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80回国会参議院1977/04/02

予算委員会 第11号

発言数
609
登壇者
39
会派数
5
開催日
1977/04/02

会議録

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  総予算三案審査のため、本日、株式会社館林ドレス代表取締役小曽根通中君、日本住宅公団総裁南部哲也君及び日本労働組合総評議会事務局長富塚三夫君の三君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 次に、昭和五十二年度一般会計予算  昭和五十二年度特別会計予算  昭和五十二年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、総括質疑を行います。藤原房雄君。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 昨日に続きまして、質疑をさせていただきます。  ゆうべ突然のことでございますが、園田官房長官が首相代理として局面打開のために訪ソすることになっておったわけでありますが、これがビザがおりなかったということを新聞報道で知ったわけでありますが、そのいきさつについて御説明いただきたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 園田官房長官の訪ソにつきまして、わが方、モスクワ大使館におきまして先方との会談の交渉をいたしておったわけでございます。ところが、昨日、園田特使の会見問題につきまして、現在なお検討中でありまして、ちょうど二日、三日が休日に当たるというのでまだ四日になって検討を続けなければならないというのが先方の態度でございます。したがいまして、先方の検討が済みましてからビザの発給が行われると、こういうことで本日の御出発は間に合わないと、こういうことになった次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 外交慣例としまして、少なくとも総理の代理としていらっしゃる方がこういうことで、まあそれは日曜をはさもうが土曜をはさもうが、ビザをおろすということについては支障がないと思うのですけれども、いままでこういうことはあるんですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 先例等につきまして政府委員から御答弁申し上げます。

宮澤泰外務省欧亜局長

○政府委員(宮澤泰君) 従来政府首脳等が訪ソされます場合は、多少時間的余裕がございまして、先方と打ち合わせてから出発されますので、査証の発給等も大体出発御予定の時間までには出ております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 まあこれは緊急なことでないならいざ知らず、首相の代理として、しかもまた、こういう大きな使命を持っていらっしゃる方でありますから、いままでの例がそのまま妥当するかどうかということは、これは問題だと思いますけれども、少なくともこういう形で来たということは、これは私どもとしては、まあ政府としても真剣に考えなきゃならないことじゃないでしょうか。この間のことについてどういうふうに受けとめていらっしゃるか。  それから新聞の報道するところによりますと、ソ連のプラウダでは、「日ソ漁業交渉が難航したのは日本政府が漁民の利益を考えず、反ソ機運を盛り上げて参議院選挙に利用しようという政治的たくらみを持っているため」だというような非常に強い批判が載っておるということですけども、政府としてはこういう問題についてどういうように分析し、了解をしておるのか、この辺ちょっと御説明いただきたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもといたしましては、特使が行かれるというので、すぐビザは発給されるものと期待をいたしておったのでございます。しかし、何分とも大変なショートノーティスだったということ、それからこれは推測にすぎませんけれども、漁業交渉が三月三十一日の段階で決裂をしたということもあるものでありますから、それに対する先方の対処方針等というものもまあ考えられるところでございまして、その真意が那辺にありやというのは結論を出すことはむずかしいわけで差し控えたいと思いますが、こうなりました上は、やはり先方の受け入れ体制を早く決めていただいて、訪ソが実現できることを念願いたしておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 少なくともソ連首脳の都合次第というこういうことでは、首相代理という立場でいらっしゃる官房長官に対して、これは非常に一方的過ぎるという、こういう考えも持たざるを得ませんし、また、もっと厳しく言えば、これは福田内閣に対するソ連の信頼というものがこういうことにあらわれているのじゃないかというふうに厳しく見なきゃならぬという考えも持たざるを得ないのですけれども、総理、これはどうお考えですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国益のことを考えましても、また、いらいらしておる漁民のことを考えましても、まことに遺憾なことでございます。とにかく、われわれとしては、泰然として、この問題を急ぎつつも焦らずというような態度で対処しなければならないと、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 きのうも申し上げましたが、ソ連という国と日本の国情の違いというものもあると思います。短兵急にものを早く決めようと思っても、何せ大国でありますし、ソ連は私どもの考えるようなわけにいかない、こういうことも考えなきゃならぬことだろうと思います。それだけにこの交渉は、総理もおっしゃいますように、早急になすべきことはなさなきゃなりませんけれども、一方、漁民に対する補償とか、きのうも申し上げましたけれども、やっぱりじっくり取り組まなきゃならない問題があるのではないか。こういうことで、外交交渉は、もういまやこれは政治のレベルでの交渉ということで非常に高い判断のもとに進めにやならぬというこういうことと、国内的には、十数万の方々に対する、また関連しますともっと大きくなると思いますが、対処をもっとがっちりと取り組んでいかなきゃならないと思うのです。そのことについて、外務大臣それから農林大臣、ひとつお答えいただきたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまも福田総理からも御答弁がありましたように、本問題はまことに国益上重大な問題でございますので、これから今後早急に懸命の努力を尽くしまして解決を図りたいと思っております。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 農林省といたしましても、北洋漁業対策室というものを設けまして、水産庁の長官代理佐々木次長をその責任者といたしまして、総合的なこれからのいろいろの国内の対策、対応につきまして万全を期してまいる考えでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 外務省には全国各地からいろんな方々の激励の電報、電話、いろんなものが来ておるということを私ども聞いておるわけですが、世論が非常に喚起されるといいますか、非常に鋭敏になっておるということ、こういうことを私ども聞いておるわけですけれども、それらはどういう電報なり電話なり、また外務省に対してのあれがあるかということをちょっと御説明いただきたいと思うのですが。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 私自身は、終日この予算委員会に入っておりますので、直接なかなか伺えないわけでございますけれども、大変な陳情が来ておりますし、その中では特に漁業関係の問題と、それから広く北方四島関係にわたるものと、この二つの立場からの陳情が大変熱心に行われておるところでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そういう世論をバックにして強力な水産外交をひとつ進めてもらいたいと思うわけであります。  時間もございませんので次に移りますが、国内的な問題としましてはいろんな問題が起きているわけでありますが、時間もありませんので要点だけ申し上げますが、一つは北洋の漁業関係者と沿岸零細漁業者との競合問題とか、ニシン漁業者、また底びき漁業者、こういうものとの競合とか、こういう問題も私どもこれはしっかりしなきゃならぬことだと思います。  さらにまた、これはもう大臣御存じだと思うのでありますが、北海道の羅臼で漁業権の再編成といいますか、八十人ばかりの建て網業者の方々が中心になっておりましたところ、刺し網の方々がまあ零細な方が多いわけで、とても今後はこれじゃだめだということで組合長に刺し網の方がなりまして再編しようじゃないかという、こういうことがまあ国境の町ですからもう敏感にきておる。この前、私が八戸へ行きましたときは、もう漁業法というものを根本的に考えなきゃならない非常に大事なときに来ておる、基本的な問題について。こういうことについては、これは本当に真剣に考えていきませんと、いま二百海里から締め出された方々——日本の歴史の中で、何十年の間、ソ連の二百海里内に日本の漁船が一隻もいないなんということはかつてないことです。それらの方方の立場に立ってみますとこれは大変なことだと思いますし、それと沿岸漁業との関係というものについては相当な抜本的な対策を講じませんといけないと、こう思うのですが、これらのことについてお考えをお伺いしておきます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま藤原さん御指摘の点が非常に重要な問題でございまして、すでに農林省から関係課長を北海道に急派をいたしまして、北洋から引き揚げてまいりました北転船あるいは沖底びき網漁船等の沿岸漁場における操業をもしやるようになりますと、沿岸漁業者との摩擦混乱を起こす心配があるということで、それらにつきましては業界間で知事を立てて混乱を起こさないように万全の指導をいたしておるところでございます。また、ニシン業者等につきまする救済対策等もいろいろいま検討を進めております。とりあえず融資の措置を講じておるところでございます。  なお、羅臼の具体的な問題がお話が出ましたが、これは従来北海道並びに本州でサケ・マスのふ化放流事業をやっておる、その成果が一昨年は七万トン程度の漁獲を上げておるわけであります。それをわずかの定置業者だけがサケの漁獲をしておるということで、一般の刺し網漁業者等零細な諸君がその資源の配分を適正に公平にやるべきだというようなことで羅臼の漁業組合の中でいろいろ紛糾をしているという事態も私はよく承知をいたしております。これらにつきましても今後十分な対策、指導をやってまいる考えでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 それから津軽海峡の尻屋崎沖合のあの周辺の問題でございますが、これは青森県の地方自治体または漁業関係者の方々が、沖合底びきの大型のやつでやられたんじゃもう資源が枯渇するというまあイカを中心にしてのあれですけれども、これはきのうきょう起こったことじゃなくて、北洋から締め出されるということになると当然これは沿岸の方に影響が出てくる最たるものだろうと思うのでありますが、これについては決して影響がないように再検討ということと、適正な規制措置について水産庁が仲に入って話し合いの場をつくってくれという、こういう陳情も来ておるわけですけれども、この間こういう問題があっちこっちに山積すると思うのですけれども、この具体的な問題と今後のこれに類する問題についてどのようにお考えですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いままでも沿岸漁場における漁業調整ということが非常に大事な問題として意を用いてまいったところでございますが、新しい二百海里時代を迎えましてそういう状況が各地に起こる可能性が多分にございます。今後、漁業調整を十分関係漁業者の間で指導しながらやりまして、秩序ある操業を確保するように万全の措置を講じてまいる考えてございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これは真剣に早急にまた講じていただきませんと、問題が起きてからでは、漁民はもうかっかしておりますから、漁業大臣とも言われる鈴木さんですから、その点はもう十分御存じだと思いますけれども。  それから五十一年の一月に行政管理庁が沿岸漁業構造改善事業等の運営に関する行政監察結果に基づく勧告というものを出されておるわけでありますが、これはこれからの沿岸漁業をどうするかという上においては非常に大事な問題だと思うのです。これに対する回答もあるわけでありますが、行政管理庁という役所は、こういう勧告をしたことに対してどういう責任といいますか、勧告をしたものに対して、その後、相手は農林省になると思いますけれども、農林省に対してどういう権限を持ってこういう問題を処理するあれがあるんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 沿岸漁業の振興は重要なことでございますが、どういう方法でやっておるかということを昨年監察をいたしたわけでございます。その結果につきまして、行政管理庁として気づいたところを一応勧告の形で農林省に示しておるわけでございます。しかし、昨年のことでありますから、いま見守っておるところでございまして、勧告が生かされなければ再調査をして再勧告をするということもあり得るわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この前私のところへ説明に来た管理庁の方は、われわれは勧告するけれどもまあ余り権限もないんですという、非常に誇りのない——私は、そんなあんまり権威がないんだったら行政改革というのはまず管理庁から対象にしなきゃならないのじゃないかと、こう言ったのですけれども、やっぱりこれを権威あるものとして、これはもう歴代、福田総理もこの前管理庁長官だったし、また実力第一の西村大臣がなっていらっしゃるわけですから、やっぱり沿岸漁業というのはこれから非常に重要さを増す、しかもこの勧告というのは非常に要を得た、効果が十分に上がっていないぞと、もっとこうあるべきだという鋭い——時間がありませんから一々申し上げられませんけれども、ですから、もっと権威を持って、また職員に対してもそういう誇りを持って、勧告したものに対してはきちっと見守っていくという、こういうことが必要ではないでしょうか。どうですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 法律上の権限といえば勧告をするにとどめるわけでございます。しかし、それだからといって勧告を無視されるというようなことがありますれば、行政管理庁としても、やはりこれは閣内の問題でございますので、十分閣議等におきましてもその目的を達するようにしたいと思います。その他の権限ということになるとどうかしりませんけど、やはり政府部内のことでございますから一応は勧告、しかし、この件につきましては、昨年やったばかりでございますから、結果を見なけりゃちょっとわかりませんが、さように考えておりますから、御了承を願いたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 権限がないなら権限の付されるようなもっと権威あるものに、法律がなってなければ法律を改正するなりして、行政管理庁としてのやっぱり権威というものを高めなければならないと私は思うのです。  この中にいろいろあるのですが、ちょっと気になるところがあるんですが、最近魚もやっぱり病気になる、養殖している魚については。これに対して、病虫害が発生した場合には、動物用医薬品であります薬事法に基づく抗菌剤およそ十種類ぐらいを使ってよろしいということになっているんですが、これは農林省か厚生省か、家畜の飼料の場合については人が使用する抗菌剤はだめだということになっているのですけれども、魚の場合は人間に使う抗菌剤を除外するという運用方針がとられていないのですけれども、これはどうなんですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 魚の場合、魚病対策、魚が病気にかかります場合の対策でございまして、基本的には、水質の汚濁防止、やはり水が汚染されるところに魚の病気も発生するわけでございますので、これが基本的な対策であると私ども考えております。  なお、食品衛生法上許されない薬品を使うというようなことは厳に注意をいたしておるところでございまして、さようなことはないと考えております。  家畜等におきましては、成牛、あるいは鶏の場合におきましても若い鶏の場合には、ある程度飼料にそういう薬剤を使うことがございますけれども、もう大きな成牛といいますか、成畜といいますか、そういう市場に出す時期は、十分考えまして、えさ等に対する使用はそれを中止をさせるようにいたしておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 大臣は御存じないようなんで、抗菌剤のことについてはひとつ勉強して、これは後後弊害が起きないように対策を講じてください。  それから河川や沿岸の汚染のために漁業被害を受けておる。これは四十五年に中間報告を一回したことがあるのですけれども、最近この被害状況については調査したことがございますでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 突然の御質問でもあり、きわめて専門的なことでございますので、事務当局がおりませんが、私は大体養殖、増殖の専門でございまして、魚の病気等については専門家でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 専門家と言ったって質問に答えてくれなきゃ、あなた。魚の病気のときに抗菌剤を使うんですけれども、そういうあまり細かいことですから、事務当局に十分ひとつ、これはやっぱりきちっとすることはしませんと、えさについてはちゃんとなっているんですけれども。  時間ありませんので次に移りますが、やはり沿岸を中心としまして振興策を講ずるというような——日本の水産は、研究所もたくさんありますけれども、もっと大がかりな研究といいますか対策をしなければ、いままでのように前年の何割アップというようなことでは、これはもう全く対策にはならぬのではないか。今度の予算を見ましても、私どもから見ますと、これで二百海里に対処できるのかという、こんな感じがするわけでありますが、もっとこの新しい時代に即応した抜本的なといいますか、大がかりな研究開発、これはもう魚だって巣、魚礁をつくるということはやるんですけれども、魚も何も食べないで生きているわけじゃありませんから、海流、海の栄養分といいますか、こういうものについての十分な考えがなきやならぬ。いま、魚礁だけのことですからね。やっぱり、衣食住じゃないけれども、衣は要らないとしましても、食のことについての考えというのは当然用意しなけりゃならぬ。最近水産庁もいろいろやっているようでありますけれども、この間のことについて本当に真剣な大がかりな相当な予算をつけての研究開発、こういうものに取り組んでもらいたいと思うのですが、どうですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおり、これから沿岸漁場の開発整備、そして資源をふやし、また、進んで栽培漁業等の振興を図る、そういうような観点から、御承知のように、二千億七カ年計画の沿岸漁場開発整備事業というものも実施をいたしておりまして、五十二年度予算におきましても前年度よりも二十数%の予算の増額も図っておるところでございます。しかし、御指摘のように、これから沿岸漁業に依存する度合いというものはさらに一層高まってまいりますので、沿岸漁業の振興、日本列島周辺の資源の積極的な増強、そういう意味におきましては最善の努力をいたしてまいる考えであります。また、栽培研究センター、そういうような科学的、学問的な分野におきましてもいろいろ対策を進めておるところでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 新しい時代ですから、新しい発想で大々的にやらなければいかぬということです。いままでの鈴木さんの経験の範疇じゃいかぬ。  酪農につきましては、やっぱり酪農でもほかのあれでもそうですけれども、限りない規模の拡大に進んでおる。こういうことでやっぱり負債というものが非常に大きな重荷になっておる。金利の負担を軽減するための処置というのは是が非でもこれはしなければならぬと思うのですけれども、どうでしょうか、大臣。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 最近におけるたん白食糧の問題、これが二百海里時代を迎えまして大変厳しくなってきております。それだけに畜産の振興ということが一層重要性を持ってまいるわけでございます。いま畜産あるいは酪農は比較的順調に伸びております。肉牛にいたしましても、あるいは養豚にいたしましても、その他一五、六%の伸びを現在示しておるところでございます。しかし、今後、飼料の安定的な確保の問題、あるいは流通機構の改善の問題、さらにまた、再生産を確保するための価格の問題、そういう点に意を用いまして、先般、五十二年度の食肉の安定帯価格並びに生乳の原料乳の保証価格、そういう問題も業界の御要望に沿うようにということで最善を尽くした次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 大蔵大臣、漁業にしてもそれから酪農にしても、一つの大きな転機を迎え、そしてまた安定的に伸びていると言うけれども、経営者の立場に立ったらこれは大変なんで、鈴木さんは漁業大臣かもしれませんけれども、しかし、まあ岩手の酪農の実態はよくおわかりだと思いますが、頭数がだんだんふえる中で設備投資がどんどんふえる。こういうことで、農林漁業者の金利のことについては大蔵省も本当に真剣になって取り組んでいきませんと、経営の安定というものはなかなかでき得ない。これをひとつしっかりやってくださいよ。どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 大蔵省といたましても、農林金融については今日まで意を用いておるところでございますけれども、今後の農林金融につきましては、農林省ともよく相談をいたしまして遺憾なきを期してまいりたいと、かように考えております。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 今回、肉の価格その他を決めます場合に、負債整理の問題、これはばらつきがございます。非常によく経営なさっておる方もありますし、御指摘のように負債を抱えておる方もございます。そういう方々に対する負債対策として四百億の融資枠を設定し、利子補給等の措置も講じまして、負債対策につきましても熱意を持ってお世話をすることにいたしておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 国際化に対応した農業問題懇談会というのが、東畑精一さんが座長になったこれがあるんですが、五十一年四月、政府に対しまして、若い農林漁業者の育成確保ということと、それから国民のたん白食糧の安定確保という、こういう問題についての提言があるんですが、これは農業にしましても、また漁業——二百海里でこれは減ってもふえることはない。こういう中で動物性たん白質ということから考えますと、いずれも非常に大きな問題を抱える時代に立ち至っている。これは草地造成とかまた輸入配合飼料とかいろいろなことで今日まで輸入飼料等についての対策は講じておりますが、しかし、これは農林サイドということで、また酪農とか漁業とかいうだけのとらえ方ですと、これからの新しい時代には対処できない。やはり食糧という、この提言の中にもございますように、そういう観点の上に立って国民の食糧確保という、こういう観点に立って見なきゃならぬのじゃないか。私ども公明党も、食糧基本法というものを制定して、食糧という観点の上から長期計画、中期計画、短期計画、こういうことできちっとやっていきませんと、草地造成をやってもこれは十分な成果が上がっていないいろいろな実態、これは、きょうは時間がありませんからやりませんけれども、いままでのようにその場その場だけではならぬので、食糧の確保という観点の上に立っての対策を本当にがっちりやらなきゃいかぬ、こう思うのです。今後ひとつがっちりこの提言を受けて、どういうふうに政府としてはお考えになっていらっしゃるのか、今後のあり方について農林大臣に伺って、総理大臣からもひとつお伺いしておきます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 東畑先生のあの審議会から非常に貴重な献策を受けております。それらを踏まえまして、御承知のように、農産物の需要と生産の長期見通しというものを策定をいたしまして、それに対する総合食糧の観点から政策を進めております。また、内閣には国民食糧会議というものも設置いたしまして、広く国民の声を聞き、総合的な食糧政策の展開についての施策をやってまいる考えでございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 長期展望の中で食糧問題というのが非常な重さを増してきたわけであります。そういう認識のもとに、食糧を海外へ依存する度合いの強いわが国としてどういう施策をこれからとるべきかということには私どもは精力を傾けて検討してまいりたいと、かように思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして藤原房雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 安武洋子君。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私、中小企業の問題で御質問いたします。  いま、日本の中小企業は、全事業所数の九九・九%です。製造出荷の額の約五〇%を占めておりますし、小売売上高の八割を占めております。中小企業に働く人は四千万を超えております。中小企業というのは、いまの日本の経済を支えますし、そして国民生活の安定に欠くことのできない重要な位置を占めております。この中小企業が戦後最高の記録でここ三年間倒産を続けているわけです。非常に重大な問題です。大変な状況です。しかし、これに対する政府の予算を見てみますと、一般会計のうちわずか〇・六%の比率です。この比率はここ数年変わっていないわけです。これは軍事費の十分の一にしかすぎないわけです。こんな状態を続けていてよいとは思わないわけですけれども、総理大臣、通産大臣、抜本的に対策を考え直すおつもりはございませんか、お伺いいたします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま、中小企業の方が大変お困りだと。私も胸を痛めておるわけであります。何せ三年以上の不況が続いておる。普通でありますると、半年、一年ぐらいで不況は脱却する、それが常でございますが、今回は、石油ショック、しかも資源有限時代が控えておるというようなことで、三年半に及ぶ不況と、こういうことになって、中小企業と言わず大企業と言わず、かなり疲れが出てきておる。そういうような状態、そういう中で、弱い立場にある中小企業は大変苦しい立場にある、そういうふうに思っておるわけであります。  何よりもこの状態を改善する道は景気全体をよくするということである、そういうふうに考えまして、一生懸命景気浮揚対策を進めておるわけなんでありますが、しかし、それだけで中小企業問題が解決するわけじゃありませんで、予算の面ではなかなか配慮しにくい性格のものでありますが、金融の面におきまして、もうかなりの配慮をいたしておる。つまり、政府関係金融であります。この面では特に配慮いたしておるわけでありますが、とにかくそういういろんなきめの細かい配慮と同時に、それに先立って景気をよくする、これに全力を尽くしていきたい、かように考えております。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のように、一億の国民の中の半数以上が中小企業関係者と申してもよろしいと思うのです。同時にまた、この景気の落ち込みというものが一番しわ寄せを受けておりますのが中小企業でございます。さような関係から申しまして、この中小企業の対策というものは、経済問題であると同時にわが国の重大な社会問題でもございます。そういう点で、政府といたしましては、中小企業に対しまする対策を、あるいは金融の面で、あるいはまた信用補完の面で、あるいはまたきめの細かい行政指導という問題で振興協会等を通じて現場においていろいろとお世話をいたしておるような次第でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いろいろおっしゃいましたけれども、主に金融と行政指導だけ。私は、中小企業は大変重要な地位を占めているにもかかわらず、予算一つを見ても、〇・六%、不十分ではないかと、もっと抜本的にまじめに考えていただかなければならない、こういうふうに申し上げているわけなんです。金融面だけではずいぶんと不足です。  いま中小企業の人が困っているのは、仕事がなくて困っているわけなんです。中小企業の仕事をふやすために、私どもの党は、官公需を五〇%以上は中小企業に回せと、こういうふうに主張してまいりました。法案も近く出しますが、私どもはこういう主張を続けてまいりましたし、三木総理も七十七国会で五〇%に持っていきたいと、こういうふうな御答弁をされております。五十一年度の官公需のうちの中小企業向けの契約目標額、これは三四%です。福田総理大臣にお伺いいたしますけれども、五十二年度はこの目標を引き上げるおつもりはございませんでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 中小企業に対する官公需の発注割合、これは逐次上がってまいりまして、五十年度におきまして実績が出ておりますが、これが三二・六%、そこまで来ておるわけです。そこで、五十一年度においては、これをさらに拡大しようというので、三四%という目標を立てたわけであります。まだその実績がどういうふうになるか出ておりませんけれども、五十一年度よりは五十二年度、新しい年度におきましてはさらにその枠を拡大いたしていきたいと、こういうふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 官公需の中の特定品目とはどういうものか、お答えいただきとうございます。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘の官公需の中の特定品目と申しますのは、これらに関しまする国などの発注計画の情報を中小企業者に提供いたしまするとともに、個々の発注にあたりまして中小企業者がより多く発注の機会に参加できますように配慮すべき特定の品目でございます。これは官公需法に基づきまして国等の契約の方針の一環といたしまして閣議決定をいたしておる中小企業の製品でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 厚生省の白衣も特定品目でございますね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) いまの官公需の特定品目といたしまして、織物とか外衣とか下着類その他の繊維製品、家具、機械、すき紙、印刷潤活油及び事務用品と、こういうふうな八品目でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 その特定品目である厚生省の白衣.ですが、四十九年度、五十年度は、一体どこに発注されましたでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 西武百貨店でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 西武百貨店は大企業のはずです。それだけでもけしからぬのですけれども、私はここに白衣を持ってきました。これが四十九年度、これが五十年度です。これは西武百貨店で西武と書いてございます。これに、韓国縫製品、こういうふうになっておりますれども、なぜ西武に発注したのが韓国縫製品となっているのか、お答えください。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) よくわかりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 厚生省は発注された品を検収なさらないんですか。それで受け取られるのですか。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) もちろん検収は行っておりますが、西武百貨店に発注いたしまして、西武百貨店がまた下請等から購入いたしておる、そういった関係であろうと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、韓国縫製であるということを四十九年度の品物で知りながら、五十年度も厚生省は西武に発注をなさった、こういうことでございますね。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 四十九年度の検収におきまして韓国製ということはわかっておりましたが、五十年度までは一般競争入札を行っておりました関係上、五十年度もやはり同じような結果になっております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 その当時の四十九年度、五十年度の閣議決定ですね、それはどういうふうになっているのですか。中小企業に回さなくてもよいというふうになっているのですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 中小企業に対する官公需の発注につきましては、御承知のとおり、毎年閣議決定をいたしまして基本方針を定めておりますが、このところ、例年中小企業に対する発注の機会を増大するようにという基本方針のもとに具対策を定めております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 方針と違うではありませんか。四十九年度、五十年度当時の日本の繊維業界というのは一体どういうふうな状態であったのか、繊維業界の倒産件数とかあるいは業界の要望、そういうものを交えてお話しいただきとうございます。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 四十九年、五十年当時の繊維業界の景況はどうであったか、こういうお話でございますが、わが国の繊維産業の景況は石油ショックを機に下降に転じまして、四十九年より深刻な不況に陥っております。その後、五十年一——三月期を底にしまして徐々に回復傾向を示してはおりますが、四十九年及び五十年を通じまして中小繊維業界の実態といいますものは、概して言えば深刻な不況にあったということが言えるかと思います。  なお、若干数字的に申し上げますと、生産指数におきまして四十五年を一〇〇といたしまして、四十九年が九九・八、五十年が九三・五というふうな生産指数でございます。  なお、倒産件数につきましては、繊維関係につきましては、四十九年七百七十九件、五十年七百五十六件、こういう状況でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 業界の要望は。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 業界の要望は、もちろん当時不況突破ということで金融対策を初めといたしまして諸般の要望が参っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 要望はそれだけでしょうか。韓国からの逆輸入を規制してくれという要望があり、全国的に運動は広まっておりませんでしたか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 繊維産業全体といたしまして非常に深刻な不況状態でございまして、韓国とは限りませんが、輸入品につきまして何らかの措置がしてほしい、こういう要望はあったわけでございます。私どもといたしましては、ともかく景気全般がよくなりませんと繊維産業はなかなかうまくいかないということもございまして、景気振興に特に期待をいたしたわけでございますが、輸入につきましても抑制方を行政指導はいたしております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 総理大臣にお伺いいたします。  いま言われたように、繊維業界が不況のどん底であえいでいる、そういうときに韓国からの逆輸入を規制してほしいと業者は要望しております。官公需を韓国に持っていっているのです。一方では閣議決定は中小企業に受注の機会を増大をする、こう決めているのです。一体こんなことがあっていいのかどうか、大臣の御所見を伺います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 輸入の規制というのは、なかなかこれはデリケートな問題なんです。うっかりそれをやりますと、今度はわが国の輸出の方が規制を受ける、こういう問題があるので、よほど注意深くやらなければなりませんけれども、御指摘の問題はよく調査いたしまして、不当な点がありますればこれは是正いたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 お答えになっておりません。調べていただくまでもなく、西武に発注したのが韓国製品となっている、韓国に行っていたという事由は明らかなんです。そのことをどうお考えでございましょう。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、総理から申し上げたように、三四・二という官公需につきましては、各省庁別にきめの細かい割り当てをいたしておるわけでございます。省々によりましては、なかなか中小企業向けのものが受けられない省もありまするし、そのウエートを決めていたしまするが、なかんずくただいまのお話のようにこれは日本の中小企業対策としての非常に努力をいたしておる向きのものでございます。これが特にどん底に落ち込んでおりまする繊維業界、しかも逆輸入と申しますか、韓国の方からの輸入品によってこれが充当されておりますということは、これはまことに遺憾なことでございまして、以上のこともよく調べまして、そういうことがないようにいたしたいと存じます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 西武は韓国にどのようなルートで白衣縫製をさせていたのでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) そのルート等については、われわれの方では承知いたしておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 そんないいかげんなことで官公需をお出しになるという政府の姿勢を私は追及したいと思います。  私は調査しました。私の調査ではこういうルートなんです。ごらんになってください。これは、まず厚生省から西武デパートに来ます。それから館林ドレスに行きます。総理のおひざ元ですね、館林。それから伊藤忠商事に来ます。それから韓国に輸出をされて、また伊藤忠商事を経て輸入をされる。そして館林ドレスに現品が行って、ここが西武の代理で、厚生省のここで検収を受けて各地方の国立病院に送られる、こういうことになっているのです。  それから私はここにこの裏づけの資料を持っておりますし、原価の調査表も持っているのです。私の調査では、原価は、看護衣スタンド七分そでと申しますのはこちらの方なんですけれども、これは韓国での単価は八百七十円です。厚生省の仕入れ値は一体幾らですか、お伺いいたします。四十九年度です。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 年度によって違いますし、また型によっても違いますので、代表的なものを申し上げます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 これで言っています。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) それは、そでは……。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いま言いました。七分そでと言いました。看護衣スタンド七分そで。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) スタンドカラーの七分そでについて、四十九年度の購入価格を申し上げますと、千六百六十円でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ、もう一例看護助手、韓国の単価は私の調査では八百二十二円です。この四十九年度の仕入れ価格をおっしゃってください。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) ただいま手元に看護助手の看護衣の価格表を持っておりませんので、お答えいたしかねます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 原価がいまおわかりにならないということですから類推するより仕方がありませんけれども、私の調査ではいずれも倍の価格なんです。このことから考えてまいりますと、大企業に特定品目を発注なさる、西武と伊藤忠がぐるになって官公需を食い物にして大もうけをしているという姿がありありとあるわけです。厚生大臣と通産大臣にお伺いいたしますけれども、こういうことを一体どういうふうにお考えでございましょう。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 四十九年までは確かに一括購入をいたしておりました。しかしながら、先生御指摘のように官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律もございますし、また、中小企業者に関する国等の契約の方針ということも毎年閣議決定をしておるわけでございますから、五十一年度、つまりいまの年度からはそのような一括購入をやめて、それで各地方局ごとに実は契約をすることにいたしました。したがって、五十一年度では三十社程度が参加をするところの一般競争入札を実施をいたしました。したがって、五十一年度は各医務局ごとに発注した結果、縫製業者が十二社、あるいは授産事業を行う社会法人が五カ所等で、実はそういうふうなことのないように本年度から訂正をいたした次第でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 お答えになってないですよ。私の問いのお答えになっていない。私はさっきのものをどう思うかとお尋ねしているのに。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常にまずいことですから直さしたわけであります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 特定品目というのは何も厚生省に限らないわけです。各省庁にあると思いますけれども、韓国に流れたりするようなことはないかどうか、いままで官公需を発注なさって、その後追い調査をなさったことがあるか、実態調査をされたことがあるかどうか、お伺いいたします。  通産大臣と郵政大臣、お答えください。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 官公需につきましては、定期的に関係各省の連絡会議を持ちまして情報の交換をいたしております。それらの結果につきまして、一年の会計が終わりますと集計をなされまして、その集計に基づいて実績の審査をし、それからそれをもとに明年度の目標をいかにするかということについての関係各省の調整を行っている、こういう手続でやっております。

小宮山重四郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小宮山重四郎君) そのような調査をいままでやったことはございません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 やったことがないとおっしゃっていらっしゃる。私おやりになっていらっしゃらないと思いますけれども、官公需についてはもっと慎重にして、私は調査をしていただきたい、こういうことを御要望いたします。  ここで参考人をお願いいたします。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 出席しておりますからどうぞ。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 小曽根さんにお伺いいたします。  小曽根さんは厚生省に白衣を、韓国に出すお手伝いを西武にやらされていたそうですけれども、そのいきさつをお話しいただきとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

小曽根通中株式会社館林ドレス代表取締役

○参考人(小曽根通中君) 昭和四十六年より西武百貨店の系列に入りながら、今年一月十八日、西武百貨店の常識では信じられない仕打ちにより不渡りを出し倒産をいたしました群馬県の館林ドレスの責任者、小曽根通中と申します。  いま安武さんの言われた厚生省の白衣に関しましたいきさつを申し上げます。  厚生省の白衣は、西武百貨店が昭和四十六年より五十年までの五年間にわたって注文を受けたうち、私どもは四十九年、五十年の二回にわたって関係いたしました。  西武は、これを韓国にある子会社に持っていきますと工賃が安くもうけが多いので韓国でつくる計画を立てて、私どもに協力を命じました。  そのやり方の一例を申し上げますと、私どもは、西武より一メーター三百六十八円で生地を買います。それを西武の指示により百二十八円損をして、輸出入の窓口である伊藤忠商事に売るのです。なぜかと申しますと、西武と伊藤忠は、この生地を実際の値段より安く輸出することにおいて製品を安く輸入して関税を逃れるためなのです。そうして伊藤忠の手によって韓国から製品が入ってきますと、西武の指示により安くした分を加算して厚生省に納入いたします。この間の生地の代金、運賃、西武百貨店の人が韓国に行く飛行機代、宿泊料、交際費等、一切私どもの立てかえでございます。そうして私どもで製品検査のため厚生省の役人が来られて検収されますが、その間の毎日二十人ぐらいの従業員の日当も私どもで持ちました。厚生省の白衣は山の中や離れ島の病院にも送らなければなりません。そんな発送経費も、もちろん私どもが支払ったのでございます。それだけではありません。この受注に伴う談合金から西武が厚生省関係の人に渡した商品券の代金まで、私どもが西武に対する売掛金の中から差し引いているのであります。もっとも、この商品券の代金は私どもが強く請求したところ、私どもに、オンワードに対し五十四万円の請求書を書かせ、別な談合金を私どもに送金をさせて埋めるなど、そのやり方は不正きわまるものであります。  これらの厚生省の白衣の仕事のために私どもが立てかえした総額は、何と三億七百二十八万余円を超えております。そうして、いまだにこの立てかえ金のうち四千七百九十七万五千円は支払ってくれておりません。  これらは一例であって、他にも同じようなやり方で同様な損害を受けた者が多数あります。そうして、これらの西武のやり方の積み重ねによって私どもは倒産をしたのであります。  天下の大西武ということを信じ、西武についてこい、そうすればいつか日の目を見せてやると言われ、その言葉を信じ、心から西武に協力して一生懸命やってきたのです。私は、このわれわれ小企業の犠牲によって成り立っている大企業西武百貨店のやり方には、くやしくて仕方がありません。  私は会社の責任者として、社会的責任のためにも、また会社に残ってともに闘っている従業員とその家族のためにも、何とかしなければならない  のであります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまの小曽根さんのお話の中に、関税を安くするというお話が出ております。これは生地代を輸出に当たってわざと安く下げておいて、そして輸入をする、製品をそのときに値段を元に戻す、こういうふうな仕組みになっているわけです。私の手元にその資料がございますけれども、これは関税の脱税の疑いではないでしょうか。大蔵大臣いかがでしょう。調査をしていただけますでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。   一般的に、日本から原材料を外国に対して不当、の安い値段で輸出をいたしまして、この原材料を使って加工品をつくった、その加工品は、原材料一が安いから非常に安いと、それを今度日本へ輸入する場合に、やはり不当に安い値段でもって日本へ入れるということになりますと、これはその際、輸入値段が安いからそこで少ない関税しか、過少の関税しか納められていないというような場合には、これは関税の脱税となることは明らかでございます、一般的には。そういったような場合には、あるいははっきりすれば関税の追徴をするとか、そういうことが行われるということに相なります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ここに西武のつくった資料を私持っておりますから、何ならこれを提供してもよろしゅうございます。ぜひ調査をお願いいたします。  それから、いまのお話の中に、厚生省関係者に西武が商品券を渡していたと、こういう話が出ております。汚職の疑いがあります。厚生大臣、調査をしていただけますでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 早速厳重に調査をいたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 小曽根さんに重ねてお伺いをさせていただきます。  小曽根さんはそれ以外にも西武から被害を受けて倒産なさったと聞いておりますけれども、その事情をお話しください。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 小曽根参考人、先ほどのあなたの答弁は少し長過ぎました。委員会は、たとえば公述人の公述の場合は文書を読むことができるけれども、参考人として答弁を求められた場合はその質問に答えるだけになっておりまするから、文章等は、短い文章であればよろしいけれども、長い文章等は御遠慮していただきたいと思います。  以上御注意申し上げます。

小曽根通中株式会社館林ドレス代表取締役

○参考人(小曽根通中君) 西武百貨店は売り上げノルマがあり、損は出せない、在庫は持てないという方針で、私どもに損の立てかえ金や売れない在庫のものの肩がわりを押しつけるとともに、架空取引をしてくるようになりました。  昭和四十八年、韓国にある西武百貨店の小会社、興陽商事の仕事がないから私どもの仕事を回すようにと言われ、ユニホームの仕事を出したところ、納期はおくれる、製品はC級の粗悪品で、二千八百万円の損害をこうむりました。私は、当然西武百貨店が支払ってくれると思いましたが、伊藤忠商事と半々にて損を埋める、大西武だからこれくらいの金は埋めようと思えばいつでも埋められるが、帳簿上損を出すわけにはいかぬので一時立てかえろと言われ、手形を切りました。売り上げノルマを果たすため、百貨店の売り上げ競争に勝つため架空の売買をやるのですが、私どもの場合には、仕入れ額で実際に西武と取引をした総額は約八千五百万円なのですが、それが何と十九倍に近い十六億一千万円にも化け、取引されたことになっておるのでございます。そればかりか、西武は架空取引に利益を加え、中には五四%も利益を組み込んでいるものすらあり、その利益分だけでも約二億近くになるのでございます。それも私どもの負担になっているのでございます。この架空取引は、西武から買わされ伊藤忠その他に空売りするという形で行われました。こういうやり方は私にとっても信じられないやり方です。このような架空.取引や在庫の押しつけで損をさせられ、また倒産した会社は他にもたくさんございます。  このような理不尽なやり方を私どもが耐え忍んできたのは、西武が常々、大西武の言うとおりにしていれば決して悪いようにはしない、いつか損を取り返させ、よい思いをさせるから、がまんして言うとおりにしろ、と言い続けてきたことを信じていたからなのであります。  そうして、西武の担当役員の責任者がかわって、新しく来た担当者は、前言を翻し、一応正常な取引をしている形をする方がおたくのためにもよいと、架空取引による売掛金の額を私どもの負債として見せるため五億円の公正証書をつくり上げました。それどころか、私どもの持っていた梅原龍三郎、藤田嗣治などの絵画十二点、金額にして三億円を超えるものでございますが、これを西武の新役員に見せ私どもの信用を高めてやろうと言われ、預かり証を書いて持ち去り、それをそのまま前に述べたような債権の担保に組み入れてしまったのであります。  この件につきましては、去年西武も非を認め、立てかえ金、在庫の一部として七千万余のお金を支払っていただきましたが、その程度の金額で済む損ではありません。西武百貨店がお歳暮として取引先に配った洗剤の代金や狂乱物価の思惑外れの卵のパックの材料の余りまで私どもは引き受けさせられているのであります。  大企業にいじめられているのは私どもだけではありません。私はもう再びいままでの業界では仕事はできないことも覚悟して今日ここに参りました。このような横暴が許されてよろしいのでございましょうか。私は、西武百貨店の横暴な商法と引き続き闘ってまいる覚悟でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 お聞きのとおりでございます。大企業の猛烈な中小企業いじめの一例だと私は思うわけです。私は西武側の話も聞きました。しかし、私としてはいま小曽根さんがお話しになったことが真実であろうという確証を深くしております。この点はきょうは時間がございませんので、別の機会に改めて詳しく追及をさせていただきたい、こういうふうに思っておりますけれども、政府として私はやはり調査をしていただかなければならない、善処をしていただかなければならないと思いますけれども、総理大臣いかがでございましょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 政府といたしましても、実情を調査いたしまして、不当な点があれば改めるようにいたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 五十一年度の官公需の発注の仕方については先ほどお話がございましたが、官公需の特定品目につきまして、中小企業の受注の機会を増大するための五十二年度の施策はどうなっておりますでしょうか、お伺いさせていただきます。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 官公需の発注に関する国の方針は、毎会計年度が終わりまして、その実績を集計をし、その結果を踏まえて関係各省と調整をして当該年度の方針を決めると、こういう手続を経ますので、例年大体七月ぐらいに決定を見る運びになっております。したがいまして、具体的内容はこれから詰めてまいるわけでございますが、従来の方針を踏襲しながら、特に官公需適格組合の育成等々の点につきまして力を入れてまいりたいと思っておるところでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 小曽根参考人にお礼を申し上げます。委員長、これでお引き取りいただいて結構でございます。どうもありがとうございました。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 小曽根参考人、御苦労さまでございました。御退席になって結構でございますから。

小曽根通中株式会社館林ドレス代表取締役

○参考人(小曽根通中君) ありがとうございました。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いま五十二年度の施策をお伺いいたしましたけれども、新日本ユニホーム製造・卸協同組合、こういう協同組合の成立の動きを当局は御存じでございますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 御指摘がございましたので、私どもも調査をいたしてみました。お話がございましたように、新日本ユニホーム製造・卸協同組合という組合が設立の準備中でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 目的、構成、わかる範囲でお教えください。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) これは官庁、会社、団体等のユニホームの発注を、個々の中小企業ではなかなか受注が困難なので、これに対処するために共同購買、それから共同受注、共同研究開発等の事業の共同化を行うことを目的としておると聞いております。  参加メンバーとしましては、七社が予定をされておると聞いております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は調査をいたしました。で、この協同組合は、ことしの三月の七日に繊維会館で設立総会、これを開いているんです。その後内部の事情で総会は無効になっておりますが、四月にまた設立をされようと、こういうふうな動きになっております。で、私の調査では、ある業者が証言いたしておりますけれども、この協同組合の設立の段取りをしたのは、これは伊藤忠なんです。当局は御存じですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) その点はまだ聞いておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、さらに調査をいたしております。結成総会の当日の会場申し込み、これは伊藤忠の特需部の特需担当課長の石井さんの名前になっております。この協同組合というのは、官公需の受注から徐々に大企業が締め出されようとする、こういう動きに対応して、そういうふうになってでも自分たちがいままでのように官公需を受けて大もうけをしようと、新しい大企業大独占の対応の仕方なんです。通産大臣、こういうようなことを好ましいとお考えになるでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  もちろん好ましいとは絶対思いません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 こういうふうな大企業の動きといいますのは、ユニホーム、作業服と伊藤忠、こういう関係だけでは私はないと思います。全省庁においても行われている、あるいは行われようとしている、こう考えざるを得ないわけなんです。ですから、私は官公需の洗い直しを全面的にすべきだ、発注についてはもっと慎重にやるべきだ。だから、官公需の発注に当たっては、官公需が大企業の食い物にならないように、中小企業者へ確実に渡るように、こういう私は政府の検討が必要だろうと思いますけれども、総理大臣いかがでございましょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) できるだけさような配慮をいたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 業者婦人の問題について質問させていただきます。  自営業、そして中小零細企業の婦人、いわゆる業者婦人でございますけれども、この問題につきましては、昨年の秋に私は商工委員会で質問をさせていただきました。当時の河本通産大臣も、中小企業庁長官も、日本の中小企業の中で婦人が大きな役割りを果たしている、その人たちが仕事がしやすいようにしなければならないと、こういう御回答をいただいておりますけれども、福田総理大臣、そして田中通産大臣、業者婦人についてはいかがお考えでございましょう。御答弁いただきとうございます。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  今後の婦人向けの施策でございますが、自営業等の小規模零細企業につきましては、婦人が経理や労務管理等の面で大きな役割りを担っておられまして、こうした面での研修とか指導等の希望が強い。また、家事、育児では健康等の管理等の面でも問題を抱えております。五十二年度に可能な範囲で実態等の調査を行いまするとともに、中小零細企業の振興を図りますという立場から今後取り組んでまいりたい。中小企業庁内部におきまして、特に検討を命じておる次第でいざいます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 昨年の私の質問に基づきまして、中小企業庁の計画部振興課、これが当面の業者婦人の対策の部署になっておりますけれども、具体的な婦人に対する施策をもうお立てになったかどうか。  それから、あの質問のときに、業者婦人の実態を調査したいと、このようなことでございましたけれども、実態の調査をなさったか。その後の進捗状況をお伺いいたします。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いわゆる業者婦人の問題につきましては、問題が非常に多岐にわたっております。関係各省、力を合わせてこの問題にも取り組んでいく必要があろうかと思っておる次第でございます。中小企業庁自身としても、やはりこの際問題をじっくり掘り下げて、そして何か適切な対応策はないかということを考えてみたいと思っておるところでございます。この意味におきまして、振興課と御指摘ございましたが、振興課を一つの連絡窓口にしながら、中小企業庁の関係の各課が月に一回の研究会を開きまして、実情のヒヤリングあるいはそれに対する考え方の整理ということをいま進めておるところでございます。  実態の調査につきましては、今年度、五十二年度の予算には当初考えておりませんでしたが、予算のやりくりによって可能な限り調査をいたしたいということでいま研究中でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 業者婦人自身の要求、現在どういう要求をおつかみでございましょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私どもがヒヤリングした範囲内で出された問題を簡単に御披露いたしますと、やはり労働時間が非常に長いという悩みを持っておられます。それから景気が悪いのでなかなか十分なる月給がもらえないとか、これは専従者としての月給を受け取るからそういう悩みが出てきたのかと思います。それから、記帳をやっておるわけですが、病気になった場合にかわりの人がないということをかなり多くの方から指摘をされました。それから、保育所等の整備がほしいというような要望もございました。その他細々したいろいろな要望を聞きました。いろいろな悩みを持っておられるということを理解しておる次第でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 業者婦人の実情といいますのは、いまお聞きの要望もございます。大変政府の早急な対策を必要としていると思うんです。私は、いまここで少し業者婦人の実情をお話ししてみたいと思います。  あるそば屋の赤ちゃんというのは一日じゅう柱にくくられっ放しなんです。それから、子供だけを九州に預けている、こういう東京のお母さんがいるわけです。また、子供を自動車の中に閉じ込めて外からかぎをかける、こういう子守の仕方をしているお母さんもいるんです。また一日じゅう子供にテレビを見せる、テレビに子守をさせる。この子供はどういうふうになるかといいますと、親が働きかけないものですから——子供は大人から話しかけられて初めて言葉を覚えていく、知能が発達するんです。だけれど、この子は二歳になっても口をきかない。お医者さんに連れていきますと、知能指数がおくれているんじゃないんだ、それは親が働きかけないから親が悪いんだ、こう言われて泣いているお母さんもいるわけです。どのお母さんだって自分の子供は構いたいんです。でも、仕立て屋さんでは針があります。アイロンがあるわけです。飲食店では包丁があるんです。油が煮えたぎっているんです。そんなところによっちよっち出てこられては危なくって、危険で仕方がないんです。あるお母さんは、外へ出なさい外へ出なさい、子供にこう言うので子供が外へ出て遊ぶ。そのたびに自動車のブレーキがきしんだらお母さんはびっくりして飛び出す。子供は、ふだん親に構ってもらえないので、それがおもしろくって、親に構ってもらいたいと自動車をとめる遊びを覚えたんです。近所の人たちはその子供を見て、この子供は大きくなるまで満足に育たないよと、こう言われている、こういうふうな状態があるんです。でも、このお母さんが子供を保育所に入れたい、こう思っても、在宅扱い、なかなか入れてもらえない実情があるんです。私思いますけれども、いま保育所が欲しい、こういう要求というのは、お母さんや子供の願いだけではなくって、中小企業を支える中小企業問題そのものだ、  こういうふうに思うんですけれども、こういう認識を総理大臣お持ちいただけるでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘の労働婦人といいますか、零細企業の中での御婦人の立場というものは、大変これはむずかしい、また御苦労の多  い役割りじゃないか、そういうふうに思います。その御婦人が安心して仕事ができるように、とにかく、子供の世話までしながら働くというのですから、これは大変なことじゃないかと、こういうふうに思いますが、まあ気をつけてまいりたいと、かように思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 最後が聞こえなかったのですが……。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 最後が聞こえなかったようですが、政府といたしましても気をつけてまいりたいと、こう申してお話ししたわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 厚生大臣にお伺いいたしますけれども、業者婦人の子供も差別なく保育所に入れるように努力をしていただけますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生御承知のように、自営業者の婦人が、そのうちの中で働いておって家事以外の労働に従事をすると、そのために子供の保育ができないと、こういうような場合には保育所に入所することができます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 お答えにならない。こういう業者婦人の子供は、お母さんが家にいるから背中があいているじゃないか、手があいているじゃないか、足があいているじゃないか。現実問題としては、保育所では表面差別はしていないと、こういうふうになっていますけれども、現実は在宅扱いということで入りにくいから、業者婦人の子供も差別なく入れるように厚生大臣としては努力をしていただけますかと、私はこう御質問を申し上げております。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは当然努力をいたしますし、現実にそれはうちで手がないと、使用人もいないと、おばあちゃんもいないと、大きなお姉さんもいないというような場合には、当然それは保育所に入れることができるようになっているわけですから、それはもちろん努力もしておるし、現実に保育所では預かっておるわけです。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 答弁がすれ違うのですけれども、現実がそうなってないから努力をしていただけますかと、しぶといですけれども、もう一度お答えください。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはいままでも努力をしていますし、今後も努力します。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 業者婦人といいますのは、血みどろになって、朝早くから晩遅くまで夫とともに働いているわけなんです。そうして営業を支えているわけなんです。だのに、税制の問題なんですけれども、白色申告の場合、自家労賃、これが認められていないわけなんです。で、昨年秋、私質問しましたときにこのことを申し上げましたら、中小企業庁の長官は、かねがね問題がある、こういうふうに思っていたので検討したい、こういう御答弁をしてくださいましたけれども、その後どういうふうになっておりますでしょうか、お伺いいたします。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私どもは、まず実態をよく調べてみたいと思っております。また来年度の予算要求の段階におきまして、大蔵省とも折衝いたしたいと思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、白色、青色の区別なんかしないで、自家労賃を認めるべきだと思いますけれども、いかがお考えでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。  いまの御質問は、家族従業者についての税の扱いを改めろと、こういうことのように承ります。御承知のとおり、家族従業者に対する税の扱いは、青色の場合と白色の場合とで違います。で、青色の場合には、これはほかの諸般の経費とともに、その従業者の給与的な経費というものが帳面に出てきておりますから、これははっきりいたしますので、税務経理といたしましては給与扱いにこれをいたしておりますが、白色の場合には帳面も何もないと、無理もないと思います、大変忙しい場合にですね、一々帳面つけるということ、大変むずかしいことだと思いますけれども、税をいただく方といたしましても、まあ全然何にもわからないということでは、これはやっぱり一括いたしまして、四十万円でしたかね、そういったようなものを専従者控除ということで税金から引いておりますが、でき得る限りはひとつ帳面をつけていただいて青色になっていただければ、これが給与扱いと、こういうことに相なる次第でございますが、どうぞひとつそういうふうにお願い——なお、これが大変忙しい、本当に忙しいということも私もわからぬじゃございません。そこらのところはよくこれから検討をしてまいりたいと思いますが、でき得べくんばひとつ青色申告ということで、帳面をつけていただくということで直ちに給与扱いということに相なりますから、どうぞさようにひとつお願い申したいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私がいま申し上げた業者婦人の実態に合わないわけなんです。帳面をつける暇なんてとってもないと。だから、中小企業庁の長官がおっしゃいましたけれども、これはやはり青色と白色と区別するのは問題があるんじゃなかろうかと考えるのは常識なんです。そういう検討、お始めになる気持ちはございませんのですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 税をいただく方と税を納めていただく方との立場もございまして、もうどうでもいいからひとつ青色と同じようにということになるということも、これはちょっと不公正になろうと、そういうようなことも考えられますので、ひとつまあ簡単で結構でございますが、ひとつ帳面をつくっていただければ非常に——余り、どうでも基準も何にもなしにこれを青色と同じようにするということが、これまた私は税の公正を実現するゆえんではないと、かように考えますので、そこのところ大変むずかしいところだと思いますけれども、私どもも大いに考えますけれども、ひとつ考えていただきたいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大いに考えるとおっしゃっているので、考えることに期待をして、じゃそれなら、せめて専従者控除四十万円なんです。物価はうんと上がっているんですけれども、この専従者控除を私は引き上げるべきだと、こういうふうに思いますけれども、いかがでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 家族専従者の中には、私は千態万様の姿があろうと思うんですよ。だから、いまおっしゃいました料理屋の奥さんですね、それが本当に、油なべがたぎっておるし、包丁があるしといったようなこともありますし、またそこまではいかないというようなところもありましょうし、そういうことを考えますと、何とかそこいらにどういったような程度の——これは一括でございますからね、そういうのを一々調べまして税の扱いをするということが、すなわち青色申告の趣旨なんでございますが、そこでどうしても、ある人に対しましては、これは四十万円でもまあまあというのもありましょうし、それから四十万円はそれはとてもだめだと、五十万円、六十万円ということでなければ困るとおっしゃる方ももちろんあろうと思いますけれども、一括いたしまして、やはりまあまあそのちょうど中ほどといいますか、中庸と申しますか、そういったようなところに落ちつかなければならないというようなことでございますので、そういったことにつきましては、私先ほども申し上げましたとおり、これはひとつ今後も考えていかなければならない、こういうふうに申し上げたわけであります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 国内行動計画に、自営業に従事する婦人に対する方針、これが書かれておるわけですけれども、どういうふうな方針でしょうか、ちょっとお読みいただきとうございます。

久保田眞苗総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(久保田眞苗君) 国内行動計画の中に業者婦人について出ておりますところは、まず第一に、「法制上の婦人の地位の向上」におきまして「家庭生活の健全な維持に対する婦人の寄与と家業における婦人の労働の経済的価値を法律上も正しく評価するため、引き続き、民法等関係法令の再検討を」行い、「法的に認められた諸権利が確実かつ容易に実現されるような制度ないし手続きの整備について所要の改正を検討する。」ということで、法制上の検討を約束しております。また、婦人の諸分野への参加の条項におきまして、特に家内労働と自営業に関する一条項を設けまして、「家内労働や自営業に従事する婦人の就労条件の整備を図る。」といたしまして、この中に家内労働につきましては、「最低工賃の決定」「家内労働手帳の普及、安全衛生の確保」その他「内職就業に必要な相談、斡旋等の対策」、また自営業に従事する婦人に関しましては、「職業、健康その他生活に必要な知識・技能の向上、家事負担の軽減等に必要な施策の拡充」と、また特に母性及び健康の増進につきまして、これは地域保健の整備というところで掲げておりまして、「家業に従事する婦人」等「組織的な健康管理の対象となっていない者の健康の維持、増進に特に配慮する。」、このため成人病その他必要な検診等の事業で健康対策に留意いたしますとともに、地域の体育活動、あるいは栄養改善活動その他健康対策を地域的に推進するということで、特に自営業について言及しております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 自営業に従事する婦人に関しまして、「職業、健康その他生活に必要な知識・技能の向上、家事負担の軽減等に必要な施策の拡充を図る。」となっているんですね。ですけれども、まだ施策すら立っていないんです。それどころか、私はけしからぬと思いますのは、労働省の婦人少年局の業者婦人の懇談会や講座の予算、これを削減してしまっている。これは大変私は遺憾だと思います。検討事項は業者婦人については山積みなんです。だから、私はどうしても業者婦人の対策部署というのを充実していただかなければならない。いまの振興課ではなくって、私は、独立した業者婦人に責任の持てる部署、これをつくるべきだというふうに思いますし、そこに婦人の専門官、担当官を登用すべきだと、こういうふうに思いますけれども、総理大臣いかがでございますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) まあ厳格に所管で言いますと、私どもの方でお預かりをしておる範囲は、いわゆる雇われておる人及びエンプロイヤーに限られるわけで、自営業の婦人は私どもの直接の所管とは言えないかもしれませんけれども、しかし私どもの方では、今度は別の面、いわゆる労働という面からとらえまして、自営業で働いているいわゆる家族の方々の場合は、一般的に言って就業時間が非常に長い、それから育児、家事の負担が重い。それから、そういう業態でありますから、先ほど読み上げたように知識その他の程度が低いわけで、そのほかにやはり育児、家事、職業、そういうようなものについての配慮指導が必要である、そういうふうなとらえ方をいたしておるわけでございます。  まあ基本的に言えば、託児所をできるだけふやして、そうして家事負担から逃れるようにしてもらう。あるいは健康管理、これは人を雇っておりますところには強制的に健康診断はいたしますが、そうでない場合はこれは強制力を持っておりませんので、この健康管理を推進するというような方法を講じなきゃならぬと、こう考えております。そういう方向に向けて婦人少年局の努力を促しているところであります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私の提起した問題を正確に政府はつかまえてくださっておりません。業者婦人に対して、中小企業庁の中の計画部振興課が業者婦人の問題について責任部署だと、こういうことで一応設立されているわけなんです。しかし、これでは業者婦人の問題、先ほど私が申しましたように、保育所の問題一つにしてもたくさん問題がある、業者婦人特有の問題たくさんあるわけなんです。税制の問題も大蔵大臣にお伺いいたしましたけれども、そういう業者婦人に責任を持つ部署としては、私は中小企業庁の中に独立した部署を設けるべきだと、そこに婦人の担当官を設置すべきだ、こういう提言を福田総理大臣にいたしております。総理大臣いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私、いまその問題の機構としての仕組みがどうなっているか、仕組みの詳しいことを承知しておりません。よく調査をいたしまして、欠陥があるというのでありますれば、これを整備するということにいたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 政府の中の機構をいまから調査しなければわからないでは困るんです。それほど業者婦人の問題が私はなおざりにされてきた、そういう実態のあらわれだろうと思うわけですけれども、まず予算をつけてください。そして独立した部署を設けて、差別をされ続けてきた婦人をそこに登用していただきたい、重ねて要望いたしますが、いかがでございますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 業者婦人の問題につきましては、先ほどもお話しいたしましたように、中小企業庁の関係課が連絡会を持ってお互いの部署、部署の知恵を持ち寄って、いまどういう問題を、どう問題にして取り組むべきかということを勉強いたしております最中でございます。その結果を待って機構をどうするかということを考えるのが順序ではないかと思っておるところでございます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。山中郁子君。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 国内行動計画の問題について関連して質問いたします。  これは、御承知のように業者婦人の問題でいま質疑が行われておりますけれども、婦人のすべての問題にかかわる分野を持っております。そこで、私は国内行動計画の中でも、婦人のあらゆる分野への進出の第一の項目として、「政策決定への参加」ということを政府も挙げておりますし、審議会等への婦人の進出を促進するということを提起しております。で、この問題につきまして、一昨年の国際婦人年メキシコ世界会議に政府の首席代表として出席された藤田たきさんが、「婦人と年少者」という雑誌に、諸外国における政策決定分野への婦人の進出の状況を述べながら、このように言われております。「それにつけても日本の貧弱さは悲しいかぎりだ。もちろん政策決定の機関やポストヘの進出のみで、女性の地位向上の凡てではない。しかしそれが一つのバロメーターであることはたしかである。」、私も全く同感なんですけれども、日本における状況はどうかといいますと、政府も事務次官会議で、審議会委員改選期には女性委員を積極的に採用するよう、昨年五十一年二月に打ち合わせをしておりますが、その後半年たった時点でどのような変化が起こっているかということを政府で調べてもらいましたら、たった十三人増加しているだけ。で、省庁別に見ますと減っているところもあるんです。この総数は全体のわずか二・六%です。実際にこういう打ち合わせをしても何にも実効が上がっていないと言って言い過ぎではないと思います。婦人は人口の半数以上を占める、私は機械的にだから半分婦人にしろとか、婦人でありさえすればだれでもいいとか、そういうことを言うつもりはありませんけれども、もっと内容を伴った実質的な指導を徹底させていただきたい、そのような指導を図っていただきたい、このことをまず総理大臣にお約束をいただきたいと思うんです。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいまおっしゃるとおりの二・六%という数字でございますが、その後はふえておると思います。この間も、対外経済協力審議会にいままで婦人の方は審議委員になっておりませんでした。ちょうど任期が参りましたので新しく登用するということに決定いたしましたし、また、いまこれはまだ内部の打ち合わせではございますが、ここ五年の間に、いま現在、審議会の委員の数というのは二十名ないし三十名、多いところで四十名というのがございますけれども、大体そういうところが多いんですが、その一割、二名ないし三名、これは婦人の方々を登用したらいかがかということの相談をいたしております。  国内行動計画が、本年の二月一日にああいうぐあいに発表されてまだ一カ月、二カ月というふうな段階でございますので、おいおいといまそういうふうなことは整備されつつある。国内行動計画の線に沿って、政策決定の場に婦人を大いに参加していただこうということをやっております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 事務次官会議の打ち合わせは昨年の一月に行われたということを指摘しておきたいと思います。  関連いたしまして、国家公務員への婦人の登用、これも同じく国内行動計画で提起をされております。で、ぜひとも総理大臣に思い出していただきたいのですけれども、一昨年の予算委員会、同じこの場所で、私は当時副総理であった福田さんにこの問題について提起をいたしました。そして、婦人をもっと差別なしに国家公務員のあらゆる分野に登用するということを約束していただきました。しかし、その後、現在調べてみますと、九職種あったうち、つまり婦人の受験が阻害されていた九職種あったうち、その後改善されたのはただ一つです。行政事務職Bだけです。ですから、このことについても、その後労働省からも人事院に対してかなり厳しい姿勢でこの門戸を開放するようにという政府自身としての提起もあったわけです。ですから、これはぜひとも、先ほどの審議会の登用の問題とあわせて福田総理大臣に早急にこれを改善していただくことを約束していただきたいと思います。現在は、最高の権限と、それから責任をお持ちになる総理大臣ですから、よりそれは早くやっていただけるものと私どもは期待をしておりますが、総理大臣からぜひお答えをいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 公務員に婦人が登用されるという道が閉ざされておる分野があるんです。これは逐次改善をしたい、こういうふうに考えておりまして、税務職員のことなんかいま相談が行われておりますが、お話しの筋はごもっともでありますので推進いたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 商工中金の拘束預金について御質問いたします。  先日、私どもの沓脱議員が、商工中金の拘束預金の実態を資料に基づいて指摘をいたしました。調査のお約束をいただいておりますけれども、その調査結果はどうなったか御報告いただきとうございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 先般、沓脱議員から御要望がございましたことにつきましては、その後調査をいたしておりますが、まだ完了というわけにはまいりませんが、今日までのいきさつにつきまして政府委員からお答えさせます。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) ただいま大臣から申し上げましたように、調査を継続中でございますが、今日までのところを御報告いたします。  一つの点は、商工中金の内部で使っておりました貸付・預金連絡票、こういう様式の使い方についてでございます。この票は、内部で資金繰りを見るため、あるいは中小企業関係の諸制度に取引先の方が入っていただくことを見るため等々の目的で使われておったようでございますけれども、その中の記載の仕方、使われ方等につきましては、若干御指摘のような不穏当なところがあったように存じました。ただ、この様式は、商工中金におきましても内部でいろいろ批判もあったようでございまして、ことしの一月にこれを使うことを廃止をいたしております。  そこで、次は拘束預金の方でございますが、この拘束預金につきましては、まず、ただいま申し上げました連絡票の方から調査をいたしました。この連絡票が廃止されておりますので、現在残っておりましたものが二千五百件ほどでございましたが、それについて調査をいたしましたところ、やはり今後の取引予定等の預金に関する記載などにつきまして不穏当と思われるものが確かにございました。これは内部の調査のほかに、私どももサンプル的に、参りまして確認をいたしたのでございますが、そのやや不穏当と思われる記載の関係で預金を受け入れておりましたものが六十六件ございました。したがいまして、このものにつきまして、これが本当に債務者の任意に行われたものか、あるいは拘束的なことでやったのかということを具体的に当たってまいっております。そうしまして、やはり、どうもただいま問題となっておりますにらみ預金に当たるという疑いのあるものが若干ございまして、これは直ちに整理をすることにいたしておりますが、なお引き続き具体的な調査を続けております。数は六十六件でございますが、各支店にまたがっておるものでございますから、本部から参りまして調査をいたす、こういうことにいたしております。  それから、なお、この連絡票ばかりではなくて、商工中金の受け入れております債務者からの預金全体につきまして、やはり、にらみ預金その他の不穏当のことがあるかないかを全部調査をしよう、こういうことで、いまその調査を実施をいたしておるところでございます。ただ、全部を調査をいたしますと、なおまだ少々時間を要するかと思います。現段階ではそういう状況でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 確認をいたしますけれども、にらみ預金的なものがあったということでございますね。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) にらみ預金的な疑いを持ったものがございまして、これは五件ございまして、これは直ちに整理をいたしました。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私の調査でも、またこれだけ新しいのが出てきております。ひとつ資料をお見せしたいと思います。資料の一をごらんください。貸し出しが一千万になっております。スクラム——これは積立定期なんです。十万円十回確約、確約をしているんですね。一千万円を貸す条件として、十万円十回を確約し、拘束した、こういう事実がこれで明らかです。資料の二をごらんください。貸出金額三千万、五千万、こうなっております。今後の取引予定のところをごらんください。普通定期一五から二〇%、積立定期毎月三十万、こうなっております。これは明らかに貸出金額によってパーセンテージを決めている、預金を強制している証拠なんです。これが貸出稟議書について決裁に回っていくと、関係者がそう証言いたしております。ですから、拘束預金がないといっても拘束預金があるということは明らかなわけなんです。  そうして、私どもにも、沓脱質問の後にお手紙も参っております。実情はもっともっとひどいものだと。この中で、退職行員を天下り的に使ってくれとか、会社名義だけでは限度があるので、従業員とか家族とか、親戚とか友人とか、そういう個人名でも預金をさす、こういういろんな条件がついている。取り調べてもらえば町の高利貸しそこのけの悪らつさがわかるはずです。こういうふうになっております。こういうふうなことについては、総理大臣、大蔵大臣、どう措置をなさいますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 大臣御答弁の前に御説明さしていただきたいと思いますが、ただいま御指摘のような、こういう点につきまして、これが不当に拘束をしたものか、あるいは債務者側が自発的にしたものかということを、個別案件全部につきまして詳細にただいま調べておるところでございます。不当なものにつきましては、先ほど申し上げましたように、途中段階でございますが、そういう疑いがございますれば即刻整理をする、こういうことにいたしております。  なお、今後につきましていろいろいま御指摘もございましたが、要するに、債務者の意に反して過当なことを強制する、こういうことはやめさせなければいけない、こういう基本的な考えのもとに指導をしてまいりたい、こう考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大蔵省の銀行局の五十一年十一月十八日付ですね、「歩積・両建預金の自粛の強化について」、この通達は商工中金にも実施をさせますね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) もちろん商工中金にもそれは適用されるということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、中身についてお伺いいたしますけれども、この通達で、「債務者の手元に預金証書がある場合は、当該預金はこれを非拘束性貯金として取扱う。」、こうなっておりますけれども、商工中金の場合もこのとおりに実行させますでしょうか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) ただいま御指摘の点は、にらみ預金というような不分明のものを排除したいということで、手続的にも私ども具体的な方法を指示したものでございます。したがいまして、商工中金も含めまして、全金融機関につきまして、これはそうやっていただくと、こういう考えであります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ではいつでも引き出せるんですね。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) いま御指摘のような、手元に預金証書があると、こういうものにつきましては拘束をしない。いつでも債務者自身によって引き出せる、こういう扱いにいたしたい、こう思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ債務者が預金を引き出した場合、次の融資を受ける、こういうことが困難になる心配があるわけですけれども、それはどういうふうに具体的な措置をおとりになりますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 今回の措置は、そういうようなことでにらみをつけておる、金融機関側が債務者をにらんでおって、その自由な行動をさせないということをやめさせるためのものでございます。したがいまして、引き出したからといって、後から、何と申しますか、不当な圧力を加えるというようなことは、これは厳にやめるように指導してまいるつもりでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大変心配が強いので、具体的にどういうふうに措置をおとりになりますか、通達でもお出しになりますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 十一月に出しました通達がそういうことを指示したものでございます。したがいまして、今後は具体的にその実行状況を監視しながら指導してまいりたい、こう思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 通達には、事実上拘束されている預金の整理について方針が書かれているわけですけれども、すでに拘束された商工中金に預金している業者についてはどういうふうになさいますか。相殺または拘束の解除をされますか。それから、拘束されている預金について金利の軽減措置を行われますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 御指摘のように、にらみ預金等のものは直ちに解除をさせる。ただ、現実に担保にとらなければいけないと、こういうようなものは正式に担保にとると。ただし、その場合には、必ず金利につきまして従来ございます金利措置を適用すると、こういうことで、つまり貸出金利を下げる、こういうことでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 商工中金の主要資金に占める政府資金の割合、これは昭和三十年、昭和四十年、それから最近、一体どれくらいになっているかをお示しいただきとうございます。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 商工中金の資金の中で、政府出資の額を申し上げますと、三十年のときに政府出資が三億七千万でございまして、総資金量に占めます割合は〇・五%でございました。それから四十年三月、これは政府出資が百七億円でございました。二・三%でございます。それから現在、これは二月の数字でございますが、政府出資が四百四億円、パーセンテージは〇・九%でございます。  なお、政府資金の中に商工債券を政府で保有しておるものがございます。それが、昨年九月末現在でございますが、大体六千三百億、これが政府が引き受けております商工債券でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私、ここに商工中金の資料を持ってきておりますけれども、この資料によりますと、昭和三十年、これは政府資金依存度推移で載っておりますけれども、政府資金は、昭和三十年には二九・七%、四十年には二一・七%、五十一年には一六・二%、こうなっておりますけれども、この数字はいかがでしょうか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 数字は先生御指摘のとおりでございます。先ほど私がパーセンテージを申し上げましたが、政府出資を申し上げましたので、政府が引き受けております商工債券の、額を入れますと、先生の御指摘のパーセンテージでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 政府は、政府系金融機関、こう言いながら、私は政府の援助が大変低下していると、こういうことを指摘申し上げとうございます。商工中金が拘束預金をしてはならない、これはあたりまえのことなんですけれども、拘束預金をしなければ資金が確保できないというふうな状態に置かれているということでは、幾ら政府が拘束預金をおやめなさいと言ってもだめなわけなんです。私は、もっと政府の出資の率を上げるべきだ、そして商工中金に対して拘束預金をしなくてもいいように出資をして援助をすべきだと、こう思いますが、総理大臣、大蔵大臣、いかがでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申し上げます。  従来からも政府三機関に対しましてはずいぶん力を入れてまいりましたけれども、いま非常に財政の苦しい折からですね、最高限のことをやっておるつもりでございますが、御指摘もありますし、今後大いに、さらにひとつ考えてまいりたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大蔵大臣と同じ気持ちでおります。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして安武洋子君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後零時五十五分まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      —————・—————    午後一時開会

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題といたします。  それでは、これより質疑に入ります。中村利次君。

中村利次民社党

○中村利次君 私は、昭和五十二年度の予算を中心として政策の全般にわたって質問をいたしますが、その前に、まず冒頭に日ソ漁業交渉に絡む現状について、これはもうきわめて重大にして喫緊な問題だと思いますので質問をいたします。  私どもは、きょう総理の特使として官房長官が、また国会からは超党派の議員団が派遣される。十一時の飛行機に乗られるというぐあいに受け取っていましたところが、これが行けなくなった。どうも私どもから考えますと、まさに何ともこれはたとえようのない理不尽なやり方だと思いますよ。どういう理由があろうとも、少なくとも総理、あなたはこれは、日本国の政府が私はやっぱりこれは侮辱をされたと受け取るべきではないのか、あるいは日本の国会も同じように侮辱をされたということになるのか。そこら辺をどう政府は受け取られて、これに対してどう対処をしようとしておられるのか。対処の仕方を含めて総理の決意をお伺いをいたします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今回のことは、もう大変これは私は残念だと思います。私の特使が行くというんですからすぐビザが出るであろう、こういうふうに思っておったんですが、どうも展望によりますと、土曜、日曜だからビザは出さぬ、来週相談をする、こういうようなことで非常に遺憾に存じます。しかし、そういう事態ではございまするけれども、わが国といたしましては、そこで騒ぎ回るとかなんとかいたしません。泰然として、かつ毅然としてこれに対処する、こういう決意でございます。非常にいま漁民の人なんか、もう本当にこの交渉の成り行きを見守っておる。私は本当に漁民の人の心中を考えまするときに、私の胸もまた痛むんです。また、わが国の国益を考えるとき、これは非常に重大な問題でありまするから、とにかく堂々と交渉をする、こういう決意でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 関連。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。向井長年君。

向井長年民社党

○向井長年君 いま総理から答弁がございましたが、私は、特に外交問題の基本について総理に意見をただしたいと思いますが、内政問題については、それぞれ各国民の考え方あるいはまた各政党の政策、主張というものがあると思います。しかしながら、事外交については少なくとも国益、いま総理が、言われた国益あるいはまた国民の利益と申しますか、こういう中から外交問題は対処しなきゃならぬ、これは私基本だと思うのです。これは家庭においても家庭の内部でいざこざがある。しかしそれは外へ出したくない。外に出すのは、やっぱり一個の一つの考え方としてすべておつき合いしておると思います。同じことだと思うのですよ、国と国の間は。そういう立場から、今回の問題については少なくとも各政党も皆一致いたしておりますし国民も一致しておると思いますが、最近の言葉で言うならば一枚岩というのですか、この形でやはりぶち当たらなきゃならぬ。すべて外交問題はそうでなければならぬと思うのです。特にその観点から脅えますならば、今回の日ソ漁業問題の問題も一つ。先般総理がアメリカに参られてカーター政権といろいろと会合をされた。そういう中で重要課題もあります。特にその中で緊急問題は核サイクルの再処理問題、これもエネルギーの大きな問題でありましょう。こういう問題については、少なくとも私は国の一致した意見として処理しなければ相手側も信用しないと思う。そういう立場から私は外交問題をとらえなければならぬ、こう思っておるわけであります。  そこで、この日ソ漁業問題については、言うまでもなく、これは一方的かつ理不尽な態度で暫定協定もできない、取り決めができない、こういう結果になって、期限内に合意ができないから、この問題については総理は特使と申しますか、親書を持って園田官房長官を派遣する、訪ソさす、あわせて国会決議に基づいて、両院の決議に基づいて各党代表が、議員団が訪ソを予定して、恐らくきょうは十一時に出発する予定だったと思います。ところがソ連の都合と申しますか、ソ連の一方的な理由によってこれが今日拒否されている。ビザがおりない。まことにこれは私は非常識きわまる。午前中の外務大臣の答弁を聞きますと、ソ連の都合がまだ十分相談できないから、検討できないからと、こういうお話でございますが、少なくとも儀礼的にも日本の政府なりあるいは国会代表の意見を聞いて、それから検討して、その後農林大臣が具体的な詰めの派遣もされると言っておるんだから会ってしかるべきではないか、こういう感じで、私はこの問題をまことに無礼千万ではないかという感じを、いま中村議員も言われましたが、私は痛感いたしております。  そこで、私はこの問題について、国内はもちろん、われわれは国際世論にも訴えつつこれは不退転の決意で解決しなきゃならぬ問題だと思います。生半尺な妥協は許されてはならぬと思います。そういう立場で私は政府に強くこれは要望いたしたいのであります。  そこで、この解決はある程度長期にわたると思います。見通しとしましては、ある程度の長期にわたる。二百海里専管水域が決定されても漁業協定は存続しているのが、いま当然でしょう。そうなるとなりますならば、今後、漁獲量のこの交渉というものは少なくとも条約に基づいてやらなきやならぬ。こういう結果になりますから、この問題については先ほど申しましたその決意のもとに進めていただきたい。あわせて、その間の漁業関係者の言うならば損害というものが出てくるわけであります。一方、政府の考え方は、何かニシンだけというようなことを考えておるようでありますけれども、そうではない。仕込みの問題もあれば、あるいはそこで働く漁民の労働者の問題もある。この損害に対して私は万全を期さなきゃならぬと思う。これに対して政府はどういう考え方を持っているか、これを私はお聞きいたしたい。これは総理だけじゃありません。農林大臣にもお聞きいたしたい。  まあ、言うならば福田内閣が誕生されてまだ日が浅いわけでありますが、冒頭から難関にぶつかっております。いま漁業問題、あるいはアメリカとの関係の問題、こういう問題を脅えてきたときには、私は、いま中村議員も言われましたように、一つには、日ソ漁業問題については私はわが日本をなめておるのじゃないか、こういう感じがいたします。また、アメリカのあの毎処理問題を見ましても、これは日本が借用されていない。非核三原則があり、そしてやはり平和利用である、今後のエネルギー問題であるということを主張されているにもかかわらず、これがどうも危険視されておる、拡散防止の意味から危険視されている、こういう感じがしてならない。総理、こういう問題に対しては自信を持って、国民的視野に立って私は重大な決意のもとに進めていただきたい。これを、私は要望とあわせて質問いたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今回の日ソ漁業交渉につきまして、もう超党派で政府を支持すると、私は感激にたえません。その挙党的な支持を踏んまえまして国益をあくまでも貫き通すという、まあ毅然たる態度でこの交渉を終わらせたいと、こういうふうに考えております。本当に御協力のほどを感謝いたします。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いまの日ソ交渉におきまして、二、三お答えを申しておきたいと思います。  一つは、ただいまの御発言の中で、現在日ソ漁業条約が存在するのであるから、これが生きている限りにおいては十分漁獲量の話し合いさえつけば操業はできるのではないかと、こういう御質問でございますが、この日ソ漁業条約には附属書がついておりまして、その附属書には日ソ漁業条約の対象魚種というものが明記されております。その対象魚種は、御承知のようにサケ・マスとニシンということになっております。その他の魚種は日ソ漁業条約の対象魚種になっていないということが、これが一つ重要な問題でございます。したがいまして、私どもは筋を通しまして、この日ソ漁業条約に基づくところのサケ・マス及びニシンは、約束どおり東京で三月十五日から交渉する。その海域は、領海の外北西太平洋の公海上のすべての海域についての漁獲量並びに漁業の方法、条件等を協議するものであると、こういう筋を通して交渉をやってきたわけでございます。しかるにソ側は、今回ソ連の二百海里水域というものを設定をした、それに対する主権的権利を行使するということで、公海上のものだけを対象にして交渉に応ずると、こういうことが一つの争点になりまして、現在残念ながら休憩というような事態に相なっておるところでございます。  一方、その他の魚種につきましては、モスクワにおいて代表団を送りまして交渉をいたしておるわけでございますが、適用の海域につきまして、私とイシコフ大臣の間で協議されましたところの、そして交換公文に明記されておりますような海域をそのまま協定に移せばそれで合意されるわけでございますが、その後ソ連側は態度を変えまして、ソ連の閣僚会議の決定による水域——ということは御承知と思うんでありますが、線引きされたところの水域を強硬に主張してきておる、こういう段階でございます。  もう一点は、日本の領海、三海里を今度国会に御提案を申し上げて幅員を十二海里にするという場合におきまして、三海里の外十二海里までの間でイワシ及びサバをとっておった。だから、今後日本が十二海里に領海をしても、その中でもイワシ、サバをとらせろと、こういう国際通念にもない無法な要求をしてきておる、これが一つの大きな双方の争点になりまして、そのために事態が一歩も進まないと、こういう状況に相なっております。  私どもは、これを政府の総力を挙げ、また、ただいま御鞭撻をいただきましたように、国会並びに国論を背景といたしましてあらゆる努力をしてまいるというつもりでございます。その間におきまして操業ができなかったという船主、並びに、実績の確保に努力をいたしますけれども、どうしても一〇〇%実績を確保することができないと、そのために減船等を余儀なくされる、その場合におけるところの雇用問題、これも大変重要な問題でございます。これにつきましては、現在ございますところの雇用対策法、海から陸への職業の転換その他いろんな対策がございますが、雇用対策法、それから海から海への転職等につきましては漁業再建整備法、こういう法律もございます。また、いろんな融資の問題あるいは救済措置の問題につきましては十分政府としても最善を尽くしてまいりたいと、こう考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 こうなりますと、やっぱりよく言われますように遠洋漁業と近海漁業とのトラブルの問題もありますね、これ、どう対処されるのか。また、北洋漁業関係者は多かれ少なかれこれは被害を受けるわけであります。仮に、その被害を受ける原因が日本国政府の責任ではないということであっても、これは被害受けるのは切り捨て御免であるというわけにはいかない、政府がやっぱり補償すべきだと思いますが、この点いかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま事態が進みませんために、わが国の漁船はソ連の二百海里海域から総引き揚げをしてきておるわけでございます。そのためにその間、再開までの間に北転船あるいは沖底びき網漁業等々が沿岸の漁場で操業をするということになりますれば、沿岸漁業者との間に摩擦を起こし、また漁業秩序は大きく混乱をするわけでございます。こういうような事態は絶対に避けなければならないということで、水産庁から係官を北海道に派遣をいたしまして、関係業界とよく打ち合わせをして、そしてそういう事態の起こらないように十分な協議連絡をとっておるところでございます。  また、損失、被害というようなものが起こりました場合におきましては、政府としてはいろんな面からこの救済対策ということを講じてまいる、このように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 日ソの友好親善については、これは私どもも強く熱望いたします。同時に、正しい友好親善の推進は、決してこれはわが国が不当、理不尽に対して妥協をすることではないと思うんです。政府の筋を通したしっかりした交渉を強く期待いたします。  次に、いま国民の悲願ともいうべきものであり、あるいは政治の絶対的な課題だと思いますのは、やっぱり景気の回復と物価問題だと思うんです。政府はこれはもう景気の回復、物価問題ともに大変に私どもから見ると強気の姿勢を続けてこられたわけでありますけれども、しかし、現実に中小企業を中心とする倒産はこれはもう記録更新を続けておりますし、また、雇用不安も決してこれはおさまってはいません、ますます心配される状況にあるわけです。日本経済に決定的な役割りを持っております約五百万と言われる中小企業、そこに働く三千万の従業員の大部分は、現状の中で倒産と失業の不安から抜け切れないで、大変な努力と心配をしているわけです。こういう事実に対して総理、どういうぐあいにお考えになります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はいま国民は、やっぱり最大の願いは物価と景気の問題だと、こういうふうに認識しております。いま私は事業をやってる人は非常に苦しい立場にある。つまり、不況が長引いておるんです。普通の状態でありますれば、まあ不況は半年あるいは一年、まあ長い場合でも一年半ぐらいでこれを切り抜けることができるわけですが、これが従来の景気循環です。今回はそれが三年半になろうとしておるんです。ですから、全体とすると経済活動は上向いておるのでありまするが、それがまだいわゆる水面下の上向きである、そういうことで赤字経営という企業が非常に多いわけです。中でも中小企業、これは力の弱い立場ですから相当困窮しておる、こういうふうに見ておるわけでありまして、そういう中で私は早くこの不況状態から日本経済全体を脱却させたい。昨年、五十一年度におきましてはこれは大体五・六、七%成長ぐらいが実現されそうであります。ところが、その世界一高い水準の成長も、これは夏までぐらいの時点において非常に高かった。その後横ばいみたいなかっこうになってきまして、それが今日尾を引いておる。私はそういう状態を見るときに、これは日本社会全体にもう活気がなくなっちゃうと、活力ある日本社会というものに非常にほど遠いものになってくる、どうしても景気てこ入れをしなければならぬ、こういうふうに考えておりまして、そういう考え方からその主軸といたしまして昭和五十二年度予算、これに多額の公共事業投資を盛り込むと、こういうふうにいたし、なおまた、五十一年度の補正予算におきましてもやはり公共事業一億円を超える予算を盛り込むと、こういうふうにいたし、これをてこといたしまして五十二年度経済というものをひとつ盛り上げていこう、私は盛り上げができると、こういうふうな見解でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 そこら辺がどうも総理の見解と私どもの見解と違うところでして、確かにこれは数字の上では経済成長率は上がっておることは認めざるを得ません。しかし、私どもに言わせるとやっぱり去年の年頭から始まった輸出の急増で、輸出が急増しますと、これは押し上げるわけですから、ですからそれはやっぱり国内の景気回復、そういうものが実感として、特に中小企業なんかではそれはもう実感としてないのはあたりまえなんだ。これはやっぱり消費者物価の場合もそうですよ、指数そのものと何か生活実感というものはかけ離れているものを国民が感じておると思うんです、私が感じてますから。ですから、そこら辺がやっぱり中小企業対策なんというのは、これは全部政府を初め言わない者はいない、政治の社会で。しかし、看板があって中身がないというような、そういう不満というものが非常に強いんだと思いますけれども、そういう点はどう認識していらっしゃいますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、中小企業の方は特にいま非常に困窮な状態である、こういう認識なんですよ。つまり、不景気が長引きましたものですからもうくたびれている、そこが私は問題だと思うんです。いわゆる水面下の上昇傾向と、こういうことで経済活動はこれは上昇はしているんです。しかし、まだ望ましい水準までその上昇が達しておらぬと、こういう状況ですから、そういう中で中小企業の人なんかは非常に困窮されておると、こういうことで中小企業対策なんかにもこれは予算や金融を通じましてずいぶん気を使っておる、こういうことでありまして、決して中小企業の方がそう苦しい状態ではないんだというような、そんな認識は持っておりませんです。

中村利次民社党

○中村利次君 これは後ほどいろいろとそういう関連についても質問をしますが、とにかく経済通と言われる福田総理が、五十二年度は経済の年であるとおっしゃって景気、物価、財政の健全化に力を入れようと、こういうことでございますから、これは一般的な常識からいけば国民は大変にこれを期待されるのではないかと思ったんですが、これは総理は御不満でございましょうけれども、最近の新聞なんかの世論調査によりますと、福田内閣の支持率は三〇%を割って大変支持率が低い。しかもその支持をしないという理由の筆頭に、経済政策にどうも信頼が置けないという、こういうのが出ておるわけです。いかがでしょう、総理の御所信。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国民は私の経済政策には相当大きな期待を持ってるんじゃないですか。そう私は、まあうぬぼれかもしりませんけれども、自信を持っておるわけですがね。  しかし、経済というものは手を打ったからそこですぐ効果が出てくると、そういうもんじゃないと思うんです。いまも申し上げましたけれども、私が景気てこ入れの主軸は何だというと、五十二年度予算いま審議中じゃありませんか。それから五十一年度補正予算、これは成立をしたわけですが、成立したらすぐそれが景気現象としてあらわれてくるというわけじゃありません。しかし、とにかく五十二年度予算というのはこれは相当大規模な公共投資を行う計画です。輸出の方はこれは私はそう伸びないと思います。去年のようなことはない。実質で大体五%ぐらいだろうと、こういうふうに見ておるんです。国民の一般消費、これなんかもその辺じゃないか、そんなような感じがします。また、設備投資、そう急にふえるという展望は持ち得ません。  そうなりますと、何が景気を押し上げるかというと、これは財政投資以外に私はないと思うんです。住宅投資、これも一役は買いまするけれどもこれはスケールは小さいです。やっぱり財政だと、その財政がもう実施される、四月中旬から実施されるということになりますれば、私はこれが大きな引き金となって日本の経済は上昇過程に向かう。五十二年度の財政投資、これは実質で九・九%増すわけですから、これは相当の力になってくると私は確信しております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは総理の立場で本当にそうお考えになっておるのか、あるいはそう言わざるを得ないのか知りませんが、何も不況というものは五十二年度予算の中で始まったわけじゃないわけですから、三木内閣のもとでも、福田総理は副総理として、当時の三木首相が、経済は福田副総理にすべて任せるんだという、そういうことで経済運営の中心になっていらしたことは事実なんです。ですから、国民はおれの経済政策を信頼しているはずだとおっしゃるんだが、これはしかし、新聞の世論調査を否定されればそれまでですが、確かにそういう、経済政策は信頼できないという数字が出ておるんです。ですから、私は何もここで総理に間違ったと言えなんてそういうことは言いませんけれども、そういう事実をよくわきまえられて今後のかじ取りにひとつやっぱり国民の声、あるいは世論調査というのはこれは国民の声ですから。  それから、現実にいま景気回復にしろ物価にしろ、やっぱり国民にとっては何とかしてほしいというやるせない気持ちにあることは間違いないわけですから、こういう世論、あるいは現実を踏まえた対策を今後しっかりやっていただきたい、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私も素直な気持ちで国民の願い、国民の声というものを聞いたり見たりしておるわけなんです。私は、結局中村さんがおっしゃるように、これは物価と景気、この問題に非常に大きな願いを込めているんじゃないか、そう国民を見ておるわけです。でありまするからゆえに、私は組閣早々、五十二年という年はこれは経済の年だとまで言っているのはそこに着眼を置いておるわけなんです。ただ、中村さんが非常に暗い面ばかりをおっしゃいますが、いま世界じゅうが暗いんです。その世界じゅう真っ暗の中でわが日本は、まあほのぼのとではありまするけれども明るい方なんです。いまとにかく石油資源を持たない開発途上国、これは困窮ですね、もう名状すべからざるものがあるというくらいです。さあそれじゃ先進諸国はどうだというと、これは先進諸国の大方の国がまだ三年半前の石油ショックからの立ち上がりができない、これは非常に混乱している。  そういう中で、国際社会では機関車論なんというのが出てきまして、日本とアメリカとドイツ、これがまあとにかく危機から脱出した。これが相協力して世界の景気回復の機関車的役割りを尽くさなきゃならぬ、こういう議論まで出てきておるような状態で、世界もいま非常に苦しんでいるんです。そういう中ではわが日本は、大局的に見るときにはこれはわりあいにいい状態で動いておると、こういうわけなんです。しかし、そういう中ではありまするけれども、私は小さい弱い立場の人々、ずいぶん私はつらい立場にあると思います。そういうところに思いをいたしながら施政を進めていきたいと、かように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これはやっぱり、私は政治に対する信頼の問題も大変大きな問題だと思います。たとえば物価問題にしましても、これは経企庁が大変な広報活動、週刊誌あたりまでおやりになっておりますけれども、物価は鎮静しつつある、来年は七%、再来年は六%にできるんだ。ところが、これは精神的な効果をおねらいになっておるのかどうか知りませんが、もし信用されなければ、これは逆効果になるんですね、うそをつきやがったと。ところが、五十一年度の政府の目標は確かに八%だった。達成できそうになかったものだから八・六%に見直された。そうじゃないですか、理由はなんですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  五十一年度の物価の見通しは、御案内のとおり政府の見通しをつくりますときには四十五年の基準の指数しかなかったわけでございますから、四十五年指数で八%程度というのが政府の目標でございました。これが途中におきまして新指数が出ましたので、これは新指数に換算すると八・六%と、こういうことになるわけでございまして、決して改定したわけではございません。

中村利次民社党

○中村利次君 八・六%でおさまりましたか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 昭和五十一年度の物価見通しは三月の結果を見なきゃわからないわけでございますが、東京都区部で出ております数字が九・三%、これは年度中の上昇率でございます。これを四十五年基準に換算いたしますと、八・九%前後になるだろうという見通しでございます。したがいまして、新指数の八・六というのが九・三と、こういう形になりますけれども、旧指数では八・九程度と、こういう見通しでございます。まだ確報が出ていないわけであります。したがいまして、その点は漕手〇・六、七%見通しよりも上がっているという状況でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 政府はどうも数字いじりがお好きなようでございまして、これはやっぱり私は先ほど申し上げましたけれども国民の実感ですよね。確かにいま経企庁長官がおっしゃったように、八・六は九・三にしかならなかった。相当九%台ですから、これはやっぱり達成してないんです。だから、これは信用できなかったじゃないかという不信が当然起きてくると思いますが、それだけではありませんよ、年度末近くになって経企庁を中心にして、それこそもうなりふり構わない数字合わせをおやりになったでしょう。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 東京都区部の指数をもとにしてお話でございますけれども、御案内のとおり、ことしの一月、二月、三月というのは異常な寒波でございます。この時期に大変季節商品が値上がりをしたというのが、この物価の見通しが若干狂ったことでございます。したがいまして、年度平均でとりますと、年度平均では大体政府の見通しと変わらないわけでございます。したがって、年度中ということで前年の三月との比較ということになりますと、やはり当時の季節商品の値上がり等が響いてくるということになってくるわけでございまして、この点は、われわれが寒波やその他季節商品の値上がりがこのように激しくなるという見通しができなかったことば不明を恥じるわけでございますけれども、しかし、年度平均としてみればそういうことではございません。また、いまお説のお話は、恐らくフードウイークやその他端境期に対する野菜の安定対策、あるいは商業サービスセール、そういうことを指してのお話しであろうかと思いますけれども、われわれは年間を通じて物価の安定のために生鮮食料品の安定供給であるとか、あるいは流通対策、競争政策、いろいろな問題をやっておりますけれども、特に端境期になりますと、できるだけ端境期にそういう生鮮食料品の供給が少なくなったりしないようにということでいろいろな対策を講じておる次第でございます。これは政府として当然の施策ではなかろうかと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 そういう異常寒波というのは国民にとっても不幸、それから政府が目標を掲げて、そういう異常状態でなかなか達成できなかった、これはお気の毒、それはわかりますよ。しかし、やっぱり私が言っているのは、国民の受け取り方というのはそうじゃなくて、生鮮食品だけではなくて、医療だとか雑貨あたりまで、東京、横浜など全国十三都市で政府が大バーゲンセールをやって瞬間的にでも数字を下げよう、そういうことじゃなかったんですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 全くそうではございません。小売価格の調査は廉売価格を対象にしてないわけでございます。したがって、われわれがフードウイークやあるいは商業サービスセールをやることによって、全体として物価の下がることは期待いたしておりますけれども、そういう廉売価格を小売調査の対象にしていないということを御理解いただきたいと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 そういうことをおっしゃるからますますどうも信用されなくなるんじゃないですか。それでは、年間ずうっと引き続いておやりになるのですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) フードウイークにつきましては春秋二回、これはいろいろな準備も要ることでございますし、年じゅうフードウイークをやるというわけにはまいりません。したがいまして、やはりそういう端境期であるとか、そういうときに、全国の小売業者の自発的な御協力を得ながらやるのが適切ではなかろうかと思う次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 まあどういう言い逃れはできても、問題は政治に対する国民の信頼がどうなのかということですから、したがって、三月の半ばまでのこの大バーゲンなんかは、確かに人為的に物価操作をしようということではないかという疑いを持たれるようなやり方というものは、決して物価対策に対する国民の信頼を得る道にはつながらないと思うのです。ましてこれは、年金だとか生活保護費なんかは消費者物価によって見直されることになっていますね。そうなりますと、人為的に操作されたということになるとこれはとんでもない話でございまして、そこまで影響するんですから、これはどうですか、経企庁長官と厚生大臣。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) フードウイーク等につきましても、ことし初めてやったということではございません。四十九年からずっとやっていることでございまして、毎年の年中行事でやっていることでございますから、この点は御理解いただきたいと思います。したがって、こういうことをやりながら、同時にわれわれは物価の安定ということだけではなくて、やはり食生活の改善というようなことも考えておるわけでございます。食生活展をやったり、あるいはお魚の食べ方を考えたりと、そういうこともあわせてやっているわけでございますので、これはわれわれの御説明が不十分な点があるかもしれませんけれども、決して人為的に物価を下げるということではございません。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) よく検討さしてもらいたいと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 大分時間もなくなってきますから……。いろんな問題がありますね、物価問題で。たとえば円高相場であるのに輸入差益は複雑な流通機構の中で蒸発してしまって、さっぱり消費者には還元されない。流通機構の問題なんかだって、これはしょっちゅう問題になりますけれども、何か対策がありますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいま先生の流通問題についてのお話でございますが、生産と消費を結ぶ過程において、わが国の経済の中において流通の占める役割りが非常に大きいわけでございまして、この流通が合理的に行われるということが物価の安定に非常に大事なことであろうかと思います。この点については物的な流通の面、輸送の面、あるいは生鮮食料品の面、あるいはその他の商品についての流通問題、それぞれについて各省庁と連絡をしながらやっておるところでございます。非常に複雑な問題でございますし、千差万別でございますけれども、意欲的にこれを取り組んでまいりたいと思っておる次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 次へ進みますが、政府はさっき総理が御答弁になったように、四項目の景気対策をお決めになりました。この中で、これは正直言って大した効果は期待できないんじゃないかという声が多いのですが、しかし、住宅問題については即効性、波及効果の点からまずまずであろうという評価がありますね。ところが、日本住宅公団は三月二十九日、政府のこの政策に逆行するようなことを決めざるを得なくなったという。公団総裁、住宅公団の五十一年度の建設計画と一万戸削減のいきさつと理由をお聞かせを願いたい。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) お答えいたします。  御承知のように、住宅公団の新規の住宅につきまして、昨年末で一万二千戸の空き家がございました。これは三月までに九千七百戸ぐらいまでに縮まっておりますけれども、一−三月に新規に供給いたします八千八百戸がございます。これからさらに四千戸程度の空き家が出てくる。両方足しますと、この三月末で一万三千八百戸ぐらいになります。この条件をいろいろ検討いたしまして、通勤に時間がかかり過ぎるとか、あるいは住宅が二DKが多いとか、こういうようなものを全部見直しをいたしまして、今年度発注いたしますものがまた同じような空き家になるという可能性をできるだけ避けなければいけない、このように思いまして、検討の結果、六万戸の計画の住宅を五万戸に減らしたわけでございます。  しかしながら、資金の面におきましては、従来たとえば発注の際の前払いが一〇%とか二〇%、平均一七%というような前払い保証関係から言いましても、非常に低率でありました。これは、実は当年度の資金充当率といいますかが三割を切っておりますために、当年度に支出する金額を少なぐするために前払い金も下げる。あるいは中間の検査、これに要する中間払いの金もできるだけ節約する、このような工事中の住宅に対する措置をしておったのでございますけれども、それでは景気対策上おもしろくない。先般の追加予算で四百億の追加投資をいただきましたので、これらの問題につきましてできるだけ措置をいたしまして、資金面におきましては大体所定の資金をなるべく使い切るということで一万戸減らしましたけれども、景気対策にはできるだけ尽力したい、現にこの三月三十一日までに二万戸を超える発注をいたしております。そのようなことで計画の削減をいたしましたということを御了承願いたいと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 住宅建設というのは、やっぱり景気回復の面ともう一つは住宅政策というものがあると思うんですね。ですから、そういう点でやっぱりこれは問題があります。住宅公団は確かに役割りを果たしてきたと思いますよ。しかし、その住宅公団が遠く狭く高いという悪評を受けなければならなくなった、なぜかという。それから、政府の土地政策との関連があるのかないのか、今後何か対策があるのかどうか、そういう点を伺います。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) 狭いという問題につきましては、実はいままで、たとえば単身者には一DKは開放しておりませんでした。これを単身者にも一DKを開放する、あるいは二DKにつきましては多家族につきまして二DKの住宅を二戸開放をするような措置というようなことで需要を喚起して、できるだけ空き家を少なくしていきたい。それから分譲につきましては、各企業に社宅用に分譲するという道も開きまして、これで各企業に呼びかけて現在お申し込みを受け付け中でございます。  根本的に問題になりますのは家賃が高くなったという問題でございますが、これは御承知のような地価の高騰、一応平静といってもやはり非常に高い。それから石油ショック以来の建築費の急騰でございます。その結果が、いま各家賃の高さとしてあらわれてきておるわけでございます。五ヵ年計画のうちで私どもが一番頭を悩ましておりますのは、やはり御指摘のような用地の確保でございます。これからこの五ヵ年計画を達成するためには二千五百ヘクタール以上の新規の用地の購入が必要でございます。したがいまして、これらについて、しかも立地上遠いところではまた空き家が発生する、これをどのように見直ししていくかということで、五十二年度におきましては、わずかではありますけれども、通勤時間を十分ぐらい短縮できるように、それだけ近いところが用地として買えるように、こういうような予算措置も財政当局から認めていただいておるというようなのが現状でございまして、これからできるだけ空き家にならない住宅団地を建設していくということに万全の努力をしていきたいと思っております。

中村利次民社党

○中村利次君 いやいや、総裁ね、今後の対策、土地対策等も含めてですよ。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) 今後の対策につきましては、実は非常に関連するところがたくさんございます。たとえば団地を建設する際の関連公共施設の問題とかいろいろございますので、現在建設省の方でこの問題を総合的に委員会をつくりまして検討をいたしております。私どもの方からも副総裁が委員になって出ておりますが、公団といたしましても、その際に、たとえば団地内に補助金の入るような街路、下水道その他いろいろな関連施設がございます。これらの問題につきましても、できるだけ補助金で見ていただくというようなことで、われわれとしてお願いすべきことは全部各団地につきまして具体的にお願いをするという方針で、現在その検討を進めておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 なかなか難問でしょうけれども、これはやっぱりしっかりやってもらわなきゃ困ると思いますが、そこで建設省では宅地の取得を容易にするために土地重課税の緩和を考えておられるというようなことが報じられておりますけれども、いかがですか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 法人の土地譲渡重課税制度は、四十八年当時の異常な物価上昇、要するに石油ショック、これによって当然なさなければならない処置をとったわけでございますけれども、その後の需要というものが非常に、需要の抑制といいましょうか、国土利用の計画法の施行等によりまして地価が大体いまは沈静化をしているような事態になってまいりましたので、建設省としては宅地供給の円滑な促進を図るためにも、宅地供給の円滑を図るという観点からいくと、五十二年度の税制改正に要望をしておると、こういうことで、なるべくこれをひとつ大蔵省、各省においても考えてみてもらう必要がある時代に来たんではないのか、こういうような考え方で本件についてば適正な利益率をもう一度考え直してもらいたい、こういうようなことでお話を申し上げて、五十二年度から折衝をしておるところでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 内容はどういうことですか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 内容につきましては、つまり……

中村利次民社党

○中村利次君 現行の重課税と、今度は改正しようといま言っておる内容。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私の方は宅地に対するところの重課税についてもう少し考慮する時代に入ってきたんではないんだろうかと、この時代と時代が少し変わってきている。社会情勢が変わってきている上においては、幾分かこの重課税については考える必要が来たんではないのかと、こういう観点においていろいろの案を折衝しておるところでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 中身ないんですか、内容ないんですか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 中身は、申し上げたように、考えるということは重課税の引き下げを行うとかという方法をとってもらいたいと、こういう話でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 どれくらいですか。

大富宏建設省計画局長

○政府委員(大富宏君) お答えいたします。  四十八年に創設されました法人の譲渡所得の重課につきましては、優良民間宅地開発については除外例がございます。この除外例の条件に三つございまして、一つは都市計画法に基づくところの開発の許可を得ていることが一つ。もう一つは、適正利益率が二七%以内という条件が一つ。もう一つは、でき上がりました宅地を販売するときは公募にしなければならないという三つの要件がございます。  いま大臣がお話しのとおり、いろいろな政府の施策の結果、地価が一応鎮静化しているという段階で、宅地供給を促進するためにはこの優良宅地の除外例になっている三つの条件について若干緩和すべきじゃないかということで、例を申し上げますと、いまの適正利益率の二七%を検討すべきではないかと、あるいは公募要件につきましてはデベロッパーからホームビルダーにこれを譲渡する場合には必ずしも公募要件なくてもいいんじゃないかと、こういう問題を検討したわけでございますけれども、まあ土地、住宅問題、基本にかかわる問題でございますので、いま大臣が申しましたように、さらに検討を深めるということになったわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 どうもやっぱり庶民感情とずれがあるんですよね。とにかく、あの当時の土地の買い占め、買いあさり、それで土地は狂乱相場になった。ですから鎮静化したといったって高値鎮静ですから、庶民にとってはマイホームの夢はあのときに砕かれて、それでも土地は下がらぬじゃないか、これはもう下がるはずがない。利息をつけて、そしていまの重課税でも二七%の利益は認めよう、重課税の対象にしないというわけですから、それをまた引き上げようというのじゃどうもこれは庶民感情からすりゃ何だと、自分たちが利益のために買いあさっておいたものに利息をつけて、その上にまた二七%の利益ではまだ不十分で、もっとそれを上げようとしているのか、土地対策はどこにあるのだというそういう感じが強いと思いますが、どうですか大臣。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 土地対策につきましては、ただいまいろいろな点から検討を加えて、したがって、立地条件あるいはその社会の情勢、こういう面からも考えまして、宅地一般の問題に対していまいろいろ検討を加えて、しかし、先ほど総裁がお話し申し上げたように、ああいうような、たとえば一万戸の建設の減にいたしましても社会の情勢が全く変わってきている。こういう中に立って、それに従っていかなければならぬ、良好な宅地を与えるのにはどうすればいいかというような観点から、いまもう一度考え直してみようじゃないか、こういうようなことで、宅地のたとえば住宅一万戸の減をやってはおるのでございますけれども、それと同じように宅地全体に向かっても、なかなか宅地の引き下げをやったらどうかと言われてみても、われわれの方ではどうも経済の実態の上から立って宅地はそう高くはなっておらないようで、土地全体から見ても高くなっておらないようでございますけれども、建設全体に向かっては決して安くなってはおらないだろうと思うのです。こういう面から考えまして、いろいろ施策を考え直して、見直してみたらどうだというようなことでいまはやっておるところでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 大蔵大臣いかがですか、これは税制に関係ありますから。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 大変大事な問題だと思います。一億に余る国民に対しまして、日本の国の土地というのはまさしくこれは有限でございまして、いろいろな政策ですね。宅地はもちろんのことでございます、交通にいたしましても、その他産業にいたしましても、土地政策を適切有効に立てていかないと、すべてのそういったような政策がうまくいかないということを私も痛感いたします。  そこで、私の所管しておる問題に関連いたしますと、土地政策には必ず租税政策というものがつきものということになって、今日まで関連的に考えられてきておりますが、それらの土地の総合政策の中で、租税政策というものはしかし本流じゃないんですね。これはどうしたって補完的な政策であり、かつまたこれ誘導的と申しますか、そういったような政策であるというふうにこれを理解を私もしておるのですが、そういった理解のもとにこれをうまくやっていかにゃなるまいと思います。そういうようなことから考えてみまして、土地政策に租税政策がもちろん影響ございますけれども、租税政策がいいから土地政策がよくいくのだという、そこまでの影響力は私はないと思いますけれども、しかし、租税政策が悪いとこれは私は土地政策が十分うまくいかない一つの理由になると、こういうふうに思います。  そこで、現行の租税政策というものを考えてみますと、御指摘のとおり、あるいは法人税にいたしましても、個人の所得税にいたしましても土地には重課されておる。その重課されておることが、土地が売買の流れに流れ込んでいくということを疎外をしておるのじゃないかと、もっと流れ込んでいくようにすればこれはうまくいくのじゃないかという考えが一方にございます。ところが、それが流れていって、土地がどんどんどんどんと売買の場に流れますと、またこの土地に対しましていろいろな仮需要だとか、思惑だとかいったようなものも起こってくることを考えなければならないということになってまいりますと、そうなってくるとこれはどうも問題が複雑な、むずかしい問題になって、かつてのいわゆる不労所得の土地成金というのがいっぱい世の中に輩出してくるといったようなことも考えなければならない、こういうところから、この土地に対する租税政策というものを、これをどういうふうに考えていくかということは、やがて私は、この租税政策というものは、どうしてももう近いうちに考えていかなければならない、そういうような際に、これはやっぱり土地に対する税制というものを妥当な適切なその経済情勢に即応したものに持っていかなければならない、かように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 わかったようなわからないような御答弁でございます。今度はしっかり答弁してくださいよ。財政収支試算の内容を改めてひとつここでもう一回発表してください、もう明確に。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 財政収支の試算は、昭和五十年代の日本の国の経済というものを描きました五十年代前期経済計画というもの、御存じのとおりでございますが、それを手がかりといたしまして、そうして日本の国の財政収支というものを、その五十五年に至る一つの道程といいますか、それを描いたのが財政収支試算でございますが、結局の目的は、五十五年度におきまして、日本の国の現在の一番われわれの憂えておりまする特例公債に頼るこの日本の財政を、特例公債から脱却いたしまして、そして健全なる財政に持っていこうというふうに考えておるのがこの財政収支試算の大まかな概要でございますけれども、それに持っていくためには、なかなかむずかしいということは、去年からことしにかけて五十二年度の予算を組み入れまして、そして考えてみると、去年の考えよりもっとむずかしくなってきておるということでございますけれども、しかし、これを達成いたしませんことには、日本の国の財政がとてももたないということで、いろいろと腐心をいたしておるのでございますが、長くなりますが……

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 簡潔に願います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そういうことに相なりますが、その赤字公債から脱却をするということは、これはいまの日本の国の財政における租税政策でもってはなかなかむずかしい。もっともその間におきまして、歳出方面における慣行だとかいろんなものは、これは見直してまいりますけれども、それでもなかなか現在の租税体系をもってしてはむずかしいということでございますので、そこで、どうしても租税における収入増を図っていかなければならない、ここに大変な厄介なむずかしい問題がございます。そこで、そこへ持っていくためには、あらゆる日本の国及び国外の租税制度というものを、これを実施するというのじゃありませんよ、これを俎上に取り上げてまいりまして、しさいに検討して、そうして、そのいろいろな材料の中にはたくさんございます、直接税の中にも、それから消費税の中にも資産課税の中にも、あらゆる税の中にたくさんの材料がございますけれども、その材料をいかに拾捨していくか、その材料の中で何に重点を置くか、ここのところは国民の皆さんの御批判と御選択に願うということでございますが、そういったようなものを集める、材料を集める作業を今日税制調査会におきまして、去年の半ばごろから一生懸命にやっていただいておると、こういうことでございますが、その中の何をとるかということについては、ぜひとも国民の皆さん、また国会の皆さんの御選択によりましてこれを決めてまいりたい、そして五十五年度には赤字財政から脱却をしていこうというのがこの財政収支の試算でございます。財政収支の試算を手がかりとしてこれを達成してまいりたい、かように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 要するに、五十五年度には赤字公債はもう出さないようにするんだから、それには租税を上げなきゃいかぬ、外国の租税制度等もいろいろいま集めて検討するんだ、こういうことですね。それにはやっぱり増税をしなきゃいかぬ、こういうことですね、結論は。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 若干そういうことにならざるを得ないと思います。なお、細かいことは政府委員をしてお答えさせます。

中村利次民社党

○中村利次君 政府委員、中身、具体的なものがあったら言ってください、増税の内容。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 資料としてお出しいたしてございます財政収支試算の姿によりますと、五十五年度までのある時期にやはり負担の増加をお願いせざるを得ないと考えられる、そのためにいかなる税目で考えたらよろしいかということを、昨年六月以来、税制調査会で御審議を願っておりますが、いまだに具体的な結論を得るところまで参っておりませんけれども、十二月までの御審議の模様は、部会長報告という形で取りまとめられておりまして、別途資料として関係委員会にもお出しいたしてございます。

中村利次民社党

○中村利次君 どうもいいかげんな答弁が多くて困るんですよ。これは五十五年に赤字公債発行をゼロにするということになれば、五十三年、五十四年しかないでしょう、もう。そうすると、税収の伸びを二三・七にしているんですから、もう理屈抜きにそれに合わした増税をしなきゃならぬということに自然なるんでしょう、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 自然増収だけでは私は足りないと思いまするから、そこで相当の増税をしなければならない、こういうことです。

中村利次民社党

○中村利次君 それははっきりしているんですよ。それはわれわれは大変に問題があって、いろいろこれはまた場を変えて議論をしなきゃいけませんが、その場合、専売納付金を含む税収の伸びということになっておりますけれども、これは専売益金をふやすつもりですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 財政収支試算の計算上、税収という表示をいたしておりますこの数掌には、専売納付金を含んでおります。したがいすして、専売納付金のあり方も今後の間接税等の負担のあり方の一環として御検討の対象にはなると思います。

中村利次民社党

○中村利次君 それでは、酒、たばこをまた値上げするということですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど申し上げましたように、どの時期にどの税目を取り上げるかということにつきまして、まだ税制調査会として具体的な結論を出すところまできておられません。

中村利次民社党

○中村利次君 具体的な結論を出すところまではきておらないけれども、酒、たばこを値上げをする可能性はあるということですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 昨年六月来の御検討では、現行の各税目につきまして根元からの洗い直しをしておられます。その中で、現在ございます間接諸税につきましては、従量税あるいは定額税によっているものについては、ある時期を置いて見直しをすることが適当であろうという方向はある程度部会長報告に出ておりますけれども、それをいつどのような時期で、どのような幅でというふうな御検討までにはまだ至っていないわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 政府答弁は本当にわかりにくいんですよ、見直しをするとか。これはもっとはっきりして、正直に国民に訴える、そうしないと、何か五十五年度まで増税をやろうというこの中身についても、ちっとも心構えもないのにぱかっとやられちゃって、税の不公正の問題だってあるのにどうするんだ。そういうことをやっているからこの政治不信はますますつのる一方だと思うんですよ。とにかく、要するに結論としては、酒、たばこも値上げをする可能性があるということですね、大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 可能性があるということです。

中村利次民社党

○中村利次君 これはまことに、そうなりますともう集中豪雨的な値上げラッシュの中で国民生活はどうなるんだと、これがまた景気の回復にまで決定的に影響しますよ。どうですか、これは総理。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いまは景気回復てこ入れの段階です。先ほど来大蔵大臣から申し上げておりますのは、景気回復が実現した後の話である、こういうふうに御理解願います。

中村利次民社党

○中村利次君 変ですね、五十五年度までにとにかく収支相償う——赤字公債は出さないということをするんでしょう。そうなりますと、これはどうなりますか、つじつまが合いますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はことしは景気回復の年である、そういうふうに見ておるんです。ですから、来年だ再来年だ、だんだんと税収は多くなっていく、それでもしかし足りませんものですから若干の増税も考えなきゃならぬ、そして五十五年度には赤字公債、つまり特例公債はなくさなきゃならぬ、そういうことを申し上げておるわけなんであります。

中村利次民社党

○中村利次君 私は、財政は景気回復と物価安定に成功して初めて健全化する、総理のお考えに同意します。しかし、景気が回復をするか物価が安定をするかということが問題でして、その手段方法が問題でして、いまGNPギャップはどのくらいですか。経企庁長官で結構ですよ。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  いま稼働率指数から申しますと八五・八でございますけれども、しかしGNPを構成する要素は、生産の部分だけではなくしてサービス部門もあるわけでございますので、一概にGNPギャップということは計算いたしておりません。

中村利次民社党

○中村利次君 いやいや大体のところでいいですよ、精密な数字でなくても。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいまも申し上げましたように、GNPを構成する要素がいろいろあるわけでございますので、製造業につきましては八五・八というのが現在の稼働率指数でございます。したがいまして、これを一概に定量的にGNPギャップが幾らあるかということばただいまのところ計算いたしておりません。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 日本住宅公団の南部参考人退席されて結構ですから、御苦労さまでございました。

中村利次民社党

○中村利次君 それじゃ、五十一年度のGNPは大体名目でどれくらいになりそうですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 五十一年度のGNPは名目で百六十九兆程度でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 約百七十兆ですね。そうなりますと、これは正確かどうか知らぬが、私が聞いたところではGNPギャップは大体一〇%前後くらいあるだろう。そうなりますと、需要よりも供給力が十七兆上回っているということになるんですね。だから、こういうことで設備投資意欲が出るのか出ないのか、こういう現実の上に果たして景気が回復するのかしないのか、その打つ手はどういうことを打てばいいんだと、こういうことにつながっていかなければいけないと思うんですが、いかがでしょう。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいまGNPに単純に一〇%をお掛けになってGNPギャップというようなお話でございますけれども、サービスとお考えいただきますと、ちょっと働いて、それがもう少し働いたためにGNPが上がるということもあるわけですから、これをGNPギャップというふうに計算するのは適当でないんじゃなかろうかと思うわけでございます。現在の景気がなかなか回復しないという要素は、総理からもお話がございましたけれども、一つには、やはり経済の循環的なものと構造的なものとが重なり合っているということに非常に大きな特色があるんじゃなかろうかと思います。繊維であるとか造船であるとか、平電炉であるとか、そういういろいろな業種については構造的な問題がございます。また、高度成長の時期と違って低成長期に転換する時期でございます。したがって、かつての景気回復は、やはり設備投資あるいは輸出という形で景気回復のパターンをとってきたわけでございますけれども、今度の場合の低成長に移り変わる段階において、また構造的な問題を控えている、しかも、これは日本の国内だけではなくて国際的にも、総理のお話にもありましたように産油国の問題、東西の貿易の問題、あるいは南北問題、いろいろな不確定、不安定の要素がある、したがって企業もなかなか前途に自信を持っていない、また個人も前途に対する自信を失っている。したがって、政府は財政支出をてことして六・七%の成長を達成する、どんなことがあってもやろう、そういう決意を示しておるわけでございまして、五十二年の予算が成立して前倒しの公共事業等が行われれば、かなり私は企業家も個人も自信を持ち得る、そう思っております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは、私は率直にわかりやすく質問をしますがね、需要よりも供給力が上回っていることは間違いありませんね、これは否定できないでしょう。その場合、政府はまた大幅増税という水を浴びせて購買力をなくしようとしておる、こういうやり方が果たして景気回復につながるのかどうかと御質問したい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 先ほど大蔵大臣のお答えのとおり、増税の問題は景気情勢を見ながらやっていかなければならない問題だと思います。しかし、御案内のとおりわが国の経済が、これから福祉を充実し、社会資本を充実していかなければならない。すなわち、財政に相当の期待がかけられているということは事実であります。こういう時期に減速経済下に入った、したがって、われわれの目標とする福祉の充実、社会資本の充実をやるためには、公債を発行してでもこの国民の目標にこたえていかなければならないというのが今日の現況ではなかろうか。しかし、それにしても財政には節度が要るし、また国民にもある程度の御負担をお願いしなければやっていけない。したがって、そのコンセンサスをどのような形で得るかということがこれからの課題ではなかろうかと思うのでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 コンセンサスを得ることは必要ですがね、私は技術論ですよ、景気の回復をどうして達成するのか、その場合、やっぱり需要よりも供給力は上回っておるからなかなか設備投資意欲が出ない、そこへまた今度は大幅増税をして購買力を奪おうというわけですから、そうなれば内需はますます冷え切ってしまう、そしてGNPギャップばもっと広がるんではないか、私はそう思うんですよ。その場合、設備投資の意欲が起きるのか起きないのか、私は起きないんじゃないか、それでどうして景気を回復させるのだと、こう言っているんですよ。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お話しのように、現在の時点で、基礎産業部門、鉄鋼であるとか化学であるとか、こういうのがかなりの余剰設備を持っておることは事実でございます。したがって、生産能力の方がかなり需要よりも大きい。したがって、これらの設備投資が昭和五十二年度において大幅に出てくるということは考えられません。伸び率としてはかなり下回るであろう、そう予想しているわけでございます。しかし、流通段階、非製造部門については、電力を初め、また流通、卸売、そういう関係についてはやはり設備投資というのは出てくるということを考えておるわけでございます。したがって、増税の問題は、五十二年度に関する限りは、御案内のとおり公共事業をてこといたしましてこれからの景気の回復を図っていく、また、このいわばGNPチーム、野球にたとえればGNPチームで、王とか長嶋のように本塁打を打てる打者はいないわけでございます。しかし、いずれにしても、すべてのチームの中の個人消費も、設備投資も、あるいは住宅投資も、あるいは財政投資というのに一番打者をお願いして、ここである程度の水準の景気の回復が出てくれば、ほかの需要項目がこれについていってGNPチームとしては六・七%の成長を達成し得ると、こういう考え方をいたしておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 なかなかこれはかみ合わないんですよ。あえて私はすれ違い答弁をおやりになるんだと思う。しかし、これはまたいずれかの機会に譲りましょう。歳入、歳出は、これは兼ね合いですから、歳出をどう節約をするかという問題も、これは大変大事な問題だと思う。  民社党は、行政機構改革特別委員会をつくって、積極的に行政機構の改革に取り組むつもりですけれども、政府も、総理が強い決意に燃えて、この行政機構改革を八月までにまとめるという案をお話しですが、これは何としても総理が本当に決意されること、それから閣内一丸となってこれに対応されること、それから行政管理庁が、この改革の手法ですね、これを誤らないこと、こういうことが、成功できるのか、いままでどおり竜頭蛇尾に終わるのかということになると思いますが、どうですか、総理の決意は。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 行政とばかり私は言わぬで、行財政と言わしてもらいますがね。この行財政整理の問題は、これはもう今日非常に重要な意味を持っておると思うんです。先ほど来財政収支が不均衡であるという話があったわけでありますが、そういう立場から言いましても、このことはどうしても必要である。それから同時に、世の中が非常に大きな転換期に来たと、もう高度成長はこれでおしまいだと、そして低い成長、資源エネルギーの有限時代に入ってきていると。そういうことになりますと、これはもうその時代の変転に対応いたしまして、家庭もそうだと思うんです、めいめいの家庭。それから企業もそうだと思うんです。国もそうだと思うんです。その順応の構えに大きな変化が必要とされておると思うんです。そういう中で、やっぱり政府は率先してその構えの転換の先頭に立たなきゃならぬと。そういう意味もあるのでありまして、私は、財政の見地ばかりじゃない、そういう世の中の流れの変化ということを踏まえまして、この行財政改革、これはもうぜひひとつやってみたいと、こういうふうに考えているんですが、福田内閣ができてきょうちょうど甘口目だそうでありますが、その間国会の審議等もありまして、まだ具体的な案はできませんけれども、八月までにはぜひその具体的な成案を得まして、そしてそれの実施に移りたいと、こういうふうに考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは政府の決意と、それから御決意だけではなくって実行をひとつ強く期待をしたいと思います。  そこで、そういう立場ですから、これは決していやがらせじゃございませんから。やっぱり現実をどう見きわめるかということが成功につながると思うんですが、三十六年十一月に臨時行政調査会が発足以来、これはいろんなことがあって、やっぱりどうも竜頭蛇尾に終わっているんですが、その現在までの経過について、行管庁長官、ひとつお知らせを願いたい。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) どうしても、福田内閣ができて行政改革に取り組みたいという決心でございます。しかし、いままで少しもやっていないじゃないかということであるが、いまでも、非常にじみな仕事でございますがずっとやっておるわけでございます。いままでの閣議決定のやつはいまもやっているんです。しかし、いままでの閣議決定を飛び越して、今度はやはり行政機構、行政の事務あるいは特殊法人等にもう少し徹底的にやりたいと、そうして行政コストを下げたいということでございます。  昭和三十九年の九月に臨時行政調査会、これは非常に多くの行政の全般にわたりまして勧告をいただきました。引き続きまして監理委員会等でも大変勧告をいただきましたが、それは逐次やっております。そのうちの一つをとって、たとえば特殊法人について申し上げますと、実績はこうなっておるんです。対象にしたのが、全部ずっと合わせまして四十九特殊法人を対象にいたしました。そのうちで十五は完全に解決いたしました。あとの十五は引き続いていま検討しております。あとの若干のものがなかなか手がつけられないというわけでございます。特殊法人といたしましても、一概になかなか言えないんでございまして、三公社も特殊法人でございますが、なかなか手をつけられないものがたくさんあるわけでございますが、いまそれも逐次やっておるわけです。  その他行政機構の全般にわたりましても、これはやっておるわけです。いま中村さんが申しましたように、現状を把握しなけりゃならぬと、これが現状が一体どうなっておるかと、これは勉強しなけりゃならぬのですが、時間がなかなかないんです。一生懸命いまやっておる最中でございまして、やはり政府全体として取り組まなきゃならぬ。なかんずく各党の方々も協力を得なけりゃできません。それで各界の意見も聞かなけりゃできないことでございますから、その意味におきましては皆様方もどうぞ御協力を賜りたい。りっぱな案をつくって八月までにはまとめたいという決心をいたしております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

中村利次民社党

○中村利次君 いや、それは確かにみんながこういうのは超党派で協力をしてやらなきゃならぬということはおっしゃるとおり。しかし、やっていますよというあれですけれども、いま現状をどう認識をし、それからいままでの経過についてどうなっておるんですという質問に対しては、いやその現状どうなっているんだかいま勉強中だとおっしゃる。それでは、これは長官ちょっ納得できませんよ。やっぱりあるわけでしょう、答申、勧告、閣議決定。なぜそれができなかったのかという、せめてそこら辺までは答弁をしてもらわないと困るんです。それをこれから勉強なさるんでは、あなたはいままで何をやっていたんです。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) それは勧告を受けた事項は行政の全般にわたる問題ですから大変たくさんな量があるわけでございます。したがって、いま申し上げましたのは、そのうちでも特殊法人についてだけ言ったのでございまするが、その他出先機関におきましてもいろいろな問題があって、法律も出しました。しかし法律はなかなか通過しなかった件もありますから、一概に行政といいましても、それは大変な量でございますから、それを一々ここで申し上げるのはどうかと思われまするが、いままでやった例もたくさんここであるわけでございますが、時間がなかなか大変ということでございますが……。

中村利次民社党

○中村利次君 じゃ、まあいいでしょう。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) いや言いましょう、あなたよくわからぬようだから。

中村利次民社党

○中村利次君 それじゃ簡単に、大事な問題だから。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) たとえば定員の問題につきましても、定員の削減、やはり総定員法から今日それを守ってきております。それで第一次定員の削減から現在第四次でございます。それで、やはりそのでこぼこがございます。それは新しい需要がございますから。新しい需要があるから、古い要らないところの定員は減らすということでございまして、四次、昭和五十二年度現在におきましてどういうことになっておるかというと、定員削減と、それから新しい需要について応じたものと差し引きしまして一万三千人の減員、削減になっておるわけでございます。  それから局の新増設、これも大変抑えてまいりまして、これは昭和四十二年に百二十局ありましたが、いまでは局としては百十三局、七局減っております。しかもその間には、国土庁ができたり環境庁ができたりしまして、局が多くなっておるけれども、やはり古い局をなくして減っておるんでございます。その他出先機関——時間もちょっととりますが、まあひとつやりましょう。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 西村大臣、質問者は先ほどもうよろしいからとおっしゃったんだから、質問者の言うことは素直にひとつ聞いてください。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) いいですか。大分時間をとりますからこれはやめますが、出先機関についても、たとえば出張所、食糧庁の出張所とかいろいろありますが、それから法務省の出先機関、やっております。したがいまして、それはそれとして今後も取り組んでいくということですから御了承を願いたいと思います。  これでやめます。

中村利次民社党

○中村利次君 資料いただきましょう。  それでは伺いますが、国土庁を新設するときに、行政監理委員会の答申はどういうものでしたか。国土庁を新設するときに行監委員会の答申はどういうものだったかというのですよ。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 臨時行政調査会の答申といたしましては、総合開発庁の設置というのがございまして、それが国土庁の設置に関係がございますと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 いや、そんなことを聞いていませんよ。国土庁を新設するときに行監委員会から答申があったでしょう。それを聞いているんです。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 行政監理委員会の関係では、第三期の行政監理委員会でございますが、国土政策に関する行政機構についての意見、四十七年の十二月でございますが、行政機構についての意見がございまして、既存の多元化し錯綜した国土政策に関する行政機構の整序、再編成ということで意見が出ているわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 それではわかりません。それじゃわからないんですよ。答申の内容を、少し時間かかってもいいからはっきり答弁してくださいよ。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) ただいま申し上げましたこの四十七年十二月十三日の意見等を参考といたしまして、国土庁の設置が行われたわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 国土庁を新設をしようというときに、行政監理委員会から答申があったでしょう、出ているでしょう、行監委から。出ていないんですか、出ていないならおかしいですよ。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) たびたび同じようなことをお答え申し上げて恐縮でございますが、四十七年の十二月十三日に、国土政策に関する行政機構についての意見というのが行政監理委員会から出されております。その内容は、既存の多元化し錯綜した国土政策に関する行政機構の整序、再編成ということでございます。ただいまちょっと監理委員会の意見そのものの原文を手持ちいたしておりませんけれども、内容はそういうことでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 それは原文すぐ取り寄せられませんか、これから終わるまでに。取り寄せられませんか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 中村利次君、もう一度起立して言ってください。

中村利次民社党

○中村利次君 新しい発言じゃないですから。  では、これは保留します。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまの行政管理庁からの答弁は、質問者の意に沿わない答弁でございますので、ただいまの質問者の質疑中に回答できるように準備をしてください。

中村利次民社党

○中村利次君 大臣から例を出された特殊法人の問題ですが、これは五十年の十二月に特殊法人の整理合理化を閣議決定しているはずですね、違いますか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) それは五十年の十二月三十一日の十八法人に対してのと思いますから知っております。

中村利次民社党

○中村利次君 お認めになったとおり整理合理化をすると閣議決定をしています。ところが、廃止をするとしたのはたった二つと、あとはあり方を検討すると、これは閣議決定は存廃を明らかにしようというはずだったんでしょう、違いますか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) その十八法人については、廃止をせよというものと検討をせよというものと、そういうふうに勧告はなっておるわけでございまして、廃止せよ、統合せよ、あるいは検討せよとか、こういうふうな条件をつけて勧告を受けておるわけでございまして、廃止すべきものというのは、今回も八郎潟の新農村建設事業団あるいは電力用炭の販売株式会社、この二法人だけは法律を提案をして御審議を願うことになっておるわけであります。その他の五十一年度までに検討をせよと、どうするかというのは、例の鉄道建設公団と、それからもう一つ何でしたか、ちょっと私聞き忘れましたが、二つのあれがあるわけでございまして一そうでした、オリンピック記念青少年センター、この二つのものです。おおむねこれは検討がついております。どうすべきかという検討がついておるわけです。その他のものにつきましては、引き続いて検討をこれからするわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 質問をよく聞いていただきたいと思うんです。私は十八法人全部廃止しろという閣議決定をしたという質問ではないんですよ。整理合理化をすると閣議決定をしたんだから、答申に基づいて。だから、これは閣議決定は存廃を明らかにすると。残しておくか、あるいは残してどういうことにするか、あるいは廃止するか、それが二つだけは廃止で、あとはあり方を検討検討と、これは一年余りもたって、それではやっぱり大山鳴動ネズミ一匹、やっぱり看板は出したけれども、どこかでおかしくなってないかという印象はぬぐえないでしょう。いかがですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 法人の整理合理化でございます。その整理合理化というのは、あるものについては廃止、あるものについてはこれは民間に移譲、ある法人については統合、あるものについてはやはり組織の縮小、人員の縮小ということになるので、おおむね十八法人についてはいまやっておる最中でございます。廃止するものもあるし、統合するものもあるし、これから民間に移せるか移せないか、移譲できるかできぬかということを検討しておるものもあるわけでございまして、その他組織の縮小、人員の縮小等をやるものもあるわけでございまして、おおむね勧告の線に沿ってやっておるつもりでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 いつまでに結論出しますか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 五十一年中に検討をせよというもの、めどをつけなさいというのが、二つの法人がございまして、いま言いましたように鉄道建設公団とオリンピック記念青少年センターでございまして、それはおおむね検討ができております。その他のものはこれから五十二年にかけて検討をしていく、検討するつもりでございます。しこうして、八月までには何とかこの方針を決めるつもりでございます。できないものはできない、しばらく延ばさなければならぬ、あるいはできるものはこうするという方針は、この八月をめどにして決めるつもりでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これはまだうんと詰めなきゃいけませんが、どうもこれ時間もございません。これは総理、ひとつぜひ阻害要因は何だ、それから、本当に看板を上げたらこれは必ず実行する、そういうことで政治の信頼をつないでいただきたいし思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 政府では成案を八月につくりますが、その成案ができましても、これはほとんどそのうちの大部分は国会の御協力を必要とすると、こういうものでありますので、成案ができましたその上はひとつ御協力のほどをお願い申し上げます。

中村利次民社党

○中村利次君 次はエネルギー問題についてお伺いします。  まず最初にエネルギーの見通しについて。——通産大臣はいらっしゃいませんか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) もう一度、恐れ入りますが、エネルギーの……。

中村利次民社党

○中村利次君 見通しです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、総合エネルギー計画を五十年の十二月に閣議決定いたしましたが、その後におきますいろいろの変貌がございますので、先般も内閣といたしまして新たにこれを見直そうと、こういうつもりでございます。  なお、五十年当時の計画というものは、計数を申し上げましょうか、どういたしましょうか。——ちょっとお待ちください。エネルギー庁の長官が参っておりますから。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) ただいま大臣が申し上げました五十年八月の総合エネルギー調査会の答申によりますと、原子力につきましては四千九百万キロワット、LNGについては四千二百万トン、この二つを石油に対する主たる代替エネルギーとして、開発ないしは輸入を進めていこうということでございまして、それによりまして、石油に対する依存度を七五%から六三%まで下げていこう、こういったものを骨子といたしておりまして、六十年まで年率六・六%の経済成長を維持するためのエネルギーバランスということで、官民一致して協力すべき努力目標として設定されたわけでございますが、その後石油につきましては、御承知のように、OPECの動向によって左右される面が多い。現に二重価格制を採用しておるといったようなところからの混乱もございます。長期的にも、石油の供給の不安定の要素があるといったような問題もございます。代替エネルギーとして考えられております原子力あるいはLNG等につきましても、必ずしも順調に進捗いたしておらない、かような状況でございますので、先ほど大臣が申し上げましたように、現在総合エネルギー調査会におきまして、整合性と実行性の伴ったエネルギー政策を確立するための見直し作業に入っておると、こういう段階でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 ちょっと私の質問が悪かったんですかな、エネルギーの全体的な見通しについて、もっと、たとえばOPECの動向もいま御答弁ありましたが、石油事情がどうなっているのか、あるいはOPECの動向等から見て、石油価格の問題がどう推移をしそうなのか。まあ四十八年のオイルショックは、あれは中東紛争というアクシデントに端を発したものですよ。今度は本質的な問題になりそうなんです。その代替エネルギーをどうするのか、そういう総括的なエネルギーの見通しについて伺いたかった。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 若干長くなるかもしれませんが、お許しをいただきまして。  まず、石油につきましては、ムーディの調査によりますと、現今、世界における石油の埋蔵量は約六千数百億バレルと言われておりまして、これは昨年の生産が二百億バレルでございますので、かれこれ三十四、五年の可採年数になろうかと思います。ただ、二百億バレルの生産に対しまして、新しく発見される量が百五十億バレルほどございますので、そういった関係から、直ちに可採年数が急激に減少していくということはなかろうかと思います。ただ、少なくとも生産量の方が新しい発見量よりも上回っておるということ、あるいは可採年数もある程度の年数になりますと、産油国といたしましても、生産量を制限するとか、あるいは価格を引き上げていくとかいったような動きが当然予測されるわけでございまして、そういった意味合いにおきまして、石油につきましては、世界的な傾向といたしまして、量的にも価格的にもきわめて不安定な情勢にあると申し上げてよろしかろうかと思います。  で、さような石油にかわるべきエネルギーといたしまして考えられておりますのが、まず代替エネルギーとしての原子力とLNGでございます。  原子力につきましては、先ほどお答えいたしましたように、昭和六十年度において四千九百万キロワットの努力目標を掲げておるわけでございますが、現在稼働中のものが七百四十万キロワット、建設中、準備中のものも入れまして、ようやく二千二百万キロワット程度でございまして、ここ両三年の間に二千七百万キロワットについて電調審における決定がなされない限り、六十年度までに四千九百万キロワットの達成は困難である、かような状況にございます。  それからLNGにつきましては、六十年度四千二百万トンに対しまして、現在までのところ、かれこれ千六百万トン程度の確保がなされておるわけでございますが、その他の地域におきましても、LNGの開発プロジェクトが進められておる段階でございます。  それから、国産エネルギーといたしましての水力、地熱、石炭等におきましては、大体当時の総合エネルギー調査会から答申されました数字に即応して、現在その方向に進んでおると、かような状況になっておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 そこで、これは資源外交の問題もありますけれども、石油問題はかなり深刻な見通しであるということですね。そうなりますと、たとえば原子力の問題、いま例に出されましたが、六十年度六千万キロから四千九百万キロに見直しをして、これももう達成できそうにない。大体幾らぐらい、大まかでいいですけれども、幾らぐらいになりそうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 先ほど申し上げましたように、総合エネルギー調査会で見直し中でございますが、ただ、民間のあるエネルギーの研究機関の数字では、二千七百万キロワットないし三千万キロワットという数字が出ております。

中村利次民社党

○中村利次君 まことに憂うべき状態ですよね。確かに三千万キロまでいかないのじゃないかと、こういう見通しのようですよ。これは阻害要因は何だとお考えですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 阻害要因といたしましてはいろいろ考えられるかと思います。技術的な問題、あるいは資金的な問題もあろうかと思いますが、特に、内外を問わず大きな問題になっておりますのは、立地難であろうかと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 立地難、そうでしょう。  ところで、電力の需給見通しはどうなっていますか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 長期的な面と当面の問題を申し上げますと、長期的には、現在の約九千万キロワットの能力を六十年までには一億九千万キロワットまで持っていこうということで努力をいたしておるわけでございます。  当面的な問題といたしましては、ただいま先生御指摘のように、いろいろと立地手当てが難航いたしておるという関係もございまして、景気の回復に伴っての需要の堅調化とともに、一部の地域、たとえば北海道、北陸、中部、中国と、こういった地域におきましては、予定どおりの開発計画が進まない場合には所定の予備率、まず八ないし一〇%と見ておるわけでございますが、八月の最大ピーク時において、この予備率をかなり下回る結果になりはしないか。その結果といたしまして、特定の地域におきましては電力の安定供給が妨げられるおそれがあるという認識をいたしております。

中村利次民社党

○中村利次君 北海道なんかは、これはもう制限やったんですよ、去年から。いまおっしゃった予備力ですね、大体どういうことになりそうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) ただいま五十二年度の設備計画につきまして整理中でございますので、断定的なことは申し上げられませんが、全国平均いたしまして、現状の計画が進めば全体として八%ぐらいの予備率になろうかと思いますが、現存計画されておる開発が進まない場合には、予備率は平均いたしまして五%前後になるのではなかろうかということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 なかなか難航をしましてね、これはもう予備率は大変な状態になっているんですよ。もっとひとつ具体的に答弁してくださいよ。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) ただいまも申し上げましたように、現在数字を集計中ということでございますので、全国平均的に申し上げて五%下回るということでございます。それから特定の地域にりきましては、やはり確定する段階まで発表を差し控えさしていただきたいと思いますが、たとえば、例に挙げておられます北海道地区、これは本土との連係性がございませんので、他の地域よりも高く予備率は一五%程度が必要だろうと思いますが、本年夏でそれを下回りまして九%程度、さらに伊達火力あるいは道南火力といったような、予定されておる計画が意のままに進まない場合には、さらにそれを下回る可能性があるということで、御指摘のように、地域によっては非常に重大な供給不足を来すおそれがあるということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 私が承知するところでは、これはもう各社ごとに言って、たとえば中部では、五十四年以降はこれは赤ランプですね。それでまあ渥美、尾鷲の問題がありますけれども、これが順調にいかなければ五十四年にすでにもう予備力はゼロ、ほとんどゼロになる。五十七年になるとお手上げであると、こういうことになっているんですが、どうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 何度も申し上げて恐縮でございますが、現在まだ計算中でございますが、大体先生の御指摘のような数字になろうかと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 まとめて申し上げる。これは国会の議論というのは、やっぱり国民に事実を理解してもらわなければいけないんで、いいかげんな答弁をしてもらっちゃ困るんですよ、何か調査中であるとかなんとか。調査中だったら、大体こういう見通しである、正確なことはいままとめておる、こういう答弁でないと、逃げばかりやられたんじゃ困るんですよ。北陸の場合には、これは七尾の問題がありますけれども、五十五年にはもう  マイナス七・七%でお手上げなんというもんじゃない。だから融通電力を五十三、五十四、五十五、これはやることになっておる。そういう事実は御存じじゃないですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) また計算が最終段階になった段階では修正さしていただく可能性もあるということを前提といたしまして、ただいま御指摘の北陸電力について申し上げますと、五十二年度は七%、五十三年度は六・八%、五十四年度におきましては八%でございますが、七尾火力が稼働しない場合には三・二%、五十五年度は九%で一ございますが、有峰の水力が稼働しない場合には四・七%、五十六年度におきましては、予定どおりにいって一四%でございますが、ただいま来申し上げているような計画が進まない場合にはマイナス値になるということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 どうもぴんとこないんですな。関西、中国はどうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 関西につきましては、一応ここ三、四年は八%前後の予備率で推移いたしますが、相生の火力が予定どおりに完成しない場合には、五十六年度におきまして二%程度の予備率と、適正な予備率をはるかに下回る数字になるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これはもう通産省のエネルギー庁長官の発表数字なんというものは希望的観測ばかりだと思いますがね。中国にしても、これは九州、四国から融通をしてもらって五十三、五十四、五十五はしのがなければならない状態です。それで五十六年がゼロ、五十七年になるとマイナス九・八%、こう現状ではなるだろうと。ところが、なお深刻なことには、電調審が決定をした後、着工できないものがいっぱいあるじゃないですか。どういうところがありますか。通産省は的確につかんでおいてもらわなきゃ困りますよ。だから、電調審の責任者の総理がお困りになる、実情がわからなければ。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘のように、電調審の決定があった後、なお着工に至っていないものが昨今ふえてきておるわけでございますが、特に新宮津の第一、第二火力のごときは、四十一年の四月に電調審の決定を見ながら、いまだに着工いたしておらない、こういったことでございまして、その他、尾鷲、渥美、金沢、女川と含めまして、約三百五十万キロワット程度が地元の反対のために現在なお着工に至っていないというケースでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 それでは、電調審が決定をして、着工しなければならない、立地問題、地元の反対等でなかなか困難がある、そういう点について、事業者は事業者なりの努力をしておりましょうけれども、政府は事実確認をどうなさっていらっしゃるのか伺います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 立地難を解消するためには、公害対策だとか環境の保全対策については当然のことでございますが、その他にも、中央、地方を通じて各省庁非常に関係が多うございますので、そういった関係機関との連絡を緊密にする、あるいは電気事業者が、供給責任を果たすために地元の了解を得るために一段の努力をする、かようなことも当然必要でございますが、ただいまの時点におきましては、さような一般論としてではなくて、個別具体的な地点につきまして、その個別事情に即応した対策を展開する段階に至っておると、かように考えておりまして、私の方でも、個別地点ごとに問題があったらそれに対する適切な対策を打っていきたいと、かように考えておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 なかなかそれが適切な対策が打たれていないからこそ、先ほどから明らかになっておるようなきわめて深刻な状態になるんです。もしエネルギー不足になって制限をしなきゃならなくなったら、これは、われわれはのほほんとしているけれども、四十八年のあの深刻な不況と狂乱物価の原因は何だ、エネルギー不足でしょう。政府は、二月はエネルギー月間としての看板をかけられた。私はこれはりっぱだと思う。しかし、いま言うように中身がなかったら、看板だけかけて、そして現実にエネルギー不足が来たときにあわてふためいてもこれはどうしようもないんですよ。これには総理がやっぱり事実をはっきり認識するような体制をつくること。それから各省庁がてんでんばらばら、なわ張り根性があるのかないのか知りませんけれども、建設省は建設省、国土庁は国土庁、通産は通産、科技庁は科技庁、あるいは環境庁は環境庁、てんでんばらばら行政では、これは一歩も進みませんよ、どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御指摘はまことにそのとおりでございまして、特にエネルギーの問題等は、総論ではなく各論でありまして、現実に一つ一つの問題を具体的に解決してまいらなくては相ならぬのでございます。さようなことからも、特にこの内閣となりましてから、エネルギーの問題を真剣に具体的に取り組もうという姿勢のもとに、先般、総理を中心といたしました閣僚協議会をつくり、なおまた各省庁を束ねまして、その具体的な施策の中核に通産省が当たり、同時に総合エネルギー調査会をつくりまして部門別の具体的な計画を実施すべく目下努力中でございます。で、ただいまのお話のごとく、本件につきましては特に総理からの御指名もございまして、お話しのように、具体的に一つ一つの問題を解決していこうと、こういう姿勢で、いま鋭意取り組む段階にございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これはまた後ほど総括的に総理にはお尋ねします。  ところで負荷率はどうなっていますか。これはやっぱり健全な産業活動が必要とするエネルギー、国民が最低限必要とするエネルギー、これを守り損なったら、確保をし損なったらえらいことになるのです。同時に、立地問題等を解決すると同時にやっぱり節約問題もある。負荷率の問題について、これはエネルギー庁長官どうですか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) エネルギー庁長官、いまの質問を聞いていましたか。

中村利次民社党

○中村利次君 申しわけありません、どうも突然になりましたから。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 資料に基づいて申し上げますと、五十年は六〇・七でございます、各地域平均いたしまして。その前をさかのぼってまいりますと、四十五年時点で六九・八%。かれこれ七割近かったわけでございますが、逐年少しずつながら負荷率は下がっていっておるというのが現状でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 大体正しいとらえ方だと思いますよ。  これは、負荷率が六〇%ということは容易ならざることでして、立地問題がこれほどうるさいときに、難航しておるときに、無効投資をいっぱいしなければならないという、巨額の金をかけて。負荷率改善の何か対策はないかということも当然考えなければいけないと思いますが、いかがですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 負荷率が逐年少しずつながらも下がっておるというのは、いわゆる夏場のピークが非常に高くなってきておる。その夏場のピークに合わせまして設備投資をやるといっかようなところから出てきておることだろうと思います。そういった意味におきまして、ピーク時をできるだけ避けて電力を使っていただくといったような指導も必要だろうと思います。一つには、料金面におきまして特約制度を拡充していくとか、あるいは各消費者のサイドにおきまして、できるだけピークを避けて使うということが必要だろうかと思います。あるいはその主たる原因が冷房にあるわけでございますので、必要以上の冷房をしないような使い方もまた当然のことではなかろうかと思うわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 それは決め手がないのです、どうしようもない。  ところで、いまおっしゃったクーラーの普及率は何%ぐらいですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 手元にいま数字を持っておりませんので後ほど御答弁さしていただきたいと思いますが、ざっと二、三〇%ぐらい、工場、事務所あるいは住宅、全部含めまして二割五分前後になっておるのじゃなかろうかと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 結構です。大体、いま三〇%ぐらいだろうと言われていますね。ところが、これはクーラーの需要を制限するなんというのはなかなか容易じゃないのですよ。それで、これはぜいたく品でないような、もう生活必需品になっておる。たとえばこれは騒音公害その他いろいろあります。住宅が密集しておる。窓はあけておけない。夏、クーラーでもつけなければおかしくなる。あるいは事務所、ビル、これはクーラーを制限するということは不可能と私は思う。それが三〇%普及をして、そしてなお、長官がおっしゃるように夏はこれも三〇%ぐらいクーラー需要に電力は食われる。そういうことになりますと、負荷率が下がるのは当然なんです。対策はありませんか。もし需給バランスが崩れた場合どうしようというのですか。クーラーをとめることができますか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 直ちにクーラーをとめるというわけにもまいらないだろうと思いますが、そういった供給制限をかけざるを得ないような時点に対してどう対処していくか。従来は、どちらかといいますと大口需要者にピーク調整をお願いいたしまして、そのうらはらの関係といたしまして特約料金制度を適用しておる、こういうことでございますが、どこまでそういったものを広げていけるかという問題もあろうかと思います。直接個々の家庭には無理ではなかろうかと思いますが、業務用でもかなり広く特約料金制度を拡充していけるような方向もあろうかと思いますので、その方向で検討いたしたいと思いますし、あるいは現に一昨年の十二月、アメリカで制定されておりますエネルギーの節約法なども参考にいたしまして、たとえばエネルギーの使用効率を高めるとか、あるいはその保証のためのラベルを添付させるとかいったようなこともやっておりますので、わが国におきましても、クーラーにかかわらず、家電製品が非常に多く普及してまいっておる現状でございますので、そういったものについて効率的使用ができるような、機械自体の改善といったようなことも検討していく必要があるだろうと思うわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 エネルギー庁長官がおっしゃるように、これはいろいろな需要、家庭用を制限するわけにはいきません。やっぱり電気事業法を発動しても、経験があるように大口から制限をせざるを得ない。これはまずは協力を求める、それで間に合わなければ電気事業法の発動をしなければならない、そういうことになりますね。  いま、こういう状態で、景気、物価問題がこうなっておる。それからいまの状態、この後遺症がどこから生じたかと言ったらば、明らかに四十八年のエネルギー問題から生じた。そうなりますと、これは、大口から制限をしなければならないということになった場合の、景気と物価に与える影響は、経企庁長官と通産大臣、ほかに閣僚でお答えになる方がいたら伺いたいと思います。どうなんですか。大口需要が制限されるわけですよ。さっきの政府答弁によって確認されたことは、そういう事態になりそうだというわけですから、数年を出ずして。そんなことはやっぱり計算の中に入れなければいけませんよ。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お言葉の内容でございまするが、ただいま御指摘のように、エネルギーの問題は近く非常に市大な段階に参る。特に電力等の、国民生活に対しまする甚大な影響力を持った電力が、各地ともに重大な難関に逢着いたしまする前に、何とか打開をいたさなければなりませんが、しかし同時に、それに対しましては、御案内のとおりに、産業の構造につきまして、何といたしましても、生産面に非常に大きなひずみが参らざるを得ません。そういう問題に対処いたしまして、われわれは今後全力投球と申しますか、内閣を挙げましてこの問題と取り組みまするが、いまの、物価にはね返ってまいります影響の、国民経済計算の問題につきましては、いまの私の手元では明確な計数を算出いたしておらないのが現状でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 明確な数値を算出しておらないということが、エネルギー月間という看板をかげながら中身は何にもないということになるんですよ。大体、発電所が、電調審の認可があってから何年かかるか御存じですか。これはそういうことすらわからぬというのでは、これはどうにもならぬな。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 発電所が、電調審ができましてから一これは原子力の場合と一般の発電所の場合と違います。原子力の場合は原子力委員会に安全の問題がかかるわけでございます。したがって、これはかなりの時間かかりますが、一般のがついてまいりますれば、電調審を通りまして通産省の認可が要るわけでございます。で、この通産省の認可を得まして着工いたしまして、百万キロワットぐらいのでございますれば、五年から七年ぐらいの間でできると思います。ただいま申し上げましたのは、いま建設中の松島火力、こういうのを頭に置いて申し上げておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 まあまあでしょう。原子力の場合には順調にいって八年、現状では十年以上かかってもどうにもならぬというのがこれが現状です。  それからもう一つは、先ほど申し上げました電調審の決定があっても着工できないものがある。だから、こういうものを、もう一回繰り返しますけれども、どうするんです、これを。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 電調審で決定してなお着工ができてないケース、その主たる原因は立地問題でございます。したがいまして、立地問題に焦点を合わせまして、先ほどもお答えいたしましたように、個別立地点ごとに事情も異なるわけでございます。もちろん共通の面もございますが、その実情に即応した対策を打っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 大臣方ね、のんびりしていらっしゃいますとこれは政治責任を問われますよ。私がこういうことを申し上げると、環境庁長官なんかは、何であのやろうあんなにむきになってエネルギー不足エネルギー不足とこう叫ぶんだとおっしゃるかもしれない。これは、私は三月の二十一日に長官のNHKの七時十五分からの夜のラジオを聞いていました。大変にユニークな発想で、私も非常におもしろく敬意を表して拝聴しましたけれども、このエネルギー問題が立地問題でにっちもさっちもいかなくなる。ここだけは私はこれは長官に言っておかなければいかぬ。ところが、何とかしてくれ何とかしてくれと言って盛んに政府に陳情をする。ところが、電力会社の社長なんか、これはオーナーじゃないのに何であんなに熱心にやるんだろう。これは何も社長、経営者だけではありません。働く十三万の労働者も立地問題を何とかしなきゃ——これはばかな話ですよ、あなた、わずかな給料できゅうきゅう働いて、そんなにかっかかっかなってやらなくてもいいじゃないかという発想は発想として、そして足りなくなったら反対だ反対だと言っている人たちだって、これは困っちまえば発電所何とかしろということになるんだから、そのときでいいじゃないかという発想はきわめて私は自然だと思う。われわれもそうありたい。しかし、そうなったときには、やっぱり知っている者からするともう一発どうにもならぬと、こういうことになるから、だから、なかなか、文学者としての長官のユニークな発想というものにわれわれが逆らうようなことをやらざるを得ないのが現状ということはひとつ御認識をいただきたいと思うんですね。  そこで、私は立地問題を解決するには、各省庁、総理を中心として、もう内閣が全部、地方自治体を含めてしっかりしてもらわなければ困るというのは、北海道の伊達なんかでき上がっているのです。パイプラインでにっちもさっちもいかない。ところが、私がまことにもっておかしいと思ったのは、もう何カ月もたって、半年以上もたって、道庁でそれがとまっていたという、認可申請が、道路許可だとか、あるいは農地転用の認可申請が道庁でとまっていた。これは政府は関係ありませんじゃ済みませんよ。どうですか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 伊達発電所の問題でございますけれども、道路区域内に設置される石油。パイプラインについては、道路法第三十二条によって道路管理者の道路占用許可を受けることになっておる。したがって、石油パイプラインの特殊性にかんがみまして、建設省としては道路局長通達によって道路管理者から事前協議を受けているものでございます。したがって、本件のパイプラインは昨年九月から十一月にかけて北海道電力より各道路管理者に、これに対しまして道路占用許可申請が昨年ございまして、この通達に従って建設省においても現在説明を受けているところであります。したがって、先ほどからのお話ばかりではなくて、現在エネルギー問題がどのような状況に置かれるか、あるいはまた北海道が特にその中でも厳しい状態にあるということはよく知っております。でありまするから、この問題につきましてはお話があり次第、十分この立場の方から考えまして、そういう状況の中から考えまして、至急にこの解決をつけていきたいと、こう考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 去年の九月に申請して、いま四月であるという、何カ月たっていますか。そして北海道は制限をしなければならないという。これは伊達が運用すりゃ当面制限の必要がないんですよ。こういう異常事態を何カ月もほったらかして、これは直接通産省だとかあるいは建設省の責任だとは言いません。しかし、北海道の中でそいつがまだとまっていたということになれば、政府がエネルギー月間という看板までかけるんだったら、そういう実態をどうくみ上げて、どう解決、どう対処するのか、ここまでありませんと、中身があるとは言えないのです。だから総理、ひとつ月間までこさえて看板もかけられるからには、閣僚を叱吃激励をして、この中身をつけてもらわなければ困るのですが、いかがですか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) この私の方の道路というものは、その中の部分的なものでありまして、他に北海道道庁によって解決つける部分がたくさんあるわけでございます。ですから、その部分の解決がつかなければ——私の方はいつでもそういうものには応じてまいりますから、北海道自身、そのもの自体、北海道庁そのものがひとつ許可してもらわないと、中に入ってそいつを通してもらわないと困る問題がある、こういうことでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 私の言っていることをお聞きになっていない。——これは質問じゃないんですよ。まるきり違うんです、私が言っているのは。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) いずれにしても起立して発言してください。

中村利次民社党

○中村利次君 冗談じゃない。じゃ正しく答弁しなさいよ。質問に正しく答えてないでしょう。私が質問しているのを繰り返しますか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) いまほどの話は、それは私の方の道路、国道だけの問題ならば解決は早いけれども、そうでなくて……

中村利次民社党

○中村利次君 そういう質問ではなくて、北海道で、確かに向こうの所管事項で向こうでとまっておると、北海道は制限をしなければならないのに、九月から、もう四月だというのに、まだ、この建設省に出ているのか出てないのか、来ているのか来てないのかわからないような状態では、これは救いがないじゃないか。そこで、直接建設省とか通産省の責任ではなくても、地方自治体を含めて、やっぱり立地問題等を解決するにはどうすればいいかということは政府にも相対的に責任がありますよと、だから、建設省の責任を追及しているのじゃないんですよ、わかりますか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 地方自治体の問題ですから。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは私がやりましょう。  中村さんの先ほどからの話ですね、これは私は全く同じ考え方を持っております。エネルギー問題は、これは総合的な長期計画、これは大事なんで、いまその改定の作業を進めておるんですが、しかし、問題は当面にもあるんです。私は電調審が済んで、そして、まだ着工できない、そういう地点につきまして、これはすべて一つ一つ問題を解決したい、だから何ゆえに着工できないのかという点を全部ひとつ書き出してもらいたい、こういうことを関係閣僚に要請をいたしておるわけであります。そういう要請をしたのが、つい二十日かそこらぐらい前の話ではございますがね。あるいは建設省に問題のあるものもあるかもしらぬ、農林省に問題があるのがあるかもしらぬ、環境庁の問題もあるかもしらぬので、その阻害要因、これが出てきますからね、それを見まして、一つ一つ現実的に処理し、解決していきたい、こういうふうに考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 まだこれはいろんな詰めを行わなければなりませんが、なかなか与えられた時間内では、これは尽くすことはできません。  そこで、次に移りまして、国鉄の再建問題について質問をいたします。国鉄の運賃法及び国鉄法の一部を改正する法律案の要綱を簡単にわかりやすく御説明願いたい。これは運輸大臣からお伺いします。簡明に願いますよ。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) 今度、御審議願う二法、一つは運賃決定の方式を法定制の緩和によって適時適切にできるようにしていただきたい。いま一つは国鉄が投資をする、その範囲を拡大していただきたい。この二つでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 どうもちゃんとしたお答えがないんですよ。赤字をどうしようというのはないじゃないですか。これがしんでしょう、あなた。とぼけた答弁だな、どうも。再建ということは莫大な赤字をどうするかということが伴わなくっては。……

住田正二運輸省鉄道監督局長

○政府委員(住田正二君) いま御提案いたしております法律でございますが、運賃法の改正と、日本国有鉄道法の改正と二つに分かれておるわけでございます。まず運賃法の改正でございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、法定制度を緩和いたしまして、運輸大臣の認可で運賃値上げができるようにしたい。その基準でございますけれども、国鉄の経理が赤字である場合には、賃金、物価変動率に一五%の率を加えた率を上限として運賃値上げをする。赤字が解消された後は、まだその段階では累積赤字が残りますので、賃金、物価変動率に五%を加える、そういうことで累積赤字が解消されるまで法定制度の緩和をするというのが運賃法の改正の内容でございます。  それから、日本国有鉄道法の方は先ほど申し上げましたように……

中村利次民社党

○中村利次君 収支バランスは何年にとろうというのですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○政府委員(住田正二君) 一応現在予定いたしておりますのは、おおむね昭和五十四年度に収支均衡をとる、単年度で収支均衡をとるという前提にいたしております。

中村利次民社党

○中村利次君 ことしは一九%の値上げをされる予定だそうですけれども、昭和五十四年度に収支のバランスをとろうということになると、五十三、五十四年度は大変な値上げをしなきゃならぬということになりますが、どうなりますか、結果として。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○政府委員(住田正二君) 先ほどお答えいたしましたように、おおむね昭和五十四年度に収支均衡をするということを目標にいたしております。したがいまして、いま御指摘のように、本年を含めまして二十数%の値上げが必要となるわけでございますけれども、しかし一方、現在の国鉄の置かれております状態から言いますと、他の交通機関と非常に厳しい競争関係に立っておりますので、国鉄としてはできるだけ経営努力をいたしまして経費の節減をする、あるいは、増収努力をするということで、値上げの幅をできるだけ低く抑えて、五十四年度で収支均衡に持っていきたい、さように考えているわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 具体的にはどういうことをなさるんです。やっぱりつじつまが合わなければいけませんよ。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○政府委員(住田正二君) まず均支均衡するためには増収を図るということと、経費の節減を図るという二つの面があるわけでございます。で、増収の面につきましては、先ほどもちょっと触れました関連事業収入をふやしていく、あるいは営業上の増収努力を払うということ、また経費の面では、国鉄は貨物の面であるとか、あるいは地方交通線の面であるとか、あるいは手小荷物、船舶、自動車、いろいろ赤字要因を抱えておりますので、そういう赤字要因につきまして具体的に赤字の解消策を立てていく、そういうことで経費を減らし赤字を減らしていく。そういう努力をやりまして、できるだけ低い値上げ率に抑えたいというように考えているわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは国鉄総裁には後ほど承りますけれども、やっぱり値上げをしても、去年の五〇%の値上げで飛行機に客を取られちゃった、トラックや船の輸送に貨物は取られちゃった、こういうことでは値上げをすることがかえって国鉄の再建にはならなくて壊滅につながるということになるんですが、そういう点、どういうぐあいにお考えですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○政府委員(住田正二君) いま御指摘がございましたように、国鉄は旅客の面でも、特に貨物の面は厳しいわけでございますが、他の交通機関と非常に厳しい競争をいたしております。したがいまして、安易な値上げをいたしますと、いま御指摘のように、他の交通機関にお客さんが流れる、あるいは貨物が流れるということになるわけでございます。ただ、国鉄としても非常に競争力の強い面があるわけでございますから、そういう.面を中心に運賃制度の調整を図っていって、できるだけ国鉄離れの現象が起きないような工夫をいたしていく必要があろうかと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 去年、約五〇%の値上げをして三七%の増収を図ろうとしたんだが、実際にはどれくらいの増収になりましたか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 毎月状態が変わってきております。まず最初、値上げ直後はもちろんいわゆるショックというような関係もございまして、非常に減ったわけでございます。その後、お正月ぐらいには少し戻りかかってきたわけでございますが、大変ことし雪が降りましたために、非常に申しわけないんでございますけれども、安定輸送ができませんでしたために、料金、運賃の関係もございますけれども、輸送が不安定ということで、またお客様が減っておる。で、三月になりまして大分状態がいま戻ってきておりまして、三七%というようなことを見込んでおりましたけれども、まだそこまではとてもまいりませんが、ごく最近になりまして三〇%前後のところまで届くということになってきております。そういうことで三七という見当をつけておりました水準から言いますと非常に低いわけでございますが、ここ一カ月ほどの各旬別の数字を毎日のようににらんでおりますが、漸次改善の方向には向かっておるという現状でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 それでまた、あなた、ことし値上げしたらどうなりますか。それで、国鉄が値上げしたことによって、どうですか、航空機の利用はどういうぐあいにふえましたか。これは運輸大臣。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) グリーン車の方が航空運賃より相当高くなったこともございまして、飛行機は満員でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 まことに簡明なお答えで結構ですが、飛行機の運賃を決める場合、いわゆる損益分岐点と言うんですか、あれは何%ぐらいに見るんですか。無定見に決めるわけじゃないでしょう。どれくらいの利用率があれば……。

高橋寿夫運輸省航空局長

○政府委員(高橋寿夫君) 機材と路線によって多少違いますが、おおむね六〇%台と考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 利用率が……。

高橋寿夫運輸省航空局長

○政府委員(高橋寿夫君) 損益分岐点利用率という、そこの六〇%台を下がると赤になっちゃうということですね、ぎりぎりの線でございます。損益分岐点利用率です。

中村利次民社党

○中村利次君 私が承知するところとは違いますけれども、それでいってもいいですよ。とにかく満席になりましたという運輸大臣のお答えでありますから、これはもうかっておるんでしょう。ところが、やっぱりいま航空局長が御答弁になった、新幹線ががらがらになったから、競合路線の航空運賃は、やっぱり国鉄の旅客のことも考えた航空運賃を考慮しなきゃならぬという御答弁になっておる、そういうことになるでしょう。どうですか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○政府委員(高橋寿夫君) お答えいたします。  航空運賃を上げるべきかどうかという点は、航空企業の適正な原価を見なければわかりません。このことは当面の問題でございますと、昭和五十一年度の決算を見まして、決算によりまして判断することでございます。それで、いまの先生のお尋ねの点は、仮にというお話として私は申し上げたことがございますが、仮にいつかの時点において航空運賃を値上げするというふうなことが起こった場合には、私は全国の総合的な交通体系という観点から考えて、国鉄ががらがら、航空が満席ということでは不適当じゃないかと、そういった路線については若干航空の運賃を高くしておくべきじゃないかと。そして、どうせ増収率は決まってますから、国鉄の競合路線で若干高くすれば、その分はそれ以外の非競合路線、恐らくローカル線が多いと思いますけれども、そういったところの航空運賃の上げ率を下げるという形にして、いわば均衡がとれた運賃体系ができるのじゃないかということを考えたことはございます。これはいずれも仮定の問題でございまして、実際に運賃改定が行われるときにどうするかという問題は、おのずから別であります。

中村利次民社党

○中村利次君 だから仮定であろうと、そういう発想そのものがとんでもない話だと言うんですよ、国民的に言えば。ところが、そういうことを考えなきゃならない、これは考えなきゃならない状態はわかります。やっぱり国鉄運賃なんというものは単独で上げたり下げたりすべきものじゃなくて、運賃体系、輸送体系——飛行機から船から、トラックから、みんなそういう総合的なものになる。それを国鉄の再建だ、赤字だということで、やることもやらないで運賃値上げばかりに狂奔していたんでは、これはもうみんな輸送運賃そのものが上がっちゃって、国民生活はどうなるんだ。これは景気回復の問題から物価問題にかかってくるんですよ。そういう算術があって、政策がないということじゃ困る。総理、いかがですか。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) 本来、総合運賃体系というようなものがつくられなければならない時期は来ると思います。まあこの航空会社の運賃の場合を考えてみましても、いま航空局長がそういうことを検討したといいますか、考えた時期もございましたと申しましたが、だからといって私は国鉄運賃というものを基礎にして航空運賃は論じるべきではないと、これは私の信念でございます。でありますから、航空会社の決算というものをまず見てみて、まあこれは五月ごろになると出てくると思いますが、日本航空は伝え聞くところによると、とんとんくらいじゃないか、あとは黒が出るんじゃないかというようなことを聞いておりますけれども、それはそれとして、今度の着陸料の値上げをも吸収できるような黒字を出しておる場合においては、私は安易にこの航空運賃を値上げすべきでない、このように考えます。でありますから、そのような考え方の上に立てば、国鉄の運賃値上げというものもまた考えなきゃならぬ、そういうふうになるでありましょうけれども、しかし、私は国鉄の再建というのは、国鉄運賃だけを考えて再建をすべきじゃない。再建要綱も明示しておりますが、何と言ってもこれは私の考えでございますから、おしかりを受けるかもしれませんが、まず労使の正常化というものが基本になっての徹底した経営の合理化、いわゆる経営努力というものが中心にならなければいけないし、関連事業収入というようなものがもっと伸びていかなければならない。でありますから、一応私どもは五十四年度というものを収支均衡年度と設定いたしましたけれども、それは硬直的に考えることはないだろう、このように考えておる次第でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 委員長、関連。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。向井長年君。

向井長年民社党

○向井長年君 大半の国民の声として申し上げたいと思うのですが、政府なり国鉄総裁に。少なくともいま公共企業体、国鉄を初めとし、あるいは林野庁も、あるいは郵政もほとんど赤字ですね、すべて再建をやらなければならぬ、こういう形にいまなっておると思います。政府は安易にこの再建に対して、赤字に対して運賃値上げ、あるいは料金値上げを実行すれば、これは受益者負担だからあたりまえだと、こういう物の考え方が私はまず間違っていると思う。運賃値上げ、料金値上げも適正にやることは必要です。しかし、その前に企業の企業努力というものがなければならぬ、企業の合理化というものがなければならぬ。そして労使が常に国民を主体にしてサービス、対立ばかりではなくて、そこにやはり国民にこたえる道を求めなければならぬのじゃないか、三つが相まって国鉄の再建が成ると思う。ところが、政府は安易にこれを料金値上げに持っていこうとする、あるいはまた運賃値上げに持っていこうとする、ここに国民の批判があるのですよ。たとえば、いま国鉄総裁に高木総裁が就任されて非常に私たちは期待をしておる。高木総裁ならば国鉄を再建するであろうと、こういう期待感をただいまも実は持っておるわけです。ところが、御承知のごとく相も変わらず労使関係は不正常です。常に違法ストが繰り返されておる。これはやはり当局にも責任はあると思う。あわせてこの問題は、やはり組合自体の主体性の問題、あるいは正常な労働基本権の確立という問題もはさまっておると思います。しかし、幾ら悪法であっても、法律がある以上は法治国家で守らなければならぬということ、これは当然であろうと私は思う。そういう中にあって、今日まで違法ストを繰り返してきた、これに対して国鉄当局が、いま何ですか、国鉄総裁の談話が出ておりますけれども、昨年の違法ストに対する処分がきょう発表されておるじゃないですか。少なくともなぜ昨年じゅうにこれを決めなかったのか、期の途中に決めなかったのか、少なくともやはり賃金なり、あるいはその他の諸手当というものがその期に執行されて、された後にきょう発表されている、この姿勢というものが私は間違いだと思う。ここにまず、やはり労使が本当に理解し合うという体制を取りつけなければ、そして二年間すれば復権をする、処分者に対する復権をする、これが悪循環を繰り返して今日に来ておるのですよ。国鉄再建というものはそこから始まらなければならぬ、私はその点について非常に不満に思う。ただ料金だけの問題じゃありません。あわせてこれは政府の三者一体となった責任を私は答弁願いたいと思う、考え方を。これは総理なり、あるいは運輸大臣なり、あるいは国鉄総裁、これを私は指摘して関連質問を終わります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 国鉄の立て直しの基本は、いま御指摘のように、企業自体が労使とも一体となってその問題の深刻性に取り組むということにあると存じます。先般閣議でお決めいただきました再建の考え方におきましても、それと並んで運賃の問題、あるいはいろいろ行財政上の援助をいただく問題、これを三本柱にするという考え方を示されておりますが、私どもはその三つの中であくまでも企業自体の努力の問題が中心であるという認識で取り組んでおります。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) 日本人である以上、法律を守るのはこれは当然でございます。厳しく守っていただかなければなりません。処分ということになりますと、これは本来国鉄がやることでございまして、政府がとかく介入すべきではありませんが、いずれにいたしましても正常な労使関係が今後も保たれていくことを祈ってやみません。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 運輸大臣からお答えしたとおりでありますが、政府の援助も必要です。それから国民の協力、つまり利用者負担も大事でありますが、かなめは何と言っても、私は国鉄自体が労使相協力いたしまして、そうしてその企業体としての秩序を正し、そうして能率を上げる、そこにある、かように考えます。

中村利次民社党

○中村利次君 労使協力なんというのはどこにあるんだかね、だから問題なんですよ。国鉄総裁、「国鉄を憂う」という本をお読みになったことがありますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 読んでおります。

中村利次民社党

○中村利次君 これは国鉄の職場のいろんな実態が書いてあります。  それから、きのうの朝日新聞に——これは投書欄なんです、ある主婦が国鉄に貨物なんかもう預けたくない、国鉄に行ったらえらい迷惑したという、えらい時間かかって。ところが、輸送業者に頼んだらびしっとちゃんと——これはきのうの朝日の投書欄を読んでごらんなさい。こういう状態がなぜ起きておるのか、どうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私も投書を拝見をいたしましたが、あれは貨物というよりはどちらかというと荷物の問題のようでございます。荷物につきましても、なかなか現在全体としてうまく動いてないわけでございます。ただ私どもも、鉄道に適した物を運ばしていただく、トラックの方がよりサービスが適合するものはやはりトラックにお願いする、みだりに競争だけではうまくいかない、適正分業ということで考えております。ただ、投書自体にありました問題については、私どもも深く考えなきゃならぬ問題であるというふうに思っております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは世界に冠たる国鉄の歴史というのがあるんですよ。とにかく時計みたいにぴしっとダイヤが動いていた時期は国民の信頼が厚かった。ところが、いまやどうですか、国鉄に対する国民の信頼は。その根源はどこにあるんだしいうんですよ。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 御指摘のように、輸送全体が不安定になっておるということが一番悪い点であると思っております。不安定の理由にはいろいろございますが、その中に労使問題も非常に大きなウエートとして原因として挙げられることであるというふうに認識をいたしております。

中村利次民社党

○中村利次君 預かった貨物がいつ着くんだかわからないというでたらめな、そういうことではやっぱり国民の信頼は取りつけられません。それは私は思想、信条は自由だと思う。しかし国鉄の職員は国民に国鉄の仕事を通じて奉仕しなければいけない、あたりまえのことが守られていない。それは階級至上主義を唱えるのは個人の信条としてわれわれがとやかく言うべきことじゃない。しかしそれを職場に生で出されたのじゃ困るのです。また当局の姿勢だってどうですか。毎年違法ストをやるときには、これは林野庁——農林大臣に聞きたいが、この違法ストをやらないように勧告をしておる。ところがあえて違法ストをやる。ところが優秀職員として優秀労働者としてその違法ストを勧告されてもやるのを常勤職員に任用する、どうなっているのですか。農林大臣、そんなゆるふんだからだめだというのですよ。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 農林大臣でいいですか。

中村利次民社党

○中村利次君 林野庁長官でもいいですよ。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 林野庁の労使の関係の再建につきましては、ただいま……

中村利次民社党

○中村利次君 労使の再建を聞いているんじゃありません。いま言ったことに答えてください、いま言ったことに、質問に。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 違法の、違法ストの処分の問題ですか。

中村利次民社党

○中村利次君 いや、処分……。お聞きになっていないのだなあ、委員長から言ってください。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ストをやったり、違法行為をやった者が後日……

中村利次民社党

○中村利次君 後日じゃないですよ、これは。優秀職員として常勤職員に任用されるのですよ。違法ストをやっちゃいけませんよというのをやったのが。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は常勤職員の問題は近く解決をしたいと思っておりますが、その常勤職員に任用する問題につきましては、執務の態度それから職場を荒廃させるような違法な行為のあった者につきましては、厳正にこれは措置してまいる考えであります。

中村利次民社党

○中村利次君 うそをおっしゃい。  委員長、林野庁長官答弁、林野庁長官。  冗談じゃないですよ、うそをおっしゃい。現にやっているじゃないですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 常勤制の問題はただいま労使間で検討いたしておりまして……

中村利次民社党

○中村利次君 常勤制の問題じゃありません。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 今後、常勤制の任用につきましては、ただいま大臣から御答弁ございましたように、私たちといたしましても一般公務員の例にならいまして厳正に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 やっているじゃないかと聞いているんですよ。やってないですか。違法ストをやっちゃいかぬと言って勧告を受けた、それでもなおあえて違法ストをやった、そういう者を優秀労働者として任用していませんか。(「立って言えばいいじゃないか」と呼ぶ者あり)答弁しないからだよ。君ら何を言っているのだ、がたがたがたがた。(「やみ取引やめろ」と呼ぶ者あり)何がやみ取引だ。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 常勤制の問題はこれから発足する問題でございますし、従前から雇用しておりました……

中村利次民社党

○中村利次君 質問に答えなさいと言っているのだ、私は。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) はい。従前から雇用しておりました常用作業員なり定期作業員につきましては、繰り返しでございますので一応任用はいたしておりますけれども、さっき先生おっしゃいましたように、常勤制発足の場合の任用の仕方については、今後十分われわれとしても厳正に対応してまいりたいということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 いやいや、それは答弁にならない。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 中村君、起立してください。

中村利次民社党

○中村利次君 答弁にならないから言っているのです。速記録を見てごらんなさい、答弁になっていないから。理事会ではっきりしてくださいよ。どこに遠慮するのだ、どこに。事実は事実ではっきりしろよ。  そんなのは国民は支持しない。そういう理不尽なやり方を擁護するような、そういうやり方は国民は理解も支持もしない。そういう労働慣行は改めてもらわなければ困るんだ。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私ども作業員を採用いたします場合には、ただいま常用と定期作業員がございます。常用は通年雇用でございますから、毎年そのまま雇用されてしまいます。定期作業員につきましても、反復雇用という従来の経緯がございまして、毎年毎年−一年間、通年の雇用ではございませんけれども、九カ月なり十カ月雇用いたしまして、切れたあと毎年雇用するという形になっておりますので、いま先生おっしゃいましたように、ストに参加した人間が定期作業員であればあくる年も雇用されるという実態は出ております。ただ常勤制という問題を先生おっしゃいましたので、常勤制度というのはこれからつくる問題でございますので、そのときの任用のあり方については厳正に対応しようということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは時間をかけてじっくりいきましょう。  時間もなくなりましたから、私は、どうしてもやっておかなければならないことがある。これは人権問題です。朝鮮民主主義人民共和国、ここに在留朝鮮人をいわゆる帰還さしたという、そういうあれがありますね。これは人権問題でえらい騒がれた。どういういきさつになってますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御質問の趣旨がよくわからないんですが、北朝鮮に帰還をさした、その状況を説明すればいいんですか。

中村利次民社党

○中村利次君 いやいや、どういう協定に基づいて帰還さしたかと、その後どうなっているか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは北朝鮮に帰りたいという人につきましては、日本の赤十字社と北朝鮮の赤十字社との間で話し合いをいたしまして、昭和三十四年から四十二年に至って百五十五回希望者を募って約八万八千人の人を帰還をさせました。その後、四十六年の五月から十月にわたって暫定措置として六回、約千八十一人、事後措置として現在やっておることできのうあたりも百人ぐらい帰っておるわけでございますが、十六回、大体二百人か三百人希望者ができた場合には送還といいますか、帰還をやっております。現在やっているのは、各人がそれぞれ自費によって、自分の意思で日赤が仲介をしてやっておる。全部で九万二千七百四十九人、これだけ返還いたしております。

中村利次民社党

○中村利次君 一九五九年の八月のカルカッタ協定に基づいてこの朝鮮人の人たちの帰還が始まった。これに日本人妻、いわゆる朝鮮人と結婚している日本人が一緒に行っているのがいますよ、そのことを聞いているんです。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そのことなら、それだけを答弁すればよかったんですが、いままでに、大体これは一緒に行った、同伴した人が六千八百十名。そのうち日本人の妻と思われる者千八百二十七名でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 その後の消息はどうなっていますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) その後の消息につきましては、自分の意思であちらに——私の方はお手伝いをしてお送りをしたわけでございまして、そこから先は厚生省の及ぶところではございません。わかりません。

中村利次民社党

○中村利次君 これは、その親族あたりから外務省にも物すごい陳情があっているでしょう。どうなっていますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 千八百名の日本人妻がいま北朝鮮に居住しておるものと推定しておるわけでございます。これらの日本人妻の消息につきましては、親類縁者からの照会の依頼もたくさん来ておりまして、これにつきましては赤十字社を通じまして先方に消息の照会をいたしているところでございます。しかし、現在までのところ、その照会につきまして回答は参っておらないと、こういう状況でございます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 中村君、あなたの持時間は過ぎましたので、あと一問だけにしてください。

中村利次民社党

○中村利次君 それではまとめて質問します。  これは日本の国籍を持っているはずです、その人たちはね。日本の国籍を持っているという答弁が政府からなされておる。ところが、いま外務大臣のお答えのように、赤十字社を通じて消息について照会中であるけれども、何の答えもない。それでいいのかというんですよ。どうしようもないじゃないかといったって、こういう人権問題はやっぱり国際世論に訴えるとか、できるだけのことをして、そしてどうしようもなかったら——日ソ漁業交渉だってそうでしょう、筋を通して堂々とやっているわけだ。ところが、こういう人権問題にかかわる痛切なそういう家族の要望に対して何ら答えが出せない、答えられないというのは、これはどういうことですか。だから、何としてもこれは第三国を通じて交渉をするとか、あるいは何とかその対策を講ずるとか、こいつをひとつぜひどうなさるのかお答えいただきたい。それで終わります。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 第三国を通じて依頼をするというのも確かに一つの考え方であろうと思います。ただいまは、先ほど申し上げましたように、日本赤十字社を通じ朝鮮の赤十字社に接触をとっておる最中でございますので、もうしばらくこの方法で努力をしてみたいと思っておるところでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 はい。場を改めて、またやります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして中村利次君の、質疑は終了いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 青木薪次君。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 きょうは、富塚参考人、お忙しいところ御苦労さまでございました。   いま春闘がきわめて重大な段階に入っておりますし、しかも、総評、中立労連を初めといたしまして、影響するところ約六百万人の指導に当たられている事務局長にきょうは来ていただきまして、特に今日の経済の情勢に対しまして労働組合としてはどういう基本的な見方をしているか、ひとつお聞きいたしたいと思います。

富塚三夫日本労働組合総評議会事務局長

○参考人(富塚三夫君) 富塚であります。  私ども労働側といたしましては、日本経済の変化の問題は、早くから指摘してまいりましたように、つまり投資が先行して経済が成長し雇用が保障される時代ではなくなったという認識に立って、います。すなわち、個人消費が拡大して国内市場を拡大しなければ投資と成長が伸びない時代になったのじゃないか。したがいまして、財政経済政策の中期路線の基調を、高投資なりないしは国際競争力強化、賃金、福祉を抑制するという政策から、福祉政策を拡大して個人消費の伸びを保障する福祉中心の経済路線に転換をすべきだと考えています。今年度、政府が、経済見通しとして、予算ないしは財政の編成などを見て、昨年と同様、民間設備投資の自立回復力の強化を前提としておりますが、発表後幾つかの経済指標ないしは設備投資予測調査などを見て、政府の見通しはますます困難になっているのじゃないかというふうに基本的に考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 総理にお聞きいたしたいと思うのでありますが、お読みになったと思うのでありまするけれども、三月二十五日の朝日新聞に、「福田首相は経済企画庁長官当時、「四十九年度一五%以下」「五十年度ひとけた」「五十一年度一年もの定期預金金利以下」の〃物価鎮静三年計画〃を立てて、一年目一四・二%、二年目は八・八%と目標内に収めることに成功してきたが、三年目の五十一年度に至って、定期預金金利(年六・七五%)はおろか、前年度を上回るオーバーランを許してしまったわけである。」したがって、私は後でこの問題については財政収支の問題等について申し上げたいと思っておりまするけれども、この点については、春闘問題について総理がよく言うように、ひとつ物価はおれに任しておけ、それから労使の当事者はそれぞれなだらかな自主的な解決をしてくれ、こういったことについて、少なくとも物価が全国的に九・二%上がってしまったということについて、総理の見解をお聞きいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、あれだけのショックを受けた後の物価情勢としては、まあよくここまで来たなあという感じがしておるんです。ただ、ことしは、五十一年度ですね、五十一年度三月時点の年間上昇率は大体八・九%になりそうでありますが、これはいかにも残念なんです。もうどうにもならない異常寒波、そういうようなことで生鮮食料品が暴騰をする、こういうことになりまして、これを捨象して考えますと、通常の消費者物価は大体八・五%ぐらいの上昇だったと思いますが、それにしても、とにかく八・九%、九%に接近するという上昇を見たことはもう本当に残念で残念でたまらぬと、こういう感想でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は、天候と公共料金に振り回されて足腰立たないような福田総理でもあるまいというように考えているわけでありますが、今日、労働者の生活、国民全般がそうでありますけれども、非常に苦しいわけであります。その点について、ことしの賃上げの基本的な考え方並びに健保改悪やその他がたくさんございまするけれども、それらについて、富塚参考人からお聞きいたしたいと思います。

富塚三夫日本労働組合総評議会事務局長

○参考人(富塚三夫君) 私どもは、いま総理も申されましたように、過日発表しました三月の消費者物価上昇、その政府発表を見ますと、すでに八・六%を上回って、東京都区部では九・三%、全国的には九・二%と大変な消費者物価の高騰があらわれているわけであります。それだけ生活が苦しい。加えて政府の経済見通しに誤りがあったと思うのですが、五十一年度の個人消費は当初の予測よりも大変落ち込んでいるというふうに考えています。そういう観点から、私どもは、労働者の実質的な生活の維持と改善を図らなければならぬということを基本的に考えまして、消費者物価の上昇ないしは社会保険料などの負担増の分、加えて定期昇給という制度が現存する以上、それに見合った分ないしは経済の実質成長率、これは経済の成長のテンポは落ちたと言っても実質経済成長率が上がっている限り、労働分配率を低下させないために当然だということで、一五%以上という要求を実は出しています。同時に、これは労働側が統一した要求となっているのであります。いま、EC諸国やアメリカなどからも、どしゃ降り輸出ということで大変な規制要求をされているのですが、同時に、欧米の労組などからも、なぜ日本の労働者は労働分配率が低いのか、あるいは福祉水準に問題があるのじゃないかということなどについて御指摘がありまして、当然社会的にわれわれは合意が得られるというそういう立場に立ってこの要求を出しています。  また、健保問題は大変な政府案が出ているように承っておりますが、現に千六行二億ですか赤字のあることについては、われわれも真剣に考えなければならぬだろうと労働側としても思います。しかし、ボーナスからの徴収ないしは初診料の値上げなど、あるいは入院料の値上げなど、今日の状況における労働者、国民の大変な負担増はたえられない。ぜひこれは国庫補助を中心にして抜本的に改善を願えないものかと考えています。同時に、最近薬がはんらんしていることが問題にもなっており、ないしは社会保障全般の角度からも、制度全体を見直す角度からも、抜本的にこれから来年に向けて検討してもらって、当然、今回は、この健保の改正——われわれは改悪と呼んでいますが、ぜひ撤回をしていただきたい、そういう観点で考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いまのお話にもありましたように、賃金とそれから物価とそれから雇用と社会福祉の関係という問題を広範にとらえた春闘だということがわかりました。  そこで、労働大臣、あなたは労働通でありまするし、自他ともに認めているわけでありますが、こういうように物価が非常に高額安定をしてきたこのような関係について、労働者はいま非常に厳しい生活の条件を余儀なくされておるわけでありますが、主管大臣としてどうお考えになりますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 労働者諸君の生活の安定向上のためには、賃金とかあるいは労働時間その他の労働条件とともに雇用の安定それから物価の安定ということが大切である。その一番最後の賃金は、労使で決めていただく問題でありますが、雇用の安定あるいは物価の鎮静というのは政府が責任を持って行うべきものだと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 総理は、前内閣の時代から、ひとつなだらかな解決、両当事者で話し合ってくれと言いながら、できたらあんまり上げないでくれよということを叫んできたわけであります。したがって、これはていのいいガイドラインだと私は思うのでありまするけれども、その点についてあなたが特に言っておられた定期預金金利以下に下げるようなことはしたくない、貯金の目減りもさしたくないということもしょっちゅう私は聞いたわけでありますが、今回は非常に条件が違う。あなたは公共投資の方を先に景気回復として見ながら、牽引車として評価しながら、国民の消費需要の五一%を占めるいわゆる消費需要の関係等について案外過少評価しているのじゃないかというように考えますので、それらの点については後で申し上げますけれども、今度の春闘についてどういうようにお考えになるか、腹の底を打ち割ってひとつお答えいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、先ほど、わが国の経済は世界じゅうで混乱しているその中としてはまずまずのいい方の動きをしておるということを申し上げたわけです。それはどうしてそういうふうになってきたのかというと、私は、最大の要素は、石油ショック後の労使の賃金問題に対する協調の姿勢、これが最も貢献をしたというふうに見ておるんです。わが国と並んでアメリカ、ドイツ、これがまた国際社会ではいい方でございまするけれども、この二つの国においてもまた同じような要素が働いて経済が安定の方向を、他に比べまして一層いい方向をたどったと、こういうふうに見ておるわけでありますが、まあことしもまた昨年、一昨年同様、労使の協調、そして良識ある賃金決定をぜひお願いしたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 良識ある解決というのが、総理、これがなかなかくせ者なんですよ。あなたは、良識良識と、これは非常に聞こえはいいわけですけれども、しかし、今日の国民の物価高騰やいろんな諸条件を勘案したときに、やれ健保は上がる、共済組合費は上がる、諸物価は上がるという条件の中で、いままでとは安定期にありながらも少し条件が違うじゃないかという点についてはお考えありませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、いま非常に大事な段階に来た労使の賃金問題、これに対して意見を申し上げることは慎まなきゃならぬような立場にあるんですが、しかし、賃金というものは物価と非常に大きな関係がある。賃金の決定、これは物価の情勢をにらむが、同時に、物価は賃金に大きく左右されているものだと、こういう相関関係を持っていると思うのです。そういうようなことを労使の人が十分考えまして、まあまあ良識ある決定だと言われるようなそういう結論が得られることを切に期待します。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 富塚参考人にお聞きいたします。  先ほどの中村委員の御指摘にもありましたように、私は労働組合の名誉にかけて申し上げたいと思うのでありますが、さっき、ストライキをやった人はすぐ栄転しちゃったような話をされたのでありまするけれども、あれは全林野の組合というのは非常勤でありまして、臨時雇用員——臨時人夫と言っちゃ失礼でありまするけれども、臨時に雇った人たちでありまして、いわば民間の人たちなんです。そういう人たちですから、その人がストをやった場合にどうこうという問題は、これはまた別の問題ですからね。だから、これは、いわゆる常用制の関係については将来結論が出ることになっておりますし、私も知っております。  今後の春闘問題解決について、今月いよいよぎりぎりですね、どういうように解決の方向へ持っていかれるか、ひとつお聞きいたしたいと思います。

富塚三夫日本労働組合総評議会事務局長

○参考人(富塚三夫君) 私どもは、国会の場でも国民的な大きな課題である国民春闘、こういう問題について、ぜひ十分議論をして審議をしていただきたいと思います。とりわけ、経済情勢の認識の問題ないしは物価なり雇用、こういった課題は、大変な実は国民的課題でありますから、ぜひ議論をしていただきたいと思うのですが、まず物価問題は、総理はいま物価と賃金の悪循環ということをちょっと申されましたが、私どもは実は納得できないのであります。と申しますのは、物価問題は、新価格体系に移行した、それが非常に悪性化しているというその状況が、加えて、公共料金が相次いで引き上げられるという問題が、物価上昇の基調を依然として変えていないということだと思うのであります。したがって、独禁法問題も議論されているように聞いておりますが、五党修正案以上にぜひひとつやって決めていただきたいというふうに思いますし、政府がもっと物価問題に真剣に取り組むという姿勢を打ち出していただければ、われわれ労働側も積極的に協力するという用意は十分持っているつもりであります。  また、雇用問題もあります。これは百十万と言われておる失業者、非常に中高年齢層の失業が目立っているということであります。また、二百海里問題でもいろいろ問題があるようですが、二十万人ぐらい失業が出るのじゃないかとも言われているわけです。それだけ深刻に受けとめておりまして、この中高年齢層の失業者に対してどうするか。なかんずく中小企業の関係の下請、臨時工、パートタイマーないしは家内労働者などが大変な問題になっています。そこで、労働大臣にもお願いをして、定年延長問題とか、解雇規制とか、あるいは失対給付の拡大とか、職業訓練、安定資金問題などなどについて強い要請をして、これは法案成立などにも向けて政府も雇用保険法など用意されておるようですが、積極的にぜひわれわれの要求を聞いていただきたいというふうに思います。  したがいまして、春闘全体の問題は、ぜひ積極的に労使間の交渉を進めて、できるだけ団体交渉を中心に解決したいと思っておりますが、われわれは、どうしても解決できないときには、憲法二十八条に保障されている労働基本権という問題があるわけですから、これをストライキによって解決せざるを得ないということを考えています。したがって、早急に経営者側も団交に応じてもらう。あるいは、政府は裏面からプレッシャーをかけるようなことのないように十分配慮していただきたい。積極的にわれわれは団体交渉を中心に解決する用意を持っているということであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 労働大臣にお伺いいたしたいと思いますが、この春闘問題解決のために、これに積極的に介入するというよりも、よく関係労働団体と、もちろん経営者団体もそうでありますが、積極的にそういう意味では合理的解決、特に物価問題、現下のいろんな国民生活の隘路になっている諸問題を中心として話し合って解決していくための努力をする決意がありますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 現在の春闘は、賃金問題を中心に計画されておるわけです。この賃金問題は、政府が介入すべきものでない。労使の間で十分話し合って御決定を願いたい。現在われわれが置かれておりまする条件、実情、そういうものをよく相互に理解し合ってやっていただくということを私どもは期待をいたしておるわけであります。そうして、できるだけ国民に迷惑をかけるようなことのないように、良識ある態度で処理をしていただくことを期待をいたします。法律が現存している以上は、その法律を尊重してもらうことを政府としても期待をいたします。  それから先ほどからお話がありました雇用対策、失業対策、その他、特に中高年齢層に対する雇用の促進、定年制の延長、これら政府のやるべきことについては、従来も労使の間で話し合ってまいりましたし、これからもその努力を続けていくつもりでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 労働大百、このごろの労使の慣行というものについて、あなたはどういう感想を持っておられますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私は、一番最初に労働行政をお預かりいたしましたのがいまから二十年前でありますが、その二十年間を顧みてみますと、労使の間の相互信頼関係と申しましょうか、相互の話し合いの関係というものは非常に改善されてきておると、こう考えております。労働運動というものの歴史を顧みますと、最初はアウトサイダー扱いをされておった。その次には、そういう扱いをされながらも一つ一つ権利を獲得していった時代、それからその次に第三の段階は、近代社会の構成員としてその立場を確保し、それだけにその構成員としての責任を分担する時代、私はそう考えているのでありますが、そういう認識が労働組合の人たちの間にも漸次高まりつつあると考えますし、使用者の方にも労働組合をパートナーと考える、こういうような気風が起こってきているように私は感じ取っております。したがって、労働行政はそういう気風を助長するように働いていくことがわれわれの役目であると、こう考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 後半はまあ一応理解できますけれども、前半は傍観者的な立場に立つということではいけない。もっとも福田総理や石田労働大臣は経営者団体にはいろんな影響があるわけですから、そういう意味ではいろんな説得をしながら、もちろん組合も説得しながら合理的解決するための努力を払っていくということで、そのことを要望いたしておきたいと思いますが、総理、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 政府は政府のなすべきことを全力を尽くしてやる、また、労使はその政府の努力を背景として協調と連帯です、よく話し合って、そして良識ある解決だったなあといって評価されるような結論を出してもらいたいと、こういうふうに思います。数字について意見を述べますと、これは私はよくないと思うのです。ですから、良識ある解決を期待すると、こういうことでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ただ、八%そこそこでは、これは労働大臣も話しのあったように、良識をもっていま労使慣行正常化の上に努力をしている当事者間がまた荒れてくる、これは生活の中からそういうことになってくるということでありますから、その点を十分ひとつ要請をいたしておきたいと思います。  じゃ、次に移ります。総理に、私は、おととい、二百海里問題でもって、特使の関係等については早急に決めて、全野党の党首と話し合って、そうして国民的な一つの結束の状態というものを相手に示すべきである、これがいわゆる国益に対処するわれわれの今日的態度じゃないか、いままで総理の態度はこのことについて余り努力の跡がまだ見受けられない、特に二百海里問題等に対応する努力というものは非常におくれておったということを申し上げたのでありまするけれども、野党の党首とお会いになりましたか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ私自身が野党の党首と会っておるということはありません。けれども、私ども自由民主党の出先は緊密なる接触を各野党ととっておりまして、青木さんのこの間の御示唆なんかも踏まえて、挙党体制というか、超党派でモスコーに議員が出向くというようなことにもなりまするし、また、二百海里の立法をどうするかということにつきましてもその準備を取り急いでおると、こういうような状態でございます。私、じきじき会いませんけれども、決して御協力を得るための努力をおろそかにしておるということではございませんです。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 富塚参考人には、御多忙の中を当委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先ほども意見が出ておりましたけれども、こちら側の特使を相手側がまだ認めているかいないか知りませんけれども、まだビザも出さないという条件というものは相当しこりが残っているというように私は考えますので、それらの点についてはいわゆる国会議員団、超党派議員団は向こうは受け入れる、しかし、政府の特使についてはまだ返事がないという点を、総理、その辺はよくひとつ理解をしていかないと、問題をほぐしていくことができないと思いますので、そういう方向でひとつお願いいたしたいと思います。  それから総理の政治姿勢について申し上げたいと思いますけれども、前回の十二月の衆議院選挙を最後にいたしまして、いよいよ自民党一党支配の政治が終わりを告げてきたと思うのでありまするけれども、この点について総理は対話その他について従来の方針とは変わったいわゆる国民の声を代表する国政を運営する決意があるかどうか、お聞きしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、前々からもう申しておるんです。人と人とのつながりというのは、これは協調と連帯だと、こういうことでございます。国会にこれを当てはめてみますれば、与野党よく話し合いをしながら円滑な国会運営をするということになるわけでありますが、いま改めてということじゃありません。私は、そういう政治姿勢を前からとっておるわけであります。今後もこの政治姿勢でやってまいりたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それでは、ロッキード疑獄の徹底追及はよろしゅうございますね。そこで、特にトライスターは不満ながら一定の解決を見ているわけですね。PXLの関係については、まだ全然解決いたしておりません、児玉、小佐野の関係があるけれども。このことについて、衆議院のロッキード委員会におきましては、中曽根喚問というものがこれは欠かせない、あらゆるところに中曽根さんという名前が出てくるという点について、中曽根喚問に応ずる姿勢というものは自民党総裁として持つべきだと思うのですけれども、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 中曽根さん個人の問題に私は触れたくございません。個人には触れることは差し控えさしていただきますが、私は、国会の調査権発動の上から必要な証人、それはもう喚問してしかるべしと、こういうふうに思うのです。必要であるかどうかということはケース・バイ・ケースで判断すべき問題であると、こういうことでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 新聞に出ておりました殖産住宅の関係の増資によるプレミアムを政治資金としてよこせと言った問題について、どの省が関与しているんですか、中曽根さんの。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 各省あるいは政府委員、殖産住宅の件は何省が担当しているか、関係があるかということです。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 自治省並びに国家公安委員長の関係じゃないですか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) これは政治資金規正法のことを青木薪次委員は質問しているのですから、自治大臣が答弁してください。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) まことに恐縮でございますが、御質疑の要点をもう一度お聞かせいただきたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 中曽根さんの、殖産住宅の増資によってプレミアムをひとつくれと、これを政治資金に使うのだと言った、昭和四十七年五月、自民党総裁選挙の前ですよ。あなたは一番関係があるのじゃないですか、自民党として。そのことについて政治資金が入ったのか入らないのか、入ったとしたならばこれをどういう扱いをしたのか、こういうことです。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) いま御質疑の点について、当時の状況等を実は知悉いたしておりません。政治資金の提供を受けた場合に、これは政治資金規正法に照らしまして、もし正規の処置がとられていないということになりますれば、これは問題だろうと存じます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 問題だということはどういうことですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これは法律に照らしまして罰則が適用される問題になると思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは捜査をいたしますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 具体的な法律違反の容疑があると警察が判断をいたしました場合は、捜査に着手いたします。これは当然でございますが、本件について警察がどのような判断をいたしましたか、これは御通告もいただいておりませんので、この場では答弁が申し上げられないわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 起訴状にも載っているし、本人の趣旨弁明もあったわけですよ。そんなのんきなことを言っている時代じゃないと思うのですがね、昭和四十七年、五年前の話ですからね。その点について、これはやはり捜査するとなぜ言えないのですか。あなた国家公安委員長でしょう。——本件についてはまだいろいろ準備がないようでありますから、保留いたします。  総理にお伺いいたしたいと思いますけれども、先ほどからの話にありましたように、異常な石油危機とこれに伴う異常な物価上昇という問題について、政府の楽観的な見通しとは別に、生産の基盤である民間設備投資も遅々として進まない、海外貿易も思うようにならぬという中において、総理の言う、わが国を成長路線に乗していくプログラムについてはどういうようにお考えになっているか、お伺いいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは青木さん御承知と思いますが、五十年代前期五ヵ年計画というのがあるんです。これが大体五ヵ年間にわたる経済、社会、財政すべてを包含しますけれども、施政の指針ということになっておるわけなんでありまして、それを目安として諸政策を運営すると、まあこういう方針をとっております。ところが、五十一年下半年は、どうも思ったように景気が上昇しないんです。そこで、いまてこ入れをいたしまして、少しおくれましたけれども、成長路線、前期五ヵ年計画が期待しておるところの軌道に景気を乗っけていきたいというための努力、それをしておる最中でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 総理、前期五ヵ年計画によりますと、昭和五十五年度に予想される経済の輪郭から逆算して、高度成長時代の昭和四十一年から四十七年度までの平均成長率を一〇・八%と見込んだ、それから昭和五十一年から五十五年までの実質成長率は六%強だとした根拠は何ですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは資源エネルギー有限の時代でございまするから、成長率は低ければ低いほどいいんです、その立場から言えば。ところが、そういう状態だと失業者が出る。雇用というようなことを考えますると、成長率は高い方がいい。その高い方の要求と低い方の要求との接点を一体どこに求めるか、まあそういう角度から、六%程度、このくらいのところがよかろうじゃないかという結論を出したわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 高度成長から低成長へ移行するに伴って、価格が市場メカニズムを通じまして適正に形成されることが従来にも増して必要だと言っているんですよ。そのために独占禁止政策はさらに必要になる。この独占禁止法は、いま、財界のある幹部が、もう五党修正案よりも竹光になったんだから、これは切っても切れないのだから、これは有名無実だ、もうのんでもいいよと言っているのですけれども、この辺について、総理、そんなに薄めたんですか、御見解を承りたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 独占禁止法改正問題、これは私はこの国会でぜひ決着をつけたいと、そういう考え方なんです。しかし、決着をつけるためには、六党全部の協力を得なければならぬ、まず最大の政党である自由民主党を固めなければならぬ、こういうふうに考えまして、党内調整をやっておる、その党内調整が最後的な段階に来ておる、こういう段階でございます。その調整の結果を踏まえまして政府案をつくる考えであります。もとよりそういういろんな過程におきまして野党の皆さんの御意見もよく承るということにしたい、そして御協力を得ましてぜひこの国会において決着を得たいというのが私の考え方でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 通産大臣ね、中小企業事業分野確保法の法案については、これはいまの独禁法と同じように今国会に提案いたしますね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  分野調整法につきましては、すでに政府内のまとめをいたしまして、今国会に提出いたします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 通産大臣、その場合に、事業指定についてはやっぱり明確にしていかないと、香の抜けたビールのようになってしまうのですけれども、その点はいかがですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 分野調整法におきます業種指定の問題につきましては、いつも申し上げるように、審議会に諮りまして、その具申をちょうだいいたしまして、その後ずっと検討を加えてまいりました。ただし、本件に関しましては、いろいろの御意見もございましたが、業種を指定いたすということにつきましては非常に無理があると。これはいろいろな各方面の実際フランクにお尋ねをいたした向きにおきましても、検討を加えれば加えるほど、なかなか業種指定はむずかしい。それに反しまして、紛争の処理等につきまして事前調査をする、むしろ今回の法の改正によりまして事前調査をいたすという項目を新たに加えまして、消費者その他小売方面の意見に従いましてその規定を新たに加えることによりまして、今国会に提案いたすことにいたしております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 両法案とも、総理、これはやっぱり自由経済、自由競争を原理として、これを守るために出すんでしょう。その点はいかがでしょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 自由競争が行き過ぎがないように公正なルールをつくると、こういうために行うものであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この両法案とも今次国会に出していただく。しかも、この両法案とも財界や自民党だけの賛成でなくて、やはり国民的なコンセンサスを得ませんと、今後においていろいろと問題がまた別の面で発生すると思うのでありまして、そういう意味からこの競争政策そのものにつきましても野放し状態に置くのでなく、いまの総理のお話のように一定の規制をしないと、さらに低成長下、中小企業はばたばたと倒れていくと思うのであります。その点で、中小企業が倒れた後で大企業がまた物価を上げるということになったならば、日本の産業構造は撹乱されるし、物価は上がるし、社会不安は増勢されるし、とんでもないことになると思うのでありまするけれども、このことについての御感想をお伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、特に日本経済の構造から申しまして中小企業のウエートが非常に高い。ほとんど九九・七というような企業数でございます。しかも、それに従事いたしまする従業者から考えましても、国民の半数以上であるということから、今回の経済の非常な不況に対しまして、全力を挙げてこの中小企業を守っていくということが、社会問題でもあり、同時にまた経済問題でもある、わが国の構造上の最大の問題であると私は存じます。さような意味から申しまして、大企業のこれに対する進出については、これをあくまでも防遏いたし、同時にまた、転落いたしまする中小企業に対しましては、中小企業行政といたしまして、きめの細かい、ことに中央、地方を通じました、一体化いたしました現場の指導にまで及ぶ中小企業対策をきめ細かく進めてまいりたい、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大蔵大臣にお伺いしたいと思いますが、財政収支試算の性格について、単なる試算か、それともガイドラインか、このことについてはいかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) これは一応試算でございまして、財政経済の計画を立てたものではございません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういたしますと、単なる試算だから、昭和五十五年度の段階で特例公債がゼロにならなくてもそのときはそのときだと、こういうような気持ちをお持ちですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) これは試算ではございますけれども、昭和五十五年度においては赤字公債、特例公債から日本の財政を脱却していくための一つの手がかりといたしまして、ぜひともそれを実現いたしたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういたしますと、単なる試算じゃないと。あなたは肝心かなめなところへいきますと焦点をずらすのがとてもうまいのですけれども、ひとつまじめに答えてもらいたいと思うのです、ごまかさないでね。  そこで、大蔵省が国会に提出いたしました収支試算によりますと、今回の試算は、前回の試算のケースI、赤字公債の発行を昭和五十四年度までにするとともに、五十二年度予算をベースとして改正したものだと言っているんですね。前回の試算で五十二年度税収の伸びを二四%増に見込んでいたにもかかわらず、現実に、ここに表を持っているのでありまするけれども、一六・四%しかなかったわけですよね。この点についてはどういうようにお考えですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 財政収支の試算につきましては、昨年つくりまして、それを今度五十二年度予算、いま御審議を願っておる五十二年度予算に数字を置きかえますと、これは五十二年度の予算と五十一年度の予算の数字とは相当違いが出てまいりまして、そこで去年に比べましてことしの予算を置きかえることによりまして、これはまた五十五年度の姿を実現していくということについてはやや困難を増してきたと、こういうふうに考えておりますが、その五十二年度から五十五年度に至る各年度における、何と申しますか税制その他の割り振りというものは、これは決して計画ではございません。五十五年度に至るに際しまして、これを単純にこうこういう線でもって、たとえばこれでいくならば自然増収では税制はどういうふうになると、こういうふうな一応の試算でございまして、その数字だけでそれでもってやっていこうというのがこれは計画でございますから、そういう計画ではございません。細かい数字は事務当局から御説明いたします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 細かい数字は私がいまから聞いていきますから、答えてくれればいいですよ。  このケースAでいきますと、五十二年度の税収の見通しに対して五十三年度が二七・四%でしょう。この辺は非常に大きく見積もっているですね。税制改正が行われない場合のGNPの伸び率に対する税収の伸び率の比、いわゆる税収の弾性値ですね、これは普通の場合大体どれくらいですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 昭和四十五年度から四十九年度までの五年間の平均は一・三九でございました。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 じゃ、このごろのように企業の収益が非常に鈍化して個人所得の伸びが期待できないような状態のもとにおきましては、これは税収の弾性値は通常の場合よりも非常に低くなると思うのですけれども、この点はいかがですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先日、戸田委員にもお答えいたしましたように、弾性値というのは年ごとに非常に波を打つものではございますけれども、今後いままでよりも成長の高さが平均して低くなるという状況におきましては、やはりいままでの弾性値よりはむしろ低くなるのではないかと考える方が常識的であろうと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ケースAの場合には成長率を一五%も見込んでいるから、二七・四%の税収増は弾性値が大体幾らになりますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど大臣がお答えいたしましたように、五十五年度の姿を想定いたしまして、これを年次割りに機械的に各年次をつくっておりますので、ケースA、ケースBともにこの計算から出てまいります所要弾性値は一・八三でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 仮に税制改正がない場合の弾性値をいまお話のありましたように一・八二にするとちょっと狂ってくるわけでありますが、一・二程度と見積もると、そのギャップである弾性値の〇・五に相当する部分が増税ということになると思うのでありますけれども、この点についてはいかがですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど申し上げましたように、弾性値は年ごとに非常に大きく振れますので、五十三年度にどの程度の自然増収が予想できるかということは、ただいまの段階では全く責任を持って申し上げられる数字はないわけでございますけれども、ただいまの青木委員の御指摘のように、仮定の計算といたしまして仮に五十二対五十三の弾性値が一・四であるということで置いてみますと、ケースAの場合の予想GNPが一五でございますから、ケースAに予想されております二十三兆九千四百億円に対しまして、弾性値一・四で仮定計算をすれば二十二兆七千三百億円ということに相なります。その差額は一兆二千百億、そういう仮定計算はできると思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 じゃ、大蔵大臣、このような巨額の税収を一体どうしてやるか、さっきの討論について少し深めてみたいと思うのですけれども、これは増税でやるわけですね。それから自然増と言いましたけれども、自然増もそう期待できないのじゃないか。だから、主に増税でやる、こういうことになるわけですね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) おっしゃるとおり、ある程度の租税の増収ということを考えなければならぬと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私どもの計算では、ある程度どころか、税収は五十五年を赤字国債ゼロにするとなると倍になるということになるんですけれども、これがある程度という表現で答えられるものかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) ある程度と申しますことは大変幅のあることでございまして、私も相当な税の増収を図らなければならぬと、かように考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 厚生大臣、社会保障の伸びが非常に鈍化してくるわけですね。この点については、試算における歳出面では、公共投資を年率平均一五・五%の伸びとして、一般会計規模の伸びは一五・九になる、それから振替支出の社会保障の関係費は年率一六・六%となっておりますね。そこで、五十一年度における伸び率が二二・五%で非常に多かったのを含めても、全体として一六%程度だということになりますと、昭和五十四年、五十五年度になると一三%台に急激に伸び率が鈍化してしまう、落ち込んでしまうという点について、五十三年以降の関係については大幅増税を行うという一方で、社会保障の伸びが急速に鈍化するという姿は、低福祉高負担ということになっていきはせぬだろうかということを大変心配しているのですけれども、この点はいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、日本の社会保障費の伸びは過去五年間急速に伸びてきたのは事実でございます。本年度等も約二〇%近く伸びておるわけですから、われわれといたしましては極力社会保障費というものを確保していきたい、こう考えております。しかしながら、これはやはり負担の問題とも関係があることでございまして、現在は日本の個人負担、それから租税負担とも諸外国よりも非常に少ないというのも事実でございます。それらとの関係も含めて社会保障費の充実には将来とも取り組んでまいりたいと考えております。   〔委員長退席、理事中山太郎君着席〕

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは言うことはわかりますが、あれもこれも全部やるということは実際上、計算上不可能ですからね。そこで、後で税金の問題へ私は入りたいと思っておりますけれども、いま厚生大臣の言われたことは私もそう期待いたしたい。しかし、それはできないんです。その点で、その他経費の中の公共投資、振替支出が、平均の伸び率で見る限り、歳出全体の伸び率とほぼ見合う数字となっているけれども、国債残高の急激な伸びに伴う国債費の急激な伸びが、平均伸び率のさっき言ったケースAの二三・九%、ケースBの三四・二%、その他の経費が平均で二二・一%という大幅な圧縮を受ける結果になるわけです。そういたしますと、文教及び科学振興費や地方財政費や経済協力費や中小企業対策費、食糧管理費等がこれに含まれているけれども、極端にこれが圧縮されるということになるおそれがここに出てきたわけですけれども、この点についてはいかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 主計局長をして答弁させます。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 御指摘のように、その他の中には、地方交付税だとか、あるいは国鉄のための助成とか、相当大きな経費が入っているわけでございます。ただ、この財政収支試算におきましては、すでに昨年御説明申し上げましたとおり、その他の項目は機械的にほぼGNPの伸びとパラレルというぐあいに想定いたしております。ただ、五十二年度の表を見ていただければわかりますとおり、去年の財政収支試算では、ここにはございませんが、十四兆一千六百とやっていたわけでございますが、本年度は十四兆三百とほぼ一致しております。そのほぼ一致した中で、文教とかそれから中小企業とか、それらは一般会計のたとえば国債費と交付税を除いた伸びが一三%に対しまして一六とか十幾つとか上回った伸びを確保できているわけでございまして、将来交付税とかそういうものが相当伸びていくので、その他の中の内訳は相当変動要因がございますが、何とかこの中で節約努力で賄ってまいりたいと、こう思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 五十二年度予算で見ると、地方財政費が十四兆の中で四兆九千億と、その他経費のうちの三分の一弱を示しているんですね。この地方財政関係費は主として地方交付税交付金で占められているんですから、国税三税の三二%という  一定比率で地方に交付されることになると思うのでありますけれども、その点はいかがですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 三税によって増税が賄われる、あるいは増収が賄われるということになりますと、交付税が伸びてまいるわけでございます。それから青木委員御存じのとおり、ことしの予算の伸びは四兆二千でございますが、特に国債費が四一%伸び、交付税が二五%伸びた、それから社会保障関係がこの間の修正の結果一八・四%伸びまして、そのほかに公共事業が二一・四%ほど伸びたわけでございます。この四つの大きなかたまりで四兆二千の伸びの中の三兆三千ほど、約八割はこの四つの経費で食われているわけでございます。したがいまして、いま青木委員の御指摘のように、交付税というものは将来税が伸びるときには相当財政に対する負担になると、こう考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうだとすれば、先ほど申し上げたその他項目のうちの文教や科学振興費を初めとして中小企業対策費等が大幅に圧縮されるということになると思うのですけれども、もう一度答弁をお願いします。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 本年度は特に一般行政経費について私どもできる限りの努力を払ったつもりでございます。たとえば一般行政経費というと、人件費とかそれから旅費、庁費というような生活費がございますが、それが前年度一四%でありましたのが半分の七%の伸びに抑えるとか、それくらいの努力を重ねまして、いま申し上げました四つの大きなかたまり、交付税、国債費、公共事業、それから社会保障、こういうものを除いた伸びが従来過去十年では一八、九%になっていたところでございますが、ことしはそれが約九%というぐあいに大幅に圧縮しております。   〔理事中山太郎君退席、委員長着席〕 ただ、先ほど御説明申し上げましたとおり、その中でも、文教とか、それからその他恩給とか、そういう種類のものは所要の伸びを確保しているわけでございます。とにかく、一般行政経費をできるだけ節約していくということで賄ってまいりたいと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 財政制度審議会長はどなたですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 桜田武さんでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 きょう桜田武さんをお呼びしたのですけれども、会社の総会の関係でお見えになりませんでした。この財政制度審議会は去る一月の十日に本年度予算の編成に関する建議を行いました。特例公債発行についての報告を行ったわけでありますが、これらの報告、建議を行うについて、赤字公債の発行を五十年度までとして、五十五年度までに赤字財政から脱却するということが基本になっていると思うのでありまするけれども、その点、大蔵大臣、いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 赤字公債を五十五年度までに脱却するということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういたしますと、桜田私案ということについて御存じありませんか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 桜田私案はいただいております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 桜田私案と桜田会長のおっしゃったことと違う点があるのですけれども、お気づきになっておられますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 桜田私案は、この財政収支試算についてまことに厳しい試算をいただいております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 おかしいじゃありませんか。財政審の会長があなたに建議をして、財政審の会長がまた個人として違うことを発表するということは、おかしいと思いませんか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は桜田会長が非常に厳しい態度でもって激励をしてくれたものだと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いや、私の言うのは、財政審の会長の桜田武さんが、五十五年度に赤字公債をゼロにすると。今度は、同じく桜田武さんが、ああは言ったけれども、おれは実ば二兆円赤字公債を発行するんだよということを書いているんです。この点について矛盾を感じて、この収支試算の関係がその点で問題になってきはせぬかと、こういうことを言っているんです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) これは私個人の考えでございますけれども、私に対しまして、桜田氏が、よほど腹を据えて、腰を据えてかからなければ、これは大変だぞという意味において桜田私案というものを私にくれたものだと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 政府の財政収支試算は、その説明によれば、減速経済のもとで五十五年度までに赤字財政脱却を実現するために年度以降大幅増税、しかも、実現不可能な場合においては増税をしますよと、これができない場合には五十五年度の赤字財政脱却は無理です、いわばある意味では、先ほどから大蔵大臣の話を聞いておりますと、あなたが言外に開き直ったような態度が言葉はやわらかだけれども見えているんです。したがって、これは政府サイドからの実は見方であるわけでありますが、大蔵省は、けさの新聞によりますと、最終消費財——自動車、家具、テレビに限って蔵出し課税を行う、これは一定規模以下の事業者を除く。それから一般消費税は、あらゆる商品やサービスに対して一定の税率、たとえば一%かけて大規模な税収をあげる。その代表的なものはEC型の付加価値税というものを導入する。しかし、これは物価と中小企業を圧迫するという心配がある。三番目は、一定規模の事業者の年間売り上げ、取引額に課税する大規模売上税、大規模取引税などであって、何分シャウプ税制以来この種の間接税に慣れていないわが国の税制にとってなじむかどうかが問題だとあったわけでありますが、この点についてどういうように作業が進行しているか、教えていただきたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) ただいま御引用になりました新聞記事は私も読みましたけれども、毎々申し上げておりますように、昨年の六月以降税制調査会に、ある時期にどうしても増税をお願いしなくてはならない、避けて通れないではないかという前提で、ひとついまの税制を全部見直していただきたいというお願いをいたしまして、作業が進められております。十二月で中断いたしておりますが、その審議の経過は部会長報告という形で出ておりまして、国会にも関係委員会にお出ししてございますが、その中に、昨年十一月の十二日であったと思いますけれども、第二部会の担当の中で、従来から国会などで御提案があったり、そのほか税制調査会の審議の中で取り上げられたことがあるというような新税の項目を今後の検討の参考として一覧して出してほしいという部会長の御要求がございまして、これに応じてお出ししたものがございます。八項目になっておりますが、ただいまの新聞記事は、その八項目の中から拾い上げまして、いろいろに組み合わせて観測的に記事を書いておられるものだと思います。税制調査会としてはまだ一回御審議になっただけでございまして、その八項目を取り上げるかどうか、あるいはその中の一つか二つをどうするかというようなことはまだまだこれからの御審議でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それでは、主税局長、その八項目の案を資料要求いたしますので、よろしくお願いします。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 理事会でお決めいただければ、資料として委員会にお出ししたいと思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) それでは、資料として出してください。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 赤字財政脱却には、増税、しかも付加価値税を初めとする大衆課税化の道しか残されていないとするのは、事の真相を見る場合にはまことに皮相的な見方としか言えないのでありまして、総理、非常にお疲れで、よくわかりますが、目をあいていてください。衆議院大蔵委員会で三月三十日に付加価値税は否定したようでありますけれども、新聞で見ました。これは本当ですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 付加価値税を否定したわけではないのであります。これから先、増収を考える必要があるけれども、いかなる税をというふうにまだ決めておらぬと、こういうことを申し上げた次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 東京都新財源構想研究会、これは不公平税制をうたっておりますね。この点についてはいろいろ大蔵省から反論されているわけでありますが、いずれにしても五十四年度に三兆八千億円、それから五十五年度には四兆三千億円という増収を得ることができるとすれば、これはいま不公平税制が問題になっているときだけに非常に魅力的であるし、赤字公債を上回るものでありますから、国民はこのことについて非常に喜んだわけでありますが、大蔵省がこれに反駁を加えているわけでありますが、新財源が減収の要因としている引当金ですね、これは企業会計上合理的だ、さらに受取配当益金不算入は法人税法上合理的であるとして、税制上の不公正については現行税制の仕組みについて全く反省を加えていない。企業優遇の基本的立場を露骨にあらわしていると言わざるを得ないわけでありますが、この点について総理はどうお考えになりますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 委員長、私が先に。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 大蔵大臣でよろしいですな。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 はい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。  いろいろの引当金でございますが、東京都がこれを企業優遇課税と言うておる引当金でございますが、大蔵省で申し上げたとおり、これは企業会計原則でその計上をむしろやれということを要請されておることであって、商法もこれを認めておるということで、企業優遇課税ではございません。  それからまた、受取配当益金不算入ということは、これはもうよく御存じだと思いますけれども、法人税と所得税との間の重複課税というものを救済するということで、すでに長い間これをやっておるということでございまして、これも企業優遇課税ではございません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 法人税法は、法人が行う経済活動に着目してその利益に対して課税するものなんですね。法人税法といえども、当然ながら負担の公平がその原則でなければならぬ。これを大きく阻害する要因は排除されなければならぬと思うのでありますが、現実に交際費なんかについても、企業会計上は損金としての性質を持つものにもかかわらず、国民のコンセンサスを得られないというわけで、一定の限度以上についてはこれは課税しているわけでありますけれども、これは国民のコンセンサスを得た上での課税の原則が優先しているという典型的な例だと思うのでありまするけれども、この交際費課税の関係と法人税の関係についてお聞きしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 交際費でございますが、交際費が本当に前向きと申しますか、ガラス箱の中で交際費支出が行われておりますれば、これは交際費そのものは会社の経費として全額これは認められるべきものでございます。——お聞きいただいておりますか。全額これは経費として損金に計算されるものでございますけれども、交際費という名においていろいろと交際費が乱に流れると、全部の会社がそうじゃございませんでしょうけれども、そういったようなことに相なる場合も間々あるように私も聞いております。そういうことがありますと、これはどうしても世間の正義感情というものは、これは少しひどいじゃないかというような声が近ごろだんだんと強くなってきておる。しかも、私は、交際費が交際費の名においていろいろと問題を起こしておるというようなこともあるものでございまするから、そこで交際費につきましては今日まで五十一年も五十二年もこれを厳しく扱うというふうに持ってきておりますけれども、ここらのところが理屈と実際とが非常にむずかしいものであると私は思いますけれども、しかし、今後ともこれをよく実際に即してよく検討してまいって、そしてこの交際費を正しい交際費というものに持っていくべきであり、その交際費が正しくないというようなことであるならば、これをだんだんやっぱり是正していかなければならないと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 法人税法上、大企業のいろんな引当金についての軽減措置については、これが税負担上の不均衡を生ぜしめているという国民の不満が実は盛り上がっていると思うのであります。あえて企業会計上の原則であるからとして軽減措置を継承している理由は一体どこにあるのか、国民が不満を抱いている認識について一体どう思うのかという点について、大蔵大臣からもう一回お聞きしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 引当金は、先ほども申しましたとおり、これは合法的な制度でございますから、合法的な法人の税務計算についてはぜひこれは必要とする制度でございますけれども、しかし、その積立率だとか何だとかというものについては、私は現在のが全部積立率はオーバーだというふうには思いませんけれども、やはりそのときの実情に即して妥当なものに持っていかなければならないと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 法人税法上の問題について申し上げたいと思うのでありますけれども、現在の法人税制及び所得税制の中で、法人の受取配当益金不算入制度、支払配当についての軽減税率の適用、個人の受取配当についての配当控除制度等々は、企業を必要以上に優遇している、しかも高額所得者を極端に保護するいわゆる不公平税制の典型と実はされていると思うのであります。国民の指弾を受けている最大のものでありますから、このような制度が何ゆえに存在して、政府はこれをなぜ廃止しようとしないのか、その理論的な根拠を教えていただきたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 配当軽課規定、受取配当の益金不算入、それから配当控除、この三つが非常な法人優遇だと、こういうことでございますが、先ほども申し上げましたとおり、この制度は法人税、所得税の根幹に触れる問題でございまして、これを一概に企業優遇だからというのでいまやめてしまうということはできないのでございますが、要するに、これは税の根幹に触れるはなはだ理論的な問題でございまするから、私よりも主税局長をしてお答えさせます。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) できるだけ簡潔にお答えいたしたいと思いますが、大臣が申し上げましたように、法人税を株主の所得税の前取りであると考える立場から、支払い配当軽課なり配当控除制度というものが出てきているわけでございます。法人税を株主の所得税の前取りであると考えるのは、シャウプ勧告以来、日本でかなり定着しているわけでございますが、税制調査会でも長年にわたって御議論は続いております。ある意味では御議論が極端に二つに分かれておりまして、もっと徹底して前取りとして構成すべきだ、いまの配当控除では不十分だという御議論と、いや、それは現実の国民の感覚からすると、同族会社的なものはともかく、非常に多数の株主を擁する企業の場合には、もはや株主はその会社の法人税は自分の所得税で先に払ったという感覚は持っていないんだと、全然別のものとして考えるべきだという御議論とが、真正面から対立しておりまして、最近の税制調査会でも御議論が続いておりますけれども、なかなか足して二で割るというような解決ができないという点が一つございます。  もう一つは、諸外国でもこの制度は非常に揺れ動いていたわけでございますけれども、最近、どちらかと申しますと、やはりこれは二重課税があると、何らかの方法で二重課税を調整すべきであるという方向に強く動いてきておりまして、大体EC諸国は何らかの形で二重課税調整を採用するようになってまいりました。現在、二重課税をほとんど考えない、それぞれ別々に考えるという国は、先進国の中ではアメリカだけになってきておりますが、そのアメリカでも近く新政権が何らかの二重課税調整を行うべきだという提案をするのではないかという情報もございまして、やはり法人税制を基本的に考えますにつきましては、同様な状況にあるほかの国の税制も、かなり参考にして考えざるを得ないという面もございますので、もう少し各国の税制の動きを見きわめながら、税制調査会でもなおこの真っ二つに割れている議論がどちらかに集約していただけないかどうか、引き続き検討をお願いしてまいりたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 税制はそのときどきの経済社会の実態に適合して、それぞれの経済主体に税負担を求めるべきものだというように考えているわけでありますが、いまの主税局長の御説明を聞きますと、そういう意味で二重課税という問題なんでありまするけれども、たとえば新日鉄とか三菱重工だとかトヨタだとかという日本の代表的な企業が、担税力のないといいますか、実体のないものだとしてこれを認定することが、国民的コンセンサスを得ることになるだろうかどうだろうかという点について、どう考えますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) これは非常に……

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 大倉君、先刻来のあなたの御答弁は、少し丁寧過ぎるというか、長いから、とにかく簡潔にひとつ。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 非常にむずかしい御質問なんでございますが、その議論になりますと、法人の担税力とは何ぞやというところまで入ってまいりまして、しょせん法人税は転嫁されてしまうんだという立場と、そうでないという立場と両方ございますので、これまたなかなか簡単に結論が出ないわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 やはり中小企業なんかに対する軽減税率の適用はその一つで、これは中小企業の担税力を配慮していると実は思うのです。結局、先ほど挙げた法人の受取配当益金不算入制度とか、支払い配当軽課制度とか、個人の配当控除制度というようなものは、二重課税回避のための制度として残しているということだと思うのでありまするけれども、特に個人の配当控除制度は、この制度が存在するがゆえに配当所得と勤労性所得との間で驚くべき税負担の不公平を実はもたらしていると思うのです。きのうもこれは意見が出ましたけれども、その点についてはいかがですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 法人税が株主の所得税の前取りであるとする立場からしますと、実はいまの配当控除もきわめて不十分であると。法人段階で払った税をみんな返してもらってないという考え方をされるわけでございます。そういう必要がないという立場になりますとこれは株主優遇になってしまうという、真っ二つに割れているわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 たとえば、配当所得のみの課税最低限が四百四十万ですね。それから今度の改正になった所得税法によって標準世帯が二百一万五千円ですね。この制度も二重課税を回避するための制度だというように解釈していいかどうか、説明してもらいたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 配当控除がありますがゆえに、配当だけでほかの所得が一切ないという方は、所得四百四十万三千円まで——これは政府案による軽減後でございますが、まで所得税を負担しなくてよろしいということになるわけでございますが、この場合は、計算上すでに法人段階で二百四十八万八千円法人税を負担しているという考え方をとる方からしますと、法人税としては四十四万円しか引いてない、不十分だと、残りは還付すべきだということになるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は、額に汗して営々として働いているいわゆる勤労性所得といいますか、課税最低限を二百一万五千円しか認めないで、これに対して、完全な不労性所得、この配当所得について二倍以上の四百四十万までが課税されないという、だれが考えても不合理な制度だと思っているわけでありますが、この点、大蔵大臣、いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) この問題は、金額の問題というよりも、所得の性質の問題であろうと思います。そこで、いまおっしゃられるような観点から言いますと、確かにそういった見方もあろうと思いますけれども、これは所得の性質及び所得の大きさというところから考えますと、やっぱりただ一つの角度からだけは見られない問題であろうと、かように私は思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 確かに、配当控除率の問題だというようにいまの現段階で思われるわけでありまするけれども、それなら配当控除率の引き下げを考えるとするならば、その青写真を示すべきじゃないかと、こう思うのですが、いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 青写真と申しますと……。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 たとえば、いつの段階でこういうようにだんだんと引き下げていきますよということですよ。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) これからの将来どう改善していくかと、この問題でございますが、私は、それをやっていくためには、いま法人税というものにやはり相当の見直しをやっていかなきゃならぬ点があるだろうと思うのです、法人税に。いまの法人税はもうこれは絶対に正しい、妥当なものであるということではない。いろいろ法人税についての改正論といったようなものも聞いておりますが、そういったようなこととにらみ合わせながらこれは考えていかなければならない。要するに、抜本的な改正ということに関連させながらやっていくのであって、いまこの制度のままだんだんとおっしゃるようにはしご算式にやっていくのがどうかというふうに考えますが、ここらあたりが本当に研究していかなければならない問題だろうと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これこそ廃止しなきゃならぬと思うんですよ。それで、よく政府は税調税調と言うけれども、とにかく政府が、行政の立場に立った大蔵大臣が腹を決めなきゃこういう問題はできないんですよ。その点についていかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 税制の改正その他の財政政策の中でも、税制の改正には御激励に従いまして腹をくくってやっていくつもりです。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 じゃ、これらの問題について具体的に前進する姿を期待していいわけですね。いまあなたの決意を示されたんです。国民は期待しているんですよ。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、慎重に、いやいや、腹をくくって、そうして慎重にやっていくつもりです。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これはおかしいじゃありませんか。腹をくくるということは度胸を決めるということですよ。そうしたら、今度は慎重にと、こうくる。(笑声)だから、あなたの答弁はいつも灰色なんです。どっちともとれる。これじゃ困る。もう一度答弁してください。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 慎重ということは、やらないということじゃないんですよ、私の慎重と申すやつは。私が慎重と申し上げるのは、案をつくるに際してなまじっかなものではない、真剣になって案をつくる、慎重に案をつくるということでありまして、しかしながら、それをどうするかということについては、これは本当に軽率なものはできないというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これらのことが、坊大蔵大臣が決意をしなければ、これは国民は非常に落胆すると思うんですよ。所得税は、額に汗を流して働いている人は二百一万五千円、それから配当所得で遊んでいて食っている人は四百四十万円、こんなばかげたことがありますか。これから景気を回復して国力をつける、経済力をつけるというときに、あなた、これくらいのものはひとつ度胸として決めてください。いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 税制の根本的な全体系に対する改正、全体系をひとつやり直していこうという場合には、すべての税体系においてそういったような部分のものは考えていかなければ、それだけつかまえてここを改正するんだというようなことでは私はいけないと思う。全体系がバランスのとれたというような体系をつくっていくのがいまの一番大事なことだと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 しかし、この問題は、全体の税制改正の中で比較的国民的コンセンサスを得る問題だというように理解できますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) やっぱり全体の姿を見なければ、パートと全体と、全部と一部というものは、これは一部も全体もバランスのとれたものでなければ私はいけないと思うのです。そういうような見方に立ちまして税制というものを本当にりっぱなものに改正していこうというのが私の決意です。これは真剣にやります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先ほどあなたはひとつ腹をくくってと言われたその部分については、ここで確認していきますからね。いいですね。  それから全体のと言われるんだったら、所得税と消費税との関係について、ひとつ国税に占める酒税、酒の関係は何%ぐらいになりますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 五十二年度予算におきます酒税額が一兆五百八十億で、一般会計税収の五・八%でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうしますと、清酒一級を毎日二本ずつ三百六十五日飲んだ場合においては幾らくらいになりますか、税金は。——時間がたつようですから、素人の計算として大体二十万ぐらいになるんですが、正しいですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) ちょっといま急いで計算いたしましたが……

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 二十万じゃありません、二万六千円です。一日二合です。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 一日二合ですと、二万六千二百八十円でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 じゃ、毎日ビールを一本ずつ三百六十五日飲んだらいかがですか。——大体三万円ぐらいじゃありませんか。いいですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) はい。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 一日にセブンスターを一箱吸うと、専売益金率を平均で見て年間どれくらいの負担をするようになりますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 三万二千八百五十円でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 一リットル当たりのガソリン税は幾らですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 一リッター当たり四十三円十銭でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私の申し上げたいのは、煮物やコーヒーを飲めば砂糖消費税でしょう。それから映画を見れば入場税。それからマイカーに乗ればガソリン税をリッター当たり四十三円十銭も払っている。そういうことで、所得税を納めたあとの所得で生きるための消費生活をしているわけなんです。こういうことについて、いわゆるがんじがらめの消費税が課税されていると思うのでありまして、所得税と消費税についてはいわば二重課税は当然のこととしてその回避は行わないでいて、所得税と消費税との関係についてはなかなか眠っているという点について、政府の考え方はいかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 税が一本であれば、所得税だけ、あるいは消費税なら消費税だけということに相なりますけれども、一本でいきますと、財政を賄っていくのにえらい高いものをその税を払う人たちだけがこれを背負っていかなければならないというようなことで、メーンの税とそれから補完する税というものがお互いに相補うことによりまして税はうまくいけるのじゃないかと、そういうようなことで、どこの国でも——これは私は間違っておったら訂正いたしますけれども、一本の税でもって国の収入を賄っておるという国はなかろうと思いますが、そういうふうに複雑に分化していくことによって平準化していくのじゃなかろうかと、こういうふうに私は考えます。一本の税でもしやるということならば、まあこれは所得税あたりが一番適当な税じゃないかと思いますけれども、それを考えてみましてもちょっと不合理じゃないかと、こういうふうに考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 不合理ではないかということは、この問題については不合理だということを認めたわけですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いや、所得税が、私はこれは一番いい税とかなんとかというわけじゃありませんが、まあまあ国の経費を賄っていくのに所得税というものが真っ先に考えられる例ですから……

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は消費税のことを言っておる。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いやいや、それでもってやっていくということは必ずしも適当ではないと同様に、それじゃ消費税でもってやっていくということも適当ではないと。いろんな税が絡み合って、そして、その間の何と申しますか、絡み合いといいますか、配分と申しますか、これは大変大事なことでございますけれども、ただ一本の税では適当ではないと、こう考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 消費税を単なる所得税の補完という立場でいま大臣のおっしゃったように見ているところに私は問題があると思うのです。法人税と所得税の間では二重課税という概念がある、これは回避しなきゃいけないと、こう言う。今度は、所得税と消費税の関係については二重課税は当然だと。こんなばかげたことが国民の間に通用すると思いますか。それと、資産性所得である配当所得が極端に保護されて、勤労性所得は所得税を資産性所得よりも重く課せられた後にさらに消費税で税負担を強いられる。この関係について、総理、いかがですか、これは非常に矛盾があると思うんですよ。その点について将来改正のために検討する用意がありますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 税には直接税と間接税があって、それが相補って国家財政が運営されている、これが大体国際的通念であります。そういう中で消費税をなくしてしまうという発想は、私自身としては考えにくい考え方じゃないかと、こういうふうに思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ですから、法人擬制説というものについて、なぜ法人実在説という方向に変えることができないのかと、こう言っているんですよ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほどからるる主税局長が申し上げておりまするとおり、これは両論があるんです。その両論のある中で、比較的国際社会で通っておる理論に従ってわが国の税制が法人税制、所得税税制ができておるということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大手の法人の事業活動は、社会投資その他で相当めんどうを見てもらっているんですね。たとえば、用水の関係、道路の関係、港湾の関係、国または地方でもって産業の展覧会その他を積極的に補助して開いてやるとかこういったことで社会投資並びにサービスを享受する立場にあるわけです。これらの点について一般の勤労性所得なんてものは何もないんですから、生活費に課税されているんですから、その点についてどういうようにお考えになりますか、これは大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 大手の企業の工場なんかが地方財政だとか国の財政によっておのずから利益を得ておるじゃないかと、こういうことでございますか、それに対しまして個人は得ていないと、必ずしもそうではないと思いますがね。大手のそういったような工場だとかそういったようなものが確かに地方団体なんかから利益、恩恵を得ておることは否定いたしません。それば必ず得ておりますけれども、そのまた大手の工場等がそこの所在地に対しましてそこの行政といいますかそういったようなものに対してやはり相当な貢献をしておる。これはお互いじゃございませんですかね。そこのところをどういうふうに分けていくか、それは非常に研究を要することでございますが、いまのところこれはどうも相互に連帯と協調が働いておるのじゃないか。そういったような社会的事象をやはり連帯と協調というようなことでこれな見ていくということが穏やかじゃないかと私は思いますが、これは見方によって違うことだと思いますが。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 総理、連帯と協調という言葉はどういう言葉なんですか、端的にひとつ衆議院で言った言葉をそのまま言ってみてください。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 人は一人で生きて行くわけにはいかない。もちろん自分は持って生まれた資質をみがかなきゃならぬが、みんなが大いに努力してその資質をみがく。そして、その力を他人に分け与える。また、他人からも自分の足らないところを享受する。そういう仕組みとして社会があり国家がある。つまり、世は助け合いであり、補い合いであり、責任の持ち合いである、エゴというかそういう考え方ではこの世の中は渡れないと、こういうことを私は協調と連帯ということだと言っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私もいま総理のおっしゃったことは賛成です。そういう立場からお聞きしますが、昭和五十年度の場合、全法人六十九万社のうちで資本金十億円以上の会社は何社ありますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 昭和五十年度で十億円から五十億円までが一千四百三十六社、五十億円から百億円までが二百三十一社、百億円以上が二百二十六社でございますから、全部合わせまして二千社弱でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 じゃ、貸し倒れ引当金の残高で資本金十億円以上の法人で占める率ば全体の何%になりますか。十億円ということをひとつ見てください。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 全体が二兆七千億でございまして、十億円までのところで約一兆でございますから、差額一兆七千億が十億円以上でございまして、何割になりますか、六割強になろうかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 六割ですね。  じゃ、退職給与引当金でやはり資本金十億円以上の法人は全体の何%ですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 同じく五十年度で退職金引当金残岡が四兆二千ございまして、十億円までのところで一兆三千七百ございますので、ウェートとしては六七%ぐらいが十億円以上になります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 お聞きになったように、全法人六十九万社のうちで、資本金十億円以上の法人の退職給与引当金が全体の六七%だそうです。この数値から言って、企業経営の安定している大企業がこれらの引当金を有効に使って、しかも担税能力があるにもかかわらず、企業蓄積等を進めていることが如実にいまの数字からわかったと思うのであります。私は企業蓄積ということを増加しようとすることは好ましいことだと思いますけれども、十億円未満の企業が実際に引当金を積もうとしてもその余裕がない。いわば中小企業が税制上の恩典を利用し得ないと思うのでありますけれども、この点、総理、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 法人の経理をどういうふうにするかというのは、一つの準則があるわけです、商法がありますわね。それに従っていろいろ会社は経理をいたしておるということでございます。と同時に、自己資本といいますか、他から借り入れて得た資金でない資金をもって安定的な経営をするということもまた大事である、そういうふうに考えるわけでありますが、そういうことで、一概に引当金というようなものを否定するわけには私はいかぬと、こういうふうに思いますが、その引き当ての額が多いから少ないからと、こういうようなことは実態と比べて見て評価すべき問題である、こういうふうに考えております。いろんなそういう問題につきまして五十三年度税制の際には検討してみたいと、そういう考えでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 総理、この点は非常に理があるわけですよ。中国の言葉じゃないですが理がある。理があれば助けが多いということになるわけですよ。だから、ひとつこの際、いま比べてみて評価すべきものは評価し直してみたいというような意味の発言があったわけですけれども、この点はひとつ総理に、特に経済通の総理に期待いたしたいと思うのですけれども、いかがですか。いまここでやれというわけじゃない。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは五十三年度税制ですね、その際、この間いろいろの六党による予算修正の合意がありました。あのときの経過もありますので十分検討してみたいと、さように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 貸し倒れ引当金や退職給与の引当金とか、こういう限度額を、法人の資本金等の金額に応じてその額に差をつけるようにすれば、まあつけたとすれば、莫大な税収増が期待できると思うのでありますけれども、この点はいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 要するに、いろいろ議論がありましたが、結局は法人増税なんです。その結果は、法人の自己資本、内部留保金、これを減らすことになる。それが果たしていいかどうかという問題も、いまこう不景気だ不景気だという際非常に大きな問題だと、こういうふうに思うのですが、まあとにかく実態をよく調査いたしまして五十三年度税制のときに検討をいたしたいと……

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 政令段階でできますね。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 政令のものもありまするし、法律のものもありますが、五十三年度税制においてよく検討いたします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いよいよ昭和五十五年度に特例公債ゼロという形の中で、いまの社会福祉の現状やその他についてはこれを守りながら、しかも景気を回復する、しかも貿易には余り頼れない、公共投資だけだということであるならば、この点はいわゆる財政支出で牽引車的役割りを果たすということもよくわかります。しかしながら、将来ともだんだん低成長の段階に入ってきた今日の段階で、何としてもやはり負担の公平ということが求められなければ、国民の間には不満が渦巻いてくると思うのであります。この点について、私は、いままで申し上げたことについて決して無理を言っているわけではない、総理、大蔵大臣がその気持ちになればこのことはできるはずだ、また順次このことが国民のコンセンサスを得る方向に向かって前進するはずだ、こういうふうに思うのでありますけれども、その点、総理、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は常に言っているのです。強きをひしぎ弱きを助ける、これ上州仁侠でございます。社会的公正を期して諸政を運営してまいる、そういう考えであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 その上州仁侠の線で、ひとつこの不公平税制を、一遍に解決しようと期待しませんから、順次解決させていただくことを要望いたしまして、私の発言を終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして青木薪次君の質疑は終了いたしました。  次回の委員会は、四日の午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十八分散会

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