P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
80回国会参議院1977/03/31

予算委員会 第9号

発言数
371
登壇者
32
会派数
6
開催日
1977/03/31

会議録

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十二年度一般会計暫定予算  昭和五十二年度特別会計暫定予算  昭和五十二年度政府関係機関暫定予算  以上三案を一括して議題といたします。  三案の取り扱いにつき理事会において協議の結果、審査期間は本日一日間とし、質疑時間は総計百十分、各会派の割り当ては、日本社会党五十五分、公明党及び日本共産党それぞれ二十分、民社党十分、第二院クラブ五分とすること、また、自由民主党への割り当て時間につきましては、審査の都合上先例としないこととして今回は行わないこと、さらに、質疑順位につきましては、お手元に配付いたしました質疑通告表の順位とすること、以上協議決定いたしました。  そのように取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  暫定予算三案審査のため、本日日本輸出入銀行総裁澄田智君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 次に、大蔵大臣坊秀男君から暫定予算三案の趣旨説明を聴取いたします。大蔵大臣坊秀男君。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) このたび、昭和五十二年四月一日から四月十六日までの期間について暫定予算を編成することといたしましたが、その概要について御説明いたします。  まず、一般会計について申し上げます。  暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、今回の暫定予算におきましても、暫定予算期間中における人件費、事務費等の経常的経費のほか、既定の施策に係る経費について、行政運営上必要最小限度のものを計上することといたしております。  なお、新規の施策に係る経費につきましては、原則として計上しないことといたしておりますが、教育及び社会政策上等の配慮から特に措置することが適当と認められるもの、たとえば、生活扶助基準等の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げ、国立大学の学生の増募等につきましては、所要の経費を計上することといたしております。  また、公共事業関係費につきましては、直轄災害復旧事業費のほか、直轄事業の維特修繕費等について、暫定予算期間中における所要額を計上することといたしております。  歳入につきましては、税収及び税外収入についての暫定予算期間中の収入見込み額並びに前年度剰余金を計上することといたしております。  以上の結果、今回の一般会計暫定予算の歳入総額は一千三百十九億円、歳出総額は一兆六千四百四十三億円となります。  なお、これは、一兆五千百二十四億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては、一兆五千五百億円を限度として、必要に応じ大蔵省証券を発行することができることといたしております。  次に、特別会計及び政府関係機関の暫定予算につきましては、いずれも以上申し述べました一般会計の例に準じ編成いたしております。  なお、財政投融資につきましても、一般会計に準じ、暫定予算期間中に必要になると見込まれる最小限度の額として、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫等に対し、合計六百三十三億円の資金運用部資金の運用を予定いたしております。  以上、昭和五十二年度暫定予算につきまして、その概要を御説明いたしました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきたいと存じます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) それでは、これより質疑に入ることにいたします。竹田四郎君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まず、総理にお伺いいたしますけれども、昨日わが党の成田委員長から総理に対しまして日中平和友好条約を早急に締結すべしというような要請をしたはずでありますけれども、私もこれについては早く締結をすべきだと思いますけれども、この要請を受けての総理の御決意を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 日中関係につきましては、共同声明、この遵守ということが双方から大事な問題だ、かように存じておりますが、その中で平和友好条約だけがまだ残っておるわけであります。これはなるべく速やかに双方が満足し得るという状態をつくり上げまして、双方から国民を挙げて祝福されるという形で締結をいたしたい、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それでは、暫定予算に関する質問に入りたいと思いますけれども、このところ毎年暫定予算というのは必ず組むようになっていると思うのですけれども、昭和五十年だけが暫定予算を組まなかったようでありますが、あとはほとんど毎年暫定予算を組まなくちゃならない、これは異例のことだと私は思うのですけれども、毎年暫定予算を組む、こういうことが定着化してきたことについて、私は総理として政治責任を感じていると思うのですが、御見解を承りたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 暫定予算は私はそれ自体もう非常に異例な措置である、こういうふうに思うので、でき得れば何とか暫定予算ということなしに、新しい予算は年度初日から施行されるということにぜひいたしたいものだ、こういうふうに考えておりまして、昨年のごときはそういう調子でいくのじゃないかと思ったところ、あのロッキード問題という問題が起きてくるというようなことで大幅な審議の立ちおくれ、こういうことになってしまった。ことしはというと、内閣の更迭が暮れに行われる、こういうようなことで予算案の編成が立ちおくれておる、そういうようなことでまた暫定予算を煩わさなければならぬ、こういうようなことになりました。私はまことにこれは異例なこととして考えなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありますが、異例な事態がなければなるべく早くこれ予算を編成し、なるべく早くこれを国会の審議をお願いするということにいたしまして、三月一ぱいには両院の審議が終わるというようにしなければならぬ、こういうふうに考えております。ロッキード事件のようなことがあれば格別ですが、そうでない限り、なるべく政治の日程等の考え方、そういうことにつきましては、暫定予算のないような予算ということを旨として運営していかなければならぬ、さように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまのお話を聞いていますと、まるで国会の方にその責任があるようなお話でありますけれども、いままで暫定予算が組まれなければならない事情というものを見てみますと、四次防の例の先取りの問題、これについて政府が抵抗してなかなか修正をしなかった。あるいは、狂乱物価の際に私ども証人を呼んで便乗値上げをやめろと言ったのについても、余り素直に受けなかった。ロッキードの問題も証人を呼ぶことについてはいろいろ自民党が抵抗した。こういうことが長引いてきたゆえんだと思うのです。今度の減税問題だって、これは総理が事前に十分に各党の党首と会談をしているわけです。世論の動向もあなたはつかまれているわけで、それであるならば、景気浮揚させなくちゃいかぬから早く成立をさせなくちゃならぬということをあなたもおっしゃったし、世論もそうだ。そうすれば、この減税問題についてもっと早くから政府の態度を変更していけば、私はこんな十六日間の暫定予算を組まなくてもいい、こういう事態になったと思うのですけれども、そういう点に対する総理の反省はございませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 暫定予算がないようにということにつきましては、できるだけ気をつけてまいりたい、こういうふうに考えます。過去のいろいろなそういう考え方を妨げる要因ですね、政府側にもこれはずいぶんあったわけでございますが、改むべき点は改めてまいりたい、かように存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは大蔵大臣に伺いたいと思うのですけれども、景気浮揚との関係は暫定予算でどうなりますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 暫定予算を組まなければならないことになったことによりまして景気浮揚が阻害されるのじゃないか、こういう御趣旨の御質問かと存じますが、いずれにいたしましても今度の暫定予算の暫定期間は十六日間ということでございまして、きわめて短期間の間でございまするから、私はさしたるその点についての影響はこうむらないと思います。できるだけ速やかに本予算を成立させていただきましたならば、いまから本予算執行についての諸般の準備を整えておりますので、私は、その点につきましては、もしありましてもきわめて僅少なことであろうと思いまして、ぜひとも本予算の成立を一日も早くやっていただくということで、私は、必ずこれは景気浮揚については暫定予算十六日の間のおくれというものは取り返しのつくものだ、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大蔵大臣ね、これは予算の理事会で本予算を十五日に通すか十六日に通すかということで実は大問題になっている。いま大蔵大臣がまあ軽微な影響はあるだろうけれども大したことはない、すぐ取り戻せる問題だ、こういうふうにおっしゃっているといたしますと、どうも自民党の方が早く通せ、早く通せ、総理がアメリカへ行っちゃって審議期間が狭くなった上、さらに早く通せと言う意味が余りよくわからないんですがね。余り大臣をここへ並べさせておきたくないということだけに尽きるような気がいたしまして、これは総理の言っている協調と連帯の精神と私は大変反すると思うのですがね。とにかく三十日間という最低限の日程というものがある意味では保障されているわけでありますから、そういう意味で私ども十六日いっぱい論議を重ねたいと思いますから、その点はひとつ総理もそのように御承知を願いたいと思いますが、この暫定予算が、去年は四十日間でありまして、一日当たりの金額というのは七百三十一億円、今度は十五日間で一日当たり千二十五億円、非常に大きくなっているわけですけれども、暫定予算というのは本当にもう必要最小限の経費だけしか組まないというのが私は暫定予算の性格だと思いますけれども、十六日間で幾ら物価が上がったといえ百二十五億円、四十日間で七百三十一億円、大分大きな差異があるんです。どうしてこのように去年に比べて大変ふえたわけですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 竹田委員御承知のとおり、暫定予算の中に地方交付税交付金が組んでございます。これがたしか九千何百億になると思いますが、これが十六日間に割り掛けられますので、この九千二百億ほどの金が四十日に割り掛けられるか——去年は八千億ぐらいが四十日でございますけれども、今度は九千二百億が十六日でございますので、そこが一番大きな差だと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 先ほどの大蔵大臣の説明によりますと、新規にかかる経費についても原則として教育、社会政策上の配慮から特に措置をされた、こういうふうな文言があるわけでありますけれども、今度の暫定予算のたとえば文教施設費の計上というものは実はゼロになっておるわけであります。公立学校、こういうものも補助する、これも早くつくらにゃいけない、こういうことになっておりますけれども、これがとにかくできていない。反対に、道路整備関係は、増加の割合以上を含めて暫定でも大きくなっているわけですけれども、どうもほかの方面を見ましても、地方行政、こういうものに対する配慮が足りないのじゃないかというふうに思われるわけであります。たとえば、そのほかでは、下水道環境衛生等の施設にっいても九百万円しか計上されていない。その全体の経費というのは大変大きいし、いま下水道環境整備というのは地方公共団体の中では大変力を入れてやっている事業の一つなんですけれども、全体として見ますと、どうも国でやる公共事業、これには必要以上に大きな経費を盛り込んでいる。ところが、地方自治体の方に回している金というものは非常に少ない、ほとんどゼロに近い。だから、国の方は暫定予算でどんどん組むけれども、おまえの方のことは知らぬよと。これでは、いまの地方財政というのは、私は、若干よくなってきているにいたしましても、十分いいとは思わないわけですけれども、そういう点で、どうも政府の考え方に一貫性がない、このように感じます。公共事業のうちでもたとえば住宅対策費、これは暫定予算の中に組んでいない。こういうふうに思いますと、公共事業だけやりゃいいと、あと、地方財政も、民間の一番心配している住宅建設も、そういうものもどうでもいいんだと、とにかく国のやる事業だけここでとっておけばいいんだと。こういうことで、幾ら暫定とはいえ、私は、地方財政あるいは国民の民生に対する配慮がきわめて足りない、こういうふうに思いますが、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御承知のとおり、暫定予算には本当に必要不可決のものを計上いたしておりまして、たとえば公共事業等につきましても、国の直轄といったようなもの、そういったものは組んでおりますが、新規のものだとかそういったようなものにつきましては組んでおりません。それから住宅ですね、住宅等というものは、これは契約の繰り上げをやっておりまして、それで実施にはそれほど、それほどじゃない、ほとんどおくれるというようなことはないというようなことでございますので、契約の繰り上げということでございまするから、さしあたってそれにそれじゃ金が要るかということは、そういうこともありませんから、そういうようなことについての細かい配慮につきましてはひとつ事務当局からお答えさせますから、どうぞひとつ。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あなたの言っていることと実際やっていることとは別なことだと思うのですね。必要不可欠なものというのは、学校建設なんて必要不可欠なものでしょう。環境整備の下水道のこれだって必要不可欠なもの。しかも、新規のものじゃありませんよ、これはね。住宅対策だって、公営住宅のいろいろな補助金というようなものは、これは新規のものじゃありません、いままでもやってきているものなんです。そういうところのものは組まないで、大きな道路をつくっていく、そういうところだけ挙げているというのは、どうも、私は、幾ら暫定であろうと、いま強調と連帯ということを方針としている福田内閣としての暫定予算の組み方としては適切でないと思うのですがね。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 実は、本年度の暫定で公共事業を組んでございまして、道路などは確かに入っておりますが、この内訳は直轄事業の維持修繕費等でございまして、この直轄事業の維持修繕費の中には御承知のとおり人件費が入っております。この人件費は十六日までの暫定でございますので、支弁せざるを得ませんので、特に計上しているわけでございます。なお、公園等につきましてもあれでございますが、特に社会福祉施設が文教施設でございますが、こういうものは、十六日間でございますと、具体的な契約の成立まで至らないというような点もございますし、各省庁と相談いたしまして、実際に十六日までの間にそういうものが契約に至るかどうかを判断いたしまして従来ルールで計上しておるわけでございまして、したがって、公共事業につきましては人件費と主としてお考えになっていただいて結構だと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その人件費の問題は、ただ単に国だけの問題じゃないと思うのですよ、地方でもやっぱり私は同じだと思います。そういう意味で、地方財政の配慮が非常に足りないということを私は申し上げざるを得ないのであります。  次に、財政収支試算の問題に入ってまいりたいと思います。この財政収支試算の性格というものは一体どういうふうに考えたらいいのかということを私は疑問に思うわけですけれども、これはまあ試算ということでありますけれども、単なる試算というのか、あるいは、これからの五十年代の前期経済計画を福田内閣は実行していかなくちゃならぬわけでありますけれども、そのための財政上の柱あるいは基準というふうに考えたらいいのですか、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 財政収支試算でございますが、これは五十年度の前期経済計画というものによって描かれておりまする五十五年における日本の財政経済の姿、そこに持っていく、たとえば赤字財政から脱却していこうといったようないろいろの五十五年度における日本の国の財政経済の姿が描かれておりますが、そこへこれから持っていこう、五十一年からそういう方向へもっていこうと、こういうようなことについて、この目標を足がかり手がかりといたしましてそこへいまの状況から線を引きましてそして到達しようという一つの試算でございまして、これからそこへまいります各年度年度における支出、収入の計画を描いたものではございません。それば一つの試算でございまして、そういうようなわけでございまするから、たとえば三十五兆五千億の租税収入というものを実現していくというに当たりましても、しからば五十三年度にどういうことに持っていこう、五十四年度にどういうふうに持っていこうといったような計画ではございませんで、一つの試算であるということを御理解願いたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも、試算というのと計画というのがよくわからぬですけれども、要するに、これはあれですか、単なるぺ−パープランにすぎないということですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 五十五年度に描かれておりますものは、単なるペーパープランといったようなものでなくして、これから日本の財政なり経済なりというものを立て直していく道程におきまして、五十五年度にはぜひともそういったような姿を実現していきたいと。これを一つの手がかりとしてその目的に持っていくというのがこの財政収資の試算でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、目標と考えていいわけですね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 一応の目標と考えていいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 目標と考えているということになれば、大体その線に沿ってやっていこうと、こういうことですね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 年々の財政計画ではございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 年々の財政計画ではないけれども、大体その辺を目標にしてやっていこうと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) それを手がかりといたしましてこれから計画を立てていこうと、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それを手がかりとしてつくっていこうというのは、どうもその辺は国民が聞いて、私がわからぬですから、恐らく国民全体もわかる人は私は少なかろうと思うのですがね。どうも、その辺をもう少しはっきりしてください。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 詳細なる計数がございますから、その計数につきましては政府委員からお答えいたさせます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 計数ではなくて、この試算表という試算というものと今後の財政運営というものの関係を私は聞きたいんですよ。手がかりとしてというようなことになりますと、ここへせっかく数字まで出したのが一体これは何だということになるわけでありますから、その辺をはっきりしてもらわないと、数字を幾ら聞いたってそんなものは意味ないんです。——それは主計局長じゃないよ。大蔵大臣の考え方だよ。だめだよ、大臣でなきゃ。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 財政計画を立てるに当たりましても、一応の手がかりというものがございませんと、なかなか計画というものは立つものではございませんから、そこで諸般の経済情勢から考えましてそういう手がかりになるものをつくったのがこの財政の収支試算でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、将来つくられる計画とあんまり外れたものじゃないと、こういうことですね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 何しろ年々の計画ではございませんから、あんまりというお言葉はまあちょっとどういうことに解釈すべきかでございますけれども、要するに、五十五年のその描かれておるものに持っていこうという一つの手がかりでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもこの点はよくわからぬですけれども、私ども、大体ここに描かれているカーブあるいは線、その線に近づけていく、その上下のところへ持っていくと、こういうふうにしか理解できないわけです。まあその他の情勢がうんと変わってくればもちろんこれは変えなくちゃならぬわけでありますけれども、いまの現状を前提としていく限りは大体この線だと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 一例を申しますと、五十五年度に三十五兆五千億という税及び税外収入というものを実現するというときに当たりまして、いまの税体系でもってしてはこれはちょっとむずかしいんです、実際申しますと。そこで、どうしたって年々の収入計画を五十五年度に目的を達成するように持っていこうと考えますと、何とかして租税における増収計画というものを年々立てていかなければならないということでございまするから、それがすなわちこの収入計画でございまして、いま試算に載っておりまするような数字は、これば現在の体系をもってしてどういうふうになっていくかということを試算したものでありまするから、さような意味におきましては、これはこのとおりなのかというふうにお聞きされましても、それはそういうことではなくて、これに対してそのときどきにおける収入計画というものを立てていかなければならないと、こういうことでございますから、このとおりの数字であるということではございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 わかりました。そうしますと、大体数字はこのとおりになるかどうかはわからぬけれども、とにかくこのくらいの税収を上げていくと、そのためには増税計画、増税をやっていくと、こういうわけですな。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) もちろん、ある程度の増収計画ば立てていかなければならないと、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理にお伺いしたいと思うのですが、赤字国債を始めたのは、これ建設国債であろうと何であろうと、総理が大蔵大臣のときだったろうと思います。その後、財政事情が好転して、国債を発行することはやめようじゃないかという議論が四十三年ごろ盛んにされたと思います。わが党の木村先輩とか羽生先輩が予算委員会でこういう議論を当時展開されましたけれども、あのときに、あなたは、火種論という有名な、国債制度は残すべきだということで、わが党の先輩の、もう国債は打ち切れと、こういう主張に対して、あなたは、こういう制度は残しておくんだと、こういうことをあのときやったことを私ども後でいろいろお伺いをしたわけでありますけれども、あの当時、二千億の国債の発行だったというふうに思いますけれども、どうなんですか、あなたの財政新時代論は私も一回読ましていただきましたけれども、あなたの予想どおりの国債というものは効果があったのか、あるいはもう行き過ぎになつちゃったのか、その辺のあなたの現在の形での国債に対する御見解を承りたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、公債性悪論と、こういう立場をとらないんです。公債は、これを善用いたしますれば、財政したがって社会運営のために非常に有効な手段であると、そういう考え方に立ちまして、昭和四十年度公債の発行に踏み切ったわけでありますが、これは公債を発行するということはしかしょほど節度ということを尊重しなけりゃいかぬ。使い方によりましてはこれは大変害毒を流すということになるので、公債を発行する以上、非常に慎重な運営という考え方でなけりゃならぬと思います。事実、そういう考え方で公債政策はスタートし、その後五年の間に公債は漸減をいたしまして、いまお話がありましたように、もう公債を発行せぬでもいいじゃないかということが考えられるような時期になったんです。そのとき、私は——四十年に私が公債を初めて発行するという際に大変な論争がありました。公債を発行したらいまにもインフレが到来するというような議論さえあったわけです。そういう事実はなくて、日本の経済は公債財政を中心といたしまして大変順調な発展をし、まあ^恐らく戦後三十年の中で昭和四十年から四十五年というこの時期は、日本の経済が一番安定的に発展した時期じゃないか、そういうふうに見ておるわけでありますが、そういうふうに、公債の発行については議論のある問題ですから、せっかくそれを御理解を得て始めた以上、やめようとすればやめられるというような状態にはなりましたけれども、やめきりにやめてしまいますと、またこれを再開するという際に大変な議論を引き起こし、また国民に不安を与えるから、やめんとすればやめられるにいたしましても、多少の公債は残しておいた方がいいんじゃないかと、そういうふうに考えて、いわゆる火種論というのを展開したわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 後半のそういうことをあなたはやってきたんだけれども、現在の状態、あるいは財政収支試算と、こういうところから見まして、やっぱりあなたの議論は、どうも当初の議論についてはある程度わかりますけれども、あの当時でも一回赤字国債を出すとどんどんふくれ上がっていくものだぞという議論は大分されたように私は思います。そういう点から見まして、今日八兆四千八百億というようなこういう大量なものが出まして、そして五十五年度では残高が五十四兆円にもなると、こういう見通しについて、あなたは、これでいいと、こういうふうに思っていらっしゃるわけですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 公債政策をやっていく上におきましては、財政法の原則ですね、つまり建設公債でなければならないと、また市中消化でなけりゃならぬと、これを厳守しなけりゃならぬわけです。ところが、それを厳守することのできない環境、つまり石油ショックという事態に当面したわけで、いま四兆円を超える特例的な公債を出さざるを得ないと、こういうことになっておる。私はこれは異常な事態だと、こういうふうに見ておるわけで、先ほどから財政試算ということについてのお話がありましたが、これはどうしても特例公債、つまり赤字公債、これはやめなけりゃならぬ、早くやめなけりゃならぬというふうに考えております。いま五十五年度にはそれをやめるようにいたしたいと、こういうふうに考えており、それを達成するとすれば、大方このような財政運営をしなけりゃならぬだろうというような大方の考え方を示すのが財政試算、そういうことになるわけですが、今日、私は、国の政策の中の最大の課題の一つとして、特例公債をこの両三年の間になくするというようにしないと、わが国の社会は非常に重大な局面に到達するであろう、こういうふうに見ておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その当時と予想よりも若干ふえ過ぎちゃったという心配のあるということは何か言外に認めているような気がいたしますので、その当時の私どもの先輩の議論というのは今日初めて生きてきているという気がするわけですが、その次に歳入面の検討に入りたいと思いますけれども、ケースAでいきますと、毎年度の税収の伸びというのは何%ずつになりますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) ケースAで三十五兆五千八百億という五十五年度の所要税収を年次割りにいたしました結果は、各年の伸び率は五十三年度が二七・四、五十四年度及び五十五年度が二一・九という想定になっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 同じ年度の租税弾性値、すなわち租税の伸びとGNPの伸びとの比較の数字でございますけれども、租税弾性値はどういうふうになっておりますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 五十五年度の所要税収を三十五兆五千八百億と置きまして、それと五十二年度当初予算を結んでおりますので、ケースAでは、GNPの予想伸び率を五十三年度が一五%、以降二カ年度は対前年十二%と置いております。ケースBでは、それを平均的に約十三・七と置いております。したがって、ケースA、ケースBでは、いずれも予想伸び率にパラレルに税収を割り振っておりますので、A、Bともに所要弾性値はそれぞれ一・八三という計算になっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 過去のわが国の弾性値はどのくらいでしたか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 昭和四十五年度から四十九年度までの平均で一・三九となっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは各年とも大体そのくらいになっているという意味なのか。たとえば、五十年度はかなり高い弾性値になっていて、ほかの方は大体平均一・二ぐらいの線、そのくらいになっていくというふうに見るべきではないかと思いますが、いかがですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 竹田委員よく御承知のとおり、弾性値は結果的に計算上出てまいっておるわけでございますが、各年非常に波を打っております。五十年度というのは非常に異常な年でございまして、弾性値は三角になっております。先ほど申し上げましたのは四十五年度から四十九年度までの平均でございますが、これを各年度申し上げますと、四十五年度は一・四五、四十六年度が一・一八、四十七年度は一・四二、四十八年度が一・八四、四十九年度が0・九五、非常に波を大きく打っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、先ほどのGNPの伸びということ、過去の弾性値というものから考えて、各年大体一・八の高い弾性値の税収というようなものは可能だというふうに見てこの試算表はっくつているわけですか、どうなんですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど申し上げましたように、各年度非常に大きく波を打ちますけれども、やはり今後五十五年度までの平均で一・八四という弾性値が現行税制に何らの改正を加えないで期待し得るとは私どもは考えておりません。平均値で一・三九、約一・四でございまするし、今後ばむしろ若干それが下がるのかもしれませんし、したがって、その差はやはり何らかの時期に制度上の改正をして税負担の増加をお願いするというその道を避けて通れないのではないかというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ケースAでいきますと、五十三年度の五十二年度に対する増加分、五十四年度の五・十三年度との増加分、各前年の増税額というのは幾らぐらいに出てきているわけですか。増収額と言った方がいいと思いますが、幾らぐらいになるんですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) ケースAの五十三年度が二十三兆九千四百億の期待税収でございますから、差額は五兆一千五百億ということに相なります。五十四年度は、二十九兆一千九百億でございますから、五十二年度の二十三兆九千四百億との差は五兆二千五百億と相なります。それから五十五年度が、三十五兆五千八百億でございますから、五十四年度の差は六兆三千九百億と相なります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 五十二年度の税の増収を見ますと、二兆五千億ぐらいの五十一年度対比で実額でふえることになっているわけですが、いま主税局長が言われますと、五十三年度は五兆一千五百億、五十四年度は五兆二千億くらい、五十五年度は六兆三千億ぐらい、まあいまの二倍以上の増収を見込んでいかなくちゃならぬ。これは、税法を変えるにいたしましても、三千億の減税ですらあれだけもめているのに、これからこの試算表によっいきますと、来年度はことしよりも五兆、その次も五兆、五十五年度は六兆、一体こんな大きい増税が可能と、こういうふうに思っていらっしゃるのですか。これは、総理、可能ですか、あなたは財政通ですから。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあこれは非常にむずかしいことでありますが、いまの特例公債を出しつばなしという状態をそう長く続けるわけにはいかぬと思うのです。特例公債をやめましても建設公債というようなものは相当出さざるを得ない。こういう状態のその上に特例公債を積み重ねる、こういうことになり、一方景気はよくなるということになりますと、公債の消化という問題が非常にむずかしくなる。そのことを考えますと、どうしても五十五年度ぐらいに特例公債をもうやめなきやならぬ。やめるには、これはまあ国民全体として厳しいことでありまするけれども、私は、社会を健全にやっていくというためには、その厳しい試練を乗り越えていかなくちゃならぬだろうと、こういうふうに思います。まあこれから三年の間にどうしてもある程度の国民負担の増加は避けて通ることはできないと、こういうふうに考えています。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、いままでよりも物すごい税金がかかってくる。これは福田政権がそこまで続いているかどうかわかりませんけれども、しかし、そういうことで本当にそういうものができるというふうに考えられているのかどうなのかということになると、口ではいまそういうことは可能だというふうにおっしゃられているのですけれども、これは相当なことをしていかないと、とてもそれだけの担税力はいまの国民は持っていないと、こういうふうに私ば思うんです。もちろん特例債なり国債の発行を減らしていくということは、これは当然やらなくちゃならないことであろうと思いますけれども、果たしてこれだけ大きな増税をやって、まあこれからの景気というのは、ことし一年でそう回復するものだとも思いませんし、またこれは締めくくり総括のときに私は機会を得たいと思うのですけれども、いまの国際経済の情勢の中から、資源有限の時代の中でそんなに自然増を期待することはできないし、これは税法をどういうふうにいじったところにしても、担税力には限界があるし、しかも、日本がエンジンカントリーというふうに言われている。また、そういう役割りを果たさなくちゃいかぬ。また、総理は、この問の首脳会談でカーターから、日本はもっと世界的に前向きな発言をしろと、もっと前に出て発言しろと、こういうふうに言われて、これはいいのか悪いのか、大変問題があるにいたしましても、積極的な発言をするというと、これは言葉だけで発言するわけにはまいらぬと思うのです。それに対応するところのやっぱり金が要るということになるのじゃないか。そういう面でも、大きな金がかかってくる、こういうことでありますので、総理が言っているように、あるいはこの試算表にあるように、果たして赤字国債からの脱却というものが国民のコンセンサスを得る中で一体できるかどうか。五兆なり六兆なり、実際の税体系はいずれにいたしましても、やらなくちゃならぬということになってまいりますと、福田総理、あなたはどういうふうにして、五兆なり六兆なりの前年度比の増税ということを国民に納得してもらえる自信がありますか。私どもちょっと五兆なり六兆なりの増税をお願いしますということにはならないし、また、総理が減税に反対したゆえんのものというのは、増税でやっていけば景気が悪くなるんだから、だから、今度の一兆円の減税の場合も、これは税金は困ると、こういうふうにおっしゃっていたわけですが、こういうことになると、いまの企業の経済活動、こうしたものをますます冷却させるという、トレードオフの関係というものが出てくるのじゃないか。だから、試算表、こういうものができて、歳出予算は大体試算表に基づいて組んでいるようでございますけれども、どうもその辺の点を見直さないと、本当に私はこれはぺ−パーだと思いますよ、実際大蔵大臣が言ったように。これをやろうとすれば、私は物すごい抵抗があるし、やはり日本の国の経済そのものは大変なマイナスヘと陥れられていく心配というのが十分あると思うのですよ。  こういう点で、私は、政府は五十五年度赤字国債の解消ということを口では叫んでおりますけれども、どうもできそうもないのじゃないか、こういうふうに思いますが、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 総理御答弁の前に私が。  この財政の要請というものを満たしていくというのは、御指摘のとおり、容易ならざるものだということを私も考えております。そこで、しかし、いずれにいたしましても、五十五年において、総理の言われましたように、特例公債というものから脱却しなければ日本の財政が持たぬということを考えますと、何といたしましても増収計画を立てなければならないということで、その方法につきまして、昨年の六月から税制調査会におきまして鋭意検討を続けていただいておる。そのためには、いま頭に考えられる税制というものについて全面的にこれをひとつ検討しようということで、直接税、間接税、資産課税といったようなものについて、すべての材料を税制調査会の俎上に出しまして、そうしてこの税の中で一体どの税を改正し、どの税を増税し、どの税を新たに取っていこうかといったようなことについて本当に全面的に考えていただいておる。そういたしまして、そのときどきにおける最も適切なるものを採択いたして、そうして日本の税制の新しい体系というものを樹立していこうということで今日考えておる最中でございますけれども、それらのことについてのいわゆる中期税制、その骨格というものは、私は、いまの税制調査会の皆さん方の任期がことしの秋ですか、秋が期限でございますが、その切れる期限ころまでにひとつ体系を立てまして、そうしてこれはいずれにいたしましても本当に重大なことでございまするから、国民の皆さんに、その中で、一体、直接税、間接税、資産課税といったようなもののどれに重点を置いて、たとえば法人税に重点を置くか、あるいは消費税に重点を置くかといったようなこと、そういったようなことを国民の皆さんの前に体系としてこれを提示いたしまして、そして御批判を願う。結局は国民の皆さんの選択を願う。ということは、国会の議にかけましてそうして慎重に審議をしていただいて、日本の財政をどうしても立て直しをする、そのことについての慎重なる熱心なる御審議を願ってまいりたい。  それでいってもなおかつどうにもならぬという、万一ですよ、私は何とかしてそれを達成したいと思っておりますが、もしどうしてもそれでも何ともならぬということであるならば、これはやっぱり赤字脱却ということは絶対にやらなければ日本の財政はもたぬ。そういったような場合には、たとえば社会資本の投資だとか、あるいは大事な国民福祉といったようなものに対する支出というものも考え直してみなければならないというようなことになろうと思いますけれども、もうそういうことを招来しないようにぜひともこの収入計画というものを新しい体系を立ててまいりたいと、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いま大蔵大臣のおっしゃったことは、まあ私どもも大変なことだと思うんですよ。しかし、一年に五兆も六兆も増税されるというのは、私は、その中に自然増収の伸びが具体的にどのくらいあるか、先ほどのGNPの伸びでも一五%、十二%名目でありますから、そのぐらいの程度ではそんな大きなやつ。ばり自然増収の伸びというのは考えられませんし、まあ十二%のGNPの伸び、一五%のGNPの伸びというのは、たとえ名目であっても、これは恐らく今日の情勢の中では私はそう容易な数字じゃないと思うんですよ。この数字もかなり高い数字。そういう中で、税収の方は毎年五兆も六兆も自然増収を含めて伸ばすというのは、これは相当国民の協力がない限りできないし、赤字国債脱却というスローガンも結局言葉だけで実現できないような気がしてならないわけですけれども、具体的に国民に対して一体どういうふうにこの財政危機を乗り越えていく訴えをしていくか。これはただ単に税制調査会とか国会だけぐらいの論議の範囲でこんな問題が私は片づくとは思わない。相当な決意が必要ですし、相当な国民の協力というものを得ない限りは私はこの財政回復はできないと、こう思いますけれども、総理はその辺はどのように決意をされているのか。私は大変だと思うんですよ。あなたが赤字国債を発行するとき、あるいは国債を発行やめようじゃないかというときに火種論をやった当時よりはもっと困難だと私は率直に思うんですけれどもね。その辺の総理の決意をお聞きしておかないとならないし、無理やりにとにかく税金を取ればいいんだというような強権的な政治になっても実は困るわけでありますからね。また、いまちょっと言葉を出されましたけれども、社会資本や福祉を考え直すと、マイナスの方向に考え直すということしかないと思いますけれども、そうなっても私は大変な問題だと思いますけれども、この辺についての総理のはっきりした方針をお聞きしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは竹田さんのおっしゃるとおり、これは大変むずかしい問題に直面しておる日本財政です。これを打開していくと、こういうことを考えますときに、まず歳出を切り詰めるというわけにはなかなかいかない。いかぬが、増加をできる限り抑制すると、こういうことを考えなきゃならぬ。他方において財源の問題です、税の問題。これは景気を軌道に早く乗せまして、税収が上がるように、つまり租税負担率が三%ぐらい上がると、こういうんですが、この租税負担率、その中でいわゆる自然増収による分がなるべく多くなるようにという配慮をしなきゃならない。そこで、よって自然増収だけで三%という租税負担率を満たすわけにはまいりませんものですから、やっぱり新しい税でありますとか、あるいは既存の税をいらうとか、いろんな税制上の改革を必要とすると、こういうふうに考えてはおるんです。私はこの間の一兆円減税の野党五党の要求、これに対してかたくなに抵抗したと。それもその辺を考えながらやっておったんですよ。まあしかし、ああいう形で合意ができましたので、あの合意を極力生かしておこうと、こういうふうには考えておりまするけれども、過程において私が一兆円減税というものに抵抗したと、それは、これから先々を一体どういうふうに考えていくんだと、こういうことであったわけでありますが、これから国民に、これから先々の財政は一体どういうふうな状態なんだと、これでいいんだろうか、こういうことについて大いに理解を求め、必要とする措置はとらなきゃならぬと、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、国民に負担を求めるということになれば、いま税金が重いということが盛んに言われておりますけれども、これは私は、重いという内容というのは、むしろ不公正な税金、ここにその重さを感じているという一番の問題点があると思うんです。ですから、これからは国民に多くの税負担を協力させるということになれば、まず今日の不公正税制というもの、これを徹底的に直していかない限りは、さあ皆さんひとつ余分に納めてくださいと言ったって、これはいままでの長い問の不公正税制というものについては本当に国民は頭へきているわけでありますから、この不公正税制を直すということを徹底的にやらないと私は協力を求められないと思うんですがね。この点は、不公正税制はいまおっしゃった税制調査会で来年度ははっきりと直していくと、国民の納得できるように。このことはお約束できますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 税制に不公正な点があるということは、これはどうしても直さなければならないということは、まさにおっしゃるとおり私も同感でございます。その意味におきまして、これから大きな増税をしていかなければならないという事態に臨んだときに、なおさらこれが大事なことになってくるということも御説のとおりでございます。私どもといたしましては、先般野党各派が一兆円減税を提唱せられたときに、それに絡んで、不公正とおっしゃられる税制につきまして数項目をお挙げになったということにつきましては、私は、今後もその各派の趣旨を、これが不公正である趣旨、そういったようなことを真剣に考えさしていただきまして、そうしてそういったようなものもその趣旨ができるだけ実現をするように検討をしてまいりたいと、かように考えておりますし、なおかつ、そのほかにも不公正な税制、不公正なものがありまするならば、この機会に徹底的にその不公正を是正をしていくということをやらなければ、おっしゃるとおり、これだけの大きな税体系の改正というものは、これはなかなかむずかしいと、かように考えておりますので、おっしゃるような点につきましては十分心して検討してまいる、できるだけその趣旨が実現するという方向に進んでまいりたいと、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 財政収支の問題はさらに若干問題ありますけれども、時間がありませんし、前に積み残しの例の審議会、この問題について伺いたいと思います。  これは行政管理庁でおまとめいただきまして、御苦労大変だったと思うのですけれども、このおまとめになったものをごらんになって、行政管理庁長官は、まとめる経過からいろいろお考えになりましてどんなふうな御感想をお持ちでございますか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 御要望に沿いまして各省から出てきたものをまとめまして提出いたしましたが、何さま二百四十六という委員会でございますから。しかし、概観してみますと、審議会の任務を相当に果たしたものもたくさんありますが、中にはやはり余り活発な活動をしていないというような審議会もあるわけでございます。したがいまして、そういうことを見まして、今後の行政改革の一環としてこの問題にも真剣に取り組んでいきたいというような感想を持っておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理に伺いたいと思いますが、八月には行政改革をやっていこうというような御発言も私ども承っておりますけれども、とにかく審議会あるいは私的諮問機関ですね、この資料を収集するだけでもとても大変な時日と、これは官房長官も大変御苦労願って、異例の各省へのお話もなさっていただいたように承っておりますけれども、こんなに抵抗があるというふうには私も実は思わなかったわけでありますけれども、いま行管長官がおっしゃられたように、その中には私もかなりむだなものがあると思うのですよ。果たしてできますか、ほかのことを含めまして。本当にやられますか。この前あなたが行管長官をやっていたときも、私はやりますといって国会でもおっしゃったのですが、今度は総理大臣ですからね。あのときは行政管理庁の長官でございましたが、今度は総理大臣ですが、どうですか、本当にできますかね。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ私は一つ一つ審議会を調べたわけじゃございませんけれども、これは余り機能していないというものもかなりあるというふうに聞いておるのです。これは、しかし、審議会というのは大体法律で決まっておるわけですから、国会の皆さんの御協力も得なければならぬわけです。これは非常に大事なことになってきまずから、ひとつできる限りの整理をやってみたいという決意でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 先ほど、前の財政問題で、歳出ももうできる限り切り詰める、余分なことについてはこれはもう切り詰めていかなければしょうがないというお話があった後では、どうもあなたのいまのお話は、できる限りということで、断固行政改革をやっていきますということじゃありませんで、何かできる限りやりますというので、ここへ来るとちょっとしりつぼみになったような感じを受けるわけですが、できる限りというのじゃ一この前の御発言の後何もできなかった。今度もできる限りということじゃできないのじゃないかというふうに私ども推測する以外にないのですけれども、どうもその辺になると急に後退しちゃっているという感じがするのですが、とにかく国家非常時と言っていい時代だと私は思うんですよ。だから、総理もそのお気持ちになってくれなければ、私はさっき言った増税だって通りやしないと思うのです。この前もみずから正していくということを最初におっしゃっていたのですから、もう少しこの点ははっきり答えてもらわなければいけないと思うのですが、どうでしょう。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) そう総理ばかり詰めてもしようがございませんから……。これはいままでも政府は相当にやっておるのです。過去の歴史を調べてみましたが、昭和四十一年に一括で審議会の廃止を三十四やっております。それから第二次行政改革のときに、昭和四十四年ですが、そのときもやつばし二十六審議会を相手にして、これは逐次整理していった。前は一括法律を出しまして整理した。そこで、昭和四十年には二百七十七委員会がありまして、現在は二百四十六ですから、まあ余り減ったわけではございませんが、多少やっぱり努力を政府はしておるのですが、今度も、まあ時代の変化で不要になった委員会もありますから、これは私の任務でもございますから、総理もそのつもりをしておりますから、ぜひともやりたい。やっぱりできる限り、できないことはしようがないけれども、できる限りやるということにいまは言うよりしようがないのでございますから、御了承を賜りたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは国会の御協力がありますればできる問題ですから、ひとつ御協力くださいまして、私どもも、国家財政の非常の際でありまするから、これは全力を尽くしてやるつもりであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私ども、どうも審議会というのは政府の隠れみのみたいになっている感じがしてしょうがありません。いま、税制の問題についても、これは大蔵省が税制の問題についてばまず決意すべきことであって、税制調査会がこう言ったからということなんですが、私もこういう審議会の委員を一回やったことがありますけれども、私が幾ら反対したってとにかく通しちゃうわけです。多数決で決めてくれるわけでもない。何だかその辺の雰囲気で通してしまう。こういうやり方をなさっているわけで、私どもはむしろこういう審議会の隠れみのなんというのはやめて、各省庁の責任と国会の責任でいろいろなものを決めていく、こういう方針があるから大整理をしていただきたいと思うのです。これはもう一回総理にお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そのような決意をもって取り組みます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして竹田四郎君の質疑は終了いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 青木薪次君。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 二百海里の問題がいよいよ重大な事態になってまいりました。政府は、本日の新聞によりますると、ソ連の要求は不法は不法として、現実に暫定的にソ連の二百海里操業水域を認めることに踏み切ったようであります。しかし、このことは、相撲で言うならば、真ん中の仕切り線でお互いに仕切るということではなくて、ソ連寄りで、あるいはまた日本寄りで仕切るということを意味すると思うのであります。ですから、これは単に暫定的に主権を認めるというようなことでありましても、日本固有の領土である四島を将来どこまで日本が主権として主張することができるのかどうか、日本国民としては重大な事態だと思います。そこで、暫定取り決めの中でこのような日本の領土主権の主張が満たされるかどうかというような点については、将来モスクワ交渉等におきまして一札をとることができるかどうかという点が大きな問題です。ソ連が線引きをするなと言うわけにわれわれはいかないわけなんですから、その意味では日本もようやく二百海里の漁業水域を設定することを閣議でも了解したようであります。しかし、このことは秋以降になる話でありまするから、この間、ニシンもだめ、それからひょっとするとサケ・マスもだめになるという非常に重大な事態であります。しかしながら、重大な決意を実はするということの裏には裁判管轄権の問題、あるいはまた操業許可証の問題、入漁料の問題、取り締まり権の問題というような関係等について重大な決意をするというように総理は言っておられると思うのでありまするけれども、この重大な決意についてひとつお述べいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 日ソ漁業交渉がいま大変困難な状況下に置かれております。昨日もわが方の重光大使とイシコフ漁業大臣の会談も行われて、最後の努力をいたしておるところでございます。  御指摘のように、北方四島はわが国固有の領土でございまして、この領土問題に今後の制約を受ける一わが方の主張に対していささかの影響もないような立場におきまして強力にわが方の立場を主張いたしておるところでございます。  なお、裁判管轄権でありますとか、あるいは漁業許可証の交付でありますとか、そういう問題につきましては、これは行政取り決めではできないことでございます。国民の権利義務にかかわる問題でございますから、そういう問題は国会の御承認を得て批准をしなければならない。この点ははっきり私ども区別をして対処してまいる考えでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国会ですから、奥歯に物のはさまったような形でなくて、率直に言ってもらいたい。  結局は、領土を主張すれば、漁民の関係、魚の関係が問題になる。魚の関係を主張すると、これは領土問題等でソ連が攻めてくるという問題なんです。こちら立てばあちら立たず、あちら立てればこちら立たず、両方立てるには場所がないということでしょう。そういう問題で、まさに忠臣重盛じゃなくて、忠臣福田赳夫はここに進退谷まれりということだと思うのです。そこで、重大な決意ということについていま鈴木農林大臣はおっしゃっておられないわけです。その重大な決意を、それこそ重大な事態ですから、総理からはっきり言ってもらいたい。二つあるんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昨夜遅くイシコフ漁業相とわが方の重光大使が会談をいたしておるわけです。概要は聞いておりまするけれども、その会談の結果をつぶさに検討いたしまして、そしてわが方はどういうふうな態度をとるべきか、これはわが国の国益に非常に重大な関係がありますので、決断をしなければならぬと、そういうふうに考えておるわけであります。  おっしゃるとおり、領土問題は私は交渉と別個の問題でなければならぬと、こういうふうに思うのです。というのは、これはもうわが方の主張と、ソビエトの主張、これはこの短い交渉の間で決められるような見通しの問題じゃありません。それはそれといたしまして、わが方は事漁業問題についてとにかく話を決めていきたい、こういう態度をとっておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうは言いましても、総理、ソ連が魚を武器にして事実上北方四島の領土帰属にけりをつけようとねらっているのですよね。こうした主張を日本がのめないことは承知しているはずだけれども、あくまでも魚と島の切り離しに応じない、事態の解決はないということになるわけですよ。だから、この点については、いま総理のおっしゃったように、島と魚は別だよということでいけないということになれば、裁判管轄権の問題はさておいて、そうしてあとの暫定協定、行政協定でいくということなんですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私とイシコフ漁業大臣との会談の合意、その結果の合意は、行政取り決めで早期に日ソのこの北洋の暫定的な漁業の操業を確保する、こういうたてまえで暫定取り決めとしてやるということでやってまいったわけでございます。しかるところ、その後におきまして、もっと上層部の最高機関の方から、行政取り決めでなしに本協定でやるべきであると、はっきりこの指定の海域に対してソ連の主権的権利を明確にすると、こういう強い要求が出てきておりまして、そうなってまいりますと、これはなかなか行政取り決めではいけない。どうしても条約あるいは協定と同じようなものに相なるわけでございまして、そうなりますと、国会の御審議、御承認を得なければならない、こういう事態に相なるわけでございます。そういう行政協定でやるか、またいまのような条約、協定のようなものにするか、この取り扱いにつきましてもただいま最後の努力を傾けておると、こういう段階でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 その後、十二海里の領海問題についての問題はこれは言語道断といたしましても、総理、いかがでしょう、この際、いま農林大臣のおっしゃったことを本格化するためには、裁判管轄権の問題と取り締まり権の問題というのはこれは五十歩百歩だと思うのですよ。そうなってくれば、これを切り離すことはできないということになれば、奄美大島が返ってきたときに、昭和二十八年、このときに委員会を省略して国会を通過したことがあるんです。これは超党派議員団で外交交渉を戦後初めてやろうということが国会で決議されているんでしょう。そういう中で、単なる親善議員団ということじゃないんですから、われわれが二百海里時代にもう入ったんだからひとつ総理決断しろということを主張してきたけれども、自来歴代自民党内閣はなかなか首を縦に振らなかったということがあったわけですから、この際、各党と全く一致いたしまして、ある意味じゃ国難の問題ですよ。ですから、そういうことでひとつ本協定を結ぶようなことで総理が心から腹をひとつ割って各党の領袖に話しかけて、そうして各党の意見を入れて本協定をこの際結ぶということを決意したらどうですか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ本協定をどういうものにするかという形が出てこない。そこがただいまの問題なんです。しかし、いずれにしても、わが方としては、領土の問題、または漁業の問題、これはもう厳然と区別してかからなければならぬ問題で、これが絡まってくるというようなことがあったのでは、これはもう私どもとしては承服することができない。まあそういう立場ですが、漁業の問題にいたしましても、これはいろいろ向こうからも言い分が、言い分というか、主張があるわけなんです。こちらとしても応諾し得ないような諸問題があるわけなんです。やっぱり、この際は、私は、事漁業の問題、今回の日ソ交渉の問題については、わが方の立場について、これはもう国会各党みんな同じような考えをお持ちじゃないかと、こういうふうに思います。そういうことを考えますると、各党が本当に一致した姿で国会全体の意向ということをソビエト側に伝えるということは私はきわめて有効なことであろうと、こういうふうに思いまして、いまぼつほつそういうことの相談が進められておるのじゃあるまいかと見ておりますが、ぜひその際は御協力のほどをお願い申し上げます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 政府特使は決まったんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど青木さんから重大な決意というのは何だと、こういうお話がありましたが、特使派遣問題もその一つでありますが、まだ具体的に決めておりませんですが、それをするかしないか、昨晩遅く行われましたモスコーにおける重光大使とイシコフ漁業相との会談の結果を分析いたしましてその要否を考えてみたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これは私が先ほど申し上げましたように二つしかないんですから、当面、魚をとることができるかどうかという問題と、それから将来の日本の固有の領土の問題について発言権を留保するというような問題とについて、政府はやっぱりそれらを考えて決断をすべきときに来ていると思いますが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) もう事のいきさつはそのとおりでございますが、漁業問題だけをとりましても、これはいろいろ向こうの主張とこちらの主張は隔たりがあるわけです。その辺がどこまで煮詰まり、それからこれからの交渉でモスコー会議における現在の体制での成り行き、展望、これがどうなるか、その辺をよく分析いたしまして、そうして必要なる措置を敏速果敢にとっていきたい、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 胸襟を開いてそしてかたくなな態度をとらずにひとつやっていただきたい、こう思います。  それからあとは細かな問題になるのですが、総理、これは何だと思いますか。——実は農業被害の問題について申し上げたいと思うのでありますけれども、お茶とミカン、そのほかまだ水稲その−他もいろいろあるわけなんですけれども、異常な寒波によりまして、日本古来から独特な風味と栄養価として高いビタミンCやカフェイン、タンニン等を含んだお茶が重大な冷害を受けたわけです。これは壊血病にもいいし、高血圧には絶対かからぬというのがお茶を飲んでいる人の太鼓判で、わが静岡県の保健所でも太鼓判を押されたわけですが、これは異常な寒波で局地的には全滅の被害を受けました。もちろん全部ではありません。これは私が撮ってきたわけですけれども、総理も何が何だかわからなかったというぐらい、実はもみじが咲いたように緑のお茶が枯れているわけであります。このことについて農林省は御存じありませんか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま青木さんからお話がございましたように、異常寒波によりましてお茶並びに柑橘類の被害が大分出ておるようでございます。そこで、農林省におきましては、現在農林省の統計情報組織を動員いたして調査をいたしておりますし、また、被害県の県当局からも被害状況を御報告を受けておりますが、相当の被害額に達する見通しでございます。的確な被害額につきましてはいま調査中でございますから申し上げられる段階ではございませんが、相当の被害を生じておるということを私ども承知いたしております。したがいまして、この被害対策につきましては、天災融資資金、あるいは自作農創設維持資金、あるいは農林漁業金融公庫のそれぞれの資金等々の対策も講じてまいる考えでございますし、また、共済金の早期支払い等の措置も講じてまいりたいと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ナツミカンはいかがですか。

澤邊守農林大臣官房長

○政府委員(澤邊守君) 柑橘類につきましては、晩柑類——ナツミカンを含めまして、相当な被害が西日本一帯に発生をしております。ただいま大臣から申し上げましたような天災融資法その他の資金措置は当然被害農家に対しまして対象になりますので、現在鋭意調査中でございます。調査結果を待って措置をしたいというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いつまでにまとめるですか。

澤邊守農林大臣官房長

○政府委員(澤邊守君) 現在、農林省の統計調査組織を挙げて鋭意調査中でございますが、四月十日若干過ぎるのではないかと思っております。と申しますのは、果実そのものの収穫被害のほかに、樹体被害が果実、お茶ともにかなり出ておりますので、それらの被害は一定の時期がたちませんと正確に把握できないという事情もございますので、鋭意急いでおりますけれども、四月十日を若干過ぎるのではないかというふうに見ております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国税庁に聞きたいのですけれども、税金を払うことがなかなか困難だ、しかも生産物については値崩れがするというような問題について、農家に対する所得税の減免の措置についてはどういうようにお考えになっておりますか。

山橋敬一郎国税庁次長

○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。  先生御承知のとおり、所得税はその年の実績によって課税をする、こういうたてまえになっておりまして、農作物が被害を受けた場合にも、その被害状況を十分に織り込んだところで所得計算が行われるということになっておるわけでございます。御指摘の問題につきましては、茶畑耕作農家あるいは柑橘類の耕作農家等が冷害によって被害を受けたということでございますが、現地の税務署ではその被害事実をすでに承知をしておりまして、近く市町村あるいは関係の農業団体との共同によりますところの被害実態の調査を予定しております。したがいまして、昭和五十二年分の農業所得の課税に当たりましても、被害状況を反映した課税を行うということができようかというふうに考えております。   〔委員長退席、理事園田清充君着席〕  なお、農作物が被害を受けましたことによりまして本年分の農業所得が前年分よりも減少するということになります場合には、本年分の予定納税額につきまして減額承認申請の制度というものが設けられておりますので、被害状況を織り込んだ所得による予定納税ができることになっておるわけでございます。この制度の周知も十分行うよう、現地の税務署に指示をしているところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 山橋次長ね、農民は細かい計算もできませんし、それから税務署を非常にこわがっているわけですよ。したがって、税務署と警察は農民はこわいんだから、懇切丁寧にひとつ手ほどきをするようにして、やってやってください。これをひとつ要望いたしておきます。  次に、畑灌事業について質問いたしたいと思いますが、日本の食糧自給力の向上ということは非常に重要な問題であります。しかも、この問題の解決の根本となるものは、農民が農業に希望を持つようにすることだと思います。農業の近代化のために、農業の基盤整備のために、積極的にその一環として進めるということでありますけれども、聞くところによりますると、農業基盤整備は全国的に非常におくれている、土地改良計画の進捗率も非常におくれているということでありますけれども、いまはどの程度になっていますか、お伺いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおり、わが国の農業の体質を強化する、そして自給率を高めてまいりますためには、何と言っても農業基盤整備が重要でございます。農林省におきましては、長期計画を立てて土地改良事業を推進をしてまいったところでございますが、現在のところ、金額的な面におきましては、おおむね長期計画、十カ年計画の金額的な目標は達成する見込みでございますけれども、諸物価その他工事費の高騰によりまして、面積の達成ということはなかなか困難な状況でございます。大分立ちおくれております。しかし、私どもは、今後ともこの重要性を考えておりまして、最善の努力をしてまいる考えでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 静岡県の静清庵の畑灌事業は、これはどういう進捗率になっておりますか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) お答え申し上げます。  国営の灌排静清庵地区は四十一年度までで一七・四%、それから県営の灌排静清庵地区につきましては進捗率は八・九%ということに相なっております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 何%……。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 国営が一七・四%で、県営が八・九%でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 非常におくれているわけであります。特に、この中で、対象作物が主にミカンであるために、不況の中で、庵原、清水、静岡で脱退を強く希望する者が多いということを聞いておりますけれども、いかがですか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 御指摘のように、本事業が国営で四十六年に着工いたしておりますが、その時点と現在の時点ではミカンの需給事情は非常に変わってまいりました。そこで、脱退を希望されるという方が出ておるということは、まあそういう事情からして、ある程度やむを得ないのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 完成までに賦課金や負担金は総額で大体どれくらい負担すればいいんでしょうか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 現在の時点での試算では、国、県営合わせまして大体十八万円、それに若干建設利息を含めますと二十万円程度に相なるのではないか。ただ、これは長期の延べ払いということで、年十アール当たり一万二千円程度の農家の負担になるのではないか、こういう推計をいたしております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 現在見直しをしているようだけれども、どの程度の規模でいつまでやるか、また、その見直しの基準をどこに置くかという点について教えていただきたい。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) ただいま県・市町村土地改良区を通じまして調査検討を進めておるわけでございますが、必要に応じて事業のあり方について再検討をいたしたいというふうに考えております。現在、県の報告では、プロジェクトチームなつくりまして、今年度中に一応調査をし、それからさらに市町村なり、さらには受益農家の意向調査を終えまして、来年度県段階での計画を再検討といいますか、そういう計画の案をつくりたいと、こういうふうに言っておるわけであります。   〔理事園田清充君退席、委員長着席〕

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いろんな意見があるようでありますから、ひとつ地元の農協や地元民の意見というものを十分聞いて計画の中に入れていただきたい。地域一括加入のために十分理解しないで加入した組合員が多くて、いざ脱退となると、何か反当たり十八万円程度の決済金を取られるというようなことで非常に困惑をしている農家が多いようでありますが、この点はどうでしょうか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) まあ畑灌の事業一般がそうでございますが、地元の申請の事業ということで、皆さんが同意をされまして、一つの事業区域ができておるわけです。土地改良区がそういうことを扱っておるわけでございますが、その中で、一部の方が脱退されますと、あとの人にまた負担が多くかかってくる、そういう調整をやっておるわけでございます。そういう関係で、いま先生御指摘のような事実があるかもしれませんが、その辺は全部公平に御負担をしてもらうということと、それからやめたいという方は、やっぱり無理にというわけにまいりませんから、その辺は、先生御指摘のように、地元とよく相談をいたしまして、円満に事業が遂行できるようにわれわれとしても指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 あと何年かかりますか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) これは今後再検討する計画がどの程度になるかということにもよりますが、それからもう一つは、先刻大臣がお答えいたしましたように、全体の工期が非常におくれております。われわれといたしましては、工期のおくれを早く取り戻す。この一、二年相当努力をして若干短縮になってきております。本地区につきましても、しっかりした計画が改めてできれば、できるだけ早く御希望に沿うようにわれわれといたしましても努力をしてみたいというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最後に、農林大臣に、日本の代表的な畑灌事業でありますから、大分延びて、一七%とか二0%そこそこじゃ困るわけでありますから、これを期間短縮するために、その意味で、いかに福田内閣が農業問題を重視しているかというバロメーターとして、構造改善事業のために畑灌事業についてはなるべく財政補助をして、そうして早く完成するようにしていただきたい。これが構造改善事業の将来を占うものであると思いますので、その方向でお願いします。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 本事業は、あの地域の農業振興の上からいたしましてきわめて重要な問題でございます。畑作灌漑の整備事業ということは基本的な問題でございますから、農林省としても最善を尽くして、また、県並びに地元の関係農民と協議をいたしまして、円滑にかつ早急に整備することに努力をしてまいりたい、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先ほどのわが党の竹田委員の質問じゃございませんけれども、財政収支計画もさっき大蔵大臣は大分自信のないような答弁をされておったと思うのでありますが、この計画についても、国営事業でありながら今日目標の二0%そこそこだということじゃいけないと思いますから、この際地元の人たちは非常に関心を持っておりまするから、総理大臣からその決意を再度聞かせていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 農業問題は、これは本当に見直しを要する時期に来ておるわけです。その中で、基盤整備問題は、これは非常な大きな問題でございます。この問題を重視して諸施策を進めたい、かように考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 委員長、時間が十二時までという.んですけれども、ちょっとかかるんですが、どうなりますか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 小柳理事と相談してください。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それじゃ十五分でやります。  災害復旧費については、道路、河川等は予算に計上しているけれども、国鉄の場合は、国鉄総裁どうなっていますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 従来から自前で復旧するというたてまえで推移してまいっております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 災害復旧費については、これは相当な負担になっているようでありますけれども、これに対する国の援助についてはどうなんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 国鉄に関しましては、全部他から応援をしていただくということでなしに、自前で直すということになっております。もっとも、現在経営全体についてもろもろの御援助をいただいておりますので、総体としての赤字といいますか、損失といいますか、そういうものについていろいろな角度から一般会計から御援助をいただいておりますが、災害復旧費それ自体については、特にいわばひもつきで何か補助していただくということはないわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 またこれも写真に撮ってきたんですが、このように鉄道の沿線で、実は私は上越線の列車脱線事故を調査いたしてまいりました。ちょうど総理の選挙区なんですか、隣なんですか、いずれにしても総理のお住まいになっている近所なんでありまするけれども、大変な事態だと思います。このことについて、まあこれだけじゃございませんけれども、災害復旧費の関係等については、各省庁とも一体どういうふうになっているか、大蔵大臣から説明願いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) まあ一般的な話から申しますが、交通機関が自然災害によって損害なり災害を受けられたと、こういったような場合に、それは国鉄、私鉄の別なく、それを復旧してそして交通機関としての業務を続けていくということは、やはり私はそれぞれの機関がそれをやっていくのが筋だと思います。したがいまして、これに要した経費というものはやっぱりそれぞれの機関が負担をする。国鉄は大変な赤字でございますけれども、やはりこれはせんじ詰めますと利用者の負担ということになっていくのではなかろうかと私は思いますが、ただ、問題は、この施設が損害を受けたといったような場合には、これは一般的に工事費の補助という道が開かれておることはよく御存じのことと思いますが、そういったような中におきましてこれは解決をしていくということが筋だと思います。ただ、そういったような場合のことについては、工事費の補助という道が開かれておりまするから、それをどういうふうに活用していくかということが私はそこに改善していく余地があるのじゃなかろうかと、かように考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは大蔵大臣おかしいじゃありませんか。先ほどは予備費で出すと。予算は計上してない。しかし、災害というのは偶発的に起こるんですね。それで各省庁とも税金で払っているわけですよ。ところが、利用者負担ということになれば.これば運賃にかけるということになるんですか。それは基本的に間違いだ。したがって、この点については、激甚災の適用があった場合なんかについては、特に自治体等に対する助成と同じように、国鉄や私鉄、交通機関等に対する援助の道は開けないかどうかという点について大蔵大臣は前向きに検討ということをおっしゃったんだけれども、その点についていかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) こういうケースが私はしばしばあろうと思うのです。そこで、国鉄という機関にだけそういったような災害が起こったときに補助していくんだということになると、これはいろんなものに、たとえば先ほどお挙げになった国道などというものは、これは国の国道でございます。国鉄は非常な公共関係のものでございますけれども、公社というもので経営をなすっておるということから考えますと、直ちにこれに対して国が何とかするということは、少しこれば——そうなってきますと、その他のものもたくさんあろうと思います。だから……

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 その他のものはやっているんです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いや、国道はいま申し上げましたとおりで、その他のものは……

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 河川もやっている。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 河川も、これは直轄河川とかそういったようなことであって……

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 斜面もやっている。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 委員長の許可を受けて発言してください。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そういうことでございまするから、まあそこのところは非常に技術的な問題もありましょうししますから、これは政府委員からお答えさせます。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、現在国鉄には工事費補助ということで千百億ほどの助成をやっております。もうすでに御承知のことと思いますが、千百億の助成の中には災害復旧工事も含まれているわけでございまして、毎年四・五%程度の利子補給を工事費補助という形でやっていますから、これは累積いたしますと、計算上めんどうなことはございますが、四割くらいの助成をやっているかと思います。まあ、そういう点ですでに助成はやられている。それと同時に、もう一つは、いろいろ道路のお話が出ましたが、たとえば料金収入で経営を賄う高速道路などは高速道路公団が自賄いでやっているというようなことがございまして、その他私鉄とかその他全般の関係がございますので、まず国鉄全体の助成を四千四百億とことしは相当ふやした中の工事費補助千百億でございますので、そういう中だけ賄ってまいりたいと、こう思っているわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは、主計局長、素人に言うようなこと言ってもだめなんですよ。一千百八億、ぼくは知っている。資金計画も全部知っている。そういう中で、この問題について、ぼくは、今度の雪害についても秋田県も行ったし、青森県も行ってきた。各地を自分の足で歩いてみた。その結果、いろいろ現地の人や皆さんに聞いてみても、いま主計局長の言ったようなこととは違うんです。だから、あなたのおっしゃったようなことは、たとえば東北新幹線だとか、あるいはまた通勤の関係だとか、いろんな設備投資の関係で予定されたものにやっているんですよ。だから、災害の関係等については、これは先ほど申し上げたように偶発的に起こる問題でありまするから、たとえば建設公団でつくった線路の災害等、AB線とCD線とある。これらの関係について、AB線については補助しているんでしょう。補助しているということは、国の税金を補助しているということになりませんか。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) AB線につきましては、建設費につきましてすでに御承知のとおり出資という形で国からやっております。原資は四条公債になると思いますけれども、将来税金の負担になることは間違いございません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そこが災害に遭った場合にはどこの金で復旧するのですか、それじゃ。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) 工事費の中でやっております。工事費補助の中から災害の復旧をやっております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 工事費の中ということは、国費だということですよね。だから、そういうように地方交通線等については特に私はこのことが重要だ。公共性が強いから国や地方自治体で援助ができないという点についてはどうもちょっとおかしいじゃないかというように考えますので、これらの点についてはひとつ検討の課題として将来前向きに検討するということについて、大蔵大臣、いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いまここで前向きにということを申し上げるわけにもまいりませんけれども、御意見はよく受けとめまして研究をしたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は上越線の現場も見たわけでありまするけれども、まさしくあのような岩石が落ちてきて、そうして線路を痛め、斜面を削り、しかも、もしこれが条件が悪かったら、あの道路はおろか、利根川へ全部ひっくり返ってしまったということになると思うのです。そういうようなことは、災害の復旧というような点について、私は、まだ国土庁として有効な連絡調整指導といいますか、そういう役割りを果たしていないと思うのですけれども、その点いかがですか。

田澤吉郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(田澤吉郎君) お答えいたします。  国鉄といたしましては、先生御案内のように、関係省庁と連携をとりながら沿線の落石事故防止対策を推進いたしておりますが、国鉄側から各省庁とのいわゆる調整を要するような具体的な問題が提示されますというと、私たちの方としては関係省庁と密接な連携をとって検討してまいりたいと考えているのでございます。たとえて申し上げますならば、先生からも御指摘をいただきました昭和四十九年、五十年、二年間にわたりまして国土総合開発事業の調査費を支出いたしまして総合的な対策を考えたことがございます。それで、技術会議を開いて検討したことがあるわけでございますが、そういうような面で国鉄側から先ほど申し上げました具体的ないわゆる提示がございますならば検討してまいりたいと考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最後でありますけれども、総理にひとつ要望しておきたいと思うのですけれども、先ほど申し上げましたように、各地に、お見せしましたようなこういうケースが非常に多いんです。はらみ石が出っ張っておったり、これを直すんだったら何兆もかかるというようなことだと思うのでありまして、それらの関係から、各省庁の関係は税金で払う、片方は運賃で払いなさいというたてまえというものは、これはちょっとおかしいじゃないか、費用負担の原則に反するというように私は思いますので、それらの関係も含めて、しかも、災害復旧という関係については、片方のがけの方、いわゆる斜面の方は斜面の方でこれはひとつ林野庁でやりなさい、それから国鉄は国鉄でやりなさい、道路は道路でやりなさい、河川は河川局でやりなさいということだけで、ばらばらにやっている傾向というものが非常に強いわけです。こういう点は関係者が認めております。ですから、今後、たとえば先ほど申し上げましたように、激甚災のあったような場合に、あなたば中央防災会議の会長なんですから、ひとつそういう意味で各省庁連絡を特にとるような方向で御指導を願いたい。その中でいま私の言ったような問題等についても解決していくようにしていただきたい。ひとつ御答弁願いたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大事な問題の御指摘だと、こういうふうに伺ったわけでございます。そのように心得て対処したいと思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 午後一時まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時九分開会

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再会いたします。  午前に引き続き、昭和五十二年度暫定予算三案を一括議題とし、青木薪次君の質疑を続行いたします。青木薪次君。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先ほど、午前中の私の二百海里問題に対する総理の政府特使が決まったようでありまするけれども、その名前を総理から発表していただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この昼休みの間に相談をいたしまして、園田官房長官を私の特使といたしまして、私の親書を携行いたしまして、明日昼ごろになると思いますが、モスコーへ向けて出発せしめるということに決定いたしました。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 超党派議員団についてはどうなんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは国会でやっておられることで、私はタッチはしておりませんが、情報といたしましては、これも議院運営委員会において超党派議員団がモスコーへ向けて出発するということを決定した由でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この問題については、全く国民が、一刻も早く解決をしてもらいたいということでありますし、日本国民のたん白のもとになる漁業の問題でもありますし、領土の問題でもありますので、真剣になってこの問題、前向きに討論してもらいたい。また総理も、与党だけでなくて、野党に対しても胸襟を開いてひとつ相談をし、この問題の対処を要請いたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私も、非常な決意を持ってこの問題に対処していきたいと、かように存じますので、各党におかれましてもぜひ絶大な御協力を賜りたいと、切にお願い申し上げます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 次に私は、環境庁長官に環境影響評価ーアセスメントの関係について、後日また質問いたしますけれども、この際質問いたしておきたいと思います。時間がございませんので、簡潔な答弁で結構でございます。  これまでわが国の環境行政は、汚染や、あるいはまた破壊が行われてからそれに対処するという方向でありましたけれども、環境影響評価の目的については何であるか、ひとつ御答弁願いたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) 環境破壊の未然防止でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 二次案の修正点について、「目的」で「総合的に考慮される諸事情のうち、」という字句を入れました。これは通産省が強力に反対してきた。これは国民がひとしく知っておる点でありまするけれども、これは非常に、環境に及ぼす影響のみとして、あらゆる破壊その他環境の悪化について一部分だという考え方になっておりまするけれども、この点通産大臣は、ひとつ国民の前ではっきりと答弁していただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  環境に対する影響の評価の問題でございますが、われわれ産業行政を担当いたしておりまする者といたしまして、特にエネルギーの問題等、非常に重要なこれからの施策を考えまする場合に、最も重大視いたしておりますのは、この国民の皆様方、大衆の方々のこれに対しまする深い御理解と御協力であります。そういう点からいたしまして、環境に対する影響の評価、いわゆるアセスメントという問題につきましては、わが省といたしましては、すでに昭和四十年以来、この産業公害の総合事前調査を実施いたしておるような次第でございます。特に、四十八年の電気事業法に基づきます場合におきましては、資源エネルギー長官の通達によりまして、事業者に環境に対する影響の調査と評価を実施させて報告を受けているような状態でございます。さらにそれを環境問題についての顧問会によりまして審査をいたし、通産省といたしましては正式にこれらをば特に重視いたしておりますが、ただいま環境庁の方からの案が出てまいりましたにつきまして、当省といたしましては、事務当局同士におきましてこの話を詰めておる次第でございます。もちろん、環境に対する影響評価につきましては最も重視いたしておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 従来の環境庁長官に任されていたアセスメント指針の細目が、主務大臣が定めることに変わったわけです。この点の内容はどうなんですか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) このアセスメントの指針につきまして、これは環境庁長官がつくることになっておるわけでございますが、それが主務大臣に変わったというのではないのでございまして、アセスメントの共通的ないろいろな指針につきましては環境庁長官がつくるのでございますが、なおその実施の細かい問題が、現実問題として道路なり橋なりあるいは飛行場なりということのアセスメントをする場合には、いろいろ細かい問題が、さらに決めなければならぬ問題がありますので、それを主務大臣がさらに補足してつくると、そういう意味でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 意見書を提出できる住民の範囲を、いままでは全体の、影響する関係都道府県にかかわりなく意見聴取することになっていたわけでありますが、これを関係都道府県の住民に限定したわけであります。そういたしますと、たとえば、私は静岡県でありますが、静岡県と神奈川県、箱根山を囲んで隣接の県の人たちは、これはもう意見書を提出できないということになるわけでありますが、これは非常に不合理だと思いますが、いかがですか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) 関係のある都道府県の住民というのは、先生いまおっしゃいましたような静岡県と神奈川県で、神奈川県にも関係があるのに静岡県だけに限定をするという意味ではございませんので、環境に影響を及ぼすおそれのある都道府県ということで、神奈川県に影響が及べば静岡県にも神奈川県にももちろんそういう説明もし、その住民の意見も聞くということになるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 判定はだれだ、判定は。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) それは関係都道府県知事の意見を聞いてと。だから、事業実施主体自体が判断するのではなくて、都道府県知事の意見を聞くといいますか、指導を受けるといいますか、そういうふうになっておるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それから、地方自治体が行う大規模開発事業について、アセスメントをいままでは環境庁長官が実施する際この権限を持っておったわけでありますが、これを苗相に移したわけであります。別に移したことが云々ということよりも、総理はそのことについては余り、関係ないわけじゃありませんけれども、非常に統括する範囲が広いわけでありますから、内容が薄められる、こういう心配があるわけでありますが、この点についてはいかがですか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) 指定地域のいわゆる大がかりな開発行為につきましては、いろいろ開発行為が複合してくるわけでございますので、そういう場合に全体を一体としてまずアセスメントを実施をすると、そういう関係で関係大臣がたくさんになりますので、それをやはり統括するために総理大臣を責任者とするというふうにしたわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私はきょうは時間がございませんので、大体概括的に説明を求めているわけでありますが、事業者が最終的に開発事業を実施する場合に、「環境影響評価書の内容を尊重しなければならない」といままであったわけであります。これを今度は「勘案しなければならない」というように改めたわけであります。したがって、このことは私はやっぱり事業者の立場に立っているということが非常に問題だと。私はこの環境影響評価のねらいというものは、住民の環境を守り、福祉を守り、そうしてそこを破壊させないということのためにあると思いますけれども、この点の矛盾についてはいかがですか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) 言葉の問題でございますけれども、私も個人の意見といたしましては尊重の方をとるべきだと思います。そのように指導するつもりでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そのようにひとつ指導することについて、長官、今後まだ折衝の余地は残っているんですか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) 残っておると思いすす。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 公聴会の開催者を、いままでは事業者が責任持って行わなきゃならぬとなっておったのを、これを今度は都道府県知事に移行したわけであります。そういたしますと、義務づけられていないにしても、事業者から知事に移ったということは、これはやはり内容の後退になると、こう思うんでありますけれども、その点いかがですか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) この公聴会の開き方なり手順をどういうふうにするかという点については、まだ関係各省庁との間に十分に詰めができておりませんで、目下いろいろと相談中の段階でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いつごろ提案するかという問題について、これは八十国会に必ず提案するといういうとが明言できますか、環境庁長官。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) 残念ながら一般法案の提出締め切りの三月二十二日には間に合いませんでしたが、提出の延期を内閣に申請して了承よ得ておりますので、できるだけ早期に提出するように渾身の努力をいたします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この環境アセスメント法案は、昨年の国会に実は提出を予定されておったんですね。それが、通産省を先頭にいたしまして、経団連や鉄鋼連盟が強力に実は反対したわけであります。したがって提出が見送られてまいりまして、その後この反対は国民世論に押されて若干下回ったようでありまするけれども、なお強力な反対という意見というものは消えておらないようであります。環境庁案の骨子では、開発に当たって環境への影響を事前に予測して環境破壊を未然に防ぐことを目的といたしておりまするけれども、の立案段階から地域住民の意見を反映させるために説明会や公聴会を開いて、必要があれば計画の手直しをするということが、これが後退をしていくということについては大変残念であります。したがって、この点について、環境庁長官は、いま私の申し上げたようなことを貫く意思があるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) いままで日本の諸所に起こりました環境破壊の苦い体験を踏まえまして、こういう既成の行政原理の中に存在し得なかった法律が着案されたわけでございますから、先生おっしゃいました、その筋を通すという形で立案し、できるだけ早期に提出したいと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最後になりますけれども、私は先回の公害と環境の特別委員会に出席いたしまして、環境庁長官が、二月の二十五日に水俣病の患者との関係における面会拒否で、しかもそのときに、外で陳情を受けて、その合い間にテニスをやったと、このことが非常に国民の反対を食ったわけであります。反対をこうむったわけであります。したがって、そのことについて、私はこの前の特別委員会で、石原長官は福田内閣における若手の工ースかもしれない、しかし、このことに対する国民は非常に大きな反感を持っている、大体において環境庁長官は、私どもの理解する範囲内では再軍備論者だ、核武装論者であった、憲法改正論者であった、それから非常に感情の安定しない大臣だというような意見を私は出しまして、その点いかがですかということを聞いたら、その点はそうじゃありません。それじゃ大臣をやっている期間以外にもそのことを貫くかと言ったら、貫くということで私は了承したわけであります。しかし、議運の関係等においてはまだあなたの問題がいろいろ問題になっておりまするけれども、これらの点について長官は改めて私の申し上げた点についてひとつ、誤解だったら解くような発言をこの際していただきたい。  それから、総理はちょっと出かけたのですか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) いま国際電話で……。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうですか。じゃ後でこの環境影響評価法案の成立について総理から決意を聞いて私の質問を終わります。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) 前回公環特で申し上げましたことに間違いはございません。  念のために申し上げますと、私は再軍備論者でもございませんし、核保有論者でもございません。私が書きましたことを冷静にお読みいただければ判明すると思いますし、参議院時代の議事録にも、核保有論については私の所見ははっきり述べている次第でございます。憲法に関しましても、それは個人として学問的に発言をしたことはございますが、あくまでも憲法を遵守すべきものと考えております。その基本的な姿勢で環境問題に取り組んでいくつもりでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 陳情者に対する姿勢です。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石原慎太郎君) これも申し上げさせていただきますけれども、私は基本的にいかなる陳情にもお目にかかるつもりでございます。しかし、やはりこの日本という開かれた自由な社会には、この自由を保って守るためのいろいろ黙約があると思います。その黙約を明文化しなければ理解していただけない方々には、これは明文化して守っていただく以外にないと思いますし、やはり役所には役所の秩序がございますし、それを一方.的に破られるような陳情はこれを忌避するべきだと私は思って、そのような判断をしたわけでございますが、この代表の方々も、きのうもおいでになったようですけれども、もう最低限、世間でごらんいただいてあたりまえなことであるという黙約をやはり明文化する必要があるならば明文化いたしまして、ルールといっても別に何条何項という法律ではございません。互いに時間を指定し合って折り合った時間にその時間の範囲内で会う。あるいはまた、相手がどなたかわからないような陳情団ではなしに、別に名刺を出していただかなくても、名前は名のっていただいて互いに会う。そしてまた、いきなり暴言ではなしに、紳士的に冷静に話し合いをしていただきたいということを申し上げて、原則と申しましょうか、そういう黙約を明文化した中で私はいかなる陳情にもお目にかかるつもりでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは公害委員会でまたいろいろ意見を討論しましょう。  それじゃ総理から。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) アセスメントに関する法律は、これはもっと早く出したかったんです。ところが、なかなか技術的にむずかしい点が多いもので、関係各省の調整が手間取っておるという状態でございますが、鋭意今国会に提出をするという方向で調整に努力をしたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これで終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして青木薪次君の質疑は終了いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 先ほども質問がございましたが、日ソ漁業交渉に当たって特使が決まったわけでございますが、日程、それから方針、総理の決意、それを冒頭にお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 一応あしたの昼出発ぐらいなことが考えられますが、向こうでの滞在は一両日くらいか、こういうふうに思うんです。で、漁業についての交渉はいたしません。もっぱら親善関係を維持しようという親善特使というか、そういうような性格のものでありまして、それを踏まえまして、鈴木農林大臣がまた交渉に当たる。これは向こうへ行くことになりますか、あるいはまた別の形でやりますか、それは園田特使の報告を待って決めると、こういう考えでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお話だと、具体的に漁業の問題については一切触れないと、友好親善と、結局これは政治折衝まで特ち込まないとどうしようもなくなったから特使を出されたわけですから、ただ友好親善といって、やあやあと言って終わりというのはちょっとおかしいと思うんですが、その点いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 友好親善といいましても、ただやあやあと言って帰ってくるわけじゃないので、日ソ漁業交渉を友好親善のうちに進めましょうという話をすることは当然でありますが、話の内容は漁業交渉の内容にわたるものではない、これはあくまでも鈴木農林大臣が担当する、こういう考えでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 見通しはどうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 何とかそういう形で円満な妥結を図りたい、こういうふうに念願をいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 先日の当予算委員会でわが党の中尾委員の質問に対して、総理並びに外務大臣は、竹島問題で韓国政府に外交交渉を申し入れると、こう述べられたわけですが、韓国外務省スポークスマンは、日本と交渉することはあり得ないと、こういうふうに態度を表明しております。これに対してどうされるのか、政府としては正式に申し入れをされたのか、韓国側の反応はどうか、その点いかがですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) まだ竹島問題につきまして、正式の申し入ればいたしておりません。時期を見まして申し入れをしたいと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 仮に外交交渉に応じないとすれば、日韓の紛争の解決に関する交換公文に韓国側は違反する、条約違反ということになると思いますが、外務省はそう判断されますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) まだ申し入れをいたしておりませんので、仮に申し入れに応じないと、こういうような御質問でございますけれども、何とか交渉にこぎつけたいと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 新聞報道ですが、そういうスポークスマンの話が出ておるわけでして、かなり態度はかたいと思います。そういった場合、今後の日韓の定期会議にも影響が及ぶかと思いますが、その点はいかがですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 先方の態度はきわめてかたいということはよく存じておるところでございます。しかし、わが国としての立場、先般来の当委員会におきます御議論等を見まして、わが国の立場をこの際明瞭に先方に伝える必要がありますので、何とか交渉を持ちたい、そのために努力をいたす所存でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、核燃料の問題について総理に伺いますが、日米首脳会談におけるアメリカ側のこの再処理問題に対する態度が非常にかたい。その後、いろいろ新聞報道でも、たとえばアメリカはイギリス、フランスには厳しい条件を出したとか、また融資においてもこれを締めていくとか、いろんな動きが出てきておるわけです。基本的に総理は、このかたいかたいアメリカの姿勢に対して、非常に理解を示してくれたからという、共同声明にあることで非常に評価をされておると思いますけれども、まず核防条約に書いてある核保有国の核軍縮に対して実効的な成果を何ら挙げていないわけでして、わが国政府としては、核防条約の前提が重要な変更をもしもたらされたとするならば、核防条約第八条に基づいて緊急に再検討会議を開催要求、あるいはまた、核防条約の再検討のための会議開催を関係国に要請をしなければならぬと思うんですが、その点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この問題の成り行きは私はそう簡単じゃないと思うのです。ひとりわが国だけの問題じゃないんです。私はカーター大統領に対しまして、さて、イギリスは一体どうするんですか、ドイツはどうするんです、あるいはフランスはどうするんですとまで聞いておるんです。それに対してカーター大統領は、それらの国国に対しましても日本に対すると同じような要請をしますと、こういうことを言っておるわけです。それはわかったが、さてそれではソビエトロシアはどうするんですと言ったら、それも同じような交渉をするんだと、こう言っておるわけでありまして、これは非常に多数の国々にが絡まります問題でありますので、日米間だけの関係ではない。相当私はこの問題は決着するまでには時間がかかるんじゃないか、そんなような感じがいたしてなりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理に確認したいのは、核防条約推進を一生懸命やってきたのはアメリカですね。そのアメリカがそういった条約の前提を崩す方向に出てきておるわけでしょう。その点はどう理解されておりますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 御質問の趣旨は、核防条約が核の平和利用を妨げると、こういう趣旨であろうと思うのでございます。この点につきましては、昨日の衆議院でも同趣旨の御質問がございまして、現在の核防条約の四条でうたわれておりますこと、平和利用の権利は妨げない、あるいは奪えない権利であるということでありますから、今回のわが国が持っております核の平和利用の開発計画、これにそごを来すようなことがあっては困る、こういう趣旨でわが方は主張しておるところでございます。  他方におきまして、御承知のとおりでございますが、核の核兵器化が容易になるような施設が拡散するということは、本体の防ぐべき核兵器の方の拡散の問題が関係しておりますので、その間の問題がいままさに問題になっておるということで、今後その両者をどのように調整していくか、その点がこれからのわが国とアメリカとの折衝におきましても問題の焦点になろうかと、こう思う次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 モスコーにおける米ソのSALT交渉ももう決裂をしたわけですね。したがって、カーター大統領がソ連に対しても核軍縮等をやっていくというよう働きかけをするといっても、もう現実にそれは壊れているわけです。しかも、日本がいま石油でも非常に困ってきておる。そこへもってきて、次のエネルギーとしてきちんと安全性を保ちながら開発していかなければならぬこの原子力平和利用も、こういったアメリカの非常に一方的なやり方によってこれまた締めつけられてきておる。そうすると、非常にエネルギー政策の上からもわが国はますます困るし、また、かえって米ソ二大超核大国はますます力を持つと、こういうことになってくるんですが、その点に対して、総理はどう考えますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国はエネルギー源を石油に依存している最も依存度の高い国です。それであればこそ、政府におきましても、いま全力を尽くして、わが国のこの使用済み燃料の再処理、これを進めたいということを主張をしておると、こういうことでございまして、この主張、これは世界じゅうがみんな例外なく再処理をやめようと、そういうことでありますれば、これは日本としても考えなきゃなりませんけれども、日本のように、まあ出おくれたという国が不当な所業を受けると、こういうことは断じて阻止しなけりゃならぬという方針でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、経済問題に入りますが、まず政府の経済見通しについてお伺いをしたいと思います。  五十二年度の経済見通し、政府と民間とをいろいろ比較をいたしますと、個人消費支出の伸び率十三%台これはほとんど一致しておりますが、その他は大体民間の見通しょりは、設備投資あるいは在庫投資あるいは民間住宅投資、全部大きいわけですが、ことしの経済の運営に当たりまして、この民間経済が大きく回復をして、そして景気、経済を引っ張っていくと、そう政府は判断をしておるわけですか。これは総理か、経企庁長官。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  五十二年度の政府の経済見通しは、実質六・七%の成長を考えておるわけでありますが、五十年度と非常に違うところは、輸出の伸びを低く見ておるわけでございまして、OECDの五十年暦年の伸びは十三・五%でございましたけれども、これをOECDの暦年の五十二年の伸びは六・二五%と低く見ております。したがいまして、日本の輸出も昨年に比べまして低い見通しをいたしておるわけでございまして、大体十二%台の伸びになると、こういう見通しをしております。そのほかの需要項目につきましては、個人消費についても、だんだん物価も安定し、収入も伸びていくということで、この経済見通しで考えておる程度のものはできるであろうと。設備投資についても、これは製造業については落ち込みますけれども非製造業について伸びていくと、こういう見通しのもとで政府の見通しを立てておるわけでございます。そのほか住宅投資、在庫投資等も大体見通しのとおりでございますけれども、特に財政支出におきましては、政府の支出の中のいわゆる資本支出、公共事業やあるいは営繕費等を含んだそういう資本支出、これが昨年に比しまして一五・九%の伸び、金額にしますと十八兆二千五百億、こういうものをてこにいたしまして、全体として実質六・七%の成長ができる、こういう考え方でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 要するに、いまの話だと輸出は少なくなる、そのかわりに民間の設備投資、在庫投資、いわゆる住宅投資あるいは個人消費の伸びで景気の回復が図れる、こういうことですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) さようでございます。すべての需要項目全体として六・七%と、こういう計算をいたしておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理、こうなると、まあ増加率の差はあっても、高度経済成長のパターンと同じですね、いまの輸出を抑えておいて国内需要を上げようというんでしょう、それで回復ができると。その点いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 経済活動でありますから、高度成長の時代といまの時代と経済活動、各分野におけるその動きがそう変わってくるわけじゃないんです。問題は、高度成長時代に比べますと成長の高さが低くなってくる、こういう問題が一つ。それから内容、つまり質におきまして産業重視から生活関連の施設を重視する、そういう方向への転換がある、そういうことでありまして、経済は経済ですから、住宅も建てば河川、道路の改修なども行われるとか、それから事業活動も行われるとか、そういうことにおきましては、それば変化は別にないわけであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、先ほど言われた輸出ですね、輸出が五十一年度実績見込みの一五・二%から約四ポイント低下をするわけです。そうなりますと非常に輸出が抑えられる。これはいま申し上げたように、輸出の伸びを抑えて国内の需要を上げてそしてバランスをとると、こういうことになりますが、果たしてその輸出をこういうふうに下に抑えることがいいのかどうか、この辺はいかがですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 決して輸出を抑えるという問題ではございません。世界の貿易の伸びが落ちてくる。これはOECD先進二十四カ国で、先ほども申しましたように昭和五十一年、これは暦年でございますが、これの伸びが十三・五%、しかし五十二年暦年ではそれが六・二五に落ちるであろう、こういう見通しを世界先進二十四カ国でいたしておるわけでございまして、この趨勢を構えて日本の輸出を考えるとこういうことになるだろうという客観的な数字を挙げておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 しかし、現実には五十一年度輸出にしても政府の見通しの突破は確実と言われているわけです。しかも、七百億ドル台乗せもということが言われておりまして、非常に五十一年度の輸出の見通しを上回っているわけでしてね。それはある程度は下がるかもしれませんよ、しかしかなり強いしへまたそれをある程度は続けていかなければ、この大変な不況の回復も非常にむずかしいと思うんですが、通産大臣、この点はいかがですか、輸出の。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま全体の国民経済計算の数字は企画庁から申しましたが、御質問の輸出と輸入でございますが、二月までの実績で六百三十五億、輸入が六吾九億でございます。  ただいま御指摘のように、日本の国のたてまえから申しましても、資源のない、食糧、原料、材料を海外に依存いたしておりまする関係から、石油だけでも二百億ドル、食糧が三分の一の輸入をしなけりゃならぬ、こういうことから申しまして、国全体としての外貨というものは、これはぜひとも貿易によって、あるいはプラント輸出等によって獲得しなきゃならない。いま長官の申しましたのは、あるいはECに、あるいは対米関係に、いろいろの問題のあるところでございますが、貿易全体といたしましては、やはりある程度の外貨の収入は確保しなきゃならぬということは、われわれといたしまして強く主張いたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ということは、通産大臣としては、五十二年度の政府見通しであるこの輸出の伸びについては非常に不満であると、こう考えてよろしいですね、異論があると。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) そういう意味ではございません。そういう意味ではございませんが、計画どおりに一応伸びつつあることを、またさらに、われわれといたしましても外貨というものの必要性を十分認識しながら、摩擦のない国際的な拡大均衡に向かって努力をいたします。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いや、通産大臣、聞いている質問に答えてくださいよ。こういうふうに輸出が抑えられてもいいんですかということですよ。それは一通産省が担当しているいわゆる国内のいろんな産業ですね、いままでの景気回復等を含めまして、実際大変な抑えになるわけです。ちょっと私も計算しましたけれども、貿易収支を計画どおりに圧縮いたしますと大変な需要を減らすことにもなつてきます。私の方で試算していますけれども、その辺どう見ておられますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 大変誤解があるようでございますけれども、IMFべースで輸出を申しますと五十一年の見通しが六百六十七億ドル。これを五十二年の見通しでは七百四十八億ドルとかなり高い額でございまして、貿易収支におきましてはとにかく七十三億ドルの黒字、こういうことでございまして、これは相当高い水準であります。したがいまして、世界全体の貿易が落ちる中でこれだけの輸出を確保していくということでございます。決して低い水準ではない。しかし、五十一年度のような輸出というのは期待してないということでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 五十一年度の実績見込みより結局十五億ドルの圧縮になるわけですね、経済見通しで八十八億ドル、これが七十三億ドルになるわけですから。実際は五十一年度の実績はもっと高くなっていて、新聞等では百億ドルと言われている。もしそうなった場合であれば、約二倍の二十七億ドルも貿易収支を圧迫する、こういうことになるわけですよ。だから、それでもあなた高水準だからいいなんて言われますけれども、相当輸出は抑えられることになるわけです。いかがですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいまの貿易収支のお話でございまして、輸出はかなり伸びるわけです。しかし、景気がだんだん回復してまいりますれば輸入がおのずから伸びてくるということでございますから、これは御理解いただきたいと思います。決して輸出がそう減るわけでなくて、輸出だけからいたしますと、かなり、八十億ドルぐらい伸びるという計算をしておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その輸入が伸びると言われますが、これも後からずっと詰めてまいりますけれども、国内景気の回復が、いま言われた輸入が伸びるからという非常に甘く見られておられますけれども 実際問題そんなに私は伸びないんじゃないかと。伸びさせ有ればいけませんけれどもね。  もう一つは、いま言われた貿易収支を計画どおり圧縮していけば、およそ七千五百億円から九千億ぐらいの需要を減らすことになるわけですね。これはまあこちらで勝手に試算をしてみましたが、一ドルを三百円と二百八十円でやりました。それをこの需要のいわゆる減というものが国内景気の現在の状況、これからの状況で果たして補えるのかと、その点はいかがですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えしたいと思います。  私どもの計算では、輸出をただいま申し上げましたような数字ではじきまして、ほかの需要項目であります設備投資、個人消費、あるいは在庫投資、住宅投資、財政支出、すべてを勘案いたしまして実質六・七%の成長ということを計算いたしておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私が聞いているのはそんな六・七、六・七ではなくて、いま言った、減るわけでしょう、要するに貿易収支がこういうふうになれば。おたくの計算でやったらこうなるわけです。その需要が国内で補えるのかということです。それだけの需要の喚起ができるのかということです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 国内で補う計画でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理、これは大丈夫ですか、いま経企庁長官が言われたですけれども。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 輸出の方で五十二年度はそう伸びないと、こう見ているんです。実質で大体五%ぐらいの伸びでしょうか。そういう状態の中で六・七%成長を実現するというんですから、何か国内の方で需要が伸びなきゃならぬわけですがね。そこで、国内需要としては財政、これを重視したわけです。財政投資の方は、輸出が実質五%ぐらいしか伸びないというのに九・九%の増となるという予算内容になるわけです。それらを総平均いたしまして六・七%成長になる。まあ予算主導型の景気政策ということになります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まとめはもうちょっと後でいたしまして、次に、民間設備投資について聞きますが、政府は十二・三の伸びを見込んでおりますが、今年度の実績見込みは八・九、相当の増加であります。ここで総理に聞きますが、五十一年度末稼働率が九五、これを口ぐせのように言っておられましたですが、実際問題この需給ギャップというのがどれぐらい改善をしたんですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 現在の一番新しい稼働率は五十二年一月の八五・八でございまして、かなり低い稼働率でございます。しかし、これは一部には設備能力がかなり大きくなったということもございまして、この稼働率の低いのを、だんだん経済活動が盛んになってまいりますと五十二年度末、したがって五十三年の三月には九四程度に持っていこうというのが政府の計画でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その設備投資が動意を示して、本格的に経済成長を引っ張っていくような力強い設備投資が行われる条件はどれぐらいと見ておられますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 大体九四%程度の稼働率指数ということになれば、これはやはり企業家として一つの設備投資というものを考えていくのではないかと思うわけでありますけれども、しかし、私どものきょう発表いたしました、千社ばかり対象にいたしております企業家の動向について調査をいたしましたところ、やはり新しい設備あるいは能力をふやす設備ということについてやってみたいと、そういう企業家の心理というのが如実にあらわれておるわけでございまして、稼働率が低くても投資をしたい、そういう資料が出ておりますので、また御参考になれば資料をお手元にお届けいたしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま九四ということを目標と言われましたけれども、実際現在の稼働率は八五…五、まあ大型になったとかなんとか言われますけれども、これから約九五まで相当上げなくちゃいかぬわけです。ちなみに四十九年が九一・四です。それから五十年が八一・二、五十一年は各月大体八八程度でありますから、過去の経緯から見て、これを九四まで上げるということは相当の設備投資をしなきゃならぬわけでして、実際こういうことができるのかどうか。総理の言われる減速経済下でいまこれ五十二年度末に九四まで持っていくということは大変なことになるわけでして、じゃ、それだけの個人消費の伸びがあるのかどうか、あるいは住宅等がそこまで伸びるのかどうか、その点はどうですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいま申し上げましたのは稼働率指数でございます。したがいまして設備投資がふえてきますと、稼働率はむしろそのままの状況であれば下がってくるという関係でございますから、稼働率指数が上がってくるということはやはり企業活動が盛んになってくる、事業が伸びてくるということでございまして、公共事業を中心とした昭和五十二年度予算が成立すると、この予算を上期に七0%の公共事業前倒しをする、こういうこともございますし、住宅投資についても九万戸四月中に募集をする、あるいは公定歩合の〇・五%引き下げ等々の問題を合わせまして、だんだん企業活動が盛んになってまいりますれば、これは稼働率指数は上がってくると、そう考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま企画庁長官からお答えしたとおりでありますが、つまり設備投資がふえれば稼働率は逆にこれは落ちちゃうわけなんですが、そうじゃなくて、需要がふえる、それに従って回し設備でありますれば需要がふえるんですから稼働率が上がってくると、こういう関係になるわけですが、その需要は先ほどから企画庁長官から申し上げておりまするとおり、まあ設備投資ば低調だ、また貿易もまあまあ五%前後のものだ、消費もそんなような程度しかない。しかし国家投資、地方公共団体なども含めましての財政上の需要、これはかなり大幅にふえるわけでありますから、総平均すると六・七%の総需要がふえる。そうなりますと稼働率は九四ポイントというところまでぐらいは回復するであろうと、そういう見解でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その辺は、私は非常に甘いと思うんです。五十一年の需給ギャップ解消状況を見ましても、五十年の一月から三月が二0%のギャップ率が一年間かかってようやく三ないし四ポイント小さくなっただけです。そのときの成長率は実質五・七、五十二年度の成長率が六・七としても需給ギャップの解消率が前年度程度か、よくて五ポイントとした場合、需給ギャップ率が五十一年の十月から十二月期に一六ないし一七ですから、うまくいってもせいぜい来年度は需給ギャップ率が一0%。そうなると設備投資が動き出すということにまでなかなか至らない、こういうことになると思うんですが、じゃ設備投資——さっきの総理の話を聞くと、設備投資を余りやらなくてもいい、稼働率を上げればいいと、こういうことですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 稼働率が上がってきますと、そこでこの設備投資が盛んになるような傾向になるので、やっぱりまだ、設備投資がばかにふえちゃったらまたこれは設備過剰になりますから、そういうことは好むところじゃございませんけれども、適正な規模の設備投資が行われる、そういう状態になることが経済の正常な姿であります。そういう状態が出てくる前提としてはある程度稼働率の改善がなけりゃならぬ、こういうふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いや、私の質問にあんまり答えていただいていないわけですね。  要するに私がいま申し上げたように、来年度需給ギャップ率がようやくうまくいって一0%に迫ると、これぐらいにしかならぬですよ、過去からいくと。それでいま言われたようなことになるのかどうか。稼働率が上がれば設備投資が上がるなんて、稼働率を上げるための需給ギャップが一0%以下にならなければだめですから、ようやく来年度末で一0%に迫ると、そういったところで設備投資なんか動くわけはないと思うのですけれども、その点を聞いているわけです。その点の見通しはどうですか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) お答えいたします。  稼働率を上げると、稼働率は二つの要因で決まるわけでございまして、一つは設備投資が行われた結果、設備の量がどれぐらいふえるかということと、それからもう一つは生産がどれぐらいふえるかということでございます。  五十二年度の稼働率は、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、現在の四十五年基準の八五程度の稼働率指数を五十二年度末、来年の三月に九四程度まで上げようということでございますが、その背景には、過去の設備投資が非常に沈滞していたということを受けまして、資本ストックの伸び方が大変低い。それに対しまして実質経済成長率が六・七%、鉱工業生産でいたしますと九%ちょっと生産が上がるという形で稼働率がだんだん上がってくる。そういうふうになれば、いま沈滞をしております民間設備投資も動意が見られるであろうということであろうかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 どうもただ数字のつじつま合わせをされているだけで、現状認識が余りないんじゃないか。あと貸し出し状況等から見ても非常に厳しいわけですが、要するに総理も経企庁長官も、いまの局長の答弁も聞いてますと、要するに政府の出した見通しに何とか合うんじゃないかというような話ばかりをされておりまして、現状認識が非常に甘いんじゃないか。これは前から総理にしばしば申し上げておるわけです。  もう一つ民間住宅投資、これも非常に、先ほど住宅のことを言われましたが、住宅公団ではもう一万戸減らすという縮小計画まで出しているわけですね。しかもこの住宅投資が伸びるという状況はどの程度なのか、その点建設大臣も含めまして答弁いただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 本年の二月の三日の閣議で決定をされました昭和五十二年度の政府の経済見通しにおいては、民間住宅の投資は十五兆二千億円、対前年比に対しまして伸び率が一六・五%と考えております。最近の住宅建設の動向を見ましても、今年度は別に変わりなく順調に推移して、特に問題はないと私は考えております。  それから一万戸の建設の問題でございますけれども、いままでのやり方でなく、御承知のように一万二千戸も空き家もあります。こういう点でなぜその住宅を使ってもらうことができないかということは、狭過ぎるということとか、また遠いというような問題も起きております。近いところに先につくったのが大体二DKでございまして、その二DKを現在は二つを一つにして改造をしまして、そして住みよい方向づけをしておると、こういうような点、また後からできる一万戸の減につきましては、それと伴いましてかつてつくったときと現実とはまた大変な違いが出てきている。そこで狭いという点、これを三DK以上、三LDK以上というようなものに建てかえ設計をし直していこうと。したがって高層建築の方はそう高層でなくて、なるべく使いやすい中層程度のものに切りかえていこうと、こういうようなことでございますので、別に金額そのものに対しての不足はない。ただ戸数が少なくなるというのは、現在の民間の要求するものに合わせていこう、国民に最も住みよい住宅に切りかえていこうではないかと、こういうことでございまして、別にこれに対して建設費がどうだとか、経済への影響等というものは私はないと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま大臣は順調に民間住宅投資は伸びるんだと言われましたが、五十一年度を見ますと、四半期ごとで見ると住宅ローンの新規貸し出しは前期より落ち込む状況が出ているわけですよ。これはデータ、日銀の統計月報を見ましてもおわかりと思いますが、かなり伸びとしては悪いわけですね、マイナスも多いし。そういった点で、いまちょっと順調にいっているという見方もこれまた甘いんじゃないですか。実際住宅というのは、やはり賃金と雇用、これに不安があるときは住宅どころではないわけですから、現在非常に雇用不安もございますし、また賃金等の問題もございます。いま言われた順調にいっておるというのは、五十一年度に見る限りそうではないんじゃないですか。それが五十二年度そうなる可能性があるのかどうか、重ねてお伺いします。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 五十年に比較しまして五十一年度はかなりの伸びを示しておりますが、五十年には九十四五尺これだけでございます。九十四万戸であります。したがって、伸び率は大体一八・八%、こういうような伸びをしておるのでございまして、本年度に、五十一年度に入りましても伸び率は順調な伸びを、数字は細かくなりますけれども、順調な伸びを示していると考えております。したがって、五十二年度におきましては、申し上げたように一万戸を住宅の面を少なくいたしましても、量より質という点に重点を置きまして、置きかえをしていっておりますから、これらに対しては別に変わりはない、こういうふうに考えておるのであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあちょっと大臣と認識が違うようですが、次へ参ります。  次に、企業の最近の活動の状況でございますけれども、日経センターの調査によっても単なる生産拡大より収益性の改善を重視、こういうことが非常に言われておりまして、問題は積極的に企業が前へ進もうというより生産を減らして価格を上げる、こういう傾向の方が非常に強いわけです。で、そのために合理化とか企業内の努力、雇用調整、そういったことで失業が依然として減らない、こんな状況が出ておるわけですが、こういった状況が出ておりますと、ますます今後価格というものが上がる可能性があるわけです。  これで総理にお伺いしたいわけですが、総理は盛んに新価格体系への移行ということを言われてきましたが、これは一体どうなりましたですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は新価格水準への移行と、こういうふうに申しておるんですが、石油輸入価格が一挙に四倍になるという、その後もさらに上がってくる、こういう状態で、これがエネルギー源でございまするし、また原材料でもありまするので、まあこれが物価水準全体に影響を及ぼす、これは相当大きな影響になるわけです。そういう影響を受けまして各企業の製品価格の改定が行われる、こういうことになったわけでありますが、まあ私はそういう企業家の企業における石油価格の急上昇に伴う順応、つまり新価格水準への移行は大方終了したと、こういうふうに見ております。ただ、いわゆる公共企業の料金、そういうものにつきましてはまだ一部そういうものが未済のまま残っておる、こういう認識であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま大方終了したと言われますけれども、その根拠は何に求められていますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ああいう原価に大きな影響を及ぼすような石油価格の影響があったわけですから、したがってその変化に順応した価格改定が行われたんだと、そういうことでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現実はしかし、各業界、企業等に聞きますと、その製品がこういう不況で売れないから、非常に無理をして、上げたくても上げられない、こういうことでがまんをして抑えているのが非常に多いわけです、特に製造業関係の製品ですね。原材料が上がっている、工賃も上がっている、しかし製品はそう売れない、だからやむを得ずがまんしておるというのが非常に多いわけです。しかも先日来いろいろ新聞等では鋼材の値上げとか、あるいはまた電力等もこれまた非常に大きな問題で値上げということが言われてきております。電力業界も決して楽なものではないように見られるわけですけれども、そういうことを考えますと、依然としてその総理の言われる新価格水準への移行はまだ終わってない、これからまだ出るんじゃないか、こういう非常に不安を持つんですが、その点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 原油価格の急激な高騰、これに伴うところの各企業の製品価格の改定、これは大方私は済んだと思うのです。あとまだしかし残っておる大きな問題があるのは、この需給の関係からくる問題です。いま売れなくとも、需要が少ないものだから値を下げなければならぬ、こういうような物も相当あるので、そういう需給圧力からくるところの価格問題というもうは、これはかなりこれから問題がある、こういうふうに見ております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうすると、総理は今後原材料等の値上げ等についてはそう心配ない、要するに需給の問題だけ、それで少々あと上がるかもしらぬ、ということはもう新価格水準への移行は終わったと。重ねてお伺いします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 価格を決める要素は原価と需給でありますが、その原価の面であのいわゆる石油ショック、つまり三年半前に一挙に四倍に石油が上がった、その影響は大体私はもう吸収されたと、こういうふうに見ておるんです。ただ、需給要因から今後なお価格問題はかなりいろいろの問題をはらんでおる、こういう見解でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、財政の執行でございますが、五十一年度は物価の安定を維持しながら、景気の着実な回復と雇用の安定を実現していくことが最も重要な政策課題と、そしてかなり例年に比べて上期の進捗率が高くなっておりますが、四十一年度もそういった傾向があったんですが、四十一年度の場合はかなりうまくそれが景気回復に結びついた。果たして五十二年度予算はどういう執行の方針なのか、その点を五十一年度を振り返ってお示しをいただきたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 五十二年度でございますが、今日ただいまこの景気の回復の歩調がやや緩慢化しておるということにかんがみまして、何としてもこれを活発にしていかなければならないというようなことから、先般この五十二年度の予算につきまして、公共事業費といったような景気浮揚のものを、上期に七0%までこれを契約していこうというふうなことを決めましてその準備を整えておるのでございますが、そういったようなことでございまして、私はこの五十二年度の予算を成立さしていただきまするならば、これは着実なる景気の回復ということが期待されるであろうと思います。こういった措置で五十二年度の景気の先行きがやや明るみが期待され、また景気回復の確実化が期待されておるということでございまして、私はこれでもって、しからばこのいまの現況から申しまして、たとえば物価の点にいたしましても資金需要の点にいたしましても、そういうことをやることによって副作用の、たとえば物価がさらに上がるとか、あるいはインフレを招来するとかといったようなことは、これは私はさようなことはないと思っておりますが、なお今後、予算におけるいろんな仕事をやっていくに際しまして、そのときどきの経済の事情、経済の情勢というものを、これをしさいに監視をしながら運営をやってまいりたいと、かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 関連。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 関連質疑を許します。桑名義治君。

桑名義治公明党

○桑名義治君 先ほどからるる景気の問題について論議をされたわけでございますが、来年度のいわゆる成長率を六・七%と、ここに視点を置いて個人消費の伸び率が二二%、それから稼働率が、いわゆる民間投資が十二・二%伸びた中で、しかも九四%に持っていくと、それから輸出は五%の伸びだと、こういうふうなお答えがあったわけでございますが、その景気回復への、あるいは六・七%の成長率の確保の主たる要因というものは、住宅あるいは公定歩合の引き下げ、あるいは公共投資と、こうやったところに視点が置かれているように私は見るわけでございます。  そこで、昭和四十年の不況脱出、いわゆる四十一年から景気上昇したわけでございますが、このときの要因と今回の要因、これを比較したときに大きな格差があるんではないかと思う。先ほどの論議の中から、いわゆる高度成長のときと同じようなパターンで景気の上昇を図ろうとしているではないかと、こういう論議の中で、当然高度成長であろうと低成長であろうとも、景気の上昇についてはそのパターンは同じであってもいいわけなんだ、こういうお答えがあったわけでございます。そうしますと、この公共投資なりあるいは住宅投資なり、公定歩合の引き下げなり、こうやった要因が同じように昭和四十年度にも行われているわけでございます。  昭和四十年度は、その当時は農村の消費意欲というものも非常に増大しつつあったわけでございますし、あるいは都市の人々にも消費意欲というものがあったわけでございます。たとえば電器の例を取り上げてみますと、三種の神器と言われましたように、カラーテレビやらあるいは冷蔵庫と、こうやったたぐいの三種の神器をそろえる、あるいはマイカー族が非常にふえた、こういうふうな要因もございましたし、あるいは企業者の中にも設備の投資意欲というものが非常に増大をしておった、将来に大きな希望を持っておったと、そういうような要因があったわけでございますが、今回のそうやった客観情勢をながめてみますと、農村の収入率というものも非常に落ち込んでおりますし、今回はまた大変な冷害で南の方、九州方面も非常に農村の経済というものは疲弊をしている。あるいはまた都市の人々も、むしろ消費よりも貯蓄だと、こうやった傾向が非常に強いということは、これはだれも否定ができない事実だろうと思います。  それと同時に、今度はカラーテレビの問題も、これ輸出の問題でございますけれども、カラーテレビもああいうような制約を受けつつある。あるいは鉄鋼も造船も、またその他自動車、これは輸出産業の重大な大きな柱であったわけでございますが、この自動車についても規制が行われるんではないかという、そういう世界情勢の中で今回の、いま政府答弁にあるようなそういう景気の回復が果たして図られるであろうかと、大きな私は疑問を持っているわけでございますが、これは私はあくまでも四十年の不況時の客観情勢と対比をして御質問を申し上げておるわけでございますが、この点についての認識をどのように総理は持っておられるか、御所見を伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 四十年不況と今日の不況とは根本的な違いがあると思うんです。あのときは不況を乗り切れば後は高度成長と、つまり資源、エネルギーの無限時代ですから高い成長が考えられたわけでございまするから、金融なんかを緩和しますれば、将来の需要を見越しまして設備投資が行われると、こういう事情があったんです。今度は、世の中は一変いたしまして、先々はそう大きな需要は出てこない。ですから、大方の企業家心理というものは、これはそう設備投資はむやみにはできないと、こういう気持ちになると思うんです。その辺にあの当時と比べまして根本的な違いがあると、そういうふうに見ております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そういうような立場から考えた場合に、今回の政府の種々の施策が実際にいわゆる六・七%の成長率まで押し上げることができるかという、このことを私は申し上げておるわけでございまして、そういうふうに対比をした場合には大変な違いがあるわけです。その中で、同じようなパターンでもって景気の回復が果たしてできるか、これは非常に厳しい問題ではないかと、このことを申し上げているわけです。総理どうぞ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それであるものですから、財政投資、これ以外になかなか景気をてこ入れする手段がないと、こういう認識で昭和五十二年度予算がこういうものになったと、こういうふうな理解でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理に最後に一書お伺いしますが、いままでずっといろいろ議論してまいりました。次に、ロンドンの首脳会議に臨まれるわけですが、五月、これまでにかなり国内の需要もふやし、景気も回復し、輸入もふやしておかなければ、やはりテレビの問題、自動車の問題相当出てくると思うわけですが、それと、最初に議論いたしました再処理問題等も含めて首脳会議に臨む決意、方針なりお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ首脳会議の議題は決まっておりませんけれども、まあ想像するのに、自由貿易体制、これの堅持。したがってガットの体制を進める、東京ラウンドですね、この問題。それから南北問題、これが議題になると思うんです。さらに、まあ核の問題なんかがあるいは問題になるか。それから全体的なエネルギーの問題、これも話題になるであろうと、そういうふうに見ております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 非常に時間が少なくなって厚生大臣恐縮ですが、齲蝕の予防、まあ虫歯と言わしていただきますが、についてお伺いをします。  まず、項目だけずらっと申し上げますので、丁寧に答弁をお願いしたいと思います。  一つは、妊産婦の教育、これに対して非常に私はいまはおくれていると思います。それに対応できる保健所、これをどうしていくのか。余りにも歯科医師、歯科衛生士のいない保健所が多うございます。そのデータを示して改善策。  それから、保健所に歯科医師が来ない理由は、待遇の問題があります。また、施行令の第五条には歯科医師は入っておりません。そういった点をどうされるのか。  それからそのあとは、それは文部大臣お願いしたいと思いますが、学校教育における虫歯予防について。  それから乳幼児、要するに子供の虫歯の保険の点数が余りにもまだまだ問題があると思います。これは非常に時間もかかりますし、そういった点も含めまして、そういった改善をしないとなかなか虫歯の予防もできませんので、その辺を含めてお答えいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 最初に、妊産婦に対する教育の問題でございますが、これについては、先生御承知のとおり妊産婦手帳を発行いたしまして、妊産婦がどういうふうにして健康な子供を産むことができるかということについて、先生お持ちになっているとおり、そのとおり詳しく書いてございます。  なお、保健所におきましては、御承知のとおり定期の健康診断をやらせることになっておりますし、ことしから特に、三歳児でなくて一年六カ月児の健康診断もこれを行うというように予算化をしたわけでございます。  それから、保健所の職員として歯科医師が例示的に省令で掲示をされておらないではないかと、これも厚生省といたしましてはできるだけそういうふうにしたいと思っておるわけでございますが、大体いまのところ五十九人ぐらいしか全国でおらない。そういうような関係等もあり、各省間の話し合いがまだ詰まらないところがございますので記載されておらないわけであります。これについては、ひとつ前向きで今後とも保健所の要員として歯科医師を掲示をするように話し合いを進めてまいりたいと、かように考えております。  それから、乳幼児の歯科の診療報酬のお話だと存じますが、実は赤ちゃんは、なかなかこう口を開かないものですからね、口開かせ料といいますか、そのために二十点加算をする、診察のたびにお医者さん手数がかかるものですから二百円だけ加算をするということで、一般の医療の点数よりも多くしておるわけであります。まあそれで大体いいんじゃないだろうか、こう思っておるわけでございますが、さらに実情に即して検討してまいりたい、かように考えております。  大体以上でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がないので、またこれは場所を改めてやりますけれども、最初の健康手帳と教育についても母体の、要するに妊娠中に次の子供の虫歯予防はちゃんとしなきゃいかぬ、これはもうはっきりしておるわけですね。これに対しては非常に教育が弱いです。  もう一つは、これは厚生大臣、あと農林大臣にもお伺いしたいのですけれども、お菓子の中の砂糖の含有量は明示できないものかどうか。これははっきり明示をしてもらいたい。それからたばこの場合も「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と書いてありますね。このように、おやつを食べた後は歯をみがきましょうと、こういうことをきちんと入れさせる。こういう行政指導はやっぱりしなきゃいけないと、こう思います。それから文部大臣は、先ほど言ったこれをお答えいただいて、時間ですから終わりたいと思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 答弁を求めているんですか。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうです。さっき聞いたんです。文部大臣は学校における指導、農林大臣は……

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 虫歯にかかっておる子供の数が非常に多うございますので、小中学校の教科においては、どうしたら予防ができるかということ、特別活動においては、清掃の方法とか、そういったいい習慣を身につけること等を教えておりますが、今年度ば新たに予算措置もいたしまして、全国に虫歯予防の手引書をつくって配布し、さらに一層教育指導の面でも強めていきたいと、こう考えております。

杉山克巳農林省食品流通局長

○政府委員(杉山克巳君) 砂糖の消費量を見ますというと、昭和五十年でもって総消費量が二百九十三万三千トン、これは精製糖のほかに一部粗糖等も含む数量でございます。一人当たりに直しますと二十六・二キロでございます。これは経過的に見てまいりますというと、戦後ほぼ一貫して消費量がふえてまいりましたが、ここ二、三年、特に四十八年以降は一人当たりの消費量が顕著に減ってまいっております。特に、砂糖の消費量の中でも菓子向けのものが減り方が大きいという状況にあるわけでございます。まあ欧米等、先進国の一人当たり消費量が四十キロ台にあることを考えますというと、日本の場合それほど多い数量というふうにも考えがたいわけでございます。それから砂糖自身が、いろいろ虫歯との関係も議論されますが、それ自身が有害物、有毒物であるということでもございませんし、それから消費者の需要にこたえてさまざまな菓子がつくられているということからしますというと、技術的にもなかなかこれを量的に規制するということはむずかしいんじゃないか。ただ、砂糖のとり過ぎによって衛生上問題があるということでありますならば、これは衛生普及なり、先ほど来お答えが出ておりますが、学校教育なりでもっていろいろ御努力を願いたいというふうに考えているわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 表示はできませんか、グラム数の。分量の表示。

杉山克巳農林省食品流通局長

○政府委員(杉山克巳君) これは、まさに菓子の種類によりまして、砂糖をどれだけ使っているかということは実に千差万別でございます。それから、包装に入っているものも、そのまま裸のものもあるというようなことで、技術的にもなかなか困難ではないかというふうに思っております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして矢追秀彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 橋本敦君。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私はきょうは、日韓問題に関連をいたしまして、疑惑の一つとされている韓国アルミの問題について政府に質問をしたいと思います。  すでに政府も御存じのとおりですが、韓国アルミの問題については、わが党の塚田議員が四十八年、参議院決算委員会において質問をいたしておりますように、輸銀を通じての総額一千三百四十九万ドル近いこの使用に関しまして価格の水増し、あるいは実際にプラント工事に使われなかったと考えられる不正な使途不明金が多額に存在をする。それが関係者へキックバックされたり、あるいは政界、政治資金に流されたのではないかという疑惑がかねてから持たれている事件であります。  まず私は、この輸銀の承認をやりました輸銀及び輸出承認許可をやった通産省に、今日までの調査でこのような不明金の存在、あるいは不正使用と認められるような事実があったと認めておられるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) お答え申し上げます。  本件につきましては、本件の融資承諾は昭和四十四年の二月でございますが、当時輸出入銀行は、融資に際しまして輸出契約の内容、さらに政府の輸出承認申請の内容、それから外貨の支払い保証書、あるいは船積み書類等を確認をいたしまして、そうして融資をいたしておる次第でございます。  当時の状況をさかのぼって調査をいたしましたけれども、特に問題とすべき点はないと、こういうふうに存じております。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  通産省の関係は輸出承認の問題でございます。御案内のとおりに、本件は標準外決済の延べ払いでございますので、通産省といたしましては、輸出貨物が武器か、あるいはまた輸出制限の物品かどうかという問題、それから延べ払いの条件並びに頭金の支払い等々が可能であるかどうかという問題、それから輸出貨物の代金の回収が確実であるかどうか、この三点のみにつきまして審査をいたしまして承認をいたします。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 不正はなかったか、問題はないか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 内容の、価格の問題等一切触れておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それでは輸銀の方に伺いますが、韓国アルミのプラント工事の輸銀融資については、最初からこれは総括的なプラントに関するすべての融資をやるということであって、この一千三百四十九万ドルに近いこの金額の中には、実際の資材購入費、建設費、さらにそれに加えて技術要員の派遣及びその講師料、保険料、運賃料、こういつたものをすべて含んで一千三百四十九万ドル近い輸銀融資をしたと、これは間違いありませんか。

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) 本件の、この契約の内容に従いまして融資をしたわけでございますが、これによりますと、アルミニウムの精錬設備の機械一式、その代金、それから先ほど御指摘のようなそれに伴う費用、さらに技術指導——技術援助料と申しておりますが、技術援助料、そういったものを含んでおります。ただ、お示しの一千三百四十九万ドル弱の金額でございますが、これは契約の総額でございまして、輸銀融資は、これから、頭金の部分はもちろんでございますが、その他控除すべき項目を控除いたしまして、そして輸銀の融資金額を決めております。  以上でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 外務省に伺います。なぜかと言いますと、外務省も、かつて韓国における不実企業の実態について調査をされた。その中に韓国アルミも一つ入っているわけですが、いま、私が問題にしているこの韓国アルミに対する輸銀融資について、外務省としては、一切不穏当な部分はないといま考えておられるか、問題があるか、いかがですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 韓国アルミにつきましては、いろんなうわさがあったということ、それから、それが韓国国会で取り上げられて特別な調査委員会が設けられたと、このような経緯は承っておりますけれども、外務省直接として、この事件につきましてどのようなことがあったかということは把握はいたしておらないところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 直接把握していないというのは、私は重大な調査の怠慢だと思います。なぜなら、私が指摘したように、常に、すでに国会でも問題になって今日まで日が来ているわけです。いま鳩山外務大臣は、韓国において特別な調査委員会が設けられたということはお話しになりましたが、そのとおり、韓国国会におきましては、一九七0年の七月十八日、この韓国アルミ問題について、調査特別委員会を設置をするという決議を行い、そして、次の第七十五国会においてこれに関する報告書が提出をされている。その報告書を見ると、いま政府がおっしゃっているように、一切の不穏当あるいは不正と見られる金の存在がないとは絶対に言えないはずであります。この調査結果、韓国国会ではどう報告されているか、外務省から明らかにしてもらいたい。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 御指摘の、韓国の国会に設けられました調査特別委員会の報告、これは一九七一年九月に、まず、韓国財務部から韓国アルミが不実企業の一つであるという報告が出されましたが、七二年の七月に韓国政府が示しました不実企業整理法案というものに従いまして、ペシネーという名前のフランスの会社との合弁事業によって立て直すことになりまして、七三年の八月に大韓アルミニウム工業というものが設立されまして、韓国アルミが解散された。韓国アルミの債権債務は清算会社に引き継がれて、大韓アルミになりました新しい会社は、企業経営はすこぶる順調であるというふうに把握しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私の質問に答えていない。そんなこと聞いていない。質問に全然答えていない。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) もう一度あなた発言してください。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 もう一度質問をしますが、いま鳩山.外務大臣が触れられた韓国国会における特別調査委員会の調査結果が、韓国国会で——第七十五国会です、報告されているはず。その報告の調査結果では、調査した結果についてどう報告されていますか、これを明らかにしてもらいたいという質問であります。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) どうも失礼いたしました。  報告書の内容として私どもが聞いておりますのは、この調査特別委員会は、種々事実関係の調査を進めたが、結局、資金の不正流出という事実を裏づけるに足る根拠は得られないと、そういう結論を出したというふうに聞いております。で、調査特別委員会の報告書そのものは、まだ入手できない状況でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いまの答弁は、調査特別委員会の報告書そのものが入手できないという状況に基づいて、きわめて不正確な答弁であります。鳩山外務大臣にも聞いてほしいんですが、この問題はきわめて不可思議なんです。国会図書館へ行きますと各国の国会の議事録が全部集められて編集されております。私はこれを調べました。そういたしますと、この調査特別委員会に関する部分が七十四国会、七十五国会議事録を見てもないんです。そしてそれが欠番になって、こんなふうな赤い紙がはさまれている。欠番ですよ。いまの、決議によって設立されたという部分、目次にはあるけれども、その決議自体が欠番になっている。七十五国会の議事録を見ても、この報告がなされたという、報告書の議事そのものが速記録で出てこないのです。何ゆえに韓国はこの議事録を送ってこないのか、図書館へ送ってこないのか、これも不思議です。外務省はいまだにこれを手に入れないと言うが、これを手に入れなければ、この問題の解明はできないのです。私どもは、この調査特別委員会の委員長が国会で行った調査報告書なるものを——議事録の一部、正式にここにコピーとして手に入れております。この問題について私は伺いますので、答弁の参考資料として資料をお渡ししますので、これを見ながら、私の以後の質問に答えていただきたい。輸銀と外務大臣と、総理も御参考のために。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ちょっと理事の諸君——橋本君、ちょっと待ってください。  ただいま二、三の閣僚に橋本君から配付されました書類は、一読の上、回収することになっておりまするから御了承ください。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それでは、いま提示をいたしまして、後で返していただきます。  資料の一をごらんをいただきたいと思います。この資料の一は、この議事録を翻訳したものでありますが、この資料の一の「調査の結論」という部分は、二つに分かれております。  その第一の部分は、機資材購入費中六十二万三千ドル、これについては「当委員会が調査した結果は右記金額について、外資流出の確証はないが、」——次が大事です。「発注金額が昭電予算書に記載された金.額よりも少ないのがあり、物価上昇の理由のみでは、説明が不十分で、六十二万三千ドルの金額が使われたとは納得できなかった。」、委員会一致の結論であります。第二番目は、諸経費中に、今度は二十五万ドル、これについては、「当委員会が調査した結果は、外資流出の確証はないが、提示された計算根拠が不確実で二十五万ドル金額が使われたとば納得できなかった。」、明確にこのように記載されている。したがって合計、特別調査委員会の結果によっても八十七万三千ドルが、これが実際にプラント工事に使われた金とは認められなかった。外資として流出した証拠はないが、実際に認められなかったということで、明確に八十七万三千ドル、約三億円に上る金額が不明瞭であり、そしてこれが実際に使われたとは考えられないと明確に指摘しているではありませんか。これについて輸銀総裁どうお考えですか。

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) ただいまの韓国の国会の特別委員会の調査報告は、ただいま拝見したばかりでございますけれど、まあ本件のような装置産業のプロジェクトでございますので、これはそれぞれ機械に技術的な特性がございます。そしてまた関連の商品、部分品、部品等もいろいろ多岐にわたっておりますので、価格の問題を判断するというのは非常にむずかしい面があることは御理解をいただきたいと思います。輸出価格につきましては、一般的に申し上げれば、輸出側と輸入側で価格を決める場合に、輸入側はできるだけ安く、経済的に買おうとして努力をするわけでございますし、また、相手国の政府もその輸入許可を与える、あるいは外貨の割り当て等与えるというような場合に、輸入品目の内容について、あるいは価格について、チェックをいたすわけでございますので、そういう結果としての契約であるという前提で、先ほど申し上げましたように、輸出入銀行は金融機関として必要な書類を日本側の輸出業者からこれを取りまして、そしてそれで検討すると、こういうことでやっておるわけであります。そういう当時の状況を翻って改めて調査をしてみましても、まあそういうふうな過程で調査をしたものとして、輸出入銀行の立場から見まして、本件の価格にそういう不審の部分があるということはわれわれとしては考えられないと、こういうふうに思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いまの答弁は、自分が調査をした結果考えられないというだけであって、韓国の国会が与野党合意で、特別調査委員会をつくって調査した結果こういう判断が出ている。この事実は厳粛に受けとめるべきですよ。いまお手元に閲覧をお願いしました資料の4をごらんください。これは全部この特別調査委員会が、韓国の経済企画院その他政府関係並びに当事者から提出をさして、その委員会が判断する証拠として援用している一連の証拠資料ですよ。そして三枚目が参考資料ですよ。これだけの総括契約書、予算書、そしてまた借款導入の承認申請書、これだけの膨大な資料を集めて、そして、調査特別委員会が調査をした結果八十七万ドル、これだけに上る金が実際工事に使われたと見られるその証拠はないと言っているんです。大変な問題ですよ。だから韓国アルミをめぐって、韓国国会の調査だけでも八十七万ドルの使途不明金がある。使途不明どころか、使われていない疑いの金がある、こうなっているんですよ。先ほど外務省は外資流出の問題はなかったと、こう言います。外資流出ではなくて、問題は八十七万ドルがこのように実際に使われていないという重大な調査結果が報告されているんです。この問題について、私は厳重な調査を要求するものですが、それに先立って私の質問を進めますが、まず輸銀に伺いますが、この韓国アルミのプラントの計画については、当初は総額において一千五百七十二万ドル、こういう計画で出されていた経緯がある。これは輸銀は御存じですか。

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) 輸出入銀行といたしましては、本件の契約が成立してから、それから本件に関係したわけでございますが、日本側の輸出者から聴取したところによりますと、当初は単にこのアルミの精錬だけではございませんで、アルミナの製造設備を含むその一貫工場を建設するという構想があったようでございます。そうして、日本側にもそういうことで当初話があった。で、アルミナ部分を入れますと御指摘のような千五百七十万ドル強の契約になると、こういうようなことであるようでございましたが、その後検討の結果、アルミナにつきましては、なかなか採算がむずかしいというようなことでこれを取やめまして、そしてできたアルミナを輸入するということにいたしまして、そして本件のようにアルミの製錬工場のみを建設するということになって、四十一年の五月の契約と、こういうことになった次第でございまして、事後にそういうことはわれわれ承知をいたしております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いま御答弁になったことはほぼ正確であります。その問題を私が手に入れました議事録で正確にもう一度指摘をいたします。資料IIをごらんいただきながら次の質問についてお答えを願いたい。  いま総裁がおっしゃったように、一九六五年の十一月十八日、韓国アルミは企画院に資本財導入許可申請をいたしましたが、このときの総額が一千五百七十二万ドル、そして、これはいまおっしゃったように、第一次工程と呼ばれるアルミナの生産工程、同時に第二次工程と言われるアルミニウムの生産工程、この両者の一貫生産方式で建設するということで、一千五百七十二万ドルの許可申請を韓国アルミはしたわけであります。これを受けまして、次の年の二月四日に企画院は政府の支払い保証承認を行い、四月九日には、韓国国会はこの千五百七十二万ドルの支払い保証に国会として同意しているのであります。だから、したがってこのような同意が行われる背景には、この工事をやりました契約者であるトーメン、あるいは昭和電工との間に、この一貫工事についての契約書が交わされ、そしてそれが韓国における承認手続に使われたと、こう見ることは当然であります。ところが、それが何とたった一月たつかたたないうちに、つまり一九六六年の五月十七日、ここへ参りましてこの計画が突如変更されて、アルミナ生産工程を外して、そしてアルミニウム生産工程、これだけでプラント建設を行うということに変わっていくのであります。そしてこの五月十七日には、昭和電工、トーメン、そして韓国アルミ、この三者でもって修正された契約書が締結される。それは資料の、議事録に添付されている調査委員会が採用した証拠資料番号4−2の借款契約書ということで締結されていくわけであります。そしてこの修正承認申請を六月二十二日に韓国アルミがいたします。そして六十六年七月三十日に企画院はこの修正契約を許可する。この修正契約が一千三百四十八万何がし——一千三百四十九万ドル弱と、こうなるのであります。この経緯はいま総裁がおっしゃった経緯と全く一致しますが、総裁もこの事実は間違いないとお考えですね。

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) 私どもの方では、アルミナの生産工程の方につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、後から……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 経過は大体間違いないかと……

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) はい、後から聞いたわけでありますので、数字等につきましては十分承知をいたしておりません。しかし、いまおっしゃられたような経過につきましては私先ほど申し上げましたことと大体一致をしておりますし、そのとおりだと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこで、この修正契約に実は重大な疑問があるのです。これは私は外務大臣も通産大臣も聞いていただきたい。韓国の企画院はこの修正契約を承認するに際して、いま総裁はアルミナ部分の工事はこれは中止するということになったとおっしゃったが、しかし、この議事録によって資料を閲覧いたしますと次の事実が明らかであります。つまりトーメン、昭電、そして韓国アルミは、この三社でもって別途このアルミナ部分の工場を二百二十三万ドルで建設をするという覚書を交わしました。そしてこの覚書に基づいて、企画院はこの修正契約を許可する条件として、この二百二十三万ドルのアルミナ工場建設部分について六カ月以内に外資導入契約を締結する、そして一年四カ月以内に着工する、こういうことを条件として許可しているのであります。これがこの議事録から明らかに見出される事実であります。ところが、このアルミナ部分はついに建設をされなかった。私はこのアルミナ部分は当然初めから建設する意図もその計画もなかったと見るのが相当だと考えている。  そこで、次にこの資料IIのCの部分をごらんいただきたい。そもそも最初アルミナ部分とアルミニウム部分を含めて一貫生産方式でプラント計画をした一千五百七十二万ドル、これの内訳はアルミナ生産部分そしてアルミ生産部分、二つに分かれますが、アルミ生産部分の見積金額がほぼ幾らであったか。大体七百五十万ドルから七百七十万ドルであります。その証拠はこの議事録添付の証拠資料、お手元にお渡ししております資料4の番号911、昭電予算書総括表、七百七十万七千四百四十ドル、これであります。だからしたがって、これを大体七百五十万ドルぐらいと見て、この七百五十万ドルと見るのは、韓国の新聞である朝鮮日報がそう書いているからでありまして、ほぼ符合いたします。そうしますと、アルミナ部分は八百二十二万ドル、合計千五百七十二万ドルになるのであります。ところが、輸銀総裁よくお聞きいただきたい。このアルミナ部分、もともとの工事予算では八百二十二万ドル前後だと見られていたのが、わずか二百二十三万ドルで後で建設するということになっている。八百二十二万ドルの予算を出していたものがたった二百二十三万ドルで建設できるわけがあるでしょうか。  それともう一つ奇怪なのは、このアルミナ部分は工事を取りやめてアルミ工場部分だけをつくることになりますが、これの予算が昭電が出しているのが七百五十万ドルないし七百七十万ドルですね。ところが、この部分だけをやるのに、合わせて二つで千五百七十二万ドルであったのが、このアルミ工場部分だけをやるのに七百五十万ドルの予算書が何と一千三百四十九万ドル、二倍にふくれ上がっていくのであります。これは一体何を意味するのか。これは韓国アルミが二つの工場プラントを一貫生産方式でやるということで、一千五百七十二万ドル借款承認を引き出しておきながら、一方アルミナ工場部分をやめてしまう。だがしかし、できるだけ多くの金を引き出したいというねらいのもとに、第一、アルミ工場部分だけでもともと七百五十万ドル前後の予算であった見積書が、昭電から出されているやつについて大幅に水増しをして一千三百四十九万ドルまで持っていった。で、これを一千三百四十九万ドルへ持っていきますと、残るところは二百二十三万ドルです。そこで一千五百七十二万の帳じりを合わせるためだけに、覚書でもって二百二十三万ドルで、もともとは予算が八百万ドル前後かかるという計画書が出されているはずのものを、たった二百万ドルでやるんだというトーメン、昭電、韓国アルミ三社の覚書を締結してしまうんであります。言ってみれば私はこれはまさに非道な詐欺的なやり方で輸銀の金を引き出した、こう考えざるを得ない。こういう問題があります。こういう問題が、当初承認をするというときにあったということはいささかも考えられませんでしたか、総裁。いかがですか。

澄田智日本輸出入銀行総裁

○参考人(澄田智君) ただいまお示しのその韓国企画院の修正契約の許可とか、あるいは昭電の予算書とかいうようなものは、ただいま拝見をしたわけでございます。当時の経緯を、先ほどから繰り返し申し上げますように、振り返って調べてみましたところが、やはりその輸出契約あるいは輸出承認申請あるいはその後の船積みと、いろいろな段階の書類をチェックいたしました限りにおきましては、全然そういう不審というようなことはございませんでした。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 審査がきわめてずさんで、はなはだしく不十分だということなんです。この資料のC三で、この差額五百九十九万ドル、これが本来の工事予算に上積みされているわけですが、しかしこの差額の五百九十九万ドル全部が私は不正使用とは言いません。なぜならこの資料4の9−2を見ますと、昭電予算書以外の発注分百六十九万ドルが入っておりますから、したがって、昭電以外に百六十九万ドルが発注されているという部分が明らかですから、これを差し引きますと四百三十万ドル、最高に見積もって四百三十万ドル、約十五億円、これだけの金がこの契約では水増しをされたか不正に流用されたか。つまり当初の計画から見て、アルミナ工場は全く建設されなかったんですという疑惑の可能性がある。韓国の調査委員会が八十七万ドルの疑惑を出しましたが、それどころではないという問題があるということを私はいま指摘をするわけであります。  なぜこういうことが行われるか。この議事録を拝見しますと、この議事録自体でこういう部分があります。この議事録の二百七十七ページですが、たとえば昭電の予算書、発注書、政府認可価格の差の大きさという問題に触れて、こう言っております。たとえばAM−5ガス回収装置、驚くべきでありますが、昭電の予算書では当初は八万六千五百二十八ドル、ところが発注段階になりますとその金額が十七万四千三百ドルにふくれ上がる。いよいよ政府認可を受けるときになりますと、この同じ機械が何と二十四万五千三百八十ドル、大変な価格の大きなふくれ上がりが出てくるわけであります。こういうことでこの調査委員会の報告書は、このような物品ですね、これはきわめて、このような導入過程で政府認可価格と予算見積もりと遊離することは不合理である、はっきりこう言っております。  さらに重要なのは、なぜこういうようなことが行われるか。この調査特別委員会に証人として韓国アルミの日本駐在の人であった朴良洙、彼が証人として出廷している、議事録にも明らかであります。一九七0年七月二十四日付の朝鮮日報、これは韓国の新聞ですが、この新聞によりますと、この朴証人はこの問題に関して、韓国アルミ社長.は私に政府承認価格と船積み価格に差が出ないよう購入価格の偽造を指示したことがある、借款先のトーメン側が船積み書類作成のためこのような価格の事前調整を要請したことがあると証言した旨、韓国の新聞は報道している。これは一例でありますが、このようにしてまさにトーメンぐるみ、韓国アルミ社長ぐるみで価格の水増しをやり、この調査委員会が指摘しているように、昭電当初の予算価格の何倍にも達する価格が最終政府承認価格となってくる。こういう問題があるということがこの議事録から明らかですよ。徹底的にこれは調査しなきゃなりません。私はこの韓国アルミのこの重大な疑惑について一体会計検査院はどれだけ調査をしたか。これまでの調査結果を明らかにしてもらうと同時に今後会計検査院はこの私の指摘に基づくすべての資料、これを全面的に検討して特別監査を今年はぜひともやるという計画でやってもらいたい。このことを強く要求しますが、会計検査院いかがですか。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○説明員(東島駿治君) お答えいたします。  私どもは、通常輸出入銀行に対しましては毎年八月ごろ検査しておりまして、本件につきましても四十五年の八月に融資契約については検査いたしました。その後四十八年の十一月に参議院の決算委員会で問題になりましたときに、再度輸銀の担当の方に来ていただきまして、いろいろ事情を聴取いたしましたのですが、私どもとしては特に申し上げるような結論を得なかったわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いま事実指摘したでしょう。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○説明員(東島駿治君) はい。その後、私どもも特に注意して検査しておりましたが、ただいま新たな問題も先生から提起されましたので、十分特別な注意を持って検討していきたいと……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 監査するんですか、しないんですか。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○説明員(東島駿治君) 監査いたします。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それじゃ最後に、私はこの問題を徹底的に明らかにする必要があるし、外務省も通産省も輸銀の調査も全くなっていない事実が明確になった。そのために、私は事態を解明するため、トーメンの社長安本和夫氏、昭和電工社長鈴木治雄氏を当委員会に喚問するよう委員長の善処をお願いして、時間が参りましたので質問を終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 喚問の件は理事会において相談いたします。  以上をもちまして橋本敦君の質疑は終了いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 田渕哲也君。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 まず初めに、現在難航しております日ソ漁業交渉についてお尋ねをしたいと思います。  現在日ソ漁業条約が有効に存続しておると思いますけれども、これが有効に存続しておる現在、二百海里の漁業専管水域についてソ連の国内的決定があったにしても、漁獲量等につきましては当然現行条約に基づいて行われるべきだ、このように考えるわけであります。しかるに、二百海里の水域内の操業を一切拒否するというソ連の態度は国際信義に反すると思いますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御指摘のように、日ソ漁業条約は現存をいたし、機能しておるわけでございます。したがいまして、日ソ漁業条約の附属書に明記されておりますところの対象漁種——サケ・マス並びにニシンは、この東京の三月十五日から開催されました日ソ漁業委員会で資源の評価並びに一九七七年の操業の方法、条件、これらを例年のとおり協議さるべきものでございます。  しかるに、ソ側におきましては、ソ連の二百海里と二百海里の外の公海部分と分離いたしまして、公海部分だけについて漁獲量の取り決めをしよう、こういうような意思表明がございました。ニシンにつきましては、すべてが二百海里内の漁獲物であるというようなことで、これは東京のシャルタの場においては、代表団としては意思表示できない、こういうようなことで意見の対立を見ておるわけでございますが、ただいまそれらの問題等が絡みまして東京の会議は休会をするという事態に相なっております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 四月一日からは、わが国の漁船はソ連の二百海里水域内では操業停止せざるを得ないわけでありますけれども、これは三月三日に鈴木・イシコフ会談で三月三十一日までの操業は認める。その間に暫定の取り決めを行おうと、こういう話し合いであったと思います。このときの三月三十一日まで操業を認めて、それまでに暫定の取り決めをやろうというこの情勢の見通しが甘かったのではないかと思いますがいかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおりイシコフ漁業大臣と私の取り決めの中には、三月三十一日までに特定取り決めを行う、こういうことであったわけでございます。しかるに、実際に交渉に入りました段階におきまして、私とイシコフ大臣の合意されました書簡の交換に明記しておる条件以外のむずかしい問題がソ連側から提起をされまして、そういう基本的な問題等におきまして、なかなか交渉が難航しておるというのが現状でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 現在、この日ソの漁業条約が有効に存在しておるし、また三月三日の暫定取り決めについての交換書簡、こういう点から見ても、いまのソ連のとっておる態度というのは余りごり押し過ぎると思うんです。そのソ連が理不尽とも思えるごり押しに出てきておる背景は何かと見ておられますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) これはどうもソ連政府内部の事情でございますから、十分把握をいたしておりません。したがいまして、わが方としては、あくまで両国の代表が合意いたしましたところの鈴木・イシコフ漁業会談の合意の線に沿うて強力にただいまソ側の反省を求めながら交渉を続けておる、こういう段階でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 これを打開する決め手は何ですか、決め手がありますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) これ、なかなか困難な問題でございますが、三月三十一日までに暫定取り決めを行うということにつきましては、わが方の主張を多分に取り入れた結果でございますが、それは国会の御承認を得るということになりますと相当時間がかかる。そこで、一カ月間にこれを合意を取りつけるということになりますと、政府が行政取り決めでこれを行う以外にないと。しかし、政府の行政協定としてなし得ることは、国民の権利義務を制約する問題になりますと、これ国会の御承認を得なければならないわけでございます。行政府限りにおきましては、なし得ることとなし得ないことがある。そういう点は、あの取り決めをいたします際に、私はるるイシコフ大臣にも御説明をし、そして暫定取り決めでいこうということに相なったわけでございます。しかるところ、その後、ソ連政府の方針の変更があったのかどうかわかりませんが、行政取り決めではだめだ。やはりこれは協定でなければいけない。許可証の交付あるいは取り締まりの問題、入漁料の問題、裁判管轄権の問題、いろんな基本的な問題を、いわば基本協定に盛り、そして国会の承認を求むべきような内容のものを、暫定取り決めでやらなければ、ソ側としてはこれに応じ得ないという方針の変更が明らかに出てきておるわけでございます。そういう点でいま難航いたしておるという状況であります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私がお伺いしているのは、この難航を打開するための何か決め手を持っているのかということなんです。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) そこで、まあこういうことで漁期を逸し、また、多数の漁船が操業できないという事態になりましては大変な問題でございますので、これをいかに打開をするかということでいま最後の努力を傾けておる、こういうことでございまして、私どもはもう一押しソ連側の態度を見た上で方針を決めたい、こう思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 政府が特使を派遣されることもその一つでしょう、それから超党派の議員団が行くこともいいと思います。これは日本の決意がかたい、それから日本の国民の総意である、これをソ連に示すということは一つの方法だと思います。ただ、国際交渉というものは、それだけではなかなかうまくいかないと思うんですね。やっぱり何かバーゲニングポイントを持たなければなかなか向こうもうんと言わない。そういうものについて何を持っておるか。たとえば、ソ連が理不尽な態度に出ておるわけでありますから、日本としてどういう対抗措置をとり得るか、この点はいかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 漁業に関する限りは、私はあくまで、長い北洋漁業の日ソ漁業関係、これは日ソ友好のきずなであり、かけ橋であったと、こういう大局的な立場に立って、ソ連が日ソ友好というものを本当に大事に考えて、そして、双方が納得できる線で合意できるようにということであらゆる努力をいま傾けておると、こういう段階でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 総理にお伺いしますが、何らかのこの対抗措置について検討されておるかどうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ最大の問題は、やっぱりわが国が二百海里水域を設定する、これが大きな問題点であろうと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 わが国が二百海里を設定したところでソ連にそんな大きな打撃は与えないような気がしますが、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 総理がいま御答弁を申し上げたことは、基本協定の交渉も並行してやることに相なっておりまして、これもテーブルについておるわけでございます。その日ソの基本協定を締結いたします際におきましては、日本もソ連と同じように領海幅員十二海里、また、漁業水域二百海里、こういう同じような土俵で交渉することが国益を守るゆえんであろう、そういう観点で総理から御答弁があったわけでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 まあ交渉中の問題ですからなかなか具体的なことはお答えできないと思いますが、やはりかたい決意を持って交渉に当たってもらいたいと思います。  次に、この間、日米の首脳会談が行われたわけですけれども、これに関連しまして、アメリカの対外経済戦略と日本の役割りについて総理にお伺いをしたいと思います。  カーター政権は、日本、アメリカ、西独による三大の機関車論というのを主張しておるわけです。日米首脳会談でもこの問題が話し合われたと思いますけれども、この中で日本が果たさなければならない役割りというのは何なのか、お伺いをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま、世界じゅうが大変な不況な状態であり、その中でことに南の石油資源を持たない国々、これが大変な困窮な状態にあるわけです。ところが北側の、つまり先進工業国も総じて不況の状態であるというので、なかなか南の困っている国々への協力もできない。そうしますと、比較的先進工業国の中で力を持っておる国々が相協力して、まず体勢の建て直しと言いますか、経済の停滞からの脱出に成功する、そうなれば世界全体に好影響がありまするから、そういうような役割りを持たなけりゃならぬだろうな、こういうような意見の交換はあったわけであります。まあわが国はアメリカに次いで工業力の大きな国でありまするから、もうアメリカから求められるまでもありません。わが国といたしましては、世界の立場から、わが国がとにかく努力をいたしまして、わが国自身の景気を回復する。これは私は、国内的にそれが求められておると思うんでありまするけれども、同時にそのことは、国際社会における大きな役割りを尽くすことにもなる、こういうふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 具体的にアメリカの要求にこたえるためには、本年の政府の目標である六・七%の成長を達成することと、それからもう一つは、経常収支というものを黒字から七億ドル程度の赤字にする、そういうことだと伝えられておりますけれども、その辺についての話し合いはあったわけですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は大統領との間で数字の話し合いはいたしません。ただ、アメリカから求められるということじゃないんですよ。わが国が六・七%成長ということ、そういう標榜をしているわけです。また、経常収支は大体均衡、まあ小さな赤字ぐらいまでということを言っておるということにつきまして、その姿勢をアメリカが高く評価しておるということは申し上げることができると思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いずれにしても景気振興への努力は、これはわが国のためにもあるいは国際的な経済のためにも必要だと思いますが、ただ、本年のその政府の見通しが、最近出された公共投資の繰り上げ等の四項目の施策によって本当に達成できるのかどうか、ここら辺はどう見ておられますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 輸出がことしばどうも去年のようなわけにはいくまいと思うんです。実質で言うと五%ぐらいの伸びぐらいかと思うんですよ。個人消費の方は勢いに変化はなく、大体輸出ぐらいな程度の伸びということになるだろう。そうすると、大きな需要項目、それがそういう状態でありまするから六・七%というわけにはいかない。そこでどうするかというと、やっぱり財政が需要を喚起するという考え方をとらざるを得ないんです。財政投資、これは今度の予算で言いますれば、その投資効果は実質において九・九%の伸びと、こういうことになるわけですから、それらを総合いたしまして六・七%ということになる。これは昨年の十月−十二月の勢いは非常に沈滞した数字になっておりまするけれども、この一−三はやや持ち直しておると思うんです。また、補正予算が実施になりつつあります。今度は新しい五十二年度予算が実施される。そういう段階になりますると、かなり顕著な回復過程が見られる、そういうふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 政府与党である自民党は、現在のままではこれはとうてい不可能だ、こういうことから、さらに公定歩合を二%程度引き下げるべきだ、さらに一兆円以上の大型補正予算を組むべきだ、こういう方針が決められたというふうに聞いておりますけれども、これに対する総理の見解はどうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあそんな意見もあるということじゃないでしょうか。何も私は政務調査会長の方から意見を聞いておりませんが、しかし、私がずっとこれから経済の動きを見ておりまして、私どもの申し上げているような調子に動かないということになれば、これは機動的に対処の手段をとっていく、こういう考えですが、これはやっぱり国民全体がとにかく景気浮揚ということを望んでおるんだし、それから世界じゅうが注目しておるんですから、やっぱり大体の六・七%ぴしゃりそこまでいくかどうか、それはわかりませんけれども、大体その辺の成長を実現するような手は打っていくという方針でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 補正予算を組むにしましても、財源の問題もこれ絡んでくるわけですけれども、私は比較的手の打ちやすいのはやはり公定歩合の大幅引き下げだろうと思います。まだ、西独の三・五%に比べたらわが国は六%とまだ高いわけでありますから、やはり二%程度の引き下げというのは必要なような気がするわけです。しかし、これだけ大幅に引き下げようとするならば、当然預金金利との連動の問題が出てくる。今度は物価との関係で貯金の目減りということからこればなかなかうまくいかないということで預金金利の機動性を現在欠いておるわけです。これが金利政策にしましても非常に大きな足かせになっていると思うのですね。これをやはり何か打開する対策が必要だと思いますけれども、これについて何か考えておられるかどうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 金融政策を有効に働かせるためにはこれは預金金利問題ですね、これが・機動的に運用できるような状態でないといけないわけでございます。郵便貯金の問題、これはなかなかむずかしい問題でありまして、そういうことから活発な金利政策の活用というのができにくいような状態でございますが、まあこの間そういう金利問題等は——要求払いの方はこの間動かしましたが、その他の金利は据え置きのまま公定歩合の引き下げをする、こういうふうにいたしたんですが、この状態でしばらく推移を見て、情勢の推移によって機動的に対処していくと、こういう構えであるほかはないような感じがいたします。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 金融政策あるいは金利政策についての機動性を持たせるために金利の自由化ということもいろいろ検討されておると思いますが、これについてはどう考えておられますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 金利の自由化というと、いまわが国といたしますと、金融機関の数が非常に多い。特にその中で信用金庫であるとか、信用組合でありますとか、小さな、そう言っちゃ悪いけれども、力の弱い金融機関があるわけでありまして、これをそういう中で金利の自由といいますと相当混乱が起こるんです。本当は自由金利体制というものはいいに違いありませんけれども、ここは弱肉強食というか、そういう現象を引き起こしかねない。そういうことでいまその段階で金利を自由化するということはなかなかむずかしい問題かと考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いずれにしても、現在でも長期金利については引き下げの傾向にもあるわけですけれども、金利の引き下げの問題が早晩これ大きな問題になってくると思うのです。その場合に、預金金利と連動せざるを得なくなったときにどういう対策を立てるか、これは政府としてもやっぱり考えてもらわないと困る。そこで私は、たとえば一人当たりとか一世帯当たりの一定限度額の高金利預金という制度をつくって、それ以外は預金金利の引き下げも考えるという、そういうことを検討すべきではないかと思いますけれども、こういう点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 預金の金利を引き下げるということをあえてやると、こういうような際には、やはり緩衝的にどういう措置をとるかというようなこともあわせて考えるケースもあろうかと、こういうふうに思うのですが、あれやこれやこれから考えてみたい、かように考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 日米共同声明あるいは総理のナショナルプレスクラブでの演説等の中でやはり日本が世界の中で果たすべき役割りというものについて触れられております。その中では主としてやはり日本の景気を振興する。そして世界の中で機関車的役割りを果たすということになると思うんですけれども、同時に、世界の自由貿易というものを振興する、こういう点を強調されておりますけれども、私はそれだけで現在の世界経済の危機というものの立て直しは困難だと思うんです。なぜかというと、現在の世界の経済には構造的な矛盾がある。これは何かというと、やはり石油ショク以来の石油価格の大幅な値上がりである。だから四十九年から五十二年までとりましてもOPECは千八百億ドルの経常黒字になっておる。そのしわ寄せが非産油国、発展途上国、これが四年間で一千億ドルの経常赤字を出しております。またOECD諸国におきましても八百億ドルの経常赤字になっておる。こういうものが今後続いていくわけですね。その反映としまして、この累積債務というものが増大しておる。しかもこの累積債務の中で、民間銀行が、特にアメリカの民間銀行が融資しておる。これがやがて世界的な信用不安に発展し、恐慌に発展するおそれもなしとしない。こういうものに対する解決策というものを立てない限りは、日本の景気を立て直したり、自由経済、自由貿易を振興するだけではこの矛盾は解決されないと思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まさにそのとおりなんですね。非常にそれはむずかしい世界情勢でありまして、ことに資源を持たない、その中でも石油を産出しないおくれた国々の困窮というものは、なかなかこう有効な手がないんです。一番しかしその中で有効な手というものは世界景気が回復して、そして力のある国に対しましてそれらの国からの輸出ができる、こういうようなことになることが一番大きな決め手になるんじゃないかと思います。ただしかし、これから資源エネルギーの問題、これは非常に深刻な問題になってきますからね、根本的にはやはりその問題をどういうふうに解決するか。近くCIECの会議、こういうものも開かれますが、そういう会議の使命は非常に大事だと思うのです。それから七カ国の首脳会談が五月にロンドンで開かれる。このときは世界景気の問題もあります。それから自由貿易体制を堅持しなければならぬという角度の論議、そういうものもありまするけれども、やっぱり南北問題ですね。それからこれから先々の資源エネルギーにどういうふうに世界は対処していくべきかというような論議があるだろうと思いますが、非常にむずかしいこれは世界情勢であります。いまこそ人類は英知を本当に働かせなければならぬ、こういう時期かと思いますが、わが国もその一員といたしまして最善を尽くす責任と使命を持っていると、こういうふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 カーターの人権外交についてお伺いしますが、この問題は首脳会談では出なかったようですけれども、この人権外交というものについて総理はどう評価されておりますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はその考え方といたしまして、人権が、あるいは自由が、これが世界のすみずみにおいて尊重されておるということ、これは本当にそうあってほしいと、こういうふうに思います。さあしかし、その考え方をどういうふうに伸ばしていくかということになりますると、私は、国々によってやる手段、方法というものは違うだろうと思います。また相手の国々によってもまた取るべき手段というものも違ってくるだろう、こういうふうに思います。つまり私はよく言うんです。この人権、自由の尊重、こういうことは富士の頂である。その頂に達するその道程というものは、この登り口もいろいろある。同時に、てくで行くという行き方もありまするし、ヘリコプターで行くという行き方もありまするし、いろいろある。要はその頂に達すればいいんだと、それに至る過程につきましては、その主体的なことに努力する国の立場もあるし、また相手国のいろんな状況もあるし、それによって違ってしかるべきである、そういう見解でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 ロッキード事件について、アメリカの首脳と話し合われましたか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ロッキード事件につきましては、資料の要求等もありましたので、私はバンス国務長官との会談におきまして、特にロッキードの会社でつくっている報告書の提出があった場合に、その提供方、また特にその中で秘密扱いのもの等もあった場合におきましても、日本に関係ある部分につきましては、司法協力を通じて提供してもらいたいということをお願いをしたところでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私がお尋ねしておるのは、そういう処理の問題ではなくて、ロッキード事件を初め政治汚職の問題について、首脳会談で話し合われたかどうかということをお伺いしているわけです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、カーター大統領との会談というか、いろいろの席で会っておりましたが、その席で、昨年のあのロッキード事件というものは大変残念な事件であった、再びこういう事件を起こさないように、これは国際社会では気をつけていかなければならぬ問題であるというような話はしております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、ロッキード事件というのは単なる偶発的な一事件であるとは思っておりません。去年の五月、超党派の議員団がロッキード調査でアメリカに行きましたけれども、そのときに当時のロックフェラー副大統領は、ロッキードだけではありません、ほかの企業もそういうことはやっておるはずだ、また対日本だけではない、ほとんどすべての国でそういうことが行われておるということを私は承知しておると、こういう意味の話があったわけです。私は、これはアメリカのいままでの世界戦略、経済戦略の中に組み込まれた一つの構造的なもののような気がするわけです。多国籍企業、あるいはCIAの活動、そういうものに対する政治の汚さというものに対する反省が、カーター政権を生んだ面もあると思うのです。ウオーターゲート事件、あるいはCIA事件。したがって、私はカーターというのは、そういうアメリカのいままでの戦略を改めていこうという姿勢があるのではないかという期待を持っておるわけです。だから、日本の総理が行かれた場合は、当然そういう問題について突っ込んだ話し合いをされ、これから将来の問題について、そういう国際的な政治腐敗というものをなくするための話し合いがあってしかるべきだと思うんです。この点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) なにしろ往復四時間、片道にしますと二時間、正味二時間の会談ですから、そんなによけいな話をたくさんする余裕がなかったわけですが、カーター大統領という人は非常に宗教家的な清潔感を持った人でありますので、私は政治の清潔という問題ですね、そういう問題には気を配っていくだろうと思いまするし、私も同じ考えでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 時間がなくなりましたので、最後に参議院の選挙制度の問題についてお伺いをしたいと思います。  参議院の地方区の定数是正についての野党四党の改正案が提出されております。ことしの選挙までにこの定数是正は実現すべきだと思いますけれども、自民党の総裁である総理の考えをお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 選挙制度の問題は、これは各政党の共通の土俵である。ですから、各党が十分相談して理解し合って、そうして合意を得て、そして実施をすべきものである、こういう考え方をいたしておるわけです。  何か四党でお考えがまとまったというが、いま六党あるわけでございまするから、六党の間で十分話し合いをしてもらいたい、かように考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 総理は二十八日の官邸における記者会見で、五十五年の参議院選挙から全国区の拘束比例代表制にしたい、こういう発言をされておりますね。全国区のその比例代表制に変えるのは五十五年からだ、定数是正は必ずしもこれと一緒でなくてもいいというお考えですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 選挙制度は、これは私がどうのこうのという問題ではないのです。各党共通の土俵でありまするから、これはもう各党で相談してもらいたい。私は、この間官邸でテレビ放送がありまして、そのとき雑談をしておったのですよ。その相手の人に、見通しとすると、将来は、あるいは次の次ぐらいは比例代表制になるかもしれませんよ、あんたどうです、なんというような冗談を言ったのが、何かこういうテレビのマイクが近くにあって、それがだれかに聞こえたのだ、こういうような状況であります。(笑声)

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 じゃ確認をしますけれども、比例代表制については今度の選挙には間に合わないから、やるとしても五十五年からだという意味だと解釈していいですね。  それから、定数是正については、これは各党で話し合ってやってくれということだから、これは間に合えばことしの選挙からやれればやるべきだ、そのように解釈していいですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 選挙制度は万事万端各党で相談した上やるべきものだ、そういう見解でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そのことはよくわかっておりますが、比例代表制の問題と定数是正というものは、必ずしもセットとば考えなくてもいい、そう解釈していいですね。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) だから、そういう問題も含めまして、これは各党各派の間で相談すべき問題である。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 自民党の責任者としてどうお考えですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そういうことを申し上げておるわけです。自民党の総裁としてもそういう見解でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 最後にもう一つだけお伺いしますが、拘束比例代表制は政党化の傾向をさらに強めるので好ましくない、参議院の全国区における拘束比例代表制ですね、これは政党化の傾向を一層強めることになるから好ましくない、このように河野議長の見解にもあるわけですけれども、これについてはどう考えられますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 全国区という参議院の選挙制度ですね、これはとにかく金はかかる、それからまた人物判定に国民が弱る。また、選挙運動をするにしても、とにかく全国津々浦々までやらなければならぬというそういう制度ですからね。これは私は、私個人ですよ、個人としては何か考え直した方がいい、こういうふうに思うのでありますが、そういう際に、拘束比例代表制、これは貴重な一つの意見である、こういうふうに評価しております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして田渕哲也君の質疑は終了いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 青島幸男君。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私も選挙の問題につきまして二、三お尋ねしたいと思います。  ただいま前質問者との質疑の中で明らかになりまして、私も多少安心した部分もございますが、新聞の報道によりますと、総理のおっしゃったことは、五十五年の参議院選挙には全国区に拘束比例代表制を取り入れることになろうとおっしゃったと、こういうふうに書かれておりますので、この辺のニュアンスをそのまま受け取りますと、再三総理がおっしゃっておられますように、選挙制度のあり方は、共通の土俵だから、なるべくなら全党一致、むしろ国罠的な合意の上になされるべきが本当だろうと常日ごろおっしゃっておられる総理の御見識からして、総裁のお立場で、しかも責任者である総理のお立場で、そうなるだろうというような御発言がもしあったとすれば、それは私はゆゆしき問題だというふうに感じておりまして、そのことを質問をしようといま思ったわけですけれども、前質問者との質疑の中で、それは真意ではないのだというような御発言がありましたので、私はそれは私の危惧だったというふうに了解をいたします。  先ほども出ましたけれども、参議院を比例代表制にするということは、政党化をなお一層強めてしまうから、参議院の選挙のあり方としては、たとえ全国区について言うにしても妥当ではないんではないかという有識者の意見が多くあることも総理は十分御存じだと思います。しかし、三千五百キロありますこの日本列島の中で、二十何日間で自分の主張を全国民にわかってもらおう、有権者の皆さんにわかってもらおうというあり方は、大変むずかしいことは私も承知しております。しかし、現今では政府の調査によりましても七0%近い有権者の方々が、投票の際の判断の基準といたしまして、テレビだとかラジオだとか新聞の広告、そういった公の、国でめんどうを見てくれる部分、そういう公の報道機関によるものを基準にしているという方は七0%近くおいでになるということも総理御認識だと思うのです。そういうことを考えてまいりますと、いまのやり方では参議院の全国区のやり方は膨大に金がかかる、あるいは一般の国民の方が候補者を判別するのにむずかしいという手続があるかもしれませんけれども、いまという現行の事象の推移に目を奪われまして、この基本的な制度に安易に手をつけるということは将来に向かって大きな過ちを犯すことになりはしないかということで、軽々に手をつけるべきではないというふうに私は考えておりますけれども、その辺の御見解をまず承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあしかし、私は全国区という制度はどうも改正を要するんじゃないかというような感じがしてならないのです。先ほども申し上げましたが、とにかく選挙運動をするというのにそれが国土一円だと、それに、したがって金もかかる。国民から見ると人物評価、これが非常にむずかしい。いま青島さんはテレビがあるじゃないか、ラジオがあるじゃないかというようなお話でありますが、それにしても私は人物評価を全国民がするんだと、一人の人に対してやるんだというようなことになるとなかなかこれはむずかしいんじゃないか。何か工夫をした方がいいと、こういう考えですが、その工夫というのは、私は私の考え方、これを押しつけるというような考え方はいたしません。これはもう各党、各派共通の土俵でありまするから、その合意を得てやるべきものである、こういうふうな所見でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ですから、従来のやり方にのっとってやればそれはお金もかかるだろうし繁雑なことにもなって、国民の理解がなかなか得られないだろうということもありますが、先ほど、私申し上げましたように、判断の基準にする、何をもって判断の基準になさいますかというアンケートの調査ですね、政府で行われました。七0%近くの人がそういう公営のものによっておると言っているわけですよ。ですから、これを拡大することによって、もっと一層の理解を深められることもできるだろうということを申し上げているわけでして、それから参議院の制度に手をつけます前に、参議院が発足しました当時の記録をいろいろ見ましても、参議院の性格はどうあるべきかということが実に確固としてないですね。  ですから、端的な例で申しますと、地域代表の意味もあるし、職能代表の意味もある。その上に良識の府であるべきであるということになりますと、職能代表や地域代表が良識の府のメンバーたり得るということは全く矛盾していることなんです。ですから、制度のあり方が繁雑だから、やりにくいから、金がかかるからという現実の問題だけでなしに、参議院というのはどだいどういうふうにあるべきなんだろうということを掘り起こしていく議論から始めないと、事象的な問題だけ手をつけても何にもならないだろうという見解を持っておるものですから、その参議院のあり方というものはどういうものなんだろうかという一番原点に立ち返るような考え方からまず始めていかなきゃいけないんじゃないかということを、私見解として持っております。その点、総理の御見解も承りまして、その点につきまして、どうそれを発展さしていったらそういう理解に、国民的な合意が得られるだろうというふうにお考えか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国が二院制をとって、参議院という衆議院と違った選挙制度のもとで選ばれた議員で構成されるということになっておりますのは、私は衆議院で決めたことを見直しをする、そういう任務を持っておると思います。静かで、また深く考えて、そして衆議院で一応論議された問題でも誤りなしとしないと。その誤りがあったならば、その静かな、また深い検討、観察の中でそれを是正していく、そういうことが求められておると思うのでありますが、やっぱり参議院の選挙制度、それを考えるという前提といたしましては、参議院はいかにあるべきかということもまた重要な課題になってくるだろうと、こういうふうに思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 最初から私に与えられました時間がごく短いものですから、この問題につきまして総理と問答をするつもりでおるわけでございませで、基本的な見解だけ明らかにしていただきまして、この問題点につきまして御議論をするのは次の機会に譲りたいと思うのですけれども、総理の御見解が一応明らかになったことで私も了といたしますけれども、しかし、先ほど申しました新聞記事の件ですけれども、総理のお立場から考えまして大変影響力があるわけですよ。ですから、たとえ雑談の折にでも、そういうように受け取られるような御発言をなさると、もしかしたら腹にあるから出たんじゃないかという推測もあるわけでしてね、そういう御発言になるというようなことを、どんなかっこうで国民に受け取られるかということも重々お考えになりまして、お慎みになった方がいいんではないかというようなことを重ねて御要望申し上げまして、時間も参りましたので、後日の機会に質問を譲ることにしたいと思います。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもって質疑通告者の発言は全部終了いたしました。よって、暫定予算三案の質疑は終局いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) それでは、これより暫定予算三案の討論に入りますが、別に討論の通告もございませんので、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行います。  昭和五十二年度一般会計暫定予算、昭和五十二年度特別会計暫定予算、昭和五十二年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 賛成者多数と認めます。よって、三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗