予算委員会 第18号
- 発言数
- 335 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/04/11
会議録
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総予算三案審査のため、本日、日本住宅公団総裁南部哲也君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、昭和五十二年度一般会計予算 昭和五十二年度特別会計予算 昭和五十二年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 本日は、総予算三案に対する審査中、地方財政及び教育に関し集中審議を行います。 質疑順位及び質疑者はお手元に配付のとおりでございます。 また、質疑時間は往復時間としましたので、答弁者は時間かせぎのための長い答弁はなきよう申し添えておきます。 それでは、これより質疑に入ります。夏目忠雄君。
○夏目忠雄君 きょうは、集中審議で、地方財政、教育関係だというお話でございまするが、非常に気がかりな問題がございます。 ソ連と領土問題というものを切り離して漁業提携というものができるのか、切り離すことができるのか、国民は非常に心配しておりまして、総理のお考えを簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま交渉が再開いたしまして、いま折衝中でございますが、いろいろ紆余曲折はあるんです。ありますが、わが方といたしましては、領土は領土、漁業は漁業と、この一線をあくまでも堅持して円満なる解決に当たりたいというので目下鋭意交渉中でありますから、さよう御了承願います。
○夏目忠雄君 その点はもう少し詳しくいろいろとお聞きしたいのですが、本日の趣旨を離れるようでありますので、それは後刻の問題に譲ることにいたしまして、いずれにいたしましても、核の問題はアメリカ、領土の問題はソ連というふうにばかでかい国が好き勝手なことを言っているので、さぞ総理には御心労のことだと思いまするので、きょうはのんびりと田舎の話を、牛の出そうな話をやりますので、ひとつくつろいでお聞き取り願いたいと思います。 質問をいたします前に私の考え方を大ざっぱに申し上げまするのでお聞き取りを願いたい。それをお聞き取り願いますれば後の質問の要点がおわかりだと思いまするので、最初に私の考え方を手短に申し上げます。 私は、御存じと思いまするが、田舎の地方都市の市長として十何年、毎年毎年予算を組んでまいりました。その責任者として予算を組んでまいりました。政治というものは、まあ政治というほど大きなものでなくてもいい、地方行政で、結局は選択の問題であります。緊急度の判定の問題で、これもやりたいけれども一これはまあ来年に回して、ことしはこれでがまんしようじゃないかという、結局は選択の問題に帰するわけでございます。市長としては、いろんな機会を求めまして市民、地域住民の人と接触を保って、大体来年度の予算はこの事業にはこれだけの大きさ、この事業にはこれだけのもの、この事業にはこれだけのものという、緊急度に相応した自分の腹案というものをこしらえます。そのこしらえたものを持って東京へやってくるわけですが、現在、地方財政の置かれておりまする財源というものは、必要な経常的経費というものを除いたあとの事業費というものは額が小さいものでありまするから、どうしてもいまの補助金制度を利用して、一億のものなら二億にして使いたい、三分の二助成なら一億のものが三億にして使える、そういうことでありまするので、どうしても補助金のあるものが優先して、中央の補助金のないものはこれは幾ら心の中で思ってもできない。よく学者の書いたものに、地域づくりはこれから個性を生かして各都市の特性を生かしてなんということを言っておりまするが、現実の問題といたしましてはそんなぜいたくなことは言っておられない。補助金が一文でも多いものへ取りついてわずかの事業財源というものを二倍なり三倍なりにふくらまして有効適切に使おうと考えておるわけでございます。そういうわけで、自分の腹案というものを持って各補助金の担当セクションのところへ参りまするが、これはそのとおり認められっこないわけで、認められっこがありませんから、こっちも山をかけて、げたをはかせて、そうして釣り堀にこうさおをやるようにいろんな担当セクションのところへ釣り糸をかけてやっておくわけです。これが春になりまして予算の内容がはっきりする。こう上げてみると、魚がかかっておるときもあるし、かかっておらぬときもある。その魚も、自分の方の腹案としてはこれだけの大きなものが必要だなあと思ったのが、こんな小さなものになっている。それから正直申し上げて、これはまあ来年度か再来年度でもいいけれども、補助金のセクションというものはやかましいから、ことしのうちに言っておかなきゃ来年なり再来年に優先権がもらえないから、とにかく釣り糸だけはたれておけといって、正直言うと来年か再来年度に延ばしてもいいというようなのはこんなでかい魚がかかってくる。(笑声)冗談じゃない、本当なんですよ。それで、結局、そのとれました魚をずらずらっと並べまして、これは昭和何十何年度当初の予算でございますよといって市会に出すわけだ。しかしながら、地域の実情をよく知っていて自分なりきに、また、地域の住民と十分話して自分なりきの腹案というものに直そうとすれば、こっちの魚の半身を切り開いてこっちの事業へ持ってくる、こっちの事業の頭の部分だけこっちにつけ加えれば、地域の実情にはより適合した予算が組めるはずなんだ、こう思うのですよね。ところが、それをやると手が後ろへ回っちゃう。補助金等適正化法案という大蔵省がつくった猛烈な法律がございまして、刑事被告人になっちまう。お互いに刑事被告人になるのは余りありがたい話じゃございませんから、中央から怒られるぐらいへのカッパですけれども、刑事被告人にされちゃかないませんから、泣き泣き自分では甲、乙、丙としますと丙ぐらいの予算を市会へ出さなけりゃならぬ。総理も、本年度の予算をお組みになって、三千億か四千億できたら公共事業の方へ回したいなあと思っても、減税へ回せ回せといって余り言うからそうせざるを得なくなった。そのときのお気持ちは、総理はものをおっしゃらないから私はお聞きしません。お聞きしませんけれども、そのときの総理の気持ちと同じような気持ちを持つ。まだ今度の場合は二十何兆円のうちの三千億か四千億ですが、市の場合はそうじゃない。ほとんど半分近いものが自分の意に満たない、自分の意に満たないなんてどっちでもいい、地域の実情に合わない予算を合わないと知りながらみすみす予算を組まざるを得ないこの無念さというものを私は十何年やってきたわけです。それで、それだけお聞き取りを願って、質問に入りたいと思うのです。 地方自治がちょうどことしになりまして三十年になる。まあ記念すべき年であります、謙虚に振り返ってみますると、なるほど県庁は新しくなった、市役所もきれいになった、公会堂もできた、道もよくなった。確かによくなった。これは日本の高度成長の余慶だとは思いまするが、大変結構なことだと私は思うのです。しかしながら、なるほど形の上では非常に進歩はしてきたけれども、地方自治という考えが一体この三十年の間に進んできたかということです。地方自治とは何だというと、憲法では地方自治の理念に沿ってといって書いてありまするが、どなたも地方自治というものはこういうものだとはおっしゃっていない。しかし、私をして言わしむれば、自治というのは、その言葉のとおり、みずから治めるということです。自分のことは自分の責任で百分の判断で処理する、それに対しては責任を持つ、これが自治というものだろうと思うのです。そういう意味合いにおいては、いま申し上げたとおり、補助金の制度というものがこういうふうにがんじ絡めにどんどんどんどんふえている、金は中央からなるほど高度成長に応じてどんどんよこしてくれるから、学校はりっぱになる、保育所はできても、自分のことは自分の責任で判断して処理するという、そういう気風というものは減る一方です。と申しまするのは、いま申し上げましたように、市でもって予算を組むときに、地域の住民の人たちがあるから、ある市長の方は、自分で判断するのはもういろいろ言われてかなわないから、全部予算に組んじまう。はい、それも予算に組みます、これも予算に組みますといって三月の市会には予算を通す。ところが、四月になってふたをあけてみたら、これも落っこっている、これも落っこっている。地域の住民からどうだと言うと、いや、市では予算を組んだけれども、中央で削ったんだからしようがないんだ、悪いのは中央だ、悪いのは東京だといって言い逃れをする市長も出てくる。皆さんのところへは、学校ができた、道路ができた、まことにありがとうございますといってお礼をしに来る選挙民の方は多いと思うが、そんなのに気をよくしてもらっては大間違い。落っこっちゃっ方から言ば、何を東京はしていやがるんだというのがどんどんある。私は、地方自治三十年を振り返ってみまして、最近、年を追うて中央の関係と地方の関係がぎすぎすしたというか、ぎらぎらしたというか、あつれき音がだんだん大きくなってきている。これは超過負担の問題や人件費の問題がその契機になっておりまするが、あつれき音が年々大きくなってきている。私は非常に心配です。 一つここで御質問いたしまするが、三十年を顧みまして、地方自治の本来のあるべき姿というものはどうお考えになっておるか、これをひとつ総理と自治大臣にお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。 市長として活動なさった長い間の体験に裏づけられたお話をただいま承ったわけでございますが、今日の地方自治制度が発足して三十年になります。制度としてほぼ定着をいたしておると存じますが、お言葉にございましたように、私といたしましては、できるだけ地方公共団体の行財政の自主性を高めていきたい、まだその観点から達成し得たことが十分だとは申しませんが、そういう方向で努力をしてまいりたいと、こう考えております。
○国務大臣(福田赳夫君) 地域社会をつくる、これはまあ地方住民の意思を尊重して進められなけりゃならぬということはもちろんでございまするが、同時に、これが中央の国と無縁のものでもないのでありまして、その間、中央と地方との間の意思疎通というか協力関係、これもまた非常に私は大事であると、こういうふうに考えるわけです。私はよく言っているんです。地域社会をつくる上におきまして中央と地方は車の両輪だと、こういうふうに申しておるわけですが、その中央の立場というものが地方の住民の意思を離れて動くというようなことがあっては私はこれはいろいろ問題を起こすことに相なろうと思います。地方自治というもの、つまり住民の意思を基軸として運営されるというその姿、これは極力尊重されなきやならぬ、そういう配慮のもとに国と地方とが協調する、これが非常に大事であると、こういうふうに考えております。
○夏目忠雄君 いま総理は協力関係と言われ、また事あるごとに車の両輪のようなものだということを言われておるのは、私も再三お聞きいたしております。ただ、総理、車の両輪というのは、輪の大きさが同じだから前へ進んで行くんで、片方が大きくて片方が小さけりゃ横へひん曲がって行っちゃう、そういう道理だと思うのです。 私はもう一つ今度お聞きいたしますが、協力関係とおっしゃいましたが、中央政府というものと地方の自治体というものの協力関係というのは、相互信頼に立ってその両者が独立した関係において協力関係なのか、もしくは従属関係に立って協力関係なのか、ひとつそこら辺のところを言葉を飾らないで、いや、従属でなきゃうまくいかぬと思っていらっしゃるならそれで結構だし、どちらなのか、そこら辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) これはもとより対等の関係であります。これは地方に国が従属するわけでもなし、国に地方が従属するわけでもなし、対等の立場において協調すると、こういうことだと思います。
○夏目忠雄君 対等の関係だとおっしゃっていただきましたので、さらに進んでまいりたいと思いまするが、対等の関係の信頼関係というのは、たとえば、私とそこにいる亀井君との間に信頼関係で協力関係が——これはだれでもいいんですが、対等で信頼関係があるというのは、経済的に独立しているんですよ。だからこそ対等の信頼関係ができて、本当の意味のパートナーシップができるんです。ところが、現在の中央と地方とはそういう意味では経済的にはまことに従属関係になっている、お小遣いをもらっている。これでは本当のパートナーシップというものはやっぱりできぬと思う。ですから、お小遣いということになりましたが、一言申し上げますると、現在の地方自治体の本当の姿を私に遠慮なく言わしてもらえばおねだり行政です、自分でもって道路を直すにも、保育所をつくるにも、公会堂をつくるにも、一々中央に来て補助金もらわなきゃできないんだから、おねだり行政、物ごい行政だ。こじき行政と言ってもいい。そういうおねだりする気持ちもしくはこじきと対等のパートナーシップの関係なんというのは結べっこない。どうしても経済的に独立させるということが最終的にはあるべき姿だと、私はこういうふうに思うのです。それをまあ一遍にやれと言うても、国際情勢がこんな厳しい世の中ですから、一遍にはむずかしくても、将来のあるべき姿としては市町村というものと国というものは経済的に独立して対等の立場で協力、信頼の関係を結ぶのが私はあるべき姿としてはそう思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) まあそういうような姿になることは観念的には好ましいような一面がありますけれども、実際問題とするとなかなかむずかしいのじゃないでしょうか。と申しますのは、やはり国全体として見るときに、余り地域間の格差ができても困る。そういうようなことから、地方交付税交付金制度というものを廃止するというようなわけにもなかなかいかないのじゃないか。やっぱり国全体として地域社会が肩を並べて発展するようにという配慮、そういうところに私は国の機能というものがあると思うのです。それからやはり同じような意味において、国の施策と考え方というものが地方において浸透していくというための考え方、そういう意味で補助金という制度があるわけです。この補助金、こういうようなものになりますと、私はその補助金の内容については相当吟味する必要があると思っているんですが、制度そのものとしてこれを否定するかということになりますと、これはまた私はいろいろ問題があるのじゃないか、そういうふうに思います。ですから、問題は制度そのものということでなくて、その制度のもとにおけるそれを運用する仕組みについて工夫をして、そしていま夏目さんがおっしゃるようなそういう方向へその実が上がるということを目指すべきじゃあるまいかというのが私の見解でございます。
○夏目忠雄君 観念的だとおっしゃいましたが、まあそういうきらいはございす。私もただ本当の将来のあるべき姿としてそういうものを頭に描いているだけでありまして、いまこの場で言うてみたって現実論じゃない、その程度のことは私にもわかるわけでございまするが、そこで、現実の制度というものをそういったような目標を頭の中へ描いてひとつぜひ見直していただきたいのがございます。それは、現在の補助金制度でございます。 たとえば、今度は大蔵省に政府委員の方で結構ですがお聞きしたいのですが、これは仮定の問題として私は申し上げます。一つの施設が明治以来から使っておるので非常に古くなってきた、これを改修してりっぱなものにしていく、そういうことで、何でもようございます、一つの施設がね、それを国の方へ申請いたしましても、現在は、新設の場合は認められるけれども、既存のものを改造、改修というようなものには補助金というものは認めておりませんですね。間違いないですか。
○政府委員(吉瀬維哉君) 全般につきましてはまだデータを用意してございませんが、たとえば夏目委員御承知のように老朽校舎の改築とか、そういう種類のものは予算上措置をしているところでございます。
○夏目忠雄君 改造して従来五十人のものが八十人になればプラス三十人の分については補助は出ているようでございまするが、私のいま仮の設定では、そうでなくて、五十人の施設なんだけれどもやはり五十人の施設でりっぱなものに直そうと、こういうときには補助対象にならないでしょう。
○政府委員(吉瀬維哉君) 生徒数の増加がございませでしても、たとえば老朽危険校舎などは御承知のように改築を認めております。ただ、一般的には、その他の施設などは、従来のものが改築されるというようなことにつきましては、その建物の耐用命数期間中にやはりある程度の償却年限の長さもございますし、新しい改築に対してのいろいろな財政上の準備もできますし、それから資産が、まあこれは夏目委員もう十分御承知のところでございますけれども、やはり耐用命数が長くいく、長期間にわたるという場合には起債措置でお願いするというようなことの措置でやっております。
○夏目忠雄君 ちょっと御理解のあるようなお言葉ですが、私の十何年の体験でありますると、まずほとんど、ふやす場合なら結構だが、ふえない場合はプラスアルファにならないんだから、それは補助対象にならぬと言ってどの施設でも大体断わられるのが常であります。しかし、明治以来から相当使ってきて、これを五千万円かけて直せばりっぱにまだ使えるんだなと思っても、いま言ったように、五千万かけてやろうとしても、国から一文も来ませんから、ある場所で苦し紛れに別のところへ新設して二億の施設をつくる。二分の一補助だとすると、一億もらえる。一億がもらえて、一億は自分の金で出さにゃいかぬということになりまするが、その古い方のものをば処分してしまって、これを一億なら一億で処分して自己負担分にして二億でつくるから、その自治体としては、直せば五千万円かかるが、五千万円で直してやるのには現ナマの五千万円をかけにゃいかぬ。いま言ったような方法でやれば、一文も負担しないで、売りっ払った金の一億と国からもらった一億で合わして二億のものができる。これは補助金等適正化法の違反ですか、どうです。
○政府委員(吉瀬維哉君) 補助金等の適正化法に違反するかどうかというのは、当該事業がそういう種類の財源調達を認めるということが補助金の交付要項に記載されているかどうかと、形式的にはそういうことに相なると思います。 それから一般的に夏目委員の御質問の、長年使っていたものに対する改築とか、あるいは機能の増強とか、こういうことになりますが、たとえば僻地等の自治体に対しまして公民館が必要であろうというようなときには補助政策として新築を認めている。ただし、長年ずっと伝統的に公民館あるいは集会所のようなたぐいを持っているいわば都市と僻地との中間にあるような市町村が公民館を新しくまた建て直そうというようなときには、やはり国の補助政策全般の問題に係るのじゃなかろうか、こう思っております。 それからあるいはこういう種類のことを一般的にまあ国の補助政策の中の補助のメニューに載っていないけれどもそういうものを実体的に認めたらどうかというような種類の問題になりますと、今度は、御承知のように、一般の維持修繕費につきましては、もしそれが自治体の機能を発揮するのに必要なものでございますと、地方交付税上そういう種類の必要経費、維持修繕費は一般包括財源として算入されておりますし、それからさらに、先ほどのをまた繰り返すようになりましてはなはだ恐縮でございますが、さらに多額の金を要するというようなときには、やはり起債政策ということになるのじゃなかろうか。夏目委員の御質問を必ずしも正確に把握しているかどうかわかりませんが、そういうようなことでございます。
○夏目忠雄君 法律問題はよしましょう、私もあんまり得意じゃありませんから。ただ、実際問題としては、五千万の金でみすみす補修してりっぱにできるものを、二億かけてむだなことをやっているんだ、現実には。これをよくお考え願いたいと思う。 文部大臣がおられますのでちょっとお聞きしたいのですが、やはり市長のときに、学校が古くなりまして改築をしたいということで文部省に伺います。そうすると、係官が出まして、そうして分厚いファイルから書類を引きずり出しまして、そしておまえのとこの老朽度の点数がこうだ、もしくは次年度以降の学童入学見込み数がこうだというようなことをいろんな物差しを持ってきまして、そして、結局、こっちの方は半分認めてやるが、こっちの方はだめだというような最終結論を出しなさる、いろんな物差しに当てはめて。私は、最初は、さすが日本のお役人というものは全国の小学校、中学校、全部をばとにかく戸だなから書類を出せば全部わかるようになっていて、これは物差しにはかればだめだ、これはいいとやるんだから、日本のお役人さんは偉いものだなと思って最初は感心した。ところが、二年、三年たったら、何としてもばかくさくなってきた。そのお役人さんが取り出す書類というものは、市町村がつくって、県庁がそれをまとめて、おまけに順位までつくってこっちへ出ているんだ。それをもっともらしく出して、おまえのところはこうだああだと言うだけなんで、同じことをおやりになっている。ただ、県庁の内申どおりにやるかというと、必ずしもそうじゃない。それはまあ文部省の学校基準でお決めになったいろんな物差しというものは必ずしも現実に実情に合わない点がありまするから、そこへいろいろな考慮を加えて多少の変更をするという、現地の実情に合わせるように物差しだけではなくておやりになるということはわからぬじゃない。しかし、現地の実情に実際に合うか合わないかは、中央のお役人は幾ら偉くたって地方の人間の方がよく知っているはずなんです。私が特に申し上げたいのは、そのために文部省にもそれだけのあれがある、県庁にもある、市町村にもある、二重行政、三重行政になっている。こんなむだなことはおやめになったらいかがですか、こう思うのです。つまり、学校建築については、基準物差しというものをぴしっとお決めになったら、それを地方へ預けて、この基準でやれよと、補助金は総額これだけだから、この中で長野県なら長野県はどこの学校をやるかというのは県でおやりなさい、私の方では一々指図いたしません、こういった方法をとれませんか、文部大臣。
○国務大臣(海部俊樹君) 公立文教施設のことに関しましては、各地方公共団体を通じて御要請が出てくるわけでありますが、率直に申し上げましてその全部を毎年毎年消化できるというふうに、まあ何といいますか、先立つものの方があれば別でありますけれども、なかなかその一定の限度の中で採択をしていかなきゃなりません。そこで、全国的に一定の基準、そして全国的にそれが一定の水準で確保されることを目標に作業をいたしておりますので、たとえて申しますと、緊急度、プレハブ校舎の解消とか、あるいは木造で老朽度の進んでおるものとか、あるいはまだ屋内体育館のない学校とか、全国にはいろいろあるわけでありますから、そういったところから優先的に採択もしていかなきゃならぬわけでございますので、ときには御要望のすべてに沿いかねて、これは一年待ってくださいとか、あるいは今度にしてくださいとかいうようなことをすることが現実として起こるわけでございますけれども、これはやっぱり財源の効率的活用という観点から、全国的に見て緊急を要するものからやる、それからやっぱり一定の水準でなるべくばらつきのないような公立文教施設というものを全国的に整備していきたい、そういう観点からやっておる作業でございますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○夏目忠雄君 それをお役人さんはみんな言うんだ。全国的な平準で平均化してやっていかにゃいかぬと。それは、私が冒頭に申し上げましたように、各セクションは自分だけのセクションで全国的な公平さ、配分を考えていくんだが、それが集まった市町村の段階では、先ほど申し上げましたように、著しく整合性に欠ける、こういう結果になっちゃうんですね。そのセクションではもちろん一生懸命で考えて、こうやりゃ公平だ、こういうふうにやるんだといっておやりにはなっているんだが、そのセクションだけの考えなんだ。だから、末端の市町村へ行くと、道路の関係、学校関係、それとの間の地域の本当の要望とマッチしないものが出てきちまう。これは、総理、ぜひお聞きになってください。そういうことなんです。 じゃ、もう少し続けます。農林省で農道関係、あれなどは、ちょっと私の経験を申し上げまするが、農道というのは十割助成ですから、市町村にとってこんなにありがたいことはない。ですが、ぜひやってくださいといって頼みに行きますと、やっと重い腰を上げてやってくださるのはありがたいんだが、県道から何キロ離れていなければいけない、道路設計というものはこうだと、七メートル以上の幅員がなきゃいかぬ、いろんなことをおっしゃるけれども、まあ何しろただでやってもらうんだから、ええごもっともだ、ごもっともだ、ぜひやってくださいと言ってやってはもらう。やってはもらいまするが、山の中へ設計分七メーターにすれば、大体カーブのところが十二、三メーターになっちゃう。山の中の農免道路なんぞはものすごい太い道路ができる。ほかの農道はガーデントラクターが通るだけですから、ちょうど地域に合った幅員でやっておるわけだ。ところが、これでなきゃいかぬとおっしゃる。でき上がればりっぱなものができるが、あの農道の費用を、これはこれこれこういう理由で農道に充てるんだから、市町村にはこれだけやるからこれで農道に適当にお使いなさいというふうにはできないもんですか、ひとつ、農林省、お願いします。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまの農免道路の件でございますが、そういうような御意見も、他にもいろいろ承って、私ども自体も承っておるのでございますけれども、いろいろ経緯がありまして、大体農免道路については道路整備のための目的税としていただいているものがありまして、その性格を有するとき、たとえば揮発油税だとか、あるいは農林漁業用機械に使用された揮発税、こういうようなものがありますので、これらは当然免税とすべきものであると思うのでございます。実際はそう考えるのですけれども、技術的にきわめてこれは困難なものなので、そこでこれにかわる還元措置としてどうやるかというと、それには農業基盤の整備事業の中に組み入れていこうではないかということが昭和四十年に行われて、それ以来今日まで続けられておるのでございます。したがって、現時点でこれを新たにかかる制度に対していま改革していくということは非常な困難でございます。その当時もいろいろ御指摘いただいたような議論がたくさんありまして、本事業に対するその当時の議論を振り返ってみてお話し申し上げてもなんでございますけれども、そういうようないろいろな議論がありましたが、結局は大方の賛同を得ましてそして定められた経緯もありますので、事業発足後ちょうど十何年かかって現在に至っているわけでございますので、土地改良長期計画の中に主要な事業として、非常にまたこれが農民の喜んでおるところもありますので、いまこれだけ定着したものをすぐ今後これで地元の受益者の方の御意見のように持っていきたいということは少し困難だと思うのでございますが、以前の経緯から体して、ただいまのところは無理だと思うのです。十分この点は後で検討してみる必要が、もう何年かたったら検討するべき問題だと、こう考えます。
○夏目忠雄君 いや、あれだけの大きな道路をつくるんなら、市町村長に任せれば、同じお金で二本なり三本分なりの農道ができるんですよ。しかし、農林省の方でもってこれだけの規格がなきゃいかぬ、こうでなきゃいかぬと言うから、三本分 一つに合わせたような農道をこしらえている。それはお礼に行きますよ、りっぱな道路ができたんだから。それはお礼に行くのはあたりまえのお話だ、喜んでいるのもあたりまえの話だ。だけど、金の使い方から言うと、いかにもむだだ。 そこで、いまもう一つ、成り立ちが元来免税にすべきものをこういうことで成り立っているんだからとおっしゃるのだが、ちょっと違いますが同じような成り立ちでできているのに道路譲与税というのがある、道路譲与税は道路に使いさえすればよろしいということで市町村長に全部任しちゃっている。農道だって大体似たような財源から出てきているんですから、これは農道に使えといったように道路譲与税でできることが農道でできないというのはどういうことなんですか、政府委員の方から説明してください。
○政府委員(森整治君) お答えいたします。 農林省で農道をいろいろ事業がございます。広域からまあいろいろございますが、それぞれの採択要件というのがその目的に従って決められておるわけでございますが、農林省でやっておりますのは、多いのは一般財源で出しておるのがほとんどでございます。そのうちに農免が免税にかかわるものとして身がわりということで農業基盤整備の一環としてやっておりまして、性格的に地方道路の、何と申しましたか、地方道路譲与税法という制度と基本的に考え方から違っておるわけであります。と申しますのは、結局、揮発油税の免税をするかわりに農業者に還元をするということででき上がっておりまして、揮発油税は結局道路に使う、それが地方道と建設省の道路という形になっておりまして、そのほかに、ほかにといいますか、中身として免除をするかわりに相当分ということが農免道路という制度で全体の農業基盤整備事業費の中の内枠として組み込まれておるということで、観念的にそうなっておるということで、一応積算の基礎等は明らかにされておりますけれども、全体の農道の整備、もちろん補助率はたしか三分の二と、若干ほかの制度よりは高くなってますけれども、そういうことで運用をされておるということでございます。 お答えになりましたでしょうか……。
○夏目忠雄君 成立の起源が元来免税すべきものをしないでやるんだから農道に還元すべきだというのは、それはそのとおりだよ。私が聞いているのはそんな成立の起源じゃないんだよ。道路譲与税はやっぱり似たようなものですが、一括して市町村に任しちゃっておる。それが農道で起源が免税すべきものだなんということは理由にならぬ。一括してやってできないことはないじゃないか。やれないという理由は、まあ同じことを聞いても時間ばかりたちますのでやめましょう。私も与党だから、余り言うわけにもいかぬわ。実際これは私はすぐにとは言わぬが、よくひとつお考えになってください。 その次は厚生省で、保育所だ。これはどうなんですか。文部省の学校と同じことで、かつては百二十人の定員でなければいかぬ、その次はやっと九十人まで定員をおろして、九十人の規模でなきゃいかぬ、そういうくだらないことを言っている。保育所なんというものはその地域で六十人のところが適当なところもあるし、百五十人が適当なところもあるんだ。そんなことは市町村に判断させばいいんだ。最近ようやくその九十人という枠は取っ払ったけれども、相変わらず保育所というものは、どこの村のおまえのところは措置児童がこうだからこれはまだいけないとかこれはいいとか言ってお得意の物差しでもってやっていなさるが、保育所の予算というものを大蔵省からこれだけもらったら、もしくは取ってきたら、これをしかるべき物差しで市町村にお任せできませんか。どうです、厚生省の政府委員の方。ああ、大臣の方がいいわ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 夏目先生の御質問は、非常に実感があふれておりまして、全く胸を打たれるところが多い。(笑声)本当ですよ、それは。確かに、補助金制度というのは、画一的にやりますとむだなことが多い。確かにあります。私も経験がございますが、大きなブルドーザーを買わなくてもいいところを大きなのを買わしてみたり、それから古家を使ってもいいようなところを、古家では値段の査定ができないから、これは新しいものを使わせなきゃ補助の対象にしないとか、それはあるわけです。しかし、やっぱりそれは公平ということとか不正防止というようなところから出ておるのだと思います。ですから、融資制度か何かでやれば地方なりあるいは事業体の自主性によってもう少しうまくできるのじゃないか。そういう点はもっと工夫をする点が私はたくさんあるのじゃないかと思います。したがって、そういうようなむだをなくしていく、実情に沿うようにするというような点では、もっともっとお互いに工夫をするところがまだまだたくさんあるだろうと、かように思います。ただ、保育所をともかくどこの県は何十、どこの県は何十とみんな割りつけちゃって、それで後は県なり市町村に任してその金の範囲で自由につくらせたらいいじゃないかと。これは保育所を自由につくりたいという人から見れば、私はそのとおりだと思うのです。しかし、問題は、その市町村長でも県知事でも、これは選挙で出てくるものですから、選挙の後ろでだれがついているかということが一番問題なんですよ。それで、隣の市長さんはともかく学校建築と保育所だけ熱心だとか、その隣の町長さんはともかく道路づくりと橋かけの方ばかり熱心だとかというようなことになっちゃいますと、村によって学校のりっぱな村、道路のりっぱな村、そうなっちゃってもなかなか政治の整合性がつかない。まして、保育所の問題については、もともと、保育所というのは、金を持っていて、みんな家の中に働き手がいっぱいいて、おかあちゃんが家で遊んでいるような人は関係ない話ですから。保育所というのは、もともと、ともかく、とうちゃんもかあちゃんも働きに行っちゃって子供だけ取り残されて気の毒だと、そういうところに国が金を出してつくってやるという制度で出発したわけです。ですから、これは一律配分しますと、いまでさえもいろいろなことでなるべくそういうふうに各県にうまくやらせるようにしておっても、長野県のように保育所の普及率が三一・何%、全国で二、三番クラスですね。これは夏目先生なんかいるせいかどうかしらぬけれども。そうかと思うと、ほかの県の名前を言っちゃあ悪いが、東北の方に行くと七%とか五%とかというようなところがあると、ますますそういう格差が、金をやっても要らない県が出てきちゃったり、必要なところだけどんどん持っていっちゃったりということもあるので、まあそこは市長さんの自由にならないかもしれないところもありますが、全体のバランスも見ながら、またもっともっとやりたいというところにはできるだけ市長さんの意見も通るようにしながらと、両方を考えてやるものですから、なかなかすかっといかない点もあるんですが、先生の言うように、むだをなくす点についての創意工夫は今後も考えてまいりたいと思います。
○夏目忠雄君 いまのお話をお聞きしておりますと、よくわかります。片方の村では道路ばっかりやられ、片方の村では公会堂ばっかりつくっているというようなことを御心配なすっているんだろうと思うので、私が申し上げているのは、目的だけはちゃんと使えと、この金は保育所に使え、この金は学校に使え、この目的だけはひもをつけても結構だ、ひもはつけてください、あとの内部については市町村にお任せしなさいと、こういうことを申し上げているわけなんです。 私はそのお話を聞きながらひょっと思い出したのは、結局は、市町村長というか、地方不信の念があるんだね。大蔵省なんか非常にある、いま話を聞いていても。なるほど私も長い間やっておったからわかるが、市町村長の中にもいいかげんなのや、ちゅうっくらなのはいることはいますよ。(笑声)いや、ほんと、正直に言っているんだ。だけれども、それじゃそれを束ねておやりになっている中央のお役人さんの中にちゅうっくらなのがいないかといえば、いるわねえ、これ。先般も、総理が、どこかの予算で、北海道開発庁かなんかのもので、それは異常なことだと思うなんて、総理が異常のことだと思うって言っているぐらいなんだ。中央のお役人さんの中にだってちゅうっくらなのがまじっておる。市町村長の中にもまじっているのと同じことなんだ。どうせ同じ人間なんだ。同じ人間だとすれば、市町村長というのはとにかく四年に一遍ずつ洗礼を受けにゃいかぬ、ばかやちゅうっくらなのは、ちょいと長い目で見れば自然淘汰されているんだ。ところが、中央の束ねたお役人さんというのは四年に一遍何もないんだ。エスカレーターに乗っていて、だんだん課長になって局長になって、しまいには参議院議員になったりするわ。(笑声)どうせお任せするなら市町村長を少し信用しませんか、これがもとなんだ。信用する、ただし、いきなり信用しろと言ったってちょっとおっかないところがあるから、目的だけはちゃんとしなさい、つまり、補助金をやって、これは道路に使いなさい、これは何に使いなさいということだけはやる。それで厚生省も文部省もそんなものは任してしまって、一番問題なのは厚生省と文部省の中に幼稚園と保育所だ。いま、厚生大臣は、長野県は保育所が盛んだから、ほかのところとつり合いとれないと言うけれども、幼稚園がちっとも盛んでないから、幼稚園と保育所を一緒にすればこれは同じことになっているんですよ。それで、幼稚園と保育所の問題、これも言い出すときりがなくなっちゃうなあ。実際、幼稚園と保育所の問題なんか、地方が逆立ちしたって解決できない問題だ。これは文部省と厚生省が解決しなきゃならぬ問題なんだ。そういう解決しなければならない問題が山ほどあるのに、そっちの方は十年たっても二十年たってもほったらかしておいて、それで田舎の山の中の保育所の予算がこうだ、おまえのところの学校はこうだなんて、そんなことをいつまでやっていなさるんだと、こういうのが私の真意ですが、時間もなくなってきましたので、要は、私の申し上げたいことは、ぜひひとつこの際補助金制度の見直しを各省真剣になって取り組んでいただきたい、こういうことに尽きるわけでございます。どうぞひとつよろしくお願い申し上げまして、次の質問に入らしていただきます。 公取、来ていますね。——お聞きしたいのは、今度改正案を出されるようだ、結構なことだ。私も御答弁のいかんによっては賛成もしますし、反対もしますが、第一番にお聞きしたいのは、あの独占法規というのは経済の憲法だなんていうことをおっしゃった人もいるけれども、私もあわてて見たけれども、あれは経済の憲法と言うのはちよいと無理だね。農業基本法と比べてみると大分違うね。あれは取り締まり法規だ、私に言わせば、遠慮のないところを言えば。そうすると、取り締まり法規だとすれば、ある種のどうしても困ったなあ、弱ったなあという社会現象が起きて、それで、じゃこういう法律をやろうというのが、これはまあ取り締まり法規に限らず、一般の立法というものはそういうものだ。ですから、今度の改正でもってカルテルの強化をしようと。これは石油ショックのときにああいう騒ぎが社会的現象として起きたから大いにカルテルの規制は強化しようと、これは納得性が非常にある、説得性がある。私も納得いたします。ところが、寡占企業というものを場合によっては企業分割をしなければいかぬという、その前提になる社会的な現象というものは一体何なんですか。私はどうも余り新聞も見ないけれども、社会面でそういうふうな騒ぎになったのは聞かない。現実に寡占企業の価格というものが他の物価に比べて著しく高くて、暴利をむさぼっておるとかなんとかというそういうような新聞記事を見たことがない。そうすると、ああいう取り締まり法規を強化しようという基本の社会現象というものはどういうことなんですか。私は田舎者だからわからぬから、わかるようにひとつ説明してくれませんか。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘の改正法案がまだ成立いたしておりませんので、立ち入って申すこともいかがかと思いますが、御質問でございますので、独占的状態というのは法案ではどういうふうに予想されておるかということをまず申し上げますと、商品の供給価格がどうであるか、それからその市場の占拠率がどの程度の割合になっておるか、それから新しくその商品の市場に入ってくることがむずかしいかどうか、それからそのために価格が硬直的になっておるかどうか、下がるべきときに下がらない、あるいは上がるべからざるときに上がるというふうなそういう傾向がどういうことであったか、それからその企業の利益が過大であるかどうか、あるいは経費が過大に使われておったかどうかというようなことを要件として独占的状態であるかどうかということを判定するわけでございますが、御指摘のように、いまいろいろと独占的状態にあるという業種が云々されておりますけれども、それはどうして決めたかと申しますと、供給額がどういう状態であるかということと、それから市場の占拠率がどういう割合になっておるかということ、この二つによりまして現在判定をいたしておるわけでございまして、ただいま申し上げましたようなすべての要件を現在の状態において備えておるという業種があるかどうかということになりますと、まず現在のところはそれはないと私は申し上げてよろしいと存じます。
○夏目忠雄君 いまお聞きしましたのは、いろいろの理屈だ。私ら、頭が悪いし、田舎の者だし、一般大衆だから、一般大衆の目から見ると、寡占価格というものが他の物価の上昇率に比べて著しく高いということになれば、企業分割も大いにやるべしだ。ところが、私の方の斎藤栄三郎君の調べによりますると、皆さんがおっしゃっておる寡占企業というものを取り上げて、総理府の統計局発行の消費者物価指数年報昭和五十年度版によって数字をとったところが、普通の物価の上昇率というものは一七二、つまり七二%五年間で上がっている。ところが、寡占企業と言われている中で、サントリーが一三%の値上がり、味の素は三九%の値上がり、フィルムは二〇%の値上がり、こういうふうに、一般物価のあれが七二に対して、一三とか三九とか二〇というふうに普通の物価の値上がり率に対して強くないんだね。そうすると、一体何のためにおやりになるのだ、私らその理屈がわからぬ。寡占価格というものは独占価格だから、値段をうんとつり上げて庶民を大いに苦しめるというふうに書いた本は読んだことはある。読んだことはあるけれども、現実の社会現象として斎藤さんの調査が本当だとすれば、一般物価の上昇率よりもはるかに低い上昇率だ。一般大衆から言えば、国民大衆から言えば、何のためにそんなことをおやりになるのだか、ちっともわからぬ。ですから、実際の石油ショックのときのようにああいう手荒い社会現象が起きて、それだから取り締まり法規を強めようと。今度の国会にも出るピストルのおもちゃのやつを取り締まろうというのも、暴力団やいろんなもので現実の事象として憂うべき現象が出てきたからやろうというのだ。ところが、おっしゃっているのを聞いていると、ただ理屈を言っているきりだ。寡占率がこうだからこうだというようなことで、国民大衆が——ああ、この問題でもう時間がなくなっちゃった。 もう一つ公取に申し上げるが、公取さんはいま正義の騎士になっておるが、私の方では、つい最近まで、小さなみそ屋さんたくさんある、これが共同してダイエーというスーパーにみそを納めている。ところが、みそはいま大豆が値上がりする、食糧庁からもらう米は値上がりするでどうにもならぬもんだから、みんなで相談をしてスーパーのダイエーに納める価格に上乗せして、これからはこの値段でひとつ引き取ってくださいとやったところが、公取からみそ屋さんに令状を持ってやってきて、ばあっと帳簿を持っていっちゃった。去年の話ですよ。それで、田舎の小さなみそ屋さんなんか、公取というようなおっかないところから来て、それでいきなり帳簿持っていかれたからびっくりしちゃって、何にも聞かないで、いや、もとの値段で結構ですからダイエーさんにということになっちゃった。それで、公取というものは大企業を抑えてやるものかと思ったら、ダイエーの味方をして、おれたちみそ屋のところへいじめに来たのかと、こういうことを言っておる。これは、公取さん、よくお考えになっていただきたい。法律というものは、でき上がると、こういうふうに書いてあるからやるんだと。私も言ったけれども、それはカルテルだから、値上げ協定だから、これは取り締まらなければいかぬと、そういうふうに法律に書いてある。ですから、ぜひおやりになるなら、中小企業はそれはむしろ何か——私は法律のことはわからぬが、例外規定を設けるか、公取の対象から外すようなことをしてもらわぬことには、ちょっとなかなか賛成できないね。もう一度ちょっと答弁してください。
○政府委員(澤田悌君) 中小企業につきましては、その弱い立場からいろいろ苦しい事情にあることは御指摘のとおりでございまして、私どもも独占禁止法の運用に当たりましては重々気をつけておるつもりでございます。 なお、御承知のように、独占禁止法にも二十四条によりましてそういう中小企業の団体につきましては適用除外の制度もございますし、適用除外の制度がその他の法律によっても設けられておりますので、できるだけそういう弱い立場の人たちが困らないように、そういう例外規定を活用していくということも気をつけて十分運用に心がけてまいりたいと存じております。
○夏目忠雄君 もう一つだけ、あと一分残っていますので。 通産大臣にこれはもう時間がありませんからお願いだけしておきます。熊本県条例ができましてごたごたした末、政府の統一見解というものができた。大変結構なことなんですが、しかし、考えてみると、各県でああいうのがどんどんできるということは決して好ましい状況ではないと思う。これはどこから来たかというと、大規模小売店舗法に地方の知事に対する権限移譲の規定がない。だから、全部通産省でおやりになることになっている。私どもの長野県の例で言えば、長野なんかまだいいけれども、飯田だとか伊那だとか小さい都市がいっぱいある。これが一々名古屋の通産局に行くんですよ。県庁に行くわけじゃないんだ。ですから、この前も通産大臣にお聞きしたところが、いや、通産局の人手をふやして、どんどんふえる大規模小売店舗法のあれを上手にやるとおっしゃるけれども、そんなことできる相談じゃないんで、ぜひ今度大規模小売店舗法の改正をおやりになるように聞いておりますので、相当の知事に対する権限移譲、これは知事もしくは市長、つまり建築基準法によって建築許可を持っておる市長もしくは知事、こういったようなものに権限移譲をおやりになれば非常にスムーズにいく、私はこう思っております。どうぞ大臣から御答弁を願います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 私も長年県知事をいたしておりましたので、お気持ちの辺はよくわかっておりますので、改正に当たりましては十分に配意いたしまして御相談に乗りましょう。
○夏目忠雄君 ありがとうございます。
○委員長(小川半次君) 夏目委員、問い足らぬでしょうけれども、あなた与党議員ですからひとつ時間の模範を示してください。
○夏目忠雄君 以上をもって質問を終わりといたします。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして夏目忠雄君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、野口忠夫君の質疑に入ります。野口忠夫君。
○野口忠夫君 まず第一番に、昭和五十二年度の地方財政対策についてお伺いしたいと思いますが、昭和五十二年度の予算編成の過程で、地方財政をめぐる大蔵、自治両省の折衝は最後までもめ続けたようでございますが、この折衝の際、自治大臣は交付税率五%の引き上げを求めて大分御奮闘いただいたとお聞きいたしておるわけでありますが、そのとおりでございますか。
○国務大臣(小川平二君) 交付税率五%引き上げという要求を提起したことは事実でございます。
○野口忠夫君 昭和五十年度に二兆二千億、五十一年は二兆六千億、五十二年は二兆七百億、さらに後年までこの赤字は引き続き、巨額の地方交付税総額の不足を生じていくのではなかろうか。この事態に対しては、地方交付税法では六条三の第二項において、このような引き続き著しく地方財政収入と異なる場合があった場合は、これに対して法定して一定の方向を示しておるわけでありますが、これをそのうちでやると認定して、その補てんを税率の引き上げによって充当しようとの意思を持って折衝をいたされたことだと思うのですが、そのとおりでございますか。
○国務大臣(小川平二君) そのような考えで大蔵省と折衝いたしたわけでございます。
○野口忠夫君 残念ながらその大臣の折衝は成功いたしませんでした。この不足の二兆七百億の案分について、その半分は平衡交付税の増額、その半分は地方債の増、この半分ということに切られました根拠は何に基づいておやりになったのですか。
○国務大臣(小川平二君) 公共事業の裏負担を目いっぱい引き上げることによってどの程度の財源不足額を解消できるかということを計算いたしましたところが、ほぼこれが財源不足の半分に相当するという数字が出たわけでございます。
○野口忠夫君 まことに、二で割ってぴしっと出たわけでございますか。
○国務大臣(小川平二君) ただいま申し上げたようなことで半分になったわけでございまして、初めから足して二で割ろうという相談をいたしたわけではございません。
○野口忠夫君 さらにその半分のまた半分は、これを借り入れ、あとの半分は後年度八年間において支払っていく交付税の借り入れと、またここで半分ずつになっているんですけれども、この根拠はいかがでございますか。
○国務大臣(小川平二君) 自治省といたしましては、後年度の負担ということを考えまして、全額ということはもとより希望いたしたわけでございまするが、これは財源の関係もあり半分ということで妥結をしたということでございます。
○野口忠夫君 どうも、地方交付税によって地方の自主財源を賄って今日の地方財政の危機を救おうとする対策として、二で割ってやる方式みたいな、どうも算数で言うと二で割ったようなことになっているんですが、一応の間に合わせにこのことをやってきたような印象をぬぐえないのですけれども、まあそれはそれといたしまして、いままでの国会の答弁等をお聞きいたしますと、地方交付税法六条三の第二項に今回の措置は該当しているような印象を持った御発言をなさっているわけでございますけれども、どの辺のところが六条の三の第二項の精神に合致しているということでそのような御返答をなさっているのか、その点のところをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 交付税の引き上げによりまして問題を解決することができますれば、これは最も望ましいことでございますが、今日は御承知のような経済の転換期、変動期でございますから、交付税率を変更するということは、申すまでもなく国と地方の間の長期的な財源配分の問題でございますから、かような時期にこれを実行することは困難である、こういう結論に到達いたしたわけでございます。そこで、これにかえまして御高承のような措置をとったわけでございます。私どもは今回の措置を制度の改正である、こう理解しておるわけです。御承知のように、この財源不足額の半分のまた半分でございますが、五千百七十五億円につきましては、そのうち九百五十億円は臨時特例交付金の繰り入れで賄うわけでございますが、残りの四千二百二十五億円につきましては、償還の始まりまする昭和五十五年から八年間にわたって、そのときどきの国の財政がいかようにあろうとも、必ず臨時特例交付金の繰り入れで解決をするということにいたしまして、かつこれをあらかじめ法律で明定をしておくわけでございますから、これは制度の改正である、こう理解をしておるわけでございます。したがいまして、交付税法の六条三の二項に違反するものではない、こう考えておるわけでございます。
○野口忠夫君 六条三の第二項にある地方交付税が非常に不足した場合、著しく引き続きそれが不足しているような場合は行財政制度の改革ないしは交付税率の引き上げによってそれを処置せよと、こうあるわけでありますが、ただいま大臣のお答えによりますと、年度限りに処置されました地方交付税の財源措置を、後年度においてこれを支払うという制度改正、これを制度改正として私どもは考えるというお答えでございますけれども、どうもこのお答えはその場しのぎの理屈であって、将来にわたっての交付税制度の安定財源を願って税率の引き上げ等を願っている地方六団体を初めとする国民の皆さんの理解の上では、これを制度改正とすることを説得する力は私はどうもないのではなかろうかと思います。単に昭和五十二年度にとった方法が六条の三の二項に違反しないがための答弁。少なくとも行財制度の改正ということは、地方税制度の改正をするとか、あるいは交付税の税率の対象の財源を拡大するとか、あるいは国と地方との財源の配分を考えたというような、そういう恒久性を持った制度の改正をここでは指しているのではなかろうか。単に一年間の、年度限りの問題について、これを後年度に支払うという姿で立法措置をしたと、これだけの理屈で六条三の第二項を私たちは免れているんだというこのお答えは、まあいま国民の皆さんもこうした審議を通じてお聞きになっていると思うんですけれども、これで説得する力はどうも私はないのではないかと思うんですけれども、その辺のところ自治大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(小川平二君) 確かにこれは恒久的な制度と申すわけにはまいりません。しかし、法律は行財政制度の改正と、このように規定をいたしておるわけで、その上に格別限定的な字句をかぶせえおるわけではございません。恒久的な制度ではない、本年度限りの制度でありましても、今日の地方財政の状況に対処いたしまするために特別の措置をとるということは制度と理解し得ると、このように考えておるわけでございます。
○野口忠夫君 一つの理屈としてそういうことをおっしゃっておるんですけれども、大臣として、今回の措置が、地方交付税制度のもとである地方の財源の確保というような立場から言えば、そういう法定された立場から言えば、まことに当座しのぎの答弁である。これをもって国民に快く納得させるようなことにはとうてい自信がないとお考えにはなりませんかとお尋ねしているわけであります。
○国務大臣(小川平二君) 今日の財政状況を御理解いただきまして、必ずしもこれは快く納得していただけるかどうか、大変りっぱなことをやったと私は自負しておるわけでは毛頭ございません。ともかく曲がりなりにも御納得を願える措置だと、こう考えておるわけであります。
○野口忠夫君 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、地方交付税法第四条によりますと、自治大臣の地方交付税を実施する場合の権限と責任がこの第四条に明記してあるわけであります。その第一項によりますと、「毎年度分として交付すべき交付税の総額を見積ること。」は自治大臣の法定の権限である、総額を見積もることは自治大臣の法定された権限である。これはまさに地方交付税法という法律に基づく自治大臣の法定された権限なんですね。この権限を行使するに当たって、自治大臣が決定したものは当然法定の意思であろうと思うわけであります。自治大臣が税率を上げなければならぬと言うて要求したことに対して、大蔵大臣が、国の財源対策を理由として、この地方交付税法に盛られている地方交付税の趣旨に従って行う自治大臣の意思の決定というものを踏みにじるという権限は、大蔵大臣に所在するものでございましょうか。単なる国の財源が不足だという理由によって、法を守るべき公務員が、この法の趣旨に反するようなことはいかなる場合においても行われてはならないんじゃないだろうか。自治大臣は明らかに五%の税率引き上げによって総額の見積もりをすべきであるという折衝をしたことに対して、大蔵大臣、これを踏みにじってしまわれたわけで、ただいま自治大臣答弁ございましたけれども、まことにお気の毒なような気がするわけであります。当座しのぎのそうしたような飾られた便法の中で、こうした問題が、いま私から答弁を求められているわけでありますが、要は大蔵大臣のこの辺の考え方について明らかにしなければならぬと思うわけでありますが、お答えを願います。
○国務大臣(坊秀男君) お答え申し上げます。 確かに、予算編成の過程におきまして自治大臣から税率の引き上げという御要望があったということは、私もこれは忘れておりません。しかし、いろいろとその御要望に対して御相談を申し上げたと。今日御承知のとおり、日本の国の財政経済は、あの石油ショック以来、大変な異常の状態になってきておる。国も特例公債をもって賄っていかなければならないという事態に相なってきておるわけでございますが、そういったような事態に当たりまして、何とかひとつ異常な事態において交付税率のような、これは恒久的な、そして構造的なそういったようなものを、この異常事態の上において何らかこれを変更していくということは、これは財政経済の運用上、また予算の編成上、必ずしも適当ではないと。しかしながら、地方財政というものが非常に困窮されておるということはよくわかりますと、そこでそういったような恒久的な構造的な変革を、これをやらずに、実際上地方財政が困らないように何とか考えようじゃありませんかと、こういうことを御相談を申し上げまして、何も私が踏みにじったわけでも何でもございません。これを御相談いたしました結果、先ほど来自治大臣がるる御答弁申し上げておるということに相なったわけでございまして、地方交付税法第六条を踏みにじるとか踏みにじらぬとか、そういうことではなくて、この法律の趣旨は、こういったような場合のことも考えられて広く選択の余地を残しておるということであろうと私は思います。
○野口忠夫君 往復質問だそうでございまして、答弁が長くなるとこっちの時間なくなってくるわけで、時計が気になって仕方がない。私の聞いたのは、五%の税率を引き上げてこの見積もりをやりたいと言っているわけですね。措置されたのはまたそのとおり措置されているわけだ、いろんな、方法はおかしな方法ですけれども。やっぱり自治大臣の、税率の引き上げでこの見積もりをしたいというこの趣旨について、これをやっぱり踏みにじるということは、少し大蔵大臣の越権行為ではなかろうかと。はいと言うべきではなかろうか、こういうふうに私は考えるものであります。このことは、やはり先ほどの自治大臣の答弁のような、六条三の第二項の内閣法制局の力をかりて何とかということでの答えにきりならないわけです。私は、国民の全般にこれが理解されるような説得力があるかとお尋ねしたら、そうなかなかはいかないであろうというのが大臣の御答弁でもあったわけであります。 私どもは、今日の地方財政のこの危機的な状態の中で、地方財政のあり方の抜本的な改革を求める要求は、これは全国四十七都道府県、三千六百の地方自治団体のこれは意思であったと考えざるを得ません。各新聞に書かれている社説その他の世論を見ましても、なぜやらぬのだろう、今日の地方財政危機の中で、なぜこれを抜本的な改革をやろうとしないのであろうかという政府に対する鞭撻の主張が多かったように思うわけでありまして、抜本的改正の問題はいままさに全国民の声であろうと思っております。その諸方策の一つとして地方交付税率の引き上げということは、また国会の中でも私は超党派的な意思ではなかろうか、そういう中で今回行われております交付税率三二%というのは、いま総理になられた福田さんが、福田総理が大蔵大臣のときの四十一年にこれは改正されたものでございます。あの当時はまことにきちんと税率の引き上げを行ったわけであります。あれ以来十年間これは据え置かれてきたのであります。その間政府の減税措置によって——国の税金の減税された所得税、法人税の減税累積額、これを減税したことによって起こってくる交付税の落ち込みは、所得税で約三兆四千三百七億円、法人税で三兆五千七百六十四億円で、その三二%は約二兆一千四百二十二億円になります。これはちょうど交付税率に直しますと一五%くらいになっているわけであります。これだけ法人、所得の中では、そのもととなるところが少なくなってきているわけでありますから、私どもは現行三二%にこの落ち込み分八%を加えて四〇%引き上げを要求してまいったものでありますが、われわれの要求はまことに当然のことではないかと私どもとしては考えております。 この交付税率の引き上げを地方財政の将来の見通し、また交付税の趣旨に従って、本年度においてこの税率の改正を行う意思はあるかどうか自治大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 先ほど来申し上げましたように、ただいまの時期は交付税率を変更するのに適当な時期だとは考えておらないわけでございます。五十二年度において税率を引き上げるということは考えておりません。
○野口忠夫君 ずっと率の引き上げは考えないということでございますか。
○国務大臣(小川平二君) ただいま経済がかような激動の時期でございますが、遠からず必ず日本の経済が安定成長の軌道に乗る時期が来ると信じております。経済が安定をいたしましても、今日の税制を前提としまする限り、財政の均衡を回復するということは困難でございまするから、その時点で税財政制度の文字どおり抜本的な改正をしなければならないと存じます。その時期に、そういうこととの関連において交付税率の引き上げを検討し実行しなければならない。したがいまして、私どもはそういう時期が一日も早からんことを期待いたしまして、景気の浮揚、経済の安定ということにただいま全力を傾注しておるわけでございます。
○野口忠夫君 交付税率の引き上げという抜本改正を今後も引き続き——大臣としては今度も五%要求したわけですから、それが大蔵大臣の越権行為によって抑えられちゃった。だから、これからはそれも引き続きその税率の引き上げを私はやっていきますと、こういう御決意でございますね。
○国務大臣(小川平二君) 交付税率の引き上げは最も望ましいことでございまするから、これを実行できるような環境が一日も早く到来をいたしますように努力をしたいと、こう考えておるわけでございます。
○野口忠夫君 総理にお尋ねしたいわけですが、総理は総理就任の際に、日本丸のかじ取りをおれはやると、これからも決して間違わないように引っ張っていくんだと。国民はまことにその総理の決意に対して本当にみんな共感を覚えている面もあるだろうと思うわけであります。どうもこの五十二年度の予算編成を見ますと、そのかじ取りが、地方財政という問題についてちょっとどうもまずかったんではなかろうかというふうに思うわけであります。 私も余り時間がないから追及しませんけれども、自治大臣のここでの御答弁は、まさに六条三の第二項に対しての答えとしては不備そのものです。何とか言い逃れようとする言葉にきり聞こえていないと思うんですよ。地方交付税に盛られている趣旨は、今日の地方財政の危機を国の手によって救ってほしいという、救うべきであるという趣旨の精神を持っているものだと思うわけでありますが、ひとつ総理に、まあ雪が降った、雨が降った、あらしがあったというたびに、あの地方の知事さんや市町村長さんが、わが事のようになって中央に来る、地方自治体というのはまことに各省庁の出先のような役目で、地域住民の願いを背中にしょってきて、ああやって、もうちょっと何かあるとわが事のようになってこれは苦しんでいられるわけでありましょう。 私は今日の政治不信というものの根底に、何かこの間接民主主義、議会制に対する不信があって、直接的な民主主義に移行すべきではなかろうかというような考えが強まりつつあるんではなかろうか。国会というものの中に閉じこもって、国民と離れて、ここで決められることがどんなことであっても、これに対する国民との間というものは間接的でありましょう。いま国会の中で政府が考えなきゃならぬ基本は、いかにしてこの間接制議会制民主主義に国民の信頼をつなぎとめていくかということは、直接制的なものを間接制はくみ取っていかなきゃならぬということだと私は思うんです。間接の持つ欠点というものを、努力によって直接的な民主主義と決して間隔のないところのものに持っていくためのやっぱり総理の考えの基本は、今日の地方自治体というものを、これをやはり大事にする、その中から間接制の生まれてくる欠陥というものを、地方自治体という一つの法定組織の中に直接制を求めて、この中で、これが政治不信を改めていく基本ではないかというふうに私は思うわけであります。そういう意味では、総理のかじ取りというのは各省庁に直結して、これからの質問でお聞きしたいと思っているんですけれども、まことに出先の下請化したような今日の地方自治体を、本当にそういう生き生きとしたものにするために、総理が国と地方との間におられて、この相互のかじ取りというものを大事にしていくということは、これからの日本の安定経済成長発展の方向に従っていく大事な基本的な問題ではなかろうかと私は思うのでありまして、その意味では、どうも総理は、国の問題大変です、二百海里で頭の中いっぱいであろうと私は思います。しかし、国の底辺を支えているこの民衆との直接的な接触点、これを地方自治に求めるという地方自治財源回復の今日の課題というものは、総理の考えの中の半分はそれでなければならぬ。その国と地方との間に立つ総理のこの旗振りの中で、私は、今回の交付税率の改正というような問題について、総理がまずこうした問題についての先頭に立って、ひとつ引き上げ等についての特段の御協力をお願いしていきたいと思うわけでありますが、総理大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 私はかねて申し上げているんですが、国全体としてもそうですが、地域社会、これにつきましても、これはもう国と地方とが車の両輪というような立場で動いていかぬと、これは満足な結果は得られない、こういう強い認識を持っているわけなんです。 そこで、五十二年度の予算の措置でございますが、この五十二年度につきましては、これはいま地方交付税法に違反するというようなお話でございますが、地方交付税法の趣旨、これは私は率直に言いまして、制度改正という問題は、これは制度改正ですからある程度長期にわたる制度、そういうことを一応考えられると思うんですが、しかし、緊急の場合に、まあその時点における臨時的な制度改正を排除したものではないと、こういうふうに思うんです。いまそういう私は臨時的特異な状態であると、こういう認識でございます。つまり、高度成長からいわゆる安定成長へ移行の過程である、これから先々の経済が一体どういうふうになっていくかということが非常に捕捉困難な事態である、こういう状態である。同時に、交付税率の引き上げということになりますと、これはひとり交付税率の問題だけを論ずるわけにはいかぬと思うんです。まあ中央と地方との職務の分け合いの問題、それから補助金のあり方、それからさらには地方独自財源の問題、そういうものと総合して、初めて交付税率の問題というものについての結論を得なければならぬと、こういうふうに思います。そういう広い角度の検討を経ないで、交付税率だけを動かすということは私は困難だと、こういうふうに思いますが、そういう広い立場の検討、さらに、経済の展望ができるというような時点、そういう際に、本当に正しい交付税率はどういう状態であるべきかということは、これはもう当然検討しなきゃならぬ問題であると、こういうふうに考えております。 また、野口さんは、国の総理大臣は直接選挙によらないから、どうも地方の状態がおろそかにされておると、こういうような御議論でございますが、私は一般の国民はそういうような考えを持っておるとは思いません。しかし、間接選挙制度による内閣、特に総理大臣といえども、これはもう直接選挙による総理大臣と同じ構えで国政をさばかなきゃならぬということは当然でありまして、私も地方財政五十二年度のあり方、こういうことにつきましては、しばしば知事の代表の方々、あるいは市町村の代表の方々、そういう方々と意見の交換をしております。そうして五十二年度の最終的な結論、これを出した際におきましても、それらの代表の方々は、非常に政府の苦心のあるところはよくわかりました、しかし、その苦しい立場の中でもこれだけの措置をしていただきまして、ひとつ私どもは感謝いたしますと、こういうくらいなことを言っているのでまりまして、私は、決して五十二年度の措置につきまして地方自治団体の意向を無視した措置ではなかったと、こういう認識でございます。
○野口忠夫君 時間がありませんので……。 先ほど自治大臣も、五十二年度の予算の編成の中では、五%の税率引き上げが正しいという考え方の中で一応お進めになられてきていると、私はやっぱりそのことも大事にすると、そして国の問題を考えると、こういう点のところが、直接選挙のない大臣は別だみたいな話ではなくて、福田丸と日本丸を引っ張っていく福田さんの姿勢として、やはり、いま大変よかったと言っている国民もあるだろうが、社会的な不安な情勢の中には、そういう直接的な行動に出ている者もたくさんあるわけです。そのことのためには、爆弾が破裂したり何かしている今日的社会情勢の中で、本当に安定して、本当に発展を続ける日本というものをつくっていくための原点としては、地方財政、地方自治というものがあるんじゃないか。ですから、それをやっぱり吸い上げることによって、とかく間接的になりがちなそういういわば間接制民主主義というものを、直接的なそういうものを吸い上げることによって、国民の政治に対する信頼を取り戻すというようなことが必要ではなかろうかと、こういうことなんでありますが、自治大臣の今年度における努力も、税率の引き上げは努力なさっているわけでありますので、そういう趣旨からは、やはり自治大臣の職権の上において、責任において考えられている問題について、特段の総理の今後の御努力を私はお願いしたいと、このように思うわけでありますが、一言お願いします。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、間接民主主義というか、そういう立場で選挙されたまあ立場でございますが、もう直接選挙で選ばれた首長であるという気持ち、それはもう堅持してまいりたいと、かように考えております。
○野口忠夫君 まあ御答弁に余り満足できないわけでございますが、時間が全く足りませんので、なお、地方行政委員会等で、この問題については総理の御出席を願ってもう少し時間かけてお話ししたいんです。何だかあそこチャッチャッと動くたんびに全くどうもだめなんで、話の仕方も下手なもんですから十分御理解いただけないんですけれども、今度ひとつ地方行政委員会等に御出席をいただいてお話を申し上げたいと思います。 次の問題に入りたいと思いますが、最近、特に高度経済成長以後の地方自治体行政の現状を見ますと、中央の各省庁が新規事業を考えたり、あるいは既成事業の変更を思いついて新法を制定したり法改正を行って、どうも地方自治体の意思や実情と無関係に進められている結果、せっかくの行政効果というものが、結果として地方行財政に非常な混迷を深めているのが今日の状態にあると思うわけでありますが、これから具体的に例を挙げまして、各省庁にお答えをいただきながらその実情を明らかにしていきたいと思うわけであります。 第一番に、福祉政策の問題についてお尋ねしたいと思うんですけれども、これは歴代内閣の目玉政策として新規政策が非常に多く盛り込まれて、そのために地方財政が圧迫されて、摂津訴訟などというような裁判ざたになっているような問題も多いのでありますが、それらの問題はおきまして、私の申し上げたいのは、昭和三十六年に制定されました老人福祉法、これは池田内閣の当時における目玉政策として宣伝されたものでありますが、この法律による在宅老人指導を担当するホームヘルパー制度についてお聞きしたいわけであります。週六日間、寝たきり老人の在宅の世話をするホームヘルパーの皆さんの、本来であればこれは公務員法上からも常勤職員として扱われてその身分が保障されるべきものではないかと思うんですけれども、これが非常勤職員とされております。これらのホームヘルパーの皆さんの給与の単価は、行政職七等級の一号といいますか、ちょうど高等学校卒業生で二十三歳、中学卒業で言うと二十六歳の給与手取り額の七万から八万くらいの給与になっているわけであります。当然これは若い者にはなり手がありませんので、結局は母子家庭のお母さんの方々などをお願いして、四十歳くらいの人が勤められるわけですけれども、これが七万から八万くらいの薄給で仕事を押しつけられております。結果的には、地方自治体としてはどうにもなりませんから、単独財源を支出せざるを得ないというような状態に陥っているのでありますが、どうも、上から押しつけた、後はどうぞというような方式で、結果的には地方と本人の犠牲と負担の上に目玉政策というようなものが誇られておったのでは、これはまことにいただけないと考えるわけでありますが、ホームヘルパー制度の現状はどうなっているでしょうか、その身分、その給与、勤務条件等の実情についてお答えを願いながら、これでよいと考えておられるか、これは改めなけりゃならぬと思っていらっしゃるか、その認識の度合いをお尋ねしたいと思うわけであります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大体いま先生がおっしゃったような状態でございます。奉仕員の総数は五十一年の三月末で一万一千二百六十八名、当然常勤と非常勤とがございます。一人で大体七・四世帯程度を見ておるわけでありまして、市町村職員が六一二・二%、福祉協議会の職員が三六・八%となっております。常勤、非常勤の割合は、ほとんど大部分が常勤で約九割が常勤、約一〇%が非常勤と、こういうような状況でございます。給与につきましては、御承知のとおりこの制度は当初ボランティア活動というようなところから来ておるわけでございまして、八万四千円とか八万五千円というようなところではなり手がないではないかと、こういうような御指摘もございます。しかし、これが完全にこの町村職員というような形でだけやるのがいいのか、ボランティアの問題も多少含めたやり方がいいのか、今後の問題として検討してまいりたいと、かように考えております。必ずしも十分な給与であるとは思っておりません。
○野口忠夫君 もっとお尋ねしたいんですけれども、大臣は、この制度の発足当時、厚生省と自治省の両省の間で職員の身分の位置づけをどのようにするかというような協議をされたと聞いておるんですけれども、その経過等は御存じでございましょうか。
○政府委員(曾根田郁夫君) このホームヘルパー制度は、たしか昭和四十二年度から予算化されたと思っておりますが、その際に身分関係につきまして、私どもの方は、市町村あるいは市町村が社会福祉協議会に委託して行うという当初の考えでございまして、具体的に自治省との問でどのような話があったかにつきましては、実は私当時のことはただいま承知しておりません。
○野口忠夫君 新規政策の、まことに私どもも賛成でございまして、大臣のお答えでは十分これから検討していくということですが、いま七万、八万で、週六日間、朝から晩まで寝たきり老人の世話をしている方々に対しての福祉政策としては、本当に考えていただかなくちゃならぬと思うんですが、これが非常に地方自治体の財源を圧迫しております。こういう事態の中でひとつ御検討願いたい。これが一つ。 次は、住宅公団の総裁も来ておりますが、兵庫県の三田市ですね、これを中心とする北摂ニュータウン計画を一例として、過密化する都市対策、ニュータウン計画の推進によって地方自治体が非常に混迷しているという実態を明らかにしていきたいと思うわけであります。 まず、これは兵庫県が近畿圏総合整備計画構想に基づいて県勢振興計画を立てたものであると聞いておりますが、そのとおりであるかどうか。これは自治大臣ですか。
○政府委員(大富宏君) お答えいたします。 ただいま御指摘になりました北摂ニュータウンでございますが、これは阪神間の住宅宅地需要に対処しまして、あわせて北摂地域の整備を図るために、兵庫県と日本住宅公団が、兵庫県の三田市におきまして、住宅と工業の新市街地を有機的に結びつけるということで、昭和四十六年から計画している事業でございまして、面積は千二百三十九ヘクタール、計画人口約十二万の事業でございます。
○野口忠夫君 問題はこのニュータウン計画が三田市の財政に及ぼす影響なのでありますが、北摂ニュータウンというこの計画が、直接間接に必要とする公共投資額は一千三百七十億円、市が負担すべきものは約四百二十八億円という、三田市にとっては天文学的な財政負担を強いられております。これは六十年までに、数えてみますと百億を上回る累積赤字が生まれてくるというようなことになっているんですけれども、こうした政府、県の開発計画で余儀なくされた地方財政の困窮の問題の責任は、これはどこに一体所在するのであろうか、建設大臣ひとつお聞きしたいと思うんですが。
○国務大臣(長谷川四郎君) この問題は、県と市と十分協議を調えましてこの基本をつくったものでございまして、これを三田市に無理に押しつけたとかなんとかという、そういう事態のものじゃございません。現在三万から四万の方がおられる市を十二万に急速にふやしていくというんですから、これはよほどの市と県との協議が済まなければ行えるものじゃありませんです。したがって、市と県との協議を十分に調え、その上に立って私の方に話がありまして、住宅公団との話し合いがされると、こういうことでございます。
○野口忠夫君 現在この計画が進む中で、三田市の財政状況はどうなっているかということを見ますと、歳入総額に占める四十九年度の地方債比率は一三・八、歳入の約三分の一は地方債であるということです。四十五年を一〇〇としますと、地方債は七九四、約八倍、三田市というところは八倍の借金を四十五年から比べると持っている。実質収支比率は五十年度でマイナス一八・九、公債費は五十年度で歳出総額の七・六%、四十五年を一〇〇として五十年は七一〇、借金返しが四十五年の七倍になっている。国や県の行政が、このような地方財政が窮迫していて苦労している中で、ニュータウン計画一本を中央から地方におろしていったという中で、地域住民の求めているサービスはもうそっちのけ、まさに三田市は財政危機の前に立っているのですけれども、一たん出発しましたこの計画は取りやめるわけにはいきません。 そのために、三田市におけるこの起債枠の限度でございますけれども、通常一般の地方自治団体に対しては地方債許可制によって、いわば健全財政堅持のためにある一定の率以上は起債を許可しないということになっているのですけれども、三田市の場合は、もうすべり出した計画でございますから、次から次へとそうしたような限度枠を超えて、県などは特別起債枠を設けて約十億のつぎ込みを起債としてやっていく。この一つの事業を完成するために三田市の財政はまさにそういう借金財政になっていってしまっていっているわけですが、この点の事情について、この起債の限度枠を超えてまでも許している、他の一般との関係の中でこうした事態を許すことが望ましいのですかどうか、自治大臣にお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。 三田市の公債費比率でございますが、四十八年度−五十年度三カ年を平均しまして、一四・一%ということになっておるわけでございます。これが二〇%に達しますると地方債の制限を受けるわけでございますが、まだそこまでは達しておらない。確かに公債費比率が高まっていく傾向にございます。これは望ましいことではございませんから、財政運営につきましては兵庫県を通じて指導をするつもりでございますが、五十一年度の地方債の許可額、中身を調べてみますると、およそ七億五千万円のうちで同和対策が二億三千万、公営住宅が一億九千万、義務教育——これは中学校でございますが、四千五百万というような中身になっております。三田市の財政がまことに窮迫しておるわけですが、その中にありましても、これらのことはなおかつやらざるを得ない、そういう内容のものになっておるわけでございます。
○野口忠夫君 総裁がおいでになっていますが、住宅公団と県でこれは計画されたことになり、やっているわけですけれども、この建設の状況でありますが、これは昭和四十九年度にはもう完成しまして、入居予定が計画されておったわけでございますけれども、非常にずれまして、昭和五十三年度になりましてもこれまた入居できるかどうかわからないというような不確実な状況にある。いわば余りにも無理な計画を上から地方の自治体の実情に沿わないで進めた中でこういう状況になっているのではなかろうか。 さらに関連施設として水を引くための青野川ダムの建設による水の供給、これは水量の不足と地域住民の反対に遭って一向進行しない。交通確保のための福知山線を迂回化しましてこれをタウンの交通にしようという、そういう計画外の計画が必要とされてくる中では、さらに四百三十億の必要である。これの負担は公団とひとつ自治体でやってくれないかという要求がされているということでございますが、まことに無理なことを地方自治体の実情を無視した中でこれは行われているわけでありまして、地域住民からは非常に不満の声もあるようでございますが、この一点だけ総裁にお聞きしたいと思ってお呼び申し上げたのですけれども、総裁としては、一体こういう計画と今日の実情というのをお考えになられまして、どういう御判断をなさいますか、お聞きしたいと思います。
○参考人(南部哲也君) 北摂ニュータウンの計画は昭和四十六年ごろに計画されたものでございまして、県の計画に乗りまして、全体の約六割の地区につきまして私どもの方がお手伝いをするということにいたしたわけでございますが、いま先生お話しのように、ダムの問題、地方鉄道の問題、あるいは上下水道の問題等いろいろ問題がございます。私どもといたしましては、できるだけ地元地方公共団体の負担にならないようにということで、立てかえ施工も十年間無利子、二十年間返済というようなことで財政的な御援助も申し上げてきておるわけでございまして、これから計画を立てていきますにつきましては、地元と十分に話し合いをいたしまして、そうしてこの計画をどういうふうにしてやっていくかということにつきまして、目下市の財政負担等につきましても、県と両方で再調査の段階で検討いたしておる次第でございます。
○野口忠夫君 工事途中で先がどうもまことに見えなくなっているような計画でございますね。もう取りやめるということもできない中で、これから苦労なさるのだと思うのですけれども、総裁の言われたように、これから再調査の段階に入ってまたやっていくのだと。まことにここには、国と県というような立場でやられる開発計画というものが、一方的に国の政策として取り上げられておって、その実施主体となっているところの地方自治団体というようなものの意思や実情と全く結ぶことなく行われているのではなかろうか。そのために三田市を挙げての地方の混迷が続く中でいまこれから再調査をしてやる。こういう過ちを繰り返すことは、やはり政治に対する国民の不信というようなものを深める原因になると思うのでありますが、ひとつよく地域とのお話し合いの中でお進めになることをお願い申し上げて私の質問を終わっておきます。 五十二年度に当たって救急医療の問題を非常に取り上げるということで、まことに私たちも望ましい政策が取り上げられたと思うのです。これはこれから実施されることでございますから、国民もまた非常に願望していると思うのですが、この政府予算の内容を見ますと、第二次救急体制、とりわけ自治体立病院等が受け持つこととなる輪番制病院群について、国庫補助が当初厚生省は二分の一の要求をしたようでございますが、結果としては三分の一に抑えられておりまして、この運営費の補助単価が一日五万七千八百円と聞いておるのでありますが、この五万七千八百八十円のこの根拠をひとつお示し願いたいと思うわけであります。
○委員長(小川半次君) 野口君、南部参考人は退席されてよろしいですか。
○野口忠夫君 はい、結構でございます。
○委員長(小川半次君) 南部参考人には大変御苦労さまでした。退席されて結構でございます。
○政府委員(石丸隆治君) 第二次救急医療病院といたしまして、病院群の輪番制の運営費の補助でございますが、ただいま先生御指摘のように、当初二分の一の補助率要求が三分の一になっておるところでございます。 それで、その単価の内容でございますが、面積といたしまして百五十平米の病院を考えておるところでございまして、そのうち、そこで働く従業員でございますが、医師四名、看護婦三名、それから検査技師等の補助職員二名、計九名の人員に要する経費でございまして、これらの経費のうちから診療収入として入る収入を差し引いたものでございます。それがただいま先生御指摘のような数字になっております。
○野口忠夫君 どうも厚生省の方の単価のはじき方がわからないんですが、大体実情を見ますと、勤務医師というのは平均年収が約七百万、開業医であったら二千万は入ると言われる。許可技術者は平均年収は三百万、人件費がこれで年当たり四千六百万。休日夜間は労基法から言っても二五−五〇%増、平均三〇%としても一日当たりは十六万八千円。完備した場合の病院側の試算で言いますと、年一億三千万円かかると、一日当たり三十五万九千円を要するというのが医師会側の計算であります。この三年次計画の一年次とはいえ、まことにどうもこうした点では不備な計画ではなかろうか。こうした不備な計画を推進していく中では、制度自体はまことに言葉のみに終わってしまうのではないかと思うんですけれども、さらにこうした計画の推進の中には必ず地方自治体の財政への圧迫が起こってくると思われるわけでありますが、こういうことについてもう一度この救急体制の見直しというようなことを行うつもりはないかどうか、大臣にお聞きします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 救急医療の問題は非常に不採算制であるということがかねて言われておるわけであります。したがいまして、確かにそういう面ございます、ございますが、やはり夜間あるいは休日というようなものについては保険診療の単価をそれぞれ三〇%とか五〇%、物によっては倍というようなものに上げたり、国と県が助成をしたりいろいろしておりますが、それでも十分とはなかなか言えないでしょう、言えないでしょうけれども、やはりこの医者として、病院として、もうかればやるけれども、もうからなければやらないんだということだけでは、これはなかなか社会に対する責任が保っていけない。したがって、国もあるいはその直轄するところの県や市町村も、それから医者の方もやはりある程度ボランティアの考えも入れてもらってみんなでひとつ地域住民の困ったときに対処していこうじゃないか、急患に対処していこうということでスタートしたわけであります。したがって、ことしから三カ年でやりたいと考えておるわけでございますが、大々的にやるわけですから、なかなか試行錯誤の点もざっくばらんに言って私はあろうかと存じます。しかし、ことしやらしていただいてみてまだどうしてもできないというような点がございますならば、そのときはそのときのようにまた知恵をしぼっていかなければならぬと、かように考えております。
○委員長(小川半次君) 野口君、あなたの質問の順序があるでしょうけれども、運輸大臣に対する質問にひとつ移ってください。
○野口忠夫君 では、その点でちょっと質問をはしょっておきます。 いま運輸大臣が予算委員会を退出するなんということははなはだ結構ではないわけですけれども、いろいろ大変なことですから。 以上のような問題をずっと述べてきたわけですけれども、この中でやはり水と交通の問題ということですね。これは高度経済成長のやはり過密、過疎、一大人口の移動の中で、地方自治体の財政の上ではどうにもできないような問題を水と鉄でできているわけでございますが、運輸大臣はあれだそうでございますので、公営交通問題についての一つとして地下鉄建設の補助の問題についてお尋ねしたいと思うのです。現在の公営交通機関の赤字というものは非常に大きいわけであります。さらに路面交通というようなものは完全な行き詰まり、しかし、輸送状況は高度経済成長というような政策のしわ寄せの中で、まことにこれは増大する一方、結果的には地下の方に入っていかざるを得ないということで、過密化している大都市においては非常に地下鉄の進行がいま進んでいるわけでありますが、この助成措置の改善について国会でも大分委員会等では論議されてきて、その国会の答弁の中では、自治省はもとより運輸省も相当理解の態度を示していると思うのですよ、その答弁の中では。しかし、どうも四十八年あたりから始まってずっとこの問題を追及されて、検討する検討するというようなことなんですけれども、五十二年度も運営費補助方式にあくまでも固執して自己資本一〇%、間接費一五%を引いた分の六六%、これを国と自治体で補助をすると、半分ずつ補助をすると、その配分は運営費補助方式でありますので、お客さんの乗らないうちはよけいにということで六、六、六、五、五、五のこの配分方式の中で五十二年度もやっていくと、こういうことなんでありますが、いままでの国会の審議等を通じて、まことに資金の面で大したお金がかかることになります。最近ではもう地下鉄の一キロメートルは二百億ないしは二百五十億、場所によっては二百五十億くらいかかる。この膨大な地下鉄建設の資金を地方自治体が負うことによって地方財政というものが窮迫している今日の状態の中では、やはり地方自治体を大事にするという各省庁の考えの中で、国が行う施策のすべては地方自治体を通すわけでありますから、その自治体がそうした窮迫の財政の中で、過密する、そういう中で地下鉄の建設を進めなければならぬという自治体のこの負担の緩和のためにも、この補助率というものはひとつ引き上げて、現在五〇・七九%ぐらいですか、これをわれわれは七五%にまで増額して、そうしてこの分割補助というような方式は改めていくようなことを、これはもう五十二年度はこれで終わりましたが、五十三年度あたりからは、これが地方自治体の財源を救済する意味においても運輸省は考えるべきではないかと思うんですけれども、これに対する大臣のお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 野口さんのおっしゃる御趣旨、確かに私によくわかるんです。空間の制限ということは、特に大都会においてはもうわれわれ否定することはできません。 そこで現在、地下鉄につきまして、財源問題を含めた助成問題あるいは補助対象の問題あるいは運賃の問題あるいは経営合理化の問題等について検討いたしておりますが、昭和五十二年度、今年度におきまして、あらゆる角度から一度これを検討しよう、こういうことにいたしております。総合的な調査をすることにいたしております。
○野口忠夫君 前向きの姿勢でこれの解決を図ろうとする大臣の御答弁で結構でございますが、われわれがいま提示しましたような国の助成というものをさらに強めていく、私たちとしては七五%という率をお出し申し上げているわけでありますが、そういう面について特段のひとつ実現ができるような方向での御努力をお願いします。 ただいまの答弁でもおわかり願っておるように、何か中央で決めました政策のそのとばっちりがいつも地方財政の危機というようなものの上乗せになっている、こういう現実の一つとしての交通問題ということだったと思うわけでありますが、厚生省の考えるもの、あるいは建設省の考えるもの、住宅公団の行うもの、県の考えるもの、そういうものが何か一方的にこれでよいのだという決定がなされるだけであって、地方自治体の、これを受け取る場面においてまことにこれが実情に合わない結果になって、勢い地方財政の負担を圧迫している、大きくしている、こういうような状態で今日まで進んできたと思うんです。こうしたことはやっぱり改めなけりゃいかぬというように考えます。少なくとも国と地方との深い交わった中での行政の推進、そういうものが過ちのない国の考えの実践の効果を大きくしていくものではないかと思うんですが、生きた行政というのはそういうものを言うのではなかろうか。従来までのような、国がよいと願ったことで、それが政策として、国策として進められ、その結果として水は汚れる、空は曇る、交通は混雑する、そういう状態にいま置かれているわけでありますので、私どもとしましては少なくとも国と地方との行政、これの円満な解決を図るためには地方自治体関係者の皆さんと自治省関係の皆さんと実務に携わっている職員の皆さんというような、こういう地方行政を推進していこうとする立場の実施部隊において、三者構成によるところの地方行財政審議会というようなものを設置してはどうかということを御提案申し上げたいわけなんであります。 先ほどから申し上げてまいりましたこれらの一連の国と地方との十分な通い合いのない中で起こってくる地方に対する一つの犠牲、負担のしわ寄せというようなものが、ここの場所で話し合うことによって一応行き交うようにしていきたいということで、地方行財政審議会の設置をしてはどうか。現行、地方制度調査会があります、地方財政審議会がございますけれども、これらはやはり基本的な問題についての諮問であります。私どもの申し上げておりますのは、実施する部隊においてその行政の効果が万全に発揮できるような方向で話し合う機関として、この機関を設けてはよいではないか。超過負担の問題などにつきましても、国は国で一方の立場で言う、地方六団体は地方六団体の立場で言う。その内容を見ますと、お互いがかみ合わなければならない課題というものがお互いにかみ合わせないままで、ここ二、三年来、超過負担超過負担と進んでいる。この解決などもこの地方行財政審議会の中で話し合っていけば、私は解決のめどは生まれてくるであろう。今日、地方財政は非常に窮迫をして抜本的な改正を要求されるという今日の段階で、実務機関に携わっているこれらの方々の話し合いというものはことにまた望まれているのではなかろうかと思います。長い間これを設置せよと言うのではなくて、今日の地方財政危機打開のための国と地方との息の合った、血の通った行政が志向されるという意味で、この地方行財政審議会というものを提案したいと思うのでございますが、これは自治大臣、どのようにお考えでありますか。
○国務大臣(小川平二君) 地方公共団体の意思を国の施策に反映をさせなければならない、きわめてごもっともの仰せだと存じます。現在、地方制度調査会並びに地方財政審議会がございまして、御高承のとおり、地方公共団体の推薦する方、あるいは事実上地方公共団体の利益を代表する方が委員になっておられるわけでございまして、非常に大きな問題のみならず、相当具体的な問題についても御審議をいただき、答申や御意見もちょうだいをしておるわけでございますから、私どもといたしましては、この調査会ないし審議会の運用によりまして、ただいまの御趣旨を実現していきたい、こう考えておるわけでございます。
○委員長(小川半次君) 野口君の質疑は後刻引き続き行うことにいたします。 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題とし、野口忠夫君の質疑を続行いたします。野口忠夫君。
○野口忠夫君 午前中、交付税率の問題で御質問申し上げておるわけでありますが、いろいろ御答弁を願ったわけですけれども、自治大臣の御答弁などもお聞きしているわけですけれども、今年度五%の率の引き上げのために御努力なすった自治大臣が、御答弁の中では何か税率改正というようなことについてさらに努力するというような御意思の表現が、少し足りないように思われましたものですから、重ねて自治大臣に五十二年度同様、税率の引き上げについては御努力願われるかどうか、引き続きやっていくかどうかについて御答弁願いたいと思うわけであります。
○国務大臣(小川平二君) 引き続き努力をいたします。
○野口忠夫君 総理の答弁をこの点でもお願いしてあったわけですけれども、いまの自治大臣の答弁で引き続き税率の引き上げに努力していきたいと。総理の御答弁は全体の中で地方税制を考えていくので、その中にそれも入るというお話に思いましたが、自治省としては税率引き上げでやっていく、こういうふうな考えで進めていきたいというようなお話でございますから、問題は国と地方との間に立たれた総理大臣が、やはりこの点については自治省のそうした主張に対して尊重してやっていけるような御答弁をひとついただきたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) 総合的な検討ということを先ほど申し上げたんですが、そういう立場の中で自治省とも十分協議しながら進めていきたい、かように考えております。
○野口忠夫君 なお交付税率の問題の後に、今日、中央の施策が最も効果的に推進されるためには地方との間の通い方が深まる必要がある、そのために地方行財政審議会というようなものを設置して、いわばもっと実践的な場面におけるところの皆さん方が集まってより効果的に進めるような、そういう会を持ってはどうか、現行、地方制度調査会とか地方財政審議会があるのですけれども、それは一つの基本的な問題だと、こういうことで私どもとしては今日的地方財政危機の中で、そういう会を持っていくことは必要であろう、こういう御提案を申し上げたのですが、現状においてまだそこまでは至らない、こういうことでございました。重ねて自治大臣にお尋ねいたしますが、現行進んでおります地方制度調査会、それから地方財政審議会、この充実を図りながら、その運用、内容について十分検討する、こういうふうな御返答をいただいたと思うのですけれども、再度その点確認したいと思うのです。
○国務大臣(小川平二君) 制度調査会、財政審議会等の運用、内容に十分留意いたしまして、国、地方公共団体相互の調整が一層円滑に進んでまいりますように努力をする所存でございます。
○野口忠夫君 総理にもひとつお尋ねしたいのですが、私どもとしてはぜひそういう中央、地方との間が実践的な場面における者が集まって、そしてやはり行政の効果を最大限に発揮するというようなこういう審議会というようなものの設置をお進め願いたいと思うわけでございますが、御検討をいただきながらいま自治大臣が答弁されましたような現行制度の運用、内容についての充実を図りたいと、こういうことでございますので、この点に関して総理からひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 中央と地方はこれは基本的問題のみならず、実務者というか、実務的な接触、それから協議、そういうことが非常に私は大事だと思います。これはもうお話のとおりでございますが、ただ審議会をそのために設置するかというと、審議会というのは御承知のとおり非常にかた苦しい枠の中に入っちゃうということになりますので、そういう方式はいかがかとも思うんです。そうでない方式で機動的、流動的に話し合った方がむしろお話のような効果を上げることになるんじゃないか、そんな感じがいたしますので、それは十分考えてみたいと思います。
○野口忠夫君 午前中の終わりに運輸大臣が所用があるということでにわかに御質問申し上げましたが、水の問題と交通の問題についてお聞きしたいと思っておるわけですが、これも地方財政のやっぱり確立というような観点から申し上げたいと思うんですけれども、先ほど申し上げましたように、国のとられた高度経済成長政策というような政策の中で起こってまいりました日本の人口の大移動、それに伴う過密化、過疎化というようなことの中で非常に交通問題、水問題というのは地方自治体の負担になっております。過密地帯の都市、過疎地帯の農村、いずれも深刻な財政収入の滞りがちなとき、巨額な財政需要を求められておりまして、地方自治体とそこの地域の住民とをこうした中で苦しめていると思います。国の政策も大きく転換しまして、新しい安定成長、福祉社会の道を歩むという今日の状態の中で、これらの対策は国と地方との共同の責任においてこれは解決していかなければならない、そういう切迫した事態に迫られていると思うのであります。 しかし、これらの対策がなかなか遅々として進みません。何か各省庁等の縦割り行政のあり方の中で、各省の中が融合しないでそれぞれの立場で主張が並行したままになっておって、先ほど申し上げました地下鉄建設整備費の補助の問題等は、もう国会の中では、助成をもっと強めてもらわぬと、一キロ二百五十億もかかるという地方の負担は容易ではない、こういう点では国がもう一歩乗り出して、今日の交通難を緩和するための状態づくりに協力すべきではないかということで申し上げましたが、いま全般的な調査を五十二年度に行って、そして善処していきたいというような運輸大臣の答弁があったわけでございますが、やはり乗客の運賃で行う一つの経営のこの独立採算制というのは、やっぱりつくるまでのことについてまでを負担すると、これはどうも荷が重くなってくるんではなかろうか、やはり乗るお客さんが出て、そのお客さんを乗せていくための経費、その経常経費等についてはある程度料金で負担するということがあるだろうと思いますが、今日の状態ではまさに設備費までも負担する料金というような態度の中で、非常に公共料金の値上げが進行しておるわけでありますから、そういう状態の中ではやっぱり資金、つまり地下鉄なら地下鉄ができるまで、そこまではやはり国と地方公共団体が交通は行政であるというような観点の中で、非常にその公共性の高い今日的状態、ことに過密都市の状態ではもう交通機関がなければどうにもできないと思います。これの調査などもお聞きしたがったんですけれども、東京を中心として考えても二時間、三時間もかかるところから通勤する、通学する、そこでの地下鉄、バス、そういう問題は非常に充実されなければならぬと思いますると、この財源的な措置というのは緊急にやっぱり国としても考えるべきではなかろうかというふうに考えておりますが、この点に関して総理からひとつお答え願っておきたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) だんだんと都市集中というような勢いが進んでまいりまして、それに伴いましていわゆるベッドタウンと、こういうような問題が各地に起こっておるわけです。それらの交通をどういうふうにするか、そういう問題が各所に起こっておりますが、やっぱり国が住宅団地なら住宅団地、そういうものにつきましてかなりの公共投資をしなければならないという傾向が出てきておるし、またこれを進めていかなければならないと、こういうふうに私は考えておるわけです。具体的にどういうふうにするか、それはケース・バイ・ケースの問題でございますが、方向としてはそのような考え方で対処したい、かように考えます。
○野口忠夫君 次に、公営交通のバスの問題でお尋ねしたいわけでございますが、これはどういう各省との関係になっているかわかりませんが、今日の公営交通の現状は、まさに昭和五十年度決算で見ますと、単年度で欠損金が六百八十二億七千万円、累積欠損金は三千六百八十億六千万円、その上で焦げつき債務、不良債務が二千三百七十億五千万円、いずれも増大の傾向にあるようであります。いま再建のための第二次計画等も進んでいるようでございますけれども、こういう現状の中で、従来まで再建都市二十三の都市に対しましては、バス購入時に当たってはそのバスの購入についての補助、助成措置が行われてきたのでありますが、これが五十二年度限りで打ち切られることとなっているのであります。いわば設備の当時において助成をした、だんだんお客様が乗るようになってくればこの補助は打ち切ってもいいんではないかというような意見も私は聞くわけですけれども、現にこういう累積赤字が年々増大するというような中では、さらにこのバス購入補助の問題は引き続き五十三年度にも引き継がれるべきものではなかろうか、もしそれが行われない場合、地方都市におけるバスによる住民の交通、足の確保ということはきわめて大きな打撃を受けるんではないかというふうに思われるわけでありまして、ひとつこのバス車両購入時に当たっての補助金の制度、これを五十三年度まで実施するようなそういうことをお進め願いたいと、こう思っておるわけですが、お答えを願いたいと思うんですが、これは運輸省でございますか、補助の問題は。
○委員長(小川半次君) 公営バスは自治省です。
○国務大臣(小川平二君) この補助金を継続するかいなか、これは運輸省とも相談をしてなお検討をしなければならない問題でございますが、そのいかんにかかわらず、現状はいま御指摘のあったとおりきわめて深刻な状況でございますから、助成策についてさらに積極的に研究をしなければならない、自治省としてはさように考えておるわけであります。
○野口忠夫君 運輸大臣がちょっとあれのようですが、運輸省がやっぱり渋っているのではなかろうかというふうに思うわけですが、私どもとしてはこうした問題について、やっぱり五十三年度に一応すべきであるという国会等の議決等も考慮されると思うわけでございますが、そういう国会の意思があった場合はこれは進めていくんだと、こういうことをお確約いただけるかどうかについて、なお自治大臣からひとつ。
○国務大臣(小川平二君) この点は、この場でなかなかお約束を申し上げるわけにいきませんので、十分協議いたしまして慎重に研究をいたしたいと存じます。重ねて申し上げるわけでございますが、この補助金を継続するしないにかかわらず、今日の深刻な状況に対処して何か有効な手段がないかということを積極的に研究をしてまいりたいと思います。
○野口忠夫君 あれでしょう、こういう御努力を願ってもいろいろな状態もあるだろうと思うんですが、国会等においてそういう問題が取り上げられた場合は、そういう決議には当然従っていただいて善処していただけるであろうと私は思うわけでありますけれども、それで結構ですね。
○国務大臣(小川平二君) 再建につきましては、あとう限りの努力をするつもりでございます。
○野口忠夫君 水問題についてお伺いいたしたいと思うんですが、全国には千七百七十一の水道事業があるそうでございますが、この中で厚生省令で定められている水質検査を、いわゆる市町村の事業所が市町村単位で自己検査体制を持って常時この水質を検査して清浄な水を供給している事業所は、現在どのくらいあるものでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 水はみんな検査して飲ましておるんですが、自分のところでいろんなむずかしい検査を完全に全部やるというところは、水道用水の供給事業というのが四十四あってそのうち十三。それから上水道では、計画給水人口が二十五万人以上のところが七十三あって、検査能力を持っておるところが五十五。それから二十五万人未満のところは千七百三十五あって七十二が自己検査能力を持っておる。簡易水道は一万二千八百七ございますが、自己検査能力を持っておるのは二百十一。専用水道が三千八百十二あって二十六が自己検査能力を持っておると。こういうようなことで、自分のところで直接検査能力を持っておるところは御指摘のように非常に少ないわけです。少ないわけですが、これは県の衛生試験所とかその他の持っておるところに頼んで水の検査というものはやってもらっておるわけですから、これは望ましい姿としては、みんながそれは持った方がいいわけです、自己検査できるように。しかし、必ずしも町村まで全部自分のところで検査しなくても、県なら県で、頼んで検査をしてもらえばいいわけですから、もう少し充実はしたいと思いますが、検査する個所が少ないからといって水道の水が危ない水を飲ましている、そういうことにはなっておるわけではございません。
○野口忠夫君 大臣の御答弁では、現在の数で何とか間に合っているというようなお話でございますけれども、新聞紙上などを見ますと、まず水道に出てきてから、そして一たん人間の腹の中に入ってから、この水はどうであったとか、目に濁った水が見えてからどうであったとかというようなことがちょいちょいあちらこちらに出ておるわけであります。ですから、とにかく広範な人間の生命にかかわるこの水道事業の水供給ということに当たっての水質検査としては、いま大臣はいろいろ御苦労なすった上での御答弁とは思いますけれども、これでとても大事な命を考えた場合、これが福祉国家と言われる日本の国の状態の中ではいささかさびしいのではなかろうかと思います。もっとやっぱりそうした面における完成へ向かって前進していただきたいと思うんですけれども、その点で私らは、市町村の各事業所ですね、これに一応の責任を持つ水質検査センターというようなものを都道府県に一カ所ずつこれを何とかしてつくることはできないか。先ほど七十とか五十とかありましたが、設備もなかなか大変でございますでしょうし、人員も大変でございましょうが、せめてこれに専門的にかかわる機関として水質検査センターというようなものを都道府県にこれを設置すると、こういうようなことをわれわれとしては要望したいわけなんでありますが、厚生省としても初年度、五カ年計画をもって要求なすったようですけれども、まあ金額にしては七カ所五千万円程度でしたが、これも大蔵省から物のみごとに削られてしまっている。大蔵大臣の悪口ばっかり言って相済みませんけれども、どうもそこが一番の元凶になっているようでございまして、まあ残念ながら実現しませんが、ぼくらとしては本当にこれ都道府県に一カ所ぐらいは必要であろう、これは絶対やってもらいたい、こういう要望を申し上げたいんですが、大臣の御答弁願います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 決して現在で満足だと言っているわけじゃございません。それは極力充実をするようにやってまいりたい。これは大蔵大臣も御協力してくれると思います。信じて疑いません。
○野口忠夫君 次に、これもいまの水の問題に関係しますが、一応水が来るようになっておって、それを一軒の家の中に引いていくようなところの自治体の負担というものは、これはある程度あると思いますけれども、問題は水資源の問題でございますが、これが最近のやはり日本の国の政策の進行の中で、どうも地下水がくみ上げが多いと、あるいは汚濁すると、ことに流れている川の水を使っているうちは簡単に引けてきたんですけれども、この川の水がまことにどうも汚されておる。こういう状態の中で、どうしても水源というものは遠隔の地に求めざるを得ない。そこから引っ張ってくる導水、この設備費がまた大変かかるわけでございまして、これについて、水資源開発という問題については、今後はひとつ国の責任でこれを行うと、全額国家負担くらいまで考えてほしいわけでございますが、当面、現行負担率二分の一でございますけれども、良質の水を得、人間の清浄な水を飲むことによっての安定した生活をつくっていくという中では、国の助成として四分の三はこれは当然助成されてしかるべきではなかろうかと思うわけでありますが、大分水資源の水道事業の累積赤字なども大きくなっておりまして財政状況は容易ではないわけでございます。どうも見ますと、この財政状況悪化の原因は水資源開発の設備費がその原因をなしているようで、結果的には水道料金の値上げと、非常な住民の不満を買いながらやっていくというような結果になっているわけでありまするから、助成をひとつこの辺で伸ばしていくということで踏み切っていただきたいというように思うわけでありますが、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 水の問題はなかなか大変な事態にまで入ってきておるところでございまして、昨年はカナダで水の会議があり、本年はアルゼンチンでも水の会議が世界会議となって開かれておる、そのくらい深刻なものでございます。わが国におきましても水が、恐らく昭和六十年度になりますると、いまの水の倍でもないけれども、かなりの水の量が必要になってくるであろう、こういうことが予想されます。したがって、水系またダムの問題、これらには、特にいまダムの建設につきましてはいままでのあり方と違いまして、今後のダムの造成をどういうふうに持っていって御協力を願うようにするかというような点について十分検討を加えて、その指揮を始めておるところでございます。さらに、水系問題につきましてもそのとおりでありまして、現在八百六十億トンの水があるわけでございますけれども、この水ではとっても足りません。何といっても六十年には千百億トンの水が必要であろうと、こういうような観点に立ち入りまして、非常にいま深刻な面がございますものですから、挙げて国土庁、建設省、あるいはまたいまお尋ねの厚生省等と打ち合わせをしながら、その推進に努めておるところでございます。
○野口忠夫君 大臣、私は率の引き上げをするのかしないのかお尋ねしたわけでございましたが……。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生の言っているのは、水源開発の国庫負担率がいま二分の一でございますが、それを四分の三に上げろと、こういうような御趣旨だろうと思います。 これは御承知のとおり、ことしの年度、つまり五十一年度で補助率の引き上げを行ってまいりまして、三分の一だったものを、場所によってはいろいろな条件がございますが、それを二分の一までことし上げたばかりなんですよ。したがって、ことし上げたばかりなものですから、また五十二年度ですぐ上げるということはなかなかできない、やっとここまで来たということでございます。 それから水道の赤字の問題はまあいろいろございます。ございますが、東京都のようにこれは赤字になるべくして赤字になっているところもありますよ。水源地の栃木県で四十五円も水道料金を取っているときに、東京まで持ってきて十円でそれをともかく飲ませるということになれば、これは安くて結構なことではございますが、なかなかコストも間に合わないと、三年ぐらい前まではそういう状態であったことは間違いないんです。ですから、むしろ水源地の方で非常に農家がまばらとかなんかで配管や何かに非常に金がかかると、そのためにコストがうんと、密集地帯じゃないから金がかかっちゃうと、むしろそういうところの方が気の毒なのであって、そういうようなところについて、農村なんかで本当に東京が二、三十円で飲めるのに六十円とか七十円とかというところが現実にあるわけですから、そういうようなところの助成というものを強めていくというようなことで実はことしから直したわけであります。さらに、内容をもっと見ましてから、必要があれば財政全体の問題とも絡むことでございますが、極力水道にそんなに料金を払うのに苦しまなくてもいいというようにはしておるつもりでございますし、今後もそういうつもりでやってまいります。
○野口忠夫君 引き上げたばかりの状態だと、こういうことでございますけれども、やっぱり内容的に率の引き上げはいまちょっとむずかしいと、こう言われましたが、総量でやっぱりどうなるかという問題もあるわけでございますね。この総量をやっぱり引き上げていくという、そういう考え方、これもひとつ含めて御検討願いたいと思うんですが、原水コスト高のものについてはその範囲を拡大するとか、あるいは補助係数の整備を図るとかによって、やはり少しでも水資源に対する国の助成を深めていくというような方向は現行体制の中でも十分とれることだと思いますから、これひとつお考えのほどを願っておきたい。 時間も大分迫りましたので最後に——最後の前に、水質環境基準強化の問題について石原大臣にお願いしたいんですけれども、大分、川の水が汚濁していると、ここにも何かやっぱり過去の国の政策のしわ寄せが川などに来ているのじゃなかろうかと思うんですが、河川の汚濁はいま非常な問題であろうと思います。私どもの調べたところでは、全国河川の汚染状況というのは、昭和四十四年から四十八年までの五年間に、日本の国の川の三割はまことに汚染で悪化されている傾向があると言われますが、どうも河川の検査ですね、あるいは全国の汚濁状況、こういうことについて環境庁としてはどういうことになっているか、その辺河川の汚濁というものについての考えと、それからもう一つは、それが全国的にいま三割と申し上げましたが、どのぐらいの数になっているかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原慎太郎君) お答えいたします。 汚染も二種類ございまして、有害、つまり重金属等によります、有害物質によります汚染の状況は、これはかなりいい変化をいたしてまいりまして、五十年度には環境の基準を超える河川が〇・一七%と、達成率が九九・八%という状況でございます。ただ、一方有機物等によります汚染は、確かに御指摘のように、五十年度でもBODに関しましては環境基準を超えるところが三〇・五%、また、有機物等によります基準を超える汚染が二一・三%という状況でございます。これを鋭意いろいろな総量規制等の方法を導入して改善する努力をいたしております現況でございます。
○野口忠夫君 大変なこれは御努力を要する問題ではないかと思うんで、いろいろやっているお話をいまお聞きしましたが、現実は、これはとてもひどい状態になっていると思います。私は福島県でございますが、あの阿武隈川の水などというのは、私の小さいころは魚がいて、水泳ぎをしておりました。最近は中に入るとぬるぬるとなっておりますが、いまの有機……、家庭用水の下水の問題と関連するんだろうと思いますけれども、下水の問題はまた非常なこれは財源の要する問題であって大変なことですけれども、この水を実は福島市民は浄水いたしまして飲んでいるわけでございますね。この検査など見ますと、どうもある権限の中での検査を、その検査は学界にも出される、あるいは新聞にも公表されるというような意味での科学的な権威ある検査というようなものにまではなかなか入っていけないようであって、何となく不安感を与えるから押さえておけみたいな、政治的な問題の中でせっかくのデータを発表しないなんというような現状も見られることがあったわけであります。こういうような状態では、やっぱり本当の意味での河川の水の供給というようなものが、水道という問題に関した場合などは非常に問題を残しているのではなかろうかというふうに思いますから、何かこの河川汚濁のために取水を停止してしまった事業所が全国ではあるんだそうでございますが、環境庁長官はそれ御存じでございますか。
○国務大臣(石原慎太郎君) 私が存じております限りでは、私が住んでおります近くの多摩川の水は現在、原水としては使われないようになりました。これは所轄は厚生省でございますので、必要でしたら厚生省の方からお答え願いたいと思います。
○政府委員(国川建二君) お答えいたします。 ただいまお話がございましたように、多摩川が上流の開発に伴いまして大変汚染されたということで、四十年代の半ばにおきまして現在取水を停止しております。これが一ヵ所でございます。
○野口忠夫君 水質環境基準の強化というようなことについて、工業排水というようなことについての企業内クローズド処理場の義務づけみたいなこと、あるいは家庭排水の処理、公共下水道の推進と原因物質に関しての総量規制、あるいは水質基準見直し範囲の拡大、監視体制の強化等の問題については御努力だと思いますけれども、これは一段とまだ御努力願わなければならぬ課題ではなかろうかと、ひとつそういう意味でお願いしたい。実はもっと御質問申し上げたかったんですが、時間があと二分でございまして、最後に総理にひとつお願いしたいことがあります。 地方事務官の問題でございます。これは政治的にはもう解決している問題ではなかろうか、この問題が解決されなければ国会の権威にも関するんではなかろうか。大臣は答弁しましたし、委員会で決議は上がっておりますし、各委員会でも答弁がありました。これに対してひとつ総理から、これはいろいろここで言うと、あっちこっちにさわりがございまして、それぞれの大臣に言わせておってはだめなんです。これは総理がやっぱり決断して、三十年間も「当分」が続いたわけでございます。この地方公務員ならざる地方公務員、国費身分の公務員を地方に移譲して、そしてりっぱな体制にするということに今年度はぜひ踏み切ってもらいたい、総理のひとつお考えをいただきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) この問題は、お話のように非常に長い間の懸案でございますが、それだけにまたむずかしい問題でもあるわけなんです。まあ職員組合なんかとの関係もありまして、なかなか簡単な解決ができない、そこで今日に至っておりますが、非常にむずかしいだけに、いつ幾日までにやると、こういうふうな明快な御答弁を私いたしかねますが、鋭意この解決に努力してみます。
○野口忠夫君 時間がなくなりまして、もう何も言えなくなったわけですが、今日の地方財政の危機的状況の中で、地方も一生懸命になってやっておるようでございまするから、国の方も十分ひとつ御協力をいただいて、地域住民の福祉のための御協力をお願いしたい、以上申し上げて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして野口忠夫君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、粕谷照美君の質疑を行います。粕谷照美君。
○粕谷照美君 私は、次代を担うのは子供たちだ、その子供たちは国の宝である、そしてその子供たちは教育を受ける権利を持っている、国や地方自治体や親たちは、その子供たちの教育を受ける権利を保障するという義務を持っているというふうに考えて、自治大臣、大蔵大臣、文部大臣、それから総理に質問をしたいというふうに考えております。 けれども、総理、きょう何かずいぶんお疲れのようですね。そして色が何か黒くなられたような感じがしているんですけれども、やっぱりおととい、きのうの歓迎パーティーのせいでございましょうか。実はきょう、予算委員会の社会党の打ち合わせのときにその問題がちょっと出まして、こういうことがあったわけですね。新聞を見てみましたら、福田総理の出身地の群馬県群馬町では総理が誕生したというんで大変喜んで、町費でもって記念の金杯、署名入りの手ぬぐいを全戸に配布したと、こうあるわけです。で、三千五百人の、音楽隊が出たり、山車が出たりして、大変にぎやかだった。私もニュースを見ながら、町民の心がよくわかったわけです。しかし、きょうの午前中の夏目委員の質問にもありましたように、いろいろな町長さん、市長さんたちがいらっしゃるわけですが、町費でもって金杯を配ったり、総理の揮毫されたものを印刷した手ぬぐいを五千戸全部に配ったというあの記事が本当であったとしたら、大変けしからぬことだと、総理自身の本意にも沿わないことではないかというふうに考えているんですけれども、自治大臣、これいかがお考えですか。総理いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 新任大臣とか総理大臣のお国入りとなると、間々そういうことがあり得るんです。そこで私は、厳重に選挙区の市町村長の皆さんに、私の歓迎会をされるそうですが、公費を使わないようにお願いしますと、こうお願いをしておったわけなんです。それは相当徹底しておると思うんですがね。けさ、お話しのように新聞にそういう記事がありますので、実はびっくりして、うちの秘書に聞きましたところ、その旨々伝えたところ、私の出生地である群馬町だけは、とにかく共産党を含め全党一致でやるんだと、挙町一致でやるのに何の文句がありますかと、こういうことでやったんだというふうな問い合わせに対するお答えでございます。それにいたしましても、私はそういうことはよくないことだというので、是正方を求めておるところでございます。
○国務大臣(小川平二君) その地域住民のいわば総意として行われたことだと思われます。まあこれは情状酌量すべきことだと……。
○粕谷照美君 私は、きょうの質問がその内容に触れるわけではないので、深追いすることをやめたいと思いますけれども、何も共産党の議員が賛成したからなんということで、まあ免罪符みたいなことでは困るというふうに思うんですよね。その点ではきちんと対処をしていただきたいということをお願いいたしまして、本題に入りたいというふうに思います。 四月の九日の日に、静岡県の磐田郡の水窪町の町立水窪中学校の生徒が、寄宿舎から土曜日にたったのでということで自宅へ帰ろうとしたところが、落石事故に遭って二人の子供が死んだ、それも修学旅行を楽しみにして、一便おくらしたか早めたか何か、いつものバスではないので帰って、そういう事故に遭ったという悲惨なニュースが出ております。中学生の寄宿舎問題については、きょうは時間がありませんので触れませんけれども、これは登下校中の災害ということになろうかというふうに思いますけれども、文部省どうですか、これは安全会の対象になりますでしょうか。
○政府委員(安養寺重夫君) 一般的に安全会の災害給付の対象になりますのは、教育課程実施中、学校の管理下における事故ということになっております。当該事案につきましては、現在実態を調べておりますけれども、これに該当するかどうかはいずれ判明することと思います。
○粕谷照美君 文部省の統計を見ましても、学校安全会の統計を見ましても、この通学途上の事故というのがちゃんと三五・三%入っているわけですね、給付の中に。その辺はいかがなんですか。
○政府委員(安養寺重夫君) 学校管理下における事故ということでございまして、登下校の際における事故は、安全会の給付の対象になるようになっております。
○粕谷照美君 なるようになっていると言えば、これは下校というふうにみなしてよろしいですか。
○政府委員(安養寺重夫君) 今回の事故は、下校ということになるようでございます。
○粕谷照美君 それでは、当然該当すると、こうお答えになればいいわけですけれども、しかし、通学途上の問題は自賠法対象者は除くということになっていますから、もしそういうことであれば、この子供たちは学校安全会から死亡給付金がもらえないという、こういう状況になるんではないだろうかということを思って、私は大変心を痛めているわけです。いずれ学校災害に基づく損害賠償の問題については、日を改めてやりたいというふうに考えていますけれども、なぜ、この子供たちがこういう寄宿舎に入らなければならないか、中学生が一週間に一遍家に帰るような状況に陥らざるを得ないかと言えば、過疎地における学校統合というものがこういう事態を生み出しているというふうに考えているわけです。 さて、こういう過疎地における児童生徒たちは、通学をしようとしても、交通機関を利用しようとしてもなかなか交通機関がないという、こういう実態も一つあります。それでも、まあまあ利用できるところはなるべく利用したいということで、文部省の方でも相当の補助金を出しているわけですが、遠距離通学の児童生徒に通学費の国庫補助が出されている、その五十二年度予算は、二億七千二百万円、対象人員一万八千三十二人、普通交付税でも見ているわけではないかというふうに思いますけれども、この辺のところの数字の説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(諸沢正道君) 遠距離通学の児童生徒の通学に要する経費の助成につきましては、まず交付税におきまして、一般的に当該児童生徒の一人当たりの積算というものを割り増ししておるわけでございます。そこで、そういう交付税の上での措置をしておるわけでありますが、遠距離通学児童生徒のうちでも、学校統合によって遠距離通学となったという子供につきましては、当該市町村においても統合自体によっていろいろと財政的な負担も増加しておることでありますので、その統合後五年を限っていまの交付税の積算はしておりますけれども、それに上乗せをする形で予算的の補助をしておる、こういうことでございます。したがいまして、その予算の金額はいまお話がありましたように二億七千二百四十八万三千円と、こういう金額になっておるわけでございます。
○粕谷照美君 そういう金額で、どうでしょうね、いわゆる六キロ以上中学生、四キロ以上の小学生が交通機関を利用したときには全額もらえているでしょうか、全員。
○政府委員(諸沢正道君) これは、一つ一つの市町村について詳しい実態はもちろんわからぬわけでございますけれども、まず、六キロ、四キロという一つの目安を置いたその基準は何によるかということでありますが、これはかって中教審で学校統合の議論がございましたときに、やはり学校統合をするにしても、子供の通学上の便等を考えた場合、小学生は四キロを限度、中学生は六キロを限度とすべきであるというふうなことの意見が出ましたので、それに基づいて予算上の措置はしておるわけでございます。 ただ、いまお話がございましたように、実際に補助をいたしております人間というのは、小中合わせて、五十一年度で二万六千か七千ぐらいであろうということでございますが、実際に六キロ、四キロの遠距離を通学をしておる児童生徒を抱えておる市町村というものは、これは自治省の方で、いま申しました交付税の積算をする都合がありましてお調べになっておられると思いますが、その数はもう少し多いであろうというふうには想定されるわけでございます。
○粕谷照美君 私は、全員がもらっていない、その人数をもらっていないというふうに思うものですから。その理由は、やっぱり交付税そのものが問題点があるというふうに考えるんですけれども、その六キロ、四キロが中教審の答申のときに話題になってこう決まったというんですが、小学校一年生が四キロ歩くと一体どのくらいの時間かかるものでしょうか。諸沢さんはどのくらいかかるというふうにお考えですか。あなたが四キロ歩いたらどのくらいかかりますか。
○政府委員(諸沢正道君) 最近はかったことはございませんけれども、まあ、私の足でも四十分ぐらいはかかろうかと思うわけでございます。
○粕谷照美君 私は、この辺のところをきちんと見直してもらわぬと困るというふうに考えるんです。いつもきょうみたいなお天気のいい日ばかりではありません。特にそういうところを歩く子供たちにとってみれば、危険な場所というのが幾ヵ所かあるわけです、さっきの自動車事故のように。そういうところを歩いていかなければならないわけですが、小学校の一年生から四キロも歩かせるなんて、こんな残酷な話はないというふうに考えているんです。まあ、体育局あたりは体を鍛えろなんて言うのかもしれません。もし体を鍛えよということであれば、国家公務員、ここに並んでいらっしゃる皆さんは、二キロまで歩きなさいと、二キロ以上の人たちはバス代が出ますよ、汽車賃が出ますよといって通勤費がちゃんと出ているわけですね。自転車も、二キロ以上のところに乗る場合には、あるいは自動車を使っても構わぬけれども、ある程度の通勤費補助というものが出ている。そういうときに、子供たちばっかりこんな基準で予算をつくるということは問題があろうというふうに私は考えますけれども、文部大臣、単価の問題も含めまして、この辺のところをいかがお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の問題は、これは実情をよく調査いたしまして、今後の研究課題にさしていただこうと思います。 それから、単価の問題とおっしゃいますのは、五十二年度の単価については前年度約四〇%増としておりますけれども、今後ともこれの充実には努めてまいりたい、こう考えております。
○粕谷照美君 ぜひそういう意味ではきちんと見直していただいて、単価是正なんかについても討議を重ねていただきたい。 次は、五十二年度の要保護及び準要保護児童生徒の就学奨励についての国の援助費に関して伺うわけですが、この通学校別対象人員・予算額の資料をいただきました。それによりますと、百四十三億五千三百七十四万五千円、一三・五%の増でございますけれども、しかし、この予算で十分だというふうにお考えでございましょうか。たとえば不況がもうずっと長引いている。そして、もう倒産件数も非常に多くなっている。離職もある。二百海里問題で漁民の問題もある。もう大きな痛手を国民が受けているときに、人数的にももっともっと増大をしているんではないんだろうかということを考えないわけにはまいりません。この予算は、義務教育は無償とするという、そういう憲法の精神からつくられてきたものだというふうに判断いたしますけれども、十分であるというふうにお考えでしょうか。つくられた文部省の方でお答えください。
○政府委員(諸沢正道君) ただいま御指摘のように、要保護、準要保護就学援助費、総額の予算の伸びは二二・六%でございます。ところで、その中身は、御承知と思いますけれども、学用品費、あるいは新入学児童生徒学用品費、通学用品費といったようなものは、国におきまして一定の基準単価を定めて、それによって補助をすると、したがって、その単価の引き上げは一般の消費者物価の動向等を見てそれにスライドさせるということで、ことしは、いま申しましたような品目につきましては、五・一%の増ということにいたしておるわけでございます。 また、修学旅行経費のようなものになりますと、これは実績に応じて負担をするということになりますので、過去の実績を参考にして予算を要求し計上するというふうにならざるを得ないわけでございまして、本年度の修学旅行の補助金等につきましては、五十一年度のはまだ実績が出ませんものですから、五十年度の実績をもとにして計上しておるということでございますので、もちろんこういう経費につきましては、一つ一つのケースをとってみれば検討すべき課題があろうかとも思われますけれども、われわれとしてはこの予算で十分やっていけようというふうに考えておるわけでございます。
○粕谷照美君 私は大変問題点があるなと考えましたのは、修学旅行費の補助については五十年度の実績を参考にしている。そうすると、昨年物すごい交通費の値上げがあったわけですね。その辺のところは一体どういうふうにことしの予算の中では見ていかれるのですか。
○政府委員(諸沢正道君) 修学旅行の経費というのは、旅行に要する経費にプラスして共通に必要とされる保険の掛金だとか、あるいは写真代だとかいうようなものを見るというたてまえになっておりまして、また旅行の実態も、中学生の段階で何泊幾日にすべきかというようなことは国としては特に指定をしていないということで、大体実態に即して見るということでございますし、また修学旅行に使います乗り物の機関等もいろいろなものを使っておるわけでございますから、全般的にどのくらいになるかということは必ずしも正確に予想できないということで、ただいま申しましたように五十年度の実績を使っておるわけでございます。ただ、ただいま御指摘のように、ほかの単価を決めてありますものと違って実績負担ということになって、やってみた場合に足りなかったらどうするかというような御指摘であろうかと思いますが、ただいまも御指摘がありましたように、この修学奨励費は予算としては幾つかの項目、八つか九つくらいになっていると思うのでございますが、それ全部を一くくりして予算としておりますので、現実に年度末になりまして検討してみますと、ある費目については余裕がまだ残っている、ある費目は足りないというような結果になりますので、これまでの実績としては、そうした場合に彼此流用いたしまして、全体としては大体要望の線に沿って補助をしてきた、こういう実績がございますので、そういうふうにやってまいりたいと思います。
○粕谷照美君 時間がありませんから、私は端的に伺いたいと思いますけれども、文部省としては決められた額で、決められた人数で渡すんですから、全員に渡すということができるというふうに思います。ところが、もらう方の立場に立てば、もらった分についてどのように配分するかということになるわけですから、全員に、足切りが出てくるだろう、足切りというんですか、足切りが出てくるであろう、金額的にも。人数的にもやっぱり制限せざるを得ない。人数よけいやれば金額が薄くなる、金額を厚くすれば人数が制限される、こういう状況が出てくるんですから、私は全員に行き渡っているということを考えること自体が問題だというふうに思いますが、イエスかノーか、その程度の答えをいただきたい。
○政府委員(諸沢正道君) 私どもは修学旅行についても実績に基づいて全員に行き渡っているというふうに考えております。ただ、おっしゃるように修学旅行はそれぞれの学校によってやり方も違いますから、そこで、結果的に多少圧縮されるというようなところもあるいはあるかと思います。
○粕谷照美君 文部大臣、いまのこの答えでよくおわかりになったというふうに思いますけれども、本当に貧しいがために教育が受けられない、あるいは修学旅行、同級生と一緒に行かれないなんというようなことがあっては大変だというふうに思うわけですね。せめて、貧しいために義務教育が十分に保障されないなんということをなくするためにも、私はこの部分をもっと善処をすべきだというふうに考えますけれども、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) この制度につきましては、やはりできるだけきめの細かい配慮をしていかなければならぬというのは御指摘のとおりだと思いますし、現に文部省といたしましても今年度予算におきましては、スキーとか柔道とか剣道とか、そういう実技指導の際に要る用具についても補助ができるように新たに施策等もやっておりますが、なお研究し、改善しなければならぬ問題がありますならば今後も検討を続けていきたい、こう考えます。御理解をいただきます。
○粕谷照美君 総理、大変僻地の話だとか、貧しい子供たちの話だとかということについて私はいま質問をし、文部大臣は善処を約束してくださったわけですけれども、一国の総理がやっぱりそういうめんどうを見ると一言おっしゃっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま文部大臣が申し上げた趣旨を推進するようにいたします。
○粕谷照美君 では次に、公立義務教育諸学校の教員定数の問題について伺いたいというふうに思います。 義務教育諸学校教員定数の五ヵ年計画は、四十九年に発足をして五十三年に完結することになっているわけですが、昨年、五十一年度の教員定数の実態について御報告をください。一つ一般教員、二番目に同和、産炭地の教育、三番目に学校事務職員、四番目に養護教員です。文部省。
○政府委員(諸沢正道君) お答えいたします。 四十九年からの五ヵ年計画は、法律の上では五ヵ年間にこれだけの改善をしますよという目標を法律で定め、あと各年次どれだけふやすかということはそれぞれ該当年次の前に政令で定めると、こういうシステムになっているわけでございまして、従来は五ヵ年計画の場合、各年度大体同じ人数を逐年積み重ねて計画達成すると、こういうやり方できたわけでありますが、今回の五ヵ年計画におきましては、御指摘のように五十一年度と五十二年度において、国や地方の財政状況その他を勘案して若干の数を繰り延べをした、こういうことでございます。 そこで、その数字はどうなっておるかということでありますが、五ヵ年計画の全体の教員増というのは、児童生徒の自然増に伴います部分であるとか、養護学校の義務制に伴って学校設置が必要となる部分とかそういうものを合わせまして、当初の計画では約八万五百余と見込んでおったわけでありますが、それが最終的にも大体そのくらいの数字になるであろうと、自然増等は多少見込みが違ってまいりますけれども、そういうふうに算定をいたしておるわけでございます。 そこで、五十二年度のいま案に計上されております数字までを加えますと大体六万三千三百ほどの増員が実現することになるわけでありますが、この六万三千という増員は、いま申しました五十一年度、五十二年度における繰り延べ分が差し引かれておりますが、その繰り延べた人数は幾らかといいますと、五十一年度が二千五百五十一名、五十二年度が千二百三十七名ということでございます。ただ、そういたしましても、その繰り延べは一律機械的にやっておるわけではないのでございまして、県によりまして非常に過疎県のところは、子供の数が減るためにほっておいても先生が余りみえないというようなところには相当手厚く増をしませんと実質人事の運営がうまくまいりませんので、そういうようなところを重点的に見ておるわけでございます。 そこで、もう少し詳しく御質問の点を申し上げますと同和、産炭地等の先生の増員については、これは既定計画どおりやっております。それからその他の分につきましては、五十一年度は五十一年度分の改善増というのを一応全部繰り延べましたけれども、五十二年度につきましては定数のほっておいても減るような県、過疎県につきましては五十二年度の計画は計画どおりやりました。しかし、定数の増加の傾向にある県につきましては五十二年度の計画の四分の三をやりましたということで、さらに全体といたしましては教師の増減にかかわりなく、いわゆる最低保障として前年度定数の九八・五%が保証されるような定数措置をしてまいったわけでございます。 次に、養護教諭でありますが、養護教諭は五十一年度は既定計画の二分の一充足と、五十二年度は既定計画の四分の三充足と、事務職員は五十一年度は既定計画の三分の二充足と、五十二年度は四分の三充足というようなことでやっておるわけでございます。
○粕谷照美君 諸沢さん、そうするとこういうことになりますね、一般教員の五十一年度分は完全に据え置かれてしまった、つまり全然ふえなかった、ふえた分はゼロであった、同和、産炭地については完全にこれは保証された、学校事務職員については三分の一が足踏みをされた、養護教員についても二分の一が足踏みをされて、この数字が二千五百五十一人だというふうに理解をしていいというふうに思いますが、この二千五百五十一人分は、五十一年度に計画であれば増員しなきゃならなかった。ところが、その増員をしなかったわけですから、この五十二年度の予算の中に二千五百五十一人分のどれだけを突っ込んでいるんですか。そういう計算はしていらっしゃらないんですか。
○政府委員(諸沢正道君) ただいまの一般教員は全然ふえないかという点ですけれども、もちろん子供の数がふえた場合における自然増に対応する教員の数というのはこれはふえているわけでございます。ただ、今度の改善の具体的中身は何かということでありますが、たとえば複式学級については、三個学年の複式学級は全部解消するとか、あるいは小学校一年と二年の複式学級は、最大の学級編制基準が二十二人であったものを十人にするとか、そういうような幾つかの改善の具体的内容があって、その具体的内容のうち五十一年度に当初計画しておった全計画の五分の一相当分は五十一年度で足踏みしたと、こういうことでございますから、そのことはつまりことしと来年、五十二年度と五十三年度でそれを繰り延べて実施をしようと、こういう趣旨となるわけでございます。
○粕谷照美君 そうすると、五十二年度には十分にその役割りを果たすことができなかったけれども、五十二年度と五十三年度でもって第五次計画というものは完全に保証がされる、保証する、そういう文部省の態度だと理解をしてよろしいでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) おっしゃるとおり、五ヵ年計画は法律をもって最終の目的を定めておるわけで、各年度は政令でございますから、その実際の予算に対応して政令をつくってきたということでございます。したがいまして、われわれといたしましては、五十三年度においてこの計画しました当初の五ヵ年計画による増員というものを実現するように最大の努力を払ってやってまいりたいと、かように思うわけでございます。
○粕谷照美君 でも、私が心配をしていますのは、たとえば日教組と文部省との交渉、あるいは私ども社会党の文教委員会と文部省との交渉の中で、五十一年度に積み残されました二千五百五十一人の半数程度は、ことしは五十二年度の予算の中にぶっ込んでいきたいと、こうお答えになっていらっしゃったのにそれがぶち込んでない。そうすると、いまそうあなたはおっしゃるけれども、本当にそれが五十三年度の予算の中でちゃんと補足されるように入るんだろうかどうなんだろうか。きっとそれは概算要求というものを出されたんですけれども、これも大蔵大臣にきっとひじ鉄を食わされてぐっとこの要求そのものも後ろに下がったんではないかということをみんな心配しているわけです。現場の教師は、たとえばきょうも広島のある市町村で養護教員の人に兼務辞令が下ったと、辞令の写しまで送っていただいているわけですけれども、一人の先生が二つの学校に辞令が配られて行かなきゃならないなんて、そんな実態は一体何から出てくるかといえば、養護教員がすべての学校に配置されていないからそういうことになってくるわけです。お一人でもよけいほしいと、こういうふうに思っているわけでしょう。その保証もない。そして、かぜを引いた、歯を抜いたなんという先生が、マスクをしながら教室に立っていらっしゃる。それは何かといったら、教員の定数が足りないから、出張した後だれも埋めてくれないから出張も余りしたくないと、こういうような実態があるときに、私は、子供たちにいい教育条件を保障するという態度には大変なっていない、おくれた文部省の姿勢だということを考えないわけにはいかないわけです。それで文部大臣いかがですか、諸沢さんはそういうふうにおっしゃっておりますが、大臣としてはどのような態度でもってこの要求をしていらっしゃいますか。(「大臣、答弁だよ」「大臣だよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(諸沢正道君) 大臣もお答えしますが、その前に補足させていただきますと……
○委員長(小川半次君) 諸沢君、質問者は大臣を要求しましたから、一応答弁台に大臣に立っていただいてからにしてください。
○国務大臣(海部俊樹君) 五十一年、五十二年度におきまして、一部を後年度に繰り延べましたのは、これはもう先生御承知のように、いろいろな事情がありまして積み残しをしましたが、ただし、これは五年計画を変更するものではないと、私はこう理解をしておりますし、それから文部省といたしましては、昭和五十三年度にこの五年計画のすべてを実現したいということを期しておりますから、今後大蔵大臣ともよく御相談をいたしまして、全力を挙げて努力をしてまいりたいと、こういう基本的な姿勢で取り組んでまいります。
○委員長(小川半次君) 諸沢局長はよろしいか。
○粕谷照美君 私、もし間違った理解をしていると困りますから、ではちょっと簡単に、時間が制限されておりますから。
○政府委員(諸沢正道君) もう一つ、ちょっとその実態の点で御説明申し上げますと、いま申しましたように、逐年増員をしておるわけでございますが、この増員というのは、国の予算においてその増員した分に相当する給与費を計上することによって、いわばこれだけの人員について国庫負担の用意がありますよということを示したわけでございますが、各県の実態を総合しますと、国で予算に計上した人員よりも約二千人ほど下回っておるという現状がございまして、これは県の財政等もあろうかと思うのでございますが、そういうことがございますので、五十二年度においては私どもはそういう未補充の県について全力を挙げて、いろいろ財政上の問題もあろうけれども、早く補充をしてくれと、こういうことをやってまいりたいと思うわけでございます。
○粕谷照美君 文部省は、なるほど財政上の措置がありますから、ことしはぐあい悪かったから来年に延ばしましょうと、こういうことはできるとしても、教育を受ける子供たちというのは一年一年大きくなっちゃって、もうことし五年生で来年五年生と、こう待っているわけにいかないわけですので、やっぱりその点で保証するという立場に立って、本当に五ヵ年計画は完全に実施をしてくださるように心からお願いをしたいし、文部大臣の非常に積極的な御答弁もありましたが、総理、私は総理にやっぱり一言この決意を表明していただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま御指摘の問題は、これは既定の計画遂行の問題でございまするから、それが五十三年度には実現されるように最大の努力をいたします。
○粕谷照美君 総理がそう言ってくださったので安心をしましたけれども、総理の言ったことを否定なさる大蔵大臣ではないというふうに思いまして、大蔵大臣からも一言御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 私は福田内閣の大蔵大臣でございまするから、総理のおっしゃったことについては、これはもう絶対に尊重してまいりたいと思いますけれども、とにかく五十三年度の予算の問題でございますからね、その予算をいまからはっきりとこういたしますと、こういうことを申し上げることは差し控えたいと思います。
○粕谷照美君 関係三大臣が大変——私にしてみれば明確とは言い切れませんけれども、前進的な答弁をいただきましたので、ぜひとも今後がんばりていただきたいというお願いをいたしまして次に入ります。 自治大臣、お伺いしますけれども、いま人口急増の市町村が一番困っている問題というのは何か——大変困っている問題はたくさんあろうかというふうに思いますけれども、人間がふえて一番困っている問題は何かといったらどういうふうにお考えになりますか、項目的に言ったら。
○国務大臣(小川平二君) 人口の急増に伴いまして、生活関連の諸施設、ことごとくこれ、いろいろ問題が出てくると思いますから、一々挙げよと仰せられても落ちがあってはいけませんですが、まあそういうことです。
○粕谷照美君 本当にそのとおりだというふうに思うんですが、三月三十日にこの予算委員会でもって公聴会がありました。そのときに、町田の大下市長さんがおいでになりまして、いろいろと人口急増地帯の大変苦しい実態について御報告をいただいたのですが、特にその中で私は教育に関して関心を持ったわけです。特に人口急増地帯の市町村は学校建築にもう追われっぱなしだ、そしてこの数年間、今後の数年間もその学校建築が続くであろう、子供の教育の保障ができないと困るので精いっぱいやっているんですけれども、文部省基準の補助では非常に足りないんだというお話がありました。 この町田市では教育費が市の財政に占める率が三六・四%だけれども、債務負担行為分を入れると五〇%を出ている、非常に大きな比率を教育が占めているということをおっしゃっておりました。文部省基準で十八学級の学校を建てるためには二万二千坪の敷地が必要だ、それでたまたま十八学級の適正規模の学校を町田市で建てたところが、全額で十三億円必要になった。その十三億円を計算をしてみたら、国から来た補助というのが二億五千万円でしがなかったというわけですから、町田の一つの小学校を建てるに当たっての持ち出し分が十億五千万円であった。これが三、四年間に四十校もつくらなきゃならないということになったら、もうどうやっていいかわからないというお話がありまして、これから五年間に子供たちの数が百五十万人もまたふえるというような文部省のこの教育白書なんかもありますので、市長さんたちはもうぞっとしているだろうというふうに考えるんですよ。特にその中で、学校建てるのにもお金がかかりますけれども、一番の問題は用地を先に買っておかなきゃならないんだ、これは全国知事会議でも、大臣のところにもお話があったというふうに思いますけれども、この用地の取得に関して何とかならないか、自治大臣としてのお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(小川平二君) 学校の建設に伴いまする地方公共団体の負担は、あとう限りこれは軽減していかなければなりません。 そこで、小中学校、義務教育のこの整備事業のための起債については、五十二年度において全額政府資金で見るというような措置も講じておるわけでございます。 仰せになりました、これは高等学校のお話かと思いますが……
○粕谷照美君 小学校、小学校。
○国務大臣(小川平二君) まあその点につきましても、あとう限り、補助金はもとよりでございますが助成の道を講じていくべきものと思いますから、自治省としても今後その方向で努力をしてまいりたいと思います。
○粕谷照美君 大臣、私ちょっと質問が言葉足らずだったでしょうかね、義務教育学校用地の補助はあるわけですよ、その人口急増地帯に。それをもっと高めてもらいたいという要望があるんですが、その点についての大臣のお考えをお伺いしたいと、こういうことです。
○国務大臣(小川平二君) これはあとう限り補助率も高めていただきたいと思いますので、文部省ともよくお話し合いをしてみたいと思っております。
○粕谷照美君 義務教育については大臣から前向きに考えるという御答弁をいただいたんで、私は大変心強く思っているんですけれども、欲張りついでにもう一つ問題点を挙げて大臣に考えていただきたいと思いますのは、高等学校の新造設建物に対しては整備補助資金が出されましたね。それは十分とは言えませんけれども、これが出されたということは非常に大きな前進だというふうに思っているんです。昭和五十二年度の予算は、公立でもって百八億五千八百万円で、五十一年分の二・七倍だというんですね。私立は三億百万円で、五十一年予算の一・二倍。文部省の概算要求を六億一千七百万円も上回っている。私は大蔵大臣にこんなに感謝をしたいということを思った数字というのは、ここで初めて出てきたわけです。ところが、まあそれは文部省要求を大幅に六億一千七百万円も上回った一つの理由には、やっぱり景気対策の、公共事業費でということが入ったんだというふうに思いましたけれども、それでも私はやっぱり高校にこのように目が入ったということは大変うれしいことだというふうに考えています。 それで、文部大臣にお伺いするわけですけれども、いままで出なかった高等学校の新増設に対して、建物に対して補助金が出るようになったということは一体何ですか。いままで認めていなかったのに、高校に初めてこれが出るようになったという、その理由は何でしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは御承知のように、高校に対する進学率が九二%を超える状況になってきて、しかも今後五年間に高校へ進学する適齢児と申しますか、五年間に四十三万人ほどふえるということがわかっておりまして、義務教育ではございませんけれども、できるだけこの要望にはこたえなければならぬという気持ちで、それでは学校設備はどの程度整備したらよいのか、文部省として試算をいたしますと、大体五年間に四百三校は建てなければならぬだろう、こういう計算が出てまいりました。それに従いまして、高等学校の建物については、きょうまでは地方財政の方で措置をお願いしておったんですが、地方自治体のいろいろな情勢等も考えまして、緊急にこの五年間、人口のふえる五年間は緊急に建物に対して一定の補助をして御協力をすべきではなかろうか、こういう判断に立ってこの制度ができたものであると、私はこういうふうに理解をいたしております。
○粕谷照美君 大臣、もうちょっと私は違う角度で見ていただきたいと思うんですけれども、いま高校の進学率というのは九二%を上回っている。だからもう、これはもう普通教育ということに考えていいというふうに思って、文部省は御協力なんてものじゃなくて、積極的に高等学校を建てなればならないという考え方に立ってこの制度をつくったというふうに理解するのは間違いでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) そういう精神に立って御協力をしなければならぬということでしたわけでございます。
○粕谷照美君 そうすると、義務制並みの国民教育機関として、もう高等学校は定着をしたというふうに私どもも考えております。しかし大臣、建物というのは土地がなければ建たないわけなんです。先ほどの義務制の学校を建てるに当たっても、土地を見つけるのが大変だというお話を申し上げましたけれども、特に高等学校というのは広いグラウンドなんかも必要になりますので、土地を見つける、あるいは買うということ自体が問題になってくるわけです。文部省基準の土地さえも見つからないという、広さが見つからないというのが実態だというふうに思うので、全国知事会あたりも、何とかこの用地取得に対しての補助をお願いしたいという熱心な運動が展開をされているというふうに思いますが、この辺について文部省としてはいかがお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) せっかくのお話でございますけれども、土地は元来非償却財産であるということで、ようやく義務教育の小中学校につきましても、急増地に限るという一定の条件でやっておるところでございますし、それから高校の建物の補助という全く新しい制度にようやく一歩政策努力として踏み込むことができた、まあ精いっぱいの努力をしておるわけでございますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○粕谷照美君 努力をしていらっしゃることは私もよくわかるんです。その点はもう高く評価をしたいというふうに思います。特に大蔵省もそのことを認め、自治省も積極的にやるとおっしゃるわけですから、本当に高く評価をするんですけれども、しかし、せっかくこの建物に対して補助金がついたわけですから、もう一歩進んで、この用地に対しても補助をすべきであろう、してもらいたいと文部省としては考えていただきたいというふうに思うんです。多分持ち出してだもめだろうなんていうんじゃなくて、文部省ががんばらなければこのことは私は成功しないというふうに思いますので、一段の御努力をお願いしたいと思いますが、自治大臣いかがですか。これはもう文部大臣のおっしゃるような姿勢で自治省としてはお受けとめですか。
○国務大臣(小川平二君) 私も同様の姿勢で、あとう限り努力をしたいと思っております。
○粕谷照美君 あとう限りの努力というのは、子供たちの数が減ったころになってそんなことを言っていただいても困るわけなんですよ。高等学校の子供たちがピークに達する年代というのは、文部省、何年ですか。
○政府委員(犬丸直君) 高等学校の生徒数は、出生の状況と、それから各県におきます進学率の上昇状況、そういうような状況でいろいろ動くわけでございます。現在のところ、私どもの試算によりますれば、これは各県からの進学率の上昇等の報告等に基づいているわけでございますが、現在、五十一年度高校の生徒数の全体は四百三十八万六千人でございますが、五年後には、先ほど大臣から申しましたように約四十三万人増加いたしまして四百七十六万九千人に達します。さらにその後伸びてまいりまして、まだピークというところではございませんが、現在の推定で六十年には五百四十八万三千と、こういうような推定をいたしております。
○粕谷照美君 総理、大変な数なんですね。爆発的な高校生が出てくるだろうというふうに思います。そうすると、そのときになってあわてて高等学校を建てても間に合いませんので、本当に計画的に用地をつくっておき、そして建物を建てる条件というものを各市町村はやっておかなければならない、県もやっておかなければならないというふうに思いますが、その点について、いまの自治省やあるいは文部省の姿勢では私はちょっと弱いんではないんだろうかというふうに思いますので、総理の御決意をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま財政補助の問題につきましては、関係大臣から申し上げたとおりでございますが、しかし、高校がその必要に応じて建てられなきやならぬということは、これはまあどうしてもそう考えなきゃならぬ問題でありますので、金融措置、つまり起債等の面におきましてできる限りの配慮をいたします。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして、粕谷照美君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、矢追秀彦君の質疑に入ります。矢追秀彦君。
○矢追秀彦君 お許しをいただきまして、本日の集中審議の本論とは少し外れますが、重要な問題でございますので、一問だけ総理にお伺いしたいと思います。 日ソ漁業交渉でございますが、二月二十四日のソ連閣僚会議決定、これを受け入れることは、将来、北方領土に対するわが国の領有権要求の根拠を失うことになると非常に懸念をされるわけです。総理は北方領土については譲れないと、こういう立場をはっきりされております。これは私もこの点については信頼したいと思うんですが、そうすれば、北方領土周辺水域の扱いは、他のソ連二百海里水域と何らかの異なる取り扱いをすること、これはまずどうしても必要であると思います。 〔委員長退席、理事園田清充君着席〕 この将来の日本の領土権主張を妨げないことをどうやって明確にするか、これが一番重要であると思います。今後の問題に憂えを残さないためにも、どうしてもこの領土権の主張ができるような今回の取り決めにしておかないとまずい。特に私は、しばしば外交文書においてはいわゆる玉虫色ということを言われます。この問題については玉虫であっては非常に将来禍根を残すと私は思うんです。したがいまして、この問題についてはきちんとした明確な中身というものを盛り込むなり、あるいは話し合いの中できちんとしたものにしておかないといけないと思いますが、北方領土問題は譲れないという総理の主張をどう具体的に出すか、その点についての総理のお考え、見通し、それを一問だけ御質問したいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 日ソ漁業問題につきましては、ただいまモスコーにおいて鈴木・イシコフ両大臣間において交渉されておるわけです。それで、この両大臣は漁業だけの問題を話し合うということでございますが、そうなりましたゆえんのものも、領土問題、これにかかわり合っておりますると、なかなか交渉は難航し、いつ片づくともわからぬ、こういうことになる。そういうことになりますれば、出漁がもうあすかあさってかといって待っておる漁民の要請にもこたえることはできない。こういうことで、そういう性格の会談にいたし、それが続けられておるわけでありまするが、いずれにいたしましても、わが国の基本的態度は、領土は領土、漁業は漁業、こういうことで終始すると、この主張はぜひとも貫かなければならない大方針であると、かように御理解願います。
○矢追秀彦君 その方針はわかったんですよ。それを実際ソ連も納得し、いわゆる日本の国民もわかるような形にきちんとしないとまずいと思うんです。それはどういう形でされますか。
○国務大臣(福田赳夫君) それをどういう形でするかということが、これはまた一つの問題なんです。その辺をどういうふうにするかということも鈴木・イシコフ会談の重要な内容をなすものである。いまこれをこうしますと、こういうふうに言明できないという事情は御理解願えると思うんですが、いずれにいたしましても、領土は領土、漁業は漁業、そういうふうな解決にしたいと、かようにかたく考えています。
○矢追秀彦君 現状において言えないことはよくわかりますが、可能性としてはどういうふうな面を総理はお考えですか。いまの別に分けるということですね。
○国務大臣(福田赳夫君) ぜひ、ただいま申し上げましたような基本的方針を貫きたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 次に教育問題に入ります。 四月一日号の「時の動き」の中で文部大臣はゆとりある学校生活について対談をされておられますが、「今の学校生活に、ゆとりがあると思うか」というテーマで、都内のある小学校五年生が感想文を書いておりますが、ゆとりがないと訴えたのは三十八名中三十七名。残りの一人感想文は、ぼくはすっかりいまの生活になれてしまっていて、ゆとりと窮屈の区別がつかなくなったとの教師にとってショックな内容が出ておるわけですが、この子供たちにとって、よく学びよく遊べという言葉はもう完全な死語になっておると思います。文部省はただ指導要領をいじくるというふうなことだけではくて、実際に学童の遊び時間及びゆとりある学校生活を実現するためにどう対処されようとされておるか、大臣の所信を承りたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 学校生活に対しまして各方面から指摘されておりますことの中に、知育、徳育、体育のバランスのとれた教育をしてもらわなければならない、いまは知育に偏り過ぎておるのじゃないか、詰め込みに走り過ぎておるのではないか、そういったところからゆとりもなくなっておるのではないかという御指摘がいろいろございます。御指摘のように教科内容が多過ぎやしないか、むつかし過ぎやしないかという点からの反省に立って文部省はあらゆる界の方々の御意見を聞いて、教育課程審議会の答申をいただき、現在学習指導要領の精選改定作業をいたしております。この中で、できればひとつそういった意味で詰め込みに偏っておるという御批判は解消していくように、同時に学校の授業時間のあいたものはそれぞれの学校の創意工夫によって、あるいは体育に使っていただくとか、あるいは一番大切だといわれる教師と生徒児童との触れ合いのために使っていただくとか、なるべくゆとりが出てくる、ゆとりのある、しかも充実した学校生活が送れるようにしていかなければならない、基本的にこう考えております。
○矢追秀彦君 次に、学習塾の問題を中心に質疑を進めますが、まず、大臣のお子さんは塾へ通っておられますか。それから大臣は塾を見られたことがございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 現在は通っておりませんが、過去に通ったことはございます。また、学習塾を見に行ったことはございません。
○矢追秀彦君 文部省が去る三月十一日に学習塾調査を行いましたが、これについての結果の報告及びこれに関しての所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 学習塾の問題が乱塾時代という言葉を生んだり、過熱状態になっておりまして、いろいろ社会的な問題にもなってまいりました。公教育に与える影響とか、また別の面からいくと御家庭の教育支出に対する増加の問題とか、いろいろな点が指摘されましたので、学習塾の実態を全国にわたって文部省としては調査をし、過日発表をいたした次第でございます。 これについて言い得ますことは、やっぱり学校においてどんなことを教えられておるのか、むつかし過ぎやしないか、理解が十分できておらないのではないかというような角度からの関心も持ちましたし、また、学習塾へ行く理由というものの一番多かったのが、親の立場からいうと、子供が行きたいと言うから行かせるというのがたしか五一%ございました。また、教育は人なりといわれて現場の先生にいまいろいろな立場で厳しくこちらもいろいろなことをお願いをしておるのでありますけれども、塾の先生を兼ねていらっしゃる方もやはり相当数あったというようなこと等を顧みまして、この塾調査の結果というものを私たちも謙虚に一つの批判として受けとめて、公教育が責任を果たしていくためにはどうすべきかという施策の重要な参考資料にさせていただきたい、こう考えております。
○矢追秀彦君 次に、塾のいろんな新聞とか雑誌の広告でございますが、これは非常にたくさん最近出ておるわけでして、教育産業というふうなことで非常にこれがあおられているわけですが、ちょっと具体的に二、三例を挙げてみたいと思います。 たとえば、これは名前が東大・院生グループという名前になっておりまして、この塾のマークは東大と全く同じようなマークが使われております。それからしかもその中の講師は「講師陣は全員が東京大学の公的機関である「東京大学学生アルバイト相談室」より推薦を受けた成績優秀者、即ち東大生及び東大大学院生」と、こうなっています。もちろん学生アルバイトを私は否定はいたしませんが、ここでこういう推薦をした成績優秀者ということは、これはしていないわけで、このアルバイト相談室というのはだれでも申し込んでだれでも行けるという質のものでございますから、これもちょっと実情とは違うと思います。また、新聞広告ですが、たとえばある塾では、「よい学校を選ぶように、すばらしい先生に学ぶように、参考書にも気をくばって」と、こういうのがついております。また、ある塾の名前が「サムライ進学補習塾」「学校ギライの方の為に」「たくましく育てる為に」「サムライの魂をもったひとりひとりに育てあげてゆきます」と、こういうような広告が入っております。また、「成績不振児教育センター」、そういうような広告。それからまた、これは文部省が利用されているわけですが、「文部省検定済教科書発行 一橋出版株式会社系列」そして塾の名前と、こういうふうに入っております。 そのほかいっぱいございますけれども、特にたとえば東大セミナーとかそういう大学の名前をそのまま使っているというのは私はちょっと問題があるのではないかと思いますが、この広告一つを見ましても、いかに商業主義一本やりの学習塾になっておるか、この点についてまず文部省はどうお考えか、それから公正取引委員会としてどうお考えになっておるか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 塾のいま御指摘になったようないろいろな宣伝がなされたり、またそれが現に存在するということが非常に過熱状態になってきてよくない影響を及ぼしておることについては、私たちは、できるだけこれは公教育の方がきちんと責任を果たすことによってそういう過熱状態や社会の批判が起こらないような状況にしていかなければならない。このことは、公教育の責任とともに、もう一つ上の段階の入学試験、上級学校の入学試験の問題とも絡んでまいりますし、また、入学試験の問題を突き詰めていきますと、社会の学歴偏重の姿というものにもぶつかってくるわけでありますけれども、いたずらに堂々めぐりしていないで、それはそれで、入学試験は入学試験、学歴は学歴で取り組んでまいりますけれども、当面は学習指導要領の改定や現場の先生方の御協力によって公教育というものが責任を果たし、そういった塾の過熱した異常な存在ぶりというものがなくなっていくように努力を重ねていかなければならぬ、こう考えております。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘の学習塾に関しまして、公正取引委員会といたしましては、いままでそういう事例について明確な申告もございませんので、その実態を十分把握いたしておりませんけれども、この問題は教育にかかわる重要な問題でもございますし、同時に個人経営が非常に多いのじゃないかと思いますが、そういう関係で、不当表示法の規定等もほとんどよく知らないのではないかというふうにも考えられます。 また、学習塾というのが独占禁止法あるいは景品表示法の上での事業者に当たるかどうかということにも実は問題があるわけでございますけれども、いま申しましたように重要な問題でもありますので、関係省庁ともよく打ち合わせの上、行き過ぎは規制してまいりたいと存じますが、同時に具体的な事例も御指摘がございましたので調査もしてまいりたいと考えております。
○矢追秀彦君 次に、ここに教育科学研究所編、発行は徳間書店の「首都圏有名進学塾年鑑」という昭和五十二年度版があるわけですが、これは大臣御存じかどうか。私はこれを見まして、かつて受験案内書というのはございましたし、私も大学を受ける前は、あのころは旺文社の「螢雪時代」という雑誌がはやっておりまして、あそこが出しておる、こうでかい、あれは科目と人員とか学校の紹介という程度のものですが、塾の年鑑がこう出てきておる。これは実際びっくりしたわけです。この内容については後で少し申し上げますが、まず、大臣、これは御認識ございましたですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私も驚いて入手しておりますこれと全く同じもののようなものでございますが、驚いております。
○矢追秀彦君 この中身ですが、先ほどの誇大広告との関係が出てくるかと思いますが、たとえばこの後ろの方なんか見ますと、こういうようなことが書いてありますね。「今ここで頑張らずにいつ頑張るのか!」「奇跡は誰にでも訪れる!」「受験競争に正面から立ち向かえ」「勉強をすることってそんなにつらくていやなことなのでしょうか。」そういうふうな標記も出ておりますし、特に私はこれは文部大臣にきちんとしていただきたいのですが、文部省教育課程委員会委員という方がこの塾長をやっているのが何ヵ所かございますが、これはこういうことが許されるのかどうか。これはまた一時もとやられたことなのか、現状なのか、その点はいかがですか。
○政府委員(諸沢正道君) 私、まだこの書物を見ておりませんので、御指摘のような方がどういう方がどういうことをやっておられるか、ちょっと後ほど調べさせていただきたいと思いますが、一般に教育課程審議会等の委員の方は、国立学校の教官のほか、民間の教育研究者やあるいは私立学校の先生等もおられますので、一概に律するわけにはいかないという点があろうかと思います。調査をさしていただきたいと思います。
○矢追秀彦君 仮に私立の大学や高校の場合はもちろんこういったことを兼任することは法的には問題ないと思いますが、こういった文部省教育課程委員会の委員という肩書きをここへ使うことは非常に問題があると思いますが、これはまずいですか、大臣、いかがですか。
○政府委員(諸沢正道君) 教育課程審議会ではなかろうかと思うのですけれども、教育課程審議会というのは文部大臣の諮問に応じて教育課程の改善方策について検討していただく審議会の委員でございますから、そのような方がその肩書きを塾等にどういう形で関与しているかわかりませんけれども載せるということは、余り適当なことではないというふうに私は思います。
○矢追秀彦君 次に、これも一つ驚くべき内容ですが、この塾の授業料なんですが、これはある東京にある名前がスパルタ教室という塾でございますが、料金を見ますと、週一回一ヵ月で六千円、週三回で一万八千円、それからもう一つは中学生で週一回一ヵ月で六千六百円、したがって、週四回で二万六千円、入会金は月謝一ヵ月分、もう一つの方がこれは小中高共通でして、これがまさしくスパルタ教室でございまして、週一回、ただし時間は五時から十一時、一ヵ月三万円、週二回で一ヵ月六万、週六回、すなわち日曜になるか月曜になるか週一回だけ休みで五時から十一時で一ヵ月十五万円、入会金は一、二ともに三万、三の場合すなわち十五万の場合は五万円、これは一ヵ月十五万円かけて毎晩五時から十一時まで塾へ行く、そして徹底的なスパルタ教育、これは場所によっては殴るところもあるわけですが、そういうふうな教育が行われますが、実際十五万円の塾へお金を出せる家庭というのはそうないと思います。文部大臣は出せますか、大臣の給料で。
○国務大臣(海部俊樹君) 一ヵ月十五万円かけてスパルタ教育の塾があるというお話ですが、私はやっぱり好ましいことではないと思いますし、それからもう一つは、最初申し上げたように、その塾をとってこれ以上は高いとか安いとか、これはいいとか悪いとかというそういう角度から私どもは塾に取り組むのじゃなくて、公教育が責任を果たすことによって世の批判を受けておる過熱した状態、社会に問題を提起しておるよくない面を是正していこう、こういう方針で取り組んでおるのでございますが、具体的に御指摘のようなものがもし事実であるとすれば好ましくないものだと、こう思います。
○矢追秀彦君 それからこの時間ですね、夜十一時。しかも、これは何もここ一ヵ所ではなくて、私も相当具体的にいろんな話も聞いておりますし、実際見たこともございますけれども、これは大阪の市議会でも問題になったのですが、午前零時ごろまでおるわけですね。場所によっては泊まり込みをやっているところもございますけれども、終電車で小学生が家に帰る。たとえば大阪の場合なら、大阪で終電に乗って京都へ一時ごろ帰って、家へ帰ったら二時前ですね。それで明くる日また学校へ行っているわけですね。ということは、学校では勉強していないと思うんですよ。やっぱり居眠りしてぼうっとしておると思うのですね。夜になるとらんらんと目を輝かして塾で勉強して、昼間は勉強していない。ということは、昼間の勉強だけでは通らない、一流大学へは。しかも、昼間の勉強はさっき大臣が言われたようにもし中身が落ちているとしたらですよ。また反面ではむずかし過ぎるというのもあるわけですけれども。私この辺で非常にいま現実どれが本当でどれがうそなのか、判断をするのに困っておるわけですけれども。実際そんな終電車で、大人だって明くる日大変なのに、しかも小学生が行くことは果たしてどうなのか。したがって、そういう深夜までやっている塾というものに対しては、現状において何らかの規制というのか、何か当てはまる法律なり何なりがあるんですか。その点、大臣、いかがですか。子供を夜遅くまで引っ張って、遊んでいるのじゃないですからね、これは。勉強しておるんですよ。それで金を取っているわけです。
○国務大臣(海部俊樹君) 小学校、中学校の生徒のうちからそんな夜行性になっていったのでは、これはぐあいが悪いわけでありまして、私はやっぱり夜はよく休んでもらって、昼間学校の時間に基礎的、基本的なことを学校できちんと身につけてもらうのがあるべき姿だと、こう思いますが、それに対して規制しておる法律があるかどうかということは、ちょっといま突然の御質問で思いつくものがございませんけれども、やっぱり望ましい姿ではございません。
○矢追秀彦君 局長さん、ありますか。児童を遅くまで……。
○政府委員(諸沢正道君) 子供の学校外における活動で、義務教育段階の子供について労働させるというようなことになりますと、その方面の規制があるかと思いますけれども、いわば親の監督下にあるそういう未成年を家庭がどういう方針のもとに学校外において教育をさせるかということであり、したがって、それは法律の規制というよりは、それぞれの家庭における親の子供に対する教育のあり方も考えていかなければいけないと思いますし、それからたびたび大臣が言われますように、学校自体がそういう学校外の教育活動を必要としないような状態に持っていくということも必要かと思いますが、現状においてそれを法的によろしくないということで規制するようなことはちょっとできないかと思うわけでございます。
○矢追秀彦君 まあ余り規制、規制というのは私も好ましくないのですけれども、実際いま言われたのでは、文部省は、義務教育下にある子供たちは夜については親の責任、学校の方の責任ではございませんと。余り介入まで私は反対ですよ。ちょっと無責任な感じを受けるんですがね、いまの答弁では。その点はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 行っております先が勉強を主たる目的とする塾ということになりますと、これはいま直ちに取り締まりになる法規は私は思い浮かばないわけでありますが、だからといって文部省がこれを直ちに介入してどうのこうのということもこれは非常に慎重を要することだと思いまして、それよりも、やっぱりこれこそは各御家庭における親の責任と申しますか、家庭教育で御協力を願わなければならない分野の問題ではなかろうかと思いますが、なお今後いろいろ実情等を十分研究させていただきたいと、こう思います。
○矢追秀彦君 次に、有名進学塾の代表例を十軒挙げて、その実情を大臣に知っておいていただきたいので申し上げますけれども、有名な塾を調査いたしますと、特に進学状況です。この各塾で言っているのを十校、まあ本年も東大にたくさん入ったと言われておる開成中学と麻布中学の進学状況、これを十校全部足しますと、一番多い塾が開成中学の二百十名、麻布中学二百二十五名、それからBという塾が開成中学の九十六、麻布中学百六十九、それからずっといきまして、合計十塾を足しただけで四百十二名、麻布中学が四百八十七名、両校とも定員は三百名になっているわけですが、塾の合計を足した方が多いのです。塾の方の数字がおかしいのか、それとも水増し入学をやっておるのか、どっちかになるわけです。この辺はいかがです。ただし、これは一部塾については未集計でございますので五十一年度の数字を用いましたけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 各学校とも定数は守っておっていただくと私は思いますが、そうしますと、御指摘の塾と塾卒業生合格者の数と合わないのではないかということについて、これは私もちょっと疑問を持って聞いてみたことがあるんですが、塾というものは、この塾へ来ておれば次の塾のテストを受けることができないなんという規則はないそうです。ですから、一度でも二度でもその塾のテストを受けてその塾で学んだことになりますと一名ということに計算されていきますので、ダブって延べの人員になっておるのではなかろうか。それが先生御指摘の数字の食い違いの原因になっておるのではなかろうかと、私はこう考えます。
○矢追秀彦君 実際、塾なんていまさっき言ったようにダブれないんですよ。これはだからいいかげんな数字を出している。いま言われたように一回だけテストを受けに来たのでも塾生になったようなこともして、結局、まあこれも一つの誇大広告だと思いますが、こういうふうな状況があるということ。 それからもう一つ、私は最近びっくりしたのは、私もちょうど時間が水曜日の夜九時なんというのは忙しいので見れませんけれども、とうとう乱塾をテーマにしたテレビが出てまいりまして、「乱塾時代子育て合戦」という民放の「塾へ塾へと親子はなびく」と、こういうふうなテレビの番組まで出てきたわけです。今後、こういうふうな時代になりまして、大臣もいろいろ認識はされていると思いますけれども、ただ単に功罪論を指摘しただけでは意味がないと思いますし、これからどういう方向に持っていくか、これが何といっても大事だと思います。まず私はそういった意味も含めまして、建設的な意味も含めて、決して私は塾を禁止するものではございません。行き過ぎは是正したいと思います。 一つ申し上げたいのですが、学習塾といえどもこれはいま大臣が言われたように夜は親の責任だと言われることで、学校教育、学校当局あるいは文部省は直接の関係がないかもわかりませんが、やはり親御さんから大事な子供を預かっているわけですから、塾の代表者及び教える側は当然のことながらいわゆる教職経験者及び資格者、まあ公的学校はまずいですから、私立の場合はこれはやむを得ないと思いますが、要するにそういった人で塾長あるいは教える人も含めて占められなきやならぬと思います。実際中身を調べますと、ある週刊誌によりますと、クラブの経営者から不動産屋までというふうに経営者の前歴がなっている場合があるわけです。そういうふうな場合はやはり教育という問題に影響も出ないことはないと思いますので、その点、まず資格の問題についてはいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほどから申し上げておりますように、塾そのものに何かこう枠をはめたり資格をつくったりするような角度でこの問題に対処しようというのではなくて、やっぱり公教育の方がきちんと責任を果たすことによって過熱状態や社会的に問題になっておる点をなくしていきたい、こういう角度で取り組んでおりますので、それにふさわしい施策、政策というものをいろいろ積み重ねて努力をしていきたい。当面、塾を対象にどうこうするということはきわめて慎重に考えなければならぬ問題だと私は思っております。
○矢追秀彦君 私も決して規制規制と強く言ってはいないわけですけれども、いま言った目に余るものもありますし、それからどうもいまの文部省は逃げ腰のような気がしてしようがないのですけれども。 もう一つ、私がちゃんとしてほしいという指摘の中で、いま言った夜の時間ですね、授業時間の問題、これは別に学校教育法とかそんなのじゃなくて、私はある程度、まあ取り締まりというか、いわゆる行政指導の対象になるものだと思うのですがね。この時間、終了時間のこと。 それからもう一つは、設備ですね、設備の安全性だって非常に不十分であるわけです。雑居ビルの中にあるのもあるんです。それから木造建てで、もう火災なんか非常に起きそうなところもございます。こういうところはこれは補償なんか全然ないですよね。そこの塾の経営者が火災保険に入って金が出るぐらいなもんで、子供に対しての補償はないはずです。 それから健康管理の問題。食堂だってやっぱり一応きちんと管理されているわけでしょう。塾の中じゃ何でもやっているんですよ。飯も食っているし、ジュースも飲んでいるし、ごろ寝もしているし、いわゆる一つの、保育所と言ったら悪いですけれども、そういう保育所、幼稚園的なことになっているわけですよ、いま、実際の生活を見ていますとね。さっき言ったように布団を借りてきて貸し布団で寝ているわけですよ。その布団のばい菌なんかどうなのかというので衛生の問題も出てきますよ。実際まあ大臣一遍見てください、どこかの塾を。これはまあぞっとするようなところあるんですから、現実には。私も何ヵ所か見てきたんですから。そういうことで、いま規制はいけないからといって全然放置して、ただ昼の方をしっかりやったらそれで勝手に減るからいいじゃないかと。それじゃちょっと無責任じゃないですか。これだけ大きな問題になって、さっき言ったようにテレビの番組にまでなっている時代なんですから。しかも、親の方は相当関心があるんです。それでもなおかつ大学へ通りたい、福田さんのように東大へ通りたいということでもう一生懸命やっておるわけですから、そういった点ではこれはもう残るだけと私は思うんですよ。だからといって規制、官僚統制を強めることではこれは私は反対です。もっと何かいい知恵がないか。海部さんは非常にユニークな方で、若いし、バイタリティーもあるし、考えてもらわなくちゃ困るんですね。さっきから答弁を聞いていると全部逃げ腰で、昼間さえちゃんとやっておけばそれでいいんだと。それでは私はいかぬと思いますよ。これで事故がどんどん起きたらどうしますか。教材の問題もあるんです。その点、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 矢追委員と考えておることは大体同じようだと思うのですが、ただ問題を提起される角度が私と全く逆の角度ではなかろうかという気持ちが聞いておって率直にいたします。 それで、問題は、落ちこぼしがある、落ちこぼれがあるという議論、それから上の学校へ入るために受験術というようなものを塾で身につけてこないとなかなか受かりにくくなってきたという入学試験制度の欠陥、それから教育は人なりと言われますが、現場に立って日々教育をしてもらう先生方の御協力、こういったもの三つがいろいろな力の組み合わせによって公教育が責任を果たしてあるべき姿に戻ってきますと、そういう社会的な問題を起こしているようなものは必ず少なくなっていくと私は思いますし、それから先生いま御指摘になった、たとえば寝泊まりしておるところが危険ではないか、危ないではないか、そういうものは現在塾に対する取り締まりの法令はなくても、世間一般の秩序を維持するためのいろいろな法令、規則等がございますので、それに当てはまってよくないとなればその面からの御指摘を受けるわけですし、また防火の心配とかいろいろなことをおっしゃいましたが、それも消防の方から非常に危険な設備かどうかというような基準はあるようでありますし、それから十二時、一時に深夜小学生がうろうろ塾の帰りに歩いておるというようなことは、いまもお隣の小川自治大臣にちょっと聞いてみたんですが、それはやっぱり少年の非行防止とか防犯というような面から何か御注意等をしていただく方法等はないものだろうかといろいろ御相談をしておるわけでありますが、いろいろな現在あります仕組みの中でやっていけば、努力して改善できる問題が多いと思います。 そこで、私は、国民の義務教育というものは、基礎的基本的なことは学校教育の段階できちんと身につけてもらう。ですから、塾というものを、これはいいんだ、これは悪いんだ、これくらいはどうしようというような目で見るのじゃなくて、塾が提起しておる問題というものがなくなっていくように公教育が責任を果たすべきだと、そういう角度からこの問題には取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○矢追秀彦君 自治大臣ね、ないしょで話をしないで、ひとついまの問題にちょっとお答えいただけますか、急で申しわけないですけれども。警察もその頭で見ていないし、消防の方もその頭で見ていないと思うんですよね、塾に対して。雑居ビルの中にあって、こんなところで子供がしょっちゅう勉強していたら危ないとか、あるいは火災の方が出たらとか、いわゆる塾という頭で見ていないと思うんですよね。その点、いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) これは申すまでもなく、警察なり消防は、教育政策の観点からの塾の問題、そういう角度から問題を見ておるわけじゃございません。雑居ビルの構造が非常に危険だということになれば消防としての関心の対象になりまするし、まじめに塾に通っておる子供をどうしようもございますまいけれども、あんまり遅いときにうろうろしておるということになりますれば、これは警察が適当に補導をするということになろうかと思います。
○矢追秀彦君 塾へ行って勉強をするのを警察が補導するというのもおかしな話ですけれども、その点は何か警察というような恐ろしいことを言わぬと、もうちょっとうまくやってもらいたいと思います。 それで、いま言ったようなことをまとめて、私、十項目の提案という形で申し上げますので、大臣答えるだけ答えていただく、あと答えられない面については、また後ほどで結構ですから、きちんとした形で出していただきたいと思うのですが。 まず第一番目は、粗悪な塾と健全な塾の基準を明確にしてもらいたい。これはできるのかどうか。 それから学習塾の代表者及び担当者をはっきりさせること。 三番目、入学金と授業料を見ても著しい格差がある。これはある程度是正を、いま言った十五万円——十五万円というのはちょっとひと過ぎますので、この点はどうなのか。 四番目が、教材が多角化しております。父兄負担の軽減が義務教育においては言われておるにもかかわらず、せっかく教料書が無償配付になったのに、こういったところでまた金がかかってしまう。こういった父兄負担の経費削減の面から、教材の中身ですね、相当なものを使っていますから、その点がどうか。 それから終了時間が極端に遅い。これはいま申し上げた過酷な勉強時間割である。中には、殴ったり、相当厳しい、それこそ侍魂ということをやっているところがあるわけですから、学校では殴れないけれども塾では殴れるとか、こういうふうなことも含めまして、非常に過酷な勉強時間制、この辺は青少年問題としてどうなのか。 六番目に、建造物は雑居ビル、平易な木造が多い。したがって、安全性が配慮されていない。この点の安全性の配慮をどうするのか。 それから七番目に、健康管理をどう考えているのか。 八番目に、学習塾Gメン的なものの設置は考えておられるのかどうか。 九番目に、規模の大きい塾の届け出制、かなり大きい塾もございます。こういった面は、ほかのたとえばそろばん塾とかそういったものはいろいろきちんとされておるわけですから、規模の大きい塾については届け出制を今後考えてはどうなのか。 最後の十番目としては、連絡協議会的な形式のものを設けてはどうか。 以上十項目を学習塾の良心的なかつ健全的な発展を願いながら提案の形で申し上げます。この点について大臣の所信をお伺いしたい。
○国務大臣(海部俊樹君) この十項目につきましては、ただいまの御提案でありますから、それぞれまた複雑な問題がございますので、慎重に一度わが方で検討させていただきますが、何回も申し上げますように、私どもは、公教育というものがきちんと責任を果たすことによって国民の必要とする基礎的基本的なことは十分身につけてもらいたい、そのための責任を果たさなきゃならぬ、こういう角度で受けとめておりますので、塾が提起しておる社会的な問題や過熱によって起こっておるいろいろな弊害を除去するための政策努力を今後とも積み重ねてまいりたい、こういう基本で取り組んでいきたいと思います。
○矢追秀彦君 総理、塾の問題の締めくくりで総理にお伺いしたいのですが、まず、塾が急成長でこう出てきたのはごく最近ではございますけれども、やはりこの根本原因は経済高度成長にある、私はこう見ておるわけなんです。総理はその点はいかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も、この現象はもう非常に急にクローズアップされてきた、それに実は驚いておるわけでございますが、さあこれが高度成長というものとどういうつながりがあるんでしょうか。家庭が豊かになった、そこで学習のために出費があってもというような状態になったからこういうようなことになったんだとも受け取れませんがね。やっぱり、私は、何というか、教育が盛んになりまして、大学へ入る人が多くなる、高校へ入る人がとにかく九〇%を超える、そういうようなことになる。そして、学歴社会、そういう中においての競争、これが熾烈になってきた。そういうことからこういう現象が起こってきたのじゃないかというような感じがしてならないのですがね。どうも、私も、この異常な最近の学生塾ブーム、これには驚いておる次第でございます。
○矢追秀彦君 総理がいま言われた学歴社会がこのようになったのは、大企業優先の高度経済成長政策、これが私は根本だと思うのです。大体、年代から言っても、四十年代以降がぐうっと塾もふえているわけですよ。四十五年からまた急激にふえているわけです。結局、一番あおられたときからぐっとふえている、こういう状況にあるわけでして、そういう点を見ましても、結局、私は、日本の戦後の高度成長の、特に三十五年からの高度成長に転換をしたその後、結局最近高度成長のひずみがいろんなものに出てきておる。その一つが教育の面に出たのがこういう形。それはもう一番もとは、結局、受け入れ側の方が、やはり優秀大学を、優秀というか有名というか、を出なければだめだと。そこから始まっているわけです。 こういうことを言ったらまことに失礼ですけれども、私も同じですけれどもね、総理が二局へ入られたころ、いわゆる旧制中学ですね、あの学校はいま新制高校になっておりますね、総理の出られた学校は。総理は非常に優秀だったから一高、東大へ行かれたわけですけれども、いまもしそのぐらいの勉強程度で東大へ入れると思われますか。(笑声)これは私だって同じなんですよ。私も阪大はいまむずかしくなりました、阪大の歯学部もね。昔のだったらぼくはだめだといま踏んでいますけれども、総理どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) さあ、ちょっとお答えしにくい問題でございます。(笑声)
○矢追秀彦君 とにかく、それは大学へ行きたい人の数がふえた、そういうことが一番の原因です。それはもう私はそれも認めますけれども、そうしなきゃならぬようにしたそういう根本は、私は、財界といいますか、企業といいますか、そういったところが人を求める場合、要するに差別をしている。指定校制度というのもありますし、そうすると、やっぱり親の立場にしても本人にしてもそういうことになるわけです。 しかも、塾で何を教えているか。まず敵を知れなんて言っているんですからね。まず敵だと。要するに、受験の相手は皆敵だということをたたき込んでそうして勉強させるんですよね。そういう塾もあるわけですよ、現実には。小学校の間から周りはみんな敵だなんという頭でみんなを追い落として、おれは東大に入ったからおれは偉いんだと。もうこれで一生保証されたと。あとは公務員試験を通るか、あるいは司法試験を通るか、これはある程度勉強しなきゃなりませんけれども、一応まず切符は取ったわけですね。将来、まあまあいいところへ行ける。そういうことがいまから始まったら、そういう人が社会に出てきてどうなるか。だから、いま言った高度経済成長、それからそれに支えられてきた企業の人を求める姿勢、要するに学歴社会、これはやっぱり根本的に変えていかなきゃならない。これはただこう薬を張るようなやり方では私はできないと思うんですよ。総理は、高度経済成長が金と物というものが優先するようになってしまったと盛んにおっしゃっていますよね。まさしくそれが教育に出ているわけですよ。だから、何も東大を出なければその人は優秀ではないのではなくて、小学校を出ただけでも、中学校を出ただけでも、社会へ出てその人が有能であればその道で堂々と成功できるような社会にしなきゃいかぬわけです。そういう社会をつくるのが私は政治の責任だと、まさしく総理の責任だと思うんですが、そういう社会をつくられる自信がございますか。実際、口だけじゃだめなんですよね。本当に真剣な問題だと思いますよ、私は。むしろ総理なんかの時代の方がいまよりもむいろ有能な人材がいわゆる一流大学というか有名な大学へ堂々と入れたわけですよね。総理は塾へ行っていらっしゃらなかったと思います。家庭教師もつけられなかったと思いますよ、恐らく。その点、いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) この乱塾時代というのを放置しておくということは、御指摘のようにこれはゆゆしいことだと、こういうふうに思うんです。これは政府としてもひとつ最善を尽くしてこれが是正に取り組むと、こういうふうにいたしたいと思います。
○矢追秀彦君 それは文部大臣の答弁です。総理はもっと根本的な社会を変えなきゃいかぬという面で、それに対して具体的にどうされるか、こういうことです。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、おとといでありましたか、公務員の終業式がありまして閉講式ですか、講習の閉じる式典がありまして、そこへ行ってきたんです。もうエゴになっちゃいかぬと、孤独な公務員というのはこれは役に立たぬと、何か試験があったときには隣りの人が困っておったら教えてやるくらいな、そのくらいな人になってほしいと、教えられることはよくない、しかし教える気持ちを持つことはいいと、こういう話をしてきたんですがね。やっぱり乱塾時代というような時代には、自分さえがぬきんでれば、自分さえよければという風潮がそれと相うらはらをなして育っていくんだろうと。このエゴの社会というのは一番いけないんですがね。そういう問題解決の一こまとしてこの問題を重大視してまいりたいと、かように考えます。
○矢追秀彦君 次に、時間が大分たってしまいましたが、地方財政の問題についてお伺いしたいと思います。 これは衆議院の予算委員会でわが党の近江委員の方からも質問をされた問題でございますが、国及び公社等が地方自治体の土地を無償で借りてはならないという地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項にもかかわらず、無償で借りているところがあるわけです。こういった問題を質問をしたわけですが、そこで、それに対して、法制局長官も、適法ではない、すなわち違法であると、こういうふうに答弁をされておりますが、これをもう一度確認ですが、長官、違法と断じてよろしいんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項の問題でございますけれども、衆議院の予算委員会でお答えしたとおりでございまして、結局第二項では、地方公共団体は当分の間、国、公社、公団、事業団等々、特殊法人に対して寄付をしてはならない、寄付金を支出してはならないという規定がございまして、これはやはり地方財政の健全さを確保する、あるいは国と地方財政との間の財政秩序を確立するという趣旨に出ている条文であろうと存じますが、この規定は、強制的に寄付を求められてそれに応じて寄付を行う場合のみならず、自発的に寄付をすることもこれは禁止している規定でございます。ただし、この規定にはただし書きがついておりますので、このただし書きに該当する場合にはもちろん適法でございますけれども、それに該当しない限りはやはり適法とは言いがたい。つまり、直接的には寄付金の支出と書いてありますけれども、地方公共団体が土地を無償で国に提供するということになれば、やはり実質においては寄付と異なるところがあるとも思えませんので、やはりこの条文に抵触するであろうというふうに解するわけでございます。
○矢追秀彦君 自治大臣は違法でいいわけですね。
○国務大臣(小川平二君) 法制局長官から答弁申し上げたとおりでございます。
○矢追秀彦君 何か適法でないということは違法だというのとちょっと違うみたいな答弁なんで、適法でないということは違法ですよね。しかも、その文書の中にもちゃんと出ていますよね。「地方財政再建促進特別措置法に違反するものでありますので下記のとおり是正されるとともに必要な予算措置を至急とられるよう格段の御配慮をお願いします。」はっきり違反するものであると、こうなっておるわけですね。これは自治省の財政局長から出ているわけですから、はっきり違反であるということは紛れもない事実であるわけです。 そこで、自治大臣にお伺いしたいのですが、こういうふうになってきたのは、一体どういう経緯があったからこうなったんですか。
○国務大臣(小川平二君) これは個々にいろいろ事情がございましょうけれども、まあ何かの施設を誘致します場合に誘致競争が起こる、そういう過程で当方は土地は無償で提供申し上げるからというようなことが間々起こりがちなんじゃなかろうかとこれは想像をいたすわけでございますが、そう考えております。
○矢追秀彦君 だから、その是正措置をとるように言って、昭和四十八年の七月に自治省は労働省と厚生省と文部省に言ったわけですね。文部省は是正措置をすでに講じておられるわけです。ところが、問題は労働省の回答、これは通達が出て四年になるのにまだ改善をされていない。その背景は、いま言われたように、とにかく土地を出すから来てくれ来てくれと、とにかく来てくれという誘致合戦があったから来たと、いままでみたいに金をよこせというのはけしからぬというふうに労働省は考えておられるのか、その点労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) こういう状態がかなりの割合で広がっているという原因は、いま自治大臣がお答えになったようなことが背景にあると思います。 それからもう一つは、私どもの方の施設の上にその自治体がまたプラスアルファするという状態のときのこともあるわけでございます。しかし、明らかに法律で禁じておることでありますから、速やかに地代等を支払うことによって有償に切りかえる措置を明年度予算から——いままでも順次改善はしてきております。しかしながら、これはそういうことのないように、みんな有償にするように処置をいたしたいと思っております。ただ、そのほかに私どもの方の安定所は昭和十三年まではみんな都道府県営であった。それがそのままの状態で国営に移管された。その後改築をしたり改善をしたりするときには買い上げ等の処置をとったところもありますけれども、そういう経緯も以前にあったことはひとつ御了解をいただきたいと思います。
○矢追秀彦君 そうしますと、もう一度確認をいたしますが、労働大臣ね、いま来年度とおっしゃいましたね。今年度予算はちょっと無理ですね、もう。来年度予算からはきちんと予算化すると、こう理解してよろしいですか。
○国務大臣(石田博英君) 明瞭に法律に禁止してあることでありますので、これは予算化することについて大蔵大臣も御理解をしてくださるものと思います。
○矢追秀彦君 自治大臣、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(小川平二君) 是正をしていただければ私はそれで十分でございます。
○矢追秀彦君 大蔵大臣はいかがですか、いまの問題。来年度予算からきちっとできますか。この財政難といわれているときですから……。
○国務大臣(坊秀男君) もし違法であれば、違法の状態が続いていくというようなことは、これはよろしくないと思います。個々のケースをよく調べてみまして、いろいろな理由もあろうと思いますけれども、そこいらのところをよく検討いたしまして、これはもう絶対に違法だということであるならば、違法の状態を続けていくということはいけないと思います。個々についてしさいに検討したいと思います。
○矢追秀彦君 まあひとつ、違法であるならばじゃなくて、法制局長官も適法でないとはっきり言われておりますので、これは早急に、本当は今年度予算からやってもらいたかったんですが、どうしても無理だと言うんならやむを得ません。しかし、本当は今年度予算の中から何とかひねり出してもらえないかと思うのですけれども、来年度予算にはぜひ計上していただきたいと思います。 総理、こういうふうなことが案外四年という長い間放置をされてきているわけですね。過去の経緯はいま言われたようなことがあったにせよ、国が違法行為をしておると、こういうふうなことはあってはならぬと思うのです。しかもそれが四年間も放置をされてきた。しかも、自治省から労働省にも文部省にも通達が行っておりながら、文部省は是正をした、労働省は是正しなかったと、こういうようなことが同じ国の機関の中でこういうふうな差が出てきておる。しかも、衆議院で質問が出、私も続いてまた取り上げて、ようやく来年度予算からと、こういう国の姿勢ではやっぱり私はこれは困ると思うのですよね。そうでなくても財政がいろいろ厳しくなっている時代です。しかも、地方自治体はきょうに始まったわけじゃないです、財政危機は。これはもう総理はよく御存じのとおりです。こういうことが本当に行われていることは私にとっては、まあ私も今回初めて勉強してこういうことわかったのですが、非常にけしからぬことだと思うわけです。この点について総理はどう責任をおとりになりますか。 〔理事園田清充君退席、委員長着席〕
○国務大臣(福田赳夫君) よく地方公共団体で土地は提供するからひとつ上物の方の予算措置をというような要請があった、そういうことからこういう現象が起きてきたんだろうと、こういうふうに思いますが、まあいきさつは別といたしまして、違法なことは、これは放置することはできませんから、速やかに是正いたします。
○矢追秀彦君 時間が最後になりましたので、総理に総括的に地方財政についてお伺いをしますが、先ほど問題になりましたような学習塾を中心とした教育の問題、あるいは医療、この間総括質問で私はちょっと保健所の問題に触れましたけれども、こういうふうな国民生活、国民の福祉、これを一番担当しているのは全部地方自治体ですね。それが非常に財政難で困っている状況では、本当に総理がこれから福祉社会を実現していくんだと言われても現実の問題として進まないわけです。やはりこの地方財政の立て直しということが非常に急務でございますが、これをいままでのただ単なるやり方ではなくて、私は相当思い切った改革をしていかなきゃならぬと、これについてどうお考えなのか、それが一つと、それからもう少し地方債ですね、地方債について地方自治体からはもう少し緩めてくれといういろいろな要求もございますが、この問題も国の国債とともに非常に大事な問題でございますので、この地方債のあり方、この二つについてお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 地方財政問題が重大問題になってきておると。これに対しまして私は常常申し上げておるわけでありますが、国と地方はもう車の両輪で、両方ともども健在でなけりゃならぬ、そういうふうに考えておるわけであります。国の方も大変な事態でございまして、それに対しましてはあるいは国民負担の増加を求めなきゃならぬかもしらんなあと、同時に、国に対しましては、行財政の整理合理化、これをやらなきゃならぬと、こういうふうに考えております。同じことを地方に対して国が命令をすると、こういうわけにはまいりません、これは地方自治でありますから。しかし、同じようなことを、地方自治団体に対しましても、これを自発的にやって、そして地方自治団体の財政の健全化、これをやってのけるということを切に期待をいたしておるわけでありますが、まあその間中央、地方では大いに相談をし合わなけりゃならぬ、そういう問題がありまするが、まあとにかく国の方が大きい立場ですから、地方の立場、そういうものもよく尊重いたしまして善処をいたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから第二に地方債の問題、この問題につきましては、これはもう独立の新しい金融公庫を設立すべしという議論が五十二年度予算編成の際に浮かび上がってきておるわけであります。これに対して政府部内でもずいぶん検討したんですが、これは公的な金融機関をもう一つ新たに設ける、そういう問題でありまするから、これはまあそう簡単な問題じゃないんです。そこで、継続審議ということで決着がことし、五十二年度の問題としては落ちついておるわけでございますが、なおこの問題は政府部内においても篤と検討いたします。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして矢追秀彦君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、山中郁子君の質疑に入ります。山中郁子君。
○山中郁子君 私は、教育問題に関しまして二、三の点について政府の見解、姿勢並びに施策をただしたいと思います。 その問題に入ります前に、先ほど粕谷委員の方から御質問がありました総理大臣の地元の歓迎の問題に絡みまして共産党の名前をお出しになって答弁がありましたので、一言申し上げておきたいと思います。 実際の問題といたしましては、わが党は総理の歓迎ということについては敬意を表して準備委員会にも入っておりまして、儀礼的な支出についてまですべて否定すると、こういうことはしてはおりませんけれども、この歓迎準備委員会の中に、いま新聞などでも報道されていますように、三百万とか六百万とかそうした町費を使って手ぬぐいを贈るとか金杯をつくるとか、そういうことについては終始反対をしてまいりました。そういう事実を明らかにいたしますとともに、総理大臣がこうした予算委員会の席上で特定の政党の名前を挙げて答弁なさるのでしたら、そういう事情をよくお調べになって慎重に対処されることがどうしても必要だと思います。そういう事実に基づいて先ほどの発言を訂正なさるなり取り消しされた方が賢明かと存じますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も詳しいことは存じませんで、秘書の報告を聞きましてそのまま申し上げたものですから、間違いがあったといたしますればここで訂正いたします。
○山中郁子君 教育問題は、きょうの集中審議におきましても、また当委員会におきましても、再三、受験地獄やまた塾の問題、あるいは落ちこぼれ、青少年の非行化、そうした重要な問題として社会問題ともなり、国民の大きな関心も高まってきている。そういう問題ですけれども、私はこの一つの大きな要因として、総理もあるいは文部大臣も再三発言もされているように、いわゆる学歴偏重、学歴社会、そうしたことがあると思います。この学歴偏重というのがさまざまな様子でもっていろいろなところにあらわれていますけれども、天下周知の事実として官庁における学歴社会、学閥、そうしたものはもう公にマスコミでも報道されるし、国民の知るところとなっております。国家公務員は国の責任で採用される問題でもあります。本当に政府が、総理大臣や文部大臣が再三言われるように、学歴偏重の弊害を説き、これをなくして公正な社会の実現に努めるというならば、まず政府のおひざ元での官庁での学歴偏重、学閥、こうしたものを打破していく、このための具体的な施策なり姿勢なりがどうしても必要だし、いま求められていると思いますけれども、まず、そのことについて総理のお考えを伺います。
○国務大臣(福田赳夫君) 学校問題をたどっていくと、どうも学歴社会というところに根源があると、そういう認識なんです。そこで、学歴社会というのは一体それじゃ一つの要因かというと、そうじゃない。非常に複雑な要因があって、世間一般の人に対する見方とか、そういうものにまでいまやこの学歴というようなことがしみ通っているような、そういう世の中にいまなってきておる、こういうふうに思うわけであります。私も、大蔵省に勤めておりまして人事担当の役柄をしておったことがありますが、そういうことをそのときからも痛感しておる。そして私は初めていわゆる高等試験に合格しなかった人を本省の課長に採用しますとか、いろいろ工夫を試みてみましたけれども、世間的な風潮として、学歴、学歴ということがしみ通っているこの日本社会なものですから、なかなか根本的な解決まで至っておりませんけれども、やはり学歴にかかわらず優秀な人が登用されていくということになって初めてこの問題は解決されるのじゃあるまいか。そういう局面は随所にころがっておるわけですから、その随所随所においてその心がけというものが大事じゃないか。それを随所随所において実行しようじゃないかというようなことにならぬとこの問題は解決していかないのじゃないかと、こういうふうに思っております。
○山中郁子君 総理大臣も、官庁における人事が学歴偏重ということの傾向がないわけではないということは苦慮してきたと御自分でもおっしゃっているわけです。総理大臣が東大を卒業されて大蔵省に入られてエリートコースを歩いてこられたというふうには伺っておりますけれども、私は別に何も東大卒業がいけないとか、そういうことを言うつもりは毛頭ないんですけれども、いま福田さんもお認めになったように、そうした者を直接政府が責任を持って採用し、また選考による任用を現実に行っている、そういう事態の中で醸成されてきている。このことについて、いろいろなところでころがっているから随所随所でそれに対応するというふうなことでなくて、政府としてちゃんとした責任を持ったこの学歴偏重の弊害を打破していく施策、姿勢、こうしたものがいま求められているという観点でお尋ねをしておりますので、後ほどまたおいおい詰めてはいきますけれども、もう一度その観点からの答弁をお願いいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府におきましては任用の試験があるわけですね、資格試験、それから採用試験、私は、そういうことで有為の人がそれぞれ適当な地位に採用されておる、こういうふうに思いまするけれども、そういう制度にかわって、さあそれじゃどういう制度が考えられるかというと、なかなかこれはむずかしいのじゃないかと思います。とにかく、公務員というものは、これは行政をつかさどる非常に貴重な仕事をするわけであります。でありまするから、厳重な試験を要する、その試験に及第しないという人を採用するというわけにはいかぬだろうと、こういうふうに思いますが、まあそれにかわる何か有効な手段でもあればこれはまた考えてもいいんだろうと、こういうふうに思いまするけれども、官庁はわりあいにその辺は公正にいっておるのじゃないか。運用の上で試験に合格した、その人が採用になった、その人の配属個所であるとか、そういうことになった場合に、学歴のゆえにその地位に採用されるというようなことがあったのじゃこれは困ると思いますがね。いま、私は、官庁に関する限りはそう有為な人材を簡抜するその仕組みとしてこのぐらいの仕組みしかないのじゃないかというような見解を持っております。
○山中郁子君 大分認識が違うのじゃないかと私は思うのです、現状の。それで、私は人事院に調査をしていただきました。この表をちょっと総理大臣に見ていただきたいのですけれども、人事院の調査によりますと、本省関係で審議官、参事官を除いて部長以上のポスト、これが現在百八十五あります。この百八十五のうち百七十九は旧帝国大学の出身者で占められてます。つまり九七%です。また、全体の中で東大の出身者が占めているのが八〇%に達しています。私大はわずか二人しかいません。一%です。そういう結果になっています。それからもう一つ、私はこれで資料を突き合わせて考えていただきたいと思うのですけれども、これはいわゆる国家公務員試験に合格し採用された場合のその時期の数がどの程度のものであるか。これは人事院に昔からの数字をいただくということが作業が困難だということでしたので、一つ例を申し上げますのは、昭和四十二年度採用、四十一年の試験の結果を突き合わせてみたいと思うのですけれども、この採用者数の中で東大の卒業者が占める率は二六・三%です。つまり、公務員試験を受けて入るときは二六・三%の比率で東大卒業者が占めていたものが、部長以上のポストへ何年かたってきた段階へ来ると実に八〇%を超えて、私大なんかたった一%しかいない。こういう状態になってくるわけです。私はいま四十二年の数字を出しましたけれども、この数字は、そのときの就職戦線の状況とか、景気の動向、経済の状況、そういうことによって多少の変動はありますけれども、特別にこの年だけが東大の出身者が少なかったという数字を出しているわけではありませんので、これは人事院の作業の必要上この数字をいま申し上げたわけでございます。どうして入るときには二六%の東大卒業者が、上のところへいくと八〇%以上も占める、こういう構成になってくるのか、人事院にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) お答えを申し上げたいと思います。 ただいま学歴の問題についていろいろ御意見を承っておるわけでございますが、ただいま先生が御指摘になりました四十二年とか何とかというその数字、それはわれわれの方から事務当局から出したものでございまして、そのとおりだと思います。ただ、その四十二年なら四十二年というときに入った連中が、現在局長級にまで進んでいるかと言いますと、まだそこまで至っておりません。それで、実ははっきり申し上げますと、戦前に現在の上級公務員試験に相当する高等文官試験というものがございました。これが戦後二十三年で大体終わったわけでございますが、そのころに高文を通りました者が、はっきり申し上げましていわゆる旧帝大系という者が非常に多かったということは、これは事実そのとおりでございます。したがいまして、そのころ帝大系で卒業いたしました者が高文に合格をしてそれが役人になった者が多かったというようなことがございまして、結果的には局長級以上には大変帝大系が多いという結果が出ておったわけでございます。その後におきましても、私といたしましてはっきり申し上げますが、やはり旧帝大系と申しますか国立大学系という者が、上級公務員試験の場合においても合格者は多いということは、これは事実でございます。そういうことからいたしまして、合格者が多いから、各省においても採用をいたしまする場合にどうしてもそういう人が多くなる、比率的にはそうなるという結果に相なっておるわけでございます。 しかし、私たちといたしましては、政府各省もそうでございますが、やはりいろいろな意味で活力を得たいというような要望が大変熾烈でございますので、各省ともバラエティーに富んだいろいろな人が欲しいということを考えております。そのつもりでいろいろ選考もやっておりまして、ことしあたりは門戸を広げる意味で外務省でも選考の方針を変えておりますし、また文部省あたりでも大変バラエティーに富んだ採用をやっておるというようなことで意識的にやっておるわけでございます。 ただ、総理からもただいまございましたですが、やはり公務につく者でございますので、どうしてもやはり公開、平等ということでいい人が来てもらわなきゃ困るというような一つの原則がございます。そういう意味で資格を一にはいたしますけれども、まあいい人が来てもらいたいということで平等に応募をしてやっていくわけでございますが、そういうところから申しましてやはりどうも国立大学が多いという結果に相なっております。われわれといたしましては、各大学からいろいろな人がたくさん来てもらいたいという要望はもう大変熾烈に持っておるわけでございますけれども、結果的にはいろいろ昔からのいきさつもございましてそこまで至っておりませんけれども、われわれといたしましては、今後ともやはり門戸を開放して、いろいろな場面から優秀な人が公務の場に来ていただくということを切望をいたしておるわけでございます。
○山中郁子君 はしなくもいい人に来てもらいたいと思うのでその結果国立の卒業者になる、東大が多くなる。そうすると、これは盛んに本当の実力を登用することによって学歴偏重をなくしていく、学閥をなくしていくということとは論理的にも矛盾していくわけですけれども、私はまずそのことを総理大臣にはっきりさせていただきたいと思うんですが、結局、いい仕事をするための優秀な人材は国立大学や東大卒業者でなければできないんだというふうに政府がお考えになっていらっしゃるわけですか、そういうふうに認識していらっしゃるわけですか。私はそんなことはないと思うのですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) そんなことは私はないと思うんですよ。ただ、試験をしてみると国立大学の卒業者が多かったということだけであって、初めから国立大学の人に来てもらいたいと、そういうことじゃないと思います。
○山中郁子君 私が先ほど申し上げましたのは、問題は、入るときには東大の比率が二六%だった、そして上の方へいったら八〇%になっていると、こういうことはなぜこうなるのかということをお尋ねしたわけです。それでこの間の問題というのは選考の問題だと思うのです。昇任に際しての選考が結果的にそういうふうに強まってきて、東大卒の比率が高くなるし、国立大学出身者で占められると、上級甲職で占められると、こういうふうに動いてきているわけですね。 そこで、お尋ねしたいのですけれども、国公法の第三十七条によりますと、昇任は原則として競争試験によって行うとされているわけですけれども、この競争試験というのが行われているというふうには聞いていないのですが、どういう理由でしていないのか、そして選考はそれではどういう基準によって行われているのか。人事院総裁、実はこれは往復の質問時間になっていますので、答弁を簡潔にお願いをしたいのですが。
○政府委員(藤井貞夫君) 簡潔に申し上げます。 昇任は選考か競争試験ということに相なっております。ただ、昇任試験というものにつきましては、具体的にそれをやることが果たしていいのか悪いのか、いい結果が出るのかということは大変問題がございます。そういうことで、大体職場におきましては、どういう人がどういう人であるかということがわかっておりますので、そういう結果、おのずからいろいろな学閥とかそういうことで、えこひいきというようなことでなくて、おのずから適任者というものが決まってくる。それは衆目の見るところ大体落ちついているというようなことから、選考が一番いいということで、いままで選考が主体になって行われてきたということでございます。
○山中郁子君 選考の基準をお尋ねしています。
○政府委員(藤井貞夫君) 基準は、これは御承知のように人事当局というものがございまして、その職に最も適任な人はどういう人であるかということをにらんでおるわけでございます。これを大臣その他の首脳部が判断をいたしまして決定をするということでございます。
○山中郁子君 そこに大きな問題が一つあるというふうに私は思います。実際には皆さんよく御承知だと思うのですけれども、もう国家公務員試験を受かった段階から、先輩後輩の関係で、どこの省庁に引くとかということで、もう何回も話し合いをして、そして、学閥、そういう人脈、そうしたつながりでもって人間が入ってくる。そうすると、今度そこで上級甲、なかんずく東大卒や優秀なエリート校と言われる国立校を出た人たちは、もうそのままいわゆる出世コースに乗って、もうどんどん上がっていって、そして、結局、上級甲以外で一生懸命働いて努力をしているにもかかわらず、その人たちとの開きは年がたてばたつほど開いてくると、これがいまの実態です。 私は、建設省の課長補佐のポストを実際に全部拾い上げて調べてみました。そうしますと、課長補佐のポストの中で、国立大学の出身者の平均年齢は三十四歳です。それから私立大学の平均年齢は四十一歳です。それから高等学校、旧制中学卒業者の平均年齢は四十七歳です。みごとにこういうふうに露骨に分かれているんです。だから、国立大学、エリート校というものを出た人は、平均三十四歳でもう課長補佐になるわけですね。そしてこれがいろいろ入りまじっていて、平均するとこうなるというのじゃないんです。図にしますときれいにそれが分かれるという、こういう分布になっているんです。私は、任用の中で、新しく公務員試験を受けてその職場に働くようになってから、そこで努力をして仕事をしてきた実績とか、そういう努力というものは一体どういうふうに評価されているのか。ほとんど評価されてないと言っても言い過ぎじゃないと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。 あわせて、データをもう一つ申し上げておきたいと思います。行政職一等級、つまり重要課長のポストですね。これは現在の行政職(一)、いわゆる行(一)と言われている職務ですけれども、普通の公務員ですね、国家公務員。ほぼ五十万いるうちの約半数を占めている二十四万四千三百三十三人について調べてみますと、先ほどお渡ししましたもう一つの方の表なんですけれども、ここで見ますと、大学卒業者は全体の一八・五%なんです。だけれども、この行政職一等級の課長のポストを占めているのは、大学卒業者が八六%を占めているんです。全体の数では一八%にしかすぎない大学卒業者が課長の職務になるともう八六%を占めていると、こういう形になるんですね。それから、全体の、高卒者は六二・五%いるんですけれども、この人たちがどのくらい課長になれるかというと、その課長の行政(一)の一等級の課長のポストに占める高卒の人の割合はわずか三・二%です。圧倒的多数の高卒者がいるにもかかわらず、課長職になれる人はそのうちのわずか三%しかいない。ですから、ここにその間の選考の問題点がある。その選考が学閥あるいは学歴偏重によって、少なくともその要素が入って行われているということは、私はこうしたいま現在の結果を見ても否定することはできないと思うんですけれども、総理大臣いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) どうもこれだけ見たんではどういうことかということを私からはっきり申し上げることはむずかしゅうございますが、やっぱり各省庁ではそれぞれの仕組みで省庁における人物考査をしていると思うんです。この人は優秀な人だと、こういうふうに考えますればその人をだんだん登用するということにもなりましょうし、先ほども申し上げましたが、私は、異例なことでありましたが、いわゆる高等試験に合格しない人を本省の課長に採用したというようなことがありましたが、いろいろ各省庁でも工夫しておるんだと思いまするけれども、結局、一等級職に上るというような人はこれは大学を出た人になってしまうんだという、その結論が出ておるわけでありますが、それが何か統一的な理由があってそうなったんだというふうには私は考えません。
○山中郁子君 さらに、資料を提示申し上げますけれども、これも人事院に調査していただいたものです。 大蔵省、文部省、通産省、それぞれの本省の課長在職者の採用試験別分布でもって申し上げますと、これは大蔵省、試験任用でもって入った人は五十八名中全部上級です。中級、初級の人はゼロです。文部省も試験任用で入った人は三十七名。これも中級、初級は全部ゼロです。それから通産省も試験任用で入った人の課長のポストは七十九、これも全部上級です。中、初級はゼロです。これは何も私はゼロのところだけ三つ出したわけじゃないんですよ。調査が大変だからたまたまこの三つを出したんですけれでも、三つとも全部ゼロだったんです。 私は、いま福田さんはそういうふうにおっしゃるけれども、結局はもし本当に高卒や大学を卒業——エリート大学を卒業していなくても、人間には能力があるんだと、その能力は努力して、そしてそれを花開かせることができるんだというそういう前提に立つならば、そしてそれが正しく評価されているということがもし言えるならば、結果的にこういう露骨な、極端な結果には絶対なるはずがないと私は思います。それはなぜかと言いますと、もうよく御承知のことだと思います。私が申し上げるまでもないんですけれども、たとえば地方機関、出先の所長です。こういうのはエリートが入ってきて、結局ごくわずかしか、二年とか三年しかその省にいないで、ぽんとそこの出張所長の座に行くわけですよ。そしてそこを振り出しにしてあっちこっち回って、いわゆる実質的な研修——エリートコースの研修をしていくわけです。そうした地方の出先の所長という位は、現地採用をした高卒やあるいはエリートでない人たちにとってみればどういうポストなのか。それはゴールです、最終のゴールです。だけれども、営々として三十年、四十年勤めて、最終であってもその所長のポストにつける人はごく限られているわけです。こんな不公平があっていいのか。片方は出発点であり片方はゴールである。そういうようなものは、全部人生を否定することになりますね。社会人として、公務員としてここに入って、そして仕事をする。その三十年なり四十年なりの人生を全部否定して、エリートにとっては出発点、そうでない者にとってはゴールの目標だと、こういう事態は私は直ちに改めるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。そこに何ら実力を評価する、正当な評価に値する機関もないし労働の機関もないと私は思います。そこのところはぜひとも率直に見詰めていただきたいと思います。これは私は、政府が学歴問題をどうこう言う場合の本当の試金石になると思います、自分のところの問題ですから。
○政府委員(藤井貞夫君) 結果的に見まして、地方機関の長とかなんとかに、要するに上級試験の合格者がなっておる、それが多いということは事実だろうと思います。ただ、これは前々から申し上げておりますし、また先生もよく御承知のように、採用なり昇任なりということは、これはすべてやはり能力の実証主義ということにのっとって、最も適任であるという者が採用されていく、選考されていくという結果に相なるわけでございます。そういうことから結果的にはそういうことに相なっておるのでございますが、まあ人事院、われわれといたしましては、その選考に当たって、学歴その他の特別の配慮があってはならないということは前々から、国家公務員法の精神もございますし、そういう点は堅持をしていくつもりでございまして、そういう線に沿って各省庁を指導をいたしておるつもりでございます。また、各省庁においてもそういう人事はもしもやろうとしても事実上できないという仕組みになっておることが私は事実であろうと思うわけでございます。しかし、御質問の趣旨というものはよくわかりますので、今後ともそういう点につきましては学歴偏重に陥らないように、できる限りやはり能力主義にのっとって広く門戸を開放するという線に沿っての努力は、さらに今後とも続けてまいりたいという所存でございます。
○山中郁子君 それでは、もう一つ具体的に聞きますけれども、先ほど私は建設省の課長補佐のポストを全部ピックアップして調べたと申し上げました。年齢が大変大きな差になっているわけですね。なぜそういうことになるのかと言いますと、任用の基準の中の最低基準の中で、たとえば四年間一つのところにいなくちゃいかぬと、こういうことがあります。そうすると、その中には係長と主任、主任と係長と、こうありますね。そうすると上級甲でエリートで出てきた人は最低の二年しかいないで次々と移っていくんです。そうでしょう。私だって官庁のことをよく知っていますよ。みんなそういうふうにして、最短距離で二年ずつどんどんどんどん、最低基準を済ますと次々に移っていくから、課長補佐のポストに三十四歳で到達をするわけです。もっと二十九歳とか二十八歳という例もあります、課長補佐のポストに到達しているのが、現実に調べてですね。だけれどもエリート以外の人たちは、その最低基準をもう何回繰り返しても動かないんですよ。同じ職務にずっといる。五年でも十年でもいます。そうして定年間際になって、やめる間際になってやっと課長補佐のポストに行けばいい方、こういう状態は、それは皆さんもよく知っていらっしゃると思う。官庁の方たちも皆さん知っていらっしゃると思います。そういうことが現実にあるにもかかわらず、何ら学歴偏重がないというふうにおっしゃるんだったら、私は総理大臣に本当にもう一度伺いますけれども、国立大学や東大や、そうした優秀な学校を出なければ優秀な仕事はできないんだということを、政府がおっしゃる以外の何物でもないと思いますけれどもどうですか。私はそうしたものについて全面的に認めろとは申し上げません。全面的に一〇〇%学歴偏重だということを認めろとは申しませんけれども、現実にあるこういう事態を、何とかして皆さんがおっしゃっているように、学歴偏重を打破していくために政府としても努力をする、調べてもみる、そういうお約束がぜひいただきたいところでございますけれどもいかがでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) やっぱり私は、国家公務員というものは大事な仕事をする立場ですから、これは厳重な能力主義、これをとらなければならない、こういうふうに思います。そのために国家公務員試験、それも上級職試験だとか中級職試験だとか、いろいろの仕組みに分けての試験があり、その試験に合格した者の中から各省庁がこれを任用し、そして任用した後は人事担当官というものが各省庁にありまして、そして厳重にその人を見ておって、その能力に応じた任用をしておると、こういう仕組みになっておるんです。その仕組みがうまく動かないということがあれば、その是正をしなければならぬとこういうふうに思いまするし、もっといい仕組みがあるというならば、もっといい仕組みを検討していいわけでございますが、とにかく学歴社会というようなことにつきましては、私は国家公務員の問題はわりあいに合理的にいっているんだという見解でございますが、その不備の点がありますればなお検討いたしまして改めます。
○山中郁子君 私は人事院の資料に基づいて幾つかのデータを申し上げました。そのことが当然の結果だというふうには、つまり能力の当然の結果だということをおっしゃるならば、高卒や私大の卒業者では役に立たないんだということを政府がおっしゃるのと同じことなんですよ。そういうことではないというふうに私は思います。ですから人事院に二、三私は資料を要求してつくっていただきましたけれども、ぜひとも政府でそういうつもりでやっていらっしゃるとしても、現実にはどうなっているのか、現実にはどれほどたくさんの人々がそういういまの学歴、学閥主義の任用の事態のもとで苦しんでいるし、悩んでいるし、そういう事態をよくとらえて、そしていま総理もおっしゃいましたように、もっといい方法を検討していただきたいと思います。そこをもう一つお約束いただきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 多分にいま山中さんのおっしゃることは、制度の運用の問題じゃないかというような感じがしますがね。なおこの上とも、学歴社会ということがこんなに問題になっているときでございまするから、十分注意して検討してまいりたいと思います。
○山中郁子君 これだけ私は指摘をしておきたいと思うのですけれども、一九六六年の第二十一回国連総会で人権に関する国際規約を採択しています。その中で経済、社会及び文化的諸権利に関する国際規約第七条の(C)項で、「すべてのものがその雇用内で適切なより高い職階に昇進する機会を平等に与えられること。但し、昇進に関して先任権と能力以外のことを考慮してはならない。」と、こういうふうに言ってるんです。人事院総裁は学歴を入れて選考をしていないと、このように先ほどおっしゃいました。しかし、私が幾つか出したデータを見ただけでも完全にこれは学歴、学閥、そういうものの要素がかなり大きく作用して昇進が行われ任用が行われています。この実態は私はどうしても否定することはできないし、ぜひともそのことについては、この国連で採択された人権に関する決議、このことも踏まえて、これはもう世界的な問題、国際的な問題になっているわけですから、対処をしていただきたいと思います。すぐにでもその検討を始めていただきたいというふうに思います。 それで文部大臣にお尋ねいたしますが、文部大臣は教育の、これは毎日新聞の討論会ですね、その中でたとえば企業に対していろいろと注文をされています。それで企業が、入社後の昇進にしても学歴が必要以上に幅をきかせていると、こういうことでもって、この点についての是正を要望されていますけれども、私は企業だっていろいろ言っています。ある意味では、こういう言い方だってするんですね、結果として一いま政府が答弁されたように、結果としてそういうことになっているんだと。実力者を採用して結果的にそうなっているんだと、こうおっしゃっています。この企業の言い方と政府の言い方の中に私は共通しているものがあると思うんですけれども、それでもなおかつ文部大臣は企業について、やはりそういう学閥が、学歴が過大にあれしているから、だからこれは改善しなきゃいけないと言われていますけれども、企業の場合はそうであって、公務員の場合にはそうではないと、もし言われるとすれば、その理由はどこにあるのか聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 私が学歴偏重社会の打破ということで、学歴が必要以上に幅をきかせ過ぎるのは間違いであるという観点に立って企業に言っておりますことは、入社時における排他的な指定校制度というものをまずとらえておるわけでありまして、国家公務員のように広く国民に門戸開放、機会均等で皆に自由に受けてもらって、そこで資質、能力に応じて選抜が行われるという試験制度じゃなくて、企業は特定の大学の卒業生は受験させますけれども、その他の大学の卒業生は受験資格も与えないという指定校制度がまだ現に残っておるわけでありますから、私は少なくともそれは人の心を傷つけるし、資質、能力に応じて選んでもらうべきだという考えでありますから、指定校制度というものはやめてもらいたい。労働大臣に協議して協力をお願いしておりますのも、その指定校制度の打破ということでありまして、いま御指摘のように国家公務員制度と企業の一部がとっております指定校制度というものの根本的な違いは、学歴によって受験さえもさせないというところにあるわけですから、まず、そこは私は正義に反するのではなかろうか、こう思って主張をし、座談会等でも何回も申し上げておるところでございます。
○山中郁子君 その点は一つは確かにあります。だけれども、文部大臣は、入社後の昇進にしても学歴が必要以上に幅をきかせているということを再々言ってらっしゃるんです。指定校制度の問題だけじゃありません。そのことは先ほどの御質問の答弁にもおっしゃってました。つまり学歴偏重社会というものを打破しなければいけないと。私はこの問題について、これ以上このことについて大臣にはお伺いいたしませんけれども、実際問題として、政府がたとえば企業にそういう指導をするとすれば、まず政府のおひざ元のじゃあ官庁はどうなのか、国家公務員はどうなのか。これを、だれだって実力本位で、結局どういう資格であろうと、どこの大学を卒業したんであろうと、あるいは大学を卒業しなくても、自由な競争でもって昇進できるんだというふうにだれも思っていません。東大出なければだめだ。国立大学出なければだめだ。その結果が先ほど申し上げました課長になんか上級以外はだれもいない、こういう結果が出ているわけですから、そういう事態については、私は重ねて指摘をして、先ほど福田総理大臣が一応のお約束をなさいましたので、本当に実のある中身としてそれが実現されていくことを強く要望いたします。 いま企業の問題に触れたんですけれども、結局企業なんかもそうした学歴偏重、私は官庁が一つの大きなその要因をつくっていると思いますけれども、そういうものに影響されて、非常に露骨な偏重が行われています。たとえばこれは日本鋼管とか新日鉄とか大企業の人事任用制度の中にあるものなんですけれども、主事二級という、そういう末端の管理者の資格があります。その資格に達するためには大学卒業者は入社後二年でその資格が取れるんです。入社して二年で主事二級という資格が取れるんです。だけれども大学卒業者でない高卒の一般職の人たちは一体どのくらいな期間が必要かというと実に三十年かかるんです。同じ主事二級の資格を取るのに三十年在職していなきゃいけないんです。そういうケースがあるんです。そのほかにもいろんなケースがあります。つまり、そういう意味で二年間と三十年。片方は入ってすぐですね、そして片方は定年になっちゃうぐらいですよ、本当に。そういうふうな事態が現実にあるということが、先ほど文部大臣が言われた、企業に対して学歴偏重を是正していってほしいというふうに指導すると、こういうお話でございましたので具体的な、期待をする要望するということでは企業の方ではまた開き直って、この前の文教委員会の参考人の質疑の中にもありましたけれども、それは企業の論理であるなんというふうなことを言っていらした方もありました、たしか経団連の方だと思いましたけれども。そういうことをもう一歩進めて、政府としての実効ある具体的な施策、指導を要求するとともに、お考えを伺いたいと思います。 ついでに、ちょっと参考のためにこれをお見せしますけれども、これは社宅の外見なんです。後でよく見ていただくとなおいいんですけれども、このへいがみんなこういうふうに物すごい露骨な違い。このへいは平社員のへいです。そしてこれが、垣根は係長のへいです。へいだけじゃなくて家もそうですよ。だけれど、へいなんて外からよく見えるでしょう。これは石垣のりっぱなへいでしょう、これは課長のへいですよ。結局、私はそういう、課長になるのはだれがなれるのか、係長はどこまでいけばなれるのか、どういう人たちが平社員で終わるのか、そういうことはいま私が重ねて申し上げる必要もないと思います。中学卒のへいと高等学校卒業のへいと大学卒業のへいと、こういうようなものだ。これはみんな社員がそういうふうに言っているんです。私はこれは新たなやはり学歴偏重による身分制度とも言うべきものが、官庁も含めてつくり出されているというふうに思います。封建時代においては武士に生まれるとか、あるいは商人に生まれるとか、農民に生まれるということは、生まれたときにもうその人の身分が決まって、人生を全部左右するわけです。だけれども、いまの問題は大学を卒業できるかできないか、そして公務員で言うなら上級甲に受かるかどうか、そういうことがそれ以降の人生をもう決めてしまうわけですね。これは本当に新しい身分的な要素を持つ、そういう偏重の社会の欠陥だというふうに思います。そのことについて、先ほど御質問いたしました観点から、文部大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほど御指摘の数字につきまして、大変申しわけありませんけれども、一つだけ私の方からも言わせていただきたいことがございます。 いま先生、三十七名の上級職合格者以外は課長はゼロだと、こうおっしゃいましたが、文部省に関します限り、上級職の試験を受かっておりませんでも課長をやってもらっておる人が八人おりますし、またその上の審議官というポストにも、上級職試験を取っていない人が今年二月一日の人事異動でも二人なってもらっておりますし、また採用試験は、当初は十八名新卒を内定しましたが、そのうち東大が八名、それ以外の地方大学や私立大学が十名ということに相なっておりまして、その人方の資質、能力に応じてやっぱり公平にひとつ選抜をし、また公平に昇進をしてもらう。必ずしも上級職試験を取っておらないからといって、ゼロにしてすべてを否定するような態度はとっておりませんので、その点だけはどうぞ御理解を賜りたいと思います。事実を御報告さしていただきました。 それから、御質問につきまして、企業の中で学歴がまた必要以上に幅をきかすということ、これはやはり、大学卒だから昇進が早いとか、あるいは高校卒だから昇進が遅いということになっていきますと、そこで人生における大変な格差ができるわけでありますが、近ごろは御承知のように、断面だけをとらえますと、大学卒業生の一番低い初任給と、高校卒業生の一番高い初任給とを比べますと、高校卒の方が高くなっておる分野等もございますし、また、文部省としましては、そういうことを法律でどうこうというわけにまいりませんので、やっぱりちょっと歯がゆいとおっしゃるかもしれぬが、お願いをし、指導をし、協力を求めていく姿勢でありますけれども、そのもとになっております学校間格差の是正とか、社会の意識を変えてもらうためのいろいろな説明とか、あるいは専修学校の整備とか、いろいろなところに政策的な努力を積み重ねて、こういった風潮をただ口でお願いするだけじゃなくて、学校間格差是正のような問題等も通じて取り組んでまいりたいと、こう思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○山中郁子君 私の数字は、人事院の調査でいただいた数字でございますので、いま文部大臣がおしゃったことはそれとして承っておきます。 文部大臣がそうおっしゃるからには、私は、やっぱり結局東大ばかり採っちゃいけない、上級甲の資格者ばかり採っちゃいけない、それは学歴偏重になるから、私は積極的にそういう人以外からも採っていますよとおっしゃったわけで、御努力のほどをいま表明なさったわけでしょう。実力に応じて、実力に応じてでしょう。だから結局は実力を見ないで、学歴によって、あるいは学閥によって、上級甲にこだわって、そして人を採るという傾向があるから、文部大臣は、私はこういうことで積極的に改善をやってますというふうに誇らしげに報告なすったわけですよ。私はそのことをだれも否定できないということを重ねて申し上げたいと思います。 現実の問題として、初めに申し上げましたように、受験地獄だとか落ちこぼれだとか塾だとか、いま大変な社会問題になっています。しかし、これが本当にこういう官庁における学歴あるいは学閥、研修の問題にしてもそうです、本当にその人たちがそこで働いて身につけた経験だとか能力だとか、あるいはそこで発揮された努力、そういうものを正当に評価し、またそうしたものを訓練として職員に与えていく、そういう研修制度、民主的で公正な研修制度によるガラス張りの選考、そういうものが行われることが、先ほど総理大臣はほかにいい方法があればとおっしゃったけれども、私はまさにそういう方法として提案をいたしますけれども、いま結局は、あの人は東大卒だから偉くなったんじゃないかとだれもが見てしまうということは、それにかわる、そういうことを証明できないやり方でもって任用が行われて、結果的にもそういう人たちだけが優遇されて昇進していく、こういう事態をつくり出しているわけですから、ですから民主的で十分な充実した研修制度ですべての人がその新しい職務に昇格していく、その選考の公平な権利を持つ、そういう方向でもって人事問題を、国公法の三十七条の問題とも関連させて鋭意検討をしていただきたい。このことを重ねて要求をいたします。そしてこうした学歴偏重のゆがみのために、私は繰り返しませんけれども、子供たちがどんなに将来を過ったり、あるいは非行化が多くなったり、またつらい思いをしたり、苦しい思いをしたり、親も一緒に悩んで社会問題にだからこそなっているわけです。 私は二十五年前に大学の夜学部を卒業しました。高校も定時制を卒業しました。そして、そのときに就職差別というのをもういやというほど味わいました。もういろいろな差別を受けたのです。共産党員の差別と女性の差別とそれから学歴の差別と、いろんな差別を受けてきたわけですけれども、いま考えてみますと、同じ大学卒業したって、夜間部を出た人あるいは高校を出ても定時制を出た人、こういう人たちに対して本当に公平に就職の門戸が開かれているか、それは開かれていません。四半世紀前ですよ。私自身が経験したのは四半世紀前のことです。それだけれども現実にそれは何ら解決をしていない。国家公務員になってから、上級甲の試験を取ります、一生懸命努力して。取った人たくさんいます。私はその人たちにみんな聞いてみました。だけれども最初から上級甲の試験通った人と全く差別されて、同じような昇進のルートには乗れないというのが彼らの痛切な声です。私はこれ以上このことについて繰り返し申し上げませんけれども、労働組合がアンケートをとったら、六〇%以上の人々が、こういう昇進の人事のあり方では、仕事に対する意欲がなくなるということを答えています。私はこうしたことに対して本当に労働組合の意見も聞き、政府が謙虚に実態を誠意をもって調査をして改善することを強く要求いたします。 次の問題ですけれども、大学へ入学する場合の入学時のお金の納付の問題について、具体的にぜひとも改善をお願いしたいというふうに思います。 これは最近問題になりまして、国立と私立を受ける、そうすると私立の発表の方が早くて、発表というか入学手続の期限の後で国立が発表になるものだから、どうしても一たん入学手続をしなければならない。そうすると三十万、五十万というお金を払う、その後で国立の合格が発表された、そうするとそのお金が返ってこないということがずいぶん問題になりました。それで一定の改善が行われたのですけれども、いま私が把握している問題としては、国立二期ですね。二期との関係では、私立の締め切りがもうすでに済んじゃった後で国立二期が大体発表になりますから、国立二期に受かった人はやっぱり五十万とか、医大なんかですと百万近いお金を納めて、そしてそれが返ってこないという、こういうケースがあるわけです。それから補欠で入学した場合にはお金を返さない、こういう措置をとっている私学もあるわけです。この二つの救済されていない人たちについては、早急に文部省の指導を改善強化していただいて、国立二期であろうと補欠であろうと公平に救済措置が行き渡るようにしていただきたい、これが私の要求の趣旨です、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の複数の学校を受けて複数の学校に払わなければならぬ、それが返ってこないという不合理につきましては、昭和五十年九月に、御承知のように、授業を受けない者から授業料を取ったり、施設を使わない者から施設費を取るのはよくない、間違いであるという指導通達をいたしました結果、ほとんどの大学でその後改善をいたしまして、授業料とか施設費は返還するようにいたしております。いま具体的に二つの御指摘がございました。補欠の場合は返さないのではないか。正規の合格か補欠の合格かによって取り扱いを変えるのは、文部省の考えております通達の趣旨から言ってもおかしゅうございますので、補欠でも正規の合格でもそれは区別をつけてはいかぬという考えでありますから、そのように指導をきちんとしてまいります。 国立二期校の問題は、御承知の四月十日ごろまでかかってきちんと最終的な合否がわかる。そういたしますと、四月十日ごろというのは、私立大学の方ではもう新学期に対する編成とか財政計画とかカリキュラムとか教育活動に入ろうとする時期でありますので、そのときまで待ってやるのがどうなのか、これは問題がいろいろございますので、今後研究をさしていただきたいと、こう思います。
○山中郁子君 文部省にお願いしておいたんですけれども、国立二期も待って入学の処理をしているというところがあるんで調べていただきたいとお願いしましたけれども、お調べがついたでしょうか。
○政府委員(犬丸直君) 現在私ども調べましたところ約四十六の大学で四月一日以降に納付期限を決めているところがございます。もちろんこれは学校によっていろいろ事情が違いますので、私ども四月以降二期校の発表以後まで延ばすようにという指導はいたしておりませんが、そういうことをやっております学校もございます。
○山中郁子君 それで、もう一つ大臣に突っ込んでお約束いただきたいんですけれども、いま伺うと四十六の学校でそれをしていると、私も二、三そうした手続をしているところの学校に直接問い合わせて聞いてみました。そうしたら、先ほど大臣がおっしゃいましたいろいろな作業上の困難ですね、それはまあ否定はしないと、あることはあるけれども、それは努力すれば解決できるので、したがってそのようにしていますと、こういうお話でした。そういうように扱っていらっしゃるところが四十六校、いま文部省のお調べであると、私はやればできるんだと思います。 一つの、大変極端な例をいま申し上げますけれども、ある国立二期の医学部を受けた学生さんが、その前に私立の医大を受けたわけですね。そして百三十万の入学金その他のお金を払ったわけです。二十八日が私大の締め切りだったわけです。そして二十九日に発表だったわけですよ、国立二期は。たった一日の違いで百三十万のお金が返ってこないという、これは私本当にひどいと思うのです。何か本当に人の弱味につけ込んで教育の活動がそういうふうにまかり通っているということは大変問題もあると思いますので、現実にやってるところもあるし、できるというふうに私学関係者が言っている人もいますので、これは白紙で検討するということではなくて、ぜひともこの点については検討を、積極的に改善するということの目鼻をつけていただきたいと思います。それで、できるならばことし百二十万を涙ながらに取られてしまった人も救済できるような措置を、何とかして文部省として御努力をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) よく検討をして努力をさしていただきます。
○山中郁子君 次に、婦人教員の問題に絡む施策について質問をいたします。 いま全国的に婦人教員の方たちが大変ふえてきている。特に小中では半数を超えるところが出てきている。そういう中で、婦人教師の皆さんが日本の教育に大変大きな役割を果たし、そして積極的に努力をされている。同時にまた父兄の皆さんからも婦人教員の皆さんに対するいろいろな注文も寄せられる。マスコミなんかでも話題になる。そういうことがあります。それで私は、具体的な問題を一つだけ取って、ぜひとも文部省に積極的な施策を要望したいのですけれども、こうした問題の婦人教員の悩み、あるいはお母さんたちの要求、あるいは子供たちにいい教育をするという上で、婦人教師の方たちが産休をとる、あるいはその他に関連する母性保護に関するさまざまな休暇が、とらなければいけないし、またとることが保障されている。それにもかかわらずそれがなかなかとれない、したがって、いま産休代替要員というのは、その休暇期間中だけが代理要員として採用することが認められている確保法がありますね。そういうことで処理をされているんだけれども、そうすると、先生がかわる、あるいはかわる先生同士の間に引き継ぎが十分できないで、すぐにかわらなきゃならない。そういうことによる教育上のいろいろな要望も出てくるし、また生徒の問題も出てくる、そういうことなので、私はぜひその点で、一つの問題としては、婦人教員が一定数以上占めるような市町村なら市町村、学校、そういうところに、そうした引き継ぎがスムーズにいくように、つまり一定期間一緒に授業をするなり、そういう実質的な引き継ぎ期間が保証できるような形で、代替要員の確保ないしは補充を認めていくという、そういう方向でもってぜひとも検討していただきたいと思うんです。そうしないと、きょうまでAさんという人が授業をしていました。あしたからお休みになりますから代替要員ということでB先生が入ってくるということでは、やはりうまく教育がいかないということは、それはもう普通素人が考えてもわかることだと思うのです。現実には、実態的にはかなり何らかの引き継ぎ期間を実際上持っているという運用の仕方がされているという面もあります。文部省に伺いましたけれども、そういうことも否定なさいませんでした。だとするならば、それが必要だということですから、ぜひともそうしたものが合法的にできるような方向でもって検討をしていただく、このことをお約束いただけないでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) ただいま御指摘の点は、現在女子教職員の出産に際しての代替教員の確保に関する法律がございまして、手当てをしておるわけでございますが、この法律の規定によりますと、産前産後の六週間というものを出産のための有給休暇といたしまして、その期間を限って臨時にその補充教員を採用するものとすると、こういうことになっておるわけですから、まさに御指摘のように、本来の先生が出産のために休まれる、その休んだ翌日からかわりに教壇に立つと、こういうことでございます。しかし、実態を私ども調べますと、やはり、これからとにかく臨時的であろうと先生になろうという気で来られる方ですから、もちろん俸給はもらえませんけれども、実際に勤務する前に学校へ来て担任の先生から引き継ぎを受けるというようなことをやっておられるわけでございます。それからまた、それがどうしてもできないという場合は、やはり学校は一つの組織体ですから、その担任の先生だけが子供のことを知っているわけではないんで、当該学年の学年主任もおりますし、教務主任もおりますし、教頭もおるわけですから、そういう方々に、お休みになる先生が事前に、新しく来られる先生についてこういう点を注意していただくようにお願いしますというようなことを引き継いでお休みしているという実態のように見ておるわけでございます。したがいまして、私どもは、制度としてはいまの法律でありますように、休暇の期間を限って臨時教員として採用するんだというこの方法でいくように、今後も考えてまいりたい。ただ、その運用については十分その引き継ぎが行われて、教育が円滑に行われるように配慮するように指導してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
○山中郁子君 私は専門家じゃないのでちょっとわからない点があったんですけれども、そうすると、運用上引き継ぎ期間を実際に行うようにしていきたいと、この間は俸給は出ないんですけれどもというふうなことをちょっとおっしゃったんですけれども、私は現実の問題として、一週間なり十日なりの引き継ぎ期間が実際に持たれているという実態があります。だからどうしても必要だから、教育上それは必要だからそういう実態になっているわけなので、積極的に文部省がそういう方向でもって制度の改善も含めて、ぜひとも検討をしていただきたい、このことを申し上げていますので、その点について大臣からでも結構ですが、ぜひとも前向きの御答弁がいただきたいところでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 局長が申し上げましたように、その事前に引き継ぎをしたり、あるいは校長先生とか教頭先生がお手伝いをして引き継ぎをしたり、いろいろまちまちのようでございますが、いま御指摘のようなことになりますと、これまた法律改正の問題等とも絡んできます。制度の根本にも触れる問題でありますので、一貫性をきちんと守っていくことは、これは大事なことでありますから、これは今後私どもの方で研究をさしていただきたいと思います。
○山中郁子君 あわせて研究をしていただきたいことはへ先ほども申し上げましたように、一定の数婦人教員の方がいらっしゃるときに、どこに数字を求めるかは別といたしまして、代替要員を含む婦人教員の母性保護を初めとする権利の擁護という観点からも、それからよい教育をするという観点からも、プラスアルファの配置をすると、こういう方向もあわせてぜひとも御検討いただきたいと思っております。
○政府委員(諸沢正道君) その点につきましては、いまの代替教員の確保に関する法律でも、たてまえは臨時に代替教員を採用しますと、しかし、その出産のために休まれる先生の勤務している学校で、代替的にその出産の期間中かわりに担当できる先生がおる場合はその必要はありませんと、こういうふうな規定になっておる。その趣旨はどういうことかといいますと、現在の小中学校の教員定員配置につきまして、校長を除く一般の教員の数というのは学級の数、それだけではないんで、それにプラスアルファの余裕を持っているわけでございます。したがって、相当数の学級数を持っているようなところでは、何人かの学級を担任しない余裕のある先生がおられるわけですから、そういう場合にはそういう人が臨時代替の仕事もすると、こういうことになっておりますので、現在でも大体御趣旨のようなことはある程度やっておると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして、郁子君の質疑は終了いたしました。(拍手)山中 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、三治重信君の質疑を行います。三治重信君。
○三治重信君 きょうは地方財政の集中審議でございますので、財政問題をお伺いしたいと思います。 まず第一に、具体的な問題と関連してひとつお願いしたいのでありますが、最近この地方財政の危機が叫ばれておりますが、その中でやはりわれわれが接触する民間の方、ことに中小企業の経営者の方々は、やはり役所の人件費がべらぼうに多いじゃないか、そういうような中で再建とかいろいろ言っても、これはまあ非常にそちらの方に相当やはりメスをつけていかないと問題があると、こういう意見を非常によく聞くわけでございますが、まず具体的に人件費の中で、一般原則——一般論をきょうは保留いたしまして、退職金の具体的な例をひとつお伺いしたいと思います。それは名古屋の市の問題でございますが、名古屋市では市長の裁量による退職金のいわゆる加算制度の条例をつくってあるわけなんですが、これによって相当な加算が行われていると、こういう事実があるわけですが、こういう退職条例というものの中に、地方公務員法や地方公営企業法からいけば、条例でも退職手当でも中身をきちんと決めた範囲で出さぬと、市長の裁量という条例だけで相当な金額が出せるということは、ほかの都市にもそういう条例が、規定があって加算が行われているかどうか、お伺いしたいと思います。自治省にお願いします。
○政府委員(石見隆三君) 地方公務員の退職手当につきましては、国家公務員の給与に準じて、いわゆる国家公務員の退職手当に準じてそれぞれの地方公共団体で条例で定めていただくということが、地方公務員法に定めております給与決定の原則に最も適合するのではないかということで、私ども従来からそのような指導を行ってまいっておるところであります。ただ、退職手当につきましては、いま御指摘のございましたように、特定の地方団体におきまして国よりも高い退職手当を支払っておられるという団体があることは事実でありまして、私どももそのような団体のあることは承知をいたしておるところでございます。
○三治重信君 国より高い基準で退職金を出している例があるという御答弁ですが、そういうのはやはり市長の裁量、知事の裁量ということで、それを根拠にしてみんな出されておるわけですか、それとも、国家公務員より高い基準の条例の具体的な規定があるというのか、どちらの意味なんですか。
○政府委員(石見隆三君) 地方公務員法あるいは地方自治法の規定によりまして、退職手当も含めまして、地方公務員の給与は条例で定めるということが原則になっておるわけであります。私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように、退職手当に関しましては当該地方公共団体の条例で規定をしていただくように指導をいたしておるわけでございますけれども、団体によりましては、先ほどお示しのございました、いわゆる割り増しを条例できちっと書いております団体もございます。あるいはまた市長の定めるところによる、というような形で市長に委任をしておるというふうな規定の仕方をしておる団体もあるわけでございます。
○三治重信君 そうすると、結局市長の裁量によるという場合には、国による長期の勤続加算とか整理退職の場合というようなものを基準にするとか、何か自治省として、そういう条例の市長の裁量による場合でも、そういうものについての基準とかいうものについては、別に、何と申しますか基準というようなものは示していないのか。それはもう全く地方自治体の自由になっているのか。 ここでさらにそれとあわせてお聞きしたいのですが、退職時の給料の月額の特別加算が六十倍を超えるということはまずいと、自治省案ではそういうふうなのが一度出されたことがあるということなんですが、現在指定都市の中では、退職時の給料の月額の百倍以上にも達するという場合が現にあるわけなんですが、そういうものを自由裁量という名で整理退職特別加算ということが行われている。こういうものの最高限度というものも結局その市長の自由裁量と、こういうことに理解をされているわけですか。
○政府委員(石見隆三君) 私どもといたしましては、地方公務員の退職手当につきましては、国の国家公務員等の退職手当法に準じまして、それぞれの地方団体におきます職員の退職手当に関する条例をおつくりいただきたいという指導をいたしておるわけでありまして、その内容におきましては、いま御指摘のございましたように、市長の裁量にゆだねるというようなことは予定をいたしておらないところであります。しかし、現実の問題といたしまして、地方団体によりましては、いまお話にございましたように、市長の裁量にゆだねておるという団体もあることは事実でありまして、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、退職手当につきましては、地方公務員法あるいは地方自治法の規定によりまして、条例でもって明定をしていただくように指導しておるわけでございます。 なお、いま御指摘のございましたように、市長の特別な加算制度を設けておる団体におきましては、退職時の給料の九十ヵ月を超えるような団体もあることは事実であります。国家公務員におきましては、御案内のとおり、退職時の給料月額の六十ヵ月というのが原則でありまして、私どもの地方団体を指導しておりす条例準則でも、六十ヵ月を原則とし、なお、国家公務員と同じように、二十年以上の勤続でかつ勧奨退職でおやめになった方でも六十九・三というのが限度であるという指導をいたしておるわけでございますけれども、いま申しましたように、平均して九十ヵ月を超えるような団体もあるということは事実であります。
○三治重信君 いま名古屋市の市議会で問題になっておりますのは、結局、市長の裁量の中身に、本当に市長が退職される方のケース・バイ・ケースでその功績加算が一人一人によって自由に加えられるのか。それには退職される方について、その一定の勤続年数とか地位とか、そういうものによって、市長裁量といえども市の支払う側の人事管理その他人事政策上一つの基準があるのではないかと、こういうことが問題になっていて、その中で出てきたのが、いわゆる基準と言ってもこれは外へは出せない、または内規といえどもそれは法文化されていない、文章化されていない基準なんだけれども、というので答弁に出たのが、功績加算として役付では在任期間一ヵ月で局長が五万円、部長が三万八千円、課長が二万七千円、係長が一万七千円、これは在任期間一ヵ月についてそれだけ功績加算をつける。それから、長期勤続者の加算については、二十五年以上だと二百八十日分、三十年以上は三百日はつける、まあこういうのが一つの市長裁量の具体的な例と、こういうふうになっておりますが、こういう問題、こういうふうなのはやはり自治省としては、こういう退職金の運用の仕方で、それは市長の裁量だからやむを得ないんだと、こういうふうにお考えですかどうですか。
○政府委員(石見隆三君) 地方公務員の退職手当につきましては、前段申し上げておりますように、国家公務員の退職手当法に準じてそれぞれの地方団体で条例をおつくりいただくように指導をしておるわけでございまして、その中には、先ほども申し上げましたように、市長の自由な裁量によって自由に加算ができるというようなことは予定をいたしておらないところであります。いまお示しにございました名古屋市におきましては、私ども名古屋市から報告を受けております条例を拝見いたしますと、通常の方法によって算定をいたしました退職手当の上に、退職手当条例の第十二条に、「職員が在職中きわめて良好な成績で勤務した場合」または「職務遂行に当ってすぐれた功績があった場合」には、「市長の定めるところにより加算を行うことができる。」という規定を置いておられるわけであります。私どもはこういう規定につきましては、いま申しましたように、少なくとも地方公務員との扱いを異にいたしておりますので、この辺はきわめて問題であろうというふうに存じております。 なお、この中身につきまして、名古屋市ではこの「市長の定めるところにより」というものを公表しておられないようであります。で、私どもも名古屋市に伺いましたところ、その中身は公表してないという事実を確認いたしたわけでありまして、申し上げるまでもなく職員の給与は、もちろん地方公務員法あるいは自治法の規定によりまして条例で規定しなけりゃならないことは法律の定めるところでありますと同時に、いずれにいたしましてもこれらの給与につきましては、直接あるいは間接を問わず住民の負担になるものでありますから、給与の中身をガラス張りにするということから、あるいはまた納税者の理解と納得を得るためにも、そのことは明らかにする必要があるのではないだろうかというふうに考えておるところであります。
○三治重信君 それから、在職中きわめて成績優秀と、こういう中に、これはたまたま職員組合の委員長をやっておられた方なんですが、きわめて成績優秀で最高のどうも退職手当が加算されたようなんですが、そのきわめて優秀な成績の中身が、この方は合計すると約一年近くの停職処分を受けているわけなんです、五回にわたって。しかも、在籍専従期間の停職処分というのが五回の中で三回あるわけなんですが、五年間の在職期間の停職処分は——在職期間は期間に算入しないわけですから、それは除いても、まだ二回ほど受けている、こういうので、そういう自分で市長が処分をしていながら最高の勤務成績だと、こういう裁量というものが、自治省としては考えられるかどうか。
○政府委員(石見隆三君) 具体の職員につきましての具体の事例を詳細承知をいたしておらないところでございますが、いまお示しにございましたような範囲で考えました場合、やはりどういう事由かは存じませんけれども、期間中相当な停職処分、いわばいまお話にございましたように、通算一年にわたるような停職処分を受けた職員が、果たして条例の十二条に書いておられますようなきわめて良好な成績で勤務したかどうかということにつきましては、私ども疑問があろうかと思っております。ただ、具体の中身を承知いたしておりませんので、一般論としてお答えすることをお許しいただきたいと思います。
○三治重信君 それからもう一つは、まあILO八十七号条約を通過さすときに、結局在籍専従制度をつくって、初め三年のやつを後で改正して五年にしたわけですが、この五年がいわゆる四十八年に期限が来たわけなんです。その後、結局本人は、在職を通じて五年以上在籍専従ができないわけですから、履歴を読むと、退職する前に名古屋市の健保組合の方の職員として出向をしているわけなんです。しかし、実際上はそこの組合の役員はずっと選挙されてなっておったわけなんですが、こういうふうなことをもしも自由にできるということになりますと、出向という形でできるということになると、いわゆるやみ専従問題、またさらに、実際はこれは本省といいますか、所管省としてできないこと——なかなか監査とか実際の問題はむずかしい問題ですが、職員の中にいわゆる職免として給与を受けながら組合の運動をやるというようなものも、相当その規律がせっかく専従制度をつくりながら最近乱れてきていると、こういう指摘を、情報を聞くわけですが、そういう問題について自治省としてどの程度把握されておるか。まあそういう問題については、十分管理者としてこの法を改正した後うまく運用されておるかどうか、ひとつその所感を聞きたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 在籍専従制度につきましては、地方公務員につきまして国家公務員と同様に職員としての在職期間中を通じまして五ヵ年間ということが限度になっておりますことは、地方公務員法五十五条の二、第三項に規定をされておるところでございます。したがいまして、お尋ねのような任命権者のいわゆる許可を受けないで行われております専従、いわゆるやみ専従といいますものが果たしてあるのかどうかということにつきましては、私どもそれぞれの地方団体につきまして逐一承知はいたしておりませんけれども、実態としてそのようなやみ専従のような事実があることも懸念をいたしておるところであります。このことは、明らかに五十五条の二第三項の違反になりますものでございますから、私どもといたしましては、昭和四十年にこの制度が発足いたしまして以来、こういうようなやみ専従がないようにということを十分指導してまいっておる状況でございます。
○三治重信君 自治大臣、以上一つの具体的な例でお聞きされたように、いわゆる中小企業の方々では、非常にこういう問題に最近企業の危機に直面して関心を持っている。われわれと役所とはこんなにどうして違うんだと、また従業員も、役所はどうしてそんなに自由になるんだと、こういう問題で私たちは感情的な問題にもなっている。もちろんこれは、私はこの中小企業の事業主や組合員にも言っているわけですが、民間でも景気のいいときには、役所のものは本当に安月給で泣いたこともあるんだと、しかし、お互いに景気変動によってそういう問題も起きるんだということで説明は若干なりともしておりますけれども、現実にいまから非常に経済問題、ことに物価問題その他がある場合に、地方公営企業や地方自治団体のいわゆる財政や人件費に対する態度というものが、自治省の指導と申しますか、体制というものをしっかりしていただくことが民間の方にもやはり鎮静剤になるんじゃないかと、そういう意味において一つの考え方をお述べいただければありがたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。 いま公務員部長から具体的な事例についての御質疑にお答えをいたしたわけでございますが、地方公務員の給与は国家公務員の給与に準じて定められるということが申すまでもなく望ましいことでございます。したがって、退職手当につきましても、国より高い基準で支給している団体にありましては速やかにこれを是正する必要がございまするし、その支給は条例をもって明確な規定を設けて行うべきものと考えておりますから、自治省といたしましては、法律の定める給与決定原則に即しまして退職手当の支給がなされるように、これからも適正化の指導をしてまいりたい。そうしてこそ、お言葉にございました、中小企業者を含めて地域住民の納得と理解が得られる、こう信じておるわけでございます。
○三治重信君 この問題、いま名古屋市で、市議会で監査請求が成立して監査に入っているわけでございますので、現地ともよく事務当局はひとつ御連絡と申しますか、事態が推移を見ていただきまして、よろしくひとつ御処置をお願いを申し上げたいと思います。 それで、次に建設関係でございますが、公共事業をいわゆる補助金でずいぶん地方公共団体が行っているわけでございますが、この入札の問題で最近非常にいろいろのうわさが出てまいります。一つの市の、平均レベルの市で、どうも最近大企業に指名を出して、そして市のいい事業はほとんど大企業が取ってしまう。しかしながら、実際工事をやるのはみんな地元の業者が下請でやらされる。そのときには何も、本当にたたいてもほこりが出ぬほど何も利益が出ないと、こういうことが非常なうわさになっているわけですが、まあ後でも大企業と中小企業の分野確保法がひとつ議論されるわけですが、それに対して公共事業、いわゆる大企業と中小企業の公共事業に対する入札分野、こういう分についても建設省として十分その対応策を考えていただきたいということが一つと、その次にもう一つ、入札制度を私はひとつ改善していただきたいと思います。 入札制度の改善については、私は建設委員会で二、三質問したときに、大臣の大分本年度に対する御配慮も聞きました。しかしさらに、やはり地元の人たちの満足と申しますか、この不況対策としてもやるという意義からいきましても、私はこの工事の、何と申しますか、専門工事をさらに大手が一括して受けてやるんじゃなくて、電気はまあ最近分離発注が多いわけですが、そのほかさらにこの分離発注をする。たとえば建物なんかで、鉄骨業者はいつも本当に手間代も出ないというのが最近の実例。そうすれば、鉄骨なんかは分離発注できないかどうかという問題を、ひとつ第二に御答弁願いたいと思います。 それからもう一つは、やはり大手、一定規模以上の業者が入札した場合には、その下請価格を公表するというよりか、その発注者が大体どれぐらいの値段で分離発注したか、これをチェックできる。発注者の方としてはいわゆる入札価格として見積もり価格が出て知っているわけですから、それに対して一定の規模以上の入札について、ことにそれを下請に出す場合には、下請価格を発注者にちゃんと申告をする。そしてきちんとそれだけのもので払っていく。それを発注者が工事監督上参考にする制度をひとつぜひ考えてもらいたいと思うわけでございます。市町村のいわゆる大手業者に少し指名が多過ぎるんじゃないかという問題と入札制度の改善点。それから下請発注に対する発注者が規制する方法、下請に対する発注の中身について、ひとつ指導監督がもう少しできるような考案を考えたらどうか。この三点について御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) お答え申し上げます。 建設省においてかねてから発注問題につきましては一つの基準を設けまして、やはり発注標準の遵守をしなければならぬ。したがってさらに分割発注をやはり行っていかなければならぬ、この推進を高めていこうというようなこととか、あとは共同請負制度の活用、これらによって建設業の受注の機会の確保を図るようにしていきたい、こういう考え方で進めており、したがってただいまお話がありまして、たとえば本年度の調査をいたしましたところが、五十年度の実績から見ていきましても、中小の方の関係を見ますると、五十年度は目標は大体二六・三%ぐらいかなと思ったら四〇・五%、それから五十一年度になりまして二七・九%ぐらいかというような考え方を持ちましたけれども、目標はそうでございますけれども、実際は四二・七%、実質には四六・八%というように高まってきている面もあるのです。いずれにしても、四十二万という業者や中小があるものですから、一生懸命に発注方法を変えまして、企業体をつくらしてやるとか、あるいは共同体でもってやらせるとか、そういうぐあいにして分割してやっておるのですけれども、なかなか地方の方にも行き渡らない面もあるようでございますけれども、なるべく地方の方は地元の業者を使わなければいかぬと、こういうようなことを申し上げていろいろの注意を促しておるところでございます。あとはいろいろ細かい点がありますが、きょうはいま政府委員からお答え申し上げさせます。
○委員長(小川半次君) 三治君、時間がないからいいでしょう。
○三治重信君 いいです。またその点は、建設委員会でさらに質疑を重ねたいと思います。 もう一つは、新聞に非常にあらゆるところで出るわけですが、現地の工事過程におけるトラブル、これもひとつお聞きおき願いたいと思うんですが、先日朝日新聞の三月三十日の夕刊に出たいわゆる防災工事のやつでも、まあ地盤凝固剤の問題で、片方の反対する方は絶対阻止と、それをやってもらいたいという方は、せっかく十年来自分のところで毎年この被害で水がかぶっているのでこの治水工事をやってくれてやっと助かると、こう思ったのが、治水工事、全然災害を受けないところの住民がその工事は凝固剤を使うから絶対反対と、こういうことで工事の現場を境にしてプラカード合戦が行われていると、こういうような記事が「三面鏡」にも出ておりました。こういうトラブルは私は各地で非常にたくさん出ている。こういう問題について、ひとつ自治省だけでなくて建設省が、こういう工事について積極的な住民対策といいますか、工事の促進対策として、今後、何と申しますか積極的にやらぬと、せっかくつけた予算というものが、現実に請負業者が、工事は着手はしたわ、二割、三割やったわ、現場は反対ということで、賛成反対で事業者は工事が進められないと、こういう部面が相当出てくるんではないか、こういうこと。それから下水の施設につきましても、末端処理が全然何年間にわたって私の郷里の方でも一できない。そういうようになれば、何十億というつけた下水道の境川流域の体系も終末処理場ができなければ何にもできない、この下水道の工事がだめになってしまう、こういう問題をひとつぜひ公共事業をつけたからにはそれが実行できる指導体制というものをしっかりつけていただきたいと思います。 それから、あと文部大臣に御質問をする通知を出しておきましたんですが、一つだけ、これはまた私もあとの審議のときに御質問する時間が与えられておりますので、そちらでさらに具体的に御質問いたしますが、大学のいわゆる公私立の、ことに私立……
○委員長(小川半次君) 三治君、時間が過ぎましたので……。
○三治重信君 そうですが、まだ二分あると思ったら違っておった。申しわけありません。ではひとつ、そういうことでやめさしていただきます。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして三治重信君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島幸男君。
○青島幸男君 私は、私立の医科大学の問題につきまして二、三お尋ねをしたいと思いますけれども、世間で言われておりますところの裏口入学というのがございまして、私などには想像もつかなかった話でございますけれども、三千万、五千万、中には八千万というようなお金を学校に寄付をするということで、成績のいかんにかかわらず入れてもらうことができるのだというようなことで、教育基本法の三条からかなりかけ離れたような状況が現実にあるということでございますけれども、その点、少し考えておりますうちに奇妙なことに気がつきまして、実は裏口入学金が通常の寄付金として扱われる場合は控除があるわけですね。これは、文部省にお尋ねするよりむしろ国税庁にお尋ねした方がいいと思うんですけれども、寄付金控除が受けられる場合は、その裏口入学のための寄付を国がある意味で補てんしていることになりはしないかということなんですけれども、その辺について御説明賜りたいと思います。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 所得税法上の寄付金控除の対象となりますところのいわゆる特定寄付金でございますが、これには学校の入学に関して行うものというものは含まれないということになっておりますので、いわゆる入学に関する寄付金というのは特定寄付金の控除の対象にならない、こういうふうなことになっております。
○青島幸男君 ところが、取る方の学校側としてはなるべく出す方の人に都合がいいようなことを考慮いたしますんで、その該当年に、入学時に際しての寄付ということをうたってないわけですよ。たとえば、創立何周年記念、何十年記念、それに御賛同いただきたいというかっこうで毎年行わせるわけです。そういたしますと、これは国税庁に許可を得るんですか。そうしますと、控除されるような条件さえ整えば控除が成り立つということがあるんでしょうか。 もう一つ、たとえばそれがそうだとしますと、時間がありませんので重ねてお尋ねしますけれども、年収一億円あるとしますね、お医者さんの場合ですから必要経費七二%控除されて、七千二百万はいいでしょう。所得二千八百万ということになります。すると、税金はこれに大体二千万以上ということになると五五%、全くラフに計算しますけれども、約千五百万払わなきゃならないはずなんですけれども、寄付を三千万いたしますと、三千万マイナス一万円ということですから二千九百九十九万、税金は全く払わなくていいということになりまして、三千万の大体所得があって千五百万納めなきゃならないんですけれども、三千万寄付したおかげで所得税は払わなくて済むと、そうなりますと、千五百万は国が補てんしたことに事実上なってしまうというような計算が成り立つような気がするんですけれども、その辺はいかがなものでしょう。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 所得税法上の寄付金控除は、先生御承知のとおり、個人が特定寄付金を支出した場合に適用されるところの所得控除の一つでございますけれども、その控除額につきましては、年間の特定寄付金の合計額から一万円を差し引いた金額でございます。ただし、その年の所得金額の二五%が限度という形になっております。したがいまして、特定寄付金額の合計額か、所得金額の二五%か、いずれか少ない方の金額から一万円を引いたものが控除額ということになるわけでございます。 若干補足的にお話し申し上げますと、学校に対するいわゆる特定寄付金につきましては、税法上は一定の要件を満たしていなければならないということで、この一定の要件を満たすものとして大蔵大臣が指定をいたします。この指定をしたものと、それからもう一つのケースといたしましては、学校法人がその主たる目的であるところの業務にに関連する寄付金ということで、いずれも学校の入学に関してするものは該当しないということになっているわけでございますが、いずれにいたしましても、この寄付金控除の対象になるところの寄付金、いわゆる特定寄付金につきまして、学校関係の場合にはその学校の証明書あるいはその所轄庁の証明書あるいは学校側の領収書というものがいずれも必要でございまして、こういう関係書類を確定申告に添付をいたしまして一応寄付金控除の適用を申請をすると、こういう形になっているわけでございます。 さらに申し上げますと、入学の関係ではない形をとっておりましても、入学を希望するその学校に対する寄付金の中で、その納入がない限り入学を許されないと、こういうふうなことになる寄付金だとか、あるいはその入学と相当の因果関係にあるというものがいわゆる寄付金控除の対象から除外されると、こういう取り扱いになっておるわけでございますが、具体的には、たとえば入学願書の受け付けの開始から入学が予定される年の年末までの期間に納入されるというようなものは、原則としていま申し上げました入学と相当な因果関係があると、こういうふうなものに該当するというふうに私たちは扱っておるわけでございます。したがいまして、お尋ねのようないろいろな名目、他の名目で寄付をいたしましても、以上のような観点からいろいろ検討いたしまして、寄付金控除の対象となるかどうかということの可否を判断するということになろうかと思います。
○青島幸男君 ところが、だれしも、うちの息子を入れたいからこれだけの寄付をしましたというようなことをあからさまにする人はいませんし、いま高校に入っているから大体何年後には入学することになるだろう、そのときには大体学校創立何周年に当たるだろうと、それらを勘案いたしまして、しかもこれは年賦で払ってもいいことになっておりますから、たとえ二五%の控除額としても、かなり税金の面で事実上負担を国がある程度しょう部分ができるということはあるわけですよ。しかしこれは、そのためにだから税法を変えろというような筋合いのものじゃございませんしね。また、ましてや、母校の研究施設に、純粋に何の見返りもなしに、教育をしたいという方が寄付をなさる場合もあるわけですから、そのことで一々とりたてて文句を言うという筋合いのものじゃないかもしれませんし、そういう法の目をくぐるというタイプの人はいつもいるわけですから、それを一々ここで申し上げようとは思いませんけれども、そういうこともあって、そんなふうにまでして法の目をくぐるというようなかっこうで、払うべき税金も払わずに寄付をする人もいるんだというような点も御勘案いただきたいと思います。 で、私、ここにひょんなことから私立医大の合格判定表というものを入手いたしまして、文部大臣もこの辺のところはつまびらかになさっていると思うんですけれどもね。委員長、許可をいただければ、資料を文部大臣にお目にとめていただきたいと思いますけれども、いかがなものでしょうか、よろしゅうございますか。
○委員長(小川半次君) 資料持っているのですか。
○青島幸男君 持っています。
○委員長(小川半次君) 提示するだけでしょう。
○青島幸男君 はい。ほんの一、二分御猶予いただければ。——いまちょっとごらんいただきましたけれども、大体百名募集をいたしておりまして五百名の受験生が受験をしたわけですけれども、そのうちで、一番から百番までの人が入っているのは四割弱ですね。百一番から二百番までが二割、二百一番から三百番まで五分、三百一番から四百番まで二割弱、四百一番から五百番、下から勘定した方が早いという順位の人が、三千万、五千万という寄付を見返りに入学しているわけですよ。こういう事情を文部省はどの程度把握していらっしゃるか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) その資料はいま初めて見せていただきましたし、確かにおっしゃるように鉛筆で数字が書き込んであるのでございますけれども、事実そういうふうにして行われておるのかどうかということについては正確に把握しておりません。ただ、世間でいろいろ問題があり、それからまた入学の条件として多額の寄付金が取られておるのではなかろうかという疑いを持たれるような事実が間々あるようでございますので、それで再三にわたって通達を出したり、あるいはそれは機会均等あるいは選抜の公正、そういう面から言っても問題があるので自粛をしてほしいと、もう何回も強く要請をしておるところでございます。
○青島幸男君 この私が入手いたしました一連の資料は、私が申し上げてお信じにならないのは仕方がありませんけれども、入手経路をつまびらかにすることはできませんけれども、私の責任において、これは確実に正しい資料だということを申し上げておきます。 あわせて、ここに面接の要領などというものを明記したのがあるのですけれどもね。相手になるべくなら寄付の額を言わせるようにするとか、取るべき寄付金と目標額の大差があっても深追いしてはならないとか、寄付しなかったから合格しなかったんだというような印象をなるべく与えないようにするべきであるというような要項がついているんですよ。こういう悪徳不動産屋まがいの接触の仕方をして、三千万、五千万という金で入っているわけです。本当に成績の順位で言いますと、二十番以内にいる人で七浪という人がいるんです。七浪といいますと、十八で受験いたしますけれども二十五、六になっているわけです。しかも、七浪して成績順位二十番以内に入っていながら、寄付しないために不合格になっている人がいるわけですよ。子供のころ夢に描きますね。新幹線の車掌になりたいとか、あるいはお医者さんになりたい、弁護士さんになりたいという希望はいいと思うんですよ。しかし七年浪人をして受験しているというこの方の心情を考えますと、これはよくせきのことだと思いますよ。こういう人を落としておいて、ビリから勘定した方が早い、極端な話、一番ビリの人も入っているわけです、五百人の。こういうことがそのまま行われているような実情がありますと、幾ら追及をしてきちんと試験が行われるように、正当に正しく行われるようにしたいという通達をお出しになりましても、私どもの方ではお金が足りませんので寄付金をこっそり仰いでおりますという申告をするところはありませんし、何か手だてはないかということで、はなはだしい怒りを私感じているんですけれども、その点どうお考えになりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) その問題につきましては、通達を出すのみならず、つい先ごろも社会問題となった不幸な自殺事件等もございまして、こんなことを一刻も早く具体的に是正したいというのが私どもの基本的な考えでありまして厳しいことを申し上げるようですが、私立医科大学側も建学当時の精神、理想に戻っていただいて、あのとき、多額の寄付金を取ってそれによって運営しましょうなんということを考えて大学設置審議会に申請を出した大学はないはずでありますから、それがその後の病院運営の事情とか人件費とかいろいろな変化があったことは認めますし、また、医科大学そのものの運営に多額の経費がかかるということ等もあって、私学振興助成法の趣旨に基づくお金の配分は、法文系学生一人当たりの年間積算五万六千円というのに、医学部に対しては学生一人当たり積算すると百三十万円出しております。五十二年度予算でも千六百五億円を私立大学のために経常費を組んだわけで、これはこの厳しい財政事情のときに二四・四%という伸びで、国民の皆さんの税金をこれだけ使わせてもらってやっておるわけでありますから、医科大学側にも厳しく、社会的な責任と、建学の精神に戻っていただいてできる限り努力をしていただきたい、こういう強い態度でいろいろとこちらの希望を説き協力を要請しましたところ、私立の医科大学協会も歯科大学の協会も、協会として意見をまとめてもらって、今後は誤解を招くことのないように、入学を条件とするお金を取る、そういうような疑いを持たれることはやめる、必要なものは募集要項に明示する、その金額は社会的に妥当であると認められるような限度にする、同時に、疑惑を解くために大学の経理も明らかにする、こういうような申し合わせをして、各大学に通達を出してそれを実行に移してもらっていることは御承知のとおりと思いますが、文部省といたしましても、さらにそういう角度で大学側にも厳しく自粛、自覚を願うとともに、わが方といたしましても、私学振興助成法の精神に基づいてできるだけの国のお力添えもしながら、この問題が解決するように真剣に取り組んでまいりたいと思います。
○青島幸男君 時間がございませんのでこれ以上のことはできませんけれども、少なくとも席次が下の方になるに従って寄付金額も大きくなってくるわけですね。ですから、人の弱みにつけ込んで金を集めるというようなことをどうしてしなきゃならないのか。 それからもう一つ、大臣、付属の大学病院というものに金がかかることも私はよくわかりますけれども、大学病院と医者の教育は不可分の部分もあると思います、確かに。しかし、大学病院の経営自体と学校のあり方の経理とは、全く別途のものとして考えなきゃならない部分があるわけでしょう。その辺のところを一緒くたに考えて、金がかかるんだから助成しなきゃならないと、それをどっちにどれだけかかるんだと、病院の方の直接経費なのか、あるいは学校のためなのかと、その辺を明確に分けてお考えいただかないと、今後はこの問題は解決の糸口はつかめないと思いますので、その辺をはっきり分けて、明確に追及するように要望申し上げまして、きょうはこの程度にとどめますが、機会がございましたらまたぜひ御議論申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして、集中審議に対する質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時散会