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80回国会参議院1977/03/26

予算委員会 第6号

発言数
396
登壇者
27
会派数
2
開催日
1977/03/26

会議録

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十二年度一般会計予算  昭和五十二年度特別会計予算  昭和五十二年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、前川旦君の質疑を続行いたします。前川旦君。

前川旦日本社会党

○前川旦君 昨日保留になっておりました問題につきまして政府から御答弁をお願いしたいと思いますが、私はこればかりを実は質問しておるわけにまいりませんので、生活問題に移らしていただきたいと思いますから、初めに御回答いただきまして、そして、その問題は、後から藤田進委員なり田英夫委員なり、他の方にバトンタッチをしたいと思いますので、最初に御回答をお願いいたします。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 昨日、「アジア・太平洋地域」という表現と「西太平洋」という表現につきましての御質問がありまして、これに対する答弁がやや統一を欠いたのでございますが、本日はこれにつきまして統一的な見解を申し述べたいと思います。  「アジア・太平洋地域」とは、東アジア及び大洋州の両地域をいい、これに対し、「西太平洋」とは、ハワイより西側で米軍が存在する太平洋の地域(洋上を含む)をいうものである。  以上でございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま外務大臣から明快に御答弁申し上げたとおりと御承知をお願い申し上げます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 朝鮮民主主義人民共和国との対話は国と国との接触でなければだめだろうということを申し上げまして、その対話の日本がお手伝いをすると、その具体的な内容はどうなのかとお尋ねしましたら、それは言えないとおっしゃいました。考えはあるが言えないとおっしゃいました。その問題についてはそのとおりですか、変わりましたですか、どうなんでしょう、この点。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その問題につきましては、私はあれやこれやと考えていることがあるんです。まだこの席でお答えすることが適当でないと、こういう段階であることを御承知願います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは、いまの問題は全部残しまして、同僚議員にバトンタッチをしたいと思います。  そこで、次に、国民が心配しておりますのは、総理がしょっちゅう言われる資源有限論、エネルギーの問題であります。そこで、総合エネルギー調査会答申、あるいは総合エネルギー対策閣僚会議が五十年にいろいろ答申をして需給計画を立てられました。しかし、実際にはあの計画と大分狂いがでていますね。これは、通産大臣、そのとおりだと思います。この狂いを率直に認めざるを得ぬと思いますが、どういうふうに訂正されますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  今日までのエネルギーの計画は、過般五十年の十二月の閣議決定の計画に従いまして進んでまいりましたが、、客観情勢の非常な変化もこれあり、あるいはまた、四囲の情勢からこれを改めて見直す必要がありますことは先生の御承知のとおりでございまして、先般、総理を中心といたしました関係閣僚によりまする機構をつくりまして、同時にまた、このエネルギーの問題について本格的にこれを検討するということにいたした次第でございます。  なお、これがために総合エネルギー調査会をつくりまして、目下検討に鋭意努力をいたしておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 通産大臣、LNGですね、液化天然ガス、昭和六十年度四千二百万トン、それから原子力発電、昭和六十年四千九百万キロワット、これはどういうふうに修正されますか、具体的におっしゃってください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、LNGの計画にいたしましても、あるいはまた四千九百万キロワットの原子力発電の問題にいたしましても、あるいはまた石油の計画にいたしましても、これらを新しい情勢を踏まえまして目下研究をいたしつつございます。  なお、これが最終的な目標と申しますか、懇談会の調査会におきまする専門委員会をつくりまして、ことしの五月なり六月なりを目標に研究を続けておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 あのね通産大臣、計画どおりにもういかないとわかっているんですから、たとえば、原子力発電をこれだけ計画したけれども実際にはどすんと落ちてどれぐらいしかできないんだと、エネルギーはどれぐらいしか入る見通しがないんだと、これをすっぱりとおっしゃっていただきたいわけなんですよ。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 計画の見直し中でございますので、ただいまそれがこれだけになるということはまだ申し上げられる段階ではございません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 総理、エネルギーの計画が狂っているわけなんです。で、原子力発電もいまのところは非常に困難性がある。そうしますと、やはり原油の輸入に頼らざるを得ない。総理はこの前のここでの御答弁の中で、十年ぐらいはまあまあだというふうな御答弁をされました。これはどういう確信がおありでそういう御答弁をされたのか、総理は石油の輸入についてどういう見通しを立てていらっしゃるのか、それを伺います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまも通産大臣からお答え申し上げましたが、どうも原子力発電ですね、こっちの方が相当の狂いが来そうなわけで、これはかなり削減した見通しを立てなければならない、こういうふうに思うんです。ただ、石油を使う方は、これはかなり余裕を持って計算しておりますので、まあまあ八〇年までは間に合いそうだと、こういう見解でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 石油にやっぱり依存せざるを得ない状態になると思いますがね。ただ、じゃ確実にそれだけの石油を輸入できるというその担保がはっきりしないわけなんです、見通しがね、それが非常に心配なんです。  特に私指摘申し上げたいのは、この五十二年度で経常収支七億ドルの赤字を覚悟すると、これから国際的にそういうことが約束されてくる。そうしますと、いまの日本の貿易構造は、産油国に対しては輸入が多いですから赤字ですね、日本は。その産油国に対する赤字を他の国の黒字でカバーしてきた。その他の国が貿易の均衡をみんな言ってくる。そうなると、外貨の面から、買うお金の面から大きなネックが出るんじゃないだろうか、その辺どう考えていらっしゃるんでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そこが実は問題であり、そこを非常に心配しておるんです。四十九年には百三十億ドルの赤字、これがアラビア諸国等に対してあるわけです。やや改善されまして五十年は百億ドルに減りました。しかし、五十一年はまあやっぱり百億ドル程度の赤字になりそうだと、それを他の国からカバーしなければならぬ。そうすると、他の国に対する輸出ですね、摩擦の問題がある。そこで二つ問題があると思うんです。一つは産油国に対するプラント輸出、これを強化する必要がある。それから、他の国に対しましてはやっぱり輸出超過にならざるを得ないんです。得ませんけれども、これが集中的にこの輸出が出ていくというようなことがありますとこれは相当の摩擦を起こす。その辺の注意はよほど厳格にやっていかなければならぬと、かように考えておるわけでございますが、まあとにかくこれからの国際収支問題を考えると非常に頭の痛い問題がこれは続出する、そういう中でよほど細心の注意を払いながらやっていかなければならぬと、かように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、集中豪雨的なことだけが問題になるんじゃなくて、やはり貿易収支の問題が絶えずついて回ると思うんです。ですから、貿易外収支で少々日本が赤になるんだと、こう言っても、やはり貿易収支そのものの均衡を、ECなんか特に言っていますから、迫られてくる可能性がある。そうするとどうしても窮屈になってくる。買えなくなってくる。非常に心配なんですよ。もう少し総理、はっきりした見通しがないと危なくてしょうがないんじゃないでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それはしかし考えてみましても、産油国以外に対する輸出超過ですね、これは避けられないと思うんです。これは避けるということになりますれば、わが国が今度はマイナスになってくるんですから、これはわが国の経済が立たぬと、こういうことになっちゃう。そこで私は、まあそういう状態でわが国が推移しなきゃなりませんが、非産油国に対する輸出超過、その状態に対しましては、貿易や、あるいはインビジブルトレードですね、貿易外の収支、つまり全体を通じて経常収支ですね、これのバランスという問題が大事な問題になってきますけれども、なるべくわが国の力のある限りにおきましては、低開発国といいますか、発展途上国、これに対する協力の強化、これをもちまして埋め合わせをするという考え方が大事になってくる、こんな感じがしておるわけであります。

前川旦日本社会党

○前川旦君 ある数字ですけれども、GNPの統計から拾いまして、五十一年歴年の実質GNPは、不況前の四十八年の歴年に対して七・四%の増加になっておる。しかし同じ時期に原油の処理量は五・八%の減少、原油輸入量は六・九%の減少と、つまり、石油によらないでGNPの成長が最近非常に行われている。ということは、産業構造の変化というものが原油を節減するという形で非常に大きく進んでいるんではないだろうか、こう思うんですが、その辺は通産大臣は的確にとらえていらっしゃいますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  あるいは原油、あるいは石炭、あるいは原子力その他サンシャイン計画等、これらを総合的に検討をいたしておりますのが総合エネルギー計画でございまして、ただいまお話しのように、われわれは原油の輸入量に依存しておる度合いが余りにも多い関係から、でき得る限りの、一方においては国内のエネルギー源、あるいは水力発電でありますとか、あるいは石炭でありますとか、さらに準国産といたしましての原子力、反面におきましては節減、節約という省エネルギーのより徹底いたしました施策を講じてまいる、こういうふうな総合的な検討をいたしつつある次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私はかつて石油ショックのときに、石油の消費量のGNP弾性値が一であるとか一・二であるとか、いろいろ議論したことがありました。ところが、最近では非常に原油の輸入量が減っているのにGNPは伸びている。つまり、それがかつて論議した弾性値がうんと変わってきているという現実をどうつかまえていらっしゃるんだと、そういう産業構造の変化を通産省は的確に把握して、望ましい傾向として指導するところは指導する、こういう態勢をとらなければだめじゃないですかということを実は言っているんですよ、その点いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その辺が非常に大事な問題になってきておると思うんです。政府におきましては、二月をエネルギー節約月間といたしまして、資源エネルギーを大事にしなけりゃならぬというプロパダンダを始めたわけなんです。ところが、私は非常に矛盾した心境なんですね、資源エネルギーをここで大いに節約をするということになりますと、これはいま消費を盛んにしなけりゃならぬ、そういう際に、それと相矛盾するじゃないかと、事実矛盾することになってくるわけなんです。そこで、非常に私は煩悶をしているというか、そういう時期なんでありますが、基本的に考えますと、この五年、十年、わが国といたしましてはどうしても資源エネルギーというものは大事な問題である。これは本当にわが国としては、これを効率的に使う、節約をしなけりゃならぬという思想を徹底しないと、さあ十年先になって大変な事態になってくる。これを実は心配しておるわけなんです。しかし、いまそういうことを余り声を出して言いますと、これはどうも景気政策と相反するじゃないかという感触もまた与える。しかし私は、そういう現在の不況打開という大きな問題がありまするけれども、静かに潜行的に資源エネルギー問題というものは、これは大変なわが国の抱えた重大な問題であるということを、まあ基本的な形においていま国民の理解を得つつあると、こういう状態が現況なんでございますが、しかし、資源エネルギーを大事にしなけりゃならぬという考え方、これはかなり産業界の方では浸透してきていると思うんです。だから、国民の間でもぼちぼちとその考え方、これも進んでおると、こういう見解でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私が申し上げましたのは、われわれの頭よりか産業界の方がうんと早く適応していっている。つまり、石油を使わないで、しかも成長するというふうな構造の変化がすごいスピードで進んでいるというのを数字を見ると感じるわけです。じゃ、どこがどうなっているかというのは、これは的確につかめません。これは政府が総力を挙げてそれをつかんで、そしてやっぱり望ましいのは誘導していく。同時に、中小企業なんかはまごまごしているとその産業構造の変化についていけませんから、早くやはり知らせて適応できるようにそういう指導をされたい、こういうことを申し上げているんですから、的確なお答えをいただきたいんです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) まことに貴重な御意見でありまして、われわれもそれに向かいまして、全力を挙げて、非常にスピードの早い変化に対応する通商産業行政を指導していかなければならぬ、かように存じておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 総理、アメリカで六・七%の成長を主張されて、まあ自信を持って申し述べられた。しかし、どう見ても、五十二年度のこの成長は果たして果たせるんだろうか。これは水かけ論になるかもしれませんけれども、総理は本当に自信がおありなんでしょうか。どう見てもうまくいくように思えないんですね、どうなんでしょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 前川さんのお話しのように、これは簡単な問題じゃありません。五十一年は輸出に支えられた成長だったと思うのです。それで、五・六%ぐらいな成長が年度といたしまするとされそうでございます。しかし、五十二年度は一体どうなるかということを考えますと、私は国際環境から見まして貿易にそう依存することはできない、こういうふうに思います。事実、経済見通しにおきましては貿易の伸びは実質五%ぐらいしか見ておらないのです。そうすると、何がそれじゃ成長を支えるかというと、やっぱり政府の財政支出。そこで財政投資ですね、これは実にこの予算案では九・九%の成長を見ておるわけなんです。でありますので、輸出が低調であるというが、平均いたしますと六・七%、これは実現できるであろうと、こういうふうに見ておるし、もし万一どうもできそうもないと、こういうことであれば、またその際は、臨時応急的な措置をやってもこれはひとつこの目標を到達する、こういう方針でございます。これは日本の社会でも要求しているし、世界がこれを非常に期待しておる、こういうふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 どうしてもそこのところがかみ合わないのですね。私どもは、やはり個人消費支出というのは、今度五十二年度では五九%占めるのじゃないですか、六割まで個人消費支出というのが占める。つまり西欧型になりつつあるわけですね。そうすると、個人消費支出をどう上げていくか。何もむだ遣いをせよと言うのじゃありません。そうじゃなくて、そこにやはり景気の最重点を置くべきである。たとえば老後の不安をなくするとか、失業の不安をなくする、医療の不安をなくする、あるいは教育費の不安をなくする、こういうところがやはり景気を支えていく一番の決め手だというふうに考える。もちろん公共事業も効果あるでしょう。その点どうしてもかみ合わないのです。政府は公共事業だけを前面に出される。個人消費支出をどうも低く見られる。どういうわけなんでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 公共投資が行われますと、雇用がふえる、また賃金がふえる、そういうようなことで消費購買力もふえていくんですよ。したがって、消費購買力、これは五%ぐらいは実質私はふえると思うんです。輸出も五%ぐらいはふえる、公共投資は九・九%ふえる、そういう状態で、私は平均すると六・七%ぐらいは実現できるであろう、こういうふうに見ておるわけです。六・七%になるか六・五%になるか七%になるか、まあ六・七%に計画経済じゃありませんから誘導することはむずかしゅうございますが、その辺に私は行くと見ているのです。  それから、日本の成長というのは世界じゅうがいまこれを見守っておるわけです。ぜひ日本にはそのくらいのことになってもらいたいなあ、そうなってくれれば日本の世界における立場というものはありがたいなあと、こういう感じを持っておると、こういうふうに思っておるわけです。また、日本の国内でも何とかてこ入れを欲しいなあという状態です。そういう状態ですから、これは多少景気が思うようにいかないなあという際でありますれば、私はまあ年度の途中においてもこの目標を実現するための手段は講じていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。これは何が何でもその辺の目標は到達したい、またできると、こういうふうに考えております。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいま総理からお答えのとおりでございますが、個人消費支出は昭和五十年の構成比が五六・八%、国民総生産の中で占めております。したがいまして、これが成長の中で非常に大きな役割りを示しておるということは御指摘のとおりでございます。ことしの一月の家計調査によりますと、勤労者世帯で名目が一一・六で実質が二・二%の増加。一般世帯で一五・八で実質が六・〇。全国の世帯で名目一二・九に対して実質が三・四という増加でございます。だんだん収入も増加し、物価も安定してまいりますと、実質所得もふえてくるということでございます。景気の回復と同時に物価も安定化をたどってまいりますれば、個人消費支出というのは十分政府見通しの名目一三・七、実質五・四程度の成長はできる、そう思っておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 個人消費支出の伸びを的確に把握するデータといいますか、目盛りがないんですね。ですからなかなかつかみにくいと思います。  総理、もどかしくて仕方がないんですけど、公共事業を重視すれば、だんだんそれが雇用もふえ、所得もふえてくる、だんだんお湿りが来るという感じなんですね。われわれが言っているのは、公共事業がむだであるとは言わないのですよ。これはこれで効果があるでしょう。同時に政策の中心を、やはり国民が物を買う力をつけるということ、何もぜいたくをせよと言っているのじゃないんです。だれだってもう一着ぐらい背広が欲しい、もう一本ぐらい万年筆が欲しい、もう一本ぐらいネクタイが欲しい、雨漏りも直したい、もう一つぐらい部屋をふやしたい、これはささやかな庶民の願いなんですよね。そういうものができるだけのゆとりを国民に持ってもらうという政策をするということ。たとえば老後の不安とか、失業の不安とか、医療の不安とかをなくしていくということ、そのことが一番景気を支える本質的なものだというのがわれわれの意見なんですよ。どうしてもそこがかみ合わない。どうしてそこのところ、もう少し歩み寄るというか、そういう発想が入れないのでしょうか、不思議で仕方がないんですが。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) やっぱり国民の生活が豊かになることは、私は経済活動が活発になる、そうして雇用がふえる、遊んでいる人をなくする、こういうような政策がとられることが私はまず第一であると思うのです。  それから、前川さんのおっしゃる、いわゆる社会保障対象の人、この人たちに購買力をつける、これも私は大事なことだと思うんです。そのことはすでに五十二年度予算でかなり思い切った政策をやっておるわけですよ。いま一般の財政支出の伸びは、たしか二二%台ぐらいしか伸びてないんです。あれは名目的には一七%ぐらいの予算の伸びになっておるんでありますけれども、あれは公債費がふえちゃったのです。それから、地方財政に対する交付税交付金がふえたのですよ。それを捨象すると、一般の財政の伸びというのは一三%台なんです。そういう平均の伸びの中で、社会保障費だけは、あれは一八%でしたか、一七%でしたか、その程度の伸びになるくらいな社会保障対象に対する配慮をしておる、こういうことで、ちっともかみ合わないことはない。全くかみ合っている、かように私は見ております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 やはり発想が少し違うと思うんですが、しかし、この不景気を何とかしなければいけない、何とか脱却しなければいけない、これは与野党の区別ない一致した考え方なんですよ。ですから、議論と対話を深めていけば的確な方法がいろいろ出ると思います。しかし、きょうは時間の制限もありますので、次に物価の問題に入りたいと思います。  経企庁長官、五十一年度の物価は大分出ましたね。これどういうことで出たのでしょうか。見通しよりも出ましたね。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  現在出ております指数は、東京都の都区部の物価指数の三月分が出ておるわけでございます。全国の確報はまだ出ていない次第でございます。そこで、この東京都の三月に出ております指数を基準といたしまして、政府が昭和五十一年度の経済見通しの中で申しておりました四十五年基準の指数に換算してまいりますと、おおむねことしの三月で八・九%年度中の上昇率となる見込みでございます。これは当初八%程度というのは、四捨五入して八%になるというような感覚で総理がしばしば申しておったことでございますけれども、このものからいたしますとかなり高いものになったというのがいまの状況でございます。  この原因はどうかということでございますが、私どもは昭和五十一年度の経済見通しを立てますときに、公共料金につきましてはおおむね二%強程度のものを、狂乱物価時に抑えた公共料金のひずみをやはりいっかは直さなければいけないということで、五十一年、五十二年にかけてこれを修正していこうということで二%強のものを考えたわけでございまして、今回の八・九の中では公共料金の部分がおおむね二・五%程度入っておるわけでございます。しかし、なおかつ政府の八%程度の見通しは何とかいけるんじゃないかということを昨年の十二月段階まで考えてまいりましたけれども、一月、二月という非常に昭和三十八年来の異常寒波もございまして、やはり季節的な商品が、われわれが当初想定したよりも高くなったということで、当初の八%程度というのが八%台ということで見通しが狂ったという点はまことに申しわけないことだと思っておる次第でございます。しかし、季節商品を除いたものでは大体八・四%程度ということでございますので、基調としては狂乱物価時の状況を考えますと落ちつきつつある。また政府の見通しは、年度中上昇率ということでしばしば申しておりましたので混乱いたしますので、それ以外のことは余り申しておりませんが、年度平均の上昇率ということになれば昨年より一%下がるということで、大体政府の見通しと変わりないというふうに考えておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 景気と物価とは二律背反しますね。そして西ドイツの場合は、景気よりもむしろ物価の方に重点を置いている。日本の場合は物価も景気もと。何かうまいことバランスとれるんでしょうか、非常にこれは心配になるんですね。それで、定期預金の金利六・七五%ぐらいまで物価上昇率を抑えたいと、こう総理は言われる。景気刺激すると物価が上がる。どこでその辺のバランスをとられるのか、非常にむずかしい問題なんです。どういう御自信がおありなんでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 景気と物価、それからドイツの場合には賃金ですね、この三つをにらみながらその間のバランスをとっておる、こういう状況でありますが、わが国の方といたしますと、ちょっと賃金問題がドイツのようなわけには私はいかぬと、こういうふうな見方をしておるんです。つまり、わが国におきましては、四十九年ですね、石油ショックの後一挙に三〇%を超える賃金上昇というものがあった。あれをドイツ並みに一挙に鎮静ということは私は非常にむずかしいことである。しかし、むずかしいことではありまし一たけれども、労使非常な理解を持ちまして、これがだんだんだんだんと落ちついてまいってきておると、こういう状態でありますが、ドイツのように、あのように低い賃金の状態に一挙に持っていくということは、これはなかなか私は日本の状態においてはむずかしいと思うんです。  そこで、わが国におきましては、賃金問題はこれは政府の介入すべき問題ではない、これは労使の協調にまつ問題である、こういうふうに考え、そのような姿勢をとってきておるわけでありますが、さて、そうすると、景気と物価の間の問題をどういうふうに持っていくか、こういうことになるんですが、これは事実、本質的には私は相反する要素は持っていると思うんです。さあ景気をよくすればこれは物価は上がる傾向を持つ、また不景気にすればこれは物価は落ちつく傾向を持つ、持ちますけれども、そんな片寄った政策をとる、これは全く芸のない話です。やっぱり物価と景気、これを両々進めていい方に持っていくという政策をとること、そこに苦心があるわけなんですよ。その苦心をいましておる。それを一挙にというようなことになりますると、これはやっぱり賃金問題に私は非常に大きな、衝撃的な影響があると思いますので、そういう考え方でなくて、なだらかに物価と景気の問題を両々バランスをとりながら進めていくという考え方がよかろうと、こういうふうに考えまして、一方景気を急激に抑えるというような政策もとらなければ、一方物価を極端に抑えちゃうという政策もとらない。まあ、なだらかに両々が相並行して鎮静化していくという、安定化していくという方向、そういう考え方を進めてきたわけでありますが、私はこれはいわば綱渡りのような行き方だと思うんですよ。しかし、その綱渡りを今日まで私は安全に綱渡りしてきたと、こういうふうな認識でございますが、今後もその綱渡りを安全にやっていきたいし、またいく自信も持っておると、こういうふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 経企庁長官、大変冬が寒くて野菜が値上がりしたのがあの大きな影響を及ぼしたと。これは季節的な要因というのは、われわれは余り言いわけに使っちゃいけないとお互い思うので、問題は公共料金の値上げですね、これが非常に大きな影響を及ぼしましたね、そうおっしゃった。そのとおりだと思います。そうすると、五十二年度についてはどういうふうにお考えになりますか、公共料金の問題、どうとらえますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  私が申しましたのは、季節的商品ということで、野菜に責任を持っていくということではございません。魚もありますし、果物も非常に不作でございましたし、そういうこともはっきり数字で出ているわけでございます。これを申し上げましたので、誤解のないようにお願いしたいと思います。  公共料金につきましては、八・九%の中で二・五%程度というふうに申し上げたわけでございます。そこで、五十一年度は、どうしても狂乱物価のときに抑えた公共料金をいつかは正常の状況に戻さなければ、これは公共企業体の経営が合理化をやって努力するにしましても国鉄のような破局的な状況になるということで、五十一年度に全部とはできませんけれども、できるだけ正常の状況に戻して、そして物価の安定を図っていきたいと、こういうのが政府の姿勢でございまして、したがいまして、五十一年度において公共料金にウエートがかかったのは事実でございます。しかし、五十二年度に関しましては、五十一年度における公共料金——国鉄、電話の料金というのが非常に大きかったわけでございますが、そのほかに電力、ガスというようなものもございますし、非常に大口のものが五十一年度に集中したわけでございます。しかし、五十二年度におきましては、電力、ガスというのは大体二年単位の料金の見直しということもございまして、五十二年度中には五十一年よりは少ない公共料金の値上げということを考えておるわけでございまして、いま予算の中で見ております公共料金の値上げというのは、ことしの九月からの国鉄の一九%、それから電話につきましてはもうすでに法律で決定したものが四月に実施されるというものもございます。しかし、これも度数が六十回以下の電話の使用回数の少ない方については、十一月まで十円を七円に据え置くと、そういう制度もとられておるわけでございまして、予算の中でおおむね公共料金の値上げに寄与する率は〇・六%ということでございます。しかし、そのほかにいろいろな公共料金があることは事実でございますので、これらの問題については、われわれはひとつ経営を徹底的に合理化をやっていただくということで適正な料金水準というのを考えてまいりたいと思っている次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 公共料金というのは政府が決めることのできる唯一の物価であると私は思いますよ。ですから大変大事だと思うんです。  そこで、いままでの政府の経済計画では公共料金の値上がりを極力抑えるという方針だったはず、ところが、昭和五十年代前期の経済計画、新しい経済計画では、適正なコストを賄う適正なところへ上げるという方針になった。変わりましたね。私はそこが非常に心配なんですよ。ですから五十二年度でも物価が上がるというふうになると、やはり機動的に公共料金を抑えるのだという方針をある程度通さないと、これは大変なことになるんじゃないかと、こういう気がいたしますが、いかがでしょう。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  先ほども、私NHKのテレビに出ておりまして、やはり公共料金について国民的なコンセンサスを得るということが非常に大事なことじゃなかろうかと思っておるわけでございます。これは与党、野党を通じて国民として公共料金をどう考えるかということをやはり十分理解を求めることが非常に大事だと思います。私は公共料金につきましてはやはり経営を徹底的に合理化するということがまず第一であろうかと思います。国民生活に非常に関連の深いものでございますから、経営を徹底的に合理化すると、いやしくもそういう放漫経営であるとかむだがあってはならない、この前提のもとではやはり受益者負担の原則、やはり適正な企業の運営ができるような水準で公共料金を定めるというのが原則ではなかろうかと思うのでございます。しかし、その中である面において財政負担をするというものが一部で出てくるかもしれません。したがいまして、その場合にはその企業を公共料金の利用者と利用しない人、すなわち、財政負担というのは国民全体の税金で賄うということでございますから、国民全体の税金で公共料金を賄うだけのコンセンサスが国民に得られないといけないわけでございまして、したがって、狂乱物価時のあの異常な状況の中では、何とか政府のやり得ることは公共料金であるということで公共料金を非常に低く抑えた、少し無理なことをしたわけです。したがって、これはいつかはこれをもとの状態に戻さなければ大きなツケで後にやってくると、いまは三%の値上げで済むものが、後では六%なり七%になるということで、大変国民の皆様方には申しわけないことですけれども、しかし、この御理解をいただいて、公共料金を正常の状況に戻すことが、将来の中期、長期に見まして物価を安定するゆえんのものであると、そう考える次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、いまおっしゃられたことは原則的にはわかります。しかし、一方で景気の刺激策をとるのですから、そうすると物価の上がる心配があるのですから、そこをそういう原則論で終始したんじゃだめなんで、もっと機動的にやはり公共料金を抑えるときは抑えると、こういう機動性がなければいけないと思うんですよ、その点いかがなんです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  ただいま申し上げましたように、われわれはオイルショックの後で石油の値段が一挙に四倍になったと、昨年の十二月には一〇%、五%で、平均して七、八%上がったと、これからもまた海外の物価の値上がりということは予断を許さない、そういう状況の中でわれわれは物価の政策をとっていかなければなりません。したがいまして、何とか公共料金を低目に抑えていきたいというのは基本的な姿勢でございます。しかし、それにもおのずから限度がある。これを余り安易な形で公共料金を抑えてまいりますと、非常に後年度における大きな負担となってあらわれてくる。したがって、五十一年度におきましては二%強程度の公共料金の値上げはやむを得ないと、この中で経済運営をやっていこうということを考えたわけでございますけれども、しかし、われわれが予想したよりも季節商品の値上がりが大きかったという点は私どもこれからの経済運営についてさらに努力をしてまいりたいと思う所存でございます。  したがいまして、当初から大体の見通しを公共料金には立てておるわけでございますが、これをストップするというようなことは、過去で二回、私も企画庁の政務次官を十数年前にやりましたときにいたしました。しかし、後で大きなツケがやはり来ております。したがって、公共料金については国民的なコンセンサスを得ながら、そして本当に理解を得ながら、だれも公共料金の上がるのを好む者はおりません。しかし、これをそのままにしておったら、財政に来るか、公共企業体が破局的な状況にいくか、どちらかでございますから、その選択をどうするかという国民的なコンセンサスが必要であると、政府の努力がそういうコンセンサスづくりにまだ不十分であるという点私も考えておりますから、これから大いに各界各層の方とも御懇談しながらコンセンサスを得るように努力してまいりたいと思うのでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 どうしてもうまく話がかみ合いませんが、五十一年度の物価上昇の予定がオーバーしたと、それには公共料金の値上げが非常に大きな影響を持っておる。ですから、その経験を生かして機動的にすべきであるということを私は申し上げているのであって、二%まではいいんだと、これまではいいんだと、上がっていいんだと、こういう固定観念で公共料金を考えてもらいたくないということを言っているんですから、その点をやはり考えていただきたいと思います。  そこで、通産大臣に伺いますが、企業の姿勢が非常に値上げ指向型ですね。どの企業もこの企業も産業界値上げラッシュ、これは卸売物価の上昇になってまた消費者物価にはね返る。それで製品価格を上げることで利潤を確保しようとしている。どの企業みんな値上げラッシュということが、全部ということじゃありませんよ、そうでない企業もありますが、この値上げ指向型の企業、これをどう抑えていかれるのか、物価の方へ反映させないようにどう指導されるのか、その点いかがでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御指摘のように、いろいろと原料、賃金その他物価を上げる要素が多いものでありまするから、企業のコストも上がっていく、それに対しまして、一方、財政政策の上から申しましても物価を安定しなきゃならぬ、そこに非常にいろいろと努力をいたしておるのでございまするが、一方、公共料金等に対しましてのガス、電気等々につきましては、御案内のとおりにデータの積算によりまする自動的なコストアップの計算が出ます。それに対しましてどう抑制、調整していくかということはなかなかむずかしい問題でございます。ことに一般企業の場合におきましては、自由経済をたてまえといたしておりまする関係から、ある程度の法制上の指導の根拠はございまするけれども、大部分の問題はその価格につきましては、むしろこれを法制上、停止または抑制するという機能がなかなかできにくうございます。そういう点で、たとえば石油の値上げ等の問題におきましても、御案内のとおり灯油の価格等につきましては、政府の行政指導によりまして抑えてまいったのでございまするが、ただいまの元売り等の値段につきましては、御案内のとおりに石油業界が値を上げましても、希望しましても、ユーザーの方の関係がなかなかそれでは了承できないというような関係で、一方、元売りとユーザーとの現在は交渉の段階を見守っておるというような状態でございます。しかしながら、何分にもこのインフレという問題につきましては、政府を挙げ、国を挙げてこれを安定させたきやならぬという努力を終始払っておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 わかったようなわからぬような。企業がいまどんどんと値上げ指向で、日本経済新聞の記事によりますと、石油ショックのあの後の値上げラッシュみたいな感じだと、こう記事に載っていますよ。どんどんどんどん企業は製品を上げているんですよね。その中にはどうしても上げざるを得ないものもあるでしょう。しかし、便乗値上げもあるでしょう、それにやっぱり手を突っ込んで、メスを入れてそして指導をして、なるべく上げさせないようにその態勢をとってもらえないかと、これを言っているんですから、その点いかがですか。   〔委員長退席、理事園田清充君着席〕

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御指摘の方向に向かって全力を挙げて行政指導をいたしております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 いまのお言葉、本当かどうかいろいろ追跡をしてみたいと思います。それはそれとして、非常にいま為替差益が出ていますね。円が高いもんですから為替差益が出ています。恐らくずっとこれから円高で推移すると思うんです。この為替差益を物価の上にどう反映させるのか、総理はこれはたしか二月十八日の閣議でこの為替差益を物価の上に反映させろという指導をされたはずです、二月十八日。しかるに、いまになってどれだけの指導をされていますか。どれだけの取り組みをされていますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  いま為替が二百八十円を割って二百七十八円台、昨日の引けが二百七十八円七十銭だったと思いますが、いずれにしましても為替が非常に円高になっている。したがって、この円高をできるだけ物価安定に活用しよう、そういう総理の御指示もございまして、私ども為替差益によって利益を得るような輸入商品についてずっと追跡調査をいたしておる次第でございます。ただ、ここで私ども今回の円高が一体どの程度まで続くであろうかという経過をもう少し見きわめる必要があるんじゃなかろうかと思うわけでございまして、前回の円の切り上げあるいは円の変動制に移行した際には同時に輸入関税の引き下げとか自由化とかということをやりまして、かなり大幅のものであったわけです。したがって、各品目についてかなりいろいろな対策が打てましたけれども、いまそこまではまだやれる段階ではないということでございます。したがいまして、総理の御指示に従いながら各品目について細かく追跡調査をいまいたしている段階でございます。いまちょっと石油のお話が出ておりますが、石油等については、確かに円高によっての利益というのを得ているわけでございますから、その辺がやはり実情を明らかにして、そしてその分がどのくらいの利益になるかということを国民の前に明らかにしながら、これは値上げというのが考えられていくべきだと思うわけであります。十分その為替差益の状況ということをわれわれはこれから考えていかなきゃならないと思っている次第でございます。しかし、いま直ちにどの部分がどれだけ下がるというのは過去の円の切り上げの時代とは状況が違う、まだ短期間の状況であるということをひとつ御理解いただきたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 円が高いんですから、輸入する品物は安く入るわけですね。ですから、それだけ国内へ安く反映するはずなんですよ。それが商社なり流通過程で吸収されて、消費者の方へなかなか回ってこない。ですから、二月十八日に総理がそういうことを閣議で発言されて、あなたの対応は余りにも遅い。私は倉成さんをしかっているんじゃないんですよ。余りにも行政の方が対応が遅い、もっと早く追跡調査をして、もっと早く指導して、早く効果を上げるようになぜできないんだ、早くしてもらいたい、こういうことを言っているんですから、その点いかがでしょうか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) いまの為替相場の問題でございますが、一月の平均が二百九十一円、二月の平均が二百八十五円、そして最近が二百八十円をちょっと切っているという状況でございまして、一月、二月ということで、まあ十円から二十円までまいりません、十円ちょっとの変動でございますね。したがって、やっぱりこの状態がたとえばことしの夏まで続くということが見通しつけば、それによって価格の指導もできますけれども、これがどこまで続くだろうかということが一つの問題点だろうと思います。いま入れているものは確かに安くなるかもしれないけれども、それから先は一体どうなるかという問題もございますから、したがって、これについてわれわれはずっと追跡調査をしていきたいと思っております。為替相場というのは、大体短期的にはこれは需給関係で決まるわけでございますけれども、長期的にはやっぱり両国の国力、具体的にはまあ卸売価格というようなもので決まっていくと思うわけでございますので、やっぱりもう少し先の見通しというものについては見ていく必要があるんじゃなかろうか。しかし、いずれにしましても為替が円高であるということで利益を受けるということは、これは消費者に還元すべきものである、そういう基本的なことで考えておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 物価は一番切実な問題なんです。ですから、どうか物価の上昇を抑えるということに対しては野党のわれわれももうそれは協力を惜しまないんですから、もっと、何か迫力を感じませんね。もう少し真剣にやはり考えてほしいということを要望しておきます。  それから、物価の問題に関連しますが、預金の目減り、これも国民が心配しているんです。そこで、これは大蔵大臣にまずお伺いいたしますけれども、普通預金の金利は下げられる。しかし、この間行われた〇・五%の公定歩合の引き下げ、この〇・五%引き下げ、これがこのままいくんであれば定期預金の金利の引き下げはなさらない、こう考えてよろしいですか。   〔理事園田清充君退席、委員長着席〕

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。  預金金利の引き下げというものでございますかね、変更というものはそのときどきの経済情勢、それから預金者の立場といったようなものを、そういう事情を考えまして、追って行われていくというのが私は筋だと思いますが、今日、私はそういったようなことから考えまして、今後のことについてここではっきりどうということは申し上げられませんけれども、今度の金利引き下げに関連いたしまして、定期預金というものを、これを金利を引き下げていこうという考えはいたしておりません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 聞いている人にわかるようにひとつ御回答いただきたいんですが、いま、この間下がって公定歩合六%でしたかね、六%ですね。で、公定歩合を再引き下げするといういろんな要望がありますが、いまの六%でいく限り銀行なんかの定期預金の金利は引き下げませんと、こういうことでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 今度〇・五%の公定歩合引き下げましたね。

前川旦日本社会党

○前川旦君 六%ですね、いま。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そうです。それに関連して定期預金の金利を引き下げていこうという考えは持っておりません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 持っていない。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 持っていない。だから、それで将来のことについてはさっき申し上げましたとおり、はっきりといま申し上げることはできませんけれども、今度の金利引き下げに関連いたしまして、定期預金の金利を引き下げようということは考えておりません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 じゃ、せんだっての公定歩合の引き下げに関して、私言っていることは同じことなんですね、いま六%になった、その六%が続く限りは定期の貯金の金利はいまのままでいきます、こういうことなんでしょう。そう理解してよろしいですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) さっきも申しましたとおり二つあるんですよ。いまのところは私はそれに関連して引き下げようとは思っておりません。しかしながら、さっき申しましたとおり、そのときどきの経済情勢、さっき申しましたでしょう、大前提として。そのときどきの経済情勢及びその預金者の立場というものが、そういったようなことをこれを考えまして、それだから未来永遠といいますか、そういうことではないんですね。未来永遠じゃありませんけれども、要するに、今度の引き下げに関連して引き下げると、定期預金を。そういう考えは持っておりませんが、私の表現が非常に下手なら政府委員に答えさせます。

後藤達太大蔵省銀行局長

○政府委員(後藤達太君) 大蔵大臣が答弁されたとおりだと私は思うんです。今回の引下げに関連をして定期預金を下げる考えは私ども持っておりません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは、公定歩合はいまの六%が続く限り、この間の公定歩合の引き下げに関連をしてはとおっしゃるのですから、国民の側として当面定期預金の金利は下がらないと、いまのままでいける、安心して、貯金できる、そのように考えますから、もし違っていたら違うとおっしゃっていただきたい。そのままお座りでしたらそのとおりでいきます。  それでは、郵政大臣に伺いますけれども、郵政省の貯金ですね、普通預金ですかね。いま銀行は普通預金下げますね、郵政省はいかがですか、下げてほしくないんですが。

小宮山重四郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小宮山重四郎君) 前川先生も御承知のとおり、金利については一般金融機関と郵便貯金とは完全に違います。一般金融機関は三月十一日の公定歩合引き下げに伴って三月の十四日に大蔵大臣が告示し、二十四日に金利調整審議会で答申、これは臨時金利調整法に従ってやっております。で、昨二十五日に日銀政策委員会が決定しております。新聞紙上で見ますと、本日二十六日に大蔵大臣が告示するやに聞いております。  で、私の方の郵便貯金については郵便貯金法第十二条第三項によりまして、郵政大臣が郵政審議会に諮問することになっております、利率については。現在のところ、私は定額についても要求払いについても諮問する意思はございません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 はっきりおっしゃいましたが、要するに、わかりやすく言えば、郵便貯金の金利は下げませんと、こういうことですね、よろしゅうございますね。

小宮山重四郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小宮山重四郎君) さようでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは次に、国民の皆さんが非常に関心を持っていらっしゃる福祉の問題に移りたいと思います。  まず、福祉で老齢福祉年金、今度は十月から八月に繰り上げて千五百円アップになりますね、厚生大臣。私はこの千五百円アップというのは非常に少ない、不十分だというふうに思いますが、厚生大臣、御意見いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、福祉年金は無拠出の年金でございまして、年金はいろいろ全部横並びがございます。財政事情等も考え、物価等も考えて、一般の年金は九・四%しか上げておりませんが、福祉年金は一一%実は上げておるわけであります。したがって、妥当なものと存じます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 一昨年、田中厚生大臣がこの老齢福祉年金の基準として軽費老人ホームに入れる程度、おおむね二万円が望ましいということを国会で発言されております。はっきり議事録に残っております。それから二年たってまだ一万五千円。あの御発言との関連はどうなんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは二万円ぐらいにできることならばやりたいという願望を申し上げたのじゃないかと私は思っておるわけでございますが、御承知のとおり、先ほど言ったように年金はみな横並びがあります。いままでは、老齢福祉年金は一万三千五百円、また五年年金あるいは十年年金というものがそれぞれ一万五千円あるいは二万円、こういう状態でございますから、その段階で無拠出の福祉年金を二万円に上げるということになれば、当然五年年金はそれよりも、掛けた人が下で掛けない人が上だということはありませんから、もっと上げると。五年年金の人が十年掛けた人よりも今度は上になっちゃぐあいが悪いですから、十年の人はもっと上げると。二十年はもっと、二十五年、恩給はどうなんだというような話になりまして、いろいろそういう事情もございますから、現在の状況ではまあ一一%上げるということがぎりぎりのところではないかと、こういうように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 老齢福祉年金に対する考え方がやはり少し食い違いがあるのじゃないかと思うのです。老齢福祉年金というものをただもうやるんだと、こういう発想では私はいけないと思いまして、やはり生活保障として見なきゃいけない。その生活保障として見る見方で、前の厚生大臣が一応基準として軽費老人ホームに入れる程度、おおむね二万円と。軽費老人ホームというのを基準として出されたんですよ。私は、これは非常に貴重な意見で、これがいまそのお金が幾らになっているかというと、甲地では二万五千円を超えていますね。ですから、やはりそういう発想法を導き入れて考えるべきではないだろうかと、このことを申し上げているのですが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は考えが必ずしもそうではないんです。と申しますのは、御承知のとおり、年金の方は、財産の多寡にかかわらず、一律に七十歳になると差し上げると、こういうことになっておるわけです。まあ所得制限はございますよ。ございますけれども、だんなさんが中小企業の重役さんであって、毎日自動車で送り迎えされておっても、八百七十六万以下の所得ならば奥様には年金を差し上げましょうと、こういう仕組みになっておるわけですから、それは軽費老人ホームに入るということは生活保護の標準と大体似たような形になっておって、生活保護を受ける人は財産のある方は生活保護を受けておらないわけでございますから、したがって、私は、現在のような仕組みで、ともかく所得制限というようなものも緩やかな状態の中で、しかも財産があったってそれは差し支えないと、こういう状態の中では、福祉年金を生活保護と同じ考えでその額を決めていくということは、必ずしも妥当でないのじゃないかなという気がするわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 時間が足りないのが残念ですけれども、やはりせっかくこういう基準が前の大臣で出されたのですから、私は、これはちゃんと生かしていっていただきたい、この考え方をですね。ですから、老齢福祉年金というのは、生活保障という考え方でやっぱりもっと上げていただきたい。しかも、対象となる方がだんだん減っていくわけです。十年後には半分になるわけですね。ですから、財政的にもある程度やっぱりそうなるとゆとりも出てくるはずなんですから、引き上げてもらいたい、このことを実は申し上げているんです。いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは私もできるだけ上げたいと思いますが、先ほど言ったように年金はバランスの問題もございますし、しかも無拠出ということで、これは千円上げるというと大体六百億円ぐらい必要なそうであります。しかも、それはそこだけでなくて、ほかにも全部影響いたしますから、仮に二万円ということになれば、ともかく五、六、三十——三千億円。それだけじゃ済まない。五年年金、十年年金も上積みしなけりゃならぬ、恩給にも響くということになるですから、数千億円、大変な金になるだろう。したがって、これは当然財政の問題と無関係というわけになかなかいかない。現在でもすでに七千七百億円ぐらいの財政支出を福祉年金に出しておくわけですから、平年度化すると八千八百億ぐらいの金になるわけです、それだけでも。ですから、まあ数ですから大変な金額になるので、そういう気持ちは持っておりましても、現実の現在の財政事情あるいは全体の問題から考えて、一挙にそういうことはできないということでございます。できるだけのことをしたつもりであります。

前川旦日本社会党

○前川旦君 できるだけしたいけれども、財政事情でやむを得ないというのであれば、私はそれなりにやっぱり話はわからぬことはないんですよ。しかし、余りごちゃごちゃ違うことじゃなくて、財政事情でやむを得ないというのであれば、それは限界もあるでしょう。しかし、できるだけ財政事情があろうとも引き上げてもらいたいということを強く要望しておきます。  そこで、いま所得制限の話が出ました。八百七十六万円というのはこれは扶養者六人家族で所得制限が据え置きになりましたね。所得制限が据え置きになることでいままでもらっていてもらえなくなる人が七千人ぐらい出ましたね。これは非常に残酷な話だと思うんですよ。七千人で数は少ないけれども、もらってきたものをもらえなくなった。この点、どうしてこういうことになったのでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいままでもらっておった人が失権をするということは、ある意味で私も非常に同情するところがございます。しかし、問題は金の使い方をどうするかという問題であって、上を見れば切りもないが、下にももっともっと困った人が実際はおるわけでございまして、金をどういうふうに使うかということだと私は思うのであります。実は、八百七十六万円というのは高過ぎるではないかと。配偶者なんかの場合は、特に、自分で数千万とか億の財産を持っておって、七、八百万円所得があって、そこで奥さんがともかく無拠出の年金をもらうというのはいかがなものか、もう少しその所得制限を下げたらいいじゃないかというような御議論も、新聞等で出ておるように、実はあるわけですよ。これは、しかし、一遍にそう予算のどさくさまぎれに言われましても、私としてもそれは困ると、こういうようなことで論争がいろいろございましたが、年金制度全体の見直しの問題のときにもう一遍議論しようということで、今回は据え置きと、こういうことにしたわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これは財政当局とあなたとずいぶん議論されたというのは新聞に出ておりました。やっぱりこれは財政上の問題で恐らく出てきたのだろうと思うのですが、それじゃ一体これでどれぐらい予算が節約できたのかというと、ちょっと計算してみますと、十二億千八百万円、十二億円ちょっとぐらいなんですよ。それぐらいの倹約をして、そしてせっかくいままでもらっていた人を七千人も泣かすと。これはバランスを失しますね。非常に酷な話だと思うんですよ。十二億の金がこれほどまでして削らなきゃいけないのか。やはり、私は、財政上の問題よりも、政策的な突破口を開こうというような、何かそっちの方に意味があるのじゃないか、そう勘ぐっているのですが、いかがでしょうかね。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは財政の問題と政策の問題もございましょうが、この年金問題はいろいろ矛盾なところもあるんですよ。たとえば、学校の先生の奥さんが、だんなさんが亡くなって、去年八十万円年金をもらっておったけれども、ことしから四十万だと。しかし、その人には老齢福祉年金はいかないわけですからね、公的年金は併給しないんですから。ですから、いろいろな問題を考えると、やはり八百七十六万円という所得というものがあって、しかも八百万から所得があって、それ以上ある人は、こういうふうなときに、まあもっと上げろという議論もあるわけですから、物価や何かがあがった分だけもっと所得制限の額を上げろという議論もあるわけですから、いろいろな問題を考えると、これは年金制度全体の問題としてともかく一遍見直しをする必要があるのじゃないか。限りある財政の中でどういうふうにして社会的公正を保ちながらともかく有効に金を使っていくかという問題も私は大きな政治の課題だと思います。そこで、われわれとしては、ことしの秋までに年金の基本構想懇談会を持って、内容についてひとつ専門家の意見を聞いて詰めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 同じ老人医療なんですが、この老人医療の問題も五十一年度の予算編成期のときに出てきて、そのときの三木総理のツルの一声で継続が決まりました。それから五十二年度予算では、渡辺厚生大臣と総理との間で話し合われて継続が決まった、七十歳以上の老人医療の無料継続。これは去年もこれが有料化になる、ことしも有料化になる、こういう話が出てくる。非常に不安なんですよ。総理、これ一遍こういうことをお決めになったんですから、この老人医療、七十歳以上の無料化は続けると、こういうことで安心さしていただきたいと思うんですがね。その点いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 老人医療問題は私も非常に関心を持っておるんです。ただ、私はやっぱり社会保障というものは、これは全体として強化をしなけりゃならぬ。本当に生活能力のある人に生活力をつけるという考え方ですね。ただ、それを強く進めるためにはそれだけの金が要るわけです。ですから、そういう際に、生活力が非常に高いという、そういう人に対しまして、生活力が非常に低いという人に対すると同様の国としてのサービスをするということが果たして妥当であるかどうかという問題は私はあると思うんです。そういう問題……

前川旦日本社会党

○前川旦君 それは所得制限がありますから、一応。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そうそう。そういう問題があると思うんであります。  そこで所得制限という問題も出てくるわけですが、いかなる程度の所得制限ということが妥当であるかどうかというような問題は、これからもいろいろ論議の対象になるべき問題である、なって私はいいというふうに思いますが、とにかくはっきり申し上げますが、老人医療の問題につきましては政府としてば非常に関心を持っております。これをなくするというような、そんな考え方は毛頭持っておりませんから、その点は御安心願いたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは毎年この老人医療の有料化という話が出てきて、そして最後の予算折衝の段階で総理の決断で継続が決まってきた。ですから、もうこの辺でもうはっきり、せっかくやり出したことなんですから、この七十歳以上の老人医療の無料化は、これは所得制限はありますけども、そうでない方はずいぶん恩恵に浴してますね。これはもう続けると、これからも続けるというふうに、いまの総理の発言はそうだったというふうに受け取ってよろしゅうございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 老人医療の問題についての考え方はただいまお話しのとおりでございますが、ただ所得制限問題、これは私は前川さんも御賛同願えると思うんですよ。幾ら所得の高い人でもこれはもう無料であると、こういうような行き方は私はよほど考えなけりゃならぬだろう、こういうふうに思いますが、その点の留保をつけて前川さんのお話に賛成いたします。

前川旦日本社会党

○前川旦君 時間がございませんのではしょりますが、国民年金のことで一点伺いますけど、たとえば厚生年金というのは退職した後もらえるんですが、仕事をしていたときの賃金がずっとついて回るわけですね。低所得であった人はずっとやめた後も低年金がついて回りますね、こうなりますね。ですから私は、いま勤めている人の奥さん方は国民年金に入れますね。で、かなり入っていますけど、まだまだ徹底していない。  そこで、私はお願いしたいのは、特に中小企業、零細企業に勤めている人々、その方の奥さん方に、どうせそういう人たちは所得が低いんですから年金も低いんですよ、厚生年金も、やめた後。ですから、奥さん方はいまのうちに国民年余の方へ入っておくとずいぶん有利になるということを知らない人が多いんですよ。これやはり、特に零細企業に勤めていらっしゃる方に集中的にPRしてもらいたい。そうして厚生年金の低さをカバーするようなことをしてもらいたいんですが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いまのサラリーマンの奥さん方が、かなり実は厚生年金にだんなさんが入っておるが自分は国民年金に入っております。これはどんどんPRすべきかどうかいろいろむずかしい問題がございます。ございますが、皆さん賢いですから、かなり入っておるというのが実情でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私が言っておるのは、所得の高い層の方がそういうことをよく知っていてよく利用している。しかし零細企業なんかに勤めていらっしゃる方の中にそれが十分おりていない、その人たちにこそこういうことがあるんですよということをもっと知らしてほしい、それが本当じゃないかと、このことを言っているんです。いかがなんですか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) まだ不十分なところもあるかと存じますが、PRももっとやってまいりたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでははしょりまして農業に入りたいと思います。  農業の自給率の向上というのはコンセンサスがある。総理大臣はどの方もみんな施政方針に述べられます。総理も述べられました。しかし一向に実効が上がりませんね。これは一体どうお考えなんでしょうか。いつも述べられるんですが実効が上がらない。総理、これは本気でお取り組みになりますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 考え方の基本につきましては、施政方針演説でも明確に申し上げておるわけなんですが、これはまあ私は世界情勢の変化というものは恐ろしいもんだと思うんです。とにかく私が十七年前に農林大臣をしておった。そのころは麦の自給率、小麦の自給率ですね、これは三六、七%だったと、こういうふうに思います。大豆もそのくらいの自給率を持っておったというふうに記憶しておりますが、それが今日三、四%というところに成り下がってしまっておるわけであります。  一方、米はどうかといいますると、これはまあ完全自給を上回りまして余剰が出る、どうしようもないと、こういうような状態になってきておるわけです。しかし、今後の展望をしてみますると、これは国際社会では二十五年たつと世界人口が二倍になる、こういうことが言われておるわけであります。その二倍にふえるところの世界人口を二十五年間に食糧を増産をいたしまして、そしてこれに完全に供給し得る体制になるかというと、非常にこれはむずかしい問題になるであろうという説が定着しつつあるんです。そういう中でわが国のこの社会の安全ということを考えますと、これはやはりいままで大豆だとかあるいは小麦だとか、そういう状態になりましたけれども、わが国としてはそういう力をかつて持っておったんですから、そこまでなかなかいくことは相当時間のかかることであると思いまするけれども、これはどうしても逐次自給力をそういう種類の食糧についてはつけていかなければならない、こういうふうに考えまして、もうそういう施策を現にいま始めておるわけです。その反面において米の方の過剰生産、これを抑えるということもまた考えなけりゃならぬわけなんでございまするけれども、しかし、これはまあかなり、いまわが国の社会におきましては、米の余剰問題にしましても、小麦、大豆の問題にしましても、いまの形が定着しておりまするものですから、これを直すことはなかなか容易じゃない。容易じゃないが、精力的にその方向をひとつ改善をするという努力をしたいと思いまして、すでにもうそのための施策に手をつけておるわけなんです。そればかりじゃないんですよ、細かいところまで手をつけているんです。そばはもうほとんど海外から輸入をしておりますが、それもひとつ増産をしようじゃないかというところまで、政府は補助金を出しながら気を配っておるわけでありますが、これは効果はそう目に見えるようには上がりません。上がりませんけれども、精力的にこれを実現いたしまして、自給力、これはぜひつけていきたいと、こういうふうな考え方をいたし、それぞれの施策をとっておると、こういう状況でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、自給率向上に努力する努力するとおっしゃりながら、出てきた結果はちっとも向上しないんですよ、もう何年も。そうなんですよ。ですから、私はこれはちょっと責任問題じゃないかという気がしますよ。向上させるんだとおっしゃりながら一つも効果が上がらない。  それからもう一つは、来年度になりますか、五十二年度は米の生産調整を強化すると言われているんですけれども、いままで膨大な予算を投入してこれを七年間やっているんです。七年間やって、しかも実効が上がってないんです。ほかに、米以外に採算のとれる作物があれば転換できる、そういうことはわかり切っているんです。もう七年間われわれが言ってきた。しかし、そういうことをやらない。ですから、膨大な予算を使って七年間同じことをやってきている。しかも実効は上がらない。これだって私はやっぱり責任問題じゃないかと思いますよ。大変こんなみっともない政治があるもんかというふうに思いますがね。その点いかがなんでしょうかね。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、米の生産調整は五十年まで稲作転換対策、また五十一年から水田総合利用対策、こういうようなことをやりまして、そして米の需給均衡を確保する。また一方におきまして、米以外のぜひ必要な農産物の生産の増強すると、こういう政策をとってまいっておりまして、私は、前川先生の御指摘ではありますけれども、それなりの成果をおさめてきておると、こう思います。  しかし、いま総合的な自給力は食糧用の穀物で七四%程度、こう自給率がまだ不十分でございます。一方御指摘のように、大豆でありますとか、あるいは麦類でありますとか、あるいは飼料作物でありますとか、そういうものが畜産その他の消費の増大によりまして輸入がふえてきておるというようなことで、思うように総体的な自給率は上がっておりません。しかし、今後とも政府としては、米の需給均衡を図りながら必要な他作目の生産の奨励その他の施策をやってまいる考えでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私が言いたいのは、生産調整をやっても実効が上がらないで七年間きたということは、米の生産調整ということ自体に無理があるということなんですよ。瑞穂の国なんです、日本は。ですからもう生産調整というようなことをするんじゃなくて、これは米をつくると、そして米の消費を伸ばすという方向に思い切って伸ばすと、方向を転換すべき時期が来ているんじゃないかと、このことを申し上げたいんですが、いかがでしょう。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、せっかく農民の皆さんがつくっていただいておりますところの米につきましては、できるだけこれの消費の拡大を図っていくと、生産の調整もさることながら、需要を増大するということが大事な問題でございまして、私ども農業団体等と一体になりまして、米の需要拡大運動というものをいま一生懸命展開をいたしております。  また、学校給食に米飯を導入すると、これが今後の長い将来の国民の食生活を、パン食等から米飯を中心とした食生活に切りかえていくと、こういう観点からも必要であると考えまして、五十二年度予算におきましては、文部省と十分話し合いをいたしまして、米飯導入のための諸施策を従前に増して力を入れてやっておるところでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 米はもう生産調整やめて、つくると、そしてうんと消費を伸ばそうと、そっちの方に転換をしようと、その方がより現実的だということを私が申し上げている。そうすると、農林大臣は学校給食だとおっしゃった。しかし、七年間とにかく米の消費を伸ばそうという運動をわれわれもやってきた。そうして学校給食で米飯を認めたのは、やっと五十一年の二月じゃありませんか。どうしてそんなに対応が遅いんでしょうか。その点はぼくは文部大臣からも御意見伺いたいと思うのですけれども、農林大臣いかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 戦後、米の足らなかった時代、非常に食糧難の時代に、学校給食等におきましてパン食を導入をした、そういう経過等もございまして、これを米飯を主体とした学校給食に切りかえていくということには、相当の時間と、また関係者の理解と協力が必要であったわけでございます。しかし、御指摘のように、国民食生活に及ぼすところの学校給食の影響というものは大きいわけでございますので、今後とも、いま申し上げたように、五十二年度から相当力を入れまして努力をいたしておるところでございます。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 学校給食の問題につきましては、そのそれぞれの地域の皆さんの御協力と、同時にまた、学校に米飯給食を推進する設備等の充実という両面がございますが、学校給食そのものが児童生徒に与えますいろいろないい影響、体位の向上に役立っておること、あるいは共同生活にも役立っておること、学校教育の一環としてとらえまして、できる限り配慮をして推進していきたいと考えておりますのが私の基本的な姿勢でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、農業の問題で非常に心配なことは、暦年五十一年の農業所得は実質マイナスに落ち込むのじゃないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 最近の農業所得の傾向につきましては、数字的な面で御説明した方が明確になると思いますので、事務当局から。

白根健也農林省農林経済局統計情報部長

○説明員(白根健也君) ただいま先生からお話のございました点、具体的に申し上げます。  五十一年の四−十二月の農業所得は九十一万円でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 前年の実績マイナス。

白根健也農林省農林経済局統計情報部長

○説明員(白根健也君) 前年度実績マイナス〇・六でございますけれども、向後の一、二月、その後の情勢、米価が若干ふえまして、それと米の政府買い入れが若干進みます。これは大体九六%ぐらいになろうかと思いますけれども、そういう点を考えます。それから野菜なり果樹なり畜産でございますね、食肉でございますけれども、その辺の増加を考えますと、名目的には五十一年度の農業所得は若干プラスになろうかと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 実質。

白根健也農林省農林経済局統計情報部長

○説明員(白根健也君) はい。  それで、可処分所得でございます。これが農家所得ということで、の可処分所得を考えますと、これも若干前年横ばいか、まあまあそのぐらいにはなろうかと思いますけれども、農村の物価指数を見ますると、前年が農家の可処分所得で一七%増で、八・八ということで、農村の消費指数が出ております。四月−十二月まで見ますると八・五でございますので、所得の伸びが大体七%前後、可処分所得の。したがって、実質的には若干のマイナスになろうかと、去年に比べましてかなりの減収を免れないと、こういう見方をしております。  以上でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 農業収入はマイナスになるんです。そうしますと、一番苦しいのは専業農家なんですよね、農業収入がマイナスになりますとね。そうしますと、これをどう手当てするか、大変な問題ですね。その手当てするのはこれかの農産物の価格で手当てするしか手がないわけなんですよ。ところが、いま出ております畜産物の、これは三月の末に決まりますね、その価格の伸び、それからいま推定されております五十二年の生産者米価の伸び、推定です、これも非常に低く出る可能性がある。これが低かったら困るわけなんですね。一番困るのは専業農家。その点どうお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 農家の所得に及ぼすところの影響が農産物の価格にあるという御指摘でございますが、私もそのとおりに考えております。農産物の価格につきましては、生産費所得補償方式もございますし、パリティ計算による方式もございます。また、安定帯価格を決めましてそれによって価格の安定を図ると、こういういろいろ対象によりまして価格政策も違えておるわけでございます。最近の傾向としては、パリティ計算でいった方が有利であるというようなお話もあるわけでございますが、いま、私は、今日までとってきた価格政策はそれぞれの特性があり、必ずしもこれを急に変える必要があるかどうかということはすぐには即断ができない点でございますが、ただいま、米だけでなしに、その他の農作物との相対価格の均衡を図る、こういう点も考え、また、農家所得の点を考えまして、農林省の中に価格政策検討委員会というものをつくりまして鋭意その結論を急いでおる段階でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 鋭意急がれても間に合わないんですよね。とにかく農家の農業所得が落ち込んでマイナスになって、しかも、いま相談していらっしゃる畜産物の価格が低い。それから恐らく想定される生産者米価も低い。これでは本当に農家は苦しいんですよ。中小企業も苦しい、農家も苦しい、労働者も苦しい、みんな苦しいんですよね。しかし、マイナスに落ち込んでいるんですから、何とかこれを価格政策で押し上げなきゃいけないという、もう焦眉の急なんですよね。その点、どう取り組まれるんですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 当面いたしております乳価、いまの加工原料乳の不足払いの問題がございます。それから指定食肉の価格の決定がございます。この点につきましては、いわゆる不足払い制度、並びに食肉安定法等にうたっております法律の趣旨、つまり、再生産を確保すると、そして生産農民の生活を守るという観点に立ちまして、私どもは最近の物価、経済動向も考えながら適正に決めてまいる考えでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そうおっしゃいますけれども、価格は低くことしは出てくるんですよね、いろんな試算をしてみると。それが非常に心配だから何かもっと考えるべきだということを申し上げているのですけれども、なかなかこれは平行線です。残念です。  そこで私は、いまの米価の算定の仕方で常識的に考えてどうしてもわからないのは、農家が一生懸命努力して生産性が上がります。生産性が上がって労働時間が短くなると米価の計算が下がる。反収が上がりますね。反収が上がると、今度は米価の計算が下がる。努力すれば生産者米価が下がるという仕組みがありますね。どうしてもこれは腑に落ちないんです。この点、いかがなんでしょうかね。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 最近、御指摘のように、米作の場合におきまして生産性は高まっておりますし、五十一年度は冷害その他の異常な事態でございましたが、総体的に生産も伸びております。収量も伸びてきておるわけでございます。その際、この生産性向上分のメリットを農民にしっかりと還元をさせる必要があるのではないかと、こういう御趣旨の御質問であったと思います。私は、生産性が上がって労働時間が短縮をされるという、その余剰の労働時間というものは、私どもが水田裏作の奨励でありますとかいろいろなことをやっておるわけでありますが、複合経営等によって実質的な農家の所得がふえるようにやってまいろうと、そういうことが必要であると考えておるわけでございまして、いまの米価のそれだけでもってこの問題を処理することは適当でないと、このように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 農業の所得がマイナスですから、農産物の価格をことしはよほど上げるということをしないと、農家の経営はひっくり返る。こんなことが大変心配です。その心配を申し上げて次へ参りたいと思いますけれども、本当にこれは心配です。  それじゃ、農林大臣、御専門ですからちょっとここで伺いますが、政府の、領海十二海里、それから専管水域二百海里、これはどういう手順でいつごろどういうふうにしてお決めになって出されますか、その辺をちょっとお願いします。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 領海十二海里にいたしますいわゆる領海法案は、政府の方針が決まり、また、国会にもその方針を御説明を申し上げてきた線に沿いまして、その成文化の作業を進めておったところでございますが、大体結論に達しましたので、総理の御了承を得まして二十九日の閣議で閣議決定をし、国会提案の手続をとりたい、国会への御審議をお願いを申し上げたいと、こう考えておるところでございます。  なお、わが国の漁業専管水域の設定につきましては、私どもは、今日まで、海洋法会議の動向を見、その結論を得た上でと、こういう考えでまいったわけでございますけれども、すでに御承知のようにアメリカ、カナダ、それにソ連も二百海里を設定をした。EC、ノルウェーその他の国々も二百海里を設定してきておるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、そういう情勢の推移を直視をいたしまして、わが国の置かれておる漁業を知るという立場から、できるだけこの二百海里の専管水域設定についても決断をすべき時期に来ておると私は判断をいたしておるところでございます。しかし、そのためには、五月から開かれますところの第三次海洋法会議の五月期の会期の模様も見たいと、こう思っておりますし、また、わが国に隣接をしておりますところの韓国並びに中国との間には現在日韓漁業協定あるいは日中漁業協定というものがございまして、西日本の漁業はきわめて安定的に何らのトラブルなしに操業の秩序が確立をしておるわけでございます。この方面との事前の御了解もお話し合いもしておきたい。そういう諸準備を進めながら、五月の海洋法会議の動向を見ましてわが国の二百海里の設定についても最終的な判断をしなければならない、このように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 領海と二百海里の専管水域、これを決めますと、どうしても問題になりますのは未解決の日本の領土、北方の領土もあります。あるいは竹島という問題もあります。特に一番北方領土が問題になるだろうと思いますね。私どもは、やはり原則ば曲げてはいけない、変な中途半端な妥協をしてはいけない。やはり押すべきところはちゃんと押すというその強さ、その自主的な強さ、これは私はやはり望ましいと思いますよ。その点でどうお考えでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) お説のとおりでございまして、具体的には北方の四島の問題がございます。これにつきましては、すでに御承知のように、一九七三年モスクワにおける当時の田中首相とブレジネフ書記長の最高首脳の間で、戦後未解決の問題を解決して日ソの平和友好条約の締結のための協議を継続をするということが確認をされ、共同コミュニケも出ております。その後これを受けまして、両国の外相間において、未解決の問題という中には北方領土も含まれるものであるということも確認をされておるわけでございます。したがいまして、領海十二海里の設定の場合におきましても、また漁業専管水域設定の場合におきましても、わが方といたしましては、当然この沿岸水域に連なる海域は、領海なり漁業専管水域としてその海域に含めると、こういう方針で対処したいと思っております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 了解します。  農林大臣ね、日ソ漁業交渉に大変御苦労なさっておりますね。そしてこれは毎日毎日変わりますからね、新聞等でも条件が変わっています、継続中ですから。しかし、御承知のように、国会では、これは社会党が語りかけまして、支援決議を国会でいたしましたね。事は日本の食糧に関する問題ですから、これはうんとやっぱり粘れるだけ粘ってもらいたいと思いますけれども、見通しはどうなんでしょうか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 農林大臣、質問者の要点のみに答えてあげてください。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 現在東京におきましては、日ソ漁業条約に基づく合同委員会が開催をされております。またモスクワにおきましては、暫定取り決めに関する交渉が行われております。東京交渉におきましては、ようやくソ連側が漁獲量の一応の案というものを出してきておりますが、モスクワ交渉の方はいまだに原則論に固執をしておるということで、なかなか交渉は難航いたしておるところでございます。しかし、私どもはこれを両国が十分納得できるような線で、しかもわが国としては伝統的な漁業実績を、できるだけこれを確保するようにというかたい決意でこれに臨んでおるところでございます。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 午後零時五十五分まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  この際、閣僚各位に申し上げます。  総理の訪米によって審議日程が縮小されました関係もありますので、閣僚各位は、答弁の際は簡潔に要点のみを答えていただきたいと存じます。  午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題とし、前川旦君の質疑を続行いたします。前川旦君。

前川旦日本社会党

○前川旦君 文部大臣に伺います。  私は、いまの大変な受験戦争、この原因をなしているのはたくさんありますが、一つには、一流企業が特定の大学の卒業生しか受験させないといういわゆる指定校制度、ここに問題があると思いますが、いかがお考えですか。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 前川委員御指摘のとおり、私は学歴というものが必要以上に幅をきかせ過ぎておる姿は間違いだと思っておりますし、一流企業が特定の大学の卒業者だけを就職の際の有資格者と決める制度は好ましくございませんから、こういった制度はやめてもらいたいということを強く指導し、要請をしておるところでございます。お気持ちは全くよく理解し、私も同じ考えでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 大企業、一流企業が特定の大学の卒業生しか受験させないんですよ、大臣言われたように。ですから、一流企業に入るために一流大学へ行かにゃいかぬ。一流大学に行くために一流高校行かにゃいかぬ。そのためには、一流中学だ、一流小学校だ、一流幼稚園だ、これが上からずっと下がってきて大変な受験戦争、子供を荒らし、学校を荒らしているんですね。何とかこれを打破したいと思いますね。大臣もそうおっしゃった。どうやって打破されますか。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 当面は、目につきますそれらの制度をやめてもらうように強く自粛を求めておりますが、それだけでは私は根本的解決にならないと思いますので、あわせて大学の学校間格差の是正というものにも取り組まなければならぬと思って取り組んでおりますし、また、社会全体の風潮の中で、その人個人の能力とか資質というものが公平に平等に評価されるような仕組みになっていかなければなりません。このことに関しては、企業側の協力ももちろん必要でありますけれども、社会に出てから学歴だけが尊重されないで学力が尊重される、その人の能力が尊重される、その人の資質が尊重される、そういう自由に公平に平等に能力に応じて競争のできる社会の仕組みをつくっていくという大きな問題もございます。しかし、これはいずれも目盛りの長い施策になってまいりますので、とりあえずは、今年の秋の就職という現実の目の前の日程があるわけですから、私はまずそこに向かっても自粛を強く求めておる。関係の各省にもお願いをし、また企業の方にも要請をし、みんなの力でこれはぜひ改めていきたい、こう思っておるわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 了解します。これはね、総理、やはり総理が先頭に立って号令をかけないとなかなかできないと私は思いますよ。大企業ほど特定の大学しか入れないんですよ。これをやっぱり改めて、せめてまず第一が入社試験の受験の機会が完全に与えられるということ、まずこれが突破口だと思うのですが、これはどうでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私も前からそのことに気がついておりまして、いろいろ入学試験なんかで問題がありますが、根本は学歴社会というところにある。その第一歩は、何といたしましても指定校制度ですね、これをやめなきゃならない。これを私は企業にもよく頼んであるのですが、この上とも強くこれを要請してまいりたいと、かように考えます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 次に、もう一つは、採用するときの基準が、学校の成績とか、いわゆるテストの成績だけじゃなくて、文部大臣、いわゆる人物本位に変えていくようにと、こういう要請はされますか。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) どうしても選別ということになりますと、点数だけでやったのではよくありません。したがいまして、入社試験のみならず、入学試験のときにおいても、やはりその側面だけをとらえて考えないで、できるだけ幅広く奥深く、その人の人間としての能力を正当に評価できるような方法を講じてもらいたい、このこともおっしゃるとおりでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 じゃ、それを、どう、特に大企業ですね、企業にのますのか、実行さすのか、その点についてどうお考えでしょう。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) このことは法律で解決できる問題ではございませんので、私どものそういった気持ちというものを直接訴えておりますし、それから関係各省の協力も得ておりますが、企業側でも最近の世論調査が新聞に発表されておりましたが、学歴とか、そのときの点数に頼るよりも、やっぱり能力とか、やる気とか、その人の人間味というものに重点を置いて採った方がいいんだというような考え方になっている企業も出てきておる。あるいは国鉄とか外務省とか、いろんなところでも、採用されるときに野性味のある人を採ろうという、いい風潮も出てきておるようでありますから、こういったものをもっと推し広めていくように、大切にしていくように、私はあらゆる機会を通じてそういった面の改善も自粛を求め、お願いをし、その線に沿っていくように努力をしてまいりたいと考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、まず政府からそういうことに努力してもらいたいと思いますが、きょうは国鉄総裁に実は来ていただいているのです。国鉄総裁と、それから後で外務省に、どういうふうに採用の仕方を変えられたか。最近変えられましたね、採用の仕方を。そこをちょっと御説明いただいて、どういういいことがあったのか、その経過を簡単に御説明いただけたら幸いと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもの場合には、別に採用試験について指定校制度をとるとかどこの学校でなければいけないとかいうことはないわけでございますが、何分非常に歴史が長い関係上、ある種のパターンがおのずからできがちでございまして、希望者の方が、初めから、自分はこういう学校であるから、希望しても採ってもらえないのじゃないかということがあるのではないかと思います。そこで、結果として、やはり先輩が入ってくると後輩もずっと入ってくるというような形で、自然にパターンができてくるわけでございますので、それでは非常に限界された世界になってしまうかと思いまして、いささか、この四月から入る諸君に対する呼びかけから、国鉄側の方から大学の方に働きかけまして、いままで入ってこないといいますか、来てもらえない学校にもこちらから働きかけて、先生にお願いをして、必ずしもそういうパターンの中で採用しているのではございませんからということをよく申し上げて、むしろこちらが勧誘をしてお願いしておるところでございますが、まだまだことし四月に入ってくる者がその第一回でございますから、十分成果を上げておりませんわけですが、これからもひとつなるべくこちらからの働きかけを多くの学校にすることによってこのパターンを変えていきたいというふうに思っております。

松永信雄外務大臣官房長

○政府委員(松永信雄君) 外務省におきましては、いわゆる試験は三種類ございます。一つは外務公務員採用上級試験、同中級試験及び外務省語学研修員採用試験という三本立ての試験がございます。これらの試験につきましては、従来におきましては一定の学歴または同等の資格を持つと認められた者というような制限がございましたけれども、広く人材を集めるという見地から、五十一年度、すなわち昨年実施いたしました試験から、すべての学歴の制限を撤廃いたしまして、制限は年齢による制限のみにしぼったということでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 国鉄総裁、いろんな大学に門戸を開放した、それはいいんですけれども、採用するときに、私は新聞で読んだのですけれども、あなたは人物本位でずいぶん採用されたというふうに出ましたが、その点はどうなんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもの職場の場合には、いわば現場が非常に多いわけでございますので、頭脳といいますか、いわば頭がいいというか、よってもって学校の成績がよろしいというだけではうまくいかないと思いまして、余り学校の成績には関係なく、学生生活をどういうふうに送ったかとか、交友関係はどうであるとか、対人関係はどうであるとかというようなことを中心とした口頭試問等にいままでよりはウエートを置くように指導をいたしております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 その結果、従来の学歴の偏在と変わりましたか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) まだ一回だけでございますので何ともわかりませんが、顕著な例としては、文科系といいますか、事務系の採用につきまして東京大学を出た者の割合が非常に高くて、七、八割をずっと占めておったわけでございますが、今回はその数が減りまして四割ぐらいになったということでございます。しかし、これは意識して東京大学の学生を排除したというわけではないわけでございまして、採用試験の結果、結果的にそうなったわけでございますし、これはこの四月に入ります者についての一回限りの結果でございますから、しばらく続けてまいりませんと、どういう傾向になってまいりますか、まだしかとしたことは申し上げられないという状況でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、外務省が学歴を一切撤廃して受験をさす、中で試験をしてまた上に上がれる、それからいま国鉄総裁のように従来と変える、こういう芽が出ているのは非常にいいと思うんですよ。ですから、私は、政府が先頭に立ってみずからやっぱりそういうふうにしてもらうということと、それから先ほど申し上げましたように、自分たちもきちっとやっているんだから、おまえたちもやってくれと、こう言って大企業に門戸を広げさす、人物本位にやらすと、こういうことでうんと踏ん張って、十月の採用試験のときまでがんばってもらいたい。これが私は教育の改革の一歩だと思いますが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私も、全くそのように思います。私も、かつて大蔵省の官房長、人事役をしておったことがありまして、よく言っておったんです。ガリガリ勉強の青白い秀才を私は尊重しない。やっぱり社会に出ると相携えて勉強しなきゃならぬ、仕事をしなけりゃならぬ、そういう人が欲しいんだというので、そういうことを実行いたしましたが、まことに同感でございまするから、そのようにいたします。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そのようにするとおっしゃいましたから、なおこれはずっと私どももフォローしていきたいと思います。最後に、これだけ赤字国債をずっと出していって、一体日本はどうなるんだろうか、財政はどうなるんだろうか、非常にこれは私どもも心配なんです。総理、この国債発行と日本の将来を非常に憂えるんですか。総理は、五十五年度までに赤字国債発行はなくするとおっしゃった。それはそのとおりでございますか、変わっていませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私がいま一番国の政治の運営の中で心配しておるのは、赤字財政の問題なんです。わが国は西ドイツ、アメリカと並んでいまの経済運営は大変よくいっていると、こういうふうに言われておりますが、わが国はわが国なりに欠陥もあるのです。その欠陥の最大のものが赤字財政である。これが長く続いていきますると、これは財政インフレの危険を包蔵しておると、こういうふうに心配をしておるのです。どうしてもこれを早く解消しなければならない。少なくともいわゆる建設公債、これはそれといたしまして、いわゆる赤字公債、特例公債、これにつきましてはもう早期にこれを解消しなければならぬというふうに考えておるわけでありまして、その目標年次を昭和五十五年度と、こういうふうに考えております。これは一方において財政の整理合理化もしなければなりませんけれども、国民に対してかなりの負担もまた求めなければならぬと、こういう立場にあるわけであります。これは政治家としてそういうことを言うことは、また政党の立場としてそういうことを言うことは非常につらいのですが、しかし、国のためである、そういうふうに考えて、ぜひ五十五年度における特例公債の解消、これは実現をいたしたい、かように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 大蔵大臣に伺いますが、五十五年度で赤字国債をなくするという計画は、もしそのまま実行するとすれば、これは財政収支試算が大蔵省から出ております。五十一年度の国税の収入は十六兆ちょっとですから、大ざっぱに言って国民一人当たり十六万円です。それが五十五年度、三年後には三十五兆五千八百億円、つまり一人当たり三十五万五千八百円、二倍半近く税金を上げなければいけない、国税だけでも。このとおりなんでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 五十五年度の試算はそのとおりでございます。それで、五十五年度におきまして、いま総理が御答弁に相なりましたように、赤字国債というものから脱却をしていこうということを決意いたしておりますが、それに到達していくためには、私は、今日の租税体系、収入体系では、自然増収に頼っておったのではなかなかむずかしいことだと思います。したがいまして、ある程度の、相当程度のやっぱり増収を図っていかなければならない。これは当然やっていかなければならないことと思いまして、そこで昨年から中期税制というものの計画を考えまして、そして五十五年度にここに到達するためには一体どう持っていくかということを鋭意検討をしていただいておるというわけでございますから、そのためには租税収入をどうやって整備充実さしていくかということについて、今日これが一番大事なことでございまするから、それにつきまして全力を挙げておるというわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 大変な増税案なんです、はっきり言って。問題は、それじゃ国民のどの部分、どの階層にこの増税を担いでもらうかという問題になる。そこで、たとえば直接税と間接税の負担割合をどうするのかとか、あるいは個人と企業、所得税と法人税とか、あるいはその他の付加価値税とか間接税、その辺の割り振りというか、あるいはどの階層に担いでもらうか、ちゃんと案ができているのでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そこのところが一番むずかしいところでございまして、租税の体系は直間の比率をどうするかということをいまおっしゃった、これも大事なことです。ところが、それをあらかじめ——世界の各国の中で、アメリカは直税主義である、フランスは間税主義である、ヨーロッパ各国は大体間税主義にだんだん進んでいくといったようなところでございますけれども、それはおのおのの国情がございまして、これを、初めから、直税をどれだけにする、間税をどれだけにするというて決めていくというようなことは私は必ずしも適当ではないと思います。そのときの事情に従いましてこれは選択をする。選択をするためには、やっぱり国民の御選択を願う。国民の選択を願うということは、すなわち国会で御審議を願って選択を願う、こういうことでありましょう。それからまた、所得税、法人税といったようなものにつきまして、これも現行の状況から見まするならば、法人税は実効税率におきまして大体世界の水準に近寄っておりますけれども、所得税はなおかつ課税最低限から申しましても一人当たりの国民の所得に対する税の負担率からいいましてもやや軽い、国際的に見まして。それだから、しからばそれじゃ所得税を増税していこうかというようなことも、今日なかなか結論は出てこない。そこで、これを所得税と法人税をどうかみ合わしていくかということ、それからまた、間接税と申しましても、西欧各国は、付加価値税と称する、これはまあ一般消費税の中の一つの体系だと思いますが、それがヨーロッパでは非常に進んでおる。ところが、アメリカではそれは採用していないというようなこともありますが、そういったようなこともありまして、いま申し上げました直税、間税、それから資産課税とか、いろいろ税の態様がございますけれども、そういったようなものの素材を全部税制調査会の爼上に一たん出して、そして検討してもらって、その中で一体何税をとろうか、何税をどれだけ増税しようか、新しい税を何を採用しようかというようなことにつきましては、これは税制調査会の御検討をまつとともに、その租税体系につきましては、何と申しましてもこれは国民の御選択、つまり国会においてこれを御審議、御選択を願うということにならなければ、その実現は期しがたい、かように考えております。よろしくお願い申し上げます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 あのね、総理……

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 前川君、あなたの持ち時間はもう過ぎておりますから、どうぞ。

前川旦日本社会党

○前川旦君 わかりました。それじゃ、一言だけ。  総理、これは大変な増税をするという計画になりますね。そうしますと、やはりだれがこれを持つのかということがまず大事になります。国民のどの階層が負担するんだということが一番大事になります。そこで、私は、参議院選挙前のできるだけ早い時期に——税調は参議院選挙が終わった後なんですよ。前の早い時期に国民の前にある程度の計画、方針を出して、所得税で何ぼ持つんだ、法人税でどれくらい持つんだ、あるいは間接税でどれぐらい持つんだ、こういう方針を出して、そして国民の前でそれを議論できると、いろいろな各党の案があります、いろいろな案を持ち寄って審判を仰ぐと、こういうことがやはり私は望ましい姿だと思うのですね、その方が。隠すというようなかっこうで後々へ延ばしてはかえっていけないと思うのです。そういう御決意がおありなのかどうか、これを最後に伺って、終わりにいたします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 前川さんのいまのお話ですね、これは一つの考え方かと思いますが、実際問題としますと、税体系を決めるということはそう簡単じゃないんです。恐らく、見通しとすると、これが参議院選挙前に固め得られるかというと、なかなかむずかしいと思います。しかし、これから先々を考え、本当に日本の国、日本の国民のことを考えまするときに、これから、甘いというか、バラ色のことばかりを申し上げることは、私は正しい政治の行き方ではないと思うのです。私は、これから先々、いわゆる資源エネルギー有限時代になってくる、そういう中で、国民も厳しい転換を求められる。そういう中で、税の負担、国民の負担率の引き上げというようなことは、これはどうしても避けて通ることのできない問題であるということだけははっきり国民にも申し上げ、訴えて、その選択の材料にいたしたいと、かように考えます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 委員長、時間が来たので終わります。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして、前川旦君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 原文兵衛君。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 私は、自民党を代表して、また、もちろんのことでございますが、私自身の考え方、それを加えて、総理初め関係の閣僚に御質問いたしたいと思います。  まず、総理に申し上げますが、日米首脳会談、まことに御苦労さまでございました。出発の直前まで国会審議、帰ってきてすぐ国会審議と、まあ異例ずくめだったと思うのですけれども、しかし、新聞紙の報道によりますと、総理はいつも言っていらっしゃる明治三十八歳、非常にお元気で、しかもなかなかリラックスもしておったというようなことでございまして、大変結構だったと思います。  そこで私は、そういう総理の御苦労に対して心から感謝もするわけでございますが、どうも、総理の日米首脳会談に、何かこうおみやげがなくてお荷物だけ持たされてきたのじゃないかというようなことを一部の人が言っているということは非常に残念なんですね。私は、もちろん与党の議員でございますけれども、八百長をするつもりもないし、総理におべんちゃらをするような気持ちは毛頭ありません。しかし、とにかく、日米両国とも首脳が新しくなった、総理、大統領というともに新しくなったこの機会に、お互いに率直に話し合い、そしてお互いに理解し合う。総理は、カーター氏とは前にも御面識があり、わりあいにお話もしているようでございますけれども、しかし、お互いに政権を担当してから会うのは初めてなんで、なるべくそういう意味で日米の首脳が早く会って、お互いに率直に話し合って理解し合う。さらにまた、日本としては、カーター政権が新しい基本政策を決定する前にこちらの立場なりあるいは考え方、こういうようなものを十分に話し、説明して理解しておいてもらう、こういうことは非常に大事だと思うのですね。そういうような意味で、私は、今度の日米首脳会談は、非常に早期に開かれて、まあ国会中という異例な時期ではございましたけれども、それだけの十分な値打ちがあり、また意義があったと思うのです。しかし、先ほど申し上げましたように、どうも何かこう、かえってお荷物だけしょわされたのじゃないかというようなことを一部に言う人がいることは非常に残念なんですが、そういう意味で、ひとつ総理に、きのうも帰ってきてからすぐ御報告がございましたけれども、もう一度、お荷物なんかあるのかないのか、本当のところ、一体どういうような会談の経過と結果であったのかということを、総理御自身の口からはっきりと率直に御報告・また所見をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 首悩会談が行われますと、そういう際には、まあえてして、さあみやげは何だ、荷物は何だというお話がありますが、私はそんなような日米会談では全然なかったことをはっきり申し上げます。論ずるところは、日米両国の関心のある諸問題、しかし、より大きな問題は、これはもう世界の平和、世界の繁栄をどういうふうにするかと、また、どういうふうにするかという中で、日本はどうする、アメリカはどうする、そういう規模の大きな話し合いであったということでございます。  私は、この日米首脳会談というものには、由来非常に関係があるんです。今回が十四回目でございますが、第一回目が岸・アイゼンハワー会談であった。そのとき、私は随員であったわけです。ところが、随員であった私はこの会談に参加するいとまがない。なぜかというと、当時日本の国の経済が大変な不況状態だった。そこで、その不況を打開するためにはどうしても景気政策をとらなきやならぬ。景気政策をとりますと、海外からの輸入がふえる。ところが、外貨準備高が何と十億ドルを割ろうとしておったんです。十億ドルを割ってしまうということになると、日本の経済はもう行き詰まりになります。これはもう貿易もできないと、こういうような状態になってくるわけです。いよいよもうふん詰まりだと。そこで私は、首脳会談の随員ではありましたけれども、アメリカの、あるいは世界銀行だ、あるいは輸出入銀行だ、あるいは市中銀行だ、そういう間を飛び回って、そしてやっと三億ドル借款というものに成功した。それが引き金になりまして日本は景気政策を採用することができる。そして、あの世界的にも有名な高度成長時代というものが出現されるということになった。  そのことを考えますと、あの第一回の日米首脳会談は借金しに行ったと、こういうような性格でありましたが、今回はそうじゃないんですよ。一体、世界の景気がこんな状態だと、これをほうっておいたら世界は政治的な大混乱になるだろう。どうしても世界の経済的混乱を収拾しなけりゃならぬ。その中で、世界で第一の工業大国は何と言ってもアメリカです。その次が日本なんですよ。そういう立場においての世界の繁栄、世界の平和を論ずるということです。ですから、これは、みやげがどうだ、荷物がどうだというようなそんな次元の問題じゃない。これはもう日本のためにもアメリカのためにもまた世界のためにも非常にいい会談であったと、かように考えております。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 総理のいまの、このたびの会談に対する、日本のためにも世界のためにも非常に意義があったということ、それは私は素直に受け取ります。そして、そういうことを素直に受け取った上において、日本の国益のために、また世界の平和と繁栄のために、これからどうしていったらいいのか、どういうことを考えるべきかということを論議するのが当然だと思うわけでございます。  そこで、いまもおっしゃいましたが、世界の平和、世界の繁栄というようなそういうグローバルな大きな見地のことが会談の主要な内容であったと思います。思いますが、同時に、日本としていま当面の非常に重要な問題、その一つは、使用済みの核燃料の再処理の問題があると思います。これにつきましては、総理がいつも言われる資源小国日本でございまして、エネルギー源というもの、これからのエネルギー政策ということについては非常に大きな問題だと私は思っているわけでございます。総理も、そういう観点から、このたびの会談のためのワシントン入りの前にシアトルで記者会見をされたときに、これは日本の新聞に報道されたのですが、核再処理については譲れないという強い決意を記者団に表明されたということが非常に大きく報道されております。これは今度の共同声明の中にも総理は別に譲ったとは思いません。譲っているわけじゃないのですけれども、しかし、この核再処理の問題は、これはどうもペンディングになってしまったというような感じに受け取れるわけでございます。しかも、この日米共同声明の全文が報道されておりますが、それを見ましても、またきのうの報告もございましたが、どうもはっきりしないんですね。ちょっとその全文を読みますと、「大統領は、米国の新原子力政策の立案に関連して、エネルギーの必要に関する日本の立場に対して十分考慮を払うことに同意した。総理大臣と大統領は、日本の関心にかない、かつ一層効果的な核拡散防止体制に寄与するような実効的政策を策定するために日米両国が緊密な協力を行うことが必要であることにつき意見の一致をみた。」と、こういうことが共同声明の中でうたわれているわけでございますが、どうもこの点が、日本側の要求の方向にこれから両者の会談が続けられるわけです。しかも、比較的短い時間でもってこれが進められるわけでございますが、日本側の方の立場が十分理解されて日本側が望んでいる再処理をこっちが得られるのかどうかと、そういう点についてこちらに有利なようにも解釈できますし、あるいはまた、アメリカ側の態度はこれはやわらかい言い回しであるけれども非常にきついんだというふうにも解釈されるということで、この問題がこれからの日米間の非常に重要な問題だと思うのでございます。そういう点につきまして、共同声明のこの内容は一体どういうふうに解釈すべきなのか、そういう点について伺いたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 共同声明の文章につきまして私からちょっと敷衍さしていただきます。  この文章は、お読みになったとおり、「総理大臣と大統領は、日本の関心にかない、かつ一層効果的な核拡散防止体制に寄与するような実効的政策を策定するために」これから「緊密な協力を行う」のでございますが、その前に、日本としての最大の関心、この文章の意味におきまして最も重点を置きましたところは、このちょうど中ほどにございます総理大臣の発言のところでございますが、「核不拡散条約の締約国であり、かつ輸入エネルギーに大幅に依存する高度な工業国である日本にとってその原子力開発利用計画の実現に向って進むことが緊要である旨述べた。」と、この点が、「原子力開発利用計画」と書いてございますが、これは、日本がこれから東海村の工場を動かすということから始まりまして、一九九〇年にはぜひとも高速増殖炉の完成に進みたいと、こういうことを述べておるのがこのわが方の原子力開発利用計画ということでございまして、この点を先方に了解を求めるという点が文章としては最大の焦点であったわけでございます。その点につきまして、先方が、日本の立場に対して「十分考慮を払う」という表現をしてくれたのでございまして、これから両国の政府の交渉が始まりますけれども、日本としてぜひ行いたいこの再処理の、まず当初東海村の実験工場の運転から始まる、そういうように御了解いただければよろしいと思います。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 この共同声明の内容は、そのとおりだろうかと思うのです。ただ、日本は世界で唯一の被爆国であり、また、先般の総理のどなたかの質問に対する答弁にもありましたが、非核三原則ですね、憲法にも匹敵するような三原則、これはもう日本は堅持していく。そういうようなことで、日本が核兵器をつくるなんということは日本人だれも考えてもいないと思いますね。そういうような点を十分踏まえて、この再処理の問題をぜひ実現するように、今後の交渉にひとつ必ずやるんだという強い信念、まあその方法はいろいろあろうと思いますが、そういう信念でもって立ち回っていただきたいと思うわけでございます。  次に、在韓米地上軍のことにつきましてもいろいろと論議もございましたし、この共同声明にもあるのでございますが、私、南北の両朝鮮が平和的に統一されること、これはもちろん結構なことですし、それが理想と言ってもいいかと思います。しかし、同時にまた、そのために、これは共同声明にもあるようですが、南北間の話し合いが進むと。いま停滞しているようでございます、あるいは中断しているようでございますが、これが再開され進展するということを望む、これも私は望んでおるわけでございます。ただしかし、現在の時点における現実の問題としては、これはなかなかもって統一だとか話し合いがすぐ進展するとかいうような可能性は非常に少ないのじゃないかと私は思っているわけでございます。そうであれば、やはり当面は南北間のバランスというものが一番大事なのであって、このバランスが崩れたことによってかつての北からの南侵というものが起きたと。私は、もう二十数年前になりますれども、二十七、八年前になりますか、あのときのことを思い出すとそういうふうに思わざるを得ないのでございますね、そういうようなことで、朝鮮半島の平和の維持のためにはこのバランスがもう非常に大事なんだ、そのバランスを崩すようなことがあっては大変なんで、その意味で、私は、在韓米地上軍の撤退ということについては非常に関心を持っているわけでございます。  そこで、お伺いしたいのでございますが、会談が始まる前に、これはまあカーター氏は選挙公約として撤退ということを言っていたけれども、この共同声明では削減という言葉でもってこれを表現するという方向に持っていきたいように日本側は考えていたように思うのでございますけれども、これがまたやはり撤退という表現になったわけでございますが、この辺のことについて私どももう少し聞きたいと、こう思うわけでございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 韓国における米地上軍の削減といいますか、撤退といいますか、その問題につきましては、これは私の方からは、いまお話しのとおりなんです。いま朝鮮半島の平和というものは南北の微妙なバランスの上に成立しておるので、このバランスが破れるようなことがあっては朝鮮半島の平和は保てません。したがって、アメリカの地上軍問題、これも含めまして南北のバランスが破れるというようなことはぜひ回避してもらいたい、こういう要請をし、この点につきましては大統領も完全にこれを理解したわけです。ただ、そのことを共同声明にどういうふうに表現するかということになりますと、そういうアメリカの理解でございますので、そこで、この撤兵なり削減問題が漸進的現実的に行われるということは間違いないことなんでありますが、それをいかに表現するかということになりますと、アメリカのカーター大統領は選挙中に撤兵撤兵という言葉をずうっと使ってきたと、こう言うんです。これはそういう言葉がそういうふうに選挙公約みたいになっておるので、実態は違いはないのだと。逐次削減をする、それでしまいには撤兵ということになるじゃないか。撤兵という言葉を使っても急にやるわけじゃないのだ、逐次に兵を引くと、こういうことなんで、実態は同じなんだが、選挙公約の言葉でもありますので撤退という言葉を使わせてもらいたいと、こういう要請なんです。ぜひひとつ理解してもらいたいというので、それは言葉の問題で実態に違いはないのだからだというので私どもとしてはそれに同意をした、こういういきさつでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 いまの総理の御答弁で、まあ表現は違っても逐次にやっていくことであって実態は違わないのだとということ、それを聞いて、私はこのバランスの問題が崩れないようにということでまずその点は理解したわけでございます。どうか、ひとつ、バランスが崩れないように、撤兵、削減という表現は別にしても、実態としては同じで、何もバランスが崩れるような早急なことはやらないのだという点については、やはり日本がそういう点について隣国でございますし、非常に関係が深いわけでございますから、その点について政府としても今後もひとつ十分な慎重な配慮をしていただきたいと思うわけでございます。  それからもう一つお伺いしたいのは、アメリカの軍事的なプレゼンスといいますか、存在というようなものが西太平洋地域においても非常に重要な意義を持っていると私は思うのでございますが、この共同声明によりますと、「大統領は、米国がその安全保障上の約束を遵守し、西太平洋において、均衡がとれ、かつ、柔軟な軍事的存在を維持する意向である旨付言した。総理大臣は、米国のかかる確認を歓迎し、日本がこの地域の安定と発展のため、経済開発を含む諸分野において、一層の貢献を行うとの意向を表明した。」というふうに載っているわけですが、この「柔軟な軍事的存在」というのは、これは、外務大臣、どういうことになるのでしょうか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 共同声明の文章のことでございますので、私からお答えさしていただきます。  経過は、いまお読みになりました「大統領は、米国がその安全保障上の約束を遵守し、西太平洋において、均衡がとれ、かつ、柔軟な軍事的存在を維持する意向である旨付言した。」と、この一つのセンテンスは全く先方の御意思として付言をされたわけでありまして、この文章のそれから続きます「総理大臣は、米国のかかる確認」というのは、その一つ前の文章を受けておる、このようにお読みいただきたいわけでございます。「この地域の安定と発展のため、」というのは、アジア・太平洋地域という意味でございまして、このアジア・太平洋地域にアメリカといたしましても強い関心を持っておると、そして積極的かつ建設的な役割りを引き続き果たすのだと、こういうことを確認されましたのでありますが、それに付言されまして、米国が軍事的な存在も弾力的なまたバランスも考慮してと、こういう趣旨でございまして、時機に適したようにという弾力的な態度で軍事的には考えておると、このように私どもは理解をいたした次第でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 そうすると、やっぱり現実を踏まえて、その現実に即した方法でやると、こういうふうに理解してよろしいわけでございますね。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) そのとおり御理解いただいて結構でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 次に、外交問題についてもう一つ二つ御質問したいのですが、先般、外務省筋から、来年の国連における軍縮総会において、日本が主導権をとって、包括的な核実験の禁止、化学兵器の禁止、あるいは通常兵器の削減、軍事費の削減、この四項目を議題として、そして日本がいわゆる平和外交の指導的役割りを目指すという方針を決めたように私は承ったのでございますが、非常に結構なことだと思うのです。私は、これからの世界というものが、核兵器はもちろんのことでございますけれども、核兵器以外の、化学兵器だけじゃなくて、通常兵器に至るまで、本当に徹底した軍縮というものをやっていかなければいけないのじゃないか。また、そのことによって世界の平和というものを保つと同時に、世界の繁栄をもたらしていくということ。とにかく、軍事費というものは大変なことだと思うのですね、世界でもって使われているこの軍事費というものは。そういうことについては、日本は、とにかく、先ほども申し上げましたように、戦力を持たないということで平和に徹している。これは憲法旧もあるとおりでございますので、私は、日本は、先ほど世界で大きな政治的な役割りも今度の会談のあれで出て、日本は大いにやらなくちゃいかぬということでございますが、この軍縮問題はもう非常にいいことだと思いますので、また、徹底的にやるべき日本のこれからの命題だと思いますので、ぜひひとつ強力に進めていただきたいと思いますが、ひとつ、外務大臣、御所感をお伺いしたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 来月に来年の春に開かれます国連軍縮総会におきますテーマを提出することになっておりまして、それについてただいま検討いたしております。特にただいまお触れになりました軍事費の削減の問題は、これは先般カーター大統領が国連におきまして演説をされました中にも非常に強調されておりまして、軍事費が八年間に五倍になっておると、しかしわれわれは一体五倍だけ安心できるようになっているのだろうかというようなことも言っておられるわけでございまして、アメリカといたしましてもいま核軍縮に取り組んでおるという状態で、軍縮問題にはそのような一般的な空気が大変熱意がこもってきたと思われますので、来春の軍縮総会につきましては日本として大いに努力をしたい。特に、通常兵器の移転の問題は、これまた大変急増しておるということもありまして、これにつきましては昨年小坂大臣が国連でも大いに主張をされたところでありますので、その線に沿いまして努力をいたしたいと、こう思っておる次第でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 次に、これは外交問題にも関連するわけですが、二百海里問題について一言御質問いたしたいと思います。  どうも二百海里時代に入ってきたということを私ども感ぜざるを得ないわけでございます。そして、現在、日ソ漁業交渉が東京、モスクワにおいて開かれておりまして、農林大臣初め関係者が非常に御苦労されておることについても十分了承しているわけでございます。どうも、この問題は、やはり日本が何といいましても古くから漁業国であるというようなことで非常に大きな影響があるわけでございます。そこで、それは、本当に漁業者だけじゃなくて、私どももどこかのいろいろな会合に行きましても、すぐ、消費者からはお魚がうんと高くなるのじゃないかということが問題にされますし、また、小売屋さんなどお魚屋さんは、これは魚の値段が高くなって需要が減ると自分たちの商売はどうなるんだと皆さん御心配される。当然のことだと思いますけれども、大変大きな影響があると思います。  そこで、きょうの新聞によりますと、きのうの東京の日ソ漁業交渉の本会議で、サケ・マス二百海里外で五万七千トンという提案がソ連側からなされたというようなことでございますが、いまのでの日ソ漁業交渉の経過、それからこれからのお見通しなどについて、簡単で結構でございますが、お述べいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま日ソ漁業交渉が東京とモスクワで行われておるわけでございますが、東京の方は日ソ漁業条約に基づく漁業委員会でございます。これは附属書にサケ・マスとニシンが対象魚種になっておりまして、その海域は領海の外の公海上が対象になるわけでございます。いま御指摘になりましたように、ソ連が二百海里を設定いたしまして二百海里の外だけを東京のシャルクで協議をするというのは、条約の精神からいたしましてこれは私どもは理解ができない、反対の立場をとっておるわけでございます。条約がある限りは、領海の外の公海上の北太平洋の漁獲については全部これは規制海域になると、対象海域になると、こういうことでございますが、ソ連は、どういう意図かわかりませんが、それを内と外に分けまして、外につきまして五万七千トンというものを打ち出してきたわけでございます。ことしは豊漁年でございまして、一昨年と対比をいたしますと八万七千トンでございます。内側が約二万一千トン程度、外側が六万六千トン程度でございます。それに対しまして比較いたしましても五万七千トンというのは非常に厳しい。私どもは、このソ連の漁獲量割り当てにつきましては、今後とも強力にその復活を要求してまいる考えでございます。また、そういうようなことが国民の皆さんに消費者としての立場から非常に御心配をいただいておるようでございますけれども、そういう点につきましては御不安ないように今後最善を尽くしてまいる考えでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 先般、つい二、三日前でしたか、報道されたところによると、日本も、これはソ連との関係もあるかもしれませんが、二百海里宣言を近くするというようなことを見たのですが、そこで、日本は、隣の韓国なりあるいは中国との関係で漁業問題も非常に関係が深いわけですね。昔の李承晩ラインというようなものもありましたけれども、大変深いわけです。どうも、日本の方が中国なり韓国の沿岸で漁獲する量はあちらが日本の沿岸で漁獲する量に比べるとダンチに多いのじゃないかと思いますが、そういうような観点から、日本が二百海里宣言をするということについて、なかなかデリケートな問題が生ずるのじゃないかと思います。その点につきましての……。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおりでございまして、現在、韓国との間には日韓漁業協定があり、中国との間には日中漁業協定がございまして、非常に安定した操業が現在なされておるわけでございます。したがいまして、わが国が近く二百海里を設定するという方針を打ち出しておりますが、二百海里法ができましても、その適用につきましては相互主義でやってまいりたい。韓国並びに中国も二百海里を設定をしないということであれば、わが方も現在の日韓、日中の漁業協定で非常によく安定してやっておりますので、相互主義で対応してまいりたいと、このように考えております。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 いずれにいたしましても、やはり二百海里時代にどうしても入らざるを得ないというようなことだと思いますので、日本の場合には、水産業者はもちろんでございますが、お魚屋さんから、また消費者まで、非常に影響が大きいわけでございます。したがって、これの対応策を、これはまあ農林省だけの問題じゃないと思います、いろいろな面でもって関係省がみんなあると思いますけれども、この対応策について十分な考慮を払っていただきたいと思いますが、一言……。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 対応策でございますが、まず第一点は、何と申しましても三百七十万トンから四百万トンに近い海外の伝統的なわが国の実績、これを最大限に確保するための漁業外交を強力に展開するということが第一点でございます。第二点は、沿岸漁業の振興、日本列島周辺の沿岸の漁場の開発整備を図る、資源をふやす、積極的に栽培漁業等を盛んにする、また沖合漁業の振興も図る、また未開発の漁場の開発等も行う、こういう施策をやってまいることが第二点でございます。第三点は、減った貴重なお魚でございますから、これを最高度に利用するように保蔵の面あるいは流通の面等を改善いたしまして、可食部分を多くするということで食膳に供する量をふやしていくという工夫が必要である。そういう面に力をいたしてまいりたい、このように考えておりますし、また、こういう状況下で、便乗して魚価を上げようとするような動きに対しましては、十分監視をし、適切な指導を加えてまいる考えでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 話を進めます。  次に、景気対策についてお伺いしたいのですが、私は、景気の早期回復というのは非常に大事じゃないかと思っております。そのために、実は減税よりも公共事業でという総理の方策、これは施政方針演説にもありましたが、これは正しいのじゃないかと思っておったんです。そして、五十二年度の予算を一日も早く成立さして公共事業を早く出すという方向に行ってほしいと思っておりましたが、現実はちょっと審議がおくれて、減税の上積みというようなことになって、十六日間ぐらいの暫定予算を組まざるを得ないということになったわけです。非常に残念だと思うのですけれども、しかし、こうなった以上は、この現実を踏まえていかざるを得ないわけでございます。そこで、この現実を踏まえて、一体、一日も早い景気の回復、これをどうしてやっていこうということか、この点につきましてお考えをお聞きしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 原さんのお話のように、私は、いま景気が停滞状態に入ってきておる、もう国民全体がいま景気が停滞状態から脱出できんかということをこいねがっているんだと、こういう認識でございます。そういう立場から考えますと、これは財源があり余るという状態でありますれば、さあ減税もよかろう、あれもよかろう、これもよかろう、いろいろ考えられます。しかし、いま財政の状態を考えますと、さっき前川さんからお話がありましたけれども、非常に厳しい財政状態で、むしろ財政インフレ、このことを深刻に心配しなけりゃならぬと、こういう状態です。財源が限られている。そうすると、どうしても最も有効な手段というのは公共事業ということになってくるんですよ。そこで、そういう政府案を御審議願っておったわけでありますけれども、野党の方からは一兆円減税と、こういうお話がある。まあ、しかし、国会の審議、これは私は前々から協調だと、連帯だと、こういうことを申し上げておりますので、与野党の間で合意ができましたので、それを尊重し、政府原案を修正するということにいたしたわけであります。  そういう上に立ちまして、さて、これから国民の念願する景気回復をどういうふうに実行するかということになりますと、私は、やっぱり、公共事業をまた非常に重視しているんです。その公共事業を上期に集中施工すると、こういうふうにいたしたいと思うのです。まあ七割ぐらい上半期におきまして契約を了したいと、こういうふうに考えております。公共事業七割というと、七兆円の金額に相当するんです。これがとにかくこの数カ月の間に契約をされる、これは私は大きな力を持つであろうと、こういうふうに考えておるわけです。また、せっかく与野党の間で三千億円の減税上積みが行われることになった。これも、その行われました合意の趣旨を踏まえまして、なるべくこれが早期に実行されるように、また、ぼつぼつということでなくて、一挙にこれが実行されるようになるようにと、これは国会で協議してくれる問題でありますので、私ども政府といたしましては、そのように国会が協議してくださるということをお願いをしておるわけです。  そういうことになりますと、私は景気は新年度の第一・四半期から上向きに転じていくという展望をいたしておりますが、もし万一どうもそれでも足らぬという際におきましては、臨機応変に、とにかく六・七%成長、これを目指して、これが実現されるようにひとつ全力を尽くしてみたいと、かように考えております。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 去る三月十一日に景気対策に関しての当面講ずべき対策、これを関係閣僚会議で決定したように伺っておりますが、この問題につきまして、その細部なり、あるいは実行の方法をどうするのかという点について、御説明いただきたいと思います。四項目のですね、十一日に決定したもの。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 四項目について御説明いたします。  まず第一は、ただいま総理もお話しになりましたように、五十一年度の公共事業の執行を極力促進するということで、年度内に大方の消化をするようにする。五十一年度の予算の完全執行ということでございます。それから五十二年度の予算については、契約の割合が上期の末で七〇%程度になるということが一つでございます。これは、同時に、公社、公団等の財投関係にもこれを準ずるということでございます。それからまた、地方公共団体にも同じような措置を要請するということをうたっております。  それから第二の柱は、市中の貸出金利の低下がさらに促進されるように配意するということで、これは公定歩合の〇・五%引き下げで大体目的を達したと思います。  第三は、住宅建設の促進ということでありまして、住宅金融公庫の昭和五十二年度の個人住宅貸付については一月にすでに三万戸追加募集しておりますけれども、これをさらに四月中に九万戸募集を目途に準備を進める。また、民間の金融機関からの住宅に対しましての融資を確保するように配意をするということでございます。  それから第四は、民間の設備投資の促進ということで、これのうちで一番大きいのは電力投資でございまして、先般、電調審を開きまして、約百六十万キロワットの答申をいただいておるわけでございまして、おおむね百万キロで二千億程度の投資になろうかと思います。  そういうことを通じまして景気の浮揚を図ってまいりたいというのが四項目の内容でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 四項目の内容はお伺いしましたし、早期に景気回復をする必要があるので、このことはまあ当然だと思うのでございますが、お伺いしたいのは、この四項目を出したということは、政府として、いままでの景気観といいますか、景気の判断、これを変えたのかどうか、この点についてお伺いいたします。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) ただいまの御質問は、恐らく、ちょうどその日に月例の経済報告を出しております。この月例の経済報告でわれわれが景気をどう判断したかと申しますと、景気は緩やかであるけれども回復過程にある。しかし、どうしても企業家の心理が非常に慎重になっておる。したがって、こういう状況のもとでは、物価に十分注意しなければならないけれども、さらに景気の回復を着実なものにする必要があると、そういう景気判断を月例報告で報告をいたしたわけでございます。この判断を受けて四項目というのが出てまいったということでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 月例報告は、何か景気の面について非常に暗いような印象を受けるのでございますがね。そうすると、それはいままで言っておりました六・七%の成長ということについての景気判断とその辺のニュアンスが違うように思うのですけれども、この辺について何か考え方を変えたか、あるいは判断を変えたか、そういう点についてお伺いしたいのですが。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 基本的な判断は変えておりません。しかし、率直に申しまして、もう少しはずみがないといけないと、そういう判断でございます。したがって、五・七%の成長を着実にする、また、来年度の六・七%の実質成長に着実につないでいくためにはもう一つだけはずみをつける必要があるということを判断いたしまして四項目ということを考えたわけでございまして、景気回復の力が足らないと、そういう判断のもとでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 そうしますと、この四項目の対策の効果が一体どのように出てくるというふうに見ていらっしゃるのか、その辺のことをもう一回お伺いしたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) 四項目の効果は、たとえば住宅の募集をいたしますと、やはりこれの効果が出てくるのは四カ月かそこらの後になってくると思うわけでありますけれども、いずれにしましても、いま一番大事なことは、企業家の心理が冷えておるということでございます。したがって、政府が公共事業についても前倒しでやる、そして住宅についても募集を前向きでやる、また、民間の投資についても積極的な姿勢をとると、そういう政府の姿勢が企業家に伝わるということになれば、これは着実に設備投資やあるいはその他の需要項目も出てくると、そういう判断をいたしたわけでございまして、定量的にこれがどういうふうに需要創出効果を生むかという計算はいたしておりません。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 公共事業を上半期に七〇%程度を目途として契約するということでございますが、具体的にはどのような事業別の目標を立てていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) どのような事業別ということも大事なことでございますが、とにかくこれを七〇%上半期にやっていこうということでございまするから、もうでき得るものはほとんどそれに手をかけていくということでございまして、その効果がどれが効果が非常に上がるか上がらぬかということも大事なことでございますけれども、それも考えますけれども、もうあらゆるものに対しまして手をつけていくというふうに考えまして、それで、関係各省でございますが、そこに、まあこれはまだ予算は御審議中でございますけれども、そういうような準備をいたしておるような次第でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 やはり非常に冷え切っていると思いますので、そうしてまた、いまの企業家の心理の問題もありますので、投資効果が上がるように、具体的な事業別の順序とか重点範囲とかいうようなものもやっぱり大事だと思うのですが、そういう点については御計画があるのじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大体、公共事業は、おしなべてもう雇用と景気、これに直結的な影響があるんですよ。特に私どもが重要視しておりますのは住宅です。これはまんべんなくいろんな資材の要求につながってくるわけであります。そこで、住宅建設を繰り上げましてこれを四月中に募集をする。これはすぐもう効果が始まってくるわけです。それからその他の公共事業につきましても、国会で御審議中ではありまするけれども、成立したら直ちに契約折衝に入れると、こういうふうにするわけでありまして、どの企業がという選別はそうはしておらないんです、大体おしなべて。しかし、特に配意いたしておりますのは、積雪寒冷地帯、この地帯はおくれますと年度中の事業が執行できませんものですから、それらはなるべく早くやりたいと、こういう配慮をしておる次第でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 主計局長、何か答弁が……。

吉瀬維哉大蔵省主計局長

○政府委員(吉瀬維哉君) すでに御承知のとおり、公共事業の中には、資材費が八割くらいで、平均的に用地費が二割でございます。景気浮揚効果といいますと、資材の需要あるいは雇用の効果が先立つものに優先度を与えるということも一つの方法かと思います。ただ、それと同時に、地域経済に対する貢献度、それからもう一つは、災害とかあるいは治水とか公共事業としての役割りを、果たす一つの事業がございます。そういう点は、いまのような順列その他を配意いたしまして、さらに総理がおっしゃったような積寒地帯に対する配意とか、そういう点をいろいろ総合勘案いたしましていま各省庁でやっております。七割の前倒しといいますと、通常の年は六五、六ですから、さらにアクセルをかけているわけですけれども、現在、約十六日間の暫定期間もございますので、これを、とにかく七割を達成するということにまず主眼を置きまして、いまの諸点を配意いたしまして実行する予定でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 わかりました。  それで、もう一つの問題点は、地方公共団体の事業の促進ということにあると思うのです。地方公共団体の財政が非常に逼迫しているのが現実でございます。そういう点につきまして、具体的にはどういうふうにしていくのかということをお伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。  五十二年度の地方財政は、御高承のとおり、二兆七百億円の財源不足を生ずるわけでございますが、これは交付税の増額と建設地方債の活用で完全に補てんをいたすことになっております。  公共事業の裏負担を賄いまするための地方債につきましては、充当率を九五%まで引き上げて、相当部分を交付税で解決をするということになっております。  なお、地方債の消化につきましては、政府資金、あるいは公営企業金融公庫の資金、あるいは市場公募資金、いずれも増額をいたしまして、大蔵省と協力をして消化の促進に努めることになっております。こういう措置をとることになっておりますので、多くの地方公共団体が積極的な予算を組んで公共事業費を伸ばしておるというのが今日の実情でございますので、公共事業の消化に懸念を持っておらないわけでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 どうも、私、いま自治大臣のお答えでありましたけれども、現実の地方公共団体の財政というのは、そううまくいっているのかどうか、疑問に思う点が非常に多いのです。そこで、補助金に対しましても、その裏負担が公共団体がなかなかいま負担し切れないというような現実がずいぶんあるように具体的に耳に入ってくるわけでございますが、こういう点については自治省としてはどういうふうに御指導されていますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 公共事業の裏負担、地方負担につきましては、ただいま申し上げましたように、これを賄うための地方債の充当率を九五%まで引き上げる、その相当部分を交付税で解決をするということになっておるわけでございます。今日、地方財政の状況が非常にむずかしい局面に立ち至っておることは、これは申すまでもございませんが、先ほど申し上げましたような措置をとりまする結果、どの公共団体でもきわめて積極的な予算を組んでおるというのが実態でございます。したがいまして、公共事業を進めていく上において支障は出てこないと、かように信じております。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 支障が出てこないということでございますが、どうも支障が出てくるような気もしてならないのですけれども、ひとつ支障が出てこないように自治省としても十分な配慮をお願いしたいと思います。  この間の減税上積みの面もあるわけでございます。ああいうふうになった以上は、少しでも早く国民に減税の効果を及ぼす。同時に、そのことがまた景気回復にも資するということが大事だと思うのですね、こういう現実になったんだから。この点について、大蔵省としては、ひとつ十分な——もう具体的なことを考えていらっしゃると思いますが、一言お伺いしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御質問の趣旨は、三千億の追加減税のことかと思いますが、この減税につきましては、その内容具体化につきましては、六党の合意によりまして、衆議院の大蔵委員会でいま具体案をつくってもらっておるということでございますが、それに対しましては、財政当局といたしましては、もう六党合意というものはこれを尊重いたしまして、そうして、お説のとおり、これはできるだけ速やかにあの法案ができまして、そしてそれの施行をできるだけ速やかにやっていこうということでございまして、いま鋭意これを努力をしておるわけでございますが、具体案につきましては、大蔵委員会でせっかく急いでいただくと、こういうことになっておる次第でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 これは、私はよくわからないので御質問するのですが、三千億円の追加減税ということになりますと、歳入面の修正をしなくていいのかどうか。実質的な赤字予算というような形になるのじゃないかと思うのですが、財政法上は構わないものなのかどうか、その点についてお伺いいたします。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 三千億円の減税と言いますが、原さん御承知のとおりだと思いますが、もともと、予算における歳入の項、歳入面ですね、これは一応歳入の見積もりを立てたということでございまして、そこで、その歳入につきましては、今後大蔵省におきましては五十二年度予算の歳入歳出両面をよく見てまいりまして、そうして何とかして支障のないように持っていこうと、こういう考えでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 景気はぜひ回復させなければならないし、さしてもらいたいのですが、同時に、やはり物価は抑えていっていただかなければならぬという、なかなかむずかしい問題でございますが、昨日の新聞の報道によりますと、東京の区部では消費者物価の上昇率が九・三%になったというような報道もされております。政府の目標を大分上回ってしまったということが報道されておりますが、これについてのお考えはいかがでしょうか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  午前中の御質問の中でお答えいたしましたけれども、ただいまの東京都区部の数字を四十五年の指数に当てはめまして計算をいたしますと、おおむね八・九%程度になろうかと思うわけでありまして、政府の当初見通しの八%程度というのを上回っておるという状況でございます。この原因については、午前中の御質問に対して詳しくお答えをいたしたところでございますが、特に季節的商品の値上がりがわれわれが当初考えたよりも大きかったというのが原因でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 物価の問題は一応その程度にしますが、とにかく景気の冷え込みというのは、これはもう中小企業だけでなく大企業も非常に深刻であるというのが現実のように私どももうかがえるわけでございます。ある企業家は、いまは冷蔵庫でなく冷凍庫に入っているようだというふうに私に言った方もあるのでございますが、まあ今度の対策ももちろんいいのですけれども、これで十分なのかどうか。どうも、評論する人によりますと、この程度の対策としては非常に小ぶりであって、どうも景気浮揚については切り札を欠くのじゃないかというような論評もあるようでございますが、この辺についてのお考えをお聞きしたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(倉成正君) お答えいたしたいと思います。  景気は、マクロで見ますと、昨年の十−十二月の成長というのが、GNPで見まして、前期に比較しまして〇・六という伸びでございます。ことしに入りまして、公共支出あるいは住宅投資等が少し伸びておりますので、ことしの一−三月はこれよりかなり伸びるだろうと見ておるわけでございます。しかし、これはマクロのものでございまして、もう少し細かく業種別、企業別、また地域別に見ますと、非常に落ち込んでいる産業があるわけでございます。鉄綱であるとか、あるいは化学であるとか、繊維、あるいは造船、その他精糖、石油精製、いろいろそういう個々の業種で見ますと、かなりきつい状況にある。また、四十七、八年のころにかなりの設備をした企業、またかなりの人を雇い込んだ企業というのが、過剰設備、過剰雇用ということであるものですから、そういうところから見ますと、なかなか不況だという感じがあろうかと思っておるわけでございまして、これは循環的な問題と構造的な問題が重なり合っているというのがいまの景気の現況ではなかろうかと思うわけでありまして、この壁を乗り越えることによって安定した成長が出てくるのではないかと考えておる次第でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 私は、戦争中兵隊にとられて、陸軍にとられていたのですが、陸軍の作戦要務令の、ほとんど忘れたのですが、一つだけどうしても頭に残っているのがあるんです。それは、表現を忘れたのでこの間ちょっと取り寄せましたら、やっぱり私の頭に残っていたのと同じなんですけれども、作戦要務令の古いのを持ち出しましたが、「戦闘を実行するに方り所要に充たざる兵力を逐次に使用するは大なる過失に属す」と。逐次投入というのはだめなんですね。これはやっぱり幾ら投入してもむだになっちゃうんです。そういうことが作戦要務令で戒められているわけでございますが、物価対策も、少しずつやっている、あるいは、たとえば公定歩合の引き下げなんかも、タイミングが少しおくれるというようなことになると、せっかくやりましても十分な効果が出てこない。やっぱりやるときは思い切った施策をやらなくちゃいけないのじゃないかというふうに思いますので、その点についてひとつ今後十分御配慮いただくように、これは御要望しておきます。  それでは、その次に移りたいと思いますが、その次に移る前に、いま実は私の手元にちょっと情報が入ったのでございますけれども、何か本日タイでクーデターが起きたというようなことが、これはそれだけの情報なんでございますが、その状況なりあるいは在留邦人の安否という点につきまして外務大臣のところに御報告が入っていたら、ちょっと御紹介願いたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) けさ九時の放送で、プラサート・タマシリ陸軍副指令官を長とするグループが政権を掌握したと、こういう情報が入ったわけでございます。十一時にバンコク大使館と電話連絡をとりましたところ、市内は平静でありまして銃撃戦ないし騒動の跡などは見られないということで、バンコクの在留邦人約七千名は無事であるという連絡がとれた次第でございまして、騒動には至っていないようでございます。(「関連」と呼ぶ者あり)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 速記を始めて。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 それでは、次に進みます。  中小企業対策についてお伺いしたいのですが、中小企業というのは、従業者は三千万人をちょっと超えているのじゃないかといわれます。その製造出荷高等につきましても五〇%以上、そういう数字でもって日本の一番大きな階層を占めていると思うわけでございます。ところが、その中小企業がどうも弱者の立場にある。石油ショック以来の毎年の倒産件数を見ましても、毎年毎年ふえてまいりまして、昨年は一万五千件を超えると、こういうような状況でございますので、この問題について通産大臣にお伺いしたいのですが、中小企業対策というものをしょっちゅういろいろ言われているのですけれども、通産省としてはどんな姿勢でやっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  ただいま先生が御指摘のように、就労人口から申しましても三千数百万の人口を抱えておりまして、さらに家族を加えますれば国民の非常に大きなウエートが中小企業者である。同時にまた、企業数から言いましても、九九・幾つというような非常に高度な率でございます。さような意味におきまして、いわゆる中小企業対策というものは、単なる通産行政という事務的な問題よりも、わが国の重大な経済の問題の根底であると同時に、社会問題でもある、かように受けとめておりまするが、われわれの方といたしましても、これが対策につきましては、特に冷え込んだ経済関係のもとにおきましては、中小企業、なかんずく零細企業に特にひずみがまいっていることについては非常に心配をいたしておるような状態でございます。  これに対しまして、法制的にも、あるいは金融の面なり、あるいはこれらが依存いたしておりまする民間金融の機関等々についての信用補完制度の活用なり、さらにまた不況業種の指定、倒産の防止、あるいはまたそれに関連いたしまするいろいろな転業の指導等々、きめの細かい対策を総合的にいたしておるのでございまして、この問題につきましては省を挙げて取り組んでおるような実情でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 きのう東京の九段会館で全国の商店街決起大会というものが行われたんです。そこでいろいろな決議をしているのですが、特に中小企業分野法、これに小売業もひとつ組み入れてほしいというような点、あるいはまた大規模小売店舗法を改正してもっと強化してほしいというような点が議題として出されて決議されておるわけでございますが、とにかく中小企業はわが国の本当に一番幅広い大きな階層をなしているので、これに対する対策というものは、いま通産大臣が非常に真剣にやっているということのお話しございましたけれども、やはりもっと中小企業だけを担当する省があっていいのじゃないかというので中小企業省構想というのがいろいろ言われて、かつても問題になったことがあると思うのです。しかし、私は、そこまでいかないまでも、その一歩手前として、いわゆる常住座臥といいますか、寝ても起きても中小企業のことだけ心配し考えている、事業分野法につきましても、まだこれは決まっていないわけでございますが、あるいは大規模小売店舗法の改正問題についても、その他中小企業対策について、寝ても覚めても中小企業のことだけ考えているというようなこれを担当する専任大臣があっていいのじゃないかということを思うわけでございますが、その専任大臣を創設するというようなことについて、これは総理になるかもしれませんけれども、お考えはございませんでしょうか、お伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 内閣の機構問題全体という問題もありまするし、特に中小企業省を設置せよという声は、商工会議所なんかを中心といたしましてもう年来の叫びになっておるのです。私はそれをよく承知しております。それから同時に、そこまでいかないでも、せめて専任の大臣をどうだろうと、こういうお話もあるんです。まあ専任大臣ということになれば、そう金のかかる話でもありませんし、やや現実的な話だと、こういうふうに思いますが、この考え方の基本は、とにかく、中小企業にせよ、あるいは大企業にせよ、問題は景気をよくするということなんですよ。最大の中小企業対策というのは景気をよくすることである、この問題を解決すれば大方の中小企業問題も解決するという問題でありますが、いまお話がありましたように、寝ても覚めても中小企業のことを考えておるそういう人を置いた方がいいのじゃないかというお話ですね。これは、一つ問題がありますのは、私がいま申し上げたように、経済活動、景気活動、これが最大の問題である。そういう中で、大企業と中小企業というものは一体なんです、これは。これは別々のものじゃないんです。それを分離してそうして考えるというような体系に置かれますと、さあ果たして経済全体のためにいいのか悪いのかと、こういう問題がありまして、まあ慎重にならざるを得ないような立場をとってきておるわけでありますが、私は機構改革という問題がいま頭の中にあるわけなんです。八月ごろの時点でいろいろ結論を出してみたいと、こういうふうに考えておりますが、そういう際に、中小企業専任大臣、担当大臣を置くがいいかどうか、その問題もあわせて考えてみます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 十分ひとつお考え願いたいということを要望いたしまして、時間の関係もありますから次に進みたいと思います。  次は、地震対策のことでございます。私は、御承知いただいているように、かつて警察にいたわけでございます。そういう関係もありますが、個人の生命、身体、財産の保護というのが私の念頭を離れないわけでございますが、これはただ警察の責務というだけじゃなくて、やっぱり政治の基本的な問題だろうと思うわけでございます。そこで、生命、身体、財産のことにつきまして、これがやっぱり政治としては本当に大事なんだという点について、基本的な課題なんだという点については、総理も同じようにお考えいただいているのだろうと思いますけれども、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 地震問題ですね、これは私はずっと見ておりまして、わりあいに等閑視されておる、そういう傾向が国民全体の中にあるのじゃないかという感じがするんですよ。私は、国民全体に、いつあるかもわからぬ、もうあったらしょうがないというような感じでなくて、あったら一体どういうふうに対処するかということを真剣に考えてもらいたいという考え方を持っておりまして、数年前から、私は、関東大震災の写真集があるんです、それを映画式にいたしまして、そしてみんなにこれを見ていただけるような試みがあります、それを私なりに援助をしてきたようないきさつもありますが、これは本当に真剣に考えるべき問題であると、政府もそういう姿勢でおりますことを申し上げて、御理解を得たいと思います。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 先般、ルーマニアでもって地震が起きて相当な被害があったことは、新聞で報道されたとおりでございます。死者が千三百八十七名という報道でございまして、重軽傷が一万五千名という報道でございました。ただ、このルーマニア地震は、ほとんどが家屋の倒壊でもって圧死したいわゆる地震による一次災害の死傷者なんですね。ところが、日本の場合は、私は大きな地震が起きても一次災害というものはそれほどないと思うのです。日本家屋というのはなかなかつぶれないんですね。私は、関東大震災のときに、まだもちろん小学生でございましたが、東京にいましたので、自分のうちもやられましたので経験しておりますけれども、関東大震災でも、もう九〇%以上が二次災害、火災ですね、火災によって焼死する、あるいは逃げながら川へ飛び込んで溺死すると、そういうようなことだったんです。そこで、また、いまは、さらに三次災害というものも考えられる。それは、例の地下街なんかがあるわけですね。非常に大きな地下街がある。それからまた高層ビルがある。そういうようなとこでもって地震でもってわっとあわててパニック状態になって圧死をするとか混乱する、それによる災害も非常に多いと思うのです。そういうようなことを考えると非常に心配なんでございますけれども、いま消防庁を所管しているのは自治大臣でございますが、関東大震災級の地震が起きた場合にどの程度の被害があるかということの御想定を、これはいろんな時期の問題とか時間の問題があると思いますが、立てて、それに基づいてのいろんな防災計画をつくっていると思いますが、簡単で結構ですけれども、お触れいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 関東大震災の当時、百三十カ所から火災が起こって、全市域の四分の一が焼失をしたわけでございます。当時に比べますれば、人口もふえており、自動車もふえておる、あるいは爆発物、高層建築、地下街というようなものもふえてきておるわけでございまするから、震災に伴う二次災害と申しますか、火災というものも相当な規模になるだろうと考えられるわけでございます。これは、いまお言葉にございましたように、夏に地震が起こるか、これが冬であるか、雨が降っておるか、天気であるか、風が吹いておるか、気象の状況にもよりましょうし、時間にもよることでございまして、前提を異にするに従いまして予想の結果が異なってこざるを得ないわけでございますが、これは非常にむずかしい作業になりまするので、消防庁として研究は進めておりまするけれども、結論的なものをまだ発表できない段階でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 地震予知の問題も非常に大事なんです。大事なんですが、私はこれにはいろいろとまだ問題があるのじゃないかと思うのです。そこで、一応お伺いしておきますけれども、地震予知の問題は、国土地理院、海上保安庁、気象庁、地質調査所、あるいは防災科学技術センター、また各大学、こういうようなところでもっていろいろ研究しているわけでございますが、昨年の十月に地震予知研究推進会議というのを発展的に解消しまして、新しく地震予知推進本部というものをつくって、本部長に科学技術庁長官がなったと思いますけれども、その後この本部はいろんな作業をしていらっしゃるのかもしれませんが、どういうような活動状況なのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(宇野宗佑君) 昨年、私が本部長である地震予知推進本部が内閣に設けられました。どういう活躍をするかということのために、現在の内閣の体制をちょっと申し上げますと、文部省に測地学審議会がございますが、これが地震予知に関する長期計画を立てます。現在は第三次計画の実行中でございます。そこから長期計画が出まして、建議権がございますから各省庁に対しまして建議をし、各省庁におきましてはそれに基づきましていろいろと観測強化、研究強化をやっておるわけであります。それと並行いたしまして、地理院には地震予知連絡会議という学者のグループがありまして、これが専門的に地震のことを分析いたしまして、その都度その都度国民に知らすようになっております。そうした面を踏まえまして、地震予知推進本部は、行政的にこれをどのように実行に移して実効あらしめるかということについての鋭意努力をいたしておると、そういう機関でございます。ただいま、昨年ちょうど測地学審議会からの勧告もございましたので、ちょうど東海地震に関しましてはある程度のデータが集まりましたから、そういうデータをもとに、いかなる判定を下すかという委員会を明年度初頭にでもひとつ発足をさしたいと、そういうふうな状況でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 推進本部はぜひひとつ進めていただきたいのですけれども、私、地震予知というのは、そうまだ簡単に近い将来十分な予知ができるようなところまでいくとはちょっと考えられないのですが、まあしかしいってほしいと思いますけれども、ただ、地震予知は、よほどそれが確率の高いものでなくて、やたらに予知をされますと、これは大変なことになっちゃうと思うのですね。それによって経済活動がストップしたり、あるいはまた社会生活も非常に影響を受けるということになると、大変なことにもなります。もう一つは、それがいつも外れておりますと、イソップのオオカミが来た物語になって、これまた逆効果を来たすということだと思います。  そこで、地震予知の科学はどんどん進めてほしいのですが、何といいましても現在まだいつ来るかわからない地震でございますので、一番大事なのは訓練だと思うのですね。それをなぜ私が言いますかというと、実は地震に対するいろんな計画に着手したのが、私が現職の警視総監のころ、消防庁、自衛隊などといろいろ、東京都はもちろんですが、始めたわけですが、現在、いわゆる防災計画、地震計画、対策計画というものは非常によくできております。それから関係の法令も非常に整っています。東京都の条例もよくできております。しかし、これは幾らできていましても、本当に紙に書いた計画だけで、それがその通り実行されるかどうかという点になると大変疑わしいわけでございます。  関東大震災の被害のことについて、ちょっとさっき自治大臣からお話がありましたが、あのときに比べますともう非常な過密ですね。関東大震災のときには、東京府下の、東京市、東京府入れて人口四百万なかったんです。いまは一千百万でございますからね。それからあのときに自動車なんてのはほんの数えるほどしがなかったんだが、いまは東京でもって二百七十五万台保有しています。二百万台ぐらいが走っています。それからもう一つ、あのときの発火のあれはちょうど十二時二分前ですから、ちょうど昼飯の支度をしていたところも相当多かった。それにもよるのですが、油なべが引っくり返ってそれが火事の原因になったというのが非常に多いんですよ、あのときの記録を見ますと。そうしますと、現在は、ことに冬であれば、石油ストーブであるとか、そういうような各家庭にももういろんな危険物があるわけでございますので、ちょっと想像もできないような被害が二次災害、三次災害が起きるのじゃないかと思います。そういうようなことで私が特にこの訓練のことを申し上げるわけでございます。えびの地震とか十勝沖地震があったわけでございますけれども、これについて警視庁の警備心理学研究会というのがありまして、それでもっていろいろと調査研究したデータがあるのですが、それによりますと、大地震が発生したときの人間の心理なんですが、「大変あわてた」というのが六一%を超えている。それから「相当あわてた」というのが三〇%、それでもうほとんど九一%を超える人がみんなあわてているのですね。だから、これは計画ができていたからいいというものじゃなくて、訓練をやっぱりやらなくちゃいけないと思うのです。  そこで、一体いまどのような訓練をやっているのかということにつきまして、概要を自治大臣にちょっとお聞きしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 御指摘をいただいた問題はきわめて大事な問題でございますから、昭和四十六年以来、毎年九月一日の防災の日に関係省庁が寄りまして、東京都、神奈川県等の協力も得まして、防災訓練を実行しておるわけでございます。地方公共団体においてもそれぞれの訓練をやっておるわけでございますが、大地震がありました場合には、通常、相当広い地域にわたって同時に火災等が発生するわけでございますから、そういう際の連絡、あるいは交通の確保、物資の輸送、消防活動というようなことについて隣接県と連絡をとりつつ訓練を実行するということは非常に大事なことだと存じております。昨年の七月に、警察が、東京都の隣接県との県境におきまして、車を一斉に停止させて、緊急車の通る交通路だけを確保するという訓練と申しますか、実験と申しますか、きわめて短時間ですが実行して、これは非常に貴重な体験であったと言われておるわけでございます。消防庁といたしましても研究を進めておるわけでございますが、非常に広い地域にわたってきわめて大規模な訓練を実行するということにつきましては、よほど事前に趣旨の徹底を図りまして地域住民の協力を得るという態勢をつくることがまず前提だと存じます。そういう前提がありましても、長時間にわたって国道をとめる、高速道路をとめるということについて、いろいろな混乱が起こり、社会的な影響も出てくるということでございますから、実施に移すについてはあらゆる角度からよほど慎重に研究を要する問題だと考えております。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 自治大臣、消防を所管する自治大臣であり、また警察を所管する国家公安委員長でいらっしゃるわけですから、いまの御報告、私もそのとおりだと思います。  ところが、私が申し上げたいのは、その程度の訓練ではとてもだめじゃないかということなんです。それは、昨年度、年間の東京の防災計画の訓練の参加人員が延べで二十五、六万人なんです。東京の人口は千百万なんですよね。そのうちの延べで二十五、六万人がこれに参加している。それから、避難訓練といいましても、本当にわずかな距離をみんな手をつないで消防署の人とかあるいは消防団の方に誘導されて行くというような程度のことが多いのですね。  現在、東京都の防災計画で大きな避難場所が百二十一カ所設けられておりまして、その避難場所には、どこの町に住んでいる方、どこの町に住んでいる方はどこの避難場所に行くと、その避難経路はこうであると決められて、標示もあるんですが、私は、大変失礼だけれども、きょうここにいらっしゃる閣僚の皆さんもそうですし、われわれも、まあ私は知っておりますけれども、大部分の者が、自分のうちの避難場所はどこなんだと、避難経路はどこなんだというようなことを知っている方はほとんどいないのじゃないかと思いますね。それからそれも計画なものですから、非常に現実的でない。訓練していないから現実的でない。というのは、たとえば墨田区の立花、墨田区の文花というところは、これは押上駅の先の方なんですけれども、その避難場所が皇居前広場になっているというような例がかなりあるんです。これはもう九キロ近くあるんですよ。そんなところへ一体避難できるのかということでございますね。  それからさっき自動車の保有台数を言いましたけれども、一体、オーナードライバーは地震があったらどうしたらいいのか。まあ知っている人もいますけれども、なかなか、これがあわてちゃって思うようにいかない。これは左側に寄せてストップするというのが原則なんでございますが、これがなかなかそういかないのじゃないか。私は一番心配するのは、自動車が道路にはんらんして避難もできない、消防自動車の活動もできない。そうしたら、関東大震災のとき以上の消火活動の阻害が起こるというようなことでございます。そういうようなことで、しかも規制も、いま言った計画はあるんですが、計画だと環七道路の内側は全部ストップする。それから京浜だとかあるいは千葉街道であるとか、あるいは日光街道であるとか水戸街道だとか、青梅街道、甲州街道というような、外に放射線に出るのは、これも一応ストップすることになっているんですが、そういうことをやったことがないんですね、訓練としては。いまおっしゃったように、県境でもって、わずか二キロ以内のところで短時間やったことはあるんですけど、総合的にやったことがございません。  そこで、私が申し上げたいのは、こういう問題を放置しておいていいのかということでございます。私はこういう点を考えますと、非常に影響力はありますよ、半日ぐらいかかると思いますね、この訓練。実際やるのは三十分か一時間にしても、あとそれから通常の状態に復するには半日ぐらいかかるかと思いますけれども、しかし、やはり大都会のそういう災害を未然に防止する、そのために人の生命財産というものを、これを本当に重んじるなら、一年に半日ぐらいみんなが協力してそれをやってもいいんじゃないかと思うんです。そういう意味で、東京だけじゃなくて、少なくとも神奈川県、千葉県、埼玉県、あるいは関東ブロックでもいいですが、地域はいろいろこれから考えるとして、ただ単に図上訓練的なあるいは通信訓練的なものじゃなくて、全部自動車もストップする、あるいはまた家庭の人は一応全部火元を消す、全部が参加した広域的な総合実地訓練というのを必ず一年に一度はやると、そういう方針を私は政府として立てるべきじゃないかと思うわけでございますが、この点についてのお考えを聞きたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 御趣旨には全く同感でございます。ただ、いよいよ現実にこれを実施するということになりますると、これは容易ならざる大事業になるわけでございまして、どういう訓練をどのような形で実施するか、よほど具体的な手段といいますか、やり方について時間をかけて慎重に研究すべき大問題だと存じております。御趣旨は全く同感でございますから、今後も研究を進めてまいるつもりでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 もちろん、十分な準備をしてやらなくちゃならないことはもう言うまでもございません。したがって、私はこんな大きな訓練を二カ月先、三カ月先にやるべきだなんていうことはもちろん申しません。私も、一応はこういう問題をやるについてどのような準備があり、どのような影響があるかということは知っているつもりでございます。少なくとも来年度ぐらいにはこれは実施するということでもっていかなきゃ、まあ大変だからというような程度ではなかろうかこういうことははかどらないと思いますので、そういう点についてはっきりした方向を御答弁いただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 消防庁の話をいろいろ聞いてみますると、何一つ実行いたしまするにも、それに伴って起こるさまざまのむずかしい問題、社会的な影響があるわけでございます。したがいまして、来年度必ず実行しますというお約束も正直なところいたしかねるわけでございますが、引き続き鋭意検討を進めるつもりでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 私は、いま三月の下旬でございますから、来年からひとつ実行するというぐらいのはっきりした方向を示していただきたかったのでございますけれども、しかし、非常に大変な事業であることはわかりますので、とにかく来年をめどに実行する方向でひとつぜひ実現していただきたいということを御要望いたしておきます。  そこで、だんだん時間も迫っているわけでございますが、この問題に関連いたしまして御質問したいのは、東京だけじゃない、大阪にしてもそうでございますが、いわゆる日本の大都市、特に大都市におけるオープンスペース——公園緑地あるいは広場というものが非常に少ないんですね。これは例を挙げて言いますと、たとえば東京に匹敵するところで言うならニューヨークでございますが、ニューヨークは一人当たり十九・二平米の公園緑地を持っているわけでございます。ワシントンなんていうのはべらぼうに多いんで、四十平米もあるんでこれはもう問題になりませんが、ニューヨークでそうです。それからイギリスでも、ロンドンで二十二平米、パリはかなり少ないんですが、それでも八・四平米なんです。ところが東京は二十三区内では一・五平米しかない。十分の一あるいは二十分の一というような状況です。私は、この公園緑地というものは、こういう災害に対しての非常に大事な役割りをするだけでなく、公害に対しても非常に役割りをするわけです、公害対策。それからもう一つは、やはり殺風景な都市生活者にとっての生活環境、これをよくするというような一石三鳥の働きを持つものだと思うんです。そこで、ぜひひとつ東京、大阪その他の大都市に公園緑地をどんどん整備増強していただきたいんでございますが、なかなかこれがむずかしい。むずかしい最大の原因はやっぱり財政問題にあると思うんですね。東京は昭和六十年には一人当たり十平米にするなんと言っていますけれども、これは計画だけだと私は思います。  そこで私は、一つお伺いしたいのは、たとえば東京で例を挙げますと、中野の刑務所が移転するんですね。あるいはまた筑波大学にあれが移転する。そういう大学とか刑務所というような国有地の移転跡地というものもある。それから都内二十三区内では相当大規模な工場移転、これは公害対策で工場を移転するわけですが、そういう跡地もあるんですね。ところがその跡地が、財政上の問題でつい住宅建築に向けられて、かえって過密化を増すというような、そういう傾向にあることを心配しているわけなんです。財政問題なんです。そういう国有地なんかは、地方公共団体の財政が非常に悪いんだから、何かいろいろな方針もあると思うんだけれども、もっと安く払い下げてやれないか。あるいはただで払い下げてやれないか。あるいはまた、工場跡地を地方公共団体が買い上げてそうして公園緑地にするというような場合に、これは地価は相当なものになりますから、それはひとつ起債で見るのかどうかわかりませんが、国の方でいろいろと考えてやってほしいと思うんですが、こういう点について、どなたに答弁していただいていいのか、まあ建設大臣でございましょうか、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のように、わが国の公園の間狭といいましょうか、これはそのとおりでございまして、したがって、昭和五十一年の当初一人当たり三・四平方メートルになりまして、ただいまの御指摘の中にあったように、今度は江東地区の木場を公園緑化地帯にしようと、こういうことで、これらは相当大規模な公園ができるだろうと、こう思うわけであります。したがって、特にこれから、先ほどからの専門に御研究なすってきたお話のように、大公園をつくるというのには、ただ、いままでのような公園の観念であったんではならない。レクリエーションの場所だとか、そういうような考え方でなく、避難場所にも使えるような方法をとっていかなきゃならぬ、こういうようなことで特にその点には意を用いておるところでございますが、公園緑地の整備には生活環境の改善、あるいは都市の安全対策、公害対策、レクリエーションのための重要な施設であることはもちろんであります。したがって、申し上げたように、五十一年度よりは総額一兆六千五百億円、予備費一千百億円の第二次都市公園整備をやりまして五カ年計画を立てておるところでございます。したがって、これに基づいて強力に公園緑地の整備を進めてまいりたい。  なお、災害時の避難場所としての公園緑地の整備につきましては、五十二年度において調査費を計上して、もっぱらその調査を進めることにしておるところでございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 大都市及び周辺の都市等でございますが、そこに震災等のための避難地としてのスペースが喫緊の状態じゃないかという御意見、まことに私も同感でございます。  そこで、そういうようなものに充てるべく、公園とか緑地とか、これは国有財産があればの話でございますが、未利用の国有財産がある場合には、そういったようなものは公園緑地等のときにはこれを非常に優遇して処理すると、その目的を優遇して、という道が開かれておりますが、今日の事態はさらにそれが必要だということば、これはもう何ら異議のないところでございまして、さらに一層それを優遇してやっていこうという考えを持っておるわけでございますが、それを今後どういうふうに——その具体的なことにつきましては、これは私よりも事務当局がお答えした方がはっきりすると思いますから、お答えさせましょうか。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 時間の関係があるから、よろしゅうございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) それじゃ、そういうことでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 時間の関係がありますので、いまの大蔵大臣のお答えでもって、とにかく優遇措置はあるけれども、さらにその優遇措置を進めるようにこれから考えると、こういうことでございますので、それをぜひひとつ要望しておきたいと思います。  そこで次の問題に移りますが、教育問題について二点ばかり御質問いたしたいと思います。  それで第一点は、去る三月十一日に文部省が例の学習塾について調査の結果を発表されました。そして、さらに十八日にこの学校外学習活動——学習塾の問題でございましょう、「学校外学習活動の適正化について」という通牒を出されたんですね。で、その通牒を読みますと、まことにもっともなことなんでございますが、私はやっぱり学習塾というものはそれだけの需要があるから、これはことに最近五カ年間に非常にふえちゃったんで、需要がないものはふえるわけがない。そうすると、このふえたこれをどうしろと、こう言うよりも、そのもっと基本的になる教育のあり方なり、あるいは学校の先生と生徒の心の交流なりが大事だと思うんですね。この調査のときも、どうも塾の方が、塾の先生との方が、そこへ通っている子が仲よくなって気持ちが交流するというようなことで通い出したという生徒もかなりいるというふうにあったのを記憶しておりますが、そういうような意味で私はこの一片の通達では、これは実効は上がらない、おざなりのことになっちゃうと思いますので、その点について文部大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の学習塾の問題につきましては大変過熱状態になってきまして、いろいろな問題を指摘されたり、批判が出てきておったこと御承知のとおりでございます。そこで、この実態を調査して世に問いましたことは、いままさに先生おっしゃるように、なぜできたんだろうかという点において、公教育の側で問題が指摘されて、そこに原因があるなればその原因を解決するためにどうしたらいいかという取り組みが必要である、基本的にはこう考えます。  そこで、文部省といたしましては、あの調査の結果を顧みまして、詰め込みあるいは落ちこぼれ、いろいろな表現がされておりますが、結局教科内容がむつかし過ぎるのか、多過ぎるのか、もう少しゆとりを持たせる必要があるのではないか、こういう角度の御指摘をいただいておる教育課程審議会の答申等もございますから、現在基礎的、基本的なことに限って学習指導要領の改定作業を進めております。  もちろん通達をいたしましたのは、文部省側がそういう学習指導要領を改定したり、教科書の見直しをするだけで片づく問題でもございませんので、教育委員会にも通達を出しましたのは、入学試験のあり方というものも大変な原因をなしておるように思いますし、同時に先生おっしゃったように、教壇に立っていただく先生と生徒との間柄の問題もございますから、服務を厳正にして父母の信頼を取り戻していただいて、お互いに公教育が責任を果たすことによってこういったものに頼らなくてもいい本来の姿に立ち戻りたい、こういう願いで処置をしておるわけでありまして、先生の御指摘のとおり、原因を掘り下げて対策を立てなければならない、このように考えております。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 ぜひその原因を掘り下げて徹底的な対策を立てていただきたいということを申し上げまして、関連質問があるようでございますから、関連質問に譲ります。

最上進自由民主党

○最上進君 委員長、関連。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 関連質疑を許します。最上進君。

最上進自由民主党

○最上進君 関連いたしまして二、三御質問をさせていただきたいと思います。  ただいま原委員からも御指摘がありましたとおり、今回の塾に関します文部省の調査結果を見てまいりましても、その中で大変ゆゆしい事実を私たちは憂慮しているわけであります。それは学習塾教師のうちで現職の学校教員が一七・二%を占めているということが明らかにされていることであります。特に公立の小中高等学校の現職教員が、課外活動であるとはいいながらも塾の教師を兼ねているということは、一体やはり公教育というものは何であるのかということを改めて考えさせられる面があるわけであります。御承知のとおり、教育公務員特例法の第二十一条にも、本務の遂行に支障がないと任命権者が認めた場合、教育に関する他の職やあるいは教育に関する他の事業あるいは事務に従事できるというふうにあるわけでありますけれども、文部省といたしましてはこの本務の遂行に支障があるかないかという、この判断基準につきましては、文部省自体どういう判断をされ、そして市町村の教育委員会に対しましてどういう指導をされているのか、この点につきましてお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) いま公教育がいろんな面から問題を指摘されておるわけでありますから、私どもまず第一には、基本的な心構えとして、法律で許されるから許されないからという角度よりも、やっぱり教育者として専門職の自覚に立って厳しく服務についていただきたい。そうして父兄、国民の皆さんの信頼を取り戻すように、やっぱり教室の中においていろいろな工夫、指導の創意工夫、そういったものに力を入れていただきたいということを強く期待をしておりますが、最近出しました教育委員会への通達にも実はそのことが盛り込んであるわけでございます。しかし、そういったことだけで片づく問題ではございませんので、先生方が指導のときに工夫されるもとになる基準、学習指導要領についても文部省としてはいま改定をして、みんなで落ちこぼれのないように、そして塾に頼らなくてもいい教育を生み出すためにはどうしたらいいかということで、やっぱり服務は厳正にしていただきたい、こう考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 当然塾がこのように繁栄をしております社会的背景、これをやはり探り出すということが最も大事であるというふうにも考えております。しかし私は、いまのままこの塾ブームに対して何ら対策が立てられないで放置されていくということになりますと、公教育というものがやはり根底から揺さぶられていくんではないかということを大変憂慮しているわけであります。  特にこの塾ブームに拍車をかける問題ではないかというふうに私どもは大変心配をしておりますのが、現在試行段階として進んでおります国家公務員の週休二日制実施に絡みました教員の週休二日制の問題、あるいは日教組側がかねてから主張しております学校五日制の問題ではないかというふうに考えているわけであります。すでに五十一年七月に、前三木内閣時代に、関係閣僚懇談会におきましてこの国家公務員の週休二日制につきまして試行実施をするということを実際に決めているわけであります。  そこで、私は福田総理にお伺いをしておきたいのでありますけれども、三木首相の時代にこの国家公務員の週休二日制というものが試行のレールに乗せられたわけでありますけれども、現実に各省庁ですでに試行段階の進んでいる中で、私は、総理が口ぐせのように世界が資源有限の時代に入ったという、私はその中でやはり日本という資源のない国が改めていま労働に対する日本人の価値観というものを明確にさせていかなければならないときであるというふうに考えているわけでありますけれども、どうも口では国家の財政の窮乏を唱えながら一方で国家公務員の週休二日制というもの、相矛盾するものを実施をしていくということに対して私どもは末端の座談会等で国民の強い行政に対する不満を聞くわけでありますけれども、この点につきましてのお考えをひとつ明確にお聞かせをいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は週休二日制につきましては非常にこれを慎重に考えているんです。つまり政府、公務員はこれは世の大勢に従うべし、しかし率先してという考え方はどうかと、こういうふうに思いまして、まあ世の中がそういう時代になってくればこれは公務員もそれでしかるべしと、こういうふうに思いますけれども、率先して政府がやるという姿勢はどうもよろしくないんじゃないか、そういうような考え方でこの問題に対処をしたい、かように考えております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 最上君の関連質問が終わりましたからどうぞ。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 いま最上君の関連質問もありましたけれど、私は塾がいろんな面でまあ乱立、乱塾時代といいますか、非常にふえ過ぎたということに対していろいろ問題を指摘されているわけでございますが、私はこの塾というのは今日の学校教育の廃退ぶりを映し出した鏡じゃないかと思うんですね。学校教育がうんと廃退してきたから塾がうんとふえたんで、そこに根源がある。その鏡が塾なんだから、どうも塾がふえてきてけしからぬけしからぬと言って塾を責めてもしようがないんであって、鏡を責めてもしようがないんで、その鏡に映し出される前のその学校教育の廃退という姿、これが責められ、これが改められなければならないというふうに思うわけでございます。その点につきましては、先ほど文部大臣もそのようであるというお考えでございましたので、まあこれ以上申しませんが、ひとつこの点を徹底的にいろんな角度からえぐり出してみて、そしていま最上委員の質問もございましたけれども、あらゆる角度から直していただきたいということを要望しておきたいと思います。  次は、父兄の教育費負担の非常な格差といいますかアンバランスがある、これが国公立高校、大学と私立の高校、大学ではそれに通学さしているあるいは入学させる父兄の間の負担が非常に違うわけでございますね。そこで国公立と私立大学の間の学費負担についてちょっと私が調べたところを申し上げますと、私立大学の入学納付金というのは、これはつい最近の統計のようでございますが、大体四十九万六千円、それから国立の大学の場合には十五万六千円ということで大変な開きがある。それから高等学校でも、これは東京都の調べでございます、東京都の学事部の調査でございますが、昨年の十一月にまとめたものでございますけれども、都立の高校に参りますと、これはもう授業料が月額千八百円、これきりなんですね、入学料も何もない、これきりでございます。ところが私立の高等学校ですと、これは平均でございます、もっと非常に高いところもあるんでございますが、平均で大体、まあこれは授業料、入学金等もございますが、年間四十三万六千二百六十五円という平均父兄の負担が出ているわけでございます。これは私は教育という問題は、そんなに国公立あるいは私立において区別すべき問題もないし、これは日本の将来を考えましても、教育という問題は正しい教育がやはりもっともっと普及するということは望ましいことでございますので、この国公立、私立間の格差、父兄の教育負担の格差を是正するために私学振興助成法等もできましたけれども、まだまだとても足りないと思いますので、この点について今後十分な配慮とあるいは方策を打ち立てていただきたいと思いますので、文部大臣のお答えを願いたいと思います。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のような国公立と私立の間の父兄の負担の格差、教育費の格差というものはそういう教字で現実に存在しております。で、私どもはこれはやはり教育の機会均等という面から考えましても、あるいは父兄の負担を是正していくという面にいたしましても放置できないことと考えまして、御指摘のありましたように私学振興助成法で経営費の助成にまで入りまして、今年度お願いしております予算の案の中に組み込みました額は私立大学に対して千六百五億円、これはこの非常に厳しい財政状態の中で二四・四%の伸び率となっておりますが、これだけですべてが片づくというような受け取り方ではなくて、私学振興財団からのいろいろの融資の方法、あるいは奨学育英資金のときには国公立の生徒に対する貸付額よりも私学に通う生徒に対する貸付額に上幅を乗せるとか、いろいろな施策をあわせまして、少しでもこの格差が是正されていくように努力をし配慮をしておるところでございます。御理解をいただきたいと思います。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 関連質問を許します。宮田輝君。

宮田輝自由民主党

○宮田輝君 いま国公立と私立の学費の負担について原委員から質問がございました。私どもの税金で国は学生一人当たり国立の学生に約百四十三万円負担しております。それから私立の大学の学生には七万円強でございます。そして父兄の負担は、私立の方は国立の三倍も四倍にもなっているというのが実情でございます。そこで、いま文部大臣から奨学金制度の拡充、ことに私立の方の枠をもっと広げるような拡充ということを私は要望したいわけでございます。全体の額をふやす、そして私立大学の学生に対する枠をふやす、数をふやす。  それからもう一つ、私立大学奨学事業援助というのがございます。御存じだろうと思います。それは原資は財政投融資からでございまして、年額十億円、四十九年度から発足して五十年度から十億円計上されております。ところが、せっかくいい制度だと思うんですけれども、これが余り活用されておりません。で、実績は五十年度は十億あるのに二億四千万円の消化、五十一年度は二億八千九百万円しか消化されていないわけでございます。で、学校あたりを調べてみたんですけれども、これは大学が一〇%負担する、そして原資の方から九〇%と、こういう制度です。したがって、その一〇%の負担というのも問題かもわかりません。それから事務手続が大変繁雑であるということも感じられます。それから低利ですけれども利息がついている。五・五%の利息がついております。特に私が大学などの話を聞いて感じますのは、学校を卒業して十年間で回収するわけですけれども、学校を卒業してその学生が、それから九州へあるいは入社するやら、北海道へ勤めるやら、いろいろばらばらになります。学校自体がそれを回収するということはなかなかむずかしいことでもあろうかと思うのでございます。こういう点は、すでに育英会の方が、まあ俗な言葉で言えば追っかけ回収とでも言いましょうか、実際にその回収に出ているというふうに聞いておりますので、この回収のところは育英会にお願いするということも考えられていいんではなかろうか。これは提言を申し上げるわけでございますけれども、いずれにしても、ことしもまた五十二年度予算の中で十億円計上しております。その額は大したことはないかもわかりませんけれども、そのうちのまた二億幾らしか消化されないということは、いささか問題があるんではなかろうかと思います。文部大臣にお願いいたします。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) せっかく制度を始めまして予算措置も講じておるわけでありますから、できれば満杯になるだけ使っていただきたいというのが率直な願いでございますが、宮田先生御指摘のように、使われる率が非常に少ないということはよく制度そのものが知られていないということもあるかもしれません。これはわが方の努力不足で、もう少し徹底するようにいたしますが、さらに利子のことに関しましては、利子補給の制度等も考えましたし、また十年間返済の責任を学校が負うということにもいろいろな問題があろうかと思いますから、せっかくの制度であります、これが一〇〇%消化されていきますように関係方面のいろいろな意見も聞いて、どう改善していったらいいかということを検討をさせていただきたいと思っております。

宮田輝自由民主党

○宮田輝君 どうかひとつ、せっかくの制度でございますので、学生にちゃんと利用してもらえるよう改善をしていただきたい、お願いを申し上げます。  で、いまのたとえば奨学金についてもそうなんですけれども、先ほど来いろいろ話題になっております、たとえば原委員の御指摘の緊急避難の場合のことにしても国民はなかなか知ることもできない。あるいはエネルギーの問題についても、もうせっぱ詰まっているような感じさえするんですけれども、それほど緊迫感がないという点もございます。これは政府の広報、お知らせが私はまだ不足ではないか、全般について。ですから何とかもっとお知らせを願いたい。しかも、私ども国民にわかりやすく知らせてほしい。そういうことによって、私は政府の仕事にも国民が協力もし、理解もできるんではないかと思うわけでございます。総務長官に政府のお知らせについて前向きな御答弁をお願い申し上げます。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいま御指摘のとおりに、政府の広報が行き渡らない、そしてまたかたさがあると、なかなかわかりづらいという御指摘は方々で聞かしていただきます。そのとおりでございますので、私十二月に総理府の方に行けという命を仰せつかって以来、もっと国民の方々に見ていただけるような、そしてまた聞いていただけるような、親しみの持てるような広報ということに意を用いまして方針を切りかえています。そしてまた、われわれといたしましても、そういうことを、政府の方針なり施策なりを国民の皆様方に知っていただいて、そして御協力を願うということが本旨でございますので、その点では十分に徹底して今後やるつもりでございます。  ただいまエネルギーの問題をおっしゃいましたが、二月に省エネルギー月間というものをつくりまして、そのときには小さな節約、小さな心遣いが大きなむだを省くというふうなキャッチフレーズを用いてラジオ、新聞、テレビその他を動員してやったのでございますが、いささかやはり役所式なやり方であったかというふうな反省もいたしておるところでございますので、今後は宮田先生のような御専門家の御指導、御援助もいただきまして、そのようにやっていくつもりでございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 時間もなくなりましたので、私は最後に参議院のあり方とその選挙制度について、私自身参議院議員でございますが、ある面では非常に悩んでいる点もありますので、この点について私の考えを述べ、そしてまた総理のお考えもお伺いしたいと思うんです。  現在参議院の地方区の定数問題がいろいろと論議されております。あるいはまた全国区についても、まあ拘束名簿式比例代表制であるとかなんとかいうことも論議されておるわけでございます。そこで私は、もちろんそういうことを否定するものじゃございません。その論議はどんどん進めるべきだと思いますけれども、ただ単にこのように現象面にあらわれた人口のアンバランスだとか、あるいは全国区に金がかかり過ぎるとかいうようなことを論議することも必要でございますが、その以前に参議院の基本的なあり方はどうあるべきかという点について考え、その基本的なあり方を出発点として参議院の選挙制度をもう一回根本的に考えてみる必要があるんじゃないかというふうに思っているわけでございます。  そこで、実は私、昨年の六月に朝日新聞に「参院の独自性と定数問題」と題しまして投稿したことがあるんです。それは参議院というものが、まあいろいろな批判をされているのでございますけれども、参議院というのは、「衆議院とは異なる独自の立場と観点から国政審議にあたり、衆議院に対し抑制と補完の任務を果たすべきなのに、現状では、いわば第二衆議院に堕し、その独自性を失ってはいないか。」という批判が一方にあります。そうかと思いますと、一方に、「参議院はその性格として、衆議院の各政党の対立抗争からはある程度の距離を保つべきなのに、現状では、参議院も強い政党的支配下にありはしないか」という批判もございます。この批判は第六次選挙制度審議会においても大部分の委員によって行われた、指摘された点だと思うのでございます。私は、やはり二院制というものが守られ、健全に発展していかないと、これは議会制民主主義の発展に大きな影響を与えるんだと思うわけでございます。そういうような意味で、私はこの参議院のあり方というものまで深く掘り下げてもう一回検討して、そうしてその上で、時間はかかるかもしれませんが参議院の選挙はどうあるべきかと。ただ日本の場合は、よその国と違って憲法で選挙によって選ばれた議員という規定がございますから、何といいますか、任命制であるとか、いろんなことはこれはもちろん憲法を改正しない限りだめでございますけれども、少なくとも私は間接選挙制というものならば憲法には抵触しないんじゃないか。準間接選挙制というのはございます。たとえば現在の都道府県会議員、地方議員によって選挙をするというようなことになるとこれはいまの憲法に抵触すると思いますけれども、間接選挙制、これはまあフランスなどでもやっておりますが、ならば抵触しないんじゃないかと思いますけれども、しかし、それがいいか悪いかということになると、私本当のところ言ってわかりません。ただ、私自身も参議院議員の一人としてやはりこのままでいいのかどうかという点につきましては真剣に考え、またいろいろと悩んでおるところなんでございますね。  そこでもって私は、まあ第七次までで選挙制度審議会は終わりましたけれども、選挙制度審議会とは言わなくても、その続きでなくても、国会議員も含めてあらゆる層から、日本の議会制民主主義の発展のために、よりよい二院制の発展のためにということで、再検討するような審議会をつくって、そこでじっくり検討し、選挙制度も考えていくべきじゃないかと思うんでございます。  最後に、総理のこれに対しての御意見を伺って質問を終わりたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 非常に重大な問題の御提起と思います。私、昨年の暮れ野党の党首と会談いたしまして、その際、お互いに協力いたしまして国会というものが国民からより信頼を受けるような状態にしようじゃありませんか、そのためによくひとつお話し合いをしようじゃありませんかと、こういうことを申し上げたんです。いまの参議院のあり方の問題についての御提議でございますが、そのことに私は触れませんでしたが、やはりこの問題は選挙制度の問題と非常にかかわりのある問題じゃないか、そういう感じがいたします。私は、五党首に対しましては、この選挙のあり方、これはロッキードという問題を考えてみましても、選挙に金がかかる、かかり過ぎる。この金のかからないような清潔で公正な選挙が行われ得るはずだ、その道をお互いに発見しようじゃないかということを申し上げ、それを各党間でひとつお話しいたしましようじゃないかと、こういう御提言を申し上げたわけで、いまぽつぽつそういう話が各党のしかるべき立場にある人の間で始まっておるわけでありますが、私は、本当に選挙制度というものは、これは各党共通の競争の場所、つまり相撲で言えば土俵でございまするから、みんなが相談することが必要だろうと。ある一党の人が、こうするというような考え方を示して、そうしてそれで押し切る、こういうようなことはよろしくないと、こういうふうに思いますので、どうかひとつ、選挙制度ばかりじゃありません、国会がいかにすればより機能を発揮し得るか、効率的にまた信頼を受け得られるような形でこの運営ができるかということについては、各党間でひとつ御協議願いたい。よろしくお願い申し上げます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 終わります。ありがとうございました。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして原文兵衛君の質疑は終了いたしました。     —————————————

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 藤田進君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、最近特に末端の地域社会を細かく回っておりますが、今日ほど政治に対する不信感の高まっているときはないように思います、私の短い経験でありますが。これは、このままではいろいろ政策を立て実行しようとしてもなかなかこれが浸透しないというところにまで来ているように思うんであります。だれが議員に出ようと、だれが総理大臣になろうと、これらもうろくな者ではないというような声を聞くわけです。ですから、脱政党とかあるいは政治離れとかいったようなことにつながり、かなり厳しい選挙戦でも棄権率も高まっている。で、ここでやはり政治に対する信用を回復いたしませんと、与党であれ野党であれ収拾のつかないやはり問題があるように思うわけであります。  そこで、今日の政治に対する不信感というものがどういう内容でこうまでなってきたのか、具体的にはどういう問題をどうしなければならないかという基本認識について総理がどう考えておられるか、私と違うのか違わないのか確かめてみたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、この政治に対する国民の不信は今日非常なものがある。これはいま藤田さんの述べられることと全く私は同じ感じでございます。この傾向というものは、これは今日突然始まってきたんじゃないんです。だんだんだんだんこう積み重なりがある、こういうふうに思うんです。で、この傾向というものは、一挙にこれを変えるということは非常にむずかしい問題だと、政治——国民が心から挙げて賛成するという状態をもう一度につくり上げることは非常にむずかしい問題だと、こういうふうに思います。私はかつての高度成長時代、これはもう終わりにしなけりゃならぬ。これじゃこれから先々の日本というものがおかしくなる。そこで安定成長へということを力説したんですよ。なかなかこれは受け入れられないです。これはしかし、やっとあの石油ショック、あれがあって、さあわれわれも行き方を考えなけりゃならぬかなというような傾向が出てきたように思うんです。私は政治に対する世の中の流れというもの——今度のロッキード事件、これはまことに残念な事件でございまするけれども、政治不信の流れというものを象徴するかのごとくあの問題が起こってきた。この問題は、ちょうど経済のあるいは社会の面における石油ショック、あのような問題としてとらえていったら、私はこの世の中、この政治の流れというものがよくなるんじゃないかなと、一挙にというわけにはいかぬが、よりよい方向に向かい得る機縁となり得るんじゃないか、そういうとらえ方をいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 他に信用を失いつつある問題はございませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、いま申し上げたんですが、別な言葉で申し上げますと、どうも世の中全体が金、金、金と、こういう世の中になってきておる。まあそういう流れの中で政治の動きというものが金で動かされ過ぎておる、こういうような風潮になってきておるんじゃないか。その辺に国民が多くの不安と疑惑、そういうものを持っておったんじゃないか、そういうふうな感じがいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、そういったことも無論含まれますが、それほど狭義に物を考えての不信感の醸成というものではないと思っております。確かに、触れられた高度経済成長といったような、いわば一般庶民というよりも産業中心ということについても問題がもちろんあります。さらにロッキード等、政界の腐敗堕落というものにも問題があります。加えて私は、お触れになりませんしその要素はないとおっしゃるのでしょうが、長期にわたるわが国は物価高、インフレ、これがドイツ四%に対して日本は少なくとも一〇——私は実感指数としては一三−一五だと思っていますがね。そういう状態であり、さらに不況はかなり長期にわたっておりますね。総理は、まあ三カ年かかるだろうと、三カ年治癒だと言っていたんですが、もう三カ年以上になりましたね。こういういわばもろもろの経済関係についても大きな不信を買っているし、ロッキード、加えてアメリカからもしばしばやってくる情報、わが衆議院におきましても参議院においても問題化している日韓の癒着問題、こういったいわば政治に対する姿勢と政策の行き詰まりというものが、これが大きな不信感を買っている。これに対してさらに積極的な打開の、信用回復するだけのエネルギーを傾けていない、だめだと、見限るという、そういう結論ではないだろうかと思うんですが間違いでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) さあ、その経済の運営について国民が不信を持っていると、私はそんな感じはしません。不満を持っていると、これはあると思うんです。不信感というのはそれはなくて、やはり私は申し上げたような先ほどのような政治の流れ、これに濁りが出てきた、こういうような点に私は不信という問題がある。経済の点から言えば、これはわが日本はドイツ、アメリカと並んであの石油ショックの立ち上がりも最先端にいっている国である。そういう評価をしておる人が相当多いと思います。ただ、もっとよくしてもらいたいんだという希望、またはその希望が満たされないところの不満、そういうことはあると思いますがね。経済政策の運営で不信感が出てきていると、そういう感触は私は持っておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 よくわかりました。  そこにやはり福田内閣誕生直後の世論調査の信頼が置かれていないし、支持する者二八%、支持しない者三四%でしたかね。歴代内閣では私は初めてだと思うんです。これは昨年暮れに就任されて間のないことですし、突然変異、福田内閣になってこのようになったというふうに規定することもこれは間違いだと思うんです。多年の言われる諸般のあかがたまって、ここでどう打開していくかということについては、基本的な認識が、経済について不満はあるが不信感はないという、そういう軽い扱い。私の経験では、かつて吉田茂総理が、あなたがやめて後総理をだれがやるんですかと、来る者来る者がやはりお上手を言って、ついにこれは野たれ死にしたじゃありませんか。総理になれば、やはりそういう接触する人それぞれからいいことを聞くわけですね、持ち上げてくる。そこに政治の運営について誤りが出てくるように思うんです。  私は、余り話ししていると時間が経過しますが、かってない現象が全般的にありますよ。たとえば諸般の関連産業ですね、下請に参りますと、労働組合の委員長が従来は会いに来ていたが、いまはそこの社長が必ず一緒に来ますよ。経済で、これは福田さんになっても大したことはないですよと、あの姿勢ではわれわれも期待できませんよと、期待をしない、不満がある。ということは不信なんですよ、要するに。不信とは信頼できないということなんでしょう。しかし、まだ私は、だからいますぐやめなさいというところまでは言っておりませんがね。これは信用回復には時間がかかるとおっしゃるが、きょうあすという、そんなに短期的には私は見ておりません。しかし、この国会ではかなりの不信感を払拭しないと、これはやっぱり問題があるように思うんです。それはじりじりと信用が出てくるといったような悠長な私は状態にないように思うんです。  そこで、具体的にお伺いいたしますが、ロッキード問題についてもアメリカでいま小佐野賢二氏関係が調べられていることば御承知ですね、司法省を中心に。それから韓国の関係もアメリカでもいま調査が進んでおりますね。御承知かと思う。それから、すでに新韓碍子だとかソウルの地下鉄車両問題だとか、具体的に追及をしている諸問題ですね、あるいは竹島問題とか諸般の問題があるのに、わが国益、そして政界につながる浄化刷新ということについてどうも不熱心なように思うんです。不熱心ではない、こうやっているという具体例があればひとつお示しいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、政治の浄化刷新ということにつきましてはもう人後に落ちないんです。藤田さんがいろいろ言われたけれども、私は藤田さんにその精神において決して劣るとは思いません。ロッキード事件が昨年の二月勃発した。あのときもこの事件は徹底的に解明しなけりゃならぬと最初に言ったのは私ですよ。そうして、その徹底解明の路線でこれらの問題が進んでおるじゃありませんか。  それから、金、金、金と、この世の中の風潮、これを直さなけりゃならぬ。物、金がこれが人生ではないんだ。人生というものはもっと貴重なものがあるということを国会においてもしばしば力説しておりまするし、世の中に対しましても常にこれを申し上げている。私は、この世の中のそういう風潮を矯正する、正す、その先端に立っておると、こういうふうに自信を持っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 政治家の不信感はそこにもあるんですね。なかなかテレビ、新聞を通じて聞いても、言っていることはなかなかはでなことを言うんですよ、いまおっしゃるように。しかし、実際にやらないんだ。やらない。ここに不信感がまたもう一つ加わってくる。それじゃあ具体的にどうしますか、日韓問題にしても、あるいはロッキードの未処理にしても。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ロッキード問題はいま裁判中でありますが、裁判の維持、公訴の維持につきまして全力を尽くします。それからまだ一つの小佐野、児玉関係、これは未解決でございますが、これは解決できるような環境ができますれば、これはさらに捜査を再開いたします。  それから日韓問題、これはまだそこまでいかないんです。そういう必要があるということになれば捜査活動を始める。これは当然そう考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 あれほど具体的に、きょうは時間がないので、私は資料を持ってきておりますが、問題になり、金額を挙げて追及されている以上、もうすでにこれが内偵段階に入らなきゃ、これはやる気があるとは言えない。やるやると言いながらやっていかない。これは積極的にやはり信用を挽回する一環として、これは調べた結果何もないものなら結構な話ですよ、政府がそういう捜査権なり一連の司法権を持っているんですから、これはぜひひとつ早速手をつけるように新たに要請したいと思いますが、いかがですか。

福田一自由民主党法務大臣

○国務大臣(福田一君) 日韓問題についての御質問と存じますが、われわれはこの問題については重大な関心を持っておるわけでございます。そうして、いやしくもそういう容疑がある場合においては、これは犯罪の容疑があれば直ちに捜査をいたすべき義務があると存じております。ただし、いまのところ私たちはまだその犯罪の容疑ありという結論に達しておりません。しかしながら、御指摘の点も十分考えて、今後いやしくもそういうような片りんでも明らかになってきましたときには、お説のとおりひとつ厳正な態度でその措置に当たりたいと思っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今後あるならば、というその姿勢がこれは問題ですよ。あれだけのことが議会で指摘されて、全然内偵もしない。どの程度の問題、資料が出れば捜査内偵なりするんですか、検察権のない国会議員であれ以上は無理です、これは。どの程度ならばやりますか。率先してやはり議会の論議について、これはだれしも国民が火のないところに煙は出ないという考えを持っておりますよ。また日韓でしょう。これはロッキードより大きいでしょう。ボーイングがアメリカで問題になっておるが、日本にも関連があるそうですね。どこへ行っても聞きますよ。白か黒かきちっとはっきりさせることがです、福田法務大臣はロッキードのときもかなり閣内消極派と言われているだけに、汚名を返上しなきゃだめです。早速ひとつ調べにかかってもらいたい。

福田一自由民主党法務大臣

○国務大臣(福田一君) まあ日韓問題に関して、日本の国内において問題になった、指摘をされたのは、衆議院の委員会におきまする韓国の地下鉄問題についての一種の疑惑というものかと存じますけれども……

藤田進日本社会党

○藤田進君 新韓碍子もありますね。

福田一自由民主党法務大臣

○国務大臣(福田一君) 新韓碍子もございますが……

藤田進日本社会党

○藤田進君 ボーイングもあるし。

福田一自由民主党法務大臣

○国務大臣(福田一君) いや、ボーイングの方は向こうですから、アメリカですから。私はあれも聞いておりまして、そうして最後にまあどれだけ不正なことがあったのかということでは、私は実は検察というような仕事は、私自身はそういう経験もなければ、そういうことはございませんが、いやしくも日本の治安を維持し、犯罪人を押さえて、そうして私たちの、皆さんがおつくりになった、いわゆる国会でおつくりになった法律を守りながら日本の治安を維持していくという意味では、私は検察は一生懸命やっておると自分で認めておるわけでありまして、あなたが御心配になる以上に私は検察は注意深くそういう問答についても見ておる。そうして、もしいやしくもそういう片りんでもあれば、私は捜査に着手するものと信じております。私自身といたしましては、検察が十分にその活動をすることを監督する責任はございますけれども、個々の問題についてああせいこうせいということを言うことは、かえって弊害が起きるのでございますから、私はいまの検察を信頼して、そうして彼らが十分にその活動をすることを期待しておるということを御理解を賜りたいと思うのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 じゃ、そのことを検事総長に伝えてくださいよ。

福田一自由民主党法務大臣

○国務大臣(福田一君) もうこういうことが国会において問答があったというだけでも、私は検察はやはり神経をぴりぴりさしているだろうと思う。私は、あなたの御発言を決して検察が無視するとかあるいは軽視するとかというようなことは絶対あり得ないと考えておりますが、特にそういう点を御指摘になったわけでありますから、そういう御要望があったことを伝えることはいたしたいと思います。そういう御要望があったことを伝えるということでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ、お聞きのとおりでなかなか消極的ですね。あれこれ言われてからやるべき性質のものじゃないです。一国の行政権を持っている。  さて、もう一つは、やはり政治資金規正法の改正はなされても、依然として企業関係の献金といいますかね、まあ資料要求しましたところ四十八、九、五十年が出ておりますが、福田総理関係、まあ全部かどうか知りませんが、合計してみますと十六億四千四百五十三万八千何がし、一年間にですね。まあかなり、これは前はもうちょっと大きいですが、そういう献金についてはもうおやめになりますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私の関係する政治資金は二種類ありまして、一種類は福田派というんです、まあ集団のものであります。それからもう一つは、福田赳夫個人に対する政治資金と、こういうことでございますが、その福田派というものにつきましては、御承知かと思いますが福田派はもうすでに解散をいたしました。したがって、それに対して政治献金というようなことは、これはもうこれからはないことになります。  福田赳夫に対する、個人に対する献金、これは私の二十五年にわたる政治活動、その中で自発的に福田さんという人を大成さしたいと、こういうのでたくさんの人が集まってきて、そして私に資金を供与してくれるわけなんです。それが積もり積もってまあ相当の額になってきていると思います。私はいまだかつてお願いしますというやつはないんですよ。自発的な献金である。企業からもあるし個人からもある。それにつきましては、まあ逐次これを、そういうものを整理するような方向に持っていきたい。また、それに関連いたしまして政治のあり方というものをもう少し、まあ選挙制度なんかが中心になりますが、これ変えなけりゃならぬ、変えていくべきだと、こういうふうに考えておりますが、そういう制度の改正等とも見合いをとりながら逐次整理をする、そういう考えであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、ここに四つ出ている、これは間違いでしょうか。(資料を示す)——いま資料を提示いたしまして、五つについては関係があるが、よくわからないという点も加えられておりましたが、いずれにしても年間十六億、大体コンスタントになっていますね、過去を調べてみますと。これはやっぱり政治に対する不信感というのはこんなところからも大きく出てきているように思うです。まあ、どなたも総理になると派閥解消を言うんですけれども、しかし資金の方は依然として減っていかない、こういうのが過去の例であります。  そこで、今度地方自治体関係についても、加えて問題が各地に出ていますね。たとえば福島県知事の前参議院にもいた木村守江君ですね、これは当選後辞任いたしましたが、最近になって在任中約十億ですか、新聞報道によりますと十億という隠し財産があったと。で、これは国税庁が調べているということが報道されておりました。  そこで、まあ三木さんはみずからの資産を公表するという挙に出て、不信感を少しでも払拭しようという努力、不徹底ではあるですけれどもまあ一応の。ですが、この際やはりこういう、あれ以後さらに不信感が深まっているときですから、福田総理、資産公表をしたらどうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は前からもう資産公表をしておりまするし、総理大臣に就任したその時点における資産はすでにもう公表しておりますから、ひとつその公表した資料をごらん願いたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは公表と言われましても、どうも疑問が多いですね。ですから改めて秘書官かだれかいま持ちよこさせていただきたいと思いますが、あれが果たして本物かどうか、これはやっぱり資産公表のうちに入るつもりでしょうけれども、それは全体が出ているかどうか疑問に思う点が所々に出ております。資料を出していただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 資料は公表してありますが、改めて御必要があればお手元にお届けしますが、私が一国の総理大臣として私の資産状態はこうだと公表した以上、これを御信用ください。それで、もし不審な点があれば御指摘願います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 資料を出してくださいよ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 後で。いますぐというわけにはいかない。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこで、政治資金関係あるいは一連の疑惑問題、これを福田総理は陣頭に立って晴らしていく、事態を明らかにするということを積極的に進めてもらいたいと思うです。法務大臣の方は私の質疑の内容を伝えるということですが、これはやっぱり今日の内閣組織というのは総理大臣のウエートは非常に大きいわけですから、あなたの気持ちがどうも聞く限り余り積極性がないように思うです。言葉では積極的だとおっしゃるけれども、実際問題として、間髪入れず国民の前にこれを明らかにするという具体的行動が伴っていないと思うです。やっていただけますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は政治の浄化、刷新については最も熱心な一人であると、こういうふうに考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこで。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そこで、何ですか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 具体的に。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 具体的にはそういう……

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 一々委員長の許可を受けて発言してください。私語はいかぬ、私語は。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そこで、私は一番金と政治との関係で大きな問題は、これは選挙制度だと思うんですよ。いまの選挙制度というのは余りにも金がかかり過ぎる。そこに金と政治との癒着の問題がある。この制度を金のかからないような制度にぜひ改変をいたしたいと、こういうふうに思いまして、その方法をひとつ相談しようじゃないかというので、党首会談におきましてもこれは私から申し入れておる。こういうような一事をもちましても、私がいかに政治浄化、刷新に熱心であるかというその証左として御承知願いたいと、かように存じます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それが一種の遁辞なんですよ。選挙制度へ逃げ込んでしまって、選挙制度なり選挙法は共通のルールなんです。共通のルールで金がかかる、あるいはロッキード汚職がある、あるいは日韓もあるというようなことであれば、少なくとも野党を含めて同じルールのもとにあるんですから、選挙制度そのものに根源があるというふうにすべてをこれに託することはこれは無理がある、間違いがあると思うです。そうではないんじゃないですか。同じルールであってもこれは木村守江君の場合も公表されていますし、今度の衆議院選挙でも天野さんの分も公表されておりますが、選管に届ける選挙費用などというものはでたらめじゃないですか、これね。要するに裏金でもって選挙事前なり選挙段階で莫大な金を使う、あるいは日常後援会に金を使う、こういったような体質というものがむしろ問題じゃないでしょうか、制度よりも。いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はそれはそのとおりだと思います。つまり、こういういろんな事件が起こるのは根っこがある。その根っことは何だと言えば、やっぱり金、金、金というこの風潮、特に政界において金に依存をし過ぎるという風潮、つまり一人一人の政治家のモラルの問題だと思うんですよ。政治家一人一人はわれこそは政治家の師表であると、そういうような気持ちで政治に立ち臨むということになれば、こういう問題の起こるはずがないです。私はその根源というものはそこにあると思うんです。そういうことは、私はいま世の中の高度成長下で培われました、金、金、金という風潮と深いかかわりがある、こういうふうに存じますが、それはさておき、政治家一人一人が身を清く正しく持していかなければならぬ、そこに問題の根源があると、そういうふうに考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあレセプションにしても、通常いま物価が高いが、五万、六万というようなレセプションですね。企業に券を押しつけて、かなり多数量買わされるという不満をやはり出しながら、そこに行きながらやっぱり出ております。聞けば、毎月自民党の場合は全国区一人当たり一千万ずつ供給されているとも聞くわけですね。あなた総裁ですよね。ですから、そういう点からもっと自重していくべきじゃないでしょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 全国区候補に自民党が一千万円ずつ供給するなんていうようなことはこれはありませんから、それは誤報でございまするから、ひとつよくお調べの上、ひとつまた御質問なり願いたいと思いますが、毎月一千万円も出しておると、そんな豊かな自民党財政ではございませんです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 レセプションの方はお続けになりますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは続けたいと思ってます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ですから、選挙制度とか、あるいは個人のモラルというよりも政党自身も改めるべきじゃないでしょうか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあレセプションぐらいなことはどうでしょうかね。藤田さんだって選挙運動で金がかかる、いろんな資金を集められておるんじゃないかと私は想像しますよ。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そんなことない。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) なければ私の間違いでございますが、しかし個人が幾らかの金を持ってきてパーティーをやりましょうと、これまで押さえる、それはあんまり窮屈な行き方じゃないかという感じがしますかね。私はパーティー方式の資金集め、これぐらいはひとつ御了承願いたいと思いますね。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、了承はできません。それはいかにも大きいですよ。各企業が相当なこれは負担です。社会党の場合は、当選いたしますと毎月党本部に選挙資金として積んでおります。それからさらに個人として積むようにしております。ですから、その辺は事情が全然違います。  日米首脳会談ですけれども、軍事面ではなくて経済的日米協力ということで特にASEANを注目されつつ御発言がございましたが、これは従来とどういうふうに具体的には変わってまいりますか。総論はあるけれども各論はないという評もありますが、今度の首脳会談の声明書はあれだけのものだと、しかし私はそこまで過小評価したくないと思うので、今後経済関係についてどのような協力をしようとするのか。具体的にこの予算にも盛られているもの、これ以上どうなるのか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 率直に申し上げますと、ASEAN諸国は福田新政権に対しまして大変関心を持っているんですよ。と申しますのは、四年前になりますか、田中首相がASEAN諸国を訪問した。あのときいろいろ事件があったことは御承知のとおりです。あの後余り深い接触がこれらの地域との間になかった。私はその状況を見ておりまして、大変これは残念なことだなあと。何と言っても日本の国はアジアの国々と世界各国の国々とは違った特別の関係のある国だと。   〔委員長退席、理事中山太郎君着席〕この国々との間に深い接触を持つこと、これは日本の政治の任務であり責任であるというような感じを持ちながらこの成り行きを見ておったんですが、今度私が日米会談を持つということになりますと、ASEAN諸国から福田さん、ASEAN諸国からアメリカがひょっとすると手を引くというようなことを考えておるかもしらぬ、大変心配だと。ぜひひとつアメリカのプレゼンスとこう言いますが、関心をひとつここで喚起しておいてもらいたいという要請が相次いでまいっておるんです。私はそのことをカーター大統領にも申し上げた。カーター大統領は、私の方は決してアジアから手は引きませんと、そういうことでございますが、私といたしますと、これはアジア諸国の中で自立の考え方のない国、これに対しましては、これは手のつけようがありません。ありませんけれども、みずからの努力によってみずからの国をりっぱな国にしたいという国がありますれば、求められた場合にはこれに協力をすると、こういう姿勢を打ち出したい、こういうふうに思っておるんです。積極的にひとつそのことをやってみたいと、こういう考えである。その点が違うと言えば違うわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まだ声明以上の何ものもないと理解していいんですか。これから予算的にもどうしようかという段階であって、内容がカーターとの間にどの程度までと、あるいは事務折衝でどの程度までという、援助にいたしましてもその他の有償にいたしましても、その辺はどうなんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 内容的にどうこうというところまでは私はまだ考えておりませんけれども、そういういままでとは違った積極的な精神でこれらの国と接触をする。接触をする間に具体的ないろんな問題が出てくると、こういうふうに御理解願います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 カーター大統領を招待する、これは結局実現はしないだろうと伝えられておりますね。それがいつごろ実現するのか。  それから常任理事国についてもそれは言うだけであって、実際には前から言われていたことなんですが、常任理事国に現実に就任するということは、それはそう簡単なものではない。しかし、この二つについては現実性についていかがです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) カーター大統領の訪日は、ことしは私はむずかしいと思うんです。しかし来年、再来年になりますか。まあ来年ごろは私はこれは実現するんじゃないか、こういうふうに思います。  カーター大統領は私に、ことしはロンドンの首脳会談、これに行くだけにしたい。しかし日本にはなるべく早く行きたい、こういうふうに申しておりますので、これは実現性があると、近いうちにある。  それから、常任理事国への日本の参加問題、これは私は時間はかかると思うんですよ。そう簡単に実現できる問題じゃない。しかし、だんだんだんだんと私は世界の世論というものが日本は常任理事国たるべきであるという世論が高まってくると思います。その世論の高まりとともにこれが実現をされる時期になると。ただそれにはかなりの時間がかかる問題であるということだけは私もそういうふうに見ております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 大統領の方は的確性がある、確実性があって、まあ来年だろうと。来年ということになれば日本の政治日程もありますね。参議院選挙は七月にはあるでしょうけれども、およそいつごろという心証を得られているのか。  もう一つは、時間がかかると言われますが、常任理事国というのはそう簡単で私ないように思うです。しかし、この福田内閣中には実現いたしますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 福田内閣中にカーター大統領を迎えたいし、福田内閣中にわが日本国が国連の常任理事会に参加することになりたいと、切に私はそういうふうに希望しています。

藤田進日本社会党

○藤田進君 相当長くやらないけませんな福田さん。  自由と人権問題も触れられて、これにはソビエトからかなりの批判も出ていたように思いますが、それにいたしましても、韓国の金大中氏拉致事件、まあ今日、国家機関であるKCIAのこれは犯罪であるということは、もうほぼ明確になっていると思います。そう思いませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私もそれを法務当局、また警察当局に聞くんですがね、そう断定できる証拠がないと、こう言うんですよ。それに対して、私は証拠を示してこうあるじゃないかというだけのまた私も証拠を持っておりません。いろいろうわさはありまするけれども、実際はそういう状況でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは民間の追跡調査をいろいろやって、どの機関がやっても一致している。名前も出ているし、ホテル・グランドパレスから大阪まで連れていくいろんな経路から合致するんですね、どんな民間調査でも。それから現に、同僚議員が後でまた質疑をするでしょうが、アメリカにおける諸般のその衝に当たった諸君の発表から見ても、動かしがたいものが出てきている。それを福田総理、まだどうも証拠がない、証拠がないと言って逃げるところに——これもっと証拠があるのかないのか、これまた調べるべきです。一国の主権国家として、かようなことが許されていいんですか。私はそう思う。しかし、あなたの言うには証拠がない。金東雲については指紋があったがといったようなことだったように思いますがね、これはやっぱり徹底的に調べる必要はありませんか。   〔理事中山太郎君退席、委員長着席〕

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それはそのとおりでありましてね、調べる必要はあるんです。しかしまだ証拠はない。調べるために警察当局なんかは二十何人ですか、まだ捜査員を置きまして、その捜査に当たっておる。こういう状況なんでありますが、いろんな人がいろんなことを言いますけれども、しかし、私は一国の総理大臣として、捜査当局、警察当局は証拠がまだありませんと、調査をしておりまするけれども、まだ挙がってきませんと、こう言っている以上、あなたが何とおっしゃろうと、それを肯定するわけにいかぬ立場にある。これは切に御理解願います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その警察が、次々にもう転勤転勤で、やる姿勢じゃありませんじゃないの。兵庫県では警察署長が、いま問題になっている結婚式に行ったり、記念品をもらったり、こういう事態さえ出てきておるじゃありませんか、聞いておりませんか。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) もう一度藤田進君、総理がちょっと聞き損じたようですから、どうぞ。

藤田進日本社会党

○藤田進君 都合の悪いときには聞いておらぬで……。  それはあなたが、もっと調べる姿勢になってもらわなきゃいけませんのは、警察が徹底的にやっているような表現ですけれども、警察捜査陣というものは、もう異動、転勤で一貫性はないんですよ、いますでにやる気はないんだ。もう一つは警察署長があのボートを提供したと言われる確定的なものがある。それから記念品をもらったりして、とうとううやむやにしているんですよ、これは。その後アリバイ問題が出ているんです、知りませんかというのです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 多少は聞いておりますが、警察当局は熱心にこの捜査に当たっておると、こういうふうに申しておりますので、何か私の言うことがどうも信用できないというならば、国家公安委員長の方からじきじき申し上げさしていただきます。  また、兵庫県の警察署長のことは新聞では見ておりまして、まことに遺憾なことである、かように存じております。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 警察の当局といたしましては、この金大中事件が外交的にはすでに決着済みである、また、容疑者が日本の国内におらない、そういう悪条件のもとにおいてではございますが、鋭意捜査を続行いたしておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは表面ここで言うだけで、みんなもう、マスコミもみんな調べている今日ですから、それはそらぞらしいことを言われてもぴんとこないですよ、みんな。それが福田内閣の姿勢なんでしょうから、残念なことで。事韓国になれば、ドイツはもっともっと多い七名でしたか、同じように拉致されて原状回復したじゃありませんか。日本は物が言えない、韓国に関する限りは。大使館の要員を調べてみても韓国は圧倒的に多いですね。アメリカに並ぶ、これ多い。これはKCIA中心でしょうが、韓国の場合は七十八名いますね。これ政府の資料なんです。七十八名と言いますと、こんな国はどこの大国を見てもない。ただ、アメリカの九十六名が例外にあるだけですね。そういうにもかかわらず、先般、閣僚の会議でも五・五%で二十年の借款供与をするなり、そうしておいて、今日二百海里問題がもうこれは避けがたい状態にあるわけですが、竹島については、ここにも来ておりますがなるほど文書の出しっぱなし。そうして、日韓条約は強引に採決してでも押し切って結ぶと。当時すでに問題はあったわけでありますが、これはもう少しわが国の固有の領土だとはっきりと歴代内閣は宣明して、福田さんもそうなんですから、竹島の解決については早急にこれを手がけていきませんと、今度は大きな漁業基地をここにつくるという発表を韓国はしておりますね。そして、むろん二百海里専管水域は、これ敷くでしょう。そういうことを座視してしまう。こういうことではならないじゃないでしょうか、これどういたしますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 竹島はわが国の固有の領土である、これは本会議でも皆さんに申し上げたはずです。したがいまして、領海十二海里の問題につきましても、固有の領土としての扱いをする、こういうことにしておるんですよ。韓国もまた同じようなことをしておる、つまり係争中の問題でありますが、わが国の立場につきましては、いささかも微動もしないという立場を堅持してまいりたいと、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 当時私、速記録を調べてみますと触れてもおりますが、韓国国会での日韓条約批准に際して李東元外務部長官は、一九六五年の八月五日、特別委員会で向こうは独島と言うのですか、独島はわれわれのものであり、われわれのものと日本は了解しており、したがって、ずっと佐藤、椎名を持ち出したけれども、顔を立ててくれと言ったけれども、これは了解しているんだと、韓国のものだと、こういう速記録——これは外務省から取った速記録ですが、これをどう思いますか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) ただいま先生御指摘の韓国の議会におきます議事録については、当時の日韓国会のときにすでに私ども承知しておったわけでございますが、その中にあります韓国はあの島を独島と呼んで、自分のものだと思っているという立場は、これは紛争でありまして、向こうの立場ですが、それに続きまして、そのことについて日本側の首脳が了解しているという部分につきましては、そういう事実がないということを当時から明確にしておりまして、私どもも、そういうことは絶対にない、しかるがゆえに引き続き紛争として継続しておると、こういうふうに理解しております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 じゃこれからどういう解決をいたしますか。これは海洋関係にも影響を持ちます。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 先ほど総理から御答弁がありましたように、日本といたしましては、これからの領海、あるいはいずれ二百海里の漁業専管水域ということを設定することになろうと思いますが、その際は、わが国の固有の領土であるという前提ですべて処理をしてまいる。それから現実に先方がこの日本の主権を侵すような行為のあった場合には、厳重に抗議を申し込む、このような粘り強い態度で臨むというほかはないわけであります。国際司法裁判所に提訴をいたして解決を図るというのが、一番望ましい姿でありますけれども、これには先方が応訴をいたしませんので、その道がないわけでございます。日本政府としては粘り強く主張を続けていく、こういう態度でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 粘り強くと言われても、外務省、まあ確かに抗議文を出しておりますね。その文書は全部、題目だけもらっております。しかし、既成事実はどんどんと積み上げられていくんです。  総理は竹島の様子を見られましたか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだあそこへ行ったことはございませんです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは抗議文になったあれですが、これは要塞もできております。これは読売の週刊誌。週刊誌だとばかにしないで、ひとつ……。それは初めてですか、見られたのは。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 初めてでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 外務大臣、どうです。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 週刊読売は初めて拝見しました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ほかはどうです。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 竹島のいろいろな状況は拝見をいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 何で見ましたか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) いろいろ作成した資料によって拝見をいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは外務省でですか。それを出してください。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 承知いたしました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 持ってきておるだろう。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 海上保安庁で作成したものを提出いたしたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは写真ですか、単なる文書ですか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) たびたび申しておりましたことでございますが、海上保安庁が竹島周辺でいろいろ状況を視察し、必要に応じて写真を撮影し資料を作成しております。それを私どもは報告を受けるごとに、それを根拠にいたしまして韓国側に抗議の口上書を突きつけ、また先方を呼びまして、わが方の立場を明確に伝える、こういうことをいままで繰り返しておりますので、もし写真その他の資料ということでしたら、そういうものを集めて御提出することができるかと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理、初めてだそうでまことに残念ですが、これほど問題になっている領土の問題、主権を侵害される問題、いまの写真を見られてどう思いますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) どうも変なことになっているなあという所感でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理として、韓国とは非常に親しい仲でもあるのだし、総理自身も。だからああいう事態を見て変なことになっているんだなあということでは、一国の総理として済まないんじゃないですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 厳重に抗議したいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これ、厳重抗議がもう——ごらんになってないでしょうが、大変なものがもう出ているんです。一向にそういうことが、抗議文などというものはもう実効はないんですね。ですからこれは紛争に違いない、紛争の場合には交換公文があると、日韓条約のときには述べてきたわけです。韓国の議会における議事録を見ると、竹島についての紛争はないんだと、ほか一般の紛争の場合を指している交換公文だという説明を向こうの外務部長官はしているわけですがね。しかし、だからわが方とは大きな食い違いがあるわけで、抗議文、一片の紙切れは何の役にも立ってきていない、これだけたくさん出してきているけれども。これはやっぱり一片の抗議文ではなくて、具体的にもっと外交折衝の俎上に乗せ、一般の援助その他についても、これらの関連において配慮を講ずべきじゃありませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今後粘り強く交渉をいたしたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 抗議文から交渉ということで、その点を認めますが、これはいわゆる閣僚ベースですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 閣僚ベースになりますか、事務ベースになりますか、その辺はまた外務当局にしかるべく考えてもらいます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いま外務大臣、総理の方針は聞いた、やはり折衝する、交渉するということですが、閣僚ベースになるかどうなるか、外務大臣の方で考えてもらうんだということですが、どうなんです。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 日韓では定期協議の場もございますので、その際にも問題として提起したいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 この間、竹島問題を俎上に乗せると報道され、われわれそうだと思っていたが、何ら触れていないじゃありませんか。触れましたか、竹島問題。この間、韓国外務大臣が来てあなた会われた。この問題を出すんだという事前報道もあったわけで、ところが結果を見ると何も出てない。いつ外務大臣と会って交渉しますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 先般朴外務部長官が見えましたときに、前にも私はその問題を提起するとは申し上げてはおりません。先方から提起があった場合には、強硬に申し入れるということを申しておったのでございます。それはなぜかと申しますと、この領海の十二海里の問題が出まして、そして福田総理大臣が国会におきまして発言されたこと、これは日本は竹島を含めて十二海里をやるのだ、こういうことを総理が言明をされた。それに対しまして、韓国側はそれはけしからぬということを申しておったのであります。ところが先方が見えまして、その点の申し入れがあるかと思いましたが、その点の申し入ればなかった。したがいまして当方からは申さない、こういう態度をとったわけでございまして、そういうことで、先般そのようなことを私は先方が切り出した場合には、当方も強硬に申し入れをする、こういうことであった次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 韓国はすでに写真でもごらんのように、外務省は資料をつくっていれば、それでもそう違いはないと思う。いわばわが国固有の領土であるという、そこに要塞らしきもの、さらには伝えられているところによると漁業基地をつくる、わが国の漁業者自身近寄れない状態になる。ですから総理は、外交折衝いたしますということなのですから、この点は向こうから言い出せばというそういう姿勢ではなくて、積極的にこれが円満な解決を図るように努力をしてもらいたい。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 御趣旨はしかと承っておきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いやいや、承ることはもう承っているのだから、それでいいのだけれども、総理は外交折衝でこれを交渉させるということをいま言明されたわけなんですから、それを受けてやはり外務省は行動に移るべきですよ。それをおやりなさいと言っている。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 外交交渉をいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 首脳会談については、これから先の発展を見なければなりませんが、大きな荷物はないということですけれども、軍事面ではなくて、経済面についての協力とおっしゃるが、今日の軍事面というのは、国を挙げての経済関係が大きな負担を持つわけであります。軍事面と経済面が、広義に解釈して、これは分離できるものではないと思うのです。したがって経済援助につきましても、そういった武器の移動等にも触れられているだけに、十分ひとつ平和的な経済援助ということに留意していただきたいと思います。いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御所見のとおり処置いたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いま冒頭に申し上げましたように、国民の世論調査でも明らかになっているように、物価あるいは景気対策ですね、これは衆議院、参議院、いままで通じてそれぞれ委員の方からも触れておりますが、私はこのいまの予算で、いまの公共事業の規模なりその内容から見て、これが倉成経済企画庁長官の言うように上向いている、これは包括的な数字はそういうことも言えるでしょうが、しかし実態はそういう状態になっていない。したがって、午前中も総理は適当な時期にという前置きで、予算についても考えるということですが、私はこのまままいりますと、さらに倒産、失業者がふえてくると思う。二月が千百二十企業ですか、累進しているように思うのです。このまままいりますと連鎖倒産を含むし、まあ少なくとも四、五月、五月危機というものを迎えるような気がしてなりません。まあ繰り上げ発注するなりということのようですが、一方インフレの問題もありますし、これはだれがやってもそれはやっかいなことはわかっておりますが、しかし、もっときめの細かい施策というものを必要とするんではないだろうか。福田総理、企画庁長官のときに物価問題を中心に総需要の抑制と大きな網をかけたのはよいが、きめが粗過ぎたです。したがって、これから先の経済政策についてもきめのもっと細かい施策を必要とするのではないだろうか。  たとえば、造船が今度陸上に上がってきます。中四国の架橋でも大体造船会社が受注するんじゃないですか。一つの橋梁を二社で半分ずつといったような発注の仕方のようですね。こうなってくると、中小の鉄骨産業というものはほとんどおしなべて倒されて、企業倒産に追い込まれてしまう。いまきゅうきゅうとしております。陸上へ上がってくる。それから自動車関係も、いままでかなりよかったですけれども、しかし、これから先の見通しはきわめて暗い。これは参議院も現地調査いたしました。そういうことでありますから、そういった弱い層に対して包括的政策で数字をもてあそんでみてもこれは仕方のないことで、もっともっときめの細かい施策ということに重点を置いてもらいたい、重点をですね。いかがです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いまのわが国の経済情勢は、これは世界の中でもいい方なんでございますが、実際は私は、一つ一つの企業をとってみると非常に苦しい状態にあるのじゃないかと思うのです。つまり、石油ショック後、とにかく三年の不況状態と言っていいんじゃないかと思うんです。総体とするとこれは上昇過程をたどっておりまするけれども、その企業の中にはばらつきが非常に多うございます。いまお話しの造船企業なんていうのは、これはもう本当に構造的な改革を要するような状態に追い込まれている企業でございますが、その他にも若干のそういう種類の企業があるんです。普通、不況というと半年か一年で大体これを脱出できるんです、つまり、景気循環過程の不況というのは。今度はそれはそうじゃないんです、三年余り続いているんですから。ですから、いま私は、景気は全体とすると上昇過程にあると思うんですよ。これは非常に微弱です。微弱でありまするけれども、とにかく三年続きの不況の後でありまするので非常にくたびれておる。そこで、倒産現象とかそういうような現象が出てくる。そこで私は、微弱ながらも上昇過程にはあるけれど、もう少し力強い上昇に転じせしめるためのてこ入れを必要とするんだと、そういう認識を持っておるわけなんであります。  そこで、いま御審議願っておる五十二年度予算です。それから、それに先立つところの五十一年度の補正予算、これはまあ公共事業を中心とする景気対策のための予算という性格を持ちますが、この五十二年度の予算について言いますと、五十一年度の予算に比べまして公共投資は、これは実質九・九%の伸びを示すわけです。まあ輸出は私はそうは伸びないと思う。いろいろ障害が出てきておるし、世界もそう景気はよくない。まあ大体五%の伸びぐらいにとどまるんじゃないかと思うが、しかし、総平均すると六・七%ぐらいの成長率という見当をつけておるわけでありまして、この予算が早期に実施され、そしてこれが契約段階に移るということになりますれば、私は非常に活気づいた状態になるであろうと。そういう状態になりますれば、いま、きめ細かいというようなお話でありましたが、中小企業に至るまでその影響は波及していく、まあそういうふうに大局的には見ておるわけなんですが、お話しのとおり、きめの細かい配慮をしなけりゃならぬということにつきましては、さようにいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 昭和七、八年ごろ総理は大蔵省でしたか、どこでしたか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大蔵省でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 の何でしたか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 七、八年でございますか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ええ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 七、八年というと、ロンドンにおりまして財務官のお手伝いをしておりました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 御承知のように、昭和五年ないし八年の世界大恐慌、かなりパニックの状態になりましたが、近代、地球上の国家間においても、特に日本の場合、かなりこれは問題の多い、そうしばしばない事態に直面していると思うのです。当時昭和七、八、九、三年間にわたって特に、当時二十億程度の国家予算ですけれども、時局匡救土木事業、これは町村道中心にやっていきました。かなりそれが今日ある程度の産業基盤の造成にもなっておりますがね。公共事業にいたしましても、そういった生活中心公共事業といいますか、もっと末端に浸透する、はね返りが直接地域社会にもたらされるというものを重点に予算補正するなりしたらいかがなものです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、昭和七、八年ごろの時局匡救事業、あのことは承知しておりますが、あれは要するに公共事業なんです。今日私どもが御審議願っておる五十二年度のこの公共事業なんというのは、あの時局匡救事業なんかに比べると、それはもうとてもとても比較にならないくらいな大規模のものです。わが国の公共事業は、公共事業の量から言いましても、あるいは国民総生産——GNPの中における地位から見ましても、いま最大の規模のものなんです。それを実行する、そうしてしかも、その七割というものを上半期にこれを契約をしようというのですから、これは私はかなりの規模の影響を持つであろう、こういうふうに思うわけであります。私は、この体制でいきますれば日本の景気は上向きに転ずるし、もし万一それでも足らぬということがあれば、そのときはそのときで適当な対策をとる、そういう考えでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは予算規模というよりも内容ですね、大型プロジェクト中心にというのじゃなくて、もっと普遍的なものをおやりになったらどうですかと言うんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その考え方は私も同感でございまして、大体地域的な関係ですね、それから北海道だとか東北だとか、寒い地帯でありますからそういう配慮でありますとか、それからなるべく実施上中小企業のもとにその配分が届くような配慮だとか、いろいろなきめ細かい配慮をしておるのです。しかし、たとえば高速道路もやりますよ。やりますが、これとてもこれを放置しておくわけにはいきません、これは過密過疎というような問題を解決する上において重大な作用を持つわけでありますから、そういうものもやりまするけれども、全体の心構えといたしましては、なるべく国民の生活に直結するようなものを、しかも、先ほど申し上げましたような地域的配慮あるいは中小企業への配慮等も加えながらやっていく、こういう考えでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 一連の政治不信を除き、経済の打開、インフレの抑制と同時に、これだけでは私はやはり購買力がそんなにふえないと思うんです。非常に貯蓄率が、通常の場合国連統計を見ても、ずば抜けて日本は貯蓄率が高いが、二割二分前後、不況になって二割五分ぐらい伸びているという奇現象を貯蓄率は示しておりますね。この原因をいろいろな人に直接当たって聞いても、総括的に言えば、先行き不安ですよ。これはやはり今日社会福祉の概念はかなり広くなりましたが、その広くなった社会福祉の概念をそれぞれ予算的にも強化していきませんと、国内消費というものはそれほど喚起されないと私は思います。ことしは残念ながら福祉関係の伸び率が非常に低かったわけですが、これは早急に再検討されたいと思うんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ことしの最大の課題は、これは景気問題、これは藤田さんも先ほどから御心配になっておる問題ですがね、でありまするものですから、公共事業の伸びが一番大きくなります。しかし、ことしの予算が一七%も大きくなる、ふえる。その原因は国債費がふえちゃう、それから地方交付税交付金がふえる、この二つの特別の要因を除きますと予算の伸びは一三%何がしなんですよ。その中で社会保障の予算は、これはもう一七・何%という高い伸び、それくらいの配慮をしておるんですが、何か社会保障に配慮しない、しないというようなことを言われますが、よくこの予算をごらん願ってひとつ御理解を願いたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 あれでいいんだという、まあ予算審議の課程ですからね、間違っていたということは言えないでしょうが、私は購買力喚起の意味で、先行き不安を除去するという観点から、やはり赤字国債発行のみぎりではあるけれども、十分配慮しなきゃならぬと思います。  したがって問題は、税制改正の問題ですが、いま大蔵大臣はあいまいな御答弁でございましたが、主税局長は大蔵委員会でかなりはっきりしたことを言っておりますね。これはやはり第一段階としては不公正な税制、これは五十三年度に手をつけると衆議院では決まったようですが、これを徹底的に洗い直しをする、これが第一ではないでしょうか。そうして、財源はそういったところから求めれば、私どもの試算でもかなりのものが出てきます。どうです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申します。  不公正税制を、これを公正化する、是正していくということは、私はもう最も大事なことだと、もう全く御意見に同感でございます。そこで、これをどういうふうにやっていくかということでございますが、一兆円減税の御提唱に際しまして、野党の各党全部が一致されておったわけではございませんけれども、不公正税制についていろいろの点を指摘なさいましたが、そういったようなことにつきましても、中期税制としてそこらの点も十分これを野党の皆さん方の御提唱になった旨を承りまして、そうしてできるだけそういったような趣旨が、これが実現するように検討をしていきたいと、かように考えておりますが、いずれにいたしましても、具体的に今日これをどうするんだと、こういったような段階には到達していないと。これは非常に大事なことでございまするので、そこで税制調査会において真剣にひとつ討議をしていただいて、その結果できたものというものにつきましては、何にいたしましてもこれは国民の皆さんに選択をしてもらうということ、すなわち、国会で審議して決めていただくということにしていきたいと、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ特に税制関係並びに諸般の懸案について与野党が総理、対立して、参議院ではしばしばあったことですが、委員会では政府原案否決、本会議で原案に戻ると、衆議院もこの間地方行政委員会でございました。そういう一連の問題については、できるだけ与野党話し合って、歩み寄りを持って、そうして修正すべきは修正するということが必要であろうかと私は思います。どうもその点が欠けている点にも政治不信が出ております。今度の、一兆円減税にはなりませんが、これは結果的にはかなり評価があるように私は思います。金額は少なかった、三千億上積みですけれどもね。ですから、それらについてもっと話し合いの政治ということで、税制、もう来年度もぼつぼつ作業に入りますから、予算編成も入りましょう、この夏には、やったらいかがでしょうか。そうして、野党がこぞって毎国会提案している原爆援護法についても、かたくなに考えないで内容は相談したらよろしい。援護法の制定についても、具体的に申し上げれば話し合ったらいかがです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はもう、協調と連帯ということをくどくどと言っているわけですよ。さらばこそ党首会談もやっているじゃありませんか。その党首会談の皆さんの御要請、一兆円減税というのを受けて三千五百億減税、これを原案として提出したじゃありませんか。またさらに、審議過程におきましても、皆さんからの御要請もこれあり、与野党間の合意、これを受けて予算修正をするということにもしておるわけなんでね。ですから、私は今度総理になったからそう言っているんじゃないんですよ。協調と連帯こそは、これはもう社会のあらゆる面の行動原理でなければならぬ、こういうことなんで、まあ今後とも話し合いで皆さんの御理解——しかし、皆さんといえとも、おれらが言うことを聞かなければ承知しないというんじゃなくて、ちゃんと政府の言うことも正しく御理解願って、そうして連帯していただくと、こういうふうにぜひしていただきたいということを念願いたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 原爆援護法です。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 何ですか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 原爆援護法を話し合いませんかと言って聞いたのです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 原爆援護法の問題、これも政府としては年来、非常にむずかしい問題だというふうに考えておるのです。そのむずかしいゆえんのところも野党においてもよくお考え願って、そうして最後的な結論を得るというふうにしていただきたいと、かように存じます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 話し合ってまとめるという趣旨ですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 協調と連帯ということは、お互いに話し合いをし、そして話し合って決まったことにつきましてはお互いに責任を持つと、こういうことだと御理解いただきたい。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それから、独禁法についてもすでに与野党一致の案ができている。これは歩み寄りの所産ですね。これが三月の下旬に提案すると政府資料を見ますと出ておる。もう三月下旬ですね。これはどうなりますか。五月二十八日ですか、この国会は。延長はもうきかないんじゃないでしょうか、参議院選挙でね。これはまた流れるんじゃないでしょうか、ただ提案しただけにとどまる、三木内閣と同じわだちを踏むように思います。連帯と協調、すでに協調され一致しているものがある、衆議院は通過しているものがある、これはこれでお出しになったらいかがです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、独占禁止法につきましては多年のこれは懸案なんです。そこで今国会におきましては、何が何でもこれはもうここでおしまい、決着を得たいと、こういうふうに考えておるわけなんです。しかし、この決着を得るためには、やっぱりあのいわゆる五党修正案というものがこれは成立するに至らなかった、あの経緯も考えてみる必要があると、こういうふうに思うのです。あれは参議院段階で、衆議院は通過したが参議院段階になりましてこれは自由民主党の中で反対があった、その関係で成立しなかったんです。今度はぜひ成立さしたいんです。それには自由民主党のこれは挙げての協力がなければならぬと、そういうふうに考えまして、いま私は精力的に自由民主党の中の意見調整を急いでいただいておる、こういうわけでありますが、その間におきまして野党の皆さんとも話し合いをするようにというふうに要請をいたしておるわけなんです。かなり私は連帯と協調というような考え方でこの問題の作業は進んでおると、こういうふうに見ておるわけであります。まあ、そういう経過をたどりながら、四月なるべく遅くならない時期に政府案として提案をいたし、この国会においてはぜひ成立をさしたいと、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは自民党の中における事情なんですから、これはやっぱり自民党で当時きちっと調整をとられるべきであったと思うんです。法案の運命を、ついにそのために廃案ということにしてしまったわけで、独禁法の内容、あるいは同和対策事業特別措置法、すでに期限がやってまいりますが、昭和四十四年。予算関係にも関係を持つわけですが、この延長等含めてどのように考えておられるか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まず、独占禁止法はぜひこの国会で成立さしていただきたいと思います。  それから、同和の法律につきましては、たしか十年の期限だったと思いますので、昭和五十四年ですか、四年に期限切れになるんです。かなりあの法律は忠実に実行されましたと私は見ておるわけでございます。大変同和対策上効果があったと、こういうふうに見ておりますが、なお、五十四年の時点におきましてこれがさらに延長を必要とするかしないか、その時点におけるあの事業の進行状態を見た上で結論を出したらどうだろうと、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは総務長官が担当でしょうが、この昭和五十四年になって延長するかどうかではすでに遅いと思うし、同時に独禁法についての作業状況を知らしてもらいたい。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいま総理の方から同和対策特別措置の期限の問題で五十四年とおっしゃいましたが、あれは五十三年でございますから、修正をさしていただきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理の修正をするのか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) いま総理に断りましたから。修正さしていただくように。  御質問の、もう期限がそろそろ来るからどうするんだよと、こういうふうな御質問だと思いますが、ただいま総理が言われましたように、この特別措置の法案のでき上がったときの経過がございます。これは一応政府の提案の法律ででき上がったわけでありますが、実際は各党が話し合いをいたしまして、まあいわば議員立法というふうな形のものをつくって、その上で政府が提案をしたと、こういう経緯もございます。そこで、いまからまるまるまだ二年ございますので、この二年の間に各党とよくお話を申し上げた上で、そして、その上でどうするかを決めたいと、かように思っておる次第でございます。  独占禁止法に関しましては、いま総理が言われたとおりでございまして、与党を含めて各党が合意できるような案を現在作成中でございますし、まだ党内の手続は残っておりますから、今月の末というよりも来月の上旬ぐらいには御提案ができるというふうに考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 文部大臣、八ケ岳の、継承していくんだという答弁がこの間ありましたが、これ、八ケ岳というのはどういう意味ですか。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 八ケ岳といいますのは、永井前文部大臣が学校間格差の是正のときにたとえとして使われた言葉でありまして、富士の峰より八ケ岳という表現で私にも話されました。私は、その考え方といたしましては、一つのすぐれた学校があるよりも、その地方に特色を持った多くの学校ができることが日本の高等教育のあるべき姿としては望ましい、こういう御方針を私も私なりにそれがいいんだと、こう理解をし納得いたしましたので、この方針でやっていきたい、こういう答弁をしたわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いまの助成金関係は、年間の予算に対してほぼ五%程度だと思うんです。これはもう絶対額が非常に低い。そうして、その配分の基準というものがまあ八ケ岳流儀になっているんでしょうが、後発大学、私立学校というものはなかなか谷からはい上がれないという状態にあるわけで、したがって学生数を多くとる、教員数はできるだけ削減をする、そうして施設設備はなかなか強化されないと。むしろ私は、今日のこの配分の基準等を抜本的に改めて、もっとローカル、普遍な配分というものを考え直す時期に来ていると思う。百年の歴史を持つ非常に日本でも有数なところに補助金がしわ寄せされていくという、この資料を見ましても……。ですからこの際、もっと苦しんでいるところのレベルアップをするという観点から、補助金について抜本的な再検討に着手すべき時期ではないかと思いますが、いかがです。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国立大学の配分をながめてみますと、金額の上からいきますと確かに東京大学、京都大学に多くいっておるということが目立つわけでありますけれども、やはり開設以来十四の研究所を持っておりますということや、あるいは他の大学に比べて大学院に収容しております学生の数が非常に多いということ等もありましてそういう結果になっておりますが、一人当たりの学生数とか、あるいは専任教員に関しましては、これはきちんとした基準を設けて公平にやっておるわけでございます。  それから、先生御指摘の私立大学の問題でございますけれども、せっかくの御提案でありますが、ただいまのところ新しくできた後発大学に傾斜をするという制度は残念ながらございませんけれども、教育研究をなお向上させるために自主的に努力をしていただいておる新設大学には、それなりの配分を現在もいたしておりますし、また、夜間学部を設置したり、大学院を設置したり、通信教育等を設置しておる学校につきましては、今年度から特別助成の制度を行うようにして、鋭意その方向に向かっていくように配慮をいたしておるところでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それから今日、体格は、その伸びといい、すばらしいですが、足腰の弱い人間形成になってきておるんです。オリンピックその他、選手養成には熱を入れているけれども、一般的体育ということについてもっと力を入れる、そのためには号令をかけただけではどうにもなりません。したがって、体育に対する助成政策というものを予算とともに配慮すべきじゃありませんか。いま大学は通学に対して自動車で来る。で、これを禁止する、いろんな摩擦ができておりますが、確かに足が弱くなっているわけで、長期的な見地からも体育についてもっと一般的に、選手養成にとどまらないで、底辺を広げていく必要があるのじゃないでしょうか。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおり、体育に力を入れて知・徳・体の三者がバランスのとれた教育をしなければならないということは各方面から言われておるところでございます。特に私どもは、学校段階におきまして、義務教育は義務教育の発展段階においていろいろなことが必要だと思いまして、五十二年度は各県に六校ずつ体育推進のモデル校をお願いして、わずかですが予算もつけまして、そこでどういうことをやっていったらよりよくなっていくか、研究もいたしますし、先生御指摘の中には大学の方の問題も含まれておりましたが、大学のクラブ活動、体育活動というのに対してはできるだけその施設設備を充実して、大学生の自主的な活動がより行われるように予算措置等もいたしておるところでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、もっと具体的に体育についての助成はないと思います、一般的ないまの私学助成であって。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 私学経営費の助成金はこれは体育には関係ございません。そして私立大学がいま申し上げましたように、いろいろ体育館等を含む一般施設設備、それらをなさるときには、日本私学振興財団の貸付事業計画の中で五十二年度は四百七十五億円これを計上しておりますし、また特別施設費としては、たとえば山の家とか海の家というようなものを含むわけでありますけれども、これは今年度は九億円用意をして融資の計画対象にしておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあそういうことで借金ですが、これはいま銀行の方がむしろ有利なんですね。しかし、二年据え置きということで、私学振興財団のも借りて小学校いますが、これはやっぱり決して特別の助成の色彩は余りない。二年の据え置きぐらいですが、いま銀行でも二年据え置きぐらいで金利も安いです、その方が。これは再検討すべきじゃないでしょうか。

海部俊樹自由民主党文部大臣

○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃるとおり、二年据え置き、二十年返還の七・五%ということに相なっております。できるだけこれは有利な条件に変えて借りやすいようにしたらいいと考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは総理にお願いしたいのですが、いまの私は自由主義というよりも放任主義になっていまして、それはいわゆる計画経済を迫って実行しなさいと言っても無理だと思いますが、しかし資本主義政党であり、資本主義経済政策であっても、もっと緻密な計画性というものを持たすことがひとつ必要じゃないだろうか。非常にむだが多いです。われわれ国道二号線をいつも走りますが、大型トラックの空車がまあ三分の一はいますね。これは卑近な例ですけれども、かつては運転手二名だった、いま一名に皆削減しております。行くけれども帰りの荷物がない。そういう上り下りとも空車と荷物の車といったようなこと、交通事故も多い。これはやっぱりもっと計画性を持たせて——これは例なんですけれども、たくさんありますよ、物資の移動でも。同じ規格の物が、東北の物が下関に行く、いや宇部の辺の物が東北、関東に来るといったような非常にむだが多いです。規格は同じなんです。セメントだってそうなんです。こういうものに対して、もっと閣内それぞれ分担いたしまして、放任主義から計画性へと切りかえたらどうだろうかと、かように思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私もそう感ずることがずいぶんあるんですが、そういうことをするためには許認可制、これをまた強化しなきゃならぬ、こういうことがあるわけですね。それがまたいろいろな複雑な諸問題を起こしてくると、こういうこともありまして、さあ、計画性を持たせるということ、自由にしておくこととの間の限界、これがなかなかむずかしいんですが、やっぱりこれからだんだんだんだん世の中が窮屈になる、そういう際ですから、むだなことのないように、つまり重複投資ですね、それが国民経済全体としてないような配慮ですね、これはすべきだと思います。まあ非常にこれは具体的適用になるとむずかしい問題ですが、できるものはそうしたい、かように考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それから行政に対する縦割り行政の非常な非能率というか、不便さというか、これも例を挙げなきゃなりません。私も先般まで環境公害特別委員長をしておりました。全国からやっぱり町長さんとか議一長さんとか関係者が訴えるのは、取りつく島がない。いま救急病院がああいう事情ですから、なかなか救急患者はたらい回しでとうとう死んでしまったと。これと同じことが他の行政にもあるんですね。たとえば、まあ卑近な例を言いますと、広大が今度東広島市に移転して国土庁傘下の地域振興公団ですか、これが着手しておる。これは地域下水も引くことになる。したがって、下流地域はさなきだに水源がないのに水を取られてしまってどうにもならない。じゃ応急措置で谷々にため池をつくって、そして当面の灌漑用水、あるいは上水、その他用水に供しようとして県庁に行けば県庁は関係ありませんと。中央に来れば建設省はこれは文部省でしょう、広大の関係は。文部省へ行けばあれは国土庁にお願いしております。環境庁へ行けば、うちは実施官庁でありません。もう全部はねつけられ、たらい回しをして取りつく島がない。先般も大挙東京へ来ましたがね。これらは一体、これはまあサンプルアップして言えば、これがティピカルな例ですが、全国各地にあります。どこも請け合わない。これは一体いまの制度でどこが処理すべきでしょうか。総理もわかりませんでしょう

田澤吉郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(田澤吉郎君) お答えいたします。  賀茂学園都市と関連の御質問だと思いますのでお答えをいたします。そこで、これは限られた国土を適正に利用し、あるいは均衡ある発展を図りまして、将来ともやはり国民が豊かで健康で文化的な生活を享受できるような地域社会をつくるということを目標にいたしまして、私たちはどうしても首都圏の整備をするほかに、地方都市の整備というものを図らなければならない。そうして人口の定住化構想というのを進めているわけでございますが、そういうような点から申しまして、やはりこの学園都市等をつくってまいるわけでございますが、そのためにはいろいろ水の問題だとか、あるいは公共事業の関係だとかというものはございますけれども、私たちは、国土庁はその調整の役所でございますので、いわゆる縦割りのいろんな弊害のないように調整をして、あるいは関係官庁、あるいはまた地元の広島県なり、あるいはまた東広島市の方々といろいろ打ち合わせをしで、そういうようなことのないように十分努力をしてまいっておりますが、今後も十分その努力をしてまいりたいと考えております。

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 藤田君、もう一問だけにしてください、時間が過ぎましたので。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、その国土庁がもう窓口でシャットアウトしているんです。ですから、それはまあ過去のことで、大臣としてはそうあるべきでないということなんですが、しかし、縦割り行政については再検討しませんと、これはもうにっちもさっちもならないじゃないでしょうか。当該地域じゃなくて、関係地域に関する問題ですから、下流部のですね。ですから、それは国土庁が全部引き受けてやるということであれば、その方が行った場合に末端まで、町長なんかはまあ係長か課長に会うのがやっとこさなようですよ。そこでだめだ、うちは関係ないと言うんですから、徹底さしてもらいたい、各省庁とも。

田澤吉郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(田澤吉郎君) 藤田先生の御意向を体して、今後とも十分努力をしてまいりたいと考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 終わります。(拍手)

小川半次自由民主党

○委員長(小川半次君) 以上をもちまして藤田進君の質疑は終了いたしました。  次回の委員会は、二十八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十一分散会

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