文教委員会 第13号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/26
会議録
○委員長(宮崎正雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十二日、久保亘君、安永英雄君、赤桐操君、粕谷照美君、佐藤信二君、永野嚴雄君、福井勇君が委員を辞任され、その補欠として宮之原貞光君、鈴木美枝子君、秋山長造君、小野明君、久保田藤麿君、志村愛子君、内藤誉三郎君が、また昨二十五日、小野明君及び宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君及び小柳勇君がそれぞれ選任されました。
○委員長(宮崎正雄君) 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。海部文部大臣。
○国務大臣(海部俊樹君) このたび政府から提出いたしました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合は、昭和二十九年一月に、私立学校の教職員の福利厚生を図る目的のもとに、私立学校教職員共済組合法により設立されたものでありますが、それ以後、本共済組合が行う給付については、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことをたてまえとし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 今回は、昭和五十一年度に引き続き、国公立学校の教職員の年金の額の改定に準じて、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定年金の額の改定等を行うため、この法律案を提出することといたしたのであります。 次に、この法律案の概要について申し上げます。 第一に、私立学校教職員共済組合法の規定による退職年金等の額を、昭和五十一年度の国家公務員の給与の改善内容に基づいて行われる国公立学校の教職員の退職年金等の額の改定に準じ、昭和五十年度以前の退職者について昭和五十二年四月分から増額することといたしております。また、これらに伴い、旧私学恩給財団の年金についても相応の引き上げを行うことといたしております。 第二に、既裁定の退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を、国公立学校の教職員の既裁定年金の最低保障額の引き上げに準じ、昭和五十二年四月分から引き上げるとともに、六十歳以上の者等に係る遺族年金の最低保障額を昭和五十二年八月分からさらに引き上げることといたしております。 第三に、標準給与の月額の上限を国公立学校の教職員の掛金等の算定の基礎となる俸給等の限度額の引き上げに準じ三十四万円から三十六万円に引き上げるとともに、下限についても五万八千円から六万二千円に引き上げることといたしております。 最後に、この法律は、公布の日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(宮崎正雄君) 以上で説明は終わりました。 なお、本案に対する質疑は後日に譲ります。
○委員長(宮崎正雄君) 次に、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○松永忠二君 労災とか、国公災、地公災の災害補償法の改正に準じて、今回、公立学校の学校医等の公務災害補償に関する法律の改正が出されたわけです。この法律の改正が提案されたのは、労災とか、国公災に比べて約一年ぐらいおくれているわけです。実施の期日については同一のようでありますが、提案はどういうわけでこういうふうにおくれるのですか、これはどういうことでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のとおり、一年のずれがあるわけでございますが、常勤の一般職の公務員につきましての適用を受けた後に、従来も、この公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師等の公務災害補償に関する法律の制定時も、その制度の成立を待って法制化した、立法化したという経緯等もございまして、一年おくれたということの状況でございます。
○松永忠二君 この法律は、国家公務員の災害補償法の規定を準用するというようなふうに規定されているわけです。したがって、議員立法ではあるけれども、別に期限をおくらして提案をする必要はないと私は思う。たとえば恩給法の改正、それに準用して既定の地公災とか国公災とかあるいは私学共済を同時に国会へ提案されているわけです。片方がとれないから片方がぐあい悪いというわけじゃない。これはその通った結果を見て、というようなことはあるべきではないし、特に議員立法でもあるのでですね。こういう法律は同時に提案されとくる性格のものだと思うんですよ。別に、一年もおくらして提案する理由は何にもないと思うわけです。ひとつ今後はそういう点を注意してもらいたいと思いますがね。まあそれは、議員立法の場合には、議員立法の改正なんかも国が積極的にやらない。むしろ議員の方で改正案を提案をしない限りは、相当不備でも待っているというのが実情。よほどのものでないと、議員提案を、国の方で改正案を何か出さないというような点があるので、特にそういう点をお聞きをしたわけであります。 それで、傷病補償の年金は実際にどんな程度になるんですか。金額的に一、二の例で言うとどういうことになるんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 手当の額につきましては、政令で公務員に準じた内容のものが決められるという段取りになってございますが、政令におきましては、支給要件といたしまして、学校医等が公務上負傷し、または疾病にかかり、その疾病または廃疾にかかる療養の開始後一年六カ月を経過した日、または同日後においてなお治りませんで、その廃疾の程度がきわめて重い一級、あるいは重い二級、三級というような区分に応じまして、廃疾等級に該当するそれぞれの支給金額を定めることになっております。たとえば第一級の場合は、補償基準額に三一三を乗じて得た額の支給金額の年金を支出するというたてまえになっておりますし、第二級につきましては二七七を乗ずる、また第三級につきましては補償基礎額に二四五を乗ずるという、そういう形で年金の支給をしていくということでございます。具体のある人を想定いたしましての金額の算出につきましては、課長の方から御説明をいたさせます。
○説明員(遠藤丞君) 補償基礎額につきましては政令で定めをいたしておるわけでございますが、国家公務員の常勤の医師である職員の給与等を勘案して補償基礎額を定めるということになっておりまして、医師としての経験年数に応じまして五年未満の場合は、補償基礎額が現在二千八百八十円、二十五年以上の場合七千六百五十五円というのが補償基礎額でございますので、ただいま局長から御説明を申し上げました倍数を掛けて計算をいたしますと、仮に二十五年以上の方でございますと、補償基礎額の七千六百五十五円に三一三を乗ずるということでございますので、約二百四十万円ほどの年金に相なるということになると思います。
○松永忠二君 この公務災害の基準というのは一体どこを基準にしているんですか。やはり国家公務員の災害の公務災害の基準をそのまま準用しているんですか。新たにあるいはこれ自身としては公務災害をどういうふうに規定するかということはない……。この法律には政令もないし、それから補償額は法律の中に規定をされているようですが、公務災害とはどういう災害を基準とするかという、その基準はどういうものを使っているんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 国家公務員の場合に準じておりまして、政令で具体のそれぞれの給付に該当する疾病の状態等を規定しておるわけでございます。たとえばただいまの一級の年金の支給に当たりましては、負傷または疾病が治らないで労働することができず、かつ常時介護を受けることを必要とする状態というような状態の決めをしておるわけでございます。その面で、それぞれに該当する給付の適用をしておるというような形で進めております。
○松永忠二君 補償額はいまさっき説明したようだから、別にいまおっしゃったとおりだけれども、公務災害であるかどうかという、どういう場合を公務災害の基準とするかというこの規定は、この場合には特別に政令がどうこう決めてあるわけでもないわけですから、公務災害を、どういう災害を公務災害だと見るかというその基準は、どれを使っているんですか、どこを使って判定をするんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 公務上の負傷または疾病ということの認定でございますが、これに当たりましては、まあ、一般に職務遂行責任の上に係る状態である、あるいは職務起因責任と申しますか、職務の遂行しておるその過程において職務上の原因によって起こった疾病であり傷病であるという、そういう一般的な状況認定のもとに、公務災害の認定がなされるということでございます。したがいまして、もっぱら個人に起因するというような場合のときが、認定の上で問題でございますが、通常は、それぞれの職務についている間の疾病、障害につきましては、いま申しました職務起因あるいは職務遂行上というような面からの認定をいたしておるということでございます。
○松永忠二君 それは、公務災害とはそういうものだけれども、どういう一これが公務災害であるかどうかということについては、いろいろ起こった場合に問題も起こるわけです。この学校医の場合には、国家公務員の公務災害の基準をそのまま準用しているのか、それとも別につくっているのか、全然そういうことは規定していないのか、これを聞いているわけです。公務災害とは何かということを聞いているんじゃなくて、どういう基準を適用しているのか、そういうことをお聞きしているんです。
○政府委員(柳川覺治君) 国家公務員につきまして、補償の取り扱いにつきましての人事院で決められました認定基準がございます。これに準拠して学校医の場合にも認定を行うという通達を出して指導をいたしておるということでございます。
○松永忠二君 そこで学校医の報酬ですが、これはここに後ろに資料が出ている。学校医の平均報酬額というのは小中高で出ていますね、歯科医とか薬剤師。地方交付税の中に積算をされている単価というのと比べてみると、いろいろ差があるようですね。何か地方交付税では、医師は七万七千円、薬剤師は六万六千円というふうに積算の基礎が決められている。それから積算の単位としては、たとえば県立高校の場合には、六百七十五人に対して医者が三人、薬剤師が一人、歯科医が一人。盲聾の場合には五人と一人。小中の場合には八百十人を単位として四人と一人。こういうふうに決めてあるわけですね。実際、そこに出ている資料を見ると、小学校の場合には八万八千五百十円であり、それから歯科医の場合には七万七千六百三十円、それから薬剤師の場合には三万五千四百四十円。そうすると、相当交付税に比べてみて持ち出しをしているというふうなことになっているわけですね。こういう点については、あれなんですか、この報酬の是正を地方交付税でやってもらうような努力をしているんですか。もし要求として出しているとすれば、幾らにしてくれという要求を出しているんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のとおり、五十一年度の交付税の単位費用の積算におきましては、学校医七万七千円、学校歯科医七万七千円、学校薬剤師六万六千円の単価が見込まれておりますが、これにつきましては御指摘のとおり、実情の方が平均額が上回っておるという実態でございますので、これに対応できるようにということを自治省の方にお願いしてまいりまして、現在五十二年度におきましての積算といたしましては、まだ確定はいたしておりませんが、予定でございますが、学校医、学校歯科医一人当たり八万四千円、学校薬剤師一人当たり七万二千円の積算にしていただけるということの大体予定になってございます。が、なお、これでも現状との比較においてはやや低いという問題がございますが、一般職のベース改定が六%台のアップでございましたが、それに比しまして、この五十二年度学校医等につきましては九・一%のアップを見込んでいただいたということで、それなりの理解ある措置をしていただいておりますが、まだ絶対額におきましてさらに今後努力すべき課題であるというように感じておる次第でございます。
○松永忠二君 ベースアップを基準にして単価を改めるというのは妥当じゃありませんわね、もともとが低いんだから。だから、やっぱりもう少し実情に沿うようにしないと持ち出しがある。この積算の数については、この実情はどうなんですか。実際とどういうふうな比較が出ているんですか。
○政府委員(柳川覺治君) いま先生御指摘のとおり、数の積算といたしましては、一校当たり、小学校で、標準規模十八学級八百十人の児童生徒の学校に対しまして学校医が三人、それから学校歯科医が一人、学校薬剤師一人という積算をしてございます。中学校につきましては、十五学級六百七十五人の標準の規模の学校に対しまして同様の数を積算し、高等学校につきましても、十五学級六百七十五人の標準の規模の学校に対しまして同数の積算をしておるということでございます。 現実に学校医、学校歯科医が各学校に置かれております設置の状態につきましては、小学校で、学校医につきまして九九%、学校歯科医につきまして九七・四%、学校薬剤師につきまして八九・二%というような状態でございまして、必ずしもそれぞれの学校に学校医が三人おるという状態がなお実現しておらないという面もございまして、この面につきましては、積算の方では三人の交付税の単位費用が見込まれておるということでございますので、数の上ではむしろゆとりがあるのではないか、実情との間に。という感じがいたします。
○松永忠二君 これは小学校についてだけちょっと聞いてみますが、小学校で積算の数で言うと幾人になるんですか。それから実情、たとえば医師は何人あるか、比べてみればすぐ積算の数と配置の実際の数とが比較できるわけだから、どの程度一体足りないのか、あるいは過剰なのか、その点はそのトータルがわかっていれば、医師についてだけ——小中高校、ちょっと言ってみてください。
○政府委員(柳川覺治君) 小学校について申し上げますと、学校数が二万四千四百八十五校ございます。置かれております学校医の数が四万七千七百四人、学校歯科医が二万六千八十一人、学校薬剤師が二万一千六百八十九人ということでございまして、これを一学校当たりで換算いたしますと、小学校で学校医が一校当たり二・〇人、学校歯科医が一・一人、学校薬剤師が〇・九人というような設置状態でございます。
○松永忠二君 これはもう少しやっぱりしっかりした資料を用意して、これは文部大臣も、細かいことでありますけれども、学校の医者あるいは歯科医、薬剤師が国が決めた積算の数までいっていないということになると、やっぱりそれだけの予算は向こうへいっているわけでありますから、一応ひもつきじゃないけれども、単価はやや低いけれども、数は結局予定した数だけ配置されてないという実情がある。だからやっぱり保健という面からいえば、少なくとも地方交付税で積算した数くらいは配置できるようにやっぱり努力をしてもらわなければならぬ。非常に実際的な事柄ですけれども、こういう努力をやはりする。それには少しこうきちっと数が目に見えるようにしておいてもらいたいということですね。たとえば薬剤師なんか、外国なんかではなかなかりっぱな部屋を持って、調合なんかもやっているし、薬品なんかも置いている。私たちの国と比べてみて経済的に水準の低い国でも、薬剤師なんかの部屋なんかについてはなかなか整備されている。だから、いまでもこの交付税の積算というのは全く基礎のもので、これも満足に置いてないというようなことになると、やはりこれは足らないのだということになる。それと、それから単価については是正もしているわけですから、もう少し各学校に置くものについてどの程度やっぱり充実をしなければいかぬかということをやってもらわないと……。これはいまお話を聞くと、やっぱり地方交付税で積算した数だけない。普通、調理師にしても栄養士にしても、みんな積算より多いわけですからね。学校医の方は逆に少ない。しかも、学校医の負担が非常に重いというような気持ちもあるわけです。これはもう少しやっぱり適確な努力をしてもらう必要があると思うのであります。 それからもう一つ、いま報酬の話も出ましたが、実は報酬のうんと低いところがあるわけですね。これは日本学校歯科医師会長あたりの連名で文部大臣あたりに要望書が出ている。これあたりで見ると、徳島県では平均すると一万七千円から五万七千円だ、高知県では一万四千円から八万円だというんです。愛媛は基本給が五千円プラス児童数掛ける三十円なんというのがありますがね。それは非常に低いんです。全く地方交付税の積算をはるかに下がったところで学校医の報酬を決めているなんというのは、もっとやっぱりちゃんとしてもらわなきゃ困る。これは知事会等もあり、全国知事会等で具体的な問題としてやはり要望していくということも必要だと思うんですが、この配置の基準を満たしていないということと、報酬のはなはだ低いというような点について、大臣の努力を特に切望したいと思うわけです。ちょっと答弁してください。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の点につきましては、現在でも余り積算単位の費用とかけ離れておる、低いところは、それに近づけるように、関係地方公共団体に指導もいたしておりますけれども、なお、ただいまの御質問の御趣旨を踏まえまして、一層努力をさせていただきたいと考えます。
○松永忠二君 ぜひひとつ具体的に、幾分でも向上するようにやってもらいたい。 それから、ここで関連して、学校災害補償の問題について少しお聞きをしたい。 これは学校災害補償法というものをつくってくれという要望が実は各団体から出て、特に日弁連とか日本教育法学会、国会の中でもすでに衆議院でもそういう点について検討を進めている。地方教育委員会あたり、あるいは母親大会、自治体でも学災法制定促進全国協議会なんというのをつくって、学校災害補償について格段なやはり前進を図らにゃいかぬということが、言われているわけですね。事実、学校災害については、なかなか多い、数が。特に一番、御承知のとおり、不満なのは、廃疾、死亡について、非常に充実をすべきじゃないかと言うんですが、まず一番新しい数字で、一体五十一年度の廃疾、死亡、傷病者の数というのをちょっと言ってみてください、一番新しい。
○政府委員(柳川覺治君) いま五十一年度の一番新しい実態の資料を持っておりませんので、五十年度の状態を申し上げたいと思います。 日本学校安全会で五十年度、死亡見舞い金を給付いたしました件数が、小学校七十八、中学六十九、高等学校八十八、高専一、幼稚園四、保育所関係七、二百四十七件に上っております。このうち、二百四十七件のうち、登下校の際の事故が八十四件でございまして、学校内での事故が百六十三件であったというようなことでございます。
○松永忠二君 まあ、その数字なら私も持っていますが、死亡が二百四十七、廃疾が五百六十八、負傷が八十九万、これはもう累年こう数がふえているわけですね、八年、九年、五十年と、こうずっとふえています。 そこで一体、いまの学校安全会のどこに問題点があるのか。どういうふうにお考えですか。
○政府委員(柳川覺治君) 現在、日本学校安全会の行っております死亡見舞い金あるいは廃疾見舞い金につきましては、年々その増額措置を図ってまいりまして、死亡見舞い金は三百万円、廃疾見舞い金は四百万円、この金額は、高等学校を卒業した後に勤務をしたという状態を基礎として算出した額でございまして、大体他の労働者の災害補償保険法によりますところの給付額も、死亡の場合が三百万円、まあ、これは廃疾につきましては年金でございますが、年額が百万円というような——との比較におきましても、死亡見舞い金につきましては、労働者災害補償保険の死亡給付金と見合うというところまで額の増額ができたわけでございますし、また学校安全会は学校における教育の円滑な実施という観点に立ってこの給付事業を行っておりまして、したがいまして学校の管理下における事故すべてに及んでこの安全会の給付がなされるというたてまえを進めておる次第でございますが、しかし、この安全会の給付の額だけではなかなか問題が後に残る面の事故がございます。この場合は、いわゆる国家賠償法等による設置者の賠償責任が問われるという問題があるわけでございまして、これにつきましては五十年度から学校管理者賠償責任保険というものが市長村会等でつくられまして、これによりましてそれぞれ設置者が賠償責任を負うという面からの設置者負担につきましては、それぞれ死亡、廃疾等につきまして相当の額の賠償金をその方の支出で行っておるというところの実態でございます。 したがいまして、学校の起こった事故すべてにつきまして、それぞれそのしかるべき対応の医療費給付あるいは死亡、廃疾の見舞い金等につきまして、さらに今後各方面の要望にこたえるような体制をとっていくという課題が安全会としてもあろうかというように考えておるところでございます。
○松永忠二君 その程度に考えていたんじゃ、とてもじゃないが、いま衆議院で小委員会つくってこの問題の改定をやろうというのに、安全会自身の方でも、文部省の方でも、もう少し積極的なその検討が必要じゃないですか。死亡の場合三百万円、これで、働いた場合にあとの金額が計算できるか。どういう計算をしているのか知らぬけれども、われわれ、子供が死んで三百万円もらったからといって、見舞い金もらってこれでいいというわけにはなかなかいかないんじゃないですかね。あるいは、廃疾見舞い金が四百万から十五万円の中なんでしょう。通学の場合にはこれの二分の一ですからね。それから医療費についても、五千円未満は十分の三、五千円以上は十分の四、特にこの最高額十万円以上の場合にはどうこうということを決めてありますが、五年間ですからね。廃疾になった場合に、これで医療費は打ち切られてしまうわけでしょう。私たちも現にそういう子を見ていますがね、たとえば私、熱海の国立の医療のセンター、日体大の子供がやっぱりクラブ活動で鉄棒をやってて、そして腰椎を折って、全く動きもできない。だから、自然、訴訟が提起されているんでしょう。それで弱っているんじゃないんですかね。だから、この金額について、いま問題になっているのは、一体どういう点を改めてくれというふうに承知しているんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 要望の主な理由といたしましては、現行の制度では、学校側の過失を立証しない限り損害賠償が受けられないという、事故の原因の立証が大変困難な問題につきましてその立証の問題があるということが指摘されておりますし、また、学校側に過失がある場合でも、訴訟は時間的に、あるいは経済的に大変不利であるというところが言われております。また、学校側を相手として訴訟が起こることは教育の場として好ましくないという貴重な御意見がございます。また、実際に被害者を救済する判決が出た場合でも、教師の側から学校の教育活動を積極的に進めるという、そういう風潮をむしろ逆に消極な方向に学校教育活動を導く、そういう危険があるということで、学校はやはり児童、生徒が活力ある学校生活を送っていく上に、学校で起こる災害につきましての補償を手厚くして学校の教育活動が活発な推進が図れるようにすべきであるという御意見が私どもが受けております御要望の理由の概要ではないかというように受けとめております。
○松永忠二君 いろいろ問題のある点をいま申されたわけですが、確かに挙証責任——学校側の過失立証をしなきゃできないし、あるいは挙証責任の困難性というのもあってなかなか、訴え出ても見舞金という形でくれるものだからなかなかそういう点があれだというようなことで、要点としては、国の負担で補償してくれというのは一つですね。これについては、学校教育法というのは根拠をいろいろ出しているわけです。あるいは基本法なんかも。ということで就学の義務があるとか、あるいは指導、懲戒を学校自身が児童にやることができる。あれは強制力を伴って仕事をやっているじゃないか、公の義務に従っているというような考え方もあって、国家賠償法の一条一項に当たるようなものだという考え方もあるわけです。それから二番目として、無過失責任主義をとる。いまやっているやり方は全部過失責任というかっこうでやっていることは事実なんですからね。だから、そういうふうな点が第二点。それから、補償額が一千万から千五百万程度、もっと上げてほしい。これは各団体いろんなことを言っているけれども、集約してみると国の負担で補償をしてほしい。無過失責任主義をとる。それから第三に、補償額が一千万から千五百万だと、こういうことだと思うんですがね。私たちも、子供なり生徒なりが災害を受けた、学校で事故が起こった場合においてその責任を立証してかからなければ、いわゆるこの三百万の見舞金をもらうだけであと何にもできないということが問題なんですわね。だから、ある程度その子供にとっては無過失責任——子供にとっては自分なりの過失でどうこうということはないわけだし、学校の教育なり、あるいはそれに関連したところで事故を起こしているわけだから、子供は無過失責任的な補償をしてもらう。そういう金額をここで何とか考えたいということになるわけです。しかし、明らかにどこかに過失があるということがはっきりした場合においては国はその者を相手取って訴訟を起こせばいいわけです。私は、先生だから過失があっても責任を問わないというようなことは、それはできない。しかし、子供は何も自分の責任があってどうこうじゃないんだから、まず無過失責任主義で補償をする、そして明らかにどこかに責任があるということが明確になったらば国自身がそれを訴えて出るというようなことにして、そのことは別個に考えていく。子供にとっては無過失責任主義をとってもらいたい。 そういう意味でやはり義務教育という関係が、いろんな関係で国の負担で補償するという考え方に立って、それで補償額は、あなた盛んに言われているけれども、もうすでに議論されているんじゃないですか。たとえば、予防接種法に基づく予防接種による健康被害の補償額というのは五十二年二月二十五日に施行されて、死亡一時金が千百七十万、葬祭料四万四千円というんだから、一千万台の補償、そういうものはもうすでに出ているわけです。だから決して労災がどうのあれがどうのということじゃなくて、不可能ではないし、まあこれはやや違うけれども、自動車の損害賠償責任保険の保険金額だってもう一千万、二千万ということになっているわけです。そのときに三百万や——上がって三百万、いままでは二百万ですけれども。その程度の死亡見舞金でやられたんじゃ親としちゃたまらぬ。しかも、子供は別に何にも責任あるわけじゃないのにという気持ちが出てくるのは当然だと思うんで、やっぱりこれは何とかして解決をしなきゃいけないものだと思うわけですね。 だから、まあ、言うとおりだんだんこれが充実してないために、たとえば夏のいわゆる海水浴場へ学校が引率するなんてことはもうこのごろはそろそろやめてきた。林間学校へ行って事故が起こった場合に困る。先生の責任が出てしまう。そこでPTAがかわってやる。PTAがかわって事故が起こればまたそこで責任をとらせられる。これじゃやらない方がいいんだということになって、子供は行きたいのに実際にはそういうことがだんだん行われなくなってしまう。これはなかなか大きな問題だと私は思うんですね。だから、何か金額がほかのものと比べて三百万でいいんだというような言い方していた分には、これじゃとてもじゃないがいまのみんなの要望に沿うようなことにはならない。それに特に、医療費が五年で打ち切られてしまう。しかも、学校安全会自身の経理だって安定しているわけじゃないんでしょう。学校安全会の経理は、すでにもう給付経理を見ると共済掛金と前年からの繰越金、いわゆる共済掛金をオーバーして給付金が出ているわけですからね。要するに前年からの繰越金を食っているわけなんです。 で、根本的に学校安全会を検討し直さなきゃいけない、全体の要望をも受けて。どういう形でやるかということのもうすでに段階だと思うわけですがね。学校安全会をどう利用するのか、あるいは他の何か立法を考えるのか、それを組み合わせるのか。そうして何とかしてひとつもう少し適切な補償が出るようにしなきゃいかない。このことはいま検討されているようで、全く適当な検討だと私たち思うし、そのために衆議院では小委員会つくっていま検討の途中のようですけれども、私たちも非常に強い関心を持っているし、まあ、それぞれの党が検討の際には、衆議院の出しているものについては全部お互い党として検討を進めているわけです。決して衆議院でやっているということじゃないわけです。やはりこれはもう国会各党で何とかひとつ解決をしたいということでいま議論をしているところなんです。ただ、非常にこれはむずかしい、容易なことじゃない問題。よっぽどまあ文部大臣にしてもその気になってがんばってもらわないと……。従来の学校安全会をどういう関係で持っていくのか、その足らざるところをどういう形でいくのか、非常にむずかしい問題だと思います。特に学校安全会を除外されている大学の生徒がなかなか被害を受けているという点についても、この際ひとつ大学を含めて、今後また各種学校、専修学校がこれに入ってくる、また学校安全会の方の費用も非常な積算の違いが出てくるということも、まさに検討する非常ないい時期だし、そういう情勢が盛り上がっている段階であるので、関係のところでもひとつ特に努力してもらいたい。まず局長の方からそういう点についてちょっと意見を聞かしてください。
○政府委員(柳川覺治君) 貴重な御意見をいただいておるわけでございますが、御指摘の、また関係の団体等の御要望にございます無過失責任に基づく補償制度を学校の事故につきまして全面的に適用する、また、その無過失責任の考え方に立った補償制度で高額な補償制度を確立していくということは、なかなかに理論的に十分詰めなけりゃならぬ課題であるというように考えておるわけでございまして、かつて日本学校安全会法を制定する際に、すでにその議論を内部的にはいたしておりまして、その上で各方面の一致した意見を得て、この制度をそういうような形で確立するということが困難であったというような経緯もあるわけでございます。無過失責任の補償制度の確立のためには、理論的にも学校というものが危険責任を負うべきものであり、また、あるいは一般に企業あるいは社会に大変な貢献をしているそういう意味での報償責任を設置者側が持つべきであるというような面の理論的な構成の問題、あるいは公平ないしは正義の原則に立った考え方等を種々理論的な面からの詰めが必要でございますし、また実際に学校の事故は多種多様な事故の形態があり、本人の責任に全く帰一しないということも言い切れないような事故もあるというような状態がございますし、また御指摘のとおり学校間にいろんな義務教育あるいは非義務教育あるいは大学等、学校の態様も多様でございます。そこにおける児童、生徒・学生の責任関係もまた多様であろうというように考えられるわけでございまして、この面につきましては理論的な面あるいは実際的な面からの究明が必要だというふうに考えております。特に無過失責任の補償制度を確立いたしますと、先ほど申しました労働者災害の場合等との均衡の問題もその面から出てまいりまして、必ずしも無過失責任の補償制度で高額な補償が得られるというように一致した結論を得るかということにつきましては、なお十分な他との比較も必要であろうというように考えておる次第でございまして、御趣旨の学校における事故につきまして、そういう趣旨をくんだ考え方で学校教育の活発な運営に資するような観点から物を考えるということは御指摘のとおりでございます。 学校安全会もやはりそういう趣旨に立ちまして、学校に起こった事故すべてにわたって学校管理下の事故につきましてはそれなりの補償をするということで従来努力してきたわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、医療給付につきましても五年で打ち切るという問題でいいのか、あるいは御指摘の予防接種法によりまして一千百七十万円という死亡給付がなされておる、それとの比較においては、従来三百万あるいは廃疾四百万の見舞い金ということで、一応従来ありますところの他の補償制度との均衡をそれなりにとるような努力をしてまいったわけでございますが、御指摘のとおり、予防接種法のそういう一千百七十万円というような給付がなされておるというような状態もございますので、それらとの対応も考えながら、安全会の抱えておる改善の方向等の一連の関係においてさらに検討してまいりたいというように思っております。私ども、日本学校安全会という制度がわが国においてとられまして、すべての学校事故についてこれに対応していくというような形での制度が確立されておりますことは、それなりに世界においてもまた誇れることではないかというようにも考えておるわけでございますが、問題は、御指摘の内容の充実の問題が幾つかあるわけでございまして、その辺の施策の推進につきまして努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○松永忠二君 ただ、無過失責任をここで議論するつもりはありませんがね、学校安全会ができた当時とは無過失責任というものの考え方がずうっと進んできているわけでしょう。公害なんかの問題も出てきて、無過失責任の考え方に基づく補償というものが出てきたわけなんです。だから、盛んに労災というお話もあるけども、あれは、労働者は自分の賃金を取ってやっているわけでしょう。学童とか生徒というものはそういうものじゃないんだ。しかも特に義務教育なんかは教育をする義務を負荷しているわけなんだから、自分で仕事を望んでやっているわけじゃないんだから。学校に行くことを義務づけられている中でやっているわけですから、だから労災とそれとはもう全然考え方は違わなきゃいけない。それで無過失責任的な補償というものを考えるわけなんですよ。無過失責任的な補償でなければ、いわゆる事故の根拠なりそれがはっきりしない限りは補償は出せないということになっちまうわけなんで、そこの問題を言っているわけなんです。完全な無過失責任でやれということを言っているんじゃない。無過失責任的ないわゆる生徒に対する補償額をやる。しかし現にそれがいずれかに責任ありと断定するものがあるならば、別個にそれは国として訴えて出ていくなり、公共団体として訴えて出ていけばいい、それは後の問題として。だから、完全な無過失責任をやれということじゃないんであって、生徒について無過失責任的な補償をすべきだと、それは、いま言うとおり学校という中でやっていることを考えるときにそういうことがある。それで昔とは大分違ってきている。学校安全会は、それはそれなりの役割り果たしたけども、これはどこまでも共済制度なんだ。金出し合って助け合おうと、結構なことだから国は補助しましょうということでしょう。国は何にも——都道府県とか、そういうものが金出し合っているわけだ、子供に。何もただその仕事を援助する意味でやっているだけであって、もっとたとえば義務教育なんかについては国のいわゆる補償責任というものを明らかにしていく必要があるのじゃないか。そういうことになれば、従来のような学校安全会の補助の仕方では足らぬのじゃないかという議論もそこへは出てくるわけだ。 だから現によその国でもそういう考え方を持っている国があるんでしょう。たとえばフランスとか西ドイツとかイギリスあたりでもなかなかそういうふうな意味のものをやっているわけだ。アメリカのように保険制度の進んだ国は別ですけれども、やっぱりそういう考え方をしてきているので、安全会を無にするという意味じゃなしに、安全会に何を分担し、新しいものには何を分担していくのかというようなことで、安全会を中心にしてすべてものを考えるという事態は、この際ひとつ検討する必要がある。安全会の一つの分野であるほかに、安全会で何もかも、いま言った要望がかなえられるというものじゃないということなんですよね。組み合わせをしてきて、あるいは一部保険制度も導入していくことも必要でしょう。共済制度も導入していくことも必要である。そしてまた、国の補償的な責任を明らかにしていく、組み合わせをしていく。そういう意味では、なかなか非常な努力は必要だと思うけれども、非常に要望されている点があるし、実際、われわれが見てこれだけの者が死亡、廃疾をしているということになれば、このままにちょっと済ませないということになるので、この点を特に要望しておきたいと思います。これは大臣にちょっと見解をお聞きをして、質問を終わります。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の点につきましては、私の率直な感じを申し上げますと、学校で起こります事故は、やはり、これは、初めから悪意でもってやろうという事故ではなくて、善意に基づく事故でございますから、責任を明らかにすると言いましても、どうしても裁判ざたにはなかなか心情的に親しみにくい面を持っておるものだと、私もこう判断をしております。そこで、いまは現実的な措置として、今年度も共済給付の見舞金をできるだけ増額するということで努力はしてまいったわけでございますけれども、必ずしもそれが完全に救済しておるという満足いく額になっておらないこともおっしゃるとおりでございまして、いろんな角度からの御議論もありますが、他の制度との関連もございますし、また、やっぱり特に義務教育段階における学校事故というものに対しで、ただいま先生御指摘の挙証責任の転換のお話などもきわめて示唆に富んだものでございますので、私どもこういった事故はそのケースをとらえて私も書類を見たり写真を見たりしておりますと非常に心痛むものでございますから、特に死亡の場合とか廃疾の場合のような重度のものに関してはどう改善していったらいいのか、いろんなことを踏まえてよく検討をさせていただきたいと、こう考えます。
○小巻敏雄君 文部大臣に、児童、生徒等の健康保持増進というような問題について文部省の施策をお伺いいたします。 昭和四十七年の十二月に保健体育審議会が答申を出しておるわけであります。この中では、「心身ともに健康な国民の育成を期する」という目的の達成上、一つは体の問題でありますし、それはひいては心の問題や学力の問題にもつながってくるのだというようなことにも触れておるわけであります。いまは「あらゆる教育活動の基盤を培う」こういう表現をしております。それから、学校保健法でも、児童、生徒並びに職員の健康の保持増進という問題は学校教育の円滑な実施と成果の確保に期するというふうにも述べておるわけであります。その後、文部省の方では何を重点に、どういったふうな施策を進めておられるのか、この点についてまずお伺いをしたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の保健体育審議会の四十七年の答申におきましては、当面とるべき施策といたしまして五項目ほどの御指摘がございます。それにつきまして文部省が主な施策措置としてとってきたところにつきましてお答え申し上げます。 まず、児童、生徒等の健康診断並びに就学時の健康診断の内容等につきましては、この審議会の御答申の趣旨を受けまして関係法令の改正を行って、昭和四十九年度からその実施をいたしておるところでございます。たとえば、就学時の健康診断につきましては、栄養状況の検査等におきまして、肥満傾向で特に注意を要する者の発見に努める等のことも加えたりいたしまして、また児童、生徒の定期の健康診断に当たりましては心臓の疾病及び異常の有無、あるいは新たに尿の検査を加え、腎炎・ネフローゼ等の早期発見に努めるというような改善を図ってまいった次第でございます。 それから二番目に、学校保健と公害対策の強化につきましての御指摘がございますので、これにつきましては、健康増進特別事業費補助、いわゆるグリーンスクールの事業でございますが、これを拡充していくということに取り組んでおりますし、また、昭和四十八年度から新たに学校環境緑化促進事業に必要な経費を補助することといたしまして、学校の緑化環境を整えていくということの取り組みをいたしておる次第でございます。 三番目に、学校保健センター的な機関の設置についての御指摘がございます。これにつきましては、この保健指導、保健相談等の機能を財団法人の日本学校保健会において行うことが当面適当であろうということで、新たに日本学校保健会に対しまして補助対象事業を行っていただくようにいたしまして、学校保健の普及指導事業、調査研究事業、健康相談事業等をこの保健会を通じて行っているところでございます。 また、児童、生徒の健康診断の一環としての体力に関する検査、あるいは学校環境衛生の基準につきましての御指摘がございますが、これにつきましては、それぞれ、調査会等で御意見を承りながら、現在検討中でございます。 以上が重立った施策の内容でございます。
○小巻敏雄君 文部省では、毎年、保健統計調査というものをやっているわけですね。調査結果から見て、どういう特徴があらわれておるわけですか。
○政府委員(柳川覺治君) 学校保健統計調査の最近の傾向としては、特に虫歯の罹患率が小学校で九四%というような高い比率を持ってきておるということ、あるいは目の方の近視の問題が大きな課題になってきておるというような点が指摘されるのではないかというように考えます。
○小巻敏雄君 この保健統計調査の見るところでも、速報を出しておられるものを私も見たわけですけれども、中学から高校にかけての虫歯と近視というのが、これは大変なパーセンテージになっておるわけでありますが、なおこのほかに、耳鼻咽喉の疾患なんかも、これは非常に多い、またふえているというような状況があるのじゃないですか。
○政府委員(柳川覺治君) 五十一年度の調査結果によりますと、たとえばへんとう肥大、それから鼻及び咽頭炎の問題、この辺の問題が大変罹患率が高うございまして、小学校で両方合わせまして一二%、中学校で七%近い数字というような状態がございますし、中耳炎あるいはその他の耳炎の異常の者が小学校で三%、中学校でも二%ほどの状態であるというように、この面の、これはまあ抽出調査でございますが、この辺のところが依然として減少しないという状態が出ておるかと思います。 —————————————
○委員長(宮崎正雄君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま小柳勇君が委員を辞任され、その補欠として宮之原貞光君が選任されました。 —————————————
○小巻敏雄君 これは私の方の耳に入った話でありますが、新しく養護で赴任をして、僻地とでも言うんですかね、私はそこへ行って見てないんですけれども、福島県の一つの学校へ行った方が、非常に熱心に子供の健康調査に当たられた。特に指定校になったのでいろいろやってみたというところから、調べれば調べるほどふえてくるわけなんですね。専門医なんかがいなくって十分に、平常はわかっていない。虫歯なんか本人でもわりあいわかりますから何だけれども、いまも言われたへんとう腺肥大とか、いわゆる蓄膿症というんですかね、ああいったふうなものは非常に罹患率が高くて、自覚しているのもあれば、していないのもあり、一つの調査でずいぶん見つかるような、こういう訴えを受けておることがあるわけです。 ここでお伺いするわけですが、文部省としては、この保健統計を行う際に、指定校に対して抽出調査をされる。こういうことでは、指定校に対してどういうような条件で指定をされるのか。かなり、学校医が、眼科や耳鼻科というようなことになれば専門医がいないんじゃないかということと、そういう不備なところで行う調査については具体的な裏づけのある指導が要るんじゃないかと思うんですが、どうでしょうね。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のとおり、現在、耳鼻咽喉の方の学校医の設置率は三五%というような状態でございますし、先ほど松永先生からも学校医の配置の問題が御指摘になったわけでございますが、実際に全国に目と耳鼻咽喉の関係のお医者さんの数は、潤沢でないと申しますか、十分でないという状態があるようでございます。医師の総数が十二万六千三百二十七人。これは四十八年現在の数字で恐縮でございますが、そのうち診療所等に勤務しておられる方が六万六千四百五十二人、内科・小児科の関係の開業医をされております方が四万八千六十四人、眼科の場合が三千四百六十八人、耳鼻咽喉科が二千六百八十三人というような学校医の実態でございまして、この辺のことから、それぞれの地域にわたりまして各学校に専門の眼科あるいは耳鼻咽喉の先生を得るということがなかなか困難だということでございますので、この面につきましては、従来特に僻地の学校につきましては巡回診療による施策を進めてきておるということでございますが、御指摘のように、平地のところの学校等につきましてもこの面の措置が十分でないというところにつきましては、都道府県全域にわたっての、各県の問題として特別な指導体制がとられるようなことを、都道府県教育委員会を通してお願いをしてまいっておる次第でございます。 具体にいま先生御指摘のとおり、学校保健の調査校に指定されますと、そのときにはそれなりの指導体制がとられまして実態が把握される。その実態の把握によって新たな疾病の状態が発見されたというような事態が起こるわけでございますが、現在小学校につきましては八分の一の学校を抽出いたしておりますし、中学校につきましては五分の一の学校の抽出ということでございますが、この学校の選定に当たりましては、各県教育委員会におきましてそれぞれの地域の実態を見ながら、毎年重複することのないような配慮のもとに選定がなされておるというように承知しております。
○小巻敏雄君 実は福島県の西白河郡というところの中学校で、たまたま指定校になったので、さあ、やろうとしてみたら、大抵なことじゃないわけですね。町に偏在をして、特に眼科、耳鼻科等の専門医師の検診を受けることは困難だと。回りの学校でも、常々専門医師の検診をほとんど受けていないために、わりにかえって気楽にやっておるわけです。鶴歯の疾患状況というのは、大体市部でも農村部でも大差がなくて、一〇〇%と言っていいくらいになっておる。そうすれば、ほかの病気だってそういうことであろうと思われるわけですけれども、大体耳鼻科なりあるいは眼科の疾患というのは非常に見つけにくくて、統計的に少数で統計数字が出てきているのじゃないかというようなことが心配されるわけです。ここで特に専門医の検診を受けた結果というのは、二百八十三人子供がいたようなんですけれども、俗にいう蓄膿症、慢性副鼻腔炎というのが実に三十一名で一一%いたというのですね。慢性・急性・肥厚性鼻炎の者が十名いた。それでへんとう腺肥大の者が十二名、難聴・中耳炎の者が六名、合計五十九人、二〇・八%の疾患が発見されているし、これは一般的な傾向ではないのかということをこの人は言っておるわけです。これを治療する段になると長い時間にわたるわけですし、ほうっておけば教育上の弊害も、これは当然予想されるというわけであります。ところが、この西郷村というところから生徒が通おうとすれば二、三キロ、遠い者で十キロくらいになる。それでもこうして発見をしたから治療に手をつけるわけでありますけれども、たまたま指定校になって特別な状況で検診をやらなければわかっていないというような状況が訴えられておるわけでありますから、この点ではひとつ専門医に検診をやらせるように各都道府県に対して、特別なお願いと言われるんですけれども、具体的に内容を明示して指導される必要があるのじゃないでしょうか。その点はこの指定校の場合にどういうふうな特別な措置を要請をされておるのか。それからまたこれについての状況に合わせての経費なんかについての裏づけは見ておられるのかということもお伺いをしておきます。
○政府委員(柳川覺治君) 調査統計の指定校になったということのために、特別の専門医の派遣等の措置を国としてはいままでとってきておりませんが、各県におかれまして指定校に対しましては、そういうときには専門医を派遣して実態の調査に資するということで対応しておるというところでございます。まあ、僻地の学校につきまして、学校医等の配置が困難であるというところで医師派遣の助成措置をいたしておりますが、それ以外のところにつきまして直接助成の施策でもってさらに補っていくというようなことにつきましては、いままでのところ実現いたしておりません。
○小巻敏雄君 医師派遣の助成措置というのはどの程度やっておられるわけですか。予算額なり学校数なりなんかね。
○政府委員(柳川覺治君) 僻地学校保健管理費補助といたしまして、昭和五十二年度予算では三千六百八十万八千円を組んでございますし、また僻地学校の、これちょっと違いますが、保健室等の整備費補助といたしまして二千二百三十五万五千円の補助金を組んでおるということでございます。
○小巻敏雄君 ぜひともこの各府県が行う特別な措置ということについては、そのスタンダードを明示をして、そして裏づけを拡大をしてやっていただきたいと思うわけであります。私のところに入っておるこの中学校の場合にも、派遣をしてもらうというふうにならなかったら非常に苦労したというのが具体的な内容になっておると思うのですよ。で、各府県で必ずしも取り扱いも違うのではないか、まあ、こういう点も見て、ぜひともこの点は逐年改善をしていただきたいと思うわけですけれども、まあ、展望としてはどうなっているのかね。
○政府委員(柳川覺治君) 五十二年度に医師、歯科医師の派遣が延べ七千三百七十二人が派遣できるという積算になってございますし、学校薬剤師につきましては千四百八人の派遣がさせていただけるという積算でございますが、これは前年度に比しまして若干の増員でございます。前年度、医師、歯科医師につきましては七千百七十二人でございますので、約二百人ほどの増員が図られた。また薬剤師につきましては百人足らずの増員がなされたということ。そのほかにそれぞれの派遣旅費、謝金等の単価アップをいたしておるということでございます。いま先生御指摘の問題は、あるいは僻地だけに限らない問題であろうかというようにも感じますので、この辺は実態を十分さらに調査させていただきまして考えてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○小巻敏雄君 さらに虫歯の話について二、三お伺いしたいわけですが、この調査速報を見ても九十何%という子供が虫歯を持っておるわけですけれども、治療していない部分が非常に多いのじゃないでしょうか、ここにあらわれておる状況でも。この治療の問題とそれから抜歯をする必要のあるような場合の対策というものが急がれなくちゃならぬじゃないかと思います。歯医者まで半日かかって行って、三十秒の治療とはオーバーかもしれませんけれども、そういう状況の中でつい放置されているというのが現状ではなかろうか。これに対する巡回歯科医制度というようなものを郡部の方にも実現されるというようなお考えはないだろうか。 それから弗素塗布という話をときどき聞くわけなんですけれども、これは一体効き目はあるのかどうか。聞くところでは、薬害はなくて効果はあるというふうに聞くわけですけれども、こういうものの利用について文部省はどう考えておられるか。それからこれについての要望に対しては積極的に進めるというふうなお考えをお持ちになるかどうかというふうな点についてお伺いしておきます。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の齲歯の未処置の問題でございますが、未処置の歯のある者が八四・二六%という実態が幼稚園、それから小学校につきましては八〇・一八%、中学校六五・一一%という状態で、やはり未処置の状態が比率が高いということでございます。 そこで、学校における保健指導につきましては、検査の結果齲歯が発見された場合は、児童、生徒につきまして、早期にこの治療をするよう指導を行っておるわけでございます。実際にいま弗素の問題等の御指摘がございました、あるいは専門医による巡回の治療という御指摘がございましたがなかなか、学校において専門医による治療ということまで学校保健に取り組むということはなかなか実際問題として困難な問題でございますので、この面につきましては、一般の医療制度の普及、そういうふうな面との対応で対処していくべき課題であろうというように考えておりまして、文部省といたしましては、児童に対する指導の徹底を期するということのためにも、関係資料を作成して頒布し、またそれぞれ関係の教職員の研修事業を行っておるというところでございまして、さらにいま五十二年度、今年度におきましては、新たに一千万円の予算を計上いたしまして、小学校における齲歯予防のための指導の手引きをつくってまいりたい。そのことによりまして趣旨の徹底を図り、また学校におけるうがいを励行する等の実践活動も徹底していくというような方向の指導に資したいと思っておる次第でございます。
○小巻敏雄君 それは学校を病院にするというわけにはできにくいかと思うわけですけれども、いずれか、学校でとらえた、キャッチをしておる齲歯の現実の状態に対して、広報宣伝というのは、これは自治体の、市町村の方でこのことに対して意識を持って処置をしていくなら、有効な手段になるんじゃないかと思います。一層具体的な指導を強化をしてもらいたいと思うわけであります。 最後に大臣にお伺いするわけですけれども、所信表明の中でも特に健康診断の充実と学校歯科保健活動の推進などというのを記述されておるわけです。この問題は非常に重要な問題になっておるわけでございますけれども、その中身はいま具体にわたってお聞きいただいたような、なかなか一足飛びにいかない問題をかなり含んでおるわけですね。まあ、逐年改善をしていただく必要があると思うわけですけれども、これは特に学力問題とも間接とはいいながらつながってくるものであります。この点について、たとえば鼻が悪いと集中心がなくなるとか、あるいは歯が幼いときから悪くなればそしゃく力が半減するとか、あごの発達がおくれるとか、知能の発達がおくれるとか、いろいろ言われるところもあるわけであります。これらの問題について特に今後の考え方を述べていただいて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) やはり人間の体、どこかよくないところがあっても間接的には心身の発達に影響を及ぼすであろうと、こう考えますから、特に児童、生徒の健康保持には十分意を配っていかなければならない、こう考えております。そこで、特に歯の問題は、いろいろ私も調べてみますと、小学校へ入るころから九十何%も鶴歯にかかっておる。文部省も予算措置もしまして、きちんときれいに歯をみがいて鶴歯にかからないような指導を徹底しようと思っておりますが、しかし、歯をみがくだけで果たしてその予防になるのか、あるいはすでにかかってしまっておる人の歯をみがくだけでいいのか、いろんな角度からの問題がございますので、私どもの及ばないところは、政務次官を通じて関係の省庁にも協力を求めながら、何とかなるようにしていきたいという気持ちで取り組んでおるところでございます。 なお、大気汚染等の公害によって、特に耳とか、のどとかにいろいろな影響が出るのではないかという点に関しましては、そういったような調査等もいたしまして対処していくようにしたいと、こう考えております。
○小巻敏雄君 課長の方に、一つ答えが抜けておったので、補足しておいてもらいたいと思います。 弗素塗布の問題はいかがですかな。
○説明員(遠藤丞君) 学校歯科医の専門の先生方にお伺いするところによりますと、弗素の塗布というのは齲歯の予防に相当大きな効果があるであろうということが言われておりますけれども、なかなかその薬害といいますか、副作用の問題の心配もございますので、学校保健にそのまま取り入れることにはまだ心配がある。専門医によります慎重な管理のもとにこれを行えば効果があるということで、新潟県の方では、新潟大学の歯学部を初め地元の地域の歯科医の先生方の大変な御協力を得て、弗素の塗布、弗素のうがいに努めているということを伺っておりますけれども、これを全国にそのまま広めるということについては、なかなか歯科医師の先生方の御協力を得ることも現在の段階ではむずかしいような状態にございまして、今後の検討課題であろうかというふうに承知しております。
○小巻敏雄君 ひとつ積極的に検討していただきたいと思います。 終わります。
○委員長(宮崎正雄君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎正雄君) 御異議ないものと認めます。本案の自後の審査は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会 —————・—————