予算委員会 第19号
- 発言数
- 450 件
- 登壇者
- 49 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/12
会議録
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総予算三案審査のため、本日、日本銀行副総裁前川春雄君及び佐久総合病院院長若月俊一君の両君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、分科会に関する件についてお諮りいたします。 分科会の日数は、明十三日及び十四日の二日間とし、分科会の個数、所管事項、分科担当委員数及び各会派への割り当ては、お手元に配付いたしましたとおりとすること、分科担当委員の選任は前例どおり委員長の指名並びに分科担当委員の変更につきましてはその取り扱いを委員長に一任すること、分科会におきまして参考人の出席を決定いたしましたときはその取り扱いを委員長に一任すること、以上のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、昭和五十二年度一般会計予算 昭和五十二年度特別会計予算 昭和五十二年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 それでは、これより一般質疑に入ります。矢原秀男君。
○矢原秀男君 まず、お伺いをいたしますが、いま問題になっております日ソ漁業交渉の推移は国民にとってもきわめて関心のある問題でございます。本委員会におきましても再三議論をされておりますけれども、私は政府の明確な態度が示されていない、こういうふうに感じるわけでございます。現在、ソ連との交渉中で、微妙な点もあることは十分に理解をできますけれども、昨日の鈴木・イシコフ会談の結果並びに政府の見通しについての考え方をまず明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ただいま御質問がございましたが、外務大臣が答弁するのが当然であろうと思いますので、私は私のお使いしましたことについてお答えするつもりで参ったわけでありますけれども、せっかくの御質問でありますからお答えをいたします。 まず、お答えする前に、今度の問題、私の出発に際して、各党の方々から御激励、御援助をいただき、国民一斉の御激励をいただいたことを深くこの席を通じて御礼を申し上げて答弁をいたします。 鈴木・イシコフ会談は、鈴木農林大臣が到着した翌日の十時半から始まりまして、第一回、きのうが十時半からの予定が十一時、日本時間で五時でございます。これから再開をいたされました。そこで、これは単独で会談をいたしております。単独で会談いたしておりますのは、鈴木・イシコフ会談は、三月三日の書簡によって合意に達したわけでありまして、その後状態が厳しくなりまして中断されたわけでありますから、その合意された書簡を起点にして話をするのには、鈴木と当の責任者であるイシコフさんと、二人で話した方が交渉がうまくいくだろうと、こういうわけで、外務省その他とも相談をして単独会談をやったわけであります。 ソ連の方でも、いろいろ厳しい中にも友情と理解は示されて、鈴木・イシコフ会談直後、土曜、日曜というのは、ソ連は大体仕事をやりませんが、土曜、日曜も詰めて懇談の折衝を重ねてくれたわけでありますが、きのうの会談でも、依然として最後に残ってまだ妥結をしないのは、四島周辺水域の問題の取り扱いについて両方から主張したまま、まとまりはつかぬわけでありまして、他の問題については大体見通しがついて、事務的折衝を進めておる段階でございます。 〔委員長退席、理事園田清充君着席〕
○矢原秀男君 では、現時点での政府の見解を具体的に二、三お伺いしたいと思います。 一つは、日本の十二海里内のソ連漁船の操業は正式に撤回されたのかどうか、この点について。
○国務大臣(園田直君) いまの問題については、昨晩の電報によりますと了解がついたようでございます。
○矢原秀男君 二点目には、イワシとスケトウダラの関係でございますが、このバーター方式は、具体的な話し合いの場にどういう形で上がっているのか、お願いいたします。
○国務大臣(園田直君) 昨晩の電報は、会談の要旨だけでございまして、具体的なことはまだ報告ございませんけれども、私が鈴木農林大臣と出発前に話したことによりますと、いま仰せられたとおりバーター制を原則として、その細部は顧問団の折衝で詰めていくと、こういうことでございます。
○矢原秀男君 第三点は、先ほどもあなたから答弁がございましたが、重ねて伺っておきますけれども、北方領土周辺水域の扱いはどうなっているのか、重ねてお伺いいたします。
○国務大臣(園田直君) この取り扱いが一番むずかしく、しかも微妙な問題でありまして、私が参りましてコスイギン総理と会ったときにも、第一点は、鈴木・イシコフ会談の継続再開、それからもう一つは、両方とも漁業専管の大臣でありますから、漁業問題について交渉を継続すると、こういうことも、その問題が微妙でありますから、そういう表現で領土には一切触れずに帰ってきたわけでありますけれども、農林大臣とイシコフ大臣との間にお互いに主張し合ったままでございますから、微妙でございますが、日本政府としては領土は断じて譲らない、そして漁業問題は解決すると、この基本方針のもとに交渉を継続いたしております。
○矢原秀男君 ソ連の閣僚会議決定を受け入れることは、将来北方領土に対するわが国の領有権要求の根拠を失うことになるのではないかと思うわけですが、この点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(園田直君) 御質問のとおりに、ソ連の閣僚会議決定後に示された四島周辺の扱いをそのまま認めることは、領土問題について、将来平和条約締結の際に支障があると考えております。
○矢原秀男君 先般総理は、北方領土は譲れないという立場をはっきり言っていらっしゃるわけですが、そうすれば、北方水域の扱いは、将来の日本の領土権主張を妨げないことを明確にする必要等があると思うわけでございますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(園田直君) 御意見のとおりであると考えますが、いかなる表現でいかなるようにまとめるか、非常にむずかしい問題と考えております。
○矢原秀男君 官房長官と総理の、閣僚会議決定が北方領土の線引きに言及しているかどうかで見解が違っているように私感じるわけでございますが、政府の統一見解と、それから政府部内の意見の食い違いをどういうふうにあなた方は考え、そうして反省をしているのか、この点について伺います。
○国務大臣(園田直君) いまの問題は、一つの新聞に、私の発言を総理否定と、こう書かれたわけでありますが、総理は翌日、君の発言とおれの発言が食い違っているわけではないと、こういうことでございますが、少し簡単に説明を申し上げますると、私が羽田の記者会見で申し上げたのはこういう意味でございます。 幹部会議から閣僚会議決定は、四島の名前とソヴィエト海峡という表現で言っておるけれども、実際の線の引いたものは来ていないと、こういう発言をしたわけであります。だから私はよいと言ったわけではなくて、しかしそういうことではあるけれども、今日ほど領土について国民一致の意見で、しかも漁業も大事だが領土を譲ってはならぬという意見がある間は、この問題については何らかのことをやっておかなければこのままではいけないと、こういう発言でございましたので、見出しが違いましたけれども、内容は総理と私の意見は決して食い違っておりません。御了解をいただきたいと思います。
○矢原秀男君 では次に物価問題に移ります。 ちょうど季節の春でございますけれども、諸物価の値上げ旋風が、国民の台所を直撃しているのでございます。まあ値上げの春というわけでございますが、先般、総理府統計局の発表によりますと、三月の東京都区部の消費者物価指数は、前月比〇・五%の上昇を記録したのに伴い、前年同月比上昇率で九・三%の大幅上昇となっております。同時に発表された二月の全国消費者物価指数は、前年同月比で九・二%となっておりますけれども、仮に三月の全国指数が東京並みに抑えられたとしても、本年度末三月では、前年同月に比べて九%ラインを微妙に上下するであろうことは明らかでございます。そうなりますと、政府の物価抑制、これに対する目標達成は不可能になるんではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、これらについてどのように考えていらっしゃるのか。
○国務大臣(倉成正君) ただいまお話しのように、現在出ております数字は東京都区部の三月の数字でございまして、これは前年同月比九・三%ということでございます。全国の指数はまだ出ておりませんが、衣料費が東京都よりも若干低目に全国は出るという傾向がございますので、全国の指数はこれより若干下回るのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。それにいたしましても、政府が当初見通しました数字は、四十五年の指数を基準とした指数でございまして、九・三%を四十五年の指数に直しますと大体八・九%程度ということになろうかと思います。政府の当初の見通しは八・二%というのが四十五年基準指数でございます。五十年指数では八・六%ということでございます。したがいまして、政府の見通しよりも若干上回るということはもう間違いないことになっておるという現況でございます。きわめて遺憾に存じておる次第でございます。この理由は、御承知のように、ことしの一月、二月の異常寒波ということで季節商品が非常に大きな値上がりをいたしたということが一つの大きな原因でございます。それから、この八・九%の中で公共料金の占める比率はおおむね二・六%程度というふうに考えておるわけでございまして、当初われわれも、狂乱物価時に抑えました公共料金を五十一年度と五十二年度にわたって調整をしていくということで考えたような次第でございます。そういうことでございます。
○矢原秀男君 別な角度から質問いたしますが、政府は五十二年度の、これは経済見通しの方でございますが、実質成長率六・七%について、この達成の自信があるのか、これが一つ。で、もし落ち込めば、その責任の所在というものはどうするのか、この二点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(倉成正君) 五十二年度の政府経済見通しにおきまして、私どもは六・七%の実質成長ができると、そういう見込みをいたしておるわけでございまして、これは、輸出は五十一年度より若干落ちるけれども、他の需要項目であります個人消費、設備投資、あるいは住宅投資、在庫投資、さらに財政支出を特に需要創出効果の大きい公共事業に重点を置きまして、財政支出の中の資本支出を前年比一五・九%と、実額にいたしまして十八兆二千五百億というものを計上いたしまして六・七%の成長を見込んでおるわけでございます。したがいまして、この目標達成のためにあらゆる政策手段を動員いたしまして全力を尽くす所存でございます。
○矢原秀男君 現在円高が続いておりますけれども、その原因及び景気に対する影響。それからもう一つは、円高により原材料が安く輸入されているはずでありますけれども、消費者物価にどのように影響するのか、また、その実態はどのように調査をされているのか。この二点お伺いします。
○国務大臣(倉成正君) 現在の円高、二百七十二円前後で推移しておるわけでございますけれども、これは輸出が非常に好調であるということが原因であろうかと思います。これは御承知のように、為替相場の決まるのは需給関係で決まるわけでありまして、輸出が好調でありますと、したがいまして円高という現象が出てくると。そのほかいろいろ、一ころは欧州の通貨不安であるとか、そういう問題がございましたけれども、基本的にはそうではなかろうかと思います。しかし、長期的に見ますと、やはり両国の経済力と申しますか、卸売物価というものが一つの基準になるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 この円筒によりまして外国から入ってまいります原材料の価格は下がるわけでございまして、石油を初めその他の原材料が下がってくる、これは卸売物価に影響してくるわけでございます。したがいまして、この円周によって受けました利益というものを、これをできるだけ消費者に還元するようにいたしたいというわけでありますが、そういう資本財、外国から入ってまいります資本財については需給関係で決められてしかるべきものじゃなかろうかと。ユーザーと、それから供給者との間で価格が決まっていくと思うわけでありまして、これらのユーザーというのは非常に大きな力を持っておりますから、大体円高というものを十分見ながら価格交渉に当たると思うわけでございます。しかし、消費財の方は、なかなか消費者が細かい商品の知識も持っておりませんし、また同時に対抗力もないということでございますから、私どもといたしまして、かつての円の切り上げ等の時期の経験に照らしまして、各消費物資につきまして追跡調査をいたしまして、できるだけ消費者に還元できるように努力をいたしているところでございます。
○矢原秀男君 ぜひ追跡調査も実のあるものにしていただきたいと思います。 三月十一日に決定した景気対策四項の内容及びその対策に至る背景と見通しはどうなのか。それから五十一年度において実施した景気対策の効果を、現在なお回復していないことから、どのように考えていらっしゃるのか。この二点お伺いします。
○国務大臣(倉成正君) 三月十一日に四項目を発表いたしましたが、ちょうどこのとき、政府といたしましては月例経済報告を提出いたした次第でございます。この報告の中におきまして、景気は基調としては回復過程にありますけれども、いま一息はずみをつける必要があるという判断をいたしまして、四項目というのを決定したわけでございます。 〔理事園田清充君退席、委員長着席〕 この四項目の中身については、もうすでに御承知のとおり、一つには、五十二年度予算が成立しましたら、これを前倒しにいたしまして上期に七〇%の契約を実施をすると。これは一般会計のみならず特別会計等についても同様のことでございますし、地方財政についても同じことを要請するというのが一つの柱でございます。 それから住宅につきまして、四月中に九万戸の個人住宅についての募集をするということも挙げておるわけでございます。 それから金利政策につきましては、金利の低下ということで、同日の午後、御案内のとおり公定歩合〇・五%が日銀政策委員会において引き下げが決定になったわけでございます。 それから、民間の設備投資を促進するということで、電力を初めとする民間の設備投資の促進ということをうたっておる次第でございまして、予算成立後、直ちにこの四項目の線に従って、公共事業等については施策を進めますとともに、電力等につきましては電源開発審議会等を開きまして、すでに百六十万キロワットの基本計画繰り入れも決定いたしたところでございます。
○矢原秀男君 三月の十一日に公定歩合が〇・五%引き下げられたわけでございますが、これに関連して三点だけ質問をいたしますけれども、一つは、その理由及びタイミングは適切であったのか。第二点目は、景気対策四項目に、市中貸出金利の低下を促進とありますけれども、公定歩合引き下げと関係し、今後はどうするのか。第三点は、今後景気回復がおくれたときは再引き下げをするのか、その場合の条件の時期はどうか。けさの新聞によりますと、日銀は五月の中旬にも公定歩合の再引き下げをすると、そういう可能性があると言っておるわけでございますが、この点はどうなのか。三点だけお伺いします。
○国務大臣(坊秀男君) 公定歩合につきましては、先般〇・五引き下げをやりまして、それから、要求払いの預金につきましても、これを私の方で発議いたしまして利下げということに相なったわけでございますが、いま、その結果どういうふうになっていくかということを慎重に見守っておるというところでございまして、今後どういうふうに持っていくかということにつきましては、そのときの金融情勢、経済情勢といったようなものをながめて、そうして適切なる方途に出たいと考えておりますので、今日これからどうするかということにつきましては、ここで御答弁を申し上げることはちょっと困難な状態でございます。
○矢原秀男君 五十一年度の消費者物価の上昇率が目標を上回ったと聞くわけでございます。実績と目標及び目標を上回ったという理由をお伺いしたいと思います。 もう一点は、五十一年度の卸売物価についてはどうなっているのか。それから、円高基調とどのように関連をしているのか。この二点お伺いします。
○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。 まず、消費者物価指数でございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、全国指数はまだ出ていないわけでございますが、東京都の指数が三月九・三%ということで、年度中の上昇率でございます。で、これは旧指数の八・二%の目標に対して八・九%程度になるのではなかろうかということで、この点がわれわれの見通しと食い違っているということを率直に申し上げざるを得ないわけでございます。ただ、これは年度中の上昇率でございまして、非常に季節的な条件によって影響を受けるわけでございますが、年度平均の上昇率ということになってまいりますと、新指数でとりますと、全国年度平均の上昇率は九・四%という政府見通しをいたしておるわけでございますけれども、恐らく実績も九・四%になるということで、年度平均の見通しということでは政府見通しは狂いがないというふうに御理解いただきたいわけでございます。 それから、卸売物価の方は、円高が非常に響いておりまして、これは一つは、円高のみならず稼働率が非常に低いということも一面ございまして、政府見通しよりも下回ると、こういう見通しでございます。
○矢原秀男君 いずれにしても消費者物価に対する円高の影響、卸売物価との関連、特に卸売物価は鎮静をしながらも消費者物価は予想を上回っている。こういうことについてはもう一度見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(倉成正君) 長期的に見ますと、卸売物価の下落ということが消費者物価に影響を及ぼすということは御指摘のとおりでございますけれども、御案内のとおり卸売物価はすぐ円高が価格に響いてくるわけでございますけれども、消費者物価というのはこの卸売物価の資材をもととして生産をされ、そして流通関係を経て消費者の手に渡るわけでございますので、すぐその円高が、完成品を入れる場合にはすぐ響きますけれども、それ以外の場合にはすぐ響かないということでございます。したがって、卸売物価ほど円高がすぐ消費者物価に響くという関係ではないということでございます。しかし、われわれとしては、何とか、この円高傾向が継続するということになれば、これを消費者物価にどうやって還元できるだろうかということで、先ほどお話ししたような追跡調査をいたしているということでございます。
○矢原秀男君 五十一年度における消費者物価の上昇に占める公共料金の割合は幾らか。二点目には、上昇率が見通しを上回った原因は、公共料金の値上げにその主な原因があることが明らかであると思います。あわせて本年に予想される値上げ、これはどのようなものがあるのか。
○国務大臣(倉成正君) これも先ほどお答え申し上げましたとおり、五十一年度の八・九%、四十五年指数の八・九%の中に占める公共料金の比率というのは二・六%程度と思います。さらに新指数で九二%前後になるんじゃなかろうかと思いますが、これに占める公共料金の比率というのは三%前後だというふうに考えておる次第でございます。 当初の見通しを上回ったかどうかという問題でありますが、私どもはこの狂乱物価時に公共料金は非常に低く抑制いたしましたので、いつの時期にかこれを調整しなければならないと考えておりまして、五十一年と五十二年にわたってひとつ調整しようということで、五十一年度は二%強ということでございまして、二%強というのは非常にあいまいな表現でございますけれども、二・四、五%程度まではやむを得ないところじゃなかろうかという感じをいたしておったわけでございまして、昨年の十二月までは比較的季節的商品も落ちついておりましたので、何とか当初の見通しを達成できるんじゃなかろうかと思っておりましたけれども、一月、二月という異常寒波の襲撃を受けまして、私どもの見通しが狂ったというのが実情でございまして、公共料金が物価上昇に寄与したことは事実でございますけれども、これについて特に見通しを誤ったというふうには考えておりません。
○矢原秀男君 公共料金で予想される値上げ。
○国務大臣(倉成正君) 五十二年度の予算の中で公共料金の値上げを予想いたしておりますのは、九月からの国鉄の一九%の値上げ、それに電電のすでにもう御決定をいただきました四月の基本料金の値上げ、こういうものでございまして、おおむね〇・六%程度というのが予算上決められておるわけでございます。そのほか、公共料金として例年行われますいろいろなもろもろのものはそのときの情勢によって決まってまいりますので、なかなか今日から予断をすることはできませんけれども、まあそういうものをひっくるめておおむね二%前後と、この程度の公共料金の範囲におさまるのではなかろうかと思っておるわけでございまして、五十一年度よりは公共料金の値上げに寄与する率は低いと、そういうふうに思っております。
○矢原秀男君 いま一連のお伺いをしておるわけでございますが、まあ昭和四十五年を一〇〇としまして、先進国では一七〇%台で世界で一、二を争うような五カ年の上昇率でしょう。そういう中で一連の公共料金が上がっていく。あなたのお話を伺っておりましても、そうして政府の見通しが毎年失敗をするわけでございますが、国民生活、台所の立場から一つも反省されていらっしゃらない、そういうふうに感じるわけでございます。ですから、まず私は物価上昇、そうして政府の抑制の目標というものを上回った原因というものは公共料金にあるのではないか。あなたは非常にそういうことは関係ない、低いんだと言われておりますけれども、いやしくも物価の福田と——まあきょうは総理おられませんけれども、ずうっと常に大蔵大臣のときから言われていらっしゃる。そういう中で公約違反をしながら、それが常に、季節の変動で、寒波の到来でと、毎年そういうことを言っておられるわけです。いろんな省庁が全部ずらっと有能な士を集めていらっしゃるのに、なぜ膨大な予算の中でそういう対策ができないのか、生鮮の問題にしてもですね。そういうふうな問題を私感じますと、いまあなたがおっしゃっておられますような、そういう答弁ではなしに、国民の皆さんの前に一%でも二%でもオーバーをしていく、そういう問題、また一%内でやはり上回っていく、そういう場合には、謙虚な姿勢で公約違反をして申しわけない、これが政府の基本的なまず姿勢でなけりゃいかぬと思うんです。 まあ、予定の時間を過ぎておりますので、要望にかえておきますけれども、物価の抑制、全力を挙げていただきたいと思います。 じゃ次に、第二点の問題でございますが……。
○相沢武彦君 関連。
○委員長(小川半次君) この際、関連質疑を許します。相沢武彦君。
○相沢武彦君 物価安定対策に関連して、北海道価格の問題でお尋ねをしておきたいと思います。 北海道価格の問題についての政府の答弁は、その都度解消に努力しています、また漸次解消の方向に向かっておりますということを繰り返してきただけにすぎない。しかし、北海道では依然として解消されない問題が多数ございます。経済企画庁長官御存じのように、毎年需要期になると、灯油を筆頭にしてプロパンガスの問題、セメント価格、タクシー代金、そして現在主婦を悩ませている端境期の野菜の問題など、北海道住民の生活負担というのは、本州と比較して多大な支出を余儀なくされるわけですが、物価の責任大臣として、この北海道価格についてどのような認識を持っておられるのか、また、解決策についてどのようなお考えを持っておられるか。
○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。 本件につきましては、本委員会でも対馬委員からも御指摘があった問題でございますけれども、生活関連物資のうち、灯油、清酒については現在まあ価格差がないと伺っておるわけでございます。特にプロパンガスについて、昨年標準価格撤廃以降の価格動向を注視してきたところでございますけれども、昨年の夏から価格差が拡大してきておるということを承っておるわけでございます。この点については、いま北海道庁でも、御承知のように通産省、道庁通産局、それから小売業者、卸業者、消費者、学識経験者から成るプロパンガス問題協議会を設けて検討を進めておられると伺っておるわけでございまして、これは普通の卸、小売、消費者というのから、もう一つだけ準契約店というか、そういう新しいものが一つ北海道の場合にはつけ加わっているということが大きな原因だと聞いておるわけでございまして、これらの問題について、いろいろな従来の経過があろうかと思いますけれども、できる限り関係各省と協力をいたしまして格差の解消に努めてまいりたいと思うわけでございます。 私の郷里もまあ実は離島が非常に多いもんですから、離島の物価問題ということについて頭を悩ましておるわけでございますけれども、なかなかむずかしい問題が残っておりますけれども、さらにこれからも勉強してまいりまして、一つ一つの問題について取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
○相沢武彦君 いま経企庁長官からお話のあった価格差のひどいプロパンガス、それからセメントの問題で通産大臣にお伺いしておきたいのですが、プロパンガスは通産省の指導価格もあって安定した値動きだったのが、いまお話しのように、標準価格が撤廃されると安定していた小売価格が急上昇した。最高で四・七立米、十キロボンベ当たり二百三十円値上がりしましたですね。ごく最近、本年二月の時点で、全国平均の価格と北海道の格差は百五十四円の差です。東京との差では百六十七円、それから同じ積雪寒冷地である東北六県と比較しても、仙台とでは百四十六円も高いという実態です。これに対して政府の答弁はいつも同じで、北海道は輸送距離が長いとか、あるいは販売数量が、一戸当たり平均が少ないとか、あるいは流通段階での改善がおくれている。この責任を全部北海道の関係業者になすりつけているような答弁なんですね。いま経済企画庁からお話しのように、北海道でも努力はしております。協議会等を発足させて検討しておりますが、しかし、国の補助なり助成策を講じて、ある程度何らかの形で北海道価格解消のための措置を政府としてとらない限り、実態はなかなか改善されないのじゃないかと思うのです。ですから私、流通過程における中間業者をいきなり省いてしまえとか、メーカーと消費者を直で取引さしたらどうかとか、そんな短絡的なことを言っているのでなくて、流通業界は流通業界で消費者の皆さんへのサービスのためにそれなりに機能を果たしているわけでありますから、一概に無用であるとは言い切れないと思います。したがって、流通機構の合理化のために、政府の施策として、流通業界の協業化のために特別の制度融資を考えられないものか、あるいは何らかの形で補助策を考えていただきたいと思うのです。この点について大臣、どう考えておられるか。 それからもう一つ、セメントですけれども、北海道では室蘭や上磯に機材メーカーがありますね。この二社で北海道シェアの八〇%を占めているわけですが、残りの二〇%を本州方面のセメント会社より供給しております。しかし北海道では、セメントの価格はどこのメーカーも価格は同じで、本州との格差はない。従来からの価格差が、四百五十円そのままになって続いております。このセメントなんか全くおかしいと思うのですがね。道内にメーカーがありながら本州のメーカーと価格差が少しもない。この実態をどう理解したらいいのか。大臣、この実態、矛盾をどうお感じになられるか。現在まで何ら調査もされないし、今後行政指導していくのかしていかないのか、この辺明確にお答えをいただきたい。 それから、せっかく日銀副総裁がいらっしゃっておりますので、日銀は五月の中旬に公定歩合の再引き下げをする可能性があると言っているのですけれども、この点についてどのようになっているか、確かめたいと思います。
○委員長(小川半次君) 委員長から委員各位に申し上げます。 これは決して相沢君のみに申し上げておるのではございませんが、総括質疑、一般質疑に立った委員は関連質問に立たないように、今後御注意をお願いしたいと思います。 それではどうぞ。先に日銀副総裁ですか、通産大臣ですか。
○相沢武彦君 通産大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 まず、LPGの問題からお話をいたしますと、通産省といたしましては、元売りの仕切り価格の段階におきまして北海道向けが本土向けに比べまして割り高とならないように、引き続いて元売り各社を指導いたしまするとともに、LPGの流通経路につきましての簡素化、流通の合理化を一層進めてまいりますが、先生の御質問のあることも存じまして、なお担当官に後から詳細にさらに補足いたさせます。 また、セメントにつきましても、北海道内に工場が二つございますけれども、これらの工場は本州に比べまして冬季に操業率が低いというようなこともございます。また、本州等から北海道へ出荷いたしまする場合におきましては、輸送コストが付加されることももちろんでございますが、加えまして、道内はセメントの貯蔵設備、つまり申すならばサービスステーション等から需要先への平均輸送距離が非常に長いという事情等もございまして、コスト面から見ましても、本州よりも先生がおっしゃるように割り高とならざるを得ないような次第でございまして、しかしながら、今後ともに流通の合理化等につきまして所要の指導をいたし、極力両者ともにこれはフォローしてまいりたいと存じますが、なお詳細は、担当官が控えておりますのでお答えいたします。
○政府委員(橋本利一君) LPGについてお答えいたします。 制度融資云々の問題でございますが、先ほど企画庁長官からもお話しございましたように、現在北海道LPガス問題協議会が開かれておりまして、この場でLPGの流通実態の把握、それに対応して価格格差の是正策等を検討いたしておるわけでございます。こういった検討結果を踏まえまして、果たして近促法での構造改善業種になれるかどうかといったような問題も含めまして検討いたしたいと、かように思うわけでございます。
○参考人(前川春雄君) 公定歩合の再引き下げにつきまして新聞紙上にいろいろの憶測記事が出ております。私どもといたしましては、去る三月十一日に公定歩合の引き下げをいたしましてまだ一カ月、ちょうど一カ月でございまするが、その効果を見守るべき時期だというふうに考えております。補正予算その他の措置がとられておりまするので、財政面の需要造出効果とともに、公定歩合の引き下げによる貸し出し金利の低下が景気の回復にどういう効果を及ばすか、そういう点につきまして、効果を見守るべき時期であるというふうに考えております。したがいまして、現在のところ、公定歩合をさらに引き下げるかどうかということにつきましてはまだ考えておりません。もちろん、私どもといたしましては、そういう情勢の推移を注意深く的確に判断いたしまして、とる必要があれば適時適切な施策をとってまいる所存でございます。
○矢原秀男君 では次に、電電公社用地買収問題で質問いたします。 まず、博多地域のデータ通信用地でございますけれども、第一問はデータ通信の収支の現状、今後の見通しについてお伺いしたいわけでございますが、研究開発費の年度別の推移はどういうふうになっておりますか、お伺いします。
○委員長(小川半次君) ちょっとお待ちください。 日銀副総裁前川参考人には、御多忙の中を御出席いただきましてありがとうございました。退席されて結構でございます。
○説明員(小川晃君) お答えいたします。 データ通信の収支につきましては、建設後おおむね八年で収支バランスをとるということで今日まで進めてまいっております。昭和五十年時点ではまだ収支均衡するところまで至っておりませんが、二、三年後を目指しまして均衡するように持っていきたいということであります。 なお、研究開発費につきましては、ちょっとただいまデータを持っておりませんので……。
○矢原秀男君 まあ、データ通信用地として売買されているわけですが、いま御質問しておりますのは、五十年度の事業別収支だけを見ましても、事業収入が六百三十五億、支出が九百九十五億で赤字が単年度で三百六十億円あるわけなんですね。四十九年が三百五億、四十八年が二百四十三億で、三カ年で九百八億から赤字になっている。それで投資の方は、別個に四千六百三十一億円も四十二年から五十一年までの投資の予算というものが計画されて使われているわけですね。だから、そういう面で、まず赤字の面をどういうようにしているのか、もう一回明確に答えてください、年度別に赤字。
○説明員(小川晃君) お答えいたします。 年度別の赤字でございますが、昭和四十八年度は二百四十三億、四十九年度が三百五億、それから五十年度が三百六十億ということですが……
○矢原秀男君 その前。
○説明員(小川晃君) その以前はちょっと資料がただいま手持ちございません。
○矢原秀男君 赤字は出ているんでしょう。
○説明員(小川晃君) はい。以上が収支差額で三角でございます。赤字でございます。
○矢原秀男君 それ言ってくださいよ。四十八年前の……
○委員長(小川半次君) 矢原君、起立して。
○矢原秀男君 いや、時間ないんですからね、年度別の赤字をと言えば、きちっと四十八、四十九、五十だけでなしにやってくださいよ、時間ないんですから。
○説明員(小川晃君) どうも失礼しました。 じゃ、もう一度四十八年から申し上げます。
○矢原秀男君 いや、その前。
○説明員(小川晃君) ただいまちょっと手持ちの資料がございませんので、早速調査いたします。
○矢原秀男君 手持ちの資料がないといっても、四十二年から五十一年まで四千六百三十一億の設備投資や研究開発のお金が使われているわけでしょう。そういうふうに膨大な国民のお金が使われて、それを別にしても、収支の現状から言って三ヵ年でもう九百八億の赤が出ていると。その前の年別の赤字のそういうのがきちっと出ているんでしょう、計算。ですから、四十七年とか四十六年、その前のを言ってください。
○説明員(秋草篤二君) お答えします。 四十八年以降のは先ほど説明したとおりでありますが、その以前も、創立以来、まだデータ通信を始めて以来ずっと赤字続きでございます。ただ、額はそれほど大きくはございませんが、きょうはそういう資料を持ってきておりませんが、依然として赤字の累積は続いております。
○矢原秀男君 総裁、三カ年で九百八億の赤でございますが、トータルではどうですか、トータル。始まって以来のトータルではどれだけの赤字なのか。
○説明員(小川晃君) お答えいたします。 データ通信につきましては、四十八年以前につきましては事業別に分計をしてございませんし、金額も少ないわけでございまして、資料がしたがってないわけでございます。それ以前ははるかに少ないものになると思います。
○矢原秀男君 金額が何十億、何百億と、こういうようになっているのに、金額が少ないから赤字の額はわからない。これははっきり答えてください、数字。
○説明員(秋草篤二君) 的確な資料をまた後で先生のもとにお届けすると同時に、また必要がございますればここで御答弁申し上げます。
○矢原秀男君 こういうふうな巨額な赤字を出しながら、収支がそういうふうに非常にルーズであると私感じるわけでございますが、こういうふうなことでお金をどんどん使うようでは、これは大変だなと、こういうふうに考えます。 電電公社は、福岡市博多地域に建設が予定されているデータ通信並びに電話交換用の施設用地を買収したようでございますけれども、概要を説明してください。
○説明員(秋草篤二君) 先生の御指摘なさる土地は、データ通信用地並びに電話交換用地として、福岡市博多地区の駅前一丁目五百番地にある土地六千二百八十一平米、この土地を二十億六千三百万円で株式会社地産から、契約、買収した。契約の日付は、五十二年一月三十一日で契約が成立した、この土地だと思っております。
○矢原秀男君 代金の決済方法はどうなっていますか。
○説明員(小野哲男君) 代金の決済方法でございますが、契約書の中で、所有権の移転登記完了後に契約金額の七〇%相当額を、約十四億四千万になりますが、これを支払う、それから、地産において、地産としてのビルの計画がございまして、仮設で地下工事を進めておりますのを復元する工事がございまして、これを向こうに任しておりますので、この工事が完了したときに残額三〇%、約六億二千三百万を支払うことにいたしております。移転登記完了が済みまして本年二月末に七割に該当する分を支払っております。 以上でございます。
○矢原秀男君 地産がなぜ埋め戻し工事をしているのか、これは何の建設を計画していたのか、これが一つお伺いしたいこと。 もう一点は、埋め戻し工事の完了を待たずに契約を急いだ理由は何か。不況から地産を救済するためではないのか、この点についてお伺いします。
○説明員(小野哲男君) お答え申し上げます。 第一の問題でございますが、地産が石油ショック前にマンションを計画いたしました。低層部分はショッピングセンター、上部はマンションというようなものを計画いたしまして、そのための地下の仮設工事を行いました暁にオイルショックになって工事をやめたように聞いております。で、穴があいておりますので、私どもが今後建てようといたしますデータ通信並びに交換施設の局舎といたしましては、工事内容が違いますものですから、その地下仮設を利用することができませんで、もとの更地に復旧してもらう、こういうことでございます。 それから、二番目のお話でございますが、五十一年の六月に地産の所有地があることを知りまして、それ以来公社の利用計画、公共性等を説明して協力を求めてまいりました。交渉を重ねた結果、五十二年一月三十一日に成約に至ったものであります。その間いろいろ売買交渉をいたしまして、一月三十一日に契約に至ったものでございます。急いだわけではございません。 以上であります。
○矢原秀男君 公社が買収する以前の所有権移転の経緯、お伺いします。
○説明員(小野哲男君) 登記簿原簿を見ましたところ、経緯といたしましては、昭和五年以来福岡市におきましておたふくわた株式会社というのが土地を使用しておりまして、それが昭和四十四年に大阪綿業株式会社というのに売買契約が行われまして所有権が移転登記されております。それが四十六年の十一月三十日に株式会社地産に売買されておりまして、それから約六年たちましてこのたびの売買に至ったものでございます。
○矢原秀男君 大阪綿業から買収した時点の価格、幾らですか。
○説明員(小野哲男君) この点は私どもつかんでおりません、なかなかわかりがたいものでございますから。
○矢原秀男君 やはり用地買収の前には、地産から、いわゆる大阪綿業から地産がどういう価格で買収したか、こういうことを把握するのがこれは売買の原則だと思うのですね。これは郵政大臣、あなたには、先ほどもデータ通信のこういう赤字、そういう問題でも数字が全然把握されてない、そういう問題について、あなたに本当に責任の所在どうなのかという問題一つと、いま申し上げている、こういう売買のときも、どういうようにして土地が前のところからいっているか、そういう把握もしない。これ怠慢と違うのかと思うわけです。郵政大臣どうですか。
○国務大臣(小宮山重四郎君) データ通信のいろいろな数字については、先ほど総裁から申しておりましたように、後で先生に提出させるようにいたします。 また、いまの博多の土地の売買については、私詳細に存じませんけれど、いま先生おっしゃいますと博多駅前ということで、データ通信をなぜ、また電話局を博多駅前になぜ設けなければいけないのだろうと。私は昨年の十一月、ことしまた四月に値上げをしたのに、そのようなことはやはり反省すべきだと感じております。
○矢原秀男君 反省したって、きちっと後しないとだめですよ。 で、公社は一平方メートル当たり三十二万八千四百九十八円、総額二十億六千三百三十万円で契約をしたそうでございますけれども、その根拠はどうなっているのかお伺いします。
○説明員(小野哲男君) 土地の交渉をしている段階で、私ども鑑定機関に評価をお願いいたしまして、日本不動産研究所、これは全国的な日本最大の鑑定機関でございますが、このほかに、地元ということで、福岡不動産鑑定株式会社、この二社から評価をとりました。日本不動産研究所からの評価は二十一億七千四百万、それから福岡不動産鑑定株式会社からの評価は二十一億六千四百万円と。で、まあこの二つの評価額を平均いたしまして、それをもとにして予定価格を考えまして交渉いたしました。約五%引きました二十億六千三百三十万で交渉の結果決定いたしたものでございます。
○矢原秀男君 昭和五十年七月時点の福岡県の地価公示価格によれば、同じ博多駅前一丁目の二十七番十四号で、一平方メートル当たり十三万円となっているわけです。そうなりますと余りにも単価が違い過ぎるんではないかと思うわけです。この点どうですか。
○説明員(小野哲男君) 何年の評価でございますでしょうか、大変失礼でございますが。
○矢原秀男君 五十年七月。
○説明員(小野哲男君) 五十年七月でございますか。
○矢原秀男君 この区画は福岡県しかないですよ、行政官庁では。
○説明員(小野哲男君) 不動産鑑定所のいろいろの評価というものを私どもチェックいたしておりますが、まあ地価の値動きの状況並びに効率その他から私どもは適正な価格を出していただいたと、こういうふうに考えております。
○矢原秀男君 先ほど答弁をしていただきました、鑑定の価格より安いということを金科玉条にされているわけでございますが、これは言いわけの常套手段ではないかと思うわけです。福岡県の地価公示、行政官庁でここしかないわけです。で、いまあなた方が言っていらっしゃる、たとえば日本不動産研究所の場合、その維持会員には地産の取引銀行である興銀、東海、三和の各銀行、また地産の系列会社である地産トーカンの大株主である丸紅や住友生命がそれぞれ名を連ねているわけでございます。電電公社も維持会員になっていると思いますけれども、こういう点はどうなんですか。
○説明員(小野哲男君) 日本不動産研究所は、日本銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行、日本不動産銀行等々十六機関の出捐によってできております財団法人でございまして、私どもも土地を扱いますので、各官庁もそうでございますが、会員となっております。会員となりますと、評価におきまして評価料をまけてもらうとか、そういうことがございますので入っておりますし、不動産会社も入っておりますが、地産が入っていることについては私ども全然存じておりませんでした。
○矢原秀男君 言うなれば、身内が鑑定したようなものだというわけでございます。こうしたことを考えますと、評価結果の信憑性、われわれも疑問と言わざるを得ないわけでございますが、これについては郵政大臣並びに国土庁長官の所見というものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 不動産の鑑定評価は、先生御案内のように、不動産の鑑定評価に関する法律に基づいて、不動産鑑定士が良心的にしかも誠実に不動産の鑑定を行うべきものとされておるわけでございまして、ですから、その評価者である鑑定士と依頼者との関係がいかようであろうとも、それにかかわりなく公正な鑑定評価がなされるものと、こう考えております。
○国務大臣(小宮山重四郎君) いま国土庁長官が申しましたように、土地の売買についての価格についてはかような形で決まっているようでございますけれども、私の担当する電電公社でございますので、再度調査いたします。
○矢原秀男君 電電公社は、評価鑑定書の写しを要求したわけでございますけれども、その提出を拒否されたわけでございますが、この際改めて要求したいと思うけれども、提出していただけますか。
○説明員(小野哲男君) 評価をいたしました二社の御了解を得て提出したいと思います。
○矢原秀男君 会計検査院にお伺いしますけれども、国等の用地買収に当たって、それが妥当かどうか、どういう点から判断をするのかお伺いしたいと思います。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 私ども用地購入について検査いたします場合に、まず、その用地の選定、場所の選定が適当であるかどうか、あるいは時期が適期であるか、あるいは規模が大き過ぎないかというようなことをまず着目しまして、その後、購入価格につきましては、建設省の公示価格、あるいは近傍類地の売買実例、あるいは不動産鑑定士の鑑定結果、それらを十分予定価格に反映しているかどうか、この点を十分考慮しまして判断することにいたしております。
○矢原秀男君 現地では、今日民間ではこれだけの設備投資は不可能であり、また面積も膨大であるところから買い手が有利になっておるのが常識でございます。一平方メートル当たり三十二万八千円はとうてい考えられないと思うわけでございます。まさに資金のむだ遣いというふうに言われるわけでございますが、郵政大臣の考えはどうでございましょう。
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変むずかしい御質問でございます。土地の評価というものがございます。しかし、私も先ほど申しましたように、昨年、またこの四月一日に電話料金を上げさしていただいて、かつデータ通信の累積赤字等を見ますと、必ずしも駅前にそのように設けるべきであるかないかということはやはり考えて、今後とも局舎等については再考する必要があるのではないかと感じております。
○矢原秀男君 やはりどうしても行政官庁にわれわれは信頼を置かなくてはいけないと思いますね。福岡県の地価公示価格は一平方メートル当たり十三万円になっているのに、電電公社でお買いになっているのは一平方メートル当たり三十二万八千円です。余りにも差がひどいわけです。もう一回この点について答えていただきたい。
○説明員(秋草篤二君) 先生がおっしゃる安い価格の土地というものはどこの土地か、福岡市も非常に都心もあればへんぴなところもありますし百メートル変われば土地の値段というものはどんどん変わるんでございまして、私どもはやっぱり国家試験を受けた鑑定人を有する正規な鑑定者の評価に頼るほかはないわけでございまして、その点は先生がおっしゃる土地の場所と比較する必要があろうと思います。そういう鑑定を御依頼した実績を得て先生はおっしゃると思いますが、その土地の場所をおっしゃっていただかないとちょっと比較にはならないと思います。
○矢原秀男君 場所はさっき言ったじゃないか。
○説明員(秋草篤二君) かなり遠いところのように私どもは伺っておりますが。
○矢原秀男君 いやしくも土地を買う場合に、その付近では福岡県の地価公示価格はあるわけでございますから、一平方メートル当たりに十三万と三十二万という差があれば、福岡県に必ず尋ねて、そうしていろいろと話というものを折衝されていると思うんですけれども、その点はどうだったんでしょう。
○説明員(小野哲男君) 先生のおっしゃるその十三万円のことは私存じませんが、鑑定評価書の中に県の標準価格やなんかも出ておりますので、お読みいただければわかるかと思いますが、私どもはその辺は調べませんでしたので大変不備であったかと思いますが、ただ、そういうことはないんじゃないかと私は思っております。
○矢原秀男君 ないんではないんですね、福岡県で地価公示をきちっと明確にしているんですから。
○説明員(小野哲男君) その五百番地の敷地がということで……
○委員長(小川半次君) ちょっと答弁者、もう少し委員各位に聞こえるようにもっと声を大きくして、そして簡潔にひとつ要領よく答えてください。
○説明員(小野哲男君) 駅前一丁目の五百番地の敷地が十三万ということは私は考えられないと思っております。
○矢原秀男君 私たちの現地調査によりますと、現在、電電公社福岡電気通信所並びに博多電話局は駅の南口側にあるわけなんですね、東二丁目にあるわけです。ですから、その方面を物色すれば、それから徒歩十分程度で一平方メートル当たり十五万円程度で買収できる用地が幾らもあるわけなんですね。そういう状況の中で疑いを生じるような用地買収はまことに好ましくない。しかも、風聞によれば、米澤前総裁の時代の四十九年ごろから折衝があり難航していたものが、秋草総裁にバトンタッチされた途端にあわただしく契約をしたと言われている。これについては総裁並びに大臣の所感をお伺いしたいと思います。
○説明員(秋草篤二君) そういうことはもういま初めて私伺いました。全然承知しておりません。
○国務大臣(小宮山重四郎君) きょう初めて御質問のことで事柄を知りましたので、そのようなことは全然関知いたしません。
○矢原秀男君 総裁、あなたが総裁になって非常に早いわけでございますが、この間政治家の介入はなかったですか。
○説明員(秋草篤二君) 一切そういう政治家の介入はした事実はございません。
○矢原秀男君 国土庁にお伺いしますが、国等による土地売買が地価高騰をもたらさないように次官通達を出していると聞きますけれども、その趣旨、お伺いいたします。
○国務大臣(田澤吉郎君) お話しのように、電電公社のただいまの取得した施設用地についての買収価格についてでございますが、これはやはり電電公社としましても、国土利用計画法あるいはただいま御指摘の次官通達の趣旨を十分尊重して、適正な買収価格によって契約を結ばなければならないと、それが原則でございます。
○矢原秀男君 「国等が土地売買等の契約を締結する場合には」「法の趣旨を十分しんしゃくして行う」ことを前提とする。「いやしくも国等による土地売買等の契約が地価高騰をもたらすことのないようとくに留意願います。」という国土事務次官の通達が、五十年の一月十八日に出されている。そういうふうな趣旨からいきましても、電電公社はこの精神については全く無視しているのではないか、こういう点について電電公社などは、郵政省はもちろんそうでございますけれども、実際にこの通達が徹底されているのかどうか、その点お伺いいたします。
○国務大臣(小宮山重四郎君) 博多の問題については、私は先ほどから申し上げますように、データ通信の基地が駅前にあるということは大変不自然であると私は思います。かつ高いものを買うということが大変重大な問題だろうと思います。しかし、いま御質問の価格については、郵政省としては、私自身の知っている範囲では、適正な、また地価を高騰させるようなことの例をいままで聞いておりません。
○矢原秀男君 大臣の不自然であるということは当然だと思います。 さらに解せないのは、建設地を駅前の一等地に選んでいることです。市役所や郵便局など、広く国民一般の利便を考えなければならない施設ならともかくでございますけれども、人の出入りの少ないこうした施設を、一等地に巨額を投入してつくる考え方は賛成できないと思います。とにかく本件の売買は、結果的には地産の土地転がしに加担したと言われるような疑いを生じるばかりか、公社の放漫財政の象徴であると言っても過言ではないと思います。それは冒頭に申し述べましたように、三年間だけで九百八億円の赤字となっている。そうしてその前の赤字が全然答弁もできない。それでも総裁は平然としている。しかも、この投資には四十二年から四千六百二十一億円もの貴重なお金が、国民のお金が使われている。そうして、しかも別個に、いま申し上げたような赤字が出ている。それ以前の赤字については答えられない。不見識きわまりないと思うんです。そういう中でこういう用地売買が行われていることは、これは軽はずみであると思うわけでございます。企業努力の要請については、昨年の料金値上げ法案の成立の際においても付帯条項の根本的な精神だったわけです。特にデータ通信は毎年赤字を計上している。どういう金額になっているのかということは、そのときも質問あったはずなんです。それがいまだに明確に答えられない。だれのお金なんですか。総裁のポケットマネーではないんでしょう。郵政大臣のお金でもないんでしょう。国民の貴重なお金じゃないですか。それが二百メーターそばの行政区画では福岡県だけしか公示をしていないところにも問い合わせをしていない。もう不見識きわまりないわけです。そういうことを考えますと、この用地選定については疑惑を非常に私たちはどうしても持つわけでございますが、生じないように、今後は一定の基準というものを、やはり用地買収の前後からきちっと設けなくてはいけないと思います。これについて郵政大臣の所見と、それからもう一つは会計検査院の方にお伺いしたいのでございますが、本件についてはどういうふうに対処されるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小宮山重四郎君) 今後ともこのようなことの疑惑が持たれないように、また、この件については再度厳重に調査いたして、今後厳正な行政をやりたいと考えております。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 ただいま先生からいろいろ問題を提起されました本件土地につきましては、五十一年度の決算検査の段階で重大なる関心を持って検査いたしたいと、このように考えております。
○矢原秀男君 では、次に移ります。 通産大臣にお伺いいたしますけれども、現在非常に中小企業倒産が多くなっているわけでございますけれども、こういう倒産のいろんな状態を考えまして、今後いかに対処されるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生が御指摘のごとくに、最近の倒産状況というものは、先般の千二百八十五件から——千三百から千七百五件に増加いたしてまいりました。わが省といたしましても、非常に冷え込んでおりまするこれらの中小企業に対しまして、何とかこれが倒産防止の方策を講じなければ相ならぬ、こういうふうなことから、今般さらに、金融面におきまする政府系三機関に対しまする積極的な協力、あるいはまた信用補完制度によります、従来の資金を増しました保証業務並びに下請企業振興協会等のきめの細かい処置に加えまして、今回は倒産に対しまする関連企業の、これがまたみずからは健全な経営をいたしておりまするにかかわりませず、親会社あるいはまた取引先の倒産に基づきまして倒れるというようなことがございますので、連鎖的な倒産に至りまする事態のために、今般政府系の三機関を初めといたしまして、倒産防止のための緊急融資を実施いたすべく、中小企業庁と大蔵省とが目下相談をいたしておりまして、そうして、ちょうど本日、大蔵当局との話も最終的にまとまると存じますのでありまするが、この連鎖倒産に対しまする緊急防止策というものをいたす所存でございます。
○矢原秀男君 具体的な問題としてお尋ねしますが、昨年の十二月、資源エネルギー庁は全国五万六千軒の石油販売業者の実態調査を行っておられるわけでございます。その中で明らかになっていることは、赤字経営のスタンドが三二・六%、経営破綻を訴えているスタンドを合わせると約八三%に及ぶと言われておりますが、この実態をエネルギー庁長官はどのように認識して対策を考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 昨年の群れ私の方で調査いたしました結果は、ただいま先生から御指摘になったとおりでございます。こういった実情に対しまして、私たちといたしましては、それぞれのガソリンスタンド業界の経営の安定を図るために、また、ひいてはガソリンその他の石油製品の安定供給の確保ができるように、近く実施に移されます揮発油販売業法に従いまして、また石油業法によりまして需給バランスがとれるように指導してまいりたいと考えております。
○矢原秀男君 この明らかに赤字とされている三二・六%の中で特に経営が困窮しているのがマネジャープラン方式のサービススタンドであると聞いております。これらのスタンド経営者から陳情なり検討の要請が出されておると聞いておりますが、今日までの経過及び問題点について、公取委員長及びエネルギー庁の長官から説明をしていただきたい。
○政府委員(澤田悌君) お答えいたします。 ただいま御指摘の問題につきましては、エッソ・スタンダード株式会社のマネジャー等から、昭和四十六年ごろでございますが、このマネジャープラン契約というのは独占禁止法に違反するのではないかという申告、陳情等がございました。その申告の内容等ここで申し上げるのは差し控えさせていただきますけれども、それに基づきまして私の方は調査をいたしました。いたしましたが、このマネジャープラン契約と申しますのは、御承知のように委託販売契約を含みます特殊な契約でもございますので、独占禁止法上のいわゆる不公正な取引等に該当するかどうかという点については、その契約だけではなかなか断定できない面がございます。それで現在まで様子の推移を監視してまいったというのが実際でございます。
○政府委員(橋本利一君) いわゆるマネジャープランにつきましては、資金力に乏しい有能な人材が活用されるというメリットもございますが、反面マネジャーの地位が圧迫されるおそれもある、こういう問題点もあろうかと思います。さようなところから、昭和四十六年当時、国会におきましてマネジャープランの問題が取り上げられたことがございます。その際、通産省といたしましては、エッソ、ゼネラル、両社のマネジャー双方からそれぞれの事情なり意見を聴取いたしまして、それに基づきまして条件の緩和等の指導を行ったわけでございます。具体的には、相互の権利義務を尊重して相互協力のもとに事業を円滑に行い得るように規定を改めること、それからもう一つの問題点は、当時不良債権につきましてはマネジャーの責任になっておったわけでございますが、善管義務を前提といたしまして、それ以来は、不良勘定につきましては、元売りが、この場合エッソでございますが、負担するといったような改定を行ったわけでございます。その結果、マネジャーの団体であるマネジャーの協議会から、エッソとの契約につきましても話がついたという報告があったわけでございます。その後、昨年の秋以降エッソ、ゼネラルの両社が、従来の契約から新しい契約へ移行する動きがございました。これに関連いたしまして、通産省におきましても一部のマネジャーから陳情を受けております。その内容はレンタル料が上がる、あるいは担保を取られる、あるいは支払いのサイトが短くなる、こういったことを内容といたしておるわけでございますが、われわれといたしましてはさらにそういった陳情に見えたマネジャーの方からより詳細に、より具体的に話を聞く手はずを進めておる段階でございます。
○矢原秀男君 重ねてお伺いをいたしますけれども、エッソ・スタンダード石油のマネジャープラン方式のスタンドでは、五月の下旬から揮発油販売業法の施行に伴い、いまもお話がございましたように、契約の改正が行われるわけでございます。ところが、新契約も以前の契約同様きわめて独禁法違反の疑いが強いわけでございます。この新契約については、いま長官からもお話がございましたけれども、公取、そうして長官等の方では、こういう新契約がまたまたさらに厳しくなっている、どういうふうに判断を真剣にされていらっしゃるのか、重ねてお伺いしたいと思います。
○政府委員(澤田悌君) 先ほど申し上げましたように、申告等がございましたので、エッソについては公取としても調査をいたしました。そういう関係でございましょうか、契約改定のたびに私の方にそれを通知してまいっております。去る四月一日からも改定がございましたわけでございまして、その改定について見ますと、従来、たとえば同種の商品については取り扱いはしないといったような制約条項とか、それを削っておりますとか、あるいは従来地域価格と申しておったのを計算価格という名前に改めるとか、いろんな点がございまして、公取の調査というようなのをあるいは意識しておるのかもしれませんが、独禁法上の問題から申しますと、多少問題視されるような条項を少しずつ改めておるということは申せるのかと思います。ただ、そのマネジャーに対して売り上げの実際の取引の内容が厳しくなる、あるいは利益を上げにくくなると、そういうようなことは私どもの手の及ぶところではございませんのですが、契約について独禁法上の問題が少しずつでも解消していくように今後も監視を続けてまいりたいと存じておる次第でございます。
○矢原秀男君 新契約の内容を検討した結果、不当な契約を強要されているところは明らかになっているわけです。まあ私どもの試算によりましても、利益の大幅減少、新たに発生する資金の負担、施設料の増額、表面にあらわれたものだけでも、一カ月に赤字が六十八万円になるわけですね。これでは経営の破綻が目に見えておりまして、まさにマネジャーは経営を放棄して、死刑の宣告を受けたも同然である、生活できないんですから。これは直接直ちに、いまあなたがおっしゃいましたように、独禁法の違反であるかどうかについては少しずつ改めていると、こういうふうに言われておるわけでございますけれども、今後の運用、取引の面から調査、検討の対象としても、今後もこれもう少し積極的に取り組む必要があるのではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、公取委員長、その点いかがでございましょう。
○政府委員(澤田悌君) 先ほども申しましたように、この問題、社会的にはなかなかうるさい問題のようでございまして、御指摘のように、私どもも関心は持っておるのでありまして、その契約につきましても詳細に検討し、あるいは両社から事情聴取もいたしました。ただ先ほども触れましたように、どうもそれ自体ぴしゃっと独禁法の問題にはまりにくい点は申し上げたとおりなのでございますが、御指摘のように、いま問題でありますから、私の方としても今後もこの経過なり、元売り業者の行動なりについては、厳重に監視を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
○委員長(小川半次君) この際、関連質疑を許します。桑名義治君。
○桑名義治君 今回のこのマネジャープランの問題につきましては、私も商工委員会のときに質疑を行ったわけでございますが、その後どういうふうに改善をされたのか、先ほどからの御答弁をお聞きしても余り前進がないように思われるわけでございます。 そこで、法規上の問題あるいは契約上の個々の問題と別に、では、こういうマネジャープランでもって石油スタンドをやってる人々の実態が大体どういうふうになっているのかという、その一、二の例を申し上げますと、昭和五十一年の問題でございますが、金と担保を強要されたためについに自殺をしてしまったというような問題、あるいは同じく五十一年、昨年でございますが、エッソが向けたガードマンがスタンドを乗っ取ってしまったという問題、こういう問題が現在は最も身近な問題として提起をされているわけでございますし、古い問題といたしましては、保育園に入れるお金があったらエッソにその支払いをせよと、そういうふうな強要を受けまして、ついに子供さんをスタンドで遊ばしているときにお湯をかぶって亡くなってしまったと。あるいは余りにも早急な、性急なお金の要求のためにノイローゼになってしまったというような、たくさんの事例が現在起こっているわけでございまして、こういった業界の中でも一つの社会問題として浮かび上がっているわけでございます。むしろこれは徐々の改善ではなくて強力な行政指導が必要な時期に来ているのではないか、こういうふうに私は考えるわけでございますが、この点についての通産大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 御指摘のエッソ・スタンダードの問題でございますが、たまたま私の知り合いのスタンドをいたしております者がございまして、非常にこういうふうな外国の会社の契約条件がシビアであると、同時にまたその後の処置も非常にドライでありまして、まあまことに人情のないいろんな処置があるということも私は聞いておりますので、ただいま先生方の御指摘によりまして、わが方の通産行政といたしましてもこれらの中小企業のマネジャープランの問題につきまして今後ともに十分にフォローしてかようなことがないように守ってまいりたい、かように考えております。
○桑名義治君 いま大臣の御答弁の中で、今後こういうことが起こらないように強力な行政指導をして改善をしていきたいと、こういうふうな御答弁でございましたが、エネルギー庁長官としては具体的にはどういう点が現在問題だというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(橋本利一君) 従来の契約と新しい契約がどのようにそれぞれのマネジャーに対して影響を及ぼすかというのは、これはケースによって異なってくる面もあろうかと思います。しかし、御指摘のような問題があってはならないことでございますし、先ほどもお答え申し上げましたように、現在われわれに陳情に見えているマネジャーの方に、より具体的に御説明をいただきたいということを求めておるわけでございまして、そういった説明の聴取をし、かつはエッソあるいはゼネラル等にも事情聴取いたしまして、その上でわれわれとしては善処してまいりたいと考えております。
○矢原秀男君 具体的な実例としても、当初の契約では、資本も担保も要らない、あなたも経営者になれるとの条件で相互に契約を結んでスタートしておきながら、今回の新契約では担保その他の契約条件を強化している。また、一般のリース販売店と比較して契約条件は余りにも不当であり、これは明らかな契約違反であると思います。これは取引上の地位を不当に利用した取引を強要したものであり、明らかに独禁法違反であると思いますけれども、この点についてはいかがなものか、お伺いしたいと思います。また、新契約では、販売価格はマネジャーが決定するとしているが、実質的には計算基準価格という名目でエッソが随時通知することになっている。これでは事実上価格の統制であり、不当な拘束を行っているとしか判断できないわけです。この点についても公取の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘の点につきましても、この委託販売条項を含みます特殊な契約でございますので、私どもも詳細検討はいたしたのでございますが、なお重ねての御指摘でございますので、さらに厳重に調査をいたしてみたいと存じております。
○矢原秀男君 ただいまも関連質問で指摘がありましたけれども、余りにも不公正な条件を強要されて、その上に、このようなマネジャーとしての立場は全くあいまいでございます。こういうような条件下の中で問題として出てくることは、基本的な人権を守る立場から、労働条件及び人権擁護の立場から、こういう問題は本当に行政指導の立場からも全力を挙げなくちゃいけないと思うわけでございますが、この点、労働大臣、本当に積極的にこれは取り組んでいただきたいと思うわけですが、こういう点についてはどうでございましょうか。
○国務大臣(石田博英君) いま御議論になっておるマネジャーという立場は、契約の上から見ますとやっぱり独立した事業者と見るべきではないかと思うのです。その事業者が人を雇用した場合は、これは労働基準法上の事業主であり、使用者とこうなるわけであります。したがって、その事業者の労働条件その他については、私どもがお預かりいたしております労働基準法の対象外でございますが、しかし、その結果として、雇用者の長時間労働とか、あるいは休日労働とか、そういうものが強制され、いわゆる基準法違反の事実があらわれる可能性もありますし、したがって、そういうものについては、私どもは厳重な監督と行政指導を行ってまいらなければならぬと思っております。また、長時間労働とか、休日労働というような基準法違反の事態が、いわゆるマネジャープランを原因として、それから出発してきているような様相も感ぜられますので、関係各省と連絡をいたしまして是正に努めたいと思っております。
○矢原秀男君 じゃ最後に、時間がございませんので、公取にお願いしたいわけでございますけれども、やはり準司法機関でございますので、行政機関という立場から、独禁法違反の、非常にその線上にあるわけでございますけれども、われわれの調査では、これは独禁法違反ではないか、こういうふうに思うわけでございます。ですから、積極的に取り組んでいただきたいことと、それから通産省には、行政指導の上でも、困窮をしているマネジャーの救済策、ぜひ行政の上から救済をしていただく手順をやっていただきたい、このように要望するわけでございます。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして、矢原秀男君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、内藤功君の質疑を行います。内藤功君。
○内藤功君 本論に入ります前に、大蔵大臣と運輸大臣に一つだけお伺いしますが、鉄道新幹線の凍結解除、五つの新幹線の凍結解除の問題についてどういうふうに考えておられるか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 実は、整備五幹線のことでございましょうが、これは凍結解除ということが新聞に出ておるのでありますけれども、元来凍結はしていないのであります。毎年工事費をつけて調査にこの金を充てておる。ただ、社会情勢、経済情勢の激変がございましたので、スローダウンをさしたことは事実でございます。 そこで、私どもの党の要請もございまして、いろいろと検討したのでありますが、とにもかくにもこの整備五線につきましては環境影響評価等を徹底してやりましょうということで、きょうの閣僚会議も合意を得ました。でありますので、この環境アセスメントをそれこそ徹底的にやりたい。新幹線、空港等でいまこういう問題が一番大きな問題になっておりますので、これを徹底してやりたい。でございますから、工事にいつかかるかというようなことまで決めてはおりません。
○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。 ただいま運輸大臣から御答弁を申し上げたことに財政当局もこれを賛成いたしまして、そういう方向でまいりたいと、かように考えております。
○内藤功君 国の財政が第一ですから、参議院選挙対策というような観点で国の財政が間違ってはならぬと思いますが、どうです。
○国務大臣(坊秀男君) 国の政策を実行するために私ども政党があるのでございまして、政策は大事でございますが、その政策を実行するためにはやはり政党という側も、これを重大視してまいらなければならないと、かように考えております。
○内藤功君 本論に入ります。 まず、行政機構改革についての政府の基本的な考え方を官房長官に伺います。
○国務大臣(園田直君) 総理大臣からも、行政管理庁長官からもしばしば答えておりますとおり、八月をめどにして閣議決定、閣議了解の線に従って、徹底した行政改革をやりたいと考えております。
○内藤功君 特殊法人の新設改廃についての政府の考え方を官房長官と行管長官に伺います。
○国務大臣(西村英一君) 政府としては、特殊法人につきましては必要のないもの等、従来から手をつけております。しかし、五十年の十二月に十八法人について特にこれを整理合理化すべきだということで、その線に沿ってただいまやっておるわけでございまして、この国会におきましても、二法人につきまして法律を提案をいたして廃止することになっております。その他の、百十三ございますが、そのいま全特殊法人について審査検討をいたしておる最中でございまして、しかし一口になかなかそう申しましても、特殊法人というのはやっぱり国の事業を代行してやっておるものでございまするから、なかなか言うほど簡単ではございませんが、極力この整理合理化をしたいということで取り組んでおる次第でございます。
○内藤功君 行管長官に伺いますが、特殊法人の数は最近十年間でどのように変わっておりますか、大体十年間で。
○政府委員(辻敬一君) お答え申し上げます。 特殊法人の数はただいま現在では百十三でございますが、電力用炭販売株式会社と八郎潟新農村建設事業団につきましては今国会において廃止法案の御審議をお願いいたしておりますので、それが廃止されますと、五十二年度末では百十一ということに相なります。なお、四十二年度末の数は同じく百十三でございました。
○内藤功君 認可制による法人、いわゆる認可法人については数は最近十年間でどのくらい変わっていますか。
○政府委員(辻敬一君) いわゆる認可法人の数は、ただいま現在では八十九でございます。今国会に航空貨物通関情報処理センターの設置をお願いいたしておりますが、これが設置をされますと九十法人ということになります。なお、四十二年度末の数は七十四でございました。
○内藤功君 認可法人の新設、改廃についての政府の考え方は先ほどの考えと同じだろうかどうか、この点を確かめます。
○国務大臣(園田直君) 認可法人についての改廃は、これを整理される行政管理庁長官のことは行政管理庁の方からお願いいたします。 私はこれを統括する責任者でございますから、その面から言いますと、認可法人と特殊法人の差異は御承知のとおりでございますが、近年、惰性というか、弊害が出てきておりまして、一つは行政管理庁長官と私の方で特殊法人を締めている。そうすると設立ができない。そこで認可法人ということで出てきて、これは人事その他の監督を受けませんので、監督を緩やかにしたところで何かやろうという弊害が出てきておりますので、私はこの点は、認可法人についても、補助金とか助成金とかというばかりでなくて、設立された後もどのようにやっていくかということを私の方では非常に考えておりますが、これを行政改革の対象にするかどうかは長官の方からお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 官房長官からお答えがございましたが、元来、法的に申しますと、特殊法人は、もう認可法人も法律の根拠によってつくられまするけれども、私の方の行政管理庁の所管としては特殊法人はそういうことになっておるが、認可法人については法制上、そう私の方の所管にはなっておらないわけでございます。御承知のとおり、認可法人は民間を主とした法人で、所管大臣が認可をする法人でございます。しかし、行政は行政でございますので、私の方も今回特殊法人をいろいろ整理合理化するにつきましては、やはり認可法人も一応考えていくということでございます。したがいまして、行政の一環として、やはりこれは予算の編成の時期に大蔵省等とも打ち合わせて合理化を進めたいと、かように考えておる次第でございます。
○内藤功君 行管長官は、五十年四月二日の行政監理委員会の課題と方針というものは知っておられますね。
○政府委員(辻敬一君) ただいまお尋ねございましたように、五十年の四月二日に「今後における行政改革の課題と方針」というのが行政監理委員会委員から出ておりまして、その中に「特殊法人等の合理化」ということにつきましての御意見が述べられているわけでございます。
○内藤功君 この中には、「認可法人等も含めて検討を進めるべきである」と、こう指摘しています。 それで、運輸省に実態を伺いますが、運輸省の認可法人の二つ、軽自動車検査協会、自動車事故対策センター、この二つについて、事業の内容、それから常勤役員数、理事長の月額給与、退職金の算出根拠、これをひとつ説明してもらいたい。(発言する者あり)
○委員長(小川半次君) 玉置君、不規則発言は慎んでください。
○政府委員(中村四郎君) ただいま御指摘の自動車事故対策センターにつきましては、昭和四十八年に設立されまして、役員といたしましては理事長一名、常勤理事四名、監事一名。 業務といたしましては、自動車の運転者に対します適性診断、運行管理者等に対します指導講習、それから交通遺児に対します育成資金の貸し付け、そのほか後遺障害にかかわる損害賠償額及び補償金の一部立てかえ貸し付け、また不履行判決等の貸し付け等の業務を行っております。 もう一つの軽自動車検査協会でございますが、道路運送車両法に基づきまして昭和四十七年に設立されておりまして、役員といたしましては理事長一名、理事四名、監事一名。 業務の内容といたしましては、軽自動車の検査事務、軽自動車の自動車重量税の納付の確認、税額の認定の事務、軽自動車税の納付の確認の事務、軽自動車にかかわる自動車損害賠償責任保険の契約の確認事務でございます。 理事長の給与ないし退職金につきまして、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほど御報告申し上げたいと思います。
○内藤功君 だれか政府委員、持っていないですか。
○政府委員(山上孝史君) 軽自動車検査協会の理事長の給与は月額七十四万円、それから理事は五十七万五千円であります。 それから退職金の計算方式でありますが、俸給月額の百分の四十五に在職の月数を掛けたものでございます。 自動車事故対策センターも同様であります。
○内藤功君 七十四万円。東大、京大の学長とどっちが高いですか。事務次官とどっちが高いですか。
○委員長(小川半次君) 政府委員でわかっている人いないんですか。
○政府委員(吉瀬維哉君) 現行給与法でいきますと、東大、京大の学長は指定職の最高俸の十二号でございます七十四万円。事務次官はその一格下でございますので、東大、京大の学長と同格、事務次官よりちょっと上という給与かと思います。
○内藤功君 二月の十九日に衆議院の予算委員会で、三谷さんが質問した。これに関連して聞くんですが、運輸省、この二つの法人の常勤の役員の中で、いわゆる官僚出身者の占める割合は何%です。
○政府委員(山上孝史君) 軽自動車検査協会の常勤の役員はすべて公務員の出身であります。 自動車事故対策センターの役員のうち、常勤役員はすべて公務員出身であります。非常勤職員に民間出身の方が二名おられます。
○内藤功君 東大、京大学長並みの、事務次官より上の給与をもらい、そして常勤役員の一〇〇%が高級官僚出身であります。こういうものをやはり国の財政の中で本当に改めていかなくちゃいかぬ、行政改革は福田内閣の目玉だと言われておりますから。これについて認可法人のあり方、この新設、改廃、さらにこの高級官僚の天下りの場所だと言われておるこういう実態についてどういうふうに臨むつもりか、大蔵大臣のお考えを伺いたい。
○国務大臣(坊秀男君) 直接私の所管ではございませんけれども、私の感じをお答え申し上げます。 そういったような認可法人というところは、やはり相当長年のその仕事に対する体験と、それから何と申しますか、学識と申しますか、そういったようなことを必要とする部署だと私は思います。そういったようなところへそこの仕事を十分にやっていただくためにはその仕事をやるに十分手腕、力量のある人を持っていかなければならない、かように一般的には考えられます。だから、そういったような人たちをここに来てもらうということについてはやはり相当の処遇をしなければならない、こういうふうに考えますが、それは一般的のことでございまして、具体的ないろんな特定の場合については慎重に考えていかなければならぬ、かように考えます。
○内藤功君 これは、やはり鋭い国民の批判があるということをここで申し上げておきたいんです。そういう感覚ではいかぬ、本当に行政改革、機構改革をやるかどうか、ここのところの真価が問われているわけだと思うんですね。運輸大臣、この点はどうですか、あなたの管轄のセンターのことを聞いたから。
○国務大臣(田村元君) 私は着任以来、審議会、特殊法人等の委員の新任をする場合に、いわゆる天下りはだめだ、こう言って全部拒否してまいりました。内藤さんのいまおっしゃったこととよく似た考え方を私も持っておるわけです。でありますからこれからも私の在任中はこの姿勢は崩したくありませんが、認可法人につきましても、特殊法人の整理統合等の精神を体してこれを検討していきたい、このように考えております。
○内藤功君 次に、安宅産業の経営破綻の問題に関連してお伺いしたい。 まず通産省。安宅産業の今日の経営破綻の経過とその原因についてどのように調査し、認識しておられるか、これを伺いたい。
○政府委員(濃野滋君) 今回の安宅産業の経営危機の問題の経緯につきましてまず御説明申し上げます。 私どもが安宅産業の今回の経緯につきまして知りましたのは五十年の十二月、安宅アメリカのNRCへの不良債権問題が表面化しました直後でございまして、事が大変微妙な問題でございますので、当省には、その後十二月中にきわめて限定されたかっこうで、当省の首脳部に安宅側から連絡がございました。以後先生御案内のように、五十年の末から一月の初めにかけまして関係者の間でいろいろ相談が行われ、一月十二日の日に伊藤忠と安宅が業務提携の発表をいたしました。私ども通産省の事務当局といたしましては、そのころから両社の意見等を十分聞きながらまいりましたが、その際、私どもといたしましては、安宅産業というのが日本の商社の中ではかなり大きな商社でございまして、この商社の今後の問題が特に国際的な日本商社の信用を傷つけることのないように。それから第二に、今後これからの問題でございますが、業務提携を通じ、さらにその次の段階等に進むに当たりまして、関連企業でございますとか、あるいは取引先企業、特に中小企業への与える影響、それから労務問題等につきまして慎重な配慮をするように、安宅側及び伊藤忠側に対して要請をしてまいりました。 あと細かい点は除きまして、昨年五十一年になりまして安宅、伊藤忠両社は主力銀行等のあっせんのもとに話し合いが進んでまいりました。御案内のように、昨年の二十九日に伊藤忠、安宅……
○内藤功君 二十九日って、何月。
○政府委員(濃野滋君) 十二月の二十九日でございます。 合併覚書の調印をいたしました。 この調印の内容を簡単に申し上げますと、ことしの五十二年の五月末を目標に準備委員会を設けまして、合併契約の締結を目指して両社の話し合いを進めた、こういうことになっております。
○内藤功君 大蔵大臣はどういうふうに認識しておられますか。
○国務大臣(坊秀男君) 安宅産業のここに立ち至りました経緯につきましては通産当局から答弁がありました。大蔵省といたしましては、安宅産業の再建については、現在関係者の間で最善の方策を求め、真剣な検討が行われているものと承知をしております。大蔵省は関連中小企業に悪影響が及ぶことのないように、またわが国経済の海外における信用の失墜を招くことのないよう、十分に配慮していくよう要請し指導しておるところでございます。
○内藤功君 いまの答弁では原因というものが何かが明らかにされていない。通産大臣、もう一回伺いますが、ここに至った原因ですね、だれがやったのかということね、はっきり言って。だれがこうしたのかということについて明確な説明をしてください。どういう調査をしていますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、本件につきましてはただいま御説明を担当官から申し上げましたが、安宅アメリカとNRCの間の取引の問題につきまして、総合商社につきましては国際的な諸関係もございますが、わが国の法の体系に照らしまして、なかなかこれは海外におきまする業界間の取引についての規制の問題は非常にむずかしい問題であろうと心得ております。 なお、詳細は担当官から申し上げます。
○内藤功君 原因を聞いているんだよ、原因はどうですか。原因はわからないのですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、わが国の海外活動に対しましての商社の活動につきましては、日本経済の今日の国際性にかんがみましていろいろの問題もございまするが、同時にまた日本経済に対する大きな貢献もいたしておる。そういう点におきまする国内企業との違いは、これらの問題の詳細な取引状況は不明である点も多いことでございます。しかしながら、この点はただいま申し上げたように契約企業間の問題でございまして、その究明はなかなかわからないというのが現状でございましょう。
○内藤功君 じゃずばり言いますよ、大臣。カナダのニューファンドランド・リファィニング・カンパニー——NRC、これに約三億四千万ドルという大きな焦げつき債権が発生したと。その他、NRCに対する取引の破綻、大量の未回収債権が発生をしたと、これが原因でしょう。大臣どうですか、その点。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話しのようなNRCの関係等々につきましては、私余り詳細に心得ておりませんので、政府委員からお答えいたします。
○政府委員(濃野滋君) お答え申し上げます。 安宅産業が今回の経営危機を招くに至りましたのはいろいろな原因があると思いますが、ただいま大臣から御答弁ございましたように、最初の発端になりましたのは、カナダのNRCの経営破綻ということが直接の端緒になったのではないかと思います。 先生御指摘のように、このNRCは、カナダのニューファンドランド州、これがいわば肝いりと申しますか、バックアップで設立されたものでございまして、アメリカ安宅、これは安宅の子会社のアメリカ法人でございますが、このアメリカ安宅が、NRCのBP——イギリスのブリティッシュ・ペトロリウムから原油の購入のエージェントになりました。そうして、この原油購入買い付け代金、これにつきまして千五百万ドルの長期ローンを供与いたしました。ところが、たまたまこのNRCが操業に入りましたのが昭和四十八年の末であったと記憶しますが、石油危機後の大幅な石油の値上がりその他の理由によりまして、経営が破綻したということが直接の原因ではないかと、かように考えております。
○内藤功君 そうなんですね。私はカナダから取り寄せた破産関係の資料をここへ持っているんです、ここへ。ところが、NRCに対して一日相当多額、何億ドルに上る石油をどんどんどんどん供給している、そうしてどんどんどんどん債権がたまる、だのに供給をずっと続けていった、こういうところに破綻の原因があるんですね。どうです、これは。
○政府委員(濃野滋君) 先生御指摘のように、先ほどまた私が御答弁申し上げましたように、千五百万ドルの長期のローンを与えまして、それに基づきましてBPの油を供給をしていたということは事実のようでございます。その結果、NRCがいわば行き詰まりまして、ただいまの千五百万ドルの長期ローンのほかにいろいろな原油代金が未回収等々になりまして、先ほどたしか先生おっしゃいましたように、三億三千万ドル程度の、要するに債権を所有するに至った……
○内藤功君 四千万だよ、三千七百万ドルくらい。
○政府委員(濃野滋君) はい。の債権を持つに至った、こういうふうに私考えております。
○内藤功君 それで、この問題は、一時安宅産業側が相手から取れない、取りにくいというんで再建を策したことがある。ここに私は再建を策したことをうかがわしめる文書を持っております。ところが、昭和五十年のいまあなたが言った十一月か十二月ごろから、急速にこの会社をつぶしちゃうと。金が取れないときは再建さして取るか、それとも自分は取れなくてもつぶしちゃうという二つの方法が大ざっぱに言ってあると思うんだけれども、初めはNRCを再建さしていくという方法だったのが、五十年の十一月から十二月にかけて急に破産の方に変わっていった、こういうことが非常に事態の中で顕著にうかがえる、究明はここがポイントだと思うんですが、どうです。
○政府委員(濃野滋君) NRCの再建関係につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、州政府、それからイギリスのECGD、これは輸出保険機構でございますが、こういうところが絡んでおったという事実も私存じておりますが、ただいま先生の御指摘の十一月から十二月に、どういうかっこうで、最後の段階でNRCがこの経営危機と申しますか、に至りました詳細の経緯については私存じておりません。
○内藤功君 伺いますが、このNRCのオーナーといわれているシャヒーンというのはどういう性格の人ですか。
○政府委員(濃野滋君) 申しわけございませんが、私存じておりません。
○内藤功君 よくお調べください。これはシャヒーンという人を知らなきゃこのNRC問題、わかりませんよ。これは非常に政界につながっている人だと言われておる、政商だと言われておる。アメリカの情報機関との関連も言われておる人であります。こういうシャヒーンという人がオーナーでやっている人だ。 それから、いま十一月から十二月にかけてのこの破産への動きというものを私は言ったけれども、破産の申請がわずか一カ月ぐらいでカナダの裁判所で通っておるわけですね。非常に急速に五十年の十一月から十二月、一月にかけてこの破産への動きが出てきている。相手が破産しますから、三億何千万ドルあってもこれはもうほとんど取れなくなっちゃう。なぜこういうことをしたのかという問題です。安宅産業が単独の意思でやったのか、それとも、これをいろいろ相談し指導している、いろんな銀行を初めとする人たちはどうしておったのか、この点ですよ。どうです、この点大臣でも局長でも、一番疑問に思うのはこの点です。
○政府委員(濃野滋君) このNRCの破綻後、安宅が自分の債権の保全に努めるために関係者側といろいろ話をしたような事実は私ども情報として承っておりますが、詳細どのようなことをしたかにつきましては、通産省としては存じておりません。
○内藤功君 一番肝心なところが調べられていない。いま安宅産業の人たちは、自分たちのこれからの身の振り方もさることながら、どうして十大商社の一つである安宅産業がこのような破綻に陥っていったのか、その真因がどうしてもわからない。これはどうしても究明したいと、みんな商社マンとして腕っこきの人ですから思っているんですよ。明らかにするところは政府しかないじゃありませんか、これは。私どもの調査能力ではできないです。ところが、いまのお話じゃシャヒーンという人も知らない、その人の性格も知らないというんじゃこれは話にならない。 もう一つ聞きますが、破産申請に当たっては、モルガン・スタンレーが動いたと言われている。アメリカのモルガン・スタンレーというのはどういうような法人です。
○政府委員(濃野滋君) 先生御指摘のモルガン・スタンレーが、この債権問題の処理について動いたという情報は私ども得ておりますが、モルガン・スタンレーにつきましては私存じておりません。
○内藤功君 何が動いたのは知っているって……。
○政府委員(濃野滋君) モルガン・スタンレー氏が、安宅産業のこの債権の後始末と申しますかにつきまして、モルガン・スタンレー氏が動いたという話は情報として私ども承っておりましたが、モルガン・スタンレー氏については私存じておりません。
○内藤功君 何を言ってるんですか、モルガン・スタンレーというのはミスターじゃないですよ。個人じゃないんです、法人なんだよ。
○政府委員(濃野滋君) モルガン・スタンレー、私存じませんもので申しわけありません。モルガン・スタンレーが動いておったという情報は私ども持っておりましたが、モルガン・スタンレーにつきましては、私内容については存じません。
○内藤功君 まあ私は深くとがめませんが、モルガン・スタンレーはミスターじゃなくて、これは一つの投資会社です、これは。ですから、大きく言ってモルガン財閥の一つなんですね。このモルガン・スタンレーがどういうふうに動いたというふうにあなた方調査していますか、通産省は。
○政府委員(濃野滋君) 御答弁申し上げましたように、私もどういう動きをしたか存じておりません。一つは、日本の安宅産業本社とはもちろん実質的な関係はございますけれども、安宅アメリカという法人と、それからカナダ法人との問題でございましたので、私どももその詳細の内容については存じていなかった、こういう次第でございます。
○内藤功君 モルガン・スタンレー氏が動いたと言うものですから、相当お知りかと思ったのですが、何もわかってないようですね。よくお調べください。 それから、カナダから取り寄せましたいろいろな記録をずっと見ますというと、モルガン・スタンレーは、そのときまで合理化再建の動きがあったのに、この会社はもうだめだ、NRCはもうだめだという報告書をいろいろとって、そうして破産に追い込んでいった。裁判には管轄というのがありますが、本来ニューヨークの裁判所でやるべきものを、いろいろな証拠書類をアメリカの弁護士を頼んでうまくつくって、そうして管轄違いのニューファンドランドの裁判所へ出したと、こういうような点も一つ問題になっているようですね。私はそういう点から言って、この破産申請に持っていったこの背景、動きというものは非常に重大だと。これはミスター・シャヒーンですね、NRCのオーナーであるシャヒーンは、これは国際石油資本がつぶしたのだと、メジャースがこれはつぶしたのだと、こういうふうに言っております。つまり、NRCがアメリカの東海岸の方にずっと石油の販路を出していた。それに対してこのメジャースがこの安宅産業と組んでいるNRCをつぶそうとした陰謀じゃないかということを、共謀という言葉を使っていますが、この破産関係の主張の中では彼らはしているわけなんです。私どもはこれはこれから調査しなければならぬと思います。どうしてもこれは日本のこれから起きてくる問題ですから調べなくちゃいけないと思いますが、こういう点どうですか。あなた方は調べておられるかどうか、今後調べるつもりがあるかどうか、これだけ聞きたい。
○政府委員(濃野滋君) 私ども通産省といたしましては、この事件の起こりました五十年の末から昨年の初めにかけまして、いろいろ安宅及び伊藤忠の今後のいわば再建の方途等につきましては、大変限られた範囲でございますが、いろいろ——先ほど申し上げましたような今後の通産省としての考え方等につきまして政府としての立場を要望いたしましたし、またそれぞれ両社の首脳部から何回か報告等を受ける。こういうことはやってまいりましたが、ただいま先生御指摘のNRCが破綻に至りました特に国際的な原因等につきましては、ただいまのところ調査をしておりません。 ただ、先生ただいま御指摘の第二番目の問題でございますが、こういう問題は、今後のやはり日本の海外進出企業、それをめぐるいろいろ国際的な力関係の動き等参考になると、私もそう思いますので、国際的な、しかも外国の問題でございますので、どこまで調べがつくかわかりませんが、ひとつ調査をしてみたいと、こういうふうに考えております。
○内藤功君 私に言われてから調査というのじゃ本当に頼りないと思うのですね。大商社を日本共産党は民主的に規制しろと政策で言っていますが、大商社に働く一人一人の人はみんな労働者であって、これは大事にしてやらなくちゃいかぬ、優秀な人が多いのですから。そういう立場で聞いているのです。これからそんなことが起きたらたまったものじゃないでしょう。通産大臣、大蔵大臣、静かに黙って謹聴していただいて大変ありがたいのですが、どうなんです、国際的背景があるのです。これは認められるでしょう。どういうふうに思います。どう調査します、これ。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生御指摘いただきましてまことにありがとうございました。 なお、メジャーその他の国際的な活動に対しまして、われわれも今後ともなお一層十分にそういう問題につきましては関心を持たなければならぬ、かように存じておりまして、ありがとうございました。
○国務大臣(坊秀男君) 事態、非常に重大なことだと思います。慎重に、熱心にこれを検討してまいりたいと思います。
○内藤功君 この調査は相当度胸が要りますよ。アメリカの国際石油資本が出てきますよ。どんなものが出てきても恐れないで調べますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、この石油政策というものは、国際的に見ました場合には、非常に大きな世界的な政策であったこともよく存じておりまするが、特に英米等のメジャーといいますか、非常に大きな世界的なネットを持ち、同時にまた背景も大きなものがあることも仄聞いたしております。そういう間におきまして日本のエネルギー政策をどう持っていくかという責任を持っておりまする私どもといたしましては、あるいはこの石油のメジャーの問題、あるいはまた原子力の問題、その他いろいろな問題が広範に浮き彫りにされてまいるだろうことも考えられます。今後ともにこういう問題につきましては十分に調べてまいりたい、かように存じます。
○内藤功君 次に労働大臣に伺いますが、社会労働委員会でも聞きましたが、あなたはおられなかったものですから。安宅産業に働く人、いま二千人ぐらいいるのですよ。それから下請と関連で二万人ぐらいいるのです。家族を合わすと三倍として六万六千人いるわけですね。大きな社会問題ですよ。あなたも関与された三井三池の大争議、あれは一万二千の炭鉱労働者の首切りで何年もの大闘争でしょう。社会問題です、これは。社会問題だ。 この雇用対策、これはもう一生懸命やってもらわなければ困ると思うのですが、優秀な商社マンの人はいっぱいいるし、下請関連企業も堅実なところが多かった。このNRCの失敗で六万人の下請の人やなんか、家族もみんないま本当に生活不安におののいているわけだ。これ、どういうふうにしますか、決意を伺いたい、決意と方策を。
○国務大臣(石田博英君) 安宅産業は御指摘のとおり十大商社の一つでありますから、そこに働いておられる従業員の数あるいはそれの関連企業の数、そういう人々に雇用の不安を与えているという事実は私どもも重視をいたしております。 したがって、まず第一に、こういう人たちに雇用の不安を与えないように、いわゆる人員整理とか解雇とか、そういうような手段をとらないようにするのが企業者の責任であるという立場から、安宅産業に対しましてそういう方向での接触、行政指導に当たっております。 で、安宅産業の労働組合からも私あてに、第一に、全員が伊藤忠商事に移れるように、第二には移籍することを好まない者に対しては就職のあっせんをするように、また退職金は、いわゆる会社都合という立場で退職金を支払うように安宅産業に対して行政指導をするようにという要望書もちょうだいをいたしております。 われわれといたしましては、いま申しましたような企業者側の努力と責任を強く自覚を促すとともに、やむを得ず出た解雇者あるいは人員整理を行わなければならぬ場合におきましては、労働組合と十分話し合いを続けてもらうと同時に、労働基準法あるいは雇用促進法の規定、たとえば解雇予告等の法律の規定を遵守せしめるとともに、私どもの方としては、それでもなお出た場合、これは相談業務あるいは就職のあっせん、あるいはまた雇用保険法その他の適用に努力をいたしますが、優秀な人が多いので、中枢におる人の再就職ということはわりあいにまあ何とかなると思いますが、関連企業の場合はなかなかむずかしいので、そういう意味で特別の配慮と努力が必要であろうと思っております。
○内藤功君 この問題は一方的な解雇、指名解雇などという方法をとることは、もう絶対にこれは許されない問題だと思うんです、原因が労働者にないんですから。これはときどき、これからも社労で毎日やりますから。やっぱり言葉だけじゃなくて、実際にやっていただきたいと思います。 時間がないので外務大臣に伺います。 これは国際信用にかかわる問題、外国に支店が多いわけですな。そして現にジュッセルドルフだとか、あるいはパリの支店なんかでは、現地の労働者の方が組合をつくって、これで労働問題が起きている。実情をわれわれもテレックスで若干承知はしていますが、外務省としてお調べになっているかどうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 安宅産業のドイツのジュッセルドルフの支店、これは現地法人でございますけれども、現在この解雇問題が起こっておりまして、現地人の職員、男子が十六名、女子が十五名、合計三十一名の現地人の職員がおりまして、この退職の条件につきまして、ドイツの法律に基づいて当事者双方を含めた調停委員会が設けられて、四月十三日より同調停委員会での話し合いが始められているという予定の由でございます。 安宅産業のパリの出張所につきましては、労働争議が発生しているという情報は聞き及んでおりません。目下、事実関係を調査中でございます。
○内藤功君 関連をして、労働者の問題について二、三お伺いしたいと思う。 まず、石田労働大臣、報道によると、仲裁裁定の完全実施について、かねがね所信を貫かれる決意があるやに伺われますが、この点まず伺いたい。
○国務大臣(石田博英君) そのとおりであります。
○内藤功君 仲裁裁定というのは、ストライキ権の代償として認められたものですから、たとえば国鉄の運賃の値上げ条件と絡まして、値上げが法律で通らなければ賃金は上げない、こういうことを言うのは命や生活を値切ることになるから、私はもう筋として認められないと思う。この点どうですか。
○国務大臣(石田博英君) 御説のとおり、公労法で争議権を禁止している代償として仲裁裁定の完全実施がうたわれているわけであります。ただ、その除外例として、資金上、予算上不可能な場合という除外例はありますが、三十二年以来この除外例は適用されずに今日まで完全実施をしてまいりました。まだ仲裁が出ていない段階でとやかく言う立場にはありませんけれども、その法律運用の精神、私は三十二年にもこの問題にタッチをした人間でありますので、そういう精神でこの問題の処理に当たりたいと思います。
○内藤功君 次に、失業対策賃金、失対賃金の問題について伺いたいと思います。 私、ここに労働組合の全日自労のおつくりになった失対就労者世帯全国家計調査中間報告というのを持っているんですが、本当にいまの物価高の中でひどいものです。けさの新聞によると、東京都の都民の実感として、物価は二四・九%上がったという感じだと。そうして生活費を切り詰めて、娯楽費を切り詰め、被服費切り詰め、嗜好品を切り詰め、さらに光熱費、副食費、主食費も切り詰めざるを得ない人は一割もいるというのですね、重大な問題でしょう。これどう思いますか、食費を切り詰める、労働大臣。
○国務大臣(石田博英君) 生活の実態として食費まで切り詰めなければならないという状態では、これはやはり私は非常に大きな問題だと考えます。
○内藤功君 私、ここにこの失対労働者の人の手紙をたくさん持ってきているのです。もう時間ないから読めませんけれども、この中では、本当に高血圧あるいは心臓で苦しんでいる、それから一カ月の実収が大体五万円ぐらいだと、それから食べ盛りの子供が何人もいるというところでは、本当に一食たとえば百何十円という副食費しか使えないという人がいっぱいいるということが、この中で生々しくわかっています。後で、ここにありますから、大臣見てくださいよ。ここにありますからね。 私は、こういうような状況下でこの失対賃金の問題、細かいことは社労でやりますが、どういうふうに改善に努力をするか。地域の最賃以下になったことだってあるのですね、これは。労働者を大事にするというのは国の基本なんです。どういうふうに改善に努力するおつもりですか、基本的な姿勢を政治家として伺いたいです。
○国務大臣(石田博英君) 御病気になられた方に対しては日雇い労働者の健康保険がございます。できる限りこれによって援護をしてまいりたいと思います。 それから、失対事業の賃金につきましては、その他の同一の労働に当たっておられる人の賃金と勘案し、失対事業の賃金を審議会の御意見を聞いて決めておるところであります。現在の状態では、失業対策事業の算定は労働時間を六時間と見ております。最低賃金は八時間と見ておるわけであります。そういう観点から、時間単位にいたしましても、また日額にいたしましても最低賃金を下回っていないわけでありますが、これから近い将来最低賃金が改定されますと、それを下回る可能性も出てまいります。そういう場合におきましては改善の措置を当然とってまいらなければならないと思っております。
○内藤功君 この全日自労の家計調査というのは非常に細目にわたっているわけですがね、これもひとつあなた見てください。この中身によると、カロリーの六割を主食からとっているのだ、主食から。そうして、しかもその主食も買えなくなってくると。子供が三人もいて、朝、御飯三杯も食う子供のいるところでは本当に身の細る思いだということが切々と訴えられていますよ。これは重ねて私は答弁求めませんけれども、本当に一番大問題です。さっきの七十四万円の月給をもらっている高級官僚の天下りね、ああいうところに金を使うんだったらもっと使う道があるじゃないですか。ここをよく考えなくちゃいけない。さっきの答弁ではぼくはずいぶん不満な点がある、これと結び合わしてみた場合。ひとつこれをしっかりと要望しておきたいと思うのです。
○国務大臣(石田博英君) 私は、実は山谷友の会の会長を十数年やって、その実態について比較的よく知っているつもりでございますので改善に今後とも努力をいたします。
○内藤功君 月に七万円でいま食えますか。いま大臣、失礼だけれども、ここに七万円出して、あなた一カ月これで生活していけと言ったら食べていけますか。
○国務大臣(石田博英君) 私の現在置かれている条件ではそれはとても無理です。
○内藤功君 次に、労働基準監督官の問題、現在の対象事業所数、基準監督官の現人員、最近法制度改正に伴う業務量の増加の実態、これらについて、これは政府委員で結構ですが、お答え願いたい。
○政府委員(桑原敬一君) お答えいたします。 十年ぐらい刻んで見てみたいと思いますけれども、昭和四十年のときには、監督官の数が二千五百九十八人でございます。適用事業所数が二百十七万一千。一番新しい五十二年度の、予定になっておりますけれども、監督官の数が三千百人でございます。で、事業所数は五十一年度の数字になりますけれども二百九十一万二千ということになっております。で、業務量のはかり方、なかなかむずかしゅうございますが、大体三倍程度にふえているんではないか、こういうふうに考えています。
○内藤功君 基準監督官一人当たりの担当事業所数は幾つになります。
○国務大臣(石田博英君) 人員も多少増加をしておりますけれども、業務量、対象事業所数がうんとふえておりますから私の記憶では一年間に対象事業所の八%弱程度しか監督できないように聞いております。したがって、極力必要人員の確保に努めたいと思っております。
○内藤功君 八%ということは、一〇〇を八で割ると、十二年か十三年かからないと全部回れないということなんです。大変な事態ですね。大臣、毎年のように社会労働委員会で、新しい雇用保険法ができる、何法ができる、安全衛生法ができる、労働法が変わるたびに附帯決議で基準監督官をふやしなさい、増員しなさいと何回やられていますか。ここに持っていますよ。何回やられているか。これくらい守られない附帯決議はないですよ。国会軽視じゃないですか、あなたは労働大臣になって、この国会の附帯決議を体を張って実行する、これがもう、労働基準監督官をふやすことがすべてじゃないけど、いまの基準法をちゃんと守らせる道なんですね、労働者を守る道なんです。命を守るのが基準法なんですから、長生きさせるのが基準法なんですから。これ、どう思いますか。どうします。
○国務大臣(石田博英君) 基準監督官の業務量が非常にふえている、それとともに、それだけじゃなくて安定所の職員にも非常に不足を来しております。だから、業務童の増大に見合うように今度の予算折衝でも努力をしたつもりでおりますけれども、なかなか思うに任せませんが、業務量が飛躍的に増大をしていることにかんがみ、極力その増員に努めるとともに、一方においては業務処理方法というようなものにも改善を加えていかなきゃならぬと思っております。
○内藤功君 大蔵大臣、いま聞いておられた失対賃金の改善の問題と、それから労働基準監督官や職安職員の増員問題について、大蔵当局としての御見解を伺いたい。ただ国の財政が許さないというだけじゃ認めませんよ。
○政府委員(吉瀬維哉君) 失対賃金の増額、これにつきましては、従来、生活保護世帯とかその他の全体のバランスをつくって考えております。ただ、いろいろないま御指摘の事情もありますので、今後なお労働省と御相談してまいりたいと、こう思っております。 なお、いまの労働基準監督署の方の定員の問題でございますが、労働大臣お答え申し上げましたとおり、監督官につきましては若干の増員を図っております。 それからもう一つ、一般会計の全体の職員、内藤委員御承知のとおり、各省庁とも事務的な職員につきましては、非常に困難な中で御協力いただきまして全体としての定員カットを図っているわけでありますが、なお、私ども労働基準監督署の職場の実情をよくつぶさに研究してまいりたいと思っております。
○内藤功君 大臣いかがですか、大臣。
○国務大臣(坊秀男君) 主計局長がお答えを申し上げましたが、その線に沿って努力をいたしてまいります。
○内藤功君 最後に防衛庁長官、ブラウン長官がアメリカの雑誌コマンダーズ・ダイジェストで、北東アジア海上ルートについて、日本の責任の一層増大という論文を書いているようですが、この論文に出ているブラウン長官の考え方について、防衛庁としてどう考えておられるか、この点、一点伺いたい。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 コマンダーズ・ダイジェストの記事の御指摘のようでございますが、御指摘がございましたので一読さしていただきましたが、その背景はつまびらかにいたしておりませんけれども、私といたしましては、ニクソン・ドクトリン等と同様な考え方に立って関係諸国の自動的な努力、そういうものについて一般的な意見を述べたものだと受けとめておるわけでございます。で、これによって、長官といたしましては、わが国の防衛につきましては、御承知の国防の基本方針、防衛計画大綱にのっとりまして、あくまでも独自の立場で防衛整備を続けてまいる、そういう立場をとって今日までまいっておるわけでございます。今後もそういう方針でまいる所存でございます。
○内藤功君 アメリカが要求している日本の対潜戦略と、日本が独自にやる対潜戦略と、これはどこが違うんですか。ぼくはかねがねこれ聞きたいと思っていた。どこが違うんです。独自のというのはどこが独自。
○政府委員(伊藤圭一君) いま分けて申されましたが、御承知のようにわが国は海に囲まれた国でございます。したがいまして、海上自衛隊は、創設以来沿岸防備と対潜作戦というものを重視して防衛力を整備してまいったわけでございます。そしてその能力をつけてまいりましたが、一方わが国はアメリカと日米安保条約を結んでいるわけでございます。したがいまして、アメリカにとりましては日本の防衛の責任を持っているわけでございます。したがいまして、自衛隊が必要な独自の力を持つということは、やはりアメリカにとっても期待されるところであることは間違いないことだと私どもは理解しておるわけでございます。
○内藤功君 これは質問の意味が局長もわかっていないんですね。アメリカのこういういろんな要請が、ずっと一九六〇年代から出されてきている。それに日本が協力してくる、国力相応に協力するというんじゃこれは何にもならない。日本という東北アジアの島国の海洋防衛というものと、アメリカという太平洋のずっと向こうにある大陸国の、太平洋、大西洋両洋に面している国の海上防衛、海軍戦略というのは違うはずなんです。どこに違いがあるというふうに防衛庁長官は思っているのか、この認識なんですよ。
○政府委員(伊藤圭一君) これは技術的な問題でございますので申し上げますが、先ほど来申し上げましたように、海洋国である日本の海上自衛隊といたしましては、対潜作戦、沿岸防備というものを重視して整備してまいったわけでございます。そして、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、ニクソン・ドクトリンの延長にございまして、アメリカというのは自由主義圏のやっぱりリーダーとしての自覚は持っておりますが、同時にまた、世界各国四十三カ国と安全保障条約を結んでいるわけでございます。したがいまして、それぞれの国がそれぞれの国に応じた力、防衛力というものを持つということは、やはりアメリカにとっても期待しているところであろうと思います。したがいまして、世界的な戦略の中のものということではなくて、自衛隊が装備して、整備してまいりました対潜能力というものが、結果的には自由主義圏諸国にとりまして、海でつながれておる現状においては好ましいことであるというふうに考えられるものでございます。
○内藤功君 私は、よく問題がわかっていないから、四つ指摘したいと思うのですよ。 一つは、対潜戦略というのは、海底を走る原子力潜水艦を捕捉し、それを探知し、識別して、攻撃して破砕するという、こういう恐ろしい戦略体系ですね、戦略であり戦術であります。これは四つ問題がある。一つは、必ず核というものに結びついて発展していく。それから二番目は、これは日米が共同した場合に、必ずアメリカの戦略というものと、その中に組み込まれていく危険というのを常に感じて、これからどういうふうに日本固有の利益を守っていくかを考えなくちゃいかぬ。それから三つ目は、すぐれて日本の憲法との関連、これをどう見るか。それから、相手国がこの対潜作戦に対するまた対抗兵器、対抗戦略を考える、際限のない軍備競争というものに陥っていくおそれはないか。私はこの四点が非常に重大だと思うんです。これをよく考えていただきたい。これについての御意見があれば承って私の質問は終わりたいと思うんです。
○政府委員(伊藤圭一君) 潜水艦を探知し捕捉し攻撃する、これは対潜作戦のまさに戦術でございます。それが核に結びつくというようなことは、私どもは直接——どういうふうに言われておるのかわかりませんけれども、現に原子力潜水艦というものがふえております。したがって、その能力も持ちたいと思っております。 日米共同作戦に組み込まれているということをおっしゃいますが、私どもは日本に必要な船を守る対潜作戦、潜水艦の脅威から守るということを中心に考えておるわけでございまして、また憲法との関連におきましても、急迫不正の侵害があったことから日本の安全と独立を守るということは問題がないと考えております。 また、対抗兵器がどんどんエスカレートしていくではないか。これは軍事技術というものは日進月歩でございますから、そのときどきに応ずる必要な対抗措置というものは考えていかなければなりません。現に原子力潜水艦の出現によりまして、この対潜作戦というものも変わってきているというのが現状でございます。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして内藤功君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後三時まで休憩いたします。 午後一時一分休憩 —————・————— 午後三時十九分開会
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題といたします。 それでは、これより質疑に入ります。小笠原貞子君。
○小笠原貞子君 まず、日ソ漁業交渉についてお伺いいたします。 外務大臣にお伺いいたします。昨日の鈴木・イシコフ会談の内容はどうなっておりますか。特に、その中で鈴木農林大臣は何を主張されたか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 昨日の鈴木・イシコフ会談は、モスクワ時間の午前十一時から十二時十分までというふうに行われました。その間に議論になりました問題の第一は適用水域の問題であります。二番目には、日本の領海が拡大された場合の取り扱いの問題でございます。 適用水域の問題につきましては、従来の日本の主張を鈴木大臣は主張されたのに対しまして、先方は、従来からの先方の主張を申されて、適用水域としては、大臣会議決定と申しますか——閣僚会議決定と申しておりますが、それをもって適用水域とするという先方の案を主張されたということで、適用水域の問題は解決することができずに、恐らく本日また議論が継続されるだろうと、こういうふうになっておるところでございます。 二番目の問題につきましては、日本の領海内で操業するということは、先方は、撤回といいますか、撤回をしたというふうに報告を受けているところでございます。
○小笠原貞子君 相変わらず水域の問題では平行線ということなんですが、今後どういう決着になるというふうにお見通しになっていらっしゃるか。また、昨日の会談の結果を受けて鈴木農林大臣にどういう訓令が出されたか、その問題をお伺いいたします。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 昨日の会談後に当方が訓令を出すということは行っておりません。したがいまして、従来どおりの政府の方針で交渉に臨む次第でございます。
○小笠原貞子君 幹部会令でやると言われても、閣僚会議決定はこれに基づいて決められたものだ。つまり、幹部会で決まったのに基づいて閣僚会議決定というのが出されていると。具体的な線引きは当然四島周辺を含むものにならざるを得ないというふうに考えますが、いかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ソ連邦最高会議の決定におきましては、ソ連の沿岸に二百海里の漁業水域を設けると、こういう決定でございます。また、その第六項目のところに、その実施細目といたしまして、大臣会議で決めるというふうになっておるわけでございまして、これはソ連邦の国内法でございます。したがいまして、私どもは最高会議の幹部会令と、それから閣僚会議の決定というものにつきましては、その意味するところの意味は違っておるというふうに考えておるところでございます。
○小笠原貞子君 意味するところの意味は違っているというのはわかるわけですけれども、具体的に幹部会令でやるということになっても、それを受けての閣僚会議決定だから、それでは幹部会令決定でやれば四島周辺を含まないというふうにはっきり言えるのですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 両者の主張が、当方は最高会議幹部会令という表現を主張し、先方が大臣会議の決定を主張しているということは、これは両者としてそれだけの意味の違いがあるからであるというふうに私どもは理解をしております。それ以上のことにつきましては、本日また最終的な詰めに入る段階でございますので、これ以上のことは差し控えさしていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 こちらの考えとしては、幹部会令でやれば四島周辺は含まないというふうに考えられるけれども、向こうとしては、それを受けて閣僚会議であれだけ出されたのだから、幹部会令でも当然そこを含むものになるという理解に向こうは立っているというふうにお考えになりますか。
○政府委員(宮澤泰君) 領土問題に関します日ソ間の見解が違っておりますので、そこで、私どもといたしましては、この領土問題に関しますわが国の主張を傷つけないような形で漁業の取り決めをいたしたいと、こういう考え方でございまして、そのためには、先方が定めました規則のうち、最高会議幹部会令を引くことによって日本の立場は守られると、このように考えております。
○小笠原貞子君 それはあくまで希望的観測というふうにしかとれないというふうに私は思います。 それじゃ、園田長官にお伺いしたいと思いますけれども、コスイギン首相との間で、鈴木・イシコフ会談では漁業問題に限るということで合意したと述べていらっしゃいます。ところが、いま現実に交渉が難航しているのは、領土問題が絡んでいるということから起こってきていると思います。園田さんが、わざわざ総理の代理として訪ソして、そしてこの領土問題には一言も触れずにおしまいになった。こういう事態では、ソ連の線引き、領土要求を前提にしての交渉にならざるを得ないというふうに考えられますが、いかがですか。
○国務大臣(園田直君) 私が親書を持って総理大臣の代理でソ連の首脳者とお会いしたのは、その目的は、鈴木農林大臣とイシコフ漁業大臣の会談は三月三日交換された書簡によって合意されております。ところが、その後、ソ連の方が厳しくなってまいりまして、会談は中断をされ、白紙の状態でもう一遍やり直そうと、こういう厳しい状態になってまいりましたから、私は、総理の代理として、漁業ばかりでなく、文化、芸術、あるいは経済、全般にわたって日ソの交流、親善、これはきわめて重要であるということを申し上げて、そして、この漁業の問題が、日ソの間で両方の指導者が懸命に、日ソ間の遊離の争いの種にはならないで、かけ橋になるように、イシコフそれから鈴木農林大臣の会談が前回に引き続いて継続再開されるという幕開きが私の主な目的でございます。そこで、会談の結果は、コスイギン首相と私の間で合意しました点は、漁業を専管する農林大臣と漁業大臣が継続再開、速やかに会談を漁業問題に限ってやると、こういう合意を得ましたので、私はこのほかに国会議員の訪ソ問題を要請して帰ってきたわけであります。そこで、いよいよ翌日から会談が開かれ、土曜、日曜は厳しい中にもソ連は友情と理解を示して、土曜、日曜にもかかわらず顧問団も折衝を始められ、事務的な折衝が始められたわけでありますが、漁業問題に限ってやる場合に、やはり両方とも口には出しませんけれども、将来の問題がありますから、その問題をめぐっていろいろ対立をしておると、こう解釈をいたしております。
○小笠原貞子君 つまり、領土問題については何にもお話しにならなかったと。それで問題はいまこじれている、そこで問題はこじれていると。わが党は、御承知のとおり、千島周辺の水域の線引きについては保留するようにと、これはソ連と交渉するようにと政府にも申し入れましたけれども、ここが一番合理的な解決策になると思う。これを避けて通るということは、いつまでも問題を後に残すことになる。政府は、はっきりソ連に対して申し入れということをすべきではないかと思うのですけれども、いかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 共産党が、千島全体を、何といいますか、返還要求されておるということも伺っております。領土の問題につきましては、もう御承知のような経過をたどっておるわけでございまして、七三年に田中前総理がブレジネフさんと共同声明を出されたわけでありまして、以来、毎年外相定期協議の機会に平和条約交渉をあわせて行い、この領土問題の解決に全力を傾けてきたところでございますけれども、残念ながら今日まで解決できないでおるという事態でございます。今日、二百海里時代となりまして、この領土問題がさらに拡大された形で問題になってまいるわけでございますので、この領土問題自体につきましては、私自身も適当な時期に訪ソいたしまして懸命の努力をいたしたい、こう思うわけでございますけれども、今日漁業問題とこの領土問題を絡めますと、これはなかなか未解決の問題で、事によってはもう漁業が大変な不可能な事態にもなりかねない、こういうようなことが心配をされるのでありまして、漁業は漁業といたしまして解決を図る、こういうふうな立場でおるわけでございます。
○小笠原貞子君 絡めるとやりにくくなる、漁業でやるべきだとおっしゃるんだけれども、現実にいま混乱して難航しているというのは、絡めない絡めないとおっしゃっても、これが絡んでいるから現実には最大の焦点になっているというのが素直な見方だと思うのです。政府がこれを黙して語らず、避けて通るという態度は、漁業と領土問題を分離するどころか、事実上ソ連の主張をのんで漁業問題を解決しようという立場にしか立っていないと思う。だから、こういう弱腰だから、これまで領土問題についてもしっかりした態度をとってこなかったという結果が出てきていると思うのです。 外相は、国会終了後訪ソするといまもおっしゃいました。そして、いままでもソ連と交渉をしたとおっしゃるけれども、確かになすったけれども、その熱意や具体的な積極的にどこまで詰めるかというところでは、まことにおざなりだと言わざるを得ないわけです。今度外務大臣がおいでになりましたら、日ソ平和条約を締結し、少なくとも歯舞、色丹の返還を実現するなど、領土問題の解決に具体的に決着を迫るというような立場でおいでになるかどうか、その辺の御決意のほどはいかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま具体的な御提案がございましたけれども、多年の懸案である領土問題を解決いたしたい。これはなかなか困難な道であると思います。しかし、これに何らかの打開を図りたいというのが私の念願でございます。そういう意味で懸命の努力をいたす所存でございます。その中で、歯舞、色丹という具体的な名前が出ましたけれども、いかようにするかということは、いま交渉する前にそのようなことは申すべきでなかろう。政府は従来から四島一括返還という態度を決めているわけでございますので、あくまで従来の政府の線に沿いまして努力をすべきである、このよう考えております。
○小笠原貞子君 農林大臣に伺いたいと思います。 日ソ交渉妥結の後、もうこれは避けようもなく休業、転廃業という問題が出てくると思うわけですけれども、この休船、減船というような問題について、いま共補償方式をとるというようなことが内定し、三、四月の休業についてもこの方式にしようというふうに伝えられていますが、いかがですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 日ソ漁業交渉については、わが国の操業実績の確保に最善を尽くしているところでございますが、交渉の結果、休業、減船等のほか、水産加工業にあっては地域によって原料の資材、魚の入手難というようなこともございます。これらをあわせまして、政府としては、この場合予想されるこのような関係者等と十分協議をして、漁業及び水産加工業の実態に即応した施策を講じていきたい。したがって、関係漁業者にできるだけ混乱を生ぜないように対応してまいりたいと考えております。 なお、三月以降におけるソ連二百海里内でのわが国のニシン漁業の操業中止につきましては、すでに出港し、または待機中の刺網等の関係漁業者から、さしあたり網の仕込み代、あるいはまた乗組員の賃金、これに対する融資措置についての要望がございましたので、農林省として関係金融機関に対しまして協力方を要請いたし、現在関係者の間で必要な融資を行っているところでございます。また、交渉の延長に伴い、四月一日以降のソ連二百海里水域内における底びき網漁業等の操業を見合わすよう指導しておりますが、漁業経営の安定対策について、漁業の実態に応じて適切な措置を講じてまいるとともに、水産加工業にあっては、操業の実態を十分把握して今後の見通し等を勘案の上、適切な措置で対応する考え方でございます。
○小笠原貞子君 具体的に共補償の問題を聞いたのです。共補償で解決しようという問題についていま聞いたのですけれども、それは……。
○委員長(小川半次君) 小笠原君、起立して。
○小笠原貞子君 いや、言ったのをとってないんだもの。
○委員長(小川半次君) その場合でも起立する。
○小笠原貞子君 質問をちゃんと聞いていないから。
○委員長(小川半次君) あなたの時計はとめているのだから。発言者は起立することになっているのです。
○小笠原貞子君 はい、わかりました。
○政府委員(佐々木輝夫君) いまの大臣の答弁につけ加えまして、共補償だけでやるのかという御質問がございましたけれども、その点につきましては、やはり、減船の程度であるとか、あるいは減船を受ける漁業者の経営規模であるとか、そういう漁業の経営の実態に即しまして、必ずしも共補償だけで処理ができないケースも当然あり得るというふうに私どもとしては考えておりますので、それぞれのケースに応じて適切な救済対策を考えていきたい、共補償はその一環にすぎないというふうに考えております。
○小笠原貞子君 共補償で、漁民だけの犠牲ではない、政府もちょっぴりやると言われたけれども、今度は非常に問題が大きくなって深刻になっている。いままで程度の共補償に政府が援助するというような考え方なのか。この際、共補償と言っているけれども、それはいままでと違った大きな援助をするというのかどうか。
○政府委員(佐々木輝夫君) 先ほど御説明いたしましたとおり、減船の程度あるいは漁業経営の事情によって救済対策のあり方というのはそれぞれ違ってまいるというふうに考えております。順序を追って考えますと、まず第一には、やはり企業の内部での経営の自己努力というのが当然ございます。それから一部の減船でとどまります場合には、残存する漁業者がやめていく人たちに対していわゆる共補償ということを考えなければならない、こういう部分もございます。それからまた、減船程度が非常に大きくて、残ったものについてもとうていそれは全部仲間だけでは負担し切れないというケースも当然あり得るわけで、そういう場合には適切な国の財政資金による救済措置も必要である。こういうものをケース・バイ・ケースで漁業の実態をよく検討いたしまして適切な対策に組み立てていきたいというふうに考えているわけでございます。
○小笠原貞子君 政府が弱腰で、そして漁獲量が減らされて、その犠牲は共補償が中心になって漁民の犠牲でやれというのでは、もう全く当事者にとってはやり切れないわけですから、その辺のところを十分配慮して考えて対処していただきたいと思います。 それから漁民だけが受ける被害ではなくて、たとえば稚内なんていうのは、市民の七割が漁業関係者、特に加工業者だとか、運搬業者だとか、もう倒産しているところだとか、非常に深刻になっているわけです。こういうものに対しての補償はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(佐々木輝夫君) 地域によりまして、関連産業、特に水産加工業の方にも原料の供給等を通じて相当大きな影響があるということは十分承知いたしておりますが、加工業の場合には漁業の生産そのものよりもさらに実態が複雑でございまして、もともと原料の供給には季節的な変化といいますか季節性がございますので、加工業の方もまたそれに応じて原料の入手を必ずしも自分の周りの基地だけでなくて他の漁業基地等から季節によっては搬入をしてくるとか、複雑な実態がございますので、そういう加工業の方の実態を十分把握いたしまして、それに対する影響をできるだけ少なくするように私どもとしては検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 漁業再建整備特別措置法というのは、もともと石油ショックのときの漁業経営の悪化に対応したもので、本格的な二百海里問題による減船はこれではとても無理だと思う。こういうことについて、いまの事態は乗り切れない、この問題をどういうふうに考えていらっしゃるか。 それからついでに大蔵にも聞くわけですけれども、こういう漁業者、関連業者というようなものは決してその人たちの責任ではなくて外交上の問題として大きな打撃を与えられているということから考えれば、当然国の責任で補償というものを大きく考えていかなきゃならない。その辺の大蔵大臣のお考えもあわせてお伺いしたい。
○国務大臣(坊秀男君) お答えいたします。 大蔵省といたしましても、この日ソ交渉がどういうことに相なりますか、それに非常な関心を持って注目いたしておりますが、目下のところははっきりとした結果はまだ予断できないというようなことでございますが、仮にそういったようなことの結果、たとえば転廃業せにゃならぬとか、減船をせにゃならぬとかいったような漁業者が生じてきた場合には、関係各省と相談をいたしまして、そうして日本の漁業界に混乱の生じるといったようなことは、これはできるだけ防いでまいる措置をとりたいと、かように考えております。
○政府委員(佐々木輝夫君) 漁業再建整備特別措置法の中で予定していますのは、これは一応自主的に漁業者が経営状況等を判断して、漁業別に一つの再建整備計画と申しますか、減船を含んだ計画を立てて、そういう経営構造の改善をやりますときに、公庫資金等でいわゆる仲間補償の、共補償の資金的な援助をしようというのが主眼になっております。先ほど申し上げましたように、減船の程度いかんによっては、この程度の救済措置ではとうてい全体の再建整備ができないというケースも当然考えられますので、その漁業種類ごとの経営の実情なり減船程度に応じまして、いまの再建整備特別措置法による対策のほかに、それぞれ適切な対策を組み合わせて考えていきたいというふうに思っているわけでございます。
○小笠原貞子君 鈴木農相は二百海里対策として相互主義ということを強調されているわけですけれども、具体的に北海道周辺などに設定された水域に韓国漁船が入ってくるというような場合は、韓国と新しい漁業協定を結んで、現在のようなあのひどい被害を出させるような操業を規制することが当然必要だというふうに思うわけなんで、これは確認してよろしいですか。
○政府委員(佐々木輝夫君) 現在、道東及び日本海側の方で韓国漁船がトロール船が十数隻操業をいたして沿岸との間でいろいろトラブルを起こしているのは事実でございます。昨年もこういった事態がございまして、まあ公海の上での操業の調整の問題でございますので、従来から西の方で日韓関係ではそれぞれ民間同士で話し合いをしながらこういった紛争の防止なり事後的な処理をやってまいりました積み上げがございましたので、昨年六月に第一回の民間同士の会合を北海道で持ちまして、こういったことを話し合いながら紛争防止に努めようということを申し合わせをしておった経緯がございます。これを受けまして、ことしの三月になって韓国船の操業が急に増加いたしまして沿岸での紛争も増大いたしましたので、再度、水産庁からも韓国の水産庁の方へ申し入れをいたしまして、こういった紛争の防止なり、また、起きました事故の解決について業界を十分指導するようにということを強く申し入れました。それを受けまして水産庁側の方でも、日本の北海道の周辺に設定されています十二海里内の操業あるいはその設定されております沖合い底びき網漁業の禁止区域、こういったものについては業界を指導して十分それを心配しないようにさせるということを約束したほか、大型のトロール船については日本近海からできるだけ早く南方海域に転出をさせるといったような一連の約束をいたしまして、同時に、民間ベースの話し合いを早く再開させようということで、一応民間同士の話し合いが先月の末から今月の初めにかけてソウルで今度持たれたわけでございます。それによりまして、いまのような操業上の十二海里内の操業自粛、あるいは底びきの禁止区域の自主的な遵守と申しますか、そういったことについて協力をするということを民間ベースで申し合わせをしたわけでございますけれども、いままでに起きました被害の事後的な処理につきましては、再度ルール等をもう少し詰めた上でことしの六月を目標にして民間協定を結びたい、かような話し合いになっております。私どもとしては、こういった民間での話し合いを指導しながら、今後の韓国漁船の操業の状況等を見守りつつ、適切な指導なり対策を考えていきたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 労働大臣、季節労働者の問題についてお伺いいたします。 北海道の季節労働者、約二十九万とも三十万とも言われていますけれども、九十日給付が五十日にカットされた。非常に深刻な状態に陥っているわけです。法律で決めたから、だからしようがないんだと言われるけれども、たった一年の経過措置でこれが行われたということは、季節労働者当事者にとってはまさに暴挙と言わざるを得ないというふうに私は思うのです。大臣として御見解を伺います。
○国務大臣(石田博英君) 旧失業保険法の時代は、給付と負担の均衡という上において非常に大きな問題があった。これを保険の本来の性質の上から考えましても、それから保険自体が日本じゅうの勤労者によって拠出されているという実情から考えましても、均衡ある対策を講じなければならぬというので雇用保険法の改正となったわけであります。現状としては、季節労働だけでとれば、納付金は七十八億円、そして給付は千四百億円、そのほかに四分の一の国庫負担があります。北海道だけでとりますと、納付金は二百五十億円、それから給付は九百九十九億円、非常な不均衡です。それで、これからの日本全体の雇用問題を考えますときに、やはり再就職の機会の少ない中年層、高年齢層にさらに手厚くしなければならない場合も生じます。そういう状態を勘案いたしましてあのような改正をした次第であります。ただ、北海道の場合は専業者が非常に多い。そこで、そういう特殊性にかんがみまして、やはり雇用機会の増大、特に冬季における雇用機会の増大というものに力を尽くすと同時に、職業訓練その他を通じて通年雇用それから常用雇用の増大に努めていきたい。現に五十一年度補正予算は二月二十五日に全部執行を終わりました。それから災害復旧については債務負担行為によって三月の中旬に終わりました。五十二年度の予算も例年よりは一月近く早く実施できる予定でございます。
○小笠原貞子君 大臣の秋田にも季節労働者がたくさんいらっしゃるわけなんですけれども、一口に季節労働者と言っても、夏型と冬型とありますね。北海道と秋田と比べてどういう特徴があるか。そして、北海道の場合、冬季を抱えている。通年雇用といって、冬に仕事があるからといって冬までも仕事ができるかどうか、その辺の御認識。北海道の場合にはそういう専業型の季節労働者がどれくらいのウエートを占めていると御認識なさっていらっしゃいますか。
○国務大臣(石田博英君) 北海道は、いま二十九万とおっしゃいましたけれども、私どもの調査では二十八万というふうな、一万くらいの数は違っておりますけれども、大体似たようなものであります。私の郷里は五万二千人。北海道の場合は大部分が夏型であります。私どもの方は夏型と冬型半々です。それから私どもの方は農林業との兼業が多い。したがって、私どもの方の職業安定課を通じまして意識調査をいたしました結果は、六二%は改正された現行制度の方がいいという返事が来ておるわけであります。そこで、専業型をさらに分析してみますと、比較的年の若い人がかなりおります。その年の若い人は、やっぱり常用化あるいは通年雇用という方へ持っていくのが本当であろう、こう思うのです。そのために、明年度は、職業訓練を主体にした対策を新たに北海道に重点を置いて考えたい。それから先ほど申しましたのは北海道に対して特に行った処置であります。また、そのほかに、いろいろ生活費の貸し付けとか、あるいは町村の単独事業というようなものをやっていらっしゃる市町村も多いのでありますが、それに対しては、特別交付金、これはまあ指定をするわけじゃありませんけれども、それを十分含んだ特別交付金の給付というものも配慮をいたしておる次第であります。
○小笠原貞子君 時間がないから、それじゃ具体的に伺います。二十九万の季節労働者がいるわけですが、その就労対策として七万人という数字が出ていますけれども、この根拠は一体どこから来ていますか。
○国務大臣(石田博英君) 詳しい具体的な数字は職業安定局長からお答えをいたしますが、特に急がない者、あるいは自分で仕事を探せる者、そういう人たちを引いた数が七万人ということでございます。
○政府委員(北川俊夫君) 要対策人員七万人と言いますのは、昨年の十一月に職業安定所でそこに参ります出かせぎ労働者の調査によって得た数字でございます。 なお、昨年の十一月以降本年の六月までにかけまして実態調査の詳しい調査をやっておりますが、その調査によりましても、これもまだ全部ができておりませんが、五安定所、十一市町村で調べました出かせぎ労働者の困窮状態でございますが、働き場所の見通しありというのが二八%、ないけれどもみずから出かせぎが可能であるというのが五%、急がないというのが六十五%、見通しがなくて出かせぎができないというのが一四%、結局この一四%の人が要対策人員ではないかと思います。したがいまして、先ほど先生が約三十万人と、こうおっしゃいましたけれども、この推計から言えば七万人という数字は決して少なくないと、こう考えております。
○小笠原貞子君 その時点では、働き口を探せば何とかなる、一時金をもらったから何とかやっていけると言うけれども、だんだん進んでくればそういう人たちが生活できない。いまのお話ですと、残りの二十二万人は何とかやっていけるというふうに見ていらっしゃるわけですね。
○政府委員(北川俊夫君) 少なくともこの調査によりますれば、自分で何とか職が見つけられる、あるいは早期にことしは就労の道を一応予定をしておる、さらには夏の間にかなりの蓄積をしてその準備をいたしておると、こういうことでこの回答が出ておると私たちは理解をしております。
○小笠原貞子君 その辺が実態と全然違うという御認識をいただきたい。後からそれは詰めていきます。 それでは、その七万人に対して具体的にどういう方向で就労させようと考えていらっしゃるか、具体的にお答えください。
○政府委員(北川俊夫君) 先ほど大臣が申し上げましたように、まず公共事業につきましては昨年の補正、それから災害復旧につきましては昨年度内に発注をいたしております。これによりましてどのぐらい吸収ができるかということにつきましては、これは個々の民間の業者が受け持つものでございますので正確には申せませんけれども、私たちは大体二万ないしは三万近い者がそれで吸収できるのではないか。さらに、本年度予算につきましても、公共事業の早期発注を関係官庁にお願いしておりますので、これでも約二万近い者が吸収できるということを望みとして持っております。それ以外に、われわれとしましては、労働諸対策といたしまして、職業訓練、通年雇用の奨励金によります通年雇用、さらには道内での就職あっせん、それから道内で就職あっせんができるということが大変望ましいことでありますけれども冬の間この九十日から五十日に変わったために生活がどうしてもできないという緊急の方につきましては、やはり望ましいことではありませんけれども道外就職ということにつきましては最大の努力をしておりまして、これによりまして私たちは七万人の方々についてはすべて対策が打ち得るると、こう考えております。
○小笠原貞子君 確かに数字では七万人が分けられてきているわけです。 それでは伺いますけれども、通年雇用がたとえば四千人見ていると。それから出かせぎ就職が一万二千二百というので実績が一万一千となっています。その実績はどういうふうにつかんでいらっしゃいますか。
○政府委員(北川俊夫君) 公共職業訓練は現に千三百人やっております。通年雇用の実績はすでに五千七百人ございます。それから三月末現在で地元就職の対策が約一万人就労をいたしております。道外就労対策につきましては、北海道の職業安定機関及び本土の職業安定機関が連携をとりまして、本年はかなり多く一万三千人の実績を上げております。
○小笠原貞子君 いま言われた数字は、全部七万人から吸収されるというふうに見ていいですか。それとも、二十二万働きたいという人が余分に予備軍としている。その中から入ったということも考えられると思うのですが、どうですか。
○政府委員(北川俊夫君) 七万人は、先ほど申しましたように、安定所の窓口へ出て安定所に何らかの就職について要請をしておると、こういうものでございますので、いま申しました訓練ないしは通年雇用それから道内外の安定機関を通じての就職というのは、対象の七万人がほとんどであると、こう考えております。
○小笠原貞子君 七万人がほとんどそこに吸収されているというその根拠は何ですか、どういう調査でそうなっているのですか。
○政府委員(北川俊夫君) 一人一人に目印をつけておるわけでございませんので、そういうことを確かにということは申し上げませんけれども、調査といたしまして、安定所の窓口で、安定所でお世話をする必要があるかどうかということで七万出てきたわけでございまして、安定所を頼りにしない方は恐らく安定所にはおいでにならないだろうと、こういうことで推定をしております。
○小笠原貞子君 そこのところが実態と違ってくるということになるわけなんですね。いっぱいいろいろな人がそこに流れていっている。七万人は対策としてちゃんと入れたと思っているけれども、いっぱいはみ出している。だから、現実にこれでは対策が立てられているようだけれども、現実にあるのは、大変生活が困る、仕事がほしいという問題が残っている。この事実は一致すると思うのですよね。 それでは開発庁にお伺いしますけれども、先ほど公共事業ということで吸収すると言われたけれども、公共事業でどれくらいの規模でどれくらいの人数が就労できると見ていらっしゃいますか、その中で季節労働者をどれくらい就労させ得ますか。
○国務大臣(小川平二君) 一つの例でございますが、補正予算、これは事業費ベースで百五十八億円でございますが、これによって就労可能になる人数がおよそ九千人でございます。それから災害復旧事業、これは五十一年度末までに五十一億円の事業を実施したわけでございますが、これによって就労の機会を与え得たと推定される人数が八千人でございます。それから五十二年度の開発公共事業費は総額で三千二百億円になります。労務費比率を乗じて単価で割るという非常に単純な計算をするわけですが、四万六千人という数字が出てくるわけでございます。
○小笠原貞子君 いままで御説明いただきました。いろいろ立場として、たとえば大臣は保険の立場からおっしゃる。そして、数の上できれいに整理はされている。しかし、現実に大変困っているという人たちがたくさんあるからこそ、いままで政府に十二次にわたって北海道からでも数百人に上ると思います、交渉に参りましたし、各市町村自治体でも、これは市町村自治体ではとてもやり切れないということで陳情や決議が行われているわけなんです。だから、この現実の上に立ってものを処理していただきたいと思うわけなんです。私たちが調査いたしましたけれども、たとえば一時金をもらって就職を探しに室蘭から帯広までずっと行ったけれども、十二万円の一時金というのはその旅で使ってしまった、自宅に帰って一銭もなくなっちゃって食べる物もない、寝たっきりで本当に衰弱したところを私たちの調査の中で発見されてきたという人が現実に出て訴えてきました。また、美唄の場合には、土木作業員の方ですけれども、その奥さんが自宅で首つり自殺をされたと。また、あるところでは、もうやっていけないというのでお母さんを置いて夫婦で蒸発していった。時間がないから言えません。だけれども、こういう現実というものは、幾ら机上できれいに言葉で整理されても、現実に残っているんですね。しかも、一年でこれを経過措置として出されたということは、当事者にとって一年でそういうつてがあるとかないとか非常に困難な問題なんです。だからこそ、九十日の給付に復活してくれと、もう少し継続してくれという要求は、生きるか死ぬかという問題から考えて当然配慮していただかなければならない。保険会計のバランスがどうだと、そこで考えるのじゃなくて、この人たちを生かすのか殺すのか、このままでいいのか、それを労働大臣に伺いたいと思います。そして、そういう実情がはっきりつかめていないからこそ、きれいごとで数字が整理されている。こういう実態調査というものをぜひやっていただきたいと思います。その点お答えください。
○国務大臣(石田博英君) 実態調査、できるだけ正確を期した実態調査は、いま北海道庁と協力をして進行中であります。 それからいまいろいろな御事情でわれわれがとりました措置に入らないでなお苦しんでおられる人たちもいらっしゃると思います。先ほど七万人の数についてお話しがありましたけれども、要するに職業安定所に就職あっせん、就業あっせんを依頼し、申し込んだその人が対象になるわけで、何とかなるといって申し込まない人は対象にしようがないわけであります。そこで、それを大体七万人と踏んでおるわけでありますから、その中の措置はできる限りのことをしたと思っております。しかし、こういう北海道の状態というもの、これは非常に遺憾なことであり、お気の毒なことだと思うのですが、雇用保険会計だけでこれを処理しろとおっしゃるのは私は無理だと思います。私は、五十日と九十日の間に四十日差がありますね、それは、工事の発注を一カ月早める、そうして、大体工事の量というのはこういう形になっておって夏場にうんとふえておる、これを平準化する、そういうことをすることによって四十日をなるたけ埋めていくようにしたい。それから同時に、比較的若い人が多いわけでありますから、若い人たちに対してはやっぱり職業の訓練と結びつけてやりたい。そうして、その腕に職をつけたことによって常用化し、通年雇用が可能になるということを目指すのが本筋。それを、日本じゅうの勤労者から集めておる雇用保険だけで北海道の対策をやってみんな引き受けろとおっしゃるのは、これは私は無理だと思います。保険会計を預かる者としてはそういう立場はとれません。
○小笠原貞子君 私は雇用保険だけで解決しろというふうに固執はしないんです。ただ、私は、生かしてほしい、殺さないでほしいんです。 それじゃ、雇用保険の問題だけでは解決つかないとしたら、いろいろとその問題についてどの関係省庁と話し合ってどういう道を考えるかというところまで配慮していただけますか。
○国務大臣(石田博英君) したがって、北海道に特に重点を置いた予算執行時期を早める処置、それから災害復旧については特に債務負担行為までやります。それから五十二年度予算の実施を一カ月とはいかなくても二十日でも二十五日でも早めたいというので道庁といま一生懸命交渉中でございます。
○小笠原貞子君 早期発注されても、総枠が決まらないから、早く仕事をもらったら秋に早く仕事がなくなっちゃうというふうなことが不安になって出てくるわけですね。もう時間がないんです、私。あとまた問題を抱えていますから、これをあとずっとやりますから、積極的に調査だとかいろいろな方法を考えてください。考えるのはおたくの方の仕事なんだから、しっかり考えていただきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 私の方も考え、対策を講じますが、私の方だけでやれとおっしゃるのは無理です。
○小笠原貞子君 それじゃ、もう時間がないから次に移ります。 農村婦人の健康問題についてお伺いしたいと思います。 五十一年度農業白書を見ると、農業は安定成長時代の第一歩を踏み出したというふうに強調されているんです。しかし、実態調査をしてみますと、表は電化された、機械化されたというけれども、その中における農民、特に婦人の健康というのは、非常に阻害されて憂慮すべき状態になっていると思う。この農村の婦人の健康状態を農林省、厚生省はどういうふうな認識を持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 農村婦人の健康状況でございますが、私ども生活改善の仕事で農山漁家健康生活管理及び家族労働適正化特別事業というのを昭和四十年度からずっと五十年度まで継続して実施しております。この事業の中で健康状況の調査をやっておるわけでございますが、これによって見ますると、調査対象農村婦人の中で、血圧に異常のある者、あるいは血液の比重が少なくて要注意、要するに貧血状況の人、あるいは腰痛等の何らかの症状を示している人がかなり多く見られるわけでございます。また、いわゆる農夫症の症候群についても調べておりますが、肩こりでございますとか、いま申し上げました腰痛等を訴える者が多く、概して言えば男子よりも婦人の方に多い傾向が見られるというような状況でございます。さらにまた、五十年度から健康モデル地区育成事業におきましても健康調査を実施しておりますが、これは始まったばかりでございますけれども、これについて見ましても、男子の場合と女子の場合と調べてみますと、精密検査を要する、あるいは要注意である、あるいは医療を要すると判定された者が男が五一%、婦人が五五%ということで婦人の方が多いという結果が出ております。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省は毎年十月に国民健康調査といったものを行っておりますが、それで見ますと、全国民の患者の数は人口千人当たり一〇九・九でございますけれども、郡部の患者さんは一〇二・七と、全疾病で見ますと農村の方が有病率は低いのでございます。しかしながら、その内部構造を見ますと、循環器の疾患とか、あるいは神経及び感覚器の疾患、つまり神経痛とか目や耳の疾患、こういったものが一般の方方よりも三割から四割ぐらい高いという状態になっております。また、四十六年から四十九年に行いました成人病基礎調査の結果によりますと、女性の全国平均の高血圧者は一八・九%でございますが、農村世帯の婦人は二三・四%と少し高くなっております。
○小笠原貞子君 この問題についても、具体的な実際の調査というのが非常に大きく役割りを果たしていると思うのです。単にアンケート調査というようなことでなくて、たとえば北大の医学部公衆衛生学教室で九人の学生が時計を持って農家の一人一人について一緒に仕事をやって労働時間をはかったというのが出ているわけです。それで見ますと、たとえば労働時間は、多い人は十六時間十分働いています。十時間以上働いたというのが四七・一%あるんです。それから妊娠していつまで働いたかというのが、九カ月まで働いたというのが三・七%、前日まで働いたという人が三・七%、陣痛発来するまで働いたというのが実に九二・六%もいるという現実の調査というのがあるわけなんです。それから生理日というのは一体どうやっているかといったら、もう全くそういうことはなくて、ふだんと同じ労働をしているというのが九七・二%あります。この別海は酪農地帯です。今度、滝川市江部乙というリンゴ農家の家庭の主婦で農事日記をつけている人に聞いたんです。一日に十時間働いています。そうすると、年間三百七十四日働いた。つまり、三千七百四十時間働いた。決してこれは私が極端な例を出してきたのじゃない。こういうふうに、本当に北海道なんかに行ったら労働強化というのが非常にひどくなっておるんです。 そこで、労働大臣にお伺いしたいのですけれども、労基法で労働時間というのは一体どういうふうになっていますか。
○国務大臣(石田博英君) 労働基準法におきましては婦人について、賃金、時間、あるいは労働の種類の制限、母性保護等の規定がございますが、具体的なことは婦人少年局長からお答えいたします。
○政府委員(森山真弓君) 労働基準法におきまして女子についてさまざまな保護が決められておりますが、まず、たとえば労働時間につきましては、時間外労働を原則として一日二時間、一週六時間、一年百五十時間以内にとどめること。また、休日労働が禁止されております。さらに、原則としては女子は深夜業——午後十時から午前五時までのことですが、その間の就業は禁止されております。また、危険有害業務の就業制限というものもさまざまございまして、たとえば動力によるクレーンの運転その他職種が指定されまして就業が制限されております。それから坑内労働も禁止されております。また、生理日の就業が著しく困難な女子及び生理に有害な業務に従事する女子に対する生理休暇というものも認められております。特に、母性保護につきましては、原則として各六週間の産前産後休業、妊娠中の軽易業務への転換などが決められておりますし、生後一年未満の生児を育てる女子に対する一日二回、各三十分の育児時間も決められております。さらに、産前産後休業及びその後三十日間の解雇制限、あるいは年次有給休暇の算定に関して産前産後の休業期間は出勤したものとみなすというようなことが規定されております。
○小笠原貞子君 先ほど私が具体的に労働時間や妊娠の陣痛が発来まで働くというような実情は決してごく一部のことではないと、そういう実態をきょう聞かれたわけですけれども、そういうことを聞かれて、農林省として一体これをどういうふうに考えるか、厚生省として健康を守るという立場でどう考えるか。そして、いまお話しありました労働婦人には少なくとも決して十分とは言えないけれどもこういうような保護がされているという立場から考えて、農村婦人の労働強化というような問題についてどう考えられますか、お二人から伺います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 農作業の安全対策というものを作成いたしましてこういうようなことについての指導を特に注意いたしまして、この基準の中で、妊娠者は振動を伴う機械作業には従事すべきではないというような旨を定めて、そして通知をし、その指導に当たっておられるのであります。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましても農村婦人の健康問題は非常に重視いたしまして、農村保健対策といったものを四十七年度から厚生省で実施いたしておりますが、その第一は農村医学の研究でございまして、農村婦人の貧血問題、あるいは農薬障害の問題とか、重機械の導入によるけがの問題とか、そういったことを研究いたしておりますし、また、循環器疾患とか、がん疾患、こういったものを中心にいたしまして健康管理指導車の整備を図る、さらに病院の少ない地域においては農村検診センターの整備を図るというような施策を総合的に講じております。その農村保健対策として毎年約六十万人の農村の方々の健康相談をしているのでございますが、こういった特別対策のほかに四十一年からはがん対策を実施しておりまして、胃がんの集団検診とか子宮がんの集団検診は全国で行っておりますし、また、肺がんとか乳がんの検診は十三、四の都道府県で行っております。また、循環器疾患対策も一般市町村対策といたしまして四十三年度から特別地区対策を始めておりましたが、四十八年度から全国の全市町村で循環器の一次検診を行っていただくという施策を進めているところでございます。
○小笠原貞子君 いろいろとこういう対策をとった、ああいう対策をとっているということが言われたけれども、そういう対策をとられていても、いま言ったのは現実に起こっている問題なんです。こういうことが解消されないというのは一体どこに問題があるか、農林大臣はそれをどう考えられるか。厚生大臣は、その現実と、いままでやってきたと言われるけれども、このひどい現実を一体どこに原因があってどうすべきだとお考えになりますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 御承知のように、農業は個々別々であって統一的な行動がなかなかとり得ない家庭産業でありますので、こういう面からいって一々家庭に向かって指導はしておりますけれども行き届かない面があると思います。したがって、今後はさらにこの面については普及員等を通じましてその指導に当たらせてまいりたいと存じます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま農林大臣が言ったようなことと同じことだと思いますが、やはり一つは産業政策上の問題があると思います。もう一つは、これは厚生省の所管というよりも、文部大臣からもっと婦人を大切にするようにそれは言ってもらった方がいいのじゃないか。やはり農家の人は非常に働くんですよ。ですけれども、休養もとってもらうというような、地域社会の間でそういう運動を起こしてもらうということがいいのじゃないだろうかと、かように考えます。
○小笠原貞子君 普及員を通じて指導する、そして地域社会でもそういう認識を高める運動をしてほしいと。確かにそのとおりだと思うのです。それができていない。できていないのをどういうふうにしていったらできると思われますか。
○政府委員(堀川春彦君) 確かに、いま大臣からお答え申し上げたとおり、十分でない面がございます。しかし、生活改善事業というのは農家の家庭の健康を守るというところに一つの大きな主眼があるわけでございます。特に家庭婦人の職務も守りながらかつ農作業に従事をしておる、農業就業人口の六割二分は農村婦人であるというような実態から見ますと、生産と家庭というものが両立できるように濃密なグループ指導を強化するというようなことが非常に重要なことになってまいろうかと思うわけでございます。また、近年こういう問題について農業団体の認識も非常に深まってまいりました。来年度予算では農業団体とタイアップをいたしまして農村の健康を守る推進のための特別事業というのを展開することにいたしております。いずれにいたしましても、不十分なところはそういう予算上の施策ばかりでなしに、生活改善の普及事業全体を通じましてやってまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 それでは、参考人の若月先生、御足労いただいてありがとうございました。 ぜひお伺いさせていただきたいと思うのですけれども、いま言ったような農村の実情を、先生の活動を通して、いろいろと実情がいかにひどくなっているか、その原因だとか、そしてこれをどうしたらいいかというような、母性保護の立場から含めて御見解を伺わせていただきたいと思います。
○参考人(若月俊一君) いま御質問ございましたから、私ども日本農村医学会の組織を通じましてこの二十年間ずっと北は北海道から南は沖繩に至るまで農民の健康問題につきまして第一線の医者を組織しましていろいろと調査しまた研究をいたしてきましたことにつきまして、いま御質問のことだけをお答えいたしたいと思います。 いまいろいろ御討論ございましたが、私ども第一線で農民の健康を守っている人間にとりましては、一番の悩みは、先ほどもお話がございましたけれども、農民にはいわゆる労働者と違いまして労働法が適用されません。自主営業というような形であって、どんなに働いてもそれは自分がもうかるんだから自分の勝手だということで、労働法の適用もございませんし、これは母性保護の問題は特にそうでございますけれども、その他のことに関しましても、たとえば事故、災害の問題につきましても、労災の対象にはなりません。ですから、一緒に私どもの病院なんかに入院している患者さんで、工場でけがした人はもうちゃんといろいろ保護の中で災害補償の対象となって安心してと言っちゃおかしいけれども、とにかくきちんと入院できます。その間の生活費ももらえます。しかし、農民はそうはいかない。トラクターにしましても、最近のいろいろなコンバイン、カッター、昔からあります脱穀機にしましても、手や足をけがする、相当ひどいけがになることがあります。それに、土と取り組む仕事でございますので、破傷風の危険がございまして、破傷風になりますと、御承知のとおりいまでは命取りと言ってもいいくらい、破傷風のアナトキシンの注射の問題もございますけれども、そういうことが行き届いておりません現段階で非常に危険があったわけです。それに補償も何にもございません。農薬中毒の問題もそうでございます。それから最近、先ほどもお話しございましたように、農林省では、産婦に対しては振動の強いトラクターや耕運機は使わせないように指導しているというお話でございましたが、かつては耕運機流産といいまして、耕運機でかあちゃん農業のかあちゃんたちがずいぶん流産したものでございます。いまは大分よくなりました。また、ハウス栽培が非常にもうかるのでハウス栽培をやりますと体を壊しまして、これをハウス病と彼女らは言っております。こういう問題に対しての、職業病と私ども考えるのでございますけれども、職業とか労働とかという概念は農民には適用しない、このもどかしさというのが一番つらいところでございます。 これは一体労働省なのか農林省なのか厚生省なのかわからないというようなところで実際にそういう問題が起きておりますので、御承知のとおり、日本の乳児死亡率は非常に低いので、日本の平均余命が高くなったと同じように世界的に有名で、私どもの誇りの一つでございますが、これに対しましては厚生省の大変な御労苦があったと思いますけれども、また医学の発達が大きな役割りをしていることは言うまでもございません。しかし、よく調べてみると、子供をたくさん生まなくなったということが大きな原因で、少なく生んでよく育てるというのが原因でございますが、しかし、この少なく生んでの中に、よく東南アジア諸国あたりから批判されるのでございますけれども、人工妊娠中絶をどんどん日本でやっているからそのせいだと言われる面もございますし、また、周産期死亡をとりますと、お母さん方の妊娠、出産に合併する病気の死亡率はそう低くないのです、この問題をよく調べてみますと。したがって、いまここで話題が出ておりますように、農家だけではございませんけれども、妊娠、出産に関するいろいろな危険というものは、それはおくれた国たちよりはずっといいですけれども、先進国としては決してそういい形になっていないというようなこともございまして、まだまだこの辺について、ことに農家の主婦については大きな問題があると私どもは感じておりますが、いま言いましたように、まず第一の問題は、農民は、特に日本の農業の実態は、御承知のとおり兼業農家が主体でございまして、かあちゃん農業になっておりますか.ら、いわば早い話がかあちゃんがお米をつくっているようなものでございます。そのかあちゃんの健康が十分に守られていないというこのもどかしさ。それにつきまして一つ私どもが考えますのは、これをもう少し彼女たちの希望のように、人間ドックといかないまでも、集団検診をどんどんしてあげて、そして予防的にやれば、これがもっと彼女たちの体を守るのみならず、医療費の低下も起こるのじゃないかというような考え方を持っております。
○小笠原貞子君 いまもおっしゃいましたように、いろいろな新しい形の健康破壊というのが進んでいる、そして、日本の農業を支える婦人というのがもうすでに六割を占めるというような状態でございます。そうしますと、これは日本の国にとっても工業と同時に大事な基幹産業としての農業の働き手だということで、この健康という問題は単なる農村婦人の健康だけの問題ではない、非常に大きな問題として認識していただかなければならないと思うわけです。 そこで、お伺いいたしますけれども、七五年の七月一日に国際婦人年世界会議というのが開かれた、そしてそこで決議が採択されております。そこでは、一体、この農村婦人の健康、農村婦人をどういうふうに位置づけられているか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○説明員(久保田眞苗君) 世界行動計画におきましては、特に開発途上国を中心といたしまして、婦人が農業を支える大きな労働力であるという指摘から始まりまして、各章におきまして農村婦人に特に留意するといういろいろの指摘がございます。 その中で主なことを申し上げますと、たとえば一九七五年から八〇年までの当初五年間に目標とすべき最低の事項といたしまして、食糧の生産に携わる婦人の勤労の経済的価値の認識、あるいは特に農村に住む婦人等につきまして、農業技術、保育施設、あるいは労力節約の設備の開発、また、特定分野の行動につきましては、特別の農村婦人のための訓練計画、それから社会福祉の面におきまして、保健サービスの充実、基礎的な保健サービス、あるいは定期的な訪問等のサービスを行うこと、産前産後、出産時のサービスあるいは家族計画に関するサービス、なお、保健教育につきまして、農村の近隣社会内での保健教育、母子の保護についての研修コース等を設けるということを勧告しておるところでございます。
○小笠原貞子君 確かに、開発途上国の農民の婦人がたくさん多いというところから重視されたということはわかるのですけれども、それじゃ、高度に発達した資本主義の日本だから、だからこれは世界行動計画であるというふうに私は位置づけられない。やはり日本においても農村婦人の健康というのは非常に重視すべきだと思うのです。ずっと世界行動計画を見ましたら、もう序章から始まってあらゆるところに農業に携わる婦人という問題が入って、特に「健康及び栄養」というところでは、軒並み、百八項、百十、百十一、百十二、百十五、百十六とずっと特に農村婦人はというふうに入れられているんです。私は、当然国内行動計画においても日本の農民の問題を非常に重視してもらいたかったと思うのです。この国内行動計画をつくられるに当たって、農林省としては農村婦人の問題を考えて、総理府がおまとめになるときにこの国際婦人年の国内行動計画について積極的にその問題をどの程度お考えになったか、また、厚生省としてもこの問題をどういうふうに国内行動計画に反映させようと努力なすったか、お二人からお伺いしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほどの総理府から御説明がありました世界的な動きを受けまして、国内の行動計画におきましては、「施策の基本的方向とその展開」という部分がございますが、その中に「農山漁村における条件整備」という項を一つ立てていただきまして、そこにいろいろのことを書いてございますが、健康に関します問題といたしましては、「農山漁村における健康生活指導を充実するとともに、特に婦人の過剰労働を解消するため、家事労働の合理化、農作業条件等の改善を進める。」というふうにうたってあるわけでございます。 具体的な施策といたしまして、私ども、たとえば農業改良資金という特別の無利子の融資制度ございますが、その中に生活改善資金という枠を設けまして、農家の家庭生活の改善のためのいろいろ貸し付けを行っておるわけでございます。先ほどお話の出ましたハウス病の問題も一つの新たな課題でございまして、私どもは共同して、農家の方々が高温多湿なところへいきなり入って長時間働いて、出てきて急に冷えるというようなことから来る障害というものを除くというような趣旨でこの改良資金を貸し付けしまして、そういうことのないような緩衝地帯になる休憩所をつくるというようなことも始めておるわけでございます。その他いろいろ施策をこれからも充実をして進めていかなければならないというふうに思っております。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましては、まず、先ほど申し上げました農村保健対策の充実を図りますと同時に、国民のまた農民のライフステージに応じました、たとえばただいまも先生からお話がございましたが、母子保健、老人保健、また先ほど申し上げましたような循環器の予防対策、がんの予防対策、こういったものの充実を農林省ともよく相談しながら図っているところでございます。
○小笠原貞子君 こういう農村婦人の場合は、非常に特殊な状態で労働過重の状態に置かれているというような場合ですよね。そうしますと、やっぱりその実態というものを調査しなければならないのだけれども、その調査というのが、農林省のやられる調査というのはいつでも経済的な問題からの調査だというふうに私は大変残念に思うのです。そういう労働条件だとか母性保健の立場から調査ということをなさってどう対策を立てられるかということと、それからいろいろと専門の方々に調査を依頼されると思う。たとえばきょうおいでいただいた若月先生の農村医学界への調査というようなこともされていると思うのですけれども、いままでにそういうところへどういう項目でどういう調査をされたか。
○政府委員(堀川春彦君) 農作業あるいは家事労働の関係と農村婦人の健康の問題、これは大変大事な問題でございますので、ただいま健康モデル地区育成事業というようなことをやっておるわけでございます。さしあたりは、いままでの調査結果の上に立ちまして、もう少し農業労働と健康との関係が明らかになるようにということを明らかにするために、露地野菜とか施設園芸、果樹、酪農、これから後は水稲とか養鶏その他いろいろ取り上げていくつもりでございますが、そういう主産地におきまして主たる農業というものが行われております。そこへ婦人労働がどういう形で参画しておるのか。参画の仕方によりまして健康問題がそこから出てくる、そういうつながりを探ろう。つながりを探った上で対策を立てましょうと。先ほど厚生大臣もお話しございましたが、農作業自体の軽減と申しますか合理化、それから農作業のあり方に対応した休息の取り方とか、食事、栄養の取り方、こういうことが問題になってくるわけでございまして、生活改善普及事業の中でそれを受けとめまして、現地に即した課題の設定と解決方法を見出して取り組んでいく、こういう事業を進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省の農村保健調査研究委託費は歴史が長うございまして、昭和四十五年度からでございまして、これまでいろいろな研究をいたしてまいりました。特に農村婦人に特別関係があるというのは貧血の問題でございましたけれども、明年度予算が承認されれば、四つのテーマを考えております。これは大テーマでございますが、農作業に起因する呼吸器障害、つまり農夫肺等に関する研究、それから農業機械化による健康障害に関する調査研究、三番目は農業化学物質の人体並びに環境に及ぼす影響に関する研究、四番目が農村における血液生理上より見た健康の基礎的指標に関する研究、大テーマとしては以上の四つでございます。
○小笠原貞子君 いろいろ厚生省、農林省で研究テーマを出して研究されているというのを私も見せていただきました。ただしかし、それがまとめられた結果どういうふうに行政に反映されたか。いわばこういうふうな調査をしていますよというはっきり悪い言葉で言えばアリバイづくりであって、これが行政にきちっと反映されていないというふうに私は見える面がないとは言わない。この点は、その調査されたものが具体的にどういうふうに反映されたというような何か一つの実証があったら、それについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほど、一番冒頭に、四十年から五十年までかけましたいろいろ調査をいたしておりますということを申し上げたわけですが、これの中で、これは延べ四千六百人くらいの男女を対象にしてやったものでございますが、調査と同時に、処方せんをいろいろと現地で探りまして、そうして食事指導、睡眠指導あるいは休息指導、農作業の合理化というようなことをやってまいっておるわけでございます。これは所を異にしてやっておりますが、二年継続の仕事でございまして、前年にどういう労働の状況であるか、それからどういう障害が男にも女にもあらわれておるかというようなことを踏まえた上で、適切な対応策について現地で相談をしてやってもらっておるわけですが、その二年目のやはり同じ項目での調査結果を見てみますと、これは二年ばかりの話ですからそう断定的に決定的なことは言えないかも存じませんが、大体の項目におきまして改善の結果が出ておるわけでございまして、しかも、この仕事は、そういう地区では生活改善担当の普及員の方を中心にしまして、そういう問題に意識に目覚めた婦人グループが粘り強くそういう動きを継続しておるというふうに伺っておるわけでございます。そういう意味での効果は上がっているのじゃないか、また上げなければならないというふうに思っております。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましては、第一線の保健所を通じて農村保健問題全般にわたって御協力をしているつもりでございますが、特別の対策といたしましては、五十年度から食生活改善の市町村の地区組織をつくりつつあるわけでございまして、特に農村婦人の栄養改善問題に力を入れております。
○小笠原貞子君 先ほどから言われている困難な問題というのは、農民が自営業者であると。非常に古い部落の習慣があったりして因襲的なものがあると。そういう問題はあるのだけれども、だからといってそれを放置しておいていいものではないと思うのです。やっぱり健康最優先の立場に行政は立って積極的な施策をやっていただきたいと思うのです。先ほど労働者との場合を比べましたけれども、労働者に対しては少なくとも労働基準法、労働安全衛生法というような立場で保護されているわけです。農民自身も自分の健康を守らなければならないのですよと、あなたの健康を大事にしましょうと注意するような少なくとも基準をつくって、そして母性保護の立場でそういう基準をつくって、健康を守るという意識をつくっていくというようなそういう啓蒙宣伝というようなものが非常に必要だと思う。しかし、これは部分的なものではなくて、もう本当に日本全国の農民に対して一大啓蒙運動というものをやらなければ、とてもじゃないけれども待っていて意識は変わらないと思う。そういう具体的な問題について考えていらっしゃるかどうか。
○政府委員(堀川春彦君) まさにおっしゃるとおりだと存じます。私どもは、先ほどもちょっと触れたのでございますが、農業団体ともタイアップをいたしましてそういう一大PR運動を起こしたいということで、来年度数千万円の予算を計上しておるわけでございまして、この中では徹底して健康管理の必要性ということについてPRをしてまいる所存でございます。
○小笠原貞子君 少なくとも労働婦人と同じとまでいかなくても、このひどい状態から切り抜けさせてあげたいというのが私の考え方なんです。 農民が価格の問題でいつも要求しているのは、都市勤労者並みの労働賃金というのを要求している。しかし、これがいつでも無視されて低価格政策がとられてきた。だから、一方では長時間働かなければならない。また、規模を拡大して借金をふやさなきゃならないというようなことで、結局は出かせぎをして機械の借金を返すというようなこと。まことに政治的な問題とからんで悪循環してきている。こういうような状態を政治の問題としてとらえていかなきゃならないと思います。当面少なくとも地域別、専業別、個別に分けた実態調査を行っていただきたいと思うのです。 それから全農民が健康診断を受けられるようにすべきだと思うのですけれども、健康診断を非常に実践していらっしゃるのが若月先生のところで、健康管理というような問題、そしてこの健康管理がお金が大変かかるということも言われるけれども、一体その状態はどういうふうになっているか、具体的にお話を聞かせていただきたいと思います。
○委員長(小川半次君) 参考人、先ほど参考人は六分間答弁されましたのですが、大体十分間と見ておりますので、あと四分間以内に御答弁願いたいと存じます。
○参考人(若月俊一君) 先ほどちょっと申しましたけれども、農家の人も都会の金持ち並みに人間ドックに入りたいという気持ちがたくさんいまわいてきまして、まあその検診の内容によるわけでございますけれども、年に一回集団検診ぐらいは受けたいという気持ちでございます。この切なる願いをどうしたらいいか、いま小笠原先生の御質問はそういうことだと思うのですが、私どもは長野県じゅうでいまいろいろな検診方法をいろいろな形でやっておりますけれども、特に皆様もお聞きになったかもしれませんけれども、私どものすぐそばにあります八千穂村というところで、全村健康管理をやりましてからことしで十九年になります。私も非常に驚いたのでございますけれども、最初はまあ簡単な方法で全村民を一人残らずやる。いまは相当高度なことをやっておるのでございますけれども、昭和五十年、おととしでございますけれども、そのデータを見ますと、御承知のとおり国民の一人の年間の医療費というのは五万円かかるのでございます。実は国民健康保険とそれから健康保険ではちょっと違いますけれども、国民健康保険では一人年間いまのところ五万円かかります。それが八千穂村ではだんだんだんだん下がってきまして、遂に三万三千円で済んでいるわけでございます。これには私も非常に驚きました。村民一人当たり驚くなかれ一万七千円安くなっている。これは平均でございますけれども、その差がだんだん下がってきまして、ほかの町村よりずっと安くなっている。もちろんこれは命の問題もありますし、この浮いてきた労働の日数の問題も、いろいろ何よりも幸福なることでございますけれども、お金の面、医療費の面からいってもそれだけ安くなるわけです。ぜひ私の考えでは集団検診なんか何かの形で国も県も援助をしていただいてこの予防に力を入れて、何でも病気になってから薬を盛る、何でも病気になってから注射をするというのじゃなくて、予防に力を入れることがどんなに重要かということを感じたわけでございますけれども、いま先生の御質問のように、じゃどういう検診をしているかといいますと、最初はごく簡単に腕の血圧とそれから大小便、ことに小便のたん白尿、その程度でございました。初めは一人百円でやったわけでございますけれども、いまでは一人三千六百円ほどでやっております。三千六百円でやりましても、いま言いましたように一人でもって村の医療費が一万三千円安くなっているんですから、これは全額出したって簡単なことでございます。そういう事実を自分ながらこれを見出しまして本当に私ども自身がびっくりしているわけでございますけれども、なるほど予防に力を入れれば命が助かるだけじゃなくて医療費が下がるのだなというこの原則。去年、私、国際農村医学会の大会でアメリカに呼ばれて行きまして、アメリカでその実情を見てきたのですが、アメリカでさえもいまは膨大な国民総医療費を何とかしなければならないという問題で、もう向こうは日本の人口の倍だそうでございますけれども、たしか日本の円に直して去年二十四兆と言っておりました、二十四兆の金がかかっている。まあ日本の六兆とかというのと比べればずっと高いわけでございますけれども、これをどうしたらいいかというと、やっぱり予防に力を入れなければならない。予防は第一線の医者がみんなこれをやるようにしなければならない。何でも薬を盛ればいいというのじゃないんだと。それで、第一線の医学のことをプライマリーメディシンと言うのですけれども、それに全力を挙げて、国が大変な援助をして、大学と医師会と連携してこの問題に取っ組んでおりまして、もうすでに十年になっているのでびっくりいたしました。これからどういうような成果をおさめますか知りませんけれども、私どももぜひ日本でもやはり予防に力を入れる。それには、医療給付の中に予防ということをある程度含めませんと第一線の先生方はやりにくいですから、やはり何でもかんでも注射だけすれば、薬だけ盛ればお金になるというような形でなく、これから健康保険の何か抜本的改正があるそうでございますが、ぜひこの予防にある程度お金を出すということによって、命が助かり健康が守れるだけじゃなくて、医療費全体が下がるというこの原則をぜひお考えいただきたいというのが私の考えでございます。 先生、内容でございますけれども、いまは相当高度なことをやっておりまして、三千八百円ほどでたとえば十二チャンネルのオートアマライザーを使いまして、もう血液のコレステロールから肝臓機能から腎臓機能から貧血でも鉄の成分まですぐに調べられるような形をいまとっております。
○委員長(小川半次君) よろしいですか。
○小笠原貞子君 もう一つ聞きたいんですけれども……。 先ほどお願いしました地域別、専業別、部門別等に分けた実態調査というものを、労働問題だけに限定しないで、労働の質、母性保護の問題と一緒にぜひ行っていただきたいという点をお願いしたいと思うので、それの御返事をいただきたいと思います。 それからいま健康診断をやればというお話があったわけですけれども、政府でやっている循環器疾患健康診断費補助というものが出ているけれども、この内容について御説明をいただきたい。
○委員長(小川半次君) 若月先生にまだ質問されるかとあなたにお聞きしたんですよ。もうよろしければ御退席願わなければなりませんから。あなたは時間がないから、若月先生は……。
○小笠原貞子君 これを聞いてもう一問だけ。やっぱり婦人の問題ですから。
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省が市町村に補助金を出してやっております循環器等の健康診断の内容でございますが、五十一年度までは第一次検診といたしまして視診、触診、聴打診のほかに、尿の検査と血圧の測定をやっておりました。尿の検査は、たん白と糖は全員に行います。また、肝臓機能を調べるためのウロビリンの検査は、集団検診を担当いたしました医師が必要と認めた方々にやっております。これが、いま御審議いただいております予算が成立いたしますと、まず初年度のモデル地区でございますが、各県三カ所、一カ所三万五千から四万ぐらいの人口を予定しておりますが、これを全国で百四十一カ所特別対策地区を設けまして、そこでは必要に応じて心電図の検査と眼底のカメラによる検査、こういったものを追加して行うということになっております。
○小笠原貞子君 いろいろやっていただいているのですけれども、たとえば単価が五百三十三円かかるというけれども、実際には二千五百円から三千円かかる。しかも、国の補助が三分の一というように、いいことをやってくだすっているけれどもお金の出し方が非常に少ない。 そこで、もうこれで質問を終わりますけれども、いま若月先生が言われたように、初め先行投資で金がかかるようだけれども、長い時間かければ金も助かるし命も助かるという問題、ここら辺でひとつ健康の問題を考えて、そういう健康診断の費用だとか健康を守るという立場に立った予算というものをけちらないように、大蔵大臣としていまの問題をどうお聞きになったか、それを伺って終わりたいと思います。——若月先生はもういいです。
○委員長(小川半次君) 若月俊一参考人には、大変御多忙の中を当委員会に御出席いただきまして、ありがとうございました。退席されて結構でございます。
○政府委員(吉瀬維哉君) 先ほどから厚生、農林両省からいろいろ対策等につきまして御説明申し上げたところでございますが、大蔵省といたしましても、そういうようないろいろな諸調査とか諸対策の実態を見きわめながら慎重に対処してまいりたいと、いろいろまた現場の問題等につきましても研究を続けてまいりたいと、こう思っております。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして小笠原貞子君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武眞榮君。
○喜屋武眞榮君 私は、在韓米軍の撤退と沖繩基地について最初にお尋ねします。 カーター大統領の公約が宣言されまして、韓国米軍を撤退するということが非常に内外の大きな反響を呼んでおります。そこでお聞きしたいことは、この韓国米軍の撤退は、戦略の立場からでなく、戦術の立場からでないといけないと私は思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(三原朝雄君) 戦略的な面もあると思いまするが——大体、戦略的な面が主ではないかと判断をいたしておるのでございます。
○喜屋武眞榮君 この論争をしたくはありません、きょうは避けたいと思いますが、私は戦術の立場からではないと本当の軍縮、そうして核全廃につながらないと、こう考えておりますが、いかがでしょうか、防衛庁長官。
○政府委員(伊藤圭一君) 戦術的な立場でないと軍縮につながらないというお話でございますが、私、正確に先生の御意見を理解しているかどうかわかりませんけれども、やはりアメリカといたしましては、極東といいますか、アジアにおきます安定のために必要な戦略的立場が強いものと判断いたしております。
○喜屋武眞榮君 この論争は他の機会に譲ります。 私があえてこれを最初に尋ねますことは、在沖米軍基地機能と最もかかわりの大きい在韓米軍の撤退問題は米本国への撤退でなく、沖繩基地の強化にならないかという、こういう不安がいっぱいあるわけでありますが、防衛庁長官、どう御判断ですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 米地上軍の撤退について、一カ月ぐらい前に参りました副大統領の記者会見の節に、在韓米地上軍の撤退後の処置についてはこれを日本に置くというようなことは考えられませんと、置かないと思いますというようなことを記者会見で申しましたので、在韓米地上軍の撤退後の私は配備というようなものにつきましては、日本には置かないものだ、そういうふうな判断をいたしておるのでございます。
○喜屋武眞榮君 私は沖繩の選出議員でありますし、また、この前の三月の七日から十一日の五日間、復帰五年目の沖繩基地調査団を編成しまして調査してまいりました。そういった結論から、沖繩の基地は強化されつつある、そうして核が持ち込まれておるのではないかという疑いが十分にある、こういった立場を裏づける資料も私なりに持っておりますが、きょうはただいまここでその問題をいたす時間がありませんので、他の機会に譲ることといたします。 次に私が申し上げたい点は、日本政府は沖繩県民の要求は退けて国の要求を強硬に押しつけ、一向に県民要求に耳をかさないのではないか、こういうことを非常に痛切に感じております。繰り返して申しますと、日本政府は犠牲と差別を沖繩にこれまでも強いてきた、またこれからも強いようとしておるのではないか、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 私自身、衆議院の予算委員会だったと思いまするが、御答弁申し上げたことがございます。私自身のところも実は周辺に多くの基地を持っておるものでございまするし、また実弾射爆場を持っておるものでございまするが、そういう立場で、沖繩の県民の方々が基地を非常に多く持たれ、特にいまの現状から言いますると、在日米軍の基地の三分の二を沖繩において設定をいたしておるというような状態でございまするので、私は非常な実は沖繩に過重な負担をお願いをいたしておる。なおまた歴史的な長い間の御苦労のこともわかりまするし、そういう点において沖繩におきまする県名の方々の意見、御意思というようなものは十分尊重してまいらなければならぬという考え方でおるわけでございます。今後の処置につきましても、そういう姿勢のもとに処理してまいらねばならぬと考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 私はきついことを申し上げたかもしれませんが、具体的に裏づけたいと思いますから明快な御回答をお願いしたいと思います。 まず第一に、パイプラインの撤去について、これはすでに第十六回の日米安全保障協議会、昭和五十年。今日まで二十二カ月、二年近くなっておりますが、このパイプラインの撤去、予算の裏づけ、計画はどうなっておりますか。
○政府委員(斎藤一郎君) ただいまお尋ねのパイプラインの移設計画でございますが、御質問にございましたように、五十一年の七月の八日に開催された十六回の安全保障協議委員会で沖繩の陸軍貯油施設の中で、那覇市、宜野湾市の間の大部分、及び北谷村、具志川市の間の送油管区域の大部分、これについては移設措置とその実施の仕方についての合意が成立した後に取る。それからまた、嘉手納町と読谷村の間の大部分については移設を要せないでそれぞれ返還するということが了承されておるわけです。こういう基本的な了承の中で、政府としては現在この計画に基づいて、米側との間で具体的な返還の範囲、それから移設の条件、そういったことについて調整を行っておるところでございますが、関係地方公共団体の御協力も得てできるだけ早く返還が実現できるよう努力しておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 できるだけ早くということの内容を示してもらいたい。
○政府委員(斎藤一郎君) いま申し上げたように、米側と返還の範囲だとか、移設の条件、そういう調整を行っておりますので、調整がつけば早くという意味でございまして、まだ具体的にいつをめどにしておるということを残念ながらお答えできません。
○喜屋武眞榮君 いま安保協議会は五十一年の七月の八日とおっしゃったが、五十年ですか、五十一年ですか。
○政府委員(斎藤一郎君) 五十一年でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、那覇軍港の全面返還について尋ねます。これも第十五回の日米安全保障協議委員会で、昭和四十九年の一月三十日に合意されております。まさに三年四カ月経過しております。その全面返還がどのように具体的に進められておるか承りたい。
○政府委員(斎藤一郎君) お尋ねの那覇軍港湾の全面返還でございますが、これもいま御質問がございましたように、十五回の日米安保協議委員会で移設措置とその実施にかかわる合意、日米間の合意が成立すれば全部返還しようという基本についての了承がございます。
○喜屋武眞榮君 見通しはどうですか。
○政府委員(斎藤一郎君) そこで、この状況でございますけれども、この施設の中で先生御承知のように、港湾関係の地区については港湾をどこへ移すかということが大変むずかしい問題がございまして、日米間の合意が成立するについては、このどこへ持っていくかという話からまずかからなければならぬと、これには受け入れ先がなかなか適当なところが、いろいろな都合からございませんので、関係地方公共団体との調整が前提になるというふうに考えておりますが、現時点では移設先の見通しについて具体的なものを持っておりません。 それから、同じ港湾の中でPOL地区でございます。これについては現在移設の条件など米側と所要の調整を行っておるのでございまして、これは港湾地区の移設のようにむずかしさはそれほど——比べますと幾らか軽いのでございますけれども、この移設についても今後関係方面の御協力を得て具体化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 合意を得てまさに三年四カ月、まことに誠意を疑わざるを得ません。 次に三点、基地確保法案と地籍確定法案についてお尋ねします。 この問題につきましては、県民要求はこれも熾烈な基地確保法案反対、そして地籍確定を早期にやれという県民要求は御存じだと思いますが、ところが沖繩県の地籍確定を国の責任で解決せよという強い知事の要望と、それから社会党、公明党、共産党の共同対案によるこの具体的な案が提案されておりますが、私は地籍確定が目的ではなく、基地確保、永久提供が目的であると思われてなりませんが、どうでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、ただいま御意見にございましたように、防衛庁が今度出しておりまする沖繩基地に関します法案につきましては、まず第一には、地元の方々の御要請でございまする位置境界を明確にする、早期かつ適切にやりたいということが一つのまず眼目であるわけでございます。しかし、未契約の地域がございまして、その地域に対しましては、法律によって適宜な処置をとらしてもらおうということでございまするが、このこと自体は、実は安保条約に基づきます基地の提供の責任を持つわが国といたしまして非常な一つの責任を感ずるわけでございます。しかし、この時期において野党三党におかれましてもいろいろ御研究を願って法案を提出を願っておるわけでございます。長官といたしましては、私は政府が出しております法案をぜひ通したいという気持ちもございまするけれども、野党のそうした法案も出ておることでございまするので、野党の方々と十分話し合いを進めながら問題の処理をいたしたい、そういう姿勢、進め方でまいろうといういまの考えであるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 この問題、私も私なりに分析し検討しておりますが、きょうはそのことについては触れたくないと思います。 一、二申し上げたいことは、基地の中をということなんです。内と外とかなめを取ってやるのでなければ実際に作業は進まぬということ、この事実がおわかりでしょうか。基地の解放されたという帳簿上の土地が基地の中に現にある。基地の中にあると、帳簿上あるのが現実には解放されていない。こういう矛盾がいっぱいあるんですよ。これは御承知でしょう、どうですか。
○政府委員(斎藤一郎君) 政府が出しております法案の中で、いま御質問がございました基地の中と外との関連のある部分は、限定された制度、必要な程度で措置ができるように規定が存在しておりますので、先生がお尋ねの基地の外、中、かかわっておるところは政府案でもある程度できるようになっております。
○喜屋武眞榮君 次に、沖繩県民の戦後の苦悩あるいは経済的、文化的、政治的、そういった格差を本土並みにということが復帰の基本方針であった。ところがそれを調整していくために特別措置法というのがとられた。ところが特別措置法には期限が示されておる。この十五月で五カ年になる。そういう県民要求の熾烈な願いに対しては一応五年間という枠をはめている。この政府提案の基地確保法案には期限がない、無期限である。これはどういう理由ですか。
○政府委員(斎藤一郎君) この法案に、御指摘のように明文の期限はございませんが、この一つの柱である位置境界を明確にするということができれば、これはいつでもその時点において実質的な期限が来るというふうな考え方でございまして、いつまでという明文はございませんけれども、位置境界を明らかにすることによって、そして実質的にはもうそこでこの法律による公用が終わるという考え方でございます。それが一体どの程度かかるかということが問題かと思うんですが、非常にこの位置境界を明らかにしなきゃならぬ場所の実情によって違いまして、大変原状が明確なところは極力急げば短期間にできると思うんですが、まあ大体そんなに、ただいままでの措置法は五年でございましたが、これを超えるようなことは原則としてないんではないかというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 まことに心細い答弁でありますが、これについてもいろいろ反論もいたしたいんですが、次に具体的な問題に入ります。 まず、県民の日常生活に最も切実な関連のある消費者米価、米の問題について触れます。米は三年したら五年したら八年したらという、ここはどうかきょうお答え願いたいんですが、県民要求は八年の後、期間を延ばしてもらいたいという要求があるが、それが現時点ではどういうふうになっているか、それをまずお聞きしたい。
○政府委員(大河原太一郎君) お尋ねの沖繩における米の政府売り渡し価格でございますが、御案内のとおり五年間は復帰時の価格に本土のアップ率をスライドするということで、その後三年間で本土水準に引き上げるということに相なっておりますが、三年間と申しますと本年の五月以降三年でございます。しかし現在におきましては本土価格との開きが非常に多うございまして、調整期間三年間でこの水準に引き上げるということは大幅な引き上げとなるということもございますので、われわれといたしましてはその調整期間の延長の問題を現在検討中でございまして、沖繩県当局なり、あるいは県民生活の状況あるいは経済諸条件というものをいろいろ検討しておりまして、四月中には結論を得たいと、特に現地を代表いたします沖繩県の当局のもろもろのお考え等は十分参酌して結論を出したいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 県民要求は十分受け入れられるという答弁ですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 現在県民の御要望を踏んまえましたところの沖繩県庁の御要望というものについて十分伺っている最中でございます。
○喜屋武眞榮君 それじゃ沖繩県の現在の県民所得はどうなっておりますか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 私どもの承知しておるところでございますと、ラウンドの水準で恐縮でございますが、五十年度の一人当たりの可処分所得は本土水準に対して約八割、七九%ぐらいということに相なっております。七九・八%でございますから約八割ということに相なっております。
○喜屋武眞榮君 私の調査ではそんなにいっていないと思うが、どうですか。七九ですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 七九・八%と記憶しております。
○喜屋武眞榮君 それは何年現在ですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 五十年でございます。
○喜屋武眞榮君 七四・三じゃないですか。
○委員長(小川半次君) 数字は間違わないように。
○政府委員(亀谷禮次君) 振興計画を担当しておる当庁からお答えをいたしますと、私どもの県民所得の実績数値で申し上げますと、一人当たり、昭和五十年度でございますが、数値で八十五万六千円で、大体全国平均の約七五%というふうに理解をしております。
○喜屋武眞榮君 まあ七五までいかぬわけですよ。七四・三です。なぜ私があえてそれにとらわれるかといいますと、もっと次に聞きたいことは、それじゃ現在七四・三%が本土並みの所得にいくにはあと何年を見通しておられますか。
○政府委員(亀谷禮次君) 先生も御案内のように、四十七年の復帰時点で振興開発特別措置法に基づく振興計画を県と協議して政府は決定しているわけでございますが、この計画では、御案内のように、十年後すなわち昭和五十六年における県民所得を全国平均の八割というふうに想定しておりまして、経済企画庁によりますところの昭和五十年代前期経済計画による試算値の結果とあわせて考えますと、昭和五十五年度において大体一人当たり県民所得は約百五十万円ないし百六十万円前後に達するというふうに推定をいたしております。
○喜屋武眞榮君 何%。
○政府委員(亀谷禮次君) いま申し上げましたように計画では八割と、全国平均水準の八割という推定でございます。
○喜屋武眞榮君 仮に五年を過ぎても八〇%しかいかない。ところがいま特別措置を取った場合には米が二倍になります。これはどうしても調和がとれない。一方は簡単に外して、まだ県民所得も本土並みにいかないのにそのようにやる。私が言いたいことは、そういう無理をして県民要求は押しのけておいて、そして国の要求を押しつけるというね、このことに怒りを感ずるんですよ。どうですか、開発庁長官、担当長官として。
○国務大臣(藤田正明君) ただいまの特別措置に関しましては県当局と十分な協議をいたしまして、そして必要な項目につきましては、県民各位の御納得の上でこれを延長していこうと、こういうことにいたしたわけでございます。ですから、何も国の方で沖繩県に押しつけて、この特別措置の法を何年に区切るとか、延長をですよ。この五月の十五日で一応切れる、それからまた延長してまいりますから、それをこの項目については何年で区切ろうというふうな押しつけたことはございません。県当局、県民の方々とよく相談の上でこの特別措置法案延長ということはいたしたつもりでございます。
○喜屋武眞榮君 いや、沖繩問題は皆さん非常に心情的な同情といいますか、それはよくわかる。ところが、いざ具体的な面になるというとどうしてもそういった押しつけ、従え、こういう形で進められておるんですよ。ここを私は言いたい。たとえばいまの基地確保法案も、一方は県民の生活に切実な問題については期限を切って、五年後にはもう一応本土並みに有無を言わせずやるんだということになるんですよ。ところが基地確保法案に対しては今度は無期限、いわゆる永久基地化という、こういう形で乗っかかってくるというところに私は矛盾を感ずる。だから日本の矛盾を集約されたのが沖繩だと、こう言うんですよ。こういうことを私は強く言いたいわけです。 次に移ります。これは基地強化にもつながりますが、例の米軍戦車道路の建設について政府はどういう態度をとってこられたか、それに対して。その実情も把握しておられると思います。それに対してどういう態度をとってこられたか。また、これからどういう態度をとっていこうとしておられるか。
○政府委員(斎藤一郎君) キャンプ・シュワブにおける戦車の道路建設工事の関係でございますが、これは実は私ども知りましたのは三月二十五日に地元の名護の市長から御連絡があって承知したんですが、米軍がこの演習場の中に戦車用の道路をこしらえておるということでございまして、この米軍が施設区域の中でそういう作業をやるということは、地位協定の第三条で、先生御承知のように、「施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」ということになっておりますので、この道路の建設も認められておるわけでございます。で、従前米軍は戦車を移動する場合には国道三百二十九号を使っておったんですが、それでは道路が非常に傷む、あるいはまた地元の住民の感情もいろいろむずかしいものがあるということを考えまして、演習場の中に道路を建設して戦車を移動しようということにしたんだというふうに承知しております。そういう状況でございまして、防衛施設庁としては、この道路の建設をやめなさいということを言うことはできませんし、また、そうする考えもございませんが、地位協定の三条の中に、米軍が行う作業は公共の安全について妥当な考慮を払ってやらなければならぬということがございますので、われわれとしては、この工事に基づいて周辺にいろんな障害を及ぼすことのないように、そういうことを十分考えてやってほしい、適切な処置を講ずるようにということを米軍に申し入れをしております。それから同時に、防衛施設庁自身としましても、早急に地元の方々とよく協議しまして、そして障害防止の措置を講ずる、これは施設庁本来の仕事でございますので、十分地元の方々の御意見を聞き、あるいは将来の梅雨時分の出水のことなど考えて措置してまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 その現地を調査されましたか。
○政府委員(斎藤一郎君) 地元のわが方の那覇にある施設局の局員が三度にわたって地元を調査いたしております。
○喜屋武眞榮君 ここで基地の中だからという、非常に金網の向こうをながめるような、そうして安保と地位協定による提供基地だからということがいつでも隠れみのなんですが、それじゃその地位協定のために沖繩県民の生命、財産、人権、これはどうなるんでしょうかということをまずお聞きしたい。
○政府委員(斎藤一郎君) ただいまお尋ねの基地が周辺の方々にいろいろな御迷惑を及ぼすということがございますので、まずこの基地について、いつまでも同一の状況で周辺があるわけじゃなくて、非常に都市化してまいったり、あるいはまた経済状況が変わったりするのでございますから、この基地の存続の様子については常に私ども関心を持ちまして、新しい観点でこれを検討して、整理するもの、縮小するもの、そういうものがあれば、これはできるだけ整理縮小を考えていくということを一方においていたしますと同時に、存在するがために現に御迷惑をかけておるということについては周辺対策法がございますので、これに基づいて十分なことをやってまいるという考えで臨んでおります。特にただいま申し上げたような演習場の障害防止だとか、あるいは飛行場の騒音の防止だとかいったことについて十分な考慮を払ってできるだけのことをやってまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 よく御迷惑をかけて、御迷惑をかけてということはもういつでもおっしゃる常套手段ですがね。ところが、そのような御迷惑をかけて済みませんで済む沖繩の今日まで、またこれからまさに襲いかかろうとする、こういうことを見通した場合に、もう済みませんとか、御迷惑かけて済みませんという、こういったことで済ませるものではありませんよ。 そこで、私はこの問題に関連して私が調査しましたがということを言いましたが、この自然破壊、命の水である水源池の汚濁ですね。これが大変なものである。そこで名護市としましてもこれは黙っておれぬ、怒りを持って。で、県におきましても抗議をし、やっておりますけれども、やっぱり地位協定による提供基地だから何が悪いか、提供された基地だから何が悪いかと、こういう態度で県民の生命、財産、人権というものが、同じ日本国憲法のもとに主権平等のもとにある沖繩百万県民がこのように差別され、犠牲を受けつつあるという、このことが御迷惑かけて済みません、まことに済みませんで一体済むと思いますか、どうですか。もっとはっきりした納得のいく答弁をしてください。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほど先生の御質問を正しく把握できなくてお答えしたかもしれませんが、今回の事案について私ども地元の名護市及び宜野座村の方々と一緒に現地に先ほど申し述べたように三度、三月二十五日と三月三十日と四月六日に現地の調査をいたしまして、そしてその名護市の許田地区の水道水源、これが雨期に流出する土砂で汚濁するんではないかというおそれがあるということが認められましたし、それから松田第二水源についても土砂が落下しておる、ダムの水たたきが半分ほど埋まっておるというような状況が認められたので、こういうものを至急に取り除くということを米軍に対して要望しておりますし、それから同時に先ほども申し述べたように、防衛施設庁の本来の仕事といたしまして地元の関係者と十分に相談して汚濁対策をやろう、あるいは上水の施設、急速のろ過設備というようなものが設置ができるならやりたいというふうに考えて、現地の方々と相談して基地の中のそういう問題についての対策を講じようとしているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 米軍が基地内でどんなことをやっても日本政府はそれを知りませんでした、存じませんでしたでは済まされぬと思いますが、しかもこの今度の戦車道は予定の十倍、二十三キロ以上、最初の予定の十倍の工事の量に広がっていることも御存じだと思います。そういう場合に一体政府は事前協議をせよというその交渉の意思があるのか、それをせぬでもいいという態度なのか、どっちなのか。
○政府委員(斎藤一郎君) いまのような工事をする場合には先ほど申し述べたように、公共の安全に関連してくる問題でございますので、事前に十分に協議をしてやってもらうようにということを米軍に対して申し入れしてございます。
○喜屋武眞榮君 いま事前に協議せよということを申し入れているというが、その申し入れた反響は、結果はどうですか。
○政府委員(斎藤一郎君) 申し入れをして、それに対して米軍は申し入れを受け入れ、いわゆる聞き入れております。
○喜屋武眞榮君 いや、以後、今後は事前に協議するという回答が来たということなんですか。
○委員長(小川半次君) 喜屋武君、起立しておっしゃってください。
○喜屋武眞榮君 申し入れに対して、それじゃ今後そういう作業の場合、工事の場合、事前に申し入れをするという回答が来たということなのですか、どうなんですか。
○政府委員(斎藤一郎君) いまお尋ねの戦車道の工事については、工事を中止をするということを言っておりますし、それから今後申し入れを十分尊重すると、こういうこと……。
○喜屋武眞榮君 ちょっとはっきり言って……。
○委員長(小川半次君) ちょっと、委員長が聞いててもかみ合わないがな。
○喜屋武眞榮君 もっとはっきり答えてくださいよ。問いに対してはっきり答えてくださいよ。非常にあいまいですよ。
○政府委員(斎藤一郎君) 申し入れを尊重するということでございます。
○喜屋武眞榮君 ああ、尊重……。
○政府委員(斎藤一郎君) はい。
○喜屋武眞榮君 ところが、聞くところによると、この工事はいわゆる整備された道路を、戦車道路をつくるということより、その切り開いていくそれ自体が訓練である、いわゆる訓練の場であるということも聞いておりまするが、どっちなんですか。
○政府委員(斎藤一郎君) この工事は訓練の一環でもあるということでございます。
○喜屋武眞榮君 整備じゃなく訓練であるというところにさらに問題が出てくるんですよ。破壊をして、そのままどろんこにして、そして雨に遭うというとそれが水源の汚濁に、そして赤土が流れて、農地にそれが流れ込んでいくという、こういうことが今後十分予想されるが、そのことはどういう対策を持っておられるんですか。
○政府委員(斎藤一郎君) 今回の工事で、いまお話しのように、水源地に土砂が落ちたり、それから今後雨期になって土砂が流入するというおそれのあるものについては、これをできるだけ除去するということを考えております。
○喜屋武眞榮君 これから沖繩は長雨が来ます。その結果を見ればさらにはっきりすると思いますがね。整備した戦車道路じゃなくして、掘り返していくそれ自体に訓練——だからできるだけどろんこにした方が訓練にはいいということにもなりかねない。そうすると、いつまでもそういった荒削りのままに、そこの山を割って、山を開いていくという、こういうことになりかねない。そこを私強く申し上げておきたいと思います。もうそういった赤土が流れ、水源が汚濁して、県民が大騒ぎしたその時点ではもう遅いですよ。それを十分に予知して、いまから対策を打ってもらいたいということを強く要望したいんですが、決意はいかがですか。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほどもお答えしたように、地元の公共団体の担当者の方々とうちの担当者が現地へ参りまして、しさいに検討していま御指摘のような心配のある、おそれのあるものについて、米軍に対して四月一日でございますが、いわば手直しの工事をやって、そういう心配をなくするようにと。同時にわが防衛施設庁としても、雨期に対して手早くいまのうちに地元の関係者とよく協議をして、必要な措置をしたいというかたい決意でおります。
○喜屋武眞榮君 予想のできることは十分にいまから予想をして手を打ってもらう、その備えをひとつ忘れぬようにしてもらいたい。 次に、不発弾の処理。私はよく言います。沖繩県民は核をまくらに、爆弾を抱いて、毒ガスを吸うて今日まで生き延びてきた。そういった生命の不安、危機を感じながら、こういうことをいつも言ったんですがね。その不発弾の実態はどのように把握しておられるか。
○政府委員(亀谷禮次君) 御案内のように四十九年の三月に那覇市で大きな爆発事故がございまして、とうとい人命が失われたこともあるわけでございまして、政府としましてもこういった大きな事故を絶対に防がなきゃなりませんので、自来、県当局を初め関係省庁とも協議をいたしまして、現地におきましては、これら不発弾の状況を把握した上で、これを自衛隊等との協力を得て一括処理するという方針のもとに、現地に関係行政機関の協議会を設けますとともに、いま申し上げましたような地元住民からの不発弾の埋没に関する情報を集め、これに基づいて不発弾の探査発掘をやってきておるわけであります。当時から地元の関係者の情報を御提供いただきまして、おおむね三カ年の計画でこれらの探査及び発掘を処理する計画のもとに現在までやってきておるわけでございますが、当初約二百六十数カ所の不発弾埋没個所の情報の御提供がありましたけれども、その後やはりだんだんと情報の御提供がふえてまいりまして、現在約三百十三カ所と、約三百カ所を超える情報提供になっております。で、いま申し上げましたような計画で、五十二年度の予算でも所要の予算約五千五百万円を計上して、引き続き探査発掘をやることにしておりますが、若干そういうふうに逐年情報がふえてまいりますので、五十二年度中に全部完全に処理するというわけにはまいらないかと思いますが、いずれにしましても、政府としては当然県その他と協力の上で、できるだけ早くそういった処理を促進をし解消したいと思っております。
○喜屋武眞榮君 その予算措置はどうなっておりますか。
○政府委員(亀谷禮次君) ただいま御答弁で申し上げたかと思いますが、五十二年度におきましては約七十カ所の予定のもとに経費五千五百万円余を計上して、いま予算を成立させていただきますならば直ちに実行に入りたいと、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 それではとうていその処理に間に合わないと思っておりますよ。これを見てください。——これが沖繩の不発弾のいわゆる調査した地図でありますが、もうこれを見ただけでも私が言ったことが決してオーバーな表現ではないということをおわかりだと思います。このように沖繩の中部から南部に不発弾が埋没しておりますよ。まさに爆弾の上にまくらして寝ているようなものだ。恐ろしくなる、これを見ただけでも。これを何カ年計画、何カ年計画という、その間にもし事故でも起こったらどうするつもりですか。もっと切実に感じてくださいよ、切実に。命の問題ですよ。もう一遍はっきりしたひとつ答えを願いたい。
○政府委員(亀谷禮次君) ただいま御答弁申し上げましたように、四十九年の三月の小禄爆発事故以来、県御当局その他関係省庁と十分再三にわたる協議をしまして、いま申し上げたような処理体制のもとに不発弾の処理を現在進めておるところでございます。先生も御案内のように、まさにそういった各種の工事をするためのそういった不測の事態を心配をするわけでございまして、いろいろな公共工事その他工事を施行する際には、必ずそういった探査を事前に励行することによりまして、不発弾が発見された場合には時を移さず、いま申し上げましたような関係協議会の審議のもとに、早急に処理をするという体制をとっておるわけでございまして、私どもとしては先ほどもお答えしましたように、できるだけ早くそういった事故が起こらないような状態に市街地を中心に持っていくということでやっておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 るる作文を述べてもらうよりも、私をして言わしめれば、とにかく一つでもいいから早く実行してもらいたいということなんですよ。これは気の遠い話を幾ら述べられてもそれはぴんと来ません。もっとその身になって、その気になってひとつ決意を示してやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤田正明君) すでに四十九年から五十一年までに七千発以上の爆弾を処理をいたしております。まだまだ、それらがどれくらい市街地その他住居地区にあるかは不明でございますけれども、しかしそれは極力、予算終了次第五十二年度の予算でもってやると、こういうことでございますので、大体本年度五千五百五十万ばかりつけておりますけれども、三千発ないし三千五百発はそれでもって処理しようと、かように考えておる次第でございます。決して爆弾の処置に関しまして三カ年計画でのんびりやろうというふうな気はございません。もうどんどんとやっていこうというつもりではかかっておりますので、その点は御理解願いたいと思います。
○喜屋武眞榮君 次に、読谷飛行場用地の返還問題について尋ねます。 この問題につきましては衆議院でもたびたび問題にされておりますが、結論から先に聞きます。一体、現地調査はいつなさるのか。
○国務大臣(坊秀男君) 読谷飛行場の跡地は、御案内のとおり、ただいまは在日米軍に提供しておりますが、将来ここが返還された場合には地元と十分話し合いをして、関係省庁と協議をしてまいりたいと思っておりますが、詳細につきましては事務当局からお話し申し上げます。 〔委員長退席、理事園田清充君着席〕
○喜屋武眞榮君 返還された暁に国有地をどう処理するかということがいま当面の問題でありましょう。そのための調査を、総理答弁ですぐ現地調査に行くというところまでいっておりますよ。それをいつどのように調査に行かれるかということを聞いているんです。
○政府委員(吉岡孝行君) 沖繩の米軍提供基地の問題につきまして、特に沖繩本局の基地につきましては戦時中、旧軍が買収した当時の資料が戦禍により滅失しているという関係上、沖繩復帰後、国会でもしばしば御議論があったわけであります。われわれとしては、それで昭和四十八年以来いろいろな面の調査をやってきておるわけであります。 まず、調査の第一段階としては、旧軍買収に関する資料の収集なりその整理分析、それから旧軍買収当時の実情に詳しい旧軍関係者、その他の関係者からの事情聴取、それから旧地主からの事情聴取というようないろいろ調査を行ってきておるわけで、現在もまだこの調査を続けておるわけでありますが、現在までのところの調査では、先ほど申し上げましたように、本島におきましてはそういう客観的な資料が滅失をしてどうしても見つからないという関係にあるわけでございます。それで、われわれとしてはさらに調査を続けていく予定でありますが、いままでのところそういうところで、本島についてはいろいろなそういう当時の客観的な物的資料は見当たらない。ただ先生御承知のとおり、戦禍を受けなかった宮古とか八重山等については相当な資料が収集されているわけです。それらによりますと当時、今日の事態から考えますと、平常時ではありませんからいろいろな事情があったと思いますが、物的資料から見る限り、正常な買収行為により取得されているということになっているわけでございます。それで当時、本島につきましても、同じような時期に同じような体制のもとに飛行場の建設が進められておりますので、われわれとしては、本島のそういう旧軍用地につきましても同様な手続によって買収されたものと判断しておるわけであります。
○喜屋武眞榮君 これは、日本軍によってこれを接収されるまでの過程において問題がある。それから戦後、これが復帰の後国有地になるまでに問題があるんですよ。そこを当時の参謀、責任者が、生き証人がおられますね。そこまでははっきりしておる。だから、この前の衆議院における予算委員会で、現地に行って調査をして、そして国有地の台帳からもし外すべきだったらおろすというところまで、だから早く調査に行くんだという、だからいつ行かれるのか。四月の中旬ころ出発ということもかねて聞いておる。それがどうなっておるかということを聞きたいんですよ。
○政府委員(吉岡孝行君) 先般、衆議院の予算委員会でいろいろ御質疑がありまして、その後、つい先日われわれの方の担当の課長を沖繩の方に派遣しまして、現地の総合事務局なり防衛施設庁、それから県庁等関係当局といろいろ打ち合わせをし、それからわれわれの方の現地の事務をやっております総合事務局の財務部に対しまして、さらにいままで続けております調査をいろいろ、こういう点について重点を置いてさらにやってみたらどうか、そういうような指示を与えて、まあ先般以後の調査としては、そういうような担当課長を派遣したという次第であります。 今後、さらにどういうふうに調査を進めていくかにつきましては、関係省庁とも十分協議していろいろ進め方を検討してまいりたい、こう考えておる次第であります。
○喜屋武眞榮君 これもまた非常に気の遠いような答弁のようですが、調査にいらっしゃるということは最高責任者の福田総理が言っておられるんだから、それを具体化するのが今後の問題だ。いつどのようにしていらっしゃるのか、それを聞きたいんだ。
○理事(園田清充君) 簡単に要領よく答弁してください。
○政府委員(吉岡孝行君) ただいま申し上げたように、先般担当の課長を沖繩に派遣しておるわけであります。で、その報告をいろいろ聞きまして、さらに今後どういうふうに調査を進めていくかにつきましては、これから検討してまいりたいということであります。
○喜屋武眞榮君 これについては窓口である開発庁がむしろリードして、事沖繩の問題に関する限りやるべきだと思うんですが、何か開発庁が少し渋っておられるような印象を与えるが、どうですか。
○国務大臣(藤田正明君) 決して渋っておるわけではございませんが、国有財産のことでございますから、これは大蔵省が当面の管轄だと思います。 大蔵省の方と開発庁の事務次官の折衝もいたしました。そして沖繩開発庁として協力することがあれば何でもいたしますという申し入れもここ三日か四日前に行いました。この問題につきましては沖繩全県にとって大変関心の深い問題でありますから、われわれ開発庁といたしましても十分に関心を持って、協力をして、大蔵省と一緒に解決に当たりたい。しかし、当面の国有財産の問題ですから、大蔵省の管轄でございますから、われわれは側面から協力していく、こういう立場でいまやっておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 この読谷飛行場の問題は、村を挙げて、村長を先頭にこの土地を平和な村、文化村の建設構想のもとに、ここは村の発展の目玉です、地理的に。何遍も私は行っておりますが、そういう村の平和開発に対する、非常に理想的な建設的な夢を持って、その構想のもとにこれの開放をねばっておる。ぜひそれにひとつ全力を挙げて協力をしてもらいたい。 最後に、失業問題についてお尋ねします。沖繩の失業の実態を把握しておられるか、それに対してどういう対策を持っておられるか。
○国務大臣(藤田正明君) ことしの二月の現在で五・九%の失業率だと思います。人数に直しますと二万四千人であります。去年の海洋博が終わった時点、五十一年の三月に比べますと、そのときは七%でございましたから若干の失業率が減ってきたことだと思います。その原因は、海洋博の後の一つのポケットがあったということがございますとともに、やはり不景気で、それから第一次産業、第二次産業というものがなかなか振興がはかどらない、こういうこともございますし、また何といいますか、広域的な就職もどうもなかなかうまくいかない、やはり自分の地元に帰って仕事をしたいと、こういうふうな県民性と申しますか、そういうものがまたあろうかと思います。そういうことが原因だろうと思うんですが、細かく言えばこれはまだたくさんありますが、そういうことが原因だと思います。これに対しましては、やはり第三次産業に対する手は逐次打っております。しかし第一次、第二次の産業が問題だと思うんです。ですから雇用機会の創出をするためにも、つくり出すためにも農業の振興、それから第二次産業——地場産業の振興ですね、これに全力を挙げるべく、いま五十二年度の予算も組んであります。特に公共事業の開発、そのための環境を整備いたさなきゃなりませんから水の問題もございます。そういう意味で、公共事業の開発ということにも五十二年度予算では重点が置いてございます。そういうふうな第一次、第二次産業に重点を置いていまの雇用の機会の創出を図るということを考えてやっております。
○喜屋武眞榮君 沖繩の失業問題はまさに深刻な社会問題です。その中にさらに具体的に、那覇軍港湾の労働者の失業問題について政府としてはどのようにそれを受けとめ、どのように対処しておられるか。
○国務大臣(藤田正明君) 御承知と思いますが、これは米軍の雇用の問題でございますから、なかなか第三者としては口出しができないところでありますけれども、米軍といろいろ話をいたしまして、このため二つの会社が入札をするという段取りになりました。入札がすでに行われました。しかし、米軍の方の予算が非常に少ないために、その入札が一応また御破算になってきたと、こういうことになっております。しかし、これはいずれまた再入札が行われまして、この契約が成立すれば荷役の方々の雇用の問題が解決をするというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 私がこれについても強く申し上げたいのは、これは筋論からするというと米軍と業者との関係。ところがなぜこのような事態が起こったかということをさかのぼってみれば、すべて戦争につながる。戦争の犠牲、国の責任ということに尽きる。そこで、もう日本政府に幾ら頼んでもらちが明かぬものだから、この前、野島副知事が米軍の責任者に、在日米陸軍司令部のガスリー司令官ですか、中将に会っておりますよ。そこでの回答が二つ。米軍と荷役作業者との入札価格がまだ決まらなかった、一方的に米軍が再契約を破棄してこういうどろ沼になったと、この事実を踏まえて何と回答しておられるかというと、二百人の部隊導入は暫定的措置で、今後とも民間契約による業務遂行の基本方針は変えない。それから契約担当官と業者との交渉は継続中で、軍としても譲れるだけは譲って早く早期妥結に努力したい、四月以降の早い段階に望みを託しておる。こういう二つの回答を得ておるんです。結局、米本国から二百人の兵隊を連れてきて実際にさしておる。仕事はあるのに沖繩の基地労働君はそのような形でほっぽり出されておる。このことに政府は責任を感じないのかということなんですよ。これはあんた方の問題だ、政府の問題じゃないということが言えるのかということなんですよ。どうしてもこの状態は、政府が中に立って早く解決していかなければいけない。こういうことを強く私は申し入れたいんです。米軍でさえもこの責任者はそう回答しておりますよ。それを政府がその気になって進めてもらえばたちどころに解決するんじゃないかということを私は言いたいんです。もっとひとつ誠意を持って、よそごとと思わずに当たってもらいたい。これを強く要望しまして、時間ですので終わりたいと思いますが、それに対する決意をもう一遍ひとつ伺いたい。
○国務大臣(藤田正明君) 決して第三者であるからといって傍観をしておったわけじゃございません。沖繩開発庁の方もそれから防衛庁の方も、これに対しては非常な関心を持っていままで当たってきたわけであります。それぞれ米軍当局にもこの話をいたしまして、先ほど申し上げましたような、四月に入って二つの業者が入札をした、こういう段階に立ち至ったんです。ところが米軍予算と合わなかったんです。で、一遍またそれが御破算になりまして——二つの業者が応札すべく用意をしておったんですが一つが辞退したんです。一つの業者しか残らなかった。港湾業者でございますね、その業者が入札しましたが予算と合わなかった。そこで再入札を行う、こういういま段階に来ております。この再入札は必ずや契約をして、いまのような港湾労務者の方々が再び雇用されるということに早い機会になるであろうと、いまそういう予測を立てております。ですから、われわれとして決して傍観しておったわけじゃないんです。誠意を持っていままでもこれに対しては処してきたつもりでおります。
○理事(園田清充君) 喜屋武眞榮君の質疑は終了いたしました。(拍手) 以上をもちまして一般質疑に対する通告者の質疑は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後五時五十六分散会