予算委員会 第10号
- 発言数
- 482 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/01
会議録
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 総理大臣、外務大臣、農林大臣、官房長官はただいま重要会議をしておりまして、もう五、六分おくれますことを委員長から申し上げておきますが、お許し願いたいと存じます。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総予算三案審査のため、本日、岩手大学農学部長石川武男君及び日本輸出入銀行総裁澄田智君の両君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小川半次君) 次に、昭和五十二年度一般会計予算 昭和五十二年度特別会計予算 昭和五十二年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、総括質疑を行います。工藤良平君。
○工藤良平君 私は、総理にお伺いしたいわけですけれども、時間の関係がありますから、まず通産大臣に資源エネルギー問題で、石炭から石油にかわったということは非常に日本の、世界の文明を変えたわけですけれども、これはしかし、石油といえども有限であるということについての理解を若干お話しいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。仰せられるまでもなく、国家の運営のためにも民族の興隆のためにも、エネルギーというものが基本であり、いかに重大であるかということは申すまでもございません。しかるに日本の場合におきましては、ことに石油の資源に乏しい日本は九九・七というような高い依存度を海外に求めておるような状態でございます。しかしながら、これらの石油の資源というものも無限ではございません。同時にまた、自由世界の原油の生産のピークというものが、一九八0年代から一九九〇年代にかけまして訪れる可能性が非常に大きいということを懸念をされておるわけでございます。 日本といたしましても、通産省におきまして総合エネルギー政策の一環といたしまして、代替エネルギーの開発並びにエネルギー節約等の問題を積極的に推進いたします所存でございますが、石油の依存度はそれでも相当高いのでございます。かような関係から、今後ともに原油の自主開発を促進いたしますると同時に、輸入地域をできるだけ各方面に分散をする、多角化をする、これによって石油の供給を安定化するようにいろいろと努力をいたす、こういう問題とともに、いわゆる天然ガスの問題につきましてもLNGの開発を特段に進めておるような状態でございます。
○工藤良平君 中、長期の石油使用量の見通しについて通産省はどのように考えておるか。また、全体的な国際的な埋蔵量からいたしまして、今後の対策をどう考えておるか。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 中、長期の石油の問題でございまするが、御案内のとおりに、五十年の十二月に閣議決定をいたしましたエネルギーの総合計画がございます。しかるに、その後の客観情勢というものは、御案内のとおりに特に国産の石炭関係におきましてもこれを反省し、同時に二千万トンの生産を確保したい、あるいはまた、水力の開発やらその他省エネルギーの問題等々を含めまして計画をつくってございますが、これらはどうせいまのような客観情勢からいたしますと見直さなきゃならぬということに相なっております。埋蔵量にいたしましても、あるいはまた、その他いろいろの案件にいたしましても、私、計数をただいまここに持ち合わせませんが、エネルギー庁長官からかわってお答えいたします。
○政府委員(橋本利一君) ただいまの先生の御質問に対しまして、二つの数字を挙げて御答弁申し上げたいと思います。 一つは、ことしの一月にOECDで数字を発表いたしておるわけでございますが、それによりますと、一九八五年における石油に対する世界の輸入需要は、一日当たり三千九百万バレル程度になるであろうという見方をいたしておりまして、そのうち日本につきましては約八百万バレル程度を前提といたしておるわけでございます。これに対しましてOPECの生産能力は四千五百万バレルぐらいになるであろうと、こういうことでございますので、その数字づらだけで見ますと供給能力は十分あるということになろうかと思いますが、御承知のように、OPECが生産能力に即して生産を実施するかどうかということが問題でございまして、一部では四千五百万バレルの能力があっても四千万だとか、あるいは時によっては三千五百万バレルしか生産しないのではないかといったような意見も聞かれるわけでございまして、そういった意味合いにおきましても、この数字を楽観的には見るわけにまいらないと思います。 それから二つ目の数字は、世界の石油の埋蔵量はどうかという御指摘でございましたが、現在、世界における石油埋蔵量は約六千数百億バレルと言われております。昨年の石油の消費が二百億バレルでございますので、この線から石油の寿命はあと三十三、四年じゃないか、かように言われておるわけでございますが、ただ、二百億バレルの生産即消費があるわけでございますが、現在でもなお百五十億バレル程度の新しい油が発見されております。したがいまして、可採年数が急激に短くなっていくということにはならないかと思いますが、ただ、新しい発見量よりも生産量の方が上回っているということ、それから、だんだん可採年数が減ってまいりますと、やはり産油国といたしましても供給量を減らすとか、あるいは価格を引き上げるとかいったような行動も当然考えられるわけでございまして、そういった意味合いからいたしまして、一九八0年の後半から九0年にかけて石油の増産の限界が来るんじゃないか、かように言われておるわけでございまして、その後、新しいエネルギーが出るまでの間、いわゆる世界的にはエネルギーの谷間ということで非常に懸念し、これに対する対策を各国それぞれ考えておるわけでございまして、われわれといたしましてもそういったエネルギーの谷間に対処すべく、ただいまから十分の対策を考えておく必要がある、かように考えるわけでございます。
○工藤良平君 いまお話しのように、石油の有限問題はかなり深刻になってきた。したがって私は、八0年代の前半には、この問題を深刻に私どもが取り上げなければならない事態ではないかと思いますが、この点について御意見を伺います。
○国務大臣(田中龍夫君) まさにお説のとおりでございまして、私どもは国民生活を守ってまいります意味から申しましても、このエネルギー問題と真剣に取り組まなきゃならぬ、かような姿でございます。 で、内閣といたしましては、先般総理大臣を座長といたします関係閣僚の会議を持ちまして、なお、これが事務局と申しますか、関係各省庁を打って一丸といたしました機構の事務局を通産省がかわっていたしまして、同時に総合エネルギー調査会を拡大いたしまして、民間の業界の方々、学界の方々、評論家の方々、消費者の方々も入れました会合によりまして、真剣にこの問題と取り組んでまいる、かように考えておる次第でございます。
○工藤良平君 いまお話がございましたが、先日石油審議会におきまして、この石油精製の増設の凍結解除が行われたようでございますが、この計画の実態と、それは今後における省エネルギーあるいは石油、核エネルギーあるいはLNG、いわゆる液化ガス、そういうものをどのように組み入れて考えられているか、その点についてお伺いします。
○国務大臣(田中龍夫君) 御質問の、凍結いたしておりました精製設備の解除問題でございますが、百四十五万バレル日産のうち、設置の困難な三十三万バレル・パー・デーを除きまして百十二万バレル・パー・デーの凍結を解除いたした次第でございます。このうちに五十二年から五十六年度の石油供給計画で必要とされておりまする設備能力に対応いたすものといたしまして、五十六万バレル・パー・デーのものを解除いたしまして、そうして稼働時期を明示いたした次第でございます。 以上の処置は、石油供給計画等の将来の石油製品の需給見通しを踏まえましたものでありますが、今後につきまして需給バランスは適正に維持できるものと考えております。 なお、これらと組み合わせますLNGその他の問題につきまして、なおまた、本計画におきまするさらに詳細は、エネルギー長官からお答えいたします。
○工藤良平君 それ以降は後の方に回します。よろしいですか。
○委員長(小川半次君) どうぞ。
○工藤良平君 総理に戻ります。いまの以降は後。本番に戻ります。 二百海里問題が非常に大きな問題になっておりまして、本委員会のおくれもそういうところから起こったということでございますけれども、私は端的に御質問をいたしますが、今回園田官房長官を訪ソさせることになったようでありますが、その特使の派遣に当たっての総理の親書をソビエト側に手渡すそうでございますけれども、その内容を明らかにしてい、ただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 園田特使の使命は、日ソの友好関係を維持増進させようと、そこにあるわけでありまして、交渉という使命ではないのです。したがいまして、親書の内容もそのような線に沿ったものである、こういうふうに御理解願います。
○工藤良平君 ちょっとわからないですよ、もう少し。
○国務大臣(福田赳夫君) 園田特使の使命はこれは友好親善維持増進ということであります。したがって、親書の内容もそのようなものである、こういうことを申し上げたわけであります。
○工藤良平君 友好親善と申し上げましても、その内容がなくて友好親善があり得ないと私は思いますが、その内容を明らかにしてください。
○国務大臣(福田赳夫君) 親書の内容をここで申し上げるということは、これはまた特使を親書を持って派遣するという趣旨にも反しますので、これはまあひとつ御勘弁願いたいと思います。
○工藤良平君 その親書は公にするというものではなくて、秘密を守らなければならないという趣旨でございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) この親書を手渡した後においては、これば先方との話の結果、公表しても差し支えないということになりますれば公表いたします。
○工藤良平君 つい先日あなたは予算の途中にアメリカに参りました。カーター大統領とお会いをいたしましたが、その際にはほぼ話し合いの大綱というものをお示しになりました。これは日本の国際外交上におけるアメリカと日本との関係について私はきわめて重要な問題だということを指摘をしてきたわけでありますが、今回の日ソ漁業交渉がかなり行き詰まっておる状態の中で、国民の総意として親書を手渡すとするならば、その国民の総意を得るためにも私は国民の前に明らかにすべきである。もちろんその内容を細々言う必要はないと思いますけれども、大まかの御意見は、私は園田官房長官にお示しになってしかるべきではないかと思いますが、その点についてもう一回お伺いいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) あくまでも親書でございますから、この親書を手渡す前に公表する、これは妥当ではないと、こういうふうに思うんです。ただ、その親書の内容は友好親善を維持増進いたしましょうと、こういう趣旨に尽きるわけであります。
○工藤良平君 人選の過程の中で、新聞等の報道によりますと、この領土問題に触れたくないということから、外務大臣やあるいは農林大臣やさすざまの人の名前が浮かんだようですけれども、結局はその領土問題に触れたくないということから園田官房長官を選んだといううがった見方までも出ているわけですが、その点に対しては、それではどのようなお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 日ソ漁業交渉に臨む基本方針はこれはあくまでも漁業問題である、領土問題とは別個の問題としてこれを処理するという基本的な考え方をとっておる、そういうことでございます。
○工藤良平君 しかし、十二海里の問題にいたしましても二百海里の問題にいたしましても、領土というものを中心にしてその線が引かれるわけでありますから、これを抜きにして問題を考えるということは私は不可能ではないか。いずれそれは出てくる問題だと思う。それを回避するということそのものが旧ソ漁業交渉を混乱に陥れていく大きな要因になるのではないかと私は思います。いまそれを直ちに話をするということではなくて、その姿勢というものは重要ではないかと思いますが、その点どうでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 領土問題に対するわが方の主張はこれは厳然として決まっておるわけでありまして、これは動かすことはできません。しかし、それはそれといたしまして漁業問題はこれを円滑に処理しよう、こういう方針でありますものですから、そこにまたむずかしさもあると、こういうふうに御理解願います。
○工藤良平君 あなたは先日アメリカに参りました。かつて田中総理は、石油問題では三木副総理を派遣をいたしました。今回はそれと同等のような考え方で園田官房長官の派遣をなさるわけでございますか。もしこれがなお解決できない場合にはみずからソビエトにお行きになるという決意がございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これはわが国の国益に関する重大な問題でありまするから、あらゆる手段を考えなきゃならぬというふうに考えておりますが、私は園田特使が行くということで、私の代理として行くんだ、しかも親書を持って行くんだということで、かなりの重みを持った会談が行われてくるであろう、こういうふうに確信をいたしております。それにもかかわらず、そういうようないろんなケースがあるだろうと思います.が、その際におきましては、その際の最大の措置を講じたいと、かように考えております。
○工藤良平君 最大の措置とは、あなたもそういうこと、行くということがあり得る、そこまで決意を固めてこれに当たる、このように理解をしたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) その際におきましては、あらゆる方途を考えまして、これが一番いい、国益を貫く上においてこれが一番いいと、そういう方法をとります。
○工藤良平君 それでは具体的にお伺いいたしますが、ソビエトの今度の日ソ漁業交渉の行き詰まりというものはその最も根本的な問題はどこにあるのかということ、この点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 一つはこの適用海域の問題でございます。端的に申し上げまして私とイシコフ漁業大臣との間に合意がなされておるわけでございますから、私どもは両国の責任者が合意に達したことはぜひ実現をしたい、守ってもらいたい、こういう立場を堅持しておるところでございます。それに対してソ連側から別途の考え方が示されておる、これが一つの問題点でございます。 第二の点は、御承知のようにわが国の十二海里、今回、国会の御審議をお願いしようとする領海の幅員十二海里の中でソ連が実績を要求し操業を認めろと、こういう問題が提起されておる。これは鈴木・イシコフ会談でも全然取り上げられなかった問題でございますので、この二つがやはり大きな問題点として残っておるということでございます。
○工藤良平君 そこまではだれもわかるのです。しかし、問題は常識的に考えられない十二海里の宣言をしたわが国の近海であえてとろうとする。そこは一体何が原因なのかということです。そこまで踏み込んで考えなければ対策は出てこないと私は思うんですが、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点は彼我の考え方に若干相違がございます。ソ側はイワシとサバに大変関心を寄せておるわけでございます。三海里から十二海里の中で漁獲をしなければこの最もソ連が関心を持っておるイワシとサバは実質的にとれないのではないかと、こういうことを言っておる。でありますからこれを認めろと、こう言ってきておるわけでございます。私どもは、いや、さようではない、わが国の大型まき網等は、沿岸漁業との摩擦を避けるために十二海里の外で相当の漁獲を上げておる、こういう点をよく説明もいたしておるわけでございます。私どもは、国際通念にも反する領海の中の操業、他国船の操業は一切これを認めるわけにはまいらないという立場を堅持しておるわけでございます。
○工藤良平君 その点について、今日までわが国が国際的漁業問題の中で果たしてきたもろもろの問題、たとえば、他の国の宣言の際に、実績国の操業を継続をしなさいということで強く要求してきたのはわが国であったと思うんですが、こういう点の、過去におけるもろもろの問題についての指摘はないのか、その点についてお伺いします。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の主張は領海の外、たとえそれが二百海里の漁業水域を設定をいたしましても、その二百海里の漁業水域内における実績はこれを尊重してもらいたい、こういう主張をいたしておるのでありまして、どの国に対しても、十二海里の領海の中で実績を認めろというような、そういう国際通念に反するような要求はどこの国にもいたしておりません。
○工藤良平君 そこをもう一遍お聞きしますが、やはり自由操業ということを非常に主張してきたのは日本ですね。これがやはり今回のこの問題についても、かなりソビエト側の強い問題点として出てきておるのではないかと私は端的にお聞きします。
○国務大臣(鈴木善幸君) ソ連側も必ずしもさようではございません。日本が近く二百海里の漁業水域を設定するということは、私がイシコフ大臣に通告をしたところであり、確認されておるところでございます。そうなった場合には、ソ連の実績を日本側も認めてほしい、ソ連に対して日本が要求しておると同様に、ソ連側も日本の二百海里の中で操業することを認めてほしい、認めるべきである、こういう主張をソ側はしておるわけでございます。
○工藤良平君 そこで、これはけさの新聞に出ておりますが、すでに日ソ漁業交渉の状態を踏まえながら、大洋漁業を初めとして商社などが、ソビエトからの輸入計画を交渉しているというようなことが出ておりますけれども、こういう事実があるとするならば、これは日ソ漁業交渉過程の中で、国内における意見の対立というまではどうかと思いますけれども、いわゆるエコノミックアニマルと言われる、国際経済情勢の中で一番日本が非難を受けてきた、その問題が出てきたような気がするんですが、もしその事実があるとするならばこれに対してはどのような対処をいたしますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 大洋漁業の中部社長が、冷凍庫、冷蔵庫、あるいはかん詰め工場その他のプラント輸出を向こうから希望されまして、その代償として魚で支払いをしたいというような要望が向こうから出たということはどうも事実のようでございます。しかし、中部君も、日本政府の承認、了解をなしにそういう取り決めはできないわけでございますから、それは留保して帰ってきておるというのが事実のようでございます。政府といたしましては、スケソウダラのごときはIQ品でございますし、いまこういう状況下におきましてこれを認める考えはございません。
○工藤良平君 さらにもう一つは、ソビエトが主張いたしております、いわゆる等量主義の問題、私ども日本が北洋で漁獲高を減らす、そしてソビエトが日本海沿津で上げるということで、等量主義というものを非常に主張しているということを聞いているのですが、この点について。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは、等量主義ということの表現ではございませんでしたけれども、バランス論という形で出てまいりました。しかし、そのバランス論ということが等量主義ということであれば、わが方としては絶対にのめない。私はその際、バランス論ということは、日本のソ連海域におけるところの伝統的な、戦後三十年に及ぶ積み上げた実績、これをソ側が一0%削減するのであれば、日本の二百海里設定の後において二百海里の中におけるソ連の実績についても一0%の削減−削減量を、バランスをとってやるというのがバランス論であって、等量主義ということはわれわれは応じるわけにはいかないということをはっきり私申し上げておるところでございます。
○工藤良平君 内容についてはその程度にして、かなり問題点がたくさんあると、したがって、はどもとしては、やはり国論を統一するといいますか、美辞麗句を並べるだけで国際外交が進むとはぼくは思っておりません。やっぱり体を張って全国民が一体となってこの問題に当たるという姿勢が必要なんで、そういう点から申しますと、まだまだ国内における問題点があるように思うわけでございまして、この点について、私、総理ひとつ体を張って、きょうは時間がおくれましたけれども、ゆうべの総理の私邸への帰宅の時間を見ますと七時幾らくらいに帰っているようですから、ひとつ徹夜くらいでもこの段階ではがんばっていただくと、そういうことがやはり全体的な世論を確立し、ソビエトに反映をしていくという、ささいなことのようですけれども私はそれが大事じゃないかと思うんですが、ひとつ決意をお伺いしたい。平和外交の決意。
○国務大臣(福田赳夫君) 私邸には私は早く帰ります。しかし、ぼやぼやしておるわけじゃないんで、世界じゅうに目を配りながら私邸におるわけなんです。私は、この日ソ漁業問題、これは、本当に最近における最大の国益に関する問題である、さように考えておるわけでありまして、もう全身全力で投球いたしまして国益を貫いてまいりたいと、さようにかたい決意をいたしております。
○工藤良平君 さらに、この二百海里問題について、もう一、二点お聞きをしたいと思いますが、十二海里の専管水域については国内法を出すということでございます。ただ、この場合に、例の国際海峡の問題について日本はかなりオープンな方針を出すようですが、これと、マラッカ海峡あるいはシンガポール海峡との関係ですね。私は、それを開放することによって必ずしもうまくいくかどうかという点については、それぞれ沿岸国の航行の安全、あるいは汚染防止という問題がありますから、かなり問題が出てくるのではないかと思いますが、この点に対する見通しをお聞きしたいと思います。これは外務大臣から。
○国務大臣(鳩山威一郎君) マラッカ海峡につきましては、沿岸三カ国の外相会議がありまして、航行の安全、また汚染の防止等の観点から大変細かいいろいろなルールを立案中でございます。これにつきまして、これからわが方としても態度を決めなきゃならない段階であるわけでございますが、わが方といたしまして、これは慎重に検討いたしまして、そして航行の安全、あるいは汚染の防止ということにつきまして、そういう観点からはわが方としては慎重に検討した上で協力する部面も多いかと思うわけでございます。 一方、国内のいわゆる国際海峡の通航の問題につきまして、こればわが国といたしましては、一般の領海通航よりも自由な体制をとるべきであるというふうに主張をいたしてきておりますので、今回の領海法におきましても、そのような考え方で、とにかく現状で凍結を一応しておく、そうして海洋法会議の方針が決まった場合にはそれによって対処方を決めたいと、このように考えておるわけでございまして、両者の間につきまして、マラッカ海峡につきましても、わが方としては、いろんな船種別の規制のような、たとえば大型タンカーについてだけの規制を受けるというようなことにつきまして、わが方としてはそういったことは好ましくないということを考えておりますが、現在言われておる制度では、UKC、アンダー・キール・クリアランスでも、これは船種別の考え方をとっておりませんし、そのような考え方であれば、わが方としても慎重に検討の上協力をして差し支えないのではないかというような考え方をいま持っておる次第でございます。
○工藤良平君 さらに二百海里宣言でございますけれども、この中で、あえて日本の場合には専管水域と呼ばないわけですね。これは何か特別の意味がありますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国は、こういう御承知のような漁業国家でございますから、二百海里の漁業水域を設定をいたしましても、相互主義で関係国との間の新しい漁業秩序を確立していきたい、こういうことでございまして、格別意味があるわけではございません。
○工藤良平君 私は意味があるように思うのですが、格別ないと。これは将来私は見ていきたいと思います。 それから、日韓、日中の二百海里問題についてお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、日韓並びに日中の間の現在の漁業関係は、日韓漁業協定並びに日中漁業協定におきまして、非常に安定的に何らのトラブルなしに漁業操業がなされておる、この漁業秩序は今後とも大事にしていきたい、こういう考えでございます。したがいまして、閣議で二百海里を設定するという方針の了解がなされたわけでございますが、その事前に韓国並びに中国に対しましては、外交チャンネルを通じましてわが方の方針を伝え、理解を求めておるところでございます。
○工藤良平君 十二海里、それから二百海里の経済水域の問題をめぐりまして、国内的な、いわゆる日本の漁業間における権利問題は起こってまいりませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) どういうことですか。
○工藤良平君 非常に端的に申し上げたのですけれども、二百海里、十二海里の宣言が行われてまいりますと、いま言うようにかなり制限をされてまいりますから、遠洋漁業が近海に入ってくる、沿岸に入ってくるというようなことから、従来ありました漁業権をめぐります権利問題あたりがかなりふくそうしてくるのではないか、このように思いますし、その点の国内法の改正なども、二百海里、十二海里の両宣言を通じて私は非常に深刻な問題が起こってくるのではないかという心配があるものですから、この前これは委員会でもずいぶん議論をしたことがあるのですが、その点に対する農林大臣の御見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、遠洋漁業が操業の漁場を狭められたというようなことで、それが零細な沿岸漁業者の操業である場の沿岸漁場にUターンしてくる、そのために沿岸漁業者との間にトラブルを起こすというようなことを私は大変心配をいたしておるわけでございます。そういうようなことは、どうしてもこれは未然に防止をしなければならない。現に四月一日からソ連の二百海里海域の漁船は全部引き揚げを要請をいたしておるところでございます。その引き揚げてまいりましたところの漁船の中で、たとえば北海道の沖底びき等が、日本海の武蔵堆のカニのかごを使ってとる漁業、かごカニ漁業と、こう言うのでありますが、零細な漁業者がやっております。しかし、北海道の一部の底びき漁船は、その海域における操業の許可も持っております。そういうようなことで、それが沿岸漁業者と競合する仲間同士、国内の漁業者同士で衝突をする、そういうようなことがあってはいけないということで、私は一両日前に農林省の事務次官に指示をいたしまして、そういうことは絶対にあってはいけない、もしさようなことがあった場合には、今後の漁業の許可その他について、農林省としては厳正な立場をとるということもあわせて警告を発し、漁業秩序の維持に万全を期しておる次第でございます。
○工藤良平君 もとに戻りますけれども、日韓、日中の関係については非常にスムーズにいっているというお話でございましたけれども、いま言う北洋でかなりの制約を受けて、日本の国内における漁業問題が混乱をするということになりますと、それに端を発して、いまうまくいっていると言われる日韓、日中の漁業関係についても摩擦が起こるという可能性は私はなきにしもあらずと思うのですが、この点に対してのやはり厳しい対策がむしろ必要ではないかと思いますが、この点に対する御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日韓、日中の現在の漁業上の円満な秩序、これが確保できまするように、いろいろの配慮もいたします。と同時に、わが方としてはこの日本周辺におけるわが方の不利益を来すようなことのないように、十分な対策を講じてまいる考えでございます。
○工藤良平君 いずれにいたしましても、この二百海里問題は非常に国際外交の場における重要な問題になってまいりました。それと同時に、わが国にとりましては、これは食糧の、いわゆるたん白資源の問題としてきわめて重要な課題であります。この点については、先般本会議なりあるいはこの総括質問でも福田総理から御答弁がございましたけれども、もう少し積極的なたん白資源に対する対策について、総理の御見解を私は伺っておきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 何をおきましても世界における漁業秩序の変化時代でございますので、漁業外交といいますか、これを強化する、これが 一つであります。それから、他方におきまして、国内におきましては沿岸漁業の振興、このことを考えなければならないと、かように考えております。また同時に、魚類の利用方法、これもよほど考え直さなければならぬだろう。いままでは肥料に使うというものを、あるいは食糧にしなければならぬ、飼料に使っておったものを、これまた食糧にというようなこと、さらには、やはりかなり私は魚を粗末にというか、使っているのじゃないかと思う。大事に使うというようなことも普及していくようにしなければならぬではないか。内外いろいろなことを考えまして、たん白食糧資源の需要にはこたえていかなければならぬ、かように考えております。
○工藤良平君 そこまでは先日お話があったわけです。今度のこの二百海里を迎えた沿岸漁業を中心とした漁業対策についても私は非常に手ぬるいと思う。もう一つは、海だけの問題ではなくて、これは日本国内の、陸地に向かっての、特に農業を中心とした彫刻をどう私たちが進めていくかということにかかってくるような気がするのですが、この点に対する熱意について、もう一度お伺いします。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は食糧問題、これは陸上においても大きな転換期に来ておると思うのです。資源エネルギー問題が重大な段階に入りつつありますが、食糧もまた同様だと思うんです。人口の増加、それからまた、食糧の増産、そういうものをあわせ考えまするときに、私どもは、日本の農業問題のあり方、これはもう再検討しなけりゃならぬ。ことに自給力の問題ですね、これが非常に重きをなさなければならぬというふうに思うので、そういう認識のもとに、農政、これはまあ大きな転換の時期に入ってきた、そういう諸施策を進めたいと、かように考えております。
○工藤良平君 そこでこれは、飼料の自給化、それから畜産の振興というのも一つの大きな要素になってくる。これは後でまた御質問いたしますけれども、それと同時に、ファームポンド方式という問題がかなり真剣に提起されているわけですが、この点についてのお考えを聞きたいと思いますが、この点はちょうど岩手大学の石川先生も一いらっしゃるようですから、もし御意見があれば。
○参考人(石川武男君) ファームポンドというのは、昔から農民が小さなため池をたくさんつくっておるわけで、それを農林省が、最近諸地域の土地改良事業として取り上げている中に、ファームポンドー簡単なため池をつくりまして、そして用水源にするとか、あるいは養魚池にするという形で利用の道を開こうということが行われているようであります。
○工藤良平君 二百海里問題は、あと農業の問題に結びつけていきますからこの程度にしておきまして、総理にもう一つ私お伺いいたしますが、先般の日米首脳会談における問題でお聞きをいたしますけれども、例の核再処理問題について、カーター大統領は、四月六日に規制強化に関する新政策と立法措置を議会に提案をするということが報道で出ておりますけれども、こういうことになりますと、先般の総理の認識とかなりの違いがあるのではないかと思いますが、この点について御見解を聞きます。
○国務大臣(福田赳夫君) 四月六日にということは聞いておりませんけれども、近くカ−ター大統領が発表しますというその政策は、アメリカの国内についての政策でありまして、国外に対する政策じゃないんです。しかし、国内に対しての政策といえども、何がしかの国際的影響もありまするから、そういう声明がどんなものであるか、政策がどういうふうなものであるかということについては関心を持っておりまするが、工藤さんの言われるのはアメリカ国内についての政策であると、こういうことでありまして、私がこの前四月二十日と、こういうふうに申し上げましたのは、この国際的というか、エネルギー全体についての国際社会にも関係のある政策、これはどうも、その後様子を見ておりますと、多少おくれるんじゃないかなというような見通しもありますが、まだ定かではありません。
○工藤良平君 当時、アメリカの新エネルギー政策を二十日までにまとめて出すと、こういうようなお話を私どもは聞いておったんですね。それが四月六日に出てくるということは、やはり日本だけについての特例は認められない、これは全体的な問題として理解をすべきではないかと思うんですが、いまの総理の考え方は非常に安易に考えておるようですが、そういうことでよろしいのですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) この間の福田・カーター会談におきましては、いま総理がお答えなさいましたとおり、二十日ごろにひとつ対日問題を解決したい、こういうふうなことであったわけでございます。で、いま工藤委員が申されましたのは、これはアメリカ国内のエネルギー政策でございまして、しかし国内といえども、いろいろわが国との対照上、非常に関心を深めなければなりませんので、それに関しましては、明日、事務的レベルの人たちではございますが、派遣をいたしまして、向こうの担当官が国務省のシャインマンという人でありますが、この人といろいろと専門的事項に関しまして話し合いをさせます。 で、アメリカからの連絡によりますと、国内に関するエネルギー政策は、大体いまおっしゃったような時点において発表しようと思っておるが、そうした後に海外的な問題に関しては各国と協議をした上で決めたいと思う、それが四月二十日ということでございます。
○工藤良平君 それによりますと、かなり国内的な問題にいたしましても、核エネルギーに対する問題については厳しい規制が出てくるような、そういうことが予測されるわけですけれども、それと国際的な問題は当然つながっていくと思うのですが、別個にそれを扱うといたしましても、その方針というのは貫かれていくのではないかと思うのですが、その点についての判断。
○国務大臣(宇野宗佑君) 明日派遣いたします第一次交渉団は、四月二日ごろから交渉に入らせたいと、こう思っております。ということは、いまおっしゃるとおりに、われわれはアメリカの国内政策といえども無関心ではあり得ないわけであります。なぜかならば、たとえば伝えられるところによりますと、アメリカの商業ベースにおけるところの再処理はしないと、こういうふうに言っております。しないと言っていますが、現在アメリカには再処理工場が、もう運転中止でないわけであります。建設中のやつはあるわけであります。しかし、わが国はもう間もなくホットランに入ろうというわけですから、それとこれとをごっちゃにされて考えられちゃたまったものじゃないという説明もしなくちゃならないでございましょうし、いろいろなわが国の立場を強調しなければならない、かように存じますから、当然アメリカのそうした問題に関しましても、わが国は強く批評を加えつつ、そうして二国間の問題に発展し、さらには多国間同士におきましても、いろいろございますから、多国間の問題に発展する可能性も今日なきにしもあらずと、かように考えております。
○工藤良平君 午前中の締めくくりといたしまして、これは総理に。 いま私は幾つかの問題を提起をいたしましたけれども、どうも日本外交の問題について、中途半端な外交になっているのじゃないかという気がしますので、これは端的に申し上げますが、日本が平和外交に徹するなら徹するように、私はそういう方針でいかないと、どうも後手後手になってしまう。むしろ平和外交であるなら先手先手でいくことが、外交を進めていく上において非常に大事ではないか、こういうように思いますので、これは新しい総理、しかもまだ期間が短いわけですけれども、その点に対してきっぱりしたひとつ熱意を示していただきたい。 あとは輸入関係、食糧関係は午後に移したいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、もともと平和主義者なんです。五年前田中角榮さんと自由民主党政権を争った。田中角榮さんの方は列島改造論、私は平和大国論、こういうので論争をいたしたわけですが、とにかくわが国は世界でも本当にユニークといいますか、ただ一つの新しい国のあり方というものを打ち出しておるわけです。つまり、持たんとすれば持ち得る強大な武力、それを持たない。そのよって生ずるところの余力を世界の繁栄のために協力、貢献していこうと、こういうたてまえを打ち出しておるわけです。私は、これはなかなか新しいユニークな道ですから、これは厳しい道ではありまするけれども、これは私は正しい道である、こういうふうに思うのでありまして、この道、世界の平和、世界の繁栄、この新しい道を切り開いていく、こういう大方針、この大方針に従いまして国際社会に大きく活躍してまいりたい、こういう決意でございます。
○委員長(小川半次君) 工藤君の質疑は午後引き続き行うこととして、一時まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題とし、工藤良平君の質疑を続行いたします。工藤良平君。
○工藤良平君 それでは、エネルギー問題に戻りたいと思いますが、先ほど石油の問題の将来性についてお伺いをいたしましたけれども、この計画の中でかなり今後核エネルギーに対する期待というのが大きいようでございますけれども、この点について、たとえばコストの面から言いまして、果たして一体どうなるのか、こういう点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 原子力発電とその他の発電とのコストでございますが、原子力発電で現在稼働しておるものと石油火力と比較いたしますと、原子力火力の方が二分の一程度でございます。将来五十七年ごろに運転開始に入る石油火力と原子力発電を比較いたしますと、かれこれ三分の二ぐらいのコストで上がりそうでございます。将来、昭和六十年時点におきましても、大体二0%ないし三0%原子力発電コストの方が安く上がるというふうに試算されております。
○工藤良平君 先般、新聞によりますと、海中からのウランの抽出に成功したということが出ておりますけれども、この点については、これがコスト上から言っても今後将来性があるのかどうか。
○政府委員(橋本利一君) まだ基礎実験段階でございまして、必ずしもどの程度にコストが下がるかというところまではまだ至っておりません。ただ、有限資源のたてまえからいたしまして、できるだけあらゆるソースからウラン鉱を確保したいということとして努力をいたしておるわけでございます。
○工藤良平君 その核の問題は、これはもう安全性の問題ば申すまでもないわけですから私は議論をいたしませんけれども、ただ、一説にこういうことがあるわけですね。核燃料棒になるまでの間にかなりの石油を使ってつくらなければならない。そうすると、石油の寿命というものと核の寿命というのは一体どうなるのかという疑問が私は素人なりに出てくるのですが、この点に対する解明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 石油の寿命は、先ほどエネルギー庁長官が申されましたとおりでございまして、三十四、五年でございますか、いまウランそのものも約二十年ではないかと、こういうふうに言われております。したがいまして、現在はその効率を上げるために濃縮をいたしておりますが、最終的にはわれわれといたしましては高速増殖炉でプルトニウムを原料として使った方が濃縮よりも六十倍の効率があると、こういうことで鋭意研究を進めておるところでございます。 いまおっしゃる点に関しましては、恐らく採鉱、製錬、そして濃縮、それを燃料棒にして、そこから出る発電エネルギー、それよりももっと食うのじゃないかというふうな御質問だろうと思いますが、この点に関しましては、現在といたしましては、燃料棒をつくるまでに必要とするエネルギーは、それによって発電されるエネルギーのまあ数%程度であろうと、こういうふうに言われております。
○工藤良平君 そこをもう少し聞きたいと思いますが、私が申し上げましたのは、濃縮ですね、いろんな工程がありますけれども、その中で燃料棒になるまでの過程でかなりの石油を使うのではないか、そうすると石油の寿命というものと核燃料の寿命というのは大体一緒になるのじゃないかということを申し上げたんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 濃縮に一番エネルギーを使うわけですが、いま申し上げましたとおり、それも原発エネルギーの数%程度にとどまると、そういうことであります。
○工藤良平君 わかりました。 そうしますと、通産大臣が戻ってまいりましたが、この原子力の問題につきましても、かなりこれは将来性はありますものの、危険性と同時にやはり有限なものであるということははっきりしているわけですが、めぐりめぐってまた結局石油に戻ってくるわけなんです。ところが、この石油につきましては、先ほどお話がありましたが、これからかなりの伸び率で石油消費というものが伸びる。その需要と供給の関係からいたしまして、大体三十年ないし四十年というような予測も出ているわけなんです。そこで問題が出てくるのは、一体省エネルギーとして私たちが石油の扱いをどうするのかという基本的な問題も出てくるわけで、さっきちょっとお話を聞きましたけれども、この点に対するこれからの方針、計画といいますか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。 石油そのものが国際関係やその他の問題からできるだけ国内の自給度を高めなきゃならぬということは当然でございます。しかしながら、残念なことに、日本におきまする石油資源というものはまことに微弱なものでございます。さような意味におきまして、石油の消費の徹底的な節約をしなきゃならぬ。同時にまた、国際的ないろいろな変動に対処しまして備蓄をしなきゃならぬ。同時にまた、同じ石油を海外から取るにいたしましても、その給源を分散をする。同時に、わが方において投資をし開発をした地点から安定した供給を確保しなければならぬ、こういう問題がございます。半面また、それに対しまして、国内のエネルギーといたしましては、石炭の問題、あるいはサンシャイン計画と言われる問題がございます。ただいまの細かい点で、先ほど午前中に先生が御質問に相なりました石油の埋蔵の予想、あるいはまたLNGの問題で午前中御質問がございましたが、途中で退席いたした次第でございます。エネルギー庁の長官も参っておりますので、政府委員からお答えをいたします。
○政府委員(橋本利一君) 午前中の、質問に対するお答えになるわけでございますが、石油の供給計画を策定する場合には、先生御指摘のように、原子力、LNGといったような代替エネルギー、あるいは石炭、水力、地熱といった国産のエネルギー、こういったものの需給動向がどうなるかということを踏まえる必要が当然あるわけでございますが、また一方では、石油業法の第三条によりまして、毎年その年度を含みまして将来五年にわたっての供給計画を定めて告示することになっております。さようなところから、現在時点において可能な限りのデータを収集いたしまして、三月二十九日の石油審議会にお諮りしたわけでございます。これは燃料油の年率の伸びが四・九%ということを前提といたしておりまして、その結果、五十六年度においては五十一万バレルほどの能力不足になるというところから、午前中大臣も御答弁いたしましたように、百四十五万バレルの凍結の中から五十六万バレルを五十五年ないし五十六年に完工するように、時期を明示して凍結を解除したと、こういうことでございます。 なお、現在、総合エネルギー調査会におきまして、六十年時点の需給バランスの見直し作業を進めております。この結果によりましては修正の必要もあろうかと思いますが、五十五、六年まででございましたら、まずまず現在策定いたしました供給計画とさほどの乖離はないというふうに考えておるわけでございます。
○工藤良平君 それはもっと進めて考えますならば、五年ごとに今回の百四万バレルを一応凍結を解除するわけですけれども、さらにその計画は次の段階ではもっと拡大されたものに進んでいかざるを得ない、このように理解をしてよろしいわけですか。
○政府委員(橋本利一君) ただいま申し上げましたように、五十六年までの年率の伸びは四・九%ということを前提にいたしておりまして、その限りにおきましては五十六万バレルがその時点にまで完成すればいいわけでございます。ただ、需要が景気の回復とともに一段と伸びてくるというような場合には、さらに、凍結は解除しておりますが完成時期を明示していない能力が五十六万バレルございますので、これをもってその場合には対応していけると考えております。
○工藤良平君 そこで、これは農林大臣にお伺いいたしますが、石油の開発と同時に農業の構造的な変化というものもずいぶん大きいのではないかと私は思いますが、この点についての御見解を……。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、農業部門におきましても、近年農業機械の使用の面におきましても、また施設園芸等の面におきましても、いろいろ加温用あるいは動力用として石油の使用量がふえてきておるわけでございます。また、漁業用におきましては、漁船の燃油として相当のものが使われておる。林業関係におきましても若干使用されておりますが、農業、漁業に比較いたしましては使用量はそう多くはございません。しかし、このことによりまして労働生産性が相当高まっておりまして、厳しい農業労働から解放されておる。こういう意味で、私は、農業、漁業における石油の使用というものは非常に重要な役割りをしておる、このように考えております。
○工藤良平君 いま大臣がお話しのように、いまや石油の問題は食糧の問題とイコールの状態になってきた。石油がとまれば食糧もなくなるという時代に入ってきたように私は思うわけで、そういう点から特に石油の有効利用といいますか、そういう点に対する配慮というものはより強化されなければならないと思います。 そこで、これは通産大臣になりますけれども、石油の生だきその他がかなり近ごろ顕著になってきているわけですが、この点に対する配慮についてはどう考えたらいいか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように、等におきまして、原油あるいはナフサの生だきを実施いたしております。これは公害対策上やむを得ない措置として現在認めておるわけでございますが、本来、有限な石油資源をそのまま燃してしまうということは必ずしも適切でないということもございまして、一方で地方における公害防止協定等につきましてもそれが十分遵守できるようにいろいろ努力すると同時に、ナフサなりあるいは原油の生だきといったものを漸次減少させるような方向で指導してまいりたいということで努めておるわけでございます。
○工藤良平君 そこで、もう一つ、先ほどお話がありました備蓄計画の問題について、通産大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 備蓄問題につきましてお答えいたします。 石油の供給が民間企業にゆだねられておるという現在の状態で、御質問の点にある部分におきましてはこれを国でやったらどうかという御意見も出てくることがあろうかと思うのでありますが、いろいろ考えてまいりましても、その実施に当たりましては民間がこれをいたす方がかえって諸般の情勢から考えましても適当ではないか、こういうような考えを持っております。国家備蓄の場合の技術的な困難性につきましてはいろいろと比較検討いたしておりまするが、民間企業に備蓄を行わせることがいまのところでは望ましい。同時にまた、本件につきましては、五十二年度の予算で、備蓄の原油の購入資金、これの融資の利子補給をいたしておりまするが、この幅も四%から四・五%に引き上げると同時に、共同備蓄会社に対しまする石油の開発公団出資の条件等、備蓄の増強に対しましては特段の強化を図っておる次第でございます。 なおまた、備蓄の数量その他さらに明確な点につきましては、エネルギー庁からお答えをいたします。
○政府委員(橋本利一君) ただいま大臣から御答弁いたしましたように、五十四年度末を目標に九十日備蓄を進めておるわけでございます。石油の量にいたしますと二千六百万キロリッターになるわけでございます。この二千六百万キロリッターの油を収納するためのタンクは、八〇%稼働として三千三百万キロリッターの容量を必要とするわけでございまして、こういったものに要する資金は一兆五千億、敷地は約千六百万平米ということにされておりますが、現在民間体制のもとに政府が側面から助成する形におきまして五十四年度までに目標達成いたしたい、かように考えておるわけでございます。
○工藤良平君 備蓄と簡単に言いますけれども、かなり大きな資金と土地と問題をはらむわけでございますが、私ども聞くところによると、民間ベースで余りコストに大きな影響がなくてやれるのは四十五日ぐらいではないかと言われているわけでありますけれども、そうすると、国家的な見地からこの問題を扱うということがかなりこれからは大事になってくるのではないかと思いますが、先ほど民間ベースでということですが、九十日間備蓄ということを達成するためには困難性がかなり出てくるのではないかと思いますが、その点……。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話でございまするが、石油の輸入、生産、販売、在庫というふうなものが民間企業にゆだねられておりまする現在の石油の体系から申しまして、これと一体性をもって考えた方がかえって効率的だろう、こういうのが今日までの判断でございます。御指摘のように、国家的な一つの国策としての体系によりまして行うということも一つの見識でございますけれども、いまの段階におきましては民間に行わしめると、その方がかえって効率的だと、こういう判断に立っております。なお、御案内のとおりに、これからの総合エネルギーの計画に基づきまして目下検討中でございまするが、この備蓄の問題は今後大きく取り上げていかなきゃならぬ、またそれに必要なタンクの増設、あるいは土地の確保、なかなかたくさんの問題を抱えておりますこともあわせて申し上げておきます。
○工藤良平君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、いま備蓄の問題一つとりましても非常に大きな問題でございまして、一部には石油税の一般財源としての利用というような形から、この備蓄の問題に対して石油税の中から一般財源として扱ったらどうかという意見もあるようですが、この点に対する御見解を聞きたいと思います。
○政府委員(吉瀬維哉君) 御質問は石油関税のお話かと思いますが、関税局長の所管でございますが、石油関税は、御承知のように石炭問題に対する大きな財源として発足いたしまして、これはもうすでに御承知のことと思いますが、エネルギー相互間の救済ということでやったわけでございますが、その後、石油の開発資金とか、それからまた、備蓄政策等につきましても、原重油関税と関税を一つの特定財源として扱うという方式が最も適しているのじゃないか。もっとも、いまの全世界的な石油価格の傾向とか、そういう対外的な配慮から、原油関税の引き上げにつきましてはいろいろ御意見のあることも承知しておりますが、現在の税率を維持して、その中で、先生御指摘のような備蓄政策につきましても、五十二年度につきましては行一億から二百四億という、できるだけ遺憾のないように配慮していきたいと思っております。
○工藤良平君 これは総理にお伺いをいたしますが、いま私はエネルギー問題を若干取り上げてまいりまして、石油にしてもあるいは核エネルギーにいたしましても、これは有限なものだというのははっきりしているわけです。そこで、これからわれわれが考える場合に、本当に長期的に考えた場合に、一体何をエネルギーとしてこれから重点的に取り上げたらいいのか、この問題について総理の考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 当面は、私は、エネルギーは石油に依存をするということが中心でいくと思います。しかし、これが石油の寿命も限られたものである。そういうことから、石油の供給がだんだん減っていく傾向が十年先ぐらいの時点から顕著に出てくるのではあるまいか。そういうことが予見されるものですから、世界では代替資源の開発が研究されておるわけで、核融合というようなことになりますると、これは有力になるエネルギー源になりまするが、その期待は二十一世紀になってからの問題かと、かように思われるわけであります。そういうことを考えますと、当面、地熱あるいは潮流を利用する方法でありますとか、いろいろの代替エネルギーの検討が行われておりまするけれども、そう有力なものとはなりそうもない。そうすると、やっぱり核エネルギー、こういうことになってくるわけで、わが国とすると核エネルギーの実用化を急いで拡充するということが大事である、こういうふうに考えておるわけであります。そういう体制をとりながら、いろんな代替エネルギー、これを開発、充実しでいく、こういうことかと思うのです。なかなかエネルギー問題はいま非常に厳しい展望でございます。したがいまして、そういう代替エネルギーの開発と同時に、やはり省資源、省エネルギー、この考え方を強くこれから打ち出していく必要がある、こういうふうに存じておるわけでありまして、私が資源、エネルギー有限時代が来るんだということを強調しておるゆえんのものもそこにあると、かように御理解願います。
○工藤良平君 私は、総理から、その次の大変大きな長期的な問題として考え方をお聞きをしたいと思ったのですが、これは私の持論ですけれども、石油にしても、核にしても有限だ。無限大のものがあるわけです。何か。それは地球のある限り、土のある限り、水と空気と太陽があれば物をつくり出す農業というもの、われわれはこれから先これを忘れてはいけないのではないか。そういう意味で、私は、山を守るということ、農業復権をするということ、この意義というものが総理の口から私は欲しかったと思うんですね。この点について、もちろん私は同感だと思いますけれども、そうこなければ次の農業問題の議論が出てこないわけです。どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) それはもう全く同感であります。
○工藤良平君 そこで、これからの議論になるわけです。私は、そういう意味で、すべての問題を私たちが非常に長期的にものを見ていかなければ、何代かの先の私たちの子孫が、福田ばけしからぬやつだった、工藤良平はけしからぬやつだった、口では言っているけれどもということになることを心配しなければならぬということで、これから農業の問題を論議をしたいと思うわけです。 そこで、現在、農産物の輸入の現状というものはどうなっているか、この点、非常に漠然としておりますけれども、概略お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(今村宣夫君) 農産物の輸入の動向について申し上げますが、まず、輸出総額は、昭和五十一年で見ますと、六百七十二億ドルでございますが、うち農産物は三億八千ドルでございます。輸入総額は同じく五十一年で六百四十八億ドルでございますが、うち農産物は百十六億ドルでございます。したがいまして、農産物だけのバランスを見ますと、百十二億ドルの輸入超過ということに相なります。
○工藤良平君 その農産物輸入の中で、大宗と言われる最高の金額になるものは何ですか。
○政府委員(今村宣夫君) 金額でいいまして一番大きいのは丸太でございます。その次は、トウモロコシ、大豆、小麦粉、グレーンソルガム、それからパルプウッド、それから綿、たばこ、そういうものでございます。
○工藤良平君 この中で穀物の輸入というのが急速に増大をしているわけですね。これは一体その増大の背景となっているものは何でし工うか。
○政府委員(澤邊守君) 農産物の輸入が非常に伸びております一番大きな要因といたしましては、何と申しましても国民の食生活が多様化、高度化するということに伴いまして、畜産物を中心といたしまして需要が非常に伸びてきておる。生産も非常に伸びてまいりまして、三十五年から五十年を見まして年率二%で生産が伸びております。これはかなり高い伸びだと思いますが、それ以上に消費が伸びておるということのために、特に飼料穀物の輸入が昭和四十年の五百万トン——五百三十万トン程度だと思いますが、それに比べまして五十年では一千百万トンを超えているというようなところが大きな要因だと思います。
○工藤良平君 いまお話しのように、特に一九六〇年代以降の食糧消費構造の変化というのが非常に重要な役割りを果たしていることは御承知のとおりですが、それと同時に、輸入農産物のいわゆる低価格と言われたものが急速に四十八年以降高農産物時代に入ってきたというように私は思うのですが、その背景というものについてはどのように考えておりますか。これは、大臣、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま農林経済局長、官房長から申し上げましたように、畜産関係の飼料としての穀類、これが相当大きく入ってきております。それと食生活の高度化、多様化に伴いまして、肉類あるいは乳製品、それから油脂関係の食糧、そういうものが入ってきておるわけでございます。畜産の最近における生産の伸び、それに伴う飼料の問題、それから食生活の高度化等に伴うところのたん白、脂肪の食糧の増大、こういうことだと思います。
○工藤良平君 そこで、これは国内的な問題にもなるのですが、現在の米消費の傾向というものは長期的に見てどのような変化でこれから推移をするというように考えておりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 主要食糧用の穀類でございますが、特に米の消費の傾向、これは食生活の変化に伴いましてその消費量がだんだん漸減の方向にあります。しかし、近年これもその減り方が非常に少なくなってきておるということも事実でございます。一方において人口もまたふえてきておるというようなことで、米に対する需給の関係は、全体的には近年はそう大きな変化が見られない。つまり、消費は幾らかやはり減ってきておりますけれども、人口増というのが一方ございますので、総体としての米の需給関係は大体微弱な変化にとどまっておると、こう御理解を願いたいと思います。
○工藤良平君 これはこれからの食糧問題、農業政策を考える場合の非常に基本になる問題ですから、昭和六十年の計画というような長期見通しが出ておりますけれども、これは変更する必要はないのか、いまおっしゃるように。私は、ある一説によると、これは極論ですけれども、かなり極端に減っていくというような議論をする人もあります。もちろん私はそれに加担するわけじゃありませんけれども、具体的に六十年の見通しというものは変わらないということになれば、それに伴った具体的な輸入対策なり、あるいは農業政策を打ち出してまいりますから、その点、ある程度のきちんとした見通しというが大事だと思いますから、その点を説明していただきたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、わが国の国民生活の食生活は相当向上してきておりまして、欧米先進国並みというところまではまだ達していないにしても、相当向上しておることは事実でございます。したがいまして、いまの穀類に対する消費量、それからたん白、脂肪に対する消費量というのは、大体この辺で安定的な傾向をたどっていくのではないか。したがって、六十年展望の需給の見通しにつきましても、そう大きな変化はない。また、人口増というものが一方に考えられますので、需給関係はそう大きな変化はない、このように考えております。
○工藤良平君 もちろん、それは、国内における米を中心とした国内生産物の消費を進めていくというかなり積極的な政策というものがなければ、そのことは維持できないのではないかと私は考えているわけですが、もっと具体的に言いますと、たとえば学校給食のように三十年かかってパンを入れてきた。それを今度はもとに戻すためには、やはり三十年の年月を要すると思いますね。ですから、そういう積極的な考え方というものを私どもは入れていかざるを得ないと思うのですが、その点についての御見解を……。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおりと私も受けとめておりまして、米の消費の拡大運動というものを農業団体等と一体になりましてこれを推進いたしておるところでございます。 また、学校給食、私はこれを今後の国民の食生活に及ぼす影響として重視をしておるわけでございますが、そういう観点から学校給食に対する米飯の導入ということに文部省と緊密に連携をとりまして、五十二年度予算におきましても予算の措置も講じたところでございます。
○工藤良平君 私どもがそうした具体的な政策を打ち出しながら進めてまいりましても、なおかつ日本の食糧は自給率において足らない。その場合にこれを補充していかなきゃならぬわけですが、その際の国際的な需給のバランスというのは一体どういうかっこうになっているのか、これはFAOの生産予想の関係が出ておりますが、これを簡単でよろしゅうございますが、御説明いただきたい。
○政府委員(今村宣夫君) 一九八五年における世界の穀物需給に関するFAOの予測でございますが、これは四九年に行いましたが、開発途上国では需要が九億二千九百万トンであり、生産が八億五千三百万トンで、不足は七千六百万トンであろうといわれております。しかし、一方、先進国の方は生産は需要を上回ると、こういう状況でございます。
○工藤良平君 その数字、生産を上回るという数出子は……。
○政府委員(今村宣夫君) これは需要をどの程度上回るかということは数字が出ていないのでございますが、一方、OECDの五一年の見通しによりますと、開発途上国は需要が八億九千八百万トンで生産は八億六千五百万トン、不足が三千三百万トン、先進国は生産は需要を八千万トン上回るということが出ております。
○工藤良平君 その国際需給の現状を踏まえながら、一体、国際価格の推移はどうなっていくというように私たちは判断したらよろしゅうございますか。
○政府委員(今村宣夫君) 国際的な食糧の需給を考えます場合に、一つは価格との関係がございます。いまの先ほどのFAO、OECDの需給もこれはいろいろの各国からの国の積み上げでございまして、価格の要素は実は余り入っていないと思われます。今後食糧はいろいろな見通しでいきますと、どうしても人口増加に追いついていけないという要素が強いようでございますが、そうなりますと、価格はやはり強含みで推移するのではないかというふうに思われます。
○工藤良平君 そこで、総合的にお伺いいたしますが、国際的に見て需要と供給の関係についてはそう安易なものではない、やはりかなり困難な状態が続くだろう。したがって、価格の問題についても、これは低価格が今後続くということは予想されない。そういたしますと、そういう面からとらえましても、日本の食糧事情というものは国内自給というものを最大限に高めていくという前提の上に立たなければいけないというように思うのですが、この点についてはもう申し上げるまでもないと思いますけれども、一応総理の御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 全くそのとおりに考えております。
○工藤良平君 そこで、問題になりますのは、日本は、かなりの部分を、かなりの部分と言いましても、いまの輸入の状態を見ますと、圧倒的な部分が穀類については輸入に頼らざるを得ないというかっこうになってまいります。したがって、これから農産物輸入をめぐりますわが国の国際的な対応というものは非常に重要な問題になってまいります。たとえば、日本とオーストラリアの問題につきましても、本年度一応解決は見ましたけれども問題点があったと思いますが、この点について、これは通産省ですか、農林省ですか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 豪州との間の牛肉の輸入の問題についてでありますが、昨年度七万五千トン一般枠として輸入をしたわけでございます。ことしは一般枠として八万トンの輸入をすることに枠を決めたわけでございます。これはもう御承知のことでございますけれども、国別の割り当てをしておるわけでございませんで、グローバルでそれだけの輸入枠をやっておるということでございます。そのほかに、学校給食、ホテル用として約一万トン程度の特別枠というのがあるわけでございますが、日豪の定期閣僚会議におきまして、その一般枠を八万トンにいたしますと同時に、特別枠を五千トン追加をすることにしたわけでございます。その五千トンのうち二千五百トンは昭和五十二年度分の先食いである、こういうことで政治問題化そうとしておりましたこの問題をようやく決着をつけたと、こういう事情になっています。
○工藤良平君 ことしに入って二万トンの肉の増加を日豪間の間に結ばれたわけですけれども、この交渉の段階で、たとえば日本の船舶の寄港あるいは砂糖価格の引き下げ交渉の凍結ということが対抗条件として出てきたというように私は聞いているのですが、この点の状況を御説明いただきたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 別に条件ということではございませんでしたけれども、この定期閣僚会議で同時解決をしたいということで、肉の問題が解決をしましてからすべての問題がスムーズに話し合いが進んだと、こういう経過でございます。
○工藤良平君 同じようなことがECとの間においても日本の貿易の問題をめぐりまして出ておると思うのですが、この点についてはどのように理解をしておりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日豪の間の肉の問題は、先ほど御説明申し上げましたように、一般枠におきましてはわずかに前年度対比五千トン増というようなことで、わが国の国内の需給上から見まして、私は何ら悪影響を及ぼさないということでそういう判断をいたしたわけでございます。ECその他の要求につきましても、私はそういう観点で国内の自給力を高めようという一貫した政策をとっておるわけでございますから、それに水をかけるような、悪影響を及ぼすような輸入は、いかなる地域からも私は今後絶対に受け入れない。やはり国内の食糧の自給ということが長期にわたるわが国の基本方針でなければならない。こういう観点で、そういう需給環境を十分にらみ合わせながら、また国内の生産、自給率の向上という政策にもとらないような限度におきまして考えてまいりたい。私は、生産者の諸君の立場を十分考えて処理してまいると同時に、また、消費者である国民の皆さんにも安定的に食糧を供給するということが政府の責任でもございますので、そういう両方を勘案しながら輸入の問題は考えていきたいと、こう思っております。
○工藤良平君 貿易問題はここら辺で締めくくりたいと思いますけれども、特に新国際ラウンドにおける農業グループでの貿易拡大の方途というものが議論をされようとしておりますけれども、この点に対する日本側のこれからの態度についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) その問題につきましては、わが方も十分協議に参加する用意があるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような基本的な考え方に基づきまして、国内の自給率向上政策、そういうものに背馳しない限度におきまして、食糧の安定的供給の見地から、必要な限度において輸入をするということで対処してまいる考えであります。
○工藤良平君 これは総理にお伺いいたしますが、いまごく一、二の例を出しましたけれども、豪州あるいはECあるいは対アメリカとの関係におきましても日本は常に食糧輸入については受け身であります。ところが、必ず相手が出してまいりますのは、鉄鋼、自動車あるいはテレビのような工業製品との貿易の関係においてかなり厳しい条件というものが農業問題にいつも押しつけられてくるというように私は理解をしているわけでございまして、この点に対してもっと詳しく日米間の問題も聞きたかったわけですけれども、時間もございませんから、最後に、この点は総理から、いま農林大臣がおっしゃっておりましたけれども、農業を犠牲にするという立場ではなくて、食糧の輸入の問題については厳然とした態度で臨んでいただきたい、こういうことの御見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 食糧の貿易の問題につきましては、これは二つの面がわが国としてはあると思うんです。つまり、安定的に食糧の輸入が確保されなければならない、こういう問題。それからもう一つは、外国からの輸入によってわが国の農業が著しくダメージを受けるというようなことがあってはならないと、こういう二つの問題があると思います。そういう点を十分調和しながら非常に慎重にやっていかなきゃならぬと、こういうふうに考えております。いま、世界の大勢を見ますると、自由貿易体制を堅持しなきゃならぬということになっておるわけでありますが、大方の国は、工業品の分野においてはそうしようじゃないか。しかし、農作物につきましては、その置かれておる国々の厳しい農業事情というものがありまするものですから、これについては特別な配慮をしようじゃないか、さるべきではないかというのが大勢でございまするけれども、しかし、農作物にしましても、工業品にいたしましても、これは総体的に言いますると、自由体制、自由貿易体制というものを守り抜くということが基本でなければならぬと、こういうふうに思います。その中で、農業につきましては多少特別な配慮がなされるべきであると、こういうふうに言われておるわけなんです。わが国も、そういう中において、わが国の農業を守りながら、しかも自由貿易体制はこれを損なわないと、こういう世界の動きを確保しなきゃならぬと、そういう中で行動をいたしていきたいと、かように考えております。
○工藤良平君 この点については、さっき私ちょっと総理に申し上げましたように、日本の企業、商社のエコノミックアニマルと言われるその本質が問題だということをいつも言われるわけですから、この点は、かつて東南アジアに田中総理が訪問したときに非常に強い仕打ちを受けた、これが端的なあらわれだと思いますし、これからASEANに対する力を入れるようですけれども、そういう点を十分踏まえて私どもが考えていかなきゃならぬ。その毅然とした態度というものを日本の企業に対しても総理として指示していく必要があるのではないかと思いますが、もう一ぺんその点。
○国務大臣(福田赳夫君) お話しのところはもう私も同感でございます。その点につきましては毅然とした態度をもちまして対処してまいりたいと、かように考えております。
○工藤良平君 そこで、具体的な農業の問題に話を移したいと思いますが、先ほどから、輸入の問題、それから二百海里の問題が出てまいりましたけれども、かなり厳しいこれからのたん白資源の確保を私たちが迫られる、そういう意味に立って一体これからの農業をどうするのか、その基本は何か。
○国務大臣(鈴木善幸君) たん白食糧の自給の確保を図るということがこれからの国民の食生活を向上させ安定させる上から非常に大事な政策になってくるわけでございます。ところが、たん白食糧の五一%以上を占めておりますところの水産物の状況、これはいま厳しい二百海里時代に当面をいたしておるわけでございます。私は、今後、総理も先ほど申し上げましたように、沿岸漁場の開発整備を図る、そして資源をふやして沿岸漁業の振興を図る、また進んで栽培漁業等を振興させる、また未開発の漁場、未利用の魚類等の活用、有効利用、そういうことに力を入れますと同時に、とった魚を最高度に食ぜんに供するような加工、流通、保蔵等の面で対策を講じてまいると、こういうことをいたしますと同時に、私は、畜産の振興ということが非常に大事になってくると、こう思います。そういう面で、今後、価格の面も考え、また生産対策、構造対策、特に飼料の問題、これは林地一体と申しますか、国有林野あるいは民有林野、そういうものの草地としての開発利用、そういう面にも力を入れてまいりたいと、こう思っています。
○工藤良平君 結局、沿岸漁業、あるいは魚の食べ方、利用の仕方というのはもちろん直接的な問題で大事ですけれども、いまおっしゃったように、畜産の振興というのはこれはもうやらざるを得ないという結果になります。ただ、いまの日本の農業のやり方では、畜産を振興して八六%とか九0%という自給率だと言いますけれども一、しかし、その牛を飼う、鶏を飼う、豚を飼う飼料は輸入に頼っているということです。だから、畜産を進めれば進めるだけ自給率が低下をするというこの状態についてもっと基本的に考えるべきだと思いますが。
○国務大臣(鈴木善幸君) 全く御指摘のとおりでございまして、養鶏でありますとか養豚でありますとかいうのは、その大部分の飼料を海外から輸入しておる、その上に立っての飼育をやっておるということで、ある意味におきましては加工業のような形になっておるわけでございます。それだけに、私は、今後飼料の問題というものに一層努力を傾ける必要があると、こう考えております。
○工藤良平君 そこで、さらにそれを詰めて、私どもいま一般的に議論をする場合に、日本の耕地面積は六百万ヘクタールという頭があるわけですが、これに対して一体可能性はどうなのかということですね、この点について、大胆、どのように考えておられますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 食糧の自給を図ります際におきまして、農用地の確保ということが何といっても大きな条件になってくるわけでございます。いま五百万ヘクタール程度の耕地でございますが、これを六十年までの間に土地改良長期計画によりまして八十二万ヘクタールぐらいふやしていきたい、あるいは八十五万ヘクタールぐらいふやしていきたい、こういう目標で努力をいたしておるわけでありますが、工藤さんがいつも提唱されております完全自給率を確保するということになりますと、これば八百二十万ヘクタールさらに現在の耕地の上に農用地の確保造成をしなければならないと、こういうことでございますけれども、日本の置かれておる土地条件、自然条件等からいたしましてなかなかこれは困難な問題であると。しかし、農用地の造成確保につきましては私どもあらゆる角度から施策を講じて努力してまいりたいと、こう思っております。
○工藤良平君 大変いい御意見を聞いたわけですが、これから六十年に向かって八十五万ヘクタールの耕地を造成していきたいという考え方はまことに結構ですが、ただ、これからの農業というものは、日本の土地利用率はまだ一八%しかないわけです。山に向かっていかに私たち国民が彫刻をしていくかということが重大な課題になるわけです。きょう農業教育の問題で岩手大学の石川先生を呼びましたけれども、この方は圃場整備の専門家ですから、先生、ひとつ全大臣のおるところで国民に向かって、八十五万ヘクタールなんていうのは朝飯前だと、八百二十万ヘクタール開発すれば自給できるわけですから、そこら辺を思い切って先生の考え方を御披瀝いただければ私は幸いだと思います。
○参考人(石川武男君) 岩手大学で開発いたしました開墾の方法がございます。これによりますと、立地条件の非常に困難な状態の中においてもこれを可耕地にするという特殊な工法を開発して現在に来ているわけですが、農林省で昭和二十二年に試算されました未墾地、これから開墾できるところというのは、六百六十万ヘクタールと出されておるわけでございます。そういたしますと、まあ土地所有の問題を一応抜きにいたしますと、さしあたって日本で現在の開墾技術をもって可能な農地は六百六十万ヘクタールあると農林省自身がお認めになっていらっしゃるわけですから、それはまず可耕地としての対象になるだろうというふうに思うのです。しかし、これには、先ほど農林大臣の御説明のように、非常に立地条件その他が困難であるということがいろいろあるし、土地所有の問題も重なってくるだろうというように思うのですが、その開発の問題につきましては、土地の立地条件、土壌条件等をいろいろ克服していかなければいけないのですけれども、そのやり方は、技術的に、科学的にも、岩手大学農学部の方ですでに開発可能な方法を発見してまいっております。すでに岩手山ろくその他におきまして火山灰土壌地帯に開田地が広がって、そしてすぐれた酪農地ができておりますのはそのおかげであるというように思いますし、岩手県はそういうようにして火山灰土壌地帯を非常にすぐれた生産力のある土地に開発したわけです。関東の平野の五万ヘクタール余にわたります火山灰土壌の劣悪な土壌地帯を岩手大学の工法でやりました場合には、一挙に豊穣な土地に変革することは可能でありますし、大変大きなことを言うようではございますけれども、鹿児島県等の九州その他の火山灰土壌地帯、シラス地帯の改良という問題は、シラスの土壌を取って道路の敷地の材料にするという土木的な諸問題ではなくして、岩手大学等で考えております積極的にこれを農地に利用していくという方法の開発の仕方というものをかなり綿密に高度に対処いたしますと、非常にすぐれた農地に、生産力に変革することは可能であるというように思っております。さしあたって、六百六十万ヘクタールというように私どもは考えます。
○工藤良平君 いま総理大臣お聞きのように、やはり私たちは努力することによってその可能性はもっともっとつかめるということ、これを頭に置いてこれからの農業の基本的な問題をぜひ進めていただきたい、こういうことを申し上げたいわけですが、その点ひとつ御決意を……。
○国務大臣(福田赳夫君) いま私は初めて岩手県の農業の新しい考え方を伺ったわけですが、こういうことができたらすばらしいことだなあと思います。ひとつ政府も一生懸命勉強してみます。
○工藤良平君 私も何回か現地にお伺いをし、学者の中にもこんな熱心な命をかけた学者がいるということに実は接することができまして、以来私も農業に対する意欲を非常に燃やしているわけでありますから、全大臣も、ぜひ私はそういう立場でこれからこういう問題に取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 そこで、次に冷害対策についてお伺いいたしますが、今回、昨年からことしにかけて冷害が非常にひどいわけですが、特に私ども、ミカン、お茶の被害が極端でございまして、この点についていま農林省はどのように把握しているか。昨日ちょっと議論があったようですが、改めて私はお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 最近における厳しい寒波の影響を受けまして、柑橘類あるいはお茶、そういうものに対する被害が異常に拡大をいたしております。ただいま農林省におきましては、統計情報組織を動員をいたしまして、総被害状況の把握に努めておるところでございます。またあわせて、県の農業関係の部門から早急に各県の被害状況の報告を求めておる段階でございます。中間的な段階ではございますけれども、その被害額は相当のものになるようでございます。したがいまして、私はこれに対しては、天災融資法の適用、自作農維持資金の融資の問題、あるいは果樹共済保険金の早期支払いの問題、あるいは、場合によりましては、いままでの制度資金等の融資の延べ払いと償還の延期、そういうような諸般の対策を講ずる必要があるのではないかということでその準備をさしておる段階でございます。
○工藤良平君 私の知り得ている範囲でも、たとえば大分県のごときも三十億近いミカンの被害が出ているわけです。ただ、そこで問題になりますのは、いわゆる生果の被害とそれから樹体被害が非常に大きいということが今度の冷害の特徴であったと私は思っているのですが、この点に対してはどのように理解しておりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 大分樹体に対する被害もあるようでございますので、そういう点も十分調査に重点を置いてやってまいる考えでございます。
○工藤良平君 これは持ち込んで申しわけないのですが、これは実はミカンの樹体被害です。こっちは実の方の被害ですね。実に受けておりますのは、これは青く茂っております。しかしこの中はもうすっぽんぼんです。表面からはわからないのです。これはちょうど月曜日に二つとも取った樹木ですけれども、これは樹体被害なんです。完全にこれは枯れたものを私がはさみ切ってきたわけです。 そういたしますと、これからの冷害の問題を一つとりましてみまして、私は基本的な農業の問題をここで提起せざるを得ないと実は思ってこれを持ち込んできたわけですが、それは個人差が非常に大きいという現実を見せつけられたときに、農業の基本というものを忘れたいまの農業というものに対する批判をせざるを得ない。この点について農林省はどのように考えているのか、私はその点基本的にお聞きしたいと思っているのです。
○政府委員(川田則雄君) ことし、ミカンのことと同時に冷害が起きましたので、そのときの経験を申し上げたいと思います。 ことしの冷害は、御承知のように、平均温度で八月の温度が、東北では三度、北海道では二度というようなことで、圧倒的に気温が低かったということが原因だと思いますけれども、先生御指摘のように、私も現地の調査に参りましたけれども、被害が非常にひどくてゼロというところもございますが、同地域で三百四、五十キロとっておるというところもございます。 その原因でございますけれども、最近の技術はやはり精緻になっておりますから、技術を正確に行うということが非常に重要になってきておると思います。 で、私たちもそういう点を認識いたしまして、すでに稲作等につきましては、技術を正確に行うということを中心とした技術指導のすでに通達を出す等、所要の措置を講じております。
○工藤良平君 もう少し言わしてもらいますならば、いわゆる機械と金肥と農薬で農業というものがつくられてきたこの三十年間の弊害というものが、端的にこの冷害を見たときに、有機質を多分に与えて地力をつけた農園がりっぱに生き残っている、過疎のために、あるいは出かせぎに行つた農家の分がこういうような惨めな状態になっているという現実は、やはり農業のあり方に対する私は自然の警鐘だと思っているわけですね。この点について、大臣、ひとつ御見解を聞きたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおり、今回の寒波によるミカン、お茶、その他に及ぼす被害、そのほかに昨年の東北、北海道等の冷害による稲作の被害、それらの状態を見てまいりましても、全く御指摘のように、土地づくりの問題、それから基本的な技術を軽視した問題、あるいは灌漑でありますとか温水でありますとか、そういうような基本的な問題につきまして、近年の豊作になれましてどうも基本に忠実でない、これを軽視してきた、また指導も十分でなかった、そういう点を私ども深く反省をさせられておるわけでございます。今後農林省、県並びに農業団体、また農民諸君にも、十分農業のあり方というものにつきまして再検討、見直しをしていただいて、そして今回の冷害等による試練を十分参考にして今後の農業のあり方に対処していかなければならない、こう考えています。
○工藤良平君 いまお話しのように、今日の農業技術というものが自然を克服したというように思い上がっているところに私は問題があるというように思うのですね。過去の農業の歴史というものは冷害に対する闘いでありまして、昔の農民は冷害のために自分の子供を売り、自分の子供までも絞め殺して生活をしなければならぬという現実があったわけです。その自然と闘ってきた、それをいま私たちは壊しているのではないか。このことをもう一遍考え直して、私たちが農業に対する、自然に対するお返しをしなければならぬ、そういう農業であってほしい、そのために努力すべきだと私は思います。 この点に対して、私はぜひ総理もこの現状を踏まえて、この冷害対策に対して万全の対策を講じていただきたい。特に、共済の制度ばありますけれども、残念ながら、これがまだ普及していないためにそれで救われない農民がありますから、これは天災融資法なり、さらには自創資金でもって特別枠で救済するという措置をぜひ積極的に講じていただきたいということを私は申し上げたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど申し上げましたように、今回の寒波による被害につきましては、天災融資法の適用の問題、自創資金の問題、あるいは共済保険金の早期支払いの問題、また、いままで借り受けております制度資金等の償還の繰り延べ、いろんな角度から十分な救済措置を講じてまいりたいと、こう考えております。
○工藤良平君 それでは、これは最後の締めくくりになります。締めくくりといいましても、あと七分ありますから三十分ぐらいかかると思います。 重要な農業教育の問題、後継者の問題に私は触れていきたいと思うのです。まず、農業教育の現在の実態、こういう点を見ていきたいと思いますが、その前に、五十二年度予算における国立大学の積算校費について実は説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(佐野文一郎君) 国立大学の積算校費は、御承知のように、大学院の博士課程を持っている講座制のもの、修士課程を持っている修士講座制のもの、それらのない学科目制のものに分けまして、それぞれ単価を決め積算をしているわけでございます。五十二年度は対前年度で八%増の実施をいたしております。
○工藤良平君 それでは、この積算校費の中で共通経費の伸びと教育研究費の関係はどうなっておりますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 極力、教官当たり積算校費等の増額に努めているわけでございますけれども、ただいま申し上げたような状況でございますので、それらを補完する意味におきまして、光熱水料あるいは設備その他の補完的な経費の増額に努めているわけでございます。
○工藤良平君 そこで、この共通経費の伸びというものが、伸びというのは、実質的に使用するために非常に物価高で伸びているという意味です。それによって研究費がどのような影響を受けているか。これは岩手大学の農学部の実態をぜひ石川先生、ひとつ皆さんに明らかにしていただきたいと思います。
○参考人(石川武男君) 私は国立大学協会の会長ではありません。ですから国立大学全体を代表するわけじゃありません。岩手大学農学部について責任を持っているわけでございますので、その立場で申し上げたいと思います。 先ほど大学局長がお話しのように、八%くらいの学生当たり積算校費、教官当たり研究費の増でございますと、昨年の例で申し上げますと、実は岩手県の岩手大学の場合に、排水、下水道の料金は十八倍にアップいたしました。それから電話料四五%アップいたしました。さらに上水道が三五%、電気料が三0%増をいたします。そういう現実の中で、国立大学農学部の八%増の校費に積算を行われますと、実ば研究教育にそれだけ圧迫をこうむるわけで、非常に窮地にあるということが率直な現状でございます。
○工藤良平君 これば岩手大学の生協ニュースなんですけれども、土木科のこれは実態なんですが、土木は週に二回実験があることになっているんですけれども、設備がなくて、結局二週間に一回しかできないというような実情が訴えられておりますけれども、現実はそういう実情なんでしょうか。
○参考人(石川武男君) それは生協ニュースでそう出ていたんだと思いますが、農学部の現実を申し上げますと、一応科学研究費、文部省の科学研究費あるいは農林省の農水産技術会議が出しております技術研究費等々を教官個々が積極的に働きかけ、かつ個別研究を高めていきまして、それらを教育費の方に、学生を教育する傍らで補っていくということで、農学部としては実際の実験費を、実験時間を減らすということは現実には行われておりません。実際に教壇に立つ教師といたしますと実験を減らすなどということは身を切られるよりつらいことでございますし、国立大学の教官としての責任の上から、どんな困難な状況があってもそれを克服していく努力をやっていくわけでございます。
○工藤良平君 いずれにいたしましても、この大学の積算校費の伸び率というものを、それは共通経費の伸びによってかなり教育研究費に圧迫が加えられているということは非常に問題提起として私は重要だと思っているわけで、これからの研究関係をそれぞれの大学にかなり私ども要請しな仕ればならぬと思いますし、そういう観点からこれは文部大臣、現状をどのように踏まえておりますか、改善の余地があると思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のように、大学の使命というものも時代の移り変わりとともに変遷をしておりまして、私は学術、研究をより高度なものにするとともに、より幅広く、実践的なものにもしていかなければならぬという感覚でございまして、今年度の予算措置のときにも学術、研究費には大いに力を入れたつもりでございますが、今後ともそういう心構えで取り組んでいきたい、こう考えております。
○工藤良平君 これ、きわめて積極的な努力を重ねないと私はますますじり貧になるということを心配している一人ですから、ぜひひとつ若い大臣はがんばっていただきたいと思うのです。 次に、これは石川先生にもう一つお伺いいたしますが、岩手大学農学部に農業高校からの正規の入学者というのは一体どれくらい毎年あるものでございましょうか。
○参考人(石川武男君) これは科によって違いますけれども、学士課程にきますと三%ぐらい、それから別科という一年課程がございまして、これは盛岡の高等農林以来の伝統ある学科でございますけれども、ただ一年課程でございまして、この一年課程にばことしは三十人志願者がございましたが、その中に口頭試問等々におきまして半分くらい落としました。それはほとんど全部後継者でございます。
○工藤良平君 文部大臣、これはどのように理解をしているでしょうか。やはりいまのこの受験制度から言いますと、どうしても国立大学の農学部に入るにいたしましても、普通高校からいわゆる受験技術を身につけて入らなければ、なかなか農業高校にいきまして農業後継者が国立の農学部に入るというのは私は困難ではないかと思うのですが、この点についてどのように御理解しておりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 職業高校における教科内容の点から言って、大学受験の際に非常に不利ではないかという御指摘はかねてから承っておるところでございまして、今年ただいま私の手元にあります数字では、推薦入学という制度を活用するようにして、現在たしか十七の学部で推薦入学の制度をとられておると承っておりますが、国立大学の農学部に在籍します学生のうち農業高校卒業者、これは正確な数ではございませんが、私どものリサーチ調査によりますと、約百六十人ぐらいのところが推薦入学で入っておるんではなかろうか、こういうふうに理解をしておりますが、普通高校からの進学者が非常に多く占めておることは御指摘のとおりの結果になっておると思います。
○工藤良平君 文部大臣、もちろんこれは現在の全体的な問題も関連をしますけれども、やはり私たちが現状農業というこの落ち込んでいく姿を見たときに何とかしなければならないという感じについてば、私は全く同感ではないかと思いますが、その点はどうでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおり全く同感でございまして、したがいまして、文部省は農業後継者の育成ということに力を入れますとともに、その具体的な方法としては昭和三十九年度からであったと思いますが、寄宿舎をつけて二十四時間寮で合宿をしながら将来の大型自営農業者を育成するための農業高等学校、全国に三十九校整備をいたしましたし、また農業高校を卒業されて現実に就農された人が、その後の技術の発展とか、あるいはみずからが経営能力を高めるために再学習をしたいというような希望を受けるために、それらの方々に応ずるために農業特別専攻科というものを全国に八校整備をいたしまして、できるだけ学校教育の場においても後継者が育成されていくにふさわしい制度というものをつくっていかなければならない、こう考えてやっております。
○工藤良平君 これはいま農林省が各県の農業大学と実践大学に対する援助をかなりやっておるようでありますけれども、この点に対する実態を農林省にお伺いいたしたいと思います。 それと同時に、これは石川先生にもう一つお伺いいたしますが、この各県が行っております実践大学とそれから大学農学部の持つ機能と役割りというものを、私はある程度はっきりしておく必要があるんじゃないかと思いまして、この点ひとつ御意見をお聞きしたいと思います。
○参考人(石川武男君) 農林省等が行います農業者大学校等、あるいは中核農村青年育成の事業というようなのが考えられているようでありますが、これは岩手県あたりでは六原農場等に農村の後継者を一年等教育するという段取りになっております。 私もまた、農林省の農業者大学校の講師をして十年近くになるわけでありますけれども、その体験から申し上げますと、現代の農村の青年諸君を農村部において、そして、周り一面を見ても農業の状況の中で教育をするということの意義という点について、営農段階におきます個々の個別農家の跡継ぎをつくるということについては意味を持ってくると思うのですが、現在の農業後継者というのは、個々の個別の農業の財産の跡取りということにだけ焦点をしぼって物を考える後継者ではなくて、日本の農業なり地域の農業について責任を持ついわゆる農業の後継者というものを考えていかなければいけないというように思うのです。 そういう個々の日本の農村のそれぞれの地域において、そこの農業に責任を持ち、かっリーダーになり、しかもなお、自分の個別の経営というものを一層高めていくというそういう人格と学識と技量、能力というものをどうどこの大学が付与するか、どこの教育機関が付与するかということになりますと、それは国立大学であるだろうというように思うのです。なぜかと申しますと、現代の青年というのは昔の青年と違いまして.昔の青年のようにうちの中にこもって個別に読書をするということではなくて、現代の青年は、学生を見ておりますとよくわかりますけれども、実に学生集団の中でいろいろな知識をみごとに吸収してくるものであります。その知識の吸収の力というものは実に現代の青年の特徴だというように思うのですが、非常にいろんな学部の、教育学部があり、工学部があり、人文社会科学部がある、農学部もある、そういう同じ世代の学習集団の中において、現代の青年はたくさんの知識をみごとに吸収してくるわけであります。 そういうところで人格が形成されるわけでありますので、将来の農村の、地域の農業の担当者というものの教育を考えていきますときに、まさに隔絶された状態の中でその農村青年を投げ込んで教育するという対象ではなくして、国立大学のようなたくさんの学問をやり、たくさんの青年が多様に存在をする場所において農村青年が投げ込まれたときのその四年間の生活というものは、農村の青年の人生に対して恐らく明るい灯をともす。そういう明るい灯をともしていく役割りとして、国立大学農学部というものは実に大きな意義を持っているというように思うのです。そういう道を私は開きたいという感じでございます。
○工藤良平君 私は、先生の論文を本当に感激の中に読ましていただいたわけで、きょうはあえて出て来ていただいたわけですが、文部大臣、総理大臣、ぜひ農業後継者に大学の農学部の門戸を開くという意味で、いま岩手大学は四年制の営農技術学科を国に要求している、このことを認めていくということが日本の農業を築いていく私はきっかけになるというように思っているんですが、その点に対する文部大臣、総理大臣の決意をお伺いしたい。まず文部大臣から。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま大学の四年制農学部のあり方について、文部省もいろんな方の意見を聞いたり改善に検討をしておるさなかでございますし、また、本日御出席の石川参考人のおいでになる岩手大学の農学部にもお願いをいたしまして、四年制の大学における農業高校卒業生の教育はどのような教育課程、どのような教育方法でやったらよいのか、今年度はお願いをしておるさなかでございますが、こういった御意見等を慎重に承りますとともに、やっぱり農業後継者の養成ということは非常に大事な問題であると受けとめておりますので、十分に今後検討をさせていただきたい、こう考えております。
○国務大臣(福田赳夫君) 石川先生のお話を終始承りまして私は大変感銘を受けております。やっぱり、いい農家の経営者になるだけで私は足りるものとは思わない。いい農村青年というものはその地域社会をよくするためのリーダーたらんと、こういう意欲を持った青年でなければならぬ、こういうふうに思うのですが、そういう青年をつくるという意欲を持って教育に当たっておられる石川学部長さんに最大の私は敬意を払います。
○工藤良平君 あとわずかしか時間ありませんけれども、これはもう一つの面からですが、私は農業をぜひ考えていただきたいと思いますのは、小中学校児童数から見た農業の実態ということをお伺いしたいと思うんですが、これは農林省ひとつ、農家戸数、農家人口、それから十五歳以下の状態を私、資料要求しておりますから、三十五年から五年ごとにひとつ発表していただきたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 農林業センサスの結果から見ますと、農家人口の年齢別構成につきまして申し上げますと、昭和四十年と五十年を比較いたしますと、十五歳以下が三一・五%から三二%に低下しております。十六歳から五十九歳までが五四・一%から五八・七%、六十歳以上が一四・四から一九・三と、これはいずれも高まっておるということでございまして、老齢化の現象があらわれているということでございます。
○工藤良平君 ちょっと私は質問が簡単過ぎましたから、それじゃ、もう少し言います。 一番ピーク時の三十五年を一00とした場合の耕地面積、五十年の耕地面積のパーセント、農家戸数のパーセント、農家人口のパーセント、十五歳以下の人口のパーセントを言ってください。三十五年と五十年。
○政府委員(澤邊守君) ちょっと突然のお尋ねでございますので正確に持っておりませんが、農家数……、農家人口でございますか。
○工藤良平君 農家戸数、人口。
○政府委員(澤邊守君) 農家戸数は昭和三十五年が六百五万戸でございます。それに対しまして五十一年が四百八十九万戸でございます。それから耕地面積でございますか……。
○工藤良平君 農家人口。
○政府委員(澤邊守君) 農家人口は、農業就業人口で申しますと一千二百万人が五百八十九万人ということでございます。
○工藤良平君 いいです、私の方から言います。 いいですか、昭和三十五年をピークにして五十年の比較をとりますと、耕地面積が九一・七、農家戸数が八一・九六、農家人口六三…八、十五歳以下の子供が三八・七となるわけです。いいですか、そしてこれを昭和五十五年をとりますと、昭和五十五年では実ば三0%を割るわけです、子供の数が。私どもの県では、過疎県をとりますと、一八%まで落ちるという現状が、子供たちの数がそれだけ減るわけです。八割減るということは農村社会の崩壊というものをいま端的にもう統計が証明をしておるということなんですね。一体、総理、これをどのように踏まえて私たちが農村対策をやるかという非常に重大な問題を私はいま提起しておるように思うのですが、この点に対する御見解をひとつ聞きたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まあとにかく昭和三十五年と、こういうことになりますと、高度成長が始まる時期です。その高度成長十三年の間、これはまあやっぱり工業が非常に進んだわけですね。工業に従事する人の所得が高くなる。そうすると、農家所得とのバランスが極端に失われると、こういうことになるので、高い所得ということで、まあ都市へ、工業の方面へと人口の移動を起こす、こういう現象が起こったと思うんです。 私は、つとに高度成長ではいかぬ、安定成長でなければならぬ、こういうことを言っておりましたが、一つの大きな理由は、農村をそういう形でさびれさすということがあってはならぬという配慮があったわけなんであります。まあやっと世の中が安定成長という軌道に乗りましたので、そういうふうに農業がさびれておるという大きな原因がなくなった、こういうふうに考えておるわけであります。
○工藤良平君 文部大臣に私はお伺いしますが、このように落ち込んでいる農村過疎の状態を、教育の立場から今後どのように処理したらいいか、お伺いします。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま小学校、中学校におきましては、それぞれの児童生徒の発達段階に応じて、農業というものの持っております意義とかその重要性について教えるようにいたしておりますが、小学校では大体五年生の社会の時間、地理の産業学習のところでそれを始める。中学校へ行きますと、もうすでに職業教育としての農業も用意をしておるわけでありますが、ただいま先生御承知のように、教育課程の改定の作業を進めておる最中でありますので、そういう教科のみならず、やっぱり学校活動全体を通じて、これらの重要性と、それから勤労のとうとさ、体験学習、こういったこと等を含めて農業というものに対する基礎的、基本的なものを小学生、中学生にもしっかりと身につけてもらいたい、こういう方針でやっていくつもりでございます。
○工藤良平君 大変りっぱな御意見もいただきました。ぜひ私たちは働く喜び、自然を相手としたりっぱな心を養うという教育をぜひ育成していただきたいと思います。 最後に総理、私お願いしますが、過疎の続く中で一人さびしく営農に努力を続けている農民の姿というものを現実に御存じですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私もまあ貧しい農家のせがれですから農家の状態というのはよく承知しております。
○工藤良平君 物価高の中で、生活に追われながら必死に食糧確保の努力を積み上げている農民の皆さんの実態を御存じですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 農村の状態はよく承知しておるつもりでございます。
○工藤良平君 私は、そのような理解の上に立って農村の子供たちにはぐくまれてきた、もちろん私どもを含めて、たくましい心、やさしい美しい心、それは農村が育ててきたわけです。それを私ば消してはいけないと思います。いま消えつつあるわけです。せひ総理、この二百海里問題を中心としてここまで追い込まれている日本の現実を踏まえて、あなたはしっかりと政治に取り組んでいただきたい、こういうことを申し上げて私の質問を終わります。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして工藤良平君の質疑は終了いたしました。 石川参考人、大変どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。退席していただいて結構です。(拍手) —————————————
○委員長(小川半次君) 野田哲君。
○野田哲君 まず最初に、総理に核認識についてお伺いをしておきたいと思うのですが、福田総理が最近非常によく使われる言葉は資源有限時代、こういう言葉と、特に最近それに加えて日本は唯一の被爆国、こういう言葉をよく使われております。恐らく歴代の総理の中で、福田総理ほど頻繁に、日本は世界で唯一の被爆国だという言葉を使われた総理はいらっしゃらなかったと思うのです。この言葉を総理がたびたび使われれば使われるほど、私も広島の出身でございますけれども、広島の市民全部とは言いませんけれども、かなり多くの広島の人たちは戸惑いやあるいは違和感を感じているのです、率直に言って。 なぜそういう気持ちを持っているかといいますと、総理の使われる、日本は世界で唯一の被爆国、あるいは非核三原則は国是だと、こういう言葉は、核燃料の再処理のためにアメリカの政府の合意をとりつけるための方便として使われている、こういう感じがしてならないのです。日本が世界で唯一の被爆国、そうしてその犠牲を繰り返してはならないということで非核三原則、これを国是として国会で決めておるわけであります。この精神が、総理の使う日本は唯一の被爆国という言葉の中では別の方向に利用されているんではないか、こう思えてならないのです。本当に総理が、世界で唯一の被爆国であり、非核三原則ば国是である、こういうことであるならば、核燃料の再処理の問題に非常に執念を燃やされているそれ以上に被爆者の援護、あるいは核兵器の廃絶、この問題に向かってもっと積極的な努力がなされなければならないんじゃないか、私はこう思うんですが、総理の所見を伺いたいと思うのです。
○国務大臣(福田赳夫君) 核兵器の廃絶に対する私の持論、こればいまに始まったことではないのです。私はよく覚えておりますが、佐藤内閣が初めて通常国会を迎えて、佐藤総理の施政方針が四十年の一月に行われたわけです。そのとき私は自由民主党を代表いたしまして、いわゆる代表質問をやったのですが、そのとき佐藤さんに、日本は唯一の被爆国である。そういう立場にあることを踏まえて、平和大国というか、持たんとすれば持ち得る力があるが、核兵器はこれを持たぬ、また強大な軍備は持たぬ、そこで余力ができるから、その余力をもって世界の国々のために協力すべきこと、これを国是とすべきであるということを提唱しておるわけで、先ほども申し上げたのですが、五年前に田中総理と自由民主党総裁を争った。田中さんの方は日本列島改造論、私の方は平和大国論というので、その趣旨を述べたわけでございますが、いま始まった議論じゃないんです。もうこれからも、平和大国というか、そういうような考え方に立ちまして、核は持たず、つくらず、持ち込ませず、また通常兵器につきましても、これを軍縮の方向に持っていくという国際的な努力をしていきたいと、かように考えております。
○野田哲君 総理のそういう御回答があったわけですが、鳩山外務大臣に伺いますが、この非核三原則、こういう立場で、今後の核軍縮問題についてどういう対応の仕方をなされようとしているか、この点を伺います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 御承知のように、来年の春には国連におきまして軍縮の特別総会が開かれていくことでございます。これに対しましても、今月でありますけれども、そのテーマを提出することになっております。それらにつきまして、核軍縮、この核の廃絶が望ましいわけでありますけれども、まず第一歩として、核実験の包括的な全面禁止ということを主張をいたしておるところでございます。そのほか、一般的な通常兵器の軍縮、あるいは軍事費の縮減、このようなことを主張いたしておるところでございます。
○野田哲君 総理に伺いますが、福田総理は、佐藤内閣以来ほとんどの期間を政府の中枢、あるいは与党の中枢におられたわけでありますが、その間に、国家緊急権、わかりやすく言えば戒厳令、一このような強権を発動することについて部内で検討されたことがありますか。
○国務大臣(福田赳夫君) そのことは考えたこともなし、また検討したこともないのであります。
○野田哲君 政府の部内で、このようなテーマについて検討をしているということについての報告を受けたことはありませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私自身は、そういう記憶はございませんです。
○野田哲君 ここに「一九七0年の展望とその対策」、昭和四十四年二月、こういう日付が入っております。これをちょっとごらんになってください。 いまお渡しした文書は、体裁は、実際あるものはそういう形でなくてきちっとした本になっておるものですけれども、これは内閣調査室でつくられたものだ、こういうふうに考えておりますが、調査室長がお見えになっておれば間違いないかどうか、答えてください。
○政府委員(渡部正郎君) お答え申し上げます。 当時、内閣調査室が外部に委託してつくらせた資料でございます。
○野田哲君 政府部内の内閣調査室でつくられたことは間違いない。現物も内閣調査室にあります。この分厚いレポートを見ると、この中の一項に、国家緊急権という項目があります。これは、非常事態になった場合に、国会の議決抜きで政府があらゆる分野にわたって強権を発動する、そのために現行法規あるいは憲法を超越し、国会の議決権を超越した権限を政府が発動する、こういう一言で言えば内容になっていると思うんです。総理は、この点について全くそういうものを読んだ記憶はありませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) 全くございません。
○野田哲君 これは表題にあるとおりに、一九七〇年の展望と課題、こういうことで、七0年の安保条約の改定を前にして、六0年安保のときのように国民の反対運動が大きく盛り上がったときの対応策として内閣調査室がつくったものです。こういうものが部内で検討されている、こういう点についての総理の所見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、そういう問題が研究されておるとは思いませんがね。日本政府は憲法の規定に従ってのみ行動する、そういう考えでございます。
○野田哲君 これは総理の御回答について私は納得できません。そういうものが研究されているとは思いませんと言われたって、現に内閣調査室長が答えたとおり部内でつくっているのです。本にして配っているのです。検討されているじゃないですか。
○政府委員(渡部正郎君) この資料は、表題が「一九七〇年の展望とその対策」という表題でございますが、その題に示してございますように、七〇年の展望と対策の全般の問題につきまして、部外の方のいろいろな考え方を資料にしたものでございまして、いまお話しの国家緊急権とか、あるいはそういうことについて研究してほしいといったわけではございませんし、提出された資料の中に、いろいろなことが書いてございます、大分、大部の資料でございますが、その一部にこの報告書を作成された学者の方の意見としてそういうことが書いてあるというものでございます。
○国務大臣(福田赳夫君) 少なくとも、政府がそういうことを考えるという、意図をもって研究するということは、これは妥当ではない、そういうふうに考えます。
○野田哲君 これは総理大臣、いまの総理の答弁も、内閣調査室長の答弁も違いますよ。これは「一九七0年の展望とその対策」という形で、ずっと六0年安保のときから七0年に向けての一連のこれは論文になっているのです。その中の一項目として緊急権の発動、こういう問題が一項目あるわけです。いろいろな方の、学者の意見をここへ集録して紹介しておるんじゃないですよ、これは。一つのテーマとして研究されている。これはもうはっきりわかるでしょう、初めからしまいまで読んでいけば。これは全然違いますよ。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は事実をそうつまびらかにしませんが、私の考え方は申し上げたとおりでございます。
○野田哲君 そういう研究が、委嘱であろうと何であろうとこれは内閣調査室がつくっているのです。一つの本として一定の部数をつくって配っているのです。そういう研究、提言が部内で行われているということの事実をお認めになりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は緊急権なんていうことを考えたこともありませんしね、そんな研究が部内で行われておるというようなことも全然知らないで、いま野田さんから初めて承るというような次第でございます。
○野田哲君 内閣調査室で、いま室長が答えたようにこういうものができているのです。これはお認めにならざるを得ないでしょう。
○政府委員(渡部正郎君) この資料は、先ほども申し上げましたけれども、この報告書を作成した人の個人的な見解を印刷に付したものでございまして、内閣調査室、あるいは政府の見解とのかかわり合いがあるというわけではございません。また、内閣調査室は、広く外部の方々のいろんな問題についての御意見を、いろんな機会に聞くという仕事をやっているわけでございますが、その一環でございまして、内閣調査室としてもこの問題を取り上げて研究したというものではございません。全般的な対策の中に報告者の意見が入っているという、そういうことでございます。
○野田哲君 そうじゃないですよ、これは。いろんな人の意見を収録したものじゃないですよ。「要約」、「大衆運動の実態とその対策」、「安保反対論の論理とその批判」、これからずっと続いて、「マスコミの性格とそれへの対応策」、そして「国家緊急権」の項に入り、「各政党の勢力関係の展望」と、これは一つのテーマとしてでずっとつくられたものであって、いま調査室長が答えたように、いろんな人の意見を収録したものじゃないですよ、これはきちっとした本になっているんです。どうですか、総理。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、先ほど答えましたように、日本政府は憲法の規定に従って行動すべきものであって、それを乗り越えた行動なんという、そんな大それたことを考うべきものじゃない、そういうふうに思います。今後といえどもそういう精神をもって行動していくというつもりでございます。
○野田哲君 調査室がそういう問題を外部に委嘱したにしろ何にしろ、調査室が取りまとめて、本にして関係のところへ提言として配っている、この事実はお認めにならざるを得ないでしょう。それについてどうお考えになりますかと、こういうことなんです。
○政府委員(渡部正郎君) これは当時、内閣調査室が自分の考え方で外部に委嘱いたしまして意見を求めたものの資料でございまして、外部には配っておりませんで、調査室の内部で配ったものでございます。(「はっきり答弁しなさいよ」と呼ぶ者あり) この資料は、外部に委託したところでつくって持ち込んできたものでございまして、それを内閣調査室の内部で室員に配ったという処置になっております。
○野田哲君 室長のあれはだめですよ。最初は委嘱したということで、それから私が何回も指摘したときは、また答弁の仕方が変わっている。とにかく部内にあるんです、総理。これをつくったのは間違いなく調査室なんです、冒頭に調査室長が答えられたように。政府の内閣調査室で、部外に委嘱したことがだれであろうと、こういうものがっくられていた、これは事実なんです。このことをお認めになりますかどうか。それと、そういうものがっくられていたことに対する総理の所見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) 事実については私はよく承知しません。いま調査室長から申し述べたとおり、外部の団体がつくったものを調査室で買い上げて部内でまあ配った、こういうことのようですが、とにかく私の考え方は、政府はもう本当に厳重に憲法の規定に従って行動すべきものであり、そのらちを越えるというようなことがあったら、これは重大問題であると、そういう考え方であります。
○野田哲君 内閣調査室がやった、こういうものを。これはね、部外からのものを買い上げたんじゃないですよ。調査室自身が委嘱してつくらしたんですよ。こういうものが内閣調査室が中心になってつくられている。これはらちを越えている行為ですか、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) どうも野田さんと調査室長の話に食い違いがあるようでありますがね、私は、まあ内閣調査室長の話を基礎にして申し上げておるわけなんですが、もう一度正確に調査室長から経緯を申し述べさせます。
○政府委員(渡部正郎君) 重ねてお答え申し上げますが、この資料は昭和四十三年のことでございますが、内閣調査室が、調査室の判断で、一九七〇年を迎えるに当たっていろいろな問題があるだろうと、そのことにつきまして、それらの問題点、対策について外部の団体に委託いたしまして、その団体にいろいろ調査をさせまして、それをその団体で資料にして提出してもらったというものでございまして、御質問のございました点だけについての調査を命じたというものではございません。全般の問題の中にそれが入っているということでございまして、内閣調査室としては、そ.れを受け取って資料として参考にしたと、内閣調査室の部内で参考にしたというだけでございまして、内閣調査室の見解と、ここの資料に出ております見解が同じというものでは全くございません。全然別個の観点のものでございます。そういう経緯の資料でございます。
○野田哲君 この問題だけで私も時間とりたくありませんから。 それでは、この内調の研究委託団体のリスト、それから研究委託者の人名、経歴、それから委託団体に対する委託費の積算の根拠、これを資料として提出をいただけますか、いかがですか。
○政府委員(渡部正郎君) 委員会の御了解が得られれば資料として提出いたします。
○野田哲君 委員会の……。
○政府委員(渡部正郎君) 理事会の。
○野田哲君 全部出しますか。
○政府委員(渡部正郎君) いま御要望のございました点の資料はお出しいたします。——ちょっと失言いたしました。理事会でございます。
○委員長(小川半次君) ただいまの渡部内閣調査室長に野田君が申し上げた資料を提出する件につきましては、後刻理事会で相談いたしまして、委員会に諮ることにいたします。
○野田哲君 もう一つ内調の室長に、この「一九七0年の展望とその対策」という、これを配った配付先のリスト、これを提出いただけますか。
○政府委員(渡部正郎君) ちょっと古いことでございますので、記録が、恐らく残っていると思いますが、調べまして、記録がございましたら提出したいと思います。
○野田哲君 これはぼくの質問中にすぐ調べてください、あるかないか。 それでは次の問題に移ります。 福田総理は、日本で、生物兵器に対する研究開発あるいは他国の生物兵器の研究行使等について日本が協力はしていない、そのようなものに対しては手をかしていない、こういうことを断言できますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は答弁の自信がありませんので、防衛庁長官からお答え申し上げます。
○国務大臣(三原朝雄君) 恐らく、質問の要旨は相模原のセンターのことではないかと思いまするので、詳細、担当者、政府委員から説明をさせます。
○野田哲君 私は、生物兵器を使うことについて、日本は研究開発等について、あるいは施設を提供することについて協力をしていないと断言できますかと言ったのを、これをだんだん下へおろしていかれるんですけれども、これは問題がありますよ。生物兵器については使用を禁止した国際条約があるはずなんです。これについて、総理も答弁できない、防衛庁長官も答弁できない、担当者の方に答えさせます、これはちょっと納得できませんね。
○国務大臣(三原朝雄君) ただいまのお尋ねでございますれば、やっておりません。
○野田哲君 厚生大臣にお伺いいたしますが、厚生省は、この「日本医事新報」という、本といいますか、パンフレットといいますか、これは購読されておると思うんですが、いかがですか。これは事務方の方でお答えいただいて結構です。
○政府委員(佐分利輝彦君) 関係各局すべて拝見いたしております。
○野田哲君 一九七五年、一昨年から昨年にかけて、この南朝鮮、つまり韓国全域にわたって流行性出血熱、こういう病気が非常にしょうけつをきわめた、これは韓国の新聞、日本の新聞で報道されていると思うんですが、厚生省はその状態を把握されておりますか。
○政府委員(佐分利輝彦君) WHOの「伝染病週報」によりまして把握いたしております。
○野田哲君 昭和三十六年の八月十九日の「日本医事新報」、この本に「防疫秘話」というエッセイが載っています。これは三回続いております、その後。著者は北野政次という人です。この北野政次という人は戦時中の日本陸軍七三一部隊、通称石井部隊と言われていた、この石井部隊長の跡を継いで二代目の日本の細菌戦争の部隊長になった人なんです。この人が書いているわけですけれども、どういうことを書いているかといいますと、流行性出血熱というのは満州の奥地の方で風土病としてあったのを発見をし、これを流行させることを石井部隊で研究開発をしたと、この流行性出血熱の伝染にはネズミに付着するダニが一番効果がある、こういうことを発見した、そしてこれを石井部隊として採用した。その後、朝鮮戦争の当時、アメリカから要請があって三十八度線地域に呼ばれた。そこで米軍がこの流行性出血熱に非常に感染をしていた、これに対して研究成果を渡したと、こういうことが書いてあるわけです。そういう経過を持っている流行性出血熱があれほど蔓延をしているときに、厚生省は韓国との往来について、この問題に対して防疫上どのような措置をとられていたか、全く無関心であったのかどうか、この点を伺いたいと思うんです。
○政府委員(佐分利輝彦君) ただいま先生からお話ございましたように、この病気の伝染は、ネズミについておりますダニによって伝染するものでございます。人から人に伝染するものではございませんし、食べ物とか水によって伝染するものでもございません。したがって、航空機についても、船舶についても、ネズミの管理をきちんとしておけばいいわけでございますが、ネズミにつきましては、もともと東南アのペストの検疫の問題がございますので、十分に厳重な管理をいたしておりました。それをもって十分でございます。
○野田哲君 田村運輸大臣、運輸大臣は、すでに新聞に報道をされていることなんですけれども、韓国から日本を経由してアメリカに向けて、韓国で流行性出血熱が非常に蔓延をしていたときに人体の腎臓が輸送されていた、このことについては御承知ですか。
○国務大臣(田村元君) この前の新聞で知りました。
○野田哲君 昨年から一昨年の間に、日本航空が、ソウルから東京、東京からロサンゼルス、そしてロサンゼルスから向こうはアメリカの航空会社で、実に数百個の人体の腎臓が送られているわけです。これがその送り状のコピーです。これがどこへ行っているかといいますと、メリーランド州のフロウという陸軍の細菌戦の委託を受けている研究所へ送られているわけです。で、このフロウに委託をしているのは、日本にも有名な四0六部隊という名前で知られているフォート・デトリック、こういう部隊にその研究成果が引き渡されているわけです。この四0六部隊、これは名前は変わっておりますけれども、現にこの日本の国内に存在をしているわけです。 そこで防衛庁に伺いますけれども、相模原−さっき防衛庁長官がちょっと言いかけた相模原にあるこの医療センター、そこで、労務基本契約によるところの職種番号三百五十一番、この職種は獣医職、それから職種番号の千十五番、これは昆虫学職。それに沖繩のキャンプ桑江、ここに七十一番、昆虫学専門職、こういう職種の人が配置をされていると思いますが、間違いありませんか。
○政府委員(斎藤一郎君) お答えいたします。 いまお尋ねの、最初の獣医専門職でございますが、これは相模原市にある在日米海軍医学研究所に一名勤務しております。それから、後のお尋ねの桑江の昆虫学専門職については、沖繩の桑江にある在日米海軍医療センターに二名勤務しております。そのほか類似のものとして、昆虫専門職というのが相模原市の最初に申しました医学研究所に一名おります。
○野田哲君 そこでいまの昆虫職、獣医職、そういう人たちと一緒に働いている日本人の労働者の数は何人ぐらいかわかりますか。
○政府委員(斎藤一郎君) 八十人おります。
○野田哲君 やっている仕事を説明してください。 私の調査では、獣医職というのはネズミを飼っている、昆虫職というのは節足動物を飼育している、蚊とかハエとか南京虫、ダニも飼育している、こういう状態だと思うんですが、間違いありませんか。
○政府委員(斎藤一郎君) 相模原市の獣医専門職については、動物の病気の人体に及ぼす影響や伝染の状況についての業務を内容としております。それから、相模原市にもう一人おります昆虫専門職の人は、これは蚊、ハエなどの昆虫の種類や分布の状況、そういうものについての業務を内容にしておる。それから沖繩の桑江におります昆虫学専門職については、二名おりますが、これは害虫類の駆除の職務に従事しておるというふうに聞いております。
○野田哲君 ネズミは、裸のネズミがおりますかどうか、毛のないネズミ、裸のネズミがおりますかどうか。
○政府委員(斎藤一郎君) ただいま申し上げましたのは、従業員を雇用する場合の雇用計画の中の職務記述書の中に詳細書いてございますことの要約を申し上げたんですが、いまのお尋ねの裸のネズミがいるかどうかということまでは承知しておりません。
○野田哲君 調べてもらえばわかりますが、無菌状態のネズミ、裸のネズミがいると思います。 それから、これは厚生省の方の専門の方に聞きますが、節足動物という表現の仕方、これにはダニとか、そういうものも入りますね。
○政府委員(佐分利輝彦君) 入ります。
○野田哲君 厚生大臣に伺いますけれども、厚生省所管の医療機関、研究機関で、アメリカ軍の研究の委託を受けているはずでありますが、その研究の委託を受けている内容について、過去の状態がわかれば説明してもらいたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昨今は全然ございません。ただ、過去に十年、二十年ぐらい前のことで昭和三十四年、三十六年、そのころ、米軍から国立予防衛生研究所関係に依頼がございまして、日本脳炎ウイルスの病因性に関する研究、こういうのが一つあります。これは日本脳炎発生の機構解明のため、マウスなどを使って日本脳炎ウイルスの体内での増殖経過及び弱毒ウイルスの増殖能力の研究をした。それからもう一つは、やはり三十五年から四十数年まで続いたわけでございますが、日本におけるツツガムシ病、その類似疾患の研究、こういうのがございます。それからもう一つ、やはりこれも古い話でございますが、昭和四十二年度の委託でございますけれども、米軍から国立がんセンター関係への委託でありまして、研究課題は、デング熱ショック症候群の場合の人体血清補体成分の測定ということであります。 なお、さらに詳しいことは専門家の方から説明をさせます。
○野田哲君 いま厚生大臣は、当初は非常に古いことのように言われましたけれども、四十四年まで続いているわけですね。 専門の方に伺いますけれども、ツツガムシというこれが、流行性出血熱に非常に効果があるという資料があるわけでありますが、いかがですかその点。
○政府委員(佐分利輝彦君) ツツガムシと伝染性出血熱とは、かつては同じような、似たような病気だと、伝染経路等も、ということで同じような対策を講ずればいいのじゃなかろうかと、またその病気の原因等もツツガムシを研究すれば伝染性出血熱もわかるのじゃなかろうかという時代があったわけでございますが、現在においてはもうかなりはっきりしてまいりまして、伝染性出血熱の方はウイルスであろうと言われておりますが、ツツガムシの方はリケッチアという病原菌でございます。そういう関係で若干関係があるということは申せますが、本体的には全く違ったものであるということがわかっております。
○野田哲君 文部大臣に伺いますが、全国の国立大学、私立大学、公立大学、この医学部の関係に、アメリカのやはり軍の関係から、非常に各地の大量の大学に長期にわたって研究テーマを指定をして委託費が出されている。この事実をお認めになりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 昭和四十二年当時までにおきましては、二十五の大学に研究費が出ておったという事実はございます。四十二年以降は一一文部大臣と協議することにしたのでございますが、その後は、九大学が研究委託の継続等で行っておりましたが、四十七年以降は全くございません。
○野田哲君 総理に伺いますが、相模原、沖繩、大学、厚生省の研究機関、いろいろ説明がありましたけれども、やはりどう見ても、こういういまの報告があったような状態、日本の国土の中において依然として細菌戦の準備、これが続いている、あるいは研究が行われている。そしてしかも、日本の大学や研究機関に軍からの委託が行われている、こういう事実に対して総理の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま伺ったところでは、細菌戦の準備に協力をしているという感じを受けないのですがね。いろんな目的があるんだろうと思います。健康上のいろんな配慮からいろんな研究というものがあってしかるべきものである。そういうことに協力というか、頼まれて委託調査をやっておる、こういうことじゃないでしょうか。どうも私がいま政府側から説明した、それを聞いての印象はそういうふうに思われてなりません。しかし、もし万一細菌戦に協力するというようなことがあってはならぬことでありまするから、そういうことがありますればこれは停止いたします。
○野田哲君 総理はそういう感じは持たないと言われたのですけれども、相模原、それから沖繩の桑江キャンプ、これはことしの三日一日付をもって、前は陸軍であったものが海軍に移管をされている。メリーランド州にあるフォート・デトリックも、これも三月一日付で陸軍から海軍に移管をされているのです。海軍に何でネズミや蚊を研究する必要があるんでしょうか。総理はないと言われても、世間の常識は通りませんよ、それは。これはぜひ実情を調べて、もしそういうものがあるとするならば、即時これは中止をする。それから文部大臣は四十二年以降は取りやめている、こう言われたけれども、大学の教授がまだ個人的に委託を受けてやっている、こういう例もある。こういう事実があるとすれば、即時中止をする、こういう措置をとられますか。
○政府委員(伊藤圭一君) ただいま先生からのお話がございましたので、その経緯をお話し申し上げますと明らかになると思いますので、簡単に御説明申し上げたいと思います。 相模大野にございます医学研究所、これは実は占領の翌年、昭和二十一年に横浜に設立されたものでございます。その後相模大野に移ってまいりましたが、これは御承知のように相模大野にはアメリカの陸軍の病院がございました。その付属機関としてあったものでございます。昨年来米陸軍のいわゆる統合整理ということで、この病院もそれから研究所も海軍に移管されたわけでございます。そして、この医療センターにおきます研究所におきまして、現在は米海軍の医療センターの分遣隊になっておりますけれども、ここでやっております仕事は、米軍のための血液銀行の仕事が一つございます。それから風土病の研究ということで、家畜の病気の研究、あるいは昆虫の問題、そういったものをやっているわけでございまして、全員が約百二十人おりまして、そのうち日本人が八十人でございます。 なお、その生物兵器につきましては、一九六九年にニクソン大統領が、アメリカの政策として生物兵器の研究は免疫や安全措置といった防衛目的に限るものであるということを声明いたしております。さらに、一九七二年、レアード国防長官が、アメリカが貯蔵していた対人用の生物剤は三月二十三日までにすべて破壊したということを言明しているわけでございます。そういう背景から御推察いただきましても、これは一般の病院に付属されている医療の研究のための機関であるというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
○野田哲君 血清とか、それから動物、節足動物、依然としてやはりあるわけです。病院にそんなものは必要ないんですよ、節足動物などというものは病院には。それで、いま防衛局長は、攻撃のためのものは廃絶をしたというアメリカのニクソン大統領の言葉を述べられたわけでありますけれども、アメリカの「化学生物兵器の用法及び防御に関する三軍の教範」という生物兵器に対する教典があるんです。この教典を見ると、CB防御は攻撃能力を持つために必要条件であるので、敵のCB防御能力の情報は最も容易に入手できるCB兵器使用能力の徴候である。つまり、生物戦については、これに対する防御の能力を持つことが攻撃のための必須条件だと、こう言っているんです。だから、攻撃用のものを廃絶したと言っても、防御の能力を依然として残しているということでは完全廃絶ということにはならないんです。もう一回これは総理に要請したいと思うんですが、実態を調査をして再度しかるべき場所でこれを御報告をいただきたい。もしその実態があるならば即時中止をする、こういう措置をとっていただきたいと思うんです。
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほど防衛局長が申し上げましたように、防衛庁といたしましては、現在ございますアメリカの研究機関は、アメリカの医療のための施設、機関として存在しておるものと認めておるわけでございまするけれども、いま先生から御意見がございましたので、米軍と連絡をして確かめる処置はいたしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま防衛庁長官からお答えしたようにいたしますが、なおその結果、もし野田さんがおっしゃるようなことでありますればこれは停止すると、こういうふうにいたします。
○野田哲君 次の問題に移りますが、福田総理は、この前どうも明確でなかったように思うんでもう一回伺いますけれども、いま世間で問題になっているKCIA、韓国中央情報部、この組織は日本の国内にあって活動をしていると思われますか、いかがですか、その点、認識は。
○国務大臣(鳩山威一郎君) KCIAの存在ということがいろいろ論ぜられますけれども、外務省として、韓国側にこれは確かめても、その存在はいつも否定をされておるということでございまして、KCIAは日本国内では活動しておらないと、こう考えておる次第であります。
○野田哲君 国外の活動に協力をしたことはありませんか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私の知る範囲におきまして、わが国がKCIAと協力をするというようなことは聞いておらないところでございます。
○野田哲君 じゃ、日本側から、国外でKCIAに協力を求めたようなことはありませんか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) そのようなことは一切存じておりません。
○野田哲君 運輸大臣に伺いますが、これば政府直接ではありませんけれども、政府の監督下にある日本航空が、ソウルの支店で、最近韓国人の職員が賃上げを要求して、それが入れられないために英語や日本語は使わないというレジスタンスを行った、この解決をKCIAに要望した、こういう新聞の報道がありますが、この実情を調べましたか。
○政府委員(高橋寿夫君) お答えします。 日本航空に聞きましたところ、そういう事実はないというふうに言っております。
○野田哲君 国内でも国外でも、KCIAとは一切接触を持ったことはないし、国内ではそういう存在はないと、こう否定をされたわけでありますけれども、先日、田委員の方からもちょっと触れましたけれども、ここに一つの本があります。「大地の架橋」、著者は金炯旭、こうなっておりますが、外務大臣に伺いますが、この金旭という人はかつてどういうポストにあった人か御存じですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 金炯旭氏の名前は文明子等の発言によって知っておるところでございまして、私自身確かめたことはございませんけれども、KCIAの部長をしていたというふうに伺っております。
○野田哲君 かつてKCIAの部長を務めた人がこの金炯旭、この人が書いているのがこの本です、「大地の架橋」。この本の五百二ページからずっと以降に「東ベルリン事件の内幕」、こういうことで、ドイツから大量の韓国人を日本を経由して拉致した事件、約十年前です、その内容が非常に詳しく本人自身のこの本の中に出ているわけです。その中で、これ伺いますけれども、残念ながらこれはハングル文字でありますから、総理にすぐ読んでもらうわけにいかない。外務大臣、これ、いますぐだれか読めますか、外務省。 私が信頼のおけるところで依頼をして訳してもらいましたが、この中で手さんという、いまベルリンに永久居住の人なんですけれども、東京へ来られまして、三月十八日に私も会いました。このアさんという音楽家がベルリンから日本航空に乗せられて東京経由ソウルまで拉致されていった事件、これは一九六七年、十年前です、六月十九日ですか。そのいきさつを詳しくここに金炯旭自身がKCIA部長当時の経験として記述をしております。 その中に、この弄氏を連行するに当たって「東京を経てソウルに押送すること。アラスカでは、アメリカの関係機関の保護を受け、日本では捜査要員の協力を得ること」、こうなっていますが、この捜査要員というのは、いま総理や外務大臣がKCIAは日本にいないということであれば、日本の捜査要員が協力をした、こうなるわけですけれども、国家公安委員長、この記録がありますか。
○国務大臣(小川平二君) 私も問題の部分、朝鮮語でございますから意味を教えてもらいましたが、「協力を得ること」と書いてあるわけです。それは事実でありましても、金炯旭自身の期待であり願望であると、ただそれだけのことでございましょう。日本の警察が協力をしたという事実は全くございません。
○野田哲君 それは公安委員長、全然違いますよ。私は本人に会ったわけですから。ハンブルグをスタートするときは、日本航空の支店長、これは定保という人なんです、定保という日本航空の支店長、いまは羽田の管理部長をやっておりますが、その人がパスポートも航空搭乗券も持たない人を、一般の乗客が乗るところとは別の通路から定保さんという支店長が連れて機内へ案内した。羽田へ着いたときには、一般の乗客が全部おりてから一人だけ誘導されて、これも何のチェックも受けずにすぐあの空港ビルの中のホテルの一室に連行された、こうなっているんです。全くその間、ハンブルグ出国に当たっても日本航空の支店長が案内をしている、羽田へ着いても何のチェックも受けていない、こういう状態であるということは本人が私に直接語っているんです。テープにもとってあります。そういう状態であるにもかかわらず、これは金炯旭が書いたのは、「協力を得ること」というのは本人の願望だとは一体どういうことなんですか。当時の事情を調べてからおっしゃったことですか、それは。
○政府委員(三井脩君) ただいまの点でございますが、ことしになりましてから尹伊桑氏のそういう話が談話として新聞に報道されました。私たちはもっと前に、昭和四十九年に同じような報道があったのでそういうことは知っております。当時捜査をいたしました。しかしながら、ただいま言われたような事実が出てまいりませんでした。捜査としては、そういう事実はなかったというように私たちは考えております。
○野田哲君 法務大臣、入管記録で、こういう手伊桑という方ですか、あるいは連行した人が三人いるということですから、この入国記録がありますか。
○政府委員(吉田長雄君) 入国記録はございません。
○野田哲君 一九六七年の六月二十日に紛れもなく本人は羽田に着いてホテルに入っているんですから、これは正規のであれば記録があるはずなんです。ないということはつまり、何らかの形で法務省なり捜査当局が協力をしてノーチェックで入国をさせた、こういうことにはなりませんか。
○政府委員(吉田長雄君) 入国の場合、大きく分けまして三つございます。一つは、旅券を持ち査証を持って入ってくる人。もう一つは、旅券は持っていますけれども査証はない、しかしちょっと飛行場から外へ出たいと、これは七十二時間寄港地上陸を認めております。もう一つは、旅券も持たないで入ってまいります。これは上陸禁止措置をとります。 それでこの場合、多分いまおっしゃっていることは、これは当時の記録がございませんので私の想像で申し上げるしかしようがないんでございますが、上陸禁止措置になりました場合は、その人を乗せてきた航空会社が責任を持って空港内のホテルに泊めるわけでございます。普通船の場合でしたら船の中で泊められるわけでございますが、航空機の場合はそういうことができませんので、空港内のホテルで運送業者が責任を持って泊めると、こういうことになっております。
○野田哲君 この点については先ほど国家公安委員長は、願望を述べているんじゃないかというようなことを言われたわけですけれども、少なくともここにこれだけの本を書いているんですよ。書いている本人が「協力を得ること」ということでありますから、これは電話あるいは文書等で何らかの形のものが届いているんじゃないか、こう思うんです。 それから、いま入管の局長の方の説明があったわけでありますけれども、とかくこの法務省の入管については非常な疑惑を私どもは感じているわけです。これは警察の取り扱いについても疑惑を感じております。先般、湯島の「秘苑」の問題についても、これは昨年の五月四日に私が指摘をしたことなんですが、風俗営業法違反で摘発をしている。風俗営業法違反という事実が起こるということは入管の不正があったから起きるんです。それを入管の問題には何ら手をつけないで、単に風俗営業法違反でやっておる。なぜこれは入管法違反でやらないんですか。公安委員長、いかがですか、その点は。
○政府委員(三井脩君) 秘苑の問題につきましては、あれは許可された料亭、料理店でありませんので、そこにおける婦女の接待行為という形態をとらえて処理をしておるわけであります。今後の調べの中でどういう発展をいたしますか、とりあえずやっておるのはその事件でございます。
○野田哲君 それじゃもう一回伺いますが、とりあえず風俗営業でやって、出入国管理令違反の事実があればそれにも及ぶと、こういうことで理解していいんですか。
○政府委員(三井脩君) 入管令違反に限らず、他に余罪があればもちろん追及いたします。
○田英夫君 委員長、関連。
○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。田英夫君。
○田英夫君 いま入管の行政についての疑問、疑惑が野田委員によって取り上げられているわけでありますが、私が提起したいのは、真っ正面から人道の問題に触れて入管行政に大きな疑問を感じますのでお尋ねをしたいと思います。 去る二十五日に私自身が同行をいたしまして、いわゆる韓民統、韓国の民主化を望んで朴政権を批判している在日韓国人の人たちの組織の代表八人が、日本時間のあしたから三日間、ニューヨークで開かれる韓国問題国際会議に出席をする希望を持って、主催者側からの招待を受けましたので、その希望を持って再入国の申請を法務省に出したのであります。これは本来ならば在日韓国人、つまり外国人でありますから、その居住する地域の法務省の出入国管理局の窓口に提出をすべきでありますが、この人たちは本国の朴政権に対して批判を加えているために本国政府は旅券を出さない、こういう不幸な状態にある人たちであります。ですから窓口に持っていけば、窓口のお役人さんはきわめて官僚的にこれを書類不備という形でその場で拒否をいたします。これは前例によってすでに明らかでありますから、私が付き添って法務省本省に行って資格審査課長に面接をして事情をよく話して、人道上の立場からこれは再入国を認めるべきではないか、さらに、在日韓国人という人たちが六十万人も、朝鮮民族が日本にいるその原因というのは、日本国民に、日本政府に責任がある。理由を申し上げるまでもないでしょう、三十六年間にわたる日本の不当な朝鮮支配、この名残でありますから。そういう観点からもこの問題については特別の配慮をすべきである、こういうことも申し入れて書類を置いてきました。ここが一つのポイントですから、私は置いてきましたとはっきり申し上げる。受理をしなさいと言えば、窓口ではありませんから受理できませんということで、お役人の方の立場もあると思いましたから置いてきました。 ところが、その後どうやら政府の部内に御意見の相違が出てきたようであります、この問題について。そして結論が、昨日になってその韓民統の代表の人のところに当該課長から、面接をした課長から電話で、あの書類は受理をしておりませんのでよろしくという程度の回答といいますか、電話があったそうであります。事実上、もう会議はあしたから始まるのであります。日本の代表団は、昨日夜出発いたしました。こういう状態に立ち至っているのでありますけれども、もう内部のいろいろなお話があったことを私は熟知しておりますから、福田総理大臣もこの問題については相談を受けておられるはずでありまして、ようく御存じのはずでありますから、総理に私は御答弁をいただきたい。総理は、なぜこうした人道上の立場を無視して福田内閣はこの再入国を拒否されたのか、このことを伺いたいと思う。
○国務大臣(福田赳夫君) その問題は、確かに法務大臣から報告を受けました。しかし、私も非常に日ソの問題なんかで忙しい時期でありますので、これはひとつ法務大臣、あなたにお任せしますからあなたの判断で処置してくださいと、こういうふうにしてあります。
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 御案内のように、出入国の場合には当該所属の国の大使館あるいはまたその他から出入国のビザというものが必要である、それをつけて、そうしてわれわれの方に出していただくということになっておるのであります。そのことについて、いまあなたのおっしゃったように、書類を置いていかれたということでありますけれども、正式には受け付ける条件が整っておらないので、これは受け付けておりませんと。しかし、そういうことがありましたという報告を受けておるわけでございます。
○田英夫君 先ほど野田委員も言いましたように、遊びのために、遊び場で仕事をするといいますか、遊びのためのキーセンは観光ビザで入ってきて四カ月しかいられないものを公然と仕事をさしております。皆さんそれは御存じのはずですよ。秘苑だけではありませんよ。赤坂の辺に韓国人が経営しているバーがたくさんある。そこに行ってごらんなさい、日本語のできない、はっきり観光ビザで入ってきた韓国の女性が大ぜい働いているじゃありませんか。そういうものを入管はそのまま放置している。警察は知っていながら風俗営業だと答弁をされる。そういうところにはきわめて大目に見ていながら、本当に日本に何十年と住んでいるんですよ。今度行く人の中には六十年、五十年と日本に住んでいる人もいるし、大部分の人は日本で生まれ育った人たちですよ。その原因は、先ほど申し上げたとおり、日本のあの不当支配が原因ですよ。炭鉱労働者の、強制労働のために連れてきた人とその子孫じゃありませんか。これが在日韓国人の大ぜいいる実態の原因じゃありませんか。その人たちがきのう何と言ったか、まさにこれは格子なき牢獄です、こう言っているんですよ。しかもこの人たちに、あの民主主義を破壊するような行為をやりながらこの人たちに旅券を出さない。朴政権がまさに公然とこの人たちを再入国させないでほしいという要求を日本政府に突きつけてきているということを私は知っています。 これは外務大臣、どういう方法とどういう方法で、二つのルートで来たはずです。具体的に電報なのか、電話なのか、人間が来たのか、その内容はどういうことなのか、なかったとは私は言わせません。あったことは事実です。私、知っていますよ。一体どういう、方法は何なのか。この二種類の方法をこの席ではっきり言っていただきたい。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまの韓国側からの連絡は、一つは、たまたまわが国の韓国大使館の職員が韓国の外務部にほかの用件で電話をした際に、先方から陳情的な話があったということが一つであります。 それからもう一つは、東京におきまして、東京の大使館の方からそのような陳情を受けておるところでございます。 ただいま田先生がおっしゃいました人道的な見地からというお話でございますが、過去におきましても人道的見地から、仮に韓国側が旅券を発行しない、ビザを与えないという場合でも、人道的な見地から特別な再入国の手続をしたものがございます。しかし、今回のものは人道的なものであるかどうかという点は大変問題であろうかと思うのでございまして、私どもの方として、法務省の御処置に一任をいたしたというのが偽らざる経過でございます。
○田英夫君 一言だけ言わしてください。 関連ですから、余り長いこと申し上げられませんが、私は黙っているわけにいかないんです、この福田内閣のやり方に。 こういう人道を無視する、しかもアメリカのカーター政権も、もういま大きく転換をしているじゃありませんか。世界の多くの人たちが、あの朴政権のやり方に対して強い批判を持っている。その批判のための今度の国際会議です。その会議にみずからの国の問題について出席をしようとする在日韓国人の代表の人たちの再入国を認めないということは、世界に対して恥ずかしいことですよ。よくお考えをいただきたい。福田内閣がそのようなことを、そういう態度をおとりになるならば、まさに日韓癒着と言われても仕方がない。そういう状況の中では、日韓大陸だな協定などという疑惑の深いそうした協定をわれわれは承認するわけにはいきませんよ、断固として阻止することをここで申し上げて、私は質問を終わります。
○野田哲君 ただいま田委員の方からそういう不当な取り扱いについての指摘があったわけでありますけれども、片一方において、ドイツに在住していた勢さん、この人がKCIAによって連行された。これについては全く日本はフリーパスでこれを入れている。ここにいまの日本の入管業務あるいは日本の姿勢そのものが端的にあらわれていると思うんです。 そこでこの問題、最後に要請をいたしたいと思うんですが、先ほどの入管局長の説明によると、私が申し上げたような事例の者が日本の国内に入ってくるときには、特別の措置がとられるというような説明があったわけでありますけれども、そうなると、連絡を受けた記録があるはずであります。それからもう一つは、一晩羽田のビルの中のホテルに泊めている、これは航空会社が泊めるんだということであれば、これは日本航空がそのような計らいをした、こういう記録があると思うんです。法務大臣、それから運輸大臣、それぞれもう一回この問題の経過を調査をして報告をいただきたいと思います。これは私が要請をしておきます。 それから、次に新韓碍子の問題に入っていきたいと思います。通産省に伺いますけれども、日商岩井株式会社から韓国の新韓碍子工業株式会社、これはあるいは当初の段階では会社名が別になっていたんじゃないかと思うんですが、三都碍子工業株式会社、こういう名前になっていたんじゃないかと思うんですが、これに対する碍子プラントの輸出について、通産省へ申請が行われたのはいつですか、これは。
○政府委員(熊谷善二君) 最初に申請が出ましたのは、四十四年の七月の九日でございます。
○野田哲君 承認をしたのはいつですか。
○政府委員(熊谷善二君) 承認をしましたのは、同じく四十四年の八月二日でございます。
○野田哲君 ちょっとこちらへ来て……。いいですか。 その承認をした書類というのは、ここに私はコピーを持っているんですが、これに間違いありませんか、ちょっと見てください。——私が写しを持っている輸出承認申請書、いま間違いないというお話があったんですが、輸出入銀行の方に伺いますが、日商岩井から新韓碍子工業に対する融資の申請が輸銀の方へ提出されたのはいつですか。
○参考人(澄田智君) 四十五年三月十八日でございます。
○野田哲君 韓国側からこの件について支払い保証書、LGが発給されてきたのはいつですか。
○参考人(澄田智君) LGの発行期日はちょっと手元の資料にございませんが、後ほど調べてお答え申し上げます。
○野田哲君 私の調査では、LGが発給されたのは四十三年の二月二十八日と、間違いないと思うんですが。で、融資の決定はいつされましたか。
○参考人(澄田智君) 四十五年三月二十四日でございます。
○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。秦豊君。
○秦豊君 きょうの委員会は、先ほどから同僚議員によって鋭く日韓癒着のどす黒さ、情けなさ、そういう断面が追及されている。 そこでまず福田総理に伺いたいんだけれども、あなたの一連の発言ですね、つまり日韓汚職についてはにおいもしないというふうな表現は全く無理です。総理は一体何に基づいてそのような断定的なことをきっぱりとおっしゃるのか。アメリカや韓国等へ照会、調査ないしは日本国内での独自な調査など、断言できるだけの具体的な資料を踏まえての発言なのかどうか。あるいは、そうでなければ意識的な強弁あるいは独断的な私は信念であると、こう言いたい。私によれば、この戦後歴代のあなた方もかかわる日本的な腐敗のシステムや手口、あえて手口と言うが、そして韓国的な腐敗のシステム、この二つのいわばどす黒い潮流が触れ合ったところに日韓汚職がほとばしった。しかもそれには、ロッキードどころか政界保守の本流、財界の本流が深々とかかわっている。その意味ではまさに、総理、よく聞いてくださいよ、ロッキードなどをはるかに上回る規模と構造だという認識の方がむしろ国民的な常識ではないか。あなたの言葉と全く逆なんです。あなたのまず日韓汚職についての、あえて言うが、基本的な認識というのを聞いておきたい。 それから外務大臣に伺いたいんですけれども、七三年の四月に外務省がわが党先輩議員の要求によってしぶしぶ出した例の「韓国における不実企業の実態」、これは日本関係だけではなくて——日本関係だけでも、いま野田委員が追及しているものを含めて、たとえば大韓造船公社、新進自動車、韓国肥料、それから豊韓産業など十四社にも上る驚くべき実態が記録されています。その意味では、当委員会における追及もまだまだ私は序盤的だと思う。これからだと思う。そこで、あなた方がお出しになった資料を見ると、横財という言葉が出てくる。——横領の横、財産の財、横財、総論の部分に出てくるんだけれども、ずばり言えば、韓国的な語感ではこれはリベートだということになっています。 そこで、鳩山外務大臣にあえて伺いたいんだけれども、先ほどの韓国における不実企業の実態、あれは西独など諸外国のやつが全部入っている。日本はワン・オブ・ゼムだ。しかし、私どもの調査によれば、特に最近の調査によれば、日本独自の単独の資料がアジア局北東アジア課、ここにもっとずっしりした、諸外国の中に並んでいるんじゃなくて、もぐっているんじゃなくて、日本単独の資料があるはずだと私は思う。——首をかしげていらっしゃるけれども、だからその資料については、あるのかないのかだけについてまずここで明言をしてもらいたいし、総理は、持論のようにおっしゃっている、においもしない、煙も立たないと言うならば、むしろこれほどの疑惑が吹き出している本委員会に、あるいは関係委員会に、そのような資料はどしどしむしろ積極的に出して、進んで国民的な疑惑に答えるという姿勢をおとりになるのが、むしろ大政治家たるあなたらしい態度じゃないのかと、まずこの辺を聞いておきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、KCIAがアメリカの国会議員に対していろいろなことをしておる。同様なことがわが国の国会議員に対してもあるのじゃないかという質問がありまして、それに対しまして、においも感じませんと、こういうことを申し上げておるわけでありまして、この私の感じ方はいまも変わりはございません。まあとにかく、外国から金を受け取って、そうしてそれを政治資金とするというような、そういう自由民主党議員がおるとば、私は信じません。そのことを申し上げておるわけであります。
○秦豊君 きわめて楽天的である。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 先般、不実企業の実態というものをつくったのは事実でございますし、差し上げてあると思います。不実という名前が、いかにもおかしな名前でありますけれども、不実というのは日本で言えば倒産のような、そのような会社、企業のことを言うのでありまして、それにつきましてあるいはいろいろ調査をしていると思いますが、何かその調査でまとめたものが、大部なものがあるかどうか私もいま存じませんし、局長もどうもまだそこを確かめておりませんので、いま至急問い合わせております。
○委員長(小川半次君) 奏君、再質問を許しますが、あなたの質問の時間が過ぎておりまするから簡潔にお願いします。
○秦豊君 じゃ、一問だけ。恐縮です。 福田総理、古い話で大変恐縮なんですけれども、昭和四十九年、つまり七四年五月七日ですね、帝国ホテルで盛大に開かれた文鮮明の希望の日晩さん会、これは実行委員長は岸信介元総理です、こういうパーティー、招宴に出席をされた記憶がおありかどうか。たしかあのころは大蔵大臣でいらしたと思うし、そこにいまゆったり座っていらっしゃる田中通産大臣も、たしか一議員としてそれに御出席をされたのではないかと、私どもの調査ではなっている。 そこで総理、この質問で最後ですから、あなたは文鮮明という人を、一体どの程度のおつき合いなのか、どのように評価していらっしゃるのか、あるいは統一神霊協会、御存じでしょう、さまざまな問題をまき散らしている、あのビヘービアというか、行動様式というか、そういうものについて、総理たる福田赳夫あるいは人間福田赳夫でも結構だが、どういうふうに受けとめていらっしゃるのか、それを今後のためにあえて伺っておきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、そのパーティーで文鮮明という人に会ったわけでありますが、それがただ一回であります。 その人の話を聞いておりますと、私の言うのと同じことを言っているんです。人間は憎しみ合っちゃいかぬ、助け合わなければいかぬ、協調と連帯、私のその協調と連帯と言うのと同じことを言っておるので、その話を聞いて私は大変感銘を受けましたと、私と同じことを、私の考えと同じことを言っていらっしゃると、大変私は話を聞いて感激しましたというあいさつをしたことを記憶しております。
○秦豊君 じゃあ終わりますが、先ほどの資料は必ず回答していただきたい、委員長。
○野田哲君 輸銀の方へ伺いますけれども、この輸出入銀行に出された日商岩井からの新韓碍子に対するプラント輸出の契約の総金額は幾らになっておりましたか。
○参考人(澄田智君) 契約の総金纈は二百九十九万九千七百五十ドルでございます。 なお、先ほどお答え申し上げたものについて、訂正をさせていただきます。 融資申請は、先ほど私四十五年三月十八日と申し上げましたが、間違っておりました。四十四年十二月八日に申請がございました。承認の日付は、私先ほど申し上げたとおり、四十五年の三月二十四日でございます。 それから、LGの発行日でございますが、これは四十三年二月二十八日でございます。
○野田哲君 その融資申請で、いまの契約金額の約三百万ドル、二百九十九万幾ら、このうちの輸銀の融資対象になったのはどの部分で幾らですか。
○参考人(澄田智君) 輸銀の融資対象といたしましては、契約書及び融資に当たっての輸出の承認申請、そういった内容を審査いたしまして、頭金を除き、さらに融資に必要がないと思われるような金額を控除して決めることになっております。融資対象になった金額につきましては、いま現在その数字を手元に持っておりませんが、当然この二百九十九万ドルから相当額これは差し引きが行われると、こういうことになります。
○野田哲君 頭金は一0%ですね。間違いないですね。
○参考人(澄田智君) 一0%でございます。
○野田哲君 輸出入銀行の総裁に伺いますが、私は、あなたの方から私の質問の内容について照会があったから、新韓碍子に対する融資内容について伺いたい、こういうふうに答えておいたんですが、いま総裁の話では、内容については数字を持ってきてないということじゃあ、これから質問をすることができないじゃないですか。この点、どうなんですか。
○参考人(澄田智君) 融資金額につきましては申し上げられますが、この融資金額を計算する過程につきましては、これは契約の内容にわたりますことでございますし、私の方から御説明申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じます。
○野田哲君 それでは、融資の対象外は具体的にどういうものが対象外になっているんですか。
○参考人(澄田智君) 先ほど御質問のありました一0%の頭金、これは当然融資対象から除きます。そのほか融資に際しまして、これは融資の必要がないと思われるような金額を控除する、こういうことにいたしております。
○野田哲君 その必要がないと思われるものはどういうものかということを私は聞いているんです。
○参考人(澄田智君) 本件のようなプラントを韓国に建設する、こういうような案件でございますので、プラント建設に際して必要な機械を輸出し、さらにこれを現地で建設する、それに必要な項目というものを融資の対象として取り上げる、それに必要がないと思われるようなもの、これは契約書面等によって判断するわけでございますが、そういうものばこれを控除する、こういうやり方でございます。
○野田哲君 ちょっとこればね、私は質問が進みませんよ。必要でないものはどういうものかと。必要なものについてはこれは申し上げられませんと、じゃあ必要でないものはどういうものであったのか、これについて答えられないということじゃ、もう進みませんよ。どういうことなんですか。
○委員長(小川半次君) 澄田参考人、委員長が聞いておりましてもいささか了解のできぬ点もありまするが、もっと詳しく答弁できないのですか。
○参考人(澄田智君) 融資対象といたしまして、先ほど申し上げましたような控除を行いまして、取り上げた金額を申し上げますと、これが二百三十九万七千二百二十二ドルでございます。このうち輸銀が融資いたしました金額は百九十一万七千七百七十七ドルでございます。
○野田哲君 これは一0%差し引いたものの融資した金額は何%になるわけですか。
○参考人(澄田智君) 一0%の頭金を差し引きました後に対しましておおむね九割、九0%になります。
○野田哲君 一0%を差し引いてその金額に対する九0%、こういう確認でいいわけですね。
○参考人(澄田智君) おっしゃるとおりでございまして、その金額が先ほど申しました二百三十九万七千二百二十二ドルでございます。
○野田哲君 融資したのは百九十一万七千七百七十六ドル、これはだから契約金額に対して何%に相当しますか。
○参考人(澄田智君) 約六四%に相なります。
○野田哲君 融資の対象から外したものにはどういう項目がありますか。
○参考人(澄田智君) その点につきましては実は現在、この前衆議院の予算委員会でも御指摘がありました、訴訟になってそうして本件の輸出者である日商岩井側で訴訟に出した数字がございます。それと当初の融資承認のための申請と、その数字との関係等につきまして目下調査をいたしておりますが、何分時期も大分前でございますし、それから関係は日商岩井だけでございませんし、いろいろございますので、その点についての調査はなお現在続行中でございます。そういうような関係もございますので、先ほど申しましたようにおよそ九割というような控除を行いましてその数字を申し上げて答弁さしていただいた次第でございます。
○野田哲君 通産省に伺いますが、先ほど御確認をいただきました輸出承認申請書の中の各品目がずっと記載をしてある、この中の九枚目、十枚目、十一枚目にかけてハートウエアー金具工場だと思うんですが、このトータルは幾らになっておりますか、金額は。
○政府委員(熊谷善二君) お答えいたします。実は四十四年のケースでございますので、私ども自身としてはオリジナルを保管いたしておりませんで、ただいま先生御指摘の点は、内容は恐らくオリジナルのコピーであろうと、こういうふうに考えておりますので、ちょっといま手元に私ども持っていないわけでございます。お許しをいただきたいと思います。
○野田哲君 これもおかしいですよ通産大臣、あなたの方からきのう、通産大臣に対するあるいは通産省に対する質問は何でしょうかということで聞きに来られたから、私は、通産関係については新韓碍子一本だと、こういうふうに予告をしてあるにもかかわらず、私が聞くことに対して何ら数字を持ってきていないということじゃ、これは進みませんよ、どうなんでしょうか。もっと注意してくださいよ。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 輸出承認の問題でございますが、御案内のとおりに標準外決済の前払いの問題でございます。それは、その当該案件が武器輸出その他法規に触れるものか、あるいはまたその契約が回収不能でないかというようなことだけを承認いたすのでございまして、金額その他内容に至っては通産省の方では一切タッチいたしません。
○野田哲君 通産大臣、先ほど確認をしたんですよ、輸出承認申請書。ここに通産省の担当の人の判が押してあるわけです。これをタッチしてないというお答え、これは納得できませんよ。これは数字がわからないんだったら、これでちょっと見てください。私が全部持ってますから。——その中の私がいま指摘をした金具工場、ハードウエアのところ、これはドルで書いてあるわけですけれども、そこの部分のトータル金額、これを円に直すと幾らになるか。いま私の渡した書類で答えてください。十一ページにあるトータル金額、ドルと円で幾らになるか。
○政府委員(熊谷善二君) お答えいたします。 このいただきました資料で見ますと、十一ページにこのハードウェアショップの金額の累計が出ておりますが、これは六十八万八千五百七ドル、これが小集計であろうと思います。
○野田哲君 このハードショップの小計、これはいま言われたように、六十八万八千五百七ドル、これは当時は三百六十円レートのときでありますから、日本円に直すと二億四千七百八十六万二千五百円、こういう金額になるんですが、通産省ではこの部分を、川崎重工と提携をしていた淡路産業がこの部分についてどういう見積もりを出しているか、知っておられますか。
○政府委員(熊谷善二君) お答えいたします。 実は先ほど大臣もお答え申し上げましたように、私どもの承認申請の際のチェックは、決済条件等のチェックでございまして、具体的に当該日品物が、どの下請からどういう価格で納入されたものであるかという価格面のチェックは一切いたさないことに実はなっておりまして、したがいまして、いま御指摘のメーカーからどういう価格で川重が購入したかということについては承知をいたしておりません。
○野田哲君 チェックしないものをなぜ承認したりしなかったりするんですか。いまのこの輸出承認申請書に出しているドルで六十八万八千五百七ドル、日本円にして二億四千七百八十六万二千五百円、この部分を受け持った淡路産業の私は工場設備金額一覧表というのをここに持っております。ここのトータル金額は八千三百七十六万円、こういうふうになっているんです。これは裸値段にいたしましても、一番最初に手がけたところの見積書は八千三百七十六万円、これが輸出申請書に日商岩井が出している金額では二億四千七百八十六万二千五百円、約三倍になっているんですが、このいきさつを通商省は全くノーチェックで扱っておられるわけですか。
○政府委員(熊谷善二君) お答えいたします。 価格面についてはチーツクはいたしておりません。したがいまして、下請等については一切チェックをやっていないという状況でございます。
○野田哲君 輸銀総裁に伺いますが、あなたの方で融資を扱ったときに、このハードショップのところの金額を検討されましたか。
○参考人(澄田智君) 私どもの方に対する融資の申請は、日商岩井の方から出てまいるわけでございまして、そしてその融資申請の内容、そこに挙げられております品目等についてのチェックはいたしますけれど、その以前のこの場合には川崎重工からさらに外注に出されておった、そういったところの金額というのは、通常のわれわれ金融機関としての、審査の場合には、そこまでは立ち入らない、あるいは立ち入ることができない、そういうものだと存じます。 なお、先ほど私、輸銀の融資金.額をドルで申し上げましたが、これは三百六十円で換算をして便宜のために申し上げたんでございまして、融資金額は、実際に融資いたしましたのは円貨で六億九千四十万でございます。
○野田哲君 通産省に伺いますが、韓国側からLGが発給されたのが四十三年二月二十八日、それから通産省で承認したのが四十四年八月一日、約一年半、非常に、外国へプラントを輸出する、これは政府間の協定に基づいてプラントが輸出される、これが一年半も通産省の中に放置をされていたのは一体どういう事情ですか。
○政府委員(熊谷善二君) お答えいたします。 当時、碍子業界におきましては、中小企業近代化促進法の近代化五カ年計画を実施中でございまして、本プラントが輸出されました場合に、韓国側からの日本への輸出、つまり日本から見ますと輸入になりますが、それが行われました結果、日本の碍子中小企業メーカーに対する影響が大きい、こういう点についての懸念がございまして、関係業界等におきましても本件を問題視いたしておりましたので、そういった国内の中小企業メーカーへの配慮という面の調整に時間を要したわけでございます。
○野田哲君 国内のメーカーと新韓碍子が製造する製品との間には、当初からきちっと分野が明確になっていたはずだと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(熊谷善二君) 当該案件は、先生御指摘のとおり超高圧の碍子でございます。で、中小企業メーカーが主としてつくっておりますのは、いわば高低圧の碍子でございます。いま御指摘のとおり、対象が技術的にも違う分野でございますが、日本側で当時問題にいたしましたのは、つまり超高圧の碍子というものの生産は、かなり技術的に経験を要する、こういうようなことがございまして、一挙にこういった高技術のものがつくられることはなかなかむずかしいのではないか。そうなりますと、自然、高低圧の碍子の生産ということに変わっていくのではないか。そうしますと、それが日本への輸入ということになるのではないか、こういう懸念を当時関係の中小企業関係者は非常に懸念をいたしていたわけでございます。
○野田哲君 製造品目が分野がはっきりしていたにもかかわらず、日本の業界が懸念をしたということですが、その業界が通産省に対して三回にわたって書面で要請をしておると思うのですが、何月何日にどういう団体からどういう書面が出たか、これを説明してください。
○政府委員(藤原一郎君) お答え申し上げます。 順序で申しますと、昭和四十三年十月二十三日付をもちまして、白陶連と電磁器協会の連名におきまして、「韓国に対する借款供与による高圧碍子プラントの輸出について陳情の件」というものが出ております。それから、四十四年の四月十六日に電磁器協会の方から、やはり同じ輸出承認に関する要望書が出ております。それから、四十四年六月の十八日でございますが、韓国向け碍子プラントの輸出認可につきまして、電磁器協会の方から、やはり中小企業に対する配慮ということで、三度にわたり陳情書が出ておるわけでございます。
○野田哲君 まず、いまのこの三回にわたって書面が出されている。これは資料として提出をしていただくように、委員長の方でお取り計らいをいただきたいと思うんです。
○委員長(小川半次君) 提出できますか。−答弁台へ来て答えてください。
○政府委員(藤原一郎君) 委員長からいまお話ございました件、いま私読み上げました三件の陳情書でございますが、これは正木がございませんで写しのみがあるわけでございますが、写しでよろしゅうございますれば、御提出いたします。
○委員長(小川半次君) 野田君、写しがあるそうですが、よろしいですか。
○野田哲君 結構です。 この件は、時間がございませんので、引き続いて調査を別の場でまたやっていきたいと思うので、別の問題について厚生大臣にお尋ねいたしますが、これは先般の玉置議員と同じような人権問題で御検討願いたいと思うのですが、昭和十九年に広島の三菱関係の工場に韓国人の徴用工が約三千人入所いたしました。昭和二十年八月二十一日に、この徴用工については解除するという方針を政府が決定をしております。 そこで、三菱広島にいたこの徴用工は、八月三十日に徴用を解除されて、それから昭和二十年九月十五日に、二.百四十六名の人たちが広島駅から帰途につきました。九月十七日に北九州市の戸畑から日本国籍の機帆船に乗ったところまでは明確になっているわけでありますが、この二百四十六名の韓国から強制的に就労させられた韓国人はいまだに行方不明で韓国には帰り着いておりません。この消息について、広島の心ある人たちがいろいろ調査をしておりましたところ、最近になりまして、長崎県の壱岐の芦辺町というところで、二十年の九月十七日から十八日ごろにかけて、大量の漂流死体がこの芦辺町の浜辺に流れ着いた、こういう事実がわかりました。そこで、芦辺町の人たちは身元不明の漂流死体ということで現地に埋葬しておるというところまではわかったわけでございますけれども、ちょうどこれは枕崎台風に襲われて玄界灘で遭難したんではないか、こういうふうに推定をされております。私、調査をした−会った人たちの名前も持っておりますので、これは何としても日本政府の責任において、戦時中に強制連行しておるわけでありますから、これはぜひ人権問題として具体的な調査をやって、判明した場合にはしかるべき異例の措置を講じていただきたい。このことを厚生大臣に要望したいと思うのですが、見解を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) お話しのことにつきまして、事務当局に何とか調査の方法はないかということを真剣に調べさしたわけでございます。ところが、これは当時、厚生省としては船を用意をして韓国に送ろうとしたんだけれども、この人たちはその配船を待ってられないということで、自分たちが船を借り上げて先に出てしまったと、そういうようなことなどで、なかなか現在の援護法その他の関係では法律上乗っかってこない。乗るっかってこないんだけれども、せっかく野田さんから言われておることだし、ともかくこれは人道問題であるから、何かうまいことをあしたの朝までに考えておけと。で、けさ参りまして、一晩考えたけれどもなかなかむずかしい、所管外の問題だと、所管外のことでは、それじゃ総理府とでも今度はひとつよく相談をしてみたらどうですかということで、もう少し調べてみたまえという程度までしか話が進んでおりません。もう少し調べてみます。
○野田哲君 一言だけ。いまの現状の中で最大限できることをやっていただくことをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして野田哲君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(小川半次君) 藤原房雄君の質疑に入ります。藤原房雄君。
○藤原房雄君 私は、公明党を代表いたしまして、五十二年度予算関係三案について若干の質問をいたす次第であります。 最初に、現在一番国民の注視の的になっております日ソ漁業交渉のことにつきまして、これは外交的なこともありますのでいろんな問題があろうかと思いますが、基本的なことについてお尋ねをしておきたいと思うんであります。 最初に、鈴木・イシコフ会談の際に長期協定については何も話し合われなかったのかどうか。これは御存じのとおり、たとえばいつごろから長期協定について交渉を進めるとか、そういうことについてお話し合いになっていなかったのかどうか。また、交換書簡の中に長期協定については何も触れていないわけでありますけれども、これは一体どういうことなのか、私ども疑問に感ずるんですが、お答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日ソ漁業関係につきまして、御承知のようにソ連が二百海里の漁業水域の設定をしたと、そこで日ソの新しい北西太平洋の漁業秩序を確立する必要があるということで、イシコフ大臣と協議をいたしたわけでございます。 まず第一は、基本協定、これは結ばなければならない。ところが、この基本協定を締結いたしますためには相当の時間を要するということで、その間暫定取り決めによって処理してまいりたい。その暫定取り決めをするにいたしましても、やはりこれにも時間がかかるということで、協議の結果、暫定取り決めはそれでは三月三十一日までの間に暫定取り決めはいたしましょうと、その間はソ側としては、現在北西太平洋で操業しておりますわが方の漁船の操業の安全を保障いたしましょう、こういうことにいたしたわけでございます。したがいまして、暫定取り決めにつきましての期間はいつまでかということでございますが、私は、基本協定を締結発効せしむるためには七八年の五月末ころの、これは国会の御承認を得なければならぬのでそのようにお願いをしたい、こういうことであったわけでありますが、それに対しましてイシコフ大臣は、暫定取り決めの自分に与えられておる権限は一九七七年の問題だけである、つまり一九七七年十二月三十一日までしか自分には権限は与えられていない、こういうことであったわけでございます。 御質問の基本協定は大前提としてこれは締結をすると、こういうことで合意をいたしておるわけでございます。
○藤原房雄君 この基本協定については、こちらの方は出発当時からこういうことでという日本側の考えは、これは私どもは承知しておるわけでありますが、交換書簡の中にも一文も触れてないということからいたしまして、ソ連との間には、ソ連の考えの中には、これは基本協定といいますか、長期協定についての考え方が大きく食い違っていたのではないか。また、こちらの方が暫定協定ということで、次に時間をかけて長期協定という考えでありますが、ソ連の見解はその点については暫定ということではなくて、これを基本協定に準ずるといいますか、それをそのまま生かすといいますか、そういう形でのソ連の考え方というのはなかったのですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど私が御答弁申し上げたとおりでございまして、基本協定の交渉もモスクワにおきましてすでにその第一回の会合を持ったわけでございます。
○藤原房雄君 それならば、そういうことについてなぜ交換書簡の中で明記できなかったのかという——これはイシコフ漁業大臣は七七年の十二月三十一日までの権限しかないということのようでありますが、しかし、それならそれを加味したものがやっぱり明記されてしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは確認をされております。
○藤原房雄君 外務大臣にお尋ねいたしますが、現在重光大使とイシコフ漁業相との間で会談が持たれておるわけでありますが、これは大事な外交的な議題も含んでおりますのでございますが、現在どういうことについてお話しになって、会談の内容はどうなのかということについて、発表できることがございましたらお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) その折衝の経過につきましては、鈴木農林大臣からお答えいただいた方がよろしいかと思うのでございますが、現在最終段階に及んでおりまして、先ほど来、鈴木農林大臣から御答弁になったところでございますけれども、問題が大変煮詰まってまいってきている段階でございます。 一つは、御承知のように、日本の領海が三海里から十二海里に拡張された場合におきましても、その範囲内におきまして従来伝統的にソ連が漁獲してきた実績を認めて、十二海里以内においても漁業を認めるべきであるという主張が一方にあります。他方は、もう一つは、適用水域につきましてどのような表現をするかということが残っておるところでございます。
○藤原房雄君 官房長官に。
○委員長(小川半次君) 官房長官はソビエト出発の準備をしております。
○藤原房雄君 じゃ総理にお尋ねいたしますが、官房長官は準備のためにいらっしゃらないということでありますが、これはもういろんなことがあろうかと思いますけれども、基本的な態度として、これから政治折衝ということでいらっしゃるわけでありますけれども、官房長官にどういうことを託されたかということでありますが、 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 今度のこの交渉というのは容易なことでは打開し得ないむずかしい諸問題が絡んでおると私どもは思うわけであります。相当な決意を込めていろんなことを託されたのではないかと思うのでありますが、その間のことについて総理にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) いまの交渉は、一方においては東京で、他方においてはモスコーで、こういう両面の交渉でありますが、東京の交渉はいま全く行き詰まりの状態である、交渉を休んでおる、こういうような形です。それからモスコーの方もなかなか見通しといたしますとこれから進捗しにくい、こういう状態です。 そこで、この局面を打開する必要がある、こういうふうに考えまして、あれやこれやと考えた結果、ここで園田官房長官を私の代理として親書を携行してモスコーへ参って、そしてソビエトの首脳と会談をする。そしてその目的とするところ、園田特使の担当する任務は友好親善です。漁業というような問題でこれまでやって、これまで続いてきた親善関係というものにひびが入るというようなことになっては困るじゃありませんかと、日ソ友好、これを確保し、さらにこれを増進をしたい、こういう私の意図を率直に首脳に伝える、こういうことがこの特使の任務でありまして、園田特使が向こうへ行って政治上の問題にせい、あるいは漁業の問題にせい、その他経済上の問題にせい、交渉という形はとりません。親善関係を推進するためというか、そういう使命を狩って向こうへ参ると、その結果を踏まえまして、恐らくそうなると思うんでありまするけれども、鈴木農林大臣が再び出向きまして交渉に喪たる、こういうことになろうかと思うのであります。
○藤原房雄君 友好親善ということのようでありますが、それならば総理の書簡を持って行ってくれは、単なる使いということになるのか、そんなことではないだろうと思います。じゃ一体だれに会って何をするのかということと、友好親善ということを強くいま訴え、総理のお話の中にございましたが、総理が過日アメリカへ行かれましたけれども、確かにアメリカに行くことも大事でしょう、今日までのいろんな論議がございました。韓国とのことにつきましての非常にはっきりしない面もいろいろあるわけでありますが、アメリカの場合は、これからカーター政権の政権づくりという方針といいますか、こういうものをつくる前にぜひ会って、いろいろお話ししたいということをおっしゃっておられましたけれども、いまアメリカとソ述との間には人権問題を初めといたしまして、いろいろアメリカとソ連の間はぎすぎすしたような関係の中にあるわけでありまして、そういう中でアメリカだけにいらっしゃって、いま国民の最大の関心事でありますこの漁業交渉を目の前にして総理がアメリカに行くということ、しかも大事な予算委員会あったわけでありますが、これにはソ連に対してもやっぱり友好親善というからには相当なソ連に対する配慮が総理自身がおありになった上での行動だったろうと私は思うのですけれども、この間どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は対ソ関係につきまして、もう国会における施政方針演説でもはっきり言っておるわけであります。隣邦といたしまして友好親善の関係を保ち、かっこれを増進したい。日ソ両国の間にはもうすでに経済上の関係もありまするし、また人の往来もありまするし、また文化的な交流もありまするし、いろんな形の交流があるわけでありまするが、その中で漁業、これは遠洋漁業国家としてとにかく日本とソビエトとは、これは世界で最大の地位を占めるわけであります。そういう関係でこれはまた全世界という立場から見て、漁業問題もまた両国が協力しなけりゃならぬ問題である、いろいろ協力を要する諸問題があるんです。そういう問題を積み上げていって、そして懸案を解決したる上日ソ平和条約を結びたいと、こういうことを申し上げてきておるわけでございますが、まあしかしいま漁業問題というのが非常に意見が違うことになっちゃった。このゆえにこれだけ大きな接触をしてきておるし、またこれからも幅広い展望を持った日ソ関係というものが阻害されるということはまことに残念である。そういうふうに考えまして、私のそういう考え方を園田特使を通じまして先方に伝える、こういう考え方をいたしたわけであります。
○藤原房雄君 これは追い詰められてそういう形、行動をとらざるを得ないというふうにしか私どもは見えないわけですけれども、もっと積極的な友好親善という考えがあったら、もっと早くに何らかの形がとられなかったろうかと私どもは考えるわけであります。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 それはそれといたしまして、交換書簡の中にも明らかなように、暫定取り決めを行う三月十五日から三月三十一日までの期間は従来どおり安全操業が確保されるということについては同意が得られているわけであり、サケ、マス、ニシンについては別ですけれども、四月一日以降も暫定協定が続けられるわけでありますから、少なくともこの交渉期間中においても従前どおり安全操業が認められるように、まずソ連側に強く要求する必要があるんではないかと私は思うのですけれどもどうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほどの基本協定を結ぶことが明記されていないのではないかという、これ基本的な問題でございますから、私は、イシコフ大臣と私の間で交換をいたしました確認の書簡、この第一項に「ソ連側は、ソ連邦太平洋沿岸に接続し、かつ一九七六年十二月十日付のソ連邦最高会議幹部会令の適用を受ける海洋区域における、日本の漁業操業に関する協定を、日本国と締結する用意がある。」、こういうぐあいに明記いたしております。これは基本協定のことでございますから大事な点でございますので、ここにはっきりと申し上げて置くわけでございます。 それから、ただいまの御質問でございますが、暫定取り決めがなされるまでの間その安全操業をソ連側は保証しよう、こういうことで、その暫定取り決めを行う期間は三月三十一日までと、こういうことに両者の間で確認をいたしておったわけでございます。 それが先ほど外務大臣からも申し上げましたように、基本的な二つの問題で交渉がなかなか妥結に至らない。ついに三月三十一日を経過するに至ったと、こういうことでございますが、農林省といたしましては、三月三十一日に、幸いにして暫定取り決めができましても、これに対して新たに許可証の交付もしなければなりません。また、伝統的な漁業実績を大幅に認めてほしいという交渉をいたしておるわけでございますが、どうしても漁獲量の削減というものは避けて通れないということになりますと、そこに減船その他の残念な事態も起こってくるわけでございます。そういうようなことから水産庁長官に命じまして、三月三十一日の二十四時までに、わが国のあの海域で操業しております漁船は全部域外に退去し帰港するようにと、こういう指示をいたしておるわけでありまして、現在北海道の釧路を初めとしましてそれぞれの港に帰ってきておる、こういう状況でございます。 私はこの暫定取り決めが一日も早く妥結をいたしまして、そして許可証の交付、また新しい体制で操業できるような条件を早くつくりまして、操業が再開されることのために全力を尽くしておる段階でございます。
○藤原房雄君 いま大臣からもお話がございましたが、見通しも早急にというわけにもいきませんし、また見通しといいますか、暫定協定の非常にむずかしい問題があろうかと思います。あす、あさってというわけにはいきませんでしょう。また許可証を発行するということになりますと、やっぱり時間がかかる。いま大臣もおっしゃったとおりだと思います。そういうことからいたしまして、漁場から水産庁の指示によって帰ってくるというだけでも大変な経費がかかるわけでありますから、まあこの漁船はおよそ七千そうとか十一万人とかいろいろ言われておりますけれども、こういう多くの方々がいま釧路でひしめき合っておるということです。この方々が陸上に上がって一週間いても十日いてもこれは大変なことです。こういうことで、しかも北洋の場合には中小零細な方方が多いということを考えますと、これらのことに対して適切な指導ということやまた補償ということを十分に考えませんと、一時的な融資とかそういうことでは済まされない、やはり水産庁の指示でこういう行動をとったわけでありますから、当然この補償の問題はしっかり考えなきゃならぬだろうし、また、指導についても徹底しなきゃいかぬ。いずれにしましても、こういう問題についての損害の実態というものを把握するために、やつばり国で対策本部、こういうものを設けて対処するというしっかりした筋道を立てませんと、これだけの多くの方々が数カ所にたくさん集まるということになりますと、これは私は思いたくないんでありますけれども、漁民の方々、いま交渉に不利になってはならぬという抑えておる心がいつ爆発するかしらぬ、こういうことで適切な、農林大臣また総理大臣初め内閣の指示がなけりゃいかぬと、こう思うわけですが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) こういう暫定取り決めに関連をいたしまして、一たん漁場から帰港するということは、業界に十分理解と協力を得まして、円満にそれが整斉の中に行われておるわけでございます。また、釧路港その他に集中しております漁船も、これをそれぞれの母港に帰港せしむる、移動せしむるということもしなければならぬわけでございます。そこで、水産庁の課長級の係官を北海道に現在派遣をいたしまして、道庁と一体になりまして、ただいま藤原さん御指摘のように、これらが円満にまいりまするように指導を十分やっておるところでございます。 それから、補償の問題につきましてお触れになりましたが、ニシン等のようなぐあいに、漁期がございまして、もうその漁期を逸しては魚群が移動して今年度はとれなくなる、こういうものにつきましてはできるだけ早い機会に再開ということ、また、漁獲量の割り当てを確保するという努力をいたしますが、漁期を逸した場合におきましては、これは直ちに補償の措置等をしなければならない、現在は金融の措置でこれらの諸君に手当てをいたしておる、こういう段階でございます。その他の、一年間を通じまして漁業を営みます諸君、漁業につきましては、割り当て量が決定をいたしますれば、年間を通じて私はその割り当て量は全量操業ができるもの、確保できるものと、このように考えております。漁業経営の場合におきまして、年間を通じての操業によって目標の漁獲量が達成できるようにというぐあいにいたしたいと考えております。ただ、その間における休漁期間中の融資の問題その他の点につきましては、ただいま調査をしながらできるだけの手当てをいたしたいと、このように考えておるところでございます。
○藤原房雄君 それから、一つ確認といいますかお伺いしますが、二百海里の問題に伴いまして、これはまあ中国や韓国の問題が出てくるわけでありますが、これは事前に十分に下交渉というか了解が求められていて今回の措置になったのかどうか、この間のことについてはどうでしょう、外務大臣。
○国務大臣(鳩山威一郎君) わが国が二百海里の漁業水域を設定をいたしたい、このような方針を決めましたので、早速中国、韓国並びにオーストラリアにその旨を連絡をいたしたところでございます。まだ正式の回答というわけではございませんけれども、従来から中国、韓国とは漁業協定がありまして円滑に漁業が行われておりますので、そのわが国の二百海里の施行というものが中国、韓国とに対してどのような形になるかということ、これがまだ決められておりませんので、先方としてばそれらのことも、はっきり日本側の案というものがいかに決まるかということを注目をしておる、こういうところでございます。
○藤原房雄君 次は、最近の経済情勢のことでございますが、景気が一向に上昇いたしませんで足踏み状態になっておる。 通産大臣にお伺いしますが、二月の企業倒産というのは史上最高といいますか、の倒産があった。この深刻な不況に対しまして政府がとっております不況対策、その実効が、まあすぐというわけにはいかないでしょうけれども、今後のこの経済の見通しについてどうお考えになっていらっしゃるか、これは経済企画庁長官と、それから中小企業については通産大臣。
○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。 ただいまお話しのように、現在の景気は基調としては回復基調にございますけれども、非常に緩やかな状況になっております。鉱工業生産につきましては二月の指数がマイナスの〇・七ということで出ておるわけでございます。ただ、予測指数では三月が二・〇、それから四月が二・五上昇するという指数が出ております。また輸出の信用状につきましても、二月は五・〇ということで先行きを示すプラスの資料が出ておりますし、また個人消費につきましては、一月について都市世帯では実質三・四の上昇、それから農家世帯で一・九の上昇ということで、やや上昇の過程を見てまいっておりますし、また住宅の建設につきましては、昨年の十−十二月は八、九月の落ち込みでちょっと悪かったわけでありますけれども、だんだん十月受け付けました公庫の着工分が本格化いたしておるということで、昨年の十−十二月の国民総生産の伸びは〇・〇でございましたが、一−三月はこれよりもかなり高い上昇を示すことと思うわけでありまして、政府見通しの五・七%の実質成長はできるのではなかろうかと思います。しかし、お話しのようにいま一息勢いが足らないということで、去る三月の十一日に四項目の景気刺激策を考えまして、五十二年度予算の成立直後これを前倒しに契約を上期に七〇%やる、あるいは住宅を九万戸四月中に募集する、あるいは公定歩合の〇・五%下げ、あるいは民間の設備投資を電力を中心として促進する、こういう対策で何とかこの景気を軌道に乗せるということを考えておる次第でございます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま景気の浮揚策につきましては経済企画庁の方からお答えいたしましたが、中小企業に対しましてはさらに景気全体のひずみが最もかかっておる、こう申しても過言ではないと存じます。これらにつきまして、特に本年度の予算上の問題といたしまして、一般会計の中におきますあるいは中小企業振興事業団の高度化融資の問題でありますとか、あるいは小規模事業に対しまする対策でありますとか、また信用補完制度の拡充強化、こういう問題の中で特に下請企業に対しまする対策、あるいは組織化工作その他官公需等の優先処理と、こういうふうなことで、特に財政面におきましても、昨年度に比べまして一六・四%の増の千七百二十八億六千九百万円という一般会計の支出をいたすと同時に、財投の関係におきましても同じように、中小企業に対しまする金融につきまして、あるいは商工中金、国民金融公庫、中小企業金融公庫等の政府系三機関の貸付規模の枠を思い切って増加いたしまして、対前年一八・三%増の三兆六千七十八億円。さらにまた、このための財投の原資といたしまして一兆八千四吾七十六億円と大幅な枠の拡充をいたしております。そのほか新規の項目といたしましては、小企業経営改善資金といたしまして、特に小企業の対象を拡大いたしますると同時に、四千七百億円という大幅な枠を設定いたしておりまするし、あるいはまた、小規模企業の共済制度を拡充いたしまして、掛金限度の引き上げとか、あるいは給付事由の改善等々を図っております。 なおまた、信用補完の制度でございますが、中小企業が大部分はやっぱり民間金融に依存いたしておるということにかんがみましても、その信用保証協会等の信用補完制度を拡充強化する。かようないろいろな措置をきめ細かくいたしておりますと同時に、先般も、通産局を通じまして県その他地方の公共団体等と緊密な連絡をとり、倒産対策等々を全力を挙げてただいま行っておる次第でございます。
○藤原房雄君 るる御説明いただきましたが、いろいろ疑念はありますが、時間もございませんので次に進みますが、この中小企業問題に関連いたしまして具体的なことをちょっとお尋ねしたいと思うんであります。 まず、建設省にお尋ねいたしますが、近年建設コンサルタントという業種が増加しております。まず、その業務内容、二つ目には全国の社数の推移、三つ目には建設省及び関係機関の発注実績、この三点についてお願いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 数字の問題があるものですから……。 私は、けさほどもコンサルタントの話でいろいろ話してまいりましたけれども、大体建設コンサルタントの登録規程では、昭和三十九年の四月の七日にできまして、告示が千百三十一号、これに基づきまして実施をしている建設コンサルタントの登録状況によると、昭和五十二年の一月末現在登録業者の数は大体千五百三十二業者になるであろうと、こういうふうに考えております。それから、前年一月末の千三百二十九業者に対しましては一五%増。それから四十年二月の末の二百二十六業者に対して約六・八倍ということでございます。あとは数字の面でございますので、政府委員から御答弁申し上げます。
○政府委員(大富宏君) 若干事務的に補足いたします。 コンサルタントの登録業者数の推移といたしましては、四十八年八百六十業者、四十九年で九百九十九業者、五十年で千百六十七業者、五十一年一月末で千三百二十九業者、五十二年一月末で千五百三十二業者でございます。 それから、建設コンサルタント登録規程の意義でございますけれども、最近非常に建設コンサルタント業務が多くなってまいりましたので、登録規程におきまして一定の技術的水準等を定めまして、この要件を満たすものを登録をしておきまして、そして発注者が建設コンサルタントを選定する場合の目安としようとするのがその趣旨でございます。 以上でございます。
○藤原房雄君 さっき言った発注実績。
○政府委員(大富宏君) お答えいたします。 発注実績といたしましては、建設省及び関係公団、都道府県、指定都市等を集めまして、四十九年における発注実績は八十四億一千万円でございます。
○藤原房雄君 いま御答弁ありましたように、最近急速に伸びた業種であり、それで年間およそ八百四十一億という、こういう発注実績があるという、非常に大きな業界になりつつあるという、大きな業界であると思います。年間八百四十億の官公需を受けている。これは当然、先ほどちょっとお話があったんですが、建設業法とか測量法、こういうものの指導監督というのはどうなっていますか、建設大臣。
○政府委員(大富宏君) お答えいたします。 建設業者につきましては、建設業法に基づきまして建設省が所管いたしております。測量業につきましても測量業法に……
○藤原房雄君 建設コンサルタントの話をしているんだよ。
○政府委員(大富宏君) 建設コンサルタントにつきましては、先ほど申し上げました建設コンサルタント登録規程に基づきまして、登録している業者につきまして建設省が行政指導をいたしております。
○藤原房雄君 要するに、建設業法とか測量法とか、こういうものに該当しない、指導監督を受けない、登録すればだれでもできるといいますか、こういうことになるわけですね。 それで、なぜこのコンサルタントのことを私云云するかといいますと、一つは、一00%近い公共事業、こういうもので成り立っておるということでいろいろ問題が起きておる。建設省も計画局長名で関係機関に、三月二十三日ですか、建設コンサルタントについて通達を出しましたですね。その内容とか理由をちょっと御説明いただきます。
○政府委員(大富宏君) 現在の建設コンサルタント登録規程は、三十九年の四月七日の官報で告示したわけでございますが、現在のコンサルタント業の実態に照らしまして今回全面改正することにいたしまして、これを十月一日から施行することにいたしておりますけれども、その施行に関しまして局長速達を三月二十三日に出したわけでございますが、今回の全面改正の主な点といいますのは、コンサルタントの営業の適正を確保するためにその財産的基礎を明確にするということが一つ。もう一つは、コンサルタントの技術水準を確保するために技術管理者の要件を確保強化いたしたことでございます。もう一つは、このコンサルタントの登録の手続を簡略化いたしたことでございますが、これを通達するに当たりましては、コンサルタント団体に対して通達を出したわけでございますけれども、契約条項に違反することはもとより、依頼者の利益を害するような不誠実な行為は厳に慎み、建設コンサルタントに対する信頼の高揚に努めるようにという通達でございます。
○藤原房雄君 自粛を促すということで、厳しい規制ができ次第、そういうことで今度は指導監督のできるようにしたいということのようですが、まず建設省にお伺いしますが、東京、大阪、北海道でコンサルタント業界は何社あるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(大富宏君) 建設コンサルタント登録業者の都道府県別の分布状況といいますのは、大体大都市に多いわけでございますが、一番多いのは東京の五百六十四業者、大阪が二百六業者、北海道が八十九業者、その次が福岡、愛知、京都という順序でございます。
○藤原房雄君 北海道にございます北海道開発コンサルタントという会社は知っていますか。
○政府委員(大富宏君) お答えいたします。 北海道開発コンサルタント株式会社は、五十二年の二月に建設省に登録したコンサルタント会社でございます。
○藤原房雄君 北海道開発庁、建設コンサルタント業務で年間どのくらい発注しているか、これは件数とそれから金額、そのうち北海道開発コンサルタント株式会社にどのぐらい発注したかという、これをひとつお述べいただきたいと思います、件数と金額ね。
○政府委員(黒田晃君) お答えいたします。 まず、四十九年度につきましては、これは局から出しておりますのが設計、測量、いわゆる広範のものを含めまして六十二億百万ということでございます。それから五十年度は六十八億六千六百万。 そのうち、北海道開発コンサルタントに出しておりますのが、四十九年度は十八億八千二百万、五十年度が二十一億七千百万という数字になっております。 件数につきましては、北海道開発コンサルタントが受けております中でいわゆる設計業務、本来のコンサルタント業務でございますが、設計業務につきましては百九十八件でございまして、全部で、設計業務だけで申し上げますと、局から出しておりますのが、四十九年度で二百三十二件、そのうち百九十八件が出ております。それから五十年につきましては、トータルで三百五件でございますが、そのうち百七十七件が北海道開発コンサルタントに出ております。
○藤原房雄君 まあ金額にしておよそ四十九年は一三・六%、また五十年は三0%、三割以上は発注しておるということ、件数においてはおよそ半分近くということですね。 このように、金額で見ましても三割以上独占しているというそういう発注、ここで発注契約についてちょっと疑問を感じますのでお伺いするわけですが、この年間二十億円相当の発注、これは随意契約か指名競争入札によるものか、これをちょっとお伺いしたいと思うのですが。
○政府委員(黒田晃君) これは事業の内容によりまして、いわゆる競争入札をやっておるもの、それからいわゆる見積もり合わせの随契をやっておるもの、それからいわゆる匿命随契と称されるものがございまして、それぞれ事業の内容によって契約をしておるわけでございます。
○藤原房雄君 全部のこまい数字まで言うと大変のようですから、一億円以上の工事に関しての設計業務について、四十八、四十九、五十年と、随意契約、それから競争入札、その別に分けまして件数ごとでちょっとおっしゃってください。
○政府委員(黒田晃君) 設計業務の件数につきまして先ほど申し上げましたうち、北海道開発コンサルタントにいわゆる単独随契、これが百九十八件でございます。それから競争によって開発コンサルタントがとったのが一件でございます。全体で、先ほど申しましたように、局から出しております単独随契によりますものが二百三十二件、それから競争によるものが三十一件ということでございます。
○藤原房雄君 随意契約と競争を分けて、年度ごとに。
○政府委員(黒田晃君) いまのは四十九年でございます。
○藤原房雄君 四十八年、四十九年、五十年と言ってくれと言ったじゃないの。
○委員長(小川半次君) 藤原君、起立して……。
○政府委員(黒田晃君) 五十年でございますけれども、五十年が全体で単独随契が百八十七件でございます。それから競争が百十八件。そのうち、北海道開発コンサルタントといたしましての受注は、単独随契が百五十四件、競争が二十三件ということでございます。
○藤原房雄君 いまのデータは、全部のあれでしょう。私は一億円以上の工事に関する設計業務と言ったんですよ。——まあいいです。これは、四十八年は随契が三十九件、それで競争が一件、それから四十九年が十六件随契、それから競争が一、五十年は随契が十八件で競争がなし、こういうことで、非常に随契が多いということが明確になっているんです。 この随意契約というのは一体どういう契約の方法なんだか、これをちょっと御説明いただきたいと思うのですが。
○政府委員(吉瀬維哉君) 藤原委員すでに御承知のとおり、会計法が原則としているのば競争契約でございます。ただ、随意契約によることができる場合というのが会計法の二十九条の三に定めておりまして、契約の性質または目的が競争を許さない場合——非常に特殊な場合の物品だとか工事、特殊なノーハウを持っておるようなものとかそういうようなものかと思いますが、それから緊急の必要により競争に付することができない場合——災害の場合とかいろいろな緊急の場合があると思いますが、その他競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより随意契約によることができると。それと同時に、二十九条の三の第五項には、契約による予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、その四項の原則にかかわらず、随意契約に政令で定めるところによりよることができると、こういうことでいろいろな予決令で場合が列挙してございます。予決令に例挙している場合の代表的なものとしては、契約価格が少額である、工事で二百五十万円以下とか、物品で百六十万以下とか、あるいは開拓地の保護のために物品を買い入れる場合などを列挙してございます。そういう原則でございます。原則はいわゆる競争契約でございます。
○藤原房雄君 開発庁にさらにこれは具体的にお尋ねしますけれども、開発庁で発注するコンサルタント業務の中の設計業務、これは全体でどのぐらいなのか。 二番目には、北海道コンサルタントに対してはどのぐらい出しておるのか。その割合をちょっと示してください。
○政府委員(黒田晃君) 四十九年度につきましては、設計業務といたしまして十億九千四百万でございます、局から発注しておりますのが。そのうち、開発コンサルタントが持っておりますのが八億八千九百万。それから五十年度におきましては、設計が十二億二千百万でございまして、そのうち開発コンサルタントが八億八千百万の受注をしております。
○藤原房雄君 パーセントばどのくらいになりますか、わかりませんか。
○政府委員(黒田晃君) パーセントは、局の発注に対しまして四十九年度が八一・三%、五十年度が七二・二%ということになります。
○藤原房雄君 北海道コンサルタント社の分について、業務の内容別に、道路、−橋梁、トンネル、その他、おのおのについて随意契約と競争入札、これの件数と金額をちょっとお述べいただきたいと思います。
○政府委員(黒田晃君) 四十九年度から申し上げます。四十九年度の道路の設計が全部で三十四件ございまして、そのうち、単独随契が三十三件、競争が一件でございます。それから橋梁が全部で六十八件ございまして、そのうち、六十二件が単独随契、トンネルが七件ございまして全部単独随契、その他、もろもろがございますが全部で百五十四件ございます。そのうち単独随契が百三十件、合計いたしまして単独随契が二百三十二件、競争が三十一件という数字になっております。それから五十年度でございますが、同じく道路で単独随契が二十九件、競争が五件、橋梁が単独が四十九件、競争が二十一件、トンネルが、単独十一件、競争が二件、その他で単独が九十八件、競争が九十件、合計いたしまして単独が百八十七件、競争が百十八件という数字になっております。
○藤原房雄君 北海道コンサルタントの分ですよ。
○政府委員(黒田晃君) これは全体の数字でございます。
○藤原房雄君 きちっと言ってくださいよ、前に言ってあるんだから。
○政府委員(黒田晃君) そのうち、北海道コンサルタントが受注しておる分でございますが、四十九年度、道路が単独随契三十件、橋梁が単独随契六十一件、トンネルが七件、その他で百件、合計単独随契百九十八件、競争一件と、競争はその他でございます。
○藤原房雄君 金額はわかりますか。
○政府委員(黒田晃君) 金額は、道路が一億一千五百万単独随契、橋梁が三億四千三百万、トンネルが五千三百万、その他で三億七千七百万、そのほかに競争で百万という数字でございます。それから五十年度におきましては、道路で単独が二十三件一億二千万、競争が一件百万、橋梁で単独随契が四十七件で二億七千七百万、競争が三件で三百万、それからトンネルが十一件で三千五百万、競争が一件で七百万、その他で単独七十三件で三億五千八百万、競争が十八件で七千五百万、合計いたしまして、単独が百五十四件で七億九千万、競争が二十三件で九千百万という数字でございます。
○藤原房雄君 いまずっとデータをお読みになりましたけれども、これを見ましても、非常に随契が多いんですね。しかも、工事設計の発注については、およそ八割以上北海道コンサルタントが独占受注しておる、こういうデータがいま示されたわけであります。 それで、大蔵省にお伺いするわけです。まあさっきちょっと概念的なお話がございましたが、一般論として、国が発注する公共事業について、会計法令上の規定によって一般競争契約の特例として随意契約制度があると、こういうことだろうと私どもは認識するわけですけれども、この基本的な考え方ですね、これをちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉瀬維哉君) 基本的な考え方といたしましては、やはり国の会計が公正に執行されるという意味からいきますれば、競争契約が最も好ましいと考えております。ただ、具体的に判断しなきゃいけませんが、特に工事の場合などは、従来の、たとえば道路工事なんか延長になる場合に……
○藤原房雄君 一般論としてね。
○政府委員(吉瀬維哉君) 一般論としては、契約がよろしいと思います。
○藤原房雄君 もう少し説明をまともに……。
○政府委員(吉瀬維哉君) 会計法令上の原則は、競争契約が原則でございます。そして、先ほど申し上げましたような三種類の要件、これを備えた場合には随契により縛るということでございます。
○藤原房雄君 要するに、随意契約というのは特例であるという、こういうことですね。 それで、開発庁長官にお伺いするわけでありますが、北海道開発コンサルタントという会社に対する契約はほとんど随契になっている。四十九年度は全部随契、一万円以上の工事につきましては。年間二十億円の契約がこうなんですね。しかも、そのほかに六十社も北海道では業者があるんです。ほかの業者にはわずかしか発注しないで、八割以上にも及ぶ発注が、特定の一社に随契で独占的に受注されておる、こういう結果になるわけですが、この理由と根拠、こうなるということについての理由と根拠について、ただこうです、ああですと言うのではなくて、やっぱり予算委員会の席上でもございます、また立法府のあれでもございますから、当該法令の条文でかくかくしかじかだということを、ひとつはっきり御説明いただきたいと思うのです。
○国務大臣(小川平二君) このコンサルタント会社が発足いたしましたのが昭和三十五年、高度経済成長の始まる時期であって、この開発事業費が飛躍的にふえた時期である。したがって、これに伴いまする企画、設計、調査等の業務量もまた飛躍的にふえてきておった。そこで、それらの仕事を外部に発注せざるを得なかったような事情であった。しかるに、当時相当の技術能力を持つ業者がほとんど皆無という状況であったので、この会社に仕事が集中をしたんだと、こういう説明を聞いておりますが、恐らくそういうことであったのじゃなかろうかと存じております。しかるに、その後、相当力のある業者が育ってきておりまするので、発注先等を見直すべき時期に来ておった。たまたま先生から御注意をいただいた——あるいはおしかりをいただいたと申す方が適当かもしれませんが——ので、ただいまの点について検討を加えて、もとより公正な方法で、できるだけ多くの業者に均等の機会を与えようという方向で五十年度から実行しておる、こういうことでございます。 そこで、先ほど申し上げました設計業務の発注のうちにおいて占めておるこのコンサルタント会社のシェアが四十九年は八一・三%、五十年は七二・二になっておりまするが、五十一年度におきましては、これは一月までの実績でございますが、六三・三という数字があらわれておるわけで、逐年低下をしているというのが実情でございます。 随意契約の点につきましては、たとえば橋梁でございますとか、非常に高度の技術的な判断能力を要するものについては、今日まで随意契約を行ってきておるという説明を聞いておるわけでございますが、先ほど主計局長から説明がありましたような、会計法の規定に違反をしておるというようなものがもしありますれば、取り調べまして十分今後を戒めてまいりたいと思っております。
○藤原房雄君 歴史的な経過も僕はよく知っています、地元ですから。それから五十年からと言うけれども、私は五十年に一回忠告したんですが、まあこれは急角度にはいかないかもしれませんけれども、しかし、法に触れるようなことについてはこれは厳格でなければならぬと思いますし、その推移を見ますと決して努力しているとは私どもは見られない。しかも、この五十年から、まあ最近こういうふうになってきたと言うからには、何らかの指導とかなんかしたんですか。大臣、そういうふうに聞いておるというが、どういうふうに聞いたかというだけのことで、何らかの形で改善するために通達を出すとかなんかきちっとした指導というものがあってそういう方向に行っているのか、何となしにやらなきゃならぬぞということでやっているのか、どうなんですか、この辺。
○国務大臣(小川平二君) 会社の発足以来の経緯は、私が就任しておる前でございますので、その点は聞いておると申し上げたわけですが、御指摘を受けた時点で、それを契機として開発局に注意をいたしまして、従来のあり方を十分再検討せよと、こういう指導をいたしたわけでございます。
○藤原房雄君 大臣が指導したんですか。
○国務大臣(小川平二君) それは先生から御指摘をいただいたのが昨年の……
○藤原房雄君 一昨年です。
○国務大臣(小川平二君) 一昨年でございますか。そのときは私は長官をやっておりませんから、当時の開発庁長官がそのように指導をした結果、発注量のうちに占めるシェアが逐年低下をして今日に至っておると、こういうことでございます。
○藤原房雄君 これも特殊な設計とかいろんなものがありますから、全部なんて私は決してそんな無茶なことを言っているわけじゃないんですが、しかし、最近地元の業者も数も多い、さっきお話がありました。そういうたくさんの業者がいらっしゃって、それらの方々もそれぞれ力がついた。そういう段階で、依然として微々たる、まあ改善したなんて言ったって、本当に虫めがねで見なきゃならぬぐらいにしかなっておらぬ。また、技術的にどうだなんて言いましても、このコンサルタントのやった仕事で事故の起きている例も私どもはよく知っています。そういうことで、これはとにかく会計法または政令上非常に問題です、こういうことは。ですから、もう厳格にやってもらわなきゃいかぬ。私は本当にこう思うのです。 大蔵省にお聞きいたしますけれども、随意契約の実態ですね。随意契約の相手として特定の一社のみを選定している。これはもう随意契約の制度の趣旨に照らして、当然、これはどんないきさつがあろうが、もう十七年たっているわけですから、これはもう厳格にしなきゃならぬと思いますけれども、どうですか、大蔵省。
○政府委員(吉瀬維哉君) やはり先ほど申し上げましたような随意契約の要件に合致しているかどうかという判断にまずかかるわけですが、十七年という長さ、これは具体的に私ども中身を調べてみなきやわかりませんけれども、もし理由なくやっているとすれば問題ですが、どういう理由かよく検討しなきゃいかぬと思っています。
○藤原房雄君 さっき申し上げたように、金額でも、八割を超す、その前後を推移しておるということからいって、検討しなきゃならないと思いますなんて、思うなんていうことじゃ済まないでしょう。
○政府委員(吉瀬維哉君) よくきょうの質問の御趣旨を体しまして、開発庁とかそれから関係各省とも実態を究明してみたいと思います。
○藤原房雄君 主計局長、お話がありましたように、これは法律の上からいきましても厳しい措置がとられておりますし、また予決令からいいましても、これは、先ほどお話がございましたが、少額の場合とか災害等、こういう場合にのみ許されるものであって、特殊だなんというようなことで、そして、十七年の経過をたどりながら、依然として旧態依然とした姿が続いておるということは、これは国の予算執行の指導の任に当たる大蔵省は、少しこれは厳格にやらなきゃいかぬのじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(坊秀男君) 先ほど来の御意見なり答弁をお聞きいたしておりますと、これは私もはなはだうかつにしていま初めて承ったことでございますけれども、原則よりも原則でない方が、多くのケースがそれで行われておるということにつきましては、そういったようなことが長く続いてきたということについては、きわめてレアケースだと思いますが、ある種のそこに合理性のあるものもあるかもしれませんけれども、私もこれにつきましては慎重に検討して勉強をいたしていきます。
○藤原房雄君 少なくとも国の予算執行の責任ある立場なんですから、これから勉強してなんていうことじゃなくて、いま責任ある開発庁の監理官がずっと述べたのですから、それは事実とすれば、もうこれは責任者としてしっかりこの内容について解明をし、しかるべき措置をとる、これは当然でしょう、どうですか。
○国務大臣(坊秀男君) 大事な問題でございますから、御意見なりそれに沿うように、私もちょっと勉強さしてもらいませんと、それを勉強した上で……。
○藤原房雄君 いや、数字やなんか全部言ったから、こういうことでこれはひど過ぎるという実態も明らかになったんだから。
○国務大臣(坊秀男君) できるだけ検討いたしてまいります。
○藤原房雄君 要するに、随契によって、ある特定の一社がこれを独占的に仕事を受けるという、こういう形になるわけで、そのために六十数社の方々が仕事をもらえない。公共事業が景気浮揚のために大事だということを総理が一生懸命力説するんですけれども、一面こういうことが、たとえば北海道であろうが、このコンサルタントというのは全国的にも相当指折りの大きな会社になっているわけであります。ところが、依然としてこういう形であるということは、これはもう本当に大蔵大臣の責任ですよ。しかも、このことのために、仕事をもらえない多くの方々が泣いておる実態、これは陳情も一回あったわけですけれども、開発庁は知っていますね。
○政府委員(黒田晃君) 陳情があったということは私も聞いております。まあ当時開発庁にいなかったものですから、聞いてはおります。
○藤原房雄君 大蔵省も、この法令からしまして、こういう事実がはっきりしているということになるとこれはもう重大な問題だということをはっきり申しておりましたが、会計検査院にちょっとお尋ね申し上げますけれども、北海道開発局の北海道開発コンサルタントヘの随意契約というものは、会計法令上の面からも、また、特定の相手方に過度に、工事の種類によっては独占的に契約をしておる面があるという、こういうことで不利な価格で契約している、そういうおそれがある。この際、北海道開発局の本件の随意契約の実態について検査を実施さるべきだと私は思うのですけれども、これは、会計検査院、どうですか。
○説明員(小沼敬八君) お答えいたします。 いまお話を伺っていましたことから申しますと、いろいろ北海道開発コンサルタントにつきましては歴史的な経緯があるようでございます。それから開発局御当局のお話も、なかなか高度な技術のそれぞれの内容でございますので、それなりの理由があったかと思います。検査院といたしましては、常時書面等を通してただいまお話しのような実態については検討はしておるのでございますが、個々の問題につきまして、やはり契約の内容を個々に見直して検討してみるということと同時に、事設計の問題でございますから、設計についての成果品というものがございますし、また、その成果品に基づいて実際の大規模な工事が進められるわけでございますから、成果品そのものの内容の審査、また、成果品が実際に工事に結びついて当初の目的どおり成果品の効果が上がっているかどうか、その辺もやはり比較考量しまして検討する必要があるかと思います。先ほどの会計法の問題も出ましたが、ただいまの件は会計法二十九条の三に該当する問題でございまして、ただ、お話しのように、そういうような事態が八十数%にも及ぶような現状であるということが長く続いているような場合には、やはり内容について見直しをしてみる、原点に返ってひとつ吟味してみるということが必要ではないかと思います。御趣旨を体しまして私どもといたしましてもなるべく早くこの事態に対処するようにいたしまして、できるならば公正な経理の執行について万遺憾なきように対処いたしたいと考えております。
○藤原房雄君 大蔵大臣は勉強していると言うから、ひとつ会計検査の方で厳密に予算執行の問題についてやっていただきたいし、また、大臣もやれやれなんというような顔をしていないで、ひとつしっかりやってください。国民の大事な、とうといあれですから。 以上、見ますところ、法令違反の疑い、違法の疑いのある特定な一社に対する随意契約、それがほかの中小企業を圧迫し、官公需の独占受注をしておる、こういうことになるわけでありますが、なぜこういうことになるかということなんですが、私はこれは声を大きくして言いたくないのですけれども、先日も天下り白書というものが発表になりました。この北海道開発コンサルタントというのは、これは民間会社であるわけでありますけれども、開発庁からおびただしい数の天下りが行っておるわけです。天下りというか、職員が行っておる。OBといいますかね。何名いるか、開発庁、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(黒田晃君) 五十一年十二月現在、昨年の暮れでございますが、会社に職員が全部で五百五名おります。そのうち、いわゆる開発局にいたという人間が四十七名でございます。
○藤原房雄君 それから取締役といいますか、役員の状況をちょっと言ってください。
○政府委員(黒田晃君) 役員十二名のうち、八名がかつて開発局にいた人でございます。
○藤原房雄君 これは歴史的な経過はぼくもよく知っています。ですけど、もう十七年、技術も相当上達し、高度なものについても相当できるようになり、そして、先ほど一番冒頭にお話がありましたけれども、コンサルタント業務というのは最近は著しく伸びておるというこういう中ですから、こういう一つの特定の会社に数多くの一割に近い人たちがおるということは、これはもう本当に問題です。社長以下四十七名同じ局から特定の一社に天下っているという、こういうことですから、これは同社の従業員の一割以上を超える、こういうことですと、当然随意契約とかまたは独占、天下り、こういう完全な癒着というのが起きなければ不思議ですね。道内では、業界では第二開発庁といいますか開発局という、そういうことが言われているんですよ。これについて、開発庁長官、どう思いますか。
○国務大臣(小川平二君) 確かに、開発局からこの会社に入社をした者の数がずいぶん多いわけでございますが、役員について調べてみますると、たとえば石狩川総合調査事務所の工務班長であった者、あるいは開発局の秘書係長であった人、あるいは石狩川開発建設部の石狩川総合調査事務所調査係長であった人、あるいはまた札幌市の公園管理課の係長であった人と、こういう人が会社へ入りまして、長い間勤務した末に現在取締役になっておるということでございますから、必ずしも高級官僚がいわゆる天下りをしたという実態ではないと考えております。確かに、この会社に就職をした人数というのが多いわけでございますが、入社する方にとっては、手近なところにいままでの経験を生かす職場があったということでありましょうし、会社の方でも事務能力あるいは技術の面で適当な人材が得られたということでございましょうから、そのこと自体が一概に悪いとも申し上げかねるかと思いますが、そうなりますと、御指摘のように、とかく発注に際してへんぱなやり方が行われやすいわけでございますから、先ほど来の御発言の趣旨を体しまして今後ひとつ厳重な監督を加えてまいるつもりでございます。
○藤原房雄君 大臣ね、そんな人情論みたいなことを言ったってだめですよ。いままでもこういう問題についてはいろいろ論議がありますから、私は多くは語りませんけれども、そういう技術を生かすとかなんとか、ぼくらだってそんなことはわかりますよ。しかし、一つの特定の部局から民間の特定の一社にこんなにたくさんの方々が行くということは、当然そこに独占的な形、また契約も随意契約という形、そういうことでそういう問題が起きてくるのは当然です。最後の方はちょっとつけ足しみたいに肝心なことを言ったんだけれども、そっちの方が実は大事なんで、しかも、十七年の歴史を経過しておるということを踏まえて、新しい北海道の発展のために、地元の業者の七十数社もある会社、こういうことも考え合わせて、そこには相当なやっぱり技術者もおるわけでありますから、当然これは厳正に考えなければならぬ。これをしっかりいたしませんと、根っこを断ちませんと、こういう独占的な一定の会社に集中的に仕事が行くというこういう形は断ち切ることができないのではないでしょうか。そんな大臣のような甘い考えですとこれからもずっと続きますよ。 人事院総裁にお伺いするのですけれども、こういう国の特定の部局から、民間の特定の一社に、しかも取引の関係の非常に深いこういう関係にあるところへ大量の方々が行く。まあ高級官僚であるとかないとかということは別にして、課長とか係長の方が実際は実権があるのですから、そういう方々が行くということは、これは非常に問題だと思うのですけれども、人事院総裁、どういうふうにお考えですか、ちょっと御見解をお伺いします。
○政府委員(藤井貞夫君) お答えをいたします。 ただいま御議論になっております案件でございますが、われわれの方でも調べましたところ、開発庁の方からも御答弁がございましたような状況にあるようでございます。ただ、いろいろこれは会社が設立されましたときのいきさつその他もあったことは事実でございましたが、しかし、契約その他のことで国と大変密接な関係が出てきたと、比重も高くなったということがございましたので、人事院といたしましても、これは好ましくないという観点に立ちまして、四十年までで人事院関係で審査をいたしましたものが三件でございますが、そういうような事態がわかりましたので、やはりこれは自粛をしてもらうことが適当だということで、四十一年以後は注意を喚起いたしました。したがって、その後は、開発庁の方からも人事院審査を申請をいたしてまいっておる案件は一件もございません。ただ、大臣に委任をいたしておりまする比較的軽微なものにつきまして、その後も相当の案件があったようでございますが、人事院の立場といたしましては、いまお話もございましたように、やはり一般から見て疑惑を招く、あるいは不信を生ぜしめるというようなことは好ましくございませんので、その点については厳重に自戒を求めたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 まあ、毎年毎年の姿を見るとそんな数じゃないのかもしれませんが、結局、現在現時点で見ると一割近いような姿になるということは、これはその年その年のことだけでなくて、やっぱり総体的なことも考えてみませんと、仕事の上で深いつながりのある業種であるだけに、これは厳密にやっていただきませんと、こういう不況時にありまして、金融措置をしたとかその他いろいろ言っていますけれども、そんなお金を借りるよりも仕事だという現在、やっぱりこういう業界の中で大きな問題となり、陳情しても何してもさっぱり改善がなされないということに対する不満というのは本当に爆発寸前にあると言わざるを得ない。これは私がきょうやったのではない、もう前々から問題になっていてだれだって知っていることですからね。人事院、これはひとつ今後厳重に検討してもらいたいと思うのです。 これは北海道にあります一つの一例にしかすぎませんで、全国の国及び関係公団、こういうものとの随意契約による工事の設計とか発注、こういうものが一体とのぐらいあるか、件数と金額−これは建設省は大体おつかみになっていると思うのですけれども、それから随契のあり方等について、建設省としては調査をしたことがあるのかどうか、これをちょっとお伺いしたい。
○政府委員(大富宏君) 建設省及び建設省関係公団の五十年度発注の内訳について申し上げますと、建設省で五千五百件、約二百十一億円のうち、随契が約四一%、関係公団で約三千九百件、約二百二十六億円でございますが、随契は約四七%でございます。
○藤原房雄君 いまお述べのように、相当な金額に上っておるわけでありますから、これは一地方の一会社の問題なんというとらえ方じゃなくて、建設省としても、また関係省庁におきましても、これは法律違反の疑いがあるということですから、厳重にひとつこの問題については対処してもらいたい、こう思うのです。いいですか、建設大臣。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説は私どもはそのとおりにやるつもりでございますが、いろいろ登録を受けている業界もありますし、専門業界があるものですから、その会社でなければやれない事業があるわけでございます。そういうものが随契となっていて、一般の方は会計法にあるそのとおりに私たちの方は取り運んでおるつもりでございます。お説は十分承りまして今後さらに注意を加えてまいります。
○桑名義治君 関連。
○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。桑名義治君。
○桑名義治君 先ほどから藤原議員の種々の指摘があったわけでございますが、北海道開発コンサルタント社につきましては、開発庁の設計業務が四十九年度は八一・三%、五十年度は七二・二%、そしてまた、一億円以上の工事設計を見てみますと、先ほどからお話があっておりますように、昭和四十八年は三十九件、四十九年は十六件、五十年度は二十二件の発注のうちの十八件を独占しているという状況下にあるわけでございまして、しかも、これが十八件が全部随契によって落とされている。これは非常に問題であると思います。この問題につきましては、会計検査院の方も好ましくないと。あるいは大蔵省としても検討をすると。あるいは人事面におきましても四十七名の天下り人事である。これは異常な会社と言わざるを得ないと思います。おそらく、一般の会社の中でこのような人事構成がなされている会社は他にはないのではないかと思います。しかも、役員の中には、十二名中八名、もちろん会長、社長、それから取締役、こうやった方々でございますけれども、十二名中八名が天下り人事になっている。この問題については人事院としても好ましくないというお話でございます。いずれにしましても、こうやった状況を放資しておきますと、いま最も問題になっている地域別におきまして、現在の不況をどう打開していくか、中小企業をどういうふうにいわゆる救済をしていくか、あるいは官公需をどういうふうに伸ばしていくか、また、へんぱなく中小企業の方々に官公需の仕事を任せるか、こうやったあらゆる面から見ても、これは非常に不当な姿であろうと、こういうふうに思うわけでございます。各大臣からの御答弁を聞いておりましても、まだまだ満足すべき答弁ではないと思いますが、今回のこのコンサルタント社につきまして、総理として先ほどからのいろいろなやりとりをお聞きになって、どういうふうな感じを持たれ、そうしてどういうふうになさろうとされるのか、その点について伺っておきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほどから承っておりまして、こういう問題はあると思うのです。大事な設計でありますから、これはよほどの技術、能力を持った人にその設計を頼みませんと、これは後でまたいろいろ問題を起こすというような事情もありますので、大きな、また手の込んだ設計なんかは、よほど信用というか能力のある設計業者に頼まなけりゃならぬという事情ば、これはあることはひとつ藤原さんにおかれましても御了知おき願いたいと思うのですが、いま話を聞いておりますと、ちょっとこれは異常なような感じがしてなりませんが、よく調べてみます。なお、他にそういうものがあるかどうかというようなことにつきましても十分調査して、そうして過ちなきを期してまいりたいと、かように考えます。
○藤原房雄君 私が先ほど来るる申し上げておりますのは、やはり国の仕事にはいささかも疑義があってはならぬ。その点、まあ総理のいまのお話の中にもそういう言葉がにじみ出ておるわけでありますが、そういうことで私は指摘しておきます。 また、設計という業務は特殊な業務だということは、私も十分承知しておるわけであります。しかし、最近は非常に技術も向上しておるということで、特定の一社が七割も八割も占めなきゃならぬなんという条件ば一つもありません。あの陳情書の中にも、われわれもできる仕事はたくさんある、しかるに、ということで、陳情書には厳しくあるわけであります。 まあそういうことで、人事のことや契約のあり方とか、こういうことを考えますと、これはどうしても異常だと言わざるを得ません。随意契約というのは、これは特例という先ほど大蔵省のお託がございましたけれども、こういう特例というものを隠れみのにして、天下りとか官公需の独占受注という、こういうことでこの癒着があるということになりますと、これは本当に一いま景気対策で総理が一生懸命やらなきゃいかぬということで、また、先ほど中小企業対策についてもこうしますと。まあどんなにやったって、ざるから水が抜けるみたいに、それが十分な効果といいますか、起きない。そして、こういうことが政治不信のまた一つの大きなもとになる。こういうことで、私は、単にこういう事実があったということだけではなくて、公共事業の全体のあり方、そしてまた政治の姿勢の姿として、厳重にひとつ対処してもらいたいと、こういうふうに思うのですが、総理から最後に御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど桑名さんにお答え申し上げたとおり、この問題に限らず、これはまあ国の契約が疑惑を受けると、こういうような状態であることはまことに好ましくないことでありますから、よく調査いたしまして、厳重に対処いたします。
○委員長(小川半次君) 藤原房雄君の残余の質疑は明日これを行うことといたします。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十二分散会