農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/04/22
会議録
○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十日、斎藤栄三郎君、佐々木満君、福井勇君及び佐藤信二君が委員を辞任され、その補欠として坂元親男君、岩上妙子君、佐多宗二君及び梶木又三君が選任されました。 また、昨二十一日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として秋山長造君が選任されました。 また、本日、向井長年君、初村滝一郎君、秋山長造君及び山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として和田春生君、遠藤要君、粕谷照美君及び後藤正夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(橘直治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に粕谷照美君を指名いたします。 —————————————
○委員長(橘直治君) 領海法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木農林大臣。
○国務大臣(鈴木善幸君) 領海法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年、わが国近海における外国の大型漁船の本格的操業により、わが国の沿岸漁業は、漁船・漁具の被害の頻発、操業の制約等重大な影響をこうむりつつあります。政府は、これら沿岸漁業者の切実な要望にこたえるべく、領海十二海里問題につきまして、国連海洋法会議の動向をも勘案しつつ、鋭意検討を重ねてきたところであります。 今日、世界で、領海十二海里を設定している国は六十カ国近くに上がり、国連海洋法会議におきましても、いわゆる国際海峡の通航制度等との関連で論議はありますが、領海の幅を十二海里までとすること自体について異論を唱える国はほとんど見られない情勢となっております。さらに、最近においては、二百海里の漁業水域を設定する国が相次いでおり、国際社会は新しい海洋秩序に向かって、急速な歩みを見せております。 このような内外の諸事情を考慮し、沿岸漁業の保護等を図る観点に立って、この際わが国の領海を拡張することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一に、わが国の領海は、基線からその外側十二海里の線までの海域とすることを定めております。 第二に、領海の範囲を測定するための基線としては、海岸の低潮線を基本とし、このほか湾口・湾内または河口に引かれる直線及び内水である瀬戸内海の外郭線を用いることとしておりますが、これは、従来と同様の取り扱いであります。 第三に、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道及び大隅海峡並びにこれらの海域に隣接し、船舶が通常航行する経路から見てこれらの海域と一体をなすと認められる海域に係る領海は、当分の間、基線からその外側三海里の線及びこれと接続して引かれる線までの海域とすることを定めております。 これは、国際航行に使用されるいわゆる国際海峡の通航制度につきまして、国連海洋法会議において、一般の領海に比し、より自由な通航を認める方向で審議が進められており、わが国としては、総合的国益から見て、この問題がこのような方向で国際的に解決されるのを待つことが望ましいこと等にかんがみ、当分の間、いわゆる国際海峡のような水域につきましては、領海の範囲を現状どおりとすることにしたものであります。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに可決いただきまするようお願い申し上げます。
○委員長(橘直治君) 次に、補促説明を聴取いたします。岡安水産庁長官。
○政府委員(岡安誠君) 領海法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず、第一条で、領海の範囲を規定しておりまして、わが国の領海は、基線からその外側十二海里の線までの海域とすることとしております。 この領海の範囲を測定するための基線につきましては、第二条に規定しております。基線の取り扱いは従来と同様でありまして、海岸の低潮線を基本とするとともに、入り口が二十四海里以内の湾の湾口閉鎖線、入り口が二十四海里を超える湾の湾内に引かれる二十四海里の直線及び河口に引かれる直線を用いることとし、これらの線を基線として用いる場合の基準その他基線を定めるに当たって必要な事項は、政令で定めることとしております。 さらに、内水としての地位を有する瀬戸内海につきましては、その外郭線すなわち瀬戸内海と他の海域との境界として政令で定める線を基線とすることとしております。 なお、直線基線につきましては、採用しないことになりますが、これも従来と同様であります。 次に、附則第二項の規定でありますが、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道及び大隅海峡の五つの特定海域につきましては、第一条の規定は適用せず、これらの特定海域に係る領海は、当分の間、基線からその外側三海里の線及びこれと接続して引かれる線までの海域としております。なお、この場合、それぞれの特定海域には、これらの海峡に隣接し、船舶が通常航行する経路から見てこれと一体をなすと認められる海域を含むこととし、特定海域の範囲等は、政令で定めることといたしております。 なお、この法律の施行期日につきましては、附則第一項で規定しておりまして、公布の日から三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。 —————————————
○委員長(橘直治君) 漁業水域に関する暫定措置法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木農林大臣。
○国務大臣(鈴木善幸君) 漁業水域に関する暫定措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 最近における漁業を取り巻く国際情勢を見ますと、米国、ソ連、EC諸国等が相次いで二百海里の漁業水域を設定するなど新しい海洋秩序への急速な歩みが見られます。 わが国における漁業水域の設定につきましては、従来、遠洋漁業国として、他国、特に近隣諸国との間に円滑な漁業秩序を引き続き維持していく必要があることにもかんがみ、第三次国連海洋法会議の動向をも見守りつつ慎重に検討してまいりましたが、国際的な二百海里時代の急速な到来に対処するとともに、最近における日ソ漁業交渉の展開をも踏まえ、わが国としても、早急に、漁業面から海洋に係る制度の整備を行う必要が生じております。 このような観点に立って、領海幅員の十二海里への拡張にあわせて、第三次国連海洋法会議の結論が出るまでの間の暫定措置として漁業水域を設定し、その海域においては、わが国が漁業及び水産動植物の採捕に関し管轄権を行使するという考え方に立って、本法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一に、漁業水域は、わが国の領海の基線から二百海里までの海域のうち領海を除いた海域とし、この海域におきましては、わが国が漁業及び水産動植物の採捕に関する管轄権を有することとし、この法律の規定により外国人が行う漁業等を規制することとしております。 なお、昨今の国際情勢にかんがみ、事態の変化に臨機に対応し得るよう、政令で定める海域を漁業水域から除外し、また、政令で指定する外国人及び海域にはこの法律案に定める規制措置の全部または一部を適用しないことができることとしております。 第二に、漁業水域における外国人の漁業等についての規制措置であります。すなわち、漁業水域のうち、領海法案において領海の幅員が十二海里にまで拡張されない海域等を外国人の漁業等の禁止海域とし、この禁止海域以外の海域につきましては、外国人は、農林大臣の許可または承認を受けなければ漁業または水産動植物の採捕を行ってはならないこととしております。 この許可は、農林大臣が定める漁獲量の限度の範囲内で、当該外国人の漁業が国際約束等に従って適確に行われることその他政令で定める基準に該当する場合に限り行うこととしております。 また、この漁獲量の限度は、漁業水域における資源の動向及びわが国漁業者の漁獲の実情を基礎として、外国人の漁獲の実情、外国周辺水域におけるわが国漁業の状況等を総合的に考慮して行うこととしております。 第三に、わが国は、わが国起源のサケ・マス等の溯河性魚種については、漁業水域の外側の海域におきましても、外国の領海及び漁業水域を除いてわが国が管轄権を有するとの見地から、国際的協調のもとにその適切な保存及び管理に努めるものとしております。 第四に、条約に別段の定めがあるときは、この法律によらず、当該条約の規定によることとしております。 最後に、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上が、漁業水域に関する暫定措置法案の提案理由及び主要な内容でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきまするようお願い申し上げます。
○委員長(橘直治君) 次に、補足説明を聴取いたします。岡安水産庁長官。
○政府委員(岡安誠君) 漁業水域に関する暫定措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 第一に、漁業水域の範囲につきましては、わが国の領海の基線から二百海里の線までの海域としておりますが、領海及び政令で定める海域は、除外することとしております。 なお、この二百海里の線が外国との中間線を超えているときは、漁業水域の範囲はその中間線までとし、さらに、外国との間で合意された中間線にかわる線があるときは、その線までとすることとしております。 第二に、わが国は、漁業水域において漁業及び水産動植物の採捕に関する管轄権を有することとしておりますが、この管轄権の行使に当たっては、わが国の加盟する国際機関の勧告等を尊重することとしております。 第三に、この法律でいう外国人につきましては、日本の国籍を有しない者並びに外国及び外国法に基づいて設立された法人等としております。 第四に、領海法案において領海の幅が十二海里にまで拡張されない海域部分及び水産資源の保護等のため必要な海域として農林大臣の定める海域におきましては、外国人は、漁業または軽易なものを除いた水産動植物の採捕を行ってはならないこととしております。 第五に、外国人は、右の禁示海域を除いた漁業水域におきましては、農林大臣の許可を受けなければ、漁業または水産動植物の採捕を行ってはならないこととしております。ただし、政令で定める高度回遊性魚種に係る漁業または水産動植物の採捕、農林大臣の承認を受けて行う試験研究等のための水産動植物の採捕等につきましては、許可を受けないで行うことができることとしております。 農林大臣が行うこの許可につきましては、外国人の漁業等が国際約束その他の措置により適確に実施されると認められること、一定の区分ごとに農林大臣の定める漁獲量の限度を超えないことその他政令で定める基準に適合すると認めるときでなければ、してはならないこととしております。なお、この漁獲量の限度の決定は、漁業水域における科学的根拠を有する水産資源の動向及びわが国漁業者の漁獲の実情を基礎とし、漁業水域における外国人による漁獲の実情、外国周辺水域におけるわが国漁業の状況等を総合的に考慮して行うこととしております。 第六に、外国人は、許可を受けるときには、入漁料を納付しなければならないこととしております。 第七に、外国人は、禁止海域を除いた漁業水域におきまして試験研究等のために水産動植物の採捕を行おうとするときは、軽易なものを除き、農林大臣の承認を受けなければならないこととしております。 第八に、許可または承認には、制限または条件を付することができることとしております。 第九に、わが国の内水面において産卵する湖河性魚種につきましては、わが国の漁業水域の外におきましても、外国の領海等を除いて、わが国が管轄権を有するとの見地から、国際的協調のもとに、その適切な保存及び管理に努めるものとしております。 第十に、この法律に定める規制措置につきましては、政令で指定する外国人及び海域には、その全部または一部を適用しないこととすることができることとしております。 第十一に、この法律に規定する事項に関して条約に別段の定めがあるときは、その規定によることとしております。 第十二に、罰則につきましては、この法律の規定に違反した者は罰金に処することとしておりますが、罰金の最高額は、一千万円であります。 最後に、附則の規定により、外国人漁業の規制に関する法律の一部を改正し、領海内におきましては、外国人は、漁業に加え新たに、軽易なものを除き水産動植物の採捕を行ってはならないことといたしております。 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
○委員長(橘直治君) 両案に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。 この際、農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木農林大臣。
○国務大臣(鈴木善幸君) お許しを得まして、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。 このたびの日ソ漁業交渉に当たりまして、さきに参議院で全会一致の院議をもって御鞭撻を賜り、また超党派の御支援、御鞭撻をちょうだいしておりますことにつきまして、深く心から御礼を申し上げる次第でございます。 なおまた、きょう御提案を申し上げました二法案につきまして、異例の並行審議をやっていただくということでございまして、本当に喜んでおるところでございます。この機会に厚く御礼を申し上げます。 —————————————
○委員長(橘直治君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 領海法案及び漁業水域に関する暫定措置法案、以上両法案の審査に資するため、四月二十三日、二十四日の二日間、鹿児島県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(橘直治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 領海法案及び漁業水域に関する暫定措置法案、以上両案の審査のため、来る二十六日の委員会に、北海道知事 堂垣内尚弘君、根室市長 寺嶋伊弉雄君、全国漁業協同組合連合会副会長理事 宮原九一君、学習院大学教授 波多野里望君、漁業雇われ船頭会代表 石川勇作君、日本遠洋底曳網漁業協会長崎支部長 浜崎直之君及び全日本海員組合中央執行委員乗組員代表 二見俊男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十六分散会 —————・—————