法務委員会 第2号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/03/15
会議録
○委員長(田代富士男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 本日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。 —————————————
○委員長(田代富士男君) まず、福田法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田法務大臣。
○国務大臣(福田一君) 私の所信表明を申し上げるに先立って、一言先般の衆議院予算委員会において私に対する戒告決議がなされましたことについて、発言を許していただきたいと思います。 私は、ロッキード事件は徹底的な究明を図らねばならぬと考えておるのでございまして、この件に関する議長裁定は、十分尊重すべきであり、貴重な裁定と心得ております。去る衆議院の予算委員会における私の発言が、議長裁定を尊重しないような誤解を与えたとすれば遺憾であり、今後十分注意をいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 法務行政の基本方針について、福田法務大臣からその所信を聴取いたします。福田法務大臣。
○国務大臣(福田一君) 委員各位には、平素から法務行政の適切な運営につき、格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。 私は、昨年末、はからずも法務大臣に就任いたしました。わが国の内外にわたりきわめて厳しい問題が山積しているこの時期に当たり、その職責の特に重大であることを痛感いたしております。委員長初め委員各位の格別の御理解と御協力を賜りまして、法務行政の運用に遺憾なきを期したいと存じますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。 本日はせっかくの機会でございますので、就任のごあいさつとあわせて、法務行政に関する所信の一端を申し述べたいと存じます。 改めて申し上げるまでもなく、法務行政の使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤ともいうべき法秩序がゆるぎなく維持され、国民の権利がよく保全されていることが肝要と存じます。私は常にこのことを念頭に置き、全力を傾注して国民の期待する法務行政の推進に努めてまいりたいと存じております。 以下、私が考えております当面の重要施策について申し述べます。 まず第一に、法秩序の維持についてであります。 最近の犯罪情勢を見ますと、おおむね平穏に推移していると認められるものの、公務員による汚職事犯が多発化する傾向にあり、近時、国あるいは地方公共団体の行政の最高責任者らによるこの種の事犯の発生を見ましたことは、まことに遺憾にたえないところでありますが、いわゆるロッキード事件につきましては、東京地方検察庁において、去る一月二十一日、同事件に関連してそれまでに判明した犯罪容疑のすべてについて処理を終わり、現在、公訴を提起した者の公判立証に全力を挙げているところであります。しかしながら、なお捜査本部を存置しておりますので、今後、本件について特段の事情の変化が認められる場合には、さらに解明のため必要な措置をとるものと考えます。そのほか、暴力団相互間における銃器使用の殺傷事犯が各地で発生しているほか、不況を反映した各種財政経済事犯が増加する傾向にあるなど、今後警戒を要すべき点が少なくないと思われるのであります。 私は、このような情勢に対処するため、検察態勢の整備充実を図り、適正妥当な検察権の行使に遺憾なきを期し、もって法秩序の維持に努めてまいる所存であります。 一方、立法の面について申しますと、まず、いわゆるロッキード事件再発防止策についてでございますが、その再発防止は、政府として方策を検討すべき範囲が多岐にわたりますので、関連する分野において、広範にわたり検討がなされるべきものと考えます。法務当局といたしましては、その方策の一部として、刑法における収賄の罪の規定を整備することを検討いたしております。また、ロッキード事件を初め国際的な犯罪の情勢にかんがみ、各国との間に逃亡犯罪人引渡条約を締結することが必要と考えておりますが、差し当たり日米犯罪人引渡条約について、引き渡し犯罪の種類の拡大を中心とした早急な改正を行うため、外務省とも協議して、その作業を進めております。 次に、刑法の全面改正につきましては、目下、事務当局において政府案作成作業を進めているところでありますが、刑法は最も重要な基本法の一つでありますから、広く国民各階層の意見を考慮しながら、真に時代の要請に適応した新しい刑法典の実現に努力いたしたいと考えております。 また、少年法の改正につきましては、法制審議会少年法部会において六年余にわたる審議が続けられた結果、昨年十一月、同審議会に対し差し当たり速やかに改善すべき事項につき中間報告が行われ、目下、同審議会においてこの中間報告をもとに審議中の段階であります。同審議会から答申がなされましたときは、その趣旨を十分尊重し、できる限り速やかに改正の実現を期する所存であります。 なお、犯罪被害補償制度の立法化につきましては、現在、事務当局において、諸外国の立法例やわが国の犯罪被害者の実態などについて調査、検討を行うとともに、補償の要件、範囲、額、手続等について、他の補償制度との均衡をも十分に考慮しながら、その具体的な内容を鋭意検討いたしております。 第二は、犯罪者及び少年に対する矯正及び更生保護行政の充実についてであります。 犯罪者及び非行少年の改善更生につきましては、刑務所、少年院等における施設内処遇と実社会における社会内処遇を充実強化するとともに、これら相互間の連携を一層緊密にし、その効果を高めてまいる所存であります。 そのためには、まず施設内処遇につきまして、創意と工夫を加えながら、被収容者個々の特性に応じた分類処遇を推進し、さらに、被収容者の生活環境の改善を図るとともに、社会復帰に役立つ職業訓練、教科活動等の充実を期したいと存じます。 なお、監獄法の改正作業につきましては、目下、法制審議会におきまして、順調に審議が行われているところでありますが、同審議会の答申を得た後、できる限り速やかに法律の改正案を提出いたしたいと考えております。 一方、社会内処遇につきましては、保護司、更生保護会その他の民間篤志家との協働態勢の下に、一層の保護観察機能の充実向上に努め、犯罪者等の円滑な社会復帰を図り、もって、犯罪のない明るい社会を建設するよう、今後とも格段の努力を払ってまいりたいと存じております。 第三は、民事行政事務等の充実についてであります。 民事行政事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大し、また、質的にも複雑多様化の傾向にあります。これに対処するため、かねてから種々の方策を構じてきたところでありますが、なお今後とも職員の増員を初めとして、関係法規の整備、組織・機構の合理化、事務処理の能率化、省力化等に意を注ぎ、適正迅速な事務処理体制の確立を図って、国民の権利、利益の保全と行政サービスの向上に努めてまいる所存であります。 また、最近の経済状況にかんがみ、株式会社の長期安定資金の調達を容易にする必要があるため、当分の間社債発行限度を引き上げるとともに、これに対応する社債権者の保護措置を構じるための法律案を提案した次第であります。 なお、強制執行及び競売の手続の改善の施策につきましては、かねてから法制審議会において検討されておりましたが、去る二月二十三日の総会において、強制執行法及び競売法を統合した民事執行法案要綱が決定され、即日答申がありました。目下関係局において法案の立案中でありますが、速やかに成案を得て国会に提出したいと考えております。 次に、人権擁護につきましては、人権擁護委員制度の一層の充実を図り、地域社会と緊密な連絡をとりながら、より効果ある人権擁護活動を推進するとともに、近時社会の各分野で、自己の権利のみを主張して他人の権利を顧みない風潮がみられ、日常生活の中にもこれに起因すると思われる人権問題が多発する傾向にあることにかんがみ、啓発活動の重点目標を人権の共存と定め、お互いに人権を尊重し合うという精神の普及高揚を図ってまいる考えであります。 第四は、訟務行政の充実についてであります。 国の利害に関係のある争訟事件は、近年、社会情勢の変化に伴い、依然として増加の傾向を示すとともに、その内容もますます複雑困難の度を加えておりますので、昨年には従前の機構を改め、官房訟務部を廃止して訟務局を設置いたしましたが、今後ともなお一層事務処理態勢の充実強化を図り、この種事件の適正円滑な処理に遺憾なきを期したいと存じております。 第五は、出入国管理行政の充実についてであります。 わが国の出入国管理行政の基本法である出入国管理令の制定以来、四半世紀が経過いたしましたが、この間、国際交流の拡大に伴って、わが国への出入国者数は飛躍的に増加し、また、在留外国人の活動内容が多様化するなど出入国及び在留管理事務はいよいよ複雑困難の度を加えるに至っております。このような諸情勢に対処するため、できる限り事務の合理化、能率化を図り、外国人管理行政の適正かつ円滑な運営に努めてまいる所存でありますが、現行の出入国管理法制についても、従来の経緯を勘案しつつ、根本的かつ総合的な再検討を進めてまいりたいと存じております。また、外国人登録法につきましても、かねてから外国人の負担軽減と市町村の事務簡素化のための改正が要望されておりますので、慎重に検討を尽くしたいと考えております。 さらに、近隣諸国とわが国との経済格差を背景とした不法入国及び不法残留の防遏と摘発並びに資格外活動の規制については、関係省庁の協力を得て、遺憾のないようにいたしたいと考えております。 最後に、法務省施設の整備改善についてであります。 現在、法務省が所管している施設は、庁数、延面積ともに全官庁庁舎の約三分の一を占めておりますが、その半数は老朽、狭隘あるいは戦後の粗悪材を使用した施設でありながら、従来、他省庁に比してその整備が最もおくれており、日常の職務遂行にも支障を来している実情にあります。 法務省といたしましては、職員の執務環境の改善と事務処理の適正化を図るため、そのうちから特に法務局の支局、出張所及び検察庁の支部、区検等いわゆる中小規模施設で老朽狭隘の著しい施設の整備を、昭和五十二年度を初年度とする五カ年計画により実施してまいる所存であります。 以上、法務行政の当面の重点施策について所信の一端を申し述べましたが、その他の諸施策につきましても、委員各位の御協力、御支援を得まして、その解決に努力する所存でありますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(田代富士男君) 以上で所信の聴取は終わりました。 この際、塩崎法務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎法務政務次官。
○政府委員(塩崎潤君) 昨年末法務政務次官を拝命いたしました塩崎潤でございます。時局柄大任でございますが、福田法務大臣のよき補佐役といたしまして法務行政の一層の推進に努めてまいりたいと思います。どうか御指導、御鞭撻のほど心からお願いいたしまして、簡単でございますが、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 社債発行限度暫定措置法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田法務大臣。
○国務大臣(福田一君) 社債発行限度暫定措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 現行商法第二百九十七条は、一般の株式会社について、社債は、その資本及び準備金の総額または最終の貸借対照表により会社に現存する純資産額のいずれか少ない額を超えて募集することができないものとしております。 ところで、最近の経済状況のもとにおきましては、各企業について財務内容の改善とともに景気の浮揚及び雇用の安定を図るために、企業の設備投資の活発化が強く要請されているのでありますが、この目的達成のための長期安定かつ低廉な資金の調達方法として、社債の発行の必要性が非常に増大しております。 ところが、企業の中には、すでに右の商法第二百九十七条の定める限度近くまで社債を発行しているものあるいは近いうちに右限度に達するものがあり、今後の資金調達に困難を来しております。 そこで、この法律案は、商法第二百九十七条の立法趣旨である社債権者の保護を図りつつ、社債の発行限度を拡大する暫定措置を講じようとするものであります。 この法律案の要点を申し上げますと、まず、社債は、担保付社債、転換社債及び外国で募集する社債に限って、当分の間、商法第二百九十七条による制限を超えて募集することができるものとし、ただ、その場合でも、社債の総額は同条の定める限度額の二倍を超えることはできないこととして、社債権者の保護を図りつつ、発行の制限を緩和することといたしております。なお、この場合、暫定措置といたしました理由は、法制審議会における会社法の全面改正についての今後の審議の結果、商法第二百九十七条の規定の改正が予想されるからであります。 さらに、この商法第二百九十七条の制限を超えて発行される担保付社債を公募するに当たっては、その社債券の募集または売り出しについて、大蔵大臣への届け出を義務づけ、社債発行会社の内容を公示することといたしまして、これによっても、社債権者の保護につきさらに配意しているのであります。 なお、すでに商法の制限を超えて社債を募集することができることとしている他の法律がある場合には、この法律は適用しないものとしておりますほか、この法律によって拡大された発行限度を超えて社債が募集された場合について所要の罰則を設けることといたしております。 以上が社債発行限度暫定措置法案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。
○委員長(田代富士男君) 以上で本案についての趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 速記をちょっととめてください。 〔速記中止〕
○委員長(田代富士男君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 昭和五十二年度法務省及び裁判所関係予算について説明を聴取いたします。枇杷田法務大臣官房会計課長。
○政府委員(枇杷田泰助君) 昭和五十二年度法務省所管予算の内容について、概要を御説明申し上げます。 昭和五十二年度の予定経費要求額は、二千七百五十四億五千二百三十四万九千円でありまして、これを前年度予算額二千五百三十四億七千五百七十六万円と比較いたしますと二百十九億七千六百五十八万九千円の増額となっております。 増額分の内訳を大別いたしますと人件費百四十五億五千二百二十二万五千円、一般事務費五十四億二千八百六十四万八千円、営繕施設費十九億九千五百七十一万六千円となっております。 まず、増員について申し上げますと、第一に、検察庁において、九十五人が増員となっております。まず、財政経済事件処理の円滑適正化を図るため、副検事三人、検察事務官二十五人が増員となっております。また、公害犯罪に対処するため、検察事務官十八人、特殊犯罪に対処するため、検察事務官十四人、交通事件処理体制を充実するため、検察事務官十人、公安労働検察の強化のため、検察事務官十人、公判審理の迅速化等のため、検察事務官十五人が増員となっております。 第二に、法務局において、事務官二百十一人が増員となっております。まず、登記事務の適正迅速な処理を図るため、百九十二人が増員となっており、また、国の利害に関係のある争訟事件の処理を充実するため、十六人、人権侵犯事件等に対処するため、三人が増員となっております。 第三に、刑務所における職員の勤務条件を改善するため、看守五十三人、医療体制を充実するため、看護士十二人が増員となっております。 第四に、非行青少年対策を充実するため、関係職員二十人が増員となっております。その内容は、少年鑑別所の観護活動の充実のため、教官七人、保護観察所の面接処遇の強化のため、保護観察官十三人であります。 第五に、出入国審査業務等の適正迅速化を図るため、地方入国管理署において、入国審査官二十人、入国警備官三人が増員となっております。 第六に、破壊活動調査機能を充実するため、公安調査官十六人が増員となっております。 増員の内容は以上のとおりでありますが、御承知のとおり、昭和五十一年八月の閣議決定に基づく「昭和五十二年度以降の定員管理計画の実施について」による昭和五十二年度定員削減分として、三百三十五人が減員されることとなりましたので、所管全体といたしましては、差し引き九十五人の定員増加となるわけであります。 次に、一般事務費につき、それぞれ前年度予算と比較しながら御説明申し上げますが、まず、全体としては、前年度に比し旅費類が二億九千百四万五千円、庁費類が二十八億四千七百十五万三千円、営繕費が十九億九千五百七十一万六千円、その他の類が、二十二億九千四十五万円増額となっております。 以下、主要事項ごとに御説明申し上げます。 第一に、法秩序の確保につきましては、さきに申し上げました創検事三人を含む合計二百十二人の増員経費及び関係組織の人件費を含めて一千六百三十八億四千五百万円を計上し、前年度に比較して百三十三億五千六百万円の増額となっております。 その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としまして、四十三億五千七百万円が増額されておりますが、その中には関係職員の人件費のほか、検察費一億七千四百万円、財政経済事件等各種検察活動の充実強化を図るための経費五千万円、検察執務体制の整備充実経費二億四千万円が含まれております。 次に、矯正関係としては、七十三億九千四百万円が増額されておりますが、この中には関係職員の人件費のほか、職員の待遇改繕経費一億九千六百万円が含まれております。 また、矯正施設収容者処遇の改繕につきましては、二十億二千八百万円の増額となっております。これは、作業賞与金の支給計算高を一三・二%引きあげるための所要経費八千八百万円、生活用備品、日用品、医療器具等の充実、公害防止等に要する経費十二億円が増額となったほか、被収容者食糧費につきましても、米、麦の混合率の改善、主食、副食による熱料摂取比の改善のほか、菜代の内容改善分十五円及び物価上昇分九・一%の引き上げによる給食内容の大幅な改善が図られ、これに要する経費として七億四千万円が増額となっております。 次に、保護関係としては、七億一百万円が増額されておりますが、これは、関係職員の人件費のほか、短期交通事件処理経費、事件打ち合わせ等通信費、事務能率器具等保護観察体制の整備を図るための経費三千六百万円、犯罪予防活動協力費を含む保護司実費弁償金一億三千七百万円、更正保護委託費一億二千五百万円であります。 次に、訟務関係としては、国の利害に関係のある争訟事件の処理経費として三千五百万円が増額となっております。 次に、公安調査庁関係としては、八億六千九百万円が増額されておりますが、その中には関係職員の人件費のほか、調査活動の充実経費七千四百万円が含まれております。 第二に、国民の権利保全の強化につきましては、まず、登記事務処理の適正化に関する経費として、さきに申し上げました事務官百九十二人の増員経費及び関係職員の人件費を含めて四百四十六億一千七百万円を計上し、二十三億九千二百万円の増額となっております。その増額の主なものは、登記諸費四億八千九百万円、全自動謄本作成機等事務能率機器の整備に要する経費一億二千万円、謄抄本作成事務の一部を請負により処理する等当該事務の処理促進のための経費一億四千万円、小規模登記所の整備充実費九千四百万円、登記簿粗悪用紙改製に要する経費三千百万円、公共事業関係特殊登記事件の処理に要する経費三千万円であります。 次に、人権擁護活動の充実に関する経費として、二千一百万円の増額となっております。その内訳は、人権侵犯事件調査の強化を図るための旅費、庁費九百万円、人権擁護委員実費弁償金千二百万円であります。 次に、非行青少年対策の充実強化につきましては、一部、法秩序の確保関係と重複しておりますが、さきに申し上げました少年鑑別所教官等二十人の増員経費及び関係職員の人件費並びに少年院等の収容関係諸費を含めて二百四十九億五千万円が計上され、前年度に比して十八億一千九百万円の増額となっております。 そのうち、事務的経費の増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては、四千八百万円が増額されております。これは検察取り締まり経費であります。 次に、少年院関係としては、一億三千三百万円が増額されておりますが、これは生活、教育備品の整備及び職業補導の充実に要する経費等であります。 次に、少年鑑別所関係としては、四千七百万円が増額されておりますが、これは生活備品の整備及び日用品の充実に要する経費等であります。 次に、保護観察所関係としては、二億二千七百万円が増額されておりますが、これは補導援護活動の充実経費であります。 第四に、出入国管理業務の充実についてでありますが、さきに申し上げました入国審査官等の増員経費及び関係職員の人件費を含めて八億九千五百万円の増額となっております。その中には、出入国及び在留管理等経費三千三百万円、護送及び収容業務充実経費千八百万円が含まれております。 次に、施設の整備につきましては、登記所等小規模施設の整備費四十四億三千八百万円及び沖繩施設整備費十一億六千万円を含め、百三億三千五百万円を計上し、前年度予算に比し、十九億九千六百万円の増額となっております。 このほか、大蔵省及び建設省所管の特定国有財産整備特別会計において、甲府刑務所外七施設の施設整備費として、二十三億六千三百万円が計上されていることを申し添えます。 以上が法務省所管歳出予算予定経費要求の概要であります。 終わりに、当省主管歳入予算について御説明いたします。 昭和五十二年度法務省主管歳入予算額は、六百九十五億六千三百六十五万四千円でありまして、前年度予算額六百十九億六千六百二十万円に比較いたしますと七十五億九千七百四十五万四千円の増額となっております。 以上をもって、法務省関係昭和五十二年度予算案についての御説明を終わります。
○委員長(田代富士男君) 速記ちょっととめてください。 〔速記中止〕
○委員長(田代富士男君) では速記起こしてください。 次に、草場最高裁判所経理局長。
○最高裁判所長官代理者(草場良八君) 昭和五十二年度裁判所所管予定経費要求額について説明申し上げます。 昭和五十二年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、一千四百七十八億六百十七万円でありまして、これを前年度予算額一千三百七十一億五千九百九十三万一千円に比較いたしますと、差し引き百六億四千六百二十三万九千円の増加となっております。これは、人件費において七十八億六百二十六万八千円、裁判費において八億八百八十三万一千円、施設費において八億七千九百二十七万八千円、司法行政事務を行うために必要な旅費、庁費等において十一億五千百八十六万二千円加が増加した結果であります。 次に、昭和五十二年予定経費要求額のうち、主な事項について説明申し上げます。 まず、人的機構の充実のための経費であります。 (一)特殊損害賠償事件等の適正迅速な処理を図るため判事補八人、裁判所事務官八人の増員に要する経費として三千七十六万八千円、(二)会社更生事件の適正迅速な処理を図るため判事補三人、裁判所事務官六人の増員に要する経費として一千四百五十七万円、(三)差止訴訟事件の適正迅速な処理を図るため判事補四人の増員に要する経費として一千二百五十一万五千円、四調停制度の充実強化を図るため裁判所事務官二十人の増員に要する経費として一千三百八十九万七千円、田交通事件(道路交通法違反事件)の適正迅速な処理を図るため裁判所事務官三人の増員に要する経費として二百四十七万円、合計七千四百二十二万円を計上しております。 以上、昭和五十二年度の増員は、合計五十二人でありますが、他方、定員削減計画に基づく昭和五十二年度削減分として、裁判所事務官三十二人の減員を計上しておりますので、これを差し引きますと、二十人の定員増加となるわけであります。 次は、裁判運営の効率化及び近代化に必要な経費であります。 庁用図書、図書館図書の充実を図る等のため裁判資料の整備に要する経費として三億六千五百八十七万円、裁判事務の能率化を図るため複写機、計算機等の整備に要する経費として三億四千六百四十六万六千円を計上しております。 次は、裁判所施設の整備充実に必要な経費であります。 裁判所庁舎の新営及び増築(新規十四庁、継続九庁)等に必要な経費として七十五億八千三百二十四万九千円を計上しております。 次は、裁判費であります。 証人等の日当を増額する経費として一千五百九十九万円、国選弁護人報酬を増額する経費として一億二千八十七万八千円を計上しております。 以上が昭和五十二年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。 —————————————
○委員長(田代富士男君) 集団代表訴訟に関する法律案を議題といたします。 発議者宮崎正義君から趣旨説明を聴取いたします。宮崎正義君。
○宮崎正義君 ただいま議題となりました集団代表訴訟に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 欠陥商品、やみカルテルによる価格引き上げ等の一企業または数企業の違法行為によって無数の消費者が損害を受けているという現実があるにもかかわらず、現行民事訴訟制度は、原則的には、一対一の対等な当事者間の紛争を解決することを念頭において紛争を解決するための手続を定めているにすぎないから、このような原則に基づく現行民事訴訟制度のもとでは、一対無数すなわち企業対無数の消費者の民事紛争を解決しようとしても、その訴訟追行は事実上不可能であります。すなわち、今日の消費者問題は、訴訟を通じて事実上解決できない状況にあります。これは、法制度が社会の進展に即応していないからであります。 すなわち第一に、消費者各人の損害額が少額であるとしても、集団としての消費者の損害額は巨額になると思われます、消費者集団のこの巨額な損害の賠償を企業に対して請求することができる訴訟制度を確立することなしには、社会的経済的公正を確保することはできないのであります。 第二に、企業と消費者との間には訴訟追行能力及び訴訟費用の負担能力の不均衡があるにもかかわらず、現行民事訴訟制度のもとでは、これに対等な当事者として取り扱っているため、訴訟による権利救済の方途はきわめて厳しい現実にあります。この現実を打破して、実質的に対等な当事者としてみずからの権利を行使できる訴訟制度を確立しなければならないと思います。このような訴訟制度の確立なしには、消費者主権は、裁判によって保障されない眠れる主権、幻の権利に終わらざるを得ないのであります。 第三に、企業の違法行為による無数の消費者の損害は共通の原因によって発生し、またその損害額も一般的には定型化する傾向があります。このような実体について、消費者各人の訴えの当否を個別的に審理することは訴訟経済の観点からもむだだと思います。また、企業の違法行為によって発生した損害賠償をめぐる紛争は、事実上は企業対無数の消費者の紛争と思いますので、その紛争の解決は、消費者集団と企業との間で包括的に解決することが望ましいと思います。 われわれは、消費者主権の確立のためには、このような困難を克服して、民事訴訟制度が真に機能する制度を確立しなければならないと思います。 以上の観点から、非訟裁判による訴訟信託の設定方式を採用することにより、消費者の代表者が消費者集団全員のため企業に対して提起する損害賠償の一括的請求を目的とする訴え、すなわち集団代表訴訟を可能とするためのこの法律案を提出いたした次第でございます。 以下この法律案の内容たる集団代表訴訟制度の仕組みにつきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に、申し立てに係る共同の利益を有する著しく多数の者の少額債権について集団代表訴訟による紛争の解決が適当であると認められる場合に、非訟裁判により、除外申し出をしない限り債権を一括して訴訟の目的とするための信託が設定されたものとすることができるようにいたしております。すなわち、集団代表訴訟を追行させるために、除外申し出をしなかった少額債権者たる委託者から少額債権者の代表者たる受託者へ当該債権が信託的譲渡されたものとする信託であります。なお、少額債権者の権利を保護するため、信託の設定については公告するほか、非訟裁判所が代表者たる受託者を監督するようにいたしております。 第二に、集団代表訴訟におきましては、職権証拠調べを採用するほか、重要な訴訟行為につきましては、非訟裁判所の許可を要するものといたしております。なお、欠陥商品、やみカルテルによる価格引き上げ等に係る少額債権者全員の損害総額の算定につきましては、推定規定を設けております。 第三に、各少額債権者は、受益者として、代表者たる受託者に対し、勝訴判決の最初の公告の日の翌日から二年以内に通知することにより、その債権の満足を得ることができるようにいたしております。なお、請求してこなかった債権者の分は、国庫に帰属するようにいたしております。 第四に、代表者たる受託者は、集団代表訴訟の追行等に関して必要な経費につきましては、国庫による裁判費用等の立てかえ、支払い猶予制を置くほか、その他の事務経費を含めて集団代表訴訟により得た財産をもって充てることといたしております。なお、敗訴等の場合にも最終的に受託者の負担となることのないよう、交付金を交付することといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
○委員長(田代富士男君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十六分散会 —————・—————