予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/14
会議録
○主査(岡田広君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨十三日、青木薪次君及び喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君及び下村泰君が選任されました。 また本日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として河田賢治君が選任されました。 ―――――――――――――
○主査(岡田広君) 昭和五十二年度予算中、皇室費及び国会所管を一括して議題といたします。 宮内庁及び国会当局からの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(岡田広君) 御異議ないと認め、さよう取り計らわせていただきます。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 最近、元号の問題が再び事新しい論争を呼ぶようになってきているわけですが、国際交流が非常な激しさを増して、世界は全く狭くなっている、こういう状態の中で、国家独自が紀年法的なもの、元号を規定をする、そういうような必要があるのかどうかというのは大変疑問でありますが、福田内閣としては現在どうお考えになっておりますか。
○国務大臣(藤田正明君) 元号による年の表示法は確かに世界的にも少ないと思います。西暦といいますか、これもキリスト教による年の表示法でありますし、大体宗教的な年の表示法が、仏教的であるとか、回教的であるとか、そういうふうな宗教的な年の表示法が多いと思います。ただ、わが国において明治、大正、昭和と経過いたしまして、これらの一世一元といいますか、こういう年の表示方法が西暦とともに定着してきておると思うのです。ですから、国民の間にそういうふうな感じが、一世一元の年の表示方法が愛着があるといいますか、これは去年の八月に世論調査をいたしました。そして、現在昭和というか、西暦を使っているか、どちらが多いかといいますと、圧倒的に昭和というふうな年の表示法を使っている方方が多い。 それから今後存続させるべきかどうかというふうな問いに対しても、これまた圧倒的に、存続させるべきである、こういうふうな世論調査の結果が出ました。しかし、こういうふうなことは国民の一部にでも強硬な反対がある限りは、なかなかそれを押しつけがましく、こうしなさい、ああしなさいというふうなことを政府が申し上げる筋合いのものではないと思うのです。いま現在では、福田政権になりましてからは、一応三木内閣時代に、元号を存続させる、そしてまた、それは告示によるというふうな発言が前総理府総務長官からあったそうでありますけれども、それを一応継承はしておりますけれども、なおことしの八月に世論調査も行いまして、その後において、しっかりとした態度を決めよう、かように考えております。
○和田静夫君 その八月に行われる世論調査というのは、総理府としておやりになるんですか。
○国務大臣(藤田正明君) そのとおりです。
○和田静夫君 その昭和の元号がなくなった場合に、次の元号を制定するには法律をつくるべきであるという、そういう見解というのが国会で政府からしばしばずっとなされてきていた。ところが、前内閣のときに、ある意味では突如として、告示でいきたい、こういう言い方をされたわけですね。内閣の告示でやることが一体許されてよいのかというのは、今日の憲法との関係で、世論は反対をするのではなかろうか。なぜならば、もともと主権者は時と土地とを支配をする、そういう観念で元号ができてきている経過も一面でありますから、ここのところは見逃せないのですが、福田内閣も告示でおやりになるという姿勢をお持ちになりながら世論調査をやられる、こういうことでしょうか。全く白紙でしょうか。
○国務大臣(藤田正明君) ただいま申し上げましたように、一応前内閣の姿勢を継承しておる。一応でございます。全く白紙であるかと言われると、一応継承しておりますから、そうとは言いませんけれども。しかし、とにかく国民の世論が熟するのを待つし、一部にでも強硬な反対があれば、これを押し通すというふうなことをすべき問題ではないというふうに考えておりますから、八月の世論調査を待ってその辺のことも決めていきたい、かように思っております。法律でやるか、あるいは告示でやるか、そういうことも決めていきたい、かように思っております。
○和田静夫君 だれが次の元号をつくって、福田総理が承認をされる印を押すのかというのは、これは大変むずかしい問題だと思うんですよ。昔のように、専門的に元号研究の学者がいて、それから中国の文献をあさってとかいうようなケースというわけにいかぬでしょう。いま言われたように、ずっと世論が醸成されるのを気長くお待ちになるというような論理になると思うのですが、手順としては、そうすると世論調査の後何かお考えのわけですか。別途元号問題の委員会をおつくりになるとか何とかというようなことは、構想としておありになるわけですか。
○国務大臣(藤田正明君) いままでも公式制度連絡調査会議ですか、これで元号問題をしばしば取り扱ったことがあるんです。ですから、新しい審議会をつくるか、それとも公式制度連絡調査会議ですか、これで行うかは決めておりません。恐らく従来どおり公式制度連絡調査会議にかけてこの問題を進めていく、それは世論調査の結果。そういうことに相なろうかと現在では思っております。
○和田静夫君 私は、きょう質問を用意するに当たって、いま私は参議院の議運にいますから、たとえば、美智子さんの結婚が皇室会議で決まった。そういう結論が議運に報告をされてというようなことの経過があります。元号問題がそういう形で取り扱われる場合、もっと突っ込んだ勉強をしておかなければならないと思ったこともあって、きょうある意味では唐突に取り上げたわけですけれども、そういうようなこともお考えの中にはありますか。
○国務大臣(藤田正明君) そういうようなこととおっしゃると、よくわからないんですが、議運の方に御相談申し上げるということですか。これは法律的に取り扱うということになれば、当然議運の方へ経過していくわけですから、これは当然のことだと思います。
○和田静夫君 告示でいかれるという場合。
○国務大臣(藤田正明君) 告示でいく場合に、さてそれはどうなりますか、私もちょっとその点つまびらかにしませんけれども、政府委員からお答えさせます。
○説明員(垂木祐三君) 元号を決めます場合には、先ほど来御質問がございますように、法律で決める場合と、内閣告示でこれを処理する場合と、一応こういうふうな考え方があるわけでございます。元号法案みたいなものを予定いたします場合には、当然国会の方へ御相談して、国会の方で成立をお願いする、こういうことになるわけでございます。 それから、内閣告示で元号問題を処理いたします場合には、これは形式的に申しますと、政府内部の問題でございますので、形式的には直接国会の方へ御相談を申し上げるということにはならないわけでございますが、これは事柄としてきわめて重要な問題でございますし、元号問題を決める場合には国会方面の十分の御了解を得なければならない、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 最後にしますが、この昭和、大正、明治、すべて中国の古典から元号がとられたことばもう周知のところであります。現在、中国は元号をやめてしまっておりますし、世界で元号を使っているのは、もうほとんどない状態であります。それから宗教的な発想から云々という長官の御発言もありましたけれども、その後、西暦の場合、これがずっと定着をしてきていますね。そうすると、最も大きな問題として考えなければならないのは、先ほど世論調査のことをお話しになりましたが、たとえば、法律的にはそういう取り決めがなくても、行政機関は明治、大正、昭和というような形のことを付記をさせる、あるいは戸籍の場合でも、生年月日を必要とする届け出の場合などというようなことがありますから、国民は結果的には昭和にマルをつける、あるいは大正にマルをつけるというようなことが一般化をしてきているということも考えてみなきゃなりませんから、そうして考えてみますと、今日の時点でやっぱり一番視点を置かなければならないのは教科書だと思うんですよ。われわれの子供たちというのは、ある意味では、明治や大正や昭和というものを、歴史を勉強する、日本史を勉強する上で無理やり覚えさせられますけれども、それらもほとんど西暦である。教科書の場合も西暦に元号を付記するというような形のものが多いんです。また、条約関係を見てみますと、条約関係はどこだって日本の元号が用いられていることはないわけですし、天皇が外国の元首に対して親書をお出しになる場合でも明確に西暦である、こういような形であります。あるいはまた、自民党内閣で論議をされてきた告示説をずっと漏れ承ってまいりますと、これもある意味では段階的解消論というものに立脚をしながら論議をされてきている経過があります。前の元号問題の小委員長も私は同一委員会にいたことがありますし、今日の小委員長も同一委員会にいたことがありますから、そういう方方から漏れ承るところによっても、やっぱり段階的解消説というものが前提には流れているように感ずるんですね。そうすると、私はこの機会にやっぱり思い切ってやめるべきだと、そういう主張を持っていることを意見として申し添えますが、何か御意見があれば承りたいと思います。
○国務大臣(藤田正明君) いま和田委員のおっしゃったような意見が、この際は元号をやめるべきであるという意見が昨年の八月の世論調査でも五%というものが出ております。ですから、先ほど来申し上げますように、陛下の身にもしものことがあった場合に、元号を新しくまたつくるということを決して強制すべきものでもないし、どうしてもつくらなきゃいかぬということでもないし、また、仮にできたからといって、その元号を使わなくちゃいかぬというふうなことでもない。お互いに国民の便利のために、あるいは愛着なり、使いたい人は使えばよろしいという程度のもの。ですから、おっしゃったような外交文書には主として西暦を用いられるし、国内の文書ではまた主としてあるいは元号が用いられるかもしれない。しかし、いま外国全般には宗教暦が私はたくさんあるということを申しましたが、この宗教暦の国は外交文書にも両方使っておりますね、西暦と自分の国の表示方法を。それはそういうことはどうでもいいんですけれども、私は決してこの問題は強制すべき問題ではないと。ですから、いわばカキの実が熟して落ちるように、皆さんの御意見に従って便利に両方をお使いいただくというふうなことがいいのではないか。和田委員の意見は意見としてよく承りました。
○和田静夫君 総務長官、もう結構です。 最近の国会において、議員立法なりあるいは請願の受け付けの問題や国会審議の充実などで国会の活動が活発化をして、その役割りは与野党が接近をすればするほど大変高まっていますね。で、この議員の国政活動を支えるために国会職員の協力は見逃せないところであります。そこで、この国会職員の手当や、あるいは待遇改善ということも、その意味で不可欠の要件であります。 私は、過去四回にわたって、この分科会で職員の問題について種々取り上げてまいりました。きょうは、その過去四回を総ざらいする意味で、決着をつけなければならぬもの、あるいは約束のあったものはちゃんとやってもらうと、これは何も事務総長以下がどんなに逆立ちしても大蔵という壁があるということにもなりましょうから、大蔵も十分にこの論議を聞いておってもらって、その壁も取っ払う努力を政府の側に求める、こういう意味で質問を展開をいたしますが、当局の側は、これまで定員削減という政府の方針で人員増が大蔵に認められない、そこで内部調整をやられてきた。ところが、いろいろ聞いてみるとそれも限界に来ているように思われますね。で、限界に来ているということを、また総長の側も私に対しても昨年まで答弁をされてこられた。部内の適正配置はもうやっぱり限界だというふうに理解しておいていいですか。
○事務総長(岸田實君) 年々増員の要求を――国家財政の見地も国会として全然無視できませんから、最小限度の増員の要求等をやっておりますが、大蔵省としては政府の削減計画を非常に厳格に行っておるたてまえ上、単なる事務量の増大とかそういう点で増員を認めるということはなかなか困難であるというお立場をとっておられます。そういうことで増員はなかなか認められないという状況で、予算編成の時期的な制約もございまして、私たちの希望どおり増員が認められていないという状態になっておりますので、われわれとしては国会の仕事を円滑に行わなくちゃならない責任もございますし、内部の合理化等いろいろ腐心いたしまして今日まで来ておるわけでございます。相当に合理化を進めてきて、多少でも余裕のあるところはもう全部使い果たしたような状況になってきておりますので、現在におきましては、今後内部の合理化によって事務処理の体制を整えるということが非常に困難になってきておるというふうに私も認識をいたしております。
○和田静夫君 いわゆる部内操作はもう限度だと、こういうことですね。
○事務総長(岸田實君) そうでございます。
○和田静夫君 たとえば特別委員会の常設化、あるいは最近、常任委員会を多くする話が衆参の両院でいろいろ論議をされているんですが、いまあるところの特別委員会との関係で考えてみても、調査室が合同であってみたり、あるいは委員部が兼務であってみたり、こういう状態になっている。これはやっぱり運営上も、あるいは調査活動の上からいっても支障が出る、それはそういうふうに認識しておいていいわけですね。
○事務総長(岸田實君) まあ職員の諸君には非常に御苦労をかけておりますが、現段階ではとにかく相当事務量も増大しておりますけれども、職員の諸君が十分に仕事に力を注いでもらえば何とかやっていけるんじゃないかという状況だと思います。それは、多少の無理をしてやっていただいておるものだというふうに私は了解しております。
○和田静夫君 そうすると、やっぱり労基法その他の精神からいっても、過重な労働が強いられるというのを当局としてやっぱり見逃がすというわけにはいかないと思うんですよ。その辺は、いま答弁にありましたように、無理をしてやらせるべきものじゃありませんからね。無理はやっぱりほぐさなきゃならぬ、そういうことを、労使間の問題としても、ちゃんと基準は基準としてはっきりさしておくことが必要だと思う。 設備課の例を見てみましても、約二十年前の昭和三十三年に三十六名いた。現在は五十二名。確かに人数としては十六名ふえていますが、ところが、この間には、別館だ、議員会館だ、分館だ、第二別館だと、大きな建物だけでも四つもふえていますね。守備範囲は優に五倍ぐらいにふえている。職員はそういう意味では悲鳴を上げているのであります。設備とか営繕など、現場部門というのは、これはないがしろにせずに、もっと充実をさせてやりませんといけないと思うんですが、そういう認識をお持ちですか。
○事務総長(岸田實君) 本院の施設を増設いたしました際には、その保守要員等につきましては、十分ではございませんが、大蔵省の方でも理解を示してくださいまして、保守要員の増員を認めていただいております。議員会館あるいは委員会庁舎、分館、あるいは今度できました第二別館、事務局庁舎の増設の際には増員を認められております。事務局庁舎の場合も、保守要員として五名新規に増員を認められておりますが、しかし、そういうふうにいろいろの施設が拡大いたしまして、現在の私どもの認識といたしましては、設備課の諸君の事務が非常に増大しており、かつ複雑になっておる。現在の体制ではちょっと無理があるというふうに認識いたしております。しかし、増員はわずか五名程度のものでございましたしいたしますので、これは内部の検討によりまして、近々のうちに最小限度の充足をいたしたいという心づもりで現在おるわけでございます。
○和田静夫君 そこの部分の充足は当然期待をするところですが、それもまた限界に来ているところの内部運営でころがしますと、どこかがまた行き詰まるということになりますからね。もっと大胆に予算編成期には大蔵との折衝が繰り返されるということでなけりゃならぬと思うし、われわれもそれに協力することにやぶさかじゃないわけですからね、そう認識をしておいていただきたいと思います。 それから議警職ですがね。これは四十六年以来、特別警備体制がいまだしかれているわけですね。勤務個所がふえたままになっております。そうすると、衆議院と敷地面積を比較しますと、参議院が千坪も多い。それにかかわらず、人員は六十八名も少ない。これは一体、大変おかしなことだと思うんですが、どう認識したらいいんですか。
○参事(有吉良介君) お答えを申し上げます。 この問題は、一昨年の分科会でも取り上げられております。確かに当初衆議院と二十二の差でスタートしておりましたけれども、今日まあ六十八の差が出ております。その中の三十は、議員会館が一つ衆議院には多うございますので、これを除きましても、正味、当初の二十二から拡大した数字というものが十六ございます。一方、記録の方は、当初ございました十七の差というものを維持することにずっと努めてきておりますのに比べて、議警の方にはなかなかそれができないということで、確かに私どももこの点は問題があると考えております。 ただ、この衆議院と参議院との数の差が一体幾らあればいいのかですね。この点は、議員数は参議院は半分でございますので、守備範囲の点においては同じというふうに考えておりますけれども、この十六の差というものをどの辺までまた解消していけばいいのか、これはなかなか議論のあるところであろうと考えております。ただ、いずれにしても、十六の差というものは、私は拡大し過ぎであるというふうに認識しておりまして、実は五十二年度の予算要求におきましても新たに衛視の増員を大蔵にお願いしたわけでございますが、残念ながらこれは実現をしていないということで、今後も引き続いて増員のお願いは続けてまいるというつもりでおります。
○和田静夫君 速記でも、いまちょっと触れられましたが、衆議院で定員増があれば後追いすると、こんな状態ですよね。それで、衆議院で四十九年に、しかも八名ふえたのに参議院では五十二年度で四名しかというようなことになりますね。これも早急に埋めるべきだと思うんですが、何か計画があるんですか。
○参事(有吉良介君) 八名の差を埋めなければなりませんけれども、実は記録は現在欠員を抱えておる状況でございますし、一方、養成所の養成の能力と申しますか、これがありますので、大体まあ一年に四人から五人程度しか採用できません。そういうことでありますので、一度に数をふやす必要はないわけでございまして、まあ八人のうち四名までいま埋めておりますので、来年度以降逐次残りの四名は埋める計画でおります。
○和田静夫君 労務職でも同じことが言えて、四十七年に五十一名いた。そうしたら現在は四十四名で、これは七名減になっています。これは欠員の補充のめどはついていますか。
○参事(有吉良介君) 用務は、確かに仰せのとおり五十一名おりまして、現在四十四人という数でございますが、これは先ほど総長から申し上げましたいろいろな合理化の一つの要素と私どもは考えております。業務量をそのままにしておいて人を減らすということはもちろんできません。したがって、業務量を減らせるものは減らす、やめるものはやめるという形で、現在おります職員には迷惑をかけないという条件でもって次第に合理化をしておるということでございまして、私どもは現在の四十四名でいまの業務は何とかやれるんではなかろうかと。 また、後で御質問があるかもしれませんが、技術職員、行(二)の職員、まあなるべく減らして、できるだけ行(一)の職員の方に移していくということも必要なことであろうというふうに考えておりますので、そういう業務をなるべく減らしたいという考えも一つはありまして、四十四名という数はまあまあの数であるというふうに考えております。
○和田静夫君 一昨年は第二別館ができて五名、昨年は二十二の委員長室ができて十一名ふえましたね。特に去年の委員長室は、実際は二十二名の人を配置をした。その半分しか大蔵は認めなかった。これは、委員長室ができるに当たって、議運でも人員の配置の問題では意見を述べておきましたが、結果的にそれが、職員、すべての職種にわたる職員の労働過重になるものであってはいけない、そういう配慮というものは当然なけりゃならぬということを言って、そういうことが起こり得ないということを前提にしながらああいう配置関係ができたはずです。ところが、半分しか大蔵は認めない。そうすると、今年度参議院当局が十七名大蔵省に要求して、これまた一人も認められない。 で、先ほど指摘しましたように、もう各職、部課とも、ふやす要素こそあれ、減らせるところはないと思われる。十七名要求した根拠と、その内訳はどういうことですか。
○事務総長(岸田實君) 委員長室を新設いたしますのに際しまして、少なくとも最小限度一名は配置しなくちゃなりませんから、二十二名の増員が必要でございまして予算要求をいたしましたが、そのときに十一名の増員で結局妥協したわけでございます。われわれとしては、非常に苦しい内部事情もございますので、二十二名の増員を認めていただきたかったのでございますけれども、大蔵当局としては二十二名というような大量な増員を一気に認めるということは、ほかの省庁の場合において事務量の増大等については一切認めないというたてまえをとっておられる関係もございまして、非常に難色がございました。しかし、予算の編成の時期も切迫しますし、どうしても委員長室をつくらなくちゃならないという至上命令を私たちは持っておりましたので、極力内部の合理化の検討を進めまして、たとえばエレベーター要員を減らす――最近一般的に自動化が進んでまいりまして、自動化で運営してもさしたる支障はないんではないかということで、従来人員を配置しておりましたエレベーター要員を削減する、あるいは給与関係のコンピューター化に伴います余剰の人員をこちらに振り向ける、また、人事課の業務の合理化ないしは女子職員の代替要員として人事化に保留しておりました者を吐き出すというようないろいろな苦心をいたしまして、それで半数は内部の合理化によって出し、半数の新規増員を認めてもらうということで、予算上の増員は半分になったという事情にあるわけでございます。そういうふうにいたしますと、ほかのところにも実は職員を充員したいというところがございますので、ただいま申し上げましたような多少余裕のあるところからほかのところに回すという必要性があるわけでございますけれども、委員長室をつくるということを最優先問題といたしまして、そちらの方にただいま申しましたような余剰人員を振り向けた、こういう事情になっておるわけでございます。
○和田静夫君 いえいえ、今度十七名要求された根拠、内訳ですね。
○参事(有吉良介君) 各部課からは膨大な数が出てまいったわけでありますが、まあ国家財政がこういう時期でございますので、私どももできるだけそれを圧縮いたしまして最小限度の数にしぼったということでございます。 内訳を申し上げますと、今度新庁舎ができまししたことに伴いまして、自動車課の車庫が新館の方に移りました。その跡に、残った車庫に、先生方の車とかいろんなほかの車を入れておりますので、車庫管理の必要が出てまいりまして、これで一名。それから、第二別館の管理要員として一名。それから常任委員会の調査員として二名。それから請願事務が最近ふえておるということから請願課に一名。それから職員の診療所がいろいろ業務拡大いたしまして範囲も広がっておりますので、看護婦を一名。それからさっき申しました車庫管理を係長で要求いたしましたが、車庫管理を現在一名しか人を置いておりません。あとはアルバイトでやっておりますので、結局車庫管理はもう一名おります。それから第二別館の要員ももう一名。それから設備課で拡声設備要員として一名。それから常任委員会の調査事務を補助する職員として二名。それから速記士を一名。衛視を四名。こういうことで、ほかに法制局が一名おりますが、こういうものをしぼって要求したということでございます。
○和田静夫君 そういう形だと、各職場で大体一、二名の要求で、これはまあさつきからの論議を踏まえてみれば、全部要求が満たされても実態としてはなお限界ぎりぎりのところである。ところが、職員組合が各職場要求をまとめたところ、三百九十三名要求が出た。で、いま国家財政云々ということを前提にされながら、あなたの方はしぼりにしぼったと、こう言われる。しかし、その結果が、要求の結果がゼロになるというようなことは大変無責任な話であって、しぼりにしぼったんなら、しぼったところを取らなきゃならない。取るには手法というものがあるでしょう。あなた方の力で取れなければ、取るすべもあるでしょう。そういう努力を一切やられないというあなた方は一体どういうことなんですか。単に予算折衝で、予算の要求は出しました、結果的にはゼロでありましたという形のことで済まされてしまう筋合いのものではないでしょう。 毎年こういう論議を何回か繰り返して、あなた方が次年度に向かっては、たとえば人員ならば純増の約束をいたしますと答弁をされる。されたところでその翌年度はゼロなんだということでは何にもならない。先ほど事務総長が長々答弁をされましたが、結果的には委員長室二十二名要求したが十一名だった。十一名昨年削られたからことしはその十一名はもともとゼロである。十一名分の要求は入っていない。昨年の経過からいけばいま十七名の要求がたとえば正しいと見ても、それが要求を設定するに当たっての限度と見ても、それにプラス十一名というのは、昨年要求というものは、削られた要求は当然つけ加えるぐらいのことはあってしかるべきでしょう。そこのところがゼロなんだ。これは初めからあなた方には、努力しても職員の今日の労働過重の状態というものを解消するために人員要求をやり抜こうという決意がそもそもないじゃないですか。どうなんです、これは。
○事務総長(岸田實君) まあわれわれとしては努力しておるわけですが、結果においてこういうことでございますから、ただいまおっしゃいましたことに対しましては一言も弁解の余地がないかもしれませんけれども、とにかく予算編成の際の一般の政府機関に対するこの人員増に対する大蔵省の態度、立場というものは非常にシビアであり、それと平仄の合わない国会側に対する増員を認めるということは、大蔵省の方でもなかなか立場上できないということでございましょうけれども、われわれの要求がなかなか認められないということで今日に至っているわけでございます。
○和田静夫君 大蔵省ですがね、大蔵省はこれまでの分科会で定員削減計画は国会を拘束しない、要求があったときは事務局とよく相談すると答えているわけですね。その前段の、定員削減計画は国会を拘束しない、そういう立場に立って、一体五十二年度というのはどんな相談をされたんですか。いま答弁にあったように、十七名の要求というのは、これは大変控え目な要求であります。それに対してゼロ査定をした。これはどういう理由からゼロ査定になったんですか。
○説明員(岡崎洋君) 前段の、一般の行政府の職員の定員削減計画と立法府の職員の方々の人間の関係でございますけれども、私ども、当然のことといたしまして、立法府にそういった行政府の定員削減計画が求められるというふうには考えておりません。ただ、一般の公務員と同じく、国会の職員の方々も、公務員といたしまして国民の税金に支えられて仕事をしておられることでもありますので、できるだけ事務の効率化でございますとか、事情の変化に応じた対応ということをお考えいただきたい、はたまた私ども行政府の方でやっております定員削減計画を参考にしていろいろお考えいただきたい、こういう協力の御要請はいたしておるところでございます。 それからなお後段の、それでは五十二年度の定員につきまして、どういう考え方で御相談を申し上げたかということにつきましては、一方で、一般的なそういう国民から求められている厳しい情勢の中で、いま国会の事務局の方からお話がありました個々の内容につきまして、一つ一つ御協議を申し上げて最終的に決めさしていただいておるところでございまして、それは衆議院、参議院、国会図書館、一つ一つにつきまして御相談申し上げ、やりくりのつくところにつきましては配置転換と、そういうこともお考えいただいて、本年度は結果といたしましてゼロという形でお願いしたわけでございます。
○和田静夫君 国会の側から出るところの最低限の人員要求というものに対して、まあゼロという答えが出る。これは、一面で考えてみれば、与党の側というのは、あなた方官僚機構というものを十分に使い切る、ある意味じゃ官僚機構に支えられている、こういう状態です、調査にしろ何にしろ。しかし、野党の側というのは、国会職員の諸君の協力を十二分に得ながら調査活動を充実をさせて、国会の論戦に臨んだり、いわゆる国会運営全体に効果あらしめている。そうすれば、大蔵官僚のさじかげんで、最低限ぎりぎりの定員増要求というものが常にゼロ査定されるということになってくれば、あなた方の地歩を守るために、結果的には、国会に協力を求める野党側の十分な仕事をさせないためにゼロ査定というものが繰り返される。そういう政治的な意図というものを持っておると判断をしても、ある意味じゃ間違いでないぐらいのことになると思う。私たちは、こういう状態というのは許せない。先ほど来論議をしてきたように、たとえば今度の場合だって、人事課長の答弁にあったように、調査室なら調査室に対して何人かの充実要求が出ている。これらを削らなければならなかった理由というのは、具体的にどういうことです。
○説明員(岡崎洋君) 先生おっしゃいました調査室を初めといたしまして、それぞれの部局につきまして、私どもの方が一方的にもう認めないというような形で処理をしたわけではございませんで、八月末にいわゆる概算要求というものを出していただきましてから編成が最終的に決着を見ます一月までの間に、いろいろ意見を交わしておるところでございまして、やや中身に立ち至って申し上げますれば、たとえば参議院の場合でございますと、いわゆる増員という形では五名をお認めいたしましょう、そのかわり、一方でそれの充実につきましては、ほかの部署に働いておられる方、それのポスト等を振り向けてやっていただきたい、こういう形で御相談をいたしまして、なおかつ、その中でどういうものにそれでは五名というものを振り向けるかということにつきましても一一つ一つ御相談をいたしまして、中身をやや細かく申し上げますと、参議院においては、常任委員会二名、記録部一名、警務部一名、管理部一名という形でお認めというか、御相談が調ったということでございます。
○和田静夫君 そうなると、事務当局の方が弱腰であるから、常に具体的な相談をしたけれども合意が成り立ったということにしか聞こえぬわけでありまして、事務総長の側は、先ほど来の答弁に明らかなように、残念ながらゼロでありました、残念ながら要求を満たすことができませんでした、こういうことであります。 で、私は、組織の改革とか機構の拡充があったとき、ある一定の人員増なりというものが認められるのは、これは当然だと思う。それじゃ、定員削減計画の対象になっている文部省や厚生省や運輸省が純増しているのはどういうわけです。官僚機構の方は、大蔵省の側としては合意を与えていきましょう、国会の方は、どっちみちそんなものは大した影響力はないんだからよろしいと、こういうことでしょう。国政審議という国家的な使命を果たしているそういう国会に対しては冷淡であってもいいんだ、職員の重要性は認めないんだ、削減計画の中にあるところの他の省――他の省を認めたことはけしからぬとは言いませんよ。他の省を認めているのならば、国会の純増計画についても十二分な配慮があってしかるべきじゃありませんか。事務総長、そう思いませんか、他省と比べてみて。
○事務総長(岸田實君) これは私の方からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、まあ、大蔵省と交渉した者の話によりますと、政府機関におきましても、単なる事務量の増大等ではほとんど大蔵省は認めてない、新規に事業とか、そういうものが出ました場合は格別でありますが、それで明らかに定員削減を行っておる、実際問題として減員になったところも多々ありますという報告を受けておりますので、国会だけに非常に強くあれされておられるということではないと私は思いますし、むしろ、政府のそういう方針の影響が国会の増員計画の審査の場合にも反映してきておるんではないかというふうに了解いたしておりますが。
○和田静夫君 事務総長、何も大蔵省に遠慮する必要ないんだよ。たとえば新規のと、こう言われた。そうしたら、委員長室といったら新規ですよね。それはもう明確に半分削られたわけだ。そうしたら、昨年だめだったら、ことし当然十一名というのは日程に上っていかなきゃならぬでしょう。あなた方遠慮をして、最低のそこのところの要求さえ削ってしまっているわけよ。大蔵の方は、要求が出てこなけりゃそんなところ手を伸ばそうという意図はもともとないんですから。野党の方は役に立たぬかもしれないけども、もう少し事前に協議をもらえれば、一緒になって大蔵省を口説き落とすぐらいのことはやってもよろしい。各省なんというものはそんなものでしょう。与党の議員総がかりになって予算編成過程で何遍も何遍もかわっていく。国会だけが、最初にずばりとやられたら、あと何にもないというような形で流れてきているところが問題である。それは大蔵側の思うつぼにあなた方乗っていることですよ、これは。次年度に向かってどうですか。
○事務総長(岸田實君) 先ほども申しましたように、内部の余裕はもう限界に達しておりますので、来年度は従来に倍して大蔵当局に対しまして交渉いたしたいと存じます。
○和田静夫君 とにかく立法府として、要求すべきものは堂々と要求をして、そして純増があるようにすると一よろしいですか。
○事務総長(岸田實君) そういうふうに努力いたします。
○和田静夫君 次に、行(二)の問題ですがね。これ、たびたび約束されていることですから、私はあんまり深追いしませんがね。実は、今度行(二)をながめてみて、約束されたことが、これは図書館長もいらっしゃいますが――前事務総長もいらっしゃいますがね。前事務総長も私に約束した。それで解決しないのに驚いているんですよ。非常に劣悪であると言ってよいんです、この行(二)表。で、行(二)表というのは、私は何遍も言ったように、国会にはなじまない、そういう考え方ですが、昭和四十一年度から始まったこの行(一)移行で今日まで努力をされてきたことは認めますよ、それは。何もされなかったなんということは言いませんがね。それは敬意を表するにやぶさかじゃありませんが、まだまだ多くの問題が積み残されたままです。 そこで、四点だけきょう詰めますがね。第一点というのは、移行が始まってすぐの昭和四十二年から三年で移行すると、あのとき約束されたわけですがね。ことしの予算書では十三名残っていますね。そうすると、これは経過はわかっていますから、もうそんないろいろの経過の説明は要りませんが、存在している理由ですね。いまだ存在している理由、これは何ですか。
○事務総長(岸田實君) これは、簡単に申し上げますが、衆議院ではすでに数年前にいわゆる行(二)撤廃という一つの人事の方針はほぼ完了したと、若干の行(二)の定数は残す必要があると、そしてそれを行(一)に移行さしていくんであるということで、議運理事会の決定によりまして、行(二)撤廃のことはそこで打ち切るという方針を立てられたわけでございます。参議院側におきましては、先生も御承知のように、庶務小委員会に、衆議院の情勢がそういう情勢であるということを御報告申し上げまして、私もまあ大体衆議院と同じようなことで、この際行(二)撤廃というのは一応打ち切って、今後は行(一)移行後の処遇改善に努力すべきであるということを私の意見として申し上げましたが、参議院側におきましては行(二)撤廃の方針をそのまま持続するようにという御指示でございましたので、それ以後も行(二)全廃の要求をしておるわけでございますが、同じ国会職員法及び国会職員の給与に関する規程のもとにおきまして、衆議院と参議院と違った扱いにするというわけにもなかなか実際問題としていきませんし、大蔵当局の方でも参議院だけ認めるということもちょっとできないことであろうと思います。そういうことで今日まで来ているわけです。ただし、私どもとしましては、内部の合理化、配置転換等のことで、できる限り行(二)の定数を減らすということがいいのではないか、そして、行(一)の定数を使って行(一)移行を容易ならしめることがいいのではないかということで、それ以後におきましても、削減分を行(二)から取り上げ、増員分を行(一)の方に移すというようなことで大蔵当局に交渉いたしてまいりまして、現在十三名ということになっておるわけでございます。
○和田静夫君 それ、一言だけ、撤廃の方針に変更はありませんね。
○事務総長(岸田實君) これは、撤廃の方針を決定するのには庶務小委員会に改めてお諮りしなければ、私の一存でそれを打ち切るということはできないわけでございます。
○和田静夫君 図書館は四十八年から移行要求をしてないんですが、これも移行要求は中止しているが撤廃するという方針には変更はないでしょうね、これは。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 図書館の行(二)の定数はただいま九名でございます。それで、前館長時代に決めました方針は、この行(二)の有利な点がありますものですから、たとえば中高年の採用とか、あるいは技能職その他職員の初任給の問題とか、そういう有利さのあるところだけは何としても、これ一般職員の利害に関することでございますので、この点を保持するために若干名の行(二)表の職員を保存しておくと、しかし、天下の大勢を見まして、いろんな国家の根本的な基準によって決まるまでは暫時そういう方針で善処したいということで今日に至っております。私もそれを継承いたしましてただいま九名を温存しておるわけでございまして、経過はそういうことでございます。
○和田静夫君 図書館長、初任給とか中高年齢者の格づけが行(一)より有利だというのは、これは理由に実はならないのでして、初任給が有利になったのは移行が始まった後からのことであって、その辺のことも、理由にならないことを余り理由にされると論議を蒸し返さなければなりませんから、私はもう時間がなくなってきていますから言いませんが、十分そこは考えておいていただきたい。 そこで、行(二)定数は十三名なんですが、過員が何名かいるわけでしょう。
○参事(有吉良介君) 実は、現在、技術職員と申しますか、それは二百五名おります。技術職員の定数が百五十三でございますので行(二)の定数十三を加えましても百六十六という数字になりまして、その足りない分は一般の行(一)のあれを使っておるということでございます。 それから、行(二)そのものに何名おるかということでございますが、これは、現実にいま職員を採用する場合には、どうしても行(二)という制度がございますので、ここで採ります。一方、行(二)の定数はどんどん減らしているわけでございますから、これは新陳代謝の関係によって行(二)の実員が非常にふえるということは避けられないわけでございまして、過員の問題は私ども実はそう大きい問題ではない、これは技術的な問題であるというふうに考えております。
○和田静夫君 それ大変けしからぬ答弁で、四十九年のこの分科会では五十年には過員をなくすと約束したんですよ、あなた。大した問題ではないと考えておるなんという答弁は大変ふざけた答弁で、これは、明確にその約束違反なんですよ。これは移行基準を短縮しなかったなら解消できるはずはないんですよ。過員の解消というのはやっぱり行(二)の撤廃の精進に近づくわけですから、そこは十分考えなきゃいかぬですよ。
○事務総長(岸田實君) できるだけ撤廃したいということであれしたんですが、当時は二十何人かの定員があったと思いますが、それ以後も、先ほども申しましたように、減員・増員の運用によりまして減らして、十三名にしたわけでございます。したがいまして、それは、そうすることの方が将来行(一)に移行するときに行(一)の定数が足らないということがないようにするのには有利であると考えましたので、さらに行(二)の定数を削減いたしまして行(一)に増員をしたというような扱いをしてきております。その関係で十三名に減らしたんですから現在過員があるということでございますが、私どもの考えといたしましては、行(一)になるべく早く移行できるように、その際に行(一)に定数がないために移行できないということがないようにということに重点を置きまして、そういう運用をやっておるわけでございます。 それで、先生からいろいろお話がありました分科会の御指示等も十分に考慮いたしまして、できるだけ行(一)移行の時期を早める、ただし、これわ一般の社会常識に反するような極端なことはできませんが、できるだけ早くするということで、それ以後、行(一)移行の基準に改善を加えまして、相当に早く行(一)に移行できるようにいたしております。これは、先生のこの前のときの御質疑に対してわれわれは忠実にそれを実行してきたと自負しておるわけでございますが、それともう一つは、行(一)に移行いたしました後の処遇を改善するために、一つ上の等級、たとえば運転手にいたしますと技術職員の四等級、それから用員にいたしますと技術職員の六等級の定数をできるだけ増加をする。そういたしまして、少なくとも行(一)に移行いたしました上は、従来の基準よりも一ランク上の等級までなだらかな実行基準によりまして、すべての人が公平に昇格できるようにするということを一つの重点にいたしまして、この数年来大蔵当局にその点を最重点項目として交渉いたしました。その結果、運転手の技術職四等級も年々定数をふやしていただきまして、現在十七名の定数をいただいておるわけでございます。また用員につきましても六等級の定数を相当にふやしてまいりまして、まずマル特になるようなことなしに六等級に一般の用員の方も進めるような定数を現在持っておるわけでございます。しかしながら、今後ともその運用を順調にやるのにはさらにその有利な定数をふやさなくちゃなりませんから、今後とも、この点につきましては定数の交渉につきまして最重点の項目としてやっていくという、この二つの改善策を実行に移して、この点は相当の改善をしたと私たちは思っておるわけでございます。
○和田静夫君 ともあれ、最も近い昇格期には過員はとにかく全部なくする、そういう努力をしてもらいたいと思います。 それから同時に、技術職の枠の撤廃問題なんですが、これも当初移行中とりあえずの段階として枠を設けた、そういうふうに説明をされていたわけです。したがって、この二百四名の定数から十三名に今日減ったわけですから、移行中のとりあえずの措置の時期は終わったと考えるべきであって、枠は撤廃をすべきですよ。これ撤廃しないとなるとこれもまた約束違反ですからね。いいですね、これは。
○参事(有吉良介君) この枠の撤廃の議論は、従来、移行中でありますので、これはまあ移行が終わるまでの暫定的な枠組であると、便宜的な整理であるというふうに御答弁をしてきたと思いますが、実は御承知のような事情で移行ということが事実上一とんざしておるという状況がございます。それで現在そのままになっておりますが、確かに行(一)表の中に別枠であって別な扱いをするということがいいかどうかという、形の議論はもちろんあると思います。しかし、私どもは、この問題は、実質的には枠を別にすることによって職員に不利が生じているかどうかということが一番大きな問題であろうと思います。私どもは、単に形だけの問題、ただ整理だけの問題ということではなくて、むしろ別枠にすることによって技術職員の問題を浮かび上がらせると申しますか、そういうことによって集中的に改善を図っていくというメリットもある。これが一般の中に入れまして、たとえば四等級の要求でも、一般の中に入れてやりますと、焦点がぼけてしまって、なかなか実現がむずかしいのではないかということも考えたわけでありまして、むしろ別枠にすることによって、結果的には、たとえば技術四等級もいま十七までふえてきておりますし、技術の六等級、要員の問題につきましても、ことしは大蔵の御理解を得まして要求額が全部入ったというようなことで、私どもは、これは相当メリットがあったというふうに思います。 実は、この枠を撤廃するという問題は、いずれにいたしましても、技術職員を一体どういう形で扱うかということになるわけでございまして、その問題を抜きにして枠の問題はあんまり一またおしかりを受けるかもしれませんが、それほど私どもはどうしてもというふうには考えておりません。むしろいまは枠の問題をこのままにして、事実上実質的なものを獲得していくということに力を注いでおるわけでございまして、最近数年間は下位等級に集中的に重点を置きまして改善を図っておるということでございます。確かに先生とのいろいろな御論議がございましたことは十分承知しておりますけれども、それがなかなか進まないという事情もありますので、実質的に職員に不利にならないように、私どもはいま最大の努力を払っておるということでございます。
○和田静夫君 枠を設けていることは、行(一)に移行はしたけれども結果的には行(二)の表を横目で見ている。したがって、行(二)にいたならばという基準でこの昇格基準というものが運用をされる、昇格運用をすると、そういうふうな形で、職員にしてみれば大変な不安ですよ。そこの点はやっぱり十分に注意をしませんと、大した問題ではないんだという感覚はこれは間違いであります。職員に希望を持たせるという意味からいっても、そういうところにもう少し視点を置かなきゃいかぬ、そういうふうに考えますから、これは意見として述べておきます。 自動車課ですがね、自動車課の職員の等級別分布表をこの間見せてもらいました。五等級の八十数%が二けた号俸。そして高位号俸になると七等級の間差よりも低くなってくる。これは二千三百円です。さらに、その辺にいる人には昇給延伸という冷酷な制度がある。この層の人たちは本院における貢献度というのは二十数年間ですね。そうすると、その矛盾点を私は不満として多くの皆さんから聞きますよ。行(一)に行ったのだから少しはよくなると思って行ったけれども、これは期待外れだったんだということになると何もならぬわけですね。同じ国会職員でも衆参の運用に差がある。三等級への道について、衆議院では整備主任という三等級があると聞いていますが、この間の衆議院の分科会の議事録を見てみますと、衆議院の総長は三等級について、専門職定数等もあるので、それを含めて検討する、こう答弁しているわけですが、これは参議院でも検討しますか。
○参事(有吉良介君) 衆議院で運用のやり方についていろいろお話がございましたが、実は私どもは専門職というのは、まさに言葉どおり組織というものを離れて、たとえばお医者さんであるとか、うちではたとえば浄書とか何とか、そういう特別な業務について専門職というものが用意されておるわけでございまして、実はこれを運用で使うということは、実は制度的にやっぱり問題があるわけでございます。それでいまのところは私どもは技術の四等級の定数をふやすことにいま重点を置いてやっておりますが、それでは、上に詰まってきた場合どうするかという問題は確かにございます。これはそれから上は現在のところでは、いまそういう制度を開いておりますが、事務職へ転用するという道をとりまして上へ上がることも可能にいたしておるわけでございます。もっともそうは申しましても、そうどんどん事務職の人問が要るわけじゃございませんので、いずれ詰まってくるということはございますが、ただ一般官庁におきまして技術四等級と申しますのは行(二)でいえば特一でございますが、各官庁ではやはりせいぜい一名、多いところで三名ぐらいしかこれはおりません。まさに国会の特殊性というものを大蔵が十分配慮した結果だと私ども思いますが、現在私どもの方に十七入っておって、今後もどんどんお願いをしていくということでございますので、これが実現した暁、それから一般職員のいろいろな処遇改善というものが相当進まないと、運転手のままで三等級に行くという問題は、これは制度的になかなか問題があるのではないか。これは現在三等級と申しますのは、中央官庁で中心的に仕事をしております課長補佐でございますので、まあ技術の評価ということについていろいろ議論があると思いますけれども、このままで上に行くということについてはやっぱり制度的にむつかしい問題がある。ただ、いろいろな手だてを講じて改善をすべきであるという御趣旨は、これはよく私どもも理解できるところであります。
○和田静夫君 三等級への道というのはやっぱり検討すべきですよ。たとえば私たち議員の命の問題からいったら、あなた方そんなこと言うけれども、運転手の人が一番貴重な存在ですよ。技術度が一番高くなければならぬですよ、生命を預けているわけですから。われわれ、たとえば私の毎日の生活なんといえば、朝早くから夜遅くまでというような形でもって議運の関係で飛び歩くという、なかなか院外に出れないから、にわかに出て行くという生活が多い。一切を預けているわけですね。で、どこかの課長補佐がわれわれの命を預かってくれているわけじゃありませんからね。もう少し、職種、職業、職務には貴賎はないし、その辺のことは十分に考えた運用というものはあってしかるべきですよ。したがって三等級への道が技術職運転手という職務上大変むずかしいというのなら、衆議院がやっている整備主任というような形の道を三等級の格付けとして考えるとかね、それは手法というのはいろいろあるわけでしょう。問題はあなた方の姿勢の問題ですよ。たとえば四等級昇格についても衆議院とは差があるでしょう。少なくとも当面五等級在級六年以上、また在職二十五年の職員の永年の勤続表彰を受けた人は、これはすべて衆参足並みをそろえて四等級に昇格させるべきである。それはよっぽどの欠格条項があれば別ですよ。で、初級採用の人が大体十七年三ヵ月で四等級に行っているように聞きますが、二十五年としても八年の差になるわけですよ。こんな差別をしているのが行(二)表の実態のわけですからね。仕事によって差別する、これはもう制度以前の人権問題なんですから、その点をし つかり考えてやってもらいたいと思います。 こういうふうに論議をしてきますと、昇給昇格の実態が衆参ばらばらの上に行(二)表の見合いの運用がされているということは、四十七年に衆参一本のりっぱな移行後の資格昇格基準をつくると、こういうふうに言っていらっしゃった。きょうは衆議院、向こうの関係で総長来てもらわなかったのですがね。この約束はどう果たされるのですか。
○事務総長(岸田實君) 現在のところは、まあ過渡期と申しますか、たとえば自動車の四等級の定数も十分でない。相当にまだこれをふやさなければ将来の処遇をどういうふうなことでもっていくかというめどが立たないわけです。ですから私どもとしましては、さしあたってはワンランク上の自動車の四等級、あるいは用員の六等級の定数をふやして、そして将来の実行の見通しを立てまして、これならもう間違いなく運用することができるというところでしっかりした基準を立てる、決める、それ以後はその基準を忠実に励行していくというふうにしていきたいというふうに考えておりまして、まだいまのところはそういう全体の態勢が整っていませんからはっきりした基準をいま決めるというわけにいかない。しかし、過渡期におきましても実行基準というものを一応立てまして、できるだけ早く行(一)に移行し、また昇格もできるだけ早くできるようにやっていくということで努力しているわけでございます。したがいまして、衆議院との間にその扱いにつきまして統一をとるということは現在やっておりませんけれども、態勢が整えば、そこで衆参両院で合致した基準を立てるということにするのが適当だろうというふうに考えております。
○和田静夫君 労務職員の六等級定数、ことしかなりふえたようですが、これも五等級への道を開くようにすべきだと思います。 それからもう時間がなくなってきましたから少し急ぎますが、いままで指摘してきましたように、数年間この問題に私は携わってきて、一定の前進面は先ほども言ったように評価しますが、公の場での約束を果たしていない点が多過ぎます。それば一方では大蔵の壁があることは知っています。果たすためにはやっぱり共同で努力しなきゃ。で、一般事務職員に比べて保手、自動車、労務職員など、技術系職員の処遇というのはやっぱり著しくおくれていますよ。これは当該職場にかなりの不満がありますよ。これはやっぱり解消の努力をしなきゃいけません。保手の職員の行(一)採用ですね、あるいはこの自動車課職員の四等級への昇格、労務職員の五等級への道を開くこと、それから公邸やらあるいは宿舎の職員の行(一)への職種変更の問題ですね、など職員の要求をこれよく聞いて、ことしの七月の昇格期に処置、改善に一層の努力をする、そして当局の責任の一端を果たすということが必要です。このまま放置しておきますとやっぱり大きな責任を問われますよ。七月昇格期には、国会にも職員団体が存在するわけですから、職員団体とよく話し合って改善についての結論を出す、そういう姿勢で臨まれますね。
○事務総長(岸田實君) 組合の要求はもう常々十分に聴取いたしておりますし、将来の見通しを立てて、実行が永続的にできるものはなるべく改善をするということで努力しております。ただし、ことしだけは定数の関係でできるが、やがて定数がなくなってできなくなるというようなことでは、縦の公平を期することができませんから、これはやはりある程度の将来計画というものを見ながら、なるべく改善に努めたいというふうに考えております。
○和田静夫君 図書館ですが、図書館には定員の一割にも達しようとする非常勤職員がいる。で、その仕事の内容をずっと調べてみると、図書の目録カードの作成用のデータシートの記述であるとか、あるいは国会会議録の索引編集だとか臨時的な仕事じゃないんですね。そうすると、職員が日常にやるべき仕事を代替している。将来こうした非常勤制度をどういうふうにしていくつもりですか。時間がありませんから、廃止をされていく方向ですか。一言答弁……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 図書館の非常勤の職員の制度につきましては、これはその本来の制度、当然時を限った事務、これはまあ限時的な業務と言っておりますが、そういう臨時の業務に使わなければならないことは当然でございまして、いま先生がお述べになったような業種及びわれわれといたしましては滞貨処理などは一番限時的に出てくるわけです。たとえば、私も経験いたしましたが、学者から二万数千冊の御寄贈を一気に受けたような場合、これを一人でやりますと一年も二年もかかるのでございます。こういう臨時的な業務が最も目立った業務でございます。その他図書の出納事務の繁忙期等におきましては臨時を使っておりますが、これは二月、八月のころでございまして、そういった、それから明治期の刊行図書目録の編さんというふうなこと……
○和田静夫君 いやいや、そうだから日常的な業務に相当するものに非常勤の職員がいるということはいけませんと。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) それはもうもちろん当然なことでございまして、われわれとしてはそういうものに使わぬように注意はいたしておりますが、臨時の業務が多いので、やむを得ず非常勤職員の制度を使っておると、こういうことでございます。
○和田静夫君 私もう時間がないですから、述べることに間違いがあったら言ってもらいたいんですが、それらの賃金、待遇が大変劣悪である。基本賃金が三千二百四十円。で、手当は余りない。夏に若干、三日分ぐらい出る。夏、冬、そんなような程度。特に交通費なんですが、交通費を含めて年収七十万円ぐらいという人たちですね。交通費込みの一律日給にすると、人によっては交通費が一日八百円もかかる人がいるのに、その人は手元に二千五百円程度しか残らない、こういう人がいます、ずうっとね。そうすると、同じ一日働いているのに、住まいの遠近によって手元に残る金が、ある人は三千円であったり、ある人は二千五百円。これは非常な不合理です。年度途中で運賃の値上げがあると、その分だけ日給は増額されるかというと、そうなってない。そうすると、交通費の支給というのは個々の職員が幾ら必要とするか、その分において支給するものだと思うんですけれども、どうもそうでもなさそうだ。交通費実費支給はこれはもう社会的な常識だと思うんですがね。これは図書館では常識じゃないですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 非常勤職員の待遇につきましては、十分努力してまいらなければ相ならぬことは当然なことでございますが、ただいま新年度につきましては、予算等も決まりますれば、日額――月十八日勤務の職員、事務補佐員の改定でございますが、これにつきましては三千五百円ぐらいを支払っていこうと、こういう目算をしておりますが、その場合にわれわれといたしましては、通勤しておられる職員の通勤手当は、これは大体わが館の平均から申しますと、月二十五日勤務の一般職員でございますが、これが二百四十円から五十円程度だと思いますが、十八日勤務でございますので二百円見当をその中に含めて計算をいたしておると。通勤の経費の見合い分としては概略二百円程度の計算でやっておるわけでございまして、先生いろいろ種々御指摘になったことは私も存分承知していますので、この非常勤制度の抜本的改正が遠からずあることと思いますが、それは期待しておりますが、まだ現に私たちが抱え込んで仕事をしておりますので、行政庁の例とか、あるいはまた衆参事務局の運用の方法等も参考にさせていただきまして、十分研究していきたいと思っております。
○和田静夫君 人事院にちょっと伺いますがね、一般職において非常勤職員に交通費が支給されている例が非常に多い。国税庁とのやり取りで、非常勤職員に支給される通勤手当相当の給与に対する所得税の取り扱いについてという通知もある。ありますが、非常勤職員に交通費を支給することについては、人事院としてはどうお考えですか。
○政府委員(茨木廣君) 給与法の二十二条の二項に「前項に定める職員以外の常勤を要しない職員については、各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する。」という条文がございますので、それを根拠にそれぞれの非常勤の勤務の実態等に応じまして、各省庁で常勤の職員との権衡を考慮をしてということで、基本給のほかに諸手当等で出すべきものがあれば出してよろしいというような考え方をとっております。したがって、通勤手当につきましても、それぞれの内容に応じて支給することが好ましいという考えでございます。
○和田静夫君 人事院の見解もいまあったところでありますので、館長ね、ことし私鉄、地下鉄の値上げやら、国鉄の再値上げやら、いろいろなことが盛りだくさんにいまありますね。われわれもちろん反対でありますが、もしそんなことが行われた時期にはやっぱり交通費の実費支給ということは、これは考えてみなきゃいかぬことです。特に、国会職員の給与等に関する規程の十五条から言っても、衆参両院の議長が取り運ぶことができるような規程がちゃんとあるわけですから、これらとの見合いにおいて交通費問題というのは善処をしていただきたいと、一言だけ、よろしいですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ただいまの先生の御指摘の点につきましては、衆参両院と十分連絡いたしまして努力いたすつもりでございます。 なお、つけ加えておきますが、交通通勤費の見合い分につきましては、課税等について相当考慮して措置いたしております。
○和田静夫君 あと二点だけあるんですが、本年度の予算で新たに特別調査員という制度が導入されたですね。これは現在のスタッフでカバーできない、したがって人員が不足をしている、人材がいない、そういう二重の意味があると思うんですが、人員不足については定員増を図るべきだし、人材不足については内部養成で解決するのが私は基本だと思うんです。この本年度の予算を調査業務について見ますとね、立法資料の購入費が二百六十万増で一千五百万ですが、ことしの増額では書籍の値上がりを考えますとね、実質上の増というのはゼロだと思うんですね。調査業務に必要とされた基本資料はこういうような状態に抑えられているにもかかわらず、この特別調査員にこれだけの予算を要求したというのはどうも解せないんですね。本末転倒じゃないかと思うんですが、この制度は一体いつまで続けるつもりなのか。計画的に人材を養成してこなかったこと、あるいは人員の不足を非常勤職員に頼って定員増の努力が足りなかったこと、そういうしわ寄せがここに来てこういう形であらわれたのかと思うんですが、定員増や内部の人材養成に力を入れていくことを基本的な政策として、こういうような制度というのはあくまでも一時的なものとして扱うべき筋合いのものだろうと思うんですが、そうですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ただいま先生のお述べいただきました立法事務費等の点については、物価の値上がりに見合わないじゃないかというおしかりを受けてましたけれども、大蔵当局の特段の御高配を得まして、四本立てのわれわれの図書館資料の購入の分野におきましては一番率の多い増加額をいただいておるわけでございます。物価の急激な上昇には追いつきませんでございましょうけれども、われわれとしては大蔵当局の御協力に感謝しておるわけでございます。 それから、いまただいまお述べいただきました特別調査員の件でございまするが、十名分ことし初めてお認めいただいたわけでございますが、これは先生がいまお述べになりました人員不足を補うというような観点ではございません。われわれといたしましては、この国会サービス、調査局を中心にした国会サービスでございますが、五、六年前には調査案件が五、六千件ぐらいでとどまっておったわけでございますが、ここ数年六千、七千、ある時期は一万近いレファレンスがあるわけでございます。特にまた一つ一つの内容につきましては非常に高度な一室一課で処理できないような込み入った調査が処理されておるわけでございます。どうしても知識程度の高い調査マンにおいてこれを処理しなければならないような調査が出ます。われわれといたしましては、調査局の拡充につきましてはその人材の確保という点については非常に努力いたしております。その一つのあらわれといたしまして、私の口から申すのもいかがかと思いますが、高級調査員と申し上げておりますが、そういう知識水準の高い能力のある方の御参加を願いまして、現在おります調査員の諸君のいろいろな問題につきまして御協力をいただくというふうに考えておりまして、具体的にはたとえば大学におきまして非常に定年の早い大学がございますが、六十歳ぐらいの定年でおやめになった日本の学界の一番水準の高いプロフェッサーをお招きしたいというふうに私自身も考え、うちの幹部諸君もそういうところから始めていこうというふうに考えておるのでございます。何と申しましてもいま非常に人物、人材が学界その他払底をいたしておりますので、これが獲得については非常に骨を折らなければならないと思っております。先生におかれましても、ひとつ何かいいお知恵がありましたら御協力をお願いいたしたいと思います。
○和田静夫君 私はいわゆる新しい制度に目を向ける、あるいは特別調査員というような形のところに発想がいく前に、もう少し国会図書館内部の職員の研究なりその他質の向上のために彼ら自身が努力し得るそういうことのことをもう少し考えてやるべきであって、そういうことが先なんだと、そのことに努力をせずに安易に他に求めていくというような手法というのは好ましい状態ではないんだと、そういうことを言っているわけでしてね。視点はそこにこそ置くべきだと、こう述べておきます、あと一分しかないので。 職員の旅費ですがね、最近の国内旅費――外国旅費は若干ふえたようですがね、国内旅費をずっと見てみますと、ほとんどふえていませんね。これも国会図書館の職員にとっては非常な苦痛である。真剣に調査をして、そしてよりすぐれたものをつくり上げるとか、あるいは図書館協会や公共図書館への講師の派遣、そういうようなことを考えると、こういう身銭を切らなければならないような状態というのは、放置をしておいてよいことではありません。この辺の充実のための努力があってしかるべきだと思うんですが、これはどういうふうにお考えになっていますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 旅費につきましては、ただいま先生お述べになったとおり、外国旅費につきましては相当大蔵省から御協力をいただきまして、例年にない額の増額を見たわけでございまして、この点につきましては大いに感謝をいたしておりますが、残念ながら、国内旅費につきましては、五百七十六万八千円の点では前年度と同額でございまして、いろいろな財政上の御事情もあったことと思いますが、私としてはこれで足りるというわけではございませんで、いろいろ業務のやりくりその他、効率のある出張等計画いたしまして、今年度は与えられたる条件で最善を尽くしていきたいと、次回の、来年度にまたいろいろなことをお願い申し上げたいと、こう思っております。
○主査(岡田広君) 以上で和田静夫君の質疑は終了いたしました。 どうも政府関係者、御苦労でございました。 引き続き質疑に入ります。 御発言のある方はお願いいたします。
○峯山昭範君 私は、非常に短い時間ですので、端的に御答弁いただければ幸いであります。 ただいま、特に国会の職員の処遇の問題についても質問がございましたので私は議警職の問題について質問をしたいと思います。 これは、会議録を読んでみますと、実は私がことしやろうと思っておりました問題、もうこれは毎年やっているわけですね、言いましたらね。毎年やってこれだけ解決しないということは、やっぱりちょっと問題があるんじゃないか。それで、いま同僚議員の質問を私聞いておりまして、これは私たちは大体根本の原因はもう大蔵省に原因があるんだと、大蔵省がバッサ、バッサやるからどうしようもないんだというふうに考えておりましたけど、大蔵省の答弁を聞いておりますと、いや私たちはもうしょっちゅう御相談を申し上げてやっているんだと、こういうふうな答弁になってきますと、今度はやっぱり事務当局に、事務総長以下、皆さんに責任があるんじゃないかと、こういうふうにいま考えてくるわけです。 そこで私は、まずこの予算要求の段階から、かねがねやっていることではあると思いますけれども、たとえば定員増の問題につきましても、もう少し、たとえば議運なら議運の理事会等にその詳細をそのつど報告して一まあぼくも議運をやったことありますから、多少報告していただいたこともありますけれども、もう少し密接に連携をとりながら定員要求をやっていったらどうかなと思うんですが、ここら辺のところ、どうでしょうかね。
○事務総長(岸田實君) われわれの考えといたしましては、従来――率直に申し上げますが、議員あるいは議員秘書に関係のあるもの等につきましては、庶務小委員会なりあるいは議運の理事会等に具体的にお諮りをいたしまして、御了承を得て予算要求をするし、その結果も御報告申し上げる。事務局の人員等の問題につきましては、これは事務当局のことでございますので、事務局の判断で大蔵省に交渉をする。諸先生の労を煩わすというようなことは避けたいという気持ちで従来やってきておるわけでございます。なかなか増員が認められないという、大蔵省には大蔵省の御事情があると思いますけれども、私どもとしましても、先ほど来申し上げましたように、だんだん余裕が少なくなってまいりましたので、今後は一層強力に大蔵当局に対して要求をいたしたい。議院運営委員会等に諮って、それを大蔵省に押しつけるというようなかっこうは、私は余りしたくないと思っております。
○峯山昭範君 そんなことを言っているわけじゃないんですよ。何もそこまでする必要はありませんがね。これ、確かに事務当局の問題ですから、関係ないと言えば、ありません。しかし、たとえば、いまの議警職の問題にいたしましても、きょうは衆議院の事務総長はおいでいただいておりませんが……
○主査(岡田広君) 庶務部長が来ていますよ。
○峯山昭範君 庶務部長来ていますか。とにかく議警職の職員の問題一つにいたしましても、たとえば昭和三十二年の当時は、衆議院百八十二名、参議院百五十二名、三十名の差だったわけですね。ところが、現在は、衆議院二百九十二名、参議院二百二十四名、六十八名の差に開いているわけですね。ということは、結局、この当時から比べてみましても、衆参の設備あるいは会館等も当時からそう差が開いてきたわけじゃないと私は思うんですよね。参議院の方が極端に定数が減っている。要するに、職員のたとえばオーバーワークとか、そういうふうないろんな処遇の問題等で、しわ寄せされてきていると、こうなってくるわけです。同じ衆参で国会職員として働いておりましても、そういう差が開いてきているわけですがね。これはやっぱりそれだけの理由があるんですかね、これ。簡単に、もう時間も余り私ございませんので、端的におっしゃっていただいて結構です。
○参事(有吉良介君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、私どもは、建物ができましたときに相当な数は要求してまいりました。ただ、かつて私どもが相当な欠員を抱えていたという事情がございまして、まあそういうことのために必ずしも十分な数が入っていなかったという問題が一つございます。 それから、まあ最近の国家財政の事情等が原因だと思いますが、たとえば衆議院で記者会館ができて、そこの通路の問題がありましたときに、そこへ二名人が入った。今度は私どもとして、第二別館ができましたので、あすこの連絡通路にまた二人ほしいという要求もいたしておったわけでございますが、これは時期が悪いと言えば私ども逃げ口上になりますけれども、確かに私どもとしては、衆議院に認められておるんだから私どももいただけるはずだというつもりでおりましたけれども、実はことしは実現をいたさなかったということがございます。こういうことがありませんように、今後なお一層努力して大蔵と話し合っていくつもりでおります。
○峯山昭範君 大蔵ね、三十八名もこの定数の差が開いた理由は何ですか。簡単で結構ですよ。
○説明員(岡崎洋君) 過去、どういう経過をたどって具体的にこういう差が開いてきたかということは、いまの時点、私ちょっと調べがついておりませんで、つまびらかにできませんが、その毎年毎年の予算のときに人間を考えるに際しましては、いま参議院側からお話があったような事情をその年々に考慮しながらやってきたものだと、こう考えております。
○峯山昭範君 大蔵ね、詳細を、なぜこんなに開いたのか、資料で出してください、後で。よろしいですね。
○主査(岡田広君) よろしゅうございますね。
○説明員(岡崎洋君) その件につきましては、参議院側とよく、どういうことであるか、実情を詰めてみたいと思います。
○峯山昭範君 参議院側と相談しなくても、大蔵省はちゃんとやっているわけですからね。何も参議院側がこれだけ少なくなる理由というのは説明できないと私は思うんですよね。 それから、もう一つは、参議院の事務局は弱腰で、衆議院にくっついていけばいいっていう考えでいたかどうかということですよ。それ以外の何物でもないですよ、これ、実際問題としてね。 それから、この議警職のいわゆる、何といいますか、処遇の問題の中で、等級の問題が毎回出ておりますが、これは私は、たとえば行(一)のあれでいきますと、衛視長が補佐ですね。それで副長が係長で、班長さんが主任と、こういうふうなあれになっているそうですが、行(一)の方は、これは課長補佐の方もほとんど二等級から四等級まで実際あるわけですね。それで、これは参議院の職員の中でも、やっぱり課長補佐が二等級から四等級に分かれております。それで、その参議院の場合は、三等級が百十三名で、二等級は五十五名、それで四等級が十六名というように、四等級がうんと減って、その分が二等級にアップしていると、これは現実にこういうふうになっているわけですし、その他一般の行(一)の職員の皆さんを見ましても、半分以上が二等級になっている、こういう実情にありますね。そういう点からいきますと、衛視の皆さんの場合も当然それなりにこれは処遇を考えるべきであると、私はかねがねから、会議録をずっと見てみましたら、四十九、五十と、毎年このワンランクアップですか、の問題については取り上げて質問をしているわけですがね。この問題については、やっぱりそれなりに当局としてもこの処遇の問題について考えなくちゃいけないと思うんですが、この点はどうですか。
○事務総長(岸田實君) 議警職は、御承知のように、いわゆる執行機関でございまして、衛視長、衛視副長等々と段階をつくっております。したがって、衛視長をやたらにふやすというわけにもいかないわけです。そういうたてまえになっておるわけです。これは記録の場合でも同じですが、記録の速記監督の数をどんどんふやして上位等級の者をふやすというわけにもいかない、現場が減りますから。というようなことで、そういう仕組みになっておりますので、なかなかむずかしいんでございますが、しかし、さればといって、新陳代謝が少なくて、長く下のところに、能力もあり、上の職に適格であるにもかかわらず、抑えられておるというような状態では困りますから、そこで、その処遇につきましては、上位等級に暫定定数を設定していただくということを大蔵当局と交渉いたしまして、現在でもその扱いをある程度やっておるわけでございます。そういうふうにいたしまして、特定の時期の人が非常におくれるというようなことのないように運用をいたしております。今後もその運用につきましては、さらに努力をいたしたいと思っております。 それで、われわれは議警職と行(一)のアンバランスというようなことがあってはいかぬということで、絶えず議警職の実際の足取り、それから行(一)の職員の実際の足取りをずっと比較対照いたしまして、同一学歴、同一年数の者がどういう状態になっておるかということは、常に人事課で検討さしております。現段階におきましては、議警職の俸給表の決め方等にもよりまして、むしろ議警職の方が、同一学歴、同一年数でありましたならば有利な状態にあるという結果が出ております。そういうことでございますので、われわれは、決して行(一)だけよくして議警職の方は落ちておるということはございません。結果において議警職の方が、いまのような同一条件の場合には有利な状態になっておるということを申し上げることができると思います。
○峯山昭範君 これは、事務総長、やっぱりあれじゃないでしょうかね。いま総長がおっしゃいましたように、この議警職の給与表そのものが暫定的な定員をふやして運用していると、そういうようなことじゃなくて、やっぱり私は、暫定というのはあくまでも暫定なんですから、暫定が二年も三年もどんどん続いていくというのはおかしいわけですよ、これはね。そういうような意味では、この議警職給与表というそのものをやっぱり抜本的に改正する必要があると。実際問題として、執行職ですから、それぞれ言い分はそれなりに私はあると思うんですよね。それはそれなりにあるわけですけれども、暫定的なものをいつまでも繰り返していくということは、同じことをたびたびずっと続けていかなくちゃいけませんし、問題点はいつまでも残るわけですから、そういうような意味では、やっぱり抜本的な改正というものについて、全体的な調査も必要でしょうし、また、そういう点についても研究をしていく必要がある、こういうふうに思いますけど、どうですか。
○事務総長(岸田實君) 給与表の研究は常にわれわれとしてはやらなくちゃならない問題でございますから、行(一)の運用の状況等をにらみながら、議警職の給与表がどうあるべきかということは、今後とも十分検討いたしたいと思います。
○峯山昭範君 週休二日制の試行ですね、これはすでにもう入っているそうですが、この試行というのは大体いつごろまでやる予定なのか。それでまた、本格実施ということについてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、この点あわせて、簡単で結構です。
○事務総長(岸田實君) これは昨年の十一月から一年の期間で実行いたしておりますが、この実行の仕方といたしましては、参議院事務局におきましては、政府の試行基準を前提にいたしまして、大体それに見合う実施計画を定めて、全職場を対象にしてこれを四つのグループに分けまして、それぞれ試行計画を立て、実施を進めております。現在は第二グループが実施しておるという状況でございます。 将来本格的に実施するかどうかということは、これはまだ政府の方でも決まっておりませんし、いたしますし、われわれはこの試行を実施いたしまして、その結果を検討し、将来どういうふうにするかということを決めたいと、こういうふうに考えておりますが、何分国会の機能というものは週休二日でございませんので、その上で――開会中も実は実施しておるわけですけれども、国会の運営というものにどういうふうな影響があるかというようなことも十分に検討いたさなくちゃなりませんから、本格実施をどうするかということは、いまちょっとお答えできない段階だと思います。
○峯山昭範君 この問題は、私、非常に重要な問題であると思います。国会自身が週休二日になるわけじゃございませんからね。それだけに、大蔵当局とも十分な打ち合わせが必要でしょうし、また本格実施に当たっては、サービスの低下等、そういうふうにならないように相当慎重な打ち合わせ等が必要である。また、そのしわ寄せが職員にいくということでは困りますから、この点もあわせて申し上げておきたいと思います。 もうあと私の質問時間がございませんので、国会図書館の方に一言だけお伺いをしておきたいと思います。 まず、国会図書館の納本の問題ですね。これは図書館法の二十五条の問題ですが、これは二十五条の二というのがまたあるというのを私は実はまことに勉強不足で知らなかったわけですけれども、とにかく一般に国内で出版されたいわゆる出版物が現在国会図書館でどういうふうに収集されているのか。そしてその大部分が――国会図書館だけですね。結局、法律で決められて、国内で出版された本が大体集められる、そしてそのほとんどのものが集められて、国民に、あるいは国会の審議に供せられる、そういうような意味ではもう唯一の機関であろうと思います。しかも、もしそういう本を出さなかった場合については罰則まで決められていると。これはその運用等はまだ行われてないであろうと私は思いますけれども、非常に私は重要な問題であると思います。そういうような意味で、現在どの程度集められているのか、そして集めるに当たっての納入出版物代償金というんですかね、こういうような予算は十分にあるのかどうか。そこら辺のことについては、毎年大蔵とどういうふうな折衝が現在行われているのか、そういう点をあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) いまいわゆる私ども納二、納二と言っておることについてお尋ねでございますけれども、民間の出版社から出版された本の納本につきましては、第一には、日阪あるいは東販といういわゆる卸業者でございますか、そういうところを通じて――一般の図書を売りに出すとき必ず大体がそこを通すものでございますから、そこいらと提携いたしまして、そこに集まったものは一部ずつ国会図書館の方へ納本していただくというような方法をまずとっております。 それからそのほか、そういうチャンネルを通じないものにつきましては、いろいろの方策を考えまして、私ども極力そういう、いま申し上げた日販、東販あたりでの網にひっかからないものは、いろいろ手紙を出したりなんかして、その納本方をお願いすることにしておるわけでございます。しかしながら、なかなか、たとえば自費出版だとか地方の出版物などでは、その実態をつかみがたいこともございますので、多少の漏ればあるわけでございますが、極力そういうものをとらえまして、手紙出すなりあるいは職員を派遣するなどして、納本をお願いしておるわけでございます。それについて罰則というものはありますけれども、先生御指摘のように、いまだそれを適用したことはございません。 それから納本出版物代償交付金の問題でございますけれども、これは昨年度に比べまして大体一〇%増ということで約七千七百万、それぐらいの予算を要求しております。ただ、これはいま先生御指摘のように、納本されたものに対して代償金を支払うということでございますので、やや義務経費というふうに私ども心得ておりますので、そういう観点から大蔵ともいろいろ折衝をいたしまして、これが不足した場合は、またそういうような適切な手段を講じさせていただくというようなことで折衝をしておるわけでございます。
○峯山昭範君 もう私時間がございませんので、大蔵省に一遍ちょっとお伺いしておきたいんですが、きょうは詳細を述べる時間がございませんので、もう言いませんが、いずれにしても、私は国会図書館というのは特殊な事情にあると思います。特に本を集めるという面では、もう日本に唯一のあれですね。それからもう一つは、印刷製本費というのがあるんですけれども、こういうような問題も、やっぱり私は、コンピューター、電算機を国会図書館で相当お金を払って使っているわけですけれども、そういうようなものを有効に生かすためにも、こういうふうな費用というのは十分ないと十分な運用ということもできないと思いますね。そういうような意味では、多少ほかの省庁とは差をつけて査定をしていらっしゃるんであろうと私は思うんですが、そこら辺のところもあわせて、どういうふうにお考えなのか、一遍お伺いしておきたいと思います。
○説明員(岡崎洋君) どうも先ほど来から、国会、国会図書館に対する大蔵省の予算の査定はというお話があるんでございますけれども、私どもの基本的な態度は先生おっしゃるとおりでございまして、一般の行政事務費と同列に考えているわけではございません。国会機能の運営に支障のないように、できる限りの配慮をしておるところでございます。ただ、財源事情が御存じのとおりでございますので、許される範囲内での節約、合理化ということはお願いしておるところでございます。 いま具体的に仰せられました印刷製本費でございますとか図書購入費でございますとか、これはおっしゃるとおり、私ども行政府の一般事務経費並みに考えておるわけではございませんで、印刷製本費等合わせまして、去年に比べまして一〇%ぐらいの伸びは見ておるところでございます。図書購入費等につきましても、一般の行政庁ではほとんど伸びがないはずでございますけれども、図書館につきましては六%ちょっとの伸びを見ておるところでございまして、苦しい中でもいろいろ配慮はさせていただいておるところでございまして、この辺のところは御理解を賜りたい、かように存じます。
○主査(岡田広君) 以上で峯山昭範君の質疑は終了いたしました。 引き続き、御質疑のある方の発言を願います。
○河田賢治君 国会の職員の問題について伺います。 職員の中で、上級職甲採用者と参議院独自の採用者乙との非常な格差があるわけですね。参議院における職員のうち、大卒上級職甲試験合格者は――簡単にしますため、私の方で、もうできるだけいただいたものでしゃべります。二十六人あると言われておりますが、間違いございませんか。
○参事(有吉良介君) 間違いございません。そのとおりでございます。
○河田賢治君 人事課からいただいた上級職――上級甲ですね。採用者一覧を見ますと、甲と乙との採用の差が明確にこう出ておるわけですね。たとえば三十年採用、三十一年採用者で甲の合格者は三人も課長になっているんですが、本院採用者はだれもないわけですね。それで、たとえば課長補佐を見ても、三十六年採用で甲は四十三年に課長補佐になっている。乙は五十年に課長補佐になって、ここでもうすでに七年差があるわけですね。 〔主査退席、副主査着席〕 あるいは三十八年採用で甲が四十五年に課長補佐、乙が五十二年に課長補佐、こういうふうに、ここも一応七年というふうなことになっている。四十年採用でも、やはり甲の場合は四十七年に課長補佐、乙の場合は五十四年に課長補佐、こういうふうに非常に甲と乙との差が開いておる。このように本院の採用者というのが非常な不利な立場に置かれているわけです。能力の問題とかいろいろあるとは思いますけれども、しかし、一遍甲が通ったからといって、一時の試験に通ったからといって、その人がずっとりっぱにいるとも限らぬわけですね。賄賂をやったり自殺をしたりする官僚もいますからね。こういうところを見ますと、やはり余り甲と乙との差が七年もあるというようなことは正しくないと思うんですが、若干手直しをされたようにも聞いておりますけれども、行政職試験の採用者を立法府である国会に採用して、本院独自の採用者との差をつけることは、立法府の職員があんまりこういう隔たりを持つことは^正しくないと思うんですよ。で、職員の間でも、お聞きだと思うんですけれども、やはり甲と乙とのこういう差があったりしますと、どうしても中に不和ができます。非常にうらやましがりもします。 〔副主査退席、主査着席〕 本人にとっては、甲になれそうなものがならなかったということになれば、士気も落ちますし、業務にもある程度支障を来すと思うんですね。こういう点で、この辺の相違をどういうふうにされるか、一応伺っておきたいと思うんです。
○事務総長(岸田實君) 詳細なことは、必要があれば人事課長から補足させますが、甲と乙の関係は、われわれとして一時期、甲採用をいたしましたのは、何といいましても、国会の業務、ことに議事関係あるいは調査関係というところになりますと、相当にしっかりした資質のある者を充てなければいかぬのじゃないかということで、甲採用をいたした時代があるわけでございます。そのときに採用の条件というものは各官庁と同じ条件で採用をするということになりますから、甲の処遇につきましては、採用のときに約束したその条件でやっぱりやらざるを得ないということで来ておるわけでございますが、他面、同じ狭い参議院事務局の職場で甲と乙の差が激しいということが、乙の諸君の方に非常な不満を起こすというようなことにもなりまして、全体の調和、全体の力を発揮するという面において、その点が一つの問題点になってまいりましたので、数年前に甲の採用は中止いたしまして、後は本院採用に統一してまいっております。そして、その甲と乙の処遇の差というものについては、できるだけこれを緩和しなけりゃならないということで、たとえば特別昇給の扱いにつきましては、甲に対しては原則としてやらない、乙に対してはやるというようなことで、給与の面で接近を図る。また、定数の関係があって、なかなか格差を縮めることができませんが、定数の増、できるだけ中級の定数の増を図りまして、乙の昇格の改善をやるという努力をしてきておるわけです。それで、現在確かに先生がおつしゃいましたような差が途中においてはございますが、三等級に甲と乙がなりました段階におきましては、給与の面ではほとんど格差はございません。そこまで乙の処遇の改善をいたしております。そういうことで、今後とも、むしろ、甲の扱いは採用のときの約束でございますからこれを落とすわけにいかないから、乙の処遇を甲に接近させるということで努力してまいりたいと思っております。
○河田賢治君 これからは甲の上級職の採用はしないということはいいわけですね。 乙についてこれから、いま努力もしておるとおつしゃるんですけれども、一般の行政職ですね、他の省の。あそこなんかよりも、乙はこれを見ますと本院の方はちょっと長いですね。三等級というのですか、それへ行くのに十六年半というふうになってますね。普通の各省ですと、大体これが十二年半とか十三年ですか、そういうふうに短いわけですね。こういう点で、これまで乙の方が抑えられていたわけですからね。こういう人を上げるということも必要なんで、いま、できるだけ差をなくしていきたいとおっしゃいましたが、こういう差があることを十分考えられて、これらの処遇をやはり直していただきたい。 それで、上級の合格者は、他の省へ出向するとか、あるいは速記者養成所の教授になるとか、総括課長補佐のポストを占めるなど、非常に甲の人がいわば特権的な地位につくということが多いわけですね。ですから、試験というものは、さっき言いましたように、一度ちょっと合格したからといって、それでずっといい人でもないし、またあなた方の方でも、乙の方をやはりできるだけ養成し研究もさせ、またどんどん職員の資質を向上させていく、そういう努力が必要だと思うわけです。ですから、とにかく行政職の十三年、それから乙の方は十五年、あるいは参議院では十二年三ヵ月ですか、それから十六年三ヵ月と、こう四年も差があるわけですね。ですから、こういう点で、ほかの省から比べても非常に落ちておるという点がありますので、この辺をあなた方の方でも十分これから気をつけて、年数の余りの差があるという点を十分今後訂正していただきたい、こう思うわけです。
○事務総長(岸田實君) いまの、他の行政庁に比べて非常に遅いじゃないかということは、私はどうもそうでもないんじゃないかと思います。ただ、いわゆる勧奨年齢というものを本院では六十四歳ということにしております。他の官庁では、長いところで六十歳あるいはそれよりも早く勧奨するというような運用でやっておりますから、結局勤続年数が長いために上位号俸の新陳代謝が他の官庁よりも非常に遅くなる。その事情は、結局上位の等級の定数をふやさなければいけないということになるわけで、われわれはそれを努力しているわけです。おくれておるとすれば、そういう事情がございます。 それから、いまおっしゃいましたように、昇格のことは採用のときの条件でございますからそういう差が若干ありますが、給与の点におきましても、三等級になればほぼ見合うような状態にまで持ってきておる。そのほか処遇の点につきまして、甲と乙を差別して、甲に特権的な扱いをするということは一切いたしておりません。総括補佐につきましても、甲でない者も総括補佐に採用いたしておりますし、また、課長に採用する場合は、本人の能力、実績等を十分に見まして、人物を見まして、甲乙の区別なく判定いたしたいというふうに考えております。現に、各行政官庁と比較いたしますと、甲の者で現在課長になっておるものは四人ございますが、それらの昇格の年数というのは非常におくれております。というのは、各省での甲の昇任の時期よりもこれをおくらせまして、そうしてそれよりも古参の甲でない職員を先に登用するという扱いをしておる結果、そういうことになっておるわけでございます。われわれは、甲と乙は、途中においてはいま申しましたような差がありますが、課長補佐になりました前後あるいは管理職に登用するというような場合には、一切差をつけないで、本人の能力、適性を十分に見まして公平に扱っていきたい。ただし、正直に申しますけれども、甲の中には能力の点において非常にすぐれている者が多いことは事実でございます。事実でございますが、私の希望といたしましては、乙の職員の優秀な者をいまの甲と並んで登用できるような状態になることを、もう心から望んでいるわけです。そして、甲乙の差がない運用になるという実態を具体的にあらわしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○河田賢治君 日本の俸給体系というのが、いわゆる年功序列で一方にはあると。しかしまた、優秀な者を途中から少しは採用して、多少でも責任ある仕事をさせなきゃならぬと。この昇給ないし給与の問題というのは非常に、どっちにしても一利一害があるわけですね。こういうのは、人事院が一応いろんなたてまえは持ちますけれども、少しここに合うような、こうひとつ、たとえば号俸をふやすとか、あるいは給与をふやすとかいうようなことで、できるだけここにマッチしたような給与体系とか昇給体制とかいうようなものをちょっとお考えになってはどうなんです。あんまり人事院のこれまで各行政職を一般に規制しているようなものにとらわれずに、そういうこともお考えになって、少しはここの実情に合ったやり方をやると。立法府ですからな、そのくらいのことは実施していっていいんじゃないですか、試験的にでも。そういうことを一つ。 それから、ここで女の大学卒業者というのは、いまほとんどないわけですね。これはもう、採用をしないから試験もやらぬとかいうようなことになっているんですか。
○参事(有吉良介君) 私どもの試験では、実は女子の大卒に応募資格を与えておりません。これは、国会の業務というものは非常に厳しい業務でございますので、大卒の女子が、能力は別にいたしまして、勤務条件等で果たして男子と同じよう・にこの厳しさに耐えていけるかどうかということに従来懸念を持っておりました。したがって、そういうことで、従来参議院の職員の試験では実は女子を受験させていないということがございます。しかし、この問題につきましては、いろいろ今日取りざたされておりまして大きな問題になっておることは十分承知しておりますので、これから本院の事務の中で大卒の女子がやれるというような職場があれば、これはいろいろこれから検討してみますけれども、もしそういうことであればこれからは改善をしてみたいというふうに考えております。
○河田賢治君 国際婦人年というんですからな、ここでも婦人には道を開いておく、それはやっぱり必要じゃないかと思うんですよ。あんまり婦人をべつ視するような考えがありますと、普通の、何といいますか、五等級とか六等級の人だとか昇格の年数をもっときちんと減らしたり、あるいは課長とか課長補佐なんかに道を開くとかいうようなこともやっぱりもうちょっとやりませんと、やはり女性は採用しないんだと、だから女というのはもうだめなんだという一つの先入観で運営されるというようなことがあってはならぬと思うんですね。やはり少なくともこの国会で、なるほど徹夜国会もこれまでにちょいちょいありましたから、女性にとっては大変ですからできぬこともあるでしょうが、一人でも二人でもそういう仕事のできるような場所を、やはり女性をも採用していくというこの考えが必要じゃないかと思うんですよ。これ一応伺って国会の方の質問は終わります。
○事務総長(岸田實君) 女子職員の問題につきましては、この数年来いろいろ御意見がございまして、その処遇の改善、ただいまおっしゃいましたように、五等級昇格とか、そういう点につきましては格段の努力を最近やりまして、現在私はっきりしませんが、係長の約六〇%ぐらいは女子職員であるというようなことで運用してまいっております。ただ四等級以上ということになりますと、これはやっぱり課長補佐は困難な業務でございますから、女子に適した仕事を探してその適任者を充てるということに努力をいたしませんと、また能率の面で機能が落ちるというようなことになりますと、これも問題でございますので、このあたりは絶えず検討して改善に努めてまいりたいと、かように存じております。
○河田賢治君 ちょっと国会図書館の方の質問をしますが、私きのう図書館へ伺いまして見学さしてもらいました。で、書庫を見たんですが、もう大分満杯になっているんですね。洋書が大体ことしで満杯、それから和書が来年の九月-十二月ころ、あるいは新聞、雑誌の和雑誌が二年先の五十四年七月、洋雑誌が五十五年、和洋新聞が五十四年というんでもう書庫がいっぱいになる。非常にもうどこもかしこも満杯に近い。新しく建設されるにしても相当の年月がかかるわけですね。一年でバラック建てるわけじゃないんだから時間もかかると思うんですけれども、早目にこれやはりやりませんと、恐らくいろいろ納入された本やらあるいは新聞等々が引き出すのに困難する。また、あなた方の方でもそれをどこかへ片づけてしまうわけにはいかぬですから、絶えずこれ利用のできるようにしておかなきゃならぬですね。こういう点について、この問題についての見通しですね、どういうふうにお考えになっているのか聞いておきたいと思います。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 河田先生には昨日つぶさに御視察をいただきましてまことにありがとうございました。 わが館の書庫の実況等につきましては、いまお述べになりましたとおりでございまして、ここ二、三年で満杯になるという状況でございます。それでございまするので、われわれといたしましては、この点につきましても書庫の増置、別館等をつくらなければならないと思っております。 それで、三百万を超したいま既存の図書並びに年間十数万点にわたる図書その他の図書館資料が図書館に入ってくるわけでありますので、これを処理するのに緊急施策を要するわけでございますので、なるべくその点については予算等の関係もございますので、早目に手当てをいたさなければならないことはお示しのとおりでございますが、何と申しましても国会所管の営繕費というものは毎年一つずつ行われているわけでございまして、参議院が別館をやる、次に衆議院がまた別館をつくる、その後にわれわれの予算配分をいただく時期が来るわけでございまして、衆議院がどの程度に早く着手されるか詳しいことはわかりませんが、大体われわれの予想といたしましては、五十五年度に図書館の別館の着手ができればということで、五十五年、五十六年ということを予定しておりますが、まあなるべく速やかにやるように努力はいたしますが、そういう点につきましては、われわれといたしましては書庫だけではございません。いまバスターミナルになっておりますあすこに八千平方メートルの空き地がございますが、これが国会周辺整備計画によりまして図書館の建設に予定されておりますので、ここに八千平米目いっぱいの建物を建てる。概略で申し上げますれば四万平米のものがつくれるわけでございまして、半分は書庫にいたしまして半分は事務棟、特に機械化に伴う設備でございまして、大型電算機を入れまして、国会サービスの専門家はデータバンクと称しておりますが、あすこを根拠地にいたしまして国会機械化を進めて議員のサービスに向けていこう、こういう二つの目的のもとに別館を建てていこうと思っております。何分とも御後援をいただきたいと思います。
○河田賢治君 大蔵省に聞きますが、まあ私も見て来ましたけれども、あすこに本がどんどんどんどん毎月、毎年ふえてくるわけですね。あれをここ二年でもうどこも、もうことしで満杯になるところあるんですからな。そうすると、もうほとんど入れるところがなくなるんですよね。しかも恐らく新しく別館建てられるにしましても相当、二年、三年、内装全部やるとまあ三年ぐらいかかるんじゃないですか。そうしますと五十五年にできたんではもうすっかりどこもここも満杯になっているんですよね。そうすると、五十五年にかかって五十八年ごろになるということになりますと、これはもう大変なことだと思うんですよ、整理がね。また国会のわれわれが利用する場合でもずいぶんそれはめんどうなことが起こるんじゃないかと思うんですよ。こういうものをもうちょっと、まあ衆議院の別館もあるでしょうけれども、もっと早く着手して、少なくとも五十五年ごろには大体もう別館ができ上がるというぐらいの予算を早くつけるというふうなことはお考えにないですか。あんたではわかりませんか、大臣でないと。
○説明員(岡崎洋君) 図書館の実情は、次第に手狭になりつつあるということは承っておりまして、これに対処するために将来別館をつくろうというお話も承っておりまして、それにつきましてのほんの入り口の研究ということをいま図書館側にしていただいておるということも存じております。そこで、これをいつの時点にどういうふうなぐあいに具体化していくのがいいのかということにつきましては、いまのそういった図書館プロパーの需要ということを考えますれば、早ければ早いほどいいということになるわけでございますけれども、ほかに私ども、これは図書館もお考えいただくこととなると思いますけれども、二、三のポイントがございまして、一つは国会全体としての施設費、これは一つの大きな仕事をしますれば、単年度ではございませんで、三カ年、四カ年とまたがっていくものでございますので、そういうものを徐々に計画的に押し進めていくということがどうしても必要なわけでございますので、いま図書館側から申されましたように、参議院の別館、それから現在衆議院の事務局庁舎というものをつくりつつあるので、そういうものの進捗状態との絡み合いというのが一つございます。もう一つは、財源にも限りがございますから、図書館としてもほかにもいろいろする仕事がございまして、その大切なほかの仕事との順位と申しますか、いつどういうふうに手がけていけばよいのかということとの絡み合いということも考えなければいけないんじゃないかというふうなことを考えております。いずれにいたしましても、本件の具体化につきましては今後とも引き続き図書館と御相談してまいりたい、こういうふうに思っております。
○河田賢治君 とにかくまあこれ、あんただけじゃだめなんで、特に議運なんかでやはりこういう問題をもっと検討して、やはり早期に着手していくというようなことが必要だと思うんです。 ここで、またちょっと館長に伺いますが、図書館の中に書誌計画審議会とか、科学技術資料整備審議会とかいろいろ外部の学識経験者を委員として十分な活動を行っているというふうにも聞いておるわけです。将来計画調査会ですかも、本当に国民のための図書館をつくるという考えでおやりになれば、これはやはり、たとえば図書館界のいろいろな専門家もおります。あるいは日本図書館協会ですか、こういう方もおられるわけですね、協会なんかつくって。で、運用なんかについても相当の経験も持ち、あるいは中央のこの図書館に対する希望もあるでしょう。それで、学術会議なんかの専門家などを入れて、そういう何と言いましょうか、将来計画審議会というようなものをあなたの方でおつくりになって、建てるときでも、できればそういういろんな希望やら何かをよく聞かれて、それからまた、実際にこれから運用する場合にも、できるだけ広くこういう問題を、他の図書館との連絡、あるいは専門家の意見というようなものを十分聞かれて、そういう審議会のようなものを館長のところでおつくりになるというような構想はいかがですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ごもっともな御議論でございまして、そのように私たちも将来問題調査会の一項目に外部知識を導入いたす規定をつくっておりますから、将来の運用には必ず先生のお述べになったような方針で、外部の権威者を集めてお力添えをいただくというふうに運用していきたいと思います。
○河田賢治君 ちょっとまた職員の問題に入るのですけれども、これも私も余り、けさ聞いたのですが、この一月から和図書の機械化を始めておられるわけです。入力班では当初必要人数は職員十一名、非常勤が九名、合計二十名でやるということになっていたそうですが、ところが四月十二日付ですか、人事異動で職員が八名、非常勤十名になったようですけれども、これでは正規の職員が三名不足しているわけですね。で、非常勤職員がプラスあと一になるらしいんですけれども、和図書の機械化ということでは、やはり機械化されても仕事量というものはかなりふえていくわけですね。本を運ぶ途中だけが機械化されて、実際に本を一冊ずつ整理箱に入れるのは、これはもうみんな手でやっているわけですから、こういう点で、そう機械化、機械化と言っても必ずしも人を減らして減るわけでもないのですね、少々合理化やりましても。こういうふうにして全体として人数を減らしているのですが、労働強化になるということですね。さっき和田議員が大分非常勤職員なんかのことを言われましたから繰り返しませんけれども、とにかく図書館としても、そういう職員の非常勤を使うというようなことをできるだけやめて、できるだけ年じゅう、これから仕事がある場合と、そうでない場合に、若干臨時も要るでしょうけれども、一応そういう要員の適正な配置、労働強化にならぬような配置、そういうものを考えて、やはり人員の必要なときは要求されると、われわれもそういうものがあれば、やはり国会としてもこれは図書館というのは非常に私たちにとって大事なところなんですから、そういう点で協力もしなくちゃならぬと、こう思っておるわけですが、この点いかがですか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) お答えいたします。 いま河田先生がおっしゃったように、機械化につきまして省力化と、機械化をやるから省力化、あるいはやる前の省力化というようなことは私ども余り考えておらないのでございます。ただ、機械化をすることによっていろいろな業務の、新しい業務の展開ができるということを考えておりまして、そういうことを楽しみにいたしまして機械化に取りかかっておるわけでございます。 それで、職員の労働強化ということ、これは何も機械化に関連したわけでございませんけれども、いろいろな問題でそういうことば私ども慎重に配慮しながら業務を進めていかなければならないと思いますので、今後も十分そういうことを考慮していきたいというふうに思います。
○河田賢治君 最後の一つの質問ですが、これは余り私ここでやるようなことでもないと思うんですけれども、図書館は、いま人員不足からできるだけ仕事を減らすという意味で、たとえばカードに生没――著者の生まれたときとか没したときとかという年を入れぬことになったらしいですね。ところが、これについて、組合やあるいはまた多くの図書館、これらからのアンケートを見ましてもやはり反対しているわけですね。こういうのは、やはり多少仕事があれだと思うんですけれども、たとえば年号を見ましても、あれは二つとも書かれるのかもしらぬけれども、西暦といわゆる日本暦ですな、明治、大正とか、ああいうのが二つですね。あれは両方書かれるのかどうかしらぬけれども、ああいうことは一つやればやれるわけなんですね。そういうふうに、このカードの問題なんかは、これは私はここでやらぬでもいいと思うんだけれども、とにかく、やはり運営について、私は職員が同じようにできるだけ館をよくしていく、また便利に利用者に図っていく、また地方の図書館なんかとも十分連携をとってできるだけ日本の文化水準を引き上げる。本もなかなか高いですからね。だからそういう点で、できるだけ、多少時間がかかっても生没ぐらいは入れて、いつごろの人だとか何とかということも、それだけでも一つの本の目安になるわけですね。こういう点はいかがですか。――こんなことは職員の間で私はやればいいことだと思うんですけれども、できるだけ今後、ほかの問題でも職員なんかの意見も聞いて運用してもらいたいということが一つなんです。ちょっとこれに答えておいてください。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) 先生のお話で、なるべく館の業務を遂行するために、地方あるいは館外の意見をよく聞いてやれというようなお言葉でございますけれども、私ども図書館の中の一つの機構として連絡部というものをつくっておりまして、これは館外のいろいろな図書館あるいはその他の関連機関としょっちゅう連絡をとっております。そういうルートを通じてもやはり館外のいろいろな意見を吸収するということはできると思います。また、お言葉でございますので、そういう方面もいろいろ研究してまいりたいと思います。 ただ、書かれておりましたその生没年云々のことにつきましては、私どもこういうふうに考えておるわけです。 私どものカード作成につきましては、一応、日本の目録規則というものがございまして、それにのっとってやっておるわけでございますけれども、その目録規則には必ずしも生没年を書けというような指示はないわけなんで、いままでいろいろな関係でそれを表示しておったわけでございますが、この際、また仕事の都合などによって、これを見つけて年号を書くというと相当の仕事量になりますので、目録規則からも余り指示されていないものについてはこれを省略していこうというような考え方でございます。ただし、そういうことをいたしますと、やっぱりそういう人の同姓同名がございますね、これはいつごろその本を書いたというようなことはなかなかわからないようなことに相なることもございますので、これに対しては、私ども、何と言いますか、典拠者目録といいますか、オーソリティーファイルと言っておりますが、それを印刷するような方向でそれを発行いたしまして、いろいろな著者の生没年はそこへ載せまして、それを参考にしていただきたいというふうに、ひとつそういう配慮をいたしておるわけでございます。
○河田賢治君 終わります。
○主査(岡田広君) 河田賢治君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして皇室費及び国会所管に関する質疑は終了したものと認めます。 どうも政府委員の皆さん御苦労でございました。 午後一時二十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後、零時三十一分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十分開会
○主査(岡田広君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。 裁判所、法務省及び会計検査院所管を一括して議題といたします。 これらの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(岡田広君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことにいたします。 それではこれより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○秦野章君 私は、日本の司法制度というものが世界の中でも最も公正を維持しているし、また権威も保たれている、こう思っているわけでございます。しかし、そんなら全然手放しでいいのかというと、近来多少憂慮すべき事態が起きているということを感じます。その一つは長期裁判の問題です、このごろ始まったことじゃないんですけれども。それからいま一つは、これはあるいは司法制度の側の問題ではなくして、立法府なり行政府の問題かもしれませんが、公害裁判等非常に法律制度等が、あるいは行政手段等が十分に用意されていないままに裁判に持ち込まれる。で、裁判官は法律を解釈して適用するということ自体に一つの悩みを持ってやっておられると思うが、その悩みが非常に拡大しているであろう、そしてそのことが実は司法制度の根幹に影響を持っているんではないかという意味においては、立法府にしても行政府にしてもこれは大変大きな問題だと思いますけれども、時間がありませんからそれは別の機会に譲って、きょうは長期裁判の問題だけについてお尋ねをしたいと思うんです。 ついこの間、四月八日に最高裁第二小法廷でもって二十七年ぶりの判決が下ったわけですね。これはまあいかに難事件であったかは知りませんけれども、たかだか法令からいえば判決を読んでみても大したことないと思います。二十七年かけなければ判決ができないなどという問題、これはもうとても国民の側からは理解できない。そこで、これは一つの最近の例ですけれども、長期に係属している事件の報告を最高裁の方から聞きたいと思います。特に地裁、簡裁――下級審ですね。地裁と簡裁について現状、たとえば十年、十五年、そういった主な点で結構です。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 長期に係属しております事件は、最高裁判所で……
○秦野章君 いやいや、いま質問したのだけ答えてください。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 地方裁判所では、七年を超える事件が七百五十四件、それから十年を超えるものが二百五十九件、それから十五年を超えるものが八十件、それから二十年を超えるものが二百十八件。簡裁では、五年を超えるものが百十件、それから十年を超えるものが四十九件、十五年を超えるものが二十件、二十年を超えるものが二十件ということになっておりますけれども、これは被告人の逃亡、所在不明、疾病、心神喪失等の理由で審理を行い得ないものがござ いますので、これを除きますと、これよりずっと数が少なくなっております。たとえば地裁の場合であれば、先ほど申し上げた二十年を超えるものが二百十八件でございますが、そのいま申し上げたのを除きますと、これは三件、十五年を超えるものは二件というふうなぐあいに減ってくるわけでございます。簡裁の場合を申し上げますと、たとえば二十年を超えるとかいうふうなものはございません。十五年を超えるものが一件ございますが、十年を超えるものもない、五年を超えるものが三十三件ある、こういう状況でございます。
○秦野章君 いま数字が述べられましたけれども、それにしても、五年とか十年とか十五年とかというものがとにかくあるわけですよね。それで、裁判所もちろん内部的な努力をしておられると思うんだけれども、一体こういうふうに長期化こんなにかからなければ、十年も十五年もかからなければ真実の発見ができないということはないだろうと思うんです。一体どこに原因があると思いますか。これはいろんな原因があると思うんだけれども、まず裁判所側から聞きましょう。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) お尋ねの事件は、まあ事件全体の中では特におくれているものを取り出して申し上げましたので、一般の事件についてはこれは大体平均審理期間としては六カ月だとか四ヵ月とかいうことで終わっておるわけでございますが、そういう特に長くなるものがある、その原因は何であろうかということでございますけれども、まあ訴訟の対象となっている事件が複雑であるとか、それからあるいはその訴訟というものを観念的に考えますと、紛議の対象になる事件というものがございます。それを公判期日を指定して、それで証拠調べをしていくということになります。したがいまして、その証拠調べをする期日が多ければ多いほど早くなる、これが間があいて長くなれば遅くなるということがございます。それから期日も必要な期日はどうしても調べなければいけないわけでありまして、その期日の内容が十分に準備されてなくて希薄であるということになりますと、言うなれば期日の空転というふうなことで、たくさん期日がかかるということになると思います。ですから、これはその事件事件によっていろいろ事情がございますし、それから事件の種類によりまして、公職選挙法だとか、あるいは経済関係の詐欺事件だとか、それぞれの事件によりましてそれぞれ性格が違いますが、ごく一般的に申し上げれば、要するに期日をたくさん入れて内容のある審理をするということが基本でありまして、それが必ずしも十分いってないということに問題があるというふうに考えております。
○秦野章君 統計は地裁段階の数字だったんですよね。これが下手すればまた簡裁から最高裁へ行くんですよ。五年、十年、そう数はないと言うけれども、これが三審制度の中でまたずっと続くのだということを考えたときに、確かにあなたのおっしゃるように理由はあるんだと、その理由をそのままこれでしょうがないんだということなんですか、それとも、この理由にはやはり改革すべき問題があるのかどうか、そのことを聞いている。これはもう全然理由がないはずはないんだ、極端なことを言えば、怠けていたのも理由になるのだから。改革のポイントはどこだということは、裁判所側の意見はどうでしょうな。改革すべき余地はないということかどうか。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 先ほど申しましたとおりに、すべての事件を通じて基本的に言い得ることは、要するにその遅延の原因は、期日をたくさんできるだけ多く入れて、そしてその期日を充実させるということが必ずしも十分でないというところにあるというふうに、先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、それに手当てをするということがその遅延をなくしていくということになるであろうと考えます。したがいまして、その方策としましては、できるだけその期日をたくさん入れられるように、そして審理の充実するように、事前に準備を十分するようにというわけで、裁判所の側としてできるだけのことは、これは裁判官が工夫していかなくてはなりません、訴訟指揮のあれを握っているわけでございますから。そのために最高裁判所としては、いろいろと会同、協議会などを通じてその問題点をやっていくと、それでその点について注意していただくということが一つあるわけでございます。しかし、これは現在の当事者主義の訴訟のもとでは、やはり当事者の協力がなくてはいかんともしがたいことでございます。それで、たとえば変な例を取り上げますけれども、期日を入れたいと思ってもなかなか期日が入れてもらえない、そこで強行して期日を入れますと、そうすると、現在で言えば、たとえば必要的弁護事件というふうなものがございまして、それで一定の犯罪になりますと弁護人がおられなければ開廷できないというふうなことになっている。したがって、出てこられないということになると……
○秦野章君 改革の具体策を聞いているんだよ、長くなる理由じゃない。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 具体策としましては、私どもとしては立法府ではございませんので、それで現在の状況を前提として、先ほど申し上げた期日をどうやってたくさん入れるか、それから審理の内容をどういうふうにして充実させるかということで、先ほど申したとおりに、一つは裁判所の内部の会同、協議会等を通じて方策を検討し、それを流してやる、それから三者協議してやっていくということで、第一審強化地方協議会を設けまして、そこで検察官、弁護人と地方裁判所の裁判官とそれぞれ協議して、問題点について解決を図っていくと、そういう方策をとっているわけでございます。
○秦野章君 いまのお答の中で、私の方は立法府じゃないからというお話がちょっと気にかかるんだけども、立法府でないことはもう明らかなんだ。ただ、立法政策で改革すべき問題があるということを判断された場合には、法務省に言ったり政府に言ったりすることは裁判の独立と中立を侵すことにはならないと、そういう接近をしなきゃだめ。接近すべきときには接近する。独立で維持すべきところは独立する。このけじめをはっきりさせることが大事だと思う。その点どうですか。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) まあ大きな司法の根源にかかわるような問題についても、常に検討を怠らず、そしてもし裁判所としてどうしてもこうしてもらわなければ審理は早くなりませんということがあれば、これは法務省の方へいろいろお話する、あるいは国会の方へお願いするということは、これは当然であろうと思います。
○秦野章君 三審制度というものは事件のやはり継続の中にあるわけでしょう、一審、二審、三審。ところが長期裁判になると事実上ある種の断絶のような形になるんではないか。たとえば一級審で五年以上、十年もかかる。それが二審にいく、三審にいくと、これ、事件というものは最後まで継続するんですね。ところが異動の問題がある。中には関係者が死んじまうというような閥題もある。そういうことになると継続じゃなくて、へたすれば断絶のような形にもなるであろう。だからどう考えても、これは改革の余地が裁判所側からもっと具体的に出てもいいんではないかというふうに思うんですが、今度は法務省の方にお尋ねしたいのは、こういう長期裁判の、私はきょうは地裁と簡裁の長期の例を聞いたんです。これはまた上へ上がっていく可能性がその中に大分あるわけですよ。それで戦後三十年、確かに長期裁判はだんだん減ってはきておりますけれども、しかし、それはこういう状況が非常に先進国の各国と比較して日本が一番多いんですよ。これ、私は外務省の出先を通じて全部調べた。そうしますと、日本だけなんです、こんなばかな長い裁判やっているのは。だから、何かやっぱりもう少し具体的な改革の手段が出てもしかるべきだと思うんですが、刑事局長どうですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 確かに、おっしゃいますように、訴訟の異常な遅延というのは刑事司法の自殺と同じようなものでございますから、何としても訴訟の促進を図らなきゃなりません。 で、訴訟に当たりましては、裁判所と被告人、弁護人、それから検察と、三者がおります。三者それぞれに、長くなっている事件を見てみますと欠点がございます。まず、私どもの検察当局の方から言いますと、果たして起訴の当時に訴因をよく厳選して重点立証ができるようなふうに精選してあったかどうかという問題、それから監督官が公判立会検事に親切に指導をして、すかさず反対当事者の行動に対応できるような措置をとっておったかどうかという問題、それから検事が転勤するからといって後任者との引き継ぎをうまくやらなかったから、その間に空白を生じたというようなことがないかどうかと、こういう点は常に反省をして修正をしていかなければならぬと思います。 それからもう一つ、弁護人、被告人の側について私どもから見たところを申し上げますと、場合によって訴訟が長引くことが被告人の利益になるというような感覚をお持ちの方がないわけではないということが訴訟の遅延に影響しておる場合があるように思います。これは法曹の倫理の問題としてよくお考えいただかなきゃならぬことと思います。 それから裁判所の側につきまして拝見しておりますと、これは先ほど最高裁当局からもお話がありましたように、公判期日をもっとどんどん入れていただくと、こういうことが何よりも大事でございまして、一月に一回というような公判を開いておりましたんでは、すぐに五年、十年とかかってしまうわけでございます。この辺は法曹三者がそれぞれ知恵を出し合って改善していくべきものだと思っております。これは御質問の改革ではございませんで、改良の問題でございます。 で、さて、改革ということになりますと、私どもが所掌しております立案上の問題になろうかと思います。その点につきましては平素から法務省といたしまして研究を続けているわけでございます。いろんなことが考えられます。抽象的に考えますと、たとえば英米法のようなアレーンメント制度の採用はどうかという問題がございます。これについては、自白のみをもって有罪を認定するという意味において憲法違反になりはしないかという困難な問題がある。それから伝聞証拠法則、御承知の伝聞証拠を禁止している法則を緩和するというような余地はないかという問題。それからあるいは簡易裁判所で非常に訴訟が遅延するケースの中には簡易裁判所判事の、まあ手に余ると言うと大変失礼でございますが、簡易裁判所の通常のお仕事のぺースからははみ出るようなものもあるようでございますので、そういうものを地裁へ移送する方法を講ずることはできないかとか、あるいは非常に訴訟が遅延してまいりまして、起訴当時の状況と全く変わってまいりましても、上訴審では現在公訴の取り消しが認められておりませんが、そういうことも考える余地はあるかどうかと。それからさらには、ごく一部の事件でございますが、被告人が出廷を拒否すると、あるいはこれに同調したかのような弁護人まで出廷を拒否すると、こういうような場合の対策を何らか立法的に考える余地はないかと、こういうような諸点につきまして考えをめぐらしておるわけでございますが、御承知のように、現在の刑事訴訟法は両当事者のバランスを微妙にとってできておりまして、これをいじるということになりますと各方面にいろんな影響をもたらしますので、その辺の影響なども考えながら慎重にいま検討しておるところでございます。
○秦野章君 刑事手続で訴訟の利益というものは、原告、被告、裁判所、それぞれあるわけですね。その訴訟の利益ということを考えれば、これはやっぱりバランスのとれた訴訟の利益で制度が立てられ、また運営されなきゃならぬと、こう思うわけですよ。そういう角度から、運用上の改善のほかに、立法手段の問題も確かにいまお話しのようにあるだろうと思うんですよ。ところが大臣、私がいつも昔から感じているんですけれどね、裁判所と検察官と弁護士の立場と、これ三すくみなんですよね、ある意味では。もう改革しようと思うと、人の悪口を言わなきゃならぬみたいなことになって、これは三すくみなんですよ。困ったものだと思う。これは大局的立場に立って、この三者それぞれ立場があるけれども、訴訟の利益という全体の立場、人権も擁護せにゃならぬ。十五年もたって無罪になったって、これはどうにもならぬでしょう。有罪の場合でもそうですよ。だから、まあ一つの例ですけども、とにかく訴訟の利益は三者三様にあるが、いずれにしても国家的見地に立って、三すくみにならぬような立場での改革案をどうしても出していかなきゃならぬ。それには裁判所と検察官と弁護士が会って話し合いをしたら片がつくという問題じゃないんですよ、これ。三すくみだから、大変失礼な言い方だけども。だから、むしろ学識経験者とか国民のコモンセンスとか、そういう角度が非常に大事だと思う。 私は、いま説明を幾ら聞いても、国民の立場から言うとこの長期裁判というものは納得いかないんですよ。しかも、世界でトップだから、ぜひひとつこれは法務大臣の、言うならば、われわれが非常に尊敬する法務大臣だから、ひとつこれは法務大臣の立場でもっと広い角度で研究会、調査会なりをつくって、この問題に攻め寄っていかなければ、日本の司法制度は非常にりっぱなんだけれども、ただりっぱだ、りっぱだと言っておって、りっぱで済まないという問題が一つあるということは、私は間違いなくそう思うわけでございます。ぜひひとつ前向きに、これは一番のがんは三者三すくみ。弁護士さんの中にも、長い方がいいとひそかに考える人もあるかもしらぬ。被告の中にもあるかもしらぬ。検事の方は長い方がいいと思っているのは余りないだろうと思うけれども。しかし、それぞれの利益というものをバランスを得て、とにかく国民から見て納得のいくような線で片がつかないと、この長期裁判というものは意外と裁判の威信というものを低下させますよ。司法権の独立と威信というもの、そして人権もこれは下手をすれば侵される。そういう問題だと思いますので、ひとつ法務大臣の決断をお聞きしたいと思うのでございます。
○国務大臣(福田一君) ただいま承っておりまして、ごもっともな御意見だと思うのでありますが、先ほど先生が言われた言葉のうち日本が一番長期裁判が多いんだということでございますので、ちょっとこれは思いつきで恐縮なのですけれども、ひとつ各国の裁判、三者の関係がどのようになっているかということを一遍勉強さしてもらいたいと思うわけであります。そうして、場合によっては調査会をつくるなり何なりいたしまして、大局的な立場からやはりこの裁判が長期化しない工夫を図ることは、確かに私は法の権威を守るという意味においても非常に大事であり、人権を守るという意味でもまたこれは非常に大事な仕事だと思いますので、十分ひとつ勉強をさしていただきたいと思います。
○秦野章君 一つの問題提起なんですけれども、非常に長期であったから、これはもう無罪だという最高裁の判決が高田事件というので下ったことがあります。憲法には、要するに三十七条一項で迅速な裁判の保障の規定があるわけですね。最高裁は、裁判は迅速に公開裁判でやるのだと憲法にも書いてある、その憲法を盾にとって、憲法があるから、これは余り長過ぎたから無罪だと、極端に言えばそういう判決が下ったことがあるわけですよ。高田事件で有名になったんですよ。しかし、この裁判に対してとにかく国民は喝采したわけですよ、よくやったということで。法曹界、学者の中にもそういう声が非常にあったわけですよ。しかしこれ、静かに考えてみると、いきなり憲法にこういう規定があるから無罪なんだということは、裁判所の大変な苦心の産物ではあるけれども、実はその前提としてやっぱり何か立法政策のすりかえか、あるいは運営の怠慢のすりかえか、私は、この憲法の三十七条一項の規定という一つのプログラム規定というものが一種の強行規定になった、最高裁によって。それ自体は私は非難も何にもしない。しかし、みんながほめるほどほめない。なぜならば、それ以前にやっぱり憲法裁判じゃないのだから、法律とか制度とか運用とかという全段階が整備されることによって、私は法治国家というものはもっと前進した姿になるべきものだと、こう思うわけです。これはひとつ最高裁の当局の意見、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) いまの問題につきましては、憲法に書いてあること、それがそのまま法律を介しないで、もろに前面に出るということよりも、それは法律の中にちゃんと書いてあることの方が好ましいことであろうというふうには思いますが、最高裁の判例の中でもそのような趣旨のことがうたってあることであります。
○秦野章君 最高裁の判決の中にもそのようなことが書いてあるし、いまの御意見でもそういうことであるならば、やっぱり立法政策の欠陥なんだ、こう明確に意識して、そういう対策を講ずることが必要ではないか、こう思うわけです。 最後に、これ大臣、私は長期裁判というものは、各国のを御研究になるのも結構ですけれども、これは結構研究されているのですよ、事務当局で。特に近来法律学者は比較法学というものが発達して、よその国と比較するということはなかなかいろんな実体法、手続法において進んでいるのですよ。問題はやっぱり一歩そこを前進するかどうかという問題なんです。知識はもうあるのですよ。山ほどある。いまの大学と同じで知識だけは結構ある。問題はそれがなかなか実行されない、そういう問題だと思うのですよ。その点をお含み願って、前向きの姿勢を、これはぜひ国家のためにお願いをしたい。私は長期裁判というものは、これは国家の昼寝だと思う。昼寝してさっぱり目が覚めない、国家機能の昼寝だと、こう思うのです。最後にその点についての御所見を承って私の質問を終わります
○国務大臣(福田一君) 承っておって、ごもっともな御意見だと思うのでありますが、法曹三者のうちで、どこにそういう欠点があるのかというような問題も含めて、合同研究をしてみなければならないと思いますが、ひとつ御趣旨に沿って一遍、実は私まだ余りそういうことについて詳しくございませんから、ひとつ研究をいたしまして、腹を決めたならばひとつ実現をするように努力いたしたいと思います。
○主査(岡田広君) 秦野章君の質疑は終了いたしました。 御質疑のある方は御発言を願います。
○峯山昭範君 きょう私はちょっと込み入った質問をしたいと思っております。特に、会計検査院の検査報告並びに財政法二十八条にございます予算の添付書類の問題について、実は私たちある勉強をやっておりまして、その勉強の途中に出てきた問題でございますが、今後のこともございますので、ただしてまいりたいと思います。 財政法二十八条には、「国会に提出する予算には、参考のために左の書類を添附しなければならない。」ということで、全部で十種類の書類の添付を義務づけているわけでございますが、この中で特に、初めに会計検査院にお伺いするわけでございますが、この書類は、中身はよく検討してみますと、たとえば五十二年度の予算で申し上げますと、たとえば五十二年度当該年度の予算、それから五十一年度いわゆる前年度の決算見込み、そして五十年度いわゆる前々年度の決算というように、大体そういうふうな区分の仕方、それぞれ中身は多少違いますが、そういうふうな書き方になっているわけでございます。そこで、まず検査院のそういうふうな、いろいろ検査院と予算を出す当局との考え方は私は違うとは思いますけれども、こういうふうな十種類の書類というのがあるわけですが、こういうようなものは会計検査院のいわゆるその会計法二十条で規定されている中身も、二十条では詳細決めておりませんけれども、その続いての条で中身が規定されているわけですけれども、この会計検査院の検査の範囲に関する書類、これは要するに、いわゆる範囲に関する書類ということで言えば、この財政法二十八条に出てくるところの書類との食い違いというのは相当大きなものがあるのかどうか。これは大体私はそのとおり、多少食い違いあるにしても大部分はこういうようなものじゃないかと思うんですけれども、そういうこともあわせて、検査院の検査の範囲に関する書類というのは一体どういうような――ですから、範囲ということと書類ということは別に分けて考えていただいて結構です。書類はどういうようなものになるのか、一遍検査院の見解をお伺いしたい。
○説明員(鎌田英夫君) ただいまの御質問でございますが、国の会計に関するものに限って申し上げてみますと、本院の検査の対象となる書類と申しますか、これは計算書を通じてわれわれ見ているわけでございますけれども、一般会計の歳入歳出決算、各特別会計歳入歳出決算、債権現在額総計算書、一般会計国の債務に関する計算書、各特別会計の債務に関する計算書、そのほか国有財産増減及び現在額総計算書、国有財産無償貸付状況総計算書、物品増減及び現在額総計算書、資金運用部資金等の長期運用予定額に係る運用実績報告書及び国税収納金整理資金受払計算書、こういうものを検査しているわけでございます。
○峯山昭範君 ですから、そういうことですね。そうしますと、それらの書類の中で、この前々年度のものは、私ちょっといま言ってみますが、歳入歳出決算の総計表、それから国庫の状況に関する調書、国有財産の年度末現在額、国が出資している法人の資産等に関する調書等、私が言ったようなものは大体検査院の検査の範囲に関係する書類であると。いま同じようなことを言いましたから……。こういうように私思っているわけです。そこで、これらのうち特に国庫の状況に関する調書と一部の書類を除くほとんどのものが決算検査報告及び国有財産検査報告の指摘事項にも関係する書類であると、私こういうように見ているわけですが、このとおりでしょうか。
○説明員(鎌田英夫君) おっしゃるとおりだと思います。
○峯山昭範君 したがいまして、財政法二十八条の書類を予算に添付すると、その添付する意味をこれから聞くわけですけれども、この予算にこういうように三カ年にわたる書類が添付されているということは、ただ単に国の財政等の支出状況や傾向を知るというだけではなくて、会計検査院が検査報告をして、そしてその指摘した事項が実際問題としてどういうふうに改められているかと、その前々年度のいわゆる決算の指摘事項ですね。そういうような意味も添付している、そういうところも注目すると、注目するというか何というのか、要するに検査院が指摘した事項がいわゆるその当該年度の予算にどのように反映しているかと、こういうふうに言った万がいいかもわかりませんが、反映しているかということを見る参考と、そういうふうな意味もあるのではないかと、こういうふうに考えるわけですが、これはこのとおりでしょうか。
○説明員(鎌田英夫君) 前年度、前々年度ということになりますと、もうすでに決算も完結しておるという数字でございまして、その年度のものにつきまして指摘した場合にそれが是正されるということはないわけでございます。したがいまして、過去において検査院が指摘したその結果が予算にどう反映されているかという点を着目するわけでございますけれども、予算書の数字、予算関係の書類の数字の上でそれが端的にはっきり是正されているかどうかという計数的に当たるということは、その項なり目なりといいますか、その辺のところで、その大部分といいますか、そういう指摘事項があった場合にはその影響がどういうふうにあるかということがわかるわけでございますけれども、何分、項にしても目にいたしましても膨大な額の中で、検査院の指摘事項というのは、たとえば不当事項で申しますと、今年度、五十年度の金額は十八億、いろいろな事項を含めまして、というわけでございます。その他三十四条、三十六条の意見もございますけれども、そういったものが端的に計数的にあらわれるかどうかということは、まあ観念的にはこれは見たいわけでございますけれども、実質どういう影響が結果としてあらわれているかというのは把握しがたい状態でございます。
○峯山昭範君 検査院の――確かに当該年度の予算に前年度、前々年度といま一応掲載されておりますけれども、それは具体的に反映しているかどうかということについてはいまおっしゃったとおりだと私思うんです。しかし、一応原則的に考えてみますと、やっぱりたとえば――今度は大蔵当局に一遍お伺いしてみますが、財政法二十八条で予算にこれだけの書類を添付するわけですが、これはやはり私は端的に言いますと、どうしてこういう書類が必要なのかということですね。これはたとえば、ただ単に財政の傾向を見るとか、そういうようなことだけではなくて、やっぱり私はさっきから申し上げておりますように、決算で指摘し、あるいはいろいろな処理状況を見ると、そういうようなことも含めて、当該年度の予算で――前々年度ですから、多少まあ是正しようと思ったら大体できるわけですね。現実に是正された実例も、きょうこれからやりますが、あるわけですから、そういうふうな意味も含まれているんじゃないかと、こう私いま思っているわけですけれども、これは私のあれですから……。大蔵当局としては、財政法二十八条にいう、こういうような書類を添付される理由、特に前々年度の決算が添付されている理由というのはどういうところにあるのか、一遍お伺いしたい。
○政府委員(松下康雄君) 財政法二十八条におきまして予算の添付書類を定めているわけでございますけれども、その規定は、「国会に提出する予算には、参考のために左の書類を添附しなければならない。」と定められておりまして、歳入歳出予算の御審議に当たりまして、全体として参考にしていただくための資料をここに列記されているわけでございます。その参考の仕方には、その目的に応じましていろいろな態様があろうと存じますし、また、こういう参考の仕方に限るんだとか、別にそういう決まったものはないわけでございまして、弾力的に参考に供していただいているわけでございます。決算の書類につきまして、これを添付いたしております理由につきましては、私の推察いたしますところでは、やはり予算は単年度予算でございまして、一年一年のものとして御提出を申し上げておりますけれども、実際にこの御審議をいただきます際には、やはり事柄の連続性その他から見まして、前々年度以前の予算がどのように実際に遂行されたかという事実も御報告をいたしまして、比較検討をしていただくというのが大きなねらいであろうと存じます。 ただいま御指摘のありましたようなこの決算につきましての指摘事項の是正状況でございますけれども、これはもとより指摘事項につきましては関係省も直ちに是正に努めますし、また、私どもも、その結果を次の年次の予算以後織り込むように常に努力をしておるところでございますけれども、技術的に申し上げますれば、この決算指摘事項が、予算の項等の大きな区分の中でそのままこれが表からうかがわれる状態に表現されるということは、どちらかと申せば例が少ないのではなかろうかと思いますので、そういうものがないとは申せませんけれども、実際の例としましては、全体の比較検討をお願いするということであろうかと存じます。
○峯山昭範君 私は、いまの答弁は余り満足した状態で実は聞いてないんですよ。次長はこの二十八条の「参考のために」というところを非常に強調して、そして結局は後の答弁はぼかしたと、私そうとるわけです。そうじゃなくて、やっぱりわれわれが国会で予算を審議をし、そして決算を審議すると、そういうふうな立場でこれを見ますと、当然参考のためにこれは出しているわけでありますけれども、われわれとしては、この一つ一つは非常に重要な資料であると。たとえば、端的に言いますと、この添付書類の中のこの一つがばっと抜けておったとした場合、これはやっぱり、予算を提出して中身は参考書類であったにしても、これは予算委員会全部ストップしちゃう。現実にそういうような重要なものであると、私、そういう認識を持ってきょうは質問をしているわけです。そういうふうな意味からいきますと、参考の仕方はいろいろあろうけれども、というのはね、ちょっとやっぱり私は一つの答弁にならない。やっぱりこの二十八条にこれだけ規定しているからにはそれだけの意味もあろうし、また必要欠くべからざる書類であるからこういうふうにきちっと、第一項から第十項までにわたって記入されているものであろうと、こういうふうに私とるわけですよね。そういうふうに解釈していかなければ、この問題は、これから私が述べる問題がはぐらかされてしまう。そういうふうに思いますのでね、再度答弁願いたい。
○政府委員(松下康雄君) お答えが十分な表現でございませんで、申しわけありませんでした。 私が「参考のために」と申し上げましたことは、参考のための書類であるから、その重要性に応じてそれはやや薄いことがあり得るというような趣旨で申し上げたのでは決してございませんので、予算の御審議をしていただきます上に、法律で、特にこれらの書類を参考として提出するように定められております趣旨は、それらが御審議上欠くべからざる重要な書類であるからであると、そう存じております。私、申し上げたかったのは、この検査院の指摘事項が、予算書、決算書の現在の表現の上から表面的にあらわれてない場合もございます。しかし、それは指摘事項に関する是正の努力をお互いやってないということでは決してございませんで、是正の努力は十分いたしておりますということを申し上げたかった次第でございます。
○峯山昭範君 ぜひともこの問題は、私は検査院の権威のためにも、やっぱり指摘事項に対する政府の見解というのは、これはまた何かの機会にそこの点だけをしぼって質問したいと思いますけれども、きょうはちょっと趣旨が違いますので、その点は省きますけれどもね。 そこで、検査院にお伺いいたしますが、五十二年度の予算の参考として、財政法二十八条に基づいて、前々年度の書類と関係があるいわゆる昭和五十年度の決算検査報告及び国有財産検査報告の指摘事項というのは、もうすでに本になって現在出ているわけですけれども、これが実際問題として、今年度の予算の中で具体的に是正改善されたものも――これから私指摘いたしますが――あるんですが、実際問題として、指摘はしたけれども是正改善がされていないものというのが具体的にありましたら、その是正改善のおくれている理由も含めて、一遍説明をしていただければ幸いなんです。
○説明員(鎌田英夫君) 五十年度の決算検査報告に掲記いたしました、三十四条並びに三十六条の是正改善の処置を要求したもの、この中で、現在その結果が明確に出てないというもののお尋ねでございますが、すべてについて当局におきましては処理を進めております。しかしなおこれが、検査報告が国会に提出されましたのが昨年の十二月でございまして、いま四月でございますので、時間的なこともございまして、まだその成果が上がつてないというものもあるやに存じます。 それをちょっと申し上げますと、まず農林省の水産庁の関係でございますが、これは三十四条の規定によりまして是正改善処置を要求しました、「漁港公害防止対策として実施する廃油処理施設整備事業の実施について」、これは十一月の五日に発遣をいたしております。検査院から当局に対しまして出したわけでございますが――これは内容も申し上げますか。
○峯山昭範君 いや、結構です。項目だけで結構です。
○説明員(鎌田英夫君) この件につきましては、事業、実施と申しますか、本院といたしましては各施設が有効に利用されるように速やかに適切なる処置をとれということでございますが、これに対しまして、当局側で事業実施のための要領等について現在整備中と、こういうことでございます。 それから、郵政省に対しまして十一月の十六日に発遣いたしました「簡易生命保険契約の適正化について」と、こういう――三十四条でございますが、これにつきましても、当局におきましては貯蓄奨励手当の返納について現在検討中で、成案を得次第、組合との関係もございますので、協議を図る予定であるというような説明を受けております。 それから、建設省の、これは近畿地建だけでございますけれども、「しゃ音壁設置工事における支柱の工場製作費の積算について」、この積算の関係でございますが、十一月の九日に三十四条で意見を発遣いたしましたが、これにつきまして、当局におきましては、まずその実態調査をしなければなりませんので、これを直ちに行いまして、現在その結果を取りまとめ解析中と、ことしの、来月でございますが、五月中には積算基準を改定できるだろうと、こういう状況でございます。 それから、もう一件、日本電信電話公社に対しまして、「C460形標準局における予備電源装置の設計」これにつきまして、去年の十一月十六日に三十四条の処置要求を出しておりますが、これにつきましては、ことしの七月を目途に標準設計の改定を行うべく準備していると、準備の段階である、そういう状況でございます。 以上、四件が現在なお当局において検討並びに整備促進中というものでございまして、あとの案件につきましては、それぞれ処置がとられたというふうに聞いております。 以上でございます。
○峯山昭範君 これは大蔵省は、たとえば会計検査院から三十四条あるいは三十六条等でこういうような処置要求が出た場合、これは検査院としても相当の権威を持って、これは絶対そのようにせにゃいかぬという義務規定みたいなものはないようですが、しかし、これは当然私はその当該年度の予算を提出する場合には、そういうような問題は是正してしかるべきだと。いろいろ事情はありましょうね、それは経過はありましょうから、原則的には、できるものはやっぱり是正をして予算要求をすると、そういうように、姿勢としてあるべきだと思うんですが、これはどうなんですか。
○政府委員(松下康雄君) 会計検査院の検査の結果につきましては、大蔵省といたましても毎年度その結果を大変重視をいたしておりまして、毎年度会計検査院と連絡会議を開催いたしまして、指摘事項等につきましては検討を行い、それが次の年度以後の予算の査定に反映されるよう努めているところでございます。 また、関係各省におきましても、検査院の指摘に対しては各省ともこれを非常に重視をいたしますので、次の年度以後、予算要求に間に合う時点で指摘が出ましたものにつきましては、まず私は必ずと申し上げてもよろしいのじゃないかと思いますが、次の予算要求そのものにも反映をしてまいりますし、その時点以後の御指摘につきましても、その都度主計局の方に連絡に来られまして、次年度以後の予算にこれを盛り込むようにやっておられるように了解をしております。
○峯山昭範君 なるほど、ぜひそういうふうにこれからもやってもらいたいと思うんですが。 今度は会計検査院にお伺いしますが、特に、三十六条による改善意見というのがございますね。これについて、たとえば、特に「検査の結果法令、制度又は行政に関し改善を必要とする事項」、いわゆる三十六条の中身なんですが、これでこういうふうな意見表示があって二カ年後にこの予算が――しかし、二カ年後といいましても正味はそうはないですね、実際問題としては。しかし、予算が国会に提出されるときには当然私は、二カ年、それ以上三カ年か四カ年以後は、少なくともそういうようなものが、改善処置が完了して、そうしていわゆる予算の要求が出てきちっとした体制になると、最低そこら辺までは、まあ二年後には無理にしても三年後、四年後にはある程度是正される、こういうふうになるのが私は当然だと考えるわけです。これは検査院どうお考えですか。
○説明員(鎌田英夫君) 私どもが毎年一年間の成果として国会へ報告すると、その前段に、各検査をしておる時点におきまして、三十四条並びに三十六条の意見の表示なりあるいは処置の要求をするわけでございますが、こういったものが予算に反映されると、当局において速やかに是正されると、これを期待することはまことに切実なものがございます。したがいまして、私どもといたしましても、過去において、たとえば三十六条などにつきましてどういうふうに処置がされているだろうか、改善されているだろうか、そういう点につきましては重大な関心を持って、また期待を持って注視しているわけでございます。
○峯山昭範君 それでは、一つだけ具体的な例としてこれは改善された例を一遍お伺いしておきたいと思うんですが、これは五十年度決算検査報告には掲記されている問題でございますが、院法三十六条による改善意見として、厚生省の補助を受けて日本赤十字社等が実施している被輸血者に対する血液代金自己負担金支給事業について、支給方法の改善を求めたものが、これは私たちに配られた検査報告の四十三ページに記載されておりますが、これにつきましては、厚生省は、「会計検査院の指摘の趣旨に沿って血液代金支給要綱等を改定整備し、昭和五十二年度から支給方法の改善を図る所存である」と、こういうような回答が来ているわけですが、これに基づいてこの改善処置は、実際問題として検査院も具体的に知っていらっしゃると思いますが、どういうふうに今年度の予算の中であらわれているのか、従来のあれとあわせて御説明いただきたいと思います。
○説明員(鎌田英夫君) 御指摘の、厚生省に対しました血液代金の支給に関する三十六条の件でございますが、この件につきましては、これは直ちに予算に反映いたしまして是正されたわけでございますが、どういうふうにされましたかと申しますと、大蔵省では、本院の指摘によりまして新規事業の策定に当たりまして十分御検討なさり、指摘を受けた血液代金自己負担金の支給方法については、五十二年度から私どもの申しますとおりに改善するというふうに処置をとられまして、五十二年度で血液代金の単価アップというものもございまして、この面だけから申しますと五十一年度の予算よりもかなりふえるわけであったわけでございますが、そういうものを勘案してもなお五十一年度予算八億七千二百万円に対しまして六億八千九百万円というふうに、アップを入れても減額したと、こういう是正の処置がとられております。
○峯山昭範君 そこで、大蔵省にお伺いいたしますが、いまの改善意見がありましたように、この院法三十六条に基づいた改善意見というものが、それぞれの省庁の予算編成という問題がありますね、予算編成の問題にも現実に波及しているわけですね。結局予算がよけいかかるところが、増額分を含めても減額していると、いま話がございましたように、そういうような実態としてあらわれてきているわけですね。こういうような場合、たとえばそういうように具体的にそれぞれの省庁から出ている予算編成の中身にも波及するようないわゆる改善愚見というのが、実際にやればできると、そういうような問題があった場合に、これはたとえば一いまの例は直ちに反映しているわけです。しかしながら、二年たってもそれ以上たっても改善されない状態が継続しているということがもし発生した場合は、これは予算修正という問題の根拠にもなり得ると、われわればそういうふうに判断せざるを得ないわけですけれども、この問題についてはどうお考えですか。
○政府委員(松下康雄君) ただいまの御質問の御趣旨は、会計検査院が改善の指摘をされましてから、たとえば二年を経過してもなお関係省が予算要求において改善の趣旨をくみとらない、実際の是正を行わないで予算要求を出してまいりました場合に、大蔵省の方においてこれを予算編成の段階において独自に改定をして改善すべきではないかという御趣旨であろうかと存じますけれども、私どもの現在までの経験で申し上げますると、関係各省におきましても、改善意見はこれを非常に重視をして、必ずその是正に努めてまいるところでございます。実際に是正をいたしてまいります場合に、その手続をどうするかとか、あるいはいろいろ事務的なあるいは計算上の調整をやりますために若干の時間はかかりましても、検査院の御指摘をこうむりましたものがそのまま単に何の反省もなくて毎年予算化されておるという例は、私はこれはないのではないかと存じております。したがいまして、私どもとしましては、今後ともその点を、実際上各省も一緒に入ってもらいまして改善に努めてまいるということで、御指摘のような必要が起こらないように努めてまいりたいと思います。
○峯山昭範君 それは次長、あなた認識不足で、これは非常に重要な問題だから、私は一つずつ、自分も言い方を間違えないようにいま詰めているつもりなんですけどね。たとえば、具体的に申し上げますと、あなた方が予算を提出してきたと。たとえば今回是正しているこの厚生省の血液代金の問題について、会計検査院が指摘しているにもかかわらず、前年度と同じような提出の仕方をもし予算の中でしてあったということがあったとしますね。それで、その問題をわが立法府で指摘されたとしますね。そうすると、これはどういうことになりますか。あなた方は実際に是正できるにもかかわらず――ただし、そこのところはいろいろ問題がありますよ。できない場合もあるわけですからね。しかしながら、現実の問題としてできることが、会計検査院が指摘をしてほったらかしにしてあると、こういうことはないと、あなた方は絶対ないと言えますか。もしそういうことがあったら、われわれが指摘をしたら早速これは予算を修正せざるを得ない。修正の根拠にもこの三十六条の指摘事項というのはなるんじゃないですか。あなたさっき都合のいいようにとりましたけど、そうじゃない。そういうようなこともあり得るんじゃないか。これは具体的に何も言ってないわけです。そういうような事態が起きたらあなた方はどうするんだと。具体的な問題はこれから指摘をいたします。だから、この問題は、このままで進んでいきますと、予算委員会も大問題になりますよ。どうですか。
○政府委員(松下康雄君) 予算編成に当たりましては、さきにもお答えを申し上げましたように、私どもも会計検査院との連絡をおとりをいたしますし、また各省も、それぞれ指摘を受けた事項につきましてはこれが是正を行うように努めてまいっておりますので、たまたま、ただいまもちょっと検査院の方から例を挙げてのお答えがございましたけれども、内容につきましてまだ検査院その他と御相談中であるがために結論が出ておらないと申しますものを除けば、検査院も御存じないところでそのまま予算が計上をされて是正になっておらないという例は、まず私はないのではなかろうかと思う次第でございます。ただ、予算書そのものは、款、項、目、節というような区分で金額で表示してございますので、それが表面的にあらわれるようになる場合があるかどうか、それはまた個々の事例によって差があろうかと存じます。
○峯山昭範君 ですから、そういう事態はまあないであろうと、あなたそうおっしゃってますけどね、もし具体的に出てきたら、これは修正するのかということなんですよ、要するに。たとえば、いま具体的な例を一つわざと挙げたわけですけれども、この厚生省のこういうような問題で、具体的にこれが指摘した、去年、五十二年度の決算で指摘をした。それがことしの予算でもし是正されてなかった、もし是正してないとすれば、国の予算のむだ使いですからね。大蔵省もメンツを捨てて当然私は是正すべきであると。もしそういう問題が出てきたらね。あなた、出てこないという自信があれば、もし出てきたら是正しますと言うのが当然じゃないですか。
○政府委員(松下康雄君) ただいまもお答え申し上げましたように、予算書の組み方と会計検査院で御指摘になります個々の事業の単位等とは必ずしも一致しておりませんので、たとえば、ただいま検査院におかれまして本年度なお是正改善のために準備中であると言われましたものについて見ましても、それはお話がまとまりまして是正の方向が固まりましたならば、現在の予算書の計上の科目なり金額はそのままにいたしてありましても、その内容の実行におきまして是正の可能なものでございます。検査院の御指摘になります事項につきましては、実例といたしましてはそのように予算執行の段階におきまして是正を図ることができるものが非常に多うございますので、御指摘のようなケースはなかなかないことではなかろうかと存じます。
○峯山昭範君 あなた、そういうふうに言って逃げていますけどね、実際問題としては、私は具体的にまだ指摘しているわけじゃないんですけれども、実際問題として、こういうふうに項なり目なりの中でこういうふうな具体的な問題が出てきた場合には、やっぱり予算修正の根拠になる、結局は。なるということにしておかないと、それじゃわれわれがここで一生懸命審議をして、しかも検査院が検査で指摘をして、その問題が是正されてないということを、あなた方幾らがんばったってしょうがないわけですよ、これは。 ですから、私はきょうは自分の持ち時間の関係がありますから――まだ実は質問の四分の一ぐらいしかやってないわけですよ。ここはやっぱり、私は、まあ二年とは言いませんよね、それはすぐ改善できるわけないんですから。会計検査院も努力をしているわけですから、政府側も努力をしているわけですから。すぐできるわけないですよ。やっぱりいま現実の問題として、五十年に指摘をして、農林省、郵政省、建設省、電電公社の分についてはいま改善するためにそれぞれ打ち合わせをし努力をしているわけですからね、それはできないものもありましょう。しかしながら、もしできるのにやってないなんということになると、これはやっぱり大きな問題になるんじゃないですか、そういう場合は。それはやっぱりそのこと自体が予算修正の根拠になるんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(松下康雄君) 是正が当然できるにもかかわらず、それを行っていないというような事例がございましたならば、私どももさらに会計検査院と連絡をとりまして、この是正の具体的な内容につきましていろいろと詰めを行いました上で、成立した予算の執行に当たりましては、是正された結果に基づいてこれを適正に行っていくという努力を払ってまいることが必要であろうと存じております。
○峯山昭範君 いや、それは納得できませんね。そんな、予算が決まって執行の段階でなんて、そんなばかなことないでしょう。そんなんだったら意味ないんじゃないですか。予算の段階で当然修正もあり得るということにならないとおかしいんじゃないですか、そんなもの。執行の段階でなんて、そんなばかなことないですよ。ということは、それじゃ立法府は、間違えた予算をそのままばあっと認めちゃって、修正も何にもきちっとしなくて、そしてやれと言うんですか。そんなばかなことないでしょう。それは私は納得できませんね。そんなことじゃ私はこの問題はもう進みませんで、ほんまに。
○政府委員(松下康雄君) 執行の段階でとつい申しましたけれども、それは執行の段階だけがお答えであるというふうに申し上げるつもりはなかったのでございまして、先ほど来申し上げておりますように、予算編成の段階から関係省それぞれ連絡をとりながら、いまの御指摘のように予算全体に、予算書の構成そのものに影響を及ぼすような、そういう不祥の事態が起こりませんように努力をいたしておりますので、まず御指摘のようなケースはきわめてまれであろうかと申し上げるつもりでございました。
○説明員(鎌田英夫君) ちょっと補足して御説明申し上げますけれども、具体的に例になりました厚生省の件につきましては、五十年度の決算検査報告に掲記してございますが、これは五十年度に発遣したわけではございませんで、四十九年度、五十年度という実績を見てまいりまして、こうこうおかしいところがあるということをこちらで見つけまして、そして実際に発遣いたしましたのは五十一年度の予算が執行されておる去年の十一月二十六日付で出したわけでございまして、この件 に関しましては五十二年度の予算に反映しているということで、非常に当局におきまして迅速な処置がとられたということは言えるんじゃないかと、こういうふうに考えます。
○峯山昭範君 それでは、いずれにしても、あんまり私がきょう全部しぼってしまうと、肝心のところでうまくいかないことがありますから、余りしぼってはしまいませんが、とにかく検査院もやっぱりもうちょっとしっかりしてもらわぬといかぬと私は思っているわけですけれども、検査院の権威を高めるためにきょうは質問をしているつもりなんですがね。 次に、まずそれじゃ検査院に御説明をいただきたいと思うんですが、院法第三十六条によって改善意見を表示後、二年以上たってもいまだに改善されない状態が継続している事例について、検査院から説明をしていただきたい。
○説明員(鎌田英夫君) いま御指摘の件につきまして考え及びますのは、たしか昭和四十五年度の決算検査報告でございましたか、これに掲記いたしました「鉄道新線の建設について」三十六条の改善意見を出しておりますが、まあ出しまして、年度といたしましてはもう六年度経過したと、こういう事実があるわけでございますけれども、これはいろいろ歴史的な経過とか問題点もあろうかと思いますけれども、現在なおほぼ同様のことになっているんじゃないかと、過去とそう大差がないような状態ではないかというふうに私どもは認識いたしております。
○峯山昭範君 これは私は非常に重要な問題であると考えております。いまおっしゃったように、昭和四十五年度の中で指摘をしていらっしゃるわけですが、この問題について大蔵省はどういうふうにお考えですか。――これね、いま検査院の方から説明がございましたように、昭和四十五年度決算報告におきまして、院法三十六条による改善意見としまして、日本鉄道建設公団の鉄道新線の建設について今後投資効果に十分留意して実施する必要がある旨の表示が現実になされておりますね。しかし、この改善意見は、昭和四十六年十一月運輸大臣あてに出されてから現在で五年たっているわけです。しかし、実際問題としてこの意見は生かされていない。まあいろいろな実情はありましよう。 そこで、もしこの改善意見が生かされていたと、そういうふうにした場合、この改善意見を生かして鉄道新線の建設が実施されていると、こういうふうにいたしますと、これに伴う路線の改廃、増減等によって一般会計予算における運輸省所管――私の手元にありますこの五十二年度一般会計予算の長ひょろい表の七百二十五ページの運輸省所管、運輸本省の「日本鉄道建設公団事業助成費」、項でこうなっています。これの目で言いますと九五の「日本鉄道建設公団に対する補給金の交付に必要な経費」ということで、全部で目で三つございますが、この中身が変わってくるんじゃないか、実際問題ね。私はそういうふうに考えるわけです。実際問題として、この改善意見が、実際に実施されていると。それで、われわれとしても、これからこれはもうちょっと手続、いろんなことをしなくちゃいけませんが、この会計検査院の指摘そのものが、これは確かに必要な問題であり、かつ、これはわれわれ国会がこの問題を確かに会計検査院の意見は正しいと、こういうふうに確認をした場合、当然私はこの予算を修正しなくちゃいけないと、こういうような具体的な問題が出てくるわけですがね。この問題について、これは現実の問題として大蔵省はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(松下康雄君) 御指摘の、会計検査院におかれまして鉄道の新線建設に関しまして御意見を表示なさいましたことは私も承知しております。それに対しますところの政府の対応でございますけれども、ちょっと私いま突然のお尋ねで、当時の資料を十分見ておりませんが、昭和四十七年であったかと思いますが、運輸省におきまして、鉄道建設公団のいわゆるAB線と申しております地方開発関係の新線建設につきまして、これを重点的にやっていくんだという趣旨でのいろいろ方針をつくりまして、その後もそういう方針で、できるだけ毎年努力をしてまいったというふうに考えております。 ここ一、二年のことでございますけれども、たとえて申し上げますと、五十年度、五十一年度はAB線の建設工事費につきましては、物価とかその他は上がっておりますけれども、建設費の総額はこれを増、額を行わないということで、総体的には総額の事業量を圧縮しながら、その中で重点的な建設投資を行うように努めるという方針をとっておったと思います。 なお、五十二年度予算におきましては、さらに一歩を進めまして、AB線の建設工事費の予算額自体を五十一年度に比べまして、二十億円であったかと思いますが、全体を減額をいたしまして、その減額されたものの中でさらに一層投資の重点化に努めるというような態度で予算の査定を行っております。 そういうふうに、毎年度御趣旨に沿いまして努力をいたしておるところでございます。
○峯山昭範君 いや、これは、私は確かにそれぞれ理由はあると思うんですよ。いままで実施されなかった理由はあると思います。しかし、私は実際問題としてこれは二つの側面があると思うんです。これは当然、この改善意見に対して運輸大臣の措置が十分なされていない、その原因はそれぞれあると思いますね。私が聞いた範囲では、自動車道路の建設の鉄道建設及び経営に対するマイナスの影響等、いろんな社会的な要因もいろいろ絡み合っていて、この問題は複雑な性格を帯びておるから、なかなか簡単には解決できないと、まあ抽象的な言い方で言ってきておりますけれどもね。しかし、そういうふうないろんな理由とは全く別に、この院法三十六条の改善意見に対していわゆる関係者が当然従うと、一応原則的には従うというやっぱり義務的なものがきちっと義務づけられていないわけですね、言うたら。これはそういうところにも会計検査院の弱さもあると私は思うんですけれどもね。会計検査院が指摘したことについて、いわゆる絶対的な権限が全くないというところにも原因はあると私は思いますけれども、実は私が実際やろうとしている問題は、この問題ではないわけです。実は、さっき一番初めに言いましたように、そのほかのことを勉強している最中にこの問題がちょっと出てきたので、きょうは分科会で非常に短い時間ですけれども、一応ただしておきたいと思ってこの問題を出しているわけです。 そういうような意味で、特に検査院、この三十六条の改善意見に対して関係者があなた方の意見にそのとおり従うという義務づけがないわけでですけれども、当然私はそういうことがあってもいいんじゃないかとも思いますし、あるいは検査院が指摘したことについて、昭和四十五年だったですね、指摘をいたしまして、現在までもう七年たっているわけですね。そういうような意味で、これはやっぱり検査院の指摘が間違っておったのかなということにもわれわれのちょっとしたあれで感じるわけですね。いやそうじゃないと、やはり実施する側に問題があるんだということも考えられましょうし、そういうことも含めまして、検査院としてはこういう問題についてどうお考えか、一遍お伺いしたい。
○説明員(鎌田英夫君) こういう、具体的にこの問題に限りませんで申し上げますと、やはり三十六条というものは、意見を表示するということで、強制力はないわけでございます。そうかと申しまして、実現しないということは検査院の指摘が間違っていたというふうには私どもは考えないわけでございまして、たとえば、この鉄道新線の建設について申し上げましたことは、いわば、悪く言えば総花的な予算の結果、非常に長期間新線が完成しない、いわゆる投資効果の発現がおくれていると。あるいは建設途中で年度ごとに非常に少ない予算がつくものですから、長くかかると。長くかかっている間に、すでにでき上がったところはもう、たとえばバンキングで積み上げたところが崩れていくと、こういうような事態が起こっておる。これはやはり国民の血税を投下いたしまして、それが長い間眠っているということは、これは客観的に見ても問題であろうということで指摘したわけでございます。 なお、その上、当時の計画どおりでまいりますと、国鉄当局がもう廃止したいという線に結びつくような線もあるということで、そんなところへ建設してどうなるんだと、こういうような考え方もございまして、何とかしてほしいという改善意見を出したわけでございますが、しかし、御指摘のとおり、あれは四十五年度でございます、出したのは四十六年に出したわけでございますけれども。改善意見を出したわけでございますけれども、その後私どもといたしましても、なおこれを出しっ放しという考え方は全然ないわけでございまして、たとえば前々年度の検査報告でございますが、鉄道建設公団の項に、工事が進捗しないためにすでにでき上がったものが崩壊しているというような記事もちょっと載っけております。また、その後ずっと見ておるわけでございますけれども、やはりこの辺でまた私どもといたしましてはもう一回実情を見直して、当局に対して改善意見を出すこともあるかと、そういう時期に来ているんじゃないかと、こういうふうに考えるわけでございます。三十四条、三十六条、いずれにいたしましても出して出しっ放しという考え方は私どもは毛頭持っておりません。
○峯山昭範君 私、そのとおりだと思うんです。こういうことがあったからといって遠慮する必要はありませんで、こういう改善意見は私はもっとどしどし出してもらいたいと思うんです。 それで、いま初めに話がありましたように、確かに予算も総花的に使って、そしてむだ遣いしている点が多い、そういう点は私は確かに改善するチャンスだと思うし、これはもううんとやってもらいたいと私思います。 これはやっぱり大蔵当局も問題ですよ。現実に、この問題でことしもこういう問題が是正されないで、日本鉄道建設公団の事業助成費として、こういうような中に幾らかずつ含まれて、また毎年出てくるということ自体も私はいろいろ問題があるとこう思うんですよ。ですから、これはそれなりにやっぱり努力をしてもらいたい。それでそういうような何らかの結論が出るように、大蔵省としても努力をしていただきたい、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松下康雄君) 御指摘はまことにごもっともであると存じます。私どもも、鉄道の問題につきましては、ただいま国鉄の財政問題が非常な問題になっておりますけれども、そのように鉄道自体の持つ社会的、経済的な意義が変わってくるのに応じた投資を行うように常々努力をしていく必要があると存じております。その結果が、先ほども申し上げましたような予算の査定の姿勢の中には、少なくともあらわさしていただいているつもりでございますけれども、今後とも一そういう方向で努力をいたしてまいりたいと存じます。
○峯山昭範君 そこで、きょうは時間があと少ししかございませんので、きょうの一番の目的である、私がなぜこんなことを言うているかということのあれをもう一つやっておかないと決着がつきませんので、やりますが、租税の仕組みですね、これは私は非常に重要な問題があると思います。それで特に租税の問題については、これはもう簡単に一言だけ質問をしておきたいと思うんですけれども、大蔵省としては、租税の中でも、何と言いますか、いわゆる脱税というんですかね、脱税の防止対策というんですな、これについて、たとえば皆さん方も御存じのとおり、ロッキードや何やかやでずいぶん問題が――脱税ということについては国税庁自身も相当いろんな問題が出てまいりました。しかも小口じゃなくて、大口の脱税というのがずいぶん出てまいりました。そういうような中で、政府の租税政策というのは、中期財政見通しの改定とか中期税制のあり方、こういうようなのをずっと見てみますと、中身は全部増税の方向ということで、増税に関する問題が強く出ておりますけれども、いわゆる脱税の防止対策というふうなものが、増税対策の陰に隠れて全くなされてないような印象を私たち受けるわけですけれども、実際問題として、政府は、この脱税防止策というんですか、これについてどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いしておきたいと思うんです。
○説明員(小野博義君) 私ども、現在の税務行政といたしましては、限られた人員の中におきましても大口事案及び悪質事案を重点的に調査することをかねてから基本方針の一つとしてとっているところでございまして、中でも特に大口かつ悪質な脱税事案に対しましては、国税査察官による調査を初めといたしまして、局、署の特別調査班等において徹底的な調査をかねてから行っているところでございます。また、大法人につきましては、連年のように非常に多くの日数を投入して深度のある調査をしているところでございまして、先生御指摘ございましたような脱税については、限られた人員の中で十分努力はしているつもりでございます。
○峯山昭範君 いや、私は国税庁でお答えいただかなくても大蔵省の次長にお答え願いたいわけです。私言うているのは、要するに国税庁がどうのこうのという細かいことじゃなくて、政府の政策の中に何も脱税政策なんて入れられるわけないですよね。けれども、そういうところにやっぱり相当注目してやらないと、いまの状態の中ではまずいのじゃないか。要するにわれわれの印象としても、この増税の話はずいぶんいろいろな角度から出てくるけれども、こういうような大口の脱税なんていう問題については余り出てこない、これはやっぱりおかしいんじゃないかと。これは何もその点についてがっちりお答えいただく必要はございませんけれども、いずれにしても脱税ということについては、やっぱりよほど腹を引き締めてやらないといけないんじゃないかと、こういうふうに思うのですけれども、どうですか。
○政府委員(松下康雄君) 国民に租税負担を求めているわけでございますから、この負担が公正であるということが何より大切なことでございまして、その公正をできるだけ確保してまいるということがわれわれ財政当局者の大事な仕事であると存じております。
○峯山昭範君 そこで実は租税の――検査に関する問題につきましてはきょうは検査院ちょっとやめておきます、この問題はね。この問題は今度決算委員会で総括等もございますので、がっちり、検査報告に掲記する問題等については決算委員会でやることにします。 時間の関係もございますので、租税ですね、大蔵省ですね――私は、きょう言わんとしている最後の問題、最後の問題というよりも、これから言うことが私がきょう質問した趣旨の最後の問題になるのですけれども、要するにここに薄っぺらいのがあるのですけれども、昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書、こうあるのですね。これはですね、会計検査院のいわゆる検査の対象にもなっているわけですね。しかも税金が、租税が入ってくるとまず全部ここへ入ってくるわけですね。そうですね、ここへ入ってくるのですね。そしてここで調整をして、払い戻しする分と一般会計へ振り込む分とここでやるわけでしょう。ということは、これは財政法二十八条にいう、いわゆる予算の添付書類――参考のためにあえて言いますと――の中に当然これも入れるべきであると、こう私は考えているわけですけれども、これは大蔵省どうですか。
○政府委員(松下康雄君) まことに申しわけありませんが、ただいまの御質問の趣旨は、ここにいまお示しになりました国税収納金整理資金の受け払いの決算に基づく書類につきまして、これをこの予算の方の添付書類とすべきだということでございましょうか。あるいは、通常の場合のように、決算、実績見込み、予算というような形での添付書類という御指摘でございましょうか。どちらの場合にいたしましても、私のただいまの考え方では、国の予算の歳入歳出に計上されますのは、国税収納金整理資金からこれが国の歳入として受け入れられたときに始まるわけでございます。その前の段階で、税務署の窓口あるいは日本銀行へ入ってまいりました金が整理資金に一たん受け入れられる、あるいはその中から過誤納付金等が支払われるという段階は、歳入歳出の前段階と申しますか、歳入歳出外の段階でございます。私が、二十八条の現在の参考書類の中にこの書類関係が含まれておりません理由として考えられますのは。したがいまして、国の歳入なり歳出なりに直接かかわりのあります分はこの収納整理資金の出ていく側でございまして、同時にそれは国の受け入れ側として予算に計上してあるわけでございます。そのほかのこの整理資金の数字を検討いたします場合の意味はどこにあるだろうかと思って考えてまいりますと、それはやはり徴税当局におきまして徴収決定をいたしました税がどのくらいの収入の歩どまり率をもちまして資金に入ってくるかというような点がたとえばあろうかと、あるいはまた、それの中から過誤納付金としてまた納税者に戻ってまいりますものがどれぐらいあるであろうか、あるいは還付等がどれだけ生ずるだろうかという点が、その他の事項としてこの収納整理資金から読み取られる事項であろうと思います。ただ、これらの事項につきましては、むしろこれは税務行政と申しますか、税の賦課徴収に関連をいたしますところの事項でございますので、したがいまして、現在のやり方では、この税制改正の要綱を差し上げてございますけれども、この中に、それらの課税所得から始まりまして国の受け入れ額あるいは過誤の還付額等をお示しをし、御説明をいたしておるわけでございます。したがいまして、歳入面と税務執行面と、そこの境界線を考えまして、参考資料としてでなしに御説明申し上げておるものであると存じております。
○峯山昭範君 いずれにしましても、少なくとも国税の収納金整理資金受払計算書というのは、これはいま参考書類として出しているんじゃなくて、これだけ正式に出しているということですね、結局これは私は、少なくともこの財政法二十八条で言う予算参考書類の中にこの書類は入れるべきではないかというふうに言っているわけです。しかもこれは財政法二十八条で言いますと、一般的に言えば、私はこの二十八条の四項の中に入れるべきであると、もし四項にどうしても入らないとすれば第十項の中には該当すべきじゃないか、こういうふうに思うわけです。しかも私たちが、きょう質問した初めの方にやりましたように、歳入歳出決算とあわせてこの整理資金受払計算書というのが決算の対象にもなっているわけですね。そういうような意味からいきますと、当然私は、これはこの財政法二十八条の中に含めてきちっと提出すべきではないか、こういうふうに思っているわけです。 さらに、この財政法でいきましても、財政法四十四条のいわゆる「特別の資金」という、「資金を保有することができる。」という、この資金の中に国税収納金整理資金、これが入っているわけですね。そういうような面からいきましても、当然私は、この計算書というのは、この財政法二十八条の書類と一緒に提出すべきものではないかと、こういうように思うのですけれども、これはどうでしょう。
○政府委員(松下康雄君) 国税収納金整理資金の決算につきましては、これは法律に基づきまして正式の決算書類として提出をいたしておるところでございます。 これにつきまして、予算の面では、先ほど申しましたようにこの税の面での問題といたしまして御説明を申し上げておるのが現在のやり方でございます。この点につきまして、ただいま御指摘がございました事項は、それぞれその財政法関係の制度問題なり、あるいは税の面での問題なりに関係のございます重要な問題でございますので、私も実はこの場で明快な考え方を申し上げられるまでに至っておりません。申しわけございませんが、しばらく時間をおかしいただいて検討させていただきたいと存じます。
○主査(岡田広君) 峯山昭範君の質疑は終わりました。 引き続き、質疑を続行いたします。 質疑のある方は御発言を願います。
○河田賢治君 まず第一は、登記事務職員の問題について大臣に質問します。 各地の統計事務の窓口が大変混雑してまいっております。また非常に長い時間待たされると、こういう状態が続いている。この原因はここ十年間で事務量が約三倍から四倍、ところがこれに対応する職員は一五%程度しかふえていないわけですね。ここが一番の根本の原因だと思うわけです。このことによって国民には大分サービスが低下する。国民に対するサービスの低下、職員には労働強化ということが強まっておるわけですが、昨年の五月の内閣委員会でもこの問題をわが党の岩間議員が取り上げまして、そうしてこの実態を具体的に明らかにして改善を求めておりました。で、当時の稲葉法務大臣は、これは重大な決意でひとつ取り組むということを約束されたわけです。主管大臣はかわりましたけれども、この問題に対するひとつ大臣がどのように取り組んでこられたか、また取り組んでおられるか、ごく大ざっぱでいいですから所信をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) この登記事務がふくそうしておって国民に非常に迷惑をおかけしておる、また職員に対してオーバー労働になっておるという問題は法務省としても非常に重大な問題でございますので、今回の、実は本年・度の予算を提出するに当たりましても相当数の人数を要求いたしておったのでありますが、御案内のように、政府全体の定員法の問題もありまして、思うように充実することができなかったことはまことに残念でございますが、今後も引き続き、御提示のような重大な問題であると考えますので努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○河田賢治君 ここに五十二年度予算での人員要求という問題で、たとえば労働組合の方では法務局関係に八千八百三十人、保護局関係で千四百二十七人、入管局関係で四百五十人、こういう要求をしておるわけです。これに対して当局側も、これは大分差がありますけれども、法務局では千四百四十三人、うち登記所が千三百七十二人、保護局関係で百五十一人、入管で百六十九人の当局は要求をされたわけですが、政府案では実際にことしは百十二人が法務局関係の増員、そうして保護局では一名、八管局関係では十二名、まあこういうふうになっているようであります。まあ法務局が、法務省が相当努力されていることはわかるんですが、行管並びに大蔵当局に尋ねますが、こういう仕事のぐあいをいろいろと――組合の要求とそれから行政当局の要求は相当開きがありますけれども、実際にこういう要求をしておる場合に、大蔵省並びに行管ですね、一体どういうふうに――仕事の量がこれは少ないからこのぐらいでよかろうとか、あるいはまた人数がふえても困るとかいうような単純な考えでこれを査定なさっておるのかどうか、この点をひとつとっくりと聞かしてもらいます、行管と大蔵と。
○説明員(關言行君) ただいまのお尋ねでございますが、私どもも、そうただ単に定員事情が苦しいからとかというような単純なことだけでその査定をいたしておるわけではございませんで、ただ仕事の量はふえておりましても、いろいろ事務のやり方の合理化を図っていくとか、そういうような事情も勘案いたしました上で、それぞれ厳密に積算をいたして査定をいたしておるようなことでございます。
○河田賢治君 その積算というのをもうちょっと詳しく言ってくれませんか。たとえば事務量がどうであるとか一ものを書いて次々出しますわな、そういう時間がどのくらいかかって、それで一日にどのぐらいそういうものが出せるのかとか、そういうようなものを科学的におはかりになって決められるのかどうかという問題ですね。
○説明員(關言行君) これは非常に細かい計算になりますし、膨大な量になりますし、そこまでのお尋ねがあろうということも伺っておりませんでしたので、本日その細かい積算資料は持ち合わせておりませんので、ちょっと即座にはお答えいたしかねます。
○河田賢治君 もう一つ、大蔵の方も一緒に聞きます。
○説明員(岡崎洋君) 定員管理全体の問題につきましては、行政管理庁の方からも基本的な方針が五十二年度予算を編成する前から出されておりまして、これは政府の意思といたしまして統一されたものとして、五十二年度から新たに第四次の定員削減計画を実施すると、こういうような基本姿勢があるわけでございます。これは申すまでもなく、国民の方々が事務の効率化その他に非常に関心を持っておられまして、できる限り節約、行政機構の簡素化に努めるということにこたえるために、過去から永続的にやっておるわけでございます。 そういうような一方の事情を踏まえまして、先ほど先生から御指摘のありましたような登記所の実態というものにつきましては、法務当局等からもお話を承りまして、総合勘案して政府案としてお出ししておる数字になったわけでございます。ただ、これで私どもといたしまして理想的、十分な状態になっているかと問われれば、率直に申しまして、それはまだまだ満たないものであると思っておりますけれども、それは単年度、単年度の予算で一挙に解決できるものではない。これはじみちに、財政事情あるいは法務当局の中の人間の適正配置等いろいろ工夫をこらしまして、それにこたえていっていただいて、徐々に解決を図るという方向で処理するより仕方のないものであろ、こう思っております。 なお、予算面につきましても、そういった人員、人手不足を解消するのに資しますように、事務機械の効率化でございますとか、それから先生御承知のとおり、登記所の仕事につきましてはいろいろ繁忙時期というものがございますので、そういう時期に重点的に臨時の方を雇うとか、そういう費用につきましては、苦しい中でありますけれどもかなりの配慮をして予算を作成しておる、こういうことでございます。
○河田賢治君 いずれにしましても、とにかく組合はそう遊ぶために人を要求しているわけじゃないんですよ。現実にそれは仕事が多いから要求するんであって、特に経済の状態で、場所によりましてはずいぶん人の抵当物だとか、いろんな登記が多いところもあります。そういう点で、私はもうちょっと、これから日本の社会保障や何かの人員も要りますし、あるいはまた教育の問題も毎年毎年ふえてまいりますし、 〔主査退席、副主査着席〕 定員ということは内閣で決めているんですけれども、定員といっても、それは減ってもいいようなところもあるんですよね。ここで一々申しませんけれども、二重にも三重にもずっと監督のようなものがたくさんできちゃって、こんなところはもう減らしてもいいんですよ。行政自身が責任を持ってやる、そういうふうにすれば、もういろいろ減らしてもいいところがありますが、いずれにしても、定員の問題について、あるいは職員の増加の問題等々については十分配慮を願いたい。 この間、これはまあ直接の問題にかかわりませんけれども、経団連のビルの登記ができていなかったというんですね。地下が五階、地上が十八階、これ、土地の登記はやっているんですけれども、建物の登記をやっていないんですね。それで十一年間ほったらかしていたというんですよ。ここはあなた、日本の一流会社、経団連といえば御承知のとおり、日本の経済に号令しているところでしょう。ここにそれぞれの産業団体があります。新聞に書いておりますところでは七百九十社、一流の法人ですよ。そして百十団体がここに文字どおり、つまり産業の総本山としておるわけですね、経済の。こういうところが全然登記もしていないというんですね。百万円の金が惜しいというんですよ。ちゃんと書いてあるんです、これ。むちゃなんです、これ。それで大きな顔をして政治にくちばしを入れているんですよ。これは申告ですから、恐らく登記というのは。強制的にやるわけにはいきません。ただ罰金が、これ登記しなかったら一万円だというんですよ。こういう、とにかく日本の財界の指導的な連中がおるところが、法律なんか無視しているんですね。こういう点は、やはり私らは考えまして、もっともっといろんな点で……。こういうところに対してどんな処置をとられるか知りませんけれども、とにかくこんなものをいつまでもほうっておくわけにいかぬと思うんですね。単に過料が一万円だからといって、わずかばかり取ったってこれはしようがないんですけど。とにかくこういうことがあるということです。だから、登記問題も必ずしも私たちは公平にやられていないということをまず見ておかなきゃならぬと思います。 さてそこで、日六体的にいま計画で、だんだん出張所とか支所というようなものの整理をやられておるわけですね。特に、私は直接その土地のいろいろな、町の人や、議長や、あるいは議会関係、あるいは有力な産業団体等々からあれを受けたわけですが、たとえば網野町、それから久美浜、丹後町、この三つが廃止されるというので、特に網野町では五十年ごろからこれに対する反対の陳情をしたり、あるいはいろんなあれをそれぞれの当局に要請しているわけです。ここは御承知のとおり、丹後は日本海ですから、雪もことしは約二メートルぐらい降って、それから交通が、それは確かに汽車もあります。けれども、田舎の汽車ですから、そうたくさんないわけですね。一日に通勤時間に合わせて三、四回、五回ぐらいですね。それからバスもありますけれども、これまた必ずしも町のずっとすみの方まで行っていないと。御承知のように、京都は地方自治体の合併をうんとやっちゃったですね。一つの郡が一つの町になるとか、そういうところがたくさんあるわけです。三十六町村ですね、あとは市が九つですか、ですから、ほかの府県から見ますと、非常に地域が大きな一つの町になっているわけです。ですから、普通の登記所が、この計算でいきますと、大体三つの町村に一つぐらいの割になっているんですね、出張所とかなんとか。ところが、ああいう合併したところなんかは、それはもううんと減らしているんですからね。ただ、ここは町が一つだからというふうなことにはいかぬのじゃないかと思うんですね。それでことに、御承知のとおり、ここの町は、いま非常にちりめん産業で不況なんですね。だから、抵当物件なんかにしたりする登記が多くなっている。年間あすこで約二百五十億ほどの生産をやっているわけですね、ちりめんなんか。ところが、いま韓国からどんどん入りますから、非常な不況で困っている。しかし、金を借りたり何かすることで登記所を利用することが比較的多くなって、網野町で約三千五百件、それからまた久美浜が三千件、それからあと丹後町もこのごろずっと、小さな町ですけれども、だんだん登記がふえている、そういう状況のところなんですね。だから、これに対していろいろとその町の人人が、この廃止されることについて、あるいは合併されることについて非常な不安を持っている。ここ二、三年来いつも要求しているわけです。 で、こういう問題を具体的にここでどうする、こうするということはないと思いますけれども、しかし、一応こういうものの廃止については、やはり地元の了解を得るとか、理解、納得ですね、こういうものをしてもらわなければいかぬ。これは明治の初めからあるんですね、ここの登記所というのは。ですから、こういう問題について、一応ひとつできるだけ地元の理解、納得を得るということ、そして実施するというふうに理解していいですか、どうですか。ちょっとこの点、責任ある方から答弁をお願いしたい。
○政府委員(香川保一君) ただいまの登記所の適正配置の問題、統廃合の問題につきましては、全国的に登記事務の処理の適正化、あるいは職員の待遇改善等々踏まえまして、 〔副主査退席、主査着席〕 一定の基準を設けまして、内閣の行政簡素化の方針に従いまして昭和四十六年から実施してまいっておるわけであります。さような、いま挙げられました網野、丹後、あるいは久美浜というふうなところは、全国的な統廃合を実施して、しかるべき庁ということの基準にいずれも合致しておるわけでございます。ただ、あるものがなくなるわけでございますので、当然、反射的に地域住民の御不便が生ずることはもう否めないわけでございますが、その不便度と申しますか、さような関係と、先ほど申しましたような統廃合の趣旨、これを勘案いたしまして、できる限り地元の御了解のもとに実施してまいっておるわけでございます。地元の了解を得るべく努力いたしまして、今日まで約四百庁以上の出張所が統廃合されてきておるわけでございますけれども、これは何が何でも反対だというふうなことで、了解が得られないために統廃合ができないということに相なりますと、登記所に協力していただいて、若干の不便は忍んでさような統廃合の趣旨に協力してやろうということですでに実施いたしました地域との不均衡、いわば極端な言葉で申しますれば、ごね得的な不公平な状態も生じますので、それも十分やはり行政のあり方としては考えなきゃなりませんので、いろいろそこにむずかしい問題があるわけでございます。できるだけ統廃合いたしましても、地元の御不便の度合いを少しでも暖和する方法をいろいろ講じまして、御不便をかけない、できるだけ少なくするような形で今日まで実施してまいっておるわけでございます。今後とも、お挙げになりましたようなところは、地元の御了解、御協力を得られるように、さらに努力を重ねてまいりたいと、かように考えております。
○河田賢治君 あと、全国で、計画によりますと約百カ所ぐらいあるらしいんですね。これなんかの問題についても、十分、地元でも一つでもなくなるということをただ漫然と反対するとかというわけではないんですから、やはり自分たちの不便ということがありますからね。やっぱりこういう登記に行って、一日も、あるいは遠いところですと車でも持ってなかったら大変なんですよ。そうすりゃ一日休まなければならぬということになるでしょう。一つの書類を出して、間に合わなきゃまた出直してくるということもありますし、できるだけそういう点で住民の便利を図る、そしてそういう方向でひとつこの問題を処置してもらいたいと、こう思います。 さて、それではもう一つの問題ですが、これは山科の刑務所の問題なんです。刑務所の元農場跡地を何とか子供の遊び場にしてもらいたいというので、付近の御婦人方が約千何百名か署名も集めたりして、市の方や、あるいはここの刑務所なんかに要望をされているわけですね。ここ二、三年やっておられたわけですが、この土地は昭和二十七年三月に千八百平米、受刑者の耕作用地として昭和四十二年まで使用されていた。ところが、その昭和四十二年以後は、約十年間事実上遊休地になっているわけですね。全然使ってないわけです。たまにさくを越えたりして子供が遊びに入るというようなところなんですね。で、こういうような状況があって、本当の国民財産として有効かつ効率的に活用されていないということが明らかなわけなんです。だから、これをやはり有効に活用し、また効率的に用いるということの指導が、これは直接には大蔵省が、いわゆる行政財産ですから、かんでいないかもしれませんけれども、しかし、大蔵省はこういうような遊休地が十年間もほったらかしされているということについて、どういうふうにお考えなのか、一応それについての御意見をお聞かせ願いたい。
○説明員(藤沢正君) ただいまの件でございますが、先生御指摘のとおり、まことに好ましくない状態でございますが、私どもといたしましては、行政財産はただいま先生がおっしゃいましたとおり、一応各省各庁の長が管理しておるわけでございます。大蔵省といたしましては、この各省各庁の管理しておりますのを総合的に、統括的に管理監督するという立場にあるわけでございまして、私どもといたしましては、国有財産の有効利用という見地から、その各省各庁の行政財産が未利用の状態であるということがわかりました場合には、当該財産を所管いたします各省に、一体その土地が、その未利用の状態が一時的なものであるかどうか、あるいはまた今後どういうふうにそれを使うのかということを聞きましたり、あるいはまたそれが行政目的としてすでにもう使用しないということでありますれば、一刻も早く用途を廃止して大蔵省に引き継いでほしいというようなことを常々申し入れまして、常時効率的な利用を図るということをやっておるわけでございます。
○河田賢治君 この遊休地の問題について、近畿財務局ですか、京都財務部か、刑務所に普通財産として大蔵省に移管しなさいということをかなり何回も指導してきたらしいのですが、ところが、法務省の方は、こういう問題の財産の運用についてどういうふうにお考えなのか、ちょっと聞かせていただきたい。また、御存じかどうか。
○政府委員(石原一彦君) ただいま御指摘の土地は、行政財産として法務省が管理しているのでございますが、刑務所の用地でございますので、矯正局長である私から御答弁申し上げたいと思います。 前提といたしまして、刑務所における農耕地の効用でございますが、大きく分けまして三つあろうかと思います。 一つは、御承知のように、最近の受刑者は社会生活が十分でない、社会においてしっかりした仕事をしないということで刑務所に入ってくるのでございますが、そうした者に対しまして、いわば生産の喜びを与える、自分で物をつくる喜びを与えるというようなこと、あるいは前から、昔から皆さんがおっしゃるような、土に親しむ、自然に親しむ機会を与えるということが矯正処遇上大切なことでございます。 二番目は……
○河田賢治君 講義はいいですよ。
○政府委員(石原一彦君) 野菜の自給自足の問題がございまして、これはお菜代を十円上げるにつきましても年間二億かかるというような状況である。――簡単に申し上げますから……。 三番目は、へいの外にある農耕地で働かせるとによりまして、果たして社会に適応する能力があるかどうかということも判定するのでございます。 そのほか、これは受刑者の処遇とは別でございますが、刑務所の職員の宿舎が非常に老朽化いたしておりまして、刑務所ないし少年院がすでに水洗化しているのにかかわらず、刑務所の職員の宿舎が非水洗というところも相当ございます。そうした宿舎用地ということも考えなければなりません。 ところで、一般的にそういうようなことでございますので、農耕地の開放につきましては、できるだけ私の方としてはしたくないというのが本来の気持ちでございます。しかしながら、この京都の御指摘の農耕地につきましては、昭和五十年以来いろいろ、出してほしい、開放してほしいというお話もございましたし、五十一年の二月には京都の市議会において開放についての請願もございましたので、その後るる検討いたしました結果、とにかく近くが住宅地になりまして、ここで仕事をさしたのでは刑務所の人を人目にさらすというようなことにも相なりまして、農耕を見合わせていたのであります。そのほか、先ほど申し上げたような農耕地の効用についても、ここの土地ではいかがかということが考えられましたので、河田委員御指摘のように、大蔵省に千八百平米を引き継ぐという方針を決めたところでございます。
○河田賢治君 この刑務所は、私事になりますけれども、昭和の九年か、入りまして、約七年三カ月ばかりこの刑務所に、治安維持法であそこへぶち込まれました。だからよくは知っているんですよ。ところが、京都の、あそこは山科ですから、いわゆるちょっと中心から離れているわけで、山と山の間ですね。ところが、無計画にどんどんどんどん家を建てましたから、もうほとんどの公共建物が大変になっているんですよ。環状線をつくる、新幹線が通る、もういろいろなことで後手後手に市の方も回っていることは事実なんです。だから公園なんてほとんどないんですね。子供の公園も。高等学校の用地も探すのに大変な苦労をしているんですよ。そういう場所で、一見粗雑な建築がずうっと建ちましたから、本当の市民の遊び場とか、あるいは遊休地、緑地ですね、そういうものがほとんどないわけです。何でもその地内に民有地がありまして、少しばかり、百八十平米ですか、ありまして、それとの話がいま進められておるという話なんですが、できるだけこれは早く大蔵省の方へ移管されること。それから大蔵省の方でも、そういう土地柄なんですから、山科というのは。京都は山がありますから何か救われているように思いますけれども、しかし、しょっちゅう山へ登るわけにいきませんし、やはり子供なんかは遊園地などに利用できるように、市の方も、先ほどお話がありましたように、やはりいろんな請願もやったりしておるんですから、移管された後は、市の方の希望としては、無償貸借というんですかな、そういうふうにして借りたいという意向があるようなんですね。できるだけそういう方向に、大蔵省の方でもこの問題が市の方で運用のできるように、ひとつ御努力を願いたいと、こういうことなんです。どうでしょうかな。
○説明員(藤沢正君) ただいま法務省の方からお答えになりましたように、近く法務省の方で用途廃止をいたすということでございますので、用途廃止いたしますれば、当然私どもの方が引き継ぐわけでございます。引き継いだ後の条件などにつきましては、これはもう普通財産一般の処分方針でございますけれども、しかも地元の要望を尊重しつつ、公用、公共用用途に優先的に充てるということで検討しているわけでございます。 本件は、地元の財務局が現地におきまして、その位置、環境、その他用途の目的その他を勘案いたしまして、地元の意見を尊重しながら、公園なら公園ということで、地元の財務局長が判断することになろうかと思います。公園の場合には、先生御存じのとおり、優遇措置がございますので、それはそれなりの措置ができるかと思います。
○河田賢治君 最後に、大蔵省の方への移管ですね、めどは何ヵ月ぐらいで大体つきますか。
○説明員(増井清彦君) 実は、先ほど御指摘がございましたように、この千八百五十二平米の土地のうち、約五十平米につきまして交換を必要といたしております。現在その評価を急いでおりますので、その評価ができ次第、残った土地を引き継ぐということになります。そういたしますと、早ければ二、三カ月、遅くとも年内には解決がつくという見込みでございます。
○河田賢治君 それじゃ、ひとつそういう方向でこの問題を処置していただきたいということを申して質疑を終わります。
○主査(岡田広君) 河田賢治君の質疑は終了いたしました。 他に御発言もなければ、裁判所、法務省及び会計検査院所管に対する質疑は終了したものと認めます。 以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち防衛庁、経済企画庁及び国土庁を除く部分、法務省並びに他分科会の所管外事項に対する、質疑は終了いたしました。 これをもちまして、本分科会の審査を終了いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(岡田広君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十四分散会 ―――――・―――――