農林水産委員会 第10号
- 発言数
- 337 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/04/07
会議録
○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨六日、堀内俊夫君が委員を辞任され、その補欠として梶木又三君が選任されました。
○委員長(橘直治君) 松くい虫防除特別措置法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は先般聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○粕谷照美君 大臣代理の政務次官にお尋ねをしたいというふうに思います。 私は先日、社会党の調査団の一員として岡山、それから姫路の方に松枯れの実態を見に行ってまいりました。で、行ったときにたくさんの団体からも陳情を受けましたし、それから営林署の方からも大変いろいろな御説明もいただきました。そういう説明をいただいたりあるいは実態を見てきますと、私自身も大変迷う部分があるわけです。具体的に言えば、たとえば岡山の操山という国有林があるんですが、岡山市の護国神社へ行ったときにそこの山を見まして、たしか営林署の方だったというふうに思いますけれども、あの山は三年間空散を連続してやったんだけれどもやっぱりどうも十分ではないと、もう一回来年もやらなければならないというふうに思うということをおっしゃっておりましたので、三年連続空散をやってこれは本当に効き目があるものだろうかという気持ちを持ちました。と同時に、また瀬戸町などへ行きますと、大変きれいに松ができておりますので、なるほど空散は効果があったんだろうと、非常に判断に迷う部分があるわけですね。 それと同時に、このマツクイムシのザイセンチュウの問題に対して、反対意見の科学者の方々も、もう絶対反対だという立場じゃなくて、やっぱり問題があるからもっと慎重にすべきである、こういうことを言っておられるわけです。それと同時に、先日高砂市の方の一住民の方で、熱心に自然保護の運動をやっていらっしゃる方から私ども帰りましてから手紙が参りまして、高砂市で三年連続空中散布をやっていたんだけれども効果がないということで中止をしたという例もあるし、視察直前に枯れ松を伐倒したという事実もありますというふうな報告もありました。そしてまた、そこのところではミツバチが非常に大量に死んでいるわけですが、姫路の営林署長さんが一万円持ってきたと、これで何とか損害を補ってほしいということを言ったんだけれども返したというような報告と同時に、高砂では野鳥の大量死があった。どうもまかれた薬の濃度が高いのではないんだろうかという疑問の手紙もいただいております。 こういうことをいろいろ考えてみますと、何かこの住民側の不安に対して適確にこたえていないのではないかという気持ちがいたしました。それは先日の参考人の唐津の市長さんのお話で、徹底的に住民団体の方々と話をして、野鳥の会の代表の方々とも話をしてそうして納得をして空散をやっているという態度とは、大変違うんではないんだろうかという気持ちがいたしますので、先日も大阪空港のエアバス乗り入れに対して、ずいぶん大変な住民運動が起きてきたけれども、その住民団体の方々と粘り強い話し合いをして、とにかく試験乗り入れをやろうというところまでこぎ入れたというふうな、そういういろいろな姿勢を考えてみまして、林野庁としては、こういう空散に対する住民の不安というものに対してどういう姿勢でやっていかれようとするのかということを、最初にお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(藍原義邦君) 先生のいまの御質問の中には、空中散布に対して林野庁が少しせっかち過ぎてやろうとしているのではないかという御趣旨があるのではなかろうかと思いますが、私ども四十八年から空中散布を実験的にやってまいりまして、特に最初に松枯れが非常によけい出ました九州地方におきましては、ただいま先生のお話ございましたように、唐津の松枯れもこれも国有林でございます。やはり営林署なり県が中心になってやっておるわけでございますけれども、そういう長年やってまいりましたところはいろいろな経験から非常に徹底してやっておりましたけれども、その後被害が蔓延してまいりました関西方面につきましては、先生の御指摘のように、部分的にあるいは説明が不徹底の点もあったかと思います。 しかしながら、私どもこれからやります空中散布につきましては、特に新しい法律をつくって、徹底的に五カ年間にこれを静めようという考え方でございますので、地元の住民の不安の問題あるいは薬剤のいろいろな問題、これらにつきましては、それぞれの設けられました審議会なりあるいは協議会なりあるいは地元の説明会等々におきまして十分御説明をし、御納得をいただく形で住民の御協力を得て対応してまいりたいという考え方でやるつもりでございます。
○粕谷照美君 林野庁の姿勢は、私その説明でよくわかりました。ぜひ私は、もしやるのであれば唐津のような形で、本当に全住民の意見が反映されていくような形でやってもらいたいというふうに思いますけれども、それでは関西地方の方はそれでやっていけるというふうにお考えですか、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 関西地方の松は非常に人家に近いところ、特にあの辺は先生御存じのように、花嵐岩地帯が多うございまして、かつてはげ山復旧とかいうようないろいろな形で松を積極的に植えまして、はげておった山を緑に直したという実態がございます。そういう点で、人家に非常に近い松が多うございますので、空中散布をやれる個所、やれない個所、非常にその辺は厳正に対応しなければいけないというふうにわれわれも考えておりますし、そういう面からここは空散でやる個所、ここは地上散布あるいは伐倒でやる個所、その辺の区分はやはり明確にいたしまして、ここはどうしても空散でなければマツクイがとまらないというところにつきましては空散をやりますけれども、やはりいろいろな問題がございまして空散はなかなかむずかしいという個所については、地上伐倒なりあるいは地上散布なりそういう形で対応し、五カ年間にこの大きな被害がなくなるような方途を十分考えながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 それでは、そういうことをきちんとそれぞれの市町村に徹底をしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。 それではその次に移りますけれども、マツクイムシ防除作業の目標は一体何であるかということを林野庁の方に伺います。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま全国のマツクイムシの被害を見ておりますと、非常に激害な被害が出てまいりました。これは一つの松林群について見ますと、その松林の立木の五%以上も枯れておるというところもたくさんあるわけでございますし、そこで一般的に松の枯れているものが出てまいるわけでございますけれども、私どもの目標は、一つの松林群につきまして大体一%以下の松枯れになるように、いま申し上げましたような五%あるいは七%というような大きな被害のところを静めていこうというのがねらいでございまして、最終的にザイセンチュウによります松枯れを全滅させようということではなくて、大体その林の一%以下になりますと、ただいまございます現行法で一応対応できるという考え方でございますので、そういう方向に持っていくための措置を考えたのが今回の特別措置でございます。
○粕谷照美君 そうすると、虫の数をできるだけ低く抑えたいということが目標だというふうに思いますけれども、そういうことになると、第六条に「早期に、かつ、徹底的に、松くい虫を駆除し、」と、こう書いてあるわけですね。そうすると、徹底的に駆除をするということと、低く抑えるということは食い違いがあるのではないんだろうかという気持ちがしますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいまの施行されております現行法も、同じような「徹底的」という書き方になっております。したがいまして、私どもといたしましては、「徹底的」と申しますのは何もせん滅作戦をやるということではなくて、やはり早期に徹底的にやりまして、先ほど申し上げましたような目標に達するようにしようというのがねらいでございます。したがいまして、当初申し上げましたように、せん滅するのではなくて、徹底的にやることによりまして一%以下の微害の被害になるであろうというふうにわれわれ考えておりますので、そういう意味で「早期」「徹底的に」という文言が入っておるわけでございます。
○粕谷照美君 わりと「徹底的」は、そうすると修飾的な言葉に使われているような気持ちがいたしますが、そうではないのですか。徹底的に駆除するということと絶滅するということは、同じじゃないんですか。
○政府委員(藍原義邦君) 「徹底的」という言葉の理解の度合いだと思いますけれども、徹底的にやることは必ずしもせん滅することでは私もないと思いますし、先ほど申し上げましたように、非常に激害地あるいはこれから蔓延するであろうと思われるところをやるわけでございますから、そういうところはやはり徹底的にやりまして、微害に持っていくというのをわれわれとしては考えておりますし、ことに五年間でやるということでございますので、そういう意味からも、「徹底的」というやはり言葉は必要であろうというふうに考えております。
○粕谷照美君 それで、絶滅ではなくて抑えるという、これに重点が置かれるということであったならば、政府が松枯れ激害発生の誘因として強調しております乾燥、高温という条件があると、また三たび空散をやらなければならないというときが来るのではないんだろうかというふうに思いますが、そういうことになりますと、微害はやむを得ないというふうにある程度あきらめているというふうに考えられるんですが、そうするとそれはまた引き金になると。つまり、また三たびこういう状況が起きてくるというふうなことは考えられるんでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 過去において確かに激害が出まして、その後衰微し、そしていままた発生しております。したがいまして、そういう事態が起こるのではなかろうかという予想も考えられるわけでございますけれども、私ども現在考えております技術によりますと、新しくマツノザイセンチュウというものが樹脂道を閉鎖し、そして松の樹液の流動をとめてしまうということによる被害でございますし、その対応のための空中散布でございますので、そういう形で三年間やってまいりますと、当初申し上げましたようにきわめて微害な被害でとどまると。そうなりますと、一般的に従来からやっております現行法の防除で一応おさまっていくという見通しが立っております。 そういう意味からも、先生がおっしゃったように、五カ年間でやめてしまってまた再びこれが大きな被害になるであろうということは、私どもとしては予想はしておりませんし、また、今回どういう地域をまくか、どういう地域は松の樹種を転換してほかの樹種にするか、いろいろそういう点もあわせ考えておりますので、そういう意味から、重要な松林については今回の特別防除をやれば一応おさまってまいるというふうに考えております。
○粕谷照美君 私は、空散だけで徹底的な防除が行われて、そして三たびこういう状況が起きてこないという保証はないように思うものですから、それでさっきから質問をしているわけですが、それでは昭和二十二年から二十五年、つまり終戦直後に起きた大松枯れの発生の条件というものは一体何であったか。それと、その時代といまの時代とにおける、現状とにおける共通な点は何であるかということをお伺いします。
○政府委員(藍原義邦君) 終戦直後に起きました大きな被害は、戦中戦後、松を非常に用材、薪炭材等に利用いたしまして、当時ある意味で国の統制なり林業に対する計画的な事業もできなかったために松山そのものが非常に乱雑になったということ。そういうこととあわせまして、当時非常に台風がよけい参りました。まあそういう関係から、気象的な条件も多分に入っておったと思います。そういう両面で松山が非常に乱雑になったために、非常に大量の被害が発生したということでございます。 それから、現在出ております被害は、その後松枯れが衰微いたしまして、なおかつ松については、世の中も安定し燃料あるいはパルプその他利用されておりまして、松山も順調な施業等をやっておったわけでございますけれども、最近、松の需要というものが坑木その他非常に少なくなってまいりました。さらには燃料革命によりまして、家庭で燃料に使う度合いが全くないと言っていいほど減ってまいったわけでございます。したがいまして、自然枯損その他の松が松林の中に放置されてしまうという状況、そういうこととあわせまして、たまたま四十六年ごろでございますか、異常乾燥、異常高温というものが起きまして、マツノマダラカミキリ等の発生条件に非常にいい気象条件にあったというようなことから、今回大量の松の枯れが発生したということでございます。
○粕谷照美君 私は、そういうことと同時に、やっぱり共通していることは、人手不足による森林管理の不十分なこと、松枯れを早い段階で伐倒駆除して被害を防止するという視点に欠けていたためではないんだろうかという気持ちなんですが、今回調査に行きました岡山、兵庫、いずれも森林病害虫等防除法に基づいて伐倒駆除を早く実施し被害をなぜ抑えなかったかという、こういう住民の人たちの問いに対して、森林所有者は実施の見込みがないと、森林所有者がその伐倒をやるというような条件にないと、とてもやってくれそうもないと、したがってその指示をしなかったと、こう答えて、ある程度あきらめたような雰囲気があったように思います。それで、林業経営に対する森林所有者の意識はどうであったか。労働力は、つまり森林を育てていくための労働力はどうであるというふうに林野庁としてはお考えでしょう。
○政府委員(藍原義邦君) 森林所有者の松林に対する経営の度合いの御質問だと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、松が非常に利用価値が多かった時代には、森林所有者も積極的に松林については経営意欲を燃やしておりましたけれども、最近、パルプあるいは燃料等に使われなくなったということで、松林に対する経営意欲が確かに減退もいたしております。しかしながら、逆に、特に九州等では松を主体にした林業経営をやっておる地域がございましたけれども、そういうところでは利用されなくなったということと同時に、マツノマダラカミキリによりまして松林が枯れてしまうということによって、きわめて林業経営の意欲も減退しておる地域もございます。反面、松枯れが生じておりません東北地方等におきましては、先生も御存じかと思いますけれども、松を相変わらず積極的に林業経営の対象の樹種として松林の経営を営んでおるところもございます。 そういう点から、経営に対して意欲がなくなった原因は、一方では松の利用がなくなったということとあわせまして、やはりマツクイムシのためにどんどん木が枯れてしまうということによる経営意欲の減退も多かったのではなかろうかというふうにわれわれ考えております。
○粕谷照美君 そうすると、経営意欲が減退したものを、空散をやってとめるということで減退はなくなっていくという条件は九州地方に出てくるというふうに考えられますね、いまの御説明で言えば。そうすると、九州においては意欲はもとに戻ってくるかもしれないという可能性はあったとしても、関西地方における減退した意欲というものは盛り上がっていくものでしょうか、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま私、九州地方と申し上げましたのは、一つの実例として申し上げたので、関西地方でもそういう地域があるかもしれません。 そこで私どもは、マツクイムシの被害を受けた森林につきましても、その森林の土壌その他を十分調査いたしまして、今後松以外の樹木が成林し得るところについては樹種転換を図る、あるいはどうしても松しか生えないようなところにつきましては、森林経営等を十分考慮しながら松林を仕立てざるを得ないというところにつきましては、技術的な問題もきわめまして、やはり相変わらず同じように松を育てなきゃなりませんので、その辺については十分技術的なものを詰めて対応していきたいというふうに考えておりますし、さらに、そのほか国土保全上、特に関西地方には、そういう意味からも林地につきまして早急に成林させなければいけない地域があろうかと思いますけれども、そういうところにつきましては、やはり今後国土保全の役に立つような広葉樹と松とを混植したような植栽、いろいろそういうものを考えまして、それぞれの地域地域に合った森林の仕立て方をしてまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 私は、林業に対する、つまり森林を育てるという、そういう林業家の人たちの意欲がないところにいまの長官の御説明のような条件が育っていくのだろうか、その心配があるんですよ。つまり農林大臣の所信表明の中にも、やっぱり林業も大変だ、漁業も大変だ、農業も大変だ、跡継ぎさえできないような状況になっているという、こういう所信表明があったときに、本当に松枯れがとまりました、あるいはもうそこのところでとまって松を転換していきましょうなんというときに、やっていけるのだろうかという心配があるものですからお伺いしているのですが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 林業の問題については、これはマツクイムシによる被害にかかわらず、林業全般のいろいろな問題がございます。したがいまして、それは全般論としてわれわれとしても対応しなければいけないと思いますが、マツクイムシによりまして被害を受けた地域につきましては、先ほども申し上げましたような形で、ここはもう樹種転換をして大丈夫なところについては、当然杉なりヒノキの適地であれば、そういうものを植林していただきまして対応していこうという姿勢でございますし、またマツクイムシの被害を受けた地域につきましては、造林等においても補助率の引き上げを考えておりますし、さらに保安林等であれば、国並びに県でほとんど負担して実行できる造林になっておりますので、そういう形で積極的な森林経営を進めるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 じゃ、その補助率というのは一体どのくらい出るのですか。先日、見てまいりましても、もう本当に骸骨みたいな松がずっと立っているわけですよね。伐倒駆除すらする意欲を持たない林業経営の人たちが、長官がおっしゃるような形で、本当にヒノキを植えます、そのいまの枯損木を取り払いますなんていうことをやるんでしょうか。その指導体制というのはきちっとできるんでしょうか。そのことをさっきから伺っているわけです。
○政府委員(藍原義邦君) 復旧につきまして御説明申し上げますと、復旧造林につきましては、先生がいま御指摘になりました造林の支障となります被害枯損木の伐倒あるいは除去費、こういうものも一応単価の算定の中に入れまして、一般の造林であれば四〇%のものを五二%に引き上げをいたしております。したがいまして、単価も一般の造林よりも高うございますし、補助率も一二%かさ上げいたしております。それから、特殊林地改良事業というのがございます。これは土壌その他が非常に特殊な地域におきます造林については、補助率を七〇%にしておりますし、さらに採択条件につきましても、一般は〇・五ヘクタールでございますけれども、これを〇・一ヘクタールにする等助成の強化も図っておる次第でございます。
○粕谷照美君 そういう形での林業経営者の意欲を盛り立てるということも大事ですけれども、私はやっぱり緑を大事にするという、そういう気持ちというものをきちんと植えつけるような指導体制というものを、やっぱりやっていただきたいというふうに思うわけです。 次に移りますと、京大名誉教授の四手井綱英博士、元国有林の方の仕事をしていらっしゃった方だそうですけれども、松林を持続させるためには林地がやせている必要がある、昔は松の枯れ葉を集めて灰をつくっちゃって、そして腐葉土による富栄養化が避けられてきた。ところが、いまは土地が肥えて、つまり手入れがされてないからそれが腐葉土になっちゃって、土地が肥えて生育条件が維持できなくなった、こういうふうにおっしゃっておりますし、河合雅雄教授もまた同じ京大ですけれども、人工生態系として成立した松林から人間が世話の手を引いた、で、松林の危機は当然起こると、こう指摘をしていらっしゃるわけですけれども、空中散布もさることながら、こういう基本問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(須藤徹男君) いま四手井先生のお話が例として挙がっておりますが、実は松そのものはやせ地にも育つということでありまして、肥料をやればどんどん大きくなるわけでございます。ただ、林地として見た場合には、林地が富栄養化いたしますと広葉樹が入ってまいります。そういたしますと、松林そのものよりも広葉樹に被圧されて松が生育しにくくなるという条件もございます。そういう意味では、松林を永続的にやっていくためには、いまおっしゃったような、昔やっておりました落ち葉かきとかそういうものが自然に松林を維持する作用になっておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、昔に返るようなそういう労働多投的な施業が今後続けていけるかどうかという問題がございますが、そこで、どうしても林地が富栄養化いたしまして広葉樹にかわるようなところは、むしろ積極的に広葉樹にかえていくべきである。 したがいまして、先ほど長官がお答えいたしましたように、他の樹種にかわるようなところは積極的に他の樹種にかえていこうということでございます。そして、松しか育たないようなところにつきましては、追肥も当然やらなければいかぬでしょうし、あるいは手入れの不十分なところにつきましては、手入れをやっていくというようなことを基本的にはやっていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
○粕谷照美君 そうすると、松は少なくなっていくというふうに理解できますね。
○説明員(須藤徹男君) 実は、この瀬戸内海沿岸は花崗岩地帯でございますので、松以外に育つという樹種がなかなか見当たらないのでございますけれども、南九州等では、これは昔でございますが、松がパルプ用材にどんどん使われるという時点では、ヒノキの適地にも松を植えたという事実がございます。そういうところにつきましては、当然今後ヒノキで対応すべきでありますし、いま申し上げましたように適地適木というこれは林業の基本でございますから、当然そのために松林が減るという事態も起きてまいります。
○粕谷照美君 そうすると、適地適木がなされていなかった地域があったということになりますね。これは民有林ですから、指導体制ということについてはいかがなものに考えていったらよろしいんでしょうかね。やっぱりちょっと手おくれがあったというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) いま指導部長申しましたように、民有林の場合ですと、強制的に何を植えなさいということはなかなかむずかしゅうございます。そういう意味で、パルプが景気がいいとついついパルプを植えてしまう、ヒノキの柱が景気がいいとヒノキを植えてしまうという傾向がございます。今後こういう点につきましては、私どもただいま森林をすべて機能別に分類いたしておりますし、そういうものを今度はそれぞれミクロに調査いたしまして、普及員もおりますことでございますので、そういう者を通じまして、できるだけ徹密な指導をしてまいりたいというふうには考えております。
○粕谷照美君 ぜひ適地適木と、こういうことも徹底をしていただきたいと思うんですけれども、私は、国民の側がそういうことを本当に信用しているかどうかということについても、ちょっと心配があるんですね。豚を飼いなさいと言うもんだから、一生懸命に豚を飼っちゃった。飼って大きくなったときには、もう暴落しちゃって大変な目に遭った。牛にしてもそうですね。お米にしたっていろいろな問題が出てきます。だからそういう意味では、本当に長期の展望に立った林政というものをやる必要があるんではないかというふうに考えておりますが、日本のこの高度経済成長政策の中で、林業政策というものはいつも後追いという形になりますから、隷属をしてきたんではないだろうか。私は素人なもんですから、そういう気持ちがしてならないわけなんです。 ぜひ強力な林業政策というものをつくり出していただきたいというふうに思いますが、いま、この松枯れの原因は、直接的にはマツノザイセンチュウによるものだというふうに考えておられます。私も、マツノザイセンチュウがやっぱり松枯れの原因であるというふうには思っておりますが、これだけで本当の原因なんだろうかという点については、いかがお考えでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 今回の大きな被害につきましては、マツノザイセンチュウによる被害ではなくて、もともとは大気汚染が原因であるということを主張されておる先生方がおられることも、われわれも承知いたしております。ただ、私どもといたしましては、林業試験場が昭和四十三年からやりました研究の結果、今回出ておりますような大きな被害は主としてマツノザイセンチュウによる被害であるというふうに私どもとしても認識いたしておりますし、松の枯れそのものにつきましては、場合によれば大気汚染で枯れる場合もございましょうし、あるいはツチクラゲというような菌で枯れることもあると思いますし、自然枯死もあると思います。そういうふうにいろいろございますけれども、今回のように大量に全国的に蔓延しております松の枯れは、マツノザイセンチュウによる枯れであるというふうに私どもは理解いたしております。
○粕谷照美君 昭和二十二年から二十四年のときも、あれもマツノザイセンチュウだったんでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 当時は、まだマツノザイセンチュウというものが松の樹体の中に入っているかどうか、学問的にもわかっておりませんでした。それがわかりましたのが、先ほど申し上げましたような四十三年からの林業試験場を中心にした研究でございますので、その当時それがマツノザイセンチュウであったかどうかは、いまはっきりは判明いたしておりません。
○粕谷照美君 でも、たとえば写真なんかがあるわけでしょう。そうしますと、自然枯れのときと、ザイセンチュウによる枯れというのは、もう全然様相が違うような感じがいたしますよね。そんなのを見て、これはマツノザイセンチュウが原因だったんではないかという程度のことはおわかりになるというふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私申し上げましたのは、そうだということがはっきりわからないということでございまして、いま先生がおっしゃいましたように、マツノザイセンチュウが入っておったというサンプルは出ておりますので、あるいはそういうことも相当原因しておるのではなかろうかという想定もいたしておりますけれども、それがはっきり全部がそうだったという断定がなかなかできないということでございます。
○粕谷照美君 長官は、徹底的に大気の汚染というものが原因ではないというふうにおっしゃっていますけれども、私たちもやっぱりいままでそういうことを言ってきましたが、子供のぜんそくが非常に多くなっているというふうなことが川崎だとか大都市で問題になりましたね、コンビナートの地域のあたり、四日市の地域のあたりで。いやそれは体が弱いからだと、特殊の体質だと、いろんなことを言われていましたけれども、やっぱり大気汚染が原因で体が弱ってきて、そしてのどのところがあれになってぜんそくの子供たちがふえているというふうなことを、いろいろと経験上知っているものですから、松がこういうふうにマダラカミキリが運んできたザイセンチュウの力で枯れたということも理解はできますけれども、やっぱりそこに至る前に松が弱っているのじゃないんだろうか。それは大気汚染もあるでしょうし、栄養が、土地が肥えていったというような例もあるでしょうし、いろいろな例もあるかもしれないけれども、大気汚染を否定するということにはならないというふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私も、松が大気汚染で枯れないと申し上げているのではなくて、枯れる場合もあると思いますと。ただ、今回のように大量に出ておるのは、マツノザイセンチュウが原因でございますと申し上げておりまして、たとえば非常に卑近な例を申し上げて恐縮でございますけれども、宮城の前の広場にクロマツが大分植わっております。あの松は確かに見たところ元気はないので、あるいは少しは衰弱しておるかもしれませんけれども、いまだにまだマダラカミキリによる被害は出ておらないわけでございまして、そういう点であそこも相当大気の汚れているところだろうと思いますけれども、私どもも、ですから大気汚染であるいは松も衰弱するものもある、あるいは枯れるものもあるかもしれませんけれども、今回のように大量に出ているのは、マツノマダラカミキリによるマツノザイセンチュウによって枯死するのであろうというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 いま宮城の前の例をお出しになったんで私びっくりしましたけれども、クロマツにも松枯れというのはああいうふうに大きくザイセンチュウで広がっていくものなんですか。あれが出てまいりましたときに、NHKで私は放送していたのをよく覚えているんですけれども、あそこのところへ持ってくる松はエリートの松を持ってくるんだということを女性のアナウンサーが言っていました。それで、エリートでなければああいうところに育たぬなんということになったら、私たち人間はエリートでなかったら公害地に生きていくことはできないじゃないかというふうなことを話ししておられましたけれども、私も本当にそうだと思いましたね。それで宮城前の松の話をされましたけれども、あの手入れなんてすごいもんですよね。本当によく手入れされている。それでもう地上から何メーターのところに春になるまでの間にこもが出ていて、虫が出てくるとそれを取るとかどうとかというふうな、そういう手入れの行われているところと、あの地域と一般的に比べるということはどうも問題があるように思いますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 先生おっしゃったように、一般のところとはあるいは手入れの行き届きの点においては違いがあるかもしれません。それは私もそう思います。ただクロマツにつきましても、これは先生御存じだと思いますけれども、海岸にございます松はほとんどクロマツでございます。それは海岸にはアカマツはほとんど育ちませんで、クロマツしか育たないということで、海岸の防風林、防潮林等はほとんどクロマツを植えておりますし、この前参考人でおいでになりました佐賀県の虹の松原、あそこもクロマツでございます。クロマツ地帯もやはりザイセンチュウに非常に弱くて、現在大きな被害が出ておるわけでございまして、そういう意味からいきまして、クロマツ、アカマツ、余り差がなくザイセンチュウの被害が出ておる状況でございます。
○粕谷照美君 クロマツの話はよくわかりました。ただ、私たちが見にいったところは全部アカマツだったものですから、そのときにクロマツの話を伺いましたら、余りかかりませんというお話だったもんで、それでいまお伺いしたような次第です。 ただ、こういう特別防除というのは、こういうような原因についての科学的な根拠がやっぱり不十分ではないかという不安が、科学者の中からも住民の間からも出ているわけなんですけれども、三月の十五日、衆議院の農水委員会でわが党の馬場昇委員の質問に対して長官が、最も安全で最も適確に防除できると、こう答えていらっしゃるわけですけれども、これはこういう国民の人たちの不安に対する誠意ある答えになっていないのじゃないんだろうかという気持ちがいたしますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私が申し上げましたのは、この蔓延をいまこのままにいたしておりますと、これ以上広がっていく危険性が本当にございまして、日本じゅうの松があるいは全滅するのではないかという危惧も持たれるわけでございます。さらにはこれを安全な、そして適確な技術が開発されるまで待つということになりますと、あるいはそれが何年か先にできるかもしれませんけれども、いまの時点では間に合わないと。そうしますと、いまの時点で最も安全で最も効果の高いものは私どもがいま考えております方法であろうと。現在、林業その他を含めました科学技術でマツクイムシをとめます技術としては、これが現時点では一番安全で一番適確であるということで申し上げたと思いますし、そういう意味で、私どももその他一般の方々の御理解につきましては、今後とも十分努力してまいるつもりでございます。
○粕谷照美君 長官のところに、松くい虫防除特別措置法案についての「殺虫剤空中撒布を憂慮する科学者有志」の声明文といいますか、それは届いておりますでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 私のところには申しわけございませんが来ておりません。
○粕谷照美君 ああそうですか。非常に残念な話だというふうに私思いました。これは科学者有志自身の運動も足りないというふうに思いますけれども、この人たちはこういうことを言っているんですね。「およそ薬剤であれば、一〇〇パーセント安全ということは理論的にあり得ない。病害虫駆除に有効である農薬は、当然他の生物に有害である。軽々しく農薬を安全なりと断言する態度は、それ自体非科学的である。」そしてまたその途中に「われわれは科学者として、一概に、松くい虫防除に際し全面的に農薬の使用を止めよと主張するものではなく、それぞれの条件に応じて処置すべきものと考えるが、その場合でも、空中撒布は影響するところが大きいので、特に慎重であってほしいと要望するものである。」と、こういうふうに言っているわけです。で、こういう人たちに対する積極的な林野庁からの説得と言うんですか話し合い、こういう態度でなくては、やっぱり何かおかしいではないかという気持ちをこの科学者たちを支持する人たちに与えておく、そういうものを野放しにしたままやっぱり行政が先行していくというふうに考えますので、その点についてはいかがお考えですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもといたしましても、国民全般の方々に御理解いただくのは当然でございますし、また、そういう科学者の方々にも御理解いただいて、この仕事を遂行してまいりたいというふうに考えておりますが、いま先生がおっしゃいましたように、私どものあるいは積極的な理解を求める態度あるいはPRが不足であったのかもしれませんけれども、われわれといたしますれば、こういう試験結果については試験場の年報あるいは研究報告その他でるる報告されておりますし、さらに過去三年間それぞれの地域で、唐津の市長が申しましたように、いろいろ地元の方々にお話をしながら実験的に四年間やってまいりまして、その結果これならいけるであろうと。また、これが先ほど申し上げましたように最も効率的であり、また最も安全性が高いしというふうにわれわれ考えておりますので、こういう方法で新しく法律をつくりまして実行しようという考え方に立ったわけでございまして、今後とも、いま先生がおっしゃいましたような科学者の方々その他いろいろな御意見があれば十分われわれとしても承り、またこちらの御意見も御説明し、御理解、御協力をいただきたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 それでは、安全であるということについての考え方についてちょっと確認をしておきたいというふうに思いますけれども、まず林業における農薬の空中散布が社会的な問題になったというのは初めてでしょうか。私は何回かあったというふうに思いますが、そのことを御報告ください。
○政府委員(藍原義邦君) いままで問題になりましたのは、このマツクイムシの散布につきましても一部ございました。それから過去においては、除草剤等においても一部あったというふうにわれわれ理解しております。
○粕谷照美君 二・四・五Tとか、あるいは除草剤の問題についていろいろ事件があったということも私は承知しておりましたけれども、そのときの林野庁のとった態度ですね、不安を訴える人たちに対して説明をしていた態度を、ちょっと御説明ください。
○政府委員(藍原義邦君) 二・四・五Tについては即刻中止いたしておりますし、そのほかの薬剤を使いましての除草につきましても、それぞれ地元の方々に対して、こういう地域はまかないとか、こういう条件でまくとか、るる御説明をいたしまして、御理解を得ながら対応しておる次第でございます。
○粕谷照美君 いえ、そうじゃなかったわけでしょう。問題になってそれはおかしいという意見が出されたときに、林野庁はこれはもう安全なんだと、人畜無害なんだというふうにして説得されたんじゃなかったでしょうか。私の記憶ではそうなんですが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 二・四・五Tについては、直ちに中止したと思います。それからその他の除草剤につきましても、私の記憶では、薬剤散布についてはこういう方法をとれば一応安全であるという御説明をし、御理解をいただいて、空中散布等に対します防除の基準等をつくりながらそれを御説明し、そういう形で対応してきたというふうに私は記憶いたしております。
○粕谷照美君 人畜無害という立場をとらなかったと、こうおっしゃるんでしたら、私は後で資料などをちょっと見てみたいというふうに思います。きょうは持ってまいりませんでしたのでね。私は、林野庁は、農林省なんかも、人畜無害であるという態度でもって農薬をやっぱり散布したんではなかっただろうかというふうに考えているのですが、では長官おっしゃるように、何が理由で早急にこれを中止されたんですか、二・四・五Tも除草剤についても。
○政府委員(藍原義邦君) 二・四・五Tにつきましては、催奇性の問題等が十分究明されていないということで中止したというふうに私理解いたしております。
○粕谷照美君 アメリカの催奇性に対する研究結果が発表されて、問題になってからこれは態度を変えられたんだというふうに私は思っています。それからやっぱりベトナムの枯れ葉作戦ですかね、大量空中散布、あれが世界的に問題になって、あわてて私は変えたのではないんだろうかというふうに思いますが、スミチオンはそのわだちを踏まないという保証はないというふうに思っているんですよね。あのときだって大丈夫だって言ってまいたんですから、今回だって低毒性だから大丈夫だと言ってまいていいということにはならない。 それで、その不安を隠し得ないものの理由として、こういうことが現地に行ったときにちょっと話し合われたんですけれども、二・四・五Tの試験研究の中で、国立林試の一研究者が学会にこの問題を発表しようとしたところが、当時の試験場長が、職権でこの発表をやめさせたという事態があったというふうなこともちょっと耳にいたしました。私たちは、特にその日の夜お母さんたちが大ぜい参りまして、私たちが産む子供、そしてその子供の子供たちにもしもということがあったら大変心配だからこの点については明らかにしてもらいたいという陳情も受けましたけれども、子孫にまで影響を及ぼすような事項についてのこの反論があるわけですから、その反論に対して、もう堂々と徹底的に林野庁の方としても反論をしていくという必要があるというふうに思います。そういう林野庁からの反論があって、学問というものは本当に真実を追及していくものですから、そういうところにこそ真の私は研究が成長していくんだというふうに思いますけれども、そういう意味ではどうも不信感がぬぐえません。 今回のマツクイで各種レポートが部外秘あるいは取り扱い注意あるいは部外に出さないように、こういうような指示があったというふうなこともお伺いしますけれども、調査をしていただきたいというふうに思います。それでそのときに、いろいろと研究をしていらっしゃる、先日の参考人のときにも吉岡先生なんかもおっしゃいましたけれども、だれでもレポートを入手できるような体制というものをつくってもらいたい、こう言うんですけれども、なかなかその資料を見せてくれないという指摘が岡山あたりでも出されました。これに対してはまた岡山の営林署の方でも、われわれだってあなた方の出している統計に対して、やっぱりどういうような調べ方をしたんだという疑問を持って資料を出してくれと言うけれどもあなた方も出さないじゃないか、こういう反論がありました。双方水かけ論と言えば水かけ論ですけれども、私なんかはこういうことを聞いていて、やっぱり国の税金でもって、国のお金でやっている研究は国民の前に明らかにするという、こういう前提がない限り、民間の人たちが自分たちのお金を出し合ってようやくつくり上げてきたこの研究結果を出せ出せなんて言ったって、安易に出せるような状況にはないと思いますが、この辺はいかがなものですか。
○政府委員(藍原義邦君) 林業試験場等の試験研究結果についてもっと広く知らせろという先生の御質問でございますけれども、私どもも林業試験場はやはり国の試験研究機関でございますから、こういう試験場で研究いたしました成果については、林業試験場の年報あるいは研究報告等で常々報告を出しております。したがいまして、御要望があれば、そういうものはいつでも皆様方の手に入る形になっているわけでございますし、さらにそのほか日本林学会誌とか日本林業技術誌とかいろいろなものがございます。そういうところでも出ておりますので、今後とも私どもとしては研究結果を非公開にするという姿勢はとらないつもりでおりますし、積極的に皆様方の御協力を得たいと考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 それではぜひそういうふうにやっていただきたいと思いますけれども、もう一遍確認をいたしますけれども、一つには、試験研究の成果と言えるこの研究レポートの全項目が公表され、そして必要とする者が入手できるような条件をつくっていただけますね。と言うことは、年報で発表したから見れます、研究報告を発表したから見れます、会報で発表したからそれはわかるでしょう、こういうふうにおっしゃるけれども、それが発表されてからでは間に合わないことだってあるわけですよね。いまこういうことについてどうだろうかという質問があったときに、きちんと対応する条件というものが即刻なされなければならないだろうというふうに思いますので、ぜひとっていただきたいと考えます。 それから二番目には、研究成果を学会で発表することについて、別に制約を加えるなんというふうなことはないと思いますけれども、その点は御確約をいただけますね。 それから発表に制約を加えたというような事実、あるいは取り扱いなんかについて制限を加えたような事実がもし明らかになったならば、私どももそのことを追及いたしますが、責任を追及していただけますでしょうか、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 一の最初の問題につきましては、私どもとしても研究成果については広く皆様方に御理解いただけるような方途はとってまいりたいというふうに考えております。 それから二番目の、発表について制限を加えたというような問題につきましては、私もまだ熟知いたしておりませんので、十分その辺は調査してみたいと思います。
○粕谷照美君 三番目はいかがですか。そういうような事実があった場合には責任を追及していただけますねということです。
○政府委員(藍原義邦君) 事実を調査いたしまして、その調査結果によりまして、十分対応してまいりたいと思います。
○粕谷照美君 いまのは、反対と言うんですか、異論を唱える人たちの信頼を得るための第一の条項であったというふうに思いますけれども、第二は、私は、国民的な合意を得るために、いま調査研究が不十分でないかと憂慮している学者グループを加えた研究プロジェクトチームのようなものをつくるお考えはないでしょうか。そういうところに私は信頼感が生まれてくるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 今後のいろいろな問題だろうと思いますけれども、いまの時点ではまだそこまで考えておりません。ただ、今後いろいろな研究につきましては、林業試験場の研究者だけではなくて、広くその専門家の方々を入れた研究も当然必要になってくる場合があろうと思いますから、それはそのテーマ、テーマによって対応すべきであろうというふうに私ども考えておりますし、そういう意味からも、テーマ、テーマによりましては、いま先生がおっしゃったような問題も出るかというふうに考えております。
○粕谷照美君 ぜひそういうふうにしていただきたいと思いますし、反対意見なんかもやっぱりちょっと載せていただいて、こういう点についてはわれわれはこういうふうに考えるんだというふうに出していただければ、国民は安心をするだろうというふうに思いますので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。 次に、人体に対する安全の問題についてお伺いをするわけですが、「特定地域に多発する特有の眼疾患の発見並びに治療に関する研究」というのが、昭和四十六年それから四十八年度の医療研究助成補助金によって行われたんですけれども、スミチオソ、バイチェックス、エカチン、それからキルバールその他でLD50の約六万分の一の皮下投与でマウス網膜に障害を来すことが明らかにされたという、こういう報告が出ているわけです。これは北里大学の鹿野信一先生外八名という方で、鹿野先生が主任になっておられます。衆議院でもこれは質問に出ておりますから、すぐお答えができるというふうに思いますけれども、この辺についていかがお考えでしょうか。
○説明員(本宮義一君) マツクイムシの防除に主として使われますMEP剤、商品名スミチオンと言っておりますが、この薬剤につきましては、食品衛生上の観点から農産物ごとに食品衛生法に基づきます食品規格基準として残留基準が設定されております。〇・二PPmという数字でございますが、この基準を超えることのないようにするための趣旨で、農林省では農薬取締法に基づきまして農薬安全使用基準を定めておるわけでございますが、この使用基準に従ってこの農薬が使用される限り、人間の健康に対して全く安全な農薬は確保されるということで、農林省といたしましては、このMEP剤が農薬安全使用基準を遵守して使用されるならば、人間の健康に何ら害はないというように考えております。
○粕谷照美君 私、そういうことを伺ったのじゃなくて、北里大学の鹿野信一先生を中心とするプロジェクトチームの眼科臨床医報、五十一年の六月に出されていますよね。これは一つは、有機燐剤の視覚毒性に関する研究になっているわけでしょう。そして安全性に疑問が提示をされているというふうに思います。それから二番目には、学童の近視というので福島県下を調査していらっしゃるわけです。それは徳島大学の三井幸彦先生、田村修先生ですか、その方々が近視増加の原因について慢性有機燐中毒が原因だ、それで相当数あるということが報告されています。私は、先日福岡県の県議会の報告書をちょっと読んでおりましたら、やっぱりあそこのところでも子供たちの視野狭窄がスミチオンの空中散布によって起きたんではないかということが問題になって、県会としても調査をしましょうというふうなことが結論として出されていますね。調査結果がどうなったかということをまだ調べていないんですけれども、そういう心配があるということを林野庁としては御存じですか。
○説明員(本宮義一君) スミチオンは有機燐剤でございますが、この有機燐剤を使うことによって視野が狭窄されるといったような、目の障害が生ずるといったような説が発表されたということは私どもも聞いております。 この問題、非常に医学的な問題でございますので、われわれ専門外の者がとやかく申すことはできないのでございますけれども、その後私どもの承っている範囲内では、学会内でもいろいろの御意見があって、まだそういうことが定説になっているというふうには伺っておりません。私どもといたしましては、こういったような有機燐剤が使われてそういったような心配があるということは、私どもとしても非常に関心といいますか、非常に気を払わなければならない問題でございますので、厚生省の設定しております農薬の残留基準に基づきまして農薬の安全使用基準を定めておる。そのほか、まだ厚生省の残留基準を定められていないもので、環境庁の長官の定められております農薬保留基準に基づいて定められました有機燐剤についても、これの使用方法について安全使用方法を定めておるということで、人体に影響を与えることのないように、有機燐剤の農作物における使用を十分注意して使っていただくように指導いたしておる次第でございます。
○粕谷照美君 私は、役所としては、やっぱりそういうふうに厚生省の基準だとか環境庁の基準だとかという基準が非常に大事になるというふうに思います。私たちもそれを信用する以外にないんですけれども、たとえば、厚生省の基準を信じてはいたけれども、あのAF2の問題なんかにしたって、もう即刻やめなさいというふうな突如として変更されるような姿勢が出てくるときに、具体的に視野狭窄が起きたんじゃないかというこういう報告が出てき、いろいろの問題が提起されているということについて、あなたのいまの答弁というのは、私は国民を納得させる条件にはないというふうに思うんですよね。それは大変だと、空中散布をやってスミチオンでそういうような実態が出たならば、それは大変だからすぐ調査をしましょうと、まず最初に駆けつけていくのが、これがやっぱり空中散布を大量にこれから何年間もやるというお役所の姿勢でなくちゃならないんじゃないですか。もうそういう意味では、私はその地域にも問題がありますけれども、この視野狭窄というのは、簡単におしゃもじやって上から読みなさいなんということではなかなかできていかないんですから、特別の目の検査というものをやらなきゃいけないわけですよね。だから、あなたのところでいままでもこの空中散布をやっているわけですし、これからこの法律が通るか通らないかはわかりませんけれども、もしきょう通ったとしたならば実施をされる。実施されたならば、そういうような被害が子供にはできていかないんだという、そういう保証というものはどこにあるんですか。調査は行うんですか。もしあった場合にはどうするんですかという国民のこの心配に対しては、どのようにお答えいただけますか。
○説明員(本宮義一君) ただいま申し上げましたように、この農薬につきましては、国内的にそういった厚生省の検討が行われておるということと、それから国際的にもこれは相当の広範囲に使われていると聞いておりますが、WHO並びにFAOのそういった専門家の会議でもこの安全性というものについては十分評価されている農薬でございますので、いま先生の御指摘のございましたような心配は私ども十分最大の関心を持っておりますが、いま直ちにそういったことをいまの段階で調査をいたすということをいま考えていないのでございますが……。
○粕谷照美君 じゃ、そういうことが起きてから調査するんですか。
○説明員(本宮義一君) 私の申し上げましたのは、そういう人体の健康上の問題、特に非常に専門的な問題でございますので、そういうような専門機関にこの問題は御検討いただくということで、またその専門の機関でも十分この問題については御検討いただいているものという前提に立って申し上げたのでございます。
○粕谷照美君 それでは専門的機関で研究をいただいているものという、どこでそれは研究されましたか。視野狭窄が出ない、大丈夫だと、これは関係ないんだという、そこのところはいかがですか。私は、それがあれば安心していられるんですよね。私、教員してきたものですから、自分が教えている子供たちに空からまいてそれが視野狭窄に陥る、近視の原因になっているなんということをやっぱり許すわけにいかないような気がするものですからね。あなたの方でこういう研究がありました、だからどうぞ御安心くださいと、以後もしそういうことが出ましたらもう一切林野庁で責任を持ちますというふうに言っていただければ、それはそれでまた安心できるわけです。
○説明員(本宮義一君) 有機燐によります視野狭窄は、農村医学会でこういうようなことが論議をされたということを私ども聞いております。で、先生の御心配になっておられる面につきまして、私ども関係省庁と、いま先生の申されましたような点につきまして検討さしていただきたいというふうに思います。
○粕谷照美君 まいちゃってから検討さしてくださいなんて、そんなばかな話ないと思うんですよね。まく前にもうそういうような問題は、もう事前から声は起きていたんですからね。公の席できちっとできているんですから。福岡の県知事さんなんかだって、ちゃんとこういうののあれになっていらっしゃるんじゃないですか。そういう報告は全然いままで出ていないんですか。私はそういうところに問題があると思うんですね、各県の知事さんというのは。具体的に起きている問題は林野庁にもう直接報告していくという、そういうやっぱり審議メンバーでなければいけないというふうに思うんですが、これはまあ文句言ってもしようがないですね、知事さんに文句言う以外にないわけですが。 そういうことになりますと、被害を受けるかもしれないという住民が不服を申し立てる条件というのが市町村なりあるいは県なりにあるんでしょうかね、この法律の中で。松を所有している人たちの不服申し立てという権利は何か保障されているように思いますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) この法律の中には、松の所有者が不服を申し立てることができるようにいたしておりますけれども、これは松の所有者に対しては受忍義務を与えておりますので、その事前の救済措置として不服の申し立てを認めておるわけでございまして、それ以外の方々には認めておりません。
○粕谷照美君 私は、そういう点で、大変住民がこの法律には不満なんだというふうに考えているわけです。では、行政指導としてその次に続くものは何かと言えば、行政指導として住民側の不安あるいは不服についてちゃんと話し合うという態勢をもう積極的にとっていただきたいということを、お願いをしておきたいというふうに思います。 衆議院の附帯決議の第一項後段の「関係地域住民の意向を反映させるため、中央及び都道府県森林審議会の委員の構成について特に検討を加えること。」という、これが載っておりますけれども、附帯決議というのはもうお飾り的につけられたものであってはいけない。つけられた附帯決議というのは、もう遵守するように努力をしなければならないというふうに思うのですが、現在の中央森林審議会の委員には元官僚が多くて何か密室的な感じがすると、こう言っている人たちが非常に多いんですけれども、いかがなものですか。
○政府委員(藍原義邦君) 中央森林審議会のメンバーにつきましては、もともとこれは林業関係のいろいろな施策その他について御検討願うということを考えてその委員の構成を決めておりますので、今回のような特別防除ということをあらかじめ予期した形で、先生方を委員としてメンバーに加えておる形はとっておりませんでした。しかしながら、今回こういう問題を私どもといたしましても考えまして、審議会のメンバーの中にそういう専門の方々の学識経験者を入れることをただいま検討しておりますし、またマツクイムシのために特に部会を設けてその部会の中でも検討していただく、そして地域の住民の方々の御意見を反映することを努力していこうということを現在検討いたしております。
○粕谷照美君 そうすると、上の方はわかりましたけれども、各県あるいは各地域においてもそういうようなことが実施されるような条件というのはありますか。
○政府委員(藍原義邦君) それぞれの都道府県につきましても、そういう指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 私、先ほど申し上げた「特定地域に多発する特有の眼疾患の発見並びに治療に関する研究」というのはコピーをとって持ってきているのですけれども、後で十分お読みをいただきまして、ひとつ具体的な対策というものをとっていただきたいということを要望しておきます。 この法律が成立をしまして実施ということになるといたしまして、ちょっとお伺いするのは、第五条の二項の二十日前までに公表しなければならない、ただし緊急の場合にはこの限りではないという、こういうところがありますね。そのことと、第三項の不服申し立てば二週間以内に、そして申し立てた場合には公開聴聞をやってそしてそれに対して決断を下すという、こういうことがあるわけですけれども、この辺の関連というのは一体どういうふうになるのですか。
○政府委員(藍原義邦君) いま先生が関連とおっしゃいましたけれども、ちょっとわかりませんが……。
○粕谷照美君 説明が悪いかしれませんけれども、「緊急に行う必要があるときは、この限りでない。」と言いますと、二週間以内に不服を申し立てなくてもいいということができるのか、申し立てたって公開聴聞をやらないでやっちゃってもいいということになるのかという、そういう質問なんです。
○政府委員(藍原義邦君) 特に緊急がある場合には、省略することができるということでございます。
○粕谷照美君 特に緊急があるときにというのは、そんなに突如としてできるというような条件でもないというふうに思いますけれども、どうもその辺ははっきりいたしませんね。ある日目が覚めたら急になっちゃっていたなんということではないというふうに思いますけれども。
○政府委員(藍原義邦君) これについては、私ども一般的にはあるものというふうには考えておりませんけれども、やはりどこでそういう事態が出るかわかりませんし、そういう場合にはやはり手おくれにならないように、こういう定めをいたしておる次第でございます。
○粕谷照美君 どこでなんて言ったって、それは不思議な話じゃないですか。何か特別にあるんですか、そんなことを省くような条件というものをつくっておくということは。
○政府委員(藍原義邦君) 一般の平常の形でマツクイムシが羽化したりあるいは後食をしたりするということであれば、そういうことはあり得ないと思いますけれども、ことしも気象が非常に変動いたしておりますが、どこでそういう気象の変動等によりましてマダラカミキリの羽化が早まるかわからない事態もございます。そういう場合の対応といたしまして、いま申し上げましたような特別な緊急の場合には省略して対応しようということでございます。
○粕谷照美君 しかし、長官、この不服を申し立てる条件ができないなんというのは、非常に大変なことじゃないですか。ずっといままで私が質問してきた、住民の意向も大事にしますという大変すばらしい長官の答弁にはそぐわないように思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私が申し上げましたのは、省略することがあるというのは、公表はいたします、ただ日数を二十日というふうにしておりますけれども、場合によりますとそういうものが縮まることがあり得るということでございますから、そういう意味で、その間にいま申し上げましたような二十日というものをある程度省略いたしまして縮めてやることもあり得るということでございます。
○粕谷照美君 そうすると、その二十日だけが「この限りでない」に該当いたすわけですね。不服の申し立てばちゃんと保障されるし、公開聴聞も保障されるというふうに理解をしてよろしいわけですね。
○政府委員(小笠原正男君) 法律上は、実はこの特別法のもとになっております森林病害虫等防除法と平氏を合わせる必要がありますのでこういう条文にしておりますけれども、特別防除に対する地域住民の不安等を解消いたしますために、必ず公表はするという運用をしていきたいというふうに考えております。ただし、特別防除をどうしても緊急にやらなければいけない、そのために二十日という予告期間が地域によってはとれないというところがありますれば、若干事前公表の二十日という期間につきましては猶予をちょうだいしたい、こういう運用を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○粕谷照美君 ですから、二十日間が十日になってもいい、一週間になってもいい、公表しますということでしょう。そうすると、その次の三項と四項の不服申し立てについてはちゃんと保障の期間が残されているということになれば、最低二週間以内、二週間前までは公表しなければならないということになるんじゃないですかということを聞いているんですね。
○政府委員(小笠原正男君) そのような運用をすることを考えております。そのように幾ら短縮するといいましても、不服申し立て権を制約するような超短期の事前公表ということは、地域住民の利益等を考慮して運用すべきではない、なるべく二週間という申し立て権の権利の剥奪といいますか、そういうことがないように運用をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○粕谷照美君 まいりたいじゃなくて、これはしなければならないというふうにお答えをいただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どももその特別な場合はできるだけないように努力したいと思っておりますし、またそういうふうにしてまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 そうすると、その期間が十日間しかなかった、それで二週間ということもあり得るわけですね、できるだけしていきたいんですから。
○政府委員(藍原義邦君) いま申し上げましたように、気象その他の関係でどういうものが今後出るかわかりませんけれども、私どもとしてはできるだけこの法律に決めてあります一般的な手続の方法で対応してまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 私は、長官が固執をしていらっしゃるというのは一体どこにあるんだろうかというふうに思うんですよね。出張しているかもわからない住民たちがいるかもしれないわけでしょう。そういうようなときに、二週間というのは最低の権利だというふうに思うんですけれども、それさえ保障できないかもしれないような答弁というのは、どうしても納得いかないんです。
○政府委員(藍原義邦君) 私も固執しているわけでございませんし、先ほど林政部長がお答え申し上げましたように、現行法との対応もございますし、また大体そういう従来の経緯から、そういう期間で十分いままでの四年間の実験結果からも対応できるという考え方がございますので、こういう方法でやってまいりたいと思っております。
○粕谷照美君 では、いままでそういうこともなかったから今後もそういうことできちっと守っていかれるという長官の答弁は、私は大変よろしいと思いますので、それを信じていきたいというふうに思います。 さて、今度この法案が通りますと、いまの二週間以内が最低だという保障になるわけですが、マダラカミキリ退治の適期とこの問題との間で、五十二年はもうすでにだめなところが出るのではないかという心配があるんですけれども、その辺はどうですか。大体そういう地域というのがありますでしょうか。気象条件なんかも考えていかがでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 現時点で考えますと、今後行いますいろいろな事務手続がございますが、奄美大島方面はもう無理であろうというふうに考えておりますが、九州を初めといたします日本本島等につきましては、私どもとしてはできるだけ事務手続を進めまして早期に対応したいというふうに考えておりますし、そういう意味からもできるだけ早くこの法案を皆様方、先生方に御審議いただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 それでは、先ほどから私何回も申し上げておりましたけれども、唐津市の瀬戸さんがおっしゃったように、空散実施に当たっては各界ともうよく話し合いをした、そして終了後三年間生息調査も十分にやったと、こういうふうに言われておりますけれども、この法律が通った後にはきちんと事前事後の対策、地元住民の信頼を得るような条件というものがつくり上げられるでしょうか。また、そういうことをもう全力を挙げてやるというような決意をお持ちでしょうか、お伺いしたいと思います。 〔委員長退席、理事青井政美君着席〕
○政府委員(藍原義邦君) マツクイムシの防除は、もともと林業面から言いますと、その山村地域の林業の振興なりあるいはそのほか森林の持ちます国土保全なり環境保全等々、自然環境保全あるいは生活環境保全、そういう意味から松林を守ろうという趣旨でわれわれもこの仕事をやるわけでございますし、そういう意味からも、地元の方々の御協力なり御認識をいただかなければこの仕事は遂行し得ないというふうに考えております。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、私どもといたしましても、地元の御理解なり御協力は十分得られるような努力を積極的にしてまいりたいというふうに考えておりますし、またそういう地域を中心にして対応してまいりたいというふうにも考えております。
○粕谷照美君 私はちょっと飛ばしたところがあったものですから、後の方に行ってしまいましたので、ここで質問を終わりたいというふうに思います、十分間ちょっと早まりましたけれども。
○鶴園哲夫君 私はまず初めに、この法律ができますまでのマツクイムシの状況につきまして見ますというと、先ほども粕谷理事の方から出ましたですが、戦後二十一年から二十五年まで松枯れの激発が起こっておるわけですね。これはまあ戦後第一回のピーク時と、こういうふうに言っていいと思うんですが、今日の激発よりもっと被害の高い激発が二十一年から二十五年まで起こっておる。この五年間に猛威をふるったわけですが、二十五年にマツクイムシの防除にしぼった法律ができて、そして五年間で終息をすると。三十年になりますと三十六万立米という形になっていますから、まあ終息をする。同時に、その中間にマツクイムシの法案の改正が行われまして、いまの森林の病虫害防除法になった。もう一回ピークがあってこれは三十一年から三十二年、三十三年、まあ百万立米に近い第二回のピークがある。これは北海道の風倒木を中心としたといいますか、風倒木を中心としたあの当時の松枯れだと思うんです。そして、いまが第三回のピークで四十七年から始まっていま五年、大変なまた第三回目の大きなピークに達して、そして四十八年にこの空中散布が始まり今回この法律を出してきたと、こういうことになるわけです。 そこで、この二十一年から二十五年の今回よりももっと猛威をふるったこの五年間の被害の激発、これに対しては、もう御承知のように、いまの言葉で言えば徹底した人海戦術といいますか、伐倒駆除が行われたわけですね。これはまた、伐倒駆除を行う条件も当時は非常に調っておったと、こういうふうに言っていいと思うんですけれどもね。 そこでまずお尋ねをしたいのは、この四十六年の被害の激甚というのは、マツクイムシの線虫だということですね。その運び屋と、こういうからくりといいますか、構造が発見されたということになっておるわけですけれども、なぜ四十三年から四十六年のこの時期に、四年間の計画で林試で特別研究が行われてこういう開発が行われたのか。と言うのは、この時期というのは最も被害が安定しておると言いますか、終息をしていると言うのか、そういう時期なんですね。四十三年から四十五年、四十六年というこの四年間というのは、戦後のマツクイムシの被害の中でも最も低下した時期。その時期に、どういうわけでこの四年間の計画を立ててマツクイムシの特別研究班ができて研究が行われたのかという点にちょっと疑問を持つわけなんですけれども、その点、まずひとつお尋ねいたします。
○政府委員(藍原義邦君) まず被害の状況でございますけれども、確かに四十年を中心にいたしました前後は、日本全体の被害としては下火状況でございますけれども、民有林だけについて見ますと、先生も表をお持ちだと思いますけれども、必ずしもそうでございませんで、徐々に上がる傾向にあるわけでございます。それと、昭和二十五年前後に非常に大量に出ましたので、その後試験場では引き続きマツクイムシの問題については研究を進めてまいっておりました。その研究の過程におきまして、やはり今後マツクイムシの防除の研究をするためには、樹木自体の生理学的な条件を十分検討しなければ解明し得ないということになりまして、そのためにも昆虫学者だけではだめですし、いろいろな林業関係の、あるいはその他の専門家を集めてプロジェクト的にやらないと解明し得ないということになりまして、四十三年からプロジェクトをつくりまして、特別研究という形でこの研究を進めたわけでございます。 したがいまして、マツクイムシが衰微しているときに研究を始めたということではございませんで、二十五年ころから始めたものが引き続いてやっておられて、その途中で非常に研究としても大がかりな形でないとなかなか解明できないということで、その時点から特別研究として対応して、四十三年から始め四十六年に大体そのメカニズムがわかったということでございます。
○鶴園哲夫君 まあおっしゃる話を聞いておりますと、わかるような気もするのですけれども、何かそれ以外のいろいろな理由があったんじゃないかなという気がしてしようがないのですけれどもね。あるいは農薬の異常な発展があったのか、そういう関連で出ているのか。いずれにしましても、地域的にはそれはあったかもしれませんが、林野庁として見ます場合には全国的な視野で見る。全国的な視野で見た場合に、戦後のマツクイムシの歴史の中では最も安定した時期、数の少ない時期だったんですよね、三十万立米くらいの。今後もこの五年間徹底的にやられても三十万ぐらいは残っていくんだろうと思うのですが、そういう最も安定した時期に、四年計画で特別の研究が行われたということについては少し解せない面があるのですけれども、しかし研究が行われているということを私はおかしいということを言っているのじゃなくて、どういうわけでこういうような四年間の計画で集中的に研究がなぜ行われたんだろうという気がするもんですから、お伺いをしただけです。
○政府委員(藍原義邦君) 具体的に申しますと、昭和二十三年から現在に至りまして経常研究として松類のせん孔虫に関する研究というのはずっと続けております。それから昭和三十九年から四十三年にその研究の一部をもとにいたしまして、今度は技術開発研究という形で松のせん孔性害虫の防除に関する研究というのを三十九年から四十三年にやりまして、こういうもろもろの研究の結果、四十三年から引き続いて先ほど申し上げましたようなプロジェクト的な特別研究に入ったわけでございます。
○鶴園哲夫君 四十二年に防除法の改正が一部行われまして、薬剤が入るわけですね。やっぱり薬剤の非常な異常な発展というものと、これは非常に大きな関連があるんでしょうね。それで四十二年にいまの法律が改正になって薬剤が入ってくるわけですし、そしてその翌年から四年計画で始まるわけですよね。ですから、薬剤の非常な発展というものと、やはり表裏一体のものがあるだろう、それもあるだろうというふうに思いますけれども、長官のおっしゃる、確かに戦後大変な激発をし猛威をふるったわけですから、その研究が行われそして進んできておったんだと。そして、四十三年から四十六年の四年間で集中的に計画的にやられたんだという話もそのとおりだろうと思いますけれども、ですが、薬剤の問題というのはやっぱり大きいんでしょうね。 そこで、四十八年から空中散布が始まるわけなんですけれども、ところが勢いはなかなか落ちませんですね、この被害というのは。落ちないだけじゃなくて、だんだんこう上がっておるんですね。それは空中散布の数が少なかったんだということでしょうか。四十八年からそういう松枯れの構造がわかって、そして薬剤も法律の中に入った、使える。四十八年から薬剤を空中散布する。その面積も急速にふえていくわけですけれども、にかかわらず、何らの効果がなくて、言うなら効果がなくてというわけか、まだこう上がっていくわけですな。これはどういうわけなのかということですね。
○政府委員(藍原義邦君) 四十三年から法律を改正いたしまして、薬剤で防除ができる形をとりましたのは、予防という意味での薬剤使用ではございませんで、従来剥皮焼却いたしておりましたけれども、それにかえまして薬剤を散布してやるというのを中心にした薬剤の効果でございます。 それから先生がおっしゃいましたように、こういう研究の過程で薬剤そのものが非常に発達してきたということがあったのではなかろうかとおっしゃいましたけれども、私もその辺が全然ないとは思いません。やはりいろいろな科学技術でございますから、総合的な科学技術の発展に照らしながら、林業技術の中にもそういうものを取り入れていくということは当然姿勢としてあるものと思いますので、そういうものもあったかというふうに考えます。 それから、四十八年以降薬剤を空中散布してさっぱり減っていないではないかという御指摘でございますが、確かに四十八年以降も漸増の傾向にはございます。ただ、四十六年、七年、八年に伸びたような状況に比べますと、伸び方は非常に弱まっておるわけでございまして、私どもといたしましても、これがなかなか徹底し得ないということは、現行法によりまして命令防除というものがなかなか徹底をし得ないということ、そのために被害地から飛び込みが結構入ってまいるというようなこと、あわせましてさらにその被害の量と同時に面積が非常に広がってまいったというようなこと、そういう点からなかなか対応し得なかったのではなかろうかというふうに考えておりますし、そういう面からも今回新しく特別措置法を提出いたしまして、徹底的に国なり県が命令にかえまして防除をすることによりまして、この被害をおさめてまいろうという考え方に立っておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 四十八年から空中散布をするようになって、そのときは七千ヘクタールぐらいの実績がありますね。それで今度は四十九年になりますと、一挙にそれが三倍ぐらいにふくれ上がるわけでしょう。三倍ぐらいのヘクタールになるんじゃないですか、四十九年になりますというと、一挙に二万二千ヘクタールになるわけですね。三倍にふくれ上がるわけですよ、四十八年に比べまして。そして五十年は四万ヘクタールになるわけですね。さらに前年の二倍近い散布になるわけです。そして五十一年はそれがさらに五万ヘクタールという、ちょっと落ちますが、これはなぜ落ちたかというような問題はあると思いますが、五万ヘクタールになるんですね。それで今度計画していらっしゃるのは九万ヘクタールと。五十二年ですね、予算の上で計画されておる九万ヘクタール、こういうふうに見ますと、この空中散布が始まってからその面積というのは急激にふえているんだ。ふえているんだけれども、急激にふえていままで十二万ヘクタール程度のものがすでに行われているんだけれども、実際松枯れによる被害というのは減らないと、やはり漸増していると、こういうことなんですね。それじゃ、ことし五十二年度に九万ヘクタールまいて一体どうなるんだという疑いを抱かざるを得ないですね。抑えられるんだろうかという感じがするんですけれどもね。 ですから、なぜ四十八年からこういうふうに——しかも、予算上予定されたものよりも実際の実績というのは非常に変わっているわけですよね。四十八年で言いましても、当初はこんなふうに空中散布する予定じゃなかった。ところが、実際はうんとふえているんですね。四十九年も、五十年も、五十一年も、予算に最初計画されたよりもはるかに二倍、三倍に量をふやして、面積をふやしているわけですよ。にかかわらず、その被害面積、被害の立米というのは上がっていっているという点に疑問を感ずるんです。だから、散布が少ないということにならないんじゃないだろうか。五万ヘクタールと言ったら相当な面積ですよ。まあしかし、これは予防だという考え方がおありになるかもしれませんですが、予防と治療の問題については後から伺いますけれども、何か少しこう余り効果がないじゃないかと。四十八、四十九、五十、五十一と四年まいたんですよ。どうもその効果はどうなんだという不安があるものですから、そこのところを具体的に説明をしていただきたいんです。
○政府委員(藍原義邦君) いま先生がおっしゃいました四十八年から四十九年の数字でございますけれども、これは当然一年で空中散布が終わるわけでございませんので、三年間継続するというような形でダブって入っております。したがいまして、一番広くやった面積と言えば、五十一年の五万ヘクタールになろうかというふうに思いますけれども、そういう意味で、一年で終わったわけでございませんので、この辺はダブリが入っておりますので、そういう意味から、全部足したものを延べでやりますと、その中には相当なダブリが入っておるということを御理解いただきたいと思います。 それから効果がなかったのではなかろうかというお話でございますが、私どもといたしましても、こういう技術を開発いたしまして四十八年から始め、そしていろいろなそれぞれの地域によりましてデータをとり、さらには安全性その他の調査もいたしまして、その結果、すでにたとえば宮島ではもう空中散布をいまやめておりますけれども、そういう地域も出ておるわけでございまして、効果としては十分効果があったというふうにわれわれとしては理解いたしております。
○鶴園哲夫君 あともう一回その問題について、後で返りまして質問したいと思います。 もう一つの問題は、このマツクイムシ防除の予算と事業量の推移ですね。四十八年度の予算では薬剤の防除、これは一五%ぐらいなんですね、これは事業費で見まして。事業量としては立米もありますしヘクタールもありますから、すぐにわかりにくいので、事業費で見ますというと、予算としましては一五%ぐらい。しかし、実績は三〇%ぐらいになっているんですね。それから四十九年になりますと、実績は、事業費は十億円ですけれども、その中で五〇%以上というのは薬剤になってくるわけですね。それから五十年が、十四億円の事業費ですけれども、六五%ぐらいが薬剤。五十一年は十八億円、そして七〇%ぐらいが薬剤。五十二年は事業費三十五億円、そして九〇%近いものが薬剤、こうなるわけですね。これはほとんどが空中散布ですわ。ですからこれを見ますと、マツクイムシの防除についての、つまり空中散布が始まった四十八年以降から五十二年までの経緯を見ますと、急速に薬剤散布になってきた。いま九割近いものが薬剤散布だと。予算の上では五十二年はこうなっておりますが、実績はもっとふえるんじゃないだろうか。マツクイムシはこれは空中散布オンリーという形に、予算の面では出ざるを得ないというふうに思うんですね。 そこで、問題なんですけれども、どうしてこういうふうに急速に——初めの四十八年は一五%なんですよ、予算の中に占めておるときは。それが九〇%というところまで空中散布が急速に異常な状態で増加するのかという問題。そのことは裏返しますと、終戦後大変な猛威をふるった、今日よりももっと猛威をふるったあのマツクイムシに対する防除というものが、伐倒防除やったわけですね、伐倒駆除やったわけです。その伐倒駆除というものが非常な勢いで低下する、こういうような状況になっているのじゃないでしょうか。四十八年の予算で言いますと、伐倒駆除の中心は、私ちょっと計算するのめんどうくさかったから、伐倒駆除の中の大黒柱は立木駆除ですから、それともう一つは枯損の幼齢樹の駆除ですわな。これはその次の大黒柱なんですが、これが急速に減ってくるわけですね。あたりまえですよ、それは空中防除が大変な勢いで飛躍的に大きくなってくるわけですからね。ですから、五十二年になりますと二億一千万という形になるんですね。これは伐倒駆除ですね。伐倒駆除で二億一千万ぐらいになってしまうのだが、それは五十一年に比べますと、半減するわけですね。こういうことでいいのかなという気がしておるのですね。九割以上になるでしょう、恐らく五十二年度は九割以上が空中防除だ。そして伐倒駆除というのはどんどん低下する、異常な低下だ。これでいいのか、こういうことについての、そういう疑問についての長官の答弁をもらいたいと思います。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生が御指摘になりましたように、予算のシェアから見ますと、確かに薬剤防除が四十八年以降ふえております。これは先ほど来御説明いたしておりますマツクイムシの防除に一番効果のあるものはどうかということで、これは枯れたものを切るよりも、枯れる前に予防する方がより効果があるというのが今回の研究結果の技術方法でございますので、そういう意味からも、四十八年以来その実験を兼ねまして、薬剤を空中から散布してやっておったわけでございますが、その結果、やはりそれによる防除がきわめて効果的であるということで、年々薬剤防除がふえてきておるわけでございます。 一方、立木伐倒駆除が減っておりますのは、薬剤防除がふえますと、薬剤で散布した個所につきましては、あえて立木を伐倒しなくてもよろしいという事態も出てまいります。そういう点で、立木伐倒の量は減ってくるわけでございますが、あわせまして立木駆除と申しますのは事前に予測がつかないものでございます。当年度に枯れてくるものを切るわけでございまして、予算はその前の春に成立さしていただくわけでございますので、夏の終わりから秋口にかけまして枯れたものを切るということで、ある意味では見込み計上的なものでございます。したがいまして、もし大きな被害が出た場合には、過去でも例がございますけれども、予備費等の流用をお願いいたしまして、予備費で対応するという姿勢もとっております。したがいまして、そういう点から見まして、ただいま五十二年度につきましても二億一千万程度の立木伐倒でございますが、薬剤散布をしない地域に異常にもしこういう立木伐倒の必要な事態が発生すれば、これは予備費で対応するという姿勢を私どもとしてはとっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 私ども狭い範囲で鹿児島をぐるぐる回ってみて感じますことは、そういう今度空中散布の対象になっておるような、そんな大きな松林というのは非常に少ないわけでして、非常に限られた小さな小面積の松林、そういうものが全部やられておるわけですよね。これは何と言っても伐倒駆除が要ると思うんですよ、これは空中散布なんかできないんですから。そういうものがなおざりになってくるんじゃないか、非常になおざりになるのじゃないかという気がするわけですね。目に見えるところは、とにかく松という松は、山の中に生えている松というのはほとんど枯れておるということですね。まとまっておるところは別ですよ、こんなでかいのは限られていますから。そうではなくて、一般に見て松の限られた小さな面積ですね、そういうのがあっちこっち広がっているわけでしょう。そういうものが皆やられるわけですよ。そうすると、そういうものは空中散布できないわけですから、どうしても伐倒駆除しなければいかぬ。それがないがしろになるのじゃないか、そうしますと、空中散布はしたが、そこのところは残っちゃっているわけですから、伐倒駆除手抜かりします。こうなると、空中散布の効果というのはこれはそんなものを残しちゃっているんですから、これはおかしいことになりはしないかという疑問を非常に持つわけなんですよ。そういうことはないんだということであればお聞きしたいんですが。 と言うのは、いま申し上げましたように、四十八年から伐倒駆除というものが急速に大変な勢いで減ってしまっている。そして五十二年の予算というのは、五十一年のまた半分に減ってしまっている。そういう状態の中で空中散布をやられるけれども、相当な面積、相当なものが空中散布できないところがいっぱいあるんだ、それはどうなさるのか。それを残しておいたんでは、それはもう空中散布の効果なんてなくなってしまうんではありませんか、こういう疑問なんですね。
○政府委員(藍原義邦君) 先生おっしゃいましたように、鹿児島県あたりでは確かに点々と枯れているものを一応マツクイムシの防除の対象にしない、あるいはある地点を決めまして、ここから先は一応防除の対象から除外しているというような話もちょっと聞いておりますけれども、私どもといたしましては、やはり今後のマツクイムシの蔓延に非常に影響がありそうなところにつきましては徹底してやる必要がございますし、空中散布ができないところについては、地上散布あるいは伐倒駆除等によりまして、その地域の他の松林に蔓延を防ぐための努力はしてまいらなければいけないというふうに考えておりますし、今後そういう意味からも、県等の指導につきましては、いま先生から御指摘がございましたような点も十分踏まえまして、伐倒駆除なり地上散布なり、空中防除のできない地域については、そういう対応でマツクイムシが他地域に蔓延することのないような対応は十分考えてまいりたいというふうに思っております。 〔理事青井政美君退席、委員長着席〕
○鶴園哲夫君 私、もう一遍申し上げておきます。鹿児島だけの例のようなお話ですけれども、それは私は鹿児島だけには限らぬと思うんですが、山の中に松が五、六本あるとか十本あるとか、そういうところはいっぱいあるわけですよね。あるいは小さな一畝ぐらいあるとかいうようなところがある、あるいは自然に生えている、そういう松の木というのはいっぱいあって、それが続々枯れている。そこは空中散布もできないし、地上散布もできない。一方、どうしてもそれは伐木による伐倒駆除をやってもらわなければいかぬのだけれども、伐倒駆除というのは大変な勢いで減ってくる。さっきも言いましたように、五十一年度の予算のまた半分になってしまっている。いま五十二年度の予算の中では八%ぐらい占めているのですね。残りは全部空中散布と言っていいですよ。薬剤散布の中の九〇%以上のものが空中散布ですから、だからもう空中散布だと言っていい。五十二年度まではまだ三三%ぐらいあるわけですよ、伐倒によるところの駆除が。そんなに下がったんじゃ、これはどうなるんだろうという気がしますね。心配要りませんか。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、伐倒駆除につきましては、事前に予測ができない被害量を予定いたしまして予算を計上いたしますので、万一空中散布ができない個所で松の枯損が非常に大きくたりました場合には、従前もやりましたような形で予備費をお願いいたしましてそれで対応していきたいというふうにわれわれ考えておりますし、また当然マックイムシの蔓延が空中散布をしない地域において発生しておる松林等から来る危険があるようなものにつきましては、事前にやはり徹底的に私どもとしても防除をしてまいる姿勢でございますし、先生御心配されましたようなことのないように十分対応してまいりたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 戦後の激発期の五年間というのは、法律ができてそして徹底した伐倒駆除によってこれを五年間で終息させることができた。大変だったろうと思うんですね。条件もありましたでしょうけれども、大変な事態の中で、食糧不足だ何だかんだという大変な状況の中でこれを終息させた。今度私は見ておりまして、四十五年に三十七万立米という、そして四十六年になると五十万立米、これはいいですが、四十七年七十二万と、そしてそれが百万というふうにふえるわけですね。そして五十一年の見込みが百八万立米という形で見ていらっしゃる。 戦後の、五年間の猛威をふるったあのときの混乱状態の中ですらああいう形のものがとれたのに、今回こういう猛威をふるっているのをいまごろこういう形のものが出てくるというのは、どうも林野庁はのろのろしていやせぬかという気がするんですよ。もうすでに四十六年におっしゃるようにメカニズムは発見されている。四十八年から薬剤の空中散布が始まっている。そしてこの五十二年に出てくるわけですね、法律が。何か戦後のあの混乱の時期なら——五年間猛威をふるった、そして法律をつくってそして防除をやった。いまの時世に猛威をふるわれっぱなしになっちゃって、しかも五年たっていまごろこの法律が出てくるというのは、少し対策がのろのろし過ぎやせぬかという感じがしているんですよ。それはそうじゃないのだというお考えだろうと思うんですけれども、どうも手ぬるいという感じがするわけなんですけれども、これは一体どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(藍原義邦君) 先生御指摘のように、確かにこういう被害がなかなかとまっておらないという状況を見ますと、私どもの指導のやり方が手ぬるいという御批判を受けるのももっともかと思います。 ただ私どもといたしましても、新しい技術が開発されまして、これで本当にいけるのかということでいろいろやってまいりました結果、一応三年徹底してまけば被害も微害程度におさめ得るという自信もつきましたし、さらにまた、従来やってまいりました現行法に基づく命令による防除ではなかなかやり得ないという問題点がこの間にいろいろ出たわけでございます。そういう観点から、やはり従来のような命令形式ではなくて、国なり県が直接行います方法でないとなかなかおさめ得ないという判断がつきましたので、今回新しく特別措置法をただいま御審議いただいておるわけでございまして、その間私どものあるいはなまぬるさというものも全然ないとは申し上げませんけれども、いま申し上げましたようないろいろな試行錯誤を通じまして、こういう新しい法律をつくりまして国なり県が直接執行するという方法を考えたわけでございまして、そういう点で私どもといたしましても、精いっぱいマツクイムシの防除対策については努力しているつもりでございます。
○鶴園哲夫君 松枯れの原因につきまして次に若干お尋ねをしたいんですが、この間四月一日に参考人の方々においでいただいて意見を承ったんですが、龍谷大学の吉岡金市教授、これは私は新聞に投書されたやつだと思いますが、朝日新聞の「論壇」に出ております。それを見ますというと、吉岡教授の考え方は、新聞で拝見する限り、重化学工業地帯や急速に開発の進んだ地域、大気汚染が激しい地域、そこが松枯れのひどい地域になっている。一方、松を枯らすと言われるマツノザイセンチュウ検出調査によるというと検出率は五二%程度だと、だからマツノザイセンチュウ以外の原因による松枯れというものは多数存在するという考え方のようですね。マツノザイセンチュウ以外の要素で松枯れになるものが相当あるんだという考え方をしていますね。だから、空中散布だけでは松枯れは妨げないのだと。いま私が申し上げた範囲で言いますと、確かにうなずける話だと思いますね。とにかく重化学工業地帯あるいは急速に開発した地帯、そういう大気汚染の激しいところ、そこで松枯れが非常に激しいと。さらに調査の結果によるというと、線虫の検出というのは五〇%ちょっとぐらいだというような数字を挙げていらっしゃる。これは御本人の調査じゃないんですね。そうするというと、線虫以外の原因による松枯れというのは相当多数あるんじゃないか、空中散布だけじゃだめだということになりますと、これはうなずけるというふうに思いますけれども、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(藍原義邦君) 松が枯れます原因については、当然老齢化いたしまして枯れる松もあろうと思いますし、またツチクラゲというような菌によりまして枯損する場合もございますし、さらには台風その他で倒れて枯損するものもございます。また、いま先生がおっしゃいましたように、大気汚染等によって枯損するものも全然ないとは私どもも考えておりません。ただ、しかしながら、最近のように非常に蔓延してまいりました主な原因は、マツノマダラカミキリが運びますマツノザイセンチュウによる枯死であるというふうにわれわれ考えておる次第でございます。 それからマツノザイセンチュウの発見が五〇%程度であったとかないとかというお話ございましたけれども、そういう個所につきましても、マツノザイセンチュウがあるかどうか試験場等々で調べました結果では、やはりマツノザイセンチュウが相当出ておるというデータも出ておりますし、マッノザイセンチュウが入っているかどうかのデータのとり方等も、いろいろやはり十分考えてやらなければいけない問題があるのじゃなかろうかという気が、私どもとしてはいたしております。
○鶴園哲夫君 これは三月の二十三日のやはり同じ朝日新聞の「論壇」に岡山大学の山下講師のが載っているんですが、一九六〇年代には、大量の松枯れというのはその原因は大気汚染だというのが定説だった。ところが、一九七二年マツノザイセンチュウだという接種による実験が公表されると、急転直下、林野庁を先頭にして、大量松枯れはマツノザイセンチュウだというふうになっている。そして、その線虫を力ずくでも抑えようというふうになってきたと、こういうわけですね。これもうなずける話で、ただ科学の発展というのはこんなもんかもしれません。ですが、六〇年代までは、大量松枯れというのは大気汚染だというのが定説だったと。ところが、七二年になって突如として急転直下ザイセンチュウだと、線虫だということになっちゃって、それを今度は力ずくで抑えようということで大量散布、空中散布を始めようと、こういうことになったんです。ですが、これ盛んに大気汚染の徹底規制ということを主張していますね、岡山大学の山下講師は。それからこれは四月五日のやはり朝日の「論壇」で、東北大学の西口という助教授、これもやはり昭和四十年代になって都市周辺に被害が増加し始めている。従来にない新しい要因が加わっている、これは間違いないと。それは大気汚染と関係があるということをやっぱり強調しておられるんですね。こういう考え方について、林野庁としてはどういうような、あるいは線虫一本やりでいかれるわけですか、急転直下方式で。それを伺います。
○政府委員(藍原義邦君) この問題が一番論点になるのかもしれませんが、私どもといたしましても、大気汚染で松が枯れないとは私ども申し上げておるわけではございません。やはりあるいは大気汚染で松が枯れる場合もあるかもしれないというふうに考えておりますが、一般的にマツノザイセンチュウがマダラカミキリによって運ばれます過程の、マダラカミキリが松に卵を産みます時期、これを見ますと、大体夏の初めから秋口等々にかけて行うわけでございまして、大気汚染によって枯れますものは、一年の間に一年じゅう枯れてまいるわけでございます。さらに、マツノザィセンチュウを持っておりますマダラカミキリが産みます卵は、松の中からやにが出てくる場合には、幾ら卵を産みましてもそれはやにのために枯死してしまうという試験研究結果が出ております。大気汚染で枯れます松は、死ぬ直前まで大体松やにが出ておりますが、マダラカミキリによりまして運ばれたザイセンチュウによって枯れます松は、直ちに樹脂の流動が停止してしまうという形で、枯死の仕方も違っております。 そういう観点から、私どもは弱った木があってそれに、大気汚染で弱ったために部分的にあるいはそこからマダラカミキリが発生したという事例が全然ないとは申し上げませんけれども、一般的にいま大きく出ております被害は、主としてザイセンチュウによりまして枯死した樹木にマダラカミキリが卵を産みつけ、その繰り返しによっていまのような大きな被害が出たというふうに私どもは認識しておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 もう一つの問題は空中散布の問題なんですけれども、自然保護団体で、空中散布をした後の調査結果によると効果が疑わしいと、こう言うんですね。いろいろの調査もなさっているだろうと思いますが、文句の上で私が見たのでは、文句の上で出ているのは、空中散布をした後の調査結果によると効果が疑わしいと。むしろマツクイムシの天敵を殺してしまうと。たとえ一時期、一時的に効果があるようでも、五年で空中散布をやめるということになればまたマツクイムシが出てくるんじゃないかと、こういうことを言っておられるんですね。これは防除剤を使った場合の一つの定説みたいなもんだろうと私は思うんですけれども、こういう考え方については、林野庁としてはどういうふうに考えていらっしゃるのかですね。
○政府委員(藍原義邦君) いまの御質問にお答えする前に、前の御質問で私ちょっと御説明を落としたものがございますので、補足さしていただきますと、試験場で亜硫酸ガスに対する松の抵抗関係とザイセンチュウとの関係を調べたものがございます。その場合に濃度〇・〇五PPmあるいは〇・二PPmの濃度の亜硫酸ガスを長時間薫煙いたしまして、樹脂の浸出停止状況を調査いたしたわけでございますけれども、亜硫酸ガスの薫煙区では枯れの進み方が薫煙しない区に比較いたしまして少し早くはなっておりますけれども、六週間後では逆に薫煙しなかった区域の方がかえって枯死木が多くなっておるというような事態もございます。そういう点、松の枯死の主因につきましては、必ずしも亜硫酸ガスの関係ばかりではなかろうというふうにわれわれは考えておるわけでございます。 それからいまの御質問でございますけれども、これは昭和五十一年に私ども標準地を五百三十八カ所とりまして調査いたしまして、その結果、本数で五〇%以上被害が減少した標準地が約九〇%ございます。したがいまして私どもといたしましては、これだけの高い結果が出ておれば、空中散布の効果は十分あるものというふうに私どもとしては判断いたしておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 これは私がさっき伺ったことと関連をしまして、こういった大きな疑問があると思うんですが、一度害虫を駆除するために殺虫剤を使い始めると、一般的に天敵の歯どめがなくなると。散布を中止するとまたその勢力を盛り返すと、また散布しなきゃいけない。途中で散布をやめるわけにいかないと。これがいままでの例だと思うんですよ。 そこで、愛媛大学の石原教授が朝日新聞の二月二十日のまた同じ「論壇」で言っておられることは、松も稲と同じように、稲はもういまや毎年二回殺虫剤をまかないと生きていけないですからね。生きていけないわけじゃないんだけれども、まあとにかく薬をまかなければだめになっちゃったですな、稲というのは。それと同じように、松も一年に二回まかなきゃ育たなくなるんじゃないか。稲と同じようになるんじゃないかと。これは大変なところへ毎年まかなければならぬ。林野庁は大変だぞ、これは。薬屋さんもえらいもうかるじゃろうけれども、稲と同じように毎年まかなきゃいかぬというようなことにはなりませんかというこれは疑問だと思うんです、主張だと思いますよ、この愛媛大学の石原教授のやつは。私もどうもそういう気がしてしようがない。さっき長官おっしゃった、十二万ヘクタールという実績がある。しかしそれはダブっているものがあると、こうおっしゃったですね。一回まいたら、稲と同じようにこれはもう末来永劫にこの大変な松林にまいていかにゃならぬのじゃないかという感じがするんですけれども、それはどうですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私も稲のことは専門でございませんのでよくわかりませんけれども、稲の場合、まきますと虫も死ぬであろうし、あるいは稲は御存じのとおり水田でございますから、一部が水から吸収されるのかもしれませんが、そういう形で、またそこにできた米をもとにしてまた稲をつくるわけでございます。そういう意味で、あるいは先生がおっしゃったようなことがあるのかもしれません。ところが、私どもがやろうとしておりますのは松でございまして、松はその薬をまいた松をもとにしてまた松をつくるわけではございませんから、松そのものはそんなに影響は出てこないだろうと思います。また虫につきましては、この虫は羽化いたしまして、その年のたとえば五月ごろ羽化いたしまして、その年の八月ごろには卵を産んで死んでしまうわけでございます。それで薬を食べた、触れた虫は死んでしまうわけでございますし、薬に触れない虫が卵を産むわけでございますから、そういう意味で、残留性はない薬でございますけれども、万一あったにしても、それが順々に強くなるということは余り考えられないのではないかという気が私はいたしております。 そういう観点から、いま先生がおっしゃいましたような、米の場合と松林にまきますマツクイムシとの関係は、必ずしも同じような関係で私は推移しないだろうというふうに思っておりますし、また一方、私どもの調査結果によりますと、激害地で、たとえば激害地と申しておりますのは、私ども大体被害本数が五%以上のところを考えておりますけれども、こういうところでは三ないし四年で、それから中害地、これは被害が一%から五%未満のものでございますが、ここでは大体二ないし三年、微害地、これは一%未満でございますけれども、こういうところは一、二年継続いたしますと被害はおおむね終息型、先ほど申し上げましたように、被害が一%未満になるような松林に復元し得るという技術的なデータが出ております。そういう観点から、私どもとすれば、五カ年間のうちに重要な松林を空中散布によって対応いたしますれば、その後は現行法で対応できる程度の被害で推移し得るというふうに判断しておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 私は、この石原教授の、稲と同じようなというのは語弊があると思いますね、確かに。思いますが、五年間空中散布をやって、それで後は伐倒でいけるというようなことにはならぬのじゃないか。さらに、これはやはり毎年十万ヘクタールぐらいまかざるを得なくなるんじゃないかという気がするわけですよね。稲がそうですもの。毎年まかなきゃならぬ。何か毎年でなくても、これはやはり決して五年で終わらぬと、この空中散布は。今後も、五年たった後も十万ヘクタールか七万ヘクタール程度のものはやはり空中散布をせざるを得ないのじゃないだろうか、未来永劫にまかなきゃならぬじゃないかと、こういうふうな心配をするもんですから、この石原教授のことで私も思いついたんですけれども、何かそういう心配がある、それはどうだろうということなんですけれどもね。
○政府委員(藍原義邦君) 私どももただいままでやりました実験結果から、そういう技術でやれば先ほど申し上げましたような対応でやり得るというふうに確信をしておるわけでございますけれども、五年先のことでございますからその辺はわかりませんけれども、現在まで四年間やってまいりました結果では、そういう形でやり得るという自信を持って対応したいというふうに考えておりますし、またそういう自信で私どもとしても特別防除を徹底してやって、その後は現行法でやれる体制になるような防除をしてまいりたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 その問題についてはこれからの問題でしょうから、また改めて論議をしなきゃならぬことでしょうと思います。 次は、さっき挙げました四月五日の朝日の「論壇」で東北大学の西口助教授が、いまの西日本の海岸地域でも松枯れが大変激しい、その原因は線虫で、そして昆虫が松から松へ伝播していっている、こういう言い方はしていらっしゃる。しかし、松の集団枯死、伝染病みたいに広がりつつあるのだが、その経路をたどってみるというと、大体、多くの場合はある発生源に達すると。その発生源というのは、それは造船工場あるいは製紙、製材、パルプ工場等のある港町だと、こう言うわけですね。これは鹿児島でもよく聞くんですよ。あのパルプ工場ができたもんだからとにかくこの辺は松枯れがいつも絶えないと、こういう話ですね。私は、西口助教授の書き方を見ましてうなずけるわけですわ。パルプ工場、製材工場のある港町、そこら辺の松は年じゅう枯れる。これは松枯れは絶えないですね。ですから、集団的な枯死をしているその先をたぐっていって経路をたどってみると、いま申し上げたような製材あるいはパルプ、製紙、あるいはその松を使った造船、そういうところの土場だと。松の木が積んであるその土場がこの昆虫の繁殖場になっている、こういう言い方なんですね。この土場はどうなさるおつもりですか。ここは繁殖場ですね、たどっていってみると。松はまくが、この土場はどうなさるのかですね。それは、今度の空中散布も、昆虫をやっつけようというやつですからね。線虫をやっつけようというのじゃなくて、昆虫をやっつけろというわけで、もともとの昆虫の繁殖場、そこはここだと、こう言うわけですね。これはどうなさるおつもりですか。
○政府委員(藍原義邦君) 先生おっしゃいましたように、確かにパルプ工場がある個所あるいは造船所、その他建設現場の周辺から発生している場合があろうと思います。そういう意味からも、昭和四十一年度から、被害を受けました市町村から伐採木の移動制限、禁止措置をしております。これは現行法にそういう規定を盛り込んでおるわけでございまして、現行法の第三条第一項第五号に、移動の制限あるいは禁止の命令というのがございます。そういう現行法によりまして、現在までも移動の禁止命令を出しておりますけれども、残念ながらその不徹底等のために、いま先生が御指摘になりましたような、被害を受け、マツノマダラカミキリの幼虫が入っております松が移動をしまして、丸太が移動をして発生していることもあるのではなかろうかという気もいたしますが、そういうためにも、ただいま都道府県には森林害虫防除員というのを配置しておりまして、そういう防除員がそういう土場等に参りまして立ち入り検査をする、あるいは防除の指示を与える、こういう権限を付与いたしております。 したがいまして、今後ともこの現行法の条項を適用いたしまして、まず移動を徹底的に禁止すると同時に、土場等につきましては、防除員を立ち入り検査をさせまして、もしその中にせん孔虫が入ったような痕跡があれば徹底して防除をする、指示をすることを今後とも強力に推進してまいりたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 私はこのことでちょっと、線虫が問題だと、それを運ぶのは昆虫だと、こう言うわけですね。そこのからくりは理解できる。ただ問題の、いま力ずくでも抑えようとする昆虫ですね、その昆虫の一体出所はどこにあるのかと、繁殖場はどこなんだということですね。松だけだと、こういうみな土場だという指定がありますと、これはちょっと予想外と言うとおかしいけれども、ちょっとこれ妙な話だなという感じがするのですが、そういう問題の、抑えつけようと言って空中散布までして三十億の金使ってやろうと言うが、昆虫の繁殖なり、そういうことの研究は行われているのでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 森林昆虫につきましては、林業試験場に森林昆虫の専門家がおりまして、そこで十分研究は進めております。
○鶴園哲夫君 いや、私の言うのは、いま問題になっている、約三十億近い金を使ってしゃにむにこれから空中散布をやって抑えつけようとしているのは昆虫なんですよ。その昆虫の一体繁殖場というのはどこにあるのだという、そういう形態と言うのかな、そういうものの研究というのは林業試験場で行われているのだろうかという疑問なんですよね。からくりはいいですよ、線虫と昆虫との関係の。ただ問題は、それを抑えつけようとするのはいまの昆虫なんですからね。一体その昆虫の生息形態と言うのかな、あるいは繁殖形態と言うのかな、それは徹底的に究明されているのだろうかということですね。
○政府委員(藍原義邦君) マダラカミキリは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、枯損した松に卵を産みつけまして、それが夏から明くる年の春まで、松の幹あるいは伐倒された丸太の中で成長いたしまして、明くる年の春先に羽化するわけでございます。そういう点で、マダラカミキリのいわゆる生態系は把握されておりまして、したがいましてマダラカミキリそのものは枯れた松の中で成長し、そしてそれが成虫になりますと空中に飛び出すという形でございます。 先生御指摘のように、枯れた松の中でマツノマダラカミキリの卵が入っておる木が移動されなければ、その林地の中で羽化するわけでございますけれども、それが万一移動されますと、移動された先で羽化されるということはあり得るかと思います。
○鶴園哲夫君 その松の木を移動しないわけはないわけですね、松の木というのは使わなければいかぬし。そうしますと、いまどこに行くかと言えば、製材工場、パルプ工場、特に製材、パルプですね、製紙工場、そこへ行くわけですよね。そこへみんな集まってくるわけで、山にいつまでほっておくわけにはいかない。そこに集まってくる。そうすると、何かそういうところが、パルプ工場なり製紙工場なりの土場、そこが繁殖場になっておるのじゃないかという説を、お話が出たもんですから、私そこまで林野庁やっておるのかいなという気がしたもんですからちょっと聞いたのです。 きょう、いまちょうど十二時半で終わることになっておりますが、次は空中散布の被害についてちょっと伺いたいのです。それで被害について伺うと同時に、農薬の関係からどうもちょっと疑問に思う点が非常にある。そこでひとつ午後から、その散布の被害、特に農薬の関係も入れましてお伺いしたいと思います。 それじゃこれで。
○委員長(橘直治君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 —————・————— 午後一時三十七分開会
○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 松くい虫防除特別措置法案を議題といたします。 休憩前に引き続き、本案に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 空中散布の被害の問題につきまして、これも愛媛大学の石原教授が「論壇」の中で書いておられたんですが、殺虫剤の空中散布、それを浴びたほとんどあらゆる生物が死滅する。その地区は、一時的にせよ無生物に近い状態になると。また、空中散布のたびにヒヨドリとかホオジロとかウグイス、モズ、こういうような被害がある。また、昨年の五月末には島根県でミツバチの大量の被害が出た。養殖の魚類や農業への被害のおそれも大きいと、こういうことが書いてあるわけです。 そこで林野庁から御提出のありましたこの参考資料の四十四ページに特別防除、つまり航空機による空中散布の実施による被害例と——被害調査とは書いてないんですね、被害例という形で、四十八年はないと、四十九年は養蚕が三件、それからミツバチの方が六件、合わせて九件と。五十年は養蚕が四件、ミツバチの方は十八件、二十二件と、こういうような報告があるんですが、そこでその地区が一時的にせよ無生物に近い状態になる、あるいは鳥類等に対する被害、それからいま私が申しました林野庁提出の参考資料による被害、こういう問題についてどういうふうな考え方を持っていらっしゃるのか、お伺いします。
○政府委員(藍原義邦君) 四十八年から私どもで空中散布をやりましたその過程におきまして発生いたしました被害の件数は、ただいま先生が御指摘になりましたように四十九年には九件、五十年には二十二件、五十一年には十八件と、これはほとんとが養蚕と養蜂でございますが、こういうものがございました。これは、そして薬剤が一部飛散したということでございますが、私どもといたしましては、この四年間に空中散布をやります過程で野生その他鳥類に対するもの、あるいは魚介類、昆虫類、果樹農作物類、林木、あるいは土壌、水質残留その他調査をやってまいりまして、大体五千二百七十六の調査をやってまいりました。そういう調査結果に基づきまして、野生鳥獣につきましては薬剤の散布前と散布後におきまして鳥巣あるいは個体数について調査した結果、薬剤によると思われる変化は認められておりませんし、衰弱した異常個体や変死した個体も確認されておりません。また、そのうち鳥の巣の中のひなや卵についても巣立ちが認められております。また鳥かごに鳥を入れまして、散布地域に配置して薬を上から空中散布でやったわけでございますけれども、こういう場合でも異常は認められておりません。また獣類につきましても、おりの中に入れましたウサギ、家で飼うウサギでございますが、これを散布地に配置させて空中散布をいたしました結果、あるいは同じ散布地域内で被薬させましたえさを投与して飼育いたしまして、コリンエステラーゼ活性を調査いたしましたけれども、異常は認められておりません。以上のようなことで、野生鳥獣に対する影響はないというふうに考えております。 ただ、この薬はマツクイムシを殺す薬でございますので、昆虫類等については確かに一時昆虫が減ることがございますけれども、その後数週間にして復元する。一年たちますとほとんどもとに返るというデータが出ておりまして、その森林についての生態系に大きな変化を与えることはないというふうに、われわれは研究結果、実験結果から考えております。
○鶴園哲夫君 林野庁が認めていらっしゃるのは、この参考資料の中に出ております養蚕の関係、それと養蜂の関係、ハチみつ、ミツバチの関係ですね。それで、私がマツクイムシが出ましてから、いろんな電話をいただいたりするわけですが、去年からの話になりますわね。去年のころから盛んにいろいろ電話があったりなんかして、その中で私が特に注目をしておりますのは、ハチはもちろんですが、養蚕の関係とそれから養魚の関係ですね。これはここには養魚の関係出ておりませんですが、林野庁の資料の中には農薬の関係についての有毒性については、コイとかそれからフナとか、そういう容易にとれるような魚を実験材料に使って、そして安全度というものを見ておられるようですね。だから、海におる魚についての試験というのはないように聞いてるんですけれども、鹿児島のクルマエビの養殖場があるんですが、これは三井系の相当大がかりなクルマエビの養殖をやっておるんですが、そこのふ化したばかりの弱いエビが大量に弊死した。四割ぐらい難死したというんですが、大量に斃死したと。それでいろいろ調べてみたら、三日か四日か前にスミチオンを空中散布したと。雨が降った関係があってそれが海に流れ込んで、それで弊死したんだということが明らかになったということ、これはもう事実として一般に知られていることなんですけれども、ああいう甲殻類と言うのですか、エビとかカニとか、こういうものは非常にこういう農薬に対しては弱いと言うのか、薬が強過ぎるのか、大変に弱いんですね。それで養殖の関係のそういうエビのふ化する時期というのと、それから林野庁が薬をまく時期とほぼ同じなんですよね。五月から六月にかけてまくわけですし、こっちの方もちょうど四月、五月ごろにふ化する。そういう関係で、これは養殖のエビ類に対する影響というのは非常に大きいと、こういうふうに見なければならぬのじゃないかと思いますがね。 それからもう一つは養蚕の関係なんですけれども、これもここにあるような四十九年に三件とか五十年四件とかいうようなものではないのではないか。私が直接担当している人から電話で聞いただけでも相当なものがあって、それらはいずれも農業共済法に基づいて処理をしていると、こういうことなんですね。ですから、恐らくその被害があったとかいうようなことで届けてないんだろうと思うんです。だから、林野庁で調べていらっしゃるこういうものではないのではないかという、私は非常に大きな疑問を持っているわけなんですよ。とても四件というような問題じゃないだろう、四件というのはとんでもない数字じゃないか。それから養魚も全然入っていませんしね。そういう点で、これはこんなものじゃないと恐らく林野庁長官もお考えだろうと思うんです。これは養蚕が三件だとか四件だなんというのは、こんな話はないと思いますね。あるいはいま言いましたエビの養殖、これは相当あちこちでやっているわけですけれども、そういう問題についてはどうお考えなのか。 それからもう一つは、いま林野庁の資料の中に載っております四十九年の九件、五十年の二十二件と、そういう起きた場合にはどういう措置をしておられるのか、してこられたのか、これからなさるのか、それを伺いたい。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、私どもの調査によりますれば、先生おっしゃいましたように、クルマエビ等甲殻類については一部問題があるということ、それから養蚕あるいは養蜂等についてはやはり問題があるということで、そういう施設等がございます場合には、それに対する被害防止、危害防止というものを十分対応して空中散布を行うということを現在考えております。 また、鹿児島県の例を先生にいまおっしゃいましたけれども、鹿児島県のクルマエビの被害がスミチオンだという説が出ておりますが、私どもの入手した情報によりますと、この因果関係がいまの段階ではまだはっきりはしていないというので、非常にその断定が困難であるということを聞いております。しかしながら私どもといたしましては、やはり今回マツクイムシを防除するために空中散布をいたしますのは、生活環境なり自然環境なり、こういうものをよくするためにやるわけでございますし、それが他の産業その他に影響を与えることはやはり好ましくないことでございます。そういう点から、そういう場所を空中散布する場合には、たとえば養魚の場合でございましたら、ふ化施設とかその他中間育成施設、こういうものを被覆してしまうとか、あるいは移動できるものにつきましては安全な地域へ移動するとか、また薬剤が流入するおそれがあると認められるような水域からの水の供給を一時とめていただくとか、薬剤が流入しないようなところから一時水をくみ取っていただく、供給していただくというような、そのような方途を講じて被害防止を徹底してまいりたいというふうに考えておりますし、そういう方法がとれないところにつきましては、利害関係者及び地元住民と十分協議いたしまして、空中散布以外の防除方法で対処することにいたすことにいたしております。 それから、いままでありました被害はどうなっているかというお話でございましたが、いままでやりました過程で起こりました先ほど申し上げました被害につきましては、これは地元と十分いろいろな話し合いをしながら空中散布をやってまいりましたので、その結果、たまたま突風が吹いたとか、あるいは薬剤が何らかの関係で飛散して桑なり養蜂に被害があったということでございまして、地元と事前にその辺は十分話し合いをしておりましたので、見舞金等で話し合いが大体ついておりまして、いまの段階ではトラブルは起きておりません。 それからもう一点最後に、今後こういう被害が出た場合にどうするかという御質問がございましたけれども、これはその因果関係がはっきりわかるものについては当然国家賠償法の対象になるというふうに考えられますけれども、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、被害の出ないように事前に徹底して被害防止をやりますと同時に、地元の方々に十分徹底した形で御理解、御協力をいただきながら、安全を見きわめて空中散布を実行してまいろうというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 ちょうど去年の五月、六月ですね、空中散布をやられたときにクルマエビの被害が出て、それの因果関係ははっきりしていると思うんです。水産試験所で、死んだそのエビのふ化したばかりのやつと、それから斃死したやつと、それから水の調査とやりまして、もう一カ所加治木で同じような事故がありまして、それは農薬らしいということになっているわけですね。それで、海の魚に対する農薬の関係の試験というのは、非常に立ちおくれているんじゃないかというふうに思うのですけれどもね。先ほど私が言いましたように、コイとかウナギとか、あるいはそういうような魚で実験をしておられる、あるいは試験をしておられる。しかし海のものについては試験はされていないという。だから、非常にそういう海に流れ込んでの被害というのが大きいんじゃないかという気がするわけですね。エビの例なんかで言うと、コイなんかに比べると千分の一ぐらいの薄いのでもだめなようですね、やはり、弱いようですね。ですから、農林省として農薬関係、これは空中散布するスミチオンとかこういうようなもの以外の有機燐の農薬剤ですね、それについての海の魚との関係の安全性と言うのかな、研究というのは行われているのかどうか、これをまずお尋ねをします。
○説明員(本宮義一君) 農薬を登録いたします際に、水産動物に対する被害についてチェックをするわけでございますが、現在では農薬取締法に基づいて環境庁が決められました農薬の保留基準がございまして、これは半数致死濃度が〇・一PPm以下である、また、七日以上にわたって毒性が消失しないといったようなことが基準でございまして、その基準は先生の御指摘のございましたように、淡水魚のコイを用いてやっているのでございます。 この基準が他の水産動物、特に海の魚に対しても、当てはまるかということでございますが、そこに必ずしも一致しない場合が御指摘のようにございます。現在環境庁ではこういったことの残留基準を新たに検討すべく、目下こういった甲殻類とか貝類についての、こういう基準をつくるいま調査を現在実施しておられるわけでありますが、農林省の立場で申し上げますと、こういった基準に従いまして農薬の登録検査をしてまいるということになるわけでございます。ですが、現実問題として、いまある農薬についても先生御指摘のような問題もございますので、特に最近、いままでは淡水魚が問題でございましたけれども、いま御指摘のございますような養殖池におきます、そういうような海の魚が死ぬといったような事例が出てまいっておりますので、ゆゆしき問題でございますので、水産庁とこの問題は協議して的確な対策を講じ、低毒性の、そういう魚毒性のない農薬の検討を進めてまいろうということにいま取りかかったというところでございまして、その結果は今後でございますけれども、いまの段階では、そういった魚毒性の強いと思われるような農薬は、こういった養殖場の付近においては絶対まいてもらわないというようなことを、強く指導してまいりたいというように考えておるところでございます。
○鶴園哲夫君 いまお話しのありましたように、その毒性の問題についての試験とか研究というものが、あるいはその結果の基準というものが、淡水魚、特にコイというようなものを使っていらっしゃる。コイというのと、それから海の魚との間に非常な差がある。けたが三つ、四つも違うぐらいに弱いといいますかね、弱い。魚にとっては毒性が強いということになるわけですね。ところがその研究なり基準ができてないという点が、水産の関係では非常に不安なわけです。と言うのは、養殖というのがこれは非常に発達してきまして、至るところに海岸端につくってあるわけですから、海の真ん中につくってあるわけではないわけで、それは海岸端に皆つくってある。大変な養殖が始まっておる。そういうところにおいて、いまの農薬の関係、単に林業などのいま空中散布だけの問題じゃない。要するに、全体を含めましての農薬というのが非常に大きな問題になっておる。速やかに海の魚についての毒性というものをはっきりしてもらわないと、これは日本の養殖業というのはえらいですよ。非常に低いように見えますね。鹿児島の水産試験所がつくった、研究した資料なんか見ますと、コイの千分の一ぐらいですね、薄くても斃死してしまうという状況のようですね。 それからきのう、これはクルマエビに対する農薬の毒性についてということで、要望事項のようなものが出ておるわけですけれども、きのうもらったのですが、これによりますと、私がいま申しましたように、また課長の方からも説明がありましたように、海の魚に対する毒性についての試験研究、試験法が確立をされていない、速やかに確立されたい。それからクルマエビはスミチオンとかダイアジンに対して非常に弱いということは事実のようだ。ですから、これに対する積極的な予防方法をとってもらいたい。これは林野庁になるわけですね。それから農薬もやっぱり関係あるのですね。それから、できればクルマエビ等に対しては毒性の低い農薬を早急に検討してもらいたい。こういう要望書が出ておるわけですね。ですからこれは、いま林野庁長官は養蚕の問題とか、それからミツバチの話をなさったんですけれども、いま日本の沿岸で大々的にこれからやろうとしている養殖の関係、あるいは栽培漁業、こういうものに対する被害というのをどうしても考えなきゃならない。それには農林省の植物防疫の関係がはっきりしなきゃいけない。これはもちろん環境庁の問題でもありますけれども、速やかにこの海の魚に対する毒性の試験というものをはっきりさして、基準をつくってもらいたいということを要望しておきたいと思います。 それから、さっき私が出しましたこの養蚕農家に対する被害が大きいと、それは共済制度でめんどう見ている面が相当あるというんですが、そういうことはもちろん聞いていらっしゃらないでしょうな、これを見るとそういうこと書いてないわけだし。だけど、実際現場に当たっている人からの電話はそうなんですよ。農業共済の制度でめんどう見ていると、こういう電話がかかってきているわけですわ。幾つもあると、そういうことは。どうもだから、養蚕ということをよっぽどこれは注意しなきゃいかぬなということですね。それからまた、さっき長官は、養魚の問題についても、それから養殖の問題についても、あるいは蚕の問題についても十分な措置をとってやっていきたいということですから、今後ともそのことについては一層そういうことのないようにやってもらいたいと思います。 同じように、それに関連いたしましてですが、この第八条に、空中散布の特別防除の安全性について、つまり薬剤の安全かつ適正な使用を確保するとともに、農業や漁業その他に被害を及ぼさぬよう必要な被害防止措置を講ずると、こういうふうになっていますね。これは今度予算を組まれておるんですか、こういう措置をすることについての予算というのは組まれておるわけですか。
○政府委員(藍原義邦君) 被害対策の予算は組まれております。
○鶴園哲夫君 まあ、実際これは国有林であれば営林署の職員がやるんだろうと思うんですね。それからそれ以外でありますれば、民有林でありますれば、これは林野庁がやるわけではないし、県が直接やるわけじゃなくて、これは恐らく業者がやるんだろうと思うんです。ですから、業者のところまで林野庁が考えていらっしゃる考え方というものがぴしっと行き渡って、そうしてその安全性について、あるいはこの安全を確保する漁業や農業に対する被害がならぬように、そういう措置が実際とれるのかどうかという懸念があるんですが、どういう形で、いま長官のおっしゃったようなものが実際行われている現地で徹底できるのかどうか、それをお尋ねをします。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生、国有林の場合には営林署等であろうし県の場合には民間に委託するのであろうと、こういうお話でございましたが、国有林の場合は営林署員が行いますし、県の場合も県が直接実行するということで、県の職員を動員してやることになっております。ただ、薬を散布する飛行機につきましては、これは当然飛行機会社に委託してやる形になりますけれども、県並びに営林署等が直接実行してやるという形でございます。さらには、地元の方々の御協力を得る必要があろうかと思いますけれども、主体は、いま申し上げましたように、県の職員なり営林署の職員が実行してやるということでございまして、そういう意味からも私どもといたしましては、この法案が御採決いただければその時点で十分県等を指導いたしまして、指導監督が徹底できるような方途を考えてまいりたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 林野庁の提出されました資料によりますと、そういう農薬空中散布をやる人が本庁の方に五十何人いらっしゃる。あと営林局から、営林署には想像以上に少ないわけですね。兼務の人がいらっしゃるのですね。これはこれからの十万ヘクタールぐらい、あるいは来年になりますともっと大きな面積にわたって空中散布をやらなきゃいけない、その中にはもちろん国有林も入っていますし、それから民有林も入っていると。そういう中でこういう人たちというのは一体いまの陣容でいいんですか、いままではこういう散布をしていなかったのだから。林野庁が定員がふえたという話も聞いていませんしね、全然聞いていない。にかかわらず面積は膨大なものになっていく。予算も昨年に比べますと約三倍近くなっている。面積もこれはぐっとふえていくと、まあ二倍近くふえますわね、ことしは。来年はもっとふえるでしょう。そういう場合に一体いまのこういう関係の職員でやれるのか。あるいはおっしゃるように、県がやるとおっしゃる、その県の職員というものもいまの体制でできるのかどうかですね。
○政府委員(藍原義邦君) 従前から空中散布をしておりましたところ、あるいはしていないところにつきましてもそれぞれ防除員というのが置いてございまして、全体でただいま三千三百人ほど各県に配置されております。私どもはこういう防除員を中心にいたしまして、さらには、県にはそれぞれ普及員等もおりますから、このマツクイムシの防除の空中散布は一年じゅうこれが継続するわけでもございませんし、時期的に限られた期間に二回まくわけでございますので、いま申し上げましたような防除員を中心にいたしまして、県の関係職員で今後とも対応し得るというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 そうしますと、この空中散布に当たっての、大変な空中散布をされるわけですけれども、その安全性の問題について長官の考えていらっしゃるような考え方というものは、これは国有林の中で国有林の職員がやる、林野庁の職員がやる、それから県の職員がやる、したがってそこのところは徹底できるんだと、こういうお考えですね。
○政府委員(藍原義邦君) 先生のおっしゃいましたとおりでございまして、なおかつ、これからは県中心で協議会等を設けまして、その方法あるいは作業のやり方等十分打ち合わせをいたしますので、従前からも国有林と県あるいは町村が連携をとりながらやってまいりました事例もたくさんございます。今後も県中心で国の決めます基本方針、県のつくる実施計画等に基づきまして、十分その辺の連携はとりながらやってまいる必要があろうと思いますし、またそういう指導を徹底していきたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 次に、地域住民の問題ですね。空中散布の実施に不服を申し立てられる者は防除区域内に松林を所有している者に限られていると。さっきも粕谷理事の方から出ましたように、しかも、この特に緊急を要する場合は防除区域及び期間の公表を省略すると、不服の申し立てができないと、こういうことになっているわけですね。 そこでこれで伺いたいのですけれども、この緊急を要する場合、これは防除区域も期間の公表も省略すると、これは一体どういう場合を想定されているのか、こういうのはあり得ないんじゃないかという気がするんですけれどもね、あり得ないほど少ないものなのか、私はあり得ないだろうと思うのだけれども、その点が一つ。 もう一つは、所有者以外の人たちもこれは被害を受けるわけですわ、被害は出ておるわけですから。養魚の場合にしても、まあ林野庁の資料では出てないが、いままで論議しましたように養魚の関係、それから林野庁の資料へ出ておりますように養蚕の関係、あるいはこのハチの関係出ているわけですね。ですから、そういう住民が不安という点て言いますと——いや、熱心なところもあるんですよ。防除してくれ、防除してくれと言って熱心なところもあるんだけれども、一方においてはまた不安を持っているところもあるわけですわ、地域にあっては。その不安を持っているところの近くの住民、もう近接して住んでいる、そういうところの、近接と言うよりは、むしろそのまくところの隣におるそういう住民、しかも被害が出るかもしれぬ養蚕なり、あるいはハチなり養魚をやっている——雨が降って流れれば離れたところだって養魚場は影響あるわけですから、だからそういう人たちが不服は申し立てられないと、これでは大変いかにも山らしい強圧な法律のような感じがするんだけれども、山はたびたび強圧的なところがあるように思うんですけれどもね。何せ山ですからね、これは人の住んでいないような。しかし、いまはそうはいかぬわけで、だからそういうものについてはどういう形で機構的にその地域住民の考え方というものを、意向というものを反映させるか、聞くと言うか意向をくみ取ると言うか、されるのか、それをまず伺いたい。その二つですね。
○政府委員(藍原義邦君) 住民の意向につきましては、私どもといたしましては従前からやってまいりました四年間の間でもそれぞれ県でいろいろな協議会を設けたり、あるいはそれぞれ部落単位に説明会を設けたりしてやってまいりましたけれども、今後私どもが考えておりますのは、都道府県にマツクイムシの防除推進連絡協議会を設置いたしまして、この協議会におきまして実施計画の策定の前あるいは後に関係行政機関、市町村長、あるいは森林所有者、利害関係者等、地元の代表の意見を十分聞くことによりまして、地域の住民の意向を反映していきたいというふうに考えております。 また、実際に特別防除をやります場合には、地点ごとの説明会の開催や、あるいは回覧板、宣伝カー、こういうものを利用いたしまして、地域の実情に応じて特別防除の実施の必要性、あるいは安全性、散布区域、あるいは散布の時期、散布の時間、こういうものに対します注意事項等について、十分住民に周知徹底が図れるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 いま長官の説明がありましたマツクイムシ防除推進連絡会議ですね、これは林野庁の指導のもとに県でつくっておられるようですけれども、その中にはいまおっしゃったように、特別防除を実施する松林の存在する市町村代表、それから森林組合、それに利害関係の代表として養蜂の関係、それから農業関係、たばこ関係、それから水産動物の養殖代表者、あるいは猟友会、自然愛護協会というようなものですね、こういうようなものが入るような形になっておるわけですか。その利害関係者、つまり利害関係者も入るようになっているのかどうか。しかし、ところがこれは一年に一回開くのですね。一年に一回——これは一年に一回でいいわけか。要するに五月、六月にまくわけですから、その前にやればいいわけですな。なるほど、年じゅうまくわけじゃないですからね。 ですから問題は、この利害関係者が、少なくとも林野庁が考えていらっしゃる、これをまくことによっていろいろと出てくるだろうと、いままでも出てきたことがあるわけですから、そういう関係者が必ず入るようなことにしてもらわなければ困るじゃないかと思っております。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど私も御説明いたしましたように、従前から都道府県についてはそれぞれに実施しておりますけれども、五十二年度からは国で予算も認められまして、そういう形で予算措置もいたしまして、それぞれの都道府県に防除の推進連絡協議会、これは仮の名前でございますけれども、こういうものを設けることにいたしております。 その中に協議会のメンバーといたしましては、都道府県の関係部局長、あるいは関係営林局、警察、消防署の機関、その他の行政関係機関の職員、それから関係市町村、それから森林組合連合会長、その他森林所有者の代表、そのほかに、いま先生がおっしゃいましたように、農業、漁業を営む者、あるいは地域住民の代表その他利害関係者、その他地域の実情に応じ必要な者という形にいたしておりまして、空中散布を行う関係方面のもろもろの代表の方々に入っていただく形になっております。大体五十名ぐらいでこの協議会を運営しようというふうに考えております。 それから、この協議会は空中散布を行います前と、行いました後にもやはり反省会というふうな意味で開くことに予定いたしております。
○鶴園哲夫君 次は、この異常な被害が発生をしているんですが、それを五年間でまあ終息ですね、徹底的防除ですか、徹底的に防除すると言うんですが、終息させるということなんですけれども、しかし一体その五年間で終息する見通しがあるのかどうかという、そういうまた体制ができるんだろうか、そういう問題がありますね。これについてどういうふうに考えていらっしゃるのか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもがいままでやりました実験結果から、被害を受けております松林を激害地、あるいは中害地、微害地等に分けてみますと、激害地につきましては大体三年、それから中害地は二年、微害地は一年で終息型の微害、すなわち、大体その松林で一%未満の被害程度に抑えることができるという治験を得ております。そういう観点から、私どもといたしましても、今回空中散布を行う予定にいたしております重要な松林、あるいはこれから被害が蔓延するおそれのあるような松林につきまして、三カ年継続してまきましたならば、われわれが目標にいたしております終息型の微害程度の被害におさめ得るというふうに私どもは考えております。
○鶴園哲夫君 これは、さきにも私問題にしたんですけれども、空中散布のできるところというのは、これはもう限られていると私は思うんですよ。そうでないところが非常に多いんじゃないか、地形的に言って、面積の上から言って。それから今度はもう面積にならぬようなものもありますからね。そういう松というのはいっぱいあるわけで、だから空中散布をしないところは一体どうするか。空中散布以外に地上散布もありますけれども、それ以外のところが大変にやられておるわけですよ。そこは伐倒駆除をおやりになるのか。しかし伐倒駆除というのは大変に金が少ないですよ。やられるんだろうか。そこがそのままやられないということになりますと、空中散布をしてみても残るわけですよ、大きなものが。ですから、空中散布あるいは地上散布のできないところは自信をお持ちですかと。
○政府委員(藍原義邦君) いま大体被害面積は四十五万ヘクタールというふうに見込まれておりまして、私どもはそのうち樹種的に樹種転換をした一方がよろしいというふうに見込まれておりますものを、大体七万ヘクタールぐらい考えております。それを引きました三十八万ヘクタールが一応防除の対象面積というふうに考えておりまして、そのうち薬剤によります空中散布によりまして約二十六万ヘクタール、地上散布によりまして四万ヘクタール、それから伐倒駆除によりまして約八万ヘクタール、こういう形でそれぞれ防除をしてまいろうというふうに考えております。 当初申し上げました防除いたしませんところは、これは松ではなくてその他の樹種に転換してしまおうという考え方で対応するところでございますし、こういう形で空中散布の二十八万ヘクタールをそれぞれ年度別に計画いたしまして、五カ年のうちに二十六万ヘクタールも終息型に持っていこうというのがただいまの計画でございます。
○鶴園哲夫君 いや、この八万ヘクタールですね、地上散布の四万ヘクタール、それから空中散布二十六万ヘクタール、あと八万ヘクタールが伐倒による駆除、これは五年間でやる。これはしかしどうですか、八万というのはできますかね、いまの予算の額からいって。五十二年度の予算、五十一年度の予算、私は先ほど四十八年からのマツクイムシ防除の予算の推移を言ったわけです。えらい少ないじゃないかと言ったら、長官はいやこれはこれから枯れるやつも見てやるんだから予備費なりそんなの回すんだ。確かに予備費も毎年つけ加わっています。つけ加わっていますが一しかし、この八万ヘクタールというようなものをやれるんだろうかなという不安がありますね、これぐらい伐倒による駆除というのが衰弱してしまったんじゃね。まさに衰弱してしまっているんですよ。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもでは一応空中散布につきましては、大体五十二年度も九万ヘクタール程度まく予定にいたしておりますけれども、その後二、三年、年々ダブりますので総体の空中散布をいたします面積はふえますけれども、それに対応いたしまして伐倒駆除についての八万ヘクタール、これも五カ年間で空中散布をいたしません地域については十分対応していきたいと思っておりますし、さらに空中散布で三年間をまきまして、それが微害型に終息いたしますれば、その後は伐倒駆除を中心にマツクイムシの防除が進められるわけでございますので、そういう意味からも、先ほど申し上げました計画については十分やっていけるというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 伐倒駆除の一番大きなものは立木駆除ですね、これは非常に減っているんです、四十八年から。大体四十八年は五億ですよね、この立木駆除は。それが五十二年度は二億になっているんですよ。だから先ほども私が言いましたように、いまの予算の中で言うと八%ぐらいしかないんです、立木駆除というのは。 それから、伐倒駆除の中のもう一つの柱は、枯損幼齢樹の駆除ですね、これもうんと減っているんですものね。この五十二年度の予算では五千六百万円ですよ、極端に少なくなっている。五十一年は一億六百万円、それが五十二年になりますと五千六百万円ですから二分の一になっている。非常に小さくなっている。だからどうも私は、空中防除の方に余りにも偏重し過ぎちゃって——偏重じゃないですね、空中防除そのものになってしまっているんじゃないか。それで伐倒の駆除という、これはもう徹底的に効果があるんですもの、焼き殺すか何かやっちゃうんですからこれは効果があると思うんですが、事実戦後にはあれだけのしょうけつをきわめたマツクイムシというものを防遏できたわけですよね、この伐倒によって。これはもう実験済みだ。空中防除の方はこれからなんですけれども、私は大変いろいろ不安があるんですけれども、いずれにしろこういう従来の効果を発揮した伐倒駆除、しかもそれはどうしても地理的に地勢的に面積の上から言ってやらなきゃならぬものなんであるにかかわらず、その予算というのは急速に減ってきている。まるでお恥ずかしいぐらいの話ですね、小さくなってしまって。これで一体やれるんだろうか。これじゃやる方も元気ないです、こんなに小さくなったんじゃという懸念があるものだから、重ねて長官の決意のほどを聞いておきます。
○政府委員(藍原義邦君) 面積で八万ヘクタールと申しますと、大体一年に割りますと一万五千ヘクタールでございますから、全体に対しまして私どもさほど大きな数字じゃないというふうに考えておりますが、あわせまして蔓延いたしましたマツクイムシによる松枯れを防除するためには、病気にかかったものを後から後から切っていくよりも、やはり病気にかかる前に処置をしてしまうこと、これが何よりも私どもとしては重要であろうということで今回こういう技術をとることにしたわけでございまして、そういう意味からも、薬をまきました松林に残ります松については、技術的に言えばもう伐倒処理しなくていいわけでございますし、そういう意味から、それ以外の地域でまず伐倒処理をいたしまして、五年たちますと空散の面積もぐっと減ってまいります。 したがいまして、五年後には現行法を中心にいたします、伐倒駆除を中心にした防除で十分対応できるというふうに考えておりますし、そういう意味からもいま先生がおっしゃったように、伐倒駆除をきわめて軽視しておるということではなくて、さしずめ予防に重点を置き、そうしてこれによって食いとめて、その後は病気にかかったきわめて微量のものについて伐倒駆除なり、個所によりましては地上散布等が出るかもしれませんが、伐倒駆除を中心にして対応してまいろうという考え方でございまして、この辺は私どもの考え方としてこういうことで十分やり得るというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 空中散布については私はいろいろな問題が、まだ疑問の点がいろいろあると思うんですよ。かつてなく、こういう林業関係の問題がああいう朝日なら朝日の「論壇」にあれだけ出てくるというのは、かつてないことだと思うんです。私の経験でもかつてない。それは空中散布について、いろいろ二つに分かれた意見があるということですわね。ですから、長官がおっしゃる、あるいはいままで主張されました、あるいは説明をされましたことで私自身が納得できる面もある。理解できる面もある。しかし、一方の方の側の考え方についても、不安というものは非常にやっぱりあるというふうに言わなきゃならないと思うんですね。 ですから、そういう意味で、ひとつ私は伐倒というものをもう少し考える必要があるんじゃないか、こういうふうに思っているんです。で、初めから終わりまでそういう話をちょこちょこ出しているわけですけれども、これはできるならばできるだけ空中防除というのを速やかにやはりなくして、そうして伐倒でやっていくような形に持っていくべきじゃないか。病気で大変に困っている松について量だけは大変な金を使うけれども、九割以上の金を予防に使っちゃって、治療そのものには八%しか金を使わない、そういうことなんですからね。まあしかし時限立法で五年でやるということですから、五年というものを考えればあるいはそういう理屈も成り立ち得ると、病気そのものに、予防だけに大変な九十何%の金を使われて、治療そのものについて——治療と言うのかな何と言うのかな、そういうものにはちょっとしか金を使えないという点については疑問がありますけれども、しかしいまおっしゃるような五年間ということを限って時限立法としてやられるわけですから、それはそれにして、あともう一つ、マツクイムシの防除の研究開発、確かにマツクイムシの構造について研究開発されたということは、これは大きな功績だと思いますですね。 ですが、問題は、運び屋を一生懸命、その昆虫の方をいま力ずくで抑えつけようというわけですが、恐らくこれから百五十億くらいの金を使ってやるわけでしょう。百五十億から百七十億くらいでしょうね、もっと金を使うでしょうね。力ずくで抑えようというんだが、問題は運び屋じゃなくて、線虫そのものですね。それを撲滅していくというような研究、そういうものがなされていないのかどうか。 それから、あとは線虫に対する天敵、こういうものについての研究、あるいは昆虫を誘ガ灯みたいに集めて、そしてそういうものを駆除していくというような方法とか、あるいは線虫に対して抵抗性の強い、そういう松の品種をつくっていくとかいうようなマツクイムシの防除の研究というものは取り組まれているのかどうか。過去の、戦後のマツクイムシの歴史から見まして、長官がいまおっしゃるように、せいぜい逼塞させたとしましてもこれは三十万や四十万、五十万という立米のものは残っていくでしょうから、そうして何かあればまたぱあっと百を超すという、百二十、百三十まで行くというような大変なことをいままで繰り返してきたわけですし、そういう研究を行われているのかどうかということをお尋ねいたします。
○政府委員(藍原義邦君) 先生御指摘のように、私どももこの薬剤による空中散布だけを金科玉条として将来守ろうというつもりは毛頭ございません。やはり今後、マツノザイセンチュウに対して抵抗性の強い松を育種を中心にいたしまして発見するとか、あるいは松の幹に直接薬剤を注入いたしまして予防するとか、さらには土壌の中に施肥を作用させまして、その薬剤の成分によりまして樹体の健全化を図るとか、そのような研究を現在も進めております。さらに五十二年度からは、天敵によります、天敵を利用しての新しい防除法についての研究を実施することにいたしております。 このように、私どもといたしましても五カ年間空中防除をやりますけれども、片や研究、技術開発の面でいま申し上げましたような技術をできるだけ早く開発し、今後、日本の松林が一刻も早く健全なものになるように積極的な努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○塚田大願君 マツクイムシ防除の論議を聞きましても、あるいはいろいろ新聞その他に出ている論議を見ましても、やはり問題は大変深刻であるというのが実情だと思うんです。 そこで私、この法案の論議に入ります前に一言お聞きしたいんですが、政府の森林行政が一体今日どういうふうになっているのか、この根本問題について、まず一言お聞きしたいと思うんです。 いままでの森林行政、林野行政というのは、この委員会でも私も論議をしたことがあります。とにかく乱伐、乱開発、大規模林道の開発というようなことで、林野庁ではなくてこれは伐採庁じゃないかと私はここで言ったこともあるぐらいです。そのぐらい乱開発が行われた。で、特に高度成長政策がとられまして、列島改造政策が打ち出されました段階でさらにこの乱開発が促進をされていった。こういう経過の中で、いわば山林というもの、森林というものがもう採算性も合わない、もうこれは放棄してしまうと言ってもいいほどの状況が出たと思うんです。したがって、私は今日のこのマツクイムシの問題を技術的にどうする、こうするというその前に、ひとつやはりこういう林政に対する反省といいますか、総括といいますか、そういうものが、私、今日一つ必要なんではないかと。そうしないと、小手先でマツクイムシをどうする、こうすると言っても、なかなか論議がかみ合っていかないのではないかというふうに考えるのでありますけれども、その辺についての見解をお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(藍原義邦君) 林野庁の行政につきましては、過去において先生が御指摘のようないろいろな御批判を受けたことは私も十分承知いたしております。 しかしながら、林野行政の中でも外材が日本に入ってまいります以前につきましては、日本国内の復興あるいは建築用材、燃料等々のために、国産の森林資源によりまして日本の国民の生活を維持しなければいけないという宿命に立って、一時相当の伐採量を国内から生産したこともございます。しかしながら、最近のように外国から材が輸入できるという事態になりまして、ただいまでは伐採量も相当下がっておりまして、木材資源としての国産材の占める割合は三五%という形になっております。 片や、森林に対します国民の要請が、木材資源としての森林だけではなくて、いろいろな意味での公益的機能の発揮を要請されております。こういうものに対応いたしまして、先般、全国森林計画を改定いたしまして、全国の森林を木材資源が重点な地域、あるいは水資源の重要な地域、さらには国土保全上重要な地域、あるいは環境保全上重要な地域というふうに森林の機能をそれぞれ分類いたしまして、今後、森林行政につきましてはその森林の持つ機能に合った施策を施行していこうということで、現在、検討を進めておる次第でございますし、それにあわせまして種々国民の要請にこたえられる森林行政を今後とも積極的に推進していく覚悟で、ただいま森林行政に取り組んでおる次第でございます。
○塚田大願君 この問題は、やはり政府の政治姿勢の問題と言ってもいいと思うので、やはり日本の森林の事業の振興ということをこれからも本当に真剣にやっていただくということをまず前提にしまして、質問に入りたいと思うわけでありますが、マツクイムシが最近この数年間非常に激しい蔓延をしてきたと、これについての経過なり、要因なりにつきましては、先ほどからるる御説明があったわけでありますけれども、どうもやっぱり聞いておりまして、何か心髄に触れない感じがするわけですね。たとえば、エネルギー革命で松の燃料が不要になったとか、用材、坑木としての量が減ったとか、あるいは労働力が減ったとか、いろいろ挙げられました。しかし、どうもやっぱりそれだけでは、いま内外で展開されております論議にどうもかみ合っていかない。どうしても反対派は反対を強調する、また賛成派はやはり、政府はこれを促進しようとする、こういうことでなかなか論議がかみ合わないんですが、そこでまず一つお聞きしたいのは、先般参考人の意見聴取の場合にもああやって論議が対立いたしました。一方では、大気汚染説をとられる先生もいらっしゃる、こういうことでございますが、この問題でまず一つお聞きしたいんですが、伊藤一雄さん、これは朝日の「論壇」にもやはり意見を発表されましたし、またこの方は、農林省の林業試験場の保護部長として、このマツクイムシの研究のリーダーとして活躍をされた権威のある方であります。この方の著書がここに一つございますが、これは「松くい虫の謎を解く」という本ですね、この著書を拝見いたしました。この著書の中に、宮島の松の枯死の経過について触れられておる部分がありますが、この著書を拝見いたしますと、この「宮島のマツの枯死経過について、これまでに観察調査した結果を総合するとおおよそ次のことが言えそうである。すなわち、マツの枯死が現われた初期段階では、その枯損状況から、大気汚染が主たる原因になって衰弱、つづいて枯死した。ところが、この島の特殊事情から枯損木の伐倒、害虫駆除が意のごとくならずに放置されるものが多く、これらの被害木が格好の温床になって、マツノマダラカミキリなどの、いわゆる松くい虫が異常繁殖した。」こういうふうに著書では書いておられるわけでありますが、これは農林省としては、権威のあるリーダーでありますから当然のことだと思うんですが、この御意見については、農林省・林野庁はどういうふうにお考えでありますか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生の御指摘のように、伊藤先生の書かれた本にはそう書いてございます。私どもも、前々から御説明申し上げておりますように、大気汚染で松が枯れることはないとは申し上げておりませんで、大気汚染で松が枯れることもあり得るであろう、しかしながら現在激害になっておりますのは、マツノマダラカミキリによるものだというふうに御説明申し上げているわけでございまして、伊藤先生のお話も、初期段階では大気汚染が主たる原因で枯れたであろうと、しかしながら、その後マツクイムシが非常にはびこって枯れたのだということでございます。その例といたしまして、いま先生がお読みになりました最後の方にも、「最近の宮島の被害状況をみると、南西部ではほとんどのマツが全滅してわずかに幼齢木が残存、これとても激害型被害を受けつつある。東部に伝播した枯損被害は、ここ二年来の薬剤散布によって、ようやく小康を保っている状況と見受けられた。」こう書いておられます。 私ども、宮島の空中散布をいたしましたのは、全島ではございません。そのごく一部といいますか、三分の一ぐらいを空中散布いたしました。したがいまして、空中散布をいたしましたところは、ここにも書いてございますように小康を保っておりますけれども、まかなかったところはほとんど全滅いたしております。そういう状況から見ましても、もしこれが大気汚染だけであれば、まいたところも枯れたであろうというふうに思いますけれども、まいたところは枯れておりませんし、ここに伊藤先生も書かれておられるように、最初の原因はあるいはそういうものもあったかもしれませんが、いまのようにたくさん出ておるのは、マツノザイセンチュウによる枯損であるというふうに考えております。
○塚田大願君 確かに、林野庁、その大気汚染について全部否定されてはいなかったと思うんです。思うんですが、私この著書を拝見いたしまして、初期段階ではこの枯損状況から大気汚染が主たる原因になって衰弱をしたと——主たるですよ、衰弱してそして枯死したと。で、この枯損木がほうってあってそこからマダラカミキリが発生をしたと、それからまあいろいろ散布もおやりになったんでしょう、そういうところはまあ小康を保っておる現状だと見受けられた。それはそれとしていいんですが、前段のこの発生原因ですね、これをやっぱりはっきりさせないと、問題がつまり徹底的に解決をするということにはならないのではないかと思うんです。 ですから、こういうことです。林野庁がおっしゃるように、とにかくまあそういう原因もあったろうけど、今日これだけマツクイムシが蔓延しているんだから、五年間でこれを終息型微害ですか、一%ですね、一%終息型微害型と言うんですか、何かそういう微害にとどめたい、その上で伐倒なり何なりをして解決をするんだと、こうおっしゃるんですけれども、しかしじゃあ、さっきもちょっと論議になりましたけれども、五年間たった、そして空中散布やめた、そうしたら大気汚染から始まってまたこういう被害が出た、それからまた五年間空中散布やったというふうなことになれば、これは全く繰り返しですよね。そういう点を、私はこの著書を見まして感じたわけです。伊藤さんかもうとにかく——この間吉岡さんが大分この伊藤さんの議論を批判されておりましたけれども、その伊藤さん自身がこういうことをおっしゃっておる。で、実はびっくりしたわけですけれども、そういうことで、そういうこの繰り返しといいますか、五年間たったらもとのもくあみになってしまうというふうなことがないのかどうか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(藍原義邦君) 私ども、過去四年間実験してまいりまして、いまお話しがございました宮島につきましても、いま空中散布をやめております。そういうふうにわれわれの実験した結果によりますと、五年たちますと、いま先生もおっしゃいましたような終息型に持っていけると。終息型に持っていきますと、その後は現在ございます法律によりまして、伐倒駆除を中心にした防除法で十分対応し得るというふうに、われわれは考えておる次第でございます。
○塚田大願君 いや、私のお聞きしているのは、終息型になったと、一%になったと、それは伐倒するんだと。ところが、片一方大気汚染はどんどん進んでいるわけですから、依然としてその大気汚染はいまなくなるなんて保証はないわけですから、そうすると、終わったと思った地域にまた、この伊藤さんがおっしゃるように、大気汚染による松の枯死が始まって、そこからまたマダラカミキリが発生するという、こういうさいの河原の石積みみたいなことにならないのかどうかということをお聞きしているんですが、その点はどうでしょうか。
○説明員(須藤徹男君) 私も宮島はよく見てまいりまして存じておるつもりでございますが、伊藤さんの著書に書かれておりますように、この西南部というのは確かに対岸の大竹コンビナートのばい煙がもろにかかるところでございます。したがいまして、ここは恐らく松が今後生育できないだろうという感じも持っております。ところが、たまたまこの宮島はほかの瀬戸内海の沿岸と異なりまして、松の下にたくさんの広葉樹が生えております。すでにもう西南部は常緑広葉樹に変わりつつあります。こういうところは、確かに煙害をもろに受けるところにつきましては、ほかの地帯でもあるわけでございます。これは局限された地帯でございまして、いま四十五万ヘクタールそれじゃ全部がこういう状況かと言うと、決してそうじゃございません。 そこで私ども考えておりますのは、こういう特殊な地帯ではなくて、一般的に大気汚染のわりあいないところで激害型が起きているのはこれはなぜかということを問題にしておるわけでございまして、それは今回の試験場の調査によりまして、マツノマダラカミキリによるザイセンチュウであるということがはっきりしたわけでございます。これに対しては、いま私どもが御説明しておるような薬剤散布によって終息型に持っていくと、その後は経常の防除で、いわゆる立木伐倒で行くということを申し上げておるわけでございまして、ただいま先生がおっしゃるように、それじゃ大気汚染が片づかなければ全然五年でも終息できないじゃないかというのは、確かにそういう特殊な地域は私どもも否定はしておりません。そういう意味でございます。
○塚田大願君 その特殊な地域とおっしゃるんですけれども、私なども全国ずいぶん走りまして、ずいぶん農村も走ります。その場合に、たとえば昔その地域の殿様が参勤交代で通ったというふうな非常にりっぱな松の並木がある地域ですね。ここには、あんなきれいなところでどうして松がこんなに枯れるんだろうと驚くようなことがあるんですね。しかし、なるほど見ますと、もう道路は舗装されましてりっぱな県道か国道になっている。そこにはとにかく自動車が無数に朝、昼、晩、走っておる。この自動車の排気ガスが松の枯れる主要な原因だということを、土地の方はおっしゃっておるんですよ。これは科学的かどうかはわかりませんよ。だけども、常識的に考えまして、ぼくらもああやっぱり松というのは排気ガスに大変弱いんだなあと——その木によってはいろいろありますわね。だけども、松のようなもの、桜のようなものは大変弱いということを聞いております。したがって、やっぱりそういう大気汚染による被害だということを、私どもまことに常識的にしかわからないんですけれども、そんなふうに感じておる。 だとすると、今日モータリゼーションがこれだけ広がっている日本におきまして、宮島だけが特殊な地域というふうに言えるのかどうかですね。あるいは特殊なコンビナート地帯だけが特殊地域であるというふうに言い切れるものかどうか。したがって、私どもは大変不安を持つわけですね。これだけとにかく公害が広がっているような場合において、この大気汚染は大した問題じゃないんだと、やっぱりマダラカミキリなんだと、だから、その昆虫を退治すればいいんだというふうに、きわめて単純に技術面だけで、目先だけで問題が処理できるのかどうかという点に、やっぱり根本的な不安を持つわけです。その点はどうでしょう。私のこういう素人考えですけれども、そういう考えに対する御意見を聞きたいと思います。
○説明員(須藤徹男君) ただいま先生おっしゃったように、自動車がたくさん通る公道のわきの松が非常に衰弱しておると、これも事実そういうことがございますし、また、そういう亜硫酸ガスによって全然枯れないということを私どもも申し上げているわけではございませんし、枯れる場合もありますし、そういうものは今回の四十五万ヘクタールの対象の中でどれだけあるかと言いますと、確かに私どもの身近にはいろんなものがございますけれども、全体的な面積から見ますとウエートは非常に少ないのじゃないか。したがって、私ども大気汚染を軽視しているというわけではございませんで、私どもが対象にしている山林自体は、それ以外のところが大部分でございますということを申し上げておるつもりでございます。
○塚田大願君 この大気汚染論というのは、それなりに私は一つの根拠があると思うんで、この問題に対するはっきりした見解というものが示されないと、やはり問題が前進しないんじゃないかと私は思います。しかし、これはこれ以上私も材料を持っているわけじゃないのでありまして、これはこれで終わります。 次にお聞きしたいのは、松枯れの主要な原因であるザイセンチュウが検出されているかどうかという点で、これはおたくからいただきましたこの参考資料、農林省からいただきました参考資料を拝見いたしますと、されていないところが五十年四月一日現在で十一道県あると、こういうふうになっておりますね。北海道、青森、岩手、秋田、山形、群馬、埼玉、新潟、福井、山梨、長野の十一道県でありますが、これは五十年四月一日現在での統計でありますが、その後何か変化がありましたか、なかったのですか。
○説明員(須藤徹男君) 先生おっしゃいましたのは参考資料の四ページだと思いますが、ここにございます県の中でその後ザイセンチュウが検出されました県は、埼玉県と福井県でございます。
○塚田大願君 これはやっぱりその原因は大体どういうふうにお考えなんですか。
○説明員(須藤徹男君) やはりこれは、マツノマダラカミキリによる伝播というふうに私ども理解しております。
○塚田大願君 大気汚染というものは考えられませんか。
○説明員(須藤徹男君) 私も現地を調査したわけでございませんが、検出された現地がどういうものか私も存じておりませんので軽々に申し上げるわけにはまいりませんけれども、ザイセンチュウが検出されたということは、マダラカミキリがいなければザイセンチュウは検出されないわけでございますから、そういう意味でマダラカミキリによる伝播であると。大気汚染であるかどうかということは、私、この席では断定できません。
○塚田大願君 そうすると、いまの埼玉と福井を除きました道県は、当然この特別防除計画には入っていないと思うんですが、どうでしょう。それともその十一道県全部が除外されているのかどうかですね。この統計を見ますと、とにかくちょっと古いんで気になるわけですが、この防除計画に入っているかどうか、ちょっと確かめておきたいと思います。
○説明員(須藤徹男君) ただいまの埼玉県、福井県につきましては、特別防除の対象になっておりません。
○塚田大願君 入っていない。
○説明員(須藤徹男君) はい。
○塚田大願君 そうすると、十一道県全部入っていないということですか。
○説明員(須藤徹男君) そうでございます。
○塚田大願君 そこでさらに進めますが、この法案に、第五条ですが、このマツクイムシの被害のいわゆる拡大先端部というものがございますね。つまり、こう拡大していくその先の部分ですが、これは何ですか、激害地においても標高が七百メートルぐらいになると何とかと、いろいろあるようでありますが、気温の関係で、たとえば十三度前後ですか、この間のあれを聞いていますと、十一度とか二度とか何とかという話がありますが、その前後になりますと気温の関係で被害が発生しないと。そういうようなところはあれですか、拡大先端部ということに言えないと思うんですけれども、それはどういうことになりますか。
○政府委員(藍原義邦君) 拡大先端部と申しますのは、現在被害を受けておる地域におきまして、ある個所では非常に大量の相当激害的な被害を受けておる、あるいはその少し離れたところで、まだ微害ではあるけれども、この激害型の被害のために今後これは拡大していって、またそのそばの松林に伝播していきそうだというところを先端部とわれわれ申しております。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、ザイセンチュウは大体十一度から十三度を過ぎますともう活動いたしませんので、標高の高いところ、あるいは緯度の高いところはおりませんので、そういうところを指しているのではございません。
○塚田大願君 私がこういうことをお聞きしたのは、要するに、この農薬の散布の地域をできるだけ限定する必要があると、きちっとその線引きを、それは林野庁もちゃんと準備していらっしゃるとは思うんですけれども、どうも何となく、いわゆる先端部というものの規定といいますか範囲、これがきちっとしてないと、大変後でいろいろ被害やなんか問題が出てくる可能性があると思うんで、そういう意味でお聞きしたんですが、そういう散布の線引きというものについてはどんなふうにお考えか、もう一度お聞きしたいと思うんです。
○政府委員(藍原義邦君) 特別防除を行います個所の基本的な考え方については法案に載っておるわけでございますけれども、そういう考え方に基づいて農林大臣が基本方針をつくり、その方針にのっとりまして都道府県知事が実施計画をつくるわけでございます。その場合に、実施計画をつくる内容については、先ほど来議論になっております森林審議会、あるいは協議会等におきまして十分御意見を聞きますので、いま私が御説明申し上げましたような、その地域における激害的なところ、そしてまた、それがその中で、さらには今後蔓延する危険があるような被害を受けておる地域というものは、現地の調査その他によって十分わかるものでございますので、そういう観点からそれぞれ特別防除を行う個所については、都道府県知事が地元の意見等を十分聞きながら十分対応して、その線引きはできるものというふうに考えております。
○塚田大願君 じゃ、さらにお聞きいたしますが、このマツクイムシのほかに、農林省のこの参考資料をいただきますと、ほかにもずいぶんいろいろな虫があるわけですね。スギノタマバエとか、マツバノタマバエとか、マイマイガとか、そのほかずいぶんいろいろなものがあるようでありますが、こういう病害虫による被害というものも相当のようであります、この統計を見ますと。こういうものに対する現在行われております防除法、これはどういうふうにやっていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもは、林業をやっておりまして植物を相手にいたしておりますと、これは農業も同じだと思いますけれども、どうしても害虫等による被害というものが出てまいります。それの対応はわれわれもいろいろやっておるわけでございますが、現行法に基づきましてそれぞれ対応しておりまして、ただいまの実態では、たとえばスギノタマバエによる最近の被害は約七万六千ヘクタールでございまして、これは大分県ほか十九県に分布いたしております。その大半が九州地方でございます。それからマツバノタマバエによる被害は約五千ヘクタールでございまして、富山県ほか十二県に分布いたしております。しかしながら、そのやはり九割以上が東北、北陸地方に、主として日本海岸の沿岸に集中いたしております。 こういうものの被害の防除対策といたしましては、激害地あるいは中害地を対象にいたしまして、薬剤等によりまして空中散布によって実施しておりまして、この防除経費は国費で六千万現在使っております。
○塚田大願君 この場合、いわゆる総合防除というのがありますね、薬剤とか天敵とかいろいろ総合的にやるという総合防除方式と言うんですか、とにかくそういうものがあるようでありますけれども、こういうやり方をお用いになっているのかどうかですね、こういう他の病害虫の場合、これはどうなんでしょう。
○政府委員(藍原義邦君) 私ども、いま先生がおっしゃいましたように、できるだけいろいろな総合的な形で虫によります害を防ごうという努力をいたしておりまして、ただいま国立林業試験場の試験研究によりまして、マツカレハ、マイマイガ等につきましては、薬剤とそれから天敵微生物の組み合わせによります総合防除法、こういうもののただいま実用化の見通しがそろそろ立っております。それから、トドマツオーアブラというのがございますけれども、これにつきましては、森林の仕立て法、造成法、あるいは天敵昆虫、これは寄生ハチでございますけれども、それから薬剤、こういうものの組み合わせによりまして総合防除する方法、こういうものが、いま申し上げました二つにつきましては実用化の見通しがつきまして、できるだけ早い機会にこれは実用化したいというふうに考えておる次第でございます。 ただ、マツクイムシにつきましては、従来からザイセンチュウに対します抵抗性の強い育種だとか、あるいは浸透性の強い効果のある薬剤の注入だとか、土壌に薬剤を作用させまして薬剤を樹体に移行させるというような実施の仕方、あるいは天敵によります新しい防除法、こういうものについて、五十二年度からも研究を始めまして、これからいろいろ総合的な防除法を考えたいと思っておりますけれども、ザイセンチュウが何せ木の中におりますのでなかなかこの辺むずかしい点がございますが、私どもとしてもできるだけ努力をいたしまして、こういう総合防除法をできるだけ早い機会に確立していきたいというふうに考えております。
○塚田大願君 私はこの論文を拝見いたしましてね、「山林」という本でありますが、この「山林」という雑誌の山口さんの論文を拝見いたしまして、こういう方法があるのか、これなら大変いいじゃないかと、薬剤とか天敵とかいろいろ総合的におやりになることの方が本来のやり方ではないのかなあと。ところが、今度の法案では空中散布でやるんだと、一挙にせん滅作戦をやるんだというふうな大変強気の政策なんですけれども、どうもそれは、先ほどから論議がありましたように、いろいろ反論もあるというふうなことから見まして、こういう研究なり調査なりをこれから私は早急にやっていただく必要があると、そういうことを私も期待したいと思うんです。いまの長官のお話では、いろいろ努力しているけれどもというふうなことでございますが、やはり私はそういうことが本格的な仕事ではないのかなという感じを持つわけであります。その点どうでしょうか、長官もう一回、見通しといいますか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもも、できるならば絶対に安全と言われるような方法があればそれをとっていきたいというふうに考えておりますが、何せいまの私どもを中心といたします林業関係の技術者あるいは研究者が研究開発しております段階では、いま私どもがとろうといたしております空中散布の方法以外にいまの段階では技術がないということ、さらに先生が御指摘になりましたような、総合防除というような方法をとることができるまで待ちますと、なおかつ松の枯損がひどくなるという実態にかんがみまして、今回こういう方法等を五年間とることにいたしたわけでございますが、私どもといたしましても先ほど御説明いたしましたように、今後できるだけそういう総合的な防除というものを、方法というものを編み出しまして、今後の日本の森林の健全な発展に資するよう努力をしていきたいというふうに考えております。
○塚田大願君 そういう点はわかりました。 次に、薬剤の問題についてお聞きしますけれども、この空中散布に使用いたしますスミチオンあるいはセビモールは現在農薬としては使用されているわけであります。しかし、これが自然の生態系に与える影響あるいは人畜その他に与える影響がどうなのかということをやはり不安に思うわけでありますが、こういう薬品はいわゆる催奇性というものはないんでしょうか。つまり、奇形が生まれるというふうな心配ですね、催奇性。私はやはりそういう意味では、薬剤というものはこれはもう本当に公害問題でわれわれ苦い経験をしたわけでありますから、その農薬の安全性というものは国の責任でやはり徹底的にしておかなければいけないと、こういうふうに思うんですが、そういう意味でこの薬品が催奇性があるのかないのか、これはどうでしょうか。
○説明員(本宮義一君) このマツクイムシ防除に使っておりますスミチオソという農薬は、農業にも広く殺虫剤として使われております。 この農薬は催奇性があるかという御質問でございますが、その前に毒性が、まあこれはもちろん比較でございますけれども、非常に低い。で、毒物及び劇物取締法に基づきます分類の中でも、毒物あるいは劇物に指定されていない。すなわち、普通物と言われるものでございます。また、農作物とか土壌とか水におきます残留性も短く、農薬取締法に基づきます作物残留性農薬、土壌残留性農薬、水質汚濁性農薬のいずれにも指定を受けていない農薬でございます。それでまた、食品衛生上の観点から食品衛生法に基づいて農産物ごとに食品規格として残留基準が定められております。この残留基準を超えない限りにおいては食品として安全であるということで、厚生省でまあ農作物ごとにといいますか、各作物ごとに〇・二PPmという残留基準を設定されておられまして、これに基づきまして農林省では農薬安全使用基準をつくりまして、的確な農薬の使用を図っていくということにいたしておるわけでございまして、こういうことでこの農薬が農薬安全使用基準に定められている方法で使用される限りについては、人間の健康に問題はないと確信しております。 特に、催奇形性等についての御質問でございますが、これについて試験等もやっておりますが、もちろんこれは温血動物を使いましての試験でございますけれども、こういった試験結果からいたしましてこういった催奇形性のおそれはない。もちろんある数値に当たって、たとえば一日当たり一ミリグラムではそういうような催奇形性を示す試験データはないという結論が出ておりますし、またこういった試験データにつきましては、WHO及びFAOの合同残留基準設定委員会においてもその基準は認められておるのでございまして、まずこの農薬については、いま先生の御心配の催奇形性の心配というものはいまの現段階での検討結果ではないということが言えるというように考えます。
○塚田大願君 薬害ということが最近大変いろいろ問題が起きまして、これはお医者さんの場合が多いわけですが、つい最近もサッカリンがああいうことでアメリカでは発がん性だというようなことで問題になる。あるいはスモン病の原因でありますあれはキノホルムですか、何かそういういろいろ薬害ということが出ておりますので、いまお聞きしましたこのスミチオンもセビモールも毒性はないと、検定もちゃんとやっておると、WHOもFAOもちゃんと認めておるとおっしゃるんですが、これは後から問題になってからでは遅いんであって、やはり徹底的におやりになるからにはその当初においてその点ははっきり確認しておかなきゃいかぬと、こういうことで私はあえてお聞きしたわけであります。が、いまのお答えでは、もう試験済みだと、検定済みだとおっしゃるんですが、そういう薬品の試験研究ですね、検定はどこでおやりになるんでしょう。
○説明員(本宮義一君) 農薬は登録されなければ使用はできないことになっておりますので、当然農薬検査所にそういった登録がなされる。その登録の際に、いま言われました人畜に対する毒性の問題その他のいろいろの試験研究データをつけて登録申請がなされるわけでございます。 そういったような試験研究のデータはどこでつくるかということでございますが、これは、この農薬は効くかとか、あるいは作物に薬害が出るかといったようなこと等は、これは都道府県の試験研究機関等が主としてそういうような試験を行いまして、そのデータが添付される。また毒性の問題、特に急性毒性、あるいはまた慢性毒性ということになりますと、特に慢性毒性につきましては相当の施設がないとこういったような試験ができませんので、現在では残留農薬研究所というような施設がこれを受け持ってやっておるわけでございます。ただ、スミチオンは、その残留農薬研究所が設立される前に登録された関係等もございまして、スミチオンについての毒性を研究いたしましたのは、残留農薬研究所というよりもむしろ公立の大学の医学部、例を挙げますと東京医科歯科大学等で行った実験並びにこれはアメリカの権威ある研究機関でやったデータが添付されて、そういうことの実験が行われまして、そういうデータが添付されて農薬検査所の方に提出されたという経過でございます。
○塚田大願君 まあいまの問題もその一つなんですけれども、最初にお聞きしましたいわゆる催奇性というのはどうでしょう。と言うのは、あの宮島でこの間もここで参考人から出ましたが、宮島でサルに奇形が発生をしたと、それが農薬の被害ではないかという問題が提起されたんですが、そこで宮島の奇形、催奇性ということをお聞きしたんですが、その点はどうなんですか。
○説明員(本宮義一君) 過日の参考人の御意見の中に、宮島に奇形のサルが出ておるというお話で、非常にショッキングなんでございますが、私どもこの事実は県当局に調べましたりしておりますけれども、そういったようなことを、県がそういう事実があるというような報告な受けてないのでございます。
○塚田大願君 これはひとつちゃんと調査をしていただく必要があると思うんですね。あれだけの問題が提起されて、それが本当なのかどうなのかというのは大変心配になりますから、このことをひとつお願いしておきたいと思うんです。
○説明員(須藤徹男君) ただいま宮島のサルの件について御質問ございましたので、手元にあるデータでお答えいたしますと、この宮島のサルの奇形というのは、薬剤散布をいたしました昭和四十八年以前にも同じように発生しておるというデータが参っております。たとえば昭和四十五年度、出産数八頭に対して一、四十六年が十七頭に対して二、それから四十七年は十頭に対して一、四十八年は十頭に対してゼロ、四十九年は八頭に対して一、五十年が若干多いようでございますが、十三頭に対して四、五十一年は八頭に対して一ということでございまして、私もサルの専門家でございませんからはっきりしたことはわかりませんが、データとしてはこういうデータが出ておりますし、京都大学の霊長類研究所で研究中のものにつきまして見ますと、遺伝的なものとしては交配実験を五十二年度から実施予定をしておる。それから奇形の原因として考えられるものとしては当然薬物の投与によるものが考えられますが、これには食品添加物でありますとか水洗便所の水でありますとか、また農薬ということが書かれておりますし、また三番目にはビールスによる影響があるというようなことがございまして、学会で現在究明が進められておるというふうに聞いております。
○塚田大願君 まあいまの報告ですと、農薬の影響ではないという判断はやはり生まれてこないわけですね。いろいろ原因が挙げられましたが、であろうという程度のものであって、これは大丈夫なんだという実験やら何やらというものはデータはないようであります。これはぜひひとつもっと、そういう点ではこれは人畜に対する被害でありまして、人間にも同じように、サルでありますから、サルと人間は同種でありますから、これは大変なことになりますので、ぜひひとつその研究は進めてもらいたい。 そこで、再び農薬の問題に返るんですが、先ほどのいろいろ無害であるというお話、それからその研究のいろいろ手続をお聞きいたしましたが、このスミチオンというのは大体住友化学の製品だと思うんですが、メーカーがこういう研究のデータというものをつけて農薬登録の申請をしてくると、こういう手続になるんですか。どういうことです。
○説明員(本宮義一君) おっしゃるとおり、メーカーが自社の製品でございますので、登録を受ける際にはメーカーが決められました必要書類を添えてその農薬のサンプルと一緒に農薬検査所に提出するというたてまえでございます。ですが、そこに添付いたします提出書類は、先ほど申し上げましたように、メーカーだけがつくったものでは、これは客観的と申しますか、そういった点でいろいろ問題もあろうかと思いますので、現在のところでは、先ほど申し上げましたような公の機関というところでやった試験研究データを添付するようにということを指示してございます。
○塚田大願君 その辺がやっぱりまだまだ問題があると思うんですね。大学でいろいろ研究もしてもらったと、実験もしてもらったと、もちろん形式的にはみんなそうなるんでしょうけれども、にもかかわらずいままでの薬害などを見ますと、みんな同じような手続は踏んでいるんですけれどもやっぱり後になって問題が出ると、それで大騒きをすると、こういうことなんで、したがって今度のこの空中散布の場合も慎重を期する必要が私はあると思うんです。特に同じ農薬でもDDTとかパラチオンの問題もありまして、いわゆる農薬行政に対する国民の中には非常に根深い不信感というものがあるわけであります。でありますから、スミチオンだけは大丈夫だと、こう言ってもおいそれと国民は納得しない。そういう意味で、私はこういう農薬のデータを公表してもらいたいと思うんですがね、どうなんでしょうか。
○説明員(本宮義一君) 先ほど農薬が全く安全だというようにおとりになったとすれば私の表現がまずいのでございまして、これはやはり使い方でございますので、非常な毒性の薄いものでもたくさんまた無計画に使えば、それが悪い結果をもたらすということは当然あり得ます。ですから、当然農薬はある一定の安全基準の中でそれを適確に使うという体制で使用してまいるということのたてまえでございます。 それと、先ほど申し上げましたように、そういったようなデータは農薬検査所の方についてまいるわけでございますが、原則としてこれをどこへでも公開するというたてまえをとっておりません。と申しますのは、それぞれのメーカーの企業に関します問題でございますので、やはり企業の一つの了解なくして、これをただ受け取った検査をする側の方がそれを公にするということは許されないことだと思います。しかし、先生の御指摘のようないわゆる農薬の残留性とか毒性についての不安があるというようなことは、これをこのままにしておくことは好ましいことでございませんので、個別の農薬について試験を実施している機関名とかその試験結果の評価等については公表するということは、当然求められればすべきであろうというふうに考えておるものでございます。
○塚田大願君 従来もそうですが、薬品とかあるいは畜産の飼料なんかの場合でもそうでありますが、企業というものは、いわゆる企業秘密だということを口実に、成分であるとかそういう研究データの発表を非常にいやがるんですね。しかし、やはり国民の健康、あるいはこういった今度の空中散布というふうなことになりますと、国民の生命に関係することでありますから、やはり私はそういう点で行政がもっと毅然として指導していただく必要があると、そういう意味でやはりデータはぜひひとつ公開していただきたいし、できれば原価なども、農薬は非常に高いと言われておるんですが、そういった原価の公開などもこれからはひとつ国民にガラス張りで発表できるように私はすべきだと思います。 そこで、いま関連して出ましたが、農薬を正確に使うと、全然無害だなんて、一〇〇%無害というものじゃないんだと、そのかわり正確に使う必要があるんだということをおっしゃいましたが、そういう意味から言いますと、やはり一つ私問題を出したいんですが、「森林防疫」という雑誌がございますね。「森林防疫」、これは七六年の二十五巻の十二号であります。この論文は「マツ生立木に対する予防散布」という論文でありますが、これを見ますと、スミチオンは、千葉でやった経験でありますが、千葉の二年目の試験によると、前年度散布したスミチオンが一%の高濃度であれば翌年まで効果が持続しておる、こういうふうに書いてあるんですね、一%。二年目には〇・一%でもよいと思われるという研究が出ておるんですが、ところが農林省のこの資料を見ますと、いまのはこれは地上散布でありますが、空中散布の場合、大体一・七%から五%と大変高いんですね、この濃度が。ところがこの研究報告によりますと、いま言ったような千葉の例でありますけれども、〇・一%でも一カ月の効果があったというようなことが書いてあるんです。こういう点を比較してみますと、この濃度の問題、これはできるだけ低い方がいいわけですね、安全性から考えますと。それを、なぜ農林省は一・七%から五%というふうに、こういうふうに決めていらっしゃるのか、どういうことかということですな。それはどういうことでしょうか。
○説明員(須藤徹男君) ただいま先生の千葉の例を引かれましたのは地上散布とおっしゃいましたが、確かに地上散布の際は濃度の低いものを大量にといいますか、よけいまくということになっております。先ほど来御論議されておりますように、今回のマダラカミキリを後食によって殺すためには、樹冠部分にふわっとかかればいいわけでございます。それ以上かける必要はないわけでございます。そこで、いままで試験場がいろいろ試験をした結果、三%の液を一ヘクタール当たり六十リットルずつ二回散布することが一番効果的であるということが実証されておるわけでございます。三%と言いますと、この程度でございますと野鳥とか昆虫等に及ぼす影響等についてもほとんどないというふうに考えられることから、これを標準にしておるのでございます。 なお、被害程度が低いところや、気温等からマツノマダラカミキリの羽化脱出が比較的短期間に一斉に出るというような地域等については使用原体量を少なくし、あるいは濃度を下げる等について試験的に実施いたしております、おっしゃるとおり濃度は低い方がよろしいわけですから。しかしながら、残念ながら、防除効果から見て満足すべき結果が得られてないというデータが一つございます。 で、先ほどのいろんな試験データがございますが、そのほか空中散布と地上散布が違いますのは、たとえば空中散布を量の薄いものを大量にやるということになりますと、空中散布の特徴といたしまして、いわゆる早朝の上昇気流の発生前で、しかも風のない時間というのは非常に短時間でございます。この短時間に散布を完了しなければならないという一つの条件がございます。それから、農業とか漁業に被害を及ぼすおそれがないというのは量が少ない方がよろしいわけでございますから、そういう条件がございます。また、地域によっては交通規制等も行わなければならないということでございまして、できるだけ短時間に散布を終わってしまわなければならないという条件がございます。また、成虫が羽化して後食する時期というのは、御承知のとおり非常に決まっております。したがって、その適期を外してまいたのではこれは何も意味をなさないわけでございます。しかも、ちょうど六月ごろと言いますと梅雨時期と重なるわけでございまして、やはりまく天気上の条件が非常に悪い日が多いわけでございますので、そういう点でも非常に制約を受けるというような半面の事情もございまして、そういうことで、三%程度の濃度で直接余り被害がないということであれば、これを短時間にまくということが航空防除としては最も効率的であるということでございます。それからまた、現在五%液を三十リットル散布する方法について行われている例もございますけれども、先ほど申し上げましたように、濃度の低いということが望ましいわけでございますから、現地の状況からどうしてもやむを得ないというところだけはこういうことをやることにしておりますけれども、できるだけ濃度が低い方がいいということは先生のおっしゃるとおりでございます。 で、地上散布では、千葉の例では、いま〇・一%とか何とかというお話があったようでございますが、一ヘクタール当たりの使用量はヘクタール当たりやっぱり六百リットルくらいまきますので、空中散布に比較いたしまして十倍の量をまかなくちゃいけないということでございます。したがいまして、地上散布の際には樹冠部分ではなくて、幹の部分まですっぽりぬれるほどまかないと効果がないということでございます。
○塚田大願君 御説明を聞いているとそれなりの理屈もあるようでありますが、先ほど挙げました伊藤さんのこの著書を見ましても、「なお、濃度一・五%液でも有効なことが実証されたから、第一回散布は三%、第二回散布は一・五%と、それぞれ濃度を変えて散布することにより、薬剤の節約と毒性の低下を計ることも考慮してよいのではあるまいか。」というふうにおっしゃっているわけですね、伊藤さんは。だから、いま三%が効率的だとおっしゃったんだけれども、一・五%でもいいということになれば、私はその方がよりいいんではないかと思うんですが、それなりに、いまおっしゃったのはいろいろ理由があると思うんですが、じゃ、その三%で実験をなすったことがあるのかどうかですね。おやりになったことがあるのか、その上で確信を持ってこうやって計画されているのかどうか、それをお聞きしたいと思うんです。
○説明員(須藤徹男君) 先ほどのお答えの中で冒頭で申し上げたつもりでございますけれども、いままで試験場で薬の種類ごとに、それから濃度ごとにいろいろな検査をしたデータがございます。特に、スミチオンにつきましては五%から一・五%までですか、そういう範囲の試験を全部してございます。
○塚田大願君 そうすると、データがありますね。
○説明員(須藤徹男君) ございます。
○塚田大願君 あったら、ひとつそれを出していただけませんか。よろしゅうございますね。 じゃ、時間ももうないので最後にお聞きしたいと思うんですが、時間がありませんからまとめてお聞きします。 組織問題でありますけれども、一つはこの研究ですね。これが、いまもいろいろお聞きしてみてもわかるんですけれども、どうも試験研究、調査が必ずしも疑問に十分答えていないという意味で、一つは林業試験場のこの研究体制ですね。私どもが聞いたところによりますと、たとえば研究者が調査に行く、その旅費がなかなか予算の関係でない。ガソリン代は自分持ちだというふうなことをお聞きするわけですね。これは農業試験場へ私どもはちょいちょい行きますけれども、どこへ行きましてもこういう分野の研究者の調査研究費というものは非常に少ないんですね。出張したくとも、あるいは学会に行きたくともその予算がない、こういうことで必ず陳情を受けるわけでありますけれども、こういう点は、ひとつぜひこの際林野庁も大いに力を入れていただきたいということが第一点であります。 第二点としましては、これは先ほどもちょっと出たようでありますが、森林審議会のメンバーの問題、これはぜひ自然保護団体の代表を参加さしてもらいたいということを私どもは主張しておりますが、これをぜひやってもらいたいということ。 それから三点といたしまして、この事故が起きた場合の処置、やはり万一事故が起きた場合には直ちに中止すると、そして被害補償を速やかに行うということが当然のルールだと思うのですけれども、この三点についてお伺いしまして私の質問を終わりたいと思うのです。
○政府委員(藍原義邦君) 初めに第一点の試験場問題でございますが、先生御指摘のように、試験場の研究費なり運営費が必ずしも私どもも満度にいっているとは考えておりません。したがいまして、今後私ども農林省におりまして農林業を担当する者としては、やはり試験研究機関の研究成果を待っていろいろ対応するものが多かろうと思いますので、今後とも試験研究機関の充実につきましては、私どもも特段の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。 それから二番目の審議会のメンバーの問題でございますが、中央森林審議会のメンバーにつきましては、学識経験を有する委員が十三名と農林省その他関係行政機関の職員が八名、合計二十一名をもって構成されております。最近、学識経験者の委員の一名が欠員となりましたので、私どもといたしましては自然環境保全の学識経験者のうちから早急に欠員を補充すべく、ただいま手続中でございます。 それから三番目の被害が出た場合に中止しろという御質問でございますが、私ども先ほど来御説明いたしておりますように、ともかく安全をきわめて高くするような形で、安全性をきわめながらこの防除をやろうというふうに努力いたしておりまして、そのために被害防止を十分やり、地元の住民の方々の御協力を得て空中散布をやる予定にいたしておりますが、万々一この空中散布によりまして被害が出たと、その因果関係がはっきりするものにつきましては、国家賠償法等によりまして誠意を持って対処する心構えでございます。
○向井長年君 私に与えられた時間が非常に短時間でございますから、次官もあるいはまた長官も簡明に答弁を願いたいと思います。 そこで、私は松くい虫法案に対する質疑の前に林野行政についてお伺いしたいと思います。 まず第一に、林野行政はただ国有林だけではないと思います。民有林が少なくとも三分の二程度あるわけでありますから、この目的は水資源、あるいは緑化、あるいは治山治水、そして木材生産ということで、大きく国土保全も含めましての大きな使命を持っておる。そういうことであるにもかかわらず、今日までの林野行政はただ国有林に偏った形で全般的な総合林政というものに目を開いていないのではないか、こういう感じがいたしますが、その点いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私ども国有林の管理経営を当然林野庁としては責任を持って携わっておるわけでございますが、林野庁全体として私ども考えた場合には、いま先生が御指摘のように、国有林だけをわれわれは対象にしているわけではございませんで、やはり森林法に基づきます全国森林計画、そういうものに基づいて、それぞれ民有林の経営なり国有林の経営なり、それぞれの持ち分に合った森林経営ができるような行政指導を私どもはしてまいっておるつもりでもございますし、今後ともそういう姿勢を私どもとしてはとってまいりたいというふうに考えております。 そういう面からも、ただいま民有林行政につきましては、それぞれの部局におきまして、造林の問題なり森林計画の問題なり、あるいは治山事業の問題なり林道の問題、総合的に推進しておりますし、国有林の問題は国有林の問題として対応いたしておりますし、さらに国有林、民有林、共通し協力してやらなきゃいけない問題、たとえばいま御審議いただいておりますこういうマツクイムシの防除のような問題こういう問題等につきましては、当然国有林、民有林、協力してやる姿勢を私どもも考えておりますし、先生御指摘のように、今後とも私ども民有林、国有林別ではなくて、日本の林業行政全般について積極的に対応していく姿勢で、今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○向井長年君 当然そうあらねばならぬけれども、これについて具体的に計画性を持ってやっておるとは言えないでしょう。私は時間がないから一々これに対する具体例を挙げませんけれども、不十分であるということは認めるでしょう。予算措置一つとりましても、その他をとっても、計画性というものは非常に不十分である。地方の言うならば森林組合に依存する形が多いのではないか、こういう感じがいたしますが、この点について、いま長官が言われましたように、今後総合林政という立場に立ってこの問題を推進したいということであるとするならば、私はこの問題をあえてこれ以上触れようといたしませんが、この点不十分であるということは認めるでしょう。
○政府委員(藍原義邦君) 私ども林業行政につきましては、従前からその時点、時点におきまして起こります問題、あるいは基本計画にのっとりまして将来を見通してのそれぞれの施策、それらに対応して全力を投じて努力してきたつもりでございますが、先生ただいま御指摘のように、不十分という先生の御指摘をいただいたわけでございますが、今後、私どもそういう先生方の御指摘を受けないように、積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
○向井長年君 そこで、現在林野庁は赤字財政ですね。それから今度八百三十億円ですか、借り入れいたしておりますね。この赤字に対する今後この財政をいかにするかという見通し問題、あわせてなぜ赤字が出るかというその原因、こういう問題、お答えいただきたい。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりましたように、国有林野の特別会計につきましては、五十年度の決算では、現金収支で約三百億円の赤字、損益で約百三十五億円の赤字になっております。また五十一年度につきましても、まだ決算が終わっておりませんけれども、相当の赤字が見込まれるという状況でございます。 こういうような財政状況になりました要因といたしましては、まず収入面でございますけれども、資源上の制約、あるいは国土保全、環境保全というような面から、ただいま伐採量に限界が生じておりまして、過去におきましては二千二百万立方程度伐採いたしまして国民の生活に寄与したわけでございますけれども、ただいまでは約千五百万立方というふうに伐採量を減らしております。まあ当分伐採量は大体千五百万立方弱のところで推移するかと思いますけれども、伐採量が非常に落ち込んだということとあわせまして、木材価格はきわめて低迷いたしておりまして、そういう面から収入が落ち込んでおります。 それから、反面、支出の面でございますけれども、支出につきましては公益的機能の向上をさせるために、従来に増しまして森林の伐採なり林道の開設なり治山事業等につきまして諸経費の高騰がございます。それから、長期的視点から考えました造林なり林道の投資というものの支出がございます。そういう面と合わせまして、人件費の増大、固定費等の——いま申し上げましたような人件費等の固定化というような問題、こういうものを合わせまして支出の増大がございますが、私どもといたしましても、その支出の削減にはできるだけの努力をいたしまして支出の削減を図るとともに、あわせまして収入の増を努力しておるわけでございますが、いま申し上げましたような状況から五十年、五十一年相当の赤字が見込まれる状況になった次第でございます。
○向井長年君 八百三十億という借り入れもしておりますが、この見通しは非常に困難だと思いますよ、今後の長期見通しというものは。これは一にかかって、生産に対する規制とか、あるいはまた木材の低迷とか、その他出費が重なっておるという理由を出しておりますが、それだけではないでしょう。それだけではない。もっとやはりみずから正さなけりゃならぬ問題があるはずであります。私は、先般予算委員会でも若干こういうことを触れましたけれども、やはり国民から見て、林野行政全般について言うならば足元、これを正さにゃいかぬのじゃないですか。言いかえますならば、職員が働く意欲を持たなきゃならぬと。この働く意欲のないこと、これも赤字の大きな原因ですよ。それと同時に職場の規律ですよ。こういう問題が万全だと長官思われるか。あるいは次官、あなたも林野庁の大先輩だな。大先輩で、あなたの時代から同じことがいまだに続いている。私は、たびたびこの委員会でもそういう問題を取り上げてやったはずだ。ところが何一つ改善されていない。同じ惰性がずうっと続いておるじゃありませんか。たとえば職場規律の問題一つ見ましても、あるいは生産意欲の問題見ましても、これでは国民納得しませんよ。幾ら委員会できれいごとを言いましても、それはやはり根本を直さなければ——いま行政改革というものかやかましく言われている。今後総理は八月までにそういう問題を明確に出したいと、こう言っている。これは何だ。国民にこたえて、この赤字財政の中で少なくとも言うならば経費の節減をやろう、ここに本旨があるはずなんですよ。赤字出たから値上げするんだ、増税するんだ、国債発行するんだということだけではいけない。したがって、今後やはりみずからのえりを正しての、言うならば経費の節減等もやっていこう、そういう中で必要な経費は出そうということで、そういう問題が言われておると思うんです。この問題どうですか、万全ですか。職場規律、生産意欲万全ですか、どうです。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生から、職場規律の問題なり業務意欲の問題なりいろいろ御指摘があったのでございますけれども、私ども常日ごろ職場規律につきましては厳正に対応するような指導もいたしておりますし、勤労意欲につきましても国民の負託にこたえるような勤労ぶりを発揮するような指示、指導はいたしております。しかしながら、先生の御指摘のような面がもしあるとすれば、それは私ども責任者の大きな責任でございますし、今後とも国民の負託にこたえられるような国有林であるように、職場規律の問題あるいは業務意欲の問題、こういうものにつきましても厳正に対応してまいりたいというふうに考えております。
○向井長年君 それは、これからの指導、行政指導ということはこれはわからぬことはない。またやらなきゃなりません。しかしあなた、実態を長官各現地へ出て知っていますか。私もときには地方へ参りますが、営林署なり営林局の職場を見ましたか。同じ役所と申しますか、公共企業体であろうと、こんな職場はないですよ。たとえば、これはどういう主張があろうと、どういう何があろうと、原因があろうと、職場一つ見れば、まるで私から言うならばスーパーの安売り職場あるいは場合によれば仙台の七夕さん、こんな状態が職場に現にあるじゃありませんか。知っていますか。職場の中にぺらぺらぺらぺらといろいろなことが書かれて張り出されて、これで職場規律が十分できていると言えるか。監督ができていると思いますか。あわせて、そこにおる管理職の皆さんの部下ですよ、管理職の諸君が正しくやろうとしてもでき得ない状態があらわれているじゃありませんか。また、そんな人は戦々恐々としているじゃないか。あなたたちの姿勢がいけないからですよ、中央の。中央の言うならば長官初め農林省の姿勢が悪いから、まあ言うならば、問題を起こしては自分の成績にかかわる、事なかれ主義、親方日の丸、この精神が一貫して流れておるからああいう諸君が生まれるんですよ、皆さん。わかりますか。 私は、だれがどう言おうと、事実各所へ行って現認していますよ。こんなことでは幾ら長官がここできれいごとを言われても、職場規律が十分でございます、職場環境はよろしい、また行政指導を完全にやっています、こんなことは言えませんよ。いま、私はある皆さんの部下である管理職の諸君に聞きますと、もう役職いやだという感じが出ていますよ、現地で。もう平の職員でいきたい、役職を持って責任持たされても果たせない、そしてあらゆる、まあ組合との関係でしょうが、言うならばいろいろな抗議ばっかり受けて家へ帰ってもおもしろくない、こういう感じが各所で出ておるんですよ。その点をあなたどう考えるか。その点あなた御存じですか、知らないですか。知っているか、知らないか。知っていたらどうしようとするか、はっきり言ってください。
○政府委員(藍原義邦君) 職場規律、勤労意欲の問題に引き続いて管理者の意欲の低下ということをただいま御指摘されたわけでございますけれども、私どもやはり全国に三百五十一の営林署を持ち、十四の営林局を持っております。そういう意味からも、それぞれの職場におきまして管理者は管理者らしく、管理者意欲によりまして、より国有林の経営を国民の期待にこたえるべく経営する意欲を持たなければいけないと思っております。そういう点で、先生の御指摘のような面があれば、今後私といたしましても、管理者につきましては管理者らしい教育を指導し、さらには徹底した指導を行いまして、国有林野の管理者としてのふさわしい資質の向上を図りながら今後の国有林野の経営に努めてまいりたいというふうに考えております。
○向井長年君 それに対して、いまのあなたたちは、この間予算委員会でも出しましたが、この五十二年度に発足する、言うならば基幹要員の常勤化、この問題について、一万九千名ですか、これをやろうとしておることに私は聞いておりますが、これは事実だと思うんですね。で、これに対して具体的に、しからば、当局は優秀な労働者ということを言っておるんですね。優秀な労働者というのはどういうものを考えておるのか、この点についてどうですか。
○政府委員(藍原義邦君) 林野庁でただいま雇用いたしております常用作業員なり定期作業員を、新しい常勤制度をしきましてその制度に乗せようということを五十二年中に、また五十二年度中に実行すべくただいま関係省庁あるいは労使間で協議いたしております。その場合に考えております資格要件と申しますか、そういうものにつきましてもただいま労使間で協議中でございまして、まだまとまってはおりません。今後さらに労使間で鋭意誠意を持って詰めて対応していこうというふうに考えておりますけれども、その場合に、私どもといたしましては、基幹要員になる者については常勤制度に乗せるという考え方で対応しておる次第でございます。
○向井長年君 いや、あなたは優秀労働者というものを常勤化の方向に持っていこうということでしょう。だから、優秀労働者というのはどういう人を指して言っているのかということを私聞いているんだ。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、基幹的要員と申しますのは、国有林がこれからのいろいろな業務長期計画を立てておるわけでございますけれども、それに必要な、将来にわたって必要な要員について確保していこうということでございまして、そういう者についてのどういう資格要件でやるかについては、ただいま労使間で協議中でございます。
○向井長年君 労使間の協議の前に、あなたたちの考え方が優秀労働者をそういうふうに任用したいということじゃないの。
○政府委員(藍原義邦君) いまも申し上げましたとおり、私どもとしても将来にわたりまして確保していく必要のある基幹的な要員という形で対応いたしておりますが、当然その中にはいろいろ勤務の問題その他等も、まじめにやる人間というようなことも入ると思いますけれども、考え方の基本といたしましては、将来にわたって確保していく必要のある基幹的な要員を対象にしているというふうに考えております。
○向井長年君 わからぬね、そこが。将来にわたって将来にわたってと言うが、優秀労働者ということをあなたは言っておるんでしょう。言ってない、どっち。怠け者はだめだということでしょう。優秀労働者というのはどういうことを指して言っているかと、私聞いているんです。将来にわたって将来にわたってじゃない、現在任用するんでしょう。一万九千三百名任用するんでしょう。それに対して優秀労働者と言っているんだから、優秀というのはどういう人を指して言っているのかと、私、聞いているんです。将来にわたっての問題じゃない。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま決めております考え方は、いま申し上げましたように、将来にわたって必要な基幹的要員を常勤制度にするという形にいたしておりまして、今度は個々の人間を任用する問題につきましては、これはまた一般公務員法その他を勘案いたしましてその任用を決めるわけでございまして、基幹的な常勤制度そのものの考え方といたしましては、いま申し上げましたような将来にわたって基幹的要員になる者、必要な者を基幹的要員として考えていこうということで、人数を算定して労使間で協議を進めておる段階でございます。
○向井長年君 新しく外から採用をする場合には、そういう一つの基準があるでしょう。そうじゃなくて、今日まで林野庁で働いておるんですよ。それを常勤化しようということですね。そうなれば、具体的にそこにあらわれてくるんじゃないですか。そういう問題に対する優秀労働者とは何かと、こう言っているんですよ。
○政府委員(藍原義邦君) 具体的に申しましたら、たとえば年齢だとか、あるいは林業の仕事の中で基幹的な業務になります製品事業、造林事業等に従事することができるような人、あるいは勤務状態の良好な者というような者も入ると思いますけれども、私、申し上げましたのは、そういう者を含めまして将来確保していく必要がある者というふうに申し上げたわけでございます。
○向井長年君 そうすると、例年サボタージュとか違法ストとか、あるいはまた生産規制等ですね、こういうことを行っている人たちはその中に入らないということですね。そういう人はそういう中に、優秀とは考えられない、こういうことにとっていいですか。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、個々人を任用する場合の問題と、一般的な基準を、ただいま協議しております基準を決める場合とは、私は別だろうと思います。したがいまして、先ほど来申し上げましたのは、一般的な常勤制度に今後移行する場合の基準を申し上げたのでございまして、個々人のだれをじゃこの常勤制度に任用するかという問題につきましては、これは別の問題になりまして、これは当然公務員一般の任用時におけるこの種事案の取り扱い等参考にしながら、目下慎重に検討している次第でございます。
○向井長年君 そこがおかしいじゃないの。私が言ったのは、新しく外から任用する場合には公務員の一般適用の問題でよろしい。今日まで勤めていた中でそういう行動を行っている人が、優秀労働者として任用できるのかと私は聞いている。これに対して鈴木農林大臣は予算委員会で、そういう人たちはやらない、厳正にいたしますということを明言されておるんですよ。あなたもそれと同じ、いやそうじゃありませんと言えますか。どちら。
○政府委員(藍原義邦君) 予算委員会で農林大臣がお答えになりましたのは、いま私が御説明申し上げましたように、この種事案につきましては、一般公務員の任用時におけるこの種事案というものの取り扱い等参考にして厳正に対応するというお答えをなさったというふうに私は考えておりますし、私どももそういう考え方で対応いたしてまいりたいというふうに考えております。
○向井長年君 そういうあなた、長官、すりかえてはいけません。私も予算委員会におったんです。質問者はそんなことを言っていないんです。今日まで違法ストをやりサボタージュをやる、こういう諸君はそういうところに任用してはいけないではないか、そういう問題についてあなたはどうしますか、こういう質問ですよ。議事録を見てみなさい。それに対して農林大臣は、そういう者はやるべきじゃないから厳正にいたします、こう答えたのだよ。そんなすりかえしたらいけませんよ。一般論で言ったんじゃないですよ、質問者は。わかっていますか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生そういう御質問をなさいましたけれども、私もあの場におりまして、あの時点では常勤制度に任用する問題についての御質問があったと思います。そういう点で、これについては現在まだ新しく任用する時点にはなっていないのでそういう者を任用した事例はございませんと、こう申し上げたのですけれども、今回制度をしこうとする常勤制につきましては、いま申し上げましたように、常勤制をしく基準、一般的な基準についてただいま組合と協議中でございますし、この基準が決まりましたら、個々人の任用については、先ほど来申し上げているような方途で私どもとしては慎重に対応しようということで、ただいま検討中でございます。
○向井長年君 それで個々人の問題についていま私が触れておるんですよ。基準はわかりました。基準はわかっていますよ。個々人の問題についてそういう問題については除外する、厳選をする、こういうことを言われておるわけだ、大臣が。それによってあなたの方は進めるということであるならばそれでよろしい、そうじゃないというのだったら問題があるんです、これは。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、公務員につきましては、公務員の一般の任用時のそれぞれの従来り事例がございます。そういう事例を十分参照いたしまして、私どもといたしましても慎重に検討して対応いたしたいというふうに考えております。
○向井長年君 次官、あなたどう考えているか、大臣の代理なんだからね。大臣はそういうことを言われている。したがって、そういう人は除外するという立場から答弁をされておるんですよ。それに対して一般基準、あるいは個々人の問題については今後慎重に検討する、こう長官が言われておる。私はそういう職場規律から、生産意欲から、林野行政全般についていま触れてきて、赤字も解消しなければならぬ、職場規律も直さなければいかぬ、管理職も整然とやはり行政にタッチできる状態をつくらねばならぬ。こういう中から、いま一万九千三百人の任用の場合の問題をとらえておるわけです。大臣が先ほど言ったような答弁をしておる。これに対して次官、どうなんですか。特にあなたは経験者だから知っているはずだ、いかがですか。
○政府委員(片山正英君) 大臣の御答弁の中で、長官がいま具体案として御答弁されたと思いますが、確かに先生御指摘のとおり、いま国有林野事業というのは大変なときに私は来ておると思います。いままでは国有林が剰余金をどうするという時代から、いまは借金の時代、それも国民が本当に血と汗でためたお金をお借りするという、そういう時代に転落しておる国有林の実態でございますから、国有林の今後のあり方を含めて、本当に国民の期待するそういうものに私はなっていかなければならぬ、こう本当に思います。 そこで、いま言われました国有林のあり方の一つとして、いま先生御指摘になった国有林に愛情を持たない——国有林の本当の使命達成、これは答申にもあるように、三つの使命というのははっきりしている。そういう三つの使命の達成、そういう方向に情熱を燃やさない、そういう者では私は国有林は解決しない。したがって、国有林に勤める人は少なくともそういう姿の中で今後努力をしていく、そういう姿でなければならない、こう思います。そういう角度から、ただ常勤問題については労使協調の話し合いの中で進められることが原則でございましょうから、しかし当局としてはそういう態度の中で毅然たるものを進めていきたい、私はそう思っております。
○向井長年君 その姿勢結構だと思います私は大賛成なんです。そうあらねばならないと思います。しかし、いまぼくの質問に対して端的に答えられないというのはなぜ答えられないか、私はわからない。職場規律はやらなきゃならぬ、生産意欲も持たなければならぬ、今日までそれを阻害しておったような状態は払拭せにゃならぬと、こういうことでしょう。そうなれば、そういう諸君が優秀労働者としては言えぬではないかと、そういう問題についてはそういうことを考えるのはあたりまえである。そうならなければ、それをあいまにしておれば、いつまでたったって林野行政は改善できませんよ。 今日のあの赤字財政と、そして国民から離れていく、そこに私は焦点を置いて林野行政というものはそうあらねばならぬと。そのためのやはりあなたたち行政の第一線でおられるのだから、その姿勢というものが今日までまずいのではないか、それは改めなければならぬではないかというところからこの問題を発想しておるから、いま次官が言われた姿勢が現に今日までなされていないんですよ。そうでしょう。それは認めるでしょう、全部とは言わぬでもね。これを改善しなければならぬというところに問題があるわけです。それを長官、だれに気がねしたのか知らぬが、堂々とその問題は推し進めて当然でありますよ。そういう意味から私は質問しているんだから、どうせ労使で相談するのはあたりまえですから、されたらいいですよ。しかし、基本というものは腹に持ってやらなければということだけは、腹に明記してやらなければならぬと思いますが、どうですか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま政務次官からお答えいただきましたように、私どももやはり国有林が非常に大きな危機にいま直面いたしております。これを国民の期待に沿えるような国有林に立て直すためには、私ども全力をふるって対応しなければいけないと思っておりますが、その場合には管理者、職員、作業員全員一丸となって対応する姿勢がまず何よりも必要だと思っております。そういう意味からも、ただいま先生御指摘ございましたように、これからの国有林の経営に当たっては、十分国民の期待にこたえるような管理一姿勢なり、職場規律なり、勤労意欲なりを盛り立てる中で、徹底した指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○向井長年君 そういうことを期待して、これから林野行政を見てまいりたいと私も思います。 そこで、マツクイムシの問題は、これはもう私は皆さんが触れられたから多くは述べません。一日も早くこれを実施して蔓延を防がなければならぬという立場に立っておるわけでありますが、ただ公害と申しますか、そういう問題について地域住民からのいろいろな問題もありましょう。ただ、一つは、そういう反対論者も過去においてあったと思います。しかし、もしこれが実施されない場合、国民が納得する他の防除法はありますか、あればそれを選ぶべきだと思う。ないとするならば、一日も早くこれは実施をしなきゃならぬのではないかという感じを持っておりますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま私どもが開発といいますか、研究開発いたしました技術の中で、この空中散布による薬剤防除によるマツクイムシの防除以上にすぐれた安全性の高い、そして適確な技術というのは、いまの段階では見つかっておりません。しかしながら、私どもといたしましても、できるだけまた違った面からいろいろな点を検討いたしまして、さらに一層安全性のある、そして適確な技術が開発できるように、反面、試験研究機関を通じ努力いたしておりまして、そういうものと並行いたしまして今後も検討を進めますが、現時点におきましてはこの技術を使ってできるだけ早く、現在蔓延しております松の枯損を防止する以外に方法はないというふうに考えておる次第でございます。
○向井長年君 これで地域住民なり受益者その他団体から反対があった場合は、これは散布できないですか、どうですか、その点は。あくまでもコンセンサスをとるための努力はされなければならぬが、そういう場合においては散布できないのか、それとも強行してやるのか。その点いかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもが今回の法律に基づきまして防除いたします地域は、主として重要な松林でございます。保安林あるいはほうっておけば蔓延の原因になるような個所でございますので、私どもは、現地におります都道府県の担当者あるいは営林局署員を通じまして積極的に地元の方々の御理解を得るような努力はしていきたいと思います。 さらにまた、この防除をやりますことは、単に松を枯れから防ぐということだけではなくて、地元の生活環境なり、あるいは自然環境をさらによくするためにもやらなければならない仕事でございます。そういう意味からも地元の方々の御理解なり、御協力を得べくやれるだけの努力をいたしまして、できるだけ所期の計画どおり実行したいというように考えておりますが、万々一非常な大きな反対等がございます場合には、これはやむを得ず中止せざるを得ない場合があろうかと思いますが、できるだけそういうことのないように努力は十分続けてまいりたいと思います。
○向井長年君 最後に、環境庁との関係でその問題は円満に話し合いができていますか。環境庁長官の発言から見て、その問題実施に当たって支障はないか、政府部内で統一されておるか。
○政府委員(藍原義邦君) 簡潔にお答えいたしますが、環境庁につきましてもこの法案を出します前に十分打ち合わせを事務的にもいたしましたし、最終的には局長あるいは大臣同士でもお話しをいただきました。そういう点で十分連絡はとれておりますので、問題はございません。
○喜屋武眞榮君 この松くい虫防除特別措置法案の立法につきましては、国民世論は賛否両論あることは事実であります。 〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕 ところで、いろいろ両方の立場をじっと考えてみますと、その目的においては一致しておる。たとえば緑を守るとか、自然を保護するとか、あるいは人間生活にとって安らぎと大気浄化をしていくというこのねらいは一致しておるようであります。ところが、問題は特別防除の方法あるいは薬剤の安全適正使用と、こういう面からそれぞれの立場からの疑義があるようであります。そこで、どんなにいいことではあってもやはり納得のいくコンセンサスを得るという方法でなければ、必ずしもそれがいい結果を生むものとは言えない。そこで私は、そういう立場を踏まえて、時間の範囲内、私の抱いておる疑義をただしてまいりたいと思います。 まず、この前の参考人の賛否両論の意見もあったわけですが、その中で現在の法の不備を正して十分に配慮して検討して最善の努力をしていってもいいのではないかと、こういう意見がございましたですね。まず、そのことについてどうお考えか。
○政府委員(藍原義邦君) 現行法でもやれるではないかという御意見があったかと思います。私ども、確かにいままで現行法をもとにいたしまして四十八年からやってきたわけでございますけれども、その結果、相変わらず松の枯損が後を絶たないという状況でございます。 その原因は何かと申しますと、やはりいまの現行法では直接国なり県が防除するのではなくて、森林所有者に防除を命令し、その命令に基づいて森林所有者が防除した場合に、その防除にかかった経費を補償するという形になっておりますので、森林所有者がやらない場合にはなかなか徹底することができないという問題もございます。それからきわめて広域にわたってまいりましたために、個々の森林所有者がやる、やらないだけではなかなかとまっていかない。やはりこれは総合的に、計画的に松の枯損対策を考えて、その計画に基づいて計画的にやりませんと、なかなかこれは終息に導き得ないのではなかろうかという、こういう判断がございます。そういう点で、新しく国なり県が従来の森林所有者がやりますものにかえまして、直接やるという方途をとって、早いうちにこれを衰微させようということでございまして、現行法ではそういう方途がとれませんので、特別措置法を特に提出いたしまして御審議を願っておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、賛否両論の対立の骨子は、松枯れの原因が何であったかという、ここにまず対立の骨子があるわけですね。一方では松枯れの原因は線虫類であると、一方では大気汚染、乱開発がその原因であると、こういう二つの見解の相違があったわけですね。それをどのように受けとめておられるか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもがこの法案を国会に提出いたしまして御審議を願っておるまでの過程でも、いま先生がおっしゃいましたような、大気汚染ではないかという御意見をいろいろと先生方から御質問がございましたし、また新聞紙上等でもそういう問題も出ております。また、参考人でもそういうことを言われた方もおられることは十分承知いたしております。ただ、私どもが考えておりますのは、松が枯れるのはいろいろな原因があろう、大気汚染で枯れる場合もあるでしょうと、しかしながら現在このように蔓延して大きくなっているのは、やはりマツノザイセンチュウによる枯死であるということ。したがいまして、まずこのマツノザイセンチュウによる枯死を防除しなければ、いまのような激害型の被害はおさまらないという判断に立って、空中散布による特別防除を行おうということを考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 それじゃ具体的な調査を挙げて見解を求めたいんですが、まず兵庫県での調査で、枯損度は、枯れる度合いは臨海工業地帯などで大気汚染の状況と完全に一致しておるんだと、こういう調査データが出ておりますね。これをどう解釈され受けとめておられるか。
○政府委員(藍原義邦君) そういうデータを出しておられる方がおられることを、われわれも十分認識しております。ただ、私どもの調査によりますと、そういうような個所における枯損についても、その枯損した松を調べますと、ザイセンチュウが必ず入っておるという調査結果が出ております。したがいまして、そういう地域の状況とマツノザイセソチュウが繁殖いたします温度とたまたま私どもとしては一致しておる関係上、そのような結果が両面から出ているのではなかろうかと思いまして、私どもとしては、やはりこれもマツノザイセンチュウによる枯損であるというふうに判断いたします。 〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕
○喜屋武眞榮君 次に、具体例を申し上げます。 この前の参考人の資料にもありましたが、年輪調査にあらわれた工場の操業時期とそれから松の樹勢との関係、松は特に大気汚染に弱いので、工場群から排せつされるガスの影響で年々樹勢が弱くなって衰えて、そうして年輪幅が狭くなって十年前後で枯死すると。マツクイムシが寄生しても天敵のいる健康な木は枯れることがない、こういう解釈をしておる。大気汚染で樹勢が弱った木にマツクイムシが寄生すれば、当然枯死に拍車をかけて、さらに薬剤散布で天敵を殺して枯死を早めていくんだと、こういう解釈があるわけですね。これをどのように受けとめておられるか。
○政府委員(藍原義邦君) この前の参考人の先生方の御意見には、いま先生が御指摘のような年輪解析による御指摘がございました。年輪解析と申しますのは、私ども林業では当然林木の成長、ひいては森林の成長を調べるために常々使っておる手法でございます。試験場におきましてもこういう年輪解析を実施いたしまして、マツクイムシの原因究明の関連として実験調査いたしておりますけれども、その結果によりますと、激害型枯損の場合には、いわゆる年輪を形成いたします春材形成の部分と秋材形成がございますけれども、春材形成の末期から秋材形成の初期にかかる時期に枯れることが判明しておりまして、またこの近辺で年輪幅が狭くなっている事実は認められないという結果が出ております。 したがいまして、これは松の年輪が狭まるというのはいろんな原因があろうと思いますし、一般的には十年ぐらいたちますとだんだん成長が少なくなりまして年輪が狭くなりますし、あるいは土壌の問題、あるいは先生方がおっしゃいました大気の問題もあろうかと思いますけれども、それぞれの原因をさらに詰めてみなければわからないと思いますが、試験場が調査した結果によりますと、いま申し上げましたような形、関係が出ております。
○喜屋武眞榮君 まあこういうデータというのは、ややもすると自分の考え方を有利にするためにのみそれを裏づけようとする、こういうこともあり得るわけですね。それで、いまの私が尋ねましたことは全然関係がないとおっしゃるのか、あるいは関係はあるんだとおっしゃるのか、この辺どうですか。
○政府委員(藍原義邦君) いま申し上げましたように、試験場で調べた結果はいま申し上げたような形でございますけれども、岡山の先生がお調べになったものと試験場が調べたものが必ずしも一致してないと思いますし、そういう点でこれはさらにその面は詰めてみないと、いまここでどちらが正しいとはなかなか私は言えないと思います。ただ、私どもの調べた方ではいま申し上げましたような結果でございますし、参考人で説明されました先生の方のものはあるいはそうなのかもしれませんし、これをいまここでどちらが正しいのかということは、私としてもいまここでははっきり申し上げるわけにはいかないということでございます。
○喜屋武眞榮君 それじゃあ次に、この松枯れ告発連絡会議・全林野労働組合姫路営林署分会の調査データによりますと、線虫のいない松枯れが多量に発見されておる、それから一定量の線虫がいても枯れない松がある、それで線虫が主役であると思われるものでも大気汚染などで弱っている松に線虫が取りついて枯らしておる、こういうデータが出ておりますね。これをどう解釈されますか。
○政府委員(藍原義邦君) いま先生がおっしゃいましたような報告がございましたので、試験場でもその後そういうものについて調査いたしました結果、ほとんどのものにやはりマツノザイセンチュウがあるということが、調査結果として出ておりますので、したがいまして私どもといたしましては、松の枯れは必ずしも全部がマツノザイセンチュウではないかもしれません。したがいまして、物によりましてはマツノザイセンチュウがなくて自然枯損、あるいは場合によれば大気汚染のために枯れたものもあるのかもしれませんが、その大被害が出ております大半のものはマツノザイセンチュウによる被害であろうというふうに判断しております。
○喜屋武眞榮君 要するに、ザイセンチュウがすべて枯死の原因ではなく、やっぱし枯れる要因はいろいろあるという、このことをお認めになりますね。どうですか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいまも申し上げましたように、松は、ザイセンチュウばかりではなくて、いろいろなほかの要因で枯れることがございます。したがいまして、そういうものもあることは事実でございます。ただ、今日のように全国的に蔓延して大きく出ているのはマツノザイセンチュウによる被害であるというふうに、われわれは判断しておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、さっき最初に申し上げました薬剤の安全性、それから適正な使用、このことが非常に重大であると思うわけですが、その面からのこの安全措置の内容ですね、その安全措置の徹底、内容をどう考えておられるか。それからその安全指導が末端まで徹底し守られていくためにはいかなる対策を考えておられるか、この二つの点について。
○政府委員(藍原義邦君) 安全対策といたしましては、具体的に申し上げますと、人家、学校、病院等の周辺、あるいは鉄道、道路等の交通機関の周辺、さらには自然公園の集団施設地区、都市の公園等利用者の集合する場所の周辺、または水源地、上水場、井戸等の周辺、さらには養蜂等に悪影響の及ぶおそれのある個所、それから水産動物の増養殖場所、あるいは保護水面、モ場の周辺、さらには桑園、茶園、果樹園等の周辺、牧草地、放牧地区の周辺等の松林については、それぞれたとえば人の通るところでございましたらその間交通を遮断するとか、あるいは移動できる施設であれば養殖等については移動するとか、それぞれの被害防止処置を講じまして、当該被害が起きないように対応したいと考えておりますし、またその被害防止ができない場合には、特別防除実施の対象の松林にしないというふうに考えております。 その徹底につきましては、それぞれの県におきます審議会あるいは協議会、さらには現地におきます説明会等々、あるいはその他パンフレット、ビラ等を使いまして十分地元の方々に徹底いたしまして、万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 いま挙げられたことは、よく言えば非常に周到だ、悪く言えばペーパープランである、机上の計画である、こういう見方ができると思うんですがね。なるほど心がけで実行できる面もある、それは徹底させればよろしい。ところが、心がけでは処置できない面もある。それはどうしても予算の裏づけが必要だと思うんですが、その裏づけは十分ですか。
○政府委員(藍原義邦君) 協議会等の予算につきましては五十二年度の予算に盛り込んでおりますし、また被害対策につきましても五十二年度から予算に計上いたしております。私ども過去四年間の経験を積みまして、その経験から判断して、現在の予算で五十二年度は十分対応できるというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 予算の裏づけが十分あったとしても、実際問題として私は不可能に近い、不可能と言ってもいい。いまおっしゃった、挙げられた中でも、たとえば果樹園の、あるいは池をビニールで覆うとか、そんな小さい庭の池だったらそれは可能でしょう。池をビニールで覆うとか果樹園をビニールで覆うとか、こういうことは私は実際問題としてどうかと思うんですがね。そういうことを実際に可能だとお考えですか。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど御説明申し上げました最後に申し上げたように、どうしてもそれができないところについては、特別防除は行わないで、地上散布なり立木伐倒で対応するという考え方に立っております。
○喜屋武眞榮君 特に空中散布に関連して大事な薬の使用量ですね。薬剤の使用量あるいは使用方法、この適正、適量を誤るというとこれは大変なことになるということは御承知だと思いますが、それは十分対策をお考えだと思うので聞かないことにいたします。 次に、散布薬剤の残留性と毒性の面からお聞きしたいんですけれども、この空中散布をした薬剤の効力というのは、それは一体何時間あるいは何日その効力があるんですか。
○説明員(須藤徹男君) お答えいたします。 土壌及び水中の残留期間でございますが、土壌に係る残留性につきましては、環境庁がまとめた資料によりますと、半減期が長いもので二十二日でございます。有機塩素系殺虫剤に比較するとかなり短いと言うことができます。なお、本剤は土壌から農作物には吸収されにくく、吸収されても分解が早いということでございます。それから、水中における残留性につきましては、農林省が実施しました試験結果によりますと、マツクイムシ防除のためMEPの使用方法に従ってヘリコプターにより広域散布した場合、散布区域内においても河川水、海水のスミチオンの濃度は最大で〇・〇〇一四PPmで、二十四時間後にはほとんど検出されておりません。以上のような結果から、本剤の土壌、水における残留性は特に問題はなく、人の健康に及ぼす後遺症の心配はないというふうに考えておるのでございます。 それから薬剤の残効期間でございますが、これまで実施された薬剤の残留に関する各種調査研究によりますと、対象作物の種類、気象条件等によってその効果期間が異なりますけれども、おおむね二十日間程度と見込まれております。以上でございます。
○喜屋武眞榮君 いまの御回答で二十日ないし二十二日ということですね。そこで、この前参考人のお話で、理由はわからぬけれども、散布後雨の降った後に池のコイが死ぬ例がたまたまあったということでしたですね。私はそのこととの関連においてぜひはっきりさせていただきたい。それは、二十日ないし二十二日間その効果が、いわゆる毒性の残留性があるということは、その期間に雨が降りますというと、松の葉にかかった薬剤もすでに洗い流されて地上に落ちるということですね。そして地上に落ちれば、流れてみぞとなり川となるということなんですね。それが池に注げばそこにおる魚が死ぬということですね、エビも。ここなんですよ。そうすると、二十日ないし二十二日も土壌に浸透して毒性があるとならば、これはいかに予算はあっても、ビニールでこれを包むわけにはいかないはずです。上を覆うことは可能ですが、洗い流されて地下に浸透して、あるいは地上に落ちて流れる水、これの対策はどうなさるつもりですか。
○説明員(須藤徹男君) いま御質問のとおり、散布直後に雨が降るということは非常に困るわけでございます。そこで散布する当日の気象条件というものを十分見きわめなければなりませんけれども、散布後三時間経過いたしますと、薬はほとんど松の枝に浸透いたします。したがって、この三時間後に降雨がありましても残効性はほとんど変わらないというデータが出ております。したがって、雨が降れば流れるということはこれは事実でございますけれども、三時間後に降雨があった場合には、それほど雨による流亡はないというふうに考えてよろしいと思います。
○喜屋武眞榮君 それほどない、あるという概念的なとらえ方が非常に危険だと思うんですがね。こういうデータだからないということと、現実に雨の後に流れる水のたまる池でコイが死ぬという事実とをどう結びつけるかということなんですね。
○説明員(須藤徹男君) 先日の参考人の御意見は、薬をまいたのはいつかわからない、それから薬の量もわからない、薬の種類もわからない、ただ大雨が降ったらコイが死んだ、どうも農薬の影響じゃないかというふうにおっしゃっておるわけでございまして、私どもとしましては、いまのスミチオンが、そのような雨が降って大量に流れてそして池のコイが死ぬというようなことは、毛頭考えておりません。
○喜屋武眞榮君 次にもう一つ、毒性の人体に及ぼす影響、人間に及ぼす影響。いままで植物とか魚、動物について論ぜられておりますが、人間に対してはどうなんですか。
○説明員(本宮義一君) このMEP剤は、毒性上から言いますと、普通物というカテゴリーに入るものでございます。毒物劇物法に決められておりますのは、特定毒物、毒物、劇物、それからその他のもの、まあ普通物でございますが、そういうことで、いわゆる急性毒性についてはきわめて弱い。ですから、これを散布して昔非常な不幸な事件がございましたが、パラチオン剤というようなものを使いました際に、散布後それのかかった農家の方がそれで中毒を起こしたというような事例が多うございましたけれども、このMEP剤についてはそういったようなことは、よほど多量に浴びれば毒でございますけれども、普通考えられないことでございます。 それから、いま申し上げましたのは、いわゆる急性毒性でございますが、慢性毒性につきましても、これは日本の大学並びに外国の権威あるそういった毒性の研究所でいろいろとそういった慢性毒性試験を、あるいはまた催奇形性の試験、それから次世代に及ぼす影響の試験等をやった結果では、非常に安全性の高い農薬であるということが認められておりまして、厚生省の食品規格にございます農薬残留基準にも、これがある一定の基準が掲げられておる。すなわち、それ以下であれば、この含むものは、食品は安全であるということが厚生省の告示でも出ておるわけでございます。また、WHO、FAOの世界的な機関でもMEP剤の安全性についてはすでに評価が終わって、安全な農薬であるということが言われておるのでございます。
○喜屋武眞榮君 先ほど申し上げましたように、いわゆる学説とか統計とかというものは、利用の仕方によって毒にもなり薬にもなるということなんですよね。だから、これはぜひ実施しなければいけないという前提に立つとすると、その裏づけはみんな安全性、安全性という形でよってくる。 そこで私、これは御承知でしょうか、北里大学の石川哲教授の五十年十一月国際環境保全科学会議で発表された、低毒性の有機燐剤による環境汚染が人間の目に幅広い障害を起こすと発表しておられますね。これは無視されるんでは——問題はないということなんですか、またこのことを御存じでしょうか。
○説明員(本宮義一君) いまの低毒性の有機燐剤ということでございますが、有機燐剤は約四十種ぐらいあろうかと思いますけれども、それがどれであるかでございますが、私どもはスミチオンで目に障害が生ずるというような、そういった説を述べられた御意見は聞いておりますし、それについてまたいろいろ御意見があると、また必ずしもそういった意見ではないといったような御意見があるということも、これはそういった専門の方の方から伺っておりまするけれども、いま先生のお述べになりましたものが、有機燐剤でもどういう種類のものか知りませんので、はっきりいたしておりません。
○喜屋武眞榮君 なお、これは反論と言えば反論、あるいは参考と言えば参考という立場から、私の調べた、まああんたは害はないという立場からおっしゃったが、今度は逆にこういう害もありますよということを、もっと調査の結果を申し上げたいんですが、時間がありませんので次に移りたいと思います。 次に、これは時限立法ですね、附則に五カ年間と。そうしますと、五カ年間でどの程度のめどを持っておられるかということなんです。五カ年間で完全にその目的が貫徹するという意味なのか、どういうめどを持っておられるのか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもは、昭和四十八年以来、空中散布によりましてマツクイムシの防除を実験的に実施いたしております。その結果によりますと、私ども激害地と称しておりますけれども、これは五%以上の被害が出ておる地域でございます。これは、大体三年まけば終息型になり得る。それから中害地、これは五%以下でございますが、一%以上のものについては二年程度まけば終息型になり得る。さらに微害地等におきましては、一カ年でおおむね終息型になり得るという実験データを持っております。 したがいまして、現在被害が出ております四十五万ヘクタールのうち、空中散布によりますものを約二十六万ヘクタール見込んでおりますけれども、それを重要なところから、緊急度の高いものから五十二年度から実施いたしまして、五十六年度にはすべて終わるという形で対応すれば終息型に誘導し得るというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 いまの御計画も、悪く言えばこれは一つの机上の計画ですね。実際問題といたしましては、この天然自然現象、あるいは昆虫の発生状況とか、そういったいろいろな諸条件が必ずしも計画どおりはいかぬことが十分予想されると思いますね。繁殖のこの予測しがたい面も当然考えられる。こういうことや、あるいはそう言っては失礼かもしれませんが、まあ役人のすることはという言葉がよく言われますが、いわゆる手おくれである。事実が発生して、あるいはそれそれと現場で事が起こった場合、それから段取りをして実施するまでにはもう手がつけられないという、こういったことに対する一つの不信だと思うんですがね。そういったこの防除の手おくれとか、そういった点から予測しがたい状況はあり得るということが、これがまた私は素直な受けとめ方でなければいかぬと、こう思うんですがね。そうした場合に、あなた方のこの計画が予想どおりいかなかった場合に、その後の対策はどういうことを考えておられるか、どうしようとおっしゃるのか。
○政府委員(藍原義邦君) 私どもが対応しておりますこの仕事も、ある意味では自然天然現象の一種かもしれませんので、先生がおっしゃるように、自然天然現象の中には予測し得ないことが起こり得るかもしれません。しかし、私どもといたしましては、過去四年間やってまいりました経験をもとにいたしまして、それぞれ重要林地というものを見きわめながら対応していけば、一応五年間ではおさまり得るという確信を持って今度の計画を出しておるわけでございまして、その間に本当に予測しない大きな事態が出れば別でございますけれども、一般的に起こり得る程度の自然現象の変化であれば、この五カ年間で一応対応し得るというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 次に、線虫に対する松類の抵抗性という面からひとつ聞きたいんですが、三つに分類されておるようですね。きわめて感受性があるもの、そしてやや抵抗性のあるもの、抵抗性の大きいものと、こう三つに挙げられておりますね。その感受性のあるものというのは、いわゆる抵抗力の弱いということなんですね。その一つに最も代表的にリュウキュウマツが挙げられておりますね、リュウキュウマツ。そうしますと、沖繩県も空中散布をなさるんですか、どうでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) リュウキュウマツにつきましては、いま先生が御指摘になりました三つの段階では最も感受性が高い松になっております。したかいまして、本来であれはそういう松林で重要なものがあれば、空中散布で防除するのが適確かと思いますけれども、先生の方が十分御存じかもしれませんが、沖繩の場合には森林のもとから流れております川をいわゆる飲料水として使っている個所が非常に多うございます。したがいまして、沖繩におきましては、いまの段階では特別防除は行わないというふうな考え方に立っております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、マツクイムシの害があることは事実なんですが、特別防除を行わなければ、その対策はどうなさるんですか。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま私どもが御審議いただいておりますのは、五カ年間の特別防除の法律でございますが、当然それと並行して現行法が、そのままその法律に基づいて行います防除がございます。したがいまして、特別防除を行いません地域については立木の伐倒駆除等を中心にし、あるいは個所によりましては地上散布というものを行いまして、マツクイムシの防除を図ろうというふうに考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 時間ですが、もう少し欲しいんですが、よろしゅうございますか。——それじゃお願いします。 沖繩のリュウキュウマツの枯れる原因、現地ではいろいろ、これは素人的な判断かもしれませんが、私非常に疑問を持っておりまするのでそれでただしたいんですが、松の成分と鉄との関係ですね。鉄が松に食い込むと枯死すると、こういうことと関連して、たとえば沖繩はソテツも多いんですが、ソテツが非常に勢いが衰えた場合に、それに鉄であるくぎを打ち込むというと勢いを持ち返すんですね。ところが松は、鉄分が食い込むというと枯れてしまうという、こういうことなんですが、その化学的なことはよくわかりませんが、どうなんでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) 私も鉄の問題については十分な知識は持っておりませんけれども、一応試験場等で調査した結果によりますと、砲弾等によります鉄分と松の枯損につきましては、鉄分によって直接松あるいは松林に化学的な影響とか、昆虫相への影響とかを与えることは考えられないのではなかろうかと、特に相関関係はないのではなかろうかというふうに判断しております。 ただリュウキュウマツは、アカマツ、クロマツに比べまして、特に純林の場合は林相の破壊に対してきわめて弱い傾向にございます。したがいまして、沖繩のように養分の少ない赤土土壌が広く分布しておりますところにおきましては、その林分が破壊されました場合には、リュウキュウマツは非常に枯損が早く広がってくる可能性があるのではなかろうかという判断をいたしております。
○委員長(橘直治君) 速記を中止願います。 〔午後四時五十五分速記中止〕 〔午後五時四十九分速記開始〕
○委員長(橘直治君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(橘直治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま塚田十一郎君、山内一郎君、岩上妙子君、梶木又三君及び佐多宗二君が委員を辞任され、その補欠として宮田輝君、安孫子藤吉君、斎藤栄三郎君、山崎竜男君及び福井勇君がそれぞれ選任されました。
○相沢武彦君 予算委員会での質問の都合上、大変皆様方に御迷惑をおかけしました。大分時間を制限してくれということなので、後ろの方からやりますから。 被害が発生した場合の中止措置、空散防除によって万一人畜や自然環境等に著しい被害が発生したような場合、直ちに空散の防除を中止すべきだと思いますが、どうですか。
○政府委員(藍原義邦君) 今回行います特別防除につきましては、私ども、地元の御理解、御協力を十分得るような段取りをいたしまして空中防除、空中散布をいたす予定にいたしております。したがいまして、できるだけ地元の御協力、御理解を得てやることによりまして被害の未然の防止を防ぎたいということ、あわせましてそのための措置も十分やることにいたしております。したがいまして、被害が絶対に出ないような体制で臨みますけれども、いま先生が御指摘のように、万々一空中散布によって被害が出たということになりました場合には、私どもその空中散布につきましては即刻中止するつもりでおります。
○相沢武彦君 政府は、空散の実施期間はもちろん、散布をやめた後三年間ぐらいは空散を実施した区域ごとの効果に関する調査については、民間人も一緒に立ち会うように配慮をしていただきたいんですが、その効果と、自然環境及び生活環境への影響の有無、並びに人々に対する健康、または農業、漁業、その他事業に対する被害発生の有無、それから被害の内容に関する報告、これを国会に提出すべきだと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(藍原義邦君) 特別防除につきましては、私どもその効果あるいは周囲の自然環境あるいは生活環境に及ぼします影響につきまして、さらには農業、漁業等に及ぼします影響につきまして、その必要な調査を十分事前事後に対して実施することにいたしております。したがいまして、その調査結果につきましては、当然、公表する等によりまして、特別防除の安全性についての周知徹底を図ろうというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、もし国会等の国政の調査権の一環といたしまして資料の提出の要求があれば、十分御説明をいたしたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 使用される薬剤のスミチオンですが、これは低毒性だと言いますけれども、特に慢性毒性に関する安全性の確認は不十分だと、このように言われておりますが、催奇形性に関する内容はもちろん、今後安全性確認のための全般的な一層の試験研究、これは徹底してやるべきじゃないかと思いますが、その対策はできていますか。
○政府委員(堀川春彦君) MEP剤スミチオンに対しまして、登録農薬として使っておるわけでございますが、これの登録の際に催奇性の問題につきましては、ウサギに対します妊娠時の経口投与試験例、一ミリグラム・キログラム・パー・デイで催奇形性を示さなかったという試験結果が出ておりますし、次世代に及ぼす影響につきましても、ラットの三世代繁殖試験の結果、影響がないということを確認した上、登録をしておるわけでございます。 なおしかし、農薬の安全性の問題については大事な問題でございますので、私どもも農薬の検査に当たります機関の機構、調査内容の整備、あるいはまた残留農研という私どもの所管に属します研究所がございます。こういうところでいろいろと必要な調査研究をしてもらう、こういうことが必要だと思いまして、その辺に力を入れてまいりたいと思っております。
○相沢武彦君 空散が農業、漁業に与える被害も懸念されておりますが、すでにミツバチ等への影響があったと、こういう具体例も出されております。にもかかわらず、今回の法案では、空散実施に対しては松林の所有者しか不服申し立てができないということになっていますが、利害関係者は単に松林の所有者だけではないわけです。したがって、法案の第五条二項を修正して、地域住民の不服申し立ても法的に認めるようにすべきではないかと思いますが、その点はどうなんですか。
○政府委員(小笠原正男君) 実は、法案第五条第三項以下の不服申し立てに関する規定は、第七条の規定によりまして、特別防除の実施を妨げあるいは拒否してはならない、受忍しなければならないという義務を課せられる者の義務とのうらはらの関係で、事前の行政救済手続を設けたものでございます。この考え方は、この特別措置法の母法であります森林病害虫等防除法の考え方と全く同様でございまして、あくまでも義務との関連で、法律上の不服申し立て権という権利を設定すべきものだというふうに考えているわけでございます。ただ、実際の運用問題といたしましては、不服申し出の権利ではございませんが、都道府県ごとの防除推進連絡協議会なり、あるいは地区説明会なり、いろいろな形で散布地域の住民あるいは利害関係を有する方々の意見も広く聞いて、適正、円滑な防除の実施に努めていく方針でありますし、その旨を農林大臣が定めます基本方針の中にも明示をして指導する予定でございます。
○相沢武彦君 松枯れの原因をどのように見るかによって、今後松枯れの防止対策も異なってくるのじゃないかと思うんですが、その意味で原因に関する真相究明、これはきわめて重要なことだと思うので触れておきます。 熊本にある国立林業試験場の九州支場が行った線虫の松への接種実験ですが、熊本県下でも大気汚染の最もひどい天草の大矢野では一〇〇%近くの松が枯れてしまいました。それから中ぐらいの大気汚染地域である同じ熊本県の芦北町や植木町では五〇%以下しか枯れなかった。それから阿蘇の波野村では一本も枯れなかった。こういうことで、大気汚染の軽重に応じて被害が大きく異なった実験結果が出ております。また科学技術庁も、数年前松の枯損について大気汚染が原因となることを認めた研究報告もしたことがありますが、この辺について松枯れと大気汚染の因果関係について、林野庁はいまのところ余り明確な見解を持っていらっしゃらないのですが、研究不足と思いますが、この点はどのように考えますか。
○政府委員(藍原義邦君) 松の枯損と大気汚染との関係でございますけれども、私どもも松の枯損はいろいろな原因によって枯れるということは十分認識いたしております。さらに試験場におきましても、従前から特に亜硫酸ガス等と樹木との関連については試験を従来から実行いたしております。今後ともまたこういう問題についても十分研究をきわめるつもりでおりますけれども、今回大量に発生しております松枯れは主としてマツノザイセンチュウによるものであるということは、試験場の試験研究結果、全国的な調査等によりまして明瞭にわかっておりますので、今回のような大量に発生いたしました松枯れは、主たる原因はマツノザイセソチュウによる枯損であるというふうに理解いたしております。
○相沢武彦君 次に天敵との関係でお尋ねしますが、ダニとザイセンチュウとの関係はどのように考えていますか。
○政府委員(藍原義邦君) ダニが天敵であるというお話も私ども伺っておりますけれども、ただいま試験場におきましては、まだその辺につきましてはっきりした究明はなされておりません。しかしながら、今後天敵によるマッノザイセソチュウの枯死の試験研究を五十二年度等から研究を進めることにいたしておりますので、今後さらにその辺につきましては研究をきわめていきたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 林野庁の方は、天敵の役割りを過小評価しているように思うんですけれどもね。島根県の私立松山東雲短大の石川和男教授の論文に「マツノマダラカミキリに見出された中気門ダニ類について」というのがありますが、その中でさえ宿主は、一九七五年六月の愛媛県大洲町菅田のクロマツから採集されたマツノマダラカミキリについてこれを調査したら二種類のダニが見出されたと、そのほかにも大気には肉眼には見えない多くの種類のダニがいることもわかっている。そこで自然の生態系というものは松とカミキリムシ、それに線虫とダニととがバランスを保って成り立っているのではないか、こう思われます。ところが、線虫の天敵であるダニが大気汚染に弱い性格を持っております。このことは部屋の中でダニ退治をするとき、硫黄などをたいて消毒しますといなくなってしまうということから見ても明らかです。ですから、大気汚染下ではダニは死滅し線虫がはびこりやすい状況をつくっている。さらには、カミキリの天敵になるフクロウなどの鳥類でさえ大気汚染には弱い。こういった地域を避けてフクロウは生息している、このようにも聞いております。このようにして生態系のバランスが崩れることが、天敵を滅ぼし害虫を蔓延させ松枯れを一層深刻にするんだと、こういう考えがあるんですが、これについての林野庁の見解はどうなっていますか。
○政府委員(藍原義邦君) 国立の林業試験場におきますこれまでの研究から、マツノザイセンチュウの天敵といたしましてはカビ類あるいはダニが観察されております。マツノマダラカミキリの天敵としては一部の鳥類、昆虫あるいは微生物等が検出されております。薬剤の空中散布がマツノザイセンチュウの天敵としてのダニや糸状菌に及ぼす影響につきましては、これら天敵は天敵として樹体内で活動しているものでありまして、直接薬剤の影響を受けることはないというふうに考えられております。そういう面から、いま林業試験場におきましても、天敵については十分研究を進めておりますけれども、現時点で現在発生しております大きな被害を防止するための必要な技術として、こういう天敵を利用して撲滅するというところまで研究が進んでおりません。したがいまして私どもといたしましても、今後昭和五十二年から天敵を中心とする防除の研究をさらに進めますけれども、いまの段階では、これらの天敵によって現在発生しております大量な松の枯損を防止する技術としては、現時点ではなかなか使い得ないという状況でございます。
○相沢武彦君 私どもは、今回の激甚型松枯れの原因が、林野庁が主張している単なるマツクイムシ説で説明し切れるものではないと、こういう考え方に立ちます。ですから、マツクイムシが大量に発生する前にまず大気汚染が必ず先行しているということがもう実態として出ているわけだし、大気汚染によって天敵がいなくなるとともに、スミチオンなどの薬剤散布がますます天敵を死滅させる、それがマツクイムシの増殖に拍車をかける、そのために松枯れが一層顕著になるんではないか、こういうふうに懸念をするわけです。ですから、今回の松枯れの原因がより根本的には大気汚染が原因である。こういうことから、やはり林野庁だけの力で今後日本の松を守るという考え方じゃなくて、関係官庁との協力体制、最も一番根本は日本経済の高度経済成長一辺倒で来たところから起きた問題でありますけれども、その辺もよく検討されて、単なるマツクイムシ説にこだわらないで、今後一層の原因究明に取り組むと同時に、具体策を考えていただきたいと思います。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、松の枯損は必ずしもマツノザイセンチュウなりあるいはマダラカミキリによるものだけではないというふうにわれわれも理解いたしております。しかしながら、今回のこの大きな被害は、主としてマツノザイセンチュウによるものであるというふうにわれわれ考えておりまして、そのために今回の対策をすることを考えたわけでございます。しかしながら、いま先生がおっしゃいましたように、今後いろいろな技術を開発いたしまして、よりよい技術が開発できれば当然私どもといたしましてもそういう新しい技術によりまして対応してまいりたいというふうに考えておりますが、現時点でできます最も安全でなおかつ最も適確な予防技術として、現時点のわれわれが考え出しました技術によりまして防除をしようという考え方でございますので、先生がおっしゃいましたように、私どもといたしましても、今後当然新しい技術に向かいまして積極的な研究開発は進めてまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 空散防除の効果ですけれども、兵庫県高砂市の西北部に位置する阿弥陀町における場合、この地域は林野庁が昭和四十八年から五十年まで三カ年空散を実施して効果があったと、こう言われている地域ですが、写真等見ますと、カミキリムシが羽化する以前に写したのが四月で、羽化して飛び回った結果、その年の松枯れがどうなったのか判明できないものが、十月に写したものがここにございます。そういうことで、十月の松枯れは四月の時点よりはるかに多くなっているように思うんですけれども、この地域においては効果は認められないのではありませんか。
○政府委員(藍原義邦君) いま先生の御指摘のところは、確かに四十九年から五十年の両年にわたりまして空中散布を実施いたしました。そして五十一年に取りやめましたところ、急にまた被害が増加いたしております。これは、調査によりますと、その周辺に無散布の民有林が多々ございました。そういうところで、被害を受けました地域からマダラカミキリが侵入いたしまして、また被害が発生したというふうなわれわれ調査結果を得ております。したがいまして、従来のような森林所有者が命令によりまして防除をやる防除ではなかなか防除は徹底し切らないということで、今回農林大臣が決めます基本方針あるいは都道府県知事が決めます実施計画に基づきまして、それぞれの地域において計画的な防除をすることによりまして、今回起きましたこういうような防除をした結果また被害がふえるというようなことを絶滅する意味からも、この直接実行——国なり県の直接防除によりましてマツクイムシによる松の枯損を防除していきたいというのが、今回の私どもの考え方でございます。
○相沢武彦君 幾ら空散防除と言っても、カミキリムシを完全に退治するだけの、技術的にはこれは不可能じゃないかと思います。したがって、生き残ったカミキリは翌年舞い戻ってきて天敵のないところでまた著しく蔓延してまた枯らしてしまう、そこでまた薬剤をまく、こういうことの繰り返しを経ますと、薬剤散布の恒常化を招いてしまうし、広域散布という手段をとらざるを得なくなってくるんではないかという危険性があると思いますが、この点について林野庁はどういうふうに対処されますか。
○政府委員(藍原義邦君) 私ども過去四年間の実験結果によりまして、非常に被害の発生しております激害地あるいは中害地、微害地と分けますと、激害地につきましてはおおむね三年まきますと終息型に移行できる。それから中害地につきましても、おおむね二年まきますと大体終息型に誘導できるというような実験結果が出ております。したがいまして私どもといたしましても、マダラカミキリを絶滅させまして松の枯損を完全になくすということではございませんで、終息型——私どもとしては立木本数で大体一%以下、その松林につきまして一%以下の被害が出るのは経常的な被害であろうというふうに考えておりますので、その程度になるまで空中散布をやるわけでございまして、その後は現在ございます現行法によりまして、地方におきます立木伐倒駆除を中心にいたします防除によって対応できるというふうに考えております。
○相沢武彦君 よく効果の上がったという実例に出される虹の松原についてですが、先日の参考人吉岡教授のお話にもありましたミカンの木が大量に枯れた昭和四十七年に、唐津市の公害センターに勤務していた碇さんという所長さんが、その対策として発電所のボイラーの中に水酸化マグネシウムを入れたら大気汚染濃度が下がって、この結果ミカンがよみがえったと、こう言われておりますが、たまたまその年は空中散布も実施したときでして、この因果関係で非常に効果が上がったのではないかと思われる節もございますが、林野庁はこの空中散布の結果だと、こう主張されますね。このボイラーの中に水酸化マグネシウムを入れた、大気汚染濃度が低下した、この因果関係については研究はされるおつもりはないんですか。
○政府委員(藍原義邦君) 亜硫酸ガスと松の枯損につきましては、従前から林業試験場で研究を進めておりまして、〇・二PPmまでの亜硫酸ガスの薫煙では松の枯損率に影響がないということが試験場の結果ではわかっております。ただ、いま先生が御指摘されました参考人が述べられた虹の松原等の事例につきましては、私ども詳しくは存じませんけれども、全国的な従来の経緯を見ますと、私どもとしてはやはり空中散布によります効果によって松の枯損が減ったというふうに理解しておる次第でございます。 —————————————
○委員長(橘直治君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま細川護煕君、前川旦君、川村清一君及び工藤良平君が委員を辞任され、その補欠として後藤正夫君、目黒今朝次郎君、対馬孝且君及び野田哲君がそれぞれ選任されました。
○相沢武彦君 空中散布の効果については、いろんな点からもっともっと検討しなければならないと思います。自然の生態系を守りながら根本的な大気汚染対策を図らないと、果たしてどれだけ今後効果があるのか、私どもは非常に深い疑問を持ちます。ですから、やはり林野庁も全然分野が別だと言っていないで、大気汚染対策というものについてはやかましく関係官庁に言う必要があると思うんですね。この問題は、単に松を守るのみでなくって、私たちの生命を守るということにもなるわけですから、大気汚染対策のための経済力のないような中小零細企業には補助を強化してもよいのではないかと思いますが、この点どうですか。
○政府委員(藍原義邦君) 先生御指摘のように、私どもといたしましても、日本の緑をできるだけ守ろうという姿勢でこの対策をやるわけでございますし、関係方面とは十分連絡をとって対応してまいりたいというふうに思います。
○相沢武彦君 最後に、さらに乱開発やこういうものをやめさせることも重要だと思いますし、また単に空散ということだけに今後頼るのでなくて、浸透剤に殺虫駆除方式を用いるなど他の新しい防除方式の開発、これも怠らなくやるべきだと思います。さらには、天敵の大量育成による駆除方法の開発、松林の周辺に他の樹種を植えて天敵が多く住めるような自然環境をつくること、こういうことにももっともっと努力をしていくべきだと思いますが、このことについての見解を承って、時間が来ましたので質問を終わります。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども御説明いたしましたように、私どもも現在やっている技術が最高、最良のものであるというふうには考えておりません。現時点で行い得る最良のものだというふうに私ども考えておりまして、今後さらに天敵の問題、あるいは造林の方法の問題その他試験研究機関を通じまして徹底的に研究いたしまして、私どもとしても将来日本の緑が十分守れるような対応は積極的に努力してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(橘直治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。 速記を中止願います。 〔速記中止〕
○委員長(橘直治君) 速記を起こしてください。 松くい虫防除特別措置法案について、粕谷君から委員長の増元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、修正案を議題とし、趣旨説明を願います。粕谷君。
○粕谷照美君 私は、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブの共同提案に係る松くい虫防除特別措置法案に対する修正案についてその提案の趣旨を御説明いたします。案文はお手元に配付されておりますので、その朗読は省略いたします。 マツクイムシの被害が激甚で、その早急な終息を図ることが国民的な要請であることは申すまでもないところであります。また、薬剤の空中散布が、今日の時点では広域にわたるマツクイムシの駆除予防方法としては現実的な方法であるかもしれません。しかし、いままでの質疑応答を通じて明らかになりましたことは、生活環境や自然環境の保護、農林業等がこうむるおそれがある被害の未然防止、関係地域住民の意向の反映等について、ただいま議案になっております衆議院送付案ではきわめて不十分であることであります。本修正案は、これらを改善するため、必要最小限の修正を加えようとするものでありまして、その主な内容は次のとおりであります。 第一点は、第三条の農林大臣が定める「基本方針」に規定すべき事項として、衆議院修正により追加されました農漁業等に被害を及ぼさない措置に関する事項に「人の健康」という字句をさらに追加することであります。 第二点は、第五条の「特別防除」について不服の申し出をすることができる者に、周辺区域における住所または事業所の所有者で農林省令で定めるものを追加することであります。 第三点は、第六条第一項中の命令防除にかえて特別防除を行うことができる要件に関する規定中、「、かつ、徹底的に」という字句を削除することであります。 第四点は、第八条の「薬剤の安全かつ適正」等に関する規定に、人の健康についても被害の未然防止に必要な措置を講ずることとすることであります。 第五点は、第八条の次に一カ条を追加して、人の健康または農漁業等に「被害を及ぼしたときは、直ちに、特別防除を中止しなければならない。」とすることであります。 以上が修正の趣旨と主な内容であります。各委員の御賛同をお願いいたしまして、説明を終わります。
○委員長(橘直治君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、修正案について採決いたします。 粕谷君提出の修正案を問題に供します。 粕谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(橘直治君) 少数と認めます。よって、粕谷君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(橘直治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 ただいま可決されました松くい虫防除特別措置法案に対し、各派共同提案による附帯決議案が委員長の手元に提出されておりますので、これを議題とし、便宜私から案文を朗読いたします。 松くい虫防除特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、森林の公益的及び経済的機能の重要性がますます増大することに対処して、林業の安定的な発展と林業従事者の養成・確保を図りつつ森林の保全培養に努めるとともに、本法の施行に当たつては、松くい虫の被害を早急に終息させるよう左記事項の実施に努めその運用に万全を期すべきである。 記 一、特別防除の実施に当たつては、中央及び地方の関係行政機関と連けいを密にし、利害関係者等への周知徹底を図り、関係地域住民の理解と協力を得るようその実施体制を十分整備すること。 また、関係地域住民の意向を反映させるため中央及び都道府県森林審議会の構成に検討を加えること。 二、特別防除用の薬剤を安全かつ適正に使用するため具体的な運用基準を設定してその励行を図り、関係地域住民の生活環境と動植物、水質、土壌等の自然環境の保護及び農業、漁業等に対する被害の未然防止に細心の配慮を加えるとともに、防除従事者の健康管理に遺憾なきを期すること。 三、薬剤散布の広域化に対処して、関係住民の生活環境及び地域の自然環境に及ぼす影響に関する経時的な調査を十分実施するとともに、特別防除の実施により被害を生じた場合は直ちにこれを中止し、原因の究明に努めること。 また、発生した被害に対しては、できるだけ円滑適切に国家賠償法に基づく損害賠償を行うこと。 四、国土の保全を期するため、特別防除に併せて伐倒駆除等を徹底的に推進するとともに、被害跡地について緊急かつ計画的に造林するよう強力な指導助成措置を講ずること。 五、松枯れの総合的な原因の究明、松の抵抗性品種の育成、天敵の利用、その他松くい虫の一層有効適切な駆除予防方法の開発の早期実現を図ること。 六、松くい虫の激甚な被害を今後五年間で終息させるよう、本法による特別防除及び森林病害虫等防除法による命令防除の総合的整合的な実施と必要な予算の確保を図るとともに、林業従事者を養成・確保し、航空機その他の資器材を適期に調達する等効果的な防除の実施を期すること。 右決議する。 以上であります。 それでは、本附帯決議案の採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、長谷川農林大臣臨時代理から発言を求められておりますので、この際これを許します。長谷川農林大臣臨時代理。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、鈴木農林大臣が漁業問題でソ連に出向きまして、その間私が代行さしていただくことになりましたので、よろしくどうぞお願いいたします。 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、これに対する十分なる善処をしてまいる所存でございますので、よろしくどうぞお願いを申し上げます。
○委員長(橘直治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十三分散会