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80回国会参議院1977/04/05

予算委員会 第13号

発言数
464
登壇者
42
会派数
5
開催日
1977/04/05

会議録

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十二年度一般会計予算  昭和五十二年度特別会計予算  昭和五十二年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、総括質疑を行います。宮崎正義君。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私は総理に簡潔にお伺いいたしたいと思います。  伝えられるところによりますと、ソ連側は、日ソ漁業取り決め締結モスクワ交渉の決裂の責任は日本側にすべてあるという態度をとっておるということが報じられていますが、この点はどうお考えになりますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ソビエト側にはソビエト側の言い分がありますから、ソビエト側から見ますれば、あるいはそういうことを言うかもしれませんけれども、わが方から言えばまた同じように私どもの言い分があるんですから、交渉でありますから、交渉の段階でお互いにいろいろなことを言い合うということはあると思いまするけれども、私は、この交渉は善隣友好のうちにぜひこれを解決して、次の日ソ関係をさらに明るい展望のものにしたいと、こういうことでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 園田特使を派遣されるとき、総理から最後の言葉としてどういうふうなことをおっしゃられたか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 日ソ交渉については、私は、従来とも親善裏にやってきておるし、今後も日ソ関係というものは明るい展望であるという認識を持っていること、その認識をひとつ実現をしようじゃないか、今回の漁業交渉を、お互いに言い分はありましょうけれども、それを乗り越えて、そして明るい展望を実現をするということを切に考えているということを間違いなく伝えてもらいたいということを申したわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 鈴木農林大臣にお伺いしますが、当初イシコフ漁業相との会談の合意を得たと言われているように聞いているわけですが、当初からその合意点に違いがあったのではないかというようなことも言われるのですが、そんなことは私は思いたくないのですけれども、その点はどうなんでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) イシコフ漁業大臣と私との会談におきましては、その合意事項は交換書簡に明記されておるところでございます。私は、総理に対する御質問もございましたが、あの鈴木・イシコフ合意事項、あの線に沿うて代表団間の交渉が行われれば今日のような紛糾した事態は起こらなかったといまでもその点を残念に思っておるところでございます。  現在、具体的に申し上げますと、東京における三月十五日からの日ソ漁業条約に基づく交渉、これも条約には御承知のように領海を含まない公海上の海域を対象として、そして条約の附属書に明記されておりますサケ・マス、ニシン、これはシャルクの一つの議題として討議さるべきことでございます。それに対しまして、ソ側は今回二百海里を設定をしたということで、その二百海里の中と外とを分けて、東京では二百海里の外しか交渉ができない、こういうような態度をとってきたと、そういう点が私とイシコフ大臣との間の取り決めに反すると、沿わない態度であったと、そういうことが今回交渉が難航している原因でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そうしますと、大臣が行かれてその問題については解決できるという自信がございますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いろいろその他にも問題点がございます。これも新たにソ側から提起された問題でございます。そういう問題を交渉団は交換書簡を基礎にいたしましてわが方の主張を今日まで粘り強くやってきたわけでございますけれども、基本的な問題二、三で調整がついていない。今回、日ソ親善という高い立場から総理特使として園田官房長官も訪ソいたしますし、私もその状況を見ましてできるだけ早く訪ソをいたしましてイシコフ大臣と会談をして、漁業交渉の最終的な合意を得たいと、最後の努力をいたしたいと、こう考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 イシコフ漁業相と個人的に国際電話等をかけて、当時の模様と今日の状態というもののやりとりか何かおやりになったことがございますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私はイシコフ大胆に書簡も親書もお届けしておりますし、あらゆる努力を傾けておるということだけを申し上げておきます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その内容について、お話しができる範囲内で結構ですが。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 個々の問題につきましては、交渉の段階でございますので、遠慮させていただきます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 総理、農林大臣も近いうちに——園田特使との話し合いの関係で進められていくかどうかわかりませんけれども、園田特使が行っている間に農林大臣を派遣して、それで力を合わせながら漁業交渉に当たるというお考えはお持ちになりませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、漁民がいま非常に焦っておる気持ち、そういうようなことも本当に心にしみて感じ取っておるわけであります。そういうようなことを考えますと、一刻も早く出漁ができるような情勢にしなければならぬ。そういう立場からいたしますと、園田特使が向こうで会談をする、それを追っかけて鈴木農林大臣がこれから漁業の交渉のために行くと、こういうケースもまた考えられるのじゃないか、そういうふうに見ておるのでございます。いずれにいたしましても、園田特使がモスコーに着いて首脳と会談します。その会談の結果を踏まえまして、あるいは園田特使、鈴木農林大臣がモスコーにおいて一緒になると、こういう可能性も考えられるわけであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ソ連の方は、報じられるところによりますと、超党派の国会議員一行十五人については受け入れ側の日程が立て込んでいるとの理由でビザを発給しないということを改めて伝えてきたということの報道がありますけれども、外務省はどう考えていますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 議員団の訪ソのことをお尋ねでございますが、残念なことに今日までまだビザの発給が連絡がないわけでございます。外務省といたしましては、東京ではポリャンスキー大使にきのう次官のところへ来てもらいまして、国会の決議、議員団の訪ソが大変大事であるということをるる説明をしたわけであります。また、モスコーにおきましても重光大使が外務次官にたびたび面会を申し込んでおるのでございますけれどもなかなか面会ができませんので、公使が先方に伺いましてこの議員団の訪ソの実現方を強く要請をしているところでございまして、私どもも一日も早くこれが実現することを期しておるところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 政府代表団に同行する記者団に対しては一般旅行者としての入国を認めるという方針というふうに言われているわけですが、これはその発給ができるのはいつごろか。  それかんさらに、一般旅行者という手続になりますと、十日から二週間というふうに日程を要するということになっておりますが、そうしますと、園田特使の在ソ中にはなかなか困難じゃないかと思うのですが、こういう点を引っくるめましてひとつ御答弁願いたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 同行の記者団につきまして、けさ九時に旅券を出すという連絡がありまして、急速待機しておりました記者団が大使館に赴きましてビザをもらいまして羽田に駆けつけて、恐らく同行できるのではないかというふうに考えております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。太田淳夫君。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 それでは、関連して二間総理にお聞きしたいと思います。  最初は、領土問題と漁業を切り離して線引きを魚国廃線としてのソ連の提案を認めるならば、これは暗黙のうちに北方四島のソ連への帰属を認めることにならないか、むしろソ連側はそのことを意図しているのではないか、こう言う向きもありますが、その点についての御所見を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ソ連側の主張を見ますると、イシコフ・鈴木会談、この段階におきましては、領土問題、漁業問題は明確に分離されておったのでありまするが、その後、多少絡み合っているような動きがあるわけなんです。そういうこともあって、漁業交渉が行き詰まりの状態にあると、こういうのが率直な私どもの見解でございますが、領土問題は領土問題、漁業問題は漁業問題と截然として分離しないと、漁業問題自体がなかなか前進しない。それは明るい展望の持たれる日ソの今後応対しまして決していいことじゃないのじゃないか、そういうふうに存じまして、そういう考え方をとにかくソビエトにも持ってもらう、そこで漁業交渉問題に入ろうという意図をもって特使を派遣するということを考えたわけであります。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 次は二百海里の問題ですが、昨日も今月の二十日ごろまでに成案を得たいというお話でございましたが、ソ連の二百海里は、主権が及ぶ裁判権あるいは取り締まり権、漁業証発行等を行うと、そういう考え方でございますが、そこで当然それに対抗してわが国も二百海里法案を提出するわけですけれども、わが国の二百海里法案も、この主権行為を行うために裁判権、取り締まり権、漁業証発行、こういうものも考えられる二百海里法案であるのか、それとも、そういうことは全然考えていないのか、その点をお聞きしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) わが国が二百海里漁業水域を設定いたしますれば、当然そこにはわが国の主権的権利を行使する、確保すると、そういう内容のものになるわけでございまして、それに関連する諸法令の整備もあわせてやってまいりたいと、こう考えております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 そうしますと、当然、裁判権、取り締まり権あるいは漁業証発行という主権的行為も含まれると、こういうことでございますね。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) そのとおりでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 漁業補償について、水産庁のお考えをお伺いしたいのですが。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) まず、最初にニシン漁業の問題がございます。これは、モスクワにおきまして、三月中のニシン並びにサケ・マスの漁業はこれを行わないということをイシコフさんとの間に合意をいたしたわけでございます。この理由は、御承知と思うのでありますが、日ソ漁業合同委員会の場におきまして、二、三年前から、当該年度の総漁獲量と漁業の方法、条件等を協議するその会議を開こうとしておるのに、その会議の結論を待たないで日本が出漁しておるというようなことは日ソ漁業条約の精神に反すると、こういうことで強い要求がなされておったわけでございます。しかるに、今回ソ連が二百海里専管水域を設定したということで、サケ・マスにつきましては魚群が日本海から北上いたしてまいります関係で、北海道沖では三月中は大体この海域で漁をする。ところが、ニシンにつきましては、ソ連の二百海里海域内で操業する、こういうことであるわけでございますが、それを強行出漁いたしました場合には、拿捕事件その他の不祥事態も起こり得るということを懸念いたしまして、今回はニシンの出漁を見合わしたわけでございます。それに伴いまして、ニシン漁業者の諸君は、三月中の水揚げを予定していろいろ漁具、漁網、あるいは乗組員の給与の前払い等々、手形を切ってやっておるだろうと思うのであります。そういう関係もございますので、そのつなぎ融資を関係機関に要請いたしまして、そういうことをやっております。この問題につきましては、ニシンの今年度の漁獲の日ソ間の話し合いが最終的に決着を見た段階におきまして、この融資措置を講じたものも含めまして救済措置を十分考えてまいりたい。  また、その他の魚種につきましては、日ソ漁業交渉の結末を見た上でその対策を十分考えてまいりたいと、こう考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私は、昭和四十一年からずっと約十回ぐらいにわたりまして領海問題あるいは専管水域の問題等については予算委員会、農林水産委員会等で論議をしてまいりましたけれども、いまニシンのお話が道漁連の発表にありますように七十七隻ぐらいのものがあるわけでありますが、これは古平と稚内でありますが、分けますとそういうことになるのですが、とりあえず古平のどういう状況に置かれているかという一隻当たりの経費というものを詳細に調査して細かい数字を出してあります。これは水産庁の方へ私出しておきますから、御検討願って、いまの御答弁を簡潔にやっていただきたいと思います。つなぎ資金も信漁連の方から一隻当たり千二百万ぐらい出ているような話も聞いておるわけですが、それらをあわせながらひとつやっていただきたいことを要請しておきます。  それからそのほかの北転船の問題とか、あるいは沖合いの底びき船とか、あるいはエビかごの漁業だとか、カレイの刺し網だとかいうふうなトータル全部私は詳細に調べてあります。この点についてもひとつ検討していただきたいということを要請しておきます。よろしゅうございますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま御指摘がございましたように、この漁業交渉の結果いかんでは減船あるいは休漁、いろいろの事態が起こります。そういう点を勘案いたしまして対策をいたしたいと、このように考えまして、農林省の中に北洋漁業対策本部を設置いたしまして、いろんな事態を想定し、金融、あるいは国の助成、あるいは税制、いろんな角度から今後万全の対策を講じてまいりたいと、こう考えています。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお話しありました四日の省内で決められた北洋漁業緊急対策本部ですか、この内容について具体的に……。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 内村事務次官を本部長といたしまして、海洋漁業部長、漁政部長あるいは関係課長等を全部その責任者に任命いたしまして、いろんな角度から対策をいま検討を進めておる段階でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もう少し具体的にはどうなんですか、私は具体的にと伺っているわけですが。

森実孝郎水産庁長官官房漁政部長

○説明員(森実孝郎君) お答え申し上げます。対策本部の検討事項といたしましては、減船の進め方、それから減船に伴います援助措置、救済措置の問題、さらに関係業界との連絡、関係地方庁との連絡、こういった事項が主要な業務となると思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 どういう方針で行くんだという内容を聞きたいわけですが、発表できませんか。

森実孝郎水産庁長官官房漁政部長

○説明員(森実孝郎君) お答え申し上げます。  具体的な内容につきましては、今後の日ソ交渉の結果、漁種別にどういう減船が必要となってくるか、漁獲量の削減が必要となってくるか、また、業界の実態がどうであるかということによって個別に違ってくると思いますので、一律にいまの段階で想定することは困難であろうと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農林大臣、北方海域における拿捕の救済について、ソ連に拿捕されていていまだに未帰還者がいるわけですが、十六隻、十三人ということなんですが、この点は御存じでございますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 承知をいたしておりまして、非常に心配をし、外務省とも連絡をいたしまして、それらの漁船員の船体とともに早期に返してもらうように交渉を進めておるところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 十三人の人、十六隻、これは五十一年ですから、その点もお考え願わなきゃならないと思うのです。全体におきましては三十六隻、五百五十四名というものがいままでの数でありますけれども、どれほど家族の人が困っているかということをもう一度認識を新たにして、この折衝等もいまの漁業交渉の中で当然これは含めていくと思うのですが、どうですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 日ソの間には、そういう非常に急を要する、また人道的な重要な問題もございます。また、北海道、三陸、常磐等におけるソ連漁船によるわが方の沿岸漁業に対する被害の問題もございます。そういう問題を全体としてできるだけ早く処理いたしたい、こういうことでせっかく努力をいたしておる段階でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ソ連ばかりじゃなくて、韓国の方の状態について御存じでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 韓国の漁船による被害も起こっておるわけでございまして、特に三月に入りましてから、ソ連の二百海里海域で稼働しておりました韓国船が三月一日から域外に退去を命ぜられた、それらの漁船が北海道沖の漁場に来て操業したために、いろいろ底びき漁業の禁止区域等にまで入って相当の被害が出ております。約一億近い被害が出ておるわけでございますが、この問題につきましては、御承知のように日韓の間で民間漁業協議会というものが持たれておりまして、これらの紛争並びに被害の処理をやることにいたしておったわけでございます。  そこで、最近のそういう情勢にかんがみまして、早速わが方から早急に第二回の日韓協議会を開くように求めまして、昨日もソウルにおきましてその協議がなされておる。また、政府といたしましては、韓国の漁業庁長官に対して注意を喚起し、韓国政府もその事態を非常に心配いたしまして、日本の十二海里あるいは禁漁区等における操業を防止をするということで、韓国政府から所要の処置もとってもらったわけでございます。  なお、運輸省の海上保安庁等にも連絡をいたしまして、監視船等の増派をいたしまして、その警戒並びに警告等を十分やっております。昨日韓国の南企画院長官・副総理も私のところへ表敬にお見えになった際にも、その点を十分注意を喚起して、善処方を求めておるところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もう民間の漁業協議会でやる段階じゃ私はないと思うのですがね。ですから、いま大臣がおっしゃられたように、政府の交渉機関に変えていくような考えはないのでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) わが国も、領海十二海里法、引き続いて二百海里漁業水域の設定、情勢は全く変わってまいりますので、そういう点を踏まえまして、政府間でこれらの問題も早急に解決するように対処してまいる方針でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 この問題につきましても私は詳しいデータを持っております。ですから、また後で水産庁当局の方に話をします。時間がありませんのでそのようにいたしたいと思います。  政府機関でやっていくようになりませんと、また韓国との問題、ひいては、せっかく日中平和友好条約というものの進め方が上昇している中で、また中国との関係も生じてくるでありましょうし、この点については真剣に取っ組んでいかなきゃいけないと、こういうふうに私は思うのですが、どうですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 全く御指摘のとおりでございまして、そういう気持ちで私どもも真剣にこれに取り組んでまいる方針でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこで、五月からイカが始まるわけですが、石川県の小木港というのは、御存じのように日本海では三〇%からとっている漁港でありますが、それが五月からのソ連の締めつけとかそういうようなことになりますと、ここが閉鎖の段階にならなきゃならないのですが、こういう小木港のことなんか御存じないかもわかりませんけれども、答弁は当局の方からでも結構ですが、非常に大きな問題になると思うのです。これは小木港ばかりじゃないんです。イカ漁船は今度そういうことに全部なってくると思うのですが、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、日本海の大和堆等はイカの非常にいい漁場でございます。この地帯には沿岸の零細な漁船も操業しておるというようなことで、これら沿岸漁業者と北海道等の沖底びき網漁業等が衝突摩擦をしないように、事態の紛糾を起こさぬように十分指示をいたしておりまして、その点業界の理解と協力を得まして、いまのところそういうような問題は起こっておりません。しかし、この海域はイカの大事な漁場でございますので、日ソ交渉におきましても十分そういう点を配慮しながら交渉を進めてまいりたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 五月ですからもう全部用意してありますので、これも早急にやらなきゃいけないと思います。その点を念を押しておきます。  それからわが党の石川県本部が漁業問題の実態調査というのをしております。これも御参考に渡しておきますので、いま申し上げました小木港のことなんかも十分出ております。大体、小木港では、漁獲量の四五%という問題はソ連の方からの関係で、あとはほかの外国の地域であります。そういうこともお考えいただいて、これは今度はまた重大な問題になってくると思います、全国的に影響してまいりますので。この点もひとつはっきりと手を打っていただかなきゃいけないと思いますので、この点よろしく頼みます。  次は、監視体制の強化について、十二海里、二百海里という設定になりますと、これは非常な問題になってきますが、この点について御答弁願いたいと思います。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) 海上保安庁に、現有勢力は、巡視船艇が三百十隻、航空機等が三十四機ございます。そして、五十二年度予算でも、ヘリコプター搭載船とか、大型の船艇、それに航空機等の増強もお願いがしてございます。  十二海里につきましては、もちろんこれから増強は図らねばなりませんが、万全の備えができるものと存じますが、二百海里につきましては、法律の整備も願わなければなりませんし、なお増強も図っていかなければならぬと、こういうふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 総理、いまお聞きのとおりです。大蔵大臣、お聞きのとおりです。そのことについてのお考えを伺いたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そのことは私もつとによく心得ております。これはもう領海が十二海里になる、またわが国の経済水域が二百海里になると、こういうことになりますれば、どうしたって領海を拡張する、あるいは経済水域を設定する、その趣旨が実現されなけりゃならぬわけですから、そのためにはどうしても監視体制を整備しなけりゃならぬ、こういうことになりますので、これは万遺漏ないようにいたしたいと存じております。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 総理が御答弁になったとおりでございまして、大蔵省といたしましても、監視体制が非常に拡大されますが、そのときの事情に応じまして支障のないように持っていきたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 勉強中で私が質問して内容がわからなかったようですけれども、海上保安庁の方の説明したときの内容を、ひとつどういうことを説明していたか、言ってください。

薗村泰彦海上保安庁長官

○政府委員(薗村泰彦君) 十二海里とそれから二百海里の新しい海洋秩序に対応しまして、私どもなりに計画は立てております。それで、いま運輸大臣から御答弁申し上げましたのは、五十二年度のいま御審議をお願いしている予算案に盛られている内容を御説明いたしましたが、続いて、私ども、十二海里のために、さらに二百海里のために、かなりの船艇、航空機の増強をいま私どもは計画をしておりますが、公式に外部へ持ち出したということではございません。私どもの計画は十分立ててございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大蔵大臣、予算の裏づけということについて話してください。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 御質問は、十二海里体制に伴う海洋監視体制の強化ということに限って五十二年度の予算措置を考えてみますと、警備救難体制の強化といたしまして、五十一年度においては一億二千万円ほどでございましたが、ヘリコプターとかYS11型の航空機購入とか、そういうものを合わせまして二十八億程度のものをいま措置しております。もちろん今後の進展に応じまして海上保安庁あるいは農林省とよく相談しながらやってまいりたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 漁港整備の問題で五カ年計画の進捗状況等をお伺いしたいのですけれども、特に北海道の問題を取り上げてひとつ御説明を願いたいと思います。

森実孝郎水産庁長官官房漁政部長

○説明員(森実孝郎君) まず第五次漁港整備計画全体について申し上げますと、四十八年から五十二年までの五ヵ年計画として実施したものでございますが、進捗率は五十一年までは五〇%でございます。オイルショックによります工費の増大、そういった問題、あるいは総需要抑制策等の影響もありまして、進捗率自体は低かったという形になっております。  今国会で御承認を受けました第六次の漁港整備計画は、五十二年度を初年度といたします六カ年計画でございまして、五次計画の残事業も含めて最近の動向に合わせまして、緊急と見られる施設の整備を計画しているものでございまして、できるだけその達成に努力していきたいと思っております。  なお、北海道につきましては、第五次漁港整備計画の進捗率は五五%でございます。六次計画におきましてもさらに進捗率の確保ということについて努力いたしたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大型船になって昔のままの漁港がほとんどです。ですから、改修工事というのは大変なことになると思います。幾つかの例をいっぱい持っていますけれども、これも調べたものがありますので、後でごらんください。  最後に、時間がとうとう来てしまいましたので、雪害の問題を一言触れまして、桜が咲いているときに雪害で困った当時のことを話しますとなかなかぴんとこないと思いますけれども、これは大変なことなんです、毎年のことで。これで労働省等にひとつ考えていただきたいのは、出かせぎ問題、あるいは失業対策、そういったようなことで、郷土の人たちの除雪のできる、力のある労働力を、雪は積もらせるものじゃないんだということ、雪は降ればそのときすぐ片づけることなんだ、これはもう鈴木農林大臣は一番御存じだと思います。片づけていきさえすればいいわけですから、それを降ればすぐ片づける、また降れば片づけるというような労働力と機械力を持っていけば、積もらして後で膨大な費用を雪害のために費すよりも、捨て場所を決め、この地域にはこういうところに捨てるんだというようにして、そして、その人力は、道路ばっかりの法律を決めないで、屋根の雪おろしだとか、また小路の雪はどうしていくか、労働力によってやるとか、小さな機械、大きな機械等、省力を十分考え合わせながら雪害対策というものにひとつ真剣に取り組んでいただきたいということを提案いたしまして、農林大臣、所管の人たちのお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のようにことしは大変な豪雪であり、その被害も発生いたしております。西日本におきましては、寒波のために柑橘類その他お茶等の農業被害も大分出ております。これにつきましては統計情報組織を動員いたし、また都道府県と緊密に連絡をいたしまして、その被害の実態の把握に努めておるところでございまして、近くそれに対する天災融資あるいは自作農維持資金、あるいは施設の復旧資金等々、この救済措置につきましてはいま対策を講じておるところでございまして、被害の状況を把握次第天災融資法の発動等、所要の措置を講じてまいりたいと考えております。

田澤吉郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(田澤吉郎君) 今回の豪雪によりまして除雪費が地方公共団体の財政に大きな負担を与えたのは事実でございますので、そういう関係から、財政的な面から地方公共団体の平年のいわゆる除雪費につきましては普通交付税で算入いたしまして、特別の財政需要の分については特別交付税で百五十九億ほど今回追加いたしたのでございます。また、国あるいは県道については、これは雪寒道路法に基づきまして追加をいたしましたし、また、今回特に新しいのは市町村道に特別の助成を講じたということでございます。それば幹線市町村道の平年度の除雪を超えた分については二分の一の国庫補助をするという臨時特例措置を講じてまいりました。  先ほど来先生からお話がありますように、これまでは雪という問題は災害でないという考え方でずっとまいっておりますが、しかし、豪雪地帯は年々豪雪に見舞われる地域でありますし、また最近の国民感情というもの、あるいはまた生活環境が非常に高まってまいりました関係から、雪に対する考え方というのは非常に変わってまいっております関係から、雪そのものが災害じゃないかという考え方が非常に強うなってまいっておりますので、私たちはそういう社会経済情勢に即応して雪の問題というものを、除雪も含めて、いろいろな施設を検討してまいりたい、こう考えておるような次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もう一問だけお願いします。  豪雪地帯の指定地域以外のその隣接しているところがそれより以上すごい状態になっているところが随所にあるんです。富山の福光あたりみんなそうなんですけれども、こういう点についてのお考えを一言伺っておいて、豪雪地帯の考え方、どういうふうにするのか、もう一回再調査するのか、そういうことを聞いておきたいと思います。

田澤吉郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(田澤吉郎君) 豪雪地帯の指定の問題でございますが、今回の豪雪に当たってもこの指定が非常に問題になりました。ですから、これはもちろん豪雪地帯対策審議会というものの議を経なければなりませんので、直ちにこれに結論を出すわけにまいりませんけれども、できるだけ見直しをしてその対策を考えなきゃならない、こう思うております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして宮崎正覇者の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 次に、近藤忠孝君の質疑に入ります。近藤忠孝君。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 最初に、急ではありますが厚生大臣に質問いたします。  青酸カリ殺人が発生しているにもかかわらず、倒産した企業の倉庫に多量の青酸カリが放置されている、こういった危険な状態が頻発しております。この管理体制を強化すべきであると思いますが、その体制はどうなっておるのか、国民の不安を解消するためにどういう対策をとるのか、お答えいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 青酸カリが最近いろいろと悪用されて大きな社会問題になっておることは、十分承知をいたしております。御承知のとおり、青酸カリ、つまり青酸ナトリウムは、これは毒物劇物の取り扱いになるわけでございます。それについては、法律上でも、盗難の防止とか、紛失の阻止とか、あるいは販売する人の氏名を確認するとか、交付の制限とか、あるいは貯蔵場所を明らかにするとか、そういうようなことはかねてやっておるわけでございますが、これが工場とかあるいは学校、そういうようなところに流れてまいりまして、それから先の問題につきましてはなかなか把握がむずかしい、そういうところに大きな問題があるのじゃないかと、かように考えているわけであります。したがいまして、今回コーラのびんに青酸カリが入って殺人未遂というような大きな問題が起きておるし、一方では実際に人が殺されておるということでございますから、警察でいまどういうような経路でその入手をされていったかというようなことがだんだん明らかになってくると思いますから、それに即応いたしまして、さらにその規制を現実的にどうしたらば一番いいかということについてそれを進めてまいりたい、かように考えます。つい最近も、厚生省は、三月二十六日に、いままでのいろんな規則や通達のほかに毒物及び劇物の管理保管についてという新しい通牒を出しまして、貯蔵、陳列その他の管理についてきめの細かい実は通達を出しておるところでございます。一層さらにきめ細かく指導してまいりたいと存じます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 国鉄総裁にお伺いいたします。  国鉄再建が問題になっておりますが、私はそのためには労働者の労働条件の改悪になるような合理化や、さらに運賃値上げ以前の問題といたしまして国鉄当局者自身えりを正してまた改めるべき問題があると思うのです。まず、その点についてどうお考えか、御答弁いただきたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 御指摘のように、再建につきましては、労使と申しますか、当局側も、それから従業員といいますか労働者側も、いずれもえりを正すと申しますか、緊張した心持ちでこれに当たらなきゃならないと考えております。なかなか時間がかかっておりましてうまく順調にはいかないわけでございますが、折に触れ機会をとらえましてそういう指導をしているつもりでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ここに一つの後援会申込書がございます。自民党公認として本年の参議院選挙に出馬を予定しております伊江朝雄という人のものであります。この申込書につきまして、私は次の三点についてお伺いしたい。  旅客局長も来ておると思うので、総裁並びに旅客局長につきまして、まずこの印刷物を知っているかどうか。それから、この伊江朝雄という人と総裁並びに旅客局長はどういう関係があるか。三番目には、現在国鉄の組織の中でこの申込書がどのように活用されているか。この三点についてお伺いしたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 伊江君という前国鉄で常務理事をしておりました人が、その種の運動を一生懸命やっているということは承知しておりますし、そのためにそういうパンフレットがその後援会等を通じていろいろ配布されておるという事案は知っております。  それから、二番目に伊江君との関係ということでございますが、伊江君は私が総裁になりましたときにはもうすでに国鉄にはおりません。すでに退職をいたしておりましたので、私は伊江君と一緒に仕事をした関係にはございませんが、長く国鉄におりまして、そして非常に、大いに活躍した人という意味で、友人としてつき合いをいたしておるわけでございます。  それから、最後の点につきましては、私どもといたしましては当然法に定められた範囲内において行動しなければならないという心がけで臨んでおります。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) 旅客局長の畑でございます。  伊江さんにつきましては、私の四代前の旅客局長でございまして、入社以来よく存じ上げております。その二点の、後援会のパンフレットについては、現在後援会がいろいろ活動しておるということは承知しております。あとは総裁のおっしゃった程度でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 申込書がどのように活用されているかということです。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) これは後援会の方で、友人、知己その他について後援会に入会をいろいろお願いをしておるというふうに承知をしております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 問題は、この印刷物が国鉄の職場の中において、しかも勤務時間中に職制を通じて渡されて、そしてこの後援会への加入をするようにという、これが上司から部下に命令されている。この事案を総裁御承知にならないのか。また、旅客局長はその事実まで否定するのか、どうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) あくまで法令を遵守して行動しなければらないわけでございまして、ただいま御指摘のようなことはあってはならないと思っておりますし、そういうことはないというふうに確信をいたしております。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) ただいま総裁が申し上げましたとおりでございまして、職場の中でそういう事実はないと、私自体はやったことございませんし、ないと確信いたしております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 余りうそを言ってもらっちゃ困るんです。  まず旅客局長、この文書を見てください。これ知っていると思うんです。これは、あなたが勤務する国鉄本社内で実際勤務中に職員に配布されているものなんです。ちょっとここへ来て読んでください。短いものですから読んでください。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君)    参考  拝啓   はや立春というのに、本年の寒さは格別です。これも世界的現象とのことですが、いかがおすごしでしょうか。日頃ご無沙汰ばかりで申し訳なく思っています。   お手紙でのお願い事で申し訳ありませんが、私どもの(先輩、後輩、上司、友人)で一昨年まで国鉄の常務理事の伊江朝雄という者がおりまして、このたび、国政に寄与すべく運輸政策研究所を主宰して専門の運輸流通問題はもとよりあらゆる分野での政策研究とその実現に専心努力しております。私も(先輩、後輩、……)として、特に親しくしていただいた間柄でもあり、出来る限りの応援をしているのですが、親しい方々にもよろしくご声援方お願いしたいと思いまして後援会名簿を同封しましたので、できますならば親しい方も含めてご入会願えませんでしょうか、ごめいわくはかけませんので、住所、氏名等ご記入のうえ三月上旬頃までに私あてにご返送下されば幸いです。   勝手なことばかり申し上げ申し訳ありません。おわりに、皆様方のご健康とご発展をお祈り申し上げます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 その文書を知りませんか。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) 存じ上げません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまも読んでおわかりのとおり、伊江朝雄の後援会加入を勧めるよう手紙の——見本と判こが押してあって、見本までつくってそして先ほどの先輩、後輩、上司、友人、これは括弧に入っておるんですが、要するに国鉄の組織内のことであります。さらに後援会名簿同封とまでなっておるわけであります。そして職員に対して、実際に本社の中では後援会員の拡大に行くのなら休暇は自由にとってよい、また遠くへ行くのなら出張費を出すから行ってこいと、こうまで言っているんです。これは実際命令として勤務時間内に行われておるんです。  ここで自治大臣にお伺いいたしますが、こういったことが行われておるとなれば、これは当然公選法百三十六条の二に違反すると思いますが、御答弁いただきたい。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。  一般的に、公社、公団の役員等が地位を利用して選挙運動をしたということになりますれば、これは当然公職選挙法の違反になります。ただ、これは具体的な事実を詳細に調査した上でなければ御指摘の案件が違反になるかならないか、これはこの場で私が断定をするわけにはまいりかねるわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 自治大臣に伺いたいのは、こういったことが具体的に行われておった場合にはこれは違反になるだろうと、こういったことを聞いておるんです。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 法律の一般的な解釈をただいま申し上げたわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ここでは自治大臣と法律論争をするのが趣旨じゃありませんから次に移ります。  さらに旅客局長に伺いたいんです。私はあなたの先ほど来の証言は全然信用をしていないんです。それは、昨日来のあなたの言動からこれははっきり言えるんです。  そこに入る前にもう一つ伺いますが、旅客局長の本年二月中の出張の行程はどうなっておったか、御答弁いただきたい。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) お答え申し上げます。  私の二月の出張は二回でございまして、一回が九州、二回目が名古屋となっております。九州につきましては、二月一日に福岡の地下鉄の建設に伴いまして、国鉄の筑肥線が乗り入れとなりますので、その辺の工事現場を視察するために博多へ参りまして、博多地区の姪浜まで視察をいたしました。午後宮崎に飛びまして、二月の二日は、私たちのエージェントでございます近畿日本ツーリストという会社の全社会議がございました。これは毎年もうすでに二十二回続いておりますが、全国の営業所長以上が全部集まりまして、そこで、たとえば宮崎の岩切章太郎先生であるとか、いろんな方々のお話の中の一環として国鉄の現状につきましていろいろお話を申し上げるというのが恒例でございまして、これに出席いたしまして午後帰りました。  それで、二回目は二月の十八日に、日本の交通公社のいわゆる営業所の中で店の実際の送客に当たっておる担当課長会議が、これは三百人ぐらいでございますが、名古屋でございまして、それへ出席して、国鉄の特に最近「一枚のキップから」という増収キャンペーンをやっておりますので、直接送客の担当者であるこれらの方々にお願いをしようということで、午前中出かけまして、午後話をして、名古屋の局で後事業報告を聞きました。十九日は、名古屋駅、それから荷物の集約を予定しております熱田の駅、それから工事中の八田ターミナル、この辺を視察して帰ってきたということでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまの二月十八日の日でありますが、この名古屋の出張はこれは実際公務ですね。そしてこれは交通公社の課長に対して国鉄を代表してあいさつをしましたね。どうです。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) 国鉄を代表するということになるかどうかはわかりませんが、旅客局長として、特に増収キャンペーンについての御協力を要請したわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そこで、その席上で、あなたは参議院全国区の伊江朝雄をよろしくお願いいたしますと訴えました。いかがでしょう。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) これにつきましては、何といいますか、非常にまじめな会議ですから、そのようなことを発言した覚えは全然ございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 午前十時からの「長瀬社長説示」、その後の「畑国鉄旅客局長挨拶」、これがまじめな会議だったんでしょうね。その日に十九時から懇親会がありました。金城というところです。ここで、いま言ったことをあいさつしておりますね。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) ちょっと記憶が薄らいでおりますが、そう言えば、夕方でございますか、ホテルのバンドも入りましてにぎやかなパーティーになったもんですから、ちょっとウイスキーなどよばれたもんですから、あるいはそのようなことを申したかもしれませんが、その程度でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 記憶を喚起しましょう。こう言っているんです。——先ほどのあいさつで一つ忘れておりました。こう言いまして、そこで、伊江朝雄をよろしくお願いいたしますと、あなたは深々と頭を下げた。こういう証拠が私に入っておるんです。どうです。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) そのようなことがあったかもしれません、ちょっと記憶が薄らいでおりますが。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 要するに私の言った事実は否定できませんね。  そこで、この日の全国課長会議議事の一覧表がありますが、これはその日の日程にちゃんと組み込まれておるんです。十時から十九時までと入っておるんですね。そこであなたははっきりそう言ったわけです。どうでしょう、自治大臣。具体的にこれだけ事実がはっきりしたんです。これは地位利用の公選法違反になるでしょう。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) ただいま承りました限りでは、これが公職選挙法の違反になるとこの場で断定するわけにはまいりかねると思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 国鉄総裁、あなたは先ほど、そういったことは一切ない、あってはまずいということをおっしゃっておるんです。具体的に私の事実は否定できない。私正確なんです、ちゃんと証拠に基づいて言っておるんですから。こういった事実に基づいて、総裁どう思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 長年国鉄に勤務いたしまして、そしていろいろな事績があり、後輩諸君の指導を行ったという人でございますから、その後輩が個人的心情として、よろしくということはあり得ることだと思います。それは勤務に関連しあるいは地位を利用しということになってはならないというのが法令の定めと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それをちょっと総裁ごらんいただきたいです。要するに、日程の中にちゃんと「懇親会」が入っておるんです。しかも公務で行っておるんだ。それでも、単なる心情的なあいさつと言うんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) この種の会合の後で懇親会があるということは、そう非常識なことではないんではないかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは驚くべき発言をされました。公務で出張をして、その一環の懇親会で、先ほど忘れておったけれども伊江朝雄をよろしくと。一環じゃないですか。そういうことをやっていいんですか。それを認めるんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 会合がありまして、その会合の後で懇親会があるという場合に、その会合の際に出ておりました私どもの職員もそこに参加さしていただくということは、別にそれでよろしいんではないかと思うんでございますけれども。そのこと自体については私は疑問を感じないわけでございます。ただ、その会合においてどういう表現でどういうことが言われるかということが問題なわけで、それがいわゆる地位利用につながる  かどうかというあたりに問題があるということでございましょう。ただその会合に出て、私の先輩ということで何か話したということはあってもよろしいのではないかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは総裁大変驚いた開き直りようです。私は具体的にこう指摘したんです。畑局長は、先ほどのあいさつ——これはまじめな公務のあいさつです、先ほどのあいさつで一つ忘れておりましたと言った。そして伊江朝雄をよろしくと言えば、延長じゃないですか。こういったことを認めるんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) いや、そこの延長であるかどうかは、そこは法律の解釈の問題になって、非常にデリケートな問題であるとは思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。神谷信之幼君。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 関連。  いま総裁は、地位利用はしてはならないと。そこでお伺いしますが、私どもの調査によりますと、国鉄の関東地方の資材部、そこの石塚営業係長と企画係長の二人が、この三月に部長代理だと言って昼ごろに、国鉄に対して年間二千五百万円内外の物資を納入をしている会社にやってまいりました。で社長に会って、先ほどごらんの伊江朝雄の後援会への入会申込書、これを大量に持ち込んでそして会員の拡大を要請をしているわけです。この要請を受けた会社は、皆で相談をして、国鉄の担当職員、社員を窓口にさしてそうして職場でその申込書に名前を書いてもらう、こういうことをやっている。  ちなみに、昭和五十年度の関東地方資材部の契約実績、国鉄から提出をしてもらいましたが、それを見ますと、五十年度で年間百三十二億四千五百万円、業者は数千社に及んでいます。そういう業者、国鉄の資材部に納入をしている業者に、勤務時間中に部長の代理として公然と二人の係長が社長に会って後援会加入を要請している。受けた企業は来年の契約に関係しますから協力せざるを得ない、まさに地位利用じゃありませんか。こういう事実がありますが、いかがですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) ただいまお示しの事実は、私は実は聞いておりませんのですけれども、お示しのように、勤務時間中に私どもの資材部の職員が部長の代理と称して、私どもの方に毎年納入をいただいている企業にうかがって、そして勤務時間中にそのようなお願いをしたということになると、これは私のいまの判断では法律に反するということであろうかと思います。そういうことは、それはまさに地位利用になるわけでございます。そういうことがあってはならない。よく調べてたださなければならないと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私どもは事実に基づいて言っていますからよく調査をしてもらいたいと思うのです。こういうことがたとえば国鉄の東京の南鉄道管理局の職場でも堂々とやられています。ここでは、ことしの二月ごろまでに一枚で五名連記、この後援会の申込書を回収をして、さらに四枚ずつ配られる。あるいは、五月の飛び石連休のときの休日でない日をいつ休むか、マル選という選挙のために休むその日程を出させています。年休が年間二十日間ですが、普通は五日か七日ぐらいしかとれない。今回は参議院選挙だから自由に使ってよろしいと言っています。そしてまた、━━━━━━━━━━  さらに、交通公社のことしのカレンダーですが、交通公社は、通常、絵暦のカレンダーを毎年つくっています。ことしは、その絵暦のカレンダー以外に、ディスカバー・ジャパンというカレンダー、これを特別につくっているんです。こういうやつですね。その中にこういう文書がはさんであります。これには、「このたび国鉄の協力により過去数年来好評を博してきました〃ディスカバー・ジャパン・ポスター〃のうちから、最も印象に残った写真を選び、」カレンダーをつくりましたと。このポスターは鉄道百年を記念して昭和四十五年十月からやられたキャンペーンで、「推進者は当時の旅客局長伊江朝雄氏、企画は電通の藤岡和賀夫氏」と、こう書いて、そして伊江さんと藤岡さんの談話も載っています。これが公然と職場の中で無料で配付されています。公社の職員も国鉄の職員も、これは国鉄の方から無理やりに特別につくらせたものだと、こう言っています。私はこれも重大な問題であると思います。したがって、国鉄の総裁は、この問題について、これはどういう経過でつくられ、その金は一体どこが負担をしているのか、こういうことが公然と職場で無料で配付されているという事態についてどう処置をされるのか、この点を明らかにしてもらいたいと思いますと同時に、福田総理にお伺いしますが、総理は、よく金のかからぬ選挙をやらなきゃいかぬと。総理の言う金のかからない選挙というのは、たとえばこのように国鉄の組織、これをフルに使  ってやる選挙ということになるのじゃありませんか。こう言わざるを得ぬと思いますが、この辺についての御見解も明らかにしてもらいたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま神谷さんの御指摘の問題は、私の言っている金のかかるかからない選挙ですね、それ以前の問題であると、そういうふうにも思うんです。  私は、政府職員、政府関係職員に対しましては、これはもう公私を峻別し、法令に従って行動するということを旨としなければならぬということを就任早々から強調をいたしておるわけであります。でありますので、国鉄におきましてもそのようなことでやってもらいたい、こういうふうに念願してやみません。  いろいろ御指摘がありましたが、そういう点は調査して、これは悪いという点がありますれば直ちに改めるように、この場において国鉄総裁に申し入れておきます。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) ただいま総理から御答弁があったとおりでございまして、公私の別を明確にしなければならないということは言うまでもないことでございます。ただいまいろいろ御指摘がございましたが、その一つ一つについては私は承知をいたしておりませんけれども、いささかも疑惑を招くようなことがないよう注意してまいりたいと思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 神谷君のただいまの質疑中、現職の国会議員の河村君の名前が出ました。これは理事会において後ほど御相談することにいたしますから、その点御承知おき願いたいと存じます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いま幾つか指摘があったのですが、それだけじゃないんです。たくさんありますが、時間の関係で一、二だけさらに指摘をしたいと思います。  これは三月九日のことですが、長野県飯山線沿線観光連盟幹事会が飯山市のほてい旅館で開かれました。その後、国鉄飯山線管理室長小林秀夫、その新任歓迎会がありまして、その席上です。管理室長付専任次長岩崎俶明が伊江朝雄のこの後援会申込書用紙を配って、そしてその加入を求めました。これは明らかに公選法違反であると思います。さらに天王寺管内の通商自治会——これは野菜や魚を運ぶ行商の人の組合でありますが、この人たちの会議を三月中旬に行いまして、三重、和歌山、奈良、大阪など各会長十人ぐらい呼びまして、ここで国鉄の担当者がこの協議会の後に、帰ったら伊江朝雄をよろしく、そしてこの講演会申込書を渡しておるわけです。これまた密接な関係のある業者です。こういったことについての総裁の考えをお聞きしたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) いずれもいま初めて伺うわけでございまして、事実関係がよくわかりませんのですが、先ほど来申しておりますように、法律の定めるところに従いまして地位利用になりませんように注意をいたします。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 総裁、さらに重大な事実があります。これは伊江朝雄後援会事務所、そして通称伊江選挙事務所であります。そこに国鉄の鉄道電話が設置されている。この事実は知っておりますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 承知しておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 局長は、局長。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) 申しわけございませんが、存じておりませんでした。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 知らないというのは大変無責任な態度です。外部の私が知って、これは直接調べたんです。国鉄の〇五一−五一四九番です。総裁、これ知らぬと言うんですか、直ちに電話して調べてください。国会内の国鉄の控え室から電話すれば直接かかるんです。調べてください。このダイヤルを回しますと伊江事務所です——事務所の男の事務員の声が返ってくるんです。まぎれもなく国鉄の電話を伊江朝雄後援会事務所に設置しておるんです。調べてください。わかるんです。すぐわかるんです。調べればわかることだ。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私はそういう事実があるかないかよく知らないわけでございます。ですから事実を否定しているわけではないのでございます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 近藤君、質疑を続けてください。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私の方で、直接いまの番号に電話してかかったんです。国鉄の鉄道電話で電話をしてかかったんです。だから、それを前提にして答弁してもらいたい。(「確かめてから答弁しないとだめだよ」と呼ぶ者あり)確かめてくださいよ。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 電話をかけている間質疑を進行してください。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それを前提とする質問なんですよ。認めなきゃこれは質問にならぬです。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 近藤忠孝君。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 委員長、次の質問は、事実かどうか前提にして、認めるか認めないかを前提にしての質問なんですよ。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) いや、あなたのような人はどうでも質問できるがね。(笑声)

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そんなことないですよ。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 質疑を続けてください。どうぞ。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは総理もお聞きいただきたいと思うんです。いま国鉄の鉄道電話、これが事務所から全国、北海道から九州まで、国のすみずみに、赤字で破産状態と言われる国鉄の負担で、伊江自身はこれは無料です。そして選挙運動をやっておるんです。まさにこれは国鉄ぐるみの選挙だと思うのです。こんなことが許されるのか。総裁、そして総理、また自民党の総裁としての福田さん、こんなことを認められるのか。どうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 事実をいま調べてお答えをいたします。  いずれにいたしましても、非常に問題があるんでございますが、鉄道電話につきましては、いろいろな場合にいろいろ使われていることがあるわけでございまして、業務を逸脱して使われている場合がいろいろあり得るわけでございます。そのことについては私どももいろいろいま悩んでおるところでございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 鉄道電話が選挙運動にもっぱら使われておると、こういうことは私は一応妥当ではないと、(「一応ですか」と呼ぶ者あり)妥当ではない、こういうふうに思います。これはしかし事実はどういうふうになっておるか、その事実認識の上に立たぬと、この当該ケースがどうかという判断は申し上げられませんが、これは一般論としてそういうことは妥当ではない、かように考えます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 本当は事実が確認された後、総裁から謝ってもらいたい問題なんです。これは、国鉄運賃の値上げはまさに国民生活に深刻な打撃を与えてきたし、またこれからも与えるんです。国鉄は赤字だと言いながら、特定候補のために、こんなところに電話を設置して、そして無料で使わせ、しかも先ほど述べたとおり、これは勤務時間中まで、まさに企業ぐるみの選挙をやっておるんです。これでどうして国鉄再建できるのか。本年また一九%の運賃値上げを求めておるんですが、そんなことを求める資格があるのかどうか、これは総理からもお答えいただきたいし、総裁もお答えいただきたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 先ほど来申しておりますように、けじめを明確にしなければいけないわけでございまして、私は知りませんでしたけれども、たくさんの事実を御指摘になりましたが、そのようなことがあってはならないわけでございます。そういう事実があればこれを正してまいります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) もう国鉄の職員は、これは本当に公私を峻別し、法令に従って行動しなけりゃならぬわけですから、御指摘の事実は直ちに調査いたして、これは誤った点があれば是正すると、直ちに是正します。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 事実であれば、その電話は撤去するということを約束しますか、総裁。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 電話の問題、まずよく調べてからお答えをいたします。  ただ、電話につきましては、実は鉄道電話がいろいろなところに及んでおるわけで、どこまでで切るかというのは実はデリケートな問題がいろいろありますので、電話に関してはなかなかむずかしい問題があると、いわく言いがたい問題があるということを御理解いただきたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまの総裁の答弁は、こういう特定の候補の後援会事務所の電話の設置も、場合によったら認めると、こういう趣旨ですか、どうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 必ずしも当局側の事務所だけにあるというのではないということでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 総理、先ほどの総理の発言と大分違います。こういう後援会事務所も、場合によっては存続をするかもしれぬということでしょう。どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄の電話が、国鉄の営業その他国鉄の職務執行以外の目的のために使われる、これは私はもうあってはならぬことだ、こういうふうに思います。もしそういうことが行われておるということでありますれば、これは伊江事務所ばかりには限りませんけれども、すべてこれを撤去するということにしなきゃならぬ、かように存じます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 じゃ、それを前提にして次に移ります。  先ほど来畑局長は、これは大分事実に反していることを言っておるんです。そこで一つお聞きしたい。あなたは、きょうの国会への出頭を母危篤のゆえに出頭できないと、こういう回答をきのう国会へ寄せました。ところが、きのうはあなたは公務についておった。間違いないでしょう。どうです。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 個人的なことでございますので余り申し上げたくないんですが、畑君のお母さんが危篤でございます。したがいまして、郷里へ帰っておりましたので、私がなるべく出さないで勘弁していただきたいというふうに御連絡せよと指図したわけでございまして、本人が別にここへ来たくないとかなんとか言っていたわけではないのでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いや、総裁、きのう公務についておったかどうかです。かばうことないんだ。

畑耕平日本国有鉄道旅客局長

○説明員(畑耕平君) ちょっと胆石で入院をいたしまして、先週手術をする予定でございましたのですが、心臓のためにできないということになりまして、日曜を利用して実は看病に帰りまして、病院で徹夜をしておったわけでございます。で、きのうはそういうわけで手術がおくれましたので、一日、二日と、きょう、あすということで粋ないので、ちょっと大阪の方へ公務で——公務といいますか、用務で出ておりまして、何もなければ実はゆうべもう一晩病院に泊まろうというつもりでおったものでございますから、そこへさっきの総裁のようなあれもございまして、ちょっと判断に迷ったというところで御迷惑をかけまして申しわけございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 先ほど来の答弁は、要するに国会に対しては母危篤のゆえに出頭できないと言いながら、きのうは勤務しておったという、こういう人の先ほど来の答弁であるということはひとつ委員長も肝に銘じていただきたいと思います。  次に進みます。これは総理にお伺いいたしますが、さきの日米首脳会談で、結論の出ないままに持ち越されております東海村の使用済み核燃料再処理工場の運転問題は、アメリカ側の態度はきわめて厳しいと、こう伝えられておりますが、政府はこのアメリカの態度についてどう考えておりますか、答弁いただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、わが国は、とにかく世界唯一の被爆国である、また憲法にも似たような非核三原則ということを国是としておる国でありまするから、カーター大統領の言う核兵器の拡散、これにつきましては、カーター大統領以上に熱心にそうあってはならないと、こういうふうに考えておるわけであります。しかし、わが国の立場は、エネルギー政策の観点から言いますると、石油に依存度が非常に高いわけであります。世界一であります。そのわが国といたしますると、どうしても石油の将来を展望すると代替エネルギー源を持たなきゃならぬ。その際に考えられるのは核エネルギーになっちゃうんです。ですから、やっぱり使用済み核燃料、これを再生利用するという手段をわが国としては持たなきゃならぬと、そういうふうに考えまして、私はそういう趣旨でカーター大統領とも応酬をしたんですが、わが国の置かれておるそういう立場につきましては、アメリカはかなり理解を示しておると思うんです。しかし、カーター大統領の核が兵器として拡散をされてはならぬ、そのためには再処理問題、これは非常に重要な問題であるという見解を、日本に対しては例外だと、こういうところまではいかなかったんです。ですが、鋭意いま政府間で話し合いをいたしておりまするから、その話し合いの結果に期待をいたしておると、こういうことであります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 余りはっきりしませんが、問題は、この交渉に当たって使用済み核燃料の再処理工場の運転停止の期間が、これがいつまでなのか、この点どうですか。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) まだアメリカの新核政策が決まっておりませんが、もし伝えられるように再処理工場をストップかけるんだというふうなことになれば、この夏いよいよホットランに入ろうとするわが国の再処理工場には大きな影響がございます。したがいまして、これを運転せんがためには、御承知のとおり日米間に原子力協定がございまして、この原子力協定で双方の国がその安全保障措置に関しまして同時に決定するというふうな手続が必要でございますから、その手続がなければなかなか運転は至難である、だから、そういうふうな協定に基づく同時決定をするべく、わが国の立場を現在アメリカにいろいろと話をしておるという段階でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 大変厳しいアメリカの態度であると思いますが、そこで、カーター大統領から福田総理に、アメリカの新原子力政策を方向づける参考資料として「原子力の問題点とその選択」という、こういう文書が伝えられておるはずです。それには再処理問題はどのように書かれているのか。科学技術庁で翻訳しました要約文、これでありますが、この五十八ページから「プルトニウムの再処理とリサイクル」、こういう部分がございますが、この要旨をひとつ読み上げてもらうか、あるいは要旨を御説明いただきたい。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) フォード財団の援助によりまして、マイターコーポレーションのまとめました御指摘の文書の当該部分の要旨を申し上げます。  まず第一点は、プルトニウムの商業利用は、核の拡散及び盗難の可能性を増大させる。第二点は、プルトニウムと未燃焼の濃縮ウランは大きな価値を持っておりますけれども、その回収は予想よりも技術的にむずかしく、また高くつくので、再処理は今世紀中に経済的利益があるかどうかは疑問である。第三点といたしまして、使用済み燃料は回収可能な形で貯蔵することができるけれども、プルトニウム増殖炉が将来現実に利用されるようになればプルトニウムを回収することが可能である。第四点は、使用済み燃料を回収可能な状態で貯蔵する方が再処理するよりも潜在的危険が小さい。最後に、以上の理由から、米国政府としては期限を定めずプルトニウムの商業的再処理を延期すべきであるという提言でございまして、この報告につきましては、現在詳細検討中ではございますけれども、ただいま御紹介申し上げました結論につきましては、私どもといたしましては基本的に同意できないと考えております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 速記を起こして。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、ここでいまの政府の考えに対しまして、実際の専門家、最初は中島篤之介氏を参考人にお願いしたいと。ところがこの人はだめだということで疑義が出まして、そしてだめになったんで、したがって次に、私はやはり今度はこの核処理問題の専門家であります市川富士夫氏をお願いしたんです。これもだめだというんですね。そうしますと、これは具体的にこの場で科学的に政府の政策が正しいのかどうか、これをここで検討する私の権限と機会は奪われたんです。そういったことでは、これは本当にこの問題を正しく究明することはできません。大変残念なことなんです。ただ、ともかくいないわけでして、これは強く抗議して、私はそれを前提にしてこれは不十分な問題として質問しなきゃいけません。この問題は後にさらに追及したいと思います。  そこで、政府にお尋ねしますが、先ほどお読みいただいたこの要旨ですが、最後のところは、アメリカ政府は期限を定めずと翻訳されましたが、無期限ということはもっと強いニュアンスがあるんです。ともかくアメリカの態度は大変強い態度でありますし、しかもそれを裏づける科学的また経済的な事情があると言うのです。そういう事情を、むしろ正確に私は明確にしてもらった上で質問をしたかったわけであります。しかし私は政府が単にこれは交渉すれば何とかなるだろうというような問題ではない、きわめて厳しい状況であると、こういった前提でひとつ総理も事を進めてもらいたいと、こう思います。  そこで、次にお聞きしたいのは、現在使用されております軽水炉から、使用済み核燃料はどれだけ出てくるのか、また、現在運転中または建設中の原発の耐用年数中に出てくる使用済み核燃料は、トータルでどのくらいになるのかと、これを福井県の若狭湾に集中して立地されております敦賀、美浜、高浜、大飯、この各原発でどうなのか、この点について御答弁いただきたいと思います。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 御指摘の原子炉につきまして、五十二年一月現在におきます排出実績と、今後の排出量の見通しについて御説明申し上げますと、まず、日本原子力発電株式会社の敦賀炉でございますが、これまでの排出量は七十四トン、今後の排出量見通しでございますが、これを一応耐用年数十六年として試算をいたしますと約百三十トンでございます。美浜一号につきましては、これまでの排出実績は十四トン、今後耐用年数十六年としまして百三十トン。二号炉につきましては、実績は二十一トン、見通し百八十トン。三号炉につきましては実績ゼロ、今後三百七十トン。高浜一号炉につきましては排出実績は二十三トン、今後の見通しは三百二十トン。二号炉につきましては実績十九トン、今後の見通し三百五十トン。大飯一号につきましては建設中でございまして、これは今後十六年間に予想されますものは合計四百五十トン。二号につきましても同じく建設中でございまして、今後十六年間の見通し合計四百五十トン。以上のとおりでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そういたしますと、このままの事態が進みまして、使用済み核燃料を長期に貯蔵しておかなければならなくなった場合、現在運転中、そして建設中または安全審査にかかっております原子炉施設で、こういう大量のストックが可能かどうか、この点についても御答弁いただきたいと思います。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 総じて一般論として申し上げまして、まず原子炉には沸騰水型と加圧水型とあるわけでございますけれども、沸騰水型におきましては、大体この使用済み燃料の貯蔵ポンドは、緊急用に除きました一炉心分以外にほぼ二年程度の使用済み燃料を貯蔵する容量はございます。また、加圧水型につきましては、同じく一炉心分の容積を除きましたあと余裕といたしましては、数年分の貯蔵能力があるのが実情でございます。  そこで、ただいま申し上げましたこの日本原子力発電株式会社の敦賀炉について申し上げますと、これは沸騰水型でございまして、大体二年程度の余裕を持っておる設計になっております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 先ほどは十数年の計算で出してもらったんですが、いまはともかくせいぜい数年です。となりますと、これはもう大変な事態になるわけですね。そこで、特に福井は、これは日本一の原発過密県にされておりまして、今後このままいったならば、まさに使用済み核燃料であふれてしまう、こういう大変な事態になると思います。こういう事態で、総理は一体どうなさるおつもりか、御答弁いただきたい。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) いまのはまあ一応十六年という耐用年数から勘定したものであります。この間から私たちが国会で御説明申し上げておりますのは、一応四千九百万キロワットというわれわれの原子力発電の目標値でありますが、これはこの間の閣僚会議におきまして見直しをしようということにはなっておりますが、一応それを基準として一九八五年、昭和六十年をとりました場合には、四千百トンというのが処理を必要とする累積でございます。したがいまして、再処理工場を設け、さらには第二再処理工場を設け、さらには英仏に対しましてそれの再処理をお願いをすると、こういうことが私たちの計画でございますから、アメリカの先ほど述べましたレポートの結論といたしましても、二十一世紀になれば高速増殖炉並びに再処理は必要だと、こう書いておるわけでありまして、決してそれを全面的に否定しておるわけでありません。それまで使用済み燃料はポンドの中にいけておけばいいじゃないかと、こういうふうに議論されておりますが、この議論にも大変な誤りがあるということを、現在私たちは事務的にアメリカの当局者とお話し合いをしておるわけであります。したがいまして、いま指摘されておる面におきましては、当然われわれといたしましてもそういうことのないように、現在アメリカに対しましてもただしております。そして、先ほどのフォード財団のつくりましたレポートでありますが、科技庁といたしましても、それに対する反論を用意して、今日、事務レベルの人たちが渡米して、すでにその折衝を始めておりまするけれども、アメリカ国内におきましても、原子力産業会議の副会長が国会に証人として立ちまして、このレポートは全面的に正しいとは言い切れないと、こういうふうに証言をいたしておりますので、いま御指摘の面等に関しましては、将来の問題として非常に重大な問題でございますから、鋭意われわれといたしましても、そういうことの起こらないように外交的に努力をいたしておる最中であります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そこで長官にお伺いしたいんです。反論をする以前の問題として、もう少し事実を厳しく見る必要があるのじゃなかろうか、こう思うんです。というのは、先ほど来問題になっておりますとおり、本当に日本では大変な事態ですね、にもかかわらず、アメリカがそういった事実を理解しながら、再処理ストップ措置をとろうとしておるということは、原子力発電が使用済み核燃料の商業用再処理技術の未確立及びプルトニウムの核兵器転用の危険など、トータルの安全性が確立されていないことを裏書きしているんじゃないかと思うんです。まずこの認識がどうか。そういう点では、まさに現在の原子力発電が半身不随の深刻な事態にあるのじゃないか、この点についての認識をお聞きしたいんです。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 原発の安全性に関しましては、この国会にも原子力基本法の改定を初め、幾つかの法案を出しておりまするから、いずれ御審議を賜りたいと思いますが、われわれといたしましては万全を期してやっていきたいと、安全あってこその平和利用であると、こういうふうに私たちは信じております。なおかつ過般の福田  ・カーター会談におきましても、このことを特に総理は強調なさいましたし、またわれわれもすでに数人のアメリカの要人とお目にかかっておりますが、その点に関しましては、アメリカは、日本が平和利用以外の目的で核を利用しようとは毫も考えておらない、この点は十分に理解しておると、こういうふうに言っておるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましても、今日、日本だけの立場ではなくして、むしろ米ソが本当に軍事用に利用している面をはっきりしてからわれわれの平和問題を律する方が筋じゃございませんかと、そこまで事実は相手に対して言い切っておるときもあるわけでございます。したがいまして、さような面におきましては、わが国といたしましては十二分に平和利用というものは、これは今後も貫いていかなくちゃなりませんし、世界といたしましてもそのことは認めておるんじゃないかと、こういう立場で平和利用一本の交渉を進めたいと、かように存じております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 長官は、私が指摘した点の認識がきわめて甘いようであります。すでにわが党は、昨年一月三十日の衆議院の予算委員会におきまして、不破書記局長がこの問題について指摘しています。使用済み核燃料の再処理工場の運転は、技術的にも経済的にも成功しないで難航している。この事実を指摘しておりますし、プルトニウムの安全管理などをめぐって重大な問題がある、管理のルールが確立されていない、こういった事実も、すでに昨年の段階で指摘をしております。原子力の安全体制を緊急に確立する必要があることと、これについて国民が納得できるまでは、少なくとも新しい原発の着工や、新しい原子力船の建造は延期すべきである、こういうことも主張いたしました。私はこれを放置してきた政府の責任が、いままさにこういう重大問題に直面していると思います。  そこで、総理にお伺いしたいんですが、アメリカの今度の措置によって、核独占を一層優位なものにしよう、他方、核軍拡を進めようと、こうするものだと思います。で、そのアメリカが核拡散の危険を云々する資格は私はないと思うんです。本気で核拡散の危険を言うならば、まさに核兵器の全面禁止を行うべきではないか、こう思いますが、御答弁いただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私とカーター大統領との会談におきましてもそういう話が出たわけです。私は、核兵器は、これは地球上から廃絶しなきゃならぬ、こういう見解を述べたのに対し、カーター大統領もまた宗教的な情熱を持って、核兵器は廃絶しなきゃならぬ、こう言うんです。しかし、その廃絶と言っても一挙にそれができるというような、そういう状態では私はないと思うんです。やっぱりこれは前後追っていかなければならぬ。私は一番現実的な方法は、まず段階的の第一歩といたしまして、核実験の包括的禁止、これをまずやる。その運動というか、世界的にそれを進めようじゃないか、こういう話をしたわけです。それは全く同感である、相協力してそれをやりましょう、こういう話であったわけですが、そういうところから段階的に逐次行かぬと、これは幾ら声を高くいたしましても問題の解決にはならぬというのが私の見解でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 こういう事態にもかかわらず、新潟県柏崎、それから石川県能登半島、これは珠洲、赤住、三重県の熊野等、こういうところに新たに原発立地が進められようとしているということは全く私は無責任な態度と言わなければならないと思いますし、住民から大変反対がございます。きょうも地元から来ておりますけれども、こういう状況のもとで、現在の原子力発電計画は再検討をすべきじゃなかろうか、こう思いますが、さらに御答弁いただきたい。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) これは先ほど申し上げました、わが国の一九八五年、この当時の日本の経済はいかがなっておるかということから考えていかなくちゃならないと思うのであります。政府の計画といたしましては、やはり高度成長時代はもう終えんを告げたわけですから、安定成長で、その時代にも六%台の経済成長を望みたいものであると、こういうふうに思いますと、当然今日よりは、恐らくエネルギーにおきましても倍のエネルギー量を必要とするのではなかろうかという試算がなされております。そのときの石油は、果たして私たちの机上のプランどおりに私たちは買うことができるであろうかということも一つの大きな懸念でございます。たとえば、石油はすでに輸入総額の三分の一を占めております。今後あるいはこれが上がるかもしれませんし、たとえ上がりましても、あるいは入ってこないかもしれません。そうしたことを考えますと、石油で首の根っこを押さえられている日本の経済、あるいは国民生活といたしましては、何としてもエネルギーにおいて、準国産的なものを開発していく必要があると、そうして、やはり海外への依存度を低めておかなくちゃならない、これが私たちの願望でございます。そうしたことを考えますと、どういたしましても、原子力発電というものは石油に代替するところの大きなエネルギーであると、こういう観点から開発を進めておるわけでございます。したがいまして、その開発のためには国民の御協力を仰がなくちゃなりませんから、安全を第一として、国民の御協力を仰ぐべく本年度から私たちが幾つかの方策を講じておるというゆえんもさようなところでございます。もちろん原子力発電、その場所におきまして、いろいろと住民の方々の御意見も拝聴するようになっておりまするし、あるいはまた、住民の方々のそうしたことに対しまして政府は十二分な配慮をしていくということにも、今回出します法案の内容は改まっておるということでございますので、ひとつ、そうした点も慎重に御審議を賜りまして、わが国のこのエネルギー問題に対しまして、私は党派を超えての問題ではないだろうかと思うのであります。やはり安全を中心にして開発を図っていかなかったならば、恐らくわが国の経済の成長はダウンすることは間違いございません。ダウンしてもよいと、だから原子力やめろとおっしゃるんだったら別でございましょうけれども、やはり国民のために安定成長は遂げていきたいし、そのためには代替エネルギーは必要だし、そのためには、全力を挙げて安全に取り組まなくちゃならぬと、こういう姿勢で今日政府は臨んでおりますので、その点に関しましても格段の御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 委員長、国鉄総裁が先ほどの問題の答弁をするそうです。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 高木国鉄総裁。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 先ほどの電話のことについてお答えいたします。  〇五一−五一四九という電話は、千代田区丸の内三の四の一新国際ビルの中にございます財団法人交通道徳協会に入っておる電話でございます。で、先ほど伊江君との関係のお尋ねがございましたが、伊江君はそのビルの隣の部屋を借りておるようでございまして、そこには鉄道電話はございません。ただ、隣の部屋にそれがあります関係で、事実問題として、ときどき利用さしてもらっているということがあるということは否定をいたしません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 では、次に物価の問題に移ります。  東京都の消費者物価指数は、一月現在で前年同月比九・三%上昇しております。重大なことは、本年一月に年度初頭の目標八・〇%を八・六%に引き上げたものが二カ月のうちに破綻してしまったということであります。三木内閣以来物価を担当してまいりました福田総理は、これについてどう責任を感じておるのか、また原因は何だと思うのか、御答弁いただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 物価の三月時点の情勢が、ただいまお話しのような状態であることは、私も残念で残念でたまらないんです。ただ、八%程度という目標を八・六と訂正したと言いますが、そうじゃないんです、これは。旧指数、新指数の問題がありまして、私どもは旧指数のことを言っておるわけであります。旧指数で八%程度、これは程度と申し上げますのは、四捨五入すると八になるというふうに国会ではお答え申し上げておりますが、その八%程度という目標が実現されないで、それで旧指数八%程度に相当する指数が、まだ結論は出ておりませんけれども、大体の見当は八・九になるんです。全国の前年同期比が八・九であります。そういう状態になったことです。  その原因は何だと言いますると、これは、一つは異常寒波の影響でございます。生鮮食料品、これの異常な値上がりがあった、これが一つ。それから公共料金の影響が思ったより大きく出てきた。特に電電の関係です。これが、私どもが思ったよりは大きく数字には出てきておる。まあその辺でございまして、物価安定の基調はそう私は崩れておらぬと、こういうふうな見解であり、これからの展望といたしますと、三月がそういう異常な状態でうんと上がったんです。上がっただけに、また五十二年度、来年の三月から回顧するという場合には、今月の物価が予想以上な高さにならなかった場合に比べると低く出てくるという展望でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまも総理お認めのように、公共料金が、生鮮食料品の九・〇%に対し、二六・二%上昇ということで、まさにこれが消費者物価を押し上げているということは間違いないと思うのです。また、製品の面で見てみますと、大企業製品は、五十一年度は前年に比べて七・五%上昇でありますが、中小企業製品は、これは五・八%であります。大企業の方が高い。さらに、いま新聞でもまさに産業界値上げラッシュ、こう言われておりますように、値上げの動きが激しいわけです。これに対して、今後どういう物価対策をおとりになるのか、御答弁いただきたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  ただいま総理からもお答えございましたけれども、年度中の上昇率、前年の三月とことしの三月と比較いたしますと、確かに政府の見通しよりも若干上昇しておりますが、年度平均でいたしますと、大体政府の見通しと変わらないというのが今日の物価の状況でございます。しかし、何としてもまだ高い状況でございますから、何とかこれを七・七%程度、年度中の上昇率に抑えたいというのが政府の目標でございます。したがって、今回の経験にもかんがみまして、生鮮食料品、生活必需物資の確保ということも中心の一つに置きますが、同時に、低生産部門の生産性の向上、流通対策、競争政策、輸入政策の活用、あらゆる面の施策を総動員して物価安定に寄与してまいりたいと思います。また、特に昭和五十一年度の物価上昇には、総理からお話がございましたけれども、狂乱物価時に公共料金を非常に低く抑えました。この調整をいつかはやらなきゃならないということで、五十一年度におきましては八・九%の中で約二・六%程度公共料金が値上げに寄与しているわけでございます。したがって、この公共料金の値上げの率を昭和五十二年度におきましては低くしたいということで、予算の中には国鉄と電電というのが入っておるわけでございますが、これが約〇・六%、二つ合わせまして物価を押し上げる要素でございます。したがいまして、電力やガス、こういう大手が大体五十一年度に一巡しておりますので、五十二年度におきましては五十一年度の公共料金よりも低いということが言えると思います。したがって、こういうことで注意深く物価の動向を見守りながら国民の期待する物価安定に寄与してまいりたい、これが政府の姿勢でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 次に大蔵大臣にお伺いしますが、円高ドル安の状況を、これは物価に反映させよと、大変大事なことでありますが、そこで為替相場の今後の見通しはどうでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。  東京市場における為替、円ドル為替でございますが、昨年の十二月中旬ごろから円高の傾向をたどってまいりました。その後ことしになりまして、二月の中旬、それから今月の下旬、その度合いが非常に強くなりまして、今週に至りましては、御承知のとおり二百七十四円台という大変な高値ということになったわけでございますが、わが国といたしましては、これは主としてわが国の国際収支が非常に良好であるということに主として原因があるものだと、かように考えておりますが、わが国の為替に対する考え方でございますが、いつも申し上げることでございますが、要するに乱高下というようなことで為替の相場が激変していくということにつきましては、これは何とかなだらかな歩みというものに持っていきたい、こういうふうな考えを持っておりますけれども、いずれにいたしましても、原則といたしましては、今日のフロート下の為替相場形成に当たりましては、何としても市場における需給の実勢というものにゆだねまして、そうしてまいりたい。そこで、原則といたしましては、介入をすることによりまして特定の水準にこれを固定していこうとか、あるいはまた、ある方向に誘導していこうといったような考えは今日は持っていないということでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そこで総理、二月十八日の閣議で、総理は為替差益を輸入業者や流通業者に滞留させないようにしろと、この利益を得た業者に値下げの指導をして、そして消費者に利益還元をするように努力せよと、こういう指示をしたとされています。これに基づいて具体的にどのような対策がとられているか、御答弁をいただきたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいまお話しのように、総理から為替相場の円高をできるだけ物価安定に活用するようにと御指示がございました。わが国の輸入は、御承知のとおり原材料を中心とする輸入でございます。これが、大体全体の輸入の七割以上占めているわけでございます。したがいまして、消費財の輸入が比較的少ない。したがって、原材料の輸入につきましては、メーカー同士の話し合いに任せてしかるべきじゃないか。これは需要者の側ももう目をさらのようにして円高の状況というのを見ておりますから、なかなか、仮に石油を値上げしたいと言いましても承知しないということでございますから、原材料の方はそういう商品の市場の実勢に任せていくと、そして政府はこれを注目していくということでやっていったらいかがかと思っております。消費財の方は、消費者は商品原価に対する知識も十分持っておりません。また、仮にそういうことを知りましても対抗する手段がないということでございますから、これは政府がこの点について利益の還元に努力をする必要がございます。したがいまして、いろいろな品目について追跡調査をいたしている段階でございます。したがって、その追跡調査は、昭和四十七年の異常の状況のことを申し上げますと、四十七年におきましては、オレンジや干しブドウ、エビ、タコ、紅茶、こういう食品、あるいはネクタイ、ワイシャツ、万年筆、浴用石けん、ストッキング等の日用品、あるいは石油ストーブ、電気冷蔵庫等の耐久消費財について、流通機構その他の実際の調査を行ったわけでございます。結果的に見ますと、大体昭和四十七年のときに値上がりしましたものは、ウイスキー、腕時計、紅茶、万年筆・ストッキング、オレンジ、それから食用油、電気冷蔵庫、ハム、ソーセージ等ございます。その他多くの品目調査をいたしたのですが、値上がりした代表的なものは以上のとおりでございます。値上がりしなかったのが香水とかレコード、くつ、ハンドバック、カーペット、石けん、めがねフレーム、ワイシャツ、ネクタイ、電気かみそり、ブランデー、ワイン、コンビーフ、レーズン、それから羊の肉、タコ、イカ等でございます。したがって、われわれは細かい流通機構についても、企画庁だけでは能力に限りがありますから、それぞれ専門の機関に委嘱いたしまして追跡をいたしております。ただ、大蔵大臣からもお話がございましたけれども、今回の円高というのは、大体昨年の暮れから二十円ぐらいの円高になっているわけでございますが、これがいつまで続くかという問題もございますし、大体昨年の暮れからの円高が五、六%の段階で、この前の場合にはかなり大幅の一五、六%という円高になったわけでございますから、これと多少事情が違う。それからまた、円建ての輸入あるいはマルク、フラン建ての輸入ということになりますと、為替差益が出てこないという問題もございますから、いろいろ品目について細かく調査をいたしていささかでも為替利益が消費者に還元するように最善の努力をいたす所存でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この対策を立てる上で、為替差益がどれくらい出ているかということは大事であります。その調査がまず必要だと思います。そこで通産大臣、その所管であります石油、鉄鉱など輸入原材料についてどれくらいの差益が出ているのか御答弁いただきたい。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 為替差益の問題につきましては、特に石油の関係でありますとか、原材料等の計数の問題、長官が参っておりますから政府委員から詳しくお答えいたしましょう。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 石油の為替差益についてお答えいたします。  御承知のように、為替差益の発生の理由として大きく分けて二つあるかと思います。一つは、石油の場合、産油国を出港する場合のレートと、通関いたした後一定のユーザンスを経まして現金でこれを決済する段階におけるレートの差、これにつきましては、極端に申し上げますと川船ごとに差が出てくるわけでございます。それからいま一つは、価格を設定する場合に、その前提として、取り上げたレートが現実の市場価格の段階におきましてどういうギャップがあるか、こういうことがございまして、一概に、為替差益の出ておることは事実でございますが、現在時点でいかほど出ておるかということの把握は非常に困難なわけでございます。  御参考までに過去の例を申し上げますと、四十九年、五十年両年度合わせまして約一千億の為替の差損が出ております。それから、五十一年度に入りまして、円高基調に推移してまいっておりますので、上期の決算におきましては約四百億の黒字が出ております。下期以降はまだ各社決算が出そろっておりませんので断定しがたいわけでございますが、少なくとも四百プラスアルファの為替差益は発生しておるものというふうに推定いたしております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 石油以外はどうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 私、石油だけでございますので。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) 鉄鋼について御説明申し上げます。  鉄鋼につきましては、先生御案内のように、輸出の非常に中心産業でございまして、輸出と輸入のバランスを見ますと、昭和五十一年を例にとりました貿易収支を見ますと、輸出が約百億ドル、正確に言えば約百八億ドルでございまして、輸入が鉄鉱石、原料炭その他を合わせまして六十二億ドルでございまして、いわば約四十七億ドルぐらいの輸出超過になっております。したがって、業界として為替差益がどうかという計算は、私ここに手元に持っておりませんが、そういう輸出超過でございますので、むしろ鉄鋼業界全体としては、為替が円筒になりますと、為替差損が出ておるというような状況に計算上はなっておるのではないか、かように考えております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 近藤忠孝君の質疑は後刻引き続き行うこととし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十二分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題といたします。  近藤忠孝君の質疑を続けるに先立ち、厚生大臣渡辺美智雄君から発言を求められておりますので、これを許します。厚生大臣渡辺美智雄君。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 去る四月二日、本予算委員会における安武洋子議員の質問に関連して、参考人館林ドレス代表取締役小曽根通中氏の陳述の中に、西武は厚生省の関係者に渡した商品券の代金五十四万円を館林ドレスに立てかえさしたと、いかにも厚生省の役人にその商品券が与えられたような印象を与える発言がございましたので、私は、厳重にこれを調査をするお約束をいたしました。そのお約束に従い、厚生省において事実関係を精査いたしましたところ、この商品券は全く別の取引に関連して某証券会社の関係者に贈られたものであって、厚生省の担当者にはかかる事実は全くなかったことが判明をいたしました。  以上、調査の結果を御報告申し上げます。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) それでは、質疑を続けます。近藤忠孝君。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 午前中の質疑で、経企庁長官は、五十二年度は五十一年度より物価を下げる、私はそのことは公共料金の引き下げの方向も示唆をしたと、こう理解したんですが、そこで、ここでは先ほど問題にいたしました石油を原料とする電力、ガス、ここで差益が出ておりますので、私はここにこそ為替差益を消費者に還元すべきであると、こう思う立場から具体的に質問をしたいと思います。  まず、通産大臣に伺いたい点は、昨年六月から本年にかけまして電力、ガス料金の値上げが実施されたわけでありますが、原価計算の際の原油等の為替レートは各事業年度ごとに幾らで計算したのか、御答弁いただきたい。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  為替レートの計算でございますが、昨年の電気、ガス料金の値上げに際しましては、為替レートは認可の間近三カ月の平均レートをとりまして、具体的には北海道、東北、北陸及び九州の四社は一ドル三百円、関西は二百九十九円、東京、中部、中国及び四国の四社は二百九十八円、また、東京ガスは二百九十六円で査定をいたしております。  なおまた、九電力及びガス会社におきまする為替レートによりまする変動に際しましての問題もございまするが、それは後ほど……

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 どうぞ一緒に。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) よろしゅうございますか。  外貨建てで契約いたしておりまする原油、LNG等につきまして計算いたしますると、一円変動することによりまして五十二年度一年間で九電力会社合計では約三十三億、ガス会社大手三社合計では約四億円の差益が生ずることに相なっております。  さらに、為替レートが一ドル二百八十円前後で推移いたしました場合に、五十二年度通年で九電力全体での総括原価は約一・一%、東電の場合におきましては総括原価の約一・四%程度為替差益が生じるものと考えられますが、同時に、この差益の出ました一方、OPECの値上げによりまする負担増等もございますので、為替差益につきましては長期的かつ総合的なコストの関連で考えてまいる必要があると存じます。なお、さらに詳細な点におきましては担当の者からお答えいたしまするが、今後、できる限り決定いたしました料金につきましては長期間にわたりまして現行料金を維持してまいりまするように、電力会社に対しまして指導してまいる所存でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 OPECの問題についてはまた後ほど聞きますが、いまの通産大臣の答弁をまとめますと、九電力の場合、原価計算時の為替レートの中間二百九十九円、こうとりまして、三月の為替レートを平均二百八十円といたしますと、その差は十九円になります。そこに一円変動による影響、九電力の場合に三十三億円掛けますと、ここに年間の為替差益は六百二十七億円という、こういう計算になります。この分が黙っていても電力会社に入り込む利益でありまして、消費者はその分だけ高い余分な料金を払っている、こういうことになりませんでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) なお、原価計算の詳細並びにただいまおっしゃいました問題等、担当の政府委員からお答えいたします。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 為替差益につきましては、ただいま大臣がお答えしたとおりでございますが、その際にも申し上げましたように、OPECの値上げによるところの負担増というのがございます。これはまだ値決め交渉中でございますので最終的なことを申し上げられないわけでございますが、いまの時点で試算いたしましても、九電力全体で総括原価に対して二・一%、約千二百億円程度のコストアップ要因があるわけでございます。したがいまして、差益の方で六百二、三十億円のプラスが出るにいたしましても、反面、負担増の方が、その為替差益が、推定値と申しますか試算値の為替差益よりも大きな数字になってくるということがございまして、為替差益分がコストアップ増の減少原因にはなるわけでございますが、直ちにそのままプラスになる、原価計算上プラスになるということには相ならないかと思うわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、具体的に数字で計算しましてそういう数字が出やしないかと、こういう質問で、OPECの問題については聞いてないんです。OPECの問題について言えば、これは料金を認可する際に当然予想しておったことです。もし予想してないといたしますと、OPECのいま言った一千二百億円の値上げがあったならば再値上げするつもりだったのか、こうなりますね。そこで、むしろ当然予想されておったことだけれどもそれはゼロ査定して、これは企業の努力に待つと、こういうことだったんじゃないでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 昨年の料金改定を審査する段階におきましてまだOPECの総会が開かれておらなかった。したがいまして、会社側の申請では五%程度の上昇ということで申請があったわけでございますが、OPECで態度が未決定の段階におきまして、想定的にせよ、われわれの立場といたしまして幾ばくかの上昇を見込むということは適当でないということで、ただいまお話ございましたように、原油代金等の値上がりについてはゼロ査定をいたしておるわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ゼロ査定しておるわけですから、仮に上がってもこれはやっていくという、こういう前提であります。  そこで、先ほどの質問にお答えいただきたい。私が示した数字はそうなるのではないか。この点どうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 九電力につきまして為替差益だけの面を計算いたしますと御指摘のように六百二、三十億になるだろうと思います。ただ、原価主義から考えた場合に、当時査定ゼロにしておったものではございますが、現在時点でそういったコスト負担増というものが出てまいってくるわけでございますから、全体として、総合的に現在時点における原価はどうなるかという判断をいたすべきかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 三井銀行の本年三月調査月報によりましても、九電力の五十一年九月期は一一・五%の増収、二六・九%の増益となっています。さらに「見通し」の欄を見てみましても、「為替相場が円高基調にあることなどから大幅な増収、増益が見込まれる」、こうなっています。私はあなたのいまの答弁では納得できない。具体的にこの六百二十七億円の差益を消費者に還元すべきじゃないでしょうか、検討すべきじゃないでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 御承知のように、料金改定の際には一定の原価計算期間というものを置きまして、その原価計算期間を前提といたしまして査定いたすわけでございます。さようなところから、先ほど来申し上げておりますように、現在時点で二百八十円のレートが五十二年度間通じて据え置かれるという前提に立っての差益試算が六百二十七億円でございますし、一方、私が申し上げました千二百億のコスト増——原油値上がりに伴うコスト増と申し上げますのも現在時点での試算値でございますので、そういった意味合いにおきまして、直ちにこの時点で千二百億のコスト増の方は度外視して為替差益の方から算定された分だけを料金引き下げに活用すべきであるということは、原価主義をたてまえといたしましても、そういったことは現実的にはできないことでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 総理 もう少し具体的に私は事実を示してお聞きしたいので聞いてもらいたいと思うんです。  それでは、為替レートを三月の平均二百八十円として原価計算した場合に、具体的に電力料金はどれほど引き下げられるのか。算術計算です。このことを東京電力の場合でひとつ調査をお願いしておったので御答弁いただきたい。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 先ほど来申し上げておりますように、為替差益だけを見てその他のコストアップ要因というものを度外視するということは事実上困難でございますし、あるいはレートを一年間固定的に据え置いて計算することも事実上むずかしいわけでございますが、せっかくの御指摘でございますので……。  ただいまの六百二十七億の差益を仮に計算上料金に組み入れていくといたしますと、一カ月百五十キロワットアワー使う家庭におきましては、全国ベースで三十三円ぐらいになろうかと思います。それから東京電力につきましては二十四円、月当たりでございます。それから、いわゆるシビルミニマムと称せられる月間百二十キロワットアワーを使用する家庭におきましては、全国ベースでは二十六円。東電につきましては十九円。かれこれ、総括原価に対しまして一・三%ぐらいの影響があろうかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それを月に直しますと一世帯当たり百四十円ぐらいの料金値下げが計算上可能である、こういう資料をいただいておりますが、間違いないでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 百四十円という数字、私は承知いたしておりませんが、強いて東電に限定いたしまして、百五十キロワットアワー一カ月使用する場合、しかも、その電力への振り向きを考えずに電灯だけにかえるといたした場合——これはわれわれの立場といたしましては、現行法で原価主義をとっておりますので、電力はノーで家庭用の電灯だけということは法律上できないわけでございますが、これも御指摘でございますので、あえて計算いたしますと、百五十キロワットアワー消費の場合で百二十六円ぐらいになろうかと思います。それから百二十キロワットアワーの使用家庭では百一円ぐらいになろうかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 総理、ただいまの計算は約五%を超える値下げが為替差益によって可能であるという、こういう計算であります。となれば、総理はこの差益をまさに物価に生かす、途中に滞留しちゃいかぬと、こういうことであれば、まさにこれを断行すべきじゃないでしょうか。  そこで、むしろそういう点ではいままでの料金算定の根処が崩れて、具体的に引き下げ可能であるというのが数字として出ているわけですね。この点、消費者物価値上げの最大の原因である公共料金、先ほど総理も認められたわけですから、ここをいま断行せずして総理が差益を生かせと言った言葉は全く無意味になろうと思います。ここで決断すべきではないでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 為替相場は、これは変動為替制にいまなっておりまして、それでこれから先どういうふうな動きをするかわからぬと。まあある程度いまのような状態が、ある程度というか長期間定着していきますれば、いま近藤さんのおっしゃるような問題が出てくるわけでございますが、まだ、いまどういう状態をこれからたどっていくのか、その辺の見当がつかないという状態でありますので、いま今日のこの数字を見て、それで公共料金問題を再検討するというところまではまだこないと思うのです。これが一年なり何年なり幅をとってみれば、かなりの私は影響がある問題であると、そういうふうに考えておりますが、そういうふうに時間の経過を待って、公共料金ばかりじゃない、いろんな価格政策の面にも問題が出てくると、こういうふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 総理が差益を物価に生かせと、こう言われたのはすでに二月十八日であります。具体的な私は方策を指示したと思うのですが、先ほどの答弁のとおり、差益の調査すら十分にされてない。しかし私が指摘したとおり、電力の場合にはこれを生かせるという計算がなされたわけですね。となれば、まさに総理、これをやってこそ国民に約束した、また国民が期待しておるところに対する総理の具体的措置じゃないんでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ですから、この相場というのはある一時点だけで考えてみても意味がないのですよ。これは一年とか二年とか、そういう長い期間で初めてまあ実質的な影響が出てくるわけですから、その間を見ながら料金政策なんかにもこれを反映していくと、こういうふうにいま考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 もう大分長い間、円高の傾向が続いておるわけであります。となれば、この状況が続けば具体的な、差益を電力料金等の公共料金に生かすということを、具体的な値下げを検討すると、そう理解していいでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 具体的な値下げになりますかどうか、その辺はなかなかむずかしいんです。上ぐべきものがその水準でなくてもっと低い水準で済みそうであるとか、あるいはもう来年上げなきゃならぬと、こういうものが再来年でいいんだというようなことにもなりましょうが、いま、まあたとえば電力料金について言えば、OPEC価格が上がるという問題もありますし、あるいは賃金が上がるという問題もあります。ですから相殺要因があるわけです。その相殺要因を打ち消して料金の引き下げをするというところまではなかなかこれはむずかしいんではないかという、これは達観的な私の感じでございますが、しかし、少なくとも上げ幅が、為替がこういう状態でない場合に比べますると良好な状態であると、こういうことは言えると思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 余り総理の指示が生かされていたいんですが、これはぜひ生かすように要望いたします。  それから先ほど四十七年当時の追跡調査報告がありましたが、現在はどういう品目についてどういう調査をしているでしょうか。御答弁いただきたいと思います。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 先ほど、四十七年度についての調査の内容を大臣から申し上げたわけでございますが、ただいまの状況では、前回に行いましたような品目について実際に円高がどういうふうに反映されているか、その場合には卸、小売業の段階におきます流通コストの上昇等もあわせて考えてまいらなきゃなりませんので、その辺の追跡調査をしたいと思っております。現在その準備をいたしております。それから、それに至るまでの間、実際に円高の関係と卸売物価等から見られます物資の価格について相関関係がどうなっているかということについては、現在関係各省でそれぞれ動向を把握するように努めておるところでございます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。渡辺武君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 これからの調査品目に関連した問題ですけれども、先ほど経済企画庁長官は原材料については業界のいわば自主性に任せるという趣旨のことをおっしゃっていますね。しかし、原材料を除いて消費財だけを調べるというようなことでは、これは物価対策としてははなはだ片手落ちじゃないかという感じがするんです。  なぜかと申しますと、わが国で輸入依存度の強いものはほとんど原材料でしょう。綿花、羊毛、ボーキサイト、燐鉱石、これは一〇〇%輸入依存ですね。   〔委員長退席、理事園田清充君着席〕 そのほか麦、大豆、塩、それからそのほか、私ここに通産省の調べたものを持ってきておりますけれども、木材もそうだし、砂糖、石炭、石油は輸入依存度が非常に高いんですね。こういうものについての為替差益を調査して、そうしてこれを消費者に還元させるような措置をとらなければ、物価安定という点では十分な成果は上がらないんじゃないかと思うんです。原材料についてやはり追跡調査及びいま言ったような物価安定上の措置をなさるかどうか、これをまず伺いたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  原材料については、大体自由市場に任せても需要家と供給者との間でかなり激烈な価格についての話し合いが行われるであろうと。たとえば石油を一つとりましても、石油会社が石油の値上げということを考えても、需要家側はなかなかこれに応じないと、そういうことを申し上げたわけでございます。もちろん、われわれとしてはどういう形になるであろうかということは勉強いたしておるわけでございます。しかし、それをどういう形で介入していくかということになりますと、自由な市場体制に任せても差し支えないんじゃなかろうかと、そう考えている次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ここに通産省が最近発表しました五十一年の貿易業態統計調査結果というのがありますけれども、これ見てみましても、日本の輸入に占める商社の役割りというものは非常に大きいんですね。この資料によりますと、一千億円以上の輸入、これについては商社が七六・七%を扱っていると、こういうことになっているんですね。そうして、いま私が問題にしております原材料ですね、全部とは言いませんけれども、大多数は商社が扱っている物資です。しかも、この商社が非常に強力な力を持っているために、それはもう業界の自由取引に任せておいたら何とか落ちつくところに落ちつくだろうというような性格のものじゃないですね。やはり商社が為替差益をほとんどふところに入れて、これを物価安定に還元しないというのがいままでの、前回調べたときにもそういう結論が私は出ていると思うんですね。それで、先ほど通産省の方から鉄鋼はいま為替差損が出ているくらいだというようなお話がありましたけれども、鉄鋼、ここに私持ってまいりました三菱銀行の「調査」という雑誌、五十二年一月号です。これによりますと、鉄鋼五社が昨年の四月から九月までのわずか半期で為替差益の増加額が二百二十億という数字がちゃんと載っている。私はこの三菱銀行の調査部に問い合わせてみたら、鉄鋼各社にそれぞれ問い合わせた上で集計したものがこの数字だと言うんです。つまり、原材料などの輸入による為替差益だろうと思うんです。わずか五社の鉄鋼会社が、半期で二百二十億円もの為替差益を積み増すことができるんです。日本の輸入の七七%近くを握っている商社、特にその中の大商社、これがいまこの円高でどれほど莫大な為替差益を出しているか、これははかり知れないと思うんですね。ですから、この商社の、特に大商社の為替差益を調査して、これを物価安定のために消費者に還元するという措置をこそ当然とるべきだと思いますが、どうですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいま鉄鋼のお話が出ましたけれども、御案内のとおり、鉄鋼の場合には、原材料が入ってくるときには安くなりますけれども、輸出の円高というところでかなりダメージを受けるわけであります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いや、これは差し引きしての増加額ですよ。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 特にいま平電炉のようなのは、非常に輸出が出血の形になっておりますから……

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 平電炉じゃない。大手鉄鋼五社です。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 輸出入が大体まあバランスをとっていると思います。原材料入ってくるのと出るやっとあるわけですから。  その議論は別といたしまして、商社等が不当な買い占めをしたり、あるいはいろいろな輸入についておかしなことをするということになれば、これは当然公正取引委員会にもお願いするし、われわれとしてもそういうことは注目して見ていくわけでございます。しかし、原則としてはやはりそういう正常な市場取引が円滑に行われれば、これは円高という問題は十分みんなが注目しているところでございますから、私は落ちつくところに落ちつくんじゃなかろうかということを申し上げておるわけでございます。しかし、まあ消費財についてはなかなか消費者がそれだけの資金もないし、それからまた対抗力もない。したがって、われわれがもっと積極的に調査をする必要があると、そういうことを申し上げておるわけでございます。重大なる関心を持っておることは事実でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、その中でも特に国民生活に関係がある木材について具体的に為替差益の問題を追及してみたいと思います。  政府は、この木材についての差益もこれは計算しておりません。私は、そこで木材総輸入量の約二割を占めております北洋材について為替差益を計算してみました。農林大臣のお手元に渡しました昭和五十一年の「一〇大商社の北洋材における為替差益」、これをごらんいただきたいと思います。私どもが調査したところによりますと、商社が問屋に渡すときの円ドル為替レートは五十一年一月から九月まで、これはどこの商社もほぼ三百五円で仕切っておったわけでありますが、十月からそれを二百九十五円にいたしました。真ん中の欄ですね。その際、実際の為替レートはその左の欄、これはごらんいただけばいいんですが、その数字のとおりであって、実際為替差益は一立方メートル当たり最低でも四円六十四銭、最高十六円三十銭になるわけであります。これを取り扱い量に掛けますと、十大商社の為替差益は二十四億円という数字が出てまいります。この分が商社がため込んだものであって、この分だけ値下げすることは可能だと思います。農林省の考えどうでしょう。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま資料をちょうだいいたしまして拝見いたしましたが、この資料のとおりでありますれば、御指摘のような差益が出てくるわけでございます。ただ、商社と問屋なり卸なりの間でどういう契約関係になっておりますか、これ事務当局から説明させます。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま大臣からお答えいただきましたけれども、私どもの調べによりますと、商社の取引価格につきましては、私ども正確な数値を持っておりませんが、一般業界紙等の数値によりますと、大体五十ドル程度の価格で取引をしているようでございますが、一方、工場に入りました価格につきましては、五十一年の四月から一月を見ますと、四月を一〇〇にいたしますと大体一一六%ぐらいの上がりになっております。ところが一方北洋材の取引は、これ新聞、業界紙の数字でございますけれども、五十一年の一月−三月の取引を一〇〇といたしますと、十月−十一月の取引は一二五に伸びております。したがいまして、ただいま大臣からお答えございましたように、商社の取引と、それから工場に入ります国内価格とは必ずしも連動しておらないということで、その辺は先生の計算ですとそうなりますけれども、その辺の関係は商社の取引で、国内価格は国内の市場価格によりまして変動しておりますので、必ずしも連動いたしておりませんので、先生がおっしゃったような数字になるかどうか、ちょっとわれわれとしてもいまの段階では何とも申し上げられないと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は確かな資料に基づいて計算したものであります。  そこで、今度市況の問題ですが、ごらんいただきたい。卸の方は三〇%も上がっておるんですね、小売は二〇%であります。こういう市況なんです。これはやはり卸の方に、そして商社の方に差益がまさに滞留をされておる。  それからもう一つの表をごらんいただきますと、これはこの赤い棒グラフが実際各月の商社がため込んだ差益なんです。そしてこの線の差額がこれは実際の差益でありますけれども、こういうものは具体的にこれ出てくるのです。となれば、これは大体政府が計算しないのがおかしいんです。私の計算によってもこれで出てくるんですから。これはひとつ少なくとも調査をすべきですし、私のこの具体的な資料を十分検討して、この値下げの方向で考えるかどうか御答弁いただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 最近の為替相場の動向等を十分把握して、それが消費者価格なりそういうものに反映しなければならないと、基本的には私もさように考えております。今後この為替レートのフロートを十分注目をいたしまして、調査もし対応してまいりたいと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 経企庁が出しております「建築用木材の流通・価格対策」これを見ましても、まさに大手商社の圧力のもとに中小業者は困っておるということ、そして私が先ほど表で示したとおりのことが実際出ておるわけです。一つの木材、北洋材だけでもこれだけのものが出てくるのですね。ですから私はこれを南洋材、米材合わせればもっともっとたくさん出てくると思うんです。先ほど渡辺委員が指摘したように、商社全体についてこのとおり具体的に示していけば、私たちだって調査できるんですからね。政府がやれば必ずこれはできると思うんです。  そこで福田総理、全体についてこれを調査し、さらにこれを値下げに響かしていくと、特に商社の点について御答弁いただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 商社の場合は輸出もやっていますからね、これは輸出と輸入の額が同じだと、影響の算定はなかなかこれはむずかしい問題かと思います。しかし、為替が長き間強含みで動いておるということになりますれば、たとえば一年とってみるというようなことになれば、かなり損益計算上変化が出てくるわけですから、そういうことをじっと見て、まあ物価政策上も、あるいは税の計算だとか、そういうような面もかなり違った結果が得られるんじゃないか、十分注意してまいります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 最後に、午前中国鉄総裁が鉄道電話を使用していることを、事実を認めました。お隣だというけれども、これは間違いなく全部使っておるんです。私たちが電話したらちゃんと家に事務所があって、電話があったんです。そこでこれは総裁といたしましても、また総理といたしましても、これは事実なら撤去するという御答弁があったんですが、具体的に事実が確認されたんです。もう一度総理の見解を聞きたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄総裁に対しまして、その当該電話を撤去するように要請します。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 終わります。(拍手)

園田清充自由民主党

○理事(園田清充君) 以上をもちまして近藤忠孝君の質疑は終了いたしました。     —————————————

園田清充自由民主党

○理事(園田清充君) 神谷信之助君。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まず最初に、日韓大陸だな協定に関する点について二、三お尋ねをいたします。  わが党は、日韓大陸だな協定は、日本の主権的権利を侵害をし、共同開発と言いながら、実際はメジャーの開発を保障し、朴政権にてこ入れをするものと、そういう立場から反対をしてまいりましたが、さらに、新たに重大な問題が今日明らかになりました。  そこでお伺いいたしますが、日韓大陸だな協定では、第二条で共同開発区域が明記されておりますが、座標十五と十六を結んだ直線及び座標十六と十七を結んだ直線。この直線は男女群島の鮫瀬島からそれぞれ何海里あるのか、お答え願いたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 男女群島の端に鮫瀬という岩礁がございます。この岩礁からいまおっしゃいました座標十五から十六の線、また十六、十七の線にはそれぞれ鮫瀬からの至近距離は十・九海里と十一・七海里でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 十二海里以内であるわけであります。  そこで、総理にお伺いしますが、この国会に領海法を提案をされましたが、いつごろまでに成立することを期待をされているか、お伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはなるべく早くひとつ御審議いただきまして成立するようにと、お願いするほかございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ところが、いま明らかになりましたように、この領海法が成立をいたしますと、この共同開発区域の一部は日本の領海内に位置するということになります。そうしますと、これは前代未聞の出来事であります。総理は、この協定調印のとき、こういうことを予想されておったのかどうか、お伺いしたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 御承知のように、この協定は三年前に調印されたものでございます。そのころ、領海は三海里ということで、十二海里にいつするかという話のないときに調印されたものでございます。いま御指摘のように、そのうち、全体とすればきわめてわずか〇・〇四%ぐらいの区域になるのでありますけれども、この鮫瀬からはかりますと、十二海里とした場合には、一部その領海に取り込む地域が出るわけでございます。これにつきましては、この大陸だなの条約におきまして、その第一条で、大陸だなとしているのは領海の外にある海底の区域を指しておるので、これが領海ということになりますれば、当然わが方の領海の中に持ち込まれると、こういうことでございまして、この点につきましては、わが方が十二海里に領海を広げるということを韓国側に通報いたしました際に、この点についてもこの事実を申し述べて、先方にこの部分は領海十二海里になった場合にはわが方の領海になるんだということを申し述べて、先方はこれに対しまして何ら異議を申し述べておらないというところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまのお話ですと、この協定は三海里時代の問題で十二海里を予想していなかった、そして十二海里問題が出たので、第一条に基づく領海の部分の項を引用して韓国側には了承さしている、こういうお話です。しかし、この共同開発区域は協定の第二条によって明記されて設定をされています。したがって、この協定の第二条の条文をそのままにして、そしてそういう韓国側にも了解を得ているからということで運用上の問題として解決をする、そのように考えてみても、これは必ず将来に紛争の種を残すことであり、根本的な解決にはならないと言わざるを得ないと思う。  そこで総理にお尋ねしますが、こういう欠陥協定ですね、これについて私ども国会の審議の対象にもなり得ない協定であるというように思いますが、撤回をして再検討する、そして政府自身の責任も明確にしていく、こういうけじめのついた厳然たる態度をおとりになる必要があると思いますが、総理の見解をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま外務大臣からお答えしたとおりでございまして、政府におきましては欠陥があるものとは考えておりません。撤回してやり直す、協定をやり直すという考えは持っておりませんです。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この協定についてはこれから審議を行う段階になると思いますが、われわれはそういう欠陥協定を認めることはできないということを明らかにしておきたいと思います。  続いて次の問題に移ります。  まず最初に、法務省にお伺いしますが、出入国管理令に基づく特例上陸について簡単に説明をしてもらいたいと思います。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) お答えいたします。  船舶や航空機の外国人乗員や旅客は、旅券に査証を取りつけていなくても、その乗っている船舶や航空機の寄港した出入国港に一時的かつ行動範囲の制限のもとに、入国審査官の許可を受けて上陸することができるようになっています。これが特例上陸許可と言われるものでありますが、それには次のような五つの種類がございます。  第一番は、寄港地上陸許可というものでございます。船舶等が停泊中に、乗員や乗客が買い物や休息のためにその港または近郊に一時的に上陸する場合でございまして、上陸期間は七十二時間以内に限られております。  第二番には、観光のための通過上陸許可でございます。船舶の乗客が、観光のために国内を通過し、次の寄港地で乗ってきた船舶に復船する場合、すなわち、たとえば観光船が神戸に入りまして、その船が横浜に回ります。その船が神戸から横浜に行っておる間に、陸路観光をして横浜でその船に乗ると、こういう場合でございます。この場合の上陸期間は十五日以内に限られておりまして、行動範囲は原則として上陸港から寄港船までの通過経路及びその付近の観光地に限られております。  第三番目は、転船上陸許可というものでございます。船舶または航空機の乗員が他の航空機または船舶に乗りかえる場合で、上陸期間は原則として十日以内に限られます。たとえば飛行機に乗ってきまして、ここにいる自分の会社の船に乗り込むとかその逆の場合、それから、たとえば日本で建造いたしました新しい船に乗り込むために外国から船員がやってきます、そういう場合でございます。  第四番目は、緊急上陸許可でございます。それは船舶等の乗員や乗客が病気その他の事故により治療等のために緊急に上陸する場合でございまして、上陸期間はその事由がなくなるまででございます。  最後に、五番目に水難上陸許可というものがございます。これは船舶または航空機の乗員や乗客が遭難した場合に与えられるものでございまして、上陸期間、行動範囲は入国審査官により決定されるものでございます。  以上でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 特例上陸許可、寄港地上陸許可ですが、この七十二時間以内の許可をする場合は、寄港地上陸許可証を出すということになるわけですか。

園田清充自由民主党

○理事(園田清充君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

園田清充自由民主党

○理事(園田清充君) 速記を起こして。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 寄港地上陸許可証を出します。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この特例上陸、いわゆる寄港地上陸許可証に基づいて上陸をする場合は、正規の出入国の記録に記載されるわけですか。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 正規の出入国記録には記載されません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 具体的にひとつお尋ねしますが、大韓航空の社長の趙重勲氏、この方が特例上陸をされた例はあるでしょうか、最も最近の例で結構ですが、お答えいただきたいと思います。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) お答えいたします。  去る三月三十一日にも別に同種の質問通告をいただきましたので取り調べておりましたが、羽田入国管理事務所において急遽調査に努めた結果、本年三月九日及び三月十六日に寄港地上陸許可を受けて上陸し、三月十二日及び三月十七日にそれぞれ出国している事実を確認いたしました。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この特例上陸許可ですね、これの記録は保存をされていますか。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) ただいま申しました二件についての記録はございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これについてはあるということですが、ほかは何にもないわけですか。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 寄港地上陸許可の記録は、二年間保存することになっております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その二年間保存というのは、文書規程の第何条に明記されていますか。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 文書規程、細則に決まっておるんですけど、いまはちょっと手元に、第何条か申し上げられません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは入管の方に要求をしたんですが、まだ御提示がないわけです。何かいま新しいものを作成中なんでということをおっしゃる。いままでの分では何年になっているのかはっきりしない、その根拠がはっきりしません。   〔理事園田清充君退席、委員長着席〕

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんが、ちょっと失礼いたします。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この規程の提出を求めたんですよ。そうすると、いま新しく作成中だということで提出がまだないわけですよ。それで、それじゃこの二年というのは一体本当にその細則でいままでは決まってるのかどうか、その辺がはっきりしないのでお聞きをしてるんです。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) いや、二年というのは文書規程、細則で決まっております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それは従来からですね。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) はい、そうでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 一例として趙重勲氏の特例上陸の状況を挙げてもらいましたが、この三月にも二回特例上陸をしています。これは新しい事実であります。  そこで、さらにお伺いしますが、四十八年の特例上陸許可したのは何人か、そして、その中で韓国人の特例上陸は何名あるか、お答えいただきたいと思います。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 四十八年中の特例上陸許可件数は総数で二百二万五千八百四十二人。それから、四十八年の寄港地上陸で韓国人は一万一千七百十九人でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 四十九年も大体そういう数字であります。だから、連年非常に多くの韓国人の方方がこの特例上陸で入国をされております。  そこで確認をいたしますが、これらの特例上陸は正規の出入国記録には記録をされていない。したがって、出入国記録にないからといって必ずしも全く日本に出入国しなかったということにならない、こういうように思います。その点は間違いないと思いますが、いかがですか。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 二年間の場合に関しては記録はございますけれども、それ以上さかのぼる場合は正規の上陸者以外の記録はございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、記録はないけれども出入国していないということにはならないと。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) 二年以上の場合には、正規の記録にないからといって、その人が一歩も飛行場の外へ出なかったということにはならないとは思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 したがって、出入国の記録にはないけれども、趙重勲氏が四十八年の八月及び九月に特例上陸により来日している可能性は十分にあり得ることだと思いますが、いかがですか。

吉田長雄法務省入国管理局長

○政府委員(吉田長雄君) その特定の人がどうかとはわかりませんけれども、ただいま申しました答弁のとおりでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私どもの調査で、まあ名前を明らかにすることはできませんが、当時この大韓航空に勤務していた数人の人々に直接聞きました。それによりますと、四十八年の八月、明白に趙重勲は日本にやってきています。警察はこの事実を当然つかんでいると思うんですが、いかがですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 警察としてはそういう事実を知りません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは重大だと思うんです。なぜ重大かはおいおいわかると思います。  私どもの調査によりますと、この趙重勲氏は、アメリカやあるいは香港などからの帰途、いわゆる特例上陸、トランジットビザで月二、三回は日本にやってきているという、そういう証言をつかんでいます。しかも、例の金大中事件が起こったその日、八月八日にはハワイに趙重勲氏はいました。ところが、夜来日をしています。当時のKALの関係者によりますと、その日の午後四時から五時の間に、KALのハワイ支社から東京駐在常務理事あてにテレックスが入りました。その内容は、本日社長が東京に行くという内容であったと証言をしています。そして六時ごろ羽田に到着をしています。この事実について警察は把握をされていますか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) そのような事実は警察としては存じておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 しかも、それだけではありません。当時KALの社内では、金大中事件勃発直後に、社内で同事件について箝口令がしかれています。このことは、KALと金大中事件とのかかわりの一端を示しているものと言わなければなりません。  ところで、警察は金大中事件直後KALに対して調査に入り、趙社長や東京駐在常務理事の専用車の運転日誌及び乗客名簿について調査をしているはずですが、こういう点についてお認めになりますか、また、その目的は何ですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 金大中事件につきましては、捜査をいたしましたけれども、いまおっしゃるような捜査はいたしたことはございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 調査に入られたことは、当時のKALの関係者数人の証言で私ども確認をしています。中には私自身が立ち会ったと言っている人もいます。さらに運転日誌は、用紙はあったけれども、その中には記録はされていなかったということも述べています。そういう意味で、この趙重勲の足取りをいま警察は調査をされていないということですが、金大中事件が起こった直後にハワイから急遽やってきた、こういった関係について、KALについても趙重勲についても捜査を行うべきであると思いますが、この点はいかがですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 必要な捜査をいたしましたけれども、ただいまおっしゃるような点は、捜査の必要を感じなかったので、捜査をいたさなかったというように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この金大中事件とKAL、あるいは趙重勲のかかわりはきわめて重大であります。具体的に少し明らかにしていきたいと思います。  文明子女史が、趙重勲が八月の十六日から十八日の間及び九月の二十一日及びその間に一回、合計三回来日をして、そして金大中事件の政治的解決を願う朴大統領の意を受けて、その都度一億円、計三億円を小佐野を介在をして田中角榮に贈ったと述べています。  ところで、当時の日経新聞の記者手帳、首相官邸欄のいわゆる角番日誌、これを調べてみますと、八月十六日木曜日は、田中角榮は箱根で静養している。八月十七日の金曜日は小佐野経営の仙石原ゴルフ場でゴルフ。このときホール・イン・ワンを記録してごきげんだったと書いています。八月十八日土曜日は、この日も続いてゴルフでありますが、この日、富士屋ホテルの三浦支配人の話では、小佐野もやってきて、田中がホール・イン・ワンを記録したことをわがことのように喜んで、そして、他のコースではなくうちのコースでよかったと富んでいたと、この三浦支配人は述べています。さらに八月十九日、この日もゴルフを箱根で楽しんでいます。さらに九月でありますが、九月の十四日、田中角榮氏は箱根に行きまして、そして十五、十六両日ゴルフを楽しんで、夜官邸に戻っています。この田中さんのよくやる箱根の仙石原ゴルフ場には、小佐野の午六山荘という別荘がある。この中では、余人を交えずに密談ができる場所でもあります。  この八月、九月の、このゴルフを兼ねた会談の可能な時期に、趙重勲が特例上陸をしなかったとは否定し切れないと思うんです。そういう可能性があると思うんですが、しかもそれは金大中事件の政治的解決、警察側が金東雲その他の指紋を確認をし、その捜査に異常な熱意を持っていたにもかかわらず、ああいう政治的解決を図られた、その裏にこのような疑惑が秘められているわけでありますから、当然警察庁としても重大な疑問を持って調査をすべきであると思いますが、こういった点についてはどのようにお考えですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 金大中事件につきましては鋭意捜査をやっておるところでございますけれども、いまお話があったような点について、私たちとしては捜査の必要を感じないということでございますので、捜査はいたしておらないわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 事実かどうかは別にしても、三億円の金が田中の手に渡って、その結果、政治的解決がなされたということになれば、これはきわめて重大な問題であります。ただ、それについて捜査をやらないという警察の態度というものは、まさに国民の疑惑を解明する、そういう期待にこたえない態度だと言わざるを得ないと思います。  さらに重大な情報があります。当時、KALの本社から派遣をされてきた人物で、旅客運送係長朴鍾均氏が、月に一、二度は現金二千万円から四千万円を新聞紙に包んで持ち出している。この現場を見た人も複数おります。もちろんこれは大韓航空KALの通常の支払いでないことは明らかであります。なぜならば、大韓航空の通常の支払いは韓国外換銀行東京支店あるいは住友銀行の丸の内支店を通じて銀行振り込み等により行われているわけであります。では、どういう目的、使途か、これらの現金が何に使われたのか。われわれはいまここまではまだ確認はできていません。しかし、先ほど申し上げました文明子情報で言う三億円と結びつけて考えたとしても、私は不思議ではないと思うんです。  そこで、さらに私は警察に聞きますが、以上申し上げたような指摘で明らかなように、趙重勲の足取り、奇怪な多額の現金持ち出し、さらに指摘をするならば、これはKALの関係者のみならず富士屋ホテルの関係者を含めまして調査をした結果明らかになりましたが、この九月二十日前後に箱根へ趙重勲氏も出向いていることを確認をしています。  こういう事情を考えるならば、この文明子情報というのは、まだ全部が全部そうだとは言えませんが、相当程度確度の高い内容を持っているのではないかと思います。いままで指摘をした情報を含めまして、この金大中事件の政治的決着について、趙重勲やあるいは小佐野の果たした役割り、そして、それに当たって汚い影がまたまた介在をしていたのではないかという、この点について、いままではそういう点について御調査をなさっていなかったようでありますが、重大なひとつ関心を持ってこれについての調査を急ぐべきではないかと思いますが、この点についての警察の見解を聞きたいと思います。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。  いまの御質疑のいわゆる政治的決着云々というふうなかっこうの報道、そういったものは私たちも承知しております。しかし、具体的な容疑事実という面につきまして、それにつきましては、いまそういう面に基づいて直ちに捜査をするとかいうことにつきましては、私たちは捜査権を預かっているものとして慎重であるべきであろう、こういうふうに思っています。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それでは私は金大中事件の全貌を明らかにすることはできないと思います。私どもの力で調査をするだけでも、これら幾つかの事実を確認をすることができた。日本のすぐれた機能を持っている捜査当局、検察庁、警察庁がその気になれば、今日の金大中氏その他が韓国におるというような状況の中でも、さらにこの事件の全貌を明らかにすることは私はできると思うんです。したがって、この点は強く要求をしておきたいと思うんです。  そこで、総理にお伺いしますが、総理はこの間当委員会で、橋本、上田両議員の質問に対して、この金大中事件につきまして、日米の政府交渉による捜査協力についてやればどうだという問題提起に対して、いま必要な段階ではないというようにお答えになっています。それじゃどういう事態になれば必要な段階ということになるのかお答えいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 事がアメリカ政府に対して照会をし、そしてその照会が重要なわが国の判断資料となる、そういうふうに認められる段階、そういうことであります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは検察庁あるいは法務省どちらでもいいですが、この事件の時効は一体いつでありますか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 御存じのように、時効は犯罪の種類によって違うわけでございますが、ただいま捜査しておりますのは、逮捕、監禁、略取事件であります。逮捕、監禁の場合は五年、略取事件の場合には七年というように理解をいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私どもは、本件は殺人未遂事件として捜査すべきだということを主張しておりますが、もし殺人未遂事件ということになれば時効は何年になりますか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 殺人未遂になるかどうかは捜査してみないとわかりませんけれども、殺人未遂とはっきりいたしますと、その時効は十五年でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この金大中事件が発生してからすでにもう四年目に入っております。私どもが主張するような殺人未遂事件としてこの事件をやるとすれば、まだ時間はありますが、しかし、一番短い逮捕、監禁事件、この関係だけでいきますと五年であります。そうすると、もうあと残りは一年ということになります。一方、当事者の金大中氏は、御承知のように民主救国事件で五年の刑の判決を受けておる。金大中氏の出国を待っていただけではこの捜査はきわめて困難で、ついには時効に追い込まれるという事態も考えなきゃならぬ、そういういま局面に来ているんじゃないかと思います。したがって、総理が必要な段階ということで事態を静観をするということは、結果的には時効に追い込んでしまって、またやみからやみに葬られる、こういう一番最悪の結果を免れないと思うのです。私はそこで、いまこそアメリカにある事件に関係をしたあらゆる資料や情報を、政府交渉を通じてアメリカの理解を得、そして協力をしてもらう、こういう努力を総理がみずから決意をする必要があるんじゃないか、そうしなければ、時効の壁にまた追い込まれてしまうじゃないか、こういう危惧を持つのですが、この点いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま捜査当局は捜査を続けておるわけです。その捜査当局から、外務省に対しまして、そういういまお話しのような要請をしておらぬ、そういう段階でございまするから、私はまだ、対米資料要求というか、要請をする、そういうところまでこの事件は来ていないであろう、かように認定しています。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 先般の政府の答弁によりますと、このアメリカにおる文明子女史や、あるいはレイナード氏、これらに大使館を通じて接触をしておるけれども、協力をしてもらえないと、こうおっしゃっております。橋本議員が渡米をしてレイナード氏と接触したとき、レイナード氏も、われわれの得ている情報はあると、しかし、日本政府みずからがこの事件の真相解明のためにやろうとしていないではないか、そういう状況の中で、なぜわれわれだけが協力しなければならないのか、こういう意見も言っています。したがって、この金大中事件というのはわが国の主権にかかわる重大事件であります。そして、警察当局の努力によって金東雲の指紋も確認をされている、あるいは韓国の領事館の自動車が使用されたのではないかという、この点についても相当の詰めができている。さらには、金大中氏やその事件を目撃をした金敬仁氏、あるいは梁一東氏、こういった人たちも、本当は直接日本の捜査当局が証言を得たいと思っているでしょう。しかしこれらの問題が一切閉ざされている。しかもアメリカには多くのまた資料が残されていることはすでにレイナード証言で明らかであります。したがって、この事件の解明を本当にやろうとするならば、私は大使館レベルの交渉ではなしに、総理自身の親書を出して、そして本件の解明に、総理自身も、あるいは日本政府挙げて熱意を持っていることを明らかにしていくということによって、初めて情報、資料を入手することもできるし、あるいは文明子女史や、あるいはレイナード氏の協力を得ることも可能になる、こういうように考えるわけです。総理が、いたずらにこの点について慎重な態度をとっているということは、この金大中事件について真に解明をする熱意を持っているかどうかということを疑わせるだけではないか、こういうように思うのですが、この点についての総理の見解をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 金大中事件につきましては、事件として捜査当局がなお捜査体制を解いておりません。鋭意捜査をしておるわけでありまして、また捜査はアメリカに対しまして資料を要請すると、こういうような段階に来ておらぬと、こういうふうに承知しておるのです。捜査当局は私は非常に信頼しておりますが、信頼する捜査当局が鋭意調査をしておると、こういうことでございまして、決して怠けているわけじゃございませんです。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまの総理の答弁ではまだ納得することはできないと思う。本当にこの事件の解明に熱意を持っておるのかどうかということを、私は疑わざるを得ないということを指摘をしておいて、次の問題に移ります。  大蔵省に聞きますが、小佐野賢治のKALの株の取得について、大蔵省は昨年の八月五日の衆議院のロッキードの特別委員会で、現在小佐野が九・九%、約百四十三万ドルの株を取得をしているということを認めておられますが、これは間違いございませんか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 政府委員をしてお答えさせます。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 大体そのとおりでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 小佐野自身も、昨年二月十八日の衆議院の予算委員会で、九・九%の株を取得していることを証言をしています。ところでレイナード氏は、時事通信のインタビューに対して、田中前首相もKALに投資をしていると語っていますが、こうした事実はあるでしょうか、大蔵省。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) それについては存じておりまん。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 小佐野が株の名義を多数に分散して取得をしているという疑いはあるかどうか。国際興業の名義のもつ、あるいは小佐野榮名義——小佐野の弟ですね、この以外にはないかという点についてはいかがですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) それについても存じておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 小佐野自身も九・九%、大蔵省も九・九%KALの株を小佐野が取得をしているということを確認をされています。ところが、私どもが入手いたしました大韓航空の業務便覧、これでありますが、これには、大韓航空の略史あるいは会社規程、現況、資本金、航空協定その他いろいろあります。その中を見ますと、ちょうど昨年の八月現在、株式の所有者別の分布状況の資料が載っていますが、八月三十一日現在で、外国人は株式を持っているのは一である、そして株式の数は四・八一%だという、そういう資料があります。これは、一体、大蔵省、どういうように説明をなさいますか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 恐らく大韓航空の方で増資が何回かございまして、最初に九・九%ほど持っておられましたのが、必ずしも増資すべてに応募していないということで比率が下がったのではなかろうかと推察いたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 小佐野が証言をしたのは昨年の二月十八日であります。大蔵省が確認をしたのも昨年の八月五日であります。KALがやっているのは七六年のすなわち昨年の八月三十一日であります。どういうように説明されますか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 小佐野氏が昭和四十七年に大韓航空の株を取得いたしまして、そのときの持ち株の比率は、小佐野氏が国会で申されましたように、九・何%ということだったと存じます。その後増資が何回かございまして、そのすべてに応募したというわけではないために、金額は百三十四万ぐらいに現在なっておろうかと存じますが、比率としてはかなり低下しているのじゃないかと存じます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大蔵省が確認をしたのは昨年の八月ですね、八月五日の衆議院のロッキードの委員会です。これは八月三十一日現在です。五日から三十一日の間にどれだけ増資をしているのですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 大韓航空が増資をいたしましたのは四十七年以降何回かあったわけでございまして、昨年国会で申し上げましたときには百三十四万五千ドルということでございます。ただ、九・九%といいますのは、当初の持ち株の比率であったのじゃないかと存じます。したがいまして、百三十四万五千ドルということになりますと、その比率は減少しているのじゃないかと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、昨年の八月五日のロッキードの特別委員会で九・九%、百二十四万ドルという答弁は、調査をしないで九・九%というパーセントを含めてお答えになったということになるわけです。これはきわめて重大であります。  そこで、お伺いしますが、日本人が日本において外国企業の株を取得する場合、あるいは名義書きかえを行う場合、これらは外為法の三十二条の一項の許可を必要とすると思うのですが、この点についてお答えいただきたい。  もう一つは、この申請内容が事実と相違をする場合は、同法三十二条一項の違反となる、そうして同法七十条の罰則の適用の対象になるというように思いますが、その点についてもいかがですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 対外投資は、昭和四十七年以降自由化されておりまして、事務は日銀に委任してございます。日銀の方に申請がありましたら、自動的に許可をするということになっております。  なお、自動許可でございますので、参考としていろいろな資料が添付されることもございますが、その記載事実が違ったからといって直ちに違反ということにはならないと存じます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう時間でありますから終わりにいたしますが、小佐野が、先ほどいろいろ理屈をおっしゃいましたけれども、昨年の八月五日に九・九%大蔵省も確認をされて、そのために私は最初の質問で確認をしたわけであります。ところが、大韓航空の資料によりますと、その同じ八月三十一日現在で四・六一%の持ち株である。したがって、小佐野が株を他人名義に分散をしている可能性もあります。私どもの調査によりますと、元大韓航空の関係者数人の証言では、小佐野が韓国人名義で株を分散しているという話をしております。これが事実といたしますと、投資申請の際、虚偽の申請をした疑いも出てくる。すなわち外為法違反の疑いもあります。また、小佐野自身が九・九%と証言をしながら、実はその間に増資などがあってそれ以下であったということになりますと、これは偽証の罪になる可能性もあります。  いずれにしても、こういう疑惑を解くかぎは、まさにレイナード証言にありますように、レイナード氏が田中前首相もKALに投資をしていたと。しかも、小佐野が九・九%のうち五・三%は行方不明と。したがって、小佐野が田中に譲渡した疑い、あるいはKALが田中に譲渡した疑い、これらがあると思います。  したがって、最後に、大蔵省、ひとつこの点は日銀ではあるわけですから、この株の取得についてのすべての資料、これを提出をしていただきたい。そしてこの問題についての真相をひとつ明らかにするために調査をしてもらいたい。この点をお願いをしたいと思いますが、いかがですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 先ほど小佐野氏の持ち株につきまして御説明いたしましたが、それは国会での小佐野氏の発言、あるいは国会での御指摘がございましたので申し上げたのでございますが、個別の企業の資料につきましては、御提出は御容赦を願いたいと思います。  また、外為法に違反しているかどうかということでございますが、私どもは、為替取引を業務としております者に対する調査はいたしておりますが、その調査は、違反事件捜査のためとみなしてはいかぬという法律の規定がございまして、違反事件につきましては捜査当局の方で担当するということになっております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして神谷信之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 次に、柄谷道一君の質疑を行います。柄谷道一君。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理は、施政方針演説の中で、福祉に関して、「社会連帯の考え方のもとに、福祉対策を着実に前進させていきたい」と、こう述べておられます。高度経済成長から低経済成長への転換に対応して、社会保障政策もまた、これまでの高度経済成長時代の安易な政策から脱して、新時代に対応する福祉ビジョンのもとに新しい政策を確立しなければならないのではないか、こう思うのでございますが、総理の福祉に関する基本的な考え方についてまずお伺いをいたします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 高度成長が終わりますと、福祉問題にも私は変化が来ると思うのです。つまり、高度成長時代には国全体の経済がまた社会が急速に伸びるわけでございまするから、したがって、社会の弱い立場の人、小さい立場の人、そういう方々もまたその高度成長のおこぼれというか、均てんというか、そういうようなことで生活も伸びていく。ところが、これからの社会におきましては、そういう高度成長は望めません。かなり低目の成長になってくる。そうしますと、よほどそういう弱い小さい立場の人の配慮をしませんと、弱い立場の人、小さい立場の人、そういう方々は、いままでと違った苦しい場面に追い込まれる。そこに私は福祉という問題がいよいよ重要性を持ってくると、こういうふうなとらえ方をしておるのです。さあ、しかし、福祉を進めるということになりますれば、それはやっぱり財政力というものに頼らざるを得ない、そういうことになりますが、財政力もまたいままでのような状態じゃないというと、本当に福祉を必要とするそういう人に福祉が国から供給されるかどうかという観点が非常に大事になってくると思うのです。総花式な福祉、そういうふうなことでなくて、本当に福祉対策をしようとするそういう人に福祉が与えられるということが大事なことになってくると、そういうふうに思うのです。そういうことも考えなけりゃならぬ。同時に、私は協調と連帯ということを言っておりまするけれども、やっぱり世の中は助け合いの世の中です。助け合いというような社会風潮、そういうものが高まってまいりまして、そうして国の対策の落ちこぼれがそういうところでまた補完されるというような社会環境、これが大事だ。厚生大臣がよく福祉の心、福祉の心と言っておりますが、まさにそれを言っているのだろうと、こういうふうに思いますが、そういう構えで福祉対策には臨んでいきたいものだと、さように考えています。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理は、いま、福祉の心という言葉を使われたわけですが、国民のために福祉を高める、それは国に課せられた至上の命題であろうと、私はこう思うのであります。したがって、国はそのための基本的政策というものを確立する義務を負うていると、こう信ずるのでありますが、いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 当然、福祉対策につきまして方針をちゃんと立てて、その方針に従って政策を進めると、こういう体制にならなけりゃならぬと思います。ただ、いま、福祉政策にいたしましても、他の政策にいたしましても、高度成長時代から安定成長、そういう転換の過渡期でございまするから、いますぐ福祉政策の長期展望を持ってそれを着実にというわけにもまいらぬと思うのです。特に福祉政策というものは非常に繁雑なむずかしい問題でありまするから、それを具体的に事細かく将来展望を規定して、そしてそれをじみちに実施していくんだというところまではまだなかなかいかないですが、鋭意そういう方向に向かって努力はすべきであると、こういうふうに考えています。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 わが国の社会保障は、水準、制度間の格差、いろいろの問題を含んでおりますけれども、私は、今日までの社会保障政策は、いわゆる部分的であり事後的であり、また、経済的財政的理由によって修正、変更が加えられる、こういう欠陥がありまして、総合的かつ計画的な施策を進めるという不動の政策が欠落しているというところに最大の欠陥があると思うのでございますが、いかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生御指摘のように、社会保障制度はかなりの長期の見通しを持ってつくられることが望ましいと思います。しかしながら、社会保障制度と申しましても、そればしょせんは給付の問題に関係することです。年金にしてもそうですし、医療にしても、また小さな意味での福祉施策にしても同じことであります。したがって、これらはだれがそれを負担をするかというのが根本問題でございます。先生も御承知のとおり、日本もここ数年の間に社会保障については非常に高度の充実した施策がとられてきたことも事実でございます。しかしながら、一方において、総理がいまお話しがございましたように、経済の大きなカーブというものが出て、高度経済成長から安定成長へ転落されている。世界じゅうそうであります。したがって、いままでのように——いままではかなり順調に国費がつぎ込まれてきておる。しかし、いままでのような状態で国費がつぎ込まれるということは言うべくしてなかなかむずかしい情勢にあることはこれはだれしも想像がつくところでございます。しかし、一方においては、やはり人口の老齢化、あるいは人口構造の変革、こういうようなものからどうしても福祉の問題はもっともっと重要だという問題もあるわけです。そこで、われわれといたしましては、これらの負担の問題も含めて、年金にしても、あるいは医療にしても、それらの問題については十分各界各層の専門家の意見を聞いて、ことしのうちにそれらの構想というものをそれぞれの分野においてまとめていくつもりでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理、いま非常に大きな経済及び財政の転換期ですね。したがって、私は、これからの社会保障政策というものを進めていこうとする場合、まず第一に必要なことは、他の政策より優先して重視する、こういう優先性だ。第二は、福祉内容を計画的に拡充していくという計画性だ。第三には、ニードの高いものから実施するという重点性だ。第四には、効率的な運用を図るという合理性だ。そして最後には、総理も触れられましたように、共同社会における人間同士の温かい連帯感、これをつくり上げるための国民の合意の形成、こうだと思います。いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 全く同感です。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 同感だとするならば、私は、いま厚生大臣の意見を聞いていますと、これは積み木細工なんですね。部分論をいろいろ国民各層の意見を聞いて、意見をまとめて、それを積み上げて総合的なと、こういう御答弁だと理解したわけです。私は、積み木細工では今後の福祉はやっていけないと思うのです。そのためには、基本計画といいますか、中期社会保障計画というものの確たる確立がいま最も必要な時期だと、こう思いますが、総理、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それができると大変いいと思って私もそれを念願いたしておるのです。ただ、それは財政の展望等も絡む問題でありますので、そう簡単に結論を出してそうして国民にこれを示すということは非常にむずかしい問題なんです。いま長期展望をつくりたいというので厚生省で鋭意努力をしておる、こういうふうに御理解を願います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 厚生大臣にお伺いしますが、私は、昭和五十年の五月二十七日、社労委員会で中期社会保障計画の確立の要があることを指摘しました。そのときに、当時の田中厚生大臣は、現在経済企画庁等で策定中の新経済計画と符節を合わせ、明年度から一これは昭和五十一年度からという意味です、社会保障政策プロパーについても計画的に実施したい、目下その計画策定に努力している、こういう御答弁でございました。その後一二年間経過いたしております。その後の進捗状況はいかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それが引き継がれまして、それぞれ年金とか医療とかその他の問題に分けて田中大臣のときにいろいろな審議会とか諮問機関をこしらえました。何度か会合をやりまして、それで先生がいまおっしゃったようなことは当然長期社会保障計画のそれはもう一番重要な部分として当然これは取り上げられていかなきゃならないということで、何回か会合を重ねてことしの暮れのころまでには結論を出す、こういうことで目下鋭意詰めておるところでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 そうすると、厚生大臣、積み木の部分である年金その他についてはことしの秋ごろまでと、こう言われたわけですね。総合的な社会保障中期計画が策定される時期はいつでございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 総合的なのか、木が総合になるのか、これはなかなかはっきりとわかりませんけれども、実際問題としては、社会保障と一口に言いましても、現実に大宗をなすものはこれはもう年金であり、医療制度であり、保険であり、その他の福祉施設の問題、そのほかにもございますよ、ございますけれども、そういうことが大体の中心になっていくわけですから、それらの問題はいずれも相関関係を持っておるものなので、その相関関係の中に総合的なものということがつくられていく、こういうふうに見ていただきたいのでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理大臣、いま厚生省ではそのような検討が進められている。しかし、いま総理が全く同感だという意を示されましたこの優先性の問題、合理性の問題、重点性の問題、計画性の問一題という問題につきましては、これはそれと相並行して検討されるべき問題ではないかと思うのであります。総理大臣として、総理の諮問機関である社会保障制度審議会に対していま同感だと示されました問題の具体化について諮問をする、こう  いうお考えはございませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだそこまで考えておりませんが、この社会保障の問題につきましては、五十年代前期経済計画ですね、あの中で、大方国民総所得に対する振替所得の割合はどういうふうに逐年五カ年進んでいくか、こういうことを展望しておるわけなんです。その展望を踏まえまして、あるいは医療保障をどうする、あるいは所得保障をどうするという個々の社会保障政策、それが余り細かいわけにはいきますまいが、しかし大方決められるということが望ましいと、こういうふうに考えておるのですが、そういう諸問題をいま厚生省で鋭意検討しておる、こういうことで、ある程度政府の方でも腹が決まりませんと、どうも社会保障制度審議会に付議する、こういうわけにもいかぬと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理は、少なくとも施政方針で着実に前進させる。着実にということは、計画性を持ってという意味だと思うのですね。したがって、私は、社会保障の中期計画の策定は、本当に重要ないま問題だと思うのであります。私も長い間社会保障関係に携わっておりましたから、容易にいく問題とはだれも思っておりません。しかし、政治姿勢として少なくともそういう中期計画の策定に政府として熱意を持って取り組む、これだけの姿勢はぜひ示していただきたいと思うのですが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 当然熱意を持って取り組みます。先生などは、いまおっしゃったように、社会保険審議会の委員を七年か八年おやりになっておる専門家でございますから、やはりそれらの専門家の意見は十分に踏まえた上で、現実的な、しかも合理的な、計画的な、どれに優先順位をつけるかという問題を含めて、当然それは取り組んでいくつもりであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 そのような計画を推進しようとする場合に、各種社会保障制度を横断するナショナルミニマムの確立ということがきわめて必要だと思うのであります。各界から大いに指摘されている問題でございますが、これに対する御所見をお伺いをいたします。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) この問題もいろんな意味でナショナルミニマムという言葉が使われておりますが、これらのこともあわせてやはり検討さしていただきたいと、かように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 その検討の中には、当然ILO百三十一号勧告の基準を満たすような方向で検討が進められると、こう理解してよろしゅうございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ILOの批准におきましても、すでに日本においてもその域に達したものもございますし、またその域に達しないものもございます。御承知のとおり百二号条約、これは批准済みでございますが、老齢年金は大体その域にも達しておる。それから障害年金につきましても、今回提案をしておる健康保険法が通りまして疾病手当の問題が実現すれば、これもまずよろしい。遺族年金については、ちょっとまだ少し足らないところがございますが、こういうようなものは私は達成できる、かように見ておるわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 田中前厚生大臣は、一昨年の十一月十六日、札幌における記者会見の際、いわゆる基礎年金構想を発表されております。これに対して、私の社労委員会における質問に対して、昭和五十二年九月までに答申を求めたい、こういう答・弁をされておりますが、現在の年金問題基本懇における進捗の状態はいかがでございますか。

木暮保成厚生省年金局長

○政府委員(木暮保成君) 年金の基本構想懇談会につきましては、田中大臣のときに各界の学識経験者をお願いいたしまして、昨年の五月から審議をいたしておるところでございます。現在十数回をやりまして、日本の現行制度の見直し、あるいは外国の制度の勉強、それからまた基本的な問題のフリーディスカッションが終わりまして、これから具体的な内容に取り組んでいくというところに来ております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それでは、その検討の中に、各種年金の横断ということになりますと、当然ナショナルミニマムの発想が加えられなければならぬ。基礎年金構想そのものも水準によっては問題がございますが、ナショナルミニマムの発想というものを中核とした構想ではなかったかと思いますが、検討の中にそれが含まれておりますか。

木暮保成厚生省年金局長

○政府委員(木暮保成君) 年金の給付につきましてもナショナルミニマムを設定すべきであるという御意見が非常にあるわけでございまして、横断的に年金制度の見直しをしていく場合に、そういう観点からも当然御議論をしていただくということになろうかと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 委員会で賛成論反対論があることは聞いておりますけれども、厚生大臣として、この基礎年金構想に対し、前大胆と同様のお考えをお持ちでございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 年金の給付水準をどういうふうにするかということにつきましては、実は年金制度の非常に重要な問題点であります。これは費用の負担の問題もありますし、こういう問題を切り離してやっぱり考えられない。したがって、どういうふうにするか、前大臣のおっしゃったことでございますから、そういうような問題も踏まえてこれは結論を出すようにしてまいりたい、かように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 基本懇の答申がことしの九月ごろまでに行われるとすると、それを踏まえた上での年金抜本改正が国会に上程される時期はいつでございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生も御承知のとおり、年金は非常に各種類にわたっております。それからやはり方向を打ち出しましても、いろんな準備のためにやっぱり最小限度二、三年はかかるのではないだろうか。いままでの例から見ましても、具体的に実際にそいつがスタートするというのには半年、一年というわけにはなかなかお約束できまい、ざっくばらんなところそんなように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まあほかの問題もございますので、社会保障問題はこの点で終わろうと思いますけれども、総理これからの社会保障は、私は、一つには中期計画の設定が必要である、そして二つにはいわゆるナショナルミニマムの発想を取り入れていかなければならない時期ではないか、このように思っております。厚生大臣のただいまの答弁でございますけれども、年金の抜本改正が少しでも早く国会に上程されますように審議を促進するという誠意をひとつ示していただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 極力誠意をもって努力いたします。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次に、母性保障、女子の権利保障を目的とする法律につきましては、現在、労働基準法、母子保健法、母子福祉法などの多岐の法律にわたっております。しかし、その母性保障の理念と総合的な施策を推進するためのいわゆる母なる法律、いわゆる基本法というものは存在いたしておりません。老人、身障者等に対する基本法の制定に比べまして、母性保障に関する基本法の存在がない、この事実に対して、総理、いかにお考えになりますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生のような御指摘もございますが、いままでにいろんな基本法をずいぶん細かくあっちこっちつくりました。それによってこんな厚い白書を出して、それでまたこれ出に対して講じてきた施策とか、やれこれから講じようとする施策とか、本会議での報告とか、やっておりますが、そういう母子保健基本法というものをこしらえた方がいいのかどうなのか、私としては踏み切れないところがございまして、それよりも現在の母子保健法とか児童福祉法とか健康保険の問題とか、そういうものの中で一つ一つのものを充実をしていくことがいいのじゃないか。余り形式にこだわるよりも、内容の充実を図っていった方がいいのじゃないか。国会等に配られたいろんな施策やなんか本会議等で聞いておりましても、果たしてともかく本当にこれによってみんながよく知ってもらってよかったというのかどうか、私も非常に疑問を持っておるんですよ。したがって、現在の法で決められたものを充実していくということが先ではないだろうかと、かように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 労働大臣としての御所見をお伺いします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 婦人としての母性の保護というのは厚生省の所管でございますが、働く婦人の中の母性の保護というのは私どもの所管でございます。これについては、労働基準法、それから勤労婦人福祉法がございまして、その法律によっていままで実施してきました。いま厚生大臣の御意見のように、形を基本法をこしらえてその基本法の中にいろんなものを織り込んでいくという考えよりは、現在のところこの二法律の運用充実を図っていきたいと思っておりますが、労働基準法につきましては、これは制定されてから三十年たっておるわけです。したがって、この問題だけじゃなくて、全般にいま見直しをいたしております。労働基準法研究会を設けて見直しをやっておるところでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 法律が多岐に分かれていると同様に、所管官庁もまた多岐に分かれているわけでございます。一口で言うならば、既婚婦人は厚生省、勤労婦人は労働省、未婚婦人は総理府こう分かれていると言っても過言ではございません。さらに、政策を審議する審議会も各省庁に分断をされております。一元的総合的運営を図るために統括的な審議会の機構が必要ではないか、こう思うのでございますが、総理の御所見をお伺いいたします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 婦人の置かれておる条件ですね、つまり、未婚婦人であるか既婚婦人であるか、あるいは既婚婦人であっても子供さんのある人ない人、そういうものを一貫して婦人という立場と、それからもう一つは、家庭婦人であるかあるいは教育課程にある婦人であるか、それから働いておるかと、こういうような現状における婦人の立場というものがあると思うのです。それはおのずからやっぱり所管が分かれておっていいのではないか。つまり、働いておる婦人に対する労働条件の保護、維持向上というものは労働省、それから婦人全体として婦人としての地位の向上あるいは福祉の増進と、こういうことは厚生省あるいは総理府が持つということは分かれておって私はいいのじゃないかと思います。  それから審議会の問題でございますが、審議会は一方においてつくれつくれという声と、一方において多過ぎるじゃないかという声と両方ございます。本委員会等におきましても多過ぎるじゃないかという声も非常に強いわけでありまして、現在行管でその検討を行政改革の一環としてやっておる最中でございます。そこで、その見直しの中でいろいろな立場にある婦人問題全体としての総合的連絡的な機関の必要性を検討すべきじゃないか、こう考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、現存する審議会を全部そのまま残して、いたずらに審議会をふやせ、こういうことを言っているわけではないわけです。すでになくしていい審議会もあるでしょう。しかし、必要なものはやはり置かなければならないと思うのであります。すでに十六県、五十七市、十六町で基本法制定の要請決議が行われて内閣に送付されております。逐次これは国民の大きな要望として盛り上がりつつあるわけでございます。一方、与野党議員をもって構成しております人口問題議員懇談会におきましても、児童及び老人とあわせ、いわゆる母なる法律の制定が必要ではないか。内容はいま検討しておりますが、その点については少なくとも合意点に達しております。この点にかんがみまして、ひとつこれは本当に意欲的にこれからの母性保障基本法制定問題に対して内閣として取り組んでいただきたい、こう思うのであります。総理としてのひとつ御決意をお伺いします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 基本法制定、これが本当に実益のあるものになる、こういうことになりますれば、法律を制定する、これも必要でございましょうが、ただ単に形だけのものに終わるという傾向が間々あるわけでありまして、そういう点も考えながらよく検討してみることにいたします。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 御答弁ははなはだ不満でございますけれども、こればかりやっておってもしょうがありませんので、次へ移ります。  大蔵大臣にお伺いいたしますが、拘束性預金の規制問題につきましては、わが党がたびたびこれを取り上げてきたところでございます。新聞報道によりますと、四月一日から新制度による規制を行うということが報道されておりますが、その内容はいかがでございますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 新聞報道されておりますのは、昨年の十一月に私通達を出しました。これを四月から完全に実施をさせよう、こう言っているもののようでございます。  その中身でございますが、昨年中小企業等に対しまして私ども直接アンケート調査などをいたしました。また、従来の公取の調査等でも指摘されておりますが、いわゆるにらみ預金、正規の手続をとっていないで事実上拘束をしておる、こういうところに一番問題があるということを痛感いたしましたので、そういうにらみ預金を解消するようなことをまず第一にいたしたい。したがいまして、これはやや技術的な点もございますので、通帳のあり方等々まで含めましてにらみ預金を解消するようなことを第一に考えております。  それからこの点はやはり債務者に対しましてもPRをする必要がございます。趣旨を徹底しておいて、債務者側がその権利を正当に主張していただかないといけないものでございますから、そのPRを十分やるということ。  それから債務者の方から相殺を発動するということができるように、その規定を取引約定書に明記をいたすようにいたしております。  それから具体的な個々のケースにつきまして、これはいろいろ事情があって苦情等が多いわけでございます。その苦情につきまして、私どもの関係の財務局、財務部、あるいは銀行協会その他の苦情相談所の窓口を拡充して相談に応ずる体制を整備いたしたいと、こういうところが主要な内容でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 一口に拘束性預金といいましても、担保預金、見返り預金、見合い預金、にらみ預金、特に見合い預金とにらみ預金が灰色部分である、これを規制しなければならぬと、こういうことでございますけれども、それでは、見合い、にらみ、こういった預金のいわゆる区分の明確化、さらにこれを借り手側に徹底するということでございますが、どういう方法を通じて周知徹底を図られようとしておるのか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 拘束性預金の中には、はっきりしました担保預金と、見返り預金と申します簡略な手続をとって拘束しておりますもの、それから見合い預金が俗ににらみ預金といわれておるものでございます。  そこで、これをはっきりさせまして解消いたしますために、いろいろ技術的なことを指示いたしておりますが、大筋を申し上げれば、預金通帳が債務者の手元にある場合は拘束はしない。それからそういう手続をはっきりさせますために、過渡的に通帳のあり場所が違っていたりいたします、これを周知をはっきりさせる。それから念のために、さらに拘束していない通帳にはシールを張る等のことを明らかにする、こういう措置をとることでございます。それから預金担保貸し出しというのはこれはいずれにしましても当然あるわけでございまして、こういうものにつきましては必ず貸出金利を下げる、金利措置をとると、こういう措置を考えておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それでは、苦情処理体制の拡充ということでございますが、どのような拡充策をとられようとしますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) これは各地の銀行協会等におきまして従来も設置をされてまいっておりますけれども、これをさらにふやしてまいるということが一つでございます。  それから私どもの関係の財務局、財務部等にも苦情相談の窓口を開いておりますが、なかなかそれが十分周知をしていただいておらないと、こういうことでございますので、さらにそういう苦情相談所があるというようなことを一般にPRするということでございまして、マスコミの媒体等を使ってこの四月からPRをいたしております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 その中で逆相殺権条項の新設について法律的にまだなお詰めを要するという報道があるわけでございますが、この逆相殺権条項につきましてはいつこれを新設し、これを周知徹底されようとしておるのか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 逆相殺権は銀行と債務者との間の取引約定書の中に規定をするつもりでございまして、ただいま最後の法律的な詰めをいたしております。したがいまして、もう少々、月半前後にはこれは確定をいたしましてPRができることに相なると思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 昨年四月、中小企業に対して拘束性預金のアンケートを実施されました。本年度もこれを行われるつもりか、行うとすればいつ実施をされるのか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 本年も実施したいと考えております。時期でございますが、ただいま御報告申し上げましたような通達の実施をこの四月から完全にやると、こういうことでございますので、その実施状況等も把握いたしたいと思いますので、ことしの秋とか、ある期間たちましてから実施をいたしたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大蔵大臣に伺いますけれども、これを実施して半年ぐらい先に点検をやる、その点検の結果、拘束性預金が基本的に是正されるという展望をお持ちでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、こういったようなことをやることによって一遍に拘束預金がなくなってしまうというようなことにはなるまいししますけれども、これは漸次改善の道をたどっていくということだけは間違いないと、かように考えます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それでは、その半年後点検をされまして、行政指導による効果では十分ではないと、このような結論が出てきました場合は、これを立法化するお考えはお持ちでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) この問題は、ちょっときちんと立法をするということは少しやっぱり問題の性質上行き過ぎじゃないかと、かように考えます。拘束預金はもともとよろしくないことでございますが、金利等の政策と相当これは深い関係もあろうと思いますので、そこらのところは、余りきちんとやってしまうというと、あるいは副作用が起こってくるということも……。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 昨年行いました中小企業のアンケートは、その方法が複雑であるとか、いろんな批判が出ております。私は着実な効果点検ができるようなアンケート内容にこれは工夫を願いますと同時に、これは大蔵大臣にもお願いしておきますけれども、こういう制度はあるべき制度ではないわけですから、点検の結果、その実効があらわれてこないという場合については、いまから立法化するということは言えないでしょうけれども、少なくとも立法化を含めてこの問題について積極的な前向き検討を行うという姿勢をぜひとってもらいたい、こう思います。  次に、不況対策に関連いたしまして、世間で公定歩合の再引き下げということが云々されておりますが、いかがでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 先般公定歩合を引き下げまして、そうしていまどういうことになるかということを見守っておるというときでございます。いますぐこれに追っかけまして公定歩合のさらに引き下げということは、いまのところは考えておりません。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 昨日より要求払い預金の〇・五%金利引き下げが実施されました。いま考えていないということでございますけれども、今後の景気立ち直りの情勢いかんによっては、再び公定歩合の再引き下げということも俎上に上ってくる可能性を残していると思います。そうした場合に、定期性預金についてもこれと連動して金利の引き下げが行われるのではないか、郵便貯金の問題も同じでございます、こういう懸念がございますが、庶民預金の金利引き下げに対する所信を明らかにしていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 預金金利の変動ということでございますが、これはそのときそのときにおける経済情勢、これを正確にキャッチするということと、それからその預金の置かれておりまする環境だとか、預金者の立場といったようなものをこれに配慮して、そうしてきわめて適切にして有効なるやり方をやっていかなければならないということでございまするので、これまたいまからどういうことをやるということは、これはちょっと申し上げかねることでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理にこれはお伺いするのですけれども、庶民の零細な預金、将来の生活不安に備えるための預金というものの金利も、また経済政策として配慮しなければならない公定歩合引き下げに伴ういわゆる貸出金利の金利、こういったものが包括されて一本の金利体系の中で処理されている、こういう現状でございますと、景気刺激策に伴う金融政策というものを打ち出そうとすれば、必ずこれは摩擦が起こってくる問題でございます。この際、一定金額以下の零細預金に対する金利体系と、企業向けの金利体系と、これを区分して一遍体系そのものを洗い直してみる、こういうことがいま望まれるのではないかと、こう思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 非常に貴重な御意見として頭にとどめておきます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 その点につきましては、インデクセーションの導入など、いま大いに建設的な意見も出ておるわけでございますので、ぜひ言葉だけの配慮ではなくて、この際金利体系につきまして根本的な洗い直しを行うことが庶民の生活を守り、かつ産業を守る、この両様に通ずるのではないかと思いますので、ひとつ真剣な御検討を期待いたしておきたいと思います。  それから次に、総理は本院における施政方針演説の中で連帯と協調、これを行動原理とすると高高とうたい上げられました。私も連帯と協調はまことに必要なことだと思います。しかし、それはスローガンで達成できる問題ではなくて、公開と参加と責任分担、これが行い得るいわゆる仕組みと運営、これが整って初めて連帯、協調ということは実を上げることができるのではないか、こう思うのであります。総理の基本的な政治姿勢を明らかにしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 連帯と協調と申し上げておりますのは、まあくどくなるからもう重ねては申し上げませんけれども、その前提といたしまして、特に私は参加という問題、これは大事なことだと思うのです。連帯という以上は、やっぱりその前提として参加、これが必要になってくる。まあ抽象的に参加と申しましても、いろいろ該当のケースによりましてむずかしい場合もありますよ。ありまするけれども、できる限り参加、それに伴って自然に連帯感が出てくる、連帯責任が出てくる、こういうふうな姿を私は考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 といたしますと、日本生産性本部が、一昨年四月、「混迷からの脱出・合意と公正の労使関係」というサブタイトルをつけましたいわゆる労使関係白書を出しております。これに対する評価はいかがでございますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 資源が乏しいわが国において国民の生活を維持向上するのには人の力を増すことが前提であります。その一つは個人の能力の開発ですが、もう一つは組織としての人の力、それにはやはり労使の関係が文字どおり連帯と協調で結ばれることが望ましいし、またその方向に来ている。そのためには使用者側においては労働組合をパートナーと考え、そして労働組合はまた近代社会の一員としての責任を分担するという姿勢が必要であろうと存じます。責任を分担するためには、やはり参加が当然これに伴わなきゃなりませんので、そういうことを踏まえて従来できて、しかもそれがだんだん広がりつつあります労使協議制の運用と強化を待っていこうという生産性本部の考え方というようなものについては、私どもは新しいこれからの道を示すものとして高く評価し、その方向に向かっての努力と検討に努めるつもりでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 さらに、一昨年十二月、社会経済国民会議理事会が参加に関する中間報告を行っております。また、時間の関係で多くを触れられませんが、現代総合研究集団は、昨年九月、参加の緊要性と多元的、多段階的な参加のための制度の改革を提言いたしております。さらに、民主的労働組合である同盟は、参加のための委員会を設け、その中間報告を了承いたしております。このように、いま総理の言われる連帯と協調の体制をつくるための国民世論というものは逐次盛り上がっている、こう思うのであります。  ILOは、一九四四年の労働機関の目的に関する宣言を受けまして、九十四号、百十三号、百二十九号をもちまして、それぞれ参加のための勧告を行っております。この国際機関たるILOの勧告に対して、政府としてどのように受けとめ、今後どのように行政上これを生かしていかれようとしておるのか、お伺いします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) この三つの勧告は、ともに関係者間の相互の理解を深めるために、企業内あるいは産業内あるいは全国的レベルにおいて相互の接触を深め、相互の理解に努めるようにと、こういう趣旨の勧告であると理解しておりますが、それを受けまして産業労働懇話会を設けて毎月一回労使に政府の代表が加わって懇談を続けて、それなりの成果をおさめてまいっておるのであります。この三勧告の精神を受けて、勤労者の参加を通じての協調というものの推進に努めたいと思っております。それから同盟ほか各種団体、いま御指摘の各種団体機関の提示されました案はそれぞれ貴重な案であり、同盟の中間報告は、この問題について広範かつ詳細な御意見の展示でございますので、これを貴重な参考資料として労政の上に表現をしたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理にお伺いいたしますけれども、そのほか、たとえばOECDの労使関係作業部会は、社会的責任ある賃金政策とインフレーション、こういう命題のもとにスウェーデン、オランダ、西ドイツ、イギリスの四カ国の経験を検討いたしましてその評価を行っております。このように、いま総理が言われました連帯と協調、そのための参加の重要性は、国内的にも国際的にもまさに機が熟しつつあると、こう言えるわけであります。しかし、具体的にそれでは国政レベルにおける参加をどうするのか、産業政策決定段階における参加の方式は一体どうするのか。労使関係につきましても、昭和二十一年に中労委の労使協議制に対する指針が出ただけで三十一年経過している。その時代の変化に対応する指針は何一つ出されていないわけでございます。こういう実態を考えますと、これはさきの質問の中で審議会をたくさんふやすのはいかがなもの川と、こういう御意見もございましたけれども、似は有効に稼働していない幾つかの審議会をカットしてでも、総理がこのわが国の大きな経済の変革期に対応して、わが国の土壌に最もマッチすべき参加のあり方とは何か、この問題に対する審議会を設け、これに対する積極的な諮問を求めるという行政姿勢なくして、総理の言う連帯と協調の実を結ぶことはなかろうと、こう思うわけでございます。ひとつ総理の積極的姿勢を総理からお願いをいたします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 先に私が露払いを……。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 先に労働大臣にいたさせます。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) TUCの御意見というのは私も承知いたしております。それからイギリス、オランダ、西ドイツ、スウェーデン等で起こっておる状態もほぼ承知しております。それぞれ特異性がありまして、参考にすべきところ、日本の実情に合わないところもあると存じます。一番違うのは、日本の場合はいわゆる終身雇用制でありますし、年功序列型賃金体系であります。それから労働組合が企業別組合であり、しかもそのナショナルセンターが一本になっていない。一本になっていれば、西ドイツの五人委員会とか、あるいはスウェーデンの連帯賃金といったような制度ができるのでありますが、一本になっていないところに非常にむずかしいところがあると思います。  それから労働者の参加という問題になると、商法上あるいは労働組合法上の問題点が出てくるわけでございます。そこで、現在、労働大臣の私的諮問機関として産業労働懇話会が設けられておりまして、その中でも有力な委員の方の中から、いまの御発言のような趣旨の御提案がございました。その運営をどうするかということについて、私どもの方で一人一人委員の方々の御意見を伺いましたところが、三通りに分かれたのであります。別個に御説のような審議会をつくれという御意見、あるいはこの産労懇というものの中に小委員会をつくれという御意見、あるいは産労懇というもののもっと時間を長くして、回数は少なくてもいいから一回の時間を長くして、まる一日くらいとるつもりでやったらどうだと、こういういろいろな御意見がございますので、いまその御意見を調整する段階にあるのですが、御承知のようないま最も忙しい方々のときでありますので、これが終わってから結論を得たいと考えておる次第であります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 柄谷さんのお話は、参加と連帯を労使協調という面だけの角度からながめておられるようでありますが、そういう関係からすれば、いま労働大臣から話のありました産労懇なんか、まさにそういう場がもう現にできておると、こういうふうに思うのです。その場で十分論議をされて、そしてこういう形がいいじゃないかというようなことも出ない限りではないと、こういうふうに思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。向井長年君。

向井長年民社党

○向井長年君 いま参加問題で質問がされておりますが、私は、産業政策という立場から一言だけ質問いたします。  通産大臣、電気事業法の八十七条、八十八条を御存じですか。——わからぬでしょう。わからぬでいいんですよ。これは恐らく突然のことだからわからぬのがあたりまえです。これは電気事業の施策を進めるために審議会を設けるということです。御承知でしょう。したがって、委員二十名より成る学識経験者等を含めた審議会、これは任期は二年です。ところが、これは私たちが七、八年前に改正してつくったんですが、これが発足して十分な機能を果たしていない、あるいはまた委員の補充もしていない、いまだにそのままになっていると思います。そこで、少なくとも学識経験者というのは、学者もおりましょう、あるいはまたその他消費者も含め、あるいは事業者、それに働く人たち、経験者、こういうものを含めてこの委員会の発足をしなきゃならぬということを私たちは主張してまいっておるんですが、いまだにこれがされていない。理由は那辺にあるのか。少なくとも、いま総理が言われておるように、今日エネルギー問題は大変な時期である。これに対して原子力の問題、あるいはまた火力の問題、立地の問題、もろもろの問題に対して、日常提言を通産大臣にしておる、科学技術庁長官にしておる、こういうようなまじめに産業政策に取り組んでいる代表を、その審議会のメンバーに入れないということはどういうことであるのか、私は全然これの解釈に苦しむ。いま現状はどうなっているか、説明願いたい。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  ただいま先生の申されましたことは、産業政策の上から言いましても非常に重大なことと存じます。私ども、いまの審議会の問題、あるいはまた政策決定に対しまするいろいろな問題につきまして、御案内の重要産業基本法でありますとか、あるいは御案内の労使協議会の問題でありますとか、いろいろ伺っております。いまの電気事業法の問題についての具体的な問題は、エネルギー庁長官からお答えをいたさせます。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) お答え申し上げます。  担当長官が不在でございまして、私もまことに申しわけございませんが審議会の委員の構成、あるいは埋めなかった理由等、ここで不明でございます。早速調査の上、御報告申し上げたいと思います。

向井長年民社党

○向井長年君 通産大臣、当然私は入れてしかるべきだと思うのです。具体的に、先ほど申しましたように、こうあらねばならぬということの提言を常に政府にしておるんですよ、御承知かと思います。しかも建設的に。そういう諸君が、そういう審議会の中へ入って意見を出す、そしてスムーズに今後の産業政策が生まれてくるという形をとるのがあたりまえだ。言うならば経営陣は入っているんですよ。経営陣は事業者という立場で。したがって、当然、何も労使とかそういう問題じゃないんですよ。本気に今日エネルギー問題に取り組んでおる者が入って、堂々とその中で意見を交換し、そしてよりよい産業政策を行う、あるいはエネルギー政策にこたえる、こういうことは必要であると私は思うのですよ。そこで、大臣は、入れなけりゃならぬと思うか、入れる必要はないと思うのか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) まことにごもっともな御意見でありまして、先般つくりました総合エネルギー調査会におきましては、労働組合の代表の方でありますとか、あるいはまた消費者代表の方でありますとか、広くこれらの方々のまじめな建設的な御意見をくみ取りまするために今回の編成におきましてはそれを実行いたしております。  なお、御案内のとおりに、経済の運営を図りまするためには、各種の計画を作成するそのときから、個別産業についても、学識経験者あるいはまた労働組合その他、審議会におきましてまじめに中長期の計画を検討されました各位をできるだけ広く取り入れまして、そして産業政策の運営に資さなけりゃならぬ。先生の御意見、全く同感でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 関連でございますからこれでやめますが、大臣、これは、エネルギー庁で聞きますと、労働代表とかそういうものではないんですよ。たとえば、総評の代表、同盟の代表を入れると言っているんです。これは消費者代表ですよ、言えばね。電力のいわゆる学識経験者じゃないんです。これは消費者の代表ですね、一般的な。こういう立場から入ることはこれはいいんです。それ以外に経営陣は入っているんですよ。したがって、労働代表というのは労働代表じゃなくて、日常携わっている学識経験者ですよ、これはね。そういう立場からこの人たちを入れて意見を聞くということがあってしかるべきだ。この点は、通産大臣はどう考えられるか、総理はどう考えられるか、お聞きしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 非常に建設的な、まじめな御意見に対しまして、私も全く感を同じくするものでございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) よく検討してみます。

向井長年民社党

○向井長年君 実行に移してください。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は総理に申し上げておきたいのですけれども、私は労使関係という狭い視野にのみ立って考えているわけじゃないんです。たとえばわが党は、これからの変動する経済に対応するために、現在行政の裁量権が余りにも狭過ぎる。そのためには、経済安定計画化基本法というようなものをつくって、参加体制によってこれを補いながら機動的に行政が執行できる一つの体系づくりが必要ではないかと、こういうことも提起しまして、これは総理が経企庁長官時代に、非常に意味のある価値ある提言であると評価されたわけです。それから現在の審議会の委員構成も洗い直さなければなりません。特にいま財政関係、金融関係に対しては、ほとんど参加問題は、消費者、労働者というものはないわけです。こういう審議会構成も洗い直す。万般にわたって、新しい連帯と協調時代を迎えるに当たって、参加とはいかにあるべきか、このことに対してやはり政治が積極的に取り組んでいく、これがいま緊要ではないかということを強調しているわけです。この点をお伺いします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、参加と連帯が大事だということを、そのことを申しておるわけなんで、全く御意見と同じことを考えておるわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 そのための審議会設置は考えられませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、この問題は、そう審議会まで設けて議論をするという段階はもう過ぎているのじゃないか、実行の問題だと、そう考えておるんです。私は政治を実行するその理念といたしまして参加と連帯、これでやっていきたいと、こういうふうに考えております。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 先ほどもお答えいたしましたように、産労懇であなたと同じ意見が出まして、その意見を一人一人に聞いて、どういうふうにしたらいいか聞いて、その中に別個の審議会を設けるべきだという御意見と、それからいまある産労懇に小委員会を設けろという御意見、それからもう一つは、これを時間を長くしてやろうじゃないかという御意見とがありまして、その取りまとめ中でございます。  それからいまの労使協議制に対する通達は、なるほど昭和二十一年に当時の混迷する労使関係を正すために出されたもので、それ以後ずっと今日までその通達が生きているわけなんで、三十一年の歳月は確かに長いし、その間に大きな変化はありました。しかし、同時に、その間にこの労使協議制というものは各企業の中にずいぶん広まってまいりまして、千人以上の企業では九〇%以上、企業平均で七六%以上にも普及いたしております。それはそれぞれいろいろな企業の形によって運営の仕方が違いますけれども、それだけの普及の実績を見せておるわけでありますので、それを形骸化させないように、実効あるようにしていくことが大切であると考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 総理は、施政方針演説の中で、成長はその高さをもってとうとしとせず、成長の質こそ大切である、こう述べておられます。今後減速経済下のわが国の経済の質を具体的にどのような方向に改革していこうとしておられるのか、基本的なお考えをお聞きしたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ好むと好まざるとにかかわらずもう低成長を余儀なくされる、それでなければ生きていけない、こういう時代になっていくというふうに考えるのです。そういう際でありまするから、産業中心という社会ではなくなると思うのです。やっぱり生活中心と、こういうふうな時代になってくるだろうと、そういう認識に立ちまして諸政策を行っていくということを指して私は量よりも質の時代に入ってきたと、かように申し上げておるわけです。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 最近、スリー・エンジン・エコノミーズという言葉が非常に注目されております。今後行われる主要国首脳会議でも当然大きな話題になろうと思います。私は、日、米、西独三国が世界経済に占める比重が大きい、インフレ率が比較的低い、また、国際収支が堅調である、こういう状態からするならばスリーエンジンという言葉は理解できると思います。しかし、このことはまた逆に、外圧の増大ということを意味すると思うのであります。日本も西ドイツも、それぞれが戦略的目標を持ちつつ、その国益を守るという点と世界経済に寄与するという点の調和を図っていかなければならない重要な時期だと思うのです。総理としての戦略的な目標、これは一体どこにあるのか、お伺いします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、日本がいま世界で置かれている立場はわりあいに楽な立場だと思うのです。つまり、景気回復、これを国民が望んでおる、同時に、これを世界が期待している、こういうのでありまするから、外からの要請と内からの要請が全く一致しているんですね。そういう意味で、私が申し述べておるような五十二年度六・七%成長と、こういう姿勢でいきますればこれは内外から評価されることになるであろうと、こういうふうに考えて、それをことしの戦略目標、いうか、指針としてやっていきたい、かように考えます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 時間の関係で多く言えないのが残念なんですけれども、高度経済成長時代から安定経済成長時代に軟着陸した。わが党は七つの具状的法案を提起いたしております。また、現在のスリー・エンジン・エコノミーズの問題にいたしましても、わが国が世界経済の回復に役立たなければならないと同時に、あわせてその戦略的目標を誤るならば、経済の混乱、インフレ、雇用不安にもまたつながりかねません。こういった問題につきましては、政府与党のみの判断で対処するといのうもう時代ではないのではないか。この際、各党政審責任者がそれぞれの具体的策を持ち寄って同一のテーブルに着き、わが国の繁栄と国民生活の安定のために真摯に語り合うという、そういう場を自民党総裁としても当然つくられるべきだと思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大変機宜を得た御提言だと思います。もうぜひそういうふうにしたい。また、自由民主党総裁としてそのような方向へ党の運営を誘導してまいります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 そういったマクロ的な問題とあわしてこれから対処しなければならないのは、当面の不況対策であろうと思います。現在の深刻な繊維の不況の実態について、その要因と現状を通産大臣はどのように把握をされておりますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 今日の繊維の状態は、いまさら申し上げるまでもございませんが、繊維産業は四十九年の春以来不振をずっと続けておりまして、昨年前半には若干の回復が見られましたが、その後再び非常な悪化をたどっております次第でございます。これらの構造的な要因もあり、また、当面のいろいろな短期的な問題もございまするが、不況カルテルにつきましてはこれを申請しております綿、スフ、合繊紡績業界が現在長期にわたります不況のもとで深刻な経営状態にあることは、御承知のとおりでございます。これにつきまして近く公正取引委員会から正式協議があると存じますが、通産省といたしましては、構造対策の必要性から関連業界の意向と諸事情もあわせまして総合的に検討いたして、妥当なものであるならば前向きに対処いたしたい、こう考えておる次第でございます。なお、これらの業界の今後におきます安定的な発展のためには、昨年末の繊維工業審議会提言に即しました過剰設備の処理を初めといたしまして、構造改善対策をば積極的に進めてまいりますことが必須の要請であり、この点につきましては強くかような方向で指導してまいりたいと考えております。  なお、さらに詳細な具体的な問題につきましては、担当の政府委員がおりますから、お答えをいたします。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) お答え申し上げます。  繊維の不況状況につきましては、いま概略大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、一般的な不況状況に加えまして長期にわたる経営の悪化ということがあるわけでございますが、特に繊維産業につきましては近隣諸国の追い上げということと、それから国内の需要の多様化といいますか、価値観の多様化というふうなことに伴いまして非常に需要が多様化いたしておりまして、それに必ずしもうまく対応できなかったというふうな構造的な問題がございまして、そこからいたしまして非常にむずかしい状態に陥っている、かように判断をいたしておるわけでございます。したがいまして、当面構造改善というふうなことを基本といたしまして、あわせて当面の不況一克服といいますか、緊急避難的な不況カルテルということを含めまして対策を講じてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 ここは私は基本的には繊工審の提言口に沿った構造改革が必要である、これはもう当然であります。しかし、いまどんどん出血しているわけですね。応急の止血策が必要である。これが不況カルテルであろうと思います。公取委員長の御見解をお伺いします。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) ただいまお話しの短繊維紡績糸に関しまする不況カルテルの申請は、先月二十四日に百社から申請がございました。おっしゃいますような業界の不況状況にかんがみまして、極力早く結論を出すよう審査を鋭意努めてまいりました。近々結論が出せると考えておる次第でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 カルテルを実施するということになりますと、あわせて考えなきゃならないのは雇用対策であろうと思います。雇用保険法制定の精神にかんがみますならば、当然弾力的な法運用によって雇用調整給付金制度の対象業種に指定されるべきではないかと、こう思いますが、労働大臣、いかがですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 正確に業種は覚えておりませんけれども、四月一日に四業種指定をいたしました。それから残余のものについても不況カルテルが実施されれば指定をいたします。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次は金融対策でございますが、不況カルテル実施の業種の大半はいわゆる中堅企業でございます。いわゆる政府系三行の融資対象から外れる企業が大部分でございます。つなぎ資金等、特段の金融措置が必要であろうと思いますが、大蔵大臣、いかが対処されますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 中小企業に該当しない企業につきましては、市中銀行に依存しているところが多いと存じますが、市中銀行に対しましては、機会あるごとに現在のこういう経済の情勢下におきましてはまじめな企業が金融面だけで行き詰まるというようなことのないようにということを申しておりまして、個別的にその事情に即して対応するように、こういう指導をいたしておるところでございます。特に御指摘のような不況業種、これは繊維に限らずいろいろあるわけでございます。特にそういう業種に対しましては意を用いるようにということをいろいろの機会に指導をいたしておるところでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 仮にカルテルの実施によりまして出血がとまったとしても、ここに乱輸入が行われれば、再びもとのもくあみでございます。秩序ある輸入体制の確立はきわめて同時並行的に進められなければならない対策だと思いますが、MFAによる国際ルールを活用してこれらの秩序ある輸入体制の確立にどのように対応されようとしておるのか、お伺いをいたします。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) お答え申し上げます。  お示しのように、不況カルテル結成をいたしました後におきまして輸入の懸念というものが当然考えられるわけでございます。私どもといたしましては、特に思惑的輸入の増加ということの防止が必要であろうかと、こういうふうに考えておりまして、かねてから成約統計を含めまして統計の整備に努めておるわけでございますが、なお、繊維工業審議会の需給貿易部会の中に調査小委員会というものを設けまして、そこで輸入の動向を常時フォローいたしまして、必要に応じまして自粛、指導等を行ってまいりたいと、このように考えておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 いまのような措置をとって不況カルテルを実施する、これはあくまでも緊急避難措置であろうと思うのであります。根本的にはやはり構造改善の積極的な取り組みを推進する、そして過剰設備の廃棄を初め、産業の抜本的な体質改善を図ることが主たる問題でなければなりません。このために提言が昨年十一月に行われているわけでありますが、これを実現するために通産省は今後具体的にどのような行政指導を行おうとしておるのか、これに相対応して大蔵当局はこの繊維の体質改善策に対してどのような方針をもって臨まれようとしておるのか、この点を最後にお伺いをいたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) お答え申し上げます。  いまお話しのございました繊維工業審議会の答申に基づきます措置でございますが、私ども、提言をいただきまして以来、鋭意体制を整備いたしておりまして、私ども生活産業局内に対策室を設けまして、繊維工業審議会の中には新たに需給貿易部会、先ほど申し上げました部会を設けまして、一方、繊維産業の今後の発展の方向と見られますアパレル部門の検討のためにアパレル部会というのを設けまして、現在今後の方向を急いで詰めているところでございますが、なお、構造改善につきましては、すでに新繊維法によって着実に進めておりますので、今後その方向をさらに促進してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。  通産省とよく相談いたしまして、金融とか税制とか、そういったような方面からできるだけのことをやってまいりたいと考えます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 柄谷道一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 次に、市川房枝君の質疑を行うことにいたします。市川房枝君。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 皆さんお疲れでしょう。もう一時間ぐらいごしんぼうをお願いいたします。  最初に、近く行われるはずの参議院の選挙と金のことについて総理並びに自治大国に伺いたいと思います。  参議院の選挙はもう二カ月近くに迫っておりまして、立候補予定の方々は一生懸命運動しておいでになるようですし、お金もずいぶん要るらしく、五当四落、すなわち五億円ならば当選するけれども四億円では落選するということが言われております。大阪の地方区から社会党の公認で立候補されておりました佐々木静子さんが、この間社会党の大阪府の支部から選挙費用として九千九百五十万円出してほしいという申し入れがあって、とてもその金は出ないということで立候補を辞退するということが新聞に出ておりました。それから小川委員長も、実は日刊ゲンダイで拝見しましたけれども、今度の立候補に対して、考えてみたら三億五千万円どうしても要ると、しかし自分としては四千万円しか金ができないと、だから今度立候補は公認は辞退をしたということをお述べになっておりますが、こういう状態では、金のない方というか、そういう方は立候補できない。一体その莫大な金はどこから出てくるのか。結局はやっぱり財界から金が出てくる。したがって、財界と政界の癒着ということが出てくるわけですが、福田総理は選挙に金がかからないようにということをおっしゃっておりますけれども、この状態をどうごらんになりますか、あるいはこのままほっておいてもいいとお考えですか、伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今回の夏行われます参議院選挙ですね、それに対する資金手当て、これは私はこの前の三年前の選挙、あのときと形勢は一変しているのじゃないかと思うのです。あのときは、確かに、八当五落だとか、五当三落だとか、そんなようなことが言われておりましたよ。しかし、今度は、新政治資金規正法ですね、政治資金の規制が厳しくなりました。その初めての参議院選挙であります。そういう位置づけの選挙でありますが、この選挙は私はそう金は使われておらぬと、こういうふうに思うのです。私は、毒の資金規正法の結果、不自由だ不自由だと言う人もありまするけれども、政治全体とするといい流れになってきたなと、こういうふうに思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理はそんなに金はかからないんだとおっしゃるわけですね。  それから昨年十月から公職選挙法が改正されまして、いわゆる法定選挙費用というのも少しふえて、地方区の多いところは二千七百万円ぐらいかかりますが、全国区は一律に二千七百万円ということに規定をされております。これは選挙法を提案されました自治省、自治大臣の御所管でございますが、一体法定選挙費用というのがどういう計算、どういう基礎で計算しているのか、あるいは全国区二千七百万円という法定選挙費用で今度の参議院選挙は一体できるのか、どうお考えになっているか、自治大臣から伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 法定選挙費用は、これは改めて申し上げるまでもなく、お金のかからない選挙を実現しようという趣旨で、二十三日の選挙運動中、選挙を行いまするのに最低限度必要な人件費、物件費、あるいは実費弁償費等を積み上げ計算をいたしまして定めた額でございます。従来はこれが千八百万円でございますから、改正によって二千七百万円、五割増しということになっておるわけです。その根拠について申し上げよということでございますれば、中身を政府委員からお耳に入れさせますが、いかがいたしましょうか、よろしゅうございますか。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 政府委員から……。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) お答えいたします。  選挙運動費用の法定制限額につきましては、ただいま大臣からもお話しありましたとおり、二十三日間に行われます選挙運動につきまして各費目につきまして標準的な経費を設定して、それを積み上げておるものでございます。たとえば、ポスターなどにつきましては、印刷費を一枚について三十円とか、あるいは選挙事務所につきましては主たる事務所について約二万円、全国の他の支分といいますか、分かれました選挙事務所についてはおおむね五千円といったようなことで計算をいたします。その他いろいろとございますのでこれは列挙いたしかねますけれども、そういったものでつくっております。しかし、それは標準経費で相対でございまして、各候補者の陣営におかれましてはそれぞれの選挙運動についていろいろと重点を置かれましてやられます関係上、標準経費をあるものは上回っておられるでしょうし、あるものは下回って、彼此勘案しながらこの範囲の中でやっていただく、こういう計算をしているわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 法定選挙費用というものでおおよそ選挙ができるなんてだれも思っちゃいないといいますか、特定な人は別ですけれどもね。いまのお話を伺ってもせんのないことですが、さしあたっての選挙で、総理、自治大臣に、私はいまからでも金のかからないようにできると思うのですがね。それは、小川委員長が、ポスターを全国区十万枚張るのに一億円かかるという御計算を出しておいでになる。まあそんなことだろうと思うのですが、そこでポスターをみんなやめちゃったらどうですか。やめて、公報の中にいま写真が入っていませんね、それに写真を入れるとか、あるいはテレビをそのかわりに二、三回も加えるということにすれば、皆さんが使わないんだから競争はそこになくなるんだし、これならば、私は、自民党を初め野党の方々、それぞれ御相談なすって、そしてそこのところの法律を変えれば、この次の選挙からはできると思うのですけれども、総理並びに自治大臣はどうお考えになりますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) ポスターを廃止して選挙公報に変えよと、こういう御提案かと存じます。しかし、選挙に際しましては、候補者に関するいろいろなことをできるだけ広く周知徹底せしめることが必要でございましょうから、ポスターというものは必要だと存じまするし、選挙期間中一回しか送達されない公報に写真を掲載するということでポスターのかわりになるかどうかということが第一問題だろうと存じまするし、細かい話になりまするが、選挙公報というものについては不公平があっちゃならないという見地から選挙管理委員会が非常に気を使っておるわけで、御承知のように、公報というものは候補者から提出されまする原稿を一々写真印刷をしておる。一字一句でも間違いがあっちゃならぬというようなことになっておるわけで、写真を使いまする場合に、場所によって濃淡が生じたり、あるいは非常に大ぜいの候補者の写真でございますから、御本人の写真と取り違えたり、いろいろなトラブルが起こるというおそれもありますので、まあ御提案を案行いたしますというお約束は、なかなかできにくいわけでございます。  それからテレビの政見放送の回数も逐次ふやしてまいりました。時間も延ばしておるわけですが、前回の衆議院選挙の際に一分間時間を延ばすというにつきましても、非常に長時間にわたる困難な折衝の末やっと一分延ばしてもらったというわけでございます。近く行われまする参議院の選挙におきましては時間を一分だけ延長するということになりました。この点は今後も努力いたしますが、なかなかこれは簡単な仕事でないということは、ことに民放におきましてはたくさんのスポンサーがひしめいておるという状況ですから、そこへ割り込む話でございますから、なかなかむずかしい問題だということはひとつ御理解をいただきたいと存じます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 まあその問題についていろいろ意見がありますが、時間がないので省きます。  選挙費用がかからないようにということで皆さんが知恵をしぼれば出てくるんだけれども、いろいろいままでの習慣とか何とかおっしゃればそれはできませんよ。金はかかりほうだいということになって大変残念だと思うのです。  次は、参議院の地方区の定数是正について総理にちょっと伺いたいと思います。御承知のように、参議院では、三月二十九日に野党四党と二院クラブの青島さんが、地方区の定員十八名を増員するよう、公職選挙法の改正案を提案されました。私は、かねてから、議員定数のアンバランスは議会政治の根幹にかかわる問題として、四十七年の衆議院選挙の後、二つの市民団体と一緒に千葉一区——一番アンバランスのひどかった千葉一区の選挙の結果は、これは憲法違反であり、当選は無効の訴訟をやり、やっと昨年の四月に最高裁で憲法違反だという判決がありましたが、この判決は衆議院に対してだけれども、当然参議院にもその趣旨は及ぼされるべきであって、ちょうど今度の参議院選挙前にぜひ定数の是正をしてほしいと考えまして、私ども二院クラブとして皆さんと御相談して、この定員の枠の中で是正をする——国民の有権者はふやすことに賛成してないのですよ。だから、私はそれを重んじて、そして定員の中で是正をするという、是正の仕方もありますけれども、それは省きまして、しかし、各党派でどうしても増員するということであれば、私どもも十名以内に限ってなら増員してもいいと、それで成立するなら今度限りそうしてもいいということでまいったんでありまするが、十八名増ということになりましたので、それは少し多過ぎると、そういった成立の保証もないので私は賛成をしなかったわけですが、しかし、有権者の側から言いますれば、参議院の選挙を前にしてぜひ衆議院よりもアンバランスのひどい地方区の定員の是正をしてほしいという強い希望がありますので、これは自民党総裁としての総理にお伺いするのですけれども、何とか数名ぐらいの増というようなことで、地方区の定員の是正ですね、私いまからでも間に合うと思うのですけれども、それもお考えになって国民の要望にこたえるというお考えはないかどうか、伺いたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は金のかかる選挙制度というものに大変こだわっておるんです。先ほど市川さんは金がかかる、金がかかる——やっぱり選挙制度に関係があるのですよ。私はそう見ているんです。つまり全国区なんという制度ですね、これはまあ本当にどういうものかというふうに私思いますが、この全国区の選挙制度なんか変えれば金の問題なんかもずいぶん変わってくるんじゃないか、そういうふうに考えるし、全国区でなくとも、普通の地方区ですね、あるいは衆議院の選挙でも同様でありますが、これは金のかからない選挙制度という方法は私はあると思うのです。私はそういうこともあるし、それからいま御指摘の定数問題、これもすでに衆議院におきましては憲法判決が出ているわけで、その趣旨なんかも踏まえて、定数の問題もこれは解決しなきゃならぬ。選挙制度をめぐりましていろんな問題がある。  そこで、私はこれは自由民主党が多数だからと言ってそれで押し切るなんという態度はいかぬ。それこそ皆さんと相談で決めなきゃならぬ。選挙制度というのは政治家一人一人の共通の土俵ですから、また各党の共通の土俵でありますから、これは各党各派が話し合って決めるべきものだというので、私どもの党に対しましては、各党と話をするようにと、こういうことを要請をしているわけです。選挙制度特別委員会、その場で委員長が中心になって、そしてそういう話を進めておるはずでありますが、私はそういう動きになっておりますので、その動きがどういうふうになってきますか、それを見守っておるという現状でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 それじゃ今度、選挙前の成立は無理ですね。  次はロッキード事件の徹底究明と再発防止の方策について総理に伺いたいと思います。ロッキード事件は長年にわたっての日本の政治の腐敗がアメリカで暴露された、こういうものでありますが、そこで私は、これは日本の議会政治の危機だというふうに考えて、私個人としてもアメリカに参り、私なりの信念を持って帰ってきたんでありますが、それだけに私はロッキード事件の徹底究明とその再発防止ということに強い関心を持っており、事件の核心が何だか不明のままに少し幕が引かれてるみたいなかっこうになっておるのを国民の多くの人たちとともに非常に残念に思っておりますし、また再発防止についてのこの対策が政府並びに自民党の方で考究されているようですが、個人の犯罪としてお考えになって、そして刑法の犯罪の積み上げといいますか、あるいは公民権——収賄罪に対する公民権の強化というようなことが問題になっているようでありますけれども、私はやっぱりこれは個人の問題としていくところに、それでは解決できないんだという不満を持っておりますが、総理は一体その点どういうふうにお考えになっておりますか。ちょっと伺いたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) このロッキード事件は、事件として徹底解明をする、これはもうもとより必要です。私は去年の二月の五日、あの事件が起きたあのとき、ちょうど三木内閣の副総理をいたしておりまして、それで徹底解明論の急先鋒、第一声を上げたわけですがね。そういう徹底解明は進んだわけであります。しかし、徹底解明だけでこの問題は私は済まされないと思うのです。再びこの問題が起こらないような歯どめをかける必要がある。つまり、私はこのロッキード問題というような問題が起きてきたのは、その根っこをえぐり出さなけりゃこの問題の本当の解決にはならぬと、こういう見解です。  それでいま刑法の改正でありますとか、あるいは条約のいろいろ運用でありますとか、いろいろそういう事件の再発防止のためのいろいろ施策を講じておりまするし、また行政面におきましても、許認可のあり方、あるいは行政指導のあり方、そういうものにつきましてもいろんな検討を進めておるわけでございます。しかし、制度を幾らつくってみましても、やっぱりここで私は政界が、政治家が本当に政治家としての正しい行動というものを呼び戻す、これが私は大事であると思うのです。私は高度成長下でこの世の中が多少狂ってきたと見ているのです。金、金、金です。物、物、物だ。そうしてそれとうらはらをなしてエゴというような、自分さえよければというような考え方になってきておる。そういう考え方を変えていかないと、私は本当のロッキード事件の正しい解決というふうにはならないと、こういうふうに存じます。まあしかし、それは言うばかりじゃこれはだめだ。私は自由民主党総裁ですから自由民主党の改革、これをいま進めておる、こういう段階でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 ロッキード事件の再発防止について、私は私なりに考えているんですが、私には、いまこの政治献金の授受における政党の、公党ししての政党の倫理の確立、あるいは公人としての政治家個人の責任感ということが基本になるんですが、そうして、この財界、金との脱却を私は図らなければ、やっぱり解決はできないと思うんですが、そういう点から言うと、何から着手するかということで、一番手近に、最初にと言いましょうか、あるいは根本的なのは、私はやっぱり財界からの政治献金を政党なり政治団体あるいは政治家個人が受けるということを禁止をすると、そして財界との、金とのつながりを切らないと私は決してよくならないんじゃないか、こう思うのですが、しかし、それは現在の政党なり政治団体なり、あるいは政治家にとっては非常に苦しいと、それではやっていかれないんだということであろうと私は思うんですけれども、しかし、そうしていつまでも財界の金に依存しているんでは、私は日本の議会政治の確立はできないんだと、だから苦しくてもそれを乗り越えていかなきゃいかぬという考えを持っているんですが、それには政治資金規正法をもう一遍再検討する、そしてその点を、政治資金はやっぱりその政党を支持する個人から寄付を認めるということで私はやっていくということが非常に大事だと思うんですけれども、総理はいかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、大事なことは節度、ほどほどということではないかと思うんですよ。私は個人なら幾らでも献金していいというものじゃないと思うのです。個人が多額な献金をして、さあその政策をやってくだざいとか、あの税をまけてくださいとか、そんなようなことを言ったらこれまた大変なことなんですから、ですから私は、法人にいたしましても個人にいたしましても、これはほどほどのところに制約がつけられるということが一番いいんじゃないかと思うんです。余りぎしっとしちゃうとまた違反が出てきまして、またいろんな事件となるというようなこともあるので、去年から新しい政治資金規正法が適用になった。そして、今度の参議院選挙なんか本当に金のかからない選挙になると思うのです。私は、しかし企業の献金を制限する、個人の政治資金を制限するその前に、金のかからない選挙制度というものを考えたらどうだと。これは手があるんですよ。私も腹案を持っておるわけでありますが、それの方もまた非常に大事なことじゃないか。これもひとつ御協力を願いたい、かように存じます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いま総理が金のかからない腹案があるんだとおっしゃったんですが、まあ時間が余りないでしょうけれど、簡単にでもちょっとそれをお漏らしいただきたいと思いますが、どうでしょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いまの選挙制度は、私は余り個人中心になっていると思うんですよ。その点を私は指摘しているわけなんです。個人が金を集めると、こういうことが非常に横行する、この制度を私は政党本位、そういうふうにしたらどうかなあと思いますけれども、私はしかし自由民主党総裁ですから、とにかく一票の差ではあったけれども、私は多数党の総裁ですから、これ、ごり押しはしません。みんなひとつよく相談して、そうして共通の土俵としてみんながこうしようやというところで選挙制度というものはいくべきだと、こういうふうに考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 金のかからない選挙、個人本位でなくというお話があるんですが、西ドイツなんかのように、政党が政府から選挙費用を補助金としてもらうという例はあるんですけれども、そうすりゃ金はかからない。いや、日本の場合は、そうやってもらったってまた個人個人で金をこしらえてなさるだろうと思うから、どうも私は、国が選挙費用を出すことには反対といいますか、私は国民は賛成しないと思うんですよ。だから、そっちの安易な方に逃げてはいけない。もっと政党なり議員の私は努力は必要だと実は思うわけです。  次には、福田内閣と人権の問題について総理に伺いたいと思います。  せんだっての総理とカーター大統領との会見の日米共同声明の全文を拝見したんですが、私は、その中で人権の問題がきわめて軽くといいましょうか、あるいは単なる原則の承認だけにあるのをちょっと不思議に思ったんです。私は、国家の間にも個人の間と同じように道義が必要だと前から考えていましたので、カーター大統領の人権外交、道義外交の提唱には敬意を払い、日本もそうあってほしいと実は思っているわけなんですが、この大統領と総理がお話しになって人権の問題が話が余り出なかったというのはどうも不思議で、一体、実際は話は出たんだけれど双方の立場が違うんでまとまらなかったということなのか、そこを総理からちょっと伺いたいんです。  それからもう一つはロッキード問題、アメリカで暴露され、アメリカが非常に関係があるわけですけれども、そしてアメリカにずいぶん日本は協力をしてもらってきているわけですけれど、その問題について共同声明に何もないんですが、本当に話出なかったのか、お出しにならなかったとか、ついでに伺いたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ロッキード問題につきましては私とカーター大統領との間では話は出ません。しかし、外務大臣と国務長官との間で、今後なお資料があったら提供せられたいと、こういう要請をしております。向こうでも了承しております。  人権問題につきましては、話が出たんだがこれを発表しないんだというようなことはありません。全然話が出なかったわけであります。ただ、カーター大統領の人権の考え方というのは、私もよく承知しておりまするけれども、私も、それは地球上すみずみどこでも基本的人権が守られるという、そういう社会であってほしいと、こういうふうに思います。しかし、そのことを世界のよその国に向かって主張するその主張の仕方は、私はいろいろあると思うんですよ。大きな声で言って逆効果のあるという場合もあろうし、静かに言ってそして成功するという場合もありましょうし、いろいろあると思う。それから相手の国情、そういうこともありますね。そういうようなことで、私は人権問題を扱うその扱い方というものはもう国々によっていろいろ差別があっていいと思うのです。日本の場合は日本の独特の行き方で行ったらそれでいいんだと、かように考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理は渡米の前、去る三月の十日に外人記者クラブにおいでになって御講演をなすった。そのときに、記者からカーター大統領による韓国やフィリピンに対する人権外交を支持するかどうかという質問があったんですね。それに対して総理は、人権が尊重されなければならないことは賛成だが、その適用をどう具体化するかでは日本の立場は違うと、こうおっしゃったと新聞に出ているんですが、そうすると、私なんかすぐ、ことに韓国の問題では朴政権の人権弾圧の問題、それを何か支持をするような立場にお立ちになっているのかなあというふうなちょっと疑問を持って、いわゆる日韓癒着というのを肯定しておいでになるのかなあと、まあそんなふうに受け取れて、私は驚いて、それでまことに残念にもまたちょっと恥ずかしくもそう思ったわけですけれど、だからもう少し具体的に日本は違うと、適用の範囲が違うとおっしゃることの、ことに韓国の場合なんかについて具体的にちょっと聞かしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 人権はどこでも尊重されねばならないということは、カーター大統領と私はちっとも変わらないんです。しかし、アメリカの行く道と私どもの行く道は、おのずからアメリカであり日本でありますから、また相手の国もありますから、これはもう違ってしかるべきだと、こういうふうに思うのです。韓国の問題どうだと、こういうお話でありますが、私はそういう具体的な問題につきましてこの場で余り触れない方がむしろ効果を上げるゆえんである、こういうふうに考えているんです。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 韓国の問題といえば私どもにはすぐ金大中事件がよみがえってまいります。数年前のことですけれども日本に滞在中の外国人の人権が日本では守られないと。それから、あの犯罪に対して日本の検察当局はよくお調べになって努力をされたようでありますが、しかし結局は、行政処分といいましょうか、韓国の政府と日本の政府でお話し合いになってちょんになっちゃったと、まあ、こういうふうに私どもには受け取れて、一体どういうことだろうという疑問を持ってきているんです。私はアメリカへ去年行ったときに、アメリカで韓国の女のジャーナリストで文明子という方がおって、その方にお目にかかりましていろいろ話を聞いて、実はそのときに金大中事件を片づけるために韓国の朴大統領から当時の日本の総理大臣に三億円金が行ったんだという話を聞いて、それは本当かどうかわかりませんけれども、そういうこともあり得るのかなという疑問を少し持ってきているんですよ。それからついこの間、この委員会で共産党の上田さんが、あの事件には日本の自衛隊も関係していたんだというようないろいろな事実をお話しになって、私どもにはそれはどうかよくわかりませんけれども、それでも、あの事件の処理の仕方についての疑問はなお前よりも私に少し濃くなってきたんですから、日本の政府としてはもう済んだことなんだ、だからもうあの問題はちょんだ、こういうことでしょうか、あるいはもう少し国民も納得できるように、あるいは日本としての私は主権の立場があると思うんですが、だからそういうことで、この問題をもう一遍——さっきどなたかの質問に対して総理が、あれは打ち切ったんじゃない、なお疑問があれば調査するんだ、しているんだというような御答弁があって、それならいいけれどもと私は思ったんですけれども、その点についてもう一遍ちょっと伺いたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 金大中事件は、これはお話しのとおり、わが国において滞在しておる大事な外国の人がああいうことが起こったのですから、これは重大事件ですよ。しかし、これはずいぶん解明にわが国の捜査当局は努力したんです。しかし、一人しか証拠がつかまえられないということで今日に至っておるわけでありまして、捜査活動はまだやっているんです。まだ警視庁では——警視庁というか、警察庁ですか、二十数名の捜査員を置きまして、鋭意やっているというのでありますけれども、外国の問題で、外国にもう行っちゃった人の問題でありまするので、なかなか捜査がむずかしいというのが現況でありますが、なおできる限り努力をして真相をつかむようにしたいと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いまの問題は、ひとつできる限り続けて捜査をしていただきたいとお願いしておきます。  次は、日本は国際連合で採択した人権に関する条約、これは十九件ありますけれども、そのうち批准しているのはたった二つなんですよ。総理と外務大臣にこれは伺いたいと思っていますが、たった二つなんです。それが皮肉にもその二つというのは女の問題ばっかりなんですよ。婦人参政権とそれから売春禁止ですね、ほかのは一つもしてない。そこで、国連総会に私どもの友だちの婦人代表が毎回出席しておりますけれども、その人たちが帰ってきて私どもに報告するのに、日本が人権に関する条約を批准してない、だからずいぶん各国の代表からいろいろ言われて恥ずかしい思いをしているんだ、こういうことを言っているのを私ども聞いているんです。それから昨年発効した人権規約ですね、これには無論まだ調印もしてないということですけれども、そうなのかどうか。もっとも私どもは外務省の国連局は、局長以下人権規約あるいは人権条約の批准について一生懸命努力していられることは実は知っているんです。知っているんですが、何せ関係各省庁との関係があるので、そっちの方の壁が厚くてなかなか進展しない、こういう状況にあるらしいんです。そこで、こういう問題は、それこそ総理が中心になって日本の名誉のために、私はやっぱり各国についていくんだということでやっていただかないとできないんじゃないかと思うんですが、総理、その問題についての覚悟と、ひとつ概念、それから外務大臣からも伺いたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 人権関係の条約等につきまして、なかなか批准ができないというのは御指摘のとおりでございます。そのよってくるところは、国内法と抵触する部分があるということが批准できない最大の理由でございまして、この点につきましては国内法を所管しておられます各省に御協力をお願いをいたしておるところでございます。  国際人権規約につきましてもやはり同様の問題があるわけでございます。アメリカもまだこれは批准をしていないわけでございますが、先般カーター大統領が国連におきます演説におきまして、アメリカは人権規約の批准に努力をするという演説をされまして、恐らくアメリカといたしましても国内法のいろんな問題があろうと思います。そういったことを乗り越えて、批准に、加入に努力をする、こういうことでありますので、わが国といたしましてもアメリカが努力をするからということじゃございません。しかし、当然これから私ども人権問題が大事な問題になってくる、その何によって人権が守られているかどうかということを判断する基準がどうしても必要になるということになりますと、やはり国際人権規約というものを大きな判断の基準といたすべきであろうと思いますので、私ども外務省といたしましては、これから真剣に努力をいたしたいと思っているところでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 外務大臣についでにちょっと伺いたいんですが、日本は国連のユニセフとか、あるいは難民の問題とか、それぞれ金を拠出してやっているわけですが、どうも日本は金を出し渋っている、余り出さないというので、やはり国連へ行った人たちが恥ずかしい思いをしているのだということですが、このごろ少しお出しになるようにはなったけれども、まだしかし額が少ないというか、日本が国連において第三番目の金を拠出しているのだけれども、ほかはずいぶん低いんですよ。ですから、その点で来年度は予算が決まっているのですけれども、将来の問題として金をもう少し、そういうのをふやすようにひとつ努力していただきたい。いかがでしょう。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) それぞれの国際的な機関によりましてはいろんな算定のやり方がございますので、物によっては三番目のもありますし七番目のもあったりいたすわけでございますが、いま御趣旨のように、日本としても適当なしかるべき分担を進んで果たすように今後努力いたしたいと思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 人道問題ですから、やっぱり日本が人道問題——人権もそうなんだけれども、日本は人権だ、人道問題なんかに関心が薄いなんて言われることは、やはり日本の国際的な評価を私は低めるというか、問題であるから、そういう点を考えていただきたい。  次には、総理外関係の各省から婦人の問題について伺いたいと思っております。  まず、総理は組閣直後婦人団体の代表をお招きになって意見をお聞きになった。これは初めてなんですよ、そっちから招かれたのは。こっちから押しかけてはしょっちゅう行っているんですけれども、初めてですし、それから施政方針の演説でも、総理は婦人というのを特に設けて、そうして六行ぐらいですか五行ですか、婦人の問題についておっしゃっている。三木さんも施政方針でおっしゃったが、そのときは一行半ぐらいだった。福田総理の方が多いんですが、そうしてその中で、「婦人の地位と福祉の向上に一層努力してまいる考えであります。」と約束をしてくだすったのだけれども、ただしかし、これはゼスチュアであったり、ただ作文であっては困るのであって、この際、改めて私は、総理の婦人に対しての婦人観と言いますか、あるいは婦人の地位を向上させるというのはどういう婦人の地位を向上してくださるのか、具体的にひとつおっしゃっていただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は婦人の地位の向上という問題には非常に関心を持っておりまして、また、制度上も、私は婦人問題企画推進本部長という立場にあるわけでございますから、職務、職責上もゆるがせにできない立場にあるわけであります。その企画推進本部におきまして、行動計画というのを策定したわけです。この行動計画、これはまだ抽象的な問題は多うございますが、これを具体化しまして逐次実施に移したいと、こういうふうに考えております。その具体化もそう時間をとるわけじゃありません。もう急速に具体化します。そして、婦人問題に対して関心を示しましたね、その演説のとおりこの問題を処理していきたい、こういうふうに考えております。ただ、私が常に申し上げているんですが、この男性と女性はこれはもう生まれながらにして構造が違ってますからね、その意味におきまして、これは全部の分野において私、平等というわけにはいかぬと思います。私は女性が優位である場面もあるし、男性の優位である場面もあるし、全体として平等というか、均衡がとれていればそれでいいんではないかと、こういうふうに思いまするけれども、その全体のバランスがまだ私は欠けておると、こういう認識のもとに婦人問題を処理していきたい、こういう考えでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理がもし本当に婦人の地位を向上させるとおっしゃってくださると、いまお話の行動計画を実施していくんだとおっしゃって、それはそれでお願いをしたいんですけれども、私は法律を変えなくても、総理御自身のお考えで、はっきりと婦人の地位向上をさせる、具体的にみんなの目に見えるようなことができるんですがね。それは何かと言いますと、婦人の大臣を任命すること、あるいは婦人の大使、公使あるいは高級官僚に婦人を任命することであって、しかし福田内閣はこれを一つもやっていてくださいませんね。公使といま言いましたけれども婦人の公使が一人去年できました。けれどこれは三木内閣であって、あのときの外務大臣宮澤さんがこれは決断をなすったのであって、だから福田内閣はまだ何もそれをやってくださっていないんですけれども、それはどうなんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ福田内閣も誕生しましてから百二日目ですから、早々言ったことを全部実行できるという立場じゃありませんけれども、しかし、先ほど申し上げましたような婦人問題につきましては、とにかく行動計画をつくると、初めてのことです、これは。そして具体的にこれを実施しようと、こういうんですからね。それから人事もあります。これはだんだん改善していきたいと思っております。これ、委員会なんかに婦人の参加——審議会ですか、そういう問題なんかも手軽にできる問題ですから、まあてきぱきとやっていきたい、こういうふうに考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 内閣ができてまだ日が浅いからとおっしゃっておりますけれども、これからでもいいんですけれども、ひとつ大臣だの大使、公使なんかを考えていただきたいんです。  総理、アメリカにおいでになる前に私はちょっと申し上げたけれども、アメリカのカーター内閣では、婦人の閣僚は二人任命してますし、それから次官、次官補なんというのに婦人の人が幾人も任命をされているということがお目についたかどうか。あるいはこの十三日に、イギリスから保守党のサッチャー党首がおいでになるようで、これは総理がお招きになったんだそうですね。だから、そういうアメリカやイギリスなんかの実情をごらんになって、日本はそういう看板と言いましょうか、がないんですよ。それはメキシコの婦人会議に日本から婦人の代表、政府の首席代表なんかお出になったけれども、日本には婦人大臣がいないというか、ほかの発展途上国の婦人たちが、総理大臣とか、あるいは大臣とか、大使とかいういろんな人が来て非常に華やかにあれして、日本はどうも非常に目立たなかったというか、それであそこの会議では日本は経済大国ではある、しかしながら婦人にとっては発展途上国よりも下だという評価を与えられたという話ですけれども、しかし、まあ私どもは、それは特殊な人はなくても、全体としては発展途上国よりも教育は普及しているし、はるかに婦人の地位は高いと思うのですけれども、しかし、少なくとも表向きにはそういう状態なんですよ。だからこれは、私は人がいないのじゃないんであって、婦人大臣だって、自民党には女の議員の方もいらっしゃるじゃないですか。そういう方を、あれは池田内閣のときには二人婦人大臣を任命なすったんですよ。佐藤内閣はとうとう一人もしなかった。だから私は、福田内閣も大臣を任命してほしい。いや、大臣といってもこれは考え方がいろいろありますけれどもね、一つの省を担当する大臣もありますけれども、これはまあ外国の例なんかで見ますると無任所の大臣として婦人関係の問題を担当すると、だから特に省は要らないし、秘書官何名かですかあれば、それで閣議に出て、そうして婦人の問題についての発言をする。こういうことは簡単にわれわれはできるのじゃないかと思いますけれどもども、ひとつこれからの問題として考えていただきたいと思います。  それから、いまの公使の問題ですが、鳩山外務大臣は、いま一人おいでになりますけれども、もしこの人がやめたらなくなっちゃいますね。それで、あのときは本当は大使を任命するというはずだったんですよ、外務大臣だけでなく、三木総理も一緒になっていろいろ考えた、ところが大使には無理だったということで公使になったようですけれども。だからなお大使なり公使なりをひとつ考えて任命をしておいてくださらないと私ども心配なんですよ。それはいかがですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 大使の任命につきまして、昨年いろいろ宮澤元大臣が努力をされまして、大使に任命できればということであったのでございますけれども、任地の関係その他の関係がございまして御承認がいただけなかったというような経緯がございます。外務省としても、いまのような御趣旨で今後とも努力をいたしたい、こう思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 次は、さっき総理がおっしゃいました内閣の婦人問題企画推進本部と、それからその同じ名前の会議というのとについて、本部長である総理及び副本部長の総務長官に伺いたいと思います。推進本部は一昨年の九月、三木内閣のときにできたのですが、これは閣議決定というもの、それから婦人問題企画推進会議というのは閣議口頭了解と、そういう区別は私どもにはよくわからないけれども、口頭了解というのでできたわけです。ところがこれは何ら法の裏づけがない。つまり設置法の中に入っていないのですね。両方とも入っていない。そうなるというと、いつこれをやめてもいいということになりますね。それで、実は国連の国内行動計画といいますか、これは十年間、国連婦人の十年と称して去年から始まっているわけなんですが、それは予定でちゃんとしておるのに、どうもこの本部、総理が大いにやろうとして考えていてくださる本部が私どもから見ると何だか不安定で、いつ何どきやめられるかもしれないという気がするんですけれども、なぜ設置法でこれを設置しないか、それを総理から、あるいは藤田総務長官でも結構です、おっしゃってください。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・内閣官房長官事務代理

○国務大臣(藤田正明君) おっしゃるとおりに、確かに法律の方では設置法では入れておりません。しかし、御承知のとおりにこれはもう十年間の長い長期計画なんでありますから、十年間の間にいまの国内行動計画に関する婦人室を解消するとか取り消すとか、これはもう考えておりません。ただおっしゃいますように、設置法でもって、法律で設置いたすといたしますと、婦人問題は各省庁に散らばっておりますから、それらをこう集めて整合性を図らなければならぬと思います。この点はよほど各省庁との話し合いが必要であると、かように思っておりますが、おっしゃる意味はよくわかります。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 設置法でなぜしないんですか。その妨げとなっているのは一体何ですか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・内閣官房長官事務代理

○国務大臣(藤田正明君) いや、これは妨げになっておるわけではございませんで、労働省の婦人少年局に婦人問題の連絡調整機能という所管事項がございます。これとの調整が一つございますのです。そのほかにも、さっき申し上げましたように、厚生省にもいろいろ婦人問題があるし、農林省にも農村婦人の問題もいろいろございますから、それらを考え合わせまして、その設置法をつくるかつくらないか、法律で決めるか決めないか、これは相当な問題がここにあると思います。各省庁にそれぞれの問題があるわけですから。ですから、これは慎重に検討しなきゃならぬ問題だ、かように思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 婦人関係の行政機構の問題になると思いますが、それはきょうは省きます。  この本部は本部長、副本部長と、それから本部員という方は婦人行政関係の省庁の事務次官がおなりになっているわけなんです。ところが全部男の方ばっかりですね。私は三木総理大臣のときにも申し上げたんです。初め三木総理に私が個人的に会ってそのことを申し上げたときに、ああそうでしたかなと、こういうわけなんですよ。ということは、やっぱり事務次官という官職でなさるから、それは一体男なのか女なのかということがわからなかったんだろうと思うんですけれども、私は三木総理に、男の方々で女のことがわかりますかと言ったんですが、いや婦人担当室長という女がいるからなんておっしゃるけれども、それは違うと、それはレベルが違うのであって、ただ事務当局でしょう、課長クラスですよ。だから、それじゃやっぱりいけないんで、本当の、さっきおっしゃる行動計画というものを決定するのは本部でしょう。本部員で男の方だけでやっているんですよ。だから行動計画を実施すると総理はおっしゃってくださったんですが、本当はあの行動計画そのものに対して私どもは不満がたくさんあるんです。ということは、男の方ばかりでお決めになったというか、あるいは事務次官の中にはやっぱりまだ——さっき総理の婦人観を私は伺ったんですが、婦人というものに対する考え方がまだまだ昔の良妻賢母主義でおいでになる方があって、だから女に対する考え方が私どもとは相当違うということがあるんで、だから少なくとも私は福田内閣になってからこれを継承して本部をずっとやっておいでいただくのならば、二、三人女の人をそこへ入れたらどうですか。何も事務次官に限らないでしょう。別にそれこそ法律によってできているものじゃないし、だから、それをひとつ福田内閣のそれこそ初仕事として、できるだけ早い機会に加えていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) あの本部には幹事というのがありまして、ああいう委員会みたいな組織ができます場合には、この幹事の役割りというのは、なかなかこれは重要なんでございます。幹事がおぜん立てして、そうして各省事務次官で構成しておる本部ですね。まあごらん願うとこういうようなことになるので、その大変大事な役割りをしている幹事二人が婦人でございますからね。婦人の声が反映していないという、そういうことはないんです。御心配ありませんけれど、しかし見てくれというか、かっこうがどうもそれじゃどうかということでありますれば、その問題は私は考えてみます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 幹事会というのがあって各省の局長クラスが、あるいは課長の方が案をおつくりになることは私も知っているけれども、その方の大部分は男の方ですよ。だから、やっぱり女の声が反映しないということははっきり言えるんだし、まあしかし、総理は考えようとおっしゃってくださるから、それをひとつ期待をいたします。  それでは次に、これは総務長官にお伺いをしたいのですが、二日のこの委員会で、共産党の山中議員が質問なすったことに対してお答えがあったんですが、つまり昨年の二月に政府の方の次官会議でもって、婦人を審議会の委員に加えるのと、それから婦人の公務員を採用し登用するということと二つお決めになって、そして各省でそれを実現すると、こういうことになったと思うんです。ただ、次官会議の決定は一体どこがそれを推進になるのか、そこのところがよくわかりませんがね。この問題はやっぱり婦人問題なんで、総理府総務長官の方で担当しておいでになるらしいんですが、それをお決めいただいて、その後それがふえたかどうかということですね。それで私は、実は二月に始まったんだから、少なくとも一年間、五十一年の一年間に一体どれくらい婦人の審議会の委員がふえたのか。あるいは婦人の公務員がどれだけ登用されたのか、ふえたのか。婦人の管理職は一体どうなんだということの数字を実は出していただいたのですが、それを一々申し上げる時間がないんですが、簡単なことだけ総務長官から、これだけふえたというか、ふえないというか、その御報告を願いたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・内閣官房長官事務代理

○国務大臣(藤田正明君) 審議会委員の婦人の登用のことにつきましては五十一年の六月末から五十二年の四月一日、この比較でございますけども、全体の二・六%という婦人委員数から二・八%にふえました。それは人数といたしましてはわずか四人でございますが、全体が下がっておりますから、全体の審議会の委員数が。逆に男性の方が減って女性の方がふえた。パーセンテージもふえておるわけでございます。  それから、国家公務員の等級別に申し上げますと、特に五等級におきましては四十九年には五千六百七名でございましたが、それが六千九百三十二名、千三百名ほど五等級ではふえております。これはもちろんパーセンテージも一六・二%から——五等級全体で婦人の占める数が四十九年は一六・二%だったんですが、それが今度は二〇・一%、こういうぐあいにふえております。  特にまた新規採用者でございますが、ことしの新規採用者、すなわち五十二年四月一日から入省した、役所に入ったという人でございますが、この御婦人は、上級の甲におきまして昭和五十年は十三名でございましたが、このたびは二十四名でございます。それから上級の乙におきましては三名から五名にふえた。それぞれ人数の方は、新規採用の方は倍数近くふえておる、こういうことでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 下の方の職員は、各省ともこのごろは女が相当ふえるんですけれども、みんなそれはお茶くみとか電話の番だとか、そういう仕事をむしろする人であって、もちろんそういう人もふえて結構なんですが、私どもはやっぱり政策に参加できるというか、執行できるというか、そういう地位に婦人がふえてほしいんだと、こういう意味でこれをお願いをし、いまの御報告で私も数字を見ているんですが、ちょっぴりふえてはいますね、ほんのちょっぴりね。  それで、総務長官は五年以内に一割にするとおっしゃったそうですね。それは委員の問題ですね。調査会とか審議会の委員の婦人の数を男子の一割にまで五年間にするとおっしゃっておる。ところが、これは何ら法律に関係ないんですよ。それこそ各省庁がいわゆる審議会の委員を任命するとき、その中へ女も一人ちょいと入れると、二人入れるというだけの話であってね。だから私は、婦人を参加させようという意欲を持っていてくださるならば、私はそんな五年なんというんじゃ困る。少なくとも来年までに一割にしてほしいと、こう思うんですが、どうですか。私どももこれからひとつみんなでちゃんと気をつけて、各省庁にも少し推進をしていくような役割りをしようと思っているんですけれども、五年じゃとても私どもは承知できないんです。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・内閣官房長官事務代理

○国務大臣(藤田正明君) 私はこの前の答弁で五年以内と申し上げたつもりはないんです。計画の中において、審議会の委員の数は二十名ないし三十名が多いから、その一〇%ぐらいまでにはふやしていこう。二・六%とか、いま二・八%という数字でございますから、一〇%ぐらいには早くふやしていきたい。年数のことは申し上げた覚えはないんです。ですが、そういう努力をいたしたいと、かように答弁いたしたつもりでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 あと農林省あるいは文部省、あるいは売春問題で、関係の各省から御答弁いただきたいと思ってきょうおいでを願っているんですが、時間がありませんので、これはまた別の機会に譲りたいと思っております。  いまの委員をふやすことでございますが、これは毎年ちゃんと報告していただきたいと思うんです。今度急に申し上げて、なかなか御苦労をかけちゃったと思うんですけれども。  それで審議会の委員については、この予算委員会で参考資料として政府の方に要求したのを、こんなのをいただいているんですが、それは男か女かわからないんですよ。だから、そこへ少なくともそのうち女が何人ということを書いていただくように、来年からの報告にはそっちの方もしていただきたいし、それからそれだけでなくて、総理府としては、婦人担当室としては、私は特にその問題についての数字的な、前年と比較してどれだけふえたかとかというふうなことの数字のものをいただきたいのです。これをお願いをしておきます。  どうもありがとうございました。私の質問はこれで終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして総括質疑は全部終了いたしました。  明日は午前十時から一般質疑に入ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十一分散会

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