予算委員会 第14号
- 発言数
- 588 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/04/06
会議録
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 質疑順位に関する件についてお諮りいたします。 理事会におきまして、総予算三案に対する一般質疑は、本日から十一日を除いて十二日までの五日間とし、質疑総時間は七百四十七分、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党それぞれ二百五十分、公明党及び日本共産党それぞれ九十分、民社党四十五分、第二院クラブ二十二分とし、質疑順位につきましては、総括質疑と同様とすることに協議決定いたしました。 このように取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小川半次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総予算三案審査のため、本日、新東京国際空港公団総裁大塚茂君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小川半次君) 昭和五十二年度一般会計予算 昭和五十二年度特別会計予算 昭和五十二年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 それでは、これより一般質疑に入ります。田中寿美子君。
○田中寿美子君 私は、きょうは、一つは国際婦人年国内行動計画のうちの婦人の雇用及び労働の問題に関して、もう一つは、林業政策と林業労働者の待遇並びに国有林財政の問題について、二つのことをお尋ねしたいと思っております。 最初に、国際婦人年の国内行動計画のうち、婦人の雇用、労働問題にしぼってお尋ねいたしたいと思いますが、総務長官、昨日市川先生が、婦人問題企画推進本部の機能、権限などについてはもうすでに質疑なさいましたので、私は時間の節約上それをいたしません。ただ、なぜ労働団体、これは同盟も中立も総評も含め、あるいは一般の地婦連、地域婦人団体なども含め、いろいろなところから不満が出ているのかおわかりでしょうか、その理由を。
○国務大臣(藤田正明君) 私は二つあると思うのです。 一つは、一昨年のメキシコの婦人年世界会議から、本年の二月一日に国内行動計画を発表するまでに、われわれとしてはできるだけ国民各層の御婦人方に御相談なり何なりを申し上げてきたつもりでありますけれども、しかし、その点が少し相談も足りなかったんじゃないかというおしかりを受けておるということが第一点。 第二点は、今回二月一日に発表いたしました国内行動計画に具体性を欠くではないか、これはもう少し具体的に年次計画なり何なりをつくってやっていくべきであるというふうなことが、第二点としておしかりを受けているのではないかと、かように考えております。
○田中寿美子君 少しお答えが前進したと思いますね。私ども婦人議員が、総務長官に申し入れに行きましたときは、何かの誤解でしょうというようなお答えでしたか、みんなに十分相談しなかった、具体性がなかった、それはいいと思いますが、十年間の展望に立ってということを何回も前文にはうたわれている。その展望がないことが一つ重大なことなんですが、それはいかがですか。
○国務大臣(藤田正明君) これは展望と言いましても、憲法第十四条におきますところの男女平等の権利を、この日本の社会の中に現実的に生み出していこう、これが一つの大目標でございますから、それに向かって年次計画もつくり、前半の五カ年計画、後半の五カ年計画というものをつくっていこうという考えでございますから、ですから展望とおっしゃいましても、いま何をどうする、かにをどうするというのを作成中でございますし、五年後に、ひとつ過去を振り返り、価値判断を大きくして、見直して、後半の五年を充実したものにしていこう、そして十年後には男女の差別をなくしていこう、こういう考え方でございます。
○田中寿美子君 いまおっしゃったことが具体性を欠くということじゃないでしょうか。ですから、まだ反省が十分でないと思います。 それでは、メキシコ大会で採択された世界行動計画とか、あるいは同じ国際婦人年の年にILO六十回総会で採択、決議された行動計画などの中に、これは労働にしぼりますが、労働に関してはどういうことが決議されておりますか。これは労働大臣並びに総務長官。
○国務大臣(石田博英君) 男女の雇用機会の平等あるいは賃金その他における男女の平等というようなものを、政・労・使の協議機関によって、審議機関をつくって前進させるようにというような趣旨であると記憶をいたしておりますが、なお詳細は婦人少年局長からお答えをいたします。
○政府委員(森山真弓君) 先生は、世界行動計画をお持ちになっていらっしゃいましてよく御存じのことと思いますが、メキシコの世界会議におきまして採択されました世界行動計画の中には、第一章の「国内行動」、それから第二章の「国内行動のための特定分野」という大きな章に、それぞれ労働がやや具体的に出ております。第一章の方は、特に重点的に行うべきテーマの一つといたしまして、最後のところに、七五年から八〇年までの当初五年間に特に下記の諸項目の達成を目標としたいとして幾つか掲げられております中に、「婦人の雇用機会の増大、失業の減少、雇用契約・条件における差別を撤廃するための努力の強化。」、さらに第二章の中では、国内における努力の重点のうちの一つといたしまして、Dとしまして「雇用及び関連の経済活動」という中に幾つかのことが繰り返し出ておりますが、たとえば、八十八項には「労働の権利、同一労働同一賃金、労働条件及び昇進における平等の権利を認めている既に承認されている国際的基準に従って、婦人労働者に対する機会と待遇の平等及び労働力への婦人参加を達成せんとする」、あるいは第九十項には、「政府は、婦人労働者に対する機会と待遇の平等、同一労働、同一賃金の権利を保証することを明示的な目標とした政策及び行動計画を策定すべきである。このような政策及び計画は、国連及び国際労働機関の作成した基準に合ったものとすべきである。性又は婚姻上の地位を理由とする差別を撤廃する原則を定めた法律、諸原則を実施するための指針、提訴手続及び実施のための効果的な目標、機構等をこれらの政策や行動計画に盛込むべきである。」、それから九十一には、「使用者、労働者、社会一般の男女に、婚姻上の地位に係わりなく婦人を雇用する積極的な姿勢を培い、男女別の労働分担の考えに基づく障害をなくすため、特別の努力を払うべきである。」、非常に繰り返し書かれております。 さらに、第六十回ILO総会の決議の中には、これは特に労働についての決議でございますので、当然詳しくいろいろなことが書かれておりますが、「国内活動」の一番最初のところに、たとえば「一般政策」といたしまして、「加盟国は、教育、訓練、雇用及び職業に関する婦人労働者の機会及び待遇の均等を促進するため、及び、これらの活動を企画し、鼓舞し、評価するため、及びすべてのレベルで機会と待遇の均等に関する政策を適用し、強化するための中心として、婦人の参加を含む三者構成機関を設立するため、国家的開発計画の枠組の中で、特別の活動を行うことを約束すべきである。」、それから、さらにもう少し後の方になりますが、九としまして「婦人労働者の機会及び待遇の均等を促進するための行政的整備」といたしまして、その第一に「婦人の経済的、社会的な面での機会及び待遇の均等を促進することを目的とする活動を管理するための婦人労働者の地位に関する国家的な三者構成の委員会を設立する」というようなことが書いてあります。
○田中寿美子君 労働大臣、きょう私は国内行動計画で、しかも労働問題にしぼってというので、ちょっとその辺のことは大臣は大変なベテランなんですね、何回も何回も労働大臣なすって、年少労働者の福祉なんかは先鞭つけられた方ですから、婦人労働者の権利を守るためにもっと勉強していただきたいし、なぜ婦人がそんなに騒いでいるかということについて、いまのポイントぐらいつかんでいただきたいんです。婦人少年局長はべたに説明なさいましたけれども、一番重要なポイントは、つまり労働ですからILOの総会の決議が優先するわけですね。その基準に沿ってメキシコ会議の方も決議をしている。で、男女の雇用の機会及び待遇の均等のために苦情処理、調停、提訴、法廷への請求のための手続を含む効果的な政府機関をつくること、それは三者構成から成っていること、そして婦人をも含むこと、こういうようなことは具体的に決議されているんですけれども、そのことは御存じですか。 〔委員長退席、理事中山太郎君着席〕
○国務大臣(石田博英君) いまおっしゃったことは承知いたしております。ただ決議の内容を詳しくということでございましたから婦人少年局長に答えさせました。
○田中寿美子君 それでは労働大臣、いまのような三者構成から成り、婦人を含む雇用の機会を平等にするための政府機関をつくる意思がおありでしょうか。
○国務大臣(石田博英君) 現在、ILO百号条約を批准したことに基づきまして、労働省の中に婦人少年問題審議会が設置されて、その審議会でいいろ御協議を願っておるわけでありますが、審議会の御意見としては、そういう政府機関を統一的につくるということよりは、現在の各省にあります機関を有効に活動させるという方向を決議されたと聞いております。で、総理府にある婦人問題の審議会は、行政機関として非常にかたいものにするよりは、そういう各省にまたがっておる機関を調整する役割りに回ってもらう方が現在のところは適当でないかと考えております。
○田中寿美子君 婦人少年問題審議会でそんな決議したんですか、婦人少年局長。 〔理事中山太郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(森山真弓君) 昨年婦人少年問題審議会から建議をいただきまして、ILOの第六十回総会で採択されました行動計画の国内施策への取り入れについて、いろいろな御意見を盛り込んだものでございますが、その中では、三者構成の政府機関の設置ということについては直接触れませんで、既存の関係行政機関の相談機能の強化ということを指摘していただいているわけでございます。それに基づきまして、私どもといたしましては、昭和五十二年度から各婦人少年室に婦人雇用コンサルタントというものを設ける予定でございまして、それによりまして労使の御相談に応じ、婦人に関する雇用管理を改善していく手だてにしていきたいと考えているわけでございます。
○田中寿美子君 労働大臣、もっと展望を持っていただきたいんです。いまのようなことでしたら、来年度予算の作成のときの作文でもいいわけです。わざわざ国内行動計画を立てる以上は、十年後までにはそのような機関をつくろうというような展望を持っていただかないと、私は各種の労働省の機関が、行政の強化だとか指導体制とかいうことは書いているけれども、そういうふうなILOの決議に沿ったような展望を出していないということに対して不満を述べているわけなんです。
○国務大臣(石田博英君) これは、この婦人問題だけでなくて、同じ非常に似通った問題が各省にまたがっている場合が非常に多いわけであります。それを問題ごとに整理統合していく、いわゆる行政改革というものは全体として必要だと思いますし、婦人問題についてもそういう検討が当然行われなきゃならぬと思います。しかし、現在のところは、まだ総理府においても行動計画の実施具体策を作成中でありますし、それから現在、先般の行動計画に基づいての相談活動やそのほかの機構もやっておりますし、それから労働省の婦人少年問題審議会は政令に基づいてつくった正式の機関でもございますので、労働省といたしましては、現在の段階においてはこの機関の活動を活発にしていくということが必要だろうと思っております。しかし、政府全体としての方向としては、私の個人的な意見としては、このことに限らず多く各省にまたがっている状態のものを統合していく方向へ持っていくべきだと、こう考えております。
○田中寿美子君 実行計画を立てるというときにやっぱり目標が必要だと、ちょうど反対に考えているわけです。積み重ね、積み重ねだったら、何も十年を展望した国内行動計画がなくても済む。当分の間やれることをお互いに各省が話し合うというようなことなら、わざわざ企画推進本部をつくったような意義も——私たちはあれをつくるのについて大変促進したものですから、それで失望しているわけで、もっと労働大臣長い展望を持っていただきたい。時間が制約されているからあれですけれども、私どもは、いまアメリカ、イギリスあるいはカナダ、スウェーデンなどで持っている法律や制度、男女の雇用の平等を保障するための、そういうようなもので、日本に適用すべきものは、いま社会党で、実は私の手元で男女雇用平等法案を作成しております。この国会に提案する予定でございますけれども、もっと労働大臣長い展望を持って、男女平等ということは、これは民主主義の問題なんですね、ですから、ぜひ実現するためにもっと本気になっていただきたいと思うのです。 そこで、この「国内行動計画」の中に、男女の雇用の平等を促進するというようなことがあるわけなんですが、そこで、雇用における男女差別が一番大きいわけですが、その差別というのはどういうものを言うのか、具体的に挙げていただきたい。
○国務大臣(石田博英君) まず根本的には、女性であるということだけの理由で雇用の条件、賃金その他に差別を設けられてはならないということ、それから同時に、それは働いている状態における労働条件に限らず、雇用の機会においても平等でなければならぬ、こういうことだと理解をしております。
○田中寿美子君 私の問いに答えていただいていないんですが、雇用における差別的な待遇、差別制度というのはどういうものを具体的に指して言うのでしょうか。
○政府委員(森山真弓君) 雇用における男女の差別の具体的な事例を幾つか挙げて御説明申し上げたいと思います。たとえば、これはある会社の例でございますが、賃金の……
○田中寿美子君 まず項目別に言ってください、例じゃなくて。
○政府委員(森山真弓君) 賃金に関する男女の差別の問題がございます。それから、そのほかの労働条件、たとえば定年の問題でありますとか、採用のときの条件の問題でありますとか、いろいろあると思いますが、例を挙げて申し上げてみますと、賃金につきましても、これまた非常にさまざまでございますが、たとえばある会社におきまして、家族に対する手当というのがよくございますが、その家族手当を女子の社員の配偶者に対しては与えない、あるいは結婚祝い金という制度がこの会社にはあるわけですが、女子が結婚する場合には支給しないというようなことがございました。また、そういうことを特に就業規約や慶弔見舞い金の規定ではっきりと規定をしておりまして、現実に男性と女性をはっきりと明文化したもので差別をしているということがわかったわけでございます。 それからもう一つの例といたしましては、これはまた別の会社でございますが、本俸の支給額の引き上げということが行われましたときに、一定の級号該当者につきまして、個人の成績評価等に基づかないで、男子についてのみ引き上げをするというようなことをしていた事例がございました。その後も男女間に差を設けたまま支給をしていたというようなことがございまして、先ほど申し上げました、最初の例とこの例、ともに監督機関の是正勧告によりまして是正されたものでございますが、このような事例はよく見られるところでございます。 それから、賃金以外の問題につきまして、たとえばある市役所でございますが、まず採用のとき、高校卒の事務職員の採用試験をわざわざ試験区分を二つつくりまして、同じ事務でございますのに事務のA、これは男子のみ、事務のBは女子のみというふうに分けまして実施をしているというようなことがございまして、これについては、五十二年度からの採用試験から是正されたと聞いておりますけれども、こういう例はほかの市にもまだあるかと考えられます。 それからさらに、定年の問題については、ある会社では男性五十五歳、女子五十歳という男女別の定年制が実施されておりまして、これは労使の話し合いによりまして、また労働省からも注文をつけましたことによりまして、五十二年の四月一日から是正されたというような例を聞いております。その他さまざまな例があるかと思いますが、幾つかの事例を挙げまして御説明申し上げました。
○田中寿美子君 私は事例を聞いているんじゃなくて、「国内行動計画」の中に、その差別として「若年定年制、結婚・妊娠・出産退職制等の差別的制度」というふうにちゃんと書いてあるわけです。だから、労働省としてはどういうことを差別と考えるのかということを聞いているんで、ちょっと大変巧みな答弁ですね、事例でごまかさないで、こういうこと、こういうこと、こういうことは差別ですというふうに挙げていただきたい。
○政府委員(森山真弓君) ただいまの例で申し上げましたように、女子について、女子であるからというだけの理由で、ほかに理由がないのにそれだけの理由で労働条件に差別をすることを男女差別というふうに理解いたしております。
○田中寿美子君 じゃ、労働条件の内容を。
○政府委員(森山真弓君) 賃金、労働時間、昇進昇格、教育訓練、定年退職その他労働に関する条件すべてを労働条件と考えられるわけでございます。
○田中寿美子君 雇用に関してはどうですか、採用ですね。
○政府委員(森山真弓君) 採用も同じように考えられます。
○田中寿美子君 その採用の中には募集の仕方も入りますか。
○政府委員(森山真弓君) 入ると思います。
○田中寿美子君 労働大臣、いまお聞きになっていました点、森山局長は事例でもって、ある会社は五十歳と五十五歳という定年制を設けている。これは女子であることを理由にしている場合で、それは差別とみなすというふうにおっしゃいました。労働大臣どうお思いになりますか。
○国務大臣(石田博英君) それは基準法四条に違反するものと思います。
○田中寿美子君 四条は賃金です。定年……
○国務大臣(石田博英君) つまり、男女の差別を、同一労働同一賃金の原則に反するものと、したがって賃金だけでなく……
○田中寿美子君 ちょっと労働大臣よくお聞きになっていなかったと思います。
○国務大臣(石田博英君) いや、いま定年の問題ですけれども、やはりその精神は労働条件の中に入りますから、したがって男女の同一労働同一賃金、同一の労働条件というような趣旨に反するものと、そう考えます。
○田中寿美子君 もう一度確認しますけれども、それでは男子五十五歳、女子五十歳というのも、これは差別であるというふうに労働大臣お思いになりますか。
○国務大臣(石田博英君) それが他の条件によらず、女子であるということだけの条件で行われれば当然差別です。
○田中寿美子君 労働大臣が、それ、はっきりおっしゃいましたね、五十歳と五十五歳という定年。それでは、私はいま労働大臣が五十歳、五十五歳という五年の定年の差もやはり差別であるというふうにお認めになったというふうに確認したいと思います。 で、この国内行動計画の中に「若年定年制、結婚・妊娠・出産退職制等の差別的制度」というふうに例示してあるわけです。ここで言う若年定年制とはどういうことですか。
○政府委員(森山真弓君) 統計調査をいたしますと、雇用の制度の調査でございますが、定年制に男女の差をつけているというのがいろいろございまして、いまおっしゃいましたような、五歳ぐらいの差のもございますかと思いますと、女子については四十歳未満というような、はなはだしく若年のものもまだございます。若年定年制という言葉は、特に女子を非常に差をつけて、男性に比べて若い年齢で定年を設けているものを一般的に申しております。
○田中寿美子君 労働省の調査によって、若年定年制を持っている企業と、それから五十歳、五十五歳という接近した定年制の差を持っている企業と、どっちがどのくらい多いか、それおわかりでしょう。
○政府委員(森山真弓君) 昭和五十一年の労働省が行いました雇用管理調査によりますと、定年制につきまして、定年制を設けている企業と設けていない企業とがございますが、設けているというものが七四・一%ございます、全事業所の。そして、その中で男子と女子とを別々に定めているというのは、定年制を持っている事業所の中の二三・五%でございまして、全事業所の中で見ますと一七・四に当たるかと思います。男女別に定年制を設けているものの中で、男子につきましてはその定年の年齢を見ますと五十五歳というのが最も多く、六〇歳がそれに次ぎますが、その間の五十六から五十九まで、または六十歳以上のものも幾らかございます。五十四歳未満はほとんどございません。女子につきましては、男女別の定年制のある企業の中で三十五歳というのが五・四%、それから三十六歳から三十九歳というのが〇・二%、四十歳というのが四・九%、四十一歳から四十四歳というのが〇・八%、四十五歳が一五・五%、四十六歳から四十九歳が二・四%ということで五十歳未満のもの、全部いま申し上げたものを加えますと二九・二%になるかと思います。五十歳というのが三二・四、それから五十一歳から五十四歳が七・〇、五十五歳が二五・六、五十六歳以上もございますが、いま申し上げたようなわけで、一番多いのが五十歳、それから五十五歳ということになりますが、五十歳未満のものも相当あるということがおわかりいただけるかと存じます。
○田中寿美子君 それで、若年定年というのはどこから言いますか、はっきり言って。
○政府委員(森山真弓君) はっきりした何歳から何歳までというふうに決めているわけではございませんが、男性につきましては五十五歳以上がほとんどでございますのに、女子につきましては非常に若い三十五歳あるいは四十歳代というものもありますので、これは男性にない非常に若い定年であるというふうに考えております。
○田中寿美子君 労働大臣、いまさっき五十歳と五十五歳もこれは差別であるというふうにお考えになった。いまお聞きになりましたように、いま特に中高年の女性の労働の問題を一生懸命に労働大臣やっていらっしゃいますでしょう。五十歳のところで定年の差別くっつけられているものが圧倒的に多いわけですね、三二・四%、若年で三十五歳定年なんというのは五・四%ぐらいしかない。だから、特に中高年で働かなければならない者にとってその五年間というものは非常に重大な問題になるわけなんです。ところが、「国内行動計画」では、「若年定年制」と書いてあるんですね、これはどういうわけか。つまり春に出された国内行動計画の概案では、「差別定年」となっているわけです、「男女差別定年」。それから推進会議が出した意見書も男女差別定年であるのに、決定版である国内行動計画で若年定年制とわざわざここに後退させたのはどういう理由ですか。
○国務大臣(石田博英君) その差別は、全部できるだけ早く直さなければならぬと思います。その中で最も早く直さなければならぬのは男女の差別が余りにもひどいところ、つまり若い人たちが若い年齢でやめなければならぬという条件、それから直していくことが一番必要であろう、そういう考え方で取り入れられたものと思います。
○田中寿美子君 十年の展望というのに、この若年定年制はことしでもやめさせる命令出したらいいでしょう、行政指導したらいいでしょう。ですから、こんなものを、若年定年制とわざわざ前と変えたことはどういうわけか。
○政府委員(森山真弓君) その趣旨は大臣が御答弁申し上げたとおりでございますが、この文章の終わりまで読んでいただきますと、国内行動計画の方では「若年定年制、結婚・妊娠・出産退職制等の差別的制度については、指導計画を樹立する等、早急な是正を図る。」というふうに言っておりますし、概案の方は「男女差別定年制、結婚退職制等についてはそのすみやかな是正に努めるとともに、」云々というふうにございます。で、国内行動計画を最終的に文案を検討しておりますときに、できるだけ具体的にしたいというふうに考えられまして……
○田中寿美子君 実施計画でやるわけですか。
○政府委員(森山真弓君) はい。それでその指導計画を樹立するというような具体的な方法をここに明らかに示したいということで、そのために重点を挙げてこう書いたものでございまして、最後に「出産退職制等の差別的制度」ということで、差別的制度は全部含まれているわけでございますけれども、特に指導計画を樹立するということによりまして、重点を決め、早急に直していかなければならないものの例示をしたという趣旨でございます。
○田中寿美子君 労働大臣おかしいですよ。若年定年制は、もういますぐにでも、ことしでもやめさせるように指導しなければいけない、差別定年ということで最初来ているものをわざわざしたところに、私はちょっと何か意図的なものがあるような気がいたします。ですから、だから十年の展望がない。ことし、来年にできることだけここに挙げるんだったらこんなものつくらなくたっていいわけですね。ですから、わざわざこれまで男女差別定年制であったものを若年定年制にしたということに私はこだわっております。 ですけれども、いま森山局長がその「等」というところ、これはもう政府の文書、みんなそれなんですがね、「出産退職制等の差別的制度」と言うから、すべての男女定年の差別はみんなこれに含まれますというふうにおっしゃいましたので、何遍もしつこいようですけれども、五十歳、五十五歳という、あるいは二歳であったって三歳であったって差別を設けることは、それは差別であるというふうに確認してよろしいですね。
○国務大臣(石田博英君) 私は、男女を問わず五十五歳定年制そのものを改めるべきだと思います。そしてその方向に向かっていま努力中であります。したがって、それにもかかわらず、なおそれより下の定年制を設けることは、女性であることだけを理由にして設ける限りにおいては、これは明らかに差別であります。 それから女性、男性にかかわらず、五十歳定年というのは今日においては論外であろうと思います。
○田中寿美子君 それだけの、労働大臣がはっきりおっしゃいましたので、私はそれで了解いたしますけれども、差別定年というのは何歳であったって差別定年であるというふうに理解したいと思います。 これは、定年制の問題でたくさん訴訟を起こしております、婦人が。そうしてその若年定年制はもう間違いなく全部原告が勝つんですね。ところが、五歳とか二歳とかというところがいまひっかかっているケースがあるもんですから、非常に重大なんで、私は特にここで確認したかったわけです。 時間がありませんから、そのケースのお話をするのはやめますけれども、労働大臣、それは間違いなくそういうふうに指導していただきたいと思います。 次に、同一労働同一賃金の問題についてなんですけれども、この国内行動計画の中に、「特に、労働基準法に定める男女の同一労働における同一賃金の原則をさらに徹底させる」こと、とありますが、これはどういうことをするんですか。現在徹底させていますか。
○国務大臣(石田博英君) これは国内行動計画の中にも、それからILO百号条約、これは批准しておりますが、百号条約にも、それから労働基準法四条にも明確にされておることでありますので、監督の立場にある基準監督署を通じ、その趣旨の徹底に努めますと同時に、それに反した状態に対しては是正を求めておるところであります。
○田中寿美子君 ちょっとお答えが——現在どんなふうに徹底しておりますか。
○政府委員(森山真弓君) 労働基準法の第四条につきましては、その違反については労働基準監督署を通じまして是正をいたしておりますし、そういう問題の考え方について啓発指導という面では、婦人少年局も大いに力を入れてやっております。
○田中寿美子君 それは勧告権あるでしょう。 基準局長はどうですか。労働基準法四条違反の監督した事例は。
○国務大臣(石田博英君) 具体的な事例ですか。
○田中寿美子君 いいえ、数も。
○政府委員(桑原敬一君) お答えいたします。 労働基準法四条の条項につきましては、定期監督あるいは申告に基づきまして監督を実施いたしております。私ども手元にございますデータは、定期監督を通じまして違反を確認した数字でございますが、昭和四十九年は十九件、五十年は三十件ということでございます。なお、これ以外に申告監督がこれの二倍ないし三倍ございますが、これは監督署自体で数字を持っておりまして、本省では集計いたしておりませんけれども、この数のさらに二、三倍になると、こういうふうに考えております。
○田中寿美子君 同一賃金の違反はもうざらにあるのだけれども、監督は余り行われていませんね。きのう監督事例をお願いしたけれども、なかなか資料を出していただけませんでした。裁判も一件あるんですね。これは秋田相互銀行の、男女差別賃金体系に関する訴訟を起こして、五十年四月十日、秋田地裁で原告が勝訴しておりますけれども、非常に同一賃金の問題は、さっきの雇用を平等にするという問題と連動している問題ですね。 それで、この国内行動計画で、男女同一労働に対する同一賃金の原則をさらに徹底させると、同一労働同一賃金の原則というふうになっているけれども、これは同一賃金の解釈ですね、これはどういう解釈ですか。
○政府委員(森山真弓君) 国内行動計画に書いてございます同一労働同一賃金は、ILO百号条約あるいは労働基準法第四条に書いてございます同一労働同一賃金と同じ趣旨で、同じ意味でございます。
○田中寿美子君 ということは、同一価値の労働に対する同一賃金という意味ですか。
○政府委員(森山真弓君) たとえばILOの百号条約の趣旨は、賃金について性別を理由とする不当な差別をなくそうというものでありますし、わが国の労働基準法も、女子であるということを理由にして差別してはいけないということで、同じ意味でございます。国内行動計画は、まさにこれを進めるために同一労働同一賃金の原則の徹底ということを言っているわけでございまして、同じ趣旨でございます。
○田中寿美子君 ちょっとはっきりしないんですが、ILO条約の百号は日本も批准しているわけなんですが、これは「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」ですね。同一価値労働というのと同一労働とちょっと違うんです。男女は日本では同一労働をしていない部分が多いわけ、女の職場、男の職場というふうなんで。そこで女の職場が低く格づけされているわけですから、同一価値の労働の評価をやり直さなきゃいけないと思うんですが、その辺がこれはあいまいなんですよ、国内行動計画は。
○国務大臣(石田博英君) いま御指摘の点は確かに問題点があると思います。そしてその解釈を明確にすべきだと思いますが、現在労働基準法は制定されてもう三十年近い歳月がたっておりますので、このことだけに限らず、全体として見直しの途中であります。その中で明確にしていきたいと思っております。
○田中寿美子君 基準局長の解釈を伺いたいんですが、基準法ができた当時の同一賃金の原則というのはどいうふうに解釈されていたか。
○政府委員(桑原敬一君) お答えをいたします。 第四条は、条文にございますように女子であることの理由だけでその賃金に差別することは違反であると、こういう考え方でございます。したがって、基準法制定当初から、そのついておられます女性の方の技能とか能力とか、そういう問題でもし賃金に差があるとするならば、それはまた別の問題である。女子だけの理由で差をつけることは四条の違反であると、こういう考え方を伝統的に持っております。
○田中寿美子君 女子だけの理由というのは大変まだ解釈の仕方がいろいろあるわけですね。基準局長は基準法制定当時の解釈はこういうふうになっていることを御存じでしょうね。男女同一賃金の原則とは、「労働者が女子であることのみを理由として、或は社会通念として、若しくは当該事業場において女子労働者が一般的、又は平均的に能率が悪いこと、知能が低いこと、勤続年数が短いこと、扶養家族が少いこと等の理由によって、」差別的取り扱いをしてはいけないという解釈、これは基準局の二十二年九月に発している通達で出ているわけですが、その解釈をいまもとっていらっしゃいますか。
○政府委員(桑原敬一君) お答えいたします。 ただいま先生お読みいただきました解釈通達は、いまもそれで進めております。
○田中寿美子君 法律的に生きているというだけで、法解釈がね、現実に同一賃金の監督は非常に不十分だと思うし、これについての指導も私は不十分だと思います。最初の解釈のように、一般的に女子は平均的に能率が低いとか、知能が低いとか、勤続年数が短いとか、これは事実としてあったかもしれないけれども、そういうことを前提として考えたら、これは男女平等に違反するわけですね。ですから、百号条約のいう同一価値の労働に対する同一の報酬と、こういう観点に立ち、それから最初の解釈など入れて、そして男女同一賃金の原則というものについてきちんとした細則が必要だと思いますが、労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) いま御指摘の問題は、女子の雇用者全部に平均的に行き渡る問題ではない。そういうことが実際あれば、個々の事例であります。したがって、それが女子一般がそうであるという前提の上に立って差別を設けることは間違いであると、こう思います。
○田中寿美子君 労働大臣ね、女子労働の問題をもっと勉強してくださいね。大変なベテランでいらっしゃるのですから、力を出していただけば私ども大いに意を強くすることができますので、大変まだ不勉強でいらっしゃるように思います。 なお、国内行動計画の中で女子に対する法制上の特別措置についてという部分があります。その雇用平等のためには、男女が同じ基盤に立たなきゃいけない、現在の法制上の特別措置について合理的範囲を検討し、科学的根拠が認められない男女平等の支障となるようなものの解消を図る、これを内容を説明してほしいのです。
○政府委員(森山真弓君) いま先生がお読みいただきました文言の法制上の特別措置についてその合理的範囲を検討し、科学的根拠が認められず、男女平等の支障となるようなものの解消を図るというこの文章のことでございますが、これは特に雇用における問題といたしますと、労働基準法の三十年来も変わらずにおりますいまの労働基準法の法律及びその規則、関連のものを言っているものでございますが、これにつきましては、先生も御承知のとおり、かねて労働基準法研究会におきましてこの問題を取り上げていま研究をしていただいているところでございますので、その結論を待ちたいというふうに考えております。
○田中寿美子君 この特例措置というのは、女子労働の保護のことなんですね。労働大臣。それで、私はいろいろなことを言いたいけど、これは社労委員会で相当やっておりますので、一点、きょうは——労働大臣は秋田県出身で秋田杉が盛んにとれる森林県なんですね。そこで、労働基準局の方で基準法の中にある女子労働の保護を緩和し、制限をとろうというようなことを検討していらっしゃるその素案の中に、労働安全衛生法で処理できるからということで、こういうのがありますね。直径三十五センチメートル以上の立木の伐採の業務というのを、これは労働安全衛生法で規制が強化され、危険性が減少した、だからもうとってもよろしいというんですけども、労働大臣、賛成なさいますか。
○国務大臣(石田博英君) 私は基準法全体を見直しているということは知っておりますけれども、そしてまた同時に伐採事業その他に対する禁止の条項があることも知っておりますけども、それを手直ししようという検討が行われているということは知りません。そういうふうに実際問題として、私はいま初めて聞いて頭の中にふっと浮かんできたのは、直径何センチとか何とかというものだけをよって仕事をするということは実際問題としてむずかしい問題じゃないか。やっぱりその労働全体の状態から判断しないと、三十六センチのものはいけないけど三十五センチ以下はいいなんということは実際問題としてはむずかしいだろうと思います。
○田中寿美子君 労働大臣ね、秋田杉を切る現場にいらしたことありますか。
○国務大臣(石田博英君) あります。
○田中寿美子君 だから、三十五センチ以上といったら、これはチェーンソーを使わなきゃいけない。そうして、足場だってもうこんな斜めになっているところに生えている木ですよね。周りを刈って足場をちゃんと固めて、そこでチェーンソーという白ろう病を起こす可能性のあるそういうものを使いながら切る作業が女子に許されていいというふうにお考えになりますか。
○国務大臣(石田博英君) したがって、いま申しましたとおり、そういう労働全体が女子にはたえられないものだとして禁止しているわけですね。それを、もし実際にそういう検討が行われているものだとするならば、三十五センチ以下はいいといっても、そんな区別を現場においてできっこないわけです。したがって、私は、そういう検討自体が現実に実行不可能なものである。その検討が行われているということ自体を私は肯定するわけじゃありませんよ、知らないんですから。そういう報告は受けておりません。しかし、実際あるとするならば、そういうことはそんな器用に分けられるものではないし、それから労働する場所の条件そのものが非常に困難な条件の中にあると思います。
○田中寿美子君 いまのは一例でして、そういったような種類のものがみんな緩和される検討課題になっているんですね。そして、これは、基準法そのものをさわらなくたって、規則の方で外すことができるようになっている。こういうようなことを特別措置の中で考えるということであれば重大な問題だと思っております。その他いろいろ問題がありますけれども、よく今後調べてみてください。一体その特別措置というのは何をやろうとしているのかということですね。もう男性にだって危ないようなことをみんな安全規則がありますから外しますと。こんなことは禅問答みたいですよね。 以上で、私は時間がありますから、労働大臣ね、婦人の労働、雇用に関して大いにもっと意欲を燃やして督励していただきたいと思いますね。そして、男女が——これは私どもは男性も女性も同じように労働権を保障するべきであるということを主張しているわけですね。そのためには、環境や条件を整備していかなきゃいけない。そして、母性というハンディ、それがハンディにさせられているから、そういうものを取り除くようにしなかったら、男女の平等、雇用の平等は行われないということで、そのためにちゃんとした機関を設けて促進してほしいということなんであって、したがって、国内行動計画はもっと望みを高く持つべきであるということを申し上げたわけなんです。 総務長官、以上お聞きになっていらっしゃって、もっともっと一般の女性、それから私どもももっと意見を聞いてもらいたいし、私どもは婦人問題担当室に怒りをぶつけたって、これは総理府というところはどうしようもないところだと思うのですね。もっともっとこれを強化するための協力は惜しまないのですけれども、もっと私どもは一般の人の意見を聞くべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤田正明君) どうも、総理府というところはどうしようもないところだと言われると、はなはだ答弁に困るのですが、後段おっしゃいましたように、国民各層から意見をよく聞いてやれということは、今後ともそのようなつもりでいたします。
○田中寿美子君 労働大臣が急いでいられるということを聞いておりますが、私は民有林の林業政策と林業労働者の待遇、あるいは国有林の財政の問題をお尋ねしたいと思っているのですけれども、労働大臣が急いで帰られるという話を聞いていたものですから私は協力してしまって大変怒られているわけですけれどもね、順序をちょっと変えて。 総理大臣が資源小国資源小国と盛んに言っていらっしゃるけれど、私もいま日本じゅうを飛び回っていて、いかに森林地帯が多いか、そしてその森林が青々していいところは民有林だと、はげていて変なところは国有林だというふうに、これはもう常識なんですね。それで、日本の森林が国土の六八%もあると、それにもかかわらず外材をほとんど輸入している、六八%も輸入している、こういう状況で森林資源の造成ということは非常に重要だと思うのですが、その場合に、隘路として労働力がないとか、資金が不足だというのは、これは民有林の人たちの言い分だと思いますが、御津知でしょうね。
○国務大臣(石田博英君) 民有林の方になかなか労働力が行かないというような事情は私は聞いておりませんけれども……。
○田中寿美子君 いえ、行きますけれども、全体として労働力不足。
○国務大臣(石田博英君) そうでしょうか。具体的な事例の報告を受けていませんが、いま初めて私が聞くことなんですけれども。
○田中寿美子君 じゃ、それは農林省。
○国務大臣(鈴木善幸君) 森林、林業の問題は、御指摘のように、住宅建設その他国民生活に必要なものでございまして、また、最近、国土保全あるいは水資源の涵養というような広域的な面からも森林林野事業の重要性というものが見直されてきておるわけでございます。そういう観点から、農林省といたしましても、計画的に林業の発展のために努力をいたしておりますが、ただいま御指摘の民有林の植林あるいは伐採、保育等々の面につきましては助成もいたしておりますし、融資等につきましてできるだけのめんどうを見ることにいたしまして、民有林の面における労働者の確保等につきましても今後も努力をいたしてまいりたいと考えております。
○田中寿美子君 どちらも余り私の質問に答えていただいていませんけれども、全体として林業に働く人の労働条件が非常に悪くて、雇用が不安定、これは秋田県出身の大臣だし、こちらは岩手県ですから、両方とも大変森林県でよく御存じのはずだと思うのですね。民有林の中にはそれこそ一人親方みたいな人もいるわけでしょう、チェーンソーをかついで山から山へ。そういうことで、労働条件がはっきりしない。労使関係がちゃんとしない。雇用が不安定で、賃金がとても低いですよ。国有林も低いけれども、民有林はもっと低い。そこで労働災害がしばしば起こっているけれども、たとえば白ろう病なんかの認定もむずかしいという状況になってくる。それで老齢化していますよね、みんな山で働く人たちが。後継者がない。この雇用安定をするために、そして労働力を確保するために、どういう方法をとるべきかということで、社会党では、林業労働法の必要を叫んでいるわけなんです。それで法案をつくって登録制を実施したらどうだろうか、そして身分の安定を図ったらどうだろうかというふうに思っているわけなんです。建設労働法の後には林業労働法、これは労働大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(石田博英君) 労働力不足という御質問でございましたのですが、私どものところへ、御指摘のとおり私ども林業県でありますが、いままでそういう不足という面での話は余りなかったんです。余りというか、ほとんどなかった。ただ、過疎地でありますので、そういう意味からなかなか人手が得られない、また若い人が外へ出るから老齢化すると、そういうことは確かにある。それから賃金は国有林に比べて低いということも聞いております。それからたとえばチェーンソーなどを使う場合に、白ろう病を予防しますときに時間制限をしております。その時間制限を収入を補うためになかなか守らないというような状態にあることも知っております。 建設労働法とかあるいは港湾労働法とかというような特殊な労働者に対する立法はされておりますので、林業のそういう状態についても検討しなきゃならぬ問題だとは思っております。
○田中寿美子君 私は、実は、この問題は前の労働大臣のときに社労委員会でもうすでにやっておりますけれども、また改めてやりたいと思うのですが、そのときに、これまで現行法でやれますよというのが衆議院でも労働大臣のお答えだったし、職業安定局長がそういうふうに……。だから、現行法でも、登録制を実施しなくたって、あるいは健康診断のことや何かも、民有林でほとんど行われないわけですが、やっていたって、ちゃんと規制ができなかったり、それから労災の認定もしにくかったり、白ろう病と認定されたら働けなくなるという心配をするわけですから。そういうことで、林業労働法をつくったらと言ったら、いや、現在のままでやれますというふうに言われたので、どういうことをやられたか、最近ですね。
○政府委員(桑原敬一君) 基準局サイドの問題にどうしてもしぼらざるを得ませんけれども、林業労働者の一番問題は、やはりいまお話しのように、チェーンソーを使って白ろう病が出るというような問題が一つございます。したがって、まず第一には時間の規制をしなきゃならぬということで、チェーンソーの取り扱い時間を二時間というふうに決めて現在指導をいたしております。それからチェーンソー自体の構造を改善しませんと、非常に振動数の多いものはやはり問題がございますので、そういったチェーンソーの構造規格を改善し、これを事業主に徹底させるというふうなことをやっております。 それから健康診断の問題がございますが、どうしても僻地にございますので、医療機関もないということで、巡回健康診断というものを徹底いたしまして、その対象数もふやし、五十二年度は一万人を予定いたしておりますけれども、そういったことで十分予防をしていかなきゃならぬという問題がございます。それから現実に白ろう病にかかられた方に対する治療というものが十分でございませんので、治療基準というものをつくりまして、関係の医療機関に全部配りまして、その治療方法の徹底をいたしております。なお、病院には白ろう病を治すいろいろな器械器具というものが不十分でございますので、五十二年度からそういう器械を貸し付ける制度を考えまして、そういったことを徹底いたしております。 なお、問題は、やはり賃金の問題、労働時間の問題等非常に相関連いたしておりまして問題がございますので、私どもといたしましては、監督機関だけではなかなか手が届かない面がございますので、林業災害防止団体、そういう協会がございますので、それを通じて、役所、そういう民間が力を合わせて労働条件の改善なり災害の防止に最大の努力をいま続けているところでございます。
○田中寿美子君 それが実際にほとんどやられていないのですよね。林災防に全部任せていて、そして監督はほとんどできない状況にある。だから、やっぱりきちんとしたそういう登録制でもつくっていうのが私たちの趣旨ですけれども、この問題は後にまた別のところでやりたいと思います。 農林大臣ね、農林省が五十一年に実施した林業経営意識調査というのによりますと、人工林を持つ林家の半数が、下刈り、つる切り、除伐などの保育作業ができないと言っているのですね。これは人手不足だと。これと、それから資金の問題ですね、これは重大だと思いますが、御存じですね。
○国務大臣(鈴木善幸君) 下刈りでありますとか保育でありますとかいうこの仕事は、森林経営の面で非常に重要な役割りを持っておるわけでございます。そこで、人手不足と、山村が過疎化が進行しておる中で、その労働力を確保するということはなかなかむずかしい問題ではございますけれども、民有林に対しましても融資、助成等をいたしまして、いま御指摘のような点についても林野庁としても十分意を用いてまいっておるところでございます。
○田中寿美子君 いまの資料をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 意識調査につきましては統計情報部でやりましたものですから、後ほど統計情報部と打ち合わせをいたしまして御返事いたします。
○田中寿美子君 もらえないわけですか。
○政府委員(藍原義邦君) 林野庁でやった資料でございませんので、申しわけございませんが、いますぐちょっと即答いたしかねますので、統計情報部の方とよく打ち合わせをいたしまして対応いたしたいと思います。
○田中寿美子君 農林省の資料ですね。農林大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 統計情報部で調査をしておるようでございますから、早速調べましてお届けするようにいたします。
○田中寿美子君 時間が経過しましたので、私は、木材需給の見通しなどから国内産の材に重点を置いていかなきゃならないだろうと、だから造林をどんどんやらなきゃいけないはずだということなどについてもっとお尋ねしたかったのですが、そこは飛ばしまして、国有林における手抜き造林のことについてお伺いしたいと思います。 農林大臣は、目刈りとか坪刈りとか高刈りとかいう言葉があるのを御存じですね。どういうことですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 専門的なことなものでございますから余り承知しておりません。
○田中寿美子君 林野庁はどうですか。
○政府委員(藍原義邦君) いま先生がおっしゃいましたのは、下刈り等に対する手抜きに対する批判的な名前だと思いますけれども、私ども、下刈りにつきましては、造林について保育が一番大事であるということで重点的に現在も指導し実行させるようにいたしております。
○田中寿美子君 いまの言葉の意味はどういうことですか。
○政府委員(藍原義邦君) 当初申し上げましたように、手抜きをして下刈りをしたということに対する批判的な言葉であろうというふうに考えております。
○田中寿美子君 もうちょっとはっきり言える人に説明さしてください。
○政府委員(藍原義邦君) 先生おっしゃいましたのは、坪刈り、目刈り、高刈り。ですから、目刈りと申しますのは、実際に刈らないで目を通してやってしまったと、目だけでやったと。それから高刈りというのは、もっと低く切るべきところのものを高いところで切って、本当の主林木の保育にならなかったということだろうと思います。
○田中寿美子君 坪刈りは。
○政府委員(藍原義邦君) 坪刈りは、全面的に刈るものを部分的に刈ったというような意味だろうと存じます。
○委員長(小川半次君) 起立してやってください。
○田中寿美子君 最初に言ってあるんですもの。
○委員長(小川半次君) 質問は必ず起立するんです。その場合は時間はとっていませんから、ちゃんと……(「いや、答弁が悪い、答弁が悪いからそうなっちゃう」と呼ぶ者あり)いや、どんな場合でも起立しなきゃいかぬ。
○田中寿美子君 いま、私、前のルールしか知らないので、このごろのルールを知らないものですからね。ですから、私の聞いていることをちゃんと答えられないものだから聞いているわけです。 そういうふうないま説明がありました。そういう手抜きがあるという事実を御存じでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 私ども、造林事業につきましては、林業の仕事の中でも中心的な仕事であるとして積極的にやるように指導いたしておりますので、国有林の造林事業について手抜きのようなことがあるということは考えておりません。
○田中寿美子君 これをちょっと見ていただきたいんですが、農林大臣。説明していると時間がかかりますから、ちょっと見ていただきたいんですけれど。いま見ていただいておりますけれども、手抜き作業というのがあちこちであるわけなんですよ。これは全国的に全林野労働組合も点検して歩いているわけなんですが、長野営林局臼田営林署の海瀬担当区茂来国有林ですね、その中でのこれは造林の絵なんですけれども、赤い線の引いてあるところは造林の作業をしていないんですよ。していないけれども、ちゃんと実施したという実行済み報告を出しているわけなんですが、そういうようなことをしてよろしいものでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) かようなことがあってはいけないわけでございまして、今後十分営林署、営林局等を督励をいたしまして、今後さようなことのないように厳重に注意してまいりたいと思います。
○田中寿美子君 その中に写真がありますので、写真をごらんになりますと、明らかに下刈りも何もしていなくて、だから、中に生えている樹木がひょろひょろともう弱ってしまう。これでは資源小国資源小国と言って資源を大事にしなきゃいけないと言っているその総理大臣のもとで、日本の山は荒らされていく。そして、材木というのは、五十年、六十年、もっとたたなければ役に立たないものですから、いま乱伐してしまった後ですから造林が非常に大事なわけですね。そういうことの手抜きをするということがあったとしたら、それは不正な支払いをしたということになりませんか、実行済みのあれを出して。(「林野庁どうだ、林野庁」と呼ぶ者あり)
○委員長(小川半次君) 目黒君、不規則発言はいかぬ。
○政府委員(藍原義邦君) いま大臣からお答えいただきましたように、万一作業等に手抜きその他がございましたら、こういうものにつきましても私どもは厳重に対処しながら森林の造成を図りたいと思っておりますが、ただいま先生御指摘の個所につきましては、私どもただいま承知いたしておりませんので、早急に調べまして対応してまいりたいというふうに考えております。
○田中寿美子君 きのうおたくの林野庁の森本労務課長ですか、まあこの方は、私、林野庁というのはおとなしい人ばかりいるのかと思ったら、大変なタカ派の方でいらっしゃいます。それで私がそれを言ったら、そういうことは絶対にないと。だから、もしあったらどうですか、これは不正支出じゃないですかと言ったら、いや、過剰支払いとでも言うべきでしょうねと言われましたが、そんな態度でいいですか。大蔵省、どうですか。——ちょっともう一遍説明します。大蔵大臣、わかりましたか。
○国務大臣(坊秀男君) 主計局長をしてお答えさせます。
○政府委員(吉瀬維哉君) 私ども一般的に手抜きの実態をよく把握しておりませんけれども、もし国費を有効に支出するという面からいわゆる支出目的が有効に発揮されないような支出だとすれば、それは問題であるかと思っております。
○田中寿美子君 主計官というのは予算をつける大事な人ですから、山を見に行ってください、現地を。どうですか、大蔵大臣。
○政府委員(吉瀬維哉君) できるだけ必要に応じまして実態を把握いたしたいと思います。
○田中寿美子君 これは出来高払い制なんですよね、森林の中は。だものだから、予算単価が低いので、出来高払いの額を上げたいので、やらなくてもやったようにしたいというような心理が働いているのじゃないかと思うのですが、この制度のことをどう農林大臣は……。
○政府委員(藍原義邦君) 林業の仕事には確かに出来高払い制度をとっておるものもございます。これは先生御存じのように、林業というのは非常に広範囲な地域で自律的な性格の強い労働でございますので、そういう意味からも、労働の対価として支払わるべきものはこういう出来高制をとった方がいい場合もございます。それとあわせまして、営林局署の場合には、その現場の作業量をどういうふうに決めるかということについては、現場の方々と一緒になりまして作業量を毎年決めて、お互いに作業量を納得し合った中で出来高制をやっておりまして、私どもといたしましても、今後も、林業の性格上、こういう賃金支払い形態はとっていきたいというふうに考えております。
○田中寿美子君 最近は山の問題が非常によくマスコミにも報道されるようになりました。たとえば松枯れの問題で農薬の散布の問題だとか、あるいは白ろう病の問題だとか、いろいろ問題になっておりますが、国有林財政に関してですが、その財政が非常に窮屈である、独算制で。そこで、労働者の待遇が非常に悪い。これはもう営林署の役人は月給制の人も大変低いですよ。十五年から二十年働いて十二万円ぐらいしか手取りを取っていない。山の労働者も非常に低い。 最近、営林局や営林署で、定期作業員の雇用をめぐって、高齢者に対して一斉に画一的に採用を拒否する、採用時の健康診断を受けさせないで採用を拒否するというようなことが起こったり、それからたとえば札幌などでは振動病の診断書を提出した三十二名に対して二十四名を認定拒否をするというようなことが起こっているのですね。国有林で働いている者が非常に低い賃金で悪い条件で働いているのにこういうことをしたのでは森は守れないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 国有林事業の労働関係、待遇の改善の問題、そういう問題につきましては、ただいま関係省庁とも協議をいたしておりますが、また一方、労使の間でも話し合いを真剣にやっております。五十二年度から常用として身分をはっきり確立をしたいということにいたしておるところでございます。なお、その他の労働者に対しましては、これまた労使の間で現在話し合いをいたしておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 関連。
○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。目黒今朝次郎君。
○目黒今朝次郎君 国有林労働者の問題、あるいは林業労働者の問題について三点だけ関連質問をします。 第一点は、国有林関係ですが、五十年に鹿児島の屋久島で佐々さんという方が亡くなりました。それから去年は高知で竹邑さんという方が亡くなりました。このお二人については、主治医の方が振動病に伴う死亡だと、こういう診断書を書いて争いがあったわけですが、高知の竹邑さんの点についてはわれわれもいろいろやりまして、ことしの四月一日付で業務上死亡と、こういう認定がされまして、あとの屋久島の件については、いま資料が足りないから若干時間をかしてほしいと、こういう振動病で亡くなるという事態が生じた。ところが、今月に入って四月の四日に函館の長万部営林署の佐藤健助さんという方が、これまた振動病と脳梗塞ということで亡くなった。こういうふうに、振動病という問題は、単に手が白くなるという段階を越えて命取りのところまで来て、それも業務上認定と、こういう大変な事態に来ているのだと、私はこう思うのです。しかし、われわれが調べたところでは、このほかに労使で争いがあるやつが六件ほどあります、民有林を含めて。こういうことになりますと、私は、振動病に対する治療対策それから予防対策という点をもう一回根本的に、予算があるとかないとかにかかわらず、人命に関する問題にまで発展しているのですから、根本的に見直す必要があると、こう思うのですが、これは労働省、林野庁、労働大臣、それから金を握っている大蔵大臣を含めて、やはり根本的に見直すべきだと、この点に対する見解を聞きたい。 それからもう一つは、振動病が、国有林は昨年の十二月三十一日現在で三千七十四名認定されている。これは認定基準が非常に厳しい中でもこれだけの認定者がおる。(「何ですか」と呼ぶ者あり)振動病の認定者が三千七十四名、大体三割前後の方がある。これはきのうも私は人事院の公平委員会にも行ったのですが、人事院に言わせると、ある程度の基準をつくって林野庁に権限を与えて認定については弾力性を与えていると。人事院に行くとそういう説明なんですけれども、林野庁に行くと非常に厳しいという点で、非常にちぐはぐになっているのですけれども、私は、現実にチェーンソーを使って作業をやっているのは林野庁自体が一番わかっているのですから、死亡者まで出ている振動病の認定について、やはり労働者の申し出ということをもう少し大事に認定する方針を私は姿勢を変えるべきだと、こう思うのですが、この認定の姿勢について二点目にお伺いします。 それから三点目には、何か予算委員会で今回の常用化、常勤制の問題について労働争議でストライキをやった者については常用化、常勤制の際にするとかしないとかという論争があったと聞くわけですが、私は労働の問題と常用化の問題は別個の問題だと、こういう考えなんですが、労働大臣の見解を聞きたい、こう思うのであります。 それから最後に、民有林の関係について先ほど基準局長からあったのですが、それは答弁としてはわかりますけれども、実際、私は、屋久島、高知、宮城県気仙沼、それから札幌、北見、函館、それから長野と、全部民有林の方々に会って来ましたが、振動病で三級以上という方々が大体七〇%ないし八〇%。それからチェーンソーの振動規制をやっていますけれども、これは三G以下でやっていますけれども、民有林の方々はみんな五Gとか六Gとか七Gとかという古い機械を使って、しかも七時間も八時間も使っている。そういうことで、民有林関係はもう本当に見るに忍びないというくらい悲惨なものだと、私はこう思うのです。ですから、これは単に農林省、林野庁ということでなくて、厚生関係も含めて、やっぱり民有林の職業病対策を抜本的にやらないと、林災防に任したってどうにもならぬ。ですから、抜本的なことを考えるべきだと、こう思うのですが、以上四点について関連質問をいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 白ろう病による死亡者が出ておりまして、本当にお気の毒だと考えております。屋久島、高知、秋田、それから函館というようなことを私は聞き及んでおるわけでございます。御指摘のように、高知県の方につきましては、四月一日に業務上死亡の認定がなされたわけでございます。今後、屋久島、あるいは秋田、函館等につきましても、十分資料等も整えまして、前向きでその審査を検討を進めてまいりたい、こう思っております。 なお、白ろう病患者の認定の問題が非常に厳しいという御指摘でございますが、この点につきましては、林野庁長官から御説明を申し上げることにいたしたいと存じます。 なお、白ろう病対策につきましては、こういう職業病が今後発生することを未然に防止するということがやはり基本だと、こう考えておりまして、伐採機具の改良でありますとか、整備でありますとか、また、労働時間の問題でありますとか、いろんな角度からこれを検討いたしまして、白ろう病の発生が少なくなるようにこれは国有林、民有林を問わずやってまいりたいと考えております。 なお、治療機関の整備の問題でございますが、この問題につきましては、厚生省、労働省、関係省庁ともよく協議をいたしましてその整備に努めてまいりたいと思います。病院を専門の病院をつくったらどうかと、こういう御要望もあるわけでございますが、それを待っておれない状況にもございますので、国立病院その他に病棟等も増設をする、また機具等も整備をするということで当面早急に対処をいたしたいと、こう考えております。 なお、常用化を五十二年度から実施するわけでございますが、この点につきましては、私どもはその任用については十分適正にやってまいる考えでございます。
○国務大臣(石田博英君) 白ろう病の見直しの件でございますが、この白ろう病により亡くなった方が出られたと、そういうような実情、それから白ろう病にかかっている人が多くなってきている、そういう実情について検討し直すことは無論必要だと思いますけれども、その前に、現在とられておる措置を厳格に徹底することがなお必要じゃないか。その徹底することを妨げている要件を排除することにまず努力をいたしたいと思います。 それから林野庁の労働者の常用化の問題でありますが、争議云々というお話がありましたけれども、公共企業体の争議はこれは法律で無論禁止されているところであります。そういう常用化の基準その他は、林野庁においてお決めになることでありますけれども、労働組合の所属のいかんとか、あるいはそういうような勤務条件と関係のないことによって差別はされるべきものではないと、こう思います。
○国務大臣(坊秀男君) 白ろう病については、耳にいたしております。そういったような場合に、財政当局としてはどうするんだと、こういう御質問でございますが、農林省や労働省が事実等について深く調べていただいておる。そうすると、事実認定だとか、あるいはその因果関係だとか、あるいは、そういったような場合に財政がいままでどういうことをやっておったかというようなことをよく調べまして、そして、でき得ることはやってまいりたい。それについては、国の仕事もありましょうし、民間の仕事もありましょうし、あるいはそういったような場合に保険を使っていくとか、保険の対象を広げるとか、そういったようなこともありましょうし、いずれにいたしましても、そういったような不幸せな病気になった人に対しましては、何かこれは総合的に考えてやっていくのが一つの政策であろうと思いますが、要するに検討を要する重大な問題だと考えておるわけであります。
○目黒今朝次郎君 ちょっと再質問を簡単に。
○委員長(小川半次君) あなた六分半しゃべっている。(笑声)じゃ、もう一問だけ。
○目黒今朝次郎君 これは、農林大臣ね、白ろう病の問題が、悪化するのは、循環入完と言いまして、病院の設備がないものですから、三カ月、四カ月入院すると次に交代と、こういう循環入院方式がずっとたまりたまって悪化しているのですよ。どうしてもやっぱり絶対数が足りないというのが一つ。 それから大蔵大臣ね、民有林の方々の対策は、何といってもやっぱり金を出して思い切って一斉検診をさせる以外にないのですよ。ですから、本当に死亡者も出ない前に特に民有林に対する配慮を財政的に特に要望しておきます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど申し上げましたように、白ろう病の認定を受けた患者の方々の医療の問題につきましては、私も不十分であると、こういう認識で、専門病院の設置等の御要望もありますけれども、そこへいく前に、とにかくいま認定をされておる方々の治療ということを急がなければならないということで、国立病院その他に病棟等を増設を願いまして、これは厚生省その他と御相談しなければなりませんが、そういう方向で対処してまいりたい、こう考えています。
○田中寿美子君 さっき、基準局長が、民有林に対してはこれこれこれだけのことをしておりますとおっしゃった。これは通達行政でして、本当に監督官がちゃんと行っていない。きょろ監という言葉がある。さっきの目刈りに相当するものですね。もっと本気でやってもらいたい。 そこで、山で働く人たちは高齢者がだんだん多いわけですね、若い人が入っていかない、余りこんな状況で。それで定期作業員に対して画一的に今度は採用拒否をするというようなことをしないで、退職後の生活の保障をさせるために民有林のような退職共済制度を考えられないかということをお伺いしたい。これは労働大臣に関係すると思いますが、そうでないと、いつもいつも働けない期間は出かせぎに行かなきゃならないのですね。ちょっとそこのところを……。
○政府委員(藍原義邦君) いま、国有林につきましては、国家公務員でございますので、国家公務員の退職手当法が適用になっておりまして対応いたしておりますが、民有林につきましては、一、二の県では県単位でやっておるところもございますけれども、全国的なものとしてはそういうものは現在やっておりません。
○田中寿美子君 やる気はないかと言っているのです。
○政府委員(藍原義邦君) 民有林の場合は、あり方につきましては農林省の直接の担当でございませんし、私どもとしては現在そういう制度をいますぐ直ちにというふうには考えておりません。
○田中寿美子君 定期作業員の中には……
○国務大臣(石田博英君) 民有林はこっちなんです。
○田中寿美子君 だから、労働大臣に聞いているわけです。苗畑で働いているような女の人が多いわけですよね。この人たちは、今度、常用化、常勤制から外されるのですよ。こういう人が高齢でも退職可能な条件づくりをしてあげなきゃいけないわけですね。——だれの管轄かわからない。
○国務大臣(鈴木善幸君) 確かに複雑でございます。この常用につきましては、大体、年齢の問題は、三公社、五現業並みということを私は考えておりまして、そういう方向で関係各省庁とも話し、また労使の間でもそういう方向で話し合いをいたしておるところでございます。 それから定期作業員の方々は大体いま六カ月ぐらいという稼働日数になっておりますが、これも地域によって大分違います。寒い方もありますし、暖かい方もございますし、積雪寒冷地帯もございます。そこで、仕事をできるだけ探しまして何とか九カ月ぐらい稼働できるようにしたいと、こういうことでせっかく努力をいたしておるところでございます。
○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。対馬孝且君。
○田中寿美子君 ちょっと待ってください。いままだ不十分です。労働大臣……。
○国務大臣(石田博英君) 民有林でも一般の中小企業と同じように中小企業退職金共済制度それから労災保険の適用は受けます。しかし、民有林の労働者は、非常に移動が激しいわけです。働く場所が変わる場合が多い。だから、そういうことに対する特別の措置としては、現在のところは建設業とそれからお酒の従業員しかやっておりません。そこで、民有林の場合もこれは検討しなきゃならぬものと思っております。
○田中寿美子君 国有林の場合は。
○国務大臣(石田博英君) 国有林は私の方ではないんです。
○田中寿美子君 だれですか。
○政府委員(藍原義邦君) 国有林につきましては、先ほど申し上げましたように、一応雇用は大体八カ月あるいは九カ月になっておりまして、その後は国家公務員法の退職手当法適用になりまして、退職手当あるいは失業保険というものが出ております。そういう形で今後ともわれわれとしては対応していきたいと思っております。
○田中寿美子君 共済制度をやる気はないということですか。
○政府委員(藍原義邦君) いま申し上げたような形でやっていきたいと思っておりまして、共済制度まで現在考えておりません。
○委員長(小川半次君) 対馬孝且君の関連質問を許します。
○対馬孝且君 いま、大臣から、出かせぎをしないように対策をとってまいりたい、こういうことでありますが、現実に北海道で、私は当委員会の四日の委員会で申し上げたように、いまなお二十九万六千人の出かせぎの状態が未解決の問題であります。したがいまして、何といってもこの問題が早急に解決をしなければなりません。四日の委員会で、石田労働大臣は、当面企業の発注工事を促進する等の対策を中心にして、通年雇用を前提といたしまして職業訓練等の問題について現在事務ベースで検討を開始していると、こういうお答えが私にございました。それで私はこのことをもっと具体的に詰めたいのでありますが、具体的にという意味は、具体的に言いますと、職業訓練ということについては、大臣御存じのとおり、北海道では学校は限られているわけです。一方は二十九万人おる、学校は私が知っておる限りでは千名足らず前後であると、こうなってまいりますと、それ以外の問題の解決は一体どうするんだということが出てくるわけであります。これら等ももちろん事務当局で検討されることでありましょうが、大臣のこれからのこの作業を進めるに際しての考え方と具体的な方向をひとつ示していただきたいということが一点であります。 それから第二点の問題は、われわれは法案を提出いたしておりますので、五十日から九十日の法案を提出いたしております。そこで、繰り上げ発注工事ということを言っておりますが現在、北海道庁を中心にしてプロジェクトチームを編成して作業をいたしております。このめどがいつごろ具体化されるのか、この二点についてお伺いいたします。
○国務大臣(石田博英君) 第一の点は、通年雇用を確保するということが一番大切なことでありまして、今日のような不安定な就業状況をいつまでも同じように続けてその場その場を糊塗しておっても解決はしないと思うのです。いまは二十九万六千人という数字、まあ数字の問題は私どもの法案と違いますけれども、その中でとにかく冬季にそういう手当てをしなきゃならぬ、措置をしなきゃならぬ者は約七万人と私どもは算定をいたしております。そういう人たちを常用化あるいは通年雇用するためにはやはり技術的な訓練をしてもらわなきゃならないし、その訓練をすることによって訓練手当等の支給もまた可能になってくるわけであります。したがって、明年度の予算の際にはこれを前進せしめるように最大の努力を、——ここに大蔵大臣がおりますから、私が約束しても私一人じゃなかなかあれですから、最大の努力をいたしたいと思います。 それから工事の促進でありますが、現実に五十一年度補正予算の分については百六十二億、これは二月二十五日全部発注を終わっております。それから災害復旧、これは債務負担行為で五十一億、これも終わっております。五十二年度予算の執行は、例年よりかなり早く、まあ何日とは申せません。御指摘のように、道庁を中心にしてわれわれの方と、あるいは建設省その他と打ち合わせをしておりますけれども、まだはっきりした結論には達しておりませんが、例年よりはかなり早く、私どもは一カ月くらい早くしたいという目途でやっておりますが、どうもその一カ月というお約束はできませんが、できるだけ早く実施いたしたい、こう考えております。
○対馬孝且君 終わります。
○田中寿美子君 さっきの退職共済制度の問題なんですけれども、農林大臣、今度から常勤化するようになったとおっしゃるけれど、そのかわり高齢者が全部首になるわけなんですよね。それで、こういう人たちは、みんなもうずいぶん高齢化しているけれども、やっぱり山で働かなければならない状況にある。それから女子の苗畑作業員がたくさんいるわけなんですが、こういう人たちが退職可能な条件をつくるのには、やっぱり何か退職共済制度みたいなものが必要だと思うので申し上げたのですが、この間、林政審議会で、秋田県知事から、そこの秋田県ではこういうことをやっているという話があって、そういうものを北村委員が提案しましたときに、当局は考える余地があると答えているのですが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 常用になった場合におきましてのことは、これは国家公務員——林野庁関係は国家公務員の共済でいくわけでございますが、民間の関係につきましては、県によりまして若干実施しておるところもございます。私どももそれを注目しておるわけでございますが、今後ひとつ検討課題としてその共済制度というものを私どもも勉強したいと思っております。
○田中寿美子君 それじゃ、最後に、国有林財政、これは非常に苦しいんですね、独算制ですから。一般会計からもっと負担してもらいたいと思うのですが、造林あるいは林道への助成、そういったものを一般会計からもっとできないかどうかということです。今度切られています。
○国務大臣(坊秀男君) 国有林野の仕事が非常にいま収支が苦しくなっておるということでございますが、伐採量がだんだん減少しておる、今後もそれがふえてこないというような理由でその収支が大変苦しくなっておるということで、それに対しまして一般会計から繰り入れろ、こういう御注文でございますが、それにつきましては、何としてでも国有林野の会計経理の改善ということをやっていかなければならないということで、これは農林省でございましょうけれども、林政審議会あたりが鋭意努力を重ねていっておるということでございますが、私は、その林政審議会あたりが、農林省を中心としたそこらあたりが、何らかの総合的な計画を、これを策定していただけるであろうと。そういったような策定される総合的政策の一環として、いまの一般会計から繰り入れるというようなこともそれの検討の結果考えてまいるべきものであって、赤字になっておる、非常に会計が苦しい、それだからひとついち早く国の一般会計から繰り入れていくということもさることながら、総合的な政策をひとつ考えていただいて、そしてそれの一環として検討してまいりたい。 それからさしあたって当面の問題といたしまして、林道事業、造林事業等に対しまして、たしか五十一年に四百億、五十二年に八百三十億という借入金を導入いたしておることもひとつ御理解願いたいと思います。
○田中寿美子君 緑の山を守って、それから水資源を守るという公益的な役割りを森林というのは持っていますね。林道だってみんなが使う。ですから、一般会計から造林や林道への助成措置をするということは非常に必要じゃないか。毎年要求して、けられて、少しずつしか入っていないわけです。 それからいまおっしゃった五十一年度の借入金、まあ財投から借りているわけなんですけれども、五十一年度四百億、五十二年度八百三十億、そうすると、七・五%の利子なんで、利子だけでも五十二年度に対する利子は九十二億円払わなきゃならない。これは利子も高いですね。だから、利子補給というようなことも、大蔵大臣、考えられないでしょうか。そういう意味で、公益的な部分で、公益勘定の新設をして、そこにもっと利子補給だとか、それからそういう補助を出してもらうということを考えられないかどうか。
○国務大臣(坊秀男君) ただいまのところ、おっしゃるとおり、資金運用部から七・五という利率でもってお貸しをしておるということですが、この七・五という利率は、資金運用部のほかのものに対しましてもそういったようなことでやっております。なおそれより高いところも幾らかありますけれども。そこで、林野に対しましてもそういった方式で今日はやっておりますけれども、実は私も林野ということについてはこれは非常に大事にしていかなければならないと、こういう気持ちは変わりはございません。林野の仕事というものは、一つはやっぱり経済的な企業性を持っておる。しかし、そのこと自体が社会的、環境的な考えから申しますと、国土保全、災害防止といったような大事な役割りを果たしておるのが私は林野だと思います。そういったような考え方からいたしますれば、今後、林野というものについてはやっぱり見直していかなければならないという気持ちは私も腹の底には持っておるのですが、さて、それなら、いまどういったような具体的な制度をやっていくかということについては、そういったような抜本的な根本的な考え方を立てまして、そうしてその一環としてできるだけそういったような計画が林野の目的を果たさしむるように持っていくのが筋だと思っております。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして田中寿美子君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、糸山英太郎君の質疑を行います。糸山英太郎君。
○糸山英太郎君 農林大臣の時間がないので、先に日ソ漁業交渉の問題を始めます。 けさのニュースで伝えておりましたが、日ソ漁業交渉で園田特使が大変苦戦をされているようです。その点でお尋ねしますが、米ソ両国が三月一日から二百海里専管水域を実施したことから、わが国では二百海里時代来るという声がありますが、二百海里は七〇年代に入ると同時に実はスタートしていたと言っても言い過ぎじゃないと思います。失われた権利の回復を掲げて行動を起こした多くの途上国に、海洋先進大国が後から便乗するようになった経過は、私が言うまでもないことです。こうした世界の動きを海洋国家日本として的確にキャッチしてきたのかどうか。私の情報では、大臣ね、日本は十二海里も二百海里宣言も三年おくれたということ、これはオフレコになっております、はっきり申しまして。しかし、三年おくれたとはっきりソ連側は言っております。私も確かにこれは立ちおくれたと率直に感じております。農林大臣と外務大臣、これをどう思われますか。 また、政府は、今国会に二百海里法案を提出されておりますが、一日も早くこれは上げなきゃならない問題だと私は考えておりますし、協力もしますが、私の許せない問題は、三年おくれたとソ連から言われているような状態で、一体日本の国は何をしているんだと、まずその点から御答弁願います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、国連海洋法会議で漁業専管水域あるいは経済水域、この問題が討議をされまして久しくなるわけでございます。私どもは、海洋漁業国家として、できるだけ公海は自由であり、また公海上の漁業資源につきましても国際的な協力のもとにこれを管理、保存をし、その有効利用を図る、これは国際的な視野で行われることが最もわが国としては国益にも合致すると、そういうような立場に立ちまして、国連海洋法会議でもそういう主張を続けてまいったところでございます。しかるに、世界の政治経済、あらゆる分野におけるリーダーであるところのアメリカが、この国際的な合意を得ないままに先取りをして二百海里宣言をした。それにカナダあるいはソ連も追随をした、こういうようなことでございまして、私どもは本当にこのことは遺憾に存じておるところでございます。しかし、御指摘のように、現実の問題になってまいりまして、わが国としても国益を守らなければならない、こういうことで、確かに対応はその意味ではおくれたわけでございますが、福田内閣ができまして、私も農林大臣に就任いたしましてから、国民世論の御支持の上に立って、領海十二海里、さらに二百海里の漁業水域の設定、こういうことに決断をしたと、こういうことでございます。
○糸山英太郎君 外務大臣、お願いします。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま農林大臣がお答えになりましたところで尽きているわけでございますけれども、外務省といたしまして一言だけ申し述べさせていただきます。 これは、わが国の二百海里の水域設定がおくれたではないかと、こういうお話で、いまとなればいろいろな御批判があろうかと思いますが、この問題の発端は、御承知のとおり、南米の各国が、大陸だなを持たない国が、大陸だなの議論が出ましてから二百海里という距離を基準にいたしました水域の設定を主張し出したことから始まったのでありますが、わが国の国益からいたしますと、やはり大国でありますところのアメリカ、カナダ、ソ連というような国が二百海里を実施されました場合に、わが国としては国益上大変な被害を受けるわけでありますので、わが国といたしましては、二百海里水域というものにつきまして反対の態度をとっておったわけでございます。そういったことから、今日、大国が二百海里をすでに国内的な措置として実施をしたということにつきましては、わが国としてはやはりまだ釈然としない態度を持っておるわけであります。しかし、今日この事態になりまして、わが国としても自国沿岸につきまして二百海里水域の設定を急がなければ、他国の船がどんどん入って来るではないかと、こういう事態になったのでありまして、まことに遺憾ではありますけれども、一日も早く二百海里の水域の設定を急ぎたいというのが今日のわが国の置かれている立場であるということを御理解賜りたいと思います。
○糸山英太郎君 農林大臣は確かにおくれていたことを認めましたけれども、外務大臣はちっとも認めないので、今後こういうことのないように、つまり、日本の外交交渉は立ちおくれが多く、まして今度の相手は力の外交で迫るソ連です。わが国に切り札がない限りソ連に一方的に押しまくられることが十分予想されることは、これはもう当然のことです。きのう出発された園田特使や、あす二回目の訪ソをされるはずの農林大臣など、関係者の大変な御苦労はよくわかります。しかし、国会決議による超党派議員団や同行記者団までをこれは実質的な入国拒否だと私は思いますが、ソ連は園田特使と何か秘密交渉をたくらんでいる腹としか私は考えられません。どうしてもそう思えるんです。一体、ソ連側の真意は何ですか。モスクワに行かれた鈴木農林大臣、あるいは外交担当の鳩山外務大臣、一体ソ連の腹は何か、どうですか、ずばり言ってください。何か秘密があるんじゃないですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日ソ漁業交渉、これは、新しいソ連の二百海里時代に対応いたしまして北洋におけるわが国の伝統的な権益、漁獲実積を確保するということ。また、新しい海洋秩序を円滑に日ソ友好の上に立ってやっていきたいということ。それからもう一つは、領土の問題と漁業の問題はわれわれは切り離して処理をしたい。御承知のように、一九七三年に田中総理並びにブレジネフ・ソ連書記長の最高首脳の間で、北方四島の問題については、戦後未解決の問題として今後も平和条約の締結を目標に継続して協議を続ける、交渉を続けると、こういうことが確認をされております。領土問題は継続審議になっておるわけでございますから、私は、漁業関係は領土問題と切り離して処理をしたい、こういう一貫した方針でこれに臨んできたわけでございます。 なお、私とイシコフ大臣との間の交渉の経過並びに結果は、あの交換書簡の中に全部明記しておりまして、それは即刻国民の皆さんにも公表したところでございまして、そこに何らのやみ取引とかそういうことは全然ないということを明確にいたしておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 園田特使が、現在の漁業交渉の最終段階に臨みまして、これが日ソの友好関係にひびが入っては大変なことになるという見地から訪ソをされまして、ソ連の首脳と本日会見をされる段階でございます。私どもといたしましては、漁業問題が漁業問題といたしまして円満に解決をされて、日ソの友好関係がひびが入らないように、ますますこれから日ソの友好関係が友好的に発展することをこいねがっておる段階でございます。そのように御理解を賜りたいと思います。
○糸山英太郎君 園田特使の派遣は、二国間の高度な政治的解決として日本は選んだわけですが、最後の手段と私は思います。まさか、いま農林大臣がはっきりセパレートして考えていくと言いましたけれども、北方領土返還要求をやめるとか、あるいは日中平和友好条約をめぐる問題などが出てくることはぼくはないと思いますが、外相、どうですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回の日ソの漁業交渉におきましてそれ以外のことが問題になるということは、私は万々ないというふうに信じております。
○糸山英太郎君 ないと思いますと言われては困るのですけれども、絶対そういうことしませんというぐらいのはっきりとした答弁をいただきたいのですが、外務大臣は、ただいま衆議院の外務委員会をやっていらっしゃるそうですから、この問題については午後にじっくりやりますから、どうぞ退席してくださって結構です。 そのかわり、農林大臣に伺います。デッドロックに乗り上げた交渉打開のために、日本はソ連の二百海里内操業を放棄する腹はまさか持っていないと思いますが、何かどうもこの状態でいくと仕方がないんじゃないか、どうですか、農林大臣、そう思いませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 糸山さんの御質問の真意がどこにあるかわかりませんが、私は北洋の伝統的な漁業実績を放棄するぐらいならこんなに苦労はしていないわけでございます。国論もこれは絶対にやはり確保すべきだと、こういうことだと思いますし、また、関係漁民の諸君、日本経済に及ぼす影響、さらにたん白食糧の五一%以上を魚に求めておるところの日本としては重大な問題であります。したがいまして、断じてさような考え方で対処しておるのではない、伝統的な漁獲実績の確保に向かって全力を挙げるということをはっきり申し上げておきます。
○糸山英太郎君 そういう答弁ですと、どうですか、大臣、腹の中は何かあるのですか、何か。ずばり言って、何か考えて、切り札というものを持っているのですか。ちょっと簡単に言ってください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は再度訪ソいたしますが、両国の漁業問題の責任者同士が合意に達し、これを天下に明らかにいたしましたところの鈴木・イシコフ会談の成果、この合意事項、これを私は今度の再訪ソに当たりましてもイシコフ大臣とじっくり話し合いをいたしまして、その線に沿うてこの事態の打開と成果をおさめたいと、こう考えております。
○糸山英太郎君 鈴木農林大臣は二回目の訪ソを予定されております。早ければあすの十一時の出発と伺っておりますが、一体何日間ぐらい滞在するのですか。そして、何日かかってもいいじゃないですか、この際。それだけの決意を持っているならば、じっくりと、ソ連に行って本当に魂をかけて、これは重大なことですし、日本の国民の国益のためですから、毅然とした態度で言いたいことをはっきり言ってくるというぐらいの、一週間でも十日でも一カ月でもいいから、これが決まるまでやってくる気持ちがあるんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 糸山さんと全く同じ気持ちの上に立って交渉に臨みたいと考えております。
○糸山英太郎君 あすの出発は、すでに訪ソされた園田特使の努力が実ったということなんでしょうか。つまり、園田特使から何か電話とかあるいは何か連絡を受けて、それで立つんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、園田特使とソ連の最高幹部との会談は、日本時間できょう四時から行われると、こういうことでございまして、まだ会談に入っておりません。私はその成果を期待しつつ、一日も早くこの事態をイシコフ大臣とさらに漁業問題として解決をしたいということで明日出発をしたい、こう考えております。
○糸山英太郎君 二百海里問題から、次に領海問題に入ります。 三月二十九日に閣議決定して今国会に提出された領海法案は、提出理由の中で、「沿岸漁業の保護等を図るため、」としています。ここに出ております。原稿がありますけれども、この「等」とはどんな意味なのですか、同法案のまとめ役として御苦労された鈴木農林大臣にお尋ねします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 領海の幅員を三海里から十二海里に拡張すると。これは御承知のように領海というのは領土と同じものでございます。主権の及ぶ範囲、これは明確に主権国家として十二海里を設定いたしまして国益を守っていこうということでございますが、そこで、最近日本近海における外国漁船の無秩序な操業によって日本の沿岸漁業者が操業の制約を受けておる、また漁網、漁具その他の被害もこうむっておる、こういう緊急の事態でもございます。 なお、「等」というお話がございましたが、これはいま申し上げましたように、領土の一部でございます。領海というのは領土の一部になる。この中には海底資源の問題もございます。いろいろの国として守らなければいかぬものもあるわけでございます。私は、いま日本の十二海里の中で、外国が海底の石油資源等を掘削するなどというようなこと等が、現実にはあらわれておりませんけれども、そういう海底資源等の保存と管理、また利用というようなことも考えられるわけでございます。そういう意味合いから、国益全体を守るということで「等」という文字を採用したわけでございます。
○糸山英太郎君 時間がないので午前中はあと一問で終わりますが、領海法案によって、わが国の領海が十二海里に拡張されれば沿岸漁民が三海里時代よりも保護されることは、よくわかります。しかし、領海の拡張はわが国の主権の拡張でもありますから、漁民の保護と同時に、わが国の安全保障の面に重要なかかわり合いを持ってくることは明らかです。同法案提出の理由の中にそうした表現が明記されていないのはなぜでしょうか。それとも、明記することでもってマイナス要素でも生まれるというのでしょうか。これは農林大臣あるいは防衛庁の、本当は外務大臣ですけれども、これはもう防衛庁長官でも結構ですからお聞きしたい。 そしてまた、この問題を付託されるのは農林水産委員会と聞いておりますが、外務委員会とか内閣委員会ならばわかりますが、どうしてそれを農林水産委員会で審議するのか、私は、その二つの点を伺いたい。 そして、時間がございませんから、最後に、日本国民の全部が日ソ交渉を注目しております。また、農林大臣のポストもこれにかかっていると思うのです、はっきり言って。どうか、国民世論をバックに、主張すべき点を堂々と主張して、そして、余りお体もよさそうに思えませんから、どうか元気で行ってきていただきたい。それを申し上げて、私の午前中の質問を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) いまの領海幅員を十二海里に拡張する領海法案、この提案理由の中で、安全保障あるいは国防上の理由等をなぜ入れなかったかと、まあこういう御指摘がございましたが、先ほど申し上げましたように、領海の幅員を拡張するということはまさに領土と同じ意味を持つわけでございます。したがいまして、それをうたうとうたわざるとにかかわらず、私どもはこれを領土と同じように考えて安全保障の問題も当然考えていかなければならない問題であると、このように認識をいたしております。 なお、日ソ交渉に当たりましては、先ほど申し上げましたように、私としては全力を挙げて国民の期待に沿うように最善を尽くすつもりでございます。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 いま農林大臣から大要御意見がございましたとおりでございますが、防衛関係におきましても、領海が三海里から十二海里になるということは、一般的に見まして防衛上におきましても全く賛成をした点でございまして、特別申し上げる事態はございません。
○委員長(小川半次君) 糸山君の質疑は後刻引き続き行うこととして、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 —————・————— 午後一時二十五分開会
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題とし、糸山英太郎君の質疑を続行いたします。糸山英太郎君。
○糸山英太郎君 防衛予算は、大蔵省原案の内示のときにすでに大枠が決められてしまっています。このことは、防衛庁にしてみれば、いわゆる圧力団体までが押しかける中で復活折衝が行われるほかの省庁の動きをただ指をくわえて見詰めるだけと、そういう現状です。一体このような慣例はいつのころからなのか、また、どういう理由でもってこうなっているのか。国民はこうした事情を十分知っていないと思います。まず、この点を大蔵大臣に伺います。
○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。 防衛力につきましては、昭和三十二年に閣議決定された「国防の基本方針」に従い、国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備することとしておりまして、この方針のもと、毎年度の防衛予算に関しましてはそのときどきの経済財政事情を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、防衛計画の大綱というものが昭和五十一年の十月に閣議決定されておりますが、それに従いまして編成することにしております。 このような見地から、防衛予算については一般会計予算の総枠中、ほかの諸施策との均衡を慎重に配意し、防衛庁とも十分協議の上、大蔵原案内示に先立ちましてその総枠のめどを決めるということに相なっております。 なお、防衛庁予算の大枠については公開財源方式をとった昭和四十三年度以来、四十七年度を除きまして大蔵原案どおり決められておるのでございます。
○糸山英太郎君 基盤的防衛力構想の初年度である五十二年度の防衛予算案は、総額一兆六千九百六億円で、これはイギリスのミリタリー・バランス・レポートによりますと、世界のランクはナンバーナイン、九番目です。五十一年度に比べて伸び率は一一・八%、五十一年度の一三・九%、五十年度の二一・四%に比べると伸び率のダウンが目立ちます。また、一般会計に占める比率も戦後初めて六%を割り五・九三%、GNP対比では〇・八%であります。五十一年度の〇・九%をさらに下回り、国際的順位では、同レポートによると世界六十一カ国中何と五十八位という低いランクであります。 昨年十一月五日、三木前内閣は国防会議と閣議で当面の間GNPの一%以内と決めましたが、その具体的な根拠と、当面の間とは何年のことなのか、三原長官からずばり伺いたい。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 ただいま大蔵大臣から予算編成の経過等について御意見がございました。御承知のように、昨年の十月、防衛計画大綱が示されまして、大体、防衛力整備の大枠が決められておるわけでございます。それに対しまして、防衛庁といたしましては可及的速やかにこの整備をしていくという方針のもとにやっておるわけでございまするが、しかし、年度予算におきましては、国際情勢でございまするとか国内情勢、特に財政経済の状態でございまするとか、そういうもの、それから国内におきまする諸施策との関係等を勘案して最終的には予算を決めてまいるわけでございまするが、特に一%という、その一%を超えないというめどがつけられましたのは、過去数年にわたります防衛庁予算等も彼此勘案をして最終的には決められたというような経過になっておるわけでございます。このこと自体が、それで適当かどうかという問題については問題がありましょうけれども、それがいま先生から御指摘がございましたように、昨年の暮れの国防会議、また閣議においてそうした決定を見たわけでございます。その文面にございまする当面というのは、固定的なそうした時期を決めたものではございません。必要によりましては弾力的な受けとめ方もできるということを考えておるわけでございます。
○糸山英太郎君 基盤的防衛力構想は、四次防までの計画のように、何年間を目標とするといった計画目標はあるのでしょうか。二月十七日の衆議院予算委員会で、長官は大体四年ぐらいと答えられたようですが、そうなのでしょうか。また日米首脳会議後のいまでもそのようにお考えであるか。
○国務大臣(三原朝雄君) 基盤的防衛力につきましては、御承知のように、内容的に見ますと、早期警戒機のような機能的な欠陥もあります、それから潜水艦のような量的不足の分もあるわけでございまするが、これらのものはできるだけ早期に補充をいたしたいということでございます。その他の部面におきましては、防衛計画大綱で決めておりまするように、質の向上でございますとか、あるいは後方支援部門の整備でございまするとか、そういう問題もあるわけでございます。特にまた、整備につきましては諸外国の軍事技術の進歩等も勘案をしてまいらなければなりませんし、また、国内の財政経済の状態等も勘案しながら最終的に整備してまいるわけでございまするから、一定期間、何年後にどうだということよりも、可及的速やかに整備をいたしたい。しかし、あのときに私が四年ぐらいであろうということを申し上げましたのは、いまの、財政経済事情の非常に悪い現在の日本の国内情勢におきましては、中期経済計画というようなものが大体あと四、五年ということでございまするが、そういうようなものを踏まえながらそういう意見を申し上げたわけでございまするけれども、しかし四年と限ったわけではございません。情勢の変化によりましては、急速な整備もしなければならないということでございます。
○糸山英太郎君 いま答弁伺いましたけれども、私はいまのような防備予算のあり方に関して大きな疑問を持っております。三原長官は、いま四年ぐらいがどうのこうのとおっしゃられましたが、何年で計画を達成するかという防衛構想のプログラムも打ち出さない前から、国内の財政財政、あるいは経済的な考え方が押し切ったようなかっこうで、GNPの一%以内と一定の枠をはめてしまうのはぼくは逆じゃないかと思います。私はことしだけのことを言っているのではありません。また、防衛費を大幅にふやせなどと主張しているのでもないんです。 日米首脳会談で、日本は経済力に見合う政治上の役割りを果たしてほしいと強調したアメリカ側の腹は、日本の軍事力増強のことではないと私も思いますが、それにしても、いまのような財政優先の予算決定が防衛政策の理念とどのようにマッチするのか、どうもぼくはこれは納得しないんです。財政財政、日本の防衛というものはそんなものじゃない。確かに坂田前長官の時代には一%程度だとぼくは聞いています。この問題、衆議院でもずいぶん論議されたようですが、この機会に修正する考えはないでしょうか。大蔵大臣と防衛庁長官。財政財政というよりも、日本の国防というのは大事な問題なんですよ。これ、しっかり、はっきり……。坂田さんができて、あなた方ができないことないじゃないですか。
○国務大臣(坊秀男君) 防衛費につきましては、私は国民の間にいろいろな意見があると思います。糸山さんの御意見、これも私は貴重なる御意見としてただいま承ったのでございますけれども、私ども財政当局としては、財政を振り回すといったようなつもりは毛頭ございません。すでに決められておりまする閣議や国防会議の決定したことに従いまして、いまの国内、国際の諸情勢から考えてみまして、この日本の国の厳しい財政事情のもとにおきまして、今日はこの程度でもってひとつ——それはあるいは糸山さんからごらんになると全く心細い話であって、これじゃどうかという御意見は、これは私もまともにお受けいたしますけれども、財政当局といたしましては、今度の予算をもって、私はこれでやっていけるものと考えまして、今日のところこれを修正するというような気持ちはございません。
○国務大臣(三原朝雄君) 糸山先生の防衛力整備についての強い御意見については、よくわかるわけでございます。決して私どもも、のんべんだらりに何年かかって整備するかもわからないような状態でやっているわけではございません。御指摘のございましたように、防衛計画大綱が決められて、その内容の充実について、可及的速やかに整備いたしたいということでございます。したがって、できれば短い年度において整備をするという方向で向かっておるわけでございまするが、今日ほどしかし日本の財政状態の厳しさ、まあ比較的世界の国際情勢というようなものも安定をしておるという事態の中で、それでもひとついま申し上げましたように何とか防衛力整備はいたしたいというわけで、予算編成には大蔵と積極的な折衝を積み重ねてまいっておるわけでございまして、決して等閑視したり、あるいは大蔵その他のそうした力に押されてしておるということでなくて、十分両者意見を交換しながら、この程度で本年度は予算は決定しようという誠意のあるお互いの努力によって決定をしたものでございます。
○糸山英太郎君 そういうような答弁ならば、納得できませんので、別の角度からお尋ねします。 各地の災害復旧に自衛隊が大活躍していることは国民の間で高く評価され、自衛隊支持の大きな理由にもなっております。自衛隊法八十三条には自衛隊の災害派遣が明記されていますから、これは重要な任務の一つですが、まあ、くいとかテトラポットとか土のうとか、その他災害復旧の資材は、国としてあるいは地方自治体としてどのくらいの備蓄量がありますか。関東大震災のような大災害対策用としてのスピーディーに間に合う用意は万全でしょうか。自衛隊が出動したのに資材が間に合わないといったおそれはありませんでしょうか。これは関係大臣がなければ政府委員でも結構です。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えいたしますが、地方公共団体というのは省きまして、防衛庁としてどういう整備をしておるかということについてお答えをいたします。 御承知のように、自衛隊は平時におきましての任務の中に明確に災害対策をやるということが任務として決められておるわけでございます。したがいまして、各種の訓練をいたしますとともに、必要な装備につきましても日ごろから充実を図っておるところでございます。 なおまた自衛隊といたしましては、そうした災害時には組織的な能力を最大限に発揮する必要がございまするから、災害に対しまする常時訓練を、持てる資材で訓練をいたしておるというのが現況でございます。したがって、いまのところ自衛隊といたしまして、災害時においていま持っておりまする資材以外で、機材以外で不足するというような場面に遭遇いたしたことはございません。いま、いろいろな常備いたしまする自衛隊の機具、装備によって十分災害は賄い得るという立場でございます。しかし、大きな災害が来た場合はどうだということになりますれば、いろいろな不備な点もあろうかと思うのでございます。
○糸山英太郎君 災害出動で使われる経費としては、人件費などを刑として、車両やヘリコプターなどのオイル代ぐらいですから、金額の面もパーセンテージも低いと思いますが、それでも防衛予算の中から使われることについて変わりはないです。貴重です。過去五年間の総額にするとどのくらいの額になっているか、お願いします。
○政府委員(原徹君) お答えいたします。 予算の立て方が、先ほど先生が申されましたように、防衛庁の災害出動は任務でございます。その使用するものは、燃料とかあるいは確かに施設、機材の修理費とか、そういうものでございますので、たとえば修理費について申しますと、災害のためにこれだけ修理がかかったということにはならないわけでございます。まあそういうことで、積み上げた計算はございませんが、推計をいたしますと、年間、大体過去三年ぐらいで、いまの人件費等含めまして——人件費は災害がなくてもかかるわけでございますが、人件費等を含めて所要経費というのが七、八億円ということになる。その上積みどのぐらいかという、これも推計でございますが、一億程度のものと、こういうふうに、推計ではございますが大体そんな感じでございます。
○糸山英太郎君 海空の自衛隊定員を千八百七人ふやすという、つまりいわゆる防衛二法ですが、今国会にまた提出されました。同法案は過去二回流されてきましたが、五十二年度の予算案の中には、すでにこの定員増を見込んで六十五億円が組み込まれています。もしこの法案が——もちろん、重要法案の一つであることはわかりますが、仮に三たび流れたときは、この六十五億円は使えない金になるのでしょうか。三原長官と大蔵大臣、六十五億円の行方はどこへ行ってしまうんでしょうか。
○政府委員(原徹君) お答えいたします。 ただいま、防衛定員の増加は自衛官の定員増加のための経費でございますが、五十二年度予算に計上されているものは二十七億円でございます。そこで私どもは、この防衛二法ぜひとも成立を図る考えでございますから、成立しないという前提では物を考えておりませんので、その点はお答えできませんが、過去において成立しなかった場合にどうであったかと申しますと、それは毎年ベースアップ等がございますので、それの財源に使われておったという過去の事情はございます。
○国務大臣(三原朝雄君) いま経理局長から申し上げましたように、今回の防衛二法につきましては、ぜひひとつ衆議院においても審議を進めていただき、なおまた参議院におきましても、非常に厳しい中ではございましょうが、ぜひひとつ通していただきたいということをお願いを申し上げる次第でございます。
○糸山英太郎君 大蔵大臣、どこへ行ってしまったのか、金は。
○国務大臣(坊秀男君) いや、まだ行ってしまったのではございませんが、私といたしましても、二法案が通らなかったらということで申し上げにくいことでございます。ぜひひとつこれを通していただいて、そうして所定の目的のために二十七億円を使っていただけるというふうに持ってまいりたいと思います。
○糸山英太郎君 私は、少ない予算であればあるほど、有効に完璧に使われなくてはならない、これは痛感します。五十二年度の予算案総額をお年寄りから赤ちゃんまで一億一千万の日本人の数で単純に割り算しますと、一人当たり約一万五千百七十三円になります。もちろん、わが国の防衛力が他国に脅威を与えてはならないことも当然わかります。また、国民生活を極端に圧迫してはいけないということもよくわかっておりますが、私が言いたい点は、そうした範囲内で、GNPに比べ〇・八%の年もあれば、逆に一%を少々超えるような年があってもいい。つまり、経済情勢に応じて上下の波があってもいいんじゃないかと、初めから一%以内であるときめつけないで、一%程度とした方が、防衛政策の理念の上からいっても本来のスタイルではないでしょうか。一%以内ときめつけたことが、たとえばアメリカから安保ただ乗り論とか、またはヨーロッパから自国の防衛をおろそかにして輸出ばかり強化する自己本位の日本として非難の声が高まるような、世界の目が一層エスカレートすることを私は恐れます。 もう一度お聞きしますが、大蔵大臣、防衛庁長官、一%以内よりも一%程度と修正した方がベターだと私は思うんです。大したことないんですよ、程度と以内と。その年によって上下してもいいと私は言うんですから。〇・七%も結構です。しかし、緊急の場合は一%と言っても一・一いってもいいじゃないですか。その点が私はどうしても納得できないので、これをどうか、三原防衛庁長官だから私はお願いするんです、閣議にかけてもらいたい。そして修正してもらいたい。
○国務大臣(坊秀男君) お答えを申します。 一%以内ということは、すでに国防会議や閣議で決まったことでございまして、それでいまこの予算の御審議の最中に、これを閣議へかけてやり直すというようなつもりはございませんし、今後またこの予算を通していただいて執行中にも、私はこれでもってやっていただきたいと。この予算の編成に当たりましては、今日の経済事情に即しまして、これが私は最適の予算であるという信念を持ってつくった予算でございますので、さよう御了承願いたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) いま大蔵大臣から御答弁がございましたが、前坂田長官の時代、昨年の暮れ、閣議で決定をして、私は継承いたしておるわけでございます。閣内の一員として、いまこの決められた予算について云々をするということは適当でないと思いまするけれども、先生の熱心な御意見、特に一%のときがあってよろしいし、下がる場合もあろうしという、そういう見方もできるではないかというその御意見等につきましては、貴重な御意見として十分受けとめてまいる所存でございます。
○糸山英太郎君 大蔵大臣、予算を通したい通したい——わかります。しかし、この予算委員会が終わった後でいいですから、大蔵大臣どうですか、ひとつ福田さんに言ってくださいよ。きょう総理、ぼくは出席要求をしたんですけれど、ちょっと出ていただけなかったんで残念なんですが、どうですか、今回の予算はいいとしても、やっぱしここでもって一%以内というのを程度に修正するという、この度胸のある坊さんならできると思うんですよ、このくらいのことは。ひとつお願いします、もう一度。
○国務大臣(坊秀男君) 糸山委員のその御熱意には私は本当に敬意を払っておりますけれども、この予算が通った後で、これをもう一つやり変えると、福田総理に私からこれをお願いするということは、ちょっと私としてはいたしかねる次第でございます。
○糸山英太郎君 もうこれはだめだ。これは何回言ってもだめだから、これはもうお二人じゃあきらめました。ほかでもってぼくはやりますよ、これは。ほかの関連かなんかでもって総理に食い下がりますけれども、では外務大臣、今度こちらの方へどうぞ。外務大臣、これから徹底的にいきましょう。 問題の領海法案に関して十分に納得されていますか。この法案が閣議決定されるまでの間、関係各省庁は熱心にディスカッションを闘わしたことと思います。外務大臣というポストにおいてですよ、聞いてください、ここは、どのような決断をなされたのか、明快にお答え願いたい。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 領海法案につきましては関係の大臣が集まっていろいろ議論をした経過はあります。しかし、ここは最後は内閣として方針が決められたわけでございます。したがいまして、いま出されている案が外務省も賛成をいたした案でございます。
○糸山英太郎君 いまの外務大臣の答弁は、外務省の役人さん皆さんから聞いてみてもずいぶん反対もありました。しかし、内閣としてどうだこうだと言われてしまって、弱腰の答弁ではこれは非常に困るし、同じ参議院から出した外務大臣ですから、何とか協力して差し上げたいと思いますけれども、これからもっともっと、そういうような答弁ならばもっと強くいきます。 同じ質問を防衛庁長官にもします。防衛庁は国際海峡三海里凍結には初めは反対だったということは当然だ、聞いています。それをどのように決断されたのか。また海上保安庁は警備、警戒の問題をどう決断されたのか。このできっこないことを、海上保安庁長官の御意見もここではっきり聞きますけれども、絶対無理だということをどうして閣議で決められるのか納得できない。はっきりここでもって長官あるいは海上保安庁お願いします。
○政府委員(薗村泰彦君) 領海法が制定されますと、海上保安庁の仕事はふえます。漁業操業の秩序維持、海洋汚染の防止等で仕事がふえるということは、われわれ覚悟しております。この法律は、先ほどからも御論議がございましたように、大事な沿岸漁業の保護等を図る必要から早急に制定されるべき国の方針が決まっておりますので、私どもとしては差しあたり当面の現有勢力、船艇は三百十隻、航空機は三十四機でございますが、全国で百十六ぐらいの保安部署に配置をしてございますが、それを有効に使って実効の上がる領海警備をやりたい。なお、勢力が不足な場合には今後整備計画を着実に進めていきたいということで、領海法の制定に賛意を表したわけでございます。
○糸山英太郎君 答弁になっていない。防衛庁長官、大臣。反対で当然ですよ。
○国務大臣(三原朝雄君) 領海十二海里決定に際しましては、防衛庁といたしましては沿岸水域、領海が十二海里になるということは領土の拡張につながり、防衛上一般的には有利になる条件でございまするので、賛成をするのが当然でございます。 なお、国際海峡として三海里にとどめられた点につきましては、私どもこれはできるだけ国際海峡の設定は少ないことを防衛上はお願いをいたしましたが、いま決められました五海峡につきましては大局的な判断に基づく政策決定でございます。私どももまた、現状が変わる状態でもございませんので、決定に対しましては賛意を表しておるところでございます。
○糸山英太郎君 法案によれば、当分の間、宗谷、津軽などの五つの特定海域に係る領海は三海里のままとなっています。当分の間とは海洋法会議の結論が出るまでと私は理解していますが、よろしいでしょうか。五月末からニューヨークで開かれる第六会期の見通しを外務大臣はどう予測されておりますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 当分の間というのは、ただいま申されたように海洋法会議の結論が出るということが一つの目標であるということは御説のとおりであります。 今回の五月の海洋法会議におきましてどのようになるかという見通しでございますけれども、目下最大の問題となっておりますのは海洋資源の開発の問題でございまして、これにつきまして南北間の意見の調整がいま最大の焦点になっておりますので、これが果たして話し合いがつくかどうかということが勝負でございます。したがいまして、予測がなかなかつかないというのが現状のところではあるまいか、このように考えております。
○糸山英太郎君 まあいろいろと言いわけありますけれども、もう少しじゃ突っ込んでみましょう。 核兵器のトランシットも核の持ち込みになると政府は今国会においても答弁しております。私に言わせれば非現実的でありナンセンスな問題だと思います。なぜトランシットまでをそう解釈したければならないのか。たとえてみれば、外国から物を買う場合、関税前まで、船に積んであるうちは持ち込みにはならないことと同じじゃないですか。 この問題に関しては、政府よりも民社党さんや新自由クラブの方がずっと現実的で柔軟な考え方をしています。ことに新自由クラブは、核のトランシットと持ち込みは明らかに違うものだとはっきり言っています。非核三原則には全く触れないと言っています。 私はここでひとつストレートに提案をしたいんです。政府はメンツを捨てて国益の立場に立ち、潔く腹を割って民社党と新自由クラブと話し合い——本当はこれは三党共同修正案と言いたいんですけれども、そんなこと言うとおかしいから、現実的な考え方に立つ解決への道をつくるべきではないでしょうか。三党が協力して話し合いして、実質的には全くナンセンスと言える非核三原則の第三項の矛盾をぶち破ることは、わが国の安全保障の上に大きなプラスとなることではありませんか。長い間続けてきたこの実りのない論争を一気に解決できるチャンスではないでしょうか。そのくらいの大胆で勇気ある政治を福田内閣はなぜやらないのか、私には不思議に思えてなりません。外務大臣どうお考えですか。閣議でもって、民社党も新自由クラブも考えが同じなんですから、ひとつ外務大臣から閣議で提案していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 非核三原則の解釈につきましては、多年の御議論がありまして、そしてこの国の大きな政策として決められておるところでございます。この非核三原則をいまこの際に解釈を改めろということは、それはいまの糸山先生の御発言はまことに理屈の通っているお話とは思いますけれども、この点につきましては、わが国として非核三原則の重みというものを考えましたときに、政府といたしましては軽々にその解釈を変えるということは適当でないと、こう考えておるところでございます。
○糸山英太郎君 大体考えていた答弁だ。しようがない。 私の持っているデータによりますと、昭和四十六年から五十年までの五年間に対馬、津軽、宗谷、三海峡においてはアメリカよりもソ連の軍艦通航の方がずっと多い現状です。二月七日付の朝日新聞朝刊が、昨年の例では約十対一の比率でソ連がアメリカよりも圧倒的に多いと大きく報道したことは三原長官も御承知のことだと思います。 そこで、ぜひ長官にお聞きしたいのが、三海峡を通航したソ連軍艦の中には核を積むことのできる軍艦は何隻ぐらいあったのか、また、防衛庁はそうした軍艦が核を積んでいたのかいないのかについてどのような見解をお持ちなのか、はっきりとお答えください。
○国務大臣(三原朝雄君) 防衛庁におきましては、先生御承知のように沿岸水域なり水路の安全上必要な調査をいたしておるわけでございます。しかし、これは天候あるいは機材の作用等が完全でない場合もありますので、国籍とかあるいは艦種などを的確にはつかんでおらぬかもしれませんけれども、大体の調査はいたしておるわけでございます。今日まで、津軽海峡におきましては核の潜水艦は通っていないという判断をいたしておりまするが、実は核装備の軍艦が核を積載しておるかどうかというようなことを確認することはこれはなかなか困難でございます。核装備の可能な軍艦の型式で判断をする以外にないわけでございます。また、当該軍艦が実際に核装備をしておるかどうかということをそれでは調査できるかというと、これは御承知のように、国際法上の軍艦の地位等にかんがみまして、具体的に的確に把握することができない立場にあるわけでございまして、実際上津軽海峡等において核潜水艦が通ったかどうかというようなことは、実際に確認をいたしておりません。
○糸山英太郎君 わからないということでしょう。
○国務大臣(三原朝雄君) わかりません。
○糸山英太郎君 日米安保条約によってアメリカは、日本の領海に入る軍艦は核を積んでいない、積んでいるときは事前協議の対象となるということを明言しておりますが、わが国政府はアメリカの言うことを信じていると再三再四繰り返してきました。しかし、相手国がソ連の場合には、現実的に何もわかりません、核を積んだソ連船をわが国としてはチェックのしょうがないなんということを、こういうふうに答弁しているんですよ。どうしてこう違うのかなあ、アメリカとソ連とは。ソ連の核がわが国の領海をトランシットすることも理論的には考えられ、その場合は非核三原則はソ連によって一方的に破られることになっている。あたりまえのことじゃないか、こんなこと。外務大臣はこの点をどうお考えですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま防衛庁長官が御答弁になりましたとおり、なかなか原子力潜水艦が核を積んでいるかどうかということを把握するのは大変至難のことであると思います。しかし、わが国が非核三原則をとっておるということは、これはソ連としましてもよく知っておるところでありまして、何もわが国の領海に入ってくる必要はないわけでありますから、今日におきましてソ連の潜水艦がわが国の領海に入っておるというようなことはないものと考えております。
○糸山英太郎君 その場その場の便宜主義じゃだめですよ。それで逃げ腰じゃだめだ。もっとはっきり言おう。 私は、わが国の領海はオール十二海里にするべきだという意見です。領海とは領土と同様に国家の主権が及ぶ領域であり、領土と違う唯一の点は国際交通の必要上から外国船舶の無害通航権が認められていることにあります。領海では外国船舶は沿岸国の平和、秩序、安全を害さない限り沿岸国の許可を求めなくても通航できますが、軍艦は事前の許可を要求するのが国際慣例になっていると私は承知しております。ですから、オール十二海里にして外国艦船は無害通航とした方がずっとすっきりするんです、はっきり言えば。農林大臣がいなくて残念なんだけど、特定海峡三海里ということでは、本来わが国の領海であるべき内水にそれこそ核の自由通航をみずから認めることになるんですよ。独立国としての権威、毅然とした姿勢と外交努力が求められるとぼくは考えます。外務大臣はそう思わないんですか、この問題について。本当に核の自由通航を認めるようなものになっているでしょう。ソ連は核を積んでいるか積んでないかもわからないのに、どうしてこんなことが——納得できない。ぼくはどうしてもこれは納得できない。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまの点につきましては、政府といたしまして統一見解もお出ししてあるわけでございます。もうそれを繰り返すのも時間のむだでありますけれども……。
○糸山英太郎君 むだじゃないよ。とんでもないよ、この問題は。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 統一見解をお出ししてあるということを申し上げているのであります。その同じことは申し上げないということでありますが、端的に申し上げますと、海洋法会議で長い間論ぜられたということは、これは領海というものは今度の海洋法会議では十二海里まで認めるようにしようではないか、沿岸国の要望もあり、そのようにしようではないかということが一つと、その際に、いわゆる国際海峡は領海通過よりもより自由な通航制度をとるべきだと、この二つはワンパッケージになって論ぜられておるわけであります。もちろん主張する国々は違います。しかし、いませっかくそれがワンパッケージになって、海洋法会議ではおおむねその方向で固まろうとしているところでありますので、この海洋法会議の結論が出るまでしばしの間現状のままにしておこうというのが今回の措置でありまして、わが国といたしまして、わが国だけの立場から言えばいろいろな考え方があることはもう当然であります。しかし、いままでの海洋法会議の経過を見まして、わが国だけがこの十二海里、海洋法会議で決まる前に十二海里までしようということ、これはそもそも沿岸漁民のためでありますから、したがいまして、海峡通過の問題は、この国際海洋法会議の結論が出るまでしばらく現状どおりにしていこうというのがその統一見解の趣旨でございますので、どうか御理解を賜りたいのでございます。
○糸山英太郎君 御理解をいただかない。絶対、徹底的に反対します、これは。 領海が拡張された後の海上における警備、哨戒を務める海上保安庁の態勢が万全であるとおっしゃるのならば、具体的なデータを示していただきたい。また、増強をしなければならない点があるのならば、この際はっきりと、大蔵大臣がいらっしゃるのですから、どういう計画があって、大蔵省はそれを予算的な裏づけとしてどこまで理解しているのか、大蔵大臣の御答弁でこれははっきり保証してもらいましょうよ、大臣どうですか。それから、海上保安庁ははっきり言いなさい、この際はっきりこの場で。大蔵大臣は保証してください。
○政府委員(薗村泰彦君) いま御審議をいただいている五十二年度の予算案の中に盛られている内容は、私ども十二海里、二百海里の新しい海洋秩序がやってくるということを予期をいたしまして予算に盛られている点を申し上げます。 ヘリコプターの搭載型の巡視船一隻、それから三十メートル、三十ノットの高速巡視艇二隻、それから大型航空機一機、それから中型ヘリコプターを一機と、それを準備をする基地一基地を予算に盛って計上をされておるところでございます。 今後整備増強を進めなければならないのは、先ほどから申し上げたとおりでございますが、私どもとしてはいろいろ考えておりますけれども、まだこれは政府として御承認をいただいておる段階ではないし、いろんな事態が今後出てくると思いますので、私どもは着実にその整備計画は進めたいと思っておりますが、ちょっといま確定したものとしては申し上げられないのでございます。
○国務大臣(坊秀男君) 領海の拡大など、新しい海洋秩序に対応しまして、五十二年度予算において、いまお話がありましたように、ヘリコプター一、搭載型巡視船、大型飛行機を初め、海上警備体制の整備のため対前年度六七%増の百六億円を計上し、できるだけの配慮をしたところでございます。しかし、領海が十二海里となり、さらにまた専管水域が設定されるとなれば、海上における警備の範囲が飛躍的に拡大することとなるので、財政面でも困難な問題が生じてくると思われます。したがって、その警備方法、警備の程度など、警備体制のあり方について今後十分検討すべきものがあろうと思います。このような検討結果を踏まえまして、大蔵省としても五十三年度以降の予算編成に際して慎重に検討してまいりたいと、かように考えております。
○糸山英太郎君 そんな程度じゃ足りないんですから、どうかひとつ五十三年度以降はもっと大幅にお願いしたいと思います。これは保安庁にかわりましてお願いします。 これは保安庁に伺いたい。仮に、もしわが国の領海を侵犯した外国船が、海上保安庁の警告を無視してなおも侵犯し続けた場合、現実問題として海上保安庁はどういう対応をすることになるんでしょうか。
○政府委員(薗村泰彦君) 領海侵犯の外国の一般船舶がございましたならば、これは国際的に定まっておる領海条約によって無害通航の権利はございますけれども、無害通航でない場合には毅然たる態度でわれわれは領海の外に退去を求めるということでございます。
○糸山英太郎君 ではもう少ししつこく言いましょう。他国の艦艇がわが領海に入った場合、たとえば例をとればミグ25事件のようなことでも結構です、海上保安庁はどう対応するのでしょうか。まさかいまのような答弁だと、ちょっとパスポートを拝見しますなんと言って行くんじゃないかなあとぼくは考えられますが、そんなことは言わないでしょうね。また、海上自衛隊が出動したとしても、現行法では自衛以外には発砲できないと聞いていますが、これではわが国民の死傷を待って初めて行動が起こせることになります。これでわが国の主権が、わが国の平和と国民の安全が十分守れるんでしょうか。この点を防衛庁と海上保安庁からはっきりお答え願います。
○政府委員(薗村泰彦君) 私どもは、海上保安庁法の十七条と十八条によりまして、そういう無害通航に値しないような船舶の通航が認められました場合には立入検査をいたしますし、それから国外に退去をするという法規によって処置をしたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 海上警備の第一次的な任務は、御承知のように、いま海上保安庁が実施をされるわけでございます。しかし、防衛庁におきましても訓練、調査、監視の日常活動をいたしておりまするので、不法な艦船等を認めますれば、すぐに海上保安庁に連絡をして協力してまいっておるのが今日まででございます。いまお話しのような事態がまいりました場合には、恐らくは海上保安庁から自衛隊に対しての要請があるというような時期であろうと思いますが、その際には、自衛隊法に基づきまして総理の承認を受けて、特別必要がある場合には出動するというようなことになろうかと思うのでございます。
○糸山英太郎君 じゃ、もう一つ例を挙げてみましょう。 朝鮮半島でもし異変が起きた場合、これは起きちゃ困るんですが、異変といっても地震とか火災、そういう事件があります。いわゆる難民が多数救助を求めてわが国に近づいたとき、救ってあげるのでしょうか、救ってあげないのでしょうか。当然これは救うべきだと思いますが、それをもし救ってあげるとした場合はどうやって、どういう方法でもって、どういう法律でもって救うんでしょうか。恐らく一人や二人じゃないですよ。もし地震が起きたり、火災が起きた場合、五十万人とか百万人くらい来ますよ。そのときどうやって処理をするのか、はっきり答弁願います。
○政府委員(薗村泰彦君) 私どもは、立場としてはあるいは先生のおっしゃることの逆のことを申し上げるかもしれないんですが、取り締まり官庁として厳重にやるということでございまして、もし法令に違反するような場合には、それは厳重に取り締まるということをまずは申し上げる立場にございますけれども、そういう事態ではなくて、先生がいまおっしゃいましたような、国際問題として、自然災害などで不幸な目に遭った人が来たときにどうするかということについては、これはひとつ国の国策として御審議を願った上で、われわれが協力することは、その輸送等についてその任務を果たしたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) いま海上保安庁からお答えがございましたが、海上保安庁で収拾がつかないというような大きなそういう事態に対しましては、海難等に対しまする人命を救助するという立場において、防衛庁も特別必要な事態だということでこれに協力をしてまいるということになろうかと思うのでございます。
○糸山英太郎君 海上保安庁も防衛庁もいまのような答弁ではだめですね。もう少し、そういう緊急事態のことを予測したことをもっと真剣に詰めていただきたい。これはまたこの次の委員会か何かでぼくは伺いますから、それまでにはっきりと答弁を勉強しておいてもらいたい。こんなことじゃだめだ、納得できない。 防衛計画の大綱では、限定的で小規模な侵略には、原則として独力で排除することとうたっています。いま私が指摘した問題は予想されるケースとは言えませんか。また、侵略に対処するために、現に日米防衛小委員会までできて日米間の話し合いが続けられていますが、一体、同委員会では何をじゃあ話しているんですか。外務大臣、どうですか。
○政府委員(伊藤圭一君) いま先生が例示されたようなのを私どもは限定的な侵略とは考えていないわけでございます。限定的な侵略と申しますと、私どもが防衛計画の大綱の中で予想いたしておりますのは、周辺諸国がある程度の期間をかけて侵略の準備をしてこないような場合、すなわち奇襲的なもの、あるいは準備なく日本に対する侵略をやるというような小規模のものを予想しているわけでございまして、いまのように災害があって逃れてこられるようなものを侵略というふうには判断いたしていないわけでございます。
○糸山英太郎君 まあいいでしょう。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 委員長、アメリカ局長から。
○糸山英太郎君 大臣だよ、大臣。アメリカ局長じゃない、大臣。アメリカに行ってきたばかりじゃないか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 日米防衛協力小委員会の経過、何をやっているかということでございますので、アメリカ局長から御答弁をさせていただきたいということを申したわけであります。
○政府委員(山崎敏夫君) 日米防衛協力小委員会は、御承知のとおり、昭和五十一年七月の日米安保協議委員会におきまして、日米安保条約及びその関連取り決めの目的を効果的に達成すべく、軍事面を含めて日米間の協力のあり方について研究協議するために、この協議委員会の下部機構として発足したものでございます。 この日米防衛協力小委員会は、自来三回にわたって開かれております。第一回は昨年の八月三十日に運営手続について定めております。第二回は昭和五十一年十月十八日、第三回は昭和五十一年十二月六日に開かれておりまして、この二つの会合におきまして、この研究協議を進めるに当たっての前提条件及び研究協議の対象事項について一応の合意に達したわけでございます。
○糸山英太郎君 国会の場ではすべての点において言えないこともあるでしょうが、また一番大切なことは、防衛に関する国民の理解をより高め、国民の認識をより深めるためにどうすることが一番ベターかという政治です。そうでないと国民の納得もコンセンサスも得られません。はっきりさせるべきことははっきりさせる、PRすることはどんどんPRをする。防衛庁——本当は総理府に聞きたいんですが、防衛庁、どういうPRをしているのか、そしてコンセンサスをどうやって取りつけているのか、ひとつ三原長官——坂田さんのときはずいぶんそういうPRがありましたけれども、三原長官になってからちょっと後退したんじゃないかと思って心配していますが、どうですか。
○国務大臣(三原朝雄君) いまのお説のように、国民的な基盤に立脚して、防衛庁におきましては各種の広報活動を通じて自衛隊の現況と各般の防衛施策について広く理解をしてもらうように努めておるわけでございます。 具体的な処置といたしましては、御承知のように、昨年防衛白書を出しましたり、パンフレット、リーフレット等の作成、配布をいたしております。また、新聞雑誌等に対しまする広報記事もお願いを申し上げており、映画でございまするとか、テレビなど視聴覚方面の広報も続けておるわけでございます。なおまた、音楽隊を基地外に出したりいたしておりまして、部隊、艦艇、航空機等のまた公開をしたりいたして国民の方々の理解と協力を受けておるわけでございまするが、昨年度一年で大体一千五百万ぐらいの国民の方々に参加を願ってまいったというような数字も出ておるわけでございまして、そういう努力をいたしております。また一般的には、いろいろな懇談会でございますとか、研究会等を開いて国民の方々の理解と協力に努めておるわけでございます。
○糸山英太郎君 在韓アメリカ地上軍の撤退は、長期的に見た場合、極東アメリカ軍の配備と戦略が陸上兵力抜き、海空兵力による抑止力中心になる可能性が大きいと考えています。日米安保体制下にあるわが国の防衛の上にもかなりの影響を及ぼすことになると私は考えますが、防衛庁はこの点をどうお考えでしょうか。たとえば、基盤的防衛力の構想の見直しについてすでに取りかかっているのではないでしょうか。これは長官、はっきり言った方がいいですよ。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 先般の福田総理とカーター会談におきましても、御承知のように、韓国におきまする地上軍の撤退をするということが決められました。その際にも、撤退については韓国並びに日本と十分相談をしてこれを実施をいたします、なお、韓国の防衛につきましては十分な配慮をする、決して韓国における安定を損なうような体制ではいたさないということが申し合わせられて、共同声明として出されておるわけでございます。したがって、現在時点におきましては、まだその規模、時期、代替策等が決まっておりません。そういう点でございまするし、私は、現在わが国が持っておりまする防衛体制を、すぐこれを変えねばならぬというような事態とは受けとめておらないところでございまするが、しかし、十分この推移につきましては注視をしながら対応の処置を考えていく、そういうような事態だと受けとめておるわけでございます。
○糸山英太郎君 長官だめですよ、そういうことを言っているようじゃ。おたくの配下にいる丸山防衛事務次官は、昨年十一月八日、日本記者クラブのスピーチの中で、朝鮮半島に平和維持のメカニズムが確立されないうちに在韓米軍の撤退があれば、わが国の防衛計画の大綱は見直しをしなければならないだろうと語っています。もう一度伺います。見直しをされるのかされないのか。恐らくぼくは、もしされてないとしたら、取りかかっていないとしたら、これは大変な問題だ、これは新聞に出ている、これ新聞持っている。
○国務大臣(三原朝雄君) 丸山次官等におきまするそうした意見は私も承知をいたしておりまするが、それはあくまでも朝鮮半島におきまする安全体制が壊れないようにしてほしいという立場から、そういうものが損なわれるような状態になれば考えなければならないかという意見を申し述べたということを、本人から私は聴取をいたしてまいっておるわけでございます。
○糸山英太郎君 まあ与党ですから、余り詰めてもしようがないから、この辺にしておきますけれども、(「やれ、やれ」と呼ぶ者あり)社会党に入れてくれればやるんですけれどもね。まあそれは社会党がやってください。 在韓アメリカ地上軍の撤退が進むにつれて、アメリカが日本に対し海上の警備、特に対潜哨戒能力を強化するよう要請してくることは十分予想されることと私は考えています。これは野党だってそう考えていますよ。領海の拡大という問題や、いまだに決まらないPXLの問題も含めて、防衛庁はどのような考え方をしているんでしょうか。本当にもうここでずばり、PXLはどう考えているのか。答えをここでもってずばり——三原長官だからできることです、ほかの人だったらできない。はっきりここで答えてください、買うのか買わないのか、必要か必要じゃないのか、いつごろ買うか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、PXLにつきましては、四次防の一環的なものとして五十二年度の予算の編成の時期までには決めてまいりたいというような方針でまいっておったところでございます。鋭意検討いたしたわけでございまするが、たまたまアメリカにおきましては、御承知のようにS3A、またカナダにおきましてはCP140という新しいそうした対潜機が生まれてきたわけでございます。そういうものもあわせて検討をする段階になったわけでございまするが、しかし、先生御指摘のように、対潜機の必要であるということは切実な問題でございまするので、そうしたカナダ機なりアメリカ機の検討とともに、いままで準備をしてまいりました調査の結果等を踏まえまして、鋭意この結論を出すために努力をいたしておるというのが現況でございます。
○糸山英太郎君 いつ。
○国務大臣(三原朝雄君) 現在のところ、いつということではございませんが、実は五十三年度の概算要求をするまでには何とかひとつ目鼻をつけてまいりたいというような状態でございます。
○糸山英太郎君 夏ごろと答えたっていいじゃないの。 外務大臣にではお聞きします。大臣は、米ソ関係の基調に関してどのように分析され認識されておりますか。 たとえばカーター大統領の人権外交に対して、ソ連は大反発をしています。そうした中でバンス国務長官のモスクワ訪問やSALTIIといったニュースがあります。米ソの基調に関して、わが国としてもはっきりと分析をし、そういう認識はきわめてぼくは重要だと思うんです。どうお考えですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 米ソの関係につきまして、SALT交渉の、まあこれは何といいますか、第一回戦といいますか、が終わったところでございます。アメリカといたしましても、今回のバンス国務長官の訪ソによりましてSALT交渉が決まりがつくと、それほど甘くは考えていなかっただろうと思います。従来のニクソン・キッシンジャー外交、これから比べまして、カーター政権になりましてまあ人権問題等があったわけで、どのような変化が起こるであろうかということは世界じゅうが注目しておるところでございます。今日軽々に結論めいたものを申し上げるのはいかがかと思いますけれども、現在アメリカなりソ連が置かれておる、いわゆる核大国と申しますか、この核大国としての立場は変わっておらないわけであります。一方でカーター大統領は、核の廃絶とまで打ち出されたわけでありますから、私は、米ソ間でこれから核に対してどのような進展が見られるかということが、これが最大の注目すべき点であるということだけ申し上げさしていただきたいと思います。
○糸山英太郎君 基盤的防衛力構想では、警戒監視能力の充実と強化を打ち出しています。防空面では、その柱となるのがバッジシステムと私は認識していますが、現在このシステムは完全と言えるでしょうか、同システムは十一年前の昭和四十一年ごろ完成したものと聞いています。つまり、古く旧式になっている点はありませんでしょうか、いまでも最新鋭と言い切れますでしょうか、欠点があるのならばどんな方法でどんな計画で完全に近づけようとお考えなのか。低空侵入機の発見のため自衛隊はどのような対策と計画をお考えなのか、以上あわせてお答えください。
○政府委員(伊藤圭一君) 防空作戦をやるのにバッジシステムというのはきわめて有効な方法でございます。わが国の航空自衛隊が、バッジシステムを入れまして完成いたしましたのが四十二年度末でございまして、オペレーションを始めましたのが四十三年度末からでございます。あのときに、それぞれのバッジシステムを選ぶに当たって、将来性のあるバッジシステムということで現在のシステムを採用いたしておりまして、その後八時間のオペレーション、十二時間のオペレーションを終えまして、現在二十四時間のオペレーションを行っております。あのときの選定の一つの理由に、コンピューターの容量の大きかったというようなこともいまになっては幸いいたしまして、オペレーションを始めてから九年近くたっているわけでございますけれども、現実には有効に機能していると私どもは考えております。しかしながら、将来の問題といたしましては、やはりこのバッジシステムの中に、現在のように要撃管制のほかに、さらにコマンドシステムといいますか、そういったものを組み込むような新しいシステムというものについても研究をいたしたいと考えておりまして、五十二年度の予算におきまして、新しいシステムというものがどういう形であるべきかというようなことを勉強するために、外国に調査に出すというような予算をいただいて、次の世代のバッジというものに対してただいま研究を進めたいというふうに考えている状況でございます。
○糸山英太郎君 専守防衛というわが国独特の防衛のあり方を考えるとき、ウサギの耳にも似た早期の情報キャッチシステムがぜひ必要です。その意味から、これまでの防衛計画は、優先順位とその内容に関して反省すべき点はありませんか、いわゆる中途半端に終わっている点はないでしょうか、中途半端は役に立たないことと同じです。ことに、国の防衛がそういうことならば国民の税金のむだ遣いと言っても言い過ぎじゃないと思います。そんな状態ならば、社会党が主張するように非武装中立主義で、防衛予算などやめて国民福祉に回した方がベターなんです。私は極端かもしれませんが、それをやれと言っているんじゃなくて、中途半端だということを言っているんですから間違えないようにしていただきたい。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、現在の防衛力が中途半端だというようなことは絶対にございません。御承知のように、昨年立てました防衛計画大綱が一つの防衛力の枠、目標にいたしておるわけでございまするが、その点から中身を見れば、私は問題があり、いまから整備をしなければならぬものがあると思いまするけれども、現在時点、毎年立てておりまするように年次防衛計画というのを立てて、現在の人員で、現在の装備で、現在こういうことが起こった場合、有事の場合にはどうするかということで、その計画のもとに訓練をし教育をして対処することをやっておるわけでございまするので、中途半端はございません。恐らく先生の場合、抗たん性の問題を私に言われたことがございまするので、そういうものではないかと思います。その点につきましては、正面の装備と、後方のたとえば通信でございまするとか、飛行場あるいはバッジシステムのそうした施設等に対して抗たん性を付与するということが大事ではないか、そういう点であろうと思いまするので、その点につきましては今後の大きな問題として逐次整備をしてまいりたい、そういう方針でおるわけでございます。
○糸山英太郎君 時間も来ましたから申し上げますけれど、長官は満足しているとおっしゃるでしょうけれども、私から見て、どうしても日本の防衛庁というのはだらしがないし、意気地がないし、弱腰であるということを私は強く言いたい。ですから、これからますます私はそういうことを厳しい目で見ていきますし、また、予算委員会で取り上げるなり、分科会でもってどんどん追及していきます。私の持ち時間もないし、こういうことをやる時間もないんですよ、ここへ出さしてくれる時間が、自民党たくさんいますから。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)けしからぬ、本当に。 最後に一言確認をしておきます。わが国の自衛権の行使に関しましては、憲法の厳しい制約下にあります。しかし、先ほども触れましたが、わが国の平和と安全を脅かす緊急事態が起きたとき、それがどのようなケースのとき、どのような命令系統のもとに自衛権は行使できるのですか。総理大臣の権限の範囲及び国会との関係はどういうことになっているのか、国防会議はどのようなシビリアンコントロールを果たすのか。自衛隊法七十六条には、総理が緊急に自衛隊に防備出動を命ずるときは、その直後に国会の承認を求めるといった規定がありますが、国会が閉会中の場合はどうなるのでしょうか。この点を防衛庁長官に明快にお答えを願いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(三原朝雄君) まず、お言葉じりをとるわけではありませんけれども、防衛庁が弱腰であるというおしかりがございましたが、防衛庁はやはり何と申しましても国民の理解と協力を受けるということが大事でございまして、こういう点について、まずは国民の御理解を受け、防衛の必要性、そして自衛隊の必要性とその活動とをお認めいただくということに全力を尽くしておるわけでございまするので、今後ともお願いを申し上げたいと思うのでございます。 最後に、先生の防衛出動についてのお尋ねがございました。これは七十六条で規定をいたしておるわけでございます。事態が起こりますれば内閣総理大臣が指揮をされるわけでございまするが、その際には、まず必要性を内閣が認めねばなりません。総理大臣が認めた上でやるわけでございまするが、その際には、国会が開かれておりますれば国会の承認を受けねばなりません。衆議院が選挙等でありますれば参議院にお願いをするということになろうと思いまするが、そういう国会の承認を受けねばならぬという一つの処置がございます。なおまた、その国会の承認を得れば、総理大臣が防衛庁長官を指揮をされて命令を出して有事の際に処置をするわけでございます。なお、これにつきましては、総理大臣も国会に対する処置をいたしまするとともに、防衛庁長官といたしましても、なすべき処置が、知事さんやらその他一般にもせねばなりません。そういう措置をするわけでございます。しかし、局部的な急迫不正な侵入の場合でございまするので、そういういとまのない場合が局地的にはあろうと思いまするが、そのときには、その場におりまする長が処置ができるようにはなっておりまするけれども、問題はしかし、あくまでもシビリアンコントロール、国会の処置をして防衛出動はやらねばならぬという本則に従って処置をしてまいるところでございます。
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして糸山英太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) これより秦豊君の質疑に入ります。秦豊君。
○秦豊君 FXと成田をテーマにいたします。 初めにFXについて幾つか政府側の確認をとっておきたいと思います。防衛庁長官、この段階ではFXについては内定の段階ですね。
○国務大臣(三原朝雄君) 防衛庁の内定の段階でごいます。
○秦豊君 お手元に、論議を正確にするために議事録を用意願っていますが、三月二十二日、内閣委員会の議事録はございますか。
○国務大臣(三原朝雄君) ございます。
○秦豊君 恐縮ですが、きょうの質疑の主体をなすものですから、恐縮ですが、五ページの長官の私に対する答弁、五ページの三段目ですね、それから十一ページの三段目から四段目にかけてのところをリピートしていただきたいと思います。確認の意味です。
○政府委員(伊藤圭一君) それでは最初の点を読ませていただきます。 三原長官の答弁でございますが、「お答えをいたしますが、私自身、昨年の十二月の庁内の内定についてはこれを引き継いでおるわけでございます。そして、その十二月の末の国防会議においていまのお話のように一年間、一つの期間がそこにできたわけでございます。私はなぜ設けられたかという立場というものは明確にしなければならぬと思いまするし、なおまた、大きなプロジェクトでございまするし、これ自体、まずは政府、関係省庁全体の了解を受けますとともに、国民自体からもやはりこれを理解と協力を願える処置もやらなければならぬという、そうしたいまから先の作業も残っておるわけでございます。防衛庁が数年間かかって調査、検討して内定したという事実は事実として長官として受けとめてまいらなければなりませんけれども、これを最終的に国防会議にかけて御決定を願うまでの私のやるべき処置としては、いま先生からの御指摘のように、十分やはり高い次元に立ちながら、国民全体の理解と協力を受ける努力をもって初めて国防会議にかけてまいる、最終決定を願う。そういう私といたしましてもクールな気持ちで、内定は内定として踏まえてまいりまするが、処置としてはそういう幅広く処理をしてまいりたいという所存でございます。」。 十一ページのところ……
○秦豊君 三段目ですね。
○政府委員(伊藤圭一君) 三段目でございますか。
○秦豊君 大臣の答弁だけで結構です。
○政府委員(伊藤圭一君) 申し上げます。 「このことは衆議院においても同じような御指摘がございました。私自身、いま内局、それから幕の方とも全般的にひとつ十分な研究、詰めをしてくれということを、もう一カ月ぐらい前から申し渡しをしておるわけでございます。諸般の情勢も、新しい情勢も生まれてまいりましたし、その結論的な研究の成果を踏まえて、いま先生から御指摘がございました特にこういう時局でございまするし、一点の国民の疑惑も受けない始末をして結論を出すべきだと思いまするし、先生のいま新しい御提案、再度調査団を編成をしてアメリカに調査に派遣する考えはないかということでございまするが、そのことも十分承知をした上で検討さしていただきたいと思っております。」。 以上でございます。
○秦豊君 江口装備局長いらっしゃいますか。
○政府委員(江口裕通君) はい。
○秦豊君 あなたは私に対して、F15は内定なんだから、14も16も含めてメーカー側その他からの情報、資料の提供には門を閉ざすつもりはないという答弁をされましたが、間違いはありませんか。
○政府委員(江口裕通君) 一月の初頭でございます。われわれの方から、さきの内閣委員会で申しましたように、三社の東京在住の人に対しまして、経過説明及びF15が内定したということを申したわけでございます。その際先方からの質問といたしまして、たとえば他の二社につきましては、今後自分たちの方からいろいろ情報等を提供したいと思うがどうかという話がございましたので、その点につきましてはわれわれの方としては自由でございますと、どこへ御接触いただいても結構でございますと、いわゆる一般情報として尊重をさしていただきますと、かようにお答えしておるわけでございます。
○秦豊君 国防会議久保局長に伺いたいと思います。 いま国防会議ではFXはどういう段階にあるんですか。
○政府委員(久保卓也君) 昨年の十二月二十一日、国防会議におきまして、FXについては明年度の、つまり五十三年度の予算に計上することをめどにして、関係各省庁で協議をするということが決められただけで、その後私どもは防衛庁側からの説明は継続しては伺っておりません。
○秦豊君 つまり、一年延期が政府のいまの方針でありますね、そう理解していいですか。
○政府委員(久保卓也君) 正式に申しますると、一年延長というよりも、五十二年度では計上しないということ、そして五十三年度に計上することをめどにして関係各省庁で検討をするということが正確であります。
○秦豊君 そうしますと久保局長、国防会議という場では、今後FXの選定、確定までにはどんな手順が予想されますか。
○政府委員(久保卓也君) 防衛庁側では一応内定をされているわけでありますが、改めて私どものところで、関係各省に私の方の参事官がおりますので、それらを集めて参事官会議で十分防衛庁側の説明を聞き、そこで討議をし、さらに関係各省庁の次官で構成しています幹事会で検討し、そして、その都度になりますか、あるいは時に触れ国防会議に上げまして、国防会議御自身で御検討願って最終的に結論を得るということでありますが、その間のスケジュール、防衛庁側の希望なりスケジュールというものをまだ伺っておりませんので、国防会議自身としては今後どういうタイミングでやっていくかということはまだ計画はできておりません。
○秦豊君 あなたは元事務次官、いま国防会議、当然防衛庁よりより高い次元、広い視野にお立ちになるのは当然でしょうね。
○政府委員(久保卓也君) 国防会議自身は非常に高い立場で御検討になると思いますが、私の立場は、一応、防衛庁の代表ではもちろんございませんで、関係各省庁の業務の内容からして適当であるかどうかということを判断をし、国防会議を補佐する、そういう立場にあります。
○秦豊君 いま何のために確認をしたか。すべて内定であり、一年というインターバルを生かす、これが趣旨です。それにしては防衛庁は、なぜFX準備室を三月二十二日以降解散されたんですか。どんな判断と理由なんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 昨年の十二月九日に、航空自衛隊としてはF15が最適であるという一応の結論を出しました。で、この一年間かかりまして、私どもがやります作業というのは、予算の面の詰め、あるいはその後に起こった事情の解明等がございますけれども、これは航空自衛隊全体としてやるべきものという判断に立ちまして、それぞれの防衛部なり装備部において仕事を分担しながら私どもの方と作業を進めていくということでございまして、準備室という組織はまあ臨時的な組織でございましたので、解体して平常の業務に乗せたということでございます。
○秦豊君 まだ一年ある時間を有効にお使いになる気持ちがないから、内定を決定に高めたいから、デモンストレーションじゃありませんか、これは。そうじゃありませんか。
○国務大臣(三原朝雄君) デモンストレーションではございません。あくまでも防衛庁の平常業務の中に乗せて、きわめて大きな問題でございまするので全力を傾倒していこうということでございます。
○秦豊君 三月二十八日、田委員が当委員会で、アメリカから来ている十一名の大型チームについて質問をした、そのときの答弁者は江口さんですか。
○政府委員(江口裕通君) その際、全般的に御答弁をいただきましたのは長官でございます。長官にお答えいただいております。
○秦豊君 そうすると、田英夫に対して、何か正式契約の詰めのためにチームが来たという答弁がありましたか。
○国務大臣(三原朝雄君) 初めの二機は政府間契約でございまするので、向こうの政府にこちらが行くか、向こうから参るか、またその内容につきましては、あくまでもこれから先の最後の調達の見積もり等の詰めをいたす技術的な、あるいは事務的なものでございますというようなことを私はお答えしたはずでございます。
○秦豊君 だからだんだんおかしくなるんです、そのあたりから。私、せっかく読んでくれた議事録の精神からも、内定という基本方針からも明らかに逸脱しようとしている。やっぱりFX準備室の解散、大型チームの迎え入れ、すべてこれはキャンペーンです、私はそう言いたい。長官、そうじゃないんですか。あなたの私に対する答弁と大きく違っていますよ、三月二十二日以来。
○国務大臣(三原朝雄君) 私の考え方、姿勢は、あなたに申し上げたのも田先生に申し上げたのもちっとも変わりません。このことは、すでに以前から予定されておった全く技術的な詰めなり何なりでございまするが、しかし、これから先の最終的な国防会議にかけるという段階まで、あとまだずいぶんあるわけでございまするが、そういう処置等につきましては決して申し上げたことに間違いをするようなことはございません。特にこうした大きなプロジェクトでございまするから、国会の皆さん方の御理解なり国民の理解を深めて、国民から疑惑を受けるというようなことのないようにするということが一番私の大きな、またポイントでもあるわけでございまするので、事務的にすいすいと進めていくというような物の考え方ではございません。
○秦豊君 あなたのその大きな見地は必ずしも生かされていない、FX準備室の解散その他。私はそう思いますよ。馬車馬になっていますよ、F15に対して。そうはお考えになりませんか。しゃにむに既成事実を積み重ねる……。
○国務大臣(三原朝雄君) 決してそういう馬車馬的な進め方はいたしません。先生に申し上げましたように、冷静に慎重にやれという先生のこの前の御意見でもございました。そういう立場でこのFXの最終決定に対しましては努力をしてまいる所存でございます。また事務次官以下にもそのことは明確に申し上げておるわけでございます。
○秦豊君 それはおかしい。あなたのコントロールは効きませんよ。ユニホームとメーカーに振り回されますよ、この姿勢ならば。そうはお思いになりませんか。
○国務大臣(三原朝雄君) いろいろな御注意はありがとうございまするが、絶対にそういうことのないように処置してまいります。
○秦豊君 久保さん、私はFXの進め方全体について疑惑を持っているんです。これは六本木の暴走じゃありませんか。あなたは先般までの次官だから言いにくいところはあるだろうが、それこそ高い見地に立って、六本木の暴走ではないかという私の疑問に対して答えてもらいたい。
○政府委員(久保卓也君) 私は暴走とも思っておりませんが、昨年の十二月の多分九日と思いますが、内定をしまして、そして中旬ぐらいから各省庁との協議が始まったわけでありますが、これは余りにも連絡期間が短過ぎた。したがって、先ほど議事録の中で読まれましたような三原長官の態度で防衛庁がいっていただき、国民の方が納得され、国防会議でも十分御審議になれば私は正しい決定ができるのではなかろうかというふうに期待をいたしております。
○秦豊君 久保さん、いまの防衛庁のFX選定作業から何が欠け落ちていますか、また何が過剰でしょうか。
○政府委員(久保卓也君) 当面、詳細には連絡を受けておりませんのでわかりませんのですが、具体的に外への語りかけという点が私は欠けているように思えるんです。内部での検討というのは、これは私も承知しておりまするけれども、相当年数をかけてやっておりまするし、まだ残っている点が私はあるかもしらぬと思いますけれども、特に外部の方への御説明、そういう点を十分にやってほしいというのが私どもの希望であります。
○秦豊君 外部のうちに国会も入りますか、どういうことなんですか。
○政府委員(久保卓也君) 私、民間の方あるいはマスコミの方なんかにずいぶんお会いする機会がありますが、国会はもちろん当然といたしまして、国会以外にも、つまり国会で審議されましたのが必ず新聞に十分書かれるとは限りませんので、国民の目に触れるような形で、防衛庁側から何らかの、というよりも十分な説明がなさるべきではないか、そういう意味であります。
○秦豊君 いまの防衛庁の進め方は、14、15、16の費用対効果はやるが、ミサイルとFXという費用対効果、全体の防空システム、こういう配慮が基本的に欠落していると私は思っているが、これは久保さんに聞きたい。
○政府委員(久保卓也君) 防空という場合には、当然システムあるいは機能として把握すべきでありまして、飛行機そのものは、いわば高速の輸送機でしかありませんから、ミサイルは当然、下のバッジ、それからECM、ECCMその他電子機器の関係、要するに総体のシステムとして把握さるべきであるし、一応そういう努力をしておるものと私は認識をいたしております。
○秦豊君 長官、長官はその点どうお思いですか。正面装備、F15だけが突出し過ぎる、これはぼくの印象です。答えてください。
○国務大臣(三原朝雄君) この点につきましては、一九七〇年の中期以降の装備になるわけでございまするので、五十三年に調達に入りましてすぐするという状態ではございません。これから開発、生産等すべてについて検討してまいらねばならぬ面もありまするから、私はその時点におきましての外国のそうした軍事科学技術の進歩等を勘案しながらしてまいりまするので、FXだけが一歩も二歩も、これだけが全体の防衛体制の中で飛び抜けて整備されておるという考え方は持っておりません。
○秦豊君 防衛庁が三月二十二日出したこの情報要旨、これは非常に正確な正直な要旨だとお考えですか、断言できますか。
○国務大臣(三原朝雄君) いま私の一九七〇年と言いましたのは、八〇年中期以降でございますので、訂正をいたします。 いまの問題は具体的に防衛局長から説明させます。
○政府委員(伊藤圭一君) この要旨につきましては、MDAOから得ました情報として、もらった内容をそのまま伝えているというふうに私どもは考えております。
○秦豊君 だから正確だとおっしゃりたいわけですか、断言できるわけですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもの得た情報を正確に伝えているというふうに考えております。
○秦豊君 外務省、アメリカ局長いらっしゃいますね。あなたのところにこのF15について何かレターが来ていますか。
○政府委員(山崎敏夫君) このFXの問題に関連しましては、外務省としましては、防衛庁から依頼がございまして、これをアメリカ側に取り次いだ事実がございます。そして、その米側から私あての形の書簡が届いたものでございます。ただ、外務省はこの書簡を防衛庁に転交しておりますけれども、その内容については単に御依頼に基づいてやったものでございますので御説明する立場にはございません。
○秦豊君 そんなのは答弁じゃありません。だれから来たどんな書簡か。いま全文をお持ちなんでしょう。どんな書簡なんですか。
○政府委員(山崎敏夫君) じゃ、その点をもう少し詳しく申し上げますと、先般総理が訪米しておられますとき、その最中に防衛庁の方からの御依頼がありまして、それに基づきまして外務本省から在米大使館に対して、F15関係資料の入手方につきまして公電をもって指示がありました。他方、総理訪米に随行して出発をする直前に私に対しまして防衛庁から、ブラウン国防長官に会う機会があった際はこの問題について口添えを願いたいというふうな依頼が口頭であったわけでございます。たまたま大統領主催の晩さん会の席上で私はブラウン国防長官と話す機会がございましたので、この公電の趣旨をブラウン長官に伝えたわけでございます。そこで、ブラウン長官はすぐ国防省の担当官に指示したものと思われますが、その指示に基づいてヒルトシ海軍少将が私あての書簡を書いてまいったわけでございます。その書簡は早速防衛庁にお渡ししたわけでございます。
○秦豊君 あんなのを典型的な官僚答弁と言うんですが、あなたのそのレターの中に、装備体系に幾つかの欠陥があります。具体的にはFCS、AIM−7Fミサイルというふうな表現があるでしょう、そこに。ありませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) この内容につきましては、外務省の方から早速私どもの方にいただきまして、その内容について調べてみたわけでございますが、内容は、二月の二十二日、あるいは二月の二十四日、それから三月の二日にブラウン長官がなさった証言のある部分をピックアップして書いてございます。その中に書いてある証言の内容といたしまして、空対空システムに何らかのふぐあいがあり、それで私はついにこの航空機に何らかのやり直しを実施する段階であることを知ったというような証言のことが書いてございます。
○秦豊君 あなた方のこの要旨とずいぶん違いますね、ニュアンスが。
○政府委員(伊藤圭一君) この手紙はブラウン長官の証言をそのまま引用したものでございます。その証言の内容を私どもが新聞等で知り、その内容について事実はどうなのですかということを問い合わせておりますものに対する国防省の正式の所見という形で二十二日には参っているわけでございますから、二月の二十二、二十四日あるいは三月の二日にブラウン長官が言ったのはこういうことであるというものと、それに対する所見というものは、おのずから違っているものだというふうに理解いたしておるわけでございます。
○秦豊君 そうしたら具体的にやりましょう。もっと具体的に。 通告しておいたから、上下両院の速記録をお持ちですか、防衛庁。
○政府委員(伊藤圭一君) 正式な議事録というの まだ送ってきておりません。しかしながら、前にも申し上げたかと思いますが、二十四日の日の速記録というものは、これは正式のものではないと聞いておりますけれども、入手いたしております。
○秦豊君 それじゃ、突き合わせをいたしましょう、大変大事なポイントですから。 その上院の記録十九ページを見てください。二十四行、デフィシェンシーという、欠陥という言葉が明らかに記載されていますか。
○政府委員(伊藤圭一君) デフィシェンシーという言葉は書いてございます。
○秦豊君 どういう意味ですか。
○政府委員(伊藤圭一君) まあ未達成のものでございますので、あるいはふぐあいとか、あるいは十分でないという意味で、欠陥というような日本語になろうかと思います。
○秦豊君 その点だけでもこれとは違う。これは万歳万歳です。これは問題ない。ところが、議事録にはある。こういう食い違いが見逃せないと言いたいんだ、私は。違いますか、あなた。
○政府委員(伊藤圭一君) 私は万歳万歳というふうにあれを受けとめていないわけでございます。そのデフィシェンシーという中に、その開発あるいは実用実験の過程において幾つかのふぐあい点があったということも承知いたしております。これは私どもの調査団が参ったときもそのことを知っておりまして、向こうにも質問をしております。その中で、幾つかの問題点についてはすでに解決が終わっていると。しかしながら、新しい技術によってFCSとミサイルの性能をさらに高めるということも可能であろうということで私どもは研究をしているということも調査団の報告には載っております。そして、そのためには五年ぐらいの歳月が必要であろうというような報告もあるわけでございまして、幾つかのふぐあい点がありましたけれども、それはすでに克服されており、将来の問題としてはもっと性能を上げるという意味で、改良といいますか、そういったことも考えているというふうに理解しておるわけでございます。
○秦豊君 克服されていない部分をじゃ今度は読みましょう。二月二十四日、上院の記録二十一ページをちょっと出してくれませんか。——それでは、その二十一ページの十一行から十三行を読んで日本語で答えてください。意識的な誤訳はやめてくださいよ。
○政府委員(江口裕通君) このブラウン長官のところの御指摘であろうと思います。「ウエルゼアハズインファクト」というこの部分でございますね。
○秦豊君 はい。
○政府委員(江口裕通君) 私どもの方で一応訳といたしましては、「たしかに研究開発計画によって、受け入れることのできると考えられる程度まで、」——これはアクセプタブルという言葉をたしか使っております。そういうことができるまで「スパローが改善されたことは事実です。そうでなかったら、私の措置はもっと思いきったものになったと思います。」これは、その前に機数の問題がございますので、こういうふうななまぬるいことはしなかったと、こういう意味であろうと思います。「そうでなかったら、私の措置はもっと思いきったものになったと思います。しかし、スパローは、当初の性能仕様を満足しておりませんし、今後も満足することはないでしょう。今後五年ぐらいの間にこれらの性能要求を満足するようなシステムができ上るとは思われません。」と、そういうことであります。
○秦豊君 私は時間がないから控え目に引用しているんですよ。この部分だけでもあなた方の要旨と違うじゃありませんか。認めませんか、そのことを。どうなんですか、どっちが間違っているんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) それにつきましては、昨日クラブにも御説明いたしましたブラウン長官からの手紙がございます。その中に、そこのところをちょっと読んでみますと、「私の見解を要約しますと、私はF15を傑出した全天候航空優勢戦闘機であると考えております。しかしながら、技術の進歩に伴いF15のウエポン・システムに新技術を導入することにより、将来更に改良することが可能であると信じております。」とブラウン長官も言っておりますし、その前に私どもが得ました情報というのも、そういう新技術の導入によって新しくするために五年かかるということでございまして、このことは調査団が行きましたときもすでに承知していることであったわけでございます。
○秦豊君 何かあなたはブラウンレターを金科玉条にしていらっしゃるが、あれがどういう背景からあなた方に渡ったレターか、もちろん御存じでしょうね。説明をしてください。
○政府委員(伊藤圭一君) これにつきましては、私どもは、ブラウン長官から直接手紙がもらえるかどうかということは必ずしも予測していなかったわけでございますが、ブラウン長官の証言がありましたときに、非常に誤解を与えるような内容、まあ私どもの立場からするならば疑いが持たれるような内容であったために、正確な情報というものを知りたいということをいろんな方法でお願いしておりました。外務省を通じてもお願いしておりましたし、また、アメリカ局長が渡米される際にもそういうお願いをしておったわけでございます。それに対して、まず最初に反応がございましたのは、MDAOを通じての国防省の見解というのが届きました。その後山崎局長あてのお手紙というようなものもいただいたわけです。そして最後に、ブラウン長官御自身のお考えというものが届いたというふうに理解しておりまして、その裏側というものは私どもの希望に対して正確に情報を送っていただいたものだというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 全く認識が甘い、あるいは意図的なすりかえだと思う。長官、いま溜池の日商岩井と防衛庁の中のF15派、そしてアメリカ上院、下院が猛烈にいま巻き返しをやっている、ブラウンに対して。このことは御存じですか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えいたします。 そういう裏取引については承知をいたしておりませんが、いまのお言葉もございましたので、十分調査をいたしたいと思います。
○秦豊君 これはエークボード、メル・プライス、キャノン、ゴールドウォーター、前の二人はマクダネル・ダグラス社員の籍を持った議員たちだし、あとの二人は空軍出身の議員です。それらが猛然と巻き返しをしているのです。そう思いませんか。装備局長、御存じじゃないかな。
○政府委員(江口裕通君) いま御指摘の名前の方は私全部は存じませんけれども、いわゆる何と申しますか、防衛をこの際強化をしなければいけないという立場でございまして、そういう観点からいろいろ御質問になっておるのであろうというふうに推察をいたしております。
○秦豊君 答弁をそらすのだけはうまいけれども、そうじゃないんです、ポイントは。つまり、ブラウンが欠陥機だと、F15は、五年かかる、しんどいと、こう言った。それに対して、いまの四人の上院議員、下院議員が猛然巻き返しをした。それに日商岩井が乗っている、防衛庁の一部が乗っている、こういう認識だということを聞いているんです。
○政府委員(江口裕通君) 先般の田委員からも一部御指摘がございましたたとえばビジネス・ウイーク等の問題でございます。マクダネル・ダグラスの社長がいろんな手紙を方々へ配付しておるというような記事も私ども承知しております。そういう意味で、現在のアメリカにおきますところの、いわゆるF15、あるいはそういったものの選定と申しますか、そういうものの計画化の段階が必ずしも波穏やかに進んでおるものとは思っておりません。それはいろんな問題がやはりあるであろうということは十分想像いたしております。ただ、具体的にどういう動きがあるかということは、私どもまだ定かにつかんでおらないわけでございます。
○秦豊君 いまから防衛庁長官に申し上げておきたいけれども、下手をしたらロッキードの二の舞になりますよ。メーカーにあおられますよ。寄り切られますよ、ユニホームに。決意のほどはよろしいんですか、あなた。
○国務大臣(三原朝雄君) 十分な決意で対処いたします。絶対にロッキードの二の舞というようなことの起こらないように十分な配慮をして処置をするつもりでございます。
○秦豊君 また具体的なポイントに返ります。この要旨のところに返りますが、要旨三の二には、アメリカ空軍の購入機数は減らぬときっぱりした表現になっているんだが、これをアメリカ側の資料と比べてみたい。防衛局長、二月二十四日の上院の二十一ページをあけてください。機数の問題のところを読んでください。
○政府委員(伊藤圭一君) 訳したのがございますので、それによって読ましていただきます。キャノン議員が「ところで、生産ラインを伸ばす方がよいとおっしやるが……」と聞いております。ブラウン長官は「そのとおりでございます。」それに対しましてキャノン議員が「……その方が急いで購入してしまうよりもよいと、あなたはおっしゃるが、今、七百二十九機について話しているのですか、それとも、あるいはもっと減ることになる購入機数について話しているのですか。」ブラウン長官「どちらの場合もあると思います。かりに全購入機数が減りかけており、しかもその方向の決定がないとすれば——この問題についてまだ決定しておりませんが——その場合には、いついかなる時期にも生産ラインを閉じることなしに、購入期間を伸ばし、より多くのF−15を購入できる能力を維持して、後日当局の意見が変るのを待ちたいと思うでしょうし、あるいは、F−15を他の用途のために購入できる能力を維持したいと思うでしょう。」キャノン議員「しかし、七百二十九機でゆくのか、それとも機数を減らすのか、まだ決定していないのですね。」ブラウン長官「そのとおりです。」というようなやりとりがございます。これに対しましては、先生も御承知だと思いますが、ブラウン長官の手紙では、「米国のF−15の調達計画総数七百二十九機は全く削減されておりません。」という手紙の内容になっております。
○秦豊君 三月二日、下院の百二十二ページを見ると、むしろ削減をして六ウイングの装備を減少する方向と書いてある。確認できませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) そのことはまだ承知いたしておりません。
○秦豊君 同じレベルでないと、情報量でないと、論議できませんよ。都合が悪いと知らないと。これでは食い違いのままです。そういうデータも下院のデータにあるから調べてください。この委員会が終わるぐらいまでにあなた方ならできるでしょう。調べて持ってきてください。対比します。 それでは、ブラウン長官が五年かかると証言している改修のポイントは何と何と何ですか。
○政府委員(江口裕通君) ちょっと、私、いまの先生の御質問の趣旨を取り違えておったかもしれませんが、ブラウン長官が改修をしようと思っておるポイントと、そういう意味でございますか。
○秦豊君 五年かかると。
○政府委員(江口裕通君) それは、私どもの推測では、恐らくモノパルスシーカーのことを言っておられるのではないかというふうに推測をしておるわけでございます。これはどういうことかと申しますと、7Fにつけるわけでございますが、従来つけておりましたコニカルスキャンという方式では必ずしも十分ではない。そこで、たまたま英国あたりでやっておりますようないわゆるモノパルスシーカーというようなものを別途検討してそこを開発をしていこうと、インプルーブをしていこうと、こういうことではないかというふうに想像をいたしております。
○秦豊君 その答弁は意識的なうそだと思います。肝心の火器管制装置FCS、この改修計画としてレーダー・クイック・ルックの例のRQLプラン、これが肝心かなめですよ。これが入っているでしょう。だから五年かかると言っているんです。どうなんですか。
○政府委員(江口裕通君) これも私どもの方の推測、ゲスでございまして、定かにこうと断定はできないわけでございますが、一応証言の内容等で当初AIM7F空対空ミサイルとその射撃管制装置はきわめて大幅なルックダウン能力を与える計画であったけれども、そこには若干の欠陥があったというふうに冒頭に言われておりますけれども、その点につきましては、これは必ずしもルックダウン、RQLと申しますか、いま御指摘のことを必ずしもここで指しておられるのかどうかということは私どもいささか疑問に思っております。と申しますのは、このRQLという計画はかなり先方において行われておりまして、これはむしろどちらかと申しますとパイロットが射撃等をいたします場合に、その余力をつけると申しますか、ケイパビリティーというような言葉であろうかと思いますが、そういうようなことをやるための一つの換装計画、これは中の機材の改造等も伴う計画でございまして、これは現在アメリカにおいてももうすでに取り上げられておるわけでございます。ここでルックダウン能力と言っておられますこととそれとは、少し中身が違うのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 なぜしつこくこの点に執するかと言いますと、あなた方のこの要旨一、二は問題はない、解決された。アメリカの議会では、いやしくもあれは専門家ですよ、ブラウンは。言い間違いじゃないですよ。問題がある、リクワイアメント——要求性能を満たしていない、五年かかる、こう言っている。こういうふうな論議を横で聞いておられて、久保局長はどうお考えになりますか。
○政府委員(久保卓也君) 十分な時間をかけて私どもも話を伺わないといけないと思っております。
○秦豊君 それでは、角度を変えましょう。 元来——ミサイルの話をしたいと思うんですが、AIM7Fミサイルというのは、どの機種になろうと、14、15、16になろうと、共通して装備する予定だったんですか。
○政府委員(江口裕通君) 三機種ともつけるという計画であったというふうに了知しております。
○秦豊君 じゃ、仮にあなた方の念願どおりめでたく15を採用するとして、RQLによるレーダーの改良、それからモノパルスシーカーのついたミサイルなどは必要でないとおっしゃるわけですか。
○政府委員(江口裕通君) 具体的な例としていまモノパルスシーカーという例をお出しいただいたわけでございますが、7F自体は従来これは千数百発のオーダーで発注をされております。それから最近においても千発程度の生産が認められるということでございまして、一応十分実用にたえるものであると、それから従来の7Eと比べればやはり性能的にも格段の進歩があるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○秦豊君 必要だとおっしゃったわけですね。
○政府委員(江口裕通君) つまり、7Fというものは、やはりわれわれがF15を選定する、あるいは他の機種をやる場合にもやはり当然あるべきものであろうというふうに考えております。
○秦豊君 それなら大分わかってきました。そうすると、アメリカは、その部分について五年かかると言っているんだから、もしその以前に購入をしたら欠陥戦闘機を購入するということになりかねませんよ、長官。
○政府委員(江口裕通君) ちょっと技術的なことでございますのでその前に申し上げたいのでございますが、先ほどのことの繰り返しになりますが、私どもこれがモノパルスシーカーがないからこれが欠陥であるというふうには必ずしも思っておらないわけでございます。モノパルスシーカーというものはミサイル及び管制装置というようなものと別途に、要するに今後の開発計画、改良計画が行われるというふうに了解しておりまして、7Fというものはそれなりの十分の意味を持つというふうに考えておる次第でございます。
○秦豊君 一つだけ、じゃ、はっきりしましょうか。アメリカはFCSとミサイルの連動のシステム自体がまだ変える必要がある、改修が必要だと、五年かかると言っている。そのことはお認めにならないわけですか。
○政府委員(江口裕通君) いわゆる7Fについております現在のシーカー、これはコニカルスキャン方式シーカーと言っておりますが、それからさらにモノパルスシーカーというものは、いずれにいたしましてもこれは必ずしも連動するということよりも、むしろ7Fに合いますシーカーというふうにお考えいただいた方がよろしいのではないかと思います。それで、現に私どもの方にブラウン長官の方からいただいておりますレターによりましても、「技術の進歩に伴いF−15のウエポン・システムに新技術を導入することにより、将来更に改良することが可能である」というふうに申されておりまして、いわゆる改良計画というふうにとらえておられるのであろうというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 だから、はっきりしてください。改良計画に五年を要すると言っているんでしょう。それはお認めになるのかならないのか。
○政府委員(江口裕通君) モノパルスシーカーの改良にはやはり五年程度かかるというふうに考えておられると思います。
○秦豊君 だから大事なポイントでしょう。 あなた方はいつから15を入れたいんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 新戦闘機につきましては、御承知のようにF104がダウンをしていく時期でございます。これは現時点におきましてもダウンはしておるわけでございますが、五十六年から一個飛行隊分ずつぐらいがダウンしてまいります。それに間に合わせたいということで昨年の十二月九日に内定をして関係各省に御説明したわけでございますが、一年おくれるということになりますので、五十七年度から部隊を建設するというテンポで装備してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○秦豊君 そうでしょう。そうしたら、モノパルスシーカーがうまく作動しないと、ミサイルがスピンを起こしまして命中しませんよ。空弾ですよ。そんな戦闘機は欠陥戦闘機じゃないかというのがぼくの主張。どう答えますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもはそうは考えていないのでございまして、現実にアメリカはF15を百機以上装備しておりまして、また調達もいたしておるわけでございます。もしそういう欠陥機であるならば、アメリカ自体がそういうものの装備をやるはずがないわけでございます。したがいまして、ブラウン長官の手紙にもありますように、現時点における最高のものではあるが、さらに新しい技術を導入することによってもっとよくできるかもしれないというようなことを言っているのでありまして、これは欠陥というむのではございませんで、軍事技術は常に高いところを目指しております。したがいまして、そういう次のステップに移り得るということをブラウン長官が言っているというふうに判断いたしておりまして、現在私どもが装備するF15は欠陥機だというふうには考えられないのでございます。
○秦豊君 それは上下両院の軍事委員会の審議に忠実でない言い方です。独断的です。欠陥がある、だから購入機数を削減しよう、だからなおさら日本に買わせなきやならない、これが背景なんです。どう思われますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 先生の御判断はそういう御判断かもしれません。しかし、私どもは過去二年間以上にわたりまして各種の戦闘機について調査をいたしました。そして、私どもの判断というものは、それなりに技術的にあるいは運用面からのいろんな要素から判断をいたしました。そして、F15が非常にすぐれているという判断をいたしましたし、その後ブラウン長官の議会証言等によりましていろいろなことが言われましたけれども、それにつきましても、私どもの得た情報、さらには長官自身から防衛庁長官に対する書簡等によりまして、そういった問題というものは解消されているというふうに私どもは判断いたしておるわけでございます。
○秦豊君 これは納得しないからずっと留保します。 じゃ、F15が機内燃料を二千ポンドふやしペップ二千プランというのがある、これは御存じのはずですね。
○政府委員(江口裕通君) 存じております。
○秦豊君 いまでもかなり足が長いんでしょう。どれぐらいですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 現在の運用上の問題といたしましては、ペップ二千を適用しない場合には短距離の要撃行動半径が約二百海里、それからペップ二千を適用した場合には約二百五十海里でございます。
○秦豊君 キロで言うと基地から五百キロメートルぐらい進出できて、滞空性能は三時間ぐらい、こう理解していいですか。
○政府委員(伊藤圭一君) ちょっと私滞空時間が三時間というのは記憶いたしておりませんけれども、いわゆる五百キロぐらい出て十分戦闘できる滞空時間を持っているということでございます。ちょっと三時間というのは記憶ございませんので調べてみます。
○秦豊君 いまでも大変な戦闘機、それを機内燃料をふやす、また足が伸びる、爆弾搭載量もふえる、こんな戦闘機は自主防衛の枠を大きく突き破りますよ。長官、どうなんですか。
○政府委員(江口裕通君) ちょっと技術関係でございますので一言だけコメントをさしていただきたいと思いますが、一応増槽計画はございますが、ペッブ二千で行っておりますときに外に増槽をつけるかどうかということは必ずしもまだ決まっておらぬようでございます。したがいまして、いわゆる二千ポンドの範囲内というふうにお考えいただいた方がよろしいのではないかというふうに考えております。
○秦豊君 長距離飛行用の特殊タンクはつけると思う。まあそれはいいですよ。これは対地攻撃用の戦闘機としてきわめて有効な戦闘機じゃないんでしょうかね、そうなると。
○政府委員(伊藤圭一君) 優秀な戦闘機になりますからいろいろな能力を持っております。しかしながら、この戦闘機の最も優秀なのは対戦闘機戦闘ということでございまして、対地攻撃というもの、いわゆる戦術爆撃機というふうに私どもは理解していないわけでございます。むしろこれだけの高性能の飛行機としては、いわゆる高空戦闘、高空における戦闘能力の方がきわめて注目すべき能力を持っているというふうに理解いたしておるわけでございます。
○秦豊君 じゃ、これをちょっと読んでくれませんか、このアビエーション・ウイークの最近号を。——ちょっと読んでもらってよろしいですか、委員長。
○委員長(小川半次君) どうぞ。
○秦豊君 このまま読んでください。
○政府委員(伊藤圭一君) 一番最初からでございますか。
○秦豊君 いや、頭の見出しがございますな。
○政府委員(伊藤圭一君) ザ・エフ……
○秦豊君 日本語で。
○委員長(小川半次君) それじゃ、伊藤防衛局長、あちらで翻訳してから読んでください。——秦君、その間に何かお尋ねすることがあったら……。
○秦豊君 私に対する答弁でも、あれはドッグファイターだと言ったんですが、あれには対地攻撃だと書いてあるんですよ。ちょっとはっきりさせたいんですがね。——じゃ、ちょっと進めましょう。総合しますと、長官、今度あなた答えてください。ベトナム戦の体験を踏まえた新しい機種なんですよ。局地防空じゃないんですよ。侵攻作戦なんですよ。それがF15なんですよ。どういうふうに聞いていらっしゃいますか。
○国務大臣(三原朝雄君) 私が承知をいたしておりまするのは、きわめて多目的な戦闘機であるということも一つは聞いております。しかし、あくまでも要撃戦闘機としてわが国においてはこれを使いたいということでございます。問題は使う者の意思でございまするから、絶対にわが国の防衛といたしましては専守防衛の立場をとっていくということで、いろいろな点から私も意見を聞き、これが内定をしたという経過を承っておるわけでございまして、決して他国が脅威を持つというようなことにはならないという判断に立ってこの問題と取り組んでおるわけでございます。
○秦豊君 長官、それは違うんですよ。いまでも五百キロメートル出られるんです。三時間とどまれるんです。朝鮮半島全域をカバーしますよ。脅威というのは相手がこちらを見た場合の観念なんです。十分に脅威を与えますよ。そういう認識では甘過ぎると思うが、重ねて。
○国務大臣(三原朝雄君) これから先の外部からの侵攻に対しましては、低高度侵攻もあるわけでございまするし、ある程度高空にあって待機をするということも必要でございます。そういうことでございまして、あくまでも日本の防衛の基本方針、専守防衛という立場に立って進むということを私は諸外国もある程度理解をしてまいっておると思うのでございまして、決して外部に脅威を与えるものではない、私はそう判断をいたしておるのでございます。
○秦豊君 それは残念ながらあなたの信念に限定されると思います。お題目だと思います。 それでは、局長、できましたですか。
○政府委員(伊藤圭一君) F15は対地攻撃戦闘機として五から八ミルのセップといいますか、命中率を持っているもので、それはきわめて正確であるという見出しになっております。
○秦豊君 だから違うじゃありませんか。ドックファイト——空中戦闘用じゃなくて、対地攻撃機、きわめて正確、強力。運用が違うんでしょう。承知の上で購入するんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 先ほども申し上げましたように、きわめて優秀な飛行機でございますから、そういった能力も持っているという一つのいわゆる広報的な記事だというふうに私どもは理解しているわけでございます。現にこの飛行機が要撃機としてきわめて優秀であるということは何度も調査もいたしましたし、そしてまたアメリカの空軍も要撃機として高空における戦闘能力がきわめてすぐれた飛行機であるというふうに理解しておるところでございます。
○秦豊君 じゃ、重ねて聞きますが、なぜじゃこういう重戦闘機にさらに二千ポンドもガソリンが積み増しできるような改修が考えられているんでしょうか。なぜでしょう。
○政府委員(伊藤圭一君) 対空戦闘をする場合にも、長く空におりましてそして戦闘をできる——足が短くてしょっちゅう帰って燃料を補給しなきゃならないというよりも、航続距離を持っている方が有利であるわけでございます。一般的に言いまして、滞空時間が長く、戦闘効率を上げるというためには、そういうことも必要であろうかというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 この改修をやりますと、ペップで、六万八千ポンドぐらいになって、F14とほとんど近づいてくるとぼくは調べているんだが、データが違いますか。
○政府委員(江口裕通君) 私どもは、六万四千ポンドというものは、やはり最大許容重量であろうと思っております。その最大許容重量ということはマキシマムのときでございまして、戦闘の態様とか、出撃の態様によりまして、いろいろの進み方がございますので、一応マキシマムを上げていくというふうに理解しておるわけでございます。
○秦豊君 あなた方は、「防衛アンテナ」、これですね、あなた方の雑誌、これだと、F14が七万四千ポンドで滑走路の改修が必要だが、F15は必要ない、こう言っているんだが、それは正確ですかな。
○政府委員(番匠敦彦君) 先生がただいま御質問のペップ二千を適用した場合の重量につきましてちょっと御説明いたしますが、使用可能燃料が二千ポンドばかり増加いたします。そのほかに離陸許容重量を増すための強度、構造重量を若干増加いたしますので、それをトータルいたしますと、約二トン増加するというふうにわれわれの方は聞いております。したがいまして、二十ミトンから約二十五トン程度に標準のF15の重量が増すというふうにわれわれの方は考えておりまして、先ほどの何といいますか許容重量の問題は、その重量までは使えるという重量でございまして、ちょっと意味としては違うのではないかというふうに考えております。
○秦豊君 そうすると、15なら滑走路のかさ上げ無用、14ならかさ上げ必要というのは、どこの飛行場のことなんですか。どの基地なんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 現在ファントムを配置し、またこれから配置するためにかさ上げを行っております航空基地については、F15の場合に配置する場合にもかさ上げが必要でないというふうに判断いたしております。
○秦豊君 それはどことどこの基地ですか、お差し支えなければ。
○政府委員(伊藤圭一君) 百里と千歳と小松と、ただいまかさ上げをやっております築城でございます。
○秦豊君 三月二十二日の内閣委員会で私に対する答弁では、重い状態で飛ぶというのは戦闘作戦行動のときだけであって、ふだんは違うと言ったんだが、じゃスクランブルのときなんかどうなるんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) スクランブルの場合には常備のミサイルを積んで上がるわけで、二千ポンドふえた場合にF15は二十五トン程度の重さになると判断いたしております。
○秦豊君 だから、全備重量をわざわざ軽くして飛んだんじゃ訓練にならぬわけでしょう、そうでしょう。重い状態、全備重量の最大重量でしばしば飛んでなければ訓練にならぬ、一朝有事に対しては備えができない、役に立たない、これがむしろ常識じゃありませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) 要撃訓練をやる場合に、常に最も重い状態でやるということはないわけでございまして、通常の装備をやって飛び上がる、すなわち二十五トン程度、これは現在のファントムと余り違わない重さでございます。その同じような状態で訓練をやる場合に、F14であると三十トン程度になるというふうに考えているわけでございます。
○秦豊君 これはどなたにお伺いすればよろしいでしょうか、旧海軍出身の鈴木元航空総隊司令官、空将だと思いますが、その方からFXについて何か具体的な上申書が提出されましたか。
○政府委員(伊藤圭一君) 航空総隊司令官のときに鈴木空将から空幕長あてに上申書が出ております。
○秦豊君 それは、どんな内容で、何がポイントですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私もそれを読みましたけれども、運用者の立場として、次期戦闘機の運用上の要求としていわゆるユーザーの側からの意見が述べられておるわけです。内容といたしますと、たとえば、高高度においてきわめてすぐれた能力を持っていてほしい、あるいはルックダウン能力、あるいは加速性、それからいわゆる飛行性能といいますか、それからECMに対するECCM能力、そういったもののすぐれた飛行機というものが第三世代の飛行機として運用者側としては必要であるというようなことが書かれてございます。
○秦豊君 鈴木さんのその意見書は、つまりいまのイーグルF15には否定的な意見であったんですか、どうなんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) これは私が現実に読みましたのではっきり申し上げられますけれども、どの飛行機がよくてどの飛行機が悪いというようなことは一切書いてございません。運用者側として期待する次期戦闘機に対する性能はこういうものであるということが書かれてございました。
○秦豊君 FX問題はこれからまだまだ続きます。だから、後学のためにその鈴木さんのリポートは提出していただけるでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) これは運用者側の希望でございます。しかも、航空機の性能についてこういうのを期待しているということが書いてございますので、部内におきましても極秘の文書になっておりますので、提出するのは困難でございます。
○秦豊君 ちょっと突っ込むと、すぐマル秘です、壁が厚いんです、これが実態です。それで、これはしかし後ほどまたわが党の理事さんにも御相談をしたいと思いますが、あなた方の慣習では機密、ぼくらでは常識、この落差を詰めることがまさにあなたのおっしゃる国民合意の線、一点の疑惑なきFX選定につながるんじゃありませんか。そう思いませんか、あなた。
○国務大臣(三原朝雄君) いま防衛局長の意見も聴取をいたしましたが、運用上の問題でこれを公開することは差し控えたいということを言っておりますが、なおよくひとつ検討いたしてみますけれども、いま承りますと、公開することは差し控えたいということでございますので、御了承願いたいと思います。
○秦豊君 関連しまして、あなた方が高い血税を使って大量に送られた二次にわたる調査、その小松リポート、これもマル秘の壁で阻むのですか。
○政府委員(伊藤圭一君) これは外国に参りましてそれこそ外国の秘にわたる資料なんかも調査さしていただいております。したがいまして、こういうのを公開するということは、これはもう将来の装備の際にも各国からの協力なんかも得られなくなるというような問題でもございます。まして、各国が秘にしているようなものを日本で公開するということは不可能だというふうに考えております。
○秦豊君 じゃ、こういう点も明らかにできませんか。たとえば、小松リポートが三部に分かれていて、一がORの資料、たとえばF15とミグ23、スホーイ19、ミグ23フロッガー、その場合の相手に与えた損害、味方のこうむる被害、15の場合は、14は、16は、こういうORがずらずらずらと並んでいるんですか、それも秘密ですか。
○政府委員(伊藤圭一君) そういった作業の結果につきましては、私どもは正直に「防衛アンテナ」の中にそのエッセンスは書いてあるつもりでございますけれども、具体的な数字ということになりますと、これは一つにはある前提の条件のインプットの数字もございますし、また、それぞれの飛行機の能力というものを白日のもとにさらすというようなことにもなりますので、その具体的な個個の作業のすべてを出すというわけにはまいらないというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 だから防衛論議が見えないんです、長官。何か言うと、機密です、相手国を刺激する。この場合は仮想敵ソビエト。こういう外交配慮になると、こういうわけです。ところが、国民の納税者の感覚をあなた方は非常に鈍感だと思うんだが、どういう脅威がたとえば八〇年代から日本に対して向けられているのか、その量と質はどうなのか、それに対する最も効果的な防空体制とは何か、こういう総合的な配慮は絶えず欠落していて、いつも戦闘機戦闘機、これで突っ走っているんですよ、長官。そうはお思いになりませんか。
○国務大臣(三原朝雄君) 運用上の問題でどうしても秘にせなければならないという問題、特にまた、外国機を購入するわけでございまするので、対外的な問題等もございまするが、しかし、そういうものをぎりぎりのところまで、私といたしましては、秘密にすべきものはここまでだ、これならばある程度の理解を願えるというようなところに整理はせなければならぬなといまお話を聞いて感じておるわけでございます。そういうことで、国会はもちろんでございまするが、国民の皆さん方に理解のできる範囲のものは整理をしてまいらねばならぬというようなことでいまお話を聞きながら感じておるところでございます。
○秦豊君 それは確かに四分の一歩の前進であろうと思う、半歩とはとても言えないが。その限度というのは、この「防衛アンテナ」程度ですか。選定の経緯、このラフなこういう記述ですか、限度は。どうでしょう。
○国務大臣(三原朝雄君) ただいまお手元に出しておりますような「防衛アンテナ」よりも一歩進み得るかどうかということまで踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
○秦豊君 そうすると、いまの三原長官のお約束によって、FX選定については、論議を豊かにするために、シャープにするために、豊富にするために、防衛庁側としては、こういう雑なアバウトなものじゃなくて、もっと詰めた、突っ込んだデータをわれわれ委員会に提出する用意があるし、それを目指して検討するというふうに理解していいですね。
○国務大臣(三原朝雄君) いまお話のように、私といたしましてはできるだけ整理をいたしたいと思います。すでに先般来帰ってまいりました調査団に対しましても、とにかく私自身が技術的な問題がよくわかりません。しかしながら、長官として理解のできる、もちろん国民の方々もそうでございましょうが、理解のできる範囲内——いろいろな問題点を提示されておりまするので、そういうものを14、15、16で整理をして、ここはこうなります、この機についてはこういう利点があるがこういうところに問題がありますというようなことを一般の方にもわかるようにひとつ解明をするデータをつくれということを命じておりまするし、また、秦先生のような専門家に対しましては、一歩また前進をした立場で、秘を守らねばならぬものについてはお許しを願いたいと思いまするけれども、どうしても極秘にせねばならぬというものは別といたしまして、できるだけ整理をして資料を提供する準備をいたしたいと思います。
○秦豊君 それについてはわれわれもどういう資料を要求すべきかを詰めてみたいと思います。 それから防空がトータルシステムとしてとらえられていないという点については、基本的にどうお考えでしょう。
○国務大臣(三原朝雄君) この点につきましては、FX、PXL等で実は問題意識として私も受けとめておるわけでございまするが、しかし、期間的にも相当な期間を置いて調達、取得をする体制になりまするので、その点は全般的な問題として検討を進めておるつもりでございまするので、全般の防衛体系上、FX説だけが私は先行しておるというような見方をいたしておりませんけれども、なお、御意見等は踏まえて勉強いたしたいと思います。
○秦豊君 それは周辺の方のあなたに対するレクチャーが間違っているんだと私は思います。 久保局長、いま日本の防空体制の中で何が最もおくれているんですか。どういうものを埋めれば一応所要の目的を達するんですか。
○政府委員(久保卓也君) おくれているという意味では全般的におくれていると思いますが、機能的に欠けているのは、低空侵入に対する警戒監視、これはおくれているというよりも、ない分野であります。それから戦闘機の場合は、まだ新しいのが予想されるわけでありますが、対空ミサイル、これは適切なものが実は次のゼネレーションのものが予想しにくい。もちろんアメリカでは開発はしておりまするけれども、それが日本として適当であるかどうかわかりませんので、この点が大変問題である。それから、先ほども御質問が出たんですけれども、バッジについては次のステップを考えなきゃいけない、そういうふうに思っております。
○秦豊君 F15を導入すれば、いまのバッジシステムとは技術的、機構的に連動しないという意味ですか。
○政府委員(久保卓也君) これは戦闘機の機種によるわけではございません。十年前の導入でありまするし、電子機器の開発が非常に早いということと、それから防衛庁長官も御答弁になりましたように、飛行場とかあるいはレーダーサイトというものがいわばむき出しになっておって、それに対する防空能力というものがきわめて不十分である。いわゆる抗たん性がないというようなことでありますから、防空という全体のシステムとして見た場合にいろんな欠陥がある。そういうものをやはり均衡をとって回復してまいらねばなるまいというふうに思います。
○秦豊君 そろそろFXを終わらねばなりません。時間ですから詰めますけれども、いま防衛庁では14、15、16の費用対効果、これはなるほどなさっているでしょう、さまざま分厚く。だけれども、じゃあ、ミサイルとFX。それからレーダーの改修、その場合のスペアを含めた。あるいはAEWの導入、その費用対効果。そして、ある予算年度を踏まえて、後年度負担を踏まえて、そのプライオリティー、優先順位。こういうものについての緻密な作業は始まっていますか。もう終わっちゃったですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもがやりましたF14、15、16についての防空効果というORにつきましては、現在持っておりますナイキ、ホーク、そういったものはデータの中に入れてやっております。しかし、それをどのぐらいふやしてやるというような、条件というような形はやっておりませんで、現在持っているもの、それから現在の計画で予定しているもの、そういった防空ミサイルというものはデータの中に入れてございます。
○秦豊君 やっぱり残念ながら、ひとりの私をも納得させられない論理だと思います。あなた方の論理というのはあくまでF15中央突破とさえ私には見えます。説得性がない。非常に前のめりである。つんのめっている。だから既成事実をつくりたがる。私には、長官は一年間の時間は大事にしたい、クールに高い次元でと。内定にすぎません、あとは久保さんのところです。こう言っている。ところが、あなた方はユニフォームに恐らくかちっとやられたと思うが、FX準備室解散、通常業務に返る。これは形式論理ですよ。つまり、要するにF15を決めたいんです、あなた方は。アメリカ空軍もあれはいまベストセラーじゃないから、日本に何とかまとまって買わしたいんですよ。万事そこから発想する。だから初めにF15ありきなんですよ。わき目も振らず、あなた方はそれを目的を達する一つの大きな作戦だと思う。しかも長官、気をつけていただきたいのは、私はあくまであなた方の調査を信用できない。これは話がまとまれば、野党で話し合ってブラウンに会い、空軍長官に会い、メーカーに会い、われわれのありったけの知識をしぼって、われわれ野党が独自な調査団を出して調べたいぐらい。一兆円の買い物ですよ、とんでもない買い物ですよ。だから、基本的にはわれわれはどの機種に対しても懐疑的である。しかし、少なくともきょういろいろとお話を伺ったけれども、依然として私は防衛庁の対応は強引きわまると思う。しかも、いま溜池の日商岩井を初めアメリカの議会の、さっき申し上げた四人の議員を含めて非常にF15に対する巻き返し、サポートが、補強が行われている。そして防衛庁の中のF15グループと、内局とユニフォームの間の対立もかなり広く伝えられている。ところが、しゃにむにとにかくF15だと、こういう発想は、あなたのいわゆるガバナビリティを振切って独走の危険さえあると思うから、重ねてあなたにはもっと新たなデータが出てきたりした場合には、ぼくに対する答弁どおり改めて新しい調査団を——たとえばF16にしたって新しいパターンができてるじゃありませんか、前には乗れなかったやつが。その他いろいろこう謙虚に一年間、納税者に対する義務として、そういう謙虚な立場は依然として留保するという決意のほどを伺っておきたいと思うんだが、どうでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 防衛庁がここ数年にわたりまして努力をして、昨年の暮れ内定をしたという事実は事実として、防衛庁長官としては考えておるわけでございまするけれども、再三先生にお答えを申しておりまするように、いろいろな問題点の指摘がその間なされてきたりするわけでございまするが、したがって、そういう問題を一つ一つつぶしていかねばならぬと思うわけでございます。したがいまして、私といたしましては、いまのところF15という内定はございまするけれども、もう少しやはり幅の広い、慎重に、しかも冷静に、私は最終決定に対しましては一つ一つの段階を経て準備をいたしまして最終決定——国防会議に持ち込みたいと思うのでございます。 なおまた、いま裏街道でいろいろな商社等の動きがあるということにつきましては、私はこれがやはりロッキード事件等、そうした問題で失敗をしたことだと思いまするので、これから先十分配意いたしまして、再び国民の疑惑を招くようなことのないように処置してまいりたい決意でございます。
○秦豊君 最後に、国防会議側に、久保さんに伺いたいと思いますが、やはりこれは一つの国民的な疑惑、不信の対象だと思うんです。大きなアイテムです。特に、やはりコンセンサスという点を重視すれば、三原長官が言われたようにかなり窓を開かねばならない。機密、マル秘じゃなくて、ある程度は国会に提供をしなければならないと。これは多少のいい方向だと思います。では、国防会議としてはこの四月から年度をずっと見て、どうせ秋の予算要求までに一つの方針を出すんだろうから、あなた方は。そうすると、望ましい選定の手順——冒頭に伺ったが、あれではちょっとあなたの答弁らしくなくアバウトですから、望ましいFX選定の手順のために防衛庁側に対してはどのような対応を要求されるか、この点ちょっと念のために伺っておきたいです。
○政府委員(久保卓也君) 私の方では防衛庁のスケジュールを実は伺っておりませんので明確な答弁ができませんが、しかし、昨年は年末に二回の参事官会議でお話を伺っただけであります。そこで今回は関係各省庁の入りました参事官会議で十分に内局及び制服側からの御説明を聞く。問題は国防会議そのものにおける議論は公開いたさないことになっておりますのでそれは出ませんけれども、私ども事務当局で議論されていろいろ問題点があったことを、なるべく、国会はもちろんでありまするけれども、国民の目に触れるような形で出していきたい。それをどういう形でするかは防衛庁といま話をしているところでありますが、そういうことを繰り返して、なるべく国会や当然国民の皆さんの納得をされるような形で国防会議としては決定するのが望ましいということで、いま具体的に申し上げられないのは恐縮でありますけれども、気持ちとしてはそういうふうに思っております。
○秦豊君 国際空港の問題に入りたいと思います。 担当大臣に伺いますが、たしか政府は一月中旬は年内、それからこの間福田総理の千葉の会見では年度内に変わっていますね。あれはどういう理由ですか、開港。
○国務大臣(田村元君) 年内というのがわれわれの考えでありまして、ときどき私も年内と年度内と、よく言葉を間違うことがあるんですけれども、年内開港をめどとして今日努力をしております。
○秦豊君 じゃあその年内開港の確信の根拠、これは何ですか。 〔委員長退席、理事吉田実君着席〕
○国務大臣(田村元君) 第一期工事分としては、いま障害になっておりますのが、すでに御承知と思いますけれども、油の暫定輸送の問題といわゆる妨害鉄塔の問題でございます。 そこで、暫定輸送の問題につきましても、公団の非常な努力で着々とお話し合いも詰まってきておるようでございますので、年内開港にこぎつけることができるだろう、このように考えております。
○秦豊君 これまでに空港公団が業務を執行する過程でいろいろと犯した法律違反がざらにあるんですよね。ざらと言っちゃ失礼かもしらぬが。これ、ちょっと初めに失礼かもしれぬが列挙してくれませんか。
○参考人(大塚茂君) 過去におきまして、いろいろ法律上の手続のおくれた点等が若干ございましたことは事実でございます。その後、これらは必要な手続を経て認可、承認等を受けまして追認をされ、合法的な状況になっておりますけれども、ありました事実は、航空法関係におきましては工事の実施計画の変更認可の手続がおくれた点。それから公団法につきましては業務方法書の認可がおくれたこと。さらに本格パイプラインの工事につきましては農地法上の手続がおくれた、手続を経る前に着工したということ。それからさらに、消防法で承認を受けるべきやつを受けないで着工したというような点がございまして、これらはいずれも昭和四十八年ぐらいまでの間のことでございまして、その後はございませんけれども、われわれとしては十分注意をいたして、二度とそのようなことのないようにやっております。
○秦豊君 なかなか罪深い団体ですな、おたくは。 一般的に言って、政府は緊急を要する公共事業であれば法手続は無視または軽視してよいとお考えですか。
○参考人(大塚茂君) いかに緊急な事業でございましても、法手続を軽視あるいは無視していいというふうには考えておりません。ただ、もちろん協議とか連絡を事実上はしておりましたが、急ぐ余り結果として手続がおくれたということが事実あったわけでございまして、その点についてはまことに遺憾だと思っております。
○秦豊君 あなたは政府じゃないから、田村大臣からいまの同じポイントについてお答えをいただきたい。
○国務大臣(田村元君) いかなる場合であっても法の手順は踏んでいくべきだと思います。
○秦豊君 そうすると、新東京国際空港公団法、これが公布されたのはいつですか。
○政府委員(真田秀夫君) 新東京国際空港公団法、これは昭和四十年六月二日公布、法律第百十五号でございます。
○秦豊君 いま長官が読まれた公団法がそれじゃ施行されたのはいつなのか、根拠になる法令を挙げてお答えください。
○政府委員(真田秀夫君) 施行関係は、法律の附則に書いてございますが、附則の第一条に、「この法律中第二条の規定は公布の日から、」つまり四十年の六月二日から、「その他の規定は同条の政令」の公布の日後において政令で定める日から施行する。」と、こうなっておりまして、非常に読みにくい条文でございますから、少しコメントいたしますと、第二条と申しますのは、「新東京国際空港は、次の要件を備える公共用飛行場として、東京都の周辺の地域で政令で定める位置に設置するものとする。」と、つまり新東京国際空港の位置を定める政令でございます。そこで、先ほど読みました附則第一条のうちの「その他の規定は同条の政令の公布の日後」とありますその「同条の政令」というのは、その第二条で、空港の位置を定める政令、その政令をまず公布して、そして「その後において」また「政令で定める日から施行する。」こういう二段構えになっておるわけでございます。それでこの附則第一条を受けまして、四十一年の七月五日、政令第二百四十号に、新東京国際空港の位置を定める政令というのが出ておりまして、「法第二条の政令で定める位置は、千葉県成田市とする。」という内容の簡単な政令でございます。これがまず先行いたしまして、それに続いて四十一年の七月六日、つまり翌日、政令二百四十三号をもって、公団法の「その他の規定」の施行の日を「四十一年七月七日」と定めた、こういう経過になっております。
○秦豊君 そうすると、公団法二条に基づいた成田空港の位置を定める政令が出されたのは、いつになりますか。
○政府委員(真田秀夫君) 位置を定める政令を制定いたしましたのは、先ほども申しましたように四十一年の七月五日でございます。
○秦豊君 そうすると、公団が成立した日はいつですか。
○政府委員(真田秀夫君) 公団の成立は、やはり附則の規定によりまして、「設立の登記をすることによつて成立する。」ということになっておりまして、登記は昭和四十一年の七月三十日に行われたようでございます。
○秦豊君 そうすると、長官、公団が成立するためには、公団法の、つまり附則第二条から第五条までの手続を正確に厳格に踏む必要がありますね。
○政府委員(真田秀夫君) 公団は特殊法人でございまして、設立委員を命じて設立手続を踏むわけでございますので、もちろん、おっしゃるとおり、附則のそれらの規定が施行にならなければ公団の成立はできない、あり得ないということに相なります。
○秦豊君 ということは、附則の第二条から第五条が施行されていなければならないということになるわけですから、これを言いかえますと、公団の成立の前に、必ず公団法の附則第一条に定める政令、これが定められていなければならない、これが論理的に当然ですね、長官。
○政府委員(真田秀夫君) 公団法の一条に定める政令といまおっしゃいましたけれども、正確には、公団法の附則の第一条に書いてある「その他の規定」の、施行期日を定める政令という意味であろうと思いますが、おっしゃるとおりでございます。
○秦豊君 それでは恐縮ですけれども、附則第八条をちょっと読んで解釈していただけませんか。これは大事なポイントになると思います。
○政府委員(真田秀夫君) 附則第八条、「公団の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十一年三月三十一日に終わるものとする。」これは最初の事業年度がいつからいつまでであるかという、本則に対する特例を書いた規定でございます。
○秦豊君 そうしますと、おっしゃったように附則第八条の解釈としましては、四十一年の三月三十一日までに公団が成立するということは絶対の前提ですね。
○政府委員(真田秀夫君) ただいま読み上げましたように、附則の第八条に最初の事業年度が「昭和四十一年三月三十一日に終わるものとする。」と書いてあることから見まして、この法律は、先ほども申しましたように、前年である四十年の六月二日に公布されておりますけれども、その翌年四十一年の三月までには公団が成立しておるということを期待しておったということは明らかであります。
○秦豊君 期待していたが成立していなかった。公団が成立した日は四十一年七月三十日、確認が終わっています。非常にこれは重大な法律違反ですよ。そうしますと、公団の成立は四十一年七月三十日ですね。それから新東京国際空港の位置を定める政令、四十一年七月五日、これも事実。それから新東京国際空港公団法の施行期日を定める政令、四十一年七月六日、すべてこの附則第八条の、長官がまさに正確に確認されたこの附則第八条に、法的な違反を犯していることになりませんか。非常に私は重大だと思いますよ。
○政府委員(真田秀夫君) 附則の八条を読む限りにおいては、おっしゃるような関係になるわけなんですが、先ほど申しましたように、これは施行関係が、第二条でまず位置を決めなさいと、それが第一段階の施行、それからその他の規定は位置が決まってから後に政令で決めなさいと、こうなっておるわけなんでして、もちろんこの法律は四十一年の三月末までには当然その位置も決まっているだろうということを予期して八条ができておったんだろうと思うのです。ですが、この位置がなかなか決まらなかったようなんですね、現実問題として。富里でしたかに決まってみたり、反対があって撤回になったとか、いろんないきさつがあって、事実上間に合わなかったというのが真実のようでございます。
○秦豊君 法制局長官というのは法律の解釈に厳密であるべきで、そのときの政治情勢なんかに理解と同情を示す必要はない。 運輸大臣、いまの法律論争をお聞きになっていて、これは法律違反だとお考えになりませんか。
○国務大臣(田村元君) 私が航空局から聞いております説明の範囲内では違反でないというふうに聞いております。
○秦豊君 違反でないという根拠をお教え願いたい。
○国務大臣(田村元君) 私に違反でないと説明をいたしました航空局次長から説明をいたさせます。
○秦豊君 いいでしょう、学者の意見を聞きたい、そういうすぐれた意見を聞きたい。
○政府委員(松本操君) 私の前に法制局長官がるるお答えになっておりますので、私のような素人が出るのは大変恐縮でございますが、設立の登記をいたしましたのは四十一年の七月三十日、これは事実でございます。したがいまして、公団法の附則八条から申しますと、最初の事業年度は成立の日から始まって四十一年三月三十一日に終わると、こういうことになっておるわけでございますが、条理上設立登記が終わりましたのが昭和四十一年七月三十日であるということにかんがみ、当初の年度は、当然のことながら昭和四十二年三月三十一日に終わったと、こういう形において公団がスタートをしたのである。こういうふうに私は理解をしておりまして、ただこれは私どもはそのように理解をしておるということでございますので、そういう趣旨で、また大臣にも私は申し上げておるわけでございます。
○秦豊君 法制局長官、いまのこの方の見解について法的に厳正にひとつ判定をしていただきたい。あんな論理が通用していいものですか。あなたは法的に疑義があると言っているのに、何をおっしゃっておられるか。
○政府委員(真田秀夫君) その附則の八条は先ほど読み上げたとおりでございますが、これは「第二十五条の規定にかかわらず」と書いてございますが、第二十五条というのは通常の、つまり第二年度目以後の公団の事業年度が四月一日から翌年の三月三十一日までだという事業年度区分を書いている規定でございまして、公団が発足した初年度、第一年度はもう四月一日から発足するとは限りませんので、それで、その第一年度はその成立の日から次の年の三月までだよと、まるまる一年ではありませんよということを書いているのがこの規定の裏にある本旨なんでございます。そのときに、先ほど申しましたように、六月二日にこの法律ができておりますので、翌年の三月三十一日までには発足しているであろうということを期待して、それでここで四十一年と書いたわけですが、これが先ほど申しましたように、現実にその場所を決めなければ法律の施行ができない。その場所が決まらなかった。これはもう事実そうなんで、そこで間に合わなかったというのが実態でございまして、それで、間に合わなかったその時点において、それで八条をどう読むかということになりますと、八条の本旨というのは先ほど申しましたように、最初の事業年度はまるまる一年ではなくて発足の日から、成立の日からその翌年の三月三十一日までだというのが趣旨でございますから、それで間に合わなかった時点においては、四十一年三月三十一日とあるのは、これは四十二年とでも読まなきゃしようがないと、現実にそういうことで事務が処理されているという関係にあると思います。
○秦豊君 法制局長官、法律に実態が合わなければ法律を改めるのが正しい態度じゃありませんか、そうじゃありませんか。
○政府委員(真田秀夫君) 法律を改めるというのも一方法でございますが、もともとこの附則八条は、先ほど申しましたように初年度の事業年度はまるまる一年ではないということだけの本旨なんでございますから、強いて改めなくても、いま言ったように読みかえということで運用しても、それは違法とは言い切れないということでございます。
○秦豊君 答弁を踏まえてください、御自身の。あなたは先ほどは法的に疑義がある、よくない、こうおっしゃった。いまは応用問題、拡大解釈に逃げ込もうとしている。その態度は許されません。 もう一回、運輸省局次長の言った論理が、あなたの法律家としての見解の中では許されるか許されないか。間違っているか間違っていないか、はっきり述べてもらいたい。
○政府委員(真田秀夫君) ただいま私が述べたとおり、四十一年というのがそのまま残っているのは、それは余りかっこうはいいことじゃございません。
○秦豊君 かっこうの問題ではない。
○政府委員(真田秀夫君) かっこうはいいことではございませんが、この規定の本当の趣旨は何かということまでさかのぼって考えますと、先ほど申しましたように、最初の事業年度はまるまる一年ではなくて、発足の日からその年度末までだというのがこの趣旨でございますから、このままの規定でかっこうはよくないけれども、あえて違法だというほどのことはないというわけでございます。
○秦豊君 あなたは、失礼ですが、かっこうの問題ではなくて、厳密な法の運用、適用のこれは問題ですよ。局次長のあの答弁は間違っているんでしょう、法的には。
○政府委員(真田秀夫君) 繰り返しになりますけれども、法律は、それはなるほど条文はそのとおり四十二年度になった方がいいことは当然なんです。
○秦豊君 そうでしょう。
○政府委員(真田秀夫君) それは当然なんですが、この規定の趣旨自体をよく読めば、先ほど申しましたように、最初の事業年度がまるまる一年ではないんだということだけを言っている規定なんで、これから逆算して、政令は三月三十一日までに施行しなければならないというように、附則の一条は実は書いてないわけなんです。普通よく書くんです、そういうことを。この法律は公布の日から六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するというふうに普通は書くわけです。そういう場合に、六カ月を超えて政令が出なかったという場合には、これは違法なんです。だけれども、附則の一条は、先ほど読み上げましたように二段がまえの施行は書いております。そして附則の八条へいって最初の事業年度の特例だけを書いているだけであって、これから逆算して——逆算というのもおかしいのですけれども、政令がおくれたことが、直ちにこれは違法であるということまではない、きめつけなくてもいいんじゃなかろうかということなんです。
○秦豊君 おかしい。 あなた最初の答弁からかなり大幅に後退している。運輸省のあの答弁が法的に的確かどうかだけまず答えてください。局次長の。話をそらさないで。
○理事(吉田実君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(吉田実君) 速記を起こして。 松本航空局次長、もう一度先ほどの説明をしてください。
○政府委員(松本操君) 私がお答えいたしましたのは、公団法附則の八条には、最初の事業年度は成立の日から四十一年三月三十一日に終わると、こう書いてございます。しかるところ、公団の発足は設立登記をもって発足となりますので、この事実の日にちは昭和四十一年の七月三十日でございます。したがいまして、当然ながら発足後の最初の事業年度というものは四十二年三月三十一日に終わると、こういうふうに考えるのが条理上の筋ではなかろうか。したがいまして、発足の日が四十一年七月三十日であるということを踏まえました場合に、この状態でこの四十二年三月三十一日までを初年度としたことについては、特段に法律上の問題があるということにはならないのではないかと考えまして、先ほどのようなことを大臣に申し上げたと、こういうふうな御説明をしたつもりでございます。
○政府委員(真田秀夫君) 大筋においてはあのとおりなんです、もう少し補足をしますと、附則八条は、法律ができたときには四十一年の三月三十一日までに成立しているであろうということを期待しておったということをつけ加えた方がいいんだろうと思います。
○秦豊君 大変無理がある。公団が成立したのは四十一年七月三十日。事業年度は四十一年三月三十一日に終わるとなっている。この食い違いはだれがどう言っても弁解できない事実だ。だから、あるべき正しい姿としては、対応としては、附則第八条を改正するのが正しい法的態度ではないのか。拡大解釈によって事態をごまかすんではなくて、第八条を改めるのが正当な手続じゃありませんか、長官。くだくだ言わないでぴしっと答えてくださいよ。
○政府委員(真田秀夫君) おっしゃるとおり、四十一年の三月三十一日が近づいてきた、しかしまだ設立の準備ができてないというときに法律を改正しまして、この四十一年とあるのを四十二年に改めるというのはまさしく正論ですよ、それは。しかし、先ほど来申しましたように、この条文は第一年度の、最初の事業年度が四月から三月までというまるまる一年ではないということを言っているのは、非常に技術的な規定なんですよ、この規定は。そういうだけの規定でございますので、先ほど運輸省の政府委員の方が言われましたように、この趣旨をくんで、それで四十一年の七月三十日から四十二年の三月三十一日までを第一年度の事業年度として処理したということは、それはそれでまた、これをもって違法だというふうにきめつけるほどのことはないという気持ちです。
○秦豊君 あなたの答弁にはそんたくと理解が過ぎる。一番最初の部分でいいんです。あるべき法的な姿としては附則第八条を改めるべきである、そのとおりだと言われましたね。それを取り消してないんですね。しかも、内閣には法律の提案権がある。ならば、四十六年から四十七年を考えてごらんなさい、通年国会じゃありませんか。一年じゅう国会が開かれていた。なぜ提案しなかったか。私はやっぱり重大な行政府による立法府に対する冒濱、傲慢だと私は思う。その点についてどうなんです。これは運輸大臣にも答えていただきたい。
○政府委員(真田秀夫君) それは、先ほども申しましたとおりでありまして、三月末近くになってまだ準備ができてない、だから追っかけて八条の四十一年を四十二年に改めるという改正をすることも確かに一つの方法なんですよ。あるいはその方がベターかもしれません。だけれど、もともとがこれは非常に技術的な規定でございまして、その本旨は、もう繰り返し言っているように、第一年度の事業年度が一年間まるまるでないということだけを言っている規定なものですから、あえて法律の改正をしないでいまのような事務処理をしたということは、それは法律の趣旨にはちっとも反してないということなんです。それは直した方がベターだとは私も思いますよ。
○秦豊君 だから厳密でない法的対応であったということはあなたも認めた。法制局長官、あなたは憲法の七十三条一号と内閣法の一条というのをちょっとここで読んでください。
○政府委員(真田秀夫君) 憲法七十三条は内閣の職務を書いている規定でございまして、第一号は「法律を誠実に執行し」云々ということ、それから内閣法第一条も、それを受けて七十三条の職務を行うと書いているわけでございます。
○秦豊君 では、空港公団の今回のこの法的な拡大解釈が、ルーズな対応が、非厳密的な態度が、いまの憲法七十三条と内閣法一条に明らかに反する行為であるという心証等お持ちですか。法律を誠実に履行するのでしょう、執行するのでしょう、内閣は。誠実に執行してないじゃないですか、拡大解釈しているじゃないですか。許されません。どうなんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 四十一年の三月三十一日までに政令を出して施行することができなかった。(「できなかったじゃない、やらなかったんだよ。」と呼ぶ者あり)これはやらなかったんではなくて、やろうやろうとしてずいぶん努めたはずなんです。それができなかった。だから、そこで誠実に執行することということは、誠実に執行するように努力をしているわけなんです。それを全然法律の規定を無視して、漫然と時を過ごしたというのならば、これは誠実に執行したとは言えませんが、誠実に執行するべくもう極力努めた。しかし、地元の反対とかいろいろな意見とかあって場所が決まらなかった。それで、先ほど申しましたように法律の施行関係が二段構えになっておって、まず場所を決める政令を出しなさいと、それからそのほかの規定の施行政令を出しなさいと、こうなっているものですから、実はできなかったわけなんです。
○秦豊君 法制局長官が自民党の交通部会長みたいな発言をしちゃ困る。あなたは厳密な言葉を選んで的確に厳しく発言すれば足りる、あなたの職能は。超えておる、それを。あなたは附則八条を改正するのが正しかったでしょう——そこまで認めた。しかし、そうなると空港公団というのはそもそもこの附則八条を無視している。そうすると、当然関連して二つの政令もまた法律違反を犯したことになる。そうでしょう、論理的には、整合性から言えば。そうすると、空港公団というのは存在そのものが違法だということが明白になったと私は思う。政府側の見解を重ねて聞きたい。あなたの答弁は納得しない。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど来申しますように、附則八条に、あそこに四十一年三月三十一日という日付が出ておりますけれども、これはたびたび申しますが、二十五条の特例としてきわめて技術的なことを書いている規定なんでありまして、それを過ぎたからといって、公団がもともと存立が無効だということにはならないだろうと思いますがね、それは。
○秦豊君 いや、内閣法と憲法は何のためにあるか、るる述べない。正しい態度は附則第八条を改正する、これが誠実な態度、対応。これがある以上やはり空港公団の存立そのものに私は法的な疑義があるという主張を撤回しない。もっとはっきりした答弁を法制と運輸が話し合ってもらいたい、この場で。あんな答弁じゃ納得できない、無理がある。
○理事(吉田実君) 速記をちょっととめてください。 〔速記中止〕
○理事(吉田実君) 速記を起こして。 小柳勇君。
○小柳勇君 ただいまの秦議員の質問に対する政府並びに法制局長官の答弁では納得できませんので、この問題は保留をして、次の機会に政府の統一見解を聞いた上で質問いたします。
○理事(吉田実君) ただいま小柳理事からの発言のとおりに委員長として取り計らいます。 —————————————
○理事(吉田実君) 宮田輝君。
○宮田輝君 外務大臣、連日連夜本当に御苦労さまでございます。 まず、園田特使のその後でございますけれども、ソビエトとの折衝はきょうの午後四時からというふうに伺っているわけでございますが、その後四時から始まっておりますでしょうか。新しい情報をお聞かせいただきたい。 〔理事吉田実君退席、理事中山太郎君着席〕 それから、議員団に対する受け入れ側の態度について動きがございましたらお聞かせください。
○国務大臣(鳩山威一郎君) モスクワに着かれました園田特使は、空港に着かれまして、きょうのモスクワ時間の十時がちょうど四時になるわけでございますけれども、ただいまのところ先方と電話連絡をとっておるのでございますけれども、まだ会談は始まっておらないのでございます。十時の段階で先方と、ソ連の首脳とどなたにお会いするかということも、この十時からの話で決まるというふうに伺っていたのでありますけれども、ただいまのところまだ進展がないという報告でございます。 それから、国会の超党派の議員団の訪ソ実現についてでございますけれども、一昨日は外務次官から先方に来てもらいまして、その趣旨をよく説明をして頼んだわけでございます。日ソ友好促進の見地からぜひとも議員団を受け入れてほしいということを申し述べ、また、昨日も官房長からよくその趣旨を向こうへお願いしてあります。また、重光大使の方から先方の外務次官に対しまして、友好促進上ぜひとも受け入れてほしいということを主張いたしておるところでございます。先方は、立法機関の代表の方々がお見えになるということは、大変先方としては大事なことでありますので、一般的に受け入れにつきましては相当前広にいろいろ打ち合わせをして受け入れを決めておるのであって、今回余りにも突然のことであるということ。それから、現在カストロ第一書記が見えておるとか、そのほかいろんな首脳の方が見えておる、チュニジアの首相が見えるとか、引き続いてまた方々の首脳が見えるというような話がありまして、日程が大変詰まっておるということを先方は主張しておるのでございまして、まだ実現いたさないことを大変残念に思っておるところでございます。
○宮田輝君 国民的な大きな関心事でございますし、しかもなお、ほとんどの国民が応援団になっていると思われますので、一層ひとつがんばっていただきたいと思います。 質問の最初でございますけれども、私は新島についてまず伺いたいのです。別に新しい政党ではございません、神の道でもございません、新しい島の方でございます。はるか南方の南硫黄島の南方海域での海底火山活動については、新島誕生かと大きな話題となりました。経済水域の二百海里時代ともなりますと、新島を日本領土とすれば、将来経済水域がぐんと拡大する見込みになるというところからも、これは資源に恵まれない日本の国民にとって、仮に小さい島だとしても大きい関心が持たれるわけでございます。しかも、伝えられるその辺は、大変カツオとかマグロのいい漁場であると、こうも言われております。いいというのは量がとれるばかりではなく、質のいいものがとれる場所である、こんなふうに聞いております。漁業関係者にとりましては特に新島発見が待ち望まれるわけでございますけれども、この現状について海上保安庁から伺いたいと思います。
○政府委員(薗村泰彦君) 南硫黄島南方の海底火山は、通称福神岡の場それから日吉沖の場という二カ所において、現在火山活動が行われている。その位置は、南硫黄島から福神岡の場の方は南東方約百八十海里、日吉沖の場の方は南々東方約五十海里の地点でございます。 福神岡の場につきましては、昭和四十九年の三月二十日に日本の漁船から海底火山活動による海底の隆起と思われるという情報を海上保安庁に通知をしてまいりました。そこで、海上保安庁は五十年の五月二十七日、六月十一日、五十一年八月二日、八月十日、航空機によりまして航空調査を実施いたしましたが、浅所及び海底火山活動の視認はできませんでした。また、同年八月六日から十四日に至る間、測量船「昭洋」によりまして付近の海域において海底総合調査を行いました。その後、昨年の十二月三日に自衛隊機から同海底に変色水の存在する通報がございましたので、十二月の十七日に海上保安庁の航空機によって調査を行い、微弱な海底火山活動による変色水を視認いたしました。 それから、もう一つの方の日吉沖の場でございますが、これは本年の一月九日と十日、日本航空の航空機から同海域における変色水の存在及びレーダー映像についての通報がございましたので、海上保安庁は一月の十日、十一日、十二旧に航空機によって活動状況の調査を実施いたしました。また、今年の二月二十四日にも航空機による調査を実施いたしました。その結果、同地点は湧出点の顕著な変色水域が存在し、また湧出点が数カ所存在することが確認をされました。 現在までのところ、それらの調査を総合して申し上げますと、まず第一番目の福神岡の場については、これは五十一年の十二月までの海上保安庁の船舶、航空機、防衛庁の航空機による調査、それから日本航空の航空機による観察報告を総合いたしますと、その活動は間欠的に継続していますが、やや鎮静化している。付近の海域では変色水が認められないことがある。以上が福神岡の場でございます。 次に、日吉沖の場につきましては、本年の三月二十八日までの海上保安庁の航空機及び防衛庁航空機による調査、日本航空の航空機による観察並びに先ほど行われました水産大学の調査船による調査報告を総合いたしますと、その活動は間欠的に継続しており、活動規模は大きな変化はない。活動時には広範囲に変色水が存在するが、火山性の噴出物の浮遊は認められていない。以上のことが、いままでに総合的に明らかになっている点でございます。
○宮田輝君 無線操縦艇が音響測深で海底火山の地形を調べたところ、火山の頂上部の平均水深が約四十メートル、最も浅いところは水深約二十五メートル、こういうような調査結果も報道されているわけでございますけれども、今後一体どういうふうになさるお考えなのか。もしも、もっとそれらの火山活動が頭をもたげてきたとしたら、一体どういうことになるんでしょうか。まず、その辺をちょっと聞かしていただきます。
○政府委員(薗村泰彦君) 海上保安庁で現在とっている措置と、それからこれからの計画を簡単に御説明します。 まず第一番目に、当該海域における監視については、昨年の十月二十八日に内閣官房、防衛庁、外務省、水産庁、運輸省、海上保安庁及び自治省からなる関係省庁連絡会議の申し合わせによりまして、海上保安庁と防衛庁は協力して海底火山の活動状況を監視し、その結果を関係省庁会議に報告するということを決めました。それが一つでございます。 次に、五十二年度におきます海上保安庁の観察計画といたしましては、今年の五月から六月にかけて日吉沖の場付近の海域については海底地形の測量、地磁気の調査及び重力についての調査を内容とする海洋測量を測量船で実施をいたします。 それから、火山噴火予知計画として、海面の温度の分布及び変色水の調査を内容とする航空機による調査を五月と九月と十二月に実施する計画でございます。 その他、先ほども申し上げましたように、特に突発的な異常現象が発生いたしました際には、必要に応じて航空機を飛ばして調査をするという計画が海上保安庁の今後の計画でございます。
○宮田輝君 漁業関係の方々の言葉としては、とにかく先に発見するようにがんばってもらわなくちゃと、こういうことがあるわけでございますけれども、新島としての決め手は何なんでしょうか。 また島と岩、これはどんなふうなことになるんでしょうか。
○政府委員(薗村泰彦君) これからのお話は、学問的な調査研究の話になりますので、当庁の水路部長にお答えをさせます。
○説明員(庄司大太郎君) その新島の監視計画といいますか計画については、いま長官がお答えしましたように、私の方も飛行機も飛ばし船も出しますが、そのほかに自衛隊の飛行機が大体一週間に一遍ぐらいの割合であの辺を飛ぶ。それから、日航機は毎日グアム便がありまして、大きな変化があればそこでつかまえるということで、第一に発見するということは十分処置がとってございます。 それから、その次のどれが島でどれが岩礁でという問題は非常にむずかしゅうございまして、いろいろな種類があって、まあ人が住んでいるということになれば完全な島ですが、人も住めないというふうな、あるいは波が高ければ洗うというふうなものが、そういう新島という領土権まで及ぶものになるかどうかは非常にむずかしい、われわれちょっと決めかねる問題があると思います。そういう例はあちこちにございまして、伊豆列島にも岩礁みたいな島があちこちにございますから、そういう点で、ちょっとどこまでが島でどこまでが岩礁でという定義はまだはっきりしたものはございません。
○宮田輝君 そうしますと、領土として認められるための条件、あるいは国際法、国際慣行などによりますと、公海上の新島というのは、先に見つけた国が実効的な支配があるというようなことも聞くわけでございますけれども、一体、その実効的な支配あるいは占有あるいは先占とも言いますけれども、これは外務大臣はどんなふうに解釈なさいますですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この新島が発見された場合に、これを自国の領土とするための要件と申しますか、これにつきまして、これ、領海の中であれば問題はないわけでありますけれども、公海におきまして島を発見した、これをぜひ、ともあれわが国の領土としたいと、こういう場合の要件といたしまして、これははっきり実定法があるわけでないわけでございますが、単にまあ発見したというだけではどうも十分ではないんではないか、実効的な占有を伴わなければ完全な先占とは言えないのではないかというふうに解されております。じゃ、何がこの実効的な占有と言えるだろうか、先占と言えるかということになりますと、これは明らかなるものはないわけで、岩礁というような場合には、これはときどき国家としての占有の意思を持って、まあ巡視艇が巡回するとか、そのようなものでもいいのではないかというふうに考えておるところでございまして、何よりも国家としての占有の意思を示すということが一番大切ではなかろうかというふうに思っております。
○宮田輝君 そうしますと、人は住んでいなくても、あるいは大変俗ですけれども、そこへ国旗を立てるとか、標識を置くとか、そういうようなものはないわけですか。
○政府委員(中島敏次郎君) お答え申し上げます。 ただいま外務大臣からお話がございましたように、一般国際法上、無主の土地に対する領有権の取得はどういうふうにすれば完成するかという点でございますが、これはまず第一に国家として領有する意思を明らかにすると、そしてそれに対して実効的な占有を行うということが要件とされております。 そこで、いま先生御指摘のような事例、すなわち領有の意思を十分に推測させるような行為をとれば、それで先占になるかと申しますと、ただいま申し上げましたような実効的な占有という関係が成り立たないと先占の完成にはならないであろう。無人島について実効的な占有とは何だということになりますと、これも別に国際法上のルールがあるわけではございませんけれども、たとえば、いま外務大臣もおっしゃられましたような、定期的な巡視を行うというようなことで、国の象徴的な占有の行為をそこに行うというようなことが考えられる。具体的に申しますれば、ただいま先生御指摘のような旗を立てたっ放しで領有、領土になるという関係にはなかなかならないということだと思っております。
○宮田輝君 これまた関心の大きなことでございますので、どうかひとつ万々抜かりのないようにお願いをいたします。 次に災害、特に地震対策、その中でも情報伝達などについてお伺いしたいと思います。 地震予知につきましても、東海地域については、観測データを総合的な観点から解折して地震が発生するかどうかを迅速に判断するために、専門学者の判定組織が設置されることが決まったそうですけれども、しかもそのメンバーも内定したようでございますが、たとえばその判定会が、地震が切迫しているというような警告のようなものでも出したときには、政府はどういうふうに対応されるんでしょうか。これは各省庁にかかわることだとは思いますけれども、国土庁長官から……。
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま宮田先生御指摘の東海地域判定会でございますが、これは地震予知連絡会の下部組織として四月四日に設置することの方向が決定されたわけでございまして、メンバーは地震予知連絡会の会長の萩原先生を初め六名の学者グループでございます。 そこで、先生お話しの予知情報が出された場合に政府側が一体どうするのかということでございますが、これは行政側として適切な対応措置を構じなきゃなりません。たとえば情報の伝達、先生いま御指摘のように。それから防災体制の確立、それから住民に対するいわゆる広報のあり方でございますが、このことは同時に交通規制、いわゆる新幹線を徐行させるとか、あるいはストップさせるとか、自動車をとめるとか、あるいは危険物の保安対策、ガスをとめるとか、いわゆる国民生活に非常に影響のあるものでございますので、それだけにただいまこの対応措置については鋭意検討しておるのでございますけれども、この予知が今後の地震対策に一番重要な問題でございますだけに、私たちは積極的に勇気を持って検討していると、こう申し上げたいのでございます。
○宮田輝君 新聞報道によりましても、小さい見出しとしては、この東海地域判定会、「過剰な期待、困ります」と、こういうふうになっているわけでございますけれども、長官がおっしゃるように勇気を持って、そして慎重に、できるだけ慎重に確かな予知として、それを確かな情報として伝達していただくということが私は肝要ではなかろうかと思うわけでございます。 そこで、災害対策基本法によりますと、第一条、これは目的でございますが、「この法律は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、」と、こういうふうに始まっているわけでございますね。これを見ますと、応急対策、災害復旧はもちろんでございますけれども、防災、それから災害予防に力点を置いているようにも受け取れるわけでございます。第三条の「国の責務」というところでも、「組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」ということになっております。で、防災会議を置いているわけでございますが、防災会議についてちょっとお伺いいたします。
○国務大臣(田澤吉郎君) 中央防災会議は内閣総理大臣を会長にしまして、関係省庁の大臣十六名でございますが、それに学識経験者二名、これは日銀総裁と日赤社長でございます。それで総理府に設置されてございます。ただいまお話しのように防災に関する基本的な重要事項を審議する機関になっているわけでございます。 そこで、具体的な事務につきましては、事務局が置かれまして、この事務局長には国土政務次官が当たることになっております。さらに、各省庁の局長クラス二十七名から成る局員会議、あるいは各省庁の課長クラス三十四名から成る主事会議から成っておるわけでございまして、さらにこの事務局が中心になりまして、ただいま申し上げました関係十八省庁がございますから、大都市震災対策連絡会議というものをつくっておるわけでございまして、それでその中に六つの分科会をつくって、それぞれ防災対策を検討、具体的に進めているわけでございます。 そこで、これまでの防災会議は昭和四十九年の九月以降五回にわたって開かれておりまして、当面の防災対策の推進についてもろもろの事項を決定しておるわけでございます。特に、ただいま申し上げましたように、首都圏の防災に対しての大都市震災対策推進要綱というものをこの防災会議で決定いたしておるわけでございます。
○宮田輝君 そこで、国土庁としては、五十二年度、来年度の体制といいましょうか、特に地震に対する体制としてどういうぐあいになっておりますでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 国土庁としましては、先ほど申し上げましたように、十八省庁にまたがるいわゆる地震対策でございますので、その省庁の調整の役をまずやると。それからもう一つは、昭和五十二年度の予算で、並びに機構といたしまして、これまで災害対策室というものだけでございましたけれども、今度は災害対策を強化するために震災対策課というものを設置いたしまして、新たにつくりまして、地震対策に関する基本的な方向の企画及び立案、震災に関する恒久対策及び応急対策の企画立案及び関係行政機関の連絡調整をするということにいたしたわけでございます。
○宮田輝君 各省庁にまたがるということは、非常にこういう話を聞くにしても、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり大変なことでございまして、いざというときにこれでちゃんと機能するのかどうかという心配も抱くわけでございます。どうかひとつしっかりやっていただきたいと思います。 防衛庁でございますけれども、先ほども糸山委員の質問にもございました。災害でも活躍をされている。よく承知をしているわけでございますけれども、昭和四十六年から関東南部に大震災が発生した場合の災害派遣計画というのを持っていると聞いておりますけれども、ごくあらましを……。
○政府委員(伊藤圭一君) 昭和四十六年度に関東南部の大震災害派遣計画というのを計画いたしました。これは私ども過去自衛隊が発足以来、災害派遣というのは、平時においてこの自衛隊が持っております組織力、エネルギー、これを国民に奉仕するという意味できわめて重視してまいりまして、幾つかの経験を持っております。大きなものといたしましては、伊勢湾台風、あるいは地震につきましては新潟地震等の経験を経ておりまして、そのころからいわゆる関東大震災のような震災が再び起こるかもしれないというようなことが言われておりました。そして防災会議もできた時点におきまして、再びあのような状況が起きたならば、どのような形で災害派遣をして救助に当たる必要があるかというようなことを研究したわけでございます。 このときの考え方といたしましては、とにかくこの関東地区、南関東といいますか東京を中心にした地区に、一日ないし二日のうちに約六万人の隊員、車両九千両、航空機三百機、こういったものを持ってまいりまして、自衛隊がやります災害派遣の任務といたしましては、国民の生命財産ということでございますけれども、緊急の場合に、何といいましても人命の救助というのが中心になります。そしてまた、そういった救援活動ができるために道路の啓開というようなことが重点になりますので、そういった考え方のもとに計画をつくりまして、実際には四十九年に市ヶ谷におきまして図上演習といいますか、そういった実行計画に基づく演習もやった経験があるわけでございます。
○宮田輝君 そこで、東海地震に対する対処計画はどうなっているわけですか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えいたします。 ただいま防衛局長が関東南部におきまする大震災の計画を申し上げましたが、大体これを骨子にいたした、大要は余り変わりません。そういうことで陸上自衛隊の東海地震災害派遣計画というようなものをつくっておるわけでございます。また、この計画は、東海地震に対する一般的対処方針、並びに東部、中部各方面隊が今後地元の関係都県等と連絡をいたしまして、各都県の意向等をくみまして、先ほど申しましたような関東南部における災害対策計画と同じような計画を策定をする方針で進んでいるわけでございまして、ことしの末にはこれが完成するわけでございます。
○宮田輝君 消防庁でございますけれども、関東大震災のときの例を持ち出すまでもなく、非常に地震による火災というものが心配されるわけでございます。大正十二年と違いまして、いまは建築物ももちろん耐震化されている、あるいは火にも強くなっているということも考えられますけれども、地下街でありますとか超高層ビル、あるいは地下鉄、高速道路とか、あるいは新幹線、かつて大地震を経験したことのないものが山ほどあるわけでございますが、消防庁の対策はいかがですか。
○政府委員(林忠雄君) お答えいたします。 関東大震災のような大きな地震が再び来る蓋然性は大変強いと言われておりますこの状況のもとに、それに対する対策を非常に練っておりますけれども、消防庁として非常にはっきり言える特色といいますのは、通常の火災の場合は現在常備消防に全部お任せいただいていいと、ほとんどこれの自信がございますけれども、関東大震災のような大きな地震が一地域を襲います場合、同時多発の火元、それから道路の状況、あるいは消火栓があっても水道が断水するとかいうようなことを考えます場合に、これはとうてい現在の常備消防のみに頼ることはできないと考えざるを得ないわけでございます。しかし、先生の御指摘のように、地震だけの被害であれば、まあある程度——大したことないと言っちゃおかしいのでございますけれども、恐ろしいのはそれによる出火による火災の被害でございます。したがって、この火災をできるだけ出さない。それから、出しても初期消火でとどめると、そのための対策をいま一番熱心にやっておるところでございまして、まず地震の場合に火事を出さないというのは、一つには火元が自動的にとまるという、たとえばいま非常に使われておる石油ストーブ、これが揺れますととまるような自動消火つきのものでないといけないので、このために東京都も条例をつくっておりますが、全国の市町村でもこの条例の制定を促進しております。これが徐々に普及してまいると存じます。それからその次に、小さな火元もその場その場で一人一人の行動によって消す。これはもう報道機関を通じてのPRということで防災意識を普及する以外にございませんので、これはまあ各種公共報道機関を通じて予算的にも重点を注いでPRに努めております。それからあと、一たん火が出たやつの初期消火ということで、消火器の普及とかあるいは自主防災組織を育成するために作成の手引きをするというようなことをしておりまして、まあ重点としては当然常備消防も全力を発揮しますが、その前の段階でこれらのもとを断つということに重点を置いて現在施策を展開しております。
○宮田輝君 長官、いま石油ストーブの話が出ましたけれども、都市ガスの方は、もとで仮にとめたとしても、それをもう一回——もう一回といいますか、後であけたら、一般家庭としては全部が締められていないと大変な災害を起こすということが考えられますけれども、あるいは通産省かもわかりせんが、消防庁としての対応はいかがですか。
○政府委員(林忠雄君) 御指摘のとおり、都市ガスは実は通産省の所管でございますけれども、まあ通産省から伺いますところによりますと、まずその地震が起こったときに供給をとめるということはそれぞれ製造所の出口、それから廊下の必要な個所で緊急遮断処置によりガスを遮断するという手段が万全を尽くされているそうでございます。ただ、再び供給を開始したときに大変な災害を引き起こす、いわゆる二次災害、これが大変危険なものだそうでございます。 これに対しましては、まずガス事業者の方で製造設備、ガス導管等の施設について、つまり再び供給を開始するときに厳密に漏洩検査、火の確認等の点検を実施して必要な保証を行うということになっておる。それから個々の需要家の内管、ガスメーターの点検、点火試験等もやる。さらに、再び供給を開始するということについてのPRでございますか、広報、これをあらゆる公共報道機関その他を通じて丁寧に実施した後に供給を開始する、こういう手はずになっておるそうでございます。もちろん、実際問題としていろんなトラブルその他もあるかと存じますが、おっしゃるような二次災害は大変危険なものでござますので、これに対する措置は万全を尽くすように努力をするということでございます。
○宮田輝君 消防庁にも、あるいは政府機関、それぞれの省庁にもとにかくがんばっていただかなければならない防災の問題ですけれども、個人個人もやはりみずから守るという気持ちを持つということが基本であろうかと思うわけでございます。 スイスの家庭には、民間防衛という書物が一家庭一冊ずつ配られているということを聞いておりますが、これは、たとえば火が出たときにはどうするとか、あるいは包帯を巻くにはこう巻くんだとか、もっと言えば、食糧の備蓄何週間分はこれだけだとかというようなことも書いてございますけれども、やはり安全に生きるにはコストがかかるということも教えられるわけでございます。非常の場合の備えを持つということは土台をしっかりさせるということでもあるわけでございますので、これは必要であり、大事なものだと思います。あのイザヤ・ベンダサンは、安全と水はただで手に入ると日本人は思っていると、こういうことを言っておりますけれども、安全についていろいろな面で私どもは考えさせられるものがあるわけでございます。にしましても、何か事が起きたときにはとにかく、いま何が起きたんだということから、これでどうなるんだというような情報を得たいというのが私どもでございます。郵政省、電話の点、それから放送以外の無線、さらに放送、どういう対応でしょうか。——郵政大臣じゃなくて、政府委員で結構です。
○政府委員(林忠雄君) 郵政省所管のものにつきましては、あるいは後ほどそちらの方からございます。 消防といたしまして、確かに御指摘のとおり、こういう場合の的確な情報の迅速な収集というのが大変大切であるということで、これに対しても逐年努力を払っております。 まず、消防庁と各都道府県の間は、災害時のときに有線が断たれることを配慮いたしまして、無線の連絡は完全にできております。それから府県と市町村の間の無線、いわゆる防災無線でございますが、これも逐年整備を進められておりまして、現在は約半数を少し超える二十七、八団体がこれを完成しております。なおもう数年はかかると思いますが、いずれ近く全府県でこれができるようになっておる。それから、その他の民間の、たとえばアマチュア無線、あるいは農協その他の共同無線、そういったものもいざ災害の場合には有効に働くよう、それぞれの地域防災会議でこれらの通信網の確保ということについては具体的な計画をそれぞれ持っておる、こういうことで、通信はできるだけ確保するという努力を重ねておりますが、大切なのはまた、民間一般に対する正しい情報を早く知らせるということでございますので、たとえば、電源が切れたことを考えてトランジスタラジオの普及というようなこともこれは大変大切なことだと存じますが、地震に対する対策について、そういうものも一項目加えて指導するようにしております。
○宮田輝君 私たちはラジオなりあるいは公共機関のお知せなどで情報を得て行動をとるということになると思いますけれども、大都市では特に避難場所も必要なわけでございます。国連の世界保健機構では、生活環境の必要条件として安全、快的、利便、保健の四つを挙げておりますが、人間の居住環境について非常に関心が寄せられているわけでございますが、日本の場合はまだまだ水準が低いんではないかと思うんです。 災害時の避難場所についてもそうですけれども、やがて青葉若葉の時候を迎えるわけでございますが、都市と緑についてお伺いしたいと思います。都市緑化に対する基本的姿勢、そうしてまた、都市緑化のための国と地方公共団体の施策はいかがでございますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 都市化の近年における非常な発達から都市の緑が非常に急激に減少しておる、見逃すことのできない事実だろうと思うのでありまして、これに対しまして生活環境が著しく悪化してもきておる、こういう点について特に緑を、たとえば建築基準法の中にも緑を入れなければいかぬとか、あるいは街路樹だとか、こういう点について都民生活というものの健全な発展をやっていこう、さらに心身の発育、健康の保持増進というような点につきましても寄与することができるように、公害防止及び災害に対する安全性の確保等、構造上きわめて重要な機能を有しておるだろうというふうに考えておるのであります。したがって、都市公園の整備、道路その他の公共、公益施設の緑化、あるいは都市内の緑の保全等あるいは都市緑化施策、こういう点についていま積極的にいろいろな施策をさらに構じておるところであります。 お指図の公園の問題につきましても、ただいまわれわれが考えていることは、ただ公園というものをつくればいいのだ、緑を植えればいいのだ、これの公園であってはならない。したがって、今後の公園というものはなるべく大きな公園にしていかなきゃならぬ。したがって、その公園というものの中にかえって緑を植え過ぎて、せっかく先ほど宮田先生の御質問のあったように、もし災害の場合に、その緑のためにそこへ逃げ込んだ方々がかえって逆作用を起こすというような事態が起こることは、当然ないままでの体験の上にもあるわけでありますから、そういう面をただ公園をつくったから、緑にすればいいのだという問題ではなくって、いかにその中に避難をされた人たちが人命に差し支えないような程度に持っていかなきゃならない。したがって、いま植えたときには小さいものだけれども、二十年、三十年たつうちに御承知のとおり大きくなるものですから、これらを総合的に合わせた工夫を考えなければいかぬだろうというふうに考えます。 さらに公園につきましては、今後は、いま財政的になかなか困難な状態で、すぐやるというわけにはまいらないけれども、公園をそういう避難所とするならば、地下にやはり食糧の備蓄とかあるいは医薬品の備蓄とか、その中には当然生理的なトイレの用意等、十分整えたものを用意をしておく、それが今後の公園の重大な使命でなければならない、こういうような観点に立っていろいろ操作をして考えておるところでございます。
○宮田輝君 ただいまのお話は、中央でも、そしてまた地方でもというふうに受け取らせていただきますけれども、天皇陛下御在位五十年記念事業の一環として国で設置しようとしております昭和記念公園は、五十二年度に調査をすることになっておりますけれども、具体的な調査の進め方とスケジュールについてお伺いいたします。
○政府委員(中村清君) お答えいたします。 ただいま御指摘がございました陛下御在位五十年記念公園でございますが、実はこれは二通りございます。一つは国営公園でございまして、これは国が設置するもの、それからいまもう一つは、地方公共団体が設置いたします公園でございます。大体現在考えておりますのは、 〔理事中山太郎君退席、理事吉田実君着席〕 国営公園は東京周辺に一カ所、それから、地方公共団体が設置いたします公園は全国で約十カ所程度ということでございます。 そこで、いま御指摘の調査費でございますが、これは先ほど申し上げました国営公園の方の調査費でございまして、私ども考えておりますのは、大体のところは今年度の上半期に、具体的にどういう場所に持っていくかという場所の問題、それから基本的な方針、こういった検討を前半で終えまして、後半で事業化のための具体的なスケジュールをつくりたいというふうに考えておりますが、事は非常に慎重を要しますので、将来におきまして委員会をつくりまして、学識経験者のお知恵も拝借しながら調査を進めてまいりたいというふうに考えております。
○宮田輝君 単なる公園ではなく、緑があり、それは避難場所でもあり、また、人々の心の触れ合いの場としての記念公園の意義は大きいと思うんです。調査をして早急に事業化されますように強く要望申し上げておきます。 それから文部大臣、日本人がエコノミックアニマルと悪口を言われたりいたしましたけれども、いまや物質的繁栄のみを追求する時代ではないと思います。私どもはたしか戦後、文化国家の建設を志向したと思うわけでございますが、文化とそれから文化振興策に対する基本的なお考えをお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、心を大切にしていかなければならないということは宮田先生のお考えと全く同じでございますが、文化というものは、やっぱり長い間にわたってすぐれた文化遺産が先人によって形成されておる、それをきちんと保護して後世に伝えていくことも一つ大切なことでありますし、同時に、現在われわれが生活の中で新しく文化を創造していくという面、そういった面にもやはり重要な問題があるわけでありますから、この継承と保存、そして新しく創造する、この面について充実した施策を行っていかなければならない、基本的にはこう考えます。 特に、最近どのような振興策をとっておるかという後半の御質問でありますが、やっぱり地方文化の振興のために地方住民が参加できるような考え方、また、五十年度の文化財保護法の改正に基づきまして、民族文化財の保護とか、町並みの保存とか、あるいは保存技術の保存とか、いろいろなこともできるようになりましたし、さらに、国際交流ということに関しましても今後は一層力を入れなければならないと考えます。なお、文化の中核となる国立の文化施設に関しましては、年々その整備に力を入れておるところでございます。
○宮田輝君 この三月の二十三日でしたか、「文化行政長期総合計画について」というまとめが発表されました。文部大臣はこれをどういうふうに受けとめられましたか。また、今後これをどういうふうに活用をされますか。たとえばどこから手をつけていかれるか、どうぞお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように十年先、二十年先の新しい時代を見越した文化行政はいかにあるべきかということで、この懇談会の答申を三月にいただいたわけでございます。この中で、今後の文化行政の方向として、先ほど申し上げましたように、参加する文化、中央から地方へ伝播するのじゃなくて、地方から中央へ参加する文化、あるいは地域の特性を生かした文化行政の推進、あるいは文化拠点の多極集中化の促進、国際交流、あるいは文化行政に関して各階各層の方方の積極的な発言をいただいて、その発言を生かしながらやっていく文化行政、こういった五つのことが提案の中に触れられておるわけでございますが、私どもは直ちに取り上げることができるような問題については、昭和五十二年度の予算案にもその一部を盛り込んでおるわけでございますが、今後この答申の趣旨は十分に生かしましてやっていきたい、こう考えております。
○宮田輝君 どうか聞きっぱなしにならないようにお願いをいたします。 それから、いまお話もございましたけれども、文化の国際交流についてであります。いろいろやっていることも聞きますけれども、私は、いわゆる古典ばかりではなくて、たとえば民族芸能についても世界各地で上演するとか、積極的な施策が行われないものかと、こんなふうに思うのです。文化庁いかがですか。
○政府委員(安嶋彌君) 文化の国際交流がきわめて大事であるということは御指摘のとおりでもございますし、また、大臣から御答弁申し上げました文化行政の長期計画におきましても、その重要性が指摘されておるわけでございます。 〔理事吉田実君退席、理事中山太郎君着席〕 文化庁といたしましては、従来その方面にも力を入れておるわけでございますが、芸術団体の補助といたしまして、四十七年度には国際芸術家センターによる民族芸能の海外公演、これはミュンヘンでございますが、そういったものに補助をいたしましたり、四十八年度におきましては、立浪会という芸能団体に補助をいたしまして、佐渡おけさをパリで公演をするというような事業を行っておりますが、ほかに都道府県が補助するものといたしましては、兵庫県の南淡町が補助をいたしまして淡路人形浄瑠璃を米国で公演をするとか、あるいは富山県が補助をいたしまして、越中小原節をユーゴスラビアで公演する等の事業も行われておりますが、今後ともさらにその拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。
○宮田輝君 いろいろなものを外国に出す、また外国のものを招じ入れるということは、私はきわめて大事なことだと思うのです。 いま、この年にはこれが行きましたということもお聞きしたわけでございますけれども、国内の問題として、ずいぶん日本列島にはいろいろな、ここにこういうものがあるとびっくりするようないいものが各地に点在しているという状況でございますが、民族芸能についてはまだいわゆるマップづくりが行われていないのではないかと思うのです。そのマップづくりを調査をしておやりになると、そういうお考えはございませんでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) 民族文化財につきましては、御承知のとおり、五十年の十月に文化財保護法の改正がございまして、新しくその指定の制度が設けられたわけでございますが、五十一年度におきまして、二十の民族芸能を指定をいたしておりますし——いや、五十一年度におきましては三十でございます。さらに五十二年度におきましては二十の民族芸能を指定をしたいということで、現在手続を進めておるわけでございますが、そうした指定のほかに、民族芸能の記録作成等も進めておりまして、私どもといたしましては、かなり前向きに進捗をいたしておるものと考えております。
○宮田輝君 大分前向きに進捗しているというお話でございますが、それでは国立劇場でいわゆる民俗芸能は一年のうち幾日ぐらい国立劇場を使って上演されておりますでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) 主催公演といたしましては、四十一年の十二月に初めて壬生の大念仏狂言というものを国立劇場が自主公演をしたわけでございますが、それ以来、二十四回の公演を行っております。 内訳を若干申し上げますと、一つは日本の民俗演劇と人形芝居の系譜、この関係で十四回、日本の民謡といたしまして六回、それから特別な企画といたしまして、アイヌの芸能でございますとか綾子舞等四回、計二十四回を自主公演いたしておるような状況でございます。このほかに会場を貸すという形で若干の公演があろうかと思います。
○宮田輝君 長官、一年三百六十五日のうち、幾日ぐらいそれらで国立劇場は使われておりますのでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) ただいま具体的な数字を手元に持っておりませんが、御承知のとおり、国立劇場は無形文化財、これはいわゆる古典芸能でございますが、歌舞伎それから文楽等を公演するということが本来の趣旨でございます。したがいまして、現在は、大部分の日数がそれに割かれておるということでございます。 〔理事中山太郎君退席、委員長着席〕
○宮田輝君 だとしたら長官、いいものがいっぱいある日本の民俗文化財、あるいはその中の民俗芸能もそうですけれども、人々が一生懸命ふだん本業でもない、そういうことに本当に情熱を燃やして、古い昔から受け継いできている伝統的ないいものをまた後世に伝えるべく非常に努力をされている。また、多くの人々にそれが慰めになったり、大きな支持を受けているわけでございますけれども、そういうものを定期的に上演するというような、そういう機関をおつくりになるというお気持ちはございませんですか。
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、民俗芸能は地方におきまする民衆の日常の生活から生まれたものでございます。したがいまして文化行政の長期懇談会のまとめにもございますように、やはり現地で保存をし、公開をし、あるいは後継者を育成をするということが原則であろうかと思います。したがいまして、文化庁は年来、地方における文化施設の整備ということを進めてまいっておるわけでございますし、また、大臣から申し上げましたように、今後の方向といたしましては、やはり地方文化を振興するということが基本でございます。したがいまして全国一カ所、たとえば東京にそういうものを常時公演をする施設を設けるというよりは、むしろ各地方におきまして活発にそういう芸能が行われるということが本来のあり方であろうと思います。 しかしながら、東京と申しますか、中央でそういうものが公演されるということも大変有意義なことでございまして、御承知かと思いますが、日本青年館におきまして、毎年、民俗芸能の大会等も行われておりますが、五十二年度予算におきましては、芸術祭の一環といたしまして日本民謡祭というものを国立劇場で開催をしたいという予算も計上いたしておるわけでございます。この中には、日本の民俗芸能だけではなくて、日本の芸能は、御承知のとおりアジアから非常に大きな影響を受けておるわけでございますが、たとえばシルクロードの関係の芸能を招待公演をするというようなことも含めまして、国立劇場におきまして新たな事業を実施したいというふうに考えておる次第でございます。
○宮田輝君 お話しのように、日本民謡祭が今度国立劇場で行われるということでございまして、大変お待たせいたしましたという感じでございますが、どうかひとつ、いいものは外国のものもいいものはいい、日本のものもいいものはいいわけです。新しいものでもいいものはいい、古いものでもいいものはいいわけでございますので、どうかひとつ日本の宝でございます、これを大事に保存する、また伝承させるということは大事なことでございますので、一層ひとつ力を入れていただきたい。 地元公開が当然だと私は思いますけれども、しかし、やはり東京でもこれだけ全国の方が集まっている大都会でございますので、その他大都会でもときどきはいいものを公開してほしい。それにはそういう場もいまのままでいいかどうか、前向きにひとつ御検討をいただきたい、これは要望を申し上げておきます。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほどの答弁にちょっと補足をさしていただきます。 ただいま大蔵大臣から文楽劇場それから能楽堂の建設について調査費がついたではないかという御注意がございましたが、それは来年度予算に計上をお願いをしておる次第でございますが、これは民俗芸能ではございませんで、いわゆる無形文化財でございますが、しかし大変近い関係にあるものでございますので、ちょっと補足さしていただきました。
○宮田輝君 海外における日本の文化活動についても、私は先進国とは大分違うんじゃないかと思うんですね。たとえばアメリカ文化センターなどの話を聞いても大変な力の入れようということを感じるわけでございます。で日本文化センターをさらに東南アジアに置きたいというようなことも伺ったことがあるんですけれども、これは外務省、いかがでございましょう。
○説明員(田中常雄君) お答えいたします。 東南アジア各国においても文化センターを設立しようという話は最近特に高まってまいりました。現在のところ、文化センターはケルン、ローマその他にございますけれども、まだ東南アジアにはないような状態でございます。しかしながら、文化センターをいかような形でここに設立するか、またその内容についてどういうようなことをするかというものは、現在の東南アジアの情勢も踏んまえて相当慎重に検討しなければならない問題だと考えております。 外務省といたしましては、そのような問題も含めて、広く文化政策のあり方を検討するための調査費を新会計年度において、ただいま御審議いただいている予算の中に繰り込んでおる次第でございます。
○宮田輝君 文化交流のむずかしさを考えますときに、言葉の問題も大きいと私は思うのです。日本語を勉強したくても先生も少ない。いろいろおると思いますけれども、この点は外務省、いかがですか。
○説明員(田中常雄君) お答えいたします。 現在、世界に日本語を研究している機関は約千機関ございます。それで日本語の先生は約三千人おり、生徒の数は約二十五万名と聞いております。それで国際交流基金といたしましても、外国人に日本語を教えるということは一つの重点事項となっておりまして、交流基金自体も約三十数名の日本語の講師を各機関に派遣しております。また、幾つかの大学に対してはやはり三十名ほどの日本研究の学者も派遣しております。それから中南米その他わりあい日本語の研究の盛んな地域に対しては、現地における日本語の研究機関の講師の謝金という形でいろいろな補助をしております。
○宮田輝君 たとえば国際親善ということを考えてみても、これはトップとトップの話し合いというのもきわめて大事なことだと思うんですけれども、すそ野を広げておく努力というものは必要だと思うんです。世界の人々がお互いに理解し合うということが本当の私は土台ではないかと思うわけでございますので、その土台づくりの大事さを文化交流という面からも強く感じるものでございます。いろいろな問題がいまもありますけれども、日ごろの人間の交流というものが私は大事だと、そう思うわけでございます。そういう意味で、先ほどから民俗芸能の国際交流というようなことも申し上げてきたわけでございます。 海外から帰ってまいりました日本のある学者からこんなことを聞いたことがあります。日本の品物はどんどん来るけれども、日本の文化はやってこないという、日本には経済、物しかないのか、こういうふうに地元の人から聞かれたということなんでございますね。これからは、物とともに心を、文化を一緒に届けるようにしないといけないのではないかと思うんです。物と心のバランスのとれた交流こそ国際親善の大もとではなかろうかと私は思います。 そこで文化庁予算でございます。もうこの話をすると、私ども仲間が集まると何か寒いような気がするという声も出てくるのでございますけれども、文化庁予算は国の予算の〇・一%です。文部省予算の一%にも満たないというのが現状でございます。何とか一%にしたい、そういう行政の方の意見を聞いたこともあります。ちなみにフランスやイギリスは国の〇・四%ぐらいということだそうでございます。予算がすべてであるとは思いませんけれども、これでいいんでしょうか。文化庁長官、文部大臣、大蔵大臣にお伺いいたします。
○政府委員(安嶋彌君) 文化庁の予算をもっとふやせという御激励のお言葉でございますが、私どもといたしましても年来努力をいたしておるつもりでございますが、昭和五十二年度の文化庁予算は、御承知のとおり二百七十八億円余でございまして、前年度の二百三十八億円に対しまして一七%の増でございます。この伸び率は、文部省所管の一般会計予算総額の伸び率が一三・八%ということでございますが、これを上回っておるわけでございまして、文部省予算における文化庁予算のシェアも〇・八六%から〇・八九%というふうに増加をいたしております。今後とも、これの増額には努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) 数字は文化庁長官が申し上げたとおりでございますが、せっかく長期総合計画の答申等の精神もございますので、今後できるだけ関係省庁と相談をしてふやしてもらうように努力をしたいと考えております。
○国務大臣(坊秀男君) 物の時代は確かに日本人がりっぱにつくり上げたと思いますが、心の時代につきましては、はなはだいまだしという感じをこれは禁じ得ない状態にあると思います。何といたしましても、やっぱり物と心というものが調和のとれた成長をしていかなければならない。さような意味におきまして、私は、何としても文化の創造、それから古い伝統文化と申しますか、それの保護尊重——このことにつきましては、吉田議員が先日実に該博なる知識と熱意を傾けられてここで論じられたわけでございますが、私も、どうしてもそういうことは日本民族にとって必要なことだ、かように考えております。 五十二年度の予算につきましては、大変評判が悪いようでございますけれども、文化庁に対する予算案。しかし、それでもいまの予算の許す範囲におきまして私はずいぶんがんばったつもりでございますが、今後ともがんばってまいりたい。ただ問題は、文化というものは、私は予算という物によってのみ解決する問題ではない、何といたしましても、これは国民の心の問題、ここにも心と物とが一致していかなければならないと、かように考えますが、いずれにいたしましても、財政当局といたしましては、財政当局のなし得る限りにおいて御意見を尊重してまいりたい、かように考えます。
○宮田輝君 財政の苦しいこともよくわかります。その上国際情勢はまことに厳しいものがあります。表向き経済大国、実は資源小国、どっかの国の事情で弁当のおかずまで変わってしまうわけですね。こういうときに文化交流だとか、あるいは文化予算でもないと言われるかもしれませんけれども、先ほど来申し上げているように、外交といい経済といい、土台は私は人間関係だと思うんです。理解し合うということを日ごろから積み重ねていくべきだと思います。物の時代から心の時代、大もと、基本、土台を大切にしたいと思うんです。予算だけでないことは百も承知しております。政府はひとつ文化にもっともっと予算だけではなくいろんな意味で配慮されますよう強く要望して、質問を終わりたいと思います。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして宮田輝君の質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十五分散会