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80回国会参議院1977/05/24

農林水産委員会 第18号

発言数
152
登壇者
13
会派数
4
開催日
1977/05/24

会議録

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十一日、佐々木満君が委員を辞任され、その補欠として山内一郎君が選任されました。  また、昨二十三日、竹田四郎君及び沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として工藤良平君及び塚田大願君が選任されました。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以降における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま問題になりました農業者年金、それから農林漁業団体職員共済組合法の一部改正、一緒にいたしまして、まず初めに、農林漁業団体職員共済組合法の一部改正についていろいろお尋ねをしたいと思っております。  ちょうどきょう内閣委員会で、国家公務員共済組合法の一部改正、それに三公社の共済組合法の一部改正のいま審議が始まっておりまして、本来なら私も内閣委員会に参りまして論議した方が都合がよかったんでございますけれども、一緒になっておりますから——そこで、いま問題になっておりますこの農林漁業団体職員共済組合法の審議をいたします際に、若干大蔵省の側にお尋ねをいたしておきたいと思っております。  それは、四月の二十日に衆議院の社労で、加藤さんという自由民主党の方ですが、加藤さんが厚生年金と共済年金との比較をされましたようで、そのことが新聞等に報道されまして、そして厚生年金と共済年金との間に大変格差があるというような報道がなされまして、かつてない報道が行われておるわけであります。御承知のように、四十九年ごろからでありますけれども、年金問題に対しまする各方面の関心が非常に高まっております。一年ごとに高まってまいっておりまして、そういうさなかにちょうどいま厚年と共済年金との間に大変な格差があるような報道が行われまして、その発端をなしましたこの社労におきます論議等を見まして、どうしても私もこれはやはりこの委員会におきまして——内閣委員会に行けばいいんですが、かち合っておりますから、この委員会におきまして若干この問題について私の見解を述べ、また共済を取り扱っております大蔵省の側の見解も聞いておきたい、このように思っておるわけであります。  まず第一番目は、五十年度のこの裁定によりますと、厚生年金の方が六十六万円をちょっと超しておる。六十六万の平均年金額になっておるのに対して、共済年金の方が百五万と、一・五倍から一・八倍という高さにある。厚生年金が低くて、共済年金の方が大変に高いというような報道が行われておるわけであります。そういう論議があったようであります。私は、公務員の給与を長年取り扱ってまいりまして、公務員の給与というのと民間の給与というものを見ましてすぐ感じますことは、公務員の平均年齢が大変高いわけであります。これは、国公法のたてまえで終身公務員という体系をなしておりますから、平均年齢が四十歳というふうに見ていいわけでありますが、民間の場合におきましては平均年齢が大変に若いわけであります。そういう観点から、この共済組合に入っている年限、それから一方厚年に入っている年限に相当の開きがあるだろうというふうに見なきゃならぬと思っております。  もう一つ問題は、給与の体系が少し違っておりますが、それは公務員の場合は、標準になっております国家公務員をとりますと、月収の中に占めております本俸の割合というのが高いと言っていいと思うんです。民間の場合におきましては、いろいろな手当とかそういうようなものが出まして、そして総体としてはそんなに変わってないんですけれども、ただ本俸の占めている割合が公務員に比べますと低いというふうに言わなきゃならぬと思いますが、そういう点もやはりあると思いますけれども、何せ厚年に入っている年数というものと共済に入っている年数というものの間に非常な差があるんだろうというのが、私の問題の一つであります。そういう点について、共済課長が見えておりますから、ひとつ説明をいただきたいと思います。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) 冒頭に、私どもの手違いでおくれましたことをおわびいたしたいと思います。  ただいまの御質問の件でございますけれども、厚生年金の五十年度末既裁定年金の平均額六十六万八千円に対して、共済の場合百五万ということでございますが、その加入期間と申しますか、被保険者期間は厚生年金でまいりますと二十一・八年、それから私どもの共済、百五万に対応するところの組合期間につきましては三十年というふうに差があるわけでございます。また、五十年度の新規裁定の金額でございますが、厚生年金六十七万八千円に対して、国家公務員共済の場合は百二十二万一千円ということで、これは加入期間が厚生年金の場合二十三・三年、私どもは三十二・七年というふうに、非常に被保険者期間が違うわけでございます。  この点につきましては、現在の年金制度、年金額の算定方式が、いずれの年金制度におきましても加入期間の長短によりまして年金額に差があるわけでございます。これは厚生年金の場合で申し上げましても、二十年ぐらいの者と二十九年ぐらいの人たちの年金の間にはおおむね六〇%ぐらいな差があるわけでございますので、こういった加入期間を無視いたしまして比較いたしましても、なかなか年金水準というものの比較にはならないと私どもは考えているわけでございます。  それからもう一点、いろいろ基礎俸給の違いも、やはり加入期間が違いますると相当差が出てくるわけでございます。公務員の場合でいきますと、おおむね二十二年ぐらいから三十年の者の基礎給与の開きというものは〇・八二%ぐらいの差がございますので、そういった点も考慮しないと、なかなか年金の水準を比較するわけにいかない、かように考えている次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いまお話のありましたように、共済年金の方に入ってそして年金を受けている者、それから厚生年金に入って年金を受けている者の加入期間の差というのが十年ぐらいの差があるという問題と、いまお話のありましたように、十年の差がありますとその基礎になります給与のまた水準にも相当大きな開きが出てくる。当然の話でありまして、そういうものを無視したような形で、単に出ている数字だけで五割から九割ぐらいの格差があるというような比較は、私は大変妥当性を欠いているというふうに考えているものであります。いま問題になっておりますこの農林年金の場合にいたしますというと、年間六十六万六千円という数字が出ておりますが、厚生年金とそんなに変わらない。これはいろんな事情にもよりますけれども、そういう点をやはりネグレクトして比較をするということは、私は大変国民を惑わすものだというふうに考えておるわけであります。  もう一つ問題になっておる点は、これは新聞等にも報道されておるんでありますけれども、共済組合の年金を決める場合の基礎が、やめるときの最後の一年間の平均給与が基礎になって決まっている。ところが厚生年金の場合におきましては、その加入期間の平均給与というような形をとっている。だから共済組合の方がはるかに有利なんだと、こういう論議があったように聞いておりますし、事実そういう資料も持っておるわけでありますけれども、しかし、御承知のように、共済組合の場合におきましてもやめる最終の年の平均賃金を基礎にするか、それとも通算をした給与の平均でとるか、いずれか有利な方をとっていいということになっておりますけれども、後者の方の通算をした給与でとりたいというのが六割ぐらいになっている。そういう点から言いまして、この最終年の一年間の賃金をとるか、あるいは平均の賃金をとるかという点については、そう差はないというふうに見なければならぬのじゃないかと思っております。ですから、そういう点を取り上げて共済の方が大変有利だという言い方は、これは解せないと私は思っておりますが、共済課長の見解を聞きたいと思います。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) 先生御指摘の、基礎俸給のとり方によりまして年金に水準が生ずるかどうかという問題だと思いますが、私どもこの年金額算定の基礎給与のとり方というものにつきましては、非常に技術的な問題だと考えているわけでございます。御承知のように、年金額を計算する場合におきましては、基礎給与に支給率というものが掛かりまして初めて年金額というふうになるわけでございます。したがいまして、基礎給与をどういうふうなものにとらえるかだけでは年金額の水準にはならないわけでございまして、どのような支給率をそれに掛けるかという問題になるわけでございます。  そこで、基礎給与の、私どもの共済組合におきましては最終一年の平均ということになっているわけでございますが、これは実は年金受給者にとりましても、あるいはリタイア寸前の人たちにとりましても、自分の基礎給与が最終に近いということでありますと、年金額を計算することができるとか、あるいは裁定事務が非常に事務の簡素化につながるということで、一年平均ということはある程度のメリットがあるわけでございます。しかしながら、どんなところでも最終一年をとれるというわけにもいかないわけでございまして、私どもの国家公務員の場合、給与体系が実は一つの給与体系になっておりますし、さらに給与を改善する場合におきましても、人事院あるいは国会の承認を受けて決められていくわけでございます。そういった給与体系があるから一年平均がとれるわけでございまして、この基礎給与のとり方はもっぱら保険集団の中の不均衡が生じないように、しかもメリットのあるようなものというふうに考えているわけでございます。  厚生年金の場合におきましては、実は非常に会社の数がいろいろと多いわけでございまして、給与体系も非常にまちまちでございます。したがいまして、最終一年というとり方をいたしますと、保険集団の中で不均衡が生じてくるわけでございまして、なかなか制度的に実は平均報酬以外にはとりにくいというふうに考えているわけでございます。しかしながら厚生年金の場合におきましても、実は全期間の平均といっても、各再計算その他のときに実は過去の標準報酬の見直しというようなこともやっているわけでございますので、算定基礎の給与のとり方だけで水準が違うというふうにはならないと思います。私どもの共済の給付率は、御承知のように全額報酬比例ということになっておるわけでございますけれども、厚生年金は定額部分に報酬比例部分ということで、給付の率の内容も若干違っておるわけでございますので、それらを総合的に勘案しなければ年金の水準というものは比較できない、かように考えている次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一つ、保険料の差が共済組合と厚生年金の間にない、共済組合でいうと千分の九十三、それから厚生年金の方が千分の九十一、ほとんど差はないにかかわらず年金に大変な差がある、こういうような言い方が行われているんですが、私は、三十四年に従来からありました恩給法を保険制度の共済年金に切りかえるときに、内閣委員会におきまして大変な論議をしたことを記憶いたしておりますが、当時恩給は千分の二十というものを掛金として積み立てておった、それが千分の四十四になるというので、四四闘争と言ったり、四四論争と言いまして大変な論争をしたことを記憶いたしておりますが、千分の四十四に、一挙に二倍以上にふくれ上がるということで大変な論争をいたしました。したがって、自己負担が千分の二十から千分の四十四になる。つまり、掛金としては千分の八十八になるということになるわけです。ですが、その際に、厚生年金の場合は、こちらの方が千分の四十四になったときに、厚生年金の方は千分の三十五であったわけでありますが、そういう論争をやったわけであります。ですから、この掛金は現在はそうは違ってないけれども、少なくとも三十四年からの経緯を見ますというと、厚生年金の方は段階的に掛金を引き上げていって、そしていま共済年金とそう違わない掛金になっているけれども、かつては大変に低かったわけであります。それを段階的に近づけたわけでありまして、私もいまの掛金が違わないのに格差が大変ある、こういう言い方については非常に疑問を感じております。  それからもう一点、これは非常に誤解を生んだように思いますけれども、共済年金については四千百億円という国庫負担をしている。この四千百億円という負担をしているから、いかにも共済年金の方が大変有利になっているんだというような印象を国民に与えている。それで私の知り合いの中でも、四千百億円という別途に整理資源という名前で金が出ているのかと、こういう話で大変誤解を与えておるわけですね。これはもうとんでもない話だと私は思うんであります。これは恩給から共済年金に切りかわりますときに、一挙に千分の二十という掛金から千分の四十四になるという場合に、私どもは整理資源というものを全部一挙に共済年金に持ち込むべきだと、そうすれば共済年金の金もそんなにふやす必要もないと、上げる必要もないじゃないかという論議を盛んにやったんですけれども、当時の財政当局は、一挙に持ち込まないで毎年必要に応じて整理資源を出していくと、こういう形をとったわけですね。  それで、四千百億円という大変な金が出ているというんですけれども、実際は、これは国家公務員の共済、約百万近いと思います、さらに地方公務員、約三百万ぐらいだと思います、さらに三公社、ほぼ百万に近いと思いますが、そういう三公社、そして地方公務員の共済、さらにいま申し上げました国家公務員の共済、そういうものに対しまする整理資源として、つまり恩給から共済年金に切りかわったその整理をしなきゃなりませんから、その整理資源として金が出ている、その総体が四千百億円であって、一般会計から出ている分というのはその中の大きなものじゃないと私は思っておりますが、この四千百億円の中には、当然三公社の国鉄なり専売なり、あるいは電電が出している分があるわけでありますし、地方公務員の場合にありましてもこれは地方自治体が出している分があるわけであって、国の一般会計から出している国家公務員の共済、あるいは義務教育の共済に対しまして国庫負担で幾らか出しておりますが、この四千百億円の中で国が一般会計から出している金というのはどの程度あるのか、伺っておきたいと思います。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) ただいま御質問の整理資源でございますが、五十年度におきまして、一般会計負担でございますけれども、国家公務員共済組合におきまして三百四十三億円、それから地方公務員の中に警察庁の職員とか附則八条の職員がございますので、そういった者を含めますと全体で三百六十億、先ほどの三百四十三億に十七億ぐらい足すわけでございます。そのほか、先ほど御指摘いただきました義務教育の公立学校の先生でございますが、義務教育国庫負担法の中で国の一般会計から負担する分が三百六十二億ございます。したがいまして、全体の四千百億のうち一般会計負担は七百二十二億円でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いずれにいたしましても、こういう四千百億円という金が大きく報道されまして、中身は十分見ないで何か四千百億円という大変な国は共済組合に金を出しておると、そのために共済年金というのが非常に有利だというような形に受け取られちゃったらまいってしまうわけですね。ですからいまお話しのように、これは三公社は三公社で出しておるわけでありますし、地方公務員の場合にありましても、義務教育を除きますと、また警察の関係で国家公務員以外のものを除きますと、四千百億円ではなくて七百二十二億円という金になるわけでありますが、こういう整理資源を否定するということは、これは恩給から共済組合に切りかわったその恩給部分を否定するという形になるわけでありまして、こういうむちゃな論議を国会でやられたんじゃかなわないというのが、私どもの率直な見解であります。  それからもう一つ、厚年の方が六十歳で年金を支給をする、共済の方は五十五歳で支給するという、五歳の差があるということでありますが、これは共済の方が当時五十五歳にしますときも大変な論争があったわけで、恩給の場合は——三十四年まで続いたわけでありますが、恩給の場合は警察官はたしか十五年で年金がついたように記憶しておりますし、それから軍人の場合はもっと早くて十二年ぐらい、戦地へ行きますともっと短いと。それで一般の国家公務員の場合あるいは地方公務員の場合は、任官をしてから、つまり当時の判任官になってから十七年という形になっておりました。ですから、文官で言いますというとなかなか任官というのが長くかかったわけでありますが、しかしそうでない人もあったわけで、したがって四十ぐらいになりますと恩給がついてしまうと。警察官で言いますと、もっと早く年金がついてしまうというような問題もあったわけですね。が、しかしそれを五十五歳に延ばすということで大変な論議があって、当時として普通の社会常識の定年というのが五十五歳であったから、五十五歳というところで共済年金を決めた。ですが、厚生年金の方が六十歳という、そういうふうに決められたのは私経緯は知らないんですけれども、なぜ六十歳に決められたのか。常識的に言って、定年というのは民間の場合は五十五歳というのが普通になっておるわけですから。今日では若干ずつ延びてまいっておりますけれども、しかし当時から言いますと五十五歳というのが定年であったにかかわらず、六十歳に決まったという点については理解のいきにくい点があるんですけれども、きょうは厚生省の側も見えていますね。  それからもう一つ、厚生年金を受け取っている人たちの最も不満にいたしておりますのは、六十歳で年金を受けるようになったと、そしてまたどこかの会社に勤めると、その会社が厚年を適用されるところに行きますと、月収十一万四千円取っておりますというと、年金が六十五歳まで支給されないという問題があるんですね。六十五歳を超しましても、月収十一万四千円を超しますというと年金は二〇%カットになると、こういうやり方をやっておるわけですね。つまり年金の受給資格はとったけれども、さて六十歳からほかの会社へ勤めるということになりますとそういう支給制限を受ける、あるいは完全に十一万四千円以上取るというと、六十五歳までは年金は全く受けられないという制限があるわけですね。これに対する不満が一番大きいんじゃないでしょうか。そういう問題についての改正なり、あるいは検討なりというのが行われているのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

山本純男厚生省年金局企画課長

○説明員(山本純男君) いま仰せになりました受給開始の年齢の件でございますが、まず初めに、六十歳と決められておる状況について疑問があるという御趣旨でございましたが、これは昭和二十九年までは五十五歳から支給を開始する、五十五歳であり、かつ退職したときから支給を開始するということになっておりまして、これを昭和二十九年に二十年間の経過規定を設けながら六十歳に年限を延長したわけでございますが、この延長いたしました趣旨は、五十五歳というのが御指摘のとおり民間企業における社会的な定年年齢であったわけでございますが、それにもかかわらず、五十五を超えた方が皆さん引退なさいますかと申しますと、そうではございませんので、やはり定年後も何らか第二の職場を求めて働く方が圧倒的に多いという事情があったわけでございまして、そういうことを考え合わせ、かつ定年年齢がその後漸次延長するという傾向にも着目いたしまして、約二十年の経過規定をもって六十歳に延長したというのが趣旨でございます。  現在、また、これを六十を超えて給与が低い場合に支給されない点についての御質問でございますが、もともとこういう職域を中心にしました年金制度といいますのは、加入年限が満ちるという条件と、年齢がある一定の年齢に到達するという条件のほか、その職域グループから脱退する、退職するという三つの条件を前提に年金を支給するというのが一般的な形でございまして、これは共済年金でも同じたてまえでございます。ところが、実際上厚生年金の場合には、対象といたします範囲が民間企業のほとんどを網羅しておりますので、大体第二の職場をお求めになりますと、厚生年金というグループの中にとどまるという結果になりますので、結果としては、五十五なり六十なりで長らく勤めた職場をおやめになりましてもその後まだ厚生年金に加入を続けられるということで、年金が受けられない状況があったわけでございます。  そこで、余り低い給与で六十を超えて働いておられる場合にも年金を支給しないということは、老後の生活を保障するという制度の立場から見ましていろいろ問題がございますので、給与がおよそ年金の標準的な額に満たないような場合には、在職中でありましても年金を支給するという制度を始めたわけでございます。その限度がいま現在十一万四千円という御指摘の額になっているという状況でございまして、ただその点につきましては、確かに加入者の方、あるいは審議会等でもなお改善する必要があるのではないかという御指摘をかねていただいておりますので、私どもとしてもその改善については検討を進めておりますし、また、関係の審議会でも、そういう点について御審議をいただいておる状況でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 検討しておられるということでございますが、これは確かに不満はありますですね。年金を受けられるんだけれども、十一万四千円という月収がある限りにおいては六十五歳までは年金を払われないということは、これはやはり大変なきついものですね。しかも、定年制というのは五十五というのは普通の常識になっておりますし、若干延びてまいっておりますけれども、しかし常識として五十五歳。しかも、年金を六十歳になって支給される、それすらが十一万四千円という賃金をもらっている限りにおいては、六十五歳までは全然受けられない。おっしゃるように、その期間も厚生年金の通算にはなるわけでありますけれども、何せ第二の出発点になりますと大変安い賃金になりますから、大変不満が強い大変不満があるところだと思う。ですけれども、いまおっしゃるように、種々論議が行われて、審議会においても論議が行われておるし、また厚生省としても検討しておられるところだというお話であります。  公務員の場合におきましても、普通一般の公務員というのは大体六十歳でやめるわけでありますが、そうでない公務員も一部ありますけれども、ほとんど六十歳でやめる。あるいは管理職、いま管理職という名前がついている、これは予算の上で管理職という名前がついているのであって困るのでありますけれども、管理職という名前がつけられておりますけれども、予算項目の中に出ているからしようがない。そういう人は五十八歳、一般は六十歳というところで、これも私はおかしいと思うんですけれども、私は年来、公務員というのは終身公務員という体系をとっているんだから、アメリカやヨーロッパと同じように六十五歳というふうに公務員はすべきだというのが、私の年来の主張です。十数年前に、国会に勤務している国家公務員は六十五歳になりました。ヨーロッパやその他においては、もう六十五歳という定年については余り興味がないようですね。六十一になるとやめていくようですね。これは働くのは困るという、ヨーロッパの経済思想の根本には、賃金というのは働く苦痛に対して賃金を受けているという思想が流れておりますから、だからある程度社会保障の制度が充実してくると、六十五歳まで勤める必要がないというか、いまや余り関心がないようであります。  いずれにしましても、日本の場合においてはまだ定年制というものについては、六十五歳というものについては公務員は非常に魅力を持っていると思います。しかし、いまは先ほど申し上げましたように五十八あるいは六十でやめる、そしてどっかの会社に行くというような場合は、私どもが聞いているのは、これは受け取る年金とそれからその会社でもらう賃金とを合わせて大体やめるときの給与に近いようなものという形で、会社の賃金というのは非常に低いのですね。それが常識だと思うのですよ、いまの公務員の。ただ、若干問題になったりしております指定職俸給表を受けている者、これは五十万人の国家公務員の中で千二百人ぐらいの指定職ですから、指定職の人というのは千二百人ですから、大体千人に二人ぐらいの程度の指定職という職の人がいる。そういうところが公団なりあるいは事業団なりそういうところに行かれる、あるいはよく言われる、会社に天下りというものがあるというような場合の問題が出ておるわけです。ですから、それをもって全体の公務員というものを考えてもらってはとんでもない話だ。九九・九%はそうではないという点を、これはやはり国民の皆さん方にも承知をしておいていただかないというと、大変な話だと私は思っております。千分の二ぐらいの人が指定職俸給表を受けておるわけです。また、その中の一部の人たちが、先ほど言ったような形になっておるわけです。  そこで、今度は大蔵省の側にお尋ねをしたいのですけれども、国家公務員共済組合審議会の今井一男会長さんの方から、五十年の八月に今井メモというものが出ているというのが新聞に報道された。これは、厚年と共済年金との大きな格差問題が新聞等に報道されるようになりまして、そして新聞が報道したのがこの今井メモです。五十年の八月に今井メモというものは出たと。その中身も若干の報道が行われました。そして、もうすでに二年たとうとしておるわけですけれども、この今井メモというものについては、この共済組合審議会におきましてはどういうような取り扱いをしておられるか。そしてこれからどのような取り扱いになっていくのか、そういう点についてお尋ねいたします。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) 国家公務員共済組合審議会におきまして、先生御指摘の五十年の八月に今井会長から、今井メモというもので共済組合全体のあり方というようなメモが提出されまして、その後いろいろと個別に検討してまいった次第でございます。私どもの共済組合審議会は、御承知のように学識経験者、主管者側、労組側ということで三者構成になっているわけでございますが、いろいろと各三者側の御意見をそれぞれ聞きながら進めてまいっているわけでございますけれども、この私案に対して、現在のところ労組側の御意見がまだまとまって出ていないという段階に入っているわけでございます。したがいまして、それぞれの御意見を承りまして今後とも検討してまいりたいと思う次第でございます。  実は、この年金問題は、国家公務員共済組合審議会だけではなくて、実は厚生省の方で昨年の五月に年金制度基本構想懇談会というものができまして、そちらの方でも日本の全体の年金制度のあり方についていま検討しているわけでございますので、共済組合審議会におきましても、そういった厚生省の方の審議会の検討の結果を十分反映しながら、やはり共済独自の問題も含めまして今後十分に私ども検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 共済年金の前は、恩給という制度が三十年に大きな転換を、保険制度に切りかえる、それから御承知のようないわくつきの形で、戦争が始まってから厚生年金というものが生まれてくる、そういう歴史的な経緯がありまして、厚生年金とそれから共済年金との間にはいろいろの差がある。若干の有利な面もあるし、不利な面もあるという点はあると思います。しかし、いずれにいたしましてもそれぞれやはり努力をしていただいて、共済組合のいい点があるならばそこに近づけていく、あるいは厚年のいいところがあるならばそれに近づけるというような努力が、やはり図られていくべきだと私は思っております。たとえば厚年でわりあいと有利であると言われておりますのは障害年金、障害年金のようなものは公務員の場合よりも有利になっておりますし、あるいは遺族年金の場合においても、たとえば加入して三年で死亡したという場合でいきますというと、共済年金の場合は十年加入したという形で遺族年金が支払われる。厚生年金の場合においては二十年加入したものとして支給されるということになっておりますし、あるいは障害年金等々についても、大変そういう意味では厚生年金の方が有利だという点もありますが、しかし、いずれにいたしましても歴史を持っておりますし、それから掛金の問題もありますし、そういう点でこれから是正をしなきゃならない点も多々あると思いますが、ただ私は、今度厚年と共済年金の格差問題が新聞等でかつてない報道をされた。しかも、国民の間にありましても、年金に対する関心というのは四十九年以来年々高まってきておる、そういう中で誤解を受けるような論争が行われたということは、大変私は遺憾だというふうに思っております。  ただ、その論争を通じまして、新聞等の報道するところによりますというと、こういう厚年なり共済年金というようなものが今後とも拡大をしていくということについては厚生省の側も抑えたいという考え方がある、財政当局においてもこれを抑えたいという考え方があるんだと、そういう意味においては根っこは一緒になっているんだと、そして抑えようという考え方があるんだ、こういうような報道が行われているわけですね。それもこの二年ぐらい前からの社会福祉に対するいろんな財政当局からの意見、あるいは厚生省当局からの意見等々が報道される中から、そういう点もあるだろうというふうに類推をしなければならぬ点も見受けられるわけですけれども、そういう点があるのかないのかという点も聞きたいわけでありますけれども、きょうはまあ共済課長としてはそんなことはないというお話でしょうし、厚生省の企画課長としてはそんなことはないという御答弁でしょうが、何かあるなら、ひとつ答弁をいただいておきたいと思います。

山本純男厚生省年金局企画課長

○説明員(山本純男君) 私どもの方で三月に、私どもで所管をいたしております厚生年金保険、国民年金両制度につきまして財政の将来見通しの問題、法律を昨年改正いたしましたので、改正後の法律に基づきます報告内容に合わせまして、部内の若干の試算を付加したものを一つの資料としてお出ししたわけでございますが、それに絡みまして、将来の財政がかなりむずかしいのではないかという論議を呼んだことは御指摘のとおりでございまして、そのことをもって、私どもがしゃにむにそういう制度を抑え込む方向で物事を考えているということでしたら、決してそういうことではございません。  しかしながら、やはり年金といいますのは、ある年齢以上の方に年金を差し上げるのが事業の主体でございまして、それの財源というものは、当然にその年齢以下の方で掛金をし、あるいは税金を負担なさる方の生活の一部を削りまして年金につぎ込んでいただくというのが構造でございますから、そこにおのずから老齢者あるいは退職者の生活の福祉というものに対する考え方と、働いている世代の負担なり生活という問題との適切なバランスというものがあるはずでございまして、これは一言にいずれが高過ぎるとか低いとかいうことは容易でない大問題でございますので、私どももそれぞれの制度の将来の問題の検討、さらには先ほど大蔵省から言及のございました、私的なものではございますが懇談会というような場所、そういうところで年金制度の将来のあり方という問題についていろいろ御議論をいただいておりますし、私どもも検討を進めておるわけでございまして、あくまでも一番適切な水準というものを求める努力を続けておるというのが現状でございます。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) 先生御指摘のような事実は私どももないわけでございまして、こういう問題が出てきたことは、いろいろ先ほど申し上げたように、制度の沿革だとか仕組みのいろいろ相違の比較が誤解に基づいた部分が多々あったわけでございますけれども、私ども先ほども申し上げましたように、共済組合審議会で五十年の八月に今井メモが提出されまして、確かに今後の年金制度のあり方というものは非常に大変な問題になるということを十分認識しておりまして、厚生省の審議会等とも関連しながら、今後とも研究、検討してまいりたい、かように考えているわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 共済年金の実施が四十九年まで十月一日実施だったんですが、四十九年に二十年ぐらい動かなかった十月一日というのがごとりと一月繰り上がって、それからごとりごとりと毎年一カ月ずつ遡及するような形になって、ことしはいわゆる一兆円減税というような問題の論議の中で、この年金関係がそれぞれさらに二カ月遡及をするということになって、政府が案として出しておりました六月一日が四月一日という形になったわけであります。このことは私は、公務員の賃金は昨年の四月一日に上がっておるわけです。その上がり分をスライドしてことしの四月一日に実施すると、ことしはなったんです。しかし、公務員は昨年の四月から上がっておる。一年もまだずれがあるわけです。だんだん近づいてまいっておりますが、これは当然理屈としては、来年の四月一日にもう一年逐次遡及していくべき筋合いのものだと私は考えております。当面、来年は三月一日実施、一カ月さかのぼる、こういうのが妥当な理屈じゃないかというふうに思っております。それは十月一日が九月になり、さらに八月になり、そして七月になって、六月になって、それでこの四月と、こういうふうになった経緯からも私は妥当であるというふうに思っておりますけれども、共済課長の考え方を聞きたいと思います。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) 年金額の改定の実施時期につきましては、先生御指摘のように、過去に一カ月ずつ前進してまいったわけでございますけれども、本年は減税問題を中心にいたしまして二カ月さらに繰り上げ実施したわけでございますが、これは、実はいろいろな事情による特殊なものでございまして、この実施時期につきましてはいろいろ他の年金制度との均衡もございますし、さらには財政負担の問題もございますので、総合的な検討が必要だというふうに考えているわけでございますので、十分各般の御意見を拝聴しながら、五十三年度については検討してまいりたいというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ、政府としましては、四十九年から毎年一カ月ずつ繰り上げ実施してきた。ことしは六月一日の予定であったんだが、いわゆる一兆円減税の論議の中でさらに二カ月ということになって、去年からいいますと三カ月遡及をして四月一日と、こうなったと。しかし、これからどうするかという問題については、ことしは特殊だ。その特殊だという意味は、それは政府としては一カ月さかのぼろうと思っておったところが、そうじゃなくて三カ月になったという意味で特殊と、こういうふうに課長は考えていらっしゃるだろうと私は思うんです。ですが、理屈は、公務員が昨年の四月に上がったんだから、これに右へならえするという意味で言うならば、一年おくれというのは、これは退職者にとっては大変な問題。ただ、いまおっしゃるように財政の問題もあります。さらに本人自身の掛金の問題もある。いま入っている者の掛金をこれは相当上げなきゃならぬという問題も出てまいりましょうし、それからおっしゃるように、厚生年金なり国民年金とのつり合いの問題もありましょう。しかし、方向としては、これはやはりできるならば、あらゆるものが可能であるならば、理屈としては、公務員が上がるときに年金も改定をしていくというのが、これは額を改定するだけじゃなくて、実施の時期についても改定をしていくというのが筋だろうと、また現実にもそういうふうにたどってきているんだというふうに考えておるわけなんです。課長のおっしゃるのはわかるんですよ。筋はどうだということを言っているわけです。

山崎登大蔵省主計局共済課長

○説明員(山崎登君) 年金額のスライドにつきましては、現実に公務員と違いがあるということは事実でございますけれども、しかし、年金の水準をどういうふうに決めるかということは、やはり財政負担なり保険料負担ということも十分検討しながら、どういう年金水準に持っていくかという問題でございますので、必ず現職公務員と一致しなければならないというふうには考えておりません。したがって、来年につきましてもそういう点を含めまして、財政事情、保険料の負担も含めまして、今後の検討課題として十分検討してまいりたいと、かように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ、共済課長としてはきわめて現実的に考えていらっしゃる、それは当然なわけであって、これはいまおる現職の組合員の掛金が上がりますし、財政上の問題もありますし、いろいろあると思います。現実的には、そういうような考え方で処理せざるを得ないだろうと思います。ですが、理屈の上ではこれは私は従来の経緯からいっても、退職した者について公務員が上がるときにやはり上げていくというのが筋である。しかし、妙なことをやっていましたものですね。前は国家公務員の賃金だって、私は三十四年に国会に出たときに、人事院勧告が出た。その人事院勧告の実施というのは翌年の四月一日だったですよ。それが勧告をした年の四月一日になったわけですからね。十何年かかりましたですかね、そういう年数を使って翌年の四月一日が年内の四月一日という十二カ月さかのぼったわけですから、これはいろいろな財源の関係もあるし、いろんなそういう現実的に処理しなきゃならぬ面があるわけですから、課長のおっしゃるその現実論も十分理解をできるが、しかし私としては理屈上はそう言っておきたい。そういうことで、ぼくは人事院勧告も四月一日に努力したわけですよ。翌年の四月一日はどういうわけだ、年内の四月一日にやれということで、まあ四月一日になったわけですわ。そういうことで、今後もひとつ努力をしなきゃならぬと思いますけれども、財政当局としてもこれは努力をしてもらいたいという要望をいたしておきます。  そこで、ここで言う農林漁業団体職員共済組合、農林年金の問題についてお尋ねいたしますが、これも大蔵省に対してお尋ねをしたいわけです。  農林年金は、いま具体的に受けております年金額というのが一番低いわけですね。私立学校教職員共済組合、これの年金額も低いですが、しかしそれよりももっと著しく低いのがこの農林年金。これは賃金が低いという点が一つの大きな原因にもなると思います。年金が大変低いんですけれども、著しく低いんですが、逆に掛金の方はこれまた著しく高い。国鉄の共済組合は、御承知のとおりやめるときのやめる月の賃金によって年金の額をはじいておりますから、国鉄の掛金はちょっと高いです。でありますが、その以外の共済組合の掛金からいいますと、大変にこの農林年金の掛金は高いんですね。ですから、いつも問題になりますのは、これはもう御存じのように、衆議院でも参議院でもこの法案を審議しますたびに附帯決議といたしまして、給付の補助率を一八%を二〇%にしてもらいたい、すべきであるという附帯決議をつけている、あるいは財源の調整費の補助一・七七%を三%にしてもらいたいという附帯決議をつけている。長年そういう附帯決議がついてきている。さらに、農林漁業団体の側におきましても非常な熱望であるわけですね。それは、年金が大変に低い上に逆に掛金だけは大変に高いと、一番高いというところから、こういう要望が出てくるのは当然至極であると私は思っております。  何がゆえにこれができないのか、可能でないのか、それをお伺いをいたしたいんでありますが、その前に、農林年金の第二回の再計算をしました際に、給付の補助率を一六%から一八%に改正をいたしました。それで、三十九年以来の大変高かった千分の九十六という掛金を、それによりまして上げないで何とか維持できたわけですが、ところが、五十年に第三回の再計算をやられた。そのときは一八%から二〇%に引き上げるということをやらなかった。そして掛金は上がりまして、千分の九十八といういまや最高の掛金になったわけですね。しかし若干の財政的な援助が行われまして、千分の百を超すであろうというふうに言われておったものが、千分の九十八という形に抑えられたわけです。抑えることができたわけです。それにいたしましても、今度三カ月さかのぼるわけでありますから、やはり掛金も相当考えなきゃならぬだろうと思っております。そういう中で、先ほど申し上げました数年来にわたって両院の農林水産委員会で附帯決議になっているところの二〇%、そして三%、この問題について速やかに検討されまして、来年には何とかその実現を図っていかなきゃならぬのではないかというふうに私は考えておりますけれども、農林省並びに大蔵省の考え方を聞きたいと思います。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) この問題もいつも御指摘をいただいている点でございますが、初めにおっしゃいました給付の額、これは確かに平均で見ますと、たとえて申しますと、五十年度では農林年金の一件当たり退職年金は六十五万八千円でございますが、厚生年金は六十六万七千円と、農林年金の低いことは確かでございますが、最近の新規の裁定について見ますと、農林漁業団体の給与改善が進んでいることを反映いたしまして、同じく五十年度の新規裁定分で申しますと、農林年金が八十一万三千円、厚生年金が七十三万五千円、こういうようにむしろ農林年金の方が高くなっている現状でございます。  掛金の高いことは先生御指摘のとおりでございますが、これも年金の将来ということを考えてみますと、現在の厚生年金、国民年金ともますますその成熟に伴いまして掛金率は高めざるを得ない。現在、厚生年金は千分の九十一でございますが、厚生省の計算によりますと、年金の成熟した暁にはこれを千分の二百程度に高めなければならないという計算にもなっておるわけでございます。したがいまして、今後すべての年金あるいは共済を通じまして、掛金率は、もちろん相互にバランスをとりながらではございますが、次第に高めていかなければならないという要請が一方にあるということを御理解いただきたいわけでございます。  で、問題の国庫負担の率でございますが、これは御承知のように、わが国の公的年金制度は八種類にも分立をしております。しかし、その中で私どもはできるだけ給付の面でも負担の面でも余り差がないように、だんだん是正をしていかなければならないということは考えておりますが、国庫負担の面におきましては、やはり加入者の負担の程度あるいは給付内容というものを見てバランスをとっているつもりでございます。したがいまして、たとえば国民年金のような農業者や自営業者が入っている年金では三分の一を国旗負担しておりますし、中小企業者の加入の多い厚生年金では、二〇%の負担というふうなことにしておるわけでございます。この点について国会の御意見もございますし、また鶴園委員からは一昨年同じ御質問がございましたことは私もよく存じております。ただ、こういった八種類にも分かれている年金相互のバランスを考え、そしてその国庫負担のあり方というものを考えるとき、現行制度を前提にする限り、やはりいまの率が一番バランスがとれているというふうに私どもは考えているわけでございます。  もちろん、その年金の分立しているあり方についてはいろいろ問題がございますし、先ほども厚生省からお話がございましたように、いろいろ基本的な御検討があります。そういったものが進めば、またそれに応じて検討してまいることは当然でございますが、現行制度を前提としている限り、この負担率の差というものを変える考え方はないわけでございます。ただ、農林年金の財源事情にかんがみましてお話のように財源調整の補助をいたしておりまして、これを加えますと結果的に二〇%にきわめて近い率になっている、こういうことでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は経緯を申し上げて、第二回の裁定再計算の場合に一六%から一八%に切り上げて、そのことによって掛金が上がることを抑えたわけですね。五十年の再計算の場合におきましては、この一八%というのがこのままに据え置かれた。そのかわりに財政的な配慮も行われまして、若干の配慮が行われて、そうして千分の九十六から九十八になりましたけれども、それをやらなければ恐らく千分の百を超しただろうと思うんですけれども、九十八におさまったという形になっている。しかし、共済組合年金の中では最も高いですね、そして年金額は最も低い、こういう状況にあるわけで、今度三カ月さかのぼるという処置をいたしますというと、何らかの財政的な処置をしない限りこの掛金はもっと大きなものになるだろう。先ほど主計官の方から厚生年金の話がありましたが、厚生年金から農林年金は分離してできたわけでありますから厚生年金との比較をなすったろうと思うんですが、厚生年金は五十一年に大きな改革を行っておりますから、これは五十一年を比較いたしますと、これは厚生年金の方がずっとよくなっているだろうと思うんです。農林年金よりもよくなっているというふうに見なきゃならぬと思うんです。  ですが、いずれにいたしましても何らかの処置をしなければ、これはもう最大の、大変に高い掛金になってしまうということは、これはもう主計官の方も十分御承知だろうと思うんです。余り掛金が目立って顕著に高いということは、好ましくないですね。賃金は御承知のように非常に低い。この賃金のあり方についても、いろいろ問題があります。全国段階と県段階と町村段階が大変な格差があるという問題についても、これは賃金の問題でありますから農林省の方が適当に指導するというわけにはいかぬと思いますけれども、大変な差があるという点等もありますが、いずれにいたしましても、幾つもあります共済組合、共済組合だけで八本ありますかな、六本ありますかね、共済組合年金が。その中で本当に年金額が一番低くて、そうして掛金は目立って高い。それを、さらに上げなければならぬということは必至だと思うんですね。ですから、長年にわたって言われておりますところの問題について来年は解決してもらわなければ、これは容易でない、大変なことになるんじゃないかというふうに思っているわけです。何かここらあたりがいいんだというお話でありますが、一六%から一八%に切り上げてきた、それを二〇%に切り上げる、いや、それに近いんだ、一八に一・七七加えれば一九・七七だから、もう二〇%近いんだというお話、それも理屈です。でありますが、それにしてもなお大変な問題があるわけでありますから、何らかの措置をしなきゃならぬと言わなきゃならぬと思いますが、その点についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) 給付が低くて掛金が高いというお話でございます。ただ、それに国庫負担ということになりますと、これはまた全体から見ていろいろ考えなければならない問題があろうかと思います。これからの日本経済も安定成長の時期で、財源的にも大きな伸びは期待できないわけでございますが、一方、年金財政の将来を考えますと、これはもうどえらいことになるということがすでに目に見えているわけでございます。国庫負担のあり方というものもやはりそういう点も考慮に入れて見なければならないわけで、年金の仕組みというものが、共済もそうでございますが、掛金を掛けていって将来その給付を受けるという基本的な仕組みでございます。それに対する国庫負担のあり方というものは、足りないものを何でも国庫負担ということではとても国家財政ももたないわけでございまして、やはりその負担の及ばざるところに対する一種の財政的援助でございますから、これは各種年金、共済を通じましてバランスのとれた形で現状を見ながら考えていくという以外はないわけでございます。  たまたま、現在の農林年金の掛金が高いことも事実でございますが、これは今後ほかの年金、国民年金も含めましてほかの年金がどんどんまた掛金が高まらざるを得ない事態になってきております。もちろん、農林年金の掛金も高くしていただかなければならないということでございます。そういった年金財政の横のバランスあるいは将来の展望を考えますときに、やはり現行制度を前例とする限り現在の負担制度で行くほかはないと、これが私どもの考え方でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 国家財政の問題なり、あるいは安定成長の問題なり、そういう問題については十分承知をしているつもりであります。ただ、六本あります共済年金の中でバランスを考えなきゃいけないと、私は均衡論を言っておるわけであって、これはもろにいずれの共済年金といえども安定成長の影響を受けなきゃならないし、あるいは財政的な問題についての影響も受けなきゃならない。ただ、この六本ありますところの共済年金の中における農林年金の掛金が非常に高いという特殊な問題、しかも均衡論、バランス論というものから言って、何らかのやはり措置をとらなきゃならぬのじゃないかという点を言っておるわけですよ。それは十分承知していますよ。その財政的な問題なり、経済のいまのあり方の問題なりわかっておりますし、それからやはり三カ月さかのぼりますと、掛金はおのずからこれは上げなきゃならぬことはわかっておりますよ。しかし、そのことは同じように農林年金も受けるわけでして、ですからさらに農林年金のバランス論というものを考えてもらわなければ、考えなければこれはまずいんじゃないかという点から私は言っているわけであって、ほかの共済組合の問題について言っているわけじゃないんです。  ですから、バランス論から言って何らかの財政的な援助をやらなきゃならないだろうと、やらなきゃならぬのじゃないかと。それは安定成長も承知の上で、財政的な問題も承知の上で、あるいは全体としての共済年金の掛金の上がっていくそういう傾向の中で、私はバランス論として何らかの財政的な措置を、去年とられたと同じような、もう少し加わったような配慮が必要であると、こういうことを言っておるわけですね。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) バランス論から申しますと、確かに掛金率の高い事情はございますが、一方給付の面で進んでいるところも、進んでいると申しますかいいところもある。たとえば先ほどもお話のございました、共済の支給開始年齢は五十五歳である、厚生年金は六十歳であるというふうな給付面でのバランスの問題もございます。また、年金の被保険者のうちすでに給付を受けている者の割合、いわゆる年金の成熟度と申しますか、この比率は、たとえば厚生年金ですと四・六%でございますが、農林年金の場合は八・九%と、厚生年金よりも成熟度が進んでいるという事情もあるわけでございます。こういった点も考慮いたしまして、この程度の掛金の差というものはあってやむを得ないのではないかと、かように考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 主計官、私が言っているのは、厚生年金と農林年金との比較をなさる、それは経過的にそこから分離独立したからそっちの方にお考えが及ぶんだろうと思うんですが、私の言っておりますのは、六本あります共済年金の中における掛金のアンバランスということを強調しているわけです。で、昨年も若干の財政的な配慮が行われた。一億五千万円だったですかね、配慮が行われた。ことしもそういう配慮が払われておるわけですけれども、来年はやはりもっと払わなければこれ以上に高いものになってしまう、それは六本の共済年金の中で非常なアンバランスを生ずると、その点を強調しておるわけですから、それについての考えを伺いたい。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) 共済組合の中で申しますと、たとえば国家公務員の共済あるいは地方共済——まあ地方共済は地方の負担でございますから別といたしまして、国家公務員の共済でございますと、国の負担は総財源の一五%、掛金の一五%というふうなことになっておりまして、こちらの一八%はそういうおっしゃったようなバランスを見て決めているわけでございます。そのほかに定額の財源調整補助をしているわけでございまして、その辺は考慮しているつもりでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、私は財政の援助のバランス論を言っているわけじゃないんで、国家公務員の共済組合に対しまして国が一五%一応やっている、農林年金の方は一八%、さらに一・七七というようなことでやっている、そのアンバランスを言っているんじゃない。そうじゃなくて、掛金が非常に高いという、今度はもっと高くなると、そういう点について六本の共済組合の掛金のアンバランス、それについて配慮を払う必要がある、払わなきゃならぬということを言っておるわけですよ。やはり何らかの財政的な援助をしていかなきゃならぬだろうと思うんですね、これ。その点を、去年もやられたしことしもやっておるわけだから、まあ来年もやろうということで都合つく話じゃないんですかね、これ。全体の流れはわかっておるんですよ、主計官がおっしゃる全体の流れというのは、十分わかっておるんだけれども、ただ六本の共済組合の中における掛金が非常にアンバランスになっているから、それは何とか考えなきゃいかぬのじゃないかということを言っているわけです。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) どうも私ども財政当局の話は渋い話で余り御期待に沿えないのかと思いますが、たとえば国鉄の共済などはすでに掛金率は高いわけでございますし、国家公務員の共済、いま九・三%かと思いますが、これなんかももっと次第に引き上げていただかなければならぬ。したがって、現状ではたまたま農林共済が高くなっておりますが、これはやっぱりいずれの共済もだんだん高めていくべきものだろうと思います。ただ、御指摘のように、その間バランスはとらなければならないことは当然のことでございますし、その間の財政事情を見まして国庫負担を考えていくということも当然のことだと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一つあるんですけれども、まあ次から次に同じような話をして恐縮なんですけれども、またいま主計官の方から話があったにかかわらずもう一つ言わなきゃならぬのは、厚生年金から農林年金を三十四年ですか分離独立をさした最も大きな原因は、農林漁業団体の職員、これはやはりある意味で公的なものを持っているというところから、厚生年金から共済年金に切りかわったんだと思うんです。そこで、私立学校職員共済組合というのが、これは給付も低いわけですが、農林年金よりも高いですけれども、給付が低いという点もあってだと思いますが、掛金について都道府県が、平均いたしましてでしょうが、千分の八という援助をしているわけですね。  ですから、この農林漁業団体の公的な面、つまり共済組合をつくってきた、共済組合として独立をさしてきたという意味合いから言うならば、その公的な面というものに着目をして、都道府県という自治体がこの掛金について何らかの援助をするということも考えられるのではないかというふうに思うんですけれども、これはまあ財政当局の見解になるのか自治省の見解になるのか不明なところがありますが、どういうふうにお考えでいらっしゃるかということですね。それを伺っておきます。これもいつも附帯決議の中に出てくるんですよ。衆議院でも参議院でも。そして農林漁業団体のまた熱心な要望でもあるわけです。それは繰り返し言いますように、六本の共済組合の中にあって掛金が大変に高いというところから来ていると思うんです。それでなければ出てこないと思います。そういう点についてはどうかということですね。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) 私学共済について都道府県の補助があることは私ども承知しておりますが、これは恐らく私立学校が公立学校の肩がわり的な役目を果たしておるというふうなこと、あるいは学校法人の財政状況等を見まして行っておられることだと思います。それならば、農林漁業団体についても、その公共的な性格から都道府県補助があってもいいではないかというお話も確かに一つの考え方であろうと思いますが、これは地方自治の原則で地方団体が御判断になる問題でございまして、どういう理由で片方だけにしているかという具体的な詳細は私ども存じません。都道府県からそっちは補助がないから、その分を国庫で肩がわりするということは考え得ないわけでございまして、やはり都道府県、地方財政としてはそれなりのお考えがあって、学校法人私学共済には補助をしておられるのだろうと考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 五十二年、ことしの二月の十四日に社会保障制度審議会の会長大河内さんの方から、この法律の改正について農林大臣に対しまして答申が出ておりますが、短い答申なんですけれども、その中で気になる点は、非常に短い答申なんですが、三行ぐらいのやつですが、その中で「特に恩給と連動させていることについては問題がある。しかるべき委員会等においてこの点の検討を急ぎ、すみやかに結論を得るよう要望する。」、こういうのが入っているんですね。答申の中身はこれだと言っていい短いやつです。「恩給と連動させていることについては問題がある。しかるべき委員会等においてこの点の検討を急ぎ、すみやかに結論を得るよう要望する。」、こういう農林大臣に対する答申が出ている。これは、各共済組合に対してすべてついておるようです、同じような趣旨のものが、全く同じかどうか知りませんが、同じようなものがついておるようですね。  これは、社会保障制度審議会の中に恩給が入っていないですね。そういう点から来ているのかどうなのかよくわからないですが、どうしてこういうものが出たのか。これは共済課長の管轄に入るのかな、主計官の方ですか、これはどういうふうに理解をしていらっしゃるのか。それから、「すみやかに結論を」という、大変急いでおるんですね。「検討を急ぎ、すみやかに結論を得るよう」に、大変急いでいる。どういうふうに受けとめられているのか、またどういうふうに進めようとしていらっしゃるのか、聞きたいわけです。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) これは、鶴園先生十分御承知のことでございますが、先ほどもお話にございましたように、共済組合は昔の恩給制度を引き継いでこれを統合したものでございますので、いまの受給者、今後の受給者の中にも恩給部分を引き継いでいる部分がございます。したがって、現段階ではこれは恩給の改正にならって、連動と言っていいかどうか、ならって改善を図っていかなければならない、これが現実ではございます。しかし、御承知のとおり、恩給の性格につきましてはいろいろ議論がございまして、これは社会保障の一環ではない、国家に尽力されたそれに報いる一種のほう賞であるというふうな考え方が従来強かったわけでございます。そういう関係から社会保障制度審議会の議に付していないのかとも思いますが、ただことしの国会の御議論、衆議院の内閣委員会でございますとか、そういうところの御議論を伺っておりますと、恩給もだんだん社会保障的色彩を入れて考えるべきではないかという御質問が多かったわけでございます。  そういう点も考えますと、これからこの二つをどう考えていくかということは、確かにここに指摘されているような大きな問題であろうと思います。共済制度それ自体は、社会保障の一環として望ましいあり方を検討していくことは当然でございますが、同時に恩給をどうするかというふうな問題も加わってまいりまして、この点については私どもも検討を進めたいと思っておりますし、また国家公務員の共済組合、共済審議会でございますが、こういうところにおいても御審議をいただきまして、その御趣旨を体して検討してまいりたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 恩給に右へならえしてという意味は、これは何も恩給が公務員の賃金にスライドする、しかし共済組合の年金も恩給があろうとなかろうと、これはやっぱり物価の変動により、あるいは賃金が上がるに従って何らかのスライドをしていかなければ年金は目減りしていくわけでありますから、でありますからそれは恩給と関係ないのじゃないか。共済年金として、当然何らかの形のスライドというものを考えなければならない。そのスライドを考えるに妥当性をどこに求めるかというと、それは国家公務員の賃金が上がっていく、その上がりぐあいに連動させて、あるいはそれにスライドする、基礎にするということであって、ただ恩給の方も、公務員が上がれば恩給も何らかのスライドをしなければ困るから公務員の賃金にスライドしていくというだけの話であって、恩給と切り離して共済組合だってこれはやはりスライドしなければ何ともならない。物価によるか、あるいは賃金によるか、まあ共済組合の場合は国家公務員の賃金の妥当性というところに着目をして、そして公務員賃金が上がるとそれにならって上げていくという形をとっているのであって、これは恩給とは切り離して考えたっておかしいことないのじゃないかという気がするのですけれども、そういうことじゃないのですか。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) 説明が不足しておりまして申しわけございませんが、もちろん共済は共済として、公務員の給与その他の要素を考えて改善をしていくことは当然でございます。恩給はそれを見て改善を図る部分もございますし、また恩給の中には単にスライドしていくだけではございませんで、最低保障とかいろいろな細かい内容改善がございます。そういった点も共済では勘案していく必要があろうというふうな点もあろうかと思いまして、これは共済は共済として改善をするということは当然でございます。恩給も考慮に入れながら、あるいは他のもろもろの年金とのバランスというものも前後考慮しながら改善をしていく、こういうことであろうと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その点は論議しましても何ですけれども、ただ恩給が最低保障をどうしなければならぬ、それと全く別に切り離しても、共済年金だって最低保障額というものは考えなければならない話であって、それは先ほど私が申し上げた、これは物価が上がっていく、あるいは賃金が上がっていくという中で、共済組合だって恩給と切り離してもこれはスライドというものは考えなければ妥当性を欠くというふうに思いますから、ですから私は、ここで何でこんなつまらないことを大河内さんが言うのだろう、頭が古いんじゃないかというような感じを持ってしょうがないですね、これ。よけいなことを言ったもんだなと思って、ちょっとばかり考えておるわけなんですよ。だから、本当を言うと大河内さんを呼んできて聞かなければいかぬですね、これは。何でこんなことを言うのか。つまらない話だ。農林大臣、怒らなければいかぬですよ、こういうことを。よけいな話ですよと私は思うんですが、以上で私は農林年金については終わりたいと思います。  あと時間が少しまだありますので、続いて農業者年金の一部改正についてお尋ねをしたいと思います。  これは、農業者年金は国民年金と密接不可分な関係がありますので、今回物価にスライドをして九・四%引き上げる。まあ物価にスライドするわけですが、そして実施時期が七月に遡及して措置をとられたわけですが、これは明年はどうなるんだろうという点ですね。明年もやはり同じような措置がとられるんだろうかという点を伺いたいわけです。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 先生御承知のように、今回の物価スライドにつきましての法案の提出の経過は、法律では御承知のように、毎年度五%以上物価が変動した場合に翌年の一月にスライドをさせるということが、一応制度としてできておるわけでございますが、今回五%を相当超えるという見通しがございまして、当初は九月に繰り上げをするということで一応予算を編成いたした次第でございますが、その後いろいろ予算修正の措置によりまして七月になりました。そこで政府案として、当初九月を予定していたものを七月に繰り上げるということで法案を提出したという経過を持っておるわけでございます。  そこで、御質問の今後どうするかということにつきましては、他の公的年金、その中でもやはり国民年金と一体となって運営されておる制度でございますから、その動向を見て対処をいたしていくというのが、当面農林省としてのお答えになろうかというふうに思います。したがいまして、今回は今回限りの措置として御提案を申し上げたということでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま局長の方から御答弁がありましたんですが、国民年金も毎年一カ月ずつさかのぼって、遡及して実施をしてきたわけで、そしてことしまた七月になったわけですね。そこでそれと連動するということで、連動するといいますか、それと一体になっているのでこれも七月一日になったと。で、国民年金はこれは来年も七月一日、まあ私どもとしては六月一日に持っていかなければならぬと、一カ月さかのぼりまして持っていかなければならぬと。ただ、共済年金の場合は年度が違っちゃうものですから問題だと思うんですけれども、ただ、国民年金の場合は七月ですから、六月は同じ年度内ですから、これはいずれにしろそういうふうにしていかなければならぬと思うんですけれども、ことし限りのことだということになりますと、来年はもとへ戻ると。明年一月一日、こういうような形になるということになりますと、これは大変困るんですね。せっかく連動して、連動してと言うのか、国民年金と一体になっているから七月一日になったわけだから、来年もこれは国民年金が六月になるならば、農業者年金も六月一日ということになっていかなければならぬもんだと思うし、そこの点はどうなんですか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) ちょっと言葉が、順序が反対になったものですから逆にとられてしまいましたかもわかりませんが、ともかく今回の措置はそういうことでございますけれども、来年以降の問題につきましては、他の年金の動きを見て、それとバランスを失しないように措置してまいりたい、こういうふうに言いかえた方が適切であったかと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それはわかりました。  それからもう一点は、農業者年金の短期加入に対しますところの経営移譲年金というものの支給が去年から始まったわけですね。去年の一月から短期加入の経営移譲年金というのが始まった。ことしの二月で一万三千何がしという人たちが、短期の加入者として経営移譲年金の支給が始まったわけですから、ですから従来から農業者年金に対します加入者が思わしくないのではないかというような感じを抱いておったわけですけれども、具体的に去年からこういう年金の支給が始まってきて一万数千名の者が受けておるということになりましたから、したがって、従来から感じとして農業者年金に対する加入が少ないのではないか、思ったより前進してないのじゃないかという点については、これは具体的に前進しているのではないかというふうに思っておりますけれども、どういうふうな見通しを持っていらっしゃるのか、お伺いいたします。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 去年から始まりまして、先生いま二月までとおっしゃいましたけれども、ことしの三月までで一万六千人余りの受給者が出ておるわけでございます。こういうことで、一応われわれ、加入者に関する限りは非常に喜んでおられるということでございますけれども、まだ制度によりまして受給者が実際に年金をもらいましたのが去年の一月からでございますので、全体的にいまどういうふうな効果といいますか、そういうものが発生をしておるか、概して言えば後継者移譲が約九割、九一・五%ということでございますから、そういうことで、いずれにいたしましても後継者移譲によります経営者の若返り、そういうような面、それから経営規模の細分化防止、こういう面では相当効果を税制の問題と絡みまして発揮しておるというふうに考えておりまして、こういう実績をもとに、加入の今後大いに促進に努めていかなければならないのではないかというふうに考えている次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一点伺いまして、そして予定の時間、十二時になりますからやめますが、私どもの手元に配付になりました農林省の参考資料によりますと、四十六年から始まったわけですが、四十五年の一月から三月まで、これは三万人、四十六年が九十万人、四十七年が百一万人、五十年が百十六万人と、こういうようになっておるわけですが、この加入の状況を見ますというと、四十七年以降頭打ちになっているというような、停滞しているといいますか、という感じを受けるわけです。当初、この法律案が制定されますときに、四十五年だったと思いますが、四十五年の五月ですね、この法律を制定します当時には、政府の方の見解としては、加入者は四割程度の者が経営移譲年金の受給者となるだろうというような考え方を想定しておられたように思うんですが、この百十六万人という加入者というのは、農林省当局がこの法律案を出したときの想定に比べてみてどういうふうに思っていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 目標数値は百六十五万人ということで、加入はそういう百六十五万人ということでございましたが、先生御指摘のように五十年度末が百十六万人、五十一年度の末で百十三万人ということに相なっておるわけでございます。当初の加入目標より相当下回っておるというのが事実でございます。ことに、昨年百十六万人が百十三万人に減りましたということにつきましては、私どもの分析によりますと、結局三万人減っているわけでございますけれども、新規に加入した者が四万人で、脱退した者は七万人、差し引き三万人減、こういうことでございます。その脱退した七万人——新規加入者四万人でなしに脱退した七万人の内訳の方を見ますと、六十歳に達した者が約五万人、それから国民年金の資格を喪失したということで脱退した者が一万三千人ということで、実態がまあこういうことに相なっておるわけでございます。結局、この加入者をもっと獲得しなければならない、また、そのためのPRが必要であろうというふうに一応考えておる次第でございます。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時三十六分開会

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  ただいま岩上妙子君及び梶木又三君が委員を辞任され、その補欠として吉田実君及び井上吉夫君が選任されました。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との問の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件について、外務委員会に対し、連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  休憩前に引き続き、両案に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 午前中に農業者年金の問題につきまして、加入の問題について伺ったわけでありますが、確かに百十六万という加入者が予想しておったよりも少ないという答弁でありましたが、四十五年から五十年の間に大変な農家戸数が減少いたしまして、ついに五百万戸を割って四百九十五万戸という、想像もしなかったような大変な農家の減少があったということも大きな影響を及ぼしておるのではないか、かように考えておりますが、加入者の年齢別構成が出ておるのでありますけれども、それによりますというと、若いところの層といいますか、二十歳から三十九歳というところの加入が大変少ないわけでありまして、率で言いますと加入者の中の一四・四%、そして四十五歳から六十歳、あるいは四十五歳以上というところが六八%、こういう数字が出ておるわけでありますが、したがいまして二十歳から四十歳というところ、この加入が大変に少ないということは大変問題だと思っております。  つまり、二十歳から三十九歳という約二十年の年齢の幅があるわけですが、その一四%に対して四十歳以上というところは八五%と、五倍以上の数字になる。農業者の従事の状況は、それほどの大きな差はないわけでございます。こんな大きな差はないわけでありますが、このことは、今後年金の財政問題の上に非常に大きな問題を投げかけてくるのではないかという懸念があるわけであります。御承知のように、昨年の一月から短期の加入の農業年金の支給が始まっておるわけでありますし、これから次々に増加をしてくるわけでありますが、このところが大変に少ないということは、今後の年金の財政問題に大きな影響を及ぼしてくるのではないかという懸念をするわけでありますが、これについて見解を聞きたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 先生御指摘のように、農業者年金の加入者の年齢構成が、高年齢者層の割合がきわめて高いということは御指摘のとおりでございます。先生いま言われました数字はどうも五十年の数字のようでございますが、五十一年度もいま先生の言われました区分で申し上げますと、四十歳未満の若齢層の割合が一三・三%、一%ちょっと違うわけですが、四十歳以上が八六・七と、こういうふうになっておるわけであります。先生も触れられましたように、現在男子の農業就業人口がどうなっているかということを逆に見ますと、四十歳未満が三二・一%、四十歳から五十九歳が六七・九%ということでございまして、確かに高年齢者層に傾いておるというわけでございます。これでいきますと、最初から若年齢層の比重が少ないということは予定はいたしておるものの、やはりこれからだんだん加入者数が減少しまして受給者がふえてくる、そういう割合がふえてくるということになりますと非常に問題でございます。  ただ、農業者年金の制度の発足をいたしますときから、この問題については設計上大いに問題であるという観点から、財政方式といたしましては完全積立方式ということを堅持してきておるわけでございまして、将来の年金財政を健全に運営していくためにはその方式が必要であるという審議会の建言もございます。そういうたてまえを保持してきておるわけでございます。そのたてまえで行く、完全積立方式で行く限りは、制度の運営、財政上問題はないはずでございますけれども、ただそのことはいろいろ逆に御批判があるわけでございます。  そこで、若い人の加入につきましては、昨年の改正で特定後継者の割引をして、国庫負担を半分つけるということで昨年の改正をいただいたわけでございます。これらの加入の促進に努めるということはもちろんでございますけれども、そういう今後のやっぱり若い人たちの加入がどうなるかということは、今後におきます保険料それから制度全体のあり方全般と密接な関連を持っておるわけでございまして、今後とも先ほど申しました特定後継者の割引制度等もせっかくできて、ことしの一月から始まったばかりでございます。こういう制度の改善、いろいろな年金の引き上げ等も行われておりますし、そういう制度改善をしておることや、制度の普及啓蒙ということを通じまして、若い人たちの加入を強力に促進していかなければならない、またそういう措置を考えておるわけでございます。そういうことで、特に五十二年中に短期特例措置の切れる方々が相当数あるわけでございます。私ども、後継者それからそういう方々の加入につきまして最大の努力をとりあえず図っていくということで、当面対応をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。しかし、いろいろ完全積立方式についてその場合にどういうふうになってまいるかということはございましょうが、少なくとも五年に一回行われる財政の再計算という場合に見直しが行われるというわけでございまして、今後の加入者がどういうふうになっていくか、受給の動向がどういうふうになっていくかということとも絡み合わせながら、また制度についてのいろんな御意見、御要望がございます。そういうものも全部かみ合せながら、今後財政の問題については十分検討をしていきたいというふうに考えている次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは厚生省の方にも伺いたいのですけれども、農業という産業、この従事者がほかの産業と年齢構成が大変に違っているという問題ですね。四十歳あるいは四十五歳以上の高年齢の人が非常に多くて、若いところが非常に少ない。これは、ほかの産業と比べて徹底的に違っている農業従事者の年齢構成だと思うのです。そういたしますというと、いま局長のお話にもありましたのですが、この農業者年金というものを今後円滑に運営していく上においては、完全積立方式では種々やはり問題が出てくるのではないか。いままでもいろいろ若干の配慮を払われておりますが、私はやはり各共済組合で行われております修正積立方式というものをもっともっと検討して速やかに実施していく必要があるのではないか、こういう考え方を持っておる一人であります。何せ就業構造が、年齢構造がほかの産業と本当に徹底的に違っておりますから、そういう意味合いにおいて、修正積立方式の方を速やかに検討していかれる考えがあるかないかということを、農林省の側にも厚生省の側にもお尋ねをしたいわけです。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 農業者年金の財政方式につきましてはかねがね御指摘を受けておるわけでございますが、先ほども申しましたように、また先生御指摘のように、加入者の年齢構成が他の年金に比べまして高齢者の割合が高い。また、将来被保険者が減少するということが見込まれておるということを考慮いたしまして、将来にわたり年金財政を健全に運営していくためには、国民年金審議会も指摘しておるとおり、現在そのために完全積立方式をとっておるわけでございます。  ただ、先ほど申しましたように、加入の今後の推移、あるいは年金の受給の動向、それから今後の御要望ございますようないろんな問題、それらを全部織り込んで考えました場合に、さて果たして保険料の負担というのがどういうことになっていくかという確かに問題はあるわけでございまして、そういう問題は当然今後の検討の課題になるわけでございますけれども、やはりこういう特殊な年齢構成、特殊な保険集団の前提からまいりますと、私どもはできるならば完全積立方式というものをあくまでも貫いてまいりたい。それは理想であるかもしれないけれども、ともかく現状としてはその方式で行かざるを得ないし、また行くべきであろうというふうに考えておるわけでございますが、ともかくいろいろ婦人の加入問題等、あるいはいろんなそういう御要望もあるわけで、そういう問題全体を含めまして、今後の年金のあり方等も考えながら制度全般について今後慎重に検討をしてまいる。  ともかく、もう一回くどいようですけれども、いまの方式で行って将来どういうことになるかということは、その段階で考え直すことがあるかもしれません。当面は、先ほど申しましたように、ともかく保険の設計どおりいってない加入の問題を、われわれの手でともかく加入を促進するなり、そういうことで健全な財政へ持ってまいるという努力を当面はすべきではないかとわれわれも考えておる次第でございます。

山本純男厚生省年金局企画課長

○説明員(山本純男君) 御質問の趣旨は、一つは、そういう特殊な年齢構成というものから財政の将来いかがであろうかという御質問と、技術的な問題として、年金の財政のやり方をどういうふうに持っていくべきかという二点であったかと思われます。  まず、前の点につきましては、基本的にこの年金制度が農業の経営者という方に着目をいたしまして構成された制度でございますので、やはり労働者のように親子ともにそれぞれ勤労者として主体的に働くという階層と違いまして、どうしても一生涯のうちこの制度の対象になる期間がやや短く、しかもそれが高齢の方に偏るというのは、これは農林省からも御説明がございましたように、始めたときからある程度予見されたやむを得ない状況でございまして、それだけに財政状況が非常にむずかしい問題を抱えている問題だと思いますが、それにいたしましても、若年齢層の加入が制度創設しましたときの期待から見ましてもやや十分でないという点は、そういう実績が出てまいりまして、昨年の改正でもそういう点に配慮した農業後継者という方を優遇して加入を促進するという改正も行われたという次第でございます。そういう問題とあわせまして、今後とも必要な改善を図りながら、また基金の側でも経営努力というものを十分にやっていただきたいというふうに私どもは考えておりまして、そういう努力を前提にいたしますれば、この制度の財政というものは必ずしも悲観すべき点ばかりではないというふうに考えておるわけであります。  そういう意味で、財政のあり方につきましても、いままで積立方式をきわめて強く打ち出してまいったわけでございまして、これにつきまして、他の私ども所管いたします厚生年金保険なり国民年金、あるいはそのほかの共済組合といったような制度の財政方式で積立方式をやや修正するというやり方をやっておりますものですから、そういうものを見習ってまた財政方式を改めてやろという御意見があることも十分承知いたしておるわけでございますが、実はさきに申し上げました財政が非常に見通しが暗いと申しませんけれども、大変困難の多い財政状況にあると、そしてまだ年齢構成も他の年金制度と比べましてやはり高年齢層が多い、あるいは将来に向かっても加入者が非常に大きくふえるという見通しもまだはっきりいたさないという状況でございますので、そういう財政方式を改めるかどうかということも大変むずかしい課題になっておる、どうしても非常に慎重にならざるを得ない課題ではないかと思っておりますが、そういう御要望の強いことは十分存じておりますので、また今後ともこの制度のあり方、さらにはその財政の持っていき方というものを考えます上では、そういう御意見をも十分踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 ほかの年金、これは年金ととった方がいいと思いますが、年金の場合と非常に違う点は、いま局長も申しましたし、それからあなたも御承知のように、若年層といいますか、壮年層というのか、そこのところが非常に少ないわけですね。そうして高齢者の方が多い。ですから、ほかの共済で言いますとピラミッド型の年齢構成になっているわけですけれども、農業で言いますと、どうもそれが逆ピラミッドと言えるほどの年齢構成になっているわけですね。しかも、その数がだんだん減ってくると、全体が。数そのものも減ってくると、それも大変な勢いで減ってきたと、こういう状況にあるわけですから、したがってこの財政問題については、おっしゃるとおりに明るいよりもむしろ大変暗い感じを受けるわけなんです。しかも、いま申しましたように、その中でさらに若い層の加入が大変に少ないということになりますと、これはやはり将来にわたって、もうそう遠くない機会に大きな問題になってくるのではないかというふうに思いますから、いま申し上げたような完全積立方式で行かれるが、しかしやはり速やかな機会にそういった面等も十分検討の上に、いろいろなやはり修正積立方式の方向を考えていただくように、ひとつ要望いたしておきたいと思います。  それからもう一つは、この年金を受給するには、六十歳になる前に一定期間の保険料を納めるという必要があるわけでありますが、しかし、この年金が始まりまして実施に移しましたのは、四十六年の一月一日に発足をしたわけでありますが、なかなか農村の状況でもございまして、その趣旨の徹底が十分に行き渡らなかったということもあって、いま五十二年の一月一日の現在で言いますと、大正五年、大正六年、大正七年、大正八年に生まれた人たちというのは、もう加入が時効で消滅しているわけなんですね。しかし、つながるならいまからでもひとつ掛金を払って加入したいという考え方は、これは農家の間には相当出てきているわけですね。というのは、昨年から短期加入の年金受給者が続々出てまいっておりますから、そういう意味で、そういう年配のところが、高年齢のところが、さあ時効にかかったけれどもこれからひとつ何なら入りたいと、こういう要望が、考え方というものが相当農家の中に出ておるわけですけれども、その実情を農林省はどういうふうに把握していらっしゃるか、まず農林省の方にお尋ねをいたしたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 御指摘のように、制度は二十年かけて年金をもらうというのが基本になっているわけでございますが、その経過的な措置といたしまして、御指摘のような五年ないし十九年保険料を納付すれば年金がもらえる、こういう期間短縮措置が制度創設の際にとられたわけでございます。それがちょうど五十二年に集中していろいろ問題が、問題といいますか、保険料を納めなければ年金の受給資格に結びつかないという事態になっておることは御指摘のとおりでございますが、いまそういう方々につきましてさらに特例的に加入の道を開くということにつきましては、一つは救済措置、簡単に申しますと年とってから入ればいいやと、救済措置があるとすればするほどその期待感が生まれまして、この年金に入るという、また保険料を払うという意欲を弱めるのではないか、こういう考え方が一つあるわけでございます。否定的な考え方があるわけです。それからもう一つ、経営移譲を行うような、予定する人たちが入ってまいりまして、いわゆる逆選択、保険の逆選択が生ずるおそれがあるのではないか。また、逆に今度は、いま先生の御指摘と逆に、年金をもう受給できないからということで経営移譲を行ってしまったという者があるとすれば、これとの間に不公平が生じはしないか、こういうようないろいろむずかしい問題があるわけでございます。  ただ、先ほど申しましたように、年金受給のためには短期特例措置で五年ないし十九年という一定期間の保険料の納付を行うという納付済み期間というものが必要なわけでございますが、いろいろな事由によりまして、特にこの年金が発足いたしました当時、ちょうどいままでの期間の間で当初事務的に処理がうまく行われてないという話がいろいろ出ておるわけでございます。端的に申しますと、農協の支所で受け付けたけれどもつながってないというような話まで出てまいりまして、大変聞き苦しいお話をして恐縮でございますが、そういう一部事務的にこちらの不手際みたいなものも事実あるわけでございまして、そういうものにつきましてはケース・バイ・ケースで、裁定に当たりまして保険料が未納になっているというようなものをいろいろ救ってまいるというようなことにつきましては、十分年金側としましても事務処理によりまして処置を行っておるわけでございます。  本論に戻りまして、先ほどの御指摘の問題につきましては、私ども今年度ともかくここで保険料をお支払いいただかなければ年金の受給に結びつきませんよと、それからもう一つ、やっぱりもう移譲年金をもらって非常に喜んでおられる方がたくさんあるし、それから年金額も毎年——毎年といいますか、何回か引き上げを行っておりますし、使用収益権でも経営移譲がいいんですよとか、あるいはそういう特定後継者については割引がございますよというようないろいろな話を絡みまして、PRを当面、今年中はまずそちらの努力を払うべきではないだろうか。先ほど申しましたように、いろいろ保険財政の問題もございますし、大いに加入促進というのがこの制度を支える一つの当面の緊急の課題であるというふうに認識をいたしておるわけでございますので、その努力をして、その上でその結果どうなったかと、こういうことからもう一回いま御指摘の救済すべきだろうかどうかということにつきましては、いろいろな方々の御意見も聞きまして考えていくような話ではないだろうか。いまのところ簡単に申しますと、そういうことはいまわれわれとしては言うべきではないし、またともかく入ってくださいということでひとつ努力をしてみたいというのが、現在のわれわれ事務当局の考え方でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私、さっき申し上げましたように、年金が出始めたということもありまして、時効にかかっている人たちがひとつぜひ入りたいという、年金がつながるならばぜひ入りたいという考え方を持っている人たちが相当出てきているという状況でありますから、私としましては、やはりこれは何らかの救済措置をとる必要があるのではないかと。ただ、局長がおっしゃるように、いままで法律に従って、法令に従ってやってきた者とのアンバラの問題、バランスの問題等もあると思います。一昨年になりますが、五十年の一月一日になりますが、大正五年、大正六年に生まれた時効にかかった人たちについては、法律を改正いたしまして救済の措置が行われたわけでありますし、なおことしの衆議院の予算委員会であったかと思いますが、国民年金の加入漏れの問題につきまして厚生大臣が、救済の道を検討してみたいということを発言しておられるものですから、この国民年金と非常に密接不可分な関係にあります農業者年金につきましても、同じように私はぜひここでひとつそういうことの救済の措置を検討してみるべきではないだろうかと。もちろん、局長のおっしゃる加入を促進をすると、あるいはいままで法令に従って掛金を掛けてきた者とのアンバラの問題も確かにありますけれども、私はいま申しましたようにひとつ救済の措置をやるべきではないかと、こういうふうに考えておりますが、厚生省の側の見解を聞きたいと思います。

山本純男厚生省年金局企画課長

○説明員(山本純男君) いま御質問の中にございましたように、国民年金の場合には過去二度にわたりまして特例納付という形で、時効にかかった保険料を事後的に追加して納付する道を開いたわけでございますが、これはいずれも相当な問題がありながら、それをある意味では乗り越えまして実施した非常にむずかしい措置であったというふうに理解しておりまして、その際には外部からはいろいろと批判もあったわけでございますが、それぞれきわめて異常特例の措置であって、これをもって最後にしますという言いわけをしながら実はやってきたいきさつもございます。そういうところから、先般の予算委員会での厚生大臣の答弁の中でも、無条件でそういうものを再度やることはとても困難でございますということを申し上げたわけでございまして、そうは申しましても、やはりそういう方々の中にはいろいろな事情から大変お気の毒なケースもあるということもまた私ども承知しておりますので、なかなかそういう追加納付を繰り返すということはむずかしいのでございますが、それとある程度匹敵するような効果を上げる方法はほかにもいろいろ各方面から御指摘いただいておりますので、そういういろいろな方法というものを全体的に検討しながら、なおそういう救済と申しますか、何らか解決に資する方法があるかどうかを検討したいというのが大臣の御発言だったかと理解しております。  そういう意味で、私ども大変むずかしい課題を仰せつかったわけでございますが、実は農業者年金の場合には国民年金の場合と比べまして、また一段とむずかしさが重なっているわけでございまして、それは一つには経営移譲という一つの要件がありました上で六十−六十五歳の間の年金上の処遇の問題、六十五歳以降の処遇の問題と二通りございます。国民年金の場合には、六十五以降を年金を出すかどうかだけの単一の問題でございますが、そういう二重の役割りを持ったものだけに、国民年金と比べますとまた一段とむずかしさがあろうかと思うのでございますけれども、御指摘の趣旨は国民年金の場合と同じような御趣旨として十分私ども自覚しておりますので、農林省当局とも十分意見を交換しながら、引き続いて検討してまいりたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 次にお伺いをいたしたいのは、この農業者年金基金がありますが、この基金が農地の買い入れ及び売り渡し事業、また農地等の取得資金の貸し付け事業、この二つの事業が行われておるわけでありますが、そしてこの年金制度と相まって農業の近代化、さらに経営規模の拡大に資していこうという、そういう政策的なものが入っておるわけであります。そこでこの五十一年度末、これは農林省から提出されております参考資料によりますというと、農地の買い入れが今日まで二百四十八件、それで三千五百五十一ヘクタール、金額は四十億円、売り渡しが二百五十一件、二千三百三十一ヘクタール、二十六億円、貸し付けは千百七十九件、七千六百五十七ヘクタール、金額は百二十三億円、これが農業者年金基金が取り扱っている農地の買い入れ及び売り渡し、さらに農地の取得に対する貸し付け事業の結論だと思います。  そこで、この事業はいずれも大変有利な制度金融と言ってもいいと思いますが、制度金融の中では大変有利な制度であって、三十年年賦そして年利三分というのが原則になっておる、しかも貸し付けの上限がないという大変有利な融資になっておるわけですけれども、ところが見てみますと、一件当たりのヘクタールというのが大変大きいんですね。一件当たり七、八ヘクタール、十ヘクタール。どういうわけかと思ってよく見たら、これは北海道だけになっているんですね。さらに少し調べてみましたら、この利用状況を見ますというと、基金の売買、基金が買う、そして売る、それは全部北海道、たった一件だけ内地があるんですね。それで北海道さまさまということになるわけですが、北海道では仏様に次いでありがたい資金だと、こう言っているそうですけれども、そうでしょう、これ。全部北海道だと、たった一件だけ北海道から言えば内地にあるということで大変に偏っている、これはどういうことなんだろうと。また貸し付けですね、これは先ほど申し上げました百二十三億円貸し付けておるわけですけれども、この四分の三が北海道なんですね。それで四分の一が内地、わかりよく言えば内地ということになるんですが、ところが全然貸し付けてない県というのが十五県あるというんです。これは理事長である中野さんがこの間書いておりまして、それで貸し付けてない県が十五県もあるというのでは、これはどうもえらい問題だという気がするわけでありますが、なお一件でも取り扱った農業委員会は五%しかない。ほとんどの農業委員会が、九五%の農業委員会が一件も取り扱ってないと、こういうような数字が出ておるんですよ。  これは、時事通信が出している「農林経済」ですが、その中に中野さんが書いていらっしゃるので、これはえらいなあと思って、しかしこれは御承知のように条件がきついですから、離農者の一括取得という原則がありますから、ですから農業基本法に基づいた典型的なと言ってもいい離農の形が北海道では行われたわけでして、農業基本法の模範みたいなものが北海道で行われたわけですが、それ以外のところではなかなかこの事態は進まなかったことは農業白書等においてもはっきりしておる。事実としてそのとおりなんですから、こういう事態が生じたのもやむを得ない面があると思いますけれども、しかしこれはなかなか、農業者年金ということで全国の農家から集まっている金、それをこういう制度金融と言ってもいいと思いますが、制度金融としては非常に有利なやり方、しかもこれが農業者年金と表裏一体になりますといいますか、一体になって近代化あるいは経営の規模の拡大に貢献していこうという農地の売買さらに貸し付け、これが北海道だけに偏るということはこれはいろいろ問題がある。これは農業委員会なり、県なりの指導について問題があるのではないではないだろうかというふうに思いますし、また農林省の側におけるPRについても、やはり不足している部分があるのではないだろうかという感じがしてしようがない。  ただ、私は先ほど申し上げましたように、典型的な離農の形をとったものというのは北海道がもう圧倒的であったわけでありますから、この事態があったことは大部分は理解がつきますけれども、多くは理解がつきますが、なお努力をしなければならぬ点があるのではないだろうかと、こういうふうに思いますので、そういった問題についてひとつ御見解を承りたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 農業者年金基金が行っております農地等の売買、融資業務、その実績の内容につきましては、先生御指摘のように、売買業務につきましては熊本を除いてすべて北海道で行われたものである。それから融資業務につきましても件数で六割、面積で九割が北海道に集中しておるということは御指摘のとおりでございまして、また先生御指摘のように、この業務の実績が北海道に偏っているということにつきましては、私どもやはり経営移譲年度と離農給付金の支給要件に適合するような離農が北海道に比較的に多い。全体的に見ますと、いわゆる離農率、四十五年の農家数に対します離農農家の割合ということで北海道と都府県を分けて見てみますと、四十五年から五十年にかけましての推移を見てみますと、北海道で離農率ということで出してみますと二三・一%ということでございます。都府県が一〇・四%ということで、そういうことで離農が北海道ではいわゆる内地ほど深刻な話としてではなしに行われるという傾向があるということは、御指摘のとおりでございます。それが、一つの大きな背景になっておるのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。  それからもう一つは、やっぱり北海道におきます農地の売買というのが農場単位で行われるといいますか、と同時に非常に面積が多い、そういうことでなかなか自己資金だけでは対応できないような大面積の移動が行われるということによるのではないだろうかというふうに思っておるわけでございますが、まあそれにいたしましても内地で離農がないわけではない、そういうことから考えまして、いまのようないろいろ業務の体制等にそういう問題がないかと言われますと、そこまでございませんと言うわけにはなかなかまいらないのが実態でございまして、正直申しますと、この年金の指導というのが、県はむしろ監査指導みたいな立場で行われておるわけでございます。今後の加入の問題につきましても、いろいろ業務運営につきましても、県庁をむしろ積極的にかましていくのが、今後の一つの大きなやり方ではなかろうかというふうに内部では検討をいたしておるわけでございますが、まあそういう問題はないわけでは私はないと思います。しかし、全般的に申しまして、北海道に一番すっぽりはまるような、要件にいたしましてもそういうものになっておるというのは、これは否めない事実ではないだろうか。  そこで、いわゆる第三者移譲的なものが北海道でよく、内地といいますか、全体的に後継者移譲というのが九割で第三者移譲がたしか八%であったと思いますが、そういうことからいたしましても、この制度を無理に内地に拡大していくのがいいのかどうかということも、いろいろまた考えなければならないのではないか。むしろ逆に、農村から集めてまいりました資金のその一つの運用方法として自己拡大に直接結びつけたというのがこの制度でございますから、そうでないにしても、やはり農村還元を何らかこの資金で考えていくという方法も、一つこの制度の年金の使命としてあるわけでございます。そういうものとも合わせながら、いろいろ指導なり普及なりを図っていくのが妥当ではなかろうかというふうに考える次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、農業委員会に問題があるんじゃないだろうか。活用する面はあり得ると思いますから、やはり農業委員会の活動が、先ほど申し上げましたように、一件だけでも取り扱った農業委員会というのが全国の中で五%にすぎないという点等も考えますと、やはり農業委員会が積極的に農業者年金の資金の利用の問題、手続その他について積極的にこれを理解をし、そして進めていかなきゃならぬ問題があるんじゃないだろうかという懸念をいたしております。  その点について後ほど御回答を願うと同時に、もう一つお尋ねをいたしたいのは婦人の問題でありますが、これはこの委員会におきまして辻さんが何回かにわたりまして、始終農業者年金が出ますたびに婦人の加入の問題について要望をしてきたところでありますが、今度は辻さんがいまいませんので、私がこの婦人の問題について少し調べてみました。加入を見ますというと、百十三万戸の中で六%程度の婦人が入っている。しかし五十年の農業センサスによりますというと、農業に百五十日以上従事する人、これは女性の方がはるかに多いわけであります。十六歳から五十九歳、これをとりますと、これで百五十日以上農業に従事している者、男性が百三十七万、女性が百七十万、圧倒的に女性の方が多い。さらに農家を見ますというと、女性だけの専従者のいる農家、それが六十一万戸、専従者のいない農家というのは婦人の問題のところですからここで挙げませんですが、婦人だけが専従している農家戸数というのが六十一万戸あるわけであります。非常に大きな数字です。しかも日本の農業経営というのは、御承知のとおりに自作農経営形態でありまして、だから一体になって働いている、そういう農業経営になっている。主婦とそれから主人、これが一体になって働いているというのが典型的な農業経営の形になっている。  さらに、よく言われますように、日本の農家の中の五割は主婦主導型の農業だと、こう言われている。そうなっちゃった。そうなりますというと、私は男性の加入者だけではなくて、女性の加入者の道というものをもっと積極的に開く必要があるのではないかというふうに考えるわけです。いま入っております五万ぐらいの農家、女性の加入というのは、これは小作の形態にしたり、いろいろな形態にして女性が入っているんだろうと思うのです。でありますが、もっと女性が入るという、そういう道を積極的に開く必要があるんじゃないだろうかというふうに思います。これは農村に行きますというと、鹿児島は六割は主婦主導型の農業と言われている点もあるかとも思いますけれども、主婦の農業者年金に対する考え方というのがやはり相当に高まってきている。実態も先ほど私が申したとおりでありますから、ですから主婦の、女性の農業者年金に加入する道というものをもっと積極的に広げる必要があるという点を考えておるわけですが、先ほど申し上げましたものとプラスして、いまのものと、ひとつ答弁をいただきたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 農業者年金の実際の業務の最前線組織というのは農協と農業委員会ということでございますから、先生御指摘のとおり、今後とも県段階、それから一番重要なのは末端の段階でございますから、これらによくこの制度の趣旨を徹底をいたしまして、加入にしろ、先ほど御指摘のような売買なり融資の業務の問題にいたしましてもよく徹底をするように、われわれとしても今後十分指導をしてまいりたいと考えております。  それから婦人の加入問題でございますけれども、この問題はかねがね本委員会の先般の制度改正の附帯決議にもございますように、いろいろ御指摘を受けておるわけでございます。ただ、先生も触れられましたように、国民年金の方は夫婦で入る、こういうたてまえでございますが、この制度はそういう国民年金の上に乗っかってといいますか、一体となって六十歳から六十五歳までの方の経営移譲年金を仕組んでおるわけでございます。そこで、よく言われますように、老後の保障と同時にいろいろ農政上の要請と、二つくっつけてできておる制度でございまして、その点から加入の対象者というのはあくまでも農業の従事者でない、要するに農業経営者だ、しかもその後継者だと、こういうことで仕組まれておる。そこで、権利の移動をもって年金の支払いをするという仕組みになっておるわけでございます。  したがいまして、日本の農業自身が、家族経営といいますか、そういう形で行われておるのに、そういう擬制をして——擬制と言うまでのこともないのですけれども、個人の権利の移動をもって押さえておるというところに、なかなか主婦の加入問題ということの制度的な仕組みを考える場合のむずかしさがあるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。従来から、いろいろ議論をいたしますと、実際に経営をやっているのは奥さんである、主人は兼業農家であるという場合に、なぜ主婦がだめなんだ、それは形式的に言えば、結局権利の主体でないから農業経営者じゃない、じゃ、今度逆に夫婦でいろいろ働いておる場合、普通は夫に所有権なり使用権があるわけでございますけれども、妻の方は単なる従事者である、したがってこの対象とならないと、こういう論理で、非常になかなかはめ込みにくいということがございます。しかし、従来の研究会の議論でも、結局それならば短期の受給資格しか得られなかった、六十歳でもらったけれどもすぐ亡くなってしまった場合にということで、何といいますか、掛け捨て的なものを救済するということから遺族年金というようなことが考えられないかと、こういうような意見もございます。  したがいまして、遺族年金と主婦の加入問題、それらは絡み合っておる問題であると私どもも認識しておるわけでございますが、だからといって、遺族年金で行くとか、主婦の加入はどうだとかいうことは、いまわれわれ結論を持っておらないわけでございますが、御指摘のように、婦人の地位というのは実際の農業の中では確かにもう六割を超えておると、そういう現実を踏まえますと、やはり何らかの対応策を考えなければいけないのではなかろうかという問題意識は持っておるわけでございます。そこでことしの秋、いろいろ当院の附帯決議で残された問題もわれわれ持っておるわけでございますから、研究会などを開催いたしましていろいろな方々の御意見を聞き、われわれも積極的に議論に参画をしながら、この問題の解決に当たってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま局長のお話のありましたように、そういう問題も確かにあります。百十三万の加入者の中に女性が約五%ほど、五万六千ぐらいの女性の人が入っておるわけですが、先ほども申しましたように、女性だけが専従している農家というのが六十一万戸、そして従事者の中の女性というのが六割と、さらに百五十日以上農業に専従するいわゆる基幹専従者、文字どおり専従者、その数も六割以上というのは女性、こういう形になっておりますから、そこで処理の仕方によっては女性が入る道というものを、女性の入っている道というものをやりようがあるというふうに思いますし、それから先ほど局長がちょっとお触れになりましたように、いま五割は主婦主導型の農業だと、こういうふうに言われる形になっておるわけですが、その場合に、主婦の側から言いますと、やはり遺族年金みたいなものを考えてもらう必要があるという意見が相当強まっておるわけです。局長もちょっとおっしゃったですが遺族年金、つまり掛け捨てになってしまうと、それを防がなきゃいけないという点もありますし、ですから、いまの遺族年金の問題をやはり検討する必要があるということと、女性の入る道というものをこれはもっと積極的に広げていく必要があると、こういうふうに思います。そこで、厚生省の側の見解を聞きたいと思います。

山本純男厚生省年金局企画課長

○説明員(山本純男君) 女性の問題というのは、年金制度全体にとって大変むずかしい問題があるわけでございまして、ただいま御指摘のように、農業者年金の場合でも、女性であって実質的に農業を主宰している方々の加入の問題と、家族従業者として働いておられる女性への遺族給付という二つの問題があることは、かねがね私ども十分承知しておるわけでございます。  まず、加入させることがいかがかという問題につきましては、先ほど御議論ございましたように、加入者が限られております本制度の中で、加入対象が広がっていくということは制度が健全になることでもございますので、そのこと自体は大変結構かと思うのでございますが、やはり制度の創設されました趣旨というものが、農業経営主というものの老後の保障を手厚くするところから始まったものであるということと、あわせて農業を政策的な意味合いからの幾つかの政策目標をあわせて実現していくということにあったかと思いますので、そういう趣旨とうまくマッチした案ができるものかどうかについては、技術的に大変むずかしい点があるということをかねがね農林省からもわれわれ伺っておるわけでございまして、その辺うまく合理的に両立するような考え方があるのかどうか、私どもまた十分農林省の考えも聞きながら検討していきたいと考えております。  また、遺族給付の問題は、これはことに家族従業者である御婦人に対して、経営主が亡くなられた場合の遺族給付ということですと、これは必ずしも制度の根幹にかかわるというわけではないかと思いますが、何分にもいま御指摘がありましたように、家族従業者というものと実質上の経営主というものは時に同一の方に帰属する場合があったり、大変そういう実態問題としてはまた整理のむずかしい問題があるというようなことも伺っておりますので、そういう問題とあわせて、また私、財政のことは余り専門でございませんし、ことに農業者年金の場合にはまだ歴史も浅くて、数字的な検討も、制度を創設いたしました当時の資料でいまだに運営が図られておる状況でございますので、確たることを申せないのでございますが、厚生年金なんかに例をとりますと、遺族給付というのは大体その制度の全体の費用の中で三分の一近い金のかかる項目でございまして、そういう意味では遺族給付を創設するといいますと、実は財政負担の面でなかなかばかにならない金のかかる問題でございますので、そういう負担の問題との関係もまた考えなきゃいけない、そういう幾つか検討しなきゃならぬ問題が前提としてございますので、その辺をいろいろこれからも検討を詰めていきながら、御指摘のような問題についても考えてまいりたいというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 六十分の持ち時間で、かなりお尋ねしたい項目がたくさんありますので、御答弁の方は簡潔にお願いします。  最初に、農業者年金基金法の一部改正案の方からお伺いしますが、言うまでもなく農業者年金制度は、農業者の経営移譲によって農業経営の近代化、合理化を促進しようとする構造改善の目的と、農業者の老後生活の安定、福祉の向上を目的とした年金給付を行う、こういう二つの目的を持っているわけでございまして、経営移譲を前提とする政策年金ということで位置づけられていると思います。  そこで、本年度の実績なんですが、経営移譲による受給権者数は月々増加をしておりまして、昭和五十二年三月現在で見ますと一万六千二百十九人という数字です。この経営移譲率は農林省の当初の予想数値と比較してどのようになっているのか、その数字に対しては農林省としてはどういう評価をなさっているのか、まず伺いたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 当初の経営移譲の見込みにつきましては、まあいろいろあるわけでございますが、現在の一万六千二百十九人という実績は全体から見ますと二四・八%ということに相なるわけでございますが、このほかに実は裁定の申請者数が二万二千人でございまして、うち受給者が一万六千人というわけでございますから、この裁定申請者数で見ますと三三・四%ということに相なるわけでございます。で、これがまあ当初の見込み、六十歳の終了時で二八%、到達時で二五%ということでございます。私が先ほど実績として申しましたのは、六十歳到達時の者の実績ということでございますから、まだ一年ちょっとでございます。そういうわけでございますから、この数字自身でにわかに判断をするわけにはまいりませんが、当初見込みを若干上回る傾向というのが常識ではないだろうかというふうに思うわけであります。これは六十四歳までになった時点で締めてみませんと、結果的にはまだわからないということになるわけでございますが、一応むしろ当初見込みを上回るという人の意見の方が多いようでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それで、経営移譲された内容なんですが、移譲先についていただいた関係資料を見ますと、後継者移譲が一万四千八百四十二名、第三者に対する移譲が千三百三十九名という数字です。これについて、もう少し具体的に説明をいただきたいと思います。移譲された農家の階層なんですが、どういう階層を中心に行われたのか、規模の大きさですね、これがどういうふうになっているか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) この経営移譲、後継者移譲がいま言われましたように九一・五%でございますから、面積の階層別に見てみますと、大体加入者の面積別の構成比と移譲者、後継者移譲の階層別の構成比の間には余り差はないようでございます。したがいまして、どこに偏っておるというふうには言えないのではないだろうかというふうに思います。ただ、第三者移譲、これは八・三%ということでございますが、この面積階層は小規模層に集中しておるということで、数字で申しますと農業者年金の加入者の一ヘクタール未満層の割合が四四%でございます。これに対しまして、第三者移譲の実績でございますが、一ヘクタール未満層の割合が八四%ということで、そういう小さい方から第三者移譲が行われておるというふうに見ておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 年金加入率の問題なんですけれども、資料によりますと、加入率の推移というのはあまことに不本意な経過をたどっているようです。昭和四十六年度から五十一年度まで過去五年間の平均増加率を計算してみますと、わずかに三・七%増というきわめて低い数字になっています。特に、昨年、五十一年度では四十九年度よりも下回ってしまったという減少傾向さえも示すようになったんですが、これまで懸念されていたいわゆる農林省のPR不足というものが、ここに至って数字の上にはっきりあらわれてきたんじゃないかというように思えます。このように、年金の収入と支出のバランスが破綻をしてしまうおそれを抱かざるを得ない。年金の将来に大きな不安を感じてくるわけなんですが、年金が農業経営主から積極的な評価を受けるために、農林省としての改善策、それから促進策、これは現在考えておられるのかおられないのか、どう対処するおつもりなのか、明確にしていただきたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) ちょっと先生、数字の点でございますが、四十九年から五十年では若干ふえまして百十六万人、それから五十一年になって百十三万人ということでございます。この内容につきましては、要するに六十歳になってやめた人が五万人おるというようなことが大きく影響をしているようでございます。  いずれにいたしましても、これをどうするかということでございますが、昨年から年金の受給が始まりまして、これは喜んでいただいているわけですから、そのほかに昨年度の制度改正でいろいろ年金を増額をしたり、今回のスライドも一つのPRの要素になると思いますが、使用収益権でも経営移譲できますよというようなこと、去年の制度改正で特定後継者の保険料の軽減があったというような、こういうことについては、特定後継者等のそういう移譲権はことしからでございますから、まだよくそういう内容を御存じない方が多いのではないか。現に、いろいろ未加入の理由を調べてみますと、約五割はちょっと理解が足らない、制度の内容を知らないという方がどうも多いように思うわけでございます。  そこで、これらについて今後制度の理解と普及を進めることがこの制度の維持、またいろいろ財政問題等に対する回答になるのではないだろうかというふうに考えておりまして、ことに五十二年中に期間短縮措置によりまして、まだ加入保険料を払えばここで年金の受給資格が出るという方が非常に多いわけでございますので、これらの方々を中心にいたしまして、いろいろパンフレットでございますとか、農村向けの放送でございますとか、先ほど申しました農協、農業委員会、そういう団体の指導徹底を図る。特に、未加入者に対する戸別訪問もあえて辞せずというようなことで、強力にその加入促進を図ってまいりたいと思いますし、また特定後継者につきましては、農業委員会ではその適用対象者名簿というのをつくりまして、それに基づきましてひとつ加入を勧めてまいりたいという計画をいま立てておるところでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 もっともっとPR不足の責任を痛感されて強化をしてほしいということと、加入の申し込み窓口である農協に対して、もっと協力を要請する等の努力をしていただきたいと思います。  それから、年金の収支報告についてひとつ説明を受けておきたいんですが、昭和五十一年三月三十一日現在の年金勘定の損益計算書。これを見ますと、百十三億円の当期欠損金を計上しているのですけれども、この赤字の内容について説明を欲しいことと、今後の損益計算書における欠損金の見通しはどうなるのか、この二点。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 御指摘のように、百十三億円が当期欠損金として五十年度の年金勘定の損益計算書で、年金給付関係で計上されていることは御指摘のとおりでございますが、これは簡単に申しますと、一応本来必要とされる保険料が月額二千三十円でございます。これに対しまして実際の保険料が千六百五十円。これは四十九年の改正の際に、これは五十年の一月から十二月まで千六百五十円で後は逐次政令で上げていくというのを、法律で修正を受けまして、国会修正後は、要するに五十一年の一月以降は別に法律で定めるということに改正をされた。そのためだけではないのですけれども、要するに千六百五十円で据え置かれておるということが主なこの欠損金として出てきた理由でございます。しかし、昨年度の法改正におきまして財政再計算を行いまして、保険料も五十二年の一月から過去の不足分も含めて本来必要な水準に改定をいたしておるわけでございますので、五十一年度決算で出ました損益計算書はそういうことから出ているもので、今後の財政計算におきます諸要素のとり方と実績値に相違がない限り、ことにこの問題に関する限り保険料の欠損金は発生しないという見込みを立てておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 次に、加入者の年齢構成を検討しますと、たびたび取り上げられますように、いわゆる三十五歳未満の若年層の加入率がよくないわけです。前回の改正で後継者加入について三〇%軽減という特定保険料まで用意して加入促進を図ってきたんですが、その成果はどうなっておりますか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 御指摘の問題につきましては、本年の一月から保険料の軽減措置の対象になる者の申請の受け付けを開始したばかりでございまして、四月末までの申請者はすでに一万五千人余りということになっておるわけでございます。しかし、この申請者のうち、この措置の適用を受けて新たに農業者年金に加入してきた者がどのくらいいるかということにつきましては、現在まだ取りまとめが判明しておりません。したがいまして、正確なところは適用が行われましてからまだそうだってないわけではっきりしてないわけでございますけれども、ともかく先ほど申しましたように、対象者名簿というようなものを農業委員会でつくってもらいまして加入を促進して、これを契機としまして加入の促進を図ってまいるということでございますので、努力次第では相当加入を確保できるのではないだろうかという、今後のやり方の問題も絡みますが、そういうふうに考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 今後の運用次第でかなり見込めると思いますので、その辺はよく検討されて進めてほしいと思います。  それから、質疑通告はしてなかったんですけれどもこの際お聞きしたいんですが、今回の制度改正にはうたわれていない加入漏れの問題です。すなわち、資格期限の切れた農業経営主の人や、任意加入者としての後継者の人についての救済策について、どういう検討を加えられようとしているのか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 恐らく御指摘の問題は制度の発足の際に短期期間の加入特例措置が設けられたということでございますが、ことしの一月現在で五十七歳から六十歳と言った方がよろしゅうございますが、この中には当然保険料の納付には二年間の猶予がございます。そういうものを考慮いたしましても最低五年は掛けていただくということでございますから、ことし五十七歳の方、これは大正八年生まれということになりますか、そういう方はすでに加入できなくなっておるわけでございます。あと四十一歳から五十六歳までの方々につきましては、一応ことし、五十二年中に保険料の納付を開始すれば年金の受給に結びつくと。逆に、しなければ、年金の受給資格がなくなってしまうという問題があるわけでございます。で、先ほど鶴園先生から御質問がございましたように、ともかくわれわれといたしましてはこれらの方々によく事情を話して、この際加入していただくということに全力投球をしたいというふうに思っておるわけでございます。いろいろいまから救済措置を論ずる前に、ともかく加入促進の実践を図るということを当面の目標にいたしたいということでございまして、あとの問題はその後の段階でよく考えてみたいというのがわれわれの考え方でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 鶴園委員からも質問のありました農業者の主婦の年金制度の問題ですけれども、近年農業の主体は主婦の役割りがきわめて重要になってきておりますし、今後もこういった傾向はますます強くなってきて、農業生産の重要な担い手としての主婦の立場というのは一層高まると思うのですが、年金制度については現状の制度の中では余り恵まれていない。そこで、できる限り早い機会に農家の主婦に対する年金加入の道が開かれなくてはならないと思うんですけれども、今後の重要政策課題として取り組む意欲をぜひ示してほしいわけですけれども、先ほどの御答弁と繰り返しになるかもしれませんけれども、もう一度その点をお尋ねしたい。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 婦人の加入問題は、非常に重要な問題だというふうに認識をいたしております。要するに、この制度の中にどういうふうに取り込んでいくかというそのむずかしさにつきましては、先ほどから厚生省からも御説明がございました。私どもも実態とこの制度のつかまえ方との乖離と申しますか、そういうむずかしさについて御説明をいたしたとおりでございますが、この難問は、私どもといたしましては加入者をふやすということもございますし、何とか解決をしたいというふうに考えております。そこでいろいろな方々の御意見を伺うという意味も含めまして、研究会で十分討議を尽くしてみたいというふうに考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 前回の法律改正のときも議論されました遺族年金の創設についてですけれども、農業者年金は誕生以来日も浅い、逐年法律改正によって被保険者の要望も取り入れて充実を図ってはきておりますが、今回の年金二法の改正案では、もう一方の法案である農林年金についてはもうすでに遺族年金制度を整備して質的向上は図られている、これに比較して農業者年金の方ではまだ具体化されていない、こういう状態なんですが、ぜひとも早期にこの整備をすべきであると思いますが、この創設への見通しを伺いたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) かねがね遺族年金を創設すべきだということにつきましては御要請がございますし、前回の制度改正の際の附帯決議ということもございます。この問題につきましては国民年金との関連、またその調整をどういうふうにしてやるかということと、もう一つの問題は、遺族年金を創設をすることによって何か経営移譲と関係があるという、端的に申しますと制度そのものが経営移譲の促進ということと何らか関連づけできるのかというような、そういう基本的な問題がないわけではございません。なお検討の課題として残されておるわけでございますので、この点について、遺族年金の問題については非常に強い御要望があることは十分承知をいたしておりますので、先ほどの婦人の加入問題とあわせて、今年の秋に予定をしております研究会で十分討議を尽くしてみたいというふうに思っておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 本年金制度には、農地等の取得のための融資制度があるわけですが、貸し付け限度枠もありませんし、年利も低利である、比較的有利な条件が整っているということであります。そこで、借り入れ希望が相当大きいと推測されるんですが、現在貸し付け計画に対する需要がどうなっているのか、それから今後の資金枠の伸びの見通し、貸し付け計画についてどのような見積もりを持っているのか、それからあわせて後継者のいる農業経営主の方がどちらかと言うと積極的に申し込みをされているのじゃないかと思うんですが、この点傾向はどうなっているのか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 農業者年金の行います農地取得の融資につきましては、被保険者が離農跡地をまとめて全部一括して取得する場合にということで適用をされておりまして、北海道、東北、九州、農業的地域を中心に順調に行われておるわけでございますが、五十一年度におきます融資枠三十五億ということで、貸し付けの実績は約三十五億でございます。三十四億幾らということでございますが、これは資金需要に対して必ずしも十分に枠が与えられていないというふうにも思われますが、農業者年金基金では毎年度当初枠づけをいたしまして、年度途中で資金需要の動向を見きわめまして需要の多い地方に再配分する、そういうやり方をやりまして実態に見合うように弾力的に貸し付けを行っているというのが現状でございます。  これは、当初需要の見込みをとりましていろいろ枠づけをしていくわけでございますが、具体的に申しますと、需要の見込み額は毎年度当初農業者年金基金が農業委員会系統を通じて調査をいたしまして、それから年度ごとの融資枠を決めてまいるというやり方をやっておるわけでございます。で、今後の資金枠あるいは貸し付け計画というものの見込みにつきましては、この事業の原資というのは、結局年金の給付のために積み立てられた金を運用をしていくということで、保険料の一部を活用して行われるということでございますから、またこの融資制度そのものが非常に有利でございます。三分、三十年、据え置き三年という有利かつ長期にわたるということでございますから、長期的な観点から年金の給付に支障を及ぼさないということで運用をしていくということに相なるわけでございます。で、第一義的には、年金給付の方は大丈夫だということを考えてから検討をしなければならない問題でございます。  そこで、この制度の給付そのものが昨年から開始されたばかりでございますから、先ほども申しましたように、どのくらい受給者があるだろうかという問題はまだ何とも申し上げられないと申し上げましたけれども、この将来見通しが必ずしも十分に把握し切れないということで、今後融資の事業の将来の融資枠につきましては、今後の受給者等の動向と資金需要とのにらみ合わせといいますか、そういうものを見きわめながら決定をしてまいるということで臨みたいというふうに考えておる次第でございます。ちなみに申しますと、毎年度融資枠はふやしてきておりまして、先ほど五十一年度融資枠三十五億ということで申し上げましたけれども、五十二年度は四十四億ということで、二五%程度の増額を考えておるわけでございます。  それから次の問題でございますが、融資につきまして後継者のいる経営主が積極的に融資の申し込みをしているのではないだろうか、こういう問題でございますが、これはなかなか推測が入るわけでございまして、元来、農地等の買い入れ資金の融資につきましては、離農した後跡地を一括取得する場合にのみ貸し付けられるということでございまして、その場合に、農地取得後の経営面積がその市町村の平均耕地面積の一・五倍以上、取得することによって非常に経営規模が拡大される、そういうことが一つの要件として貸し付けられておるわけでございます。  それからもう一つ、そういうことでございますから、農業労働力の保有状況等から見て、農業で自立しようとする意欲と能力を有することが認められることという要件が入っておるわけですざいます。これらから考えますと、農業経営がかなり規模が大きというものであるわけでございます。融資を受けて農地を取得するものの規模が大きいということと、それから農業労働力も充実しておるというふうに考えられますから、貸し付け対象農家の後継者は、むしろ保有率は他の農家に比べればはるかに高いものではなかろうかというふうに考えられる、これは一般的にそういう御説明を申し上げているわけでございます。  ただ、具体的な問題につきましては、具体的にそういう調査があるかどうかということになりますと、資金の貸し付けの相手方のすべてにつきまして後継者の有無につきましての調査は行っておりませんが、五十一年度の貸し付けの相手方につきまして後継者の有無を調べたものがございます。これは農業従事者が百五十日以上の後継者がいる経営主が二九%、これは五十一年度の貸し付けの相手方でございます。それから後継者自身が借り手となっている者が三〇・四%ということでございまして、両者を合わせますと約六割ということに相なっているようでございます。また後継者がいない経営主、いまの百五十日以上従事する後継者でございますが、その者がいない経営主が約四割存在するということでございますが、逆にこれらの人たちはむしろ若い経営主で、後継者がまだいないといいますか、まだ子供であるとか、そういうふうに考えていいのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。いまの点につきましてお答えとしては、現在の調べではそういう実情になっているわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いただいた五十一年度末累計の融資事業の実績を見ますと、北海道の場合が取り扱い件数で全体の六三・四%、七百四十七件、金額で九十一億六千六百万円、全体の七四・五%ということですが、申し込み件数に対してどれぐらいの率になっていますか、実施率は。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) いま先生の御質問そのものについての調査は、要するに先生のおっしゃるのは……

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 北海道だけに限って。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) どうもその調査は行っていないようでございますので、よく調べて御報告いたします。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 全国農業会議所が行った五十一年度の農業後継者の意向に関する調査、この結果が農業専門誌に報じられているのを見たんですが、それによりますと、経営の発展のために農地の規模拡大をまず望んでおられますし、今後規模拡大をしていきたいという積極、前向きの後継者の方が全体の四五・二%いらっしゃるということです。そこで、ぜひ融資事業に力を入れていただきたいと思うんですが、このネックになるのが相続問題なんです。相続税ですね。そこで、相続税に対する不満や相続による経営の細分化あるいは共同相続人、こういった問題等について後継者は非常な悩みを持っているということがわかるわけなんですが、こういう諸問題については古くて新しい問題だと思うんですけれども、農林省としては当面この相続問題の中では何を重点に検討しておられるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 先生御指摘のアンケートで見ましても、どうもこれは都市近郊のウエートが非常に相続について不安があるということは、都市近郊の方が、まあ全般的にでございますが非常に強く出ておるようでございます。平地農村、農山村、山村に行くに従いましてむしろ不安がないという答えが多くなっているということでございますが、そこで直接のこの問題は、結局われわれの観点から見ますと、農業経営を細分化されたくないという立場に相なるだろうというふうに思います。逆に申しますと、一子相続とまでいきませんが、そういう形が望ましいということになるのではないかと思います。この点につきまして一子相続制度をつくったらということで、民法の特例法をかつて農林省も準備したことがございます。しかし、これは憲法問題、憲法の基本の問題にかかわるということで、非常に困難だという結論で、この問題については一応断念をしたがって経過がございます。  それで、それではどのくらいの単独相続になっておるかという実態調査が、農林省の調査がございますが、これは全部の県ではございませんが、約七〇%は単独相続ということに相なっておるようでございます。そういうことで、こういう逆の不安があるというふうなのに対して何らかの答えが出ておるように思うわけでございますが、制度的な対応といたしまして、あるいは行政上のそういう対応としましては、自作農維持資金が三十年に創設されまして、持ち分の譲渡を受けやすくするということをやったわけでございます。それから三十九年、これは大きいわけでございますが、生前一括贈与の場合の贈与税の特例措置を設けたということで、生前にある特定の後継者に一括贈与をいたしますと贈与税の徴税猶予が行われるということで、これが大きな改正でございますが、これといま御審議いただいております農業者年金制度が四十五年に創設されました。この農業者年金制度と生前一括贈与による納税猶予制度との抱き合わせといいますか、でいきますとどういうことになるかといいますと、さらに相続税の改正が五十年に行われておりまして、一括贈与を受けまして、贈与したおやじさんの方が亡くなった場合に、今度相続税について農業投資額を上回る額ということになっておりますけれども、これはまた基礎控除の引き上げがございますから、大体上回る額についてはその相続税のまた納税猶予が二十年間行われるということで、いまこの農業者年金の経営後継者移譲、いまの生前一括贈与、それと相続税の納税猶予制度ということでずっとつながってまいりまして、そういう制度を活用してまいりますと問題はないはずでございます。  ただ、そうは申しますものの、ここでアンケートでも出ておりますように、都市近郊が非常に不安を持っておるということは、最近の若い人たちの非常に権利の意識といいますか、そういうものが非常に高まっておることも事実だと思います。そこで、いろいろこういう不安が出てきておるというふうな私ども認識を持っておるわけでございますが、理論的には、また制度的な活用の方法といたしましては、私が申しましたように、おやじさんが農業をおまえがやるなら土地をやると、こういうことでずっといきますと、そう不安はないはずなんです。まあそこはいろいろ個人の家庭の問題等もあるわけでございまして、それと農地制度でいろいろ不在地主になるとか、あるいは都市近郊だと在宅で通勤しているとか、そういうような話がいろいろ絡まっておるわけでございます。  そこで、これは農林省としても非常に重要な問題でございますから、さらに実態はよく把握をいたしまして、非常にバラエティーに富んでまいりまして家庭の問題が非常に出てまいりますが、われわれとしては農業の経営者がこの制度に見られますように、やっぱり後継者に一括して、ずっと分割されないで、後継者がいたずらな変な負担を負って農業をやらなきゃいかぬということもないようにせにゃいかぬわけですが、やはり憲法上の問題という一線は越えられない。そこでいまのような総合的ないろんな対策で処置、対応をしていかざるを得ないのではないか。御質問の問題にお答えになったかどうか知りませんけれども、私どもこの問題さらに実態を調べながら、よりよき解決方法の探求には検討は惜しまないつもりでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 後継者の約半数近い人たちが、農業は自分の意思で、能力で自由にやれるんでやりごたえがある、こう言われているわけですし、いまもお答えのように、ぜひとも総合的に、またきめ細かいこの相続税に対する農林省の今後とも取り組みをお願いしておきたいと思います。  それから、年金基金の資金運用状況についてただしておきたいと思いますが、昭和五十一年三月三十一日現在で運用資金一千九十一億円、これのうち農林債券の有価証券に対して約過半数の五百七十億円、これを振り向けているんですが、この運用方法の最大のメリットはどこにあるのか、理由を伺っておきたい。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) これは端的に申しますと、積み立ての総額が千二百五億でございますが、これに直接農村還元としまして、先ほどの農地等の売買、融資勘定の貸付金が約百十三億ございます。それを差し引いた残りが千九十一億と、こういうことになるわけでございますが、これにつきましては、安全かつ効率的な運用を図るということから、比較的有利な金融債を購入するということにいたしておるわけでございまして、また一方の要請といたしまして、農村還元ということが、まあ農民が農村から積み立ててまいった金でございますから、そういう関係で農林中金の農林債券の購入に充てるというふうに運用をいたしておる。したがって、運用資産に占めます農林債券の割合が非常に大きなものになっておる。具体的には五百七十億運用されておるというのが現状でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 先週の日経新聞の報道によりますと、農林中金の資金がだぶついていて融資制限を大幅に緩和する、また地方公共団体にも短期貸し出しを認めるということを大蔵省とも話し合っているようですけれども、私は、地方自治体は非常にいま困っているわけですから、これへの融資について妨害をするようなことを言うつもりはございません。しかし、資金が一兆五千億円もだぶついてということで深刻なら、貸し出しの金利を幾らかでも下げて貸し付け条件を有利にして、農林水産漁業の振興のためにそれをさらに効果ある活用をするという方法をもっと強めてもいいのじゃないかと思うんですが、その点はどのようにお考えですか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○政府委員(今村宣夫君) 御存じのとおり、農林中金の金といいますのは、一つは単協、信連を通じまして農林中金に上がってきました預かり金と、それから農林中金が農林債を発行いたしまして調達しました金と両方があるわけでございますが、系統資金におきます資金需要といいますものは、ちょっとほかの資金需要と違いまして非常に季節性がございます。それから地域によって、信連の力の弱いところ等におきましては資金がショートするというふうなことも時期的にはあるわけでございまして、そういう季節的な、あるいはまた地域的な資金を全国的に調整するという機能を農林中金が持っておるわけでございます。  そこで、農林中金は、常時コールその他すぐに手当てができますような金を相当持っておるということが必要でございまして、これが金融が緩和しますとそういう部分の金がふえていくという、そういうかっこうに相なっておるわけでございますけれども、これは季節的な資金の状況をごらんをいただけばわかりますけれども、たとえば四十八年には、四月末に五千億ぐらいな余裕金があったわけでございますけれども、十一月になりますとそれが足りなくなりまして、日銀から二千九百億ぐらい借り入れをしたというかっこうになっております。五十年にも、大体一月末には四千三百億ぐらいな金がありましたけれども、三月末には九百億ぐらいな金になっておるというふうなかっこうでございまして、季節によりまして、時期によりまして非常な振れがございますので、したがって一兆五千億の金がだぶだぶしておるということではございませんで、一兆四、五千億といいますのは金額としては大きゅうございますけれども、やはり一兆円から五千億ぐらいの間でその資金が振れるということは通常あることでございますから、一兆五千億というような金額は、即、全部余っておる金だというふうに考えることはできないと思います。しかし、そういうふうな金をできるだけ農村あるいは農林漁業に低利で貸していくということはこれは必要なことでございますから、そういう方面につきまして農林中金あるいは系統がその使命を果たすように特に心がけ、また私たちとしてもそういう指導をいたす必要があると思いますが、ただ問題は、資金調達コストがどうであるかという問題がございます。  系統の金というのは、残念ながらちょっと資金調達のコストが高うございまして、大体八分をちょっと超えるぐらいな資金調達コストを持っておるわけでございます。したがいまして、資金を運用しますときにも、どうしてもその資金調達コストというのを念頭に置かざるを得ないという状況に相なるものですから、農家の方の長期低利というふうな要望に応じます場合におきましては、どうしてもこれは国あるいは都道府県を含めた利子補給という形をとらなければいけないということに相なるわけでございます。したがいまして、そういうふうな観点から、制度資金その他におきまして、私たちとしましても近代化資金を含めましてそういう措置を講じておるわけでございますが、今後とも系統としては、お話のように、金利の調達コストをできるだけ合理化して、そしてできるだけ安く農家に資金を貸し付ける努力を積み重ねるべきものであるというふうに考えておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ちょうどいま二百海里問題で特に北洋漁業関係者は大変な影響を受けて苦しんでいる時期なんで、それを逆なでするみたいな行き方はされないように御注意をいただきたい。それでいまおっしゃっているように、本当に資金を必要とする農業者、あるいは特に沿岸中小零細漁業者の方へ振り向けるように、ぜひとも御配慮いただきたいと思います。  次に、農林年金の方で残っている時間質問したいと思いますが、関係者どなたに聞いても、農林年金の内容が非常に複雑でわかりづらいと。そこで、もう少し現行法をわかりやすいものに改めてほしいという要請がかなり以前から出ているわけですが、この点について、農林省としてはどんな検討をされてきたでしょうか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○政府委員(今村宣夫君) 農林年金法に限りませんで、各種の共済年金関係法といいますものは、掛金の納付でありますとか、年金の給付内容等が加入者の権利義務にかかわる事項を含んでおりますために、法律上の具体的な規定を必要とするということで、しかも給付内容の改善に従って法律の改正が毎年行われるということになりますと、規定が非常に複雑になりまして難解になっておるわけでございまして、一読してなかなかわからないという、そういうことは御指摘のとおりでございます。しかし、農林年金法は、農林漁業団体の職員の方々あるいはその退職者にとって非常にかかわり合いの深い法律でございますから、その内容が十分理解されますように、農林年金を通じまして組合員でありますとか、あるいは年金受給者に対して各種のわかりやすい資料を配布したり、あるいは各種の説明会を開催するなどいたしまして、私たちはその理解を深めてもらっておるところでございますが、法律の難解さをいま直ちに改めるということはなかなかむずかしゅうございますけれども、申し上げましたようなそういう手段方法を通じて、できるだけ本制度の理解を得るように努力をいたしたいと思っておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 この年金法改正に当たって、毎回衆参両院で附帯決議が行われるわけですが、なかなか大幅な改善というものがむずかしいようでして、毎回同じような附帯決議がつくと思うんですけれども、その附帯決議の中で、特に農林年金に対する国庫補助率の引き上げ、これへの実現方法について、今日まで農林当局としてどういう努力をされたのか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○政府委員(今村宣夫君) 農林年金の財政の確立と組合員の掛金負担の軽減を図るために国庫補助率の引き上げを行うべきであるということは、たびたび附帯決議をいただいておるところでございますし、また関係者からも強い要望をうけておるところでございます。そこで、私たちといたしましては、掛金の補助率の引き上げということにつきましては、予算編成のときにできるだけの努力をしてまいっておるつもりでございますが、しかし、残念ながら、公的年金給付に関します国庫補助等につきましては、どうしても各年金制度の給付内容に応じて全体として均衡をとることが重要であると、農林年金のみに国庫補助率を引き上げるということはこの均衡を破るではないかというふうなことがございまして、今年も実現に至らなかったわけでございますが、私たちとしては、農林年金を担当する省庁として、今後ともこの点につきましてはできる限りの努力をしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林年金の掛金率の仕組みを検討しますと、制度の発足の際に厚生年金を引き継いだときのいわゆる初期債務の問題がございますが、組合員の立場から言いますと、この整理資源をまず改善してほしいと要望するのは当然のことだと思うんです。全額国が負担して組合員の負担軽減というものを図るべきじゃないかと思うんですが、この初期債務についてはいつごろまでに改善する腹づもりでいるのか、お伺いしておきたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○政府委員(今村宣夫君) 初期債務の関係で見ますと、恩給は全額国が負担しておるのに、農林年金においては整理資源を国が助成をしてないという問題がございますが、これは午前中にも御議論がございましたように、恩給制度というものの特殊な性格といいますか、そういうものがあるわけでございまして、その財源はやはり組合員と事業主との拠出を基礎として処理せられるものでありまして、その引き継いだ厚生年金期間の見合い不足分を直ちに国が直接埋めるということはなかなかできがたいのでございまして、私たちとしましては、組合員と事業主との拠出を基礎にしてこれを処理をしていかざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 退職年金の最低保障額の引き上げの件についてなんですが、農林年金については法本則の最低保障額といわゆる絶対保障額の二種類があるわけですけれども、絶対保障額の水準と法本則の水準に格差があることは周知のとおりでございまして、いろいろと経過はあるんでしょうけれども、格差の是正をどうするのか、今後の方向づけを明らかにしていただきたいと思います。特に遺族年金の最低保障額の改善について、生活保障という面から最も深刻な問題ですので要請が強いわけですが、これに対する今後の方針、これを伺いたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○政府委員(今村宣夫君) 特に、遺族年金につきましての支給率の引き上げの点につきましてでございますが、遺族年金につきましては、御存じのとおり四十八年からずっと毎年、まあ五十一年というふうに改正をいたしてまいりまして、その内容につきましては相当改善が図られてきたわけでございますが、五十二年度の改正におきましては、御存じのとおり、改正時期を三カ月繰り上げて四月から絶対最低保障額の引き上げをいたすことにいたしておりまするし、六十歳以上である者、あるいは子供がございます寡婦である場合には、本年八月からさらにこれを引き上げることにいたしておるわけでございます。そういうことで、寡婦加算を設け、そういう引き上げを行いました結果、大体最低保障額は六〇%ぐらいになるというふうに見込まれておるわけでございます。  で、私たちとしましては、給付率を直ちに引き上げるということは、これは年金共通の問題でございますからなかなか問題の多いところでございますけれども、御指摘のような遺族年金につきましての内容の改善を逐次図りながら給付率を上げていくというのが、最も実際的な改善方策ではないかというふうに考えておるわけでございまして、年金の引き上げはもちろん好ましいことでございますけれども、そういう内容の改善によってそれを逐次改めていくということに努力していくことは、実際的、効果的ではないかというふうに考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 時間が来ましたので、最後に貸し付け制度について三点お伺いしておきたいと思いますが、まず住宅貸し付けなんですが、現行では五百万円の限度額になっておりますが、資格者は申し込んでも実際には最高二百六十万円前後しか貸し付けされてないと聞いております。いまの御時世でこの程度の金額じゃ新築は全く無理、増改築にしても大したことはできないのじゃないかと思うんですが、そこで給与に応じた最高限度額の設定をしてはいかがなものかと思いますが、どうでしょう。それで、皆さんの希望では、最高額は八百万円ぐらいまでに増額してもらえないものかと、こういう声がございます。また、貸付金の担保の算出基礎となっている計算方法も、組合員の要求している程度であれば可能ではないかと思うのですが、それについての御所見を伺いたいと思います。  それから二番目が育英貸し付けの件ですけれども、現行の奨学資金制度では、四年制大学で一年間に十二万円、それから短大が同じく十二万円、そうして高校が九万円という、こういう金額です。これは一体いつ発足して決定された金額なのか。現在では相当授業料等も高くなっておりますので、実情に合わせた増額を検討されてはいかがと思いますが、どうでしょうか。  最後が、災害貸し付けです。限度額が五十万円ということになっておりますが、これでは現在のインフレ時代にはとても対応できないと思うのです。災害対策資金にはほど遠い実態なんで、この災害貸し付け限度額についても大幅引き上げをすべきだと思いますが、前向きの御答弁をいただきたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○政府委員(今村宣夫君) まず最初の住宅貸し付けでございますが、貸し付けの実態を見てみますと、大体残高の九八%ぐらいが住宅貸し付けになって、ほとんど大部分住宅貸し付けでございまして、非常に需要が強いのは先生のおっしゃるとおりでございます。それで、五十年度末の残高で見ますと、三百億円に全体としては達しておる次第です。ただ問題は、住宅貸し付けは償還期限最高二十五年ということでございますから、非常に長期にわたって資金が寝て固定化するという問題が一つございます。したがいまして、その現在の組合員の御要望にこたえるということは非常に必要なことなんですが、また逆に言いますと、貸し付け財源を枯渇させるといいますか、固定化させるというふうなことがございますので、貸し付け限度額の引き上げなどの改善につきましては、組合員の意向を十分反映をしつつも長期的展望に立ってどういうふうにしたらいいのか、世代間の公平という問題もございますから、そういう観点から今後十分検討をしてまいりたいと考えております。  それから、育英資金は学校の種類別に異なっておりまして、たとえば大学では最高四十八万円までという、一年分としては十二万円に在学年数を掛けたものですから最高四十八万円まで借りられる。それから高専は一年分十万円ですから、あるいは高校は九万円というかっこうになっておりまして、大体この辺がいいところじゃないかと思いますが、御指摘の点もございますから、なお検討いたしてみたいと思っております。  災害資金につきましても、先ほど申し上げました貸し付けの限度と期間と、それから資金面の何といいますか、貸し付けの長期化による固定化という問題もございますから、そういう点をあわせて、大いに検討をすべきものであろうというふうに考えておるところでございます。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま佐多宗二君、前川旦君及び工藤良平君が委員を辞任され、その補欠として望月邦夫君、野口忠夫君及び志苫裕君がそれぞれ選任されました。     —————————————

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 最初に、農業者年金における婦人の加入問題と遺族年金の問題、この問題はきょうも先ほどから同僚議員からるる御質問がありましたし、毎年の問題ともなっております。そこで、また重ねてお伺いするというわけでございますので、きょうは大臣熱心にお聞きになっていらっしゃいましたので、今度は局長でなくて大臣からの御見解を伺いたいと、そう思うわけでございます。  もう御承知のように、農村婦人の農業に果たしている役割りという問題からお伺いしたいのです。農業就業人口の中で七六年度の農業調査結果報告書によると、全体で七百四十八万八千人中女性が四百六十五万人と、実に六二・一%を占めておりますし、また基幹的農業従事者数で見ても、五百三万四千人中女性が二百七十五万八千人、五四・八%を占めております。数だけではなくて、農業に携わる婦人たちの農業技術というのも、これは非常に進んだ技術を体得しているというような中で、数においても、また技術面から言っても、半数以上、大きな役割りを農村婦人が果たしているということが言えると思うんです。  また、年間百五十日以上農業に従事したいわゆる専業従事者が婦人のみという農家戸数は、五十年センサスによると六十一万五千五百戸。しかも、男の補助者がいない農家数が三十四万一千三百戸、文字どおり女手一つで農業をやっている。こうした現実の日本農業の姿について、よしあしは別にして、農村婦人の役割りを正当に評価して農政を進めなければならない。先ほども言ったように、非常に労働力においても技術面においても大きな役割りを果たしているという点について、確かにそれはそのとおり重要な役目だと大臣お答えになると思うんだけれども、それじゃいままでと同じ答えなんで、この際、その辺のところをもうひとつどういうふうに積極的に取り組むという御所存か、その決意を踏まえての御所見を承りたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) かねて当委員会からも年々歳々のごとく強く要望されておる問題でございまして、この問題はおっしゃるとおり何人も否定できない問題だと思います。したがって、いまここですぐどうこうするということは申し上げられないけれども、省内におきましても、この秋行われる研究会においてもちろんこれだけはやろうと、遺族の問題等々は十分に検討する必要があるというようなことをお互いに話し合っておるところでございますので、これだけの意気込みでいくならば、この秋の研究会にも相当の効果を見ることができるというように私は察しております。いまここでどういたしますということは申し上げられませんけれども、その研究会においてある程度の方向づけをしていきたいというふうに考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 だれにも否定できない役割りを果たしているのに、まだまだ農業を担当する婦人にとってはやってもらいたいことがたくさんございますので、それでは、この年金の問題で婦人がどういうことになっているかということで、婦人の加入問題でお伺いしたいわけですけれども、四十九年改正の際にも本委員会の附帯決議で「兼業農家の妻等で実質的な農業経営主である者について年金加入の途を開くこと。」とされましたし、その後使用収益権の設定によって年金加入の道が開かれました。しかし、これが実際どうなっているのか。婦人の加入全体で五十一年三月現在、五万六千と非常に少ないという数でございます。これは婦人の農業専従者のみの農家が六十一万戸、男子の補助者がいない農家が三十四万という数から比べてみますと、この五万六千というのはまことに少ないわけです。一体この原因はなぜなんだろうか、どういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 先ほどから申し上げておりますように、農業者年金の制度そのものが経営主と後継者ということで仕組まれておるという本質的な問題があるわけでございまして、現在でも農地の名義人に、夫の方が妻の方に権利を移せば、当然そういう経営主としての条件を満たすわけでございますから、そういうことで対応することはできるわけでございます。しかし、それが現実的でないということはわれわれも考えておるわけでございまして、したがいまして、実質的な農業経営主であって、兼業農家の妻のように農地の権利名義はないけれども実質的には農業経営を奥さんの方がやっておるというものについて、特例的な加入ができないかという話になってくるわけだというふうに考えておるわけでございます。これにつきましてもいろいろ議論がございまして、一応昨年もいろいろ内部で議論をいたしましたところによりますと、夫婦であるとはいえ、結局夫の方は第三者になるわけでございまして、第三者である配偶者の意思で農地の移動があって、それを保険事故として年金を支払うというのは、どうも制度的に成り立たぬのじゃないかという法制局の見解もございまして、昨年の改正には一応断念した経過があるようでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 確かに夫名義の農地について、妻に使用収益権を設定するということは非常にやりにくい問題で、容易でないということはわかります。そういう現実にあるということはわかるのですけれども、農業者年金制度研究会の「農業者年金制度改正についての検討結果」でも、使用収益権の設定が困難な場合の加入の道についても十分検討する必要があると指摘されておりますし、五十一年度改正の際にも附帯決議で検討するということになっているわけで、具体的にこの検討がどのように進んで、いつごろまでにどういうめどが立つのかというふうにお見通しになっていらっしゃいますか。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) 附帯決議で御指摘になっておりますことは、たしか昨年の改正で八項目ございます。そのうちの数項目につきましてはすでに実現をしておるわけでございますが、この問題と遺族年金と老齢者年金の引き上げ問題、これにつきましてはまだ回答が出ておらない。これはやはり先ほどから申しましたように、いろいろ家族経営の実態と経営移譲という、擬制と言っていいのでしょうが、そういう制度の仕組みがあるわけでございまして、その上、しかも国民年金は夫婦で入るという、それにセットされておるというところに非常にむずかしさがあるのは御理解いただけると思うわけでございます。要するに、そういう実態と形式的にとらえておる経営移譲というものとどういう関連づけを行って、しかも国民年金と矛盾しないかという非常にむずかしい関係があるわけでございまして、これまた保険料の恐らく話にもなるし、遺族年金にしましても、先ほど厚生省側から御答弁いたしましたように、保険料負担というのがどういうふうになっていくかということもございます。それからそれが農業者の農業所得、家族経営としての農業所得にどのくらいはね返ってくる話になるかということもございます。結局制度全体、また逆に、こういう加入制度を認めれば非常にすそが広くなるという利点もあるわけでございます。  これら、皆制度の基本的な問題にかかわる問題でございますので、まだ手がつけられないでおる。しかし、先ほど申しましたように、ことしの秋予定をいたしております研究会で十分討議を尽くして、その結論を待って解決をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 農業者年金というものの原点というのは一体どういうところに見たらいいかと考えてみれば、農業者にも労働者並みの年金をということにあったろうと思います。その年金に農業近代化という政策目的を加えたために、実際の農業の担い手となっている婦人の加入の道が大きく制限されている。この点、どうしても改善しなければならない。今後も引き続いて検討していくというお答えがいただけると思います。それの確認と、また遺族年金でございますけれども、労働者並みというのであれば、当然農業者年金の中にも創設すべきだと思うし、これもいろいろ検討課題とされていると思うのですけれども、農村における妻の老後保障という点で加入の道がなかなか困難だということになるなら、この遺族年金制度については早急に具体化しなければならないというふうに考えるわけですが、その辺についてまた御回答をお願いしたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○政府委員(森整治君) まあ、先ほどから申し上げているように、国民年金の制度と、上にそれからまた横にといいますか、一体となって農業者年金が仕組まれておるわけでございますが、そのねらいは、制度発足のときにいろいろ御議論いただいておりますように、農民も厚生年金並みの年金を支払えるようにということでございます。その厚生年金と国民年金と基本的に実は食い違いがある。しかし、ねらいがこの厚生年金並みの水準ということでございますから、厚生年金並みということになれば遺族年金だっていいではないかと、こういう話にもなるし、それがそれじゃ国民年金とどうだと、こういう話が絡んでおるわけでございます。そこのところの解きほぐしなりこの制度のねらいと、その家族経営という実態と現在の仕組みと、この辺の絡み合いをどう解きほぐすかというむずかしさにつきましては、これは御理解いただけると思います。  そういう点につきまして、さはさりながら、これをどういうふうに解決していくかということは、婦人の加入問題と遺族年金というのはどうしても絡んでくるというふうに理解をいたしておりまして、どっちがどっちということではない。ただ、全体的に仕組みのしやすいと言っては語弊がございますが、はめ込みやすい方法はどちらだろうかということ、いろいろ御意見がございますけれども、これらも含めて議論をしたいという考え方でございますので、いまその気持ちだけでひとつ御了承をいただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 まあ、気持ちだけで了承するというのはなかなかうんとは言えないんだけれども、繰り返しになるから次に進みたいと思います。  農村なんか歩きまして本当に考えさせられるのは、日本においては工業国だから労働者の役割り、そして農業というものはまさに基幹産業だと、そう考えてみると、農民の方々自身もせめて何でも労働者並みというようなところまでいってほしいなというのが切実の願いになっている。私は、それをつくづく感じさせられました。そういう農民にも労働者並みの権利をという立場から考えてみますと、農業事故とその補償問題というのがこれまた非常に立ちおくれている、こういう問題でお伺いしたいんです。  農業事故の実態というのを調べますと、農蚕園芸局で四十九年度、五十年度と農作業事故防止対策事業の一環として事故調査を実施していらっしゃるわけです。標本集落調査であって、全国の事故の実数の把握はできていないわけでございます。これを見てみますと、五十年度の報告書で、二百五十分の一の農業集落の抽出で、受傷者は四十七年に二百二人、四十八年に二百三十九人、四十九年二百七十七人と、傾向としては増加しております。この標本集落調査で、全国的にどの程度の農業事故があると推計されているか。二百五十倍掛ければいいという簡単なものでないと思いますけれども、どういうふうに推計していらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先生御指摘のように、この農業機械等によります農作業事故の実態把握につきまして四十九年度からやっておるわけでございますが、これに二通りございまして、一つは厚生省の人口動態調査の個票をもとにして実施いたします死亡個票調査、この数字がございます。これは、死亡者につきましては数は正確に把握ができるということに相なっておりますが、その他の事故の状況あるいはその性格、内容等について不十分でございますので、先生御指摘の総農業集落数のおおむね二百五十分の一という六百八標本集落を対象といたしますところの、その集落内の全農家の聞き取り調査によります標本集落調査をやっておるわけでございます。この調査の目的は、やや内容的にわたりまして調べてみるということが主でございます。そういうことでございますが、これはまあサンプル理論からいたしますと、ここで出てまいった数字をおおむね二百五十倍すれば全体の姿ということには大体概数としてはなろうかと、こう思うわけでございますが、死亡者について比較をしてみますと、全数調査でありますところの厚生省の人口動態調査に基づきます個票調査の数字とちょっと食い違う点が現実には出てまいります。  そこで、まあこれは数の把握というよりもむしろ内容の把握ということで考えたわけでございますが、これを続けてまいりまして、私どもこれによっていろいろ分析をいたしまして、いろいろの傾向というのはある程度わかってきたというふうに思うわけでございますが、なお詳細な中身に立ち入っての調査がどうも欲しいということに気づきまして、五十一年度はこの標本集落調査をやめまして、これにかえまして、現地の事例分析調査というものをやることにいたしておるわけでございます。五十一年は調査を実施いたしまして、現在その結果を取りまとめ中でございます。取りまとめが終わりますと、もう少し詳細な内容がわかってくるのではないかと思っております。  なお、五十二年度以降でございますが、これらの調査結果の分析の上に立ちまして、私どもいま考えておりますのは、その現地事例分析調査を五十一年度は実施しましたが、五十二年度はそれにかえましてもう一遍標本集落調査に戻る。隔年でそういう調査をやることによってより詳細な内容の把握に努めたいというふうに、目下のところ予定としては考えておるところでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまおっしゃったみたいに、死亡事故については厚生省の人口動態調査の個票でつかまえていらっしゃると。四十九年の場合、その人口動態調査死亡個票というので見ますと、全国で四百四十五名、北海道はその一割以上の五十七名という大きな数になっているんです。ところが、北海道の農作業安全運動推進本部というところで出しているんですけれども、これの事故調査報告書で見ますと、同じ四十九年の北海道の死亡者数は五十九名となっているわけです。で、国の調査よりも二名多いと。少なくとも死亡事故だから、やはり実態もきちっと把握されなければならないと思うわけなんですね。実態を正確につかむ基準と体制というものをやっぱりはっきりさせていかなければならないのではないかと。で、北海道の農作業事故調査も、道が支庁を通じて市町村からの報告をまとめたものは、たとえば五十年の場合、渡島、桧山、後志、胆振、それから空知、留萌は負傷者ゼロという形になっているんです。実数の把握に役立っていない。結局、農協共済連の共済金請求申請書、これでつかんでいるんですね。全然ゼロだったのが請求書でやっとつかむというような状態になっていると、これでは共済に加入している人ならわかるけれども、加入してない人、事故があっても軽い事故で共済金を請求しなかったというのは全然外れてしまうというような実態なんですね。そういうところから、やっぱり安全対策を考えていただくんでも、実態がきちっとつかまれるようなそういうような体制、基準というものにもうちょっと予算もかけて全国的にもつかめるというような、具体的に言えばこの問題一つについても検討すべきではないかと思っているんですが、いかがですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) いま御指摘のとおり、北海道の数字は農業共済の組織によりますところの共済事業の事業成績を通じての結果から集計されたものというふうに承知をしております。一方、厚生省の方は市町村系統、行政系統を通ずるものでございまして、その間に不突き合いが出てくるというのは、これは死亡である限りにおいて奇異な感じを持つわけでございます。そうべらぼうに大きな違いがあるわけじゃございませんけれども、しかし今後とも正確を期しまして、私どもの行政の参考にする数字が客観的な事実に基づいておるということに相努めてまいりたいというふうに考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 五十何名のうちの二名ですから、少ないと簡単に言われるものではないし、やっぱり死亡事故くらいはきちっとつかんでいただくというふうにしていただきたいと思うんです。  位置づけの弱さと言うんでしょうか、ここに問題があるのじゃないかと思うんですけれども、農作業の安全技術指導面で、政府は「農業機械化推進指導事業実施要領」というので農作業の事故防止対策事業として安全運動の推進本部というのを設けて、そして移動教室を開設して指導を徹底するというふうになっているわけですけれども、実態はまことにこれはもうお粗末きわまりないと言わざるを得ないわけです。北海道で全国の死亡事故の一割以上というような中で、農機具の普及はこれまた北海道は全国一なんですね。そこで事故数も多い、農機具の普及率も全国一の北海道の中で、農作業安全運動推進本部というのが発足いたしましたのが四十四年でございます。四十四年に発足したけれども、これがまた大変問題なわけなんです。  まず第一に、その事務局の場所がどこからどこへ行ったかといいますと、最初は北海道庁の畑作振興課にございました。それが農協中央会に行きまして、それからホクレンに行きまして、そして現在農業開発公社のまことに片すみに至っているわけなんです。二番目に、事務局体制はどうだと、こう聞いてみますと、現在、草地協会と兼務の事務局次長が常任で、それに女子職員が一人なんです。場所もそうだし、事務局体制もそうだし、それじゃ事業運営というものはどうなっているかと予算面から見ますと、五十一年度六百五十一万円なんです。六百五十一万円のうち、業務費に二百二十八万円取られてしまって、事業費は競りの四百二十二万円にしかすぎないわけです。したがって、道から委託されている移動教室開催費というものは四十二万円、これでは北海道十四支庁で一支庁が三万円となると、こういう実態になっているのを御承知かどうか、そしてこれについてどうお考えになるか、伺わせていただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農作業の安全を図るために、特に農業機械作業の安全対策が重要であるという認識を持っておりまして、先生いま安全推進本部の事務体制、それから移動教室等の予算をおっしゃられたわけでございますが、私どもいろいろの事業を総合的にやっておるわけでございまして、全体として農業機械の安全に関係のある予算からいたしますと、五十二年度では約十億の予算を計上しておると考えております。その中には、もちろん農業機械化研究所等への出資あるいは補助を含むわけでございますが、それ以外に、いま申しました機械作業それ自体の安全性の確保のための予算といたしましては、総体として一億五千万円ばかり計上しておるわけでございます。それから、これは主としていま申されました移動教室等の開催を含むPR関係が主でございますけれども、それ以外に、片方では農業機械を利用される農家の側の利用技術の向上ということが大変重要になってまいります。  と申しますのは、機械事故の内容を見ておりますと、もう少し技術を身につけておれば避け得たであろうと思われる災害事故が非常に多いわけでございまして、そういう観点に着目をいたしまして、私ども各県に対する、研修センターに対する助成等を通じまして農業機械の利用技能者の認定制度あるいは育成制度、そういったものをやっておるわけでございます。こういった予算が一億ばかりやはりついております。というようなことで、総合的にこれらの予算の拡充については前年度よりも多くなっておりまするし、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 次に、具体的に伺っていきたいと思うんですけれども、死亡事故の中で特に多いのがトラクターの転倒事故で亡くなるということで、安全フレームをつけるということがいま大事だと言われているわけですが、去年の八月二十四日の道立美幌農業機械化研修所で実際に転倒実験を行った。その結果、安全フレームの効果というのが非常に大きいということが言われているのは当然御承知だと思います。御承知でいらっしゃいますね。私たちも安全フレームというのが必要だと。事故のことをいろいろ聞かなければと思って方々伺ってきましたが、農業機械事故の医学的な研究を進めていらっしゃる元帯広厚生病院の院長をしていらっしゃった伊藤先生とか、それから道立十勝農業試験場の農業機械科科長の村井さんというような方からいろいろ貴重な御意見を伺ったわけです。安全フレームをつけて助かった人が十勝でそのお話を聞いた時点で三名、安全フレームをつけていての死亡事故はゼロだと、安全フレームをつけるということは非常に重要だというふうに言われていたし、この美幌での実験もそうなんです。そこで農林省としては、安全フレームについてどういう考えでどういう対策をとって指導していらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 安全フレームの問題が非常に重要であるということは、かねて農林省としては基本認識として持っております。乗用型トラクターの転倒によります死亡事故が乗用型トラクターによる事故の中の三分の一を四十九年においては占めているという点からもそういうことが言えるわけでございまして、私ども先生のおっしゃいましたような美幌町におけるこういった実際の実演、展示により農家の方の理解を深めるということに対して、大変主催者の意図なりに敬意を表しておるわけでございますが、私どもとしては、全国的な問題としてこの問題にどう取り組んでおるかということを申し上げますと、これは農業機械化促進法に基づきますところの検査の中で型式検査というのがございます。昭和五十年度からは安全フレームの問題を取り上げまして、その性能等につきまして検査を行って、適正な安全フレームの装着されたものが農家の段階で普及するようにという指導に努めておるところでございます。また、融資助成等におきましては、この安全フレームの装着を義務づけるというわけにはまいりませんが、安全フレームの問題それ自体につきましては、これは私ども、そういったものが装着をされたものが融資あるいは助成の対象になることが望ましいという基本態度をもって臨んでおるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 確かに安全フレームとしての型式検査というものをやって、合格品を私見せていただきました。出ております。しかし問題なのは、合格品は型式検査をやって個々の製品のこれですという安全フレームだけの型式検査での合格品ができても、これを取りつけるという、これが取りつけられて安全を守るという、そういう義務づけの措置というものがなければ、実際には安全対策にはならないのじゃないかと。合格品はありますよ、取りつけるならばこの中からどうぞということでは、やっぱりいつまでたっても事故というものは防げないのじゃないかと、その辺のところやっぱり問題だと思うのです。北海道の場合でも、取りつけられていないというのが多い数になっているわけです。十勝の大樹町で、町と農協が安全フレームに二分の一の補助をしてつけるように進めている。それでも五分の一しかついていないということなんですね。これについては、これを義務づければトラクター自身が高くなるとか、また運輸省との調整とかいろいろ理由を伺いましたけれども、やっぱりつけるとつけないとでは、死ぬか生きるかということに関係するわけですからね。北海道で見ますと、トラクターによる死亡事故が四十五年が十九名、四十六年が二十八名、四十七年二十五名、四十八年二十四名、四十九年二十八名、五十年二十四名と、農業機械事故の死亡率のうち七四%がこのトラクター事故になっている。  だから、いまおっしゃったように、型式検査でちゃんとやっていますと、こういうのを推奨していますというのじゃなくて、もう一歩進んで、その辺のところで本当に安全フレームがトラクターに設置されて命を守るというところ、その一歩進めるというところについて、もうちょっと積極的な御見解が出されてもいいのじゃないかと思うんですけれども、それがなければ実際に大きな効果は期待できないと思うんで、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先生御指摘の点は、私どもも一面確かにそういう点があるのではないかというふうに思うわけでございます。ただしかし、乗用型トラクターも使う場所なりところなり、あるいは運搬の途中の経路がどうであるか、みんな千差万別でございます。そこで、これは農業機械全般に通ずる問題でございまして、あえて安全フレームの問題だけに限定されることではないのでございますが、国の法律等をもちまして強制的にこういうものでなければ使ってはならないというふうに一挙に踏み切るところには、まだまだ問題があるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、私ども農林省といたしましては、安全の問題につきましては、新たにテレビを活用するところの広報活動もやっておりますし、私どもの農林省の予算をもちましてつくりました、いまの安全フレームを装着をいたしましたトラクターが斜面に差しかかって転倒するプロセスなりメカニズム、そういうものをよくわかっていただくための映画なども作製いたしまして、私、この前見せていただきまして、大変よくできていると思うのでございますが、そういうような広報媒体を使いまして、できるだけ多くの農家の方にまず理解をしていただくということから進めることが、基本的に肝要ではないかと思います。  法律をもちまして一挙に強制いたしまして、そういう安全フレームがついたものでなければ売ってはならない、あるいは使ってはならないというようなところまで一挙動で持っていくということには、なお法制的にも問題があるのではないか。しかし、重要な論点でございますので、私どもも今後真剣に検討してまいりたいと思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 次に、農業災害の問題についてお伺いしたいんです。  農業事故による補償問題でお伺いしたいんですけれども、さっきも言いましたように、せめて労働者並みにという立場でお伺いするわけですけれども、労働者の場合は業務上の事由または通勤による負傷、疾病、廃疾または死亡に対して事業主の無過失損害賠償責任の原則から補償される制度、労働者災害補償保険法があるわけで、それで保護されているわけですけれども、農民の場合にもこの労災に特別加入ができるという道が開かれているわけですけれども、窓が開かれていても加入者が非常に少ない、一部だと。まず、加入者の状態についてお伺いしたいんですけれども、中小事業主等で加入している農業者、それから特定作業従事者で加入している農業者の数は一体どうなっているか。それから、加入者の少ない理由についてどう考えていらっしゃるか。

松尾弘一労働大臣官房審議官

○政府委員(松尾弘一君) 農業従事者の加入状況でございますが、五十一年の三月末現在で農業の中小事業主としては三万七千八百五人でございまして、指定農業機械作業従事者が二万九千六十五人でございましたが、昭和五十二年三月末現在の統計によりますと、指定農業機械作業従事者は約四万になっておりまして、中小事業主の方は変動はございません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 長野県の農業会議の意向調査というものがあって、それを見たわけですけれども、労災の特別加入制度について、一般農家で知らないというのが六四・九%もございました。それから、農業委員や農協の営農担当職員など農村のリーダーと言われる人たちですら、二九・六%が知らないという答えなんですね。これを考えてみると、この加入制度ができて十年以上たっているのに知られていないということだし、実際に加入者が少ないというような点から考えまして、農林省として、労働省として、この宣伝ですね、こういう道があると、そして少なくともこれである程度の補償ということについての指導を、宣伝をどういうふうに行っていらしたか、お伺いしたいと思います。

松尾弘一労働大臣官房審議官

○政府委員(松尾弘一君) これは、毎年年度更新業務と申しまして労災保険の適用がえをいたしますが、その際に、道府県の農政部門でありますとか、それから農業団体それから農業協同組合等に対しまして資料を配布いたしまして、そして今日まで説明会などでやってまいりました。なお、新しくこの四月から適用も広げましたので、その関係県に対しましては、新たにまた説明会を開いたりいたしましてPRの徹底を図っているつもりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 農林省としては。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 確かに、加入の実態が私どもこのようないい制度であるにもかかわらず、まあ確かに少ないのではないかというふうに思っております。たとえば指定農業機械作業従事者数は、五十年の数字で、さっき労働省からお話になったような約三万弱の数字でございますが、四十七年にはそれが一万二千でございまして、その間とにかくふえてきておる。これがまた五十一年は見込みでございますが、四万ぐらいだということでございますから、近年におきましてドライブがかかってきておるということは事実だろうと思います。  農林省といたしましても、せっかく労働省に御迷惑をかげながらこういう制度があるわけでございまして、非常に活用すべき制度だと思っておりますので、先ほど労働省からお話のございました、この春から運用通達で農作業の受託作業の分につきましても対象にするという改正が行われたわけでございますので、その趣旨の徹底にも念を入れて努めるということで、私どもも地方農政局にその旨さらに通達をしておるわけでございますが、地方農政局からは県の農林部局関係によく徹底をするようにというふうに、私どもは私どもなりに考えておるところでございまして、今後あらゆる会合等の機会におきまして、積極的な活用方につきさらにさらにPRに努めてまいりたいというふうに考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 二年、三年というなら別だけれども、十年一昔と言われるようになってまだ宣伝が行き届いてないと、しかもリーダーの中にも宣伝がわかってないなんというのは問題だと思うのです。いろいろ御努力されているのはわかるんだけれども、その御努力がやっぱり上から宣伝せよというように非常に具体性がないのだと思うんですわ。もう少し効果的な具体的な御指導や、各県の状態なんかを宣伝し合うというようなことをなさったらいいんじゃないかと思いました。私、これは茨城県農業会議や茨城市町村農業委員会、農業協同組合それから安全運動推進本部と、これ茨城のビラなんですけれども、ごらんになったことがおありでしょうか。私、これを見て非常に感心したんですけれども、具体的なんです。「加入できる人は」こうこうこうだと、「保険料はいくらか」と、一日当たり五円とか七・五円とか十円とか、三十円まで九種類ある。一日当たり五円とか高くて三十円というと、掛金が高いのだというようなことでびびっちゃうというようなこともないですね。それから「どんな時いくらもらえるか」というのも、こういうけがをしたらこうだと、非常にこれ、身近なんですね、農民が見ると。こういうような宣伝というものを具体的に御指導になっていかないと、やっぱりめんどうくさいというような問題で消えてしまうと思うんですね。  それから、対照的なのが、これは大変色刷りでりっぱなんで、これは私の地方の北海道なんでございますが、この北海道で見ますと、これは農作業安全運動推進本部というところがつくって、そしてここには道が入り、農協が入り、それからメ−カーもいろいろ入っている道農作業安全運動推進本部というところが出しているわけなんです。これ、こっちの茨城に比べますと色刷りで大変きれいなんですけれども、「安全基準守って今日も明るい1日」なかなかいいんだけれども、ここで労災に特別加入できるというのは一言も出てないんですね。やっぱり共済なんですわ。「〃農協の共済〃かけて一安心。」と、これで済んじゃってるわけなんですね。これではやっぱりちょっと本当のPRという立場に立っては問題ではないかと、こういうふうに思うわけです。こういうふうに考えていきますと、農協等の団体を含めて取り組みの姿勢がばらばらで統一されていない。だから、やっぱり知らされていない、知られないと。やっぱりそこのところを、全国的に統一した具体的な指導でというふうにどうしても考えていただきたいということを申し添えたいと思います。  で、同時に、加入者が少ないという原因は、めんどうだ、知らなかったというんじゃなくて、農村リーダーが積極的に、わかっている者が積極的に宣伝してない理由というのがあるわけです。それは労災特別加入の制度の内容が不十分だと。長野県の先ほど言いました農業会議の調査でも、よい制度だ、加入進めるという人が、現に労災に加入している人で二二・七%にしかすぎないと、農村リーダーでは一二・六%にしかすぎない。知らないということと、知っていてもこの内容が不十分だということで進めていないということですね。そうすると、この制度的に不備であるという点について、もっともっと要望をくんでいただきたいと思うんですけれども、その点について、はっきり不備を指摘しているのが四二・二%にも及んでいるということからも、このまだ不十分であるという点についてどういうふうに考えていらっしゃるか、その辺の見解をちょっとお伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 私ども、まず基本的にはやはりPR不足ではないかと。不十分であると思っておられる方も、正確な理解の上に立ってそうおっしゃっておられるか、あるいは不十分な理解の仕方の上に立って、何となくそう思っていらっしゃるか、その辺のところはあろうかと思うわけでございます。保険料の制度にしましても、私どもといたしまして他の業種との比較で考えてみまして、格別に非常に高くて高負担だというふうにも必ずしも思えない節があるわけでございます。また、具体的に給付の内容等につきまして、これは一般の雇用者の保険の場合の給付と変わらないわけでございますので、したがってそういうことからいたしますれば、どうもやはり基本的にはもう少し御理解をいただくということに、当面もっと重点を入れてみたいというふうに考えておるわけでございます。なおまた、農業団体等から、具体的にここをこういうふうに直してくれればということも、明確な形では私どもまだ承っておらないわけでございます。この点は私どもも、この運用の実態等をもう少し農林省は農林省なりに分析をしてみまして、そして問題点ありということであれば関係の方面に折衝するなり、農林省として措置すべきものがあれば措置すると、こういう態度で臨んでまいりたいというふうに思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 具体的にこの問題点は何だろうかと。で、考えてみると、やっぱり第一に挙げなきゃならないのは、加入者の要件だというところが一つの大きな問題だと思うんです。補償内容が一般労働者とほとんど同じになっている中小事業主等の加入という場合には、御承知のように、常用一人以上と限定されているわけですから、ほとんどの農業者は、入ったとしても指定農作業機械作業従事者ということになるわけです。これについては、労働大臣の指定する機械による事故のみが補償の対象ということになって、この面で少しずつ改善はされていますけれども、たとえば農林省の事故調査の受傷者について見ましても、三分の一以上は対象外になってしまっているわけなんです。他人の圃場での事故について対象にならないという問題も、委託関係が明確な場合、補償されることに今度改善されていまいるわけですけれども、共同作業とか手間がえなどはこれに入っていないという点が問題だと思うんです。こうした労災制度の欠陥から、市町村独自で農業労災制度がつくられ始めているということもあるわけで、いま言いましたように、対象外にされるというような、内容としてまだ非常に問題点があるというふうに私は見るんですけれども、それをどういうふうにごらんになっているかという点でございます。  それから、市町村独自での制度がつくられ始めているというのは、それを補う意味で進んできていると思うんですが、広島県の双三郡吉舎町で、四十五年、全国にこれは先駆けて「農業者労災共済規程」というのがつくられているんですけれども、この点農林省は御承知になっていらっしゃいますか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 承知をしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 この吉舎町の農業共済組合の国定さんという方から、いろいろ資料を送ってくださいとお願いしましたら、メモを送ってくだすったわけですけれども、ここで、この制度の特徴として、「農作業に従事する者の実態から次のようにしました。」と、こう書いてありました。そして(イ)では、全農家が加入するようにしましたと。(ロ)は、農家の主人はもちろんのこと、家族全員や雇い人も対象にしました。したがって、他町村から手伝いに来た者も、子供も老人も対象としたと、こういうふうに書かれているわけなんです。この点が、労災の特別加入のときには常用一人以上だとか、指定された機械でなければそれ以外の事故は対象とならないというような点から見て、非常にここのところが前進した大事な点だと思うんです。そして、「これまで実施してきて、農作業の実態がよくわかりました。たとえ補償が少なくても、年々改善に努めなくてはと痛感しています。と同時に、一日も早く、全国的な制度として行政が対応してくれることを願っています。」と、こういうふうに書かれているわけで、私はこれはまさにこの制度の不備を、地域の中でも非常に誠実に努力していらっしゃるということを評価しなければならないと思います。  で、この吉舎町の制度に学んで、四十九年に同じ広島県の芸北町でも実施され、それから最近では、五十一年度より福井県上中町で開始されたと。ここの資料もこれ送ってもらったわけなんですけれども、「四月から、農作業中の事故を補償する制度ができました!」と、まあ大変わかりやすいこういうもので宣伝をしているわけです。で、その中で、この制度での事故とはどういう事故を指すかと、手押し切り、農薬、マムシ等による傷害までが加えられているという点です。補償の対象も、吉舎町と同じように、子供、お年寄り、実際に農業に従事する人すべてが対象になっているという点が、私はやっぱり非常に前進した姿を示していると思うんです。  で、こうやってみますと、自治体独自で、財政的には非常に厳しい事情の中だけれども、農業者の事故から農民を守る一つとしてこうした補償制度をつくって努力しているということです。  北海道でもないかなと思って探したら、十勝の大樹町でも大樹町農作業災害互助会というのをつくって、この前私の部屋にいらしていろいろ話を伺って、また行って聞いてきたんですけれども、町で百万円、農協百万円、農家負担が百万円、計三百万円でスタートしたと。特徴は、補償の対象となる事故が、加入者の圃場や畜舎等の農業用施設で農作業中に発生した事故となってると。したがって、畜舎内で転んでけがをしても、それから、圃場に営農指導に来ていた農協職員がけがをしても、補償額は少ないけれども、この制度で見舞い金がもらえるというような制度になっているわけですね。この制度によって実際の事故の実態がよくわかって、しかも、始まって一年間に女九人、子供三人が見舞い金をもらっているというような実態なんです。  で、少し長くなりますけれども、やっぱり大事な点なので申し上げたいと思いますけれども、その子供三人が見舞い金をもらったなんていうのはどういうときかというのを聞いてみましたら、八歳の子供の場合、放牧していた牛を牛舎に入れるのを、まあ子供みんな手伝いをいたします、酪農地帯では。そうしますと、その八歳の子供が、誘導して入れるときに、牛がどっと一緒に戸口に入ってきて、そして倒されてけがをしたという事故だったんです。それから十一歳と十三歳の子供は手押し切りで指を切断しましたと、こんな事故でございます。婦人の場合には、トラックに牧草を高く積み上げていて上から落っこっちゃった。それからもう一人の婦人は、畜舎の二階で鶏を飼育していて、その二階からおりるときに、はしごから足を滑らして転落した。下がコンクリートで重傷を負って現在も回復していない。また、牛の分娩中、牛が倒れてきてこの下敷きになって事故が起きました。これは申し上げれば切りがないんですけれども、非常に機械化された中で、また農業、酪農なんかも多様な形で事故が出てきているわけでございますね。こういう多様な事故に対して、やはり労災制度というものを改善してこの人たちの事故をなくし、命を守るという立場に立つとすれば、これは非常に各自治体がやっている努力というのを、今度は国の制度で改善していかなければならない、こう思うわけです。  大変長くなりましたが、まず第一点としては、こういうふうに自主的にやられている地方の自治体の互助会だとかこういう労災に対する制度についてどう評価されているか、これについて積極的に評価し援助するというお気持ちがあるか。それから、国としてこういうものを今後どういうふうに、いまの労災特別加入では非常に枠が制限され対象が限られているという中で、事前にどういうふうな策を講じたらいいと考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) いま説明で先生お挙げになりましたような、各市町村のそれぞれの農業機械災害に対します施策の充実についての御努力というものは、それなりに私どもも敬意を表しておるところでございます。ただ、これは給付の内容と、それから加入者の負担金なり、あるいはその他市町村なり農協も加わる場合もございますが、それの拠出の度合いというもののバランスというものは、単年度ではまだ歴史も浅うございますから、そういう角度で物を見ることが必ずしも適当でないかも存じませんけれども、たとえば福井県の上中町の場合には、昭和五十一年度の予算は総体としまして二百八十一万九千円、そのうち、町の拠出が百万円、あとは加入者から均等割で一戸当たり二百円、面積割で十アール当たり五十円と、比較的安い掛金で取っておるのではないかというふうに思われるわけですが、これによりまして医療共済、休業共済、障害共済、遺族共済のほか葬祭料の支給もやるということの仕組みになっておりますが、この場合、死亡が男子について一名起きますと、二百四十万円以内の支給金ということ——以内と書いてありますのは、死亡の事故の起こりぐあいであるいは削減ということも考えられてそういうことになっておるのかというふうに思いますが、仮に最高額の二百四十万円を払うといたしますと、大部分の財源が一人の死亡事故のために消えてしまうというようなことから、やはり保険設計的な物の見方で見ていくと、非常に不安定な要素が多いのではないかというふうに思うわけでございます。  そういうことで、それなりの御努力というものは農林省としましても敬意を表する次第でございますけれども、これについて個々のこういうやり方に国が直接的に御援助を申し上げるということについては、相当問題があろうかというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、国の制度であります労災の特別加入の積極的推進ということを当面の課題として、まずそれに力を入れてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いま確かにおっしゃったように、労災の特別加入というのがいま制度があるから、これを宣伝して入れるということは大事だというのはわかるんですよ。しかし、それでも特別加入する場合のさっき言いました要件、一人以上の常用がいなければいけないとか、指定された機械でということになれば、本当の意味での労働災害を救えないという現実が残るわけでしょう。特別加入に入ればみんな救われるとは言い切れないでしょう、いままでの事故を見て。そうするとやっぱり労働者も日本の基幹産業、農業も基幹産業、それの基本的な権利として、やはり労働者と同じように少なくともこの労災に対する問題というのを考えていかなきゃならないと思うのです。労働省にお願いしますと言って、もっと改善してくれなんて、労働省も農民もみんなひっかぶっちゃとっても大変ですとはっきり言われるし、これは言う方も無理だと思うんですね。そうすると、いま当然特別加入の制度があるんだからこれに入れというのは、いまの段階のことで、大臣、ちょっと聞いていてくださいね、私、それを言いたいんです、もう最後ですから。つまり、いまの災害に対して労災の特別加入の道はあります。しかし、これに入れない人がいます。入っても対象にならないという事故に対して、農民にそれだけ犠牲を強いるのか、犠牲を受けてもしようがないとおっしゃるのか。いまは労災特別加入の道があるけれども、将来的には農林省として農民自身の労災制度というものを検討していくという姿勢があるのかどうか、その辺のところが私はいま問題にしているところなんです。大臣、いかがですか。鈴木農林大臣が、これはことしの三月十一日の予算委員会の分科会で、「いま労働者災害補償保険制度、これに特別加入制度という道が開かれておるのでありますが、」、これじゃとても大変だと。「独自の補償制度をつくった場合に、相当多数の方が入っていただきませんと保険料も高くなる、危険負担もできない、」、これはなかなか問題だというのはわかります。結論として、「そういう点も総合的に調査等もした上で相互勘案をして、この制度」つまり農民の労災保険制度というもの「について検討してみたいと思います。」と、こういうふうに言わざるを得なくなっているわけですね。だから、やっぱり私は、そういう立場に立って今後検討していくということをお答えとしていただかなければならない時期に来たんだと思うのですけれども、その辺について大臣の御見解を伺いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 鈴木さんのお答えはそのとおりでいいと思うのですが、しかし、国の給付制度というものを、これはその細部にわたって、先ほどのお話のように、自転車から落っこったから出せ、二階から落っこったから出せと、ここまではとてもやってはいけないだろうと思うのです、国の施策としては。ですから、地方自治体がそういう面を特別に開いてあるというのならば、これは何らかの方法で援助する方法というのは他に求めなければならないだろう。と言って、これは問題がそこにあるだろうと思うのですが、御指摘になった福井県にしても、茨城県にいたしましても、果たして農業者だけの問題でやっているのかどうかという点にもあるだろうと思います。  ですから、それは細かいところまでそれだけやれればまことに結構なんですから、そういう面は別個国としての考え方、細かい点についてのそういう面がある場合には、交付金でこうやるとか幾らとか、区分をどうするかとかいうのは別個に考えるべき問題ではないのだろうか。私はいまそのように、これは農林省で全体持てということもむずかしい問題であって、現在の労働省で労災やっているのじゃないか、それ持てということもなかなかむずかしい。細かい問題になって——マムシにかじられたから金を何ぼやと言っても、それもむずかしい問題だと思うのです。ですから、こういう問題は別個、そういうものをつくっていることは非常にいいことなのですから、これは交付金かなんかで別途国でもって取り上げて、別の面から、そういう面がある場合にはこういたしますよというものを出すべきものであって、これは私の方で責任を持って結構でございますと言うわけにはまいらない問題だと、こう考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 最後です。  二階から落っこったから出せと言われたけれども、やっぱり認識ちょっとまだだめですよ、大臣。ただ普通の主婦が二階から落っこって転んだから出せと言っているんじゃないんです。やっぱり牧草を上に積んで、そして二階から落ちたというときには、これは言えば工場ですよ。そして牛がわっと来て、そこで子供が倒された。これ、ただ子供が遊んでいて倒されたんじゃない。やっぱり働く農民にとっては、おてんとうさまが照っていて屋根がないところでも、ここが働く場なんですよ。だから、工場の労働者がたとえば職場の中で、通勤途上でもいま出ますよね。そういう立場から考えれば、二階から落っこったから出せなんというものじゃないんです。遊んでいて落っこったのじゃないんだから、農作業でやったんだからという認識をいただきたいということですね。  それで、いますぐ責任ある御答弁というのは私も無理だと思いますけれども、少なくともいまおっしゃった、たとえば地方自治体でやるのは大変結構だから交付税として考えていきたいというお気持ち、私は大変地方にとっては励みになると思います。しかし、これをやるというその道だけではなくて、やっぱり先ほどから言っていたように労働災害、労働者は守られているんだ、農民も当然守ってやろうというお気持ちがあるのかどうか、そうすればいまの労災の特別加入では労働者並みの補償というのがない場合には、労働省としてもこれでは見られないという場合には、やっぱり農民にとって労災というものを制度として要求するというのは当然のことだと思うんです。いますぐできるとかできないとかというお答えは出ないと思うけれども、少なくとも全国知事会、中部圏知事会というところでもこの問題がもう議題となっているような時代なんですからだからこれがむずかしいとか、できませんじゃなくて、当然検討に値する課題にいまなってきているんだという立場から私は問題にしているわけです。やっぱりそれはもう全く検討に値しないとおっしゃるのか、当然これは全国知事会でも農民自身でも希望していることだし、私は当然だと思うので、重ねてしつこいようですけれども、検討課題としての問題として、いま答えは出してくださいと言いません。検討するということは当然しなければならない問題だと思いますが、最後にその点についてお伺いしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 地方自治体を預かる知事会等でこの問題が協議され、その決定の上に立って新たに国の方へ要求があるとするならば、当然考慮しなければならない問題だと考えます。園内にある全市町村、一々これができたところだけを解決つけるというわけにはいかないわけでございますから、申し上げたように、知事会等からの御意見がまとまって出たとするならば、当然そういうような考慮をしなければならぬ問題だと、このように認識をしております。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。  これより農業者年金基金法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  農業者年金基金法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  青井君から発言を求められております。この際、これを許します。青井君。

青井政美自由民主党

○青井政美君 私は、ただいま可決されました農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  便宜上、私から案文を朗読いたします。    農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本制度の農業者の老後の生活の安定、農業経営の近代化に果たす役割の重要性にかんがみ、農業者老齢年金の引き上げ、保険料の軽減、経営移譲の円滑化等に努め、本制度への加入促進対策をさらに強化するとともに、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。       記  一、本制度の年金給付の額の自動改定の時期については、今後ともその繰上げに努めること。  二、農業経営に占める主婦の地位の重要性、農業の家族経営の一体性及び保険料の掛捨て防止等の観点から、遺族年金制度を創設すること及び農業に専従的に従事する主婦等に対し年金加入への途を開くことについて検討すること。  三、農業の担い手確保の見地から、今後保険料を納付しても年金受給に結びつかない者について特例的な救済措置を講ずるよう検討すること。   右決議する。  以上でございます。  委員の御賛同をお願いいたします。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ただいま青井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、青井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、長谷川農林大臣臨時代理から発言を求められておりますので、この際、これを許します。長谷川農林大臣臨時代理。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を体しまして、大いに今後対処してまいりたいと存じます。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  青井君から発言を求められております。この際、これを許します。青井君。

青井政美自由民主党

○青井政美君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農林漁業団体職員の待遇改善が図られるよう配慮し、本制度について国の財政援助の強化、年金給付の充実等、その改善が一層促進されるよう、左記事項の実現に努めるべきである。       記  一、年金財政の健全化に特段に配慮し、給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げ、さらに財源調整費補助を増額すること。  二、掛金に対する地方公共団体補助その他の公的財政援助措置について検討すること。  三、最低保障額の引上げを図るとともに、特に旧法年金の最低保障額については、新法年金の水準を考慮する等格差の是正に努力すること。  四、年金制度の円滑な運営に資するため、年金受給者との意志疎通が図られるよう指導すること。  五、本制度の健全な発展を図る見地に立ち、高齢化社会に向けての年金制度について、他制度の検討に立ち遅れることのないよう、調査研究に努めること。   右決議する。  以上でございます。  委員の御賛同をお願いいたします。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ただいま青井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、青井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、長谷川農林大臣臨時代理から発言を求められておりますので、この際、これを許します。長谷川農林大臣臨時代理。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を体しまして対処してまいりたいと存じます。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会      —————・—————

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