地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 531 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/12
会議録
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 四月二十七日、大塚喬君、小林国司君、平井卓志君、斎藤栄三郎君及び永野嚴雄君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君、岩上妙子君、鳩山威一郎君、片山正英君及び金井元彦君が、四月二十八日、岩上妙子君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君が、五月十一日、加瀬完君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君がそれぞれ選任されました。 また、本日、鳩山威一郎君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君が選任されました。 —————————————
○委員長(高橋邦雄君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○志苫裕君 私は、きょうは通告をしておきましたように、五十二年度の地方財政対策と自治行政におけるたてまえと本音といったようなものを少しお伺いをしよう、こう思います。 最初に、まず五十二年度地方財政対策ですが、すでに衆議院でも、また本委員会でももう論議し尽くされておる感もありますので、少しそれらを問題点を整理する意味でちょっとお伺いしますが、まず、今日の事態は地方交付税法六条の三第二項の規定に該当するとお考えですか。
○国務大臣(小川平二君) 五十年以来、三年連続して巨額の財源不足が出ておるわけでございますから、今日の状況は、交付税法六条の三の二項に該当する事態であることには間違いございません。
○志苫裕君 次に、確認を求めますが、この交付税法六条の三の二項は、行財政制度の改正をまずやって、それでも足りないときは税率の改定もする、あるいは考えるという二段構えに解していいですか。そのように確認できますか。
○国務大臣(小川平二君) 交付税率を変更するか、あるいは行財政制度の改正をするか、いずれかの一つを実行すべしと、こういう規定であると理解をして、もちろん両方やることはもとより差し支えないと思います。
○志苫裕君 そうですか。あの法律、私は素人ですから素人なりにすんなり読みますと、いま大臣がおっしゃったように、どっちかのうち一つをやるというのではないでしょう。制度の改正を考えて、それでだめなら税率を考えるというふうに読むんじゃないですか、あれは。
○政府委員(首藤堯君) 法律に規定をしてございますのは、ただいま御指摘のように、地方行財政制度の改正をやるか、またはその交付税率の変更を行うかと、こういう書き方でございますので、どちらを先にやってどちらを後という順序立てはないものと考えます。したがいまして、どちらかをやるか、あるいは両方組み合わせて適当な比重を持たしてやるか、これはいずれも許容されておる規定だと考えております。
○志苫裕君 これはあとの私の質問にちょっとかかわりがあるので、少しくどいようですが、皆さん、地方財務協会というところの「地方財政」という本がありますね。これの新年号、一月号で、自治省のそうそうたるメンバーが座談会をおやりになっている。これ、何の気なしに読んでおりましたら、皆さん大分いろいろと御論議をされているわけですが、たとえばここでは、これはどういう立場の方ですか、今井実さん。地方交付税課長さんだな。たとえばこの方は、いま言いましたように、今日の事態がこの法の規定に該当する事態だということになった場合に、直ちに交付税率の方に短絡的にいくのではなくて、まず地方行財政制度の改正ですね、それで足りないときに税率のアップというふうに法は二段構えになっておるので、その道順でいろいろと検討をしておるんだと、たとえばこういう話をされていて、ここに出席されている方は大体そういう枠組みでいろいろやりとりなさっているようですが、違いますか。それはやっぱりそういうふうには考えないですか、皆さん。先ほどの財政局長の答弁もそうですが、もう一度確認します。
○政府委員(首藤堯君) 法律の規定は、先生御案内のように、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更」と、こうございますので、法律の規定としてはどちらを先にやらなきゃならぬ、その後に片一方がくっついていく、こういう規定の仕方ではございません。どちらを取り上げてもよろしいし、どちらと組み合わせてもよろしいと、こういうことだろうと思います。しかし、実態的に率のアップとか、税財政制度の改正というようなことを考えてみます場合には、実態の場合としてはやはり両方関連をさして考えてまいりますので、一応のこの考え方の順序といたしましては、行財政制度が改正できるのかどうか、こういうこともまず検討する、そしてそれに応じて率の変更といったようなものを考えていく。まあ仕事の進め方でございますから、どちらが具体的に先になる、後になるということじゃございませんけれども、考え方としてはそういったかみ合わせ方によってしかるべき財源措置をしていくべきだと、こういうことを今井君は言ったのだろうと思います。
○志苫裕君 そのことはまた後でやりましょう。 いずれにしても、ことしの財政対策を考えるに当たって、自治省としてはいろんな制度改正というふうなもの、たとえば新しい財源がないかとか、さまざまなことも検討をしたけれども、どうもいまの財源不足ににわかに寄与できるようなものも見つからないし、すぐにもできないし、ということなので税率改定に踏み切って、以降大蔵省等との政府部内でのいろんなやりとりに入る、こういう順序を経たんですね。そのことはいかがですか。
○政府委員(首藤堯君) その点は御指摘のとおりでございまして、秋口以降各種の制度改正、特に税制等を中心にいたしました制度改正ができないか、こういうことを税制調査会等にもいろいろ諮問をいたしましたし、努力もいたしたのでありますが、なかなかそれがすっきりはいかない事態である、しからば交付税率を五%アップしてほしい、こういうような順序を経て要求いたしてきたのは御指摘のとおりでございます。
○志苫裕君 そうしますと、制度改正の努力をしてみたがなかなかぱっとしない、税率の引き上げもいろいろ努力してみたがこれもなかなかうまくいかなかったといういきさつから見れば、今度のいわば五十二年の地方財政対策というのが一つの制度改正であると言ってがんばる根拠はないんじゃないですか。制度改正をやろうと思ったがだめだった、余りいいものはなかった、それで順を経て税率改正ということで努力をしてみたがやっぱりうまくいかなかった、しかし、法に規定をする地方財政の事態であることには変わりがないというので今度の措置が出てきたわけでありますが、ぼくはやっぱり皆さんの努力の経過、検討の経過、作業の経過から言っても、今度のいわば三・六%相当の財源対策その他をもって制度改正と言って、私に言わせると強弁をしていなさるんですが、強弁をする根拠はないんじゃないでしょうか。やっぱりいささか法にそぐわない手当ての仕方であるということはお認めになるのがむしろ素直じゃないですか。
○政府委員(首藤堯君) この財政制度の改正の内容、意味でございますが、これは毎々御議論をいただいておりますように、いわゆる秋口、恒久的な制度の改正、こういうものをいろいろ予想し、要求をし、やってまいったわけでありますが、これはなかなかむずかしい。しかし、制度の改正というのは、恒久的な制度の改正、これがありますとともに、また、さしあたりの臨時的なものであっても当該年度の措置をやるという面もあるわけでございます。この点は、前々から御指摘を賜っておりますことにつきまして法制局等の見解もあわせまして御報告を申し上げておるわけでありますが、ここに申します制度改正は、必ずしも恒久的な制度改正のみでなく、法は広い範囲の選択を許しておりますので、たとえば経済情勢が非常に変動期にあって将来の見通しがつけがたい、こういうような場合には、さしあたり当該年度の交付税の総額を増額をする措置をとる、こういうこともまた地方行財政制度の改正に該当する、このように私ども考えておるわけであります。したがいまして、恒久的な制度改正はできなかった、これはもう御指摘のとおりでございます。臨時的なさしあたりの措置でありますから、これが抜本的に望ましい形でおさまった、こういうように申し上げておるわけではございませんが、ここに言います制度改正をともかく曲がりなりにも実施をして、五十二年度に対する財源措置、これに措置をとったと、このように毎々申し上げておるわけであります。
○志苫裕君 皆さん、ことしの対応の仕方がどうも法の趣旨にはそぐわない、まことにもって遺憾であるとはなかなかここでは言うわけがないんで、私も余り深入りはしませんけれども、いまの局長の答弁ですと、なるほど私もなかなかお役人というのはうまい答弁するものだと思って感心しているのですが、恒久的な制度改正ではないが、当座の、まあ当座しのぎだな、ぼくに言わせると。当座しのぎの制度改正だという答弁になるんですが、そうでしょうかね、私はやっぱり皆さんの方はそれだけのスタッフをそろえて、当座であれ恒久的なことであれ、制度改正というふうなものは検討したがだめだったので税率に移行したのじゃないですか。それがだめだったのでまたもとに戻っちゃって、戻ったのか何か、別の当座しのぎの解決をした。それを制度だ、制度だ、制度改正だと言って無理に強弁をしておる。私は明らかにこれはもう法律違反だと。違反が乱暴なら、どうも法の趣旨にはそぐわないという確認をしておくことの方が来年に向かって救いがある、来年に向かってむしろ踏み出しができるという建設的な意味でお尋ねをしておるのですが、もう一度。
○政府委員(首藤堯君) 御発言のお気持ちはよく理解ができるわけでございます。恒久的な制度改正ないしは率の変更、こういうものができれば一番望ましいことである、これはもう間違いがないと思います。しかしながら、ことしの状況のように経済情勢が非常に激変期にある、しかも国、地方を通じての財源の増強、こういうことが近い将来にどうしても図られなければならない、そうでなければ公経済が成り立たないというような事態である、こういう非常に変動期でございますので、長期的な恒久的な制度の改正ないしは率の変更、こういうものの設定をすることがきわめて困難な状況にあるわけでございます。 そこで、やむを得ませんので、さしあたり当該年度の地方交付税の総額を増額をする特別措置を講じて、その返済金の一部を将来とも国に責任を負わせる、負担を負わせる、こういう法的措置をとる、こういう措置をとったわけでございます。したがいまして、最も望ましいかっこうの恒久的な制度の改正、こうは私ども申し上げておりませんが、さしあたりの措置としてここに言う六条の三の二項、これの方に該当する措置ではある、このようには考えておるわけでございます。
○志苫裕君 これは水かけ論議ですから、私は該当しないと思うんだけれども。 自治大臣、なかなかここに来ると、この論議にどうしても絡んできますのは、自治大臣と国務大臣とはなかなか折り合いがつかないですね。福田内閣の閣僚としての立場と望ましい自治大臣の姿とはどうも折り合いがつかないような問題点だと思うんですよ。所感はいかがですか。
○国務大臣(小川平二君) 今日の地方財政の状況は、これは恒久的な抜本的な制度の改正をもって対処すべき事態であると見ておりますが、当面の経済の状況、財政の状況下では、このことを実行するということがまことに困難でもあり適当でもございません。そこで、一日も早く経済の安定化を図りまして、経済が安定をし、財政の前途も見通せると、そういう状況下で国、地方を通じての行財政の根本的な改正を行いまするときに、その一環として地方財政に対しましても根本的な改善をしなければならないと、こう考えておるわけでございます。
○志苫裕君 これにばかりこだわってもおられないから、いずれにしても、さっき局長は、法では制度改正という場合に恒久的なものもあるし、いま当座のものも制度改正の一つだということを無理に言っていなさるんですが、いまの大臣のお答えでは、恒久的、抜本的な改正をもって対処すべき事態であるというふうにおっしゃっておるわけでありまして、そうなればなるほど、恒久的、抜本的対策を講じなければならぬ事態にあるにもかかわらず、当座しのぎの対策になっておりますということを述べていますね。これはそう確認してよろしいですね。
○国務大臣(小川平二君) 抜本的対策を講ずることが最も望ましい事態であると信じております。ただ、遺憾ながら、五十二年度においてこれを実行することができない。ただし、法律との関連で申しますれば、今回とった措置は恒久的な対策ではございませんけれども、なおかつ違法ではないと、こう考えておるわけでございます。
○志苫裕君 じゃ、これはまたこれ以降も議論が発展をしていくだろうと思いますので、ひとまず打ち切りますが、私は不思議に思うんです。とにかく、ことしのような当座の措置の制度改正だと言ってがんばっていなさるんですが、それはそれでいいとしましょう、一歩譲って。 そこで、五千百七十五億円、三・六%、これもちょっと引っかかるんですよね。ことし何か財源の上で三・六%引き上げたような印象を、これは長い期間にわたって三・六%相当になるという答弁にうかがえますけれどもね。いずれにしても、これの財源手当てを講じたのが制度改正だと、こう言っているんですが、それならあれですか、五十年、五十一年にも当座のことで交付税会計でお金を借りましたね。これは大蔵大臣と自治大臣との話で、将来この地方財政に余り迷惑かけないという趣旨での覚書の話ができているということになっておるのですが、別にそれは法律じゃありませんから、そのときになって、自治体も最近少し景気がいいじゃないかというようなことでオシャカになってしまう可能性だってあるわけです。この程度のことなら、たとえばこの五十年、五十一年分の返済の取り扱い等についても、たとえば、ことしのような形で法律に書くのも制度改正の一つでしょう。それは、一方の方は覚書だかメモに残しておいて、一方の方はこの法律に書く、取り扱いの違いはどこから出てくるわけですか。
○政府委員(首藤堯君) 五十年、五十一年の分は覚書を交わしまして、これはまあ地方財政の状況、国の財政の状況等を勘案をしながら、これが地方財政の負担にならぬように調整措置を考える、こういうやり方をしたのにとどまったのでありますが、これは先生御案内のように、この六条の三の第二項にいいます、この規定に該当する時期に五十、五十一年はまだ達していなかったわけでございますので、少なくともこの六条の三第二項による制度改正ということを念頭においてとった措置ではないのでございます。今回の措置はまさしくこの六条の三第二項に該当する時期でございますので、諸般の制度改正なり率の改正なり、こういうことを要求してまいったのでありますが、当座の措置には相なりましたけれども、この法の規定に基づく制度改正、これに該当するものとして措置をする必要がある、こういう前提に立って措置をいたしております。何よりも違いますことは、今回の措置は、五十五年以降国の負担をします金額を法的に明確にいたしました。ともかく、財政の状況や何やらの条件で変わるとかいう事態はございません。まさしく金額を幾ら幾ら、これだけ国は負担をする、こういうことを法的に明定をして国に責任を持ってもらう、こういう体制をとっております。まあ、その点が大きな違いであると考えております。
○志苫裕君 ですから、私はいまの局長の話を逆に考えますと、少なくともことしの分は五十五年以降、金額まで書いて、きちっとめんどう見てもらえるような、めんどう見るような仕掛けにしましたということを逆に裏返しますと、実は五十年、五十一年分というのは、それに比べるとあやふやな要素が残っていますということになるので心配をするわけですよ。そうでしょう。いずれにしても、この及ぼす効果はほぼ似ているのに、一方は法律に書いて制度改正と言い、一方は覚書を結んでそのままにしておくという、同じ効果を及ぼそうとするのに、そういう扱いの違ったものにしておくというのがどうも私にはわからない。それはともかく、いずれにしても、いまの局長答弁のように、五十年、五十一年分にはやっぱり幾らかあやふやな要素ありと。五十二年分はちゃんと法律に書いたから心配はないが、五十年、五十一年分にはあやふやな要素があるということになりますと、大臣、このあやふやな要素をいま一掃をしておくのに——たとえばこの委員会なんかで責任を明確にしておくとか、そのときあなたが大臣であるかどうかわからぬが、それがほごにされるような事態に来たら、時の自治大臣はやめるとか、何かこうきちっとした責任の態度、責任のとり方を明確にしておく方がこれは迫力があっていいですよ、いかがですか。
○政府委員(首藤堯君) あやふやであるかないかという御指摘につきましては、私ども、そのあやふやの意味によりますが、覚書そのものの考え方があやふやであって、これが否定をされるという事態はもう起こらないと、こう確信をしております。 ただ、五十一年と五十二年の違いは、こう申し上げるとよろしいのではないかと思いますが、五十年及び五十一年の措置は、これに伴います償還費等を財政計画上見込みまして、その結果出ました財源不足額、地方財政の計画上の不足額、これを補てんをしていくという問題になると思います。その補てんの仕方をどうやっていくか、それはその当該年度ごとに検討をしていく。 ところが、五十二年度の今回とりました措置は、もう頭から幾ら国が負担をするということを決めてきておりますから、そのもう一つ前の前提でございます。それは、必ず出たもの、その結果において、その当該年度の地方財政計画に過不足がどう出てくるのか、これを算定をして、その出ましたものについてまた措置を考えていく、こういうことになろうかと思いますから、一歩この確定をしたより前の前提、こういうことに設定を法的にしてしまった、この点においてすいぶん違うと思います。 いずれにいたしましても、地方財政計画を当該年度ごとに策定をしました場合に、財源不足が出ますれば、これを完全に補てんをしていくというのは自治省のこれは与えられた任務だと思っております。私どもはそれをおろそかにするようなことはゆめ考えたことはございません。どんなことをいたしましても毎年度の財源措置は適確にやってまいりたい、こう思っております。
○志苫裕君 いや、自治省はゆめ考えたことがなくて一生懸命にやっているんだろうけれども、大蔵に会うと苦もなくひねられたりしていることだってあるわけですから、それで心配であるから、これはやっぱり自治大臣の首くらいはこの委員会に預けておいた方が迫力があっていいじゃないかと私は言っているわけですよ。大臣、方法は別としても、地方財政には支障を来さないというのが趣旨なんだから、おれはそのとおりがんばるよということをこの間の委員会で小山さんにも答弁されていますが、私のいま提起している問題も含めて、もう一度しかとした決意のほどを述べてください。それを私は担保にしたいと、こう思うんですが。
○国務大臣(小川平二君) 五十年、五十一年度分につきましても、覚書の趣旨が余すところなく貫徹されまするように、と申しますことは、地方財政の運営が阻害されませんように、自治省といたしましては必ず万全の措置を講ずるつもりでございます。
○志苫裕君 その次に、五十二年の地方財政計画のことを少し申しますが、率直に申し上げて、このことしの地方財源対策もそうですが、二兆七百億円足りないということを、そう思い込んで、ことし二兆七百億円地方財政が足りない、だからどうしよう、こうしようということを議論をしていたわけでありますが、率直に申し上げまして、私は、なぜ二兆七百億円足りないのか、さっぱりわからんですね。二兆七百億円が一体正しいものであるかどうか。あるいは地方財政計画の二十八兆何がしというものが、なぜ二十八兆八千三百幾らですか、のものなのか、こればっかりはだれもわからない。だれにもわからないといっても、皆さんは知っているんでしょうがね。私は、これほど国民が——皆さんが二兆七百億円足らぬというから足らぬのかなと思うだけだ、これは。それで特に地方交付税もそうでありますが、この基準財政需要額その他を勘定するしちめんどうな、もう頭が痛くなるような数式なり数字がたくさんありますけれども、あの数字だって、何であの数字が出てくるのか、いろいろ皆さんの説明を読みますともっともらしいことが書いてあるが、しかし数字が納得できる根拠というのは別にない。しかし、最終的にはつじつまが合うようになっていますけれども、私は率直に言ってなぜ二兆七百億円なのかさっぱりわからない。その限りにおいては、この財政を技術的に扱う、あるいはひねくり回す密室の作業というものの中から毎年この種の数字が出てくる。当委員会等でも、あるいは私も衆参のいろんな記録なども勉強さしてもらうけれども、毎年の財源不足額がなぜそれが足りないのかということの正当性についてはなかなか議論の対象にならない。そこで、この幾ら幾ら足りないということの算出過程がもう少しオープンで、関係者も参加できて、関係者にもわかるという仕掛けはないものでしょうか。非常に素朴な幼稚な質問ですが、なぜ二兆七百億円なのか。この数字が出るのにもう少しガラス張りで、なるほどそうかなと。で、しかるべき人も参加をしておるという仕組みについて、大臣、これはお役人の方じゃ自分がやっていることは何でもいいと思っていますから、人はわからぬ方がいいなんて思っているかもしらぬのですが、これはやっぱりもう少し政治家のレベルで考えますとまるっきりわかりませんよ。おまえはばかだからと言われればそれきっきりだけれども、大臣そう思いませんか。
○国務大臣(小川平二君) これは決して密室の作業というようなものでもございませんし、中身を秘密にしておるわけでもございませんので、何ゆえに二兆七百億円という数字が出てきたのかというお尋ねがございますれば、この場で当局から答弁を申し上げさせることができるわけでございます。
○志苫裕君 ちょっとその前に、それは皆さん、二兆七百億円は幾ら入ってきて、幾ら出ていって、差額が幾らでというふうに仕掛けはわかるんですよ、私は。考え方としてわかるんですが、二兆七百億円が正当だということをわれわれが検証する方法は、率直に言っていまの仕掛けの中にはないということを言っている。その点について何か思いませんか。しかも二兆七百億円の財源対策をいろいろ皆さんが政府部内でおやりになっているときには、地方財政計画というようなものが出ているわけではない。政府の部内で、何だか知らぬがいつしか二兆七百億円足りぬのだそうだという話がいろいろ国民には伝わって、そんなものかなと、こう思っているわけです。そのうちに、大蔵省などともっと減らせとかふやせとかいうようなことを言っているうちに、これはありがちなんです、これは政治的に幾ら幾らと折り合いがつきますけれどね。それで皆さんの方が二兆九百億円だと言って、何とか二兆七百億円に追っついた。これはわからぬわけじゃありませんが、実はその作業の編成過程を考えてみてください。二兆七百億円足りないそうだというのは、これは皆さんの内側でこういろいろやっているわけですね。自治体の直接の担当者とか関係者がこれに関与する仕掛けはないじゃないですか。そのことを私は言いたいのです。何かこの改善の余地はないですか。
○政府委員(首藤堯君) 私から申し上げますが、財源不足額が出てきます基礎になります地方財政計画の歳出の増加要因、これは先生御案内のように、財政計画そのものの中に非常に事細かに出してございます。何が幾らか、何が幾ら増加したか、そういうことによって歳出を見積もりまして、それに対応して税収入そのほかの収入を見積もっていく。その差がことしの場合は不足額で出てまいりまして二兆七百億と、こういう数字になっておるわけであります。したがいまして、この二兆七百億という数字は、ただいまもちょっと御指摘がございましたが、私どもが出しましたものを、大蔵省側でこれは多過ぎるの、少な過ぎるのと言って、これを通常の予算のようにちょん切ったり査定をしたりすることはないわけでございます。これが数字の内容は、給与関係経費それから一般行政経費、公共事業費、こういった各種の費目にわたって細かに積算をします一定の積算の根拠なりルールがございますので、それに基づいて素直に計算をしていく、こういう手法をとっております。 なお、こういった計画策定の経過における数字の状況等につきましては、もちろん地方六団体等とも十分連絡をとっておりますし、また、具体的に決まってまいりますときには、私どもの組織としては地方財政審議会こういうものがございます。そこにもおかけをいたしますし、そういうことをもちまして非常に客観的な理由のあるもの、こういう検証をしていただいておるわけでございます。 したがいまして、御指摘のように、何か密室で適当につくって数字のしりを合わしたのではないか、こういうことには決してなっておりませんので、御了承いただきたいと思っております。
○志苫裕君 私は、これはきょうは問題の提起だけで、いずれこの委員会でこれらの問題については取り上げていきたいと思うのでありますが、とすれば、話し合い、仕事の順序としては地方財政計画のようなものが先に発表されていて、ああなるほど足らぬのかと、それでやっているんだなというようなことになりますが、しかし、作業の順序というのは、表に出てくるものは財源不足額が幾らとか、ことしの財源手当額幾らというのが先に出てきて、悪いけれども、それとつじつまが合うように地方財政計画が半月ないし一カ月おくれて出てくるという作業順序になっていませんか。これはどうですか。
○政府委員(首藤堯君) 地方財政計画として細かな内容を策定をいたしましたものを国会に提出をいたしますのには、これは国の予算が決まりました後かなりの期間が要るわけでございます。端的に申し上げますれば、公共事業の裏負担が幾らになるか、これだけお考えをいただきましても、これは財政規模にも影響しますし、収入にも影響いたします。そこで、これは国の予算が決まりまして、各省ごとの割り振りが決まって、それぞれ負担率、補助率がありますから、それではじいて幾らになるということが正確に出てまいりませんと計画はつくり上げることができません。 しかしながら、全般的な財源不足額の考え方そのものは、たとえば総枠的に把握をしますときには、公共事業は何%程度伸びるだろうという前提に立ちますと、裏負担がどのぐらい伸びるだろうという見当がついてまいります。そこで、ことしの二兆七百億が出てまいります経過も、中期見通し等では一兆九千何がしぐらいの不足でございました。これが経過途中で六団体等と御相談しましたときには二兆前後になるのではないか、こう申しておりました。ところが、公共事業がかなり伸びてきた、そのほかの要素がございました。結論的には二兆七百億になってきた。こういうことでむしろ不足額はふえてまいっております。そういう経過をたどっております。 したがいまして、この財源不足額を総体で把握をする場合には、その事態、事態に応じたいわゆる何と申しますか、推計、これも含めました手法で額が決まってまいります。地方財政計画の細かな内容をつくりますのは、やはり予算そのものが具体的に端数まで決まってまいりませんとつくり上げることができない。そういうことで、非常に形式的にごらんになれば、地方財政計画が後から出てきてつじつまを合わしておるとおっしゃるかもしれませんが、実態はいま申し上げたとおりでございます。
○志苫裕君 まあ率直に言って私はこれはわからぬから聞いているわけで、平均的な国民の感覚で僕は聞いているんだから、これほどわからぬ仕掛けはないということを、ばかをさらけ出すようだが表明をしておいて、いずれこの問題はまた取り上げていきたいと思います。 とにかく、不足額が出てきてしばらくたってから二十八兆八千三百六十五億円の収支の見積もりが出てきてわれわれの目に触れるわけでありますが、果たして正当であるかどうかというものの検証もしてみなければならぬわけでありますが、一つ、二つだけ、ちょっと五十二年の計画について検証してみますが、まずこの職員数ですね、地方公共団体の職員数。これはいつでも実際おる頭数と三十万人違うとか、四十万人違うとか。皆さんの方は、いやそんなことばないだろう、大体規模是正などやってそんなに開きがないはずだと言う。しかし、地方団体その他では、いや実際いる者よりも四十万人も少ないとか——五人とか十人というのなら別だけれども、三十万、四十万、ちゃんとしたいい人間が三十万人、四十万人合わないというのは、話としてはでか過ぎて非常に不思議に思うのでありますが、これちょっと聞かしてくださいな。皆さんが持っておる資料で一番最近の給与実態調査と、何かその種の調査で、実際には幾らいますか。この計画と見合う、公営企業とかそういうものを除きましたりしますが、見合う頭数は実際に幾らいるのですか。
○政府委員(首藤堯君) 五十一年の四月一日現在の地方公務員の全職数二百九十六万人おります。これに対しまして、地方財政計画上の人件費のところに掲上いたしました数字は二百三十万でございます。それから、給与費以外のところで掲上いたしております人員数、これが約二十一万人ございます。したがいまして、ただいまのところ、実際の人員数と地方財政計画に取り上げました人員数との間には約八万人、これだけの差がございます。これは従前かなり大きな差があったのでありますが、理論的に詰め得ますものにつきましては全部これを詰めました。去年までに二十数万人、二十七、八万だったと思いましたが、これを是正をいたした結果がこうなっておるわけでございます。 この八万人ほどの差についてはどう考えるかという問題があるわけでありますが、これは、先生御案内のように、地方財政計画はいわゆる標準的な財政規模をとります場合の地方団体の財政のあり方、財源過不足の状況、こういうことを計画をする仕掛けになっておりますので、非常にこの特殊の事情にありますものにつきましては、これは地方団体の財政の運営の実態、こういうものが別にあるわけでございまして、個々は財政計画には必ずしも全部取り込んでおりません。そういう観点から、この八万人ほどの差を見てみますと、たとえば義務教育の先生関係で、義務教育関係の国庫負担の対象外になっておりますような職員、これが二万人おりますとか、それから警察官の政令定数外の単独設置の職員がありますとか、そういったものがありますとともに、もう一つは、地方財政計画上、やはり国の定員削減の方向がございますので、地方財政計画もいままでそれに準じまして、たとえば清掃とか、そういったたぐいについては削減率を掛けておりませんが、一般率については定数合理化、こういう措置をとってきた分がございます。こういうものの差が約五万人ぐらいあるのではなかろうか、こう思われておるわけでありまして、その分だけが現在のところ差になっております。
○志苫裕君 いや、それはあなた、いま局長のお話で二百九十六万人いるというんでしょう、五十一年四月一日に。計画に組んだのは二百三十万人というんですから、この差があなたこれ六十六万人でしょう。六十六万人のうちから、これ以外によそに組んでいるのが二十一万人というのだから、あとそうすれば四十五万人合わないじゃないですか。
○政府委員(首藤堯君) これは大変失礼いたしました。全部で二百九十六万人ございますが、普通会計に所属をいたします職員は二百五十九万人でございます。この計画に盛り込むべき性格の者は二百五十九万人。そこを言い落としましたので御指摘のとおりでございます。
○志苫裕君 そうすると、二百五十九、約二百六十万人。二百六十万人から二百三十万、それは八万人という計算になりますね。ところが、これがいつでもこの数字が、一方ではやっぱり二十万人合わない、三十万人合わないと言うんですよね、皆さんの方では八万人、八万人と言うけれども。 で、ことしは、たとえば五十年は十三万八千人、五十一年に七万五千人の規模是正を行いましたよね。ことしは、さっきも八万人の説明がありましたが、この規模是正はどうして行わなかったのですか。いずれにしても、いろんな理由があるにせよ、自治体にあなた方の数字で言えば八万人の人がいるわけです。その分は、少なくとも決算をやってみれば、計画に比べてよけいな人が多かったということになるのかしりませんが、多い人間というのは不必要な、ぜいたくな邪魔者だという考えなんですか。これはいかがですか。
○政府委員(首藤堯君) ただいまも申し上げましたように、地方財政計画の立て方そのものが、いわゆる標準的な財政運営をやりました場合の相対的な地方財政における財源の過不足、こういうものを測定をするという趣旨に出ておりますので、非常に特殊の事情あるいは地方団体の独自の状況、こういうもので、実際に運営をされております財政運営のあり方とは若干その点で食い違う面がこれはあるわけでございます。たとえば歳入面におきましても、財政計画に見込みましたよりもうんと歳入は多うございます。地方債等におきましてもうんと歳入は多うございます。歳出面もそれに対応して多いということがあるわけでございます。そのような観点からいたしますと、これは公務員の人員数でありますが、毎年行われます調査によりますものを分析をいたしまして、これがいま申し上げましたようなルールに乗ってくるもの、これはもう完全に措置をしたいということで従前ともこの定数是正をやってきたわけであります。ことしは、あれを調べましたところ、ただいま申し上げました八万人については、先ほども申し上げましたように、義務教育関係の国庫負担対象外の職員であるとか、あるいは警察官の政令対象外の職員であるとか、あるいは定数合理化人員の差であるとか、こういったものでございますので、地方財政計画の修正をやる、こういうところにまでは至らなかったわけであります。しかし、この点は、人員はまた今後とも公務員関係の調査そのほかで毎年の実態は明らかになってまいりますので、その実態を毎年分析をしながら是正をすべきものについては是正をしていく、こういう考え方でおるわけであります。
○志苫裕君 その点では、あれですね、いわゆるこの規模是正というのは、何か従来五年に一遍ずつだったんですか、それにはこだわらないでやっぱり臨機応変に実態の方がはっきりすれば是正はするというふうに理解をしていいですか。
○政府委員(首藤堯君) それはそのとおりでございます。
○志苫裕君 いずれにしても、皆さんの八万人が私はいまにわかに正しいかどうかを検討する材料を持っていないのでありますから、これ以上議論はいたしませんが、ただ、自治体その他の言い分を聞きますと、二十万人もいるとか三十万人いるとかというと何だかずいぶん大きい開きになっておる、主張の食い違いがあることだけは指摘をしておきたいと思うわけです。 その次は、給与改定原資はどうなっていますか、ことしは。
○政府委員(首藤堯君) 給与改定原資は、人件費の中に含んでおりますものは、五%のアップを想定をいたしまして人件費の中に見込んでございます。また、交付税を算定をいたします際も、人件費の中に当該分を見込んで配分をする、こういうつもりでございます。 なお、このほかに、総体的な問題でございますが、今後の予想できない財政需要の増加、こういうものに充てますものとして三千五百億、別に予備費がとってございます。これは財政計画上見込んでございますし、また交付税の配分上もそれに対応します額を前もって配分したい、こういうように考えております。したがいまして、もし五%のアップを見込んでございます人件費の額がこれで足りないということであれば、そのうち残りの分をこの予備費の分、こういうものも活用をしながら対処をしていく、こういうつもりでございます。
○志苫裕君 五%分で四千九十三億ですか七億ですか、このほか予備費で三千五百億円ありますということのようでありますが、これらは包括的に大臣から伺っておけばいいのでありますが、地方公務員のいわゆる給与改定につきましては、いわゆる俗に言う春闘相場というのがおよそ出そろったようでありますから、いずれ地方公共団体の人事委員会等がしかるべき勧告を行い、自治体が決めていくことになると思うのですが、私は幾らになるかわかりませんから、財源が足りるのか足りないのかはいまにわかに即断できませんが、いずれにしても、給与改定原資については十分な保障は、保障措置は行うという御答弁をいただけますか。
○国務大臣(小川平二君) 国と同じ率の改定ができますように、原資についてはもとより十分の保障をいたします。
○志苫裕君 国と同じ率ですか。それは自治体ごとにやってみないと、減るものやらふえるものやらありますが、国と同様の措置というふうに考えてよろしいのですか、国と同様の措置。
○国務大臣(小川平二君) 国と同様の措置というふうに御理解いただきたいと思います。
○志苫裕君 私は、当面の地方財政対策について、最後にちょっと大臣の見解を伺っておきたいわけでありますが、ことしのこの地方財政計画の策定方針をいろいろと勉強さしてもらって、非常に特徴的なこと、強調されていることは、国と同一基調によること、景気の着実な回復に資すること、その資するための財源の重点的な配分を行うということが強調をされておるわけであります。私は、景気の着実な回復に資するために財源の重点的配分を行う、実はこの文言に大変こだわっているのです。文章にこだわって枝葉末節なのかしれませんが、景気の回復が目的であって、その景気回復に沿うように財源を支出をする、実はこういう論議の立て方というのは本末転倒じゃないのでしょうか。これはそういう文言になってますね。これは、たとえば3の(1)、「景気の着実な回復に資するため、住民生活充実の基盤となる社会資本の設備等投資的経費の充実を図る」、これは素直に日本語を読めば、景気の着実な回復が目的じゃありませんか。この考え方をちょっと聞かしてください。
○政府委員(首藤堯君) ただいまお読みいただきましたところの柱でございますが、その3のところに、「景気の着実な回復を図ることに配意しつつ、地域住民の福祉の充実、」云々云々、「住民生活の安全の確保等を図るため、」と、こういたしております。これがあれでございまして、もちろん地方行政でございますから、住民福祉、住民の安全、住みよい生活環境の整備、こういう具体的な施策を講じていくわけでありますが、国、地方を通じまして景気の回復ということが非常に大きな命題になっておりますので、その回復を図ることにも協力をする、配慮しながらやっていく、こういう考え方でございます。
○志苫裕君 私は、どうもこの価値観が逆立ちしておる、この辺から問題が出てくるんだと思うのでありますが、あと、少し抽象的になりますが、事実予算配分のいろんなパターンというのは、私は大まかに言って、いわゆる高度成長の山場だと言われた昭和四十八年の財源配分、財源ウエートですか、という配分比率に似ているような気がするわけです。それは、今日景気が悪くて、そのために地方財政がいろんな意味での圧迫を受けて苦しんでおるという状況でありますから、またぞろ景気がよくなってどんどん税金でも入ってきて、余りがたがた苦しまぬでもいいようにしたいというその発想はわからぬわけではありませんが、大臣、景気をよくするという物の考え方をちょっと私お伺いしたいんですよ、自治体行政の上で。 私言いましたように、素人流に考えますと、昔、ちょっと景気がよくて地方財政もわりあいに順当であった。その後石油ショック等でがたがたきて、入るべき税金も入らなくなってずいぶん苦しい目に遭っている、そこでまた景気をよくして、そんなに苦しまないでもいいようにしたいという発想だと、仮に仮定しましょう。しかし、もう一方では、もう昔のような景気を考えちゃいけませんよ、高度経済成長時代のようにやたらと油なんかめちゃくちゃに使って景気をよくするというようなことは考えてもいかぬし、できることでもありませんと、福田さんは口を酸っぱくして言うわけ。昔のような景気回復を考えちゃいけませんという柱が一方にあり、もう一方では景気回復をしたい、そのために投資の重点配分をしようと、こう言っているわけ。これを両立をさせるとすれば、同じ景気が上昇するにしても、昔とおんなじ形での上昇は考えちゃいかぬわけです。論理的に言えばどれかが減ってどれかがうまくいく、どれかが縮んでどれかがふくらむ、全体としてはいまより少しはよくなるというものでなければならぬはずですね、論理的に言いますとね。そこのところが整理がつかないままに、ただ漠然とした思惑のようなお金の使い方をして、公共投資をだんだん盛んにして、昔のように景気をよくして税収が入ってくるようにしようというパターン、考え方だけで地方行財政を運営してはならないものだというふうに考えるんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) 今日経済の成長を制約するさまざまの要因が出てきておる、これは申すまでもないことでございますから、かつてのような高度成長の時代が再現するということは期待すべきものではないと信じております。ただ、今日の地方財政の困難というものは、申すまでもなく長く続いた景気の沈滞の結果でございますから、この際景気の浮揚を図るということ、これは地方財政にとっても非常に大事な政策課題であると考えておるわけでございます。いずれにしましても、今後は毎年相当多額の自然増収を期待できるというような状況は出てこないわけでございまするから、そういう状況下における行財政のあり方いかんということについては、これは地方制度調査会等の御審議も煩わしまして私どもも考えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○志苫裕君 これは局長でもいいですが、私もう一度言いますが、景気をよくして税収が上がって財政が少しでも楽になるようにと、こういう式の発想だけで公共投資に財源配分の重点を移すのは、地方自治体がいやというほど経験を、ついこの間まで、いまもしておる。景気の上がり下がりに自治体が振り回されてひどい目に遭うという、これをまたぞろ何の反省もなく繰り返すことになりませんか。とすれば、ある程度、ただ公共投資に財源配分の重点を移せというだけでなくて、従来の反省から出てきたものが何かなければならぬでしょう。そういうものについて地方財政計画には配慮がありますか。
○政府委員(首藤堯君) 景気を刺激することによって税収入の増加を図って、それによって財政の困難性を脱却をしていくと、こういうだけの単純な発想ではもちろんございません。御指摘のように、これからの景気は、従前のように高度成長するということはほとんど見込み得ないわけでありますから、せめて安定成長という段階にまで持っていきたい、こういうことであろうと思います。ただいまの状況では非常に景気は沈滞をいたしておりますので、その意味でのてこ入れが国全部としては必要でないか、こういう考え方だったと第一に思います。 それから第二番目に、国の景気政策それから地方団体のとります景気政策、これにはおのずから大きな差異がある。こういうことも御指摘のとおりでございます。これは、国の場合はかなり思い切った措置を国全部、これは一本の財布でできますので措置がとれますが、地方行政の場合には景気のいい悪いにかかわらず、どうしても措置をしなければならぬ住民生活に密着をした行政がありますから、そういう分野においては、地方財政は全部挙げて景気対策にその施策を振り向けるということはもうきわめて困難である、私どもそう考えております。しかしながら、地方団体といえども国の施策に協力をいたしましてその地域地域で景気の下支えをやっていく、こういう分野はないわけではないわけでありまして、そういう点については十分協力をしていただきたい、このように考えておるわけであります。 それから第三番目に、ただいま御指摘のように、公共投資を増加をすることによって景気刺激をしていく、このやり方があるとしても、そのやり方、方法論、これが従前のとおりであってはまずいんではないか、まさしくそのとおりだと思います。私どもといたしましても、同じく公共投資を扱いますにいたしましても、やはり現在住民が最も要望いたしております社会資本、生活環境面が主体になると思いますが、そういうものをできるだけ増強していく、地方の単独事業を増強していく、こういうやり方をもってこれに対処をしていくべきだと考えております。したがいまして、今度の地方財政計画中でも、たとえば下水道、住宅、こういうたぐいの社会資本、これにかなりの伸び率が見られております。単独事業におきましても、同様、生活環境施設を中心に増強を図っていくといったような財源充当のやり方を考えておるわけでございます。
○志苫裕君 いまの局長の答弁、その前にありました大臣の答弁、私は一応素直に承っておきますが、非常に大事な点でありまして、これは後ほども申し上げますが、私の問題意識というのは、景気の上がり下がりに自治体が一喜一憂して振り回される、ここから何とか遮断をする方法がないか。最低限のこの自治体の屋台を運営をしていく財源構造は何かというようなことをむしろ考えてほしいわけでありまして、かつてやりましたように、何でもやたらと景気、景気と考えて税収の確保を考える、これではちっとも救いがないわけでありまして、逆に、そういう発想でありますから少し財政が詰まってくると単独事業が切られる、生活環境が切られるということですね。切られるやり玉にまずそっちの方が挙がっていくということを防ぐ意味でも、私はいまそういう問題意識でお伺いしたわけでありまして、これは今後ともなお論議を詰めていきたいと、かように考えるわけであります。 当面の地方財政対策の質問は以上にいたしまして、二番目に、通告しておきました、さしずめ表題をつければ自治行政におけるたてまえと本音といったものを少しお伺いをしておこうと、こう思うわけです。 私は、この委員会で初めての質問ですし、まだ勉強も不十分ですから、突拍子もないことをお伺いするかもしれませんが、平均的な国民の感覚で初歩的な質問をしますが、大臣、自治省というところは一体何をするところですか。
○国務大臣(小川平二君) これは申すまでもなく、民主主義の基盤でありまする地方自治というものが健やかに育っていくように必要な措置を講ずる、これが自治省の仕事であると存じます。この趣旨は、自治省設置法の三条に、「民主政治の基盤をなす地方自治」云々、「各種の制度の企画及び立案並びにその運営の指導に当る」と、これが自治省の基本的な任務であると心得ております。
○志苫裕君 もう一つちょっと理解を承っておくわけでありますが、地方財政が危機だ、危機だと、皆さんの方が言ったかどうかわかりませんが、一般的に言われているわけです。一体危機とは何ですかね。地方財政の危機とは何ぞや。危機の認識といいますか、これをちょっとお伺いしたい。
○国務大臣(小川平二君) 御承知のように、現在巨額の財源不足が毎年生じておるという状況でございます。かようなことでは地方行財政の運営に支障を来すということになりまするし、住民福祉の向上という観点からも非常に大きな問題が出てくるに違いない。そういう意味で、ただいま一つの大きなきわめてむずかしい状況に直面をしておる、こう理解をいたしておるわけでございます。
○志苫裕君 いま大臣からお答えいただきました自治省の目的といいますか、それから財政危機についての理解、認識というものをお伺いしました。で、これに沿って、私、起きておる幾つかの出来事がそのようになっているかいないかをこれから少し検証してみようと思うのでありますが、私は、大臣が最初にお答えになりました、自治省の設置法で言うところの自治省の目的、大臣は地方自治の健やかな発展という表現も使っておりましたが、いずれにしても、この憲法の要請に基づいて地方自治の本旨と民主政治の確立に資すというこの自治省設置法の目的からいきまして、果たしてそのとおりに機能しているだろうか、公務員としてそのとおりに振る舞っているだろうかということについて私はけげんに思うことが幾つかありますし、さらに財政危機の問題についても、財源不足が出ている、財源不足のために住民の福祉が思うように自治体が機能できない、これが危機だと。しかし大臣、自治体が財源不足に悩んで住民の要求に応じ切れないという状態はいま始まったのではないのじゃないでしょうか。戦後だけでもずっと自治体の歴史、足跡をたどってみれば、強い弱いの状態は別にしても、慢性的な飢餓状態だったと言うこともできるのじゃないでしょうか。ここ二、三年、景気が振れが大きいものですから、その影響の仕方や体の感じ方の度合いはすいぶん違いますけれども、仕組みそのもの、構造そのものとしてはやはり危機的な構造、一つどかっと景気が落ちると物すごいひどい目に遭うとか、ちょっと何かよくなるとちょっと息をつくとかということはあるにしても、構造的にはそう変化がないわけで、危機の温床というふうなものはすっとあったのではないでしょうか。大きいから危機と叫んで、小さいときには黙っているか、にこにこしておるということからは、いわゆる経済の変動に一喜一憂だけしておることからは、大臣お答えになった危機の克服策は生まれてこない。そういう経済の変動に一喜一憂をしなくてもいいような税財政構造を真剣に考える手を打つということが出てこなければ、これはあれじゃないでしょうか、危機に対応していることにならぬのじゃないですか。したがって、危機の理解、受けとめ方も違ってくるんじゃないでしょうか。この点はいかがですか。
○政府委員(首藤堯君) 地方財政が、戦後ただいまに至りますまで、いわゆるいま飢餓的状況というお言葉をお使いになりましたが、そういう財源不足感に悩まされてきておった、これはそのとおりであろうと思います。しかしながら、いずれにいたしましても、住民の行政に対します希望は非常に価値観の変動とともに多様化をし、複雑化をしてまいりますし、ますます増加をしてまいります。それにみんな対応できれば一番望ましいわけでありますが、これには財源が要ることでありますので、国、地方を通じました全般としての行政需要のあり方、それとこれにバランスをする国民負担のあり方、これをどの限界に持っていくのかということが国民的な大きな課題であろうと思います。それは歳出は多いほどいい、歳入は少ないほどいいというのでは結局つじつまが合わないわけでございまして、この間の事情がどうあろうかということであります。 全般的に申し上げますと、先生御案内のように、いま西欧諸外国と比べますと、わが国の国民の公的負担は著しく低うございます。租税負担も社会保険の負担もあわせまして考えてみました場合には、もう非常に率的にも著しく低うございますので、こういった額をもって行政を支えていくのにどういう工夫が要るのか。あるいは行政の増加を望むということであれば、収入面でどういうコンセンサスを得ていかなければならぬのか、こういう大きな問題があろうかと思います。 それから第二番目に、国と地方を通じました財源はただいま申し上げたとおりでございますが、国、地方との財源の分配のあり方でございます。この点につきましては、先ほど先生御指摘ございましたように、昭和三十年ごろまでないしはそれ以降しばらく、非常に大きな地方制度改正がございまして、地方の財政需要が増加をいたしましたが、これに対する財源配分がきわめて貧しかったということが、昭和三十年代前半の地方財政危機の最大の原因をなしておったと思うわけでございまして、このときは国と地方との財源配分の比率は、税及び交付税を入れまして地方財政が著しく少なくなっております。 これに対しまして、私どもはやはり制度的な改正が必要だということで、先生御案内でございましょうが、その後いろんな税もつくりましたし、交付税率も引き上げてまいりました。ただいまの国と地方との税源の配分は、税、交付税を入れますと地方が五二、国が四八、こういうことになりまして、幾らか地方の方が多くなってきておる、ここの事態までようやく立ち至っておるわけでございます。この点について、なお地方行政の占めるウエートは高うございますから、もっと財源の増強を図っていくべきだと、こういう考え方については私も全く同感だと思っておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げたように、これから安定成長下に入ります日本の経済社会下において、一定の国、地方を通じた公的な財源、これのあり方を想定をいたしました場合の行政のあり方、このバランスをどう持っていくかということをやはり今後は真剣に考えていかなければならぬ事態ではないか、このように考えておるわけでございます。
○志苫裕君 大臣答弁しましたように、現実確かに財源が不足しておる状態が続いて、その限りにおいては大変だと、危機だという意味はわからないわけではありませんが、私はそのような危機の構造というのはいまの地方財政そのものに根深く存在をしておる。景気の上がり下がりで危機が来たり、来なかったりするのではない。いまの財政の仕組み、地方財政の仕組みそのものに危機の本体があるのです。にもかかわらず、自治省は設置目的で言うような地方自治のいわば健やかな発展といいますか、大臣の言葉で言えば。地方自治の本旨と民主政治の確立に資すように機能していないじゃないか、怠けているじゃないかということを私は指摘をしたいわけでありまして、私がむしろ危機だと思うのは、そういう問題に有効な対処をしないで、逆に地方財政がなくて非常に困っておることを逆手にとって、集権的な中央集中体制というものを強化をしていくことの方がよっぽど危機だと、財政を含めて、地方自治そのものの危機だと。今日財政が非常に厳しいということから出発をして、事態は、私が憂えているような本物の危機の方に進行するのではないかという心配を非常に私は持っているわけです。そういう私の問題意識をまず提起をしておきまして、私は三つの事例を挙げてこのことを指摘をしたい。 一つは通達行政と言われるもの、二つ目にいわゆる天下りと言われる人事を通じての統制、三つ目に、少し小さいですが、人事委員会という地方公務員労働者にとってはスト権の代償機能——そればかりじゃありませんけれども、この人事委員会と言われる特殊な機関に対する自治省の指導、干渉と言いますか、この三つを例にとって、私が先ほど申し上げた問題意識を具体的にしてみたいと思うのです。 通達行政を私が問題にしますのは、特に最近、ここ四十九年の後半から財政はおかしくなってきまして、五十年、五十一年、今日ずっと非常に厳しいわけでありますが、いわゆる財政危機がなぜこういう状態で押し寄せたのだろうかという議論が四十九年末期から始まるわけでありますが、その当時、たとえばばらまき福祉論であるとか、人件費性悪説だとか、さまざまな論議が、主として政治的な効果をねらった宣伝戦としてまず登場をいたしました。これは自治省は関係なくて、社会党とか自民党あたりがやっておったのかもしれません。しかし、この政治的な宣伝戦を皆さんは行政手段を通じての通達という中にちゃんと取り込んで、非常に中央統制を図るというまことにけしからぬ挙に出たわけでありまして、いわゆる財政通達、次官通達と俗に言われておるものにそういう効用を皆さんが持たせてきておるということは私は非常に残念だと思っているわけですが、いわゆる財政通達、次官通達と言われるものの効力を持つ法的根拠は何ですか。
○政府委員(首藤堯君) 毎年度の地方財政運営に関します次官通達でございますが、これは当該年度の地方財政に関係のある国の制度の改正等につきまして、当然これは地方団体に通知をしなければなりません。それからさらに、毎年度の地方財政の運営に当たって特に留意をすべき基本的事項、こういうことについても通知をしなければなりません。そういうものを示したものでございまして、法的根拠は地方自治法の二百四十五条、こういう「適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる」といったような規定もございますが、そういった趣旨も背景に置きながら、いま申し上げたように、諸般の制度改正をお知らせをする、毎年度の留意すべき基本的事項をお知らせをする、こういう挙に出ておるものであります。
○志苫裕君 通達の法的根拠は、自治法二百四十五条、組織、運営の合理化のための技術的助言と勧告。で、この通達は助言ですか、勧告ですか。
○政府委員(首藤堯君) 先ほど申し上げましたように、通達の趣旨は、制度改正等について知らせる、それから基本的な留意事項を知らせると、こういうことでございますので、勧告というものには当たらない、こう思います。
○志苫裕君 そうすると、助言ということになりますね。 もう一つ聞いておきますが、そうすると、勧告を抜きますから、組織運営の合理化のための技術的助言とはどういう意味ですか。
○政府委員(山本悟君) 技術的助言という文言と単なる助言とはどう違うとか、いろいろ御議論があるところでございますが、まあいずれにいたしましても、現在の地方自治法は、御案内のとおり、戦前の行政関係におきますようないわゆる高権的監督といったようなものをとっていないわけでございまして、権力的でない意味での助言といいますか、という関与であることは間違いなかろうと存じます。そのうちで技術的というようなものは、結局のところ、ある一定の目的を達成いたしますために必要といたしますところの各種の手段、方法といったようなものを助言をし、あるいは連絡をすると、こういったようなのがこの技術的助言というような言葉の中に入ってきているものだと存じております。
○志苫裕君 私は法的根拠と、それからいままでの質問の中で、これは自治法二百四十五条に基づくどちらかと言うと助言であって、その技術的な助言というのは、いま言いますところの権力的でない、非権力的関与の態様であるという御返事でありました。まあ財政局長が言われましたように、制度改正を知らせるとか、あるいは留意事項を知らせるとかといういわゆる技術的な助言である。通達の性格がはっきりいたしました。 それにしては私は、いま手元にありますのは、ことしのやつは出ませんから、去年のやつをちょっと手元に持っておるのですが、去年の通知、これを読んでみますと、どうもいま両局長がお答えになった性格とはちょっと違うんですね。大分技術的な範囲を超えているようであるし、お知らせどころじゃない、命令みたいな内容もありますので、少しこの中をお伺いをいたしますと、私が指摘する項目全部答えなくてもよろしいのでありますが、たとえば財政健全化のための計画を策定をして、当該計画に基づいて財政構造の健全化を図る場合には、五十年度と同じように地方債を弾力的に運営してあげますよ、たとえばこういう表現の仕方。図らぬ場合には面倒見ませんよということですね、逆に言えば。たとえばそういう条項。あるいはまた歳入のところあたりで、地方税のあたりに、「課税免除、不均一課税、減免等の措置については、法の趣旨に即して厳正な運用を図り、他の地方団体の財政に及ぼす影響等にも慎重な配慮を加え、濫に流れる」な。言うなら、人様のはた迷惑なことをするなということで、自主課税権というものに対してはやっぱりこれは言及しておる内容になっておる。あるいは地方債のところも、あれこれ注文がついて地方債論議がありますが、地方債の制限の条項。あるいは使用料、手数料などのくだりでは、ことしは上げると、上げるように見込んであるからそっちも上げろというふうに、これはお知らせどころの話ではない。あるいはまた、社会福祉と公共投資、極端に言えばお金の使い方を指図をしてある。どの事業にどういうウエートをかけるかというのは、自治体のむしろ裁量の問題であって、ここに自治体のよさが出てくるわけであります。外側から見れば、何とあんな仕事にお金をかけて、というふうに見ても、それは自治体にとっては非常に大事な仕事であるのかもしれぬわけでありまして、それを平均的に、どういう仕事がいい仕事で、どういう仕事は無駄な仕事で、どういう仕事はだめな仕事だというふうに自治省が言う筋合いのものじゃない。あるいはまた、地方公営企業のくだりに至っては、この財政通達が議会にまで助言をしておる。長と議会が一体となって次のことをやれと、議会にも講釈をしておるというふうな表現がある。 そして何よりもこの歳出の給与関係費のくだりになりますと、私はこれを読んでおって、自治省が何か労使関係の直接の当事者の一方になったのかなという錯覚をするような文言の使い方です。団体交渉の相手が前にいて、それとやり合っているようなですね。まあ自治省というのは、もう少し技術的な指導助言をするんで、自治体における労使のトラブルよりは一歩まあ高いと言っちゃ悪いが、一歩離れたところにいて適切な助言をするというのは結構でありますが、何か人のけんかの中へ入っていって、はしたない振る舞いをしているような、何かそういう文言のように受けとれる。 こういうことをざっと指摘を私はいたしましたが、どうもこの財政通達と言われる依命通牒、この次官通達は、私がいま幾つか指摘したような点で、冒頭に皆さんに確認を申し上げました通達の性格の範囲を超えてはいないかという気がするのですが、少したくさんのことを触れましたが、いかがですか。
○政府委員(首藤堯君) 先ほども申し上げましたように、この通達の趣旨は、地方財政に関係のある国の制度の改正等について知らせる、それから毎年度地方財政運営に当たって留意をすべき基本的な事項、大きな事項、こういうことについて知らせると、こういう趣旨に出ておりますので、毎年の地方財政計画等を策定をいたしましたときの重点事項になりましたものであるとか、あるいは全般的な財政状況から、こういう点を考慮をしなけりゃならぬとか、そういう点について触れて通知を差し上げておるわけであります。したがいまして、最初に申し上げたいことは、これは何も地方団体に対しましてこの書いてあることを強制をするといいますか、個別の団体について、そういう意図に出ているものではもちろんありません。こういうところが大事なところですよと、こういうことをお知らせをしておるわけであります。 ただいまいろいろ御指摘がございましたが、地方税の賦課徴収の問題、これももちろん課税自主権は尊重すべきは当然でありますが、たとえば他団体に類を及ぼすというようなことがあれば、やっぱりこれは地方財政全部としては困りますし、給与関連経費は非常に大きなウエート、分野を占めておるものでありますし、使用料、手数料、受益者負担、こういったものもいずれも地方財政に大きな影響を持つ問題でありまして、当該年度の地方財政計画に平均的な措置としてどの程度までの歳入を見込み、どの程度までの歳出を見込んで組み立てられておる、こういうことを知っていただかないとやはり運営上非常に問題が出てくると、こういうことではなかろうかと思うわけであります。したがいまして、そういう意味で地方財政運営の基本的事項にそれぞれ触れて御通知を申し上げておる。何度も申し上げますが、このことが地方団体個別に、個々に対して、こういう具体的なこのことをやりなさいと、あるいはやっちゃいけませんと、こういう具体的な指示をしておるわけではないのであります。
○志苫裕君 包括的に答弁がありましたが、私は一つ一つを確かめてはちょっと時間がありませんし、私がいま指摘をした幾つかの項目を私は例示をして拾い上げたわけでありますが、それは、いま局長がお答えになるように、制度改正を知らせるとか留意事項を知らせるというような範囲を超えているような気がするし、また、非権力的な関与の態様だというにしては私は権力的な響きを受け取る側が持つ、そういう内容であるということをこの際包括的には指摘をして、財政通達はもちろん出なけりゃならないのでしょうから、これはそれをやめろとかなんとかということはやりませんが、十分ひとつ御留意を願いたい。 とりわけて私問題にいたしますのは、歳出の給与の問題について少し中心的にお伺いをしようと思うのです。これは皆さんにすればあたりまえのことを書いておるんだということでしょう。これはまずいですよとか、これは適当でないですよということかもしれませんが、この技術的な助言というので、これは長野士郎さんの逐条解説を読んでみますと、技術的な助言というのはこういうことがありますね。「技術的とは主観的な判断又は意思等を含まない意である」。私は先ほど表現として、この項を読んでいると自治省が労使の一方の衝に立っているのではないかという錯覚に陥るという表現を使いましたが、これはあれでしょうか、私のそういう受けとめ方、これはもう明らかに主観的な意図、判断または意思等をずばりここに表現をしておるんじゃないですか。技術的な助言の範囲を超えているのじゃないでしょうか。この点いかがですか。
○政府委員(山本悟君) まあ財政運営通達の中の給与の関係の部分につきましてのお話でございますが、御案内のとおり、技術的助言というのには当然、先ほどもお答え申し上げましたように、権力的なものではない、非権力的な関与を認めた趣旨によりまして、地方自治法ないし地方公務員法につきましてそれぞれ技術的助言とか協力なりというような言葉が入っているわけであろうと思います。そういう意味から申して、しかも技術的と特につけられている、ついているというような趣旨からいたしまして、もちろんそれが自治省の恣意にわたるというようなものであってはならぬことは当然のことであろうと思います。ただ、いずれにいたしましても自治省の与えられた任務といたしましては、地方自治法ないし地方公務員法によりまして、給与の関係で言えば、地方公務員法に基づくところの適正なる法律の運営というものが図られるということが何と申しましても一番の基礎になることであるわけでございます。さような意味から申し上げまして、現実の給与につきましてのいろいろ行われておりますこと、そういうものが一体地方公務員法に定めておりますところの地方公務員の適正なる給与のあり方なのかということにつきましての考え方というものは当然出てまいります。それにつきましての考え方というものにつきましての御説明もすることもございましょうし、そういうような意味での法律はこういう——その法律の中におきますところのそれぞれの団体の給与行政というものの適正な運営というものが図られなければならないわけでございまして、そのための必要なる助言というようなものはやることが自治省としての任務であるということでございまして、先ほど来おっしゃいましたように、両当事者、個々の団体におきますところの労使という両当事者の中の一方に立って物を申すというようなことを考えているわけでは自治省としてはないわけでございます。
○志苫裕君 去年の文章でいきますと、「地方団体のうちには、昭和五〇年度の給与改定に際し、給与適正化のための努力を払った団体があるが、引き続き、昭和五一年度においても各地方団体は、次の諸点に留意の上、給与水準等の適正化に一層の努力を払われたいこと」、以下、国の給与水準との均衡を回復するように努めろとか、何々は完全に廃止をせよ、何々は違法支出のおそれが強いから支給は廃止せよと、こういうのは、私は包括的に適正化に努力をされたいと、これは通達の範囲を逸脱しているとは考えませんけれども、あれするな、これするなというところになりますと、特に給与関係で言えば、地公法の五十九条、自治省の協力及び技術的助言というのが根拠になると思うのですね。通達全体はもちろん自治法のあれですけれどもですね。これは私は、今枝信雄さんという人の「逐条地方公務員法」というのを読んでみますと、ここでも、「技術的という以上、主観的な判断または意思を含まない客観的な内容のものであることを意味しているのである。なお、本条においては行政官庁である「自治大臣」と規定せず、単に「自治省」と規定しているのは、本条に規定する職責が訓令権、監視権、取消権を含む行政官庁の監督権ではなく、国と地方公共団体との間の協力関係を内容とするものであるからである」、特にこれはそういう解説があります。とすれば、ますます、あれするな、これするな式の文言あるいはそういう拘束を受け取る方が受けるような表現というふうなものには、これは自治省も十分に配慮をすべきものである、注意をすべきものである。どう考えてみても、私は、この自治法の考え方、精神や、地公法の考え方、精神から少しこの通達ははみ出している。 そこで私は思い出すのでありますが、二十六日のこの委員会におきまして、この通達をめぐって小山委員が質問をしましたときに、行政局長は、いや、あの通達というのは前からもあったので、そんなに言っていることを変えたのじゃありません、ただ、ここ数年の財政の緊迫化とかそういうふうな環境の変化というものが、たとえば同じ文言でも強く当たったのかもしれない、言っていることは昔も今も変わらないんだと、こういう答弁をされていましたね。で、私もそうかなと思いまして、古くからこの通達は出ているわけでありますから、ちょっと参考のために古くからの通達を私読んでみました。いま手元にはひょっとこう抜き書きしたものがありますから、昭和三十七年の通達、昭和四十五年の通達、それから昭和四十八年の通達、九年、五十年、五十一年とこう読んでみました。局長、同じことを言っています候じゃない。まあずいぶん違うことを言っているわけです。先ほど財政局長がお答えになりましたように、なるほど昭和の三十年代の後半ごろまでは、こういう点が変わりましたから御留意願います、こういう点はひとつ注意していきましょうよというお知らせですね。相互の協力とか、そういう範囲にこの文言もとどまっていると思うのであります、通達の性格が。ところが、四十年代へ入りますと、少しおまえの方は月給が高いぞというのが四十年の半ばごろから出てまいります。そして、五十年度へ入ると、もうけしからぬぞというわけで抑え込んでしまうというニュアンスに、こう響いていくわけですよね。私はこの通達全部読みまして、これは言いたいことをこれだけの通達に全部書けるものじゃないでしょう。でありますから、時々に強調したいことにスペースを割く、大事なことだけれども、何もことし強調せぬでもいいというようなことにはわりあいにスペースが薄い。これは当然そういう性格を持つと思うんですよ。でなければ、こんなに厚い通達を書かなきゃいかぬですからね。で、いいんですが、強調をする意味はわかりますけれども、それにしても、この給与に関する項は強調の度合いがきつ過ぎるという感覚を持つんですよ、私は。その点やっぱりことしあたりは改善されたらいかがですか。
○政府委員(山本悟君) 確かに私、先般そういう御答弁を申し上げましたし、まあ財政運営通達といたしましては、ただいま先生御指摘のとおりに、その時々の非常に問題になります事項に重点が移る。地方公務員の給与の問題といいますものも、やはり四十年前後からいろいろと芽が出てきたというようなところからいたしまして、ただいま御指摘のよううなことになってきていると思うわけでございまだ。ただ、地方公務員の給与制度そのものにつきましての考え方というのは、実を申し上げますと一つも基本的には変わっていないわけでございまして、公務員法に定めますところの給与の諸原則というものはあるわけでございまして、その諸原則に照らしておかしくないことをやっていただきたいということは、これは公務員法をおあずかりしているものといたしまして当然の責務であると存じております。まあ、そのおかしくない状況というのが崩れてきたときにやはり問題が起こってくる、これはやむを得ないところであろうと思います。 そういう意味で、確かに財政運営通達の文言といたしましては、御指摘のとおりと存じますけれども、給与の方をあずかっております公務員制度の方としての考え方から申せば、最初から一つも変わっていないということを申し上げざるを得ないわけであったわけであります。そういうようなことでございますが、財政運営通達といたしまして、どういうかっこうにするかは、本年度のはこれからのことでございますと存じておりますので、よくよく内部でも検討さしていただきたいと思います。
○志苫裕君 本年度の通達——過去の通達を云々しても始まらぬわけでありまして、私は若干時間をかけて、どうも皆さんの通達が少し出過ぎているのではないか、物事を強調する余りに、少し言わなくていいことまで言っているのじゃないのかという私の感覚をそのまま表現をしているわけです。これも二十六日の小山委員と皆さんとのやりとりの際にも、大臣からも、お説の趣旨はよく理解をいたしていきますという話もありましたから、それでよろしいようなものでありますが、しかし私は、たとえば、これは五十年からあったんですか、自治体であの当時に、たとえば労使が給与を決める、ところが、住民の直接請求とか、あるいは議会の審議の中で労使の話がついたことがひっくり返ったり、そのことがまた発端になってちょっと混乱をしたりするような出来事がありましたね、一時期。で、円満に物が決まりつくという意味では望ましいことじゃないのでありますが、皆さんはそこに目をつけて、逆にそこに目をつけて、政令の一部まで改正をして、この通達で言うところの歳出、給与費の四項で言っているような、「給与関連議案について議会の十分な審議が行われることにより、住民の認識を得る目的をもって」、給与説明書の様式が変わりましたから御注意願いますと。まあ住民に絶えず認識を持ってもらって、十分な審議が行われるということを私は否定しません。そのようなものがいいのであれば、ほかにもっともっと住民から知ってもらわなきゃならない、手続を定めなきゃならぬ問題も幾つかあるでしょう。しかし、皆さんは、ある一つの意思をもって、これは明らかにある一つの意思をもって政令を変えて、政令が変わればそれは通達にお知らせとして載せなきゃならぬから、通達に載ったことを私は否定しません。しかし、そうまでして、いわばこの賃金問題を強調をした時代があった。これは事実でありますから、私はいまここでいい、悪いは触れませんけれども、そのことが、実は起こらなくてもいい地方行政の運営の混乱やあるいは労使間の円満な関係というふうなものにずいぶん支障を来したという事例もないわけじゃないわけですよ。私は、それらのことをいろいろと考えてみて、私の言っている意味はもうおわかりだと思うのでありますが、ことしの通達はトーンの上でもやっぱり十分な配慮が加えられるべきであると考えるのですが、主張するんですが、これはもう少し皆さんの方で具体的な答弁ができませんか。
○政府委員(首藤堯君) 通達の趣旨は、先ほど申し上げましたようなことでございますので、地方財政に重大な影響を持ちます各項目、これにつきましては、やはり通達の内容としては触れていかざるを得ないと思っております。その意味では、給与関係経費、歳出中の大変大きな割合を占めておるものでございますので、やはりどうしてもこの適正化、合理化、これを図っていってほしいというようなことは触れていくつもりでございます。 まあいろいろ御指摘がございましたし、また事態もいろいろ変遷をしてまいっておりますから、五十一年度に書きました通達のそのままのかっこうでともかく通達せざるを得ないと、こういったような考え方は持っておりません。事態の変遷等に応じて適正な、適当な通達、こういうことをこれから検討してまいりたいと思うわけであります。
○志苫裕君 事態の変遷に応じて適当な通達にしたいという表現でありますから、私はもうこれ以上はあれでありますが、いずれにしても私は、まず大前提としては、この通達全体の表現の仕方やそういうものにやっぱり慎集な検討が加えられるべきである。かりそめにも受け取る方がそこから権力的なにおいをかぎ取ることがないように、これはやっぱり慎重に——自治省本来の目的がそれなんですから——ということを要望をし、さらに給与関係については、いま局長からも答弁がありましたが、まさに事態の変遷に応じて、ひとつ、そうとげとげしないような取り扱いを要望したいわけでありますが、これ、包括的に大臣からひとつ。
○国務大臣(小川平二君) 通達を出します趣旨については、先ほど財政局長からお耳に入れたとおりでございます。従来の通達がこの趣旨を逸脱するものであるとは私ども考えておらないわけでございます。また給与の問題につきましては、これは法律の定める諸原則に従って適正に決定さるべきことを求めるということは、これは自治省の主観とか恣意ということではない。むしろそういうものを入れる余地のない問題だと存じておりまするから、今後もそういう要望はいたすわけでございます。 しかし、いろいろこの問題につきましては過般来御注意もいただいておりまするので、表現等には十分留意をいたしまして、不必要に刺激的な文言というようなもの、さようなものはないと考えておりますが、ありますれば十分注意をいたします。また、思わざる誤解を生むような表現にわたりませんように十分注意をするつもりでございます。
○志苫裕君 再度申し上げておきますが、たとえば三十七年の通達には、——行政局長、あなた昔もいまも同じと言うけれども、三十七年の通達にはないですよ。頭数はこれこれこれこれの勘定をしましたというようなことは載っていますよ。しかし、いま私が少し時間をかけてやりとりをしたくだりについてはありません。次いで四十五年、四十五年にくると包括的に触れてます。先ほど行政局長が言葉のまくらで言いましたね、適正な運営にしてくれとか、そういうものは包括的に述べています。述べていますが、はしの上げおろしまで事細かにつべこべ言うような文言にはなっていません。このトーンというのは、四十七年に給与の適正化通達が出まして、四十八年にはその適正化の通達に基づいてやりなさいよというふうなことで、通達そのものには(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)なんていうようなことは別に載っていません。それ以降になりますと、(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)がついて細かくなるわけでありますが、私は歴史的に見ると必ずしも同じ表現の仕方をしているのではないということを念のために指摘をしているわけですね。ですので、余り刺激的な無用の混乱が生ずるような、権力的なにおいをかぎ取るような文言のないように重ねてこの点は要望をいたしておきます。 その次は、人事委員会への関与ですが、これは私は多くはもう申し上げません。自治体一般に対して技術的な助言を行うということは結構ですが、同時に同じことをたとえば労働条件の問題等について言う場合、自治体の当局者に言うのさえも私はいろいろといま注文をつけたわけですが、ましてや人事委員会に言う場合にはもっと慎重にしなければいけない。労使が話をして決めるという一つの交渉の仕掛けはありますけれども、しかし、地方公務員の場合には人事委員会が法に基づいていろんな諸条件を勘案して勧告をする。たてまえから言えばそれを条例に決めてもらって職員の賃金が決まる。でありますが、この人事委員会には余り労も使も、極端なことを言えば余りつべこべつべこべ言うべきじゃないというたてまえがあってもいいわけですね。その考えから言っても、私は、人事委員会の局長を集めて、この四月十五日の自治日報という新聞によると、きょうは来てないのかな、この石見というんですかな、石見公務員部長それから石山給与課長の二人が集めて何か訓示をしているんですね。特にこの石山給与課長の言っておるのが、これが事実とすれば、これは極端に言えば、去年は高かったからことしは安くせよというふうな、これはずいぶん高いところもあるぞと——よけいなお世話ですよ、こういうことは。こういうことまで言っていることが報じられているじゃありませんか。これは私はもってのほかだと思うんですよ。期せずしてこれ一方は石見で、一方は石山で、どっちも石がつく。相当これは石頭なんだ。人事委員会への技術的な助言は地方公共団体の当局に対するよりもより慎重に振る舞うべきだ、この点はよろしいですか。
○政府委員(山本悟君) 人事委員会というのが、地方公共団体におきます専門的な人事機関といたしまして地方団体の議会とかあるいは長から独立性が保障されておる、御指摘のとおりでございます。ただ、人事委員会といえどもその権限の行使というのは、当然のことながら地方公務員法、法律の範囲内にといいますか、法律のもとにおいて行われるべきであるということもこれまた当然のことでございます。そういうような意味合いからいたしますと、地方公務員法が予定をいたしておりますところの給与決定の原則というようなものにつきまして、いろいろと人事委員会につきましても、国と地方公共団体の一般の関係という範囲内におきまして、自治省としていろいろと助言をするというようなことは、これはまた許さるべきものだし、当然のまた自治省としての責務の一つと、これはそう思うわけでございます。 先般、人事委員会の事務局長会議を招集いたしたわけでございます。ここにおきましては、五十一年度におきますところの国の給与に関する報告あるいは勧告、あるいは各団体の給与に関する報告、勧告といったような、すでに公表されました事実に基づきましてのいろいろな情勢の報告、伝達というようなことを中心にいたしまして、その他意見の交換をいたしたわけでございまして、確かにおっしゃいまするように、理事者側といいますか、当局側というようなものに対しますものよりも、人事委員会の性格というものを配慮して、私どもといたしましては十分なる注意をしつつあるというようにも思っているわけでございますが、ただいま非常におしかりをいただいたわけでございますけれども、やはり人事委員会といえども法律、公務員法に基づく給与決定の原則というものに沿ってやっていただきたいと、こういうことを申し上げることは私どもの責務でございます。同時に、それをそう実現をいたしますように促しますためには、過去のことはこういうかっこうになっておりますがそれはいかがでしょうかというようなことにつきましての議論をいたすことも、これまた一つの職務であるというようにも思っておるわけでございまして、決して権力的と、ことに人事委員会に対しまして、自治省といたしましても何ら権力的に関与する余地のない、法制的にも余地のない、たとえば取り消し権があるわけでもございませんし、監督権があるわけでもございませんし、全くそういった権力的関与をする余地は初めから法律上も自治省にはないわけでございまして、そういうことは十分踏まえた上でお話し合いをしているということでございまして、それ以上に及ぶような気持ちは持っていないところでございます。
○志苫裕君 いかがでしょうかというようなことを皆さんは言うんでしょうが、受け取る方がなかなかいかがでしょうかじゃないんですね。これはまた人事委員会の問題につきましては、いま局長の答弁もありましたし、答弁どおりに行われていれば問題がないわけでありますが、現実はそうじゃないという意味で、これも今後はひとつ注目をしていきたいと思います。 時間がなくなりましたので、私は天下り人事を少し念入りにやろうと思って資料を用意したのですが、時間がありませんから、ただ包括的にちょっとだけ申し上げておこうと思うのでありますが、皆さんからいただいた資料によりますと、都道府県に在職する者で課長以上の者の数が四月一日現在百七十九名であります。そうしますと、課長でない人を含めると大体二百名前後というふうに見るのであります。いままで実はこのいわゆる天下り人事問題というのはもうしばしば論議の対象になされておるのでありますが、一向に改善をされてない。毫も向上の精神なしという言葉がありましたが、実際事実もう数がふえるんですから。皆さんは、いや自治体が欲しいと言うんですとか、いやなら引き取ってもいいですと言ったって、あなた、二百名の数を自治省が引き取れるわけはないんだから、ほどほどに出ていってもらわなければしゃばは動かないようになってるんですからね。それはあなた、戻るわけはないのであります。 私はきょう指摘をしたいのは、いずれにしてもいままでの論議のやりとりから、皆さんがやっておる仕掛けというのは、上級職甲の職員を採用をして三カ月どこかその辺で研修をさせますと、自治省をやめさせてどこかの県の職員になって行く、これが二、三年するとまたどこだか自治省だかその辺へ戻ってきて、五年たつと県の課長になる。これはそういうルールが敷かれているようです。 そこで聞くのですが、私いま焦点をしぼりますのは、五年たって地方の課長になって行く、この話であります。五年たったら地方の課長になって行く者の任用、給与の格づけは一体どうなっておりますか。そしてこれは、私が先ほど少し口を酸っぱくして議論をしました、自治省がいわゆる技術的な助言を行っておる望ましい地方の人事、給与の制度から言って妥当ですか。これだけお答えください。
○政府委員(近藤隆之君) 必ずしも五年たって一律に出るというわけではございませんけれども、早い者で、本年度も五年たちまして県へ赴任した者がございます。また、すべて課長クラスということでもないようでございますが、いずれにいたしましても、地方団体からの要請に基づきまして私ども適当な方をあっせんしているわけで、その人がどういった給与に格づけされるかということは、それぞれの県の条例、規則、また人事委員会の承認、そういったような手続を経て正規に行われておるわけでございまして、結果を見ましても格づけはばらばらでございます。
○志苫裕君 そういう答弁をすると、私も実は時間がないから下がらなきゃならんが、これは率直に言って後へ下がれない。必ずしも課長格づけでない、必ずしも全部が五年たったら田舎へ行ってはいないと。例外はあるでしょう。しかし、原則としてはそうなっているんです。そうしたらやっぱり答弁は、大方そうなっていますと、これが答弁ですよ、あなた。例外を強調して本則を言わぬ話がありますか。そして、時間がありませんから私はこれはこの次の機会にやりますが、いま指摘をしておきますから、この次私がここでお尋ねするまでにきちっとしておいてください。 私は、適法にというか、適確な措置で任用や給与の格づけがされていない。ある県によっては人事委員会は承認をしていない、こういう事実もあるし、それから、言うなら二段飛び、三段飛びですね。月給の話をすれば、自治省におりますと十一万四千円の人が、新潟県でもいいでしょう、私新潟だから。新潟県の課長になって行きますと十六万七百円になるんですね。自治省におっても十年前後の日数がかかるのにわずか五年で行ける。適当じゃありませんよ、これは。適当じゃないですよ。ですから、そういう実態の把握と是正措置を講ずるように私ここでは要望をしておきますので、私がしかし実態があると言ったのに皆さんが調べたらないというんじゃ、私ずいぶん失礼なことを言ったことになりますので、この次の質問のときまでに、いまの予告をしておきますので、皆さんの方でも十分ひとつ把握をして、答えられますようにしておいてください。これはよろしいですね。
○政府委員(近藤隆之君) 給与の実態につきましてはある程度調べておりますけれども、人事委員会の承認が出なかったという事例については私現時点で承知いたしておりませんので、その点については調査をいたしておりませんです。
○志苫裕君 終わります。
○委員長(高橋邦雄君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時五十分まで休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 —————・————— 午後一時五十四分開会
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再会いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
○井上吉夫君 最初は少し細かいところからお伺いをしたいと思うのです。 今回の地方交付税法の一部を改正する法律案の要綱で、児童福祉あるいは老人福祉対策等社会福祉施策の充実、あるいは第二で、教職員定数の増加なり教員給与の改善等教育水準の向上に要する経費の増額を図るなど、八項目にわたって要綱の大要が説明をされておりますが、それが具体的に基準財政需要額の単位費用のとり方等においてどういうとらえ方を、どういう改正をしておられるか、具体的にひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) ただいまお話しになりました、要綱で述べています社会福祉水準の向上に要する経費の充実という内容につきましては、社会福祉関係経費のそれぞれの単位費用の内容を充実強化するということを行っておるわけであります。 社会福祉について申しますと、予定といたしましては、五十二年度において財政需要額に換算して四千二百八十四億円程度の算入を予定しております。この額は、前年度に比べますと一三%の伸びになります。それから教育費につきましては、教育水準の向上を図るために、小中学校費等について、それぞれ単位費用の内容の充実あるいは事業費補正による算入額の増額等を予定しております。これによりまして、五十二年度の小中学校関係の基準財政需要額は二兆二千六百六十四億円程度を予定しております。この額は、前年度対比では一一・六%の増になります。このほか、各種の公共施設の整備のための投資的経費の増額等を予定しておりまして、これは率で申しますと一八%程度の増を予定しております。それから過疎対策では、全体で二三%以上の増を予定しております。また救急医療では、関係経費の充実により基準財政需要額を一七%それぞれ増額すると、このようなことを予定しております。これらが、要綱に述べております事柄の具体的な内容であります。
○井上吉夫君 いま石原審議官から説明があった数字は、都道府県分と市町村分を全部合算した数字ですか。
○政府委員(石原信雄君) 全体を通じてでございます。
○井上吉夫君 きょうは時間がありませんので、毎年の数字の変化、それのとらえ方ということを追っての御質問は、また別な機会にいたしたいと思います。 そこで、第二番目の質問に移りますが、基準財政収入額の算定において、道府県民税、市町村民税の所得割について精算制度を導入することにしたという、これを制度改正の一つとして説明されておりますが、これの具体的な扱いなり、あるいは従来のやり方との違い、そういうものがどういう形にあらわれてくるか、具体的に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 従来、基準財政収入額の算定におきましては、法人事業税あるいは法人住民税の計算について、年度により非常に増減が大きいということで、精算制度が設けられております。で、所得割につきましては従来は精算制度がなかったわけでありますが、最近の傾向を見ますというと、所得割の中でも、分離譲渡所得に対して課されます住民税の所得割につきましては、やはり年度によってかなり大きな変動があるということで、地方団体からも何とかその辺を調整してほしいという要望がありましたので、この機会に、従来の法人関係税に加えまして所得割のうちの分離譲渡所得について精算制度を新たに導入いたしたいと、これが改正の内容でございます。
○井上吉夫君 次の質問に入りますが、老人医療無料化についての交付税措置、昭和五十二年度においてどのくらい見込んでおられるのか。さらにこのことにつきましては密度補正を適用しておられるのでありますけれども、その基礎数値である老齢人口については、五年刻みで、たしか四十五年度の国勢調査の数値を使っておると思うのですけれども、本年度の人口の数値の取り方は、昭和五十年度の国勢調査の数値をできるだけ直近のやつをとらえるということの方が実態に合うと思うのですが、五十年度の国調数値を使うことによって必然的に数値も大きくなるというぐあいに思うわけですけれども、この扱いは五十二年度の交付税算定についてどういう扱いをされますか。
○政府委員(石原信雄君) 老人医療費につきましては、その自己負担分を公費が肩がわりするという制度になっておるわけでございますが、そのうち、この公費立てかえ額が五十二年度の場合は三千三百八十億円程度になるものと見ております。この額については、その三分の二を国庫が負担し、三分の一を地方が負担することになっておりまして、地方の負担額は千百二十六億円になります。これはそれぞれ道府県と市町村が折半になりますが、これをそれぞれ道府県分及び市町村分の基準財政需要額に算入することにいたしております。 それから、ただいま御指摘のありました、老人医療費に対する地方団体の負担額の基準財政需要額の算入に当たりましては、測定単位の数値としては人口を用いているわけでありますが、総人口中に占める老人人口の割合が団体によって差がある。特に一般的な傾向として、田舎の団体ほど老人人口が多いという傾向があります。これを基準財政需要額に反映させるために密度補正を適用しているわけでありますが、この密度補正は現在のところ昭和四十五年国調人口を使っておるわけです。で、御指摘のように、この人口統計に限らず、測定単位の数値あるいは補正の数値はできるだけ新しい統計数値を用いることが望ましいと考えるわけでありまして、この老人人口につきましては、ただいまの見通しとしては、五十二年の七月ごろになりますと五十年国調の結果が判明するというように聞いておりますので、本年度の交付税算定には何とかこれを間に合わしたい、たぶん間に合うのではないかと、このように考えております。
○井上吉夫君 いまの御説明で七月ごろ五十年国調が正確になるであろう、公表されるであろう、そこで今年度のやつに間に合うであろうということでしたが、第一期分の配分というのは、これが通りさえすればできるだけ近く処置するわけでしょう。そうした場合に、それは二期以降の配分金額の中でいま言われたような五十年国調の数値が取り入れられて再計算なりされるということなんですか。具体的にはどういう形になりますか。
○政府委員(石原信雄君) 五十二年度の普通交付税の決定は、御案内のようにことしの八月三十一日までに行うことになっております。実際の算定作業は、法律を御承認いただきますと準備に入りまして、実際の作業は六月下旬から七月、八月上旬にかけて計算作業をするわけであります。したがいまして、ぎりぎり八月上旬までに数値が確実に確認できれば本年度の本算定に間に合うということで、五十二年の七月ごろに結果が判明すれば本年度の算定には間に合うと、このように考えておるわけでございます。 なお、この四月の交付税の概算交付あるいは六月の概算交付につきましては、五十二年度の算定結果を待たずに、言うなれば五十一年度の算定結果に交付税総額の増加率を乗じたものの四分の一ずつをそれぞれ概算交付するというやり方をしておりますから、この数値が七月に判明するということとは直接関連は持ってこない、このように御理解いただきたいと思います。
○井上吉夫君 別な質問に入りますけれども、御承知のとおり、民生委員というのは、児童委員を兼務しながらそれぞれの地域における生活困窮者の保護、救済のために非常に大きな機能を果たしているわけでございますけれども、本来言うなればボランティア活動的なそういう位置づけがされて、民生委員の手当についてはきわめて低い金額しか措置されていないというのが長い伝統だと思います。しかしながら、実際民生委員の皆さん方が活動する分野なりあるいは費やす暇なり労力なりというのはかなり大きなものがあることを私は承知をいたしております。で、現実に各市町村等で民生委員の手当を決める場合は、恐らく通例どこもそうだと思うのですけれども、一体、基準財政需要額の中にどういうぐあいに見込まれておるかという、そのことがおおよそ目安になって各市町村等の民生委員の手当を決めているということが実情だと思うんです。繰り返すまでもないことでございますけれども、地域住民の福祉増進のために果たしております、あるいは相談活動であれ指導活動であれ調査活動であれ、非常に大きなものがあるわけでございまして、福祉事務所の仕事をやるにいたしましても、どうしても民生委員の力をかりなければやれない分野というものが、実態問題として本当に細かく目が届くということのためにもう欠くことのできない方々だと思うわけでございます。たしか、五十一年度の交付税の際における民生委員手当については一万三千五百円ということで積算されていたと思うのでありますけれども、五十二年度についてはこれをどういうぐあいに算入しようと考えておられるか。 なお、中身についてくどくど申し上げませんけれども、母子相談員であるとか家庭奉仕員であるとか、これらの方々がいま果たしておられる役割りについてもまた申し上げるまでもないことだと思います。これも母子相談員手当については、五十一年度は五万四千五百円、家庭奉仕員については七万九千円が見込まれておったと思うのでありますが、いま申し上げました民生委員の手当なりあるいは母子相談員あるいは家庭奉仕員の手当について、五十二年度はどういう数値を持ってこようと考えておられるか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 民生委員でありますとかあるいは児童委員、母子相談員、家庭奉仕員、こういったいわゆるボランティア活動をお願いしている方々に対する手当というか、実費弁償といいましょうか、こういったものをどの程度考えるべきかということについては、いろいろ御議論もあり、先生御指摘のような御意見もあるかと思いますが、これまで最小限度実費は措置をするというような考え方に立って手当等が定められております。民生委員につきましてはただいまお話しのように、五十一年度におきましては一人年額一万三千五百円ということで交付税の積算を行っておりますが、五十二年度におきましてはこれを一万五千円、率にしまして一一・一%の増でありますが、一万五千円に引き上げるという前提で単位費用を積算いたしております。なお、民生委員はおおむね児童委員を兼ねられる方が多いわけでありますので、実際には、児童委員手当と民生委員手当は同額になっておりますので、両方合わせますと三万円の手当が財源的に措置されたという形になろうかと思います。それから母子相談員手当につきましては五十二年度におきましては五万九千円、率にして八・三%の増を予定いたしております。それから家庭奉仕員の手当につきましては八万四千円、率で七%の増を予定いたしております。 なお、これらの額を定めるに当たりましては、それぞれ関連する国庫補助単価とのバランスなどを考えてこのように単価を決めて単位費用の積算を行った次第であります。
○井上吉夫君 なお、要綱二の(七)に、本年度財源対策債の償還費を設けたというくだりが書いてあります。昭和五十一年度における投資的経費の地方債振りかえ措置として、たしか一兆二千五百億円の財源対策債が発行された。これに対する元利償還金を基準財政需要額の中に算入するということのための措置だと思うわけでございますが、具体的にこの五十一年度に財源対策として一兆二千五百億円の地方債発行によってどうやら地方財政を賄ってきたという、去年もおととしもいろいろ議論されたことでございますけれども、国全体もそうでありますけれども、地方財政というのが国税三税の三二%ではどうしても足りない。そのしのぎとして、去年は去年なりに、ことしはことしなりの措置というものが講じられたわけでございまして、その間の一貫した議論は、本来ならば将来の償還等について完全に安心できる、そういうものが地方公共団体としても一番望ましい、そういう意味から見て率の改正もあわせ考えなければならぬのじゃないかという議論が本旨だったと思います。したがって、この元利償還について、いま言ったように、本来、場合によっては率の変更をしてでも地方の財政運営が将来にわたって安心できるようにという思想に立つならば、この一兆二千五百億の元利償還については、当年度に措置できないために財源対策を振りかえて地方債によって賄ったわけでありますから、本来、全額をめんどうを見てもらいたいというのが当然の地方公共団体の望むところだと思うわけでございます。そういう立場に立って考えながらことしの新しい財源対策債償還費というのを新設された。その具体的な内容は、一体どういう金額として充てられたかということを聞くことによっていま申し上げました所論に立った判断ができると思いますので、ひとつ御説明を具体的にお願いを申し上げます。
○政府委員(石原信雄君) ただいま御指摘の、投資的経費で地方債に振りかえられた額一兆二千五百億円につきましては、その振りかえの経緯、振りかえの趣旨等を勘案いたしまして、このうちの四千五百億円については、従来交付税の計算上包括算入という形で財源措置がなされたものを各団体に地方債という形で財源措置したものでありますから、その元利償還の全額を交付税に算入すると、実質的に地方団体としては交付税で財源措置されたと同じような効果が出るようにしようということで、その全額を算入するという考え方に立って今回の改正をお願いしているわけであります。 それから、八千億円につきましては、従来、各費目において個別の事業の財源として交付税によって措置されたもの、その中身は単位費用で措置されたものもありますし、事業費補正として措置されたものもあります。これらにつきましては、これが従来どおり交付税で財源措置された場合と実質的に異同を生じないようにするという意味で、たとえば義務教育施設整備事業債でありますとか、清掃施設整備事業債などにつきましては、従来の事業費補正で算入されていたものを起債の充当率のアップという形で振りかえたわけですから、その振りかえ額は同じく全額元利償還を行うという考え方に立っております。 また、港湾費、河川費等につきましては、従来事業費補正で財源措置されたものが、起債に振りかえられる際に実質的には起債の充当額がより多くなる形で振りかえられておりますので、この点については、その理論計算いたしまして、元利償還額の八〇%を算入することによって、従来の事業費補正によって財源措置されたのと全く同じ効果が生ずるという考え方のもとに、これらについては元利償還額の八〇%を算入するということを考えております。 いずれにいたしましても、基本的な考え方は、これは従来のように交付税で財源措置がなされた場合と実質的に各団体の受ける影響が変わらないようにしようという考え方でそれぞれ算入率を設定いたしておる次第であります。
○井上吉夫君 後段に大変細かく言われたことは、もうお互いに突き合わせながらやらないと、いま言われたように実質上八〇%の措置によって従来と変わりはない。その根拠は、従来よりも充当率を上げたということによって操作されると同じ効果を発揮されるということでございますので、承っておきますが、その細かいことはこのやりとりの中ではなかなか明らかに理解がしにくいので、いずれ機会を見てお尋ねしたいと思います。 最後に、従来からしばしば議論をされてまいりました交付税率の変更の問題に関連をいたしましてお伺いをいたしたいと思うのでございますが、今回の交付税法の一部改正の審議に入りましてから、すでに過般の委員会で質疑応答があったわけでございますけれども、これほど、毎年地方財政が現行の交付税率をもってしてはどうしても足りないということが、一年ならず二年あるいは三年と継続するという状態にあるわけでございますので、交付税法の六条の三の2によって、率の変更を含めて考える必要があろうということはしばしば議論をされてまいりました。そして自治省側の答えとしては、この答えは表現のいささかの違いはあるかもしれませんけれども、五十二年度あたりは率の変更も含めて考えざるを得まいという意味の答弁があったと私は記憶をいたしております。 また、今年の措置については、いろんな経過を経て九千四百億の借り入れを含めて二兆七百億の財源不足分を手当てをすることにしたということであって、いわばきわめて順調な経済運営という姿ではないいまの状況の中で考える場合は、かなり短期的なものであるかもしれぬけれども、やっぱり制度の言うなれば改正であるという意味の答弁をしてこられたと思います。その過程におきまして、自治省自体としては、ことしの予算を決める前段階において五%の率のアップというものを持ち込んで大蔵との交渉に入ったという意味のことも過般説明があったと思います。 そこで私は、一体その五%アップという場合に、当初要求を自治省として考えられた根拠は一体何なのか。そして、それが九千四百億の借り入れを含む措置によって今回の措置を決められたわけでございますが、そのことについては、その後の答弁によって、これはもうやむを得ないというよりも、ある意味ではむしろ現状のように経済の流れというのが、ちょうど安定成長への切りかえ時期であって、この辺の見通しが十分立たないというと、それは地方だけの問題じゃなくて、国の財政というものも非常に厄介な八兆円余りの国債に依存しなければやっていけない状態である。そのことを思い合わせるというと、いま率の改正という形で答えを出すよりも、当面提案しているような形の措置が言うなれば妥当であるというぐあいに答えられたと私は思うんです。経過過程と最後の答えとの間に違いが出てきた。もちろんそのこともあり得ることだと思いますので、その両者の相関関係ですね。一体、五%の率アップというのと今回の措置との絡みにおいて、数値的にどういうぐあいに変化しながらこういう措置に移っていったかということをまずお伺いをしたいと思うのです。 それからもう一つ。もう私はあんまり時間をとらずに終わりたいと思いますので、もう一つ。いま言ったような経過を経てことしの答えを出され、しかも最初の持ち出しは別にして、最終的には自治省としてもやむを得ないという表現よりも、むしろいまのような国全体の、地方をひっくるめる財源の状況から見れば、むしろこういう措置が妥当であるというような認識に立っておられるようでございますので、一体その率の変更という物の考え方をとらえる場合に、六条三項の2のとらえ方というのは必ずしも率の変更だけを書いてないことは十分承知しているつもりでございますけれども、去年も率の変更という問題も十分議論の中にあり、自治省としてもそのことも含めて考えていきたいということもあったわけでございますから、現段階において率の変更を考えるという状態は、一体どういう状態の場合を指して言うのか。非常に国全体が財源に苦慮している、そういう状態でありますから、率の変更というのをいまの時点で措置するということよりも、とりあえず現状に見合った地方財政の措置を不自由のないようにして、そしてその償還かれこれについては、後年度の基準財政需要額の算入等で考えていく方がむしろ妥当であるというぐあいに言っておられるわけですから、将来、四十一年以来変更を見せていない率の改正というものが、具体的に答えを引き出せるという、そういう状態は一体どういう形になったときであろうかということも、皆さん方の方ではっきりとした見解をまとめておかれる必要があろうと。たとえば、赤字国債の発行というのがなくなったという状態なのか、あるいはそれがきわめて見通しが明らかになったという状態なのか、あるいは建設公債も含めてその公債の比重というのが大体このぐらいになったときであるとか、そういう細かい数字は別としても、基本の考え方は一体どうなのかということを、この機会にお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) ことしの地方財政に対します財源対策をとりますまでのいきさつにつきましては、ただいま御指摘をいただきましたとおりのいきさつをたどってまいっておりまして、五十二年度においては、五十年度以降三年間も続きまして非常に大幅な財源不足が生じます。そこでまず私どもとしては、税財政を通じましての制度の改正ということができないかと、こういう希求を持ったわけでありまして、税制改正等につきましても、いろんな案を税制調査会等にもお願いをしてみたわけでございます。しかしながら、ただいまのような経済情勢ないしはそのほか諸般の理由から、なかなか税財政制度の抜本的な改正がすぐにはできないと、こういう見通しが秋過ぎにだんだん見込まれるようになってまいりました。 そこで、第二の段階といたしまして、交付税率の五%のアップ、これを含みます財源対策措置を大蔵に要求をしたと、こういうことでございます。この五%の要求の基礎でございますが、御承知の去年つくりました地方財政の中期試算見通しでございますが、これによりますと、先生御案内のように、国、地方を通じまして、国民の租税負担率の三%のアップを見込んで昭和五十五年度までに赤字財政から脱却をすると、こういう試算であったわけでございますが、この三%の租税負担率のアップというものがなかなかむずかしい事態、これを前提にいたしまして五十二年、五十三年、この両年度に、この中期見通しに試算をいたしました租税負担率のアップ、これが行われない場合の地方財政への影響、これを交付税で少なくとも賄ってほしいと、こういうかっこうにしたわけでありまして、具体的には五十二、五十三の税制改正なかりし場合の地方財政への一般財源の影響の加重平均額、これを現在の国税三税で割り返しますと、五%という率が出てまいりますので、一応それだけは交付税という形の一般財源で付与をしてくれないかと、こういう要求を第二段階として持ち出したわけでございます。 しかしながら、交付税率のアップ、これは当然長期的な恒久的な効果を持つ措置になりますので、ただいまのような非常に経済情勢が変動しておって明年度以降の見込みが正確に立ちがたい、こういう事態では、率のアップを恒久制度として設定をするということは大変困難でございましたし、また適当でもないと、こういう結論になりました。それにかわります措置として、御案内の交付税の増強措置ないしはそのうちの一部の国の将来の負担、こういう制度をとらしていただきました。これが実質的には、交付税率に換算をいたしますと三・六%程度のアップに相当すると、こういう措置をとらしていただいたわけでございます。 以上のような措置でことしを乗り切ることにいたしたのでございますが、これは考えてみますと、五十年度以降の公経済、国も地方も通じてでございますが、財政がこれだけ苦しくなっておりますのは、やはり何と申しましても経済状況、そのほかの問題があると思いますが、国、地方を通じましての財政需要を賄うだけの財政収入、これが足りなくなってきておると、こういう状況であろうかと思うわけでありまして、非常に長期的な見通しに立ちますならば、やはりこのバランスのとれます財政収入を国、地方を通じて増強していくべきだ。つまり、ことしの中期試算でもお目にかけておるわけでありますが、五十五年ごろまでにやっぱり少なくとも三%程度の租税負担率のアップをお願いせざるを得ないだろうと、こういう前提があろうかと思うわけでございます。ただいまそのような前提におきます国と地方との一般財源の配分は、税及び交付税を入れますと、地方に五二%余り、国に四八%弱、こういうような国と地方との財源配分になっております。したがいまして、地方の財源不足はもちろんこの国と地方との財源配分の問題にもあろうかと思いますけれども、一応財源配分の状況が四十八対五十二である、そういう事態を踏まえ、また国、地方を通じての財源が絶対額が足りなくなってきておる、こういう事態の両方を踏まえますと、やはり経済の安定成長に伴いまして、国、地方の財源の拡充を図る。その中で地方への配分のウエートを高めて処理をしていく、これは税制及び交付税率両方関連をさせましてあわせて考えなきゃならぬ、このような考え方でおるわけでございます。 したがいまして、最後の御質問でございますが、率の変更等が行い得る事態がいつになるかという点につきましては、いま申し上げましたような事態から、少なくとも国、地方を通じまして、近火たとえば五十五年とか、そういった時期に収支のバランスがある程度とれてくる、こういう見通しが一応立ってくる、こういう事態に応じて率のあり方も税制のあり方もそれに関連をさして決めていくべき問題だと、このように考えております。 もちろんそのときまでに絶対にできないという意味ではありません。これは制度改正そのものが、恐らく一挙には、一挙動ではできない問題かもしれません。何段階か段階を経て進んでいくのかとも思うわけでございますが、そのそれぞれの段階に応じて、将来の見通しを含めた措置として税制のあり方と交付税率のあり方、これを両方関連をさせまして措置をしていくべきだと思っておるわけであります。したがいまして、明年度以降におきます財源不足に対処いたしましても、いま申し上げましたような趣旨から、税制改正、それから交付税率の変更、こういう問題も含めたやはり財源措置、これを考えていく。その場合には、事態によってはある程度それでいき、ある程度はまた将来の見通しのある時点までつなぎの措置等をかみ合わさしていく、こういったようなこともあり得るのではないかと思っておるわけであります。
○井上吉夫君 これは後もって財政局長なり審議官の方で資料を用意して御説明をいただきたいと思うのが一つあります。それは、四十一年度に交付税率が三二%に変わって以後ずっと率については変わりがありません。このことを考えます場合の一つの物差しとして、一体四十一年に三二%になって以来、地方の行政需要というものがどういうぐあいに変化したか、新しい地方の行政の、行政事務なりそういうものがどういうぐあいに変化したかということと、その後新しく地方の税財源というものが、どういうものがふえてきたかというものの並べ比べをすることも一つの物差しになろうと思いますので、一遍そういう資料を御用意をいただきたいということが一つです。本日はその答えは要りません。 それからもう一つは、御承知のとおり交付税の総額のうち九四%が普通交付税で、六%が特別交付税、このことにつきましても、いままでの過程において特交の比率をもう少し下げたらどうか、その方が地方として一年間の財政運営をする場合の目安が立てやすいという議論もあったこともあります。いまその率の変更のことは申し上げませんが、問題は特交の配分の時期でございますけれども、たしか十二月に三分の一、そして三月に三分の二だと思いますが、三月になりますというと、もうほとんど地方公共団体においては後の始末の時期に入っている。だから、特交も含めていろんな行政を進めていくという面から見ると、もう少し特交の配りの時期を早めてほしい。ただしかし、特交の計算の場合は、天然災害、その他というものが一月から三月までにも起こるわけですから、まるごとうんと繰り上げるということは無理かもしれませんので、十二月の方を三分の二にするとか、あるいは半分にするとか、そういうことができないものかどうか、この辺もひとつ検討をしておいてください。 それからもう一つ。六条の二の2でしばしば率の変更の問題が当委員会でも出てまいりましたけれども、私はこのこととを肩を並べて、あるいは場合によってはそれ以上にもっとダイナミックにやるべき必要のあることは何かということを前の委員会で申し上げたことがあります。それは、これほど国、地方、税率でもうんと上げない限り非常に逼迫しているという状態の中で、住民の需要にこたえながら有効にその行政というのが国、地方ともに展開されていくためには一体どうすればいいのか。しかも、地方自治というものをもっと強く主体性を持たせるという意味のためにはどうすればいいかということを考えてみますと、むしろ六条の三の2の、こういうぐあいに連年著しく財源が不足するという場合は「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」、このことを第一段にうたってあるわけです。ないしは「率の変更」という形に、あるいは並列かもしれないけれども、しかし、少なくともこれを後に置いてという考え方ではないと思う。よっぽど行財政の改革というのは思い切ってやらないというと、私は国、地方通じての住民の要請にこたえる有効な行政の展開というものは無理だと思う。いままで毎年のように行財政制度の検討をされますけれども、しかし、実際にそれが本当に生きてくるかどうかという、そういうことを絶えずいら立たしく思っているのは私だけじゃないと思う。この辺の取り組みについて、うんと力を入れてほしいということを要請をいたしまして、質問を終わります。
○政府委員(首藤堯君) 第一点にございました、四十一年度以降の制度改正そのほかによりまして地方の財政需要がふえてきておるもの、いろいろございますが、五十一年度ベースで計算をしますと九千八百億ぐらいになろうかと思います。それに対応いたしました財源措置としては、やはり自動車取得税でございますとか、自動車税でございますとか、あるいはたばこ関係の税金、法人関係税、こういった税制の改正をそれぞれやってまいっておりまして、これを五十一年度ベースに直しますと一兆百億余りになろうと思います。したがいまして、四十一年度以降交付税率の変更はいたしておりませんが、制度改正等に伴いました地方の財政需要、これは税制そのほかの制度的な収入の増加でほぼ賄えてきておる、こういうことではなかろうかと考えております。 それから二点の特交の問題で、御趣旨はよくわかりました。現在三分の一の額を十二月にということで早く配ることにいたしておりますが、十二月に配分をいたしますものは、災害そのほか配分のルール建てのはっきり決まっておりますもの、こういうものに事務手続上限らざるを得ませんものですから、大体いまのところ三分の一見当のところが妥当ではなかろうかと思っております。なお、これは将来いろいろと検討さしていただきたいと考えております。 それから最後の、抜本的な税財政制度あるいは行政需要の問題のあり方、こういうところに本当に手がつかなければ、この国、地方通じての絶対的な財政危機というものは乗り切れないのではないかという御指摘は、私どもも全くそのように考えております。今後も地方制度調査会その他、いろいろに御意見を承りながら、一挙にはまいらないかもしれませんけれども、逐次そういった考え方で対処していきたいと思っております。
○和田静夫君 まず、三月二十四日の本委員会で消防職員に団結権を直ちに付与すべきであるという質問をいたしまして、これに対して小川自治大臣は、「総務長官と協議をいたします。」と明確に答弁をされました。これは議論展開を踏まえて考えてみますと、きわめて前進をした答弁であったわけであります。したがって、私は高く評価をいたしております。 そこでまず、当日より一カ月半を経過したのでありますが、協議についての結果を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) この問題につきましては、御高承のように公共部門の労使関係で非常に大きな問題を抱えておるわけでございまして、当面この問題を解決しなければならないということになっておるわけでございます。ただ、しばしば御指摘をいただいておる問題でもございまするし、何らかの方向で解決をしなければならない事柄でございまするから、随時本件について話はいたしております。ただ、特にこのことを問題にして時間を割いて正式に相談をし合うというような機会は今日まで持っておりません。おりませんが、今後も引き続きまして、ひとつ検討を続けてまいりたいと思います。
○和田静夫君 これは答弁になっていないので、協議をされるということでありますから、協議結果について私は当然何かの答弁がもたらされるものであると待っていた。しかしながら、どうも自治大臣、あれだけの答弁を明確に、「総務長官と協議をいたします。」とされながら、いまもお話がありましたが、この問題について特にこれを議題として突っ込んだ協議にはなっていない。これはある意味では意図的に放置をされているのではないかと、そういうふうに疑わざるを得ません。特に三月二十四日の、総理府総務長官と協議いたしますという自治大臣の御答弁というのは、単に一般的に検討するということの趣旨とはあのときは違っているわけなんです。それは第一に、消防行政についての主管大臣である自治大臣である小川さんが、公務員制度問題の主管大臣である総理府総務長官と協議すると、こういう形で権威ある委員会でもって答弁をされたわけです。これは両者において検討することがあの答弁では限定をされたと私の方は理解をするわけです。で、これまで、事務局レベルで一般的に検討をしておりますなどというような言い方というのはたくさんあったわけです。あるいは自治大臣がいまお述べになったように、総務長官との間においていろいろと話し合っていますというような答弁はいろいろあったわけです。しかし、あのとき私は、公務員制度問題の主管大臣は官房長官代理を努められておってここに出てこれなかったものだから、そのかわりとして局長が見えたわけです。それとのやりとりをしておったが、らちが明かない。らちが明かないから、消防の主管大臣であるところの自治大臣に対して、こういう状態では困るので公務員制度の主管大臣である総務長官との煮詰めをと。そうすると、協議をいたしますという明確な答弁であったわけであります。ここのところは、言ってみれば行政上のレベルからこの公務員問題連絡会議を越えて一挙に繰り上げられた政治判断に基づいた当然両大臣の協議、こういう意味を含んだところの答弁であったはずでありまして、そのことがなければ、この従来放置されてきたことと何ら変わりがないのだ、この認識が第一。 第二に、協議の内容というものは、これは明確に前進的でなければならないことは言うまでもありません。なぜなら、私はあの論議を通じて労働省とのやりとりもいたしましたが、ILOの判断はあの論議の中で定まったわけであります。で、それに従う義務のある日本政府がサボタージュをしてきた、これは許されない、そう述べた。これまで政府はただの一度もILOの指摘を正式に検討を消防についてはしてこなかった。そのことがあのとき明らかになったわけでありますから、そういう国会での質問のやりとりについて、総理府の人事局長が答弁にならない答弁をああいう形で繰り返した、そのやりとりをお聞きになった上で自治大臣が大臣として収拾する発言をされて、総理府総務長官と協議をいたしますということになったわけであります。したがって、内容的に言って後戻りは私はあり得ないというふうに理解をいたしております。 この二つの点を踏まえまして、三月二十四日の自治大臣の協議するという御答弁に沿った回答というものはやはり即刻出されるようにお願いをしなきゃならぬと思うのですが、よろしいでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 私がこの議事録を自分で点検をしてみないとこれは何とも言えないことでございますが、この問題に即刻決着をつけるべき状況が到来しておるという受けとめ方は私は必ずしもいたしておらないわけであります。それに先立ってもう少し大きな問題にただいま政府は直面しておるので、まずこれを解決してからという趣旨のことをお耳に入れたに違いないと思っておるわけでございますが、いずれにしましても、しばしば国会で御指摘をいただいておる問題でございますから、主管大臣であります総務長官とはこの問題について話をし合いますと、かような趣旨で答弁を申し上げたのだろうと考えておるわけでございます。まあどっちにいたしましてもこれはきわめて大切な問題でございまするから、機会あるごとに相談もし、研究も続けてまいりたいと思っております。
○和田静夫君 本来なら私は非常に答弁に不満でありまして、一カ月半も前の話でありますから、きょうの委員会、ここで協議結果をいただくまでは質問続行することができないという立場です、委員長。 これは、いま大臣の答弁がありましたけれども、官房長、大臣はまあ非常に忙しいから、それはここで答弁されたことを失念されるというか、覚えていらっしゃってもなかなか機会をつくることがみずからできないという場合があると思うのですが、官房長として、一体総理府と大臣間の協議の機会をつくる、その努力をされましたか。
○政府委員(近藤隆之君) この前の委員会の席に私ちょうどおりませんでした。そしてまた、この問題につきましても、官房長としまして総理府の方と協議の機会をつくるというようなことは現段階においてはいたしておりません。
○和田静夫君 これは本当に委員会におけるところの質疑がないがしろにされている姿でありまして、委員長、ぜひ今後の運営の中で注意をしていただきたいと思います。 それで、いまここでこの問題にかかずっていますと大変な時間を要しますから、きょうの場合は私の方が譲歩して後に譲るといたしまして、官房長を含みまして、自治大臣は明確に総務長官と協議をすると述べられている。これは速記録をお読みになれば、私持っていますから、明確でありますから、その責任においてその場所をおつくりになり、結果は私の方に答弁をいただく、こういうふうに求めておきますが、これはよろしいですか。
○政府委員(近藤隆之君) 速記録を拝見いたしまして、検討させていただきたいと思います。
○和田静夫君 いやいや、これは官房長、検討するだけでは困るので、協議をするということになっているのでありますから、その結果に基づいては私のところに返答をいただかなければならぬ。
○政府委員(近藤隆之君) 速記録をよく読ましていただきまして、どういうふうにするか、その検討の結果につきまして先生に御報告いたしたいと思います。
○和田静夫君 自治大臣、次の問題ですが、福田総理が八月をめどに行政改革を行いたいという、いま与党の質問の中にもありましたように、大変重要な論議が日程に上っています。そこで、国会においてこれが繰り返されて発言をされているわけですね。この行政改革を行う主体になるのは内閣に置かれている行政改革本部ということになりますが、自治省事務次官もそのメンバーになっているわけでありまして、国と地方とにかかわる改革の問題は自治省がイニシアチブをとっていく立場に私はあると思うのです。そこで自治省の基本姿勢を問いたいのでありますが、一例を挙げますと、全国知事会の「新しい時代に対応する地方行財政に関する今後の措置についての報告」というものがございます。この三ページに、「低成長経済下における行政のあり方としては、まず第一に行政全体を総点検し、国・地方を通じてその機能と責任の分担を明確化することが必要である」、こうなっているんですが、これは全国知事会の臨時地方行財政基本問題研究会の報告の一節でありますけれども、この意見について自治大臣としてはどういう御認識をいまお持ちでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 国と地方の責任分担の明確化という観点から、今日の行政事務の再配分の問題を検討せよというこの提案、これはきわめて至当な提案だと考えております。
○和田静夫君 若干これに基づいて質問を二、三いたしますが、この全国知事会の報告で提言されている内容でありますが、行政改革につきまして四点指摘しているのであります。その一つは、「国と地方の関係において、重複・競合等による行政の複雑化を防止するとともに、地方行政に対する国の介入を極力排除することが必要であり、このため、国・地方を通ずる行政機能と責任の分担の明確化をはかり、行政事務の再配分など抜本的な行政改革を行うことが、すべてを通じての基調となるものである」、この基調については大臣、どう御認識でしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 基本的にはそうあるべきだと考えております。
○和田静夫君 この事務再配分につきましては、特に機関委任事務について、地方制度調査会を初め、多くの機関あるいは団体から、その整理縮小、あるいは廃止が主張されている。自治大臣も去る二月十六日の衆議院の予算委員会でそういう旨の答弁を実はされていますですね。読むまでもないと思うのですが、「機関委任事務の問題につきましては、しばしばこれは御批判もいただいておることでありますので、そのあり方を慎重にかつ根本的に検討をしてまいりたいと存じます。それによって地方自治体に過重な負担を強いるというような事態が起こりませんように研究をいたしてまいりたいと思っております。」と、行政改革の重要な柱として推進をしていく、こういう御認識の答弁であると理解をしておいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 国の事務のうちで、地域の実情、実態に応じて行われるのを至当とする事務につきましては、地方公共団体の長を国の機関とみなしてこれに事務を委任する、これが申すまでもなく機関委任事務でございます。国も地方公共団体もそれぞれ深い関心を有する事務というのが多うございますので、この機関委任事務も近年増加の傾向になっておるわけでございますが、そのうちにおきまして、地方公共団体にゆだねてしまうことが適当なものがあるかどうか、これは法律や政令で定められている事柄でもございまするのでなかなか簡単なことではございませんが、さようなものがありますればこれは地方にゆだねていく、そういう方向で各省とともに十分研究をしてまいりたいと思います。
○和田静夫君 全国知事会の報告の第二の指摘は、行政事務処理の簡素合理化についてであって、「国庫補助事業に関連する事務手続き、許・認可等国の権限に係るもの、国の出先機関による二重のヒアリング・報告の徴取など、各都道府県の要望の強い主な事例を提示し、その改善を重ねて要請する」、こうなっているのです。ここを行政改革の検討課題と、ここの部分も自治省はされる、そういうふうに認識していいですか。
○国務大臣(小川平二君) 簡素合理化という点につきましても、行政機構改革推進本部におきまして当然これは検討の課題に上せるべきものと考えております。
○和田静夫君 第三には、国の出先機関の整理の合理化が挙げられております。「国の出先機関は、地方公共団体の自主的な行政運営と事務処理の簡素合理化を阻害する要因ともなっており」、こういうふうに指摘をして、「その実態は財務局(部)(大蔵省)の起債関係事務、地方農政局(農林省)、港湾建設局(運輸省)、通産局(通産省)の国庫補助事業関係事務などに典型的にみることができる」、こうなっている。これについても自治省として検討課題であるとお考えになりましょうか。
○国務大臣(小川平二君) 地方公共団体の自主性を尊重するという観点から、検討すべき問題だと考えております。
○和田静夫君 最後の第四に、地方事務官制について挙げられております。これはもう自治省とは、三月二十四日の本委員会で、私はかなり長時間、この問題については私の基本的な理念について述べ、大臣並びに行政局長からの明快な同意の御意見をいただいております。 そこで自治省として、これを行政改革の一つの重要な課題としてもうここで真正面から取り上げる、その身分の地方公務員への移管を強く主張される、そういう決意についてはお変わりはないでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 非常に長い間の懸案が今日なお解決を見ておらないということはきわめて遺憾でございますから、この機会に改めまして問題を提起するつもりでおります。
○和田静夫君 そこで、大蔵省にこの行政機構改革との兼ね合いでちょっと伺っておきたいのでありますが、補助金の全面見直しについて昨日報道されました。で、この新聞報道、日経の「補助金、全面見直し 大蔵省方針」という、これについては、これは新聞報道をこのまま確認をされますか。
○説明員(矢崎新二君) ただいま御指摘の新聞報道につきましては、私どもといたしましてそういうふうなことを現段階におきまして決定をしているという状況ではございません。
○和田静夫君 そうすると、これ、大蔵省、どこが間違っていますか。
○説明員(矢崎新二君) 補助金の整理合理化の問題につきましては、御承知のように、毎年予算編成過程におきましてそれぞれ措置を講じているわけでございますけれども、五十三年度の予算編成に当たりましてどういった措置を講ずるかということにつきましては今後検討すべき課題でございまして、いまの時点におきまして具体的な方針を決めているというふうな状況じゃないということを申し上げたわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、最も端的には、八月をめどに補助金整理五カ年計画をつくって五十三年度予算編成に云々という部分についてもまだ何も決めてない、こういうことですか。
○説明員(矢崎新二君) 現在の時点におきまして、ただいま御指摘のありましたような補助金整理五カ年計画というようなものをつくるというふうなことを決めているということではございません。
○和田静夫君 補助金の整理というのは、これは影響が非常に大きいのでありますが、国庫当局の一方的な予算査定ではなくて、行財政改革の一環として各関係省の了解を得て行う必要は当然あると思います。五月四日に官房長官が発表いたしました改革六項目の一つにこれは入っているわけですね。「八月成案へ政府・自民会談」という形で報道されたやつでありますが、行政改革本部の検討事項にこの補助金整理問題というものもすべきだと、こう思っているのですが、これは大蔵次官、いいんですか。
○政府委員(斎藤十朗君) その新聞報道を、私、大変申しわけないのですが、まだ見さしていただいておりませんので、どういう内容か、つまびらかでございませんが、いずれにいたしましても、現下のこの異常な財政状態の中で歳入を確保することもさることながら、歳出の面においても十分な検討、洗い直しをしていくことは、これは当然のことであるわけでございます。ここ数年間の予算編成におきましても、補助金等の洗い直しをしながら予算編成をいたしておるわけでございますので、基本的には今後もそういった考えで進めていかなければならない、このように考えております。
○和田静夫君 地方自治体にとりましては重要な財源となっているわけですね。で、補助金を整理する場合に、これを事務事業を廃止するような場合は別にまた考えなきゃなりませんが、そうでないものについては一般財源に移りかえしていくという必要があると思うのですが、自治省、これはそういう認識でよろしいですか。
○政府委員(首藤堯君) 一般的には補助金という名前で呼ばれておりますが、先生御案内のように、この中には国と地方との負担区分に基づきますいわゆる負担金、性格は負担金、こういうたぐいのものと、十六条に言いますような純粋の奨励的補助金ないしは財政的補助金、こういうものがあろうかと思うわけでございます。もちろんこの中で、そういった負担金の部類に属しますものは、この負担区分が国と地方との財源配分の基礎前提となっておるものであることは明らかでございます。したがいまして、こういった負担金のあり方を変えていくということであれば、一般財源の方もそれに応じたあり方に変えていく、補助金を整理をすればこれを一般財源に振りかえていく、これはもう当然のことだと思います。 それから奨励的な補助金につきましては、これは時と場合によると思いますが、それが切られてその仕事がなくなってしまう、こういうケースがいろいろあろうかと思います。こういう場合には振りかえは必要ないものと、このように考えます。いまの補助金体系全体の体制から申しますと、何と申しましてもこの負担区分に該当する補助金、これがもう圧倒的に多うございますので、原則的には補助金の整理はこれを一般財源の増強に振りかえる、こういう体制をとらざるを得ないと、こう考えております。
○和田静夫君 なお、鈴木俊一元自治庁事務次官、内閣官房副長官でもありましたが、この方が理事長をしておられます自治研修協会が、「国と地方の新しい関係」というのを昭和五十二年の三月、冊子を出されました。その中で、今日まで国と地方の事務再配分が進まなかった理由というのを分析されていますね。当然お読みになっていると思うのですが、「中央各省庁の役人は、一方においては地方自治体への不信感から、他方においては自己の権限拡大意識からその縄張りと仕事の領域を拡大し、その勢力分野のすそ野を拡げることに傾注した。新しい政策立案の際には、必らずといってよいほど自己の権限拡大意識がその裏側にある。しかも、この中央各省の強い官僚意識、官僚体制の厚い壁を打ち破り、政治的に前進改革を行なう熱意が政治家の頭になかったし」、ここの部分を私はずいぶんこの委員会では主張してきたつもりですが、大変不満な文章ではありますが、とにかく政治家の頭にもなかったようであります。「また、それを断行できる強い政治力もなかった。行政改革をスローガンとして打ち出した内閣は、戦後ないわけではなかったが、多大の労力と費用をかけて作られた行政改革プランの多くは、いつも強い抵抗にあってペーパー・プランに終ってしまっている。このことと、改革を意図しながらも、内閣に強力な指導力がなく、各省間の縄張りやエゴを調整する機能が著しく欠けていたことによる。そして、選挙の票につながらないということも、行政改革が盛り上らなかった大きな要因であった。」と、こう指摘しているのですね。これは内閣に対しても、われわれ政治家に対しても、あるいは官僚に対しても非常な警告を行っていると思うのですが、この指摘を真摯に受けとめて真剣に行政改革に取り組んでいくべきだと私は思うんですが、自治大臣、そういうおつもりでお取り組みになりますか。
○国務大臣(小川平二君) そこに指摘されておりますることは私はことごとくそのとおりだと思っております。おりますが、今日この立場にございます以上、勇気をふるって全力を傾注したいと、こう申し上げざるを得ないと思います。
○和田静夫君 地方財政の問題に入りますが、地方財政の全体として財源保障でありますが、これには量と質の両面から言及すべきでありますから、まず量の面からお尋ねをいたします。 去る三月の二十四日の当委員会でもこの点を質問いたしましたのですが、時間の制約もありましたので、きょうは若干重複をいたしますが、補足継続をいたします。 まず、地方財政の財源保障を行う仕組みは一体何なのかということであります。一例を挙げますと、「現代地方財政運営論」の三十六ページから三十七ページにかけまして、「各地方公共団体が、法令によって義務づけられた事務事業を円滑に実施し、更に、当該地域の住民の福祉を増進するための一定水準の行政活動を継続するための財源保障は、今日では地方交付税制度によって行われている。しかし、地方公共団体全体を通ずる地方財源の不足額を算定し、地方交付税の総額(地方交付税率)を決定するのは地方財政計画の役割であるから、地方財政計画は、マクロ的に地方財源の保障を行っているということができる。また、地方財政計画は、地方行財政制度の改正を行う場合において、その地方財政に及ぼす影響を把握し、必要な財源措置を検討する場を提供している」。ミクロ的には地方交付税制度、マクロ的には地方財政計画という考え方ですね、ここは。これは自治大臣、自治省の考え方でしょうか。
○政府委員(首藤堯君) 表現の仕方が必ずしも適当であるかどうか、私若干意見もあるのでございますが、述べております内容はそのとおりのことでございまして、地方団体には自主的な財源として税制で地方税が付与されておりますが、これは団体ごとに、個々の団体、ミクロで考えてみますと、税制だけでは賄い切れない団体がたくさん出るわけでございます。そこで、具体的にはこういう団体に対して交付税制度を通じて財源の保障がされておる、こういうことでございます。 そこで、交付税の総額の所要額等を算定をいたしますのに、これは個別の団体のそれぞれの所要額を一つ一つ算定するわけにはまいりませんので、一応地方財政計画という手法を通じまして、地方財政全般が、全体の地方団体が標準的な財政運営をした場合の財源のバランスはどうなるのかと、こういうことを測定をいたします。その数字の結果に基づきまして毎年度の財源措置をしていく、こういうことに相なる意味では御指摘のとおりかと思います。 ただ、現在の交付税制度では、昔の平衡交付金と違いまして、毎年毎年その地方財政計画の手法をもって出ました財源不足額なり過大額なり、こういうものに毎年具体的に対応するという制度ではございませんで、平常の事態でございますと、国税三税の三二%、ほぼその程度で賄えるという率を設定をしておきまして、それで一応賄う。その間の年度間の財源の過不足は通常の事態でありますと年度間調整等を行う。これは交付税の調整率を掛けましたりあるいは翌年度精算をやりましたり、こういう制度になっておるということであろうと考えております。
○和田静夫君 地方財政計画に財源保障の役割りというのを授権しているのは、地方交付税法の第七条であるという答弁がありましたですね、前に。これは間違いありませんね。
○政府委員(首藤堯君) 地方財政計画をつくらなければならぬという規定は地方交付税法第七条の規定に基づいて出ておるわけであります。これは御案内のように、交付税率がたとえばことしの場合三二%と従来決まっておりまして、そういうもので果たして全般的に地方財政が運営ができるものかどうか、こういうものをやはり明確にする必要がございますので、地方交付税法には、その年度の収支の見通しを策定をして国会に提出をしろと、こういう意味の規定があるものと了解をしております。
○和田静夫君 それは地方財源が果たして足りるのか足りないのか、この見込みを判定するのはこの地方財政計画、これに基づく手法によって算定をいたしておるわけだと丁財政局長前のとき言っておられます。私もそれはそのとおりだと思います。ただし、しゃくし定規に聞こえるかもしれませんが、第七条によって授権されているのは地方交付税制度の枠内においてであろうと考えるんですね。したがって、この第七条の規定されている位置がちょうど第六条の三の2の次に置かれている。これは偶然置かれたんじゃなくて、私は意味のある配置だと思うのですが、まさに六条の三の第二項に規定する引き続き著しい財源不足であるかないか、その結果、制度の改正ないしは率の変更をする必要があるかないか、そういう判定をするために地方財政計画がある、こう考える。すなわち、地方債を大幅に増発をしたり、国から借金したりしても、ともかく財源を確保すりゃいいんだという、そういうこの地方交付税制度の枠を超えた措置を、しかも毎年毎年そうやって糊塗することを講じていくというのは、地方財政計画に与えられた私は役割りを超えているのじゃないか、地方交付税法の趣旨を逸脱しているのじゃないか、そう考えざるを得ないのです。自治省は、地方財政制度の根幹にかかわるこのような問題について、主管官庁としてどうお考えになりましょうか。
○政府委員(首藤堯君) 第七条のいわゆる地方財政計画でございますが、「翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類を作成し、これを国会に提出するとともに、一般に公表」すると、こう書いてございます。つまり、これは当該年度の地方財政がともかく運営ができる財政状況になっておるかどうかと、こういうことを判定をする、必要な財源措置がなされておるかどうかということの判定にも相なろうかと思うわけであります。地方財政計画は、このようにして財源措置を明確にされたかどうかの保障をするという機能がありますとともに、また別途そこから出てきますことは、どういう措置がされておって、国全般の地方財政の動き方はどうなるのか、こういったことを地方団体に周知をしてもらうと、こういう効果もあろうかと考えております。 ところで、この第七条と六条の関係でございますが、この六条の規定は毎年度交付すべき普通交付税の総額が引き続き著しく違う、つまり財源不足が大きいという場合には、制度改正をやるか、あるいは税率の変更をやるか、こういうことをしなければならぬということで、三二%というように率が固定的に決められております交付税制度のあり方について、非常に長期的に大きな財源不足がきた場合には、そこの考え直しの方法として率の変更とかあるいは財政制度の改正とか、こういうものをやれという趣旨が盛り込んである規定でございます。したがいまして、この七条が先で六条が後とか、六条が先で七条が後という関係のものではないとわれわれ考えておるわけでありまして、七条の財政計画を策定をいたします基礎として、やはり財源不足額がどの程度出てくるかどうか、これは七条の策定に関連をしてもちろん出てまいります。それが六条における判断の基礎になることば間違いございませんが、七条はそれに基づきまして措置をした後の地方財政の運営が果たして動き得るのかどうか、こういうことの判定の資料として、翌年度の財政見通しを出せと、こういうことになっておろうかと思うわけであります。したがいまして、相互に関連は持ちますが、どちらが先で、どちらが後で、したがって、措置後の地方財政の状況を計画で組むことが、計画の何と申しますか、趣旨の逸脱だと、こういうことにはならないのではないかと思っております。
○和田静夫君 そこのところは少し論議がかみ合わなくて意見を異にいたしますが、これはまあ次の機会にするとして、きょう触れておきたいのは、大臣、地方交付税が地方財政平衡交付金法の一部改正によって国税三税にリンクされてきた理由というのを、ぼくはいまさらのごとく何であったかということを思い返してみる必要があると思うのです。それは、毎年毎年国庫当局との間で、財源不足額をめぐって、まあ駆け引きという言葉がいいかどうか知らぬが、とにかく駆け引きが行われて、そういうことはいいことではない、そういう事態というのは避けるべきだと、そういう事態を避けるために地方財源を安定的にするというところに最大の要因があったんだと思うんですよ。 ところが、現在、毎年毎年大蔵省と自治省とで、財源不足をいかに補てんするかということをめぐって折衝が行われるわけですね。で、五十二年度の措置は、しかも自治大臣が強い主張をわれわれにお示しになっていましたから、姿勢が強かったんだろうと思うのですが、大蔵大臣との間でなかなか話がつかない。したがって、自由民主党内の政治的な裁定に持ち込まれたと一般的には言われている。こうなりますと、平衡交付金時代に似たような現象が繰り返されるわけですね。地方団体は、自治省がんばれというふうな形で声援するわけです。大蔵省は、政治力を発揮して、自由民主党内の世論づくりに一生懸命になる、こんな状態だと。これでは地方交付税法の立法の趣旨に反すると私はその意味で言わざるを得ないのであります。自治大臣は、この事態に直面をしてここを深く反省をされながら、しかも地方財政平衡交付金法から今日までの推移というものをもう一遍反省的に御勘案に相なって、五十三年度以降どう法の趣旨に沿うように改善をされるか、そこの決意を伺っておきたいんです。
○国務大臣(小川平二君) 一定の交付税率によりまして相当長い期間にわたって地方財政に財源不足を生ぜしめないようにするというのが、これが交付税制度の趣旨でございますから、まあ三年続いて大きな財源不足が出ておるという事態は、確かにこれは異常な事態だと思っております。一日も早くこれを正常な姿に戻したいということで五%の引き上げという問題を提起したわけでございますが、折衝の過程で、しばしばお耳に入れますような、今日の時点ではこのことが困難でもありまた必ずしも適当でないという結論に到達いたしましたので、一日も早く国、地方を通じての税財政の抜本的改善を実行できるような環境をつくっていきたい、その時点におきまして交付税率変更の問題も根本的に解決をしたいと考えておるわけでございます。
○和田静夫君 大臣、地方財政平衡交付金は、各地方団体の財源不足額をそれぞれ算定をして、それを合算して総合額を決める、そういうたてまえをとっておりましたが、現実にはそれは不可能なので、地方財政計画によって財源不足類の総額を算定している、こういうことになっております。そうすると、地方財政計画というのは昭和二十二年ごろから策定をされていたのですが、この地方財政平衡交付金の財源不足額算定に利用されたのであるわけですね。この場合には、地方財政計画の役割りというのは明確であったわけですね。まさに第七条、これは地方財政平衡交付金法の規定そのまま残っているわけですから、ここは。第七条が地方財政計画の形をとってあらわされる意味というのが、そういう意味であったわけです。そうして、地方交付税法においては、その経緯、すなわちこの第七条の前後関係などからして、意味が変わってきたのであります。 ところが、前にも引用いたしましたが、こういうことが言われているわけですね。やっぱりこの「現代地方財政運営論」の二十六ページでありますが、「特に、最近のように、経済基調の激変により地方交付税制度が地方財政全体の自動安定装置としての機能を十分に発揮できなくなると、地方財政計画はかつての地方財政平衡交付金時代と同様、毎年度の地方財源の総量をそれによって決定する役割を再び負わされるに至っているということができ、その重要性は昭和五一年度から飛躍的に高まることとなる」、こうなっているわけです。 そうすると、こういう事態を生じないようにするためには、地方交付税法がそのためにつくられた、それなのに、改めるべき事態を改めないで再び平衡交付金時代に逆戻りすることを何か正当化したような考え方ではないだろうか。現在自治省が行うべきことは、こうした考え方を私は否定をする努力こそ必要なんだと思うんですよ。逆行してはならぬと、これはもう明確だろうと思うのです。制度の崩壊に直面をして、自治大臣としてはこの地方財政制度、地方交付税制度を守るためにどうされるんですか。
○国務大臣(小川平二君) 非常に手厳しい御批判をいただいておるわけでございますが、私は現状を正当化しようなどと考えておりませんし、ただいまも、交付税制度のもとで毎年財源不足が生ずるというようなことは異常な事態であると申し上げておるわけでございますから、一日も早く正常な姿に戻すように引き続いて努力をしたいと思っております。ただ、再々申し上げますように、今日はさような改革をいたしますのに適当な時期と思いませんので、本年度は見送らざるを得なかった、かような次第でございます。
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘がございました、地方財政計画、現在の地方財政計画が昔の平衡交付金時代の地方財政計画の趣旨に完全に戻ってきておるということにはこれは必ずしも私はならないと思っております。なるほど、最近三カ年間非常に財源が不足をいたしますので、地方財政計画策定の手法の途中におきまして財源不足額等が出てくる、そういう面においては似通った機能が出てきておるという御指摘もできるかと思いますが、昔の平衡交付金の場合でございますと、財政計画で立てました金額を平衡交付金として国が支出をしなければならぬという義務規定がありました。これはもう趣旨としてはそのとおりでよろしいわけでございますが、ことしのようなきわめつきの財源不足の事態になりますと、国がこれだけ苦しいんだから地方も一緒に苦しんでくれということで歳出をうんと削られるだろうと思います、実態的な問題といたしまして。ただいまの地方財政計画ではそのようなえげつない措置は全然ないわけでございまして、私どもはいままでの財政計画の手法に従いまして、大蔵省とも了解をしながら正しく所要の需要額というものを積んできた、そのために現在の三二%という額で足りない不足額が出てまいりまして、それに対する財源措置を、またいろいろおしかりはこうむっておりますが、ともかく措置はしてまいってきておるわけでございます。そういう点では、平衡交付金時代にこの地方財政計画の手法を通じて財源措置をするということが非常にいろんな問題を起こしたので交付税制度にあれが変わってきた、こういう機能、意義の面はいささかも変わっていないのではないかと思うわけであります。現在の事態が、国、地方を通じまして決定的に財源の総量が足りない、こういう前提からただいまのような財源不足の状況が起こってきておりますので、ただいま御指摘のような平衡交付金時代の財政計画の機能に全く戻ってしまったということにはならないと私はそう信じております。
○和田静夫君 局長答弁が特にあったから、私読み上げた部分のかかわりなんですがね、「地方財政計画はかつての地方財政平衡交付金時代と同様、毎年度の地方財源の総量をそれによって決定する役割を再び負わされるに至っているということができ、その重要性は昭和五一年度から飛躍的に高まることとなる」、ここの部分はそうすると局長の認識はやっぱり違いますか。
○政府委員(首藤堯君) 若干違うわけでございます。先ほど申し上げたように、平衡交付金時代の地方財政計画でございますと、好むと好まざるとにかかわらず、国の財源がきわめて厳しいということをもって財政計画の歳出が切り詰められるだろうと、その危険性が現にあったわけでございます。ありましたがゆえに、交付税制度にこれが制度が切りかわってきた歴史的経過を踏まえております。ただいまの地方財政計画はそのような危惧はございません。その点は違うと、こう申し上げておるわけでございます。
○和田静夫君 わかりました。そうすると、ここの部分はこれは明確に文章になっている部分ですから、論議を、法案が終わった後でも一遍やりましょう。自治省の統一見解として読むわけにはいかないか、これ。かなり権威ある人の編著なんですがね、これは。
○政府委員(首藤堯君) それは統一見解じゃありません。
○和田静夫君 しかし、毎年毎年政治的折衝にゆだねられること自体、交付税法の趣旨に私は反すると思うんですよ。単に地方の財源を確保すればそれでよいということでは私はないと思うんです。まあ局長の答弁がありますけれども、ないと思う。これまでも毎年のようにこの交付税制度に調整的な措置がとられてきたわけですが、今日は交付税制度の枠を超えて、単に財源不足をどうするかどうかというような形での次元でとらえられていると思うんです、われわれに映っていることは。私はそういう状態は地方自治の実は根幹にかかわる問題だと考えているのです。交付税率分に直してみたら三・六%部分ですと、それに相当する財源措置をしたのだからそれでよいのだという問題では私はないと思うんですよ、これは。自治省がみずからこの地方財政制度の崩壊につながるようなことをやるというのは、これはお互いやっぱり容認することができないですわ。それは考え方としては自治大臣そういうことでしょう、政治的な事情はいろいろあるというのを別問題にすれば。
○国務大臣(小川平二君) 非常にこれ手厳しい御指摘をいただいておるわけで、和田委員の頭の中におありのこと、私はよく理解できるわけでございます。まあ平衡交付金制度というのは毎年毎年財源の不足が生ずるということをいわば前提として、これを補てんするのに必要な交付税の額を決定するために地方財政計画というものが策定されておったわけでございます。現状はその当時とちっとも変わらぬじゃないかといういま御指摘をいただいておるわけでございますが、この点につきましては、先ほど財政局長がるる答弁を申し上げたわけでございまして、必ずしもさような御指摘は当たらないと存じておりますけれども、今日の状況は確かに異常な変則な事態だと思っておりますから、一日も早く正常な姿に戻したいと願っておるわけでございます。
○和田静夫君 大臣、現状ではこの恒久的な制度改革は無理であると、したがって、いわば応急措置でこういうことをとったということを前のときも繰り返されました、私が大臣の所信について尋ねたときに。そして恒久的な制度の制度改革は、経済が安定したらその後に行っていきたいともお述べになりました。しかし一方、交付税率の引き上げについては五十二年度も五%引き上げを要求をしたし、それから来年度も交付税率の引き上げによって措置したいとも言っておられるわけですね。交付税率の引き上げこそは国と地方との間の恒久的な税配分の問題なのですが、それではこれは一体大臣の本心はどちらにあるのだろうということを私は計りかねているわけですが、五十三年度にも恒久的な改革である交付税率の引き上げ実現を目指されるのか、それとも、交付税率の問題を含めて制度改革は五十五年度以降経済が安定してから行われるのか。何か自治大臣までが交付税率の引き上げを政治的駆け引きのための材料としてスローガンに掲げていると感ぜさせられるようなことでは、そう私は思いたくありませんがね、そういうことではいけないと思うのです。交付税率の引き上げまたはこの税財源の制度的拡充を図るほかないんですね、今日。それ以外のことはもう容認できないのでありますが、ここのところ、大臣どうなんですか。
○国務大臣(小川平二君) 私どもが当面最も強い関心を抱いておりましてそのために努力をしておりますことは、一刻も早く経済を安定の軌道に乗せるということでございます。経済が安定いたしましても、国の財政、地方財政、両方ともきわめて深刻な状況がいわば後遺症として残るわけでございまして、財政の収支を均衡させまするためには、国、地方を通じての税制の大改正をしなければならない。現行の税制をそのままにしておきましては、しょせん財政の均衡を実現するということは不可能でございましょうから、これを実行しなければならない時期が来る。そのときにそれらの改正の一環として交付税率の問題もぜひ解決をしたいと、こう考えておるわけでございます。したがいまして、いま五十五年というお言葉があったわけでございますが、私どももっと早い時期にこのことを実行したい、これは一挙に解決はあるいはできないかもしれません。数年かかってなし崩しにということにならざるを得ないかもしれませんが、いずれにいたしましても、さような時期を一日も早く到来させる、そして抜本的改正を実行したいと、こう考えておるわけでございます。
○和田静夫君 五十二年度の財源不足額を交付税率に換算するとどれだけになるんだという私の問いに対して、一四%に相当するという答弁がこの前ございました。率直に言ってこれだけの引き上げ、一四%ぐっと引き上げるということは、これは実現可能ですか。
○政府委員(首藤堯君) 五十二年度の国、地方を通じましての財政状況としては、不足額全部を交付税でやってしまえということは、もう事実きわめて困難もしくは不可能に近い事柄だと思わざるを得ません。
○和田静夫君 五十二年度五%引き上げを要求されたんですが、これなぜ五%とされたのですか。
○政府委員(首藤堯君) これは昨年度策定をいたしました国の財政の中期見通しないしは地方の財政の中期見通し、例の中期試算でございます。これにおきましては、五十五年度までに御承知のように国、地方を通じまして国民の租税負担率を三%アップをしていただく、こういうことを一つの前提にして、五十五年までに一応国は財特債から脱却ができるし、地方も歳入歳出のつじつまが合うと、こういう見込みであったわけでございます。こういう考え方に基づきまして、毎々申し上げておりますように、五十二年度からすでに地方財政としてもかなりの税制の増強等のいろんな試案等を提出をいたしてみたわけでございますが、なかなか五十二年度現在の状況では、大幅な税制改正というものが困難であるというような状況が秋口になりましてほぼ傾向として定着をしてまいったわけでございます。 そこで、そういう事態に対処をいたしますために、五十二年と五十三に中期見通しに見ましたような租税負担率のアップが行えない、非常に困難であるという事態であります場合に、それを仮定をいたしまして、その場合の地方の一般財源の不足額、つまり税制改正ができないことによる不足額、これを両年を通じて率で換算をいたしますと交付税率で約五%程度になりますので、せめてこのくらいの額は税制改正なり、そういった制度改正のできない、まあ振りかわりと申しますと語弊がございますが、かわりの措置として五%の要求を秋口になって行ったと、こういう経過でございます。
○和田静夫君 ところで、異例の措置であるということをこの前も繰り返されたのですが、それで、異常な措置ですから正常な措置があるんだろうと思って、正常な措置というのは何かと聞きましたら、そうしたら、いや大蔵委員会での話ですが、大蔵省は三二%の交付税率でやっていけるということが正常であると、こう答弁したんですよ。果たして大蔵省の言うように正常な状態というのは、これまでの行政水準を保つことを前提として果たして可能でありますか、これ。自治省ではどうお考えですか。
○政府委員(首藤堯君) これはその事態、事態によります財政需要のあり方、これを国民負担のあり方との関連も考慮をしながら正確に設定をしていくということがもちろん前提になりますが、そういった財政需要を賄うに足ります国税の税体系、地方税の税体系、これがどういうかっこうになるかということと大変関連があろうと思います。地方税、国税を通じまして所要の財源がそれぞれ確保されるという事態がありますれば、それは交付税率は三二%でもつじつまが合うと、こういう事態はあろうかと思います。ただ、その三二%で賄えるような事態、これが正常な事態であるということであれば、これは税制との絡みでそうなるわけでありますか、それももちろんでございますけれども、一応正常な事態というのは、私どもとしては、御指摘のように、地方のあるべき国政需要、これが税及び交付税、この両方でしかるべく賄われていくという事態が地方財政にとっては正常な事態、このように申し上げざるを得ません。
○和田静夫君 まあ若干時間をかげながら、交付税率の引き上げで措置できない間はこの交付税会計制度の枠内で措置すべきだということを私の基本的な理念としながら意見の展開をしてまいりました。で、交付税会計制度の枠内で措置すべきだということ、これは自治省、大蔵省ともそうでいいわけですか。
○政府委員(首藤堯君) 所要と考えられます一般財源の所要額、これに対しましては、税及び交付税、こういうもので措置をしていくべきだという点につきましてはもちろん両者異議はございません。
○和田静夫君 よろしいですか、大蔵省。
○説明員(矢崎新二君) 一般財源につきましては、もちろん交付税なり地方税というものによりまして所要の財源措置を講ずることが必要かと思っておりますが、これは御承知のように三税、国の税収というものがある程度年度によってかなりぶれますし、地方税も同じような傾向があるわけでございますから、年によって、まあ年度間調整措置というものが、先ほど財政局長からもお話しございましたように、補完的に必要とされる場面はもちろんあろうかと思っておる次第でございます。
○和田静夫君 自治省としては原則的に交付税特別会計の枠内での措置を要求していく、そういうつもりでいるというふうに考えておいていいですね、これ。そういうことですか。
○政府委員(首藤堯君) 所要の一般財源に対しましては、原則といたしまして税及び交付税、これで措置をしていくということが原則であることはおっしゃるとおりでございます。
○和田静夫君 そこで、五十二年度の予算の策定に当たって、自治省の当初要求というのが、一に、利子所得等の源泉分離課税分の一定割合の地方への配分ですね、それから二に、地方交付税率の五%の引き上げ、それから三に、一般会計から交付税会計への貸し付けまたは特別会計による国債の発行の三つに要約されますね。そういう要約でいいでしょうか。これは「自治研究」の七十二ページですがね。
○政府委員(首藤堯君) 五十二年度の財源不足に対しまして一般財源対策として考えましたのは、ただいま御指摘のありましたような事柄でございます。
○和田静夫君 そうすると大臣、来年度の措置に当たっても、いまのことが自治省の姿勢であるというふうに考えておいていいですか。
○国務大臣(小川平二君) 来年度の問題でございますから、いまここできわめて具体的に申し上げることは困難でございますが、いずれにいたしましても、税と交付税を確保すると、こういう方針に基づいて大蔵省と相談をしなければならないと、こう考えておるわけでございます。
○和田静夫君 大蔵の政務次官、三月二十四日の実はこの委員会で、自治大臣、自治省財政局長ともに、五十二年度の地方財政措置というのは単年度限りのもの、制度改正と言ってもアフターケアにすぎない、地方交付税法第六条の三の第二項の要件を十分に満たしているものとは言えない、で、不十分であるということは認められたのです、将来にわたって改革の義務は追い続けると。大蔵省としても、この認識は同一であるというふうに理解しておいていいんですね。
○政府委員(斎藤十朗君) 先ほど来自治大臣からも御答弁がございますように、現状のこの経済情勢、それに伴います財政の異常な状態を考えまするときに、交付税率というもの、この長期的なものを変更するよりも、まずその異常な状態を一日も早く脱却をし、健全な、正常な状態の中でこの交付税率についても検討をするべきであるという基本的な認識の上に立って、今回におきましてはいわゆる地方行財政制度の改善の一環として今回提案をいたしております所要の措置をいたしたわけでございまして、私どもとしては一応制度の改正と考えておるわけでございます。
○和田静夫君 どっちみっち大蔵委員会に戻ってやりますけれども、交付税法六条の三の二項の要件を満たし続ける義務というものを五十三年度以降も負っている、これはそういうことでしょう。
○説明員(矢崎新二君) 五十三年度以降の問題につきまして、現在の時点におきまして具体的なことを申し上げかねるわけでございますけれども、基本的な考え方といたしましては、交付税法の六条の三第二項の趣旨というものを毎年度十分に考えながら地方財政対策を考え、地方財政に支障のないような措置を講じていく、その点につきましては自治省とも十分協議をいたしていきたい、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 そこで、源泉分離課税分について住民税の影響を何らかの形で認められているのですが、その意味でこの問題は一歩前進しかかっている、こういうふうに自治大臣は三月二十四日に私に御答弁になったのです。大蔵省としても、九百五十億円の臨時特例交付金の問題はそう理解しておいていいですね、これは。
○説明員(矢崎新二君) 御指摘の臨時地方特例交付金九百五十億円を措置するに当たりましてはいろいろなことを考えたわけでございますけれども、第一点は、五十二年度の地方財政が厳しい状況にございますので、円滑に運営するための措置を前年度に比べて激変しないように配分するということ。それから、第二点が、ただいま御指摘がございましたように、源泉分離課税を選択された利子所得につきましては住民税が課されてないということ。それから第三点として、その他の収支財政事情等、これらを総合的に考慮いたしまして、九百五十億円を措置することが必要であるというふうに判断をした次第でございます。この利子配当所得の問題につきましては、税制調査会等におきまして、現在源泉分離分につきまして住民税が課されていないというような事情にありますことが種々議論された経緯がございます。いろいろ議論がございましたけれども、税制調査会におきましては、結局現在の制度を変えるということは現段階においては結論が出ておりません。そういったような状況が一方にございまして、なお、ことしの地方財政が窮状にあるというふうなことを踏まえまして、私どももそういった状況判断をこの際織り込みまして、九百五十億円というふうな措置を五十二年度において講ずるのが適当であろう、こういうふうに判断をした次第でございます。
○和田静夫君 五十二年度の地方債の原資につきまして政府資金が三六・六%です。そうすると、これは従来と比較して余りにも低過ぎる、そういうことから、大蔵省と自治省の両省間でいろいろ折衝された結果、六割までは政府資金並みに金利差を補給する、こういうことにされたようですが、この六割という数字ですがね、これはどういう考え方から出されたんでしょうかね。自治省としては、四十年代、政府資金割合が大体六割程度であるからそれぐらいは政府資金並みにせよ、こういうことでしょうか。
○政府委員(首藤堯君) そのとおりでございます。いままで、大体四十年代、地方債資金に対しては六割前後の政府資金が措置をされてまいっておったわけでありますから、その程度までは実質的に政府資金としての金利負担、こういう状況になるように財政援助をしてほしい、こういうことでございます。
○和田静夫君 この五十二年度の地方債計画の中には、本来、地方交付税で措置すべきものが一兆三百五十億円分、地方債に振りかえられた。これは原則的には、政府資金並みではなくて、全額政府資金で起債すべきであるものでしょう、これは。どうですか。
○政府委員(首藤堯君) 御指摘は、今回の地方債計画総額に対して六割まで政府資金と、こういうことでなしに、一兆三百五十億円については頭から全部政府資金ということで天引きをして、その残りの六割と、こういうことの御指摘かと思うわけでございます。政府資金が多ければ多いほどいいことはこれは間違いがないわけでございますが、財政対策として考えてみました場合に、ことしの財源不足、これは、ともかく、毎々申し上げておりますように、国、地方を通じまして税源、公的な財政収入の総額が足りない、こういう大きな前提がございますので、こういった事態においては、投資的経費については地方債をもって措置をしていくということは、これはやむを得ない事態ではなかろうかということで考えまして、公共事業等の地元負担に対して九五%の起債の充当率を行った場合に一兆三百五十億、この程度の地方債の増発ができるということを前提にして考えたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、将来、こういった地方債の償還費、それから各団体における地方債の償還費、こういうものにつきましては、地方財政計画を通じないしは地方交付税を通じて、具体的に財源措置をしていくことを考えておるわけでございますが、財源対策全般といたしましては、そのようなかっこうで地方債計画をつくりました以上、それの六割程度までの政府資金を従前の例としてお願いをした場合との差額を見てもらう、こういうことに落ちついたわけでございます。
○和田静夫君 まあ落ちついたということですね。 そこでぼくは、私が言ったような形で考えてみると、差し引きその政府資金並みの金利となるのはわずかに一千四百八十七億くらいだ。実質的には六割ない。六割の根拠である四十年代並みの水準を達成していない。いわば羊頭狗肉でありまして、六割の水準と言われるのならば実質六割を確保すべきであろう。ことしの水準は六割じゃないですよ。私はそう考えます。自治省も六割は確保したなどという妙な成果は誇らない方がいいのじゃないだろうか。ともあれ、もっと実質的な表現をされた方がよいのではなかろうか。五十三年度以降はやっぱりこういうことを先例にされないということが必要であろう。六割の水準が妥当だと言うのならそれを認めるとして、実質六割というところ、そういう確保を行うべきである。これは、私としてはそう思いますから、そういう要望をしておきます。 で、先日、この委員会の答弁で財政局長は、特定財源と一般財源との割合は財政の状況に応じて決めるべきだと答弁されました。これは、現行の財政制度のもとにおいて、私はどうも承服しがたいのであります。というのは、理由の一つは、地方債は許可制なのでありますから、当局の審査を受けるということであります。したがって、一般的に起債の量をどの程度にするのかというのは財政状況によるということでありまして、この起債の量の増大とともに地方財政への介入を増大させるという仕組みは、これは納得できないんです。自治体の独自財源が許可制の財源に振りかえられるのを当然とするのは、地方債を国からの財源付与と考えているからなのかなあと思うのですがね。これはどうお考えなんですか。
○政府委員(首藤堯君) 地方債が許可制であるので、地方債の充当率を高めることによって国の関与を云々という御指摘でございますが、私は必ずしもそう考えておりません。と申しますのは、今回充当率を高めまして財源振りかえをやりました。これは全部公共事業関係の裏負担でございます。したがいまして、当該団体がその公共事業につきまして補助金ないし負担金を受け取って事業をするかしないか、これは当該自治団体がみずから決めることでございます、もちろん補助担当官庁とは相談をしなきゃならぬと思いますが。受け取りました以上、それに対する地方負担額が幾らか必ず出てくるわけでございます。その地方負担額に対しまして財源措置をいたしますのが、従前のように一部交付税における事業費補正といった手法で交付税でやるのか、その分を地方債で賄っておいて、将来その償還費を交付税で見ていくのか、これだけの差のことでございます。したがいまして、事業を受け取る、それに対する財源を充当してもらう、この点で、地方債を割り当てたことによって許可制度によってわれわれの介入権を強めるということにはならないと思います。 いわんや、もう一つございますが、この公共事業の地方債は全くの枠配分でございまして、どの事業にどう充当をしておやりになろうと、これは地方団体の御自由でございます。私どもは、公共事業をお受け取りになった以上、出ました裏負担、これに対してともかくも満度に的確な財源措置をして差し上げたい。これが交付税であるか、地方債であるか、これだけの差だと考えております。
○和田静夫君 そこは大変違うところでありまして、地方債は補助金、一般財源とセットになっておる。言いかえると、補助金行政を自治省が助長しているということですね。財政の自主性を奪う私は最たるものだと考えております、ここは。一般財源の割合まで決めてしまうことがそもそも問題でしょう。国庫補助金及び許可制による地方債というものがいわば特定化される財源であるということは認めるとしても、一般財源まで地方債の許可権限を利用して決めてしまうという、そういうふうに特定財源化してしまうということは、これはもう容認できませんね。充当率の考え方がそもそも私にはどうしても理解できないのですが、別に一〇〇%地方債で事業を行っても、と言いますか、それはこの地方団体の財政事情によって一向構わないことでしょう。充当率と許可制というのは、私には何か論理的には関係があるとは思えないのですがね。これはどうですか、私が間違ってますか。
○政府委員(首藤堯君) 充当率と許可制が論理的に関係、これは私もなかろうと思います。充当率、公共事業の裏負担に対する起債の充当率を平均的に幾らだと考えるかということは、ある団体が公共事業をどれだけやるという決意をいたしまして、それによって生じた地方負担、その分に対して的確な財源措置、これはしょせん地方財政計画全般としてはせにゃならぬと思いますが、それをやる場合に交付税でやるのか、地方債という財源でやるのかと、この差であると思います。一般的に申しますれば、借金より一般財源がいいに決まっておるわけ、これはまあ決まっておるわけです。そう思いますが、こういう事態でありますと、一般財源を全部というわけになかなかまいりませんので、地方債でもって借金を将来に残すわけであります。しかし、その借金の償還額は、将来の交付税を通じまして、一般財源を通じまして償還財源の保障をしてまいりますから、これは財政的な痛手は変わらない、同じことであると思います。したがいまして、地方債に振りかえた量が大きくなったから、そのことによって事業決定に中央が仮に介入をするという結果にはならないわけでありまして、どれだけの公共事業を取得をするか、実施をするか、これをまず地方団体が決めるわけであります。それに対する裏負担に対してどのような財源措置をするのか、こういうことであるわけでございます。したがいまして、御指摘のように、地方債をふやしたからそれでもって介入をふやしたということにはならないと思います。 さらに、先ほど申し上げておりますように枠配分でございますから、そのもらいました地方債を何の事業に充てようと、公共事業のどれに充てようと、あるものは一〇〇%一般財源である、あるものは一〇〇%地方債でやる、これは地方団体の自由でございますから、財源措置のあり方として交付税が適当か起債が適当か、こういう議論ではなかろうかと思います。
○和田静夫君 ちょっとここのところもう少し続けますが、そうですかね。この一般公共事業費がおおむね九五%だ、単独事業の通常充当率が市町村で七五%というのは、これなぜでしょうか。災害復旧事業でも公共土木の施設については九〇%で、農地農林施設について七〇%としているのはなぜなんでしょうか。なぜ災害復旧事業にまで一般財源を充当しなきゃならないんでしょうか。これはさっぱりわからないんです、本当のところ。恐らくこれを決める人以外にはわからないと思うのですね。充当率がおおむね九五%となっている現状では余り顕著ではありませんが、例年もっといびつな状態がたくさんあったでしょう。ともあれ、いま挙げた例はどう認識したらいいんですか。
○政府委員(首藤堯君) 地方債の充当率というのは、当該事業に対する他の財源措置のあり方、ほかの財源措置、交付税で幾ら見ておるかとか、こういうもののあり方、それから負担金や分担金、こういうたぐいのものがどう取れるか、こういったことのあり方、つまり他の財源措置であります。それから世代間の負担均衡と申しますか、将来に事業の受益が残って、将来の住民負担、こういうものについてどう均衡化を図っていくのか、こういうような問題が、事業の性格や財政運営の健全性の見地——もちろんこれは別にございますが——とともに考えられておるわけであります。今回、その公共事業について九五%地方債で措置するということにいたしておりますが、これは五%に相当する分は交付税で措置がされておる。したがいまして、その交付税措置と地方債措置と合わさると、さしあたり一〇〇%でございます。九五%の措置をしました地方債の償還については、いままでの通常の充当率よりも高い分は将来償還について財源措置をしていく、こういう考え方で、公共事業に対する財源措置を、ともかく受け取った以上は満度に見てあげましょうという趣旨に出ております。 それから一般単独事業関係ですが、これがおおむね七〇ないし七五というのは御指摘のとおりでございますが、これは主として負担の世代間の均衡化という問題、これと絡めて考えております。つまり、単独事業というのは地方団体が当該年度に全く独自、自分の判断でやる仕事でございます。したがいまして、この負担を考えます場合に、将来に負担を残すことはもちろん構いませんけれども、現在の時点においてもある程度の一般財源負担、こういうものを考えて、将来の負担均衡、これをならして考えてみた場合に、七〇ないし七五、こういったぐらいの充当率、二〇ないし二五は一般財源を当該年度に支出をして事業実施をする、これが将来への負担均衡化のために適当だということで、事業を取り上げた以上はそんなかっこう、こういうふうにいたしております。 それから災害復旧事業については、御承知のように、御指摘のように九〇%となっておりますが、残りの一〇%分は交付税などの財源措置、特別交付税そのほかの措置がありますのは先生御案内のとおりでございます。こういうことで措置をいたしております。 さらに、災害の場合には非常にかわいそうな借金、ちょっと語弊がございますが、後戻りのかわいそうな借金でございますから、この借金返しは、公共事業については九五%将来交付税で措置をする、それから単独事業については、率が違いますけれども、まあ大体五七%から六割見当まで交付税で措置をする、こういう償還費に対する財源措置を将来の制度として制度建てしておる、こういうことでございます。
○和田静夫君 大変失礼な質問なんですがね、大臣、いまの御説明で十分納得されましたか。
○国務大臣(小川平二君) 要するに、一面においては他の財源措置がどのようなものであるかという観点、もう一つは負担を後の世代にどのくらい求めるべきかという観点から、いろいろな充当率を設けられておるという説明は、まあ私はきわめて素直に頭に入ったわけでございます。
○和田静夫君 仮にいまの説明が一応成り立つといたしましても、地方債は地方自身の借金ですから、ある事業について全額地方債で建設するか、一部一般財源を使用するか、これは許可制云々以前の問題でしょう。これはいいですね。
○政府委員(首藤堯君) 個別の事業に対する許可、そういうものとは別個のものでございます。
○和田静夫君 そうすると、充当率についてまで大蔵が干渉するということになると、これはどういうことになるのですか。
○政府委員(首藤堯君) 個々の事業の充当率につきまして、大蔵が干渉すると申しますか、大蔵の方でこれは何%にせい、これは何%にせいと、こういうことはございません。単独事業なら単独事業、これは全般通じまして七〇ないし七五と、こういうことでございますし、公共事業は全部九五と、こういうかっこうでございますから。
○和田静夫君 これ、柴田護さん、元自治事務次官の著ですが、これは著ですからね、編じゃないから。これはこう書いているんですね、柴田さんは。「その枠の計算は、例えば住宅建設の起債であれば、公共事業費の地方負担額の七五%というように一律に定められる。この比率を通常「充当率」と呼んでいる。現在一般補助事業、公営住宅建設事業、義務教育施設整備事業、災害復旧事業等については、この方式がとられており、一件毎に審査を受ける単独事業債に比べると、少なくとも手続上は簡単である。しかし、そこには、地方債の配分を財源配分的に考える戦後の慣習が、なお、強く残っているように思われる。しかも、その地方負担分について、例えば災害復旧事業のようなものまで一〇〇%地方債を充当せずに何%と値切るのは、私には判らない。毎年許可方針を定める場合に、自治大蔵両省において、充当率をどうするかという問題が議論されるのであるが、中中懸案が片づかないのである。不甲斐ない話といえばそれまでであるが、実際に金を貸す側の反対は、中々押し切れないというのが現実であろう。しかし、許可に当っての審査手続の複雑さとともに、この充当率という考え方は、地方債が本来借金であるという性格から考えると、疑問であるというほかはない。」と言っているんですよ。元自治事務次官が、「私には判らない。」と書かれているわけです。大臣はおわかりになったんですが、私はわからない方にくみしたわけです。私も、充当率という仕組みによって特定財源とこの一般財源を組み合わせることというのは財政自主権を侵すものであろう、したがって、容認できないと思うのです。で、充当率の制度を廃止すべきだと私は自治大臣考えるのですがね。大臣どうですか。
○政府委員(首藤堯君) ちょっとその前に申し上げますが、そこに書いてございますことは、先生御指摘のうちのその前に、前段にあれがございました。ある事業をやるときに、一般財源とその特定財源としての地方債とのかみ合わせの比率をどれだけにしていくかと。この問題についてはいろいろ御議論があろうと思います。その公共事業について五〇、五〇でもいいわけですし、二〇、八〇でもいいわけでございます。だから、そういう意味で、公営住宅が何で七五でなければならぬかはわからないと、こういうことは、それはそうかもしれません。しかし、その点につきまして、ある年度の地方財政の対策が何%の地方債、残りの何%は一般財源と、こういう組み合わせ方で成立をいたしました場合に、その地方債の充当率が上がってきた、そのことが地方の財政の運営の自主性を阻害をすると、こういうことにはならないということを先ほどから私申し上げておるわけであります。 それからまた、たとえばその公共土木災害が何で一〇〇%でないかわからぬと、こういう御指摘でございますが、九〇という充当率になっていままでずっと経過をしてきております。したがいまして、残りの一〇%程度は一般財源、交付税が当たりますように、現在の特別交付税なりなんなりの仕組みが全般的として成り立っておるわけであります。したがって、そこの九〇、一〇という一般財源とそれから起債財源の組み合わせの比率が正しいのかどうかと、この議論は幾らでもあろうと思いますが、そういうことに、九〇と決まっておるがゆえに残りの一〇は交付税そのほかで措置をしておる。そのことは地方の財政の自主性を侵害するものではない、こういうことを私は申し上げておるわけであります。
○和田静夫君 それじゃこれ、私の方もどうも十分理解できない、本当のところ。何も時間を遷延せしむるためにやっているわけじゃないので、それぞれの充当率、特にこの単独事業分にかかわる起債の充当率ですが、これについて、その率を決めた算定の根拠を明らかにした資料いただけますか。
○政府委員(首藤堯君) 単独事業をおおむね七〇ないし七五にしておりますことにつきましての算定の根拠と申しますか、細かな資料は実はございません。いままでの長い運営の経験によりますものでありまして、当該年度に二五ないし三〇程度の一般財源を持ち出して実施をする、これが将来への負担均衡の問題、当該年度にある程度の一般財源を持ち出して仕事をする、その仕事を自分でセレクションをいたします場合のその価値判断の問題、こういうことから絡めまして適当であろうということでそのようになっておるわけであります。
○和田静夫君 ここでようやくわかってきたんですよ。われわれにはわからぬはずなんです。大臣すっとおわかりになったのはやっぱり大臣、担当の大臣だからおわかりになったんだと思うのですがね。わかっているのはそっちだけなんです。あるいはこっちの大蔵省もいるかもしれない。結局、算出の根拠は出せないということ。出せないということになってくれば私たちがわからぬのはあたりまえだ。それだから、したがって私は、大臣、これはやっぱり充当率制度なんというのは廃止すべきですよ。御検討になりますか、ここで廃止しますなんて大臣言えないでしょうけれども。
○国務大臣(小川平二君) 事業によってそれぞれの充当率を設けておるその趣旨については申し上げたとおりでございます。かような仕組みそのものを再検討するかという仰せでございますが、これは財政局長から申し上げたような理由で現に存在しておる制度でございますから、制度そのものをどうこうしなければならないとは考えておりませんが、個々の充当率につきましては、実情に合致いたしますようにまあ見直しを行うということはこれはやらなければならぬことだと思います。
○和田静夫君 そうすると、大臣、見直しが行われるのですから、見直しが行われるには算定の根拠などというものが必然的に出てくるわけですね。それは資料としていただけないですか。共通の広場でわれわれも充当率を計算するというようなわけにはいかぬですか。
○政府委員(首藤堯君) たとえば一般単独事業ということで、これはもろもろのいろいろな施設があります。これについて地方団体が一般単独事業を地方債でやる場合に、負担を将来にどれだけ均衡的に残していくかという観点で、さしあたりの措置としては、当該年度の一般財源を二割五分なり三割なり出していくと、こういう考え方でありますから、これは個別の事業について資料があってどうこうというわけではないわけでございます。しかし、先ほど大臣も申し上げましたように、ことしも現実に、たとえば下水道等の起債の充当率等は引き上げてきております。こういうものにつきましてはことし一〇%か、引き上げました。それについてはそれは理由がございます。そういう性格のもので、一般単独事業に充当率があるが、それについての資料ということになりますと、これはなかなか資料としてお出しするものはない、こういうことになります。
○和田静夫君 それじゃ、もう少しこれ時間をかけて、局長のところにでも日参して算定根拠を少し教えてもらうということにしましょうか。 大蔵委員会で私、地方債資金の消化の点から条件面などをめぐる問題を質問したのでありますが、五十二年度の地方財政措置を決めるに当たりまして、いわゆるこの地方団体金融公庫の創設をめぐって自治、大蔵両省で厳しい対立があったと聞きます。それは結局決着がつかずに、両大臣の覚書第五項、「公営企業金融公庫の改組についての法律改正は、昭和五十二年度において行わないものとする。地方債の消化の円滑化については、引き続き、大蔵・自治両省で方策を検討し、できる限り速やかに結論を得るものとする。」ということになった。すなわち、これは引き続き検討事項である、五十三年度地方財政措置の策定に当たってはまた検討される、こう解釈していいですか。
○国務大臣(小川平二君) そのように御理解いただきたいと思います。
○和田静夫君 大蔵省の側もいいですね。
○政府委員(斎藤十朗君) そのように御理解いただきたいと思います。
○和田静夫君 そこで、公営企業金融公庫の改組の構想というものは、どういうものですか。
○政府委員(首藤堯君) 先生御案内のように、最近は地方債の原資に民間資金を非常に多額に活用しなければならぬ事態が続いております。この民間資金の中でも、特にいわゆる縁故資金と言われます種類の資金が非常に増加をしてまいっておりまして、これに対します消化につきましては、この額がふえればふえるほどいろいろ問題が出てくるわけでございます。これはまた、地域的な問題におきましても非常にアンバランスがございますし、それから弱小の市町村になればなりますだけに消化が非常にむずかしい、こういう問題が起こってきておったわけでございます。そこで、今度の公庫思想の骨子といたしましては、そのような非常に消化のむずかしい地方団体の一般会計の民間資金、これをどこかでまとめて消化をして地方団体に融資をして差し上げる、こういうことにしますれば、資金の質的改善が図られますとともに、資金の安定確保を保障することになると、こういうように考えたわけでございます。 先生御案内のように、ただいま公営企業金融公庫は、公営企業の資金につきまして、公庫が債券を出しましてこれによって資金を確保をして融通をするというシステムをとっておりますので、これを拡張をいたしまして、公営企業金融公庫が地方公共団体の一般会計分につきましても消化のしにくい縁故債の一部をかわって債券等を発行して取得をして地方団体に融資をする、こういう制度を起こすべきだと、こういう考え方でありまして、そのような構想に基づいて発意をいたしたものでございます。
○和田静夫君 財政負担を考えますと、地方債は少ないほどいいわけですが、財政力の弱い団体を考えますと、公債依存度というのは、財政力においてどの程度を目安に置いていったらいいんですか。今後のおよその基準を示していただけますか。
○政府委員(首藤堯君) 地方債の依存度は、これは幾らでなければならぬかということは、なかなか国債の依存率と同じで議論がむずかしかろうかと思いますが、現状を申し上げますと、昭和五十年度決算におきます地方債の依存度は、都道府県が一一・二、市町村が一二・七、純計で一二・二と、このくらいであります。それから、五十一年度の地方債依存度は一一・五、それから五十二年度は一〇・五、このくらいのところでございます。過去の、地方債をそれほど増発をしませでした自治体の地方債依存度は大体六・五%見当、六ないし七というぐらいが地方債の平均的な依存度であろうと思います。これはもう団体ごとに、年度ごとにも違いますし、団体ごとにもいろいろ違ってこようと思います。
○和田静夫君 現実に、地方債の大量の増発が続いているわけですけれども、公債費比率はこの意味ではずっと上がってきて憂慮すべき状態になってきている団体、そういうところもあるように思うのですがね。そこで、公債費比率がおおよそどういう分布になっているかというのは、これは資料でいただけますね。
○政府委員(首藤堯君) 公債費比率の分布でございますが、ただいまの状況で三千三百ほどの団体のうちに、一五%以上になっておりますものが、これは都道府県ではございません、市町村で九十二団体、それから一〇から一五%未満、これが、都道府県ではありませんが、市町村で四百四十三ほどです。それから一〇%未満、これは都道府県は全部一〇%未満でありますが、市町村で二千七百二十一、こういう分布状況でございます。
○和田静夫君 さて地方債の消化対策が問題でありますが、現在財政力の弱い団体で特にこの縁故債の消化が困難になっています。従来のこの金融機関が変わりつつあると言われているようでありますが、これは実情どうですか。
○政府委員(首藤堯君) 縁故債が非常にふえてまいりましたので、特に財政力の弱い市町村、それから地元にしかるべき金融機関のなかなかない市町村、こういうところでは縁故資金の消化が非常にむずかしいという事態が地域的に起こっております。ただ、まあ幸いに五十一年度全般を通じて考えてみますと、これは大蔵省の方の御協力もいただいたのでありますが、民間の資金需要がさほど伸びなかったという事情等もございまして、消化が完全に不可能であるという事態まではまだ現出せずにやっと済んでおります。
○和田静夫君 これは両省の御主張を聞いておきたいのですがね。問題点、要約するとこれ自治省はどこにあるとお考えですか。大蔵省はどこにあると。
○政府委員(首藤堯君) いろいろ問題点につきましては、これは御指摘のように激論があったわけでございますが、最終的な問題点として、最も大きな問題点として認識をされましたのは、公庫が地方団体にかわって資金を取得をします手段として特別公募債というものを発行する、こういうもくろみを立てたのでありますが、この特別公募債の発行につきまして、まあ大蔵側では、ただいまの金融情勢ではなかなかこれがのみにくいとか、あるいは消化について問題があるとか、こういうような議論が出まして、この点がまとまらなかったうちの一番大きな問題点ではなかったかと思っております。
○政府委員(戸塚岩夫君) ただいま自治省の財政局長からお答えがありましたように、一番大きな問題は特別公募で金を集めるという問題でございまして、先生御承知のように、特別公募でやるというのは、現在電電公社が一部そういう資金調達をやっておりますが、発行の市場で金融が緩んだときにはわりあいに有利に引っ張られるという可能性があります。公営公庫のように、行政的な目的をもってその事務の停廃を許さないというような公共団体の資金を供給する場合には、あるときはまあ比較的有利に資金が集まると、しかし、逼迫すればなかなか金が集まらぬというような不安定な資金によってそういう公営公庫の資金調達がされるというのは大変問題があるんじゃないか。そこで五十二年度の対策といたしましては、政府保証債五十一年度三千五百億に対して四割以上伸ばしまして五千億というように、資金の量を政府保証することによって集めるということを中心といたしまして、公庫の資金を充実するということをやったわけでございます。
○和田静夫君 ちょっと時間がなくなってきてあれですが、問題は、本来交付税で措置すべきものが地方債に振りかえられて、その結果地方債の消化が困難になってきている。また、国債の大量発行の影響を受けて、地方債中の政府資金割合が低下して、そうしてこの民間消化が増大している。そういう結果、ちょっと論議が前後いたしましたが、国債に締め出される。で、クラウディングアウトの傾向が出てきている。そういうような地方債引き受け及び引き受け原資の悪化の現象が起きていますね。したがって、私は地方公共団体金融公庫の創設が望ましいと考えているわけですが、これはまあ物別れになっているのをあれですが、先ほど御答弁がありました両者間で前向きに検討される。自治省の側はそうだと自治大臣お答えになると思うんですけれども、問題は大蔵省の側。前向きに検討されるということ、これはもうすぐれて政治的問題だからやっぱり次官でしょうね。いいですか。
○政府委員(戸塚岩夫君) 先ほどお答えしましたように、どこから金を集めていくかという点については金融秩序の基本にかかわるような問題でなかなかむずかしいと思います。地方公共団体の必要とする借金は、先生御案内のように、地元の銀行が中心となって融通をして、それが地元の銀行に公金預金される、あるいは地元でそれが業者に渡って、業者の預金としてまたその地域的に還流するという、そういう地縁的な関係において長い歴史があるわけでございます。したがいまして、全国的に金を集めるといった場合に、自分が出した金が自分の地元の銀行に来るとは全然コネがつかないというようなものに対して、金融機関がこれを引き受けるということについては地銀の協会などからも相当な抵抗のある話でございまして、なかなかこういう金融の流れを変えるような大改革ということはむずかしい問題ではないかというように考えております。
○和田静夫君 いや、考えてはいらっしゃるんです。考えていらっしゃるから別れちゃったんです。したがって、先ほど大臣並びに次官から御答弁があったように、これはもう引き続いての懸案事項である、覚書に基づいて。こういうことでありますから、その引き続きの懸案事項であるがゆえに、私は先ほど来るる質問もし、私の意見も述べ、それに基づいて前向きに両者検討をしてください、こう言っているんです。検討することにやぶさかじゃないわけでしょう。
○政府委員(戸塚岩夫君) その覚書にも書いてございますように、地方公共団体の出します地方債の円滑な消化ということに対しては、いろいろな方法によって一層円滑な消化ができるような方向で検討しなくちゃいかぬという趣旨でございまして、その中の一つとしましては、公庫を改組して、先ほどからお話しいたしましたように、中央において金を集めるというような手段も一つの検討の課題にはなろうかと思います。
○和田静夫君 自治大臣、これはいま言ったような形での検討をされると、それはいいですね。
○国務大臣(小川平二君) この覚書は公庫の創設そのものについて引き続き検討するということになっておりますので、私どもは当然前向きの態度で繰り返し繰り返しこの実現を要求するつもりでおります。これは申し上げるまでもないことでございます。
○和田静夫君 ところで、地方債の許可制というのがどういう理由があるのか、これは私にもまたわからないんですが、まず許可権限について伺いますが、これは自治大臣の専管事項であって、大蔵大臣は自治大臣の許可権の行使に関し協議すると、こういうことですね、これ。
○政府委員(首藤堯君) お説のとおりでございます。
○和田静夫君 その協議というのはどういう内容、範囲でしょう。
○政府委員(首藤堯君) 協議は、自治法の二百五十条の規定によりまして、政令で定めるところによりまして許可、これを自治大臣または都道府県知事が行うことになっております。地方自治法の施行令の百七十四条の規定、それから内蔵令の規定、こういう規定によりまして自治大臣の許可に際して大蔵大臣と協議をすると、こういうことになっております。その協議の範囲は、法的には一件五百万円以上のものの起債の額及び資金区分、こういうものがいわゆる内蔵令による協議の法的な範囲になっております。
○和田静夫君 そこで、大蔵省理財局地方資金課長が監修をしました「体系地方債」というこの本を読みますと、協議制度の趣旨として四つ挙げているんです。第一に政府資金の貸し手の立場から、第二に財政金融の調整責任の立場からの理由を挙げておられます。それはわかるのですが、第三、第四の理由として、「地方債は将来にわたり起債団体に財政負担を残し、ひいては地方財政全般に影響を与えるものであり、しかも現在の地方財政の仕組みからその状況いかんが国家財政にも直接に影響を及ぼすものである。したがって、財政担当大臣として地方債の発行が適切に行なわれるよう関与する必要がある」、それからその次は、「実態に即した地方債の運用を行ない、資金の効率的配分を図るという観点と、あわせて資金融通の当事者という立場から、単に起債の枠で規制するだけでなく、個々の起債内容について具体的に審査する必要がある」、この記述どおりだとしますと、大蔵省が地方財政運営について関与することになるわけですね。それから、地方財政運営については指導官庁であるとすればそれは自治省なんであって、大蔵省の関与は法律上、制度上これは容認できませんね。これは容認できない。もう時間がなくなってきましたから、私はこれを意見として述べておきます。これは容認できない。後ほど法制局長官に来ていただきますから、若干法律事項をただします。 ところで、私は五十年の十一月十一日のこの委員会で、内蔵令が今日なお生きているのはおかしいと指摘しました。自治、大蔵両省で検討を約束されました。すでに長時間たっていますが、この検討結果はどうなっていますか。
○政府委員(首藤堯君) 御指摘もございましたし、内蔵令そのものについても何分にも古いものでもございますし、内容的にもいろいろ問題があると思いますので、五十年の十二月でございましたか、一応の案を私どもつくりまして、大蔵省に協議申し上げたわけであります。しかし、意見まとまりませんでそのままの状況に相なっております。
○和田静夫君 現在地方債許可の方式として、先ほども述べられました一件審査と枠配分があるのですが、許可手続の簡略化という観点から考えてみますと、枠配分をふやしていくべきだという主張がある。また、恐らくそういう方向になっていると思うのですね。で、枠配分というのは何か、その拡大を進めていくというのはどういうことなんですか。
○政府委員(首藤堯君) 枠配分と申しますのは、自治大臣が都道府県、指定市ごとに許可予定額の枠をあらかじめ定めて配分をいたしまして、その枠の配分を受けました都道府県や指定都市は、その配分を受けました枠、その中で各事業別の充当、これを全く自由にやってよろしい、こういう充当をやれば、それを報告をしてもらえばそれが許可額として決まってくると、こういうやり方でございます。それから、市町村分につきましては、やはり自治大臣が各市町村の所属をいたします都道府県ごとに許可予定額の総額を決めまして配分をいたします。その配分を受けた都道府県知事がその枠の範囲内でどこの市町村に幾らするか、これは自分で決めると。これも報告を受けますとそのまま確定をする。こういうやり方で地方債の許可手続の簡素化を図っておるわけでありまして、当然のことながら、一件審査の方法に比べて非常に事務が簡素化される、地方の自主性も高まる、こういうやり方でございます。 それから、地方債の許可制度についてこういった手続の簡素化を図る、それから地方の自主性をできるだけ尊重していく、こういうことが望ましいことであると私どもも常日ごろ考えておりますので、こういった枠配分方式を従来とも拡大をしてきましたし、今後も拡大をしていくつもりでおります。現在の実情を申し上げますと、昭和五十年度においては普通会計債の約八割、これが枠配分方式になっております。それから一般市町村分だけで考えてみますと、市町村分は全体の約九割、これが枠配分方式になっておる。このようにして簡素化と自主性の尊重、これを図っておるわけであります。
○和田静夫君 ところで、この枠配分によって若干手続の煩瑣は減るかもしれない。しかし、これが許可制であることには違いない。そして都道府県と財務部、財務局と協議することになっている。事実上は関係者が財務部、財務局にたびたび呼びつけられまして、そして何度も頭を下げて決めてもらうということになるわけです。この実態では、枠配分を拡大することに私はそれほど大きなメリットを見出すことはできません。問題はやはり許可制にあるわけですね。 そこで伺うのですが、こういう権限が果たして財務部、財務局にあるのかどうかということです。これは以前からの答弁では、内蔵令によって授権されているということなんです。これはどうなんですか。
○政府委員(戸塚岩夫君) 地方債の許可を自治省がされる場合に、大蔵省としては協議を受けるという立場にあることは先生御承知のとおりおありまして、財務局、財務部にその権限があるかという御質問に対しましては、大蔵省は、御承知のように、資金の全体の調整を国全体として考えていかなきゃならぬ。たとえば、現在考えてみますると、国債が八兆四千八百億も出る、あるいは地方債は五兆も出る。そのほかの公共債を合わせますと、公共債だけで五十二年度は十五兆に余るものをどこかから資金調達をしなきゃならぬ、それをうまく経済との調和をさせながらやっていかなきゃならぬという、財政金融担当大臣の立場があるわけでございます。 第二番目には、市町村の起債に対しましては、資金運用部資金、すなわちその原資は大部分郵便貯金に仰ぐというような金を回しているわけでございます。これを安全、確実、有利に運用しろということは、国会からも法律によって行政府に委託されていることであります。その委託にこたえるためには、その地方公共団体がどういう事業をするか、これは大丈夫かというようなことを慎重に検討して運営していくことが実情に合っているというように私どもは解しているわけでございます。 まあ権限があるかという点につきましては、私どもの設置法に、そういう資金の調整とか、あるいは資金運用部資金を管理するという仕事が行政的に命ぜられているわけでございますから、その範囲内において、出先である財務局なり財務部がそれ相応の御相談に応じていくということは、一番実情に合ったやり方ではないかというように思っているわけでございます。
○和田静夫君 行政上実情に合っている、合ってないという答弁を聞いているわけじゃないのであって、そっちの方が合っていると言うんなら、自治体の方は大変迷惑している、大変合ってない、煩瑣なことである、呼び出されるだけでも、定員も少ないところで大変な時間の浪費にもなる、そういう意味では、逆の意味では合っていない。内蔵令の第一条にはこう書かれていますね。「地方自治法第二百二十七条の借入金を除く外、地方債を起し又は起債の方法、利息の定率若しくは償還の方法を変更しようとするときは、第二条に定めるものを除く外、都道府県、地方自治法第百五十五条第二項の市及び特別区にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府県知事の許可を受けなければならない」、すなわち簡略化して言いますと、都道府県は内務大臣、市町村は知事の許可が必要だと書いてある。そこでこの第二項を見ますと、「内務大臣は、前項の規定により、許可をしようとするときは、予め大蔵大臣と協議するものとする」、こうなっているわけですね。結局、都道府県の許可については、内務大臣、それから大蔵大臣の協議が必要とされている。市町村についてはそういう規定はないわけですよ。財務部、財務局が関与するのは、これは内蔵令違反でもあるわけです。これはそうでしょう。市町村については規定がない。
○政府委員(戸塚岩夫君) 私ども先ほど実情に合っているじゃないかということで御説明しましたのは、そういう自治法の体系の法令、条文に基づいて、どの法律に基づいて、どの省令に基づいてという点では、先生が御指摘のように、市町村については大蔵大臣が協議権はないのではないかという解釈もあり得ると思います。私が申し上げましたのは、大蔵省の設置法で、設置法の十条の第一号でございますが、「国内資金運用の総合調整及び国内金融と国際金融との調整を図ること。」というような規定がございます。で、現在を考えますと、先ほどもお話ししましたように、大変国の資金需要、地方公共団体の資金需要あるいは民間の資金需要というのが、乏しい資金のかみ合いという形で調整をしなきゃならないという立場にあることは容易に御理解いただけると思います。 それからもう一つは、やはり設置法を引かせていただきますと、第十条の第十一号に、「資金運用部資金を管理及び運用すること。」というのがございます。で、財務部の方におろしまして資金運用部の資金を動かしているわけでありますが、その際に、どういう仕事をやるのかということをよく聞いた上でお金を貸すというような運用が、やはり法律上私は課せられているものだというように理解しているわけでございます。先生御指摘のように、地方自治法、その政令、それを受けた省令という体系それ自体からは、その協議というようなことはあるいは出てこないというような現行の法規の解釈が成り立ち得るかというようにも思いますが、いま私が申し上げましたような、そうじゃなくて、事実上やらなければならない仕事をやっているんだ。で、自治省の方は、御承知のように大変法律的な官庁でございますから、私どもの方に協議をしてまいりまするのは都道府県分だけでございます。市町村分については、こういうように許可したいがよろしいかというような形で、事実上全然内蔵令を引いた形じゃない形で大蔵省に連絡をしていただいているというのが実態でございます。
○和田静夫君 ぼくはいま実態論議をやっているわけじゃなくて、実態論議は十分に、大蔵委員会に所属をしていますから、大蔵委員会に帰ってやりますので。 きょうは法制局長官、大変お待たせしましたが、この規定というのは、これは省令なのです。仮に政令、法律にいま言ったような形の内蔵令を書かれていたらどう解釈するかということで伺いたいんですが、法制的に見て、ここに規定されている限りでは、先ほど来の私の主張が合っていますね。
○政府委員(真田秀夫君) 昨日この点について御質問があるという御通告をいただきまして、私実はこのいわゆる内蔵令なるものを初めて見たわけなんですが、正直に申しまして、はなはだできが悪いといいますか、整理ができてないという感じは免れないと思います。まあしかしそれはそれといたしまして、この規定は、自治法施行令の百七十四条に、「自治大臣及び大蔵大臣の定めるところにより、」という文句がございまして、この規定の委任のもとに自治大臣と大蔵大臣とが省令の形で定めていらっしゃるものだと思います。もちろん、内務省令となっておりますけれども、これは昭和二十二年でございますから、当然内務省令という形のものでできておるのだと存じます。 それで、中身について申しますと、先ほど先生がおっしゃいましたように、第一項で許可権限者として、簡単に言えば、都道府県レベルは自治大臣、市町村レベルは都道府県知事の許可を受けなさいと、こう規定がございまして、第二項では「内務大臣は、」と、これは当然自治大臣というふうに読みかえるべきだと思いますが、「前項の規定により、許可をしようとするときは、予め大蔵大臣と協議するものとする。」とあるだけでございまして、都道府県知事の話は第二項には全然出ておりません。したがいまして、先ほどおっしゃいましたように、都道府県知事が起債の許可をするについて大蔵省筋に協議をしなければならないという義務はこの内蔵令から出てくるというふうには読むわけにはまいらないと存じます。
○和田静夫君 法制局長官の見解は私の主張するとおりであります。そもそもこんな古い省令でもって根拠とすること自体、これは全く納得ができないのであります。これはやっぱり、すでに私が指摘をして、両省が責任ある立場でもってこの内蔵令の改正問題については取り運びます、そうして一方の方からはそういう形の案がつくられて、いま答弁がありましたが、一方に送られた。一方の方は、金を貸す方だからと言って、大蔵省だからと言って無視している。こんな状態というのは私は許すわけにいかないと思うんですよ。これは早急に改めるべきものであります。すでに一年半も前に私が指摘しておいたのを放置しておる。それは許せません。これは自治大臣、自治大臣は主管庁でありますから、これはちゃんとやられることを約束をしてもらう。そうして、早急に内蔵令を改める作業に入るべきですよ、これは。
○国務大臣(小川平二君) 御指摘を受けたにもかかわらず、放置をしておったというお言葉ですが、放置をいたしておったわけではないのでございまして、五十年の十一月十一日に先生から御指摘がございましたので、五十年の十二月に大蔵省に対しまして、第一に、協議の対象を政府資金に限定をすること、第二に、協議の対象の限度額を現在の五百万円から五億円に引き上げることを内容とする、こういう内容の案を大蔵省に提出いたしました。協議をいたしたわけでございますが、遺憾ながら意見の一致を見なかったという次第でございます。
○和田静夫君 自治大臣、意見の一致を見なかったんじゃなくて、全然返答が返ってこない、協議が行われないという事態じゃないんですか。
○政府委員(戸塚岩夫君) 先ほどからお話しいたしましたように、大蔵大臣という立場からは、政府資金によらざる起債については一切御相談なくやられるということは、そういう団体にも政府の資金はお貸ししているわけでございます。その資金をそういう団体に貸している大蔵省といたしましては、ある部分的な事業については政府資金によらないで起債が行われていくといたしましても、全体のその地方公共団体に金を貸している立場から、どういう借金をされるかということは承知していたいという立場がございますので、なかなか自治省からのお申し出のとおりに、いまにやっておりますことを変えること自体は、なおやはり管理者として慎重な態度でなければならないんじゃないかというように考えているわけでございまして、まあ自治省のせっかくのお申し出でございますが、現状のまま円滑に事務を合理化しながらやっていくというのがいいのではないかというように考えているわけでございます。
○和田静夫君 私は、先ほど法制局長官が私の内蔵令解釈について合意をされましたように、法的に権限もないことをやられておりながら、それがいわゆる大蔵省という仕事の上から言って実態に合っているからそのままの状態でもってやり続けていいんだという論理にはなりませんよ。それはあなた方の答弁としては大変おもしろい答弁でありましてね。われわれがそういうような形のことをいわゆる実体法的な解釈に基づいていろいろのことを言った場合には必ずそれを否定をされるあなた方が、ここの部分についてのみはそのことを主張し続ける、これは許容することはできませんよ。したがって、自治大臣、協議が相ならなかったと言われるだけではいけないのであって、いま言ったように、やっぱり改めるべきものは改めなければならない。改めるための努力というものは、やっぱり続けられなければならない。私は、もっと言えば、協議制そのものを廃止を要求をいたしたいほどですよ。すでに、大蔵省の担当者の書いたものを先ほど読みました。ここで明らかですよ。その問題点から見て、結局私は政府資金の貸し手としての立場からしか協議制の意味を認めることはできない、そういうことなんですね。したがって、少なくとも現行省令よりも協議制が強化されることがあってはならぬわけです。これは、許可制に強い反対のある状況等を考えてみますと、当然のことであります。したがってそのことは、自治大臣に対して、すでに提案されたものをもとにしながら成案が得られる努力というものを求めておきます。 ところで、大蔵省、先ほど来実態に合っているんだと言う。それじゃ実態に合った——すでに述べましたように、実際には財務部、財務局が事細かに縁故債の資金部分まで関与しているんですよ。そうも書いてある。事実上の決定を行っているに等しいんですよ、これは。大蔵省のやっている人はだれです、これ。地方資金課、財務局の融資課、財務部の財務課、そういうものを通して地方債資金の審査を行っている職員の大半はだれなんです、これ。この諸君に権限がありますか。この諸君はどんな諸君です。資金運用部特別会計の職員じゃないですか。資金運用部特別会計の職員がこれらについてなぜそんな権限を持つんですか。あなたが実態的だと言う。すなわち政府資金の審査を行うために特別会計を置いて、そこに置かれている職員なんですよ。これが、いま首長経験者のたくさんの人が、ちょっと席を外していますが、これらの人たちを呼びつけながらやっていく、そういう状態であったわけです。わが方にも首長経験者は幾らでもいる。与党の側ばかりにいるんじゃない。したがって、縁故資金や公募資金による起債に関して、事前でも事後でも審査する権限なんていうのは、これらの諸君にはないですよ。あなたがあなたの身分においてやるというんなら話はまた別ですが。いわゆるあなたの実態論を述べるならばですよ。そうでしょう。これはもう会計制度に反してますよ、この職員がやっている以上。内蔵令の協議の問題とは別に、これは非常に重大な問題なんですよ、これ。あなたさっき平然として、いまやっていることをあたりまえだと言われたけれども、内蔵令の部分を別にして考えてみたって、これらの職員が自治体に対して干渉するところの権能なんて持ってませんよ。これは直ちに中止をすべきですよ。それは次官、そうでしょう。
○政府委員(戸塚岩夫君) 末端で行っているのが特別会計帰属の職員であることは先生御指摘のとおりだと思います。で、これは設置権限という話になりますと多少大蔵省の官房ともいろいろ話し合ってみなければファイナルなお答えにはならないかと思いますが、私は理財局というところがやったらよろしい、理財局の出先がやったらいかぬということでは必ずしもないんじゃないかなという気がいたします。すなわち、私がやるのはいい、だけれども理財局の仕事を末端においてやっているその職員は特別会計に属しているから直ちに無権限だということにはならないのではないかという気がいたしますが、なお検討して正式な見解として先生にお知らせいたしたいと思っております。
○和田静夫君 あなたがやってもいいと言ったのは、言葉の、あなたに対する、余りあれしてもいかぬからちょっと言ってあげただけであって、そこのところの言葉じりをもって、おれならいい、向こうならだめだという論理にはならないのであって、問題は、いま私が取り上げていることは、資金運用部特別会計の職員である者がこういう状態のことをやるということは、これはもう明確に誤っていますよ。そこのところは謙虚に改める、そういうことが必要です。官房と相談をしなければならぬというなら相談の時間を与えましょう。ただし、私がいままで申し上げましたように、法制局長官も認められたように、自治大臣、誤ったことが行われていることは間違いがない。よって自治省の側からは一つの案が出ている。その案には真摯にやっぱりこたえる大蔵側の姿勢もなければならぬ。私は閣僚の一員として、福田内閣のもとにおいてこういうような不合理なことが行われていることに対しては、自治大臣、一定の前進的な結論が出る、そういう努力を求めたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 引き続いて努力をしてまいる所存でございます。
○和田静夫君 あとは後刻の時間にさせていただきます。
○阿部憲一君 まず本題の地方交付税法の一部を改正する法律案に関して当局に御質問申し上げたいと思いますが、地方交付税制度の本来の機能ということを考えますと、地方財源の調整、さらには一般財源の保障ということが考えられるわけでございますが、地方交付税の本来の機能ということについてどのように考えておられるか、まず御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 地方交付税制度の本来の機能、ただいま先生御指摘ございましたとおりでございまして、一つには地方団体間の財源の均衡化を図ることでございます。もう一つは、地方財政、各団体が計画的運営をやりますために必要な財源を保障するということ、この財源保障と財源の均衡化、この二つが機能だと考えております。
○阿部憲一君 この地方交付税制度の本来の機能を考えました場合に、その交付税が三年間連続して大幅な赤字ということは、この交付税制度の機能にどのような影響をもたらすとお考えですか。
○政府委員(首藤堯君) 長期に多額の不足を来すということは、そのままの状況で捨ておかれますならば、もちろん財源保障の機能も財源均衡化の機能も失ってしまう、こういう事態になるわけでございますので、交付税法の六条の三にも規定がございますように、制度改正とか率の改定とか、そういったことを行って総額を確保するようにという規定がございます。ただいまの状況では、非常に、御指摘のように大きな財源不足が生じておるわけでありますが、これが交付税の機能を損なうことのないように交付税の総額を増強するという、特別の措置でございますが、これを過去三年間、今年も含めて講じてまいりました。交付税の機能が低下をしないように私どもとしては措置をいたしておる、こういうつもりでございます。
○阿部憲一君 いまの五十一年度の実態を見ますと、実情はどうかといいますと、不交付団体は、都道府県四十七ありますが、このうち東京と大阪だけであって、市町村段階になりますと、三千二百五十七のうちわずか六十一となっております。この数字で見る限りでは、財源の調整を果たすという機能は本来の目的から外れてきているんじゃないか、こう思えるわけです。どうも地方財源の強化が図られない間に財政需要が増大してしまって、交付税制度の持っている財源調整という機能が失われてしまっている、こう考えられますが、この点についてどのような御認識ですか。
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、最近非常に不交付団体の数が減りまして、ほとんどの団体が交付税のお世話になる、こういう状況になってまいっております。これはまことに容易ならざることと私どもも考えております。このことは、交付税が機能を失ったということではございませんで、地方自治体に与えられておりますところの自主財源の大宗である税制、この地方税制の充実という点が非常に近ごろ弱くなってきておる、こういう状況に由来をしておるものではないか、こう考えておるわけであります。
○阿部憲一君 交付税制度そのものが機能を失ったのではないと弁解されておりますけれども、しかし、結局交付税制度そのものが機能を発揮するには非常に困難な情勢に陥っている、このように考えられると思います。 交付税の不足分が地方債に振りかえられる措置が四十一年度からとられていますが、その額は一体どのように推移しているか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 地方交付税の額が地方債に振りかえられましたのは主として昭和五十年からでございますが、昭和五十年においては、減収補てん債、これを含みまして一兆六百三十二億、それから五十一年度は一兆二千五百億、これは財源対策債を含みましてでございます。それから五十二年度は、御承知のように一兆三百五十億円、こういった非常に大きな額が地方債に振りかえられたという措置をとられております。
○阿部憲一君 こうした、交付税が地方債に振りかえられた措置が増加しているということは、交付税制度の持っている、地方の一般財源を保障するという本来の機能が失われていることを物語るものであると考えられますが、この点についてはどのように御認識ですか。
○政府委員(首藤堯君) 通常の事態におきまして地方財源を保障するに足りますだけの交付税の総額が少なくなってきておる、こういう事柄を御指摘のとおり示すものでございます。しかしながら、こういった財源不足の状況に対しまして、それぞれの年度におきまして、応急的な措置ではございますが、交付税そのものも借り入れをいたします等の措置によりまして増加をいたしておるわけでありまして、御指摘のような財源保障機能や調整機能を交付税が損なわないように、所要の補完措置と申しますか、補充措置と申しますか、こういう措置をとってきておるわけでございます。
○阿部憲一君 今年度の交付税の総額の伸び率はわずか一〇%、この制度の発足以来最低の伸び率であり、文字どおり非常事態である、こう考えられますが、やはりこの交付税制度そのものが行き詰まりに来ているといいますか、全国知事会でも指摘していますように、この三年間で交付税制度は大きなひずみを生じているのではないかと、こうも考えられますが、これについての御認識を承りたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、本年度の地方交付税そのものの増加率は、いろいろ補完措置を講じました結果におきましても一〇%にすぎないわけでございます。しかしながら、ことしの一般財源の伸びの状況で申し上げますと、税がかなりの伸びを示しておりますので、一般財源全般としては一五%程度の伸びになっております。去年は地方交付税そのものは非常に伸びをいたしましたけれども、税収入の伸びが少のうございましたので、この一般財源全部の伸び率はことしよりもっと低かったわけでございまして、五十一年度に比べれば、一般財源としてはことしの方が増加率がいいと、こういう状況に相なっております。
○阿部憲一君 大量に国債が発行されている、また税収も大幅な伸びを見込むことが不可能であると、このような状況のもとでもって交付税制度そのものの持つ本来の機能を有効に働かしていくためには、やはり改めて制度自体の点検を行って、実勢に即した交付税制度へと改善を図っていくという必要があると思いますが、この辺についてどういうふうにお考えでございますか。
○政府委員(首藤堯君) それは私どもも御指摘のとおりそのように考えております。できるだけ早い機会に地方税制、それから交付税制、これを含めまして所要の制度改正を行うべきだと考えておるわけでありますが、ただいまの事態では、毎度申し上げておりますように、非常に経済界の状況等も不安定でございますし、国、地方を通じましての一般財源総額も非常に不足をいたしておりまして、こういう点の制度改正が行われなければならぬ事態でございますので、恒久的な制度をただいますぐつくり上げるということが非常に困難である。しかし、なるたけ早い機会に御説のように税制、交付税制両方含めましてしかるべき改善を行っていくべきである、そのように努力をしたいと、こう考えております。
○阿部憲一君 どうも交付税制度の本来の意義、機能というものが変質させられてきていると、こう考えられるわけですが、制度の具体的な改革につきましては、いま局長のお話もございましたが、後ほどに伺うことにいたしまして、種々議論されてきましたこの交付税率の引き上げについて若干お伺いしたいと思います。五十二年度の事態は交付税法第六条の二第二項に規定する事態であったわけですが、今回とられた処置と、それからその理由をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) これはしばしば申し上げておりますように、今日の状況は交付税法六条の二の二項に該当する事態でございますから、制度の改正をするか、交付税率の引き上げを実行しなければならないわけでございますが、今日この状況下で交付税率を変更するということははなはだ困難だという判断に到達いたしましたので、これにかえて御高承のような制度の改正を行ったわけでございます。現在、国も地方も共通の財政危機に直面をいたしておるわけでございますが、新たな経済環境のもとにおける税制、財政の抜本的改正ということには一刻も早く着手をし、実行しなければならないと考えております。その際、地方税、交付税を含めまして地方公共団体の財源を充実する、これによって自主的な責任ある行政執行ができるような姿に一日も早くしたいと、こう考えておるわけであります。
○阿部憲一君 交付税率の引き上げの見送りにつきましては、いま大臣のお話のように、国の財政も大幅な財源不足だからというのがその理由のようでございまするが、地方自治体は国のように金融財政を左右できるという立場とは根本的に相違するものでありますし、そのことを考えますと、地方に借金を強いるということはやはり避けるべきであると、こういうふうに考えますが、地方自治の向上を図るという立場にある大臣としては、これにつきましてどのように認識しておられますか。
○国務大臣(小川平二君) 今日のような状況のもとで建設地方債の活用という手段に頼らざるを得ない、これはやむを得ないことだと存じます。一刻も早くかような状況から脱却しなければならない、こう考えておるのであります。
○阿部憲一君 今回のこの改正案の中で、附則第八条の二を新設して、政府の負担する交付税の借り入れ四千二百二十五億円を法律に明記されたということですが、これをもって制度改革とされる根拠は何ですか。明確に御説明願いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 地方交付税法六条の三第二項に、引き続き著しい交付税額の不足があるときには、交付税の率の変更、それから行財政制度の改正、これをやるべきだという規定があるわけでございますが、この制度改正につきましては、恒久的な制度改正を行う、これはもちろん最も基本的な形であろうとは考えますけれども、法制局の見解によりましても、経済情勢が変動期にあるために将来に向かっての的確な財政の見通しが予測しがたい、こういった状況にある等、特段の事情がある場合には、さしあたり当該年度の地方交付税の総額を増額する等のこの特例措置、これを講ずること、これもまた交付税法第六条の二第二項に言う行財政制度の改正に含まれると。つまり、六条の三第二項の制度改正というものは、そのやり方、内容につきましては非常に広範な選択を許しておると、こういうように解されておるわけでございます。したがいまして、今回、八条の二の新設をいたしました制度改正、これは御指摘のように恒久的な制度改正ではございませんけれども、昭和五十二年度の交付税の総額を確保、増額をする、さらに後年度にその償還分に相当する分の一定部分を交付税の増額、こういうかっこうで措置をすると、こういう措置をとりましたものでございまして、ただいま申し上げましたような趣旨で六条の三第二項に言う制度改正、これに含まれるものと、このように解釈をしておるわけであります。
○阿部憲一君 これまで行われてきました臨時特例交付金の交付税会計への繰り入れ措置はどれくらいになりますか。年度別にその額を御説明願います。
○政府委員(石原信雄君) 臨時特例交付金の繰り入れ額でございますが、五十二年度は千五百五十七億円でございます。五十一年度は六百三十六億円でございます。なお、さらにさかのぼりますと、四十九年度が三百二十一億円、四十八年度は三百八十八億円、四十七年度が千四百十五億円、それから四十六年度が五百二十八億円と、最近の年度ではこのような状況になっております。
○阿部憲一君 いま御説明のあった、従来から行われてきましたこの臨時特例交付金の交付税会計への繰り入れ措置と、今回とられた附則第八条の二に明記された措置とはどういうふうに違うのですか。
○政府委員(首藤堯君) これまでの臨時特例交付金、これはいわば当該年度の交付税の総額を増加をさせるものであります。交付税率の三二%による額ではありませんけれども、当該年度の交付税の総額を増加をさせる、それを現ナマで渡すと、こういうものでございます。今回の附則八条の二の臨特、これは後年度の交付税の総額を増加をさせるものである、つまり後年度にことし借り入れました額の償還をいたさなければなりませんが、その償還費のうちの一部を臨特を出すということでもって補てんをする、こういうことで、現年度、後年度、その違いということだろうと思います。
○阿部憲一君 どうも余り違いがないように思いますが、従来行われてきた臨時特例交付金の交付税会計への繰り入れ措置というものと、それからこの第八条の二項の措置、今年行われたものと、法律に明記されたというだけの違いであり、当年度と後年度という差だけですが、実質的にちょっと違いがあるというふうには考えられませんが、もし御説明のように、八条の二の新設をもって制度の改正と考えるものであれば、これまでに行われた措置も制度的な改正といいましょうか、制度の改正と、こういうふうに考えられるんですが、どうですか、その点は。
○政府委員(首藤堯君) 従前の措置は、交付税法六条の二第二項に言う事態にまだ達していない事態でございましたので、さしあたり当該年度の措置をどうするかという考え方からいるいろ折衝等いたしました結果、臨時にとり行ったものでございます。 今回の措置は、交付税法六条の三第二項に該当する時期であると、こういう認識なり前提なりのもとで、その制度の法規定の趣旨を生かしながら財源措置をしていくべきであると、こういう考え方で臨んだものでございます。したがいまして、今回の措置は、従前でございますと交付税特別会計で借り入れをいたしましたものについて、たとえば自治大臣と大蔵大臣と覚書を交わして、将来財政運営に支障が来ないように配慮をするぞといった程度の措置で済ませたわけでありますが、今回はそういう措置ではなくて、年度も、それから年度ごとに補てんをする額もこれを明定をいたしまして、法律でもって国にその義務を負ってもらう、こういう法的な措置を講じた、この点が違いだと考えております。
○阿部憲一君 どうも余りはっきりした差があるように思えませんが、いまお話しの大蔵、自治両大臣の覚書ですけれども、「法定することとしたのは、昭和五十二年度限りの異例の措置である」、こういうふうに述べられていますけれども、このような単年度限りの異例の措置をもって制度改正と胸を張るのはちょっとおかしいと思いますが、これをもう一度ひとつ御説明願いたい。
○政府委員(首藤堯君) 六条の三に言います制度の改正、これが本来ならば恒久的な制度の改正である方が望ましい、これはそのとおりであろうと思います。しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、こういう異例の事態であり、将来までの見通しを立て得る事態でございませんので、さしあたり五十二年度に関します措置としてこのような制度改正を行ったと、こういうことでございます。したがいまして、これはあくまで五十二年度限りの措置でございますから、恒久的な制度改正をやったと言って胸を張っておるわけではないわけでありますが、しかし、なおかつ、六条の二第二項に言う制度改正であることは間違いがないと、こう申し上げておるわけであります。
○阿部憲一君 数字的な内容についてお伺いしますけれども、制度改正と言われる今回の臨時地方特例交付金の借り入れ措置は、交付税率の引き上げに相当する措置だと伺ったんですが、そうだとすれば何%の引き上げに相当するものですか。
○政府委員(首藤堯君) 今回、将来国に負担をしてもらうように、元金も負担をしてもらうようにしました額と、それから臨特の額、こういうものを合わせますと、交付税率に仮に直しますと三・六%、この程度の率に当たります。
○阿部憲一君 この三・六%という率ですが、これは総額で五千百七十五億円、率にすれば三・六%の引き上げに相当するというお話ですが、五十五年度から六十二年度までの繰り入れられる臨時特例交付金の総額が三・六%に相当するということであって、年度ごとに見ればごくわずかではないでしょうか、その点いかがですか。
○政府委員(首藤堯君) これは五十二年度そのものでお考えをいただきますと、ともかくそれだけの額を五十二年度は現ナマとして使えるわけでございます。五十二年度はそれだけの額を確保いたしたわけであります。それを分割して払いますものについては、御指摘のように、額は何年かにわたりますから下がってまいりますが、それはともかく地方団体が心配をしないでことし使える額、ことし現ナマとして使える額、こういうことに相なります。したがいまして、ことしの率に直せば本年度の財源措置としては三・六%相当の財源措置であると、こう申し上げて差しつかえないと思います。
○阿部憲一君 本年度使えるお金がということですけれども、あなたの方で言われる分は、おっしゃることは、やはり数字のロジックじゃないかと思います。交付税率の三・六%引き上げに相当する額を措置したと言われますが、年度ごとに見れば、いま申し上げましたようにごくわずかで、五十五年度には三百二十億、最高の六十二年度でも八百五億円であって、本年度分の九百五十億円を下回る数字であります。これだけの額で税率引き上げにかわる制度の改正と言うのは、ちょっとおこがましいような気がいたしますが、これはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(首藤堯君) ただいまも申し上げましたように、ともかく後年度支払う心配がなくて、全くその心配なしに使えますことしの金、これが五千百何がしあるわけであります。したがいまして、これは恒久的に将来とも三・六%引き上げましたとは申し上げませんが、五十二年度に関しては交付税率を三・六%上げましたのと何ら変わらない交付税の総額の確保になっておる、これは間違いのないところでございます。
○阿部憲一君 本年度の一番大きな課題は、慢性的にもなった地方財政の財源不足を解消するために交付税率の引き上げを行うべきであると、こう思いますけれども、政府の対策を見ますと、今年度の措置は、これまで二年間と何ら基本的に、根本的には変わりがなく、地方財政制度を制度面から立ち直らせるという発想が見られないことは非常に残念だと思います。抜本的改善という大きな課題が残され、先ほど大臣もこの課題に取り組んでおられるようなお話がございましたが、重ねて、こういう問題につきましての大臣の姿勢をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) ただいま御指摘もございましたが、答弁を申し上げましたように、これは決して恒久的な制度ではないわけでございまして、先ほど来お耳に入れましたように、一日も早く抜本的、恒久的な制度の改善を実行しなければならないと信じておるわけでございます。
○阿部憲一君 恒久的、抜本的な改善をしようという大臣の姿勢はお伺いしたわけでございますけれども、ぜひとも実現されるように御努力をお願いしたいと思います。 当面、全国知事会などで要望しておりまする交付税制度の具体的な問題について二、三お伺いしたいと思いますが、まず、知事会では、ここ両三年にわたりまして借り入れ等の措置をせざるを得なかったことについて、経済不況の影響による国税三税の落ち込みに起因するだけではなくて、現行の交付税率が四十一年以来据え置かれたまま、新たな財政需要である教員とか警察官の定数増しとか、教員の人確法による待遇改善、公害環境対策、国土利用対策、消費者行政などの地方負担を安易に交付税に吸収したことによるものであって、その額は実に一兆円以上にも達していると、こういうふうに指摘していますけれども、この点についてどういうふうにお考えですか、お伺いします。
○政府委員(首藤堯君) なるほど、御指摘のように、昭和四十一年以降、昭和五十一年度ベースで計算をいたしますと、約一兆円程度の財政需要の増加が諸般の制度改正で行われております。これは事実でございます。しかし、これに対する財源措置を何らしなくてこうしたということには決してなっておらないのでありまして、具体的には四十一年度以降、税財政制度におきまして、歳入面も一兆を超えます制度的な改正を行ってきております。例を申し上げますと、自動車取得税の新設でございますとか、自動車重量譲与税の新設、航空機燃料譲与税、特別土地保有税、事業所税、交通安全対策特別交付金、電源開発対策の交付金、法人関係税、たばこ消費税、住民税の均頭割、自動車税、軽自動車税、軽油引取税、地方道路譲与税、こういったたぐいのものがございますし、なお、新設をしました国庫負担制度としても、人口急増地域の国庫補助金制度であるとか、小学校の校舎等の国庫補助金の引き上げでありますとか、高校新設に対します補助金の新増設でありますとか、こういう制度改正によりましたものも同様に一兆以上ございます。したがいまして、四十一年度以降交付税率の変更は行っておりませんが、その後制度的に増加をいたしました財政需要に対しては、それぞれいま申し上げたような制度的な歳入増加策、こういうことを講じてまいったことは事実でございます。
○阿部憲一君 さらに知事会の指摘によりますと、本来交付税で措置されていた公共事業等の地方負担を地方債に振りかえ、交付税の充当対象から除外して、他の増加した財政需要に交付税を充てる操作が行われていることも交付税制度を再検討する上で大きな問題である、このような指摘をしておりまするが、交付税制度の現状認識として、まことに当を得たものだと同感しておりますけれども、自治省としては、これについてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 本来の財政状況でございますならば、公共投資の財源もできるだけ地方債による分野を少なくして、一般財源で措置をしていく、これが将来に負担を残さないという意味では適切であることは、それは当然のことだと思います。しかし、先生御案内のように、五十年度以降、国、地方を通じまして財政収入が非常に枯渇をしておって、所要の財政需要が賄えないという事態が出ておるわけであります。こういう非常に危急のときでございますので、できる限り、いわゆる建設投資の財源、これを地方債に振りかえて事業を実施をしていく、そのかわり、その地方債の償還費は将来とも財源措置をしていかなければならぬことは当然でありますが、将来財源措置をすることを前提にしながら地方債で振りかえていくということもまたやむを得ない措置ではなかろうかと考えておるわけであります。したがいまして、今後なるたけ早い機会に国、地方を通じての一般財源の総量が財政需要に見合う態勢になる時期を期待をするわけでございますが、それまでのつなぎの措置としては、やはり建設投資分については地方債をもって充当をしていく、このこともまたやむを得ないのではなかろうか。ただし、その地方債の償還分については、財源全般としても、個別の団体に対する償還費としても、やはりその償還ができないような事態にはさせない措置をとっていく、こういうことを考えておるわけであります。
○阿部憲一君 これはこの知事会だけでなくて、いろいろな団体で主張していることですけれども、交付税の算定基礎に物品税等の各種間接税の安定収入を含めることとか、相続税や印紙収入等を加えること、さらには、現実に地方交付税が国税収入の五十一年度で三一・二%、五十二年度で三一・三%になっているということから、国税総額を対象とすべきだと、こういうような意見もあります。特に、この対象税目を国税三税に限らず全体に拡大して、その税収入の一定割合として交付税額を安定化することは、シャウプ勧告にもある国庫の一般資金から支出する平衡交付金という思想にも通ずるものである、こういうふうに主張をされておりまするが、こうした考え方に対する御見解を承りたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 地方交付税の対象税目として、御指摘のように、現在の国税三税だけでなく、ほかの税目を取り込めとか、あるいは国税総額にリンクせいとか、こういう御意見がありますことは私どももよく承知をいたしております。しかし、この点はいろいろ御意見があるわけでありますが、たとえば、ことし地方制度調査会等にこういった考え方をどのようにお考えになるかお諮りを申し上げましたところ、いまの時点では、やはり交付税の対象が国税三税とされておることについてはそれ相応の意味があると。つまりそれは、一つには国税における一番大きな要素を占めるものであって、かつ伸長度とか安定度とか、こういうものについての組み合わせがうまくいっておる、こういう税目であるという点が一つ。それからもう一つは、やはりその一定率を地方固有の財源というかっこうにするわけでありますから、地方税源として、地方財源として考えてみた場合も、そうおかしいとは思えない税目、こういうものが適当であるといったような考え方からいたしますと、さしあたりはこの国税三税、現行の税制では現在の国税三税、これが一番適当であるとやっぱり考えられると、このような御意見がございました。 ただ、これは問題がないわけではないわけでありまして、将来の問題として、まあたとえて申し上げますと、一般消費税的なものが国税ででき上がるというような事態がもしあるとすれば、これはそういったものを交付税の対象税目に取り込む、これは非常に適当なことではなかろうかと、こう考えます。ただ、現行の国税体系の中では、いまの三税が適当ではないかと、このような御意見も賜っておりますところでございます。
○阿部憲一君 いまのお説ですけれども、この現行の三税に頼っていることの結果から、いま申したように非常にむずかしい状況に落ち込んでおるわけですから、そういうことを救う意味においても国税総額でもっていった方がいいんじゃないかと、こういう考え方であるわけですけれども、現状では、いまの消費税を加えるわけにもいかぬ——消費税もありませんからですけれども、やっぱりあれですか、国税三税だけを交付税の中に入れるということが最善の策だと思うのでありますか。その点もう一度おっしゃってみてください。
○政府委員(首藤堯君) 結論的には、現状ではこの三税が一番適当ではないかというように、制度調査会等の御意見もございますが、私どももそのように考えております。他の税目にリンクをするとすれば、通常の事態であれば交付税の率、これも三税に対する三二という前提であれば、この三二を少し下げるなり何なり変えなきゃならぬというような理論的な状況になろうかと思いますが、対象にしました税目がそれほど大きな収入を上げられない、ないしはそれほどの伸長度がない。たとえば個別物品税のようなものをお考えいただければ、そのとおりでございますが、こういうものにリンクをすることが必ずしも地方財源の伸長なり安定なりということに資するというようには考えられない。ただし、まあ別の税制ができ上がれば別であると、こういうことでございます。
○阿部憲一君 知事会、市長会などが主張しておりますこの国債発行下の地方交付税のあり方についてでありますけれども、大量の国債発行によって国税三税にリンクする交付税が自動的に落ち込み、地方一般財政を保障するという交付税制度の機能を失いかけている現状から、この国債発行額の交付税相当額を地方交付税として交付する臨時の特別措置を講ずることを提案しております。御承知のとおりでございますが、国債の増発が今後も続くことが予想されるわけですが、そういった際に、この国債発行と交付税の関係については真剣に検討されるべきである、検討すべきものだと、こう思いますが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(首藤堯君) 国債が増発をされますことによってその金が各種の施策に使われる、たとえば公共事業等の財源に使われる、それをもって地方の地方負担がふえていく、こういう実態が現実に御指摘のようにございます。したがいまして、従前のように、大部分を国税に頼って国が財政運営をしておったときと、多額の国債に頼るという場合の地方財政運営のあり方にかなり差異が出てくる、これは御指摘のとおりであります。 したがいまして、かつて、いま御指摘のように、国債発行額等を交付税率の対象、これの算定の基礎に入れてはどうかという議論も出たことがございます。この点もいろいろその後検討もいたしてみたわけでありますが、いろいろやはり問題点がございます。 と申しますのは、ただいまの国債の発行、これは当然ただいま所要の財源を将来の負担に任せるわけでありますから、将来その国債の償還費というものが必要でございます。その国債償還費が歳出として出てまいりまして、逆に言えばそれだけ国の財源は減るわけでありますから、そういう場合のリンクの仕方、財源の配分の仕方、それをどう考えていくのかという、こういったような派生的な問題も起こってまいります。いずれにいたしましてもいろいろ問題点がございますので、ただいまなかなかそれに対して踏み切るという体制に立ち至っておりません。 しかし、いずれにいたしましても、毎年度地方財政計画の策定を通じて地方財源が国債が発行されておることによって必要になってきておるその分の願、これに対しましても所要の財源措置がされますように、その金額の確保と、こういうことは先生も御承知のように努めてまいっておるわけでありますから、まあ実害はないと申しますか、そういうことでただいま運営をいたしておるわけでございます。
○阿部憲一君 交付税の算定の適正化についてでありますけれども、本来交付税で措置することが適切でないと思われる農地法に関する事務費、国の財務会計委託事務費、国有財産の管理経費、それから保安林整備管理費等の経費については、交付税対象から除外して、国の委託費等によって財源措置を講ずべきであると知事会では指摘していますけれども、この点についての御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) ただいま御指摘のありました農地の移動等に対する事務あるいは国の財務会計制度の一部を処理するための経費、国有財産関係の取り扱い経費、保安林の管理費、これらについては、現行制度におきましてはもっぱら国の利害だけの事務ではない、地方にも何がしかの関係があるということで地方の負担を伴うものとして位置づけられておりまして、そのような現行制度のたてまえに沿って地方団体の負担すべき部分については交付税で財源措置をしておるわけであります。さらに言いますというと、これらの事務について地方団体が負担があるということで地方財政計画に積算され、それを基礎として地方交付税の総額が確保されているわけであります。ただ、まあ一つの立法論と言いましょうか、制度論としては、事務の性格をどのように考えるかによって全部国が持つ、全額国の負担とすべきである、こういうふうな議論はあり得ると思います。その場合には、当然現在交付税の基礎になっております負担分だけ地方の負担が減るという前提で財源の総量の議論が出てくるわけでありますが、いずれにいたしましても、現状は地方団体の負担があるという制度のたてまえになっておりますので、これを交付税で財源措置しているわけでありまして、一つの制度論としては御指摘のような議論もあり得るかと、このよう考えております。
○阿部憲一君 市長会の主張として、地方交付税を地方固有の財源として制度的に保障するために、また、それによって交付税の自主性と安定性とを確保するために交付税特別会計に直接国税収納金整理資金から繰り入れるという措置を講ずるように提案しておりますけれども、これはもう地方制度調査会の答申においても以前から指摘されているところでありますが、これがなかなか実現しない隘路があると思うわけですが、これは一体どういうところにあるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 御指摘のように、交付税の地方財源としての性格をより明確にする趣旨から、国税三税の一定額、三二%に相当する額は国税収納金整理資金から直接交付税会計に入れる、現在地方譲与税はそうなっているわけでございますが、それと同じようにしてはどうかという意見が以前からありまして、地方制度調査会でもそうすべきであるという答申がこれまで何回か出されたわけであります。ただ、この地方交付税の総額は国の予算額の中で大変大きなウエートを占めておるというようなことから、国庫当局はこんな大きな額が一般会計を通さずにいきなり交付税会計に入ってしまう、言うなれば国の予算全体の姿を見ていろいろ財政施策を考えなければいけないときに、交付税がその中に全然入っていないということはいかがなものかというような反対意見がありまして実現に至っていないわけであります。まあ私どもといたしましては、交付税の制度の本質といいましょうか、あるべき姿という見地に立ちますというと、御指摘のような市長会が指摘しているようなあり方というものが当然あり得る、このように考えております。
○阿部憲一君 そうすると、自治省の御答局ではむしろそのようなことを御希望なさっておるようにも承りましたけれども、もしそうだとすれば、なるべくひとつ早期に実現するように努力していただきたいと思いますが、この辺いかがでございましょう、大臣。
○国務大臣(小川平二君) ただいま答弁申し上げましたように、交付税が地方の固有財源であるという観点から、私どもは御指摘のあったような形で問題を解決すべく要求をいたしておるわけでありますが、遺憾ながら実現を見ておりません。今後も機会ある都度そういう要求をしてまいりたいと思っております。
○阿部憲一君 単位費用と測定単位の算定について伺いますけれども、革新市長会の提案では、現行の道府県百七十万人、市町村十万人のこの都市の標準団体の規模は実態から遊離しており、都市化の進展、地域格差の激化に対応して検討すべきであるとして、大都市と中都市は二十万人程度、それに小都市を五万人程度と、三段階に区分して、各段階の都市について財政状態、公共施設の状況等を考慮して単位費用の算定をするように提唱しておりまするけれども、一体この人口百七十万人とか十万人とかを標準団体とした根拠なり、理由の説明を含めて御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 初めに、現在の標準団体が都道府県については百七十万人、市町村につきましては十万人の都市というふうに定められた考え方でありますが、これは現在の交付税制度の前身であります平衡交付金時代にこのような標準団体が設置されたわけですが、考え方としまして、都道府県の百七十万というのは、都道府県のおおむね平均的な規模の県ということで百七十万という数字がとられたわけであります。それから市町村につきましては、平衡交付金制度がスタートした当時の都市の平均、単純平均ではございませんけれども、その当時の都市の標準的な団体として十万という団体が選ばれたわけであります。そういう経過で現在に至っているわけであります。 そこで、現在御指摘のようにもっと標準団体の数をふやしてはどうか、特に市町村につきましてもっと大きな段階の都市とそれからもっと小さな段階の都市あるいは町村というものをつくって、標準団体の数を多くしてはどうかという御提案があることは事実でありますし、私どももよくその御意見の存するところは承知いたしておりますけれども、現実の問題として、複数の標準団体を設定した場合に、現在補正係数で各団体の実情に合うような財政需要の算定を行っている部分が、個個の標準団体の算定内容として具体的に積算していくということになりますというと、実務的に非常に時間を要するということ、それから現実には算定作業としては現在よりむしろ複雑になる、こういうような難点もありましてこれに踏み切れないでいるわけであります。私どもといたしましては、現在のような都道府県百七十万、市町村十万という標準団体を基礎にして補正係数の積算内容をさらに適正化、合理化することによって地方団体の要請にはこたえていけるのではないか、またそれが、算定の簡素化という要請等も考え合わせますと最も妥当なんではないか、このように考えておる次第でございます。
○阿部憲一君 そうすると、現在とっておる、採用しておる算定方法をずっと持続していこうと思うと、こういうお考えでございますね。
○政府委員(石原信雄君) さようでございます。
○阿部憲一君 事業費の補正についてですけれども、この点については、各方面から、交付税を第二国庫補助金化するものであり、その一般財源的性格から逸脱して国の計画による投資的経費の財源保障に傾斜させているという批判が早くから加えられてきておりまするが、交付税を本来の性格機能に戻すためにも、この事業費補正を廃止して、これに対応して補助単価の実勢単価への改定、補助率の引き上げなどを含む国庫補助金制度の改正や、起債の充当率を引き上げるべきであるなどの意見がございますが、これらの意見についての御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 事業費補正という制度は、主として補助事業等につきまして、人口、面積その他の客観的な測定単位の数値だけではどうしても適切な財政需要の計算ができないものにつきまして、現実の公共事業等の地方負担額とその測定単位の数値による算定額との差を調整する、あるいはたとえば義務教育施設等について言いますというと、必要な事業費を、公共施設調査等の地方団体の現地の必要度を示す数値によって理論計算する、そのいわば理論計算による事業費と、それから測定単位の数値による算定額との差を調整するというような系統のもの、さらに地方債の元利償還金の一部を算入するものと、いろんなパターンがありまして、これらの事業費補正が地方交付税制度を補助金化するといいましょうか、補助金制度に追従させるものであるという非難が一部あるわけですけれども、その内容によって決してそのようなものではない。基準財政需要額の算定をより適切なものにするためには現在の事業費補正制度はどうしても必要である。これらの事業に伴う地方負担が相当大きな額になっておるという現状におきまして、画一的な測定単位の数値だけの計算で割り切るということについては余りにもその影響が大き過ぎる。そういう意味で、私どもは事業費補正は廃止することはできない、現在のやり方を継続せざるを得ないのではないか、このように考えております。
○阿部憲一君 次に、普通態容補正の種地区分の決定についてでありますが、点数差が階段状に決められているために、僅少差の団体に不公平を生ずる結果となっております。これを連続曲線化にして実態に即したものとするように関係団体からの要望があり、すでに自治省におかれても作業を進めているように聞いておりまするが、この作業はいつまでに終わることになっているか、現状をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 御指摘のように、普通態容補正の計算に当たりまして、その基礎となります種地の算出に当たり、その要素になっております人口集中地区人口でありますとか、経済構造でありますとか、宅地平均価格指数でありますとか、幾つかの指標について点数計算をして、それによって極地区分を定めているわけでありますが、わずかの点数の差のために一種地、下になってしまうというような現象がどうしても起こるわけであります。そこで、それによって非常に大きな係数の差が生ずるということについては、確かにボーダーラインの団体について気の毒であるというようなことから、いま先生御指摘のように、昨年度からその種地区分による係数をもとの点数差を加味して調整するといいましょうか、いわゆる連続曲線方式に移行させるということで五十一年度からその調整措置を開始いたしております。で、五十二年度はその二年度目に当たりまして、私どもの目標といたしましては、五十三年度には完全に連続曲線方式といいましょうか、階段状のやり方を曲線方式に移行させたい、そうすることによってボーダーラインの団体の不公平をなくしたい、このように考えております。
○阿部憲一君 基準財政収入額の算入率についてでございますが、市町村の場合、昭和三十八年までは百分の七十の算入率であったものが、三十九年度から、地方税収入の伸長、基準財政需要額の算定の合理化といった理由によって現行の百分の七十五になったように理解しておりまするけれども、最近の景気の動向だとか需要額の増大等によって、需要額未算入部分の拡大を図る必要から、算入率を百分の七十にするように革新市長会などでは提唱していますが、この辺についての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 現在、市町村分について言いますというと、基準財政収入額の算入率は百分の七十五になっておりますが、これは以前は百分の七十であったわけであります。それを昭和三十九年度に七十五に引き上げたわけですが、この引き上げた理由というのは、当時清掃費について急速に財政需要の増大を見ておりまして、特にこれが都市的な団体に著しい高騰がありましたので、清掃費を中心に都市的な財政需要の算定内容を大幅に引き上げる必要がある。と同時に、またこれらの都市的な財政需要の大きい団体は、一般的に申しまして税収入も多いわけであります。そこで、この基準税率を据え置いたままで都市的な財政需要を引き上げるということを行います場合に、それだけ交付税総額が大幅にふやせれば問題はありませんけれども、もしその交付税総額がそれだけ確保できないままにこの都市的財政需要を大幅に引き上げて、それで基準税率を従来のまま据え置くということになりますと、結果的には、田舎の交付税が、大都市といいましょうか、大きな都市に流れるという現象を生ずるわけであります。 そこで、三十九年度におきましては、都市的な財政需要の内容充実と見合って基準税率を引き上げるということを行ったわけであります。この点につきましては、私どもはこれからの問題意識としては、この基準税率の問題は基準財政需要額の算入内容と見合って考えていくべきではないか。もしこれを引き下げるということになりますというと、それに対応して財政需要の内容もまた引き下げなければ計算が合わなくなる。これは今日の事態ではちょっと考えられないことでありまして、むしろ多くの団体からの要請では、都市的財政需要をもっと内容充実を図るべきである、こういうような御意見が強いわけでありますから、その場合には、むしろ検討の方向とすれば、算入率を引き上げるかどうかということではないかと、このように考えております。
○阿部憲一君 特別交付税の減額についてでありますけれども、特別交付税の配分が、五十一年度の改正によって、従来の二月交付から十二月と三月の二回に分けて交付されるようになっておりますが、交付項目のうちルール化したものは普通交付税に算入してしまって、特別交付税は災害などの突発的な財政需要など特殊なものに限定し、さらに交付項目を法定化し、さしあたって現行の百分の六を百分の三に半減したらどうかという提案もありますが、これについてはどのようにお考えですか。
○政府委員(石原信雄君) 特別交付税につきましては、もっと算入率を下げて普通交付税に回すべきだと、こういうような御意見もかねてからありました。また一方では、特別交付税によって財政措置されるべき災害その他の特殊需要、これも年年増大しておる、こういうような状況で、この間の扱いをどうするか、いろいろ議論があったわけでありますが、御案内のように、昭和五十一年度から、特別交付税四%、まあ総額の配分を、そのうちの三分の一以内の額を十二月に配分する、それから残余を三月に配分するというように振り分けまして、十二月配分におきましては災害対策あるいは公営企業会計に対する一般会計の負担、その他いわゆるルール算定によって計算できる部分を主として十二月に配分する。それから各団体の財政状況を総合的に勘案してより妥当な配分を行うという機能を三月配分に期待するというようなやり方に移行したわけであります。まあ実質的に、先般配分を終わった五十一年度の特別交付税が、この十二月、三月に振り分けた初めての年であります。私どもといたしましては、この十二月、三月の振り分けによってより妥当な特別交付税の配分、算定ができるのではないかと期待しておるわけでありますが、この制度改正がまだ行われたばかりでありますから、その内容をさらにフォローしてみたいと、このように思っております。 なお、現在ルール的に算定されております項目を普通交付税に振りかえるべきでないかという御指摘でありますが、技術的には確かに可能ではないかと思いますけれども、ただ、災害などのように、時期的な関係でそもそも不可能なものもあります。しかし、公営企業対策等については技術的には可能ではないかと思いますが、ただその場合には、普通交付税の算定が現在よりもさらに複雑になるという難点があります。そこで、結論的に申しますと、昨年度の改正による配分結果をもう少し見さしていただきたいと、このように考える次第でございます。
○阿部憲一君 特定の地方債の償還費を基準財政需要額に算入する措置についてでありますけれども、最近は不況によって一般財源が不足することから、地方債を発行してその元利償還金の一定割合を算入して財源措置がされるという傾向が強くなってきたわけですが、これらの公債の中でも、災害復旧債とか辺地対策事業債などは主として弱小団体の財源補てんに役立つものとして需要額への算入措置もある程度理解できるわけですが、しかし、特定の地方債や事業債は、本来交付税の増額やその他の一般財源で措置すべきものを地方債で一時的に対処して再び交付税で財源措置をするということは、どうも交付税の便宜的な乱用ではないか、こう思われるわけでございます。特に最近のように、財源不足額のほとんどを地方債で措置するということになりますと、いつまでたってもこの悪循還は断ち切れずに、一般財源を保障する交付税制度がゆがめられて運用されていると言わざるを得ないわけでございますが、地方債の元利償還費については国から別途補給するというような方向で財源措置をすべきであって、何でもかんでも交付税でアフターケアするというような交付税の悪用といいましょうか、この運用はこの際やめるべきだと思うのですが、どのようにお考えになりますか。
○政府委員(石原信雄君) まあここ二、三年、地方財源対策の一環として地方債が増額され、その償還費を交付税の財政需要に算入しているというものがふえておるわけでありますが、この元利償還について、直接国庫からの元利補給金を交付するやり方と、現在やっておりますように、その元利償還金を地方財政計画上すべて歳出に計上いたしまして、その歳出を賄い得るように全体として一般財源を確保する、そうした上でこの償還金を基準財政需要額に算入していく、こういうやり方、両方やり方としてはあり得ると思うのです。私どもはこれまでの経験などから、地方債の元利補給金をいわゆる国庫金として支出するやり方等については、大変会計検査その他で事務が繁雑になって、先般もあったのでありますが、地方団体としては悪気はないのですけれども、一応事務処理の関係でつい法律に抵触するような扱いが出たりして非常にトラブルが多い。したがいまして、私どもはこの地方債によって当面財源の不足に対処せざるをないような場合の元利償還金について、一々元利補給金を国から交付して、それを会計検査でチェックしていくというやり方よりは、その元利償還金の総額を一般財源として確保して、基準財政需要額に算入していくというやり方の方が、国全体として考えましても、また、これを受ける地方団体の立場からいたしましても、より妥当なのではないか、このように判断いたしておるわけであります。繰り返すようでありますが、この地方債の償還に対する財源措置は二通り、直接元利補給金を交付する方法と、一般財源によってその償還財源を全体として確保する方法と、二つあり得ると思いますけれども、私どもは、現在のように一般財源として確保するやり方の方がより妥当な方法ではないかと、このように考えておる次第でございます。
○阿部憲一君 以上いろいろとお尋ねしまして、知事会だとか、市長会、革新市長会などの提言のもとに具体的に自治省の御見解を承ってきましたが、これらはすべてでありませんが、いずれも現実に地方財政を運営している立場から見ての意見であり、またその立場からの声として示唆に富んだものであると思いますので、ひとつさらに検討していただきたいと思います。今日交付税制度がいろいろな意味で曲り角にきており、基本的な問題について再検討すべき点も多くあろうと思われますので、このような声について、さらに特段の検討をお願いする次第でございます。 そこで、こうした基本的な問題を検討すると同時に、さしあたって当面の来年度の地方財政対策につきまして、自治省が先に公表された地方財政収支試算に基づいて二、三お伺いしたいと思います。 自治省作成の地方財政収支試算のケースAによっても、五十三年度の財源不足は少なくとも一兆一千八百億円が見込まれるわけですが、この来年度の財源不足の対策はどのように考えておられるのか、お伺いしたい。また、今年度限りの異例の措置であると断られている以上、穴埋め策として、借り入れとか、地方債への振りかえはあり得ないと考えてよろしいかどうか、この辺のところをお考えを承りたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、地方財政収支試算、現行のままで、現在の時点で推計をいたしますと、明年度もまたかなりの財政収入の不足が見込まれるのではなかろうかと考えておるわけであります。これに対応いたしましては、もちろん出ました不足額は完全に補てんをするということを第一義にし、かつまた交付税法六条の三、これの趣旨も体して所要の措置をとっていきたいと考えておるわけであります。まだ具体的にどうなりますかは、こういった数字の詰め等もございますし、また明年度における経済情勢のあり方、あるいは国、地方を通じた税財政制度の改正の動き、こういったものと密接にそれぞれ関連をしてまいりますので、そういった状況を見ながら処置をしてまいりたいと考えております。 地方債への振りかえの問題でございますが、この収支試算でもごらんをいただきますように、国、地方を通じて三%の負担のアップを前提にいたしましても、まだ五十三、五十四、この年次におきましては、国、地方ともかなりの財源不足が全般的に予測される事態でございますので、建設事業に対します地方債の充当、これはまあかなり多目に見ていかざるを得ない事態がやはりあるのではなかろうかと思います。ただし、ことしもやりましたように、いわゆる赤字債というかっこうで地方債を発行する、こういうことはぜひやめていきたいと、こう考えております。残りの分につきましては、交付税率の改正とか引き上げとかあるいは税制の改正とか、こういう問題を含んでそれぞれ適切に対応してまいりたい、こう考えておるわけであります。
○阿部憲一君 この交付税率の引き上げということについてどのようにお考えですか、いまの諸対策のうちで。
○政府委員(首藤堯君) 交付税率の引き上げの問題は、今後の経済状況の安定の問題、それから国、地方を通じます税財政制度の改正の問題、こういうものとそれぞれ関連をいたしてくると思います。われわれといたしましては、交付税率の引き上げの問題も含めまして、そのような制度改正との関連で措置を考えてまいりたい。また、これは税財政制度の改正が一挙にはできない、何年間かかかってやっていかなきゃならぬ、こういう事態にもしなるとすれば、そういった事態に対応して措置をとっていきたいと、こういう考え方で、端的に申しますと、交付税率のアップも含めた制度改正等の措置でございますね、こういうことで財源補てんをやってまいりたいと、こう考えております。
○阿部憲一君 この五十二年度ベースの地方財政収支試算に基づいて、財源対策ということについて若干お聞きしたいと思いまするけれども、この試算の目標は五十五年度に地方財源不足を解消するということですが、この目標達成に対する大臣のお考え、まあ自信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) この試算は、五十五年度において地方財政の財源不足を解消するという目標を設定いたしまして、幾つかの前提を置いた上でそこに至る各年度の財政の状況を試算をいたしたものでございますが、私といたしましては、まず第一に景気不況の克服ということに努力いたしまして、平均一三%の成長を達成するということに努力をしなければならないと存じておりまするし、また、租税負担率を四十八年−五十年の平均に対比して一%引き上げるということになっておるわけでございますから、国民の御理解を得つつ、税制の抜本的改正ということにも努力をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○阿部憲一君 ケースAで示されている歳入の一般財源の内訳は、五十三、五十四、五十五年度と、どのように見込まれているのかということと、地方交付税と地方税に分けてどのように見込まれているのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) ケースAの場合でございますが、一般財源はごらんのように五十三年度は十九兆二千億程度になっておりますが、これの内訳としては、地方交付税及び譲与税、これは一緒にひっくくっていただきたいと思いますが、これが六兆一千九百億、地方税が十三兆百億、それから五十四年度は、一般財源が二十二兆九千五百億でありますが、交付税及び譲与税で七兆四千四百、地方税で十五兆五千百、五十五年度は一般財源二十七兆四千九百でございますが、交付税及び譲与税が九兆、それから地方税が十八兆四千九百、まあ大体こんな推計をいたしております。
○阿部憲一君 譲与税を含む交付税分の見込みが五十三年度六兆一千九百億円、五十四年度七兆四千四百億円、五十五年度九兆円になるといういま御説明でございますが、どうも過大に見込まれているような気がするんですが、そう思いませんか。交付税の基礎になる国税三税がそれだけ伸びると考えられるのかどうか、局長のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) これの交付税の算定でございますが、先生御案内の、国の財政収支試算がございます。これはもちろん二%の負担率アップを前提にしたものでございますが、それの税収の中の一定割合、つまり国税総額でありますから、それの約七五%程度が国税三税だという前提に立ちまして算定をいたしております。したがいまして、この伸びの状況はいわゆる国の財政収支試算、これの税収見込みにスライドをしたものと、こうお考えいただきたいと思います。
○阿部憲一君 そうすると、全部国の方のを基礎にしてそこからはじき出したと、こういうふうなことに了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(首藤堯君) 交付税につきまして、は国の国税の見通しにスライドしております。地方税の方は地方税独自に一%のアップがあった場合という前提ではじいておるということでございます。
○阿部憲一君 地方税収の見通しは五十三年度で十三兆百億円ということですが、これが二四%もの伸びを見込まれているわけですが、どの税目がどのくらい伸びるとお考えになっておりますか。従来の経験から言っても、高度成長の時代であればあり得るかもしれませんが、このような低成長の時代にはそれだけの税収を確保することは非常にむずかしいのじゃないかと考えられますが、この辺の御見解を承りたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) ただいま大臣からも申し上げましたように、この地方財政収支試算における歳入の見込みにつきましては、昭和五十五年度における租税負担率を国は二%、地方税は一%引き上げるという前提で、GNPの伸び率にスライドいたしまして計算しておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のように、何税がどの程度伸びるかあるいは何税でどれだけの増税をするかということをこの収支試算の中で明らかにしているわけではございません。ちなみに申し上げますと、先ほど御指摘のありましたように、ケースAでは五十二年度対比五十三年度で二四%の地方税収入の伸び、五十四年度及び五十五年度は一九・二%の伸び、こういうことになっております。それでこれを対GNP弾性値、いわゆる租税収入の国民総生産に対する弾性値に置き直してみますと、一・六ばかりの弾性値が必要になってくる。ところが、昭和四十年代の地方税収入の状況を見ますと、弾性値はおおむね一・二ないし一・二五でございますので、通常の自然増収ではとうていこれは十分な、ここで見込んでおりますような税収入は確保できない。何らかの形での現行税制の枠内での増税あるいは新税の創設、そういうふうなことを予定いたしませんと、これだけの税収入は確保することはなかなかむずかしかろう、こういうふうに考えておるわけであります。
○阿部憲一君 どうも一般財源の内訳と、その伸びの見込みについて伺っておりますと、収支試算どおりの財源確保は非常に困難なように思われます。 そうすると、試算で示されている一兆一千八百億円以上の財源不足が生ずることが考えられますが、試算どおりに租税負担率を三%にふやして一般財源を確保したとしても、なおかつ一兆千八百億円の不足が生ずるということでありますから、このようなことを考えますと、いずれにしても現在の国と地方の財源配分のもとで現行の税制をとる限り、地方財政の健全化は全くおぼつかない、こういうふうに心配されますが、これについてどのような御認識を持っておられますか。
○政府委員(森岡敞君) まさしくおっしゃるとおりであろうと思います。そのようなことから、税制調査会におきましても中期税制のあり方についていろいろ審議が重ねられてまいりましたが、その大方のコンセンサスとしては、今後五十年代前期のいずれかの時期におきまして一般的な租税負担の引き上げを内容とする税制の基本的改革を行わなければ、国民経済なり国民生活の維持あるいは向上というものはとうてい期待できないということが合意として得られておるような状況でございます。ただ、その具体的な方式なり内容をどうするかということにつきまして、五十二年度——本年の十月までの税制調査会の審議におきまして早急に内容の方向づけをいたしたい、こういうことで検討が尽くされておるわけでございます。
○阿部憲一君 ところで、先月三日の日本経済新聞の記事によりますと、一般消費税の創設について、一般消費税を創設する場合はその税収の一定割合を地方自治体に配分することが大蔵、自治両省間で合意されているということだが、本当かどうか。合意がなされているとすればどういう形でなされているか、具体的にお伺いしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) ただいま申し上げてまいりましたように、五十年代前期のいずれかの時期において相当の増収を期待し得るような税制改正を行わなければならないというふうなことから、まず現行税制の枠内での増収措置を図るとすればどういうふうなことが考えられるかということで、所得課税、資産課税あるいは間接税につきまして網羅的に検討が行われております。それと同時に、間接税を中心といたしまして、新税として従来税制調査会やあるいは国会の大蔵委員会なり、地方行政委員会におきましていろんな御議論がございますので、それらを整理いたしまして、それぞれのメリット、デメリットというものについて、実施可能かどうかという問題は別にいたしまして、御討議が行われたわけでございます。この主要なものを申しますと、一つは土地増価税、富裕税、広告課税というふうなグループの税でございます。もう一つは、一般消費税的な税といたしまして、これはいろんな形が指摘されておるわけでございますが、製造者消費税でありますとか、EC型付加価値税でありますとか、大規模売上税、大規模取引税というふうな各般の税について検討が行われました。しかし、いずれもこれからの検討課題ということで、審議のいろんな内容についての報告は取りまとめられておりますが、結論は出ておりません。したがいまして、一部報道されておりますように、自治省と大蔵省が合意をしたというふうな事実は全く現段階ではございません。
○阿部憲一君 いまいろいろとお考えになることにつきましてはまた別の機会にゆっくりお伺いしたいと思いますが、どうも仄聞するところによりますと、自治省としては、一般消費税を創設してその一部を地方に配分してもらうごとによって赤字を解消したいという考えがあるやに、これは日経のレポートだけでなくて、そういうふうなルーマがありますが、今日の地方財政の危機は行財政制度の構造そのものに原因があるのであって、その制度の抜本的改正をおざなりにして増税によって解決しようということは、赤字の責任をいわば国民に転嫁する、これはちょっと許されないことじゃないかと思います。この点について大臣の御見解を承りたいところですが。
○国務大臣(小川平二君) これは先ほど来申し上げておりますように、この現行の税制を前提とする限りは、国も地方も財政の均衡を取り戻すということは困難でございます。先生のお言葉にも先ほどあったとおりでございますから、どうしても国民の理解、協力を得て相当程度、この収支試算によりますれば、地方税において一%程度の租税負担率の引き上げを実行しなければならないと考えておるわけでございます。これはやむを得ないことでございまして、何としてでも協力をいただいて実行に移すほかないと信じております。
○阿部憲一君 どうも来年度の財源不足は見通しよりも増加することも考えられます。しかも、地方債の額は年々増加し、公債費もそれ以上にふえるという状況を考えますと、来年度の対策はことしよりも後退することは絶対に許されないところですが、来年度の措置は絶対に後退した措置はとらないということをこの場でお約束していただけますか、大臣。
○国務大臣(小川平二君) どのような状況があらわれてまいりましても、地方財政の運営に絶対に支障を生ぜしめない決意で、私はもとより自治省挙げて努力をすることはもう申すまでもございません。
○阿部憲一君 最後に、今年度の改正案と地方債計画の中身について二、三お伺いしようと思いますが、まず財源対策債の償還費についてですが、これは五十一年度に増発された一兆二千五百億円の財源対策債の元利償還金を基準財政需要額に算入するために新たに設けられたものと聞いておりまするけれども、基準財政需要額への算入率は各事業別にどのようになっているか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 五十一年度の財源対策債の内訳を申しますと、そのうちの四千五百億円はいわゆる包括算入からの振りかえ分でございまして、この財源対策債の元利償還金につきましては、もともと交付税で全額財源措置されておったものでありますので、元利償還金の一〇〇%を基準財政需要額に算入するという考え方であります。 それから、建設事業に対する地方債で従来交付税により財源措置されたもののうち起債振りかえされたもの八千億の系統でありますが、これについては、このうちの義務教育施設整備債、あるいは清掃施設に対する整備債、三就労対策、流域下水道事業、高等学校、これらについてはこれまた従来交付税によって財源措置されたものを地方債に振りかえたものであるという考え方から、その一〇〇%を基準財政需要額に算入するということにいたしております。しかし、河川事業費あるいは港湾事業費につきましては、従来交付税で六〇%、事業費補正による算入率が六〇%されておったわけですが、これを起債振りかえするに当たりまして充当率を七五%に引き上げた、その見合いで引き上げたものでありますから、従来の交付税による財源措置との均衡を考慮いたしますと、七十五分の六十ということで八〇という率になるわけです。すなわち、河川事業費や港湾事業費につきましては、その元利償還金の八〇%を交付税算入することによって従来とのバランスがとれると、このような考え方で、これらの事業債についてはその算入率を八〇%にしたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 そうすると、算入率を一〇〇%と八〇%に分けたというのは、いま御説明のあるように、ほかには意味はないわけですね。
○政府委員(石原信雄君) 意味はございません。
○阿部憲一君 この財源対策債償還費の縁故債の利息を九%と見て措置されていますけれども、もし九%を超えている場合には地方負担になることが考えられますが、これについてはどう把握されておりますか。
○政府委員(石原信雄君) 縁故債につきましては、団体によってかなりばらつきがありますけれども、まあ私どもは縁故債の実勢をにらみまして、おおむね九%以内で借り入れられているものがあるということで、その利率を九%としてセットしたわけであります。したがいまして、団体によってもし九%以上の借り入れを行った団体がありましても、財源措置としては九%でこれを行う。また、九%未満で、九%より低い率で借り入れを行った団体も、やはり財源措置は九%で行う。この借り入れについては、各団体のいろいろ努力によって差が出てくるわけですけれども、交付税の財源措置は客観的な方式でいきたいということで、全体の平均値のまあやや高目の平均値をセットをしたと、こういう考え方でございます。
○阿部憲一君 この縁故地方債の金利が、公定歩合引き下げに逆行してかなりの上げ幅で上げられているという例を二、三聞くわけですが、たとえば愛知県では、八・三%から八・六%になっているということですが、このような自治体の財政難に拍車をかけるような事態についてどのように認識しておられますか。
○政府委員(石原信雄君) 御指摘のように、一部の団体におきまして、最近縁故債の金利が引き上げられるという傾向はあるわけであります。しかし一方、全体としての金融情勢といいましょうか、金利の動向としては下がる傾向にあります。そこで、私どもといたしましては、各団体の財政の将来をも考えまして、最近の金利の動向というものを逐一御連絡申し上げまして、できるだけ低い利率で借り入れが行われるように地方団体には情報提供し、御指導を申し上げているところであります。 ただ、いま例が挙げられましたように、一部の団体におきまして、前年度よりも高い利率で最近地方債の発行をいたした団体があります。これらの団体を調べてみますと、もともとの率が他の団体よりもかなり低かったというようなことから、最近の引き下げ傾向にある金利動向から比べてもなお低かったということで、金融機関側の要請でその見直しを行われたというようなところ、あるいは、従来、地元の金融機関だけを対象にしておりました縁故債の発行に、都市銀行など他の金融機関が入ったことによって、いわばその対象が広がったことによる平均値の上昇といいましょうか、そういうようなことが理由となって前年度よりも引き上げられたという団体があります。そこで、私どもとしては、最終的には借入条件は各団体と金融機関との間で決定されるものでありますので、当方でその内容に一々どうこうということは言えないわけでありますけれども、全体としての金利動向などを踏まえて、できるだけ低い利率で地方債が借り入れられるように関係団体にも御指導申し上げ、また大蔵省初め金融機関に対しても、その方向で協力いただくように働きかけておりますし、今後もまたそのような努力を続けてまいりたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 今年度の地方債に振りかえ措置された一兆三百五十億円についてですけれども、同様に措置された五十一年度分の八千億円について見ると、費目別振りかえ額内訳として、事業費補正分として二千八百五十九億円、単位費用分として五千百四十一億円と、明確に分けられておりますけれども、今年度の一兆三百五十億円についてはどのようになっておりますか、もし分けられていないということであれば、その理由をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 五十一年度の場合には、この一兆二千五百億円を決める過程において単位費用からの振りかえによって積み上げたということで、事業補正分とその他が初めからはっきりしておったわけですが、五十二年度につきましては、いわば地方財政計画ベース、マクロのベースで総額を決定したために、初めからその内訳が明確にできなかったわけですけれども、その充当対象経費の中身を分析いたしました結果、一兆三百五十億円のうち、事業費補正見合い分は三千億、このように考えております。したがいまして、それ以外の部分が単位費用その他による算定と、このように御理解をいただきたいと思います。
○阿部憲一君 政府は公共事業の執行促進ということで、本年度の公共事業の七三%を上半期に契約することと決めて景気浮揚を図ることとしております。これに対して、地方の裏負担となる一般公共事業債の配分は、例年、各省庁の補助金の割りつけを待って八月に行われておりますけれども、自治省としてはどう対応していくお考えなのかということと、枠配分に何らかの配慮をなされておりますかということと、もう一つ、資金調達は可能であるかどうか、この三点について御返事願いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 御指摘のように、従来、公共事業に対する地方債の配分は、各補助事業の団体別配分が終わった段階で行っておりました関係上、どうしても遅くならざるを得なかったわけであります。 そこで、今年度は各地方団体における公共事業の早期執行に御協力申し上げるという趣旨で、例年よりも約四カ月時期を早めまして、去る四月二十八日付で本年度の地方債計画上の公共事業費の七三%に相当する六千二百八億円についてあらかじめ枠配分をいたしております。この枠配分によりまして各団体は現実に執行する事業についてそれぞれ充当していただけばいいと考えておりますので、今回の公共事業執行促進措置には十分対処していただけるのではないかと、このように考えております。 なお、その地方債の消化の問題でありますが、幸いなことに、現在の金融情勢は御案内のように非常に緩んでおりますので、その消化については特に困難を生ずるようなことはないのではないかと、このように考えております。もちろん、具体的なケースによりまして問題が生ずれば、金融担当の大蔵省とも協議をして消化に万全を期したいと、このように考えております。
○阿部憲一君 臨時市町村道路整備事業は、景気浮揚と、それから生活関連道路の整備として五十一年度二千億円、今年度二千五百億円が計上されたわけですけれども、同事業については都道府県の中にもその実施を望む声がありますけれども、これはどのようにお考えでございますか。
○政府委員(石原信雄君) 私どもはこの臨時市町村道整備事業債は、先生御指摘のように、市町村の生活道路としての市町村道の整備が国道や府県道に比べて非常に立ちおくれておると、このような事情をも踏まえて昨年度二千億円を計上し、本年度はさらに二千五百億円を準備したわけであります。このような措置に対応して、都道府県からも、都道府県の単独道路事業として市町村の生活道路に匹敵するような事業がかなりあるから、ぜひ市町村に準じた起債の枠の追加をしてほしいという要望を聞いております。これにつきましては、本年度の公共事業の執行状況あるいは単独事業の実施状況などを見ながら、その必要性が非常に高いということであれば関係方面とも相談して追加の問題を検討してまいりたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 まあその場合に都道府県の方のことも考えるということになりますと、市町村道の整備がおくれるということ、また道府県の整備のためにその枠が減少するということになると、本来のこの制度が設けられた趣旨から外れることになります。市町村の分は来年度以降も従来どおり続けて、さらに都道府県の枠を新たに設けるという考え方をおとりになりますか、どうですか。
○政府委員(石原信雄君) 私いま申し上げましたのは、現在の市町村道のために準備された二千五百億円の枠を都道府県に削るという意味ではございませんで、必要があれば都道府県の枠は別枠で要求したいと、このように申し上げたわけでございます。
○阿部憲一君 下水道事業についてお伺いしますけれども、本年度の地方債計画を見ますと、下水道事業債の充当率が本年度限りの措置として七五%から八五%に引き上げられております。これはどういう理由からか、お伺いします。また、これによって下水道事業の財源構成はどのようになるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 下水道事業につきましては、従来から準公営事業という考え方で、その財源について国庫補助負担金、それから受益者負担金、起債と、この三者で満額財源措置ができるようにという考え方で起債の充当率もセットされておるわけであります。で、従来七五%の充当率ということは、その残りについては受益者負担金があると、こういう考え方でおったわけでありますが、最近の実態を見ますというと、受益者負担金が、七五%ではそこまでとても残りを賄うまでには至っていないと、このような実情もありまして、五十一年度については事業の円滑な執行をも配慮して、充当率を七五から一〇%上げて八五%にしたわけであります。 ただ、この前提として、受益者負担金のあり方について、現状がそこまでしか受益者負担金が取られてないからということで充当率を上げたわけでありますけれども、さらに言いますと、そもそも下水道事業に対する受益者負担金はどの程度であるべきなのか、こういった問題、あるいは使用料とか都市計画税の充当のあり方、こういったより掘り下げた検討が必要ではないかというようなことで、とりあえず五十二年度につきましては充当率を八五%にしたわけであります。 したがいまして、五十二年度につきましてはこの引き上げ措置によって、たとえば公共下水道の国庫補助事業の場合で申しますと、管渠と処理場で違いますけれども、管渠の例で申しますと、管渠の整備については事業費の十分の六が国庫補助金で賄われておる。それから、地方負担のうちの、十分の四に対しまして地方債充当が十分の四の八五でありますから、三四%が地方債によって賄われている、残り六%が受益者負担金によって賄われている、このような財源構成になります。終末処理場になりますと補助率が三分の二に上がりますので、地方債の受け持ち分が二八・三%、それから受益者負担金が五%と、こういうような構成になろうかと思います。いずれにいたしましても、この充当率の引き上げ措置によりまして下水道事業の執行がかなり容易になると、このように期待をいたしております。
○阿部憲一君 この下水道事業の財源構成を見ますと、四十九年度の国庫補助率及び地方債の充当率の引き上げが行われた際に、公共下水道事業については国費、地方債及び受益者負担により完全に措置されているということで、投資的経費の単位費用が廃止された経過がありますけれども、今回充当率を引き上げたということは受益者負担が少なかったからだと考えるのか、どうですか。当時の説明では、受益者負担は一〇%と見て、全体の財源構成はきちっとなされたということですけれども、受益者負担の割合について基本的にはどのようにお考えになっておられますか、もう一度説明していただきたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 下水道事業の受益者負担につきましては、現在では昭和四十年十月二十五日付の建設、自治両省の通達がありまして、この通達によりますと、事業費の五分の一以上三分の一以下のものを受益者負担金として徴収することが適当であると、このようなことが言われておるわけです。しかし、その後の実態を見ますというと、受益者負担金の率は年々いま低下してきておりまして、たとえば昭和四十九年度の実態で申しますと、負担金を徴収している団体の負担金の率は、公共事業の事業費に対しまして約四・四%ぐらい、このような水準になっております。ただ、これもさらに団体によってかなり差がありまして、団体によっては一〇%近く取っているところもありますし、まあ全然取ってないところもあるというように、非常にばらつきがあるわけであります。 そこで、五十二年度の起債の充当率を決めるに当たりましては、このような最近の実情も踏まえて、とりあえず一〇%充当率を引き上げるという措置を講じたわけでありますけれども、先ほどもお答え申し上げましたように、最終的に、最近の実態をも踏まえて、下水道事業の負担金がどうあるべきかということはさらに検討をしてまいりたい、その上で恒久的な下水道事業に対する起債充当率をセットしていきたい、こういう考え方で五十二年度はとりあえずの措置として八五%という率にいたした次第でございます。
○阿部憲一君 現実に受益者負担が、当初四十九年度に想定したような、総事業費の一〇%に満ちておらないために起債の充当率を高めたということだと思いますが、これは本年度限りの措置だとすると、来年度以降起債充当率が七五%のもとに戻って、下水道整備事業を行うとしますと、当然その分、地方の持ち出し分が出てくると思います。現実に当初考えられていた受益者負担が得られないのであるから、公共下水道費の一般財源所要額を交付税で見るということが必要になると思いますが、これについてはどうお考えですか。
○政府委員(石原信雄君) 確かに、現状のままで五十三年度以降また充当率をもとに戻すということになると、現実に受益者負担が入らないで、起債の充当率だけが下がっちゃうということになれば、そのギャップは一般財源持ちということになると、これは御指摘のとおりであります。 そこで私どもといたしましては、五十三年度までにこの受益者負担制度のあり方について関係省とも検討をいたしまして結論を出したい、その上でどのような充当率にするのがいいのか決めたい、こういう考え方であります。したがいまして、五十二年度限りの措置であるということは、五十三年度になったらまたもとに戻して引き下げるという意味ではなしに、それまでに受益者負担制度のあり方を検討いたしまして、その検討の結論に沿って妥当な充当率を決めてまいりたい、こういう考え方でございます。
○阿部憲一君 この五十二年度の地方債計画では、下水道事業の縁故地方債は五十一年度の十倍を超える千七百七十億円が計上されていますけれども、これに対する公庫資金と市場公募債が逆に減少しているけれども、これはどういう理由でございますか。
○政府委員(石原信雄君) 御指摘のとおり、五十二年度の地方債計画における資金区分におきましては、下水道事業に割り振るべき公募資金等が減少して、縁故部分がふえているということはそのとおりであります。これは全体の資金枠の配分の結果そのような割り振りにせざるを得なかったということでありまして、特に方針があってそうしたということではございません。資金事情からそうせざるを得なかったということでございます。
○阿部憲一君 この縁故債の元利償還金は基準財政需要額に算入されるお考えはないかどうか、お伺いします。
○政府委員(石原信雄君) 従来、下水道の起債につきましては、地方債計画の枠内につきましてはすべて政府資金あるいは公庫資金、市場公募資金というもので措置されておりました関係上、いわば制度的な財源措置としての地方債としては縁故資金は予定されていなかったと。縁故資金は各団体のいわば財源補てん対策として割り振られたという面がありましたので、基準財政需要額への算入から除外されておったわけですが、これからは地方債計画上、当然一定額の縁故資金が予定されておるわけでありますから、地方債計画上の資金配分として充当される縁故資金は当然にその元利償還金は交付税の算入対象にしていくと、このように御理解をいただきたいと思います。
○阿部憲一君 そうすると、この元利償還金は基準財政需要額に算入されるということですね。そうしますと、その分だけ交付税が食われてしまうということになりませんか。今日、この交付税の総額が不足して問題となっているときに、景気浮揚のためとはいえ、安易に起債に依存して、そのアフターケアを交付税でみるということは、現状のもとではちょっと場当たり的なものであると、こういうふうに考えられて慎重に対処すべきものではないかと思いますが、この辺のところのお考えを承りたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 下水道事業の元利償還金につきましては、そのうち一般会計が負担すべき分は、地方財政計画の積算に当たりまして、公営企業会計に対する繰出金としてそれぞれ積算し、全体としての地方財源所要額を確保する場合の基礎に入れておりますから、財源措置としてはその分が地方団体にしわ寄せされるということでなしに、必要な財源措置は全体としてとられていると、このように考えております。
○委員長(高橋邦雄君) 暫時休憩いたします。 午後六時四十二分休憩 —————・————— 午後七時三十二分開会
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神谷信之助君 交付税制度は、もうすでに御承知のように、地方公共団体がその財政力のいかんにかかわらず一定の行政水準を維持し得るような、そのための必要な財源を保障する財源調整を行おうとする制度である。言いかえますと、この財源調整を通じて地方自治体に対して地域住民のシビルミニマムを充足する、そのため必要な一般財源を保障するというのが交付税の本来の性格であり、機能であるというように解しておりますが、この点の確認のためにひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) お説のとおりでございまして、交付税の本来の機能、性格、交付税法の第一条にも規定をしてございます。地方団体の自主性を損うことがなく地方公共団体間の財源を均衡化をする、あるいは財源の保障をやっていく、こういうことが主たる機能と、こういうことに相なっております。
○神谷信之助君 ところが、今日までのこの交付税制度の運用の実態を見ますと、本来のそのような性格、機能、これがゆがめられてきているのではないかというふうに思うわけです。 時間をできるだけ短縮をするために、一々お尋ねをするのではなしに、私の方から申し上げていきますが、まず平衡交付金制度ですね、この当時からすでにゆがめられて出発をしたのではないかというふうに思うんです。基準財政需要額の測定単位当たりの費用の算定についていろいろな行政内容を三つに分類をする。一つは、法令などによる義務的な行政、二つはそれに準ずる行政、三つ目は非義務的で任意的な行政、こういう三種類に分けて、第一の問題についてはその行政規模、水準を維持するに必要な財源、これを従来の国庫補助金などを基礎にして算入をする、二、三の行政内容については、これをさらに数段階に区分をして、そして非義務的なものほどその財政需要の切り下げ率を大きくするといいますと、それは任意的なものに対する財源保障というのは十分に見ないというところから出発をして、したがって、当初から国の法令や施策、これについては平衡交付金制度を通じて間接的にその財政を保障する、こういう形で、したがって平衡交付金の一般財源としての性格、これが出発の当初から弱められたのではないかというように思うのです。こういう傾向が交付税制度に移っても引き継がれて、特に国庫補助事業はその義務性の強いものとして必要額が算入をされる。とりわけ高度成長時代に入りまして、高度成長を進めるに必要な事業あるいはそれを進めるために必要な税の減免措置、こういうものに対してまで交付税で手当てをするというような方法などを進めてきておりますが、こういう点は交付税の補助金的な運用といいますか、あるいは交付税の特定財源化が進められてきたというように解しているのですが、この辺について見解をまずお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、交付税は地方団体が標準的な行政を施行する上に必要な財源を確保する、こういう機能に出るものでございます。したがいまして、当然その交付税の額そのものについての使途の制限はない。これはあたりまえのことでございます。しかし幾らの額が標準的な財政規模、財政を運営をするために要るか、こういう算定をします場合には、いろいろその内容を分けまして、算定につき工夫をこらす必要があるわけでございます。その場合に、ただいま御指摘がございましたように、法令上義務的経費だというように決められましたものにつきましては、これはまあいかに自治体とはいえ、一定の基準のものは実施をせざるを得ないわけでございますので、その分については高率な充当をしなければ仕方がない、こういう状況になろうかと思いますが、非義務的なものにつきましては、やはりその団体のみずからの考え方で事業量が決まってくる、あるいは行政量が決まってくる、こういうことになりましょうし、また何の事業をどう選ぶかにつきましても、当該団体の自主的な判断によるのだろうと思います。 そこで標準的な財政規模を考えます場合に、私どもの考え方としては、このような非義務的なものについては、かなり各団体にポピュラーになってきておると、多くの団体が実際実施をしておる、こういうたぐいのものにつきましては、これを普通交付税の中に大幅に取り込む、こういうことをいたすわけでありますが、非常に団体ごとについて特殊的な性格を持っておる、こういうものについては、なかなか普通交付税に全部を算定を仕込むということが事実上むずかしかったわけでございます。この点につきましては、先生も御案内のように、一方、基準収入の制度におきまして、都道府県においては標準収入の二割、それから市町村においては、標準収入の二割五分、こういうものが独自財源として残される仕掛けを残しておるわけでありまして、この標準税率、基準税率を一〇〇%にいたしますならば、先生がおっしゃいましたように、みんなお仕着せの着物を着る、着ざるを得ない、こういう状況になろうかと思いますが、そこには地方団体が自主的に運営をし得る財源、これを保留をしておく、こういう制度に相なっておるわけでございます。また一方、世の中が進みまして住民のニーズ等が非常に多様化をいたします、地方団体の持ちます仕事も非常に多彩化をいたしてまいりますと、地方団体側の要望といたしましても、そういう標準的な財政規模を見ます際にいろいろ意見がたくさん出てくるわけでありまして、各種の事態の変化に対応して的確に基準財政需要額を算定すべきである、こういう意見が出てまいります。このようなものが、たとえばその後事業費補正でございますとかいろいろな補正関係のときに出てくるわけでありまして、これは各団体の意見も聞きながら直していったと、こういう経過をたどっております。 したがいまして、法令義務費あるいは法令による各種の経費、こういうものだけを非常に強化をして見ておって、非義務性のものについての見込み方が非常に少ない、これは交付税の使途を、ひもつけというかっこうと申しますか、補助金化というかっこうと申しますか、そういうことになっているのではないかという御指摘を賜ったのでありますが、私どもは必ずしもそのように考えていないのでありまして、できるだけ地方団体の財政事情のあり方を的確に算定をしていきたい。こういう意図に出ておるものだということを御了解いただきたいと思います。
○神谷信之助君 一般的に説明を聞きますと、それはそれなりの合理性を持っておるように思われるわけです。そこで、下水道事業の問題を中心にひとつ具体的な問題で検討してみたいというように思います。 建設省にお聞きをしますけれども、第一次から第三次までの下水道整備事業ですね、この達成状況についてまず報告してもらいたいんですが。
○説明員(遠山啓君) 建設省では昭和三十八年から下水道の計画的な施行を行っておりまして、第一次五カ年計画が三十八年度から発足したわけでございます。この計画額が四千四百億でございまして、これは五カ年行いませんで、四カ年で次の事業に移りましたが、実績といたしましては二千九百六十三億円、すなわち達成率としては六七・三%でございます。それから第二次の五カ年計画でございますが、これは四十二年から四十六年を目途としたものでございますが、これも四カ年で第三次に移行しておりますが、計画額は九千三百億円、このうち予備費が三百億円ございますが、計画額の九千億に対しまして、実績といたしまして六千百七十八億円、すなわち六八・六%でございます。第三次計画でございますが、これは四十六年度から五十年度まででございます。計画額が二兆六千億円になりまして、予備費を八百六十六億円組んでおります。計画額の二兆五千百三十四億円に対比いたしまして、実績額としては二兆六千二百四十一億円で、達成率は一〇四・四%になっております。以上でございます。
○神谷信之助君 事業費ベースで一〇四%まできたんですが、事業量では第三次計画というのは何%ぐらいになっておりますか。それから五十年度末の普及率、これはいまどういう状況になっていますか。
○説明員(遠山啓君) 第三次計画におきまして五カ年計画のこの事業量の達成率でございますが、当初計画に比べまして、管渠の整備延長で約五一%でございます。それから終末処理場の処理能力でございますが、約四四%というふうになっております。それから普及率でございますが、全人口に対しまして下水道で処理できる人口普及率と申しておりますが、第三次の終わった時点におきまして二二・八%になっております。
○神谷信之助君 事業量の面では五一%及び四十数%というわけで、非常に計画から言うと立ちおくれをしていると言わざるを得ないと思います。この下水道事業は、住民の生活にとって、環境整備にとって非常に重要な柱の一つなのでありますが、こういう計画より立ちおくれている原因についてどのように建設省ではお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
○説明員(遠山啓君) 従来下水道は大都市を中心にしてまいりまして施行をいたしてきておりまして、したがいまして、今日的に水質汚濁が全国的な規模で広がってまいりまして、下水道の必要性が急に増加してきたということに対しまして、その対応性が遅かったというのがございます。それだけ社会資本の投資というのが下水道に対しましておくれたということが第一の原因であろうかというふうに思います。
○神谷信之助君 いまお答えのように、社会資本の投資が、情勢の変化、特に高成長政策が急激に進められるという状況に対応し得なかった、立ちおくれをしたということに重大な問題があると思うのです。その点でも明らかだと思うんですが、経済計画に対応いたしまして社会資本の投資額と下水道整備計画あるいはその他の生活関連事業というのがどういう状況かということ、これはもう資料がありますから、私の方から時間の関係もありますから申し上げますが、三十九年から四十三年中期経済計画、これは下水道整備五カ年計画の第一次が三十八年から四十二年ですから、大体それに該当します。これを見ますと、高度成長にとって必要な道路事業について、公共事業総投資額のシェアとしては二三%ですね。ところが、住宅は六・三%、下水道は三・三%、都市公園に至っては〇・四、それから治水事業も五・一%という状態です。これは、その次の四十二年から四十六年の経済社会発展計画の時期もちょうど第二次下水道整備計画にかかりますが、この時期も同じ。大体公共事業投資資本の半分以上が道路事業に投資をされている。それから住宅へ下水道、都市公園、治水というのは、〇・七%から大体一番多くても六・二%というように、社会資本の投資額自体を見ましても、こういう生活環境整備にどんどん金を投じないで、そうして高成長にとって必要な道路を中心にした、あるいは港湾事業その他に資本投下が集中的になされているわけです。こういうように思うのですが、この点、大臣、いかがにお考えですか。
○国務大臣(小川平二君) 最近におきましては、住宅その他生活関連の施設に重点が移行をしておりますが、従来どうだったかということになりますると、概して御指摘のような傾向があったことは否定できないと存じます。
○神谷信之助君 最近は生活関連事業の方に資本投下をふやしたとおっしゃるんですが、しかし、昭和五十年代前期経済計画、五十一年から五十五年の状況ですね。これを見ますと、公共事業の全投資額というのは、全体の投資額のうちの四〇・一%ですが、そのうちほとんど半分の一九・五%が相変わらず道路事業です。住宅は六・五%、下水道は七・一%、都市公園も一・五%、治水は五・五%。これはちょうど治水の方は、五十二年度から五十六年度と新しく計画が組み直されまして七兆六千億ぐらいにふえましたから、少し五・五%よりはシェアがふえていますけれど、そう目立って生活関連事業に資本投下をふやしたという状態にはなっていないという状況なんですね。若干ずつはふえていますよ、前期のあの経済社会基本計画、これから言えば、たとえば下水道で言えば六・三%が七・一%にふえている。だから、道路の方は二一・一から一九・五に減ってはいますけれども、しかし、全公共事業の投資総額から言いますと、やっぱり半分近くは道路に投資をされている。これがいまなお続いている政府の社会資本の投資の仕方であります。国の方がやっぱりそういう措置をとっているんです。 そこで、自治省に具体的にお聞きしたいと思うんですが、こういう国の経済政策といいますか、基本政策に基づいて、交付税もそれに対応していろいろな制度改正や、あるいは単位費用の強化、増額、こういう措置が生まれてやられてきています。詳しく言いますといろいろありますが、たとえば昭和三十二年度ですね、このときに道路橋梁費の測定単位に新たに延長を加えて、その財政需要を強化をするという措置が加えられました。これはちょうど新道路整備五カ年計画における施行予定率、これを基準にして交付税強化の措置をとる、こういう措置がとられる。これは自治省ですか、が監修されている「地方財政詳解」、これによりますとそういうことが述べられています。ですから、こういう改正によって道路橋梁費の財政需要額というのは二倍以上引き上げられた。それから、第二次道路整備五カ年計画、これが三十三年度に二千六百億から一兆円に拡張して実施されるようになりましたが、これも建設省の単価を基礎にして、新設改良費の単価を大幅に引き上げるという措置がその次に出てきています。あるいはさらに、所得倍増計画に基づいて第三次道路整備五カ年計画が策定をされますが、それに伴って、地方負担額は軽油引取税その他の特定財源を除けば一〇〇%をこの基準財政需要額に算入するという形で単位費用の増額を行う。このように、国の行政投資拡充策に相呼応して地方交付税をフルに活用してきたというふうに、いま道路の問題を中心に言いましたが、言えるのじゃないかと思います。 さらに、それは例の三十六年の低開発地域開発促進法、あるいは産炭地域の臨時措置法、三十七年の新産都法、それから三十九年の工特ですね、これらによって、工場誘致のための地方税の課税免除または不均一課税に伴う減収額を交付税で補てんをすると、こういう形で側面から地域開発を推進をする。だから、交付税制度というのが、自治体が自由に使える財源だと言われながら、実際には政府のそういう地域開発政策なりあるいは高度成長政策、これに従属をして、そしてそれの推進に応じてその単位費用の算定が改定をされる、増額をされるという状況になってきています。 もちろん先ほど財政局長もお話しがありましたように、地域住民のニーズによって変化をせざるを得ない、そのニーズを無視することはできません。そういう住民要求にこたえるという中から、そういう生活関連事業を重視をしていくという萌芽というのは、やっと三十九年に道府県及び市町村のその他の土木費の人口分について新たに住宅関係経費が算入される、あるいは衛生費で処理をされておった清掃費が独立をして、これが充実される、それから、四十年になってさらにこの高度成長に伴うひずみが顕著になっていくという段階では、四十年度に社会福祉費の段階補正、これで新しく指定都市と他の市町村に区分をして、大都市の財政需要を充実しておる。そのための清掃費の単価の引き上げ、こういったものがやられています。 こうやってずっと歴史的にといいますか、経過的に細かく点検をしていきますと、高度成長に関するそういう事業、それから、政府がそのために重点として考えている事業、これらについては交付税の単位費用の算定に当たっても厚くしている、こういう状況が客観的に私は認められると思うのです。 一方、それじゃいま問題にしておりますこの下水道事業は一体どうかというように思うんですが、下水道事業についての交付税措置というのは、一体どういう経過、推移をとって今日の交付税措置がなされてきたかという点について、自治省の方からお答えをいただきたいと思うんです。
○政府委員(石原信雄君) 下水道事業費につきましては、下水道関係の経費につきましては、まず、道府県分については比較的歴史が新しくございまして、昭和四十四年度からその他の土木費の中に事業費補正という形で流域下水道事業の地方負担額のうちの地方債を除いた一般財源相当分を算入しております。それから、五十年度から、流域下水道事業の地方債の元利償還金の五〇%相当額を算入するという改正が行われております。 一方、市町村分につきましては、従前はその他の土木費の中で管渠の関係の経費を計算して、衛生費の中で終末処理費の計算をしておりましたが、管渠と終末処理が統一された時点で、昭和四十二年度に下水道事業費というのを新たに設けまして、この経費の中では維持管理費及び減価償却費、それから新規の事業費、こういったものが算入され、さらに公共下水道事業の地方負担額につきまして事業費補正が適用されるという形で内容の改善が行われた。昭和四十四年度におきましては、ほかの経費もそうでありましたが、投資的経費と経常的経費が分離されまして、下水道事業費の中の投資的経費のほうに新規の事業費と、それから過去に起こした地方債の元利償還金相当額が事業費補正という形で算入されるようになりました。さらに、公共下水道、流域下水道の元利償還金がこれに加えられた。それから、四十八年度になりましてからは、流域下水道事業の市町村分の地方負担額を事業費補正の指標に加えるという改正を行いました。四十九年度には、国庫補助率が大幅に引き上げられて、さらに地方債の充当率も引き上げられまして、理論的には、公共下水道の建設費はその当該年度は一般財源負担がないという形になりましたので、下水道事業費の投資的経費はなくなりまして経常費だけになったわけであります。それから、流域下水道の地方負担額、それから公共下水道、流域下水道の地方債の元利償還金、これらにつきましては、その他の土木費の中で投資的経費として算定する、このような改正が加えられております。なお、これらの改正の過程におきまして、地方負担額の算入率あるいは公債費の算入率は実質的に逐年引き上げられてきております。
○神谷信之助君 市町村の関係で、地方負担額の事業費補正の算入率は逐年引き上げられてきたというようにおっしゃるのだけれども、たとえば四十二年度は四割ですね、〇・四。それから四十三年度は、大都市が〇・六三で、その他が〇・五七。それが四十五年度まで続いて、四十六、四十七年はまたずっと減ってきますね。現在は〇・〇五、いわゆる五%。地方負担額の五%が事業費補正算入率ということになっていますね。これは恐らく起債充当率が引き上げられたとか、そういうことであろうと思いますが、そういうことですか。
○政府委員(石原信雄君) ええ、そのとおりでございます。
○神谷信之助君 それから、補助率も上がりましたね。補助率の上がったのと起債充当率が上がったということで〇・〇五、五%という、そういう計算になってきたわけですか。
○政府委員(石原信雄君) ええ、御指摘のとおりでございまして、補助率の引き上げと充当率の引き上げ、両々相まちまして、当該年度の地方負担額は流域下水道について五%だけでやると、こういうことで事業費補正の算入率が五%になっているわけでございます。
○神谷信之助君 そこで、補助率が若干引き上げられました。しかしそのあとを、いわゆる起債というのは非常に大きな部分を、起債充当率が引き上げられて起債でやりなさいということになってきています。これがその起債の元利償還を交付税措置をするという点に私は大分問題があると思うのです。これはもう少し後ほど議論をしたいと思うのです。 そこで、建設省にお伺いしますが、下水道整備ですね、これはいつまでに、どのような規模、水準まで進めていくという計画をお持ちか、まずこの点をお聞きしたいと思います。
○説明員(遠山啓君) 下水道というのは、いまやシビルミニマムというか、ミニマムスタンダードの施設だというふうにわれわれ解釈いたしまして、究極的には、市街化区域というのはもちろんのこと、農山村におきましても集落のあるところには下水道をつけたいということで、普及率といたしましては九〇%というのを目標にいたしております。 いつまでかという御質問でございますが、われわれまだいつまでというのは確かな数字を持っておりませんが、近い将来において実現したいというふうに思っております。
○神谷信之助君 昨年ですか、昨年の下水道法の改正をめぐって、建設委員会での審議状況を見ると、政府側の答弁では六十年代に九〇%を目指していると、しかし現状ではきわめて困難で、都市局長ですか、の答弁では、七十年代になるだろうというようなことを言っていますが、どうなんですか。
○説明員(遠山啓君) そのとおりでございます。
○神谷信之助君 九〇%の普及率がいつできるかというのはさておきまして、まだ大体目標も立たぬようですから。いま五十二年度は御承知のように第四次下水道整備計画が始まって二年目になっております。そこで、この第四次下水道計画ですね、これの全体の目標、その水準、これについてまずお答えいただきたい。
○説明員(遠山啓君) 第四次計画は五十一年度から始まりまして五十五年度を目標にいたしておりますが、先ほど申し上げました下水道の普及率、すなわち総人口に対します下水道による下水処理ができる人口というのを四〇%へ持っていきたいというふうに思っております。その五十一年度の始まりすなわち五十年度のおしまいにおきましては、その普及率が二二・八%でございます。
○神谷信之助君 五十年度末二二・八%の普及率を五十五年には四〇%まで引き上げるというのが第四次五カ年計画で、予備費四千億を含めて七兆五千億の事業費を予定されておりますね。それで二年度へいきましたが、五十一年度の進捗率と、それから五十二年度の見込み、そしてそれに伴って、五十三年度以降この目標の四〇%の普及率の達成をさせる上での以後の大体の見込み、こういった点について述べてください。
○説明員(遠山啓君) 第四次の下水道整備五カ年計画は、ただいま先生おっしゃいましたように、総投資額が七兆五千億円、うち予備費が四千億円でございますが、五十一年度におきましては七千五百六億円を実施いたしまして、この達成率が一〇・六%になっております。それから五十二年度でございますが、目下のところ約九千百億円というのを事業費で見ておりまして、五十一年度と合わせまして達成率は二三・四%になるものというふうに推測いたしております。それで五十三年度以降、この計画を完遂するにつきまして約三九%の伸びで今後事業を伸ばしていくというふうにわれわれは考えておりまして、一層の努力をいたしたいというふうに思っております。
○神谷信之助君 約三九%の伸びを五十三年度以降はやらなきゃいかぬということは、五十一年、五十二年の状況から見ましてもこれは非常にむずかしいわけだと思うんですね。これ、五十一年度で普及率が二四・六%、二二・八%から二四・六%、すなわち一・八%伸びていますね、普及率で見ますと。それから五十二年度の見込みは二六・七%、ここでこの一年間、五十二年度には二・一%普及率を伸ばそう、こういうことです。五十五年には四〇%に到達しようとすれば、三八・七%ぐらいの事業費の伸びを見なきゃならぬ。この点についての実現の可能性、こういう点はどのようにごらんになっていますか。
○説明員(遠山啓君) 残り三年ございまして、私ども精いっぱいの努力をいたしまして、いまおっしゃいました約三九%の伸びでございますが、この目標を達成いたしたいというふうに思っております。
○神谷信之助君 人口急増地域の埼玉県ですがね、ここでは五十年度末の普及率は一七・四%。県当局の見解を聞きますと、第四次計画を仮に一〇〇%実施しても普及率は三〇%に達するのはむずかしいだろう、そういうように言っています。これは人口急増地域で非常に下水道整備事業が急がれているわけですね。そういうところでいまそういう状態が起こっているのですが、この点については建設省はどうお考えですか。
○説明員(遠山啓君) 御指摘のように、現在五十一年度におきましての埼玉県の普及率というのは一七・三%というふうにわれわれ見込んでおります。それで五十五年度末の五カ年計画の終わりにおきましては、いまの試算でございますが、大体三三%か四%ぐらいいくのじゃなかろうかというふうに思っておりますが、五カ年計画の実施に当たりまして、できるだけ相互の調整をとりながら、いまおっしゃいました人口急増の地域であるというような重要な地域につきまして重点的に執行していきたい、こういうふうに思っております。
○神谷信之助君 第四次計画の一年、二年度を見て、そしてそのままずっと進んでいって三三%というのは、一応計画は計画なんですが、現在五十一、五十二年度のおくれの状態を見ると、なかなか三〇%を超えるというのはむずかしいだろうというのが県の見方ですね。これは実際に進めていこうとすると、用地の買収その他いろんな問題が起こってきます。それから特に終末処理場がなかなかできないために、すでに管渠が敷設されているところもまだ使用できないというようなところも相当すでにもう出てきていますから、こういったいろんな諸問題が起こってくるんです。したがって、これを実際こう進めていこうとしますと、私は特に自治体がそういう住民の要求にこたえて生活環境整備の事業を急速に進めようとすれば、相当思い切った国の財政的援助という措置をする、そういうことをしないと、なかなかこれらの問題も解決をしない多くの問題を含んでいると思うのですが、この点について自治大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(小川平二君) これは申すまでもないことでございますが、住民の安全、快適な生活を確保するという点におきまして、非常に大事な事業であることはこれは申すまでもございません。そういう趣旨で現行の計画、第三次計画に比較いたしますと、規模において二・九倍、ほとんど三倍ふえておるわけで、最近改定されました各種の長期計画のうちで飛び抜けて大きい、一番大きい伸び率を示しておると存じます。 それから五十二年度予算におきましても、国庫負担金が三八%増しということになっておりまするし、地方債につきましても、対前年度比二九%ということで拡充、改善をしている。また、充当率も引き上げる、こういうことで積極的な推進をいたしておるわけでございますけれども、仕事の重要性にかんがみまして、自治省といたしましても、先ほど来いろいろな御指摘もいただいておりまするけれども、あとう限り早期にこの計画が達成されますように努力をしていきたいと考えております。
○神谷信之助君 これを大臣はいま、まあ他のそういう事業から言えば二・八ないし二・九ですか、ぐらいの伸び率で一番大きいんだというふうにおっしゃるんですがね。ところが、この第四次五カ年計画を策定するに当たって、自治体側の要望をずっと建設省でまとめたですね。それが約十五兆なんです。総事業量で、事業費で十五兆なんです。それを建設省はいろいろ考えて、十五兆というような要求をしたってなかなか無理だろうということで、建設省の概算要求は大体約十一兆ですね。それが最終的には七兆五千億、予備費四千億を含めて七兆五千億です。だから、自治体の方は、住民の要求にこたえて下水道整備事業を急ごう、この五カ年間の間に十五兆の仕事をやろうということで、その必要とする自治体から要求が出た、結論が出たのはその半分の七兆五千億、これが第四次五カ年計画として策定されているわけです。だから自治体の側から言ったら、この第四次五カ年計画全部やってもらったとしても、自治体側の要求から言えば半分にしかすぎない、こういう内容なんです。だから伸び率は確かに大きいかもしれない。それは従前の事業総額が少なかっただけだ、基礎数が。こういうことだと思うんですね。だから、たとえば道路事業関係は伸び率はうんと減らしましたとか言いましても、これはもとは大きいんですから。だから、先ほどの社会資本の投資額全体に占める道路関係のシェアというのはやっぱり半分、公共事業全体の中では約半分を占める、こういう状況がいまだに続いているのだし、下水道事業は伸びたといっても七・一%ぐらいのシェアしかない、こういう状況なんですね。 しかもこれは諸外国と比較して見てみましても、日本というのは非常に低いですわね。普及率はアメリカは七一%、イギリスは九四%という状況ですし、西ドイツが七九%、オランダが九〇%ですか、そういうように各国の中でありますが、日本の二二・八、二三%という水準というのは、べらぼうに、先進諸国、いわゆる資本主義諸国の特に進んでいるところに比べましても一番最低、飛びはねて最低です。したがって、道路の方は、特に道路といいましてもそれも全部の道路じゃありません、国道の方の舗装率は九〇%を超えているけれども、市町村道は二七、八%ということ。だから、産業開発といいますか、地域開発、高度成長にとって必要なものについてはどんどんと事業が進められたけれども、同じ道路でも生活の道路はもう全く見放されている。まして、毎日の生活によって必要な、排出される汚水についての処理、あるいは雨水の処理、これらが大変立ちおくれをしているという状況なんです。 ですから、実際の住民の要求から言うならば、この五カ年計画は二カ年半ですね、二年半にスピードアップしてやって、自治体側の基礎要求といいますか最初の要求にやっとこたえられるという状況になるわけです。そういう状況なんですがね。私は、これは福田内閣がやはり引き続いて大企業中心の政治あるいは予算の使い方をやっているのか、いわゆる投資の重点をどこに置いているのかということにもかかわる、福田内閣自身の政治姿勢にもかかわる問題だというように思うのです。これをどれだけ早くスピードアップしてやるのかということ。いま建設省も、一生懸命努力してこの第四次計画というのは一〇〇%ひとつ実現したいと、五十五年には四〇%の普及率に持っていきたいとおっしゃっていますけれども、これは五十三年から以後は三八・七%以上の伸び率が保証されなければできないという状況ですから、これはなかなか並み大抵なことじゃなかろうと。それをさらにもっと私はスピードアップするというところに福田内閣の政治姿勢が問われているのではないかというように思うんですが、この点についての大臣の御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) これは御指摘を待つまでもなく、国、地方が協力をいたしまして一刻も早く目標を達成すべき事業であると信じておりまするから、今日まで、国庫負担の率も改善をする、国庫負担の対象の範囲も広げる、地方債、交付税等についてもあとう限りの改善の措置を講じてきたわけでございまして、今後もそういう方向で積極的に努力をしていくつもりでございます。
○神谷信之助君 積極的にひとつ努力はどうしてもしてもらいたいと思うのですが、こういう立ちおくれというのが、最近やっと下水道事業の一部が道路並みの補助率に部分的には引き上げられるという状況が生まれてきましたが、とにかく非常に補助率が低かったわけですね。それで若干の是正はされてきているんですが、今日、地方自治体の財政状況から言うなれば、補助についてさらに強化をしなければなかなかそう思うとおりには進められないという、そういう状況も生まれています。 そこで、建設省に聞きますが、補助対象について限定をしているわけですが、その理由は一体どこにあるのかという点を述べてもらいたいと思います。
○説明員(遠山啓君) 下水道事業は地方公共団体が実施する事業でございまして、国がその費用の一部を補助するということが下水道法に決められておりますし、国といたしましては下水道の主要な施設に対しまして補助をしておるわけでございます。その補助対象の範囲は、下水道の円滑な実施を図る上から逐次改善を図ってきておりますが、第四次五カ年計画におきましても、終末処理場における植樹であるとか芝張りであるという、そういったイメージアップということも考えまして、そういった周辺対策というものも補助対象に入れるなどいたしまして、補助対象の範囲は広げてまいった次第でございます。
○神谷信之助君 たとえば管渠について三百三十ミリでしたか、補助対象がありますね。これはもっと小さい枝管に至るまで補助対象にする、そのけじめというのは結局予算枠によって決めざるを得ないということになるわけですか。
○説明員(遠山啓君) これには昔からやっておりました歴史というのが若干あるわけでございますが、最近におきましては、流域下水道につながります流域関連公共下水道というような、この辺で言えば埼玉県の都市のようなのがございまして、一概にはその率が一定はいたしておりませんけれども、予算が一定でございますと、処理場に使われる費用と、それから管渠に使われる費用というシェアの問題がございます。そういうシェアを見まして、全体の補助対象率を決めまして、そこから割り当てていくわけでございまして、先生いまおっしゃいました下水管の口径が三百ミりというふうにおっしゃいましたけれども、小さいものについては三百ミリ、あるいはその中を流れる流量であるとか、あるいはその管が受け持つ面積であるとか、そういうところで区分をいたしまして補助対象といたしております。
○神谷信之助君 結局は予算の枠がありますから、全部を全部めんどうを見る、補助対象にするわけにいかぬということだと思うのですがね。そこでいわゆる総事業費中補助対象事業量、これは一般都市では七五%ということになっていますね。これは実際はどうかという点ですがね。いま話が出た埼玉県ですが、埼玉県の荒川左岸の南部流域における補助対象率、これは五十年度分はどうなっているかという点について報告してもらいたい。
○説明員(遠山啓君) ちょっといま資料を持っておりませんので……。
○神谷信之助君 言っておいたのですがね。これを見ますと、たとえば、川口市五七・六%、浦和市が三八%、与野市で五五・二%というように、ずっと見ますとどれも七五%以上のものはない。で、平均しますと、全体で合計してみますと四七・七%の補助対象率であるわけですね。これは七五%の補助対象率だと言いながら一般都市で四七・七%しかない。この理由は一体どこにあるのですか。
○説明員(遠山啓君) 公共下水道の第四次五カ年計画におきます補助対象率は六〇%ということにいたしております。これは指定都市、一般都市を合算したものでございますが、一般的に申しますと六〇%でございます。そのうち、先ほど申しました終末処理場でございますが、これは補助対象率を九五%にいたしております。植樹、芝張り、その他改善をいたしまして九五%にもっていっております。したがいまして、管渠というのがその分だけ低くなるわけでございまして、埼玉県のいまおっしゃいました地域は、荒川左岸地域下水道へつながるところでございまして、各市は処理場を各自で持たなくて済む地域でございます。したがって、管渠がそれだけ少し減るということに相なるわけでございます。
○神谷信之助君 いま管渠の方で六〇%ですか。
○説明員(遠山啓君) 全体で六〇%。
○神谷信之助君 全体で六〇%。そして処理場は九〇%だから、ここは処理場はないから六〇%に減るんだ、下がるんだということでしょう。だから、そういう処理場がもしあれば、九〇%の補助がついて、全体としたら六〇%になる。しかし、処理場もなしに流域下水道でこれをやっている場合、そこは減らしてしまうということじゃなしに、それをさらに進めていくためにも、これは補助対象率を引き上げて進捗を図っていくと。処理場をつくればよけい財源が要るんだし、それだけまた九〇%の補助を出すということで、それだけ減らせるわけですからね。その分をさらに補助対象率をこちらの管渠の方につけ足して、そして特にこういう人口急増地帯については事業の進捗を図っていくということを同時に考えなければ、画一的なそういうやり方で、処理場をつくれば補助対象率は六〇%になるけれども、それがないところは減るんだと。しかし、一般的説明では流域の公共下水道、これについては六〇%の補助対象率とすると言っても、これは看板と中身が違うということですね。この辺は私はもう少し研究をし、この補助対象率を高めるということが可能ではないかと思うんですが、どうですか。
○説明員(遠山啓君) 現在、まあ管渠の補助対象はどういうふうに実施しているかというと、建設省の告示によりまして、いろいろ区分して実施しておりまして、いまおっしゃいました埼玉県の地域のような流域下水道につながる地域につきましては、一つ一つの、まあ流域の幹線から出ていく枝線と言いますか、そういう区域が、通常公共下水道で処理場を持っておる地域に比べて少し小さいという傾向がございます。それのために、いままで用いておりました管渠の範囲というのが少し実情に合わなくなってきているということがございましたので、先般その点を改正いたしまして、小さいところまで、いわば小さいところまで広げるというふうに、若干でございますが、改正をいたした次第でございます。
○神谷信之助君 だから、小さい管まで広げるように若干改良されたのですが、そこが問題なんですね。小さい管の方は、市町村がそれこそ細かくやっていかなければならぬ、そういうところになるのですが、そこのところの補助対象、それが補助対象から外される。それはあと起債で見てやるからそれでいいじゃないかということになるのですね。そこのところがちょっと問題だというふうに思うのです。これもちょっと後でひとつ、交付税算入の問題とあわせて少し起債の問題は議論してみたいというように思うのです。 ついでに聞いておきますが、終末処理場は四分の三の補助率になりましたけれども、それと一体のポンプ施設とか用地取得、これは三分の二のままだというのですが、それはなぜですか。
○説明員(遠山啓君) 先生いまおっしゃった四分の三というのは流域下水道でございまして、一般には公共下水道の場合は三分の二でございます。それから管渠の方、あるいはポンプ場の方は十分の六という補助率になっております。 その違いでございますが、わが国は非常に水質汚濁が全国的な規模で広がってまいりまして、水質汚濁の改善というのが急務になったわけでございますが、下水の処理というのが水質改善のいまや非常に大きな役割りを占めることになっておりまして、そのために非常に重要な施設になっておりまして、公共団体の財政の負担となります割合も大きいものでございますから、処理場につきまして管渠のものと比率を違えたというのが実情でございます。
○神谷信之助君 どういうことです。水質汚濁が中心になってきたから、何に応じて変えているんですか。ちょっと最後の方聞き取りにくかった。
○説明員(遠山啓君) 国費で負担すべき部分を終末処理場に特に大きくしたということでございますが、まあ終末処理場が、いまおっしゃいましたように、水質保全に果たす役割りが非常に大きいということが、下水道法の改正が四十五年行われましたが、それ以来非常に下水道の目的として大きなものになってまいりました。水質汚濁を改善するのが下水道であり、その中枢をなすのが処理場であるということでございます。
○神谷信之助君 だから、終末処理場とそれと一体であるべきポンプ施設あるいは用地取得、これらの補助率の違いはどこにあるのかと言うので、だから水質汚濁が重視をされて終末処理場について補助を重視をしている、厚くしたと、それはわかりましたけれども、ほかは、一体であるべき施設は何で下げられるのか。
○説明員(遠山啓君) 下水をきれいにするところから補助率を変えたということで、御承知のように、下水管というのは地下深く入ってまいりまして、地表に出すにはポンプ場も必要でございます。これはどこの地域でも必要なものでございまして、処理をしなくても揚げる必要があるということで、処理にかかわるものだけ緊急にわれわれは国としてめんどうを見なきゃいかぬということで上げたわけでございます。
○神谷信之助君 用地は。
○説明員(遠山啓君) 用地も、これも当然必要なものであるというふうに解釈しております。
○神谷信之助君 用地取得費は終末処理場と同じですか、補助率は。
○説明員(遠山啓君) 用地取得は終末処理場の三分の二でなくて、十分の六の、低い方で補助いたしておりますが、これもまあ直接処理する施設でないということで低い方になっております。
○神谷信之助君 まあ建設省としては、処理に一体不可分の要求をされたけれども、大蔵省でうんということにならなかったからそうなっているんだと思うのですがね。だから、なかなか理屈づけがむずかしくなっていると思うんですよ。まあこれはひとつ建設省としても、これからも一体不可分のものとして補助率の引き上げの努力をぜひやってもらいたいと思いますが、その点よろしいですか。
○説明員(遠山啓君) この五カ年では交付金の総額も決まっておりますが、今後第五次へと進んでまいります段階におきまして努力してまいりたいというふうに思います。
○神谷信之助君 五カ年でもう決まっているからということでは、私はこれはちょっと話が違うと思うんですね。大体自治体からの要求は約十五兆、あるいは十八兆という話もあったんですけれども、まあ大体十五兆ぐらいのようですがね、それが七兆五千億になった。半分ですからね。先ほど言いましたようにスピードアップをする必要があるわけで、この五カ年計画の進行の過程にも補助率をアップをして、そして第四次五カ年計画というのを、五十五年を待たずに早く達成をしていくということ、これが必要じゃないかと思うんですね。この辺ひとつ努力をしてもらいたいと思います。 それから指定都市ですがね、政令都市と一般都市で補助対象範囲が異なっているのはどういう理由によるものですか。
○説明員(遠山啓君) 政令都市と一般都市と比べてみますと、まず財政負担能力に差があるということがございますし、それからさきにも申しましたように、政令指定都市のような大都市から下水道というのは実施しておりまして、普及の状況が違うというのがございます。したがいまして、全国的なレベルアップという観点からいたしまして一般都市の補助率を高いものといたして事業の推を図るということから差をつけておるわけでございますが、しかし、その差を逐次改善したいということで、第四次五カ年計画におきましては、一般都市が第三次から第四次に移るについて七四から七五%へ移ったというのに比べまして、指定都市は四一・六から四五%というふうに改善を図った次第でございます。
○神谷信之助君 政令都市は財政力があるというようにおっしゃっていますけれども、しかし、今日は十団体中九団体が交付団体になっていますからね。しかも人口集中地域で水質の汚濁も激しい、そういうところで集中的に早く進めていくということが必要である。大都市の方が早くからやっておるから、おくれておるところがある程度進むまで足踏みさせるというのじゃなしに、そういうところも急いでやっぱりやっていく必要があるだろうと思うのです。たとえば大都市で、いま四五に引き上げたとおっしゃるんですが、しかし、その前は四一・六と。実際の、実質補助率は、京都市で見ましても五十年度が一九%で、五十一年度は二二%という状況ですね。これは京都市の報告ですが、そういうように来ています。いずれにしても、この格差をできるだけ縮めていくという点で努力をしたいということですから、これはひとつやってもらいたいというように思います。 それからちょっとついでに聞いておきますが、その処理場の門、さく、へいがまだ補助対象になっていないのですね。学校とかそれから警察関係の施設なんかは今度五十二年度から門、さく、へいが補助対象になりました。だから、処理場の場合も、少なくとも五十三年度からは補助対象に加えるように努力をする必要があると思うのですが、この点はいかがですか。
○説明員(遠山啓君) 努力してまいりたいと思います。
○神谷信之助君 それから先ほどからちょっと話が出ましたが、下水道事業の財源の多くをいま起債に依存をしているわけです。この起債のしたがって償還費というのも非常に膨大になってきています。昭和三十四年の十五億四千七百十七万円、これに対して四十九年には千百五十七億三千二百六十一万、実に七十四・八倍に十五年間にふくれ上がっています。そのために一般会計からの繰り出しというのが非常に財政圧迫の一つの要因にもなってきているのです。京都市で四十九年が三十三億七千万円、五十年度で四十二億一千九百万、五十一年度が六十三億一千万円というように、この三年の間でも二倍近く償還費がふえてきています。それから、京都の南部の桂川の右岸流域の流域下水道をやっている大山崎町という小さい町ですが、ここでも、五十一年度が六百二十万円の償還費であったのが、五十二年度には千七百万円、三倍近くにふくれ上がっておる。五十三年度はさらに五十二年度の二倍、三千万から恐らく三千五百万、五十四年度にはさらにもう一倍ふえて五千万円から六千万円ぐらいというように、こういう下水道事業に対する財源は多く起債に依存をしているわけですから、償還費が年々ずっとふえているわけであります。そのために一般会計の繰り出しがふえざるを得ないという状況が出ていますが、こういう問題についての自治省の方の対策はいかがですか。
○政府委員(石原信雄君) 先ほど申し上げましたように、下水道事業に対する交付税の算入措置といたしましては、実質的に逐年その充実強化に努めてきておりまして、たとえばいま御指摘の下水道事業の地方債の交付税算入率でありますが、四十八年度におきましては従来三〇%ないし三五%であったものを四五%にする。さらに四十九年度からはそれを五〇%に引き上げるというようなことで今日に至っております。それから五十二年度からは、従来算定対象にしておらなかった縁故債につきましても算入対象にするというようなことで内容の充実を図ってきております。 まあ今後さらに元利償還がふえてまいりまして、これに対して財源措置をどうするかという問題が当然出てまいるわけでありますが、これにつきましては、交付税の措置だけで対応していくのか、あるいは下水道財源としての都市計画税でありますとか、あるいは下水道の使用料のあり方、こういった他の財源措置の問題ともにらみ合わして考えていかなきゃいけないのじゃないか。さらに交付税の算入率の引き上げ問題につきましては、同時にこれは基準税率の問題とも対応させて考えていくべき問題ではないか。いずれにいたしましても、今後下水道事業債の元利償還がふえてくるということは避けられないことでありますから、これらのいろんな財源措置等をにらみ合わして、地方団体がその負担にたえられるように財源措置の適正化を期してまいりたい、このように考えております。
○神谷信之助君 これですが、主要管渠については国から補助をすると、しかし末端の管渠については市町村の単独事業でやりなさい、それについては十分起債のめんどうは見ましょうということですね。その起債の償還に当たっては、いまおっしゃったように今日では五〇%交付税に算入していると、こういうことで一応めんどうはちゃんと見ておりますということになるんですね。ところが、大体最近の下水道の関係の起債は、五年据え置き二十五年償還、合計三十年ぐらいになっているんですね。二十五年から三十年というところです。ですから、これでいきますと、大体元利合わせますと元金の二倍余りになる。だから、足らぬところは借金をしなさい、借金については、借金返しについて半分は見ましょうというけれども、これをやっていれば喜ぶのは金融機関で、もうかってしようがないでしょうけれども、しかし借金返しをしている方から言うと、どうにも倍以上の金を、結局償還期限が長いですから返すということになる、その半分は交付税で見ていることになる、こうなりますと、元金は交付税で見ているということになるわけですよね、元金は。それならひとつ補助制度そのものをもう一遍考え直して、末梢、末端の管渠に至るまでも補助制度をつけて、そして銀行から借金をして金融機関が利子でもうけるというのをできるだけやっぱり少なくするということを考えないと、その分はひとつ都市計画税を考えるなり、あるいは負担金をふやすなりというようなことで解決するということでは、これはどうにも納得ができない問題じゃないか。この辺、建設省はどういうように考えているんですか。そういう点で末端の管渠に至るまでもそれぞれ補助制度を、当初から高率の補助というわけにはいかぬでしょうけれども、少しでもそうやって、そして少しでも借金を減らすということ、これをひとつ建設省自身も考えてみるお気持ちはないのかどうか、お伺いしたい。
○説明員(遠山啓君) 下水道の財政につきまして、かねてから財政研究委員会というのをつくりましていろいろ検討してまいっております。いまの時代、低成長の時代になりましたので、またわれわれとしてもこの時代に即応するような下水道の財源のあり方というものを研究したいというふうに思っております。それで、いまの末端に至るまでの補助制度ということもございますが、一気にはなかなかいかないと思いますが、われわれは補助対象範囲の拡大という方向で努力してまいりたいというふうに思っております。
○神谷信之助君 自治省の方にお伺いしますが、元利償還をいまの制度では交付税の需要額に算入をする、二分の一算入して、そして財源措置をするというようにやられているんですけれども、しかし、交付税自身で借金返しのものに使われるというのは、これは一体交付税の制度自身から言っても問題があるのじゃないだろうか。しかもそれは、下水道事業というのは全自治体が共通して、あるいは普遍的にやっている事業でもない。下水道事業をやり、そしてその下水道で起債をしたその自治体についての償還費について一定部分を交付税で見る、交付税措置をする。交付税措置は本来はそうじゃなしに、共通的な、また普遍的な地域住民の最低生活を保障するといいますか、それに必要な行政水準、これを保障するためにまんべんにといいますか、財源を保障し、そしてまた財政力の弱いところに対して調整をしていく、こういう機能を果たさなきゃならんのに、一定のところに対するそういう借金返しが交付税でされるというのは一体どういうものだろうか。仮にこれは補助制度がちゃんと確立をしている、二分の一なら二分の一の補助制度が確立していれば、その起債を全部見る必要はないということになってくるのです。だからそうしますと、それは交付税の枠以外から出てくるんですね。三二%という交付税の枠が決められた中で、そういう、何と言いますか、一定の公共団体が元利償還をする分を交付税から出して補てんをする。全自治体の共通の一般財源が、そういう形で特定の財源として使われるということにこれはなるんじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(首藤堯君) 交付税の配分が、ただいま先生御指摘のように、標準的な財政を運営をいたしております団体、それに対する財源を確保する、これが主体であることはもう御指摘のとおりでございます。しかしながら、一方別途最近のこの住民のニーズの変化等に伴いまして新しい仕事がふえてくる、それに対応してやはり的確な財源措置をしてほしい、こういう要望が次から次に出てきておりますことも事実でございまして、従前のように下水道が、かつてまあジンクスがございまして、下水道を手がけると、ずっと昔は市町村の選挙に落ちるといったようなジンクスがございましたが、最近はそんな時代でございませんで、どこの市町村におかれてもできるだけ下水道をやっていきたい、こういうようにかなりポピュラーになってまいりました。そういたしますと、下水道に所要の財源をやはりできるだけ的確に措置をしてやる、こういうことはやはり実態的にはやってやらなければならぬことじゃないかと思っております。ただいま御指摘のように、下水道全般につきまして非常に高率の国庫負担、これが行われまして地方負担が減少していく、補助対象も広がっていく、こういうことが望ましいことはもちろんでございますけれども、現行制度、これを前提にいたしながら、先生御指摘のように下水道の整備をあくまで促進をしていかなければならない、こういう立場に立ちましたときには、ただいまの財源措置として、これに一般財源を建設に当たりまして全部充当するということは事実なかなか不可能な問題でございますから、起債を高率に充当しておいて、そのかわりその起債の償還費に対して相当額を財源措置をしていく、こういうこともやむを得ないのじゃなかろうか、こう考えておるわけであります。 一般的にこういった投資的経費の算入を交付税で見ますと、交付税がひもつきになるではないかという御指摘もわからぬことはないわけでございますけれども、そういった新しいニーズ、新しい状況に応じた必要な投資的経費、これに対する財源措置をどう考えていくか。ただいますぐ全部一般財源ないしは国庫補助金、こういうもので措置ができないとすれば、やはり地方債等を活用し、そのかわり地方債は借金でございますから、償還費が現実に必要でございます。そういうものに対して財源措置を考えていく。やはりこれは実態に合ったものではないか、こう思うわけであります。 また別途、御指摘のように、できるだけ国の補助金を今後削減をしていって、これを一般財源に振りかえていく、こういう事態を考えてみました場合、補助金もやはり建設事業に対応する補助金がたくさんあるわけであります。こういうものに対応してこれを一般財源で付与をしていくとするならば、やはりこのような措置、これもあわせ用いなければ実態になかなか合わないのではないか、こう考えるわけであります。 いずれにいたしましても、そのようなかっこうで交付税の総量として当該団体の財政需要に見合うような的確な措置をとっていく、新しい交付税でございますから、使い先がひもつきでないことだけは明らかでございます。財源措置としてはこのような方法も考えるのがやはり実態に合うのではないかという点を申し上げておるわけであります。
○神谷信之助君 使い先はひもつきでないとおっしゃられれば、札束には何にも区別がないんだと言うのと同じで、それはもう理屈にならぬですね。そういうもので計算をされて、見てあるからだから心配要りません、十分手当てはしてありますと言われても、実際には償還費のために一般会計の持ち出しというのが年々増加をする。ですから、要求がありますから、この下水道整備事業を自治体としてはどんどんやっていきたいし、したがって、それがこの五年間で十五兆にもなるような、そういう要求もある。しかし、実際にそれをやっていこうとすると年々公債費がふえてくる。それは、その半分は交付税で見てありますよと言われれば、それは交付税の中からその分は抜かにゃいかぬわけですから、何ぼ使い道は限定されていないと言っても、そのことを抜きにしては財政措置というのはできないわけですから。これだけじゃないですね。辺地債、それから過疎債、こういう部分、これも実は共通の問題ではない。こういうような問題とか、あるいは減収補てん債。これもそうですね。税収の落ち込みの大きいところというのは大体大都市を中心にして出てくる。これが全部ひっくるめて交付税措置をやられて出てきますね。これもそうである。だから、こういうものを全部外へ出して、いわゆる臨時特例交付金としてそれについては措置をする、あるいは補助制度を強化をする、あるいは一般財源として税源を付与する、そういう別のことを考えていかないと、どれもこれも一つ交付税にほうり込んでいくという、そういうことでは、三二%ばかりである、ことしみたいなときでもなかなか動かさない、そういう状態でやられたのじゃ、ますます実際の地方財政の実態に合わない交付税制度になってしまう、こういうように思うのですが、この点いかがですか。
○政府委員(首藤堯君) まず第一に、このような交付税で措置をしております額、これがいわゆる従前の形式で言います三二%の額の範囲内で賄えるかどうか、こういう問題についてでありますが、これは先生御承知のように、このような関係の公債費、これは全部地方財政計画上の歳出に正確に掲上いたしまして、財源の過不足額を計算をいたします。したがいまして、ただいまの状況では、御案内のように三二%で足りませんで、その上に特別措置をやりまして交付税をふくらましていく、こういう措置になろうと思います。将来の問題としては三二%という率をどう考えていくか。この積算の根拠を考えるときに、やはりこのような地方債の償還費、これも含めて所要額をどう考えていくかという計算をすべきものだろうと思います。したがいまして、この措置が各団体に配ることによってタコの足食いになるというような措置にはならないように考慮をしていきたいと思います。 それから第二点でございますが、たとえば辺地対策債とか過疎地域の振興債、こういった関係のものでございますが、これはもう御承知のように、これを起こしております地方団体は全く後進地域の地方団体であって、財政力はまるっきりないわけであります。財政力のまるっきりない団体でありますから、地方税を増強せいとおっしゃいましても、これは幾ら増強いたしましても財源の確保ができません。そのような田舎の団体で後進地域・過疎対策、こういうために特殊の財政需要が要るわけであります。その特殊の財政需要に対して全部現ナマの交付税が与えられるかどうか、あるいは与えられないとすれば、地方債で一応処置をしておいて、その償還費を財源として与えるかどうか、こういうことに相なるわけでございます。交付税は御承知のように地方公共団体共有の一般財源、こうでございますから、このような貧乏な団体に対しては、その需要に応じて交付税の中から配分がされていく、総額がタコの足食いにならない限りこれは許されることであろうと思っております。 それからまた減収補てん債の例をお引きいただきましたが、減収補てん債、これは本来でございますと、基準財政収入額をそれだけ減少をさして、当該年度に地方交付税を渡すべきであった、それが事務手続上できなくて将来の精算になるわけであります。したがって、本来交付税でもらうべきものであったものを地方債で埋めたわけでありますから、この償還費を交付税でやっぱり精算をしていってやる、まあこれも当然のことではなかろうかと思います。 それからなお、災害復旧事業等の起債の償還費、こういったものにつきましても、地方公共団体共通の一般財源、これからまあいわば共済組合みたいなものだと思うわけでありますが、病気をしたときの治療費を共済組合でみんなで補てんをしてやる、こういったような思想に基づいておるものだと、このように考えておるわけであります。 したがいまして、いろんなやり方として、こういった公債償還費を交付税で見ていく、あるいは全然それとは別に、別途に国庫補助金か何かをつくってそれで補てんをしていけばいいではないか、まあそういう御説もあると思います。両方のやり方があろうかと思いますが、やはりこの地方財政の財源配分、付与の方法をできるだけ簡素化をしていく、あるいは自主性を重んじていく、こういうことを考えてみました場合には、交付税の総額を確保してこの措置でやっていく、こういった方が、たとえば補助金になりますと補助金適化法そのほかの細かな手続が要るわけでございますが、まあどちらがいいかということになれば、ただいまやっております方法、これがタコの足食いにならない限りやはり一つの方法ではなかろうかと、こう考えております。
○神谷信之助君 やっぱりそれでもおかしいですね。たとえば減収補てん債で、本来減収をした分については交付税で見なきゃならぬ、それができないから借金をしてもらう。で、それの元利利払いは交付税でやるから交付税で見るのはあたりまえだが、利子まで持つ必要はないですよ、交付税の中で。だから、利子はこれは別に、本来交付税で渡すべきものを借金をさした側に責任があるんですから、それはもう三二%の外へ出すべきなのがあたりまえだということに私はなるだろうと思うのですが、まあいろいろこれは、もう時間がありませんから急ぎますからやめますが、交付税制度にやっぱりそういう何でもかんでもほうり込まれてきているという、それからまた補助制度が完備をしないために、とりあえず交付税で措置をせざるを得ないというような種類というのが、私はたくさんまだあるんじゃないかと思うのです。 この間の予算委員会の第三分科会でやった問題ですが、中学校、小学校の遠距離通学に対する措置ですがね。これが交付税制度でやられる。これは補助制度がないものだから、実際必要な経費だということで交付税措置をする要求もあるし、そういうことをやるということになっているんですが、これは本来は文部省の方で補助制度をやるべきだということをこの間も文部省に要求をしたわけですね。考えてみたら、やっぱりそういう種類のものが非常に多いんじゃないかと思うのです。で、これが交付税措置ということで例の密度補正で処理されておりますが、まあ詳しくはそのとき申し上げていますから言いませんが、京都の美山町や京北町で調べてみましたら、実際の支出額の四割から悪いときは三割程度しか実際にはない。これは文部省の過疎地域の統廃合に伴う遠距離通学の補助制度、これの単価で右へならえしてこちらが計算すると、自治省の方が計算すると、こうなりますから実際に合わないんですね。五十二年度は四割ふやしたというように文部省が言ってましたが、それでも実支出とは合わない、そういう計算になる。だから、これらは文部省の方で義務教育である小中学校についての遠距離通学の補助制度というのを確立をすればはっきりしてまいりますね。こういうこともずっと見れば私は大分あるんじゃないかと。だから、それぞれの担当各省でなかなかそういう補助制度が確立しない、そういうところで結局、交付税で全部めんどうを見なきゃしようがないというようなものも相当あるのじゃないかと思うんですが、この辺はいかがですか。
○政府委員(首藤堯君) 御説のように、この遠距離通学対策経費、このような経費は非常に特殊な経費でございます、特殊な地域にある経費。こういうたぐいのものにつきましては、国庫支出金で措置をして、その他の標準的な義務教育関係の経費、これを交付税で見ていくという考え方はひとつの考え方だと私どもも思います。したがいまして、これはこういった特殊なものについて国庫負担制度を導入をしていく、こういうことについては私ども大変望ましいことだと、このように考えております。ただ、御指摘のように、なかなかこういった補助制度が実現をしない、このことは、国と地方との負担区分をどう考えていくのかといったような議論から起こりまして、いろいろ問題があるわけでございます。こういった分野はほかの分野にもいろいろあろうかと思います。こういう点についてはできるだけ今後とも関係各省と協議をしまして、できるだけ負担区分、国庫補助制度に適合するものはそれを導入していくと、こういうことは考えてまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 大体、時間がなんですからあとを急ぎますが、いま交付税の補助金的な運用の問題、あるいは特定財源化について、特に下水道問題を中心に議論してまいったわけですが、自治省の方と意見の一致する部分もあるし、しないものもありますが、いずれにしても、交付税制度そのものについて日常的に検討はされておると思いますけれども、さらに検討をする必要があるのじゃないかと思うんですね。 きょうは時間がありませんから言いませんが、指摘だけしておきますと、高度成長期の時代に肥大をした産業基盤整備費ですね、五十一年度の分を拾ってずっと計算してみましても、一対一・八ぐらいですね。生活関連事業に対する交付税措置というのは一で、いまだにやっぱり産業基盤整備が一・八余りになります。したがって、この点も大幅に整理をして、新しい企業負担方式の確立とか、あるいは補助金、地方債制度の改善、こういったものも含めて考えていく必要があるんじゃないか。 それから、いま提起をしました地方債の償還費、これについても、交付税の自由財源、これを確保するという意味から言っても、私はやっぱりいま説明をされましたけれども、納得をすることができないですね。 それからまた、国有財産の管理費。これは元来国の事業ですから、これも交付税対象から外して、国自身が財政措置をするというような問題もあると思います。こういった問題も含めまして考えてもらう。 先ほども指摘がありましたが、標準団体ですね、このランクについても、現在の十万都市と百七十万府県という、これ一本で処理をするということからいろんな矛盾が起こっていることも事実だと思います。 こういった点を含めて、五十三年度には交付税率の引き上げを当然やらざるを得ない時期、本来は五十二年度からやらなければならなかったわけですけれども、もう五十三年度にはことしの措置を引き続いて同じようなことをやるということになれば、これはまさに交付税法違反を続けることになるわけで、重大な問題に発展するわけです。したがって、税率の引き上げを当面やるに当たって、交付税制度そのものについてもひとつ見直しをし、検討する。そして、政府自身が、自治体の行政水準をどのように向上さしていくかということを展望しながらこの基準財政需要額の算定を考えていく。その展望も、一定の目標といいますか、展望を国民の前に明らかにして、そしてそれに伴って基準財政需要額の基礎的な方向というものを確定をして、そしてそれに伴って具体的な係数が加えられるというような方法を、もう少し整理をして簡素化をすると同時に、考える必要があるんじゃないかというふうに思うわけです。これをひとつ最後に検討課題として、また改めてこれらの問題については議論をしたいと思いますが、きょうはこの程度で終わりたいと思います。 —————————————
○委員長(高橋邦雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、金井元彦君、鍋島直紹君、片山正英君、後藤正夫君、多田省吾君及び山崎昇君が委員を辞任され、その補欠として戸塚進也君、嶋崎均君、中村太郎君、中西一郎君、藤原房雄君及び久保亘君が選任されました。 —————————————
○和田静夫君 あと、明日二時間ばかりの質疑を残しておったわけですが、本日どうも議了するということになってきまして、瞬間が非常に制約をされました。で、緊急を要する諸問題が幾つかありまして、それらに全部触れることができません。したがって、法律案が上がってからもこの法律案に係る質問の時間をぜひ用意をしていただきたい。そういうことをまず冒頭、委員長にお願いしておきたいと思います。都市交通の問題であるとか、あるいは保育所の交付税交付金に関する問題だとか、基準の問題であるとか、いま国民的に要求をされておるたくさんの問題が残っていますので、まずもってこれを要請をしたいと思いますが、委員長の御見解を議事録に載せてください。
○委員長(高橋邦雄君) ただいまのお申し出につきましては、理事会で協議をいたしまして善処いたしたいと思います。
○和田静夫君 それじゃ残されたわずかの時間で急いで若干の論議をいたしますが、自治体の病院事業についてだけ触れておきたいと思うのです。 大臣、この経営状況が非常に悪化をしています。ある意味では危機的な状況になっているわけであります。五十年度決算が出ているのでありますが、累積の欠損金は千七百九十八億円、不良債務は九百三十八億円という巨額に達しております。ある推計によりますと、五十一年度は累積欠損が二千二百億円、不良債務が千二百から千三百億円、五十年度から急増しております。そして五十二年度、本年度は、このまま診療報酬の改定が行われないとしますと、恐らく累積欠損額というのは三千億円に上るというふうに見られているわけですね。こういう状況というのはまさに危機的でありまして、抜本的な改革がどうしても必要だと考える。自治省の現状認識をまず大臣から承りたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 病院経営を健全化いたしまするために、自治省としても従来いろいろの措置を講じてきたわけでございますが、やはり今日のような状況になっておることの決定的な要因というものは、現行の診療報酬にあるという判断を私ども持っておるわけでございます。
○和田静夫君 いま言われましたように、社会保険診療報酬の問題が非常に大きい、これが自治体病院の経営悪化の主要原因である。そこで、診療報酬と運営費用の対比というのはどういう割合になっていますか。
○政府委員(塩田章君) 五十年度決算で申し上げますと、八七%になっております。
○和田静夫君 診療報酬で運営費用さえ満たすことができないという状態であります。平均の数字でさえこういうことでありますね。この原因を幾つか挙げることができますが、第一に、診療報酬の改定がおくれるということであると思います。これは大臣が答弁されたのでありますが、自治省もそうお考えですか。
○政府委員(塩田章君) 時期の問題、内容の問題ともに適時適切に改定をしていただきたいというのが私どもの一番基本的な考え方でございます。
○和田静夫君 そこで厚生省、診療報酬改定について諮問はされていませんが、どういうお考えでいつごろされることになりますか。
○政府委員(石丸隆治君) 診療報酬の改定でございますが、これ所管が保険局でございますが、私の承知いたしておる限りでは、いろんな委員会等を通じまして大臣の答弁といたしましては、涼しくなったころ考える、こういう答弁になっておるところでございます。
○和田静夫君 何かおたくの保険局の方探し切らぬようでありまして、私どもも委員会の運営の事情でにわかにここだけにしぼったが、明日に予定しておったわけです。したがって、大変無理な答弁を医務局長にさせることになりますが、協力を願いたいと思います。 診療報酬の問題は二番目に、改定時期がおくれるけれども、過去にさかのぼらない。しかも上昇率の見込み期間というものがきわめて短い、安定的でないということでありまして、病院事業はきわめて労働集約度の高い事業でありますから、給与改定が大きく影響いたしますし、自治体で給与を改定される、大体これは通常四月にさかのぼる、ところが一方診療報酬はさかのぼらない、したがってこの差の期間というのは財政的に埋め合わせがつかないと思うのですね。改定時期、上昇率の見込み期間などは当然再検討されるべきだと思うのであります。この点はどうですか。
○政府委員(石丸隆治君) ただいま自治体病院の赤字問題になっておることでございますが、実は同じ厚生省でも、私の方の国立病院を経営している立場で全く同じような考えでございますが、この診療報酬の改定をどういう先を見通して改定するかということは中医協の議論のあるところでございますが、一つの方向といたしましては、毎年度診療報酬の改定を行うということでそういったタイムギャップの点はある程度解決つくというふうに考えておるところでございますが、不幸にして、前回改定いたしまして二年間を経過するというような状況になっておるところでございます。そういった将来を見通してのという問題については、やはりただいまの中医協の結論といたしましては、毎年度改定することによってこれを避けることができるであろう、そういうことだというふうに理解いたしております。
○和田静夫君 そこで自治省、この「地方財政」の二月号ですが、「診療報酬の改定は過去概ね二年に一回行われているが物価人件費の上昇に即応したものとはなっておらず言わば後追い的である。また、改定が行われても遡及適用が行われないため、昭和四九年度のように大幅な賃金上昇があった場合においてもその改定は前記のように同年一〇月からとなっており同年四月−九月までの賃金改定分は診療報酬に反映されない結果となっている。特に、公立病院においては人事院勧告との関係においてこの点は深刻な問題といえる」、こういうように深刻にお考えですか。
○政府委員(塩田章君) 御承知のように、特に公立病院の場合は、給与につきまして人事院の勧告がございます。それを受けて改定が行われるということが、一方の診療報酬が、いまもお話しございましたように後追い的な実態になっておりますので、その点をこの文書は指摘しておると思いますが、私どももそのとおりだと思います。
○和田静夫君 診療報酬の問題で第三に指摘しなければならない問題というのは、診療報酬の大きな部分を占める薬価ですね、この薬価について九〇%バルクライン方式がとられているんです。これはここで詳細述べる時間がもうないのでありますが、薬価の高値安定をもたらしているのではないだろうか。診療報酬の中で薬価の比重を高めている最も大きな要因である。一方給与などは、もちろん高いところから九割ぐらいのものをとっているのではなくて、平均給であります。なぜ薬だけがこういう高い価格のものをとらなきゃならぬのですか。
○政府委員(石丸隆治君) 薬価基準価格が九〇%バルクラインを採用いたしておりますのも、これは非常に長い歴史があるところでございまして、いわゆる中医協でそういった価格策がとられておるところでございますが、要は、やはり一〇%ぐらいがその支払いの問題等で通常の商取引よりは高い値段で買っているであろう、したがって、その一〇%のそういった特殊な事例を除いてすべての医療機関が購入できるという、そういった価格を決めるというようなことでこの九〇%バルクが決められているというふうに理解いたしております。
○和田静夫君 自治省ですが、これはおたくの「地方公営企業の経営」の二百四十一ページの最後から四行目ですがね。「しかし各部門への配分については実所要経費を基礎とする原価主義の考え方がとられているとはいいがたく、部門間の有利、不利があることは否定できないようである。すなわち、投薬、注射等の部門は非常に優遇され、乙表採用の医療機関でこれらの診療行為を行えば五割から六割の利益が生じるのに対し、病院経営で比較的大きなウェイトを占める入院部門はどうしても採算点すれすれとなる。このため、病院の部門別収支状況では、投薬、注射、検査等の部門は黒字となるのに対し、入院部門は大幅な赤字を出すという結果となってしまう。換言すれば、外来患者が多く、投薬や注射による収入に多くを依存する診療所には極めて有利となるが、入院部門が中心となる病院には不利となるというのが、現在の診療報酬体系である。こうしたことから、部門ごとの標準的な原価を求め、それを基礎として診療報酬を定めるべきであるという意見が、病院関係者の側からも強く打ち出されている」、自治体病院の財政問題というのはこういうふうにお考えになって重要な問題であるというふうに、これは自治省の見解として承ってよろしいですか、いま読み上げた部分は。
○政府委員(塩田章君) いまの本は、それがそのまま自治省の見解であると申し上げるわけにはまいりませんけれども、いまお話しのございましたような問題点があることは私どもも承知いたしておるわけでございます。
○和田静夫君 厚生省、そこで診療報酬の問題の第四でありますが、自治体病院の医療内容を反映していない面が非常に多いということであります。たとえば高度特殊医療、僻地医療、それから救急医療などについて特に十分に反映されていません。またそれを診療報酬で算定すべきであると考えているのかどうかよくわからぬのであります。資本費についても同様でありますが、したがって抜本的改革が必要と考えるのでありますが、従来の改定方式ではこういう体系的な改定というのはできておらないのであります。こういうような問題についてはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(石丸隆治君) これは先生よく御承知だと思いますが、現在の診療報酬体系というものが、いわゆる出来高払い方式をとっておるところでございまして、その出来高払い方式をとったがためにいろんな問題が起きているというふうに理解いたしておるところでございます。ただ、自治体病院等はこれは公的使命があるわけでございまして、したがいまして、特殊診療部門とわれわれ言っておりますが、高度の医療とか、あるいは僻地に対するサービスとか、あるいは救急医療、そういったいろんな面において公的使命を果すためには、現在のそういった診療報酬体系で当然赤字を生ずるような診療行為も住民に対するサービスとして提供せざるを得ないと、こういう使命があろうかと考えておるところであります。したがいまして、現在の診療報酬体系をどうすかという問題はさておきまして、現実にそういう問題がございますので、医務局の方におきまして、自治体病院等に対しまして、そういった公的使命によって生ずる赤字というものに対して助成を行っておるところでございます。
○和田静夫君 これは、診療報酬にいままでこうずうっと聞いてきたようなことがどういうふうに反映をしているかというような、そういう診療報酬の算定データというようなものは提出できますか。
○政府委員(石丸隆治君) 私ではちょっとお答えできないことでございます。
○和田静夫君 これは後ほど保険局と一遍相談して御返事いただけますか。
○政府委員(石丸隆治君) 担当の保険局の方に伝えておきます。
○和田静夫君 基準看護の特二ですが、これは現行、月額十九万九千五百円です。これに対して自治体病院では、実際には、寄宿舎などの管理費を含めますと、これは平均月額で二十六万二千六百八十五円ですね。これは恐らく国立病院だってこういうことになるんだと思うのですがね。大きな差額があるわけです。管理費を含めなくても大幅な超過をしています。しかも、特二よりも上回って配置しているものも多いわけです。小児病棟、重症者に対してそうであります。これは自治体病院だけではなくて、公立病院の小児科病棟は一・五人に一人ぐらいの割合で配置をされていますね。特二より上の特三のランクをもう設けないと実情に合わなくなっているんじゃないんですか。
○政府委員(石丸隆治君) これはいろいろな御意見があろうかと思います。ただいま先生御指摘のような特殊な重症病人を収容している病棟等におきましては、当然そういったより濃厚な看護体制が必要だというふうに考えておるところでございます。ただ、現在の保険診療報酬では、この基準看護料というのが病院を単位として支払われておるところでございまして、したがって、こういった小児病棟とか、あるいは心臓病の患者を収容している特殊な病棟、そういったところの病棟単位の支払いというものが現在の報酬体系ではないわけでございまして、そういった点、病院全体をそういった特三というような看護体制にすることはなかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、そういったいままでの診療報酬体系と変わった体系で支払って、そういった新しい医療体制を考えていく必要があろうかというふうに考えております。
○和田静夫君 そこで、病院財政の経営悪化の大きな要因をなしている点として建設改良費がありますね。これは地方公営企業法施行令附則十四項で一般会計の負担区分の対象としておりますがね。現行の財政計画及び地方交付税での措置というのはこれはどうなっていますか。
○政府委員(塩田章君) 五十一年度まで、企業債の元利償還につきまして二分の一を地方財政計画で組んでおりましたけれども、五十二年度からこれを三分の二に引き上げております。その結果、五十一年度が四百四十四億円の繰り出しということでございましたが、五百八十億円というふうに改定を見ております。ただ、一方、特別交付税の方の措置としまして、五十一年度で二百五十七億というものを措置いたしております。
○和田静夫君 補助制度について厚生省にちょっと伺いますが、特殊診療部門の運営費補助金及び看護婦養成所補助金について、不採算地区、救急、がん、それぞれについて、公的病院と自治体病院、それぞれどういう補助制度になっていますか。
○政府委員(石丸隆治君) 公的病院と自治体病院との違いでございますが、この補助単価の算定に際しまして、いわゆる調整率というものがございまして、公的病院を基準といたしまして、それに一定の調整率を掛けまして、自治体病院の単価を算定いたしておるところでございます。
○和田静夫君 そこで、この公的病院と自治体病院と大幅に差がついているのですね。これはなぜですか。
○政府委員(石丸隆治君) これは従来からいろいろ議論になっておるところでございまして、いろんな理由があろうかと思いますが、要は、やはり自治体病院の方が、公的病院、いわゆる日赤等三団体に比べまして、その親元と申し上げましょうか、もとの団体の財政力がわりに豊かではないかというような点も考えておるところでございまして、総額が多ければ結構なんでございますが、やはり限られた予算の中である一定の助成を行っていくというような面でそこに差がついているというふうに理解いたしております。
○和田静夫君 これは論議があなたの前任者と私との間、齋藤厚生大臣と私の間で予算委員会を通じて長い論議がございまして、厚生大臣も、あなたの前任の局長も私の主張を認められて、そして是正の約束をされたんです。で、そのときは若干のことが行われました。もちろん医師会からのいろいろなあれがありまして、約束が全部守られたとは言いません。その異様な力に押されて国会で約束されたことが守られていない。これはもう非常に残念な姿です。いまここでさらに深追いはいたしませんが、あのときの論議の経過というのはちゃんと予算委員会の議事録に残っているわけでありまして、齋藤元厚生大臣が約束されたことをあなたの医務局長時代にぜひ実現をする、こういう努力をされませんか。
○政府委員(石丸隆治君) 記録を調べてみますと、交付税との関係とか、いろいろな問題が先生と大臣との間で議論されていること、よく承知いたしておるところでございまして、この助成の拡大と申し上げましょうか、より充実した助成については今後とも努力してまいりたいと考えております。
○和田静夫君 厚生省の答弁があったのですが、自治省にちょっと聞いておきますが、交付税で見ているということの説明ですね、これは厚生省側の方にいまはやりませんでしたが、齋藤厚生大臣時代の論戦の中では、厚生省側の論理というのは破産をしたわけです。自治省、この辺は一体どういうふうに見るのですか。
○政府委員(塩田章君) 公的病院と、自治体病院——自治体病院も当然公的病院でございますが、その果たしている役割りとか機能とか、地域社会における価値というようなものは全く同等であると思いますので、私どもとしましては、沿革的にはいろいろあったんだろうと思いますけれども、この理由が納得できないので、厚生省の方にはかねがね改善方をお願いいたしておりますが、今後ともそれらもお願いしてまいりたいと思います。
○和田静夫君 大臣、ここのところ、ちょっと自治大臣に質問しておきますが、いまの答弁にもありましたように、設置主体によって別の異なった取り扱いをされるということは理解に苦しむ。これはもう「地方財政」の三月号にも、そう書かれているんですが、いまの答弁も同じことであります。で、新医務局長は改善への努力をいま約束されました。これはどっちみち自治大臣と厚生大臣の問題であります。自治大臣、いまの論議を踏まえられまして御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 自治省といたしましては、この改善方について、すでに厚生省へお願いをいたしておるわけでございますが、今後も引き続いて私どもの要望が実現しますように努力をするつもりでございます。
○和田静夫君 次に、病院事業債の政府資金の限度であります。これは一病院当たり二十五億円、単年度が十二億円でありますが、この制限はなぜなんですか。
○政府委員(塩田章君) 全体の病院に充てる地方債の枠の中でどういうふうに配分するか、一つの病院が非常に大きなものをつくって、言うなれば限度なしに使うというような場合にどう配分するかという問題があろうかと思います。そういうこともございまして、従前から限度額というものを、一病院当たりの最高の限度額というものを決めてきておる。それが現在はいまお話しのように二十五億、こういうことでございます。
○和田静夫君 そこで、これ二十五億円という金額、どういう計算で出た数字ですか、これ。
○政府委員(塩田章君) この数字は、別に積み上げた根拠ということではございませんで、むしろ非常に沿革的なものでございまして、沿革を申し上げますると、四十八年度にはそれが十億であった。これでは病院の建設の実態から見て実情にそぐわないということで、五十年度からいまの二十五億になった、そういう経過を追っておりまして、別段、積み上げましてこれが根拠的に二十五億というものを出したというよりも、そういう沿革的なものだというふうに御理解いただきたいと思います。
○和田静夫君 これはちょっと理解するわけにいかぬですがね。何かつかみだということですか。
○政府委員(塩田章君) まあつかみだと言えばそういうことも言えると思いますが、大体いま一ベット当たり一千万円と普通言われておりますが、二十五億で二百床から二百五十床前後のものができるという現在の実情でございますが、その辺を踏まえて、これは私ども大蔵省と非常に激論をしておるところでございますが、まあ自治体病院の中で三百床以上というような大きな病院がたくさんございまして、全体のそういった大きな総合病院の中に占める自治体病院の比率というのは非常に高い。約三〇%が自治体病院でございますが、そういった実態から見まして、自治体病院の建築、あるいは増改築等におきまして、相当大きな病床数の増改築がある、新築があるということで議論をいつも闘わしているわけですが、それがいま大蔵省の方は、そんなに大きく一遍にやらぬでもいいではないかということもございまして、その関係のいきさつからこういった限度額が決まっておるといったようないきさつでございます。
○和田静夫君 しょせん悪いのは大蔵省ということになりますね。これは一遍大蔵委員会でやってみますけれども、病院事業債の資金総額は幾らですか。
○政府委員(塩田章君) 五十二年度、千三十三億予定いたしております。
○和田静夫君 そうすると、これは余裕のある数字ではありませんか。
○政府委員(塩田章君) 従前の経過をずっと追ってみますと、五十年度までは地方債計画で決めました金額が常にやや不足というかっこうでまいったわけです。ただ、五十一年度はいろんな事情がございましたと思いますが、結果的に約二百億ばかり計画の方が多かった、実績の方が少なかったという結果が出ておりますが、五十二年度のいま申し上げました千三十三億につきましても、一応これは現在の継続事業とあるいは新規の計画分、それぞれ積み上げまして計上いたしておりますので、一応この程度必要だろうというふうに考えております。
○和田静夫君 先ほども言われた二十五億円と言えば、結局二百床から二百五十床の病院を建設可能だと、こう踏んでいるわけですね。
○政府委員(塩田章君) 大体現状でそのように私どもも考えております。
○和田静夫君 ところが、公立大規模病院を建設しようとしますと、政府資金が非常に小さな割合になってしまっていますね、現実は。たとえば神戸市がいま進めていますね、一千床のベット。病院は約二百億かかるわけでしょう。そうなると、政府資金が二十五億円までとしますと、一割程度ということになるんですね、自治大臣。これは、ぜひ再検討をして、制限撤廃、それがすぐできなかったならばやっぱり制限拡大。いま審議官の話では、大蔵省が壁だという意味の答弁がございましたが、ここのところはぜひ自治大臣、やっぱり突破をされませんとならないと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) 改善のためにできるだけひとつ努力をいたしてみたいと存じます。
○和田静夫君 次に、厚生省、救急医療問題についてちょっとお尋ねをしておきますが、救急病院については告示制度がとられていますね。この条件というのは何です。
○政府委員(石丸隆治君) この救急告示制度でございますが、そもそもの発端は、自動車が多くなりまして、交通外傷の患者が増加した。それに対応しまして、この交通外傷の患者を搬送するのに、その医療機関をわかりやすくするということでこの告示制度ができたわけでございまして、そういった意味におきまして、まず外科的な手術ができるということが条件になっております。それと同時に、やはり救急病院でございますので、常時診療が可能、その他細かいいろんな構造上の基準等もございますが、大きな点におきましては、その二つが指定の基準になっておるところでございます。
○和田静夫君 いまも言われましたが、救急制度はもともとはこの交通事故負傷者に対する医療確保を図って設けられたのでありますが、したがって、告示においても主として交通事故による負傷者の治療を考えた条件となっていますね、大きな四項目を見てみましても。しかし、今日自治体病院をずっとあれしてみますと、現実には内科系が五七%で一番多いわけです。外科系というのは二九%しか——しかと言ったらいけませんが、二九%です。で、産科その他は一四%、こういう状態であります。そうすると、交通事故負傷者ではなくて内科系の方がはるかに多いわけですけれども、このことからして、当初の救急病院の告示の条件というものは今日現実的に合わなくなっているわけです。で、当然告示の再検討を考えねばならないだろうと思いますね。少なくともいま指摘した点だけでもこの実態に合っていないわけですけれども、これはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(石丸隆治君) 先生御指摘のように、もともとはそういった交通外傷を主といたします外科系の病院を指定いたしたわけでございますが、その後わが国の状況はずいぶん変わってまいりまして、まあ交通対策が充実をしたことによる交通外傷の減少ということも大きく響いていると思いますが、それ以外に、やはり国民の老齢化現象と申し上げましょうか、いわゆる長く生きるようになったために、成人病というものが非常にふえてまいりました。たとえば心臓病とかあるいは高血圧による脳卒中とか、そういった内科系の疾病、それともう一つは社会的条件の変化に伴って、子供の医療ということが必要性が非常に高くなってまいったわけでございます。従来は母親から若いお母さんが子供の急病に対する知識を受け継いでまいったわけでございますが、いわゆる核家族化等によりましてそういった生活の知恵の伝承というのがなくなって、子供がすぐかつぎ込まれるというような状況で、小児科系の救急ということが非常に大きなウエートを占めるような状況になっておると思うのであります。こういうふうな変化が起こりまして、特に昭和五十年を境といたしまして、内科系の患者の方が外傷患者よりも多くなってきた、こういう状況になってまいったわけで、こういう新しい状況に対応いたしまして、昨年、救急医療問題懇談会という諮問機関をつくりまして御審議願ったわけでございまして、その答申に基づきまして昭和五十二年度の予算を組んだわけでございます。それで、一つはそういった従来のような外科とかそういった特殊な診療科でなく、あらゆる疾病に対応できる体制を整えなければならないということで、昭和五十二年度を初年度といたします三カ年計画を組んで新年度の予算は要求いたしておるところでございまして、先生御案内のとおり、従来の救急医療の予算の四倍という百億を超す予算を確保いたしたわけでございまして、この計画に基づきまして今後三カ年でわが国の救急医療のシステムを完成するということで鋭意努力いたしておるところでございます。 それで、そういった中において先生御指摘の告示病院をどうするかという問題でございますが、われわれそういった過渡期でございますので、鋭意システムをつくるということに現在努力いたしておるところでございまして、救急告示にいま手をつけるとちょっと混乱が起きるのではないかということを考えておるところでございますが、とにかく早くそういった体系を整えて、その後におきましてこの救急告示の制度というものを再検討いたしたい、かように考えております。
○和田静夫君 自治体病院の救急医療の実態についてちょっと申し上げますと、よくおわかりのことだと思いますが、この自治体病院のうちの救急医療の告示病院の割合というのは、一般病院のうち僻地不採算地域の小規模病院というのは三〇%程度なんですね。それだけにすぎないのですが、大規模病院、四百床以上、このものは八五%、しかもこれらの病院は、地域の救急センターとして、脳神経外科等高度のいわゆる最終医療機関としての役割りを果たしていますね。しかし、告示を受けていない病院においても、九五%の病院は夜間休日患者の診療を行っている。すなわち自治体病院は中心的な役割りをやっぱり果たしているわけですね。私は、ずっと告示を受けている救急病院とその他のものとの大体東日本全体の地図が完成していますが、本来ならあした質問するときはそれに基づいてもっと克明な論議をするつもりだったんですが、時間がなくなりましたからやめにしたんですがね。大変いまの告示というのは実態的ではないことになっています。 そこで、現実にそれだけの役割りを果たしている以上は、それに応じた財政的援助が行われなければならぬのは必然だと思うのです。ここでやっぱり補助制度そのものが変えられる必要があると思うのですが、その辺はやっぱりそういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(石丸隆治君) 自治体病院が救急医療を担当することによって、それに対して国の助成をどうするかという御質問だと思います。それで五十二年度を初年度といたします三カ年計画において、自治体病院の役割りを、この救急医療における役割りを今後どういうふうに考えていくかという問題でございますが、この救急医療を第一次救急医療、第二次救急医療、第三次救急医療というふうに分類いたしました場合に、自治体病院は、やはりただいま先生御指摘のように、大部分が大きな病院でございまして、地域において中核的な役割りを果たしているという病院が多いわけでございます。そういった意味合いにおきまして、今後自治体病院に対しましては第二次救急医療を担当していただこうというふうに考えておるところでございます。それで従来この自治体病院の救急医療につきましては、いわゆる特診部門として助成を行ってまいったわけでございますが、それに加えまして五十二年度予算でとりました助成金といたしまして、第二次救急医療のうち、いわゆる輪番制という、そういった制度があるわけでございますが、第二次救急医療機関としてこの輪番制に加わっていただいて救急医療をしていただく医療機関、自治体病院に対しましては、従来の特診部門の助成に加えまして今回新たに輪番制に要する経費というものを新規に加えていくということを考えております。
○和田静夫君 現実にこの九五%の非告示病院も休日夜間診療をしている。この点をどう考慮するかというのがやっぱり非常に重要だと思うんです。なぜこの告示病院とならないかといいますと、告示を受けない理由の第一というのは医師の充足難です。したがって、告示病院となることによって患者の集中化が生じた場合に医師数が不足するから、これに対応することができなくなることを恐れる。したがってならないというのです。それから第二番目には財政難です。こういうことですね。ここらのところをやっぱりよく検討されるべきだと思うんですが、それは検討の御用意はありますか。
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生御指摘の、告示を受けていない自治体病院をどうするかという問題でございますが、先ほど御答弁申し上げました後段の部分におきまして、第二次救急を担当して輪番制に加わっていただく病院は、告示のいかんにかかわらず、加わるということにおいて助成をしていくということを考えております。
○和田静夫君 ところが、医師会の休日夜間急患センターというのは、これは告示の有無にかかわらず補助を受けていますね。
○政府委員(石丸隆治君) これは五十二年度初めて、今後やる予定でございます。
○和田静夫君 そこで、これは自治体病院は実際には先ほど言った中心的役割りを果たしているのに補助がないわけですね。これからの部分は別として、いま言われた三カ年計画の部分は別として。これは実態に合わしてやっぱり検討されるということですか。
○政府委員(石丸隆治君) 自治体病院の中においていわゆる第二次を担当できないような病院があって、しかもいわゆる第一次救急医療、先ほど先生御質問の休日夜間急患センターに相当するような役割りを果たすと、こういった自治体病院がもしあるとすれば、それはまた自治体の計画に基づいて休日夜間急患センターとして指定されれば、その部分の助成を行ってまいりたいと考えております。
○和田静夫君 助成は行われるわけですか。
○政府委員(石丸隆治君) 行います。
○和田静夫君 自治省、地域医療の中で自治体病院の位置づけをやっぱりもう少し確立すべきだと考えるんですよ。自治省としては自治体病院の位置づけをどうすべきだとお考えになっていますか。
○政府委員(塩田章君) 従前から言われておることでございますけれども、いわゆる地域医療における基幹的病院だと、いわゆる中核病院だということで、その役割りを果たすということが自治体病院の中心的な使命。それの内容としましては、よく言われておりますような高度の特殊医療を、もちろん一般診療は当然でございますが、その上に高度の特殊医療、あるいはまた僻地の医療水準の向上、いまお話にございました救急の面における機能、こういったことが自治体病院の今後の位置づけというふうに考えております。
○和田静夫君 これは厚生省もやはり同じ考え方と理解してよろしいですか。
○政府委員(石丸隆治君) 大体同じ考えでございまして、特にこの自治体病院のやはり地域の中核的な医療機関としての大きな役割りを今後大いに期待しておるところでございます。
○和田静夫君 大臣、これで最後にしますが、いまちょっと救急問題を中心としながら自治体病院問題を論議をしてきました。まだまだたくさん自治体病院問題というのは御存じのとおり問題点を包蔵しています。冒頭申し上げましたように、財政的には大変危機的な状態にあるわけです。これはやっぱり地域の中核病院として満足にその役割りをいまの社会的な諸要求をちゃんと受けとめて対処していける、そういうような形のものをあらゆる角度からやっぱり考えていくことが必要だと、こう思うんです。独算制だけを強要することによってはなかなかこういういまの実態というものは乗り切りことはできませんので、大臣の今後の方針と見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 自治体病院の地域医療において果たしておりまする役割りについては、自治、厚生両省の当局からいま意見の表明があった、私も同じ考えを持っております。今後もそういう役割りを担っていくべきでございますから、つきましては今日の財政運営が非常にむずかしい事態に直面をいたしておりますので、その障害を取り除きまするためにこれから先もひとつ全力を傾注してまいりたいと考えております。
○和田静夫君 それじゃ委員長、冒頭委員長に確認をした諸問題を残しまして、一応終わっておきます。
○委員長(高橋邦雄君) 速記をとめてください。 〔午後九時五十二分速記中止〕 〔午後十時四十二分速記開始〕
○委員長(高橋邦雄君) それでは速記を起こしてください。 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。 野口君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 野口君から修正案の趣旨説明を求めます。野口君。
○野口忠夫君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブを代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 地方財政は、御承知のとおり本年度においても二兆七百億円という膨大な財源不足に見舞われ、三年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした深刻な危機に直面することとなったのは、引き続く不況とインフレに起因しているのでありますが、その根本的原因としては、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたことによるものであります。そのため自治体においては、過疎過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすこととなりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。 さらに重大なことは、地方財政危機を契機とする自民党政府の一連の政策によって、単に財政上の問題だけではなく、地方自治そのものの危機をも迎えていることであります。 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび自民党政府に要求してきたのでありますが、残念ながら、今回の自民党政府の地方財政対策は、われわれの要求のみならず、地方六団体を初めとするすべての自治体関係者の要求をも踏みにじったものと断ぜざるを得ないのであります。 二兆七百億円の財源不足額に対する今回の自民党政府の地方財政対策によりますと、地方交付税率三二%は依然として据え置かれたままになっており、財源不足額の実に四分の三が地方交付税特別会計の借り入れと建設地方債の増発によって措置されているのであります。昭和五十年度及び昭和五十一年度における膨大な借り入れと巨額な地方債の増発に加え、昭和五十二年度におけるこうした措置が、償還財源を全く保障することなく強行されるならば、地方財政の崩壊は火を見るよりも明らかであります。そればかりか、地方交付税法第六条の二第二項に明らかに違反する今日の自民党政府の措置は、地方自治の発展を願う国民に対する重大な挑戦と言わなければなりません。 今日、地方交付税制度の改革なかんずく税率の引き上げは、今や国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来据え置かれてきた地方交付税率を、現行の三二%から三六%に引き上げることといたしております。 第二は、地方交付税率の引き上げに伴い、五千百七十五億円の借り入れ措置は不要となるわけでありますから、九千四百億円の借入額を四千二百二十五億円に減額することといたしております。 第三は、昭和五十三年度以降の地方交付税の総額を確保するため、昭和五十年度及び昭和五十一年度における借入額の元金償還については、昭和五十三年度以降、当該年度に償還する額に相当する額を臨時地方特例交付金として一般会計から繰り入れることといたしております。 第四は、自治体の財源の充実強化を図るため、速やかに国・自治体間を通じて行財政全般にわたって抜本的検討を加え、その結果に基づき、国と自治体との間の財源の再配分が実施されるよう必要な措置を講ずることといたしております。 第五は、地方交付税の交付額は、自治体固有の財源であることにかんがみ、国税収納整理資金から交付税特別会計へ直接繰り入れることといたしております。なお、本規定は、昭和五十三年度から実施することといたしております。 以上が本修正案の概要でありますが、本修正によって地方交付税の総額は五百十二億六千万円増額することとなりますので、この増額分を一兆三百五十億円の建設地方債の発行予定額から減額すべきであることを表明し、私の提案理由の説明を終わりたいと存じます。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(高橋邦雄君) ただいまの野口君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。小川自治大臣。
○国務大臣(小川平二君) ただいまの地方交付税法の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブ提案の修正案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(高橋邦雄君) それでは、本修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。——別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
○志苫裕君 私は、日本社会党を代表して、修正案に賛成、政府原案に反対の立場で討論いたします。 現下の地方財政は、もともと行財政制度の根本的な欠陥がある上に、ドルショック、オイルショックを経ての不況とインフレが長引いているため、飢餓的な財源不足の状況にあります。 政府は、昭和五十年度、五十一年度と続けて交付税会計への借金と膨大な地方債に依存をして当面を糊塗し、何とか財源不足を乗り切っていますが、そのため地方団体では借金がかさみ、償還が始まったときの財政負担にいまからおののいている状況であります。 したがって、昭和五十二年度の地方財政対策については、従来各自治大臣も明言してきたように、地方税、交付税など一般財源の安定かつ十分な確保が期待され、そのための制度改正、税率引き上げ等の抜本改正が必要とされたのであります。 にもかかわらず、本年度の対策は前二カ年の手法をまたまた採用し、依然として借金と地方債で不足財源を補い、これらの措置を法に明定したことをもって法の命ずる制度改正であると言い張っているのであります。 今日の地方財政が恒久的、抜本的改正をもって対処すべき事態であることを認めながら、当座しのぎの措置をもって制度改正であると強弁することは、明らかに法の歪曲と言わなければなりません。 わが党は、法に即して、この現状を少しでも改善するため、心ならずも税率引き上げを最小限にとどめ、自治省もまた与党も応じ得るであろう修正案を提起したのであります。 予算が成立した今日にあっても、五十二年度補正の段階で調整し得る幅の変更でありますし、また、将来に向かって基本的に検討すべき課題として、税財源の再配分をもうたったのであります。 自治大臣は、抜本改正をもって対処すべき時期にあることを認めながら、なお経済動向の推移を見定める必要を言うのでありますが、経済動向に地方財政がもみくちゃにされた苦い体験を持つ今日こそ、抜本改正のタイミングであることを主張するものであります。 自民党筋では、本修正案に同意できないもののようでありますが、現状を一歩進める最も常識的、良識的修正にさえ応ずることができないとは、まさに地方公共団体及びその住民ののどから手の出る期待に真っ向から背くものと言えましょう。 ことわりを踏まえ、進んで修正案に賛成されるよう希望するものであります。 地方財源に対する国の無理解な壁を、国会、なかんずく本委員会が穴をあけることこそ、ひとしく地方公共団体と住民が求めていることを重ねて訴え、修正案に賛成の討論といたします。
○安孫子藤吉君 私は、自由民主党を代表して、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成、同法案に対する日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブ共同提案の修正案に反対の討論を行います。 本法律案は、昭和五十二年度の地方財源の不足に対処するため、地方交付税の総額に特例を設け、国の一般会計から臨時地方特例交付金として一千五百五十七億円を交付税特別会計に繰り入れること、同特別会計において資金運用部資金から九千四百億円の借り入れを行うこと、後年度における地方交付税の総額の確保に資するため、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度において、総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を一般会計から交付税特別会計に繰り入れることを制度化すること、福祉の充実、公務員給与の改善等を図るため単位費用を改正することなどを内容とするものであります。 今日のわが国における経済政策の最大の課題は、物価の安定に努めつつ景気の着実な回復を図り、もって雇用の増大と国民福祉の向上を達成することにあります。長期にわたる不況を脱出し、経済を安定路線に乗せることはなかなか容易なことではありません。政府の昭和五十二年度財政政策は、このような政策目標を実現するため、厳しい財政状況を踏まえて策定されたものであります。十分とは言えないまでも、その努力の跡は評価されなければなりません。 かように考えますとき、今回とられました地方財政対策は、昨年に引き続き借入金と地方債の増発に依存し、地方財政の健全性と弾力性の面から見て、必ずしも将来の展望を踏まえた万全の策であるとは言い得ない面もあるかもしれません。しかしながら、大量の公債金収入に依存せざるを得ない国の財政を考慮いたしますとき、今日この時期に抜本的、恒久的な地方行財政制度の改革を行うことは、政府の答弁にもあるように、必ずしも適当な時期ではなく、今後早急に根本的な地方財政対策が講ぜられることを政府に期待して、当面の応急措置としては、政府の努力を評価するものであります。 したがいまして、私は政府提出の改正案は、現下の地方団体の財政状況にかんがみ、当面の措置としては適切な内容のものであると存じます。 なお、地域住民の福祉の充実、公共施設の整備等の財政需要が増大する中で、五十三年度以降においても、地方財政をめぐる諸条件は依然として厳しいものが予想されます。今後とも、地方団体に対する財源措置の一層の充実を政府に強く要望いたしますとともに、地方団体においては、経費の重点的かつ効率的な使用と、節度ある財政運営を図ることを期待し、修正案に反対、原案に賛成の意を表します。
○阿部憲一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に関し、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブ提案の修正案に賛成し、政府原案に反対の討論を行います。 地方自治体は、今年度の地方交付税率の引き上げを、こぞって強く要望しております。交付税率の引き上げは、当面する地方財政危機を乗り越え、地方自治を確立するためには、緊急最低限の要望であります。 政府は、地方財政が二年連続して財源不足を生じ、三年以降も財源不足が見込まれる事態となれば、地方交付税法六条の三の二項に従い、交付税率の引き上げまたは制度の改正を行うことを、これまで国会の場でも再三約束してまいりました。しかし、今回の政府案は、こうした地方自治体の熱望と、みずからの約束を踏みにじり、交付税率の引き上げを見送り、二兆七百億円の財源不足の半分は地方債に押しつけ、残りの大部分は、これまた交付税会計に借金として押しつけるというものであります。そして、この交付税会計の借金のうち、わずか四千二百二十五億円を国の一般会計が負担することを決定するという、一時しのぎの臨時措置をもって制度の改正とすると、苦し紛れの強弁をしておりますが、このような法律の規定に明らかに違反することは断じて認めるわけにはまいりません。 修正案は交付税率を四%引き上げることとしておりますが、ここ三年間の地方の借入額がすでに三兆三千七百四十億円にも上り、地方自治体と住民に膨大な負担を及ぼそうとしている事態を考えますと、当然の措置であります。 地方自治は、本年をもって制度発足以来満三十年という一つの節を迎えるに至りました。この間、地方自治は民主主義の基盤としてその確立の重要性が強く叫ばれてきたところであります。地方自治の確立は、地方財政の充実強化なくして実現不可能であることは言をまちません。ところが、地方財政は、昭和五十年度以来、三年連続して二兆円以上もの巨額な財源不足を生じ、いまや最大の政治課題となっております。 現在の地方交付税制度も、こうした財政危機の中で地方の自主財源としての性格を失い、単に政府の施策を消化させるための特定財源化が強められている等、地方交付税の本来の機能は失なわれつつあります。すなわち、基準財政需要額の算定は複雑をきわめ、交付税が公共投資の拡充や産業基盤の強化のための補助金的な性格を強められていることは否めません。 言うまでもなく、地方交付税の本来の役割りは、財政調整を通じて地方自治体の一般財源を保障するということであります。今日の地方財政の実態を見るにつけ、いまこそ、これまでの中央集権、産業優先から、住民生活優先の分権と自治の理念に基づいて、国と地方自治体それぞれの行財政全般にわたる責任分野を抜本的に検討し、交付税の仕組みそのものも含めて、財源の再配分の確立を図ることが急務であります。そうすることによって、初めて地方自治体は生き生きとした住民自治が確立され、シビルミニマム充足のための住民行政を展開できると思います。 今回の政府原案を見ても、国の財政事情を理由に、地方財政の基本的問題には何ら改革の手をつけることなく、ただ単に地方に借金を押しつけて、収支のつじつまを合わせるのみのものであり、地方財政の健全化を図ろうとする意図は全く見られません。交付税率の引き上げも行わず、制度の改革にも何ら手をつけずに、今日までの中央集権的産業優先、高度成長志向の施策と財政構造には何ら反省することなく、財政運営技術のみによって地方財政の危機に対処しようとする政府の考え方には強く反対せざるをえません。 以上申し述べました理由により、政府案に反対し、修正案に賛成いたしまして私の討論を終わります。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブ共同提案に係る地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、政府原案に反対の討論を行います。 政府が見積もったところによる控え目の数字によっても、三年連続、二兆円を超える財源不足という地方財政の危機的状態が続いています。この地方財政危機は、自民党政府が六十年代から推進してきた高度経済成長政策に地方財政を動員してきたこと、並びにこの政策破綻による経済不況の結果であることは明らかであります。 政府は、この高度経済成長政策の破綻が明らかになった昭和五十年度以降、経済が低成長時代に入ったとして、みずからの責任をたな上げしながら、自治体に対しては、福祉水準の切り捨て、諸経費節減を強引に求めてきました。一方、地方自治体は、超過負担の解消、交付税率の引き上げなど、国の責任において実施できる措置を強く求めておりますが、政府は財源問題を理由にして、自治体の要求にはこたえようとしていないのであります。 経済の低成長時代が始まったというのなら、大企業本位の税制財政制度を根本的に見直して、これを財源として、自治体が要求している超過負担の解消、交付税率の引き上げを行なうのが当然であります。ところが、政府は、高度経済成長時代の仕組みを温存して手をつけないばかりか、景気回復のてこに使おうとさえしているのであります。 地方自治体の交付税率引き上げ要求は当然であり、わが党はこれを支持するものであります。問題は、引き上げに要する財源をどうするかということであり、これは全く政府の行政上財政上の責任に属する事柄であり、自治体の関知する事柄でないのであります。自治省は、予算編成の段階でみずから五%の交付税率引き上げ要求を行なわざるを得なかったのも、地方財政危機の深刻さのあらわれであります。 そして政府が提出してきた本年度の地方財政対策というものは、相変わらずの借金財政の押しつけであります。政府は、今年度の財源不足額二兆七百億円の半額に相当する一兆三百五十億円について、交付税需要額を縮減し、これを特定財源である地方債へ振りかえる交付税制度の改悪を行っているだけでなく、他の半額について、一部の特例交付金を除いて、三年連続の借り入れ措置を行ない、地方自治体の交付税率引き上げ要求には今年度においてもこたえていないのであります。 交付税法は税率の改定もしくは制度改正を規定しているのでありますが、政府の措置は、この法律規定にみずから違反するものであります。 政府は、借り入れ額のうち、四千二百二十五億円の償還金を国が将来負担することを法定することをもって制度の改正であると称し、この額が交付税率の三・二%引き上げに相当すると強弁しておりますが、これは詭弁もはなはだしいものと言わざるを得ないのであります。法律の定めるところは税率の引き上げもしくは制度改正をもって継続的効果的な内容を持つ措置を意味しているものであって、今回のような臨時の措置を予定していないことは明確であります。政府は今回の措置について、本年度限りの異例の措置であると覚書に明記していますが、継続的な効果を持つ税率の引き上げ三・二%に相当するという政府の言い分には何の論拠もないものであります。 わが党は、今回の政府の措置に反対の態度を表明しつつ、法律の規定による交付税率の引き下げを強く求めるものであります。 次に、わが党を含む修正案について述べます。 交付税率を四%引き上げ、三六%とすることを主な内容とする本修正案は、現在の地方財政危機を打開する上で継続的かつ効果的な内容を持つものであり、政府がとった今年度の臨時の措置五千百七十五億円とあわせて、交付税率は今年度において実質三九・六%となり、これによって地方自治体の切実な引き上げ要求にこたえようとするものであり、賛意を表するものであります。 政府並びに自民党は、この野党修正を受け入れ、地方財政危機打開の一歩を踏み出されんことを期待して、私の討論を終わります。
○委員長(高橋邦雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより地方交付税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、野口君提出の修正案を問題に供します。野口君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高橋邦雄君) 少数と認めます。よって、野口君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高橋邦雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(高橋邦雄君) 夏目君から発言を求められておりますので、これを許します。夏目君。
○夏目忠雄君 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブの各派共同提案に係る地方財政対策の強化に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方財政対策の強化に関する決議(案) 政府は、地方行財政の充実を図り、もって地方自治の健全な発展を期するよう、緊急に、左記の事項について実施すべきである。 一、政府は、行政指導を行うに当たっては、地方自治体の自主性を尊重すること。 二、昭和五十三年度以降の地方財政については、地方交付税率引き上げ等その財源確保について十分な措置を講ずること。 三、地方超過負担については、これを解消するため、単価差、対象差、数量差について実態に見合って改善すること。 四、人口急増地域及び過疎地域等に対する特別措置をさらに充実させるとともに、適用基準の緩和に努めること。 五、生活関連公共施設の用地費、建設費に対する起債枠をさらに拡大するとともに、起債条件の緩和に努めること。 六、地方公営企業については、早急に、国庫補助制度の拡充方策について結論を得、所要の財源措置を講ずること。 七、地方事務官制度については、従前になされた決議を速やかに実現するよう努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(高橋邦雄君) ただいまの夏目君提出の決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高橋邦雄君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小川自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小川自治大臣。
○国務大臣(小川平二君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
○委員長(高橋邦雄君) 本日はこれにて散会いたします。 午後十一時九分散会 —————・—————