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80回国会参議院1977/04/12

地方行政委員会 第7号

発言数
182
登壇者
18
会派数
3
開催日
1977/04/12

会議録

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る四月一日、佐々木満君、山東昭子君、工藤良平君、大塚喬君及び矢原秀男君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君、鳩山威一郎君、加瀬完君、志苫裕君及び多田省吾君が選任されました。  また、昨四月十一日、山崎男君が委員を辞任され、その補欠として秦豊君が選任されました。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に安孫子藤吉君を指名いたします。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。  なお、日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

秦豊日本社会党

○秦豊君 きょうは水資源の問題にしぼって政府側に幾つかポイントをただしておきたいと思います。  もう御存じでしょうけれども、国連の水会議というのが、御高承のとおり去る三月十四日からアルゼンチンで開かれている。この石油とか石炭とかあるいは濃縮ウランと違って、お互いに補い合うとかあるいは譲り合うとかいうことがかなわない水質源である、輸出や援助が当てはまらない、こういうものについて、やはり世界的に見た場合に水資源の将来見通しがはなはだもって憂慮されると、こういうふうなことが国連水会議の開催にこぎつけた、あるいは促進した大きな国際的な背景ではないかと私は思っているわけです。しかし、国連の水会議はともかくとして、文字どおりグローバルな問題ですが、私どもの四つの島のこの日本の水資源は果たしてどうだろうかという観点できょうは幾つか質問をしてみたいと思います。つまり、私自身の前提は、水もエネルギーであり資源であると、こういう観点で、行政としては、また立法府としては先見性を持った対応をしなければ早晩痛烈なしっぺ返しを食らう、果たして対応は十全であるのか。ないとすればどこに問題があるのか、ネックが横たわっているのか。こういうふうな視点で質問をしてみたいと思う。  三十九年の例の東京オリンピックの水飢饉、水不足はいまだに人口に膾炙されている。つい四年前にも全国各地を水飢饉が襲った。この記憶も生々しいと思います。そこで、政府側にまず大きな前提としてただしておきたいのは、水資源の確保ということは、ほかの第一次エネルギー等々と同じく、国の、つまり行政の全面的な責任を負うべき大きな命題ではないかと私は思っているのだが、政府側の認識をまず聞いておきたい。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) 水資源の開発につきましては、御承知のように水資源開発促進法という規定に基づきまして、国、地方公共団体、公団、そういうものが挙げてこの開発に努めると、こういうような形になっているわけでございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 非常にドライな、法律を並べるだけのドライな答弁で、全く熱っぽさがない典型的な答弁だと思います。まあいいでしょう。きょうは田澤さんがほかの委員会に行っていらっしゃるようだし、いいでしょう。  きのう私どもの先輩議員の質疑に対しまして、建設大臣がたしか答弁されている、この水資源の問題について。それを伺っておりますと、たしか年間八百六十億トンの水の需要が、現在はその需要がある、八百六十億トンですね。ところが、昭和六十年になりますと一千百億トンがどうしても必要だと、こういう答弁であったと記憶しておりますが、こういう見通しは、シミュレーションというのはいつどこで行われたんですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) これは私どもの方で、昨年、将来の水の需要状況というものを発表しております。これは昭和六十年を展望いたしまして、現在の水の需要は先生おっしゃるように八百六十億立方メートル、これは昭和四十七年の数字でございますけれども、これが昭和六十年になりますと、私どもの見ているところでは全国を通じまして四十億立方メートルから六十億立方メートルが不足するであろう、こういうことを昨年私どもの方で発表いたしております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 そうすると、以前にいわゆるあなた方の橋口さん時代だと思うんだけれども、昭和六十年を想定した基本計画というのがありましたね。あれとはどう違っているんですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) ちょっといま御質問の意味がわかりかねるのですが、昭和六十年の話になりますと、実は私ども昭和五十二年度末を目途に長期水需給計画、これは設置法に基づきまして私どもがやることになっているわけでございますが、その作業をいま鋭意進めておるわけでございます。その中間的なまとめとして昨年いま申し上げたような数字を発表したということでございまして、正式なものは五十二年度末を目途に私どもいま鋭意作業中でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 これは年度内にまとまりそうですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) いま申し上げました長期水需給計画につきましては、五十二年度末を目途に私どもまとめ上げるべく鋭意努力をしているところでございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 そうしますと、少し具体的なポイントに入っていきたいと思いますけれども、ことしを起点にして、そして五年後までの全国的な水の需給関係、あるいは見通し、もちろん年度末までに策定をし精密なものに仕上げるというのはわかるんだけれども、いま最大関心は、やがて梅雨をはさんで夏だ、水飢饉だという関心が非常に高まっているわけだから、この委員会のこの機会にあえて伺っておきたいんだが、数年のこの水の需給見通しをここで改めて明らかにしてもらいたい。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) 五年後ということになりますとちょっと全国的なものはないわけでございます。ただ、首都圏等につきましては、御承知のように利根川荒川水資源開発基本計画というのがございまして、一定の年次を展望いたしました政府の需給計画というのがございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 あることはわかっているが、数字で明確に答えてもらいたい、こういう要望なんです。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) 水資源開発基本計画によりますと、利根川荒川水系における昭和六十年の数字が出ております。これによりますと、需要の方は百九十五立方メートル、これに対しまして供給が百九十五立方メートル、そのうち、こういう施設から供給するということを明定しておりますものは百六十立方メートルということになっております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 まあ何かの会社の決算みたいに収支がプラスマイナスゼロで結構だと思うんだけれども、そんなにうまく運ぶはずがないと私どもは憂えているわけです。皆さんの水の需給予測というのは、たとえば農林とか建設とか国土とか経済企画庁とか、さまざまずっとこう広がっていますから、各省庁によって基準が一定しているのかあるいはばらつきがあるのか。われわれの調査によれば、省庁によって、たとえば工業用水、農業用水なんて分けていくと、かなりばらつきがあるように思うんだが、その点はどうなんですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) これはおっしゃるとおり、各省庁それぞれ専門的な立場で専門の調査をおやりになった結果を発表されておるわけでございます。その数字については違いがある場合もあるわけでございますが、私ども、先ほど申し上げました昭和五十二年度末に策定いたします長期水需給計画、これは私どもといたしましては、政府として決定していただきたいというふうに思っておるわけでございますので、この長期水需給計画を策定する場合には十分各省庁とも連絡をとりまして、政府としての統一的なものに、矛盾のないものにしたいというふうに考えておるところでございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 それでは審議官ね、これはあなた方と私の見解の相違が恐らくこれからだんだん出てくると思うんですがね、質疑の応答の中で。  ぼくたちは、現代の、つまり人類の歴史とともに水争いがあると。悲惨な歴史も繰り返された。ところが、現代の水争いというのは、水戦争というのは、私に言わせれば、たとえば産業用水、つまり工業用水を含めた産業用水か生活用水かの角逐である。行政の姿勢は明らかに生活用水は後、前に突き出すのは工業用水と。これでもうしゃにむに中央突破で来たわけだ。これはもう否定できない実績なんだ。  そこで、具体的なポイントは後からフォローするとして、この夏、首都圏ないし京阪間のメガロポリスにおける生活用水、この給水には不安がありませんか。大丈夫なんですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) ここ数年、水資源の需要というのは、経済が安定的に推移しているというようなこともございまして、伸びが鈍化をいたしております。それから、気象条件にも恵まれて、先ほど先生おっしゃったように、四十八年以降、渇水で問題になるというようなこともなく過ごしてきたわけでございます。したがいまして、ここ数年は全国的には水の需給というのは安定してきたと、こういうことが言えると思います。  そこで、ことしの夏の問題でございますけれども、ことしは御承知のように全国、雪が非常に多かったというようなこともございまして、私ども見るところでは、河川の流量も豊富であるというふうに見ておるところでございます。したがいまして、ことしの梅雨どきに空梅雨というような、全然雨が降らないというようなことがあればこれはまた問題かと思いますが、いまの気象状況というようなものが順調にことしも推移するとするならば、一応ことしの夏には心配はないんじゃないかというふうに思っております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 念のために確認を含めて伺っておきたいんだが、いまの八百六十億トンの水需要を、ジャンルごとに、たとえば農業用水それから工業用水、ぼくらの用語で言った生活用水、ジャンルごとに詳しく伺いたい。それと同時に、いま五十二年なんだけれども、この五十三、五十四、五十五、二、三年間の各ジャンル別の水の需要増の予測、これをもあわせ伺っておきたい。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) 現在の八百六十億トンのジャンル別の数字を申し上げますと、私どもが持っております数字は、生活用水が百六億立方メートル、工業用水が百八十五億立方メートル、農業用水が五百七十億立方メートル、合計およそ八百六十億立方メートル、昭和四十七年の数字でございます。  昭和六十年の数字につきましては、先ほど申し上げましたように、正式には私ども五十二年度末の発表の際に申し上げられるというふうに考えております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 四十七年のはわかったけれども、五十年のはないんですか。最新のものは四十七年でしかないんですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) 五十年は推計値ではございます。これは、これによって申し上げますと、先ほど申し上げました生活用水、これが百二十六億立方メートル、それから工業用水が二百四億立方メートル、農業用水が五百七十億立方メートル、合計九百億立方メートル、こういうふうに私どもは推計しております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 五十一年の推計はお手元におありですか。

関根秋男国土庁長官官房審議官

○説明員(関根秋男君) 五十一年の数字はございません。

秦豊日本社会党

○秦豊君 それでは観点を変えまして、当初、これは昭和四十年代の後半だと記憶しておりますけれども、政府がある程度のシミュレーションに基づいて、さっき冒頭におっしゃった四十億トンから六十億トンの水不足、これを埋めるために、当初計画として水源開発を相当大々的なものを策定された。昭和四十五年以降に政府の水源開発はどのように行われてきたのか。つまり質問のポイントは、四十五年当初の計画はどうであったのか。いま五十二年、五十二年現在ではそれがどのように進行しているのか。あるいはとんざしているのか、全く見込みがないのか。その辺を含めてまず概括を伺っておきたい。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 建設省所管のダム開発について御説明申し上げます。  昭和四十五年から五十年の間に自省で、建設省関係で四十二ダム、その他利水者関係で六十ダムばかり事業を完成いたしまして、合計百四のダムが完成いたしました。それに伴います開発水量は、建設省関係で年間三十三億トン、それから利水者関係で十六億トン、合計四十九億トン毎年、こういう水量を開発してございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 その断片的な数字からだけでは全容はなかなかうかがえないけれども、順調という印象を全く持てませんね。そうじゃありませんか。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 御承知のように、だんだんダムサイトも技術的にむずかしいものがふえてきております。また、水源地の水没者の皆さん方に対するいろいろな施策というようなものもだんだんむずかしくなってきておるわけでございます。それらの点につきましては、水特法を制定するなりいろいろ努めておるわけでございますが、戦後初期に比べましては、だんだん事業の推進がむずかしくなりつつあるということは申し上げられるのじゃないかと思いますが、それなりに一生懸命努めてまいりたい、こういう姿勢でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 こうじゃなかったんですか。  昭和四十五年から昭和六十年までの水源開発の当初見込みは、プランは四百六十億トンじゃなかったのか。現実にはそれが二百三十億トンしか達成されておらず、あなた自身が認められたように、それは補償の問題、それから候補地のむずかしさ、だんだん奥へ行くというふうな問題を含めて、現実にはこういうギャップが生まれているのではないかという点を改めて確認しておきたい。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 建設省で広域利水調査というのを実施いたしまして、二次報告書を発表いたしましたが、その際、先生がおっしゃいますように、四十五年から六十年の間に四百六十億トン毎年、こういう開発目標を掲げましたことは確かでございます。ただし、そのときといろいろ経済情勢その他も大分変わっておりますので、この四百六十億トンそのものが六十年までに達成する必要があるかどうかというようなことをいま国土庁でいろいろ計算をしていただいておるわけでございます。恐らくこの半分程度の新規需要しか起こらないのじゃないかというようなことが言われておるわけでございます。その二百億トン少々の水需要の伸びに対しまして、現在までに五十億トン、こういう水を開発したこういうことでございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 いま建設中のダムは幾つ、またその水量、それから明年度から着工するダムは幾つで、その水量はどれぐらいですか。お手元にお持ちですか。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 五十二年度現在実施をいたしておりますダムは二百七十ダムでございます。これは建設省直轄、水資源開発公団あるいは府県営、こういうふうな内容になっております。それから、ことし五十二年度に、まあ予算が通りますれば新しく薄手したいというダムが十二ございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 場所を特定していただきたい。水系、場所を特定していただきたい、その十二を含めて。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 直轄で申しますと、石狩川水系一ダム、それからむつ小川原開発一、それから荒川水系一、それから筑後川水系一。それから府県営のものが八つばかりございますが、これはちょっと小そうございますので、後刻資料をお届けいたすようにいたします。

秦豊日本社会党

○秦豊君 あなたのいまの答弁の中にもあったんですけれども、当初はこういう予定があったと、ところがその後の産業開発のテンポはスローダウンで、果たしてそれが本当に必要かどうかわからないと言われたんだけれども、非常に正直で、僕もそのとおりだと思うんですよ。つまり、政府の当初計画と現実とのそご、ギャップというのを救っているというのは、皮肉にも低成長、スタグフレーション、こういうマクロの経済状況があなた方を救ったんですよ。あなた方が勤勉で精密なプランを十全に実行してきたからではなくて、むしろそういうものによって皮肉に救われているという印象を私は否めない。  関連して、あなた方がお出しになった例の広域利水調査ですね。あれは第一次があって当然第二次があったんだが、かなり古いですよね。第二次というのは一番新しいんですか。もっとも、第三次というのはいまできているんですか。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 第二次報告が四十八年八月に公表されたわけでございます。これが、建設省としては第二次で一応公表は終わっておるわけでございますが、国土庁の方で、もう少し政府全体として二次以降の見通しを立てていただけるというようなお考えもありますので、それを見守りながら第三次報告というようなものを建設省から出すかどうか、そのようなことをこれから考えてまいりたいと、こういうふうに思っております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 来年になれば国土庁としてまとめたいと、今年度末までに。そうすると、当然あなた方の方も対応しなきゃならない。そうすると、そのあなた方の第三次広域利水計画も今年度内に、あるいはもっとできれば今年中にでも検討し、まとめて発表したいと、こういうふうに理解していいんですか。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 国土庁の方の構想といろいろ突き合わせをする必要がありますので、いつということはちょっと申し上げられませんが、準備はいたしております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 ダムの建設の問題をもう少し変わった観点から掘ってみたいと思うんだけれども、ダム建設自体、路線というか方式というか、これ自体にぼくは二つあると思うんですよね。一つは先哲の残した方法ですよ。因習の時代にはなかったけれども、現代のようなダムは。しかし、緑のダムというのがあると思うんですよね、緑のダム方式というか。これはずっと先哲が残した知恵のある方法で、山の緑も守る、はぐくむ、そして水を養うというか、文字どおり養うという感じで、乱開発だけじゃなくて、自然と調和しながらくぐり抜けていく方法ですね。こういう知恵のある方法。これともう一つは、乱開発中央突破方式、田中路線みたいなああいう角榮方式というやつ、これはコンクリートのダムをつくってやたらに山を削り落とす、あとはもうどんどんダンプカーのように突っ走るという、あのコンクリートのダム。二つそれぞれやはりバランスをとらなきゃならぬと私思うんですよ。それで、この水源林を初め全国の山を空から見ると、よく週刊誌や新聞が——週刊誌がグラビアで特集をやると恐ろしいように削られた日本の国土が写される。テレビもそうだ。言うまでもなく乱開発ですね。これはだれも否定できない。目に余る。ところが、この水資源の確保とかそれから良質な清浄な水をどう確保するかという、そういう見地から見まして、自然の開発というのはこの低成長がいい時期です、むしろ。踏みとどまって、もっと水資源の開発についても周辺の自然を守る、乱開発を規制する、そういう総合的な見地というのはいまこそ必要じゃないんですか。その点どう思われていますか、政府側は。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 先生御指摘ございましたが、乱開発をいたしておるとは考えておりませんが、御指摘のような趣旨は今後とも十分気をつけていく必要が当然である、そういうふうに考えております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 これはあなたの所管というか、管掌の範囲を超えて、それこそ、広域利水計画じゃないが、行政全体におおいかぶさるような大命題だから、マクロだから、あなたはあくまでやはり一課長としてミクロの視点から、これはやっぱりあなたの手に余る答弁をあえて求めたわけですけれども、しかし、あなたも政府の一員として責任を連帯していらっしゃるから、あなたの姿勢が行政を貫く姿勢であり得るように希望しておきたいと思うんだけれども。  そこであなたは乱開発をしてないと。それは、あなたの立場で、はい、いまやっているのは乱開発ですという日本語はそれは使えませんよ。それは常識です。しかし、私はそういう印象を今後とも否定できないと思うんです。そこで政府は、やはり今まで水資源の開発については十分なバランスをとっていなかったというのがぼくの基本的な視点ですから、あくまで対立すると思うが、そういう議論を幾らしていても悪循環しますから進めます。  やはりこれは、一方ではあなた方は、いわゆるMITI、通産省の路線で工業用水の野方図な使用がふえてきている。農業用水は大体五百億トンぐらいでずうっと——いま五百七十億トンとおっしゃったですね。ずうっと横にはっている、むしろ。今後ともこういうふうに高まる見通しはどこの省庁にもないと、ところが、工業用水だけはかなりな急勾配で上がっていくと、これが常識でしょう。つまり、工業用水を野放しにしてきた、地下水まで響いてきたと、こういう段階になっている。つまり産業資本の工業用水というのはもうどんどん需要があるところに十全にこたえる、供給すると、こういう姿勢なんです。それで、生活用水や農業用水については後にしておく、後回しだと、これが残念ながらあなた方の姿勢です。  そこで、いま私は踏みとどまって考えるべきまさに絶好の時期だということを申し上げて、概論としてはあなたもそれを否定しなかった。そこで具体的に聞きたいんだけれども、先般、ある自治体で先年工業用水の値上げをしようと思ったら、まあ通産省がまさに本領発揮して、猛烈なプレッシャーをかけたというお家芸を発揮したんだけれども、この工業用水の単価をむしろこの際に大幅に引き上げるというようなことは、この財源窮迫のときにむしろ考えるべき当然の命題ではないかと私は思うんだが、まずこの点をちぎって伺っておきたいんだが、どうでしょう。

岩崎八男公害局工業用水課長

○説明員(岩崎八男君) 私は、客観的に言いましても、工業が水を不必要に使っているとは思っておりません。現在、工業について使っております水、これの新規補給水ベースで考えますと、非常にその伸びは低うございます。その間、工業の生産拡大に必要な水量は、回収水の利用あるいは原単位の工場で確保されてきている面が格段と多うございます。で、現在、回収率は昭和四十九年が、最近時点の工業統計表からくる実績でございますが、六四・八%に達しております。つまり、工業は、自分がいま使っている水の約三分の二は一回使った水を回収、再利用しております。これは昭和四十五年が五一%でございます。昭和四十年が三五%前後だったかと思います。したがいまして、工業が必要とする水のほとんどはその合理化によって確保されてきておる。ただしかし、一定の新規補給水の増はどうしても必要であります。その伸び率というのはほとんど——ほとんどと言ったら語弊がございますが、たとえば昭和四十五年と昭和四十九年と比べますと、一日に百万トンしかふえておりません。したがいまして、工業について非常に水がふんだんに使われているという印象は間違いであると私は思っております。  それから、第二にその料金でございますが、これについて、私どもはコスト以下に人為的に抑えている政策はとっておりません。実績としましても、たとえば自治省の公営企業統計年鑑で見ますと、工業用水道というのは現在地方自治体で運営されておりますが、工業用水道の公営企業の会計はほとんどが黒字でございます。累積赤字でもようやく四十九年以降減少に転じております。したがいまして、人為的に無理な形で低料金政策をとっているとは思っておりません。  それから、工業の水が安すぎるという感覚がございます。現在トン当たり十三円から十四円でございますが、これはいろんな視点から評価さるべきだと思います。たとえば工業が水にトン二十円コストとしてかけるようになりますと、これは現在産業が負担しております電力料金負担とほぼ比肩いたします。現在、そういう新たに水を確保するためのコスト以外に、当然にそれを排水するためのコスト、具体的にいえば下水道料金その他が要ります。したがいまして、産業が現在水コストについて無視していいような感じのコストにいまなっているとは思いません。その結果がいまのような急速な回収率の上昇による再利用につながっているのだろうと思います。  もちろん、それからコスト面で言うと、上水道と工業用水道ではその末端コストにおいて五・五倍から五・六倍のコスト差が、これはやむを得ず生じてまいります。なぜかと申しますと、たとえば配管延長一つとりましても、上水道というのが末端のところで一トン得るためには六千数百メートルの配管延長が必要であります。これに対して工業用水道は、末端に一トン得るためには二百七十トートル余の配管延長で十分であります。したがいまして、これはどうしても上水道と工水道とは五倍強のコスト差が出るのはやむを得ない、そういう性格のものであるというふうに考えます。したがいまして、コスト面から人為的に抑えていることもございませんし、それから現在の水コストというのが産業にとって非常に無視できるようなコスト負担であるとも言えないというのが私どもの判断でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 いまのあなたの答弁の中のある部分、たとえばあるいは循環使用、リサイクルの問題ですね。それから、あなたの言われた六四・八%というのは確かに三分の二をオーバーしているんだが、これは五十一年ぐらいの推定なんですか。  あるいはもう一つ、リサイクル、再利用という問題は、確かに一定の枠の中で技術改良が加えられればもっと合理的にロスを少なくして行われる、そういう分野でしょう。これはたとえばあと両三年もすれば、これが八〇%というふうな上向傾向をとり得るのかどうか、その見通しも伺っておきたい。

岩崎八男公害局工業用水課長

○説明員(岩崎八男君) 六四・八という回収率は四十九暦年の工業統計表からくる実績でございます。これが全体として把握し得る最新の資料でございます。  それから、私どもは産業構造審議会で一年前に答申を得ました。この回収率を昭和六十年までに七〇%までに引き上げることを目標とすべしという答申をいただいております。私どもは七〇%が十分であるとも思っておりません。ただ、現在回収率六四・八というのが達成されておる中身を見ますと、これは鉄綱、化学工業といったこういう大規模消費産業において、たとえば現在の銑鋼一貫工場の回収率は九五%を超えております。それから、石油化学工業平均で申しましても八割を超えております。したがいまして、そういう面での今後の回収率の向上、これはもちろん一%でも上げていかなければいけませんけれど、それよりはやはりその他の部分、業種的に言いますと、食品、繊維、紙パルプといった面、これは非常にその一回使った水の再処理の技術的、コスト的面がいままでむずかしゅうございましたから残されている面でございますが、その他の業種的に言うとそういう面、規模的に申しますと、大工場ではなくて中堅、中小工場に、こういう合理化面を、合理化の実を、すそ野を広くいたしませんとなかなか七割とかあるいは七五とか、そういうふうに平均として上がっていかないのではないか。したがって、今後水使用の合理化というのはかなり胸突き八丁に来る。法制的にもあるいは政策的にも相当な施策がなければこれは進んでいかないものだというふうに判断しております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 ダムに絡んでもう少しデテールを伺っておきたいんだけれども、ダムの打ち込みセメントですね、あの一トン出たりの湛水量、水をたたえる量、湛水量、テクニカルタームはそうだと思うんだけれども、この湛水量というのは最近の数年間どういうふうに推移してまいっておりますか。手元にデータおありですか。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) ダムの計画は、立てましてからやはり一ダムつくるのに十年間かかりますので、ちょっと数年間という数字にはなりませんが、ごく最近のデータによりますと、それからダムのタイプも、コンクリートの重力ダムとか、アーチダムとか、フィルダムとか、タイプが違っておりまして一概には言えないんでございますが、コンクリートの重力ダムという標準タイプに限りまして申し上げますと、ここ数年の実績値は、堤体積、コンクリート一立米当たり貯水量は百三十立方メートルとなる、こういう数字が出ております。これは戦後直ちにかかりました比較的良好なサイトにおける値に比べますと、恐らく二分の一ないし三分の一に効率が悪くなっておる、こういうふうなことに当たろうかと思います。

秦豊日本社会党

○秦豊君 関連しますけれども、その湛水量トン当たりの原価ですね、これもおたくに資料お持ちですか。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) これも先ほどの百三十に対応する数字でございますが、大体有効貯水容量一トン当たりの建設単価と申しますのは六百円程度でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 そこでどうなんでしょうかね。皆さんはそれぞれ今後のダム建設については現状でも乱開発ではないと。しかし、産業がどの程度の水を必要とするかについては、皮肉なことにスタグフレーションによって救われている。今後の問題ですがね、根本的な。ダム建設自体がすでに一種の局限状態に達しているのではないかという指摘が一部からなされている。専門家からなされている。あなた方は、いやまだまだ可能性が残っているとおっしゃりたいんだろうけれども、じゃ可能性があるとすればどの水系やどういう場所にそういう可能性が残されているのか。私はもう現状がリミットと思っていますが、あなたのお考えはどうでしょう。

佐々木才朗建設省河川局開発課長

○説明員(佐々木才朗君) 先ほどお話の出ました広域利水調査で、やろうとしておったダムのうちまだ百ダム程度しかできていないわけでございます。実は五十二年度から治山治水の五カ年計画が始まるわけでございます。その内容を現在いろいろ検討をいたしておるわけでございますが、現在二百七十ぐらいを五十二年度当初やるわけでございますけれども、新しく百八十ぐらいのダムをこの五カ年間の中にかかっていきたい。まあ竣行するものもございますのでいろいろでございますが、四百数十カ所のダムをこの五カ年間に手がけたい、こういうことを考えておるわけでございます。  また、長期的には、先ほど申しました広域利水のサイトもございますし、より長期的な考えがたくさんあるわけでございます。ただ、ダムだけでなしに湖沼の開発であるとか、あるいは河口ぜきであるとか、あるいは複数河川を結ぶ流況調整河川であるとか、あるいは下水等の再利用であるとか、そういったプロジェクトもあわせて考えていきたい、こういうふうに思っております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 政府の方が、ぼくたちから言わせれば遅まきながらという日本語が当てはまるんだが、ようやく五十一年度から国庫補助率というのをあらかた二分の一まで改善した。実際にそれは建設総費用の二分の一を満たしているのかどうか、その実態も伺っておきたいし、それからもう一つ、せっかく行政が努力をして二分の一までしたんだけれども、しかし、まだまだこの現状では、この比率ではやはり地方自治体の水道事業者の負担がどうしても大きいと、過重であると。したがって、せめて補助のパーセンテージを、比率を四分の三程度にまで改善すべきではないかというのがぼくたちの主張なんだけれども、それは政府側はどうでしょうか。

山村勝美厚生省環境衛生局水道環境部水道整備課長

○説明員(山村勝美君) 水道事業に対する国庫補助の関係でございますが、御案内のとおり、水道事業は公共性を維持しながら独立採算制でやっていく、受益者負担的なことを原則として進めているわけでございますが、昭和四十二年ごろから、やはりダムに依存せざるを得ない水道においては、それに対する負担が大きいということから補助制度を創設いたしまして、水道の水源開発施設、ダムの建設等について国庫補助制度を設けてきたわけでございます。その後、ダムがだんだん効率が悪くなりコスト高になってくるという傾向をたどってまいりましたので、さらに物価、人件費の高騰等も伴いまして、水コストが増大してくる、経営が悪化してくるという事態を招いてきたことを反映いたしまして、この五十一年度の予算で、特に原水コストの高いダムにつきまして二分の一に引き上げを行ったところでございます。この五十一年に初めて大きな、大幅な改善をいたしましてそれ以前までは三分の一が頭打ちでございまして、さらに一部補助対象外というようなこともございまして、五十一年の改定によって事実上二倍近くまで改善されたところでございます。改善されたばかりでございまして、ほかとの比較におきましてもそれほど遜色はないというふうに考えております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 手元の、これは私どもの資料ですけれども——では、五十年度に国が出した予算というのは、これは上水道ですよ、上水道の場合には、要した費用が一兆五千八百六十三億円であったんだけれども、その中で国の補助は四百七十三億円でしかなかった、その当時は補助率はわずかに二・九八%にとどまった。ところが、同じ五十年度の工業用水についての資料を見ると、要した費用が千四百三十四億円であったが、国庫の補助は二百二十六億円に達している。そうすると、補助率としては一五・七六%にも上っているわけです。まあ私見によれば、これはここにこそやはり工業優先というふうな倒錯した行政の姿勢というのが反映されていると。先ほどの答弁はそんなことは全くありませんという次元の答弁であったけれども、私どもはそう思っている。私の引用したデータは、これは確認できますか。あるいはもっと新しい手元の資料があれば、この際答弁に盛り込んでもらいたいと思います。

山村勝美厚生省環境衛生局水道環境部水道整備課長

○説明員(山村勝美君) ただいま数字を持ち合わせておりませんが、五十一年度予算で申し上げますと、主たる財源であります地方債でございますが、これが七千百五十億でございまして、それがほぼ建設の総額とお考えいただければいいと思いますが、それに国庫補助が約五百億のっかっておるという感じでございます。したがって、先生御指摘よりも少し比率が上がっておるのではないかというふうに考えております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 それは正確な数字を後で御提出いただけませんか。

山村勝美厚生省環境衛生局水道環境部水道整備課長

○説明員(山村勝美君) はい、わかりました。

秦豊日本社会党

○秦豊君 お願いします。  それから、これは最も新しいかどうか、手元の資料では昭和五十年度決算でしかないんですけれども、五十年度決算によりますと、全国に散在している千七百三十の水道事業所、この中で四〇%といいますから六百八十の事業所が軒並み赤字に転落をしている。累積の欠損金を調べてみると千六百二十億円に達していて、そのことは前年に比べると三八%の増加になっているんですね。好ましくない増加になっている。しかも水道事業千七百三十のほぼ過半数、五二%になると思いますけれども、過半数に当たる九百七の事業が幾ら大幅な料金値上げをしてもなおかつこのような事態を招いている。五%、一〇%じゃなくて、もうびっくりするような率で上げなければ、上げてもなおかついま申し上げたような非常に追い詰められた状態になっているのです。こういう事実を当局側は把握されておりますか。  それからもう一つ。これはもう事態としては非常にぼくは深刻であると思っているんだけれども、このような深刻なところまで水道事業を追い込んだ原因というのは一体何と何であると思うのか、その辺を的確に答えておいてもらいたいと思うんです。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 二、三数字をお挙げになってお尋ねでございましたが、大体そのとおりでございます。念のために申し上げますと、昭和五十年度における総収益が六千九百九十八億円、総費用が七千四百九億円ということで、純利益を生じた事業数は前年度の六百八十六事業から千五十事業と若干ふえておる。その純利益額は二百十億円で前年度の約四倍という形になっております。また、純損失を生じた方の事業数は前年度の千二十五事業から若干減りまして六百八十事業となっております。したがいまして、いまお話ございました約四〇%が純損失を生じております。その純損失額は六百二十一億円で、前年度の九百六十億円よりは損失額としては減少しております。それから累積欠損金を有する事業数は七百六十六事業でございまして、その累積欠損金の額はいまお話ございましたように千六百二十一億円、これは前年度の千百七十五億円に比べて四百四十六億円の増加ということでございまして、なお、不良債務は千六百六十七億円で、前年度の千二百八十五億に比べましてこれまたやはり三百八十二億円ばかり増加しております。  こういう数字でございますが、全般的に見ますと、対四十九年度で五十年度を比較した点だけから申し上げますと、その間に料金の改定等もありましていずれも好転はしておりますが、いま申し上げましたように、好転したものの、累積欠損金にしましても不良債務にいたしましても増加しておるということで、やはり依然として経営状態は厳しいものがあるというのが現状でございます。  その厳しい状態に至った原因は何かというお尋ねでございますが、これはなかなか一概には申し上げにくいかと思います。事業が幾つも、千七百もございますので、各事業によっていろいろございますものですから、何が原因かということは一概に申し上げにくいと思いますが、やはりいろいろ考えてみますと、一つは料金が適正であるのかないのか、あるいは料金の改定の時期にしましても、適時適切な料金改定であったのかどうかという問題もありましょうし、それから経営の努力の問題、たとえば人件費の問題あるいは物件費の問題、これが、中身をさらに分析してみないと事業によって違うと思いますけれども、相当に圧迫原因になっているんじゃないかという問題もあります。あるいはまた最近は、先ほどからるるお話が出ておりましたように、用水を確保することが非常に逐次困難になってきております。そういうための投下経費が高くなっている、こういうのも否めない一つの要因ではないかと。いろんな理由があると思います。

秦豊日本社会党

○秦豊君 まあ審議官の答弁は非常に慎重で控え目だが、物件費、ちょっとオクターブが下がって人件費と、本当は人件費のオクターブをうんと力強くおっしゃりたい立場であろうと思うんだが、そうだと思いますが、ただ、あなたに反論しておきたいのは、こういう資料はお手元にあるでしょう。昭和五十年度の水道の施設費、これを見ると、たしか八千百十四億円だと思いますけれども、ちょっとお手元の資料と後ほど対比してください。八千百十四億円が水道の施設費である。ところがそのうちの借金、ずばり言えば起債ですわな、この起債の部分が六千二百十七億円もあるわけですよ。そうすると、比率をとってみると七六・六%にもなりますね。ほとんど八〇%、八割に近いと。いま水道事業の起債の利子というのは、安いポイントをとってみると、例の資金運用部資金、これはかなり安くて——安いとも必ずしも言えないが、年利八%、これが一番安いんですね。あとは八・三とか、五とかあるが、これが一番安い。そうしますと、これは美濃部都政の東京都だが、東京都の場合を当てはめてみると、利子負担だけで東京都水道局料金収入の何と三七・六%が利子負担です。ところが、あなたが控え目に言われた人件費は実は全水道料金収入の三二%でしかない。このことは銘記されたい。そこで、人件費をはるかにしのいでいる利子負担というのが根源的に水道事業を追い込んできたんだ。このことは何もぼくの一定の見地に基づく独断じゃないと思うんですよ。これは客観的な事実なんだから、このことは余りそう大きな論争を生まない。事実の認識の問題だと思うんだけれども、審議官はどういうふうにお考えですか。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 最初に述べられました数字はそのとおりでございます。  いまお話がございました、東京都の例を挙げてのお話でございましたが、私どもトータルで申し上げてみますと、現在一立米当たりの平均コストが大体六十七円ぐらい、六十六円幾らということになっています。それに対します供給の単価といいますか、要するに売り値でございますが、これが五十四円ということで、一立米当たり十一円の赤字を生みながら利用しておるというのが現状でございます。その六十六円何がしの平均コストの中で占めます割合を見てみますと、お話しの給与費は二十一円何がし、二十一円四銭でございますが、それに対しまして支払い利息は十六円二十二銭ということになっております。東京都の数字とは多少違いますが、トータルで申し上げますといま申し上げたような数字でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 結論的なところにくるとあなた方とぼくの立場はかなり違うと思います、当然ね。やむなく隔たりがあると思うんだけれども、やっぱりしかし、私は水道法という法律、それから地方公営企業法という二つの法律がある。この法律自体の限界がそのまま水道事業の限界になっていると。ぼくの認識ですよ、これは。で、水道法はもう言うまでもなく小さな規模の、小規模の簡易水道にしか補助金がない。こういうことを明記していますね。この壁が厚いんですよ。これが問題なんですよ。だから、水資源の開発とか広域化対策では、申しわけ程度の補助金以外国がほとんど責任を負わないんですね。この辺がやっぱりぼくは一番大きな根源的な問題ではないかと思う。水道法にやっぱり根因があるという認識についてはあなたはどういうふうに見ていらっしゃいますか。

山村勝美厚生省環境衛生局水道環境部水道整備課長

○説明員(山村勝美君) 御指摘のとおり、水道法の中には簡易水道に対する補助制度だけがうたってございまして、上水道に対する補助はうたってございませんが、現在、実質的に、たとえば水源でございますとか、長距離に水を引いてこなければならないような広域水道でありますとか、それから公害対策としての用水施設でありますとか、そういった、特にその都市にとって特殊な事情があるという部分について広域制度をしいてございまして、実態的に対応しているわけでございまして、制度が設けられることによって急に国費がふえるとか、そういう実態的な面についてはそれほど差がないのではないかというふうに考えております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 これは非常に恒久的なテーマですから、地方行政委員会で一時間質問して法律が変わるわけではないんだ。それはそうだ。これはもう気長に、しつこく、粘り強く取り組むべきぼくたちなりの命題だと思っています。  そこで、きのうも先輩の野口議員が地方交付税率の問題等々集中審議の中で応酬があったわけですが、あれに類するような観点から言えば、たとえば私が前後に申し上げた地方公営企業法は例の独算制だ、独立採算だと。このことがあなた方にすればそれでいいじゃないかと。けれど、ぼくらにしてみればそれが足切り、いわゆる壁、ネック。だからこれがガンだと私は思っているんですよ。だから、水道法の持っている壁の厚さと同じような認識を、忌まわしい認識をいまいましくこの地方公営企業法について見ている。このことは小川さんのお答えになるべき範疇かもしれないけれども、次官もいらっしゃるし、答弁願いたい。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) 日本の水道事業、この水の供給ということは、おっしゃるように政治あるいは行政の大きな責任であると思います。ただ、わが国のこういう水問題が、先ほどからの御論議の中にもありましたように、気象状況とか恵まれた地下水とか、世界に類を見ないような降雨量の多さというようなものに救われ、またさらに、御指摘がありましたように、産業の停滞というものがこの水状況というものを非常に救っているという御指摘も一因であろうかと思いますけれども、これがやはりそういうものがなかったときに、一体、農業用水、工業用水を含めた、また特に生活用水、これが完全に供給できるのであろうかという問題は非常に大きな問題であろうと思います。  水道事業につきましても、自治省といたしましてはできるだけの力を入れて、御指摘になりました公営企業法の制約もございますけれども、その枠の中でやはり公営企業は公営企業でできるだけの経営努力をしていただかなければいけませんし、また国の方としても財政上、制度上あらゆる援助をして、そうしてその努力の手に余るところはまた別途国の方でめんどうを見ていくべき性格のものであると思います。そういうことで、そういう制度の改正を含めてこれからも努力、検討を続けてまいりたいと思います。

秦豊日本社会党

○秦豊君 きのうたしか野口議員に対して厚生省側が答弁された中に水質の問題があったんですが、それをもう少し詳しく伺っておきたいと思うんですがね。  きのうはたしか厚生省側は、常時検査体制がない、自己検査のできない事業所、これは用水供給事業四十四の中では三十一、それから人口が二十五万人以上の都市では十八、それから二十五万人以下では一千七百三十五の中で一千六百六十三もあると、こういう答弁であって、こんなことを非常にあっさり答弁されたんだけれども、非常にぼくは欠陥だらけでお寒い体制だと言わざるを得ないわけですよ。  そこで、この数字を踏まえて、たとえば各県、都道府県と言うべきだけれども、衛生試験所とか保健所に水質検査を委託をしている、こうおっしゃっているんだけれども、これは毎日サンプルを出していらっしゃるのですか。それとも、月に一回というふうなきわめて緩慢なのんびりしたテンポなんですか。どうなんですか。

山村勝美厚生省環境衛生局水道環境部水道整備課長

○説明員(山村勝美君) 水質検査は、実は二十七項目ございまして、そのうち毎日行うべき試験というのが法律上決めてございます。それは色とか濁りとかあるいは残留塩素とか、消毒の塩素量でございますが、そういったものについては、毎日調べるということになっております。したがって、毎日検査というその三つの項目につきましては、これはどこの水道でも簡単に小さな器械があればできることでございますので、やっておるものと考えております。したがって、衛生研究所でありますとか、たとえば小さな水道が大都市に委託するとかいう分析につきましては、非常に高度な器械を使わなきゃできないとか、高度な分析方法によるとかいったその他の項目について、毎月一回、あるいはほとんど水質が変わらないようなものであれば年一同程度の分析について委託をしておる、というのが法制上定められたやり方であり実態でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 だから、あなたの言われたその一番最後のところが肝心なんで、高度なというのが一番肝心なデータなんでしょう、それが。それが月に一回。月刊誌じゃあるまいし、あなた、月に一回というふうな緩やかなテンポでは、これほど公害規制が厳しく叫ばれ続けている昨今の体制に比べると、あなた方の対応というのは非常にのどか過ぎて、きわめてこれは問題があると思う。それで、きのうもたしか野口議員が聞いたでしょう。各都道府県に全部置けとは言っていないんだから、幾つかのところが集まって、たとえばブロック化するとか、水質検査センターを。そして、センター、建物をつくって人を配置するだけじゃなくて、たとえばその場合には原子吸光度計というふうなどうしても必須な器具などはとにかく備える。あれがないと、たとえばシアンとかカドミが解析できないでしょう。いままさにそれが問題になっているじゃありませんか。その濃度は一体つくるべきじゃないかと。厚生省側は当然その見地に立って要求されたんでしょう。  大蔵省側は見えていますか——。どういう観点でどういう理由でばっさりゼロ査定にしたんですか、伺っておきたい。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) 水質検査の重要性というものは、私どもも国民の健康を守るという点から十分認識しているつもりでございます。しかし、そのことと個別の補助金をつけるということは必ずしもイコールではないんではないか。  私どもがこの御要求を認めませんでした理由は、主として三点ございますが、第一に、水質検査は、水道法の規定によりましても、これは水道事業者の行うべき事務と、こういうことになっております。それにつきましては、料金収入というものもあるじゃないか、あるいは特にコスト高のものにつきましては、特別交付税等でも措置している部分がございます。また、事務の取り扱いにつきましては、ただいまお話もございましたように、委託をするという方法もあるわけでございます。  それから、この御要求を見ますと、一市町村当たり七百万円と、こういう補助金の額なんでございます。で、私どもの補助金行政に対する考え方でございますが、昨日も予算委員会で御議論ございましたが、こういった細かい補助金で一々ひもをつけるのは適当ではないではないか、もうちょっとこういうものはまとめて地方団体の自主性に任せた方がいいじゃないか、こういう御議論がかねがねこの地方行政委員会でもございまして、私どもでもそう考えているわけでございます。で、一市町村七百万円という少額の補助金、いまある少額の補助金を整理するということはこれは非常に至難でございますが、こういったものはなるべく新設しないで、経常的な事務に要する経費でございますのでこれは国庫補助をつけるということでなくていただきたい、これが私どもがこの補助金を認めなかった理由でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 いや、あなたの論理を、答弁を逆手に取るわけじゃないが、じゃむしろブロック化して、幾つかの事業所に一つの水質センター、まとめて補助金、国庫補助と。水道法は確かに水道事業者においてなせと明記されている。しかしその水道事業が先ほどから論議のように行き詰まっているんだから、しかもこの水質検査が健康に直結するという命題である以上、そこはあなた自身も認められたように細々と細分化するといかがかと思われるが、では集約をして、幾つかの事業所をまとめた水質検査センターなら合目的的じゃないですか。そうはお思いになりませんか。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) 確かにそういう考え方もあろうかと思いますが、しかしそういう方法ですと、現に比較的大きな都市にはそういう施設もございますし、また検査センターのようなものも都道府県にはございますので、そこを活用すればいいじゃないか、こいう考え方でございます。

秦豊日本社会党

○秦豊君 それは納得できない。さっきから言われたでしょう。下請に出すと一月かかるんですよ。月に一回ですよ。そういうテンポや頻度では十全ではない。だからこそブロック化して水質検査せい、こう言っているんですよ。委託すればいいじゃないかというふうな問題ではもうすでにないわけですよ。だからあなたの言われることは納得できない。むしろ、少なくともその方向を目指してあなたがこれから検討を具体的にすると。いわゆるこういう場合の官僚答弁、パターン化された答弁の、前向きにとか慎重にとか、そうじゃなくて、前の主計官もなかなかガードはかたかったようだが、あなたかわられてあなたのお仕事になるんだけれども、その程度の答弁じゃなくて、政府の中枢部の一部には、趣旨は非常にいいんじゃないかと、水質センターというのは。こういう声まであるわけですがね。もっともこれは総論賛成各論反対みたいなもので、余り当てにはできない。だからあなたが最初の関門になるわけですよ、担当の主計官だからみだからあなたの考えが非常に大事なんですよ、この問題。少なくとも、いままでの答弁じゃなくて、水質検査センターの趣旨はあなたも結構だとお考えなのかどうか。結構だという認識と財源措置は別だという当初の答弁にUターンしないで、この水質検査センターというのは優に行政の措置として大蔵当局の感覚からしても検討に値する命題とお考えかどうか。その点だけしぼって伺っておきます。

窪田弘大蔵省主計局主計官

○説明員(窪田弘君) なかなかむずかしい問題でございますが、昨日の予算委員会で野口委員の御質問に対して厚生大臣は、大蔵大臣も十分理解を示されるものと思うと、こういう答弁をなさっているのは私も承っております。したがいまして、どういう形の御要求が来年出てくるかはわかりませんが、もしそういう御要求があれば厚生省と十分協議してまいりたいと思っております。

秦豊日本社会党

○秦豊君 私がこういうことを申し上げるのも、決して架空のことじゃなくて、つい先日、神奈川県下でシアンが盗まれるという事件があって、あのとき非常に、ただいま入りましたニュース式に扱って広報体制がとられた。一方では、神奈川県警が二十四時間厳戒体制をしいて水源地警戒体制をとる。ところが、専門家じゃないから要所要所がわからないから、水道の仲間に依頼をしてきた。それで緊急にもう配置についたわけなんだけれども、あれなんて、もう月に一回その辺でのんびり委託して検査していればそれでいいですよなんというのでは、とてもこういう——もちろんこういう突発事件が毎日起こるわけじゃないにしても、先ほどから申し上げているように、余りにも検査体制が不完全きわまると思う。少しずつでも行政が裏づけをして、毎年毎年緩やかではあるが、こんな大きな要求を出しているわけじゃないんだから、少しずつ、穏歩前進でいいから、着実に検査体制の欠陥を満たしていくというのがむしろ行政側の誠実な対応ではないかという観点があるから申し上げたわけです。やっぱりいまのところは、魚に頼っているんです、いまの検査体制の重要な部分というのは。重要というか、大きな部分は。魚が白い腹を見せる、水質が悪い。こういう非常に素朴な検査体制がこの当今まかり通っているという情けなさについて、行政が余りにも怠慢でないかということを書いたいわけです。  そこで、これで終わりますけれども、私はきょうは皆さんいろんな省庁の方のお話を伺ったん、だけれども、私自身が当初持っていた日本の、国連はともかく、日本の水は大丈夫かという将来見通しを含め、つい足元では水道事業の赤字、検査体制の欠陥等々、やはり私は根源的に納得が得られたとはとても思えません。  土だから、資源の問題として水をとらえた場合でも、あるいは命の水というとらえ方をしても、資源というとらえ方をしても、日本の水道行政というのはぼくはまだまだ欠陥だらけであると断ぜざるを得ない。幸い、中山次官の方から包括的によく考えてみたいというお答えもあったようだから、小川自治大臣、また主計官は大蔵大臣と緊密に連絡をとっていただきたいけれども、やっぱりこのままであれば、私は数年ならずして、また特に数年たてば日本の水は行き詰まると。むしろ皆さんは非常に大楽観を述べていらっしゃるんだが、私はそうでなくて、水質源という観点から見れば、必ず自然から痛烈なしっぺ返しを食らうのではないかということを恐れます。十全な対応を要望しておいて、一応質問を終わりたいと思います。

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時一分休憩      —————・—————    午後一時二十一分開会

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 約四十分の時間をいただきまして、一つの問題をお聞きしたいと思うわけであります。  私の地元である福島県の問題でございまして、福島県の二本松市というところで県有地の払い下げ等の土地処分をめぐり、地方公営企業法第三十三条二項、二本松市でつくりました経営企業設置に関する条例の四条違反ということの問題で、大分大きな騒ぎが議会、市民等の間にあったわけでございますけれども、この問題についての自治省が調査しました範囲での経過の御報告をお願いしたいと思っております。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 御説明申し上げます。  昨年の十一月と思いますが、そういう事態が発生したことを私ども承知いたしまして、県の地方課を通じましていろいろ調べておりますが、その結果の概要を御報告申し上げますと、昭和三十六年に二本松市で地方公営企業法の適用する事業をお始めになったということでございますが、問題は四十二年に県有地、元畑作の原種農地圃場であったようでございますが、県有地を二本松市が払い下げを受けた。その払い下げを受けた土地を、先ほど申し上げました、三十六年につくりました宅造事業会計で取得をしたというのが四十二年の二月でございます。その後、四十六年の十月に、東北三菱自動車部品株式会社というところから、その一部を住宅用地として分譲してほしいという申し出が市の方にあったということでございます。それを受けまして、四十六年の十二月十七日には、いわゆる十二月の定例市議会の開会中でございましたが、その議員協議会の席上で、その土地の処分について協議がありまして、適正な時価で分譲する方向で検討をするという原則的な了解がそのときの市議会でなされたと。その時点では、まだだれにとかいうようなことではなしに、ただ適正な時価で分譲するという原則的な了解があったということでございます。  それで、そのうち、まあ面積は申し上げませんでしたが、全部で四万三千平米ばかりでございますが、そのうち約半分でございますが、二万三千平米ばかりを四十七年の二月に分譲するという計画をつくったようでございます。そうして、二本松市の中に公有財産の審査会、これはどの団体でも処分するときにはそういうものをつくってやっておりますが、公有財産審査会というところで処分予定価格の審議を行い、単価を決定しております。四十七年の四月には、その土地処分につきまして、分譲の区画の数、それから区画ごとの面積、処分価格、契約条項といったようなことについて骨子の決定を見たと。そうしまして、四十七年の五月の定例——まあこれは市議会でございませんのですが、よくあります議員全員協議会というのがございますが、そこで当該土地に係る分譲計画案を提示しまして、売却処分ということについて同協議会の同意を得たということでございます。  それから、同じ四十七年の六月に、当該土地分譲につきまして十五五区画、件数で十二件というものの土地売買契約を締結をしたわけでございます。それから、四十七年の九月十四日には、市の議会におきまして、当該分譲地に関しまして質疑応答がなされたようでございます。  それが四十七年九月までの経過でございますが、その後昨年の十一月、五十一年の十一月に、新聞報道等もございましたが、県の地方課の指導等もございまして、十二月の九日に開かれました二本松市議会におきまして、主として県の地方課の指導による処置としまして、二本松市の市議会に議案を提案すると。これは、予算で定めなければ処分できないという、先ほど先生御指摘がありました公営企業法の三十三条二項違反あるいは条例四条違反ということもありまして、その善後措置としまして、単行議案として提案をしたということでございます。そうしまして、同議会で十二月二十日に、その当該単行議案を原案どおり可決したというのが現在までの経過の概要でございます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 問題は、地方公営企業法に基づく二本松市が実施いたしました宅地造成事業会計で取得しました件数が二件、処分された件数が四件、工場団地造成事業会計で取得しましたのが五件、処分件数が五件、合計十六件の地方公営企業法で指定する重要な資産の取得、処分について、二木松市議会の議決を経ないでこれが行われていたということで、その問題が明らかになる中で二本松市民の疑惑を非常に深める問題となりました。議会でもこれを取り上げて追及するというようなことであったわけであります。議会にこれらの処分あるいは取得というようなことについて何ら議決を経ない、この点はまさに地方公営企業法三十三条二項に違反する行為なのでありますが、この事の真相を明らかにしようとして、百条調査特別委員会の設置なども議会の中では提案されましたけれども、わずかの差でこれが否決されております。最終的には、県の指導によったと先ほど御報告がありましたが、昭和五十一年十二月の十五日に、県の指導によってこれを追認するということで十二月の定例議会に追加提案されたわけでありますが、これもまた多数決によって議決されました。この議決は四年前にさかのぼって有効とされる議決だということでありますが、追認議決によって、地方公営企業法三十三条二項違反の行為というものが多数決によってこれは消え去っていったということになるわけであります。この間、自治省としてはこの問題に触れておったと思うんですけれども、これについての御指導はどのような御指導をなすったか、お尋ねしたいと思います。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 先ほどちょっと申し上げましたが、自治省が承知しましたのは昨年の十一月以降でございまして、それ以前はそういう問題は承知しておりませんでした。それで、県の地方課を通じまして事情を聞きまして、いま私が申し上げましたような経過は聴取したわけでございます。それからそれに対します、いまお話のございました追認議案という形の措置をとるかとらないか、そういうことを含めてどうしたらいいかということにつきまして、いま申し上げましたように地方課を通じて指導したわけでございますが、地方課と私どもの間で、現在の措置としてはそれがよかろうという意味の指導をしたわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 当然のことだと思うんですけれども、物事の真実というものをきわめるということは、これは国民全体、何人にも公平にしかも厳格にこれは行わるべきであろうと思うわけであります。ことに行政の中心をなす方々の行為については、当然行政指導の中でこれは行われるべきものではなかろうか。追認によってすべてが消えていくというような形であったのでは、何か市民の中には深い疑惑が残って、いつまでもその問題がぶすぶすとして、それからなすことについて事ごとに不信の感を持つようなことにもなるであろう。こういうような立場を考えますと、このやり方は県と自治省の間で協議の上でなされたというんですけれども、この御指導はまことに納得いかないと思うのです。納得のいく解明だとはどうも受け取れないと思うのです。何か県の指導も、このような立場の人に、ある問題として穏便におさめていきたいという、臭い物にふたをするような感をいまも市民の感情として残しているのはそういうことからくるんだろうと、こういうふうに思います。このような問題の真相を捨てておくというようなことは、もし徹底的究明をするというようなことになれば、市民の側の疑惑を解くというようなことになれば、議会の多数決によってこれは考えていくべき問題ではないのではなかろうか。三十人の議員さんの中で一人でも疑惑を持っている者があったら、この種問題についてはやはりその一つの問題を取り上げて、全体としてこれはやはり調査するなりその真相を市民の前に明らかにするなり、そして責任の所在というものを明確にしてこそ、行政を信頼し政治を信頼することになっていくのではなかろうか。どうもその辺が百条調査委員会というようなものが大分いま各地方団体にこう自治省の指導によってなされているようですけれども、どうもそれは別な方面ばかり利用をされておりまして、この種問題になると何か特別扱いをしているような印象を持たざるを得ないわけであります。こういう臭い物にふたをするという行政、行政こそまず厳しくその姿勢を正すべきであると。その行政の責任を食う者にとってはこのことは全く厳しく考えなければならぬと思うのですけれども、どうも県と自治省の間でなされました御指導というものは臭い物にふたの感を免れない。この点に関して自治省も責任があると思うのですけれども、いかがでございましょうか。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 先ほど申し上げましたのは臭い物にふたをするとか、実態はどうでもよろしいとかいう意味でなくて、中身につきましてはずっと逐一経過を追って聞いて承知をしておるわけでございます。  で、先ほどもちょっと触れましたけれども、市の内部の経るべき手続、たとえば先ほど申し上げました公有財産審査会の審査とかいうようなものは経ておるわけでございます。で、それを私どもが今度追認したらどうかという指導をしたのは、手続的な意味で、三十三条違反、つまり予算で提案しなければいけないという形をやってなかったという、その手続的な瑕疵につきまして、いまの時点ではそれよりほかに方法はないではないかと。四年前の予算をいまさら補正することもできませんし、そういう意味で、現在の時点の措置としてはひとつ追認もよかろうということを申したわけですが、そのことは、中で実態はどういう実態であったのかと、それはたとえ臭い物であってもふたをしろという意味では決してございませんので、そこはひとつ御了承をいただきたいと思います。私ども指導しましたのは、手続的な面で瑕疵のある手続であったと、それはいまの時点でどう直すかということになるとそういう措置がよかろうという指導をしたわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 単なる手続とおっしゃいますけれども、議会というものにかけるべきものをかけないで勝手に四年間もやってきてしもうた。なるほど、ちょっと解釈上過ちがあったというような声も聞いております。しかし、当面責任を背負っていられる方の立場では、そういう手続上のミスとしては済まされない。やっぱり議会を無視、議会の権限に対する大きな問題を提起しているのではなかろうかと、こういうように思うわけでありますが、それをどうにもできないと、事ここに至っては追認でもしたらどうだというようなことで終わる以前に、やっぱり議会の中における、自治省はどうなんだ、大分そういう自治省と県との話し合いの中で、これは終わっているんだというような返答の中で、結果的には百条調査委員会の皆さんも相当数の賛成があったんですよ。しかし、それを当局者の努力によってそれが行われないでしまったと。やっぱりぼくは議会が発意してこうしたことをやろうとすることについて、やはり百条調査委員会等についての設置の趣旨は議会を尊重しようという立場だと私は思うんですよ。そういう意味で議会尊重の立場を私は理解するとすれば、この辺のところの指導のときに、自治省としてはこうだというような指導があれば、これはもっとやっぱり市民の疑惑を整理する意味でいったのではないかと思いますと、臭い物にふたという言葉、いやではあろうかもしれませんよ、またそういう意識はなかったかどうかわかりませんけれども、結果としては臭い物にふたするような指導になってしまっておると。これはやっぱり私もあの当時ちょっと聞いて、当時問題提起したかったんですけれども、時期を得ないで提起できませんでしたが、この辺で自治省がひとつ乗り出して、本当に公正な立場で物事が判断できるように指導してくれればよいことではないかなあというような感じを持っておったんですよ。もうすでに終わったことだということの中では若干遅まきの感じがありますけれども、一応これからのそうした問題について、やっぱり自治省はいつでも公正な立場で、そうして社会正義というものを守っていくのだという範をたれるような意味での御指導というものがあるべきではなかろうか。何か労働運動なんというようなことになると大分やかましいことをおっしゃっていながら、自分の方の側になるというと、手続上のミスであったから議会をちょっと軽視しても構わないみたいなことではこれはちょっとおかしいですよ。だから、そこは今後ひとつ十分御検討願いたいと思うのです。  ここから派生した問題ですね、この問題について若干お尋ねしたいんですが、問題の土地は、二木松市岳温泉にある県営畑作原種農場移転跡地、その敷地約四万三千四百八十七平方メートルと畜舎を含めて八百六十二万七千円でこれが払い下げられたものであります。この払い下げを受けるときに、二本松市はこれを観光用地として払い下げを受けたわけなんでございますね。そして、宅地造成事業会計でその土地を保有しておりました。そのうち、二本松市の財政が容易でない状態というものがありまして、当時誘致いたしました東北三菱自動車部品KKからの要請がありまして、昭和四十六年の七月二十七日に同KKの保有地敷地として、ある一つの会社の保養地の敷地として四千九十六平方メートル、これを同会社に売却した。さらに昭和四十七年、市有地を含めて二万三千百五十二平方メートルを十六の区画にこれを別荘用として区画して、価格を大体三・三平方メートル二千円から八千円という値段で分譲計画をつくって別荘用地としてこれを処分した。こういう内容になっているわけです。  私がお聞きしたいと思うのは、公共財産の譲渡払い下げ処分というものは私としては厳しい用途目的の規制というものがなされてあるものではないだろうかと。公共財産というものを払い下げする場合は、その用途規制というものは厳しくなされているのではなかろうかと理解しておりますが、聞くところによりますと、県と市との払い下げの契約書には、この払い下げの用途目的が記載されていなかったということが明らかになっているわけであります。このことは大変なことだと私は思うのですけれども、これに対する見解はいかがでございますか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 地方公共団体が財産を処分いたします場合、御指摘のようにその財産が非常に大きなものだというような場合には、具体に何に使うということを明らかにしてやる場合も多かろうと思います。実際問題としては多かろうと思いますが、法律上の要件といたしましては、普通財産の売却であります限り、特定の、何の用途ということを指定することが法的な要件ということにはなっていないと存じます。たとえば、土地で不用の土地があります場合に、一般競争入札によってやるような場合もあるわけでありまして、そういう場合も考えてみますと、公共団体の財産であるから用途指定があると、必ずしもさようではない。しかし、大きなものをやります場合には、あるいは値段を特に安くするといったような場合には当然のことで用途指定があると、その用途に使わなければ契約解除になるというような事例もあるわけでありますけれども、やはり具体のケース・バイ・ケースでございまして、法律上の問題として申し上げれば必ずしも要件ではない、かように存じます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 先ほど私申し上げましたように、その払い下げられた土地はある特定会社の別荘、保養地みたいなところになっているわけですね。県が保有していた公共財産を譲り受ける場合、これはどこに売っても構わないんですか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 地方自治法上の財産の管理等につきましては、それぞれ規定があるわけでございますが、行政財産につきましては御案内のとおり貸し付け等につきましてもきわめて厳重な要件がございますが、普通財産の処分ということになりますと、ただいま申し上げましたようにいろいろな事態があるわけでございまして、特段にどの場合には要件をつけろということは法律上は書いてございません。法律といたしまして書いておりますのは、地方団体が条件をつけました場合に、その条件が守られないときには解約できる、そういう逆の方からの規定はございますけれども、すべての売却につきまして用途を指定をしろというような意味での規定はございません。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 行政財産は処分はできない、一般地方公営企業等に譲渡される財産は普通財産、そういう考えでこれは自由に、それを抑えるものの規定はないと。どうもこのことは、この土地開発公社の問題についても私はそう思うのですけれども、公営企業の場合も、いわば企業のためということが一つ残された条件の中にありまして、これが普通財産ということになって、これが公共財産の譲渡を受けると勝手に処分できると。行政の方はだめだと。これは非常な抜け穴ができて、このことが巧みに、余り結構でない自治体の首長の方々がこれをたらい回しにしてお金もうけをしたというような、そういう地方自治体における汚職の原因などもこの辺にあるのではないかと思うのですけれどもね。現行法のこういう状態の中で、いわば形は同じなんですよね。地方公営企業の精神も、住民の幸せのために、公共のために尽くせと、こうあるわけです。ただ形としてそれが企業性を持ってやられているということだけでありまして、目的はあくまでも住民の幸せ、福祉のための公共ということになっているわけですね。それは普通財産だから自由にと言うて、自由にできるという中で、ある特定会社に、そのことが契約になかったものだからという理由でこれがやられたことが結構だと。まあこれは、結構だということになってしまうといういまの法解釈だということについては御説のとおりかもしれませんけれども、まことにこの辺に今日の抜け穴みたいなものを感ずるのですけれども、私のそういう感じ方についてどうお考えになりますか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 確かに御指摘のとおりに、相当大きな財産であります場合には、私どもの経験からいたしましても、普遍はどういうものに使うと、そして相手方は市なら市に譲るんだと、その場合にはどういうものに使うということが通常の場合には目的がはっきりいたしているのが普通だろうと思います。そういたしまして、今度は市の方がさらにそれをどう使うか、それはやはりそれぞれ市といたしまして明確にして処分がなされるということが通常であろうと思います。まあ法律の方から申し上げれば、面積なり金額なりにおきまして一定規模以上のものは、この場合には公営企業財産でございますから別でございますが、普通の地方団体の財産で申せば、御案内のとおり議会の議決事項にかけている。その場合にはそういうものがちゃんと出てくるはずでございまして、そういうようなものからあわせ考えますれば、御指摘のとおりにちゃんとしたかっこうでの処分がなされるということを法律といたしましては当然予想をいたして、それ以外のおかしなかっこう、あるいは手続的にミスがあるというようなことを予定はいたしていないということを申し上げざるを得ないわけでございまして、法といたしましてはただいまのようなたてまえになっておりますけれども、実際の運用といたしましてはそういう疑惑を持たれないようにすべきことと、かように存じます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 これ、二本松市の場合にやったこのことについてはどう判断しますか。つまり、県から払い下げを受けて、それをある特定会社の保養地にやった。これらのことについてはどうお考えになられます。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) ちょっと公営企業の問題になりますが、関連いたしますので私から御答弁申し上げますが、やはり考え方といたしましては、どういうところに処分するのか、どういう目的で処分するのかは、二本松の公営企業といたしまして処分いたします際に、やはり本来申せば、これは後の繰り言になりますが、事前に予算によりまして議会の御同意を得べきものであるということは間違いないと思います。そこにおいて、本来言えば、法といたしましては、物事がはっきりいたしまして、その目的に従って処分が行われると、これを法律としては予想しているわけでございまして、今回の場合には手続的にはミスがあったと、大変遺憾に存じます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 ただいまのお話で、いわゆる公営企業法で定めているものは、議会に議決を諮らなければならないということは、そういう公共財産の処分ないし取得に当たっては、先ほどから私が申し上げましたような危惧はその点で払拭されるんだと。その点が抜けたということは、これは追認によっては生まれてこないことですね。そうではないですか。非常に追認ということは、そういう行為を後から追認したと言うんだけれども、この条文の中には、少なくとも公共財産というものを私的な考え方によって私利を図るためにこれを売買するような行為はしてはならないということをその中には含めてあると。よって議会が賛意を表しなければそういう処分はできないと。それをやらないですうっときているという状態があれば、これは全く二重の、追認の中では解決しない問題として二重の問題が含まれているように思いますね。私も、議会で議決してほしいということは、単にこうしたいからではなくて、そうしようとするその首長さんなら百長さんのなすべき行為について、公共財産というものはこうしなけりゃならぬのだという、そういう規制をこの中で含まれていたのだと、こういうような解釈をすべきだという御説だと思っておりますが、まことに私もそのとおりだと思っているわけであります。これ、政務次官、どうでしょう私の話。話が下手なもんですからおわかりにくかったかもしれませんが、何ともその辺があいまいとしていて。だから滋賀県のようなぐるぐる回りの土地問題なども生まれてきたのではないかというふうに思うと、この辺若干地方公営企業法並びに自治法、そういう法制定の中における問題として何か考え、これが法がそうであれば、行政で先ほどはそういうことのないように実態としてはやっていくのだというお話がございましたが、政務次官どうですか。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) 地方公共団体の財産の処分ということは非常に大事なことでありますし、また、ただいまのようにいろいろな学校用地だとか住宅用地だとか、その他公共用地の取得に非常に困難を来している状態の中で、開発公社であるとか、こういう公営企業であるとか、こういうものが果たしている役割りというようなものも非常に大事であろうと思います。  しかし、その運営につきましては、いま御指摘がありましたように、本当に慎重に住民の福祉につながる、そういう目的に沿うような形で処分をしていかなければいけない、そういうことが一番行政に対する住民の不信を買う大きな原因になるであろうと思いますので、慎重にやっていただく。  ただ、先ほどからお話がございます今度の追認の問題は、ずっとさかのぼっていくと予算に計上を出さなかったということが違法と言えば違法という形になるわけで、それを何とか形式上形をつけるためには追認という形以外にはないであろう。ただ、その裏にある先生がおっしゃったようないろいろな問題については、やはり地方団体そのものが真相の究明なり、また行政姿勢を正していくという面では、地方団体そのものが議会などを中心に追及を進めていくべきであろうということで、こちらの方は形の上だけの御相談に乗ったという形であろうと思うわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 追認の問題はもう少し後に申し上げたいと思いますが、政務次官いなくなるそうですから、いまそのお話が出されましたから、追認の問題を一つ。  形の上の始末の仕方を自治省がやったというお話でございましたが、これではどうも地方の自治体の中における問題の処理にはならないんです。そこにはわずか一票か二票差で議会が決めていく多数決の接近した数字があるわけです。これは決して社会党と——社会党はそんなにまだ伸びておりませんから、当然この中には与党の方も入っているということですね。市民の声なんであります。その市民の声があらわされたところは二票くらいの差にあらわされているわけですね。それが可決決定されて形が整ったということの中で一体市民に残したものは何かと言ったら、一向解明されない問題だけが残るわけですね。ですから私としては、自治省としては、そういう場合最も公正な住民福祉の増進のための判断をもってこれを指導し、導いていくという、形だけで処理してしまいなさいというようなことではなしに、やはりそういうことが今度欠けたのでなかろうか。やっぱりそういう点のところをもう少し地方議会の意思、そういうものがそういう不正な、社会正義に反するようなものは、やはり自治省が厳しくやっていくような指導が私はあってしかるべきではなかったかと思うのですが、その点ではちょっと政務次官の形ばかりでやったということに問題があったのではないかということだけ頭に残してもらって、御返事いただかなくても結構でございます、ひとつそれはもう御理解いただいたと思うので。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) 先ほどから申し上げておりますように、この追認ですべてが終わったと、全部の解決ができたのだというふうには考えていないわけです。形の上だけの後始末といいますか、それはやはりこれ以外には、この方法しかないのではないか。ただ、後の残された問題につきましては、なかなか自治省の立場でああせいこうせいと、具体的な指導はできない困難な立場であるということでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 どうもまた言うことになってしまいますが、形を整える以前、そこまでにいく以前に、多数決で二票差で正義や信義というものを決めていくようなそういうことにいく以前に、やはり自治省として、実はなぜそれを私が言うかというと、非常に自治省はどう思っているんだ、自治省はどう思っているんだということが、わが党議員だけが言っているのではなくて、市民を代表する議員さんの約過半数の方々がやっぱりこれどうだということがあったから申し上げているのですけれどもね。そういうやっぱり自治省というのはもう正しいことを——余り正しいことばかりやってないようでございますけれどもね、いろいろ文句がございますけれども、自治を指導する省なんですからね、自治を。形ばかり整える省でなくて、この中から日本の民主化が生まれてくるかどうかという原点、これを指導する自治省なんですからね。人件費などばかりいじめていて、何だかどうも自治省の自治という言葉とはちょっとどうもなじめないというような意味で、私はやっぱりいまの御指導をお願いしたいということでございますから、そういうことを言っているのですから、自治省の弁解を何ぼ聞いたってもう過ぎたことですから、弁解を聞くつもりではありません。これから一体どうするんだという問題をやっぱり私は考えながら申し上げているつもりでございますので、ひとつそういう点御理解いただきたいと思います。  それでいま、時間がもうありませんので、もう二つばかりあるのですが、一つは一般分譲住宅として処分をした分でございますが、この分譲した結果は、十五の区画に分けて分譲したそうでございますが、それが十二人に売却されたそうであります。ところが、そのうちの九人は東北三菱KKの関連の重役さんの住宅になった。三菱KKの関連会社の役員の方が九人、これが住宅を占められている。一般分譲住宅事業でございますから、これを公共団体が行う場合は、公募をすべきは当然であろうと思うのであります。公営企業として分譲住宅をやるときには、当然公募すべきだと思うのですが、その公募の手続ではなしに、こういう特定の方々にすでに確約された上でこの分譲住宅の計画がなされておったというようなこともあるわけでございますけれども、分譲住宅などというのは必ず公示することによって、公告によってこれは行うと、こういうたてまえであろうと思うのですが、この辺の見解はいかがでございましょうか。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) いまいろいろ数字をお話しございましたがそのとおりで、買われた方がその会社のどういう役職の方かは存じませんけれども、九人ということもそのとおりでございます。  公募の問題でございますが、公告をせずに、つまり一般競争入札せずに分譲をしたようでございます。それが地方自治法施行令の規定から見てどうかという問題があるわけでございますが、この場合、一般入札に適しない事項ということで一般競争入札に付さなかったようでございますが、いわゆる分譲住宅のような場合には、何といいますか、団体が財産を処分する場合、つまり高く売ればいいというのじゃなくて、特に住宅の分譲のような場合には、何というのですか、競争で値をつり上げるのではなくて、一定の価格で分譲するということがむしろいい。つまり、とにかく値を上げるだけならば競争入札した方がいいわけですけれども、そうでないという場合もあり得るわけですね。その場合、いわゆる分譲住宅の場合は、一般にいわゆる競争入札でとにかく高く落とした人に分譲するんだという方法はとっておらないわけです。分譲住宅の場合は、一般に競争入札に付して、とにかく高く入札した人から分譲するというやり方をとっておらないのが普通だろうと思います。そういう意味で、今回の場合競争入札にしなかったというふうに聞いておりますが、私はそれはそれでよろしいのじゃないかと思っております。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 時間がもうありませんが、私は問題が、譲渡された財産、それを公共団体が住宅として分譲しようとして出す場合、この場合にその財産はその市民全体の財産であろうと思う。それを便宜住宅にするんだということで市が計画してそして分譲をやっていく、この点に関しては、一般の土地資本家、土地売買業者がやっているようなそういう性格のものではなくて、やはり住民福祉の向上と住宅建設を求めていくという過程の中で、やはり公有財産がそういうふうに使われていくという形ならばいいと思うのですよ。ところが、これ誘致企業なんですね、このKKは。三菱東北自動車部品KKというのは、全く個人の経営する誘致企業。そういう企業の便宜のみを図るような、こういう形になっているわけなんですね、これは。これは保養別荘をつくるときも要請によって別荘地を払い下げています。分譲住宅もそちらの方の方がいっぱい入って、一般の方々はそれを公告もされなかったと、こういう現実になっているわけですね。これはやっぱりそういう観点に立てば、先ほどあなたのおっしゃったことはちょっとこれとは合わないような感じがするのですけれども、いかがでございますか。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) お話にございますような企業に分譲しておるようでございますが、その判断は、そういう企業にどういうものをどういう形で分譲するかという判断は、これはまさに市の御判断ではないかと思うのです。そこまで私の方が、それはいいとか悪いとか、済んだことでもありますけれども、仮に事前に聞かれても、ちょっと言うべき立場ではないのではないか。何といいますか、たとえば不当に、財産評価もせずに売ったとかあるいは評価よりも安く売ったとかというような、そういう実態的な問題があれば別ですけれども、どういう企業を誘致し、そういう企業に対してどういう形で対策をとるかということ自体は、それは市当局の判断であり、したがってその市の議会における議論であり、ということじゃないかと私は思うのですけれども。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 何かはっきりしないものの中でお答えになっていると言わざるを得ないと思うのですよ。とにかく公有財産を処分する場合の公共団体のやり方として、何かどうも自分の利益というようなもの、個人的な関係、そういうようなものの中で処分されてしまうような結果がどうもこの場合は残っているということが言われる。お話しのようにやっぱり議会にかかってきているのですね。その公平の是非の判断はその自治体の議会が決めるということになる、その議会で議決しなかったというのだから、この議決無視ということはこの点でも残っているわけですね。先ほどから言うとこれで三点になるわけです、議会無視というものは一体何であったかということが。本当に議会を無視したということは、地方議会の、地方自治の民主的な体制を維持するための基本的なものであったものを無視した。そして市長の独断の行動によって行われたところに、何か企業が癒着しているのではないかというようなうわさもある。市長は絶対そんなことはないと言っているのですけれども、そういうことも言われる。議会決定ということは私は民主的な方法だと思うのです。何でもしからばかり押しつけてこうやれ、やれという、法令でやらぬで、自分たちが相談して、自分たちで決めたことは自分たちで守る。いわば議会の決定というのは、社会の正義というものや福祉というものを常に守っていく力なんだという考えになりますと、その原点をなくしたのですよ。その原点を無視したということ、四年もたってから追認するということですがね。この追認というのはどこか法律にあるのですかね。地方自治法の何条に追認という方法があるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 先ほどから申し上げましたように、議会にかけるべきものをかけなかったということについて、きわめて遺憾であることは私どもまさにそのとおりでございまして、何も先ほどから県を通じての指導であとの形のことばかり言っているのではなくて、そういうことのないようにということはもちろん厳重に指導いたしておるわけでございます。  それから追認の問題でございますが、もちろんこれは地方自治法上あるいは法律上の措置ではございません。先ほどから申し上げておりますように、事実上の措置としてそれがよかろうということでとったわけでございまして、これによって法律上何らかの効果があるという意味の措置ではございません。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 地方自治法の第九十六条には、議会の議決権の内容が書いてありますね。おっしゃるとおりこの中には追認なんという言葉は一つもありません。これは自治法違反じゃないですか。追認という行為は自治法違反ではありませんか。いかがですか。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 自治法違反とか違反でないとかという前に、法律上の行為でございませんのですから、違反であるとも違反でないとも、そもそもそういう議論をすべき対象でないと、そういうふうに思います。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 法律上の行為ではないということはどういうことですか。御説明ください。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) なかなかむずかしいのですけれども、法律上効果が発生しない。たとえば、もしこの案件を事前に当時正規に予算に計上するとかあるいは議会にかけておったとしたら、いろいろの議論があって、その結果賛成だとか反対だとかいうことで処理されたと思うのです。そういう実態があるべきであった。ところがそれをやらずに来ちゃった、いまの時点でどうするかという場合に、当時と議会構成も違いましょうし、当時のことがいまさらそのままできるわけじゃないのですけれども、しかし、議会にかけてひとつまあ形の上での文字どおり追認でございますけれども、追は追でも、認になるかどうかというのは法律上はならないと。ですから、極端なことを言えば気休めみたいなものだと言ってもいいような、法律上の議論からすれば気休めにしかならないような議論であります。それはもう承知しているわけです。承知した上で、しかしそういうことをやって、その議会の、いまの時点における議会の意思を示したらどうかという指導をしたわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 地方自治法に議会の権限として何にもない、そういう何にもないものを追認という形式でやられたわけですね。それは全く形式上の、手続上の問題をやったにすぎないと。しかし、それをやったことによって、最初から申し上げておりまするこの三つ、先ほどからの御答弁にもあったんですけれども、これらの議会の果たすべきいわゆる問題というものはなされないでしまっているわけですね。追認というのは単なる形だけのものではなくて、そういう法律効果を持つんですよ。その根拠はどこにあると言ったときにはどこにもないわけです。本当に何か便法で形だけ追認でやって終わっちまえと、どうも臭い物にふたという感じ、これは一般住民は納得しないですよ。私はやっぱりいま地方自治体でも国でもそうですけれども、政治に対する不信の声が非常に強い。われわれの投票の中でも、いわゆる棄権という無関心層が五〇%近くになってきた、国民の半分がこう無関心みたいになった。昔はこれを、怠けているからそういうものがあったと言って無関心層をわれわれは非常に国民の中では下の方の人なんだと、政治意識の低い者なんだと、こういうことで律してきました。最近はそうではないのです。ロッキードの問題なども大きな影響があったと思いますし、滋賀県の問題も大きくあったと思います。福島県の知事さんなども、大分長い間おつき合いいたしましたけれども、あんなに多額の金が知事さんになると残るもんだわいという県民感情は、これは消えないのですね。そういう地域住民に残っていく不信の中から、やっぱり脱政党、脱政治、今日の無関心というものの中には相当の知識層も含んでおるということをわれわれは見ざるを得ないという今日の現状にあって、やっぱり手続上、形式上で何とか過ごせばいいではなくて、そういう信頼を取り戻す意味でもやっぱりもっと厳しい姿勢でいくべきではなかったかと思うのです。  この追認ということは、この際明言してもらいたいんだが、追認ということは、これは法律的には根拠がない、そこでやられたものはやっぱり無効だと、私はそう言わざるを得ないのですけれども、いかがでございましょうか。

塩田章自治大臣官房審議官

○政府委員(塩田章君) 無効かどうかというとまた別な議論が出てくるわけでございますが、追認が法律上効果がないということは、それはもう繰り返し申し上げておるとおりでございます。しかし、その追認によって、先ほどから先生がおっしゃいますような現地におけるいろんな市民感情なり、政治問題なり、そういうものがどのようにあるのかよく存じませんけれども、そういうものを追認によって、追認したのだからもうそれは終わりだという意味で追認をしたのでは決してございませんで、それはまた別な問題でございます。それはまさにその市の内部の市当局、市民の問題であろうかと思いまして、今度の追認によってそういうものを追認したのだからもう消しなさいという意味での追認をしたことでもないし、またできもしないことだというふうに御理解をいただきたいと思うのです。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 もう時間ありませんのでこれで終わりますが、追認ということが行われた結果もうすべては終わったのだと。つまり、二本松市の議会が議員の意思として議決をした。そうして、四年前の問題を昭和五十一年でこれを承認したということになりますと、いままでの一切は、この承認によって先ほどからのお話しのものは一切解決しちまったことになるわけです。ですから、形だけの追認ではなくて、問題全般の処理としての追認になっているわけですね。その追認という行為は法の根拠を持っていない、そのときの形としてこれはやったものなんだと、こういう御説明なんですけれども、形だけではとどまっていなくて、問題は、地域住民に与えたそういう疑惑の解明というやつがこれでもって一応終止符を打ったわけだ、そこまであるわけなんですね。だからぼくは、この追認ということは無効であると、追認ということは。  で、これ追認がもしされなかったらどうなりましょう。これは議会の意思だからそれでいいんだということになると、わずか二票差の多数決にかかるような倫理的な問題、社会犯罪的な問題、そういう善と悪との問題に対して多数決で決定していったということになるわけです。一般市民の皆さん方はそうではないわけですよ。個人の善悪は個人の責任において問われているわけですね。それがこの追認という形で、まああなた、いまここでそれは無効であったとかなんとかということはもうおっしゃるわけにはいかないだろうと思うのですけれどもね。どうもこの追認というものは明らかでないですね。追認されなければどうなるか、追認されたらどうか。やっぱりあなたのお話で言えば、市長にはこれはある責任は残っていると、形の上でやったんだからそれは残っていると。当然市長には何らかの行政的な責任のこれを示す方法がなければならぬと思うのですけれどもね。この市長さんに対しての、そういう瑕瑾に対して何らかの行政的な処分といったようなものはあるのでございましょうか、ないのでございましょうか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 御案内のとおり市長は公選の職でございます。したがいまして、戦前のように、知事なり、国からの、中央政府におきますところの監督というものはそのような場合には及ぶものではございません。したがいまして、本来、ちょっとたてまえ論になってしまいますけれども、やはり議会なり選挙民なり有権者なりというものの御批判、さらに申せば、そういう手段は自治法でも規定をいたしておるわけでございまして、そういうものによって判断をされるという以外に、現在の地方自治法上責任追及ということはあり得ないと思います。

野口忠夫日本社会党

○野口忠夫君 そこにどうも、どんなことがあっても許される国民の存在があると、こういうことになるんだと思いますね。やっぱりどんな今後——選挙を受けたとかなんとか言いますけれども、われわれは公務員ということになりますね。やっぱり公僕ですね。主権は在民でございましょう。その主権に対する善悪の判断は非常に厳しいけれども、ある人は——今度中曽根さんは、そういうことで言われることはつらいから私は証人の喚問を受けると、こう言って出られましたが、ごりっぱな態度だと私は思うのですよ。やっぱりこれも自治省としては、法律的にはそうだということなんですけれども、行政的な指導の中で、どうもこう違反を犯した、私は相済まなかったと言ったって、減額処分くらいはですね。その上で追認というような形があったということになればこれまた問題は——普通一般の公務員の場合はそうですね。罪を犯した、私はやめます、やめたからというて刑事罰が軽くならぬということは従来言われているわけでしょう。やっぱりその意味では、これはまあ課題になるのかもしれませんけれども、何かそういうものが行政という面の中で全然ないということでは、これは特定の人はいいものだという印象を残すだけで、本当の意味での行政の公平さ、社会正義の土台をつくっていくという意味での行政としては、非常にこれは欠点になってくるんじゃないかというふうに思います。  時間がちょっと超過しましたが、私の申し上げました趣旨は、自治省という役所に対して、地方団体の皆さんは、そこに働く職員、そこで一生懸命やる議会の議員の皆さんは、やっぱり自分の地域住民の幸せのために本当の指導というものを相持っていると思うわけであります。いわば指導でありまして、命令ではなくて、そういう意味でのやっぱり自治省の新たな態度というものが今回求められているのではなかろうかというふうな感じがいたしまして、以上の問題を提起したわけでございますが、質問終わります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 きょうは、信用金庫に対する税の減免措置及びそれに関する若干の問題について質問をいたします。  まず、大蔵省と自治省の方から、法人税、固定資産税、事業所税、これらについての信用金庫に対する税の減免措置についての説明と、そういう減免措置をするに至った理由、根拠といいますか、理由を述べてもらいたいと思います。

矢澤富太郎大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(矢澤富太郎君) お答え申し上げます。  信用金庫は現在税制上協同組合等として取り扱われておりまして、一般の法人は四〇%の税率でございますが、二三%の軽減税率が適用され、また利用分配量配当の損金算入が認められております。こういった軽減税率を認めました理由は、信用金庫が中小企業の協同組織である。たとえば、その議決権は、資本金の額ではなくて一人一票というようなことで決められているというような、相互扶助の理念に基づく組織であるということからこういった取り扱いが決められておりまして、これはたしか昭和二十三年以来の制度であると記憶しております。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) 地方税につきましては、まず固定資産税におきまして、信用金庫がみずから所有しかつ使用する事務所及び倉庫は固定資産税を非課税といたしております。  次に、第二に事業所税でございますが、その本来の事業の用に供する施設につきましての事業所税の課税標準を二分の一に軽減することにいたしております。その趣旨とするところは、先ほど大蔵省から御説明のありましたのと全く同趣旨でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 信用金庫法では、「この法律は、国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資するため、協同組織による信用金庫の制度を確立」をしていくという趣旨で信用金庫はつくられて、したがってそれを保護、育成するといいますか、育てる立場からこういう特別の減免措置をしているというように理解をしていいのじゃないかと思いますが、それでよろしいですね。  そこで、昭和二十三年以来、こういう制度がつくられてきているんです。そういう中で、今日、信用金庫がそれぞればらつきはありますが、非常に大きく業績を伸ばしているところも出てきております。これは京都市の実例ですが、京都市では京都信用金庫、それから京都中央信用金庫、伏見信用金庫、それから西陣信用金庫、南京都信用金庫と五つありますが、八十三店舗十万五千平米の土地を持っています。そのうち約八万九千平米が非課税の措置を受けている。これで、約七千万円固定資産税の減収になっています。法人税は、いまおっしゃったように四〇%が二三%に措置されて、それの地方税へのはね返り分が京都市では約二億円だと言っています。それから、事業所税は、二分の一の軽減で約三千万円の減収ですね。合計しますと、約三億円の減収という状況になっています。ところが、たとえばこの京都信用金庫ですが、この本店は堂々たる店舗で、一般中小企業家が出入りするのも気がひけるようなりっぱな店舗になっている。言うなれば、地方銀行並みあるいはその水準以上の店舗を構えているという状況にもなってきています。したがって、そういう状態になっている現状から言うなれば、一律にこの信用金庫に対してこのような減免措置を続けておるという状態を見直す必要があるのじゃないかと思うのですが、この点は大蔵省あるいは自治省、どのようにお考えですか。

矢澤富太郎大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(矢澤富太郎君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のように、信用金庫がその活動の実態において非常に大きくなりまして、地方銀行あるいは相互銀行と変わらないというような御指摘でございましたわけですが、確かにお気持ちは私どももわからぬではないわけでございますが、まあ信用金庫の中で、たとえば特定の規模以上のものだけを抜き出して別の課税にするとか、あるいは協同組織の中で信用金庫だけは別だということで別の課税にするということは、一般的画一的な扱いを旨としております税制の立場ではもうなかなかむずかしい問題ではなかろうかという感じがいたします。ただ、協同組合課税のあり方全般につきましては、長期的な検討の課題として勉強は進めてまいりたいという気持ちでございます。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) 私どもで調べました五十年度末現在の金融機関別の資金量を見ますると、信用金庫は一金庫当たり大体四百億円強でございます。まあ正確に申しますと、四百十八億円。相互銀行が二千二百四十三億円、地方銀行が五千四百七十六億円、というふうなことでございまして、一般的に申しますと、信用金庫はやはり地域の中小企業に対する融資家という性格、それから資金量も格段に小さい。いま御指摘の京都の信用金庫のようなのはまあいわばかなり特殊な例ではなかろうかという感じは私どもとしてはいたします。  で、大蔵省からもお話がございましたが、税制につきまして、特殊性を根拠にいろいろな細かい格差をつけてまいりますこと、これはなかなかむずかしい面もございます。しかし、固定資産税の非課税措置につきましては、かねがね当委員会でも申し上げておりますように、やはり既得権化、慢性化は回避をしなければならない。税負担の公平を図る見地から、常に見直しを行わなければならないと思っておりますので、そういう観点から今後も検討を続けてまいりたいと、かように思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 五十年の三月二十日の参議院の予算委員会の質問で、私がこの問題を一般的にですけれども、特権的減免税の見直しについて質問をいたしております。現総理の福田さんが当時副総理で、副総理は、時代が移り変わっていわゆる低成長時代、こういうふうな時代になる、その際に、こういう特別措置を続けるかどうか、これは真剣に考えなきゃならぬと。いま税務局長がおっしゃったように、しかもそれが恒久化して特権化するということは避けなければならないし、したがって見直しをしなきゃいかぬということを答弁された。それに基づいて、この特権的減免税については一定の見直しが毎年されてきているわけでありますが、この信用金庫の問題は、そういう中小企業の協同組織であり、そうして中小企業の金融に貢献をするという点で、保護育成の措置としてのこういう減免措置をとっているわけですが、それじゃその信用金庫が一体どの段階にまで発展をすればそういう減免措置はもう必要としないという段階になるのか。これは大小さまざまありますから、特定をするのはぐあいが悪いとおっしゃるけれども、一番ビリのところがちゃんと一本立ちするまで待っているとすれば、これはいつまでも続くわけでしょう。それならばまさに特権化するわけですね。そうじゃなしに、一定の業績あるいは自立できる、あるいは自立したと認められる段階、それまではそういう減免措置というのは一定の政策的意図を持っていると言うことができますけれども、そうでなければ、まさにこれは先ほど紹介をした福田現総理の答弁から言っても背馳をいたします、矛盾をする問題ですね。この辺については一体どういうようにお考えか、見解を聞きたいと思います。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) たいへんむずかしいお話でございますが、まず固定費産税について考えてみますると、信用金庫の事務所、倉庫が非課税になっておりますのは、信用金庫が先ほど申しました中小企業に対する金融機関として重要な役割りを果たしておるということのほかに、たとえば労働金庫、農業協同組合の信連というふうな、各種の農業あるいは労働者という特殊な方たちに対する金融機関につきましても同じような非課税措置を講じております。これはそういう金庫なり金融機関の特殊な機能のほかに、やはり扱い量も、通常の都市銀行だとか、相互銀行に比べますとかなり規模も小さいというふうな点も頭に置きながらこういう非課税措置を講じておるのは事実でございます。したがって、またいま御指摘のように、その中で飛び抜けて資金量の大きいものがたまたま出てくる、あるいはデラックスな事務所をつくるということになると、これは目ざわりではないか、バランス上おかしいではないかと、こういうお話になるわけでございますけれども、ただしかし、考えてみますると、信用金庫あるいは信用組合、労働金庫、信連その他いろいろの特殊の金融機関を通じまして、資金量とか規模によって税制上の取り扱いの差を設けるということは、少なくとも固定資産税については私は困難ではないかという気持ちが強いのでございます。物税であります固定資産税でございますので、仮にこれを非課税を排除するとすれば、すべての金融機関全体を通じまして同じような措置をとることがむしろ望ましい。しかし、それが困難であるとしますと、飛び抜けて資金量が大きいということだけで、それを固定資産税を課税しますよ、他は非課税にしておきますというふうな差別をつけるのは税制としては困難ではないかと、かように思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大蔵省、どうです。法人税は物税と違いますからね。

矢澤富太郎大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(矢澤富太郎君) 法人税の観点から申しましても、率直に申しましてなかなかその信用金庫の中で特定のものだけを別な扱いにするというのはむずかしいのじゃないかという感じがいたしますのですが、その一つの理由といたしましては、たとえば組合員が多くなりますれば出資金が多くなるのは当然でございましょうし、また設立後の年数で区分いたすにいたしましても、仮に設立後の年数が長くなったとしても、その信用金庫は相互扶助の理念に基づいて運営されていると期待せざるを得ないような状況でございますから、なかなか税務の立場から、信用金頭の特定のクラスを特定の課税をするというのはむずかしいのじゃなかろうかという感じでございまして、むしろ率直に申し上げますれば、大きくなった信用金庫はまた別の組織に移っていくという方が税務の面では乗りやすいのではないかというような感じを持っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 税務局長、いま農協や信連あるいは労働金庫の問題まで引き合いに出されました。まあ同一の種類ですから、それに基づいて減税措置をされているわけですから、例として出されるのはいいわけですけれども、農協や信連についても例の土地ブームの中で非常に資金量をふやしていろいろな問題を、実際に農民のためにならない農協というのは存在をしてきているような状況になってきていますからね。これについてもいろいろ問題はあろうかと思いますが、労働金庫と信用金庫というと、これは大分違ってきております。特に信用金庫、これからそれじゃ具体的に申し上げますが、この信用金庫が本当に中小企業のために金融をし、中小企業の発展に貢献をしているのかどうか、こういう点でひとつ具体的に少し実例を挙げて議論してみたいと思います。  まず最初に、大蔵省の方にお伺いしますが、金庫法の第十条の会員の資格ですね、この趣旨あるいは規定の意味といいますか、これはどういうことか、お答えいただきたいと思います。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) お答えいたします。  ただいま御指摘の信用金庫法十条の趣旨でございますが、先ほど先生がおっしゃいましたとおり、借用金庫は国民大衆のために金融の円滑化を図ると、そしてその貯蓄の増強に資するために協同組織による信用金庫の制度を確立していると、こう述べておりまして、制度上、中小金融専門機関として性格づけられているわけでございます。したがいまして、先ほどございましたとおり、信用金庫法の十条では、「信用金庫の地区内に住所又は居所を有する者」、それから「信用金庫の地区内に事業所を有する者」、それから「信用金庫の地区内において勤労に従事する者」となってございまして、しかも、その信用金庫の会員の資格者については一定規模以下の中小企業者に限定しまして、中小企業専門金融機関としての性格づけを行う。同時にまた、地区を制限いたしまして、地域金融機関としての性格を明らかにしているという趣旨でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、具体的に京都信用金庫の問題ですが、この京都信用金庫が京都デベロッパーですか、など、日本レースの子会社を通じて日本レースに融資をする、そしてその金がさらに上田建設に流れて土地転がしに使われる、この問題について、すでに大蔵省は近畿財務局あるいは京都財務部を通じてその実情は御承知のことだと思いますので、この問題についてひとつ御報告をいただきたいと思います。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 大変恐縮でございますが、信用機関でございますので、個別の取引についてはなかなかお答えしがたいことでございますけれども、私どもの調査であえて御説明させていただきますと、京都デベロッパーに対する融資はあるように承知しておりますが、御指摘のような日本レースに対して融資を行ったというような事実は私どもとしては聞いておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 聞いておらないということはどういうことなんですか。あなた自身、大蔵省自身、財務部あるいは財務局を通じて調査をなさったんですか、なさってないんですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 調査はいたしております。で、私の申し方があるいは舌足らずであったらおわび申し上げますが、日本レースに対して融資は行っていないというふうに承知しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 京都信用金庫は日本レースに融資できないのは決まっているじゃないですか。日本レースは十億一千万円の資本金ですから、いまの十条ではどうしてもできないことになっています。ところが、日本レースには、京都信用金庫の金がデベロッパー、子会社を通じて流れていることもまた事実です。この点はどうですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 私どもの調査によりますと、京都デベロッパーと日本レースというのは密接な親子会社関係にあるようでございます。株式一〇〇%を日本レースが所有しているということでございまして、その両者の間に貸借あるいは取引関係等はいろいろあるようでございます。個別の話ではございますけれども、先生の御指摘の点は、恐らく京都デベロッパー、京都信用金庫の会員である資格を有している京都デベロッパーに融資が行われ、その融資が親会社である日本レースに対してお金が流れまして、それが結局迂回融資ではないかと、こういう御質問ということでお答えさせていただきますと、その両者の関係でございますけれども、京都信用金庫が京都デベロッパー、これは会員資格を有しておりますけれども、これに融資を行っておることは事実でございます。その場合におきましては、当然金融機関といたしまして貸出先に対して、資金使途、あるいは返済財源、あるいは信用度等を明確にさせた上で融資に応じておるわけでございますけれども、その上で京都デベロッパーと日本レース、これを一般的に申させていただきますと、各企業間における取引上の貸借関係というようなことはいろいろあるようでございます、これは一般論でございますけれども。これにつきましては各会社間あるいは各企業間の親疎の関係によって生じてまいりますので、直ちに迂回融資というふうに断定することはできないと思います。お金に色目がついておりませんものですから、会社の関係は、京都デベロッパーに対する融資が正規なものでありますと、それ以降京都デベロッパーが自己の余裕金あるいは手元資金等によりまして、各種の企業と貸借関係あるいは取引関係がいろいろございましょうが、その点について直ちに迂回融資ということを断定することはなかなか実態上むずかしいということで御了承いただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ大蔵省の調査は、どういう、何の目的で調査をされたんですか。迂回融資があるかどうか、そのことも調査の目的の一つに入れて御調査なさったんですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 大変むずかしい御質問だと思うのでございますけれども、京都デベロッパーに対する融資はございました。それ以降、京都デベロッパーと日本レースとの間にいろいろの貸借関係がある、京都デベロッパーが貸している場合もございますということはありますけれども、それが迂回融資であるかどうか、仮に、結果的に、手元資金なり何なりで日本レースにお金が回っているような場合、これは定義の問題だと思いますけれども、迂回融資という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、企業間の関係としてはそういう貸借関係はあるようでございます。しかし、私の申し上げたい点はそれが信金法の違反であるというふうには申し上げられない、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、大蔵省の調査は、信金法違反かどうか、いわゆる具体的には迂回融資をしていたかどうかについて調査をしたというようにお聞きしていいんですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 迂回融資の定義ということでございましょうが、京都デベロッパーと日本レースの間には貸借関係がございましたけれども、それが私どもの調査というのは、京都信金の融資が法律上適格であるかどうかということを調査したということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 法律上適格であるかどうかを調査したという意味は、いま言いました第十条の会員、いわゆる中小企業に対する金融を旨として信用金庫は設置されていると。もちろん会員外に対する融資も五十三条に規定があります。あるいはその規定を超えて、あるいはそれに違反をして融資をされた事実はないかという調査ですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) そういうことも念頭に置いておりましたが、そういう事実はございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そういう事実はないとおっしゃるけれども、それじゃおかしいじゃないですか。会員になる資格は資本金二億円以下の企業ですね、法人ですね。日本レースは資本金、先ほど言いましたように十億一千万円、だから直接に会員として融資を受けるわけにはいかない。会員外の融資は御承知のように一定の政令に基づく規制があります。したがって、融資を受けようとすれば子会社を通じて、子会社を会員にしてそうして融資を受けるという、こういう方法がある。もしこれをやれば、十条で会員の資格制限を何ぼ決めておってもこれはもうざるになるわけでしょう。それじゃ、それがどういう方法でやられているのかということを知ろうと思えば、デベロッパーと日本レースとの間の貸借関係あるいは担保はどうなっておるのか、こういったことまで調べなきゃわからぬじゃないですか、そういう点はどうだったのですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 繰り返すようで大変恐縮でございますけれども、金融機関が企業に金を貸し出しますときには、その融資関係と申しますのは、先ほど申し上げましたように、資金使途とか、それから返済財源というのを調査いたしまして、その上で契約をいたしまして融資をするということになっております。で、その場合に、無数の企業に対して金融機関は貸し出しを行うわけでございますけれども、その貸し出した資金というものはその資金使途とか返済財源は決まっておりますから、それは実在しているわけでございます。その後、一般論で申し上げますと、企業がいろいろの親子関係にある会社と種々の取引なり株式関係などを通じて別途資金繰り上いろいろの取引がございます、そういう点はございますけれども、そういうことでございまして、それをもって直ちに法律違反というふうには断言できませんということを申し上げさしていただいておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私どもの方で、日本レースの本社それから寄宿舎、子会社の販売店、寮、これらの不動産登記簿をずっと調べてみました。これに出てくる抵当権あるいは根抵当権、これらの状況を見ますと、四十四年までの抵当権者というのは第一銀行、住友銀行など一般の銀行ばかり、それで債務者はすべて日本レースになっています。つまり、この当時は日本レースが直接銀行と取引をしていたわけですね。ところが、四十五年以降の抵当権者を見ますと、すべて京都信用金庫にずっと変わってきている。債務者は子会社の京都デベロッパーあるいは新日本レース、いわゆる一〇〇%子会社の会社の名前が出てきています。つまり、四十五年以降は子会社が積極的に京信の融資を受け始めた。そしてその抵当物件は親会社の日本レースの物件あるいは子会社の物件、これらになっているんですね。そうして従来の第一銀行、住友銀行などのいわゆる一般の銀行の抵当権というのはもうなくなった、みんな抹消された、こういう状態ですね。それから、有価証券報告書をずっと見てみますと、過去五年間のレースの借入金、長期、短期含めてみますと四十六年の三月の決算で一般銀行からの借り入れ十一億二千七百六十五万円、それに対して子会社からの借入金は二億六千万円です。五十一年の九月の決算では三億九千万円、子会社からの借り入れはうんとふえて四十億二千六百六十二万円になっています。だから、ここでわかることは、一般銀行から昔は借りている。子会社からの借り入れは日常運営経費程度のものである。ところが、五十一年の決算になりますとそれが逆転をして、一般銀行からの借り入れは前からの借り入れの残、これになってきておる。逆に子会社からの借り入れがうんとふえている。  これらを総合しますと、結局子会社はトンネルで、京信からの融資を受けてそしてやるという仕組みになっていると判断せざるを得ないわけですね。これがあなたがおっしゃる、金融業界では通常慣例的にやられていることであって、したがって金庫法には違反しないとおっしゃるならそれはそれでなんですが、そういうことを許していれば、これは何ぼ会員資格は資本金二億円以下だ、従業員が三百人以下だという規定をしておったって、この京都信用金庫の融資状況というのは、中小企業に貸さぬで資本金十億円以上の大企業に貸している。しかも知っているんですよ。労働組合が京信と交渉したら、ちゃんとその金は日本レースを通じて土地売却資金にするというので貸しましたと、当時ですから土地を買えばもうかるから、だから貸しましたと言っているんです。はっきりわかっているんです。あなた方どんな調査をしているのですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 大変恐縮でございますけれども、一定の親子関係とかいろいろの企業群が提携関係あるいは資本関係等がございますときには、その企業間におきましては取引上の貸借関係もございますし、それから親が子に担保を提供するとか、子会社が借り入れる場合に担保をとる、いろいろ一般論としては、そういうことがございます。ただ、われわれの方といたしましては、京都信金が京都デベロッパーに貸し出した件は、会員資格あるいは貸し出し限度その他から申しまして違法な点はございませんけれども、もし実態的にいろいろとそういう大企業に対する迂回融資というような形になっているようでございましたら、この断定は非常にむずかしゅうございますけれども、そのような融資が行われるということが続くようでございましたら、好ましくないので、是正をさせたいという気持ちでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ違法であるかどうかは別にしても、少なくとも適当なやり方じゃないということだと思いますがね。これは私は一例なんで、他の企業の場合にもこういうやり方をやっているかもわかりません。一例があれば、一例だけでほかにはないということはないわけですからね。だから、私は信用金庫が本当に中小企業の経営の発展のために貢献をするような、そういう融資業務を厳格にやっぱりやってもらわなきゃならないというように思うのです。  そこで、もう一つお聞きしますが、この京信は上田建設に一体どれだけ融資をされておったか、この辺も大蔵省のもとで御調査になったというように聞いておりますが、その結果はいかがでしたでしょうか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 大変恐縮でございますけれども、金融機関の場合に、個別取引先に対する内容につきましては、信用秩序にかかわる問題でございますので、具体的に申し上げることは御容赦いただきたいと思います。大変恐縮でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃちょっとお尋ねしますが、信用金庫法の五十四条の二、一会員に対する貸し付けの制限が規定されていますね。出資及び準備金の合計の百分の二十以内と、こうなっております。京都信用金庫の場合、これはどれぐらいの額になりますか、約でいいですから。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 手元にあります数字でお答えさせていただきますと、五十年の一月十四日現在で約二十八億円、それから本年の一月末で約三十八億円強ということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、先ほど言いました上田建設ですが、報道によれば百三十億ぐらい貸しておるという報道もありますし、実際にはそこまではいっていないのじゃないかと私どもの調査でも思うのですけれども、少なくともこの五十四条の二項の、いまおっしゃった二、三十億の限度ですね、これを大幅に超えておった額であったろうことは私どもの調査でも推測できるのですが、この点は大体そういう見込みだったですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 先ほど申し上げましたように、個別のことについてはお答え申し上げかねるのでございますけれども、抽象的にお答えさせていただきますると、ただいま申し上げました融資限度と申しますのは、一般に企業が金融機関と取引関係にございますときには、貸し出しと預金と、借金と預金と、当座などを設けまして両方やるのが通常でございます、あるいは定期預金など。で、この貸し出し限度と申しますのは、その貸出金と預金のバランス、差し引き、つまり私どもの言葉で申しますと、純債と申しております。貸出金だけをとらえますと、それを表債額と、こういうふうに申しておりますけれども、その貸出金と預金の差額の純債がこの限度を超えてはならないということでございます。実質貸し出しのことでございますが、抽象的にお答えさせていただきますと、京都信金の場合にはこの点では十分に限度額の中になっているということをお答えさせていただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 貸し出しも、百億を前後するような貸し出しをしていると同時に、それに一定量の預金もあって、差し引きすればまあこの限度内になっておるということでしょう。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) そういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そういうやり方も一つの方法なんですよね。融資限度額が決まっている場合に、とりあえず貸し出しを受けるときに、いわゆる見せ金といいますか、そういう措置をやって、そして預金現在高をつくって、それに見合う融資を受け、そして後からまた預金を出すというようなことはよくやられるわけですよ。ですから、そういうやり方も含めて、いろいろな方法を講じてこの京都信金からの融資を上田建設も受けていたということが言えると思うのですが、そこでこの日本レース、それからデベロッパーの関係、これの融資の状況は現在どういう状況になっておるか、つかんでおられますか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) いろいろ先生に御心配もかけておりますので、調査しておることは事実でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、個々のことについて、個別の取引については、金融機関でございますので御容赦いただきたいと思いますが、ただいま御指摘のございました限度額は超えておりませんけれども、相当の借り入れをやっておることは事実でございました。五十一年七月以降にはそういうようなこともないように是正させておるということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、次はこの京都の日本レースですが、これは昭和元年に創業されて、自来だんだん技術も進んで、レース業界では独特の技術を持った歴史ある企業として京都では発展をしてまいりました。盛んなころは千人を超える従業員が働いていた、そういう企業なんです。ところが、今日の御承知の維繊産業の慢性的な不況という、そういう状況があります。そこへもってきて、四十四年以来筆頭株主である上田建設の社長が、それまでの会社の役員を追い出して、そして上田建設派の役員が構成されたと。繊維産業が不況であるという状況も一つの口実にして、レース業界の要求にこたえていくといいますか、需要がずっと多様化してきていますから、それに応じて機械の更新もしなきゃいかぬとか、そういうことをこの十年間一切やらないで、そして開発部というものをつくって、そしてまあ上田ファミリーの土地転がしにどんどんと資金、資産を投入する、こういう状況なんですね。ですから、言うならば、伝統ありまた歴史もある日本レースというこの企業が、そういう上田建設の土地転がしに利用されていまやもう倒産寸前の状況になっている、そういう状態であるわけです。したがって、特に繊維産業がいま現在不況で、しかも韓国その他からの輸入も入ってくるという中で非常に困難な状況なんですが、しかし、こういう伝統ある技術を持った企業、産業、これをやっぱり育成をしていくという点も、わが国の繊維産業の発展のためにとっても重要な課題ではないかと、こう思うのですが、そういう立場からひとつ通産省の方の見解をお聞きをしたいというように思います。

福川伸次通商産業省生活産業局繊維製品課長

○説明員(福川伸次君) この日本レースにつきましては、確かにこれまで長い伝統と技術を持ってレース業界では有力な企業として活躍をしてまいったわけでございますが、四十年以降、御指摘のとおり繊維産業の不況ということによりまして、徐々にレース部門から撤退をいたしまして、現在では日本レースの中でレース関係のウエートは大体三割程度に下がっておるかと思うわけであります。昨年以降、さらにこの状況が厳しくなって、今後レース産業、レース部門からもさらに撤退しようかということを考えた時期もあるようでございますが、結局、何とかこの日本レースを再建したいということで、現在会社、日本レースの中でも再建委員会を設けまして、今後の再建の方向を四月中にも出したいということで努力をしているというふうに聞いております。もちろん、繊維産業を取り巻きます環境は非常に厳しいものがございますが、すぐれた技術、伝統を持ち、なおすぐれた今後の多様化した需要にマッチしていくようなマーケットができますものであるならば、これは繊維産業としても立ち行くべき可能性というのは残されていると思うわけであります。私どもとしても繊維の構造改善には積極的に取り組んでおるわけでございまして、また今回出てまいります再建策というものの内容を私どもも十分に吟味いたしまして、今度それがさらに発展の可能性のあるというものでありますれば、私どももそれの支援をしてまいりたいというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この十年間、先ほどからお話しするような経過をたどってきていますから、これを再建するとしますと、そういういわゆるレース企業発展のためには邪魔になるといいますか、横道にそれている状態を直さなきゃならぬだろうというように思うのですがね。ですから、いまの経営陣は本当にこのレース産業の発展のために努力をするというような経営陣に変えなきゃならぬ、あるいは少なくともそういう人は残ってもらってもいいんだけれども、そういう人で構成されなきやならぬという問題があるでしょう。それからもう一つは、先ほど言いました京信、それから子会社、それからレース、上田建設というルートでどんどん金が流れて、それが滋賀県で汚職が摘発をされていま訴訟になってこげつきになってきているということで、いま資金繰りがつかぬようになってきているわけですが、このレールといいますか、ルートから日本レースを切り離して、レース企業として純粋に発展をきしていくという道にしないと、この負債の電圧でもうやられてしまう。幸い、レースの本社、工場その他抵当に入っていたのが、労働組合の側が京信あるいは上田建設と交渉して、一応それは瀬田の土地と交換をして担保が解けたようですが、土地、工場、建物、これはまあ取られていきます。ですから、その後の債権債務関係を整理をして切り離さなきゃならぬだろう。同時に私は、過去この十年余り機械の更新もしていなかったわけですから、旧式の機械なんですね。ですから、これらも設備更新をしなければ、いまのレースの、少なくとも外需は別にしても内需の要求にさえもこたえることができない、そういう状態になっていると思うのですね。したがって、これには相当のやっぱり金融機関の協力もなければできないだろうと、こういうように思うのですがね。そしてまあ現在九十数人従業員が残っておりますが、これらの人を中心に再建の道を歩んでいくという方向を一日も早くやっていくという必要があると思うのです。この辺は通産省としても、企業側のそういう再建策の作成と相まって、いま言いましたそういう観点からもひとつ十分メスを入れて、落ちのないように援助、指導してやるというようにしてもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。

福川伸次通商産業省生活産業局繊維製品課長

○説明員(福川伸次君) この日本レースはかなり生産段階より撤退いたしまして、むしろ販売部門に力を入れるという形で比較的今日まで残ってきたわけでございます。そういうわけで、若干の子会社等をもって生産を分担させまして、そして販売部門に力を置いたという形できておると思います。確かに今後の設備投資、機械更新等々のいろんな必要性も、もし再建が軌道に乗るといたしますと出てまいるかと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、この再建策が金融機関あるいは労使等で話し合いが十分行われ、またその再建の方向が今後の構造改善の方向に持っていくというようなものでありますれば、そういう自主的な解決の基盤の上に立ちまして私どもも十分注視し、また指導してまいりたいと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで大蔵省の中小金融課長さん、京信とレースあるいは上田建設の関係というのはいろいろ複雑な関係が私ども調べた範囲でもあるわけです。まだまだ全貌はわかりません、なかなか。しかし、いずれにしてもこの日本レースというレース企業が、いま申し上げたような形でレース企業に肩入れをするんじゃなしに土地を手に入れる、そして造成をしていくという、そちらの方に上田建設の手で引きずり込まれてしまった、それが今日の状態を生んでいるのですが、それに京都信用金庫も意図するしないにかかわらず一定の役割りを果たしたことは客観的にはもう否めないだろうと思う。  そこで、いまも言いましたが、これからの再建をする上で、しかしどうしたって金融機関の援助が必要なわけです。現在日本レースは従業員数は九十数名ですから、いわゆる三百人以下の従業員ですから、そういう意味では会員資格をいまも持っているわけですね。そういう意味では、京都信用金庫が金融の面でちゃんとした再建方針ができるならば援助する条件はあります、しようと思えば。こういう点では、ひとつ大蔵省の方も、いままでの経過もあることですから十分配慮ある指導あるいは援助をやっていただきたいと思うのですが、この点はいかがですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 御指摘の日本レースの再建問題については、実は私どもの専門分野でございませんので、詳細は承っておりません。でありますが、ただいま横から伺っていたわけでありますけれども、金融機関とそれから個別の企業との取引関係につきまして、行政当局がどこに貸せとか、どこにあれしろとかというようなことは、個別の取引でございますので差し控えさせていただかざるを得ない、かように思いますけれども、地元金融機関としての京都信用金庫なり、あるいはいろいろの金融機関がございますが、そういう金融機関と取引者との間におきましてよく協議していることを私どもとしては期待しておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあその辺は、京信を中心にして協調銀行をどうつくるかというようなことはわれわれ専門家じゃありませんから、ひとつ財務部を通じて適切なやっぱり援助、指導をしてもらうように期待をしておきたいと思います。  さらにこの京都信用金庫の問題ですが、昨年の七月ごろに京都信用金庫が住宅資金を貸し付けをしている。ところが、債務者の同意なしに金利を引き上げたという問題その他の問題で大蔵省の方に話を持ち込んだわけであります。問題点はもう具体的には御承知だと思いますが、京都の大村良次郎という人が京都信用金庫から金を借りた。六百万円の金を借りまして、そうして四十八年の九月ですが、八・三%の利息であった。ところが、公定歩合が上がったからということで自動的に八・六%、八・八%、九・八%、一〇・五%ということで、五十一年の四月まで、去年の四月まで一方的に金利を引き上げられた。この金銭貸借契約証書、これを見ますと、そういう一方的に上げてもいいようになっている。それだけじゃなしに、ほかに同様の被害を受けている人がたくさん出てまいりまして、この問題で大蔵省に話をいたしました。そうしますと、大蔵省も余りに頻繁過ぎる、しかも債務者の同意なしに一方的に引き上げるという点について調査を約束されました。その結果、その後抗議をした者についてはさかのぼって利息を下げて返済をするという措置はしているんですよ。文句言うた者だけはするけれども、知らなくて黙っておった者には知らん顔という状態がそのまま続いてる。そういう問題について大蔵省の指導内容についてひとつお伺いしたいと思うのです。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 御指摘の貸出金利の再々の引き上げが同意なしで行われたということでございますが、当時過剰流動性対策の一環といたしまして、公定歩合も頻繁に引き上げられる。これは金融引き締め政策がとられました結果でございますが、同時に預金金利も数回にわたって引き上げられたということで、高金利下の時代であったわけでございまして、金融機関としては貸出金利の引き上げを金融引き締め政策の一環としてとっていったことが背景にまずあったというふうに承知しております。この御指摘の件につきましても、大体そのたびごとに債務者の御同意をとっていたようでございますが、契約上は、確かに御指摘のとおり、金融情勢の変化がございますと金利の改定あるいは支払い時期の改定等が同意なくても行われるようになっておりますが、一般的にはとっておったようでございますけれども、一回ほど同意なしにやったという事実であるようでございます。この場合の引き上げにつきましても、実はこの債務者の方とはこの取引だけではなくて、それ以外にも手形貸し付けあるいは証書貸し付けのような数本の取引があったように承知しておりますが、私どもの調査によりますと、先ほど申し上げましたような高金利下という金融情勢の背景のほかに、この債務者との幾つかの貸し出しあるいは預金、それから構成、これは金融機関といたしますといろいろと流動性を確保するというような意味で、また、期間対応などの措置をとるわけでございますけれども、そういう取引全般を勘案しながら貸出金利の改定を行ったようでございます。  しかしいずれにしましても、契約上そういうことになっておるといたしましても、私どもといたしましては、一般の慣行といたしましては、大体債務者との間で引き上げる場合には話し合いを行っているようでございますので、こういうようなたまたま同意がないようなこと、いろいろの事情があるようでございますが、そういうケースはなるべく避けるように指導してまいりたいと、かように考えているわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大分苦しい答弁ですが、これは一人だけじゃないんですよ、さっきのようにわれわれの方でその後も次々出てきたわけですから。こういった点はひとつなくしてほしいんですが、この契約書ですね、文章上は、いまおっしゃったように一方的に変えることができるようになっていますね。この契約書はこれは全国信用金庫連合会ですか、それのモデル契約書に基づいて作成したんだと京信は言っているのですが、そうすると、全国はやっぱりこういう契約になっているわけですか。これですと、いま実際は一方的にやっているのじゃなしにちゃんと同意を得るようにしていますと、たまたま何人かの人がそうだったというお話ですけれども、契約上もちゃんと同意を得るようにしておけばいいわけでしょうが、どういうことになっているのですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 大体信用金庫の場合には全国的なモデルがございまして、大体このようになっているように承知いたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、大蔵省の方で、これはこういう形の契約の文書でなしに、やっぱり同意を求めるように、同意を得るようにということを明記させるような指導をやらないと、これは全国的にやっぱり起こるでしょう。この点はいかがですか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 大変こういうことを申し上げますのはあるいは僣越かと思いますけれども、金融機関の場合には大切な預金者から預金を預かっているというようなことで、資産の健全な運営ということもまた一つ、顧客のサービスに努めなければならないと同時に、信用秩序の一環を担っておると。不特定多数の大衆の方々からも預金を預かっているということで、どうしても健全経営ということが主眼となってまいりますと、御指摘の条項の中でも、金融情勢の変化とかその他相当の事由がある場合には、一般に行われている程度のものに変更されることに同意するという契約条項になっております。これはただいま申し上げましたような、大切なお金を貸し出します場合にそういうような担保を借り入れ人からいただいておくと、こういうことでございますけれども、先ほど申し上げましたように、こういう条項が乱発きれるということはまた顧客サービスというような点では問題があるかと思いますので、実質的にはこういう条項は最後の条項といたしまして、十分に顧客と協議しながらやっていくということがよろしいかと、かように考えております。  で、御指摘の住宅ローンなんかの場合でございますと、これは金利が動くたびに逆に引き下げる場合等なんかもございまして、あるいは脱線になるのかもしれませんけれども、変動金利制というようなことで、長期の住宅ローンなんかの場合ですと、公定歩合ではなくて、長期金利——長期プライムレートなどを基準にしておりますけれども、そういうものが変わるごとに引き下げるなり引き上げるなり、そういうやり方も一法かと思いますけれども、引き下げる場合には顧客に便利になりますが、引き上げる場合には顧客には不便になる。しかしながら、金融機関としてはそういうことでございますと、引き上げられないということでありますと、住宅ローンなどをする意欲もなくなってくるというようなことで、いろいろむずかしい問題があるように承知しておりますので、われわれの方も十分問題意識として、金融制度調査会の答申などもございますが、そういうようなことで慎重に対処してまいりたいと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 事実は、去年そういう問題があって交渉いたしまして、それを京都の京都民報という新聞、これで報道したわけです。そうしたら、それでまた改めて知ってたくさんの人が抗議に行きました。抗議に行ったものについて、確かに公定歩合は下がったものですから、そこで一〇・五から九・九に下げています。だから抗議に行った時期がおそい人はおそくから下がったと、こういう実態なんですね。だから、上がったときは上がるけれども下がったときも下がりますとおっしゃるけれども、これは一般の国民は知りませんからね。それから、上がりますよと知らせておっしゃれば、まあ普通の人であればそれに抵抗せず、けしからぬとかどうとか言う人は余りないわけです。大体銀行というのはなかなか金を貸してもらえないところから金を貸してもらったのですからね、実際は。だから、少数のある特定の人が同意をしない、それが金融情勢の変化に伴う状況によって利率の上げ下げをやる、この場合同意してもらわなければ困る、金融秩序が因るとかそんなでかい問題ではないんですよ。だからこの契約書自身が、契約時に全面的に文句なしに同意をするという無条件降服の条文ですから、少なくともやっぱり同意を求める、それに対して債務者の方も特段の事由がない限り同意しなきゃならぬというようにするか。そうしなければ文句なしに同意をいたしますですから、これは通知しなくても別にどうということはない、こういう条文ですよ。だから同意は必要だと、それについては、何といいますか、特別の事由がない限りは同意をしなきゃならぬとか、いたしますというふうにするかですね。片方は求めるし、片方は同意しますという二つがあればちゃんといくわけでしょう、一般的には。その辺はひとつ研究をしてもらって、こういう事態が起こらないようにひとつやってもらいたいというように思います。  それからもう一つ、拘束預金の問題ですが、これは金融機関の問題ではしょっちゅう国会でも議論になっている問題ですが、昨年の五月末ですか、公正取引委員会が発表した拘束預金の実態調査ですが、それによりますと、大蔵省の調査では信金は一〇・一%ですか、ということなんですが、公取の方で言いますと、狭義は六・二、個別拘束預金の分を含めますと一二・三、広義でいくと二四・二、それから個別拘束預金を含めますと三四・六という数字が出ております。相当広く信金が拘束預金をやっているというのが、大蔵省なり公取の実態調査の中からも出ているんですね。この辺についての御指導はどうなさっていますか。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 一般的に拘束性預金につきましては、都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫にかかわらず、厳正に公正にやるように、それから拘束する場合には、借し出しの担保として預金を拘束する場合には、その点を明確にするように厳密に指導しておるわけでございまして、昨年の、いわゆる第三ラウンドというようなことを言っておりますけれども、一般に預金を拘束する場合には預金証書を銀行なり信用金庫に明確に預けている場合に限ってやるということで、いわゆる黒をはっきりした形で拘束する場合にはするという、フェアにやるという原則で金融機関の種類の別なく指導しておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これはこの間予算委員会で、わが党の沓脱委員やその他が例の商工中金の拘束預金の問題をやりましたね。皆さんの方も調査をしたらその事実があったことをお認めになったわけですから、これはもう少し厳密に厳正にやっていかないとぐあいが悪いと思うのです。  そこで、その次の問題に移りますがただもう一つちょっと大蔵省につけ加えておきますが、この間人事院の、国家公務員、いわゆる高級官僚の天下りの調査の発表がありましたね。金融機関に三十一人天下りしているというのですよ、金融機関の方に。そのうち二十二人は信金だというのですね。信金がトップなんだ。だから、信金に対する指導がやっぱりそういう面で厳正を欠く面があるんじゃないかという痛くもない腹をさぐられないように、そういう痛くもない腹をさぐられないように、京都信金の問題については先ほどから問題を提起しておりますから、ひとつ厳正に、しかも京都における地域の中小企業の経営の発展に協力できるそういう役割りを果たすように十分指導してもらいたいと思うのですね。  その次に労働省にお伺いしますが、昨年金融機関に対する監督、基準法上の監督指導を行われたといいますが、その結果はいかがですか。

倉橋義定労働省労働基準局監督課長

○説明員(倉橋義定君) 金融機関につきましては、最近特に労働時間を中心といたしました問題が出ておりまして、昨年の十月からことしの一月ごろにかけまして、都市銀行、信託銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫及び信用組合につきまして監督をしたわけでございます。最終的な監督結果の隻計はまだ終わっておりませんが、十月一日から十二月末までに、千八十の営業店につきまして監督を実施いたしまして、それによります中間集計でございますが、この千八十のうち何らかの法違反がありましたものが六四%を占めております。その違反の主なる条項といたしましては、一番多いのは女子の労働時間に関する違反でございます。それが三四%、男子の労働時間に関する違反が三二%、また時間に関連いたしますが、時間外労働をさせておりながら割り増し賃金を払わなかったり、算定漏れがあるというような割り増し賃金の支払い違反に関するものが二一%弱でございます。主なる違反につきましてはいま申しましたような労働時間に関する違反が目につくわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 全産業平均でいきますと、大体違反事業所数というのはどれぐらいになっていますか。

倉橋義定労働省労働基準局監督課長

○説明員(倉橋義定君) 五十一年中におきます全産業の平均はまだ計算をしておりませんが、五十年一年間におきまして監督いたしました全産業の事業所につきましては、十六万五千事業所について監督を行っております。この監督におきまして何らかの法違反と見られる事業所は六六%でございます。なお、これにつきましては、製造業等の工業的職種なり建設業、運輸業等の事業が大宗を占めているわけでございますから、先ほど先生の御指摘のありました金融機関の違反とは必ずしも対比して言えませんが、ちなみに先ほど挙げました全産業の中で非工業的な業種について監督した結果につきましては、全体の監督件数が一万七千程度でございますが、うち六九%程度が何らかの法違反をしているということでございまして、その内訳は女子の労働時間に関する違反が二〇%、男子の労働時間に関するものが一九%、割り増し賃金に関するものが一六%、そのほか健康診断等に関する違反が二一%ということになっております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまお聞きのように、金融機関関係の職場の労働基準法違反の事件というのは非常に多いわけですね。六割以上を占めています。中でも信用金庫ですが、悟用金庫の労働組合の組織率というのは、これは労働省に昨日聞きましたら、それだけではちょっとわからぬということですが、これは非常に少ないですね、皆さんも御承知だと思いますが。すなわち労働組合をつくる自由きえ十分に保障されていない。団結権が侵害をされているわけです。有志が集まって労働組合をつくりますと、必ず不当解雇問題が起こっております。そういう信用金庫の職場の状態です。例の芝信用金庫は暴力行為で執行部の五名が不当に解雇をされました。これは先般、ことしの二月の十八日に、一月の二十五日に裁判所で解雇無効の判決が出て、賃金支払いが行われて五百二十一万円余りが支払われたわけですが、しかし、その一週間後の二月十八日にはまた同じように五名が解雇されています。こういうように、信用金庫の職場というのは同時に労働者の団結権を保障されていない。さらに福島の信用金庫では、これは昨年五月末に労働基準法違反の疑いがある深夜残業が原因で、五人の人が自動車事故で死亡するという、そういう痛ましい状態も起こっておるというわけであります。  こういう状況について労働省は、労働者の権利を擁護し、団結権を保障する、そういう意味からも指導をする必要があるでしょうし、大蔵省の方も、信用金庫でそのように、これは労働者の自発的意思で労働組合はつくれるべきでありますけれども、しかしそれに対して、もうできたしりから配置転換やあるいは不当労働行為をやる、首を切るというような攻撃は後を絶っていないわけです。全国あちこちで起こっています。こういう状態について労働省、大蔵省、ひとつ見解を聞きたいというように思うのですが。

岡部晃三労働省労政局労働法規課長

○説明員(岡部晃三君) 信用金庫におきましても、当然のことながら労働三法が適用になるわけでございまして、労働基本権は法律上保障されているわけでございます。で、現実の労使関係におきましては、健全な労使関係を発展させるということが労働行政の基本にあるわけでございまして、信用金庫におきましても労使の良識ある行動を強く期待しているわけでございます。ただいま先生から御紹介のありました芝信用金庫の問題につきましても、これは昭和四十六年以来の労使紛争というふうに承知しておるわけでございますが、いろいろ解雇事件あるいは暴力的な事件もあるやに仄聞しているわけでございます。いずれにいたしましても、いかなる事情があるにいたしましても、暴力行為等は絶対にあってはならないことでございます。したがいまして、今後とも私どもといたしましては、関係機関を通じまして、労使双方に対する指導、助言を続けてまいりたいと考えております。

吉田正輝大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉田正輝君) 御指摘の芝信用金庫の場合は、これはいま労働省からもありましたように、労使紛争の問題、あるいはやはり暴力なども絡んで訴訟に係っておるというようなことでございます。福島信用金庫の場合は労働基準法違反の問題というふうに承知しております。大蔵省が金融機関を監督する立場は、信用秩序の維持とか預金者保護の観点というような立場から行っておりますので、大蔵省としましては、こういう労使間の問題に直接介入することは適当でもないし、得意な分野でもございません。しかし、大蔵省といたしましては、やはり金融機関が法令を遵守すべきことは当然である、むしろ積極的に守らなければいけないと、こういうふうに考えておりますので、所管官庁の直接指導監督はもちろんでありますけれども、そういう法令違反がないように、今後とも所管官庁と私どもでできる範囲で適切な指導を行ってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあきょうはその問題は余り突っ込んでやるつもりはありませんが、特に金融機関の労働問題というのは、憲法を踏みにじるような、そういう行為が非常によく起こっています。ですから、この点はまた機会を見てやっていきたいと思うのです。  そこで政務次官にお伺いしますが、ずっといままで具体的な事実を挙げて議論をしてまいりました。一つの問題は、信用金庫が中小企業の金融に貢献をしなきゃならぬ。それであるにもかかわらず、信用金庫法を、うまくその法の網をかいくぐるような、そういう金融をやっている疑いがある。京都信用金庫の例で提示をいたしました。あるいは債務者に対して二万的に利息を上げるとか、そういう問題も提示をしたわけであります。同時にまた、この信用金庫が職場では団結権が保障されていない。現実に労働組合の組織も圧倒的にないのですから、きわめて部分的に少数の労働組合が組織されているという状態が続いているわけです。これはまさに憲法の規定をする団結権、これが守られていないことを証明をしているわけですね。こういう実態について、政治家としての次官の方からひとつ見解をお伺いしたいと思います。直接所管事項ではありませんけれども、ひとつ見解を聞きたいと思います。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) おっしゃるように直接の担当事項ではございませんが、お尋ねでございますので一言お答えをしたいと思います。  先ほどからの御議論を伺っておりましても、確かに金融機関が国民生活に果たしている役割りというのは非常に大きいわけでございます。特にこういう信用金庫は、信用金庫法に書いてありますように、国民大衆のための中小金融に携わる金融機関でございまして、中小企業者あるいは勤労者の金融あるいは貯蓄というものに資していくための制度であるし、機関であろうと思うわけでございますが、それが私自身も、非常に何か信用金庫といいますと、地方においてもかなりいろいろな活動をして大きな壮大な店舗を持っているというようなことで、実態をお伺いするまでは一般の金融機関と同じような活動をしているのではないかというふうな誤解を持っていたような次第でございますが、実情を聞きますとそうばかりでもない。その反面、どうも中小企業者、勤労者等に対する金融機関としての本来の仕事がどうもなおざりにされている傾向もあるんではないかというような疑いを、実は先ほどからのお話を聞いておりまして思っていたわけでございまして、わが国は法治国家でございまして、いろいろな制度がきちっとでき上がって、それが健全に守られてこの社会というものが成り立っているというふうに私は信じていたわけでございますけれども、いま承っておりますと、ただいまの労使関係、労働団結権を初め、この信用金庫のような小さな中小企業においてこういう労働組合運動というものが大きく発展するということはなかなかむずかしいかと思いますけれども、そういういろいろな憲法を初め法治国家の国民として享有できるようなそういう制度法律というようなものを、もっともっとやはり社会のすみずみにまで、特に社会的弱者といいますか、そういう人たちに対して均てんできるような、そういう政治をこれから行っていかなくてはならないのではないか、そういう感じを持ったわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで自治省にお伺いしますが、この信金関係の固定資産税、それから事業所税、これの減収額というのは年間幾らくらいか、それから法人税のはね返り分ですね、信金の分、それは幾らかというのはわかりますか。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) 私どもこの固定資産税の非課税の対象につきましての、たとえば評価、課税標準というものを的確につかんでおらないわけでございますので、全国的に幾ら程度になるかということについてはちょっとお答えしかねます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 京都市の場合は、先ほど申し上げましたように、五つの信用金庫でこの三つの分で約三億という計算を京都市の財務当局はしています。先ほどいろいろ御意見はありましたが、一番簡単なのは、協同組合等の中から信用金庫をもう全部外すという方法はいかがかという点が考えられる。しかし御承知のように、弱小の小さい信用金庫もありますから、出資金でいきますと、五億円未満の信用金庫が三百六十三あって、出資金が最低の信用金庫というのが行橋信用金庫、これは五千九百万ということでございますね。それから預金量で見ますと、百億円未満で六十一行、全体四百七十。だからどの辺で線を切ったらいいのか。あるいは設立後五年とか七年という、そういうことで切ればいいか。私はやっぱりこういう減免措置をするというのは、中小企業の金融に貢献をする中小企業家が共同で出資をして、そして相互の金融負担に応じていくという互助組織ですけれども、しかし、それも一定の年限がたつとやっぱり非常に大きな経済力を持つわけですよ。ですから、四百七十あるうちでどの辺のランクが適当なのかということは、これはまだ自治省、大蔵省ともに検討してもらう必要があると思いますが、設立の期限で切るのがいいのか、あるいは出資金とそれから準備金、会員勘定などを含めました、いわゆる自己資本といいますか、これは先ほど言いました金庫法の五十四条の二のなにが一つの基準になりますね。百分の二十の基礎になっているあの金額、あれをとって見るのがいいのか、あるいは預金残高で見るのがいいのか。まあいろいろ見方があろうかと思うのですけれども、とにかく、たとえば京都ですと、相互銀行やあるいは地方銀行よりもうんと大きい、そういう金融能力を持っていると。それが法人税も、あるいは固定資産税はもちろんまるまるただだと、さらに事業所税は二分の一減免だというのは、これは国民の納得を私は得られないと思うんですね。まあこれは、先ほど話があったように、他の協同組合やあるいは農協や信連や労働金庫はどうするかというのがあります。私はそれを全部一遍、そのほかの分も含めてずっとやっぱり点検をしながら、それの一つ一つの経常の状態がどうなっているのか、それが国民感情から見て一体どういう状況にあるのか、これらをやっぱり児ながら、ひとつこれらについてのメスを入れなきゃならぬと。そうしないと不公正税制の是正が要求されている、国民の期待にこたえるということはできないと思いますね。もうこれは二十三年以来やっていることであって動かしがたいものだというようなことでは、私はこれは国民の理解が得られないと思いますがね。この辺ひとつ、自治、大蔵両省、五十三年度へ向けて、検討課題として調査をするなり検討をしていただくことはできますか。いかがですか。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) 先ほど来、お話がるるございましたが、私は中小企業の企業者の共同組織としての性格を持ったものがこの信用金庫でありますから、その業務の内容も当然それに即したものであるべきであって、もしそれが相互銀行とか、あるいは地方銀行に匹敵するような状態になるということであれば、そこはむしろそっちの方に問題があるのではないかという感じがするわけでございます。規模の大小によって、たとえば業務内容に対する規制が変わっているかというと、それは変わっていない。配当率なども同じような規制をしておるわけでございますし、むしろその辺のところは、税制の問題よりも前に金融機関のシステム自身の問題を、もう少し特殊な金融機関は特殊な金融機関としての機能にマッチしたような運営がされるべきであり、率直に申して、何でそんなデラックスな事務所が必要なのかという気もいたします。まあこれはちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういう感じすらするわけであります。  で、税制の面で申しますと、先ほど申しましたように、規模の大小、あるいは出資金なり自己資本、あるいは預金量というふうなもので差をつけてまいるということは、これはなかなかむずかしゅうございます。どこで切ればいいのかということになりますと、これは客観的な基準というふうなものは恐らくなかろうと思います。まして固定資産税は、何度も申し上げておりますように物税でございますから、こういう物税につきまして、そういう規模に応じて区分を設けるということは、これはなかなか納得を得がたい、逆に納得を得がたい面が出てくるのだろうと思います。  ただ私どもも、非課税規定、特別措置というものが、いま御指摘のように一遍つくれば絶対未来永劫変わるべきものではないとはちっとも考えていないわけでございます。この信用金庫に対する法人税の措置が二十三年、固定資産税が二十八年にこの措置が設けられました。その後、社会経済環境もいろいろ変わっているわけでございますけれども、全般的な非課税特別措置の見直しの中の一環といたしまして、今後も慎重に検討は続けてまいりたいと思います。

矢澤富太郎大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(矢澤富太郎君) 私も森岡局長の御意見に全く同感でございまして、つけ加えるべきこともないわけでございますが、一言つけ加えさせていただきますと、この協同組合等につきまして二三%の税率で課税されております現在の制度は、先ほども申し上げましたように、中小企業者の相互扶助の組織に対する課税である。したがいまして、その前提には、中小企業者の相互扶助である以上、そのことがそもそも本来営利を目的としたものではないという考え方があったのではなかろうかと思います。しかしながら現実は、先生いま御指摘のように、非常に大きな信用金庫のできておるのも現実であろうかと思います。ただ、税制の立場からいたしますれば、信用金庫はやはり信用金庫法の目的なりあるいは規制趣旨に沿って運営されていると私どもとしては期待せざるを得ないのが現実でございまして、その中から特定の信用金庫だけを取り出して課税を強化する、これはなかなかむずかしい問題ではなかろうかと考えているわけでございます。したがいまして、先ほど自治省の森岡局長からお話がございましたように、信用金庫法で予定しているような組織の枠を超えるようなものがあれば、それはまた別の組織として活動していただく、私どもの言う仕事の領域ではございませんが、そういう解決方法が適当なんではなかろうかという感じがいたしますが、ただ協同組合の課税全般につきましては、このほかいろいろの問題もございますし、果たして二三%の税率がいいのかどうかというような問題もございますので、長期的な検討課題とさせていただきたいと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 じゃ、一番大きい信用金庫で城南信用金庫ですか、これが一番大きいんですね。これが七五年ですか。出資金が五十六億七千八百十七万円ですね。それから引当金はこれで八十八億千二百三十四万八千円ですか。さらに会員勘定が三百十一億ありますから、非常に大きいですね、資本力は。これが一番大きいでしょう。それで、京都信用金庫も出資金四十億六千九百八十五万です。あるいは引当金、会員勘定も、それぞれ合わせますと二百億余りになりますね。しかも、利潤追求が目的ではないとおっしゃるけれども、ちゃんと利益金は出て、ずっと大分調べてみましたが、八分の配当がほとんどですね。いいところはやっぱり一割配当しています。八分の配当なり一割配当もしているという状況で、私はまあ三つとも取ってしまうとか、全部ゼロにするかどうか、いろいろあるでしょう。そういった中小企業の協同組合組織、これをちゃんと保護していくためには、法人税については二三%が適当であるかどうかにしても、一定の限度としても、あるいは固定資産税その他はもう減免措置をしないとかね。とにかくわれわれから言えば、いまの地方財政が窮屈なときにそんなところまでめんどうを見ている必要があるのかないのかというような問題もあります。だから、大を切るのはぐあいが悪いというなら、固定資産税、事業所税——これは事業所税は全部じゃありませんからね、小さい信用金庫には関係ないわけですから、関係あるのは固定資産税だけになりますから。そうしたら、小さい信用金庫は固定資産税というのは知れていますからね、田舎の方、長万部とか行橋とかになりますから。それじゃ、固定資産税の減免措置は全部もうなくすというようにするとか、それはやる気になったら考えられますよ、いろいろ。私はそれをひとつ考えてみたらどうだと言うんですよ。本来なら、五十二年度から交付税率の引き上げや地方税の増収を図るための措置なんかいろいろ考えなきゃならぬのを、にっちもさっちもいかぬで借金財政になっているわけですよ。少なくとも来年度はもっと真剣に考えなきゃならぬ。そういう点で、一つの例として私は信用金庫問題が多くの問題をはらんでいるからきょう取り上げました。これは信用金庫だけじゃありません。全部一遍法人税の非課税措置、地方税は特に法人税のをそのままストレートにとっているところが多いですから、法人税の方でそれができないのか。そうすれば、それだけはね返って地方税収はふえる、そういう方法もあるわけですね。そういうのをもっと私は考えてもらいたい。何とか信用金庫を守ってやらにゃいかぬというような感じの答弁は私はどうもいただけないですな。これはひとつ次官、最後に明快な決意を明らかにしてもらいたいと思います。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) 先ほどからの大蔵省、自治省の答弁にもございましたように、本来の信用金庫の性格を逸脱するような大型の金融機関に一部なっている信用金庫、そういうものについては信用金庫の中でいろいろ格づけをすることは非常に困難でありますから、他の性格の金融機関として区別をしていったらいいのではないかというような議論もあります。そういうものを含めまして、税制の優遇、特権的な減免税全般にわたっていま政府部内で検討を進めているわけでございまして、この問題も大変示唆に富んだお話だったと思います。このお話をもとにいたしまして、今後とも政府部内でこの問題を詰めていって、いわゆる不公平税制というものがあるとすれば、これをできるだけ早く解消をして、地方財政、大変困難な財政のもとでございますから、財政、税源の確保等につきましても努力をしていきたいと思っております。

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十二分散会      —————・—————

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