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80回国会参議院1977/04/19

農林水産委員会 第11号

発言数
215
登壇者
10
会派数
6
開催日
1977/04/19

会議録

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る八日、宮田輝君、後藤正夫君、安孫子藤吉君、斎藤栄三郎君、山崎竜男君、福井勇君、目黒今朝次郎君、対馬孝且君及び野田哲君が委員を辞任され、その補欠として塚田十一郎君、細川護煕君、山内一郎君、岩上妙子君、梶木又三君、佐多宗二君、前川旦君、川村清一君及び工藤良平君が選任されました。  また、本日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 鈴木農林大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林大臣。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先般、参議院におかれまして全会一致で日ソ漁業交渉に対する御決議を賜り、また超党派の御鞭撻、御支援をいただき、また国民世論も一致結束してこの日ソ交渉の強力なわが方の主張を貫くべきである、こういう御鞭撻をちょうだいいたしまして、私もできるだけ早期にこの問題を解決をしたいということで再度訪ソをいたしまして、代表団の諸君とともに今日まで努力をしてまいったわけでございますが、私の微力のいたすところ、最終的な結論を得ないで今回交渉を一時休止をして帰ってまいったわけでございまして、この点、まことに国民の皆さんに対しましても申しわけなく存じておる次第でございまして、心から深くおわびを申し上げる次第でございます。  この際、日ソ交渉の今日までの経過につきまして、御報告を申し上げたいと存じます。  代表団の諸君は、三月三日の鈴木・イシコフ合意事項、これを基礎にいたしましてソ側と交渉を熱心に進めてまいったわけでございますが、当初、日本の国会の都合等もあるということで、政府間の行政取り決めで暫定的にやってまいりたい、長期協定は、これは一九七七年の十二月三十一日までの間に締結をして、そして日ソの恒久的な漁業関係の新しい秩序を確立をしたい、こういう方針でやったわけでございますが、しかるところソ連側は、行政協定ではだめだ、どうしてもソ連の設定をしたところの二百海里水域に対しては主権的権利を行使すると、こういう強い態度でございまして、結局交渉は中断をいたしておったわけでございます。  そこで、福田総理は園田官房長官を特使として派遣をいたしまして、親書をブレジネフ書記長並びにコスイギン首相に伝達をし、大局的な立場からいろいろ話し合いをいたしました結果、会談は幸いに再開をすることになり、私もイシコフ大臣と四回にわたって個別会談を行いまして、鋭意残された懸案の打開に努めたわけでございます。  現在、この交渉の結果、協定文の第一条——これは幹部会令の適用の海域を規定する条項でございます。この第一条と、それからわが国が二百海里水域を設定をし、また新しい領海三海里を十二海里にするという国会で御審議をただいまお願い申し上げております新領海法、この設定を前提といたしまして、ソ側がわが方の海域に入漁をしてまいる、これを規定するのが第二条でございます。つまり、わが国の漁船がソ連の二百海里水域に入漁をするかわりに、日本がそういう新しい漁業水域を設定した場合にその見返りとして入漁をする権利を留保すると、こういうことを規定するのが第二条でございます。この第一条、第二条を除きまして、その他の条項は全部合意をいたしました。その成文化も全部完了いたしております。また、その実施の細目を規定いたしますところの付属書、これも全部合意いたしまして、成文化も完了いたしておるわけでございます。したがいまして、現段階におきましては、一条の問題、二条の問題を除きまして、全部条約文の方も付属協定書の方も合意が成立をしておると、こういうことでございます。  第二条の問題につきましては、イシコフ大臣と私との間には意見が一致を見ておるわけでございまして、成文化の作業が実務者の間で行われましたが、いろいろ法制のたてまえがソ側と日本側が違うという事情もありまして、成文化に手間取っておるという状況でございますが、これはイシコフ漁業大臣も、もう基本的には両大臣の間で合意されておることであるから、成文化に若干時間がかかっても必ずこの問題は解決をするであろうと、こうイシコフ大臣も言っておるような状況でございまして、残された問題は第一条の問題、こういうことに相なるわけでございます。  そこで、御説明の順序として第二条からお話を申し上げるわけでございますが、ソ連の法制では、ソ連邦沿岸の基線から二百海里の水域、これが幹部会令の適用を受けるところの漁業専管水域である、その漁業専管水域の中に十二海里の領海が存在をする、こういうたてまえになっておるわけでございます。したがって、漁業専管水域でございますから、漁業協定によっては十二海里の中といえども外国の漁船が入漁できる、こういう法制の仕組みになっておるわけでございます。しかるに、わが方のたてまえは、十二海里、これは領海である、領土の延長である、したがって十二海里の中には外国漁船は一切入漁を認めない、その十二海里の外百八十八海里がいわゆる漁業水域でございまして、これは協定によって実績等勘案をして外国漁船の入漁も認められる、こういうたてまえになっております。  そういうようなことで、ソ側の二百海里制度というものを前提として第二条の問題を検討してまいりますと、沿岸の基線から二百海里の間には協定のやり方によっては入漁が認められる、こういうことになりますし、わが方の二百海里の漁業水域法ということを前提として協定を結ぶとすると、十二海里の外百八十八海里だけについての入漁の協定しかできない。こういうことで、どうもその辺がなかなかかみ合わないわけでございます。  それに、向こう側としては、いろいろここに三—十二海里の間の実績の問題等も考慮の中にございますから、向こうとしては何とか特別な協定によって、協定さえできれば三—十二海里にも入れるような弾力的な漁業協定にしておきたい、こういうねらいがあるようでございます。しかし、私はわが国の事情等を十分説明をいたしまして、絶対に十二海里の中には外国漁船は入れない、いままでソ連が実績を持っておるところの三—十二海里の間のイワシ、サバ等の実績は、これは十二海里の外の百八十八海里の実績評価の一つのその中に加算をすることは認めるけれども、しかし十二海里の中には一切入漁は認めないと、こういうことでこの点は合意をいたしております。合意はいたしておりますが、先ほど申し上げましたような事情でその法文化の問題で若干手間取っておると、こういうことでございます。  第一条の問題は、御承知のように、ソ連の閣僚会議の決定の海域ということになりますと、新聞に一時報道されましたような線引きというものが北方四島を抱え込んだ形で行われると、こういうことでございまして、私はそういったようなことは断じて日本としては認めるわけにはいかない。さきの三月三日の鈴木・イシコフ合意書簡、これは両国の責任者が合意したことであるから、その海域の表現をそのまま協定文に移しかえるべきであると、こういう主張をいたしまして、なかなかこれが平行線でいまだに一致をしないと、こういう状況にございます。  私は、この漁業協定に臨みましての基本的な私の方針、姿勢といたしまして、ソ連の二百海里のこの指定海域というものにつきましては、さきの一九七三年の田中・ブレジネフ会談における合意、つまり戦後未解決の問題を解決をして日ソ平和条約の交渉を継続をする。つまり、あそこは戦後未解決の問題であると、こういう少なくとも今後の平和条約交渉、これにいささかの支障を来してはいけない、日本の立場を損ねるようなことがあってはいけない、これがわが国の民族的な悲願であると、こういう観点でこれを一歩も譲る考えはございません。  と同時に、私は北洋における伝統的な漁業実績、私は最近、伝統的な漁業実績ということでは表現が不十分だとさえ考えております。中南米やあるいはアフリカ等に対して、日本が五年、十年の間に確保した実績というようなものとは北洋の状況は違う。徳川時代から明治、大正、昭和にかけて、百年以上の間、日本の漁民があらゆる困難を乗り越えてあの北洋の漁場というものは開拓をしてまいりました。まさにこれは北洋の漁業権益である、このように私は認識をいたしておるわけであります。でありますから、一方においては、日ソ平和条約の交渉にいささかの支障を来してもいけない。一方において、われわれは、北洋における日本の漁業権益というものを守らなければいかぬと、こういう二つの命題を同時に解決をしたいという基本的な立場で交渉をいたしておるわけであります。したがいまして、その妥結点を見出すというのは、交渉のその幅というのは非常に狭いわけでございますけれども、この狭い中にも困難な交渉ではありますけれども、私は決して不可能ではないと、こういう希望を持ちまして今後もこの打開に鋭意努力をしてまいりたい、こう考えております。  交渉は一応中断という形になっておりますけれども、イシコフ漁業大臣が、ただいまEC、ノルウェー、デンマーク等との漁業交渉で出かけております。私もその問日本へ帰りまして、そうして領海十二海里法、漁業水域二百海里法、これを国会の皆さんの御理解、御協力のもとに早期にこれを成立をさして、そうしてソ側と同じ条件、基礎の上に立ってこの問題に取り組みたい、このように考えておる次第でございます。五月の上旬に会談を再開するという確約もいたしておるわけでございますので、その際には三たび訪ソをいたしまして、何とか先ほど申し上げました基本方針に基づきまして決着をつけたい、こういう考えを持っておるわけでございます。  以上が、日ソ交渉の経過の報告でございます。よろしくどうぞお願いいたします。(拍手)

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ありがとうございました。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案及び農業改良資金助成法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  まず、政府から両案の趣旨説明を聴取いたします。鈴木農林大臣。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  協同農業普及事業は、農民が農業及び農民生活に関する有益かつ実用的な知識を取得交換し、それを有効に応用することができるようにし、もって能率的な農法の発達、農業生産の増大及び農民生活の改善に資することを目的として、昭和二十三年に発足したものであります。  本事業につきましては、発足以来三十年近くを経過し、その間時代の要請に応じて種々改善を図ってまいったところでありますが、最近における農業及び農村をめぐる諸事情の変化にかんがみ、次代の農業を担うすぐれた農業後継者を育成するためには、他の諸施策と相まって、農業後継者たる農村青少年に対し近代的な農業経営を担当するのにふさわしい農業及び農民生活に関する技術、知識を付与するための研修教育を充実強化することが緊要な課題となっております。このため、この研修教育を協同農業普及事業として位置づける等速やかに本事業の改善充実を図る必要がありますので、今回この法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、協同農業普及事業の拡充であります。すぐれた農業後継者を育成する見地から、都道府県の農民研修教育施設において農業後継者たる農村青少年を対象に実施する農業または農民生活の改善に関する研修教育を協同農業普及事業の内容として加え、新たにその運営費及び施設整備費を助成することといたしております。  また、この措置に伴いまして、もっぱらこの研修教育に当たる改良普及員については、農民研修教育施設たる機関に属し、研修教育に当たることができることといたしております。  第二は、協同農業普及事業に係る助成規定の整備であります。本事業は、都道府県が農林省と共同して行うという特殊な性格を有していることにかんがみ、本事業に係る国の補助金を協同農業普及事業負担金に改めることといたしたものであります。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきまするようお願い申し上げます。  次に、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  農業改良資金制度は、国の助成を受けて都道府県に設置される特別会計の資金をもって農業者に無利子の資金を貸し付け、農業経営の安定と農業生産力の増強に資することを目的として昭和三十一年に発足したものであります。  本制度につきましては、当初から設けられている技術導入資金のほか、昭和三十九年に新設された農家生活改善資金及び農業後継者育成資金の三資金が貸し付けの対象とされていますが、借り受けの希望も多く、年々その貸し付け枠の拡大等制度の改善充実を図ってきたところであります。近年、農業及びこれをめぐる諸情勢の著しい変化に対応して、優秀な農業後継者を育成確保すること等についての必要性が一層増大している事情にかんがみ、農業改良資金がねらいとする政策的効果を一層高めるため、農業後継者育成資金を重点として償還期間の延長を行う等制度の改善充実を図る必要がありますので、今回、本制度の改正を行うこととし、この法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、技術導入資金に係る貸し付け限度の引き上げであります。従来、技術導入資金に係る貸付金の限度額は、農林省令で定める標準資金需要額を基準として都道府県が定める額の百分の七十とされておりましたが、今回、これを百分の八十に引き上げることといたしております。  第二は、貸付金の償還期間の延長であります。従来、農業改良資金の貸付金の償還期間は、最高五年とされておりましたが、今回、これを最高七年に延長することといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案の補足説明を聴取いたします。堀川農蚕園芸局長。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  第一に協同農業普及事業の拡充であります。  従来から協同農業普及事業では、農村青少年団体の指導者や普及職員に協力する農民を育成する事業の一環として、農村青少年に対し技術経営に関する研修やその自主的な集団活動の促進等の対策を講じてきたところでありますが、今回の改正はこうした対策に加え、すぐれた農業後継者を育成する見地から、都道府県の設置する一定の農民研修教育施設において農業後継者たる農村青少年に対して行う実践的な研修教育を協同農業普及事業として位置づけ、法に基づく国の助成措置を新たに講ずることによりその充実強化を図ろうとするものであります。  この農民研修教育施設につきましては、新規の開設も考えられますが、すでに相当数の道府県において設置されております既存の施設を母体とする場合が多いと考えます。いずれにしても、準備の整ったところから逐次体制の整備を図ってまいる考えであります。  次にこの措置に伴いまして、もっぱらこの研修教育に当たる改良普及員については、農民研修教育施設たる機関に属し、研修教育に当たることができるようにすることであります。  現行法上、改良普及員は農業改良普及所に属し、直接農民に接して普及指導に当たることとされておりますが、農民研修教育施設がすぐれた農業後継者の育成機関としてその機能を十分に発揮できるようにするためには、農業改良普及所との有機的な連携を強化するとともに、すぐれた指導職員を確保することが不可欠であり、このため、農業改良普及所における普及指導経験を通じて地域農業に精通するとともに、実践的な技術、知識についてすぐれた指導力を有する改良普及員が、この農民研修教育施設に所属し、指導職員として研修教育に当たることができるようにいたしたわけであります。  第二に、協同農業普及事業に係る補助金を協同農業普及事業負担金に改めることであります。  本事業に係る国の支出金については、都道府県の行う事業に対して単なる奨励的な趣旨で交付するというものではなく、都道府県が農林省と共同して行うという特殊な性格を持つ協同農業普及事業に対して交付されるものでありますので、今回の改正によってその趣旨を鮮明にいたしたものであります。  最後に、この法律の実施時期は、公布の日からといたしております。  以上をもちまして、農業改良助長法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) これより両案に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まず初めに、農業改良助長法について若干のお伺いをいたしたいわけですが、これは昭和二十三年に当時のGHQが勧告をして、あるいは指導してということになりますか、設置されまして、先ほど大臣が御説明のように三十年近くたったわけですが、その間の農業をめぐる、あるいは農業内部の大変な変化に応じまして、それぞれの改正が行われてきた。いままた農業が大きな転機に来ていると思いますけれども、あるいは農業を取り巻く情勢が大きく変わろうとしているわけでありますが、それに対応してということでありましょうけれども、いま御提案のように助長法の改正を行うということになったものだと思います。  そこで、まずこの提案の中にあります農業後継者の教育の問題であります。もう周知のように、三十年代から四十年代にかけまして高度経済成長というのは、農業革命的な強い影響を農村に与えたわけでありますが、その最も激しい圧迫を加えたものは、この農業就業者に対するものが最も激しかったと思います。かつて農村が経験したことのない激しい圧力をかけたと、つまり農業就業者が怒濤のように農村から消えていったということだと思います。したがってそのことは、特にこの若年労働者、若年就農者たるべき人たちを奪っていったと言っていいほどの表現を使っていいと思いますが、大変なインパクトを加えたわけでありますが、そして新規に学校を卒業する者の就農者というのが極端に減少する、高齢化をする、女性化をする、御承知のとおりであります。  そこで、いま問題になっておりますこの新規学卒者の就農状況、まあ四十五年をとりますと三万七千名就農したことになっておるわけですが、五十年は一万人を割っているという、まさに四分の一近くこの五年の間に減少をしているという異常な状態なわけですね。このことは、農業なり農家なり農業経営が対応できないほど激しい、大変な激しいものだと思うんです。この激しい流出、そして特にこういう新規学卒者の流出に対しまして、いま御提案のようなものが一つ出てきたわけでありますが、私はこういう労働力、就農者の大変な流出、特にその中でも新規学卒者の異常な流出というものについて、一体局長はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、どういうような要因によるものかということをまずお尋ねをしたいわけです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) ただいま先生の御指摘になりましたとおり、新規学卒者の就農状況というのは四十五年以降の経過を見ましても非常に減ってまいりまして、五十年で九千九百人、五十一年は若干ふえましたが一万二百人ということで、一万人前後という状況がここ二年ばかり続いておるわけでございます。  このような形に非常に落ち込んできた理由はさまざまあるのではないかというふうに思いますが、この新規学卒者の主体をなします一万人のうち、八千人は高校卒でございます。あとが中卒その他ということになっておりまして、この約八千人の方のほとんどは農業高校卒ということに相なっております。したがって、私ども現時点で認識をしております高校卒の、特に農業高校卒の方の就農ということを重点に置いていかざるを得ないというふうに考えておるわけでございますが、かような姿になってきた基本的な底流といたしまして、いろいろ各種の社会情勢、経済の全体のあり方とか、農業について若い人が必ずしも明るい展望を直ちに持ち得るような状況になっていないというようなことが、いろいろと影響しておるのではないかというふうに思うわけでございます。  農業の発展を続ける中で特徴的なことは、土地利用型の農業について非常に土地問題というものが制約になるというようなことがございまして、若い方は特に農業の道を一生の道として選ぶならば相当大型の経営をやってみたいと、こう思うのが当然だろうと思いますが、それらの点について各種の施策は講じておりますけれども、なかなか経営規模拡大についての道は険しいというようなことも、一つの要因であろうかというふうにも思うわけでございます。また、昨今、若い方の物の考え方も、かなりある意味では経済的に割り切った物の考え方をするという風潮が一般的にあるようでもありますが、こういうことが農村地域の若い方々にも影響をするというようなこともあろうかと思います。  いろいろ多面的な影響があってこういう姿になったと思うわけでございますが、最近、経済の安定成長をこれから図っていこうという中で農業の見直しということも言われておりますし、現実にUターンをされる方もかなりおると。これにはさまざまな原因もありましょうが、そういう状況を見てまいりますと、私どもは特に若年層の将来の農業を担うべき後継者の方々のために農業が働きがいのある、希望の持てるようにするという方向、それから農村を住みよいような方向にできるだけ持っていくように努力をするということ、こういうことによって各般の施策を講じていくというのが、後継者確保の基本方向であろうというふうに思います。そういうことをやりながら、その一環として現在御審議を願っております後継者の研修教育の充実ということも大事な仕事であると考えておる次第でございます。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、岩上妙子君、梶木又三君及び佐多宗二君が委員を辞任され、その補欠として佐々木満君、佐藤信二君及び福井勇君がそれぞれ選任されました。     —————————————

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま局長がおっしゃいましたように、あるいはもうみんながわかっておりますように、いまの農業の状況というのは異常な困難な状態にある。そういう中で労働の流出が進んでおりますし、また学卒者の流出が極端に進んでおる。したがいまして、総体的に総合的な対策というのがとられない限りにおきましては、こういうものに歯どめをかけるということは困難であると思います。ただ私どもの感じますことは、いまの農政の中にそういう歯どめをかけるような期待が非常に小さいというのが大変残念に思っております。ただ、助長法の立場から言いまして、助長法としてはこういうような対策をとって若干のそういった若年の労働者あるいは新規学卒者等の流出について何らかの歯どめがかかるような努力をしようということについては、評価をしなきゃならないというふうに考えておるところであります。  ただ、私は、こういうものが一体どの程度の効果があるのかという点、大づかみに言いましてどの程度効果があるのかというのを感ずるのですけれども、いま各都道府県にそれぞれ研修施設というのを持っております。御承知のように、それぞれの研修施設を持っておりますが、その資料は農林省が提出をされておりますこの参考資料の中にありますように、四十五年に四千人をちょっと超す卒業者があった。それが五十一年になりますとほぼ半減しておるわけですね、二千人ぐらいになっておる。ですから、都道府県はそれぞれそういう農業研修施設をつくって学卒者の異常な流出に対する対策をとっておると見なきゃならぬわけですが、とろうとしておるというふうに見られますけれども、しかしいま申しましたように、この五年の間だけでも半分に減っているという状況でありますが、こういう施設をこれから国が五億数千万円の金を投じ、来年になるともっと大きいと思いますが、やって、どの程度の効果があるものかという点についての大づかみな目算を伺いたいわけです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 今回お願いしております農民研修教育施設における研修教育の体制の整備ということによりまして、私どもはすぐれた後継者、特に農業についてからその地域農業の中で将来指導的な立場を果たすような自営者をつくっていきたいというふうに思っておるわけでございますが、私どものこの研修教育施設の整備の当面のもくろみは、大体現在あります施設を母体といたしましてそれを整備することを考えておるわけでございますので、そう現状から急に著しく飛躍するということにはならない。私どもはおおむね三年をめどにいたしまして、現在希望もあり可能性もあると思われる各県の施設をこのような農民研修教育施設に整備をするというふうに考えておりまして、その整備が一応終わった段階における一年の卒業生、この研修教育施設から研修教育を受けて出てまいって就農する方が、ちょっといまの段階では明確に断言はできませんが、三千ないし四千名ということをもくろんでおるわけでございます。  したがいまして、後継者となって就農される方のすべてをここにおいて研修教育を行うということは、いまのところむずかしいというふうに思っております。ただ、これらの方が地域農業の中へ入っていきまして、そうしてその次の若い人たちに対するよい影響を与えるというようなことによって、逐次この施設の整備を進めるのと並行いたしまして、この施設で研修を受ける方、卒業されて就農される方が長期的に見ればふえていくということを期待をいたしておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その問題はまた後で伺いますけれども、新規の学卒者の就農状況を見ますというと、女性の流出が極端に大きいということですね。全体として非常に就農者が少ないわけですけれども、その中でも女性の就農率がこれまた著しく低いということですね。ですから、五十年に一万人程度の学卒者が就農をした。ところが、その中の女性というのは二〇%でありますね。ですから約八〇%というのは男性。ですから、女性の学卒者の流出というものがさらに非常に大きいということですね。ところが五十年のセンサスによりますというと、年間に百五十日以上農業に従事する基幹農業従事者というそれは女性の方がはるかに多いんですね。で、十六から二十九という年代で見ましても、女性の流出の方が多いですね。十六歳から二十九歳、三十歳から五十九歳、六十歳以上と、こう三段階に分けてその減少率を見ますと、この十六から二十九という若いところの減少が最も激しいわけですね。私はここで強調いたしたいのは、女性の新規学卒者の就農というのが非常にまた低いということですね。これをどう考えているのか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これはいろいろの理由があると思いますが、主たる理由は、これは新規学卒ですぐ就農される女性の方ということでございますので、恐らく女性の方がその家族農業を中心となって運営するといいますか、あるいは将来伴侶を得ましてもやはり農業を続けていくという意思の方であろうというふうに思うわけでございます。女性につきましては、婚姻の問題というのと職業の選択ということはちょっと男性とは違った面もあろうかと思いますので、そういう事情がこういった新規学卒の中で男性が八割に対して女性が二割だというような形になって出ておろうかと思います。  そこで、やはり農業の後継者が農業を継いでそうして発展をしていただくというためには、男性であれ女性であれ、よき伴侶を得て農業を経営していく必要があるわけでございます。その場合に、女性側の方が結婚当時に農業についてない、あるいは新卒後直ちに農業にはついてないというような状況で、しかし最後の生活あるいは職業としては農業を選ぶ、結婚のときには農業を選ぶ、あるいは農家のうちにお嫁さんに行くと申しますか、平たく言えばそういうようなこともあるわけでございまして、そのためにも若い結婚適齢期の女性にとって農村の農業をやる男性がやはり魅力ある伴侶である、そのためにはやはり農業自体が希望の持てるものでなくてはならぬし、農村も住みよい農村でなくてはならぬ、農家家庭も健康で明るい農家生活が営まれているようにする必要がある、こういうふうに理屈としては考えられるわけでございます。  まあ男女が八対二ということ自体にいろいろとむずかしい問題を含んでおろうかと思いますが、直ちに八対二であるから非常に悲観すべき状態だというふうに一概にも言えないと存じます。現在、各県で置いております研修施設において、先ほど先生のおっしゃいました四千人ばかりの在籍生の中で女性の在籍生は約一五%でございます。私どもはできるだけこの新しい研修教育施設において、女性の方も農業を継いでいくんだ、あるいは農家に嫁ぐんだという意欲のある方をできるだけ多く収容いたしまして研修をしていただきたいものだというふうに考えておりまして、そのための教科課程の編成等も今後各県とよく相談をしてやってまいりたいと思っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、現状を見ました場合に、学卒者の中の女性の就農というのが極端に小さい。八対二という、男性が八に対して女性が二だというその現状から見た場合に、それは農業の就農の状態は別ですよ、就農の状態は別ですが、農業従事者の中に残るという点について非常に小さい。しかし、いま局長のおっしゃいますように、都道府県でやっております研究、研修施設の中には女性が一五%ぐらいだというお話でありますが、私も後ほど伺いたいと思っておりますのは、これから農林省が大きな補助金を出して、助成金を出してつくろうとしていらっしゃるこの農業者大学校というやつですか、男女共学になるのかなという疑問があったものですから伺ったんですけれども、いまお話を聞きますと、新しくできるその施設にも男女共学だというお話のようでありますが、先ほど申し上げましたように、実際農業に従事している、言うならば、年間百五十日以上専従しているその三百七万の中の六割近いものは女性なんですね。仕事の内容は別ですよ。仕事の内容は別ですが、百五十日以上農業に働いているのが六割近いものが女性だということになっている。  私は、女性が農業に就業するのがどうだという問題は一つ大きな論議があろうと思いますけれども、現状を見ました場合に、現状の状態から言えば非常に少ない。それについて何か今度は新しくつくられるものも男女共学というお話ですから、それじゃその次に伺いますが、今度すぐれた農業後継者を育成するという立場から研修教育を行うというのを普及事業の中に項目に入れて、そして普及員がその機関に所属をして研究、研修に当たるというのが今度の改正の主たる内容になっておるわけです。で、昭和四十三年に設立をされました、これは農林省の設置法の中の付属機関としまして農業者大学校というのを農林省がつくっているわけです。これはいま十年たつわけですね。この農業者大学校というのは、一体設立の趣旨はどういうことであって、十年たった今日どういうふうに考えていらっしゃるのか。これは男女共学じゃないんですね。その点もちょっとお尋ねします。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは、何も女性を否定するという考えが基本方針として決まっているわけではなくて、発足後まだ間もないことでありまして、当面の間男性ということにしておるわけでございます。一期の入学生も比較的少ないわけでございまして、最近まあ三十人程度ということでございますから、したがいまして、そういう中で比較的少ない人を女性向きと男性向きという形で研修をする場合のいろいろ技術上の問題というようなこともあって、女性を否定するつもりで基本的に考えているわけではないが、当面、男性を入校させておるということでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 当面、男性ということで、十年たったわけですよ、四十三年にできたんですから。当面ということにならない、十年たったんですから。ですから設立の趣旨が違うんじゃないかというふうに思うんですけれども、いずれにいたしましても、昭和四十三年に法律に基づきまして国が、農林省が農業者大学校という三年の修業年限の大学をつくられたわけですから、したがって、今度大きな補助金を出して、助成金を出して各都道府県に農業者大学校と似たようなものを、これは二年のようですけれどもおつくりになる場合に、農林省自身がつくっておられる農業者大学校、しかもそれは十年たつ、それについてどういう反省をなさり、どういうような見方をしておられるのか、その点をお尋ねをしたいわけです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農林省の農業者大学校におきましては、入校する際の選考といたしまして、現に農業に一年以上は就業をしておる、こういう農村の青年で、自分の家で営んでおる農業経営に従事した中から課題を、あるいは問題意識を抱えて出てくるということが一つでございます。それからもう一つは、手続的には各県の知事さんからりっぱな方であるということで御推薦をいただいて、御推薦を得た人について選考して入校を認めておるという形にいたしておるわけでございます。  で、ここにおける研修教育の目的は、先ほど申しました自分が抱えておる自分の経営なり、あるいは農村において抱えておる課題をどうしたらいいかということを考えていただくと同時に、農業を幅広い視野から考え、時代の動きとともに出てまいります問題にどう対応するかということについての対応能力、いわば応用力と申しますかそういう力をつけ、この研修を終えて後に農村に帰りまして当然のことながら農業に従事をする、農業に従事をしながら地域農業の振興のための中核になる人材を養成をする、つまり地域の農業にとりましても、また国全体の農業にとりましても、農業の中のインサイドリーダーとして傑出した人をつくりたいということが、昭和四十三年に設立されたときの趣旨でございまして、したがいまして、かなり高度なところをねらっておるということが言えるわけでございます。  教育期間も三年でございますし、講義の内容等は技術経営に関します座学が一応中心でございますけれども、しかし一般的な教養に属しますような幅広い、たとえば社会経済史でございますとか、科学技術史でございますとか、あるいはまた経済概論なり法学もございます。そういったかなり幅広い基礎的な知識教養を付与するというようなことと、それからなお実践的な教育は施設関係等で、そこではなかなか農業に関します実践教育はむずかしい面がございますので、これは全国の先進農家へ派遣実習というようなことをいたしまして、そういうことの組み合わせで先ほど申しましたようなねらいが達成できるようにということで運営をしておるわけでございます。  いままでに、今年三月の卒業生、七期生までで二百三十名が農村に送り返されておりますが、これらの卒業生は現在自家の経営に専念をしつつ、地域の農村におきます推進役あるいは集団活動のリーダーというような形で活躍をしておるというふうに承知をしておるわけでございまして、まさに将来の地域農業振興の中核たるべき人材となって大いに力をふるっていただけるものと期待をしておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 三年制の大学校は県の普及所長の方を通して県知事が推薦をして入る、当初は少なくとも二年農業を経営し、農業に従事した、それが資格になっている。しかし、なかなか人が集まらないので、最近は、三、四年前からは農業に一年従事した者、しかしいま局長がおっしゃいますように、一学年五十名という定員に対して三十名程度という状態で、しかも圃場はない、農場はない、二年生になって全国の各地の有力なといいますかあるいは優秀なといいますか、農家に一日訓練にやると、何か妙な気がするんですがね。三年間ですよ。圃場はない、そして二年生になったら全国の農家に実地訓練、何をやっているんだ、何をしているんだろうという感じがするんですけれどもね。定員は五十人、しかし三十名ぐらいしかいない、一学年ですね。だから私は、これは十年たっておるわけですから、三年というのは貴重な年限ですよ。今度新しく三年計画で全国の都道府県に農業者大学校をつくられるという場合に、当然この十年の歴史を持ってきているいまの農林省自身がお立てになっておられる三年制の農業大学校、この農業大学についてどうなるのか、どうするのかという考え方をやはりはっきり持つべきじゃないだろうかというふうに思うんです。  それともう一つお尋ねをしたいのは、その農林省がつくっている国立の三年制の農業者大学校と、これからおつくりになります各都道府県にできるその二年制の農業者大学校との関係はどうなのか、全然関係ないのかという点ですね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは、先ほど申しましたようなねらいで農林省の大学校は運営をしておりますので、数も少ないということもございます。もっぱら何と申しますか、農業についてはいただくのですが、農業の経営をうまくやるように後継者確保的な色彩でやっておるものではございません。むしろ農村における内部リーダー、農業に従事しながら農村をリードするような内部リーダーをつくっていただく、こういうことでございます。もちろん、今回法案の審議でお願いしております研修教育施設で実践的な研修を二年間受けまして、農業につかれる方が農林省の大学を出た人よりも農業あるいは農村におけるリーダーとして劣るというようなつもりは毛頭ないわけでございます。そういうことではないわけですが、一方は後継者確保対策というねらいが色濃く出ており、また、実学的な研修教育に中心を置くと、片方はむしろそれよりも幅広い農業及びそれに関連をいたしまして修得をしておくことが適当だと思われるリーダーの資質を養成する、こういうところでねらいが違うわけでございますので、両者がうまくタイアップして、同じ農業に関する研修教育ではございますが、進めていく必要があろうかと、またその意義もあろうというふうに思っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 一学年五十名ということで発足をしたんですが、それが十年たちまして三十名程度という、それはやはり相当考えなきゃならぬことじゃないんだろうかというふうに思いますですね。てめえのところでやっている農業大学校はどういうことになっているんだというのが第一の話になるわけで、簡単に言いましてですね。県はそれぞれつくらせると、これから金を出しまして、補助金出して、だが、てめえのところでやっている農業大学校はどうやというような話になりますと、これは困りますわな。ですから、私はやはりこの機会に農業者大学校、国がやっております、三年間という大変な、三年間の農業者大学校というものはこれはやはり再検討をする必要がある、それは発展的な意味においてですよ、否定的な意味じゃございません。発展的な意味において再検討をする必要があるんじゃないかと、この機会に検討する必要があるんじゃないかという点を感ずるものですから、お尋ねをしたわけです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 確かに先生御指摘のとおり、当初のもくろみどおり入っていない、もう少し数を確保するという角度からやりようを考えるということであれば、それはそれなりのやりようはあろうかと思いますが、当初ねらっておるところをそう変更したくはないという気持ちもございまして、しかし、現実に三十人というような状況でもございます。その点は私どもも反省をいたしまして、ただ、教科内容あるいは実学重視というような点についてどういうふうに考えるかということについては、私どもも実学を軽視するというつもりはもちろんありませんので、施設関係その他でいま農家派遣実習というような形でやっておりますが、もっといいやり方がないか、教科内容の検討、募集のやり方、あるいは私は三年の期間というのが必ずしも長きに失するとも存じませんが、しかし、その辺の問題も含めまして、これは教科内容の評価にもなるわけでございますから、今後再検討、よく専門家の意見も聞いて研究してみたいというふうに思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私、三年が長いと思っていないわけでありまして、三年という大変貴重な時期であるからだから中身の充実をした、そして発展的な、発展していくそういう農業者大学校として充実をしてもらいたいと、こういう考えを持っておるわけです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 趣旨を体して検討したいと存じます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そこで、今度建てられようとする農民研修教育施設、従来から県が設置していたものが主として母体になって、そしてその施設を母体にしておつくりになろうと、原則的には。それで現在四十二県に五十四校設置されておる、学校の校というのを使っていいかどうか、五十四施設といいますか、あるいは簡単に言えば五十四校ですね、五十四校設置されておると。これは募集の定員というものとそれから実定員というものはどういうような状況になっているのか、把握していらっしゃるですか。国立の農業者大学校が五十人に対して三十人という話がありましたが、都道府県の五十四の研修施設の定員とそれから実在員を把握していらしたら、お伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 実は、御審議の参考に御提出した資料では五十四施設ということになっております。提出をしました段階でそういうことでございますが、本年度に入りまして香川県一県が一施設ふえまして四十三県五十五施設ということでございまして、この点は訂正をさせていただきます。  そこで、先生いまお尋ねの定数と在籍者との関係でございますが、一応各県施設を積み上げてまいりますと定数は四千四百四十程度、在籍者は四千百三十九ということであると、したがって定数に若干満たない在籍者ということに相なっております。ただ、これはまた別途の資料で、こういう施設に入りたいといって応募をしてきたと申しますか、そういう希望を申し出てきた方はかなりあるようでございます。したがいまして、定数と在籍者との関係だけでは一概に律しられない、希望があった方を全部入れておるということでもないわけでございます。その定数と在籍者との関係はさような関係になっております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 四十三県で五十五施設、約四千四百名の人たちが在校しておられる、この施設で研修教育を受けておる。政府が考えていらっしゃるのは、高校卒程度の学力を持った者を入学する資格を持つ者として二年制を考えておる。いま私の手元に農林省から出ておりますこの参考資料によりますと、一年制で高校卒対象の施設が二十七、それから二年制の高校卒対象の施設が十七ある、言うなら、圧倒的に一年制の施設であるわけです。そこで、この三年計画で高校卒を対象にして二年制のものをつくろうというわけですけれども、現状とおつくりになろうという計画とのギャップが非常に大きいという印象を受けるわけです。このギャップを三年間で埋めることができるのかどうかということですね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 確かに、五十五施設の中で高卒後二年のコースをとっておるのは二十カ所でございます。それ以外は高卒一年あるいは中卒、もう中卒しかやってないというところもございます。というようなことで、私どもこの三年をめどに整備を進めたいと言っておりますのは、三年たちましたら全部整備が終わりという意味じゃありませんで、スタートをいたしますのが、そういうかっこうで整備に入っていくというのが、五十二年度から二、三、四と、四年度目にそういう施設として整備を始める、施設などの関係は単年度で終わらない場合もございます。そこで、いずれにしても、三年目には一応高校卒二年程度を対象とする農民研修教育施設が全国で大体私ども四十三施設開設をされることになろうと。その開設をされましたものの充実と整備ということは、また開設後の問題にもなるわけでございますが、そういうふうにして整備を進めてまいりますけれども、その際、たとえば現在中卒程度の者しか対象にしていない県もございまして、それは直ちに中卒を対象にいたします施設は要らないのだというふうに割り切るつもりはございません。したがいまして、その辺のことは各県々の地域事情もございますので十分県内で御議論をいただきまして、そして私どもと相談の上、たとえば併設をいたしまして中卒対象のコースを当面の間残すというようなことは差し支えないというふうに考えておるわけでございますが、少なくともスタートをするときまでに高卒二年のコースはぜひとも、たとえばいま一年でやっておりますものは二年に切りかえていただくというのが理想でございます。できるだけそういう高卒二年のコースがある研修施設ということでございませんと、私どもの考えておる施設とはずれが出てまいりますので、その辺は現在の動向から見ますれば、高卒二年を対象とするコースを持つ農民研修教育施設として大体整備をされるのではないかという感じを持っておるわけでございます。できるだけその辺は県の実情もよく伺いまして、計画的な整備ということにしてまいりたいと思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 全国的にほとんどの県に、いまお話しのように、四十三施設三年計画でおつくりになるわけですけれども、なぜ二年にしたのかというような問題もあると思います。でありますが、いずれにしましても、いまある施設を見ますというと、これは高校卒対象の二年制というのは少ないわけですね。中卒があるわけですから、中卒を対象にしたものもあります。八施設ぐらいある。それから一年のものもある。ですから、国が考えていらっしゃるものとの間に非常にギャップがある。  そこでお尋ねをしたいのは、こういう二年制の農業者大学校をつくるべきだというそういうニードが、要求なり需要が、農業者なりあるいは農業団体なり県の側に強いのかどうなのかですね。いや、なくったってやるんだというお話なのか、そこら辺をちょっとお尋ねをしたい。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは二年と一年ではかなりやる内容に差がございまして、二年でやれること、それから一年でやれることでは、二年でやった方がはるかによろしいという評価を、関係の皆さん方の大体大多数の方の御意見というふうに承っているわけでございます。ただ、実際問題として、二年でやりたいけれどもいろいろの事情がございまして、二年にはなかなか研修教育施設側の事情としてもできないというような事情もあるわけでございまして、そうかといって、全くそれじゃ一年コースが希望がないかということになりますと、もちろんそうは言えないわけでありますが、少なくとも今後の農業ということを考えていく場合には、高校卒で二年くらいのかなりみっちりとした実学中心の実践的な研修をやっていただくことが、将来の農業のためになるという考え方が基本にあることは間違いございません。そこで、現実にはいろいろの事情や、都合や、また希望というものがあるわけでございます。その辺はこの施設整備のプロセスにおきまして、最初から理想的なものが直ちにできるというふうにはなかなか思いませんので、その辺若干期間は、やや最終的な姿と違う形で過渡的に運営をされるということもやむを得ないかと思っておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 局長にお尋ねをしましたそういう二年制の農業者大学校というような施設を積極的につくるべきだという、そういう要望なり要求なりというものは、農業者団体なりあるいは都道府県に非常に強いのかどうなのかですね。しかし、強くなくてもやる必要があるのだというふうにお考えなのか。  その点を一つお伺いをして、もう一つは、こういう施設をつくることによって今後こういうような農業後継者の研修施設というものが拡大をしていくのかどうか、あるいは縮小するおそれはないのかどうか、たとえば中学校を出て二年制なり一年制なりの研修所というのが八つ施設がある、あるいは高校を卒業して一年制の施設というのが二十七ある、そういうものがなくなってくることにならないのか。いまある施設を単に二年制にして、そして減少する、少なくなると、いま言ったような中学校を卒業しての施設というものがなくなりはしないか、あるいは一年の年限の施設というのはなくなりはしないか。  つまり、お聞きしたいことは、二年制のそういうものをつくることによって、こういうような後継者の育成の研修施設というものが拡大をしていくのか、強化をしていくのかという問題ですね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 私どもは、高校卒二年程度の研修が必要だということはいろいろな角度から検討したわけでもございますし、それから高校卒二年を対象にするような施設で評判がいいものですから応募者が年々ふえていくというような実例も見ておりますし、最終的な姿としては、私は、農家の子弟の高校進学率もある調査によりますと九四・何%ということで非常に高まってきておりますし、それから先ほど申し上げましたように、新規就農者の中の学卒者で就農した方の八割はすでに高校卒であるという実態もある。それから各県の中卒対象の施設の状況を見ておりますと、応募者がだんだん減っていくというような状況もあります。  したがって、これは中卒対象の研修を軽視せよとか、全く要らないのだという断言をいましておるわけじゃございませんが、将来の姿としては、必然の成り行きとしても高校卒ということにならざるを得ないし、それから高校二年程度の実学研修をやるということが、受ける方にとっても、その親御さんにとりましても、また全体の農業関係の発展ということを考えた場合においてもいいのではないかというふうに考えておるわけでございまして、そこへ行きますところの取っかかりのプロセスであるというふうに思っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先ほどの局長のお話を承っておりますと、三年間で四十三施設、ほぼ四千人から五千人程度の人員になる。現在こういう研修施設に入っている人というのはほぼ四千人ちょっと、四千五百人ぐらいなんじゃないかと思うんですが、そうしますと、何か国がつくったものが、いまあるものを何か維持しただけだと——これは少し強化したということになりますと、私は国がそういう農業大学校をつくることによって、各県がそれに触発をされてもう少し拡大強化されていくのか。もう国がつくったら、いまあるものを国のものに切りかえたということで終わりはしないのかという懸念があるものですから、そこのところからぜひ……。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) ちょっと誤解を与えるような表現をいたしまして申しわけございませんでしたが、現在の施設の在籍者は四千名ちょっとでございまして、二年制もあれば一年制もあるということの総体がそういうことでございます。この農民研修教育施設を四十三施設整備をいたしまして、そこからの卒業生ということですから、単年度で出てくる方が三千ないし四千ということを一応もくろんでおります。したがいまして、二年制原則でございますので、在籍者としてはその倍ということになるわけでございますので、在籍者数からしますれば六千ないし八千ということで、その上の方をとってみれば、現在の在籍者の倍くらいのことをやりたいというのが当面のもくろみというふうに、私がさっき申し上げたわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そうしますと、いまあります都道府県がやっている施設をそのまま吸収して、若干ふえるというようなことになるんですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 施設関係につきましては、これは本年度も約四億の予算を計上しておるわけでございますが、これは施設の不備はもちろん拡充をしていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。しかし、それにしましても、全く新規でつくりますということになりますと相当な投資が必要でございますし、また場所の選定その他いろいろございますので、さしあたりはいまあるものを母体にしながら、もちろん新規の場所に移転して新設をするという計画も中にはございますけれども、大体は現在の施設の拡充、それから内容の充実というようなことで、逐次、先ほど申しましたようなさしあたりの、当面の整備目標というところへ持ってまいりたい。  いずれにいたしましても、私ども初年度といたしまして二十施設くらいを五十二年度でやりたいというふうに考えて、県と施整備等の希望についてもまだ目下打ち合わせを始めたばかりでございます。大体、予算で二十施設といっております程度の希望は手が挙がってきておるわけでございますが、まだ内容を十分審査をしておりませんけれども、いずれにしても、単年度で施設整備を終えたいというところもありますが、中には何年かの計画でやりたいというところもございまして、それに所要の予算措置は、今後ともよく検討いたしまして努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、国がことし四億と、来年は恐らくこれは——ことしの分は恐らく半年分ぐらいしか組んでないんだろうと思うんですが、来年はもっと大きなものになるだろうと思うんですね。そういう場合に、そういう新しい、何かさっきおっしゃると在籍者が六千から七千に三年後にはなるんだと。しかし、いまは四千ぐらいの在籍者でありますね。そうしますと、何か、金を出せば後継者のそういう研修施設というのはできますよ。しかし、積極的にそこへ入ってくる者がいるのかどうかという点を懸念しているんですけれどもね。どういうPRなり、それから積極的な指導をなさってそういう施設の中に、いまどんどん少なくなりおるわけですから、ふえてくるなら別ですけれども、いまどんどん少なくなっているわけですからね、半年の間に半分に減っちゃっているんですから、その中で金を出せば、学校をつくれば、施設をつくれば二千でも三千でも四千でもふえていくようなふうにお考えになるのかどうか、そこら辺なんですけれどもね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) その点は、確かに先生のおっしゃる大事な点でございまして、   〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕 私ども、この施設の設置運営につきましては、関係の各方面の一応御協力を得てりっぱな施設にし、あるいはその運営を図っていくということが必要でございますので、そのために特に、これは予算補助でございますが、この農民研修教育施設の設置運営企画推進費という予算を特別に約五千万近いものをとりまして、これはこういう施設のあり方、それから運営の基本的な問題についての御審議、それから同時に農家にとって、あるいは若い後継者にとって魅力のあるような施設ということ、あるいは研修教育ということでないとまずいので、そういった問題にももちろん当然のことながらタッチをしていただいて、お知恵を拝借して、そしてここで出されましたアイディアを中心にしてPRをするということを考えておるわけでございます。  この中には広報資料の作成費なども積算の基礎には含まれておるわけでございますので、いずれにしましても皆さんの意見を聞きながら、いま先生御指摘のような点の解決、あるいは推進ということをやって、この農民研修教育施設が当面の整備を、これは三年目に全部終わってしまうということではございませんので、三年目に初年度としてスタートするところもあるわけでございます。それが整備を終わった水準で、先ほど申しましたような三千ないし四千名の卒業生が一年で出るというようなところまで、現在のものを引き上げてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 重ねてお尋ねをしますけれども、こういう各都府県に高校卒を対象にして二年制のものを四十三校つくるべきだという要望が非常に強いのかどうなのか、あるいは農業団体の中に、あるいは農民の中に強いのかどうかというところにかかってくるわけですよ。学校さえつくれば何かふえていくような感じを受けるものですから、金を出して、県に補助金出してそれでいまの一年制を二年制にしたら、あるいは施設を少し充実すれば何か後継者がばかすか集まってくるような印象を受けるものだから、私としては本当にいまそういうような要望が農業団体なり、農業者の間なり、あるいは自治体の中で非常に強いのかどうなのかということですね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) まず、県御当局がこういうことに非常に熱心にお取り組みになって、私どもの方にぜひこういう方向で強化をしてほしいと言ってこられたことは、これはもう間違いがございません。それから農業団体でも、たとえば農業会議所というような団体は毎年農林大臣に対しまして建議をしておるわけでございますけれども、そういう中で後継者対策の充実ということを申しており、その一端としてこういうことをやるのは賛成であるということを伺っておるわけでございます。ということで、それと本当にここへ研修に来るような若い方がどの程度出てくるかということとは、直につながるというわけにはまいらぬかと思うわけでございます。  そこで、やはり若い方に、そこへ行って二年間高校卒程度で研修を受けることが本当にいいのだというふうに思ってもらえるような内容のものにしなくてはならぬ、それが基本的に大事だというふうに思っておるわけでして、その点、そういう施設を整備してまいるについて、国といたしましては各県に対しまして、もちろん各県の自主的な姿勢なり考え方というものを尊重しつつ、お互いに御協議を申し上げまして実行いたしますところの協同農業普及事業の一環としてこれを進めると。これを協同農業普及事業の一環として進めるということになれば、いろいろの助成の強化ということも図られるわけでございますから、したがって全体の方向としては、農家の若い後継者の方にも喜んでもらえるような施設にいまできるものというふうに思っておるわけでございます。決して各県に対しまして、また農家の後継者の方に対しまして、押しつけがましい姿勢でこの仕事を進めようという気は毛頭ございません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま、こういう都道府県の中で後継者の研修教育の施設のない県が若干あるようですけれども、あるいはまた二年制という話ですが、農業短期大学校があるところ、そういう県が幾つあるのか、文部省所管の農業短期大学校ですね、幾つあるのか、それから後継者育成の研修施設のない県が何県あるのか、そういう点をちょっとお尋ねします。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先生お尋ねの県立の農業短大を設置しております県は、現在宮城県ほか六県、計七県でございます。それから研修教育施設で私ども新たに考えておりますようなものの母体になると考えられるもののない県、これは東京のほか、福井、石川、富山の三県でございます。ただ北陸のこの福井、石川、富山の三県は、先ほど申しました県立の二年制の農業短大、学校教育法に基づきますところの短大、これが設置されておる県でございまして、さしあたりその三県を含む東京を加えて四県につきましては、私どもの考えておりますような研修教育施設の設置について、当面、いまのところ計画がないというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いまお話ありました富山、石川、福井、こういう県については短期の農業大学があると、短期大学があると、そこはおつくりにならない、そういう計画はないというお話でありますが、これは私は、文部省所管の農業短期大学というものとこれから農林省がつくられようとする二年制の研修施設というものは性格が全く違う——全くとは言いませんが、相当に違うものだと思うんです。ですから、当面つくらないということはどうも妥当性を欠くというふうに思うんですけれども、どういうふうにお考えなのかですね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先ほど申し述べました七県の農業短大を置いているところでも、私ども考えておりますような農民研修教育施設を現に置いており、あるいはまた今回の新しい考え方に基づいて整備をしようという考えを持っているところはあるわけでございまして、当然私ども、農業短大の性格と研修施設の性格とは先生おっしゃるように非常に差がある、かなりの差があるというふうに思っておるわけでございまして、教科内容からいたしましても、片方は学校教育法に基づく短大でございますから、やっぱり学術の研究というようなことが主になるわけでございます。  それからなお、卒業生の動向からいたしましても、そういう短大の一つの例でございますが、秋田県の例では、短大卒業生の中で農業につかれた方は三七%ぐらい、宮城県の例では、卒業生の中で農業につかれたのはやはり三六%ぐらい、それ以外は農協とか公務員とか関連会社とかその他というような話になっておりまして、農業につかれる方が総体的に三分の一強程度におさまっておるということ。もともと就農をするということも一つのねらいではございましょうが、それだけのねらいでやっておるわけでございませんので、そこは基本的に差がございますから、私どももいまのところ、当面計画のない北陸の方における三県につきましても、将来はぜひ私どもの考え方に沿って研修施設がつくられるということを、心から望んでおるわけでございます。いまのところ計画がないというふうに申し上げておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 次は、この補助金を負担金に変えられたことにつきまして、従来から補助金の整理が問題になるたびに常に対象に取り上げられて、一次査定では削られたりというようなことがたびたびあったように記憶しておりますし、   〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕 また、何か地方交付税の中に入れようという考え方が出たりしたこともたびたび記憶いたしておりますが、それが今度こういうふうに負担金という形に変えられたということは、改良普及員の人たちにとりましてもこれは一つの安心感を与えるものだというふうに思いますですね。  ですから、この点は私どもも評価をいたしておるところですが、これはまあその程度におきまして、次に、いままで補助金として扱ってこられたわけですが、いつもこれが金額がでかいだけに超過負担の問題になってきておるわけですね。毎年のように、大変でかいですから、改良普及事業というのは金額がでかいだけに、しょっちゅう都道府県の超過負担の解消の対象の大きな項目にいつも挙がってきたわけですね。それについて農林省の方も、政府の方も、できるだけそういうふうな超過負担を解消するということで努力をされてきた。四十九年度も調査をされて解消の努力をされてきた。しかし、この五十年度の協同農業普及事業年次報告書によりますと、なおこの農業改良普及職員の設置費というのは、三分の二国が補助することになっているんだけれども、国が出しておる金は百九十五億円で、実際は半分ぐらい、五三%ぐらいの補助率になっておるという数字を出していますね。あるいは、設置費として大きい生活改善普及職員の設置の問題の場合におきましても、三十五億円国が負担しているけれども、三分の二だけれども実際は五六%程度、三分の二よりはるかに低いというふうな数字が出ておりますね。この点について、今後もこれはやはり調査を進めながら解決をする必要があるというふうに私は思っております。ですが、ここで、この補助金が今回負担金という形になることによって、こういったような問題が解消していくようなことになるのかどうなのかという点をお尋ねをしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 補助金というものを協同農業普及事業負担金ということに改めました趣旨は、協同農業普及事業の性格から見てそういう表現に改めることが適切である、より趣旨が鮮明になるということで私どもは改正をお願いしておるわけでございます。  それと、先生いま問題として御指摘になりましたいわゆる超過負担問題ということは、まあその気持ちの上では確かに関係のあることではございますが、しかし、超過負担問題というのはやはり超過負担問題として、これはその実態、内容というものを冷静に分析をいたしまして、そして所要の負担区分に従っての国の負担をするということが、超過負担問題の解決策だというふうに思っております。先生もおっしゃいましたように、四十九年度調査に基づきまして、これは地方公共団体の地方公務員であります普及職員についての給与の実態を調べ、それらの方々の学歴、それから任用後の経験年数、こういうものを考慮いたしまして、国家公務員の行(一)の給与ベースに引き直して換算をしてみますとそこにギャップがあるということで、そのギャップを埋めるという趣旨で五十年度に平均五号俸の引き上げをやり、国庫補助額ベースでは十八億円に相当するわけですが、それで差を詰めたわけでございます。にもかかわりませず、五十年度の普及事業の報告の中で、いま先生のおっしゃったような人件費支出額に対する国の補助金の支出額が三分の二に達していないという御指摘でございますが、これが三分の二になるということは、むしろ超過負担問題の考え方からいたしましても一つ問題のあるところでございます。  一つには、国と県との給与ベースの差というものがございます。昨今は国と県の給与ベースについての御議論が大分やかましくなってまいったわけですが、県の職員の給与ベース自体は県でお決めになっておるということが一つございますので、そういう水準の差まで三分の二を国庫負担をすることがいいかどうかという問題が別途あるわけでございます。  それからもう一つは、これも私、普及職員の年齢階層別の分布状況を見てみますと、若年層の方と高年齢層の方の全体の職員数に占めるシェアというのは余り近年動いていないわけでございます。ところが、中間の方々の中の比較的若年層の方が近年きわめて構成比が急激に減ってきておる。逆に、それの上の階層という者の構成比が非常にふえてきておるという非常に特徴的な特色があるわけでございまして、これは大体普及職員の方の年々の異動を見ておりますと、転入、退職それから転出というのがございますが、転入をして来られる方と新規採用というのが五十年度の場合には約半々ということになっておりまして、転出と転入の関係が、転出される方、つまり普及員の経歴を買われ、あるいはその力量に着目されたりいたしまして他の職域に転ずる方というのがかなり人事異動を通じてありまして、逆に入って来られるという方もかなりありまして、どちらかというと比較的若い方が抜けていって高齢者の方がかわりに入ってくるという事情が、もちろん資格を要するわけでございますから、その資格要件にはまっており普及員の資格を持っている方が入ってくるわけですが、そういうどうも事情があるのではないか。そういうことを考えませんと、いまの年々の年齢別の人員構成の特殊な型というのはどうも説明がつかないように私は解釈するわけでございます。そういうことを年々ある程度期間を続けてまいりますと、どうしても高年齢の給与が高い方が入って来て、かわりに給与の格づけの低い方が外へ登用されるというようなことから、給与ベースの年々のベースアップの問題以外に、そういった問題もかなり影響しておるのではないかという感じがするわけでございます。  これは、実はもうちょっと詳細に分析をいたしませんと私もにわかに結論は出ないわけでございますが、そういうことでありますと、一応その標準的な号俸、等級で格づけをしたものについて、私どもは三分の二ということでの助成をはじき出すわけでございますから、そこに一つのギャップというものがだんだん年々積み重なってくると出てくるという要因がある。しかも、それは人事異動ということを通じて出てくる可能性がある。そこで、人事異動について一つ一つ私どもも県等に対しまして物を言うということは避けるべきであるというふうに思うわけですが、全体の姿として、できるだけ活力のある普及組織を維持をしたいという気持ちを持っておりますので、今後はこの点は単に超過負担の問題ということでなしにひとつ取り上げて検討の上、適切な対応策があるならば考えてみたいと思うことが一つと、今後先生のおっしゃいますように、県が大変地方財政も窮乏しておりますので、こういった問題にはかなりナーバスになる面がございます。私どもも毎年やるというわけにもまいりませんが、できるだけ給与の実態を洗いまして、改善すべき点は改善をしていくという方向で進みたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 農林省令ですか、あれによりまして、それぞれ普及員の資格が書かれてありますね。そして試験によって採用するような形になっておるわけですが、その意味では、ある意味では厳密な資格とそれから採用試験みたいなもので入っておられる。その資格を見てみますと、普及員の補助の基準等級号俸というのがありますね。これを見ますと、五十二年度で主任専門技術員が三等級の八号、専門技術員が四等級の十二号、普及所長は三等の九号だ、こういうことなどが載っています。それで普及員の中の地域、専門、一般という、この一般のところは七等級の十となっておるのです。  この基準の等級号俸を見てみまして私がすぐ指摘ができますことは、普及員の一般のところは七等級の十だというのは、これはちょっと想像つかない。いま行政職の俸給表の七等級の十という存在は、もうこれは例外的な存在じゃないでしょうか。七等のたしか六、七になったら、自動的に六等級に移るわけです。ですから、七等の十というような号俸はどうも私は想像つかない。そういうような基準でおつくりになりますと、これは大変実情に合わないというふうに私は考える。あるいは給与の専門家じゃないから御存じないかもしれませんが、七等級の十という号俸は、これはいま行政職の方じゃ本当の例外です。全くの例外的な存在であります。それが基準号俸だと言われますと、これはその上に並んでいる等級は一体どうなるのだろうという疑問を非常に持つわけです。まあ、いないんじゃないですか、七等の十というのは、いまは。いないと言っていいほどの例外的なものだと思う。ぼくは給与の専門家ですがね、内閣委員会に九年おったですから——ですから、たとえば普及所長が三等の九というのは、これは解せないですね、私にしますと。  これは確かに県内に七つか八つか普及所長というのはおります。しかし普及所長の学歴、それから資格等を見た場合に、やはり三の九じゃこれはどうにもならない。ですから、若い者が先ほど異動で転出をされると言うのですが、これは優秀な人が入っているんですから、あの資格要綱を見ますと。政令か省令かで……農林省令に出ていますね。優秀な人が入っています。若い方は希望がなくなってしまう。そして年配の、言うならば経験を積んだ人が入ってくるというのはうなずけますね。私は深く検討したわけじゃないですけれども、ただ、等級や号俸の私専門家ですから、そういう意味で見てみまして、ちょいとこれはぐあいが悪いと。局長、専門家じゃないからですが、どうもこれは低過ぎるな、低いんじゃないか。こういうものでは、普及員があれだけの資格とあれを要望されながら入ってきてみても、これは異動の場合に大幅に若い者は抜けてしまう。そして経験を積んだ、経験を持った者が入ってくるというふうにならざるを得ないのじゃないか。そのことは普及事業というもの、この問題に非常に大きな影響を与える。  私は、普及事業というものは恐らくそこでずっとおれるという程度のものでないというと普及事業の役割り、任務というものから言いましてどうもおかしいという気がするんですがね。普及事業へ入ったら、そこでずっとおれるというようなやはり体系にしておかないというと、どんどんいい者が抜けてしまう。いい者が抜けてしまうということにこの体系ではなりますね、どうしても。そういう点のひとつ考え方を伺っておきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 私ども、いまの先生のお話は、超過負担問題にかかわる算定の根拠が少し不適切ではないかという御指摘のように承りました。どうも私も給与体系等についての専門家でございませんので、一見してこれが適切でないというふうに御賛同申し上げるわけにはまいらぬわけでございますが、これは大蔵省、それから超過負担問題の解消にかねて熱心でありまたやかましかった自治省、それから私どもの方、三省合意の上での五十年の改善の結果の姿がこういうことでありますので、多少内容的にいろいろ見てみますと、国家公務員のベースに引き直してどうだという物差しをここに置いたということでございまして、これに即応して県の人事発令あるいは格づけが、これはもちろん給与体系が違うわけでございますから比較に直にはならぬわけでございますが、行われておるというふうには思いませんので、その辺一つにはギャップの問題にも関係があるわけでございますが、なおこういう改定を次回やる際には、先生の御指摘の趣旨も十分私どもも専門家の意見も聞きまして、もう少し詳しく検討してひとつ対拠してまいりたいというふうに思う次第でございます。  なお、先生のおっしゃった中で、普及員に職を奉じた方が、ずっとできるだけ普及員としての経験を積み普及員としての実績を上げるということの望ましいことは、私どもも当然のことと考えており、そういう角度からの処遇改善というようなことについては、たとえば主任専門技術員というのを五十年から新設をいたしましたというのもその一つのあらわれでございまして、こういう形で予算の積算の一つの手がかりのベースになると同時に、一つの何と申しますか、専門技術員の尊重の仕方でもある。これが現実に各県の主任専門技術員を置く根拠になるわけでございますから、そういう意味では、号俸等級の点は別にいたしましても、一つの改善効果として影響したというふうに思っておりまして、今後もそういった角度でいろいろと所要の検討を進め、結論の出たものについては実施をしてまいりたいというふうに思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、さっき申し上げたことと若干矛盾をいたしますが、こういう普及員の補助基準等級号俸というものを決めていらっしゃるとしますと、恐らく県はこういうのは無視してやっているだろうと思いますね。せざるを得ないんだろうと思うんです。ですから、超過負担というのがなかなか消えない。四十九年度に五号俸上げてそしてなさったけれども、消えないということになるんじゃないだろうかという懸念がするわけです。ですから、この等級等の問題についての検討はひとつお願いをしたいと思いますですね。  それからもう一つは、五十一年の一月の二十八日、事務次官通達を知事あてに出していらっしゃいますね。その中で一部の都道府県にあっては、普及所の機構の変更や普及職員の削減等の動きがあると、こうした動きは普及事業に与える影響がきわめて大きいと思われるから、こういう文章の通達が出ておるわけですよね。それで、一部の都道府県にあっては普及所の機構の変更や普及職員の削減があるというのを次官通達で指摘しておられる。具体的にはどういう状況なんでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 普及員の削減の状況につきましては、これは一つは実数の問題と、一つは予算定数の問題と二つあるわけでございます。また、その相互の関係ということもあるわけでございまして、予算定数の方から言いますと、実は四十三年度から普及職員の定員削減を、予算上の定数でございますが実行しておりまして、五十二年度からは第四次の定員管理計画に準じた形で三・二%、総体としては四百十人の定数の削減ということになるわけでございます。  ただ、また、その予算定数の問題と実員との関係では、五十年度末で農業改良普及職員につきまして四百二人のギャップがある。それから生活改善普及職員で百八十三人のギャップがあるというのが実態でございまして、特にその五十年におきまして、何と申しますか、いろいろ各県において普及事業に関係をいたします機構の改編の動き、それは実現はいたしませんでしたけれども、普及所を他の奨励部局と一緒にすると申しますか、指揮命令系統を、たとえば普及所長なり次長なりの兼職関係を通じまして何か関係をつけるというような動き、あるいは場所も農林事務所に統合するというような動き、まあそういった機構的な改編の動きと同時に、五十年は設置数の削減が百五十人程度、農業と生活改善を含めましてあったわけでございます。そういうことでは、これはその前年に比べましてもかなりの変化だというふうに思われまして、放置することができないという趣旨から、先ほど先生の御指摘になりましたような、おっしゃられましたような通達を出しまして、この通達の趣旨に沿って地方農政局が各県の報告、相談を受けて、受けた段階で、大体それは適切でないということを申し上げましていろいろと指導をされ、農業改良課等の直接普及事業主務課の課長さん以下担当官にはもちろんでございますが、状況によりましては地方農政局のかなり幹部の職員が県の総務部へ乗り込んでいきまして、そしてそういうことは困るということを強く申して、その結果、先ほど申しましたような動きにある程度歯どめがかかったと。  私どもちょっと懸念をいたすような機構改編の動きが幾つかあったわけでございますが、それは懸念するような方向で実現をしなかったということと、それから設置計画における定数と申しますか、設置人員でございますか、それの減が五十一年の三月三十一日現在では、先ほど申しましたように百五十人でございましたものが、この通達の趣旨を実行いたしました後において五十二年度の設置計画で見てみますと、現段階で私ども対前年の減としては二十二人の減ということで食いとめられたというふうに思っておるわけでございまして、まあそういう意味ではあの通達の趣旨を、まだ始めて間もないわけでございますが、ある程度効果をあらわしつつある。今後とも私どもあの通達の趣旨が十分県にも御理解をいただいて実行いただけるよう、指導の強化に努めてまいりたいと思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 特に、農業県と言われる東北あるいは九州でこういうような動きがあるというふうに聞いておるわけですけれども、これはゆゆしい問題だと思いますですね。ですから、その普及事業というものに対する認識が都道府県にないのか、少ないのかですね。たとえば農林事務所の中に統合しようなんというのはとんでもない話で、われわれ余り農業改良普及のこの事業の問題についてはそんなに詳しくない、知識のない者にとってみましても、それはとんでもない話だという気がしてしようがないんですね。農業県と言われる東北なり九州等の県にそういう動きがあって、そしてその事務次官通達を出して歯どめをかけなきゃならぬというようなことは、これは私は非常にゆゆしい問題だと思いますね。しかし、これはやはり検討する必要があるんじゃないかという気がしますね、全国的に。検討する必要があるんじゃないだろうかと思うんですね。そういう動きがあるということは大変だと思うんですけれどもね。あるいは普及事業そのものがもうそうなっちゃったのかな。そういうふうにとられたりされたりしてみても異様に感じないようなものになってきつつ、変質しつつあるのかどうか。  私は、農業改良普及事業というものはそういうものではないというふうに印象を持っているのですけれども、しかしそういう通達が出て努力をしておられるわけでありますから、それはそれといたしましておきますが、ただ農業の内部の事情が大変変わりまして、畜産関係が大変伸びてきたと。いまや畜産が今後ますます大きな伸びを示そうとしているわけですが、そういう関係で改良普及員の中に畜産関係の普及員というのは非常にふえている、非常にふえてきたんです。約一千三百名という形になっておりますが、その中には獣医師が相当いらっしゃるだろうと思うんです。そういう獣医師に対しまする待遇というのは一体どうなっているのか。獣医師は保健所にもおるわけです。で、家畜保健衛生所におります獣医師というのは、自治体の場合におきましては主として医療職の(二)が適用されている。それから、政府の機関の中にありましては、この獣医師というのは行政職の俸給表の適用を受けている。この改良普及員の場合におきましても、獣医師の資格を持っておるにかかわらず恐らく行政職、いまありますように行政職の俸給表の(一)の適用を受けているだろうと思うんです。そうなりますと、それは保健所に行った方がいいわけです。待遇は保健所に行った方がいい。家畜保健衛生所の方に行った方がぐっといいということになりますと、今後この畜産関係の仕事について非常に大きな問題を生ずるのではないかという心配、心配といいますかそういう推測をしているわけですけれども、実情をお伺いいたします。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 確かに先生おっしゃいますように、普及職員の中で畜産を専門とする方がかなりの数配置されるようになってまいっておるわけでございます。  そこで、そういう方の中で獣医師の資格を持っている方の全数は実は把握をいたしておりませんので、先生に大変恐縮でございますが御縁の深い県を調べてみたわけでございますが、この場合、畜産専門の専門改良普及員四十名ございますが、そのうち十名の方が獣医師免許を持っているという状況で、かなり畜産のウエートが高い。しかも、獣医師の免許を持った方の比率が高いということでございますが、この普及員の方と獣医の方で家畜保健衛生所などに勤務をされている方の給与について調べてみますと、もちろん給与体系が先生の御指摘のとおり変わるわけでございまして、同じ年齢、五十三歳の普及員の方で行(一)の三等級十九号俸、この方について普及手当込みの金額といたしまして給与は月額二十六万三千三百十二円と、一方獣医の方で家畜保健衛生所に勤務しておられる五十三歳の医療職と申しますか(二)の俸給表の適用のある一等級九号俸の方の、これは業務手当、家畜保健衛生所の業務手当込みの給与額が二十六万二千百五十円、やや獣医職の方の方が若干その限りでは少ないようでございますが、ほぼ同じ水準ということでございまして、これはこの例だけで各県がにわかにそうであるというふうには断言はできかねるわけでございますが、どうもそう大きな——五十三歳という年齢をとることがいいかどうかという問題も一つございますけれども、この限りではそう大きな差はないのではないか。  なお、初任給で比較をいたしますと、普及員の初任給はこれは行(一)の七等級二号ということで、普及手当込みで計算をいたしますと九万六千三百二十円、獣医師の方の初任給で医の(二)の俸給表で四等級二号俸ということで計算しますと八万八千四百円ということで、初任給の段階ではどうもこれだけの比較でやりますと普及員の方の方が有利であるような感じを受けます。  なお、この問題は、私どもも先生から御指摘をいただいたので、少し将来の普及体制、特に畜産は重視をすべきであるという問題がございます。そういう角度に立ちまして、これはなお私どもの分析が一部、一局部だけ見ておるのかも存じませんから、ひとつ全体的にもう少し幅広いデータをとりまして、先生の御心配のような御懸念のないようなことであればよろしいと思いますが、少し検討させていただきたいというふうに思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま局長の答弁のように、ぜひひとつ検討してもらいたいと思いますね。今後、御承知のように獣医師の資格は変わってきまして、農林省が法案を出しておりますけれども、近く私どものところへ来る予定ですが、大学を四年出ましてそして二年の経験を持たないと獣医師の資格を持てないといいますか試験が受けられないという形になってまいりますし、そうしますと、これは医療職の(一)と同じような処遇をしないとならないということにならざるを得ないだろうと思いますですね。  ただ、先ほどお話しの五十三歳で行政職の三等級の十九号というお話がありましたが、記憶違いですか。十九号ですな。こういうのはちょっと想像を絶しますね。こういうことになっちゃうのかな、三等級の十九号なんていなければならない。これはやっぱり二等級にしなければならない。ですから、やっぱり二等級というものを考えなければならないですね。これは私は、普及員の給与をもっと少しばかり検討すればよかったんですけれども、検討してないでこの基準俸給表によって物を言っておる点もありますけれども、三等級の十九号というようなものはこれは想像外の話で、困っちゃうですね、それでは。そういう面についても、やはり農林省が給与について三分の二の補助をしておるわけですし、さらに普及事業についても職員の設置費、俸給だけではなくて普及事業についても三分の二という負担をされるわけですから、そういう給与の面についてもやはり本格的な検討をなさる必要がある。しかも、人員が一万を超すというようなことで、仕事の面についてもすでに三十年の歴史を経てきておるわけですし、ですから今後ますます重要性を増さなければならない人たちの問題ですから、私自身ももっとこの俸給表等の検討をしてお伺いすればよかったんですが、時間がありませんで申しわけないんですけれども、ひとつぜひこの俸給表の問題については真剣に御検討をいただくように要望いたしておきたいと思います。  それから、あとは普及員の補助の基準といいますか設置の基準といいますか、それが法律に基づいておるんですね。法定をされておるわけですね。これは法律でつくったというわけですね。現行法によりますと、この法律の中身を見ますと、都道府県への割り当ての基準というのは、農業人口に応じた分が三割と、耕地面積に対して三割と、市町村の数に応じて二割と、その他二割と、このその他二割はネグレクトしてもいいようなものだと思いますが、これはいつ御決定になったんでしょうか。もう大分前の話じゃないでしょうか。十数年前の話じゃないですか。私は、これじゃ、もういまや農業の内外の大変な激動の中で、こういうもので設置されますとこれは非常に問題があると、不合理性を持つというふうに心配をする、いつおつくりになったんですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) この割り当て基準が設定されましたのは昭和二十七年でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それはいかぬ。それはもうとんでもないですよ。二十七年の農業状況というのと、今日の農業状況というのは大変な変化ですよ。これでやられたら、これはとんでもないことになっちゃうんですね。これはやはり再検討する必要があると私は思いますね。速やかにこれはやはり検討なさってもらいたいと思いますね。これは耕地面積で三割だとか、それから農業人口の三割もこれは問題ありますよ。もし、すべての農家を相手にするという二十七年ごろの模様ならいいですよ。昭和の二十七年ごろといったらこれは増産時代ですよ、積極増産時代、その時代は全農家を相手にした普及事業を考えておったろうと思います、すべての農家を相手にした。その当時なら、これは農家人口あるいは耕地面積、しかしいまの農業状況からいって耕地面積で割り当てるというようなことをとりますと、これはえらいと思いますね。ですから、これは法定されておるわけですからなかなか変更できなかったと思いますけれども、しかし今日の状況から言いますと、これはどうも基準というのは非常に問題があると思う。不合理性を持っているというふうに指摘をしたい。ですから速やかな検討をしてもらわないと、これでやりますと、やはり普及員の設置というものが非常に不合理を持っている、こう思いますね。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先ほどちょっと言葉が足りなかったので補足を最初にさせていただきますが、補助金割り当て基準が設定をされましたのは二十五年の四月一日法律第八十六号でございまして、そのときの割り当て基準は農業人口、耕地面積、その他ということになっております。その後二十七年に改正をいたしました際に——失礼いたしました。先ほど申しました改正後の姿、つまり現行法の姿になりましたのが、先ほど私二十七年と申し上げましたのは大変間違いでございまして、二十五年の四月一日にいまの姿になったわけでございます。それ以前の状況は、農業人口と耕地面積、その他という三要素で割っておるということでございます。  それから、なお現行法の運用でございますが、十六条の二の割り当て基準は、農業人口、耕地面積、市町村、その他となっております。これは、毎年毎年の予算に計上しました補助金の割り当て配分の問題でございますので、そのときその割り当てをいたします時点の農業人口なり耕地面積、市町村、その他の要素ということでやっておるわけでございまして、古い昔のものを固定して考えておるわけではございませんが、ただ先生の御指摘は、このような四要素によっての配分というのは割り当ての考え方として合理性を欠くのではないかという御指摘だと思います。  そこで、むしろこれにかわる何らかの新しい基準、割り当て基準と申しますのか、あるいは普及職員の設置基準と申しますのか、いろいろの言葉で言われておるわけで必ずしも中身がぴしゃっと一致しておるわけではないとは思いますが、私どもも普及員のたとえば設置基準というものを、各県別にその基準を適用してみればこういうことであるというふうなものが出ないかということについて、いろいろと関係の方々からも御要望もございましたし、検討をしてみたわけでございますが、何分にも現在の普及員の配置状況、これが必ずしも私は農業の全国的な発展を願う見地から適切であるとは思っておりませんけれども、しかし長い歴史の中で現実の配置というものが行われてきておるということもまた事実でございまして、これを無視をいたしまして割り当て基準というものをつくるというのはなかなかむずかしいという要素が一つございますのと、そういうことは重々念頭に置きながら、なおかつ何らかの新しい指標による基準というものは求められないかということで、実は十幾通りの基準をつくってみて、それの組み合わせが非常にたくさんございますが、それをやってみたわけでございますが、どうも現実に出てまいります答えというのは、現状の配置をがらがらと根底から覆すというくらいの気持ちでないと実行できないというような結果が出てまいりまして、そういったものをまた長期にわたって、合理的な基準ということで維持するようなものとして考えられるかということにも非常に難点もございます。この点は実は検討課題として私どもは残ってしまったということに相なるわけでございまして、大変むずかしい問題で簡単に結論が出るような話ではないとは存じますが、今後先生の御指摘の趣旨も踏まえ、なお研究を進めていきたいというふうに思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、これを五十二年版の農業六法、これの農業改良助長法の十六条の二に、いま私が先ほど言った農業人口に対して三割、耕地面積に対して三割、それから市町村の数に応じて二割、その他二割というのは法律に出ておるわけですね。それで、私はこれではとても妥当な配置ができないだろうという感じがするものですから、しかも先ほどお話のように、この法律の基準というものは昭和二十五年にできたという話、その後の農業の変化から言いまして、このような配置では、これはとても妥当な配置はできぬという印象を非常に強く持つのですね。あるいはいろいろ検討なさっていらっしゃるようでありますけれども、私はこれは速やかにやはり妥当なものに変える必要があるのじゃないかというふうに思いますが、ぜひ検討していただきたいと思いますね。  これじゃとても、耕地面積で割られたのじゃ処置ないですよ、いまは。資本の投下率というのは非常に違うです。施設園芸やっているところはこれは小さな面積で大変な規模の資本の拡大、私は規模拡大というのは二通りあって、耕地面積の拡大もありますけれども、資本を多く投下するという規模拡大、資本を大きく投ずる規模拡大というのがこれでは無視されちゃうのですね。そうして果樹園芸等の、大変な施設園芸等の、特に施設農業というのがこの七、八年の間に非常な発展をしている、こういった場合に、耕地面積を三割というふうに見ますと、えらい大きな問題になってくるというように思います。ですから、もっと詳細に私も検討して論議をいたすといいんですが、にわか仕立てでありますので、ただ非常に疑問を提示しておくというふうにいたしたいと思います。  なお、先ほど私が挙げました五十一年の一月の二十八日に農林事務次官が知事あてにこの普及所の問題について通達を出している。その中で、普及所の数、それから機構の変更等について、知事はあらかじめ地方農政局長に協議することにしているのだが、必ずしもこの趣旨どおりに励行されていないということをいっていますね。またこの通達の中で、こういうことをいっていますね。普及員を「例えば補助金の交付事務、許認可事務のような普及活動とは認められない一般の行政事務に従事させることのないようにされたい。」、こういう通達を出していますね。ですから、さっきも私はこの事務次官通達を取り上げたんですけれども、これを見るというと、普及事業というのはどうも法律のとおりに運営されていない、あるいは農林省が政令なり省令をつくって運営しているとおり、どうも運営されていないのじゃないかという気がしてしようがないわけですね。通達を出されたんだから、そういうのがあちこち出てきて目に余ったんでしょうね。ですからこういう通達を出されたんだろうと思うんですが、こういうことはえらい話で、困った問題だというふうに思いますけれども、これは後でひとつお答えをいただくことにいたしまして、私も普及事業というのが、非常に普及所のあり方というのが大分変わってきているんじゃないかという感じがしておるわけですね。  私が最も痛切に感じますことは、普及事業というのは、農家に接触をして、そして農家の創意と工夫、そういうものを助長し助言をしていく。技術の面に、あるいは生活改善の面について、あるいは営農の問題についてそういう援助をしていくという本来はそういう制度だ。そしてまた農家が考えている、あるいは志向をしているそういうものを農政の中に反映さしていくような制度じゃないのかというふうに思っておるんですけれども、しかし、実際の農業改良普及事業というものは、どうも農政の誘導といいますか、農政の先兵といいますか、そういう方向に大きく流されておるんじゃないのかという感じがしてしようがないんですね。というのは、機構の変遷の問題を見ましても、最初は市町村の役場の中に、あるいは農協の中に設置されておった。それが千六百の普及所に今度は改編された。それがさらに六百三十ぐらいのものに改編されてきた。つまり小地区制というのか、小選挙区制と似たようなもので、小地区制と中地区制といまの大地区制という形に変化してきているんですね。  それが変化するということは、全く大きな原因をなしているのは、私は農政のあり方だと思う。農政のあり方が変わってきたからそういうような方向に持ってこられたんだ、それが大きいというふうに思っておるわけなんですよ。つまり、食糧を増産するという戦後の昭和三十年ごろまでは個個の農家が相手だったと思うんですよ。ところが、その後これは自立経営農家というものが対象になってきた、今日、中核農家というのが対象になってきているというような物の変化を見てみますというと、どうも農政のあり方によって左右されている。言うならば極端に左右されているというような言い方をしたいほど、この農業改良普及事業というものが農政の走り小使いをしているというような印象を受けてしようがないんですけどもね。そういう面はやはり否定はできないけれども、余りにも農政のあり方によって左右され過ぎるということは、これは改良普及事業というものの存在を危うくしているんじゃないだろうかという私は感じがしてしようがないものですから、そこら辺の普及所、普及事業のあり方というものについて局長の考え方を伺いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先生のおっしゃいましたその通達を改めて出さざるを得ないという事態は、私どもも反省をしておるわけでございます。それによる効果も上がりつつあるというふうに思うわけでございますが、こういう通達を出さずに済めば、もとよりこれに越したことはないわけでありまして、基本的な精神は通達の出る前と後と別に変わっているわけではない。少し乱れているところを直したいという気持ちで出したわけでございます。特に普及職員が公権力の行使等はもとより、一般の奨励事務等の事務処理に使われるということは、普及職員の本来の任務から見まして、責務から見まして適当でないという認識は、普及制度の発足当初から一貫しておるわけでございます。  ただ、先生のおっしゃいましたような表現で、行政とか農政の手先に使われておると申しますか、それに近い表現によるお話、御意見もいろいろと承るところでございますが、これにつきましては、私は、そのようなことがあってはならないという趣旨でこの通達も出ておる、そういう意味では安易にたとえば兼職発令をいたしまして、そういう一般行政事務の事務処理に忙殺されるということのないようにという趣旨を込めまして本通達が出ておるわけでありまして、その結果、私ども改善の実績といたしましては、兼務者数が五十一年の二月現在では百八人ございましたのが、七十九人減りまして二十九人というところまで参ったということも一つの効果かとも思っております。  しかしまた、反面、いまおっしゃいましたような表現に近い言葉で言われている中で、多少誤解を受けやすい考え方というものもあることも事実だろうと思います。それは、時の地域農業の課題あるいは国全体の農政の課題というものを解決いたしますためにいろいろと広域にわたるプロジェクトを行う、あるいは適作目を選定をしてある作目を伸ばしていく、こういうようなことが国政の場でも県政の場でも、あるいは市町村地域農政の場でも取り上げられる場合があって当然でございまして、そういうものに対しまして、普及事業の立場から普及事業として本来なすべき対応は、これは現体制において可能な限り対応しなければならないというふうに考えておるわけでございます。  そういう意味では、関係の農業団体、市町村農業委員会等々の機関と連携を十分保ちながら、農家のために適切な技術あるいは経営の方法の改善という視点に立って幾つかのプロジェクトに対して御意見を言うとか、御相談に乗るとか、そういう対応は当然のこととしてあるべきでありまして、昨今その分野の領域、活動分野というものが広がったということは事実であろうと思います。  そういうことから、普及員の方が大変忙しい思いをするというようなことも現地、現地ではあり得ることでありまして、また現にそういう事態になっておるというふうにも思っておるわけですが、その辺をできるだけ適切な対応をして、普及事業の基本的な任務を果たすという意味でそれに対応してもらいたいというふうにも思っておるわけでございます。これは、本来農家の方に接して技術なり経営方法の改善を持ち込むということでありますが、それと非常にかかわりのある大きなプロジェクトというものの方は、計画策定の段階から何も普及員の方がタッチをしない、物を言わないということですと、かえって今度は農家に御相談に応じていろいろ申し上げるという段階で矛盾が起きてくるということにもなりかねませんので、ある意味では農家の声を、たとえばそういうプロジェクトの推進、計画の策定等にも反映をするということも、行政への農家の声の反映という意味で大切な媒介機能でございますから、私どもは、そういう趣旨での御協力はできる限りやらなければならぬものというふうに思っておるわけでございます。  ただ、やはり「直接農民に接して」と法律に書いてございます趣旨をできるだけ生かすという趣旨では、大変普及員の方も忙しい思いをする昨今でございますから、できるだけ普及活動のやり方、あるいは機動力の整備というふうなことで、人員、定員の問題との絡みがございますが、解決をしていく必要があるのではないか、普及活動の水準なり質の低下が起こらないように配慮をしてまいる必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 改良助長法の改正についての質疑がまだ終わらないうちに、またこの資金助成法の一部改正についてのまだ問答が終わらないうちに、私の時間が参りまして残念でありますけれども、きょうはこれで終わりたいと思います。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十分休憩      —————・—————    午後一時三十四分開会

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  農業改良助長法の一部を改正する法律案及び農業改良資金助成法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  休憩前に引き続き、両案に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、午前中に鶴園理事が質問しました分と重なる分を除きますと、農業者大学校の問題と農村婦人の問題と、二つに重点がしぼられるように思いますので、その観点で質問いたします。  最初に、県農業者大学校のことばかりだと思っておりましたら、午前中に非常に重要な問題が指摘されたというふうに考えました。それは農業者大学校で、農林省の設置するこの内容についてなんですけれども、これが生まれた経緯、それをお話をいただきたい。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは、鶴園先生にお答え申しましたときのこの大学設置のねらいということの中に、その趣旨、経緯をある程度反映をしておるわけでございますが、昭和四十年代に入りまして、それまでの高度成長、四十年代の初めはまだ高度成長の状態が続いておるわけでございますが、そういう中で農業の担い手論というものが非常に大きく登場してきたわけでございます。  統計数字の示すところによりましても、離農者が高度成長のスピードと対応いたしましてふえてくる、そういう結果、農業の生産を担う方々の大半が婦女子化する、それからだんだんと年月をふるに従いまして老齢化が進んでくるというような状況が見られましたために、将来の農業を担って立つような農業者像というものをここで想定をいたしまして、そして広い視野から地域の農業を引っ張っていく、また日本国全体の農業の発展に寄与するというような方を、そういう高い資質を持った若い方を育成をいたしまして、農業の発展に取り組んでもらいたいということが、いわば高度成長下における農業のしわ寄せを受けた面といいますか、そういうものの反省の中から生まれまして、各県でそれぞれいろいろの形で先ほど来申し上げましたような農民の研修教育施設、これも昔は経営伝習農場というようなことからだんだんと発展をして今日にまいっておるわけでございますけれども、農林省自体がそういうことに真剣に取っ組まないのはおかしいではないかという声が各方面の有識者の間から高まってまいりまして、そして先ほど申しましたような趣旨なりねらいということで、この大学を設置することになったと承知をしております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そうすると、何というふうに言いましょうか、高等学校を卒業した人たちが、あるいはその程度の人たちがここに入るという県農業者大学の学歴基準というものとの関連はどんなふうになっておりますか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農林省農業者大学は、少数徹底教育で学生一人一人に対しましてその個性を開発し適性を生かしたすぐれた農業者を育てる、つまり地域農業のリーダーたることを初めから養成の目標に置いておるということでございます。そういう観点から見ますと、三年間という研修教育の期間と合わせまして、やはり高校卒程度の方を対象にし、かつ一年の実学といいますか、自分のおうちの農業に経験を持った方、もちろん三年間の教育期間を終えたら農業に就業していただく方というふうに、非常にしぼった形で入校資格を考えたわけでございます。  一方、今回私ども考えておりますのは、それよりも幅広く考えまして、すぐれた農業後継者をできるだけ多く養成をしたいという気持ちで始めておるわけでございまして、その際、現在新規学卒者の大半がと申しますか、八割くらいが高校卒の学歴の方であり、かつその方々は大部分が農業高校の卒業者であるという実態等をも参考にいたしまして、高校卒程度の学力のある方が、たとえて言えば農業高校が主体をなすわけでございますが、そこにおける学校教育としての基礎的な教育を受けたその課程にスムーズに連続をするような形での、しかも実際面での実務的な、実践的な研修教育をやることが非常に後継者育成に役立つのではないか。そういう方々が、研修を受けられまして農業を経営していく中で、やはりその地域の農業の振興を図る上での中核的リーダーになるということを期待する意味では、もちろんそういうことで一致はするわけでございますが、最初からそこを目的としてやっております三年制の農林省の大学と、そこはやや性格が違うというふうに考えておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それでは、始まって以来送り出した卒業者ということになるんでしょうか、入ってきた人の数を年代別に言っていただけますか。質問通告ではなくて、午前中の質問をお伺いしてお伺いするもんですから、ちょっと準備がないかもしれませんが。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農林省農業者大学の入学生の状況でございますが、一期生が三十九人、二期生が三十六人、三期生が三十一人、四期生二十六人、五期生三十八人、六期生二十八人、七期生二十九人、八期生二十八人、九期生、十期生はそれぞれ三十人、合計いたしまして三百十五人、これは卒業者も含みの数でございまして、卒業をいたしました七期生までで約二百三十人でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 最初から四十人なり、あるいは三十人なりということで発足をしたわけですか、定員は。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 大体発足当初のもくろみとしましては、午前中に鶴園先生の御質疑の中にございましたように、五十人程度ということを目途にして発足をしたわけでございますが、実際の学生数から言いますと、さっき申し上げたとおりでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういうふうにいたしますと、最初鳴り物入りで始まった、その五十人募集を目標として教師陣営などもきちんと確保されたというふうに思いますけれども、その数が三十九人、三十六人、三十一人ともう三十台を低迷をしているという、その一体原因というのは何なんでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは一つにはかなり高度な研修、特に座学がかなり多いわけでございまして、そういうことからしますと、何と申しますか、すぐ右から左へ役に立つということを必ずしもやっているわけではございません。そこのところは、今度の農民研修教育施設の研修内容とはかなり違うというふうに思います。そういうことになりますと、おのずから一般的なことにもかなり手を広げて研修をいたすわけでございますので、そういうことからしますと、そういうものを志望するという方々をどういう形で知事に御推薦をいただくかというところに、一つのむずかしさというものがあろうかと思います。  なお、この農業者大学に入っておられる方の学歴、入校前の学歴でございますが、これは大体年によって変動はございますけれども、かなり農業高校以外の普通高校の出身者のウエートが高いわけでございまして、たとえば五十一年度では、普通高校、農業高校が約半々というぐあい、それから五十二年度の入学では、六、四の割合で普通高校の方が多いということで、何と申しますか、かなり普通の教育課程を通って、しかも農業というものについてのもう少し幅広い理解をしていただいた上で自分のおうちの農業を継いでいただく、私はこれは一つの行き方でもあると思っております。実学でその道のエキスパートになるということに非常に力点を置いた教育研修のあり方もありましょうが、特定の層に対しましてはかなり幅の広い研修教育をやりまして、そうしてもちろん自分のおうちで農業をやっておるわけでございますので、農業にそういう面から習熟するということはございますし、こういう意欲のある方で、しかも幅広く勉強された方がむしろ積極的にいろいろの新しい取り組みに取っ組むという可能性もありますので、これはこれで私は一つの特色ある行き方ではないかというふうに思っておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それにしましても、三百十五人の入学者があって二百三十人の卒業生ということになりますと、八十五人ですから、四分の一が脱落をしているという実態があるわけですよね。この辺のところはちょっと問題点になるのではないんだろうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) その辺は私の説明が言葉足らずで申しわけありませんで、実は、さっき申し上げましたのは、第何期生ということで五十二年の入学まで申し上げまして、その数を十期生まで申し上げたわけでございます。そのうち卒業をいたしましたのは、三年の教育課程を履修して卒業をいたしましたのは七期生まででございまして、七期生と申しますと四十九年の入学でございますが、これの卒業生の累計が約二百三十人、で、まだ在校生まで含めまして数えますと三百十五人ということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 農林省がおやりになっているわけですから、そういう教育があってしかるべきだとおっしゃる考え方そのものは私はわからないわけではありません。けれども、いま高等学校を卒業した子供たちの大体三分の一、三二、三%が大学教育を受けたいと、こう進学を希望しておりますけれども、それはもう単なる学歴主義のみではないんですね、大学の教育を受けたいというのは。それは、科学だとか技術革命の進展に対して、それに基づく企画だとかあるいは経営能力への自分も参加をしたいという、こういう要求があるからこそ出ていくんであって、本当に農業をやる人たちも、ぜひそういう科学的なもの、技術革命へも自分はうんと参加をして勉強をしていきたいという、こういう農業をやる人たちが出てくるということについては、私は心から敬意を表するし、ぜひそれは大きく前進をしてもらいたいというふうに思ってはいるわけなんですけれども、しかし、人数が最初に希望していたよりも数が少ない。大体、卒業生を送り出すと、あれはよかったぞ、おまえ行ってこいと言って、こうだんだん生々発展していくというのが世の中の学校の常だというふうに思いますけれども、生々発展していかないんですね。そこのところがやっぱり問題点でありまして、さっき局長は、各界の御意見なども伺って大学校がよくなるようにしていきたいというお話をされましたけれども、私は、各界の御意見もさることながら、卒業した人たち、在校している人たちが一体どのような希望を持っているかということも十分考慮をしていただきたいというふうに思うわけです。それは、教育というのは与えるものであるかもしれませんけれども、そうじゃなくて、教育を受ける者の権利、それをどのように保障していくかということが重点でなければ、これはつぶれてしまうのじゃないかという心配を持っているものですから、ぜひそのことをお願いしたいというふうに思います。  で、先ほど私が非常に疑問に思いましたのは、この募集生が男ばっかりだということですね。これをどのように、いま十年たった現時点でお考えでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは一つには、女性も共学の形でやるためには、宿舎施設その他かなり整備を要する問題があるというような物理的な、フィジカルな問題が一つあるわけでございますが、やはり基本的には、先ほど申しましたような農村におけるリーダーたる農業者を養成するということからいたしまして、女性がそれに不適格だと申すわけじゃありませんが、まず当面男性から始めてみて、それでいまのところ定員に満たない三十名ということでもございますから、これはまず男性の方にできるだけ多く来ていただくような体制整備を図ることが第一だということに当然なろうと思うわけでございます。これで所期の五十人程度集まって、かなり成果を評価されるというところまで来れば、当然にまた次には次のステップとして女性の研修生の問題ということも考えるべき時期がいずれ来ようかと思うわけでございますが、そういういわば物事の順序、段取りの都合ということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 外務省も女を採用しないと言ったのが、ことしから女の人を採用した。それから、いろいろなところで、特に国際婦人年を契機に男女平等ということが言われているときに、いまの局長の御答弁では、女は農業の担い手ではない、女は農業の専門家になれない、リーダーにはなれないのだという、こういう考え方があるというふうに思うのですよね。いま農業を担っている大半が老人、婦人だよとおたくの方で情勢分析をしているときに、なぜ男の人だけを集めなければならない学校が存在をするのか。いま高等学校で女子高校なんというのも、女子高校はおかしいから男も入れなさいといって、男性軍からどんどんどんどん入っているわけでしょう。男女共学がやられていくときに、なぜそんなところに農林省は固執をなさるのかということが私にはわからないわけです。その思想の根底には、やっぱり女はうちで仕事をするのですよ、仕事は男なんですよという、この役割り分担の思想があるからでしょう。その役割り分担の思想というものを、国際婦人年を契機にして内閣総理大臣官房で出しました婦人問題企画推進会議中間意見だとか、国内行動計画から見ていけば、局長の御答弁というのはまことに後ろ向きで、本当になってないというふうに私は思うのですけれども、いかがですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 決して女性を差別待遇をするという気持ちで臨んでいるわけではございません。端的に申せば、さっきちょっとつまらないようにおとりかもしれませんが、やはり男女共学の際に、これは三年間全寮制でやるということになっておりますので、女性の方を募集をいたします際には、ある程度の女性の方の募集のめどということも立てねばなりませんし、それ相応の宿舎設備というものも——これは別に差別ということでなしに、それにふさわしい宿舎設備ということも考えなければならぬわけでありまして、その辺のかね合いを考えているだけでございまして、決して女性の中からは農村のリーダーは出ないのだというような気持ちでやっておるわけではございません。そこは誤解のないようにお願いをしたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 宿舎はお金が何とかなればこれは建つ問題だというふうに思いますが、私は基本的にそういう問題があるから、女の人もやっぱり農村のリーダーになってもらわなければならないから農林省としてはぜひこれだけの人数は確保したいという、そういう基本姿勢があれば私はできる問題だというふうに思いますので、今後御検討いただきたいというふうに思います。特に婦人だって、農村の熟練した労働者にならなければならない。そういう意味で私は御検討いただきたいということをお願いして、この問題、農林省の農業者大学校については終わりたいというふうに思います。  それで、先ほど鶴園理事が質問をされましたほかに私が伺いたいなあと思いますのは、学力の問題になるわけですが、選抜者があふれるところがありますね、県によっては。定員よりも多くなって選抜者があふれるところがありますけれども、そういうところというのは大体選抜はどのような基準で行われているのか、御存じでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 全体的な姿を申し上げますと、五十一年の数字では、応募者総数が三千九百三人でございまして、入所をいたしましたのが二千九百十八人。したがって、競争率と申しますか、倍率で言うと、一・三ということに相なるわけでございます。したがいまして、〇・三分の方は入所していないわけでございますが、その中には気の変わったという方も少数いらっしゃるとは思いますけれども、選考入所をやっておりまして、原則的に書類によります試験等はやっておりませんが、面接をいたしまして、やはり二年間なり一年間なり所定の研修を受ける意欲があるかどうか、また研修を受けた後就農する意欲があるかどうかというようなこと、それから全寮制で共同生活をやるわけでございますので、その辺について面接の結果、そういう事情も選考の中には含まれまして、そして若干の人が入所できないということになっているというふうに聞いているのでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういうことになりますと、面接と書類選考と言われますが、書類選考とは一体何が書類選考なんですか。  質問が何か漠然としていたかもしれません。高校卒程度の学力を持つ者という、こういう前提がありますよね。そうすると、高校卒でなくてもいいということになるわけでしょう。高校中退でもいいし、大学を卒業していてもいいし、あるいは中学卒業生でもいいということになりますね。その学力というもの、高校卒の学力というものを判定するものは一体何ですか、どこで判定をするのですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これはこれから始まる研修教育施設の物の考え方でございますが、それにつきましては、おおむねという言葉をつけまして、厳格に高校卒でなければならぬというふうには申し上げておらないわけでございます。これはもちろん高校卒であれば学歴があるわけでございますのでそれでいいわけでございますが、それ以外に高校中退ないしは中学卒でありましても、一定のたとえば普及事業の中でやっております研修制度がございます。講座制研修というので、これは原則三年働きながら研修をするという制度もございます。そういうものの内容からいたしまして、高校卒程度と認められるというようなことを認定をいたしますれば、これは講座制研修に限りませんが、そういうことで本人の人物等をも見きわめつつ、それは入所結構であるという扱いが可能であるように、そこは弾力的にある程度考えていきたい。ただ入所します方が、大ぜいの方が入所しますときに、極端に、何と申しますか、レベルに差があるということに相なりますと、その辺は全体の研修教育の効果を上げる上において問題がございますので、その辺の、何と申しますか、おおむねの目安というものは、おおむね高校卒程度ということでつけておく必要があるという意味でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私、聞いていてもわからないのですけれどもね。高校卒業していても、こんなことを言うと悪いですけれども、卒業証書はもらったけれども、果たして高校を卒業したにふさわしい学力を持っているかどうかということについては、いま落ちこぼれの問題が大変世の中を騒がしているときに、あるのかどうかということをどこで判定をするのか。それと、中学卒業生でも、この人はちゃんとこれからの研修にたえていかれますよというようなことの学力を持っている、持っていないということがどこで判定されるのかという、それが書類の中に何で出てくるのかという、それとの関連で伺っているわけです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) それは高校の卒業生ですと当然農業高校が多いわけでございますが、校長先生の推薦をいただくというのと、改良普及所がこれにタッチをいたしまして、改良普及所はよく地域の実情にも通じておりますから、どういう農家の子弟であるということもございまして、やはりどういう方であるということを改良普及所としても推薦をするというようなことがついてまいると思うわけでございます。そういうものを総合勘案し、かつ面接をいたしまして適当だと思われる方を入所させるというのが通常のやり方だろうというふうに思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 局長の御答弁は私には全然わかりません。わかりませんけれども、要は、ここの研修大学校の行う二年間の研修にたえられる人間であればいいというふうに判断されれば特に高校を卒業していなくても結構だと、こういうふうに理解をして、できるだけ大ぜいの青年たちの学びたいという要求にふさわしい内容になるような、そういうものを私はつくり出していただきたい。そういう指導を各県に行っていただきたい。特に農林省がかんでいるわけですから、そのことを要望してその次に移ります。  そうすると、農業高校を卒業した程度ということを一応の前提にしておりますと、それとここにおける二年間のカリキュラムというもの、一貫性というものは一体どういうふうに考えていらっしゃいますか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 一貫性と申しますか、連続性がなるべく確保されるように、私どもはカリキュラムの内容について一応の基準となるべき考え方は示したいと思っておるわけでございます。ただ、しかし、これは各県、県のそれぞれの農業事情なり地域事情がございますから、余り画一的なことはやりたくはない。基準となるべきものを示して、県の自主的な判断でそういう方向におおむね沿うということであれば、適宜工夫を加えて変更して実施してもらって差し支えない、そういうふうに考えます。  これと、それからしたがいまして高校の教育との連続性の問題でございますが、これは農業高校のカリキュラムの問題も私どもまだ勉強が不足の点はございますけれども、文部省とかねて来連絡をとりまして、それから産業教育審議会等における論議の過程等も私ども勉強さしていただいておりますので、目下文部省はその問題の実現について鋭意取り組んでおる最中でございますが、主として審議会の報告の方向は、農業高校、職業教育といえども高校教育はやはり基礎的な面を重視をした方がいい。もちろん実習的なものも農業高校でありますので取り入れてやるわけでございますが、そういう面では、わが方の農民研修教育施設の方はむしろ実践的な実習の方と理論との連係をうまくつける、こういうことでございますので、どちらかと言えば基礎的な部分を農業高校でやっていただいて、実際的なことはその延長線上の理論とともにこの研修教育施設でやる。そして、農業に入ればすぐにそれが役立つし、将来の経営の発展にも大いに寄与する、こういう基礎並びに応用力というようなものを兼ね備えた研修ができる、こういうことにしたいと思っておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そうすると、その学校の指導職員に、普及員それから大学の先生あたりから講師に来ていただいてなっていただく、こういうふうになっているわけですけれども、その普及員というのがここの教師になれる、教員になれるという割合ですね、大体どの程度の人数を予定していらっしゃるのか。そういうふうにしていると、現在いる普及員の中から引っ張ってきて、こちらの普及員はただでも数が足りなくなっているのに、ますます足りなくなるというようなことはないのでしょうかということをお伺いします。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 現在の置かれております研修教育施設には、普及員の資格を持った方がすでにかなり指導職員として配置をされておるわけでございます。もちろん、現行法のたてまえから言いまして、普及員であるというわけにはまいりません。今度は、そういう方々の中で適任の方は二年制の研修教育をやる指導職員に普及員としてなれるということに相なるわけでございますから、もちろん現在改良普及所に属して活動をしておられる方の中で適任者があれば、そういう方々を充てるということも可能なように道を開いたわけでございますが、適宜その辺は普及の現場との交代ということも、全体の普及事業の発展のためには大変有意義なことではないかというふうに思いますので、今回普及職員の方がこの指導職員につけるということになったのを契機に、現在の改良普及所に属して普及活動をしている人の中から実員が相当数移ってくるということに直ちにはならぬわけでございます。  私どもとしては、全体の普及職員の中で農民研修教育施設に属して指導の職に当たる方のおおよその数の目安といたしましては、一コース一人ということで考えまして、最低五コースというふうに考えまして、全体的な姿といたしまして約二百人程度は普及員として指導職員の任に当たるという姿になるという一応の想定を持っておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、農業者大学校における女子教育というのは一体どのように行われるのかということを伺いたいと思いましたが、あと時間がありませんからその問題には触れませんけれども、ぜひ、ここにおきましても、私は農村における婦人が本当に農業を支えていく担い手になっていくんだという自信が持てるような、女だから裁縫だ、女だから料理だという、こういうことに重点を置き過ぎるような教育だけはやめていただきたい。こういうことを要望をして、それはまた私の要望にすぎないとお考えになるかもしれませんから、そういう問題点についても十分御討議をいただいてやっていただきたいということを要請したいというふうに思います。  では次に、農村婦人の問題に入っていきたいというふうに思いますが、農村婦人は大変だということが、総理大臣が本部長であるところの婦人問題の企画推進本部のいろいろな意見からも、報告がされているんですけれども、特にこの中間報告書においても、農村婦人についてはその過重な労働についての検討が必要であるということがうたわれておりますし、国内行動計画の中にもそのことがうたわれております。そして、特にそういういろいろな問題点を解決するためにも、十分に指導を行う所要の生活改善普及職員を配置しなければならないんだというふうなことを言われているわけなんですが、私はそういう意味で、農村問題でまず第一に挙げなければならないというふうに思うのは、農村婦人の農業経営の学習意欲を増大させるためには一体どのような方策を農林省あるいは改良普及の仕事として取り組んでいらっしゃるのかということが一つと、農村婦人の問題点で、次に肉体的な問題としては非常に過重労働だということが指摘をされておりますが、健康モデル地区の育成事業において、一体健康管理体制の進め方が本当に効果を上げているのかどうなのかということについてもお伺いをしたいというふうに思います。  さらにまた、農村婦人でなかなか農家のうちに嫁に行かないという話がありましたが、それは肉体的に大変なだけではなくて、やっぱり精神的にも非常に重いものが、重圧があるということで行かないというふうに考えられるんですが、その社会的な歴史的ないわゆる慣行的な問題について、どのように積極的に取り組んでいっているのかという具体的なお話も伺いたい。  さらにまた、家庭生活なんかでありましても、婦人は仕事も一人前にしながら、うちではまた主婦として一人前に仕事をしなさい、子供の教育もやりなさいということでは非常に大変なんで、家庭の中においては家族がみんな協力をして家族の責任でこの家庭を維持していかなければならないんだという、こういう思想的なものを教育をする場所というのは一体どのような場所で行われているのか。そういうものにかかわっている普及員の役割りというふうなことについてのお話を、まず最初に伺いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 大変広範なお尋ねでございまして、お聞き漏らしの点があればあとで……。  まず第一に、婦人の農村における役割りでございますけれども、申すまでもなく、農業の担い手でありかつ家庭管理の責任者でもあるという、二重の重責を担っているというふうに思っておるわけでございまして、農業の面での担い手という中に六割以上もの、しかもお年を召した方もかなりふえてきたということで、農業生産に従事をすることは必ずしも好ましい傾向ではない。むしろ、農村の婦人がより多くの時間を家庭の管理に費やせるような状況、子弟の教育なり、円満な家庭の管理ということに費やせるような状況が一日も早く来ることが理想でございます。ただしかし、婦人が農村におきまして自分の御主人と御一緒に農業にいそしむ姿というのも、これも一概にもちろん否定すべきものではございませんで、問題はこういうふうに夫婦が職場をともにして、しかもだれからも支配をされず、しかも自分の創意工夫を生かせてやれる職業というふうなのはほかにそう多くはございませんから、したがってこの婦人労働の適正な管理とそれから家庭の管理というものが両立をし、しかも子弟の教育にも遺憾ないような状態がつくり出されるということが理想だと、こう思うわけでございまして、そういう観点に立って私ども問題が山積していると思うわけでございます。  まず第一には、かなり過重な農業労働に従事した結果、あるいはしつつある結果、健康を害しておるというような事例が出ておりまして、これは先ほど健康モデル事業のことでお尋ねがありました。現在進めておりますのは、特定の作目、主作目について健康との関係がどうかということにしぼってより深い分析をする、そうして課題を見つけて、これは御婦人ばかりにも限りませんが、その主作目である作物の作業形態と農村の健康というものとのつながりをどうつけていくか、どこをどういうふうに農作業を改善すればよい健康というものが保てるか。また、栄養のある食事をとり適切な休養をとるということも、大変健康の維持には重要でございます。農作業の合理化、改善とともに、そういった問題もあわせて総合的に講ずるということでないと農村の健康は守れない、こいう角度で具体的に地域、地域で実情を把握し、その課題を設定をしてそれに対する対策を考えて、できるところから進めていくというのが健康モデル事業でございます。  以前は、もう少し広範に農業従事者の健康状況というようなものを調べたことがございますが、ずっと歴史的な沿革をたずねれば非常に古いことでございまして、農家の生活改善のグループというようなものがいま非常に多数結成をされて、大体全国で一万六千、それに属するグループ員は三十万人と言われておりますが、そういう方々の活動の一つとして、こういう健康問題に取り組んでずっと続けてきておるという長い歴史があるわけでございます。  したがって、単年度、単年度で予算で助成をして何をやったということよりも、私どもは長い生活改善普及事業の積み上げの中でそういうことに取り組んで、課題を一つ一つ解決をし、それをたとえば農作業の前傾姿勢の多い露地野菜栽培というものをやっていくときに、どういう工夫をすれば腰が曲がらないような形で作業の疲労度が増さないような形でできるかというようなことを具体的な形で取り上げてそれを一つ一つ解決をしていく、そういうようなじみちな仕事の積み上げの上に立って健康の問題は考え、また推進をしていくということであると思うわけであります。思想的な問題等も含めましてお答え申し上げたつもりでございますので、お答え漏れがございましたら追加をしたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 たとえば労働者ですと、労働組合だとかが前面に立ちまして企業の側と交渉しまして、労働科学について研究をしていくというような、そういうシステムをつくらせることができるわけですよね。たとえば農村労働科学、そういうものを普及員にだけ任されているのですか、そういうグループにだけ任されているのですか。農林省として具体的に医者だとか統計だとかいろいろなものを入れながら、これはこのように改善をしていかなければいけないというふうなそういう具体的な措置があるのかどうかということを伺っているわけです、いわゆる健康モデル地区育成事業というのは。そういう科学性を持った研究というようなものは行われているのか、そして全国的にいろいろの形のものの調査の統計というものが行われているのかということです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 私どもの活動は地域地域の実態に即してやっておりますので、何と申しますか、他の一般の業務統計のごとく全国を網羅したものが出てまいるという形に必ずしもなっておりません。しかし、できるだけ生活改善の普及の仕事が、いま言ったような大きな問題に取り組んでできるだけ能率的に、しかも普及の効率も上げて進むようにするためには、先生御指摘のような専門的な角度からいろいろお知恵を拝借するという道が必要でございます。したがいまして、私ども中央の段階で農村生活総合研究センターを設け、これに対して助成をして、広い角度から専門家を寄せていただいてお知恵を拝借して、この結果を末端の普及所の方に流すというようなこともやっておりますし、また生活改善技術研修館というようなところに、全国の現場でお働きになった経験を、これはグループ員の方もございますし生活改良普及員の方もございますが、上げてまいりまして、そこでもって全国統計というような形ではありませんが、集約をいたしまして、次の生活改善普及事業の推進に資していく。その他全国大会とかということもやっておるわけでございますが、私は一番大事なことは、余り高度なことを持ち込むというよりも、現場には幾らでも問題が山積し転がっているわけでございまして、そういう問題を課題設定という形で一定の問題意識のもとに整理をして、それに対する対策を地元で考えていただいて、それに対する普及員の方のお手伝いのもとに、できるところから生活改善に向かって進むと、こういうことが非常に大事だと思うのでございます。  そういう趣旨で、私どもは婦人セミナーの開催でございますとか、健康の問題につきましては、特に健康モデル地区対策事業のほかに農業団体とタイアップした形での健康推進の特別事業というものも、これはPR、啓蒙普及的な活動が主になるわけでございますけれども、今年度の予算に新規で計上していただきまして、そうして現場の仕事を重視して進めていく。そう高級な形ではまずいので、かみ砕いた形で中央からそれに必要ないろいろの情報なり資料を流してやるというような形で進めることが、一つの特色になっております。この特色は、今後ともその長所を生かしつつ進めたいというふうに思っているわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 特色があることも認めますし、私は農業改良普及員の方々が非常に努力をしていらっしゃる、大変な努力をしていらっしゃるということも認めているのですけれども、しかしそれにしても、まだまだ農村婦人の産前産後の休暇なんて、具体的なことをいま局長おっしゃったから、そんな詳しい科学的なこととか学問的なことでなくて具体的なこととおっしゃいましたからそのことに触れますけれども、産前産後の休暇なんて、農林省の統計の発表そのものを見ても非常に少ないわけですよね。短いわけですね。健康だから間に合っているからいいじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、実はそうじゃないんですね。私も新潟ですけれども、最初に下宿した家のおじいさんがいわゆる卒中でずっと長いこと寝ているわけです。そのおじいさんに対しておばあさんがなかなかめんどうを見てくれないというんで、おじいさんが床の中から文句を言うわけです。と、そのおばあさんが何を言ったかというと、おまえそんなこと言うけれども、おれは二番目の子供を生んだとき五日目のときに、田植えの忙しいときだった。そしたらおまえがやってきて、おれの寝ているまくらをけっ飛ばして、この忙しいときにいつまで寝ているんだと言った、あの恨みは忘れられないということを言ったんですね。それを聞いて、いまでもこれは忘れられないんです。四十年たっても、まだその言葉が忘れられないんですよ。  それは、女の人にとって産前を休みなさい、産後を休みなさい、このことだけを教育したのでは間に合わないのだという気持ちでいっぱいなんですね。やっぱり男の人にもそのことをきちんと教育していかなければならない。そういう意味で、この農業改良普及員というのが本当に農村地区を改善していこうという、婦人を守っていこうという体制になっているかどうか。女だけにこの教育をしていけばいいんだという体制にあるんじゃないかということを、私はさっきから心配しているものですから、農業者大学校における教育は一体どうあるのか、農業改良普及員というものは地域における婦人を大事にしていく、過重労働からもなくしていくという課題に対して、どのように具体的に取り組んでいるかということをさっきから伺っているんですが、局長の答弁は本当に優等生の答弁で、何といいますかね、具体的な問題に悩んでいる人に対する答弁には何かなっていないような気がいたしますが、もう一遍お答えください。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 大変答弁が当を得ておりませんで恐縮に存じますが、いまの産前産後の休養ということに例をとられましての健康問題対策でございます。私ども改良普及組織はこの問題にかねて取り組んできたところでございまして、累年の普及活動の実績等もありますが、一番最近ので申しますと、昭和五十年度の活動実績中、母性の保護、母体の保護についての指導を具体的に取り上げてやりましたのが百十一普及所ございます。ここで指導対象といたしました方々は四百九十六集団、約五百集団で九千名ということになっております。単年度の数字としてはこういうことでございますが、ずっとこれは繰り返し毎年毎年やってきておるわけでございまして、それではどういうようなことをやっておるのかと申しますと、やはり妊産婦を対象にいたしまして、冷えの防止でありますとか、無理な姿勢をとらない、重量物を運搬しない、農機具の無理な操作はしない、農薬取り扱い上は細心の注意をする、原則として農薬散布、薬剤散布はやらない、それから栄養のとり方に注意をするというようなことで、それぞれみんな具体的な内容があるわけでございます。  一々申し上げますと時間をとりますので申し上げませんが、これらの項目を見ましただけでも、まず第一に御主人なりその他の家族の方の御協力が得られなければできないことばかりでございますから、御本人に申し上げるというのはあたりまえでございますけれども、妊産婦である農家婦人のおられる家族の方にできるだけこういうことに注意をしていただかぬと、ということをグループ活動の一環を通じましてやりましたり、あるいは御家族の方を訪問をしまして気をつけていただくというようなことを、それぞれの地域の実情に応じてやってきておるわけでございます。  それでも、なおかつ先生御指摘のような、母体の保護という、母性の保護という面から見ましたら非常にぐあいの悪い問題がまだまだ農村の各地に残っていると思いますので、私どもは毎年続けておりますこういう普及活動を、一層今後も強化をして続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、いまそのことで努力をしていただいている改良普及員の数をひとつ局長から把握をしていただきたい。年々ふえていますか、減っていますか。いかがですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 改良普及員の定数は、きょうも午前中申し上げましたように、国家公務員の定数の管理計画に準じまして削減が見られておりまして、残念なことながら定数は減っているわけでございます。  なお、実員につきましても、これは歴史的に見ますといろいろの経過はございますが、近年は生活改善関係の普及職員は二千二百名をちょっと上回ったところで推移をしておるわけでございまして、四十八年が二千二百五十五人、四十九年が二千二百五十一人、五十年は二千二百八人というふうに、実員も若干ながら減ってきているのが実相でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 時間が来ましたからこれでやめますけれども、私は本当に農業の後継者をきちんと確保していきたい、これからやっぱり農業をやって生きていきたいという、こういう人たちを育て上げるためには、母親の教育というものが非常に大きな影響を持つと思います。私もいいお母さんになりたい、ああいう一家の主婦になりたいと、こういうあこがれを子供たちが持つようなそういう生活をやるためにも、やっぱりこの農村婦人の生き方というものがもう本当に保証されていくような条件というものを、積極的につくり出していかなければならないというふうに思います。  その意味で、婦人の農業改良普及員がこういう問題点に努力をするだけじゃなくて、男子の農業改良普及員も積極的にいろんな場所に行ってこのことについての教育宣伝活動、啓蒙活動というものをやっていただきたい、そのためにもこの農業改良普及員の数を減らすなどということなしに、大幅に増大をさせていただきたい。その意味で、今回とられましたいろいろな措置というものを支持する立場でいま質問をいたしましたので、今後とも努力をしていただきますようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農業改良助長法は、戦後の日本農業の再編成に対応しまして昭和二十三年に制定されてからもうすでに二十九年を経過しようとしているわけです。この間わが国の農村、農業事情の大きく変貌していく実態に対応しながら農業技術や農民生活の面において貢献をしようということで、関係者がいろいろと努力を続けられてきたことは十分承知をいたしております。この法案のもとで実施されてきた重要な事業、これは協同農業普及事業ということでありまして、わが国の農業の現状に即して普及指導体制を整備強化していこうということから、今回農業後継者たる農村青少年に対して近代的な農業経営を担当するにふさわしい農業及び農民生活についての知識や技術を与えるための研修教育を実施するのだ、また、この研修教育を協同農業普及事業として位置づけたい、また、この事業の特殊性から考えてこれまでの補助金制度を負担金に改める措置を講ずると、こういうことで提出をされているわけでございます。  今回のこの改正だけで、果たして農林省が考えられている当初の目的を達成できるだろうかという点、はなはだ多くの疑問を持つわけでありまして、やはりこのわが国の将来にわたる農業というものを、今後農林省は本当にどうしていこうとするのかという根本的なやはり問題から問い直されなくては、この問題は解決しないのではないかと思うわけです。特に後継者育成の問題については、いわゆる農業立国あるいは工業立国、もちろん立場はどうとっていくのかというような問題点をはらみますし、あるいは将来にわたる世界的な食糧危機に備えてやはり農業基本法を見直して食糧基本法を制定する、その中における農業者の位置づけ、あるいは農業という産業を日本の基幹産業としてどのように位置づけるか、また後継者が本当に農業に意欲を持っていくためのさまざまな施策、あるいは細かい問題ではたとえば農業後継者の場合の相続税の問題、こういったこともあわせて整備されなくては、この法案だけ今回通過してもなかなか所期の目的は達成できないのじゃないか、こう思うわけであります。農林大臣がいらっしゃいませんので、基本的な問題に対する論議をできませんので、細かい問題で一つ一つお尋ねをしていきたいと思います。  最初に、この農業普及事業の現在普及職員が全国各都道府県ごとに設置をされているわけでありますが、この普及職員のうち専門技術員と改良普及員、こう分けた場合に人数はどうなっているのか、あるいはそれぞれの役割り、資格等についてどうなっているか、まず御説明を願いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農業関係で申しますと、専門技術員は五十一年が七百七十五人、それから改良普及員が九千八百六十七人、それから生活改善関係では専門技術員が二百五十人、それから改良普及員が二千百十三人ということでございまして、これは予算定数でございますが、この専門技術員は改良普及員に対します普及しやすい形での技術の持ち込みということが主眼でございます。そういう意味では普及員の相談相手であり、試験場との間を媒介いたしまして、試験場で完成されました技術を普及しやすいような形に考案をして普及員に流してやるという機能を果たすものというふうに考えております。  なお、専門専門に応じまして、その機能を分担して行うというふうに体制がなっております。場合によりますれば、専門技術員は試験場に分駐をするというような形で活用を図ることになっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 各地域における農作物の耕作の状況もかなりここ十数年の間に変化を来しておりますが、普及員の稲作、畜産それから果樹などの基幹作目についての配置状況というのは、どういう変化を示しているか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) お尋ねの点は、専門改良普及員の部門別の配置状況と思うわけでございますが、これにつきまして比率で申し上げますと、五十年度実績では、全体を一〇〇といたしますと、一般作物関係が約二五%、野菜の関係が二三・五%、それから果樹関係が一五・四%、それから花卉、花でございますが、これが五・八%、工芸作物が二・〇、畜産はかなり多くて二一・三、農業経営が五・三、農機具が〇・七、病害虫が〇・四、土壌肥料が〇・二、青少年が〇・五ということでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 だんだん農業が近代化、また農業経営なり技術面なり、多岐にわたり複雑化するわけですが、こういった配置状況で現在ではバランスがとれているというような判断ですか。それとも現地の方から、こういう部門が非常に不足であるといった面に対して、農林省としてもっと配置を変えるべきではないかというような要望等は来ていませんか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 現地の要望等、いろいろ現地の声等を聞いてみますと、地域地域によって差があるのでございますが、総括して申し上げますと、最近伸びつつある畜産でございますとか野菜、そういったようなところが若干手薄ではないかというお話を聞くことが多いわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 北海道においても、最近かなり特に天北地域あるいは根釧地域、こういったところの、もともと酪農が盛んでしたけれども、さらに食肉畜産関係も漸次ふえてまいりまして、特に畜産関係に対する普及員の要求というものは強いと思われるんですが、この点はどのように現状把握されていますか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 北海道は畜産の主産地域でございまして、全体の専門普及員が四百七十八名配置をされておりますが、その中の二百名、つまり半数までいきませんけれども、というのが畜産の担当ということになっておりまして、かなり力は入れておる方だというふうには思っております。比率からすればそうでございますが、しかし先生のおっしゃるように、あれだけの大きな畜産地帯というものを担当をしておる普及員の数として十分であるかどうかという点については、まだ問題が相当あるのじゃないかというふうに思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 米作については、かなりいわゆる寒冷低温地帯における稲作の研究というのは相当進んでいるようですし、伝統もある。また、農家自身の研究意欲というものは旺盛でありますので、かなり少数精鋭でやっていけるという感じなんですが、最近力を入れてやっている畜産関係は、やはり専門技術者といいますか、そういった点多少不備ではないかという気もしますので、今後のこの配置についてそういった点十分考慮をすべきであろうということを申し上げておきたいと思います。  次に、農業改良普及事業、それから生活改善普及事業の本年度における主目標、これはどういうふうになっているか、簡単で結構ですから説明してください。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 五十二年度におきます普及事業の重点施策といたしましては、一般に改良普及事業が従来から取っ組んでまいった線の強化を図ることはもちろんでございますが、特に予算関係等で主として取り上げて重点を置いているものについて申し上げますと、まず農業改良関係につきましては、第一にはいま御審議をいただいております農業後継者に対します研修教育の充実強化を図るための改良助長法の改正、この改正ができますれば、同法に基づきまして助成措置を講じて研修施設の整備を図るというのを第一に挙げております。  次に、普及事業との関係を持ちながら、市町村が関係機関の協力のもとに地域ぐるみで推進をいたしますところの地域農業後継者育成対策、これは新規の予算でございますが、これは中がいろいろメニュー方式になっておりまして、学校との連携もとりながら進めるという仕事になっているわけでございますが、それがございます。それから農業なり農村の変化に対応しまして普及活動を強化していくという観点から、土地改良地区の営農改善について特別指導事業を従来からもやっております。それから中核的農業経営者の育成等の特別指導事業というものもやっておりますが、これを計画的に拡充実施をする。それから新たな施策といたしまして、特別指導事業でございますけれども、裏作麦などを、麦増産が叫ばれて久しいわけでございますが、内地の裏作麦の生産振興によって増産を図るという大きな目標を国としても掲げておるわけでございますが、そういった問題に対処するため、また水田の転換ということも含め、それらの特別の総合的な水田利用ということを促進するための特別指導事業ということを円滑にやりたいというふうに思っております。  生活改善関係では、先ほど御質問もございましたわけですが、農村婦人の自主的グループ活動育成のための施策などの強化を図っていくほかに、婦人の農業生産への適正な参加等につきまして検討いたしますところの婦人農業従事者セミナーというものを、新規の予算として計上をしております。それから農村婦人が共同学習をいたしましたり、技術交換をしたりという場を提供するという意味で、農村婦人の家の設置事業を新たに開始するということ。  それから生活関係では第二に、農業者の健康の維持増進のための事業としての先ほど申し上げました農業者健康モデル地区育成事業の施策の拡充実施、それから農業者の健康増進のために農業団体とタイアップして行うところの健康増進特別対策、こういったことが来年度の予算関係での重点施策ということになっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いま局長御説明のように、この普及員の人たちがわが国農業の振興とまた後継者育成のための重要かつ広範な役割りを持っているわけでございますが、したがって普及員の質的向上というものが非常に大事になってくるわけです。そこで、この普及員に対する研修について現状どうなっているか、また研修に当たる担当者、担当所管官庁及び予算措置、これもあわせて御説明願いたい。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先生御指摘のとおり、普及員の資質を向上し、普及活動の充実、効率化を図るという観点から研修が非常に重要でございますので、私どもの方の農業関係の研修といたしましては、新任者研修とか所長研修はもちろんのことでございますけれども、一般研修、これがかなり対象人数は多いわけでございまして、大体四千二百人ぐらいを対象に十日間やります。これは実施主体が県でございまして、この予算は約五千万でございます。それから大学の留学研修というのをやっております。これはかなり専門的な知識、技術の深化を図るという趣旨でございますので、三百人、一カ年、実施主体は県ということで、この予算は三千二百万円でございます。ちょっと申しおくれましたが、さきに申し上げました一般研修の研修担当者は専門技術員なり試験研究機関の職員、それから学識経験者で適切な方ということが研修の指導担当職員でございます。それからいま申し上げました大学留学研修は、申し上げるまでもなく大学教授が直接研修指導に当たる、それから海外研修というのがございます。これは特殊な性格でございますので、三十七人、大体三週間程度、これは実施主体は海外研修でございますので国ということにいたしております。これの予算は一千万弱でございます。それから特別研修というのがございまして、当面する重点施策の中で特に普及活動を展開するために必要な研修を行うということで、これは一普及所一人程度、つまり六百三十五人程度、十日間、これも実施主体は国でございまして、研修担当官は研修のための特別の指導官がございます。それから外部から、学識経験者が適任者を連れてくるということになっております。  それから生活改良普及員の関係ではこれも幾つかあるわけでございますが、技術強化研修というのがありまして、これは四十五日間ぐらい、四十七人、一県一人でございますが、実施主体は国で、これは研修指導官、学識経験者などがこれに当たります。予算は千八百万ばかりです。広域担当者研修というのがございます。これは広域担当地区の問題解決のためにやる研修でございまして、これも一県一人、十日間、実施主体は国で、研修指導官なり学識経験者が当たります。それから漁家担当者研修、これは漁家生活の特殊問題をとらえてやる研修でございまして、人数は二十一人、大体二十八日間、実施主体は国で、予算額は六十万程度、研修担当官は先ほどと同じでございます。海外研修がございまして、これにつきましては五人、三十日間、実施主体は国、予算額は約二百万弱でございます。学識経験者が一応その指導に当たる。それから新任者研修は、これは新任者でございますので省略をいたします。それから活動の効率化研修というのがございます。これは五日間ぐらいの短期でございますが、人数は百四十人ばかり、これの実施主体は国でございますが、地方局が担当して行います。あるいはまた専門技術員の方を講師に招いて行うということがございます。これは地方局別のブロック共通課題の解決、あるいは情報の交換等でございます。七番目に緊急課題対応研修、これは先ほど申しましたような緊急課題の対応研修でございまして、七百人ばかり二十日間、これは予算は千七百万ばかり、それから専門技術員なり学識経験者が担当をいたします。そのほか生活改良普及員の通信講座もございます。これは二年間、百人を対象といたしまして、国が団体に委託をして実施をする、これが約三百万、これの指導に当たるのは学識経験者、以上が大体農業改良・生活を通じます研修の内容でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そういう予算を組み、研修を幅広く進めているわけですけれども、昭和五十年度で農業改良関係でそれぞれの専門技術員あるいは普及員の人数を見ますと、予算定数に比べるとやや低い数になっていますね。これはすでに同僚委員からも指摘ありましたけれども、普及業務が拡大し、広域化、多様化へ進んでいる今日の現状で、そういう定数に満たないという状態では、今後の普及業務に困難を来すのではないかという点非常に危惧されるわけですけれども、いろいろと研修に対する予算化をし、関係官庁の協力を求めながらなおかつ定数に満たない、どこに欠陥があるのかと反省されているか、また今後改善の方向はどのように考えておられるか、御説明いただきたい。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 御案内のように、予算で取っております定数に実配置人員が満たないということは、大変遺憾なことと存じております。  この原因、背景にはいろいろあろうかと思うわけでございますが、率直に申し上げまして、改良普及員の中から退職をされる、あるいは転職、他の県庁の他の部局にかわられる、そのこと自体はやむを得ない場合もあるかも存じませんが、その補充のための充員が十分にいっていない、その辺は県庁のある意味では取り組みの姿勢の問題があるのではないか。さらに、そういうことで経過をしてきました過程で私どもも指導の不足ないしは普及員の配置状況については、市町村なり農業団体なり、地域の農家の方々なり、非常に大きな関心を持っておられるわけでございますけれども、その声が必ずしも十分県当局者に届いていないということも一因であろうかというふうに思うわけでありまして、いずれにいたしましても、それだけの理由に尽きるわけではございませんが、昨今の地方財政の状況から言いまして、全体として県庁の職員の方も人を減らすというような大きな流れの中で動いているのではないだろうかというふうにも思うわけでございまして、そういった地方財政問題、大きな意味での地方財政問題も大きな影を投げかけているやに推察をしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、こういうせっかく予算で取りました定数にまで満たないということは大変残念でございますので、先ほども御論議がございましたが、昨年の一月に通達を出しまして、普及職員の設置数を変更するときには一つ一つ地方農政局に御協議を願いたいということで、御協議を願ってその状況をチェックするということを始めましてから、前年に比べましてはるかに人を減らす数が減ってまいったということも先ほど御報告申し上げたとおりでございますので、今後ともそういう方向で指導の強化に努めてまいりたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 普及事業のもう一つ将来危惧される点は、普及職員の高齢化が進んでいるという点なんですが、年代別の人数の実態はどうなっていましょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 普及員の全国の平均年齢は、昭和五十年で四十二・二歳でございます。十年前に比べまして四歳ばかり進んだということに相なっておりますが、この場合その年齢別構成を見ますと、四十一歳以上の方の割合が四十年には三二%でございましたが、五十年には六二%とその比率が高まっておるということが言えると存じます。  なお、先ほどもちょっと申し上げたのですが、改良普及員の年齢別構成で非常に特徴的なのは、三十歳以下の方が一七%、それから三十一歳から四十歳までが二一%、四十一歳から五十歳までが四四・八%、五十一歳から六十歳までが一六・三%ということでございまして、全体の年齢構成の年次別の推移を見てまいりますと、三十歳以下のシェアとそれから五十一歳から六十歳までのシェアというのはそう大きな動きがないわけでございます、多少の動きはございますが。問題は、ちょうど四十歳を境にいたしまして、三十一歳から四十歳までがきゅうっと最近減ってきておる。そうして二一%台になる。逆に、四十一歳から五十歳のクラスが非常にシェアとしてはふえておるというところが非常に特徴かと思います。こういうことからいろいろの問題が出てくると思いますので、私どももこれらの問題にどう対応するかというのはこれからの問題でございますが、真剣に検討してまいりたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 長年の経験を積まれた普及員の方たちが、さらに元気に活躍をしていただきたいことはもう当然でありますが、同時にまた、新規の人材の確保というのはどうしても必要になってくるわけでして、現在の新規採用の状況及び応募状況はどうなっているか、伺いたいと思います。特に、学歴については、最近の傾向からいけば高学歴の方も応募される傾向が強まっているんじゃないかと思いますが、その点について。それから、高齢化に対する具体的な対策はどこまで進んでいるか。以上二点。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 普及員の新規採用の状況でございますが、都道府県は普及員の資格試験に合格した者の中から採用するわけでございますけれども、五十年度におきます新規採用者数は二百十六人、内農業が百四十六人、生活は七十人でございます。  それから応募状況がどうかということですが、実はその応募状況と採用との関係というのはちょっとわからないわけでございまして、先ほど申しました普及員の資格試験に合格した者の数との対比で申し上げますと、農業改良の場合には合格者数が五十年で千九百二十四人、生活改良普及員の関係で七百七十二人でございますから、新規採用は合格者の中の一割弱の者を採用をしておるという姿になっておろうかと思います。ただし、この合格者という方がすべて普及員の採用試験に——採用試験です、これは。県庁の行います採用試験に応募してくるかどうかということになりますと、とにかく資格は取っておきたいという人もございますし、資格が取れましてほかの方面にその資格を利用し、あるいは利用しないでも転ずるという方もございますので、この直接的な対比で物を言うのはちょっとやや危険ではないかと思います。なお、私ども先生の御質問の趣旨に合うようなことは調べてまいりたいと思っております。  なお、五十一年の三月三十一日現在の学歴別の構成で参りますと、農業改良普及員は四年制大学卒の者が一二・三%、短期大学卒が四五・四%、その他卒が四二・三%、生活改良普及員は四年制大学卒が八・三%、短期大学卒が七一・一%、その他卒が二〇・六%ということでございますが、これは全体の構成比でございますけれども、最近の採用の中では新制四年制の大学卒が急増をしておりまして、五十一年度では農業の関係では六六%が四年制の大学卒ということに相なっております。また、生活改良普及員の学歴別構成ではさっき申し上げましたようなことですが、最近の採用状況では、やはり短期大学卒程度が主体であるというふうに見ております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そうしますと、予算定数に今後将来満たしていこうとすると、農林省としては、五十年度では新規採用は全体の一割ということでしたけれども、新規採用をどのぐらいまで引き上げなければならないという見通しを持っていらっしゃるんですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは、普及職員の配置の状況をできるだけ好適な状態に維持をするというためには、退職をした方、それから何らかの事情がございまして普及事業からほかの部局にかわられた方、これが年間五百人前後全国を通じてあるわけでございます、農業と生活を通じてのお話でございますが。こういう方の後をどういう形で埋めるかということになるわけでございますが、転入者がかなりの数いるわけでございます。大体、先ほども申し上げましたが、新規採用が二百十六で、それと同数が他の部局から普及員の資格を持っておって普及事業の中に入ってきたということが五十年の実態ではあらわれております。したがいまして、新規採用で穴をどの程度埋めるかということにつきましては、これは県々の実情なり方針もおありでございますが、できるだけ転出なり、退職の方は特にそうでございますが、高年齢の方が退職をされた後は若年の方を補充されるか、あるいは新規に採用をされるということが望ましいというふうに思っております。具体的に数をどのくらいということは、なかなか総体的なこととしては言いにくいと思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 各都道府県ごとにいろいろ事実上格差は出てくると思うんですけれども、把握だけはひとつしっかりしていただきたい。  普及事業を実際に行う段階として各都道府県の行政機構の中にあって実施されるわけですから、いろいろむずかしい問題が発生することは十分予測がされます。そこで、五十一年一月に農林省が「協同農業普及事業の運営の適正化について」こういう事務次官通達を行いましたが、なぜこういう通達を出さねばならなかったのか、その背景と農林省の真意ですね、それから内容、これを簡単に説明願った上で、この通達に示された普及所の数、機構、それから普及職員の業務、それから普及職員の設置についてその後それぞれどうなったのか、その点を明らかにしておいていただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは、昨今の農業、農村を取り巻く諸情勢まことに厳しい中で、農業の発展、展開を図るためには普及事業が非常に大事な役割りを果たしておるという認識でございますが、それにもかかわりませず、一部都道府県におきまして普及所の機構を独自に変更するとか、職員の設置数についてその県の考えだけで削減をしていくとかいうような、普及事業の将来にとってかなり基本的なゆゆしき問題が出てまいったということを背景といたしまして通達をしたわけでございまして、通達の内容の主要な第一点は、普及所が一般の行政事務等を分掌する地方事務所等とは異なりまして、普及活動を総合的かつ効果的に実施するための中心的な機能を果たすべきものでありますので、普及所の数でございますとか、その機構等を変更しようとする場合には、都道府県は地方農政局長に十分事前に協議をしていただきたいということが第一点でございます。  第二点は、普及職員は、直接農民に接しまして農業または農民生活の改善に関します技術、知識の普及指導に当たるということが法に明定されております職務でございますので、その職務専念の点を明らかにしたいということで指導したことでございます。具体的に申しますと、理由のない兼職は慎んでいただきたいというのが趣意でございます。  第三点は、普及職員の設置は、数の問題として非常に大事な問題でございますから、その設置数を変更する場合には、地方農政局長にあらかじめ協議をしていただきたいということでございます。  大体主要な点はその三つでございまして、まあそういう通達を出し、かつその通達に基づいて具体的にヒヤリングを通じ、あるいは先ほど御答弁の中にも申し上げましたように、農政局が県庁へ出向いて指導をするというようなこともあって、たとえば普及所が一般の奨励事務等を所掌する農林事務所の所轄のもとに入るというような動きが一部に見られましたが、そういう動きはチェックをされまして、県庁の方でも考え方を改めていただけまして、いまのところ御連絡をいただいたいろいろの機構改定等については、大体いまの段階でそう懸念をされるようなものはなくなったというふうに見ております。  それからなお、普及職員の兼務問題につきましては、この通達の出る前後の状況といたしまして五十一年二月の数字がございますが、全体として百八人兼務職員がおったわけでございますが、五十二年、一年後において二十九人と、かなりの数兼務職員を減らしたということが成果として上がっております。それから普及職員設置数につきましても、五十一年三月三十一日の対前年の設置数の減は百五十人でございましたが、この通達の出ました以後の五十二年度の設置計画は、一応われわれが把握をしております数は、対前年二十二人の減ということでとどまりそうでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大分通達を出されてから改善をされたというお話でありますが、昨今、地方自治体の赤字は非常に深刻になっておりまして、やはり農林省の指導監督あるいは連携、これが緩まりますと、どうしても普及員の定数の補充が相変わらず満たされない、あるいは普及員が県の事務職員と同じ行政事務の仕事をされる、いわゆる兼職の問題がまた復活するんでないかという懸念はどうしてもぬぐえないわけでありまして、普及職員の現時点における要望としても、やっぱりこの定数の完全設置と業務の明確化、これはもう相変わらず強い要望になっているわけでありますので、この点は今後も県当局ともしょっちゅうやはり連携をとって緩まないようにしていただきたいと思います。  それから、今回の改正点である、補助金が負担金に改正になったところですけれども、これは従来の補助金から見ますとまあ前進された改正点で評価ができると思います。ただ問題は、従来からの事業費に対する国の費用負担の割合、これが低いということで、この農業改良事業もまた同じように地方財政の非常な重荷になる、超過負担の一端となっているということも事実でありますし、こういうことが結果的に普及職員の現場での問題点となってはね返ってくる、こういう実態であります。そこで、農林省として今後この点についてはどういうふうな態度で臨んでいくのか、その施策がよほど確立されなきゃならないと思うんですが、たとえば、国が三分の二ないし二分の一の補助をすることになっているのでさえ、実際にはまだなかなかそこまで至らないというところが多いようであります。五十年度の国の費用負担の実態を見ますと、補助率三分の二の農業改良普及職員の設置費が、六七%近く負担をしなければならないところ、総額は三百六十四億七千四百十二万に対して国庫補助が百九十五億二千二百六十九万円、五三・五%にしか達してない、こういう実情のようです。また、農業改良普及事業費については、総額が二十五億七千七百五十八万円、これに対して国庫補助が十一億六百四十七万円と、二分の一負担であるので五〇%なければならないところ平均四二・九%。まあこういう現状は早く改善をされなきゃならないと思うんですが、これに対する農林省の所見を伺っておきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) いま先生が御指摘になりました実態につきましては、これは協同農業普及事業年次報告書の中に出ております経費の支出金の関係の報告からとられた数字と思うわけでございますが、いまそこで先生の御指摘になりましたその比率等が三分の二に満たない分がまるまる超過負担であるというふうには私ども考えておりません。  その理由は、超過負担というものの見方にもよるわけでございますが、給与ベースの地方、中央の差、それから助成をいたしますときの標準等級号俸の問題、いろいろ関係をしているわけでございまして、そのほかに先ほど来私の申し上げております、ある程度年数がたってまいりますと人の入れかえというようなことが影響してきまして、それが実質上ギャップになって出てくるというような問題、まあいろいろございますので、これについては実は過去の経緯から言いますると大変問題になってまいりまして、五十年度で補助基準等級号俸の平均五号アップを実現いたしまして、補助額ベースで十八億円の当時自治省と大蔵省と私どもと三者で考えました超過負担分は解消したということになっております。いろいろの問題、事情から、再びこういうことがないように気をつけてまいりたいと思いますが、適当な段階ではさらにチェックをして、もし是正すべきギャップが出ておるということになれば是正の措置をとりたい、その方向で努力をしたいと思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 確かに、超過負担の見方によっていろいろ分かれることだと思うんですけれども、地方自治体の超過負担というものは中央の政府の皆さん方がお考えになっている以上に深刻でして、その重荷がどっかにしわ寄せをされているというのが現状なんです。特に、この普及員のように、国である程度の補助を行ってはいても十分じゃない。しかも、身分は県の職員であるといった形態のところへ、どうしてもはね返りやすいという実情であります。普及員の設置状況を見ますと、五十年度で専門技術員は充足率が九五・七%、普及員は九八%という状態です。低い県ではようやく九〇%に達している、こういうところもあるようでして、こういうような普及員の定数不足、欠員の不補充、県の一般行政事務との兼務をさせられているということは、繰り返し申しましたように、やはりここに問題の一端が原因としてあるんではないかということはどうしてもぬぐい去れないですね。そこで、今後円滑な普及活動の推進を図るためには、やはりその原因から解決を図らなきゃならないと思いますので、農林省としても努力をされている点はわかりますが、再度明快なここで御回答を伺っておきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先ほどの通達の趣旨に沿いまして私ども努力するとともに、なお先生の御指摘の基本的な点に立ち返っての検討は今後も続けまして、これは自治省がどうこう言うからというようなことでなしに、私ども普及事業を伸ばすという立場に立っての検討を深め、所要の措置はその検討の結果とりたいというふうに思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ぜひその点は、いまおっしゃったとおりにしっかりやっていただきたいと思います。  今回の改正点である農業者大学校についてですけれども、五十二年度においては二十校開設の予定だと、こう聞いておりますけれども、求める研修生の定数、それからそれに対する応募状況は現在どのようになっているか、現時点で把握した数だけで結構ですから、お知らせいただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 現在の段階で確定的な予想は困難でございますけれども、私ども午前中の質疑にお答え申し上げましたように、毎年の入学者、これは二年の期間を経て卒業者ということになるわけでございますが、大体三千ないし四千のレベルを一応当面の目標として確保したいというふうに思っておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 この二十校についての設置基準がどうなっているのか、また施設の整備の内容について具体的にどうなっているか、御説明願いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは研修教育施設は地域の特性がございますので、いろいろ履修課程といたしましても、畜産、園芸、農産等、その中にまたさらに専門を分けまして畜産で乳牛とか肉牛、養豚、養鶏、園芸では果樹とか施設野菜、花卉等、それぞれ分かれてまいると思うわけでございます。それをどういう組み合わせで置くかということは、県の自主性、主体性というものを尊重し、私ども十分相談の上で決めてまいるということにしていきたいと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、現在五十五カ所、一カ所ふえまして五十五カ所になっておりますが、その研修施設を母体にしながら逐次整備を図っていくということでございますから、現在の施設規模等にある程度制約をされる面が出てくるのはやむを得ないこと等一面あるわけでございますけれども、どういう作目の研修をやるには大体このくらいの土地とこういう施設が要るというようなことは、標準的なものとして県とも十分御相談の上お示しをしたいというふうに思っております。まだそれは確定をいたしておりません。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 この農業者大学校の教員についてなんですが、従来の県の農業者研修施設の指導員は県の一般行政職員と普及員とで当たったようですけれども、この農業者大学校の教員については一体どういう資格の者を充てるのか、またその身分はどうなるのか、お伺いしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 研修教育施設の指導職員は、現状でもかなり普及員の資格を持った方がおられます。それ以外の方もいるわけでございます。身分といたしましては、従来いろいろ農業者大学校というような言葉を使った県庁の付属機関になっておるわけでございますが、そこの所属職員ということで指導研修に当たっておるというふうに考えておるわけでございます。今回はその中で、これが新しい農民研修教育施設ということで認定をされますと、そこには普及員の資格を持ったままで指導研修に普及事業として当たれるということになるのが大きな差となってまいるわけでありまして、当然のことながら、その職員に対します人件費の三分の二というものの助成は普及事業の助成から出てまいるというふうになるわけでありますし、五十二年度の予算で計上しております四億円程度の施設整備費を要求しておるわけでございますが、この予算の中から、先ほど先生のお触れになりました望ましい施設基準に達するまでの整備を図っていく。これは単年度ではなかなかできないものがあろうかと思いますが、計画的な整備を図ってまいるということにしたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 人件費の方の予算措置は助成がされるということで心配ないからいいんですが、普及員がこの農業者大学校の教員として行った場合、たださえ定数を満たしていない状態なのに、普及活動に支障を来すのではないかという心配点があるんですが、この点についてはどういうような見解をお持ちですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) いま行っております農民研修教育施設の指導職員の任に当たっております普及員の資格を持った方、これは適任者であるから、そういうところで後継者たる青少年の研修に当たっていると思うわけでございまして、もう一遍新しい角度からさらに慎重に見直すということもあるかも存じませんが、そういう方を指導職員にそのまま充てるという場合もかなりあろうかというふうに思います。また、現に普及所に属して通常の普及活動をしておられる方の中から、適任者を配置転換をいたしまして農民研修教育施設に持ってくるということも考えられますが、所要職員を全部いまの普及活動をやっております普及員で埋めてしまうということにはならないのではないかというふうに思いますが、しかしいずれにいたしましても、総体の普及員として、この研修機関で指導職員として当たる方のおおよそのめどは、大体一コース一人と考えて最低五コース、一施設当たり五人で大体全国的なレベルで見て二百人程度というふうに考えておりますので、これは普及活動の活動方式なり機動力強化というふうなことで別途対応策を考えれば、現在のいま行っております普及活動の質がそれによって大変大きな影響を受けるということにはなるまいかと思います。  なお、その点は、よく影響の出ぐあいを慎重に配慮しながらやるべきだというふうに思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 これも各都道府県によってかなりのばらつきが出ると思いますものですから、よく掌握した上で、どうしても現状の普及活動に影響するようなところは、別途対応策を速やかにとるように御措置を願いたいと思います。  現在の高校、大学で農業課程のものがありますけれども、農業者大学校とこれら既存の農業課程のものとこれは基本的な立場は違うと思うんですけれども、今後この双方の協調、連携のあり方はどうあるべきかということですね、具体的な見解をお持ちになっているかどうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) この問題につきましては、文部省とかねてお打ち合わせをしておるわけでございまして、私どもの方も問題意識を持ち、文部省も問題意識を持っておるわけでございます。  双方に共通いたしますことは、文部省の方でお考えになっております農業高校の職業教育は、余り中途半端なことをやらないで、どちらかと言えば基礎的なことにかなりの力を注ぐということにしたらどうかということでありまして、私どもも基本方向としてはそれは賛成でございます。ただ、そういう農業高校教育と、私どもの考えております農民研修教育施設がうまく連結するようにということでございまして、文部省から見ましても農業高校教育につながるような、特に専門的な実務研修を主とする研修はこういう研修教育機関でやってほしいと、そこでうまく連結するように配慮することがいいのではないかという考えでありまして、私どもそういう考えで進めてまいるつもりでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農業者大学校で学んだ人たちが、せっかく勉強したんだから何らかの資格が欲しいと、こう思うのは人情だろうと思うんですが、この農業者大学校を出たことによって、実力プラス何らかの資格が得られるという魅力があれば参加者も多くなるんではないかと思いますし、また先ほど粕谷委員の方からもお話がありましたように、その学校の卒業者、学んだ人たちからの意見も取り入れて、普通の文部省でやっている農業者大学とまた別なんですから、やはり参加者からの意見も取り入れて、さらにいい形のものに持っていくということも必要だと思います。そういったことで学んだ人たちに張り合いを持たせる、こういう点について将来の方向として何らかの検討をされているかどうか。もし現時点で方向が決まっていましたら、この際、明らかにしていただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは先ほど来お話の出ておりました農林省の農業者大学も同じでございますが、農業に後継者として入っていただくということを主とする研修でございますので、特にこの研修を終えたことによるメリットとしての何らかの資格ということは当面は考えておらないわけでございますが、しかし当然こういう研修課程を終えられた方は、これは私ども普及事業の中で奨励をし推奨をしておりますいわゆる青年農業士の認定制度というのがございます。こういう青年農業士の認定制度には当然のことながら合格をするということになると思いますので、そういう意味で、青年農業士がまたさらに地域の指導農業士というようなことになるということもございますし、それから改良資金の貸し付けでございますとか、それから総合施設資金の貸し付けでございますとかいうときに、これは普及組織が深くタッチをいたしまして、事前の計画の策定から指導を加えるというたてまえになっておりますし、実際もそうやっておるわけでございますが、そういう際に、こういう研修を受けられた方は当然自力でもりっぱな計画を立てられるでありましょうけれども、特に制度的にどうというわけじゃございませんが、そういった政策融資を借りられるにも、何らか手続をどこかで簡略化できるというようなことがあれば簡略化するとかというようなことは、将来の問題として工夫の余地があるというふうに思っております。御指摘の点はそういう角度で検討をしてみたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 せっかくの予算を使ってやることですし、やはりこの大学に学んだ人たちが日本農業のこれからの担い手でもありますので、ぜひ幅広く検討されて、これがよりよく発展するように努力をしていただきたいと思います。  それから農業改良資金制度についてお伺いをしておきますが、農村人口の老齢化が進む中で、四十九年度からその対策として農村高齢者創作活動施設設置事業、こういうものが開始されておりますが、五十一年度では二十五県に設置されているということです。この事業の今日までの成果がどうなっているのか、御説明願いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) この事業は、四十七年度から五十年まで生活改善普及事業の一環として、高齢者生活開発パイロット事業というものを実施して、講習会の開催などをやりまして、その後に地域社会の一員として希望と生きがいを高齢者の方に与えるということで、この事業を百七十三市町村のところでパイロット事業をやったわけでございますが、その半数につきまして四十九年度から共同で農産加工とか、手工芸、花木栽培というようなことを行うことができる作業施設の設置を助成してきたわけでございます。五十二年度は、前年に引き続き二十カ所を設置するということで進めてまいりたいと思っております。  いままでに見られました活動内容はいずれも多様でございますが、共通して言えますことは、農家高齢者が農村におりましてそういった生産的活動などを体験をするという中で体得してきた技術を生かしたものが主でございます。そういうことで、とかく孤立しがちな高齢者の方々がグループで、みんなで集まれるということだけでもまあ一つは楽しいと言うか、そういう要素もございますが、そういうことで意欲を持って自主的活動を始めておる、そのことからいろいろな自主的実践活動が出てくるわけでございまして、何と申しますか、創作活動をやること自体ばかりでなしに、波及効果が非常に出ておるようでございます。  たとえば、地域の川をきれいにするとか、いろいろなことにまでグループを組んで活動を始めて、そういうことがまた地域の若い方々にも理解を呼ぶというような関係になってきておるというふうに思うわけでございます。まだまだ全体的な評価をこうだというふうに断定的に申し上げるのは早いかも存じませんが、大変そういうことで喜ばれておりますので、意義のある一つの試みであるということで、推進をしてまいりたいと思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 この高齢者対策ばかりでなくて、農村社会における福祉政策というものは当然重要視されつつあるわけですが、農村社会という都会とはまた違った特殊性はあるにしても、福祉行政というものは十分行われなけりゃならないと思うのですが、この点について、今後の農林省として持っている農村福祉対策の目玉等について、この際承っておきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これはソフトの面とハードの面とあると思うわけでございます。まずソフトの面で申し上げれば、私ども生活改善事業が取り組んでおるのはまさに農村の福祉の問題であると、農林省的な取り組みをしておる一つの重要な農村福祉対策の柱であるというふうに思っておるわけでございます。なおまた、農業者の年金基金によりますところの年金事業、こういったようなものにつきましてもいろいろと制度の改善を図りつつ進めてきておりますが、こういうことも農村福祉対策としてきわめて重要であるというふうに思っておりますし、まあソフトの面も若干ございますかもしれませんが、ハードを主とする行き方としましては、生活環境整備のための農村の総合整備モデル事業というようなことをやるということも、これはおくれた農村を明るい、住みよい農村にするための一つの施策である。もちろん、これ以外にいろいろ一般的に公共施設の整備の不足ということが言われておりますので、他省施策、道路の問題あるいは教育施設の問題、医療施設の問題、上下水道の問題、あらゆる部面にわたりまして各省の所管も多いわけでございますが、そういうものと並行してこれらの仕事が進められていきますと、農村福祉は充実していくのではないかというふうに考えるわけでございます。  なおまた、これは政府の施策ばかりでなしに農業団体の自主的活動、地方公共団体のそれぞれの立場における自主的な施策、こういうものも相まって農村の福祉対策が講ぜられるべきものというふうに思っておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 最後に、農業後継者の育成資金についてですけれども、この中の部門経営開始資金について今回の改正で貸し付け限度額の引き上げ、償還期間の延長ということで多少の前進をしているんですが、近年の農業経営規模の拡大、質的向上、高度化の傾向から見て、さらに貸し付け限度額の引き上げと償還期間の延長、これを望む声も強いようなんで、今後さらにこの点について改善の方向を考えているかどうか、その見通しをお尋ねして質問を終わりたいと思うんです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 部門経営開始資金は、その資金の性格が新しい農業のやり方につきまして必要な技術や経営方法を実地に習得しながらやってみることによって、その意欲と自信を持っていただくというところに主眼がございます。そういう形で後継者としての意欲増進に資するということでございますので、それ自体の経営が必ずしも一人立ちの経営ということじゃなしに、一応の学習規模を想定した形での運営を行っておるわけでございます。そういうことでございますので、これにつきましては貸し付け限度額あるいは償還期間、これは相互に関係をいたしますが、いろいろの御要請がございますわけですけれども、この資金のそういった性格なり、改良資金全体がそもそも政策的なもので、融資金融というものと補助金との中間に立つという性格をそもそも備えて発足したユニークな制度であるということもございます。その点も念頭に置きまして、実態の推移等運営の実態等も十分考えてみまして、今後所要の改善を図るべき必要があれば逐次改善を図っていくつもりでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まず最初に、先ほどから議論になっております農業者大学校、この問題についてお聞きしたいと思うんですが、先ほどからのいろいろお話を聞いておりますと、この農業者大学の入学対象者というのは、大体新規学卒を中心に政府はお考えのようでありますけれども、その他高年齢者であるとか、あるいはUターン青年であるとか、いろいろ最近の農村の実態が少し変化しておりますけれども、この入学対象者についてもう一度政府のお考えを聞かしていただきたいと存じます。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 新しく整備をいたしていきます研修施設の入校、入学者につきましての資格を新規学卒に限るというつもりは毛頭ございません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 限るとは言っていないんだけれども、どうも話のニュアンスがそっちの方にいっているようだし、またそれは必ずしも悪いわけでもないと思うんですよ。やっぱり若い新進の卒業者に目を向けるということは大切なことでありますけれども、しかし、今度企画されております農業者大学校というのはやはり農業振興ということ、農業改良ということを主眼にしておりますから、やはりもう少し私は目を広げたらいいのではないかというのが私の考え方です。と申しますのは、この五十一年度の農業白書を拝見しておりますと、最近の農業就業者の流出が非常に減少してきたと、減ってきたということが書いてあります。この白書では「職業異動による農業就業者の純流出数は前年の七万九千人から五万一千人へと大幅に減少した。特に男子の純流出数はこの一年間に半減しており、年齢別には中高年齢層の流出減が大きく、特に六十歳以上層では純増となっているが、三十四歳以下の若壮年層の純流出数もこの間かなり大幅な減少を示している。」と、つまり流出がとまったと、そして特に男子の流出が半減したと、こういうことがここに出ておるわけであります。それからさらに「新規学卒農業就業者は、卒業者総数の減少にもかかわらず前年並みの約一万人で、過去十年ぶりに減少が下げ止まり、」と、こういうふうに書いてあります。でありますから、全体として新規卒業者も含めて減少が、流出がとまっておるということなんで、これは非常に結構なことだと私は思うんです。  そこで、いまの農林省が提案されました農業者大学校の問題にいたしましても、そういう高年齢層であるとか、あるいはUターン青年であるとか、こういうものを考えても悪くないのではないかということですね。そういう意味でお尋ねしているんですが、やはり政府はそういうふうにお考えなんでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 確かに、新規学卒の就農ということは非常に着目すべき重要なポイントだと思いますが、Uターンをして農業につく方、特に若年層の方でUターンをしてつかれる方にはこれは新規学卒に次ぐ一つの注目をすべきポイントだと、こう思っております。  先生も御案内のように、いわゆる他産業から離職しまして就農をいたしております者が近年十万人程度ずつあるわけでございますが、その中で三十五歳未満の方は最近では三万弱、かなりの数でございますので、私どもこういう方々に対しまして、これは若い方々ばかりには限らないわけですが、普及所では新しく農業に帰ってこられた方のカード等の整備に努めまして、適切に農業技術指導などができるような工夫を日ごろこらしておるわけでございますが、先ほど御指摘になりました農民研修教育施設でも、その方が適任者である限りそこへ入って研修を受けたいという場合にはこれを受け入れて研修をするということも大事なことだと、こういうふうに思っておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 農村に住む青年の中で、いま農業をやっていないけれども将来農業をやってみたいと、そのためには農業者大学に入って勉強したいと、こういう人もあるでしょうし、あるいは自分の家は農家ではないけれどもやはり農業をやってみたい、こういうふうに考えている青年もいらっしゃるわけです。ですから、そういう方々が農業者大学に入りたいと希望したら、これはかなえていただけるものなのかどうか。あるいはそれとも逆に、入学資格というふうなものが設けられまして何か厳しい選択が、ふるい分けが行われるのかどうか。それはどうでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) その辺の何と申しますか、入所選考につきまして具体的にどういうやり方をするかということまで、事細かに私ども手とり足とりこうせいああせいというようなことを言うつもりはないんでございますが基本的な考え方としては、研修を受けましたら農業についていただくということが肝心でございますので、その点は一つは意欲、ただそれも上すべりの意欲だけじゃ困りますので、その確実性というようなものをいろんな角度から入所選考に当たっては検討するということも必要なことだと思うわけでございます。  それからなお、現在農業をやってないという方でも、たとえば農業高校に入っておられて私は養鶏をやってみたいというような方だっていらっしゃいます。こういう場合には必ずしも農地を必要とするわけじゃございませんから、そういう部門で農業の一部門をやってみたいという方が、意欲もありかなりそれは本当にここで研修したらやれるだけの条件があるのだということであれば、これは融資制度もまたございますわけですから、大いに受け入れて研修をして、りっぱな農業の担い手になってほしいというふうに思うわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、ぜひそういう門戸を開いて、とにかくその意欲と決意がある人は、まあ高年齢者であろうと、あるいはUターン青年であろうと、農家でない非農家の青年であろうと、とにかくこれだけの計画をお持ちである以上、積極的にやっぱりやっていくということが必要だと私は考えるんです。中途半端なへっぴり腰では、先ほどからも議論されましたけれども、果たして成功するのかどうかというふうな疑惑もそれは当然疑問も出てくると思うんですが、やはりそういう姿勢でおやりになるならば、これはやっぱり将来もっとどんどん発展させなきゃならない企画ではないかというふうに考えます。  そこで、この農業者大学校がこれからもそうして設置されていくという場合にその予算なんですけれども、ここに愛知県の追進営農大学校の予算表があるんですが、この大学校の予算を拝見いたしますと、五十二年度の当初予算で二億九千万円、このうち農場の運営費七千万円、これは要するに農場でつくった生産物の売り払い収入でありますからこれで賄うとして、その差し引きが二億二千万円であります。この二億二千万円のうち、国庫負担は一千百万円しかないんです。この法案が成立しまして九月に追加補正するという計画のようでありますから、その国庫負担が六百四万円ということのようでありますが、合わせても一千七百万円であります。二億二千万のうち一千七百万でありますから、比率から言えば一三%にしか当たらない。せっかく大学校はつくった、しかし国の補助は一三%だということでは、これはやっぱり地方自治体の今日の赤字財政の中で、こういう大学校が発展していくということにはならないと思うんですが、こういうことでなくて、もっと国は予算面でも積極的に指導すべきではないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先生、愛知県の追進営農大学校の例を引かれて具体的にお尋ねになったわけでございますが、五十二年度のもくろみといたしまして、総額二億九千万円の予算で計画を進めるべく検討中ということは私ども伺っておるわけでございますが、まだ内容的に確定しているわけではないようであります。  しかし、現段階まで伺っておりますこの二億九千万円の中身を見てまいりますと、これ全体が助成の対象になるものではもちろんないわけでありまして、この二億九千万円のうちには、人件費がまず四十五人分入っておる。運営費が一億六百万円ぐらい、それから施設整備費が二千二百万円と、まあこういうふうになっておるわけですが、この問題は先生の御指摘は運営費一億六百万円の問題についてであろうかと思うわけですが、まず第一に、これには農場生産物の売却収入に見合うところの農場運営費、これは見合いでございますので、この分は七千万ございますから、これは該当しないというか対象にしない。それから緑の学園開催事業とか講座制研修事業とか、そういったものがずっと入れまして約一千百万円ばかりございます。これは別途の補助対象事業になっておりますので、便宜ここへ集積をして書いたとしか考えられません。これは別途の助成事業の対象になるものでございます。その分が約一千百万円あろうかと思います。それからさらに、付設を予定をしております農民文化館の維持費など、これは六百万円を予定しておるようでございます。これは当然別個の県単の施策というふうに考えられるわけでありまして、したがって、これらの対象にすることが重複をしておりましたり、あるいは対象にならないということで適当でないものを除きますと、この一億六百万円は約一千九百万円ということになるだろうと、私どもはここに書いてある項目から推察をいたしましてそう思うわけでございます。  そういうことと、愛知県の追進営農大学校は全国的に見て先生御承知のように最も規模が大きい施設でございます。全国的に見て平均的な代表というわけにはまいらぬかと思うわけでございますが、まあこの一千九百万円という運営費ということを考えてみますと、これは協同農業普及事業の助成の対象とする分野におきましての助成割合の観点から見て、非常に助成が低いというようなことにはならないというふうに判断をしておるわけでございますが、なおこれは県とよく内容を詰めまして洗い直しをしてみたいと思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いまの予算表ですね、私先ほど国庫負担が一千百万円、追加で六百万円、合計一千七百万円と言ったんですが、この国庫負担、たとえば緑の学園開催事業費、これは二分の一国庫負担みんなこれは出ています。ですから、これを合計して私の方は計算をして、一千万円国庫負担がされている、一千万円しかない。六百万円追加されても一千七百万円でしかない、こういうふうに私の方は計算をしたんですけれども、しかし、いずれにしても、人件費がかなり大きいのでありますけれども、仮に人件費を、これは半分以上人件費ですね、これを削ってもやはり国庫の援助というものが一億六百万円に対して一千万円ぐらいですから、決して多いということにはならないと。せっかく農林省がこういう農業者大学校という構想で積極的にやろうという提案でありますから、私は意欲だけでなくて、やはり口を出すからには手も金も出してやるということでないと、やはりこういう事業が本当に実ってこないんではないかということを心配しますから申し上げたんですが、この追進大学校の件については、ぜひひとつ愛知県ともよく連絡をしていただいて積極的な姿勢で対応していただきたいと、こう思います。  そこで、もう一つお聞きしたいのは、この農業者大学校の教科の問題ですね。これは先ほどからも論議されましたが、この農業者大学校の農業関係の教科書などという物はしっかりした物が準備されているんでしょうか、どうでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これにつきましては、各県通じましての教科書を国の力で整備をするというところまでは考えておりません。大学の通信教育をやっておるものの中で適当な物があればそれを選定して、一つの何と申しますか、こういう物があるということでお知らせをして、その中から適当な物を選んでいただくとか、各県々でももうすでに実績のあるのもございますし、いろいろそういうことで、ある程度県の自主性に任せようかと思っておるわけでございます。しかし、標準的なこういう科目にこの程度力を入れてやってほしいというような考え方は、いろいろこれも県の方とも御相談を要するわけですが、農林省としては明らかにしていきませんと、高校卒おおむね二年程度の教育の内容というものがはっきりしないということになりますので、そういう基準になりますような大枠というものはお示しをしたいというふうに思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 農業者大学校という大変りっぱな構想なんですが、どうも中身を聞いてみますと少しあやふやなところがあるんで、こういうことではやっぱり私いけないと思いますね。せっかく提案されるんですから、びしっとその辺自信を持って、ひとつ教科もこうだと、こういうふうに指導するんだと、教育するんだというやっぱり教育方針がはっきり示されなければいけないと思うんですが、私があえてこういうことを申し上げますのは一つ事例があるからです。  文部省来ていますか。——文部省に聞きますが、いま農業者大学校の問題が問題になっているんですが、文部省では農業高校を指導されておるわけです。国としても相当力を入れてやっていらっしゃると思うんですけれども、ある県の高校の農業科の先生から聞いたんですけれども、農業の教科書というのはあるにはあるんだけれどもまことにお粗末だというのですね。その内容がそのままではとても教えられない。仕方がないから先生方が専門書を買ってきてそこから必要なところを抜粋をしてプリントして、これを教科書がわりに使っておりますと。ですから、新任の先生なんかはどうしていいか見当つかないというのですね、教科書がないから、満足な物が。ですから、もっとこの農業関係の教科書の内容を充実してもらいたいということをお聞きしているんですが、これはこの教科書の種類というものはやはり相当たくさん出版してもらって、そこから地域地域の実態に合ったような物を選択をすると、こういうふうでないと実際に教師の方は大変らしいです。いまもだからあえて農林省にお聞きしたんですけれども、やはりその点になりますと、もう農林省も余り実態も把握していらっしゃらないことだと思うんだが、事実はこういうことです、実態は。ですから、こういう実態をやっぱりはっきり把握していただきまして、しかるべき改善措置をする必要があると思うんですが、文部省はどういうふうにお考えですか。

久保庭信一文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(久保庭信一君) 御説明申し上げます。  職業関係の学科におきましては大変それが多様に分かれておりますものですから、農業におきましても同様でございまして、非常に内容が多岐に分かれておりまして、現在学習指導要領の中で科目を定めておりますものは五十四科目ほどございますが、それぞれの科目を全国で学習をいたします生徒の数はそれぞれわずかでございますので、現在教科書の制度につきましては検定の制度をとっておりますが、民間での発行が期待できません。そこで、文部省におきまして、主たる教材でございますので、教科書を整備するということでこれまでも文部省著作本を努力をしてきておるわけでございますが、農業ばかりでなく工業その他のたくさんの科目がございますので、なかなか全体の整備がおくれておるわけでございます。昭和五十年度から年間二十冊ずつつくるということで現在整備を図っておるところでございまして、農業で申し上げますと、五十四科目のうち現在教科書が整備されておりますものが六割をちょっと超しております三十四科目ございまして、まだできておりませんものが十九科目でございますが、そのうち、十九科目のうち七科目は準教科書と言えるような物が民間から出ておりまして、ほぼ高等学校の教科書として使えるということでございまして、残りの十二のうち六科目につきましては、現在文部省ですでに編集を始めておりまして間もなく整備ができることになっております。  現在、まだ未整備で何ら手当てがないものが六科目ございますが、このうちには、二科目ほどはこれは全国で存在する学科が二つしかない、生徒も定員八十人程度と。こういうものになりますと、なかなか整備もおくれておる次第でございます。また、農業教育それ自体が非常に地域性の強いものでございますので、全国的な目からつくられました教科書ではなかなかそれぞれの地域に適さない面もあるわけでございますが、それらはやはりそれぞれの学校なり県の教育委員会なりで、それぞれの教育に応じたような物を補助的につくっていただいて教育を進めていただくわけでございますが、ただいま申し上げましたような現状にございまして、今後とも整備に努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 これは確かに大変な仕事だろうと思うんですね、教科書をつくるということは。しかし、これはひとつそれぞれ専門家がたくさんいらっしゃるわけですから、ひとつぜひお願いしたいと思うんです。  次に、農業改良普及員についてお尋ねをいたしますが、今回の改正案では、農業者大学校の教官に普及員を派遣することができると、こういうことになっておりますが、この農業者大学へ派遣する普及員数と、現在進行しております国家公務員の定員削減計画による普及員削減数を合わせますと、大体普及所数は全国で六百十五カ所でありますか、これと見合った数になると考えられるんですが、そうなりますと、農業者大学校の整備は完了をしたわ、一方では定員削減も完了したわ、こういうことが五十四年から五十五年の段階であらわれてくるんじゃないかと思うんですが、そうなりますと、一普及所一普及員減と、一つの普及所で一人普及員が減ると、こういうことになる理屈でありますけれども、そうなりますと現在の普及活動というものがさらに手薄になってくると、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、この辺のこの歯どめ措置ですね、これはどんなふうにお考えでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 国の定員削減計画、定員管理計画に即応しての改良普及職員の削減総数は四年間で三・二%、総数におきまして四百十人でございます。それからなお、五十年度末現在で普及職員の欠員数の状況は農業改良関係で四百二人、それから生活関係で百八十三人になっておりまして、合計いたしますと五百八十五人ということに相なるわけでございます。  そこで、農民研修教育施設に普及員が指導職につき得るということになるわけでございますが、現実に相当数の普及員の資格を持った方がすでに指導職員としておられます。これは普及員の実員の中にはカウントされておらない数でございます。そこで、具体的に農民研修施設の指導職員の構成配置をどういうふうにするかということは、県の自主的な御判断に任せたいというふうに思うわけでございますが、もちろん外部講師として大学教授を呼んでくるというようなことも当然御活用あってしかるべきだというふうに考えておるわけでございまして、それに対する助成も予算措置としては組んでおるわけでございますが、そこでそういう状況を見てまいりますと、私どもこれから何年か、この農民研修施設が整備をされまして、その過程で非常に大幅な現場に働いております改良普及所に属して現に普及活動をやっておる方をこの農民研修教育施設に持ってきて、そしていまの普及活動の水準がそのことのゆえに下がるというようなことには必ずしもならないのじゃないかという大局的な判断をしておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いろいろやりくりも考えていらっしゃるようだけれども、本来改良普及員のあるべき姿というのは、助長法の第十四条の二第四項に書いてあります。はっきり規定されておるのですが、ところが、実際は米の作付制限による稲作転換であるとか、構造改善事業の本来行政側がやるべき面まで普及員がやっておられるという面が多多あると思うのですが、そこへ普及員の不足があると、いわば輪をかけたような形になる。で、本来の普及員活動がそのためにやられてないということが、ずいぶん私ども方々に行きますとそういう切実な声を聞くわけであります。そうなりますと、当然これからの普及活動のあり方というものが問われてこざるを得ない。そこでいまの問題をお聞きしているわけでありますけれども、もっと本当に助長法に規定されております「改良普及員は、農業改良普及所に属し直接農民に接して農業又は農民生活の改善に関する科学的技術及び知識の普及指導にあたる。」というこの本来の任務、目的、これがおろそかになってくるというようなことは、何としてもやはりとめなければいけないと思うのです。  そこで、やはりこの定員の問題が出てくると思うのでお伺いしたいのですけれども、やはり先ほどもちょっと論議になりましたこの配置の基準ですか、人員の割り当ての基準、こういう問題は、私やはり見直すべきだと思うのですが、その点はどうでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 現在の普及員の県別配置状況というものを見直すべきだという御説に対しましては、私どももそのとおりと考えまして、実はそのための何らかの基準の設定が可能であるかどうかという検討を、われわれの検討項目として取り上げて検討してまいったわけでございます。しかしながら、長期にわたり——毎年毎年変えるような基準では困りますので、ある程度の長期にわたって通用するような基準というものが求められるかどうか。具体的にいろいろの指標をとりましてやってみましたが、十幾通りも実は具体的に出しまして、それに基づいて計算をしてみたわけでございますが、いずれも実情に合わないという結果が出てまいるわけでございまして、これは理屈の上では一つのそれぞれ考え方があるわけでございますけれども、実行できない基準をつくってこれでやってくださいというわけにはまいらぬということで、この点はもう少し検討を深めなければならないと思って、今後の課題に残したわけでございます。  それから、なお現在の現行法の十六条の二の問題も問題になるかと思いますが、これは補助金の割り当て基準ということで、農家人口なり面積なり市町村数、その他と、四項目をそれぞれのウエートをつけまして割り当て配分の基準としておる。これは県間のアンバランスが普及事業全体の、国全体のあり方としてどうかということを考える、金額面での大枠の基準ということになっておると思うわけでございます。御案内のように、これにはその他という項目がありまして、ここでかなりのいろいろの諸事情が吸収できるという形になっておりまして、それも関連する問題でございますが、ある意味では協同農業普及事業というのは、やはり県自体が私どものところの農業はこう持っていきたいという考え方に基づきまして、それに所要の普及職員の配置はこれだけ欲しいということに基づいてのわれわれは御相談を受けて、相互に協議をして配置を決めていくという、こういう体制をとっておりますので、さしあたりはそういうある意味では現状になずんだというか、歴史、沿革になずんだという御批判もございましょうが、さしあたりはそれで続けながら、特に農業を主要な産業として県内に持っておる県に対しまして、仮に普及員の設置計画を現状以上に非常に大幅に削減をするような計画等が出てまいれば、これはチェックをするというようなことで当面は対処をせざるを得ないのではないかというふうに考えております。  なお、今後配置基準等の問題につきましては研究を重ねてまいりたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 今度の法案の提出されました根本的な原因が、やはりいまの農業の農業情勢の変化ということが前提にされておるわけでありますから、やはりこの辺でそういう制度上の見直しはひとつ積極的にやっていただく。でないと、せっかく仏をつくって魂が入らないというようなことではこれは全くむだなことでありまして、そういう意味ではせっかくの御提案でありますから、私どもも積極的にひとつそういう問題を提起しているわけであります。  次に、農業改良資金についてお伺いいたします。農業後継者の育成資金の借り受け資金の問題でありますが、ここに愛知県の農業改良資金制度関係の書類がございますが、これを拝見しておりますと、愛知県では農業改良資金の種類別取り扱い指針というものがございまして、この中にこういうふうに書いてあるんですね。この借り受け資格として、「現在農業を主たる職業とし、将来農業経営を実質的に継承する者であれば、男女別を問わず、また、必ずしも法定相続人たることを要しないが、一家族経営につき一人を原則とし、年令が満十七歳以上三十歳未満の者に限られる。」こういうふうになっております。ところがこれにただし書きがついておりまして、「ただし、次の条件を満たす者でなければならない。」として「アイウエ」まで各項がついておるんですが、たとえば「ア」は「自立経営志向農家であって農家の後継者であること。」、「イ」は「当該農業後継者は、経営主の経営とは別個に農地の取得又は借入等の方法により、自らの経営単位の基礎を確立し、一つの独立した経営部門を開始するものであること。」、「ウ」は「将来において、地域農業の中核となりうる資質及び能力を有する農業後継者であること。」、「エ」は「当該後継者育成資金の貸付が近代的な栽培技術又は経営方法の導入を促進するものとみこまれるものであること。」、こういうふうに大変厳しい条件がついているんですね。これでは、せっかくの農業後継者育成の資金がなかなか借りられないということになると思うんですが、これは愛知県の規則でありますけれども、こういう厳しい条件で政府もまあおおむねこれでよろしいというふうにお考えになっているのかどうか、聞かしていただきたいと思うんです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) お尋ねの愛知県の改良資金の種類別の取り扱い指針の中で、部門別経営の開始資金の借り受け資格について厳しい条件が課せられておるのではないかという御指摘でございますが、この点につきましては実は経緯がございまして、借り受け者の資格は都道府県の規則において農業者またはその組織する団体ということになっておりまして、団体の方はやや詳しく規定がございますが、一般的に個人の場合には農業者としか規定がございません。そこで、これは運用の指針ということで愛知県が運用してまいっておるわけでございますが、こういう規定を設けましたゆえんは、実は農林省の方が通達をもちまして、借り受け資格の者について、こういう表現で指導したらどうかということをやったことがあるわけでございます。ところがその後、どうも「自立経営志向農家であって農家の後継者であること。」というのと、それは一番先に出てくる条件でございますが、「ウ」のところにおきまして、「将来において、地域農業の中核となりうる資質及び能力を有する農業後継者であること。」と、ちょっと関係があるような条項が二つ並んでございます。私どもも改良資金の運営の実態等を考えてみまして、どうもこういう二つの条件を並べてつけておくのは必ずしも適切でないということで、農林省から出しております指導通達といたしましては、この最初の「自立経営志向農家」というくだりを削ったわけでございます。  愛知県といたしまして、そのときになぜこの条項を残したかということでございますが、これは「志向」ということだから、意欲がそれだけあっていいではないかという軽い気持ちで残しており、こういう言葉があるからということで、厳密にこのことによって意欲のある後継者の部門経営開始資金の借り受けをチェックするということはしていないという実態でございますので、そのような意味では余り機能しておらない条項ということにもなるわけでございます。愛知県としては、この点は次の改正時には削除いたしたいという意向を持っておると伺っておりますが、いずれにしても整理をしないまま今日に至っておる。こういう条項があって、特に貸し付け、借り受けが制限をされるということではないといたしましても、整理すべきものは整理するという方向で私どもも指導をしてまいりたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ぜひこういう少し過剰な規制はやめませんと、せっかく農業後継者を育成しようというのに、もう一々こういうところでひっかかってしまう、こういうことになると思うので、そこで先ほども冒頭に申しましたようなUターン青年の場合ですね、恐らくこういう条件にはとてもかなっていないと思うのですけれども、しかし将来農業で身を立てたいという意欲と決意を持っている者には、こういう資金の貸し付けもできるというふうに私はすべきだと思うのです。ですから、必ずしも年齢制限とか何かそういうことではなくて、たとえば、ここでは「三十歳未満」というふうに言っておりますけれども、四十歳ぐらいまでの人だったら私は十分対象にしたっておかしくはないのじゃないかと思うのですね。とにかくいま農業の専門家でないけれどもやりたいという方もたくさんいらっしゃると思うのですが、そういう希望が、夢がやはり実現できると、またそれを保証すると、融資もしてやると、こういうことでなければ、本当にせっかくのこの法の改正も生きてこないと思うので、ぜひそういう形にしていただきたいと思うのですが、そういうふうにいまの局長の答弁を理解してもよろしゅうございますか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 農業後継者の育成資金の貸し付けの相手方として、これは借り受け人が近代的な農業経営を担当するのにふさわしい者と、法律の趣旨を受けましてそういう者として育成される見込みがあるかどうかということを、改良普及所等を通じまして十分見きわめた上で、適格であるということになって貸し付けが行われるということに仕組みとしてなっておるわけでございます。そういう仕組みの中で、Uターン青年といえども貸し付け対象から除外するという考えは毛頭持っておらないわけでございますが、ただ年齢の点でございますけれども、これは先生のおっしゃることも一つの私は理論だとは思いますが、大体重点的に考えてみまして、おおむね二十歳代ということが適当ではないか、おおむね二十歳代というのが私どもの指導の方針でございます。で、具体的にこれを受けまして、各県といたしましては十八歳程度から大体三十歳までというふうに年齢を制限をしておる場合が多いようでございます。この辺はいまの指導通達を受けての各県の自主的な対応でございますので、先生のおっしゃるのも一つの理論とは思いますが、各県の判断に任すつもりでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 それぞれ県の自主性なりがありますから、それはもちろん認めなければならないと思いますが、まあ政府として、やはりそういう積極的な前向きな姿勢でひとつ指導していただく、このことが必要ではないかと思うわけです。  そこで、時間もあれなんで、いろいろまだありますけれども、次に生活改善資金についてお尋ねしたいと思います。主に農家の主婦の待遇改善ということで、農業改良普及員よりもさらに少ない人数で生活改良普及員ががんばっていらっしゃるわけでありますが、この生活改良普及員の方から直接聞いたことなんですが、こういうことなんですね。いま農家の台所を改善する資金というものは、今回これが五十万円から八十万円に引き上げられるということでありますけれども、実際借りる農家の側から見れば、それではとても十分ではない、いまどき台所や便所を改善すれば百万円は軽く飛んでしまうんだと、ですから、もっと大幅に貸し付け限度額を引き上げてもらいたいということなんです。これが一つ。  それから次には、もっとこの貸し付け枠を広げてもらいたい、こういうことであります。で、この生活改良普及員さんのお話では、いまの枠ではとても希望者全員に貸し付けるなんということはできる相談ではない。ですから彼女は、農家に行きましても、生活改善資金の制度があるということを大っぴらに宣伝できないと言うんですよ、しないと言うんですよ。それは、とても枠が狭くてみんなにそんなこと言ったってとても実現できない。そこで、その借り受けをする農家の方だけにこっそり耳打ちをするようにしてその制度を知らしておりますと、こういう制度がありますと、こういう実態だというんです。ですから、こういう状態では生活改良普及員さんにしても、本当に農家の生活の近代化であるとか改善できるものではないと、ひとつ何とかこの金額の限度額のアップと枠の拡大ができませんかということなんですけれども、この点については農林省どんなふうにお考えでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) まず、貸し付けの枠でございますが、生活改善資金につきましては、他の資金の枠の伸びあるいは全体の資金の枠の伸びを見ていただければわかるわけでございますが、三十億を三十七億ということで、後継者育成資金に次いで重視をしておるという姿勢でございます。  それから限度の問題でございますけれども、住居利用方式の改善資金についての限度のお話だと思うわけでございますが、これは五十年度の貸し付け実績から見ましても、これは幾つかの、居室改善とか炊事施設改善、衛生施設改善、家事室改善等あるわけでございますが、その中で実績で見て事業費の一番高いのが炊事施設改善でございますが、そこで炊事施設改善を標準にとりまして、床から始まりまして壁、天井、それから塗装から窓、電気工事、出入りのとびら、ガス工事、設備工事一式等、私ども想定をされます一応生活改善上の標準的な仕様というものをベースにして計算をいたしまして、八十万円ということに、現行の五十万円では不足をするということに考えて引き上げをしたわけでございまして、これらの物の見方にはいろいろあろうかと思いますが、まずまずそれは、いろいろこうアタッチメントをたくさんつけるとか、非常にいいものを使うとかいうことになればかなりこれでも不足するという事態は起きましょうが、私どもとしての炊事施設の改善としては、大体この辺で間に合うのではないかというふうに考えておる次第でございます。それを基準にして八十万円としたわけで、まあ今後とも諸材料費の高騰とかいろいろの問題が出てまいりましょうから、その点は現場の声などにもよく耳を傾けまして、所要の枠の確保と限度の問題は考えて検討してまいりたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃ、最後にもう一つお尋ねしますが、この特認事業がございますね、現在農業改良資金のうち技術導入資金、これについてはすでに特認事業というものが認められている。県がその地域に合致した事業ができるようになっておるわけでありますが、現場の農業関係者からお話を聞きますと、国の決めている基準というのは大規模メニュー方式だと、たとえば稲の育苗機は単独では貸さない、二条植えか四条植えの田植え機とセットでしか貸し付けをしない、こういうふうになっておる。しかし、これではまことに不合理で、商社が何かセットで物を押しつけてくるような形でありまして、農家にすれば、現場にすれば大変そういう、いわば抱き合わせの押しつけをされたんでは、これは実際に余りありがたくないということになると思うんです。  政府としても適地適作ということを言っていらっしゃるわけなんですから、それぞれの地域に見合った特作物もありますし、あるいは地域に見合った方法で改善すべきものが多々あると思うんですが、この今回の特認事業を予算の枠では二割から三割まで大体拡大するということになっているようでありますが、もっとこの地域の特性を生かすようなことを考えたらいいではないかということであります。こういうこの法のたてまえから言いましても、まあ三割なんかって言わないで、もっとひとつ大幅に認めてもらいたい。今回、新たに後継者育成資金については特認事業を設けるというふうに聞いておるんですけれども、いま問題にしましたこの生活改善資金なんかの場合でも、こういう特認事業ができないのかどうか、この点をお聞きしたいと思うんです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) まず第一に、技術導入資金の資金種目の中がいろいろの機械装置のセットになっておるというお話、したがって大型のそういったものの導入でないと借りられないということについての御指摘でございますが、たとえば先生例に挙げられました田植技術改善資金というのがございます。これは田植え機と育苗の関係をセットにした貸し付けということにしておりますが、実は田植え機自体につきましては、これは普及率がすでに七割を超えておるというふうな状況で、ある意味では改良資金の単品としての、どれでも田植え機を一台欲しいということで対応するというのには改良資金の趣旨からいいましてぐあいが悪い、むしろそれは近代化資金等の制度融資に移行すべき問題である。そこで、いろいろの技術の組み合わせで、やはり田植え機を使いますときには健苗を育成をいたしまして、それを適期に移植するという技術を伴いませんと非常に問題を起こすわけでございますから、そういう意味でセットにしておるわけでございますが、今後もこういった問題少し検討いたしまして、米麦収穫等技術改善資金等もございますが、できればそういうものと統合いたしまして、改良資金らしい貸し方ができるようにというふうに考えてまいりたい。  なお、特認の問題でございますが、技術導入資金の特認は総体の枠を二割から三割に上げたわけでございます。しかし、これは沿革的に改良資金の中の技術導入資金が補助金から変わってきたものもありますし、それからある程度の普及率になりますと落としていくということで、制度金融と補助金との中間に位する特殊な性格があることにかんがみて、何でもいいというわけにはまいらぬと思うわけでございます。そこで、特認の枠も総体の考えとしては現在の運用の実績から見ますと二割でも間に合うじゃないか、そういう議論もありましたが、これを三割に引き上げましてより地域の実情に合った運営をしたいということで、私はこれで支障を当分の間生ずるとは思っておりません。  なお、生活改善資金の特認の問題にお触れになったわけですが、その前におっしゃられた後継者育成資金の部門経開資金の特認は、これは複合部門経営の場合に特認として、普通の場合なら三百万円を四百万円に認めるという思想でございます。その複合部門の中身等についてはいろいろな組み合わせが考えられるわけですが、いずれにしても、複合部門をとらえての運用をしたいということで特認が入っておるわけでございます。  生活改善につきましては、これ一つも特認というのはないわけでございますが、これは生活改善のパターンというのが、考えてみれば生活改善資金の中の挙げておりますところの資金種目であります生活合理化設備資金、住居利用方式改善資金、生活共同化施設資金、この中身もいろいろ変遷はございますが、そうところによりましてパターンがえらい違うというようなものでも必ずしもないということから、特認枠を設定をしておらないわけでございます。非常に不都合な点があるとすれば、私ども今後研究課題として研究をしてまいりたいというふうに思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃ時間も来ましたので、まだ幾つかありますけれども、とにかくこの農業改良事業というのは伝統的な、歴史的なものでありますし、これをよりいいものにより発展させるということは大変重要なことだと私も考えておりますので、ひとつ農林省もせっかくがんばっていただいて、いま出ましたようなことについて十分ひとつ御検討、再考願いたい、こう思います。  以上をもって終わります。

向井長年民社党

○向井長年君 文部省、来てますか。  主として文部省にお聞きいたしますが、わが国の食糧自給率を拡大しなきゃならぬ、これは農林省の一つの方向でもございますし、こういう中で農業後継者の育成確保というものが大変な問題だと思います。こういうことから新規学卒者の就農状況ですね、昭和三十五年には十二万人、そして四十年には六万人、四十五年は三万人、五十年は一万人、これはもう激減しておるんですね、現在。もちろん、これは特に高度成長の中から若年層が、労働力がどんどんと流出したという傾向もあると思いますけれども、私はこれはやっぱり一つには農業に対する魅力という問題、それとやはり農業情操教育というか、こういう問題の欠陥があらわれておるのじゃないかという感じがする。  そういう中で、特に、これは実は五十二年四月十五日の農業新聞ですか、これを見ますと、こういう新聞御存じだと思いますがね、文部省さん、御存じでしょう。「担い手育成に背 文部省、「残せ」の声よそに方針」という形で栽培科と言うのですか、これを必修科目を選択にした、こういうことがございますね。これはどういう意味でこういうかっこうになったのか。先ほど申しました情操教育が必要であるという中から、農林省の方もできるならばこれを小中学校の中でつくってもらいたい、こういうことがあったと思うのです。ところがこれがこういう形に変わっていっている。これはどういうことですか、理由は。

久保庭信一文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(久保庭信一君) 先生のおっしゃいますように、学校教育におきまして農業に関しての知識、理解を深め、さらに自然に親しむような教育をするということは大切なことだと思っておりまして、知識、理解は小中学校を通じて社会科、また植物等、栽培等は理科等でやっておりますが、いま先生御指摘の栽培というのは、これは中学校の技術・家庭科の内容でございまして、中学校に技術・家庭科という教科がございまして、現在ではこれは一年から三年まで約三時間ずつ、週当たり三時間ずつ三年間にわたって行われておる教育でございます。この教育の内容が男子向き、女子向きというふうに教育内容が分かれておりまして、先生御指摘の栽培というのは、その男子向きの中の第三学年の中の教育内容の一つでございます。  それで、その扱いがどうなるかということでございますけれども、ただいま文部省では教育課程審議会で教育課程の国の基準を改善すべく御審議をいただきまして、昨年十二月に答申をいただきまして、その答申に基づきまして文部省では学習指導要領を改善すべく現在作業中でございます。この新聞の伝えておりますところは、その方向を一つ栽培ということについて取材をしたものかと思われますが、栽培が選択になるという、こういうことはございません。技術・家庭科という教育の内容につきまして、現在男子向き、女子向きというふうに男子、女子、教育内容が分かれて示されておりますが、今回の改定におきましては、そのような男子、女子によって内容を分けるという区分をやめるということが一つでございます。そういうことによりまして、男女の相互理解とか、地域や生徒の実態に応じて内容が弾力的に学習できるようにしようということを一つの改善の方針としておるわけでございます。その際、従来男子向き、女子向きということで示しておりました個々の内容、それはこの新聞にも書いてございますように、男子向きであれば木材加工とか金属加工とか、そういう個々の内容の一つとして栽培というのがあるわけでございますが、すべてをそれぞれの地域において選択をさせるということでなしに、従来男子向き、女子向き、それぞれについては必修であったものの中から、今回は幾つかのものは男子に指定、女子にも指定ということにして、その他はそれぞれ地域等の必要に応じて弾力的にしようということでございます。それで何が指定になるかということについてはまだ検討中でございまして、栽培が選択にという事実はまだございません。現在検討中のことでございます。  以上が現在までの検討の経過でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 どちらにしても、これは恐らくあれでしょう、そんなところで具体的な技術習得なんていうことはむずかしいですよね、短時間で。情操教育ですよね、これは少なくとも。そういう立場から、いま特に小中学校において農業教育の充実、従来の工業優先という、こういう中からやはり私は改めなければならないのではないか。これは民族の生存基盤——食糧生産の重要性を持っておりますから、そういう中で農林省当局は取り組んだわけ、今回の法案もその趣旨を盛った法案なんですね、この二つは。こういう中で、少なくとも農業に関し働くことのとうとさを教育する、あるいは農業に対するイメージの高揚を図る、こういうことが私は情操教育として一番必要ではないか。そうなってくると、若者が町にあこがれて出ていくということじゃなくて、自分たちのその地域地域において活動すると、このとうとさというものを体験してくるんではないかと、こういう感じがするわけです。こういう方向でやはり情操教育というのは必要ではないか。これを私は、いまそういう意味で質問をした次第ですが、そういう意見に文部省としてはどうですか。

久保庭信一文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(久保庭信一君) ただいま御説明申し上げましたように、教育課程審議会の答申に基づいて現在学習指導の改定を行っておるわけでございますが、その中におきまして、小中学校を通じまして物をつくり、育てるような勤労の体験を児童生徒に得させるということが大切であるということが答申の中に言われておりまして、学校教育全体を通じてそういう機会をできるだけ多くするような方向で、現在検討が進められておるところでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 そういうことで、私は意見を交えて文部省にも申し上げておきますが、これは本当は大臣がおれば一番いいんですけれども、いまお話あったように、勤労体験という、これはそういう意味の教科というのは非常に必要である。この一環として、特に小中学校で、われわれ子供時分には農業をしなくても農園を若干つくっていろいろなものを栽培したことですよ。これは非常に役立っている。そういう形が最近にはないでしょう。したがって農園を設置し、あるいは農業に対する理解を深める、言うならば自然に親しむ情操ですね、こういうことが必要ではないかと思うんですよ。この場合、国は農園の確保、できるだけ、可能な限り国が農園の確保をする。これは文部省あるいは農林省にも若干関係ありますが、こういう問題と、運営に必要な指導、あわせて経費助成、これを講ずる必要があると思いますが、こういう方向でいま検討されておりますか。

久保庭信一文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(久保庭信一君) 現在、まだ教育内容についての検討の段階でありまして、学校教育全体を通じていろいろな角度からいろいろな方途をもって児童生徒に自然に親しむような経験を与えることができるわけでございまして、その実施の具体策は、それぞれの地域の実情に応ずるところであろうかと思うわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 少なくとも各府県を見た場合に、農業県あるいはまた農業主体、いろいろありましょう。そういう中においては後継者育成のために、先ほど言ったそういう学校の情操教育あるいはまた体験というものをしむけるように当局は指導しなけりゃならぬのじゃないですか。私はそう思いますよ。これは他の一般工業関係も必要であるけれども、それよりも必要なのは、やはり一番大きな問題は農業基盤なんです。これに対する後継者育成なんです。そういう立場から、やはり私はそういうことが必要ではないかという感じで意見を交えて文部省に質問をしておるわけです。  そこで、特に農業高校への進路指導に当たって、現在はやっぱり成績中心でしょう、入学。成績中心で選別されておるのが現在の状態だと思う。これは少し改めていいのじゃないですか。ということは、少なくとも農業高校への入学はやはり農業自営者となる目的意識を持った者を優先してこれを考えて養成する、こういうことが必要ではないかと思うんです。この点いかがですか。

久保庭信一文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(久保庭信一君) 農業高校の中でも、特に自営者を育成する関係の学科につきまして、すでに入学選抜におきまして中学校長から、将来の就農が確実で自営者農業養成学科への入学志望が、意識が非常に明確な者、これらの生徒については学力選抜によらず、中学校長からの推薦によって入学を認める方策が、愛知、福井、栃木の三県ではすでに実施をされております。同じようなことを現在すでに検討に入っております県が数県ございまして、そういう方向で、自営者育成の観点から農業高校におきましてもそのような方途が講じられている、こういうことでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 これは特に文部省、十分そういう立場から指導を強化してもらいたいと思います。これは恐らく農林省も賛成だろうと思います、そういう形は。  それと同時に、そういう場合に、教育の実施に当たっては、常に父兄あるいはまたいま問題になっております農業改良普及員、こういう人たちと緊密な連携をとって、生徒が積極的に就農につく条件をつくり上げる、こういうことが私は必要だと思いますよ。だからこのことは、ただ一般教育だけではなくて、いまわが国の食糧問題、農業問題は重大な時期に来ておるんですから、いま政治の大きな課題というものは私は農業、食糧、こういう問題が大きな私は一つの柱だと思いますよ。その柱を今後後継していく人たちをつくり上げなければならぬ、ここに大きな責任があるわけです。農林当局は、これを一番いま大きな課題としていろんな方策を立て苦しんでいる。ただ私は物質だけじゃいかぬと思う。何でもかんでも助成をすればいいという形で農業後継者が生まれてくるわけではない。やはり農業に対する重要さ、とうとさ、そしてまたそれに対する意欲、これを持つ人たちをつくり上げなければならぬということですよね。  どうも最近の傾向としては、若い人たちは農業をいやがって皆町へ出ていくと。それは私もいろいろ相談を受けますが、いま農業をやっている若者に対する結婚、奥さんが来ないんですよ。サラリーマンのところへ行きたい、皆さんと同じ役人のところへ行きたい、公務員のところへ行きたい、こういうところに若い女性の方も魅力を持つ。農業後継者に対しては、お互い隣近所か親戚からしか来ないという実情が現に各所にありますよ。これは私は重大な問題だと思う。これがやはりひとつ農業のとうとさというもの、あるいは非常に重要なわが国の農業基盤の担い手であるこの人たちをいまからつくり上げなければならぬ、そこに大きな私は文部省としても教育課題があると思います。この点を私は特に文部当局に申し上げておきたいと思います。この私が先ほどから申しました点について、農林省当局はどうですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 全く先生の御所論は同感でございまして、私どもも従来学校教育における農業の扱いについていささか不勉強であったということを反省をしておるわけでございます。近年、農業後継者がこういう状況になってまいりまして、私どもといたしましては、もちろん学校教育の中でも教育課程の問題といたしまして、農業に理解を持っていただくような教育を義務教育の課程から進めていただくこと大賛成でございます。今後とも私ども、そういう方向で文部省もお進めになるということを強く期待をいたしておるわけでございます。  なお、私どもの普及事業の中でも、学校との連携を強化するということが大変重要だと認識をいたしまして、実は緑の学園事業というのをやっておりますが、これは高校生を対象といたしまして、夏季休暇等に一週間程度農家に宿泊をしていただきまして、農業の体験をしていただくということによって、農業のいろいろの、親しみを増すということもありましょうし、農家の実態を知っていただくということもございまして、これは五十年度の参加者で申しますと、数は四千七百四十人くらいの参加を得ております。それからなお、これは新規予算でございますが、地域ぐるみの農業後継者対策の特別事業を計画をいたしておりまして、これは市町村を中心として普及事業、その他関係団体の協力を得て進める仕事でございますが、これはメニュー方式でやることになっておりまして、どれにどれだけの金額を割くということを特にぴちっと特定をいたしませんが、その中で野外農業教室というのをひとつ考えておりまして、これは対象は小学生でございまして、季節ごとに農家の圃場を借りましてイモ掘りをやるとか、ミカン狩りをやるとか、場合によっては田植えをやるというようなことで、農業に小学校の方に親しんでいただく。これは年三同程度を考えておるわけでございます、一回一日ということではございますが。それから農業体験学校というものを、これは中学校の在校生を対象にいたしまして、夏季休暇等を利用いたしまして、大体おおむね四日間ぐらいキャンプをしていただきまして、キャンプしながら農作業体験をしていただく。これは高校生の場合よりはやや程度の何と申しますか、内容の軽いものというふうに考えておるわけでございます。こういった小中学生を対象にする特別授業を、さしあたり五十二年度といたしましては、改良普及所の設置数に見合う六百三十五町村で展開したい。この種のことで文部省との御了解を得ながらこういうことを進めまして、文部省としてもこの構想には御賛成をいただいておるわけでございます。教育課程の問題と並びまして、こういう普及事業の活用と両々相まちまして農業後継者の育成に資すると、基盤を培うということは大事だと思いますので、積極的に取り組んでまいりたいと思います。

向井長年民社党

○向井長年君 私はこれで終わりますが、先ほど申しましたように、文部省それから農林省——どうも役所というところはなわ張り根性がございまして、自分たちは自分たちの方針を決めたらそれで行くという傾向が多いわけでありますが、特に農業者の後継者育成については文部当局も連携を深めて、そしてやはりその推進を図っていただきたい。これは中央だけではなく、地方公共団体含めまして、そういう形をつくり上げるために最善の努力を要望いたしまして、終わります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、今日の世界的な立場からの食糧需給の逼迫、そしてまたわが国における国内自給を高めなければいけないというこの動き。さらに、地域農業の振興を図らなければいけないという、こういった立場からこのたびの二法の改正はこれはもう必然である、こういうふうに思っておるわけなんですが、そこで、当然農業改良普及事業の重要性というものが強調されてこなければいけない、こう思うわけでありますが、そういった観点に立って幾つかの問題を指摘してまいりたいと思うのであります。  まず第一点に、農業改良普及職員の設置の状況について指摘をしたいと思います。五十年度の予算定数を見ますというと、予算定数に比べて実人員がかなり低い状況にあるように思います。このような現状況で、果たして農家に密着した活動体制が確保されるだろうかどうだろうかという疑問を持つものでありますが、まず、その立場からのこの予算定数割り当てに対する各都道府県の対応の差異は一体何に起因しておるのか、このことについての政府の見解を最初にただしたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 御指摘のとおり、五十年度末の予算定数に対しましてかなりのギャップを置いて実際の改良普及職員が設置をされているという実情にございますが、充足率といたしましては約九六%ということになろうかと思いますが、これは県別に見てまいりますと事情はいろいろと個々に異なっておりまして、一概にこの原因と言えないわけでございますが、それぞれの地域の農業の事情やらその他の事情も影響しておるとは思いますけれども、基本的には定数を予算上獲得をいたしましても、県としてはようそれをこなし切れないという態度、これの原因にはいろいろ背後に事情があると思います。一つには地方財政の問題もございましょうし、先般解消を図りましたが、それまでは当委員会でも種々御論議のございました超過負担という問題もございましょう。いろいろのここまで来ます間の歴史的な経過の中で、そういったさまざまな事情が影響をいたしましてこういうことになったと思うわけでございまして、私どもとしてはまことに残念だと思っておるわけでございます。  そこで、先生のおっしゃるように、普及活動の質を落とさないで、適切に農家の需要に対応していくということにはどうしたらいいかということになるわけでございますが、私ども基本的には数を定数まで満たずにこういう形で相当のギャップを置いておることは好ましくないので、これ以上設置数を減らしていく場合には、一つ一つ地方農政局に協議をいただきたいということでチェックをしてまいるつもりでございますが、残った現員でとにかく効率的な普及活動ができるだけ行われるように、そのためには普及活動の方式を工夫をする必要が一つはあろうと思います。農家に密着したということはまことにごもっともな仰せでございますが、昨今の農家の側の事情の変化も著しくて、兼業化の進展等で、なかなか昔みたいに農家のうちへ行ってもあるいは圃場へ行っても、簡単にお会いができないというような状況でございますので、全体の普及員の活動の割合を時間数で私どももいろいろと調査をして調べておるわけでございますが、個別農家指導という時間の割合というのは大体二割を少し上回った程度、集団指導というのがそれにかわって非常に大きなウエートを占めておる実情でございまして、皆さんに集まっていただいて指導をする場合が非常に多くなってきておるということが言えるかと思います。そういうような活動方式の工夫ということもございましょうし、それからまた、かつ普及の現場に出かけるまでの時間をできるだけ短縮をする、言いかえれば機動力をつけて効率的な普及活動を行うということですが、そういう面から機動力の充実整備——軽四輪車の整備等に努め、あるいはその他の普及機材の整備に努めておるというのもそのゆえでございまして、いろいろの総合施策によって普及活動の質が落ちないように、当面する農業情勢に対応できるような適切な普及指導の推進にできるだけ努力をしたいと思っておるわけでございます。     —————————————

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま坂元親男君が委員を辞任され、その補欠として斎藤栄三郎君が選任されました。     —————————————

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ただいまの問題に関連して、沖繩における農業改良普及員の諸君の設置状況でありますが、   〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕 結論を先に言いますと、少な過ぎるのではないか、こういうことから、なぜ私がそう申し上げるかと言いますと、五十一年の三月三十一日現在、専門技術員が定員十一名に対して現員が七名、それから農業改良普及員九十五名の割り当てに対して九十二名、こういう実情になっておるわけですが、これはこの資料によりますと、東京、大阪を除きますというと、他の府県では最も下位にあるのが沖繩になっておるようでありますが、もちろんこれは法の十六条の二によって一応その割り当て基準が決められたと思います。ところが、この総人口に対する農家人口割りは沖繩が二六・六%、全国が二一・九%、これを踏まえても沖繩が少ないのではないかと、こう判断されますし、さらに沖繩の特殊事情をいつも私は強調いたすわけですが、本土に比べてまさに五十年のおくれがあると言われておるのであります。また、そういう数字的な裏づけもあるわけであります。そういう立場からも、この普及職員の確保がどうしても必要である、よけい必要である、こう思うわけなんです。さらに、沖繩農業の再建のためにも農村の要望に十分こたえていただきたいと思うわけなんですが、そのことに対する農林省の見解、それから沖繩の現在の割り当ての算出基準といいますか、それをお聞きしたいんです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 沖繩は、普及事業がわが国で施行されまして後に復帰をしたという特殊事情がございますので、沖繩の定数枠の配分については特別に扱っておるわけでございますが、定数との関係で、確かに先生おっしゃるように、そこまで充足をしてないということは事実でございますけれども、復帰前の四十六年に比べまして、農業関係では七十九人の関係職員がおったわけでございますが、五十年には九十九人まで、二十人ふえてきております。それから生活改善関係では六十八名が、これは若干減少いたしまして、六十四名ということで、これは大体ほぼ横ばいということでございます。総計にいたしまして百四十七名でございましたものが、百六十三名ということになっておるわけでございます。  そこで、この内容でございますけれども、農業関係で申しますと、沖繩県の場合に、普及員一人当たりの農家戸数で見まして全国平均とほぼ差がない。普及員一人当たりの農家戸数は沖繩県が若干多い。十一戸くらい多いということでございます。それから、普及員一人当たりの農業人口で見まして全国平均よりもやや多い。全国平均が五百四人でございますが、沖繩県では五百四十三人ということになっております。もう一つの特徴は、一市町村当たり普及員数で見ますと、沖繩県は一・七人ということで全国平均が三・〇ということに対しましてかなりの格差がある。これは、市町村数がかなり小さな町村が多いということが影響しておるのではなかろうかというふうに思います。生活改善の関係は、これに対しまして沖繩県では普及員一人当たりの農家戸数は八百戸でございまして、全国平均が二千四百戸余りになっておるのに比べて、はるかに配置の密度が濃いということが言えます。普及員一人当たりの農業人口にしましても同様の傾向がございますし、一市町村当たりの普及員数はほぼ一市町村一・一人ということで、かなり濃密配置ということも言えるかと思います。  特に、沖繩の場合には、農業の実情が内地とは、本土とは大分違っておりますので、特に専門部門の担当の専門改良普及員を充実をする必要があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。現在、農業関係の専改は二十七人置かれておるわけですが、その内訳といたしまして、野菜が六人、パインが六人、花卉が三人、畜産が五人、農機具が二人、青少年が五人ということでございまして、沖繩の特産物等に対応いたしまして、また野菜などは特殊な立地条件を生かしてこれから伸ばそうという作目でもございますし、そういった新しく伸びていく面、沖繩農業の特殊性というものに着目をして、なるべく専門技術の技術レベルを上げていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。これらの点は、研修によるレベルアップということも非常に重要でございますので、特に沖繩にはそういう点気をつけて実施をしていただくということが肝要かと思います。私どももそういうつもりで御応援をしたいというふうに考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまおっしゃった人員は、この資料と大分違う。花卉は何名ですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは五十二年の二月現在ということで最新時点のものでございますが、農業の関係の改良普及員が専門改良普及員で二十七名でございまして、そのうち花卉担当は三人でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いままでのお話で、沖繩は他県に比較して若干多いということを大分おっしゃったんですが、若干ではいかないのではないか。なぜかと言いますと、沖繩の特殊事情が、復帰後加速度的に開発されていかなければいけない。いわゆる本土並みという目標があるわけです。その本土並みに追っかけるために特別措置法というのもできて、さらにこの五カ年では追っつかぬから、この五月十四日では追っつかぬからさらに再延長するという、こういう特別な措置もとられておるのはこれは当然なことだと思うわけですが、そういったたてまえからしましても、私は若干多いという考え方ではいかないのではないか。しかし、それには現地側の要請も配慮してもらわなければいけませんので、そこで私が特に申し上げたいことは、現地側からの、先ほど申し上げた農家、農村あるいは県から強力な要請があればその普及員の確保についてひとつこの要請に十分こたえてもらいたいと、こういうわけなんですが、いかがでしょうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先ほど先生に誤解をお与えするような答弁をして申しわけないわけですが、農業関係は、若干普及員が多いというのじゃなくて、普及員の担当する農家戸数なり農業人口が、沖繩県の場合全国平均より多いということですから、普及員の配置人員としては本土と比べて、あるいは全国平均に比べまして若干少ないということでございます。これは農業関係の実態、しかしそう大きな差ということではこの指標で見る限りはない。それから生活改善の関係は、かなり配置状況は全国平均に比べて非常にいい成績であろうというふうに評価をしておるわけでございます。  それから先生の御指摘の、定数と実際の職員の設置のギャップの問題でございますけれども、これにつきましては、まず私どもも沖繩県と十分協議をして、できるだけ沖繩県の特殊性に合うような充員を図っていただくということは指導申し上げたいと思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 沖繩の特殊事情下にある農業、それから地理的、自然的、気象的条件からも特殊な地域にあるわけですけれども、そういった特徴を踏まえて、ひとつ一日も早く本土並みに引き上げてもらうように強く要望いたしておきます。  次に、協同農業普及事業の事業費に対する国の費用負担の実態についてただしたいんですが、まず、事業費に対する国の費用負担の実態は、県によりますと三分の二ないし二分の一補助と、こうなっておるわけですが、実際はかなり低いものとなっておることは数字が示すとおりであります。このことは何を意味するかと言うと、裏を返せば地方財政の、いわゆる地方に超過負担を強いておると、超過負担を招いておると、こういうことになっておるわけなんです。そういうことから、欠員の未配置も補充したくてもできないような状態に追い込まれておることもあるのではないか、沖繩もまさに同様であります。そういった点を十分理解してもらわなければいけない。いわゆる正真正銘三分の二ないし二分の一が補助として流れるように、こうならなければいけないのではないかと、こう思うんですが、いかがでしょうかな。   〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これまでいろいろと御説明を申し上げているところでございますが、五十年度におきまして、いまおっしゃったような超過負担問題の解消ということで補助基準等級号俸の平均五号アップをやりまして、国庫補助ベースで十八億円の超過負担額の解消をいたしたわけでございます。  先生のおっしゃいました、人件費等で報告をされております実支出金額と補助金の受け取り額というものの対比で三分の二までいってないではないかというお話を、即超過負担というふうには私ども考えないわけでございますが、しかし、いずれにしても、一遍解消したらそのままの状況でずっと超過負担なしでいくというふうにも思えない要素がございますので、私ども今後の推移を十分注意をいたしまして、これは県の給与のシステムなり、あるいは人員の配置の方針なりによってかなりこの辺の実際の影響を受ける問題でございますので、その辺も勉強をいたしまして、今後超過負担ということで再び大きな問題にならないように気をつけると同時に、是正すべき問題が出れば検討の上是正をしてまいりたいと、従来も是正を図ってきた線で是正をしてまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまおっしゃる御配慮から、今回の改正で補助金を負担金に改め、そして費用負担を一層明確にしてもらったものと理解いたすわけなんですが、そこで、名称の変更のみでは実際どの程度の実態が改善されていくのか、こういうことが最も大事であるわけなんです。その点について見解をただしたいんですが。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) これは、今回の改正でお願いしております補助金を協同農業普及事業負担金とすることの趣旨は、提案理由説明ないし補足説明で申し上げた趣旨に尽きるわけでございます。  そこで、こういうことになりますことの効果といたしまして、従来とかく協同農業普及事業の助成が補助金という言葉を使っておりますために、一般の奨励的な補助金というものと同質のものであるという誤解を生みまして扱われるという、あるいは議論が行われるというケースがあったわけでございますが、これは改良助長法の中に明確に規定されておりますように、農林省と都道府県との共同事業である、その実施の方針につきましても、相互に協議をしてお互いに納得した上で計画を定めてそれに従って実施をすると、こういう特殊な性格を有するものでございますので、したがって、その点を負担金としたことによって明確化された以上は、今後、たとえばこの助成を交付税回しにするというような議論は再び起こり得ないものというふうに思います。その点は、関係の職員の方々等にも認識をしていただけるものと思っておるわけでございます。超過負担問題は超過負担問題といたしまして、とにかくそれは地方財政の現状からも今後も大きな問題になる可能性のあることでございますから、これはこれとして取り組んでまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 単に奨励金というと一般の奨励金と間違われるからその誤解を解くと、こういう軽いものではなしに、自主的に補助金から負担金になるために名実ともにこの実績を上げるんだと、こういうところに結びつかぬというと、単なる誤解を解くためにということではいけないのではないかと思うのですが、そこをひとつ名実ともに実績を上げてもらうように、また上がるように努力をしてもらいたいことを強く要望したいんです。  次に、普及職員の人員確保とその資質の向上について二、三ただしたいと思います。その点から、ひとつ特に沖繩の場合非常に気になることがございます。いわゆる離島である、そしてしかも多島県である、しかも社会的、自然的条件も異なる沖繩である、こういう条件の沖繩では基幹作目の——基幹だけじゃありません、農作目が多岐に、多種類にいろいろと広がっておる。それから技術の特異性も他県とよけい違う点があるわけですが、そういった面からの研修の必要性が私は他県よりも非常に強いものがある。ところが、そういう必要性はありながら、実際には研修への参加の機会が他県に比較して制約されていくのではないかという心配が多分にあるわけなんです。その点に対する御配慮、見解いかがですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 沖繩の農業関係の普及職員の資質向上のための研修を沖繩農業の実態に合ったような形で行うということの重要性は、つとに私どももそのとおり思っておりまして、四十八年度以降研修を沖繩を対象として助成をしたり、あるいは国が実施をしたりしたものにつきましては、これは他県の研修とはやや性質を異にしております。まあ大ざっぱに申しますと、通常の県の倍くらいの密度で大ざっぱに申せばやっておるというふうな現状かと思います。しかし、今後とも、私ども特に農業関係の普及の職員の研修の充実を図るべきであるということについては特に痛感をしておりますので、今後とも意を用いてまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、いまの問題に関連する人材確保の面からですが、これはなんといっても、人材確保の第一要件は待遇改善、適正な格づけあるいは国の補助金の単価の引き上げ、そうして実態の格差の是正、こういうことが的確に行われなければ、幾ら人材確保と言いましても来るはずはありません。これに対する政府のきちっとした見解をお聞きしたい。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 私どもも普及職員の処遇の問題につきましては、優秀な人材を確保するという観点から大事な問題だというふうに思いますので、従来もいろいろと工夫できるところは工夫をいたしまして、主任専門技術員をつくるとか、そういうような形での対応をやってまいったわけでございますが、現時点で全体的な姿といたしましては、私ども、さしあたり問題になりますのは普及手当の扱いということになろうかと思うわけでございますけれども、この点については、現時点での認識としては、他の比較し得べき職種との比較で見まして、特に経験年数、学歴等で同レベルにおいての比較ではこれはそう優劣がないという認識を持っておりますので、この点はしかし、今後も私ども真剣に事態の推移を見守って、処遇の点についても気を配って、改善方策等検討をする姿勢でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 普及職員の給与は一般行政職になっておるようですが、普及職員の機能やあるいは職務の特殊性からしまして、現在は給与月額の八%ですか、それから一二%の普及手当が支給されている、こういうあり方を改善する意図があるのかどうか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 先ほどそれに触れて申し上げたつもりでございますが、現時点において、他の比較するのが妥当だと思われる職種と比較してみまして、大きな優劣なしという判断でございますので、これは現時点で八%なり一二%の手当を増額をするということは考えておりません。なお、しかし、今後の事態の推移をよく見守って、研究すべき点は研究し、総体としては改善を図るという気持ちで検討を図っていきたいということでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 じゃ、今度の改正の意図がそこまで質的にもねらっておるのでありますから、私は普及職員の機能や特殊性からしまして十分検討してしかるべきではないかと思っておるんですが……。  次に、機動性の確保が、これがまた非常に大きな問題じゃないかと、こう思うんです。そういう立場から、この裏づけとしての普及活動費あるいは運営費、これが相対的に少ないのではないか、こう思われますが、聞くところによりますと、そういった少ないために時に自己負担もあるやに聞いておりますが、そういうことのないように思い切って機動性を十分果たし得るところの裏づけ予算があって初めて優秀な機能も発揮できるのである、能力も発揮できる、こう私は思うのですが、その点いかがですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 普及員の機動力を増すために軽四輪車の整備等を計画的に進めておるわけでございますが、これにつきましては、沖繩も同様に四十七年から五十一年までに二十四台のライトバンを設置したところでございまして、普及員約三・八名に一台ということになっております。全国平均で申しますと四・八名に一台でございますから、その意味ではやや平均よりも水準を上回っておるということが言えようかと思います。  なお、普及指導高度化のための機材の整備につきましても、四十九年度から年次計画によりまして整備をしてきてまいっておるところでございまして、一応、線虫検診用の機材とか土壌検定用の機材とか糖度計というような沖繩の農業との関係を特に考慮した普及機材につきまして、五十二年度をもって一応の計画は完了するということに相なっております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 じゃ、沖繩のとおっしゃいましたので、最後に普及員が本当に名実ともにその能力を十分に発揮して、そして本当に効果あるものにしていくためには、地域の実情に即した適正な普及員の配置が最も大事であるということはいまさら申し上げるまでもありません。そういう立場から、特に最近における沖繩農業の動きあるいはあり方については御存じと思いますが、この自然条件を有効に活用していくという、いわゆる太陽エネルギーを最高度に利用、活用していくという、この方向に大きく伸びつつあることは御承知のことだと思うんです。  具体的に申し上げますと、たとえば冬から春にかけての野菜あるいは葉たばこ、お茶、青切り温州ミカン、花卉、花木類、こういう沖繩独特の亜熱帯産業にふさわしい、農業にふさわしい、こういう内容がいま開かれつつありますが、これは沖繩でなければできないような特産あるいは高収益農産物の栽培が急速に伸びてきておることは非常にこれはいいことだと思っておるわけですが、ところが、これらの作目への対応に対して私は率直に申し上げて不満を申し上げたいんです。それは先ほどの質問とも関連しますが、この指導員の未設置ですね。たとえば葉たばこ、そして飼料作物と草地改良、果樹、花卉、それから特に最近乳牛が非常に盛んになりつつあります。養鶏、こういった面からの専門技術員の配置がなされていないのではないか、このことを強く指摘いたしたいんですが、どうですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 沖繩県では、先生のおっしゃるとおり、特殊の気象条件等を活用いたしました作物のこれからの伸びというものが考えられるわけでありまして、現在、冬、春野菜といたしましてレタスとかサヤインゲン等、あるいはまた花につきましてもこの土地に適しておりますグラジオラスやテッポウユリ球根などの生産の振興がもくろまれており、これにつきましての技術指導、経営指導につきましては、それぞれ普及員が担当してやっておるものと認識をしております。  ただ、先生おっしゃったように、葉たばこの関係はこれは最近急速に伸びつつございますけれども、生産技術面の指導は主として専売公社の技術指導員が当たるという体制になっておりますので、私どもの普及事業の方の農業の改良普及員は主として経営面での指導をやるというふうに、機能分担をして当たっているところでございます。  これは今後もそういうことで行くのではないかというふうに思っておりますが、そこで先生おっしゃいます野菜でございますとか、花卉、果樹等、専門担当の普及員の数も足らないし、質も向上する必要があるというのは、私もそう思っておるわけでございますが、よくその点は県とも相談をいたしまして、今後の方向について適切な指導をすることにいたしてまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 特別の、特段の御配慮をお願いしまして、時間のようでありますので、これに対するひとつ農林省の態度を表明してもらって終わりたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○政府委員(堀川春彦君) 御趣旨を体して善処してまいりたいと思います。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 速記を中止願います。   〔速記中止〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 速記を起こしてください。  他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  農業改良助長法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいま可決されました農業改良助長法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案が委員長の手元に提出されておりますので、これを議題とし、便宜、私から案文を朗読いたします。    農業改良助長法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農業事情の著しい変化に対応し、地域農業の実情をふまえた農業生産体制の整備を促進するとともに、農業後継者の育成確保、農業技術及び農民生活の改善向上に資するよう、本法の施行にあたつては、左記事項を検討し、その達成を期すべきである。      記  一、協同農業普及事業の役割を明確にするとともに、その整備強化の一層の推進を図り、これに対する国庫助成の強化に努めること。  二、農業後継者を育成確保する観点から、農業教育の充実を図るとともに、本法の対象となる農民研修教育施設については、施設の計画的な開設、施設整備予算の確保、実践的研修教育の充実に努めること。    なお、農民研修教育施設の指導職員に改良普及員を充てるに当たつては、普及組織全体の運営に十分配慮して行うものとすること。  三、普及事業と市町村、農業委員会、農協等との連けいを密接にするため、農業改良普及推進協議会等の機能を十分活用して地域の実情に即した普及活動が行われるように努めるものとすること。    また、農民と密着した普及指導を進めるため、普及所の活動体制の強化、機動力の整備等に努めること。  四、普及事業と試験研究機関との連けいの強化に一層配慮するとともに、専門技術員の資質の向上、指導活動の強化に努めること。    また、農業技術の高度化に伴い試験研究予算の積極的な確保・充実に努めること。  五、普及組繊の機能を強化する見地に立ち、都道府県における所要の普及職員の設置数の確保等を強力に指導すること。  六、普及職員に対する処遇の改善、計画的な研修等を一層促進すること。  七、生活改善普及事業については、特に農業生産と生活の調和、農民の健康生活管理、生活環境の改善等を積極的に推進することに重点を置きつつ、その拡充強化に努めること。    右決議する。 以上であります。  それでは、本附帯決議案の採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鈴木農林大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林大臣。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、十分努力してまいる所存でございます。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいま可決されました農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案が委員長の手元に提出されておりますので、これを議題とし、便宜、私から案文を朗読いたします。 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農業経営の改善、農業後継者の育成助長等を積極的に推進するため、農業改良資金制度の実効ある運営に努めるべきである。   特に技術導入資金の特認事業については、地域農業の実情に対応した適切な運用を図るとともに、農業後継者育成資金の部門経営開始資金については、資金の性格及びその運用の実際に十分配慮しつつ貸付限度額の引上げ、償還期間の延長等貸付条件の改善を検討すべきである。   右決議する。 以上であります。 それでは、本附帯決議案の採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鈴木農林大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林大臣。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、最善の努力を尽くす所存でございます。

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘直治自由民主党

○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十二分散会      —————・—————

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