予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 321 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/14
会議録
○主査(坂野重信君) 予算委員会第三分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨十三日、藤原房雄君及び神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として相沢武彦君及び小笠原貞子君が選任されました。 また、本日、佐藤信二君及び片山甚市君が委員を辞任され、その補欠として戸塚進也君及び青木薪次君が選任されました。 ―――――――――――――
○主査(坂野重信君) 昭和五十二年度総予算中、農林省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神沢浄君 いかんせん持ち時間が非常に短いものですから、私はきわめて端的に、いま生産農家が非常に不安を感じている問題点の幾つかだけを取り上げてお尋ねをして、したがって、余り政治家的な表現でなくて、農家の方にわかるような簡潔なお答えをいただきたいと思うんです。 まず第一に、外国産の果実及びワイン等の輸入拡大というようなことがいま言われておりまして、そういう点が非常に農家に不安を与えておるわけなんです。というのは、最近、どうも政府が外国からの外交攻勢に押さえられて、輸入拡大を認める方向に進んでおるのではないかというように受け取られております。農家の間などでは、たとえば過般のあの福田・カーター会談なんかでも、表面的には出ないけれども、どうも農産物の輸入枠拡大なんかの内緒のお荷物でもしょってきておるんではないかということさえも言われているわけであります。したがって、そういう点に関してまず第一に、アメリカサクランボの輸入問題という点につきましては、アメリカから相当これは強い外交攻勢がかかっておるように聞いておるわけなんですが、どんな状況になっておるのか、これは大臣でなくてもいいですが、担当の方からで結構ですから、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 米国産のサクランボの輸入問題につきましてはかねて来、米国側から要請があることは事実でございます。ただしかし、これにつきましては、いま問題になっておりますのは、米国産のサクランボにコドリンガという害虫がついております。これは植物防疫法上有害虫でございまして、こういうものがついたものを無検査のまま入れるわけにはいかないということで、禁止をいたしておるわけでございます。そこで、この害虫を殺す方法をアメリカ側でいろいろと考えまして、何回にもわたりましてその実験を繰り返し、その結果につきまして日本政府側に通報してきておるわけでございます。 私どもといたしましては、植物防疫法上の観点からいたしますと、国際植物防疫条約にも加盟しておるわけでございまして、有効なる殺虫の方法が開発されれば、それに従って一匹も害虫がついていないものを入れてくるということになりますと、植物防疫法上の観点からこれを認めないというわけにはまいらぬということに相なるわけでございまして、ただ、現在までに行っていた米国側の試験の結果につきまして、目下専門家の間で検討をしていただいておるわけでございまして、まだ結論を得ているわけではございません。
○神沢浄君 そうでしょうけれどもやはりただ防疫法上の観点からというだけでなしに、背景的にはかなり強力な外交攻勢などがかかってきておるとしますと、これは見通しとしてはどうですか、防疫上の観点からこれを押え切っていけるかどうか。
○政府委員(堀川春彦君) 植物防疫法上の観点からの検討は純科学的技術的見地に立っての検討でございます。それはまだ結論が出ていないというふうに申し上げているわけでございまして、これは仮に植物防疫法上の観点から有効な殺虫方法が見つかりまして、国内に対する影響はその観点からはないということになりましても、次に、仮に輸入の時期なり量なり方法というものによりましては、国内のサクランボ生産農家に対する影響というものが考えられますので、それはそれとして、別個の観点から慎重に検討さるべき問題だというふうに考えているわけでございます。
○神沢浄君 それでこのサクランボの場合は、コドリンガの問題もですけれども、サクランボ自体のサクランボミバエというのですか、相当害虫としては猛威を持ったものが存在をしている、こういうふうな点についても、仮にアメリカサクランボが入ってくるというふうなことになりますと、アメリカシロヒトリの例じゃないけれども、これは生産農家とすれば大きな不安を持っているのですが、そういう点の検討などもございますか。
○政府委員(堀川春彦君) これはコドリンガの問題と並行して、私どもも重大な問題だと意識しており、検討しておるわけでございます。それにつきましても、コドリンガの殺虫と同じ方法で完全に死滅し得るという試験の成績は受け取っておるわけでございますが、これもあわせて検討中でございます。
○神沢浄君 そうすると、いままでの御答弁を要約すれば、結局植物防疫法上の観点から現状においてはまだサクランボの輸入の方法には進んではいない、こういうように受けとってもよろしいわけですね。
○政府委員(堀川春彦君) 植物防疫法上の観点から輸入解禁をするかどうかについての結論がまだ出ていないということでございます。
○神沢浄君 その辺がなかなかむずかしいところです。そうすると、防疫法上の何というか結論がつくと、これはとうていいまのようにとめておくことはできなくなる、こういうことになりますか。
○政府委員(堀川春彦君) 植物防疫法上の観点から申しますれば、私どもは国際植物防疫条約にも加盟しておるわけでございますから、国際的な約束をしておるたてまえ上、その観点からは輸入をとめるということはむずかしいということを申し上げておるわけでございます。
○神沢浄君 それから後は、きっとこれはもう大臣にでもお聞きしなきゃだめな点だろうと思うんですけれども、後から一括してなにしますから。 次に、新聞などでも先ごろ大変書き立てましたが、例の防ばい剤OPPを使用した果実の輸入について、これはどんな状況になっているんでしょうか。何か新聞報道などのニュアンスによると、とうも防ばい剤使用果実の輸入というのはとめ切れないじゃないかというような印象を受けがちですけれども、その状況などをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 私ども承知しておる限りでは、OPPは、米国からの柑橘類の防ばい剤として使用の希望があり、しかし、これは食品衛生法に基づきまして厚生省が安全性の観点からこれを認めるか認めないかという問題でございまして、先月、厚生省といたしましては、この問題を審議をいたします食品衛生調査会に対しましてデータを提供いたして御審議に入っておるというふうに伺っており、まだ結論は出ておらないようでございます。
○神沢浄君 結論は出ていないんですけれども、新聞報道などによれば、大体この審議会の中の意見も両論はあるようですけれども、認めざるを得ない方向に向かっておる、こういうような書き方がされておるんです。そういう点はどうなんですか、少し審議会の模様なども聞かしていただけますか。
○政府委員(堀川春彦君) これは厚生省の食品衛生調査会でございまして、諮問いたしまして内部でまだどういう議論があるかということについては、私ども承知をいたしておりません。オープンにした会合はまだやっていないようでございます。 ただ、このOPPの問題に関連しまして、すでに国会でも厚生省当局からお答えもいたしておるわけでございますし、私どもも御答弁申し上げておりますが、OPP問題が起きました昭和五十年の春は、輸入がこういう種類の食品添加物を許してないということでとめられたものですから、混乱が起きまして、五十年当時は特にレモンは輸入量が減りました。しかしその後、OPPを使用しない柑橘類の輸入ということで輸入は継続して行われており、五十一年の状態では、レモンにしてもグレープフルーツにいたしましても大体もとの水準に戻っておるというふうに見ております。そういう状況からいたしまして、このOPP問題がどういう決着がつきますか、厚生省で食品衛生調査会の御論議を経て御決定になるわけでございますが、私どもとしては、仮に、これは仮定の話でございますが、OPPの使用が許されるといたしましても、そのことによって米国からの柑橘類の輸入が非常にふえるというような心配はないというふうに見ておるわけでございます。
○神沢浄君 その心配のないという点をもうちょっと説明をいただけますか。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほど申しましたように、OPPの使用をとめました段階で、OPPをいままで使っておったわけでございますから、輸入が特にレモンにつきましてはかなり減りました。輸入数量で四十九年が九万三千トンでございましたものが、五十年は、その混乱があった年でございますが、六万四千トン、五十一年はまた九万三千トンと昔のレベルに戻ったわけでございます。 さらに、もう一つの理由として私ども考えておりますのは、OPPは使用を許されておりませんが、ジフェニルという防ばい剤は日本でも食品添加物として使用を許されておるということで現在ジフェニルを使って入っておるというのが実態ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、このOPPについて使用が仮に、仮定の問題でございますが、許されるといたしますと、ジフェニルにかわってOPPを使って入れてくる。そういたしますと、OPPの効くかびの範囲というのがジフェニルとちょっと違うわけでございますので、そういうことからいたしますと、輸入して国内で消費されるまでの間の流通上のロスがそれだけ少なくなる、腐らない、腐れを防止するわけでございますから。そういうことはございましても、結局最終の消費量がそのことによって非常に伸びるというふうには私ども需給の実勢等を考えてみますと思っておらないわけでございます。そういう意味で、大幅に輸入がOPP使用によってふえるということはないのではないかという考え方を持っておるわけでございます。
○神沢浄君 それでは次K、これは農林省にお伺いするよりか大蔵、外務等の分野だと思うんですけれども、しかし問題は、農林省の考え方というようなものが非常に大きくかかわり合いのあることだと思いますが、伝えられておるところによると、ECからワイン関税の引き下げというようなことが非常に強く要請を受けておる。これはブドウ生産者なんかにとってはもう重大な不安材料でありまして、非常に頭痛の種になっておるわけです。もうすでにこれは一度引き下げになっておるんですから、さらにまたそれが引き下げられるというようなことになりますと、この日本のワイン産業というものは壊滅的な打撃を受けなきゃならぬ、こういうような状態にあると思うんですが、その辺の事情等を、農林省で把握なさっておられる限りで結構ですから、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) ワイン並びにワイン原料の主としてEC諸国からの輸入の問題であろうと思います。これにつきましては、わが国のワイン産業がワインの国内消費が急激にふえてきたということによって、それにつれて発展しつつあるというふうに思っておるわけでございますが、安価な輸入ワインということでバルクワインというようなものが急増してまいりますと、国内で原料をワイン醸造用に回している生産農家に影響が及ぶということで、特にその点につきまして農林省は大きな関心を持っておるわけでございます。したがって、ワインの原料になりますブドウの原料生産者の立場を考えて今後どう対処していったらいいかということは、ワインの主産県の県庁の方方、あるいは農業団体、生産団体の方々といろいろと御協議を重ねてまいったわけでございます。 私ども内部的には、たとえば関税割り当て制度の採用はどうかというようなことを検討した結果がございますが、これにつきましてはなかなかいろいろとむずかしい問題がたくさんございます。特に国際ラウンドというものが新たな進展を見ようとしているときに非常に問題がある。さらに実務的にこれをこなすやり方というものも考えてみますと、かなり問題があるというようなことで、なかなか結論が簡単に出ない。しかし放置しておくわけには参りませんので、私ども大蔵省国税当局とよく御相談を申し上げまして、特にその原料向けのブドウの安定した取引が生産者と加工メーカーとの間で行われるようにするということが非常に大事であるというふうに思っておるわけでございまして、そういう角度から見まして私どもと大蔵省、国税庁ほか関係の県の担当の方々、それから生産者の代表の方々、こういう方々をもって組織しますところの協議会をつくりまして、いろいろの問題について検討を加えるという体制を築くことにしたわけでございます。 すでに、二月に第一回の会合をやり、またさらに、県段階でもそういうことを話し合う協議会をつくるのが適当ではないかと、すでに山梨県では山梨県醸造用原料ブドウの需給安定協議会というものを結成いたしておるわけでございまして、ここには国税庁担当官とともに私どもの担当官も出席をいたしまして、原料事情の相互の情報を把握をし、今後の問題について協議を開始したところでございます。中央段階におきましても地方の段階におきましても協議会を活用いたしまして、私ども国税庁にもお願いをして全面的な御協力を申し上げたい、こういうふうに思っておるわけでございます。安定的な取引が行われることがぜひ確保されるようにしてまいりたいと思っております。 ただ、この原料と加工との関係では、これは生食用と加工用の振り向け、これがかなり年によって変動するという問題がございます。生食用の値がいいと原料用に当てにしておる加工メーカーがおりましても、そちらに出さずに生食用に市場出荷してしまうということになりますと、これはやはり安定取引ということにはなりません。メーカーの方でも、安定した価格で安定的に供給をされるということを期待をしておるわけでございまして、そういう流通なり体制の整備が行われるということに見合って価格も安定をしてまいるということになり、農家の利益になる、こういう形に持っていきたいと思っておるわけでございます。始まったばかりでございますが、私ども一生懸命にやってまいりたいと思っております。
○神沢浄君 もうちょっと突っ込んで論議をしたいんですけれども、いかんせん時間がないものですから、以上この果樹関係の輸入問題についてお尋ねをしたわけなんですが、そこで共通して把握できることは、たとえばサクランボの輸入の問題にしましても、植物衛生上の、防疫上の観点からいま何か防波堤のごときものを構えておるのが現状だし、OPPの問題にいたしましても、たとえばこの審議会が認める結論になったとしても、それほどの変化はないではないかというこれはお見通しだけれども、しかし、それはまあ見通しにすぎないんでもって、そこで枠がはずされれば、あるいは見通しを外れてどっと輸入が拡大をされてくるということも、だれもないという保証はあり得ないし、あるいはECからの外交攻勢でもってワイン関税の引き下げというようなことも、これはこれまたあり得ないことではなしということになりますと、確かに、私どもがこの果樹生産農家からときに悲鳴のごとくこの陳情などを受けるような問題の解決への決め手というような点については、いまの論議を通じても実はこれは把握できないわけなんです。依然として不安は解消されないということになるわけです。 そこで私は、大臣にお尋ねをいたしたいのですけれども、大体果樹生産などが拡大してまいりました背景を考えてみますと、とにかく国が米の減反政策というようなものをとって、果樹への転換を推進をしたことに基づく要因も非常に大きいわけです。ですから、そうやって果樹生産が拡大をしてきた、ところが、いま論議をした問題に共通して言えることは、やっぱり工業生産品の輸出の見返りとしていま外交攻勢を受けているわけです。むしろ問題は国内問題みたような形にさえなるわけでありまして、減反政策をとって、そのために果樹生産が拡大をした。そうしていま置かれておるのは、今度は国内の工業生産品の輸出伸長の見返りとして、どうも農産物輸入の枠拡大というような情勢がいま生まれてきておる。 これは農家にとってみますと、それこそ大きな犠牲者の立場にならざるを得ないわけでありまして、これはただ単に植物防疫法だとか、あるいは衛生法だとかいうようなものの今後のあり方などというものにただ任しておるというようなことであっては、日本の農業は守れないじゃないかというように感じてなりませんし、当面の問題といたしましては、とにかく、たとえば防疫法の問題がどうであれ、衛生法の問題がどうであっても、むしろ政治上の方針として、そうして農林省としては果樹生産農家の利益というものを、これはまたあくまでも守る立場でもって貫いていくという、こういう一言がいまの果樹生産農家にとっては非常に大切なことであって、さもなければ、極端なことを申し上げますけれども、これがとてもいまのどうも外交関係上守れぬというのであれば、守れぬなら守れぬなりに果樹農家にだって自主的な身構えをさせなければならぬわけでありますから、このままただ成り行き次第などといって放置をしておくというようなことは、これは無責任なことになってしまうのじゃないか、こういうような観点から、私はひとつ大臣の確たる御所見を承りたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) ちょっと所感を異にするかもしれませんけれども、減反政策が行われて、それがために果樹がいま売れなくなってきているのだということは逆でございまして、国民生活が向上する、われわれ人間の食糧が高級化していくに従って果樹の生産が多くなっていく。果樹をよけい食うからであります。いま現在、施設園芸がこれだけ行われてきたこともその一つの原因であります。要するに、国民生活というものが向上してきたことによって要求してくる人間の当然の生理的現象だと私は考えます。 したがって、一つの例をとりましても、ミカンにしてもリンゴにいたしましても、ブドウにいたしましても、昭和二十二年から計算してみてもちょうど二十倍以上もの生産が今日行われてきている。ですから、食糧が高級化してきたら澱粉質のものは食わなくなってくる、これはもう全世界を通じての人間の習性であります。これは生物というものは当然そうなっていくわけでありますから、それは別といたしましても、減反をする、それだからそういう状態になったということは私は少しいただけないのです。 そこで、わが国の果樹の生産といまおっしゃるその果樹の生産というものが、ちょうど昭和二十年から見ると二十倍。昭和二十二年から見ても十九倍幾らになってきておるのでございますが、それに対する影響がある。これはもう農林省としても、何とか変わるべき果樹生産に対して国民の要求を満たしてやろうということで奨励もし、あらゆる手段を尽くして今日もいろいろな補助をし、また、指導をしてまいったところでございます。したがって、現在おっしゃるような、たとえば外国から入ってくる果樹、これに対しましてもわが国としてはかなりのこれだけ国内の生産がある、その上たとえばグレープフルーツを持ってくるとか、あるいはいまのお話のサクランボを持ってくるとかという点については、極力国内の生産体制が整う、こういう面も見きわめて、さあここでどうだろう、こういうような原点に立ち返って今回の、いまもなおそういうようなことに進めておるのでございます。 したがって、いまおっしゃるような果実の消費、国民生活の向上に、いよいよ非常に多様化してきておるというこの上に立って、要するに総合的にこの流通の安定生産、こういう面を考えていかなきゃならぬ。そこで、国内の生産が少ないもの、こういうものはやむを得ないから輸入しても仕方がないだろう。しかし、国内で生産ができるものは、なるべくこれは競合を避けなければならぬ。現在でもそのとおりの指導をしておるのでございまして、先ほどからのサクランボの問題も、そういうような点についてこの原因がここにある、だから足らないんだというような点も、まだまだそこまでのサクランボの体制というものが国内に備わっておらないから、これに対してなるべく輸入をしては相ならぬというところが、農林省の根本のこれは偽らざるところの精神であります。そういうような点によって、つまり輸入を阻止してきている、わが国に入れることを阻止してきている、そういうことでございます。 したがって、こういう面につきましても、今後も国内でどうしてもつくれないもの、同じ果樹であってもつくれないもの、競合するもの、なるべくこれは国内産に任していくような方向に向けて、今後の指導もさらに一層高めていくつもりでございます。でございますので、先ほどのOPPの問題あるいはブドウ酒原料の問題等々におきましても、十分国内の生産者に間違いのないように、つまり指導をしてまいってきているそのゆえんも、先ほど申し上げたように、山梨県においてのいろいろな研究会を開いてみて、そしてその結果を待ってどうしようという点もその一つであります。今後は国内生産というものにさらに重点を置いて、そうして国民生活の安定を期していく考え方でございます。
○神沢浄君 果樹生産の拡大が食生活構造の変化によることの方が多いという大臣のお説には、そのままにわかには賛成しがたい私の立場で、これはもっとずっとやっぱり減反政策もさることながら、日本の今日までの農業政策というものの上でもって一時は畜産三倍、果樹二倍などという指導をやってきているわけですから、そういうところに原因があるというような私は考え方をしているのですが、時間がありませんから、その論議をいま続けておるわけにはまいりませんので、大臣のいまのお答えの、とにかく国内生産の可能なものをわざわざ外国から競合農産物を入れることは必要ないんで、そういう方向で努力をされるという、こういうお答えを私はいただいて次に移りたいと思うのです。 いま養鶏農家が非常に心配をしておる点があります。これはぼつぼつ蚊が出るような時期になって、例のロイコチトゾーン症というのですか、これが出てくる。これが出てくると、いままでの例によれば、鶏などの場合は蔓延率が非常に高いのでこれは大変なことになるのではないか。ところが、例の飼料安全法の改正の結果、ピリメタミンというんですか、ピリメタミン合剤というんですか、それに対して非常に効き目のある薬だそうですが、これの添加ができていない。したがって、時期は近づくし、これは大変なことになるんではないか、どうしたらいいか、一口に言うと。こういうようないま不安にさらされているようですけれども、これに対して農林省はどんなふうに考えて、どういう手を打とうとされておるか、その点をちょっとお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) ロイコチトゾーンの発生がかなり養鶏農家に御心配があるわけでございますけれども、それに対しましては結局、その媒体となる鶏のヌカカを殺すということが有効な手段であろうと思っております。そのためにはやはり殺虫剤だとか、あるいは忌避剤そのものを鶏体そのものに塗布する、そういったことが有効な手段であるということで、農家段階でこれはやっていくという形で強力に指導していきたい、第一義的にはそう思っております。 それから、いま御指摘になりましたように、いわゆる飼料安全法に基づきましてピリメタミンの飼料添加物としての使用が規制されたわけでありますが、これにかわるやはり有効な飼料添加物を早く開発していきたいというふうに思っております。しかし当面、現在使用が許可されております飼料添加物の中でも、たとえば中雛期までの産卵鶏あるいはブロイラー、そういったものにつきましては有効な飼料添加物があるから、その利用につきましてさらに検討なり研究を進めていきたいと思っております。 それからもう一つ、三番目の対策といたしましては、ロイコチトゾーンが発生する場合に、かかった場合に、たとえば大腸菌症とかその他のほかの病気と複合感染する。そういった場合に、その鶏を廃用しなければならない、あるいは死亡する、そういった損害がことに大きくなるわけですが、そういったほかの病気、疾病にかからないように予防をする。そのためにいろいろ鶏舎の消毒等、まあ五十一年度から、いわゆる薬づけの畜産という形でいろいろ批判を受けておったのでありますが、そういったことが規制されることになったわけであります。新しい衛生対策というものを濃密指導を中心として展開しておりますが、そういった対策をあわせて講じていきたいと思っております。当面はそのような措置で農家の御心配におこたえしていきたいと思っております。
○青木薪次君 ミカンの問題で質問いたしたいと思いますが、わが国の果樹農業は、ミカンを中心といたしまして昭和三十年の半ば以降、畜産とともに基本法農政の拡大成長部門といいますか、その中心的な位置に位置づけられてまいりました。農家所得の安定向上にも資してきたわけでありますが、大豊作によって昭和四十三年ごろから果実の価格の変動、需給関係等の不安定が発生いたしまして、加えて、近年の石油危機を含む経済混乱の中で生産過剰時代に突入したと思うのでありまるけれども、いかにこのことについて現状認識をされておられるか、簡単にひとつお答えいただきたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) ミカンにつきまして、温州ミカンが若木の成長や密植栽培によります収穫量の増加等によりまして生産過剰基調になっていることは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、新規植栽を規制する等生産調整対策を講ずると同時に、出荷調整の仕事、それから加工向けの工場の整備でございますとか、加工向けの原料の価格安定対策、こういったことを講じておりまして、そういうことによって温州ミカンの生産に対する改善を図りまして、生産農家の利益が擁護されるように施策を進めているところでございます。
○青木薪次君 果樹農業振興対策法に基づいて、昨年の八月に果樹農業振興基本方針を策定して、昭和六十年度の果実の総生産量を決めて、これを八百九十七万トンとして、そのうちミカンの生産目標が四百五十四万トンですか、三四%増で、今後十年間は新規植栽はなしとし、五年ごとに計画を策定いたしているわけでありますが、基本方針と、それから実際の実績が相当ちぐはぐなものが出てきておりまするけれども、この点について指導方針に問題はなかったかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(堀川春彦君) 私ども、基本方針を策定するのは長期の方向づけをしているわけでありますが、単年度単年度で見てまいりますと、いろいろ需給変動というものがございまして、特に気象の影響というものを強く受けるわけでございますから、そういう状況で、途中の経過がなだらかに安定的に行っているというふうには必ずしも思いません。そこでしかし、温州ミカンにつきましては、先ほど申し上げましたように、過剰基調にあることは事実でございますので、新値をしないで抑制をする、それから、改植も進めるという方向で進めておるわけでございます。これにつきましては、生産団体とも十分協議しながらやっておるつもりでございます。
○青木薪次君 ミカンの生産調整については、米と違っているんですね。現在まで生産者団体の自主的調整が中心に進められてきたと思うんです。その計画生産の計画出荷等について、政府はどのような指導援助をする気持ちがあるのかどうか。特に五十二年度で、ミカンの需給安定で二十九億八千万円の対策費が実はあるんですね、これが品種更新や改植、計画生産、これは主に摘果ですけれども、に向けられております。資金は大体どんなふうに運用されておられるか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) ミカンの問題につきましては、生産対策と同時に、需給安定対策が必要でございまして、その一環といたしまして、計画生産出荷促進事業、それから加工原料用の果実の価格安定対策事業、加工品の調整保管事業、それから消費の拡大のための宣伝事業、こういったことをあわせまして、総合的にやっておるわけでございます。なお、長期貯蔵施設の設置事業等も流通確保対策として進めておるわけでございます。これらの施策を生産対策とあわせ総合的に推進することによって、ミカンの安定生産、それから流通の改善ということを図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
○青木薪次君 加工原料用のミカンですね、これは果実生産出荷安定基金協会が価格安定事業に当たっておりますけれども、加工用の原料ミカンの保証基準価格の適切な設定が非常に問題だと思うんです。全体のミカン価格の安定対策としてはきわめてこれは重要であります。現在の運用の実情、あるいは保証価格と生産価格との関係について、これもまた非常にミカンの価格等について相当な影響があると思いますから、この点についてはどういうようになっているか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) ミカンの加工原料向けの数量も価格も、安定をして取引をされるということが重要であるというふうに思っておりますが、そういう角度から、いま先生のおっしゃった出荷安定基金制度を設けて対策を講じておるわけでございます。 そこで、保証基準価格がどのようにして行われるかということが一つの大きな問題になるわけでございますけれども、これにつきましては、過去の平均取引価格というものが産地産地であるわけでございまして、その状況を勘案をいたしまして、各県別に保証基準価格が設定されるという仕組みをとっております。なお、加工向けといたしまして、かん詰め用と果汁用があるわけでございます。二年ごとにその基準価格、あるいはやり方等を見直しをしながら、逐次改善を図るべき点は改善をしておるわけでございますが、五十二年度におきましては、これはかん詰め原料用の対策を講ずる年でございますので、これにつきまして保証基準価格を引き上げることにいたしましたほか、補てん率が従来八〇%でございましたものを九〇%に引き上げるということにいたしておるわけでございます。
○青木薪次君 時間がございませんから、次に、神沢委員も質問になりましたけれども、OPPの問題でお聞きしたいと思います。 昭和四十六年以来、新しい食品添加物は認めておられません。このことは、食品添加物というものはこれ以上ふやさない、この厚生省の方針、原則があったと思うんでありますが、厚生省の食品衛生、とりわけ食品添加物に対する基本的考え方をひとつ簡潔にお願いしたいと思います。
○説明員(宮沢香君) 御説明申し上げます。 厚生省では、国民が食品添加物の安全性について大変関心を持っておりますので、食品に使用するいわゆる食品添加物の使用については、必要なものを最小限度に限る、こういう方針でございます。
○青木薪次君 三月十五日にOPPとそれからナトリウム塩について食品衛生調査会に諮問しておられますね。許可しようとしていると思うのでありますけれども、食品衛生調査会の審議状況はどうなっておりますか。
○説明員(宮沢香君) ただいま先生が御指摘のとおり、この三月十五日に食品衛生調査会がオルトフェニルフェノール、いわゆるOPP、これとナトリウム塩につきまして食品添加物としての諮問を申し上げたわけでございまして、それから委員長の方から専門部会でございます毒性及び添加物部会に審議するよう命じられまして、毒性部会と食品添加物部会は三月二十四日と四月一日の両日にわたって審議を行っております。
○青木薪次君 この三月十五日の新聞に、「日本、米に敗れる カビ防止剤許可へ 首相訪米前政治決着の見方も」という中に、「同省は、食品添加物をこれ以上増やさないという原則から、OPPの扱いに苦慮していたが、「無害であるとのデータが出て、おいしいかんきつ類が安く手に入ることになるなど、国民生活に便利なものであれば、添加物を増やすことも仕方がない」(松浦環境衛生局長)と、食品衛生調査会への諮問に踏み切った。」とこうあるわけでありますが、国民の健康を守るということについて、一体どう考えているかという点についてお聞きいたしたいと思います。
○説明員(宮沢香君) ただいまの諮問の経緯でございますが、私どもは食品添加物の安全性については大変配慮をしておりまして、現在WHOで一つの考え方、評価の仕方を決めておりますが、わが国の場合は特に、最近まだ学問として熟しておりませんが、遺伝学的な面からの安全性も十分慎重にやるようにと、こういう食品衛生調査会の内規もできましたので、その線に沿ってデータ――これは恐らく、こういうデータで食品添加物の安全性を評価しておりますのは日本だけでございますが、そういうデータをも求めまして、そしてそのデータの提出がありましたので、今回の諮問になったわけでございます。
○青木薪次君 ただ、厚生省は、残留農薬とそれから添加物とは違うんだということを考えてもらわなければ困るんです。 そこで、昭和四十六年に食品衛生調査会はOPPなどを検討して、ジフェニルだけを認可して、四十六年二月二十六日柑橘類の保存料として許可された経緯があるのですよ。それから、今回の諮問書に残留農薬研究所の、OPPの突然変異誘起性は陰性であると考えると、これを根拠にしているのですね。そこで遺伝毒性試験の結果の資料が付されているけれども、安全性を証明するものだけを厚生省が判断材料に付したという批判が実はあるわけであります。この点についていかがですか。
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。 私どもはいま言った一般毒性、すなわち急性毒性であるとか慢性毒性であるとか、発がん性試験、こういったのは国際的に審議の対象とされる資料でございますが、それ以外にもOPPの安全性につきまして、研究されましたあらゆるデータ等について、私ども集め得るものについてすべて集めて、それを審議資料として提出しております。
○青木薪次君 ここに名城大学の教授の花田信次郎さんの、微生物によるジフェニル及びそのメタボリッテスの変異原検出についての報告があります。ジフェニルの代謝産物であるOPPにも内臓障害が見られるとして、OPPをアセトンに溶かして皮膚へ塗布したり筋肉注射などの方法で実験いたしますと、急性中毒とか肺胞細胞の著しいうっ血があり、結論として、「予備実験で激しい各種の障害が発生することから、微生物によるレッタ・アセイ・リバーション・プリュート・テストの陽性の意味するものは、重篤なる生理的障害の発生のおそれあることの推測資料と考えうる。」と報告しているんです。この報告について厚生省はどのように考えていらっしゃるか。いろんな学者の資料を研究されたと思うんでありまするけれども、この花田信次郎さんの考え方というものは相当、客観性があるというように指摘されておりますけれども、いかがですか。
○説明員(宮沢香君) ただいま先生の御説明のその報文は、昨年の四月の日本薬学会で演説発表された文献だと思いますが、花田先生はそれ以外にも幾つかの報告を出しておりまして、私どもとしましては花田先生に委員の方から連絡をとりまして、それ以外の報文等についてもすべてこれを集め得るだけ集めまして、十分この毒性と添加物合同部会におきまして審議をしてもらっております。
○青木薪次君 国民の健康を守る厚生省は、当然そのような生理的障害の恐れありとする報告を重視して、それから疑わしきは許可しないという観点に立たなきゃいかぬと私は思うんです。食品添加物の許可に当たる場合の基本姿勢について、私のいま申し上げた疑わしきは許可しない、この原則についてどう考えますか。
○説明員(宮沢香君) 全く先生の御指摘のとおりでございまして、その疑わしきかどうかについては、食品衛生調査会の専門の部会でございます毒性部会の先生方に十分審議を尽くしてもらって、そして、その上で私どもはその食品添加物に指定するかどうかを決定していくわけでございます。
○青木薪次君 食品衛生調査会の考え方というものは、それは一定の客観的なものが出されると思います。しかし、食品衛生調査会に諮問してその結果どうこうなるということじゃなくて、国みずからが、厚生省は相当な機能を持っているわけですから、国民の納得の上で当たる責任があるというように考えておりますので、私たちはこのOPPの使用については、これはどうも日米の外交上の問題、政治的なにおいがするというように解釈いたしているわけでありますけれども、その姿勢についてもう一度ひとつ御回答を願いたいと思います。
○説明員(宮沢香君) 厚生省といたしましては、国民の食生活についての安全性の確保ということについてはすべて責任を持っておるわけでございまして、したがいまして、特に食品添加物、国民が非常に関心を持っております添加物の安全性については特に慎重な配慮をしておるわけでございます。したがいまして、食品衛生調査会で審議に付するときの資料としましては、関係の学会であるとか関係学会誌等に報告されたような、そういうきちんとしたデータをもとにしまして十分な審議を尽くしていただく、こういう姿勢で臨んでおるわけでございます。
○青木薪次君 これはけさの新聞にも、消費者団体が、絶対に毒性を持っているということで、あらゆる学者の先生に諮問してそして国民運動を展開する、それから農業団体も自分たちの死活の問題としてこの問題を考える、しかも、有害であるとか無害であるとか何とかというような議論をする場合に、どんどんアメリカからも入ってまいりますと、今度はこのことが過剰生産にさらに拍車をかけて、農民の最も重要な価格問題、過剰生産の問題に厚生省がさらに政府として積極的に支援するような形に結果としてなってしまう。これは主観的意図ではなくて客観的にそうなってしまうということを十分考えて慎重に対処していただきたい、こういうように考えております。 それから、お茶の質問に移りますが、お茶も生産過剰が心配されてまいりました。ここ二、三年のお茶の価格は比較的高水準であるために、鹿児島とか宮崎、熊本、佐賀などの九州地方でものすごい栽培熱が高まっているわけでありますが、このまま伸びていくと需給のバランスが崩れて、ミカンと同じような二の舞いを演ずることになると思うんでありますが、農林省は現状における需給動向をどう見ていらっしゃるか、その点お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) お茶は、収益性が比較的他の作物に比べて有利であるというようなことから、先生御指摘のとおり、かなり近年伸びてまいりました。しかし、このままの勢いで伸びてまいりますと、確かに先生のおっしゃるように、これからの経済の成長はかつてのような高成長を続けないだろうというふうに見込まれておるわけでございますので、したがって、消費指数の増大する中でお茶の個人の一人当たりの消費量がどんどん伸びていっている状況は余り楽観的に見るわけにはいかない。したがって、将来において、やり方によりまして過剰生産の心配があるというふうに見ておるわけでございます。したがって、私どもとしましては、お茶の新植に対しまして慎重な態度で対処するという姿勢を持っておるところでございます。
○青木薪次君 現状における茶の栽培農家数ですね、それと栽培面積と生産量についてお答えいただきたい。
○政府委員(堀川春彦君) 茶の栽培面積は、五十一年におきまして五万九千六百ヘクタールでございます。それから栽培農家は約九十万戸でございます。
○青木薪次君 生産量。
○政府委員(堀川春彦君) 生産量は、五十一年におきまして約十万トンでございます。
○青木薪次君 農林省は、適地通産についてあと一歩のまだ指導を行うべきではないか、こう思うんです。それは不適地にお茶をつくることは生産コストが上がるばかりでなく、不良茶が出回って、結果として良質茶のイメージダウンとなってお茶の生産農家の所得を圧迫することとなると思うんです。だから、ミカンがだめならお茶でこいというような考え方、これを十分規制していかなければいかぬと思うんですが、この点について適地適産についての考え方はいかがですか。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほど申しましたように、将来の需給についての懸念がございますので、私ども慎重な態度で対処していると申し上げましたが、その際に、これは茶園の新植を一切認めないというようなことまではまだ踏み切っておりませんが、茶園の経営をする適地というものは確かに先生のおっしゃるようにあるわけでございますので、適地適産という考え方を、当然のことながらわれわれの姿勢として強く持ってまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 需給バランスをさらに壊すということで心配いたしておりますものに、台湾に三万ヘクタールも茶園があるんです。いま局長は十万トンと言いましたけれども、台湾からさらに一万トン近く入っているわけです、一万トン超したときもある。いま一万ちょっと下がっておりますけれども、こういう荒茶の輸入がある。ケニア産の輸入も非常に心配しているというような中で私は、農林省がこの外国茶の輸入で特に開発輸入なんかの点については、毅然たる態度をとったことについては非常に評価しているんです。この見通しについてちょっと聞きたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほど申しましたように、国内生産量は十万トンでございますが、五十一年時点で輸入量が八千トン余りございます。台湾の物が多うございますが、外国でお茶の生産が行われまして、それぞれの生産国で消費をされるのなれば問題はないわけでございますが、安いお茶が価格面で競争力がございますので、日本へ大量に輸入をされてまいるというふうなことになりますと、国内の茶の生産農家の利益が非常に損なわれるという心配がございますので、私どもは、少なくとも外国でお茶の生産をやるためにいろいろと海外協力をいたすということについては、やはり慎重な態度で日本としては対処すべきであろうというふうに考えまして、五十年六月に農林経済局長並びに農蚕園芸局長名をもちまして、大蔵省並びに経済企画庁の関係局長のところに、海外の緑茶生産開発に対する投融資について国内の事情を説明をして、極力開発輸入という形にならないような形で投融資の点について配慮をお願いをいたしておるわけでございます。今後ともこういう姿勢で臨んでまいりたいと思っております。
○青木薪次君 その点は強く要望いたしておきます。 それから、私は静岡県の出身ですけれども、荒茶の生産で全国の五〇%、それから製茶にして全国の七五%を生産をいたしているわけです。今後の課題としては農家自身にとって防除とか摘採とか、それから荒茶加工部門などで研究と協業化が進んでおりますけれども、いま何しろ労働力の不足や生産資材の上昇によるコスト高とか、農業の後継者の不足、自己資本力不足等がございまして、さらに国の援助と指導を求めているんであります。私もお茶の生産農家、あるいはまた、お茶の生産工場なんかをやったことが自分の生まれたうちであるわけでありまするけれども、この点は、いま非常にお茶の関係等については特に特産振興というような立場に立ちましても、相当活発な運動を展開いたしております。これらの点について農林省は今後どのような援助をしてくれるのか、その点について簡潔にお願いいたしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 私ども地域農業におきまして、特産物の生産が非常に重要な問題であるということを認識しており、特に特産農産物の中でお茶につきましては大事な作目であるというふうに考えておるわけでございまして、四十七年度から特産物の生産団地育成事業、それから特産農業センター設置事業等実施しまして、生産面、それから流通面につきましての対策を強化しつつあるわけでございます。そういった事業は今後とも拡充強化しながら進めていく基本姿勢を持っておるわけでございます。
○青木薪次君 次に、畜産にちょっと移りたいと思いますが、国民食糧の安定的な供給の確保ということでは、動物性たん白のこれが確保の課題というものは急速に高まっていると思うんでありますが、昭和四十七年を基準として六十年を見通しての「農産物の生産と需要の長期見通し」によると、六十年の一日一人一日当たりの栄養供給は、総たん白に占める動物性の比率が四八・五%で、その動物性たん白のうちに魚介類等の比率が五一・〇%となっている。しかし、二百海里時代を迎えて、わが国の畜産の生産振興をさらに図らなければならない時期に到来したと思うんでありますけれども、この点はどう認識されておりますか。
○政府委員(大場敏彦君) 確かに二百海里時代を迎えまして魚の供給の面でいろんな制約が加わってきた。もちろんこれに対しましては、いま大臣御苦労なさっていらっしゃるように、伝統的な漁獲実績の確保とかというようなことに努力をしておりますが、一面やはり沿岸性の漁場の振興とか、そういった多面的な努力はしていかなきゃならないと思います。しかし、いま御指摘になりましたように、これから増大する動物性たん白質の給源としては、畜産というものがますます重みを増しているということはこれは間違いない事実でございまして、そういう意味で私ども畜産に関与する者といたしましては、従来以上に畜産を積極的に伸ばしていくということは一番大事なことじゃないかというふうに認識しております。
○青木薪次君 肉用牛の需要が増大しておりますけれども、供給については世界的に相当逼迫してきていると思うんです。肉牛の国内生産の維持増産についてのさらに振興を図らなきゃならぬ時期だと思うんです。特に肥育素牛、この価格安定が非常にこの畜産に影響するんです。したがって、繁殖牛の経営の規模拡大と自給飼料生産基盤もしたがって加えて弱いというような中に、輸入に頼って、いまやまさに加工畜産なんて言われている時期でありまするけれども、特に農家の経営の安定のための対策について、これらを勘案してどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(大場敏彦君) いま先生御指摘になりましたのは、ことに繁殖経営農家の経営安定対策ということだろうと思うわけでありますが、それに対しましては、基本的にはいま御指摘になりましたようにやはり飼料、一番貧弱である飼料基盤の整備充実ということが大事なことじゃないかと思います。 それからやはり、素牛の価格の安定という形が次に大事じゃないかと思われるわけでありまして、これに対しましては、もちろん製品であります枝肉価格の価格安定制度がありますが、そういった制度を通じての素牛価格の安定ということと、それから直接的には、やはり子牛価格安定基金というものを整備強化して、その安定を図っていく必要がある。あるいはやはり経営規模、非常に零細であります。零細でありますから、それに対しまして経営規模拡大のための家畜導入等をする、いろいろ諸般の対策をかなり私どもは逐年強化して進めているというふうに思います。
○青木薪次君 酪農の関係でありますが、四十六年以降停滞期に入りました。この五年間で全国の酪農家数は半減したんです。その理由は、十頭飼ったらいい、十頭でもだめだ、二十頭だ、二十頭でもだめだ、三十頭にしよう、三十頭でもだめだということで、終わりなき規模拡大と言われているわけなんです。その農家はまたそのために借金の、いわゆる負債に追われ通しで、しかも乳価がなかなか安い。もう酪農家は、自分の膏血をしぼったような乳を、それこそ価格の安定のためにこぼしてしまったりして抵抗したという時期もいままであったわけでありますが、六十年の需要見通しと拡大について大体どのような態度で進めておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) たしか近年における酪農家戸数の減少は、これははなはだしいものがあると思いますけれども……
○主査(坂野重信君) 時間だから簡単に答えてください。
○政府委員(大場敏彦君) はい。そういう意味で限りなき拡大ということだけではなく、中堅の酪農層というものを中心にしてその組織化というものを図っていきたい。 それから、いま御指摘がありましたような負債対策につきましても、つい三月末に価格を決めましたときに、四百億という融資枠をもって低利資金のごめんどうをする、そういった対策もあわせて講じております。基本的には、やはり先ほど肉用牛の際に申し上げましたように、飼料基盤の整備充実ということもあわせて必要という認識をいたしております。
○青木薪次君 あと一問。 国内生産を圧迫する素因の中に、乳製品の大量輸入があるんですね。いわゆるそれらの点について非常にいま問題になっておりますけれども、今後においてこの乳製品に対する規制等については考えておられますか。
○政府委員(大場敏彦君) 乳製品は、ほとんど主要な乳製品は割り当て品目になっておりますから、輸入自由化にはなっておりません。現在入っております乳製品は主なものは、たとえば乳糖カゼインとか国内で生産がされていないもの、ほとんどされていないものとか、あるいは学校給食用の脱脂粉乳、畜産農家が使うえさ用の脱脂粉乳、そういったものが主なものでございます。人間が食べる食糧の脱脂粉乳とかバターとか、そういったものにつきましては畜産振興事業団が一元的に輸入をしておりますので、それによって国内の需給等に悪影響を及ぼさないような形で輸入手当てをしている、こういう状況であります。
○青木薪次君 終わります。 ―――――――――――――
○主査(坂野重信君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 ただいま、神沢浄君及び青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君及び森下昭司君が選任されました。 ―――――――――――――
○森下昭司君 この機会にちょっと砂糖の問題について二、三お尋ねをいたしてみたいと思います。 この精糖業界が最近非常に危機的な状況に陥っておりまして、東海精糖株式会社を初め九州の新光砂糖工業株式会社、こういうような二つの会社はもう事実上の倒産に入っておりまして、大変な第二、第三の倒産会社が出るのではないだろうかというような危機感が強いわけであります。したがって、いわゆるこういう砂糖業界が言うならば危機的な状態に陥っている原因は、過当競争でありますとか市場価格の低迷でありますとか、あるいは原糖の国際価格の高騰でありますとかいろいろな原因があるのでありますが、その一つの原因に日豪長期輸入協定の問題があるのではないかと思うんであります。この精糖業界の危機はどういうものが主な原因になっているとお考えになっているのか、まず最初にお尋ねいたします。
○政府委員(杉山克巳君) 先生御指摘のように、今日精糖企業はきわめて苦しい経営状況にあります。すでに昨年の九月決算を見ましても、これは上場会社の模様から全体を推定するわけでございますが、砂糖業界全体でもって約一千億円を超える累積赤字が出ているというような状況になっております。中には、個別企業で事実上の倒産にも等しいような経営破綻しているというようなものも出てまいっております。確かにこれから先さらに、そういう悪化する企業が続いて出るのではないかということを私どもも懸念いたしております。 そこで、なぜそういうふうに経営が苦しいのかということの原因でございますが、大きく分けて四つほど挙げられるかと思います。 その一つは、砂糖の需要が停滞しているということ。これは四十八年までは砂糖の消費量一人当たりが年々伸びてまいりまして、二十八キロを超えるところまでまいりましたが、その後四十九、五十年と一人当たり消費量は減ってまいっております。今日二十六キロぐらいでございます。欧米水準は大体四十五キロくらいまでいっておりますから、それに比べるとかなり低いところにまだあるわけでございます。今後これが伸びるかということについては、最近の甘味離れの傾向等を考えますと、なかなかむずかしいのではないかというふうに思われます。この需要が低迷しているということが一つ。 それから二番目は、先生御指摘の過当競争ということであろうかと思います。いろいろコストアップ等の要因がございますが、そのコストアップを市場価格、製品の価格に反映できないという業界の体質の弱さ、ここに問題が一つあろうかと思います。やはり設備過剰で供給が過剰である、そのために、コストを大幅に下回るような価格で販売せざるを得ないということがあろうかと思います。 それから三番目は、企業合理化といいますか、経営上の努力、これについて問題なしとしない企業があるということ。設備の近代化、生産性を上げるということは、いずれの企業も努力しているところでございますが、中には立ちおくれているものもある。そういうことから経営が悪化しているものもあると思います。 それから、一般的なコストアップ。まあしかし、これはどの業界でも共通のことでございますが、砂糖業界の場合、一時四十八、九年のころは国際糖価全般が高騰いたしましたけれども、今日は一般的には糖価水準、国際的に低下してまいっております。最高時であった四十九年の十一月ごろに比べますと、五分の一以下に下がっているような状況でございます。その中で豪州糖、豪州からは年間六十万トンずつ輸入する。これはほぼ国内の輸入総量の四分の一くらいに相当いたします。相当大きなシェアになるわけでございますが、これについては、長期協定に基づく固定価格による輸入ということになっております。この固定価格が契約を結びました当時は安い価格、国際的に見て割り安でございましたが、今日では国際相場から見て倍以上の割り高のものとなっております。このことがコスト的に個々の経営を苦しめる。砂糖業界全体もでございますが、豪州糖の購入割合が企業によって差がある。そして、豪州糖に依存する割合の大きい企業ほど経営上のコストアップの要因となって苦しんでいる、こういう状況がございます。 そのほかにもございますが、大きく分けて大体以上申しました四つのような原因が指摘できるかと思います。
○森下昭司君 いまお話がございましたように、各精糖会社、大きなところの三井製糖でも累積が二百二十九億二千万円、あるいは大日本製糖でも百二十二億九千二百万円。これは五十一年九月末現在でありますが、各大手を初め、先ほど申し上げた中堅メーカーにまで非常に累積赤字が存在をしておる。そして商社側も、たとえば三菱商事などが各精糖会社に持っておりまする債権額は七百億円を超すというような状況下でありまして、まさに精糖業界における今日の現状というものは、狂乱物価の時代から見れば、想像できなかったような状況下に相なっているわけであります。 そこで私は、日豪の砂糖長期輸入協定が、いまお話がありましたように、一般的にコストアップの要因であるということもお話があったわけでありますので、この価格の改定の見込み、つまり、どういう価格改定の作業が行われているのか、まず最初にそのことをお伺いします。
○政府委員(杉山克巳君) 国際価格が昭和四十九年以降直線的に低下してまいったわけでございます。豪州糖の輸入価格が固定していることは引き取りの当初から問題になり、今日ではそれがますます深刻化しているわけでございますが、最初は、五十年度につきましては、引き取り契約量六十万トン、若干のおくれはありましたものの、そのとおり引き取ったわけでございます。五十一年度分の引き取り、これは本年の六月末までということでございますが、これにつきましては現在までのところ半分強、約三十三万トンを引き取った状況でございまして、残りが引き取られておらない。 これは一つは、先生御指摘のように、とてもいまの精糖企業の経営状況からは、この高い豪州糖を入れていまのような市場価格で売れば経営が破綻するからということで、企業はその引き取りを渋っているということがあるわけでございます。そこで、昨年の夏ごろから価格改定についての話が持ち上がりまして、豪州側にこれを提案したわけでございます。ところが、契約条項を見ますというと、なかなか価格改定をする根拠が見当たらない。豪州側にも強い理論的な根拠といいますか、言い分がありまして、とても応ずる気配になかったわけでございます。 そこで、これは契約自身は民間ベースのもので当事者間で交渉されるわけでございますが、政府としてもほうっておけないということで、非公式あるいは公式に政府間でも接触をいたしまして、価格改定に応ずるようにという呼びかけをいたしたわけでございます。その結果、本年の一月、豪州側の砂糖供給機関でありますクイーンズランド州政府の農業大臣以下関係者が日本側の実情調査に見えられた。そして引き続いて、そのクイーンズランド州政府の砂糖の売買についての代行機関であるところのCSRという会社、これから担当者が日本に参りまして、中身はともかく、とにかく価格改定交渉に応ずるということで交渉が始められたわけでございます。 先方の豪州側は国内事情もいろいろありまして、生産者大会、そういったところに了解をとるといいますか、いろいろ理解を求めるというような手続もあるもんですから、一時関係者が向こうへ帰国するというようなこともあって中断しておりましたが、つい今週から、再度来日されて、また交渉が始められている状況でございます。私自身も一昨日、その豪州側の責任者と話をしたというようなことがあるわけでございます。 この見通しでございますが、いろいろ価格改定に当たっては、当然豪州側としては同じようなことが二度あっては困る、日本側の実情はこちら側が詳細説明したことからある程度わかった、したがって値引きもせざるを得ないとは思うけれども、同じようなことが二度繰り返されては困る、そういう保証は何によって得られるかとか、いわばいろいろ条件をつけてまいっておるわけでございます。そういう条件をどういうふうに果たすかということも含めまして、それほど遠くないうちに私は、向こう側から、この程度は値引きを考えるというその提示があるのではないかというふうに観測いたしております。
○森下昭司君 私は、先ほど局長が言われましたように、いわゆる民間ベースの協定だというお話がありましたが、これは当時の農林省がとっておりました、資源の問題を含めまして、供給安定を目的といたしました、言うならば長期的な立場に立った総合食糧政策というものをおつくりになりまして、その一環として、砂糖に関してもこういう長期輸入協定ができることを非常に行政的にも指導をされましたし、また、政府の政策としてそういうものが実現することを望んでいたわけでありまするから、形は民間ベースではありますが、事実上は政府間協定、内容は、政府が実施を相手方に対しまして保証したというたてまえに立って考えていくのが妥当ではないだろうかというふうに考えているわけであります。 それはいま局長がいみじくも言われましたように、クイーンズランドのサリバン第一次産業相が参りましたときに、先日も会った、要望もしたということからも、政府がやはりある意味においては折衝の表面に出て積極的に打開工作を図る必要があるのではないだろうか。というのは、私からくどくど申し上げませんが、たとえばこの協定に対しまして、五十年一月の三十一日ですね、両国政府間に交換公文があるという事実、それから船積みの繰り延べ問題でありますとか価格改定でありますとか、過去三回か四回交渉が持たれましたために、農林省からも、ある意味では局長が行かれた場合もあります。あるときは課長補佐が行かれた場合もありますが、必ず政府側職員がこの民間の使節団に入って、両国政府との間における話し合いを円滑に進めていくということも側面的におやりになっているというような過去の経過等からまいりまして、これは私は早急にやっぱり政府自身の手によって打開をしていくという考え方になりませんと、もう第三年度がこの七月一日から始まるわけです。 したがって、いまサリバン氏が来日しておるというならば、この機会に一挙に解決いたしませんと、第三次以降も砂糖の価格値下げはでき得ないというような事態になれば、私はもう日本の精糖業界は戦国時代の様相を示し、生残れる者しか生き残れないというような結果に相なるのではないだろうかという危惧を持つのであります。いま早い時期に価格交渉はまとまるのではないだろうかというお話がございましたが、これは少なくとも第三年度の、ことしの七月一日以降の砂糖の輸入に関して価格を取り決める必要があると思うんでありますが、それ以前に必ず実現できる、そういう見通しでいいわけですか。
○政府委員(杉山克巳君) 契約締結当時のことを振り返ってみますと、あのころは石油パニックに引き続き食糧、各般の資源問題につきまして、国際的に需給がきわめて逼迫しておった。重要な物資につきましては、日本国としてこれを安定的に確保する必要があるということで、それぞれ物によって違いますが、政府が確かに指導して長期確保の方策をとらせたということもございます。たとえば小麦にいたしましても、あるいは大豆にいたしましても、飼料穀物にいたしましてもあったわけでございます。そういったものと並びまして、砂糖もこれは重要な消費物資でございますから、国民の食糧でございますから、安定確保のための長期契約を結ぶことを慫慂したわけでございます。その最たるもの、一番数量にいたしましても大きかったのはこのオーストラリアでございます。 そういう意味で、政府が確かに指導した経緯もございますし、それから契約締結に当たって関係者間での交換公文を取り交わしております。これは、そういう長期取り決めが望しいものである、そしてその長期取り決めの推進に当たって、豪州側は輸出規制は行わないと一たん約束した以上、それだけの数量は必ず輸出させますというような趣旨の先方からのレターが参る、それから当方は、そういう輸入をするためには国内的に輸入カルテルを結ぶ必要がある、関係者がいわば一種の独占行為をするわけでございますから、そういうことを認めるための輸入カルテルを政府として承認する用意がある。それから豪州糖の価格、これは私どもの糖安法という糖価安定のための制度がございますが、それの中における位置づけとしてどういう扱いをするか、平均輸入価格というものを計算する場合に、豪州糖については、その割合に応じて契約した固定価格でもって扱います、国際相場の変動いかんにかかわらずということを制度的には保証するということをいたしたわけでございます。要は、この契約を結構なものだ、そしてそれを支持する制度的な措置をいろいろとりますということをいたしたわけでございます。その意味では、政府にも指導した立場での責任というものはあろうかと思います。 ただ、契約自体は、これはやはり輸入自由の前提のもとに、個々の企業が利潤の得られることも、同時にリスクを伴うことも承知して、みずからの判断と責任において集団して結んだものでございます。そういう意味で、政府としては契約自身の交渉の当事者ではございませんが、側面的にこれを支援するという姿勢をとってまいったわけでございます。そうして政府間交渉としては、クイーンズランド州の州政府とも交渉はありましたが、直接は政府間でございますから、豪州の中央政府ということで、この一月には日豪閣僚委員会が設けられましたときに、私どもの農林大臣から先方の第一次産業大臣に対して、これについて強く善処方、解決を早急に進められるよう要請して、先方もそれに誠意を持ってこたえるというような経緯もあったわけでございます。それらが反映されて、今日の交渉促進に役立っているのじゃないかと私どもは思っておるわけでございます。 なお、政府の対策として、私は、この日豪の交渉だけを単に促進するというだけでなく、精糖業界の健全化のためには、やはり過当競争という事態をできるだけ避けるような状況に持っていく。それから低迷しているといいますか、むしろ低落している市価を回復するということが必要ではないかということから、業界に農林大臣の指示に基づくいわゆる指示カルテルということを結ばして、販売数量を調整いたさせております。これによって現在市価は、一時一キロ当たり百七十円台というような非常に低水準にあったのでございますが、何とか最低限の原価は償い得るに足るような今日二百十円程度の市価に回復いたしております。 それから、豪州糖の交渉の見込み、いつごろまでにかというお尋ねでございますが、何分相手のある話でございます。私自身の観測としては、先方はそれほど遠くない時期に、この程度はという額の提示もある。同時に、いろいろ条件もつけてくると思っておりますが、果たしてこちらの満足できるものかどうかということになりますというと、そこはなかなかむずかしい問題もあるのではないか。そこらを若干交渉を通じまして、いわば念を押して妥結できるところまで持っていくにはどれくらい期間がかかるかということでございますが、私どもとしては、おっしゃられるように、七月以降になりますと第三年度に入ります。それ以前にこの問題は解決したい、するという決意のもとに指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○森下昭司君 そこで問題は、価格は固定価格ということを交換公文でもうたっておるといういまお答えがございましたが、日本の業界といたしましては、いわゆる国際価格にスライドすると申しますか、見合うような価格にすべきである。言うならば、固定価格を国際価格並みにしろということを強く要求しているわけでありますが、この価格は、仮に値下げをされるという見通しがあるようでありますが、この価格を下げるということについて、固定価格制という今日までの協定の趣旨のままにいくのか、あるいはある意味において多少の条件がつくかつかないは別といたしまして、これを否定して――これを否定するといいいますか、これを制度によらないで国際価格に見合うような何らかの新しい価格制度というものができる可能性というものがあるのか、この点について、はっきりお答えをいただきたいと思うのです。
○政府委員(杉山克巳君) 一つは豪州側の問題、一つは国内の制度の問題というふうにいまの御質問理解いたしますが、豪州の従来の砂糖の販売について、輸出についての態度を見ておりますというと、これは生産者農民あるいは国内の粗糖生産企業に対する政策的、むしろ政治的と言った方がよろしいかもしれませんが、そういう立場、配慮から制度的に安定した価格でもって長期のものを保証するということを欲しているごとくでございます。そういたしますと、価格水準について、高いことを望むということはもちろんありますが、それ以上に安定した固定価格でもってこれの保証を得たいという気持ちが強いように見受けられます。そういたしますと、なかなか今回の交渉を、さらにこの価格改定の交渉を行っているわけでございますが、この推移は、私どもとしては国際糖価スライドというのは一つの考え方ではありますけれども、契約締結当時のいきさつ等を考え、いまの豪州側の姿勢を考えますというと、なかなかスライドシステムというのはむずかしいのではなかろうかというふうに考えます。 それから、私どもそういう輸入価格の状況を受けて、国内的にこれをいまの糖価安定制度にどう織り込んでいくかということになりますれば、すでに現在が実態的に格差のあるそれぞれの輸入価格、これを調整するために、それぞれのシェアに応じて平均輸入価格の算定ということをやっているわけでございます。こういう措置は、一つは調整金の問題をどうするかとかいうようなことにもつながってまいります。今後なお検討する必要があるかと思いますが、すでに現在そういうような調整措置をとっているということでございます。
○森下昭司君 そこで、豪州側が再び値下げ交渉が出ないようにという、何らかの保証がほしいという態度をとっておるようでありますが、協定の見直し条項からまいりますれば、「売主、買主は本協定の期間を通じ少なくとも一契約年度につき一回契約の運用及び継続性に関する見直しを行う。」つまり簡単に言えば、価格問題は一契約年度ごとに交渉を行うことができるという理解をするのが常識ではないか。したがって、仮にこの価格制度は破れないとするならば、毎契約年度実施前に価格交渉を行って、事実上国際価格に見合うような実を取っていくというような考え方を持つことはできるものかでき得ないのか、この点をお尋ねいたします。
○政府委員(杉山克巳君) 通常の契約でございますれば、先生御指摘のように理解することもできる、そしてむしろ契約上の文言としては、価格についてはその時期に国際相場を勘案しながら相談するというような条項が入るのかと思います。 ただ、この日豪の長期契約が締結された当時の事情なり、その当時交わされた論議を振り返ってみますというと、むしろ、国際相場いかんにかかわらずこういう価格で保証するから、長期的にしっかりした数量のものを供給いたしますと、農民にもそういうことでもって十分話をつけますということが豪州側の理解といいますか、受けとめ方だったわけでございます。たまたま今日国際価格が暴落して、それより豪州価格がきわめて割り高になっているということのために、私どもとしては価格改定を申し出ておりますけれども、そのいきさつからすると、法律的な理解は、契約上の文言は豪州側にも言い分のある話ではないかと思います。 そこで、私どもはむしろそういう契約上の文言いかんということではなくて、日本と豪州の全体の友好的な貿易関係、あるいは農産物の取引関係、さらには砂糖自身について言えば長期的な安定した関係、これは国際的にはいま供給過剰の状況にあり、各国売り込みを図っているというような情勢でございますから、そういう中で豪州側のシェアを確保するというようなことを種々考えてまいりまするならば、契約の文言にかかわらず、しかも、日本の企業が豪州糖のために倒産しかねないということなら、そういう経済実態から考え、全体的な配慮のもとに考慮さるべきである、そして、そういったことについて政府も指導していただきたいということで交渉に臨んだわけでございます。したがいまして、余り契約上の文言を盾にとってどうこうということでは私ども考えておらないものでございます。
○森下昭司君 しかし、時間がありませんので余り論争をすることができ得ないのは残念でありますが、一応協定ができ、それがいわゆる政府の交換公文によって内容を保証して実施を約束したわけでありますから、その協定の文言に余りこだわることはむずかしいというお話は、私は基本的な態度としては納得ができ得ないのであります。たとえば、一般確認事項の中でも、「買主が売主に対し適正利潤ある価格を保証する事により、公正な価格で安定的供給を確保する事が本協定の目的である」、これは私は、豪州側の立場からすれば、豪州側の立場を一方的に利する条項じゃないだろうか。 一体、このいわゆる「公正な価格で安定供給」、公正な価格は何かと言えば、世界的に砂糖の価格は普遍でありまして、一定した値段がつけてあるわけでも何でないのです。というようなこと等を考えてまいりましたときに、協定自体の文言にこだわらないということは、実は先ほど申し上げましたように非常に理解しがたいところでありまして、そういう内容の解釈はでき得ないようなものを持つ協定に政府交換公文を出したということ自体に私は、権威の問題だとかあるいは実施についての熱意だとか、いろんな問題について今度は疑問を持たざるを得ないような感じを持つわけであります。きょうはそういった意味で、時間が大変ございませんが、大臣、臨時大臣でまことに申しわけございませんが、いまの論争をお聞きになっておりまして、今後の精糖業界というものについて、というよりも、むしろ日豪協定の改定に臨もうとする大臣としての所感があれば、お伺いをいたしたいと思うんです。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま局長から細かに御説明を申し上げたとおりでございまして、ただ、民間協定だからといってほうっておくわけにも参らないと思います。また、民間としてもこの方針が間違ったということは、これは一つのミスはあるわけでございますけれども、そういう点についてほうっておくわけにもいきませんので、できるだけの協力を申し上げて、そしてその解決をつけたいというふうに考えております。
○安孫子藤吉君 私は、農工法のことについて若干お伺いします。 農工法が実施されまして、現在は大体この農工法の適用を受けて買収あるいは造成済みのもので、しかも企業が配置されておらぬ、いわば遊んでおるというものが約一万ヘクタール程度あるというふうに承知をしておるんですが、現状をひとつ説明をしてください。
○政府委員(森整治君) 五十一年の三月末現在で、農村地域工業導入促進法に基づきまして実施計画を策定した市町村数が八百四十六市町村、そのうち企業を導入済みのもの、それから一部導入済みのものを含めますと五百四十五市町村、立地企業が未定のままのものが三百一市町村ということになっております。 先生御指摘のように、その中で工場用地として定められている土地の面積が一万五千百三十三ヘクタールでございます。そのうち企業が導入されているものが三二%の四千八百四十六ヘクタール、約五千でございます。まだ導入が決定していないものが一万百四十三ヘクタールということに相なっております。ただこの中で、決定してなくて、しかも買収済みの面積が三千二百八十八ヘクタールございまして、このうちさらに工場用地としての造成済みのものが千二百四十三ヘクタールということに相なっております。
○安孫子藤吉君 これは買収その他については、市町村は相当苦労してきて設定をしておるわけです。それが企業が配置されないということは、地方的には非常に問題を起こすケースが多いと思っております。それで、特にオイルショック以来企業の誘導が困難になってきたという事情があるだろうと思いますが、経過的に申しまして、オイルショック前とオイルショック後における企業分散の状況を農工法の立場から見るとどんなふうになっているか、承知したいと思います。
○政府委員(森整治君) 確かに先生御指摘のように、高度経済成長の中で農村の構造改善を進めていくという立場から、やはり安定した兼業といいますか、あるいは就労の機会を地元に求めて農業面の近代化を促進していくということで当初、計画が立てられておったわけでございますけれども、その後のさっき先生御指摘のような事情に基づきまして、土地問題等でもほかでもいろいろ問題がございますけれども、やはりこの計画につきましてもそこを来しておりまして、昨年の基本計画、基本方針の改定を行いました背景も、やはりそういう問題が非常に大きくあるということは否めない事実でございます。私ども、やはり基本的な考え方は変更する必要ないし、また、大いに進めなければならないというふうに考えておりますが、いままでの立てられた計画なりそれが実際に企業が入る、工場として稼働する、そのテンポが著しく停滞をし出した。ですから、その辺の非常にギャップが出てきておるということは、まあ残念でございますけれども、否めない事実でございます。
○安孫子藤吉君 それで、いままでの計画のやつも十分には配置されておらないという状況下におきまして、五十二年度あるいは五十三年度さらに指定を拡大していくということはしばらく見合わせて、従来できているものについての配置に重点を置いた方がよかろうかと、こう思うんですが、その辺はどんなふうにお考えですか。
○政府委員(森整治君) 昨年の九月制定、公表いたしました第二次の農村地域工業導入の基本方針におきましても工業導入地区、特に、まだ工業の導入が行われていない既計画地区に工業が導入されるように、積極的に誘導をしていくというのが一つのポイントになっておるわけでございまして、新たに実施計画を定めるという場合には、既存の実施計画の進捗の度合いというものを十分配慮しながらむしろ慎重に行う。そして既存の実施計画についても、場合によりましては必要に応じて見直しも行うということも重点として決めておるわけでございます。
○安孫子藤吉君 企業の再配置といいますか、過密地帯からの分散ということは現在におきましては非常に重要な政策課題だと、こう思っております。したがって、これを活用すべきであろうと思っておりますが、従来の経過を見ますと、企業の再配置についてのいろんな施策、あるいは団体をつくって促進はしておりますけれども、どちらかというと中央官庁としては余り熱心じゃない。それは地元でやるんだというような態度が見受けられるわけであります。もちろん市町村自体で、あるいは県自体で相当努力をしなくちゃならぬし、また、努力もしておるわけでありますが、相当規模が大きくなりますと、それだけでとうてい解決しない問題が出てまいります。 私の県なんかでも、相当大きな工業団地、これは東根市にございまするが、これが計画としては相当大きい、すでに造成も済んでおる。しかしながらオイルショックによりまして予定した企業が入らぬことになった。そうしますと、市長といたしましてもあるいは県といたしましてもまことに苦しい立場に立っておる。そういうケースは全国にある程度あるんじゃないかと思うんです。相当大きなものについてはやはり農林省――これは農林省にも限界がございましょう、通産省あたりの相当の協力を得なけりゃならぬと思いますが、そういう面についての努力をこれから傾倒してもらわにゃならぬと思っておりまするが、企業の配置に関する促進方策と申しますか、そういうのは現状はどうなっておりますか。
○説明員(有岡恭助君) ただいま先生から御指摘ございましたように、確かに最近数年の地方分散の動向というのは非常にスローダウンの傾向がございます。ただ、先生も御指摘ございましたように、やはり工業再配置政策というのは、こういう低成長時代におきましてなおできるだけの配慮を払わなければならないものだというふうに考えているわけでございますが、ただいままでの私どもの、先生御指摘のような過密地域から過疎地域への工場の移転といいますか、新増設に対します施策といたしましては、まずガイドラインを、現在私ども策定中でございます工業再配置計画という中で示したいと考えております。 それから、個別施策といたしましては、まず融資の面でございますが、地域振興整備公団あるいは開発銀行、中小企業金融公庫等から移転控除等の設備、運転資金等に対します低利融資を行っております。それから税制上も加速償却が認められることになっておりますし、さらに地方交付税の算定基準の特例が認められる、それから移転企業、地方公共団体等に対しまして工業再配置補助金を出すということにいたしております。さらにまた、これは労働省関係のいろんな補助金でございますが、工場移転に対します給付金とか、あるいは訓練のための特別の補助金というようなものが出ております。さらに、受けざらとなります工業団地の建設に関しましては、地域振興整備公団がみずから中核工業団地をつくったり、あるいは市町村等がおつくりになります場合に、工業団地利子補給金というのを出しております。 以上が大体、現在私どもがやっております施策の概要でございますが、先生御指摘のように、確かに誘導的な性格が非常に強いということで、御指摘のような歯がゆい面があるという点は事実であろうというふうに考えております。
○安孫子藤吉君 私も工業の再配置というのはきわめて重要な課題だ、こう思っております。低経済成長下、安定経済成長下におきまして特にそれが必要じゃないか、こう思っております。だからこの際、安定成長下における工業再配置に関する施策の拡充強化というものを本気で検討をして、そして実践に移すということが非常に重要だと思っておりますが、これをひとつ今後大きな政策課題として取り上げてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(有岡恭助君) ただいま先生御指摘の点につきましては、私どももかねがね全く同じ考え方を持っておりまして、できるだけ早い機会にいろいろそういう施策の拡充について検討を進めたい、かように考えております。
○安孫子藤吉君 これは農工法の関係じゃありませんけれども、地域振興整備公団がやっておる工業団地造成ですね、第一号が米沢でやっております。これはいろいろな経過がございまして、地方団体も相当負担にたえない面が出てきておりますので、特別な措置を五十二年度において講ずることになったわけでございまするが、さて、それで振興いたしましても、これから二年、三年で大体完成してまいりますね。ところが、完成して、あそこは二、三百町歩だと思いましたが、三百町歩ぐらいの工業団地がそのままの状態で野ざらしになるという危険性は非常にあると思うんです。 これは、農工法に基づく工業団地と同様非常に地方の信頼を裏切ることになる。そういう政治的にも問題になる危険性があると思うんです。 それで、たとえば地域振興整備公団がやはりいま、造成ということじゃなくてセールスマンになって大いにやろう、そういう態勢をとっていることは私も承知しておりますが、これは公団だけに任せないで、やはり通産省も一体となってこれを促進しなければ実効が上がらないんじゃないか、こういうふうに私は危惧の念を持っておるんですが、その辺はどうです。
○説明員(有岡恭助君) ただいま先生から御指摘ございました点でございますが、地域振興整備公団の中核工業団地といいますのは、米沢、勝央、佐賀東部、この三ヵ所が五十二年度から五十三年度にかけて造成が完成いたしまして、そろそろ分譲を始めるわけでございます。それで現在、分譲条件等につきまして検討を進めておりますので、公式の募集段階には入っていないわけでございますが、非公式に公団の方ですでに数十社に接触いたしまして誘致を図っておりますが、現在の経済情勢からいたしましてかなり厳しい見通しであるという実情でございます。しかし、先生の御尽力によりまして、五十二年度から公団が建てかえ施行によりまして、関連公共施設の早期整備が可能になったということがございますので、できるだけ早期に企業誘致をいたしまして操業を開始いたしますということが、中核工業団地をつくります趣旨である、こういうふうに考えている次第でございます。特に、先ほど申し上げましたような経過でございますので、この五十二年度がまさにその正念場ではないか、こういうふうに考えております。 そこで、公団の内部に誘致のための専門の組織をつくりまして、さらに副総裁をヘッドにいたしました企業誘致推進会議というものを設けまして、関係地方公共団体と緊密な連絡をとりながら積極的に準備を進めている次第でございまして、この五月に、首都圏の約二千社に案内いたしまして説明会を開きますほか、夏から秋にかけまして企業中心に、団体であるいは個別に団地の視察会等を開く予定にいたしております。通産省といたしましても、従来から先ほど申し上げましたように、企業に対する種々の情報提供とか、あるいは団地に出ました工場に対する工配補助金を出すというようなことによりまして、間接的な誘導策を講じてまいったわけでございます。先生御指摘のように、今後ともこのインセンティブの充実について十分検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○安孫子藤吉君 中核工業団地については、通産省と地域振興整備公団が一体となって遺漏のないように、そしてまた、社会的な問題を起こさないように、最大の努力をしてもらいたいということを希望いたします。 それから、農工法の関係については、配置されたものが少ないわけですね。これは市町村や県で努力はいたしておりますが、それはそれなりにだんだんと実を結んでいくだろうと思いますが、大規模のについてはやはり農林省なり通産省もマークされまして、これを解決することに地域振興整備公団の仕事と同じように留意を払ってもらわなければならない、こういうふうに私は考えております。そのためにはいろいろなインセンティブな方策をも新たに考えるべきじゃないか、かように思います。その点について特に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○戸塚進也君 私は、茶業の問題についてだけ。先ほど青木委員からも質問がありましたけれども、政党は違いましても、茶業問題に関する限りにおいて青木委員の質問の内容と同感の面が多いので、その面については省略をして、通告面について省略をしながらお尋ねをしていきたいと思います。 まず、これは局長で結構でございますが、先ほど局長の御答弁の中に、茶業というものは重要な位置を占める、こういうお話がございました。それは私も満足いたします。しかし、問題はどの程度重要だというふうに考えていらっしゃるか。わが国農業の中におけるお茶の位置づけ、まず、その点についてお尋ねいたします。
○政府委員(堀川春彦君) 農業総生産額の中で、全国的に見ればそう大きなものはございませんが、たとえば静岡県のような特産県で見てみますと、農業生産の中では総収入で見まして第一位でございます。農業総生産額の四分の一という地位を占めておるわけでございますから、そういう意味で重要な作目である、かように思います。
○戸塚進也君 全国的に見ても、そのお茶というものが占める農業生産の割合、余り大きくないとおっしゃいましたが、もうちょっと具体的に、私はそんなに小さいものじゃないと思っておりますが、いかがでございましょうか。もし、細かい数字がわからなければ結構でございますが、おおむねで結構でございます。
○政府委員(堀川春彦君) 五十年度の数字で、全体が八兆九千七百九十一億円というのが農業総生産額でございます。それに対しまして茶の生産額は一千二百七十一億円でございまして、構成比だけでとりますと一・四%、それから農産物中の順位から言いますと、上から言って十一位という地位になっております。
○戸塚進也君 上から言って十一位でございますね。それでは、そういう中にあって茶業にかかわる予算、全体の予算、国の中の予算に占める割合、別に細かい数とか何かは結構でございますが、これまでは茶というものが比較的安定しておった、こういう面、あるいは茶業者みずからの努力、こういう面にやや国も助けられていたという点もあろうかと思うのでございます。ただ、先ほど局長が御答弁がありましたように、これからのお茶というものは生産過剰というような問題も含めて、これはそのままほうっておけない非常に重要な課題である、こういう御答弁があったわけでありますが、そういう角度からまいりますと、茶業全体の予算は必ずしも私どもから見て満足ではないと思っておりますが、概観で結構でございますから、局長のお考えをお尋ねいたします。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほども御答弁申し上げましたが、特産物生産団地育成事業を四十七年度以来続けておるわけでございますが、五十年度で申しまして、特産物生産団地育成事業の関係の総予算は六億六千七百万円ばかりでございます。そのうちお茶は三億四百万円ぐらいでございまして、四割ぐらいを占めておる。それから特産農業センター設置事業というのをやっておりますが、これは五十年度で二億八千万ばかりの総予算でございますが、うちお茶の関係は約七千万円ということに相なっておるわけでございます。
○戸塚進也君 それでは時間がありませんので、お茶にかかわる今回の異常気象のお茶の被害、その状況、それから天災融資法の発動についてはすでに前向きな答弁が出ておりますが、その状態並びにそういうことを踏まえて、自作農の維持資金の特別枠等の確保等について十分な施策が必要だと思いますが、時間がありませんから、ごく簡潔にいまの天災融資法等の具体的な事務的な手続き、見通し等を含めて伺って、それからその後、国税庁から一言、答弁があると思いますが、すでに十分御調査していただいていると思いますが、茶の生産者の実情を踏まえて税務対策等についても遺憾なきを期していただきたい。通達そのほか適切にやっていただきたいと思うが、その後で御答弁を願います。
○政府委員(堀川春彦君) 今回の異常気象によりまして、お茶も相当な被害を受けているわけでございます。過日、お茶の関係につきましてわが方の統計情報部が発表したところによりますと、お茶の三割以上の被害面積は三千二百五十ヘクタールでございまして、被害量は一万一千トンでございます。それから樹体被害がございまして、樹体被害の関係は二千八百三十ヘクタールということが公表をされておるわけでございます。それから、これらの被害に対しまして天災融資法の発動等の準備を進めておりまして、今月の二十日前後を目途で閣議決定をいたしたいということで、目下取り進めておるわけでございます。なお、激甚災害法の発動につきましても、国土庁の方で天災融資法の発動とあわせて実施できますよう準備が進められておるところでございます。自創資金の問題につきましても、必要な融資枠の設定等、被害状況なり資金需要のあり方、実態を踏まえまして検討準備を進めているということでございます。
○説明員(高橋俊雄君) 所得税の課税は、先生御承知のようにその年の実態に応じまして課税をすることになっております。被害等がございました場合にも、もちろんその状況を十分織り込んだところで所得の計算をすることにいたしております。私ども今回の冷害をよく存じておりますし、さらに近く市町村、農業団体等の意見を十分お聞きいたしまして、被害農家の実態をよく反映いたしました所得標準をつくりまして、実態に応じた課税をするように現地に指示をいたしておりますところでございます。
○戸塚進也君 そのような被害が最近続出するわけでございますが、かねてお茶の農業共済の事業につきまして、試験的な実施を含めてもう三年、今度四年目になりますか、なると思います。いろいろこれにはむずかしさもあると思いますけれども、やはり茶の生産家を守っていくという角度からいいますと、お茶に対する農業共済を適用ということは重要な課題であると思いますが、近い将来において適用対象とするように前向きに検討し、また、そのように努力していくお気持ちがあるかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(今村宣夫君) お茶につきまして共済制度を仕組めるかどうかを検討いたしますために、地域特産物の保険制度調査対象品目に取り上げまして、それぞれ農家の意向調査なり、あるいはまた、被害状況等の基礎的な調査を行っておるところでございますが、先生よく御存じのように、お茶を共済制度にしきますときはいろいろの問題がございます。その一つを取り上げてみましても、いつお茶摘みをするかということによりまして収量も変わりますし、あるいは値段も変わるという、被害の算定の非常にむずかしい問題があります。 それから同時に、いま農家の意向調査をいろいろやっておりますが、たとえば鹿児島県のような桜島の噴火その他で非常に被害を受けやすいというところは、農家の方も茶の共済について非常に熱意がありますけれども、まあ気候温暖のところでございますと、被害を受けたときはそういう気持ちになりますが、そうでなければまあまあと、こういう気持ちもございまして、なかなか危険分散をできるだけの農家の加入が一体得られるかどうかという問題も片やございますので、そういう点をよく踏まえまして試験調査を実施をいたしておりますが、この結果を待ちまして、農家の意向も十分踏まえまして、私たちとしましてはお茶の制度化問題を十分検討してまいりたい、かように考えております。
○戸塚進也君 局長、一言だけで結構ですが、その調査結果はいつごろ出されると思いますか。
○政府委員(今村宣夫君) 私たちはよく問題の内容について十分詰めていくつもりでございますが、なお両三年ぐらいは勉強しないとなかなかちょっと手に余るのではないかというふうに考えております。
○戸塚進也君 お茶の輸入問題につきましては、これは全面的に全部やめろというようなむちゃくちゃな暴論を申し上げるわけじゃありません。ただ、だんだんこうふえつつあるというような状況の中に非常に心配されている面もあるわけでありますが、そういうことを含めて輸入という問題について、先ほども御答弁がありましたが、極力国内生産というものを守るという角度から抑制すべきじゃないかと思いますが、それについて局長から一言だけ。 それから、輸入茶は単価がキロ当たり三百円ぐらい、国内と非常な大きな差があるわけでありますが、国内でもそうした低コスト、あるいは省力化を進めてそのような低コストのものができるかどうか、今後ともさらにそのような試験あるいはまた改良等を指導し、あるいはまた研究していくというようなお気持ちであるかどうか、それぞれ一言ずつ。
○政府委員(堀川春彦君) お茶分輸入につきましては、近年一番多かったのは四十八年でございまして、一万三千トンばかりございます。だんだん落ちてまいりまして、ここ二ヵ年くらいは八千トン強くらいのところで推移をしておるわけでございますが、内容が、先生おっしゃるように価格の安い、それだけにまた品質も悪いお茶でございますが、ブレンド用として入って使われておるということでございます。しかし、だんだんと外国でも品質の向上を図るでありましょうし、そうなってまいりますと、日本の国内におけるお茶と競合をするという面が出てまいろうというふうに思いますので、生葉の生産でいま生産費調査の結果によりますと、大体十アール当たり二百時間くらいかかるというふうに、非常に労働集約的な生産が行われておるわけでございまして、まだまだ労働生産性を上げるというような面で努力の余地が多いというふうに思っておりますから、私どもその面で大いに努力をしてまいりたいと思っております。
○政府委員(下浦静平君) お茶の省力技術につきましての試験研究でございますが、これはただいま御指摘もございましたように、外国産のお茶にも競争し得る、また、国内におきましての労働力不足のもとにおいても安定的に生産、供給がで曇るというような技術の確立を図るということが非常に重要であるという認識は持っておるつもりでございます。したがいまして、国における試験研究計画につきましても、これをそのような位置づけを踏まえましてその推進を図っております。その結果といたしまして、最近でございますが、スプリンクラーの多目的利用によります施肥あるいは病害虫防除、さらに茶摘み機の開発によります摘採の機械化等によります栽培技術の省力化という問題につきましておおむね見通しを得ておるところでございます。それから製茶工程の問題でございますが、これも機械の連続化という一貫生産体制の確立ということにも努力をしております。 御指摘のようにこれらの問題、わが国における茶の生産の安定供給という観点から非常に重要な問題であるという認識を持っておりますので、今後とも試験研究の重点事項として鋭意努力をしてまいるつもりでございます。
○戸塚進也君 先ほど局長から、重点事業の中で特産物生産団地育成事業、特産農業センターの設置事業のお話がありました。これは茶の生産家にとってはもう唯一の非常に大きな実は事業でございましたが、これが五十二年度で一応終わるということになってるように伺ってるわけであります。これはどうしてもやはりさらに制度を改善、前進させた上で継続あるいはまた新規の事業として考えていただきたい。当然のことだと思いますが、特にその中で山間地――やはりいいお茶をつくるというところはわりあい山の中でございますが、そういうところですと現行の基準面積二十ヘクタールということにはかなり無理もあるわけでございます。おおむね五町歩から十町歩ぐらい、そのくらいの面積というものが非常にこの事業の適用を熱望しておるわけでございますし、その他幾つか補助率の引き上げとかいろいろ要望はございますが、主としてその問題について前向きに検討をされ、かつまた、この事業を継続または新規事業というような形でさらに前進さしてやっていただくお気持ちがあるかどうか、承っておきます。
○政府委員(堀川春彦君) 御意見の趣旨も踏まえて検討してまいりたいと思います。
○戸塚進也君 そのお話は、前向きに私の趣旨を踏まえて検討していただく、そのように解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(堀川春彦君) 結構でございます。
○戸塚進也君 それでは、お茶の流通の近代化を進めるというには、生産だけでなく、やはり商工業という問題と、全く三者が一体になってやってかなきゃならぬと思うんです。まあこの五十二年度には予算の中でも生鮮食品の貸し付け制度等、茶の小売業の近代化という面にも農林省が非常に意を用いた、これについては高く評価をいたすところでございますが、しかし、まだお茶の小売業者の共同化であるとか組織化であるとか、いろんな面で大変立ちおくれをしております。その点についての今後の農林省の指導方針――やはり生産家と商、工が一体となった中のお茶の振興ということが必要と考えますが、その面についてお考えを一言伺います。
○政府委員(堀川春彦君) 全く先生の御指摘のような考えを持っておるわけでございまして、私どもとしては、中小企業近代化促進法に基づきます業種指定が四十五年に行われたわけで、個別の近代化、合理化というものを進めてまいったわけですが、さらに構造改善を図るということの必要性は先生御主張のとおりでございます。五十二年度からは同法に基づきますところの特定業種に指定をいたしまして、実態に即しました企業集約化事業でございますとか、知識集約化事業、こういったものも展開して生産、流通、加工全体を含めまして近代化、合理化に努めていく必要があるというふうに認識をしております。
○戸塚進也君 そこで、ただいままでいろいろ議論を進めてまいりました中で、これからはお茶をどうしても中央でもってコントロールする必要があるんじゃないか、各県各県ばらばらの施策でもいけませんし、どうしてもお茶の各種の団体――農、あるいは商、工が合わさったような、いま日本茶業中央会というのがあるわけですが、その茶業中央会というものをもっと強化するために、国がもっともっとやはり施策を講ずるべきではないか。いま二分の一なりの補助のものが一千万くらい出てるようでございますが、とうていいままでの――お茶のこれからというものを考えたら、それでは茶の振興ということはむずかしいんじゃないか。たとえば、積極的にもっと打って出る必要があるんじゃないか。輸入ばかり気にしてますけれども、逆に今度は日本のお茶を海外に輸出するようなPRなりなんなり、そういったことをやはりもっと団体に強化させるべきではないか。あるいはまた需要の拡大対策、ただ生産調整をやるんじゃなくて、むしろもっといいお茶を消費者に飲んでもらうための、特定の地域のお茶がうまいということじゃなくて、もっと全体の茶業――お茶というものが健康にもいいんですということも含めて、もうちょっとやっぱりPRしていくような需要拡大対策、あるいは需給の安定対策の事業、あるいはまた一歩進んで、最近お茶と農薬というような問題が言われておりますけれども、農薬の対策、消費者に対する正しい認識を植えつけさせる問題、あるいは品質管理の問題、そういったような各種の点についてなかなか農林省だけでできにくい点について、五十二年度以降やはり茶業中央会等に対して定額とかあるいは委託等を含めて相当強力な指導と、それから助成をしていただかなければ、なかなかお茶はもっていかぬと思っておりますが、その点についての御所信をお伺いいたします。
○政府委員(堀川春彦君) 茶業の振興を図るためには、先生御指摘のとおり、単に生産体制の整備のみならず、茶の製造業なり加工、流通の関係の整備も必要でございます。五十年の三月にはそれらの関係者の総合機関としての茶業中央会が整備をされたばかりでございます。私どもといたしましては、茶業の当面する先生御指摘の種々の問題を、今後それぞれの業界の連携のもとに解決をしていくためには、いろいろとやるべきことが山のようにあるというふうに存じております。五十年度からは、この中央会において実施をしております生産流通安定対策事業につきまして所要の助成を行ってきておるわけでございます。特に五十二年度からは新規に、茶の消費状況調査というようなことを開始することにしておりまして、将来の消費動向というようなものについて、いままで分析が足りませんでしたが、分析を加えて、そういう結果に基づいて、従来も茶の需要増進というようなことは、その安定需要の中で安定対策もやっておりますけれども、さらに新たな施策の転換が必要であるならやっていく。 それから、輸出の問題をお触れになりましたが、現在はアメリカ、カナダ向けに粉茶の形で輸出をしておるというようなことでございますが、海外需要等の問題も今後考えていく必要がありはしないかというふうにも思っておるわけでございまして、こういう団体が強力に団結をいたしまして、こういう方向がいいということで統一意思が出てまいりますと、私どももそれを十分参酌しながら施策の展開に努めてまいりたいというふうに思っております。
○戸塚進也君 それでは、茶業中央会についての助成拡大等については今後前向きに処していただきたい。 最後に、学校給食に米飯が導入されました。ついては、お米を食べた後ですから、やはりお茶というものを子供さんに飲んでもらう、こういうことで農林省からも少し働きかけていただきたい。そのことによって茶の消費は非常に拡大されるはずであります。ビタミンCあるいはまた弗素等の虫歯予防に非常にいいわけでございますから、その点でひとつ農林省は前向きに考えていただきたい。御答弁をどなたかにいただいて、最後に、農林大臣がいらっしゃいませんが、しかし、長谷川大臣は農政の専門家でございますから、茶業という問題について、今後ひとつ前向きに茶業振興のために処していただく御所信を伺って質問を終わります。
○国務大臣(長谷川四郎君) たくさんお話がございまして、皆ごもっともなお話でございますが、いずれにいたしましても、生産そして消費、流通、これの確立をまたなければならぬ。これを基盤としてやはり振興施策というものが考えられていかなければならないことは当然であって、今後はさらにそれらの問題と取り組んでいくべきであろうと考えます。したがって、輸出の面につきましても、一番多く影響のあることは価格でありますから、生産者みずからも、どうやったらばその生産費を低めることができるか、節約することができるかとか、こういう面にもう一段やはり生産者ともにお考えを願わなきゃならぬ。一連のお話を聞いてみているうちに、生産者みずからの考えももう一段と、頼ることよりも、みずからを振り返ってみることもしなければならぬだろうというように考えました。できる限りの努力をいたしまして、御期待に沿えるようにいたしていきたい、こう考えております。
○政府委員(堀川春彦君) 学校給食にお茶を出すという問題につきましては、これはなかなか先生御承知のとおりむずかしい問題がございまして、いまミルクでございますとか、ミカン果汁でございますとか、そういうことがありまして、これは省内でよく検討してまいらなければいかぬという問題だと思いますので、相談をしてみたいと思います。
○相沢武彦君 昨年来の異常寒波による果樹被害について、その救済措置にしぼって農林省のお考えをただしておきたいと思います。 昨年十二月下旬からことしの三月上旬にかけて、日本付近にシベリア方面から上層の寒気塊が相次いで南下したために、全国的に記録的な低温が続きました。このために北日本では平年を上回る降雪量がありまして、農作物被害を初め住民生活に多大な被害がもたらされております。農作物の被害状況を全国的に見ますと、果樹、野菜、ただいまお話のあったお茶、こういったものが壊滅的な被害を受けておりまして、被害総額見込み額では約五百億円に上る、こう言われております。 〔主査退席、副主査着席〕 そのうち、果樹の被害が最も大きくて、被害総額の六三%、約三百五億円になると言われております。また、北海道の果樹被害について見ますと、北海道庁がまとめた調査結果では、一千七百ヘクタールで被害額十一億円を超すだろう、こう言われております。農林省は十分現地の状況は把握されていると思うのですが、これまで寒地作物であると言われてきたリンゴとかナシ、こういった果樹が限界気温を超えた状態に長い間さらされていたために凍害を受けている。専門技術員による現地調査でも、果樹の花芽組織が著しい被害を受けていることが明らかになっております。この芽が凍害を受けますと、ことしの収穫は大減収になるのではないかということで憂慮されるんですが、この被害の回復には数年もかかるだろうと言われておりますし、ここ最近問題になっておりますリンゴの腐乱病、これに拍車がかかるということで、果樹農家経営はまさに死活問題になってきている現状であります。 そこで、きょうはリンゴの問題にしぼってお尋ねするんですが、農林省はこの厳冬期間、寒波被害、現在のところ主要産地で被害総額をどれくらいと把握をされているのか、その点からお答えいただきたい。
○説明員(白根健也君) いま先生からお話がございましたような概況というのはそのとおりでございます。現在のところ、リンゴにしぼって申し上げますと、農作物被害が四百八十二億でございますか、そのうちリンゴの被害は大体二十三億というふうに見ております。主産地の青森でございますとか、北海道でございますとか、山形でございますとか、こういうところで大体八割、九割近いというか、それくらいの被害を見込んでおるわけであります。このほか北海道にはございませんが、この被害のほかに、いわば先生からお話がございました樹体災害、樹体の被害というのが約千町歩ということで考えております。 以上でございます。
○相沢武彦君 被害農家ではまだ雪が残っている果樹園で、ことしの生産体制を組み直しをしよう、少しでも収穫を回復しようということでいろいろと工夫、努力をしております。そこで、果樹生産意欲の向上と将来の経営安定を図るために、まず最初に、天災融資法の適用を速やかに行っていただきたいわけでありますが、すでに農林省の方も体制を整えておるんですが、これについては、適用の方針やその計画内客をここで発表していただきたいと思います。
○政府委員(今村宣夫君) 今回の降雪あるいは低温によります農作物の被害についての天災融資法の発動でございますが、目下関係省庁と協議をいたしておりますけれども、私たちの腹づもりとしましては、来週中には閣議決定の運びに持っていきたいと、鋭意その準備を取り進めておるところでございます。
○相沢武彦君 ひとつ予定どおりにいきますように御努力いただきたいと思います。 ただいま私の手元に北海道の各地の生産関係者から要望書や陳情等が多数来ておるんですが、その中で私どもが一番危惧しているのは、近年多発状況にある腐乱病が先ほど言いましたように凍害によって誘発をされる、大きな被害がもたらされるんではないかと思って心配なんですが、この腐乱病緊急防除対策について、たとえば薬剤費用については二分の一以上の助成措置を講ずる、こういう要望が生産者からは強いんですが、今回の被害を機にこの点踏み切れないかどうか、いかがですか。
○政府委員(堀川春彦君) リンゴの腐乱病対策につきましては、今回相当な被害もあったということもありまして、凍害にかかりました枝の剪定除去あるいは三月中下旬の休眠期の防除、あるいは四月上旬の石灰硫黄合剤の散布、罹病枝の早期発見と洗浄、施肥といったような問題について技術対策はすでに指導をしておるところでございまして、今後適切な対応が行われるものと思っております。 ただ、先生御指摘の昨年行いました腐乱病の緊急防除対策事業は、これは一つは、異常発生に伴う緊急防除的な性格というものと、それからもう一つは、冬期の急激にはやる時期に防除をするという新しい技術が開発されまして、それをモデル的な被害の多かったところに集中的に実施をして、そしてその普及を図るという趣旨と二つの趣旨があったものでございますので、昨年のそういう対策と今後の災害対策ということはある程度分けて考える必要があるというふうに思っておるわけでございまして、さしあたりの措置といたしましては、災害融資その他そういうことに対応して薬剤費とか肥料代というのは限界資金的な性格のものでございますから、それに対応するのがさしあたりの当面の対応策というふうに考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 当面対応策で乗り切れればいいんですが、これはひとつもう一遍御検討をいただきたいと思うんです。 それから、積雪地帯における薬剤散布というのは非常に大変に苦労の多い労作業になります。東北の青森県、山形県にしても雪が多いし、それから北海道でも後志管内の余市、仁木、これは積雪二メーターを超す地域ですし、あるいは空知管内の滝川近辺あるいは旭川近辺にいたしましても非常に降雪量の多い地域でございます。そこで、この雪中防除機械の開発促進ということを農林省としては取り組んでいらっしゃるのかどうか、これはいかがですか。
○政府委員(堀川春彦君) やはりぬかるみやすいようなところで防除をするということのために、いま先生御指摘のような、雪中防除的な技術開発が必要であるという御指摘だと思うわけでございます。もともと農機具は、ぬかるみのある湿田的なところにも水稲の省力化のための機械化ということで開発をされたのが主流でございますので、ある程度のぬかるみに対応できる技術というのは相当のレベルに達しておると思います。問題のスピードスプレーヤーにいたしましても、走行スピードを落とさずにやる方法として四輪式から多輪式にするとか、あるいはまたトラクター牽引式のものでは、ガードルをつけてスピードが落ちないで防除ができる、こういうことはかなりの技術水準に達しておると思っております。なお、今後の問題につきましては、農業機械化研究所で型式検査をやるとき等にいままで集積しました技術、知識をメーカーの方にも伝えまして、適切に対応するように指導してまいっておるわけでございますが、そういう対応で今後とも適切に対処したいと思っております。 〔副主査退席、主査着席〕
○相沢武彦君 もう一つ緊急対策として考えなきゃならないのは、この寒波によって凍枯死した果樹の更新苗木について、経営農家の財政負担を軽減するために必要苗木数量の確保と、それから助成措置を何か講じていただけないかということなんですが、この点はどのような検討をされておりますか。
○政府委員(堀川春彦君) 今回全国的に襲いました寒波によります凍害、寒害等の樹体被害の対策であろうと思いますが、これはこれから四月から五月とだんだんと一遍やられた状態の果樹が萠芽をしてまいります。そういう状況を見ませんと全体として苗木対策で何がどの程度必要かというととははっきりいたしませんので、私どもはそういった状況をよく把握をした上で、必要な場合に苗木対策も考えていくというのが全体の対策姿勢でございます。
○相沢武彦君 助成措置でもう一つぜひとも、これは緊急には間に合わないかもしれませんが、考えておいていただきたい問題として、冬期果樹園の保温対策なんですが、防風林を設置、強化する必要が今後あるんではないか。このための防風林用苗木なんですが、この購入に対する助成措置、この問題については農林省農蚕園芸局だけではなくて林野庁等の関係庁との今後協議が必要であろうかと思うんですが、その点についての取り組みについて。
○政府委員(堀川春彦君) 防風樹林用の苗木の購入問題についての助成の話でございますが、これは何分にも補助単位がきわめて零細なものになる可能性がございます。また、個人補助的な性格も有するというようなことから、財政資金を補助金というような形で支出をすることは困難であろうかと思いますけれども、しかし、たとえば農業近代化資金の中で小規模土地改良資金で対応することも考えられますし、そういうような他の制度を活用いたしまして、必要なときには進めていただくことが必要かというふうに思っておりますが、なお、関係方面とももう少し相談をしてみたいと思います。
○相沢武彦君 ぜひこれは関係省庁と協議をして、その経過についてはまた後ほどお聞かせいただきたいと思います。 次に、果樹共済制度について伺っておきたいと思うんですが、御承知のとおり、リンゴの果樹共済については制度が発足して日も浅いわけでありまして、共済制度そのもののあり方についてまだまだ議論のあるところだと思うんですが、この共済制度について基準収穫量と掛金率について四年ごとに改定をする、こういうことになっておりますが、基準収穫量の設定の問題なんです。この設定に当たって、被害の大きな年度の分は算定基準には入れないで、平年度における実態に即した算出方法をとっていただきたい。そうしないと、基準が低く押さえられますと、天災等があって収穫が不良のときには、せっかくつくった共済制度の効果というものは非常に薄いものになる。これでは共済制度をつくった意味がなくなるんではないかということなんですが、この辺の基本的な考えはどこに置いているのか、伺いたいと思います。
○政府委員(今村宣夫君) お話のどおり、基準収穫量というのは損害額の算定の基礎となるものでございますから、組合等ごとに見ましても、また、全国的にも実態に即応したものでないといけないというのはお説のとおりであろうかと思います。そういう趣旨から私たちといたしましては、毎年共済目的の種類ごとに農林統計資料の最近の五ヵ年の中庸三ヵ年ということで、まあ非常な凶作の場合とか、あるいはまた場合によっては非常な豊作の場合ということを除きまして中庸三ヵ年、あるいは場合によりましては七ヵ年のうちの中庸五ヵ年というふうなことで十アール当たり収穫量を決めているわけでございます。そういうことの国が決定し指示しました基準収穫量に基づきまして、都道府県段階におきましても、やはり農林統計資料の最近五ヵ年のうちの中庸三ヵ年ということで十アール当たりの収穫量を決めておるわけでございますので、異常豊作年も通常災害年も除かれた平均的な、平年的な収穫量ということで基準収穫量が定められているというふうに考えております。 そこで、共済掛金との関係でございますが、これは過去の被害率を基礎にしまして四年ごとに改定をされておりまして、昭和五十二年がその改定期に当たっておりまして改定をいたしたわけでございますが、今回の掛金率の改定につきましては、昭和五十一年産の果樹の被害実績が完全にまとまっておりませんでしたので、昭和三十八年産から昭和五十年産までの被害率を基礎として算定をいたしておりますから、したがいまして、昨年の災害による影響は今回の料率には反映されてないということでございまして、改定の料率は現行に比べてそれほど上がっておるわけではございません。 そういうわけでございますので、私たちとしましては、抽象的な平年反収ということではございませんで、過去五ヵ年ないしあるいは七ヵ年内の中庸年をベースにしました収穫量ということで試料にいたしておるわけでございます。
○相沢武彦君 そうしますと、昨年の腐乱病による収穫減、この分は算定の中には入ってないんですね。
○政府委員(今村宣夫君) 織り込まれておりません。
○相沢武彦君 共済金の掛金の問題なんですけれども、歴史の浅い共済制度でなじみの薄い点もありますけれども、生産者にとるとどうも掛金が高いという不満の声が大きいようでありまして、もう少し制度内容を改善して農家負担を軽くする方向はとれないのかと思うんですが、この点はどうでございましょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 果樹の共済掛金率の国庫補助は五〇%補助をいたしております。米の六〇%に比べれば低うございますけれども、しかし、半分は国庫が補助をいたしておるわけでございます。共済金額はいろいろ高うございますもんですから、したがいまして、掛金そのものはそう高くはありませんけれども、掛金をします絶対額はやっぱり大きくなるもんですから、そういう点で掛金が高いというふうな感じを農家の方が持たれるんではないか。あるいはまたお説のとおり、制度が発足してまだなかなかなじみがたいということもございますと思いますが、私たちとしましては、現在の制度の仕組みなり、あるいはまた、災害が起きましたときの共済金の支払いがどの程度受けられるかということを十分農家の方々に説明をいたしまして、できるだけたくさん加入をしていただくというふうな、そういう制度の推進の努力を重ねてまいりたいと思っておる次第でございます。
○相沢武彦君 国内生産の果樹、いろいろあるわけですが、ブドウ、ナシ、リンゴ、桃、サクランボとか、こういう中にあって、リンゴの今後消費需要というものの動向ですね、これをどのように園芸局としてはとらえておるのですか。大体のところで結構です。
○政府委員(堀川春彦君) 私どもは、六十年の長期需要見通しで、将来リンゴにつきましては百二十四万トンぐらいの需要があろうというふうに見ておるわけでございます。内容的に、いま非常に消費動向が高級化の傾向にありますので、樹種の転換、そういうことを進めながら、消費動向に合うような生産を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 せっかく長谷川大臣いらっしゃいますんでお伺いしますけれども、国内生産果樹の中で、長谷川さんの場合は果物では何がお好みでございますか。御自分の好みです。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私はリンゴを食べますがね、一番好きですが、その次はカキですな。
○相沢武彦君 ちょうどいらっしゃった大臣が、国内生産の果樹の中ではリンゴが一番お好きだと聞いて心強く思ったんですけれども、先ほど戸塚委員の方からは、昼食の後にはお茶が必要だろうというようなお話がありました。リンゴもビタミンCは含有量が多いわけですし、戦後の廃墟の中から、われわれはあのリンゴ娘というような、「リンゴの歌」で日本復活への明るい希望を持つ一つの端緒にもなったわけでありまして、今後の消費動向に合わせて、それぞれ生産者の方もいろいろ御苦労され、工夫をされているわけでありますが、非常に零細規模の農家が多くて、ちょっとしたこういった冷害等の被害で、大きく経営の基礎が狂わせられる非常に現在困った状態にありますので、いろいろ事務当局からの御答弁ありましたけれども、ひとつ大臣もこのリンゴ生産農家に対する関心を向けられて、ぜひその対策が実効あるように実施されますように、側面からの御努力をいただきたい。 この際に、大臣の決意を承って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 果実全体、特にリンゴの被害の大きかったということ、こういう点については、いまどのくらいの量になるんだろうかということ、はっきりまだしておりませんけれども、早急に調査をさせておるところでございまして、できる限り御協力申し上げていきたい、こういうふうに考えております。
○主査(坂野重信君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ―――――・――――― 午後一時四十二分開会
○主査(坂野重信君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 先刻、相沢武彦君が委員を辞任され、その補欠として内田善利君が選任されました。 ―――――――――――――
○主査(坂野重信君) 休憩前に引き続き、農林省所管を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小笠原貞子君 去る四月十二日、農林省の統計情報部より、この十二月よりの降雪及び低温による農作物被害というものの状況が把握されて発表されております。そこに書かれているように、総額は四百八十二億、約五百億に迫るという大きな被害になっておりますし、その中で特に果樹の被害が大きく、総被害の六三%になっていると、こういうふうにまとめられているわけです。北海道におきましても御多分に漏れずこの果樹の被害が非常に大きく出ているわけです。北海道の果樹といいましても、特にリンゴでございます。私の手元にそのリンゴ産地江部乙を抱えております北海道滝川市議会からの「果樹の凍害対策等に関する要望意見書」というものが送られてまいりました。そして、それを見ましたところ、この滝川においても、「気温調査の結果は今年一月から二月上旬にかけて零下二十度C以下の日が十三日、零下二十五度C以下の日が四日間あり、このうち最低気温は零下二十八・八度Cを記録し、しかも連続的な状態であったため比較的寒冷には強いと言われていたりんご、なし等の果樹は限界気温を超えていることから凍害を受け、関係技術員による現地調査の結果では樹体組織において明らかに褐変状況が見受けられ、著しい被害を受けているとの判定がなされ、本年度における一大減収が予想されるばかりでなく、これが回復するまでには数年を要することなど」が報告されて、非常にこの対策について苦慮しているというわけでございます。 こういう状態で、具体的に時間がないからお伺いするわけですけれども、まあ近々、二十日ですか、災害融資発動ということが言われておりますけれども、この中で、このような北海道リンゴ被害についてどのような被害を認定して適用されていくのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 北日本を中心にリンゴの凍害がたくさんございまして、本当にお気の毒だと思っております。このための対策としては、天災融資法あるいはまた激甚災害法の早期発動の準備をただいま懸命に進めております。そのほか自作農維持資金についても必要な融資枠の設定等の処置を検討しているところであります。なお、これにもし苗木というような点に触れる場合があるとするならば、これらの苗木の確保についても必要があれば検討を加えてもらいたいと、こういうようなことで、いま鋭意全体がどのくらいのものかということについての調べをしているところでございます。もうなるべく早く、一刻も早くこの問題の解決に当たりたいと、こう考えております。
○小笠原貞子君 確かにそういう方向で御検討いただいておりますんですけれども、具体的にその問題についてお伺いしたいんですけれども、貸出期間の延長、普通五ヵ月になっておりますけれども、この延長を考慮していただくという点についてはどうか。それから被害については、収穫時期でなくともいまの段階でもう――ここにその芽のところをこの間調査に入って持ってきたわけなんですけれども、もういまの段階で調べて――切ってありますけれども、調べた段階で、この芽では花は咲くことは咲くけれども、すぐに落っこってしまうと、だから実になるのはとても望めないというような調査の結果が出ているわけなんです。それで、先ほど言いましたように、いまの段階でもうすでに減収ということが予測されるということでありますので、被害について収穫時期でなくて現段階で査定するということを考えていただけないのか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 天災融資法の発動につきましての方針は、ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、天災融資法に定めております被害農業者といいますのは、平年収穫量を一〇〇にいたしまして減収量が三〇以上で、かつ平年の農業総収入を一〇〇といたしまして損失額が一〇以上であるというふうに規定いたしております。そのほか特別被害農林漁業者の要件も規定をいたしておりますが、そういうふうな被害農林漁業者の資金需要を鋭意調査をいたしております。それを各都道府県から積み上げましたものにつきまして、私たちとしましてはできる限り地元の要望に沿うという方針のもとに天災融資法の貸付枠を決定をいたしたいと思っておりますが、そういう貸付額の決定をいたしますならば、直ちに農家の申し込みに応じまして天災資金の融通をいたすということに相なるわけでございます。その場合に、被害農林漁業者が昨年も被害を受け、ことしもまた被害を受けたというふうな重複して被害を受ける場合がございます。その場合は御存じのとおりそれぞれの天災ごとに資金をお貸しするわけでございますから、昨年の被害を受けている、まだ償還残高が残っておる農家に対しても同じように、今年の被害につきまして、一般天災の場合は個人が八十万で法人が百万円と、それから政令資金につきましては二百万、一千万というふうな貸し付けをいたすわけでございます。 なおまた、激甚災が発動されますが、同時に発動される予定でございますが、そうすれば激甚災につきましての二十万以上の上積みがなされる。それから重複被害者につきましても、個人にあっては重複被害者については四十万円、法人にあっては二百万円という上積みがなされる、そういう形での天災資金の融通が行われることに相なるわけでございます。 それからもう一つの、そういうふうに天災資金をお貸ししましたけれども、いろいろ農家の方で償還ができないということがございますならば、それは公庫資金につきまてしも、それぞれ償還の事情を考慮をいたしまして償還延期の措置を講ずることにいたしますけれども、先ほども申し上げましたように、重複被害者につきましてはそういう償還ということも考慮いたしまして、その追加といいますか、上積みをいたすわけでございますので、そう天災融資資金の償還には困難を生ずるようなことはないのではないか。むしろ問題は、公庫資金でございましょうから、公庫資金につきましてはそういう償還猶予等の措置につきまして十分配慮をしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○小笠原貞子君 時間がないので、私の質問をよく聞いてお答えをいただきたいんです。いま枠だとか償還なんというのは、この次に聞く準備しているんです。それを先にお答えになって、私の肝心の質問に答えていらっしゃらないわけなんですよ。 だから、私が聞きましたのは、貸出期間が普通五ヵ月になっているけれども、これの延長ということを考えていらっしゃるか。いただけるだろうと思うんですけれども、この点がどうかということと、それから被害時期、収穫時期ではなくて、現段階で査定するという問題を私は聞いたわけなんです。いまのお答えは次に聞こうと思っていたことなんです。いまの問題についてお答えいただきたい。――時間、ダブっちゃうのはこれどうなんですか、後で延ばしていただけるんですか。
○主査(坂野重信君) 農林経済局長、時間がありませんから簡潔に御答弁願います。
○政府委員(今村宣夫君) 先走って御答弁申し上げてまことに恐縮です。 貸出期間は十ヵ月でございます。
○小笠原貞子君 五ヵ月じゃないんですね。
○政府委員(今村宣夫君) はい、十ヵ月でございます。
○小笠原貞子君 そうですか。じゃ、それは貸出期間は十ヵ月と。収穫時期でなくても、いまの段階で査定するという問題についてはどうですか。
○政府委員(今村宣夫君) 結構でございます。
○小笠原貞子君 それでは、いま言いましたように、ことしは花が咲いても実はならないと、そして来年も実はならないと。もうこの要望書にもありますように、いろいろ技術的に調べたら数年はかかるだろうと言われている。そうすると、来年度以降予想される減収分については樹体被害として査定していただけるのかどうか。
○政府委員(今村宣夫君) 今後どういうふうになりますかということにつきましては、なかなか被害がわからないわけでございますから、現時点で樹体被害その他の統計情報部で査定をいたしましたそういう被害額をベースにして融資をすることに相なろうかと思います。
○小笠原貞子君 先ほど、先にお答えをいただいたわけですけれども、自作農維持資金については、残っていなくても、今回のような特別の天災融資法が発動されるようなときには特別の枠を設定して、資金枠がもうすでにないというようなところもその枠をふやして貸していただけるというふうに承ってよろしいですか。
○政府委員(今村宣夫君) 自作農資金の限度額はその限度まででございますから、そこまでになりますれば借りられないわけでございますが、天災融資法につきましては先ほど申し上げました重複被害者につきまして四十万、二百万と、こういうふうな限度が上積みになるわけでございます。
○小笠原貞子君 じゃ、自作農維持資金というのを特別枠でふやすというようなことは考えていただけないわけですか。
○政府委員(今村宣夫君) それはそのようなことには相なっておりませんが、大体被害を受けました農家を見てみましても、特にリンゴその他のような果樹農家につきましては、自作農資金をそれほど借りてない状況でございますから、現在の限度で十分処置ができるというふうに考えております。
○小笠原貞子君 そういうふうにお思いになっていらっしゃると思いますけれども、いっぱい借りて借りられないというときには、配慮して枠を広げていただけるというふうに解釈していいですか、検討していただくか。
○政府委員(今村宣夫君) 現在の公庫資金の災害の枠の限度額は相当引き上げておりますから、まずまずそういうことは私たちはないと思っておりますが、別に大体天災融資法の全体の資金枠ですね、全体の資金枠を確保されれば天災資金と自作農資金との両方の運用に相まちまして処置ができるというふうに考えておるわけでございます。
○小笠原貞子君 並行線なんですけど、そちらでは大体やっていけそうだというふうにお思いになっていらっしゃる。私の方はこの間調査に入りまして、やっぱり枠を広げてもらわなければ借りるということがむずかしいというような場合について伺っているわけなんです。
○政府委員(今村宣夫君) 具体的にそのような事態で自作農資金が限度が足りないから借りられないということは、それほど私たちは聞いておるわけではございませんけれども、もしそういうケースが非常にたくさんあるということであれば、その点は検討いたさなければならないと思いますが、現段階では先ほど申し上げましたように自作農資金の現在の借入限度と、それから天災資金の融通と両方を適当に活用することによって処理ができるというふうに考えておるわけでございます。
○小笠原貞子君 考えていかなければならないがと、相当たくさんあった場合といまおっしゃったけれども、相当たくさんまとまらなければ検討していただけないんですか。そういう農家が何戸かあればそこでまた検討するというふうに、余裕を持って運営して、検討していただけるんですか。
○政府委員(今村宣夫君) そういう農家がどの程度の規模で存在するかということの問題でございますが、私たちは現在、県にそういうことを照会をいたしておる段階では、それほど大きな希望としては出てきておるというふうには承知をいたしておりません。
○小笠原貞子君 それじゃ、次の問題なんですけれども、この間調査に入りましたら、山田さんという老夫婦の方だったんですけれども、このリンゴ農家でも老夫婦で一生懸命リンゴを守っていると、がんばっていらっしゃるところがあるわけなんです。その方たちが心配していらっしゃるのは、自作農維持資金については六十歳を超えているために資金の借り受けということがだめだと言われたこともあると、そういうことで大変お年寄りが心配していらしたと。そうすると、年寄りはもう農業やめろと、リンゴを守ろうと思っても年寄りだから貸してくれないというんだったら、もう年齢制限というものでやめていけという方針なのか。災害資金についてもこういう、ような年齢制限というようなものがあるのかどうか、その点いかがでございますか。
○政府委員(今村宣夫君) そのような年齢制限はございません。
○小笠原貞子君 それから先ほども要望意見書の中にございましたけれども、昨年あたり大変腐乱病というのが大きな被害を出しまして、昨年は単年度として緊急防除費が余っていたからといって、たまたまつけていただいたわけなんですけれども、その樹体の腐乱病というのは決してよくなっていない。そして特に凍害の、寒さによって凍ったことによって木そのものが非常に弱っているというようなことから腐乱病というのが誘発されるという心配が非常に今度出てきているわけなんです。いままででも大変なのに、弱った木で腐乱病が出るということになると大変だと、去年緊急防除費からつけていただいて、額は本当にお願いした額に比べては大変少なかったけれども、やっぱりそこまで農林省考えてくだすったということでリンゴ農家は非常に喜んでいたわけなんですね。ことしも引き続いてやっぱり凍害によって誘発されるという心配のある腐乱病だから、ことしもやっぱりこの防除について、要求としては二分の一以上の助成措置というふうな数で出ておりますけれども、これにはこだわりませんけれども、ことしもまた、腐乱病というのは去年で解決してないんだから、またことしもめんどう見てやりたいというふうなお気持ちがあるか、御検討いただけるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 腐乱病対策でございますけれども、昨年やりましたのは、一つは腐乱病の蔓延防止、もう一つは、腐乱病の防止技術につきまして青森の試験場等で新たな方法が開発されましたものですから、そういうものの普及を図るという趣旨で、濃密に奨励的な措置を講ずる考えであるという二つの考え方に立ちまして助成が行われたわけでございます。先生御指摘のように、本年の寒害によりまして、枝に入り口がついておるとか、その他全体が弱っておるとか、腐乱病が出やすい条件にあることは私どもも考えておりますが、昨年の助成は先ほど申し上げましたようか趣旨での助成でございますが、したがいまして、災害対策ないしその関連対策という形での国庫財政支出を直ちに現段階で予定をしてはおりません。
○小笠原貞子君 確かにそういうふうにお答えになるだろうとは思ったわけなんですけれども、やっぱり弱り目にたたり目で、弱っている木に凍害で非常にまた影響を受けるというような、この凍害による今年度の特殊な事情というものを考えて、そして、いまはそうであっても、今後検討するという課題として見ていただけるかどうか。再度、今後の問題として御検討いただけるかどうか、伺わせていただきます。
○政府委員(堀川春彦君) まあ今後のリンゴ腐乱病の発生状況の推移等を見ながら、その問題は検討をしてみたいと思っております。
○小笠原貞子君 大臣も具体的に腐乱病だとか何だとか出てきたからお答えいただけなかったと思いますけれども、リンゴ農家というのは、リンゴの花が咲くころなんて非常に詩的ですけれども、実際に具体的な労働条件というのは非常に厳しいわけなんです。この間予算委員会のときにも私お話をいたしましたけれども、労働時間が一日十時間というような労働時間で三千七百四十時間、年間働いていると。その腐乱病というのが、いろいろ対策を立てていただいたけれども、決してこれが改善されて木が健康に戻っていっているというふうには見られないわけなんですね。そこで相変わらずやらなければならない。 特に、その農事日記につけていらっしゃる方、具体的に詳しく記録していらっしゃった。そしてその農家の方たちが集まった中で伺ってみると、二千本の木を四、五回削っていかなければならないわけなんですね。というのは、一日にすると平均五、六本というふうに削らなけりゃならない。単に皮を削るだけではなくて樹体まで削るというんだから非常な腕に労働がかかってきまして、もう痛いのはあたりまえだと、そして骨が変形するまでになっていても、これは農家だからしようがないんだというところでがんばっていらっしゃるわけです。その時期というのが二月の初旬ですから、北海道においても零下二十度、三十度近くというような非常に極寒の中の作業だということなんですね。しかも、ことし、また来年もやらなければならないんだけれども、先ほど枝を差し上げましたように、花は咲いても来年も実がならない。じゃあ、もうほかの植物だったら、ことしはだめだから植えかえてというふうな簡単にできるけれども、ことしもだめ、来年もだめということがわかりながら、なおかつその苦労な労働をしながら木を守っていかなければならないというようなそういう実態にあるわけでございますので、その点を十分御配慮の上、いま私が要望申しました点について、その人たちの立場に立って御検討いただくように努力していただきたいということを、ぜひ大臣のお言葉からもいただきたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) その腐乱病の実態、また病気の今後の発生状態、その状態を見ながらもう少し検討をしてみて、そして万全を期した方がいいんじゃないかというふうに考えております。いずれにしても、そういう状態を見ながら十分検討を加えてまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 それじゃ、十分具体的にそういう報告は来ていない、そうではないらしいなどという見方でなくて、具体的な実際を御調査いただいて御検討いただくということを重ねてお願いをして、岩内の原発の問題についてお伺いしたいと思います。 御承知のように、二百海里漁業専管水域の設定と宣言によって、わが国の漁業というのはもう非常に深刻な状態、漁業だけではなくて関連産業に大きな状態を、深刻な状態を生み出しているというのは御承知のとおりでございます。これは漁民だとか、関連漁業者だとかいうのではなくて、国民が摂取する動物性たん白質の半分以上というような状態から考えますと、何としても重大な国民的な問題として考えていかなければならない。そうしますと、二百海里で相当削減されてくるということからしても、いままでも当然しておかなければならなかったことだけれども、資源保護ということを非常に大事にしてもらわなければならないし、また沿岸沖合い漁業というものを重視して、そして積極的な多面的な振興政策というものに力を入れていただかなければならないわけなんですけれども、そういう意味から岩内郡漁協といいましょうか、岩内町、泊、盃、神恵内、あの辺の漁場というものを一体国民のたん白を確保するというような立場から本当に大事なところと見ていらっしゃるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐々木輝夫君) いまお話がありました岩内地区を中心にしましたいわゆる南後志地区の漁業状況でございますけれども、大体漁獲量では年間、後志支庁全体で五万トン程度ございます。魚の種類としてはスケトウダラとか、あるいはホッケ、イカ、マスなどの魚が中心でございまして、漁業としてはイカ釣り漁業とか、刺し網、小型定置それから採貝、採草のほかに、最近数年の間に養殖漁業としてホタテ貝なり、ノリ、コンブ、ワカメ、こういったようなものがかなり生産が伸びてきております。全体といたしまして、数量だけからいって全国ベースで見てその評価がどうかと言われますと、ちょっと評価は一概に申し上げかねるところもございますけれども、北海道の中でやはり沿岸漁業地帯の一つとして重要なところであるというふうに考えております。
○小笠原貞子君 いまいろいろおっしゃいまして、確かにそうだと思いますけれども、この岩内というのが、いま問題になっておりますあのスケトウダラの魚種というものが非常に大きな役割りを占めておりますし、このスケトウダラの産卵場の南限になって非常に大事な場所だということですね。それから明治三十六年にここでスケトウダラ漁業というものが行われて、非常に大きな役割りを果たしている。四十九年の漁獲量でも神恵内、泊、岩内、寿都で一万四千トンの水揚げをしているというような状態なんですね。そして御承知のように、いまこの二百海里問題に直面して増養殖事業というものを非常に重視していかなければならない。いまもお話しになりましたように、増養殖事業としてアワビ種苗の放流、コンブ種苗の育成、ホタテ、ホッキ、ワカメというようなものの養殖をやっているわけなんです。あれは噴火湾なんかと違って外海になっておりますけれども、非常に努力いたしまして、アワビの種苗放流というのはこれはもう最初に成功しておりますし、ホタテももう目途がついたと。これはいま二百海里問題にとってはここが非常に大事だということは当然私は考えられると思うのですけれども、大臣、これはむずかしいことじゃないんですけれども、こういう漁場というものを大事にしたいと、しなければならないと、農林省の立場でお考えになっていただけると思うのですけれども、一言で結構でございます。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説のとおり、二百海里時代を迎えまして、漁場の必要性というものはますます強まってきている。国際的な制約の中で何としても必要であるということだけは、お説のとおりでございます。
○小笠原貞子君 そういうようなところに、御承知のように北海道電力が四十三年十一月十二日に共和、泊原子力発電所を設置するということを発表したわけなんです。これは四十三年十一月に発表したんです。北海道としては四十二年に浜益村、四十三年十一月に島牧、泊両村の現地調査を始めたばかりのときなんですね。始めたばかりのときに北電としてはここがいいのだというふうに発表しているわけです。その当時札幌の通産局長も、調査がまだ始まったばかりの現在、特定地点が好ましいという発言はおかしいと、共和村が右力候補に挙げているという理由には、近くに機材の荷揚げができる港があるということを言っていますけれども、付近に港を持っているという地はほかにもあって、必ずしも共和村に限られていないと、国が道に委託して調査している浜益村など三ヵ所の選定には北電も加わって決めているのに、北電が独自で調査している、ここがいいんだといって、ここにつくるのだというのはどうも解せないと言われているわけです。北電に抗議もしてしております。そして北海道商工部工業課長も、全体の調査が終わっていない段階だけにちょっと理解できないと、もし北電が独自で建設地点を決めるなら、道としては協力できなくなるというふうに表明されているというような、四十二年、三年から大変長い、もうずいぶんたちますけれども、その時点からまさに北電が一方的に候補地として決めているということは、漁業資源、いま大臣がお答えになったように、漁業の問題、大事にしなきゃならないという問題が全く考えられないで、北電のペースでずっと進められているという点は明らかになっていると思うわけです。 まず、お伺いしたいんですけれども、そういう中で通産省としては立地調査ということが行われていると思うんですけれども、この立地調査というものの中に、そういう漁業に対する影響というものの調査が含まれているかどうか。一言で結構でございます。含まれているかいないか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(武田康君) 立地調査は二通りございまして、一つは通産省自身がやっているものがございます。通産省自身がやっておりますのは、むしろ全国的にどんなことを考えたらいいかというような感じのわりに簡単なことでございまして、一般的な環境がこうだという情報を集めたりいたしますが、実際やっていますのはボーリングとか地質がどうだとかいうことでございまして、いま御指摘のようなことは入っておりません。ただ、電気事業者自身がやはり発電所が必要だものでございますから立地の観点でいろいろ調べをいたしております。これは周辺環境を汚さないとか、なるべく影響を少なくするというような観点が当然入ってまいりますので、いろんな意味の調査をいたしております。 あと一言、立地調査というと不適切でございますが、私ども現在電源開発調整審議会に――発電所の設置につきまして関係各省と御相談するような場所がそこでございますけれども、それ以前の段階で、俗称環境審査というものを通産省としていたしております。環境審査の中では、陸上もそうでございますし海上もそうでございますが、周辺の環境がどんなものになっているかというのを会社に調べさせまして、物によりますと私ども自身がクロスチェックをいたしましてチェックをしておりますが、その環境審査の過程では、先生御指摘のような漁場がどうとか、あるいは海床がどうというような問題を私ども調べる対象にいたしております。
○小笠原貞子君 通産省としては、そこまで踏み入って漁業の調査というようなことまで十分できてないというふうに私は考えられるし、そう思うわけなんです。農林省として、いま先ほどおっしゃったようにこれは大事なんだと、特に水産資源を守る、ここの漁場、スケトウダラといろいろ私出しましたけれども、そういう意味において、農林省としてこの問題について水産業に対する影響というものを調査なすったかどうか。いつの時点でなすったか。時間がないので、なすったかどうかというようなこと。
○政府委員(佐々木輝夫君) 端的にいまの御質問に答えますと、水産庁自身がここの岩内の地区についての調査はやっておりません。しかし、調査のやり方その他についての指導はいたしております。それからまた、通産省の方で指導されてやりました影響調査について、水産側からそれを見て十分であるかどうか、それから影響程度についての評価が正しいかどうか、こういうことも専門家のグループを設けておりましてここで十分検討さして、その意見を電調審等の各省連絡会議では農林省の意見として申し述べております。
○主査(坂野重信君) もうぼつぼつ時間ですから。
○小笠原貞子君 もう時間がないからまとめてお伺いしますので、しっかりと聞いて、とんちんかんでない答えをしていただきたいと思います。――どうも失礼いたしました。 そういう意味で、通産省ペースで北電側はもう積極的にやっているわけですよ。そしてみんなそれに賛成させるために、もうその切り崩し運動というのはひどいものなんですね。これも御承知かと思いますけれども、反対運動を抑えるために、いままで二千名に上る地元住民を原発視察というわけで連れていっているわけです。これ北電丸抱えなんです。一千億円を超えるというもてなし旅行をしています。そしてそこの飲み屋さんにはボトルに北電ボトルというのがあるんですね、これで飲めると。こういうようなこと、これ、挙げたらきりないですけれども、まさに一方的にこれが進められているという中で、この漁業を守るという農林省の立場で、いま言ったように水産庁として独自の調査をしていない、非常に後手後手に回っている。口では大事だとおっしゃりながらこれは非常に手おくれだと、非常に通産ペースでずうっと出されていっている。農林省としての私は姿勢の問題を問いたいと思うんです。農林省として非常に私は残念だと思う。 そのことについてお伺いしたいわけですけれども、たとえばいろいろ指導して調査させているとお答えになりました。北海道水産部でも、四十五年、四十六年の二ヵ年にわたって原発の温排水の水産物への影響について調査しているんです。その結果を見ますと、岩内湾でふ化した、稚魚になったのは二十日から三十日で沖合いへ出ていくんだと、だからそんな大した影響ないと、こう発表しているわけなんです。しかし、あの漁協というのは非常に勉強しておりまして、これはおかしいというので、この発表がなってすぐに翌日、網を入れて調査したんです。そしたら、サケ、スケソウ、アブラコ、ハタハタなど稚魚が約二千五百尾がかかってきたと。北海道中央水産試験場立ち会いのもとで再度網を入れたところが、やっぱりそんな二十日や三十日でばあっと出ていくんじゃなくて、この湾内、この近海に非常に稚魚が残っているということなんですね。これで余市の水産試験場なんかでも、二十日、三十日で沖合いへ出ていくどころじゃないと、百二十日ぐらいはそこで稚魚が暮らしているんだというふうになっているわけなんですね。そうすると、納得のいくような調査というものになっていないわけなんです。そこで、いままでのはもうこれ責任追及しても始まりませんけれども、ここまで問題が出てきている場合に、もう一度農林省として、水産庁としても再調査するという姿勢をお持ちになっていらっしゃるかどうか。再調査しないということになれば、これはもう漁業なんていうのは口で大事だと言いながらほっとくんだいうことになりますね。だからその点です。こういう状況のもとでいままでずるずる問題になってきた、再調査するということを考えていただけるかどうかということを具体的にお答えをいただきたい。大臣にそれはお答えをいただきたいと思います。そしてその結果というのはすぐには出ないだろうと。すぐには出ないけれども、非常に食い違った調査というものが出ている。具体的に発表された翌日網を入れて、さっき言ったように違っているんですね。そうすると、もっと具体的に内容がみんなが納得できるという立場に立っての調査が出るまで、ここを急いで買収したり何かというような切り崩しをしないで、ゆっくりと、いまのこの漁業が問題になっているときですから、これまでしばらく考えるべきだという指導をなさるかどうかというのが第二の問題です。そういう意味で私たちは……
○主査(坂野重信君) 小笠原さん、もう時間が大分経過していますから簡単に願います。
○小笠原貞子君 そういうのを具体的にお伺いさせていただきたいと思います。温排水の問題というのは決してその一部の問題じゃなくて、これは不破さんが予算委員会で質問いたしました。日本じゅうの川の全部流れる流量の半分くらい温排水で出てくるわけですね、昭和六十年、原発、いまの計画でいけば。そうすると、この一部だからいいんだというようなことではなくて、これは非常に日本全体の漁業に対する影響が多いという立場からお考えをいただいて、御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○主査(坂野重信君) 答弁は簡潔に願います。
○政府委員(佐々木輝夫君) 最初の点につきまして、まだ岩内の原発計画は電調審に正式にかかる段階までも至ってないその前の段階でございますので、水産庁自身にはまだ正式にいままでの調査結果の報告がございません。上がってきました段階でただいま御指摘のような点を含めて十分検討したいと、こういうふうに考えます。それからまた一般的に、こういった問題については漁業等そういう他産業との調整問題として、十分慎重な調査とそれから考慮を払った上で計画を考える必要があるというふうな態度で従来から水産庁は対応しております。
○主査(坂野重信君) 以上をもちまして農林省所管に対する質疑は終了いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(坂野重信君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○主査(坂野重信君) 昭和五十二年度総予算中、国土庁及び建設省所管を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○瀬谷英行君 建設省と国土庁と両方にかかわりのある問題について質問したいと思うんでありますが、まず、地価の問題とそれから住宅問題について質問したいと思うんです。 公団住宅の家賃がうんと高くなった、場所によっては入り手がなくなってしまった、公団も大変に困っておると、こういう記事が新聞にも出ておったんでありますが、何で公団住宅の家賃がそう高くなるのかというと、これは土地価格の問題と大いに関連があるんじゃないのかというふうに思われるんです。そこで、この地価の問題と住宅問題、一体地価が上がり、あるいは住宅公団の家賃が上がる、あるいは家を建てる費用そのものが途方もなく上がるといった原因はどこにあるのか。根本の問題にメスを入れるにはどうしたらいいと考えておられるのか。政府の見解をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますとおり、最近公団の家賃が非常に高くなっておりまして方々に御迷惑かけております。ただ、公団住宅の家賃構成の内訳を見ますと、用地費に関係します部分はいわゆる地代相当額、土地代に対する利子でございます。それと土地にかかわる公租公課でございまして、家賃に占める割合は全体の約二三%ということになっております。一方、工事費に関係します部分は償却費、修繕費、建物にかかわる公租公課等でございまして、全体の家賃の七二%を占めております。その他管理費等がついたものが公団の家賃構成ということになっております。したがいまして、一般的には工事費と用地費とどっちが影響が多いかということになりますと、やはり七二%を占める工事費の増大の方がウエートは高いということは言えるわけでございます。しかし、やはり地価が安いということは何よりも望ましいことでございまして、地価の安いところで立地をする、もしくは地価を安くするような施策を講ずるということは今後の公団家賃の値下げに通ずることでございます。 ただ、もう一つ公団の家賃につきまして問題がございますのは、やはり原価主義というのをとっております。もちろん利子つきの金に対しまして利子補給金も入っておるわけでございますけれども、全体の構成の基本は、原価を七十年で償却するというふうなスタイルが基本になっております。したがいまして、そういうものにつきまして、今後抜本的な家賃体系等について検討をしなければ本当の家賃の値下げには通じないだろうというような考え方で、現在、住宅宅地審議会というのが建設省にございますけれども、そこで真剣に御討議願っておるということでございます。
○瀬谷英行君 工事費の割合が高いということは、結局公団住宅の建築様式が平家だとか二階家ではないということも大いに関係あるんじゃないかと思うんです。近ごろはだんだん高層建築になってきたでしょう、見上げるような高層建築になっておる。そうすると、エレベーターをつけなけりゃならないというようなことになる。普通の家屋のように平家あるいは二階家だったらエレベーターなんか要らないわけです。そうすると、それらの要因も家賃、特に工事費を上げる。したがって、家賃にはねっ返りが多くなるということになるんじゃないかと思うんですが、その点はどうお考えですか。
○政府委員(山岡一男君) 先生のお話のとおり、五階まではエレベーターつけておりませんが、六階以上はエレベーターをつけております。そのエレベーターをつけるということだけではなくて、高層になりますと基礎に対して相当な増加費が要ります。したがいまして、あながち何でもかんでも高層にするということが好ましくないことはおっしゃるとおりだと思います。最近公団におきましては、土地の値段と、それからその高さと、それに要しますいろんな工事費と、これを比較設計等をいたしまして、大体経済的にできる一番いいところをねらっていこうじゃないかということで設計を考えることにいたしております。ごく最近におきまして、平家建てにつきましては非常に数が少のうございますけれども、まあ三階程度のもの、もしくはタウンハウス形式のもの等につきまして、逐次その普及を図っておるというのが実情でございます。
○瀬谷英行君 まあどちらかと言えば、高層住宅よりは余り高層でない住宅、たとえば庭があって、平家もしくは二階ぐらいを限度とした木造家屋というのが持てれば一番理想的ではないかと思うのです。また、そういう家庭が欲しいという層が多いのじゃないかと思う。ビルディングのような建物の上の方に住まうということは、必ずしも利用者の好みにかなっているものとは思われないと思うのでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(山岡一男君) 国民の皆さんの住宅の需要動向を察するために住宅需要実態調査というのをやっておりますが、それによりますと、やはり持ち家を希望する方が非常に多いわけでございまして、その持ち家希望の中にはやはり戸建ての希望が相当入っておるというふうにわれわれも思っております。ただ、これは日本全国の規模で考えますと、まさにそのとおりだと思いますけれども、大都市の中心部等におきまして、大都市の高度利用を図るべきところにおきまして、いつまでもやはり木造一戸建てということは困難な場合もあるだろうということでございまして、その地域地域の実情に応じたやはり住宅の供給形式を考える必要があるというふうに考えております。
○瀬谷英行君 そこで、大臣どうでしょう、一般の国民は庭のついた家を望んでおるというのです。ところが、入れないから、仕方がないから高層住宅だろうと何だうと入る。マンションや何やらだんだん背が高くなっちゃうということなんですね。そうすると、一般の人たちの要請にこたえるためには、できれば庭つきの一戸建て――家庭というのは家の庭と書くわけですね、だから家庭と言うのです。庭がなければ「庭」抜きの「家」だけになる。これじゃどうも味気ないということになる。やはり家庭を持たせるというためにはどうしたらいいかということになると土地が必要になってくる、その土地を安く提供をするということが一番理想的じゃないかというふうに考えられる。その土地価格が現在べらぼうに高い、だからその土地価格を下げる。それから利用者にはなるべく家庭を与えるような方法を考えるというのが建設行政の責任者としては考えていいことではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(長谷川四郎君) まことにそのとおりで、人間生まれ出て一番の希望は何だと聞くと、どなたでも、いまに自分の屋敷の中に家を建てたいんだ、これは万人の希望でございまして、その希望をなかなか全からしめることができ得ない。そういう事情の中にあって先ほどの高層建築や何かに移行していっておるのでありますが、願わくはぜひそうしてやりたい。けれども、土地価格の問題からいくと、なかなかそう簡単にそれができ得ないというのが現在の状態ではないかと思うのでございまして、通勤とかいろいろな問題がこの中に含んでくると、なぜ住宅があいているかというと、調べてみると、やっぱり遠くなったから、遠いからだとか、高いからだとかいうような意見が出てくるのと同じことなんですが、何としても土地の価格、地価の安定、これをすることが一番大切な問題だ、先決問題だと、こういうふうに考えております。
○瀬谷英行君 地価の問題は、所管は今度国土庁だそうですね。住宅の方は建設省、土地の方は今度は国土庁というふうにまたがってしまっているというのですが、どっちでもかまいませんけれども、しかし、住宅問題と土地問題というのは切り離せないですよね。切り離せない。だから、所管が分かれているというのは多少不便な感じがするのですけれども、しかし、地価を下げるということは国民の一番いま求めていることではないかというふうに思われるんです。そこで地価を抑制をする。地価の現状が果たしてどうなっているのか、これを抑制をするためにはどういう策を持っておられるのかというようなことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 昭和五十二年の地価公示が最近公示されましたが、それによりますというと、対前年変動率は御案内のように全体平均で一・五%変動にとどまったわけでございまして、これは物価との相対的な関係から申しますというと、昭和四十六年当初の水準に戻ったと言っていいのでございますから、そういう点から言いますというと、地価は安定的な基調で推移をしていると見て差し支えないと思うのでございます。そこで、最近は投機的な需要というのは確かになくなってきているわけでございますが、私たちは地価を安定させながら、土地の需要あるいは宅地の需要にどうこたえるかということがいま一番私たちに課せられた課題なんでございます。ですから、私たちとしては、ただいまございます国土利用計画法を活用いたしまして地価の安定は十分図ってまいりたい。こう考えておるわけでございますが、宅地になりまするというと、その需要にこたえるということがいま一番の大きい問題になっているわけです、土地の安定は図ることはできますけれども。ですから、オイルショック以来の狂乱的な地価というものはいま抑えることはできました。それで安定的な基調を保つことができているわけですが、そういたしますというと、宅地の供給というものは非常に困難になってくるということに大きな宅地問題の焦点があるわけでございますので、これについては私たちも建設大臣とも御相談の上この対策を考えてまいらなければならない、こう考えていますが、地価の安定については国土利用計画法によって十分対策を考えてまいりたい、こう考えております。
○瀬谷英行君 安定的基調で四十六年当初に戻ったということなんですが、それは今日不況で、不況のところへもってきて地価そのものが上がり過ぎてしまった、高ねの花になっちまった、だから手が届かないということではないかと思うんです。これが下がったからといって、じゃ平均的サラリーマンが簡単に土地が買える状態にあるかというと、そうはいかないでしょう。それはむしろ戦前より悪いんじゃないでしょうか。戦前――これはまさに伝説になってしまったけれども、戦前は三十年も四十年も勤続をして、勤め上げて退職金でもって家を買うということはむずかしくなかったというふうに伝えられておるんです。ところが、今日は三十年勤めようが四十年勤めようが退職金でもって土地を買って家を建てるということはきわめてむずかしいという状態ではなかろうかと思うんです。そうすると、その土地を買うこと、家を買うということは一番割り高になっているという現状は否定できないと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(松本作衛君) 先生のお話のように、戦前と比べました地価といわゆる給与水準というものの関係は、やはり戦前に比べまして現状の方が大分悪くなっておるということは否定できないというふうに考えております。
○瀬谷英行君 そこで、一体根本的にはどうしたらいいかということなんですよ、これは。これは小手先細工で何とかなるという問題ではなかろうという気がいたします。まさにこれは政治の問題なんです。 そこで、首都移転といったような問題があるわけですね。首都移転問題懇談会というのがありまして、私もそれに出席をしたことがあります。これには自民党から野党の各党も参加をしておりますが、ここで論ぜられております問題は、いろいろな観点もあるでしょうけれども、東京がまさに過密状態になってきておる。したがって、この東京を何とかしなきゃなるまい。そうすると、首都移転をした方がいいんじゃないか、こういう問題が出てくるわけです。確かに東京の人口は多過ぎると思うのです。ここに一千万以上の人口が集中している。私のところは埼玉県なんですけれども、埼玉県も人口がふえてきて最近は五百万を突破した。何で埼玉県の人口がふえたかというと、東京に入り切れないその人口があふれてきたわけです。千葉県、神奈川県、東京周辺の県はみんなそうです。コップからこぼれた水が両わきに流れたようなかっこうで埼玉県の人口も五百万を超えている。そうしますと、人口密度からいうと埼玉県の人口は北海道の人口と同じなんですね。北海道と同じ人口だけれども、面積は埼玉県の二十倍ですよ、北海道は。だから、これをわかりやすく言えば、北海道の人が二十畳敷きの座敷に一人で住んでいると仮定をすると、埼玉県の場合は二十畳敷きの座敷に二十人入っていることになる。東京都の場合は二十畳敷きの座敷に五、六十人住んでいるということになる。だから、こういう人口密度のアンバランスというのが出てきている。人口密度のアンバランスが出てくると、これが選挙の定数の問題にもいろいろとひっかかってくるわけです。今日選挙の定数は大変問題になっておる、御存じのとおりだと思う。したがって、選挙の定数の問題もさることながら、こういう人口のアンバランスというものを解決をするためにも、東京なら東京に人口が集中し過ぎてしまったという問題は解決する必要があるのじゃないかという気がするのですがね。 そこで、どこに移転をするがいいのかということは別としても、首都移転あるいは首都の機能というものを分散をさせる、いずれかの方法をとる必要があるのではないかということは為政者として当然考えなきゃならぬことではないかと思うのでありますが、国土庁長官の所管事項でもあろうかと思いますが、どのようにお考えになっておるかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 土地の根本的な解決策は、先生御案内のようにやはり首都圏の整備というものが一番の基本だと思うのです。最近の宅地のシンポジウムをいろいろ私も読ましていただいておりますが、国土計画法を改正しなさいとか、あるいは土地税制を手直ししなさいとか、いろんな意見がございますけれども、最終的にはやはり過疎過密をなくしなければ個々の土地対策あるいは宅地対策は根本的に解決できませんよという意見が非常に強いので、先生のお話のとおりだと思うのです。 そこで、首都の問題でございますが、先生御案内のように、日本の面積の一〇%よりない三大都市に全人口の四五%が住んでおるわけなんでして、あとの九〇%に半分以上の人口が住んでおるというこういう過疎過密体制を解消しなければならない。そのためにはやっぱり首都圏の整備を図らなければならないという関係から、いま私たちは東京都のいわゆる建物の高層化だとか、あるいは大学の移転だとか、あるいはこれから行われる立川の基地の利用だとか、それからいわゆる学園都市の整備等を図りながら進めてまいっておりますけれども、これだけでは先生御案内のような結論は得られないと思いますので、いずれの首都における機構をある程度よそへ移すということは当然考えなきゃならぬ問題だと思うのです。ただ、首都をよそへ移すということは、これは国民全体の合意を得なければならない問題でございますので、それはただいま直ちに結論を出すわけにまいりませんけれども、首都の機構を他に移すということは当然考えていかなければならない時点だと思います。
○瀬谷英行君 先般の新首都問題懇談会の中で立川の市長が、跡地利用のことでいろいろといま――米軍基地の跡地利用ですね、跡地利用の問題でいろいろと検討をしておるけれども、しかし、首都を立川の方へ移転をする、こういうことであるならば受け入れてもいいといったような意見が表明されたというふうに聞いておるわけなんです。ただ私は、立川が、たまたま米軍基地の跡があくとしても、あそこへじゃ首都機能を持っていくということが首都移転ということにつながるかどうかちょっと疑問がある。これは移転というのは引っ越しですから、よそへ引っ越しをするから移転なんで、同じ家の中で玄関わきの部屋から台所わきの部屋へ移ったってこれは移転の部類に入らないわけです。部屋の中の机の配置がえみたいなものです。それが果たしていわゆる首都移転といったような効果をもたらすかどうか、いささか疑問があるのではないかという気がいたしますが、立川へそのような政府機能を移すといったようなことが、あるいは東京大学を移すといったようなことが果たして当を得ているというふうにお考えになっているかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま先生御指摘のように、首都圏内のいわゆる立川でございますから、東京から三十三キロなんですね。ですから、そういう点からいうと、首都圏内では非常に貴重な存在なんですけれども、だからといって、いろんな機構をあそこへ直ちにすべてを移すことが可能かどうかということになりますというと、先生御指摘のようにいろんな問題があろうと思うんです。ですから、私たちはやはり首都の防災上、防災性の向上というものを考えなきゃいけないでしょうし、あるいはまた首都の機能の適正な配分をどの程度にするかということ、あるいはまた環境保全というものをどの程度に考えるかということで、どの程度まで――ただいま各関係省庁あるいは立川からいろんな要求が出ておるわけでございますが、ただいま申し上げました点から、どの程度のものが立川へ、跡地に移すことができるかということはただいま検討いたしているわけでございますが、そんなに期待するような立川では私はないと、こう考えております。
○瀬谷英行君 私もちょっと立川移転ということではどうってことないんじゃないかという気がするんですよ。やはり首都移転をするというのならば東京都から東京都の外へ持っていくと。たとえば長官の出身の青森あたり、あの辺に持っていくような方法を考えるということでないというと、これは効果ないんじゃないかと思う。青森がいいかどうかは別として、この東京を中心にして考えてみると、東北の方がすべてにおくれていると思うんです。それは気候が寒いということもあるかもしれないけれども、東北一北海道より寒いところは世界じゅうに幾らでもあるんです。そうすると、道路でも鉄道でも東京を境にして東北の方はぐっとおくれていると思うんですよ、これは。だから、東北出身の大臣というのはもっと怒らなきゃいけないと思う。上野から出る汽車と、東京駅から出る汽車じゃ全然違うです、これは。第一、駅の構造からして違う、東京駅と上野駅じゃ。片方が応接間だとすると片方は土間みたいなものです。こういう現実はこれは建設大臣だって同じですよ、あなただって上野駅を利用する方だから。こういう差別があるんです。こういう差別があるんですから、なぜこんな差別をしなきゃならぬか。御一新の戦争のときの恨みがまだ残っているのじゃないかというふうに考えられるくらいなんですけれども、しかし、どっちにしても人口密度の希薄なところへ首都を移転をするといったようなことは考えていいことじゃないかと思うのですね、これは。別に大臣を持ち上げる意味で言っているわけじゃないんだけれども、これはあなたが青森の出身であろうと九州の出身であろうと、日本の現実の人口の分布というものを考えてみたならば、そういう方向を当然考えるのが政治の良心ではないかというふうな気がするんですが、その点はどうですか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 三全総の概案で二十一世紀のビジョン、白書を出してあるわけでございますが、それによりますと、やはり食糧、エネルギーあるいは水資源の関係からいって、それから人口動態等から見て、東北、北海道というのは二十一世紀の未来を持つ地域だというものでございますから、そういう点からいうと、先生お話しのように青森県へ日本の中心を持つということは非常に私も賛成です。ですが、現実に物を考えますというと、必ずしもそういうようにはまいらぬと思いますので、私はたとえば農林省を仙台へ持っていくとか、それから建設省――建設省はちょっと失礼でございますが、通産省を大阪へ持っていくとか、そういう形で地域性を生かした行政機構というものを分離することは可能だと思うんです、そういうこと。あるいはまた、学校の機構にいたしましても、昔は農業を学ぼうとすれば北海道大学へ入ったんです。それから哲学でも、京都学派の哲学を学ぼうとすれば東京大学よりも京都大学へお入りになった方が非常に多いわけですから、また高等商業だとか高等農林等がございまして、高等商業は小樽高商あるいは福島高商等でそれぞれ経済人をつくったんですね。それから高等農林では農業人をつくったわけでございますから、最近のように地方大学がミニ東大式になっちゃったもんですから、エリートは全部東大でなきゃならないと、こういうことで東京が過密化しておるのでございますから、そういう点も含めて地方的ないわゆる地方の特性を生かしたこれからの国土計画というものを立てなければならないということで、ただいま三全総の作業を進めておるわけでございますが、できるだけ先生のただいまの御意見をも入れて今後そういう国土計画を立ててまいりたい、こう考えております。
○瀬谷英行君 建設大臣にもちょっと見解を承りたいと思ったのですがね。いまも申し上げたように道路でも鉄道でも東北はおくれていますよ。関越自動車道路だってまだ群馬県まで届いてないでしょう。上越新幹線だって、総理大臣が出たって新幹線の方はまだ届きゃしない、こういう状態ですよ。結局こういう問題がいろいろな問題を生んでいるわけですね。人口が偏ってくると、ともかく通勤も大変だし、通学も大変だし、学校の数も足りないし、住宅も足りないし、住宅が足りないということはますます地価を上げるということになるし、悪循環が悪循環を生むわけです。だから、この地価を下げるためにどうしたらいいかという、ばんそうこうを張るようなことを考えるよりも、いっそのこと東京から首都機能を移転してしまうということをやれば東京の地価はがたっと下がるじゃないのか。これはいい例じゃないけれども、終戦の前の空襲が激しくなったころは東京はみんな疎開をしてしまって、どんどん空き地も空き家もできたということがあったわけです。だから、この首都移転ということは確かに大問題には違いない。しかし、だからといって、これは東京が絶対的なものだと考える必要はないと思うんです。東京に天皇陛下が住んでいるといったってこれは百年前のことなんで、それ以前は別だったんですからね。だから、ここに政府がなきゃいけない、宮城がなきゃいけないという理由はないんです、これは。あるいは外国の大公使館がなきゃいけない、こういう理由もないわけです。だから、首都移転をするということはもう少し、むずかしく考えないで、ドライに割り切って、そしていっそのこと、もっと人の少ないところへ、交通の不便なところへ持っていって、不便なところへ持っていきゃ、そこのところは交通の便がよくなりますわ、いやおうなしに。人の少ないところも人がふえてきます。だけど、それ、やみくもにやるわけにいかないんだから、やはり政府として責任を持って調査をして、そしてそれに真剣に取り組むべきではないかという気がするんです。 私の記憶によれば、河野一郎建設大臣がおったころに首都移転の構想というものを発表された記憶がある。ところが、それ以後、話が大き過ぎるせいかどうかしらぬけれども、余りこの問題ははかばかしく進展してないような気がいたします。国土庁の方に話が移っているのか、建設省として縁がなくなったのかという点はよくわかりませんけれども、これは建設大臣からも、この首都移転の構想等についてどのように思っておられるのか、これは特に局長の意見をかりなくたって、大臣自身がお答えできることではないかと思うので、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 移転問題につきましては、きょう今日初めての問題ではございませんけれども、なかなか首都移転ということになりますと、わが国の社会経済全体に及ぼす影響というものが非常に大きなものがある。こういうようなたてまえから、なかなか思うように進んではおりませんけれども、今後国土庁の御意見等もございますので、十分国土庁の御意見をお聞きしながらまたその問題に当たってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○瀬谷英行君 何か建設大臣、すっかり国土庁におんぶしてしまったような感じなんですがね。昔は建設大臣の方の所管だと思ってたんですがね、いまはすっかり建設大臣の方は気が楽になったような顔をしていますけれども。しかし、住宅の問題だって、道路の問題だって、河川の問題だって、この種の問題は建設大臣が所管をしているというたてまえに変わりはないわけです。もちろんこれは両方に関連のあることですから、私はやはり首都の機能をそれではさしあたって分散をさせると、東京になくたって済むものは、東京からよそへ移すというくらいのことは思い切ってやってみてもいいんじゃないのかという気がするんです。たとえば大学なんかは東京になくたって勉強できるわけです、先ほどの長官の話のとおり。それならば大学をどんどん移転させると、東京から。大学が東京から姿を消しただけでえらく違ってくると思うんですね。それから東京でなければならないという、そういう役所は別として――それはそれだって東京でなくたって構わないということはあると思うんですけれども、たとえば国会議事堂だって何も東京でなくちゃならぬということはないでしょう。だから、思い切って、じゃ国会議事堂ももっと閑静なところへ移してしまう、ここの議事堂は博物館か何かにしてしまう、こういう方法だって構わないと思う。どうせ全国から集まってくるんですから、国会議員の場合は。それは思い切って考えていいことではないかと思うんでありますけれども、検討の中にそれらの問題を含めて検討していただけませんか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 首都圏の整備の問題については審議会等もございますので、その方々の意見等も聞き、また、ただいま先生の御提案をも十分参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
○瀬谷英行君 それから最近新幹線が凍結解除になったなどと言われておりますけれども、依然としてこれは難問なんですよね。東北新幹線も上越新幹線、成田新幹線、いずれも。そこで、私は考えるのに、新幹線を建設をするのに、いまは一つの線で一兆からの金がかかる、こういうことだから大変だと思いますよ。しかし、道路と新幹線――鉄道というものは、建設をする際にいままで別々にやってきてるんです。ところが、道路の場合は、高速道路を一つつくるには路肩を入れますとやはり幅員四、五十メートルは必要とするわけですね。それだけの幅員を買収をするならば、真ん中に、その分離帯に該当するところに鉄道なりモノレールなりを通す、そして両側に道路を通すということで、道路も鉄道の敷地も一遍に買収してしまう、そういう方法をとれば二重手間が防げる。そういう方法で道路と鉄道の有機的な結合ということを考えていっていいのではないかという気がいたしますが、その辺についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(浅井新一郎君) 先生御指摘のように、道路と鉄道が同時に計画される場合には、これを計画調整して、用地買収とかあるいは工事を円滑に実施するというような考え方は十分考えられるわけでございますが、ただ、それぞれの路線選定の条件が道路と鉄道ではかなり違っておりまして、必ずしも計画調整可能であるというわけにはいかないわけでございまして、まあ端的な説明をいたしますと、たとえば鉄道は、新幹線なんかは駅から駅の間を最も最適条件で直結するという考え方でルートが選ばれるわけでございますが、道路計画の場合にはその間の沿道の土地利用計画とか都市計画、あるいは沿道地域においてその道路が果たすべき役割り等を勘案しながら、比較的緩やかな線形で選ばれるというのが普通でございまして、線形規格につきましても、新幹線は大体最小半径が二千五百メーターぐらいなものでございますが、道路は一番規格の高いものでも七百メートルぐらいのもので、比較的線形が緩やかだというようなことがございます。ただ、部分的には先生の御指摘のようなケースも非常に考えられるわけでございますが、ただ、無理に一緒にすることによって、インターチェンジとかその他それぞれの必要な機能をかえって損なって建設費の増大を招いたり、それから鉄道と道路の間に――いずれ分岐しなきゃならぬわけですが、その間に非常にはさまれて環境問題が起きたりというようないろんな問題がございますので、まあ一応そういうことができる――一般論でございますが、いまの東北新幹線の東京周辺での話が起きましても、全国的な一般論としまして、そういうことができる場合、またそういうことが非常に有利な場合につきましては、できるだけそういう考え方をとっていけるんではないか。ただ、鉄道の場合には必ず市街部ではその外側に側道等を設けることが常識でございますので、まあ新幹線なんかがつくられる場合には、その計画が明らかになった時点で側道計画等これにあわせて計画していくというのは通例のことでございます。
○瀬谷英行君 そういう一般論としてね……
○主査(坂野重信君) もうぼつぼつ時間ですから。
○瀬谷英行君 いまさら東北新幹線と東北自動車道を一緒にやれっていうことを言っているんじゃないですよ。たとえば、現実に新大宮バイパスなんていうのは真ん中が高速道路用だと称してあいてるわけです。高速道路をつくられない、ペンペン草が生えてる。ああいうところはモノレールでも走らしたらいいじゃないかというふうに私は思うんですよ。そういうむだなことはやらずに有機的に使ったらどうかと、できないことをやれなんということを言っちゃいません。できるところがあるにも利用されていないから、そういう点は有機的に使ったらどうかということを言っているんです。それは大臣の方からお答え願います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 現にそういうような考え方の上に立って、千葉県でいまやっている考え方で、そういうような考え方でもっていま進めておるところがございます。いま調査をしているんですが、速やかにそれをやりたいと、こう考えております。また、新大宮バイパスについても、将来中央の分離帯に高架道路をつくって、その中に新道路交通のシステムの導入が必要だと、それにはやっぱりモノレールというようなものは否定していくべきだと、こういうような考え方を持っていま進めておるところでございます。 ―――――――――――――
○主査(坂野重信君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 ただいま小笠原貞子君及び瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君及び赤桐操君が選任されました。 ―――――――――――――
○赤桐操君 いま今日の段階で、都市問題の中心課題の一つは、何といっても交通問題であろうと思います。かつて都市内コミュニケーションを円滑にするために計画された幹線道路等は、今日ではまさに新たに都市の中における汚染された川と化してきているような感がいたします。こうした状態の中で、一たび幹線道路ができ上がりまするというと、これに関連しておりまする各道路というのはいずれもバイパス化してくる。そのバイパスが渋滞してまいりまするというと、これに隣接した道路がまたバイパス化してくる、こういう状態になってきている。いわば都市の道路はオールバイパス化するというおそれがあるわけでありまして、言うなれば幹線道路の新増設にこれらの問題の解決を求めてもこれはやはり限界があると、こういうように考えるわけでありまして、現状のこうした異常な自動車交通量の問題につきましては、根本的にこれを減少させるための対策が今日の大きな課題になってきていると思うんです。こういう状況の中で、いわば過度の集中、集積の中で非常な不利益、不便の問題が発生しておるわけでありますが、その端的なものがこうした道路問題にあらわれておると思いますけれども、現行の今日まで行われてまいりました道路行政、こうしたものもまた一つのこういう状況の中で転換期を迎えていると思いますが、大臣のお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) そういうような、おっしゃるような状態の中にあるので、東京のたとえば外郭環状道路の方につきましても首都圏の調和を図るために必要不可欠な問題でございますので、その認識のもとに昭和四十五年度より東京外郭環状道路の一部をなそうと、こういうような観点から一般国道二百九十八号の事業を進めておるのでございますが、沿道環境対策等について関係自治体及び地元関係の意見を十分聞きつつ事業を進めてきたのでございますけれども、なかなか話を聞いてみ、今日までの経過を聞いてみますると、必ずしも当初の計画どおり事業が進められておらないし、また地元の方々の環境対策等につきましても、かなりのものもこちらでも申し上げておるんでございますけれども、これとても必ずや納得してもらうわけにはいかぬというようなことになっておる。それで、進捗状態としては、いいことではございませんけれども、埼玉県内において昭和四十八年度に一部の工事に着手しております。今後とも関係自治体及び地元関係者と十分調整を図った上に、特に整備を急ぐ区間を中心に事業を進めていこうじゃないかと、なるべくこれに手をつけようじゃないかというような話を、つい最近、ここにおられます局長、次官等ともいろいろこの間話をしたところでございますが、これらを見ましても本当にずいぶん尽くすだけは尽くしておるのですけれども、進捗状態が悪いということはまことに申しわけないことでございますけれども、そういうような状態にあるということだけは申し上げておきたいと存じます。
○赤桐操君 私は、冒頭お伺いしていることは、いろいろ具体的にそういうことでおやりになっていると思いますが、東京外郭環状一号線の問題については具体的にこれから御質問申し上げますが、その前に、従来やってきた、道路をつくれば交通問題は解決するんじゃないかというこの考え方ですね、これは行き詰まりが来ているんじゃないですかと、こういうことをいま私は申し上げているわけなんです。したがって、これからはやはり道路行政というものは根本的に考え方を変えていかなければならないんじゃないか、あるいは交通政策全体との関連の中で、道路行政そのものの再検討の時期に来ているんじゃないか。そういう立場に立っているので、大臣の、まあ道路哲学というのはないかもしれませんが、そうした基本的なお考えというものをこの際お示し願いたい、こういう意味なんですがね。
○国務大臣(長谷川四郎君) 道路行政につきましては、しょっちゅういろいろな意見を承っております。したがって、私はもう道路をただふやしていくというだけじゃなく、考え直したらどうなんだろうと、一たん道路を見直したらどうだろうかと、幾らつくっていこうといっても、これだけのつまり住民の反対、環境等の問題等が出てくる、この中を押し切って昔のようにやるということはとうていできるものじゃないと、どうやって納得してもらうか。であるから、大体現在の道路というものをこれより延長するという考え方よりも、これはもちろん延長していかなきゃならないけれども、特に今後考えなければならないのは、現在の道路をどうやって有効に利用していくかというところ、そして環境と相マッチした道路にしていくかと。よく量より質だという話がございますが、私は量より質というものに転換していくべきではないだろうか、こういう意見もこの間うちは申し上げたんでございますけれども、果たして、私の意見はそういう意見だったけれども、皆さんの意見はどうか、これにはまたいろいろ意見がございましたけれども、そういうふうに私は先日申し上げたところでございます。したがって、一応道路行政全般にわたっていま一たび振り返って、要するに見直すときに入ってはいないかなというようなことを私は申し上げたいと思うのでございいます。
○赤桐操君 そういうことであるとしますると、従来は国道等の巨大建設に当たりましては、これは道路の幅員であるとか、いわゆる通過するところの交通量をどうさばいていくかということが重点であって、とかく論議というものはむしろそういう機能性の問題が先行したと思うんですよ。その後から実はいろいろな環境上の問題であるとか道路交通関係の公害問題と、いうのが発生してくる、こういう順序で出てきたと思うんですね。いま大臣が言われたような考え方でいくなれば、これからは少なくとも後からの問題が先に論議されて、そしてその上に巨大建設の構想がつくり上げられていくということになると思うんですけれども、こういうように承ってよろしいんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、ただそういう縮小政策を行うという意味ではないけれども、きょうこのごろのようにこれほど環境問題等、常に道路が一メーター延びるにしても十メーター延びるにしても、必ずこの環境問題と地元民との紛争みたいなものがしょっちゅうつき合っているという、これはもう毎日毎日の陳情の過程の上に立ってもなかなか容易でない問題だと。しかし、そうするならば、先ほども御意見があったように、こういうその区間、どうしてもこれだけのものがこの交通量必要だというものに至っては、その上にモノレールか何かというようなものでもって、公害のないこういうものの施設を並行して行っていったらどうなんだろう、こういうようなこともこの間うちいろいろ検討を加えたわけでございますけれども、なかなかこれぞいい手だという、これはそれでいこうではないかというところへはいかないけれども、道路行政全体に向かって、もう一度どうやったらばもう少しスムーズにその目的が達せられることができるかというような点について振り返って考えてみる、検討を加える必要があるんだというときに来たんだと、そういう考え方なんでございます。ですから、私どもはただ延長するのがいかないんだと、延ばすんじゃないんだという意味でもないんでございまして、ただ、一応検討してみたらどうだと、もう少し。そういうことなんです。
○赤桐操君 そこで、東京外郭環状一号線、国道二百九十八号でありますが、この道路建設計画について以下お尋ねをしてまいりたいと思います。 略称、外環道路でありますが、これは昭和四十四年の四月に千葉県におきましては都市計画審議会が行われまして、ここで決定を見、外環計画を決定して、同年五月に建設省の告示三千四号をもってなされたわけであります。そしてこの年の十二月に国道二百九十八号線の指定が行われたわけでございまして、この間は埼玉県の戸田市と千葉県の市川市の間、四十一・三キロメートルが指定されているわけでございます。当時の経緯といたしましては、もちろんこれは適法のもとに外環道路の決定がなされたと思うんでありますが、この外環道路建設計画に対する建設省の措置といいましょうか、さらにまた、ひとり外環道路にとどまらないで、これは一般的な問題になりますが、国道決定に至るまでの建設省の地元住民対策等を含む一般的な措置ですね、こういうものについてひとつ詳細伺いたいと思います。
○政府委員(浅井新一郎君) 外郭環状の決定の経緯については、先生ちょっと御指摘になりましたようなとおりでございますが、やや詳しく申し上げますと、外郭環状は、御承知のように首都の東京に集中する交通を適切に分散導入することを主な目的とした東京のまあ最幹線道路ということで、首都の基盤という意識のもとに計画されたものでございますが、これは首都圏の均衡ある整備を図るために不可欠の道路であるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。そういうことで、この道路は昭和三十六年から調査を始めたわけでございます。御指摘のように、四十年から四十四年度にかけまして埼玉県の和光市と多摩川沿いの区間を除きましてすべて都市計画決定が済んでおります。決定済みの延長は八十六キロにわたっておるわけでございますが、昭和四十四年の十二月に東側の区間に相当します四十一・三キロを、御指摘のように一般国道二百九十八号というふうにして路線指定いたしまして、その翌年、昭和四十五年度から建設省の直轄事業として初めて着手されたわけでございます。外郭環状道路は市街地を通過する区間が非常に大部分でございまして、環境対策には万全の配慮を加える方針のもとに、現在まで関係自治体の意見をいろいろ聞きまして種々検討を進めてきておるわけでございます。 西側の東京都の区間につきましては現在調査中でございますが、道路構造につきましては抜本的な再検討を現在行っておる段階でございます。埼玉県内につきましては関係自治体と協議の上、道路幅員をその後当初の計画よりも拡大いたしまして、当初大体四十メートル平均の幅員でございましたが、これを六十メートルぐらいに拡大いたしまして、環境施設帯を設置する等十分な環境対策を実施することとしているわけでございます。埼玉県内につきましては県当局から建設促進について強い要望がございまして、現在用地買収等工事の一部を促進しておる段階でございます。千葉県内につきましては、環境対策のために路線それから構造等について千葉県当局等の要望もございまして、現在見直しをしたものについて千葉県当局と協議中の段階でございます。
○赤桐操君 この外環道路の場合、首都圏の多量の通過交通をさばくわけでありますが、昭和六十年次における、全線開通時を一応昭和六十年と見られておるようでありますが、仮に昭和六十年次に全線開通ということになると仮定いたしまするというと、一日十九万台が通過量として予想されている、それで幅員四十ないし、ただいまお話しのように六十メートル、上下二層の八車線、こういう大変巨大な道路計画でございますが、この外環道路全線にわたってこういう大変な実は通過量があるんでありますが、いま局長の御説明の中にも、何か抜本的ないろいろ対策を考えておるということを言われておりますが、何か特徴的な具体的なものがございますか。
○政府委員(浅井新一郎君) 断面交通で十九万台というような想定も一時したときがございますが、その後いろいろ推計交通量につきましては何回か見直しをいたしておりまして、現在の推計では大体千葉県内では恐らく一日九万台、埼玉県内で約八万台ぐらいなものになるのではないかというような見直しをいたしております。これは全体の自動車保有台数の推計も大分変わってまいりましたので、そのくらいなものに落ちるのではないかというふうに見ておりますが、これに対してこれだけの通過交通をさばくための道路構造としては、こういう住宅地を通るわけでございますので、ほとんどの区間は結論的に申し上げますと、ほとんど半地下構造にせざるを得ないのではないか、半地下構造をした上で、その周辺を十分なグリーンベルトで覆うという姿で住宅地の中に入っていかなければ現実の問題としてはできないんじゃないかというような考えを持っております。それから埼玉県内等につきましては、すでに安行地区等でモデル区間というようなことで、十分な環境施設帯を両側に持った広幅員の標準断面をモデル的につくっておりますが、ああいったような形で埼玉県内あたりは通れる。ただ、世田谷とか、あるいは千葉県内の市川市周辺、その辺の住宅街になりますと、やはり相当密集しておりますので、いま申し上げましたような半地下構造で、十分なグリーンベルトでカバーするというような姿のものにほとんど大部分が計画を切りかえていかなければ、現実の問題として実行できないのではないかというような考え方で、いま抜本的な設計を検討中でございます。
○赤桐操君 外環道路建設にかかる総事業費について、ひとつ伺いたいと思うんであります。 それからさらに、一体いつごろまでに全体の、千葉県を含めて着工する計画なのか、あるいはまた、将来、完了を展望しているのか。こうした計画が一応おありだと思うんです。計画の全貌等を含めて、予算関係とあわしてひとつ御説明願いたいと思います。時間がありませんから簡単にひとつ明確に願いたいと思います。
○政府委員(浅井新一郎君) 全体の工事費でございますが、現時点で推計しておりますのは、大体総事業費九千四百億というふうに推計をいたしております。このうち工事費が四千五百億、用地補償費が約四千九百億というふうに考えております。 それから今後の着工あるいは工事の促進の目標でございますが、これは先ほど申し上げました埼玉県内が比較的地元あるいは県当局の建設促進に対する要望もございまして進んでおりますし、今後も東北道からいわゆる新大宮バイパスの間ぐらいの建設を比較的早い時点に完成を実現するというような目標でかなり進むのではないかと見ております。 それから千葉市内、市川、松戸周辺につきましては、まだ地元関係、特に市川市等ではいろいろ反対等の強い意向がございます。これは現在抜本的な計画、構造を一応県当局に提示して、今後とも御理解を得た上で建設に進んでまいりたいというふうに考えて、これは相当時間がかかるんじゃないかというふうに見ております。 それから同じようなケースで東京都内、世田谷――住宅密集地は、これはさらにああいったような状況のところでございますので、建設には手間取るというふうに考えておりますが、全体として外郭環状の整備は遠い将来の東京の都市構造の骨格としてぜひ必要なものであるというふうに考えておりますので、着実に実現していくような姿勢で一つ一つ問題の解決に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 いま市川あるいは松戸等、この沿線の各都市では大変な実は反対運動が起きております、御承知のとおりでありますが。いろいろこれからひとつ反対運動を中心として、それぞれ展開されてきた経過について私は一つ一つこれから伺ってまいりたいと思うんでありますが、この住民運動や、あるいはこの先頭に立って反対しているこの動きですね、こういうものについてどのような評価をお持ちになっておりますか、あるいは認識を持っておられますか。この点ひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(浅井新一郎君) こういった幹線道路がああいう住宅地の中を通るということについて、周辺の地域住民の方々が非常に大きな危惧と心配を持っておられるということは無理のないことではないかというふうにわれわれも考えておりまして、これまで外環については、特に千葉市周辺についての千葉県議会における反対請願の採択、市川市議会におきます反対決議というような幾つかの反対が現実のものとして立ちはだかって非常に建設の促進が阻まれておるわけでございますが、これは一にかかって住民の危惧に十分われわれがこたえてないということからかということで、私どもも計画の見直し等、先ほど申し上げましたようなことでいろいろ抜本的な対策を考えて、住民の皆さんの御理解の上でこの事業を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 外環道路の反対については、もうこの動きが始まって相当の年月がたっておりますが、これは一部住民の反対ではないのですね、今日の段階では。昭和四十六年には市川、松戸両市議会が凍結、再検討を打ち出しております。さらに、この年の十二月には当時の県知事、いま衆議院議員に当選しておりますが、当時の友納知事が、住民が納得をしなければつくらないということをはっきりこれは表明をしておるわけであります。翌四十七年の十月には市川市議会が外環反対の決定を満場一致でやっておる。さらに、五十年の七月には千葉県知事――現在の川上知事が県議会で外環計画に事実上の反対の表明を行って、この九月には松戸市議会もまた外環反対の決議をしている。ですから、関係のそれぞれの市と県は挙げて反対、こういうことになっているわけです。さらに、四十八年の十二月には市川の都市計画審議会が外環道路の廃止を決議をしているわけですね、都市計画審議会が。加えてこの千葉県内選出の国会議員、これは革新系だけでなくて保守、革新も合わせまして、国会議員全体の間で外環反対協議会が発足をいたし、四十八年十一月に地元国会議員が建設大臣に外環計画撤回を求める意見書を提出している。こういうような動きになっている。こういうぐあいに地元自治体住民、しかも国会の各議員の皆さん方、まさに三位一体となった実は体制の中で建設省に対し繰り返し繰り返し要望書を提出をいたしてきているというのが今日までの経過だと思う。こういう状況になってきているのにもかかわらず、なおこれはいまの局長の御答弁のような程度で扱われているのか、どうなのか。私どもには大分疑問が残るのです。この点ひとつどういうように御説明をなさるのですか。
○政府委員(浅井新一郎君) 御指摘のように、千葉県議会において四十八年の十一月九日に外郭環状道路の計画に対する反対請願を採択いたしておりまして、ただ、その請願の審査の過程では、外環の路線計画については地域の環境保全等の見地から実施すべきでないが、松戸市、市川市地域から見て道路建設の必要性は了知できるので、さらに検討すべきであるというふうな多数意見があったというふうに聞いております。それからその後、この請願を受けまして、四十九年には千葉県知事から建設大臣にあてて、外環道路の計画に当たっては市街地部分に地下方式を大幅に採用する等の生活環境保全に万全を期したものとしてほしいというような、計画に対する注文と申しますか、そういう趣旨の要望が出されております。それからさらに翌年には、また建設大臣あてに、外環道路の市川市内の路線と道路構造等についてさらに検討してほしいというような要望が出ておりまして、計画自身の見直しを十分やってもらいたいという趣旨の県の動きがございます。 そういうことから、われわれはいままでの考え方をまあ一てきいたしまして、ルートそれから道路の構造等につきまして思い切った環境対策を考えたものにしようということで、一つの案をもって千葉県に諮っておるわけでございますが、まあああいう地域でございますので、ルートを変更しても同じような問題がどうしても起きますので、構造的な対応で何とかいかなきゃならぬのではないか。地元の反対は非常に強いわけでございますが、大きな視点から見ますと、将来の東京の都市構造の中でやはりこの外環線道路があるということはぜひ必要なことだと思います。そういうことで沿線各県あるいは市等の、中でも埼玉県内等につきましてはかなり促進の意見が強いわけでございまして、まあそういうところから部分的な機能も十分期待できるわけでございまするので、そういうところから逐次やってまいって、そのほかの区間につきましては、環境対策等十分住民の御理解を得た上で進めていくということで現在努力中でございます。
○赤桐操君 四十八年の十一月に地元国会議員による外環計画撤回の意見書を提出したことはいま申し上げたとおりでありますが、実はその前の四十八年の三月に建設大臣は次のように国会で答弁しておるんです。「東京等の都市では道路を作ったために、ますます車がふえるという悪循環を来たしているという状況を考えるならば、住民も自治体も反対する道路計画はとりあえずやめるべきである。」、こういうことを国会で答弁しておるわけであります。したがって、その地元の人たちもあるいは関係のそれぞれの各機関も、まあこれで大体それじゃ千葉県の関係は無理しなくても済むのかと、こういうふうに実は受け取ったと思うんですね。ところが、その五月に建設省は外環着工を告示しているんですね。そうなってまいりまするというと、一体この大臣答弁と行政当局との関係はどうなってくるんだと、こういう問題になるんです。大臣は、やめていいと、こう言っているわけですね。ところが、行政の面ではこれをひとつ着工を告示をして仕事を始めるということになるわけでありますから、これはまさしく行政が先行してしまうということになるんですね。これは一体どういうことになるかという問題なんですよ。
○政府委員(浅井新一郎君) 確かに先生御指摘のように、金丸前建設大臣のころに国会の御質問を受けまして、昭和四十八年には柴田先生、それから四十六年には新井先生からの御質問に対して、それぞれ建設大臣がおっしゃるような答弁をいたしておりますが、その趣旨は、この高速道路、外環道路の必要性については言をまたないところであるが、県、市が反対ならば物理的にはできないのではないか、着工というものは、技術的にも解決して、納得できる状況のもとで行われるものであって、いずれにしても十分県等と連絡をとりながら対応していきたいという趣旨のお答えだったかと思います。 まあそういうことで反対が非常に強いことはわれわれも十分承知しておるわけでございますが、外環全体から見ますと、一方では促進してくれというところもございますし、やはり外環の機能を考えますと、遠い将来はぜひ東京全体の機能を維持するために必要な幹線道路だと思いますし、これをいまの時点でやめるというわけにはなかなかまいらない。やはり問題が環境に対してのいろんな危惧から起きておる問題でございますので、十分な環境対策をやり、たとえばその周辺を十分な緑地で覆うというようなことでやれば計画としては実行可能であるし、また、こういうことで説得に努めれば住民の皆さんの御理解も得るんではないかということで抜本的な計画をつくりまして、逐次御説明に入っている段階でございます。そういうことで、まあ当時の計画とはかなり変わったものになってきておるわけでございますので、こういうことで御理解をいずれいただけるのではないかというこうことで考えておるわけでございます。
○赤桐操君 国土庁長官にひとつお尋ねしたいと思うんでありますが、現在国土庁を中心といたしまして第三次の全国総合開発計画の策定の検討をなされているようであります。当然この外環道路の問題等もこの中で検討されていると思いますが、どういう位置づけになっているのか。さらにまた、当然この三全総というのは国土総合開発法のいわば下位法規ではありまするけれども、しかしながら、政令とは言いながら三全総は首都圏の整備計画や各自治体計画、こういうものについては規制をする上位計画になっているわけであります。それだけに私どもの考えとしては、三全総への国民意思の総参加というものはこの際ひとつ不可欠の問題ではないか、こう考えるわけです。 いまいろいろと申し上げてきたように、大変な実は反対になっておるわけですね。私はあえて申し上げますが、この埼玉県のような特殊事情のあるところはこれはわかるんです。これは私もわかります。しかし、千葉県のような場合はちょっと事情が違うと思うんですね。ですから、これほどまでに千葉県のような形で行政、住民挙げて反対をしている、こういう状況の中で外環道路の計画をさらに進めていくということについては、これはいささか無謀ではないだろうかと、こう実は考えるわけです。したがって、これはもう本来撤回すべきものであろうと思うんでありますけれども、三全総との関連の中でどういうようにお考えになっているか、その点ひとつ承っておきたいし思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 外環道路につきましては、ただいま先生御指摘のように非常に問題の多い道路のようでございますが、ただ、東京の都市構造の中での自動車交通を円滑に分散させる上で重要な役割りを果たすということは、これは事実なんでございまして、そういう点から考えますというと、ただいま御指摘の問題については、先ほど来建設省から、通過地域の関係住民に与える影響だとか、あるいは沿道地域の環境保全について十分積極的にその努力をするということでございますので、私たちは建設省のそういう態度を踏まえて三全総でこの扱いを決めてまいりたいと、こう考えておるわけでございますので御理解をいただきたいと思うのでございます。
○赤桐操君 市川市内におけるこの問題、あるいはまあ松戸との関係等から私いま少し説明をしてみたいと思うんですけれども、この外環道路にかかわる市川市の状況を申し上げますると、市川市はこの外環道路によって南北十一キロにわたって実は分断されることになる。その幅は四十メーターないし六十メーターというのですから、この分離帯ではっきりもう二つの町に分かれてしまう、こういう状況になると思います。そこで、しかもこの通っていくところがほとんど大部分住宅地街です。計画路線上には、市川市の調査によりまするというと一千戸を超える住宅が存在をしている。現在はもっとふえているようであります。路線から五百メーターの住宅数は一万八千戸を超えております。一万八千戸を超えている。大変膨大な数字に上っているわけであります。加えて幼稚園とか大学、こういうものが、文教施設、病院等医療施設等を数えますと約三十に上るのですね、これらの公共施設が。実はこういう地域でもあるのですね。もしこの計画が具体化するということになりまするというと、こうした大変な多数に上る住民や、あるいはまたこの公共的な諸施設が立ち退きを迫られることになるわけですね。地域分断による都市機能というものも結果的にこれは麻痺してくることになりますし、多量の通過交通がもたらす騒音、振動、排気ガス、こういうものはもっとひどくなってくると思うんです。現在市川市、松戸市というのは、千葉県の公害白書でも明らかになっておりますが、大変な実はこれは汚染地域でありまして、年間を通じまして基準値を下回るというのはほとんどないんですね。そういう状況でありまして、実は窒素酸化物、一酸化炭素等が大分多量に排出される地域でありまして、光化学スモッグは実は非常なものが最近出てきているわけであります。そういう状況等環境破壊がこれから大変なはかり知れないものになってくるであろう、こういうふうに実は考えられます。住宅の立ち退きは一千戸、道路公害の被害住宅が一万八千戸、人口に対しまして八万人に及ぶ実は影響が出てくるわけでありまして、加えていま申し上げたような各種の公共施設がいろいろと関係してくる。 そうなると、これとのかかわりを持つ範囲はどのぐらいになるかというと、市川市は三十万人でありますから、この三十万人のほとんどがこれとかかわり合いを持ってくることになるので、大変実は市川市全体の大きな問題を引き起こすことになるだろう、こういう実は考え方が明らかにされてきているわけであります。これは市川市が出しておりまする「市川市におよぼす外環道路の影響に関する報告書」というのが出ております。これの中で詳細に述べておるわけであります。こういうわけで、いま申し上げたような大変な実は甚大な影響をこうむる外環道路、これは松戸でも同然でありまするけれども、したがって、私はこういう状況の中で、これは県も出しておるし、市も、千葉県全体がそういう形をとっておるという状況なんであって、これをなおかつ強行していくというもう段階ではないんじゃないか。請願等についての取り上げにつきましても、採択も、これは昭和四十七年の四月に一遍、これは菅野儀作氏の紹介によって採択されておりまするし、四十七年の五月には加瀬完氏の紹介によってこれまた出されておるわけですね。こういう重なった実はいろいろの行動が積み重ねられておるわけでありまして、いまやこれはまさに大きな世論になってきているわけでありまするから、これはひとつ廃止への方向という考え方をこの際検討すべきではないのかと、こういう立場に立ってひとつ大臣の誠意ある御答弁をいただきたいと思うんであります。
○政府委員(浅井新一郎君) 大臣お答えの前にちょっと事務的に御説明いたしますが、市川市の作成しましたアセスメント報告書の内容につきましては、いろいろな数字が先生から御指摘があったわけでございますが、その計画交通量とか道路構造などの前提条件が建設省で現在考えているものと相当差がありますので、新しい計画ではむしろグリーンベルトの中に、道路を地下に入れちゃうというような構造が大部分のものでございまして、そういう前提に立てば、振動の問題も騒音の問題もあるいは排気ガスの問題も十分われわれとしては説明できるというように考えておりますので、こういう新しい計画を県を通じて提示いたしまして、十分住民の皆さんの御理解の上に建設を進めるように努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 最後に、一言だけ申し上げたいと思うのでありますが、いずれにしても、とにかくこれだけ千葉県下が総合的に意見の一致を見た行動をとっている以上は、建設省自体としてもこれをまともにひとつ受けとめて、真剣な誠意ある態度をとるべきだと思うんですよ。大臣、そこでひとつあなたの御見解を表明してもらいたいと思うんです。
○国務大臣(長谷川四郎君) 住民の反対運動については十分承知をしているようでございます。私もこの問題につきましてまだ二日ばかり前にいろいろ聞いたものでございますから、そういうふうな観点から考えましても、なおこの方々の意見また主張にも耳を傾ける必要があると考えております。したがって、その際こちらで、いま先ほど局長がお話し申し上げたようなこういうような新しい工法も考えているんだと、これでもだめでしょうかというような考え方をさらに示して、そして御協力がいただけるならばその御協力をいただく方法をとったらどうだろうというようにも考えておるのでございます。したがって、今度行おうとする道路のやり方というのは、いままでどこでもやったことのない方法の工法を考えておるわけでございますから、住民の方々と一度もう一回よく相談をしてみて、その結果によってどうするかということは考えてもいいんじゃないだろうかと、こういうふうにも思うのでございまして、いずれにしても、こういうような意見がたくさん出ておることにつきましては、われわれは十分耳を傾ける必要があると、こういうふうに考えております。
○赤桐操君 終わります。
○内田善利君 私は奄美群島のことについてきょうはお伺いしたいと思います。 実は国土庁にお願いすれば大体おつかみのことと思って、私の判断の誤りだったと思いますが、そういうことでお聞きする予定にしておりましたら、それぞれ問題点をお聞きしましたところ各省庁にわたっておることがわかりまして、きょうは大変各省庁においでいただきまして、しかも短い時間でまことに恐縮なわけでございますが、各省庁それぞれわずかの時間を御質問いたしますので的確にお答え願いたいと思います。 こういった事情については最後に国土庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、とりあえず、奄美群島が昭和二十八年に日本に復帰いたしましてもう二十数年たつわけですが、復興事業十年、それから振興事業十年、振興開発事業五年というふうに、日本復帰という特別な特殊事情にある奄美群島の総合的な開発が今日まで行われてきておるわけですが、住民の生活の安定とかあるいは福祉の向上、まだまだということでございますので、きょうはその問題点について質問していきたいと思います。いままで毎年問題になったことはもうさておきまして、今日特に私がこういったものについては早く対策を講ずべきであるという問題をお聞きいたしますので、具体的にお答え願いたいと、このように思います。 そこで、まず運輸省にお聞きしたいと思うんですが、YS11型の製造中止に伴いましていよいよ離島の空港のジェット化が必要になってくるわけでございますが、奄美空港の第三次空港整備計画これは今日どのようになっておるのか。まあ用地の問題等があるようでございますが、これは三種空港でもございますけれども、国が予算化することによって一〇〇%補助できるわけですから積極的に解決していくべきである、このように思いますが、この現況と完成見込みはいつなのかということと、もう一つは徳之島空港は完成はいつになる予定か、この二点まずお聞きしたいと思います。
○説明員(梶原清君) まず、奄美空港の件からお答えをさしていただきたいと存じます。 奄美空港は、先生御指摘のとおり、鹿児島県知事が設置管理をいたしております第三種空港でございまして、現在千二百四十メートルの滑走路を有しておりまして、YS11型機が就航しておるわけでございます。この空港は奄美群島での拠点空港になっておるわけでございまして、昭和五十一年における旅客数も約四十万人に上っておるわけでございます。この空港をジェット空港化する必要性は認めておるわけでございます。五十一年度を初年度とする第三次空港整備五ヵ年計画におきましても、この空港の滑走路を二千メートルにすることを一応予定をいたしておるところでございます。ただ、現時点におきましては、鹿児島県当局からはいまだこの具体的な計画は示されておりませんのでございまして、目下県と地元市町村との間において検討中である。地元の受け入れ体制が整えば県といたしましてもジェット空港化について検討する用意があるように承っておるわけでございます。この計画が具体化いたしまして県当局からジェット空港化の意向が明確になってまいりますれば国としましてもこれに対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。 それから第二点の徳之島空港でございますけれども、これにつきましてはジェット空港化の工事が順調に進んでおりまして、私どもとしましては第三次空港整備五ヵ年計画の目標年度でございます五十五年度までには供用を開始できるように国といたしましても努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。 なお、ちょっと補足でございますけれども、奄美空港につきましては……
○内田善利君 もう補足はいいよ、時間がないから。
○説明員(梶原清君) じゃ、これで終わらしていただきます。
○内田善利君 運輸省にもう一つ聞きますけれども、港湾計画がどうなっているのか。私も前回この分科会で質問したわけですけれども、沖永良部では、沖に出て、晴天の日でありましたけれども、沖に行って乗船することになったわけですが、非常に上下が激しくてなかなか船に、本船に乗り込めない。特に若い子供たち、年寄り、大変な思いをして、また若い娘さんたち、そういう状況でございましたが、一日も早く接岸できるようにしていただきたいという要望を出しておきましたが、これどうなっているのか。沖永良部、徳之島、与論島ですね。――運輸省。
○主査(坂野重信君) まだ来てないそうですから。
○内田善利君 まだ来てないですか……。 じゃ、農林省にお聞きします。松くい虫法案がすでに農水委員会で議決されたように聞いておりますが、奄美大島の場合、このマツクイムシに全然汚染されていない、そういう状況でございますが、こういう全然汚染されてない、マツクイムシに汚染されてない地域が日本にも奄美大島群島以外にもあると思いますが、そういった全然汚染されていない地域に対する松材の持ち込み禁止というようなことは考えておられるのかどうか。私も農水委員でございませんのでよくわかりませんが、奄美大島群島にこういう汚染された松材は持ち込まないようにする措置はなされておるのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(秋山智英君) ただいま先生からお話ございましたように、奄美大島には例のマダラカミキリが運搬するザイセンチュウの被害は現在ございません。したがいまして、私どもといたしましては、現在、森林病害虫等防除法によりまして、その被害にかかった丸太につきましては移動禁止措置をとっておるわけでありますが、聞くところによりますと、さらに鹿児島県におきましては、この地域に松の被害が起こらないように丸太の輸入を、松材全般の輸入の制限をする措置を現在決めておるように聞いております。そこで、私どもといたしましては、こういうふうな措置につきまして鹿児島県で具体的に方法が出てまいりましたならば、関係法令、あるいは関係省庁と協議いたしまして対処してまいりたい、かように考えております。
○内田善利君 これは日本全国でこういう土地があるわけですか、こういう島があるわけですか。
○説明員(秋山智英君) このマダラカミキリによるザイセンチュウは、大体平均温度二十五度以上になりますと非常に活動が激しくなりまして、それから十三度以下ですと活動がにぶるということでございますので、大体黒潮を中心といたしましてその周辺沿岸部が被害を受けております。しかしながら、奄美大島のように離れておりますところにおきましては、こういう被害のない島嶼もございます。
○内田善利君 それから建設省にお聞きしますが、国道昇格は五十年三月ですが、これは主要地方道路のころ、赤木名――古仁屋間を改良舗装するということで、大体五十一年度末までに終わる、こういう答弁をいただいておるわけですけれども、いま瀬戸内町の網野子から住用村の新村まで約十五キロ、まだ改良舗装ともにされてないわけですが、これは約束と違いますが、いつ完成する予定なのか、お聞きしたいと思います。
○主査(坂野重信君) 答弁は簡単に願います。往復時間で計算しておりますから。
○政府委員(浅井新一郎君) 御指摘の五十八号は五十年昇格でございまして、現在、改良率が九五・五%、舗装率が八〇・九%でございます。御指摘の最後に残った一次改築以下まだ終わってない区間でございますが、残事業が約三十億、十九億四千万ばかりでございます。これは現時点では五十五年度ごろ完成すべく鋭意工事を促進してまいりたいというふうに考えております。
○内田善利君 約束は五十一年度完成の予定だったのですが、国道昇格の問題等で、もう拡幅その他の関係で遅くなったと思いますけれども、どういう理由で五十五年度まで遅くなったのか。
○政府委員(浅井新一郎君) これは、道路事業全体がここ四年ばかり非常に全国的におくれておりまして、これは総需要抑制の関係で全体事業費が抑えられた関係もございますが、その辺の影響もこちらの島内の国道の改築のペースにも響いておるわけでございます。また、別途二次改築というようなことで本茶トンネル区間の二次改築にも手を回さなきゃならぬというようなことで、そっちの方にも五十年度からいろいろ手をつけております。そういうようなこともございまして、これ、五十一年というお約束をしたのか、ちょっとその辺はよく記憶は定かでございませんが、とにかく毎年奄美大島、離島の事業費につきましては、内地の事業費よりもかなり上回った伸びで手厚い張りつけをやっておるわけでございますが、やはり全体の事業費がそれだけ落ち込んだということの影響が大きいというふうに考えております。
○内田善利君 トンネルですね、赤木名の。本茶トンネルですか。これはどういうふうになっているんですか。
○政府委員(浅井新一郎君) 本茶トンネル区間ですが、これは九・五キロの延長でございます。うち、トンネルが九百四十メーター、比較的かなり長いトンネルでございますが、これは昭和五十年度から五十一年度にかけて測量、それから実施設計、トンネルの取りつけ道路の用地買収等を実施しておるわけでございまして、五十二年度にはトンネル取りつけ道路の用地買収に入る予定でございます。
○内田善利君 その次に、郵政省にお聞きしますが、まず郵便物の配達状況なんですけれども、奄美群島の中の喜界島あるいは徳之島あるいは永良部などの各島から沖繩に手紙を出す場合に、直接沖繩に行かないで、一遍本島の名瀬市の局に集めて、そこから沖繩に行っている。あるいはまた、沖繩から各島々に手紙を出す場合に、まず沖繩から奄美本島の名瀬の局に行って、それから配達されるということで、郵便物の配達が、各島で速達の場合が三日目、普通の場合が四日目に送達されておるようですが、これを直接、名瀬を通さないようにするわけにいかないのか、この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(林乙也君) ただいまの点でございますが、奄美諸島各島から沖繩方面へあてられる手紙は、奄美大島各島で出される郵便物の全体の約一%程度、一日当たりにいたしまして、ここには集配局四十四局ございますが、それを全部合わせまして一日約百四、五十通程度のわずかな物数でございます。やはり郵便物の運送につきましては、その効率を高めるために小さな流れを大きなパイプにまとめて、そこで区分して運送するというような必要もございまして、現在名瀬に一応集中いたしまして、ここで区分けをいたしまして沖繩方面へ差し出されておるというのが実情でございます。
○内田善利君 離島はこういう情報に非常に遠いので、できるだけ早く送達できるようにしていただきたいと、このように要望いたします。 それから電話機の設置ですけれども、電電公社に質問したいと思うんですが、瀬戸内町の加計呂麻島ですけれども、ここの中で、ここは人口は三千人ぐらいと思いますが、現在公衆電話が鎮西地区で三十九、実久地区で十と、こういうふうになっておるようですが、ここで電話機を設置しようとする場合に、花富というところは百五万円もかかる。大体東シナ海側が九十万円以上、近いところでも諸鈍というところで三十五万円と非常に電話機の設置料が高いわけですが、これを何とかせめて本土並みの設置料でいかないものか、この点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(福富礼治郎君) お答えいたします。 いま先生のお出しになりました加計呂麻島におきましては、いま北の方に実久局という手動の局がございます。その実久地区と、それから奄美大島の本島の瀬戸内局に収容されている鎮西地区というのに二分されているわけでございます。いま先生のおっしゃられたように、公衆電話は両方合わせて四十九個、それから加入電話が六十五個設置されております。いろいろ島があるわけでございますが、この島は電話のないという集落はなくて、公衆電話はついているわけでございます。ただし、この実久局の周辺と、それから瀬戸内局から五キロメートル以内にある一部の地区を除きまして、そのほとんどが加入区域の外となっておりますために、いま先生のおっしゃったように線路設置費の負担をいただくということになっているわけでございます。そのうち、実久地区につきましては、五十二年度中にいまの手動局を自動改式することを計画しておりまして、その際、加入区域を拡大することとしているわけでございます。それで、実久地区の方はほとんどが普通加入区域となりまして、いま先生のおっしゃられました線路設置費の負担というようなものはなくなるわけでございますが、その鎮西地区の方の花富地区におきましては瀬戸内局からも離れ、実久局からも離れるというようなところにございますので、この五キロから以遠の加入区域を拡大するという問題につきましては、これは全国非常に多くの数十の地区がございまして、ようやくいま五キロまで、ほかの地区は今年いっぱいでようやく広げようという状況でございます。この島の瀬戸内局のところは、もうすでに五キロの円内に入っているものは普通加入区域となっているわけでございます。それよりさらに広げるというような点につきましては、五十三年度以降の計画で、やはり全国のバランスをとりながら考えていきたいと、こう思っているわけでございます。いましばらくちょっとお待ちいただきたいと思いますが、公衆電話等は御要望があれば、実情調査の上極力御要望に応じていきたいと、こう思っている次第でございます。
○内田善利君 わかりました、結構です。 その次に今度は、沖繩もそうですけれども、奄美群島には廃油ボールが非常に多く打ち上げられておるわけですが、この廃油ボール対策はもう以前から何回も何回もお願いしておるわけですけれども、海上保安庁では非常に綿密な調査を繰り返しておられるようですけれども、この対策についてお伺いしたいと思うんですが、海上保安庁のこの取り締まり状況はどのようになっておりますか。
○説明員(久世勝巳君) 海上保安庁では、昭和四十六年ごろから廃油ボールの漂流漂着実態につきまして巡視船等を使いましていろいろ調査を続けているところでございます。現段階におきましては、わが国周辺海域に四十五定点あるいは沿岸海域に二十七定点を設けまして、これらの浮流あるいは漂着の状況を調べているところでございます。一昨五十年七月から昨五十一年六月までの廃油ボールの実態調査を見ますと、依然として従来どおりで、従来から非常に廃油ボールの漂着が多い奄美、沖繩を含む南西海域あるいは九州南岸海域等につきましては、廃油ボールの漂着が依然として多く見られるところでございます。 この廃油ボールの発生の原因というものをいろいろ実態調査から見ますと、わが国の各港に入港します外航タンカーが、わが国周辺海域から南シナ海に至る間に投棄しますタンカーのバラスト水あるいはタンククリーニング水、これが黒潮に乗って北上する間に凝固して廃油ボールになるというふうに推定されるところでございますが、海上保安庁としましては、この廃油ボールによります海洋汚染に対処するために、先ほど申しましたタンカールートというものを中心にしまして、航行船舶につきましては船艇、航空機によります厳重な監視取り締まり体制をとっておるところでございまして、またタンカー等の関係者に対しましては事あるごとに海洋汚染防止の指導をしてまいってきておるところでございます。なお、最近の調査によりましても、依然として汚染の状況というものが減少しない状況でございますので、海上保安庁としましてはタンカールートの監視取り締まり体制を強化しまして、また関係業者に対する指導というものを強めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○内田善利君 水産庁はこれにはどのように対策を講じておられますか、漁業資源の確保という立場から。 それから、環境庁は自然保護という立場からどのように対策を講じておられるのかお聞きしたいと思いますが、簡単にお願いします。
○説明員(森川貫君) 御指摘のとおり、奄美大島は潮流に乗りました廃油ボールが漂着することが多い地域でございますが、同島におきましては一本釣り、刺し網、建て網、引き網、あるいは真珠、クルマエビ等の養殖漁業が行われております。鹿児島県の報告によりますと、これらの漁業に与える被害は、額としては不明でございますけれども、漁具、漁船の油汚染とか回遊魚の逸散、あるいは根つぎ水産生物の消滅、油臭魚の発生というようなことで、地元漁業者はこれらの漂着した廃油ボールにつきまして清掃措置の実施を要望しておるところでございます。 そこで、水産庁といたしましては、その対策として、昭和五十年三月に原因者のわからない漁業油濁被害の救済を目的としました漁業油濁被害救済基金を設立いたしまして、この基金を通じて漁業者等が行ないました廃油ボールの防除あるいは清掃措置に要した経費に対しまして助成を行っております。奄美大島に対しましても五十一年に二件、二百五十一万円、五十二年に一件、四十九万円の交付が行われております。なお、このような廃油ボールによる被害対策につきましては、本来関係者による関係法令の遵守の徹底、あるいは原因の行為の取り締まりを通じまして被害の減少等を図ることを基本とすべきものであることにかんがみまして、今後とも関係者に対する指導の徹底を図りますとともに、海上保安庁による監視体制の強化等を要望してまいる所存でございます。
○説明員(神戸芳郎君) 環境庁といたしましては、先ほどの原因のところで、海上保安庁の方から外航タンカーの取り締まりというようなことが出ておりましたけれども、この外航タンカーの取り締まりの対策の推進について協力していきたい。また、汚濁廃油ボールの清掃につきましては、ただいま水産庁の方からいろいろお話があったようでございますが、その清掃事業が円滑にいくようにこれまた協力していきたいと、こういう考えでございます。
○内田善利君 この除去については、やはりどこかで責任を持ってやらなければいつまでもなくならないんじゃないかと、このように思うわけですね。特に、油による汚染に伴う事故の場合の国際条約があるわけですが、この国際条約に加盟していない国に対する加盟の促進とか、あるいは防除技術の開発とか、こういった財政措置なども必要と思うんですが、この点については国土庁長官、どのようにお考えですか。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまいろいろと各省からお話があったわけでございますが、全般的な問題として、各省にわたるものをまとめて、窓口と規制施策が一元化されていくということが必要だと存じますし、そういった点で、こういった地域におけるこういった問題も、私ども窓口業務を預かるものといたしまして十分調整がとれるように今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○内田善利君 その次に、あそこはサンゴ礁で、国定公園なわけですが、オニヒトデが非常に多いわけですね。それでサンゴ礁が食われていっているわけですが、これに対していま二百海里専管水域等の問題も起こっているわけですが、非常に周りに漁業資源の多い奄美群島であるわけですけれども、このサンゴ礁にくっついているオニヒトデ対策、これは水産庁はどのような対策を講じておられるのか。 それから、環境庁の方は海中公園を五ヵ所だけ予算化されて事業を行っておられるようですけれども、なかなかオニヒトデがいなくならない、こういう状況でございますが、その対策と現況をお願いしたい。
○説明員(森川貫君) オニヒトデの駆除対策につきましては、漁場環境の維持保全対策の一環といたしまして、水産資源保護の立場から有害動物駆除対策費の中で異常発生地域の駆除費を助成しております。奄美大島につきましては、これまで鹿児島県当局から駆除の要望は出ておりませんが、オニヒトデの異常発生によりまして水産資源に悪影響が出ているという実態がございますれば、今後県と十分協議いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(信澤清君) お話のように、五つの海中公園地区につきましては、環境庁が補助金を出しましてオニヒトデの駆除をいたしておるわけでございますが、なかなか効果が上がらないことは御指摘のとおりでございます。ただ私どもは立場上、やはり公園といういわば一つの面をとらえて、それに対する対症療法をいたしておるわけでございますが、ただいまお話ございましたように、漁業資源のいわば魚の産卵場保護、こういう局面でもあろうと思いますので、いま水産庁から御答弁ございましたように、全体的にどうするかという問題を、私どもは私なりに調査をいたしまして、その結果に基づき関係省庁と協力して、あそこでの根絶までいきませんが、ともかく減らすような努力をしていきたい、このように考えております。
○内田善利君 予算も駆除のためにはもっと増額していただかなきゃならないと思うのですけれども、大体ダイバーがもぐって一匹一匹とってくるわけですけれども、酸素ボンベ代、それから労賃、チャーター船の問題とか、大体一匹について四百円ぐらい現在かかるそうです。それに対して取っておられる予算が、県の事業に対して二分の一補助でございますけれども、もう少し予算を増額して、海中公園だけでも増額していただきたい。それと、水産庁は、これはオニヒトデがこのように絶滅できないということになりますと、漁業資源の関係から大変なことと思いますから、この駆除方法の確立ですね、それと予算化。この点、強くお願いしておきたいと思います。 それから最後に、厚生省にお聞きしたいんですけれども、医介輔の問題ですが、私は昭和四十八年、奄美大島の医介輔の代表者三名と、当時の齋藤厚生大臣に陳情のときに立ち会ったわけですが、そのときの大臣の御答弁は、沖繩同様の身分復帰は、年数がたっているからその関係でこれは無理かもしれない、しかし、沖繩の医介輔の方々とは差があるので、格差があるので、何らかの補償なり、就職の面とか、補償なり対策を講ずべきと思うという趣旨の言葉がありまして、今日まで期待してこられたわけですけれども、今後どのようにこれをなさっていくおつもりなのか。国でできなければ何とか県にお願いして見舞い金を出していただくとか何らかの補償が私は必要ではないかと、こう思います。衆議院でのわが党の岡本議員に対する答弁では、厚生大臣は、何しろ沖繩とは経験年数その他差がついている、差があると、こう言っておられますけれども、その差というのは二年の時限立法で一方的に打ち切られた、そのことによってできた差であります。それから医介輔制度が二年で打ち切りになったときに、医介輔を認められたその時点でほとんどの方が診療所を建設している、そういった建設事業費その他非常に医介輔をやめるための損失が出ているわけですが、こういったことに対する補償も考えられるのではないか。それから現在まで医療機関にずっと勤務している人が八名いるわけですけれども、もし沖繩と同様の処置ができればこの方々は医介輔として任命、許可を与えることができるんじゃないか、このように思うんですが、こういった点について厚生省はどのようにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(石丸隆治君) 昭和四十八年当時の齋藤大臣が先生に対しまして、この医介輔制度について検討するという約束をされたことについてはわれわれもよく承知いたしておるところでございまして、その後事務当局といたしましても種々検討を行ったわけでございますが、先生御指摘のように、事務的に検討いたしました結果におきましては、立法的には昭和二十八年の時点ですでに解決済みであるというふうに解釈せざるを得ないわけでございまして、そういった意味におきまして、沖繩と同じようにこれを医介輔として活用することは非常にむずかしいというふうに考えておるところでございます。 それで、奄美群島と沖繩との間に医介輔の取り扱いについて差ができたことについて、ただいま先生御指摘のように、この経験年数の差ということが一つの大きな問題ではございましたが、そのほかの理由といたしまして、やはり復帰時点におきます両地域の医介輔の年齢の差というものが非常に大きく考えられたようでございまして、復帰時点におきまして沖繩の介輔は平均年齢が非常に高かったというようなことで、転職がむずかしいというようなこともありまして、そういう差ができたわけでございます。 それで、こういった医介輔の状態に対してどうするかという問題でございますが、われわれいろいろ検討はしてみたわけでございますが、復帰後すでに二十年を経過しておりまして、この法令の根拠なくして財政支出を行うということはきわめて困難な状況にあるかと思うわけでございます。この医介輔の現状につきましては、県の方で実態調査も行ったわけでございまして、ただいまその集計中のようでございまして、今後の問題といたしまして県の方ともよく連絡をとりながら対処してまいりたいと考えております。
○内田善利君 国土庁長官、このように奄美大鳥の問題をお聞きしようとしたら問題ごとに各省庁に来ていただくことになったわけですが、国土庁は、自治省から国土庁になりまして、その分担といいますか、掌握といいますか、その辺はどのようになったのか。奄美大島のことをお聞きしようと思えば各省庁にお聞きしなければならない、こういうことで非常に各省庁に迷惑かけているわけですけれども、国土庁として奄美振興開発について今後どのように取り組んでいかれるつもりか、ただ公共事業だけをやっていくつもりなのか、この辺をお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 奄美群島につきましては、先ほど先生も御指摘のように復帰以来二十三年の間いわゆる特別措置法に基づいて復興計画を進め、あるいはまた振興事業を進めてまいったわけでございまして、それはあくまでも本土との格差是正という目標に向かって進んでいるわけでございます。ところが、先ほど来各省庁から御説明がありましたように、必ずしも本土との格差は是正されていない面もたくさんあるわけでございます。たとえて申し上げますと、この所得の問題でございますが、郡民一人当たり所得は、四十九年度調査でございますが、五十七万八千四百九十四円でございまして、これは鹿児島県民一人当たりの八〇・一%なんですね。これは全国の国民所得一人当たりの五六・四%にすぎないというような現状を考えますというと、また、先ほど先生御指摘の、やはりいまなお、はしけが行われている現状などを考えますというと、今後一層努力をしてまいらなければならない。ですから、この振興計画は残されたあと二年ございますので、この目標に向かって私たちは最善の努力をしたい、調整機関としての国土庁としては各省庁を督励をして最善を尽くしたい、こう考えておるのでございます。
○加藤進君 地盤沈下の問題についてお尋ねします。 政府の資料によりましても地盤沈下の地域は非常な広がりを示しています。三十一都道府県四十六地域、面積から言いますと、ほぼ静岡県の広さに匹敵すると言われています。そのうちゼロメートル地帯に至りますと、地盤沈下地域のほぼ六分の一に当たるわけでございます。これらの地域では静かなる地盤沈下によって建物が損壊したり、道路、鉄橋が波打ち状態になったり、橋げたが下がって船の通航が不可能であるといったような多くの被害が出ています。行政監察局も濃尾平野の地盤沈下についてこう言っています。河川堤防、高潮堤防は全部沈下し、不等沈下による亀裂、内部の空洞化が進んでいるというふうな警告を発しております。とりわけ台風や豪雨のときにはこの地域はすべて大きな災害がすでに発生しておりますし、今後いつ大災害が起こるともはかりがたい状態であることは言うまでもございません。こうした地盤沈下を防止する実効ある措置を早くとらなくてはならぬということは常に叫ばれておるわけでございますけれども、なかなか現状はそうまいっておらないような状況だと思います。政府も新たに規制法案を出すというようなお話が昨年来ございますけれども、なお依然として国会にも提出されていない、これが現状でございます。こうしている間にも沈下は静かに静かに進行しておるわけでございますから、私たちはこの問題についてぜひ早急な実効ある対策をとらなくてはならぬ時期に来ておるというふうに考えておるわけでございます。 私たちは、すでに昨年十一月二十日、この地盤沈下の最も大きな原因である大企業の地下水の大量くみ上げを規制するために特別に地盤沈下防止法というような新たなる法律が必要である、こういうことを提案しております。政府としても何らかの抜本的な地盤沈下対策を考えておられるかと思いますけれども、いまどのような立法準備が進められてきておるのか、その構想はどのようなものであるのか、この点につきまして国土庁あるいは建設省から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 地下水の無秩序な採取を規制して地盤沈下を防止しようということは、昨年来これに対しましていろいろな観点から検討を加えておるところでございます。まず、地下水を保全するためにも立法処置については目下国土庁を中心として関係各省との間に意見の調整を図っておるところであります。建設省としても国土の保全、水資源の確保等の見地から積極的に法制化の推進に今後努力をしていく考えでございます。
○国務大臣(田澤吉郎君) 水の問題は、御承知のように人口増加、あるいは食糧の自給率の向上、あるいは生活の向上というような面から非常に重大になっていることは事実。しかも水はダムによる水以上に、地下水の利用というものは今日まで非常に大きいウエートを占めてきておりますので、それがたまたま今度は地盤沈下という大きな問題を起こしたのは先生御指摘のとおりでございます。そこで、私たちとしてはこれに対してこれまでも長い間この問題に取り組んでまいったのでございますが、何せ関係省庁が広いものでございますので、なかなかその結論を得ないままで今日まで来ておるのでございます。そこで、私たちとしては地下水の保全及び地盤沈下の防止に関する法律案というものをいま策定のための作業中なんでございます。そこでいろいろ各省庁と連絡とっておるんですが、四月の二十一日に関係六省庁の局長会議を開きまして、まあさらに成案を得るようただいま努力をしておるというのが現状でございます。
○加藤進君 この前の国会におきましても大体そういう状況にあったと思っています。特に、新聞その他を見ますと、通産省と国土庁あるいは環境庁、農林省、建設省等々がそれぞれ法案をつくって、はち合わせをしておるなどというようなユーモラスなことまで出ておるわけでございますけれども、これは笑い話では済まされぬ問題でございまして、ぜひとも早くその法案を提示していただく必要があると考えますけれども、いつごろまでをめどとして国会に提出される用意があるのか、その点ひとつ明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) まあいつごろまでといってもなかなかこれ関係省庁が広うございますので、いま直ちに申し上げるわけにいきませんけれども、今国会にできるだけ提出したい、案がまとまりますならば、できたら委員長提案でこれをお願いしたいと、こう考えておりますので、議会の最終の段階までには何とかしたいと、こう考えておるわけでございますが、作業の面もございますので、きょうはその点で御理解をいただきたいと思うのでございます。
○加藤進君 建設大臣も同様なお考えでしょうか。
○国務大臣(長谷川四郎君) いまお話がございましたように、大体そんなような考え方でおりますというぐらいのことでございます。まだなかなか通産省とかたくさんあるものですから、その方の調整が少し困難もありますので、これはお話、大企業でございますけれども、場所によって中小企業が非常にこれで困る問題が出てくるんで、大企業はいいんですけれども、大企業をやろうという考え方、その的が中小企業に行ってしまうんです、これが。そういう関係で中小企業が、特におたくの方の利用者の小さい方々からもぜひひとつ――大体これは繊維関係の人なんかは非常にこれに困るから何とかしてくれ何とかしてくれとたくさん来ておるんです。そういうようなこともございますので、大企業より中小企業の方の影響の方が大きいとわれわれは見ておるんです。だから、それだからやらないというわけにはまいりませんので、これらを十分と通産省あたりと考え方を一にして進めなければなりませんので、その間ちょっとまだ調整期間があるというふうに考えます。
○加藤進君 どうも国土庁長官と話のニュアンスが相当違うようで、これ、私も質問した以上は困るわけでございますけれども、今国会にとにかく出される気なのかどうか、その点の腹構えをひとつ大臣としてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 努力をするというので今回は御理解をいただきたいと思います。
○加藤進君 それまでの答えしかできないということなら、これはまたやむを得ないことでございますから、続けますと、建設省も「沈みゆく濃尾平野」、こういうパンフレット出ています。に言われておるように、特に地盤沈下の激しい愛知、岐阜、三重につながる濃尾平野についてお尋ねしたいと思いますが、この濃尾平野の地盤沈下地域は一九五九年の伊勢湾台風のために甚大な被害が出たところでございます。その後も地盤沈下が続いて、ひどい地域では累計二メートルから一メートル五十センチにも及ぶ地盤沈下が起きています。二メートルです。このために関西本線の木曽川、揖斐川の橋梁や橋台、橋げた、橋脚。木曽川では三十一センチから二十一センチ、揖斐川では四十一センチから八センチの不等沈下が起こっています。目で見てもレールが波打っているということが確認できるような状態でございました。橋のけた下も余裕高が不足しておって、増水時には危険至極の事態に立ち至っています。また、海部郡の佐屋町におきましては永和小学校、永和中学校、この両校の鉄筋校舎、これは地盤沈下のために廊下が波打って、壁にも大きなひびが入っているという現状でございます。 昨年、東海三県地盤沈下調査会が出した資料によっても、いまだ多いところで年間十センチの沈下が認められている。こういう状況が進行しておるわけでございます。こういう、とめどもなく進む地盤沈下に対して対策がいまどうなっているのか。現にどのような対策がとられておるのかということになりますと、たとえば建設省中部地方建設局の資料、この「地盤沈下の実態とその対策」等等によりますと、木曽三川の堤防が地盤沈下で低くなったので、建設省中部地方建設局では、四十四年から河口部から補強工事が始まっていますけれども、計画総延長三十一キロメートルのうち、四十九年度までにできたのが一五・五%、こういう進行の状況でございます。来年度から緊急三ヵ年計画に切りかえて、堤防に波返しの胸壁を設ける等々の応急工事に取りかかるということが述べられています。つまり、猶予できない河川の改修においてさえなかなか工事は進行しておらない、こういうのが現状だと思います。 こういう状態のもとでさらに起こったのが、四十九年七月二十四日、二十五日にかけての台風十一号であります。海部郡一帯が軒並み浸水の被害を受けて、津島市では浸水日数が一週間にも及ぶという大きな被害が出ております。この被害を契機として激特河川事業が行われるに至ったことは言うまでもございません。いまこの進行状況はどのようになっておるのか。日光川の河道の改修、日光川河口の排水機場の建設、蟹江川排水機場の建設等々の予定がございますけれども、これがどのように進行しておるのか。計画どおりに進行しておるのかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(栂野康行君) 日光川、蟹江川水系の河川改修事業でございますが、この地盤沈下の、非常に低いところの改修としまして、先生おっしゃいましたように日光川河口のポンプ、蟹江川のポンプ、それに堤防補強というふうに総合的に現在やっておるわけでございます。 それで、改修のちょっと経緯を申し上げたいと思います。まず日光川の改修でございますけれども、昭和二十六年からの中小河川改修事業ということで、支川の領内川、野府川を含めまして工事の進捗を図っておった次第でございます。ところが、さっきおっしゃいますように、日光川流域の有数の地盤沈下地帯であるということから、昭和四十八年度から地盤沈下対策事業というものを設けまして、蟹江川の排水機場に着手した次第でございます。ところが、四十九年七月の豪雨を契機といたしまして、昭和五十年度からいわゆる高潮対策事業というものをまた起こしまして、日光川河口のポンプ場に着手したわけでございます。と同時に、河道につきましては本川下流部、三川五流か下でございますけども、中小河川改修事業の緊急計画というもので鋭意整備を進めたわけでございます。ところが、幸いに昭和五十一年度激特事業というものが創設されたわけでございます。それで、先ほど申し上げました蟹江のポンプ、それから日光川のポンプ、それから下流の堤防というものを、この四十九年災害で非常に被害をこうむったこういう事業を激特事業に繰り入れて五十一年度から鋭意やっておる次第でございます。 では、こういう激特事業がいつ済むかという一つのめどでございますけれども、日光川の河口のポンプと蟹江川のポンプ、これにつきましては昭和五十三年の出水期までに機能を発揮したい、来年の出水期までに機能を発揮さしたいというふうに考えております。それから領内川とか三宅川の合流点から下でございますけれども、これにつきましては、計画の堤防でございますけれども、計画の高さ、いわゆるTP三メートルでございますけれども、これも五十三年度には完成さしたいというふうに考えておるわけでございます。次の、上流関係はどうなるかという問題でございます……
○加藤進君 簡潔にお願いします。
○政府委員(栂野康行君) ようございますか。
○加藤進君 ええ。 台風が起こればその後に激甚指定があるとか、いろいろな工事が緊急に出されておるわけでございますけれども、起こった後の後追い行政と言われてもこれはしょうがないような状態でございますし、同時に、これは河川の改修だけといういわば対策でございますので、私は特に国土庁長官にお聞きしたいのでございますけれども、こういうふうに地盤沈下が進行しておるときに、河川改修の対策もさりながら、なお国として措置しなくてはならない重要な問題があるのではないかと思いますけれども、その点の御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 御指摘のとおりに、地盤沈下に起因します対策事業は、河川改修のみならず各般の問題を包含しております。私どもが現在検討しております法案の中身におきましても、それらの諸問題を解決すべく、地盤沈下対策事業につきましても、各省と協議を持ちながら総合的な地盤沈下対策事業が立案できるように検討しているところでございます。当面の間は、これらにつきましては、各省と連絡を密にいたしまして、地盤沈下対策の対策事業が実現できるように調整の労をとりたいと思っています。
○加藤進君 徳川時代のことでございますけれども、御承知のとおり木曽川三川が大水になるという状態をみずから防衛するために輪中というものをつくりましたね。いまでもここに住んでおられる方たちは、政府の対策がもう待ち切れないということで、何とかしても自己防衛対策をとらざるを得ないというようなところまで来ておるのですね。私はその問題について質問を申し上げたいと思うわけでございます。 四十九年災害の緊急河川事業が完了しないうちに、また昨年、台風十七号の集中豪雨が起こりました。日光川流域の尾張西部地域は浸水戸数だけでも一万七千七百三十七、床上浸水は二千八百四十九戸という大きな被害でございました。このように日光川沿岸部の地域は豪雨が襲うたびに常襲の湛水地域に化しているというのが現状でございます。国の対策がおくれておるためにやむなく、たびたびの浸水の経験から、川沿いの住民の方たちは、国や県の河川改修を待つだけではだめだというので、自分の家は自分で守るしかない、こういうことで家のかさ上げを必死になってやっておられます。平家は平家でこれを二階建てに改修しなくては浸水に対応できないということで、浸水対策のために二階建てに改築しておられる、こういうことでございます。こういう方たちに対して、こういう状態はやむを得ない、個人の努力にまつべきものであるなどと言って放置しておかれたら、これは国あるいは政治の問題に対する不信がますます高まっていくのではないかと私は心配するわけでございまして、国は何らかの援助をこういう方たちに対してなすべきではなかろうかと、こういうふうに私は考えるわけでございますが、御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(大富宏君) いまお述べになりました、宅地が浸水するのでやむなく住民の努力によってかさ上げをするということで、現在、御承知のとおり名古屋市では四十六年から、あるいは愛知県では五十年から百万円を限度といたしまして、かさ上げあるいは盛り土につきまして融資の措置をとっているわけです。これは全く本当に当面の対症療法、対症処置だと私は考えるわけでございます。御指摘になりましたように、この名古屋市の南西部というのは広域的な地盤沈下地域でございますし、しかも目下進行中の地盤沈下地域になっています。やはりここは、国土庁からも先ほど答弁がありましたように、地域全体のそれこそ総合的な防災対策の一環としてこの問題をどう取り扱うかというぐあいにすべきだというぐあいに考えております。
○加藤進君 そういう立場から、具体的にはどのような国としての御援助がいただけるのかということを私は聞いておるわけで、先ほどお触れになりましたように、愛知県は昭和五十年から始めていますし、名古屋市は昭和四十六年から貸付制度というものを実施しています。これは住宅のかさ上げについて限度額百万までを限度として、年利率六%、返済期間十年以内、こういうことをやっておりまして、この利用者が次第にふえているということについて私は国の方に十分注意を払っていただきたいと思うわけでございますが、五十年には十六件、五十一年には四十六件、こういうふうに県の貸付制度を利用する方たちが増大しています。市では――名古屋市でございますが、四十九年は三十二件、五十年は三十三件、五十一年には五十六件、こういうふうに年々増加しておりまして、しかも予算はほとんど満額こういういわば貸し付けに回しておる、こういう状況でございます。 しかし、百万円限度でございますから、これはとうてい十分なことはできるはずはないということで、私も現地に参りまして、いろいろかさ上げをしておられる方たちの実情を聞きました。これはやってみなくちゃわからぬけれども、とにかく私としては四百万はぜひとも必要だというようなことで、その資金の問題について非常に苦慮しておられる。こういうのが現状でございますので、できるならば国の方としましても、県や市がやり得ることなんですから、国の方としても――これは愛知県のここにやりなさいということだけを申し上げておるわけではございませんで、ぜひとも全国にわたりましてこういう状況にあるところについては、これなりのやはり措置を国として実施していただくことはできないだろうか。この点、国土庁長官いかがでございましょうか。
○政府委員(山岡一男君) ただいまのお話の中で、特に平家建てを二階に直すとか、建てかえによって新築をするというお話がございましたけれども、県の方で行っております融資につきましては確かに百万円でございますが、それ以外に個人住宅で平家建てを二階になさるというような場合は改築でございます。それから、そういうふうな大改造の場合には公庫融資の一般の貸付枠が活用できると思います。それから一部の改造でございますと、住宅の改良貸付というのがございます。さらに、それは一般の貸し付けでございまして、申し込みが非常に多い場合には抽せんによらざるを得ない制度でございますけれども、特にそういうふうに毎年溢水をするというようなことから災害をこうむられたような場合におきましては、特貸しというのを設けております。特貸しと申しますのは、これは抽せん抜きで、災害をこうむられた場合に建てかえなさる場合に、まあ一階を二階になさるというような場合には、その特貸し制度で無抽せんで、いつでもお貸しできるという制度がございます。さらに、災害が非常に激甚で激甚災だったというような場合には、特別の増額をした融資ができるという制度が現にございます。 ただ、それはあくまでいま申し上げましたように一般論でございまして、増築、改築に対する貸し付け、それから災害に対する貸し付けということでございまして、やはり地盤沈下全体の問題といたしましては、先ほど計画局長が申しましたように、個々の問題よりは全体の問題かとわれわれも考えておるわけでございます。
○加藤進君 たびたび床上浸水があるのでかさ上げすら不可能だ、しかも柱が次第に腐ってくる、こういうような家も現実にございました。そういうことのためには、もうこれは避難するか、あるいは平家建てを二階建てに改築するか、新築するか、こういう状況に迫られておる方が非常にたくさんあるわけでございまして、こういう方たちに対しまして、いまのような措置がございますからひとつぜひ御利用をと言われるわけでございますけれども、なかなかそれは徹底していないんです。みんなそういういわば制度によって十分融資が受けられるなどというようなことを知っておられる方はほとんどない。こういうようなのが現状でございまして、私、特にここでお尋ねしたいのは、こういう方たちに対し、その自治体が証明を出すならば住宅金融公庫から特別の融資、長期の低利融資を行うような制度というものも実施できるのかどうか、こういう点について重ねてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 現在、災害復興融資、特に激甚等の場合には市町村長の証明で災害復興融資をお貸しするという制度をとっております。
○加藤進君 いや、激甚という範囲にとどまらないで、とにかく広範囲にわたって静かに毎日のように沈下をしていくわけです。じわじわと水が入ってくる、そして道路の方は補修しますからだんだん高くなっていく、自分の家はだんだん沈んでいくと、こういう状況なんですね。だから、これは激甚指定だなどというような状況には私はなり得ないと思うんです。だから、こういう広範囲の地盤沈下地域に対して、その中での個々の家々がいやおうなしにかさ上げに迫られるとか、いやおうなく改築を要するとか等々の事柄についても、このような金融公庫等々の長期低利の融資はでき得るのかどうか、こういう道を開いていただけるのかどうかと、このことをお尋ねしておるわけでございますから、お答え願いたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 現在のところ、先ほど申しましたように地盤沈下全体に対しましての関係からの個人融資ということについては検討いたしておりませんが、たとえば建築基準法を読みますと、建物の敷地は道路の敷地より高くなきゃならぬという規定がございます。そういうようなものに対しまして、違反の状況があって違反是正命令を受けたとか、それから災害危険区域という制度がございます。そういう災害危険区域の指定を受けておりまして、どうしても建物について特別の構造をしなきゃならぬとかいうふうな特別の制限がございます場合に特別融資を行うという制度は考えておるわけでございます。
○加藤進君 大臣にお尋ねしたいんですが、いまお聞きになったような状況なんです。特別、収入が余分にあるわけじゃない、農業を営んでおられる、あるいは勤労者であるというような方たちの家が地盤沈下のために使いがたい状態になる。避難をするかあるいは改築するかというところに迫られるという方たちに対して、まあ県や市は百万円程度お貸ししましょうと、こう言っておるわけですよ。百万円では足らないわけでございますから、これに何らかの意味で融資の道を開いていただいて国の方からの援助がいただけないのかどうか。私はこれをお尋ねするわけでございますが、いまのところ制度上はなかなかむずかしいというようなお話が出ておるわけでございますけれども、この点についてひとつ御検討をいただくということはできないのかどうか、その点ひとつ両大臣に所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) まことにお気の毒なことでございますけれども、地方自治体でもそういうような施策を講じておるというようなこともわれわれは踏まえなければなりません。したがって、いま局長からお話のあった最後のお答えの中に、この中に入るか入らないか、これをひとつ検討して、また御返事申し上げることといたします。
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま建設大臣がお話しになったとおりでございます。
○加藤進君 私はもう一度認識を新たにしていただくためにちょっと具体的な状況をお話し申し上げたいと思いますが、これは海部郡の佐織町勝幡というところに住んでおられる安藤さんという方を私訪ねました。すぐ横の道路が補修のたびに高くされるので、付近の住宅も土盛りや、かさ上げなどをいたしました結果、ちょうどそのお宅はすりばちの底にあるような状態になるわけでございます。昨年、十七号台風のときには畳の上から一・二メートルまで水がつかった。学校の体育館にとうとう避難せざるを得なかった。安藤さんはかさ上げを希望されたが、家が古くて、その上たびたびの浸水によって家の土台は腐っている。かさ上げは無理だと大工さんに言われて、かさ上げをついに断念せざるを得なかった。このまま放置しておいたら、ことしもまた大雨が来る、浸水はもう必至だというので、どうしたらいいのか、これは新築するか移転するか以外にない。こういう思い詰まったところにまで来ておられるわけでございまして、こういう方々に対して国は、放置しておいてはならぬと法案を準備されるということも非常に結構で、やっていただかなくちゃならぬけれども、具体的にいますぐにお助けしなきゃならぬような方たちに対して何らかの助成措置、こういう措置をもってやはり政治の手を行き届かしていただかなくてはならぬ。こう思いますけれども、重ねてひとつその点の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) こちらの方でも融資の道は先ほど言ったようにあるというのですが、どうもはっきりしていないようでございます。ただ、これは建設省だけでもって解決のつく問題ではございません。財政問題でございますので、大蔵省等の御意向も聞かなければならない。また、国土庁を初めいろいろな関係各省の意見を十分伺って、その調整の上に立たないと御返事がはっきり申し上げられません。お言葉は十分承っていって、よく各省の御意見を承った上で御返事を申し上げるようにいたしたいと存じます。
○国務大臣(田澤吉郎君) 地盤沈下の問題については、まず法律をいずれ早くつくるということで、総合対策を考えると同時に、ただいま御指摘の具体的な問題につきましては国土庁としても十分検討してまいりたいと思います。
○加藤進君 ぜひひとつ両大臣のお言葉を信頼いたしますから、よろしくひとつ積極的に御検討いただきたいと思います。ここに住まわれる方たちは、いよいよあと一ヵ月もたてば雨期を迎える。どのような不安な気持ちで日々過ごしておられるかということは、これはもうよく理解されるところだと思います。そういう中に居住を持っておられる方たちの日常の生活に対してまで脅威を与えてきておるというのが地盤沈下の現状でございますので、実効ある地盤沈下対策をぜひ国としてもとっていただきたいということと、そういうことにあわせて、地盤沈下そのものによって直接被害を受けておられる方たちに対する何らかの補償あるいは援助ということを含めて、ひとつ法案の十分な内容を充実さしていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきますが、その点につきましても一言ずつ御見解をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 地盤沈下を防止するための法律案については、先ほど申し上げましたように、できるだけ努力をしてまいりたいと思いますし、また、現に非常に地盤沈下で悩んでおられる方々に対する対策についてもできるだけ検討してまいりたいと考えております。
○国務大臣(長谷川四郎君) 努めて、本当にお気の毒なそういう――ただいま、私は初耳なので申しわけないですが、それほどの実態であるということは……。でございますから、十分に検討を加えます。そうして財政問題が来るものですから、国土庁や私どもの方だけでやるというわけにいかぬものですから、何しろ出させるところが一ヵ所、その方の了承を受けなければなりませんで、加藤さん御承知のとおりなんです。このまま切り崩すというか、これを納得させるまでが――金は私の方は出したいが、すぐにでもいいが、なかなかむずかしい問題がありますので、十分これの方と折衝いたします。それから検討を加えます。
○加藤進君 大臣、初めて聞いたとおっしゃるけれども、建設省の中部地建から「地盤沈下の実態とその対策」「沈みゆく濃尾平野」というまことにりっぱなものがございますので、ひとつ勉強してくださいよ。 そのことをお願いして終わります。
○主査(坂野重信君) 以上をもちまして国土庁及び建設省所管に対する質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土庁、農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管に対する質疑は終了いたしました。これをもって本分科会の審査は終了いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これにて散会いたします。 午後五時散会 ―――――・―――――