという経緯も踏まえまして、ただいまお示しのありましたように、昭和四十七年に初めて百分の一という公費負担が導入されたところでございます。毎年収支の状況等も見ながら、これを一ずつ上げてまいりまして、五十一年度では百分の五まできておるわけであります。お示しにございましたように、掛金は百分の九・五ということになっておるわけであります。 で、この負担につきましては、昭和五十二年度におきましては、さらに公費負担を一上げまして、百分の六にいたしたいということでお願いをしておるところでございますが、なお今後におきましては、この制度におきます給付の状況、あるいはまた掛金収入状況等も十分見きわめなければならないわけでございますが、と同時に、一つには、やはり地方財政きわめて厳しい状況の中でございますので、急激な地方への負担ということも、これまた考慮しなきゃならない問題だとは存じておりますけれども、これらの点を十分見きわめ、わきまえまして、おおむね先生ただいまお示しにございましたように、掛金相当額に達するまでは毎年度次第に上げていきまして、地方団体の負担を増加してまいりたいというふうに現時点では考えておるような次第でございます。
○前川旦君 私は、いま本人の負担が百分の九・五、それから公的負担はだんだん上げていく、同率まで上げていくということなんですが、それでもやはり財源的にかなりむずかしさが出てくるんじゃないかというふうに実は思いますね。これは大変大きな問題になるだろうと思います。掛金を上げりゃいいという意見もあるけれども、必ずしも掛金だけ上げりゃいいじゃないか、こうはなかなか言い得ない問題もあるでしょうし、あるいは少々掛金が上がってもいいから充実してもらいたいという地方議員さんもいらっしゃるし、いろいろむずかしい問題があろうと思いますけれども、しかし、いずれにしましても、できるだけ早い機会に公的負担を、この個人負担と同じ率まで持ち上げていただきたいということ、そして同率になった段階で、将来この年金をどう改善していくか一遍再検討して、国会議員の年金と、さっき言いましたように、受給資格の年限とか、あるいは若年停止とか、やっぱりかなり格差があるようですから、その辺の格差も埋めていくという再検討、これをぜひ実施をしていただきたい。できるだけ早くそういう機会をつくっていただきたい、このように思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(石見隆三君) 確かに先生御指摘のように、この制度が発足をいたしましてまだ十五年でございます。制度全体としても必ずしも完全に整備されたものとは私ども理解をいたさないわけでございます。まだまだ問題が、国会議員互助年金制度等とも関連をいたしまして残されておることは事実だと思っております。したがいまして、私どもといたしましては、今後この制度はどうあるべきかということを十分検討さしていただきまして、その中におきまして、一つには、やはり地域で活動していただいております地方議会議員の方々の、いわば退職後の生活保障に資していただくための制度として、一つには、やはり国段階での国会議員互助年金制度等とのバランスということも十分見きわめまして、私ども積極的に今後とも引き続いて検討さしていただきたいというふうに存じておるわけであります。 と同時に、ただいま御指摘ございましたように、この財源問題につきましては、現在、本人の掛金率が百分の九・五、公費負担が五十二年度で百分の六と、将来できる限り逐次同率まで持ってまいりたいというふうに努力をいたしたいと思っておりますが、現在の段階では、まだこの収支経理が大変な状況にはなっておらないわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような、この制度自身の成熟度が進んでまいりました場合には、そのあたりにもやはり問題が出てくるんではないかというふうにも思っておりまして、制度全体のあり方の中で一つの大きな問題として、この掛金率、財源率、公費負担をどうするのかということもあわせて長期的な見通しに立って検討さしていただきたいというふうに存じておるところでございます。
○前川旦君 それから私は、前からこれは何とかならぬものだろうかと思う問題が一つあるんですよ。それは何かといいますと、町村議会議員、それから市議会議員、県会議員と、この辺の年金のドッキングができないものだろうか。たとえばですよ、町会議員を二期やります、これは八年ですね。二期やって、今度は県会に出た。県会二期でやめた。地方議員としては、ですから十六年やることになるんですか、ですけれども、どっちの年金もこれもらえないわけですね。その辺を私いつも非常に矛盾を感じているんです。地方自治の仕事ですから、市会も県会も町村会もみんなその仕事の貴重さというか、大事な点では変わりないわけです。そこを何とかこれドッキングして、たとえば公務員の場合には、前歴をある程度見ますね、勤務年限には。民間の職場に就職していて公務員になった場合なんか、民間の職場に就職している期間をある程度在職年限で見るという制度もあると思うんですね。何かそういう工夫を、知恵を出してやれる道はないものだろうか。前々からそれ実は考えているんですが、そういう点も検討課題にしてお取り上げを願えるかどうか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘をいただきました点は私どももやはり一つの問題点だろうと存じております。 御案内のとおり一般公務員につきましては、国家公務員から地方公務員へ、あるいはまた地方公務員から国家公務員へ動きました場合には年金が通算されるという仕組みをとっておるのに対しまして、地方議会議員あるいは国会議員さんとの間におきます通算というものはないわけであります。で、これはやはりいま申されましたように、私ども一つの問題点とは存じておりますけれども、何分にもそれぞれの市町村段階、県段階あるいは国会段階での議員さんの報酬あるいは歳費というものにかなり格差と申しますが、差があることは事実であります。そこをどう通算していくのかと、公務員の場合には給与はそのまま持っていくわけでありますから、そこは非常に技術的にも理論的にも組み立てやすいわけでありますけれども、非常な格差があるということが第一点であります。 それからもう一点は、通常の場合、市町村議会議員から県議会に出られる、あるいは県議会から国会に出られるというケースが非常に多いわけでありまして、都道府県議会議員が村議会議員になるというようなケースはまず通常ない。そういたしますと、だんだん地方団体の中だけで考えました場合にも、市町村の方からどんどん県の議会に上がってこられるわけでありますから、県段階での——最終的なそこで支払い者になりますから、非常に県段階での財政負担が高まってくると、市町村段階では掛金をいただきっ放しで支給はない。県段階では掛金はちょっとで支給ばかりが出てくるというふうなことも起こり得るわけでありまして、各団体間でもこれまた、言葉は語弊ございますが、利害必ずしも一致しないというふうなこともありまして、地方議会議員さんの中でも問題意識は持ちながら、といって県になだれ込んでこられるのはちょいと困るというふうな点もあるわけであります。そういう問題等ございますものですから、私どもその辺理論的にも、あるいは技術的にもどのような通算制度がとり得るのかということをいろいろ検討もしておるわけでございますけれども、なかなか結論を得るに至っておりません。今後、せっかくお示しございました点でございます、私どもこの点についても引き続いて検討はさしていただきたいというふうに存じておるわけでございます。
○前川旦君 皆さん非常に、何というか、優秀な方そろっていらっしゃるんですから、知恵をしぼれば、掛金を掛けて、掛けたまま、市会議員ですか、市会議員の互助年金に掛けたまま県会に行った場合に、掛けた金を置いていくんじゃなくて、持っていくというような制度だって考えりゃできぬこともないだろうと思いますんでね、これはいま検討しておるし、するとおっしゃいましたから、どうかひとつこれは真剣に考えてみてください。知恵をしぼっていただきたい、このように思います。 最後に、大臣にお伺いをいたしますが、最初に申し上げましたように、地方自治というのは民主主義の基礎でございますし、そこで大事な仕事をしておられるこの地方議員の、やはり老後の保障というのは私はこれは非常に大切なことだと思うんですね。特に年金の充実ということが最近特に大きな政治課題になっております。技術的な問題もいろいろあろうと思いますけれども、やはり国会議員の互助年金に比べますと、支給額も低いし、これは報酬が低いからやむを得ないという面もありましょうけれども、掛金も低いからやむを得ないという面もありましょうけれども、やはり国会議員の互助年金に比べると受給資格の年限の問題とか、あるいは若年停止の問題とか、かなりまあ格差をやはり感じざるを得ないんです。ですから、何とか大臣が御努力していただいて、できるだけその地方議員の方々の老後の安定が図れるように、最大の努力をやはり尽くしていただきたいと思いますが、この点を要望しておきます。いかがでございましょうか。
○国務大臣(小川平二君) 公務員部長からお耳に入れましたように、この制度が国会議員の互助年金とのバランスを考慮して制定され、運用されておりまするので、したがって、これを改善いたしまするための先ほど来の御提言ないし御要望というものは、概して申しますれば、国会議員の互助年金にもそのまま当てはまるわけでございます。いずれにいたしましても、国会議員の互助年金が昭和三十三年、地方議会の議員の年金が三十七年の発足で、日がまだきわめて浅い、制度としてまだまだ未熟なものと申すべきであろうと存じます。したがいまして、今回御質疑をいただきましたのを契機としまして、今日まで諸外国の制度等についても調べておったわけでございますが、外国の制度をひとつ本格的に調査をしてみたいと考えておるわけでございます。お言葉のように、これは地方自治、民主主義の基礎でございますから、地方自治のために長年にわたって尽瘁された方々の保障のための制度、あとう限り改善、充実をしていかなければならない、これは当然でございますから、今後懸命にひとつ改善のために努力をしてまいるつもりでございます。
○前川旦君 終わります。
○沓脱タケ子君 それでは最初に大臣に御所見をお伺いしたいんですが、ことしの三月の自治省がまとめられました「地方財政の状況」によりますと、いわゆる人口急増市町村ですね、そこでは義務教育の施設などとともに廃棄物処理施設の整備費に多額を要しているということが言われております。これについて自治大臣としてはどういう御所見を持っておられるか、簡潔にちょっとお伺いをしておきたい。
○国務大臣(小川平二君) お言葉のように、人口急増に伴って出てまいりまする困難な問題、解決を要する問題、学校と並んで廃棄物の処理、これは大変大切な問題だと心得ておるわけであります。
○沓脱タケ子君 最初にちょっと環境庁にお伺いをしたいんですが、まあ大阪のような大都市地域におきましては、大気汚染を防止するためにはいろんな規制がやられておるわけでございます。市町村が行うごみの焼却に当たっても、実際にはごみとして紛れ込んでまいります塩化ビニールの焼却処理をすることから塩化水素が排出される。これが周辺の住民の皆さん方にいろんな形で被害を与えておりますので、都市におきましては焼却場ではこの塩化水素などの有害物質を除去することが必要になっておるわけでございます。こういうものを除去するということでなければ、工場の新設は住民になかなか受け入れられないということでございます。たとえばいま大阪でも問題になっておりますが、松原市では、これはそういう除去装置をつけるということを市が説明をしてもなかなか住民に受け入れられないというのが今日の実情でございます。私どもいろいろな実例を見ますが、たとえば万博記念公園の一角に大阪の吹田市が処理工場を持っておりますが、記念公園のそばということになりますと、これは最も良好な環境を維持しなければならないということになるわけですね。何らかの措置がどうしても必要なんです。こういうふうに過密化した特定地域において、焼却場から出る排煙を、何らかの方法で有害物を取り除くことが必要だと思うんですけれども、そういう点については環境庁はどういうふうにお考えになるか、それをちょっとお聞かせを願いたい。
○説明員(竹野正二君) 先生おっしゃるとおり、塩化水素、現在、国の基準はございませんけれども、各地方自治体によってその人口の密集した地域とか、そういう地域におきまして必要に応じて規制をしているのが事実でございますけれども、そういうふうな地方的なことも非常に重要でございますけれども、われわれとしましては、まあ全国ベースのナショナルミニマムとしてこれを規制もする必要があるんではなかろうかということで現在検討に入っておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 自治省にお聞きをしたいんですが、先日、衆議院で三谷議員に、特定地域の排ガス規制に必要という結論が出れば、これは運転経費を交付税に算入したいというふうにお答えになっておりますけれども、環境庁がそういうふうに必要だというふうにお認めになっておられたら、これは算入をされますか。
○政府委員(首藤堯君) お答え申し上げます。 ごみ処理のための排煙の浄化装置関係の経費でございますが、先生御指摘のように、各団体ごとにいろいろ扱いが違っておりまして、特に大阪府下においては、府が特別に条例を設定をして、そのために高度の経費がかかっておると、こういう実態は私どもよく存じておるわけであります。ところが、普通交付税の算定の場合は、これは先生御案内のように、全国一定の基準で算入をするということに相なりますものですから、このような大阪府下の特別の高度な処理に要する経費、これを普通交付税にそのまま算入するということは技術的になかなかむずかしゅうございます。そこで、こういったような基準の高まりが全国的な基準として環境庁等でお示しになり、各県ともそういった基準に従って処理をしていくんだということになれば、当然これは普通交付税に入れてこなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありますが、ただいまは、御承知のように、都道府県や大阪とのあり方が大分違いますものですから、やむを得ませず大阪府下の特別の経費は、普通交付税でなしに、特別交付税で市町村の実態等見ながら処置をしていくと、こういう措置をとっておるところでございます。したがいまして、一定の基準が決まって、全国的ないわゆるナショナルミニマムの基準とでも申しますか、そういうことになってくれば、これは当然普通交付税に算入する、こう考えております。
○沓脱タケ子君 特別交付税というんでなしに、やっぱり私は、大都市の一般需要額として当然交付税の需要額に算入すべきだというふうに思うんですよ。いわゆる特定地域というのは、それはまあ全国的に見たら非常に違いが出てくるとは思いますけれども、特定地域というのは、やっぱりそういう施設をしなかったら焼却炉はつくれないという状況にまで来ているわけですから、そういう点をどういうふうに考えるかという点が非常に重要だと思うんですよ。大都市の一般の需要額というかっこうで交付税に算入するというのはできませんか。
○政府委員(首藤堯君) ただいまも申し上げましたように、普通交付税の場合は、もちろん都市的な機能のあり方を態容補正等で区分をいたしますけれども、それらのたとえば人口五十万以上の市、三十万以上の市、あるいは都市周辺の一定密集地以上の市、そういうところがおしなべてこういう基準以上でやっておるという事態になりまして初めて一般的にどこにも通用する単位費用と、こういうかっこうになってまいるわけでございます。先生御案内のように、同じような市の形態をとっておりながら、たとえて申しますと、大阪府下と兵庫県下と違うとか、あるいは東京周辺と違うとか、こういうような事態でございますと、それをおしなべてやっていない兵庫県やら何やらまでに適用する単位費用として設定をする、これはなかなかむずかしいわけでございます。しかし、大阪府下がそのような特種事情にあって、どうしてもこういう集じん装置等特別なものをやらなければならぬという事情は私どもにもわかります。したがって、これは天下蔓延のものではございませんけれども、大阪府下に特殊のものである、こういうことになれば、交付税制度上特別交付税で扱うよりほか現在のところ手がないわけでございます。そういう趣旨でございます。
○沓脱タケ子君 時間が限られていますからあれですが、もう一つちょっと厚生省に聞いておきたいと思いますが、焼却場の増改築の場合に、従来は既設部分が補助対象になっていなかったんですね。これは改善すべきではないかというふうに思うんですが、これはどうなんですか。
○政府委員(国川建二君) お答えいたします。 ただいま先生がおっしゃいました増改築のお話でございますけれども、私どもといたしましては、いわゆる希望の増加を伴います改増築、かなり大規模なものになると思うんですが、これにつきましては従来から国庫補助対象となり得るものというように認識いたして扱ってきております。たとえばごみ処理施設以外の、たとえば排水処理施設、そういうものについても増改造については国庫補助の対象になるというふうに考えております。ただ、おっしゃいますように、改造と申しましても、実はピンからキリまであるという場合がございます。改造上軽微なものとか、あるいは耐用年数がまだまだ相当あるというようなもの等につきましては、これはなかなかちょっとむずかしい点もあるかと思いますが、方向といたしましてはそういうような考えでやってまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 その次に、大都市と周辺地域の自治体で特に困難な問題になっておりますのは、今日ごみ焼却場から排出される残灰の最終処分地の確保でございます。東京の杉並の清掃工場の建設をめぐっては、ごみ処理は自分の区内の処理ということで問題になっておりまして、これが第一次ごみ戦争というふうに言われておりますが、最終処分地の確保をめぐる問題というのは、まさに第二次のごみ戦争とさえ言わざるを得ないというほどの事態になっております。 で、三月に、衆議院予算委員会の第一分科会で、これも三谷議員がお取り上げになりましたが、環境庁や厚生省が前向きに取り組んでいくというふうなことでございましたが、ちょっと最初に聞いておきたいのは、厚生省はこれはこの点についてはプロジェクトをつくってやっていくのですか、前向きに取り組むという中身ですね。
○政府委員(国川建二君) ただいまのお話、いわゆる最終処分地確保の問題、これは従来から大変重要な問題であり、しかもなかなか実際問題としてはむずかしい問題がいろいろあるという認識も持っているわけでございます。 で、先般も三谷先生にも申し上げたわけでございますが、厚生省といたしましては廃棄物行政の中で特に重視しなきゃならない課題だというぐあいに考えておりますので、現在、ただいま、とにかく実態を把握いたしたいということで全国的な調査を行っておるわけでございます。また、同時にこの最終処分地の確保問題は、特に大都市周辺、首都圏とか近畿圏におきまして問題が非常に多いというように認識いたしておりますので、そういう地域につきましては別途重点的にとにかくまず実態を把握いたしたいというように考えているわけでございます。で、全部が全部市町村非常に行き詰まっているという問題でもない点がちょっといろいろあるわけでございます。個別に調べますと、非常に行き詰まっている市町村があるのは事実でございますので、これにつきましては、当面は緊急の課題といたしましては、厚生省といたしまして実情を把握するとともに、市町村段階で困難なものは、次の段階といたしましては都道府県段階で何とか広域的な対策ができないのか、その問題点なり対応策なりを詰めていきたいというふうに考えているわけでございます。 それから、さらに長期的な問題といたしまして、これは他省庁非常に関連のある問題といたしまして、そういうプロジェクトチームのような対応も必要だというように考えて環境庁とも御相談していきたいというふうに思っております。
○沓脱タケ子君 それで、厚生省、実態調査を行っているというふうにいまもお述べになりましたね。どういう内容を調査をしておられるのか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○政府委員(国川建二君) とりあえず現在調べております最終処分場に関します内容を申し上げますと、清掃事業の実態調査の中の一環として行っておりますので、調査項目といたしましては、埋立地の所在地、土地の所有関係がどうなっているか、それから現在行われている埋め立ての手法、それから面積並びに全体としてのそこの容量それから残余容量といいますか、あとどれだけの処分が可能であるか、そういう項目でございます。
○沓脱タケ子君 御調査の項目が当然そういうものも入らざるを得ないと思うんですが、私は、いま大都市でごみの処理で一番問題になっている点で、調査の中身としてやっぱり委託の問題ですね、委託に関する割合だとか委託の量だとか、あるいは委託費がどのくらいかかっているかとか、あるいは委託の業者がどういう方々だとか、あるいは委託業者の処分地がどういうふうにやられているかとか、あるいは住民の反対で使えない処分地というのはどのくらいあるか、そういう実態をおつかみにならないと、今日の大都市におけるごみ処理の非常に重大な状況になっておるこの問題点というのはつかむことができなかろうと思うんですね。そういう点で、私は、時間がありませんので詳しく申し上げられませんけれども、少なくともそういった点を厚生省、特に私は自治省にお願いをしたいと思いますのは、地方自治体が一番頭を悩ましているそういう実態を、やはり厚生省が所管だということではありましょうけれども、一番困っているのはやはり自治体そのものなんですね。ですからそういう点では、厚生省を中心にしても結構ですが、自治省やあるいは環境庁それぞれ現地を見てどのような状況でどんなに困っているかというふうな実態調査をおやりになっていただく必要があろうと思うんですが、各省のそれぞれのお考えちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(国川建二君) 先生ただいま御指摘になりました特に住民との関係でいろいろ問題になっているというケース等につきましては、端的に申しましていろいろ複雑な事情があるというように思っておりますので、先ほど申しました全国的な調査と別個に、たとえば近畿圏等におきましての具体的な調査はもっと正確な調査をいたしたい、実態把握に努めたいというように思っております。 それから、当面私どもは都道府県を通じてそういう実態の把握に努めているわけでございますけれども、御指摘のようにいろいろの問題、都道府県とあわせて国としてもそのように取り組む必要がある、実態を詳しく見る必要があるということならば、私どもとしても現地調査を行うことに対して決してやぶさかではございません。
○政府委員(首藤堯君) 地方団体がじんかい、屎尿、こういったたぐいのことで非常にお困りであることはよく承知をいたしております。何分にも私どもの役所、小人数の役所でございますからなかなか手も回りかねますが、最近は全国を三ブロックに分けまして財務調査官制度というものも設けましたので、各府県等を通じまして十分実情も承りますとともに、また各地方団体具体的にお困りの問題があれば、いろいろ御相談に応じる窓口も開いておるわけでございます。そういったことを通じまして、手狭な役所ではございますが、できるだけ努力をしたいと思っております。 なおまた、先ほど御指摘がございましたプロジェクトチーム的なものを厚生省、環境庁等でおつくりになりまして、お呼びかけがございますならば、私どもも喜んで参加をいたしまして地方の実情を十分反映をさしていただきたいと、このように考えております。
○説明員(竹野正二君) ごみの廃棄物の問題につきましては私どもの担当ではございませんので、水局の方でやっておりますので、帰ってから担当の方によく先生の御趣旨を伝えたいと思います。
○沓脱タケ子君 それじゃ、これも厚生省にちょっと意見を聞いておきたいと思うんですがね、自治体が最終処分地を確保するのに住民の合意が望ましいですね。住民の合意なしにはできないわけですから合意が望ましいと思うんですが、それについては本当にそう思っておられますか。異論はありませんね。
○政府委員(国川建二君) 事実上その当該地域の住民の方々の御理解がなければ、ある程度御協力も得なければなかなか困難な事業だというように認識いたしております。
○沓脱タケ子君 それでは、たとえば兵庫県の宝塚市、それから大阪の吹田や寝屋川を含めての四市、土地をせっかく確保したけれども、住民の合意が得られないでそのままとんざしているという事態を知っておられますか。どう思いますか、それ。
○政府委員(国川建二君) 幾つかの市におきまして、すでに埋め立て処分用地として予定しておりましたものが、なかなか住民の方の御理解得られないということで進まないという事実は伺っております。それにつきましては、できる限りさらに住民の方々あるいは地方公共団体同士の間でよく話を煮詰めていただきたいと、実はそういうふうに思っておるわけでございまして、関係の府県等にもそういう働きかけと申しますか、指導をできないものかというようにいろいろ御相談申し上げているところでございます。
○沓脱タケ子君 そういう何年もとんざしている場合に、国があっせんに乗り出すぐらいのことはやるべきじゃないんですか。
○政府委員(国川建二君) 先生のおっしゃる御趣旨私もよくわかるのでございますけれども、まあ私どもといたしましては、そういった個別、まあ個別のケースと言っては恐縮でございますけれども、当面都道府県でいろいろ対応を考えている段階だというように認識いたしているわけでございます。場合によりましては、都道府県の段階におきましても、なお市町村、地方公共団体の間の問題ではないかというような感じを持ちながらも、何とか解決したいと努力されているというようなケースがございますので、それぞれの実情といいますか、その推移等を見ながら、私どもとしても都道府県に対しましていろいろ御意見その他は申し上げていきたいというように思っている段階でございます。
○沓脱タケ子君 見ておりますと、本当に見ちゃおれぬ状況なんですね。私ども自分たちで見てきたところでも、これは大変だというふうに思いますのは、たとえば吹田では一日に五十万円の利息を払っているんですね。その累積が五億円超していますよ、もう。それから大阪の寝屋川市でも一日十四万円の利子を払っている。その累積の利息が一億六千万を超すという状況になってきているわけです。しかもそれが今日も毎日続いていると、こういう状況なんですね。しかも自治体としては、この処分地の先行取得は、国が解決に乗り出さない限り、どんな犠牲を払ってもやっていかなきゃならぬわけです、いまの段階で。しかも、現行制度では、事業計画が確定できないものについては何一つ救済措置がないわけでしょう。そういうことになっているわけです。ですから地方自治体は、この低利融資への借りかえだとか、あるいは利子補給だとか、利差補給とか、何らかのかっこうで国の財政的な援助を求めているというのは、これは当然だと思うんですね。大阪だけ見ましても、十四市の市議会では、その要望決議もやられておるわけですし、これは何らかの財政援助を行うべきだと思うんですがね。そういった点で自治省としてのお考えはどうですか。
○政府委員(首藤堯君) 一般的に、都市周辺の人口急増地域、これがいろんな面で財政需要がある。これはもう私どもよく存じておりますので、最近、御承知のように各種の措置を講じて財政援助に向かっておるわけであります。 たとえて申しますと、公立小中学校、これに対して国庫補助のかさ上げ、あるいは用地の補助、こういったものもあれしましたし、幼稚園や保育所や消防、こういうものについても同様な措置をとりましたし、さらに地方債のかさ上げ等も行いましたし、ないしはこういった地方債の元利償還金を交付税の基準財政需要にある程度算入する、交付税を通じて財政援助をするといったような措置も講じておりますし、交付税そのものも人口急増補正といったようなことをやりまして増加をしていく。こういうように、急増地域、都市周辺のそういった都市の悩みを財政全般の体制として救う、こういうのが私どもの使命でございますので、そのような措置はいろいろ講じておるところでございます。 ところで、御指摘の、ごみ処理のための用地の先行取得をいたしましたものが利用できないでいるために、利子そのほかがかさんで財政が非常に苦しんでおる、これはよくわかるわけでございますが、そのような個別の問題と申しますか、特殊の問題、これを財政援助措置そのものに乗せていくということは実際上なかなかむずかしいわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、人口急増市町村の財政を全般的に把握をいたしまして、できる限りの制度的な財政援助をやっていく、こういうことに当面努力を注ぎたいと、こう考えておるわけであります。
○沓脱タケ子君 話を聞いたら何にもやらぬということになるわけなんですがね。 短い時間で十分意を尽くせませんけれども、たとえば産廃の用地確保を企業がやる場合、税制で優遇措置をもうすでにやっているわけですね。地方自治体は、こんなに地方財政危機の中で困難な状況に逢着をしているのに、とにかくむずかしいのでありますというだけでは、これはもう本当に自治体も解決できなくて大変な状況で、一層地方財政の危機を促進する結果になるわけですよ。そういう点で、これは少なくとも私は、実態調査などもおやりになるというんだから、そういったプロジェクトチームの課題などにもしていくといいことも含めて、何らかの対策をとるというふうなことについて少なくとも考えるべきだと思うんですが、最後に大臣所見を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) この問題につきましては、先ほど来事細かにお話を承ったわけでございます。非常にむずかしい問題になっておるということは十分理解をいたしておりますが、問題は二つあるわけでございますが、前の問題につきましては、先ほど財政局長から答弁をいたしましたように、恐らく条例でお決めになっている基準の上乗せというもの、これは全国的な視野からどう位置づけるか、この検討を環境庁にお願いをいたしておる。なかなかむずかしい問題でありまするから、まだ御検討の結果も承ることができずにおるわけでございます。まあ仮に補助金でも交付されるというようなことになりますれば、その裏負担として交付税で解決することができますが、現状ではやはりこれを交付税で見るということは、交付税というものの折り目、筋目の立った使い道と申すわけにいきませんので、それが一つの問題点であると思っております。 後の方の問題は、これは政府資金で解決をするということができますれば、これは非常に結構なことですが、政府資金の方は五十二年度大幅に増額はいたしましたけれども、やはり義務教育施設でございますとか、あるいは公営企業でございますとか、その方へ向けてこれはいっぱいという状況でございます。なかなかこれは簡単に解決ができない。事情は十分理解をしております。何らか問題解決のための手段がないかとただいま苦慮しているというのが偽らざる状況でございます。 先ほど来、現地の状況を自治省としてもより一層正確に把握せよというお言葉もあるわけで、そういう努力もいたしてみますが、現状では一刀両断に解決するという方途がなかなか発見できないというのがありのままのお答えでございます。
○向井長年君 大臣にお聞きしますが、私は地方税の基本についてお伺いしたいんです。 この間の予算委員会で私が質問いたしましたときに、地方自治体から正規の手続が出ておるから、手続はそろっておるから認可したと、こういうことを言われた。税金で手続だけでいいのかね。もっと大きく、やはり地方財源をいかなる目的で取るか、あるいはこれがどう今後使われるか、それが他府県に対してもどう影響があるか。もろもろの問題を考えてその問題を自治省でそしゃくをしなければならぬと、こう思うんです。 たとえば、核燃料消費税の問題なんです。この問題について、突如として福井県が出してきた。これに対して、自治省はそのまま認可した。これは非常に私は問題があると思います。少なくとも、電源立地に対しては電源三法というものが田中内閣時代にできて、地域振興のためにこれを使わそうではないか、こういう立場をとったはずなんです、実施されておるんですよね。それに加えて、核燃料消費税というものが出てきた。これはどういうことなんですか。それを簡単に認可されたようですが、根拠はどこにあるのか。
○国務大臣(小川平二君) ただいま手続という仰せでございますが、手続と申しますより、むしろこれは内容の問題でございまして……
○向井長年君 あんたが言ったんですよ、手続というのは。
○国務大臣(小川平二君) 財政需要があり、これを充足するための税源がある、さような場合に、二重課税になるとか、あるいは国の政策に背馳するというような欠格条項に該当しない限り、国は、申請がありました場合にこれを許可しなければならない、かように義務づけられておるわけでございます。したがいまして、申請を許可したというわけでございまして、電源三法の方は、これは建設中の発電所に対する措置でございます。福井県は、建設が終わって稼働をしておる発電所に関連して出てまいりまする財政需要に対応していきたい、こういう考え方で申請を出しておるわけでございますので、これを許可した、こういう次第でございます。
○向井長年君 そんなの答弁になりませんよ。二重課税ですよ、これは。いいですか。原子力、火力、水力全部にかけておるんですよ。したがって、この地方税は県税ですよ、電源地帯の財源じゃないわけです。市町村ですね、いわゆる電源三法は。それが県が取るというのは、一般財源確保のためにそういう税金を取ろうとして出したはずなんです。 これ大臣知っていますか。あなたが自治大臣になる前に、いまの法務大臣である福田一さんが選挙公約をしたんです。衆議院選挙に出る公約で、福井県においてはこの税金を必ず、おれが自治大臣である、したがって、これはちゃんとそれをつくっていくんだということで公約をして選挙を戦っている。そしてあの人がやめられた後、事務局はこれを引き継いで、あなたが自治大臣になられて認可しているわけです。少なくとも、そういう核燃料消費税というような問題については、福井県だけの問題じゃないでしょう。各県が関係する問題じゃありませんか。それを、一県が来たからといって、直ちにそれを認可したというのはどういう理由かちょっと私はわからない。
○国務大臣(小川平二君) これは繰り返しになりまするが、一定の要件を備えておりまする場合に、要件を具備していなければこれは別でございますが、許可しなければならないと法律が明定をしておるわけでございますから、申請を許可しないと法律違反にならざるを得ない、こういう問題でございます。
○向井長年君 要件がそろっているのは、これは一つの目的があるわけですね。少なくとも、その目的が、そういう形でばらばらで各地方から出てくることが望ましいんですか。国としては、地上財源をいかに求めるかという形で、交付税の問題あるいは交付金の問題その他法人税問題があるんでしょう。そういう中の一環としてこれはこの際地方財源確保のために必要である。しからば福井県だけではなくて、新潟県も、あるいは場合によれば福島県も、あるいは島根県も各所にあるはずなんです。それは政府は知らぬ、自治省は知らぬ、ただ府県が出してくれば認可するんだと、そういうことで政治ですか、それが。地方財源の確保ですか。そういう、法律をしてやるんだったら大臣要りませんよ。事務局だけでいいんですよ、そんなことは。国全般の地方財源をいかに確保するか、この財源はいかに求めるか、また国民がこの財源に対して理解するか。この問題は国民負担になるんですよ。企業から取るんじゃないんですよ。御承知でしょう、自治大臣。少なくとも、料金というものが原価主義をとっておれば、料金のコストに繰り入れるということなんです、これは。国民の財源ですよ、これ。それを簡単に、そういう、法律がこうなっているからこうだという形で物事が皆処理できますか。そんなことが政治ですか。事務局だけでそれをやったらいいんじゃないですか、そんなことなら。そこに私は、ただ、法律上具備しているからこうだというようなことではなくて、地方財源というものはいかに確保しなければならぬか。この現在、地方財源が不足の中で、中央と地方の間、あるいは特殊な税金、新税というものはいかにこれを求めるか、やはり各府県も公平にこういうものがあってしかるべきでしょう。一県だけが言うてきたからやった、ほかは言うてこないから知らないんだと。そんなことでは私は公正な税金とは言えないと思うんです。この点どうですか。
○国務大臣(小川平二君) これは一県だけ特にどうこういうことではございません。ただいまほかの府県から申請というものが出ておりませんけれども、発電所が稼働することによって一定の財政需要が出てくる、これを充足するためにということで申請が出てまいりますれば、内容が法律に合致しておる限り、これを許可しないわけにはいかない。これは法律の問題で、許可しなければ法律に違反する問題でございますから、これはもうやむを得ないことと御了解をいただきたいと思います。
○向井長年君 あなたにね、あなたも政治家でしょう、いま大臣で行政担当をされておるけれども、少なくとも私が申し上げるのは、税というものは公正でなければならぬと。そしてその税が取られた場合には、いかにこれが消費され使われるかという問題、そうなってくると、自治省においては、そういう重大な国民負担になる問題については、じっくりこれを検討をし、そして他府県に対してどういう影響を与えるかという問題も含めて、あなたが考えなければならぬ問題じゃありませんか。事務当局は法律に合致したからこうするということは言えても、少なくとも私はそういう問題が地方税に対する今後の問題だと思う。これに対して、ただ、法律がこうなっているからすぐ許可するんだ、そういう形でやれば、どういう地方税が出てきても、合致しておったら何でもやるんですか。そんな一貫性がないんですか。私はその点、もう少し自治省というものは、各府県を見渡して、地方財源確保のためにいかにするかと。交付税の問題もあるいは補助金の問題もあるいは交付金の問題、法人税問題、全般を見渡して、地方財源確保はいかにあるべきかということが自治省の役目じゃありませんか。そんなことでいいんですか。各府県が勝手にやる、それは法律に合致するから認可した、よそはどうでもいいと。そんな考え方で税金を取り扱っておるんですか。
○国務大臣(小川平二君) 繰り返しになりますが、よそはどうでもいいという考えは毛頭持っておりません。よそからも申請がございますれば、検討をして、これが法律の定める要件に合致しておれば許可しなければならない。これは政府の義務として許可しなければならないわけでございますから、福井県のことだけ考えてほかはどうでもよいという考え方は、これはとっておらないわけでございます。
○向井長年君 通産省はこの問題に対してどう考えているか。行政上いわゆる電源地帯の問題が他にもたくさんある、こういう問題についてあなたたちは、そういう税金が今後コストにはね返ってくる、こういう立場からその問題どう考えますか。
○政府委員(武田康君) ただいまの先生のお話でございますけれども、私ども通産省といたしましては、原子力発電所の立地、火力その他でもそうでございますけれども、そういう立地促進のためには、その設置に伴いまして、種々の地元の財政需要といいますか、そういったものを充足するということが必要であるというのが一つの考え方でございます。 さて、いろんな財政需要があるかと思いますけれども、そういう財政需要に対します財源措置でございますが、いま御指摘の核燃料税というようなものによるのが適切なのか、あるいは先ほど御指摘ございましたけれども、電源特会の運用またはその運用の改善というようなことで対応するのが適切なのか、そういったいろんな組み合わせがあろうかと思いますけれども、それにつきまして慎重に判断すべきものと、こう考えておるわけでございます。 先ほど御指摘の福井県につきましては、御指摘のとおり核燃料税の創設というのが認められているわけでございますけれども、福井県は原子力発電所これが集中立地している。集中といいますか、まあ数が現在八基でございますか、そういうような多数の原子炉をつくり、あるいはつくりかけているというような特別な理由があるので認められたと、こういうふうに私どもとしては思っている次第でございます。
○向井長年君 自治大臣、いまエネルギー問題大変だって言ったでしょう、総理初めね。エネルギー問題確保するために今日まで——過去においては水力から火力になり、石炭からこれが重油になってきた、油になってきた。やはり経済性という問題が国民の負担になるんですよ。 したがって、ウラン——濃縮ウランを使った原子炉というものが一応コストが、経済性が一番安いと。今後再処理の問題が出てきますが、安いということで、これからはやはり外国に依存するにしても、この問題は効率的であり、しかも、経済性を持っておるというところでこれ推進しておるんですよ。これに消費税をどんどんまたこういうものが出てきますと、コストが上がってくる。これによって国民が負担ということになるわけだ。こういうような問題は一般、県の財源でしょう。県にそれだけ——まあ市町村は別ですよ、電源地帯の。県がその何をなぜ取らにゃいかぬのです。そういう財源を県がなぜ取らなきゃいかぬのですか。集中していると言うが、それは一村ですよ、一町ですよ。県じゃない。福井県全般にあるわけではない。いま福島県も集中してますよ。そういうようにして集中するのが各所に出てくるが、県の財源として、私は、まだ市町村税としてその地域で地域振興に足らぬからと言うなら話はわかりますよ。県として取らなきゃならぬ理由は那辺にある。その取った財源をどこへ使うんですか。取った財源はどこへ使う。一般の県財政でしょう。そういうことが、私は特殊な形で新しい税金をそういうところから取っておるというところに問題がある。そういうことは、やはり国のエネルギー問題全般の政策から考えなきゃならぬのが、やはり自治大臣の物の考え方でなけりゃいかぬのじゃないか。あなたの言い方は、もうまるで役人、ただ一官僚の言うことですよ、法律がこうなっているからこうだというようなことは。出てきても、それはちょっと待ちなさいと、やはりその財源については、他の問題とあわせて検討しなきゃならぬというのが、自治大臣のやはり慎重な考え方でなけりゃいかぬのじゃないですか。いかがなんですか。
○国務大臣(小川平二君) エネルギー問題の重要性、先生は御専門でいらっしゃいますが、私も認識をいたしておるつもりでございます。発電所が存在することによって、地元の公共団体に種々の負担が生じまする場合に、これを緩和する措置な講じないということでは、エネルギー政策そのものを推進する上において支障が出てくるのじゃなかろうか。これは間違っておれば御指摘をいただきたいわけですが、私はそのように理解をしておるわけです。発電所があることによりまして、県にもそれに伴う財政需要が現に出てきておるわけでございます。
○政府委員(森岡敞君) ただいまお話のありました県の一般財源として使うのではないかというお話でございますが、そういうことは毛頭ございません。原子力安全対策あるいは放射線監視事業あるいはまた温排水関係対策、総合防災対策、各般の県の財政需要はかなりございます。さらに民正安定のためのいろんな環境整備もかなりございます。 それからもう一つの問題は、立地をしております市町村だけでなくて、その周辺の市町村につきましても、やはりこれは考えてやらなきゃならない。その辺につきましては、県としてこういう税の財源を関係市町村及び周辺市町村へ効果的に配分をすることも福井県としては考えておりますので、そういう面から総合的に県市町村を通ずる電源立地に伴います財政需要に充てていくと、こういうことでございます。御了承願います。
○向井長年君 これ財源幾ら。
○政府委員(森岡敞君) 五年間の一応予定をしておりますが、現在の見込みでは八十九億円。
○向井長年君 五年間で八十九億円。通産省、電源三法の何は、財源幾らですか。
○政府委員(武田康君) 五十二年度の税収見込みは三百三十二億円でございます。
○向井長年君 そういうように周辺に対しても必要だと。だから私は、少なくとも自治省も含め、地方財源が必要ですから、あるいはまた通産省その他関係省と相談をして、電源三法がこれずっと毎年取っていくんですよ、そうでしょう。この財源がいまどういう形で使われているかと言えば、なるほど電源地帯も交付している。あわせてこの中から百億ですか、研究費とっておるでしょう中央で。ここらに間違い一つある。したがって、原子力の場合においては、この率を多くして、それで賄うべきであるという形があってしかるべき。そうしていくならば、私はこんな新税つくらなくてもいいはすなんだ。特殊な電源地帯においてはそういう電源三法から上がってくるこの資金を、地域周辺その他にも、県にも回していくと、こういう状態がとれるはずなんです。それをやらずして、これはこれ、これはこれというような形でやっておる、通産省そうでしょう。いま三百何億と言ったでしょう。これまだまだふえるね、これ時限立法だったかな——だから十年間したら何ぼになる、十年間財源幾らになる。
○政府委員(武田康君) 先ほど申し上げましたように、五十二年度の税収三百二十二億でございまして、大体、電力事業というのは年に六、七%ぐらいずつふえてまいります。その傾向が仮に続くといたしますと、十年間で単純に掛け算いたしまして三千三百億あるいは四千億とか、そんな数字が出てくるかと思います。正確な試算をいたしておりませんが。
○向井長年君 そういう形で現在百億という金が中央で吸い上げている、電源三法の金が現に。科学技術庁おられるでしょう、吸い上げている。そういうものは吸い上げる資金ではないはずなんだ。この地方税、目的は、電源地帯の振興のためにというかっこうで、あの電源三法が生まれたんだ。したがって、これは当然地域の振興のために使わなきゃならぬ。それが周辺地域にも使うのはあたりまえである。にもかかわらず、それが中央に百億程度引き揚げられて、これは十年間たちますと一千億という金を中央へ引き揚げる。研究費というものはそんなところで出すものじゃないですよ。研究費というのは一般会計で出すものですよ、政府は、そうでしょう。そこに一つの間違いがあるんですよ。そういう横の連携というものが、自治大臣、電源三法との関係、そしてその地域の振興、そして財源の確保、こういう問題をそしゃくして、各省間で相談しつつやるならば、こんな核燃料消費税は要らないんですよ。そういうことをやらずして、非常に誤った使い方をしておる、われわれから考えますと。そしていま言う新しい新税をつくっておる。ここに私は、この問題の間違いがあると思う。屋上屋を重ねるようなことをして、それが国民にはね返ることは、これは自治大臣余りよろしくないですよ。地方の財源確保も私はよく知ってますよ。知っているが、そういう状態について、非常に私はこの問題が各省にまた派生する問題でしょうから、いま自治省の見解をただした。通産の方はいずれこれはまた具体的に申し上げますけれども、いま私が言った中央の方に研究費として取り上げておる財源があるでしょう、これを何に使っておるか。
○政府委員(武田康君) 先生御高承のとおりでございますけれども、電源開発促進特別会計というのは、一つは、電源立地促進対策の交付金と、こういう形で地元の福祉向上に役立つ、それから発電用施設周辺の地域におきます安全対策費等、発電用施設の設置を円滑化すると、これに資するための経費ということを支出できることになっております。それで、先ほど御指摘ございました安全研究でございますけれども、現在出しておりますのは、いわばむしろ信頼性実証試験みたいなものでございまして、そういったものにつきましては、個々の調査研究の目的、内容に照らしまして、ただ、先ほど御指摘ございますように、たとえば国が出します研究費みたいなものは大半、一般会計——他の項目でございますが、そういうようなこととの兼ね合いも十分考えまして、基礎的な研究といったようなものはもちろん除外する。そういたしまして、地元住民の方々の不安を取り除くというようなかっこうで、発電所の立地の円滑化に資するというような調査研究に限定いたしまして、そういう費用を出しているわけでございます。 で、先ほど、一般会計とこういう電源特会とで出すべき仕事の中身、調査研究あるいは研究の中身ということについてお話ございましたけれども、一般会計で出すべきものと、それから電源特別会計から支出すべきものという区分は従来からも明確にしてきたところでございます。
○向井長年君 これはまた商工委員会でやりますが、それはあなた間違っているんだよ。この電源三法をつくったゆえんのものと、それからその目的というものは、そんな中央で研究をするために引き揚げて、その財源を取るというようなことは全然ないわけだ、こんなものは。あなたたちは便宜主義でやっているんだよ。もっとそれならば地方財源に、振興費に多く出せばいいんだ。それがやられなくてそういう形でこれをやっておる、非常におかしい状態をいまつくり上げでおるので、これは今後改めなきゃならぬ。それと同時に、県財政に対する問題もあれば、現地で、そういう地域、地域の実情は違うんだから、そこでこういう問題はこうだといって研究される費用ならばいいですよ。中央の研究でそういう問題をとっていくということについては、この法の趣旨、あるいは税金の趣旨から見て、地方税の趣旨から見てこれは誤りである、こう私は言いたい。大臣どう思いますか。わかりませんか、その点は。
○政府委員(森岡敞君) いま御指摘の、通産で所管しておられます交付金の運用の問題につきましては、私どももいろいろ意見がございますけれども、しかし基本的に申しますと、これは先生御承知のとおりでありますが、交付の対象はもうまさしく新設の発電所に限定されておりまして、既設の発電所については何ら考慮されない。それから第二に、したがって、着工年度から完成年度までで、そこから後は固定資産税で入るからいいじゃないかと、こういう話になっておるわけですね。それから三番目に、その使途は原則として単独事業だと、補助事業の裏は原則として使えないよと、こういうことになっているわけです。そういうふうな制約があることが、やはり原子力発電所立地をする地方公共団体におきまして、これじゃどうにもならない。一方、大臣が先ほど申しました、先生から手続手続というお話がございましたけれども、やはりここは地方団体の地方税制運営の自主制ということから法定外普通税を認めておるわけでございますので、法定の要件に違反すれば、それはもちろんだめでございますけれども、やはりそこに該当する場合においては、税制運営の自主制というものを認めていくことが、現在の地方税法のとっておるたてまえでございますので、その辺のところを御理解願いたいと思います。
○向井長年君 理解できません。少なくとも、なぜこれをやったかといえば、常に電源を開発する場合においては、特にそこで地域振興のために寄付を出せと、事業者に寄付を出せといって寄付をみんな取っておるのですよ、今日まで。それをやめさして、法律で地方財源を企業から出さして、それを地域振興のためにやろうではないかと、こういう方向で来たわけだ。現在それをやっても、まだ屋上屋を重ねて企業から取っておること知っておるから、通産省やってるんだね。だから、私はそういう一つの決めというものは、地方財源確保、地域振興、周辺地域のいわゆる理解、こういうものを含めてやるならば、現在の電源三法のいわゆる足らないところは修正して変えればいいではないか。使えるようにすればいいではないかというんですよ。 それくらいのことを自治省だって頭を働かさないと、これはこうなっていますからどうもなりません、だから、これは別ですという屋上屋を重ねるような新税をつくるということは問題がある。いけないことはいけないで法律を改正すればいいじゃないですか。そんなことぐらいできるでしょう。今後もこれに対する、言うならば、地域住民に理解を伴い、あるいは地域振興のために、財源確保のために、こういうものは今後もこれを、率は何ぼになるか別として、使っていくという法律に変えれば、財源はこれから余ってくるんですよ、これ。これずっと続いてみなさい、どんどんまた中央に吸い上げられる、こんな必要でない金が、地域に行かずに。自治省はそういうことぐらいは頭働かして、地方の住民の利益あるいは地域の振興、そのためにはいかに財源を確保するか、そういう問題を現在の法律が不備ならばこれを変えていく、これくらいのことを研究されてもいいんじゃないですか。にもかかわらず、ただ条件その他から認可しましたと、そんなことは政治じゃないですよ、それは。地域住民の政治じゃないです、それは。こういう点を私は、時間がないようでございますから、きょうはこれくらいでやめますけれども、十分一考されるべきだと。今後あることですから、自治大臣十分研究してください。先ほど申しました今日の電源三法のあの財源問題の配分も含めて、大いに通産省とも相談をし研究する必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) いろいろ承りました御意見は十分玩味をいたしまして今後研究をさせていただきます。 〔主査退席、前川旦君着席〕
○矢追秀彦君 五十年度の地方財政の決算でも明らかなように、地方財政計画を実際的にはかなり上回っているわけです。地方自治体としてはいろいろ工夫をされておりますが、自然増収のあったときはよかったんですが、現状においては非常にこの問題が負担増という形になっておりますが、これからの地方財政計画の策定に当たって、実態に即した計画を立てるべきであると思いますが、まずこの点について自治大臣の所見をお伺いしたい。
○国務大臣(小川平二君) 地方公共団体の財政の実態をできるだけ財政計画に反映させていかなければならないと、私どももそういうつもりで努力をいたしておりますが、地方財政計画と決算額との間に乖離が出てきておるということは、これは事実でございます。もともとこの地方財政計画というものは、標準的な水準における地方財政の収入、支出の均衡状況を見るために策定するわけでございまして、これを地方財政運営の一つの指針たらしめたい、これが趣旨でございますので、地方財政計画が大きいか小さいか、その規模というよりは、むしろその積算の内容ということであろう、こう考えておるわけでございます。標準的な水準ということを頭に置いて計画を策定いたしまするために、たとえば超過課税というようなことは、これは頭に置いておりません。あるいは、人件費等につきましても、地方公務員の人件費は、国家公務員に準ずることが望ましいわけでございまするから、そういう基礎で算定をいたしておるわけでございます。あるいはまた、公営企業に一般会計から繰り出しをいたしまする場合にも、これは一定の基準に基づいて算定をしておるわけであります。さようなわけで、地方財政計画と決算との間に開きが出ておりますが、この点につきましてはこれからもできるだけ実態に合わせていく努力をしてまいりたいと存じます。 〔主査代理前川旦君退席、主査着席〕 なお、数字等について御質疑がございますれば、財政局長から答弁を申し上げます。
○矢追秀彦君 できましたら、この乖離の実態を御説明していただきたいのです。
○政府委員(首藤堯君) 昭和五十年度の財政計画と決算の単純な比較をいたしますと、この乖離は約四兆余りございます。約四兆円。ただ、地方財政計画をつくりました後で、補正措置、補正予算に伴いますいろんな補正措置がございまして、それを精査をいたしましたり、あるいは繰越金とか、翌年度へのまた繰越金、前年から受け入れました繰り越し、翌年度への繰り越し、こういったようなことを修正をいたしますと、具体的な乖離は二兆八千億余り、こういう乖離に相なっております。 歳出面でこの乖離の内容、重立ったところを申し上げますと、給与関係経費が約一兆主千億ほど。それから一般行政経費が約一兆四千億程度。それから建設事業費が三千億程度決算の方が大きゅうございます。そのかわりこれ財政計画の問題でございますが、いわゆる不交付団体の水準超とか、あるいは臨時土地対策費とか、こういったところが若干マイナスになっておりまして、いま申し上げました二兆八千億余りの、約二兆九千億近くでございますが、数字に相なっております。これに対応いたします歳入といたしましては、税収入が二千三百億ほど、これは超過課税、そのほかの問題で増収になっております。それから地方債におきまして約六千七百億、七千億足らずでありますが、増収になっております。それからそのほかはいわゆる雑収入というものでございまして、これが約一兆七千億ほどございます。で、先ほど申し上げました一般行政費の一兆四千億の増加と、この雑収入の一兆七千億の増加、これが非常に関連を持っておるのでございまして、たとえば年度末の中小企業に対する資金融資、こういったような十二月に貸して三月に回収する、こういった年度内の歳入歳出等の問題がございますのが、この原因だと思っております。 それから、地方債はもちろん先ほど申し上げました建設事業の増加、こういうものに対応してその間いろいろなやりくりを行われておる、こういう状況でございます。したがいまして、実質的な乖離が約二兆八千億ございますが、この中には財政計画上違っていてもやむを得ないと思われるものもございますが、まあそうでない実態的なものもございます。先ほど大臣が申し上げましたように実態的なものについてはできるだけこれを詰めていくように心がけたいと思っておる次第であります。
○矢追秀彦君 それで具体的な問題に入りますが、政府は地方職員数の是正をしていると言われておりますが、これが実態との間に大きな違いがあるわけです。この問題は、特に保健所の職員が非常に著しいので、この保健所の職員について厚生省中心にちょっとお伺いをいたしたいと思いますが、まず保健所行政というものは今後充実を私はしなければならないと思います。先日暫定予算の質疑でも、まあ私は保健所における歯科医師の数が非常に少ない。七七%も歯科医師も衛生士もいない実情を申し上げたわけですが、まあそういうことに見られますように、保健所はまだまだ充実をしていかなきゃならぬと、こう思うわけですが、まずこの保健所職員の増強計画、職員の定数、これはどうなっておりますか。
○説明員(大谷藤郎君) ただいま先生御指摘のように、地域住民の保健に対する要求が非常に多様化してまいっておりまして、これを充実しなければならないのは当然のことでございます。現在厚生省では、保健所の補助定員として二万一千二百七十二人五十一年度で予算定員化しているわけでございます。今年度は脳卒中半減対策として、保健婦二十三人、公害の職員として八人、その他駐在の保健婦として三十人の増員を図ったところでございます。ただし、政府の統一的な削減計画に横並びの措置といたしまして、第四次の定員削減を五十二年度から実施いたしておりますが、これにつきましては、保健所の重要性にかんがみまして、技術職員につきましては定員削減を行わない。横並びではございますけれども、全体の他のレベルに比べますと、定員削減は技術職員については行わないという形で実施しているところでございます。
○矢追秀彦君 政府は、学識経験者などを多数動員をいたしまして、相当長い年月をかけて、昭和四十七年の七月に「保健所問題懇談会基調報告書」というものをまとめられたわけですが、その中に「保健所が地域の特性に応じたサービスを積極的に提供し、保健所活動を活発に展開していくためには、財政的裏付けに左右されるところが極めて大きい。したがって、国は、事業費、人件費、施設費、職員の確保、処遇の改善および研修、研究に要する経費等保健所の改善に伴い必要となる経費全般にわたって十分な措置を講ずる必要がある。」こう結論をつけておられますが、昭和四十七年度以降も、地方団体の保健所関係職員の削減計画はかなり強行されてきておるわけです。国庫補助対象の職員数が毎年減ってきておる。この結果地方の保健所の仕事は現実にはいま言われたように非常にふえておるにもかかわらず、補助対象職員の数だけが減らされている。逆に仕事の増加に伴ってふえる地方の保健所職員とのギャップが非常に大きく開いておりまして、地方自治体の人件費の大きな超過負担となり、しかも地方財政を圧迫しておりますが、この実情はどの程度把握をされておりますか。
○説明員(大谷藤郎君) 先ほど補助定員二万一千二百七十二人と申し上げましたが、そのほかに保健所には特定財源職員、それから交付税職員というのがございまして、総計三万四千百十三人、これは自治省の調査でそういう数字が出ております。したがいまして、その差の一万二千八百四十一人というのが、そういった職種の職員を含めているわけでございますけれども、これにつきましてはなかなかむずかしい問題がございまして、私どもこういうトータルでは、こういう数字を承知いたしているわけでございますけれども、どの職員が補助職員の数字であるかということについてはまだつまびらかにしていないところでございます。
○矢追秀彦君 この厚生省のデータですね、資料、保健所職員費というところによりますと、昭和五十年度で超過負担が三千三百五十八人となっておりますね。一応これを平均給与を年百七十七万、これは五十年度予算単価による国家公務員の平均給与毎月十四万七千百十三円、こういうことで、不定期な期末勤勉手当を除いてありますが、平均百七十七万として計算をいたしますと、保健所職員だけで総額六十億円の超過負担になるわけです。この点は大体お認めになりますか。これはまあ大ざっぱな計算ですけれども。
○説明員(大谷藤郎君) この数字は、単純に府県から出ました数字をそのままその差を出したものでございまして、この数字については私ども実態をもう少し詰めませんと何とも申せないというふうな考え方を持っておるわけでございます。
○矢追秀彦君 その実態は調査をされますか。このままでいかれるのか。
○説明員(大谷藤郎君) この実態につきましては、先ほども申し上げましたように、交付税職員あるいは特定財源職員あるいは併任職員等非常に複雑に入り込んでおりまして、これについては私どもなお今後十分この点を明らかにいたしたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 ちょっとついでに伺っておきたいんですが、この保健所問題懇談会の基調報告書というものは、これは今後とも新しい基調報告書等はまとめ直される考えはおありですか、それともこれはもうこのままとして、この線でいくと、こういうことですか。
○説明員(大谷藤郎君) この報告は、四十七年当時に作成されましたものでございまして、その後いろいろと社会経済上の情勢も変化いたしておりますので、今年度の予算にもう一度検討する予算を計上いたしまして、今年度もう一度これを見直しするという考えでございます。
○矢追秀彦君 大体いつごろぐらいに新しいのはできますか。
○説明員(大谷藤郎君) 現在検討の内容あるいは委員等を準備中でございまして、できるだけ早い機会にこの検討を行いたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 先ほど言われた第四次の定員削減ですが、この中から私はやはり保健所の国庫補助対象職員の削減は外すべきであると思うんですが、これはやっぱりどうしてもやらなければならぬわけですか。これだけを外すということは無理ですか。
○説明員(大谷藤郎君) この定員削減の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、政府の統一的な方針に従っているわけでございますが、先ほども申し上げましたように、保健所の重要性にかんがみまして、技術職員についてはこれを外しておりまして、全体として三・二%を、保健所につきましては二・五%、こういうふうに削減率を低くいたしているわけでございます。
○矢追秀彦君 だから私、非常に素直に考えて矛盾を感ずるんですよね。片方ではもう保健所をどんどん充実しなきゃいかぬと言いながら、片方ではこの削減をしていくと、一省一局削減というようなこともございましたし、また総定員法ということもありましたが、やっぱり充実させなきゃならぬところはやはり充実さしていくと、もっとそうでないところで削れるところもあるんじゃないか、それが平等にやられるところに、結局こういった問題が出てくる。その点をやはりもう少しこれからの住民の要求、保健所はまだもっとつくらなきゃいかぬと思っているぐらいですから、現状では非常に問題があります。また保健所自身もいろいろばらつきができておるように思うんですね。多いところで一ヵ所しかなかったり、片方少ないところでまだそのままあると、そういった点非常にやり直さなきゃならぬときにもかかわらず、こういうふうな、何か一律にやられるということ非常に私、抵抗を感ずるんですけれども、その点はいかがですか。
○説明員(大谷藤郎君) 先ほど申し上げました定員削減につきましては、これはトータルの数字でございまして、実際の地域地域の保健所につきましては、その実情に即応した形で運用しておる次第でございます。
○矢追秀彦君 自治大臣、自治省が策定しておられる地方財政計画も、いまいろいろやりとり聞いておられてわかると思いますけれども、厚生省の補助対象職員の削減計画、こういったものが前世になって地方財政計画ができておる。そうすると、実情はやはりなかなかそうはいかない。結局、地方自治体の実情とは合っていない。そのしわ寄せがやっぱり地方財政にきておる。これはお認めになりますか。
○国務大臣(小川平二君) 仰せのような実態に遺憾ながらなっておると考えざるを得ません。
○矢追秀彦君 そうすると、先ほども申し上げましたが、こういった地方財政計画を立てる際のやはりもっと実情調査というものを十分にやる必要がありますし、また狂いが、いわゆる乖離が出ないように努力をしていただかなければ困るわけですから、その点についてこれからどう前向きに検討されるか、具体的な面をお願いしたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 実は先ほどから御論議になっておりますように、保健所の実態としては、むしろ業務の実態が増加をしてきておりまして、職員の削減というのは非常にむずかしい事態ででると私どもも認識をしております。そこでこの補助職員の定数を設定される場合に、増加職員はもちろんお見込みでございますが、定数削減の措置がとられるということに対して、私どもは必ずしもそれがいいことだと思っていないわけでありまして、去年の実は七月にも厚生省に対しまして、この保健所の対象職員を一律定数削減の対象にしないでほしいというお申し入れを実はしておったのでございますが、いろいろのいきさつがありまして、先ほどから御論議になっておりますように、年次計画による減少が立てられておるわけでございます。したがいまして、実態的に三千人余り補助職員として差が出ているのではないかと私どもも考えております。 御指摘のように、地方財政計画を組みます際には、こういったこれは国庫負担職員でございますので、その数を地方財政計画の基礎に置かざるを得ないわけでございます。これを一般地方費でもって完全に賄ってしまうという措置をとれば、いわゆる負担職員からそれだけ除外して差し支えないのだという制度改正を是認をすると申しますか、そういった誤った誤解も生じようかと思うわけでありまして、その点、この面における超過負担の実態があるということは、私どももよく認識をして地方財政計画を編成せざるを得なかったわけであります。ただし、そういった点につきましては、地方財政計画全般を通じまして、所要の財源が不足をしないように、予備費とか何とかそういった面の措置でいろいろ配慮はいたしておりますけれども、御指摘の面は、やはり御指摘のとおりの問題点がある。私どもは来年度からやっぱりこういう面については実態をもっと尊重していただきたい、このように考えております。
○国務大臣(小川平二君) ただいま財政局長から申し上げましたように、昨年も各省概算要求提出に先立ちましていろいろな申し入れをいたしておるわけでございますが、厚生省に対しましても対象職員数を一律定員削減の対象にしないでいただきたいということを文書をもって申し入れておるようなわけでございまして、かような状況というものは、ぜひ是正をしていただきますように、これからも厚生省にお願いをするつもりであります。
○矢追秀彦君 大体通告をした質問はこれで終わりますが、あとちょっと総論的なことでこの際ですから大臣の考えを聞きたいのですが、非常に地方財政の危機が、結局、住民の要求にこたえられない。やはり国民の皆さんというのは一番ぶつかるのは、もちろん国に対するいろいろな要求等もございますけれども、やっぱり市民生活の中では、一番地方自治体にぶつかるわけでして、これが非常に地方財政がこういうふうになってきますと、金がないということでだんだんこの要求に応じられなくなる、これは非常に深刻になってくるわけです。特に今後福祉への転換ということ、福祉国家というようなことになってきますと、よけい地方自治体の問題になってくるわけでして、この地方財政の危機突破は言われてかなり久しいわけです。いま国の方もこういう状況になってきましたら、ますますこの地方自治体にいろいろなしわ寄せがきておる。一つは、住民の要求にこたえるあり方、これはもう少し見直す必要もあるんじゃないか、どこまでをいわゆる役所でやるべきなのか、この辺までは住民の方にある程度お願いをする、税金を払っているんだから皆やってくれという意見もあると思いますけれども、その辺がどういうふうにしていけばいいのか、私自身も非常に悩んでいる問題であるわけですから、これが一つ。 それからもう一つは、国でつくった法律が、実際は地方自治体に全部、人員のことも、あるいはお金の面、財政的な負担になる法律がわりあいあるわけですね。それで、地方自治体からよく私たちも文句を言われるわけです。国は非常に無責任だと、国が勝手に法律こしらえといて、しわ寄せはこっち来てるじゃないか、それに対する措置ができていないと、これが非常に多いわけですね。この問題はもう一度こういった点も見直しをしなきゃいけない時期ではないかと、こう思います。 それから、交付税率の問題、これに対する今後の考え方、この三点お伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 最初に御指摘のありました問題は、こういう状況下で確かに少し掘り下げて研究をしなければならない問題だと存じております。今日まで確かにサービス過剰的な行政が行われておった、こういう点は反省をいたさなければなりませんし、また地域住民の側にも、何でも公共団体におんぶをするという甘えがあったと存じます。これは一つの非常に大事な問題でございまするから、これから経済が安定成長期を迎える際に十分ひとつ研究をし、反省すべき点は反省をして是正をしていかなくちゃならない、こう考えておるわけでございます。 第二の点でございますが、御指摘の点は、長い間にわたって繰り返し繰り返し私ども苦情を聞いておるわけでございます。私どもといたしましては、地域の住民に密着した行政というものはなるべくこれは地方にゆだねていきますると同時に、これを執行するのに伴う十分な財源を地方団体に与えていく努力をこれからも継続をしてまいりたいと存じます。 交付税率の問題でございますが、私どももこの際、交付税率を相当引き上げたいと考えまして、いろいろ大蔵省と折衝もいたしたわけでございますが、結論的には、今日のように経済が大きく揺れ動いておりまする際に交付税率を変える、これは国と地方の長期的な財源配分の問題に関係するわけでございますから、交付税率の問題だけをほかのいろいろなこととの関連なしに独走させるということは、どうも今日の時期において適当でないという判断をいたしたわけでございます。遠からず経済が安定する時期が必ず来ると信じておるわけでございまして、そういう時期に国、地方を通じましての税、財政の抜本的立て直しと関連させまして交付税率引き上げの問題を検討し、ぜひこれを実現したい、こう考えておるわけでございます。
○主査(小柳勇君) 以上をもちまして、自治省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 午後一時三十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○主査(小柳勇君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君が選任されました。 —————————————
○主査(小柳勇君) 昭和五十二年度総予算中、文部省所管を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○前川旦君 海部文部大臣は前々から、国立の地方大学の充実をすべきだというふうに考えておられると聞いておりましたけれども、私も実はそういうふうに強く思うんですね。そこで文部大臣は、地方の国立大学の充実をこれから積極的に図っていくというお考えで文部行政を進められますか。 〔主査退席、副主査着席〕
○国務大臣(海部俊樹君) 仰せのように、私はいま、いわゆる大都会というところへ非常に大学が集中して、地方と中央とを比べてみますと、収容力における差もございますし、また専門分野における差もございますし、できるだけこういったことは格差を詰めていくのがあるべき姿であると、こう考えておりますので、今後政策努力を重ねますときにも、こういった基本的な考え方を念頭に入れてやっていきたいと思っております。
○前川旦君 具体的に言いますと、私は、東京に国公立の大学がかなり集中していますけど、東京だけとってみると、やはり進学希望者に対しては不足ぎみだと思うんですよ。東京は進学率高いですから、東京の人が東京の国公立大学に入れないで、地方の大学に出てくる。地方はそういう優秀な生徒に圧迫されて、今度は地方からは東京の私立大学へ行って、両方が高い金出して親が仕送りをしているというような矛盾もあります。ですから、東京でも人口はどんどんふえていっているんですから、国公立大学ふやさなきゃいけないとは思いますけれども、やはり地方に住んでおります者にとりましては、東大並みの大学が地方にいろいろたくさんできると、非常に、何というか、親としてはありがたいわけですよ。そういう意味で、地方大学の学部の増設とか、あるいは学生の定員をふやしたり、そういうふうなことを積極的に進めていただきたい、こういうように実は思っているんです。いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のように、今年国会に御審議をお願いしております法律をながめていただきましても、私がいま申し上げましたように、地方の収容力とか、地方における専門分野の要請に応じようということをにじみ出したものになっておると考えますし、また現在は、御承知の高等教育懇談会の報告等にもありますように、大学に進む人口が昭和五十五年までは横ばい状況でございますから、質的な充実を図るというところに重点を置いてやっておりますが、そうではございますけれども、たとえば入学定員をふやしますときも、地方にそのほとんどが配属されるように割り振りを考えておるとか、できるだけその趣旨に沿ったような制度、施策の充実を目指して取り組んでおるところでございます。
○前川旦君 いろんな予算その他の制約もあるでしょうけども、どうぞひとつ、それは地方にいる者は非常に期待をしておりますので、積極的に学生定員あるいは学部の増設等、地方大学の充実をうんとやっていただきたい、こう思います。 そこで、話がずっと細かくなりますが、医科大学の話なんですけども、いま医科大学の開設ということで各地でいろいろ準備が進んでおります。たとえば高知、佐賀、大分、福井、山梨、香川、特に一番最後に、福井、山梨、香川という三県のグループは、これは一番最後になりましたね。なっているんです。そこで、今年度の予算を見ますと、創設推進費というのがついております。これは事務当局で結構ですからお答えいただきたいんですが、いままで国立医科大学の設置の推移を見ておりますと、最初に、最初の一年間調査費がつく、その次に創設準備費がつく、そして次に開校というのが、これがいままでの例だったわけですね。愛媛、山形、北海道あるいは静岡、滋賀、宮崎、みんなそうです。ところが、少しこれおかしくなって、富山、島根あたりから調査費、創設準備費、その後に創設費というのが入ってきて、それから開校と、これ一年ずれてくる。創設費という新しいものが入ってくる。それから今度は福井、山梨、香川になりますと、創設準備調査費というのが一年間割り込んできて、またことしは——これいまのは新しい新語ですね。それからまた今度は創設推進費という、これも新しい言葉がここへ出てきております。で、こういうふうにだんだん後になるほどおくれてきているというのが、非常にこれは地元にとりましても、地方におる者にとっても心配なんです。そこで、五十二年度予算の審議ですから、五十二年度予算の創設推進費という新しい言葉で盛り込まれました予算の性格は一体どういうものなのか、その内容はどういうものなのか、これは前進であるというふうに考えていいものなのか、現状維持でとどまっているというふうに、昨年と同じところにとどまっていると考えるのか、一歩前進しているんだと考えていいのか、その辺はどうでしょうか。政府委員の方からお答えください。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の福井、山梨、香川の三県に設置をいたします国立医科大学については、五十一年度に御指摘のように創設準備費を計上いたしたわけでございます。そして、創設準備要員といたしまして事務長と技官の定員を措置をいたしました。主として、これまで地元における準備状況等を考えながら、地元との連絡調整を進めてきたところでございます。五十二年度におきましては、これにさらに学長予定者の定員措置を加えまして、この学長予定者を中心として、五十二年度には医科大学の基本構想、あるいは施設、設備のアカデミックプラン、そういったものの策定に取りかかるわけでございます。そういう意味におきまして、今年度の、五十二年度の創設推進費というのは五十一年度よりもはるかに推進の趣旨を込めた予算になっているわけでございます。
○前川旦君 各県とも、私はほかの県は知りませんが、特に香川県なんか非常に熱心に土地造成をやったり、それから関連教育病院の整備をやろうとして先行投資もあったりして一生懸命やっているんですね。やりながら一体前に進んでいっているんだろうかという不安が絶えずつきまとっている。で、いまのお話を聞きますと、五十一年度の創設準備費では事務長あるいは技官の定員が決まったと、五十二年度——いま審議しております五十二年度の創設推進費というのは、さらにそれに学長予定者の、これは定員ですか、学長予定者の定員というのは一名だろうと思いますけれども、学長予定者がここに入ってきたと、こういうふうに考えていいんですか。それが一番大きな前進だと、それでよろしいんでしょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 定員措置といたしましては、学長予定者を発令するための定員を措置をするわけでございます。したがいまして、予算がもし成立をいたしますと、できるだけ急いで学長予定者——創設準備室長になる方でございますが、その方の発令をし、さらに病院長になっていただく病院長予定者についても委嘱をいたしまして、そういった大学創設の中心となるスタッフを整えるわけでございます。
○前川旦君 そうしますと、この予算が成立をいたしますと、できるだけ早い機会に学長予定者を決めると、こういうことですね。そうすると、五十二年度中にはもう決まってしまうと、それが先に延びることはないと、こう考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおりでございます。
○前川旦君 この予定者が決まることと学長の任命とはまたこれは別なんでしょうかね。これはどう関連がついているんでしょうか。どういうふうに考えたらよろしいですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 学長が発令されますのは、これは法案を提出をいたしまして、医科大学の創設が決まりました時点におきまして、つまり大学が開学をする時点で発令をするわけでございます。
○前川旦君 そうすると、学長の発令と開校という——開校じゃない、開学の方でしょうかね——開学とは同じ時期だと、こういうことなんでしょうが、地元ではこれはできるだけやはり早く開学、開校にこぎつけて、早く学生を募集して取りかかりたいというのがもう地元の一貫した念願です。で、いま、いつごろ開校に持っていく予定なのかと、こうお伺いしたいんですけれども、なかなかこれはいろんな条件もございますからお答えにくいと思いますけれども、いずれにしても、先へ先へ延びるんではなくて、できるだけ早い機会に開学、開校に持ち込みたいということについては考えていらっしゃるのかどうか、そういう努力を今後なされるのかどうか。ぜひしていただきたいと思うんですけれどもね。その辺いかがでしょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 先ほど御指摘のように、これまで十二の医科大学を創設をいたしまして、それぞれ創設の年次に従って学生を受け入れ、あるいは病院を創設をし、その整備を進めてきているわけでございます。そういった非常に大きな課題をすでに抱えているという状況がございますが、そういった点も考えながら、また地元におきます創設準備の進捗状況におきましても、まだ問題がないわけではございません。先ほど御指摘のございました関連教育病院の整備の問題もございますし、あるいは排水処理の問題等も課題として残っておりますので、そういった点の進捗状況を見定めながら、開学あるいは学生受け入れの時期というものを判断をいたしたいと考えております。
○前川旦君 それはそれでいいんです。そのとおりだと思うんですけれども、ただ先ほど申しましたように、創設準備調査費とか、創設推進費とか、いろんな名前が変わって、従来と違って延びてきているものですから、その点が非常に不安なんです、地元の県民としましても。で、あそこまで先行投資してやっているんですから、いつかはできるのには間違いないと、それは信じているんですけれども、余り先に延びるんじゃないだろうかと、これが一番の心配なんですね。ですから、諸般の事情をずっと勘案しながらということは、もうそれはそのとおりなんですけれども、国立医科大学のない県をなくするという、いまのことをもう少しテンポを速めてひとつやるということに御努力願えないものだろうかどうか、これは大臣どうですか。もう少しやっぱりテンポを速めていただいて、という努力をしてもらえるだろうかどうか。いろいろ事情があると思いますよ。予算の面もあるし、定員の面もあると思うんですけれども、やはりやりかけたことなんで、しかも残っているのはもうわずかなんですから、ひとつ腕をふるっていただきたいと、こう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、ただいま議論になっております香川の大学を含めて四つ残っておるわけでありますが、私どもがいろいろ聞いております範囲では、土地の買収とか、進入道路の問題等でも地元でも御努力を願っておると、関連病院でも問題が残っておるが、御努力願っておるということでございますから、これは無医大県解消計画をできるだけ早くやり遂げたいという気持ちは持っております。それで、この整備状況とか、あるいはまた今度発令になります準備室長等を中心にして地元でも創設準備に対して一層の御推進を願うとともに、わが方も、これはここでお答えするべきことかどうか知りませんけれども、先立つもの等についても、鋭意いろいろ御相談を重ねて、できるだけ早く御希望に沿えるような努力をして、四つはとにかく完成させたいと、こう思っておるところでございます。
○前川旦君 四つを早く完成させたいという御答弁でございました。ですから、医大のない県をなくするというこの既定の方針にはもう揺るぎはないと、しかもこれは私も地元の一員としまして、受け入れ体制の整備にはもう本当に真剣に努力を地元みんなでしたいと思っているんです。そのつもりで、これは全県の悲願です。これは各県ともそうだと思いますね。どうかその悲願にこたえていただいて、一日も早く無医大県のないように努力をしていただきたいと、重ねて要望いたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 御趣旨のような考え方でわが方も一生懸命努力をしていきたいと思います。
○前川旦君 もう一つだけ伺っておきたいのは、こういうふうに医科大学が全国に各地にできますと、みんな同じような性格のものになるのか、それとも地方の条件を生かしたそれぞれの特徴あるものにしていくのか。その辺ですね、ほかと違う特徴のある大学にしていくというようなことをいま考えていらっしゃるのかどうか。これは事務当局で結構ですから、何か考えていらっしゃればおっしゃっていただきたいし、私はやっぱり考えるべきだと思うんですよ。各県それぞれの地方性もありますし、どういうふうに特徴のある大学にしていくのか。どう考えていらっしゃいますか、いまのところ。
○政府委員(佐野文一郎君) これまで新設医科大学それぞれつくってきているわけでございますが、これらの医科大学の基本的な構想というのは、先ほど申し上げました学長予定者等の創設に当たる中心スタッフが決まりまして、それらを中心に検討が重ねられて練り上げられるものでございます。そしてその基本構想については、大学設置審議会の方で十分に検討をいたしまして、それでいこうということになって創設に入っていくわけでございます。もちろん医学部でございますから、基本的に医師として備えなければならない資質というものはあるわけでございますし、そのための教育というものは欠くことができませんので、いかなる医科大学においても共通して履修しなければならないものというのがあるわけでございます。そういった点はどの医科大学でも同じでございますけれども、しかし一面、各大学それぞれ自分の基本構想の中で六年一貫制の取り入れであるとか、あるいは講座編成に当たっての大講座制の導入であるとか、そういったものを生かして、それぞれの大学として、いわば建学の趣旨と申しますか、そういったものを定めて構想をつくっているわけでございます。そういった中でそれぞれの地域の特色というものもあるわけでございますから、そういった地域の特色というものも考えて、診療の面であるとか、あるいは研究の面であるとか、そういった点におきましても、たとえば島根医科大学の場合であれば、あの地方には非常に高血圧が多いというようなことがございますので、そういった高血圧というような病気というものを志向した研究というふうなものにかなり大学は力を入れるというふうな形での、いわば特色の出し方というふうなものも考えられているわけでございます。 香川医科大学の場合には、これから創設準備室長が決まり、それを中心として基本構想が練られるわけでございますけれども、これまでと同じような努力が行われることを期待しているわけでございます。
○前川旦君 もうこれで最後ですが、やはりできるだけ早く、準備整い次第に開校へもっていくように努力をされると、それは非常にありがたいんですが、やはり具体的に調査費がついて、それから創設準備調査費になって創設準備費になって、それから創設推進費になって、一、二、三、四年です、これね。従来三年で開校にいったものが、四年たってもまだいかないということなんで、非常にこれは心配な話なんです。これはいま五十二年度の予算の審議ですから、来年度の予算のことを申し上げるのもどうかと思うんですけれども、やはりこの次は、五十二年度は創設推進費、その次に来るのは、もうこれは創設費であると、こう考えるのが常識だと思いますけれども、これは局長さんどうですか、次にそう来るだろうと、これ予定をいたしますが、どんなもんですか、これは。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように医科大学をつくってまいりますテンポというのが、若干初めと最近とでは変わっております。それは一つには非常に既存のものの事業量が多くなってきたということもございますし、まただんだんつくっていくのに従って教官の確保等がかなりむずかしい面が出てきているという点もございますし、あるいはこれまでの経験からいって、やはりかなり準備に時間をかけないと万全な準備態勢が整わないという点についての反省もあるわけでございます。そういったことで、これまでの創設準備の進め方というものが考えられてきたわけでございます。 御指摘のように三医科大学につきましてはこれまでの経緯がございますので、来年度の予算要求に当たってどういうふうな形で要求をしていくかということを考えなければならないわけでございます。この時点ではどういうということまでは申し上げることはできませんけれども、そういう状況を十分に考え、また先ほど申しましたように、これまでの準備状況が大丈夫かどうかということも考えて、概算要求の時点で適切な判断をいたしたいと考えております。
○前川旦君 いまこの段階でどうのこうということは言えないというのはもう当然だと思います。私もそれよくわかった上で質問をしているんです。ですからどうか次の予算要求の段階、概算要求の段階ではぜひ一歩踏み出していただきたいと、このことを強く強く、さらに強く強く要望をいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。
○粕谷照美君 大学局だけというふうに申し上げましたけれども、初中局来ておられますでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) いまのところ見えておりません。
○粕谷照美君 質問通告をしておきませんでしたのでまことに申しわけないと思いますけれども、では大臣にちょっとお伺いをいたしますが、埼玉の浦和市の岸中学校の生徒二十九人、父母五十七人が、越境入学をいままで許しておいたのに、突如としてそれはだめだということはおかしいというので、三月の三十一日に浦和地裁に提訴していたけれども、地裁では行政訴訟で争う事柄であって、民事で争うことではないと、こういうふうに返事をした。そういうことになれば、越境入学をやめて、自分の家のところに帰って学校へ行けばこれは問題はないわけですけれども、その子供たちは、いまでも校長室の隣の会議室で、先生もつかないで勉強をしているわけです、自習を。この子供たちの言うのは——問題もあるわけなんですけれども、浦和市内四十七の小中学校の越境入学者は千七百人いるのに、まじめに市教委の勧告を受けて住所をもとへ戻した子供たちだけが学校へ行かれなくて、もぐっている四百何人という生徒たちはそのまま入っているという、こういう矛盾点について非常な憤りを覚えるということを訴えているわけなんです。私は、この事態について伺うわけではないんです、内容がどうだこうだということ。こういう事態を生み出す問題点は一体どこにあるというふうに大臣としてはお考になっていらっしゃるか。 御存じのように浦和にあります浦和高校というのは東大入学率、公立高校では全国ランク第三位、非常にすばらしい東大入学生を出しているということで、その浦和高校に入るために岸中学に越境入学をしてくるとか、あるいはその高校へ行くための越境入学をしてくるとかが多くて、遠いところでは川口、蕨、大宮、上尾、それから越谷ばかりじゃなくて、茨城県の古河からも来ておりますし、東京は北区なんかからも浦和に行っているという、こういう実態があるわけなんですね。私はこれは本当に学歴社会というものをもう如実にあらわした事実だというふうに思います。何も浦和の岸中学校の生徒の問題だけじゃなくて、全国にこういう問題があるわけなんで、そのことについて大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるかということを伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) これは御指摘のように全国でよく耳にする話でございますが、それをどこに一番の原因があるかと言われますと、私は、やっぱりいまお話の中にもありましたように、ここへ入っておけば上はいい学校へ行けて入学のときのコースに乗りやすいという一つの風評といいますか、具体的な毎年毎年の足跡といいますか、そういったものを見てわが子もここへ行かせたいという親御さんの願いがそれに混在してきてこういう状態が起こるのではないかというふうに感ずるわけであります。結局、このことについては、その根源を正すような努力をしていかなければならないという気持ちがいたします。
○粕谷照美君 私もそういうふうに思うんですけれども、本当に鳥取あたりへ行きましても、有名高校に入るためにはこの中学がよろしいです、その中学があるこの土地がほかの土地よりはやっぱりランクが高いんですよと、こういう不動産業者の土地のランクの材料の一つにまでなっている。そういう憂うべき実態があるというふうに思いまして、何とかこういう問題点を解決するためには私どもは努力をしていかなければならないというふうに思うんですが、何もこういうことだけを笑うわけにはいかない。文部省が直轄をしている国立大学の付属小中高にもやっぱりこの問題が大きくある。その姿勢を正さない限り、私はなかなかよそに文句が言えないような文部省のあれではないだろうかということを考えておりました。そうしたら、四月十一日の新聞を見ましたら、大臣が「進学校化、改めよ」ということで厳重に勧告をされるというふうなことを拝見いたしましたけれども、本当にそういうことでやっていけるんだろうかという心配が出ているわけです。なぜかなれば、七年半前にこういうことについての建議が、当時の文部大臣であります坂田さんのところに出されております。七年半も全然この問題が解決されるということよりは、何かエスカレートしているのではないかと思われるようなことがあるものですから、私はこれから質問を始めていきたいというふうに思います。 最初に、これは一月の二十七日の朝日新聞なんですけれども、青森県の小学校へ研修に行かれた宮城県の教育大助教授の武田忠先生のプロフィールが出ておりました。武田先生はこういうことを言っていらっしゃるわけです。外科の教授が実際に手術できなかったならば非常に恐ろしいことだというふうに考えて、教育の分野では現場を知らない教官が教員養成をしていると、そういうことに反省を求めて自分自身が小学校へ研修に行くということをおっしゃった。大変当時の永井文部大臣がこのことをバックアップをされたということも耳にしているわけですけれども、この宮城教育大学というのは、ことしの新聞を見ましても、入学生に対して非常にユニークな教員採用テストというのをやっているわけなんです。そのことについて大学局長御存じでしたらお話しをいただきたいというふうに思います。 それと同時に、私は一ヵ月ほど前に、鎌倉の付属問題を考える、というお母さんたちのグループの方々にお会いをしたんですが、その付属問題を考えるお母さんたちが大変ほめている教育大学が二つありました。一つは岐阜大です。ここの校長先生の、とにかくそこの先生方のすばらしい教育について私たちは感激をした。そうして宮城教育大の校長先生のお話も伺って、本当に教育というものはこういうものであらねばならないんだということを痛感したと、こういうふうに言っていらっしゃるわけなんですが、その一方で、実はお母さんたちはなぜそんなことを研究したかと言えば、地元の鎌倉中学校に大変な問題がある。そうしたらその鎌倉中学校の問題がつい先日もまた新聞に出されてきているわけなんですぐこのことについて大学局は一体どのように把握をしているかということを御報告をいただきたい。
○政府委員(佐野文一郎君) 初めに御指摘の宮城教育大学でございますが、ここはいま先生からもお話のございました武田先生が所属をしております授業分析センターというふうな特別なセンターを設けて熱心に、いわゆる実践的な教育と申しますか、教科、教育等の面について非常に力を入れている大学でございます。入試の場合にはあの大学は、いわゆる学力検査に対する偏重ということをやめまして、たとえばあるテーマを与えて演技をさせてみる。そういったことを通じてその人のいわば創造的な力というものを把握することに努める。そういったような非常にユニークな入試の方法も採用しているところであると承知をいたしております。 それから、横浜国立大学の付属中学、ことに鎌倉中学の場合でございますが、これについてはすでに五十一年度の神奈川県の県立高校の入学者選抜に関しまして、いわゆる底上げ内申と当時言われたものでございますけれども、同じような形で相対評価による内申をすると、やはり子供たちの力が違うから、というようなことで低い方の内申をしなかったということで問題になった。これは五十二年度からは完全に改善をされておりますが、そういう事態があったり、あるいはそういったこともございまして、ことしの二月の初めに教職員組合、湘南教職員組合の方から教育実習のあり方について、いまのような付属の体質のままで公立の学校に大量の実習生を大学が送り出すというのはよくないということで、付属学校の方に反省を求める申し入れがあり、これについて付属の方でも検討をし、回答を準備しているというふうな状況がございます。 それからまた、先般新聞に出ましたように、昨年の十月、付属の鎌倉中学校で一人の先生が研修で二十五日間留守をいたしました。そのときに、その人が担当しなければならない授業のうちの、全部ではございませんけれども、一部分を、横浜国立大学の学生三人に教育実習に準じた形で授業を担当させたということがございました。これはこの中学校で教育実習を行ったものでございます。そしてまた、同じ教科のほかの二人の先生が教育実習の場合と同じように指導案の作成であるとか、あるいは学習課題の設定などの指導には当たったわけでございますが、実際に常にその先生が付きっきりであったわけではないというふうな状態がある。これは非常に遺憾な状況だと考えております。これについては、その後直ちに教育学部長を文部省の方に呼びまして実情を聞き、運営の改善を求めたところでございます。もちろん今日の時点では、鎌倉中学校はそういったいろいろなことがございましたので、大学の方で種々改善を考えて、たとえば通学をしてくる学区の範囲を狭めたり、あるいは抽せんによって入れる者のパーセントをふやしたり、あるいは各中学校を通じて入試の期日を同じ日にして、両方ダブって受験することのないようにしたり、その他いろいろと改善の工夫はしております。 そういったことも認めてやらなきゃならないと思いますけれども、いま申し上げさしたような幾つかの問題もありまして、そういったことの反省を含めて大学として鎌倉中学校を含む付属の学校のあり方の改善について、もっと全体としてさらに努力をするようにということをお願いしているところでございます。
○粕谷照美君 免許証を持っていない人が授業に立ったわけなんですよね。これは教育実習生であるときには先生がちゃんと監督にその教室の中にいて、そして監督をしながら授業させるわけでしょう。この辺のところは法的にはどういうふうになっていますか。法律的に間違いではないというこの三人、二十五日間教育実習生が授業をやったということは法的に問題はないわけですか。
○政府委員(佐野文一郎君) あり方といたしましては、先ほど申しましたように、二人の同僚の教諭が指導案の作成あるいは学習課題の設定などについて指導をし、そして教育実習と同じ形でいわばその二人の教官の指導のもとに授業を実際担当をしたということになっているわけでございます。しかし、先ほど申しましたように、指導教官がその全部の時間すべて教室にいたわけではございませんので、そういった点においていま先生御指摘のように、教育実習ではない形でやはり学生の実際授業を担当したという実態があるということは否定できないので、その点はきわめて遺憾な状態であるというふうに考えております。
○粕谷照美君 きわめて遺憾なんという問題ではないでしょう。普通の学校でこんなことが行われたら、校長なんてすぐ首になっちゃうんじゃないですか。私は、非常に問題があるというふうに思います。そのことについてきょうは別に触れるわけではありませんけれども、特に追及をするわけではありませんけれども、こういうことが光栄の至りだというふうな形でいままでもあったということは、事実はいかがなんですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 従前の詳しい状況が実はよくわかりませんけれども、私どもは、恐らく過去かなり長期にわたって、数年にわたってそういったことがあったのではないかということを、いわば疑っているわけでございます。
○粕谷照美君 私は、そういう問題が地元のお母さんたちに大変な疑惑と国立大学の付属小学校あるいは中学校、高校などに対する不信感というものを生み出してきたというふうに思うわけです。特にそのお母さんたちが言うのは、付属小学校に入るのにいま数万円の納入金が必要だと、あのときで五万円だったんだけれども、それは何と言うんですか、後援会みたいな形になるんだと思いますけれども、そのお金払えないから私やめるわと言ったら、子供が泣いてもう頼むので、そのお金を払って入りましたというふうなお話もしておられました。 そういう中で、特に付属小学校に、鎌倉の付属小学校に入学するための予備校が特につくられているんですね。それがその時期になりますと一軒一軒配布されるわけですよ。湘南予備校というのがありまして、いろいろなコースがあるんですが、国大付属小学校入試必勝コースなどというのがありまして、そこを出てきた人たちは百発百中だみたいなものが出てくる。こんなことでは大変だというふうなことを言われておりましたが、そういう激烈な競争をやりながらようやく付属小学校に入ってきた。つまり付属小学校入学というのは、この子は頭がいいですよということを証明してもらったようなものだというふうに思いますのに、今度付属の中学校へ行くときに、あなたは成績が悪いから付属中学へ行かれませんと、公立の中学校へ返りなさいと、こういうことを言われるというんですね。いわゆる足切りという問題がある。先生方が生徒をしかる言葉の中に、そんなにして勉強しないと公立へ返すぞと、こういうのがしかる言葉なんだというんです。本当に悲しいことだというふうに思いますけれども、その足切り児童の問題は、ことしは鎌倉ではなくなったでしょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の足切りの点は、鎌倉の場合にはことしから解消をいたしております。
○粕谷照美君 さて、今度はその付属中学なんですけれども、付属中学校へ入りますと、付属中学校がいわゆる湘南高校という有名高校への登竜門になるわけです。ですから、付属中学へ入っていることだけではやっぱり心配で、いわゆるその高等学校へ入るための受験準備というのが、激烈に行われるんですけれどもね。その受験準備に湘南予備校という学習塾がありまして、この学習塾の募集看板が、いわゆる付属中学の公のへいのところに相当長い間かけられていたという事実を御存じだというふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 私は申しわけございませんが、その点は存じておりません。
○粕谷照美君 ほかに知っている人いませんか。——大学局長御存じなくても手紙が行っているんです、お母さんから。おかしいじゃないかって、たしか電話か何かで文部省に行っているんです。そして、文部省の方からもお手紙が来ているんですよ。お母さんたちがその電話してからじゃ外されちゃうというので、外されないうちに、こう写真撮ってある。(写真を示す)これは付属のあれなんですけれども、四十八年の十一月から四十九年の三月までずっとかけられていたんですね。 ここの予備校の先生は、いわゆる有名高校の元校長先生がなっていらっしゃるんです。そういうことが行われたんでは、私たちは本当に文部省というものを信ずるわけにいかないと言って、文部省不信にまで陥っていますので、私も何とかこれをなくしていくように努力をしますというお約束をしたので、この質問は何も文部省に対する追及なんていう、そういうものじゃないんですよね。付属のあり方についてやっぱり一緒に考えていきたいという考え方で質問をしておりますので、そういうことで受け取っていただきたいというふうに思うんですが、いま大学局長おっしゃったので、私触れないことにいたしますけれども、湘南の教職員組合の執行委員長から、大学あてにいろいろな質問が出ているわけですね。これ大変な質問なんです。その質問に対して正確にお答えになっていらっしゃらないんですね。やっぱり国民が疑問に思っていることについては正確にお答えをいただくように、文部省としてやっぱり大学側に指導していただきたいというふうに思います。この内容については触れません。 それで、いまから七年半前に出されました「国立の教員養成大学・学部の附属学校のあり方について」というこの建議で、改善されているというふうに判断をしていらっしゃる点はどの辺のところですか。
○政府委員(佐野文一郎君) もちろんなお不十分ではございますが、たとえば抽せん制の導入につきましても、四十三年度をとってみますと、幼稚園は七四・四%、小学校は五三・五%、中学校が一八・七%でございましたものが、五十一年度には幼稚園は一〇〇%採用をし、小学校は九五・八%、中学校は七五・〇%にまで抽せん制を採用している学校の状況というのはふえてきているわけでございます。これはやはり建議の趣旨に沿って逐年われわれも指導いたしましたし、付属の方でもそういった方向で努力をした結果であろうと思います。 ただもう一点の教育研究あるいは教育実習の面で、大学学部と付属学校の連携を強化をしてその充実向上を図るという趣旨の点についても、もちろん努力は行われておりますけれども、まだ不十分な点が多いのではないかと考えております。
○粕谷照美君 大学当局とよく連携をとりながら教育研究を行うというそういう具体的ないい例の学校というのは幾つか挙げられますか、たとえばさっきの宮城大みたいに。
○政府委員(佐野文一郎君) もちろん各付属学校におきましては、一般的にそれぞれ研究課題を設けまして、教材研究その他の授業研究をやったり、あるいは研究発表会を行ったり、研究論文を発表したり、そういった努力をし、その研究結果を一般の公立学校にも提供するような努力はいたしているわけでございますけれども、いま御指摘のようなものといたしましては、たとえば文部省の教育研究開発の委嘱によって、付属学校では七つの幼稚園から高等学校までが教育研究開発のための研究を行っております。これは幼小教育の連携であるとか、あるいは高等学校における総合科目の導入であるとか、そういったものを実際に取り組んでやっている例がございます。あるいは付属学校はおおむね都市部にございますけれども、なお十三の付属の小学校で複式学級を置きまして、僻地教育のための授業研究をやっていると、これが三十二学級ございます。あるいは東京学芸、京都教育、神戸大学等に海外帰国子女教育のための特別な学級を設けまして、そこでそういった帰国子女を受け入れた場合の研究を実施をいたしましたり、あるいはより特別なものといたしましては、東京大学の付属の中学校あるいは高等学校で双子を入れまして、その他教育についての研究を行ったり、あるいは千葉大学の付属幼稚園で性格、行動に問題のある子供を、これは隔年でございますけれども、入れて教育をする研究を行ったり、その他宮城教育大学の授業分析センターを使っての授業の実践的な研究、そういったものが行われている例はあるわけでございます。
○粕谷照美君 私はそういうすばらしい研究をやっているということを国民は余り知らないのだろうというふうに思いましてね。そういうことについての資料などを後でいただきたいというふうにひとつ思います。 さて、もう一つの方の入学選抜の問題については、じゃどのように具体的に前進をしたかということについてひとつお伺いしたいのは、まず第一に、「教育上特別な取り扱いを必要とする児童・生徒を除くためのテスト」を最初にやるのですね。「教育上特別な取り扱いを必要とする児童・生徒」というのは一体どういうものがあれなんですか。それと国立大学が実験校であるということとの関連をどのように理解したらよろしいのか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、ここでテストを行います趣旨は、建議の中にもございますけれども、やはりかなり長期にわたって教育実習の受け入れを行うというふうなこともあって、ある程度いわゆる復元力とよく言うようでございますが、そういった力を持った子供でないと、実際の付属学校における教育という面から見て、やはり子供に悪い影響が出ては困るということを考えてのことであると考えております。 しかし、実際問題として付属学校というものを考える場合に、一律にそういうことだけで考えていいわけではなくて、御指摘のように、むしろいろいろな意味で性格、行動に問題のある子供を入れて、それに対する適切な教育のあり方を研究をするというふうなことがまさに実験校、研究校としての付属の使命であるはずでございますし、一律にそういった形で選抜ということを考えるというのはおかしいというふうに思います。ことに、抽せんを行う場合でも、先生御指摘のように、テストをやってから抽せんをするのではなくて、抽せんをやってからテストをするというような形で、いわばできるだけ多様な子供を入れる、そういう工夫をすべきだと思います。付属学校によってはそうしているところもございますけれども、そういった細かいところまで留意をして、同じ抽せん制を導入をするにしても、そういう特別な付属学校の研究計画にのっとったものを入れるということを行う場合以外には、できるだけ多様な児童生徒が入ってくるような工夫をしなければいかぬというふうに思います。
○粕谷照美君 復元力というのは一体どういうことが復元力なんでしょうか。その子の能力がこれだけある、そして実習生が入ってきたことによってこれだけ落ちた、そして、だけど、自分でもとへ戻る力があるという、それは一体どういうところで科学的に研究をされ、科学的に証明をされたかという質問をまず第一にしたいというふうに思います。 その次に、抽せん制ということについてでも、本当に改善されているかどうかといいますと、おたくから書類をいただいたんですが、最初にテストをやってふるい落として、そして抽せん制にやるというのですから、これは相当いいレベルですね。それをやっている学校の方が、最初に抽せんをやって、いろいろなものの中からテストをやって出すよりも圧倒的に多いという事実は、あなたは何とおっしゃろうとも、これは改善されている部分の中に入らないというふうに思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の復元力という点については、私はその言葉自体がきわめて適切を欠く言葉だと思います。実際に教育実習を受けることによって、子供たちの教育について実際上いろいろな影響がある、そういったものをその後の教育において教師が回復をしていくということは、それは当然のことでござ一まずから、また、逆に言えば、そういったところで出てくるいろいろな教育実習による教育上の問題というものがあるならば、まさにそれが多様な子供にどのように出てくるかということをつかんで、それに対する対策ということを考えてこそ付属であろうと私は思います一だからそういった点を十分に付属としては今後そういう角度から考えていかなければならないんだと思います。抽せん制が非常にパ−セントとしてふえてきたということを先ほど申しましたけれども、実態はいま申しましたように、同じ抽せんをやるにしましても、まずテストをやってから抽せんをする方が圧倒的に多いというのは先生の御指摘のとおりでございます。この点も繰り返しになりますけれども、特別な研究計画を持って、それに合った子供を積極的に入れる。たとえば双子を入れるとか、あるいは行動、性格の問題児を入れるとか、そういった一つの考え方を持って選ぶ場合は別として、そうでないならば、やはりできるだけ多様な児童生徒が入ってくるというような構えで選抜はすべきであろうと思いますし、やはりテストに先んじて抽せんを行うというふうな形を、同じ抽せん制を導入するにしてももっと推進をしなければいけないと思っております。
○粕谷照美君 私、いまおっしゃった話に非常に賛成する部分も多いのですけれども、たとえば多様な子供がいて、今度教育課程をこういうふうに変えていきますと、先回、むずかしくなりましたね。あれやってみたところが、やっぱり付属の生徒だったらすうすうすっと覚えたから、全部の学校にこれ当てはまるだろうなんて考えるところ自体が間違いであって、やっぱり付属にいろんなのがいて、そしてやってみたらここの教育課程ではとてももう大変だというような実態がわかって、臨床医学というのですか、何か研究やってから全部にやっていくようなシステムというものは全然行われなかったというところにも、今回あわててまた審議会の答申なんかいただいてやっていくような状況が出てくるのではないかというふうに思いますので、できるだけ多様な子供が付属に入ってくる、できれば私は小中学校なんていうのは義務制なんですから、付属へ行きたいというような子供たちが大ぜい集まってきて、その中からまさに完全無差別の抽せん制でやっていくということの方が望ましいのではないか。特別な研究意識を持たなければ、課題を持たなければ、そういうのが望ましいのではないかというふうに思いますが、そういうことをやっているのが文部省の調査では抽せんのみというのが小学校で一つありますね。それから中学校で三つありますけれども、これらの学校における実践報告なんというのはいかがなものですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 具体的には私どもの方は承知をいたしておりません。
○粕谷照美君 そういうことを知らないと、大学局は大学のことばかりやっていて、ちっとも付属の小中学校のことは義務制のことなんだから知らないわというような態度に聞こえてならないのですよ。もうちょっと本気を入れてやっぱり全体の教育の中に占めるこれらの学校の役割りというものは大きいわけですから、ぜひ是正をするために努力をしていただきたいというふうに思います。 私は、この岐阜大学の教育学部の付属小学校が、「学校づくり十年の記録」というのをつくって出していらっしゃいます。これを鎌倉の、いわゆる付属学校問題を考えるお母さんたちからいただいてきたのですけれどもね、本当に感動するのですね。生き生きとした教育活動をやっていらっしゃる。そういうようなやっぱり付属学校は日本全国に出るように努力をしていただきたいというふうに心からお願いをしたいというふうに思います。 さて、そういう中で、高等学校で抽せん制というのを出しているところはほとんどないですね。たった一つ、抽せんをやって、それからテスト、面接をこうやっているところが名古屋大学にあるようですけれども、これ、なぜそういうことになっているのでしょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 審議会の答申にもございますけれども、公立高校における入学者選抜の方法に準じて、やはり付属の高等学校も、入学者を入れるということが従来から原則的に考えられてきております。それは義務教育の段階を終えてさらに進学しようとする子供たちでございますから、その発達段階から言って、いわゆる抽せんによって入学の可否を決めるということが教育的にどうだろうかというふうな議論がやはりあるようでございます。そういったこともあり、また高等学校の段階でももちろん特別の研究計画を持って意欲的に取り組まなければならないということもあるわけでございます。そういったことを考えて、抽せん制というものがこれまで導入されていないというふうに考えております。
○粕谷照美君 でもこの建議を読んでみますと、「高等学校の入学者選抜にあたっては、公立高等学校の選抜を参考にして行ない、進学予備校化しないように配慮するのみでなく、さらに後期中等教育の目的・編成、内容・方法などの改善に資するという観点からも考慮する必要がある。」というふうに書いてあります。考慮されたのかどうなんですかね。 それから、公立高等学校の選抜そのものについても非常に多様化しているわけでしょう。学校群制度ができたり、全然それができていない、小学区制をとっていたり、大学区制をとっていたり、中学区制をとっていたり、それの一体どこのところをめどに公立高等学校の選抜を参考にして行うのですか。それから内申書を重要視するという問題がありますね。その内申書については一体どのように行われているのですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 高等学校の入学者選抜の方法というのは、確かに先生御指摘のように、全国的にはかなり多様なものがございます。国立の付属の場合には、いわゆる学力試験による選抜を実施をするということと、それから内申書を重視する、その二つをあわせて現在の選抜は行われているわけでございます。
○粕谷照美君 それにしても十七あります付属高校のうち、たった一校だけが抽せん制を入れておいて、あと十六校はもうテストのみでしょう。そうですね。それで東大のベストテンの中に幾つ国立大学のいわゆる卒業生が含まれていますか。週刊誌などで非常にまあ書かれるわけですけれどもね。その名前も言ってください。
○政府委員(佐野文一郎君) 具体的に承知をしているというわけではございませんけれども、恐らくは教育大学の付属、あるいは教育大学の駒場の付属高校とか、あるいは学芸大学の付属高校であるとか、あるいは大阪教育大学の天王寺であるとか、そういったところが従来から進学校として指摘を受けておりますので、恐らくそういった学校の名前が挙がっているものと思います。
○粕谷照美君 これも私の家に投げ込まれた学習塾の一橋能開英才教室のあれなんですけれども、五十二年度合格実績、教育大付属四名、学芸大竹早六名、学芸大付属大泉何名というふうに、こんなことが出されるのです。出す方は勝手ですからどうってことばないかもしれませんけれども、非常に注目を浴びているところですから、私はやっぱり姿勢を正していかなければならないというふうに考えているのです。それで、たとえばこの間、教育大付属で全盲の生徒が東大に入ったという、こういうニュースが出てまいりましたね。私はこういうふうに一つのこれは実験校みたいな形で、実験生徒みたいな形で、実質的には優秀な方が出たのです。そして目が見えなくても、盲児であっても東大に入ることができるという意味で、目の見えない人たちに与えた影響、勇気づけというものは非常に大きかったというふうに思うのですけれども。 ただ非常に気になったのは——吉田先生の地域ですね、あの青年が、富山の魚津の青年なんですね。そして東京に下宿をしていらっしゃる。まあ大変ないい条件のもとにあの生徒は、私はそういうことが成り立ったんだというふうに思うんですけれども、その教育大学は今回なくなりますね、筑波大に統合されて。そうすると、この鎌倉中学でもお母さんたちの批判が非常に大きいのは横浜大学の、横浜の付属なのに鎌倉にある。一体そういうことが、地域の学校じゃないか、本当にその大学と付属というものが、一緒になった教育研究なんというのが行われないような付属というのは、果たして意義があるのだろうかという疑問を出されておりますが、特に筑波とこの教育大、非常に遠い条件になりますね。そうすると筑波大学にいた実習生たちがこの教育大学に来て実習を受けるというようなことになるんですか。その辺のところはどんなふうになるんですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 教育大学の付属学校は全部で十校ございます。そのうちの八つが都内にございまして、一つが聾学校で市川市、一つが農業高校で埼玉の坂戸にございます。これらはいずれも現在地のままで筑波大学に移管をするという方針でございます。したがって、御指摘のように、筑波大学は教育実習等につきましては、都内の付属学校において実習をするということになります。したがって、大学と付属学校との間の有機的な連携ということを十分に考える必要がございますので、大学当局としては学校教育センターを大塚のキャンパスに設けるというふうなことをかねて検討いたしているわけでございます。そういった構想を含め、また確かに距離が遠いという難点がございますけれども、教育実習について計画的な受け入れができるようにわれわれとしても今後とも検討を続けてまいりたいと思います。
○粕谷照美君 受け入れができるようにと言いますけれども、通勤時間は大体どのくらいかかりますか、通学時間。
○政府委員(佐野文一郎君) やはり向こうからこちらへ日帰りでというわけにはまいらないと思います。したがって、都内のたとえばオリンピックセンターのような施設を利用して集中的に実習をするというふうなことを考えるというのも一案でございましょうし、そういうことを含めてどういうふうな計画的な受け入れが最もいいか、そういった点の検討を進めているわけでございます。
○粕谷照美君 そうすると、伺いますけれども、学生にその負担がかからないような条件というものをつくり出すというふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。
○政府委員(佐野文一郎君) そういった点を含めて、どういう方法が最も適当であるかということを考えているわけでございます。今日の時点でまだ確定的にどういう形で教育実習を都内で実施をするかということが決まっているわけでございませんし、また先ほど申しました、学校教育センターの設置についてもなお検討中のことでございます。
○粕谷照美君 ちょっと遅いんじゃないでしょうかね。時間的に間に合いますでしょうか、その見通しはいかがですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、教育大学から筑波大学へいわば全体が移り変わる時点というのはすでに迫っているわけでございますから、私どもも極力急ぎたいと思います。
○粕谷照美君 ぜひ学生に大変な負担がかからないようにひとつ注意をしていただきたいということと同時に、本当にその付属の学校と大学側との間が緊密な連携をとって、その趣旨が全うされるような模範的なやっぱり付属学校のあり方というものを文部省としても一生懸命に努力をしていただきたいということをお願いしたいと思います。 それから、この建議にありました人事管理の面なんですけれども、「ややもすると、在職年数が長くなり人事が停滞する傾向がある」とありますけれども、いまはそんなことがあるんですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 付属学校の教員構成は、まあ公立学校との対比でございますけれども、いわゆる中堅のところの教員が非常に多い、若年の者とお年を召した教官が少ないという特色を持っております。ただ、公立学校との間の人事の交流を考えていく場合に、たとえば給与の面等におきましてむずかしい点が具体的にはあることは事実であろうと思います。しかし、そういった点の調整を含めてそれぞれの大学で人事の交流については努力をいたしておりますし、また公立学校の先生方を非常勤の形で付属学校の方へお迎えをするというような努力もいたしておるわけでございます。
○粕谷照美君 大臣、小学校においてはいま多いところで七割、それで普通のところでも五割以上が婦人教師になっているんですね。国立大学というのは小学校でも圧倒的に男ばかりなんです。この辺のところいかがお考えですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように非常に小学校でも男子の教員が多いという状況にございます。付属学校については、片方ではやはり、いまるる御指摘のございましたいわゆるエリート校としての非常な批判があり、またそれにこたえて付属学校自体の体質の改善のために努力をしているわけでございますが、一面付属学校の先生方は、自分たちの行っているいわば実験的な、あるいは実践的な研究教育というものについて、それぞれ誇りを持って仕事をなさっているんだと思います。そういう意味で付属学校の仕事というのは非常に大変な面が多いわけでございますが、やはり付属ならば自分は行きたいというふうな方がある、それは単にエリート校だからということだけではなくて、仕事に誇りを持って付属に入っていくという方が多いということは言えると思います。
○粕谷照美君 答えていないじゃないですか。私もいまの学芸大、竹早の女子師範を卒業したときに、二年たったら付属に来いと言われるんで、行って会ってみて、いやで逃げ出した人間なもんですからね、いろいろな人間があるというふうに思いますけれども、女の人が少ないということについてどういうふうにお考えですかと言っていま質問したわけですよね。たとえば婦人教師がふえ過ぎるという大きな批判があった。何もふえ過ぎるのは婦人教師の責任じゃないわけですよ。社会全体の中で自然に婦人教師がふえざるを得ないような状況がつくり出されてきたのに批判がそうなった。そのときに、たとえば電通あたりでは女だけの職場をやってみて、女でもこうやってやっていけるんだぞというような場所をやってみようというような試験的な問題が提起された。甲府あたりでも女の先生だけで、校長からもうずっとみんな女だけでやってみたらどうだろうかという問題が提起された。しかしお母さんたちから総スカン食って、やっぱりその中には男の先生を入れざるを得なくなったという問題があるのに、婦人教師がこれだけふえているときに、国大付属でなぜ婦人教師が六割いる学校をつくってみようとかという、そういうあれができないんですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 現在、日本教育大学協会といういわゆる教員養成系の大学・学部でつくっている協会がございます。そこに付属学校関係の部会である第三部会というものがございますが、その第三部会におきまして、付属学校のあり方あるいは入学者選抜の方法等について突っ込んだ検討をしてもらうように、私どもからも申し入れ、また協会側も小委員会をつくってやるということを決めております。その際にいま先生の御指摘になりました点も私の方から改めて問題点として提起をして議論をしてもらいたいと思います。
○粕谷照美君 じゃ、同じく人事管理の面でですけれども、教官の中で「大学教官として適任と認められる者については、大学・学部教官として任用または併任し、大学・学部との交流の道を開くべきである。」という、こういう建議が行われているわけですね。これについて具体的にどのくらい前進しているものですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 遺憾ながら付属学校の方から学部の方の教授に併任され、あるいは専任されていく例というのは非常に少ないようでございます。ただ、たとえば東京学芸大学に教育実習指導センターというふうなものをつくる、そういったときにはこれはもちろん大学のセンターとしてつくるわけでございますけれども、そこに付属の先生を大学の教官としてお迎えするというような例はございます。
○粕谷照美君 私は、この建議が何か伺えば伺うほど生かされていないような感じがしてなりません。八年もたって生かされていないんじゃ困りますので、積極的にその問題について取り組むように要望をしていきたいというふうに考えております。ただ私自身も、先ほどからお話をしていますように、いま質問したことがすべての付属の問題ではない。本当の一部の付属がそういうふうになっているために、全体がそうであるかのような誤解を国民に与えているというところに問題点があるのであって、この改善された実態というものをやっぱり国民の前に明らかにしていく必要がある。それから積極的にPRをしていく必要があるというふうに思いますけれども、大臣、最後にお伺いいたしますけれども、その辺についてのお考えをお伺いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 付属学校というものは、それぞれ設置の趣旨、目的、それに従って全国でいろいろな御努力を願っておると私は思うのです。ただ御指摘のように、付属学校の数ある中の一部がエリート校といいますか、受験専門の有名校にランクづけされるようになってきておることに対しての厳しい御批判のあることも十分に承知をしております。そこでせっかくいいことをいろいろやってもらっておるところもあるのです。また現にできるわけでありますから、私はやっぱり積極的に研究目標、研究計画を具体的につくって、付属でなければならないことを、自分の学校ではこうしておるのですよということを胸を張れるようなそんな学校、またこういう場で粕谷先生からほめてもらえることができるような、そういう生き生きとした計画を世に発表したり、本にして問うたりすることのできるような、そういう学校が付属の本来の姿だと思っているわけです。これについて目に余る面があって是正できるものがあったら是正していこうじゃないかという気持ちで私も取り組んでおるわけでございまして、たとえば八年前のいろいろな建議について、その努力の足跡が見られないではないかという御指摘もございましたが、しかし、努力をしておるところもあれば、たとえば高校の問題なんか、目に余るところはたくさんじゃないわけでありますので、そういったような問題についてもこれは十分に指導をして、世の批判を受けることのないように、また研究校、実習校としての設置の本来の目的を十分自覚をして運営してもらうように、私としては強く指導していきたいと思います。
○粕谷照美君 終わります。
○沓脱タケ子君 それでは文部省に、きょうは体育、スポーツの振興についてお伺いをしたいと思います。 学校体育の充実の必要性が叫ばれております。子供たちが懸垂が上がらないとか、骨折が非常にたくさん発生をしてきているとか、あるいは肥満児がふえているとか、子供の体力の低下、あるいは運動ぎらいの子供一生徒がふえていくとかいうふうなことで、学校体育上ゆゆしい事態が起こっておることはよく指摘されておるとおりでございます。で幼児から十二、三歳ぐらいが子供の体をつくる上で一番大事な時期だといわれております。中学校や高等学校で、いわゆる野球、サッカー、バレーなどの競技以前の問題として、基礎訓練が大切なことはもう言うまでもないわけでございます。義務教育の一部としての体育というのは、児童生徒の健康増進の上できわめて重要な意義を持っており、また体育、スポーツの普及、発展の基礎的条件でもあります。 で、学校体育の発展の上で大切な一つは、体育施設の整備でありますが、の点はすでに指摘もされ、御努力もなさっておられるようではありますけれども、しかし私は、これは格段の努力が要るのではないかと思いますのは、プールの整備状況一つ見ましても、五十一年度で全国では小学校五八%、中学校で五一%、高等学校で四八%しかできていない。こういう点では格段の御努力が求められると思うのですね。教育課程でいわれていることが施設がないためにできないというふうな点は、これはまあ非常に残念なことなんで、許されないと思うのですが、こういう点では一層努力か求められると思うわけです。まあきょうは学校体育の問題に触れる時間がありませんので、国民スポーツの振興対策についてきょうはお伺いしたいと思います。 で、特に国民スポーツの振興について思うのですけれども、過日世界選手権の男子シングルスに優勝された河野満選手が優勝の直後の弁として、中国の厚い選手層の壁を破るためには、一にも二にも若い層の育成だということを言っておられましたが、こういうことというのは、わが国の実態、スポーツ対策の根本的な弱点を、はしなくも国際水準の優勝選手の口から言われたというかっこうになったんではないかと思うわけでございます。国民のスポーツを求める世論というのが非常に高いのはすでにもう十分御承知のとおりでございます。この世論に対してわが国のスポーツ対策はどうかということなんですが、これは私は、この保健体育審議会の答申にも述べられておりますし、それからまた経済企画庁の「コミュニティ・スポーツ施設整備計画調査概要」、これは四十九年の五月に出されておりますが、こういうところで大変深刻な問題として警告を発しておられるわけでございます。 私はちょっと驚いたんですけれども、たとえば「現状と問題点」というところで、「コミュニティ・スポーツ振興の必要性と背景」という点で、一つは「身体的活動の減少」、経済社会の急速な発展は体を動かすことが著しく減少して、健康と体力の維持増進に大きな問題を投げかけておると。それから二番目は「精神的ストレスの増大」、これは職場における変化がそういうことになっておると。それから三が「文明病の増大」、これは昭和三十七年では人口千人当たりの有病率というのは五三・七であったのが、四十七年には十三〇・二というふうに二倍以上にふえておるというふうなことでございます。しかも「運動不足と国民健康のアンバランス」という項に、非常に大切だと思いますのは、特に日本の子供と外国の子供の発育の比較を見ると、十四歳以後になると日本の子供の発育は急激に悪くなり成人値に向かっている。中高年齢層の場合にも、産業構造の変化によって一般に運動不足の状態に陥り、体力の低下が目立つ。このことは主婦の場合も同様である、というふうなことで、大変、これは両方とも指摘をされておるんですが、文部省はまずこういう世論とか指摘あるいは答申に対してどういうふうにこたえていかれるか、最初にそれをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 総体的な心構えをまず御答弁さしていただきますけれども、私は、やっぱりスポーツの振興というのはきわめて大事だと、こう思います。特に知育、徳育、体育のバランスのとれた、調和のとれた人間の育成ということが叫ばれておるときに、どうも体育の分野においても反省すべき点が多いのではなかろうか。私は、いま日本国民が最初に接する体育というのは、やっぱり義務教育段階の学校スポーツだと思います。ここでやっぱり基礎的、基本的なことをみんな身につけて、それから今度社会に出られたらいろんな分野でスポーツにさらに取り組んでいってもらうようにせねばならない、こういう二段構えの考え方を持っておるのでありますけれども、今年度予算案の中に織り込んでお願いしておりますスポーツクラブの育成指導という考え方も、これはもうできるだけ全国の至るところでその地域ごとにいろいろ行われておるいいスポーツを全国に紹介して取っ組みやすくしてもらうとか、あるいは校庭を開放しますときに、やっぱりそこには教育委員会の方から指導員みたいな人が行って、そうして一体になって地域のスポーツ熱というものにおこたえするような整備をしなければならぬとか、こういう考えでありまして、特に、昔は各御家庭で兄弟の数が多いころは、学校へ上がる前に兄弟同士で相撲を取ったり、まあけんかというのはこれはスポーツじゃありませんから適切ではありませんけれども、何らか取り組むものが家庭の中にあったのに、このごろは核家族になって子供が少なくなってまいりましたので、ほとんど小学校へ上がるまでにいろいろなことを家庭で経験してくる子供が少なくなったという面もあるわけでありますから、特に小学校の体育というものには私は十分注目をして基礎づくりをしなければならぬ、こう考えております。 具体的な細かい施策は担当の政府委員からお答えをいたさせます。
○沓脱タケ子君 ちょっと時間がないから……。いま大臣は、その面でも弱点があろうと思うとおっしゃっておられたんですが、私は、きょう学校体育の問題に触れる時間がないので、コミュニティ・スポーツの側面を中心にしたいと思います。 四十七年に保健体育審議会の答申ですね、「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について」というのが出されておりますが、これに対して当時どういうふうに新聞等で言われているかと言ったら、これはたまたま見たら、こういうふうに言われているんですね。「欧米より三十年遅れ」「恵まれぬ環境」——これは朝日新聞ですね。五十年度ぺ−スでいくと基準達成までには何と三、四百年もかかる計算になると、これはそういう形で言われているんですね。さらに、この保健体育審議会の答申の目標を昭和五十二年度の予算案ですか、予算で見てみますと、これは大変なんですけれども、たとえば昭和五十年に文部省がこの基準に基づいて調査をしておられるんですね。そうしますと、どれだけ不足するかといったら、たとえば運動広場が三千九百四十一、プールが四千百七十五、体育館が四千二百十九。で、五十二年度予算は、体育館は四十カ所ということですから、この基準達成のためにも百年かかる。こんな状況なんですね。で、そういう状況になっておるわけですが、私は、こういうことが社会ではどういう状況になってあらわれているかと言いますと、たとえば、私どもの大阪で聞いた話ですが、これは最近でもそうなんです。靫公園というところにこれは公共の野球場がある。ここで試合をしようと思えば、朝の三時ごろから車を持っていって並んで、朝九時になったら抽せんをしてやると、そういうことがいまだにやられているんですね。これほどスポーツ愛好家にとっては施設が足りないということになっているんですが、文部省は当初七カ年計画らしき——と言ったらいいんですか、ものを立てていたようですが、この計画はどうなっているんですか、立ち消えですか。
○政府委員(安養寺重夫君) 四十七年の十二月に保健体育審議会の答申をいただきまして、施設の基準あるいはその他いろいろ他方面にわたる内容をいただいたわけでございまして、いまお話のように、早速七カ年計画というようなスケッチをしたわけでございます。そういうような背景で、年年、学校を除きまして、いわゆる社会体育施設の整備につきまして予算の増額その他手当てをしてまいったわけでございます。その間、いろいろ御批判もございましたし、われわれも地方財政の大変な逼迫というような状況で、予算の実勢がなかなか伸びないというような難儀な状況を経てまいりました。幸い、五十年度に全国の体育施設の悉皆調査を終了いたしまして、この時点での関係施設、これはすべての学校、職場あるいは公共施設、商業的な施設すべてでございますが、実態が確認できました。この段階で新しい施策をどのように展開すべきかという検討を部内でいたしまして、昨年の暮れ、それぞれ専門家の御意見の結果をまとめていただきまして、今後そのような示唆に従いまして、行財政的にわれわれとしては努力をいたしてまいりたいと思っております。 ちなみにその整理していただきました案の中に、スポーツの日常生活化という観点を強く打ち出しまして、それに必要な施設をどのような形で整備するかという点の御指摘、整理をいただいたわけで、したがいまして、そのようなことでわれわれとしましては、保健体育審議会の大筋を生かしながら、しかしその当時言われておりませんでした学校体育施設の開放というような点、あるいは公共施設の共同利用の点、そういうような新しい分野を含めまして、施設計画の今後の整備に新しい工夫を加味してまいりたい、これは今後の問題でございますが、鋭意検討中でございます。
○沓脱タケ子君 それで、先ほど申し上げた経済企画庁の報告によりますと、なかなか大切なことが言われているのですね、こんなふうに。これは、「国民各層のスポーツ」というのは、「本来、すべての人間はスポーツの前に平等であり、」、「誰でも、どこでも、いつでも、気軽にかつ安全に生活の中でスポーツを、というのが、コミュニティ・スポーツの基本的な考え方であろう。」。そこで問題点は、「わが国のスポーツ・レクリエーション活動の現状と問題点」の中で、これは答申にも書かれておりますように、施設の貧弱さというのが第一に指摘されているのですが、これは「わが国の体育スポーツ施設は約十五万ほどあるが、このうち学校体育関係の施設が約十一万で総数の七三%を占め、ついで事業所の体育施設が約二万四千、総数の一六%を占めている。」、「これに対し、一般の国民が手軽に利用できる公共社会体育施設は約一万で総数のわずか七%を占めるにすぎない。」、こういうふうに指摘をされているのですが、これは答申にも数字として同じ数字が出ておるようでございます。こんなことを解決していく上で、年次計画をつくるということをやるべきではないかと思うんですが、総合的に。そういう点についてはお考えはないですか、たとえば施設の問題、指導員の問題等を含めましてね。年次計画などをつくらないと、都道府県、自治体あたりでも国の姿勢というものがやっぱり非常に大きく影響するのではないかと思いますが、そういう点どうでしょう。
○政府委員(安養寺重夫君) 先ほど申しました五十年度の実態調査で、わが国の体育施設は十八万八千余現存する。その中の六八%が学校関係施設でございまして、残余のうちの三四%が公共施設ということになっております。御指摘のように、公共施設の数がまだこれでは十分でないという感じがいたすわけでございます。つきましては、そういう実態は、これはきわめて平面的な調査であるというような気もいたしますので、新しく昨年の暮れに得ました示唆によりまして、できれば市町村でどういう計画を持ち、どういうような考え方をされておるのか、実態を把握するということが必要なことではないか。現に専門家のおまとめになりました整理の中には、各市町村ごとの必要施設の量というものが一応平均的に示されておるわけでございますので、国がそれを一応準拠するという前提で、各市町村、公共団体の実態を把握したい、かように考えております。年次計画等につきましてはそのような結果を踏まえて考えてみたい、かように思っております。
○沓脱タケ子君 私が申し上げた数字よりは五十年の調査ではふえているということで大変結構でございますけれども、これはスポーツ振興法の第四条でも、「文部大臣は、スポーツの振興に関する基本的計画を定めるものとする。」というのを第一項に掲げておる。こういう立場で文部省としては当然やるべきだと思うんですけれども、そういう計画的に解決をしていくという方途というのはお考えないですか。
○政府委員(安養寺重夫君) スポーツ振興法に基づきます文部大臣の整理する分野をわれわれとしては確認をいたしたいと思いますし、まあお話しのように段階的に、具体的にこういう条件を整備するということは確かに最も必要なことでございますし、できるだけそういう方向で具体的な方策を得るようにいろいろな条件を整備できるように案を練ってまいりたいとは思っております。 〔副主査退席、主査着席〕
○沓脱タケ子君 ちょうど大臣がおらぬときですから、後でまたお聞きしますが、特に国民的なスポーツ振興の上で公共スポーツ施設というのが基本ではありますけれども、それが全部できるのを待っておるというわけにはいかぬわけですから、当然学校施設の開放あるいは企業の施設を積極的に活用する必要があるというのは、これはだれが考えてもわかるとおりでございますが、そこでちょっと厚生省にお聞きをしたいんですが、年金福祉事業団は体育施設整備に融資をしておられますね。それで、五十年度でも八件で二十億五千万円というふうに書いておられるわけですが、これは経済企画庁の調査報告でも言われておるんですが、民間施設あるいは学校施設、教育施設等の全面的な開放あるいは積極的活用というふうに指摘をされておりますけれども、厚生省もこういう立場で年金福祉事業団を指導して、そこの企業の従業員が利用しない場合には、地域住民に開放するように融資事業主に協力してもらうような検討はできませんか。
○説明員(渡辺修君) 年金積立金の還元融資の趣旨と申しますか、年金福祉事業団融資の本来目的という点からむずかしい面もございますけれども、先生の御質問の御趣旨も大変もっともだと思われますので、十分検討をしてみたいと思います。
○沓脱タケ子君 文部省は五十一年の六月に「学校体育施設開放事業の推進について」という次官通知を出しておられますね。これは大変結構だと思う。問題は、それの具体的な裏づけなんですがぜひこれは十分な予算措置をつけてもらいたいなというふうに思うんです。五十二年度の補助個所をこれは六百カ所にふやすということになっているんですけれども、中身は個別になっているんですね。運動場の夜間照明、それから体育館の夜間照明、さく、それから付属施設ということになりますから、これが全部つけるということになると百五十ヵ所になる。それぞれあるところがあって、さらに補強しなければならぬというところもあるでしょうけれども、だから六百件の中身にはなるけれども、六百カ所ということになるのかどうかという点ですね。これちょっと私の計算では大変あれなんで、まあ結構なことなので、これはうんとふやしてもらいたいと思いますが、その点についてはどうですか。
○政府委員(安養寺重夫君) 昨年の六月に文部事務次官通知を出しまして、公立学校の体育施設の開放をこのような形でやろうではないかという要請を申し上げたわけでございます。そういうこともございますし、ぜひこれはやろうではないかというような機運もございまして、われわれとしては予算その他行政的な条件整備のお手伝いをしたいということで、現在は学校体育施設開放のための施設整備の補助金を用意いたしております。明年度はお話しのように、これは件数を延べで六百件、予算で約七億弱ということになるわけであります。それから学校体育施設の開放事業といたしまして九千五百ヵ所、これも延べになるわけでございますが、指導員を配置していただく関係から、配置された九千五百ヵ所に対しまして、約五億の指導者の謝金の補助金を提供すると。さらに学校開放の運営に専念をしていただく、あるいは指導をしていただくその方々の研修事業のために、四十七県を対象に三千四百万円弱の補助金を用意すると、このようなことをしておるわけであります。 学校体育施設の開放のための施設というのは、通常、学校でそれぞれ学校教育目的に従って使うわけでございますが、その本来の目的に支障を来さない範囲で、限度で、一般に地域住民のために開放していただくということともなりますと、あるいは夜間の照明施設が要る、あるいはフェンスが要る、あるいはその使用者のためのクラブハウスといいますか、そういう特別の施設も必要であろうということで、この三項目に限りまして施設を整備されることについて補助金を用意するということでございます。いままではだんだんにこの補助金をふやしてもまいりましたけれども、学校開放する際のいろいろ分担の問題あるいは施設管理の問題等が鮮明を欠いたということで、ちゅうちょしがちでございましたけれども、昨年の事務次官通知をもちまして、学校開放時の責任は挙げて設置者である教育委員会にあると、そして教育委員会から派遣された管理指導員が配置されると、そのもとにおいていろいろこういうような必要な事業が展開されるべきであるし、そのような用意があるというように申し上げた関係もございまして、学校開放もこれからますます盛んになってくるんじゃないかと期待もいたしておるわけでございますし、予算もそれにこたえるような今後の努力をいたしたいと思っております。
○沓脱タケ子君 最後に、まあ短い時間なんですので、なかなか意を尽くしませんが、先ほどちょっと大臣が席をはずされたのでございますけれども、スポーツ振興法の四条には、「文部大臣は、スポーツの振興に関する基本的計画を定めるものとする。」というのが第一項に出ておるんですが、そういう点で、現状を御調査になり、認識もされておられて、学校開放等では一定の手も打っておられるわけなんで、少なくとも計画をお立てになるという点をぜひ進められる必要があるのではないかというふうに思いますので、その点について大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほども申し上げましたように、毎年できるだけの努力を積み重ねておるところでございますが、御指摘のスポーツ振興法に基づく基本的な計画というものにつきましては、これはきょうまでも二、三度話を始めながら、いろんな事情があって、計画自体に至らなかったという経緯もあるようでございますから、やはりこれはさらに一度文部省としても十分実態を調査しますとともに、関係各省とも話し合って、計画が作成できるように検討をしてみたいと、こう思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○中沢伊登子君 先日来、教師の問題について、あるいは塾の問題について、また昨日は大学問題についていろいろ御質問申し上げてまいりましたが、きょうは、教員の資質向上策の一つとして、教育実習の問題について質問をしたいと思います。 教育実習の意義はどこにあると大臣はお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 教育実習は、学生に教職というものについてのやっぱり啓発的な経験を与えるということ、教職に対する意欲と使命感というようなものを喚起してもらうこと、それから児童生徒に対する理解を深め、教員として必要な専門的な知識並びに技術を修得してもらうということが目的であり、きわめて重要な意義を有するものだと、こう考えております。
○中沢伊登子君 大変いい御答弁をいただいたと思います。現在、教員となる者の教育実習の期間は平均どのくらいですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 現行の免許制度におきましては、小学校及び幼稚園の教諭の免許状を取得いたしますためには、小学校または幼稚園におきまして四単位を修得するに必要な期間約四週間でございます。中学校、高等学校の教諭の免許状を取得いたしますためには、中学校または高等学校におきまして二単位を修得するに必要な期間約二週間、それぞれ教育実習を行わなければならないということになっておりまして、一般にはこの基準どおり実施しているのが現状でございます。 なお、国立の教員養成大学・学部の場合には、小学校教員養成課程の場合に六週間実施している大学が最も多く、また中学校教員養成課程の場合には五週間実施している大学が多いという状況でございます。
○中沢伊登子君 いまお聞きのとおりでございますけれども、このような短い期間で大臣が考えていらっしゃるような教育実習の効果が期待ができるとお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) より長くすることができれば私はそれに越したことはないと、もちろんこう思いますけれども、現在行われております範囲の中で精いっぱいの努力を当事者にしていただいておると、私はこう思うんですが、しかし、特に現状において問題点となるところを申し上げますと、大学の学生数が非常に増大したということ、それから免許状を取得する希望者の方がずいぶんふえてまいりました。特に一般大学における中学校、高等学校の教員免許状取得者の場合などは、実際に教職につく人と免許状を受ける人との差もまたずいぶんございまして、教育実習校の確保が現実の問題として困難になってきつつあるということ等がございますけれども、やっぱり円滑な、効果的な実習が期待されますように、いろいろ問題点は研究検討をしていかなければならないと、こう考えております。
○中沢伊登子君 そうすると、毎年教員免許状を取得している者の数はどれくらいありますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 五十一年三月に大学、短大を卒業した者で教員免許状を取得した者の実数でございますが、国立の教員養成大学・学部を卒業した者が一万六千人、一般大学・学部の卒業者が六万二千人、短期大学等の卒業者が七万二千人、大学院、専攻科の修了者が三千人、合計して十五万三千人でございます。
○中沢伊登子君 ずいぶんたくさんの数なんでちょっと驚きましたが、その中で教員になる者の数はどれくらいあるんでしょうか。それは教員免許状の取得者の何割を占めていますか。
○政府委員(佐野文一郎君) ただいま申し上げました五十一年三月新卒者で教員免許状を取得した十五万三千人のうち、教職に実際に就職いたしました者は五十一年六月一日現在で約三万八千人でございます。これは新卒の教員免許状取得者の約二五%でございます。
○中沢伊登子君 そのほかの人はどうしていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 結局、教員にならないままでほかの職業についているか、あるいは家庭に入っているか、そういう状態にあるわけでございます。
○中沢伊登子君 私は、教育実習の意義は教員になろうとする者が教師としての熱意と適格性を有するか否かを判断することにあると思います。したがって私は、教育界にすぐれた人材を確保するためには、大学卒業後適切な指導者のもとに一年間の実地修練を義務づけ、教師としてすぐれた素養と適格性を有する者のみを教師として採用するように制度を改めるべきだと思いますが、どうお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御提案の趣旨、お考えになっておることを私もよく理解がいくのでございますが、ただ、現在の制度の根本に大きく触れてくる問題でございまして、定数の問題とか、その間の身分の問題とか、あるいは財政上の問題とかいろいろございますので、今年はとりあえず初任の教員の研修というものを行おうとしておるわけでありますが、先生の御指摘とはちょっと離れるような感じがしますけれども、できるだけの努力を積み重ねて、その御趣旨が生かされるように労力をしておるところでございます。これは慎重に検討しなければならぬことだと思います。
○中沢伊登子君 そうすると、先ほど大学局長の話にありました就職をされた者、これが二五%ですね、大体。そうすると、これだけのパーセンテージの中で免許状の取得者が、すべて教師としての適格性を有するものと判断しておられるかどうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 教員免許状につきましては、御案内のように、現在学校の種類あるいは教科の区分等に応じましてそれぞれ必要な単位数等の最低基準が定められておりまして、それを修得した者に対しては免許状を授与するということになっております。したがって、免許状を受けた者は一応教員として必要な資質、能力を備えた者であると考えられるわけでございます。しかしながら、この基準は一般的ないわば最低基準として定められたものであり、すぐれた教員となりますためには、養成の段階だけでなくて、教員としての体験あるいは研修の過程を通じて資質、能力を常に向上させていく、そういう努力をする必要があると考えます。したがって、免許状を持っているということだけで直ちに教員として十分であるというわけにはまいらないと思います。
○中沢伊登子君 都道府県教育委員会が行う教員採用試験では人物考査はどの程度の比重を置いておられますか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、教員の採用は教育公務員特例法十三条一項の規定で行われるわけでありますけれども、学科試験とともに、人物、教養、適性についての面接試験により行われておりますので、能力、適性等を総合的に判断されておると、このように考えております。
○中沢伊登子君 先ほどの数字を聞いておりますと、教員免許状は乱発ぎみにあるように思いますが、免許状制度はこれでよいと思っておられますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 戦後、幅広い層からいろいろな人材を求める開放的な制度となりましたので、国公私立大学でこれを行うとともに、相当数やはり安定的に供給できるようにという、こういう目的もございましたので、いろいろと制度ができてきたわけでありますけれども、これらのことは教員養成の基本に関する問題であります。そこで、教員となる意思が明確でないのに、安易に免許状を取得する者などが余りたくさん生じないように、これはいろいろなことを考えていかなければならぬだろうと、数だけ見ますと率直にそんな感じがいたします。
○中沢伊登子君 私もやっぱり、戦後はそういう状態がありましたけれども、その点でこれからは多少改善策を講ずることが必要ではないかと、そんな感じが実はしておるところでございます。 そこで、教員免許状を一回取得すれば一生涯その効力が及ぶという今日の制度は望ましいとお思いでございましょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 教員の担当していただく非常に高度の専門的な立場でありますから、やっぱりその身分の安定をある意味で保障しておくということも私は大切な一面の要素だと思うのです。ただ、身分の安定が大事だから与えっ放しでいいかというと、やっぱりそうではなくて、五年後にもう一回研修してもらうとか、あるいは経験のある方にいま五千人毎年海外研修旅行していただくとか、あるいは校長先生にも研修などしてもらうとか、いろいろな途中の研修、それから御本人自身の自覚の上に立っての研さん、努力、そういったものがあわせ行われることによって、やっぱりこの制度の趣旨というものは確立されていかなければならぬと、こう期待をしておるところでございます。
○中沢伊登子君 実は私どもも、教員の資質向上を図る第二の施策として免許の更新制、たとえば十年ごとに教師としての適格性を再検定する制度の導入が必要であると、このように実は考えておりますが、その辺はどうお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは慎重に検討させていただきます。
○中沢伊登子君 私は現職教員の再教育の問題について、現在、官制、自主的研修を含めて、現職の教員の再教育の実態はどうなっているか、この辺をもう一遍伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 現職教育につきましては、従来から校長、教頭、中堅教員を対象とした校長等研修というのが行われておりましたが、新規に採用された教員を対象とします新規採用教員の研修というものもございますし、教員の海外派遣あるいは各種の研修会の主催あるいは助成、そういったものを行っておりますが、昭和五十二年度は、さらに都道府県及び指定都市が実施する新規採用教員を対象としての授業研修及び新規採用後五年程度経過した教員を対象とした教職経験者研修に対して補助を行う予定でございます。これらの研修のほか、都道府県においても、教員の資質向上を図るため、独自の立場でいろいろな研修を自主的に行っておられると、こう聞いております。
○中沢伊登子君 次に、現職教員の再教育の機関として教員大学院大学を設立することになっておりますね。この構想ができてきた背景は何でしょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 教員の養成・確保と、その資質の向上ということを考えます場合に、まず既設の教員養成大学・学部の整備を促進する必要があるということはもちろんでございますけれども、同時にそれと並行いたしまして、教員が生涯を通じて常に研修を積み重ねてその資質、能力を高めていく、そういうことが教員の質的な向上にとってきわめて重要である。そういうことを考えまして、現職教員に大学院における研修の機会を与えるということと、それからもう一つは、今後非常にその需要が増大をいたしてまいります初等教育教員の養成・確保というものを考える。その二つのいわば要請にこたえるために、大学院レベルを重視した教員大学院大学が構想されてきたものでございます。
○中沢伊登子君 そうすると、その教員大学院大学で学ぶ教員はどういう形で選んでこられますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 教員大学院大学に受け入れる教員をどのような形で選抜をするかというのは、大学として最も大事なことでございますから、これは実際には教員大学院大学が創設された場合にその大学当局の問題として御検討をいただかなければならないことでございます。 しかしながら、四十九年にこの新構想の教員養成大学等に関する問題を検討した調査会がございますが、その調査会の報告で示されている考え方を申し上げますと、大学院への入学資格につきましては、一般の大学院の修士課程と同じように大学を卒業したものを受け入れることを原則とする。しかし、短期大学卒業者であっても、教諭の一級免許状を持っている者など、これと同等以上と認められる者は入学させた方がいい。あるいは現職の教員については教職経験が二、三年程度以上の者を受け入れるようにしてはどうか、あるいは入学者の選抜方法としては、現職教員の入学ということでございますので、これは任命権者との関係等が出てまいりますから、そういった点で適切な配慮をする方がよろしい、そういったことが示唆されております。具体的な選び方については、先ほど申しましたように、今後創設されていきます大学において具体的に検討されていくことでございます。
○中沢伊登子君 今度は、その大学院大学自身の教授はどのような形で選抜をされますか。
○政府委員(佐野文一郎君) これも、今後大学の創設に当たる方々によって十分慎重に検討され、教員組織の構成が進められることになるわけでございます。しかし、基本的には広く国公私立の大学の関係者等の中から教員大学院大学創設の趣旨を理解して、その実現に協力される方々に御参加をいただく、そういう形で選考と申しますか、検討が進められることになるということを期待しているわけでございます。
○中沢伊登子君 その大学院大学を卒業した教員は、その後どういうような処遇を受けられるのか。たとえば給料等においても優遇措置を講ずるおつもりかどうか、その辺を伺いたいと思います。
○政府委員(佐野文一郎君) この教員大学院大学が将来創設された場合に、その大学院の修了者をその後どのように処遇をするかということにつきましては、これはこれまでのいろいろな調査会での構想では触れられていないところでございます。この点につきましては、やはり既設の大学の修士課程を出た者がどういうふうに処遇を受けるのか、つまり現職教員で既設の学芸大学の修士課程等で研修をしている者がございますから、そういった者が帰ったときにどういうふうに扱うかという問題とこれは同じ問題でございますので、その取り扱いを含めて教員の給与のあり方の問題として今後の検討にゆだねたいというふうに考えております。
○中沢伊登子君 この大学院大学を、構想としては兵庫県の方に誘致をされるというような話がございましたが、それはその後どのようなことになっておりますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、兵庫県の、具体的には社町というところでございますが、そこにこの教員大学院大学の創設を予定いたしまして、四十九年度から創設準備を進めているわけでございます。創設準備室を設けまして、学識経験者等の協力を得ながらこの大学のカリキュラムであるとか、あるいは教官組織のあり方であるとか、施設整備の基本的な方針であるとか、そういったものが鋭意検討されているわけでございます。五十二年度におきましても、引き続きそういった点についての準備をさらに推進をするということで、創設準備を続けることといたしております。これをいつ開設するかにつきましては、やはりいろいろな準備の進渉状況がございますので、それを見定めながら時期を判断したいというふうに考えております。
○中沢伊登子君 社町では相当その辺に期待をされておられまして、相当な土地持ちなんかがもうすでに市長の方に土地の提供を申し込んだりされて、非常に大学院大学が来ることを期待をしておられますので、その辺もお含みいただきたいと思います。 いずれにしても、現職の教員に定期的に再教育の機会を与えることは、今後の教員の資質向上について不可欠な要件であろうかと思います。今後とも教員にその機会を多く与えることを要望をしておきます。 質問条項にはございませんでしたけれども、実はこの間こんな問題を一つ聞きましてね。これはまだ中学校の生徒ですけれども、中学校の生徒が机の上にくつのまま足を乗せて、足を組んで後ろにもたれてよく居眠りをする、そこで、先生が見かねて、こらこら起きぬか、こういうふうに肩をたたいたところが、途端に目を覚まして、おれは寝覚めが悪いんだと、こう言っていきなり先生をそれこそこずいて、先生を引っくり返してけがをさした。こういう話を私は聞きまして、大変その点で心配になっているわけです。そして、やっぱり文教委員だということで、そういう話をしてくださる方があったと思うんですけれども、一体大臣は、これは子供が先生を信頼しなくなってしまったのか、先生にも問題があるのか、あるいは家庭教育がなっていないのか、最近の子供の生活環境が非常に悪くなっておりますので、そういう中で子供たちが悪い道に走っていて、そして夜がおそくなって学校に来ると居眠りをしているのか、いわゆる落ちこぼれになっているのか、いろいろな問題が考えられるわけですけれども、私はこれは大変——たった一つ聞いただけですけれども、大変これは多くの問題を含んでいて、これからの日本の教育のあり方、それに対して大臣はどう考えていらっしゃるか、あるいは大学局長とまでは申さないかもしれませんが、初等中等局長ですか、そういう皆さんはどのようにこの問題を考えていらっしゃるか、ひとつお伺いをしてみたいと、こう思っております。ひとつよろしくお願いをします。
○国務大臣(海部俊樹君) 子供が学校の先生に、おれは寝覚めが悪いからといって暴力をふるうというようなことは、これはやっぱりよくないし、許してはいけないことだと思いますので、この行為自体は明らかに子供が悪い、間違っていると、こう思いますが、さてその原因は何であったろうかということについては、その具体的な事実を私は存じませんのでいけませんが、この間の矢追先生の御質問のように、夜の十二時まで塾におって一時、二時にうちへふらふら帰ってくるようでは、これはやっぱり教室へ行って居眠りもするかもしれない。それはやはり夜ふかしをしないというようなことを、家庭でこれは教えていただくというか、気をつけていただかなきゃならぬ分野であろうと思いますし、また先生と生徒との信頼関係というもの、触れ合いというものがもっとわれわれの考えておるような姿であるならば、幾ら寝起きがよかろうが悪かろうが、間違ってもその先生に手を上げるようなことはしないということが基礎的、基本的には大切なことだと思いますので、やっぱり教える側も教わる側も、家庭も、特に家庭の親の立場から言いましても、もう少し皆が子供のしつけというものについて厳しい面を互いに持っていかなきゃならぬのではないか、こんなことをいまお話を聞きながら感じたことでございます。
○中沢伊登子君 私もね、私どもが習ったときは三歩下がって師の影を踏まずということで、先生はずっと向こうにおられた方でしてね、先生に生徒の方から暴力をふるうなんてことはあり得べからざることであったわけですね。しかし、最近新聞を見ておりますとね、やっぱり生徒が相当集団で先生にいわゆるお礼参りをして卒業されるとか、いろいろな問題が実はよく新聞に出ておりましてね、先生と生徒の間が非常に密着をしてきた点は、私はこれは戦後のいい面でもありますけれども、それがどういうことですか、また先生に暴力までふるって先生がけがをしたりなんかするという事件が、しばしば実は新聞に出ているわけです。 そこで、私どもはやっぱり母親でございますから、つい何と言っても一番大事なものは家庭教育だ、こう言い切りたいわけですけれども、その家庭教育をすべき母親がこのごろよく勤めに出ておったりして、子供が一体何をしているのか母親が知らない。そういう家庭も相当実はあるわけですね。そういうところに、テレビをよく見ていれば、また人殺しをするようなテレビがしょっちゅう映ってきたりしますと、そこら辺で相当また感覚が麻痺をしてくるという面もあるでしょう。いろいろなテレビの影響だの、母親が働いている家庭のいわゆるほったらかされている子供、そういうような面があったり、それからよく私は国会でこれ十二年間言い続けてきたのですけれども、いわゆる悪書みたいなもんですね。子供をむやみやたらに刺激するような週刊誌みたいなものですね。特に最近はわれわれが見ても顔が赤くなるようなポルノ雑誌が自動販売機で売られておりますね。私きのうもちょっとそれを見てきたのですけれども、こんなものが店が閉まったあとで平気でお金を入れれば変な雑誌が買える。そういうようなことの中でそれはポルノだけではなくて、やっぱり人殺しとかなんとかというような漫画まで最近はたくさんありますね。そういうようないまの社会環境、先ほど言った家庭教育、それから社会環境、そういったようなものがいろいろ錯綜しているわけですから、私はいま日本で教育が果たしていく役割りというのは非常に大きなものだと思うんです。もちろんこの間申し上げておりました塾の問題だのいろんな問題もございますけれども、そこら辺でこれからは相当社会教育にウエートを置いていくべきではなかろうか、こういうふうに思います。それで家庭教育の問題ですけれども、このごろは家庭教育と言っても、子供を育てている親が、家庭教育の範囲までも学校でしてください、先生にしてくださいというような母親も相当あるわけですね。それですから、やっぱりまず社会教育、これからはこの問題に相当なウエートをかけていただかなければ、私は次の世代を担っていく子供たちにゆゆしい影響が出てくるのではないか、このことを大変心配しておりますので、それはきのうからの国立大学の設置法の一部改正なんかでも、大学入試のことを盛んにやっておりますけれども、また一面、社会教育についても十分御配慮をお願いを申し上げたい、このように考えて質問を終わらしていただきます。
○矢追秀彦君 初めに私は、私立大学の医学部あるいは私立医科大学それから私立歯科大学の経費、教育経費についてお伺いをしたいと思いますが、まず国立大学で学ぶ医学部の学生あるいは歯学部の学生、これの経費ですね、これはどれくらい一人当たりなっておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐野文一郎君) まず、国立大学の医学部におきまして学生一人を教育するのに年間どのくらいかかるかということでございますが、四十九年度の学校経費調査によって試算をいたしますと、年間二百六十六万円でございます。なお、この額には付属病院の経費を含んでおりませんが、付属病院の経費を加えますと年間四百九十七万円でございます。歯学部の場合には一人当たり年間二百二十一万円でございます。同様に付属病院の経費を加えますと年間五百五十三万円でございます。
○矢追秀彦君 これに対して私立の関係はいかになっておりますか。
○政府委員(犬丸直君) 同じ年度の四十九年度の数字を調べてみますると、医学部におきまして病院経費を含めません数字が五百七万八千円でございます。それから病院経費を加えますと六百九万七千円でございます。それから歯学部の方では、病院経費を加えません数字が百五十七万二千円、病院経費を加えますと百九十二万四千円、こういうことになっております。
○矢追秀彦君 ここで一つは、この私立の場合そのうち国庫補助は幾らになりますか。
○政府委員(犬丸直君) ただいま申し上げました数字は経常的経費と臨時経費とを含んだ数字でございますが、国庫補助は経常的経費だけに出ておりますが、四十九年度におきましては一人当たり十六万円ということになっております。
○矢追秀彦君 それは歯学部ですね。
○政府委員(犬丸直君) 失礼いたしました。ちょっといま数字間違いました。医学部につきましては五十九万六千円、それから歯学部が十六万円でございます。
○矢追秀彦君 そうしますと、大体計算をいたしますと、私学の場合、父兄または学生が負担する経費は、医学部の場合いま言われた六百九万円としますと、五十九万、約六十万引きますから五百四十万ぐらいですね、大体。それから歯学部の学生で十六万引きますと百七十六万、大体それぐらいになるわけですが、一般にはいまの医学部、歯学部両方を見ますと大体約五百万ですから、非常にそういった点で私立の方が……ちょっと待ってください。 その前にちょっとお聞きしたいのは、その国庫補助が歯学部の場合非常に少ない、十六万円、これはどういうふうな基準でこうなってきたわけですか。国立の場合であればむしろ歯学部の方が経費がかかっておる。これは定員が少ないからこういうことになると思いますけれども、私立の場合は逆にこうなっておる。この辺はいかがですか。
○政府委員(犬丸直君) 経常費助成の場合には、私学の経常費助成につきましては、これは学生一人当たりの経費あるいは教員の経費というものを積算いたしまして、それに応じまして配分をいたします。したがいまして、その医学部と歯学部と比べまして、医学部の場合には学生当たりの教員が数が非常に多いというようなこと、それから学生経費等の単価が高いというようなことから、全体の計算をいたしまして割りつけますとこういう結果になっているわけでございます。
○矢追秀彦君 これはあくまで定員で割ってあるわけですね。実際の数で割ってあるわけですか。
○政府委員(犬丸直君) これは実員で全体の経費を割ってございます。
○矢追秀彦君 もし仮に定員、まあいま水増しの問題等も出てきておりますが、定員どおりであればもう少し上がると考えてよろしいですか。
○政府委員(犬丸直君) 私学の場合に定員と実員の差が多少ございますのが常態でございますから、そういうことになろうかと思います。ただし、医学、歯学の場合にはそれほど一般のほかの学部のような大きな差はなかろうかと思います。
○矢追秀彦君 次に、いま申し上げた父兄の負担が大体いま言ったように五百万円ぐらいであるわけです。 それからその次に、四十九年度の私大授業料、入学金、施設整備費、これは大体どんなぐあいになっておりますか。
○政府委員(犬丸直君) 昭和四十九年度におきまする学生納付金一人当たりの平均額でございますが、医学部の場合に学生納付金が七十二万六千円、それから歯学部の場合には五十六万三千円という数字になっております。
○矢追秀彦君 施設費はここに入っているんですか。
○政府委員(犬丸直君) これは施設費も含んだ数字でございます。その内訳はちょっといま数字がございませんが。
○矢追秀彦君 私の計算したのでは、大体授業料で四十七万三千七百八十五円、入学金が二十三万五千三百二十七円、施設費が四十四万七千二百四十三円で、百十五万六千三百五十五円と、四十九年度で。いただいた資料等から計算するとそういうかっこうになるんですが、いまちょっと違うんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(犬丸直君) ちょっとただいま四十九年度における施設費とそれから授業料の区別というのはいま数字を持ち合わせておりませんけれども、五十二年度の状況ですと、その両者の区別がわかっておりますけれども、五十二年度の場合におきましては、施設設備費の全体の平均が五十九万五千七百九円、それから授業料が七十八万二千五百三十二円と、こういう数字になっております。
○矢追秀彦君 そうすると、入学金入れて足しますと、大体幾らですか、大ざっぱで結構ですから。
○政府委員(犬丸直君) 入学金も入れまして、入学時の納付金は百七十二万六千九百五十三円と、こういう平均の数字になっております。
○矢追秀彦君 そうしますと、実際いま医学部の場合、歯学部の場合にもそうですが、国庫補助を引きまして、それからいま、入学時、あるいは通常でもいいですが、仮に入学時の引いた場合、要するにいま、授業料と入学金と施設費と、それから国庫補助で賄い切れない金額というのが出てきますね。これは大体医学部で幾らになるか、歯学部で幾らになるか、大体算定されておりますか。これは引き算すれば出るわけです。細かいことはいいです。大ざっぱで結構です。
○政府委員(犬丸直君) 四十九年の数字で申しますると、経常的経費の中で、まあ経常的経費が医学部の場合に二百二十六万一千円でございますから、それに対して国庫補助金が一人当たり五十九万六千円でございますから、約二五・二%、四分の一ぐらいしかその経常経費の一人当たりをカバーしておらないと、医学部の場合はそうでございます。それから歯学部の場合には、経常経費の中でその国庫補助金の比率を見ますると、約十三%ということでございます。もっとも、これは四十九年でございます。その後かなり国庫助成伸びておりますので、五十二年度あたりはかなり違った数字にはなろうかと思いますけれども、なお、経常経費の全部を、賄い切れている——国庫補助でもってカバーし切れておらないという実情は、おっしゃるとおりでございます。
○矢追秀彦君 それにいま、父兄負担の授業料等引いてもまだかなり、要するに実際のマイナスですね、これは大体どれぐらいになりますか。
○政府委員(犬丸直君) いまの四十九年度で全体のこれは総支出、これから学生納付金とそれから経常費補助金、そういったもの、その他の収入を差し引きますと、いわゆる差し引き不足額、経常の不足額という数字が、これは平均の数字でございますけれども、総支出におきましては三百四十三万五千円、それから病院経費を含めますと五百二十六万四千円、計算上はそういう数字になるわけでございます。
○矢追秀彦君 結局一人当たり、病院経費を入れて五百二十六万、足りない分が要するに寄付金を仰がなきゃならぬということになってくるわけでして、このためにはいろいろ問題が起こっておる。何千万という入学金あるいは寄付金を出さなければ入学をさせないとか、そういうふうなことが現実に出てくるわけでして、結局これは寄付金をいけないというふうに仮にしたとしますと、このマイナス面をカバーできない。ここが非常に、現実問題としてはやむを得ない。大学側としては寄付金を集めなければならないということになるわけですが、で、これに対して、いまお答えになりましたように、かなり国庫補助はふえてきておるんですが、この現実の問題をやはり国庫補助で埋めていこうというのがまず第一の柱なのか、いわゆる授業料の値上げによってカバーをするのか、あるいは現状どおりこの寄付金を暗黙に認めざるを得ないのか、結局、この三つのうちどれを一番最重点にやっていくかということになってくるかと思います。結局、国立大学の場合でもいま言われたぐらいいっているわけですから、私立とほぼ変わらないぐらい一人当たりの学生の教育に国は金を出している。これはもう全部国が国民の税金の中から出しているわけです。これは、私立の場合は父兄負担で全部やってきている。国庫補助が非常にわずかであると。結局、こういった問題でも、私立の大学、要するに私立医大あるいは私立の歯科大学が今後どういうふうにしていくかということにもなってくるかと思いますけれども、まずいまの三つの問題を、これは大臣からお答えいただきたいんですが、どのようにお考えですか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、補助金だけですべてをカバーするということがいま非常に困難でございますので、できるだけ、これは私学振興助成法の精神等もありますから、補助金の増額に努力をさせていただくということでございます。
○矢追秀彦君 まあそういうお答えはもうわかっているわけでしてね、相当社会問題にまでなってきているわけですから、要するに年次計画でも立てて、現行の約二〇%はどこまで、たとえば五十三年度はどれぐらい、五十四年度はどれぐらい、あるいは五ヵ年計画でどれぐらいというふうなことまでの見通しは立つのか立たないのか。それとも、もう私立の場合は現状やむを得ないと、あとはむしろ国立大学のいま計画、各県に医科大学をということで進めておりますけども、これを早くつくるように持っていって、もう私学については今後つくらないと、一切、こういう方向で現状凍結のような形でいかれるのか、この辺の問題なんですけどもね。また大臣は私立の出身ですよね。これは、私学は私学のよさが私はあると思うんです、やっぱり。ただ、残念ながらいまの私学は国立と余り変わらぬようになっている点を非常に残念に思うんですけども、私の場合は国立ですから、私学のよさがわからぬと言われてしまえばそうかもしれませんけども、決して、私学は私学で私は独特のいろんなことができるわけですから、国立と違って、まあ私は育てなければならぬと思いますし、しかし、現状ではちょっと相当金のある家の家庭でないとお医者さんになれない。今度はまた国立大学の方にやろうと思うとえらいむつかしいと。そうすると、この間の次の質問したような、小学校から塾へ行って特訓と、こういうふうなことになってくるわけでして、非常に私自身も現実問題として悩んでおるわけなんですけどね、どうしたらいいかということで。その方向性が、ただ努力しますということだけでは、これは私立の大学の経営者の方も非常にいま頭痛めておられるわけですよ。やっぱりある程度の方向性を出していただかないと、これは文部省としては無責任となりますよ。その点いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、文部省だけで計画を立ててそのとおりいくという性質のものでもないわけでございまして、これは政府部内で私が今後とも努力をしなければならぬ問題でありますから、先ほどのようなことを申し上げましたが、法律にも二分の一以内で助成ができると、こう書いてありますことは、つまり二分の一ということを一つの努力目標にせいという大きな精神がその背景にひそんでおると私どもは受け取っておりますので、それに近づくように、何年で計画立ててやるかと言われましても、これはその毎年度の予算のことになってまいりまして、ここで直ちに申し上げられませんけれども、できるだけそういう努力目標を私は置いて、それに近づくように毎年努力を重ねていくということでございますから、御理解をいただきたいと思います。
○矢追秀彦君 次に、その現在の医学部、歯学部の定員で将来ふえていった場合、大体昭和六十年で人口十万人当たりどれくらいになるという計算をされておりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のように、私立学校は今後ふえないという仮説をいたしまして、それから現在計画しております無医大県解消の国立医科大学、そういったものの計画が進んでいくものといたしますると、人口十万人当たり一応の目標が百五十人ということに目標点を置いてやってまいりましたが、昭和六十年までにはその目標を達成することができると、こうなっております。 詳細な数字が御必要でしたら、政府委員からお答えをいたさせます。
○政府委員(佐野文一郎君) 医師の試験の合格者数の見込み方であるとか、そういった点に若干推計において議論の分かれるところがありますけれども、そういった点を前提としまして、いまの六十年度で人口十万人当たりの医師数を一応考えますと、百五十五人をやや超える百五十五・八人くらいになるのではないかと思います。
○矢追秀彦君 そうなりますと、先ほども申し上げたように、今後はやはり、大体目標が六十年で達成されるということになりますと、むしろ補助金に非常に力を入れられるわけですから、だから、私さっき言った、ある程度の計画も立てられるんじゃないかと、それはいろいろ予算の問題があるからよくわかりますけれども、もう少しやっぱりそういった点を示していただかないと、父兄の方にしてもまた学生さん本人にしても、あるいは大学側にしても、この状態ではまだまだ不安が続くと思うんですね。だからこの補助金の増額に対するもう少しはっきりした年次計画的なものを、大蔵省に対する要望という形でも結構だと思いますから、ぜひきちんとしていただきたい。そしてやはり質の向上を目指していかないといけないと思いますし、医学教育についてはもっといろいろお伺いしたいととが山ほどあるんですけれども、時間の関係できょうはこの程度にいたしますが、ひとつその点を重ねてもう一度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御趣旨はよく理解いたしますので、そのようにいたしますが、説得力のある助成をしますためにも、たとえば五十二年度予算でも千六百五億円という私立大学に対する助成、その中でも学生一人当たりに積算しますと、文科系には年間五・六万円平均しかいかないものを、私立の医科大学には一人当たり百三十万出す。これは国民の皆さんの税金をそちらへそれだけ回して使用するわけでありますから、やっぱり納得のいくような使われ方もしなければいけません。そういう意味でこちらも年度計画を立てます前に、現在いま私立の医科大学、歯科大学等をめぐって入学金が多過ぎるのではないかとか、あるいは強制にわたる疑いがあるのではないかというようなことで、いろいろ指導しております段階で、医科大学協会側も歯科大学協会側も、国民に疑惑を受けないような明朗な会計にするということを協会側自身も世間に公表されておるところでありますから、一体現在の学校経営の実態がどうで、どの程度まで、どれくらいにしていったことがいいのかということも、ちょうどいま話を進めておるさなかでありますので、何年間というお約束はできませんけれども、できるだけ努力を積み重ねていきたい、皆が納得ができるような方法で努力を重ねていきたい、こう考えております。
○矢追秀彦君 もう一つは、病院の収入なんですがね。これも医療費と関係してきますけれども、この病院の問題も財政面としてはかなり大きな問題でありますので、この点もきちんとしていただきたいんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 厳しいことを申し上げますと、私立の医科大学が設置されますころ、多額の寄付金に頼らなくてもやっていけるのだというような御説明があったではないかということを、私がさる場所で医科大学の理事長さんに直接ぶっつけたことがあるんです。そうしましたら、その後病院の経営の方で必要以上に苦しいという面が出てきたんだという御答弁等もございました。そういったことにつきましても、やはり病院経営のあり方についても関係方面とも十分相談をしながらやっていかなきゃならぬことであろうと、これも重要な問題であるということは十分理解をしております。
○矢追秀彦君 次に、時間が大分過ぎましたけれども、この前も予算委員会の暫定予算の質問の際も少し触れましたが、学校における齲蝕——まあ虫歯予防の、歯の保健指導についてでございますけれども、この学習指導要領、この中身についてちょっとお伺いしたいんですけれども、現実とその行われていることとの間に少々ギャップを私は感ずるわけです。たとえば一つを挙げますと、一番虫歯について関心を高めなければならない小学校一年生から四年生までには、そのよりどころになる保健学習がないわけですね、この問題が一つ。やはり乳歯から永久歯に交換するこういった歯という非常に特殊性のあるもの、しかも一度虫歯にかかれば、ほかの病気と違って自然に治らない、もとに戻らない。一遍虫食ってしまったら穴あけて何か埋めるということで、そういうことで、やはり私はもう少しこの小一——肝心なときに保健学習がないということを非常に矛盾を感ずるんですけれども、小学校五年生で初めて齲蝕予防が出てくるわけですね。それはもちろん歯に対する教育はあるんですよ、いろいろ。この齲蝕予防が出てくるのは五年生なんですね。その点はいかがですか。
○政府委員(安養寺重夫君) 小学校の教科に体育というのがございまして、体育の内容として保健というものを教える、その時期が五年と六年生になっておるわけでございます。五年になりますと、そういうような歯の指導も入ってくるわけであります。お話のように、それまでの大切な時期に何もしないのかというような御指摘かと思いますけれども、学校の正科の授業としてはそのように、理解をする程度が保健ということで高いというような観点から、高学年になっておるわけでございますが、他方、学校教育の中に学級指導という分野がございまして、この中におきましてそれぞれ通年、一年から六年まで歯のことについて取り上げることにしております。 すなわち、第一、二学年では、齲歯について関心を持ち、口の中をきれいにする、うがいや正しい歯のみがき方というようなことを教えます。三、四学年では、齲歯の予防に努める、そして積極的に治療を受けるというような態度を身につけさせる。それから五、六学年になりまして、やはり歯の病気や異常の予防のためにいろいろと気をつけるようにというようなことを具体的に教えるというようなことになっておりまして、この学級指導にどの程度各学校の現場で徹底を見ておるかどうかにつきましては、はなはだ私どもも区々であろうと思います。いろいろであろうと思います。大変よくやっておられるところも聞きますし、一応歯みがき、あるいはうがい程度で指導したということにしておるというようなこともあるようでございますので、私どもとしましては、明年度、いろいろ指摘がございますこの歯の罹患率が一向に低下することなく九十数%の高水準を保っておることは憂うべき現状でございますので、新たに実践的な教師の指導書というものをつくりまして、全国にそれぞれそういうことをモデルプランのように取り上げていただく学校を指定いたしまして、こういうことについての全国的な関心を喚起しようではないかというように実は用意をさしていただいておるわけでございます。
○矢追秀彦君 いま来年度からと言われますけれども、大体まあ政府のやることはいつも遅いんですよね、何でも。後追い行政というのは日本の政治の特色だと思いますけれども、いま、だけれどもやらぬよりやった方がいいことはもう当然ですけれども、いまそういう局長の言われたようなモデル的なところはかなりあるんですよ、現実にももうすでに。それはひとつ文部省で調べていただけばすぐわかることですから、学校歯科医の先生と学校の先生と、それから地域の開業医の先生と組んで虫歯撲滅作戦をかなりやって成功した例も、データもちゃんといっぱいあるんですよ。そういったものを掌握されておりますか。いまの話聞くと何か余りないみたいですね。
○政府委員(安養寺重夫君) 学校には学校歯科医の先生なり、養護教諭というような専門の職制が設けられておるわけでございますし、歯につきましては、毎年欠かさず定期検診の対象になっておるわけでございます。いろいろそういうことで関係者の研修というものを文部省が主催をいたしましてやっておるわけでございますし、日本学校歯科医師会でも、それぞれのいろんな関係の分野でお勉強、御協力をいただいておるわけでございます。そういう会に歯の、何と言うんですか、虫歯にならない、あるいは予防、治療を完全にしておるというような成績優秀な学校を毎年表彰されるというようなこともございまして、よくやっておられるところの事情につきましては、あるいは個別かもしれませんけれども、われわれとしましては毎年度確認をし、ぜひいろんな学校がそのようなことを見習っていただきたいというようなことは申してまいっておるわけでございますが、さらにそういうような影響をもう少し文部省自身が音頭をとりましてやりたいというので、明年度のようなことを試みておるわけでございます。
○矢追秀彦君 大臣ですね、まあもう時間ですからこれで残念ながら終わりますけれども、いま言った、もう一度、実際一、二学年、三、四学年、五、六学年、いま学級指導として行われておるこの中身も私まだもう少し考えなきゃいかぬのじゃないかと思います。したがって、もう少し専門家の方とよく相談をしていただきたい。確かに虫歯の原因とか、そういうことになってくるとむずかしいので、歯の構造とかそういうことになると、これはまあ五年の理科ぐらいが適当かと思いますけれども、実際予防に対する関心はまだまだ小学生一年でもできるし、またやらなきゃならぬと思います。いま言われた監督指導というか、状況の掌握、これをどうするか。まあ来年度からおやりになるんでしょうが、それをきちんとしていただきたい。それからやはり学習指導要領をもう一度検討していただけないか。その点いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 専門でいらっしゃる矢追先生の貴重な御意見でございますし、その方面で努力をさしていただきます。
○主査(小柳勇君) 以上をもちまして、文部省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 次回は、明十四日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会 —————・—————