内閣委員会 第12号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/15
会議録
○委員長(増原恵吉君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします 本日、小山一平君及び遠藤要君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君及び井上吉夫君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(増原恵吉君) 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○太田淳夫君 それでは、昨日に続きまして質問さしていただきます。 いよいよ沖繩も復帰後五年間を迎えたわけでございますが、やはりこの五年間、本土復帰に対する期待が非常に大きかっただけに、現地の県民の方々、その期待を裏切られたような感が現地では充満をしているように感じられます。 そこで、最初に政府に、この五年間を振り返っての所感と、それで今後どのような方策でこの沖繩県民の平和と福祉の問題を解決していくのか、その点について御質問さしていただきます。
○国務大臣(藤田正明君) ただいま振興開発十ヵ年計画についての前半の五ヵ年はどうやったんだと、それから、今後の後半五ヵ年はどうするんだというふうな御質問であったと思いますが、前半の五ヵ年につきましては、空港、港湾、道路、上水、下水、そういうふうな生活関連の設備投資はもちろん含めまして、相当な促進があったことと信じております。これは数字的にも明らかになっております。二、三例を申し上げますと、一人当たりの県民所得につきましても、昭和四十六年には、全国平均を一〇〇にいたしますと五四・五%であったものが、昭和五十年には全国平均の一〇〇に対しまして七五・一%というふうな上昇を見ております。それから、もう一つ例を申し上げますと、高校の進学率の向上でありますが、これは昭和四十七年には全国で八七・二という進準率でございました。沖繩では七一・一でございましたが、昭和五十一年では全国が九二・六に対しまして沖繩では八一・一、ですから全国では五%しか伸びておりませんが、沖繩ではこの間に一〇%の進学率の向上があったと、こういうふうに前半の五カ年間の実績を申し上げることができるかと思います。 ただし、残念ながら、御承知のように四十八年の暮れのドルショックがございまして、世界的な経済の混乱、その中におきます日本の経済はもちろん混乱いたしましたし、それが沖繩県にも影響を及ぼしたことは多大でございます。それからまたもう一つは、海洋博の空白がここ一年間ございまして、これが経済の不況とダブルショックを沖繩県に与えたことは遺憾な現実となっております。それが失業率の増大にもつながっておりますわけで、日本の失業率が二・三%であるところが沖繩では二月の末に五・九%あったと、こういうふうな失業率が非常に高いという現実がございます。 このようなことを考えてみますときに、今後の五カ年間はどうしたらいいかということでございますが、私は、振興開発十カ年計画を大幅に改める必要はないと思うのであります。その中におきまして、第一次産業、第二次産業、第三次産業の組み合わせ、バランス、そういうものがもっと円滑にいく必要がある。五十一年で申しますと、第一次産業が五・八%であり、第二次産業が一九・三%、第三次産業が七四・九%ということになっておりますが、依然として第三次産業に偏り過ぎているというきらいがございます。先ほど申し上げました失業率の増大、これを雇用機会を創設するためにも第二次産業を興していかなきゃならぬ。で、いまの十カ年の振興開発計画の十カ年目には、第一次産業が五%、第二次産業が三〇%、第三次産業が六五%というふうな数字を挙げております。こういうふうな目標に向かってこの辺のバランスを改めていかなきゃならぬ。そこで、問題はどのようにして第二次産業を上げていくかということでございますが、これにつきましては、一番目には地場産業の育成振興ということがございます。第二には、大企業の誘致ということがございますが、第二の大企業の誘致に過大な期待をかけることは間違いであろうかと思うのであります。と申し上げますことは、沖繩県全体が離島であるということ、それからまた水が不足しておるということ、あるいは月間の平均賃金が比較的高い、そういうふうなこともございまして、そういうふうな他県からの、あるいは本土からの大企業の誘致というよりも、地場産業をまず第一に育成していかなきゃならぬ。そのためには第一次産業を振興し、農産品あるいは水産品、そういうものの漁獲高なり生産量を上げていくことによって、その加工産業を地場産業として確立していく、これが第一の目標ではないかと思う次第でございます。そういうふうなために、農業の面におきましても、確かに土産高はこの五カ年間に二倍に上がっております。二倍に上がってはおりますが、その質面におきましてはさほどの改良がない。やはりパイナップルとか、サトウキビとか、そういうふうなものに頼っておる。これらにつきまして、やはり農地の基本的な基盤整備、あるいは水産業の基本的な整備、これらに力を入れまして第一次、第二次を関連して振興に努めなきゃならぬ。これが後半の計画の骨子であろうかと思います。
○太田淳夫君 さらに、政府にお聞きいたしますけれども、暫定使用法が切れたわけですけれども、この新しい事態にどのように対応されていくのか、その点答弁願います。
○政府委員(斎藤一郎君) 暫定使用法が昨日の二十四時間で切れたわけでございますが、これに対する対策といたしましては、とりあえず、法的には公用地暫定使用法が昨日で切れたのでございまして、ただいまこの委員会で御審議いただいておる法案が通りますれば、法的には暫定使用法の効力がなくなった後の、有効期限がなくなった後の措置ができるというふうに考えておるわけでございます。したがって、ただいまの時点におきましては、沖繩の基地のうちで、所有者が契約に応じてくださった方、二万八千人余でございますが、この方々の土地については、適法に権原を持って使用しておるということになるのでございますけれども、まだ契約に応じていただけない三百数十人の方のお持ちの土地については、法律の根拠に基づく使用ができないわけでございます。そういう意味では実定法に基づいての使用権がないということになるわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げたように、去る五月十一日衆議院で修正可決され、現に参議院において審議していただいておる法案がございますので、この法案がなるべく早い機会に法律として成立することを私ども期待しておる次第でございます。 で、一方において、現に国が使用しておるこれらの土地につきましては、条約上の義務の履行のために必要なものでございますし、あるいはまた自衛隊の場合も、防衛活動のために国が使用することが必要なのでございまして、その必要にどうしてこたえ、調整していくかということが大変むずかしい問題でございますが、一方において、土地を所有されておる方々の所有権を尊重しながら、そうした国の要請にこたえていくという努力をしなければならない。したがって、この空白の期間に、もし土地の所有者が自分の土地をごらんになりたいというようなことがございましたらば、基地の任務の遂行上支障のない限り、自衛隊にあっては、自衛隊の管理権を柔軟に運用いたしまして、所有者の方々のお立場をなるたけ生かしていく、あるいはまた米軍の基地についても、米軍が条約に基づく管理権を持っておりますが、この米軍の管理権をひとつ柔軟に運用していただくということを私どもとしては努力してまいりたいというふうに思っております。
○太田淳夫君 防衛庁は対策本部を設置いたしましたけれども、これは何のための対策本部なんですか、その点説明してください。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 私どもといたしましては、こうした事態の来ることを何とか避けることができればということで、御審議をお願いをしてまいったところでございまするが、慎重審議を続けていただきます状態を見てまいりまして、この法律の使用期限というようなものを、設定されておりまする昨日の二十四時の時限では審議を終了していただくことができないというような見通しを立てざるを得ない状態になりましたので、現地等において混乱を来すようなことがあっては相済まぬ。先ほど施設庁長官が申し上げましたように、国防の重責を担わねばなりません自衛隊、そして安全保障条約の義務を履行しなければならない私どもといたしましては、法律の審議を願っておることが、期限内に議了できないという事態に対しましては、これはやはり私どもの責任でございまするので、そういう立場から、現地において混乱を来すようなことがあっては相済まぬというようなことで、それに対処するために本部をつくって、その対処をさせることに当たらしておるわけでございます。
○太田淳夫君 本来なら、期限切れで土地を返還するのが沖繩県民のためになるんじゃないですか。ここで対策本部をつくってやるということは、この対策本部は沖繩の県民の皆さんのための対策本部なのかどうか、その点ちょっとお伺いいたします。
○国務大臣(三原朝雄君) いまお尋ねのことは、県民のためにつくるということが大切ではないかということでございますが、私の本部をつくりました際の長官としての意見を申し上げておりまするように、まず私ども、いままで防衛の任務を果たし、そして安全保障条約の義務を履行してまいらねばならぬという防衛庁の立場とともに、地元の県民の方々の期待にこたえねばならぬということがあるわけでございます。したがって、一方的に私どもが使用さしていただきたいという立場からのみの決して考えではございませず、そうした私ども自身が使用を願ってまいるという立場とともに、それがためには県民の方々に御迷惑をかけたり、いろんな事態を発生させることがあっては相済まぬということで考えてまいり、対処をいたしておるところでございます。
○太田淳夫君 先ほど混乱ということを防衛庁長官は発言されましたけれども、その混乱の中身はどんなものがあるんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) これは私ども、いろいろな点を検討してまいらねばならぬと思うのでございまするが、まずは、先ほど来論議の中に出ておりまするように、使用の期限が切れてまいりますると、土地所有者の方々が、自分の所有地を見たいというようなことで御希望をなさる、そういう方々に対しましては、米軍なりあるいは自衛隊が借用いたしておりまするその土地を見たいということになれば、その域内にお入りになるということになろうと思います。そういうようなことに対して、私どもとしてはそれに応じねばならぬということは考えてまいっておりまするが、その際に、話し合いがうまくいけば非常にいいわけでございまするが、そうした準備態勢等、あるいは多数で来られて整理上に因るというようなところから、ひとつ問題が起こりはしないかというようなこともございまするし、その他いろいろな組織等の御意見等も出てまいる、それらに対する応対等もございましょうし、そういうような事態を考えてまいりますると、われわれはそういう点については十分法の立場に立ち、また地元の方々の御意見を踏まえて折衝はしてまいりまするけれども、そうしたところから思わざる事態が起こりはしないかというようなことを想像いたしておるわけでございます。しかし、そういうことのないことを祈念をし期待をしてまいっておるところでございまするけれども、そうした点について、やはり大事をとって準備をいたしておくべきである、そういう立場に立っておるわけでございます。
○太田淳夫君 そうすると、そういった混乱を防ぐために対策本部をつくられた。混乱を防ぐというのは、これは防衛庁じゃなく警察当局じゃないですか、その点どうですか。
○国務大臣(三原朝雄君) いま申し上げましたが、混乱を防ぐというばかりではございません。米軍に対してそういう点に対しての連絡、そして米軍が県民の方々との間に理解のある折衝をしてほしいというような問題もございましょうし、あるいは自衛隊自身に対しましても、いまこうした事態になっておることを承知させて、それに対して過ちを犯さないようにというような処置もしなければなりません。実際の取り締まりは、いま申されまするように警察等でおやりいただくわけでございまするけれども、防衛庁といたしましては、そうした防衛庁自体として実際に土地を使用をさしてもらって今日まで来ておりまするし、基地を管理をいたしておりまする立場でもございまするので、私ども当然の処置として、地元の県民に御迷惑のかからないように、そうした混乱するような事態が起こらないようにということを、各現地の部隊なり、あるいは現地の機関に対して準備せねばなりませんので、対処いたしておるわけでございます。
○太田淳夫君 米軍基地に突入しようとして二人逮捕されたというようなことも聞いておりますけれども、今後米軍や自衛隊と住民との間にそういったトラブルが起こった場合、もし流血事態でもあった場合には、政府としてはどうされますか。
○国務大臣(三原朝雄君) まあ国務大臣という立場でございまするので、防衛庁長官がこれに答えることはどうかと思いまするけれども、お答えいたしまするが、そうした事態が起こらないためにあらゆる施策をとっておるわけでございます。私どもも、そうした事態は何とか防ぎたいということで現在は終始いたしておるという状態でございます。
○太田淳夫君 現実にいま二人逮捕されているということですけれども、総務長官、いまのことに対してどうでしょうか。
○国務大臣(藤田正明君) 非常に残念なことでございます。今後ともそういうふうなことがないように祈念をいたしております。
○太田淳夫君 いろんな事態に対応しようとして対策本部をつくられたようですけれども、もしも未契約の地主の方が米軍基地に入ろうと、こういうことを要望された場合はどういうように対処されますか。そういう方々は、自分の土地を確かめて、くいを打ったりあるいは縄を張ったり、こういうことも希望されているように聞いておりますけれども、その点どのように対処されますか。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほどもお答えいたしたのでございますが、米軍の基地の中に土地を持っておいでの方が、どうしても基地の中へ立ち入って所有権の行使をなさりたいという場合でございますが、これは一方において、条約に基づいて、米軍に条約上提供して、米軍が使用し、管理権を持っておる土地でございますし、自衛隊の場合だと、わが日本国政府の立場でいろいろ措置ができるのでございますけれども、米軍基地については米軍の管理権、この中で土地所有者の御希望に応ずるということが必要になってまいります。そこでわれわれとしては、米軍と十分折衝し、連絡して、土地所有者の方々の御希望が、日米安保条約の本来の目的と、それから土地所有者の御希望とがうまく調整できて実現できるように努力してまいりたい。米軍は従前から、この種の問題については、たとえば黙認耕作地だとか、あるいはまた、ただいままで行ってまいりました基地内の位置境界の明確のための作業について、いろいろと柔軟な考え方で応じてくれておりますので、私どももそうした観点で最大の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○太田淳夫君 法制局長官にお聞きしますけれども、憲法第二十九条の個人の財産権の保護の問題ですけれども、これとただいまの問題、管理権の問題、その点についてちょっとお聞きしたいと思いますが。
○政府委員(真田秀夫君) 憲法第二十九条は、御承知のとおり財産権の保障を決めておるわけでございまして、その第三項におきまして、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と、こう書いてございまして、この第三項の要請、憲法の要請に基づきまして、例の公用地等の暫定使用法ができておることは御承知のとおりだと思いますが、その公用地等の暫定使用に関する法律による国の使用権原が、実は残念ながらきのうで切れたと、こういうかっこうになっておるわけでございます。したがいまして、現在におきましては、国は未契約地主さんの土地を法的に使用する権原は失われておると、こういうことでございます。
○太田淳夫君 いまお話がありましたけれども、この公用地法におきましても違憲の疑いがあったわけです。まあ限定使用にかえて正当な手続を経ないでこれが強制使用されている、これは個人の財産権を侵害するものだ、こういう意見もあるわけですね。それで、いまこうして法律の効力が切れた段階ですから、これは返還をしなければならないんじゃないですか。もう一度、その点。
○政府委員(真田秀夫君) ただいまも申し上げましたように、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律に基づく国の使用権原は、まあきのういっぱいで実はなくなったと。なくなりましたので、形式的には——形式的にはといいますか、法文上は同法の第四条の規定によりまして、「遅滞なく、当該土地又は工作物をその所有者に返還しなければならない。」と、こういうかっこうになるんだろうと思います。法文上はそういうことに相なります。相なりますが、しかし、何といいますか、この「遅滞なく、」ということのまた解釈になるわけでございますが、政府といたしましては、この五月十五日以後もなお公共のために用いる必要があるということで、かねて法案を国会に御提案申し上げ、またその期間内に衆議院においては修正可決され、また参議院においても、現に日曜日であるにかかわらずこうして御審議になっておるという事実も、これも明らかでございますので、こういう実態をやはり踏まえて条文の適用は考えなければならないという面があるんだろうと思います。
○太田淳夫君 非常に政治的な答弁ではないかと思いますが、先ほど防衛庁長官は、基地管理とおっしゃいましたけれども、もう政府にはそういった管理権というものはないんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。基地管理ということ自体がおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 基地管理という言葉は、法律的に問題があるかもしれませんけれども、いま法制局長官も申されましたように、確かに使用をすることは法律によってできなくなりました。しかしながら、私どもはこれから先も使用さしていただきたいという希望を持っておりまするし、また、防衛なりあるいは条約の義務履行のために、任務を隊行ずるためにも基地の使用をやらねばならない、お願いせねばならない立場にあるわけでございます。したがいまして、まず返還をするという——直ちに返還をしなければならない。しかし、それから先には、それについては原形に復旧すると申しまするか、そのこともやらねばならない一つの義務を課せられておるわけでございます。しかし、原形復旧ということよりも、いま私どもといたしましては、引き続き使用を正していただきたいということで、ただいま衆議院から参議院へ審議を進められておりまする法案なぜひひとつ一日も早く上げていただきたいと、そういうような立場に立っておるわけでございまするので、その間は、義務履行のためにも、私どものいままで使用さしておりました地域の、何と申しますか、維持あるいは、占有ということははなはだ言い過ぎかもしれませんけれども、占有しながら、いま国会の審議を期待し、また地元のいままで契約をしていただいていない方々に対しましても、十分なお願いをして努力をしてまいる以外にないというのが現状でございます。
○太田淳夫君 使用権はなくなったわけであります。また管理権もなくなったわけですから、やはり県民にこれは返還をすべきじゃないですか。原形復帰ということもおっしゃいましたけれども、その原状復帰ということも、返還をするための原状復帰でなければならないと、こう思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(斎藤一郎君) ただいま防衛庁長官からお話しになった点と同じことになりますが、いまの基地は、先ほどもお答え申し上げましたように、三万人近くの土地の所有者のうち二万八千人の方々の御承諾を得ておりますけれども、その中の三百数十人のお持ちになっておる土地について、昨日の二十四時から権原がなくなったという実態でございます。そこで、米軍の基地を例にとりますと、米軍の基地のおよそ大部分の土地については、土地の所有者が御承諾いただいて契約の上で使っておって、その中の、米軍の基地の場合には三百人ばかりの方々が御承諾いただけないと、公用地暫定使用法も有効期限が切れた、使用期限が切れたという状況でございます。 そこで、この基地全体として見ますと、やはり大部分が有効な法的な状態で基地が存在しまして、その中で三百人余の人の土地が使用の法的な権原がないというのが実情でございます。そこで、そういう意味合いにおいては、基地は存在し、基地の管理権というものは大部分についてはある。その中の一部分の、いわば、私ども俗に虫食いと称しておりますが、虫食い状態になったところの……(「虫食いとは何だ、虫とは何だ、それは」と呼ぶ者あり)洋服に虫がつく……(「虫とは何だ」と呼ぶ者あり)そういう穴があく……(「不穏当な発言だ、それは」「土地を持っている人を虫食いとは何だ」と呼ぶ者あり)大変失言で……(「取り消せ」と呼ぶ者あり)訂正いたします。そういう意味ではございませんでしたので、これは謝って訂正いたします。 土地の一部分が未契約状態にあるわけでございまして、それをどういうぐあいに所有者の御希望に応じていくかと、あるいはまた法律の四条に書いてございます、遅滞なく返還するということに対応していくかということが問題なのでございまして、その点についての調整を私ども最大の努力をしたいと存じております。(「いまの発言は許せない、もうこれは」「土地の所有者を虫食いとは何だ、これは、そんなことで済むと思っているか」「そういう感覚が問題なんだよ」と呼ぶ者あり)
○太田淳夫君 長官のいまの発言は、もう非常にこれは問題があると思います。その点で再度長官から陳謝を願いたいと思います。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほどの私の発言は、私の本意ではございませんでしたが、大変言葉……(「本意じゃないとはおかしいおかしい、何を言っているんだよ」と呼ぶ者あり)表現は全く不適切であったということで、深くおわびし、取り消さしていただきます。
○太田淳夫君 真田長官に再度御質問いたしますが、先ほどの二十九条との関連ですね、もう一度ちょっと御答弁願えませんか。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど申しましたように、憲法第二十九条は、私人の所有権を保障しているわけでございまして、これを公共のために用いるには、もちろん法律を制定いたしまして、正当な補償のもとに公共のために使うことができると、これが二十九条の趣旨でございます。(「その後」「後が問題だ」「管理権」と呼ぶ者あり) そこで、先ほども申しましたが、この二十九条の三項を受けまして暫定使用法があったわけでございまして、その暫定使用法の第二条によりますと期限が定められておりまして、その期限がきのうをもって終了したと、残念ながら終了したと。しかし……(「残念ながらなんておかしいじゃないか、残念ながらなんて、法制局長官がそんな政治的な発言するべきじゃないじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)政府といたしましては、この十五日以後も公共のために国の使用権を認めていただきたいということで法律案を御提案申し上げまして、(「法的根拠を言いなさい」と呼ぶ者あり)衆議院においてはすでに法的期間内に修正可決がございまして、そして現在参議院で御審議中でございます。そういう事態もやはりこれはもう明らかな事実でございますので、そういう事態もやはり踏まえて事件の処理をしなきゃならぬのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
○太田淳夫君 非常に長官の発言は政治的な発言。(「法的根拠ないよ、全然」と呼ぶ者あり)これは本当に法文上の問題ではないと思うんです。管理権がないなら遅滞なく県民に返すべきだと、そうならざるを得ないんじゃないですか。その点再度発言をお願いします。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほども明瞭に申しましたように、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律の第四条が働きまして、法律的には遅滞なく返還しなきゃならないというふうになっておるわけでございます。「そのとおりだ」「それでいいじゃないか」「よけいな発言要らない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○太田淳夫君 防衛庁は、いまの真田長官の発言はやはり遅滞なく返還すべきだという、そういう見解ですが、その点防衛庁いかがでしょう、再度。
○政府委員(斎藤一郎君) この四条の適用は、この二条の使用期限が切れても法律全体は生きておりまして、四条の適用はあくまであるものだというふうに思っておりますので、この遅滞なく返還しなければならないということは私どもに課せられた義務であろうというふうに思っておりますが、先ほどもお答えいたしましたように、一方において、条約において提供しておる、あるいはまた現に自衛隊が防衛活動のために使用しておるということとの関連におきまして、この遅滞なくということを即刻というふうにはなかなか実行できないという面がある。(「どうして即刻できない、法律的に」と呼ぶ者あり)そこで、遅滞なくやる最善の努力をする義務があるというふうに思っております。
○太田淳夫君 私の所定の時間も来たようですが、まだ問題いろいろたくさんありますけれども、後、たとえば沖繩の基地の実態であるとか、そういった問題がございますが、きょうは時間が参りましたので、再度委員会で質問させていただきたいと思います。
○委員長(増原恵吉君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 —————・————— 午後一時十七分開会
○委員長(増原恵吉君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○内藤功君 五月の十四日の経過をもちまして、沖繩公用地等の暫定使用法の二条に基づくアメリカ軍の基地、自衛隊の基地などに対する使用権原がなくなった。直ちにこれを遅滞なく返還しなければならぬ、原状回復しなければならぬ。本朝米同僚議員からこの点を質問されて、政府側は、法文上は確かに返さなくちゃいかぬ、原状回復をしなけりゃいかぬ、こういうことを何回も認めております。ならば、すぐやるべきなんです。返還の義務と原状回復義務だけでしょうか。その土地を使用しないと、こういう義務も負うことになると思うんですが、法制局長官どうでしょう。
○政府委員(真田秀夫君) 第四条が働きますので、「遅滞なく、当該土地又は工作物をその所有者に返還しなければならない。」それだけしか法文には書いてございません。
○内藤功君 法文に書いてあるのだけではなくて、使用権原がなくなるという法律状態になった場合には、返還義務だけではなくて、使用しないという不作為の義務が当然法律効果としては生じますね。
○政府委員(真田秀夫君) 国の権原の根拠を書いております第二条の本文では「使用することができる。」と書いてありますので、今日以後はこのただし書きで、この、「使用することができる。」という権原が排除されるということに相なろうかと思います。
○内藤功君 それは結局使用できなくなったということですね。
○政府委員(真田秀夫君) それはおっしゃるとおり、使用する権原がなくなるわけですから、積極的に使用するというようなことは、これはけさ方以来不可能になった、こういうことでございます。
○内藤功君 けさ方じゃなくて、本日の零時零々分から使うことが法律上できなくなった、こういうことですね。
○政府委員(真田秀夫君) けさ方と申しましたのは零時零々分のことでございます。
○内藤功君 防衛庁長官に伺いますが、わが国民の平和と独立を守るという、何よりも国民に奉仕するというたてまえを強調しておられる長官に伺いますが、また法を守ることを常に隊員に訓辞しておられるように承っておる長官に伺いますが、本日零時以降、在沖繩の自衛隊各部隊、各機関、各施設は、その暫定使用法に基づいていままで占有してきた基地等につきまして、使用できなくなったというのはいまお聞きのとおりですが、どのようにその点を各部隊、各施設、各機関に徹底しておるか、現状はどうなっておるか。
○国務大臣(三原朝雄君) 法の受けとめ方については法制局長官からお話がございましたが、実体的にものを進めております私どもの方から申し上げますと、国の安全と平和のために防衛の任務は沖繩において遂行せなければならない立場にあるわけでございます。米軍につきましては条約上の問題がございますので一応問題の外にいたしまして、自衛隊におきましてはいま申し上げまするような任務を持っておりまするし、これ自体は一日もゆるがせにできない大きな使命だと私どもは考えておるわけでございます。で、自衛隊の基地におきましても、九〇%以上ここの地主の方々には契約をしていただいて使用を許されておるわけでもございます。なおまた地元の要請にこたえて…
○内藤功君 きょう以後は何しているかという質問ですよ。きょうの午前零時以後どうしているかということです。してないならしてないと答えてください。
○国務大臣(三原朝雄君) その点につきまして簡単に結論だけを申し上げますると、演習その他のことについてはやってはならない、使用してはならない。しかしながら、いま問題になりまする、それじゃすぐ返還手続をするかどうかというような処置につきましては、これはいまのところそういう点について私どもはやっておりません。あくまでも国会において、こうした、審議を願っております、一日も早く議決を願いたいということを希望いたしておりまするので、演習等の使用は差し控えるように指示をいたしておるところでございます。
○内藤功君 さっき虫食いということを言った。私ここに予算委員会に出された航空自衛隊那覇基地の地図を持ってきました。恐らくこういう地図を見てああいうことを言ったと思うんです。はなはだけしからぬと思うんです。そこで、私は航空自衛隊那覇分とん地の地図を持っている。黄色くかいてあるのがその暫定使用法に基づく土地であります。そうすると、防衛庁長官、午前零時以降は、この暫定使用法に基づく土地について演習等の使用は禁じておる、こういうことを承っておる。演習だけなんですか、使用は演習であろうと何であろうとしてはいけないというのが法制局長官の言った趣旨ですよ。演習だけではない、ほかのものも全部禁止しなければ法の趣旨どおりに実行したことになりません。どういうふうにしますか。すぐにこれはやめなさい、一切の使用を禁止すべきです。
○国務大臣(三原朝雄君) 私どもといたしましては、法律論の立場から見てまいりました場合には、いまお話のあったように返還をせなければならぬということでございます、お返しをせなければならぬということでございまするが、しかし次には、返還を仮にするといたしますれば、次の原形復旧という責任も義務も果たさねばならぬという立場にも立つわけでございます。しかし、私どもといたしましては、実際上これから先も使用を願いたいというわけで努力をして、その大半の方々につきましては使用の契約を済ましておる立場にもあるわけでございます。したがいまして、あそこにとどまりまして演習等が、教育演習等が一番大きな平常の任務でございまするが、その他いまの施設の維持管理、運用等につきましての問題もあるわけでございまするが、そういうような任務について、法に抵触しない点につきましては、やはり日常の業務を果たしてまいらねばならぬという立場に立っておるわけでございます。
○内藤功君 使用権原がなくなるということは、法律的に言うと一切そこで使用してはならぬということになる。ですから、いまのあなたの状態は違法状態だ、こう言わなければならぬわけです。防衛の必要があるというだけでは法律を守らぬという理由になりません。あなたはいまの状態が、演習以外に使用しているということがいま違法状態だということを認めますか。
○国務大臣(三原朝雄君) 違法とは考えませんが、そうした法律の技術的な問題でございまするので政府委員に答えさせます。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほど来お答えしておりますように、五月十四日の二十四時で暫定使用法による使用の期限が参ったわけでございますから、それらの土地について地主の同意が得られわば別でございますが、得られないものは国が権原がなくて国民の土地を、明文のいわゆる権原がなくて土地を使用しておるという状態であるというふうに考えるわけでございます。このような状態が不法使用かどうかという点でございますが、これは先ほど来防衛庁長官がお答えいたしておりますように、この当該土地の使用権を国に付与することを内容とする法案を、衆議院が通過したものを現在御審議いただいておるわけでございますし、またこの土地の使用が国際法上、あるいは自衛隊の場合は国防上必要であるということがございますので、こういうことを考慮しますと、一概に不法あるいは違法という評価をするものかどうかという点についてはっきりした結論を申し述べ得ないのではないかというふうに考えております。
○内藤功君 施設庁長官に伺いますがね、いま、じゃ違法なのか合法なのか、どっちです。
○政府委員(斎藤一郎君) ただいまお答えしましたように、暫定使用法に基づく権原がないということは事実でございますが、それが直ちに不法であるか違法であるかということは、やはりまだ断定できないのではないかというふうに考えます。
○内藤功君 防衛施設庁長官は施設の管理の最高責任者、それがいま自分の管理下にある基地の使用が違法か違法でないかわからない、そんなことがありますか、そんなことが。違法なのか違法でないのか、さっき三原防衛庁長官は部隊に演習の使用は禁止された、これは防衛庁長官の頭の中に、やっぱり違法だ、どうもまずいという考え方があるからなんでしょう。違法か違法でないのか、どっちかわからないんですか。違法なのか合法なのか、どっちかわからないのか、あるいはだれかが決めてくれるまで待つのか、どういうんです。
○政府委員(斎藤一郎君) 重ねて同じことをお答えすることになるかもしれませんが、権原がないので、それに対する手当てとしてただいま法案が審議されておるわけでございますから、そういうこと、それから国が条約上必要としておる、国防上必要としておるということ、そういうことを考慮しますと、この事態を正確に法的にどういう評価がされるかということはにわかに結論が出ないのではないかというふうに思っております。
○内藤功君 いまの状態ですよ。いまの状態ね、いまの状態は権原、あなたは権原という言葉を使うが、これは権という字と原っぱの原ですね、権原ですと、権利ということですね。権原がないと、なくなったと、暫定使用法に基づく権原だから。そうすると、そういう権原がなくて人の土地、沖繩の県民の方の土地、この所有者の方の土地の上に居座って使用するには権原がなくちゃいけないですよ。ほかにこの権原だって証明できればいいけれども、証明できなければ権原がない、無権原使用だということになるんです。どういう権原があるんです。
○政府委員(斎藤一郎君) 基地全体を見ますと、先ほど申し述べたように、多くの部分について契約ができておりまして……
○内藤功君 これのところ、あなたがさっき何とか言った部分だけ。
○政府委員(斎藤一郎君) その部分については先ほど来お答えしておるように、暫定使用法による使用の権原が切れたと、そういう意味合いにおいて権原がないということは法文上明確でございます。実定法上の問題はそうでございますが、これをどういうふうに法的な評価がされるかということはにわかに断定ができないのではないかということをお答えしておるわけです。
○内藤功君 権原のある使用と権原のない使用と分けて、権原のある使用は適法使用ですよ。権原のなき使用は違法使用ですよ、違法占有ですよ。どっちかしかありませんじゃないですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 指示にもいたしておりまするが、大半の土地はいま申し上げましたように、契約をしていただいて使用をさしてもらうようにいたしております。その色印をつけておるという地域につきましては、確かにまだ契約が済まされていないという事態でございますけれども、これらの方々に対しましてもぜひひとつお願いをいたしたいと、鋭意努力をいたしております。なおまた、いま国会におきましてもこうした審議を願っておるやさきでございまするので、実態的には違法というようなことよりも、いま折衝中でもございまするし、また議会で法案の審議も願っておる事態でございまするので、この事態はひとつ御理解を願ってもらいたいと、私といたしましてはお願いを申し上げる次第でございます。
○内藤功君 そうすると、いままでの議論はこういうふうに整理しましょう。 私どもの方の質問の立場は、恐らくほかの党の同僚議員の方もそういう意見だと思う。多くの国民の常識ある人はそうだと思うが、権原がなくなった以上は無権原占有、違法占有だと、われわれの立場はそうだと。あなたはそれに対して否定できなかった、この問答で。違法使用だということを否定できなかった。合法使用だという権原も説明できなかった。違法か合法かはちょっといま言えない。言えないということはわからないで言えないのか、わかっていても言えないのか、どっちかですね。言えなかったと、この席上で。そういうふうに私は確認したいと思うんです。そうでしょう。
○政府委員(斎藤一郎君) 公用地暫定使用法の期限が到来しておりますので、実定法上この暫定使用法二条ただし書きに基づく権原というものは、昨夜二十四時から、十四日の二十四時から先はないということは申し上げておるわけです。(「そこまででいい」と呼ぶ者あり) そこで、ちょっとお答えいたします。その事態を、それから先の事態をどういうぐあいに法的に評価されるかということは……
○内藤功君 いまの事態聞いているんだよ。いまの事態だよ。
○政府委員(斎藤一郎君) いまの事態でございます。それをどういうぐあいに評価されるかということはにわかに断定しがたいということを申し上げておるわけです。
○内藤功君 いまの事態は、権原が何にも説明できなかったんですから、暫定使用法の権原はなくなった。じゃほかに何かの権原があって説明できればいいんだけれども、何にも説明できない。だから、あなたの方は権原が説明できなかった、私は権原がないんだから違法だと言った、あなたは権原が何によって出てくるか説明できなかった、こういうふうにいまの論争をここで確認していいですね。確認していいかどうかだよ。
○政府委員(斎藤一郎君) 確認いたしません。私は、先ほど申し述べたように、(「落ちついて、落ちついて」と呼ぶ者あり)お答えさしていただきたいと思うんです。お答えする機会を与えていただきたいと思うんです。よろしゅうございますか。法律に基づく、実定法に基づく期限が到来いたしておりますが、先ほど来お話があったように、現にこの土地を使用することが必要でありますし、米軍については条約上の義務がありますし、それから自衛隊についても国防上の必要がある、使用の必要があるという事実。それから、基地全体の大部分が基地として使うことの有効だ権原を持っておる、その中の一部分について実定法しの権原を失ったと。そこで、それが先年のおっしゃる違法であるか不法であるかということの断定はにわかにできないということを申し上げておるわけです。
○内藤功君 実定法上以外に何がありますか。実定法上なければほかにないでしょう。説明できなかったんだもの、ここで、実定法上以外に何があるかというのを。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほど来私がお答えしておる諸般の事情を踏まえて、これを法律的にどういうぐあいに判断をすべきかという問題であると思うんですが、先生の御主張は、私のお答えしておるところと相入れないわけでございますけれども、これをいかに最終的に判断するかというのは、日本の憲法のもとでは裁判所ではないかというふうに私は承知しております。
○内藤功君 裁判所へいくには、両方にそれぞれ根拠があって、争いになって裁判所へいくんですよ。あなたは、国会議員の質問に対しても、実定法上以外何に根拠があるかというのをここで説明できないようなものが、裁判所へいってどうしてやれます。裁判所へいっても同じことを聞かれますよ。そうしたら、いやきょうここでは述べられませんと、これじゃ負けるに決まっているじゃありませんか。裁判所以前の問題ですよ。まあこれはまだやってもいいですよ、私は。幾らでもやってもいいですが、次の問題ありますからね。 それで、あなたの答弁をずっと聞いていると、いま審議中でございますというのが出てきたですね。それでは伺いますが、あなた方が、いま違法だと、さっき同僚の太田議員がすぐ返すべきだと、当然の主張でありまして、言われたのに対してぐずぐず言われたのはどういうことなんですか。要するに、衆議院で可決されたこの修正案というものが参議院で審議中だと、これが参議院で可決されれば一たん消滅した権原もまたいわゆる復活すると、いいですか、参議院で可決されれば、どんな形にせよ可決されれば復活すると、国の使用権原は復活する。逆に言うと、人民の財産権は一たん発生したのに消滅すると、人民の側から見れば、県民の側から見れば。つまり、法案の成立によってこの一たん消えた国の権原が再び復活するという考え方なのか、どういう考え方なんです。そこを、法理論の説明じゃないんです。いま審議しているからというのは、あんた裁判所と間違えているんじゃないの。一審の判決で、長沼裁判で国が負けたと、控訴している間はまだ確定してないからというあの環論と、衆議院、参議院の関係は違いますよ、これは。違います。どうなんです、どうして参議院で可決されれば一たんけさの零時に消えたものが復活するのか。これこそまさにこの数日来問われている大問題なんですよ。これ決着つけましょう。
○政府委員(斎藤一郎君) いまのお尋ねの問題は、現に御審議いただいておる法案が成立した場合に、成立したとき以降の状態がどうなるかという問題がございますが、成立した以降の問題は、これはこの法案の成立によって使用の権原を得るんだというふうに理解しております。 それから、それまでの間、五月十四日の二十四時から、成立いたすとしまして成立するまでの間の期間というものはどうか。この期間については、先ほど来私がお答えしておるように、暫定使用法に基づく権原、そういう権原はございませんが、それを法的にどういうぐあいに評価していただけるかという問題は別問題だろうかと、かように思っております。
○内藤功君 そうすると、消滅したものが成立によって権原を得る、こういう結論だけ言ったんです。それがわからない。これは論理の手品ですよ。細いクモの巣のような糸によって貫かれている論理であって、もうそれが切れているんです、つながってないんです。これは論理の手品とわれわれは言いたい。論理の手品であります。こういうことは許されないです。しかも、一たん五月十五日午前零時に消滅したものが、参議院の成立ということをあなたは言うけれどもね、成立するかどうかわかりませんよ。生意気なことを言っちゃいけない。これからですよ。参考人の喚問もやるし、連合審査もやるし、これからいよいよみんな頭をしぼって国会議員としての任務、意識で張り切ってやりますよ、夜遅くだって必要とあらばやりますよ、われわれは。(「あんまりおどかしかけるなよ」と呼ぶ者あり)いやおどかしていないですよ。どうして成立するか、そこの論理を私は後学のために聞きたい。ここをあいまいにしてこの審議を進めるわけにはいかないですよ、国会の権威にかかわりますから。
○政府委員(斎藤一郎君) 私どもの理解では、公用地暫定使用法という法律は、いわゆる時限立法で法そのものに期限がついておるわけではございませんので、この法そのものは今日ただいまも存在しておる、働いておるというふうに理解しております。ただし、先ほど来お答えしたように、二条ただし書きの部分については、明らかに十四日の二十四時でもって五年の期間が過ぎたので、この部分は働かなくなったというふうに申し上げるわけです。そこで、この法律が存在するのでございますから、この存在しておる法律の二条ただし書きの改正があれば、さらに成立するとしますれば、そのときから二条ただし書きの規定が生きてくるというふうに理解しておるわけでございます。
○内藤功君 私は法律の問題と権利の問題を混同していませんよ。権原の問題で言っているんです。いいですか、権原は消滅したんです。これはもう共通の認識なんですよ。数少ないあなた方との共通の認識点なんだ。権原は消滅した。いいですか、その消滅した権原が仮に参議院で成立した場合に復活してくる、戻ってくる、権原がそこで生ずるというその説明はどうしてなんですか。ただ、あなたは、さっきから聞いていても——私はむだなところを全部頭から飛ばして骨だけ私の頭に残るように聞いております。そうすると結論を言っているだけだ。どうしてなんです、説明してください。
○政府委員(斎藤一郎君) 先ほどから何遍もお答えして、重ねて同じことを申し述べることになるかもしれませんが、二条ただし書きによる権原、そういう実定法に基づく権原は昨夜でなくなってくるわけでございますが、この法律がきておるのですから、ここの条文が改められた場合にその条文に基づく権原というのは出てくるというふうに理解しておるわけです。
○内藤功君 一たん消滅した権利なり権原が、その後の法律の成立によって再び出てくるということはどういうことなんです。つまり、今度の法案は延長ですよ。五年を十年に変えるというこの延長でもって前の消滅した権原が再び出てくる。この根拠ば何なんです、この根拠は。出たん消滅したものが再び出てくる、なくなったものから延長による権利の回復というか復権というか、というものはあり得ないと思うんですよ、絶対あり得ない。延長という手続はとれないんです、もうすでに。どうです、法律の基礎ですから。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど来の御論議で明らかなように、けさ方午前零時から権原はなくなったと。それで仮に、これはおしかりを受けるかもしれませんので仮定の表現で申しますが、仮に参議院でも衆議院の送付案を可決されて成立するとした場合に、そうした場合にどうなるかという御質問だろうと思うのです。その場合にも、簡単に申しまして、そのブランク期間中国に権原がなかったという事実はこれはもう消えないんですね、消えないんです。問題は、五年を十年に改めるという法律が成立した後に、この期間中の法的なステータスをどう評価するかという問題だろうと思うんです。それで、その五年を十年に延ばすという形の法案を可決されるときの国会の御意思によって決まるんだろうと思うのですね、法律ですから。だから、そういうことは、復活ということはあり得ないんだ、また新法の成立によって別に新しくできるんだという御意思で法律をおつくりになることも可能であるし、あるいはまた、国会の御意思として、このブランク期間も、事実としては無権原であったけれども改正後はその間は有効なものとして扱うという法的評価をしようという御意思で法律をおつくりになることも可能なんだろうと思います。
○内藤功君 言葉は悪いので関係者の方には大変失礼ですが、亡くなった子を云々ということがありますね。死んだ子をよみがえらせる。死んだ子は帯び帰ってこない。残酷な言葉ですがね。一たん死滅したものを再び生き返らすという法律をつくればいいんじゃないかとあなたはこう言うわけだ。国会がそんなことができますか。国会というのは、法律を何でもつくれるわけじゃない。昔イギリスの言葉に、上下両院ば男を女に、女を男にする以外に何でもできるという言葉があったが、これは反語であります。こういうことをしちゃいかぬということなんです。国会は憲法に基づいて、しかも法律の常識、条理に基、ついて、特に参議院は良識の府なんでありますから、そういう亡くなった子をよみがえらすという法律はできないんです。なくなった権利を再びつくるというようなことはできないです。一昔前ならいざ知らず、与野党伯仲の現国会で断じてそんなことは許さるべきものじゃないです。 さてそこで、どうしてこの場合に、国会の意思によれば一たん消えたものを復活させることができるかということです。国会の意思だと逃げていますが、国会の意思といったって簡単にできない。法律的にできるか、法律的に。しかも延長という形で。延長というのは、一たん切れたものは延長と言わないですよ。おわかりですか。一たん切れたものは延長じゃないです、これは。新しいものが始まるわけなんです。ここまで言うとあなた方に教えてやることになるからぼくは言いませんが、一たん切れたらそこでおしまいなんです。延長ということはあり得ないです。延長ではなくて、新しくもし始められれば、憲法に基づいて全国民的な合意による法律をつくらなければいけないんです。どうして延長という形によって復活できるか、その説明がまだない。もう一遍聞きたい。
○政府委員(真田秀夫君) 国の使用権原が、五年でなくなった。それを十年に延長ずるという形の法案がまさしくいまここにかかっているわけなんです。この法案が可決された後に、このブランク期間の法的ステータスをどう評価するかという問題なんで、それで国会が、その間は事実としては無権原であったという、その事実は消えないんですよ。消えないんだが、それを改正法ができた後において、どう法律的な評価をするという内容の法律をつくろうかというのは、これは国会の御意別なんです。保革伯仲だとか何とかいうことじゃなくて、立法者である国会の御意思として、今後はそのブランクの間の法的ステータスをこういうふうに評価しようという内容の法律をおつくりになることは、これは決して法理的に不能なことではない。これはおわかりになるだろうと思います。
○内藤功君 そうすると、伺いますが、もしこの法案が成立するまでの間はステータスをどう見るか、法的ステータス、つまり法的状態ですね、法的状態をどう見るか。私は違法だと言っている、さっきから。法的ステータスはもう違法、権原がないから違法。ただし、権原があるという人は権原があるという論拠を示さなきゃいけないのに、施設庁長官もあなたも論拠を示せない。権原を示せない以上は、これはあなたの負けですよ、この論争は。こっちは示した、あなたは示さない、負けです。こっちが示した、あなたが示したらそこで論争が始まる。論争になってないんです、これは。問題にならないです。これからほかの議員からどんどん追及があるでしょうが、ここが一番問題なんです。法的ステータスは、じゃ、あなたに聞きますよ、いまの法的ステータスは違法なのか合法なのか、法制局長官、今度はあなたの番だ、あなたどう思うんです。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど明瞭に申し上げましたように、ただいま現在、現在の時点において国は権原を持っておりません。持っておりません。むしろ持っておらないどころではなくて、第四条が法律的には働きまして、遅滞なく返還しなさいと言っているわけなんです。ところで、返還しなさいと言っておりますが、遅滞なく返還しなさいと言っておりますが、現実に返還が行われるまでの間は、これはむしろ施設庁としては管理しておかなければ所有者に対して申しわけないんじゃないですか。
○内藤功君 使用はしてはいけないんです。
○政府委員(真田秀夫君) それは先ほど申し上げましたように、積極的な使用はやっていけません。使用の権原ありません。ただ、管理はします。管理はしないと、これはもう他人様の所有地ですから。
○内藤功君 使用だよ、いま聞いているのは。使用はどうなんです。
○政府委員(真田秀夫君) 管理はいたします。管理に伴う保全行為とか、そういうことはできると思います。ただ、積極的な使用はできません。
○内藤功君 だから、そういう状態は違法の占有だと、こういう状態を法制局長官認めなさいよ。あなたは法制局長官だから、いまの状態が違法か合法かを内閣に進言する責任があるんだ。さあどうです。違法と進言するんですか、合法と進言するんですか。私にはわからないから裁判所に御判断任せますと言うのか、法制局長官として内閣にどう進言するんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 私の職責上、それは法律的な判断をして、そして内閣なり各大臣に御意見を申し上げるということはやはりいたします。いたしますが、これはしかし、どういう状態が現場において行われているかということを確認しないと、使用をしているのか管理をしているのかわからないものですから、これはいまこの場で、いまの状態は違法であるか適法であるかというようなことを私とても言うだけの材料がございません。
○内藤功君 これは法律家というものは、あなたは法律専門家として、失礼ですが、飯を食っていて、そしていま内閣に職を補しておるという方は、これは森羅万象、世界、地球のすみずみまで法律問題だと見た方がいいでしょうね。よりいいでしょう。しかし、すべてそういうものじゃない。法律家というものは、この一片の条文を眼光紙背に徹するように見て、その後ろにあるいろいろな現象を背景として、そして法的判断を下すのが法律家の任務なんです。だから、いまのは言い逃れにすぎない。そういうことは認められない。現地を見なきゃわからないじゃない、この法文から判断をして、きょうの午前零時以降は法的ステータスは違法な状態だと、こういうことが言えないですか、言えないなら言えないと。あなたは言えない、私らは言える、こういう焦点をはっきりさせて次へ進もうじゃありませんか。言えないなら言えない、どうなんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 眼光紙背に徹するほど読めるわけでもないつもりですが、しかし、先ほど申しましたように、遅滞なく返還しなきゃいけないと、これはもう明瞭なんです。しかしながら、現実に返還が行われるまでの間は、むしろ施設庁としては善良な管理者の注意をもってフォローしなきゃいけない。したがって、保管に伴う保全行為とか、そういうことはやれるでしょうと、ただ、積極的な使用はできませんという解釈を申し上げているわけなんで、その解釈に照らして現状は違法かどうかということは、現場を見なきゃわからない。それを私ここで答弁しろとおっしゃってもそれは無理なお話なんで、答弁はできません。
○内藤功君 じゃ伺いますが、現地へ行って何を見ればわかりますか。
○政府委員(真田秀夫君) 現地へ行って現状をつぶさに見なければわかりません。
○内藤功君 沖繩の戦跡見学に行くんじゃないですよ。現地に行って、法律家というのはポイントがあるわけです。たとえば境界で争っているときに、この井戸の右側と左側のどこが境界であったか、門柱の跡があったか、こう四つに、十文字に書いた境界石が打ってあるかどうかというふうに、法律家が現場に行って調べるときには、ポイントをね、針の穴ほどやっぱりポイントを特定して行くんですよ。どこを見ればわかるんです。ただ見に行くだけですか。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど来申し上げました基準に照らして、現場における状況が違法であるか適法であるかを見るわけです、もし行くとすれば。
○内藤功君 もし違法か適法かに疑いがあったらば、あなたはこの点とこの点を見れば違法と適法がわかるということをあらかじめ持って現場に行くんならばいいんだけれども、ただ見に行かなきゃわからない。どこを見に行くか、何を見るかもわからない。そして違法か適法かはそれを見なきゃわからないと言うんだけれども、何を見に行くかも言えない。結局もとへ戻ってきますが、違法か適法かおれはわからないと言うんですか。わからないならわからないでしようがない、この論争は打ち切りますよ、どうします。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど来申しましたように、法律の解釈といたしましては、権原なら権原がもうなくなったわけですから積極的な使用はできないと、しかし現実に返還が行われるまでは善良なる管理者の注意をもって管理をしなければいけない。それは適法な行為だろうと思います。その基準に照らして現場の状況を見れば、その適法、違法の判断はつくと思いますが、ただ、いまここで結論を言えとおっしゃってもそれは私は申し上げられない。材料を持ち、合わせません。
○内藤功君 こっちは違法だと言う、あなた方は権原も示せないで違法じゃない、それじゃどうして違法じゃない合法かと言うと、権原も示せない。どうして言えないんだと言うと、現場へ行かなきゃわからない。現場へ行って何を見るのかと言うと、現場へ行って何を見るかわからない、ただ見てくるんだと、こう言うんでしょう。そうすると、ますますこれは追い詰められてきますね。 もう一つ、法制局長官、ついでに聞きますが、さっき斎藤施設庁長官はこういうふうにちょっと言われたんですね。この状態、法的ステータスが合法か違法かは、これは将来裁判所の判断に任せると、こう言った。そうすると、裁判所の判断があるまでは合法か違法か、どっちかが決まっていない状況だと、こうでも言うんですか、あなたは。そういう考え方じゃないでしょう。それと別に内閣法制局長官自体の考えもあるでしょう。さっきの斎藤長官の答えを横で聞いていてどう思いますか。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほどの施設庁長官の御答弁は、それはそれなりに正しいと思うんですね、終局的には裁判所が決めることはあたりまえですから。で、現在はそこをいま現に占有している施設庁としてこれは考えなきゃいけないことなんですよ、施設庁として考えなきゃいけないんです。で、考える場合に、権原はないが、しかし現実に返還が行われるまでの間の善良なる管理者の注意をもってする保管は適法行為である、これもりっぱな基準なんです。権原といいますか、示さない示さないとおっしゃいますけれども、私さっきから、現実の返還が行われるまでの間は、むしろまあ事務管理になるんですかね、事務管理になるんでしょうか。(「おれに聞いたってわからない」と呼ぶ者あり)善良なる管理者の注意をもって保管をしなきゃいけない。
○内藤功君 法制局長官が議員に聞いちゃだめだな。あなたに聞くんだからね、入れかわらなければならなくなっちまうよ。何を言っている。もうこれはこれ以上進められませんよ。委員長どうですか、こちらの斎藤施設庁長官は、違法か合法かは何ともいま申し上げられない。どうしてだと聞くと、裁判所が御判断になるからと。今度は法制局長官に聞くと、そうじゃなくて現場へ行かなきゃわからないと、大工さんみたいなことを言う、失礼だけれども、工事人の方のような。理由が食い違っている。これは法制局長官と施設庁が食い違っている。また隣りに聞いたらいろいろ違うかもしれない。木野さんどうです、ずっと聞いていて。あなたは提案者だから、本当はあなたに最初聞きたかったんだが、論点をはっきりさせようと思って、あなたは非常に切れる方だと伺っているから、この論争を聞いておってどうです。いまの状態はどういう状態だ、法律案は参議院で可決すれば、それで合法になるのかね、どうです。
○衆議院議員(木野晴夫君) 提案者といたしましては、附則の第六項で五年を十年に改めるという提案をいたしました。そうして期限内に成立いたしますように審議に審議を重ね、協議に協議を重ねて衆議院を通したところでございます。ただいまの御質問は法律に関係するところでございますし、参議院の段階になって起こった問題でございますので、私からこれ以上の話はなんで、関係者にお聞き願いたいと思います。
○岩間正男君 委員長、議事進行。 さっきから応答を聞いていますというと、政府が違法かどうかということがわからない。こういうかっこうで、一体この審議は進めることができるだろうか。大体きのうの段階の答弁を、これは法制局長官がやっているが、きょうは事態変わっている。次元が変わっている、はっきり言って。暫定使用法はもう死滅をしたんだと、その死滅をした法案が一体どのような方法で生き返るのか、死滅をした法案を生き返らせるに、これに対して延長などということで、その死滅したものが一体生き返るということは全くこれはおかしい。こういう問題についても答えることができない。また施設庁長官の答弁は、これは最後に裁判所の判定を待たなきゃこれが決定できない、あるいは法制局長官は現場に行ってみなきゃわからない、これでは全く政府部内の意見は統一されていない。こういうような不統一な、違憲かそうでないか、違法か違法でないかということさえ判定できない、こういう中で一体この審議を進めることは私はできないと思う。したがって、統一見解をまとめる、そういう時間をとって、そうしてこの問題を明確にしなければ、いま当面する焦点の最大のこれは課題だと私は考えますので、委員長にもそのような措置をこれはとっていただきたい。当然のことだ。統一見解を出す。そうでなきゃ審議はできません。
○委員長(増原恵吉君) 真田法制局長官からもう一度。(「いや、もう一度やったってだめですよ、同じことですよ、きのうの頭でやっているんだからだめですよ、きょうは変わっている」と呼ぶ者あり)
○政府委員(真田秀夫君) 論点をまとめましてもう一回お答えをいたします。 本日の午前零時零々分から暫定使用法による国の使用権原は消滅いたしました。ただいま現在においてはもう権原を持っておりません。したがいまして、暫定使用法の第四条によりまして、遅滞なく所有者に返還しなければなりません。これは明瞭でございます。ただし現実に……(「ただしから要らぬでしょう」と呼ぶ者あり)返還が行われるまでの間は、占有者である施設庁においてほっておくわけにはいかないんであって、善良なる管理者の注意をもってこれを保管しなきゃなりません。たとえば第三者が来て勝手にそこに入るようなことがあっては困るんで、その所有者のために善良なる管理者の注意をもって保管をしなきゃいけません。管理をしなければならない。その管理に伴う保全行為を許されるであろうと、これはりっぱな権原でございます。
○岩間正男君 あなたは、前の方の答弁ね、その点にとどめればいいんですよ。私たちが聞いているのは、いま現段階においてどうするかということが非常に重大なんだ、この法案の性格そのものを明らかにするために。そのために論議が闘わされているのにまるで先のことに延ばす。したがって、いまのは統一見解にも何にもならぬですね。これをはっきりまとめてこれに対して臨んでもらいたい。委員長、当然でしょう、当委員会の権威をはっきりさせるためには。しかも日曜日でやっているんですからね、これは絶対必要だ。
○中村太郎君 委員長、議事進行。 いま岩間さんは……
○岩間正男君 何です、委員長。議事進行で発言しているんだよ、それについて何ですか。
○中村太郎君 それに対する意見です。先ほどからの岩間さんの御意見もそれなりにうなずけます。しかし、私どもは先ほど来ずっと聞いておりまして、もう十分政府の見解は統一されておるんです。これ以上統一するもの何にもございません。したがって質問を続行していただきたいんです。休憩する必要はない。私はこれを申し上げておきます。
○上田稔君 政府の方の見解でございますが、いま中村議員から発言かありましたとおり、私もはっきりしておると思うのであります。もう一回はっきりと言ってもらいたい点は、違法であるかどうかわからないという言葉を法制局長官が使われた。政府が横におるんですから、その点で政府は管理の面において違法に使っておるのかどうか、その点をはっきりと答弁をしていただければその点がはっきりするんじゃないかと思うのでありすす。(「自民党がわからないでしょう」「わかっている」「何がわかったというのか」「わかってないじゃないか」「私はわかっている」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(増原恵吉君) 暫時休憩をいたしまして、理事会において協議いたします。 午後二時八分休憩 —————・————— 午後二時三十九分開会
○委員長(増原恵吉君) 内閣委員会を再開いたします。 先ほどの内藤委員の質疑に対しまして、政府より統一見解をお答えを願いたいと思います。そのため暫時休憩をいたします。 午後二時四十分休憩 —————・————— 午後三時三十六分開会
○委員長(増原恵吉君) 内閣委員会を再開いたします。 政府の統一見解を求めます。真田内閣法制局長官。
○政府委員(真田秀夫君) 沖繩における公用地暫定使用法に関する法律についての法的見解を申し上げます。 一 この法律は期限のついた法律ではないの で、昭和五十二年五月十五日以後も有効であ るが、第二条第一項ただし書の期間は過ぎて いるので第二条による権原はない。従って第 四条による返還の義務がある。 一 五月十五日以降も返還するまでは国は管理 する義務と権限があり、それに必要な行為を 適法にすることができる。 この規準に照らして適法な行為を行ってい る。 一 現に議題となっている法律案が成立し施行 されれば、国は、暫定使用法による使用の権 原を取得するに至る。 以上でございます。
○委員長(増原恵吉君) 内藤君の質疑を続けます。
○内藤功君 ただいま統一見解を配られたばかりで、これに基づく質問をすぐやれといってもなかなかむずかしいですけれども、とりあえずお出しになったものに基づいて聞きたい。 なお、最初に聞きたいのは、この法的見解は三項目に分かれている。一項目については、これはあたりまえのことです。返還義務が生ずる、法的権原がないと。二項目目についてさらに趣旨を明らかにするために質問したい。三項目目については結論だけ書いてある。「暫定使用法による使用の権原を取得するに至る。」という結論しか書いてなくて、理由を示せと言ったのに何も答えていない。この点は後で反論をし、反対に私どもの見解を明らかにしながら質問したいと、こう思うのです。 まず、二項目目の「五月十五日以降も返還するまでは国は管理する義務と権限があり、」ということですね、そこで、休憩前にも法制局長官は、管理管理と言っておったんですか、この管理というのはだれのために管理するのか。さっき事務管理という言葉を口にされたが、これはだれのためにということが大事なんです。この点はどうなんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 所有者御本人のためにという趣旨でございます。
○内藤功君 そうすると、三百数十名という所有者の方のために管理すると。そうすると、だれのためにはわかったが、何のために管理するか、管理の基準ですね、これはどういうことになりますか、管理の目的。
○政府委員(真田秀夫君) 大体私は、この第二項目は民法の事務管理に相当する性質のものだろうと思っているわけでございますので、民法の規定によりますと、「其事務ノ性質ニ従ヒ最モ本人ノ利益ニ適スヘキ方法ニ依リテ其管理ヲ為スコトヲ要ス」と、こうなっておりますので、この民法の趣旨を尊重して管理をすることになるだろうと思います。
○内藤功君 そうすると、この地主本人ですね、土地所有者の希望、要求、こういったものは最大限にやはり尊重するということがその中に入りますね。
○政府委員(真田秀夫君) 何分にもその地籍が不確定でございますので、御本人を確定することはむずかしいんじゃなかろうかと思いますけれども、もし御本人がはっきりわかっておりますれば、この民法の規定によりますと、「管理者カ本人の意思ヲ知リタルトキ又ハ之ヲ推知スルコトヲ得ヘキトキハ其意思ニ従ヒテ管理ヲ為スコトヲ要ス」とありますので、やはりこの民法の規定の趣旨を尊重いたしまして、もし御本人の御希望がはっきりすれば、わかっておれば、施設庁としてはその御本人の意思を尊重して管理をなさることになるだろうと思います。
○内藤功君 そうしますと、この統一見解は、ここの言葉に出てないがいまのような趣旨だということがはっきりしたと。そうすると、管理と称してこれ以外の、これを逸脱した使用というのは一切許されないと。地主のための、そうして地主の意思を尊重し、そして返還のための管理以外の管理、たとえば、しばらくずっとこのままでおって、軍事基地を維持していこうと、自衛隊をずっとそこにとどまらせておこうというような管理じゃなくて、あくまでこの地主への返還のための管理と、いまあなたの言った範囲に厳格に限られると、こういうふうに第二項は承っていいんですか。
○政府委員(真田秀夫君) この点はむしろ第一項の中身に入っているんだろうと思うんですが、つまり、その自衛隊の基地として使用するという権原はもう一切ないわけでございますので、積極的にその使用するというようなことは考えてはおりません。むしろ本人のために事務管理的に管理をすると こういうのが趣旨でございます。
○内藤功君 そうすると、念を押しておきますが、いずれ参議院で、いま議題になっている法案が成立するであろうと、そのときまで一応つなぎ管理式に、その間のつなぎでもってここを維持していく、基地を維持し管理していくということではないんですね。
○政府委員(真田秀夫君) 管理をする趣旨そのものの意味合いは、おっしゃるようにつなぎだとかいうものじゃなくて、もう返還しなきゃならないという義務があるわけでございますので、その返還をするだめの手続はもちろん進めるはずでございます。現実にその返還が行われるまでの間は、所有者の、地主の方の土地でございますので、占有者である施設庁が善良な管理者の威信をもって管理をすると、これは先ほど申し述べたとおりでございます。
○内藤功君 防衛庁長官に伺いますが、いまのような見解でありますが、防衛庁長官としては、地主のために返還するための管理と、それに厳正に限っていくということを指示をしましたか、あるいはこれからしますか。
○国務大臣(三原朝雄君) いま返還のためのというような具体的な指示は率直に申し上げましていたしておりません。ただしかし、法律が可決されておりませんので返還をせなければならない立場に立っておるということを申し上げて、したがって、基地の使用についても、先ほども答弁申し上げましたように、演習、訓練等の積極的なそうした使用はしてはならないというような、そうした使用面なり、あるいは所有者の方が自分の土地を見たいという要請があった場合には、丁重に応待をして、できるだけそういう意思に沿うようにやれとか、そういう問題等について指示をいたしてまいっておるのでございます。
○内藤功君 統一見解がただいま出されたわけですから、この統一見解に従って行動しなきゃなりませんね。統一見解では、いま法制局長官が言ったような、地主に返還するための管理、それから、その前提として当然四条に基づく返還義務、手続というものが統一見解で言われているわけですから、これを直ちに指示なさるべきでしょう。これを直ちに指示することがこの統一見解に従うあなた方の責務ですね。これを直ちにおやりになるべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 法律的にはいま申されたとおりであろうと思いまするし、私も、現在国防の任務についております自衛隊の現状等踏まえまして検討を進めてまいり、直ちにやらねばならぬ事態になりますれば処置する考え方でございます。
○内藤功君 この政府の統一見解によりまして、いまそういう返還の手続と、それから返還のための管理はこの範囲に限るということが示されたわけですから、その時期になりますればじゃなくて、いま直ちにこれに着手をすべきじゃないですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 防衛庁長官といたしましては、こうした法の審議の最中でございます。しかし、国の防衛の任務というようなものは一日もゆるがせにできません。したがいまして、そうした実際についておりまする任務の遂行、いまこの時点におきまして、統一見解を出しました政府の方針というようなものを総合的に勘案をして、私どもとしてはそうした処置について検討を進めさしていただきたいと思うのでございます。
○内藤功君 国の防衛は憲法と法律を誠実に忠実に執行することなんです。そして、その憲法と法律の中身が何であるかはいま統一見解で示されたんですから、これはもうはっきりしているんです。総合的に勘案も何もないんです。この一項と二項を直ちに防衛庁長官として守って実行する、こういう御答弁でいいんです。これは当然じゃないですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 重ねて申し上げるわけでございまするが、私どもといたしましては、防衛の任務というものは寸時もゆるがせにできません。しかし、そういう点については、あくまでもいま法を守らねばならぬという事態でございまするので、その本旨に沿って努力はいたしてまいりまするけれども、事態に対しまして、いま申し上げましたような現実の問題がございます。したがって、私といたしましては、ここで決められました法に基づきまする返還の準備態勢も検討はいたしますが、またその準備はいたしまするけれども、防衛の任務をいますぐここで一切を放棄してということになりません。しかし、訓練とか、あるいは教育とかいうようなもの、そういうものにつきましては私はやってはならないという指示をいたしておるのでございまするけれども、非常有事の処置に対しましては、やはりそれなりの私は任務に服しておらねばならぬという点だけは御了承願いたいと思うのでございます。
○内藤功君 簡単なことなんです。自衛隊の全部の解散を要求するとか、有事の備えをいま全部解けと言っているんじゃないんです。この統一見解に示された、三百九十件ですか、この地主さんたちの返還のための手続はいますぐ開始する——やるかどうかの検討じゃなくて、直ちにその準備はいまから開始しなきゃならぬ。当然だと思いますが、どうですか。それをサボるとすれば、これは統一見解違反ですね、統一見解になりません。
○国務大臣(三原朝雄君) 先刻も申し上げましたように、九九%までの土地につきましては契約をいたしておりまするが、しかし、御指摘のような、この統一見解に基づきます、遵法の立場に立っての準備につきましては私は指示をすることもやぶさかでない。しかし、それの準備をする期間はやはり与えていただかなければならぬと思いまするし、また特に、これとは別の次元かもしれませんけれども、ぜひ使用さしていただきたいということで、目下国会において御審議を願っておるこの法案に関連した問題でもあるわけでございまするから、そうした積極的な審議なり、あるいは早期の可決等に対しましてもぜひ進めていただきたいということをお願いも申し上げたいと思うのでございます。
○内藤功君 簡単に答えてもらいたいんですが、この統一見解に基づく指示を速やかにやるという答弁と理解していいんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) いまの統一見解については私からも現地に示達をいたします。
○内藤功君 統一見解に基づく返還義務及び一定の限界内の管理というものについて速やかに指示をすると、こういう趣旨ですね。
○国務大臣(三原朝雄君) そのとおりでございます。
○内藤功君 次に、統一見解をいただきましたが、これはいま、きょうは日曜日ですが、どういう方がまとめておつくりになりましたか。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど休憩に入りまして、その後、時間が余りございませんので、もちろん内閣の閣議にかけるとか、そういうことをやったのじゃございませんで、ここにすでに列席の方々と相談の上まとめたものでございます。
○内藤功君 どなただかちょっと言ってください。
○国務大臣(三原朝雄君) 総務長官、それから防衛庁長官、施設庁長官、法制局長官、それから、政府ではございませんが、政府関係では日曜日のことでもございまするし、ここにおります政府の関係者によって決定をして差し上げておりまするが、これはいずれにしましても、早々のそうした措置でございまするので、閣議にかけて事後承諾の了承を得なければならぬ責任があると思っておるわけでございます。
○内藤功君 まず、ずばり聞きますが、総理ですね、福田赳夫総理とはどういうふうな手続をおとりになりましたか。
○国務大臣(三原朝雄君) 総理とは、後ほど私どもから了承を得る以外にないと、そう考えております。
○内藤功君 私は一人一人の大臣、この人はどうだ、あの人はどうだと聞きたいところだが、それはいまここであえてしませんが、政府の統一見解でしょう。政府の統一見解について総理の御見解、総理の御了承というのを得ないというのは、これはどういうわけですか。総理の居場所でもわからないんですか、これはどういうことですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほども申し上げましたようにお説はごもっともだと思います。早々の時期でございまして、そうした処置に出ましたが、という点で御了承を願いたいと思うわけでございます。
○内藤功君 これは総理の居場所もわかっておるわけです。私も大体推察はつきますが、ここでは言いません。そういうところへ電話をして、東京都外のたとえば山の中にいれば電話をして、そうして了承をとればいい。後でまた問題になったらこれは大変ですよ。私はこの点は納得できぬということを一言申し上げておきます。 そこで、いまの修正案の提案者は木野さんが入っておられるわけですね。修正案というのは、自民党、新自由クラブ及び民社党、この三党の御提案だと思うんです。たしか中川さんと、それから受田さんが入っておられるわけです。これはほかの三党の、新自由クラブさんと民社党さんの提案者の御意見はお聞きになったんでしょうか。
○衆議院議員(木野晴夫君) ただいまの質問、私わからないんでございますが、先ほど防衛庁長官言われましたのは、ここに列席の政府関係の皆さんということでございました。私は政府でございませんので入っておりません。私はこれに入っておりません。
○内藤功君 さっきの法制局長官のお話では、木野さんの名前もたしかに言われたようです。いや、防衛庁長官だ。
○国務大臣(三原朝雄君) いまの木野理事さんは入れておりません。ただ私は、こうして見まして、政府委員じゃありませんから、政府委員じゃありませんということでここは差し控えたわけでございます。決してそういうようなあいまいなことを申し上げておりません。
○衆議院議員(木野晴夫君) 私は入っておりません。
○内藤功君 まことに明快な御答弁です、というのは、この附則第六項というものがいま問題にたっているわけなんです。統一見解はまさにこの附則第六項に伴う公用地暫定使用法の法的見解をめぐる問題なんです。附則第六項で五年を十年と延長するようにしましたのは木野さんほか二名の御提案でございます。そうすると、統一見解というのは政府だけではなくて、こういう方の御意見も、政府ではないが、こういう方の御意見も当然聞くべきものだと思うのです。聞いておらないのですね。
○衆議院議員(木野晴夫君) 私と受田新吉君、中川秀直君が提出者でございます。先ほど私に対して質問ございまして、私は衆議院の論議の過程とこの問題についての考え方を申し上げました。御承知のとおり衆議院では五年を十年とするということで提案したわけでございますが、ただ先生のそのときの論議は、十四日を過ぎましてどうかの問題でございまして、しかも論議が非常に白熱化しておりましたので、その席上で私答えるのはどうかと思いましたので、答えなかったわけでございます。それだけでございます。
○内藤功君 そうすると、このいまの統一見解、ずばり聞きましょう。いま政府がお出しになった統一見解、これについてあなたの御意見は同意見だと伺っていいですか。
○衆議院議員(木野晴夫君) 同意見かどうかまだ申しておりませんので、私からただいま申し上げます。 御承知のとおり私と中川、受田が提出者でございます。ただいま中川、受田両君には連絡するすべもございませんし、私の個人的な意見を申し上げるということでございますと、私はこの政府見解が妥当であると、このように考えております。
○内藤功君 そうすると、新自由クラブと民社党の意見はあなたは聞いていない。新自由クラブと民社党はこの政府の統一見解に同意かどうかはわからない、こういうことなんでしょうか。
○衆議院議員(木野晴夫君) 本件につきましては、三人が提出者でございまして、私が代表をしてお答え申し上げる、説明申し上げるということでございます。ただいま御指摘のこの件は、連絡するにも連絡の方法がございませんし、その点におきましては、これ、いま聞いての話と申しますと、これまた事実に反します。連絡する方法ございませんので、その点は連絡いたしておりません。
○内藤功君 これはどうしても、修正案の提案者は三人なんですからね、いいですか、三人だと。自民党と新自由クラブと民社党と三人だ。しかし、この三人の見解、あるいは三党の見解というものがこの政府の統一見解と全く同じかどうか。あなたは個人として同感だと言った。だけど、あと二人の人はどうかわからないと、こういうことですね。わからないわけです。私はそういう意味で、きょうですね、委員長、この三人の提案者をどうしてもここへ並んでもらいたい。それでお三人の見解を聞きたいと言ったのはそういうことなんです。全く同じかどうか、その点はやっぱり私は確かめたいと思うんですね。
○衆議院議員(木野晴夫君) ただいまの質問が、三人に聞いたかということでございますので、私は聞いておらないということを申し上げたのでございます。先般の理事会におきまして、お二人から私に代表して答えろということでございますので、私はただいまの点につきまして、二君も同意見であると、このように思います。
○内藤功君 私はこの新自由クラブの代表の方、それから民社党の提案者の方、代表の方に、さらに次回の私の質問の順番のときにぜひ出てきていただいて質問をしたいと思いますので、この点の権利を留保して先に進みたいと思います。
○衆議院議員(木野晴夫君) 委員長。
○内藤功君 いや、いいです。
○衆議院議員(木野晴夫君) 委員長、発言を求めます。
○内藤功君 いや時間がないからね。
○衆議院議員(木野晴夫君) 委員長。
○委員長(増原恵吉君) ちょっと、争いになっちゃいけません。
○内藤功君 私の質問ですよ。質問者優先してくださいよ。 私は次に申し上げたいのは、この休憩前の復活問題です、いわゆる。一たん権原が消滅したものが再び復活してくる、無から有を生ずる、亡くなった人がまた帰ってくる、それから、一たん切れたものが延長する、こういう議論について論拠をずっと詰めたわけです。私の方の論拠を示して詰めたわけです。私の方の論拠は、二条でもって五年間で権原が消滅するならば、後は権原がなくなるんだから不法占拠になると、不法占有になる。権原のないものが、後で仮に参議院で法律を成立させても、それによって復活するということはあり得ないんだと、こういう論理であります。それに対してついに根拠が示せなかった。これがきょうの統一見解の第三項「国は、暫定使用法による使用の権原を取得するに至る。」と書いてあるが、なぜ取得するに至るのかという論拠は示されないままに来た。そこで、私はもう時間も限りがありますから、私どもの見解を申し上げておきたい。 まず、政府側は、この法律は時限立法ではない、限時法ではないということを言っております。しかし、私どもは、この法律は形式的な意味での時限立法の形式はとっていない、たとえば、附則に何年間で終了するというのはないが、いわば実質的な時限立法だという見解であります。どういうことか。この五カ条の法律、現在問題になっております法律は五カ条で成っておりますが、このうちの根幹は第二条です。暫定使用法の第二条が根幹なんです。そこに五年間ということがはっきりうたわれている。そうして、ほかの一条、三条、四条、五条という条文はみんなこの二条を中心に組み立てられている条文です。二条がなくなるというと、意味があるのは四条の返還義務の規定だけ、一条、三条、五条は全く意味がなくなってくる。こういう性格の法律であります。そうしますと、この五年という期間が、昭和五十二年の五月十四日の二十四時、言いかえれば五月十五日の午前零時を経過した時点におきまして、この五年という期間が経過したことによってもう権原はなくなってくる。権原がなくなりますと、四条で明け渡しの義務、この「原状回復の義務」というものが生じてくるわけなんであります。そうしますと、この五年を経過すれば二条はもう存在意味がなくなる。一条も三条も五条も存在意味がなくなる。十四日の二十四時前は、それは論議をし、審議をする大いな意味があったかもしれませんが、十四日を過ぎた現状ではこういう問題が発生してくる。これが私どもの見解で、法文にも明確にかなうし道理にも合うと思うのです。これはいわば実質的な限時立法。本法律は五年間をもって終了すると書いてなくても、実質的な時限立法です。学問上は、こういうものも含めて限時法という見解が有力な学説によって主張されております。たとえば法律学辞典、これの見解などは代表的なものです。ですから、限時法ではないという見解を実質を見ないでやるということは間違っている。このことを申し上げておきたい。特にこれは国会の審議でもって裏づけられておる。たとえば西村直己防衛庁長官は、四十六年十一月十七日の沖繩及び北方問題に関する特別委員会において、「この法律案を将来改正して、さらに延長するなんという考えは全然ございません。」ということをはっきり言っているんです。全然延長する考えがない、限時法の一つのあらわれであります。もう一つ、自民党の湊委員がその後で質問して、「この場合、五年を最大限であるというふうにしておりますが、これ以上延期の意思のないことは先ほど伺いましたけれども、」ということで、もう一回与党の議員さんが確認しておられるわけです。その後西村長官はある御事情によりまして防衛庁長官をおやめになりましたが、引き続く江崎長官も、五年間は相当ゆとりを持ってとったんだと、最悪の場合でも五年、最悪の場合でも五年間、もっと速やかに片づけていきたいんだということを議事録ではっきり述べておる。これまさに私は限時法そのもの、実質的な限時法を裏づけるものだと思うのです。こういう重大な問題がここにあるわけであります。そして、この副検事の法律を引き合いにきのう法制局長官が出した。あれは副検事の任用を検察庁法に決めてある以外の資格のある人から特別に副検事を任用するという法律、最初一年続いた。それからまた一年延ばした。二年からもう一年延ばそうとするときに三カ月空白があったわけなんですね、空白があった。この法律なんですが、これは後でなるほど三年間というふうに延ばしております。三カ月の空白後に延ばしております。しかしこれは本法と根本的に違う。あの副検事の法律というのは、昭和二十六年でしたか、十二月から翌年の三月までの三月の間の空白の間におきまして、検事の新たな任命ができないという話だけなんです。いま資格を持っている方が副検事の資格を三カ月間に失っちゃうという法案じゃないのです。ですから、後からさかのぼっても問題は全然実質的な障害はない。国政の支障もですね、検察業務の支障も、基本的人権の侵害もない。ところが本法はどうですか、一たん国の使用権が消滅すれば、それは逆に言いますと人民の自由、人民の財産権が復活するわけなんであります、人民の財産権が。最も国会の尊重すべきものです、人民の財産権は。それが復活する。そうして復活したものを今度は新しい法律が成立したからというので、三日たったら、仮に三日たって成立したら、その三日間の財産権は消滅してしまう、こういう論理は成り立たない、これは基本的人権の問題だから。なぜ基本的人権の問題か、まず法制局長官に伺いますが——では、時間がないから私はこの点についてもう一つ例を挙げておきたい。 憲法の三十一条、これはデュー・プロセス・オブ・ローというもの。法の定める手続によらなければ、人間の自由や財産、生命というものは奪われないということが書いてある。そのもとになっているのは何か、アメリカ合衆国の一七九一年の修正憲法五条であります。これは同じように、国民の自由、生命、財産を法の定める正当な手続によらなければ奪えないと書いてある。日本の憲法にもアメリカの憲法にも、財産を奪うにはデュー・プロセス・オブ・ロー、手続が正確であり、理由が納得のいく弁理的な理由であるということを要求しておる。日米両国の憲法ともそうなんですから、アメリカに言えば納得してくれると思うのです、私は。道理からいったらですね。そういうことから私は問題だというのです。それから憲法の十四条ですね、憲法の十四条は法のもとの平等でしょう。この沖繩県民であるがゆえに、あるいは沖繩県民であったがゆえに、その所有権はこういう暫定措置法で意思に反して奪われてしまう。私は三つの問題がある。一つは、財産権を取得する前にその財産権の取得についての意見を国に言うことができる、二番目は、事後に不服を申し立てることができる、三番目には司法裁判所に対する出訴権が保障される、この三つがあって初めて正当な手続だと思うんです。現に百里の飛行場はどうですか。日本の本土では、真っすぐ行く誘導路がくの字型に曲がっているんです。なぜか、くの字型のところに民有地があるからです、基地の中に。それを本土では、自衛隊はいろいろ問題はありますよ。問題ありますが、曲がりなりにも百里の航空隊はそこを避けてくの字型に誘導路を持っていった、飛行機を滑走路に持っていく。これがあたりまえなんです。ですから、これから沖繩の基地の中に憲法を適用するならそういう事態が起きておかしくないんです。くの字型の誘導路があっても構わないんです。やむを得ないことなんです。それほど人民の財産というのは大事なものだ。それを何です、あなた方は。これは後で法律ができればまた復活する、この論理はいただけないということを私は見解として申し上げたい。 時間がありませんので、最後に、私は衆議院の先例の問題ですね、衆議院の先例の問題、これは警察が市警から都道府県警察に変わるときに、その法案が地方行政委員会に付議して審議されている間に期間が過ぎた。そうすると、その法案は審議中に期間が過ぎたから、もう法案の審議の目的を達して自然消滅になったという、そういう先例であります。きのうも矢田部さん、太田さんが質問された。私が一番最初にこれを見つけて理事会で問題にして、わが党だけが問題にしちゃいかぬ、全国会の問題だというので皆さんにお知らせし、みんなでいまやっているんです。私はそういうけちな気持ち持ってない、みんなでこれはやらなきゃならぬ、そういう観点でやっているわけです。 そこで、この衆議院の先例は、まさにこの場合に当たると思う、この審議中に期間が終わったんですから。期間が終わった。そうすると、もう附則六項というのは審議にたえないでしょう。附則六項を審議することが問題になっています。どういう方法でやるかは理年会なりあるいは議運なり、そういうところでの問題ですから私はどうせいということまでここでは言いませんが、この附則六項というものが、もし空文であり、死文であり、亡きがらにすぎないものであれば、こういうものを再議をする時間はむだであるし、こういうものを審議することは国会の権威にかかわるし、これは明白にしなければならぬ問題だと思うんです。 最後に、私は今回の審議の中で、附則六項というものが果たして衆議院の先例に照らして有効なものであるのかどうかということ。審議の対象があいまいなまま国権の最高機関が審議を進めるということは国会の恥でございます。あってはならぬのです。いわんや憲法三十一条、二十九条という、アメリカ独立宣言以来の人権の基本的焦点をないがしろにした軽率な審議をもってこれを進め、ある人が言うところによれば、きょうで打ち切って、そうして速やかに採決をするなんということが耳に入っておりますが、このようなことをしたならば、これは国権の最高機関の恥だ、ということはないと思うけれども、私ははっきり申し上げます。 委員長に最後にお願いしたい。理事会でぜひこの修正案附則六項というものが、法律的な観点から見て、憲法の観点からして、われわれ参議院の審議にたえ得るものかどうかということを厳重にやはり検討していただきたいということを、委員長並びに理事各位にお願いをして、私まだほかに質問がありますが、きょうの質問はこれで終わっておきたい。他の問題は留保しておきたいと思います。
○岩間正男君 議事進行。
○委員長(増原恵吉君) ちょっとお待ちください。 先ほど木野君から答弁を要求されておりますので、その答弁を願います。
○衆議院議員(木野晴夫君) 私は、受田、中川両君を代表しての話でございます。
○岩間正男君 いまの内藤議員の委員長に対する提案ですね、これはもっともだと思う。われわれが死んだ法律を一体ここで審議しているなんというのは全くおかしいことになりますから、この問題について、当然やはり審議にたえ得るところの案件なのかどうか、これを審議するということは非常に重大な問題ですから、ぜひ取り上げて理事会で検討していただきたい。いまの提案についてぜひ取り上げてやっていただきたいと思います。どうですか、この点。(「議事進行はその程度にして、相談することにして、次に回しなさいよ」「理事会で検討すればいい」「これだけ問題を投げかけられたのだから解明してくださいよ」と呼ぶ者あり)
○委員長(増原恵吉君) 審議にたえ得るかどうかも御相談はいたしまするが、そういう、委員長が今後どうこうする問題ではないと思います。「後刻理事会で協議いたします」と呼ぶ者あり)
○岩間正男君 いまのは、ちょっと後刻理事会でやるのですか。「後刻理事会で協議すると言ったんです」「声が小さかっただけだ」と呼ぶ者あり)
○柄谷道一君 私に与えられましたのは三十分でございますので、答弁は簡にして要を得たものとしていただきたい。 なお、質問に先立ちまして、ただいま木野さんに対する御質問がされましたけれども、私は衆議院における全面修正可決は、期限、いわゆる期間内に行われております。十四日を越える事態が生じたのは参議院段階でございます。したがいまして、ただいま提出されました法的見解を是とするか否か、これは参議院のわれわれの選択にゆだわられた問題であって、あえて共同修正者の、提案者の意見を聞く必要はないという見解だけをまず冒頭申し上げておきます。 私は、復帰してきょうはちょうど五同年でございますが、それを迎えました県民の願い、その一つは、基地の縮小と基地依存経済からの脱皮であろうと思います。しかし、この問題は、主として外交、行政にかかわる問題でございまして、私はきょうの質問からは外すことといたします。 そこで、第二の希望は地籍の明確化、そうして暫定使用という法による強権的使用状況を速やかに解消してもらいたい、この点ではないかと思います。この点について、復帰の際、わが党の門司議員は、毎三にわたりまして地籍明確化のための特別法制定の必要性を強調いたしました。しかしながら、政府はこれを無視し、行政措置によってこれをとり行っていくと。そのことが現在なお多くの位置境界不明確地域を残したことにつながり、現在に至っていると思うのであります。私はまず冒頭、これらの措置を講じなかった国の怠慢、このことに対して長官の所見を伺いたい。
○国務大臣(藤田正明君) 四十七年に復帰されたわけでございますが、その引き継ぎましたときに、琉球政府の方で地域の不明確な地点につきましては、まだ十分な調査がされておりませんでした。そこで、四十七年、八年は地籍の不明確な地域を調査しようではないかということで、県当局と御相談の上で、その不明確の地域の調査に費やしたのが事実であります。そうして四十九年には、その不明確になった地点をいかように今後やっていくかという点に努力を注ぎました。その結果、基地内は防衛庁、基地の外は沖繩開発庁というふうな担当に分かれまして、この地籍の明確化のための実行に移ったのが五十年でございます。五十年、五十一年と、それぞれ防衛庁におかれては基地内、われわれ開発庁におきましては基地外においてその努力を進めてまいりました結果、百四十平方キロにわたる地域内の不明確な地域、これは二十平方キロがわれわれ沖繩開発庁でございますが、この地点におきましても、集団和解ということでこの二年間には漸次進めてきております。今後この集団和解が、この法律に基づきまして立法の根拠を得たわけでございますから、ますます進めて促進されていくことを期待もし、自信も持っておるわけでございます。
○柄谷道一君 私は、新法制定後の問題をいま御質問しているわけではございません。五十二年四月の「立法と調査」というこの資料によりますと、沖繩県における基地の数は、本年一月一日現在、駐留軍五十五施設、二百六十五平方キロ、自衛隊が二十九施設、三・四平方キロ、これは県面積の一一・九%を占めておると述べられております。これらの基地の中で地籍の明確でないものは六十施設、百二十平方キロと言われておりまして、基地面積の約四五%を占めておる。暫定使用法により使用されているものは三十一施設、四百九十件、二十・七平方キロになっておるわけでございます。この暫定土地使用というものが決まりましたときに、質疑の中ではこういう事態というものは生じないと、この期間内に地籍の明確化というものはやれるんではないか、そういうニュアンスの答弁を政府がされたことは事実でございます。とすれば、このような現状に本日至っているということは、やはりどこに原因があったのか、その点を明確にお答えを願います。
○国務大臣(藤田正明君) ただいまの基地のことにつきましては防衛庁の管轄でございますので、防衛庁、施設庁の方からお答え願いたいと思います。
○政府委員(斎藤一郎君) 沖繩復帰の時点におきまして、公用地暫定使用法の適用で使用した土地は、ただいまお示しの数字でございましたが、それが、公用地暫定使用法の一条の規定で、この法律で一方的に使用するという事態は特例であるので、なるたけ契約に切りかえる努力をしろという訓辞規定がございまして、これはこの法の精神に照らしてはなはだ重要な事柄でございますので、私どもは、復帰の時点で約三万人近い地主さんのうちで、三千人の方々が御了解いただけておらない。それを重大視しまして、これを法の精神に従ってなるたけ契約していただくという努力を自来ずっと続けてまいりまして、その結果、今日の時点では約三百数十人ということになっております。これが私は、やはり基地を使用するための法の精神に照らして一番正道であるというふうに考えて、今日も思っておりますが、その際に、この暫定使用法が成立する過程において地籍の問題はさきほど問題にならなかったという意味ではございませんので、一方において地籍の問題が先ほど来御指摘のようにございましたが、これの実態は、全然その返還を受けるまではどういう実態にあるかわからない、返還受けて初めて始まったという事態でございます。そこで、私どもとしては、地主さんの御利益のために、あるいはまた今日のような事態に至らないために、復帰以来かなりの努力をして今日までやってまいったわけでございますが、残念ながら、表面上、地籍が明確になって措置ができるようになったというものは、返還になったところを先にしたために、基地内においては表面上まだ出ておりませんが、かなりの実績を上げて努力をしておるという状況でございます。
○柄谷道一君 私は努力を全くしなかったと言っておるわけではないわけです。確かに、細々という表現が適切かどうかわかりませんが、努力はされてきたでしょう。しかし、いまなお多くの地籍不明確の地域が残っておるということは、われわれがかつて指摘いたしましたように、やはり今日議論されるような特別措置法というものの制定が必要ではなかったのか。その必要というものはないということで現行法を制定された、その私は政府の責任というものを強く指摘いたしまして、次に質問を進めたいと思います。 次に、国土調査法第六条の二では、「特にすみやかに地籍調査を行う必要があると認める地域について、政令で定めるところにより地籍調査に関する特定計画を定めて、遅滞なく、これを公示するとともに、関係都道府県に通知しなければならない。」と定められております。この国土調査法第六条の二は、国土調査促進特別措置法、三十七年五月十九日の制定でございますが、その附則2によりまして、一応不適用となり、その促進法の三条で十年計画を定め、この促進法に基づいて措置していくということが定められております。そして、昭和四十五年から五十四年まで第二次の計画が立てられたわけでございますが、私の調査によりますと、四十七年以降地籍が明確になりましたのは百八十二平方キロ、これに復帰前の琉球政府による千二百五十九平方キロを加えましても千四百四十一平方キロであって、沖繩総面積二千二百四十六平方キロに対比いたしまして、なお八百平方キロの地籍が明確になっていないということも言えるのではないか、こう思うのであります。私は国土調査促進特別措置法だけでは十分機能しない、こう思うのでありますけれども、この促進法が有効に機能しなかったのは一体どういう理由に基づくものか、そして、今後この新法の制定と相関連して、国土庁はどのような対処をされようとしておるのかお答えを願います。
○政府委員(松本作衛君) ただいまお話がございましたように、沖繩の地籍の調査につきましては、特別措置法の趣旨に沿いまして、復帰後十カ年計画を立てまして、六百万キロにつきましての計画を立てておるわけでございます。そのうち実施済みの面積は、四十七年から五十一年度末までに百八十二方キロになっておるわけでございますが、なお未調査の分が残っておるということは御指摘のとおりでございます。今後国土庁といたしましては、新法によりまして地籍の不明確な地点における調査を進める際に、積極的に御協力をいたしますとともに、従来の国土調査法に基づきます計画地域につきましても、意欲的にその達成を努めてまいりたいというふうな考え方でおるわけでございます。
○柄谷道一君 沖繩につきましては、さきの沖繩戦によりまして、不動産登記簿、台帳、公図等の滅失があった。また、戦災と戦後の米軍基地の建設に伴う地形の変更があった。そういうことが、私はこの地域不明確の面積を大幅に解決することができなかった、こう思うのであります。そのとおりですね。
○政府委員(斎藤一郎君) ただいま先生お尋ねのことは、基地の中については、まことに、ほとんどそのとおりでございまして、それともう一つは、その後引き続き米軍が使用しておることによって、この明確化の作業が米軍の活動との調整を要するということが大きな問題になっておるかと思われます。要するに、活動の合間合間に上手にやらなきゃならぬということでございます。
○柄谷道一君 ということは、その事実はもう明白なわけですから、前回の復帰時における立法の際に、そのような配慮というものが、見識といいますか、そこまで至らなかったという群雲はお認めになりますね。それなるがゆえに新法をつくりたいと言われるんでしょう。
○政府委員(亀谷禮次君) 基地の内外にわたる基本的な問題でございますので簡明にお答えをいたしたいと思いますが、関係省庁からしばしばお答えをしておりますように、実は琉球政府土地調査庁が、戦後長年月にわたってこの不明地の解決に努力をされてきたわけでございますけれども、復帰の時点における国会の論議におきましても、しばしばこの不明地の円満な解決は現在の国土調査法ではなかなか解決ができないのではないか、したがって、当然特別の立法措置が要るのではないかという御論議がありましたことをよく記憶にとどめております。この問題に関しまして、先般来申し上げておりますように、復帰の時点においては、全体的な、関係の市町村及び境界の面積さえ明確ではなかったわけでございますので、政府といたしましては、早急にこれらの地域がどういうところに散在をし、どの程度の面積になるかということを調査することが先決であったわけでございます。先ほど大臣が御答弁いたしましたように、これを二年間にわたりまして調査をいたしました結果、百四十平方キロ前後の概況が判明をしたわけでございます。 なお、立法につきましては、当時からいろいろと法務省その他関係方面とも協議をいたしてきたわけでございますが、先般来、県からも御提案になっておりますような地籍の明確化のための基本的な問題として、いわゆる国務大臣を長とする国の行政機関が、未解決の案件について行政の決定をする等々の、非常に重要な問題を含んでおるということにかんがみ、この問題の取り扱いを慎重にいたさなければならないということと、もう一点は、先ほど大臣が御答弁しましたように、概査をしました後、現実の調査に入っておりますので、これらの調査の中においていろいろないわゆる円満解決を阻害するケースが判明をしておりますることにかんがみ、これらの事例を総合的に判断をした上で、やはりわれわれとしては円満ないわゆる集団和解を図るということが基本的に必要だとは思っておりますが、どうしても立法措置が必要であるという事態が判明をいたしましたならば、そういった所要措置も講じなければならないというふうな検討を進めておったやさきでございまして、今回政府が提案しました法案に関連して、衆議院において修正案の中でこういった民地を含めた立法措置がとられる運びに予定をされておる内容につきまして、先般、大臣が答弁したとおり、われわれはこれが可決されましたならば、より民地を含めた地籍の解決が促進するであろうと、こういうふうに期待をいたしているわけでございます。
○柄谷道一君 衆議院から修正可決して参議院に送付されたその内容は、法律の題名、対象、実施機関、地主間で決定に至らない場合の調整、審議会、土地の使用の特例及び返還地の利用促進措置、資金の融通、土地の交換あっせん、行政措置、これは公共施設整備に関する財政措置及び国の土地買い入れなどの修正が盛り込まれているわけであります。これは結果論でありますけれども、私はこのような特別措置法というものの成立が早ければ、少なくとも地籍明確化というものは今日まで大幅に推進することが可能であったのではないか、これはもう明らかな事実です。私はその点を率直にお認めを願いたいと思います。と同時に、質問でございますが、今回の修正案によりまして新たに勧告措置が加わっておりますけれども、集団和解方式プラス勧告方式ということによって、地籍明確化作業というものは、私としては一段スムーズに進むものだと評価いたしますけれども、政府としてはこれをどう考えているのか、また、これによって自信を持っているとお答えになることができるのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(藤田正明君) ただいまの御質問の第一点でございますが、これらの立法化によって地籍の明確化が促進すると思うかということでございますが、まさにそのとおりでございまして、いままでは実際面に適応した措置、行政面の措置とか、財政措置とかいうことでやってまいったわけでございますが、今度はこういう法的根拠をちゃんと明確化していただきましたから、これらを非常に強いものとしてわれわれも推進に踏み切ることができる、かように思います。 それから第二点の勧告ということでございますが、これもいままでになかった措置でございまして、強制権はございませんけれども、しかし、その前に審議会に諮って、そして機関の長は勧告することができると、こういうことになっておりますが、これは非常に有効に使わしていただきたい、かように思います。
○柄谷道一君 政府案によりますと、地籍が明確となったもので契約に応じないという土地につきましては、土地収用法または駐留軍用地特別措置法等の適用が予定されております。しかしながら、自衛隊用地の土地収用法による収用につきましては、従来から一部で議論のあるところでございます。そしてその理由は、土地収用法第一、条は、土地を収用しまたは使用することができる公共の利益となる事業を列挙しておりますけれども、その中に自衛隊の用に供する施設は含まれておりません。さらに、昭和二十六年に旧土地収用法が全面改正された際、国防その他軍事に関する事業を公共事業から削除したことがその要因になっているのではないか。これに対して政府側は、昭和四十七年の沖繩国会で、この点につきまして、二十八年、法制局次長から保安庁次長にあてた回答で、当時の保安隊の演習場が土地収用法第三条第三十一号に該当するという見解を引用いたしまして、自衛隊施設もこれに含まれるとの答弁を行っております。これを現在の根拠にいたしておると思うのでございます。われわれは土地収用法の適用は可能だと技術的には考えますけれども、政府の見解は従来と同じなのか。さらには、法解釈の混乱を避けるために土地収用法を改正いたしまして、三条の公共事業の中に自衛隊施設というものを明示するお考えをお持ちではないのか、この点について明確な御答弁を賜りたいと存じます。
○政府委員(斎藤一郎君) 自衛隊用地について土地収用法の適用があるかどうかということをめぐっての論議は、ただいま先生御指摘のとおり、全くそのとおりでございまして、結論的には自衛隊用地についても土地収用法の適用がある、つまり収用法の三条三十一号に明示はされておりませんが、自衛隊の性格、それからこの法条の性格、そういうものから適用があるということは私どもとしては明確な結論であるというふうに存じております。 そこで、こういう議論があったので明示した方がいいのではないかという御意見でございますが、それにこしたことはないんですが、ただいまの時点では、この解釈が政府の明確な解釈でございますので、いまのままでも、現状でもその結果には違いがないというふうに存じております。
○柄谷道一君 私は、法解釈をめぐって一部にも議論があるということは決して好ましいことではないと思うんです。いろいろのものを引用いたしましてそれを理屈づけるというよりも、私は、たてまえとしては法の中でそのことを明示することの可否を賞々と議論し、そうして法律に基づいてこれが運用される、そのことこそ望ましいのではなかろうかと思うのであります。本日、これ以上の議論は進めませんけれども、ひとつこの点につきましても検討をしてもらいたい、希望をいたします。 次に、沖繩には、現在国有地となっているところで、その国有地の旧地主が小作人となって農業をやっているところがかなりあると私は聞いております。黙認耕作一本にしぼる手はございませんけれども、私は少なくともこうした実態を把握して、国有地はこの際旧地主に、いわゆるこの新法にかかわるもの以外は、原則としては旧地主に返還する、この姿勢をとるべきではないか。そうしませんと、国有地の黙認耕作をしているところに対して、借地料ないし保証料を支払うということになりますと、これはいろいろ問題もあるのではなかろうかと、こう思うのでありますが、国有地管理の衝にある大蔵省の見解をお伺いいたします。
○政府委員(吉岡孝行君) 先年のただいまおっしゃいましたこの黙認耕作という問題につきましては、これはむしろ提供されている基地の内部の託であろうかと思うんですが、これは防衛施設庁の方でお答え願うのが適当かと思うわけでございます。大蔵省の方が直接所管しておりますのは基地の外で、もとの旧軍の用地である国有財産を農耕地として貸し付けているという場合につきましては大蔵省が管理しているわけであります。それで、そのような農耕地として貸し付けているものは、ほとんどが宮古、八重山に存在するわけでございまして、その面積は全体で約五百四十一万平方メートルあるわけでございます。それで、その農耕地の問題につきましては、そこが将来公用なり公共用に利用する予定がないというところにつきましては、現在の耕作者がそのまま農地法で売り渡しを希望する場合には農林省へ所管がえを行いまして、農林省から売り渡すこととなるわけでございます。それで、いろいろわれわれ現在のところ、沖繩の農業振興計画との関連も考慮しまして、関係省庁と協議しているところでございまして、その上で適切な措置を講じてまいりたい、こう考えておるわけでございます。旧地主に払い下げるというお話がございましたが、農耕地の問題、旧地主というよりも、現在耕作していろ者を対象にして、それをどうしていくかということが今後の問題になるわけでございます。
○柄谷道一君 私は、沖繩の土地はもう戦争によりましてずたずたにされた、そしてまたそのどさくさの中で、半ば、強制的という表現が適切かどうかわかりませんけれども、その土地を取り上げられて、国有地といまなっているというところも少なくない、こう聞いておるのであります。そういたしますならば、私は地籍の全面的な明確化を図らんとする今日、その作業の過程の中で、こうした不弁理、不公正というものも同時に解消していく、そして基地等につきましては、改めてその地主との間に使用契約を結んでいく、これが私は本当の戦後処理ではないかと、こう思うのであります。現在の形式が国有地かどうかということも確かに一つの論点ではございますが、その国有地となったその経過というものも、やはりきめ細かく政府というものは調査をする、まあこういう態度をとるべきではないかと私は思います。これに対する政府の見解を、求めます。
○政府委員(吉岡孝行君) 戦時中、軍が飛行場用地等として買収しました国有地の取得経緯につきましては、先般来いろいろと御質疑が行われておるわけであります。われわれとしましては、これはしばしば申し上げておるわけでございますが、いわゆる宮古、八重山等につきましては、当時の買収を証明するいろいろ売り渡し証書とか、代金の領収証とかの資料も相当数収集しているわけでありますし、それからまた、当時の終戦前の登記簿に国有地としてはっきり登記されているということもあるわけでございます。ただ、本島につきましては、先ほどもお話がありましたように、戦火により登記所等も全部焼け、土地の所有権関係に関する公的書類が消滅しているわけでございます。そういうことで、直接、戦時中における買収を証明する物的資料、直接的な資料というものはないわけでありますが、関係者等からもいろいろ血清を聞いておるわけでございますが、それによりますと、本島における国有地の取得経緯も、宮古、八重山等と大体同時期に行われている、それから同様な軍の体制のもとに行われたわけでありまして、そういうことからも、同じように正規の一応買収手続を経ておると、こう考えておるわけでございます。もちろん現在のような平和の時代から振り返って考えますと、ああいう非常事態でありますから、ここに、やれ強制的に買い上げられたというような感じがあることは確かだろうと思いますが、法律的に見ますと、当時としては正規の売買手続によって取得している、こういうふうになっているわけでございます。 それから、これも先日来御議論になっていますように、本島につきましては、復帰後琉球政府のもとにおきまして、所有権認定作業というものが行われて、その結果、それぞれの土地の所有者に対して土地の所有権証明書というものが交付されているわけでありますが、いま問題になっています国有地につきましても、いわゆる市町村土地所有権委員会の調査の結果、その国有地としての証明書が交付されているわけであります。もちろん先般来いろいろ御議論になっていますように、われわれとしては、さらにいままでやってきました調査を続け、いろいろ重点もしぼりまして、さらに調査を進めまして、いろいろ問題がある場所については、はっきりした証拠が挙がり、それを訂正すべきものがあればこれを訂正していくという態度でおるわけでございます。
○柄谷道一君 私は大蔵大臣の健康状態等もおもんばかりまして、大蔵大臣の出席は求めておりません。しかし、ここに二人の防衛庁及び総理府の長官が来ておられるわけでございます。私は、これは国務大臣として、大蔵大臣とも十分お話し合いを願いまして、現実に存在するやはり不合理というものに対しては、これを解決していくというのが政治の姿勢であるべきだ、その点に対して善処を求めたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤田正明君) 戦争中の、そのような旧軍が接収あるいは買収したということについては、相当な、当時非常事態でございますから、まあ乱暴と言っていいか、そういうことがあったろうと思われる節が多分にございます。そういうふうな経緯はいろいろございますので、そういう点もしんしゃくをいたしまして、この際国有地を再検討するのは、先生の御趣旨はよく理解できます。当面は大蔵省の問題でございますが、沖繩開発庁といたしましても、関連のあるところでございますから、大蔵大臣とも協議をいたしまして、その辺は推進をしてまいりたいと存じます。
○柄谷道一君 最後に、衆議院における全面修正、これは各党によりましてその評価は異なっておりますけれども、わが党といたしましては、その修正を取り入れられております。また他の野党の考え方も、客観的に見ますならば相当程度盛り込まれていることは事実でございます。で、ベストかどうかにつきましては異論があるところでございますけれども、私は、現実的対応としてとらまえるならば、現在時点における最善のものではなかろうかと評価をします。われわれはそれがゆえに、法の空白期間を置くことについて、これを避けるべしという主張をしてまいりましたが、残念ながら現実は法の空白期間が生じております。異常な状況を一日も早く解消する、これはまた政治というものに課せられた責任ではないかと思います。そのような努力を期待いたしますとともに、私は修正案第三条に定める期間内に地籍の明確化を完全に完了する、このために行政当局が今日の反省を踏まえて全力を挙げて取り組まれんことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(増原恵吉君) 藤田国務大臣から、昨日の矢田部君の質疑に対し答弁の補足があります。藤田国務大臣。
○国務大臣(藤田正明君) 昨日、矢田部議員と木野提案者との間の質疑に、いろいろと、不備とか抜けているものというふうな言葉がありまして、出席四閣僚に対して意見を求められました。その出席四閣僚は倉皇の間に相談をいたしまして、それぞれ意見を述べたわけでございますが、この際、この法案の実施機関の長でありますところの防衛庁長官と沖繩開発庁長官と相談いたしました結果の見解を申し上げておきたいと思います。 この法案は、政府の方針を明らかにすべき点を特に強調したものであって、実行に関する部分はすべてを網羅して規定するという形をとっておらず、特段の定めをしたもの以外は、一般法にあるものは一般法によって補い、運用によって実効を期し得るものについては運用によって補うというたてまえの立法と解釈をいたしております。よって、政府といたしましては、運用に当たり、実施上の政令に織り込むべきものは織り込み、あるいは細心の行政指導を行う等の配慮を十分に払う所存でございます。 以上でございます。
○委員長(増原恵吉君) 暫時休憩いたします。 午後四時五十二分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕