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80回国会参議院1977/04/13

予算委員会第一分科会 第1号

発言数
327
登壇者
41
会派数
5
開催日
1977/04/13

会議録

熊谷太三郎自由民主党

○熊谷太三郎君 ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。  これより主査及び副主査の選任を行いますが、選任は投票によらず、主宰者の指名に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

熊谷太三郎自由民主党

○熊谷太三郎君 御異議ないと認めます。  それでは主査に岡田広君、副主査に峯山昭範君を指名いたします。     —————————————

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) ごあいさつ申し上げます。  ただいま委員各位の御推挙によりまして峯山先生が副主査、私岡田広が主査を務めることに相なりました。委員各位の御協力を得ましてその責務を果たしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。審査に入る前に議事の進め方についてお諮りいたしたいと存じます。本分科会は昭和五十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府のうち、防衛庁、経済企画庁、国土庁を除く部分及び法務省所管並びに他分科会の所管外事項を審査することになっております。  で、十四日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本十三日は内閣及び総理府、明十四日は皇室費、国会、裁判所、会計検査院及び法務省という順序で審査を進めていただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。ちょっと速記をとめていただきます。   〔速記中止〕

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 速記始めて。それでは、昭和五十二年度総予算中、内閣及び総理府所管を一括して議題といたします。  政府からの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らわしていただきます。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 地震予知推進本部が第二回の会議で東海地震判定会というものをつくった。予知連の下部組織として、データを常時監視している地震課員が異変をキャッチしたときに、判定会長に連絡をとって、会長が全員に、気象庁に非常招集した上で、地震の発生が緊迫だという結論が下れば、気象庁を通じて各省庁や報道機関に警告を発することになる、こういうことが報道されておりますが、そこで警報を出そうという結論を認めて、警報を発することを決定する一体責任者というのはだれなんでしょうか。——できるだけ大臣から答弁してくださいね。そんな細かいことじゃないのだから。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) はい。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘の警報の問題でございますが、今回の問題は警報というよりも御指摘の判定組織が、これは地震につながるおそれがあるということになりますと、そのことを判定会の会長が気象庁にお伝えすることにいたしておりまして、気象庁が一般への報道をするように推進本部として委嘱しているところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 気象庁に委嘱をしているという答弁がありましたが、気象庁が責任者なのか、推進本部長がつまり警告を発する結論を認めて警告を発する責任者なのか、大臣から御答弁してください。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 当然地震予知推進本部長が最高の責任者でございます。いまの局長の言いましたのは、いわゆる技術的な問題といたしましては気象庁に連絡をして気象庁から発表せしめるということでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、警告の内容を決定する、どういう警告を発するかという内容を決定する者は、決定者というのはとにかく推進本部長である、こういうことで間違いないのですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) そのとおりでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そういたしますと、気象庁は地震の観測を行って地震情報とか津波の情報を発表する、津波警報の場合には気象業務法施行令及び都道府県地域消防防災計画で定められた防災関係機関へ、そして津波注意報、地震情報、津波情報については津波警報に準じて防災関係機関へ伝達して災害の防止、軽減に努める、こういうこととの関連はどうなるのでしょうか。これひとつ聞かせてください。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘のように、気象業務法等によりまして地震に関しましては、予報、警報を出すことになっておりません。これはまだ地震予知というものが学問的段階にございまして、定量的にどういうときにはどういうものが起こるということが明確になっておらないからでございまして、したがいまして、今回の判定組織というのは、地震学者の方々の協力を得まして連続観測をしております観測器に、データに異常があったときにそれを判断していただきまして、どういう可能性があるかということを素直にお伝えするということでございまして、警報、予報といったような、事前にある種のランクづけをしたようなものがまだできない状態と考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 質問したことは、気象庁のこのことと関係があるのかないのかということを聞いてるんです。だから、さきの質問によって、本部長の責任で結論を出し、その内容を決め、それで発表するんだ。そうすると、気象庁のこれとは関係はないというか、気象庁にさせるというところから見ると、関係があるかのごとく考えるが、関係があるのかないのか、そこを聞いてるんですよ。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 厳密には法律——気象業務法に当たっておりませんので、そのためにこういう臨時の措置をとったわけでございます。したがいまして、全く気象業務法に基づく予報、警報というものではなくて、したがって、推進本部の方からそういうことをやっていただきたいということを気象庁にお願いしたところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、お聞きをしますが、どういう名前なんですか。名前は何と言うんですか。気象——要するに地震情報じゃない、地震何という名前を——これはやはり正式に名前をはっきりしておく必要が私はあると思うんですが、どういう名前をつけるんですか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) これは、いま気象庁にも検討をお願いしているところでございまして、具体的にどういう形にするかは今後決めますが、地震に関する情報という形になろうかと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 地震に関する情報、そういう名前……。  そうすると、その次にお聞きをすることは、予知連との連絡はどういうふうにするつもりなのか。気象庁が観測データを集中的に集めて、データの常時監視している地震会議が異常だと見れば連絡会の会長に連絡するという話ですが、連絡会の会長の所属は国土地理院の方で、気象庁はそれとはまた別なんです。それで、われわれは学者じゃありませんからわかりませんけれども、異常をキャッチしたからといって、それだけ聞かれたって正確な私は情報は出ないと思うんですね。ふだんのいわゆる観測を長期的に連絡があって、その中でその異常が見つかった場合にどう判定するかということになるわけですが、これについての常時の連絡というのはどういうふうになっているんですか。どういうふうにするつもりなんですか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘のとおりでございまして、地震予知連絡会というのが従来から国土地理院にございまして、学者、専門家の方々が集まりまして定期的にデータを交換し、検討をしておられます。したがいまして、その場ですでに長期的な、たとえば東海地方で言えば、この地震というものの可能性がどうなっているかということを皆さん御存じでございます。したがって、その予知連絡会のメンバーの方々の中から機動的にお集まりいただける先生方が選ばれて今度の判定会を構成していただくということになっておりますので、平素の、もちろん地震に関するいろいろな情報はお持ちでございますし、また前もってどういうような異常が出てきたときにはこの判定会にお集まりいただくかということも決めていただくことにしておりますので、そこでお集まりいただいて実際にデータがどういう異常を呈しているか、またそのバックグラウンドとなる東海地域のいろいろなデータがどうなっているかということをあわせて御判断いただけるものと、こう考えておるところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 内容を聞くことはないんですよ。質問したことをやはり答弁してください。その常時の連絡はどうするんですかと言っているんですよ。非常招集して集まってどうこうなんて、そんなことはいいんであって。つまりそのときの異常だけをキャッチしたからといって正確な情報は出せないんじゃないのか。常時どういう連絡をすることになっているのか、そこはどうなっているんですかと聞いているんです。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) これは判定組織の初会合がこの十八日に予定されておりますが、このときまでに先生方及び気象庁で御相談されることと思いますけれども、当然平素のいろいろ御連絡あるいはデータについての御紹介等があるものと理解しております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は予報、地震情報というものを出そうというなら、そのことくらいは検討しておいたっていいと思うんですよ、推進本部がね。この程度の連絡はするんだ、それが欠けたらば学者、先生らがそれじゃ困る、もっとこうしてくれという話なのか。何にも案がなしに集まった人たちの意見を聞くだなんて、そんなことじゃしようないと思うんですよ。少なくも常時はこういうふうな連絡の仕方をしておきますと、常時連絡がなければ幾ら異常をキャッチしたからつて、それだけ見たって何にもわからぬじゃないですか、そこへ集まってきても。そういうことを私は言っているのであって、これはどうするという予定をちゃんとつけているですか。

小林寿太郎気象庁観測部長

○説明員(小林寿太郎君) 先生の御質問にお答えしたいと思います。  判定会の先生方の御意見等、いろいろ現在拝聴中でございまして、私どもといたしましては、いま松永先生がおっしゃったように、定期的に地震の状態というものを把握していただきたいというふうに考えておりまして、定期的と申しますのは、少なくとも月一回はお集まりいただいて、いろいろ総合的なデータを見ていただいて、いろいろコメントいただきたいというふうに考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 わかりました。  それで、これはどうなるんでしょうか。地震予知推進連絡会議というのが四十九年の十一月に持たれて、事務次官会議の申し合わせで持たれ、設置要領というのがあって、趣旨、構成、連絡協議事項、開催、庶務、雑則というふうに決められているわけですが、地震予知推進本部の設置要領というのはあるのですか。それからまたこの趣旨は何なのですか。どういう規定があるのですか。それをちょっと聞かしてください。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御質問のありました地震予知推進連絡会議というのがかつてございましたが、昨年十月にこの地震予知推進連絡会議をいわば格上げいたしまして、閣議決定によって地震予知推進本部が設置されたわけでございます。したがいまして、その閣議決定の内容がございます。そのときに地震予知推進連絡会議は廃止したわけでございます。地震予知推進本部の主なる仕事は、やはり地震予知全体の推進ということでございまして、このために必要な当面の諸施策、あるいは測地学審議会から建議されております地震予知計画の実現に関することといったようなことを主な仕事にいたしております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 設置要領というのはあるのですか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) これは閣議決定で地震予知推進本部の設置ということが決まっております。したがいまして、その閣議決定のときに地震予知推進本部がどういう仕事をするかということは閣議決定で決められているわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 閣議決定というのは、そんな細かいことまで決める閣議決定はないわけですよね。だから、設置要領があるというなら設置要領を出してもらいたい。それから、これは後から出してもらうが、要するに目的というのは地震予知の推進についてということになっているんですか。そこだけきちっと読み上げてみてください。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 昨年十月二十九日の閣議決定でございますが、地震予知推進本部の設置についてということで、一番にその目的等が掲げてございますが、読み上げますと、「地震予知の推進に関する重要な施策について、関係行政機関相互間の事務の緊密な連絡を図るとともに、総合的かつ計画的な施策を推進するため、内閣に地震予知推進本部を置く。」ということで、以下所掌事項等が掲げてございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、実は大臣、中途半端なやわ方じゃないのか。学者に責任を押しつけたようでいやな気分だというようなことをまあ報道されているところもあるわけですね。  そこで、私は次にお聞きをしたいことは、東海地震判定会というのをひとまずつくって、そしてやったということはそれでいいとしても、地震というのは東海地方だけにあるわけじゃないわけですよね。観測強化地域が二つあるし、特定観測地域が七つある。東京観測地域もあるわけで、この地震予知というその事柄については一体根本的にどういう方向でやっていこうとしているのか。全くただひとまずつくったということであって、このことについては大臣どういうふうに推進をこれからしていこうとするんですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) これは、松永先生御承知のとおりに、従来そういう地域を定めるに際しましても、測地学審議会の建議等を受けまして、それが決まってきたわけでございます。特に、東海の方は観測をどうしても強化しなくちゃならぬというふうな立場で、ほぼその観測に関しましても大体データがそろったんじゃなかろうか。しからば、そのデータをだれが責任を持って予知というところへ結びつけるか、さらには予報に結びつけるかという、これが一番大きな問題でございますから、あくまでも政府にすべての責任があることは当然でございますが、やはり地震予知連絡今の学者グループが専門的にひとつその判定をしていただきたい。これもまた、測地学審議会からの方の建議が昨年の十二月なされたわけでございますので、その建議に従いまして判定会というものも今回設置することになったわけであります。御承知のとおり、学者の方が学者にそのような責任を持たすのかという声も私は聞いておりすすが、しかしながらそうじゃなくして、学者の方方の知識をおかりする、それによって国民の生命財産を守ろう、あくまでも責任は政府であると、こういうことでございます。ただ現在、局長もお答えいたしましたとおり、予知というものに関しましては、いつどこでどのような大きさのものが起こるかというところまではなかなかしにくいんじゃないか。しかしながら、やはりいろんなデータを集中することによってその予知を推進することができると、これが推進本部設置のゆえんだろうと思いますので、全国的にも今後それを拡大しなくちゃなりません。したがいまして、関東南部並びに東海、これが一応いまのところは観測強化地域になっておりますが、いま御指摘になられました特定地域に関しましても、やはりこれはその観測を強化していかなくちゃならないであろう、地震予知の体制を強化しなくちゃならないだろう。このことも先般の本部の総会において決められた次第でございますので、そうしたことで進あてまいりたいと思いますが、とりあえず東海地域に関しましては、この判定組織というものが今後強力に動いていただいて、そして国民の生命財産を守る、その十分役を事前に果たしたいと、かように思っておる次第でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 とりあえず東海地域についてはわかったわけですが、ほかのところはどうするんですかということです。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) この間もそのことに関しまして、萩原地震予知連絡会の会長みずから、全国的に考えてやはりわが国の地勢から申し上げても、地震ということに関しては薄氷を踏むの思いだと、こういうふうに率直に私もその意見を承りましたので、したがって、観測主強化地域のみならず、他の特定地域、やはりここら辺は歴史からずっといろんなデータを踏まえた場合に、十二分にそのようなおそれありとされている地域でございますから、これに関しまして七ひとつ予算を強化して、今後その観測を東海に続いてやっていこうと、こういうことを先般の推進会議で決めたわけでございます。具体的にはひとつ局長の方からいろいろと具体策を御説明いたします。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いいです。もう少しここは後で。  とにかく、ただ観測を強化しただけじゃしようがないわけで、強化して一体あとどうすると、つまり他の地域にも地震判定会のようなものをつくるのか、あるいは全体のものを何か考えているのか、こういう点もし具体的な答弁があるならお聞かせください。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 現在具体的なものはございませんで、五十三年度予算編成時期までに全体の体制を検討しようということになっておるところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 これはやはり具体的に検討して、早くやはりしないと、東海地震判定会だけできて、ほかのところは何にもできないんでは困る。  それから、予知連絡会の改組強化という問題です。国土地理院の関係ですけれども、これは大臣にも推進本部長として聞きたいわけですけれども、この予知連絡会議というのは建設省の国土地理院の院長の委嘱によるもので、委嘱によって委員と臨時委員ができて、地震予知連絡会議を開催する会議なんであって、これは会議なんです。日を決めて集まるという会議なんです。しかもこれは国土地理院長の委嘱によるものであると。ところが、地震予知推進の、いわゆるあなたの言った建議とかなんかというのは、第三次計画も出し、見直しも出したのは、これは測地学審議会がやっているのであって、いまこの予知連絡会のメンバーが地震の判定会をして一つの結論を出していく、それを本部長が認めてどうこうするということになると、これはもう非常に責任も重いということなんですよね。事実、第三次計画で何と書いてあるかというと、情報集中と総合判断を行う機能を格段に充実、強化するため、地震予知連絡会の拡充、改組、要員の確保等必要な措置を講ずるということが出ているわけです。私たちも、いわゆる国土地理院の院長がただ委嘱をして、会議としての一つ決めているものが、この地震予知の判定会をやり、あるいはまた常時の定期的な、つまり情報、観測のデータも聞くとか何とかして、重要な問題をやろうとしているわけで、まずその予知連絡会を、いわゆる建議のように改組、拡充、要員の確保などについて、当然必要な措置をとられなければいけぬと思うんですが、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 一番重要なことでございまして、実は私も就任後間もなく、推進本部の総会を開こうじゃないかということを申し上げましたが、この総会を開くに当たりましては、やはり相当な準備をしなくちゃならぬと。そしてその準備の中身におきましては、やはり学者の方々が一番重大な責任を持つようなことになるんだろうかと、学者の方からそういうふうないろいろと照会もございました。したがいまして、当然行政がその責任を持つんだけれども、しかし学者グループとしても、そのもとはわれわれが判定するんだからどうしたもんだろうと、こういうふうな繰り返しがしょっちゅうなされた次第でございます。したがいまして、測地学審議会の方も学者の永田先生が会長しておられますし、あるいは連絡会議の方は、これはもう学者グループでございますから、そこら辺の見合いも私も今後十二分に検討いたしまして、そしてやはりがっちりした体制をつくりたいと思ったんでございます。  地震そのものに関しましても、先生御承知のとおりに、測地学審議会から出されました幾つかの建議をもとに、各省庁にまだ分かれておって、しかも大学もそこに参加してもらっておると、こういうふうなことでございまして、いろいろとまだ私自身が考えましても、これで完璧な体制であると申し上げられないような面の方が多いんじゃないかと、こう思いますので、確かに一番重大な予知連絡会というものそのものに関しましては、早急に、いろいろと学者間との問題もございますので、十二分に私たちといたしましてもその点を踏まえまして、そして速やかな責任体制を構成したいと、かように存じております。いまのところまだそこまで、もう少しく時間を賜らないと、なかなかむずかしい問題ございますので、いつ幾日までにつくるというふうな体制ではちょっとございませんので、その点も御理解賜りたいと存じます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 大臣は科学技術の関係には相当な深い、長い経験や知識をお持ちのようでございますから、ぜひひとつこういうものを仕上げてもらいたい。これは三百万円しか運営費がないわけですね。しかもこれは国土地理院なんかで、いままではどこから出すかわからぬようなところから出ていたのをやっとはっきりさせたという程度のことであって、これ三百万円でこのものに責任を持たす、形の上ではとにかく国土地理院の院長の委嘱機関なんですからね。これじゃこれだけの責任を持たせるには余りにやはり少し体制として無理だ。やっぱり改組、強化、拡充、要員確保についてやらないと、最も大事なことが抜けてくるのじゃないかと。これは国土地理院は部長でして、部長にこういうことを聞いてもあれですけれども、ぜひひとつ大臣として、推進本部として、これは改組、拡充、強化、要員というものを考えていただきたい。  その次に、さっきお話ししました地震予知推進の第三次計画というのは測地学審議会の方から出た問題、測地学審議会というのは、もう御承知のとおり、文部省設置法の審議会ですね。「測地学及び政府機関における測地事業計画に関する事項を審議」することということになっていて、目的は何も地震予知のことじゃないわけですわね。九つの部会の一つの部会の中に地震予知特別委員会というのがあって、これがやっているわけなんですがね。そうすると、ずいぶんいままで測地学審議会に肩を担わせて相当やってもらったけども、地震予知連絡会というのは運営要綱にも何と書いてあるかというと、「地震予知の実用化を促進することを目的として、地震予知に関する業務を実施している関係機関等が提供する情報を交換し、またこれらの情報に基づいて地震予知に関する総合的判断を行なう」ものと。まさにそのものずばりなんです。こういうものを、やはりさっき話したとおり、委嘱機関のようなものにしないで、もっと測地学審議会が出す建議が予知のところへ働いてくるんじゃなくて、予知そのもののところから建議ができるようにやっぱり地震予知連絡会というものを見直してみる必要がある。つまり測地学審議会の一つの一部分から、特別委員会から全体のものにかけられて建議をし、それを受けて内閣が行うというようなことでは、測地学審議会についても私は無理な話だと思うのです。そうしてまたそういう意味からいうと地震予知連絡会というものをやっぱり一つのしっかりした審議会のようなものなり何なりにして、そうしてその中に下部組織として判定会があるとか何とか、もっとやっぱり格上げすると一緒に、組織を全面的に見直してみるという必要が非常にあるということを感ずるんですが、大臣どうでしょうか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 従来の経緯もいろいろございましたが、いま先生が御指摘されます面は、確かにそういう面があるわけでございまして、やはりもう少しく推進本部そのもの自体もまだ発足間がございませんから、したがいましてそういう議論も重ねまして、いまおっしゃったような確かにこれは弱点ではないかというふうな感じも私は抱いております。したがいまして、推進本部の幹事会等で十分にこの点は吟味していただきまして、もっと国民に責任を持ち得るような体制、これはやはり必要だろうと私は存じます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私たちは推進本部ができる前に、どういうものができるだろうかという期待をしたのは、ある程度一貫性を持った予知行政が地震に関してできるのではないか、そういうふうに思った。ところが、そのいわゆる科学技術庁の長官を長として各事務次官が集まるというふうな形の中で、何かそれで果たして、一体本当の意味の本格的な体制をつくって一貫性のある予知ができるのかどうかという疑問を持っておる。そこへ今度また判定会ができてみたら、判定会というのはどこに一体責任があるだろうか。予知連絡会の下部組織だという言い方をしているし、それからそれが結論を出したところを気象庁が発表するというのは、どこで——きょうはっきりしたわけですけれども、内容とか結論を出す責任者が本部長だということになれば、行政の責任の所在は明確になったわけですけれども、ただなったというだけであって、あなた自身だっていろんなことをやらなければいけぬことになっているわけですね。外郭の中に、たとえば地震庁というようなものがあって、これが一貫的なことをやるというなら、そこにもあるが、どうも予知行政が動き始めた段階だからしようがないだろうけれども、国民やわれわれの期待したものとははるかに遠い推進本部の組織であり、またいわゆる地震予知に関する情報の出し方だと、これじゃどうも少しおぼつかないなあという感じがするのですが、この点については今後どういうふうにこれを考えていこうとしているのか、大臣にひとつお聞かせを願いたい。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 地震に関しましては、予知は非常に重大なことで、そのためには観測が必要で、データ収集も必要でございましょうが、現在その点に関しましても、一元化はできないかと私も実は就任後そういう考え方をいろいろ皆に諮ってみたことがございますが、現在といたしましては、それぞれの各省庁あるいは大学で、それぞれのずっと伝統ある地震の観測をしてきたというふうなこともございますので、いまそれを一朝にしてどこかに集めてしまってどうだということについてはどうであろうかというような問題もございました。しかし、やはりおっしゃるとおり、行政から申し上げれば、やはり一元化ということが一番必要なことではないかと存じます。しかし、まあ歴史等々いろいろございましたので、そこでことしの予算等々におきましても、科学技術庁が責任をもちまして——そして地震に関する予算、各省庁にそれぞれあるわけでございます。そうした問題に関しましても、こちらの方から調整費をうまく配分するとか、そんなことでいまやっておるようなことでございますので、私といたしましても、いやしくも本部長に就任いたしました以上は、いま先生のおっしゃるような形において何らかどこかでやはり一元化した強い体制を敷きたいものだ、十二分に先生の御意見を尊重いたしまして、今後推進本部の幹部会等々でこの問題は吟味していきたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、東海観測強化地域の観測体制の強化について一、二お聞きいたします。  科学技術庁とそれから気象庁の関係と、それから国土地理院が出ていますが、いまあるものじゃなくて、たとえば科学技術庁では験潮場を焼津、田子に本年じゅうに完成したいというようなことを言っている。あるいは光波測距儀で超精密に三角点の測定を御前崎で開始をしたといって言われているわけです。それからアメリカ製最新式気泡型傾斜計を使った連続観測を御前崎でする予定だと、こう言っているわけでありますが、また同時に、浜岡と榛原に二個のひずみ計を地下に埋めて、そしてこれを自動的に観測していくということだということを技術庁の関係では言っているわけですが、これはいつ——ことしですね、新しくやって。いままでのは私のところにもあるわけですが、こういうものは科学技術庁として新しいものはいつまでに完成するのかということをお聞きをしたい。  それから気象庁についても、また国土地理院についても、その点新しくことしいつまでをめどにこのものを完成したいというふうに考えているのかということをお聞きをしたいわけなんですが、ちょっと三者の方から、ことし手をつけてここまでには完成してしまって観測強化をしたいという具体的なものを指摘をして、短い時間ですので、簡潔にひとつちょっとお答えください。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 今年度、五十二年度分につきましては、特別研究促進調整費七億五千万を予定しております。その中で、各省庁からいろいろ計画をいまいただいております。現在これを調整中でございまして、予算が成立いたしましたときはなるべく早くこれの執行にかかりまして、第一次の急を要するものというのは夏ごろまでに仕上げたいということを考えております。  ちなみに、私ども科学技術庁の国立防災科学技術センターにおきましては、五十一年度の特別研究促進調整費によりまして、静岡県の中伊豆町に傾斜計がすでに設置されまして、昨年十二月から観測を開始しております。また、静岡県の志太郡岡部町に百メートルの井戸を掘りまして、地震計、傾斜計を設置しておりまして、ことしの三月下旬から観測を開始しております。そういう状況でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いま言ったいわゆるアメリカ製どうこうという、これは御前崎で予定だと。これはどうなんですか。

原田健久国土地理院地殻調査部長

○説明員(原田健久君) 科学技術庁の特別研究促進調整費をいただきまして、田子と焼津の験潮場はもう前年度末完成いたしました。そして今年度はその両験潮場の潮位の差を常時テレメータリングで自動的にとるという施設を焼津験潮場につくるということを考えております。  また、超精密測距儀によりますところの観測網は、前年度末に御前崎において敷設並びに第一回目の観測を完了いたしました。  で、これはその後に引き続いて行われる観測との結果の比較によって台地の変動を検出するものでありますので、第二回目の観測はことしの夏予定しております。  それから気泡管型精密傾斜計に関するものは、従来穴蔵の中でその実験をしておりましたが、このたび野外において実験を約二カ月間ばかり行い、その成果を見て御前崎、東海地方に実際のものを敷設するという考えで進んでおります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いつごろ。

原田健久国土地理院地殻調査部長

○説明員(原田健久君) これから二カ月間の実験結果を見ますから、夏ごろと思います。

小林寿太郎気象庁観測部長

○説明員(小林寿太郎君) 気象庁関係のことについてお話しいたします。  科学技術庁さんの御協力をいただきまして、榛原と浜岡に埋め込み式のひずみ計を前年度末にもう設置し終わりまして、現在動いているわけでございますが、設置当初と申しますのは、やはり地盤とのなじみ等の問題がございますので、実際にデータとして有効になろうかと予想されているのはこの五月ぐらいからではなかろうか。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いつですか。

小林寿太郎気象庁観測部長

○説明員(小林寿太郎君) このことしの五月ごろから。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 どこ。

小林寿太郎気象庁観測部長

○説明員(小林寿太郎君) 榛原と浜岡でございまして、二つもう埋め込みが終わっておりまして、それの埋め込んだ直後というのはやはり初期のいろいろ問題がございますので、実際には五月から——データはもう入っているわけですけれども、使えるデータが出てくるのは五月ぐらいからでなかろうかと予想しております。  それからもう一つ、昨年暮れに測地学審議会におきまして第三次予知計画の再度見直しがございましたが、その際データの集中という問題が論議されまして、大学サイドのデータを気象庁に集めたらどうかということが、建議がございましたので、私ども鋭意大学等と折衝してまいりまして、東京大学の富士川の地殻変動観測所のデータ、それから名古屋大学の三河及び犬山にございます地殻変動観測所のデータを今月の末か来月の初めぐらいからいただけるようになろうかと思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 気象庁に再度聞きますが、データ通信のシステムが気象庁に集中されてきて、それから予知の判定が——要するに判定会が必要な集中的な観測のデータが集められるのは、大体いつごろをもって、まあまあこの程度で集中的な観測が気象庁に集められたというのはいつごろなんですか。集めたいと思っている時期はいつなのか、いつごろには集められるのですか、判定会の方でまあこの程度のことであればという、それは。

小林寿太郎気象庁観測部長

○説明員(小林寿太郎君) お答えいたします。  私どもといたしましては、データー——いろいろなデータがございますけれども、やはり予知に必要なデータとなりますと、まだ研究的な段階のものもかなりあるかと思います。したがいまして、やはり業務的に四六時中監視するということになりますと、かなり安定したデータ供給源というものを考えなければならないと思います。したがいまして、そうなりますと、さしあたって私どもといたしましては、先ほども申し上げましたけれど、名古屋大学の関係の地殻変動のデータ、それから東京大学の地殻変動のデータ、これはもうこの来月ぐらいから入手したいというふうに思っております。それから、地震関係のデータでございますが、これにつきましては、気象庁で東海地域につきましては地震のネットがかなり展開してございます。それは常時監視できるようにいまこの四月からもうそういう作業を開始してございますので、震度観測関係はそれで十分間に合うんじゃないかというふうに思っております。しかし、まだほかにも国土地理院さん、あるいは地質調査所、その他いろいろの関連のところでお仕事をしておりますけれど、そういったところにつきましても、いずれは業務化できるような形態になりました場合には、私どものところに集中していくように考えていきたい。ただ、それも連続的なデータというものがなかなかございませんですから、その都度判定会の先生方の御希望に従いまして、関係機関に御連絡してデータを集中していきたいというふうにさしあたっては思っておるところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 実は大臣、きょうは国土地理院の院長を呼ばなかったのは、推進本部長として責任をあなたが持っておられるから呼ばないわけですがね。いま言ったように、東京大学のいわゆる富士川地殻変動観測所とか、名古屋大学の犬山、三河のこの地殻変動観測所、これはもうすでにデータを供給するということに、文部省側でもちゃんと準備をしておるようです。しかし、お話しのように、これでもう少しきちっと調査をして早くしてもらわにゃいかぬ。その他、地質調査所というのは通産省関係にある。あるいは、海上保安庁の水路部は地形のあれも抱えてやっているようだし、それぞれやっておるので、これはやっぱり、せっかくいよいよ判定会が動き出すわけですから、そんなこともきちっとしないで判定してくれと言われたって、結果的に私たちに責任を負わせるだけですということになってしまうと私は思うんです。だけれど、やっぱりこういうために推進本部をつくったんですから、早急にやはり関係者を集めて、できるだけ早く、まず責任を持てるいわゆる気象庁への集中データの問題はいつまでに片づくと、そういうことを大臣がやってもらわなきゃいけないと思うんですが、これはどうですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 本当に貴重な御意見だと存じます。私自身といたしましても、そうした御趣旨に沿って早急に体制はやはり強化すべきだと考えています。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 期待をしております。  それでその次に、災害予防の問題について、きょう国土庁だけに来てもらっておるわけでありますが、国土庁は東海地域における広域的震災対策の検討ということで、南関東地域に地震対策検討会というものをつくっておるわけですね。東海地域については同様の検討を開始するというようなことを言っているんですが、いつ一体これは検討会できるんですか。

四柳修国土庁長官官房審議官

○政府委員(四柳修君) 御指摘のように、南関東はそういった連絡会を持っておりますけれども、東海地域につきまして先般静岡県の方からもそういったものを設けたいという話、あるいは御案内のように地元府県側の体制としての静岡、愛知、そのほか関係県、市の援助協定と申しますか、そういった体制も進んでおりますものですから、消防庁の方とも協力しまして、早々に進めたいと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 これは大臣にも御答弁いただかなきゃいけないことですけども、地震に関する情報というのはどういう形で出るのかわかりませんわね。しかし、内容についてはあなたがとにかく責任を持っていると。そうすると、非常に早い時期には何分ごとか、あるいは数時間後に起こる可能性が出る、あるいはもう非常に近い機会にあるのじゃないかという予報が出るとすると、それに対応して住民は対応策を講じなけりゃなりませんね。また、関係の官庁というのはそれに応じた対応策をしなきゃいけないが、それは一体準備できているんですか、そういう準備。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 現在のところ非常にその問題が大切でございまして、予知した以上はその予知がやはり当たって、国民に御迷惑をおかけせずに生命財産を守り得るということが大切ですが、予知して当たらなかったときの大混乱はどうだろうとか、いろいろとまだその辺に関しまして、予知そのものが結局完全な一〇〇%大丈夫だという段階まで達しておらないということは、先ほど技術的に御説明したとおりでございます。したがいまして、今日ただいまでは、特定地域、観測強化地域、観測集中地域と、こう分かれておりまして、集中地域というやつが、幸いにして、言うならばないと、観測強化地域だけだ、その観測強化地域の東海地域に関しましても学者グループのお考え方では切迫した前兆はない、こういう態勢である。しかしながら、いつ起こるかわからないから、まあひとつ十分にデータも集まったのだから、一段落したのだから、判定会と、こうなったわけでございまして、もう予知そのものに関しましては非常にむずかしゅうございますから、われわれといたしましてもそれに対応する措置が——受けざらですね。つまり予知をしたが受けざらがなかったらさっぱりじゃないか。私はそのことも強く意識いたしておりましたので、この間第二回目の推進本部の総会におきまして、ちょうどその日国会の予算委員会で、私は出席できずに、次官が出たのでございますが、いま先生御指摘の面に関しまして、やはり予知するところまでわれわれは進んでおるのならば、その予知を受けた側はどうするのか。特に各関係省庁はどうするのだ、防災対策はどうするのだ、住民の方々はそれを受けてどうなさるのか、ここら辺までを速やかにやらなくちゃならぬから、これは地震予知推進本部の仕事ではないが、ひとつそのことは関係省庁いっぱい来ているのだから、十二分に次官から伝えてほしいというので、そのことは伝えさしましたが、各省庁におきましては防災会議等において防衛庁はこうする、建設省はこうすると、それぞれその準備は十分に体制はあるのだ、こういうふうには承っておりますが、私から判定いたしますと、やはり一番問題は、本当にそれがいざといったときに一元化されて住民の方々に周知徹底して、そして住民の方々もやはりその予知に従って本当に整然と、まあ整然というわけにはいかぬでしょうけれども、よかったな、予知をしてもらってよかったなというその訓練と申しましょうか、そういう体制に関しては、私はまだはっきり申し上げまして、もっともっと研究し、その対応策をとらねばならぬと、こういうふうにいま思っておるところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 これは私は各関係機関がその対応策ができているなら何も言いませんよ。それは時間ありませんけれども、そんなものは何もできていないじゃないですか、ろくに。ろくにできていないところへもってきて地震判定会はとにかくこれからどうなるのか、急激には、非常にすぐそういう状況ではないけれども、非常に起こる可能性があるということから判定会をつくっているわけでしょう。それだから、非常に接近している状況じゃないとは思うけれども、非常に起こる可能性は最大だということで、東海地方にそういうものを考えていたわけだ。そうなってくれば今後は、しかも異変をキャッチする体制をつくっている以上、キャッチしたときにはすぐ起こるという可能性があるのか、しばらくいいのかということだけぐらいは区別を出せる。どうも非常に起こる可能性が最近強いということになれば、住民は大体何をしてもらう。それじゃ関係の機関はこれとこれはどういうことだけはしておいてもらわなければできぬという、それを決めておかなければ、こういうものができたからといって何も私はできないわけですよ。何のために一体地震予知をするのか、予知をするということは防災的な対策を講ずるために予知しているのですからね。そっちの方を何も決めていないような予知をしたって意味がないわけですよ。だから、私はそんなのんびりしたことではなしに、やはりどういう内容になる可能性というものを——非常に近いのか、あるいは非常に遠い、まだだけれども、非常に警戒的な状況だとか、あるいはその中間的かということ、そうなったらそれに対応するだけの措置がなされなければできない。国土庁あたりでもそういうことは自分らでも考えなければできないわけですよね。私はそういうことが本部長の一つの責任でもあると思うんですよ。だから、国土庁から言うと、どういうのが出るかわからないのにわしらは準備のしようがありませんわという、極端に言えばそういう言い方もあるわけですね。だから、やはりとにかく予知が、情報が出たらそれに対応する住民の対応の仕方と公共の機関の対応する仕方とをやはり早急に具体案をつくる必要があると私は思います。  それから、時間も短いのでもう一つ、たとえば国土庁がやることができているのかどうかということですよ。大都市地域における防災都市構造の強化に関する、つまり地震が大都市にきた場合にはどういうふうに都市構造を強化しておかなければいけない。で、地域構造の防災性を向上するための調査、地区単位で防災活動等の拠点となる地区防災基地の計画的整備というようなものをすることになっている。これはどれだけできているのですか。

四柳修国土庁長官官房審議官

○政府委員(四柳修君) ただいま先生御指摘の点でございますけれども、御案内のように、四十六年に中央防災会議で「大都市震災対策推進要綱」というものを決めまして、その後いま先生御指摘の点、当面の基本方針としまして掲げました三つの柱のうちの都市防災化の推進という点でございますけれども、そのほか防災体制の強化あるいは防災意識の高揚、さらには地震予知の推進と、こういう三つの柱を重点にしてやってまいりまして、具体的な問題につきましては、やはり内容が広範多岐で関係省庁非常に多うございますものですから、中央防災会議の事務局に十八省庁から成ります大都市震災対策連絡会議というものを設けております。いま御指摘の都市防災化の推進の問題でございますけれども、いま先生お挙げになりましたような問題につきまして、やはり基本的には都市構造を改善しなければいけないという問題でございまして、そういう過程の中で、たとえば消防側の対応としての水の確保の問題ですとか、いろいろの分野もあろうと思いますけれども、具体的な数字としましていまどこまで進んでいるということは持ち合わしておりませんけれども、やはり喫緊の問題でございますので、特に住民側の御協力がなければなかなかそういったものも進められないものでございますから、そういったこともあわせまして進めているところでございまして、なかなかやはりそういった事情で進まない分野もあろうかと思いますけれども、鋭意努力している点でございますので、さらに進めてまいりたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 調査がどこまで進んでいるのかわからなければ、幾らかかるか、金だってわかりっこない。学校にしたって、病院にしたってちゃんとそういうことをしてあるのです。だって、それの強化が何もできていなければ、これはやられちゃうに決まっているわけでしょう。だから、実際はできていないのですよ。だから、この際一つの情報が出るということになれば、その情報の早急性といわゆるやや長期的なところと中間的なことに応じて、ここだけはまずやっておかにゃというようなところを集中的に決めて、その金は大体どのぐらいかかると、それをどうして短い期間内にやるかという、ここまでしなきゃ何にもならないと思うんですよ。それもしかも、東海地域の対策だけについてだってまだなかなかできないのに、今度は二つも七つもいわゆる特定地域がある。そこをやっていくということになると、よほどやはり行政的に、行政が強化をされていかなければできない。そういうことを切に訴えるわけですが、ひとつ宇野長官の努力を切望いたします。  最後に一つ、静岡県は地震対策課というものを新設をして、それで特にメンバーとしては土木関係の者を中心とした課を新設をした。そうしてコンサルタントグループをつくって、軟弱地盤地帯の一般住宅についての補強工事の助言をさせ、さらに改築のための融資というものを計画していくというようなことで、静岡県は被害想定調査というのをやっているわけです。それの小さい地図上にうまく網をつくって、その被害想定調査の結果、できる被害がどういうふうになるだろうということを考える、そういうことをやっている。ところがしかし、軟弱地盤の沖積地とか砂質地では家屋の倒壊が非常に大きいだろう、それについては早くやっぱりその対策をしておかなければいかぬ、家屋あるいは橋、道路などの補強工事もやらなければいかぬということを言って、そこで特に地震対策課というものを新設した。課の新設に伴っていろいろな金も要るし、それからこれは地上交付税の中でどう見てくれるかという問題までありますわね。あるいは公共土木工事の補強工事に関する予算というのはあるけれども、これは別にこの地域にやろうというつもりでやったわけじゃない。特にそういうものについてどれだけの配意ができるのか。あるいは民間住宅の補強のための融資というのは、いまの住宅金融公庫ではそういう融資をすることにはなっちゃいないわけですから、これをどうして新設をしていくのかという問題で幾多問題に逢着するわけですね。このことについては、国土庁としては特に詳細に打ち合わせをした上で、国としてできる問題を協力し、新たにつくらなければできない補助の項目とか、融資の項目等も検討をして、その期待にこたえるような努力をするという決意があるのかどうなのか、国土庁の方からお聞きをすると同時に、広く全般的にいまのような問題を含めて宇野長官の御決意を伺って私の質問を終わります。まず国土庁から。

四柳修国土庁長官官房審議官

○政府委員(四柳修君) いま先生の御指摘の点、私どもも静岡県の方からも伺っておりまして、中央側の体制としましては、先ほど申し上げました関係省庁の連絡会議でも議題になっております。地元側の御要望につきましては、やはり地元側からもそういった問題を関係省庁を入れてもう少し具体的な施策として積み上げられるようないわば研究会といいますか、そういったミーティングをしたいという御要望もございます。これをできることならば来月以降に何とかしてはめたいと考えております。そういうことによりまして、具体的な施策として取り上げる方向を、中央側は中央側、地元の要望は地元の要望として積み上げてまいりたいと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 協力、新たにそういうことについて。

四柳修国土庁長官官房審議官

○政府委員(四柳修君) そういう形の中でやはり地元の声をできるだけ生かせるように御協力するのが私どもの仕事と考えております。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 推進本部長といたしましては、先ほど来貴重な御意見をいろいろ拝聴いたしました。その御意見を生かしたいと私は率直に考えております。なおかつ、受けざらの面は防災会議でございますが、これも私メンバーでございますから、やはりその防災会議が今後どういうふうな体制をとっていくかということが一番大切でございますので、私はこの平仄を合わさなくちゃならぬ、この決意に関しましては先ほどお述べしたとおりでございますが、特に地方との連絡強化ということが一番必要でございます。やはり中央と地方が一体化しておる。予算の面におきましても当然いろいろな問題が今後出てくるであろうと、かように存じます。特に先生の地元の静岡県は非常にこの問題に力を入れていろいろと新しい試みをしておられるということも私たち伺っておりますから、そうしたことも十二分に検討させていただきまして、やはり予知連絡推進本部としては本部の使命を果たし、同時にまた私は閣員の一名といたしまして、防災会議におきましても万遺漏なきを期したいと、かように存じております。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で松永忠二君の質疑は終了いたしました。  続いて最上進君の発言を許します。   〔主査退席、副主査着席〕

最上進自由民主党

○最上進君 私は、主に国家公務員の週休二日制の問題につきまして、質問をさせていただきたいというように考えております。  まず、質問に先立ちまして、きょうは政府側から官房長官あるいは官房副長官の出席を要求したわけでありますけれども、たまたま春闘ということで、公労協との折衝中であるということでございまして、有額回答があす出るかあるいは十六日に出るかという、その大変差し迫った段階であるので、とにかく出席できないというお話があったわけでありますけれども、きょうその関係の方がお見えになっておりましたら、その今回の有額回答の感触につきまして、まずひとつお聞かせいただきたいと考えております。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) いま先生お話しのとおり、春闘の有額回答の時期がかなり切迫しておるわけでございまして、現在のところ十四日から十八日まで、十四日から十八日の間に回答を行うという段取りで、現在最後の詰めを行っているところでございます。  有額回答の具体的な額でございますが、これは先生御承知のとおり、民間賃金の動向を勘案しながら定めておりますので、現段階におきましてまだ民間賃金が出そろっておりませんので、具体的な額を申し上げるわけにはまいりませんが、本年の場合にはすでに私鉄が四月五日に、昨年八千円の有額回答が一万一千五百円という回答が出ておりまして、そのほか本日鉄鋼関係の、IMF・JC関係の回答が出されることとなっております。そのような点を踏まえまして、当局におきまして有額回答の額が現在鋭意折衝中であるというぐあいに聞いております。

最上進自由民主党

○最上進君 本日、鉄鋼関係が出るということでありますけれども、民間賃金が、これが一つの目安になっていくことは当然でありますけれども、すでに私鉄が、いま御説明ありましたとおり、一万一千五百円、こういう回答があったわけでありますけれども、まあ後どういうような民間賃金が決定されることによってこの有額回答がつくり出されていくのか、その辺につきましてちょっと御説明をいただきたいと思います。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) まず、有額回答でございますけれども、基本的にこれは各公企体の当局と組合との間の問題でございまして、ただいま御説明申し上げましたように、それぞれ各当局が、民間の賃金の出方を現在見ておるわけでございます。ことしの傾向といたしましては、私ども集計をいたしてはおりますけれども、比較的今春闘の組合側の要求が、労働四団体足並みそろえまして一五%というような、比較的従来に比べますと現実的な数字の要求になっておるわけでございまして、そういうことを踏まえまして経営者側の有額回答あるいは妥結額というものも初めから、従来に比べますと最終妥結額に近い額を示してきているのでないか、こういう傾向があるのでないかと考えられます。したがいまして、従来と比べますと、組合側の要求と、それから各経営者の提示いたします有額回答との格差がかなり幅が狭まってきておるというのが一つの今春闘の特色でないか、このように考えておりますが、いずれにいたしましても、そのような動向を踏まえまして、現在、公企体の当局側がどのような有額回答をするかということを鋭意折衝中でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 それでは、本論に入ってまいりたいと思うんですが、きょうは大蔵省の方もお見えになっておりますので、ちょっとお伺いしたいのでありますが、ここ数年間におきます各省庁別の歳出予算の中に占める人件費の割合、これにつきましてひとつ御説明をいただきたいと思います。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) 歳出予算中に占める人件費予算の割合でございますが、これは非常に長期に見てまいりますと、戦前では、戦前と申しますと昭和一けた代、この辺のところではかなり歳出予算に占めます割合が、ウエートが高うございまして、二五%前後の時代もございました。それから戦後三十年以降二〇%をちょっと超える段階から徐々に低減してまいりまして、二〇%を割る状態がここ十年ぐらい続いてございます。具体的に申しますと、五十年一昨年の人件費の割合が一九・三%、それから昨年は一九・六%、本年は一八・三%となってございます。

最上進自由民主党

○最上進君 提出をしていただきました資料を拝見をさせていただきますと、たとえば法務省とか、あるいは文部省とか、郵政省、これはまあ建設省とか、農林省とかいうような大規模な事業を抱えた、事業支出というものを持たないような省庁におきましては当然そのパーセンテージが上がるわけでありますけれども、大変、法務省あたり見ますと、予算の中の八三・三%が、これが広義の人件費であるという資料をいただいているわけでございます。文部省につきましても七〇%、あるいは郵政省につきましてもこれは六六%という数字が出ているということは、いかにこの各省庁の中における国家公務員の人件費のウエートというものが大きいかということを私は示しているというふうに考えているわけであります。  そこで、私が指摘したいことは、この財政が非常にいま窮迫をしている。これはもう予算を審議している中で、赤字公債を大量に発行してまでとにかく予算を組まなければならないというような現実のわが国の財政の中で、私どもがやはり国民の皆さんに対して、わが国の財政を説明する機会が多々あるわけでありますけれども、まあその都度指摘される中で、その人件費の増大の問題に関連して、特に地域におきましては、国家公務員の週休二日制の問題に対する批判というものが、皆さんが想像している以上に強いという事実であります。私は党人でありますので、地域に帰っては座談会等あるいは個別に人にお会いするたびに、わが国の財政の逼迫状況を説いて歩いているわけでありますけれども、しかし、その都度やはり返ってまいります意見というものは、まさにやはりこの国家公務員の週休二日制というようなものに対する紛れもない一つの大きな批判であるというふうに私は感じております。それだけにひとつこの人件費の増大というものが、いまわが国のやはり財政窮迫の大きな部分を占めている、人件費がやはり年々増大をしていくということが、これがやはり大きなわが国財政の窮迫、窮状の一要因になっているという、そういうことを私は指摘をしたいわけでありますけれども、その点についてのお考えはいかがでありましょうか。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) 財政窮迫の折から、人件費をできるだけ抑制したい、切り詰めたいという考え方は当然私ども財政当局も持っておりまして、先生のおっしゃる趣旨には賛成でございますが、ただ、考えてみますと、その人件費というものは、結局公務員の数に給与ベースをかけた数々が人件費としてあらわれるわけでございますので、いわば最も義務的な経費と申せるわけでございます。この人件費をいかに抑制するかということは、その二つの要素でございます人員を減らすか、それからあるいは賃金を抑えるかという、いずれかによることになるわけでございまして、そのうちの賃金の引き上げにつきましては、公平な中立的な第三者機関である人事院の勧告に基づいて行っておるわけでございますので、これは政府の力といたしまして、恣意的に賃金のアップ率を抑える、あるいは決めるというたてまえではございません。したがいまして、どうしてもその人件費を抑制するという点につきましては、人員を削減しなければならない、抑制しなければならないということになるわけでございまして、これにつきましては、毎年毎年鋭意努力しておりまして、先生も御存じのとおり、五十二年につきましても、五十二年度を初年度といたしまして三・二%の人員削減を実施中でございます。  それから、もう一つ申し上げたいことは、まあ先生御指摘のとおり、あるいは法務省であるとか、文部省であるとかいうようなところで、非常に、確かに省の予算の中で人件費の占める割合が高いところがあるわけでございます。しかしながら、単に人件費と申しましても、その事業そのものが人件費であるという官庁があるわけでございまして、たとえば、いま先生のおっしゃいました文部省というのは、やはり教員の数というものが人件費にはね返ってくるわけでございまして、この人件費を抑制しようと思えば、その教員の数を減らさなければならない、こういう問題がございます。したがいまして、一方では教育の振興あるいは社会保障の充実ということにつきましては、当然看護婦さんの増員を図らなければならないというような点もございまして、   〔副主査退席、主査着席〕 人件費といいますと、何か一般の行政事務というような観念もございますけれども、人件費の中には、そういう特定の政策目的そのものである、そういう事業であるという面がございますことを申し添えたいと思います。

最上進自由民主党

○最上進君 福田総理が内閣を形成するに当たりましておっしゃった大変印象的な言葉が、「さあ働こう内閣」という言葉だったわけであります。私は、その福田内閣所轄のもとにあります人事院の総裁といたしまして、いわゆる労働——働くこと、これについて人事院総裁は、まあ大変抽象的な言い方でありますけれども、働くということについて、労働ということについてどのような、早く言えば考え方をお持ちであるか、この辺についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 大変むずかしい御質問でございますが、私自身の考え方といたしましては、労働あるいは職務の遂行ということは、これはどの方面でも必要でございます。日本の場合、いろいろいま批判がございますけれども、そういう労働——働くというようなことが、大変各方面において重視されておりまする結果、経済の成長、その他も非常に顕著なものがあったのではないかという感じがいたしております。事実日本人というものはよく働く、これはまた特徴の一つであって、また結構なことであろうと思っております。特に公務員につきましては、いわゆる昔の滅私奉公というような、そういうスローガン的なものははやりませんし、われわれといたしましても、それを強制していくわけにはまいりませんけれども、しかし、公務の執行ということは事柄の性質から申しまして、やはり行政の執行であり、国民サービスに対する奉仕でもございますので、やはりとりわけて公務員については労働ということを重視して、その密度を上げていくということについては特段の配慮を求め、また自覚を振起してまいらなければならない、大変私は大切なことであろうというふうに考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 いま大変おもしろいことを言われたのは、滅私奉公ははやらないという言葉を使われたんですが、それはどういう意味でございますか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) いわゆる戦前あるいは戦中に一般に流布された言葉でございます。したがいまして、その精神は私は特に変わったところはないというふうに考えておりまして、公のためにやはり奉仕をするということは公務員の当然の責務であるということでございますけれども、そのスローガン的な言葉といたしまして、いま言うのははやらないのではないかという意味で申し上げた次第でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 国家公務員法にあります国民奉仕、こういう本来の法律にきちっとうたわれているようなその意味をも否定をするような意味でのいまの御発言ではないわけですね。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) そういうことは毛頭考えておりません。

最上進自由民主党

○最上進君 ああ、そうですか。先ほども私は指摘したわけでありますけれども、国家公務員の週休二日制について、大変皆さんが想像以上の一般世論、批判というものがあります、これは私どもが地域を回っていく中で非常に強くやはり指摘をされているわけなんですけれども、国民の素直な——まあ国民という言葉を簡単に使ってはいけないんでありますけれども、私どもが接する中で得た感触として、率直に持っているその人々の疑問というものは、やはり財政が非常に窮迫の折、先ほどもお話がありました大きなその原因になっている人件費というものを、これはやはり人員削減等の方法もとらなきゃならないでありましょうし、まあとにかく国の財政が厳しいときになぜ国家公務員が週休二日制に移行していかなければならないのかという、これはもうほんとに素直な疑問を持っているわけであります。で、ただでさえ、これはもう率直に指摘をするわけでありますけれども、公務員の働きについてとかく批判があるわけでありますけれども、そういう中でこの問題が多岐にわたるやはり影響を多くの人々に与えていくということが私は必至であるということを感じますだけに、この週休二日制の実施につきましては大変強い疑問を持っている一人でございます。  そこでお伺いしたいわけでありますけれども、この週休二日制という問題がそもそも出てきたいわゆる背景と申しましょうか、人事院側がどういうことをきっかけにしてこの週休二日制の問題をお取り上げになってきたのか、その辺の経緯について御説明をいただきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 一般論としてまず申し上げたいと思いますのは、公務員の給与、勤務時間、その他の労働条件というもの、勤務条件につきましては、これは民間との対応をその柱に据えていくということがこれは公務員法のたてまえに相なっておることは先生も御承知のとおりでございます。この点は当然のことながら、やはり公務というものは大変重大なことでございますので、これにはやはり優秀な人材というものを確保をしていかなければならない。それが一つの必須の条件でございますが、そのためにはいま申し上げましたように、給与なり勤務時間なりというようなものがやっぱり民間と均衡のとれたものでないことには、士気にも関しまするし、やはりいい人を確保していくことが非常に困難であるということにも相なります。いわんや一般の公務員については、いわゆるストライキ権というようなものの抑制その他の制約が課されておりますることの結果といたしまして、人事院というものがいわゆる中立機関といたしまして、公正な資料を用意をして、その結果、慎重な検討を加えた結果、勧告存していくということをやっておる次第でございます。  いま御指摘になりました週休二日制の関係の御議論、また国民の各層の間においてみなぎっておりまする考え方というものについては、私たちも十分それは承知をいたしております。事実、われわれの方へも一般の方々から直接に御意見をいただいたり、お電話をいただいたり、あるいはいろいろな形での文書の提出その他というものをいただいておるわけでありまして、そういうことは万々承知をいたしておるつもりでございます。ただ、基本的に言って、いま申し上げました公務員の勤務条件というものにつきましては、やはり民間との対比において余り劣位に長く置いておくということは、これは何といっても避けなければならない。それをやっていくことが人事院の使命でもあるという点がございますので、そういう点の配慮を両々いろいろにらみ合わせながら仕事をしておるということでございます。特に、この週休二日制の問題については、世界的な傾向といたしまして、大変多くの国がすでに完全週休二日制というものをやっております。たしか二十四カ国でございますか、これはもう完全週休二日制をやっておるわけでございます。これらの情勢等もありまして、当時四十七、八年のころから民間におきましても非常な好況に刺激されたこともございます。また、労働組合側の要請ということもございまして、勤務時間の短縮、勤務条件の向上というような意図から交渉が行われまして、その結果、週休二日制の普及率というものが非常に急速に高まってまいったのであります。そこで、われわれといたしましてもそれに対応いたしまして、公務員についても民間とやっぱり匹敵した制度的な検討を加えていかなければならぬというふうに感じまして、四十八年の勧告の際の報告ということで初めてこれを取り上げることにいたしたわけでございます。ただし、この問題は、国民へのサービスということ、あるいは行政の停滞というものができてまいりましては、これは大変なことでございますので、それの兼ね合いでもって慎重に事を運ばなければならぬということがございました。そういうことで、国家公務員の場合においても職場が非常に多岐に分かれておりまして、窓口の事務もございますし、交代制勤務の職員もございます。そういう多岐にわたることで、そう一律にぱしっと区切りをつけて本格実施に移るということははなはだこれは危険なことである、また国民の納得も得られないというような判断がございましたので、まずテストをやってみて、そこで問題点を煮詰めて、問題点があればそれに対してどういうふうに対応していくかということの準備をいたした上で、どういうふうな方法でもって実施をやっていくか、実施をやっていく際の問題点はどうかということを検討いたしたいということで、実は昨年の十月から一年間テストをやるということに踏み切った次第でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 まあ、その御説明にありましたように、公務が非常に重大であって、よい人材を確保するために民間と均衡のとれたものにしていかなければいけない、その御指摘はもう当然だと思っております。しかし、私は大変、国会へ出していただいてからも痛切に感じるんでありますけれども、いわゆるわが国の国家公務員の現在の姿勢というようなものを見てまいりますときに、たとえばこの国家公務員法では大変りっぱな条文があって「服務の根本基準」なんという第九十六条を読みますと、これは「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」こういう規定があるんですけれども、実際私どもの耳に入ってきたり、私どもの目に入る限りでは、少なくとも国民全体の奉仕者という意識を持って働いておられる方々が一体どのくらいおられるかということを率直に疑問を持っているわけであります。そういうことで、人事院総裁といたしましては、これだけりっぱな条文を持っているわが国におきまして、いわゆる公務員のこうした国民全体への奉仕者というような意識の植えつけというようなものはどのようないわゆる方法をもっておやりになっているのか、この辺につきましてはどういうお感じ方をしておられるか、ちょっとお伺いしたい。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) お挙げになりましたように、公務員は国民全体の奉仕者でございます。公共の利益のために全力を挙げて職務に専念をしなければならぬ、そういう立場にある者でございます。そういう意味では、われわれ機会のあるごとに公務員各位の自覚を促しておりますし、また各省庁とも人事当局を中心といたしまして、そういう努力を絶えずやっておられるのであります。また、人事管理官会議その他というものもございまして、そういう機会を十分に利用してできる限りの努力をやっております。  また、御承知のように、最近は非常に各般にわたる研修というものが盛んに行われておりまして、この研修を通じてやはり日ごろの自分たちのやり方というようなものについて反省を加え、また自覚を新たにしてさらに職務に精励をするという、覚悟を新たにするというような契機もつくっておるようなわけでございます。で、私から申し上げるのは大変口幅ったいかもしれませんですが、まずやっぱり大体の公務員というのはその趣旨に沿って努力をし、成績を上げておるのではないかというふうに思います。外国の評をとやかく言うのは適当ではないかもしれませんが、やはり日本の公務員というものはなかなか優秀であるというような評価もこれはあることは事実でございます。ただし、中にやはり時とし不心得者が出る。そのことのために国民にひんしゅくを買う、また指弾を受けるということは、これもまた事実でございますが、しかしそれは言いわけにならぬ。一人でもそういう不心得者が出ますと大変信用にかかわることでございますので、今後ともさらに機会のあるごとにできる限りの綱紀の振粛ということについては人事院を中心といたしまして努力をしてまいりたい、かように考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 機会あるごとにそうした啓蒙といいましょうか、意識を徹底して持ってもらうような指導をしているというようなお話でありますけれども、人事局長がいらっしゃいますので、もうちょっと具体的に、そういう面についてどういう指導を現実にやっておられるのか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私の方といたしましては、各省庁の人事課長、秘書課長——これは人事管理官に任命しているわけでございますが、毎月二回総理府におきましてその会議をいたしまして、いろいろと人事上の全般の問題について協議し、また連絡し調整してきているわけでございますが、それ以外に、先般もいたしたのでございますが、全省庁の秘書課長、人事課長、いわゆる外局の人事課長まで含めるわけでございますが、それを一堂に集めまして、五十二年度の人事管理運営方針というものもそこで諮り、決定しているわけでございます。  この中におきましては、いま先生の御指摘のような国家公務員としての心構え、さらに全体の奉仕者として全力をもって公共の福祉に努力すべきということ、あるいは資質の向上その他全般にわたってでございますが、こういうことをいたしましてその周知徹底を図っておりますが、それ以外に全国をブロックに分けまして、各地方の総務部長あるいは人事課長を集めましての教育あるいは徹底、またいわゆる人事担当者の各層にわたりましての研修ということ、これまた毎年数回に分けましてブロックごとにいたして、そして機会あるごとに御指摘のようないわゆる国家公務員のあり方、姿勢という問題、服務の問題すべてにつきまして注意、徹底を図っておる次第でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 特に、先ほど来私が地域におきまして、この週休二日制の問題を契機にして国家公務員のあり方というものに対して非常に強い批判等が沸き上がってきているということの原因に、やはり地域の人たちというのは自分たちの身近な存在、たとえば国の出先機関の職員の日ごろの姿勢、生活態度、こういうようなものを見る中で自然にやはり評価をしている。だから、本来その出先の人たちにしても、公務員の姿勢というものが本当に地域の人々あるいは広く国民の共鳴を得るような行動に終始しているならば、今回の週休二日制の問題等についてこんなに私は根強い批判は出てこないんじゃないだろうか、そんなことも感じているわけであります。  たとえば、こういう話は恐らくもう藤井さんあたりには入ってこないと思うんですけれども、われわれ地域の座談会等では、八百屋のおじさんや、とにかくそば屋のおやじさんや、おかみさんや、そういう人たちがやっぱり出てくる中で、たとえばそば屋の出前でいつも昼飯を頼まれるから——これは公団の例でありますけれども、公団の職員の例でありますから直接関係ないにしても、とにかく昼前に大体食事を届けて食事をする、あるいはいつ届けてみても卓球をしている、仕事をしているのを見たことがないというようなことを現実にやはり実感として生活の中で味わっておられる方々がたくさんいるわけです。私はそういう中からこの週休二日制の問題等が国家公務員に適用されるというようなことに対して、やはり日ごろのそういう問題の山積の中から批判が私は沸き上がってくるというような感じがしてならないわけであります。  そういうことで、ぜひひとつ皆様方にお願いしたいのは、こうした少なくとも九十六条にある国民全体の奉仕者であるという意識というものは、私も中央へ出していただきまして痛切に感じるのは、やはり日本のいわゆる社会というものは、特にやはり官僚の世界というものが非常に巨大化しているというような感じを持っている一人であります。少なくとも国民全体の奉仕者であるという感じは私はちっともしない。これは私どもがしないんでありますから、地域の人たち、出先の人たちでさえ、かなりやはりそういうものからかけ離れた姿勢の人たちがいるということをこの際指摘をさせていただきたいというふうに考えております。  そこで、昭和四十七年九月の週休二日制あるいは定年制延長の問題関係閣僚懇談会におきましては、当初この問題は民間を主体にするというような大変空気が強かったものが、いつの間にかこれは国家公務員の週休二日制の問題に移行していっている。当初はむしろ民間をも含めたものであって、民間の方がやはり主たるものであったというふうに私どもは感じているわけでありますけれども、それが民間が主たるものだったものから国家公務員の週休二日制という問題にだんだんこれが変わっていってしまっているということを感じるわけでありますけれども、この点はいかがでございましょう。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 週休二日制・定年制延長問題閣僚懇談会が設置されましたのは九月の十四日の閣議口頭了解でございます。その際に、最初はむしろ民間の主たるものだということでございますが、これはいわゆる定年制の問題が主たる問題でございました。で、当時五十五歳という民間の定年、これをいろいろと五十七だとか、五十八だとかいうような問題があれでございまして、当時の閣僚懇談会と申しますものは週休二日制・定年制延長問題ということでございましたが、民間が主としてやるという点はむしろ定年制をいかに扱うかという問題でございまして、国家公務員につきましては、御承知のように定年制というものは非常に限られた、たとえば判事でございますとか、検事でございますとか、あるいは防衛庁の自衛隊の職員というふうに限られておりまして、この方の問題はむしろ民間が主である、こういう意味でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 いままでのこの週休二日制の問題の経緯を調べてまいりますと、四十八年二月に閣議決定をされました経済社会基本計画の中で、初めて公式な見解として国家公務員に週休二日制を適用しようという考え方が打ち出されているわけであります。で、民間部門における週休二日制の普及状況を考えながら、考慮しつつ二、三年以内には官公庁についても週休二日制の導入に努めるというふうに文章には書かれているわけでありますけれども、その当時やはり根拠となってきた民間部門における週休二日制の普及状況というものを基礎づけているその資料、これは調査を人事院独自でやっていらっしゃると思うんでありますけれども、これはどのような方法で調査をし、どのような結果が出て、どのような結果に基づいてこの週休二日制の問題が出てきたのか。その辺ちょっと御説明をいただきたい。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 私どもの方で御承知のように、いわゆる民調ということで、百人以上の規模の事業所につきまして四月現在をもっていろいろな調査をいたしているわけでございます。先ほど総裁からも申し上げましたように、勧告で触れました時期から一応数字を申し上げますと、四十八年の四月は百人以上の事業所の中で何らかの形で週休二日制を実施いたしております企業が三七・六%、一年後の四十九年四月には五八・八%、それからさらに一年後の五十年四月には六七・四、昨年は六八・九と約七割近くまで動いてきておるのでございます。このような進捗状況に対応して、先ほど総裁からも申し上げましたような給与勧告におけるときの人事院の報告というものが対応して構成されておる、こういう姿になってございます。

最上進自由民主党

○最上進君 いまの百人以上と言いましたか。実は人事院からいただいた私どもの資料によると、規模別では五百人以上という、五百人をこれは一つのラインにして五百人以上の企業、そして五百人未満の企業ということで分けて調査をされているというふうにデータをいただいているわけですけれども、いまの御説明とちょっと食い違っていると思うんですよ。この点はどうですか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 私どもの調査は百人以上の規模の事業所について行っておるわけでございまして、ただいま申し上げました数字は百人以上の規模の事業所の全数でございます。先生にいま御説明申し上げました段階では、百人以上五百人未満と、それから五百人以上と、そういうふうに分けてみた場合に、百人以上の企業の規模別ではどうなっておるかと、こういう数字を申し上げたことでございます。したがって内数と申しますか、そのように御理解いただきたいと思います。

最上進自由民主党

○最上進君 どうもその辺が非常に私なりに意図を感ずるんですけれども、われわれにやっぱり提示してくる資料というのは、いま百人以上五百人未満という数字は出てないんですね。で、ラインは、私どもに来ている数字というのは五百人以上で何%、五百人未満は何%ということで、この百人以上というような、そういう細かい調査をしているというふうには私どものいただいた資料では出てないんですけれども、これはどういうことなんですか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 先生に資料を差し上げる段階で仮にそのような誤りがあったといたしますれば、おわびしたいと思います。私どもは何らそういう特別な意図を持っておるわけじゃないんで、先ほど御説明申し上げましたように、百人以上の企業規模を持っておる事業所についてはどうかという点を一番中心的なものとして見ておるわけでございまして、その数字は先ほど申し上げましたとおりでございます。ただ、その中で、いわゆる大規模事業所といいますか、そういったものは、その後百人以上の規模の中でもどういった動きを示しておるかなということを検討、分析するためにそのような分け方を仮にいたしておるわけでございまして、何ら意図的なものを持っておるということではございません。

最上進自由民主党

○最上進君 それで、百人未満の企業についてこれは調査をされたんでしょうか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 百人未満の企業につきましては調査いたしてございません。

最上進自由民主党

○最上進君 なぜ百人未満の企業を調査しないのですか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 時期、方法は違いますが、労働省御当局の方で調査をいたしておられますので、私どもはそれを利用さしていただく、こういう体制と、それから私どもが百人以上で見ておりますのは、例の給与勧告におきます民間企業実態を調査する場合の企業規模が百人以上でございますので、それと平仄を合わせておると、こういうことでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 労働省の方にお伺いしたいのですが、いまの人事院の答弁につきまして、数字上、大体労働省の調査とこの四十七年度、四十八年度、四十九年度、この辺、数字は合っているか、お答えいただきたい。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 先ほど人事院の御調査、四十八年から五十一年、御報告ございましたが、私どもの方は毎年賃金労働時間制度総合調査ということで九月現在でやっておりまして、三十人以上ということでとっておりまして、また別個二十九人以下のやつもとっております。  まず三十人以上の企業につきまして申し上げますと、四十八年が三〇%、四十九年が四二・八%、五十年が四三・四、五十一年が四三と同じでございます。ただ、いま御指摘の百人で切りますのはなかなか推計上問題がございますが、一応推計してみますと、三十人以上じゃなくて、百人以上で切って人事院と比較してみますと、四十八年が四三・一、四十九年が五九・六、五十年が六一・八、五十一年が六二・一、多少数字の差はございますけれども、大体似ているような感じでございます。  それから三十人未満の数字を申し上げますと、これは時期はちょっと違いますが、五十一年六月末現在で雇用動向調査でございますが、五人から二十九人は十三・三%でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 先ほど人事院の答弁の中で、百人以下については労働省が調査しているからこれはしなかったんだというお話があったおけであります。そうすれば、これは千人以上とか、あるいは五百人以上とか、五百人未満というような調査については、これはやはり労働省がしているわけですね。なぜ人事院が、私はやはり百人未満の人たちというものを調査をあえてしないのかというところ、やはりこの辺の姿勢というものが私は非常に問題だというふうに考えているわけです。あなた方は、やはり大きいものだけを対象にしていかれるのでしょうか。私はむしろ、いま一番私どもが地域で接している人々でこの国家公務員の週休二日制に対して強い批判を持っている人たちというのは、家族労働者——奥さんと、とにかく息子夫婦ぐらいで何とか夜なべをしてでも、仕事のない中で一生懸命努力をしているような人たちにすれば、これは日曜も何もないんです。日曜も何もない中で、とにかく一生懸命働いているけれども、やっと回転している、利益も出ない、そういう人たちが、一体私はいまの国家公務員の週休二日制というような問題が論議されている中で、非常に強い、やはり批判を持っているということに対して、私は自由民主党の議員として大変強い関心を持って、この問題に取り組んでいるわけであります。したがって、先ほど労働省の方々が二十九人以下、いわゆる本当に小規模な零細な方々、こういう方々についても週休二日制の調査をしておられるというけれども、大企業で千人以上なんというのは問題じゃない。千人以上の人たちというのはとにかくパーセンテージで八七・五%までいっている。こういう数字出ているにしても、大体二十九人以下とか、五人とか、六人とかでやっている人たちが一体どういう状態にあるかということを私は人事院の皆さんにつかんでいただきたい、これが私の考え方なんです。この点については労働省側では二十九人以下、どのようないま週休二日制、何らかの形でもいいから週休二日制が実施されているパーセンテージはどのくらいか、お示しいただきたい。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 先ほど申し上げましたように、全産業では十三・三%でございます、二十九人以下は。製造業では二八・七%、卸売、小売では十三・三、サービス業では一五・二ということで、三十人以上あるいは百人以上の規模に比べまして非常にその普及率は低うございます。

最上進自由民主党

○最上進君 私が聞いているのは二十九人から下ですね。その人たちはどういう状況にあるわけですか。——いまの、三十人から五十人の話でしょう。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 説明が不十分でした。  いま申し上げました数字は五人から二十九人の……。

最上進自由民主党

○最上進君 五人から二十九人ですね。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) はい。

最上進自由民主党

○最上進君 私がいただいておりますこの資料、数字を見ても、大体五人から二十九人の中で、全然実施をされていない企業というのは八六・七%もあるわけです。千人以上の企業で、とにかく週休二日制がとられているのが八七・五%だなんという最新の数字に比べてやはり同じぐらいの割合、五人から二十九人の規模でやっているような人たちにすれば、八六・七%は、この週休二日制なんていうものはどういう形にせよ実施されていないという数字が出ているわけです。私は、こういう人たちのことをやっぱりしっかり踏まえて、人事院というのは、この国家公務員の週休二日制の問題を考えていただかなきゃいけない。大企業の千人以上の人たちを対象にしたり、五百人以上の人を対象にして、私は何割以上がもうとにかく週休二日制になっているから、国家公務員もそれに乗るべきであるというような考え方があるとすれば、私はやはり誤りであると思う。とにかく五人から二十九人、あるいはこのデータに出ていない五人以下の人たちもたくさんいるわけで、五人から二十九人以下の人たちが八六・七%も実施をされていないとすれば、五人以下で家族労働している人たちというのは、先ほどもお話ししたとおり日曜さえないというような中で一生懸命働いておられるということ、これを人事院総裁はどのようにお考えになるのですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 先刻御指摘になりました、要するに小規模の企業というようなものではなくて、さらに家族労側に頼って日夜職務に励んでおられるという方々の声があるということ、それは恐らく私の耳には入らないだろうとおっしゃいましたけれども、入っております。聞いております。また直接に電話その他のことでも連絡がございまして、委曲を尽くしていろいろ御説明を申し上げておることは事実でございます。  ただ、先刻申し上げましたように、公務員の給与、勤務条件等はやはり一般の民間の一つの水準に均衡をとって決めていかないと、この公務の本当の責務を果たすことができない、また人材を確保することも困難になる、士気にも影響していくというようなことがございますので、そこのところが大変にむずかしくって、いろいろ頭を悩ませつつ、しかし、均衡の問題というのは大事でございますので、だんだん準備を進めてきておるというのが現況でございます。しかし、民間一般の声というものを、これは無視することができないのでありまして、そういう点については、今後ともやっぱりさらに努力をして、一般のコンセンサスを得るようにしなければなりません。  また、先刻先生から御指摘になりましたような公務員の勤務態度、勤務のやり方というようなものについて大変な批判がある、それが一つの週休二日制に対する批判ともなっておるというようなことも、私もそのとおりであろうと思いますので、そういう点、綱紀一般の問題等ともあわせまして、さらに綱紀の振粛に努力をしてまいりたいと、かように考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 いただいた資料によりましても、とにかくかなり一時は、四十八年当時は閣僚懇談会におきましても、政府が非常にこの問題については乗り気で、そしてしかも、これを具体的に進める考え方にあったわけでありますけれども、御承知のとおり、石油危機等のあの問題を契機にして、まあ当時、四十九年三月でありますけれども、かなりの推進論者であった田中元総理大臣にいたしましても、公務員はもう最後にすべきだということを、これはあの四十九年三月十九日の参議院予算委員会でやっぱり答弁をしているわけですね。そういうふうに情勢が変わってきているにもかかわらず、まだやはり人事院勧告に基づいて、この週休二日制の問題をさらに推し進めて、現在ではやはり試行段階に入っているわけでありますけれども、いま試行段階に入る前に、五部会に分けてかなり総理府の中でこれは研究をされたというふうに伺っているわけでありますけれども、その五部会での論議というものはどのようなものだったのか、ひとつお示しをいただきたいと思います。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) この直接の庶務は内閣の審議室でいたしておるわけでございまして、私、人事局長といたしましては、この中の第一部の非現業の国家公務員、この方を扱っていっているわけでございます。したがいまして、私、他の部門につきましてはつまびらかにいたしておりませんが、非現業の国家公務員につきましては四十七年に閣僚懇談会、また四十八年に関係省庁連給会議の設置以来、この問題について種々検討をしてきていたわけでございます。で、この問題はきわめて重要な問題でございます。特に窓口部門あるいは現業部門というものがいかに対処できるかということで検討をしてきたわけでございますが、五十一年の一月二日に人事院の試行基準の発表があったわけでございますが、それまでには局長、官房長会議を三回、人事課長会議を七回開催し、慎重な検討を行ってきた次第でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 その第一部会、非現業公務員関係の部会で論議をされて、一応その結論めいたものが出ているとすれば、それはまだ出ていらっしゃらないかもしれませんけれども、主なそのやりとり、基本線、こういうものがあったらひとつお示しをいただきたいと思います。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) この第一部会の結論というものは出ておりませんで、中間的なことでございましたが、そのときにやはり指摘になりました問題は、窓口部門あるいは交代制と申しますか、現業部門、ここが果たして現行の定員、予算でできるかどうかという問題。しかし、もしこれを実施するといたしましたらば、国家公務員全体のことでございますから全職員が一斉に行うべきであると、こういうことが大体当時の中心的な問題でございました。

最上進自由民主党

○最上進君 特に国民が関心を持っております国鉄、いま赤字、再建をしなければならないという急務を持っております国鉄の問題これはまあ三公社五現業は第二部会が担当しているようでありますけれども、この第二部会等での論議というものはどのようになっているわけなんでしょうか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私は、最初にお断り申し上げましたように、私の人事局といたしましては非現業関係だけを担当いたしましたので、詳細はわかりません。

最上進自由民主党

○最上進君 一番身近で私どもは関心を持っておりますのが、この第三部会の教育公務員の関係でございます。で、特に学校の、国公立の教職員にこれが適用されるという形になりますと、いま私学に対する国の助成というものも非常に大きな額になって、国民の中に批判する向きもあるわけでありますけれども、そういう中で国公立の教員に対してこの週休二日制というものがたとえば適用されるというような形になりますと、必ずそれは私学にまで及んでいくであろう。あるいはそれは学校法人である、たとえば幼稚園はもとより、幼稚園がそういう形になれば厚生省関係の保育園でもこの保母さんの週休二日制、いまの待遇でもいろんな問題がある中で、そういう波及する問題というのは、非常にやっぱり多岐にわたって、われわれ考えただけでも、とてもこれは実施すべきではないというやはり考え方になるわけであります。  そこで、文部省の方々お見えでありましたら御答弁いただきたいのでありますけれども、現実にいまこの試行段階に文部省でもお移りになっておられると思いますけれども、現状どのようないま状態にありますか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

加戸守行文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(加戸守行君) 国公立の学校の教職員につきましては、一般職員と異なりまして、昨年の十月からの試行ではございませんで、今年の四月から試行をするという形で取り扱いを異にいたしております。四月からは、国立学校につきましては、六大学付属の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特殊学校、合計いたしまして十八校につきまして試行を四月から開始するという形になっております。それから公立学校につきましては、初中局長名をもちまして三月二日に通達を出したわけでございますが、現時点ではまだ各都道府県におきまして公立学校の試行を開始した都道府県は現在ではございません。

最上進自由民主党

○最上進君 まあ地方の教育委員会自体でも、試行段階であるにせよ、こうした問題を持ち込まれるということに対してやはり強い批判を持っているところもあるというふうに伺っているわけでありますけれども、現実にそういうような問題がすでに受け入れ段階であるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

加戸守行文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(加戸守行君) 三月の通達を出しましてから、各都道府県教育委員会におきまして、公立学校の週休二日制の試行につきまして、種々検討をいただいているわけでございますが、現実の問題といたしましては、学校長、校長会あるいは地域PTA等からは必ずしも賛成ではない、消極的なニュアンスの御意見がございまして、私どもの初中局長通達におきましても、地域住民の理解を求めて措置してほしいと、そういうニュアンスの通達をいたしております関係上、十分な納得を得てから実施をしたいということで、検討段階におきましては、各種さまざまな意見を徴しながら慎重を期しているというのが現状だろうと推察しているわけでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 具体的に大変、学校長とか、あるいは実際に子供を学校へやっている父兄の立場から、こういう問題に対して批判も加えられておられる方々もいらっしゃると思うのです。そういう中で、そういう具体的にどこの県でどういうような問題が起きて、その通達は出したけれども、なかなか受け入れかねるというような問題が起きているところがあったら、ひとつお示しをいただきたい。

加戸守行文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(加戸守行君) 文部省通達におきましては、各県で実施していただきます場合に、全学校を実施するということではなくて、各県内、地方公共団体ごとに限定された少数の学校を選定して、ある意味では実験的に実施をしていただくという考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、現実の問題としては、各地方公共団体におきまして実施をしようとする場合に、どの学校とどの学校を選ぶかという具体的な選定の必要があるわけでございまして、そうなりますと、その特定の学校を選ぼうといたします事前の段階におきまして、なぜうちの学校だけがそういうパイロット校にならなくてはならないのかというような反発、心理的な反発も若干出てくるという点で、具体的にこうするという、施行するという方針に基づいてトラブルが起きたというケースはまだございませんで、それ以前の段階におきまして、慎重を期していろいろ検討をしている。そういうことで、具体的にどの学校で地域的に反発があったかという、そういう事例はまだ聞いておりません。

最上進自由民主党

○最上進君 これから調査が始まるわけでありますけれども、その結論が出るまでにかなり時間がかかる。そういう中で、文部省当局といたしまして、直接週休二日制の問題、学校五日制につながるとは言いませんけれども、少なくともやっぱりこの教育の問題に関してだけは、今回の予算委員会でも非常に問題になっておりますいわゆる塾、乱塾のこうしたわれわれを取り巻く環境等を考えてまいりますと、子供たちを取り巻く環境等を考えてまいりますと、こうした問題につながりかねない大きな私は要素をはらんでいるということを感じますだけに、文部省としては率直なところ、こうした学校のいわゆる教育公務員の週休二日制という問題に対しては、恐らく内心は非常にやりにくいというより、迷惑な話だというような感触をお持ちではないかというふうに私は感じているわけでありますけれども、その点はどのようにお感じでありましょうか。

加戸守行文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(加戸守行君) 現在、御承知のように、教育課程審議会の答申に基づきまして、教育課程の改定作業が行われておりますけれども、新しい教育課程の中におきましても、学校六日制を前提とした考え方で指導要領の改定作業を進められているわけでございます。したがいまして、学校五日制と週休二日制とは一応別個の問題と切り離して文部省は考えているわけでございまして、現時点におきましては、現在の仕組みの中におきまして、一般国家公務員について施行されておりますような週休二日制の試行を教育公務員についても取り入れて実施をしてみる、その結果に基づいてまた考えていく、そういう考え方でございまして、あくまでも一般行政職員が先行して行われているものにつきまして、学校の職員だけは週休二日制の試行をすらしないという考え方では歩調がそろわない、そういう観点で足並みをそろえたい、そういう意味での努力を重ねている段階でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 時間がありませんで、最後になりますが、とにかく短い時間での論議で結論めいたものは出ないと思いますけれども、最新の労働省でのいわゆる三十人以上の企業、八大産業ですか、そのいわゆる調査結果、週休二日制についてのデータを見ましても、これはかなりやはり横ばい状態であって、そんなに急激にこの週休二日制というものを実施する企業がふえているというふうには出てない。そういうようなものを勘案してまいりますと、これからの日本の経済あるいはわが国の財政というものを勘案する中で、私は国家公務員の週休二日制というものを、やはりこの段階では推し進めるべきではない。とにかくいま試行段階で結論が出るまで時間がかかりますけれども、その辺につきましては、ひとつ人事院総裁に対して強く私は意見を申し上げておくわけであります。これにつきまして、ひとつ最後に、人事院総裁のお答えを聞いて終わりにしたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 先刻来るる申し上げておりますように、公務員の勤務条件についてはたてまえ論というものは一つございます。したがいまして、そのたてまえというものは推し進めてまいらざるを得ないと思いますけれども、先生が先刻来るるお述べになりましたような問題点があることも事実でございます。したがって、それらの点を総合的に勘案しつつ慎重に対処をしてまいるという決意でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 ありがとうございました。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で最上進君の質疑は終了いたしました。     —————————————

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) この際、分科担当委員の異動について御報告をいたします。  本日松永忠二君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君が選任されました。  それでは午前の質疑はこれで終了し、十三時まで休憩、十三時から午後の質疑を再開いたします。    午後零時十二分休憩      —————・—————    午後一時開会

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) それでは時間が参りましたので、ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和五十二年度総予算中、内閣及び総理府所管を一括議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 長官、核エネルギーミッションとして佐々木義武さんが十五日、渡米されるようですが、この佐々木さんの具体的な役割りというのはどういうことなんですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) これは党から派遣されますので、私からああだこうだというのはちょっと筋違いかもしれませんが、党にアドバイスいたしましたのは私でございますから、さような意味でその感触を申し上げたいと思います。と申し上げますと、アメリカの上院、下院外交委員会におきましても、つとに日本のことには非常に関心が深い、しかしながら、日本の現在進めております核燃料サイクルに関しましては、余り御存じでないらしいというふうな情報もしばしば耳にいたしました。やはりカーター大統領の政策というものは、わが国にも重大な影響があろうかと、こう思いますので、さような意味で党にそういう情報を私お伝えをいたしまして、それで党の方で御善処方をお願いしたいと申し上げましたところ、佐々木前大臣、非常にこの方が原子力にも詳しいから、じゃ派遣しようと、こういうことになったわけでございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 最近、アメリカのトップと日本の国会議員とがこの問題で話し合ったということは御存じですか。ごく最近。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) ごく最近では、衆議院の佐藤隆さんが他の目的でアメリカへ行かれまして、そして、モンデール副大統領初め、枢要な地位の方といろいろと話をしていただいております。昨日御本人から電話であらましの御連絡受けたんですが、それだけではまだ不十分だと私存じますので、来週、いま佐藤議員に連絡いたしまして、佐藤議員と一緒に行かれた方もおられますから、ひとつ来週にいろいろとお話を承りたいということを先ほど局長を通じて連絡したばかりであります。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 いま長官はすでに佐藤君から電話で連絡を受けておるようでありますので、私から多くは言いませんが、佐藤君が帰ってきまして、いま長官のお話がありましたように、モンデール副大統領ほかかなり重要な人物と会ってきております。これ、いま報告書をもらっておりますが、私は非常に重要な問題がそこに提起をされておると思いますのは、いま長官からも言明がありましたように、米国は日本が具体的に何を提案をしてくるのか、これを待っているような感じだという佐藤君の報告ですね。実はこれは私が行こうということだったんです。私が行って、佐藤君も一緒に行ってもらってという考えでおったんですが、私どうしても選挙が弱いもんだから行けない。それで佐藤君に行ってもらって、いろいろ報告を聞いたんですが、その具体的提案というもの、これをやっぱり日本である程度しっかりまとめてかかって、そして的確に伝えるという、しかも的確に伝える相手がそれぞれの要所要所の人であるということ、これが非常に大事だと思いますので、あえてきょうは時間をいただいて、こういう公開の場所でお願いをする次第です。  そこで、もう一回お聞きしますが、この具体的提案ですけれども、これはどういうことをなさいますか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) はっきり申し上げまして、現在われわれは三つのことをアメリカに主張いたしております。一つは、カーター大統領がその根本的理念として持っておられる核不拡散、これには賛成だと。しかしながら、平和利用とそれとはまた別の意味があるから、われわれ日本としてはどうしても再処理を目玉とする核燃料サイクル、この確立が平和利用としてもう民族の死活問題である、これが二番目であります。さようなことは核防条約四条ではっきり書いておるじゃないか、アメリカが余り強引に政策をお進めになると、核防条約違反と言われかねないような面も多いぞ、この三点であります。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 私は確かにそのとおりだと思いますのでね。そこで佐藤君が帰ってきて、話の中で、カーターさんの周りが日本に対して非常に心配をしておることがあると言うんですね。それは核ジャックの問題、テロの問題、サボタージュの問題。で、前国会であったですか、前々国会であったか、私も忘れましたが、予算委員会の総括質疑の中で私はこの問題に触れたことがある。触れたが、さっぱりこれは議論にならなかった。そこでもう一回聞きますが、動燃、原研に保管をしておるプルトニウム、これは長官じゃなくて結構です。担当局長で結構ですが、どのくらいありますか。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 現在、会計八百六十六キログラムございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 それはどういうふうな保管になっていますか。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 原子力研究所におきましては三百四十三キログラム、これは主として高速臨界実験装置に装荷をいたしております板状の燃料体と申しますか、短冊状の板状になっております。それから動燃事業団では、五百二十三キログラムでございますが、高速実験炉常陽の燃料、それから新型転換炉ふげんの燃料、そういったものが主体でございます。なお、このほかに再処理工場が運転を始めますと、そちらの関係の問題がさらに出てまいるわけでございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 その管理体制ですけれどね、私も現地を見ましたけれども、あれで大丈夫なの。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 先生にはかねがねこの問題につきまして非常に御熱心に御指導いただいておりまして、現地も御視察いただきまして大変ありがたいわけでございますが、私ども、現在はこの原子炉等規制法の規制の一環といたしまして、各事業所における措置を一生懸命やらしていただいております。たとえば出入り管理、特にこれは警備人だけではございませんで、電子機器等をフルに活用いたしましていろいろやっておりますことと、治安当局との通報連絡、これにつきましても常時密接に連絡はとれるように努力をいたしております。ただ、先生の御指摘もございますので、私どもといたしましては、今後さらに十分その遺漏なき措置をとりたいと考えておりまして、たとえば予算措置にいたしましても、五十一年度の三億何がしを今後は五億五千万程度にふやさせていただきまして、十分実効を上げたいと考えております。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 あれ、いつだったかな、局長、私が質問したのは。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 昨年の二月ごろ……

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 三月だな。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 三月ごろでございますか。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 あのときのやりとりを、長官、一回読んでいただいたらわかりますけれども、あのときからちっとも改善されていないですよ。私は現地を見まして、アメリカが非常に恐れておる核ジャックにしてもテロにしても、これは日本のいまのような状態の中ではあり得るという判断に立っておるわけです。で、あそこのいま局長が言いましたこの動燃の方のプルトニウム239かな、あれ。プルトニウム239いう、あの茶筒のように入っておる、あれ、二キロ入っておるんですよね。二キロ入っておるあれを一かん盗み出しただけで、ヘリコプターに積んで——私あのときに言ったんですが、東京の上空に持ち込んできて、そしていまからこれをばらまくぞと言ったら、私は専門家でありませんから、知りませんが、一かんで大体一千百万の東京の人たちは何か肺がんにかかるとか、白血病になるとかなんとかいうようなことを聞きましたが、そういう危険は外国でも指摘されておるでしょう。どうなんですか。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) プルトニウムの毒性は先生御指摘のように非常に世界各国とも問題になっております。ある一定量以上を人体で吸収いたしますと、肺がんになるおそれがあると言われております。そういうことでもございますので、単なる原爆材料というだけでなくて、アルファ線も放出する放射性同位元素であり、かつ重金属毒性を持つものとしての問題があることは確かでございます。ただ私どもといたしましては、このプルトニウムの平和利用をいたしますときには十分な監視のもとに安全に扱えるものと思っております。ただその核ジャックといった問題は、またこれは別かと思います。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 長官、私と局長のやりとりを聞いていただいて、あと政治家の判断をしてもらったらいいと思います。私はなぜこの前言って、またことしこれをやかましく言うかというと、起こり得ないことが起こっておるというのが最近の状態ですね。長官もまあ防衛庁長官やられたからわかりますが、ミグ25なんていうのが函館に着陸してくるなんということは、考えてもなかったことが起こり得る。それだけにいまの原研、動燃のあの管理体制、警備体制のもとでは私は十分起こり得るという考えを持っておるんです。それだけに一かん盗まれただけで、いま局長も答えていただきましたが、それをヘリコプターに積んで東京上空からこれをまくぞと言った場合に、それはもう暴力革命どころじゃない。すぐに政治の体制はひっくり返ってしまう。だから、こういうふうな強烈な、火器によらないで、たった二キロの茶筒に入っておるプルトニウム239一本盗んで、それで上に持ってきただけで革命の意図が達成するという、こういうものが現実に日本の中にあるわけです。それに対して、警察と連絡をして警察がやって来るのが十六分間だったかな、あんたたち想定しておるのは十六分間。そうして私が中見に行ったら、実際機関銃あたりを持ってきて入ってきた場合、とても対抗できるような警備体制ではない、長官も行かれてわかると思いますが。それで、ことに人質を取られて、それを盾にして、ずっとあけて行けと言われた場合に、私は殺されても、私の家族まで殺されても私たちはあけませんという、そういう者はおらぬということを現実に聞きまして、非常に危険だと。こういうことに対してアメリカ側が非常な危惧を持っておるということは事実です。だから、いま長官の当初言われました、カーターさんの言われておる核の不拡散、そうして平和利用に徹するんだと。そのためには再処理が十分必要なんだという日本の主張をするんだと、これは当然のことでありますが、アメリカが心配している、こういう核ジャックだとか、テロだとか、こういうものにやっぱりもう心配は要りませんよと、これこれしかじかのことはもうやってますよということを言い切れるような体制を早くつくってもらいたい。局長、どうですか。私が言ってから一年たつが、もう解決しとるかいな。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 先生の御指摘もございまして、先ほど御説明申し上げましたように、予算措置を十分講じておりますことのほかに、この核物質防護につきまして、原子力委員会の中に専門部会を設けまして鋭意検討を進めております。その中間的な検討の取りまとめも近く出ることが予想されております。  なお、この法的な措置につきましても、現行の法体系のもとでこれを十分活用いたしまして有効適切な措置をとりたいと思っておりますが、さらに現行法体系で済むかどうかという問題につきましても検討を進めておるところでございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 たとえば局長ね。この前もちょっと言いましたが、あれ海岸線にあるわね、海岸線に。海岸のすぐそばにある。鉄条網でかきしている。ある日突然高速ボートに乗った者が接近をしてきて、それでずっと砂浜に乗り上げて、機関銃をもって鉄条網は簡単に切れる、あんなものは。ペンチ一つであんなものは切れる。ましてやわれわれが演習した、鉄条網を切るはさみを持ってきたらこんなの簡単に切れる。そうして中にばっと入り込んだときに、それをやっつけるだけの体制はあるのかないのか、どうなんですか。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(伊原義徳君) 日本におきます治安状態から考えてどの程度の攻撃を想定すべきかという、これは非常に問題のあるところかと思われますが、ただいま具体的に先生の御提示なさいましたような攻撃を想定するかどうか、どうしてもそれを想定せざるを得ないような情勢であるとすれば、なかなかこれは容易ならないことであると考えます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 これはしかし、プルトニウム239を持っておるその場所においての警備体制、これはアメリカだって皆火器を持っていますよね、そうでしょう。日本はあそこで守衛はこん棒を持っているだけだ。こんなんでいいの、どう。日本ではそういうことはあり得ないということなの。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) もう玉置委員のお話は私も就任以後数回にわたりまして局長から聞きました。そうしてなおかつ私も現場もすでに視察いたしております。同時に、いま御指摘のとおり、アメリカにおきましても、いわゆるP・P、この問題に関して日本大丈夫かというふうな危惧の念があることも非常に強いということも私承っておりますし、具体的にはモンデール副大統領がお試しになったときにすでにその点を指摘しております。それに対しまして日本側としては、日本には銃砲刀剣等所持禁止令があるといった程度の精神的な話に終わっておる。だから、本当に完全武装した人たちが固めておるという諸外国から比べれば、あるいは日本の今日の情勢というものはきわめて危険な状態だと判断されても私はやむを得ないものじゃないかと、こういうふうに思います。で、現在といたしましては規制法のぎりぎりの線で、その運用面においてやっておりますが、恐らくこの問題は、今後カーター大統領の新政策とともどもに本当にわが国としても真剣に検討しなくちゃならない問題ではないかと、こういうふうに思っております。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 これは長官、非核三原則を堅持をしようとする日本国家としては、あくまでも平和利用であるから、一かんでも持ち出されて、それである大きな政治目的のためにそれが使われるというようなこと、これは大変なことです。それだけに私は、あのときにも私もう言うことをはばかって言わなかったですが、先進国のプルトニウム239を持っておる国々の例を見習って、あの周辺に少なくとも自衛隊の一個小隊ぐらい置くべきです、これは自衛隊を。自衛隊はあっちに飛ばしたり、こっちに飛ばしたり——あんなところを守るのが自衛隊です。そして少なくとも接近してくるこの海岸線のボートなんかに対しても自衛隊がまず第一に排撃できるという、排除できるという、そして周辺のパトロールも警察官だけじゃ弱いです、これは。少なくとも自衛隊があの付近に駐とんをするという、これはぜひひとつ、防衛庁長官もやられたし、それで科学技術庁長官もやられた大臣なればこそ私はこうしてお願いしておきます。これひとつ検討課題としてどうなんですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 十分検討いたしたいと思います。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 それで次になぜそういうことを言うのかということをもう一つ言っておきます。  それは、私はこの前にアメリカ側の報道という形で出ました使用済み核燃料のこのプール、貯蔵池、これアメリカでもいま考えているということですね。これは私は前から考えておったわけですよ。それはなぜかと言ったら、日本のエネルギーというのはあくまで、外国にあるものは日本のエネルギーと言わぬですね。自分の手の届くところにあるのが日本のエネルギーです。だから使用済み核燃料はこの高速増殖炉だとか、その再処理施設がこうちゃんとなっていって、それが完全にやっぱりできていくというのはやっぱりまだ大分先でしょう。それまでの間は日本で一千トンぐらいこの使用済み核燃料を入れるプールを四つぐらいつくったらどうかという提案ですね。そうすると、この貴重な使用済み核燃料——日本での技術はこれからアメリカに追いつけ追い越せて、私は優秀なこの日本の原研、動燃の技術というものを信用してます、これは。非常に優秀ですよ。自民党の連中が心配しているように、やれ共産党だとか、左巻きだとか、そんなことはありませんわ。もっと待遇改善をしてやればいいですよ。特別職でやってやればいい。それで生活の安定をさしてやるということ。これは非常に大事なことなんで、ぼくなんかは参議院選挙終わったらひとつそのぐらいの待遇改善をやるべきだと、これは日本の将来の問題としてぼくはやるべきです。単なる公務員として扱うべきでないです、あれは。それだけに動燃の横のあのあたりにプールを四基ぐらいつくって——大した金かからぬと思います。そして軽水炉で使った使用済み核燃料をそこで保管をするという、こういう構想、どうですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 使用済み燃料といえども、できるだけ国内にとどめて、いわゆる純国産燃料として活用する道を開いておくという点はまさに先生の御指摘のとおりだと存ずるのでございますが、長期的なわが国の再処理の方針といたしまして、できるだけ現在の動燃の実験工場に続きまして第二次再処理工場という実用工場を実現しまして、国内で再処理を技術的に行い得るという体制を詰めるというのを基本方針にしておるわけでございますが、それまでの間つなぎとしまして、わが国は非常にウラン資源に乏しいわけでございますので、これを最大限有効活用するという意味からやむを得ず過渡的手段としてイギリス、フランス等に委託せざるを得ないということだと思うんでございます。それで、おっしゃいますとおり、プールをつくって、海外に委託するかわりに国内に保管するというのも一案かとは存じますけれども、先生御高承のとおり、非常に日本国土も狭うございますし、なかなか現在原子力問題につきましてパブリックアクセプタンスが得にくい状況にございますので、ただ使用済み燃料をためるだけということではなかなかまた御理解等をいただきにくい面もあろうかと存じますので、お説のことはできるだけ早く国内に第二次再処理工場を建設するよう努力するという方向で解決してまいりたいというふうに考えております。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 局長、私はそんなこと、余分なこと聞いてないじゃないか、あなたは何言っているんだ。私が話しておるとおり言え。間違っているぞ。それはぼくはフランス、イギリスに送ることも結構、いまの契約高も結構、それは了解していますよね。それから、もちろん基本は再処理するという、日本で再処理するという、それが第一。それからイギリス、フランスに送ることも結構。しかし、それだってまだ計画、いまの数字からいけば残るじゃないか。それをあれだけのあと残っておる、この計算でいったら約三千四百トン、これ上げたでしょう、あなたのところへ資料。三千四百トンぐらいになるんですよね。だから、それはそんな大きなところ要りませんよ。あなたら専門家でしょう。私みたいな素人だってこれ計算しておるのに、わからぬことない。だから、四基つくることぐらいはそんなにむずかしいことないです。私は、これを九電力将来皆やると思いますからね。これを九電力から委託を受けて国が保管をするという、そして必要なものを再処理にかけていくという、それなら長官ね、カーター納得しますよ。そういうことでないと、アメリカのいまカーター大統領がやろうとしているこの問題、われわれとしては、日本としては現実のエネルギーとしてこの再処理したプルトニウム239というのですか、これを確保して、そうして高速増殖炉でもっていまの大体五十倍ぐらいのものを使うというのですよ。そうなんでしょう。そういう構想ですね。それが一つ。もう一つは、核の不拡散という立場から、これはやっぱりどちらの目的も達し得るような措置ということになれば、このプール問題、これはやっぱり私は検討課題だと思いますがね。長官にお聞きしますが、政治家の判断はどうですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) これはもう言わずもがな、再処理並びに濃縮、この二つの技術は日本が持たないことには、そうしてエネルギーの純国産として原子力を利用しないことには、いつまでも首の根っこを押さえられて、首の根っこを押さえられたまま経済成長もくそもない、私はこういうふうに考えますから。したがいまして、そうした問題につきましては、極力国内であらゆる体制を整えていくということを一つの目標として進みたいと思います。ただ、いま具体的にいろいろ問題が進展しておるときでございますから、那辺にアメリカの意図があるか、もう少しく、技術的に現在専門家を派遣しまして交渉をさしておる最中でございますから、ああいうこともしよう、こういうこともしようということが現段階でいいかどうかということになりますと、きわめてデリケートなものがございますから、玉置さんの御意見は十分われわれといたしましても貴重な御意見として拝聴しておきます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 それから、科学技術庁の方はこれで終わりますが、ぼくはカナダのCANDU炉、これに前から関心を持っているんだが、CANDU炉というのは、御承知のように、天然ウランを燃料として濃縮が不要だということ、それから、軽水炉と比較して天然ウランの消費量が二〇%くらい少ない、彼らの宣伝どおりとすれば。そうして使用済み燃料は軽水炉のものよりも安全であり、したがって、再処理せずに長期保管が容易である。一番大事なことは、私は、まあ豪州もやっていますね。豪州のウラン問題もやっているが、豪州もなかなかこのごろ厳しい。おかげで、今度長官、ありがとうございました。豪州ヘウラン探鉱で出してくれるそうです。本当にありがとうございます。カナダがこのCANDU炉を買ってくれるなら天然ウランの供給を保証するというようなことを言ってきておると、こう聞くんですがね。その辺はどうですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 将来のわが国におきますその炉型のあり方につきましては、これは先生御承知のように、昨年新型動力炉開発専門部会という場でいろいろ各界の識者に集まっていただきまして御検討いただきました結果、現在の軽水炉に引き続きまして、今世紀末までに高速増殖炉というものを導入するというのを基本路線に考えておるわけでございますが、この高速増殖炉の導入の早い遅いによりまして、そのバックアップとしまして重水炉というものも当然考えて検討しなきゃならぬというふうに思っておるわけでございます。そういう意味で、いま御指摘のように、CANDU炉にはCANDU炉としての非常に多くの利点もございますが、また反面この耐震設計等、今後もし導入するといたしますれば相当慎重に検討すべき点もございますので、こういう点を含めて今後の検討課題にしたいというふうに考えておる次第でございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 現在局長、カナダで六つ、それからパキスタンで一つ、これ運転中ですわね。そうしていまカナダで十カ所、インドで一カ所、それからアルゼンチンで一カ所、韓国で一カ所建設中ですね、これ。計画中のものもずいぶんある。だからこれだけのことをやっておって、耐震性だとかなんだとかといったデータがとれないというのはどういうこと。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 各国におきます運転中並びに建設中の数字につきましては、ほぼ先生御指摘のとおりだと存じますけれども、いま挙げておられます国とわが国との地理的条件を考えますと、わが国はやはりかなりこういう国に比べますと厳しい地震国でございますので、こういうふうな地震に耐え得る耐震設計がいかにあるべきかという点につきましては、これは、電源開発株式会社は非常に本炉に興味を持ちまして検討しておるところでございますが、枝術的にはその点がやはり一番問題ではないかというふうに言われておるわけでございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 だから耐震性の問題についても、ぼくはぼくなりに、電源開発の野瀬副社長がこれは担当だから、野瀬君を呼んでいろいろ聞いてみた。それは解決できると自信を持っておる。こういう野瀬という土木枝術の専門家、これが言い切っておる。私もこの参議院選挙が済んだら、一回CANDU炉を見に行こうかと思っていますけれどもね。やっぱりあなた方が、従来の高速増殖炉だとか、新型転換炉だとか、そういうことに一生懸命になるために、CANDU炉を仮に軽視するとか、無視するということがあっては、ぼくはおかしなことになると思うんだ。だから、ここでCANDU炉についても科学技術庁という立場からもう一回見直しをしてみるという必要性があるということを私は提言しておきますからね。その点どうですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 先生の御指摘もございますので、関係方面の意見も徴しまして、十分に検討したいと考えます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 科学技術庁はこれで終わります。  長官、大変な会議の最中、どうも済みません。  問題、もういろいろ議論をされておりますけれどもね、元号の問題で。この予算委員会中にもう一回確認をしておきたいと、こう思いましたので、きょう何か共闘会議かなんかやっておるんですね。その最中わざわざ時間を割いていただいて恐縮です。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) もういま打ち切ってきましたから。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 ああ、そうですか。この元号関係で、総理も衆議院の本会議なんかで答弁しておられますし、長官も答弁に立たれておりまするが、確認をする意味でお聞きをします。  元号問題は、前三木内閣のときからずうっといろいろ話し合ってきておりますが、どういう形で継続されるか、それをちょっとお聞きします。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 三木内閣のときに、元号の問題に関しては昨年の八月でございましたか、一般の世論調査をやられまして、元号は存続すべきであるという意見が圧倒的に多いし、また元号を現在も用いているという意見もこれまた八六%という圧倒的な数字を示した。その結果におきまして、三木内閣においては、元号問題は存続すべしである、そしてこれは告示行為によって行うと、こういうふうなことを前総理府総務長官が委員会において発言をされております。それを現在福田内閣は継承しておると、こういう状態でございます。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 あのね、藤田さん、われわれ一緒に当選してきて、政党政治の中でこうやってきて、自由民主党という一つの政党、政権を担当さしていただいておる政党、その政党の中でこの元号小委員会があって、私もメンバーの一人ですが、その元号小委員会の中で、まだ法制化すべしというふうな意見が非常に強い。私たちもその一員です。熊谷小委員長もそうです。それから町村さんもそうです。そういうときに、内閣の方で、政府の方で言われることは勝手ですが、もう少しく党の元号小委員会の考え方なり何かを聴取するというか、聞いてやろうという気持ちはありませんか。あなたはもう官僚出身じゃないし、政党人そのものだから。どうですか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいまも一応継承しておるということを申し上げた次第でありまして、こういうふうな問題につきましては、国民の世論の煮詰まりといいますか、熟し方といいますか、そういうものがなお必要であろう、かように考えておりますので、実はもう一度八月に世論調査をいたしたい、かように考えておるのです。その世論調査の結果をもちまして、党の方の小委員会とも御相談を申し上げ、法律で行うのか告示で行うのか、こういうことも最終的には決めていきたい、かように考えておりますので、いまのところおっしゃるようにまだ御相談申し上げる段階ではない、こう考えております。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 藤田さん、あんたがね、八月の世論調査の結果を待ってと言うたというので、私、それでここへ元号を出したのですよ。それは参議院選挙が終わったら、あんたみたいな優秀な人は私たちはぜひ残ってもらわなければいかぬと思うが、なかなかそういうふうにならないかもわからない。かもわからないときに、また官僚出身の大臣がぽこっとできたりして、ああいうような勝手なことを言われる。そういうことになると、政党の中でいろいろ議論をしておることが全く宙に浮いた形になりますね。議院内閣制の内閣としては、われわれの同僚であった議員の西村君が長官になってああいうことを言ったんですが、私は少しおかしいという考えを持っておるんです。それだけに、あなたがやっぱり参議院選挙までに、事務レベルの人たちにも大体の方向づけは教育しておいてもらわなければいかぬ。そのとおりやれというようなことは私はとても言えませんが、方向づけだけはしてもらわなければならぬ、こう思いまして、きょうあえて出したのであります。  もう一回聞いておきますが、総理府の中で、いまだれとだれがそういう事務を担当しておられるのか、それをどういう形で長官のところに報告しておられるのか。また総理府総務長官として、内閣の中でどういうふうな形で、総理並びに関係の大臣、だれかわかりませんが、連絡をしておられるか。そういうことわかっていましたら、ここでお聞きをしておきたいと、こう思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 総理府の内部では両副長官がおりますから、政務、事務、この両副長官並びに審議室というのがございます。この審議室の方でこの元号問題も取り扱っております。それから一般の世論調査になりますと、これは広報室の方で行います。それから統計局の方でも行うことがあるんですが、今回は広報室の方で行おう、こういう状況に大体決めております。それから内閣の方では、この問題につきましては総理、官房長官、私と三人で話し合いをしております。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 最後にお願いをしておきますがね。党の小委員会のほとんどのメンバーは、これはやっぱり法制化が望ましいという方向で進めたい、こういう考えでおります。予算委員会の隣が熊谷さんなんで、熊谷さんにも、私は、きょうやるよ、ぜひやってくれ、その方向だけは確認しておいてくれ、こう言っていましたので、これは単に玉置和郎だけの意見ではなしに、元号小委員会の方向としてはそういうことであったということを国会の記録にとどめたいと、こう思いましたので、申し上げたわけであります。  官房長官、ちょうどいいわ。いま要求せぬお客さんがあらわれた。  元号は内閣告示だけではいかぬと、党の中では小委員会があって、御承知のように熊谷小委員会では元号は法制化の方が望ましいという方向で来ておりますから。政党内閣でございます、特に私たちはその福田内閣を支えておる微力ながら一員と思っておりますので、どうかひとつその方向だけはお忘れなさらないようにということで、国会会議録にとどめるということを申し上げたわけです。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) いまの御発言はよく了承いたしました。総務長官の方ではそういうことを考慮しながら検討しているようでございます。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で玉置和郎君の質疑は終了いたしました。  次に峯山君、発言を許します。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、きょうは国公法百三条の問題について初めにやりたいと思います。  この問題につきましては、内閣委員会等でも従来から何回か議論を行っております。それで、先般はまたフリートーキング等でもこの問題を相当議論をいたしました。しかし、実際問題としてこの問題はいまだに解決をしていないと、私はこういうふうに考えております。  そこで、きょうはこの国公法百三条の問題について基本的にどういうふうにお考えであるか、まず人事院総裁の意見を初めにお伺いしておきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 国公法百三条関係の法律の趣旨あるいはその運用問題については、従来からいろいろ御論議をいただいております。また、人事院といたしましてもこれに対する考え方をお述べをしてきておるわけでございます。  この問題は峯山先生はもう専門ですから、よく御承知のとおりでございますけれども、大変むずかしい問題をはらんでおるわけでございます。すなわち、公務員といえども、これはやはり職業選択の自由というものはあるわけでございます。それとともに、民間の企業との癒着その他ということは、これは断固として排除しなきゃならぬという公共の福祉の問題、この兼ね合いの問題に相なるわけでございます。そういう意味で、過去にもいろいろ論議がございましたし、また、改正等の措置が講ぜられて今日まで来ておるわけであります。人事院といたしましては、法の精神というものを踏まえまして、その調和というものを頭に描きつつ、できるだけひとつ厳正な態度でもって運用するという気持で今日までまいっておる次第でございます。昨年の結果につきましては、さきに国会にも御報告を申し上げたとおりでございまして、これは別に人事院として誇らしい気持で申し上げるわけでも何でもございませんけれども、従来より若干その数が減ったと。これは一般の経済情勢、社会情勢、昨年からのロッキードの問題というようなこともそれなりに影響をいたしておることではないかと思いますが、私といたしましてはやはりこの二つの理念、二つの精神の兼ね合いというものを十分考慮しながら、今後ともこの運用については厳正な態度でもってやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは総裁、私は、実はきょうこういうふうな問題を改めてやろうと決意したのも、これはもう前々から問題になっておりながら、なかなか決着がつかないわけですね。そういうふうな意味で、きょうは特に官房長官並びに総務長官と関係の大臣にみんな出ていただいて、特になかなかこの決着のつかない問題、三大臣あわせておいでいただいて、こういうことを議論する機会がございませんものですから、きょうは改めてこの問題を取り上げた次第です。  そこで総裁、この百三条の、いま人事院が承認をしているというのは、第三項でやっているわけですね。しかしながら、三項はぼくらが一般的に読んで考えてみますと、やはりこの第二項の精神というのが基本になくちゃいかぬのと違うかと。要するに「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」というのが、これが基本で、要するに人事院総裁は、ことしは人数は承認するのが減ったと言っていますけれども、本来から言うたら一名もなくていいんじゃないか。そこまで言えば極端かもわかりませんが、そこまであって私はいいんじゃないかと、そのくらい厳しく見るべきじゃないかと、こう思うんですよ、実際問題として。それで、この第二項のいわゆる例外規定として三項があるような感じがするわけですね、実際問題としてですね。ですから、そういうふうな意味では、私はそこまで厳格にやらない限りこの問題は解決しないんじゃないかと、こういうふうに思うんですけれども、この点はどうですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘になりましたように、二項というものがやはり法の精神の骨子であろうと思います。要するに、官と企業との間に癒着が生じたり、あるいはそれの、地位を不正に利用して綱紀を乱していくというようなことは、これはやはり絶対に避けなければならぬという趣旨からこの規定ができ上がったものだということで、その点については私も同感でございます。ただ、その法意がございますために、いままでいろいろ御議論をいただきましたこともありまして、各省庁にもこの法律の精神というものはかなりというか、十分に徹底をしてきておるのではないかという感じがいたします。そういうことから、具体的にこの問題が出てきます際にも、そう安易に事柄を解釈をして、退職をするんだから何とかしてやらなきゃならぬというようなことでやる姿勢というものは、非常に少なくなってきているのではないか。その点、非常に厳格に事を理解をいたしまして運用に当たっておるという事実があると思います。したがいまして、われわれ人事院の方へ向かってこれは各省庁が責任を持って申請をしてくるわけでございますから、その前にやはりおのずから法の精神というものは、もうすでに長い間たっておりますからしてわきまえておりまして、そう怪しげなものというものは、こちらへは持ってこないという事実が定着をしておるのではないかというふうに思います。そこで第三項の関係で、二つの理念のかみ合わせということで、そこに調整を図りつつ運用をやってまいっておるというのが人事院の態度でございます。その結果、いまのような結果が出ておるということでございまして、法の精神としては、いま先生お述べになりました法意というものがその中心的な問題点であるということには異議はございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いや、ですから、総裁、これは私たちが内閣委員会でも相当この問題議論してまいりましたけれども、結局、この百三条という規定がありながらこれを空洞化し、かつは今回のロッキード事件を初め、こういうふうな官民癒着というような、現在特に世間からいろんな批判を受けているわけですけれども、こういうふうな状況をつくり出したのは、人事院にも大きな責任があるんじゃないか。これは総裁は、いやそんなことはないと、厳格にやっておりますと、また各省庁で人事院に出すときには、相当もう定着化してきて厳格にやっているみたいだから、そう問題はないみたいだと、こうおっしゃいますが、私はそれは全く逆でね、全く逆と思っているわけです。  といいますのは、なぜかといいますと、これは官房長官、総務長官にぜひ聞いてもらいたいんですが、人事院の考え方を根本的に、もう百八十度転換しない限り解決しないということを私言いたいわけです。といいますのは、これは百三条の規定で、第三項で人事院が審査をするわけですけれども、その審査の基準というのがこの百三条の二項にございます「国の機関と密接な関係」という項目があるわけです。この「国の機関と密接な関係」というところの読み方が、要するにどういうような読み方をしているかというと、これは私が言わなくても総裁に答えてもらえばいいわけですけれども、要するに局とか課とか、そういう単位で見ているわけですね、その個人のいわゆる密接な関係度というのを。私はこれはやっぱり大きな間違いだと。現実にこの天下りの内容を見てみますと、このことが非難される大きな原因は、やはり省庁で見ていかないといけない。そのくらい厳格に見て——私は何十年間も見ろと言うんじゃないわけですから。二項の規定で、現実に基本精神は二項の精神だと総裁もおっしゃってきているわけですから。離職後二年間なんですから、ですから、その法の精神、この百三条の精神というのは、二項にきちっと出ているわけですから、これを守るためにはそこのところは厳格に見ないといけない。庶民が見てもだれが見ても、たとえば大蔵省出身者は銀行に行く、信用金庫へ行く、相互銀行へ行く。現実にことしもそういう認可がほとんど出ているわけです。建設省出身者は土建会社へ行く、運輸省出身者は運送会社ないしそれに関連する企業へ行く、厚生省は薬品会社というように、これは公然と人事院が認めているわけですよね。これは結局、百三条の基本的な精神をないがしろにしていることになってくる。私は何も総裁が言うように、個人のいわゆる就職をする、職を選ぶ権利、こういうようなものを全部制限しようとは思わない。けども、少なくとも高級官僚である限りは、この百三条二項の精神というのは当然守るべきである、こういうような考えでいるわけです。  そういうような意味では、これはまず官房長官からお答え願いたいんですが、この問題については、現実の姿がこういうふうな現状になっているわけです。人事院の承認の仕方も各省庁の申請の仕方も、たとえば少なくとも課とか局とかいう単位で審査をしているわけですね。そうである限り、大蔵省出身者は必ず銀行とか証券会社とか、そういうところへ行くんです、結局は。私は行くのが悪いと言っているんじゃないんです。当然行ってもいいわけですね。しかしながら、この百三条二項の精神はやっぱりきちっと守るべきである、こう言っているわけです。この点、官房長官どうでしょう。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) 人事院総裁から申し上げたとおり、いろいろ問題がありますけれども、第二項の法の精神はこれを守るよう極力努力をすべきであると考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの問題、総務長官いかがでしょう。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいまの人事院総裁並びにに官房長官と同じように考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ちょっと非常に困る答弁をいまいただいたわけですけども、官房長官の答弁と人事院総裁の答弁はまるっきし逆の答弁をいましているわけです。非常に困るわけですけれども、これは人事院総裁、官房長官の答弁を正面に据えますと、やはり人事院の——私は、これは何も人事院がいままで全部悪いと言っているわけじゃない。けども、実際問題として、先般フリートーキングをやりまして、自民党の皆さん方も質問しましたように、その内容についてはもう総裁御存じなわけですね。現実にそういうふうないろんな問題が出てきているわけですから、そういうことも含めて、いま官房長官から話がございましたように、これはやはり法の精神としても、ここら辺のところはもうちょっと考えなきゃいかぬと違うか。たとえば、いままで課の段階で、課の時点で審査しておったのをもう少し上げて局までの、たとえば大蔵省の銀行局ですね、そういうような段階まで上げて検討するとか、もう少し厳格な方法、まあいままで厳格にやってきていないというわけじゃないんですけども、私はそこら辺のところはやっぱりもう少し厳格にすべきだ。そうした方が国民の目もいいし、またいろんな角度からも、また現在問題になっている点も解決できる、こう思うんですけども、いかがでしょうか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 大変詳しい先生ですから、細部にわたることは申し上げませんが、趣旨はよくわかります。そういう意味でいままでも検討をわれわれとしてはやってまいりましたし、また運用については常にさらに厳正を期すという態度で努力はいたしておるつもりでございます。  ただ、従来の経緯その他から見まして、企業の関係でそれぞれのポストにつきまして代表する地位というようなことになっておりましたのを改正をされて、これが非常に広まったというようなこともございますので、そういう点との兼ね合いもありまして、各省庁のやはり具体的なポストというものとの兼ね合いでもって事柄を比較検討するということに運用上も相なってまいっておるわけでございます。特に、これは反論でも何でもございませんけれども、各省庁自体と密接な関係ということに相なりました場合においては、極端な例をとれば、たとえば運転手さんというようなものでも企業の側には行けないのかというようなこともありまして、これは程度問題ですから、反論じゃございませんけれども、そういうこともございますので、やはりそれぞれの各省庁のポストというものも無視ができないということで運用をしてきておるわけでございます。  ただ、昨年来からも申し上げておりますように、今度ロッキード事件というものが起きた。これはいろいろな原因がございましょう。また、それぞれの各層各界において反省をすべき点が多々あると思います。それの一環として、この百三条関係についても、人事院といたしましては大変な重大な関心を持って注視し、また種々の問題点について検討を加えている段階でございます。この百三条だけがその原因であるとも思えませんから、これだけが非常に先に走り過ぎるということもいかがかと思います。総合的な判断でもってやっていかなきゃならぬ問題であると思います。思いますが、いま御指摘になりました点は非常に重要な点でありまして、われわれの検討事項の中に入っております。したがって、百三条の法意、精神、第二項の関係というようなものを総合的に頭の中に入れまして、今後とも、いま御指摘の点はひとつ研究課題として慎重に考えていきたい、かように考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、これはあくまでも高級官僚を対象として話をしておりまして、いま総裁がおっしゃったように、運転手さんまでというところまでは全く私は考えておりませんので、そこのところはあれしていただきたいと思います。それで、いずれにしましても、これは先般のフリートーキング等でも問題になったわけですから、ぜひとも人事院としてもこの問題についての検討については早急に結論を出していただきたい、こういうように要望いたしておきます。  そこで、次にもう一つの問題として、これは特に官房長官初め総務長官に関係ございますんですが、政府関係の機関へのいわゆる天下り、これが非常に大きな問題になっているわけであります。これは私は現実の問題として、私の手元にあります資料によりますと、六十五法人の役員の総数が四百三十人、そのうちの七六・五%の三百二十九人がいわゆる天下りである、しかもその中で二十七の法人は、その役員の全部が天下りの官僚によって独占をされている、こういうふうな実情にあるわけです。それで、この実態について、私はもう一々きょうは挙げません。非常に短い時間ですから挙げませんが、私は、政府も確かに人材の登用とか、いろんな面でどうしてもそういう人たちを登用しなきゃならないこともあるとは思います。しかしながら、現実の問題として、政府自身も、天下りだけではなくて、民間の登用とか、そういうことを何回か閣議決定をし、あるいはそういう推進を図ることを決めていらっしゃるわけです。にもかかわらずこういうふうな実態がいまだにまかり通っているということは、これは私は大変なことだと、現実に思います。実際思いますね。しかも、こういう方々の給料というのが、官房長官、物すごく高いんですね、とにかく。もちろん、こういう特殊法人の総裁とか、あるいは理事長とか、そういう人たちの給料というのは大体九十四万円前後です。それから副総裁で大体七十七万円、理事クラスで大体六十四、五万円というような、これはもう大変な給料になっているわけです。  こういうふうな、かねがね政府が自分で民間の登用あるいは内部登用というのを叫びながら、実際問題はこれが改められていないということについて、官房長官、どういうふうにお考えですか。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) 政府が関係しております特殊法人の職員についての御意見でございますが、これはその方針に従って厳重にやっておりますが、これもまたいろいろ問題がありまして、待遇にいたしましても、政府出資の法人でありますから極力これを制限をしなきゃならぬわけでありますけれども、民間企業と比べるとそこに格差がありまして、広く人材を求める場合も、これ、公務員上がりであるから、公務員を軽べつするわけじゃありませんが、まあ就職してくれるわけでありますが、民間の方はなかながこういう待遇では就任をしないなどという実情もありまして、政府としては極力注意をしておるところでありますけれども、なかなか狭まらないと。なおまた、法人の性格によっては、政府出資でありますから、政府の意図に従ってこれを運営するということもありますので、こういうことも考慮しながら、閣議了解並びに峯山委員がおっしゃった方針に従って今後は厳重にやっていかなきゃならぬと、こう思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 官房長官、実際問題として具体的に申し上げますが、この問題につきましては、昭和三十八年の衆参両院の内閣委員会で、当時の行政管理庁設置法の一部改正という法案を審議いたしましたときに、こういう特殊法人について、特に特殊法人の役員については、民間からの人材の登用を積極的に行うべきであると、こういう附帯決議をつけました。それで、これを受けまして今度は、内閣では、昭和四十年の五月に、当時、閣議了解という形で、政府においては適任者を広く各界有識者から人選することを原則とすると、こういうふうに具体的に政府の方も閣議了解という形でやっているわけですね。ところが実際問題は、これがどのように実施されたかというふうに考えてみますと、こういうふうなものが全く無視されたような形というのが実情なんですね。ここら辺のところについては具体的にどういうふうに処置をされたか。もし官房長官御答弁できなければ官房の方で結構ですが、いかがですか。

角田達郎内閣官房内閣参事官

○説明員(角田達郎君) お答えいたします。  いま先生のおっしゃいましたように、現在の公庫、公団の役員の選考につきましては、四十年五月の閣議口頭了解の趣旨に沿いまして、各省からの選考をしてきた人材について内閣官房でチェックいたしまして、最終的には官房長官まで上げまして、それで良否の判断をしておるわけでございますが、数字で申し上げますと、先ほど先生おっしゃいました六十五法人で四百三十人、そのうち七六・三%が国家公務員の経歴を有する者という数字をお述べになりましたが、これはたしか政労協の調査による数字ではないかと思いますが、六十五法人の中には、特殊法人だけではなくって公益法人その他の法人も入っておるのではないかと思います。私どもの調査によりますと、特殊法人だけで全部で百十三の法人がございまして、このうち常勤の役員の数、これは昨年の一月一日現在の常勤の役員の数でございますが、八百二十五人おります。そのうち、何らかの国家公務員の経歴を有する者、これを抽出いたしますと、五百四人でございまして、約六一%になります。ただ、この五百四人は直接国家公務員から、何々局長、何何部長を退職してすぐ特殊法人へ行ったという者ばかりではございませんので、一たん民間へ行って、それから何年かたってまた今度は特殊法人の役員になる、こういう方々もこの五百四人の中には含まれております。六一%という率ではございますが、五年以上の民間歴を有してから特殊法人の役員になった者、これだけを抽出いたしますと、約五割、五割弱ということで、総体の数から見れば、そう国家公務員の経歴を有する者ばかりではないというふうに考えておりますが、ただ、特殊法人によりましては非常に国家公務員の経歴を有する方の比率が役員の中で多い、あるいはただいま先生おっしゃいましたように、国家公務員の経歴を有する者だけで役員の全部を占めておるという法人も、これは政労協の数字と私ども持っておる数字とは違いますけれども、あることはあります。  それが昨年の一月一日現在の数字でございまして、ことしの一月一日現在の数字、これいま私ども昨年末で締め切って分析をしておりますが、常勤の役員の数は八百二十五から総体で八百十に減っております。これは御承知のように、昨年五月、常勤役員十人以上の特殊法人の役員の削減をいたしました関係上八百十という数字になっておるわけですが、それともう一つは、ある一時点でつかまえておりますので、役員が欠になっておるところもあると思います。そういう点含めて、八百二十五から八百十に十五名ばがり減っておりますが、そのうち国家公務員の経歴を何らかの形で有している者の役員、この数を拾い上げてみますと、四百九十四、こういう数字になりまして、率はおおむね六一%でございますが、若干、十名ばかり減っております。  こういう状況でございまして、私ども、官房長官の指示もございまして、先ほどの閣議口頭了解の線に沿って役員の選考をするよう各省庁の担当課長には強くお願いし、また私どもも事務を実施しておる、こういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 あなたの答弁を聞いていると、何となくやっているみたいに見えますけれども、実際は、私が言っている数字というのは全くこの政労協の数字を言っているわけですけれども、この百十三の特殊法人のうち八百二十五人——現在八百十人とおっしゃいましたが、現実の問題として、これは調査をしてアンケートで出てこない分もありますからね、当然こういう七六・五%という数字は出てきますけれども、少なくとも、アンケートを出した中でも、民間の人たちは現実にふえているか、あるいは内部登用の人たちはどういうふうにふえているか、こういうふうに実態を見てみますと、余りふえてないわけです、やっぱり。これは、何やかや言いましても、結局はもうその大部分が天下りで占められていると。これはやっぱり、民間の人材を登用するために積極的にどういうふうな努力をしたのか。各省庁に言いましたと、結局それだけでは私は具体的な努力とは言えないと実際思うんですよ。これはやっぱり、これだけ大きな問題となってくるわけですし、これだけ指摘をされているわけですからね。ただ単にパーセントだけでは、私はどうしようもないと思うんです。私がこうパーセントを言ったからあなたもパーセントで答えたわけですけれども、何もこれは率の面だけではなくて、現実の問題として、これはやはり天下りで大部分が占められているというのが、われわれが見てもそう感じるわけですよ、実際問題としてね。あなた方から出していただいたこの資料を見てみましても、その一覧表の役員の大部分はやっぱり天下りで占められているわけですね。しかも、現実の問題として、政府がその中に民間の優秀な人たちを入れるための努力をどういうぐあいにしたのかなということを考えてそういう役員表を見ても、そういうのが考えられるのは百十幾つのうち一つか二つぐらいなんだ、とにかくね。これではやはりだれが見たって、これは政府がそういうふうに努力をしているとは見えない。その裏には、結局は政府がこの間決めた、何というか、特殊法人の整理縮小という問題が——先般も私は決算委員会でやりましたけれども、この整理縮小をするときに、今度は各省庁のなわ張り争いとしてあらわれているわけです。縮小しようとしてもそれはできない。そういうような事態にまで広がっていくわけです。  ですから、この問題については、これは官房長宮、実は閣議口頭了解というのが出たのが一九六五年です。これ、六五年の五月に出ているわけですけれども、もう大分になるわけですね。そういうような意味では、私は現在の時期というのは、これはロッキード事件を初め、いろんな事件が出て、いわゆる綱紀の粛正ということもいま言われておりますし、あるいはそういう全体的な面からも、政府としてもやっぱり再度見直しをしようということで、先般から特殊法人の整理や、あるいは特殊法人の役員の縮小ということについても取り組んでいらっしゃるわけですから、さらに、特にこの特殊法人の——三公社五現業等も含めて、そういうところの役員等も含めての、いわゆるその役員の選考ということについて、再度私は政府としてきちっとした見解を出し、かつ各省庁のそれぞれの部門にもう一回徹底した方がいいことではないかと、こういうふうに現実に思うわけですけれども、いかがでしょう。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) 峯山委員の御発言の趣旨は十分わかります。これを検討している私としても、正直に言うと、この特殊法人の役員の中には、公務員の経験を有する者であっても、適当な人材であり、これでなければならぬという人事もありますけれども、中には、各役所の定年に来た人のいすを探すというかっこうでやられる点も、必ずしもなきにしもありません。こういう弊害がだんだんふえてまいりますから、若干の弊害があっても今後十分検討して、人事の変換期その他に逐次変えていきたいと考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ぜひともこの問題については政府として私は再度やっぱり取り組んでいただきたいと思います。  そこで、もう一点——あと二点ほどあるんですけれども、もう一点は退職金の問題ですけれども、これはやっぱり、実はいままでも何回かこの問題が議論をされまして改善をされてきました。改善をされてきましたけれども、これは私はやはり大きな問題があると、こういうふうに思います。これは現在の退職金の制度について、官房長官、実際問題としていま長官の感じとしてはどういうふうに受け取っておられますか。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) 退職金の問題では、国民の側、議員の方々の側から見られれば、人事で、渡り鳥というか、横滑りがございます。その場合に、退職金をもらってさらに次の特殊法人の役員につくと、こういう場合に、これは何とかならぬものかなあと、非常にこう考えて検討しているところでありますが、また今度は、これを事務的に申しますると、前の法人をやめて次の法人に移った場合に、前の法人でやりましたことに後の法人が退職金を払うということも、事務的ななかなか問題があるわけでありますが、やっぱりこういう点は、横滑りという人事と同時にあわせ考えて検討しなきゃならぬと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、実は私きょう質問するに当たって、もういろんな角度からずいぶん調べてみたんですけれども、これは、きょうは実はそれぞれの関係のあるところの人事課長さんからみんな御出席をいただいているわけですけれども、時間の関係で全部御答弁をいただくわけにいかないかもわかりませんが、これは、それぞれの役員の給与並びに退職金等については、全部それぞれ設置法で決められているわけですね。これは、たとえば水資源開発公団法の四十六条では、公団の総裁は内閣総理大臣の承認を受けると、こうなっているわけです。さらに、石油開発公団ですと、これは三十条で通産大臣の承認を受ける。こういうぐあいに、ずっと——たとえば船舶整備公団法の二十九条によりますと運輸大臣の承認を受ける。まあこれ、全部あるんですけれども、森林開発公団の総裁の退職金とか、そういうようなものは同様に法律の三十八条で農林大臣の認可を受ける。結局これは、全部これだけのものすごい退職金、これから私が述べますが、これは結局福田内閣のそれぞれの大臣がこの退職金一つ一つについて認可を与えると、しかも、この退職金の規程というのは、中身はもうすでに御存じだと思いますから私あんまり言いませんが、大変な額になるわけですね、実際問題。一般の公務員の皆さんから見ますと、私はこれは大変な問題に実際なってくると思います。  たとえば、昭和四十五年の一月三十一日以前、これは百分の六十五というふうな計算の方法になっておりまして、それが現在百分の四十五になっているわけですけれども、四十五年以前からずっと勤めていると、四十五年までは百分の六十五で計算して、それで、それから以後は百分の四十五で計算する、こういうような計算方式になっているわけですけれども、これはこのとおりなんでしょう、実際問題として。これはだれかわかりますか。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) 先生の言われるとおりでございまして、現在この特殊法人の退職金は、報酬月額に在職月数を掛けまして、それの百分の四十五というものが退職時に支払われることになっておりまして、四十五年以前はそれは百分の六十五という率でございました。したがいまして、その四十五年以前から在職しております役員につきましては、現在の報酬月額に百分の六十五を掛けて、それ以前の在職月数を掛けたものに、それ以後の在職月数に百分の四十五を掛けまして、現在の報酬月額を掛けたもの、これを加えたものが退職金になるわけでございます。その場合に、四十五年一月現在の報酬月額に百分の六十五を掛け、さらに現在までの在職月数を掛けた金額の方が、大きい場合にはその金額とする、こういう経過規程がございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 課長、もう一回お伺いしますが、これは各設置法に、私先ほど言いましたように、退職金とか給与とかの規程がありますね、設置法にそれぞれ。これはどういう意味ですか。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) 特殊法人の役員の退職規程でございますが、それは各法人でそれぞれ退職規程を決めることになっておりまして、主務大臣の承認を得て決めることになっております。しかし、現実の問題といたしまして、それぞれ特殊法人の退職規程というものはほとんど同一のものになっておりますので、私が統一してお答えしたような次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまのあなたがおっしゃったその退職金の規程というのは、私、具体的にこの法律を見たことがないんですが、その法律は、最低がいまおっしゃった百分の四十五ということになるんですか。あるいは最高が百分の四十五ですか。たとえば大臣の承認規定があるということは、ちょっとこれは高過ぎるからもうちょっと安うせいと、そういうふうな権限が大臣にあって、こういう承認規定みたいなのがそれぞれの公団とかそういうようなところの設置法の中にうたわれているのか。あるいは全く大臣の裁量権というのは、あるのかないのか、これはどうです。それも含めて。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) 退職手当支給規程につきましては大体同一でございますが、私の申しました割合は最高限度でございます。ですから、規程自体をお読みいたしますと、たとえば「在職一月につき、役員が退職し、解任され、又は死亡した日におけるその者の俸給月額に百分の四十五以内の割合を乗じて得た額」と、こう書いてあるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そこで、官房長官ね、最高なんですわ、これ。これは、いま手元にあります資料によりましても、この先ほど課長が言いました役員の皆さん方の退職金を全部計算したら何ぼになるかわかりますか。とにかく大変な金額の退職金が要るということです。しかもこれは最高ですからね。ですから、政府の英断によってこれはもっとうんと、これはちょっと高過ぎると、やっぱり国民の——たとえば、もう現実の問題として、この私の手元にあります資料によりますと、その退職金の金額は、現職のところを申し上げますと、いまの計算方式でいきますと、多い順番に言いますと、六千二百三十六万とか、五千四百二十七万とか、四千七百七十万とか、こういうような退職金なんですな、とにかく。こんな退職金ね、これは、その特殊法人なりその特別の団体に一生涯勤めたのと違うんですよ、とにかく。私が言いました人たちは、そんなに長く勤めてこういう退職金をもらっているわけじゃない。その前にいろんなところにいたわけです、現実に。天下ってこう来ているわけです。そうしますと、これは、官房長官、たとえば現在高校卒業者が大体二十年間勤めて退職金幾らもらえるか。大体まあ一千万なんてもらう人はもうめったにいない。よほどのことがない以上は。これは人事院、大体調べていますか。——給与課長の方ですか。これは大体わかりますか。高校卒の方が二十年間勤めて退職金大体どのぐらいですか、平均。それと、もう一つは、大学卒業者で、大体二十年間勤めて退職金平均大体どの程度になりますか。給与課長でも結構です。

足立和基大蔵省主計局給与課長

○説明員(足立和基君) これは、いろいろ給与の水準によりまして退職金の額は変わりますので、一概に平均と申しましてもむずかしゅうございますが、いま特殊法人の役員が問題になっておりますので、特殊法人の職員がたとえば大学を卒業して二十年間勤めたという——これは平均でございませんで、ある一つの公庫の実態として計算いたしてみますと、いろいろ俸給の額によりまして変わりますが、高いところで八百万ぐらいまでいくのかなあと、まあ平均で五百万台かなという感じでございます。公務員の場合でございますと、これはさらに、二十年までは特殊法人の職員に比べまして若干低うございますので、恐らく四百万ぐらいの感じかと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまお話しございましたように、平均大体五百万ぐらい、高いところで八百万ぐらいいくかなと、こういうことでしょう。そうしますとね、私は、だれがどう考えたって、これはやっぱり理事長とか総裁とかいう人たち、あるいは理事の方々の毎年の給料の上がりぐあいを見ましても、現在九十四万円という金額ですわね、理事長、総裁は。それを基準にして退職金計算しますと、もう大変な額になります、実際問題ね。これはやっぱり私は異常だと思うんですよ。確かに、この問題が大きく問題になったんで、百分の六十五から四十五には下げた。けれども、これは最高であって、やはり一般のサラリーマンやそういう一般の、たとえば同じ特殊法人に二十年間勤めた方でも、高い方で八百万というんですから、これはやはりいろんな問題が私はあると思うんですね。しかも私は、いま課長からお話しございましたように、わざわざきょうそれぞれの人事担当の課長さんに来ていただきましたけれども、答弁はもういただきませんけれども、それぞれの設置法でうたわれておりますように、担当の大臣の承認が要るわけですね。これは。そうしますと、担当の大臣は、——その退職金について、最高の制限はあるわけです、最高はね、けれども下は、これは幾らでもあるわけですよ。そういうふうな意味では、私は算術的にそういうふうに計算するんではなくて、やはり政府としてこれはやっぱり何らかの措置を考えるべきじゃないか。しかも、これは現実に、もう去年からことしにかけて退職した人も現実におりますし、やっぱりこういうような財政緊迫の折から、こういう点についても何らかの配慮をすべきだと、私こういうふうに考えるわけですけれども、この問題について官房長官のお考えをお伺いしたい。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) いまの退職金は、それぞれ所管の大臣が退職金規程を認可をして、その認可に基づいて渡している退職金であって、四五%をある大臣が三〇%にしろと、こう言うと、ほかの所管の大臣の法人と違うわけでありますから、峯山委員のおっしゃったとおり、こういうすべての問題も含めて、各省庁に一貫していまのような御注意が通りますように、私の方でまとめて検討したいと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはぜひとも、いま長官がおっしゃるように、片方の省庁で百分の四十五を三十五にしたとか、そうするとこれはばらつきが出ますし、いろんな問題もまた起きてくると思うんですね。そういうような意味では、ぜひとも政府としてこの問題について取り組んでいただきたいと思います。再度、もう一回答弁をいただいておきます。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) 仰せのとおり、早急に検討いたします。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それから、私はもう一つ指摘をしておきたいんですけれども、これは官房長官、私は、どうしても必要やむを得ないことかもわかりませんけれども、この渡り鳥官僚というやつね、これはやっぱり何らかの措置をしないといけないんじゃないかと。退職金の問題ともあわせてなんですがね。要するに、たとえば私の手元にありますこの資料、あるいは先日内閣委員会でも私はこの問題について、官房長官だったと思いますが、申し上げましたように、この十年間の間に四つも五つも渡り歩いている。しかもその間に退職金ががっぽりついていく。こういうふうな人が現実にいるわけですね。これは私は、この私の手元にある資料が政労協の資料ですから、これだけが全部であるとは申し上げませんが、現実に私の手元にある資料によりますと、現職の方々の場合ですが——役員四百三十人といいますから、先ほど局長の答弁の中で。特殊法人だけではないでしょう、そのほかの三公社五現業等も含んでいるかもわかりません。四百三十人の役員のうち、二四%の百五人が二つ以上のいわゆるあれを渡り歩いている。しかも、その中で、五回もかわっている人が二人いる。四度目が三人、三度目が二十一人、二度目が七十九人と、こういうふうにいるわけです。  それで、私は一概に特殊法人の役員がこういうぐあいに渡り歩くこと自身が悪いと言うわけじゃないんです。けれども、それに伴うその下の方のいわゆる内部の人たちの役員、あるいはその下の内部の職員の方々の見方ですね。役員に対する見方、これが非常に辛らつなものになっている。私は、きょうもう具体的に言いませんけれども、これがそのまま一〇〇%そのとおりだとは私とりませんが、それでも、要するに、役員としてかわってきて、一年や二年でずっとかわっていく。結局どこかの知事選やあるいはどこかの何かに出て、ぽっとこう入れられて、それで一年半ぐらいおって、何にもしなくて、みんなの顔をちょっと覚えた時分にぽっとかわっていったり、現実にあるわけですね。本当に仕事をするには、やっぱり最低一年以上きちっと——まあ一年でも少ないと私思うんですけどもね、現在では一期大体四年というのが原則になっているわけですから。そういうような意味では、やっぱりある程度落ちついて仕事ができるような態勢というのは私必要だろうと思うんです。ですから、あの人がいまちょっとあいているから、まあ間に合わせにこの人を入れておけというような感じでは、やっぱりまずいと思うんですよ。  そういうふうな意味で、この点もあわせて、先ほどから何点か申し上げてまいりましたが、ぜひともこれは今後の大きな問題として取り上げていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) 内閣発足以来百日でございますが、この間私が扱いました人事の中では、一、二は、その特殊法人の再建のためであるとか特殊技術の必要のために異動したのがありますけれども、いま御指摘のようなことも多々あるわけであります。これらは厳重に、ただいま私の方で検討をして、各省庁に渡り歩きの人事は差し控えさしております。今後とも十分その線に従ってやる所存でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 一つだけ。もう大体時間が参りましたので終わりますが、建設省の人事課長、来ていますか。——建設省の日本道路公団の理事は、五十一年度は一名ふえたんですね。これはふえていますか。

宮繁護建設省大臣官房人事課長

○説明員(宮繁護君) ふえておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま何名ですか。

宮繁護建設省大臣官房人事課長

○説明員(宮繁護君) 現在、総裁一名、副総裁一名、理事が八名、監事が二名、合計十二名でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 合計で五十年度の役員は何名ですか、十四名ですか。それで、五十一年度の役員は、いまあなたが申された合計は十五名ですか。

宮繁護建設省大臣官房人事課長

○説明員(宮繁護君) 役員の数は、先ほど申し上げましたように、総裁一、副総裁一、理事八名、監事二名合計十二名でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、私の方の資料はちょっと間違っているようですから、これはあれしますが、いずれにしましても、官房長官、特殊法人の役員の縮減の問題ですが、実際問題として、これは先ほど何人か減ったという話が局長から答弁ございましたが、これは、任期は満了になって、その後再任されなかったり、あるいは削減をしたりして、そういう点は順調に進んでいますか。

角田達郎内閣官房内閣参事官

○説明員(角田達郎君) お答えします。  昨年の五月に閣議了解をしまして、常勤役員十人以上の法人、これ、二十九法人ございます。その法人について、十人から十五人までは一人、それから十五人以上の常勤役員については二人、こういうような役員の縮減計画を立てまして、それで各省庁において、その線に沿って計画を実施しておると、こういうことになっております。実施は昨年の七月からでございますが、そうしまして、削減対象人員が三十四人を減らさなければならないことになっております、二十九法人で。そのうち、もうすでに常勤役員を減らしたものが、昨年の一月からことしの三月末まででございますが、十四名。十四名の常勤役員を縮減しております。したがいまして、計画どおり順調に実施されていると、こう考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 以上で私の質問を終わるわけですが、特に、この特殊法人あるいは民間の天下りの問題等を含めまして、私は非常に重要な問題であると思います。いずれにしましてもこの問題については、官房長官から先ほどから答弁いただきましたように、ぜひとも早急に具体的な方針として発表するなり、あるいはまた実施されるよう要望しておきたいと思います。  最後に官房長官の答弁を一遍いただいて、私の質問を終わっておきたいと思います。

園田直自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(園田直君) いろいろ適切なる御意見を拝聴して、その線に従って厳重に検討を進めます。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で峯山昭範君の質疑は終了いたしました。  政府関係の皆さん御苦労さまでございました。  引き続いて、質疑のある方は御発言を願います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、京都を中心とする和装産業の問題について、特に二、三質問をいたしたいと思います。  申すまでもなく、四年続きの不況の影響はきわめて深刻でございまして、京都の伝統産業である西陣、友禅それから丹後ちりめん、こういう業界にわたって、和装の需要は減退する、その上に和装品の海外からの逆輸入が急増する、こういうことでかつてない深刻な状況を迎えておるわけでございます。しかも、この不況のしわ寄せでございますけれども、これが流通段階から生産段階、いわば下流から上流へと言われておりますけれども、転嫁されまして、末端の機屋はいつ倒産するかもはかりがたいと、こういう状況にあることは御存じいただいておることだと思います。そして、きわめて非近代的な取引方法であるとして廃止が叫ばれているあの歩引き、それから反引き、難引き、買い取りなどが、いまでも半ば公然と横行している。このことによって、機屋の経営難が一層深刻になってきている、こういうのが現状でございます。  ここに、西陣の産地問屋のNというところから機屋さんに出している文書がございます。これでございますけれども——文書でございます。この文書によりますと、「当社三月分仕入より下記の通り反引(本数引)をさせていただきますのでよろしく」、こういうのでございます。しかも、袋帯は二百円、それから九寸、八寸は百円、「以上の通りです」、こういう文書が通達のように出されておるわけです。もう一通例を出しますと、これはEという小売店に近い問屋からのものでございますけれども、年月等は略しますが、「創業〇〇周年の記念販促企画を含め、今後、益々販促経費の増大が予測され」「左記のようにご協賛を仰ぎたくご協力を」と、こうして「記」「昭和五十二年3月1日より納入された商品の一パーセントを協賛金といたします。毎月お支払いごとに相殺いたします。」、こういう文書がきちっと出されてきておるわけであります。このような文書は、一方的に渡されるだけ、押しつけられるだけであることは言うまでもありません。文書を渡されるということならまだいい方で、略称を使いますけれども、大手の産地問屋のH、N、Kなどというところでは、そこの番頭さんから口頭でこれが機屋に申し渡される。有無を言わさず、やられてきておるというのが現状です。  このように、不況のもとで少しでもこれに異議を唱えようというなら取引停止ということにならざるを得ない。また、そういうことは明らかに機屋さんも感じ取っています。このようなやり方は、公正取引委員会告示第十一号の十にある、「自己の取引上の地位が相手方に対して優越していることを利用して、正常な商慣習に照して相手方に不当に不利益な条件で取引すること。」に私は該当すると思いますけれども、この点についての公取委員会の見解をお伺いしたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) お話のように、不況下産地の末端の機織り業者にいろいろ問題があろうかと存じます。ただいま御指摘のような事例が、もし下請法に規定いたします親子関係に当たるような場合、あるいはそうでなくても独禁法上問題があるということで、下請業者等の責めに帰すべき事由がないのに、御指摘のような告示十一号でございますか、優越的地位の乱用というようなことにもし当たるといたしますれば、これは当該の規定によって排除さるべきものであるという場合が起こるかと存じますわけですが、具体的な事例を存じませんので、一般的なことを申し上げた次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、そういう一般的なお答えをいただくということではなしに、いま申し上げましたような実名も、実は私たちのところにはあるわけでございますけれども、まあ儀礼上と申しますか、略称で申し上げたわけでございますが、しかし、事実はもうこれ、偽りないところでございまして、こういう事例について、公取委はどのような具体的な御見解をとられるのか、こういうことをお伺いしておるわけでございますから、重ねてその点の御回答をいただきたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 部長の方からお答え申し上げます。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) お答えいたします。  繊維関係の取引上のいろんな慣行につきましては、御案内のように、三月にも寺前委員から御質問がございました。それで、私どもとしましては、まず一つは、とりあえずいまのようないろんな値引きが起こります場合、その値引きかどうかということを確認するためには、まずはっきりした発注書を出してもらわなければいけない。その発注書がありませんと、引いたのかどうかわからないということがございますので、まず、三月十七日に、近畿地方の約一千の繊維商社に対しまして、発注書を必ず出すようにという警告を、大阪地方事務所長名で出しました。それから、私どもは年間約一万二千の親企業、下請事業者約六千ほど調査しております。これを年四回に分けてやっております。それで、第一回の調査、いま現在発送中でございますけれど、その第一回の約四千社の中には、私どもとしましては、前に寺前委員から御指摘のありました、主として——正直に申しますと、ちょっと丹後のことを考えておったんですけれども、丹後地方の繊維関係の商社をかなり重点的に配慮して、その中に入れてございます。その結果は約二十日後にわかると思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そういう公取の方の調査や、あるいは努力がなされておるにもかかわらず、今日も依然としてこれが続いているというところに事柄の重要性、重大性がある。これを放置しておいていいのか、こういうふうに私は考えて、皆さんの善処をぜひお願いしたいということでございます。  そこで、御承知のように、西陣織工業組合が昭和三十年から三年ごとに西陣機業調査というものを実施しておりますね。最近の第六次、第七次、第八次、この八次の方はまだきちっとした調査の数字が出ておらないようでございますけれども、こういう傾向をたどってみますと、実は、ふえておりこそすれ、このような事態が減少しておるという状況にない、ふえている。こういうのが調査の結果明らかになっておるわけでございます。業者によっては、歩引きだけでとどまるならいい方でございます。これに加えて、反引きがあり、またセロハン引きなどというようなことまで加わってまいりまして、五%から六%も引かれるような場合が出てきています。  で、公取委員会も一定の調査をしておられるようでございますけれども、この際重ねて関係業界あるいは地方自治体の協力も得て、徹底的にこの点を調査されて、実態をぜひ明らかにしていただきたい。このような不当な行為をしている業者に対しては、厳正な態度で臨んでいただきたい。そして、私が指摘しておるわけでございますから、こういう調査についてはぜひ国会にこれを報告していただきたい、こう思いますけれども、その点いかがでございましょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) いま申し上げましたように、私どもとしましては、調査した結果、下請法に違反するのが出ましたら、これは確実に処置をとっております。これはまだ年度末の正確な数字が地方から上がってきておりませんので正確な数字はわかりませんけれども、昨年度で申しますと、約一万二千百五十六——これ一月現在でございますけれども、調査いたしまして、問題があるということで、再度、立入検査を含む精密な検査をいたしましたのが千二百四十九でございます。そのうち七百八十三——これは一月末の数字でございますけれども、指導措置をとっております。したがいまして、もし今回、いま実施中の調査で明らかに法律違反の事実がございましたら直ちに処置をとるつもりでございます。ただ、具体的な事件になりますと、私どもとして、国会に御報告できるかどうかは、いまのところ必ずしも言えないと思いますけれども……。内容によりますので。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、この点をある程度調査もし、実情も聞いた上で質問をしておるわけでございまして、事態は決して好転していない、ますます悪化しておる状況であるからこそ、いまお聞きしておるわけでございますから、その結果につきましては、ぜひ私にはお知らせいただけるかと思いますけれども、その点どうでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 内容によりまして、差しつかえなかったら御報告いたします。

加藤進日本共産党

○加藤進君 次に、代金の支払いについてでございますけれども、これにもまた大きな問題がございます。西陣の機屋さんへの支払いは、その月の売上代金の三〇%しか入らない、こういうような事態が起こっています。しかも、それは現金ではなしに手形です。期間は二百日を超えるものがいま常識になっている。常識的にいっても、二百日、台風手形とも言われています。これについても業界に対して厳格な御指導が必要であると思いますけれども、この点についての公取委の見解はいかがでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 私どもとしましては、手形につきましては、一応繊維関係では大体九十日を超えるものにつきましては改善するような指導をしております。ただ、相手によりまして、資産状況あるいは規模によりまして、場合によりましては百二十日ということを考えておりますけど、そのような、御指摘の二百日がありましたら直ちにこれは下請法違反として勧告あるいは指導をしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 しかし、公取委には、いままでのところ、そういう二百日を超えるような支払いの遅延というような状況は、まだ届いていないんですか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) これは昨年一月までの数字でございますけど、支払い遅延につきまして、二百七十三社につきまして改善を指導あるいは勧告をいたしました。手形の長期のものにつきまして、三百七十七社に対して改善するように指導ないし勧告いたしております。ただ、このうち繊維が何社あるか、あるいは西陣が何社あるか、直ちにいまのところつまびらかにいたしませんので、具体的にこの中に繊維が幾つあるか、ちょっといまお答えできかねますけど、私どもとしては、原則として百二十日を超えるものは全部勧告いたしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、具体的に、これこれのような状況がございますというような業者からの訴えがあった場合には、公取委として適切な処置をとられるということは言ってよろしゅうございますか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 当然でございます。  ただ、私どもとしては、下請取引の実情から考えまして、実は下請業者からの申告というのはなかなか期待できないということで、私どもの方から積極的に親事業者を調べて、そして不当なものがあればそれに対して改善措置をとるということを考えております。五十一年度の例を見ましても、正直に申しまして、四回調査をやっておりますけど、長いのは二百三十一日、二百一日、二百十一日、二百二日というふうなものがあったことは承知しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私のいま問題にしております和装産業の中で、現にこういう事態が、決して特別な例としてではなしに、相当広範囲に現に起こっているということだけぜひとも頭に置いていただいて、それなりの適切な厳格な御指導をお願いしたいと思いますが、私は、実はここに丹後のある機織り業者からの手紙を持っています。これは署名もしてあるわけでございますが、時間がございませんので、その部分の大事な点だけを申し上げますと、「夫婦と八十四歳になる母が午前七時から午後五時まで食事もろくにとらずに働きづめです。一カ月がんばっても三十万ないし四十万にしかなりません。ここから電気代や織り機の購入のための借金を差し引くと二十万円になるかならないかであります。いままでどおり織っていても月に十万も十三万も難引きで差し引かれるのでは納得もできないし生活もできません。織り元の使っている代行店に言うと、織り元が言ってきているということしか言わない。余り言って糸を取られて仕事がなくなることになっては困るので何も言えない。何とかならないものでしょうか」、こういう訴えが来ております。同封されてきた伝票によりますと——これでございますけれども、伝票によりますと、五十年の総織り工賃は約四百五十万円、難引きは約十六万円です。難引き率は約四%に当たります。これが五十一年になりますと、総織り工賃は約三百八十万円、難引きは約六十七万円です。難引き率は約一八%にはね上がります。特に、昨年の後半は三〇%台にもなった。このほとんどがこの業者の責任でないことは言うまでもございません。いわゆる不況難引きであります。このほかに反物そのものを買い取らされるということさえある。こういうことでございますから、これは下請代金支払遅延等防止法の第四条第一項の違反ではないかと私は申し上げたいと思うんですけれども、公取の見解はいかがでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) そういう事実がございましたら、もちろん違反でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、どうも、私どもでちょっと調べた感じでは、非常に取引の契約の形もあいまいになっておりますので、まず第一番に、契約をはっきりしていただく、まずその発注金額を確定する、ここから入りたいと思います。  ただ、私どもも、丹後につきましては前回寺前委員の御指摘がございましたので若干調べておりますけれども、丹後地方だけでも織物業者約一万ほどございます。そのうち下請法で言う親事業者に当たるものが三十数社ぐらいじゃないか。そういうことは一応把握しておりまして、具体的な調査をいま行っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ぜひそれ、厳格にやっていただいて、処分すべきものは適切に処分をしていただきたい。処置していただきたい。これは私の手元に参りましたものの控えでございますけれども、これ、資料として差し上げます。ひとつ検討してみてください。  公正取引委員会は、先日のわが党の寺前議員の質問に対する答弁でも、調査してしかるべき措置をとるとは言っておられますけれども、この問題については、下請代金支払遅延等防止法ばかりではなしに、不公正取引の問題としても、至急実態を調査して防止のための対策をとらるべきであるというふうに私は考えますけれども、この点についての御見解はどうでございましょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 御承知のように、現在の下請代金支払遅延等防止法は、これは昭和三十一年に制定されました法律でございますけれども、それまでは不公正な取引方法として取り締まっておったわけでございます。ただ、下請関係と申しますのは、親と下請関係、これはかなり微妙な問題がありまして、余り独禁法でやりますと、シロかクロかという介入の仕方をいたしますと、かえって下請事業者と親事業者の継続的な取引関係をぶち壊すような関係になるということから、下請関係に特別に、もっと下請関係の是正に適した法律をつくった方がいいんじゃないかということで、現在下請法ができておりますので、私どもとしましては、やはり下請取引の実情から考えまして、できれば下請法で処理した方が下請の実態に適しているんじゃないだろうか。たとえば、先ほど申し上げましたように、下請取引におけるいろんな不当なことにつきまして、正直に申しまして下請事業者からも申告はほとんど期待できません。したがいまして、われわれが一方的に親を調べてやるという方法をとらなくちゃいけない。そういう面から考えましても、できればこれは下請法で処理した方が実情に即しているのではないかと思っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もちろん、下請の法律、遅延防止法に基づいてやられることは、これは当然でございますけれども、しかし、事柄の内容からいうと不公正取引にも当たる、こういうふうに私は考えておりますけれども、その点はうでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 理屈としましては当たります。ですから、その特別法として、不公正な取引法の一つとして下請法を制定しているわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 寺前議員の質問に対して、調査してしかるべく措置したいというふうに明確に答弁をしておられますけれども、この調査はいつごろまでに完了されるでしょうか、めどを明らかにしてほしいと思います。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 先ほど申し上げましたように、昨年度で、一月までで年間一万二千ほど親事業者を調査中です。ことしも、地方の数字がまとまっておりませんけれども、恐らく一万三千以上の調査を、これ、年に四回に分けてやっております。現在、五十二年度の第一回の調査、約四千数百の調査票を発送中でございます。この回答期限は、一応二十日以内に回答していただくことでやっております。その調査票を回収しまして、内部で、かなりの数でございますので、それに基づきまして、私どもでどの企業をさらに、立入検査を含む、より精密な調査にするかどうかの検討にやはり若干の時間がかかると思います。それから精密検査のための立入検査等を行います。私どもは、正直に申しまして、報告書をまとめるとか、統計数字をとるのが私どもの仕事でございませんので、違反の具体的事実を見つけたらそれについて具体的な措置をとるというのがただいま私どもの仕事でございますので、何月何日までにどういう措置をとるということは、ちょっと、いささかお答えできかねますけれども、なるべく早く違反の事実が見つかれば処置をいたしたいと思っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 とりあえず、第一回分について調査して処置をとられるという、めどくらいは明らかになるんじゃないでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 一回のは、現在四千数百発送中でございますけれど、前回、寺前委員からの御質問がありましたので、その中で丹後地方のものは配慮しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私があなたに指摘いたしましたのは、丹後のみならず、西陣も、あるいは友禅も含めたわけでございますから、改めてその点も含めての調査をするという御意思はあるかどうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 現在、特に私、丹後につきまして、寺前委員の御質問ございましたので、ちょっとチェックいたしたんですけれども、現在調査しているものの中にも繊維商社が相当入っておりますので、恐らく友禅や西陣も入っているかと思いますけれども、拾ってございませんので、幾らの数字かということを申し上げられませんけど、当然入っておると思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 とりあえず、寺前委員の質問に対する御答弁に基づいて、ぜひとも調査を早急にやっていただいて、そのめどを明確にしてほしいと思います。その結果についてはいかがでしょうか。寺前委員あるいは私が質問をいたしましたので、私にはその内容について必要な限り御報告をいただくことができるでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 下請法に基づきます制裁と申しまして、私どもが勧告いたしまして、勧告に従わなければ公表するというのが一つの制裁としての制度になっております。勧告するけれど従った者は、たてまえとしましては一応公表しないということになっておりますのです。数字では御説明できますけれども、具体的な、どこどこをどうやったというのは、現在の法律のたてまえ上は、具体的内容につきましてはちょっとお答えできかねるかと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 法の決めている範囲で結構でございますから、御報告をいただきたいと思います。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 法の許す範囲では御報告いたします。

加藤進日本共産党

○加藤進君 労働省、来ていらっしゃいますか。——労働省にお伺いいたしますが、家内労働法第三条によりますと、業務の委託者は、家内労働者に対して、家内労働手帳に所要な事項を記入して交付することになっておりますね。京都府下の峰山労働基準監督署管内では丹後ちりめんの賃機の業者の集中している地域ですが、この業者が希望しているにもかかわらず、ほとんどその手帳が交付されていない、こういう状況が訴えられておるわけでございますけれども、これはなぜか、また、これに対して労働省はどのように御指導をしていただいておるのか、お聞かせ願いたいと思います。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○説明員(小田切博文君) 家内労働手帳は、いま御指摘のように、家内労働者の権利を保護するため、不明確な委託関係から生ずる無用な紛争を防止するために、工賃の支払い等の委託条件をあらかじめ文書で明確にしようとするものでございまして、家内労働法の非常に大きな柱をなしている制度でございまして、私どもは、家内労働法施行以来、家内労働手帳の普及ということを一つの重点といたしまして行政を進めてきているわけでございますが、いま御指摘の丹後の峰山地区の家内労働者につきまして、法律が予定しておりますような要件を具備した家内労働手帳が必ずしも普及していないという事実は確かにございます。私ども承知しております。で、所轄の丹後の労働基準監督署といたしましては、まあ地域の作業の実態、取引の実態等にマッチいたしました内容の家内労働手帳が出されればいいわけですから、そういうものを業者に研究させまして、モデル等をつくらせまして、成案を得たところで、四月の下旬には管内の委託業者を集めまして、厳しく、家内労働手帳を家内労働者に交付するよう指導いたす予定にしてございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 これはいま始まったことではなしに、長年にわたってこういう状況が続いておるわけでございますので、ぜひひとつ可及的に効果のある処置をとっていただきたいと思いますし、峰山労働基準監督署の署長さんも、四月中にはその交付を完了すると、こういうふうに約束をしておられるようでございますので、四月中に必ず完了する、こういうめどでひとつ御努力をいただきたいと思いますが、重ねてその点の御答弁をお願いいたします。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○説明員(小田切博文君) 私ども聞いた限りにおきましても、地元の丹後の監督署では、四月二十日から二十二日の間に、峰山町の地区のすべての委託業者を集めまして、家内労働手帳の家内労働者に対する交付を、集団的に厳しく指導するということを聞いております。さらに、五月の下旬になりますと、例年、私ども家内労働法の施行を記念いたしまして、家内労働旬間というような期間を設けてございます。その際には、一斉に、委託業者に立入り検査を行う等やっておるわけでございますが、五月下旬の家内労働旬間の際に、具体的に、家内労働手帳を交付しているかどうかを含めまして、厳しく監督いたしたいというふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 最後に、通産省にお尋ねします。  いまお聞きのような状況でございまして、繊維産業の主管官庁としまして、御意見、お考えがあると思いますけれども、特に通産省が力を入れて発足しております繊維取引近代化推進協議会でございますね、ことしの初めに繊維取引近代化憲章という、きわめてりっぱなと申しますか、憲章を制定されております。影山同協議会の会長は、この憲章の発表に際して、談話で、「対等な交渉基盤の確立によって、不合理な取引慣行の是正、関係者が本憲章の遵守を期待する」、こう述べられておりますし、憲章は、基本的な立場の第三として、「経済力乱用の排除 我々は、経済的な優位を利用して自己のリスクや負担を取引相手に不当に押し付けることをしない。」と申しておりますし、また「推進すべき事項」の第四では、「不合理な取引慣行の廃止 取引当事者は、不合理な歩引き、歩積み、宣伝費負担、押付け販売その他の非近代的な取引慣行については、可及的速やかに廃止すべきである。」と、こういう宣言がなされておるわけでございますが、通産省は、当然、こういう上に立って適切な御指導をいただけると思うわけでございますけれども、実際的に効果のある御指導をどのようにやられるつもりなのか、その点をお伺いしたいと思います。

福川伸次通商産業省生活産業局繊維製品課長

○説明員(福川伸次君) 繊維業界におきましては、いろいろ御指摘ございましたように、たとえば歩引きあるいは歩積み、返品等々、つまり幾つかの取引上の問題がかねてから指摘されております。そういう問題につきましては、関係法令の厳正な適用ということとあわせまして、合理的な取引慣行の確立あるいは流通構造の改善といったものと相まって、そういうような改善がなされていくのではないだろうかと考えておるわけでございます。いまお話のございましたような取引改善推進協議会というものも、むしろ業界がその不合理に目覚めて、望ましい慣行を確立していくということの第一歩でございまして、現在、御指摘のように、憲章をつくり、さらにまた、その取引の一番の基礎となりますような契約あるいは書面契約をつくっていくというようなことから、順次その認識を深め、望ましい慣行を積み上げていくという方向で努力をいたしたいと考えております。事務的にも、繊維工業構造改善事業協会も、この点につきまして非常に大きな問題として取り上げておりますし、また私どもも、それぞれの問題が生じましたケースに当たりましては個々に指導をする、あるいはまた、私どももそれの出てまいりました場合の普及、あるいはそれから積み重ねられております幾つかの問題の解決あるいは解決の方向のPRといったものにつきましては、私どもも今後の繊維工業の近代化のための基礎として、強く努力をしてまいりたいと思っております。個々に指導いたしてまいりますと同時に、さらにまた、いろいろな構造改善の一環としても、これが実のあるものにするように私ども努力してまいるつもりでおります。

加藤進日本共産党

○加藤進君 最後に、ただいま私が指摘いたしましたのは、まだまだ全貌を皆さんの問題として提起したわけにはならないわけでございますけれども、しかし、事柄はきわめて深刻だという点は御理解いただけておると思いますし、また、これが偶然に、あるいはある時期だけに限って出てきておるというのではなしに、長期にわたって慣行のようにこれが今日まで進んできている。こういう状況を私たち重視いたしまして、こういう不合理、不公正な商取引を是正するということについて、ぜひ今後も一層力を加えて努力をしていただきたい、そのことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で加藤進君の質疑は終了いたしました。  政府委員各位、御苦労でございました。  それでは質疑のある方は御発言を願います。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、最初に、沖繩における交通方法変更についてお尋ねいたしたいと思います。  一応、沖繩の交通方法の変更が来年の七月末と、こういうふうに承っておりますが、この変更の時期、このめどは決定的と見るんですか、あるいは状況によっては延ばすことも考えられるのか、どういう立場でございますか。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) 実施時期につきましては、昭和五十年の六月の閣議で、一応七月末をめどにするという取り決めがなされておりまして、私どもその定めの日に一応事業として遂行できますように、五十二年度予算等にも特別に対策関係分を織り込んでいただきまして、ただいま御審議をお願いいたしておるわけでございまして、この予算が成立いたしますと、五十二年度から必要なものについて実施してまいるということで、来年七月末めどということが事実上可能になろうというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 最初にそれをお尋ねいたしましたのは、日がたつにつれて非常に県民の中から不安と不満が広がりつつあること。それは、考えてみますと、右を左に変えるだけではないかという、言えばもうそれだけのことなんですが、これが非常に問題になるのは、そんな簡単なものではない。まず、県民の心理状態といたしましては、終戦以来もう三十年余りにわたって、長期にわたって定着し、身についておる。それで、社会基盤も経済基盤もそれによって定着してきておる。それから国際的に考えても、沖繩のいまのあり方が国際的にも多いわけですね。こういったとらえ方もあるし、さらに沖繩は膨大な軍事基地がある。その基地との関連において、そんなに簡単に右から左に切りかえていいものだろうか。ということは、結論といたしましては、これは生活につながるだけではなくて、生命につながる重大な問題であるんですね。そういう立場から、非常に不安と不満が根強いものがあって、それが非常に広がりつつある。さらに、そういう不安と不満が、政府の対応策が県民の不安と不満を解くような、解かしていくような、そういった具体的な明確な対応策が、各省庁の対策が打ち出されておらぬじゃないか、そうして各関係省庁もばらばらじゃないかと、こういう不満があるわけなんです。  それで、私、現地の要望としまして、たとえば、そういった各関係省庁のばらばらな立場で、そうして窓口をはっきりさせて明確な計画が打ち出されていない、そういうことに対して現地の強い要望が、たとえば、きちっとした窓口を一本化をして、それを中央にだけ組織を置かずに、現地にも、すぐ打てば響くような、そういう態勢のとれる窓口を現地にも置いてほしいという、こういう強い要望がございます。ところが、そういうことに対しても、まだ県民の要求を裏づけるような、そういうことがまだはっきり決まっていない。そこで、総務長官、この中央における本部長でもあられますので、そういうお立場から、どのように考えていらっしゃるか、お聞きしたい。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 五十一年の六月に、沖繩県の副知事を議長として、沖繩県交通方法変更対策会議というのが現地の方で設けられております。それから、御承知のように、総理府の長官を本部長といたしまして、中央では沖繩県交通方法変更対策本部というものを設けております。これが密接な連絡をとるとともに、沖繩の方には、各省庁、もちろん沖繩県も含んで、これらの連絡会というものをまたつくることになっております。  喜屋武先生がおっしゃいましたように、この交通方法を変更するということは大変なことだと思うんです。これは、ですから、海洋博の前に交通方法の変更を実施しようということも一度あったわけでございますが、沖繩県知事その他と御相談の上で、五十三年の七月というふうに決めたいきさつもございまして、五十二年度予算には、総体的には六十億弱のものがその交通方法の変更に対する予算として含まれております、五十二年度予算に。そういうことで、五十二年度の予算をいま御審議中でございますが、これが十六日でも参議院の方で成立すれば、いよいよ本格的に五十二年度予算でもってこの対策に乗り出していくと、こういうふうないま時期でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 県民要求と、それから私もこのことにつきましては質問主意書でもお尋ねいたしたわけですが、まだ十分納得のいく回答が得られないわけですが、たとえば、関係省庁で構成した窓口を現地に置いてほしいと、こういうことに対しては、連絡会議を持って、そしてその連絡会議の構成は、沖繩総合事務局、沖繩県、県警察、教育庁で構成して総理府担当官を参加させると、こういう程度では、このような大改革をスムーズに遂行していくためには大変心もとないんじゃないか、これでは十分機能を果たせないではないかと、こういう不安がいっぱいありますが、このことについての私も回答をいただいておりますが、再検討の余地はないんでしょうかどうでしょうか。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) ただいまの点につきましては、先般の先生の御質問書に対する回答でも申し上げておるとおりでございますけれども、ただいま沖繩県の交通方法変更に関しましては、かなりの数多くの行政機関がそれぞれの立場で関係いたしておるわけでございまして、それを政府レベルでは、ただいま総務長官からもお答え申し上げましたように、総理府総務長官が変更対策本部長ということでこの連絡調整に当たられるということになっておりますが、通常各行政機関に属しております権限をこのために一手に統括するということは事実上不可能でございますし、また、それぞれ地方自治体にも、あるいは県の公安委員会、あるいは教育委員会等におきましても、それぞれその責任において所管すべき内容があるわけでございますので、全部、国がこれを一手に権限を集めてやるということはできない仕組みでございます。したがいまして、それらのそれぞれの権限者が一つの事業完遂のために歩調を合わせてやっていくということが実は精いっぱいなことなのでございまして、それがいびつにならないように、全体として歩調がそろって、しかも事業実施にそごのないように連絡調整をする形をとってまいろうということで、従来、昭和四十八年ごろから中央レベルではいろいろこれについて相談をしてまいっておるわけであります。ただ、先ほどの先生のお話にもございましたように、予算も確定しておらない時期に、こういうことを政府としてやりますということは言える性質でもございませんので、従来まで、まあ言いたくてもなかなか言えない内容がございましたために、県民の方に対する事前の広報という面で、非常に不安を抱いておられる向きがあることは十分私どもも承知しておるわけでございますけれども、これが予算確定ということになりますと、先ほど長官からもお答え申し上げましたように、早速具体的な実施に入っていけるということで、そういった場合に、県と中央との連絡を従来以上に密接にやっていく必要があるではないかということで、連絡会議を沖繩の方に設けていただきまして、ここでそれぞれの責任者がお集まりをいただき、地方レベルの責任者と中央レベルの責任者との間にいろいろ意思の疎通を図りますための連絡を図る、連絡官の派遣というようなことも考えてまいりたいということで、連絡会議を設置していただくようにただいま計らっておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 県民の不安を取り除くと、県民要求にこたえてもらうと、これがねらいでありますので、そういう立場からひとつ最善の努力を払っていただきたい。  それで、時間もわずかでありますので、私はもう一問題、どうしてもお聞きしたいことがありますので、次のことについて、それぞれのお立場から、できるだけひとつ納得のいく結論を簡明に、それぞれの関係省庁から答えていただきたいんです。  まず、その関係省庁の具体的な実施計画、具体的な実施計画をどのようにいま持っておられるか。それで、それの裏づけ予算はどれだけいま計上しておられるか。こういう二点にしぼってひとつ明確にお答え願いたい。順序は申し上げませんが、関係省といいますと、総理府、開発庁、建設省、運輸省、警察庁、文部省、外務省、こういった省庁が関係になられると思いますので、よろしくお願いします。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 政府委員の方、ただいま喜屋武委員の御質問の趣旨、各省の政府委員の方、おわかりですか。——それじゃ室長から。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) 総理府は全体の連絡調整の事務を担当いたします経費といたしまして、二百五十万九千円、これが五十二年度予算として計上されております。

浅尾新一郎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(浅尾新一郎君) 外務省の関係いたしますのは、アメリカ軍との関係でございます。外務省といたしましても、事故防止の観点から、アメリカ軍の十分な協力が不可欠と、いうふうに考えておりまして、すでに昨年の十月の下旬、日米合同委員会におきまして、アメリカ側に対して、交通方法の変更に伴うアメリカ側としてとるべき措置について申し入れをしております。  内容としては、まず第一点として、施設区域内道路の信号及び交通標識の変更、第二点として、車両のヘッドライト、前照灯の調整、それから第三点といたしまして、米軍人、軍属、家族に対する交通方法の変更を周知徹底させてほしいということを申し入れてございます。  なお、予算関係は、外務省分は関係ございませんで、ゼロでございます。

山根孟建設省道路局企画課長

○説明員(山根孟君) お答え申し上げます。  建設省の関係いたします事業としましては、交通方法の変更に伴います道路関係の施設でございまして、交差点の改良の問題、それからバス停車帯の移設の問題、道路標識、これは右から左に変わりますと道路標識を変更する必要がございます。それから防護さくの移設等でございます。こういった施設につきましては五十一年度に調査をいたしまして、どういったところにどういう事業を行うべきかということを整理をいたします。これに基づきまして、五十二年度におきましては、二十六億六千四百万円によりまして、交通方法の変更を安全かつ円滑に行うように進めてまいりたい、かように考えております。

杉原正警察庁交通局長

○政府委員(杉原正君) 警察で受け持っておりますのは、交通方法変更のため必要な信号機、道路標識、道路標示、これのいわゆる安全施設の切りかえ事業、県民の皆さんに対します交通規制や指導取り締まりに関する広報の問題、安全教育並びに街頭におきます交通指導取り締まり活動、これが分担の対象になってくると思います。これは五十二年につきましては、既設の信号機等の安全施設の切りかえ、これはいま信号があるのにもう一本立てなきゃいかぬ、そういうふうな問題、それから啓蒙宣伝、これは交通の基本ルール等につきましての啓蒙宣伝でございます。それから端末で作業をやりますと、警察通信、特に無線の関係の不感地帯等が出てまいります。これを整備をしておこうというふうなことを考えておりまして、これの五十二年度予算総額は六億八千万ということでございます。

井上幸夫沖繩開発庁振興局長

○政府委員(井上幸夫君) 沖繩開発庁の担当いたします分野は、県民広報、県民等に関する一般広報と、設置法の規定に従いまして、道路施設の整備が沖繩開発庁の担当ということになっております。このうち道路の方は、沖繩開発庁所管の公共事業として一般会計に計上して、道路特別会計の方へ移しかえるということになっておりますので、内容は、先ほどの建設省の御説明と重複いたしますので省略させていただきます。

桜井勇運輸省自動車局業務部旅客課長

○説明員(桜井勇君) 運輸省といたしましては、営業用バスの改造、代替のための対策、それから自動車の前照灯のつけかえのための対策等を実施することといたしております。このため五十二年度、五十三年度の二カ年間にわたりまして、これらの対策の実施に要する経費につきまして、所要の補助及び財政融資を行う方針でございまして、五十二年度の予算案におきましては、営業用バスの代替対策といたしまして補助金十二億九千七百九十二万円、国庫債務負担行為四十一億八千六百九十九万円、財政融資十二億円、前照灯のつけかえ対策といたしましては補助金七億三千百三万円を計上しているところでございます。  なお、タクシーの問題がございますが、タクシーの対策につきましては、代替車両を確保するために必要な期間等から見まして、私ども五十三年度の問題と考えておりますけれども、ただタクシーにつきましては、車両構造上バスと異っている面もございますので、バスの対策とは違った面がございますので、今後、業界とも十分意見を交換しながら慎重に検討してまいりたいと、かように考えております。

遠藤丞文部省体育局学校保健課長

○説明員(遠藤丞君) 文部省におきましては、児童生徒等に対します安全指導、安全教育を担当することになっておりまして、そのために、直接児童生徒に安全指導をしていただきます学校の教員を集めて講習会を行う、あるいはその講習会に必要な指導資料を作成するということを五十二年度中に行う予定にいたしております。予算といたしましては約八十万円の予算でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま御報告なさった分に対してのまた質問もいたしたいのですが、児童生徒を含めた安全教育費、それから広報費、これ幾らですか、ちょっと。

遠藤丞文部省体育局学校保健課長

○説明員(遠藤丞君) 教員を集めましての講習会の経費、それを指導資料の作成経費、合わせまして八十万円でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ちょっぴりですな。これじゃももう、大安全教育は徹底できますかね、非常に不安ですよ。  それから、特に沖繩の特殊事情として膨大な基地があるということを申し上げましたが、私は生命にかかわる非常な不安感が県民にいっぱいありますのは、現在でさえも外人が、何といいますか、占領意識がまだありまして、酒気運転でぼんぼんスピードを上げて、事故がいまでも多いのです。それを変えた場合に果たして素直に聞いてくれるか、守ってくれるか、非常に不安なんですよ。そういうことで、特に外務省あるいは防衛施設庁、防衛庁も関係が出てくると思うのですが、このことを十分ひとつ警戒していただきたい。  それから施設内においてどうなるか。軍車両がどうなるかですな、軍車両もそれに準じて、軍のバスも、軍の車もそのように対処してもらえるのでしょうな、当然。どうですか。

浅尾新一郎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(浅尾新一郎君) 先ほど申し上げましたように、合同委員会において向こう側に申し入れてございますように、施設区域内の道路においても信号、標識等変えてほしいということを申しております。その前提としましては、施設区域内においても一般の道路と同じように交通方法を変えてほしいというのがわが方の希望でございまして、アメリカ側は、十月の時点に対して、できる限り協力するということを申しております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの時点でできる限り協力するというのは、どうも情けない回答だと思うのですね。郷に入れば郷に従えで、きちんと守りますと。できる限り協力というところに問題があるのですよ。そういう態度では、これはどうしても私は徹底しないと思っておりますから、そうおっしゃらんで、いいですか、できる限り、あとう限り、可能な限りやりますということは、要は根本的にはやらぬということですよ、裏を返せば。こんな不安な形で、あなた、一方的に国の至上命令で押し切られたんでは大変なことになりますよ。そこです、私らの詰めていきたい点は。  そういうことで、ひとつこれは繰り返すようでありますが、これは法のもとの統一ということで、国の一方的な都合によって変えさせられておるわけですからね。われわれ県民が好んでこれを求めたのではありません。敗戦の結果強いられて、そうして今度は国の一方的な命によって変えさせられるわけですから、これにかかわる費用の一切は国で負うべきという、これは了承しておられるわけですが、その一切のという中身に問題があります。たとえばタクシーの問題でも、いまタクシー業者が非常に騒いでおります。それから車に関係した自動車練習所の一連の施設も全部変わるわけでしょう。そうすると、その施設の費用は一体どうなるのか。それから商店街でさえも、三十年も定着した基盤において商売を始めて、それが変わった場合に大混乱が起こるわけです。これは大きな社会問題、経済問題になるわけです。こういったことも十分配慮してもらわないと、ただ右から左に変えればいいじゃないかという、そうは思っておられぬでしょうけれども、そういう形で押し切られるのではないかという不安がいっぱいある。  そこで、具体的な問題もまだありますけれども、どうしてももう一つただしていきたいことがありますので、十分にひとつ皆々様配慮していただきたい。特にその本部長であられる総務長官、ひとつよろしくお願いしますよ。  次に、対米放棄請求権についてお尋ねいたします。これはこの二月五日の国会における私の質問に対して、福田総理が、いまやっと沖繩県から要請について概況調査が出てきた段階であるので「速やかに概況調査をもとに処理方針を検討する、」こう明確にお答えになっておられます。そこで、概況をいまやっと受けたとおっしゃるが、その件数は何件か、補償要求額は幾らか、そのことをまず……。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○政府委員(亀谷禮次君) 先般の衆議院予算委員会で御答弁がありましたように、対米放棄請求権の問題につきましては、沖繩復帰後、防衛施設庁あるいは開発庁等、関係省庁が現地の概況と申しますか、いま先生御指摘のような内容についての詰めた調査をする必要があるということで、いろいろこの数年来調査をしてきたわけでございますが、現地の請求権補償団体からは私どもの手元に、総件数で申しますと十二万一千四百九十五件、請求金額で千百五十九億円余の要請文書をいただいております。なお、この案件とは別に、現在防衛施設庁の方に地元の漁業関係団体から漁業補償といたしまして、概略、約五百億円の海上における漁業制限区域によるところの補償請求という事案が提出されておる、こういうふうに聞いております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ちょうど次にお尋ねしたいと思っていた漁業補償にも触れられましたので、まとめてお尋ねしたいと思いますが、その前に、この「処理方針を検討する、」という総理のお答えですので、その処理方針は一応決まったかということで、結局処理をする窓口はどこか。それから処理をする、十分検討してもらうために審議会を設置して早急に検討してもらうべきであるという強い要望があります。そこで窓口はどこか、政府部内に審議会を設置されておるかどうか、また設置される意思があるかどうか、そのこと。  それからこれは前年との関連がありますので、そういう膨大な、これも三十年前後にわたるこげつきですから、でもこれはどうしても解決してもらわなければいけない非常にむずかしい問題ではあります、うるさい問題ではありますけれども、解決してもらうまではこれはしがみついて請求をいたします。そういう数多い、十二万件余の中でまずできるものはこれだという、去年来、これは漁業補償であるということで、それだけは抽出して早くやろうという意図が去年来あったわけですが、それがうやむやにされた、うやむやになっておる。ところが聞くところによりますと、防衛施設庁は何とか概算要求に乗せようとしたが関係省庁が聞かなかった。そこでその関係省庁は一体どこどこなのか、最終的に調整がつかなかった理由は何であるか、それをまず確かめたいと思います。そこでひとつこれはずっと去年からの関連もありますので、最優先に取り上げてほしいと思いますが、いかがですか。そこでこの処理方針に従って早くその処理分の結論を出してもらって、それに従って三十年余のこげつきを速やかに解決してもらいたいということを強く要望いたしまして、先ほどの質問にお答え願って、最後に総務長官の、開発庁長官の決意を求めて終わりたいと思います。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○政府委員(亀谷禮次君) 先生もよく御案内のとおりでございますが、いま申し上げましたように、この内容と申しますものが十万件余にもわたります個人のいわゆる請求権事案でございまして、何分にも非常に膨大でございますとともに、その請求の事案が、これまた先生も御承知だろうと思いますけれども、いわゆる入会権補償でありますとか水利補償でありますとかあるいは管理補償あるいはいま言いました漁業補償等、非常に広範囲の種目にわたっております。現在、先般総理が御答弁したということに関連してでございますが、これらの案件につきまして、先生も御案内と思いますが、相当部分は御本人の口述によるところのいわゆる申し立てである、それを受けた案件も相当あるわけでございます。これは別に証拠があるないということではございませんで、現実がそういうことになっているわけでございます。あるいはそういった問題外にも、いま申し上げましたような入り会いの補償等の御要求がございますけれども、こういった入り会いというものが、現実に沖繩の戦争中から戦後にかけまして入会権としての経済価値というものが補償の対象になるのかどうか、こういった非常に法的な問題も含めていろいろな問題があることも御案内のとおりだと思います。そこで私どもはいま関係省庁、当然この中には本土におきます過去のいろいろな事例、あるいは放棄請求権のもとになっております沖繩返還協定に基づきます返還の条約上の問題、あるいはいま言いました国内法規の問題こういった問題を逐次詰めていきまして、最終的にはそういった問題を整理した上で、政府としましてこれをどういうふうに具体的な処理として扱うか、その場合に、それぞれの事案についてどの省庁で具体的な予算化ないしは実施細目を受け持つか、こういう問題がその次に出てくるだろうと思います。そういったことをすべて含めまして、現在、開発庁あるいは防衛庁あるいはまた内閣審議室等関係機関で逐次協議を続けておるところでございまして、決してじんぜん日を延ばしまして問題の解決をおくらせるということは毛頭考えておりません。  いま御質問の最後にございました漁業補償の関係につきましては、細部の入り込みにつきましては、関係の防衛施設庁の課長が見えておるのでお答えがあるかと思いますが、私の承知しておりますところでは、漁業補償関係は、先生も御案内のように、現在の防衛施設区域におきます漁業制限区域との関係もございますので、防衛庁において調査をされたというふうに理解をしておりますが、いま、私が申し上げましたような基本的な施策の方針が決まった段階において優先的にこの懸案が解決されるものと、そういうふうに私は考えております。

窪田稔防衛施設庁施設部施設補償課長

○説明員(窪田稔君) お答えします。  五十一年度までに、漁業補償は、先生御存じのとおり、ほかの事案よりも調査は先行していまして、五十一年度にほぼ概況調査を完了しました。五十二年度において、一部、細部調査の必要がございますので、たとえば漁業の制限範囲の問題とか、制限頻度の問題等、調査しなければいけないものがございますので、他の請求事案と合わせて千五百万ほど概算要求をいたしております。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいま政府委員の方からお答えしましたように、何しろこの問題につきましては、十二万一千件というふうな非常に多くの要求がありますし、その中はもう各種類、非常にたくさんの種類が錯綜しておりますし、なかなか問題別に分けて処理していくのは時間を要することだと思います。思いますけれども、やらなくちゃならぬことでありますので、国会の答弁または陳情とか、そういうふうな入り口といいますか、窓口といいますか、それは沖繩開発庁、これを一本にしぼることにいたしております。そして内閣審議室におきまして各省庁との連絡をやる。なお、これがもう少し具体化してきまするならば、閣僚懇談会というふうなことになるかもしれませんけれども、いまのところではまだ関係閣僚懇談会をやるとかやらぬとかということは決めておりません。なお進行のぐあいを見て、そういうことになろうかと思います。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で喜屋武眞榮君の質疑は終了いたしました。関係政府委員の方御苦労でございました。     —————————————

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  ただいま、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。     —————————————

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 質疑のある方は御発言を願います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 交通問題について、特に自転車置き場の問題について、政府の見解並びに施策をただしたいと思います。   〔主査退席、副主査着席〕  自転車置き場の問題は、すでにもうかなり社会的な問題になっているわけですけれども、現在通産省の調べによりましても、約四千四百万台の保有台数があって、これは世界第二位、アメリカに次いで、という実態があります。一方では駅前などでは自転車置き場がなくて、やむを得ず放置されているという、こういう状況がありますし、これは全国市長会の調査によるものなんですけれども、調査できた市だけで三十万台が放置されている。で、一つの駅で数千台、東京なんかは大変多いわけですけれども、数千台が放置されているという状況があります。で、これは東京の町田市ですけれども、デパートで消火演習をやったんだけれども、結局、はしご車が入れなくて往生したという話があって、放置された自転車を一々どけて、それでやっとはしご消防車が入るというふうな状態がごく最近あったそうです。これは演習だったからよかったようなものの、実際にそういう事態が起これば、もう直接人命にかかわる大事故になるという、こういう実態があります。私がそういうことを申し上げるまでもなく、十分御認識になっていらっしゃるところだと思うんですけれども、この自転車置き場の問題につきましては、四十八年にたしか「自転車の安全な利用のための道路交通環境整備等について」、そして自転車安全利用計画が出されたわけですけれども、その後、そしてさらに自転車駐車場整備促進委員会というものが設置をされた。これが設置されてからもほぼ二年ぐらい過ぎているんではないかというふうに私は認識しているんですけれども、そういう状態になっていますが、やはりこういうものが設置されたりして以降、抜本的にこの自転車置き場の問題の対策が進められていないというふうに言わざるを得ないというふうに思うんですけれども、まず何としても早急にこの問題を解決していくという強い姿勢が総理府に求められていると思いますが、初めに長官の御見解を伺いたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) おっしゃるとおりにこの問題に関しましては、数年前から各種委員会並びに審議会で問題になっておるところでございます。おっしゃいましたように、三十万台が野放しになっておる。この前四十八年にこの問題を取り上げまして、モデル市というのをつくりまして、そしてそれぞれの各都市に自転車置き場設置ということをやってまいりましたけれども、なかなか駅前の土地が高価であるとか狭隘であるとか、いろんな理由もございまして、このモデル市の進行状況がそれほど思わしくはございません。で、なおきょうも山中先生からこういう御質問をいただくわけでございますが、この点につきましては、本当に道路交通上あるいは消防上、いろんな面の障害がございますから、総理府といたしましても、この自転車置き場設置、そしてまた自転車置き場に対する対策を十分に真剣にやっていきたいと、かように考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 一つは、いま私も三十万台ということで申し上げて、長官もそのようにおっしゃったんですけれども、この数字自体は、全国市長会が調査した四百五市で二千五百二十一カ所における放置台数が約三十万台と、こうなっていますね。これは全国的には大体どのくらいになるのかというのを調査なすっていらっしゃると思うんですけれども、どのくらいになるんですか。これはやっぱり一部でございましょう、この数はね。それが一つ。じゃ、まずお答えいただきましょう。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) 各市町村から詳細な報告を集めておるわけでございませんので、市長会の方でおまとめいただいているものをそのまま台数として私どもは使わしていただいておりますが、現実に放置問題が社会的な問題になっておるという認識でとらえられておるものは、大体三十万台というふうに考えてもよろしいんじゃなかろうか。そのほかにいろいろございますけれども、おっしゃるように、直ちに障害になっておるということではない、その程度のものを含めますと、相当な数に上るであろうというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それはね、私ぜひ、全国市長会のこれももちろん一つのあれのデータですけれども、総理府としても、対策室としても、やはり責任持った把握をなさるべきだというふうに思います。いま室長もおっしゃいましたように、社会的な問題になっているわけですから。そのことはひとつ要望して、調査もしっかりと進めていただきたいと思います。  それからもう一つは、いま総務長官がお答えになったんですけれども、これはやっぱりまだ何だかこれからやるというような感じでね。もうすでに先ほど申し上げましたように、四年前にそうしたものが設置をされたり、また二年前にすでに計画としては出されているものが、いま時点でもまだそういう同じような状況であるということは、私やはり怠慢を免れないんじゃないかというふうに言わざるを得ません。これは五十年の十二月の衆議院の交通安全対策特別委員会でわが党の平田委員が質問したことに対しても、当時の竹岡室長ですけれども、やはりいま総務長官がお答えになったようなのと同じような御答弁をなすっていらっしゃるわけで、結局五十年の十二月、五十一年、五十二年、一年数カ月もたっているにもかかわらず、相変わらずそのことについては何ら具体的な進展がないということは、私としては大変心外でもあるし、やはり政府の姿勢が問われるものだというふうに思いますけれども、   〔副主査退席、主査着席〕 要するに原因は何なんでしょうか。先ほど用地確保の問題で、大変狭隘でもあるしということがいろいろありました。だけど実際に調べてみますと、必ずしも用地がないわけじゃないんですね。私も全国すべてを調べたわけではありませんけれども、東京近郊かなりいろいろ調べました。必ずしも用地がないわけではありません。で、結局各省庁のいろいろ調整の問題もありましょうけれども、どういうところが主要な問題になっているのかということをひとつお聞かせいただきたいと思いますが。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) 私どもの方で専門の学者の方もお入りいただきまして、関係各省庁も担当者がオブザーバーという形で参加するというふうな形の研究会を実は昨年の四月から進めてまいりまして、自転車駐車問題についての基本的な原因は何か、今後どういうふうな方向で解決をしていく、べきかということについて、逐次論議を進めてまいりました。その間に、幾つかの現場につきましても、実態調査等を含めて御視察をいただいたりしてまいりまして、その間に得られましたいろいろな問題の中で、整理して申しますと、いま駅前広場というものが必ずしも十分な広さを持っておらないということが一つ。  それから、広場にかなりの需要が殺到しておりますために、地価が非常に高くなっておる。したがいまして、仮に空地があるにいたしましても、これを自転車駐車場という形で公共の施設として取得するためにはかなりの金が必要だという問題が一つ。  それから、鉄道側にも若干の空地があるんではないかと、現に見た目ではそのように見られる場所が幾つかあるということで、市町村の方から鉄道側にその貸与方を申し入れておりますところもかなりあるわけですけれども、実際には鉄道側の将来の拡幅計画、あるいは利用計画というようなものがございまして、それとの調整がなかなかつかないというような点が一つございます。それから、ただいまの自転車の放置状況は、ごらんいただきますように、広いところに全部雑多に一列に——一列といいますか、一面に並べてあるということでございますけれども、これをコンパクトに収容するといたしますと、かなり立体的な施設などを考えませんと、あれだけの広さのものをどこかに用意しようとしますと、大変な面積を必要としますので、そこで技術的に一方でいまいろいろそういった関係者に研究をしていただきまして、巻き上げ式と申しますか、立体式の自転車置き場をつくった場合に、その費用と自転車のいわゆる有料預り制度というものとの兼ね合いで、事業として成り立つかどうかというようなことも実は研究をしてもらっております。そういうことで、現在の時点では一つ技術的にもそういう問題が解決されておらない。  それからもう一つは、自転車需要というものが比較的新しい社会現象としてにわかに出てまいりましたために、今後、仮にある駅前で自転車駐車の問題を解決します場合に、いま出てまいっております自転車の台数だけを処理すればよろしいのか、それとも、もっとうまく管理してもらえるということになりますと、もっともっとその需要がふえてくるのかというような点の、何といいますか、背後にあります需要を生み出すもとの問題についての見通しというものが、実ははっきり立っておらないというようなことでございまして、いまあるものだけの処理で済むということであるならば、いま申し上げましたように、ある面積を確保して、そこに立体駐車場をつくれば、かなりのところが解決するんじゃなかろうかというふうに考えられますけれども、その辺は今後の都市政策なり、あるいは住宅政策、あるいはバス等の交通運輸機関の整備計画といったようなものとにらみ合わせてみませんと、どの駅に何台分の収容能力を確保すべきかというような点が、若干まだ決めにくい点がございます。そういったことで、いろいろ考えてみますと、新しい需要であるだけに問題がいろいろございまして、それらを一つ一ついま検討しておるというような段階でございまして、かなり手間取っておりますけれども、早急にある方向で解決したい。ただ、現実にそういうことで駅側と話し合って、かなりの用地を借りて現実に駐車場をつくっております。それは御承知のように、全国ですでに一千カ所以上、台数にしまして十四、五万台の自転車はそういうことで解決をいたしておりますので、全然進展をしておらないということではございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 で、その中の問題として、一つは、用地確保の問題が一つの大きな問題としていまも言われたんですけれども、それで運輸省にちょっとお尋ねしたいんですけれども、運輸省でもこれは四十八年ですね、鉄道監督局長の名前で、国鉄総裁に、自転車利用のための道路交通環境の整備等について、というものを出しておられます。協力を要請されているわけですけれども、実際にはただその用地が、いまお話があったみたいに需要が高いとか、それから狭隘であるとかというふうなさまざまな理由で、これは費用の問題も出てきて、これは後ほど費用の問題にも触れますけれども、そういうことで進まないという事例が多いということですけれども、私は、やはり改府のそうした方針にも基づき、実際の現実の問題を解決していくという観点からも、自転車置き場の問題は用地確保の上で、もう優先して行政指導を強化されるべきではないかというふうに考えていますけれども、そういうふうな姿勢でやっていらっしゃると理解してよろしいでしょうか。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) 四十八年に鉄監局長名で、可能な限り鉄、軌道用地の自転車利用への確保の要請をいたしたわけでございますが、鉄、軌道用地というのは調べてみますと、やはり鉄道の輸送力増強、都市交通の問題、非常にいまのところまだ混んでいるわけでございまして、そのために買っている土地でございますので、一見、現在あいているような状態でも、すぐに工事の計画があるというようなケースもございまして、なかなかうまくいっていないというような現状ではないかと思います。しかしながら、私の方といたしましては、地方公共団体からそういった御要請があれば、最優先でそういった問題については考えるように指導をいたしておるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それはぜひ、総務長官の御意見もありますし、姿勢も伺ったわけですので、運輸省もぜひともその用地確保については、自転車置き場はやはり最優先ということで取り組んでいただくということのお約束を果たしていただきたいと思います。  いま運輸省の方でそういうお約束をいただいたわけですけれども、私これ思うんですけれども、先ほどいろいろ皆さんから、これからどういうふうになるのかという問題だとか、住宅問題だとかとお話しありましたけれども、別に総理府に文句を言うつもりはないんですが、自転車振興みたいなものですね、つまりバイコロジー政策みたいなものは、政府がある意味ではかなり提唱したものなんですよね、そういう自転車問題その他も含めてね。そうだとすれば、私どももそれも否定するものではありません、自転車という問題についてはね。そうだとするならば、そういうことも含めて考えられなければいけないし、逆に言えばそうしたことも、住宅問題もありますけれども、そういうことも含めて駅前の自転車置き場の問題というのがいま大きな社会的な問題になってきているわけですから、ぜひそういう観点は個別に、ばらばらにそれぞれ各省の都合ということでなくて、やはり政府としてそうした大きな立場から、最優先に解決していかなければいけない課題だということで取り組んでいただきたいと思うんです。  具体的に一つの問題として、行政指導を強めていただきたいということの一つに、町田の例があるのでちょっとお尋ねしますが、これは小田急です、小田急の町田駅ですね、私も実際に住民の人たちと一緒に小田急に交渉に行きました。それで、これはどういう理由かわかりませんけれども、市の方と小田急側と自転車置き場をつくることについて、いま話し合いがついていないのでという理由で、小田急がせっかくつくった自転車置き場があるんです。あの駅のそばに、約二百台分くらいだそうです。それほど大きなものじゃないんですけれどもね、私も知ってますけれども。しかし、そこをすぐに使えるようになっているんですね。だけれども、それにもう鎖かなんかしちゃって、それで市と話し合いがつかないからという理由でもってそれを使ってないわけです。私は、こんなもったいない話はないし、市との話し合いは話し合いとして、ともかくとして、小田急でもってせっかくつくった自転車置き場ですから、それはすぐにやはり市民が使えるという状態にすべきだと思いますので、小田急は検討するというふうには言っておりましたけれども、市との話し合いということにかなり固執をされておりましたから、これはぜひとも運輸省でこの点についての使用可能な状況になっている置き場を使用するようにという問題と、そのほかにも、住民の方たちが具体的に小田急町田駅周辺で二カ所の空き地を市に貸すように要請をしたんですけれども、こういうことに関しましても、ぜひいまおっしゃいました基本的な姿勢から、強力な指導をしていただきたい、このこともあわせてぜひお約束をいただきたいわけですけれども、いかがでしょう。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) 具体的に調査をいたしたわけでございますけれども、第一点の自転車駐車場の問題は、これは町田市の方から貸与方の要請がありまして、貸与してその施設をつくったと、ところが、町田市の方で別につくるので要らないというような話になって、宙ぶらりんになっておるということでございますので、この辺は市とも十分相談をしてどういうふうにやるのか、十分やるように指導いたしたい、そういうふうに思います。  それから、第二点の用地の問題につきましては、調査いたしてみますと、いずれも鉄、軌道用地として必要な用地でございますので、一見使えそうな感じではございますけれども、これは緊急事態にどうしても一カ所は必要であるし、それから、二カ所はこれから工事をやる、輸送力増強関係の工事をやるので、資材置き場として当然必要だということでちょっとこれはむずかしいかと、かように考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 じゃ、一点目の問題については市との話し合いということで、市の方は全体的な計画でもって、この点についてはいま市が借り受けるというふうにはならないと、もし仮にそうだとすれば、せっかくできているものですから、小田急としてもそれは使えると、使用開始、つまり自転車置き場として開設をするように指導いただきたいというの、が私の一つの趣旨なんですけれども、その点はぜひそのように指導していただきたいと思いますが、市との話し合いはともかくとして。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) その問題につきまして私ら自転車駐車場、これは専門ではございませんので、市としてまだ別なところに設けますので、そこら辺との関係でどういう使い方がいいのかという議論もあろうかと思います。したがいまして、十分市と話をしまして、市の要請に従ってそれをやるべきであろうというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 ちょっともう一つだけ、それじゃその問題ね。市の方は別にということはあっても、そこにせっかく小田急がつくったわけでしょう、とにかく。だったら、それはいますぐにでも、駅のところにみんなもう放置されているわけだから、二百台だけでもそれがすぐ使えて、あとの問題はあとの問題として総合的に解決できるわけでしょう。そういうことは指導できるわけでしょう。私はそういう住民の切実な陳情をいただいておりますしするので、運輸省として指導するということはできるんじゃないですか。市との話し合いはまたもちろんやってもらうと、だけれども、当面そのできているものが鎖でもって締めて使わせないで、開設しないであいているなんてこんなもったいない話はないし、そして片方で自転車が放置されているという状態なんですから、いま運輸省にそれを約束せいとは私は言いませんけれども、少なくとも運輸省としてそういう観点からも考えよという指導をされたいと、こういうことです。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) 私ちょっとよくわかりませんので、市がどういう御意向でこんなかっこうになっているかは私もよくわかりませんので、こういったことは本来ない方がいいだろうと思っていたものですからね。しかし、市は市の考え方があって、あるいはもっとこれ一カ所数が少ないものですから、非常にまあ逆に混雑するから困るというようなことを言っているのかどうかよくわかりません。そういったようなことで市の意向に、十分市と調整してやるべきものはやるんだということでいきたいと、かように思いますんで、私がまあこれ、本来こういった市の交通の問題は市の問題ですから、私らが自転車置き場をここに設けるべきであるということを鉄道事業者に申し上げましても、市の方が困るというようなことであればちょっと困るわけでして、十分市の言うことを聞いてよく話し合ってやってくださいという話をしたいと、かように思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 これは私は小田急に指導してくれと、市にという意味じゃないんですよ。要するに市は何もそれ使っちゃ困るなんて言っていないわけです。小田急が使えばいいわけです。市としては借りないというふうなことになってきているという関係があると思いますので、その辺はそういうことも含めて本来せっかくつくったものが使われないでいるような状況というのはまあない方がいいというお話でしたので、まあおわかりいただけたと思いますので、そういう観点で小田急に対する、民鉄事業者に対する指導ということを私申し上げていますので、その点は誤解のないようにお願いいたします。  それから、財政問題があります。この問題は国鉄もある程度割引をされていらっしゃるようなんですけれども、地方自治体でもいまいろいろと財政危機ということで大変だというのが一つの大きな悩みになっていますから、何とかして国鉄、私鉄も含めて、民鉄も含めて、地方自治体にもっと安い値段で貸与することができるように、貸すことができるように、一定の基準を設けて指導をされたらいいと思っておりますけれども、そういう御用意はあるでしょうか。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) 非常にたてまえ論を申し上げて失礼でございますけれども、実はわれわれの方で調査いたしてみますと、大体郊外駅の利用者のうちの三%から数%、非常に数は多いといいましても放置自転車の台数はその程度でございまして、本来鉄、軌道用地というのは余ればこれはできるだけ有効活用いたしましてその分だけ運賃を抑える、一般の利用者に還元するというのが筋ではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。実は日国法でもそういうことで高度利用を図りまして、できるだけそういったことで国鉄の財政再建を図りたいと、かように考えておりますわけでございますので、一般的な基準によりまして安くさせるということは、そういった意味からもたてまえ上ちょっとむずかしいんじゃないかというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 一般的な基準から安くさせないということになるならば、一般的な基準で貸与するようにしているのだと、こういうことですか。一般的な基準というのは、それはどういう意味でしょうか。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) 価格の問題につきましてはいろいろ地方公共団体との関係がございまして、たとえば鉄道事業者が鉄道事業の反面、利用者の発生源、たとえば住宅団地をつくっているようなケースもあるわけでございます。したがいまして、地方公共団体といろいろな関係がありまして、それに応じましていろいろ価格が決まっているのだというふうにわれわれ考えておるわけでございまして、おのおの話し合って価格を決めていただきたい、さように思っているわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それは最初からおっしゃっているような、そういう社会的な問題になっている中身であるから、安くといったって、どこまで安くということはそれはいろいろありましょう。国鉄だっていまそんな、そのときの駅周辺の地価と同じ値段で貸しているわけじゃないんでしょう、と私思いますけれども、そんな高い値段で貸しているんでしょうか。私の申し上げるのは、そういうことをもっとやはり地方自治体が借りやすいように、その程度の問題はいまここで申し上げませんけれども、なるべくそういうふうに、運輸省が言われる経営との関係というものもそれは出てきましょうけれども、基本的にはやはりそれは鉄道を利用する人の問題ですから、だからなるべく安い形で全国的な民鉄も含めた基準をやはり運輸省として出すという方向にいずれ持っていかなければ、なかなかそれは問題はありましょう、そういうふうに思ってお尋ねしているんですけれども、いかがですか。

植村香苗運輸省鉄道監督局総務課長

○説明員(植村香苗君) 先ほど申し上げましたように、確かに自転車駐車場につきまして仮に鉄道事業者が用地をただで提供したということになりますと、それは原価を持っているわけでございますから、その分は全体の一般の利用者の負担が高くなるという理屈になるわけでございまして、したがいまして、現在の鉄道利用者のうちの三%ないし数%の利用状況でございますので、こういった人たちのためには非常にそうすればためになるわけでございますけれども、反面その他の利用者には負担増になるということで、われわれとして一般的な基準によってそういったことをどう処理するべきかということは、非常にむずかしい問題ではなかろうかというふうに考えております。  ただ、実際には現実に民鉄業者の中では無料で提供しているケースも実はあるわけでございまして、こういったものを調べてみますと、住宅団地をつくっているようなケースがありまして、実際は自分のところの宅造した利用者がお使いになるというような場合には、そういったケースでやっておられるケースもあるというようなことでございまして、一般的な基準というものをつくりましてわれわれ指導するということは、その他の利用者が負担増ということも考えまして、非常にむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私はいずれにしてもこれはさらに大きくなっていく問題ですから、いまから運輸省がそういう姿勢で一般的な基準を設けないという姿勢じゃなくて、やはりそれはそういうことも含めてやっぱり検討していかなければならないような事態に、当然将来なるということは見越すべきだと思うんですよね。  総務長官いかがですか、私はその点については運輸省のそういういまの姿勢でいれば、将来やっぱりまた混乱を引き起こしてくると思うんですけれども、大まかなお考えで結構です。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) いま運輸省の政府委員の答弁、理屈としてはそうですが、もうすでに社会問題になっておりますし、今後またますますこの問題を放置すれば大きな問題になっていくと思いますから、その辺は市当局に対して、いまの鉄道事業者が、国、民間を問わず適切な、やはり公共事業といいますか、そういう意味も加えてこれはやっぱり価値判断をしなければならぬ、私はかように思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 総理府の方でやはり一つの調整役をやっておられるわけですので、ぜひそういう方向で御努力もいただきたいし、運輸省としてもそのように御検討いただきたいと思います。  それからもう一つは用地費の問題に関しまして、いまのことも関係しますけれども、私ぜひとも国庫補助をするべきだと思っているんです。で、調査しましたところによりますと、いわゆる国道に面しているというか、国道に続いている自転車置き場、それから自転車道ですね、自転車道と一体になっているような置き場、こうしたものについては二分の一の国庫補助がつくということですので、まあ時間がもう余りないので、ぜひとも基本的な姿勢で結構ですけれども、将来自転出置き場について国庫補助を検討していただきたいし、まあできればその国庫補助も市長会の皆さんなんかが要請されていますように、三分の二に引き上げていただきたいというふうな陳情もございますので、ぜひこの点についての前向きの御検討をいただきたいと思いますが、一つは建設省と、それから室長からもお考えを伺いたいと思います。

渡部与四郎建設省都市局街路課長

○説明員(渡部与四郎君) 先生のおっしゃった御質問は、単独の自転車駐車場の問題ではないかと思いますけれども……

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 はい、そうです。駅前ですね。

渡部与四郎建設省都市局街路課長

○説明員(渡部与四郎君) 私たちがやはり公共サイドからこれを補助するという立場から言いますと、通勤交通とか、通学交通とか、そういう方々の便宜を図るいわゆる駐車場をつくらなくちゃいかぬと、まあそういう立場で考えておりまして、それらにつきましては都市計画事業として行う場合は、駅前広場の整備の一環として、施行者が必要と認めた場合には設置してもよろしいというふうに私たちも指導しております。現にまあ全国で五十九カ所駅前広場やっておりますし、普通の予算の伸びよりも一・五倍——平均が一・一五倍でございますけれども、駅前広場については一・五倍程度予算をつける予定で努力しているわけでございます。これについては三分の二の補助がございます。  それから、さらに五十二年度から、先ほど先生おっしゃったように、駅前地区というのは、駅前地区を利用したいろんな商店街とか何かも自転車を使うわけでありますし、本来そこにおいては非常に地価も高いし危険も多いわけでありますので、現在の公共ストックを利用して何とかうまくその地区の整備ができないか、活動を何とかいまより盛んにできないかという意味で、実は五十二年度からですけれども、総合都市交通施設整備事業というのを運輸省、警察庁の御協力のもとに、道路整備、歩行者空間の確保、総合的な交通体系を内容としたものでございますけれども、そういうことでいわゆる再編成をするというふうな立場はやはりありますけれども、その中でいまの問題も解決したい、そういう場合については自動車駐車場については附置義務制度に基づくいろんな条例によって取り締まりができています。それと同じようなことを寮長さんを中心とした協議会の中でいろいろ議論をしていただきまして、いわゆる建物に付着する自転車についてはそういう形を検討していただくということで、総合的にやはりやらないと、なかなかうまくいかないんじゃないか。そういう意味で、これは事業の当初でございますので四カ所を一応予定しております。これはひとつ大いにこれから伸ばしていきたいということでございます。この補助率は二分の一ないし三分の二の補助でございます。まあそういうことで、単独の自転車置き場の問題については、私が申したように、公共サイドとしての考えた理論としては、やはり公共施設とシステム的に連絡しておいた方がより使いいいという立場も考えて、そういう中でこういったものを整備すると、そういう単独ではなくて、システム的なものとして考えていくと、こういうふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 はい、わかりました。  何か時間が足りなくなってしまったので……

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) いいです。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 いいですか。  いまのちょっと、建設省のお答えによりますと、そうしますと、私が伺いたいのは、駅前の自転車置き場に対して、将来国庫補助というものは考えられるんだと、いま検討されているんだと、その整備計画の中で。そういうことなのかどうかということが、ちょっといま複雑なお話だったんで、わかりにくい面があるんですけれども、そういう道が開けるのかどうかということですね。そのことを重ねてちょっと御答弁いただき、それから室長に御見解を伺いたいと思います。

渡部与四郎建設省都市局街路課長

○説明員(渡部与四郎君) 駅前広場として一体的に行う場合はすでにやっておりますし、そのことでやるわけでありますけれども、これからもやるわけでございます。新しく駅前地区という地区をとらまえた面的なものとして、車と人を分離しながら、自転車の置き場をシステム的に整備するという事業につきましては、五十二年度から始まる事業でありますので、その中ではいろんな総合的な見方も加味して、自転車駐車場の対策に当たりたいと、こう思っておるわけです。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そういう道が開けるわけですね、国庫負担のね。

渡部与四郎建設省都市局街路課長

○説明員(渡部与四郎君) はい。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) 先ほどからも申し上げましたように、自転車の問題というのは新しい行政需要でございますために、財政措置等制度面での手当ては十分でございません。御指摘のとおりでございます。したがいまして、ただいまも説明がありましたように、道路または都市計画というような関連事業の中で措置する分につきましては、補助等の道が開かれてまいりましたけれども、単独にやりますような場合の措置がほとんど手薄でございます。したがいまして、今後それらの面につきましても私どもとしては前向きに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それじゃもう一問だけ。  それでは、ぜひそのように事態の解決を図るためにお取り組みいただきたいと思います。  それで、最後に総務長官に。先ほどのその提言という問題がこの前たしか交特委員会で安武議員の質問に対しまして、三月中にですか、それが出るというお話だったんですけれども、これは大体いつごろ出て、どのように具体化されていくかというのが一つです。  それから、ちょっと一緒に質問させちゃってください。これは別な問題なんですけれども、警察庁にお伺いしたいんですが、全国の身障者の方から——別な問題で恐縮です、一緒に申し上げまして。いわゆる身障者マークというのを身障者の方の運転する車につけるということを全国的な基準でもって措置もし、指導もしてもらいたいと、こういう陳情があるんです。理由は何も申し上げる必要はないと思います。別に希望しない人にまで義務的につけさせる必要はないと思うんですけれども、それはやはり安全という観点からぜひそういう方向でもって対処していただけるものじゃないかというふうに思ってもおりますし、また、一般のドライバーに対する安全教育ですね、その中にそうしたことをはっきりさせて、事故を防ぐと、身障者の方たちの安全を図るということに努力もしていただきたいと思っておりますので、お二方から続けて御答弁いただければありがたいです。

室城庸之内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○政府委員(室城庸之君) 安武議員に私からお答えいたしておりますので、引き続き私からお答え申し上げますが、先般お答えいたしましたのは、私どもの方でやっております自転車駐車場整備促進研究会というのがございまして、そこでまあ学者先生を含めていろいろ関係者が集まって研究を進めてまいりましたが、一応年度内に学者先生の委員会に対する提言という形で、先生方のお考えを委員会にぶつけていただくというものをいただくようにお約束してまいりまして、これはようやく出てまいりました。したがいまして、それをいま整理をいたしておりますので、近いうちに何らかの機会をとらえまして、これを先生方の提言の趣旨ということで、まあ公開すると申しますか、皆さんにごらんいただけるような工夫をしたいと思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 はい、わかりました。

杉原正警察庁交通局長

○政府委員(杉原正君) 先ほどのお尋ねの件につきましては、二点の側面があると思うんですが、一点は、御案内のように、身障者について非常に私どもも運転免許を取ることについて、いろんな車の構造その他を変えることで何とか運転をさしてあげたいということで、いろいろ特例を設けて、かなりの数ドライバーになっておられるわけですが、ただ、この試験そのものというのは決して低いあれをしているんじゃなくて、非常に一般の人と同じレベルにして送り出しているということでございますので、一般の方以上に非常に事故率が——もう皆無と言っていいぐらい事故がないんです。で、そういう意味では必ずしも身障者の方は運転が危ないというぐあいには私ども考えておりません。それで、そういう面が一つと、それからもう一つは、その身障者の中でぜひどうしてもつけさせてほしいという申し出のある面がある反面、そんなものつけるのいやだと言われる団体もまたあるわけでございまして、もうそういうつけさせてほしいという、全員がそういうことだというところにつきましては、大分と長野、この二県ではもうすでにそういうのをつけて現実に走っております。  身障者について一番の問題は、そのことよりもむしろ駐車禁止の場所について駐車をさしてほしいという希望が非常に多く、われわれも当然だと思います。それはもう全国的に全部特例で認めて、身障者については認めているという形になっております。だからそういう点につきましては、個々の団体なり何なりの意向を十分聞きながら措置してまいります。

岡田広自由民主党

○主査(岡田広君) 以上で、山中郁子君の質疑は終了いたしました。  他に御発言もないようですので、内閣及び総理府所管の質疑はこれをもって終了いたしたと認めます。  これで、本日は散会いたします。     午後四時三十一分散会      —————・—————

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