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80回国会参議院1977/05/26

内閣委員会 第17号

発言数
352
登壇者
36
会派数
4
開催日
1977/05/26

会議録

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺厚生大臣。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案について、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、新たに付属機関として国立循環器病センターを設置することを主たる内容とするものであります。  脳血管障害、心臓病、高血圧等の疾病に代表される循環器病につきましては、近年における中高年齢層の増加に伴い、その有病率は高く、また、これによる死亡者数は、昭和五十年において約三十万人にも達し、国民総死亡の約四三%を占めるに至りました。したがって、これが対策は重要な課題となりました。  しかしながら、循環器病対策に必要な早期の診断方法、適確な治療方法及び効果的な予防方法がいまだに確立されていないというのが現状でありますので、国の責任において総合的な機関を設置し、循環器病に関する診断及び治療、調査研究並びに技術者の研修を強力に推進しようとするものであります。  なお、これに伴い、医務局の事務に国立循環器病センターに関することを追加することなどの必要な改正を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 以上で趣旨説明は終わりました。  本案の衆議院の修正部分の説明は後に譲ります。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。農林大臣臨時代理長谷川国務大臣。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。  農林省の試験研究機関は、技術の改良開発を通じて農林水産業の発展に大きく貢献してきたところでありまして、農林水産業に関する技術の高度化の要請に伴い、その役割りは、ますます重要になったと考えております。  筑波研究学園都市は、試験研究及び教育を行うにふさわしい研究学園都市を建設し、あわせて首都圏の既成市街地における人口の過度の集中の緩和に寄与することを目的とし、その建設整備が進められており、東京都及びその周辺部に所在する試験研究機関等を同都市に集団的に移転することとしているのであります。  農林省の試験研究機関等につきましても、このような方針に従い、筑波研究学園都市建設の一環として近代的な試験研究施設の建設整備が進められてまいったのでありますが、昭和五十二年度においては、果樹試験場、農業土木試験場、植物ウイルス研究所、熱帯農業研究センター及び林業試験場の施設がおおむね整備されますので、これらの機関を計画的に同都市に移転することが必要となったのであります。本法律案の内容は、右に述べました五つの試験研究機関を昭和五十二年度中に筑波研究学園都市に移転するのに伴いまして、その位置の規定が神奈川県、千葉県または東京都となっているのをそれぞれ茨城県に変更するものであります。  以上が、この法律案の提案理由及び内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 以上で趣旨説明は終わりました。  本案の審査は後に譲ることといたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 速記を始めて。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 大蔵省にまず伺いますけれども、大蔵省所管の国家公務員の各共済組合の短期給付の掛金率の状態がどういう状態になっているか、その点をちょっと説明願いたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 短期共済の掛金率につきましては、最近医療費の増高傾向が見られまして、これに伴いまして、本年度相当数の組合におきまして率の改定が行われたところでございますけれども、現在の掛金率を平均をいたしますると、千分の四十四に相なっております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 各共済組合の掛金率、全部報告してください。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 申し上げます。  衆議院千分の三十、参議院千分の三十、総理府千分の四十八、法務省千分の四十二・五、外務省につきましては特殊でございますが、内地勤務の方が千分の三十六でございます。大蔵省千分の四十一・五、文部省千分の三十七、農林省千分の四十九・五、通産省千分の四十六、運輸省千分の四十三、厚生省千分の四十、厚生省の第二組合千分の三十七、労働省千分の四十七・五、裁判所千分の三十九、会計検査院千分の三十四、刑務所千分の四十四・五、防衛施設庁千分の四十二、防衛庁の文官でございますが千分の四十三、アルコール専売千分の四十九・五、共済組合連合会職員千分の四十一、それから郵政省千分の四十七・五、印刷局千分の三十九・五、造幣局千分の四十四、林野庁千分の五十・五、建設省千分の四十一、  以上でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 公共企業体の方の掛金率をちょっと説明してください。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 専売が千分の四十三、それから国鉄が千分の四十二、それから電電が千分の三十五でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 参考のために地方公務員の関係を伺いたいんですが、自治省見えていますか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。  地方公務員の場合には、県、市町村、非常にたくさんな組合に分かれておりますので、平均的に申し上げますと、五十二年四月一日現在で、地方職員総平均では千分の三十七でございます。警察が千分の四十二、公立学校が千分の三十ということに相なっております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 人事院給与局に伺いますが、いま国家公務員の中で、掛金率がずっと述べられたわけですが、概算で見ていって一番低いのが外務省の国内勤務ですか、三十六、それから一番高いのが林野庁の五十・五、これは金額でどのくらいの額になりますか。外務省の国内勤務の三十六、それから林野庁五十・五、これはそれぞれどういう金額になりますか、概算で結構です。

角野幸三郎人事院事務総局給与局次長

○説明員(角野幸三郎君) 共済の短期の掛金の基礎になります俸給月額——基本給でございますが、その俸給月額は、各組合の職員構成によりましてベースが大変違うと思います。いまお話しの林野庁と、それから一般の事務官庁、現業と比べましても大変違うと思いますので一概に申せませんが、たとえば私ども総理府に属しておりますが、大体ベースは、一人当たり、本俸だけではございませんが十五万ぐらいというふうにざっと考えまして、そのうちの本俸の割合が八五%ぐらいでございますから十二万ぐらいじゃないかと思いますが、それの千分の五十あるいは千分の三十、こういうことになりますので、四千円か五千円というようなことじゃないかと思いますが、ちょっと目の子でやりましたので正確ではありません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 大蔵省に伺いますが、いまの説明によると、公企体では一番安いのが三十五、それから国家公務員で一番高いのが五十・五、こういうことになりますと、一番高いところと一番低いところで、大体短期の掛金率だけで月額二千円以上の開きが出ることになるんじゃないかと思うんです。この点どうですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 実は詳細の個別計算というのをいたしておりませんけれども、大体、ただいま人事院からもお話しになりましたような本俸の推定額からめどをつけてまいりますと、御指摘のように二千円程度の差にはなるであろうと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 先ほどの説明によりますと、本俸十二万円ぐらいの平均のところで、月額二千円の開きが出るというのは、これは非常に職員にとっての負担というのが、所属する省庁によってこれだけの開きがあるというのは、これは非常に重大だと思うんです。  で、これは大蔵省としてはどうなんですか、独立採算というたてまえがいまの共済制度にはあるわけですけれども、そのたてまえで幾らでもこれは上げていくと、こういう方針なんですか、この点はどうなんですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) ただいまの共済組合の短期の掛金の考え方につきましては、それぞれの組合におきますところの一年間の予想されます費用を賄うように収入を決めてまいると、一年ごとに赤字が出ないように収支予算を組んでまいるという原則によって掛金率の算定が行われているわけでございます。御指摘の差は、組合内部におきますととろの、主としていろいろな組合員の扶養家族の関係でありますとか、その他の給付面での差から生ずる部分が多いと思いますけれども、現在までの考え方におきましては、一般の健康保険の基本的な原則でありますところの単年度均衡ということで算定をいたした結果の数字でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはまた、今後医療費の改定があったときにはますますこの差が開いてくるんじゃないかと思うんですが、一定の歯どめといいますか、上限というものがこうなってくると必要になってくるんじゃないかと思うんですが、その点の考えは全くないんですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 基本の考えは、ただいま申し述べましたようなことでございまして、現在公務員の共済の短期の掛金率の水準につきましては、これも数字を申し上げましたけれども、他の民間におきますところのほかの制度に比べまして、まだ特に均衡を失しているというようには考えておりません。したがいまして、現在直ちに掛金率に限度を設けるべきであるという考え方には立っておりません。ただ、この上限の問題につきましてはいろいろ考慮を要する点がございます。これらの点につきまして、検討をすべき課題の一つであるというふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 人事院に伺いますけれども、国家公務員の給与につきましては、人事院の方で毎年必要な勧告あるいは報告を行って公務員全体を取り扱っておられるわけですが、いまの報告によりますと、負担率の方で、各省庁によって一番大きい開きとしては一五%からの開きが負担率の方であるということになると、これは公務員の給与、労働条件を決めるたてまえとしての平等の原則とか均衡を失しないという原則からして、負担率の方でその原則を逸脱をしておるような状況が出ているんじゃないかと思うんですが、この点について、人事院としては野放しでいいと、こういうお考えですか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局次長

○説明員(角野幸三郎君) 共済の短期の掛金率の組合別のアンバランスの問題について、人事院の意見はということでございますが、もともと歴史的には大変各省独自の形によって、ずっといままでそういう形で組合が運営をされてきているという沿革といいますか、経緯があるというふうに聞いておりまして、現在の共済の短期制度の生い立ちといいましょうか、制度発足以来ここまでそういう形でやってきておりました、そういう経緯があって現在と。で、現在の制度が、いま先生お話しのように、その中で相互にアンバランスがあると、こういうことでございますが、それぞれの組合が、そういう経緯を踏まえましてそれぞれ独自の職員構成なり事情を絡めて運営なさっておる。その運営の中においては、大変企業努力といいますか、努力をなさり独自の特性を生かしながらおやりになっておるというふうに伺っておりまして、そういう意味で大変結構なことだと思っておりますが、またその掛金率の改定でありますとか、給付内容につきましては、その改正を各組合でなさるにつきましても、運営審議会で慎重におやりになっておるという形で、実際そうなさっておりまして、これもそういう仕組みで慎重におやりになっておるということで、先生お話しの、実質的な公平というのが一体どうかということは、公平の原則はそういう意味で実質的に考慮されておると、こういうふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まあ角野さんの方では企業努力と言われましたけれども、この共済制度の短期給付というのは、企業努力というのは私はどういう努力があるのかちょっと考えられないんです。私の判断によると、これは短期給付というのは、病気になったから医者に行って治療を受けて給付を受けるということですから、企業努力でこういうアンバランスの問題を克服しようとすれば、医者にかかるな、これしかないと思うんですよね。そういうことでしょう。少々病気になってもがまんして治療を受けるなと、これしかないと思うんです。  まあそんなことはともかくとして、先ほど松下次長の方では、考慮を要し検討課題だというふうにおっしゃったわけですが、私はやはりいまの状態を見て、これだけの格差が出ておるとすれば、これは野放しで放置をするということにはならないんじゃないかと思うんです。同じ公務員の各省庁別にある共済組合の中でこれだけの負担率の差が出るということ、これはやはり野放しに放置をすることはできないと思うんです。関係機関で十分検討をして、何か改善策といいますか、これをぜひ講じてもらいたい、こういうふうに要望をしておきたいと思います。  次の質問に入っていきたいと思いますが、衆議院でのこの共済組合の問題を審議をしたときに、国家公務員の共済制度と民間の厚生年金と比較をして、非常に国家公務員が、厚生年金に比べて共済年金が優遇をされていると、こういうような指摘があって、マスコミでもかなりにぎわった取り上げ方をされているんですが、一体本当に、この厚生年金と公務員の共済年金と比較をして、いろいろ世上報道されているような形で恵まれているのかという点になると、私も長年共済制度の問題を取り扱ってきて疑問を持っているわけです。  そこで大蔵省の方に伺いたいと思うんですが、衆議院で加藤議員が配付をされた資料を、私もちょうだいをしたわけでありますけれども、どうも比較のとり方に少し問題があるんじゃないか、こういうふうに思うんですが、その場を私も直接見聞をしたわけではございませんので、どういう指摘があったのか、大蔵省の方から説明をしてもらいたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 御質問の年金の官民格差につきましては、その発端となりました御議論の一つは、共済制度におきますところの年金の水準と、民間の厚生年金の水準との間に六割ないし八割の差が生じているのではないかということでございます。  数字で申し上げますと、五十年度末の既裁定の年金額の平均を比較いたしますと、厚生年金の場合は六十六万八千円でございまして、共済年金の場合は百五万一千円でございますので、共済年金が一・五七倍ということに相なっているわけでございます。ただ、この比較は、その生の数字を単に比較をするということだけで両方の差が測定できるというものではないと私ども考えております。それは両方のいまの年金額の差が生じました原因の非常に大きなものに、それぞれの制度におきますところの加入年数の差というものがあるわけでございます。ただいまの厚生年金年額六十六万八千円の受給者の平均の加入期間は二十一・八年でございますけれども、これに対しまして共済年金百五万一千円の受給者の平均の加入期間は三十年、三十・〇年でございます。その間に八年余りの差があるわけでございます。試算はなかなかむずかしゅうございますけれども、仮に共済年金をどちらももらう人が、片方は二十年間加入し片方は二十九年間加入したといたしますと、この二人の間には、受給額におきまして約六割の差を生ずるわけでございます。加入期間が長い方が当然でございますが年金額も大きいわけでございまして、このような平均的な加入期間の差を考慮に入れていただきませんと、現実の年金の水準がどうなっておるかという比較はできないというふうに存じております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの比較のとり方について、単純な比較で、勤務年数が二十一・八と三十年、こういう形の部分が取り上げられていない、こういう説明だったと思うんですが、もう一つ、これは大蔵省あるいは人事院がどう把握をされておるか、わかっておればお伺いしたいと思うんですが、厚年の対象者の場合には、厚生年金と別に企業年金というような制度が別途に支給をされている、こういうふうに私は聞いているわけですけれども、その実情をわかっておれば説明していただきたい。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 厚生年金基金の適用を受けます方々は現在約五百万人に達しております。ただ、個々の厚生年金の基金の内容につきましては、実は私どもも計数的に十分把握をいたしておりません。方向といたしましては、私どもは将来これは逐次充実をする方向に向かうのではなかろうか、公的年金との関係におきましてこちらの方に力が入ってくる関係になるのではなかろうかというふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この問題は終わりまして、次の問題に移りたいと思います。  国家公務員、それから公共企業体の職員、組合活動を理由にしてかなり処分が行われているわけですが、この処分は当然賃金のダウンを生じ、そのことが退職後の共済年金あるいは遺族年金に及ぶ、こういう形で、将来を通じ、あるいは遺族にまで及ぶような形の処分、制裁がかなり行われている、こういうふうに思うわけですが、これはいろいろ各省庁別に、あるいは各企業体ごとにあるわけですから、まず国鉄の関係者にちょっと伺いたいと思うんですが、国鉄関係で現在在職する職員で賃金のダウンをもたらすような処分を受けた職員が何人おりますか。

秋山光文日本国有鉄道職員局労働課長

○説明員(秋山光文君) 公労法施行以来賃金に直接的に影響を及ぼす処分につきましては、これまで解雇免職を含め十七万三百六十一人の処分を行っております。なお、現在この人たちがどれだけ在職し、あるいはどれだけ退職しているかという点については集計ができておりませんので、賃金に及ぶ処分をした人数として十七万三百六十一人ということを申し上げます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 電電公社いかがですか。

浅原巌人日本電信電話公社職員局長

○説明員(浅原巌人君) 電電公社におきまして、違法な争議行為等によりまして給与に影響を及ぼすような解雇処分等受けました人数は、延べでございますが、二十万五千人に上っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 専売公社、実情述べてください。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) ただいま御質問のございました、現在在職中の職員で組合活動によりまして年金額に影響をするような処分を受けました者は、およそ三千二百名程度でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国家公務員、これはどこかで全体を把握をしておられますか、人事院いかがですか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 詳細な資料を持っておりませんが、手元の資料で申し上げますと、四十八年から五十年までの三カ年間で懲戒処分を受けた者の総数は二万五千六十一人でございます。そのうち違法な職員団体活動を事由として懲戒処分を受けました者は一万八千三百九十二人と、かように相なっております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このいまの人事院の説明、これは郵政等の五現業も入っておりますか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 入ってございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの説明で、違法な組合活動によってというまくら言葉がそれぞれついているわけなんですが、総理府の人事局長に伺いますけれども、いまからもう十年以上になると思うんですが、ILOからドライヤーという方が来られて、いわゆるドライヤー調査団、この方が来られていろいろ日本の官公庁の労使間の問題について調査をした。このときに、ドライヤー氏のあれは報告であったか勧告であったか、生涯に及ぶような処分はあるべきじゃない、組合活動を行ったことを理由とした生涯に及ぶような処分は妥当ではないという意味のことを、この調査の結果文書にして関係のところへそれぞれ提出されたという経緯があると思うんですが、その経過なり、そういうくだりがたしかあったと思うんですが、どういうふうに承知をされておりますか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 先生の御指摘のとおり、三十九年にそういう勧告ございまして、その後もこの問題につきましては、四十年に発足いたしました公務員制度審議会において、これは公労使三者構成でございますが、この問題についていろいろと労働組合、いわゆる職員団体の労働基本権問題すべてにつきましての検討を行ったわけでございますが、四十八年の九月に、公労使三者のすべての方々の一致した御意見の答申をいただいております。  その後、非現業国家公務員の関係でございますが、さらに非現業の地方公務員等含めまして公務員共闘の皆様方とは、五十年に、春以来十二月までしばしばこの問題についてお会いいたしまして意見の交換もいたしたわけでございます、また、私たちとしましても、各国のいろいろの制度、これも含めまして検討いたしたのでございますが、現在の国家公務員法、地方公務員法、これはすべて成績主義に基づいておるものでございまして、現在、いわゆる物損回復という形で職員団体の方々からは申し入れがあったのでございますが、なお検討は重ねますが、現状においてはこれはきわめて因難な問題であるというふうにお答えしまして、一応この問題につきましては、五十年の十二月に組合の皆様には申し上げたわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 自治省の公務員部長に伺いますが、いま三公社、それから国家公務員、この賃金のダウンに及ぶような処分の状態が述べられたわけですが、地方公務員関係どのように把握をしておられますか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。  違法な組合活動によりまして懲戒処分を受けました者の数は、府県、市町村を通じまして、昭和四十九年で千六百四十五名、昭和五十年には千五十五名ということに相なります。なお、この数字は各人によって重複をいたしております者がございますものですから、単純なこれの合算はできないだろうというふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの数字には教職員も入っておりますか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) 教職員関係は、私ども所管ではございませんのでこの数値には含まれておりませんし、十分内容を承知いたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 日本の現行制度の中で、先ほど来政府の方の説明がありましたが、非常に大量の者が、あなた方の方では、必ずそれぞれ違法なというふうにまくら言葉をつけて説明があったわけでありますけれども、いずれにいたしましても、この退職後の年金、遺族年金にまで及ぶような、そういう影響を持った処分というものがこれだけ大量に行われている。これは非常に年金制度を審議する上にとっても無視することはできないと思うんです。  そこで伺いますけれども、昨年の四月に、ILOの公務合同委員会がジュネーブにおいて開催をされておりますが、この公務合同委員会で、公務における懲戒規定と手続、こういう結論が採択をされていると思うんですが、総理府の人事局長御承知でしょうね。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 承知いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この公務合同委員会に政府側からはどういう方が出席をされたんですか、政府側の代表として。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 当時の人事局の次長でございました片山氏を政府代表といたしまして、あと関係省庁から同行いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この公務における懲戒規定と手続、この結論を採択するに当たっては、日本の政府側の片山さんを初めとした政府側の代表もたしか賛成をされたと思うんですが、片山さんの賛成演説をされたこの内容を見ると、ちっともこれは賛成にはなっていないけれども、表決に当たっては賛成をされていると思うんですが、その点いかがですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) いま先生から御指摘のように、片山代表は、結論の細部につきましては必ずしもわが国の制度と合致しないものがあるということを表明しつつも、この会議が、御承知のとおり産業別会議の一つでございまして、理事会の付属機関であると、さらに加盟国百三十五ヵ国中十六ヵ国の政府代表及び十六名の労働代表が参加いたしまして、公務における懲戒制度及び地方の公務員の勤務条件の問題に関する技術的検討を行った、こういった会議の構成及び性格にかんがみまして、またこの採決される結論が、将来の技術的な指針とはなり得ましても法的拘束力を持つものではない、また会議自体がきわめて友好的に相互理解と協力の精神のもとに運営された、こういうことにかんがみまして、ただいま先生から御指摘のように、片山代表は、必ずしもわが国の制度とは合致しない部分もあるということは表明しつつも、会議がこのような結論を採択することに原則として賛成した次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この採択された公務における懲戒規定と手続、この文章を読むと、冒頭の一般原則の第一項、ここを見ると、「懲戒規程の手続きの準備、制度および改正は、一九七五年の公務専門総会によって採択された諸原則にもとづいて、公務員を代表する関係団体」、つまり労働組合、公務員で組織されている労働組合「の参加を得て行うべきである。」、こういうふうに述べられて採択をされていると思うのですが、これは間違いありませんか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 間違いございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの日本の懲戒手続制度、これについては、公務員を代表する組合が参加を得て行われておりますか、どうですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) この点につきましては、あるいは人事院の方からお答えいただくのがしかるべきかと思いますが、いわゆる事前審査か事後審査かという問題でございまして、この点わが国におきましては事後審査でございますが、その段階におきまして、組合の代表が代理として御参加できるというふうな制度となっております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 人事院の方、いかがですか。この人事院規則の制度の改正——いまILOの公務合同委員会の採択された一般原則第一項で述べられているように、「公務員を代表する関係団体の参加を得て」行われるという形になっておりますか、どうですか。

中村博人事院事務総局職員局長

○政府委員(中村博君) 現在の国会で御制定になりました国家公務員法の系列では、先ほど人事局長からもお話し申し上げましたように、事後審査制度を設けてございますので、そこの準司法的手続の中に、十全に職員団体の代表者も加わり得る、こういう構造になっております。そのほかに人事院規則で、そのような結論を述べておるような制度があるかという点につきましては、人事院の現行の規則の中で、そのような手続を、事後審査に関するものを除いては特に定めてございませんけれども、行政措置要求でそのような意思表示をすることも可能でありますし、また適法に管理し決定し得る当局との間に、国公法の百八条の系列によります交渉において、そのような意思表示をすることも可能である。また先般、今週の初め、総評からの申し入れをいただきましたように、そのような形での意思表示も可能でございますので、実質的には十全に参加と言いますか、手続あるいは制定に関する意思表示は受け得るという体制になっておる、かように考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 総理府、人事院は、この事後審査のときに、つまり措置要求をしたときに組合の代表が代理人等で参加をできる道が開かれている、こういう説明でありますけれども、これは私は去年採択された公務合同委員会の第一項とはちょっと意味が違うんじゃないかと思うのですね。「懲戒規程の手続きの準備、制度および改正は、」と、こうなっておるわけですから、懲戒制度はどうあるべきかということについての制度をつくる際に、組合の代表が参加をして行われるべきである、こうなっておるわけで、首を切ったり懲戒処分にして、不服があればどうぞ審査機関へ申し立てをしろと、そのときにこの組合の代表が代理人になる道が開かれている。これはここに採択された一般原則の第一項の趣旨とまるきりこれは違うんじゃないですか、どうですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) この公務における懲戒規定及び手続の第一項、一般原則でございますが、これは先生先ほどお読みになられましたように「懲戒規定及び手続の作成、制定及び改正は、一九七五年の公務に関する技術会議によって承認去れた原則に従い、」と、こういうことでございます。で、この一九七五年の公務に関する技術会議によって承認された原則と申しますものは、いわゆる予備的概要第十一項でございまして、それはちょっと申し上げますと、「関係のある公の機関と公務員団体との間における雇用条件の交渉のための手続又はそれらの事項に関する決定において公務員の参加を認めるその他の方法の十分な発達及び利用を奨励し、かつ、促進するため、必要がある場合には、国内事情に適する措置がとられるべきである。」、かようにございまして、「国内事情に適する措置がとられるべきである。」ということでございます。で、翻りましてわが国の制度でございますが、この点につきましては、この趣旨が、懲戒問題に関する職員の参加ということは、本来懲戒処分が行政機関の恣意により行われることを防止するための趣旨に出たものと考えるわけでございますが、わが国の公務員制度におきましても、勤務条件一般についての職員団体との交渉制度あるいは職員団体の代表も関与できる人事院による不利益処分に関する審査制度等、懲戒処分の公正を期するための手続は十分保障されておりますので、わが国の制度は、いまの事後審査か事前審査か、こういった問題は具体的には異なる点もあるわけでございますが、その趣旨におきましては結論の内容と異なっているところはないと考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それじゃもう一つ、その採択された公務における懲戒規定と手続について、別の観点から見解を伺いたいと思うんですが、同じ一般原則の第四項、これによると、「ILOの諸原則と関連する国際基準によって保護され、一九七五年四月に開催された公務専門総会の結論からみて判断される、通常の労働組合活動を理由に、懲戒手続きを発動したり、制裁を加えてはならない。」、こうなっているわけです。あなた方のは、先ほどの懲戒の説明のときに、全部、違法な組合活動によって処分された者は云々と、こういう説明をされたわけでありますけれども、この第四項では、「組合活動を理由に、懲戒手続きを発動したり、制裁を加えてはならない。」、こうなっているわけですね。ここのところは一体どう解釈されているんですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) ただいまの先生の御発言と、これはいわゆる原文の翻訳の間におきまして二つの違いがあるわけでございます。一つはただいまの「ノーマル トレード ユニオン アクティビティー」でございますが、この「ノーマル」を私たちは国会の御報告におきましても「正常な」と、こういうふうに訳しているわけでございます。それからもう一つは、「テクニカル コソファランス」、これはわれわれはそのとおり「専門会議」というふうに訳しておる、この二つの点が翻訳上の問題でございますが、違っておるわけでございます。で、いまのいわゆる「ノーマル」というのをどういうふうに解すべきかということでございますが、これは「正常な労働組合活動」と、こういうふうに解すべきだと思いますが、さらにいま御指摘のいわゆる第四項でございますが、「ILOの原則及び関係国際文書によって保護され、」ということでございますが、これにおきましては、さらに「かつ、一九七五年の公務に関する技術会議の結論に照らして解釈される」と、こういう限定があるわけでございまして、現行のILO憲章あるいは条約、勧告にはストライキ権についての規定というものは全く存在していないわけでございますし、また、公務合同委員会におきましても、この第二回の昨年ございました合同委員会におきましても、ストライキ権を認めるような結論は出されなかった。そのような経緯から考えまして、法律で公務員の争議行為を禁止していますわが国の場合には、公務員の争議行為が「正常な労働組合活動」に該当しないということは明らかであると考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 あなたの方は、この「ノーマル」というのを「正常な」というふうに勝手に訳されて、そして、国内法にこれこれこれこれの国内法があるんだからそれによるのがノーマルなんだ、こういうふうに言われるわけですけれども、ここに書いてある「ノーマル」というのは、これは国際会議で採択された文書の中で使われているノーマルということですから、この「ノーマル」というのは国際的な慣行を基準にしてノーマルかアブノーマルか、こういう視点に立たなければならないんじゃないですか、どうなんですか。私どもはこの「ノーマル」というのは、これはそういう意味に解釈をして「正常な」というよりも「通常の」と、こういうふうに解釈するのが正しい解釈の仕方ではないかと思う。国際会議で採択された合意を得た文書ですから、やはりその基準というのは国際的な視野というものに基づいて使われている、私はこう思うんですが、あなたの方はあくまでもこれは国内法に合致するかしないかということ、こういう立場に立って正常かどうかと、こういう形に解釈されているわけですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私の方は国内法が前提ではございませんで、「ノーマル」ということをどう訳すべきかと、これは単に私が恣意的に訳したものでもございません。これは労働省あるいは外務省、しかるべき一番権威のあるところでお訳しいただいておるものでございまして、そういったこと、それからさらに先ほど申し上げましたように、この場合も「ILOの原則及び関係国際文書によって保護され、かつ、一九七五年の公務に関する技術会議の結論に照らして解釈される」と、こういう前提があるわけでございまして、私の方はこれは「正常な」と訳すべきが妥当だと考えます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 どうも総理府や労働省は、ILOで採択された英文については少し勝手な解釈をされているんじゃないですか、それは。  もう一つ、では訳し方の問題で伺いますけれども、ILO条約の九十八号ですね、九十八号の中にある「パブリック サーバンツ エンゲージド イン ザ アドミニストレーション オブ ザ ステート」、こういう文章がある。これをあなたの方は全部「公務員」、すべてをこう含めた「公務員」と、こういう形で訳しておられる。そこから問題の見解が分かれてくるんじゃないですか、その点どうですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) これは国会においても批准された問題でございまして、その手続につきましては、私よりもさらに御専門の労働省の方からお答えいただくのが適当かと考えます。

石田均労働大臣官房国際労働課長

○説明員(石田均君) ただいまの問題についてお答えを申し上げます。  先生御指摘のとおり、ILOの九十八号条約第六条におきまして、この条約は公務員については適用を除外するという趣旨の規定がございますけれども、その日本語で「公務員」に当たる部分が英語で「パブリック サーバンツ エンゲージド イン ザ アドミニストレーション オブ ザ ステート」という原文になっておるのは先生御指摘のとおりでございます。この御指摘の部分につきましては、いろいろ御議論があるわけでございますけれども、この条約のこの部分をどうしてこう訳したかということにつきましては、この条約が採択になった当時におきまして、いろいろとILOでこの条約をつくったときの話でございますけれども、この条約の中で公務員をどう扱うかという議論がございまして、公務員は外すべきだという議論がいろいろとございました。そのときに、事務局がいろいろと検討いたしました結果、審議の中で、勤務条件が法令によって保障されるような公務員につきましては、この条約から外してもいいということで合意が成り立ちまして、その上で、先ほど先生御指摘の英文の条約ができ上がったと、かような経緯がございます。そこで、そういう事情を参酌いたしまして、逐語的ではございませんけれども、最もその趣旨に適合する翻訳ということで、当時労働省、外務省、法制局が相談をして決めた訳語が「公務員」ということでございます。したがいまして、これは特にねじ曲げた訳とかなんとかということではないと私どもは理解しておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まあこの点につきましては、もとのILOの支局長の飼手さんとか、有泉教授等も指摘をされておるわけですが、ここで英文の解釈をやり合っていてもこれは際限がないと思うんですが、私はやはりこの適用除外される範囲を決めているこの字句の解釈というのは、少し私は拡大解釈をされているんじゃないか、こう考えざるを得ないんですが、つまりブルーカラー、それから下級の公務員、あるいは公共企業体の職員、地方自治体の職員、こういう者までもひっくるめて、この字句を「公務員」という形で、各省庁の局長とか、あるいは部長とか、こういう管理的立場にある者と、そして現場で電車を動かしたり、電報を配達したり、郵便を配達したり、地方自治体で清掃事業に従事をしたり、そういうところまでひっくるめて一蓮托生、この条項を公務員と訳してこの適用をする、これは少し私は無理があるように思います。しかし、これはまた改めて別のところで考えたいと思うんですが、運輸大臣がいないので、これは後ほど運輸大臣に見解を伺いたいと思うんですが、人事管理を直接担当している人事局長、それから人事院の総裁に伺いたいと思うんですが、一般の国民に対する刑法に基づく制裁——禁錮とか懲役とか、こういう刑法に基づく制裁でも、これはその期間が満了すれば全くもとに復する、こういうことになっているわけです。その間に何かあれば恩赦等の措置もとられると、こういう救済の制度もあるわけです。公務員や公共企業体の職員が、国際的にも日本の法律の適用には多くの私どもは疑問を持っているわけでありますけれども、組合活動を通じて制裁を受けた者は、これは年金制度で言えば、本人が死亡に至るまで、そして死亡後の遺族年金にまで及ぶ、こういう長期にわたる制裁、つまり刑法上の国民の制裁についてはいつかはもとに復するけれども、まあ無期懲役とか死刑ということになればそうはいきませんけれども、有期の場合にはもとに復するわけです。あるいは恩赦というような制度によって、途中にも国民としての権利を回復をする、こういう制度があるわけです。公務員の組合活動による処分、これは遺族の死亡に至るまで長期にわたりて制裁が加えられる。こういう制度が近代国家と言われておる日本の労働者に対する懲戒規定として存続をしているということ、これは一体妥当な措置であると思いますか、どうなんですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 公務員あるいは公社関係等通じまして、この労働基本権問題をどういうふうに取り扱っていくかということが大変な重要課題になってきております。それも非常に長い期間にわたって問題になってきておるわけであります。で、政府におかれましても、そういうものに対する問題点を煮詰めて、これに対する措置を講ずる必要があるのかどうかというような観点から、公務員制度審議会というものが設けられまして、ここでは、いわゆる労使と第三者的な中立の委員が、それこそ精魂を傾けて長期間にわたって御審議をなさった、その結果がいま出ておるわけでございます。  その場合におきましては、いま御指摘のように、基本権問題のみならず、いま御論議をなさっておりまする懲戒制度の問題等にわたっても、問題点というものは従来から出ておりますので、そういう問題も含めていろいろ真剣な御論議があったということを承っておるのであります。ただ、この問題についてはいろいろ困難な、また複雑な問題が入り込んでおります。そういうことから、全般的に合致した意見というものを取りまとめることがなかなか困難であるということで、とりあえずみんなの意見で一致した問題について結論が出された。それに応じて政府といたしましても、法律改正の措置等を要するものと認められるものについては、政府の方針を決めて、これを国会の御審議にゆだねておるという段階であるというふうに承知をいたしておるのでございます。  いま懲戒の問題について御議論がございました。私もこの問題等については、従来から直接、間接にいろいろタッチをいたしておりますので、問題の本質はよく知っております。ただ、公務員については、これは野田先生も先刻御承知のように、公務員なるがゆえにいろいろ利益の保護、手厚い保護というものもこれは別にございます。そういう点、年金等について一般の厚生年金その他から見て大変不つり合いにいいじゃないかというようないろいろ御議論がございますけれども、それはそれといたしまして、私はいまここでは申し上げませんですが、私自身もこれについては考えは持っております。  で、そういうように、別の意味ではやはり公務についてはいろいろな制約がある、制限があるということに対して、それに報いるための措置を講じて公務に人材を確保して、公務の公正な執行を確保しようということで、これは諸外国がそれぞれ国情に応じた観点に立ちながらいろいろ検討をし、一番いいと思われる制度を案出をして今日に至っておるんではないかというふうに私は理解をいたしております。その場合に、公務については、やはり公務の性質上公務員秩序の確立ということがこれは大変大事でございます。そういう意味から、御承知のように懲戒制度というものも、これは民間とは違ったいわゆるシビアな制度が設けられてきておるのであります。その懲戒の効果として出てまいりますものはいろいろございますけれども、その一つといたしまして、いわゆる昇給延伸というような措置が現在講ぜられており、また従来もずっと引き続いて講ぜられてきておったことは事実でございます。で、懲戒の効果と昇給の延伸の制度をどういうふうに絡み合わせるかということについては、むろん本源的には問題はあるかもしれません。しかし、昇給制度自体が、専門の野田先生には申し上げる必要もございませんけれども、そもそも、たとえば昇給制度というものも、もとに立ち返って考えれば、これは定期昇給自身といたしましても、一定期間、要するに良好な成績でもって勤務をしたということを前提にいたしておるわけでございます。しかし、これは労働慣行その他がございますから、この定期昇給というものは一つの既得権みたいな慣行で運用されておりますけれども、しかし、たてまえはやはり良好な成績で勤務したということに対して定期昇給が行われるということでございます。といたしますれば、やはり懲戒というような事態が起きた場合においては、これはやはりそういう判断の基準から申しまして、どうしてもそこに当てはめていくことが適当であるとは申しがたいというような点から、いまの制度が行われて、ずっと続いてきておるのではないかと思います。したがって、この点については職場秩序の維持、あるいは公務員制度の秩序のあり方というような面からいたしまして、最小限度現在のところではやむを得ない措置ではないかというふうに私は理解をいたしておる次第でございます。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    正午休憩      —————・—————    午後一時六分開会

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 運輸大臣もいろいろお忙しいようですから、運輸大臣がおられるときに、特に私は三公社の共済制度を担当しておられる大臣としての見解を伺いたいと思うんです。その前に、あわせて同じ問題について総理府の人事局長にも見解を伺っておきたいと思います。  午前中、私がいろいろやりとりをいたしましたが、組合活動のあり方についての見解は、政府側の答弁と私の主張とは大きく隔たりがある、すれ違いでありますけれども、在職中に処分を受ける、それによって定期昇給がストップをされる等の制裁によって、本人の退職後の年金が、本人の生存中、つまり一生涯、それだけにとどまらず遺族、孫子の代にまで及ぶという制裁が、現に午前中の私の質疑でお答えになったように、何万人という数多くの者がそういう制裁を受けているわけです。片や、刑法上の罪を犯して禁錮あるいは懲役、こういうような制裁を受けた者については、刑期が一定期間で満了すればすべて、社会的にはいろいろ問題は残りますけれども、国民としての権利は回復をされているし、あるいはまた刑期の途中でも恩赦等の措置によって本人の権利が回復をされる、こういう措置があるわけです。刑法上にはそういう救済の措置がありながら、組合活動をやったゆえの処分については、孫子の代にまで及ぶ、回復の方途が何らなされていない、こういう点について、かつて総務長官、これは植木総務長官だったと思いますが、人事局長も同席されておる場で、いかに処分といえども孫子の代にまで及ぶような処分はいかがなものか、こういうような見解を述べておられることを私も記憶をしているわけでありますけれども、これはやはり適当な機会をもって、現在までそういうふうに年金が孫子に及ぶというような処分を受けている者については、回復をされることが適切な措置ではないかと思いますが、総務長官がかつてそういうふうに述べられたことについて、人事局長としても、そういう見解を持って今日も対処されようとしておるのかどうか、まずこれを総理府の人事局長に、国家公務員の問題について伺っておきたいと思います。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) ただいま野田先生からのお話のように、植木総務長官の時代にそういうことがございまして、総務長官から私の方にひとつ検討をするようにということでございました。  で、午前中にお答え申し上げましたように、昭和五十年でございますが、四月以降十二月まで十数回にわたりまして、組合の皆さんとこの問題について真剣にいろいろと話し合ったわけでございます。また組合の方からもいろいろ御意見もございましたし、私の方でもいろいろと、わが国の制度はもちろんでございます、人事院規則を含めましての話でございますが、さらに諸外国のいろいろな例というものについても検討を重ねたんでございますが、午前中申し上げましたように、現在の公務員というものの特殊性、そのまた責務ということから考えまして、また給与というものがメリットシステムをとっておるわけでございますので、この問題についてはきわめてむずかしい問題である、しかしながら、なお今後引き続き検討はいたしますが、当面この問題はきわめてむずかしい、さらに人事院とも御相談しますということをもちまして、五十年の十二月の二十七日でございますが、この問題は一応ここで区切りをしたということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 後で運輸大臣の見解を伺いますが、いま人事局長が、諸外国の例も検討した上でと、こういうふうに言われたわけですが、私の調査をし、承知をしているところでは、マレーシア、あるいはシンガポール、ニュージーランド、こういうアジアのきわめて近い地域、日本はまあ先進国ということで七カ国首脳会議にも総理がたびたび出かけておられる、先進国と自称されているわけですが、いま申し上げたような開発途上国においての例でさえ、私の調査をしたところでは、いま挙げた国の公務員について、懲戒を受けて免職という措置を受けた場合、これがその措置について審査を求める場に問題を提起をして、その結論が出るまではハーフペイ、つまり半額は、免職になっても、審査を受ける機関に持ち出してその結論が出るまでは、その期間はハーフペイ、半分は払うと、こういう措置がとられている、こういう例も挙げて、ひとついまの人事局長の検討方を重ねてお願いをしておきたいと思います。  そこで、運輸大臣に伺うわけです。先ほど申し上げたような形で、このいま審議をしている共済制度の共済年金、これが在職中に処分を受けた者は、賃金のダウン、まあダウンといいますか、定期昇給のストップ等の措置によって、年金額が本人の存命中から、遺族年金の対象者、つまり孫子の代にまで及ぶというような過酷な、年金制度までに尾を引く制裁措置がとられているわけであります。こういう点については、これはやはり回復されるべきことを検討をされるべきではないかと、こういうふうに思うんですが、見解を承りたいと思います。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) 職員の懲戒処分が年金に及ぼす影響というのは、公務員と公企体については若干その取り扱いに差異があると聞き及んでおりますが、原則的に申せば、共済組合が職員の福利厚生を図る、そうして業務の円滑な運営に資する、こういうことを目的としておる、そのようなことを目的として設立されておるということから見れば、違法行為等による懲戒処分の結果、年金まで影響が及ぶ、これも仕方がないということになると思います。端的に申して、私が運輸大臣という立場でお答えできるのはそこいらが限界だろうと思いますけれども、一個の政治家として物を申せば、これはやはり検討しなきゃいかぬだろう、検討してもらいたいと思います。ただ、その検討が、検討するのに単に年金だけをあげつらうということはなかなかむずかしい問題であって、その懲戒処分の対象としての減俸あるいは定期昇給に対する措置、そういうものの基本的な問題まで論じていかなきゃならぬことが起こってくるだろう。そうなると、なかなかこの検討というのは進まないことになるだろうということになりますから、まあ私が労働大臣やめた直後でありましたか、恩赦のような制度はできないのかと言って発言をしたこともございましたが、大急ぎで結論を出せといってもなかなか、まあ各省にまたがる問題でもあり、むずかしい問題でしょうから、慎重にということになりましょうけれども、いわゆる慎重検討というんでなく、まじめにこれは検討すべきものと、かように考えます。検討してもらいたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 自治省に伺いたいと思いますが、先ほど来、私は共済年金の問題に関連をして、在職中の処分が年金に大きく及んでいるという問題をいろいろな角度から指摘をしたわけでありますが、これに対してそれぞれお答えになった政府委員の方では、まあ規律といいますか、規律という点を強調をされ、違法な組合活動という点を強調されておられるわけですが、そこのところがどうしてもかみ合わないわけですが、関連がありますので自治省の方に伺っておきたいと思うんですが、自治体の労使関係、福岡の問題がいろいろ問題になっているわけですが、福岡県において現在処分を受けている者が何人いるか、これは御承知ですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。  福岡県の処分の状況でありますが、私ども県からの報告をいただいておるところによりますと、去年は全員で五千百三名ということになっております。本年は三十六名でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 五千百三名といえば大体県庁の職員の約半分に相当するぐらいの数だろうと思うんです。今日まで職員に対して非常に規律を求め、過酷な処分を行ってきている県当局が、果たして適切な人事管理をやっておられるかどうか、このような大量な処分をする資格があるかどうか、この点について私は具体的な事例を挙げて自治省の見解を伺いたいと思うんです。  本年の四月の三十日に亀井知事の十周年の記念祝賀大会というのが福岡市の九電体育館で行われております。この亀井知事十周年記念祝賀大会、この開催の責任者には副知事が就任をしています。そこで、県庁の機構や管理職を通じてどのようなことが行われているかといいますと、福岡県の管理職、課長以上の職にある者でつくっている管理職の団体、福友会というのがありますが、この管理職の団体福友会を通じて、県庁の職員にこの祝賀大会のパーティー券、これは一枚三千円ということでありますが、こういう券を管理職の組織を通じて売りさばかせる、職員に参加を呼びかける、こういうあり方が職員の規律を求める管理職の態度として、一体適法な妥当な措置であるのかどうか、この点の見解をまず承りたいと思います。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) ただいま先生御指摘になりました点でございますが、昨日御通告を受けましたので電話連絡によって県庁当局の方に聞いた範囲のことでございますので、細部にわたりましては承知をいたしていない点は御了承賜りたいと思います。  その結果によりますと、確かに四月三十日に亀井福岡県知事の就任十周年記念パーティーが行われておりますが、これを主催いたしましたのは、いずれも任意団体でありますところの親睦団体の四団体が主催ということでやっているわけでございまして、そのパーティー券等につきましても、それぞれの親睦団体におきまして処分をされたというぐあいに存じておるわけでございまして、職制を通じてその管内において売りさばいたというぐあいには報告を受けていないということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはかなり行政局長の調査とは実情が異なっております。まずこの祝賀大会には、特定の、近々行われる参議院選挙に立候補を予定されている人が招かれて紹介をされている、こういうきわめて政治的な色彩を持った集会であったということをまず指摘をしておきたいと思うんです。  そこで、いま行政局長は任意団体である親睦団体が四団体で主催をしたと、こういうふうに言われておりますが、事実はかなり違います。  具体的な例を二、三挙げて重ねて見解を伺いたいと思うんです。四月四日に福岡県の労働部が主催をした会計規則改正説明会という会議を農業共済会館の地下の会議室で開いております。これに出席をしたのは県下の各労政事務所長、次長及び庶務担当者、こういう人たちが集まっているわけであります。そこで労政課の課長補佐があいさつをして、その中で、この会議の資料とあわせて、四月三十日に行われた亀井知事就任十周年記念祝賀大会の次第と任務分担表というのが配付をされております。そして、そこで祝賀会への出席をしてもらいたいということで、公式な会議の席で管理職の立場から、県下から集まった県庁の職員に出席を半ば強要的に求めております。さらに同様のその日の会議で、出席者名簿、そして祝賀会の整理券代金をそれぞれ出席をした労政事務所長、次長、庶務担当者に集約をしてほしい、こういう要請をしております。  あるいはまた、五十二年の三月二十六日に県庁の衛生部の会議室において県下の保健所の次長会議というのが行われております。この県下の保健所の次長会議においても、医務課の課長がこの会議に参加をした保健所の各次長に対して、祝賀会に出席をすることと、さらに祝賀会のパーティー券を売りさばくようにと、こういう指示が行われております。  こういう例が県庁の機構を通じてたくさん行われているわけでありますが、これは先ほど行政局長が任意団体が行ったものであるという点とは明らかに異なっております。県庁の機構と、県庁の機構を通じて招集された会議の中で、管理職としての立場を利用してこのような会への参加を強要をし、そしてパーティー券の購入方を半ば強要的に押しつけている、こういう事例があっても、なおかつ行政局長は、これは全く任意に行われたものである、こういうふうに確信を持ってお答えができますか、いかがですか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 先ほどお答え申し上げましたように、昨日私どもの方が県の方と連絡をとりまして聞いた範囲では、先ほど御説明を申し上げたとおりに聞いているわけでございます。なお、その際にも、県の管理当局の方におきましては、この会の行われます以前におきまして職員団体の方からいろいろとそういうお話もあったようでございます。それに伴いますところの折衝というものも行ったようでございます。その際に、やはりただいま先生おっしゃいましたような具体の事例は存じませんけれども、県の組織を通じて券を売りさばいたんではないか、あるいは勤務時間中にやったんではないかと、こういうような御意見が職員団体側の方から出まして、それに対しまして県の当局側の方といたしましては、そういう事実を知ってはいないが調査をしてみよう、こういうような答えをしているというようなことでございまして、私ども聞きました範囲内では、先ほどお答えを申し上げましたようなとおりのことを聞いたわけでございます。県の現地におきましてもそういうような折衝が行われているというように存じているわけでございます。この点から申し上げますと、私どもは具体の事例といたしまして聞いた範囲のことをお答えを申し上げたわけでございまして、それ以上にわたっているものではございません。したがいまして、いろいろと見方等につきまして違いがあろうかとも思いますけれども、もちろんのことといたしまして、知事にいたしましても職員にいたしましても、住民全体の奉仕者の立場からすべての行動は実施されなきゃならぬということでございまして、特定の者が特定の職制を通じましていろいろなことを行うというような、ただいまおっしゃっているようなことであるとすれば、それはもちろん適当なこととは存じません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私がいま指摘をしたようなことが事実とあれば適当なことではないと、こういうふうにお答えになったわけですが、もし私が指摘をしたような、県の主催をする職務上の会議の席上で、会議を主催した側からそういうような要請なり指示あるいは連絡等の行為が行われているとするならば、これは適当ではないというのは、法律的に言えばどういうふうに適当ではないんですか、これをお答えいただきたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) ただいま行政局長の方からお答えを申し上げましたように、私ども当日並びにそれに至りますまでの間の具体の事実を十分承知をいたしておらないわけでございますが、先ほど局長も申し上げましたように、それがたとえば勤務時間中に行われたというふうなことでありますれば、法律的に考えますれば、まあそのとおりであるといたしますればの答えになるわけでございますが、職員は勤務時間中には職務専念義務というものがあるわけでございまして、その職務専念義務に反するような事実があったといたしますれば、その点は法律上問題が残るわけであろうというふうにいま一例として考えるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この集会は、まあ祝賀大会と、こういう看板が掲げられてありますけれども、明らかに会議の運営のずっと経過を見ると、これはつまり知事の政治活動を後援をするという性格、さらにはそこに特定の近く行われる参議院選挙の立候補予定者が招かれて、会場でその意を含めた紹介が行われている。こういうことになってまいりますと、これはそのような会議へのパーティー券を県庁の会議を通じて売りさばくことを指示し、出席を要請をした行為というのは、これは政治活動と、こういうことにはならないんですか、この点いかがですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) 繰り返し御答弁申し上げておりますように、私ども具体の事実を詳細承知をいたしておりませんものでございますので、いま直ちに地方公務員法上政治活動禁止の条項に該当するかどうかということにつきまして御答弁申し上げることは現段階では非常にむずかしいと存じます。ただ、御案内のとおり地方公務員法におきましては、特定の機関を支持する目的を持ちまして寄付その他の金品を集めてはならないという政治的行為の制限の規定があるわけでございまして、ただいまお示しの問題が、具体的な事実関係としてその条項に当たるかどうかというようなことは、現段階ではちょっと私ども直ちにお答え申し上げるのは困難に存じておるところでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私が指摘をしたような会の性格を持っているということが明らかな場合にはいかがですか。これは明らかに政治活動、こういうことになりはしませんか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) 繰り返しの御答弁で恐縮でございますが、具体の事実関係を私ども詳細承知をいたしておりませんので、事実関係が不明確なまま直ちに地方公務員法三十六条第二項に該当するかどうかということを、ここでお答え申し上げますことは御容赦をお願いいたしたいと思う次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう一つ、行政局長に伺いますが、先ほど私が申し上げたような大会の性格を持って行われたとするならば、そこに県下の市町村長が参加をした、そして祝儀袋に何がしかの金を包んで受付に提出をしたと、こういう行為があれば、これはその金の受け渡しはどういうふうに解釈をされますか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 御承知のとおり、公職の候補者等が、現職にある者を含めまして公職選挙法第百九十九条の二の規定によりまして、当該選挙区内にある者に対しまして寄付をすることは禁止されているわけでございます。したがって、ただいまの事例の場合に、果たしてこれがそういう意味での金一封というのが、直接まあ市町村長等がこの金一封を出した場合に、その選挙区内にある者に対して出されたものであるかどうかということになるわけでございますが、「選挙区内にある者」というものに該当しない限りは、もちろん関係はないということになってまいるかと存じます。また、その金一封が、その選挙区内にある者に対しまして出された場合でございましても、その金額がパーティーで提供される料理の代金というようなものと見合った範囲内にあるものというような程度であります場合には、従来のこの関係の取り扱いといたしまして、その程度であれば寄付の禁止に該当するものではないんじゃないかということが、先般の公職選挙法の一部改正の最中にも御議論になって、国会におきましても御議論されてそういうような取り扱いになっているところと承知いたしておるわけでございます。まあそういうようなことが法律的には申せるんではないかというぐあいに存じます。ただ、いずれにいたしましても、この具体の事例の場合に、これがただいま公職選挙法に言いますところの「寄附」に当たるものかどうか、純粋のいわゆる任意団体である親睦団体が主催いたしましたところの祝賀パーティーというようなことでございますと、そういったようなものに当たるのかどうかという基本的な問題も出てまいりますので、実態の認識というものが、先生とあるいは私どもが電話で県当局から聞きましたところと同一とも申せませんので、確たることは申し上げられませんが、一応先ほどの御質問に対してはいまのようなお答えを申し上げる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 行政局長は任意団体、親睦団体と、こういうことを強調されるわけでありますけれども、この会というのは確かに任意的な団体であることは、これはもうおっしゃるとおりです。しかし、構成をされている、たとえば福友会というのは、これは県庁の課長以上の管理職をもって構成をされている。福陽会というのは明らかにこれは県庁の職員で構成をしている亀井知事の支援団体、こういう性格を持っているわけです。福友会というのは福岡県庁の課長以上の管理職をもって構成をされている。性格がはっきりしているわけです。確かに任意団体と言えば任意団体でありますけれども、管理職ということになれば、これは四六時中職員に対しては非常な影響力を持っているわけです。勤務中であろうと勤務外であろうとも、これは一般職員に対しては非常な影響力を持っているわけです。そういう県の管理職というもので構成をされているものがこのような行為をするということは、これはやはり勤務中であろうとなかろうと、構成員が公務員でありますから、おのずからこの会のやることについては構成員の性格からして限界があると思うんです。勤務時間外であれば何をやってもいい、休憩時間中であれば何をやってもいい、こういうことではないと思うんです。問題はやった行為そのものが妥当かどうか、こういうことではないかと思うんですが、その点の見解はいかがですか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) この問題につきまして、たびたび申し上げるとおりに、任意団体であり、かつ確かにただいま名前をお出しになりました会も、私が申し上げました四団体の中に入っているわけです。それにいたしましたところで、その団体の管理職なり管理職の集まりの団体の目的が、勤務条件の維持改善といったような福利団体に当たるものということになればまた別でありますけれども、私どもの聞いている範囲内におきましては、これはあくまでも親睦を目的とする団体である。かように存じておるわけでございまして、その団体がその会のあるいは目的なり何なりに従いまして一定の活動をする、そのこと自体、直ちに不法だとか妥当でないというような問題に発展するものではないんじゃないかというぐあいに思っております。しかしながら、さっきもちょっと申し上げたわけでございますが、知事にいたしましても職員にいたしましても、やはり住民全体に対する奉仕者といたしまして、公正、中立であるべきものであろうと思います。したがって、そういう意味から言えば、いろんな意味での疑いを受けるというような行為等に出ないこと、このことが基本的には必要なことだと私どもも存じておるわけでございます。  なお、先ほど御質問の中にございました立候補予定者云々ということは、私どもが電話で聞きました範囲においてはそういう事実はなかったと聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの点につきましてはもっと具体的に調査をして、法的に問題があるところについては適正な指導をやられることを要望しておきます。  大蔵大臣に伺いたいと思うんです。午前中の私の質疑のときに大蔵大臣はこの席にお見えになっていないので、その点の理解がまだ十分いっていないと思うんですが、重ねて申し上げますと、まず大蔵大臣の方で所管をされている国家公務員の共済組合、この共済組合の短期の掛金、つまり医療保険のこの掛金、これが各単位共済組合ごとに非常な格差が生じております。一番高いところでは林野庁の千分の五十・五、こういうところ、低いところでは外務省の国内勤務者の共済組合千分の三十六、公共企業体を含めると電電公社の千分の三十五、こういうふうに非常なばらつきがありまして、最高率のところと最低率のところでは平均すると一人当たり月額二千円ぐらいの掛金の格差が生じているわけです。これは公務員の給与についてはすべて人事院勧告等に基づいて法律で定めることになっているわけです。ところが、この共済組合の掛金という形で、法律にも何にもよらないで、共済組合の決定、そして大蔵大臣の認可だと思うんですが、そういう行政的な手続によって実質的には一番最高のところと最低のところでは二千円もの格差がついている。公務員の実質的な給与に二千円もの格差がついている。こういう状態が現に生じているわけでありますが、これに対しては、やはり公務員の給与が均衡を失してはならない、こういう大原則からいっても、そういう行政的な措置でそこにそれだけの格差が生じているとするならば、これはできるだけ均衡化するような措置を講じなければならないんじゃないか、こういうふうに思うんです。特に林野庁については、それなりの配慮が今回なされたというふうなことを漏れ聞いておるわけでありますが、それだけでなくて、やはりこれだけアンバランスが生じておるわけでありますから、これについては財政的な措置によって何らかの均衡を失しないような、実質給与の均衡を失しないような措置がとられるべきではないかと思うんですが、大臣としての原則的な考え方を承りたいと思うんです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) たったいままで本院の大蔵委員会へ出席をいたしておりまして、大変失礼いたしましておわび申し上げます。  御指摘のように、最近の医療費の増高によりまして、短期掛金率が引き上げられておることは私も承知いたしております。短期給付は本人の疾病だとか、家族の疾病等をカバーするのでありまして、最近の実情から見ましてある程度の負担の増はやむを得ないものと考えておりますが、また、国共済の場合、他の健康保険の制度に比べて著しく負担が増になっておるとは考えられないのでございますが、しかしながら、ばらつきがあったり、そういったような高くなっておるということは、現在の短期給付の中には、現行の給付のシステムから見まして不要不急の給付が全然ないということはないのでございまして、それらを組合員に、よくここの間の事情を徹底させる等をいたしまして、そういったような面における給付の節減を図りまして、組合員の負担の軽減を図りたいと、かように考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 共済年金、年金の改定の問題については、今回審議している内容、これは予算審議の過程で減税措置との見合いによって二カ月繰り上げられた。この措置がとられておることば私どももきわめて適切な措置だと思うんですけれども、この二カ月繰り上げられたとしても、これは恩給、年金含めて公務員の給与改定に準じてスライドをする、こういうたてまえからすれば、なおかつ一カ年の立ちおくれをしているわけであります。これは何回もこの委員会で見解をただし、附帯決議等の措置もとっているわけでありますが、今回六月の予定が四月になった。そこで、これで終結というようなよもやお考えはないんだろうと思うんです、なお一カ年のおくれがあるわけでありますから。この点について大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 事務当局からお答えさせます。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 共済年金額の引き上げの実施時期につきましては、過去長年の間、これは毎年の十月に改定をいたすということでございましたけれども、先生もよく御承知のとおり、四十九年に九月、五十年に八月、五十一年に七月というふうに逐次繰り上げてまいりまして、本年におきましては、国会の予算審議中の与野党の申し合わせに基づきまして、特例的に四月ということに相なったわけでございます。  この実施時期の問題につきましては、それがいつが適当であるかということは、他の公的年金制度とのバランスをどう考えていくかということもございます。退職をいたしましたときの実質の年金の価値を保全していくためには、どういう指標を使って改定をいたせばよろしいかということが基本でございまして、それを公務員の年金の場合、前年のベースアップの率を使って改定をいたすということでございますので、直ちにこれが一年の現職に比してのおくれと評価すべきかどうか、いろいろ議論もあるところと存じますけれども、従来の経緯でおわかりいただけますように、この財源事情等も考慮しながら実施時期につきましてはいろいろ改善をいたしてまいったところでございまして、今後いかようにいたすかということも、来年度以後の財源事情なり、他の年金の動向を見ながら考えてまいりたいと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは松下次長ね、あなたのいまの答弁を聞くと、これは年金受給者は大変もう失望いたしますよ。これは恩給と共済年金一体のものとして公務員の給与改定に準じてやっていくということで、それが一年おくれでずっと出てきておるわけですからね。これはやはり、あなたは財源事情等いろいろ言われますけれども、たてまえとしては、隣に人事院総裁や給与局長がおられますけれども、毎年八月ごろに人事院の公務員に対する給与勧告が行われれば、それを見てその年の補正で改定をしていく。こうならなければ、これはたてまえに反するんじゃないですか、そうはお考えになっていないんですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 退職のときに年金制度から決まってまいります年金の水準を、その後の物価なりあるいは世上一般の生活水準の変化に応じまして、どうやって実質の価値を保全をしていくかということにつきまして、それぞれの年金が、やや内容は違いますけれども、厚生年金あるいは共済年金等、従来からそれぞれの指標を使いまして、立場は違いますが目標は同じような目標をねらいながら改定をしてまいったところでございます。で、共済年金、恩給につきましては、先ほども申し上げましたように、この指標のとり方も長年の議論の結果次第に変わってまいりました。今日では、前年の給与改定の水準によるということが、別に法制的ではございませんけれども、そういうやり方で毎年改定をいたしており、またその時期につきましても、逐次このところ繰り上がってまいっているわけでございます。そのように、長い積み重ねによりまして今日の制度ができておりますので、これにつきまして、現在基本的にもう一度見直しをするしないという問題は残っておりますけれども、他の制度との比較におきまして、共済のやり方が非常に不利になっているということではないように思っているわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはそんな答え方じゃだめですよ。共済年金は恩給と毎年同じように並行してここで一括して審議をしている。ことしはたまたま衆議院からの送付が別々になったから別々に審議したんですが、恩給についてはもうはっきりしておるわけでしょう、公務員の給与改定に準ずるというたてまえ。これは恩給法審議のときに藤田総務長官も明確に答えておられるわけです。いまあなたが共済年金についてそういう抽象的な答え方では、これは納得することはできないです。毎回の私どもここで審議をする際に附帯決議等でそのことを指摘をしておる。これについては大蔵大臣も、歴代、附帯決議の趣旨を尊重いたします、こういうふうに答えて、たてまえはこれは認めておられるわけです。それをいまそういうふうに答えられたんでは、これは全く逆戻りということにしかならないんじゃないですか。どうなんですか、それは。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 恩給制度におきますところの給付の水準の改善と、共済制度におきますところの給付の改善につきましては、ずっと両者がダブったやり方でございますので、毎年同じように措置をしてまいっているところでございます。したがいまして、私どもも恩給制度におきますところの改善の考え方と、共済の改善の考え方がそう基本的に食い違っているものとは考えておりません。いろいろ附帯決議の趣旨もよく存じておりまして、私どもも過去におきまして恩給制度と足並みをそろえながら、この実施時期については改定をいたしてまいったところでございますし、また、今後におきましても、両方がばらばらの措置になるということは考えられないところでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 最後にもう一つ、これは人事院の総裁、給与局長に伺いたいと思います。  四月の二十一日にも私は指摘をしたところなんですけれども、恩給や共済年金は、公務員の給与に準じて年金額の改定が行われているわけです。そのもとになる人事院の勧告でありますけれども、この人事院の勧告は、民間給与の実態調査、これによって行われておるわけですが、最近の民間給与の傾向を見ると、基本給よりも基準外の——基準内賃金よりも基準外の賃金、あるいは年間臨時給、こういう性格のものが広がっていく傾向にある。特に年間臨時給、いわゆる特別給、公務員用語でいえば特別給の方が年間所得の中で占めるウエートが非常に高くなっている。こういう傾向にあることは四月の二十一日にも肯定をされたわけです。そういう傾向になっていけばなっていくほど、結局月々のいわゆる基準内賃金、毎月定額で支払われる賃金の占めるウエートというの、が年間所得の中で低下をしてくる。在職者については、それでもいろんな年間臨給と特別給与等によって生活全体はカバーできるわけでありますけれども、これが年金に反映をされ、恩給に反映をされるということになりますと、結局、年金生活者、恩給生活者については、それ以外の所得はないわけでありますから、まあ例外的にある人もあると思うんですけれども、年金としてはそれに限られておるわけでありますから、公務員給与の中でだんだん年間所得の中で占める比率が低下をしている部分が年金に適用されていく、こういうことになって、在職者と年金受給者との格差というものがだんだん拡大をしていく傾向にあると思うんです。こういう傾向は、やはり共済年金だけでなくて、厚生年金等も含めて見直さなければならない傾向にあるんじゃないか。結論的に言えば、在職している勤労者の年間所得に対してどのぐらいの割合で支給をしていくか、こういうような形に見直していかなければ、在職者と年金者との格差というものがどんどん広がっていく、こういう傾向にありはしないかと思うんですが、その辺の認識だけ伺って私の質問を終わりたいと思うんです。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○政府委員(茨木廣君) ただいま御指摘になられました問題につきましては、人事院といたしましては、かねてからやはり一つの今後の検討課題であるというような意識は持っております。で、四十九年のときに、主計局長あてに給与局長名で意見を出しました際にも、その点にも若干触れた形の意見を出してございます。昔は本俸中心の給与であったわけでございますが、戦後はいろいろ給与の種類が細別され、さらに特別給という形の期末勤勉の占めるウエートが大きくなったものでございますから、御指摘のような問題が生じております。私どもで検討いたしております中でも、現在の制度でございますというと、大体上位等級の方で、やめた途端に大体四分の一の年金で暮らさにゃいかぬということになるというような程度に下がってまいりますので、やはり一つの問題点であろうという感じはいたしております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは二、三質問したいと思います。  先ほどから松下次長からも答弁ございましたけれども、ことしは確かに与野党の合意に基づきまして、三千億円の減税の上積みがありました。これと合わせて、各種年金の実施時期も、従来の六月等からちょっと早くなりまして四月になった。これはかねがねからの要望でございましたから、四月実施ということはそれなりに評価はできると思うんです。しかし、先ほどの同僚議員から  の質問にもありましたように、四月実施ではあってもまだ一年おくれておる、この点はそれなりに問題があると思います。これは後ほど提起をしたいと思います。  きょうは、そういうふうな問題点もあるわけですけれども、それと同時に、きょうは、一つは去る四月二日の日経新聞に「国鉄、共済年金もピンチ」、こういうふうな見出しで国鉄共済の問題が提起されております。この報道によりますと、これは大蔵大臣や運輸大臣、見ていただいたと私は思いますけれども、まず日経の報道によりますと、五十二年度には支出が収入見積もりの二千二百億を十億上回り、初めて積立金の四千五百億円を取り崩す状況に追い込まれる、こういうふうな意味の報道がなされております。また、一昨日のサンケイ新聞によりますと、これはまた多少立場が違うような報道でございますが、五十一年度は決算では七十億円の赤字を出し、そして、五十二年度にはさらに百数十億円の欠損が出るのは必至の情勢である、こういうふうな意味の報道がなされております。そうしますと、せっかく四月実施という問題が出てまいりましたのですけれども、年金財政が赤字となってくると、こういうような面から考えてみますと、受給者の立場からしますと非常に不安な声が出てくるのは当然だろうと私は思います。  そこで、この問題について、まず初めに、財政の担当者であります大蔵大臣と、それから、この事態に対してどう認識していらっしゃるのか、監督官庁の長である運輸大臣の御所見を初めにお伺いしておきます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 国鉄の職員には高年齢者が多くて、今後退職年金受給者の数が増加する一方、要員合理化により掛金を負担する職員の数が減少するために、共済年金に係る財政状況については楽観視できない事態に至ることが予想されております。  国鉄共済組合におきましては、収支計画策定審議会の答申に基づきまして、昭和五十一年度から財源率等の引き上げを実施しておりますが、年金改定等、その後の情勢の変化に伴って、年金財政上再検討を要することとなったので、本年三月、収支計画策定審議会に収支計画の再諮問を行いまして、目下鋭意審議中であると聞いております。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) ただいま大蔵大臣が申しました答弁、大体私も同じ意見でございます。収支計画策定審議会の答申を得ましたならば、適切に対処するように国鉄共済組合を十分指導してまいる所存でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大臣、この新聞の報道でもいろいろなことを報道されていますけれども、現在、国鉄職員が四十三万人、うち半数の二十一万五千人が四十五歳以上、こういう実情ですか、これは。そうしますと、今後十年間にこれらの職員が退職をしていきますと、掛金納入者と年金受給者は逆転して、一人の職員が一人以上の退職者のために働く、こういうふうな実情になってくると、こう報道されておりますが、これはこのとおりでございますか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 国鉄の職員の年齢構成が非常に逆ピラミッド型でございまして、先生いま御指摘のとおり、四十五歳以上の職員が五割以上を占めております。今後十年間で、この方々がいわば退職年齢に達しますと、大ざっぱな予想でございますが、今後十年間に二十万人程度の方が退職されていくであろうということでございまして、一方では、現在の在職組合員の方は経営改善というような目標がございますので、むしろ減るということでございまして、ただいま新聞の内容につきまして御指摘のように、十年間ぐらいを見ますると、職員一人が年金受給者一人を養うというような事態は十分予想されるところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 先ほど大蔵大臣からのこの諮問機関、いわゆる国鉄共済組合収支計画策定審議会ですか、これは大蔵大臣が諮問していらっしゃるわけですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 各公企体の組合におきましては、国鉄、電電、専売それぞれにつきまして、五年間ごとに収支計画を行うというたてまえになっておりまして、これの機関といたしまして、別個にそれぞれの公社に一つずつ収支計画策定審議会が設けられているところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは国鉄総裁の諮問機関でございますね。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) そのとおりでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大蔵大臣ね、財政当局は、国鉄総裁の諮問機関の答申が出ないとどうしようもないというのじゃ困るので、やっぱり財政当局自身が、大蔵省自身が、基本的にこの問題についての考え方を持っていないといけないんじゃないでしょうか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 財政当局の立場といたしましては、予算につきまして総合調整を行うという任務でございますので、予算上の問題につきまして、それぞれ所管の省庁の行政上の必要に基づきまして御要求をいただいたところに対しまして、これに財政上の見地から検討いたす、必要あらば諸般の措置を講ずるということでございます。したがいまして、その行政の内容でありますただいまの御指摘でございますれば、国鉄の共済組合の内容あるいは今後について、これをどのように、たとえば制度改善を考えていくかというのは、まず第一に組合自体、あるいはこの組合の行政上の所管官庁に検討をお願いするところであろうと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それは言っていることが矛盾していましてね、私は、ですから初めに財政当局としてはこの問題についてどう取り組んでいくのかという質問をしましたら、大臣が答申を待ってという答弁があったから、そうじゃなくて、大蔵省当局としてはどう考えているのかと、これに対してやっぱりきちっとした答弁がなければね。大臣が初めこの問題を言わなければ、それは言わないでそれなりの答弁として私は納得できるのですけれどもね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は御答弁に際しまして、私がやっておるということでない、そういうふうに聞いておりますということをお答え申したのでございまして、大蔵大臣という御指名がありましたので、私がこういうことをやっておるというふうに聞いておりますと、こうお答えしたわけです。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣ね、よその省の、よその審議会のよその問題じゃなくて、こういうふうな財政問題が現実に起きている、将来は、新聞の報道でも最後のツケは国民に回ってくるのじゃないかということも心配をされているわけです。ですから、大蔵大臣はこの問題についてどう考えているのかというふうに聞いているわけです。それに対して、国鉄がこういうふうにやるであろうということを聞いておるという答弁であったとすれば、ますますもってこれはけしからぬのであって、大蔵省はどない考えているか、大臣はこの問題についてどうしようと考えているのか、どういう指示をしようとしているのかと、こういうわけですから、それに対してやっぱりぴしっとお答えいただかないと困るわけです。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 大蔵省の立場といたしましては、この国鉄共済問題につきまして、やはりこれが健全な財政基盤に基づく健全な年金制度として、将来とも機能していただきたいというのが基本的な立場でございますので、そういう方向で、恐らく運輸省当局におかれてもこの問題に取り組んでおられるところと考えますけれども、まずその各関係の行政省庁の御検討の結果を注目をしてまいりたいと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それはそれなりにわかります。要するに、将来とも健全に機能してもらいたいというのが大蔵省の願望なわけですね。そして、その各省庁の対策を見守っていく、そういうことであろうと私は思いますが、それじゃ国鉄当局にお伺いしますが、これは運輸省ですね。  この問題についての諮問ですね、この審議会の諮問はいつなされて、その答申はいつごろをめどとしていらっしゃるわけですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) この収支策定審議会が五年目ごとに行うのが原則でございますが、先ほどのお話のように、五十一年度決算予想、あるいは五十二年度予算という観点からいたしますと非常に問題があるというところから、例外的にことしの三月に収支計画策定審議会を開きまして諮問をしたところでございます。現在鋭意検討中でございまして、いつまでに答申をもらうという予定につきましてはまだつまびらかではございませんが、事態が非常に深刻でございますので、なるべく早く検討を済ませまして、結論をいただきたいというふうに思っておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 なるべく早くなんて、そんな悠長なことを言っておれるわけですか、実際問題として。現実に、報道によりますと二十五日の日にこの審議会が開かれたようですが、その中身についてはどういうふうな報告が来ていますか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) まだ詳細に、二十五日の検討の中身につきまして、国鉄当局から報告を受けておりません。国鉄当局が来ておりますので、よろしければその中身につきまして御回答いただきたいと思います。

浜田卓実日本国有鉄道共済事務局長

○説明員(浜田卓実君) 現在、収支計画策定審議会において審議なされております事柄は、財源率及び追加費用等、年金財政の財政基盤を確立するために最も肝要な事柄について審議がなされております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、これは余分なことですが、一遍もうちょっとお伺いしておきたいのですが、この審議会は法律に基づいたきちっとした審議会ですか。

浜田卓実日本国有鉄道共済事務局長

○説明員(浜田卓実君) 国鉄共済組合運営規則、これは総裁達でございます。それに基づいた総裁の諮問機関でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 公的な諮問機関ですか。

浜田卓実日本国有鉄道共済事務局長

○説明員(浜田卓実君) この総裁達は大臣の認可を受けております。そういう意味では一応正式の機関かと考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは国鉄当局とも、大臣はいまおりませんけれども、こういう問題はきちっとやっぱり国鉄と連携をとって、これは非常に私は今後重要な問題だと思います。決して国鉄だけじゃなくて、そのほかの共済やあるいは恩給や、そういうような公的年金にすべて影響を及ぼす問題なわけですから、そういうような意味では特に慎重に取り組んでいただきたい。それで、また特にこういうふうな審議会が開かれたり、あるいはそういうときには、できるだけどういうような状況になっているのか、少なくとも担当部長としてはがちっと掌握して、それで対応するだけのあれがなければいけないんじゃないかと思うんです。この点はどうです。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 十分その点の問題の困難性も認識しておりますし、また審議会の果たさなければならない役割りも重大であるというふうに思っておりますので、いま先生おっしゃいましたようなことにつきましては、逐一連絡を密にして問題の解決に当たってまいりたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 確かに私は、年金はいろいろな角度から見て、微々たるものではありましても毎年少しずつ充実しているのは事実だと私は思います。しかし、まだまだ先ほども出てまいりましたように不満足な点はあります。そういうふうな中で、この国鉄の問題は大きな問題がいろいろあるわけですね。現実の問題として、国鉄は五十年度末で累積赤字、私の調査によりますと三兆一千六百十億円、こういうように聞いております。そのうち二兆五千四百五億円をたな上げして、当初の五十一年、五十二年の両年度で収支均衡を図ろうということで、五十年十二月から一あの先日の平均五〇%の運賃の値上げをしたわけですね。したけれども、実際には国鉄離れというような現状があらわれてきておりまして思うようにいかない。しかもさらに、今国会に新たに再建策を出しているわけですけれども、これは国鉄自体が赤字で、したがって、国鉄が赤字だから共済の財政もこれは赤字、苦しいというのはわからぬでもないんですけれども、しかし恩給を初め各種の共済年金というのは、先ほどから何回も申し上げておりますように、確かにいろいろな角度で充実はしてきている。しかし、先ほどもお話が出てまいりましたように、かねてから政府の方は、四月実施というのは恩給の四月実施を含めて、総務長官がこの委員会でも何回か言明しているところなんですね。それで、ことしは確かに共済も四月実施ということになった。先ほどもお話がありましたように、現職の公務員と比べると年金受給者はやはり一年の開きがある、それはそのとおりだと私は思うんです。しかし、こういうふうないろいろな角度から、この共済年金等のことを考えてみますと、片方で少しはよくなろうとする、片方でまたこういうふうな赤字の共済年金が出てくる、こういうふうになってまいりますと、これは今後どういうふうに改善をしていくのか、あるいは国鉄の赤字を解消するためには一体どうしたらいいのかという問題は、これは非常に大きな問題になってくるわけです。確かに、たとえば恩給はいろいろな角度からいいましても、恩給が毎年改善されるというのは私間違いないと思うんです。  そこで、今度は大蔵省当局に一遍聞いておきたいんですが、これは確認しておきたいということになるかもわかりませんが、恩給が改善をされれば共済年金も同じように改善していくというのがいままでのパターンですね、ずっと。そういうふうな意味でいきますと、恩給は改善されるけれども共済はあかんということが出てくるんじゃないかということも、これは実際問題、現状から見ますとそういう事態が非常に心配されるわけですね。私はそういうことがあってはならないと実際問題思うのですけれども、この点については、やっぱり大蔵省当局並びに運輸省当局、両方にきちっと確認をしておきたい、こう思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) ただいまの国家公務員の共済年金は新しい年金制度ではございますけれども、実際はこの受給者はそれぞれ過去の恩給期間を持っておりまして、恩給制度そのものと重複をしたところが非常に大きい制度でございます。そこで御指摘の点でございますけれども、恩給につきまして制度の改正あるいは改善がございます場合に、これと重複をいたしました期間の分につきましては、これは一種恩給の身がわりと申しましょうか、組合がかわりに支給をしております恩給に相当する部分でございますので、これは当然制度上も同じ歩調で参るべきものでございます。  それから、新しい制度発足以後の共済年金本体の制度につきましては、これは社会保障の制度とのバランスがございますから、制度的にはいささか恩給時代とは異なったものとなっております。しかしながら、これはやはり恩給の受給期間と、その後の期間を合わせて一人の人が持っておるというような例がほとんどであるというような点から考えましても、制度的には違っておりますが、それを改正してまいりますときの方向なり考え方の基本なりというのは、これは原則として両者は同じようであるべきものであると考えております。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 国鉄の財政問題につきましては、いまお話がございましたように、非常な深刻な事態を迎えておるわけでございます。私どもこれに対して、最も有効な対策が何であるかということを考えて、逐次これを講じようとしておるわけでございますが、一方年金の関係におきまして、これに引きずられて影響があるのではないかというような御懸念もあろうかと思いますが、しかし、この年金の関係におきましては、組合員、いわば国鉄職員全員の期待権、それから国鉄の職員をやめられた年金受給者の既得権というものと非常に結びついておりますし、これがまた職場の士気といいますか、働く意欲というものとも密接不可分であるということもございますし、また国鉄再建におきましては、やはりその職員の心の問題、職員全体がやはり国鉄再建に邁進するという気持ちでなければならぬということが大事な点でもございますので、私どもの方の気持ちといたしましては、年金をやはりこのままの形で恩給なり、あるいは国共並みに続けて維持してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は確かにそのとおりだと思うのですね。実際問題、国鉄の再建ということについては、非常にいろいろな角度から議論をしなくちゃならない問題なんですけれども、職員の心の問題といまおっしゃいましたが、そういうふうな意味では、心の問題と同時に、いわゆる職員の不安をなくすると、これは非常に当局に課せられた重大な問題であると、こういうふうに思います。  そこで、実際問題として今回の法案を審議するに当たりましても、今回の法案に対して、社会保障制度審議会ですか、こちらの方の答申の中でも、この問題の動向いかんが公的年金制度全体に及ぼす点に十分留意されたいと、そういうふうな意味の指摘があるようであります。したがって、私は確かに共済年金というのは、恩給と異なりまして保険数理から組み立てられていると、こういうふうに言った方がいいと思うのですが、そういうふうな観点からいきますと、全額国が負担すると、そういうふうな方法はとっていないわけですね。ですから、国なり公社自体の負担にもやっぱり限界がある、これは私当然だろうと思います。そこで、国鉄の共済の財政についてストレートに国が補助するなり負担するなりして、そしてその年金受給者の不安をなくすと、こういうふうな方法は考えられないかということが一つあるわけです。これはまあ虫のいい要求ということになるかもわかりませんが、こういうことについてはどういうふうに考えていらっしゃるかということが一つ。実際問題として、相互助成主義というのを現在とっておるわけですし、共済組合にはストレートに助成する方法はないわけですね。そういうような意味では、何かもっとストレートに補助する方法、手段、こういうようなものは考えられないものか。ここら辺のところについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、一点お伺いしたい。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 国鉄の共済に対する助成についてのお尋ねでございますけれども、実は、これは三公社五現業の共済制度全体を通じる基本の問題の一つでございます。つまり、これらの公共企業体等は、従来長い沿革がございましたけれども、かつては国そのものの事業として経営をやってきた。その後公共企業体ということで、より弾力的な経営をするに至りましたけれども、やはり経営の基盤は国のいわば公的な権力を背景といたしまして、独占的な意味での事業を営んでいるということで、これを私どもこの関係者は、公経済の主体であるというふうに申しておりますけれども、その公経済の主体としての立場で国鉄なりあるいは専売公社なりが、それぞれの共済組合に対して所要の助成を行っているわけでございます。で、基本的な考え方によりますれば、三公社五現業というものは独立採算で、それらの共済に対する負担も合わせたところで採算がとれていくように運営すべきものということでございますので、この点について、そのいずれか一つについて例外的に考えてまいるということがなかなかむずかしい問題なんでございます。ただ、実際問題としまして、この置かれた経済情勢等から言いまして、独立採算ではにっちもさっちもまいらないという状態に国鉄が置かれていることも、これは事実でございますので、私どもの現在の姿勢といたしましては、この国鉄自体の経営をぜひ再建の軌道に乗せると、そのために運賃の適正化なり国鉄の経営努力なりということを前提といたしまして、国におきましても相当の国家助成も考えるということで、現在この数年来種々努力をいたしまして、国鉄の経営を再建することを通じてこの共済に対する負担の問題を解決をしてまいりたいという姿勢でいるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 確かに私は、この国鉄が、いま国鉄の本体も大変な赤字でありますし、共済の方も赤字になってきたということが明らかになってきたわけでありますけれども、現実の問題として、これは、農林年金にしましても、あるいは専売公社あるいは国家公務員の共済年金にしましても、私は今後どの程度黒字でいくかと、これはまあ十年もつかどうかということについては、これは非常にもうわからないわけですね、実際問題もたないんじゃないかと、そういうような話は現実にあるわけです。そういうふうになってきておりますし、またその一方で、今度はその厚生年金や国民年金、この問題もやっぱりこれから問題になってくるんじゃないか。現在の社会情勢から見まして、物価の上昇やあるいは老齢化社会の進むに従いまして、相当のいわゆる長期財政見通し、これは厚生省もずいぶん訴えているようでございますけれども、そういうような長期財政見通しに立って保険料率も当然高くなっていくであろう、こういうように私思うんです。しかし、こういうふうにいろいろな角度から公的年金制度というのを見てみますと、わが国のこういうような年金制度というのは、ほとんどが財政ピンチに陥る可能性が現実にあるわけですね。その原因というのは、私は中身を見なければわからないけれども、いろいろな角度から論じられるであろうと思いますけれども、これはやはり国鉄がこういうようなピンチになったということを契機にして、少なくとも、財政当局である大蔵省としては、国のいわゆる公的年金の制度というのを一体どういうふうにやっていくのか、その財政政策を、財政対策をどういうような方向に持っていくのかということについては、これは大臣としても当然考えなければならない問題になってきます。こういう問題については、どういうふうにお考えであるか、その考えをお伺いしておきたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のとおり、年金制度の将来というものは非常にこれは懸念すべき事態にあるということは私も承知いたしております。申すまでもなく、厚生年金、国民年金とも、今後だんだん人口が老齢化していく、それからまた、一方におきまして制度が成熟化していくというようなことで、給付の急激な増大が見込まれますために、これを支える年金財政を長期にわたって確立していくということは大問題であろうと思います。年金制度の今後のあり方につきましては、現在厚生省に設けられておりまする、これも厚生省でございますが、厚生省に設けられておりまする年金制度基本構想懇談会におきまして御審議をしておられるところでありますが、いずれにいたしましても、今後保険料の段階的の引き上げは避けられない状況にあると思います。また、この増大する国庫負担を確保をするためにも、これは特段の努力を財政当局としても固めていかなければならないと、かように考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣、大臣がおっしゃることもよくわかりますけれども、いずれにしましても、いわゆる高負担の負担の方だけ国民にぎゅうぎゅう押しつけるというのでは困るわけですね、実際問題。ですから、そういうようないわゆる財政運営という、いろいろな角度から相当思い切った対策を立てないとうまくいかない、そう私は考えます。  そこで人事院総裁、ちょっと人事院総裁と、まあ大蔵省も関係ありますからお伺いしたいんですが、国家公務員法の百八条に、「人事院は、前条の年金制度に関し調査研究を行い、」、「前条」というのは百七条のいわゆる退職年金制度その他年金制度の問題ですが、「前条の年金制度に関し調査研究を行い、必要な意見を国会及び内閣に申し出ることができる。」と、こういうふうにあるわけですが、この条文は昭和三十四年ですね、これによりますと。三十四年にこの国家公務員共済組合法が制定された際に国公法に挿入されているわけですけれども、実際問題として、三十四年から約二十年近くなるわけです、今日まで。人事院として、私は、年金制度というのはいまいろいろな角度から国民の大きな関心を呼んでおります。これはもう総裁も御存じのように、年金のいわゆる官民格差の問題等も含めていま議論がいろいろなところで沸騰している状態であります。そういうようないろいろな立場から見ますと、これはいま人事院がちょうどここら辺で出番じゃないかと私は思っているわけですけれども、これは要するに、出番という問題は別にして、現在までこの百八条に基づくいわゆる意見の申し出ということはされたことがあるのかどうか、この点まずお聞きしたい。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 百八条の規定に基づいて正式に意見の申し出をやったことはございません。事実上、給与局長の方から大蔵省に対しまして、実質上の意見の申し出をいたしたことは四十八年にございます。正式にはございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまおっしゃったのは、総裁、昭和四十九年の一月の二十八日に、給与局長の名前で大蔵省主計局長あてに、退職年金制度についての人事院の意見という、これと違いますか、四十八年じゃなくて。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) そのとおりでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは総裁もおっしゃるように、国家公務員法の百八条ずばりのものじゃなくて、その条項を背景にした意見の申し出であろうと私は思うんですね。そういうふうな意味からは、総裁もお認めになっていらっしゃるように、現在までこういうふうな意見の申し出がないと。しかし、私はこれは少なくとも国家公務員法の、この法のいわゆる百八条の一項でずばりこうあるわけです。これは私は公的年金の中でも、特に国家公務員の給与という問題、しかもその後の年金制度の問題、これはもう年金制度という問題がいろんな角度からいま論じられて、いろんな議論が沸騰しているわけですね。特に人事院は給与を決めるときに、官民較差というのを調査されるわけです。そういうふうな意味からいきますと、何も官民較差全部調査せいとは私は言いませんけれども、いわゆる人事院が第三者機関としてこの問題についての意見なり、こういうふうにあるべきではないかと、いわゆるあるべき姿を人事院が調査をするということについては、それなりに重大なことであると、私こういうふうに思うんですけれども、この問題については総裁はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 峯山委員も御承知でありますように、実は人事院におきましては、この新しいいまの共済制度が発足をいたしまするに際しまして、大変この問題については、やはり深甚な関心を持ちまして、それなりに調査検討を加えてまいっておりまして、その成果をまとめたものについて当時関係各方面に働きかけをいたしたのであります。で、その内容をここで詳細に申し上げることは差し控えたいと思いますが、それはやはり保険数理という原則には立ってはおりますけれども、従来のやっぱり恩給とのにらみ合わせ、その他公務員の特殊性、従来の沿革、その他いろいろの状況を総合的に判断をいたしまして、制度としてはやはり従来の恩給制度といいますか、こういうものの骨子というものを踏襲しつつ、保険数理を加味したことで運営をしていくがよろしかろうではないかというような、一応当時としての結論を得て、これを関係各方面に要請をしたという事実がございます。ただ、この点につきましては、いろいろな要請がございまして、また国会の審議等をも通じましていろいろ論議が交わされました結果、結果的には現在の共済制度というものが発足をいたしたようなことに相なっております。  この新しい共済制度は、共済組合というものが主体となって運営をされるという仕組孝に相なっておるのであります。これが発足をいたしまして、いま御指摘のように、すでに大体二十年近くに相なっておるということでございますが、これに、したがいまして、いろいろ問題がそれぞれの共済組合においても山積をしてまいりました。いま峯山さん御指摘になりましたような、現実の問題として国鉄の問題がございますが、問題はこれだけじゃございません。その他の各種の共済、また国家公務員につきましても、それぞれの単位共済あるいは長期給付の将来の見通し等についても、いろんな問題が実は出てまいっておるのであります。そこに、かてて加えまして、先般来新聞等でも大変論議を呼んでおりますように、官民の年金格差というものが大々的に取り上げられるというような現実の姿も出てまいっております。そういうふうに相なってまいりますと、無論われわれとしては、公務員の退職条件、ひいては勤務条件に影響することでございますから、深甚な関心を持ってこの問題には対処してまいりましたし、そういう意味では退職公務員の生活状況がどうなっておるかというようなことにも焦点を当てることが必要だというので、すでに過去四カ年継続をして、退職公務員の実態調査等も、追跡調査をやって今日まで来ております。なお本年最後にもう一度、もう一カ年やって、その集計として取りまとめたところで何らかの結論を出さなければならぬというふうに思っておりまして、そういうことで大変な関心を持っておることば事実でございます。  ただ、これは言い逃れではございませんが、公務員の給与の問題とは異なりまして、先刻、沿革で申し上げましたように、結果的にはやはりいまの共済組合が主体となって運営に当たるという制度に相なってまいりました。それを一般的総括といたしましては、大蔵省が事に当たっておられるというような現実がございます。それからさらに、三公五現の関係とか、あるいはその他の地方公務員の各種の共済というようなことに、一波万波を呼ぶ大変なこれは問題をはらむことに相なったのでありまして、われわれ国家公務員のことを担当いたしておりますといいましても、この事柄に関しましては、国家公務員サイドだけで事柄を、これを切り離して処理をするということにはいかにもそぐわない。その点大変慎重に事柄を処していかなければならぬという現実の問題がございます。その点給与の問題のように、われわれの方で給与局がございまして、これで実際の運営に当たっておるところとはその点のニュアンスが異なるわけであります。  そういうような点もございまして、問題の重要性は認識しながらも、今日まで、まあ調査検討はいたしておりますけれども、しかるべき第百八条の発動というような形をとることはいままでやってこなかった、また事実上自信を持ってやれるような体制になかったということが現実の姿でございます。しかし問題は大変重要でございます。しかも、その持っておりまする問題の重要性、その範囲というものは非常に広範でございますので、それらの点につきましては、やはり今後とも関係各方面とも連携を保ちつつ、われわれはわれわれなりに善処をすることについて今後精力的に取り組んでまいりたい、かように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 総裁おっしゃるように、確かに共済関係は、保険の数理ではあるが恩給の骨子は受け継ぐと、こういうふうにおっしゃっていますがね。ですけれども、実際はこれがちょっと心配になってきたわけですね、実際問題として。そういうような意味では、これはやっぱり恩給がどんどん改正されていく、それに従って共済関係もよくなっていく、これは先ほどこっちの方に確認をしましたからそれは結構なんですが、そういうような問題の中ではやっぱり人事院の出番があるのじゃないかということを私は盛んに考えているわけです。  そこでちょっとだけお伺いしておきたいのですが、実際問題として、人事院としては、国家公務員のいわゆる共済年金の財政状態というのですか、こういうようなものについては、やっぱりきちっと把握していらっしゃるわけなんでしょうか、これはどうなんでしょうか。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○政府委員(茨木廣君) 五年ごとに原資計算をやり直す時期がございまして、その時期に、ちょうど四十九年当時御意見を申し上げた経緯がございます。そういうとき等に、内部の連絡会議等にこちら側、出ます機会もございますので、その程度の概要を心得ておるという程度でございます。後は大蔵省がそれぞれ監督責任を持って、各組合ごとにそれぞれ内部で審議会等持って料率等決めておるわけでございますので、詳細については私の方では深くは存じておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは総裁、やっぱり私は、この掌握してないということについては余り納得できないですね。少なくとも掌握していなければ、この国家公務員法に言う第百八条の意見の申し出なんてできないわけですよ、言うたら。やっぱり意見の申し出をするからには、その中身もきちっと掌握していないと意見の申し出なんてできませんね、実際問題。そういうような意味では、総裁、先ほどいろいろおっしゃいましたけれども、これはやはり、私はこのいまの時点としては、人事院は非常にそういうふうな意味で、国家公務員の共済年金の将来の見通しも含めまして、やっぱり第三者機関としての役割りがあるわけですから、しかも実情を詳細に掌握していない、五年に一遍の見直しの四十九年にそれが当たっていたからと言うんではなくて、やはり私はきちっと人事院はそれなりに掌握をして、そして場合によってはきちっと国家公務員法に基づいて意見の申し出を行うと、そういうふうな姿勢であってしかるべきではないかと。先ほど退職公務員の実態調査等もやっていらっしゃるというお話もございましたけれども、こういうふうなことも含めまして、当然私はそれなりに意見の申し出をしてもいいんじゃないかと、またそういうことができるようになっていると、私こういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 国公法第百八条の規定が現実にあることはこれは事実でございます。共済制度につきましては、先刻来申し上げておりますように、毎年の給与問題とは違った側面を持っておることも事実でございますけれども、その後の経過を通じて、今日以後の共済制度の運営、将来の見通しというものが大変な重要な課題を背負って表面に出てまいってきておる、問題点もそれぞれの共済でもって非常に大きく顕在化してきておるという事実がございます。そういう現実の事実を踏まえまして、いま御指摘になりましたように、われわれといたしましても、さらに積極的な姿勢でもって、それぞれの役割りがあり、機能の分担ございますけれども、われわれなりにさらに積極的な姿勢をもってこの問題に取り組んでまいりたいと、かように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 総裁がそうおっしゃられるわけですから、ぜひとも、この問題については人事院がそういうふうなきちっとしたことをやる以外にないと私は考えていますので、その点はぜひともやってもらいたい。  そこで、私の質問の最後にもう一点お伺いしておきたいんですが、これは昨年の恩給共済の質問のときにもしたわけですが、特に厚生省が所管をしております厚生年金、国民年金、それから共済グループでは大蔵、自治、文部、農林と、こういうふうにそれぞれ担当がばらばらに現在なっているわけですけれども、このいわゆる公的年金、この八つの中で五つが共済グループになっているわけですが、この共済グループを一括して公務員年金局というような局をつくって、そうして恩給を含めながら、場合によっては総理府で所管をしてその実務を進めてはどうかと、こういうふうなお尋ねを昨年の五月のこの恩給共済の審議の際に、当時の大平大蔵大臣に私は質問をいたしました。それで大臣はそのときの答弁で、政府部内でひとついま提起された問題については検討してみたい、こういうふうな答弁であったわけですが、この問題についてはどういうふうに検討をしていらっしゃるかですね、また、この問題についての御所見を一遍お伺いしておきたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) この問題は、私がまだ就任していないときにお話があったということは私も承っております。その際に大蔵大臣がお答えして、何とか考えようというようなこともあったやに承っておりますが、そういう恩給がですね、だんだんこれは恩給関係の者が減っていくということもあったわけでございますけれども、そう迅速、早目に恩給が減っていくというわけでもございません。そういったようなことで、この問題につきましてはまだ具体的にこれを決定いたしておりませんけれども、しかし、御意見はこれは非常に重要なる御意見でございますので、さらにひとつ事実をながめながら検討してまいりたいと、かように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大臣、実際問題なかなか進みませんね。現在は毎年恩給の改正がありましてね、それで恩給の場合には、給与等いろいろあるわけですが、恩給の改正がまず決まって、その恩給を見ながら国家公務員がそれに続いて、以下共済グループが続々と順番に決まっていくと。それで、その法案を見ましても、恩給の改正にならってとか、全部それに準じてなるわけですね。そうじゃなくて、これは実際問題として、将来の財政的な破綻や、そういうふうな問題を検討する場合でも、あるいは将来のいろんなことを考える場合でも、むしろ私は統一的に一つの局で所管をして、こういうようなものを一括して所管をして、そして、できたらこれに対しても人事院が、これは総裁ね、人事院がそこで、その問題についても意見の申し出をきちっとしてですね、そうしてきちっと全体としてこの問題を解決していく、そういうふうな方法がうまくいくんじゃないかと、そういうふうにも考えるわけですけれども、この問題については、これは人事院総裁並びに大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) ただいまお答え申し上げましたとおり、この問題については重要なる問題として鋭意検討してまいりたいと、かように考えております。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 全般を統括をし、その任務を行う年金局の創設ということは、従来からも、私自身も承っておりますし、一つの大変示唆に富んだ御見解であるということはそのとおりであると思います。ただ、これを現実にやってまいりますためには、現在の制度その他との調整の問題もございますし、またいま大蔵大臣が仰せになりましたような恩給局の問題その他もございますので、それらの点については、なお各方面とも御協議をいたしながら検討をいたしたいということでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 それでは、私の方から最初に法案の内容につきまして若干質問させていただきますが、共済年金の財政は、公経済の主体としての国あるいは三公社と、それから使用者としての国あるいは三公社と職員と、三者で負担しておりますけれども、現在国家公務員の連合会加入の一般組合員の掛金率は、俸給月額の千分の四十六・五、国鉄は五十三・五、電電は四十八、専売は四十八・五だと、このように思うわけですけれども、今回のこの法案によって、組合員の掛金へどのように影響が及んでくるのか、特に二カ月間これを繰り上げられたことによりまして、どのようにこれが変わってくるのか、その点、国家公務員、三公社別にそれぞれ説明をしていただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 今回の年金額の改定によりますところの財源率への影響は、実はこの財政再計算の正確な手続をとりませんと本当の正確な数字ではお答えできないわけでございますけれども、前回の再計算のときのデータなりその結果を基礎にいたしまして、試みにこれをはじいてみますと、おおむね千分の一・五ないし千分の二・〇の影響があるというふうに考えております。その場合には標準保険料が千分の百五十から百五十三程度になろうかと存じております。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 公共企業体の関係でございますが、概算で予想いたしますと、今回の改定によりまして、専売では千分の二・七八、国鉄では千分の三・三〇、電電では千分の一・一三の影響があるというふうに予想しております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 共済組合法によりますと、共済年金の財政は、これは少なくとも五年ごとに見直すことになっているわけですね。まあ三公社の方は法律に明文はございませんけれども、これと同じではないかと理解しておりますけれども、国家公務員の場合ですと、四十九年十月から千分の四十四が四十六・五に引き上げられておるわけです。この次の引き上げの時期というか、再計算の時期というのは五十四年になるわけですけれども、それまで現在のこの掛金率が維持できるかどうかですね、今回変わりまして。三公社の方はどうなのか、今後の見通しについて説明していただきたい。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 今回の改正でも、ただいまお答えいたしました程度の影響がございまして、これが年々積み重なっていくわけでございますけれども、現在の掛金率自体を四十九年に決めましたときの考え方から申しますと、ただいままでの程度の改正でありますれば、今後よほど何か異例の事態がございません限りは、五十四年、次期の再計算期までは現在の掛金率で保っていくことが可能であろうと思っております。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 三公社それぞれ財政事情が違いますので一概に申し上げられませんが、専売と電電につきましては、五十一年度の改定時期に改定をいたしましたものが、なお、これ五年ごとの計算でございますが、五年間ぐらいはもつのではないかというふうに思われます。ただ、国鉄につきましては、先ほどもお話がございましたように大変な状況になっておりますので、現在通常では五年でやっております収支計画策定審議会を現在開いてこの対策を検討中でございますので、その結果を待ちたいと思います。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 これは新聞報道ですけれども、五月の十一日に大蔵省の首脳が、いま問題になっております官民格差の問題につきまして、不公正是正に踏み出すという意向を明らかにしたと、こういうように報道されておりますけれども、その点について説明していただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 御指摘の新聞報道が、どういういきさつからそういう報道になりましたのか、私にはちょっとわかりかねますけれども、このいわゆる格差問題とその見直しという問題には二つの面がございまして、一つは、この格差というのは、それほど一部いろいろと言われておりますように大きなものがあるかどうかという問題でございます。この点につきましては、表面上の年金の数字だけの比較ではなしに、たとえば加入期間の長短でございますとか、いろいろな条件を加味いたしまして格差というものを公平にはじき出していく必要がある、これは相当技術的ないろいろの問題を含んでおりますので、なかなか容易なことではございませんけれども、私どもの感じでは、いまの格差につきましては、厚生年金と共済年金とでは考え方が違います。共済年金の方は一般の年金プラス職域年金でございますので、長期の在勤者を優遇するという制度の仕組みになっておりますから、そういう点で差がございますけれども、非常に説明の相つかないような格差が存在するとは考えていないわけでございます。  それからもう一つ、その他官民の年金の制度の間には違いがあろうということで時折指摘いたされますのは、たとえば支給開始年齢の問題がございますし、また、退職をいたしました後の併給の問題等がございます。これらの問題は、やはり支給開始年齢等はっきりとした差がございますけれども、それぞれの制度の沿革なり、加入者の従来のいろいろないきさつから、現在そういうものになっているわけでございまして、私どもの考え方は、そうやって個々に、この点が違うからこの点をどうとかするというようなことではなしに、むしろ年金制度全体につきまして、それがどのように違っているかということを掘り下げまして、全体の問題を公的年金調整の問題として検討をいたしていくべきだと、そしてその検討の作業は、もう数年前から公務員の共済制度審議会の懇談会で議論をしていただいているところでございます。私どもとしましては、そういう方向で、全体の制度的な見直しというのは絶えずやっていく必要があると思っておりますけれども、一部伝えられますように、特定の一つ二つの項目についてそれを改正をすることを決めたというようなことではございません。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 大綱的なことは、先ほど同僚議員から質問がありましたので、二、三の点について、時間もございませんので聞いておきたいと思いますけれども、いまの掛金率の問題、先ほどお聞きしましたけれども、それについてちょっとお聞きしておきますが、国家公務員も、あるいは三公社の職員も、年金関係の掛金というのは、これは本俸を基準としているのに対しまして、厚生年金では標準報酬を基準にしているわけです。こういう差があることは言うまでもないんですけれども、公務員と国鉄、厚生年金の三者につきまして、今日までの掛金率の変遷といいますか、その推移につきまして、大蔵省、運輸省並びに厚生省から説明をしていただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 国家公務員共済組合の年金の掛金率は、三十四年に現在の制度が発足いたしましたときに千分の四十四と定めました。その後十五年間据え置きまして、四十九年に現在の千分の四十六・五に引き上げたのでございます。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 三公社の中で国鉄の点だけを代表で申し上げたいと思いますが、三公社組合が発足いたしました昭和三十一年におきましては、掛金率が千分の四十三でスタートをしたわけでございます。で、三十九年、四十年、四十一年と三回連続で上がっておりますが、四十一年、つまり最初から十年目では千分の四十七・五、千分の四だけ上がっております。で、以後五年間ごとに収支計画の策定もございまして、次の年度、昭和四十六年にはさらに千分の二上がりまして千分の四十九・五になっております。それから昭和五十一年におきましては、さらにこれが千分の四上がりまして千分の五十三・五というのが現在でございます。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○説明員(高峯一世君) 厚生年金の保険料につきまして御説明申し上げます。  被保険者負担の率でございますが、厚生年金が発足しました昭和十七年は、被保険者負担が千分の三十二でございました。それが戦後昭和二十二年になりまして千分の四十七、さらに二十三年から千分の十五に下がっております。千分の十五の時代が長く続きまして、昭和三十五年に千分の十七・五に上がっております。さらに昭和四十年に千分の二十七・五、四十四年に千分の三十一、四十六年に千分の三十二、四十八年に千分の三十八、五十一年、昨年に四十五・五となって現在に至っております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 掛金率の差が余りなくてということも問題になってきたようですけれども、いまの御答弁によりますと、公務員は共済制度発足の三十四年に四・四%ですね。四十九年十月から四.六五%、また厚生年金は三十五年の五月は一・七五%で、五十一年八月にやっと四・五五%になったと、こういう御答弁でしたけれども、これを見ますと公務員の方はかなり重い負担をいままで払ってきたんじゃないかと思うんですが、この掛金の差というのは今日まで累積でどのぐらいになっているのか、その点大蔵省から答弁していただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 掛金の差を数字的に御説明申し上げようといたしますと、たとえば本俸が次第に上がってまいりますとか、そういうことがいろいろとございますのでなかなか簡明な指標がとりにくいのでございます。  そこで、御質問に対するお答えといたしまして、やや大ざっぱでございますけれども、現在の組合の中に積み立てておりますところの一人当たりの積立金をそれぞれどれぐらい積んでおるかということで申し上げますと、厚生年金、これは五十年度末であったと思いますが、厚生年金の場合が一人当たり五十二万円に対しまして、国家公務員共済組合の場合には、拠出時の国庫負担分は横にのけまして、同じベースで厚生年金と比較をいたしまして百六万円、約二倍の積み立てを持っております。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(杉浦喬也君) 国鉄の例でございますと、先ほどと同じような計算をいたしますと、一人当たりの積立金が八十七万円というふうに計算されます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 人事院にちょっとお尋ねしますけれども、人事院の給与局が昨年の八月三日に出しました「いわゆる生涯給与及び勤務条件等をめぐる諸問題について」、こういう資料によりますと、「官民の支出を保険料についてみると、共済組合掛金はこれまでの累積で厚生年金を一〇〇として一三四(実質化してみると一五七)となっている。」、こういうふうに報告されていますけれども、この比較の算定の根拠を示していただきたいと思います。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○政府委員(茨木廣君) 詳細なことはいま持っておりませんけれども、当時、制度値として計算をさせましたのがただいま御指摘のあった数字でございます。と申しますのは、共済以前のところは恩給納付金という形でもって現実に金を納めておったわけでございます。その当時厚年等は一・五%程度の負担率であったと思います。そういうものをずっと歴年累積してまいりまして挙げたのが先ほどの一三四ということで、同じ条件の方という設定のもとに計算をさせたわけでございます。  それからもう一つ、一五七という数字が示してありますが、これはその後の貨幣価値の変化等を試算的に直さしてみますというと、現在累積どういう価格になるかというような感じでそのとき出さしたものでございます。したがって、先ほど大蔵省さんから言われましたものとはまた違う観点からそういう比較をしてみたわけでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 掛金率が変わってきますと全体の給付の高低にも影響してくると思うんですが、現在厚生年金では国の負担割合二〇%ですね、各種の共済年金では一五%と、五%差があるわけですけれども、この五%の差というのはどういうようなものであるのか、あるいは公務員共済の国の負担を厚生年金並みに二〇%にできないものかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) この五%の差がございますのは、それぞれの制度が沿革的に発足以来いろいろの変遷を経まして現在もうすで相当年限この五%の差が定着をしておるのでございますけれども、この差の生じます根拠といたしましては、両方の年金を比べました際に、たとえば支給開始年齢でございますとか、たとえば長期勤続者の給付の点でございますとか、やや両者の間に共済年金の方において有利な面もあるということ等を配慮しておる。また、もう少し別の観点から見ますというと共済年金は一般の社会保障としての厚生年金にプラス企業年金的なものを上に乗せた職域年金の性格を持っておるということを申し上げましたけれども、厚生年金の国庫負担率が二〇%でございますが、企業年金の部分は両者の負担でこれを賄っておるわけでございまして、そういうことを総合的に勘案いたしまして二〇%と一五%という率になっておるわけでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 時間ありませんので、次に整理資源についてちょっとお尋ねしますけれども、これがいろいちと官民格差の元凶であるようなことを言われておりますけれども、この整理資源につきましては、毎年資料で国の予算に出ておりますけれども、この整理資源の意義と今後どの程度の額になるのか、あるいはいままでどの程度出しているのか、またその見通しについて大蔵省から説明をしていただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 整理資源という言葉が大変聞きなれない言葉でございましたために、いろいろと実は言われておる面もあるわけでございますが、これは現在、昭和三十四年に国家公務員の共済組合制度ができまして、その年まで続いておりました恩給制度及び旧共済制度はそれぞれそこで打ち切りになりまして、新しい制度に一本化したわけでございます。しかしながら、新しい制度の組合員は、それぞれそれまでの間にもその恩給期間等を持っていたわけでございまして、新制度に切りかえますためには、これらの恩給期間に対する各人の既得権を尊重するということを前提といたしまして、恩給の制度にピリオドを打ちまして新しい制度に移っていったわけでございます。したがいまして、新しい組合員が退職をいたしましたときには、その組合員が受ける年金は旧恩給部分に相当するものと、新しい保険数理に基づく分と二つあるわけでございますけれども、その旧恩給部分につきましては、国庫納付金はずっといたしておりましたが、積立金というのはないわけでございます。したがいまして、この積立金を持たない部分につきましては、共済組合には財源がないわけでございますから、これは一般の恩給費と同じように国が使用者としての立場でこれを全額負担をするということが施行法の五十五条に定められているわけでございます。この法律に基づきまして、いわば恩給部分の始末のために国等が交付いたしておりますものが整理資源と呼ばれるものでございます。  五十年におきまして全部で四千百億円と言われておりますが、これは実は地方公務員あるいは公企体というものを全部含んだ数字でございまして、国家公務員の共済組合について御説明申し上げますと、五十年度は九百四億円でございます。制度の発足以来累計をいたしまして三千六百八十七億円でございます。これは恩給期間に相当するものでございますから、今後の見通しにつきましては、給付の総額に対しますところの整理資源部分の割合は毎年毎年どんどん下がってまいります。しかしながら、ここしばらくはまだ恩給期間を持った方々が退職して新たに受給者になります。また、過去の恩給部分の改善等もございますので、金額的にはやや増加するという傾向がだらだら続くと思います。理論的に申しますと、ある一定の年限を過ぎますと、それから先急速に金額も減少していく性格のものでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 厚生省としては、この公務員共済の整理資源と申しますか、これについてどのような見解を持っておりますか。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○説明員(高峯一世君) 整理資源につきましては、いま御説明がありましたように、恩給公務員期間にかかわるという性格のものでございますので、厚生省としては直接関係のない費目でございますので、私どもの方から特に申し上げることはないと思います。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 先ほど同僚の野田委員からもいろいろとお話がありましたけれども、この公務員のいろいろな事案につきましては、労働基本権の制約とか、あるいは政治的行為の制限、あるいは私企業からの隔離とか、守秘義務とか、信用失墜行為の禁止とか、そういった民間企業にない厳しい制約があるわけですが、また懲戒免職になると退職年金を二〇%カットされるとか、そういう厚生年金にない制約があるんですけれども、これをどのように評価していくかというのが一つの問題じゃないかと思いますが、そこで、人事院にお聞きいたしますけれども、給与は民間との比較で決められていきますが、退職金も民間と比較して決められていると思うんですが、一体このような民間にない公務員の規制について、どの面でどういうふうに評価されているか、その点、お考えをお聞きしたいと思います。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○政府委員(茨木廣君) 先ほど来、社会保障制度としての年金という性格のみならず、職域年金としての性格があるという御答弁が再三あったと思いますが、従来の恩給の流れ等から比較いたしまして、厳しい反面にまたそういう長期勤続してもらうというような、そういう厳しい職場でございますがやはり長期勤続してもらうというたてまえから恩給制度ができ、それがいまの共済制度に移り変わってきておるという経緯がございますと思います。普通の給与の方は、御案内のように官民比較でやりますから、一流企業並みにはいかない、大体中間のところの平均になってしまうという事態もございますし、辛うじてそういうところで有利性が残っておると、そういうことだろうと思います。  そこで、私どもとして、最近大変議論になりました点と関連しまして非常に意識いたしておりますことは、やはりこの公務員の年金問題を御検討いただきます場合には、諸外国の、やはりその国における公務員とその国の民間のそういう年金制度との関係がどうなっているかということもあわせて御検討いただかないというと、やはり均衡を失するんじゃないかという感じをいたしております。で、先般も、五月の二十三日でございましたか、在韓米軍参謀長の解任の記事が載っておりましたが、その中に、本俸の七割の給与でもってこの方は生活ができる制度になっておるんだというふうになっております。で、すぐ調べさせてみますと、やはりそのようになっておるんです。で、先ほども議論になりましたように、もともと給与体系が、期末勤勉のようなものがない給与体系が外国の制度でございますものですから、そうしますというと、実質七割近いものが手に入るということで生活ができるというのが外国の公務員のやはり保障になっておるわけでございます。で、それと見合いで、先ほどいろいろ言われましたような、規制でございますとか、あるいは天下りの規制とか、いろんなものがやはりあるんだろうと、その辺やはり総合的にバランスをとってお考えいただかないというと大変なことになるんではないかと、こういう気持ちをいたしていろいろ研究を進めておるところでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 人事院にもう一つお聞きしますけれども、昨年の夏に人事院勧告が出ましたときに、生涯給与比較論というのがマスコミから出ましたけれども、人事院も先ほどの「いわゆる生涯給与及び勤務条件等をめぐる諸問題について」と、これを出したわけですが、これによりますと、給与は民間との均衡はとれており、退職手当は勤続三十年で退職した大学卒の課長を想定してみると、公務員が千四百五十万、民間は中労委調査で同じく千四百五十万、人事院調査で千四百九十万と、公務員が多少低くなっている。年金について見ても、民間の年百三十万と公務員の百三十九万と九万円の差があるだけであると、このように出されておりますけれども、この人事院のメモからいいますと、公務員の共済年金というのは、例外的に高い人もいるだろうけれども、平均的には決して高くないと、こう思うわけですけれども、人事院としては、公務員共済の給付水準について、どのような見解を持っておりますか。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○政府委員(茨木廣君) これは先ほど総裁の御答弁の中にもございましたように、いま実態調査等もやっておるわけでございますが、そこで、大体民間と比べますというと、一割も高いところにいかないようなのが実態ではなかろうかと、というのは、厚生年金とだけ比較いただきますとこれは間違いでございまして、そのほかに企業年金というのがございますわけです、それぞれの会社等がおつくりになっておる。で、そういう企業年金、調査年金を合わせました合計でやはり御批判をいただかないといかぬわけでございまして、そういう面で言えば、そう高いものが公務員に支給されておるわけではないと。で、先般国会で論議されました際に提出されました資料等は、いろいろ熟成期間の長さが違うとか、あるいは公務員の中でも国家公務員のほかに地方公務員とか、ほかの給与体系が若干違うものが相、当引用されておるように私どもとしては見受けておったわけでございます。そういう違いもいろいろあってああいうようなことになったのではなかろうかと思いますが、同じ制度を同じ年限でうかがってみますというと、若干のそういう有利性を持っておる程度に低まってきておるというのが実態でございます。で、一番大きな原因は、最高限度額が抑えられておりまして、一番最高限度が課長クラスの上位号俸のところでとまっておりますから、それ以上幾ら給与が上がりましても年金にそれははね返らないということに、もうすでに漸次抑えられた制度になってしまっておる、そういうこともございまして、そうこうして見受けるほど有利なものになっていないというふうに考えておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 公務員の年金の問題につきましては、河田委員が後で質問されますが、私はそれに先立って、大蔵省の政治姿勢の問題とも深い関係のある問題について、その姿勢をただしたいと思います。  それは終戦のどさくさに紛れて、戦時中外地に居住していた人たちの在外預送金、その金の数十億円を略取して、そうして戦後最大の疑獄事件という悪名をこれはとどろかせている在外預送金略取事件、この問題についてお伺いしたいと思うんです。  ここに、昭和五十年六月八日付の朝日新聞の投書欄に掲載された、「在外預送金を取りもどそう」と題する北山波奈代さんという当時七十一歳の御婦人の投書があります。これには次のようなことが書いてある。「私たちの仲間は終戦前後、朝鮮半島や台湾で暮らしておりました。そして日本の敗戦を知ったとき、それまでの預金や財産を朝鮮銀行と台湾銀行を通じて、日本へ送金しました。当時このようにして内地へ預送された総額はそのころの金額にして八十五億円にもなります。ところが、内地へたどりついた私たちに払いもどされた金額は、あるものは送金額のわずか一%、多い人でも一〇%程度でした。そして払い残したお金の六十八億円は政府が取得、さらに残ったお金は現在の日本不動産銀行や株式会社日貿信の設立資金にまわされてしまいました。もちろん、私たちに一言の断りもなく、戦後のドサクサにまぎれて行われたのでした。このような横暴が許されてよいものでしょうか。私たちは自分たち自身の終戦処理のために、長年この件について調査しました。このうえは、取られたものをとりかえしたいと思います。」、このような投書であります。これはまことに重大な問題だと私は考えます。終戦当時に八十五億円ということでありますから、これを現在の貨幣価値に換算して考えますと、まあ一千倍か二千倍か、それ以上にもなっております。文字どおり天文学的な数字で、その規模はロッキード事件をはるかに上回る戦後最大級の私は大疑獄事件でないかと思います。しかも、ロッキード事件、児玉ファミリー、つまり東亜相互企業との関連や、日韓癒着などの黒いうわさの絶えない日本不動産銀行が絡んでいるとあっては、このまま見逃すことはできない問題だと思うのであります。  そこで、私はまず初めにお聞きしたい。日本不動産銀行は、閉鎖機関朝鮮銀行の特殊清算後の残余財産の一部をもって設立され、株式会社日貿信は、台湾銀行の残余財産の一部をもって設立されていると思うんですが、第一に、昭和二十年九月三十日の閉鎖時における両行の財産総額と在外預金及び在外送金の総額を明らかにしてもらいたい。  第二には、特殊清算終了による在外預送金支払い総額、新会社への引き継ぎ分を含めた支払い総額、国庫への納付金と清算税の金額及び新会社設立資金に回された残余財産の総額を明らかにしていただきたい。  第三に、これらの日貿信、不動産銀行、こういう新会社が設立された年月日と設立当時の資本金を明らかにしていただきたい。  右の三点について伺います。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) お答えします。  旧朝鮮銀行、台湾銀行等の特殊清算の結果でありますが、全体のまず残存財産としまして、朝鮮銀行につきましては七十二億二千四百万あったわけでございます。それで、それから納付金として二十九億九千三百万円、それから清算諸税としまして二十三億七千七百万円を差し引きまして、純残余財産として十八億五千四百万が残ったわけであります。これが新会社である不動産銀行に引き継がれ、そのうち十億円が不動産銀行の資本金ということで構成されております。  それから台湾銀行につきましては、残存財産が全体として二十三億一千四百万円ありました。そのうちから納付金として九億五千百万円、それから清算諸税として六億六千九百万円が差し引かれまして、純残余財産として六億九千三百万円が残りました。このうち四千百万円は株主に分配されましたが、残りの六億五千二百万円というのは台湾銀行の第二会社であります日貿信に引き継がれまして、そのうちの三億七千五百万というのが日貿信の資本金ということで構成されております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 われわれの調査と少し違いがありますが、これは資料として一切出していただきたいんですが、それはいいですね。  それではお聞きしたいんですが、この金ですね、この預送金の問題でありますが、これは昭和二十年の九月三十日の閉鎖時点の貸借対照表、この負債の方、本支店勘定として朝鮮銀行が約六十一億円、台湾銀行が約二十四億円、そうして閉鎖日帳簿価額としてこれが記載されているわけです。この金額がちょうど北山さんたちが問題にしている在外送金のことであると思うんですが、これはどうですか。その後の調査はどうなっておりますか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいまの先生御質問の金額は、朝鮮銀行及び台湾銀行の閉鎖時現在の国内店舗の貸借対照表の負債の部に計上されております本支店勘定に、それぞれ六十二億円、二十億円という金額が計上されておりますので、その合計額かと存じますが、これについてでありますが、まず、外地本支店から内地支店向けに送金する場合の銀行内部の取り扱い手続といたしましては、外地本支店で内地支店への送金を依頼されますと、当該外地本支店は送金取り組みの通知を内地支店に対して行うわけであります。この場合外地本支店は、送金依頼になった現金を直接内地支店へ輸送するということではなくて、現金は外地本支店にそのまま残っているわけでございます。一方、外地本支店から送金取り組み通知を受けました内地支店としましては、当該送金額を本支店に対して貸しとして内地支店の本支店勘定の借方、資産の部に計上するわけであります。それで送金受取人から支払い請求があると、外地本支店にかわって当該送金を支払うということになります。  そういうふうに、ただいま述べましたように外地本支店から内地支店向けの送金があった場合は、現金は外地本支店にそのまま残りまして、内地支店が外地本店にかわって送金受取人に現金を支払うということになるわけでございますから、内地支店では送金取り組みのあった額だけ本支店に対する貸しということになるわけでございます。したがいまして、朝鮮銀行及び台湾銀行のただいまおっしゃいました八十二億という貸借対照表の負債の部に計上されております金額が、そのまま外地本支店からの送金額になるというふうなことには相ならないわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、それは一分一厘それがそのままと、こう言っているんでないが、その大部分が、それによってこれは起こったものだということは明らかだと思うんです。この点について、台湾銀行史という書類がございますが、この千二百七十二ページを見ますというと、「この本支店勘定貸方残高は、主として終戦前後外地よりの内地向送金によって起ったものである」とはっきり明記している。だから、あなたらは手続上の金融のやりくりについて話をされて、問題の私の聞いているその大部分の金というのは、ほとんどこれはもう外地から送られてきた、その金によってこのような残高ができておるんだ、どうなのかと、この点について調べられたかどうかということを聞いておるんです。その点はどうなんです。その点についての話がないんで、どうなんです。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) その台湾銀行のただいまお述べになりました資料のことを私どもよく存じておりませんが、いわゆる、先生おっしゃっていますその八十何億という数字は、ただいま私の方の資料によりますと、いわゆる閉鎖時における国内店舗貸借対照表の負債の部に計上されている金額、それぞれ六十二億円と二十億円の合計かと考えまして、それの性格はただいまお答えしたようなものであるということでございまして、その台湾銀行史か何か、そちらの方の記述の関係の金額については私ども特に承知しておらないわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そこのところ、あなたたち調べる必要がありますね。いまごろそういうような手続上の問題でこの問題を紛らすことはできないですからね4台湾銀行史というのは、これは正確な当時の記述を書いたものですよ。この中ではっきり指摘している。この大部分というものは、在外から送金されたそういうものによって結局はこれは資産になって残高になっておる、そう言っているんで、それについて、とにかく手続上の問題でこれは言っているわけですけれども、それは認めていいですね、それはそうでしょう。これはもっと調査されますか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) その台湾銀行史に記載されておる内容そのものの意味については、さらに調査さしていただきたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この点は、もう時間がたっているからといって等閑に付する問題じゃないですからね、この内容についてもう少し詳細に調査をして、当委員会に報告してほしいと思うんです。  そこで、私は次に進んでお聞きするんですが、この在外から日本に預送金された、日本での払い戻し請求権を獲得するその時点は、これはいつになるんだという問題ですね。これはどうですか、送金事務の手続が完了したその時点でもう払い戻し請求権というのははっきり確立する、そうしてこの手続をした当人はこれを取得することができるんだと。これは当然そうでしょうな。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 一般論といたしまして、その支払いの要求ができる状態になるという意味での請求権発生の時期は、送金為替について言えば送金先への到着した日、預金について言えば支払い履行期であると考えられますが、いま御質問の閉鎖機関の預送金については、御承知のように終戦後の昭和二十年九月における総司令部の覚書に基づき、支払い停止の措置がとられたためその行使ができなかったという状態にあったわけでございます。その後、本邦内の預送金につきましては、昭和二十二年三月に閉鎖機関令が制定されまして支払いが可能となり、在外預送金につきましては、二十九年に至りまして閉鎖機関令の改正がなされ、引き揚げ者対策というような意味も含めて、その閉鎖機関の特殊清算事務の一部として、その本邦内の資産をもってそういった在外預送金についても支払いができることになったという経緯でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんなことを聞いていない。いつ権限が発生するかと聞いている、確立するかと聞いている。銀行に金を振り込んだとき、当然これを払い戻しする権限は発生するわけでしょう、どうなんです。それをあなたたち、何も先の聞きもしないことを予防線張るようなことで言っているけれども、しかも、これはここに北山さんの例があります。北山さんが、これは北京在住の方であったが、京城を経由して帰国された。そうして送金をされた、それが朝鮮銀行。そしてそれは二十年七月三十日。それから山口の方の林さんという方、この方は昭和二十年六月十五日にこれは帰国している。それでそのときやはり朝鮮銀行で振り込んでいる。振り込んだときに、これは小切手ですか、とにかくその小切手というのは権利が発生したんでしょう、取得権は。その点はっきりあなた明確にしなさいよ。そんな先のことなんか聞いてない、これは後で論議します。それはそうでしょう、だれが見たってそうでしょう。その点はっきりしてください。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 私、一般論をまず最初にただいま申し上げたわけでございますが、それは当然その請求権が発生しましたのは、送金為替について言えばただいま申しましたように送金先への到着日、預金について言えば支払い期にそういった払い戻しの要求ができるという意味の請求権は発生すると考えておるわけでございます。それが終戦後の事情で、いま申し上げたように支払いができなかったという経緯を申し上げたわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 取る取らないは本人のこれは自由なんだが、金券そのものの請求権というものははっきり発生しているでしょう。それを認めないなどというのは、金融に携わっているあなたたちの立場として——そういう答弁で先のことばかり言っている。何も聞かないんだ、先のことは。いつ発生するかという原則論について言っているんだ。一般論でも何でもない、基本的人権に関する問題なんだ。この点が明確になるかどうかということは、非常にこの問題の中でこれを決定する重大な問題なんだ。それを何だかんだと先のことばかり言っていますけれども、そんなこと聞いていない。しかも、いま申しましたように帰国前でしょう、敗戦前なんだ。敗戦はいつだ、二十年の八月十五日じゃないですか。その一カ月前にこれはもう北山さんは振り込んでいるんですね、七月三十日、半月前です。林さんに至っては六月十五日ですから、もう二カ月前にこれは振り込んでいる。このとき請求権は発生しているでしょう、これは認めなければなりませんね。大蔵大臣、どうですか。局長が何か先を見越した答弁やっているけれども、余りにも明確でしょう。どうですか、この点はっきりさしてください。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいま一般論としてお答えしたわけでございますが……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっと、大蔵大臣に聞いているんだ、局長じゃだめだ。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 北山さんのケースでございますが……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 局長に聞いていない、委員長、注意して。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 許可しましたから、済んでから大蔵大臣に……。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 北山さんの場合は、終戦直前の二十年の七月末ごろ北京から引き揚げてこられたと聞いております。その引き揚げの際に、旧朝鮮銀行北京支店東城出張所から、いわゆる当時の聯銀券建ての送金小切手二口を旧朝鮮銀行本店あて送金されたと聞いておるわけであります。それで、私一般論と申しましたのは、それが送金の到着日がどうであったかというのをいま調べる由もないわけでございます。ですから、一般論としまして送金為替について言えば、送金先への到着日、預金について言えば支払い履行期であるというお答えを申し上げたわけでございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私もその具体的の例につきまして、ここではっきりと申し上げるだけの知識を持っておりませんけれども、終戦前に確かに発生した権利、その権利の中には、終戦後におきまして、いろいろな政令その他によりまして変更されたものもあるやに私は聞いておりますけれども、これは戦争の大騒動の後でございますから、いまの御指示の具体的な事項につきましては、私はここで、その件についてはこうだと、こういうことを申し上げるだけの知識は持っておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 こんなのは常識でしょう。われわれは金融についてそう詳しい知識があるわけじゃない。しかし、銀行に行って払い込んだ金券を持っていたら、それで権利発生するでしょう。余りにわかり切ったことを、先を見越して答弁するというのはけしからぬと思うんですよ。そうでしょう。いいですか大蔵大臣、その点は確認してようございますな。送ってこなきゃならないとかなんとかそう言っていますけれども、金券は、金を払い込んでそのときまだ発生しないと言うんですか、請求権が。そんなばかなことがありますか。そんなら銀行は信用できないじゃないか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 繰り返して申しますけれども、確かに、終戦前に発生した権利、その権利は、そのときはその人に帰属する権利として私は発生しておると。しかし、戦争に負けたという大きなあれが起こっておるんですよ、その後。そうすると、その後において、いままで発生しておった権利がそのまま——その具体的の場合については私は先ほどから申し上げておるとおりわからないんでございますけれども、いろいろな発生した権利の中には、戦争を経過して、これが変わったといったような権利もあることでございまするから、そこで私は、具体的のこの問題につきましては、何とも、これはこうだというはっきりとした断定的なお答えはいたしかねますけれども、これはよく調べてみたいと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 とにかく、終戦前にそのような手続を完了して、銀行の窓口で金を払い込んだ。そのときこの金券は、権利は発生しているんだよ。それを後で取るかどうかというのは別問題なんだ。個人の権利だよ、請求権というのは発生したんだ。この点を認めないで、書類が回ってこないとかなんとかそういうようなことをあなたたち口実にしていま言っているけれども、そんなことは成り立たぬでしょう。大臣の答弁非常に不十分だけれども、これからあなたよく調べてください。まさにそのとおりでしょう、そうでしょう。  ところで、今度、あなたたち問題にして言っているんだけれども、その後何かGHQの指令が出た、そう言っていますね。それはいつだ、いつ出たんですか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 二十年九月二十二日でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その前までは少なくともこれは有効でしょう、スキャップが出るまで。スキャップ何号ですか、はっきりしておいてください。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ちょっと番号はあれですが、そのスキャッピンの名前は、金、銀、有価証券及び金融上の諸証書の輸出入の制限に関する件というので、九月二十二日付で発せられているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、払い込んでからそのスキャップが出るまでに三カ月もある、そういう事態ですよ。だから、そういう点について、それを盾にしてすでに取得した権利をあなたたちがそういうことで侵害するということは許されないと思うんですね。  換算率についてついでにお聞きしますが、これを振り込んだときの換算率はどうだったんですか。御存じだと思いますがどうなんです。外貨と日本円の換算率、それは朝鮮、台湾、樺太、琉球、関東州各地域、そのときこれはちゃんと法定されているはずですが、どうなっていますか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) この換算率につきましては、いわゆる在外の送金為替と外地預金の場合とで異なっておりまして、いわゆる送金為替につきましては、外地から日本へ外貨により送金する場合のその換算につきましては、在外財産問題調査会の答申に基づきまして……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 またよけいなことを言わないで、先に進まないで、やらないでください。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 支払い停止措置がとられたときの為替管理の実行換算率が基礎になっております。それで、それをもとにして定められたのが閉鎖機関令の別表に定められておるわけでありますが……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もうだめだ、それ。委員長、聞かないことまで答えている。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) ちょっと待ってください。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そのときの換算率ですよ、振り込んだときの換算率、ちゃんとはっきり言いなさい。そんな先の方の処置については私が後で聞いていく。それを先回りして、何でも弁解的に煙幕を張る気だ。そんな答弁だれが要求していますか。一対一でしょう。ちゃんとこれは法定されているはずだ。一対一。いま言った朝鮮、台湾、樺太、琉球、関東州、この各地域においては、日本円と外貨との換算率は一対一というふうにちゃんと法定されているはず、それは事実だから認めなくちゃならないと思う。どうです。その後のことを聞いていない。何でそんな弁解する。弁解を聞いていない。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいまおっしゃいましたそのいわゆる当時の外貨の換算率としまして、朝鮮、台湾、満州、この通貨の換算率は一対一でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 長く要らぬ、時間がないんだから。一対一、そうですと言えばいいんだ。大体予見を持ってこれは答弁しているよ。質問ちゃんと事前に通告してあるんだから、もっと明確に答えなさい。事実は事実、弁解も何も要らぬ。  終戦後も、在外邦人が在外公館に物件を寄託した場合、この法定換算率で日本円で返還してきたはずですね。それから、当時、ここに北山さんの横須賀税関支署から発行された預かり証があります。   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕 この預かり証を見ましても、この添付した文書にははっきり一対一と書いているんです。そういう点から見まして、はっきりこれはその後の、二十九年ですか、二十九年の措置をやるまでは一対一というそういうなにが生きているはずでしょう。だからそういう点で、この既得権というものは尊重されなくちゃならないと思う。言うまでもないことですが、憲法二十九条に財産権の尊重、こういうものがことに憲法でうたわれている。この権利を後でいろいろな形をやりながら侵害したのが実際のこのやり方じゃないですか。  そこで、その二十九年に換算率を変えた。どういうやり方で変えたんですか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 先ほど答弁しかけたわけでございますが、それにつきましては、まず送金為替と外地預金とで取り扱いが違うわけでございます。  まず、送金為替でございますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、在外財産問題調査会の答申に基づきまして、支払い停止措置がとられたとき、これは昭和二十年九月でございます。1に、当時の為替管理の実行換算率を勘案した換算率ということで閉鎖機関令の別表に定められておるわけでございます。  それから、外地預金につきましては、これは本来預金した現地の通貨をもって現地で支払われるというたてまえのものでございます。しかし、外地で預金された現地通貨というのは日本で当時流通しなくなっていたため、邦貨との換算率を定める必要が生じたわけでございます。これも在外財産問題調査会の答申によりまして、いわゆる在外公館の現地での借入金の返済の際とられた換算率に準じた換算率、これが閉鎖機関令の別表に定められている。これに従って換算、支払われたわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあそういう答弁だけれども、事実はどうなんです。この換算率を決めるまで、大蔵省は在外財産問題調査会、この答申に基づいて制定したということを言っているんですが、この調査会の答申なるものを検討してみますと、これは昭和二十九年二月二十二日の調査会の答申によると、引き揚げ者が持ち帰った旧日銀券については、「原則として新日銀券と等価でひきかえるものとする」と答申し、未払い送金についても「外貨表示の金額については、当時の実行換算率」、つまり一対一の換算率で現実には支払われることを前提として「換算率を定めること」と述べている。   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕 当然これは等価で支払うことの措置をとるべきだという答申をやっている。ところが、政府はどうです。在外預金についての「在外公館等の借入金の返済の際とられた換算率」、つまり百分の一ないし十分の一に準じて「適当な換算率を定めること」という答申をよりどころとして、不法不当な換算率をこれは制定した、こういう経過をたどっているのでありまして、こういう点で大変損害を受けているのは、これは引き揚げ者であるということははっきりしていると。このような不法不当な換算率の根拠となった在外公館等の借り入れ等の返済に関する換算率、これについては、昭和三十一年三月十七日の東京地方裁判所民事第十一部の判決で、これは疑問の余地がある、決して正確であるとは言えない、こういうような判示がされているんでありますが、この点について民事課長、これは事実を明らかにしてほしい。

田代暉法務省訟務局民事訟務課長

○説明員(田代暉君) 要約して申し上げます。  判決のただいま申された結論部分を申しますと、実施法の決め方は、少なくとも本件借入金に関する限り当を得ていないということになるわけであるが、翻ってここに定められた金額は、昭和二十一年十二月末日における換算率として合理的なものであるとは考えられないであろうかという趣旨での判決でございます。結局、判決に言いますところは、客観的に合理的な換算率を定めることはほとんど不可能な状況であるので、より合理的な換算率を考えるべきであるという立場に立ちましてその当否を検討いたしました結果、このような結論に至ったものでございます。  なお、この判決につきましては、双方が不服として控訴いたしましたけれども、結局高裁ではこの判断は覆りまして、換算率は合理的であるという結論になっております。  以上でございます。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、中村利次君、片岡勝治君、田英夫君及び戸叶武君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君、吉田忠三郎君、安永英雄君及び福間知之君がそれぞれ選任されました。     —————————————

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは東京地裁の民事十一部の判決ですね、もうはっきりしている。それを後でひっくり返すというようなことは断じてなりません。こういう形で百分の一ないし十分の一というような換算率はだれが考えたって不当なものだと私は思う。引き揚げ者はこれで大変な犠牲をこうむっているわけですよ。何も好きこのんで戦争に遭ったわけじゃない。これは国に路線でこんなことやったわけだ。侵略戦争やったわけでしょう。そうして外地へ行った。そういう中で着のみ着のままで引き揚げてきた。そういう人たちが、実際現地で振り込んだ、あるいは現地でのそういう財産の百分の一ないし十分の一というような換算率では全然これは問題にならない。しかも、朝鮮銀行と台湾銀行で支払った金は総額にして幾らになっていますか。時間ないから端的にやってくださいよ。多くのなにはっけ加えは要らぬ、中心だけでいい。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 預金と送金為替分合計しまして、朝鮮銀行の分が六億四千八百万円、台湾銀行の分が七億八千五百万円でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これも数字ちょっと違いますが、大体朝鮮銀行の方は五万五千人分として約六億円、台湾銀行の方は二万五千人分として約四億円、計十億円ある。八十五億円の引き揚げ者が血の出るような金を振り込んで、着のみ着のままで日本に帰ってきた。そういう中で払われた金が実際は十年後の昭和二十九年あるいは三十二年にわたるような、もう十年後です。そのときの金の貨幣価値というのは一体どうなっているか、考えてみたことありますか。胸に手を当てて考えてみたらいい。すでにもうその当時の貨幣価値、これはわかりますか、わかりませんか。大蔵省でわかるわけだ。どのぐらいになっています、その当時。言ってください。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 消費者物価指数と卸売物価指数で申し上げますと、昭和九−十一年を一といたしまして、卸売物価指数は昭和五十年で六二六・八でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうですか、実際受け取った十億の金というのは、もう全く貨幣価値からいったら問題にならない金でしょう。八十五億という金、それを振り込んで、実際受け取ったのは名目は十億かもしらぬ、しかし十年後の価幣価値、あのインフレの物すごい高進の中で実際こんなものは問題にならなかった。こういうことをやっているわけでしょう。しかもGHQの問題をあなたたち言うけれども、これはどうですか、GHQ指令で、朝鮮銀行、台湾銀行が閉鎖される約一週間前の昭和二十年九月二十二日にはGHQから命令が出る、金融取引の統制に関する件で、在外預金等の支払いが停止される、送金は除外された、こういう項がある。それにもかかわらず、政府は在外預金と一緒に送金をも支払い停止をしてきた。送金というのは、身近などうしても帰ったらすぐに使う金なんです。だから、これは当然その中から特別扱いにされたはずなんです。こういうものは全然顧みなかった。さらに、昭和二十五年の十一月三日付でGHQが、これはスキャッピン七千三百十七号のA、これに基づいて昭和二十五年十二月二十六日、閉鎖機関令を改正して、そして履行地主義を店舗主義に改める、そういうような方法をとって、在外預送金の支払いを実行しようと、この一部閉鎖を解こうとしたと。ところが、全然これは政府は取り合わなかった。このようにしてなおこれは四年の月日を経過するんです。こんなやり方で、しかも支払ったのは百分の一、十分の一、こういうことというものは、これは納得できると思いますか。  これは大蔵大臣、当時の敗戦後の事情はあったかもしれないけれども、こういう実情で、実際これは引き揚げ者の皆さんはどういうふうに感じていられるか。かつての戦争の傷跡が、こういう形で日本の内政の中に、金融支配の中に大きく存続した。こういうことについて率直にどうお考えになりますか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいまの先生の御質問で、北山さんの場合百分の一だということで不当に低いじゃないかというお話ですが、北山さんの場合は、いわゆる中国の聯銀券建ての預金でございまして、朝鮮銀行券ではございません。そういうことで換算率が低くなっているわけでございます。  それと、先ほど申し上げましたように、換算率がいわゆる送金為替、これは本来、本邦なら本邦に送ってそこで受け取るというたてまえのものと、いわゆる外地の預金、本来は外地で現地の通貨で払い戻しを受けるたてまえのものとで換算率が違っているわけでございまして、北山さんの場合は、そのうちの外地預金に相当するわけでございますから、先ほど朝鮮なり台湾なり一対一であったのが不当じゃないかというお話ですが、北山さんの場合、聯銀建て預金ということでそういう換算率になっているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまの問題はどうなんです、大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 敗戦という大変な、民族にとりましては天地がひっくり返ってしまうといったような大きな激変に遭遇いたしまして、それでそういった、いまお聞きしたような非常に悲惨な、非常に苦しい事態にあったということをしみじみと私は感じまして、大変いまから考えましてお気の毒なことであるというふうに感じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 お気の毒ということで済みますか。これは済まない。これはやっぱり再調査し直して補償しなきゃならない問題です。  しかも、そういうことを言っていますけれども、この陰に何があるかということはもっと大きな問題なんです、政治的に。大体閉鎖機関令の一部改正、こういうものが昭和二十九年五月、出されますが、これはどういうことか。一口で言ったら、新会社を設けるための残余財産を捻出するための政財官界が一体になって仕組んだ大謀略であると言ってもこれは差し支えないと私は考える。ここが非常に重大です。この換算率が、新会社設立のための残余の財産をつくり出すための謀略であることは、戦後、国有財産局長、銀行局長を長年にわたって歴任し、両行を初め、閉鎖機関の特殊清算を指揮監督したのは、元大蔵事務次官の舟山正吉氏であったと思います。換算率作成委員として換算率作成の采配を振るった。またこの舟山氏がその功績を買われて、台湾銀行の第二会社、日貿信に天下りし、現在もなお取締役としていることは紛れもないこれは事実ではないですか。ここに私は日貿信の現在の姿があると思うんです。どうですか、舟山氏の経歴について、これはお聞きしたい。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 舟山氏は、二十八年八月に、大蔵事務次官を最後に大蔵省を退官した者でございます。なお、四十二年五月以降、日貿信の非常勤取締役に就任している、こういうふうに聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうですか、実際、銀行局長、それから次官もやりました。こういう中で、金融の元締めじゃないですか。そうしてこの換算率などもう先頭になって指導している。この手柄が買われて、しかも余った金でつくった日貿信のこれは重役になって天下りをしたんだ、これが正体じゃないか。  私はこの換算率の問題についてほかの例と比較をすると、引き揚げ者の場合はものすごくひどくされている、こういうことについても触れてみたいと思う。この換算率の不法不当性は、他の債務の弁済との関係から見ても非常にこれは不合理です。閉鎖機関の特殊清算、これを調べてみますというと、従業員請求権、一般債務、金融会社の在外預金などの清算はすべて等価で清算された。たとえば台湾銀行の場合、外地店からの引き揚げた役職員に対する未払い給与については、昭和三十一年、閉鎖時の内規に基づいてこれは全額を支払った、台湾銀行史にはこれは明記しています。また日本銀行の閉鎖機関整理委員会発行の「閉鎖機関とその特殊清算」というのを見ましても、中国聯合準備銀行、これも、国内ばかりでなく、外地に勤務した日本人全職員に対する支払いは、昭和二十六年八月二十二日、大蔵大臣の承認を得て、国内勤務の者とともに全額支払ったと、こう明記している。どうですか、あなたは先ほど北山さんのことを言いましたが、中国の引き揚げ者の場合はこれは百分の一、十分の一、こういう支払いをしておる。しかし、そこに勤めている職員については全額これは等価で支払っている。こういうことが一体公正と言えるかどうか。また一般債務についても、「閉鎖機関とその特殊清算」は、一部分を相殺によって処理したほかは、すべての債務を弁済したと、こう記録しています。さらに台湾銀行史によりますと、日本勧業銀行や三和銀行などの在外預金については、「昭和三十年、大蔵省の承認をえて、換算利息を加算して元利を全額等価で支払った」、こう記録しているのであります。こうした点から見ても、引き揚げ者の零細な預送金を百分の一ないし十分の一の換算率で支払ったことが、いかに不法不当であるかは明らかであるということは明白だと思います。  この在外預送金略取事件の陰に何があるか、これが非常に私は重大な課題だと思いますけれども、いま申しました点についての不公正、憲法二十九条違反、こういう問題について、どうしても再検討が必要だと思いますが、大蔵大臣いかにお考えになりますか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 先ほど来お答えしていますように……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大蔵大臣に聞いているんでね、ちょっと委員長注意してください。  あんた大蔵大臣に聞いているのになぜ次長にやらせるんですか。もう一遍やり直してください。こんなばかなことあるか。時間の関係からまずい。一国の政治の責任者じゃないですか、財政の。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 先ほども申し上げましたとおり、いかに戦争とはいえ、大変なこれは悲惨なることになっておるんでございますけれども、その後法務省からの御答弁もありましたが、とにもかくにも一応の日本の国の判決というものによりまして、換算率等については、これは合理的であるというふうに認められたということでございますので、事実戦争による惨禍というものは非常に悲惨なるものであるということはしみじみと感じますけれども、しかし、社会的にはそういったふうに、換算率は合理的なものであるということを認められたということは、私はそれに依拠していかなければならないと、かように考えます。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、秦豊君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君が選任されました。     —————————————

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だから法の権威は失墜しているんです。地裁のまことにこれは国民の立場に立って当然だと思うような判決がどんどん覆されている。それを根拠にしていつでも正しかった、正しかった、こういうことをやっている。その陰で一体何が行われているかということが非常にこれは問題なんです。どうですか、八十五億のその金、それがどういうふうにこれは処理されたのか。まあ十億は、一応名目的でありますがその後何百分の一の実質しかない金は返されている。そうしてしかも相当な金を余して、それでもっていま言った不動産銀行、あるいはまた日貿信というような会社がつくられている。それは全部朝鮮銀行、台湾銀行のそういう金融腐敗の体制を維持するための機関なんだ。それは明らかなんだ。それをさらに政府が大がかりになってのしかかっているのが現状じゃないですか。この在外預送金略取事件が、実は戦後最大の大疑獄であるということは、時の総理大臣吉田茂氏、それから大蔵大臣小笠原三九郎氏の果たした役割りを詳しく見ればなお一層明らかだと思うのです。この不法不当な換算率が制定されるに先立って、昭和二十八年八月一日に閉鎖機関令の一部改正法、法律第百三十三号が公布施行されました。閉鎖機関は、その残余財産をもって新会社を設立するためのその道を開くためであったということが今日ではもう余りに明らかだ。朝鮮銀行と台湾銀行の関係者は、こうした一連の措置は、連日のようにしてこれを展開した政界、官界工作のたまものである、こうあけすけに語っている。中でも最も注目すべきは、台湾銀行史の千二百四ページというもの、これはよく蔵相読んでいただきたい。千二百五ページ、この二ページにわたって次のような一文がある。それによるというとこう書いています。「一方、台銀と同じ境遇に陥っていた朝鮮銀行関係者も、早くより第二会社設立問題をかかげて大蔵省に交渉を続けてきたが、共同問題も多かったので、意見交換を重ねている間に、共同戦線を張ろうとの合意が成立した。二十八年の国会には、大蔵省より閉鎖機関令改正法案の提出が予想されたので、年頭より合同の打合せ会議を開き、主として第一の関門である衆議院大蔵委員会への対策を練った。しかるに三月十日、内閣不信任案が通過して国会は解散となり、われわれの運動も腰を折られた形となったが、四月十九日の総選挙を経て、五月二十一日に成立した新内閣に、小笠原実行委員長が大蔵大臣として入閣した。機会はついに到来したのである。」、こうはっきり述べているじゃないですか。ここで言う実行委員長というのは、台湾銀行復興運動のために組織された南方経済研究会、その研究会の実行委員長のことです。しかも小笠原三九郎氏は台湾銀行の大株主の一人だった。紛れもない事実だ。彼がまさに張本人的なこれは仕事をしたわけだ。関係者がここまではっきりと言い切っているのですから、政府が幾ら政財官界の一体の疑獄、こういう問題についてどういうふうにお考えになるか、これはないと仮にそういうことを否定したとしても、これは国民の疑惑は晴れない。大蔵省は当然この朝鮮銀行、台湾銀行の特殊清算の監督官庁としてやってきたわけでありますから、こうした疑惑を晴らすために徹底的にこの際調査をして国民の前に明らかにしなきゃならぬと思いますが、大臣の決意を重ねてお伺いしたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 戦後、先ほど来申しましたとおり、法律問題にいたしましてもその他の問題にいたしましても、一応適正に処理をされてきたというふうに私は考えます。そこで、これを改めていまのおっしゃられたようなことを、古いことをもう一遍これを再調査をするということにつきましては、これはちょっと目下のところはそこまで踏み切っていこうというふうには考えておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これだけの疑惑があって今日新たな問題が提起されている。もう三十年たっておりますけれども、その裏幕というのは、まさにこれは金権腐敗の政治そのものじゃないですか。そういう背景をこれは十分持っている。しかも、ここではその疑獄の裏で莫大な献金や賄賂が動く、これは大抵常識だ。この点について朝鮮銀行略史や台湾銀行史などは、多額の運動資金を使ったことを明記している。  私は特にこの点に関連して、特殊清算過程における巨額の使途不明金を問題にしたいと思う。本件にかかわる使途不明金は多岐にわたっています。専門家の間ではM資金の一部をなすのではないかと指摘する人もあるわけです。私は納付金と清算税に時間の関係から焦点をしぼってお聞きしますが、両方の特殊清算報告書というのを見ますと、国庫への納付金として、朝鮮銀行は先ほど話がありました約三十億、台湾銀行は約九億、清算税として朝鮮銀行は約二十四億、台湾銀行は約六億を計上した。総額六十九億。この点について、大蔵省は北山さんあての返書の中で、これらの金は金庫に納入されたなどと書いていますが、これは重大な問題と疑問に包まれています。問題は国民の零細な在外預送金についてむちゃくちゃな換算率で支払った。そういう措置をとりながら、納付金や清算税については、事業も何もしていない閉鎖機関から、平気で一体こういうものを取り立てていいのかどうかという、これはまさにこの政府の政治姿勢の問題が一つあります。さらに疑問は、これらの納付金や清算税が本当に国庫に一体納まったのかどうか、これは会計検査院はきょう出席を求めておりませんでしたが、これも明確にしなきゃならない問題です。台湾銀行史によりますと、清算税については免税扱いになったということを、これは千二百六十七ページから千二百六十八ページにかけて詳しく書いている。この点は大蔵省の北山さんに対する返書の記述と全く食い違っているではないですか。納税する側は、免税になったので支払っていないと言い、受け取る側は収納もしていないのに受け取ったなどと言っている。一体これはどっちが本当なのか、私はこの三十億円が、政界、官界工作資金として使われたことはほぼ間違いないんじゃないかと考えますが、両行の特殊清算を監督した大蔵省として、約三十億円の使途を究明して疑惑を晴らす責任がある、こう私は考えるのです。ですから、これを調査する考えはないなどということで免れることはできないと思います。この疑惑についてはっきりこれは御答弁願います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、この朝鮮銀行の後身、日本不動産、台湾銀行の日貿信、これが戦後長きにわたりまして、そして公然と営業を続けてきておる、その間におきまして、いまおっしゃられましたようなことがあったなら、これは日本の司直の手が動かなければならない、恐らく動いてあったろうと、こう思いますけれども、それが何らそういうようなことなしに世間の信用を受けて、そうして営業をやってきたという事実も、これまた私はこれを無視していくわけにはいかないんじゃないかと思います。社会の秩序上そういったようなことをやってきたこれらの銀行に対しまして、いまおっしゃられたことが、これは私は、あったかなかったかということについて、ここでせんさくをするというつもりはございませんけれども、そういったような社会的な事実というものも、この長い間やってきた、これを尊重していかなければならないと思いますが、その後何か両行に忌まわしいことが新たに生まれてきて、そうしてこれに対して何らかの手が動くというようなことが全然ないんでございますね。だから、そういうようなことを考えますと、いまのところ私は、この両行が合法的に、反社会的ではなしにやっておるんだということを考えなければならないということから、いまこれに対しまして、大蔵省として、財政当局といたしまして、これをせんさくしていこうという気持ちは私はありません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 一方は免税されたと言い、一方は取ったと言っておる。国庫の収支はどうなっている。そこのところだけ言ってください、時間ないですから。どうなんですか、長いのは要らぬ、入っているのか、入っていないのか明確にしてください。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいま台湾銀行史によれば、清算税を免除されたというふうに受けとれる趣旨の記述があるというお話でありますが、台湾銀行については清算税として六億七千万円が納付されているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 疑惑がないなどと言って、私は時間の関係から問題を提唱したにすぎないのですが、この事態についてはもっと詳細に、いずれ機会を見てやらざるを得ないと思う。  時間ありませんから最後に申し上げたいが、大体考えてみたらいいと思うのですね。さきも話しましたけれども、国の路線でしょう、帝国主義、侵略戦争、そういうものがもたらしたものなんです。そうして引き揚げ者はその犠牲者です。当然引き揚げ者が帰ってきたら国は援助しなければならないはずだ。ところが、その引き揚げ者を食い物にして陰の方でこのような金権の腐敗が行われていく、さらにまた第二会社が設立されていく、そういうものがまたのしかかってくる、こういうことで、一体日本の政治の大もとを正すことができるですか。  私は国会に入って三十年になりますけれども、このような暗黒の中を、本当にこれと対決してきたと思うのです。そうしていま三十年暮れたこの中で、終戦前のこの傷がいまだにいえない、三十二年も過ぎた今日、なおこれが問題になっているというところに非常に大きな問題がある。法的にはつじつまを合わせる、傷は何とか傷口を縫う、口は全部押さえてしまう、そうして暗黒がまかり通るというこの事態は、いまロッキードや日韓癒着の中で大きな問題になっているのです。自民党の体質そのものが問われている、金権腐敗の政治そのものが問われている、そういう体制の中の一環として私はこの問題は断じてこれはないがしろにできない問題だと思う。  こういう点から、あくまでこれは調査をするということはないというので、傍らの次長が躍起となって大蔵大臣を押さえるようなかっこうで入れ知恵をやっているんだが、こんなばかなことはないと思う。あなたの政治的な判断でこれは明確にすべきだと思うのですが、どうですか。もう一遍最後に、これは当然関係者の意見を十分に聞いて、そうして具体的にこの問題を調査して、これに対して明快な立場をとる、そうして、要は、このような憲法二十九条違反の財産権の侵害に対する、国そのものが財産権の侵害をやったその事実、そういうものに対して、今日でも遅くはないんで、補償を明確にすべきだというふうに考えます。この点についてどうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御意見はよく頭の中へ入れておきます。だけど、大蔵当局といたしましては、その御意見に基づきまして何らかの挙に出るということは、私はいま決意いたしておりません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 非常に時間が迫っておりますので、私もできるだけ質問は簡単にします。大蔵省が中心で、あと国税庁、ほかの方は結構です。  大分きょうは社会党、公明党の同僚議員が質問されておりますので、私はごく簡単に、いろいろな年金の関係あるいは共済関係、災害補償とか、いろんなこういう社会保障的な問題は相当見直すべき時期にきていると思うのです。しかし、当面、今日いろいろ年金の格差問題というようなものがありまして、公務員の共済が高過ぎるとかいうことが言われておりますけれども、私たちの方は厚生年金の給付が余りにも低い。これはあなた方の所轄外ですけれども、厚生年金が低い。従って基本的な要因は、この厚生年金の抜本的な改善をまず提起しなくちゃならぬと思いますが、ここでは若干改善する問題の一つに、退職後の転職による併給給付という問題であります。  厚生年金では、定年で転職しても引き続き厚生年金に加入している限り厳しい制限があり、月収十一万四千円以上の場合、六十五歳までは年金は全く支給されない。六十五歳になっても二〇%カットされるということになっております。ところが公務員の共済は、御承知のとおり制限はない、ただし恩給部分には若干のカットがありますけれども。したがって、高級官僚——事務次官とか、あるいは局長などが退職し、特殊法人や営利企業へ天下りして役人在職時以上の月収があっても、共済年金も規定どおり支給される。そしてまたぬくぬくと、いわば華麗な生活が保障されているわけであります。たとえば、三十年在職して五十二年三月三十日付で事務次官で退職した方の共済年額は二百九十七万四千五百円、しかし、ある特殊の法人の総裁、つまり理事長の月収は、現在、たとえば農用地開発公団の人ですが、八十一万円、こういう高額の人も一様で、厚生年金と比較すれば非常なここに差がある。  そこで、厚生年金の制限額十一万四千円を引き上げるということがまず第一ですが、同時に、公務員共済についても、再就職による月収を一定の限度、これはまあいろいろどこに線を引くか問題でありますけれども、相当高額な収入のある人については、六十五歳まではたとえば支給をしない、六十五歳以上は二〇%カットする、まあこういうふうにして厚生年金と同じ扱いにする必要があるんではないか、これが第一の質問であります。ちょっとこれ答えてください。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 公務員を退職しまして民間に行った場合の年金の取り扱いは、御指摘のように、共済年金の受給資格がある者についてはこれがフルに支給をされます。ただ、この制度は、いまの年金制度全体を通ずる実は原則でございます。すなわち保険数理によりまして計算をいたしました年金は、資産調査なしに受給資格が発生すれば支給をするという原則によっておるわけでございまして、まあ逆に、厚生年金に属しておられた方が、今度は民間の企業をやめられまして、たとえば自家営業をお始めになるというような場合には、厚生年金のグループから国民年金のグループに移ってまいるわけでございますけれども、その場合には、所得の大小にかかわらず厚生年金受給資格があれば年金が支給されるわけでございます。そういう点では共済年金と厚生年金の間に制度上の差別があるわけではございません。ただ、厚生年金は民間の被用者全体を対象にしておりますので、非常に大きなグループでございます。したがって、共済年金の方から厚生年金の方に移っていくという人の数の方が多うございますので、実際の併給例は共済年金受給者の場合に多いかと思います。そういうことでございますので、この問題はむしろ格差の問題と申しますよりは、公的年金相互の調整をどうすればいいかという観点から、厚年、共済その他全部を通じて検討すべき問題でございまして、そういう角度から厚生、共済グループにおきましても検討問題として現在取り上げておりますけれども、今後とも検討いたしてまいるつもりでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 次に、国家公務員共済組合施行令第十一条の十、つまり「刑に処せられた場合等の給付の制限」ということがあります。これはまあ一つの施行令に出ております。きょうも野田委員の方から大分問題がありました。この問題は、まあ御承知のとおり、現行法でこの施行令によって、懲戒処分などを受けた場合の長期給付額は減額措置がされる、懲戒退職のときは二〇%カット、停職期間については一〇%の減額というふうになっております。しかし、この退職金制度というものは、また共済組合自体の目的に照らしましても、これは組合員相互の、要するにお互いが助け合うということ、そして同時に、この共済組合によって生活の保障をしていく、それからまた改善をしていく、向上をしていく、こういうことが目的になっております。だから、一応この条文からいいましても、これは本来は何もこの共済年金を、長期のものを何らかの刑事事件によってこれを引くということは、これはまあ法律上あなた方は必要だと言うかもしれませんけれども、私は筋が違うと思う。御承知のように、現にそういう懲戒処分を受けるというときには、ちゃんと懲戒処分として懲戒を受けるわけですよ。免職であるとか、あるいは停職であるとか、あるいはまた減給、戒告とか、いろんな懲戒処分受けるんですよ。だから、それはそれとして受けているんですから、今度は年金についてこれをカットするということはちょっと私は問題が筋違いになるんじゃないかと思う。それで、共済自身は、御承知のとおり組合員も自己の費用を出しているわけ、全部が政府が持っているわけじゃない。ところが、切り捨てる場合には何カ月とか何年とか二〇%というふうに、いわば自分の出したものまでもカットされるということに内容はなるわけですね。これは私は非常な不合理であって、少なくとも長年公務員として働いた人が、長期にわたって働いた人が、何らかの形で不幸に禁錮刑以上の刑に処せられて、それがカットされるということは、これは私はこの共済法の本旨にもとるんではないかというふうに考えております。この点について伺います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 共済年金の性格につきましては、一般の社会保障の精神に基づきますところの年金が基本でございますけれども、さらに、その上に公務員という一つの職域年金の性格を持つものであるというふうに言われております。これは国家公務員法におきまして、相当年限忠実に勤務をして退職をした職員のために年金をつくるという法の規定があることからも制度の性格が明らかになっているわけでございます。そういう職域年金としての性格から見ますと、その職域におきまして、相当年限忠実に勤務したと言うに若干支障のあるような事態がございました場合に、ある程度の支給の制限があるということは、そういう意味から理解できることでございまして、それが非常に極端に達するというのは問題でございましょうけれども、現在の支給制限は百分の二十の範囲内ということでございます。これはかつての恩給制度が、文字どおり恩給でございましたから、いろいろ事故がありました場合には満額これは支給しない場合があり得るといったのに比べまして、それだけ社会保障の積神を加味いたしまして制限が緩和されておる、しかし、職域年金の性格は残っておると、そういうものとして御理解をいただきたいと思います。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、山本茂一郎君が委員を辞任され、その補欠として初村滝一郎君が選任されました。     —————————————

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 じゃ一つまた伺いますけれども、これは私も法律余り詳しくないんだけれども、たとえば、組合員がいる間に問題が発覚しなかったと、そうして、やめてから禁錮以上の刑に処せられたと、たとえば収賄をしたとかその他のことですね。その場合にもう退職してしまっていると、そういう場合に、さかのぼってこの人が——もらっておるわけですよ、引き続きね、その場合にはこれを打ち切ることはできるんですか、あるいはカットするんですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) ただいまの制度におきましては、そのような場合には、その刑に処せられまして以後の受けるべき金額についてはカットすることができることになっております。ただ、それをさかのぼることはございません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 しかし、組合員であって、そうして実際の刑は後になって、もう組合員やめてしまったといった後そういうことが発覚する場合があるでしょう。そうすると、そういう人もきちんと何%なり、あるいは半分なりカットするというようなことをするんですか。これまでやっているんですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) ただいまの取り扱いは、法律上この共済組合法の施行令の十一条の十第二項に、その刑に処せられたとき以後「百分の二十に相当する金額を支給しない。」という規定がございまして、その規定に従って処理をいたしております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 組合員でなくなった場合でもいいわけですね。もうそのときは組合員でないわけですね、長年勤めてもう組合員はやめてしまったと、つまりもう退職しておると、それから組合員中の問題が発生したという場合ですね、それはやっぱりさかのぼりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 支給額の減額処置がさかのほることはございませんけれども、過去に組合員であった期間におきまして何らかの犯罪行為が発覚をいたしまして、これが刑の申し渡しにつながりました場合には、やはりその組合員であった期間、相当年限忠実に勤務したという条項に照らして問題がございますので、その刑が決まりまして以後の年金額についてはカットすることになっているわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 ちょっとややこしいですから後でまた問題にします。  次に、臨時職員ですね、現在臨時職員というのは非常にたくさん、省によっては使っているわけです。たとえば京都の大学で、これは職員組合の定員外部会というのが調査したものです。そこでは、定員外の職員が約一千名おるわけですね、一千名。二月十二日にこれは調査したんですけれども、このときに行(一)に総長発令で約二百五人、それから部長発令が十七名とか、それからまた行(二)、それから医師の(二)ですね、教務職、まあこれこれあります。ここでは三百二名の人員挙げている。ところがこの定員外で五年、六年、あるいは十年から十五年勤めておる人もあるんです、行(一)職で、総長発令ですね。これらの人は、御承知のとおり共済組合というものは、定員外で本職でないですから、本職に採用されれば一定の組合員になりますけれども、しかしそうでない場合はこれが永続しないわけですね。大体三月三十一日ごろになるとやめたということになる。そして今度はまた四月一日から入って、そうしてまた新しく組合員になる。したがって、これらの人のをずっと総計しますと、大体二十一年八カ月ぐらいしないと取得できないわけです、この人らの共済組合のあれは。そうすると、二十年と二十一年八カ月というと大分差がある。そういうふうに定員外職員というものが、まあこれは総定員法と、それから臨時職員との一つの矛盾だと思います。こちらを解決しなければこれはだめなんですけれども、十二カ月のうち一カ月は切られちゃう。そういうふうな共済組合員の資格しか取れないわけです。ここに一つの矛盾があるわけです。だから、こういう長年にわたって、毎年毎年一年に一回ちょっとやめてもらって、その翌日からまた就職するというような、こういう定員外の職員、この共済組合、これなんかはやはり私はずっと継続すべきだと思うのですよ、こういう取り扱いをせずに。根本的には総定員法との関係で、いま学校関係はかなり総定員の方は外されましたけれども、とにかくこういう方が多いわけですね、一つの大学に一千名からいるんですから。もって全国の大学考えれば莫大な人がいると、またほかの省にもあると思うのです。だから、こういう問題はもっとやはり私は根本的に考え直し、少なくとも当面は共済組合を継続的に計算できるような、そういう仕組みに変えるべきだというふうに考えます。この点について一応お考えを伺いたい。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) ただいま御指摘の問題につきましては、実はこの共済組合制度の側から対処いたしてまいるということはなかなかむずかしい問題でございます。それはやはり、この問題は国家公務員の定員管理の問題が基本でございまして、昭和三十六年の閣議の申し合わせによりまして、それまで非常にたくさんおりましたこの定員外の常勤的の非常勤職員を整理をするということで、必要な職員につきましてはその際に定員の中に繰り入れますと同時に、今後はこのような常勤的非常勤の職員はふやしていかないという方針を立てまして、現在までその方針で運用をしてまいっておるところでございます。やはり共済組合員制度は、公務員の職域の年金あるいは短期給付の制度でございますので、その資格を持たない方々をこれに加入をさせてまいるということは制度のたてまえ上問題があるところでございます。そこで、この定員管理の方の問題といいますか、定員管理の上からの取り扱いということがやはり基本でございまして、それはそのまま置いておきまして、共済の制度だけで何らかの手直しをいたしていくということはむずかしいわけでございます。ただ、そういう方々は、しからば何の年金もないかというと、実はそうではございませんで、国民皆年金でございますから、やはりそれらの方々は厚生年金の加入者として勤務年限に応じて年金を受けていかれることはできるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 もう一つ先へ進みます。  まあきょうは、これは先ほど来から、各委員からいろいろ話がありました。短期共済の掛金率が非常にこのごろ上がってきつつある、財政的にもまたいろんな問題がある。いま国家公務員共済の二十五組合中二十一組合が引き上げの状況にある。それからまた二年連続が七組合ある。中には四年連続という組合もあって、その中で千分の四十を超える掛金率の組合は十二組合、最高は千分の五十・五というふうになっております。この問題について先ほど来から大分説明がありましたが、当面この政管健保は一四・八%の国庫負担があり、また同様に千分の四十の上限設定があるわけですね。したがって、公務員関係においてもこういう上限は早く設定する必要があるであろう、余り高くてはぐあい悪いです。すでにことし林野庁で千分の五十を超える分については特別措置がとられておるということを聞いておりますが、これはまあ五十まで上がると大変ですからな。だから、こういう点はできるだけ、私がさっき申しましたように、根本的に見直しをする必要があるが、同時にここ一、二年の暫定的な問題として、できるだけ公務員の上限を一応決めて、そして掛金を上げないようにするということが必要だと思うんです。で、できるだけ民間健保のいろんな方式を尊重し、導入する、そのようにしてやっていくべきじゃないかと思いますが、この点簡単に。あとまだほかに、あなたの方はありませんけれども、ほかに質問ありますから。

松下康雄大蔵省主計局次長

○政府委員(松下康雄君) 上限設定の問題は、民間の制度との関係もございますけれども、あわせて同じ共済の内部問題でございまするので、たとえばこの財政調整をいかにすべきであるかというような非常に基本の問題と関係のある問題でございます。したがいまして、私どもはこれは今後の検討課題の一つであると考えておりますけれども、現在の負担の水準等におきましては、直ちにいまこの際上限をここへ導入をしなければならない緊急性がある問題であるというふうにはいまだ考えておりません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 国税庁の方いいですね。  これは前々、きょうの質問のことは話してありますが、労働者災害補償保険法に定める休業補償の付加給付の課税上の取り扱いについてただすわけです。現在労働者が業務上の事由によって負傷をしたり病気にかかったりして労災認定を受けた場合、労働者災害補償保険法に基づいて賃金の百分の六十休業補償を受けることができますが、また大企業ではこの休業補償に上乗せして、公傷見舞い金などの名目で、通常のつまり賃金相当額に見合う金額、これは賃金の約四〇%になりますが、これを支払っておるというのが大体の現状であります。  そこでお尋ねしたいのは、この付加給付である百分の四十に対する課税上の取り扱いは非課税になっていると思いますが、大蔵省にこれちょっとお伺いします。簡単にお願いします、時間がありませんから。

掃部實国税庁直税部審理課長

○説明員(掃部實君) お答えします。  休業補償の法定外給付につきましては、労働基準法に定める休業補償が最低基準であると解されていることなどを考慮いたしまして、給与規程だとか、労働協約等におきまして、業務上の傷病により療養のため労働することができない者に対しまして、賃金を支払わないことが定められておるような場合には、所得税法施行令の第二十条の第一項第二号の規定などによりまして、非課税としておるところでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私の手元に、第一生命ですね、網岡壽江さんという方から要望書が参っております。これは国税庁当局へも同じものをお届けしてあるということですが、内容は、御承知のとおり、網岡さんが第一生命保険相互会社に勤務して、昭和四十三年五月から労災認定を受け、労災保険法の休業補償を受けるとともに、会社から公傷見舞い金という名目で付加給付を受けてきた。そして労災保険法の休業補償は非課税であるが、会社に幾ら問題を持ち出しても——非課税である、だから引くべきでないということを申し出てもなかなか会社は聞かなかったということが言われておるわけです。網岡さんはやむなく国税庁当局に対して異議の申し立てを行ってきたそうであります。大蔵、国税当局も、これらの付加給付は非課税にしているのだから、会社に対して早急に誤納還付請求を出すよう指導すべきであると思いますが、いかがでしょうか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○説明員(掃部實君) 本件事案の具体的内容につきましては説明を差し控えたいと思いますが、聞くところによりますと、給与規程と労働協約との調整が、労使間において明らかでないということが問題になっておるようでございます。したがいまして、労使間におきましてその解釈の統一を図ることが先決だと思うわけでございまして、その統一が図られました段階で、私の方は判断を下したいというふうに考えておりますが、使用者側に対しましても、いまお尋ねの労働者の方からの要望などを伝えまして、検討させておるところでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 第一生命の内勤職員給与規則によりますと、まず、四十五条で、「公傷休暇および通勤災害休暇の期間は給与を支給しない」とし、五十七条の一では、「休業補償は、通常の賃金相当額と労災保険法の給付額との差額を別途会社が公傷見舞金として支払う」となっているんです。さらに、第二条の「給与の区分」では、臨時給、いわゆるボーナスも給与に含まれると規定しております。そうすると、ボーナスも含んだ給与は支払えないとしているんですから、網岡さんに支給された公傷見舞い金はすべて非課税扱いにすべきであると思いますが、これはどうですか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○説明員(掃部實君) 給与相当額に対応する法定外給付ですけれども、これにつきましては非課税の対象になるというふうに考えておりますが、ただ臨時給与につきまして、賞与に相当する臨時給与が別途労働協約によって支払われているようでございますが、その臨時給与をめぐりまして、労働者側は災害見舞い金であると言い、会社側は賞与である、こういうふうに言っておるわけでございまして、その間の調整をとっていただきたいということを双方に申し入れておるのが現状でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これで終わります。  労働基準法の解釈総覧でも、「法定の額を超える休業補償費の制度を設けている企業では、当然全額を休業補償とする」とされており、第一生命の内勤給与規程でも明確であるのだから、ボーナスも含めて公傷見舞い金はすべて非課税にするよう会社側を厳重に指導すべきだと思うわけです。  第一生命は御承知のとおり外勤の労働者が非常に多い。したがって、労働者の全体として受ける損害もまた大きいわけです。ですから、こういう外勤の労働者で労災を受けている人の取り扱いもよく調査し、非課税にするものは当然そうするよう会社に厳重に指導してもらいたい。同時に、この問題は第一生命だけでなく、大きな生命保険会社その他もかなりこれと同じような例があるわけです。ですから、国税当局では、御承知のとおり、休業補償の付加給付は非課税でよいという国税庁の特別審理室、長村さんですか、参事官名で回答を出されておるのですから、これが各税務署に徹底するように、そうしてまた、今日日本の会社というのはずいぶんずるい会社もありますから、国税局もそこは腹を固めて、労災付加給付やその他の問題を地方の税務署に通達を厳重に守らすとともに、企業に対しても、先行きはあすこへ勤めなければならぬからお手やわらかにするというような気持ちでなく、胸を張ってひとつこういう問題に取り組んでいただきたい。このことを申して私の質問を終わります。

掃部實国税庁直税部審理課長

○説明員(掃部實君) 会社側の説得につきましては、労使相互間で労働協約を結んでおるものですから、その労働協約についての解釈をわが方でとるということにはなかなかいかないわけでございまして、会社と労働者側とでよく検討するように会社の方へ申し入れておりますから、その結果を待ちたいと思います。  指導の話でございますが、すでに各税務署に対しましては、法定外給与についても非課税であるということを十分周知させまして、源泉徴収義務者を指導するよう通達をいたしておりますが、その点は御心配が要らないというふうに考えておるわけでございます。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  討論は両案を一括して行います。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案全部を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 全会一致と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  この際、野田君から発言を求められておりますので、これを許します。野田君。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私はただいま可決されました共済関係二法案に対し、各党共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  まず、附帯決議案を朗読いたします。    「昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案)   政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するようなお一層努力すべきである。  一、国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの既裁定年金については、実質的価値保全のための具体的対策を早急に進めること。  一、共済組合の長期給付に要する費用の国事負担分については、厚生年金等の負担と異なつている現状にかんがみ、速やかに適切な措置を検討すること。また、短期給付に要する費用の負担についても、組合員の負担上限について配意しつつ、適切な措置を検討すること。  一、公共企業体の共済組合の長期給付の財源方式については、他の公的年金制度との均衡を考慮して、負担区分を明確にして、健全な年金財政の実現に努めること。  一、遺族年金の給付水準については、更にその改善を図ること。  一、共済年金の改定実施時期については、現職公務員の給与改定時期を考慮し、均衡を失しないよう配慮すること。  一、旧令、旧法による年金額については、引き続き改善を図ること。  一、国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合両制度間の差異について、早急に是正するとともに、長期勤続の公共企業体職員の退職手当について速やかに改善措置を講ずること。  一、家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善を図ること。  一、共済組合の運営が一層自主的、民主的に行われるため、運営審議会において組合員の意向が更に反映するよう検討すること。  一、公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者等により調査審議する機関の設置については、早急に検討すること。   右決議する。  以上でございます。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) ただいま野田君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 全会一致と認めます。よって、野田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、ただいまの決議に対し、政府から発言を求められておりますので、順次これを許します。坊大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 田村運輸大臣。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨を体し十分検討いたしたいと思います。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) なお、ただいま可決されました両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) この際、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。  気象通報所の廃止に関する件について、田村運輸大臣から報告を聴取いたします。田村運輸大臣。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) 気象通報所の無人化の実施につきましては、すでに四月三十日、増原委員長に対し報告書を提出いたしておりますが、その後の措置を含めて改めて御報告申し上げます。  三月二十四日、本委員会におきまして、四月一日無人化実施の予定を、地元の御理解を深めるため、実施日を変更してでも慎重に検討したい旨申し上げましたが、四月七日、本院運輸委員会におきまして、次のような趣旨の報告をいたしました。  気象通報所の無人化につきましては、地域気象観測網の展開により、観測回数も著しく増加し、そのデータはオンライン・リアルタイムで把握できることとなり、気象衛星からの資料、レーダー情報等を活用することにより、予報精度も一段と向上してまいっております。また、予報の伝達につきましても、テレビ、ラジオ、新聞、一七七もあり、これまでに行った五十九カ所の無人化と、その後の状況等に照らしましても、地元の方々に対する気象サービスに支障を来すことなく無人化ができると存じております。しかし、同時に地元関係機関の理解を深めることも重要でございますので、気象庁に対し、五月一日から無人化実施をいたし、天気予報の仕組み等、気象業務の実情をわかりやすく説明して、地元の方々の不安を解消させるとともに、地元の気象に関する具体的な要望をお伺いし、その実現にできる限りの努力をするよう命じました。  以上が私の報告でございました。  気象庁からの報告によりますれば、管区気象台長、地方気象台長、担当部課長のほか、本庁からも課長を派遣いたしまして、延べ六十回以上にわたり地元関係機関を訪問して、予報が作成伝達されるまでの仕組み、府県予報を担当する地方気象台が入手している気象資料、テレビ、ラジオ及び一七七による予警報の伝達状況、気象通報所の業務等につき、わかりやすい資料をもって鋭意説明を重ね、地元関係機関の御理解は著しく深まったことと信じております。  その後、私といたしましては、改めてもう一度、気象庁から今後の気象業務のあり方等につき説明を受け、四月七日の報告の方針のとおり本件を処理することを了承いたしましたが、気象庁に対しましては、今後とも引き続き気象に関する国民の皆様の御要望にできる限りこたえるべく努力し、特に気象サービスの根幹は、的確な予報、警報等を出すことにありますので、予報精度の向上に最善の努力を払うよう命じております。  以上であります。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 以上で報告は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は御発言を願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間の関係から個条書き的に御質問したいと思います。六点にわたって御質問したい。  第一に、気象通報所廃止問題については、去る三月二十四日の当内閣委員会理事会では、その後の措置について気象庁が事前に当委員会に経過を報告して措置すると、こういうことになっていたのです。ところが廃止前に、これを全く無視して一方的に廃止を決定したのはなぜなのか、その責任を一体どう考えるか、これが第一点であります。  第二点は、気象通報所の廃止は気象庁の一方的な判断のみではやらない、地元の意向を十分聞いて納得する方法でやることを田村運輸大臣は当委員会に約束をしたはずであります。これは会議録でも明白であります。納得を得るためには一体どんな方法をとったのか、派遣人員は何人だったのか、回数は何回なのか、何月何日にわたってそのような了解工作をやったのか、この点について報告をいただきたい。  第三は、わずか十日そこそこで十分な納得が得られたと考えられるのか、申しわけだけの派遣ではなかったのか、現に横手市長は朝日新聞四月二十九日の投書欄でこう述べている。「少なくとも私のところにも一度として納得を求める動きはなかった。」と言っておりますが、これはどうなのか。  第四番目には、地元が納得したと、いまも御報告がありましたが、こんな甘い考えに立っていられるのか。四月二十七日、私は関係自治体の責任者に電話して現地の偽らない実情、意見を問い合わせました。十八自治体の全部が納得できない、困るという返答でありました。これでどうして十分な納得が得られたということになるのか、気象庁の一方的な独断ではないのか。  第五の問題、実施官庁が一方的な判断であくまで既定方針を押しつける独善官僚的なやり方でいいと思っているのか、反省の要はないのか、また、このたびの独断について気象庁幹部は責任をとるのか、とるべきだと思うがどうするのか。  第六の問題、これは気象行政の問題です。気象業務の民主化、行政の民主化を一体どう考えるのか、気象業務は独善官僚だけのものではない、国民とともに歩むべきものであるということを私は確信します。横手市長の要望が出されておりますが、一体どう考えるか、真に現地の声に耳を傾け、血の通った気象業務を打ち立てるということが、いま行政の民主化のために絶対必要であります。  さらにまた、気象業務そのものの内容は、国民の大きな参加の中でまさに変わってきておる。単に官僚だけの独善によってこれを運営すべきじゃない。ここ数十年の運営の中で、いかに地元民の利益を取り上げ、地元民の要望に本当にこの気象通報所が役割りを果たしてきたか、いわば国民との連帯の中で、大きくこの性格は変わりつつあるんです。それを、単に気象業務の技術的な面からだけこれを判断して国民の要望を排除するなどということは、断じてこれは血の通わない行政と言わざるを得ないのでありまして、こういう点について、まさに私は気象業務の民主化というものを、国民的な視野において新たに私は考える段階が来ているんじゃないかと思うのであります。これについて横手市長は、先ほど申しました投書欄の中で要望を挙げています。雪の問題、二、三十キロ離れていても、降雪量は二〇%も三〇%も違う。たとえば横手と十数キロ離れた大曲では、もう降雪量が非常に違っている。また、海岸地帯の秋田と内陸の横手では、大変これは違っている。こういう問題について、どうしても局地のそのような気象情報を具体的に知りたいというのは、当然住民の要求であります。これにこたえるべきだと思います。さらに集中豪雨の問題、酒田の大火や小豆島の豪雨の例を挙げて、この不安は依然としてつきまとっているんじゃないか、局地的なこのような対策をはっきりすべきじゃないかということを特に切々と訴えております。また、特に北国の東北、北海道では、これは冷害の問題はまさに死活問題になっておる。そういう中で、どうしてもこのような問題について、たとえば、いまでも晩霜のこれは危険があるんです。私も東北の生まれですからこういうものを経験してまいりましたが、一たび晩霜が来て農作物が死滅をしたその後のあの姿を見るときに、これを何としてでも幾分でもしのごうという、そういう切実な要求があるんです。こういうものにこたえることができるのは、やはり私は気象通報所であるというふうに思う。ここに本当に血のつながりがあるわけです。だから、こういう点から、地方軽視はやめてほしい。人口やあるいは経済度数によってそういう官庁を置いているけれども、そうじゃなくて、問題は面積の広さ、そういうものにどう対処するかということが問題じゃないかというふうに述べておられます。もっともな御意見だと思います。そうして、こう結んでいる。気象庁ほど冷たい一方的で不誠意な役所はない。中央から派遣された地方のたくさんのこれは官庁がございますけれども、いままでいろいろ触れてみてそうだと言っている。これは気象労働者の問題じゃない。労働者はその問題を本当に国民との連帯で解決しようとして日夜がんばっていられることは私は承知しております。しかるに、それをさせないところの官僚機構そのものというものが、一体果たして、現実のいまのこういう体制の中で国民の要望を担うところの民主政治を打ち立てることができるかどうか。こういう問題を、この構手市長の朝日新聞の投書欄は明確に指摘をしておると私は思うんです。こういう点で、田村運輸大臣は、あの問題をせっかく三月の当委員会で延期を決定された。こういうことは、私は非常にこれは余り例のないことで結構なことだと思っている。これを生かすことができなかった官僚陣に対して猛反省を促し、その責任を明らかにすることが必要だと考えます。  こういう点で、以上申し上げました六点について御答弁をいただきたいと思うのであります。

田村元自由民主党運輸大臣

○国務大臣(田村元君) まず、岩間先生いまおっしゃった問題の中で、私自身全く共鳴できる問題から御答弁を申し上げたいと思います。  これは、運輸省、気象庁のみではありません。官庁が、いわゆる官僚的になり権力的になることは断じて慎まなければならないことであり、政党人である国務大臣、政務次官は、そのような姿勢に官僚が陥りがちであることを戒めていかなければなりません。その意味において、私どもきっすいの政党人としての国務大臣としては、非常な責任を感じます。これは全く同意見でございます。  そこで、この問題でございますが、気象通報所の無人化につきましては、三月二十四日の本委員会におきまして、当初四月一日実施を予定しておりましたけれども、地元の御理解を深めるため予定を変更してでも検討したい旨私は申し上げました。しかも、ちょうどこの席でございますが、岩間先生その場でごらんになっておられたから一番御存じと思いますけれども、私はとっさの判断で、自分の独断で三月三十一日に打ち切ることを抑えたのであります。その方針を変更いたしたのであります。その後、四月三十日、増原委員長に御報告申し上げましたとおり、地域気象観測網アメダスの展開によりまして観測回数も著しく増加し、そのデータはオンライン・リアルタイムで把握できることになり、気象衛星からの資料やレーダー情報等を組み合わせ活用することによって、予報精度も一段と向上してまいりました。予報の伝達につきましても、テレビ、ラジオ、新聞、一七七もあり、これまでに行った五十九カ所の無人化とその後の状況等に照らしましても、地元の方々に対する気象サービスに支障を来すことなく無人化ができるのではないかと存じておりましたが、なお、地元の御理解を深めるよう全力を尽くすことを気象庁に命じました。その後、気象庁からの報告によりますれば、先ほど御報告申し上げましたとおり、延べ六十回以上にわたり地元関係機関を訪問し御説明申し上げました結果、御理解は著しく深まったというふうに信じておるということでございまして、五月一日をもって無人化を実施することを了承いたしたものでございます。  で、私は決して気象庁の言い分だけをうのみにいたしたものではございません。私なりに十分に客観的に判断したつもりでございます。それから、実は、あるいは岩間先生からごらんになれば私の判断が甘かったとおっしゃるかもしれませんけれども、私は四月の七日に参議院運輸委員会におきまして、五月一日をもって打ち切ることの御報告を申し上げました。先ほど、きょうの報告の中にその内容を申し述べましたが、それから瀬谷さん、安武さん等から御質問はございました。ございましたが、その後、際立った動きというものが実は私は感ぜられなかった。いま一つは、横手の市長を初め各地方自治団体の責任者の方々が、気象庁へはある程度来られたようでありますけれども、私のところへは一切訪問がなかった。別にそれにつむじを曲げたわけでも何でもありません。これはそう大した真剣味がないというような判断をしたこともまた事実でございます。こういう問題につきまして厳しい反対意見があれば、大臣のところへあの手この手で反撃を加えられるというのが、私二回の大臣経験からすれば当然のことと存じますけれども、私に対しては何らのお話し合いもございませんでした。それがいいとか悪いとかということを申すのではありません。私自身それによって判断を、あるいは岩間先生からごらんになれば甘く判断をしたというふうになったかもしれません。しかし、私はそのようなことでございましたから、気象庁長官等の報告も受けて、自分なりに客観的な決断を下したつもりでございます。  なお、いま長官等の責任をどうするか、こういうことでございますが、私は、気象庁長官等が悪事を働いたという受けとめ方をいたしておりません。彼らなりに職務を遂行したというふうに受けとめております。でありますから、これの処分をする、あるいは責任をとらせるということは一切考えておりません。  以上が、いまの御質問に対する私なりのお答えでございますが、いずれにいたしましても、本委員会の委員長を初め各党の皆様方に、この問題で大変御心配をおかけしたことについては深くおわびを申し上げたいと存じます。今後気象庁のみならず運輸省の官僚たちがいよいよ国民のよき公僕たるように振る舞うために、私は厳しい指導をしていきたいと、このように考えております。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。  暫時休憩いたします。    午後五時三十二分休憩      —————・—————    午後五時四十七分開会

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  厚生省設置法の一部を改正する法律案及び農林省設置法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  厚生省設置法の一部を改正する法律案は、衆議院において修正議決されておりますので、午前に保留いたしました衆議院の修正部分の説明をこれより聴取いたします。衆議院内閣委員長代理理事木野晴夫君。

木野晴夫自由民主党

○衆議院議員(木野晴夫君) ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府原案は、昭和五十二年四月一日から施行することといたしておりましたが、衆議院における議決の日がすでにその日を経過しておりましたので、これを公布の日から施行することに改めた次第であります。  以上が修正の趣旨であります。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) これにて説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑は両案を一括して行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まず、農林大臣の代理長谷川国務大臣、あるいは水産庁、どいらからでも結構ですけれども、まあ水産庁の長官の方から伺いたいと思うんですけれども、ただいま行われている日ソの漁業問題の交渉について、現状、最も新しい状態はどういう状態になっているか、御報告をいただきたいと思います。

佐々木輝夫水産庁次長

○政府委員(佐々木輝夫君) 現在モスクワにおきまして、昨日のいわゆる暫定協定についての仮調印に引き続きまして、具体的な漁獲量の取り決めについて交渉が続行中でございます。ソ側の方からは、仮調印に引き続きまして直ちに第一次といいますか、ソ側の原案が提案されましたが、その内容は、今年の一九七七年のこれからの日本漁船の操業を前提にいたしまして、漁獲量総量で四十五万五千トンという提案でございます。これを七つの水域に分けまして、魚種別、漁業種類別に細かく向こうの規制の考え方を提示をしております。これは総体として見ますと、五十年の同期の漁獲量の三六%減という、全体としてもかなり厳しい提案でございますが、水域別に現在いろいろ専門家レベルで詰めを行っているわけでございますけれども、日本の操業の実態と合わせてみますと、たとえばスケソウダラであるとか、あるいはイカの操業であるとか、そういうものについて、どうも水域別の日本の漁船の操業実態とかなりかけ離れたところがあるということで、総量のみならず内容につきましても、日本の漁業の実績の継続のために手直しをしなければならない点が多々ございますので、直ちに昨日から専門家レベルでの交渉を開始し、本日もそれを続行中でございますが、なかなか全体について、こちらの方で受け入れ可能だと思うところまで手直しの見通しがつきませんので、別途、鈴木、イシコフ両大臣間での実態問題についての協議を日本側から申し入れをいたしまして、ソ連側の方も一応この大臣会議に応ずる用意があるということで、ただいま時間をセット中であると、まだ確定して何時からその大臣会議を始めるかというところまでまいっておりませんが、できるだけ早い時期に大臣会議も並行して行おうということで、鋭意詰めておるのが現状でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 五十年に比べて三六%減という提案、きわめて厳しい提案で、これを打開をするための鈴木、イシコフ両大臣の会談、これをセットする予定だと、こういうことですが、まだ打開への時間的なめど、鈴木・イシコフ会談、いつこれが行われるか、そして今後の日本としてはとうていのめないような漁獲量、これがどういう方向で動いていくか、この見通しあるいは日本側としての心構えといいますか、交渉に臨む態度等について報告できる範囲で御報告をいただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) いま電話を入れたんでございますけれども、昨日からずっと申し入れをやっておるんでございますけれども、まだ向こうの時間がとれないという、こういう理由で会談が始まっておりません。しかし、何としても最後の会談は、対大臣の会談だけでもやってもらいたい、そうしてなるべく速やかにもう少し解決を早めてもらいたい、こういうようなことで、いまこちらからもさらに申し入れを行っております。でありますから、私は、日本で言えば今晩ですが、日本で言う今晩中には、何とか両大臣の会談をすることができ得るだろうというような考え方を持っておるところでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 わかりました。じゃ、その問題は、今後の交渉の経過にまつということで、林野庁の問題について伺いたいと思います。  林野庁の職員の取り扱いについて、長い間これは国会でも議論になってまいりましたし、労使間の交渉が続いている。これは今年度の予算の中でも処理されるはずであったのがいまだに解決を見ていない。こういう状態で、大変私ども残念に思っておるわけですが、現状の労使間の交渉の問題点、ネックはどこにあるのか、こういう点を御報告をいただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) お尋ねの常勤制の実施に当たりましては、必要な事項について目下労使間及び関係各省との問題もございますので、これと鋭意協議を進めているところでありますが、これらの協議を可及的速やかに調えて、五十二年度においてぜひ発足させたいと、この意気込みでいま進めております。何とかそこまでこぎつけたいと、こういう考え方でございます。まだ細かい点があるならば部長からお話を申し上げます。

馬場道夫林野庁職員部長

○説明員(馬場道夫君) ただいま大臣からお答えしたとおりでございますが、現在常勤制発足に当たります資格要件なり、あるいは賃金体系の問題、そういう問題につきまして労働組合と、あるいは関係省庁と鋭意協議を進めている段階でございます。かなり、相当程度詰まってきておるというふうに私ども考えております。これから若干賃金体系の問題が残っておりますけれども、資格要件等につきましてはかなり煮詰まってきておるわけでございます。まだ細部等ございますので、その点を詰めまして、なるべく早く発足させたいというふうに考えておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この問題については、労使間の交渉が行われているわけですが、私の承知をしている範囲では、やはり行政管理庁、それから総理府の人事局、これは退職金の問題等がネックになっているように思うわけですが、それから人事院、こういう各省庁にまたがる問題がネックになっておるというふうに概略承知をしておるわけでありますけれども、林野庁の労働組合は、これはやはり現在の国内法でも交渉権を持った組合でありますから、これが林野庁と交渉し、あるいは農林大臣と交渉しても、他の省庁と協議をしなければならない問題があるために交渉が進まないと、こういうことでは何のための交渉権かというふうに言わざるを得ないと思うので、これはやはり林野庁なり農林大臣の方で、責任を持って交渉し得るような体制で早期の解決を行ってもらいたい、このことを要望しておきたいと思います。  渡辺厚生大臣に、これは私の方から厚生省所管事項について要望を述べて、大臣としての見解があれば承りたいと思うんです。  身体障害者の社会復帰の問題についてでありますけれども、いわゆる難聴者、耳の聞こえない方々  の社会復帰の問題なんですが、耳の聞こえない方々というのは、耳以外の部分はすべて健全で、耳だけが障害がある、こういう状態の方、こういう方々が社会復帰をしていくためには、車の運転の免許を取りたいと、そのことによって社会復帰をしたいという方々がずいぶんと数多くいらっしゃるわけでございます。この点について、道路交通法施行規則、これは昭和五十年の四月一日に改正をされて、補聴器を使って十メートルの範囲で九十ホンの聴力があれば車の免許が取れるというふうに、道路交通法施行規則が五十年の四月一日に改正になっている。で、法律的には免許が取れるというふうに改正をされたわけでありますけれども、実態は免許が取れない。非常に希望者は多いんですけれども、目も見える、両手も満足、両足も満足、こういう状態でありながら免許が取れない、こういう状態に置かれているわけです。現在は、身体障害者の場合でも、車の構造によってそれなりの教習を受ければ、たとえば片手のない人でも、片手だけで運転の免許が取れるとか、片足がない人でも片足だけあれば運転の免許が取れるというふうに、これは自動車の機構、構造、それに見合ったものがあれば免許が取れるような制度になって、現にそういう形で、片手あるいは片足で運転免許を取って社会復帰をしている人がたくさんあるんです。ところが、耳の難聴の場合には、両手があって両足も健全であっても免許がなかなか取れない。なぜ免許が取れないかといいますと、耳の聞こえない人に対しては教習所で教える方法がないからなんです。教える方法がないんです。一部、手話によって教える方法が講じられて若干免許を取った人がいるんですけれども、一番の隘路というのは、免許を取ろうと思い、法律も改正されたけれども、手話でなければ教習が受けられない。その手話で自動車の免許を取るための指導をする人がいない。これが最大のネックになっているんです。この隘路を打開していくためには、全国何カ所か厚生省で予算をとって、手話によって自動車の教習を行う教師、これを、そう全部のところにというわけには望めないと思うんです。たとえば、札幌と東京と大阪と福岡ぐらいのところにそういう教習の制度があれば、この難聴者の場合でも自動車の免許が取れて社会復帰の道が開けてくる。こういう要望が非常に強いわけなんです。これ、ぜひひとつ厚生省で検討していただきたいと思うんですが、実行力の抜群だと言われておる渡辺厚生大臣、ひとつこの問題、ぜひ御検討いただきたいと思いますし、所感があればお伺いをして私の質問を終わりたいと思うんです。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 厚生省といたしましては、いままでこの手話の奉仕員の養成事業あるいは手話奉仕員の派遣事業というようなことは年々充実してやっておるところでございます。五十二年度予算においても、手話の教本の作成というふうなこともやっておりますが、いま御指摘のように、なるほど免許証の指導員までというところまではまだいっていないように存じます。もっともな御指摘でございますし、全国にはかなりそういうようなことで悩んでいる数があろうかと存じます。御趣旨を体しまして、できるだけそういうことが実現できますように努力をしてみたい、かように存じます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 それでは、最初に厚生省にお尋ねしますけれども、循環器病センターができたんですけれども、がんセンターにつきましては、全国で都道府県等合わせまして百六十一カ所あると厚生白書に出ておりますが、この循環器病センターにつきましては、将来計画はどのようになっておりますか、その点まずお尋ねします。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 先生御指摘のように、循環器病に対します診療施設の現況というものは、がん診療施設に比べまして非常に立ちおくれておるところでございまして、現在その循環器病を専門とする診療施設というものは、わが国におきましてはほとんどない状況でございまして、一般病院が七千二百三十五あるうち、循環器科という診療科を標榜いたしております施設が千百六十九というような、こういう状況でございまして、そういった点、このがんの診療施設網の整備と全く逆の方向を動いておるわけでございまして、がんの場合は、都道府県立のがんセンターが先にできまして、それをより高度の診療機能を持つものとして国立施設ができたわけでございますが、循環器病に対します診療施設は、わが国のそういった対策がおくれておる関係上、まず国の循環器病センターを設立運営いたしまして、これをモデルとして、今後各地方に連携を持った診療施設を整備していきたいというふうに考えておるところでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 わが国では毎年脳卒中で約十七万人もの人が死んでみえますし、ほぼ同数の寝たきり患者と、肢体不自由な方がふえているわけですが、また、患者の社会復帰に必要なリハビリテーション施設と専門医が非常に不十分である、こういうことが米国のカッキー教授からも指摘されておりますけれども、日本学術会議が、リハビリテーション関連専門職の制度化並びに教育・養成体制等について、ということを政府に勧告いたしておりますけれども、そこで、国としてのリハビリ研修医の養成及び施設の充実などの対策はどうなっているか、また、このセンターのリハビリ部門はどうなっているのか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 確かに先生御指摘のように、わが国の医療のうちにおいてリハビリ関係の技術が非常に立ちおくれておるわけでございまして、このリハビリ関係につきましては、循環器病だけでなく、あらゆる疾病の医療の面におきまして非常におくれておるところでございまして、現在そういった意味において、わが国の医療の全体の中におけるリハビリ関係を充実するということで鋭意努力をいたしておるところでございまして、現在、国立のリハビリテーション関係の専門職種の養成施設といたしまして三カ所を設けておるところでございますが、そういったリハビリ関係の養成施設については、なお今後充実してまいりたいと考えておるところでございます。  なお、循環器病に対しますリハビリテーションでございますが、現在、国立関係におきましては、国立宮城療養所におきまして、脳卒中後遺症等のリハビリテーションを専門に実施いたしておるところでございますが、なお循環器病センターにおきましては、このリハビリ関係の学問的な研究を今後充実してまいりたいと考えております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 あと二点お尋ねしますけれども、このセンターには看護婦の養成所が付属されていませんけれども、これは養成計画は持っているのか、あるいは養成しないで十分足りるのか、こういう点どうなっていますか。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) この循環器病センターの当初の計画におきましては、看護婦養成所の設置を考えたわけでございますが、先生御承知のように、看護婦の資格を取るための養成というのは、非常に広い医学の分野の勉強が必要でございまして、やはり、どうしても総合病院でございませんと、なかなかその養成がむずかしいわけでございまして、そういった関係上、この循環器病センターの看護婦さんの養成というものは、国立大阪病院と一緒になりまして、国立大阪病院の方で実施をするという計画に切りかえたわけでございます。  なお、この循環器病センターにおきましては、そういった看護婦の資格を取った後におきまして、循環器病の専門の、より高度の技術を持った看護婦さんを研修を行うというような意味におきまして、専門的な研修施設を今後設けていく考えでおります。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 もう一点だけお伺いしますけれども、昭和四十八年に、社会保障長期計画懇談会が看護婦の需給計画という報告を出しておりますが、その中で、五十三年度を目途に需給バランスを図ることを計画の骨子とすると、こういうふうにうたっておりますが、その供給面で潜在看護婦の活用を説いておるわけですけれども、その潜在看護婦の数はどのくらいあり、そのうち潜在看護婦掘り起こしの対象となるのは何人ぐらいいるのか、あるいは社会保障長期計画懇談会が提起した需給計画は順調にいっておるのか、その対策はどのようにしているか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 確かに看護婦さん、これは婦人の労働でございまして、そういった点では家庭生活との両立ということが非常にむずかしい職業でございますが、やはり一たん離職されましても、子供が成長したというようなことで、また就職を希望される看護婦さんもおられるわけでございまして、そういった意味におきまして、この需給計画におきまして、潜在看護婦の掘り起こしと申し上げましょうか、潜在看護婦の活用ということをわれわれ考えておるところでございまして、現在、看護婦の資格を持ちながら現在働いていない人が十五万二千人、それから、看護婦の資格を持っていて他の業務に従事している人が二万八千人でございまして、パーセントで申し上げますと、働いていない人の比率が二九%で、他の職業に従事している人が五%ちょっとございます。したがいまして、全体で看護婦の資格を持って従事しておられる方が六六%というような数字になっておるところでございます。なお、この数字はちょっと古いのでございますが、昭和四十八年に行いました厚生行政基礎調査の数字でございます。  そういった潜在看護婦さんの能力を活用するということで、いわゆるナースバンクということを現在実施いたしておるわけでございまして、潜在看護婦さんの実態を把握すると同時に、その職業のあっせんといいましょうか、病院へのあっせんというようなことをあわせ行っておるところでございまして、今後やはりこの需給計画に沿いまして、潜在看護婦さんの活用ということに今後とも努力してまいりたいと考えております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 時間がちょっとございませんので、次に農林省にお尋ねしますが、第一点は砂糖の問題なんですが、この精糖業界ですね、これは五十一年の農業白書によりますと、「国際相場の低迷、国内需要の減退等を背景に国内市況は依然低迷しており、経営が著しく困難となっている。」と、こう言われております。その原因は、政府も日本の農産物価格が海外のそれより二ないし三倍も高いことを指摘しているように、国内生産者価格と輸入価格の差がこのように開くと、不足払いで国内農業を保護し得なくなることを示唆してきたわけですけれども、農業白書も、このような補助金等で価格を引き上げて増産を奨励する従来の価格政策を再検討する必要があることを示しておりますが、ところが砂糖業界は、昭和四十九年十二月に締結されましたオーストラリアとの砂糖輸入民間協定時の高値をそのまま今日まで背負って、ほとんどの精糖企業というのは軒並み破産の危機に直面している。その原因は、この協定価格が現在の国際原糖価格よりも二倍以上も高い、それに反して国内の製品価格は、これよりはるかに低い水準に推移しているからであると、こう言われておりますが、農林省の本件に対する指導及び助言はどういうものであるか、その点お聞きしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) この問題は、基本的には契約当事者間で解決されるべき問題ではございますけれども、御指摘があったように、また業界の現在の現状等を考えてみますと、これを積極的に支援していかなければならぬということは当然なことでございますので、農林省としてもこれを積極的に支援をしていく考えのもとに、豪州側の方へも協力を要請してきておったところでございますけれども、今後とも日豪農産物貿易の安定化、また両国間の経済関係、この発展の一環としても問題が残されてはいかぬというようなことで、適切に対処して、今後ともさらに政府としても御後援を申し上げてこの交渉に当たっていく考え方でございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 それと、昨年は明治製糖の川崎工場を閉鎖しましたし、あるいは三重県の東海精糖もこれは倒産してしまった。このような精糖企業は資本金の五倍から十倍ぐらいの累積赤字を抱えて、自力ではもう企業再建のめどがいま立たないような状況なんですね。ですから、いま農林大臣からお話がありましたけれども、それらの企業に対してどういう助成を行って、今後どういう救済措置をとっていくのか、また会社更生法の適用の申請かあった場合の措置を、この際大臣からしっかりと答弁していただきたいと思います。

増田甚平農林大臣官房審議官

○政府委員(増田甚平君) 御案内と思いますけれども、そういう糖業界の現状にかんがみまして、現在砂糖の安定化の見地からの指示カルテルの実施をやっておるところでございます。豪州糖の問題はありますけれども、基本的にはやはり業界構造の改善を推進する必要があるんではなかろうかというふうに私ども考えておりまして、現在これは業界でもいろいろ御検討いただいておりますので、そういう業界の検討を踏まえまして、業界の自主的協調の基盤の上に立ちまして、構造改善の推進につきまして私どもできるだけのことはいたしてまいりたいというふうに考えております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 じゃ、その点対策を要望しておきますが、次に国有林野の高度利用についてひとつお伺いしてみたいと思いますけれども、わが国は国土の約七割が山地で占められておりますけれども、地形が急峻なため林野の高度利用がなかなか困難な状態になっていますけれども、またこの森林を林業経営者だけの専管区域という、そういうふうにするためには、日本の面積は余りにも狭過ぎると思います。農林省は放牧地の規模拡大のために、五十二年度の予算で四億円の事業費を組んでおります。そして全国八カ所、約二千四百ヘクタールを対象に繁殖牛の林間放牧も始めようと、これは関係県に呼びかけて候補地を選定中だと聞いておりますが、その点いかがですか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 利用可能の場所については、御指摘のような点につきましてかなりの範囲に利用させておるわけでございます。しかしながら、なかなかこの問題も、現在のというか、将来にかけてのわが国の大きな水の問題等々も控えております。こういうような問題をあわせ考えていかなければならない大きな役割りをしておるのでございまして、御承知のように水の逼迫という点も、あとわずか十年後にはどうするんだというような大きな問題に触れておるところで、また世界的にも水問題が大きな問題となっておりまして、御承知のように昨年はカナダで、本年はアルゼンチンで水会議が開かれるという、わが国はこういう問題についてその国々との比較をしますと、大体五分の一ぐらいの水しか人間一人当たりが使用できないというような状態で、あわせましてこれらを総合的に考えて、可能なところはぜひそういうような利用度を高めていきたい、こう考えておる次第でございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 次にハマチの養殖についてちょっと。  これは私の方の現地の三重県に尾鷲市がございますが、そちらでハマチの養殖をいまやっております。これは全国で六千八百九十五万四千六百八十三尾、こういう統計が出ておりますが、三重県では一千二百七十万尾と約二割の生産でございますし、尾鷲ではその半分に近い約五百万尾の養殖をいまされているわけですが、そこで、御承知のとおり、いま非常に湾内が汚染されてきた等のいろんな問題があります。あるいは金融の問題等がございまして、これから何点か要望事項を申し上げますから、それについてお答えしていただきたいと思います。  第一点は、海底しゅんせつによるヘドロの回収及び海面清掃により、老化している海の若返りを図り、養殖環境を整えていく総合的な政策、これは瀬戸内海の方で実際にいま試験的に行われていると思いますが、その状況ですね、それから、今後そういった各地に回収事業をこれから拡大していく用意があるかどうか、その点お聞きしたいと思います。  第二点は、一般市中銀行よりの借り入れによる金利の負担の軽減を図るために、農林漁業金融公庫等の国の資金の導入の道を開いていただきたいということです。これは漁業組合等の窓口もありますけれども、実際にそういった養殖に携わっている方々は漁業組合との関係が非常にうまくいっていない面もあったと思いますが、そういった実情を金融公庫は把握してみえるかどうか、どういうふうにその点を指導されるかということですね。  第三点は、農業並みの構造改善資金の導入が図られるかどうか。  それから第四点は、ハマチ共済保険がございますが、これが非常に、同一の種類の病気によって一五%以上死んだ場合とか、いろいろそういう制限がございますが、そういった点でその改善ですね、実損補償されるような共済保険の制度。  それから第五点は、天災による被害補償の保険制度、そういったものがつくれるかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。

佐々木輝夫水産庁次長

○政府委員(佐々木輝夫君) ただいまお尋ねのございましたハマチ養殖につきましては、これは年々、いわゆるつくる漁業の奨励ということで盛んになりまして、全国でいま八万九千トンぐらいの水揚げがございますが、発展に伴いましていま御指摘のような幾つかの問題点があるのも事実でございます。  最初の、第一点のハマチの養殖に伴う残滓、えさの残りが海底に沈でんする、あるいは魚の排せつ物が海底に沈積して漁場を汚染するということが各地で問題になっております。数年前から水産庁でも、ヘドロのしゅんせつを二次公害を起こさずにどういうふうにやるかということで、いろいろ実験事業をやってまいりました。おおむね技術的にはめどがついてまいったわけですが、かなりまだコストの面から見て、一般のしゅんせつに比べて割り高につく、大体一トンのヘドロをしゅんせついたしますのに約五千円から六千円ぐらいかかるということで、どこの場所でもこれを使うということはちょっといまの段階ではむずかしいと思っております。五十二年度からは、さらに、その海底の少量のヘドロを、むしろそのまま凝集剤等で定着させてしまって、それが漁場の方へ悪影響を及ぼさないようにしようというようなことを、佐賀県の試験場等の協力を得ながら、新たな角度から技術開発を進めたいというふうに思っております。こういった技術がある程度完成しました段階で、現実の養殖が行われている場所の漁場の浄化に役立っていきたいというふうに考えております。  それから、二番目の金利負担の軽減の問題でございますが、従来から、系統金融その他で共同の利用施設につきましては国でも相当積極的に援助をしてまいっておりますが、ハマチ養殖の場合には、個人経営で、個々の経営採算で行われているものが多うございますので、今後とも、いろいろな関連します、たとえばえさの保管庫であるとか、こういった関連施設の共同利用施設につきまして、公庫資金等の活用を図るのと同時に、個別の金融についても、系統金融等を通じてできるだけその資金の円滑な供給を図っていきたいというふうに考えております。  農業の構造改善並みの措置がとれないかというお尋ねでございますが、これも一応経営規模その他のバランスを考えながら、必要な部分につきまして、いまのような制度上のいろいろな手直し、検討も、今後も続けていきたいと考えております。  それから四番目に、ハマチの養殖共済の改善の問題でございますが、これは従来から、いろいろ危険の程度に応じまして、掛金率の改定であるとか、あるいは経営実態の変化に応じて共済の引き受けのときの単価を引き上げる等の改善を加えてまいりましたけれども、今後も、養殖経営の安定を図ります上で非常に重要な保険の仕組みでございますから、共済のいまの事故の起き方のぐあいを見ながら、できるだけ掛金率等も、地域の実情に応じて区分する方向で現在着手をしておりますけれども、こういったものをさらに進めて、加入者がもっとこういった制度を利用しやすいように一層改善を進めていきたいと考えております。  なお、最後の天災についての被害救済の問題でございますが、これは当然、いま申し上げました養殖共済の中で、たとえば台風等で、ハマチが施設が壊れて逃げたというような場合の被害につきましても救済をするたてまえになっております。なお、別途に、天災として認定されました場合の天災融資の制度の適用が並行してありますことは御案内のとおりでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 最後に、先ほど野田委員からも最初に質問がありましたが、モスクワにおける日ソ漁業交渉についてちょっと御質問させていただきますが、この漁業交渉におきましては、さまざまな事項が討議されたと思いますけれども、その中に、物によっては秘密に属するものもあると思いますけれども、私ども見ていましても、交渉の状況が刻々変わってくる、もちろん相手がおりますのですが、非常につかみにくい点もあるわけですが、それらも整理する意味合いにおきまして、二百海里適用水域の問題、あるいは日本漁船の操業条件の問題、あるいは漁種及び漁獲量の割り当ての問題、それから漁獲量の国内漁民に対する割り振りの問題、あるいは取り締まり管轄、そういった問題につきまして現在どういう状況になっているのか、その概要について御説明願いたいと思います。

佐々木輝夫水産庁次長

○政府委員(佐々木輝夫君) 日ソの暫定取り決めにつきましての交渉の進捗状況は、現在暫定取り決めの案文につきましては一応合意を見まして、イニシアルを終わっております。それに引き続きまして、現在漁獲量、関連いたします漁業規制措置の内容について、日ソの両方の代表団の間で具体的な詰めが行われているという段階でございます。協定の案文につきましては、いずれ国会での御承認を得なければこれは発効し得ない問題でございますので、いろいろ、従来論議されてまいりました水域指定の問題、それに関連いたしますわが国の立場の留保の問題等について、いろいろ御検討いただくことになろうかと思いますが、それらを踏まえまして、われわれとしては日ソ間で合意し得るぎりぎりの限度の中で、日本の従来の北方四島の領有権の問題に対する立場を害することなく、漁業問題として取り決めができたというふうに考えておるわけでございます。  また、問題になりました、将来のソ日協定における日本の近海でのソ連漁船の操業につきましても、従来の論議の経過で、拡大されます領海十二海里の中でのソ連漁船の操業は認められないということについて、ソ連側の了解も一応、その協定案文上は必ずしも明文で明確でございませんけれども、実態問題としてすでに解決を見たというふうに考えております。  残ります最大の問題が、いま最後に申し上げました漁獲量等の規制問題で、それにつきましてソ側の方から提案がございましたのは、日本側のこれから六月−十二月にわたります年内の漁獲量として総量で四十五万五千トン、これを七つの水域に分けて細かく提示をしてまいったわけでございますが、このトータルの四十五万五千トンという量は、五十年の同期の数量と比べますと三六%減というかなり厳しいものでございます。同時に、水域別のわが国の漁業の実態と突き合わせてみますと、いろいろ日本の漁業の実情に合わない面もございますので、それらの手直しにつきまして、漁獲量総体の水準のアップとともに、いま代表団で鋭意折衝中でございます。しかし、なかなか代表団の中での交渉も難航をいたしておりますので、別途、鈴木、イシコフ両大臣間での、この実態問題についての協議を早急に行いたいということで、現在ソ側に申し入れをし、ソ側も原則的にそれを了承をして、いまイシコフ大臣の都合に合わせて時間をセット中であるというのが現状でございますが、見通しといたしましては、今明日中にもう妥結するかというような情勢でございますが、われわれとしては、日本の漁業の実績のできるだけの確保のために、最後まで最善の努力をするということでがんばっておる段階でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 まず第一点は、もう時間がありませんから一言だけ。  水産庁長官のいまの答弁は、まず領土と漁業問題を切り離すことができたと、こういう答弁でございましたけれども、この問題についての詳細な議論は後ほどやりますからきょうはやりませんけれども、あの暫定協定の中で、そういうふうなことが実際きちっと明文化されているのかと。そこら辺の議論は結構です、後で農林大臣から答弁していただけば結構です。いずれにしても、そういうことは明文化されておりませんし、われわれとしては将来この暫定協定そのものが、相当われわれの大きな負担になるんじゃないかということについては非常に心配をいたしております。皆さんが、いまさっき答弁したような内容であれば幸い。しかしながら、実際そういうふうであるのか、そういうふうに皆さんが答弁されたような内容になっていないというところにわれわれの心配があるわけです。逆に言えば、ソ日協定で、いまの暫定協定とまるっきり同じことを、日本側が、第一条、第二条でソ連側が主張したことを盛り込むことができるのかどうか、逆に言えばね。そういうことが、逆にわれわれのこれからの期待にもかかっているわけです。そういう点も後で答弁を願いたい。  それからもう一点は、これは両大臣にぜひ答弁をしていただきたいことなんですけれども、当内閣委員会としては、この設置法の審議という問題について相当慎重に従来から議論をいたしてまいりました。それで、設置法というのは、毎回ですけれども、建物もできた、いろいろなものが全部できた、さあスタートをするという直前になって私たち参議院の内閣委員会に法案が回ってくる。非常にわれわれとしては審議する期間もないし、何といいますか、難儀をしておるわけです。それでわれわれは、たとえば今回の循環器センターの問題につきましては、少なくとも私たち循環器センターの設立を要望してきた立場からいいますと、そのものについては賛成なんです。しかしながら、その中身やいろいろな問題について議論をする機会が非常に少ない。設置法を審議する場合には、私はこれだけじゃなくて、そのほかに現在まで、たとえば農業者大学校、こういうふうな問題でも、大学校ができてもう卒業生が出るというところになってこの設置法が内閣委員会に回ってくる。これでは非常に困るという問題について、従来からその都度大臣に私たちは要望を申し上げてまいりました。ところが、実際はいまだにそれはなかなか改まらないというのが現状であります。そういうふうな意味から、私はこの設置法の問題については、できるだけ早く、もちろん予算の段階、設置しようという段階で、予算面の審議は予算委員会等で行われているとは思いますけれども、その中身の審議ということについては、これはやはり設置法を審議する場合に、どうしても私はきちっとやっておいた方が将来問題を残さない、そういうふうに考えるわけです。そういうふうな意味では、できるだけ早くその設置法を内閣委員会に提出をする、そういうふうに努力をしていただきたいと思うし、今後の問題もありますので一言申し上げておきたいと、そういうふうに思って質問しているわけでございます。  両大臣のこの問題についての所信なり考え方をお伺いしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ごもっともな御意見だと存じます。しかしながら、たとえば循環器センターにいたしましても、三年とか五年とかというようなかなり長期の実は年月を要すると、こういうことのために、輪郭等につきましては予算委員会等にも御提出をしてございますし、また、この社会労働委員会等においても、いろいろとやり方等についてあらかじめ御協議をいただいておるところでございます。最終的にどこの局の所管にして、どういうふうな規定でやるかというような段階でこの内閣委員会に提出をするわけでございますが、御趣旨のような御意見もあろうかと存じますから、今後それぞれの委員会等の御要求、あるいは御意見等とも照らし合わせまして十分検討してまいりたいと存じます。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 筑波研究学園都市の建設法に対しましては、これは毎年国会において審議されてきたところでございます。また、予算委員会においてもただいまのお話しのようでございますが、まさにおっしゃるとおりのことだと思います。したがって、そのただいまの御指摘は十分尊重してまいりたいと、このように考えております。したがって、漁業問題でございますけれども、細かいことはまだ電報でもはっきり——本当のこと言うと電報もはっきりできないんです、本当言いますと、向こうから送ってくる電報も。そんなような関係もあるんでございますので、二十九日には調印ができて帰れるだろうと、こう思うんです。大臣帰ってまいりましたらば十分にその点は御審議を賜りたいと思いますけれども、現在のところわれわれは、わが国に対して、別にこれに対してその御心配のような点はあり得ないんだというような考え方で受けとめておるところでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 法案に直接関係しませんけれども、地方公務員が精神患者に刺されて死亡したという事件が、昨年の七月にあったわけですね。この問題について、これは自治省並びに委任事務を行っておる厚生省の一つの責任でもありますので、この両省に対して、これから時間がありませんからごく簡単に質問したいと思うんです。  事件の経過というのは、去年の七月の十七日、京都府の衛生部の保健予防課精神衛生係勤務、二十四歳で勤続約五年で、一人息子で、この人が刺されて亡くなったんです。で、このときの状態は余り申しませんけれども、医師と、警官も同行して訪れたところが、果物ナイフですぐに刺されてしまったという事件ですね、もうほとんど即死に近いわけです。  で、京都府もこれに触発されて、この事件を契機として直ちに厚生省へ七月の二十六日、公衆衛生局長あてに——局長でなくて、これはあれの方へ送っているわけです、厚生省へも。これは七月の二十六日です。それからまた、現場をつかさどる八大都道府県精神衛生課長会議が行われております。そして、この代表の名前で厚生省と自治省の関係局長あてにちゃんと申告しているわけですね。主としてこれは、都道府県が救急医療体制——精神病者に対する体制の確立とか、あるいは精神衛生行政に従事する者の災害を、地方公務員災害補償法四十六条の特例公務災害の対象とするように法改正を行ってもらいたい、それから精神衛生鑑定医の報酬等を国庫補助の対象とするとともに、その他の精神衛生行政推進上の各種の補助金についても増額、それからあとは、精神衛生行政事務を指定都市へ移管してもらいたいというような、こういう要望を両省あてに出しているわけです。  経過は大体こういうことで、京都府でもこの事件を契機にしまして、いろいろとこれからのこういう精神病者に対する対応について大体六つの問題を挙げております。家族の協力を得て事前の調査を十分にする。突発的、飛び込み的な対応はなるべく避けたい。二が、入院歴、通院歴のある者については、その主治医を前面に立てた対応にする。つまり、人間関係、信頼関係が重要であるので、かつて見てもらったお医者さんにいろいろと聞いたり、その人からまず説得もしてもらう。これが第二ですね。それから第三は、孤独、単身の患者の場合は電話をかけて——電話のない場合もありましょうが、様態をつかむようにする。電話の対応で大体病状の変化をつかむことができる。第四が、自宅鑑定は原則として行わないで、必ず病院なり保護所等安全な場所で診察を行う。五が、退院後その病院との連携を十分にとる。医療中断的でないようにする。第六は、警察官の同道は、制服で行きますと相手を非常に刺激するので、私服を含むようにしたい。こういうことを一応その事件の後考えて、こういうことが課長会議の中でも紹介されているわけです。だから、この点では京都府のやり方は、現在の法範囲の中では、できる限りこういう異常な精神病者に対する対策を立てているわけです。このことは単に京都だけでなく、昨年、一昨年あたりも、病院から逃げて、そして看護婦さんを、医者にかえて看護婦さんを刺したとか、あるいはお医者さんを刺したという事件もあるわけですね。もちろん年に一回か二回ですから、頻度という点ではしばしばあるわけではありません。けれども、精神病者とすれば、かなり種類があるけれども、中には凶暴な人もおるわけですね。そうしてみると、理性を持っていないということも言えます、裁判にかかっても大抵無罪になるのが多いんですから。そうしますと、こういう人と接する都道府県の人、これは地方公務員ですから、あなたの方にはないわけなんで、地方公務員が接する場合に、そういう危険度があるということはまず前提にして、そうして、万一不幸にしてこういう災害が起こったならば、これは他の危険な仕事に従事する者と同様に公務災害補償をやるべきでないかという要求が、地方の人から、京都府からも出、またあなたの方の厚生省の公衆衛生局長も、自治省の行政局公務員部長あてに出されている。これは昨年の七月二十六日、京都から出て、すぐ出ているわけですね。それで、この中には、こういう業務に従事する職員についても、警察官などと同様の危険が予測される場合が少なくありませんと。だから「精神障害者の鑑定に関する業務に従事する職員についても」「特殊公務に従事する職員の特例措置の対象となるよう特例の拡大を御配慮くださるようお願いいたします。」ということが厚生省の局長から出ているわけです。  そこで問題なのは、もう時間がありませんから、私の方で話を進めますけれども、この四月に政令が改正されまして、そうして御承知のとおり、運輸省地方航空局に所属し、消火救難業務に従事する職員や、あるいは北海道開発庁北海道開発局及び沖繩開発庁沖繩総合事務局または建設省地方建設局に所属し、河川または道路の管理に従事する職員と。まあ自然災害に遭った場合もこの特別ないわゆる災害補償の対象にするということがこの四月に決まったようですね、政令で。だから、これはまあ政令事項なんですから、法律でありませんで私たちも初めて今度知ったわけなんですが、ですから、こういう点で私は厚生省に細かく言いますといろいろあります。しかし、厚生省としてもやはり委任事務で全部地方公務員がやるわけですから、これらの意見や、これらの考えというものを十分これはやってもらわなきゃならぬ。それからまた、去年おととしあたりの事件でどういう教訓が出たか知りませんけれども、そういう場合にどのようにそれぞれの県が対応したかというようなことも、やはり課長とか、その他の職員でですね、研修会なども行われ、会議も行われて、ある程度の経験の交流はあるでしょうけれども、できるだけ私はこういう問題は速やかに、どこでいつ何が起こるかわかりませんから、こういう問題は経験を交流する意味でまず流すべきではないか、各地方の都道府県のこれらに従事している人が、他から経験を学んでくると、そういうことが必要だと思うんです。このことについても、余り、この事件が起こりましてから熱心にどうも厚生省の方がそういう問題をやっているようにはちょっと思えないわけです。つまり、こういう非常に頻度が少ないと、また高度の危険がないというふうなこともよく言われるんですけれども、そういう死亡しなくちゃならぬというのは、たとえ一人であろうともこれは危険な状態なんですね、そういうことを予想して、やはり法案なり政令なんかはつくるべきではなかろうかというのが私たちの主張なんです。この点についてひとつ厚生大臣、特に実際の仕事は地方公務員がやりますけれども、自治省の関係ですけれども、厚生省のお考えをちょっと聞きたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) まことにごもっともな御主張でございまして、私ども応援をしてもらっているようで大変ありがとうございます。  ただいま御指摘のように、昨年の七月二十六日付で厚生省の公衆衛生局長から自治省の公務員部長に対しまして、いま言ったようなことについて特別な取り扱いをしてもらいたいという要望を出しておるわけであります。厚生省でも麻薬取締員のようなものにつきましては、警察官や消防吏員と同じような、そういうような待遇を受けておるわけでございます。しかし、いま言ったような精神異常患者に直接接しなければならないと。これは一遍調べてみればわかるわけですけれども、調べる前は、うんと精神異常、どこまで異常なのか、これはわからないんで、やっぱりこの精神の異常な人ほどこわいものはないわけでありますから、したがって今後ともわれわれとしては、頻度が少なくとも、やはり実際に地方公務員に委任をしてやらしていただいておると、その方が負傷をしたりあるいは殺されるというようなことは大変なことであるし、事前にこれは避けなければならぬということが第一でございますが、万一の場合にそれだけのことがないというと、なかなかその職務に一生懸命にならないというのも事実でございます。したがいまして、これにつきましては御指摘されるまでもなく、私といたしましても、いろいろ自治省等においてはほかのバランスの問題、横並びの問題というのもあるのかも存じませんが、極力これにつきましても、公務員の災害補償法の四十六条の特殊公務に従事する職員というようなものの扱いをしてもらうように、今後とも努力をしてまいるつもりであります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 では自治省の方へ聞きますが、内閣委員会でも、これは国家公務員の直接の問題ですけれども、これは地方公務員でも同様だと思うんです。「一般公務員が、特に危険をおかして職務を遂行し災害を受けた場合には、特別公務災害としての補償を行うこと。」というのが衆議院の内閣委員会で昨年五月十三日に通り、また参議院でも五月十八日に同じような趣旨の決議もしているわけです。そしてまた御承知のように、この問題が起こったら自治省へも厚生省から書類が行っているわけですね。ところが、この春の改正のときにはこの問題が問題にならなかった、自治省の方では。これは一体どういうわけでしょうか。軽く取り扱っておられたのか、まあこんなものはしてもしようがないというふうにお考えになったのか、ちょっとその辺をまずお聞きして、あと一点質問します。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。  ただいま御質問のございました公務員の特殊公務災害補償につきましては、御案内のとおり、警察官でございますとか、あるいは消防職員等の特定の職員につきまして、高度の危険が予測されるにもかかわりませず、職務上あえて職務を遂行しなきゃならないという状況下におきまして、このような職務の特殊性という観点から、職種あるいは職務の内容を限定して現在特別の補償制度を置いておりますことは御案内のとおりでございます。で、ただいまお話にございました、精神衛生法に基づきまして精神障害者の鑑定に関する業務に従事する職員につきましての取り扱いの問題でございますが、お示しにありましたように、昨年七月、厚生省の方からもそのようなことについての問題指摘があり、私どもずっと検討してまいったわけであります。で、この点につきましては、ただいまお示しにありましたことしの春の政令改正におきまして、災害復旧事業に従事いたしまする土木職員につきまして若干その範囲を手直しをいたしたわけでございます。この際私どもといたしましては、厚生省の方からのお申し越しの趣もあり、あるいはまたお示しにございましたような国会におきます附帯決議というものも私ども十分踏まえまして、いろんな角度から検討をいたしたわけでございます。しかし、現在のたてまえといたしております、その職務の内容の特殊な職員であり、そしてまたその生命あるいは身体に対する高度の危険が予測される状況の中で、あえて犯罪の捜査あるいは火災の鎮圧その他の業務に従事するという職員の範囲として、果たしてこの精神障害鑑定業務に従事する者が該当し得るかどうかという点があったわけであります。私ども検討いたしましたわけでございますが、結論から申し上げますれば、若干まだ問題が残っておるんではないかということでありますと同時に、先ほど大臣の方からもお答えがございましたように、この種のものを手直しいたしますときには、当然国家公務員における取り扱い、あるいは民間労災の取り扱いとの均衡もとらなきゃならないということが法律上明定されておりますと同時に、精神障害者の鑑定業務に従事する職員のほかに、なお地方においてこの種に類似する業務が、その他のものとしてどういうものがあるのかということを多角的にもう少し検討しなければならないであろうということで、実は見送ったというのが実態でございます。私ども、ただいま御指摘にございましたように、最近の行政事務の内容が非常に多様化、複雑化してまいっております。職員につきましては、そのような警察官あるいは消防職員というような職務ほどではないにいたしましても、生命あるいは身体に危険が予測されるような業務にあえて従事しなきゃならないという職務も出てきておることも事実でありますので、ただいま申し上げましたような観点から、今後とも引き続き十分検討はいたしたいというふうに存じておるところでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 とにかく厚生省の方は、いま大臣も言われたように、この問題は検討して、当然そういうことはやるべきものだというふうなお答えがあったわけです。あなたの方は、地方公務員を抱えているわけですね。地方公務員に対する責任を持たんならぬですよ。これは厚生省だけでやれるわけじゃないんですからな。だからあなたの方で、いろいろ他の均衡とかなんとか言われますけれども、しかし、ほかの方がのんべんだらりと何にもやらずにおる場合に、必要なもの、また緊急なものは、自治省でも率先してこれを範を示してやるというのが、私は行政の立場における自治省の責任だと思うんですよ。これはもう私企業なんかは、できるだけ金は出したくない、もうけはうんとしたいというのが多いんですから、なかなかそうもいきません。また各官庁におきましてもいろいろありますよ、頻度とか、あるいは危険度というようなものはその大きいか小さいかでないので、小さくてもやらなきゃならぬものはやるべきで、大きくてもそればかり目をつけて、小さいところに目をつけなければ、これは行政の不公平になるわけですね。だから、ひとつあなたの方も、厚生省から申し入れがあれば、あなたの方が実際のそういう手続をされるわけですから、またこれは政令ですから、何も法律をつくらぬでも、閣議で決まれば、これは政令として項目を入れれば入るわけですね、比較的簡単なんですよ。だから、こういう点でもあなた方の方で、ちゃんとひとつその方向に向かって努力されたいと、こう思います。最後に聞いておきたいです。簡単でいいですから。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○政府委員(石見隆三君) お示しの点につきましては、たとえそれが一人でありましょうと二人でありましょうと、それは数の問題ではないということは私ども十分理解をいたすところでございます。やはり、このような高度な危険が予測されるにもかかわりませず、あえて職務上、その業務につかなきゃならないという職員の身分の特殊性というものは、十分理解をいたすわけであります。私ども、関係省庁から十分その実態も伺い、あるいはまた、先ほど申し上げましたように、国家公務員なりあるいは労災等の取り扱いがどうなっていくのかということとも十分見合いながら、今後引き続き十分検討さしていただきたいというふうに存ずるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 終わりました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは端的に答えてください。私も端的にお聞きします。  先ほどの日ソ漁業暫定協定の中で、領土問題を不利にすることなく漁業問題を解決したと、こういう評価をされておるんですが、これは甘いんじゃないですか。私は具体的にお聞きしたいのは、八条の問題だが、その八条というのは玉虫色にこれは何とでも読めるんじゃないですか。その八条の中で結局あのような規定をしたわけだけれども、これは十二海里内でソ連の漁船の入漁がないという。海洋会議が済んでも、このような保障はどういうふうにしてこれは言えるか、その点を明確に、端的にあなたたちの評価をお聞きしたい。

佐々木輝夫水産庁次長

○政府委員(佐々木輝夫君) 第八条で、いま先生の方からお示しのように「この協定のいかなる規定も、第三次国際連合海洋法会議において検討されている海洋法の諸問題についても、相互の関係における諸問題についても、いずれの政府の立場又は見解を害するものとみなしてはならない。」という明文での留保条項とでもいいますか、そういう立場についての留保がはっきり規定されているわけでございまして、したがって、この規定の「相互の関係における諸問題」ということで、わが国の従来から北方四島等について主張してまいりました立場を、この協定で損なうものではないということを私どもとしては理解しておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう甘い評価ですけれども、本当にこれは裏づけがあるかどうかということは、経過を見ればわかるんだけれども、経過だけじゃなくて、もっとやっぱりその点は明確にしておく必要があると思います。  もう一つ漁業問題でお聞きしたいのは、この補償問題ですね、日水や日魯の大手企業、水産会社六社の収益を見ますと、最近二・二倍から七倍ぐらいこれははね上がっておるんです。そうして、株が非常に暴騰しておる。そういうことにもあらわれているわけです。こういう状況が、いまの非常に水産界の全く死活に関するような中で、ことに中小零細企業は苦しんでいる、そういうときに、どういうふうにこれは考えておられますか。これは大臣にお聞きしたい。余りに対照が激しい。魚転がしでこれはもうけたのかどうかわからぬけれども、一方で二倍から七倍の利益を上げておる。そういうようなときに、一方では全くこれは死活に瀕しておる。こういう対照の激しさについてどう考えておるか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 私は内容の実態をそう知っておるわけじゃございませんけれども、たとえば二月末からわずか三カ月間でそれだけの大きな配当ができるほど、この今回の問題に関してそれだけの利益があったということは、どうも納得がちょっとしがたいんじゃないだろうかと。今日までのいろいろな実績等があってそうなったのかどうかということは、その実態をもう少し調査してみないとわかりません。しかしながら、価格の点等におきましては、十分私の方も、倉庫を抜き打ち調査をしたり、あるいは指令をいたしたり、また集まっていただいて実態をお話し申し上げて御協力を賜りたいというような点については、十分それらについては手を尽くしておるつもりでございまして、いずれにいたしましても、昨年の秋から近海漁業が非常な、近年まれに見る不漁だったということもその一因であり、それにあわせまして、この二月からこういうような問題を抱えまして、北洋漁業の問題がいろいろな問題がうわさされてくる。その中においては、そういうようなことが全くなかったとは私は言い切れないだろうと思います。しかしながら、こういう点については、そういうことのないように十分な注意も与え、協力をお願い申し上げておるということだけは認めていただきたいと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 国民感情が許さないんですからね。私もこれはもう稚内に行って、現地で二日ほど実情を聞いてみたんですけれども、とてもそれは大変なことですからね。そういう感情からいうと、いまのような、一方では膨大にもうけている、この前の石油のときと同じようなことが起こっている、こんなことは許されない、国民感情として。この点からいうと、どうしても私は中小零細企業に対する補償の問題が、もっと真剣にやらなければならぬと考える。一方でこれを取り締まる、暴利を取り締まると同時に、一方ではこの補償に本当に本気になって身を入れる必要がある。稚内でこう言っているんです。減反には補償が出るけれども、減船には補償が出ないんじゃないかと、こう言っているんですね。この前あの問題が起こったときに、あなたの方、水産庁から底びき課長が行って、大臣の命令でやってきたんだが船とめてくれと、こういうことでとめたというんです。そういうものに対して一体本当に裏づけがあるかというと裏づけがない。非常にこれは現地では怒っているんですよ。こういう問題からいうと、ことに中小の零細企業、それから船主も、親子三代ぐらいでようやく船を一そう持ったなどという船主もあったんですけれども、全くいまの漁業政策そのものもネコの目玉のようにこれは変わってきておる、何らこれはそういうところでおかげをこうむっていなかったと。ところが一たんこういう問題が起こるというと、一切のしわが自分たちに寄せられる、これでいいのかと、こう言っているんですね。ことにその中で、私は零細の加工業者、さらに運送関係、それから製かん関係、電気関係などの関連業者を含めて大変なことになっているんです。これは金融の問題、それから補償の問題をどうするのか、補償というのは明確にこれはうたえないんですか、うたうのはぐあい悪いのか、日ソ交渉の段階では補償をはっきりうたうというとぐあいが悪いということは実情としてあったと思うんだが、暫定協定がはっきり出されたこういう段階では、明確に補償を打ち出すべきだと思うんですが、どういうことになっておりますか。

佐々木輝夫水産庁次長

○政府委員(佐々木輝夫君) 日ソ漁業交渉が長期化いたしましたことに伴いまして、中小漁業者、それからその関連産業に非常に大きな影響が及んでいることは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、いま現に最終段階に行きつつございます日ソ漁業交渉の結果を見きわめまして、減船程度、そういったものが明確になった段階で、当然国としても適切な救済対策をとらなきゃならないということは最初から考えておるわけでございますけれども、いままでは交渉が継続途中でございまして、どうにも先の見通しがつかない段階でございましたので、そういった期間を何とか切り抜け、つないでいくために、三月、四月の休漁に対しまして、生産者に対しては総額百五十億の特別の低利融資を、それからまた加工業に対しては三十億の低利融資をそれぞれ講じながら急場を切り抜け、最終的に見きわめがついた段階で、それぞれの減船程度、影響程度に応じまして適切な救済対策を各関係省庁とも連絡をとりながら講じてまいりたい、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大臣にお聞きしますが、これは補償というものを打ち出す、そういう姿勢でおられますか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 当然その点については考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは確認しておきます。  とにかく全然三月段階、四月段階では、これは出せない、それで、交渉中だから待ってくれ、こういうことだけれども、実際は大臣の命によって船をとめた。そして何のこれは補償もないじゃないか。中小企業の場合困っているのは、全く国民金融公庫や中小企業金融公庫、こういうところに行っても、信用保証協会が依然としてめんどうくさい条件をつけていて、実際は本当に金は回らぬのですからね。だから、そういうものは補償やるんだ、国家補償が出るんだというような態勢がはっきりすれば、これについて金融もついてくるだろう、こういう現実があるわけですから、こういう問題についてはっきりこたえる、そういう姿勢をこれはおとりになる、こういうことを含めて補償の方向をとるんだと、こういうふうに大臣の御答弁があったと思うんですが、それでようございますか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 漁業に対しましては、ただいま御指摘のあったような点については必ずそれを実施いたします。加工業については、範囲が非常に広うございますので、どの程度まで、どういうところまでやるかというところが、いま調査をしておりますので、その結果があらわれた後において考慮いたしたいと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がないんで、北の方の問題で、漁業問題と並んで農業問題、つまり冷害問題ですね、これは深刻な問題です。私はさきおととい仙台に行った。朝晩寒くてしようがない、霜がまだおりるだろう。それから北海道、御承知のように五月半ばになって札幌にも雪が降ったわけですが、旭川にはその前にもう降っている。相当積もっている。どうもやっぱり異常な気象状況は続くんじゃないか、ことしも冷害じゃないか。これはもう関係の東北や北海道の農民は非常にこのことを心配している。これについて昨年度とられた冷害の対策というものはどういうことになっておるのか、大まかでいいですが、これについての対策の大綱を話してほしい。簡単でいいですから、大筋でやってください。

澤邊守農林大臣官房長

○政府委員(澤邊守君) 五十一年度の冷害対策といたしましては、被害の発生しておる当時は肥培管理等の技術指導ももちろんやりましたけれども、事後的な措置といたしまして、天災融資法並びに激甚災害法の発動、それから農業共済金の早期支払い、それから規格外玄米、普通政府が買わないような規格外玄米の特別の買い入れ措置、それから予約概算金の利子の減免、それから、いわゆる救農土木事業によりまして就労機会ができるようにしたというようなこと等、十数項目の対策を講じた次第でございますが、ことしになりましてからも、四月でございましたが、今年度の五十二年産の稲作についての予約概算金の支払い時期を約一カ月間繰り上げまして、通常ならば七月上旬でございますのを六月十日までに支払いできると、対象はもちろん限定しておりますけれども、被害の多かった農家に対しまして支払いできるように、それらの措置を講じた次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 総額、金額にして幾ら。

澤邊守農林大臣官房長

○政府委員(澤邊守君) 主要なものについて申し上げますと、天災融資法は約六百億でございます。現在把握しておりますのは、その六百億のうち五百二億が貸し付け済みでございます。それから、自作農維持資金の融資は三百六十五億、これは大体年度内、五十一年度内に完了しておるところでございます。それから共済金の支払いは、農作物共済が一千百十五億円、それから果樹共済が四十二億、合計一千百五十七億円、これは全部終わっております。それから救農土木事業は合計で二百十五億円、これもすでに実施済みでございます。事業費で二百十五億円でございます。国費が百十億円の支出でございます。それから規格外玄米の買い入れは九万六千トンでございます。  主要なものは以上でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは後で資料にしてください、まとめたやつね。  被害総額は幾ら。

澤邊守農林大臣官房長

○政府委員(澤邊守君) 四千億でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だから、現地の方でなかなかこれは手が届かないところがあるから、いまいろいろ項目出されましたけれども、まだまだ不十分だというふうにこれは考えられるわけです。現地では非常に苦しんでいる。私は基本的にやはり冷害対策というものはもっと考えてみなくちゃならない。私は昨年の十月、党の調査団長になりまして、それで岩手と青森を見た。このとき淋代へ行きました。青森県の淋代、あの淋代へ行って実は非常にショックを受けたんです。あの淋代平を歩いて行きますと、道路があります、海の方に向かって。これはリンドバーグが昔、何年前かな、もう六十年も前にあそこからアメリカへ飛び立った。ここは米作地帯です。ところが、この道の北側と南側、ここで物すごい顕著な実例が出てきた。一つは何かというと、北側の方は四割ぐらいとれている。南側は全滅です、全部とれない。夕日の中で本当に立ち枯れの稲の姿を見た。それであそこの関係者に聞いてみた。そうするというと、北側の方は、これは機械植えでなくて手植えだと、それから無機肥料じゃなくて有機肥料、堆肥を大変入れている。ところが南側のたんぼは、全然これは反対なんですね。全部機械植えです。それから無機肥料なんです。そうすると、冷害に対してどういうふうに、本当に根本的に対決するかという問題が科学的に検討される必要があるんだということをつくづく感じた。とにかく一方は四割とれるときに一方はゼロなんです。この違いはどこからくるか、日本の農業の体質そのものについて、この冷害と関連して徹底的にやはり科学的検討をする必要があるんじゃないか。これをやっておりますか。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) 肥培管理の問題、また技術指導、これらと伴いまして、この寒冷地帯全体にわたる耐寒性の研究、これらは本年も研究費二億出しておりますし、昨年も一億五千万ほどを出しまして続いてその研究にいま邁進しているところでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 四千億に対して二億か三億ですか、さびしくなる。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) いや、一億五千万ですよ。それから五十二年が二億。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だから物惜しみで、一文惜しみの百知らずというわけですね。まさにこれは日本の農業政策はそうじゃないかと。もっとやっぱり本気になってやる必要がある。あの十和田市の近くに藤坂農業研究所というのがある。これを私は同時にそのとき見た。何を一体やっているか、本当に冷害対策というものに対して真剣に科学的にやっているか。ところが、とにかくいろいろ費用は足りない、人員は足りない、非常に不十分です。この予算、ついでにお聞きしますが、あんな予算で東北、それから全国的に巻き起こってきた昨年の、本当に北の海の漁業と並んで大変な課題ですよ。この課題と対決ができるのかどうかということがいま問われている。だから、そういう点ではもっと研究所のようなものに、それはもう五十億円入れたって何でもないでしょう、本当は。ところが二億じゃ、それも全国全部でしょう、冷害対策。だから、あの研究所の費用なんというのは問題にならないわけです。こういうところをもっともっと、技術者が歯ぎしりをしているんですから、こういう人たちを十分に納得させ、本当に力量を発揮できるような、そういうような研究所をつくっていくということが、まさにいまこたえる問題じゃないか。沿海の養殖漁業というものはどうしてもこれは一方でやらなくちゃならない。と並んで、この寒冷地帯におけるところの農業対策というものを本気になってやるということ、これこそがいま国策が要求されているものだというふうに考えるんですが、ついでにその藤坂の農業研究所の予算と、それからいまの私の提案に対して、これは農林大臣の御答弁を願いたいと思います。

下浦静平農林水産技術会議事務局長

○政府委員(下浦静平君) 寒冷地向けの稲の優良品種の育成につきましては、国におきましては北海道農業試験場、それから東北農業試験場というのがございまして、これが中心になってやっております。  で、ただいま御指摘のございました藤坂でございますが、これは青森県農業試験場の藤坂支場ということになっておるわけでございます。で、ただ私が先ほど申し上げました国の農業試験場、この藤坂と結びついておりますのは北海道農業試験場でございますけれども、これとタイアップして研究を進めておるということでございますが、したがいまして、国からも助成を——助成というよりも、これは指定試験をお願いをしておる関係でかなりの予算を計上をいたしまして進めております。四十九年以降五十二年まで、実はあそこの特殊な施設でございますけれども、バイオトロンという施設でございますが、それを中心にいたしまして、五十二年度までに一億一千万の経費を指定試験の経費といたしましてお渡しをしておるという状況でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあお聞きのとおりですね。だから本当に、まあたとえば四千億の一割を仮に投資したとしますと四百億、四百億までは言いません。しかし、とりあえず、本当に思い切ってやられたらどうです。そうして冷害の半ばをそれで防ぐことができたとしたらどういうものか。こういう国家的な大損失ばかりやっているのが本当にいまの農業だと私は思うんですね。これじゃだめだ。国策の論議というのは、そういうところで明確にしなきゃならぬのです。  だから、こういう点で、本当にやはり冷害問題、それから漁業問題、二百海里の立ちおくれ、そうしてそれが沿岸漁業に対して全くこれはもう手が及んでいなかった。やったのは見ました。私も岩手県の種市あたりの養殖漁業の状態は見ましたよ、見て言ってるんだから。もっと本気になってこれはやらなきゃならぬし、あくまでもやはり国民の立場に立ってやるということが基本だと思うんです。その点について、最後に農林大臣の決意をお伺いして私の質問を終わります。

長谷川四郎自由民主党建設大臣・農林大臣臨時代理

○国務大臣(長谷川四郎君) この試験場の費用というものは、大体どのくらいであればやれるんだというような予算も大体取って、それにこちらからもその予算をつけるようにしているのがいままでの常例でありまして、特に耐寒性、耐冷性の問題につきましては、御指摘のように、十分にこれに備えなきゃならぬということは私たちの方でも考えております。これに対しましては、ただいまのお話にあったような御指摘を十分に踏まえまして、今後さらに努力を重ねてまいる考え方でございます。  したがって、さらに漁業問題等につきましてもそのとおりでありまして、いよいよ二百海里の問題が出て、各国がこういう状態になってきた中の漁業の養殖問題でございますから、これらに対しましても十分にそれを心にとめて今後の問題に供していきたいと考えております。

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  討論は両案を一括して行います。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより両案の採決に入ります。  まず、厚生省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) これより請願の審査を行います。  第一三七号身分の関係で恩給上の処遇を受けていない旧軍属に対する処遇の是正に関する請願外六百三十三件を議題といたします。  これらの請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知を願いたいと存じます。  これらの請願につきましては、理事会において協議いたしました結果、第六九九号外十一件の救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願、第一五三〇号外三件の遺族年金(恩給)の支給率引上げに関する請願、第一六九九号のオロッコ族・北川源太郎氏等に恩給法の適用若しくはそれに準ずる保障措置に関する請願、第一八五八号の大東亜戦争中軍務に服した者の恩給に関する請願及び第四九一六号外九件の傷病恩給等の改善に関する請願、以上二十八件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、残余の六百六件は保留することといたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増原恵吉自由民主党

○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時二十二分散会      —————・—————

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