法務委員会 第11号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/06/07
会議録
○委員長(田代富士男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 宮崎正義君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田代富士男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に白木義一郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○寺田熊雄君 まず警察庁の警備課長にお尋ねをしますが、前回の成田空港事件に関する私の質問に対して、警備課長は、東山薫さんを警察官がガス銃で水平射撃をしたことがあるかどうか、その問題に関して、一週間か二週間たてば報告ができると思うという御答弁だったけれども、その後この点の調査ができたかどうか承りたいと思います。いかがですか。
○説明員(若田末人君) 御質問のとおりに、せんだっての当委員会におきまして、詳細のわからない点について調査して報告するようにということでございました。御質問のとおり私はお答えをいたしたと思っております。 で、千葉県警におきましても、鋭意調査をいたしておるようでございますが、何しろいろいろ混雑した中のことでございますので、まだ十分確認されてないところもあるようでございますが、その後被害者の両親からの告訴もありまして、現在、客観的な立場で千葉地方検察庁におきまして事件といたしまして鋭意捜査をされておるということでございますので、私ども調査をした点もございますけれども、何か聞きますと、本日現場の検証も行われるやにも聞いておりますので、現在捜査中でございますので、いろいろ私ども調査した点もございますが、ここでの御説明は差し控えさしていただきたいと思います。
○寺田熊雄君 まあ純粋の法理論で申しますと、検察庁の調査は調査として、警察庁は自分の部下がしたことだから、警察庁は警察庁なりの調査というものがあっていいはずなんですね。だから私としては、警察庁がよく部下を掌握して、その事実を確認して、それを私の方に報告してもらいたかったんだけれども、いろいろ警察庁の方の事情を承ると、どっちかというと検察庁の捜査に待ちたいということだから、この際は警備課長の言うことを聞いて、私もこれ以上追及しませんけれども、本来はやはり警察庁は警察庁なりの調査というのがあるはずだから、それをありのままに報告してほしかった。それを報告できないと言うと、何かやっぱりそこに、まあ率直に言わしてもらうと、後ろ暗いことがあって報告できないんだという疑いを受けても、これはしようがないことになる。私はもしも本当に何か過ちがあるならば、その過ちを率直に認めて、その事実をありのままに公表してほしいという希望があるわけです。これはあなた方上層部が事実を隠しているということはないと思うけれども、あなた方に行くまでに、パイプが詰まってあなた方に届かないということはあると思うから、この点は鋭意ひとつ調査だけは続けてほしい、その決意をちょっと述べていただきたい。
○説明員(若田末人君) お説のとおりでございまして、私どもも独自に真相を究明いたしたいと思っております。そして、このことにつきましては、検察庁において鋭意捜査は進められておりますので、私どもの方から、私どもの方で調べた事実につきましては、率直にお答えをするようにいたしたいと思います。
○寺田熊雄君 それでは、警察庁に対する質問はこれだけにしまして、あとは法務省の方にお尋ねしたいんですが、東山薫氏の死因に関する千葉医大の鑑定書は、報道によりますと、すでに千葉地検に提出せられたと聞いておりますが、これはいつ提出になりましたか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 報告によりますと、五月三十日に出ておるようでございます。
○寺田熊雄君 新聞報道によりますと、その鑑定では東山薫氏の死因は、後頭部に対する円筒形の滑らかな物体が直撃して起きたという結論になっているというふうな報道がありますが、この報道は事実と承ってよろしいでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 鑑定書の内容につきましては、検察当局は、捜査の中の重要な一部でありますので、一切外部へ発表しておりません。一部の新聞に、どこがニュースソースかわかりませんが、お尋ねのような趣旨の記事が出ておったことは私も承知しておりますが、鑑定書の内容につきましては、一番微妙な捜査上の問題でもございますので、いましばらく申し上げるのを御容赦願いたいと思います。
○寺田熊雄君 そうすると、発表はちょっといたしかねるという御答弁だけれども、その東山薫氏の死因が新型ガス弾の直撃によるのかどうかという、そういう事実はもうすでに検察庁は把握しておられるんでしょうか、まだあるいは把握してないんでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 一般論にわたりますけれども、学者の方による鑑定書の内容と申しますのは、多分に抽象的な内容に常になるわけでございまして、その抽象的な学者の判断とそれから客観的な諸状況、これとを結びつけることによりましてある程度の加害容器と申しますか、がしぼられてくると、こういうのが一般的な鑑定の解釈だと思います。で、そういう意味におきまして、現在千葉地検では、その鑑定の内容とそれから東山さんが亡くなられたあたりの具体的状況、こういうものをにらみ合わせつつ、死亡の原因となった傷を発生させた物体が何であるかということを鋭意詰めておるところでございます。
○寺田熊雄君 そうすると、そこの断定的な結論も、いまのところはまだ出ていないと承ってよろしいですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) ある程度しぼられてきてはおりますが、ただ、断定するには至っておりません。
○寺田熊雄君 前回私が、これは警察庁の方に質問した結果によりますと、当日、成田に出動した警察機動隊が携帯した新型ガス弾は、二丁である。しかし、千葉の警察機動隊に配備されている新型ガス弾は三丁であるという答弁に接したわけですが、そうすると、新型ガス弾を所持した警察官というのはおのずからしぼられざるを得ないですね。この警察官についてはもうすでに取り調べは終わっているでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) お尋ねの前段の新型ガス銃が千葉県警に三丁あり、当日、現場付近で活動したのが二丁であるということは、私も前回警察からの報告を伺っておりまして承知をいたしております。丁数が少ないということになりますと、当日持っていた人がおのずから判明するわけでございます。新型ガス銃が原因だとすると、それを発射した可能性のある人というのは、おっしゃいますように、きわめて限られた数になるわけでございます。当然、鑑定書の結果と諸般の状況等を勘案いたしました結果として、そういうようなものが死亡の原因をなしておるということになれば、真っ先に調べなければならぬものだと思います。しかしながら、現実に捜査の過程でどういう人を調べたかあるいは調べてないか、こういうことは、たてまえとして申し上げるのを御容赦いただきたいと思います。
○寺田熊雄君 まあ局長が言われるように、新型ガス弾による直撃が死亡の原因だとすれば、被疑者はおのずから特定されてくる。しかし、また逆に、ああいう混乱の最中だから、被疑者を隠そうとすれば、まあこれは警察庁がそういうことをしようとは万々ないということはわかるけれども、現地の諸君が同僚を隠そうと思えば、これは容易に隠し得ることですね。そこにおらなかったということを異口同音に言えば、これはきわめて容易にそれを隠匿することができるわけなんだけれども、その点警察庁の方はいま警備課長もできるだけ協力をする決意だということを言っておられるけれども、あなた方になされた報告によると、本当に現地のそういう警察は検察庁の捜査に対して協力をしておるんでしょうかね。それとも、まあ妨害をしているんだろうか。そういうことはあってはならないことだけれども、これはどうでしょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) 現地からの報告によりますと、千葉県警当局が全面的に協力してくださっておるようでございまして、そういう面での捜査が難航するという状況は全くないようでございます。
○寺田熊雄君 もしも警察当局が協力しないと、かなりベテランの検察官でも、この実態を把握するということはきわめて困難だというふうに私どもは見ているんですね。で、何びとを調べたかということは言えないにしても、大体警察官を何人あるいは空港反対派の人を何人、事情聴取を終えたかというようなことは、これは言っても差し支えないでしょう。局長、どうですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 事件が発生以来、地検も全力を挙げて捜査をいたしておりまして、現在のところ検事だけでも六名が東山さんの事件にかかり切っております。以来もう相当日数がたっておりますから、相当な取り調べその他の捜査をしておるわけでございますが、ただいまお尋ねの警察官とかあるいは反対同盟側の人を相当数調べておると思いますが、何人調べたかと、そこまでは報告を受けておりません。
○寺田熊雄君 それで、まあ私どもの常識では、刑事局の方は、ああいう事件については時々刻々報告を受けておられるというふうに見ておるんだけれども、刑事局長として、この事件で被疑者の特定はできるという自信をお持ちですか。それとも、困難だといういまの印象ですか。どちらです。
○政府委員(伊藤榮樹君) 必ずしも容易ではないと思いますが、特定しなければならぬと思いますし、それはできるのじゃないかと思っております。
○寺田熊雄君 大変力強い御答弁だけれども、それはいつごろまでに大体捜査を結了するお見込みですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 卑近な言葉を使って恐縮ですが、捜査は水ものとも言いますので、いつまでにというはっきりしためどを申し上げるわけにまいりませんけれども、事柄の性質上、なるべく早く結論を得たいと、先ほども申しますように、千葉地検程度の検察庁でありますと六人の検事を一つの事件にくぎづけにしておくということも限度がございます。したがいまして、なるべく早く結論を得るようにしたいと思っておりますし、また現地におきましても、そういう決意でほとんど不眠不休でやっておるようでございます。
○寺田熊雄君 被疑者の特定ができるという自信をお持ちだとすると、あえてもう言うことはないんだけれども、被疑者の特定が困難だというような場合には、これはまた別個な考え方がなされなきゃいかぬ。というのは、いずれにしてもこの事件は民事訴訟の提起というものは、これは免れがたいところだと私は思っていますがね。公判になれば公判記録というものは当然民事訴訟でも、その証拠としてこれを取り寄せすることは法律的に絶対可能になりますけれども、この民事訴訟の場合に、公判維持が、起訴が不可能な場合であっても、訴訟記録はやはり当然民事訴訟には、これはもう民事裁判所の取り寄せに応ずべきものだと思いますが、これは刑事訴訟法四七条のただし書きで交通事件等の場合には現実にあるわけですからして、この点については刑事局長としてはどんなふうにお考えですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 一般的に申しまして、民事訴訟を担当する裁判所から不起訴記録の取り寄せ嘱託がございました場合には、その内容を検察庁においてよく検討いたしまして、ケース・バイ・ケースでこれに応対をしておるわけでございますが、抽象的に申し上げますと、たとえばすでに亡くなっている人の供述調書でありますとかあるいは事故現場の実況見分調書等のように代替性のないもの、これはお出しをする、そういうような態度でずっと扱ってきておりますので、まあ非常に本件の問題については仮定の上に仮定を積み重ねたようなお尋ねでございますので何とも申し上げられませんが、そういう一般原則に従って判断されることになるのじゃないかと思います。
○寺田熊雄君 代替性がなくても交通事故の場合なんかはかなり協力してくださる検察庁があるようですが、いまの局長の代替性有無の云々の問題、死因に関する鑑定書はどっちに入りますか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 恐らく死体の解剖ということは一回しかできませんので、代替性のない方になるのじゃないかと思います。
○寺田熊雄君 私どもがこの事件を特に重く見ていろいろとお尋ねするゆえんのものは、やはり国家権力の行き過ぎというものは、これはどうしても是正しないと、いろんな弊害が出てきますから、それはきちっとしなければいかぬ。別段それによって新左翼の学生を有利にしようなんという気持ちは全くないので、ただお互いが憎しみ合い、エスカレートして殺し合うというようなことはもうどうしてもこれはやめてもらわなければいかぬ。そのためには国家権力の行き過ぎというものはどこまでもやっぱり是正していかなければならぬという趣旨に出るわけです。そういう国家権力、ことに警察官の権力の行き過ぎを是正する最大の担い手というものはやっぱり検察庁であり裁判所であるわけですから、いま検察当局非常に努力してくださっておりますけれども、きょうは大臣がいらっしゃいませんので政務次官にお尋ねするわけですけれども、やはりそういう高い立場からこの事件を、いろいろイデオロギーとかなんとかいうものを全く捨て去って、厳正、公平に捜査を続行していただく、いやしくもそれに対して干渉がましいことがあってはならぬと思いますが、政務次官いかがでしょうか。
○政府委員(塩崎潤君) お説のとおり公正、厳格なる検察の執行はもう当然の義務でございますので、その方向で処理いたしたいと考えております。
○寺田熊雄君 終わります。
○委員長(田代富士男君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(田代富士男君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 検察及び裁判の運営等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田代富士男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田代富士男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十八分散会