P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
80回国会参議院1977/03/24

地方行政委員会 第4号

発言数
401
登壇者
19
会派数
5
開催日
1977/03/24

会議録

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、山崎昇君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 次に、地方行政の改革に関する調査のうち、昭和五十二年度自治省及び警察庁関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。  すでに所信の聴取は終わっておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 大臣は、過日の所信表明の中で、「本年は、新憲法のもとに新たな地方自治制度がスタートしてから三十周年に当たる意義深い年」であること、「国民の地方自治に対する期待がますます高まっている」こと、「地方公共団体が自主と責任を基本として地方行政を行うことができるよう、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが今後の地方自治の課題である」というふうに述べられております。私も全くそのとおりだと同感いたすわけでございますが、まあこれは問題がそういうふうに認識をされましても、さてそれをどのように実際問題として実行していくかということになりますと、大変困難な課題でございます。大臣は私と同じ長野県の出身でもあるし、数多い政治家の中では私は最も良識のあるりっぱな紳士の一人であると日ごろ敬意を表しているわけでございますので、きょうはひとつ大臣と、このむずかしい問題についてお互いに意見を交わし、地方自治の進展の道をさぐってみたい、こんなふうに実は考えるわけでございます。  そこで第一に、地方自治の基盤の充実を図る、これがこれからの取り組みの課題になるわけですが、大臣は具体的にこの問題に、これからどういうふうに問題をとらえ、どういうふうに取り組んでいかれるおつもりなのか、まずそのことからお尋ねをいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 三十年の間に何度か改正が行われまして、地方自治の制度、今日すでに制度としては定着をしておると存じます。しかし、ここへ来て経済も社会も一つの大きな転換の時期に差しかかっておるわけでございまするし、今日国民は、快適な生活環境の整備あるいは自然の保全あるいはまた福祉の充実、一口に申しますれば国民生活優先のもろもろの施策が実行されることを願っておると存じまするから、こういうことを主眼といたしましてこれからの行財政の改革の問題を考えていくべきであろう。  そういうことになりますると、第一には、環境の保全あるいは交通の安全というような、地域住民の生活に密着した施策に重点を置く必要がございまするし、学校あるいは上水道、下水道と申しますような基礎的な社会資本の整備ということ、これまた重点的に進めていく必要があると存じます。さような場合に、これらの施策を実行いたしてまいります場合に、申すまでもなく地方公共団体が中心的な役割りを果たすべきでございますから、さような意味で、地方公共団体に対しまして適正な事務配分、同時に、これに伴う財源の配分を実行していく必要があろうと存じます。さらにまた、国民の日常の生活圏がますます広がってきております。これに関連して出てまいりまするもろもろの要請にこたえまするために、広域行政ということも一層推進をしていく必要があると存じまするし、同時にまた、地方公共団体の担い手は住民でございますから、住民の連帯意識あるいは自治意識というものを一層高揚させるための施策が必要である。こういつたいろいろな要請にこたえまするためには、長期的な計画的な行政を実行していくことが必要になってくる。そういう意味におきまして、行政の効率的な執行を図っていきまするために、事務能率を一層向上させていく。まあおよそこういった点を頭に置きましてやってまいりたい、こう考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そういうもろもろの目標に向かって御努力いただくわけでございますが、特に大臣が先般の所信表明で述べられましたように、「地方公共団体が自主と責任を基本として地方行政を行うことができる」、こういうためには、地方にできるだけ権限と財源を保障しなければならないと思います。これが大変むずかしい問題なんですが、去年の七月だったでしょうか、事務次官名をもって各省庁に、「昭和五二年度の地方財政措置について」という要請書みたいなものが出たのですが、その中に、やっぱり私がいま申し上げたようなことを考えての内容があったように思います。たとえば、「地方財政はきわめて厳しい状況の下にあり、今後すみやかに行財政全般にわたり抜本的な見直しを行い、長期的な観点から財政構造の改善の徹底を図ることが必要」である、こういうふうに指摘をしておりますし、「国と地方との間の財政秩序の確立等国の側における適切な措置が緊要となって」いる、「国庫補助負担金のいわゆる超過負担については早急に完全解消を図ることが必要で」ある、こういう立場から、各省庁の五十二年度に向かっての具体的な措置を講じられるようにという要請であったと思うのですが、いかがですか。これが五十二年度の予算あるいは地方財政計画に何か具体的に反映できるような措置がとられたでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘をいただきましたように、昨年の七月、事務次官名をもって、さらに具体的に細かくは各省ごとに私の名前をもちまして申し入れをいたしました。それにつきましては、最近の傾向としまして各省も非常に地方財政のあり方、関連について気を用いてくれるような傾向が出てきたものと、このように考えておるわけであります。もとより措置としては完全だとは言いがとうございますが、たとえば御指摘の超過負担問題等につきましても、従前のいわゆる単価差だけの超過負担解消のみでなく、いわゆるこれに関連をする補助金制度改善の問題として、数量差の問題、対象差の問題、これに、わずかではございましたけれども踏み込むことができた例もございます。そのように、若干ずつの改善は見られておるものと意識をいたしております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私はどうも、自治省が指摘をし、要請をしたようなぐあいに根本的なところにはほとんど手がついておらない、こういうふうに実は見ているわけです。自治省もいままでこの委員会での論議の中でも常に申されていたことは、五十二年度を期して行財政制度の抜本的改革の検討を行う、その関連において地方交付税率の引き上げを検討する、こういう見解を述べておられました。これは恐らく地方交付税法第六条の三に基づくものと思うわけでございますが、その検討の結果として、自治省が五十二年度を目途とされて検討されたけれども、行財政制度の改革による地方財政の充実が実施できない、こういうことであったので、自治省は地方交付税法の規定に従って交付税率を五%引き上げることと、巨額な地方債消化のために地方団体金融公庫の創設を強く求められたものと思いますが、そういう私の解釈でよろしゅうございますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘いただきましたように、交付税率のアップ、それから地方債の消化問題に対応しますために公営企業金融公庫の改組、こういう考え方をただいま御指摘のような考え方で私どもとしては国に強く求めたのでございます。ただ、先生御案内のように、ただいまの社会経済の情勢、または国、地方を通じましての財政の情勢が、何分にも高成長から安定成長へ移る過渡期、しかも非常に不況の際の激変期、こういう事態にございましたので、残念ながら、この制度全般にわたります抜本的な改正、こういうところまでにはこぎつけることができなかったわけでありまして、それにかわります措置として、御高承のいろいろな措置をとらしていただいたわけでございます。まあそういったことで、抜本的解決には立ち至りませんでしたが、各種各般の措置を講じさせていただくとともに、先ほど申し上げましたように、補助金制度の改善等の分野についても若干の進歩を見た、こういうことではなかろうかと考えておる次第でありまして、今後ともなおこの抜本的改正の問題については大いに努力をしてまいりたいと思っておる次第であります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 きょうは時間がありませんから、いずれかの機会に行財政制度の改革問題、それから地方財政計画等については譲りたいと思います。  そこでお尋ねしたいことは、私は、地方交付税率を自治省の求めたように五%引き上げられたとしても、とても大臣の言われているように、地方公共団体が自主と責任を基本として地方行政を行うことができるようなことにはならないと思うのですけれども、もっと大事なことは、自治省がことし求めた地方交付税法を尊重する立場での交付税率五%の引き上げさえもあんなおかしな形で処理されて実現できなかったというようなことであるとすれば、今後もっと大きな行財政の改革問題などというものはとてもとても前進できるものではないということを実は憂慮するわけです。  そこでお尋ねしたいのは、確かに国家財政も窮迫をしている、経済も大変どん底でいま不安定であるということであれば、法律を尊重しなくも、法律を曲げてもいいんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、経済の情勢が安定をしてまいり、かつまた、国、地方を通じまして行政需要に合うだけの財政収入、こういうものが確保される事態が来れば——ただいま両方合わせまして行政需要に合うだけの財政収入が確保されていない事態であることは先生御高承のとおりでございますが、そういう事態を前提としながら、国、地方を通じての財源配分のあり方、これを地方の自主財源を強化するという方向でもって安定をさせていくというのが私どもの理想でなければならぬと思っておるわけであります。ただいまの時点が、何分にもそういった長期的な財源配分対策を確定をいたします時期としては必ずしも適当とは思えない事態にある。そこでやむを得ず御高承の措置をとらしていただいたわけでありますが、このような措置をとります場合におきましても、私どもは六条の三の精神、条文の規定ないしはその精神、これをしっかり踏まえておったつもりでおるわけでございまして、ただ残念ながら、交付税率をアップをして長期化にして固定をする、こういう長期的な措置をとることはできなかったのでございますが、少なくとも五十二年度の財政のあり方として、実質的に交付税率のアップに相当しますような措置を将来とも兼ね備えて国に負担の義務を負ってもらう、こういういわば臨時的な短期的なことではございますけれども、そのような制度改正ということを念頭に置いて最終的な結論を見出す、こういう考え方をとったわけでございまして、決して六条の三の精神を忘却をいたしておるわけではないのでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 その精神を無視したなどと私は申し上げているわけではありません。ただ、いままでここで皆さんと論議を重ねてきた経緯から言って、ことしの段階では、この地方交付税法第六条三の二項の規定に基づいて、この法律に忠実に従うとすれば、当然交付税率の引き上げを行わなければならない年である、こういうことについては自治省も私も同意見と解するのですが、いかがですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 六条の三の二項の規定にございますように、交付税率のアップまたは行財政制度の改正、あるいはこのかみ合わせ、こういうことをもって自主財源を確保し、充実をしていくと、こういうことをとらなきゃならぬという点については全く同意見でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 この法律の条文を見ますと、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」と、こうあるでしょう。ですから、ことしとられた措置というものは、あれは制度の改正じゃないでしょう。制度の改正ですか。制度の改正じゃないでしょう。そうすると、厳格に言えば、ことしとられた措置というものはこの法律に違反する行為である、これははっきりするじゃありませんか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 本年度とらしていただきました措置は、長期的に恒久化したものではもちろんございませんが、制度の改正ではないというように私どもは考えていないのでございまして、ただいまの時点でとり得べき措置としてともかく最善の措置と、こういうことで、五十二年度の事態に対処いたします応急的なものではございますが、制度の改正をもってこれに対処をした。それは将来、四千二百億余りの交付税会計における借入金等を長期にわたって国から臨特そのほかで補給をさせると、こういったようなことも法的措置をもって明確にしたわけでございますし、そのような措置は、いわゆる恒久措置ではございませんけれども、制度の改正には当たるものと、このように確信を持っておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それはちょっと詭弁じゃないですか。つい苦しまぎれにああいう臨時的な、応急的な措置を講じた、これ、制度の改正ですか。私はやっぱり正直に、本来ならばこの法律を尊重して措置しなければならないとすれば、税率を上げるべきである。上げることができなかったことは、この法律の精神に合うとか合わぬでなくて、ここにはっきりと書いてある規定には反するものということはやっぱりお認めになるべきだと思いますね。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 重ねてのお尋ねでございますが、六条の三の規定、これが本来、平常時と申しますか、通常の財政経済の状況が続いておる事態、こういう事態であれば、かなり長期的な視野で税財制度の改正ないしは交付税率の変更、こういうものが想定されることであることは御説のとおりかと思いますが、ただいまのような、先行の見通しが非常にきかないこういう事態にあっては、そのような長期的な固定をしてしまうのは大変適当でない時期でございます。そのような事態にあっては、たとえ短期的なものであり、さしあたりの措置でありましても、これに対処をするのに相当の措置をとることはこれまた制度改正と言えると、このように考えておるわけでありまして、こういった点は、法律条文の改正等々につきましても法制局そのほかの関係当局とも十分相談をいたしておるのでございますが、これをもって制度の改正と言えないということはないというように私ども確信を持っておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私はそこが問題だと思うのですよ。皆さんはきめ細かに法律をおつくりになっていらっしゃるわけですけれども、どこにも、経済的な状況で長期的な設定が困難であるような事態のときにはその限りでないと書いてあれば話は別ですけれども、ちゃんとここに書いてあるでしょう。書いてあるとおりにやることが法律を尊重することであって、不景気で財政事情が悪ければ、ここにはこうは書いてあるけれども実行しなくもいいなんというのは、これは皆さんがそう言ったって、世間一般の法律というものは国民に対してはそんな都合のいいわけにはいきませんよ。手形を発行した、期日が来た、金がない、延ばしてくれ、簡単にできますか。金がないからといって、法律で規定された問題の責任を回避するということは一般国民はできませんよ。どうして政府だけが、ちゃんとこうして法律に明記をしておきながら、しかも自治省はそれを尊重して引き上げようとした、大蔵省の大きな壁にはね返されてつぶされた、ですから、これは法律に反することで遺憾であるけれどもやむを得なかったとおっしゃるなら、私は了解します。大臣、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 今日、かような経済の転換期に交付税率の変更、これは申すまでもなく、国と地方の財源配分、これを長期にわたって固定するという問題でございますから、今日、これを実行するということがまことに困難であり、適当でもございません。そうなりますると、制度の改正を行わなければならない、お説のとおりでございます。  そこで御高承のような措置をとったわけでございますが、これは局長も答弁申し上げましたように、恒久的な制度と申すわけにはまいらないと存じます。存じまするが、この交付税法に規定しておりまする制度というのは相当幅の広い選択の余地を持つものである、これが法制局等の解釈でございます。増額いたしました交付税一兆三百五十億円のうち四千二百二十五億円につきましては、償還の始まりまする昭和五十五年度以降八年にわたりまして、その都度臨時地方特例交付金を必ず繰り入れるということをあらかじめ法律で明定をしておくわけでございますから、これは制度と解すべきだ、このように私たちは信じておるわけでございまして、したがいまして法律に違反するということにはならない、こう考えておるわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これはとても私の納得のいくところではありませんけれども、これは同じことを押し問答しても始まりません。  恐らく、ことし景気浮揚を第一とする国の予算案でございますけれども、私は、現在のように困難な赤字財政脱却というものはそう簡単にできないと思うのですけれども、そういたしますと、ことしのような状況が五十三年度も続いたらどうされるんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 先生御高承のように、政府自体といたしましても、五十五年度ごろまでは、つまり五十年代の前半あたりまでには、経済情勢の安定と相まちまして、税制そのほかの財政制度にも大幅な改正、改革、これを持ち込みまして、いわゆる赤字財政から脱却をしたいという念願を持っておられるわけでございます。こういう事態に即応いたしまして、地方財政といたしましても、五十五年度までのそのような事態に対処した中期見通し等も立てておるわけでございますが、そういった事態の変更に応じまして、自主財源の強化の措置をとり、地方財政を安定をさす、こういう制度改正を逐次打っていかなければならぬものだと、このように考えておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そうすると大変重大なことなんですが、五十五年度を目途にして安定を図る、こういうことであるとすれば、五十五年度まではことしのようなおかしなことを繰り返すことになるんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) もちろん一刻も早く抜本的な行政制度及び財政制度、こういうものの改正、この実現を図ることが第一であることはもちろんでございます。しかし、中期計画等でも考えられておりますように、たとえば国民の租税負担率を三%程度アップをしていただくよりほかにないだろうというような見通しもあるわけでございますが、こういった面での具体的な税財政制度の解決等が一挙にできますかどうか、この点については、今後の事態の推移ないしは税制調査会そのほかにおきます制度の検討、こういうものにもかかわる問題だと思っておるわけでございます。したがいまして、私どもは基本的には一刻も早く税財政制度の改正ないしは交付税率のアップ、こういうことをもって恒久的に地方財政を安定さしていただくことが念願でございますが、一挙動でこれがかなわない事態、これも想定できないこともないわけでございまして、そういった事態にそれぞれ対処をしていかなければならない、このように考えておるわけであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 何か大蔵省みたいな御答弁じゃ困るんですが、ことし、昭和五十二年度において自治省は五%のアップを強く求めている。五十三年度はどうしますか。五十三年度は当然ことし以上に強くアップを求めるべきだと思いますが、どうですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) もちろん地方財政の立場からいたしますればアップを求めていくべきであると思いますし、またそのように、これは来年度の予算要求の際に方針は決定されることでありますが、そのような方向でまいりたいと私は考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 大臣、いま局長の答弁のように、五十二年度では自治省の求めた交付税率のアップができなかったが、五十三年度はより強い姿勢でアップの努力をする、こういう考えをいまお聞きをいたしました。大臣として、これはやっぱり大臣のお力に期待をするわけですが、大臣も自治省の求めることが実現できるように御努力をいただく、こういうことについてのひとつ決意をまずお聞かせいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 交付税率の変更の問題も含めまして、今日の国、地方の税制全般について根本的な見直し、改革を行うことができるような経済の状況、財政の状況というものを一日も早く持ち来すように努力をするということが先決問題だと存じております。来年度におきましてぜひそういう環境をつくり出して、そうしてその際に交付税の引き上げを図ってまいりたい、こう考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 先ほど、ことしの交付税の措置は決して法律に違反するものではない、こういうお考えを強く主張されておりますが、私はこればかりでなしに、どうも法律を尊重する姿勢に欠けていることが幾つもあると思うのですよ。たとえば、もう一つの例をとってみましょう。地方債の許可ということが地方自治法や地方公営企業法の中にどういうふうに書いてありますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 自治法の関係には地方債は本来許可は要しないという規定がございますが、さらにこれを受けまして別の条文で、当分の間地方債については許可が必要である、こういう趣旨の規定がございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 この法律の基本は許可を要しないというのが基本なんですよ。そうして暫定措置として許可制を求めるということになっているんでしょう。その暫定が三十年も続いている。暫定という意味はどういうことでしょうかね。暫定ということは、二十年も三十年もの長い期間を暫定とは一般国民の間では常識として考えられないことだと思いますね。ですから、私はこの法律に地方債は許可を要しないとなっているのだから、暫定措置はできるだけ早くやめて、そしてちゃんと明記してあるように、許可は要しないということを現実のものにするという取り組みが必要じゃないですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御承知のように、自治法で規定をいたしております本来の不要許可、これは地方団体の自主性を尊重するという当然の立場から規定をされておる規定でございますが、二百五十条の当分の間許可が要るというその「当分の間」、この問題はいろんな前提条件が解決をされるまでの間、まあ理論的に言えばそういうことではなかろうかと思います。その諸条件とは、まず第一に、地方公共団体が必要とする資金が十分に安定的に確保できる、こういう事態が確保されるのかどうか、こういう問題であろうと思います。それがございませんければ、資金の確保につきまして地方団体間にも不均衡が生じますし、また民間資金との間のクラウディングアウトの問題、こういったような問題も惹起をいたしますので、資金の配分、こういったような事態はやはり調整をする必要があるのではないかと考えます。  それから二番目には、地方財政制度全般を通じまして地方債がほかの財源との補完的な関係を離れて運用される、もう完全に地方債の本来の機能、地方財政法五条に規定をされておりますような機能、これをもって運用されることが可能な事態が来る、こういうことがやはり許可制度を撤廃し得る一つの条件ではないかと思っておるわけでございます。ただいまのような時点でございますと、先生も御案内のように、資金問題につきましてもいろいろ問題がございますし、財政運用上の問題でもいろいろ問題がございますので、許可制度を一挙に撤廃をする、こういう事態にはまだなかなか立ち至っていないのではないか、このように考えておるわけであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 なるほど現在は大変金融条件も悪うございます。しかし、経済の高度成長時代、金融が非常に緩和をされて、地方自治体に銀行などが金をどんどん使ってほしい、起債の引き受けを競争で持ち込んでくるような時代にあってさえも、皆さんは許可制度というものを緩和するとか手直しをするとかということを考えなかったでしょう。いまの時点のような条件が三十年続いているわけじゃないはずです。やる気がないんじゃないですか。私はもちろん、野方図に借りたいものは地方自治体の力によって好き勝手に起債を起こせばいいなどと、そんな乱暴なことを考えているわけじゃありません。もちろん健全な財政を維持していくために必要な制約という枠は、これは設定しなければ大変なことになるおそれもありますけれども、ただ、何でもかんでも一件審査で、そしてそれにああでもないこうでもないという条件をつけて、地方自治体をコントロールするようなやり方というものをいつまでもいつまでも皆さんが執着していて、そして大臣の方針のように、自主と責任を基本として地方自治が行われなければならないなんて言ったって、話が合わないじゃないですか。どうですか、ここらで、いままでのようなことに固執をせずに、一歩前進をして、何でも野方図に許可制を撤廃せよなんて私は申し上げません。もっと何か大きな枠の中で、ある限度の枠などを設定するとかというような方策を講じて、そして一から十まで、何から何まで一件審査で皆さんがチェックするというような細かい点は、行政事務の簡素化の上から言っても効率化の上から言っても、いいじゃありませんか。そういうことを検討されてみたらいかがですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) いま先生おっしゃいましたように、何も一から十まで全部一件審査で事細かに内容を見て許可をしておるというのではございません。これは先生も御承知のとおりでございまして、先ほど御指摘の中にもございましたように、資金量の問題、資金配分の問題、こういう点から、もう一つは現行地方財政制度における財政運営の面から、一定の大枠なり枠組み、こういったものが必要であるという点は、先生もお認めのとおりそういうことで配分をいたしておるわけでございまして、現実にそのような配分をいたしました後の事業の具体的な選択、これにつきましては、できるだけ地方団体の自主性、みずからの決定、これにお任せをするという方法を私どもとしても毎度鋭意考えておるわけであります。  現在でも、先生御承知のように、一般公共事業、公営住宅、災害復旧、それから一般単独のその他単独、こういった大部分のものにつきましてはいわゆる枠配分システムというものをとっておりまして、県に枠を、これだけの範囲内で適債事業を選んでいらっしゃいと、こういうようにお渡しをして、その中の選択は地方団体の自主性にお任せをする、こういうやり方を現実にとっております。こういう面は、地方団体の自主性を高める上にますます伸ばしていく必要がある——必要なことだと私ども考えておりますので、でき得る限り、枠配分方式、こういうものの拡大に努めてまいりたいと、こう考えておるのであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 地方債はできるだけ、法律の規定もあることでもあるし、地方の自主性と責任というものが十分発揮できるような条件を整えるということも必要でもあるし、今後いろんな制約条件というものは取り除いていく、こういう方向でひとつ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  それから、ことしの超過負担の解消でございますが、まあ五百億足らずの措置がなされました。昭和五十年度地方六団体の調査によると、六千三百六十億円の超過負担があると、こういうことが発表されておりますが、自治省も昨年の各省庁に対する要請でも強く全面解消を要請されておりますが、ことしの状況では、きわめて自治省の要望に対しては不十分なものであると、私はそう思いますが、自治省ではどういうふうに評価しておられますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 六団体が提出をいたしております六千三百億という数字、これにつきましては、先生も御案内のように、内容にいろいろなものがございますので、必ずしも総額がいわゆる超過負担ということにはならないかと思いますが、かなり多額の超過負担、これがあるということは現実でございます。これに対応いたしまして、ことしの五百億弱の超過負担解消の額が、これで完全だ、りっぱだと、こういうようには決して私どもも考えておりません。もっともっと努力をし解消していくべき分野がたくさんあるというように考えております。  ただ、一つだけ御了解をいただきたいと思いますのは、先ほども申し上げましたように、今回は、いままで各省が超過負担として取り組んでまいりましたいわゆる単価差の問題、これだけにとどまりませずに、補助金制度の改善、こういう問題と絡みまして、対象差、数量差、こういうものについても若干の踏み込みをしてくれた、それが実現をしたという点でございます。  たとえば対象差では、門、さく、へい、こういったたぐいのものが、学校や警察施設等で補助対象になりましたし、また人件費にかかわりましては、公務災害補償とか共済組合の長期負担金、こういったものが対象に入ってまいりましたし、このような問題がございます。  それから、補助数量の基準の改善問題としては、社会福祉施設とか公営住宅とか警察施設とか、こういうところでの基準面積、こういうものの改善も行われた。  こういう質的な進歩が、たくさんあったとは申し上げませんが、若干あったと。こういう点については、超過負担解消の全般の動向にかなりの進歩があったものと、このように考えておるのであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 まさに私に言わせれば九牛の一毛にすぎないというふうに思いますので、これから一生懸命で自治省でも御努力をいただきたいと思います。  この超過負担に関連して文部省の方にちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、文部省にかかわる超過負担というのは非常に範囲が広く存在するのですが、私、きょうは給食の問題でお尋ねしたいと思います。  近年、地方団体の中には給食施設のマンモス化という計画がかなりございます。これは文部省の指導方針ですか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 学校給食を実施いたします場合に、学校において給食所を持つか、あるいは数校の給食を共同に調理する共同調理場を持つか、この方式については、地方公共団体のそれぞれの実施する側の意思で決められるべきものであるというふうに考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そうすると、文部省はどちらがいいかというような助言も指導もしておらないと、こういうことですね。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) どちらがいいかというふうな指導はやっておりません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 この地方自治体が、中には一万食、一万五千食などという、とてつもないマンモス給食施設の建設を進めているところがあります。そうして、これはなぜかというと、その方が安上がりだ、この一語に尽きるんです。まず第一に、給食施設をつくる場合の超過負担、運営費にかかわる超過負担、さらにはまた児童生徒の保護者の給食費の増高負担等々の問題がその要因をなしていると思いますが、私は、経験からいきましても、一万食だ、一万五千食だなどというマンモス給食センターというものは、これは文部省が位置づけているように教育の一環として存在しないと思うのですよ。学校の近くへつくろうとすれば、それは食品公害が起きるから反対だといって父兄は反対運動を起こすじゃありませんか。工場と同じに見ているわけですね。そこで、どこか郊外の、周りに影響のないような場所を選んで大きなものをつくる。これではもう学校給食なのか、あるいは大きな仕出し屋なのかわからなくなるわけですよ。これは、すべていろんな費用が安く上がる、こういうことなんですが、まあ文部省が、給食は教育の一環であるとか、「日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養う」とか、「学校生活を豊かにし、明るい社交性を養う」とか、こういうふうに学校給食法に規定しておきながら、いま申し上げたように一万食だ、一万五千食だなどというとんでもないマンモス工場、食品加工工場的なものをつくるというようなこともこれは地方団体の意思でいいのだということでは、ほかのことで細かいいろんな指導助言をされていることと照らし合わしてみるとおかしいように思いますがどうですか。  私は、この大きな施設というのがだんだん反省されてきて、そしていまでは自校方式を求める声がだんだん高くなってきて、文部省は、やっぱりこの自校方式が学校教育の一環と位置づけるからには望ましいぐらいの文部省見解をお出しになったらどうですか。それが私は文部省の当然とるべき態度だと思いますが、そういう考えはありませんか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 学校給食を共同調理場で実施いたします場合には、先生のおっしゃいますようなデメリットといいますか、そういった点もあると思います。片方、メリットとして考えられますことは、まあ関係事務の大半が共同調理場の職員によって処理されますので学校の先生の給食事務が減っていく、あるいは良質でかり安い物資を安定的に供給できる、大量購入ができるというふうなこと、あるいは専門的職員の配置が可能となるというふうなこととか、あるいは地域の栄養指導センターとしての位置もあり、そういった点で地域住民に裨益する部面があるというふうな利点も数えられると思います。したがいまして、私たちとしては、この自校方式にするか共同調理場方式にするかは、その地域の実情に応じて実施者の方でお決めいただくように御指導申し上げておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 最近の傾向はどうですか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 最近は大体学校給食の普及が頭に来たといいますか、小学校の場合にはほとんど全部の学校にいきましたし、中学校の場合は、まあいろんな点で学校給食の開設ができないという現状がございますので、そういった点での自校開設あるいは共同調理場の開設という全体的な急激な伸びというものはとまっておりますけれども、大体従来の傾向と同じような傾向になっていると思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうもいまの課長のお答えを聞いておりましても、経済的見地から物を見ていることが強いような気がするんですよ。ですから、やっぱり教育的見地から考えて最も望ましい形は何であるか、そういうふうに考えるならば、そのために多少の経費がよけいにかかるということは、教育ですから当然じゃありませんか。私は、ですから最近の学校給食というものが、余りにも教育的な見地からとらえるのでなくて経済的な見地からとらえられるような傾向が非常に強くなってきた。これは大変遺憾なことだと思います。  そこで、いまこうした財政危機の折からでもあり、学校給食の問題が大変混乱の傾向を見せていると思うのですよ。その施設のどういうふうなあり方が望ましいかというような問題にしても、あるいは米飯給食などというものをどういうふうに取り入れるかなどという問題にしても、大変混乱の傾向を示していると思うのです。  そこで私は文部省に申し上げたいのは、もうこれだけ、小学校であればもう一〇〇%近い普及率を示している。ここまで来たら学校給食制度の抜本的な改善を図るべきだし、そして混乱をきちっと整理をすべきだし、そのためにこれは義務制に変えてそして財政的な基盤などを保障すると、こういう方向を検討すべきであると思いますが、そういう検討をいたしたことがありますか。いたすつもりがございますか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 学校給食を義務制にすべきであるというふうな御意見は、県あるいは市町村の関係者の中からも御意見としては上がっておりますが、全体的にそれが全国的な水準で意見としてまとまったものにはなっていない段階であるというふうに思っております。義務制にいたしますと、制度そのものの改革と同時に非常な財政負担を伴うということもございますので、これはひとつそういった御意見はもろもろの御意見の中で十分検討してまいりたいというふうに考えます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私はぜひ文部省は積極的に、もう一〇〇%近い普及率になって、そしてこれが経済的な問題等々もあって混乱の傾向を示しているという事態ですから、文部省として積極的に今後についての検討をしていただきたいということを要望しておきます。それから、もう時間はわずかしかありませんが、文部省は米飯給食についてどういう方針をとっておられますか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 米飯給食の実施につきましては、四十五年度から六年間の実験学校を持ちまして、米飯給食をどういうふうに入れるか、入れることの是非を初めといたしまして検討してまいりました。それで五十一年度から正式に米飯給食を学校給食の中に取り入れるということで、これは観点といたしましては、食事内容の多様化及び国内資源の活用の問題というふうな角度からの学校給食での米飯給食導入ということを、今年度、五十一年度から踏み切ったわけでございます。まあいわゆる食事内容の多様化でございますので、大体一週間二回程度ぐらい米飯給食がやはり入るというふうになってきているというふうに考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これは日本じゅうの学校に米飯給食が実施できるという条件を早急につくり上げるということは、これはなかなか容易ならざることだと思います。まあ都会と農村それぞれ違った条件を持っておりますが、農村地帯、特に過疎などの市町村において、弁当持参、御飯だけ炊いたものを弁当箱へ入れて持ってくる。学校ではお菜だけつくると、こういうことが大変やりやすいし、そういうやり方ならいつでもできる市町村が全国にはたくさんある。そうしてぜひそれをやりたいという考えを持っている市町村もたくさんある。これについて文部省はどういう方針をとっておりますか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 文部省といたしましては、完全給食、いわゆる主食と副食というものをそろえた完全給食を実施するというのが一つの目標であるというふうに考えて指導、奨励いたしておるわけでございますが、ただいまの御指摘の弁当の問題につきましては、それが弁当として将来に固定するのではなくして、完全給食、米飯給食も取り入れた完全給食を近い将来やっていくという計画のもとに実施されるということであれば、私たちとしてもそういった方針について否とかノーとかと言うつもりはございません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私は文部省が何も日本じゅうを一律的に、大都会も過疎の農村も一律的な形にしようなどと考えているからいけないと思うのですよ。どうせ文部省が五十一年度からこれを取り入れても、日本じゅうの学校で米飯を含む完全給食を可能にするなどという財政投資なんというものはとうてい何年かかるか見当もつかぬ。おやりになるというなら、できるというならそれにこしたことはないけれども、とうていそれは容易ではない。としたならば、完全給食と同じでしょう。農村へ行けばどこの家でも毎朝御飯を炊きますよ。必要があったら弁当箱は全員に同じ規格のものを持たせりゃいいじゃありませんか。そこで朝お母さんに弁当箱へ入れてもらってくれば、学校で炊いて分けてやるのとどこが違いますか。大いに奨励して、こういう普及を考えたらいいじゃないですか。完全給食が学校給食の目標であるからといっても、こういう地域になった合理的な方法などというのはやっぱり尊重して、場合によっては奨励をしてでも推進するということが私は今日非常に重要だと思うんですよ。どうですか。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) 弁当持参についての基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、今年度、五十二年度の予算におきましては、これは農林省とお話し合いで予算化いたしたものでございますけれども、そういった弁当を持ってくる場合における弁当を温める機械というものを農林省の方の予算で補助をしていくという道も開いたわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 時間がありませんからもう最後にいたしますが、大分、新聞などによると、文部省がそのことにいちゃもんをつけたとか抵抗を示したとかというようなことが書いてある。そんなことはありませんか。まあそういうことで保温施設などが導入をされて、そして弁当持参の学校給食というようなものが非常に内容を豊かなものにするということであるならば今後も積極的にそうした方向を推進すると、文部省がそういうお考えであれば、そういうお答えを聞くことができれば私の質問はこれで終わります。

古村澄一文部省体育局学校給食課長

○説明員(古村澄一君) これは先生の御意思と若干反するかもしれませんけれども、私たちは、学校給食は完全給食が一つの理想形態であるという考え方で進めております。したがいまして、弁当の問題につきましても、これが完全給食を後退させる形での弁当の保温問題は私たちとしてもとるべき施策ではないということで、農林省といろんな話を詰めまして、現在弁当を持ってきているところもございます。補食給食というスタイルもあるわけでございますので、主食を持ってきているところもあるから、そういったところも全部含めて、弁当に対してそういった加温保温庫の補助をしていくということならば子供のためにもいいだろうということから来年度の予算として踏み切ったわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これを最後にしますが、完全給食、完全給食って、米飯の完全給食なんということが当分の間広い日本じゅうに行き渡ることはできないでしょう。その過渡的措置としてでもこういうものは推進すべきだ。そうして学校で飯を炊いて、金をかけて施設をつくって炊いたって、うちから持ってきたのと何の変わりもないでしょう。あんまり完全給食なんてばかの一つ覚えみたいなことで、できないことをそういうふうな形で補完をしていくというようなことにもっと積極的な姿勢を示さないというのは、それは間違いすでよ。あなたもまたいろいろ関係者もあるでしょうから、そういう問題について十分研究をされ、そしてまた地域の市町村関係者、教育委員会の皆さん等の意見を聞いて、私は、こういう問題はそんな形式にばかり、原則にばかりとらわれて現実的な対応を欠くようなことは、これは全く行政の陥りがちな欠陥であると、こういうことを指摘しておきたいと思います。今後の御健闘を要求をしておきます。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、地方行政の改革に関する調査のため、日本道路公団総裁前田光嘉君及び同理事平野和男君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) それでは、引き続き質疑を行います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 道路公団の総裁が午後の日程があるようでありますから、午前中若干の質疑をいたしたいと思います。  三月四日に衆議院の建設委員会で社会党の佐野憲治議員が北陸高速自動車道における降雪、凍結、それらのための規制措置や被害について全般的な質疑を展開をいたしました。で、私は本格的な議論の発展につながっていき、対応策がつくられていく、そのことを求めてきょうはフォローしていきたいと思うんです。  まず、わが国において高速道路上での豪雪に直面した初めての経験であろうと道路局長が答弁をされました。で、その貴重な経験をどう把握をしていかれようとしているのかということを、時間がありませんので、簡単にちょっと述べてください。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) ただいま和田先生の御指摘のとおり、先般来、特に北陸地方におきましては大変な雪がございました。わが国の高速道路は昭和三十八年に名神が開通いたしましたが、その区間で若干の降雪地帯がございますけれども、本格的な豪雪地帯は北陸道でございまして、これは御指摘のとおり今回が初めての雪でございました。で、われわれも冬季の交通確保のために、あるいは除雪、凍雪害防止等のために万全の努力を払いましたが、遺憾ながら各地で何回か交通をとめるあるいは交通規制をするということに立ち至ったわけでございますが、今回の経験を十分生かしまして、もちろん、かねてからこの当地方の道路につきましては、こういう雪害に対しまして耐え得るような構造及び除雪対策の管理体制を持っておりますけれども、今回の経験によりましてさらに改善を要する点もございますので、現在担当の部局で、現地も含めましてそれぞれ資料をまとめておりますけれども、近く四月の中旬にはそれを集めまして、一同協議しながら今後の対策をさらに万全を期したいと思って検討しているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、長谷川建設大臣が当日衆議院で、距離は少なくてももっと完備されたもの、そして方向転換をしていかなければならないのではないかと答弁をされました。この点、事務レベルではどう考えていらっしゃるんですか。技術的な検討が必要ですね。来年度開通する予定の福井から向こうの方、ここも特異な気象条件にあることは御存じのとおりなんですよね。今後このようなことが起こらない、今度のようなことがないという保障は、新設のところにおいてありますか。

浅井新一郎建設省道路局長

○政府委員(浅井新一郎君) お答えいたします。  先般の建設大臣の御答弁の中に、御指摘のように、これからの高速道路の建設、特に豪雪地帯の高速道路の建設に当たっては、距離を延ばすということだけでなく、質の高い、すなわち雪に強い高速道路の建設を目指すべきであるという趣旨の御発言だったと思いますが、私どもも高速道路の建設に当たりましては、施設的には交通安全面から十分なものをいろいろ考えてやっておるわけですが、豪雪地帯につきましては、その上さらに雪からのいろんな障害をなるべく排除するような施設面でのいろんな問題を研究し、また取り入れてまいってきておるわけでございまして、現状で、今回の雪についてのいろいろな経験から、スノーシェッドとかあるいは融雪施設、流雪溝、そういったものの施設の必要性が個々のケースでいろいろ浮かび上がってきたと思います。そういう面を十分生かしまして、これからの高速道路の建設、特に御指摘の福井から敦賀にかけては山間部でございますので、トンネルの前後の雪の問題、これは非常に重要だと思いますので、そういった面も十分これから経験を生かした施設整備に心がけていきたいというふうに考えておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 問題は、その十二月の二十八日から二月の十人目までに氷点下の日が二十一日間、道路閉鎖が五回行われた。高速道路とはいいながら、遅速道路になったのろのろ運転、そういう状態が五十三回ある。このとき、最高積雪はある意味ではわずかに百二十センチですよ、新潟その他の経験に照らしてみて。私は、たとえば新潟を歩く、あるいは佐野質問が終わった後千歳に飛びましたが、千歳から札幌に向かう自動車高速道、これは北陸道よりももっと悪い条件ですよ。悪い条件だが、タクシーの運転手などに聞いても一日もとまることはない。凍結は当然起こっておる、しかしながらとまらない。そうすると、北海道でもって氷点下をずっと経験をしていて高速道路は通行可能である。北陸道は当然当初からこのことは予想されていましたよ、予想されていたが、その対策は怠られていた。あるいは部分部分を施設として完備をすれば——いまお答えがありましたが、たとえばスノーシェッドを行う、あるいはある一定の部分について、手取の峡谷からの一定の部分について融雪道路化する、あるいは電熱を入れてもよろしい、部分的には。全部をやろうといったら膨大なお金でしょうし、収入との関係もありましょう。補助の問題は後でやるとしましてもね。そういう工夫というものがやっぱり怠られていたところに、生鮮食料品が、正月用の食品が金沢、富山に間に合わなかった、あるいは新鮮味を失ってしまった、滞貨はああいう状態になった、こういうことになったわけですね。その辺のことを考えますと、地域生活圏に悪影響を与えないようにするということが発想の第一になければなりません。道路建設に当たって、一体それぞれの自治体とどんな協議が行われたのですか。あるいは自治省との関係において、どういうような行政レベル間におけるところの協議が行われたのですか。また行われていないとすれば、今後どういうふうにやっていこうとされるのか、明らかにしていただたい。

浅井新一郎建設省道路局長

○政府委員(浅井新一郎君) お答えいたします。  高速道路の建設に当たりましては、建設省で最初基本計画の段階、それから整備計画の段階、逐次詳細な調査を進めてまいりまして、ルートをしぼって整備計画以後道路公団に施行命令が出されまして、それからも道路公団で実施計画までの段階にはいろいろな細かい詳細な調査をやるわけでございますが、その間にいろいろこういった豪雪地域のルートの計画といたしましては、まず、雪の少ないところをねらって通すこと、それから雪の深いところでは、トンネルの位置の選び方とか、そういう面をいろいろ配慮しながら一つのルートにしぼっていくわけでございますが、そのしぼっていく段階に、公共施設調査だとか諸調査を通じて、部分的に関係地方行政機関、県についてはいろいろ御説明をしながら、特に文化財の問題なんかもございますので、そういう問題もあわせて基本計画、整備計画の段階でタッチしながら、さらに濃度を高めながら道路公団で調査を終えて取りかかるわけでございまして、地方の個々の住民の方との折衝というのはまだその段階ではございません。これはルート発表してから以後のことでございますが、それまでの段階のルート選定に当たっては、地方自治体と十分な連絡をとりながら計画を固めていっているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、そういう過程を経ながらもでき上がった。でき上がったが、結果的には一番重要なときに自動車道としての役割りを果たさなかった。正月のブリを待っておる金沢の市民や富山の市民、あるいはミカンの入荷を待っているそれらの市民の心情というものは、たとえば周辺の住民にとって高速道路は反対であったという、そういう反対闘争もあったが、でき上がった以上はそれに期待するところがやっぱりあった。しかしながらその期待はことしの正月に関する限りは裏切られた、こういう結果になっていますね。  そうすると、積雪、雪害の除去などが起こった場合、法制上、財政上どういう仕組みになっていますか。まず積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法、それから道路の修繕に関する法律、この二法は高速自動車道に適用されませんか。

浅井新一郎建設省道路局長

○政府委員(浅井新一郎君) 御指摘の雪寒法でございますが、これは積雪寒冷の度が特にはなはだしい地域におきまして、冬季間の交通確保を図るために、あるいは防雪施設整備だとか除雪事業といったものを促進することを目的としているわけでございまして、これは一般道路対象でございますが、これらの事業の実施に当たって地方公共団体の財政負担が非常に他の地域に比べて特に大きくなるということを考慮して、道路管理者が行いますこれらの事業について特別の措置をとるということにした法律でございまして、これによりまして、一般道路につきましては、この法律のおかげで、過去十数年の間に非常に雪寒地域の交通確保面での財政的な手当ては、かなり逐次手厚くなってまいってきておるわけでございます。  一方、高速国道の方は、これは有料道路といたしまして日本道路公団が建設管理を行っておるわけでございます。その建設管理に要する費用はすべて料金収入をもって賄うということが道路整備特別措置法、これは有料道路の整備を決めた法律でございますが、これによりまして決められておるわけでございまして、これには地方公共団体の負担は一際伴わないわけでございまして、料金の中でこれを処理するということでございます。高速道路は、御承知のように、料金はプール制になっておりますので、積雪地域でかかるこういうようないろんな施設の金、それから維持管理の金、それらはすべて全国平均にならされて料金で負担をするという姿になっておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いやいや、そのなっているのはわかっているんですよ。問題は、総裁、こういう状態が起こったのですよ。そうすると、これに対するところの対策を考えなきゃなりませんね。で、お考えになると言われた。お考えになると言われるのならば、たとえばいま言った二法の適用を検討してみるとか、あるいはその他幾つかの発想が生まれると思うのですが、どういう点をいま検討し直してみる必要があるとお思いになりますか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) ただいま道路局長がお答えいたしましたように、道路公団の除雪対策、雪害対策につきましては、道路公団としての建設費及び管理費で賄うたてまえでございます。そこで、先般の雪に対していま反省しておりますが、特にこの法律をもって国から補助金をもらうとか、特別の援助をもらうということじゃなくて、むしろ必要な施設あるいは必要な管理のやり方等について、もっとこうしたらよかった、ああしたいというようなことがあれば、それを現在のわれわれが持ち得る管理費及び建設費の中でできると思いますが、具体的に何が必要かということについて検討してございます。たとえば、先ほど局長申し上げましたように、なだれが若干ございましたが、そういうなだれが道路面に来ないようにもう少しなだれの防止さくを強化するとか、あるいはまた、吹きだまりができた場所がございますが、そういうところをなくするために、吹きだまりの防止さくをもう少し大きくするとか、また、除雪作業をする場合に作業車が若干足りないといううらみもございますので、そういう点をたくさん自動車を買うとか、そういうふうなことで、われわれの方では現在の道路の構造はそのままでいいじゃないかと。あと、いま申し上げましたような管理の仕方あるいは必要な施設というものを改善を加えていけば足るであろう、しかしその費用は現在の道路公団の費用で賄えると。本年も実は融雪剤あるいはその他の薬品の散布等によりまして例年の二倍ないし三倍の費用を使いましたが、これは道路公団の管理費の運用によりまして賄っておりまして、まあことしのような雪が仮にあっても、今後はできればもう車はとめることなしに、またスピード制限しなくても交通できるように、せっかくできました高速道路が国民の地域の皆さん方に本当に活用していただけるようにぜひなりたいと思って研究をしている段階でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 費用の問題なんですが、高速自動車道は料金収入で維持修繕費がその中に見込まれる、こういうことになるわけですが、道路公団は資金コストを六・五%とする、そういう措置をなされていますね、とっている。そうすると、除雪、防雪など雪害対策については、費用の面から、いまの総裁の答弁ではありますが、私たち素人目に考えてみて特別な措置がやっぱり必要なんではないでしょうか。冬季に他の地域より多額の費用がやっぱりたとえば北陸自動車道などの場合は必要になってくる、そういうふうに考えられますがね。全体をプールしてその中でもって資金運用は可能なんだということだけで済まされますか。

浅井新一郎建設省道路局長

○政府委員(浅井新一郎君) 先生御指摘のように、道路公団の資金コストは六・五%を維持するということで、国から相当な出資金ないしは利子補給という形で国費が投入されておるわけでございます。一方、たてまえは料金収入でそのほかは全部賄っていくという姿でやっておるわけでございますが、先生お話しのように、交通輸送に非常にこういった豪雪地域では施設的に金もかかるし、維持管理費も相当金がかかるということで、この費用の分としてかなりな国費を投入する必要があるのではないかという御指摘だと思いますが、確かにかなりの費用がかかることではございますが、一方、国費を投入するものとは、やはり雪寒事業によりますこういった一般道路の防雪対策を賄っている費用を回してそちらに投入するということになりますので、まあその辺のバランスの問題から考えまして、現状では、高速道路についてはまあ相当な資金量でもございますし、維持管理費も全国的にいきますと相当な額になるわけでございまして、その中で、今後北陸自動車道以外に関越とか豪雪地域の高速道路が大幅に延びていく段階ではまたいろいろ問題もあろうかと思いますが、現状ではそれほどの財政負担にはなっていないという考え方もございまして、一般道路からの金を回すかどうかという判断につきましては、やはり現状のように、道路公団のいまの維持管理費の運用で賄っていった方がいいのではないかというふうに考えるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後に。  総裁、四月中旬までに一応調査結果などをまとめられて対策を練られると言われました。これはどういう形になりますか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) 簡単にできるものにつきましてはもう早速仕事を始めます。あるいは五十二年度の予算が通りましたならば、その予算において必要な施設を増設する場合はやりますし、あるいは機材等で購入するものがあれば購入いたします。しかし、さらに根本的に検討し直す、あるいは道路の構造等について改善をする必要が生じた場合には、これは道路の構造に関する基本である道路構造令等の関係がございますので、建設省とも相談いたしまして、とにかく雪に対して強い道路にぜひしたいということで具体的な措置を今後検討したいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私の希望を述べておきますが、道路交通の確保のために、やっぱり除雪、防雪のルールは確立をしてもらいたい。そのために現行道路構造令を、いま触れられましたように直さなければならぬのなら、その観点に立ってやっぱり検討を加えられる、そういうことが必要だと思うのです。よろしいですか。

浅井新一郎建設省道路局長

○政府委員(浅井新一郎君) 御指摘のように、道路構造令の中には一応雪に対する項目が若干入っておりますが、まあ必ずしも詳細にわたった項目ではございませんし、道路構造令の運用の面で十分これから内部的には検討いたしまして、道路構造令に示されている趣旨を生かして、道路の計画、それからその後の維持管理に努めてまいりたいというふうに考えております。

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時九分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和五十二年度自治省及び警察庁関係の施策及び予算に関する件について質疑を行います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まず大臣、所信について、小山委員の質問に引き続きながら若干のことを冒頭お尋ねをいたしますが、地方自治法が新憲法第八章の精神を実現をすべく現行憲法と同じ五月三日に同時施行されて三十周年を迎える。政府においても記念行事を予定されているようでありますが、三十年の歴史が私は問い直されるときなのだと思うのです。今日の状況において三十年目の日本の地方自治の発展、隆盛を誇るというにはお互いじくじたるものがあるのではなかろうか。その大きな理由は、地方財政が自立性を失った、そういう危機的な窮乏状態に陥っているからだろうと私は思います。この危機からの回復なくして今後の地方自治の発展もあり得ない。地方財政は地方自治の基盤であるからそう思うのでありますが、そこで、こういう歴史的視点に立って大臣にまずお尋ねしたいことは、所信表明でも述べられておられますように、国と自治体とは車の両輪関係というような認識だけでは、どうも国との立場上の優劣関係が著しくなるばかりでありますから、自治大臣としては、第一義的には地方自治の自立性こそを求められてしかるべきではなかろうか、そう考えるのですが、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 地方自治の自主性、自立性をあとう限り尊重していく、これは当然でございます。さような心構えでこれからも努力していきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで地方財政もまた自立性を一層高めていく必要があると私は考えますが、大臣は地方財政の自立性を高めていくという意味においては、特に深刻な財源問題の解決の糸口をどのように模索されているのか、ぜひ腹蔵のないところをお聞かせ願いたいのです。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 今日、地方財政が御高承のような逼迫した状況に立ち至っておるということは、申すまでもなく、長期にわたった不況の結果財源が大きく落ち込んだということでございまするから、まずここで景気の立て直しを図って経済を安定した成長の軌道に乗せるということが先決問題だと存じます。そういう経済の環境ができ上がりましたときに行財政の抜本的な改革を図りまして、その折に、地方公共団体の財源、税源を含めて財源の充実という方向で根本的な改善を実行しなければならない、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は自治大臣の所信表明を読みまして、どうも基本的なところで合点がいかないことがあるのでありますが、それは今日のように経済が、まあ福田総理の診断によれば全治三年だった。それにもかかわらずなお安定成長に着地できずにいる。財政も、また財政収支試算を一年目にして改定する羽目になった、そういうどろ沼なのでありますが、そういうときに自治大臣に就任をされて、そして大蔵省、大蔵大臣との間で厳しい折衝を経験されたのでありますが、それにもかかわらず、地方財政の危機的状態についての認識がどうもこの中には全く表明をされていないのであります。どうも難局打開の決意はいまお述べになりましたが、所信表明を読む限りにおいては受けとめることができない。所信表明では、「転換期を迎えたと言われる今日の地方自治行政に対処して明年度における所要の地方行財政施策を講じてまいる所存であります」と、まあさらりと言ってのけられている。そして五十二年度の説明をされているにすぎないのであります。しかし、第一に、現状は転換期というような一般的な表現が妥当であると私たちは考えていません。自治大臣として地方財政の危機の認識が不可欠なんではないか。第二には、五十二年度の地方財政措置は転換期に対処する長期的観点からのものでなければならぬだろう。五十二年度限りの単年度の異例のものでありますね。異例の措置である、この五十二年度の地方財政の措置というものは。この辺を長期的な観点から自治大臣としてはどういうふうにお考えになっておりますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 今日はいわゆる高度成長経済から低成長時代へ移っていこうという転換の時期だと心得ておるわけで、もはやいままでのように毎年巨額の自然増収に期待することができない、そういう時期の入口に立っておると考えておるわけでございます。いま一つの変動期でございますが、一日も早く摩擦なしに安定成長の路線に国の経済を乗せることが急務だと存じておりまするが、そういう安定成長の時期を迎え、経済の前途、財政の前途にもある程度の見通しがつきました時点で抜本的な改正を行いたいと、そこに至るまでの時期は、毎年毎年の事態に対処いたしまして地方財政の逼迫した状況を緩和するために必要な措置を講じていくほかないと、こう考えておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 五十二年度の地方財政計画では税収の伸びが非常に高く見積もられていますね。特に法人関係税の税収の伸びが非常に高い。これが果たして本当に獲得できるかとわれわれも心配しますが、われわればかりじゃなくて、まあ学者などの中にも大変そういう指摘をする人が多い。で、どのように計算されたのか、説明をしてもらいたいんですがね。地方税及び地方譲与税収入見込説明をもらいましたが、どういう計算なのかちょっとわかりません。で、まず地方税全体の伸びをどう算定をされたのか、各税目の伸びはどう割り振られたのか、主要税目で結構ですが。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ちょっと税務当局が参っておりませんので、私、細かなことはわかりかねるのでございますが、御案内のように、明年度の地方税収の見積もりは、政府の経済計画、これに合わせまして所要の見積もりを立てておるわけでございまして、特に御指摘の法人関係税、これは国の方の法人税収入も、ただいま申し上げました経済計画、これを基礎にして算定をいたしておるところでございますが、同様な観点から税収の見積もりをしておる、こういうことでございます。事業税関係では、法人関係の事業税は二四・二%、個人関係の事業税は、これは税制改正もございまして若干減になっておりますが、事業税全部としては二三・三%、こういった程度の見積もりをいたしておるわけでございます。ただいまの情勢では、諸般の経済指標の問題あるいはいままでの最近の収入実績等の問題から、税務当局の方ではほぼ税収は確保できるものという見解を持っておるようでございます。  なお、今後の景気の変動のあり方いかんによっては、こういった景気に左右される税収入でございますから、これに変動が来るのではないかという御懸念もあろうかと思いますし、私どももそのようなことがもう絶対ありませんということは申し上げにくいわけでございますが、もし万一不幸にしてそのような事態が生じますれば、私どもとしては地方財政計画上に見込んだ税収入、これを確保するというのは私どもの使命でございますので、財源的な手当てはしかるべく措置をとる、こういう決意のもとに見積もりを立てておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは後で税務から資料を出してもらえばいいと思うんですが、私はどうも目いっぱい強気に見込みを立てられているように思われます。景気回復が税収に結びつくまでには、これは相当なタイムラグが必要でしょう。これはどう計算されているのか、ちょっと私はわからないんですが、できれば四半期ごとに分けてどういう税収が立てられたのか、後でこれは出さしてくれますか。いま、答えてもらえますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 税収入の細かな積算基礎は、先生御案内のように税務当局で扱っておりますものですから、私、細かくは実は存じておりません。できる限りのもの、どの程度の資料ができるか私もわかりかねますが、積算の基礎等については御連絡をいたさせますように私から連絡をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで各自治体の予算が出されて、自治省にはそれを集計した資料は当然あると思うのですが、都道府県予算で見る限り、骨格予算の数県を除いてはかなり弱気の県もあるようですね。恐らく市町村でもそうだろうと思うのですが、どういう分析をされているわけですか、ここは。集計したもの、ありますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 五十二年度の予算編成の状況でございますが、ただいまのところ、都道府県及び指定都市につきましては予算編成の状況を私ども報告を受けて入手をいたしております。これは、五十一年度の当初予算との対比になりますから、いろいろその点で、五十一年度が骨格であったりなかったり、こういうばらつきはあると思いますけれども、総じて申し上げますと、地方税収入は、五十一年度と五十二年度の対比をいたしますと、平均をいたしまして二〇・三%の伸び、こういうことで各団体は編成をいたしておるようでございまして、各県ごとに大変ばらつきはございますけれども、おおむねいま申し上げました程度の伸びを見込んでおる、こういう実態のように把握をしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで大臣、総理は何か年度当初に財政支出を集中して行うという方針であるようである。地方団体がそれに応じようといたしますと、これは国とは違うのでありますから、資金繰りが相当むずかしい。だから交付税法の審議を急いでくれなんてここで言われても困るんですがね、それはまた別途の問題でありますから。国の方針に従うと歳入欠陥が出てくるおそれが多分にあると思いますが、杞憂ですかな、これは。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御案内のように、公共事業等につきまして、なるたけ早期に契約を促進をして景気のてこ入れをする、こういうことは非常に大事なことだと思っておりますので、私どもとしても時宜に応じてそのようなお願いを地方団体にしておりますし、また、今後もそういう体制をとっていきたいと考えております。  財源でございますが、これも御高承のように、公共事業の裏負担につきましては、ほとんど満度、つまり九五%平均の地方債の充当を考えておりますので、事業の執行に応じましてこの地方債の許可を進めていく、これはできるわけでございます。したがいまして、所要の公共事業ないしは単独事業の実施等につきまして、事業を実施したときにそのことによって歳入欠陥が生ずる、こういう事態は起こることはない、このように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 経済見通し、財政規模の数字をはじく時期が相当に早いものですから、いまのように経済予測が困難なときですから、私はすでに見通しを誤っているのじゃないかと思っているのですがね。大体われわれの指摘というのは当たってきていますよね、いままでずっと。どうも政府側の予測の方が当たらない。われわれの予測の方が当たってきているように思うのですが、それは別としましても、税収見積もりの誤差はどれくらい一体あると考えているのですかね。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 税収見積もりの誤差という御質問でございますが、ちょっと難問でございまして、税務当局ではじきました時点では、各種の経済指標そのほかの実績を調べまして、これだけが正しく取れる税収、こういうように見積もっておると思いますので、誤差を予測して見積もっているわけではなかろうと思います。ただいま御指摘のように、その後の経済事情の推移、これが予期どおりまいるかまいらないか、これによって実質上の収入は差が出てくる可能性はあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、私どもとしては、年度当初にこうやって見積もりました税収入までの歳入の確保については、あらゆる手段を講じてでも、そこまでは的確に確保できるような措置をとる、こういう決意のもとに財政計画が組んである、こういうことを申し上げたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 五十二年度の地方財政措置は、これは自治、大蔵間で激しい意見の対立があったようであります。結果として両大臣の覚書が交わされたわけですね。まず、自治省は当初どういう主張を持って折衝に臨まれましたか。そして実際に決まった措置は大幅に要求がダウンしたものになっているのでありますから、自治大臣、実際大蔵大臣とやり合われてどこがどう要求と変わったのですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 大蔵省との明年度の財政計画についてあるいは財源措置についての折衝の経過でございますが、まず第一に、地方財政計画の手法を通じまして見込まれました財源不足額、この点につきましては、所要の積算基礎によりまして私どもはじきました数字、これにそっくりそのままよっていただいております。したがいまして、歳入の不足額を査定によって削られたといったような、表現は悪うございますが、そのようなことは全然ございません。  それから第二は、これに対する財源措置でございますが、私どもといたしましては、交付税の措置上、まず最初は交付税率を五%アップをしてほしいという要望をいたしました。それから第二には、相当程度、このような事態でありますから、建設事業費に対する地方債の増額、これはやむを得ないけれども、去年やりましたような、あの四千五百億の財源振替債、単純な赤字債でございますが、これを地方団体に割りつけるようなことは絶対しない、これはもう絶対困る、こういう態度で臨みました。  それから第三点は、地方債の消化を容易にするための諸措置、これを講じてほしい、この中には税法上のマル優の問題であるとか適格担保の問題であるとか、あるいは公庫の改組の問題であるとか、いろいろな問題を含めて要求をしたわけであります。その結果、先ほど申し上げました赤字地方債の割りつけ、これはやらないということが確定をいたしました。それから歳入歳出の差し引き額につきましても完全な意見の一致を見ました。交付税率の引き上げにつきましては、先生御高承のとおりで、五%というアップは実現をしませんで、そのかわり実質三・六ということになりましょうか、臨時的な措置になった。それから地方債の消化問題については、政府資金の増加それから各種の消化対策の具体案、こういうものについてはかなりの意見の一致を見、進んだわけでありますが、公営企業金融公庫の改組問題だけが実現をしないで、そのかわり、公営住宅等へ融資を伸ばすとか、あるいは政府保証債の額をふやすとか、こういうような具体的な措置が決まった、こういう経過をたどっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省の当初要求のものは、一応私は筋は通っていると思うのですね。ところで、この自治省の担当者の一人が「自治研究」の第三号にお書きになっておられるのですが、「公共事業費等の地方負担の増に対しては前年度と同様地方債の充当率の引上げによって対処することも止むを得ないが、それ以外の部分については一般財源の増強によって補てんすべきことを要求した。」とあります。そこで、その公共事業の地方負担増に地方債で対応するというのも、そこから検討してもらいたいのではありますが、それはいま一応別にして、後段の部分、「一般財源の増強」ですね、これは自治省の本音はこう受けとめておいてよろしいのでしょうね。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) そのとおりでございまして、地方債の振りかえ措置をやる場合も、公共事業等のいわゆる建設事業費の裏財源だけに限る、そのほかは一般財源でやってほしい、こういうことで、形式的には、結論的には臨時的措置等になった分もございますけれども、一般財源をもって措置し得たと、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、あれですか、これは大臣にお聞きしますが、五十二年度の地方財政措置は、私はこういう論文を読んでみますと、結果との照応において自治省としてもまあ若干不満な点がある、残っている、決して満足しているわけではない。そうでしょう、自治大臣。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 申すまでもなく、万全の措置が講じられたとは存じておりませんけれども、交付税にいたしましても三・六%税率を引き上げたのと実質においては異ならない措置がとれたわけでございますし、地方債等につきましても、局長が申し上げたような各種の措置をとることができたわけでございまして、当面の状況に対処するためにまずまずということが実行できたのじゃなかろうかと、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 万全とは考えていらっしゃらないと、そこのところを少し頭に残しておきます。  そこで、この覚書の第二項の九百五十億円ですね、この数字の算定の根拠を説明してください。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 九百五十億の算定の根拠でございますが、考え方といたしまして、先ほども申し上げましたように、二兆七百という不足が生じまして、この中で建設地方債、これでもって措置し得る額、こういうものをまず詰めたわけでありますが、御承知のように約半分の一兆三百五十という数字になりました。残りの額を何としてでも一般財源で確保をいたしたいということで、私どもは五%のアップを要求いたしますし、臨時特例交付金の問題、あるいは資金運用部資金からの借り入れの問題、こういうものもかみ合わせまして、何とかして地方交付税の総額を確保するという折衝になったわけでございますが、九百五十億円につきましては、こういった事態を勘案をいたしまして、一つには、前年度でございますが、前年度にも臨時特例交付金の措置等がありました。そういったものとの関連、それから、今回の財源不足対策に対します将来の国のいわゆる返還金負担の問題との関連、こういうこともいろいろ考え合わせましたが、さらに、それとともに、例の利子・配当所得にかかわります住民税の課税の問題、これが御高承のように議論になりまして、何とかして地方団体にこの税収を帰属をさせる方法がないかということを別途研究をいたしておったのでありますが、これが具体的な案が見つからず、かつまたそれに対する対策もぴしゃっと話が詰まらない、こういう状況もございましたので、かれこれそういったものを勘案をいたしまして、九百五十億円はさしあたり現ナマで臨特で交付をしよう、こういうことになったわけでございまして、九百五十億の内訳に細かい積算の内訳があるわけではございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 源泉分離選択課税分ですが、住民税が課せられないということを考慮した分、これは幾らですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) これは、いま申し上げましたようないきさつで、当初は私どもは、これに対応します一定額の譲与額を確定をしてほしいという要求も強くいたしたのでありますが、意見が一致をいたしません。と申しますのは、御案内のように、今回源泉分離課税の課税率が三〇から三五%にアップになったのでありますが、これの実際上の五十二年度の所得も御承知のように四半期分、こういうかっこうになりますし、また、こういったものに対する金額のリンクを正確にどこまでにするということについても、両方意見が合わなかったわけであります。したがいまして、九百五十億円はそういったことも勘案をして設定をされてはおりますが、その中で源泉分離課税分が幾らだと、こういうことは明定をされていないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあ結局、九百五十億を考えてみるとどんぶりだということに自治大臣なるんですよ。実は、きょうの自治大臣と私の質問は、これを踏まえて、この国会、私は大蔵委員なものですから、大蔵大臣とじっくり地方財政問題をやってみたいと思っているので所信についてかなり細かいことを伺っているんですが、どうも、この九百五十億、大蔵の側から聞いてもはっきりしません。いま財政局長から聞いても——まあ、自治省の側は当初主張があった、主張があったけれども折衝の過程でもってどんぶりになっちゃった、こう理解しておいていいですね。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これは仰せのとおりでございまして、一方においては地方財政に対する配慮、一方におきましては住民税において源泉分離を選択した利子、配当等に課税できないという事実をも考慮してということでございまして、数字的に内訳がはっきり区分されておるわけではございません。この点をめぐっていろいろやりとりもあったわけでございますが、結論を得ざるままになっておるというのが偽らざる実情でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ただ、源泉分離課税に住民税が課せられないことの影響を何らかの形で認めたということははっきりしている……。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) それは仰せのとおりだと私は理解しておるわけで、その意味で、この問題は一歩前進しかかっておると、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 財政局長、それの地方への影響の額というのは、聞いたってむだですか。地方への影響額というのは幾らぐらいに計算できるんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 地方への影響額という意味でございますが、今回のこの措置は、いずれにいたしましても臨時特例交付金ということで交付税の額に入ってまいりますので、具体的な財源補てんとしての影響は交付税を通じて行われるということだろうと思います。  それから、もし源泉分離課税分について住民税が課税ができたならという御指摘でございますならば、利子、配当関係の源泉分離分の支払い金額が一兆二千億余りだと聞いておりますので、それに応じた——税率を幾らに設定するかによって決まってこようかと思いますが、それで金額は御推測をいただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまの論議を通じて、ともあれ九百五十億というのは算定の根拠のないつかみ金だということだけはわかりました。  次に、この問題となっている四千二百二十五億円の、何といいますか、奇妙な返済を要しない借金、この数字も財源不足額の四分の一マイナス九百五十億という形だけで、これも積算の基礎のないどんぶり勘定的な数字ですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) これは基礎がないことはないのでございまして、財源措置を一般財源でしなければならない額が、先ほど申し上げました二兆七百億から起債振りかえの額、これを差し引きまして一兆三百五十でございますか、こういう数字に相なったわけでありますが、これを私どもとしてはできる限りたくさん国の責任で将来とも返済そのほかを背負う、つまり実質的に国が支出をする、こういうかっこうをとってくれという主張をいたしたわけであります。この一兆三百五十の半分五千百七十五、この半分までは国が全面的に責任を持ちましょうと、元利ともに責任を持ちましょうと、こういうことに相なったわけでございます。そのうち九百五十億円はことし国が現ナマでくれますので、その五千百七十五億から九百五十億円のことし現ナマでもらった残りの分、これが四千二百二十五になりますが、これはただいま本年度において国が全部背負うことができませんものですから、将来償還に対応して全部国が責任を持ちます、こういうかっこうに相なったわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、この四千二百二十五プラス九百五十億、五千百七十五億は、交付税率に換算すると三・六%に当たるという説明がずっとされているんですがね、何に対して三・六%ですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 五十二年度の国税三税の収入見込み十四兆二千何がしだったと思いますが、それに対してでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 九百五十億円はこの源泉分離課税の住民税の影響を考慮した数字が入っているわけですから、この交付税率を考えるときに、いわば住民税の減収分的なものを考慮するのは理論上おかしくなりませんか。その分は差し引くべきではありませんか。そもそも九百五十億円全体で臨特とするのはおかしいんで、源泉分離課税分は別にすべきじゃないんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) そのような御説もあり得るかと思います。ただしその場合は、この源泉分離課税分に対して地方税制として税制ができ上がる可能性があると申しますか、でき上がった場合については先生おっしゃるとおりだと思いますが、何分にも、最初私どもはこの源泉分離課税に対して、ともかく何らかの方式で課して、地方税として確保したいという主張をいたしたのでございます。たとえば都道府県でまとめて取って市町村に配分をするとか、こういうような方法がないものかといったようなことも税制調査会等にお諮りをしたわけでありますが、どうしても住居地主義になっております住民税、これにぴたっと即応することができないということで地方税制としては無理だと、こういうことから、それならかわりに何らかの財源付与という形態ができないか。そこで譲与等の要求をしたりなんかしたわけでございます。そういういきさつがございますので、税制として勘定をいたさないということになりますれば、積算の基礎三・六の根っこに入る、こういうことに相なろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほど小山議員から、午前中かけて地方交付税法六条の三、二項の論争がありました。私はもう深く触れません。ただ、ちょっと一言だけ確認をしておきますが、「形式論としては、将来の交付税を実質的に確保する措置を法定するのであるから「制度改正」を行ったことになる。しかし、この措置は昭和五十二年度の財源不足を埋めるためにとられた措置のアフタケアーに過ぎず、昭和五十三年度以降に予想される地方財源の不足については何等ふれていない。その意味ではこの制度改正は地方交付税法第六条の三第二項の要件を十分に満たしているものとはいえない。」、これは「自治研究」第三号の論文であります。アフターケアにすぎず十分なものではないと、自治省の直接担当者がお書きになっていらっしゃいます。自治省としてはこの認識をお持ちなのだと私は思うんですが、それは確認しておいてよろしいですね。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 六条の三の二項の適用を考えます場合に、いわゆる恒久的な制度の改正、これをやるべきだと、こういう観点から考えますと、御指摘のようにそれは十分なものだとは言いかねる、こういうことに相なろうと思います。しかし、先ほどから申し上げておりますように、さしあたり当該年度の地方交付税の総額を増額をする特例措置を講じたと、こういう点では制度改正であると、こう考えておるわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いやいや、そこのところを余り強調されるとまたけさの蒸し返しになりますがね。決して十分な措置ではない、したがってことし限りの一時しのぎのものであるから、自治省にとっては今後も六条の三の二項の規定を十分に満たす措置をとる、そのことを義務づけされ続けている、このことは間違いないでしょう。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) それはそのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治大臣、そういうことなんですから、本会議答弁等をよく私お聞きをしておりましたけれども、どうもそこの部分があれですから、いまの財政局長の答弁のところは自治大臣も同じ認識でよろしいですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 恒久的な制度を導入することができますればその方がより望ましい、これは当然のことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、五十一年度と同様に、一兆三百五十億の大きな金が交付税から地方債に振りかえられる。去年もこの点に私ははっきり反対をしておきましたのですが、ことしも同じ反対を繰り返さざるを得ません。  まず、この基準財政需要額から何をどのように落としたのですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 今回の一兆三百五十億、これは公共事業等の建設事業起債だけでございますので、去年やりましたように、基準財政需要額からその他行政費やその他土木費に入っております投資的経費、これを削減をしたのではございません。これは全部復活をいたしました。一昨年までとられておりました、公共事業等に対する財源措置の中から主として事業費補正方式によります投資的経費の交付税算入額、これを落としまして地方債に振りかえたと、こういう措置が骨子になっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この振りかえた分というのは、今後とも地方債で行っていくということですか。それともこれは異例の措置ですか、応急の措置ですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) この点につきましては、昨年の措置のときにも先生から御質疑がございまして、私お答え申し上げた覚えがあるのでございますが、国の財政、地方の財政を通じてそうでございますが、一定の財政規模をこなしていく上で、一般財源のあり方、これがどの程度あるかということでかなり違ってこようかと思うのでありますが、一つの行き方として、建設事業につきましてはさしあたりその負担を地方債をもって充当しておいて、そのかわり、その地方債の償還費を将来かけて財政措置をしていく。これはマクロでもミクロでも両方ともですが、措置をしていく。こういうやり方も地方債という制度を活用するという面では十分意義のあることじゃなかろうかと思うのであります。ただ、その活用の仕方が、ただいまのように公共事業についてほとんど満度に近いまで建設国債を活用するのか、ある程度にとめて一般財源のかみ合わせをやっていくのか、それはそのときの財政状況等によって判断をすべき問題であり、なおかつまた一般論的に言えば、借金が少ない方がいい、こういうことに相なろうかと思うのでございますが、そういう面から申し上げまして、今後、国、地方を通じての財政制度が非常に大幅に改革をされて一般財源がふえてこない限り、ある程度建設公債を活用していくということはやむを得ない、避けられない、こういう事態ではあろうと思うわけでありますけれども、その程度をどの程度にやっていくか、これについては十分慎重な検討が要る問題ではなかろうか、こういう認識を持っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 交付税の算定においてもどうも異例の措置がとられてまいりますね。交付税があるべき行政水準を求めるという趣旨、この趣旨というのは私はどうも失われるんじゃないかと思うんですね。交付税機能が狂ってしまう、そういう危険があるのではないだろうか。どう考えてみましても、ある年突然単位費用補正係数が大幅に変わるというのは変じゃないですか。あるべき行政水準が突然変わるはずはないわけでありますからね。これが地方交付税の算定を通して財政調整財源保障を行うという機能は弱まらざるを得ないというような感じがいたすのであります。ここのところはもう時間がありませんから論議をいたしませんが、私はそう感じます。  で、すべて建設債とされました。これはなぜなんですかね。昭和五十年の十一月十一日のこの委員会で私の質問に対して、現松浦事務次官は、当時財政局長でありますが、弱小団体に五条債の受けざらがないところもあることがわかったので、特例債でないと非常に不公平になると答えておられるのです。それでは五十二年度はこの五条債だけでなぜ大丈夫なのか。状態は前よりももっと悪い。そして、松浦財政局長はいま次官でありますから、このことをよく認識をされているということになれば、現財政局長もそういう思想を踏襲されているということになると、どうも五十二年度は五条債だけでいいという論理にはならぬような気がするんですが、どうですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 恐らくただいまの御論議は、五十年度に起こしました例の税の減収補てん債、これであろうと思います。これは五十年度の当初見積もりました税収だけ税が取れない、そこで税が取れない不足分をカバーするというかっこうで特例債を出しましたので、これは五条債に限りますと、受けざらがない団体でも税が減っておるのに財源補てんができないということになれば不均衡に相なりますので、そういう措置をとったということだと思います。  ことしのこの措置は、年度当初に見積もりました財源不足額、これに対する補てん措置を借金でやります分については、これは本来の地方債の適債事業である建設事業、これに限って借金の財源補てんはやる。残りは一般財源で財源補てんをやる。また、平たく言えば、去年のように四千五百億円の赤字債を出さない、これが健全財政を維持するゆえんであろうと思うわけでございます。したがいまして、これも先ほど御指摘がございましたが、これが、万々一の話でありますけれども、五十一年度にまた当初に見積もりました税収だけ税が取れないという場合があるとすれば、そのときにやむを得ずまた減収補てん債を出す、こういうことで五条債でない財源補てんの方策を考えざるを得ない、こういう事態になって関連づけられようかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、五十年度の決算が出されておりますが、きわめて多数の団体が赤字になっています。これをどういうふうにお考えになりますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 確かに相当の団体が赤字を出しておるわけで、赤字団体の数、県で二十七という状況でございます。どう思うかという御質問でございますが、地方財政の逼迫した状況が如実にこの数字にあらわれておると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地財計画と実態の乖離が非常に大きくて、五十年度補正での措置では不十分であったと思うんですが、それと同時に、地財計画が、単年度ですけれども、毎年赤字がこういう形で出続けるということは、計画からはみ出た赤字が実際には累増していくことになります。この点についてはどういうふうに大臣、判断したらいいんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、毎回、地方財政計画と決算との間に乖離がある、その内容はどうかというような御質問を承り、また御説明を申し上げておるわけでありますが、かなり大きな乖離があることは実態でございます。この乖離の中には、先生御案内のように、地方財政計画の性格上当然乖離があってあたりまえ、異とするに足りないというものも多いわけでありますが、実質的には財政運営に非常に影響を及ぼす分野ももちろんございます。いままで実質上出ておりました乖離、つまり計画掲上をオーバーいたします歳出につきましては、歳入面で、高度成長の時代では税の自然増収あるいは地方債の増加発行、こういったものがございまして、そこそこに賄われておったのでありますが、最近のような実態になってまいりますと、経済の成長度が鈍化をいたしました結果、財政計画に見込みました収入より実際の決算の税収等の増収がたくさん出てくるという事態が非常に狭まってきておるわけでございますので、地方団体の財政運営も、そういう意味では計画外の歳出をこなすという能力にかなり乏しくなってきて、それが実態上の地方財政の運営の苦しさをあらわしている、このように私ども認識をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところが、自治省財政局の人たちのお書きになった「現代地方財政運営論」の一節にこういうのがあるんですね。「特に、最近のように、経済基調の激変により地方交付税制度が地方財政全体の自動安定装置としての機能を十分に発揮できなくなると、地方財政計画はかつての地方財政平衡交付金時代と同様、毎年度の地方財源の総量をそれによって決定する役割を再び負わされるに至っているということができ、その重要性は昭和五一年度から飛躍的に高まることとなる。」となっておりますね。そうしますと、地方交付税は国税三税とリンクすることによって毎年国庫当局との折衝に財源措置がゆだねられる、そういうことを排除しようとするのだが、近年、財政危機を背景に以前のような状態が生じてきて、この本がここで指摘しているような傾向が出てきている。しかし、計画が実態とかけ離れている以上、どう言いますか、こうあってはならないと言わなきゃならないと思うんですね。この点についてどうお考えになりますか。  それが第一点ですが、二点目として、地方財政の財源補てん機能としての地方交付税率をいま引上きげるとすれば、計算上何%引き上げなければならぬとお考えですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 従前の平常な、経常時と申しますか、その場合に交付税率の額が三二%と設定をされており、現行の国税、地方税の配分方式が決まっておる。この全体で見ますと、先生御案内のように、国の財源と地方財源、一般財源ということで分けますと、ちょうど半々程度になっております。こういう事態で国、地方とも財政需要が賄われておりました事態では、非常に財源配分が安定をいたしておりますから、各年度ごとに過不足がありましても、御指摘のように年度間調整機能といいますか、こういうものが働き得たわけでありますが、最近は国、地方を通じての全財源が財政需要を賄うのに著しく不足をする事態がここ一、二年続いておりますものですから、このままでは、配分比率で申しますとどうしても財政計画上赤が出てくる、こういう事態でございます。そこで、財政計画の手法を通じてその出ました赤の額を完全に補てんをさせるという機能を現実的に地方財政計画が持つに至っておりますので、きわめて過渡的、臨時的でありますが、先ほど先生お読み上げになりましたようなことがあるいは言えるのではないか。それは平衡交付金時代のあり方と大変違うと思いますけれども、そういうこともあるいは言えるのではないかと考えております。  それから第二点でございますが、もしそうなれば、地方財政計画が実態と乖離をしておるのははなはだ困るではないか、御指摘のとおりだと思います。しかし、これは乖離の内容でございまして、地方財政計画そのものでは、あるべき財政需要と申しますか、それを財政計画が的確に把握をしておるという限りにおいては、いわゆる国として地方に財源措置をすべき額はそのやり方をもって実施をされていくと、これはまたやむを得ないのではないかと考えております。たとえて申し上げますならば、給与費の算定問題等があろうかと思いますが、これが地方財政計画では国家公務員並みの金額で一応設定がしてある。現実の支払いは若干それより高いわけでございますが、そこまでの差額を交付税の不足によって補てんをしろということはなかなか事実問題としてむずかしいと、こういう問題があろうかと思います。しかし、なおその他の点につきまして実質上の乖離、これが財政計画の不備であるというような点につきましては、これは財政計画を十分直していくべきだと、こういう責務を私どもが負うものだと一このように考えておるわけであります。  それから、不足額を交付税率に置き直したら幾らかというあれでございますが、ちょっとこれは計算のしようがございませんが、ことしの二兆七百億を十四兆何がしで割り返しますと、一四%、交付税だけで埋めるとすればの仮の数字になりますが、一四%アップをしなければならない、こういうことになるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そもそも、地方財政計画の法律的根拠、これは交付税法第七条とされていますが、ここに置かれているということは、六条の三の二項の判断材料とするためですね。計画によって財源不足額を出してくるというのは、計画にそんな権限は授権されていないと私は思うんですよ。計画は閣議了解ですね。この閣議了解というのは、了解とはどういうことなんですかね。計画は国会の議決を必要としない。ただ参考資料として提出するにすぎない。交付税は予算及び交付税法の改正で国会の審議に係るけれども、計画は交付税部分の予算、そこだけが審議されるにとどまる。そこからはみ出した地方債計画についてもあるいは歳出の各項目についても、議論はしてよいけれども、議決には関係がないと。全体としては計画によって財源保障をしていると言いながら、国会はこれにノータッチということに結果的にはなる。国が地方の財源保障をする仕組みをこれほど大きく持っている以上、計画については国会の審議を受け、議決を受けるべきではないだろうか。大臣、いかがでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 先生御案内のように、交付税法七条では、「地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類」と、こういうことになっておるわけでございまして、これを国会に提出をいたしますとともに一般にも公表する、こういうかっこうになっております。これには一定の法的な積算の内容もついておるわけでございます。  そこで、ただいま御指摘のように、ただいまの状況では地方財源が果たして足りるか足りないか、この見込みを判定をいたしますのは、この地方財政計画、これに基づきます手法によって算定をいたしておるわけでございますが、これは平常の事態であります場合には交付税率が三二と決まり、税の配分方式が決まっておるということになりますと、年度ごとに多少の過不足が生じ得るわけでございまして、ともかくこの計画の策定を通じて地方財政の運営が円滑に行い得るかどうか、こういうことを判断する資料だと、このように考えておるわけでございます。したがいまして、この法律に書かれておりますように、国会に提出をいたしまして、御審議の参考、よりどころ、こういうことにしていただく、また一般にも公表して地方財政の状況を知悉をしてもらう、こういうことが使命かと考えておるわけでございまして、現行の七条の規定、これでよろしいのではないかと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと他の問題に入りますから。  大臣、これは不用意な御発言かどうかわかりませんが、参議院の本会議でもあったんですが、二月二十六日の衆議院の予算委員会で、わが党の佐藤議員の質問に対して、けさの小山議員の質疑との関係でありますが、「地方財政だけでなくて、行財政のあり方いかんという点につきましては、地方制度調査会においていま御審議をいただいております。」と大臣答弁されているんですよ。ここは少しやりとりしようと思ったんですが、時間がなくなりましたのでやりませんが、いま地方制度調査会は存在していないんですよ。そこで大臣、いつごろこれは存在させられるつもりなんですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 安定成長下における行財政のあり方をどうするかという問題につきましては、地方制度調査会の御審議も煩わしつつ検討をしたいと、こういうことを申し上げたい趣旨であの折申したわけですが、いまという点にこれは私の間違いがあったかもしれません。これは訂正をさしていただきます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いつごろ発足になるんですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これはなるべく速やかに発足していただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 消防職員関係の団結権問題で少しの時間を割きたいと思うんです。  政府がILOに対してどういう態度をとっているかということをまず労働省に伺いますが、日本は一九一九年国際労働法制委員会に欧米先進諸国とともに参加して、そして二名の審議委員を派遣をして、ベルサイユ条約に関与してILOの創立に貢献した国である。今日においても政労使三者の理事を出している数少ない国の一つであります。したがって、ILOの立場を尊重するというよりも、むしろILOにおいて指導的な立場にある国だとさえ私は考えてよいと思う。これは労働省、どうなんですか。そういうふうにお考えなんですか。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) ILOとわが国との関係は先生のおっしゃったとおりでございますが、労働省といたしましては、ILOの条約、これの批准を進めまして、批准条約についてそれの遵守を図っていく、それが国内的にもあるいは国際的にも重要なことだというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 すなわち、ILOの立場を国の内外において積極的に推進していくべき立場である。ところで、ことしの六月にはILO第六十三回総会が開かれますが、その第七議題は、公務における結社の自由及び雇用決定手続が討議をされます。恐らく来年の総会では条約及びそれを補う勧告の形という最大多数の事務局案になるものと思われますが、日本政府はアンケートでも消極的な態度のようですね。世界の趨勢は、公務における結社の自由を初めとして、諸権利の拡大であるとかあるいは労働条件の確立、拡大という方向にあることを考えますと、ぜひ世界の趨勢をよく見きわめて、日本においても恐らく遠からずこの条約、勧告の批准が迫られることになると思いますので、ぜひ積極的に検討を進めていただきたいと思うんですが、これはよろしいですか。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) 必ずしも労働省の所掌の範囲ばかりとは申せませんが、ILOの本年の総会で議題になりますことにつきましては、関係各省と十分連絡をとって意見調整を図って総会に望むというようなことにいたしておるわけでございますが、先生御案内のとおり、公務におきますいろいろの労働基本権問題につきましては現在いろいろ問題がございますので、長期的観点に立って検討が行われている、そういう背景を踏まえまして政府としてはILO総会に望む、こういうことになろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、消防職員の団結権に関してですが、政府の見解は、仄聞しますと、時間的な前後関係、それから議論された機関の位置などについてはすべて一まとめにしたような、混乱あるいは歪曲をされた見解とでもいいますか、どうもそういうふうに思われて仕方がありません。  まず、問題を限定して、事実関係を確かめていく形できょう質問を少しやりますが、一九七三年二月のILOの条約・勧告適用専門家委員会はオブザベーションの形で消防職員に団結権を与えることをホープすると表明しましたわけですけれども、これはもちろん確認できますね。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) 一九七三年の条約・勧告適用委員会で、消防職員の団結権の問題につきまして八十七号条約第九条に基づいてこの種の労働者を除外することを正当化するような性格のものであるとは考えない、したがって、本委員会は政府がこの種の労働者についても団結権が認められるよう適当な措置をとることを希望する、という意見を出したことは先生のおっしゃるとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、この「希望」ですが、この希望が同年六月の総会の委員会にかけられたわけですが、そこでは、日本の国内では公制審で審議中であり、同時にILOの場では、結社の自由委員会にこの問題が労働側から申し立てが行われたので、結論はILOの場としては結社の自由委員会に任せられた。同年九月の公制審第三次答申では、「当面、現行制度によるものとし、今後のILOの審議状況に留意しつつ」、これらの組織上の問題の解決とあわせて「さらに検討するものとする。」と、「ILOの審議状況に留意しつつ、」ということで前田試案によって妥協の表現となったわけですね。ここまでは確認できますか。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) 公制審の答申の件は先生のおっしゃるとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その後、同年十一月、ILO結社の自由委員会は、消防職員の団結権について専門家委員会が団結権を認めるよう希望していることを指摘したわけです。これは確認できますね。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは政府側によりますと積極的な肯定ではないというような言い方も耳に入ってくるんですよ。私は積極的な肯定でないのも当然だと思いますが、これは、条約の解釈はこの専門家会議の仕事だからなどの理由ですが、それはさておくとしても、結社の自由委員会で否定したわけではない。したがって、条約・勧告専門家委員会の希望、これは消防職員に団結権を与えるべきだという希望、それはどこでも否定されずに存在をしている。このことも確認できますね。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) 先生もう十分御承知のとおりなんでございますが、専門家委員会のそういうような見解が出されたことは事実でございますし、それが公式的にどこかの場で否定になったということもないと思いますが、ただ、先生も御承知のこととは存じますが、結社の自由委員会自体はすでに第十二次の報告なり五十四次の報告におきまして、消防職員につきましては警察と同視し得るという立場で見解を明らかにしておりまして、こういう前提に立って例の八十七号条約批准ということをもいたしたわけでございますが、その後先ほどの専門家委員会の見解が出てきている。で、政府はその後条約の適用状況につきましてILOに報告を出しておりますが、その際に、わが国の消防の歴史的経緯とかあるいは建築事情——家屋が非常に密集しておるという建築事情、あるいは消防職員の職務の性質、権限、そういったようなものから見て、わが国の消防というのは八十七号条約九条にいう警察と同視すべきものであるというようなことを報告いたしておるわけでございます。で、ILOにおきましてもそういったようなわが国の報告は一応理解を示しているというふうに私ども考えておりまして、その後そういったような報告をいたしましても、特段のコメントをILOが加えていないというのが現状であろうかというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私も、きょうの討論というのはILOに資料として提出をいたしますが、七五年の総会の条勧委では、専門家委員会の希望を受けて、「専門家委員会の意見に応じるよう要請する。また、委員会は、総会の次の会期までに、それらの問題についてなされた進展を評価することができることを希望する」。これは審議経過を含めて見ますと、消防職員の団結権が案件に上っているのでありますから、当然に、消防職員の団結権についても七六年の総会までに専門家委員会の希望に応ずる形で、すなわち団結権を認める方向で進展を図られたいということでありまよう、素直に読んで。政治的な性格をも持ち、その場の議論の流れによって影響を受ける総会の条勧委員会でこの結論が出されたということは、ILOの判断は明白だということであって、政府が言うように、消防職員の団結権問題に言及しなかったということでは決してあり得ない。逆に専門家委員会の希望に応ぜよということである。もし政府が望むようなILOのこの結論を得るために言及しないとか、あるいは現実には言及していると同じでありますが、消極的であるとかでは、これはもう全く足らないと思うのですね。専門家委員会の希望が否定されない限り、希望は残っている。したがって、その希望に沿ってアクションを起こすべきは政府の方なんですね。これは総理府、そうじやありませんか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 総理府の人事局といたしましては、先生からございましたように、四十八年九月のいわゆる公労使三者構成の委員会でございますが、その全会一致をもちまして、団結禁止についての事項につきまして、「消防職員の団結禁止については、従来の経緯にもかんがみ、当面、現行制度によるものとし、今後のILOの審議状況に留意しつつ、さらに検討をするものとする」、こういうことでございまして、私の方では幾つかの答申をいただいておるわけでございますが、その中で大きく分けますと三つに分かれるわけでございますが、まず第一は、運用によって処理すべき事項というのが幾つかございます。これは答申後、直ちに各省庁に周知徹底いたした次第でございます。第二のグループが、具体案の作成に努力すべき事項ということで、登録制度と法人格の分離の問題、また、登録取り消しの効力発生時期の問題、第三に、管理職員の区分についての規定の整備ということでございまして、これにつきましても幾たびかの会議を開きまして、五十年の通常国会に提出したのでございますが、昨年の臨時国会で廃案となり、本年さらに公務員問題連絡会議を開きましてこれを今国会に提出したという次第でございます。次が第三のグループでございまして、引き続き検討すべき事項——この中に幾つかございますが、その一つが、いま御指摘の消防職員の団結権の問題でございます。  そういったカテゴリーに分けて私の方は公務員問題連絡会議におきましては討議いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 分けたカテゴリーがそのまま取り扱い順位になるという論理では実は困るのでして、それは後ほどやります、国内の問題として。  もうちょっとILO問題を続けますが、政府は、専門家委員会のオブザベーションは唐突に出てきたもので大変奇異な感じがする、そういうような発言をしている模様であります。しかし、専門家委員会は、言うまでもなくILO基準が加盟国で現に適用されているかどうかを監視する機関であって、各政府からの報告をもとにして専門的に純粋に法律的に検討をすることを任務とするわけですね。その意味で、結社の自由委員会とは全く性格を異にする機関ですよ、これは。政府は総会の場で、専門家委員会が一九七三年になってこんなことを言うのはおかしいということを言っておりますがね、全く見当違いでしょうこれは。監視機関によって解釈が出され、希望されたわけですから、ILOの判断はもう明白なわけです。また専門家委員会では、団結権について、六十八年、六十九、七十一年、七十三年と検討して、そして六十九年からは政府に消防職員の団結権について情報を送れと言ってきています。かつ、七十三年は非批准国まで含めた検討を行うという総括的な検討に至ったわけでしょう。また、日本から出ていらっしゃいますね。出ていらっしゃいました元最高裁長官の横田喜三郎先生も、帰国のたびに、専門家委員会は団結権を認める方向にあると言い続けられてこられました。私はこれは日本の最高裁長官まで勤められた方でありますから、大変権威のあるものだろうと思うんです。政府が言うような、数で押し切ったような形の有権解釈とは、これ事を相違するぐらい私は大変有力な意見だと思うのです。権威があるだろうと思うのです。この機構上及び時間的経緯からして、唐突でも奇異でも何でもない、そう私は考えていますが、これは労働省そうでしょうね。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) 条約・勧告専門家委員会につきましては、法律的な専門家の方から構成されておりまして、非常に権威ある委員会だということについては私どももそう考えております。  ただ、先ほどもちょっと申し上げましたように、この消防職員の団結権に関しますILOの見解というものは、時間的にもいろいろ変わってまいりましたし、またこの条約・勧告適用専門家委員会の意見が出された後におきまして、私どもが結社の自由委員会に条約の適用状況報告をいたしまして、そういったこともある程度影響があったかどうかわかりませんが、その後、結社の自由委員会でこの問題について特段のコメントを加えていないというような形で、ILOの見解にはいろいろ変化なり変遷が見られているということもまたあろうかと思います。  特に最近では、先生お話しの、わが国のその後の状況について通報してほしいというようなことは言われましたが、内容にわたってのコメントはなしにきておりますので、時間とともにILOの見解も変わっている面もあるのではないかというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 専門家委員会の希望というのは、トラスト、アージよりは何か弱い表現でありますが、それより全段階的な意思表明、意見表明であるこのダイレクトリクエストに記載をしていない、そういう直接の要請よりも強いものなんでしょうね、これは。それはどうでしょう。

関英夫労働大臣官房審議官

○政府委員(関英夫君) 非常に正式なものというふうに理解していいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは横田先生によると、「ILO条約・勧告適用専門家委員会に出席して−特に第八十七号条約を中心に−」という「世界の労働」の七十三年八月の月例研究会での報告でありますが、「これで八七号条約に関する限り、最終的な意見が出されたのではないかと考えます。」と述べられて、そして、「消防職員については」団結権を「当然認めるべきだというのが専門家委員会の見解であります。」と述べられている。そして、「日本政府は、一九七五年に報告を出さなければなりませんが、日本側の意見や説明はすでに終わってしまっていますから、さらに説明するというのでは十分でなかろうと思います。」と言っておられるわけですね。すなわち、アクションを起こすべきは政府だ、こう言っているんですが、自治大臣どうです、この辺でもうアクションを起こされませんか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これは改めて先生に申し上げるまでもないことでございますが、条約を批准する当時、結社の自由委員会において、二度にわたって警察と同視すべき職務だという決定がなされ、理事会に報告されておる、そういう事実を踏まえて批准をしたという経緯もございます。その後、条約・勧告適用専門家委員会から異なる意見が出されてきておるわけでございますが、この第三次の公務員制度審議会において、先ほども発言がありましたような趣旨の答申がなされておることでございまするから、いま少しこれは慎重に検討の上で結論を得たいと、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 検討をされるという意味でのアクションを起こされると、それはそういう意味ですかな。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 当面現行制度によることといたしまして、研究を続けておると、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 このILOの見解というのはほぼ定まった形で明らかなのであります。先ほど来若干時間をかけて申し述べましたが、横田喜三郎先生がおっしゃるとおりでありますし、機構上も各機関の追認を受けたのであると私は思います。この事実関係は動かしようがない。これを動かすには政府が働きかけるべきであって、労働側の方はアクションがさらに必要であるとは考えません。ILOの見解が希望の形で出され、それが存在している以上、日本は対応すべきでありますが、その場は現在公務員問題連絡会議であると思うのですが、それはそうですが。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 先ほど申しましたように、引き続き検討すべき事項の一つでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 場所は公務員問題連絡会議ですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところが、この公務員問題連絡会議ではただの一度も取り上げられていない。いま言われましたように、第三グループに閉じ込められたままなんじゃないんですか、これは。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私の方といたしましては、いわゆる具体案の作成に努力すべき事項ということに現在まで全力を注いでいることは事実でございますが、しかし、引き続き検討すべき事項というものに全然手をつけていないというわけではございませんで、幾つか問題がございます。たとえて申しますと、いま御指摘の消防職員の団結権の問題、あるいは非現業職員について交渉不調の場合等における調整等の方法、第三には刑罰規定の再検討、この三つの問題につきまして、課長レベルにおきまして十数回検討いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうです。事務局レベルであったとは開く。しかしながら、公務員問題連絡会議であったとは聞かない、それは私の方が正しいでしょう。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 公務員問題連絡会議、先般もいたしましたが、この席におきましても、現在までの課長レベルにおいてこの三つの問題について検討いたしておるという中間的な報告はいたしておりますが、それぞれの問題につきまして、非常に重大な問題でございますし、さらに具体的に、専門的に検討を進めているということにいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、その年月日はいつですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 一番最近は、正確にはちょっと覚えていませんが、本年の二月の下旬だったと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは後ほど正確な年月日と、そして供せられた議題ですね。資料で下さい。いま課長がどういう検討をしていてどうなんだという報告をしたと言われた、その年月日。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 正確な日にちは本年の二月二十四日でございます。この日の議題は、今国会の、先般廃案になりました二つの法案、いわゆる法人格付与の法案と、国家公務員法及び地方公務員法の一部改正法案、この二つを議題といたしたものでございますが、正式の議題はそうでございますが、いま申しました問題については、口頭におきまして、引き続き検討いたしておりますという中間報告をいたしただけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いずれにしましても、まあ公務員問題連絡会議ではただの一度も正式には取り上げられていない。事務局レベルにおけるところの検討が続いていますからという程度のものでしかない。私は大変解せない、怠慢である、そう思うのです。政府は公式的にこの問題は後回しだと言っているのですね。しかし、スト権や公企体の問題と、いま第三グループと言われたが、消防職員の団結権とは私は問題の次元が違う。対象とする人たちも違う。権利の回復に後も先もないのでありますから、もっとこれは真剣にやられるべきだ。政府の態度というのはそういう意味では納得ができない。その意味で、きょうは総務長官に来てもらってと思ったのですが、官房長官を臨時的に仰せつかっているのでというようなことでまあ許したのですけれども、ILOの希望はもう明確なんですよ。先ほど来申し上げたし、あなたもそう認識されている。政府は、希望よりもさらに強く、トラストなりあるいはアージとなるまで、さらに強く、何と言いますか、働きかける、そういうILOの指導的な立場にある日本の態度としては、どうもこの問題に関する限りにおいては恥ずべき態度である、私はそう思いますよ。ともかく怠慢であることだけは明らかだ。一番考えなきゃならぬのは、アメリカ軍がああいう形でもって沖繩を支配をしているとき、そのもとにおいて消防職員は団結権が保障されていたのですよ。ところが、沖繩県が祖国復帰をしてきた。してきたとたんに、地方公務員法でもって、団結権を持ち、それはストライキこそ良識的に打たなかったですが、団体行動権を保持して運動をしておった沖繩の消防職員が、結果的には地公法に縛られて、そして非団結の方向にいってしまっている。これはもう現実存在する問題ですね。そうすれば非常に早い解決を急がなきゃならない、順位から言っても、そういう性質のものですよ。軍政支配のもとにさえ団結権を持っておったのに、民主国家であると言っている日本において団結権がない。これぐらい実態的に論理の矛盾はないですよ。ここのところはやっぱりもっと忠実に、自治大臣、ながめてみなきゃいかぬと思うのですよ。現状のままに置いて検討を加えていくんですということでは、私はもうそんな時間的な余裕があってしかるべきものではない、そう思います。どうですか、これ。もっとスピードを上げられる、そういうおつもりは総理府にありませんか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私の方といたしましても、この問題の重要性ということは十分承知いたしておりますが、何分限られた人員、限られた能力でございますので、まず私どもといたしましては、答申にもございました、早々に具体案の作成に努力すべきことという御指示のございます問題をまず片づけて、第三のグループに入りたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはもう何遍も言いますがね、次元が違うんですよ。問題を片づけて——一方では運動がある、運動があるからそれを受けて立って問題は片づける。片一方は泣き寝入りしている、何にもできない、そのことをいいことにして権利を無視している。全く逆じゃないですか。本来与えられなければならないところのものに対して、その者たちがいまとにかく黙していなければならない立場に追いやられている者をこそ、順位的に言えばもっと早くスピードを上げて対処をするということ、そのことの方が必要じゃないですか。そんなお考えになりませんか。限られた人数でありますから、能力がありませんから、基本的な権利の問題はいつまでもほうっておいてよろしいんですと、そんなことになりますか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私は、ただいまも申し上げましたとおり、事の重要性ということは十分認識しているつもりでございますが、何分、答申にもございます検討すべき事項というのと、具体案を作成すべきであるという事項でございますれば、やはり具体案を作成すべき事項というものにまず取りかかっていくべきだと考えて、またそのつもりで現在まで対処してまいりました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと簡単に一言聞きますがね。アメリカの軍政権下では団結権があった。いまの日本ではその人たちにない。祖国復帰したがゆえにない。このことについてどうお考えになっていますか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) そのことは私も十分認識いたしておりますが、先ほど、くどいようでございますが、公労使三者構成で、その全会一致で御答申をいただきました答申の処理ということに、私たちといたしましては全力を尽くしてまいったつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 したがって、私はそういう答弁になるだろうと思うから、ILO条約問題の国際的な見解について、先ほど来ずっと話を煮詰めてきているんですよね。その前提というものをやっぱり十分に尊重して作業は急がれるということに理解しておいてよろしいですか。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 私の方といたしましては、したがいまして、課長レベルでございますが、この問題につきましては他の検討すべき事項とともに、検討ということにつきましては決して放置しておるものではございませんで、ずっと引き続き検討をいたして今日に至っておりますし、今後もこの問題については検討を進めていくつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 検討を進めていかれるのを否定はしませんがね。とにかく人数が足りなくて能力がないから遷延せしめているのだという答弁は、これは受けとめるわけにいきませんからね。それは能力以上のものを期待をしたってどうしようもありませんと言われればそれまでかもしれませんがね。やっぱり対応するのにもっと積極的な姿勢でもって臨まれるべきですよ。それはそうでしょう。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 繰り返すようでございますが、私どもといたしましては、この問題については引き続き検討をしてまいります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 引き続いて検討をしていって、いつの時期に結論を出されますか、そう言うんなら。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) この問題につきましては、消防職員の団結権、これはまずやはり自治省消防庁の方とも十分打ち合わしていかなければなりません。たとえて申しますと、刑罰規定の再検討、これにつきましては、やはり法務省の方と十分に打ち合わしていかなければならないと同様に、やはり関係省庁と十分に打ち合わせていかなければなりませんし、また第二の交渉不調の場合における調整等の方法につきましては、人事院とも十分に打ち合わしていくということでございまして、この三つの問題、いずれもきわめて重要な、大切な問題でございますので、いずれをも決して放置しているというわけではございません。引き続き今後も検討を重ねてまいります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そのために公務員問題連絡会議があるんですからね。それは横の連絡が当然あることはわかっているのであって、答弁になっていませんよ。  したがって、どんな時期までにやるんですか。引き続いて検討いたしていきますなんて言って、それはもう何年たったって検討を続けているというようなことじゃ話にならぬわけですから。あなた、きょうは総務長官代理なんですから、役人としての枠を離れて、もっと答弁の仕方があるでしょう。

秋富公正総理府人事局長

○政府委員(秋富公正君) 御指摘でございますが、何分いつまでに結論を出すということには余りにも事が重要でございますし、また、いろいろと従来までの経緯のある事柄でございますので、鋭意検討してまいりますが、いつまでということにつきましては、まことにいわゆる答弁になりませんかもしれませんが、お答えできかねます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは自治大臣、いまのことを繰り返しておっても仕方ありませんから、総務長官ともう少し協議を煮詰めていただいて、やはり一定のめどというものを明らかにしていただきたいと思います。きょうここでということはなかなかこれ以上無理でしょうから、後ほどそういう御返答をいただけますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 総務長官と協議をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法制局にお尋ねいたしますが、地方公務員法第五十二条の五項なんですが、「警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない」、これは、目的としかつ当局と交渉する団体を禁じていることはわかります。これは、目的を持つだけでは禁じることはできませんから、当局と交渉する団体を結成してはならないし、そういう団体に加入してはならない、こう言っているわけですね。

角田礼次郎内閣法制次長

○政府委員(角田礼次郎君) 地方公務員法五十二条の五項はいまお読み上げになりましたとおりでございますが、一口に言えば、いわゆる労働者団体というものを警察職員あるいは消防職員が結成をしたり、それに加入してはならない、こういう趣旨であろうと思います。したがいまして、労働者団体に当らない団体であってなお職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とする団体が、現実にあるかどうか知りませんが、そういうものがあるとすれば、それは法律上は禁止されていないということになると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ということは、つまり消防職員が懇談して話し合っている間は交渉団体ではない、そういう間は常識的に言って団体交渉を行う団体とは言えない、でいいですね。

角田礼次郎内閣法制次長

○政府委員(角田礼次郎君) 私は実態を余りよく知りませんので、直接のお答えにはならないかもしれませんが、この規定を設けましたときの考え方をちょっと御参考までに申し上げたいと思いますが、実は、私事にわたって恐縮でございますが、私、地方公務員法律案の当時の責任者であったわけですが、そのときに、現実にそういうものがあるということではございませんでしたけれども、頭の中で描いたものとしては、当時勤務地手当の級地の引き上げというのが非常に盛んに行われていたというか、その運動が盛んに行われていた。これは和田委員も恐らく御承知だと思います。そういう団体は、これは東京へ行って陳情をしたりいろいろする。そういう団体で、恐らく理事者も入っていたんじゃないかと思いますが、そういう団体までを、仮に警察職員や消防職員がそこへ入っても、それはいけないというわけにはいくまいということで、わざわざ「かつ」ということを入れまして、そういうものは労働者団体ではないということで、そういうものを禁止しないようにしたいというの、が一つございました。  それからもう一つは、これは全く架空といいますか、頭の中で描いた例でございますが、地方公務員労働研究所というようなものを職員がつくっていろいろ研究をする、勤務条件の維持改善について研究をする、そういうものが仮にあるとすれば、それを禁止するのはおかしいというようなことをまあ一応頭の中では描いたわけでございます。  ただ、いま申し上げたことは公的な場所で申し上げた記憶はございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 記憶はございません、ですか、最後のところは。ございます、ですか。

角田礼次郎内閣法制次長

○政府委員(角田礼次郎君) 立案当時にそういうことを申し上げた記憶はございません。国会答弁としては申し上げませんが、頭の中ではそういうことを考えておりました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私も、あなたが新潟の総務部長に出かけられる前にそういうような意見を述べられているのを耳にした当事者の一人でありますから……。  もう一つは、やはりあなた自身がお書きになったものの中に、「地方公務員法精義」のあなたの著は、明確に、「社交的又は厚生的な目的をもつ団体を組織することはなんら差支えない。」と、こういうふうに「精義」でお書きになっていますが、これも生きていますね、この解釈。

角田礼次郎内閣法制次長

○政府委員(角田礼次郎君) その本は、その本のはしがきにも書いてございますように、公的な見解を示したものではございませんけれども、私自身が当時そういう気持ちを持っていたことは事実でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 団結権の回復が必要だとたとえば話し合う、そういう話し合いの会合が消防職員の中である、また当局と交渉をするということになればこれはまあ抵触しますが、そういう形で研究を自由にする会議がある、これまでは抵触はしませんね。

角田礼次郎内閣法制次長

○政府委員(角田礼次郎君) 当時私どもが考えましたのは、勤務条件の維持改善を図ることを目的としながら、自分たちは交渉はしませんというようなことを、はっきり、広い意味の職員の団体がそういうことを言いだすということは余り実は予想しておりませんでした。しかし、確かに御指摘のように、純粋に研究だけをやるということを私どもはやるんだということを主張する団体があれば、それは禁止しているとはとても言い得ないと思います。実態の問題については、私いま現場を離れておりますから御容赦願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どうもありがとうございました。  消防庁は、消防課長名で、都道府県を通じて消防職員の動向を監視するように求めた妙な通知を出されているんですよ。これは長官は御存じかどうか知りませんが、「特異動向等を覚知した場合は、」と、まずむずかしいんですがね「覚知した場合は、貴職において状況を把握のうえ、速やかに当庁あて御連絡下さるよう重ねてお願い致します。昭和五十一年十二月二十四日 消防庁消防課長」発です。で、交渉する団体を禁じているのでありますが、「特異動向」というのは大変妙な言葉ですよ。ともかく、消防職員が何をやっているか知らせろというわけです。これはけしからぬじゃありませんかね、こんなのは。こんな情報集めは果たして消防庁の仕事なんですか。これは大臣、もしおやりになるのなら——公務員部長さっき見えていたが、自治省公務員部などがやったというんなら話はまた一けしからぬことはけしからぬですが、仕事の分担としてはなるほどそんなこともあるのかなあと思うのですがね。権限から言って、消防庁が防災課を通じて時間外などの活動を含めて監視するというのは、これはとても許せないと思うのですね。これは調査の上、私が述べていることが至当であり、いま法制局と私のやりとりを十分認識をされて、そのことが政府の有権的な解釈なんですから、ここの部分は撤回をされるのが至当だと思いますが。

林忠雄消防庁長官

○政府委員(林忠雄君) 先生の申されるようなその特異な意味があるわけでもございませんのですが、もちろん、先生十分御承知の上で御質問なさっていらっしゃると拝聴しておりましたのですが、まあ昨年来、一部の職員団体において、この消防職員の団結権問題を非常に重点的に取り上げていろいろな動きがなされているということでございます。御承知のとおり、現行法では消防職員には団結権は認められていない。これに対して、これを回復せよという主張があることもまた十分承知しておりますので、そういう実際の動きの状況を私たちとして知っておくという必要はあるだろうと。それから、現実に実際の動きの状況がどうであったかということを、その消防を所管するそれぞれの地方団体の当局者に情報を提供していくことも必要だろうと、そういう意味で、そういう趣旨の文書と申しますか、内簡ということで各都道府県にお出ししたわけでございます。特に監視をするとか、そういう不穏当なつもりは毛頭ございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 「特異動向等を覚知した場合」というのは、これはずいぶん意味深長でありましてね、ここのところは。とにかく、いま法制局次長と私がやりとりしたことに抵触をする部分があった場合には、そこの部分については明確に撤回をされる、こう理解をしておいてよろしいですか。

林忠雄消防庁長官

○政府委員(林忠雄君) ただいま法制局の当局と先生のやりとりなさいましたのは、法律の解釈として法制局のおっしゃるとおりだろうと思います。しかし現実には、条文に表現しただけの言葉どおりに物が動くとは限りませんので、実際はその実態をよく見きわめなければいけない。現在、現行法にあります法の規定、この規定についての批判なり反対意見は十分あると思いますけれども、現行法で団結権を禁止なら禁止しているその趣旨から見て問題があるような動きであれば、やはりこれにはそれ相応の考え方をもって対処しなければいけない、これは法の運用に当たるわれわれの仕事ではないかと存じます。ですから、法解釈として、完全に交渉ということはしないでも、親善を目的にし、あるいは研究するだけの団体であればいいというのは間違いないのでございますけれども、果たして何らかの動きが、本当にその範囲にとどまっておるか、あるいは現在、法の禁止している趣旨を逸脱すると申しますか、それに対して問題が生ずるようなものであるかということは、やはり常々注意をしておかなければならない、こういうつもりでお出しをしましたし、今後もその観点から決して不穏当なことはいたすつもりはございませんけれども、ただ法の解釈のみによってということには、やはり運用の実態ではまいらない点があるのではないかと承知しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法の趣旨を逸脱しないものである限りにおいてそれに干渉がましいことはやらない、これは当然のこととして受けとめておいてよろしいですか。

林忠雄消防庁長官

○政府委員(林忠雄君) 全く逸脱するものでない限りは、干渉する必要性もなければ意思もございません。現実の動きが逸脱するようなおそれがあるかどうかということはよくわれわれも見ておかなければいけないことだと存じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、消防白書の二百六十五ページですがね。この団結権問題について、実はここにこう書いているんですね。「消防職員については、地方公務員法によって団結権が禁止されているが、昭和四八年に入って国際労働機構(I・L・O)内部の審議で日本の消防職員の団結権問題についての意見が出され、また、公務員制度審議会での検討が重ねられた結果、同年九月三日の答申では「従来の経緯にもかんがみ当面現行制度によるもの……」とされた点を勘案すれば、使用者としての市町村において、消防職員の処遇の改善には一層の配慮をしなければならないものと思われる。現下のきびしい地方財政状況のなかにあっては、その実現も容易ではないが、地道に取り組み努力していく必要があろう」。これは公制審の答申を半分だけ都合のいいところだけを書いているんです。ILOの審議状況の推移を見ながらというところはなくて、公制審が結論のように書いていらっしゃるんですね。自治大臣、これはここの部分は先ほど来ずっと論議してきましたから、消防白書という政府の公式文書がこのような間違ったといいますか、一部削り落とした、そういう人に誤解を与えるような記述をしていてはおかしいと思うんです。これは将来にわたって訂正をされるべきである。

林忠雄消防庁長官

○政府委員(林忠雄君) これは、実は先生の御指摘のように、わざわざ都合の悪い部分を後で隠したということでは毛頭ないのでございます。この件のいきさつは知る人はもちろん知っていると思いますけれども、ここに書いている趣旨は、「当面現行制度による」、つまり団結権は禁止されており、自主的な交渉もできない、そういうものに対する待遇改善をだから市町村長は考えてやらなきゃいけない、これを強調する意味で書いたわけでございます。むしろ、当面現行制度によるものとすると言っている以上、今度は使用者としてはよく考えてやってくれということを強調するので、自然にその後の半分が消えただけでございますので、公制審の答申がどうであったかというような情報はもう全文を流しておりますから、その点御了承いただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 各地で、実は消防職員の動きとの関連で、警察、自治省の干渉がかなり激しいんですよ。時間の関係もありますからあれですが、たとえば福井県下では、警察官が菓子折りを持って消防職員の家に様子を聞きにいく。家庭訪問している。一見きわめて低姿勢ではありますが、家庭訪問された方はたまったものではない。調査されたのではないだろうか。社交的、厚生的会合で話し合ったことまで聞き出されるというのでは困る。これは何の目的で調査されているんですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 福井県の事例をお挙げになったわけでございますが、その具体的事例については私たちは存じておらないわけでございますけれども、消防職員の団結権の問題につきましては、すでに御存じのように自治労として大変力を入れておるところである。これはすでに運動方針でもはっきりと書かれておるところでありますし、またそれの具体的な行動として、もう一昨年になりますか、春闘共闘委員会名義でビラをつくって、フランスの警察官にはスト権がある、日本の警察官もスト権を奪還せよというような文句も書いてあるわけでありますけれども、それを各警察官に配るといいますか、個々の警察職員にも働きかける、こういうようなことでありまして、そういう実態が一つございます。  それを離れまして、警察と消防とは大変緊密な関係にあり、また緊密に仕事をしなければならぬ、こういう関係にあるわけでございまして、現行法のもとで団結権が与えられておらない、それに立法論としてのいろいろな考えがあってしかるべきと思いますけれども、現行法がある中でそういうような働きかけが消防職員並びに警察職員にもあるというような事実にかんがみまして、当面はただいまお話しの消防職員の団結権問題ということについて警察としても十分に関心を持っておる、こういうことであるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 関心をお持ちになっているのまで否定はできませんし、あるいは自治労という労働団体が世界的な徴候を、ILO条約の専門家委員会との関係においてこれまたいろいろの表現をすることも、お互い干渉することはできないと思いますね。  ただ、いま言われましたように、関心を持っている段階ではなくて、たとえば山梨県下では、二月の三、四日に年休をとって自治労消防職員懇談会に出席した人間がいないかどうか、警察から依頼によって消防管理者が調査をする、こんなことが起きているのですね。あるいは、けさほども通告しておきましたが、佐賀県下では、これは署の名前までわかっておりますが、警察の指示に基づいて、消防長から全職員に団結権問題等についての話し合いには応じないようにという、そういう訓示がなされておる。あるいは島根県では、警察の公安が市の消防長を訪れまして、自治労の運動方針についてどう考えているのか、自治労からの実態調査には応ずるなと言った、これに対して消防長は、法律違反のことはしないと、これはしっかりしていまして、警察の頼みに応じなかった。そうして自発的に自分の判断でもって処理をされるということをやられておる。  私はいま局長が答弁されましたように、関心をお持ちになるのは職務でありましょう、一部でありましょう。関、心をお持ちになることまで否定はいたしません。それを通り越して、具体的にいま申し上げたような形での消防職員に対するところの折衝があるということになれば、これはやはり行き過ぎではありませんか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) この問題について関心を持っておりますので、それぞれの県警察におきまして、自分の県内における消防の問題はどうなっておるかということについて関係のところから話を聞く、伺う、こういうことはやっておるわけであります。もとより警察がいろいろなことについて事情を知り、情報網といいますか、そういう活動をしなければならぬわけでございますけれども、どこで違法にわたるとか、不法にわたるとかいうことのないように極力注意をして活動をやるということについては当然のことでありますけれども、関心を持っておる事項について関係の人たちから話を聞いたと、こういうことであろうというように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たとえば菓子折りを持って家庭訪問をされながら事情を聞くなんというのはね。しかもいまあなた方の集会といいますか、集いは、いわゆる組織になっていませんから、どんなことが語られているというようなことまで一々調べられるということになっら、それは警察と消防という関係においては密接な関係がある、しかし、消防署員甲が家庭に帰って家庭人となったときに警察官が訪れてくるという、それとの関係においては、日本の警察官というのは余り信用されていませんから、大変こわいものの存在にしか思われていない。それは警察行政が大変いままである意味じゃお粗末だったからそうなっている。そういう精神状態というものを頭の中に描きながら調査活動が行われるというようなことになれば、これはゆゆしい問題ですよ。したがって、そこのところは十分にお考えになりませんと、これはこういう事件が続発をしていくということになりますからね。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) もとより、目的が正しくても、その手段、方法というものもまた妥当でなきゃならぬということでありまして、具体的な事案それぞれについて問題がないような、迷惑のかからないような、そういう方法でやるべきものというふうに心得ております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃILO関係、消防関係は終わります。  自治大臣、地方事務官の身分移管問題で、この委員会を通じて若干の意思の統一を図りたい。  昭和五十一年三月三十一日をめどとして地方事務官制を廃止をして、これを地方公務員とするよう努めると、衆参両院の地方行政委員会が決議をいたしました。その昭和五十一年の三月三十一日は、この問題をめぐるさまざまな経過の総決算の日と考えられたわけです。この決議というものが、一政党、一利害関係者の意思にとどまらなくて、地方行政に深いかかわりを持つ全国会議員の意思として確定をされた、しかもたび重なる国会答弁によって政府の意思としてもこれは認知された、そう考えられた、いわゆる三月三十一日というものが明確に一つの区切りだというふうに考えられたのは、そういう意味で当然だったんです。そこには、非常に長きにわたってきた「当分の間」という懸案の問題も解決されるのではなかろうかという、そういう考えもありました。  しかし、この期待は完全に裏切られました。昭和五十一年三月三十一日をその会期内に持った第七十七国会は、政府は地方事務官制の廃止を内容とする法案を提出することすらできなかった、そればかりか、その準備の段階ですでに挫折をしていたわけですね。このことは心ある多くの人々に失望をもたらしました。これは、私たちの側が取り上げるから何か野党の得意の問題だとお考えになってもらうと非常に困るのでありまして、この国の明治以来の官制機構というものを十分に御認識になっている与党の多くの方々がわれわれと同じ論理に立たれているわけですから。あの時点で解決できないのなら当分だめなんじやなかろうか、そういうあきらめの声さえも聞かれました。  だがしかし、事、地方事務官制の問題に関する限り、正当性は明らかに廃止して地方公務員への身分移管をするという側にあります。たとえ官庁のセクショナリズムが異常に強いものであるからといっても、この明白な正当性にいつまでも抵抗し続けられるものではないだろう。確かに厚生省などからは、追い込められた、追い込められたという声が聞こえました。そこを切り抜けるには、あるいは策略を用いるという形のことで何々試案というようなものが用意をされて、目をそこに持っていくことによって混乱をさせておいて、結果的に成案を得させないという策略も用いられました。  ともあれ、横浜国大の成田教授が言われましたように、古い時代の亡霊に生命を吹き込んでよみがえらせようとするフランケンシュタインの策略というふうに呼ばれたような策略が使われました。そのことによって、地方事務官制の廃止、地方公務員への身分移管の正当性に私は一点のかげりもできるものではないと思います。そういう意味で、私は考え方を一九七六年の十月十九日のエコノミストの中でも明らかにしました。そして意見に反対する各省の投稿を求めました。いままで出ません。で、いま私が述べた考え方について、自治大臣の見解はいかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 全面的に私といたしましては同感でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その三月三十一日は、御存じのとおりロッキード問題という国会で終始をしましたから、なかなか守られなかったのでありますが、しかし、当時の海部副長官との間で政府からの中間報告がもたらされました。   一、懸案の地方自治法改正案提出につきましては、政府も格段の努力を続けて参りましたが、情勢の変化や各省間に渉る複雑な要素があるため調整に手間どり明確な結論が出ていないことは遺憾であります。   一、今後政府は地方行政委員会の附帯決議の趣旨を尊重し、自治大臣、行管長官等関係閣僚を主体にして更に各方面の意見を聴取し、この問題の結論が出る様に努力を続けて参ります。これが大体文章にされた政府からの中間報告です。そしてこの文章に基づいて、当時本委員会では地方交付税法をどういう形で議了するかという問題がありましたけれども、三月三十一日は五月二十四日と読みかえるものという海部副長官の、いわゆる国会の事情によって——五月二十四日というのはあの国会の終わりであります——ということが口頭で約束をされました。しかしそれも結局は満たされなかったのでありますが、「自治大臣、行管長官等関係閣僚を主体にして更に各方面の意見を聴取し、この問題の結論が出る様に努力を続けて参ります。」というここについて、新自治大臣はどのように御努力されていますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 私が就任をいたしましてから、まだ日が浅いのでありまするけれども、御決議の趣旨に従って長い間のこの問題に決着をつけたい、かように願いまして、この国会にもぜひ法案を提出したいという方向でいろいろ努力をいたしたわけでございますが、遺憾ながらなかなか政府内部で意見の一致を見るに至っておらないというのが現状でございまして、自分の力の足りませんことを恥じておるような次第でございます。これが偽らざる実情でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、これはどうも事務的な折衝の部分でもこの国会は一向に進んでいないような感じがするんですね。これは行政局長、具体的にはどんな展開になっていますか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 御案内のとおりの事情でございまして、確かに事務的に法案を各省にぶつけるというような段階までにまだ立ち至っておりません。この間、昨年の確かに三月、五月といった時期には、それぞれ政務次官会議の結論といったようなことでいろいろと折衝があったわけでありまして、その後におきましては、たとえば政令改正といったような、時期、その他におきましても、事務的な折衝ということではたびたび意見の交換といいますか、われわれの側からは意見の申し出といいますか、そういった意味での意思表示をいたしておるわけでございますが、事実問題といたしましてはなかなか乗ってこない。それのきっかけというものをどうやって見つけるかということに苦慮いたしているところでございまして、残念ながらいま先生御指摘のとおりのような状況になっているところでございます。  なお、さらに申し上げさしていただければ、この問題、非常に歴史のある問題であることは御存じのとおりでございまして、一体、行政改革というようなことが言われている際に、これをその一環としてどう扱ってくれるのかというような考え方から各省にもあるいは行管等にも物を申している段階でございまして、そういった場におきまして、要するにこれを俎上に上せる場というものの実を言いますときっかけをつかむ必要があるんだと、それまでないような、現在は封じ込められたような状況になっているのではないかというような気持ちがいたしておるところでございまして、大変残念に思っておるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 要するに、地方事務官制存続の裏には私は旧内務省内部での隠微な妥協があった。したがって、地方事務官制を正当化するすべての議論というのは、この妥協を前提として、これを対外的に取りつくろうためのものであるか、あるいは露骨ななわ張り意識の上に立った居直りでしかないと思っているんですよ。地方事務官制を正当化しようとする——どっちみちこれは予算委員会に引き継がれる討論になりますが、たとえば今度の厚生大臣の衆議院の公明党議員の質問に対する答弁をずっと聞いていますと、全くもう居直ってしまっていますね。これはいままでの厚生大臣が答弁をしてきていることから全く逆の方向に行ってしまっていますね。その意味では、自治大臣がいま御答弁になったことと厚生大臣が衆議院予算委員会で答弁をしていることとは全く違っていますから、閣内は不統一である。  ここのところは参議院予算委員会に引き継がれてもっと明らかにされなきゃならぬところでありますから、その準備は進めますが、ともあれ厚生、労働、運輸各省の議論は、制度発足三十年を経過したいまとなっては、全くの居直りとしか言いようがないんですね。議論としてかみ合わないんですよ。なぜならば、地方事務官が従事している事務は本来国が責任を持って全国的に統一して実施されるべき性質の事務である。したがって、地方公共団体に機関委任するよりも、国の直轄事務として国家公務員によって執行させることが望ましいというんですね。事態の経緯を知っている者にとってはこれほどばかばかしい議論はないんですね。なぜならば、戦前府県は国の地方行政官庁として膨大な国の事務を処理してきましたよ。そこで戦後に、いまの憲法、地方自治法の制定によって府県が地方自治団体になり、それまで府県が国の下部機構として処理してきた国の事務をどうするかという問題が生まれた。そしてシャウプ勧告は、それらを国の事務から地方自治体、自治団体の事務に移譲してしまえと言ったのですが、各省とも、それぞれの所管、所掌事務というものは国が責任を持って全国的に統一して実施されるべき性格のものであるという理由で抵抗した。結局、機関委任事務という方法が支配的に採用されることになった。この場合の機関委任とは、国が従来から府県にやらせていたような国の仕事を、国の機関としての知事、市町村長に委任することによって、指揮監督権を留保して、その全国的統一性を保持しようというものだったんですね。もちろんこの知事、市町村長のもとで働くのは原則として地方公務員でありますが、こうした機関委任事務が府県に大量に存在することによって、戦前来の伝統的な事務の処理の仕方が実質的には何ら変更をこうむることなく温存されたわけですね。  したがって、事務の全国的統一性を保持するということと機関委任ということとは、これは何ら矛盾しないどころか、目的性においては同一であると言って過言ではないわけですね。現に地方事務官がいま扱っている事務も、何か国の事務のようなことを、国が管轄をしているような錯覚に陥っていますが、これはもう前の厚生大臣と予算委員会でやって、認識が非常に誤っていたから改めてもらいましたけれども、機関委任事務なんですよ。すでに知事に機関委任をされてしまっているということを忘れてしまって答弁をしているんですね。自治大臣がじゃありませんよ、非常にセクショナリズムを発揮している各省大臣の一部が。で、それを知事のもとで執行している職員が地方事務官イコール国家公務員だというにすぎない。事ここに至って、事務の全国的統一性の保持の必要性は地方事務官制の存在理由に何らなっていないんですね、自治大臣。これは閣議の中で論議をされましょうから、ここの認識があなたと私たちと違っているのではたまったものではありませんので、いま私が述べたことはどういうふうに御理解になりますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 仰せのとおりだと理解をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この厚生あるいは労働、運輸などの議論も、注意深く聞いてみますと、事務の全国的統一性の保持の必要性を地方事務官制の存在理由にしているわけではどうもないようなんですね。そういうふうにも聞こえますが、どうもそうではない。その保持のためには事務の機関委任よりも国の直轄の方がいいと言っているんですね。ここが問題なんですよ、やっぱり。で、機関委任事務がそもそも国が責任を持って全国的に統一して実施されるべき性格の事務である、それなるがゆえに、この議論は、すべてそうした性格の事務というのは国の直轄事務として国家公務員によって執行されなければならないという、そういう暴論につながっているんですよ。全くの暴論です、これは。  もし、国から地方公共団体への機関委任事務を廃して、これを直轄事務に切りかえたといたしましたらどうなるんだろうということを考えてみました。そうすると膨大な数の国の出先機関と国家公務員とが必要になる。そういう事態は行政の繁雑さと非能率さをたえがたいものにするだけなんですね。これはもう明らかでしょう、そのことは。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) その点も仰せのとおりだと私は理解いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 事務の全国的統一性の保持の必要性との関連で地方事務官制を正当化しようとする議論というのは、自分のところだけでも出先機関をつくって直轄でこの事務を行いたいということへのこだわり以上のものではありません。で、臨時行政調査会やらあるいは行政監理委員会などが、地方事務官制の廃止を、国の事務はできるだけ出先機関を創設して執行しようという、そういう中央官庁の根強い傾向に対する批判と警告の意味を込めて強く求めているのもこれはゆえなしとしない。  厚生省などが主張するもう一つの点というのは、地方公務員に身分移管した場合には事務執行が従来どおり円滑に実施されなくなる、行政の効率性が低下するというんですね。たとえば社会保険料の徴収は、国家公務員たる地方事務官が担当しているからこそ高水準の徴収率を上げているという指摘をするんですね。していますね。これなど全く根拠がない言いがかりですよ、自治大臣。一般に地方公共団体の職員たる地方公務員は、これは多くの機関委任事務を執行いたしていますが、地方公務員であるがゆえに行政が円滑さを欠いて効率性の低下を招いているという事実は決してありません。特に保険料の徴収率についてよく触れられますけれども、社会保険料と同様の方法で徴収されている市町村の個人市民税は、社会保険料の徴収率を上回る成績を上げていますよ。地方公務員であれば徴収率が低下するなどというのもこれは全くの言いがかりにすぎないことを、ぜひ自治大臣御銘記願いたいんです。都道府県で地方事務官が扱っている、たとえば国民年金事務であるとかあるいは国営森林保険であるとか、そういうものが市町村長に委任をされて、市町村職員の手で行政効果を十分上げている、私たちはそう認識していますが、この認識は自治大臣、一緒でしょうね。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 私が実態を十分把握いたしておるわけではございませんが、御論旨はそのとおりだと私は考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 このほかに、社会保険制度などの抜本改正を待って地方事務官制の廃止問題を考えたらどうかという議論もあります。社会保険制度等の抜本改正と地方事務官制の廃止問題と論理的にどういうかかわりがあるかということを、やっぱり一つは、この国会で何としてでも地方自治法の法律案を出されようと——自治省の予定法案の中にあるわけですから——ということであれば、われわれもその意味で協力するにやぶさかでありませんから、考えてみると、この機関委任事務については、本来地方公共団体の長がみずからの部下職員たる地方公務員を指揮監督しながら執行することを原則としている。この原則に対する暫定的かつ変則的な身分制度として例外的に認められているのがこの地方事務官制である。したがって、地方事務官制度固有の問題とはまさにこのような変則的な身分の取り扱いそのものなんですね。そのものであって、いわゆる身分移管問題以外の何物でもないわけです。これと社会保険制度等の抜本改正といったような別次元の問題を何かかかわりがあるように言うのは、これは問題を容易に解決しそうもない別問題とあえてかかわらしめさせる、そのことによってその解決を遷延させようという私はこうかつな意図によるものではないかと思っているんですが、ぜひそういう便法に乗らずに、福田内閣総理大臣は行管庁長官時代にわれわれの趣旨に基づいた解決の方法というものを明確に返答されて、いま結論を得たいと思いますと本会議で答弁を総理大臣はしているわけでありますが、自治大臣の意見が十分にくみ上げられる、そういう条件にある内閣だと私は思いますから、いま申し上げたようなことは大臣のお考えと恐らく共通すると思いますので、ぜひ十分に主張をされますようにこの機会に心から期待したいと思いますが、よろしいでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) まことに非力の者でありますけれども、御期待の方向で懸命に努力をいたしたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 行政局長、これ閣内で自治大臣が御努力になるのももちろん大切なことですし、早急にそのことを望むんですけれども、事務レベルというのは一体どうするんですか。もうにっちもさっちもいきません、おれはもう行政局長やるの、がいやになったというような心境じゃ困るんだが、それはどういうふうに進められるんですか、これから。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、事務レベルでの各省折衝というのは、先ほど申し上げましたように、取っつきすらきわめてむずかしいような状況に現実にはあろうかと思います。私どもといたしましては、先般も申し上げましたように、やはりこの問題というのは動かないからということで済むことではないという気持ちとその立場でもって、あらゆる機会にいま関係のところに物を言っているというような状況できているわけでございます。  本当のところを申し上げますと、大方針というのが昨年の政務次官会議等におきましても結局決まらなかった。あの場合にはずいぶん会議もやっていただきましたし、また各方面の御意見も、政務次官会議直接お聞きになるということもやっていただいたわけでありますが、やはりいろんな意見がその場でも出されたようでございまして、結局意思の統一がとれないというような状況でございますので、現在のところといたしましては、そういう情勢を見ながら、何といいますか、行政改革の場というのが近づいていると聞いているわけでございまして、その場をつかまえるというのが最も事務レベルとしての物を言う機会といたしましていい場ではないか、かように存ずるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、何か参議院選挙が近い、したがって参議院選挙の帰趨によっては政治的決着がつくではないか、したがってそこまではお互いほおかぶりしておっていいんじゃないかという、そういう各省間の流れがあるような気がしてしようがないんですよ。私はもうそんなものではないと思うんです。それはそんなものじゃありませんね。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) よもやそういう気持ちを持っておるとは私は考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、行政局長、むしろ大臣間よりも事務レベル間の感触がどうもそういう形で動いているように感じ取られて仕方がありませんが、いかがですか。

山本悟自治省行政局長

○政府委員(山本悟君) 政治レベルで決着がつくというのは、参議院選挙云々ということではもちろんないわけでございまして、事務としては本当に、先ほど来からいろいろな先生が一つ一つ相手方の論旨につきまして反駁を含めた上での御意見を開陳されましたが、そのとおりにわれわれも存じまして、そういう折衝なり議論なりというのはずいぶん積み重ねてきているわけでございまして、そういうことを踏まえた上でいまの状況ということになりますと、向こうは非常に、何と申しますか、とりでをかたくしているといいますか、受け付けないという状況が続いているわけでございますので、その点を申し上げさしていただいたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たとえば衆議院において厚生大臣答弁があった。それらについて、全く自治省が考えていること、あるいは国会の決議との関係においては国会の決議そのものが全く無視された答弁でありますから、それらに対してはすぐ自治省あるいは自治大臣の側としては何か反応をお示しになったわけですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) あの発言の直後にどうこうということは申しておりませんけれども、機会あるごとにこの問題については当方の意見を述べておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは機関をつくったからといって解決する問題ではありませんけれども、自治大臣、行管庁長官等関係閣僚を主体にして云々というあの三木内閣時代の中間報告ではありますが、これは福田内閣としては、これを受け継いで、何かこの問題解決のために特別に閣僚会議を起こされるとか、そんなお考えでいらっしゃいますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 当面そういう構想はございませんけれども、先ほど局長からお耳に入れましたように、八月を目途に行政機構全般にわたって改正のめどを得たいと、それが行管長官の方針でありますから、この問題を推進いたしまして決着をつけるのには一つのよい機会だと私も考えておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方事務官制が存続している結果、いま都道府県でどんなことが起こっているかということをちょっと触れておきたいんです。  まず第一に、職員にとっては、地方事務官であるために人事交流が限定をされている、昇進にも限度がありますので、同一業務を長期間担当することとなって、処遇に対する不満が非常に大きくなっているんです。それから第二には、管理者にとっても、同じ職場に勤務しておりながら他の地方公務員とは任命権、服務規律、給与等を異にする。そのために全体としての合理的な人事管理を実施できない状態である。そして結局このために、事務そのものは知事に委任されているとはいうものの、知事の地方事務官に対する指揮監督権は空文化してきている。この知事の地方事務官に対する指揮監督権の空文化の目立つのを半面としまして、各省による地方事務官への直接の指揮監督が始まっているんですね。これは実は許せないんですよ。機関委任事務の場合、各省大臣あるいは各庁の長官が都道府県にある担当職員を指揮監督するには法的根拠が必要であります。それなしに直接指揮することは違法であります。これは昨年の予算委員会でも、私は三木内閣にそのことを十分に論議をいたしました。たとえば、厚生省関係の歳入徴収官の場合に、地方事務官を会計法四条の二という法的根拠をもって厚生省職員とみなして、そして厚生大臣が直接指揮監督していくということが起こる。こうした法的根拠なしに、各省が知事を介さず、直轄、直接に、通達であるいは電話で指揮しているのが実情でありまして、このことからくるところの違法の横行と、いわゆる知事の困惑というのは大変なところに来ているんですね。ここのところは、これはいま身分移管が行われなくたってすぐ改善できるところでありますから、ぜひ閣議の問題として処理をしていただきたいと思うんです。  大臣出身の長野県などでは、たとえばいま厚生省から二人の課長が行っている。課長該当者がもう長野県の職員として育っている。したがって、一人のポストは長野県の中で育ったところの人にそのポストを下さいと言っても、なかなかうんと言わない。長野県は御承知のとおり西沢知事の方針から言って、ほとんど本省からの移入というものをやめてきました。厚生省だけがなかなかもめ続けているという状態、まあもめ続けているといっても、この二、三日始まったばかりでありますから、これから四月一日に向かってどんな状態になるかわからぬような、そんな混乱が現実に大臣の足元でも起こっているわけです。  いま申し上げた点は、これは早急に処置をしていただきたい。そのためには厚生大臣がひざを交えて話し合うことが必要だと思うんですが、いかがでしょう。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 私も足元の問題に気がつかずにおったわけでございますが、いまお話を承りましたので、厚生大臣とひとつよく話をし合ってみたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ともあれ大臣、この問題は、地方行政委員会としてばかりでなくて、院の権威にかけて決議を上げてきた大変重要な問題であります。政治状況も衆議院におけるところのあのような形になっていまして、衆議院の地方行政委員会は、推測すれば、新しい決議をこの国会で起こされる、そういう流れもあるようでありますが、ぜひこれがあなたの努力によって、ともあれ福田内閣の大きな仕事の柱としてでき上がることを求めますが、よろしいでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) いろいろ承らしていただきましてまことにありがとうございました。ひとつあとう限り努力をいたしまして、この問題に私の在任中に終止符が打てればまことにこれは欣快のことだと思っておりますので、懸命に努力をいたします。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 自治大臣にお伺いしたいと思いますが、まず、大臣の所信でも述べられておりますとおりに、地方自治制度が発足以来満三十年を迎えたわけでございますが、この間さまざまな紆余曲折をたどりながら、それなりの成果を上げてきたことはまことに喜ばしいことだと存じております。しかしながら、大臣は、この三十年間の地方自治の推移の功罪といいますか、三十年間を総括してどのようなお考えを持っておられますか、お伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 今日に至るまでに何度かにわたって制度の改正がなされてきたと存じますが、いずれも地方公共団体の自主性を尊重するという方向の改正であったと承知いたしております。そういうことで、今日制度としてはすでに定着をしておるものと考えておるわけでございます。ここで、社会の情勢、経済の情勢も大きく動いてまいりまするから、これに即応してさらに一層地方自治の充実、行財政の運営の合理化ということを図っていくべきだと、こう考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 地方自治満三十年を、今日のような財政危機の状態といいますか、地方自治にとって非常に大切な状況の中で迎えたわけでございますが、大臣は今日の地方財政危機に対しましてどのような認織をお持ちになっておられますか。この財政危機の原因についてはどのように考えておられるかということについてお伺いすると同時に、さらに、五十二年度、本年度こそは財政危機の抜本改正の絶好の機会だと私ども思ったんでございますが、それにもかかわらず、技術的な措置に終始して財政再建の命題を先に延ばされたことははなはだ遺憾なことだと存ずるわけでございますが、大臣のこの解決への決意を改めてお伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 何分、三年連続いたしまして巨額の財源不足を出しているという状況は、申すまでもなく非常に不健全な状況でありますし、危険な状況だと存じております。こうなりましたのは、長い間深刻な不況が続きました結果、財政収入の落ち込みが出てきたということに起因をするものでございますが、私どもといたしましては、一日も早く景気を浮揚させ、経済を安定させなければならない。まあ経済が安定いたしましても、総理がよく申されますように、いわば後遺症として国の財政、地方の財政の問題が残るわけでございましょう。経済が安定いたしました時点で、交付税の問題を含めまして行財政の抜本的な再検討をし、改善を図っていかなくてはならないと、そう考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 大臣所信に沿って若干お伺いいたしますが、大臣は「地方公共団体が自主と責任を基本として」と述べておられますけれども、具体的にはどういうことを考えておられますか。地方への権限移譲、自主財源の強化等をお考えになっておるのか、お伺いします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 地方公共団体がとり行っておりますことは、地域住民の生活に密着した大事な仕事をやっておるわけでございますから、やはりそれらの行政というものは、地域住民の身近なところで、かつその監視のもとで処理されるのが望ましいと考えております。こういう観点から、地方にゆだねるべきものはだんだんこれをゆだねていく、それに伴いまして必要な財源の確保にも努めていく、こういう方向で努力をしてまいりたいと考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 「地方自治の基盤の一層の充実を図る」、こうありますが、具体的にはどういうことなのか。基盤の充実を図るためには何が必要であるとお考えになりますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) あとう限り地方公共団体の自主的、自立的な判断で物事が処理できるようにしていく。これにはお金が伴うことでございまするから、税を含めまして財源の充実を図っていきたい、こう考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、国と地方とが相携えて地方自治を推進していく必要がある、こう述べられましたので、もっともなことではございますが、現状の国、地方の言い分を聞くと非常にかけ離れたものがあるように思いますが、どのように考えておるか、何を実行していくつもりなのか、これについてお伺いします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 何をという仰せでございますので、どのような答弁を申し上げたらよろしいか、いま相談をいたしたわけでございますが、とっさに何をと仰せられてなかなかお答えができません。いずれにしましても、そういう趣旨で時々刻々出てまいりまする問題に対処いたしていきたいと、こう考えておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そうすると、いま具体的にどうこうということについて確たるお考えはお持ちにならないわけでございますね。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 問題を挙げますると非常にたくさんの事柄があると存じます。いずれもいま申し上げたような気持ちで対処していきたいと考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 さきに地方財務官を設けられましたが、その後の活動状況、成果などについて御報告を願いたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘いただきましたように、地方財政関係の調査官を三人設けまして、一人は東北、北海道関係、一人は関東から中部、近畿、もう一人は中国、四国及び九州と、こういうように担当をいたさせまして、その地域、地域における各地方団体の財政運営の実態的な悩みを承る、それに対応していろいろな助言なり指導なりをすると、こういう体制をとっておるわけでございます。最近の具体的な活動といたしましては、去年あたりから——おととしあたりからもあれでございますが、たとえば税の減収がありましたときの減収補てん債のお世話の問題でございますとか、あるいは地域、地域の特別の事情がございますときの特別交付税の算定に当たりましてのお世話でありますとか、それから去年御承知の財政健全化のための健全化債、こういう措置もとりましたが、これの実際の御相談であるとか、こんなことを承っておりますし、さらにまた最近は、大変財政の運営につまずきまして再建団体にならざるを得ないと、こういう団体も一、二出てきております。こういうところの実際の相談にあずかりますとか、こういう実務を担当いたしております。このことによりまして、何と申しますか、私どもから申せば口幅ったいことでございますけれども、わりにきめ細かに当該団体の悩み等を承ることができると、こう考えておる次第でありまして、所要の成果を上げておるのではないかと、こういささか自負をいたしております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま仰せのように、地方財務官は非常に成果を上げておられる、まあ要するに設置をしたかいがあったというふうに認識されておられますが、これについては、そうするとずっと当分いまの現状のままで活動願うというお考えですか。それとも、これをさらに拡充するとか何とかというような御計画をお持ちですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 組織の拡充等の問題はなかなか困難な問題も含みますので、現状のままの状況でできるだけ活動を濃密にしていきたい。手に余るような事態になりますればまた所要の増加もお願いする事態があるかもしれませんが、さしあたってはいまのまま努めてまいりたいと思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、地方財政対策についてお伺いいたしますが、今回の大蔵原案の内示は十一年ぶりで、大蔵、自治両省の調整がつかないままの内示と、大変にこじれたわけでございますが、このこじれた原因は何であったのか、お伺いします。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘をいただきましたように、毎年地方財源対策、これは一般的な国の予算とつっくるみになってだんごになりませんように、前もってぴしっと決めておいて予算編成に当たっていただく、こういう強い主張をかねてから私どもしてまいったのでありまして、最近はそのようないい慣習ができておったのでございます。ことしそれが若干おくれましたことは、実は年末以来折衝を続けておったのでございまして、その基礎的な面、つまり地方財政対策に当たってどれだけ金が足りないか、それを埋めなければ財政運営に支障がくるぞと、こういうところまでの意見の一致は実は見ておったのでございますが、その具体的な財源補てんの方法、つまり交付税率アップにするのか、ことしとりました御高承のような措置、こういうことの折衝がもめましたこと、それから地方債の消化対策、これにつきましても、やはり公営企業金融公庫の設置等の問題がもめました。こういう点で残念ながら内示の時期までに完全な決着を見るに至らなかった。しかし、それにいたしましても所要財源不足額、それを埋めなきゃならぬ、こういう決意につきましては両省意見が一致をいたしておりましたので、私ども、時期はおくれましても粘り強く折衝いたしたわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この五十二年度の地方財政対策に対しましては、自治省はみずからどのような評価をなさっていますか、お伺いします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これはもとより胸を張って自慢のできるような結果とは存じておりませんけれども、今日地方財政が直面しておりまするまことに深刻な状況というものを緩和する上で、相当の効果、実効のある措置がとれたのではなかろうかと、こう考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 五十二年度の地方財政の収支見通しについて、二兆七百億円の財源不足を見込まれていますが、その根拠について御説明願いたいと思います。さらに、完全に補てんする措置を講じたとありますが、この内容についてお伺いしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 五十二年度を通じましての地方財政の収支見積もりでございますが、まず地方財政計画に立てておりますような項目それぞれにつきまして、所要の金額を歳出の面で算定をするという作業にかかりました。給与関係経費で幾ら、通常の経常的経費で幾ら、公共投資をどうするか、それに対応する単独事業をどう持っていくか、こういったようなことで歳出をはじいたのでございます。次に、各種の経済見通しないしは国の予算編成の際の歳入見積もりの各要素、こういうようなものを根っこにおきまして歳入の見積もりを立てまして、その結果、財源の不足額が二兆七百億と、こういった額に相なったわけであります。これは、歳出の面で、公共事業等の国の経費がふえますと地方の歳出もふえますし、またそれに伴って単独事業も増加をさしていく、こういうバランスもございますので、二兆七百億の金額が明確に決まりましたのはかなり遅くなってでございますが、少なくとも当初から二兆円に近い、ないしはそれを上回るような歳入不足があるのではないかと、こういう考え方を持って折衝いたしたわけでございます。前にも申し上げましたが、所要の歳出の立て方、歳入の立て方につきましては大蔵省との間に完全に意見の一致を見ております。言いかえますならば、大蔵省によって査定をされてこれが減ったという事実は全然ございません。  それから、なおこの二兆七百億の財源不足対策でございますが、まず最初に建設事業につきましては、このような事態でありますので地方債を増発することもやむを得ない、ただし、去年とりましたような赤字地方債、これは出さないこととする、こういう方針で地方債の増加額をはじきましたところ、約半額の一兆三百五十億、こういうものが出ましたので、これは地方債をもって措置をする、残りの一兆三百五十億については一般財源をもって措置をする、このような方針をとったわけでありまして、この一兆三百五十億一般財源は交付税会計の増強というかっこうになったわけでありますが、これは交付税率のアップには至りませんで、臨時特例交付金と所要の借入金ないしこの借入金についての将来の償還を国が見る、このような措置をとらしていただいて、いずれにいたしましても、この二つを合わせて二兆七百億を完全に補てんをした、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま局長の御説明があったのですが、これが結局、この地方財政対策につきまして大蔵、自治の両大臣の間で交わされた覚書、これの御説明かと存じますけれども、いま御説明のありました二兆七百億円の財源不足に対して、交付税特別会計一兆三百五十億円、地方債による措置が一兆三百五十億円、ちょうど半分ずつに折半によって措置したと、こうなっていますね。こういうようにまたおっしゃいましたが、非常にぴちっとしたようなかっこうでございますけれども、この折半というのはどういうお考えに基づいたのか。ちょっと余りにもぴたっと合い過ぎているような気がします。この辺のところちょっと奇妙に思います。  それから、後段の方に、「地方財政の状況を考慮した」と書いてありますが、これはどう考慮されたのか、折半という考え方は妥協の産物で生まれたのか、そこら辺の実情と、また御意見を承りたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 「折半により」と覚書に書いてございますが、折半を先にねらったわけではもちろんございません。先ほども申し上げましたように、財源がひどく不足をいたします、この充当対策として、一般財源によるべきものと地方債によるべきもの、この両方があるだろう——地方債によるべきというと言い過ぎかもしれませんが、よってもやむを得ないもの、これを積算をいたしました結果、公共事業等の地元負担に対しまして、いわゆる建設地方債、これを発行し得ます限度が、増加分がちょうど半分程度の一兆三百五十億、こう出ましたものですから、それは地方債による、残りはそのかわり全部一般財源による、こういうかっこうに相なったわけでありまして、「地方財政の状況を考慮した」というのは、それだけ金が足りない、それに対して、どうしても足りない額ずばり全額を埋めなきゃならぬ、こういう意味だと考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 ちょっとはっきりわかったようなわからないような御説明なんですが、これはいいとしまして、覚書の第二ですが、臨時地方特例交付金九百五十億円とありますこの性格、それから趣旨というのはどういうものか、御説明願いたいと思います。また、前年度に比し激変のないような配慮とありますが、こういう一時しのぎのつかみ金的な措置は、地方財政の健全化のたてまえとしてどう理解すればいいのか、これもあわせてお伺いいたします。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ただいま申し上げました一般財源によります措置一兆三百五十億、これを交付税会計で増加をさす措置をとらしていただいたのでありますが、この一兆三百五十億のうち、どれだけを国が元利とも完全に責任を持ってくれるか、これが争いの第二点になったわけでありまして、もちろん私どもは当初は交付税率のアップを要求をいたしておりましたので、このような措置になっても、できるだけ当初要求の額に近い多くの額を国に完全措置をしてほしいと、こういうことを迫ったわけでございます。結論的には、順序が逆になりますが、この一兆三百五十億の、これこそ半分でございますが、半分を国が完全にめんどうを見ましょう、こういうことに相なったのでありますが、そのめんどうの見方が、五十二年度に現ナマで臨時特例交付金でくれるものと、五十二年度に手を出しかねて、将来償還費を完全に国が埋めようとするものと、この二つに分かれたわけでございます。  その現ナマ分が九百五十億円になったわけでありますが、これは二つ三つ理由がございまして、財政の状況を考慮したことはもちろんでございますが、一つには、去年臨時特例交付金ということで現ナマで埋めてもらった額が五百数十億ございまして、そういう実態をも踏まえて、やはり国としても当該年度に相応の措置はするべきだ、こういう主張をいたしました。それからもう一つは、源泉分離の利子・配当所得、これにつきましての課税問題がございまして、それが的確な措置を結論を見ることができませんでした。それの関連と申しますか、そういったものの地方財源に対する譲与の問題をも含めまして、九百五十億という当該年度に現ナマで支出する額を決めた、残りの額が将来元利とも補給をする額になった、こういういきさつをたどったものでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 同じく覚書の二の後段についてお伺いしますが、源泉分離選択課税のこの税率引き上げに伴う問題ですが、選択された利子所得については住民税が課税されないことを考慮した特例である、こういうことなんですが、税制改正という制度改正に特例を含めるということはちょっとおかしいじゃないか、こう思うわけでございます。分離されたものについて、引き上げた五%のうち三分の一なら三分の一を、地方財源としてきちっと制度的に確保するのが筋が通った措置だと思われますけれども、自治省として制度化を含めて今後どのようにお考えになるか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) この源泉分離課税が選択された利子所得についての住民税、地方税の課税方式でございますが、これは実は御承知のように、昨年の税制改正に当たりましてから以来、税制調査会等にも何とかして地方税で取る方法がないかということをいろいろ試案も出しまして御相談をしたのでありますが、御案内のように、住民税という形式をとりますと、住居地主義になりますのでどうしても課税がむずかしい。そこでやむを得ず、そうならばただいま先生御説示がございましたように、そのかわりにこの選択された利子、配当課税の一定の割合を地方に譲与する、こういう制度を確立してほしいというまた要求も持ち出したのでございます。しかしながら、この点につきましては、ありていに申し上げまして制度化をするまでの話し合いがつきませんで、と申しますのは、ことし、国の課税も平年度分目一ぱい取れるわけでもございません。四半期分しか取れませんし、将来税制との関係をどう持っていくかという点についてもいろいろ議論がございまして、金額を確定をすることができませんでした。ただ、このような問題があって、それに対する財源付与要求が自治体の方からも強い、こういう実態も大蔵省としても前向きにしっかり踏まえる、それも要素としてある、こういう認識のもとに、九百五十億、去年より大分ふやしましたこの臨時地方特例交付金、この中で処理をした、こういうことでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、三に移りますが、覚書の三にもありますように、「五十二年度限りの異例の措置」と言われていますが、このような異例の措置は、交付税法の趣旨に反するものであると思いますが、これについてはどういうふうにお考えですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 三に、「異例の措置」とございます。これは異例と言えば、交付税の総額そのものを臨特でやるということも異例かもしれませんし、それからこれの将来までの財政負担を法定をいたしまして国に完全に義務づけるということも、いままでとったことのない措置でございましたので、五十二年度の措置としての異例の措置、こういう文言になっておるものと考えるわけでございます。この措置が、五十二年度におきます何と申しますか、単年度限りの措置である、こういう点においてはまさしく恒久的な制度ということには至らなかったわけでありますけれども、それにいたしましても、五十二年度という年度に限り、交付税の総額を増額をするための所要の措置ということで、将来の措置も含めて法定等の措置をとった、こういうことでございますので、六条の三の二項に違反する措置であるとは私ども考えていないのでありまして、まさしくその規定の趣旨を踏まえてこのような制度立てを行ったとこういうように考えておるのであります。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、四に「地方税財政制度の基本的改正」とあるのはどういう意味なんですか。地方財政が好転し、あるいは基本的改正が行われるまでの間とありますけれども、いつぐらいまでとお考えになっているのですか。また、これまでの間と、期間を限定したのはどういう理由に基づくものですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) この四は、地方債の資金を充当いたします場合に、政府資金が、従前のように地方債計画総額の六割というほどの多額の政府資金、これを賄うことが現実の問題としてできなかったわけでありますので、かなり政府資金を増加をしてもらいましたけれども、なおかつ従前の六割充当の場合に比べて民間資金の比率が多い。そこで、その民間資金によりますものの利子負担によって地方財政の負担が広がっていく、こういうことをなくしようということで、民間資金と政府資金との金利差、これを国が臨時特例交付金で補給をいたしますと、こういう約束を取り交わしたわけでございます。それで、今後地方財政が好転し、あるいは税財政改正の基本的改正が行われる、つまり、所要の公債費も皆見込みましても十分地方財政の計画の運営が成り立っていくという事態になれば、そのときまでもこの措置を続ける必要はございませんので、このような文言がついておるわけであります。これは、ありていに申し上げますならば、例の中期見通しで考えております、私どもの希望としては五十五年度ごろまでには税財政の基本的改正を行って地方財源が不足する事態が来ないようにと、こういう希望と申しますか、願いを込めておるわけではございますが、そういう時期のことを指しておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 最後に、覚書の六に述べられております、いまもちょっと局長お触れになったんですけれども、地方債の円滑な消化策についてはどういう措置がとられていますか、ちょっと御説明願います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ことしは、地方債の円滑な消化策について幾つかの提案をいたしまして、幾つか実現をいたしました。一つは、政府資金をできるだけふやす、特に弱小市町村に回ります傾向の多い地方債、具体的には義務教育施設などでございますが、これを政府資金で引き受けてくれと、こういう要求をいたしまして、これは完全に通りました。それから、民間資金の活用につきましては、市場公募債等の個人引き受けに資しますために、地方債引き受けの場合の税法上のマル優制度、これを設けてくれという主張もいたしまして、これも国の方の所得税法にその旨の盛り込みができました。それからもう一つは、地方銀行筋の御要望がございまして、縁故地方債を日銀の担保適格にしてくれと、こういう御要望がございました。これも強く主張をいたしました。これはまだ具体的には決まっておりませんが、前向きのかっこうで、どこまでを適格担保にするか、日銀筋等でも御検討をいただくという約束ができ上がっております。それから何よりも大きゅうございましたのは、民間資金の消化のできない地方団体にかわって、公営企業金融公庫が、業務範囲を拡大をして、特別公募債を発行して弱小団体にかわって資金を集める、そこから弱小団体に融通ができる、この道を開いてくれという主張をいたしましたが、これは残念ながら公庫の完全改組というかっこうにまでは実現ができませんでした。そのかわり、融資範囲を広げたり政府保証債の枠を広げたり、このような措置はとったのであります。  そのように、できましたもの、できないものといろいろございます。そこで、両大臣はその円滑な消化に努めると、こういう約束を去年もいたしましたが、民間資金についての消化が完全に行われるように協力をする、なおそういった方法については、その前の五にもございますが、残りました問題については「大蔵・自治両省で方策を検討し、できる限り速やかに結論を得る」と、このようなことを約束をいたしたわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 自治大臣の所信に対する質疑応答に戻りまして、この所信の中に、補てん措置として、「現行制度の活用と所要の制度改正を行う」とありますが、具体的にはどういうことを指しておられるのですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) いま御指摘の、現行制度の活用、所要の制度改正というところは、財源不足二兆七百億を補てんをするための措置でございますが、先ほど申し上げましたように、地方債の増発一兆三百五十億を行った、これは現行制度上、地方財政法の五条に規定をしております範囲内で地方債を増加をしたと、こういうことを含んで「現行制度の活用」、こういったことでございます。  それから所要の制度改正と申しますのは、先ほどから申し上げております地方交付税の増額、この特別の措置をとりましたとともに、四千二百二十五億、こういうものについて将来とも国に負担を背負わすと、こういったような新たな法的な義務づけを加えました。そういうことをあわせまして、現行制度、それから所要の制度改正、このように申し上げたわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、地方財政計画について若干お伺いしたいと思いますが、「地方交付税及び地方債の増額等の措置を講ずる」とありますけれども、交付税をとってみますと、対前年度比が一〇%と、過去二十九年の制度発足以来最低の伸び率にとどまっております。いわゆる返済なし融資の交付税率を三・六%引き上げたことになるものを含めましても、それでもなおこれまでで最低の伸びしか見込めないということは、交付税制度の行き詰まりを意味するのかどうか、自治省の御見解を伺いたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、交付税の伸びがこのような補てん策を講じましても一〇%と、去年よりかなり低下をいたしたのでございますが、しかし、このことは交付税の財源補てん機能が落ちたということには必ずしもならないと存じます。と申しますのは、去年は一般財源の伸びはその前年に比べて六%程度しかなかったのでございますが、ことしは財政計画で計算をいたしました所要の一般財源額は一五%ほどの伸びになっております。ただ、税収におきまして五十一年度は前年度を下回る税収しか見込めませんでしたので、勢い、税の比率がうんと下がって交付税の比率が上がった、こういうことでございます。ことしは税収の伸びがかなりの額になりましたので、交付税の伸びが一〇%でも、一般財源の伸びは一五%、こういうことでございます。ただ、最近はこの厳しい財政状況でございますので、従前の高度成長のときのように、一般財源が二〇%近くも伸びると、こういう事態に比べれば財源の伸びは落ちておりますけれども、一般財源の伸び一五という率は去年よりは大きいと、こういうことでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、景気の着実な回復を図ることに配意した、とありますが、具体的に御説明を願いたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 国の予算におきましては、景気の着実な回復を図るという趣旨で、許されます最高限度において公共投資の増加、これを企図いたしておるようでございます。そこで、地方財政対策といたしましても、このような公共事業関連経費、国が行います公共事業の充実、これが完全に消化ができるという対策をとる、それだけの所要の額を財政計画に盛り込みますとともに、公共事業だけで地方財政の運営ができるわけでありませんので、これに関連をして単独事業の伸びも公共事業と平仄を合わす、これに劣らない伸びにする、こういう趣旨をもちまして投資的経費の充実を図ったわけであります。具体的に、たとえば単独事業等においては、地方独自のものとして例の臨時市町村道整備事業費、こういったようなものも去年よりかなり伸ばしたと、このようなことを考えておりますことがこの項目に当たろうかと思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 国と歩調を合わせた景気浮揚型だと、こう言っておられますが、単独事業の見込みは一八・二%増となっていますが、果たしてこれは本当に可能でしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 先ほど申し上げましたような趣旨で、公共事業に劣らない単独事業の確保ということをまず第一に念願にいたしました。そこで地方団体に対しても、このような財政計画上の財源措置を考えておるので、できるだけ単独事業についても充実を考えてくれと、こういうようなことをお願いを申し上げております。  ちなみに五十二年度の府県の当初予算でございますが、ただいま編成をしていただいておりますものの全国単純平均を申し上げますと、単独事業については五十一年度の当初予算額に対して一九・三%ほどの伸びを平均的には見込んでお組みのようでございます。したがいまして、地方団体にとっても単独事業は一番大事な事業でございますが、これの充実に各団体とも御努力をいただいておるのではなかろうかと、こう考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 五十年度の決算による単独事業の伸びはどうなっていますか。前年度に比べてマイナスになっていますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 五十年度の決算はまだ完全にまとまっておりませんので、実はただいまつかみかねておるのでございますが、途中までの経過的な報告によりますと、五十年度の単独事業につきましては、特に五十年度財政が苦しゅうございましたので、割りに伸びが大きくない、非常に低い伸び率でおさまっておるのじゃなかろうかと、このように認識をしております。  五十一年度はただいま年度経過中でございますが、五十一年度に入りましてからは、第三・四半期ごろまでの単独事業の状況等をこれは府県分あたりで拝聴いたしておりますと、これは五十年度に比べてかなり伸びてきておる、こういう一般的な状況じゃなかろうかと思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そうすると、五十年度がボットムで、それから五十一年度は若干上昇していると、こういうふうに考えていいわけですね。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) おおむねそういう傾向ではなかろうかと思っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 地方財政計画の上で給与関係経費を見ますと、計画人員二百三十二万人で、総額が九兆五千二百四十四億円、対前年度比が九・三%の増と見込まれておりますが、実際には二百九十万人余。計画額をこれだけでもって一兆三千億円ほど上回ると、こういうふうに言われていますが、この乖離についてどう考えておられますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 計画上の人件費と実際運営上の人件費にかなり乖離がありますことは、先生御指摘のとおりでございます。これは問題点が二つございまして、一つは、御承知のように、財政計画では給与費の単価を国家公務員並みという前提ではじいてございます。実際はそれより若干高い給与が支給をされておりますので、この単価差によります、給与単価の差による差、これが非常に大きい分野を占めております。それからもう一点は人員の差でございまして、財政計画掲上の人員と現員との間に若干の差がございます。この点につきましては、財政計画の策定上も問題があるという点もございましたので、実は昨年の地方財政計画では、ちょっといま完全な数字を忘れましたが、かなり大幅な人員修正を行いました。その面では乖離が詰まってきておりますし、また最近の給与費取り扱いの問題等のこともございますので、乖離の状況は比率的には少しずつ少なくなってきておるのではないか、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 このような実態を見直さずにつじつまだけを合わせて節約ということになりますと、どうしても安易に仕事をカットするというような風潮が起こりますので、これが心配をされるんですが、自治省におかれましてはこれはどういうふうに取り組んでいかれますか、お伺いします。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) このような非常に厳しい財政状況でございますので、経常経費等につきましてできるだけの節減、経費の合理化を図っていく、これはやむを得ないことだと実は思いまして、したがいまして、原則的には国が行っております一般会計等における経費の節約の状況、節約率、こういうものを地方もまた一応の目安にして努力をしてほしい、そのような考え方で計画を立てておりますが、ただ、地方の場合には、各種の環境整備事業関係といったように、どうしても具体的に節約のむつかしい費目がたくさんございます。そういうものについては節約対象から外して、自余のものについて節約をかけていく、このような体制をとっておるわけでございまして、無理やりにそっちの方を削って、最終的にはこの事業が削られざるを得ない、こういう状況にはならないような配慮はいたしておるつもりでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 交付税の伸び率の低下のしわ寄せが地方税と地方債にしわ寄せされているわけでございますが、法人関係税収を二四・二%もの増に見込まれていますが、どのような根拠によるのか、簡単に説明してください。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) 法人関係税の収入見込みにつきましては、五十一年度におきます課税実績の状況及び五十二年度の経済見通しを踏まえまして、法人税の税収見込み等の内容も考えながら算定いたしております。ちなみに、法人税は二六・二%でございます。  で、私どもといたしましては、まず第一に、五十一年度で若干の法人関係税に自然増収が出ております。それから第二に、これは御案内のように、電気事業等につきましては料金引き上げがございまして、収入金額課税でございますので、これはかなりの増収でございます。それから、生命保険とか損害保険につきまして五十年度から課税標準の強化を行っております。これによりましてかなりな増収がございます。それからまた、五十一年度と五十二年度国税の租税特別措置の整理がかなり大幅に行われます。それに伴うはね返り増収というものがあるわけでございます。  なお、経済見通しに基づきます五十二年度の法人の所得の伸びは、生産の伸びを一〇%、それに物価を掛け合わせまして一七%の申告所得の伸びを法人税及び法人事業税いずれも見込んでおります。そういうことでございますので、二四%強の法人事業税の収入は現段階では私どもは確保できるものと考えておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 五十一年度と同様に補てん債なんかお考えになっていますか、五十二年度は。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ただいま税務局長から申し上げましたように、各種の計数、つまり経済成長の見込みとかあるいは国の国税のあり方等を基礎にして地方税収の収入を見込んでおるわけでありまして、基本的には、経済の動向が極端に変にならない限りこの程度の収入は上がり得るというように私どもは考えておるわけでありますが、いま御質問の趣旨は、もし経済の状況が非常に変わってこれだけ取れなんだらどうするかと、こういうことでございますれば、それは私ども、これだけの金がなければ五十二年度の財政は動かないと、こういう信念をもって組んだ財政計画でございますので、ここに掲げただけの収入を確保しますための措置はいかなる措置を講じてでも不足額は補てんをする措置をとりたい。まあ御指摘のように、場合によりましては減収補てん債といったようなものの発行も、そのような事態が起これば当然考えなければならない、こう考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いまのところは補てん債は考えなくてもいいと、こういうことでございますな。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) さようでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 結構なことでございます。  最後に、地方財政の中期見通しの改訂版が提出されましたけれども、この内容について簡単に御説明願いたいんですが。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 「地方財政収支試算」といたしまして、五十五年度までの収支見積りを、昨年つくりましたものを改定をいたしましてお手元に差し出してあるわけでございます。この内容は、昨年つくりましたものが五十二年度の財政状況が変わってきましたことによりまして所要の修正を加えたものでございますが、前提条件につきましては、去年と同様に五十年から五十五年度までのGNPの伸び率を実質六%強、名目一三%強で見るとか、あるいは政府固定資本形成を五十から五十五年度までにおおむね百兆円規模で名目一四%弱の伸びを見るとか、そういったような前提を置いておりますが、さらに税負担、国民の租税負担率につきまして、昭和四十八年から昭和五十年度の平均に対しまして、計画期間中に三%租税負担のアップがある。これは現行税制度を基準に置きまして、国税で二%、地方税で一%程度のアップをするものと、こういう前提に立ちましてはじいた収支試算でございます。逆に申しますと、国の方で、昭和五十五年度をめどに赤字国債から脱却をし得るためにどのような財政収入が必要か。地方財政の場合もそれに追従をした場合には五十五年度にどういう財政状況になるかと、こういうことを単純に試算をしたものである、こういうようにお考えいただきたいと思うわけでございます。  その結果が、ごらんをいただいておりますように、五十五年度に至りましては収支償います——若干歳入の方が多く相なりますが、五十三、五十四はこれを単純に引き延ばして計算をいたしますと、五十三年度では約一兆一千八百億ほどの財源不足がまだ残る。五十四年度では三百億程度の財源不足がまだ残る。五十五年度にはむしろ収入の方が多いかっこうになる。このような見通しになるだろうという、まあ単純な推計でございますが、見通しでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この試算によりますと、五十五年度におきまする公債費支出は三兆四百億になっています。地方債収入の二兆九千億円よりも上回る額になっておりますが、この地方債発行額よりも元利返済額の方が多いというのは異常な事態でありますが、これこそ私は安易な借金財政を地方に押しつけてきた結果ではないか、こういうふうに思うわけでございますが、五十六年度以降の公債費の推移はどう予想されるか、もしおわかりでしたら御説明してください。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘をいただきましたように、五十年度から五十一年度、五十二年度にかけまして、かなり多額の地方債を発行することとならざるを得ない態勢になりまして、地方債の依存度が一〇%を超した状況が続いたわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘をいただきましたように、近い将来においてかなり公債償還費のウエートがふえてくる、まあ好ましくないことでございますが、このような態勢が当然起こってまいります。これに対します財源対策としては、これの所要の額を地方財政計画の歳出に的確に計上して、こういった公債償還費を賄うに足るだけの財源措置を全体として必ずとっていく。個別の地方団体にも、個別の措置によってその団体が公債の償還費に困らない措置をとっていく、こういうことで対処をしたいと考えておるわけでございます。  なお、将来の見込みでございますが、将来税制度の改正あるいは交付税制度の改正等によりまして地方財政の一般財源を増加をさす、これを私ども一番希求をいたしておるわけでございますが、そういう平常時に戻ってまいりますれば、地方債の依存度は従前のように大体六%から七%程度、このくらいの地方債依存度に戻り得れば最もこれは望ましい態勢である、そのようにしたいと、こういう考え方は持っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この試算のうちの歳入を見ますと、項目別の伸び率がその他の収入一六・七%と、一般財源一七%に次いで大きくなっております。使用料及び手数料収入は五十年度から二〇・四%、三九・一%、二一%、こう三年の間に大幅に引き上げられておりますし、すでに高負担は定着している感がありますが、その他の収入の伸びについてどのようにお考えになっていますか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘をいただきましたように、五十一年度、五十二年度は、使用料、手数料等につきまして、インデクセーションの意味も含めましてかなりの手直しをいたしました。根っこがかなりふくれてまいっております。  今後の見通しでございますが、これはGNPの伸び率、想定伸び率を正直にとりましてそのままで伸ばしてございますが、五十一、五十二の根っこが少しふえておりましたものですから、いわゆる五年間平均の率としては御指摘のように一六%でございますが、若干GNPの伸びより高目に結果が出てきたと、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大臣就任後最初の質問の機会ですから、毎年の地方財政をめぐる問題で基本的な点についてだけきょうはお伺いしたいと思っております。  いままでも同僚委員がいろいろお話しされましたが、大臣の所信表明でも、新憲法のもとでの「地方自治制度がスタートしてから三十周年に当たる意義深い年」だと強調されています。そしてさらに、「地方公共団体が自主と責任を基本として地方行政を行うことができるよう、地方自治の基盤の一層の充実を図る」ことが課題だということを大臣は表明をされていますが、今日、この地方公共団体が自主と責任を基本とした地方行政を行おうとしても、きわめて深刻な地方財政危機の実態がある。したがって、この壁を取り除くことが今日最も緊急な、そして具体的な課題ではなかろうかと思うのですが、この点についてのまず御認識をお伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 現状はまさしく御指摘のとおりの状況だと存じます。そこで、一日も早く景気の立て直しを図り、安定成長の路線に国の経済を乗せるというのが先決問題だと、こう考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 先ほども話がありましたが、自治省のまとめた五十年度の決算状況では、都道府県の単年度収支で、すべての都道府県が赤字という状況になっていますね。それから市町村の五千八百二十八団体で、これも単年度収支で六百七十六億の総体としての赤字がある。これは三十八年度に二十五億の赤字を出して以来久しぶりのしかも巨額な赤字になっている。これは五十一年度、五十二年度というようにこの状態がやっぱり低迷状態といいますか、さらに続いていくだろう。したがって、この危機を、いま大臣もおっしゃるように解決をしていくというのが当面の課題なんですが、これを解決しようとすれば、先ほどもどなたかおっしゃっていましたが、まずそういう状態が起こる原因は一体何かということをはっきりさして、その原因にメスを入れなきゃならぬ、こういうように思うのですね。ここのところは、いまになって小手先細工でやってもこの状態はなかなか解決しない。だからこういう状態に至った原因は一体何かということをはっきりつかむということがこの問題の解決のために何よりも大事だというように思います。そういう意味から、ひとつ原因についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 一つは、高度の経済成長を制約するような要因というものが世界的にあらわれてきておるということがございましょう。あわせて今日の深刻な不況、それが根本的には今日の地方財政の窮迫した状況をもたらした原因だと、こう考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま大臣もおっしゃいましたが、まあ高成長を進めることができないようなそういう制約が一つの要因になっている。私はそれだけじゃなしに、そのことよりも、大企業奉仕といいますか、この高成長の中で非常に大企業が資本集中をやりまた利潤も上げてきました。その高成長政策に地方自治体が長年にわたって協力をさせられてきた。これは交付税制度の中にも出てきていますし、いろんな補助金制度あるいはいろんな制度、仕組みですね。コンビナート地域をつくると、そのためには税金をまける。その税金をまけたやつは交付税でちゃんと手当てをするというようにして誘導する。そういうことで自治体の財政制度をそっちへ引きずり込んでいくということが、直接的には地方財政の今日の危機の一つの原因になっていると。  第二の点は、おっしゃるようにもう一つは、不況とインフレのはさみ打ちの問題ですね。これも不況とインフレのはさみ打ちといいましても、自然現象で勝手にできたのじゃなしに、今日までの政府の経済政策の失敗が原因で、これはきわめて人為的政策によって生み出されたわけですから、言うなれば、どの二つの問題をとりましても、国の政治のあり方が今日の地方財政の危機を生み出した一つの重大な原因になっているということは、これは否定できないだろうと思います。したがって、地方財政の危機を打開しようとしますと、この国の政治のあり方といいますか、あるいは財政の仕組み、この問題にメスを入れる必要があるというように思うのですね。  そういう見地から、ひとつ大臣が、国と地方公共団体は車の両輪というか、相携えて実りある地方自治を推進しなきゃならぬというようにおっしゃっているんですが、国の全体の政治、経済のあり方が実は今日の自治体財政、地方財政の窮迫の重大な原因の一つになっている。とすれば、国と地方自治体が車の両輪だから一緒にやりなさいということじゃなしに、問題は、その国のあり方、国の政治の方向あるいは経済の仕組みの方向が、従来の高成長型からどうやって早く抜け出して、体系自身も根本的に変えていくかということをやらなければ、これはなかなか問題は解決しないんじゃないかと思うのですが、この点のお考えいかがですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 私は、必ずしも大企業優先の政策のしわ寄せの結果、今日の地方財政の状況が出てきたとは考えておりません。おりませんけれども、今日財政の問題に関連をいたしまして、租税特別措置の整理というようなことが問題になってまいっております。これはある政策目的を達成いたしまするためにあえて税の公平を犠牲にしておる制度でございますから、制度自体は悪だとは考えておりませんけれども、制度の効果とこの制度のもとで与えられておる恩恵のバランスということは絶えず見直していかなければならないと。そうでないと、国民の納得を得られませんから、かような点につきましては私どももこれから努力いたしまして、慢性的になり特権化しておるようなこの種の制度については、斧鉞を加えると申しますか、整理合理化を図ってまいりたいと、こう考えておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そういう点で手直しをしなきゃならぬというようにお考えのようですが、しかし、ことしの国の予算、これが、そういうたとえばいま一つの例として特権的な減免税の問題、租税特別措置の問題という点もおっしゃいましたが、これらの問題が実際に少しでも解決されるような状況になってきているのかどうかという点を私は非常に疑問に思うんですね。何というても、ことしの政府予算を見ましても、第一の特徴は、やっぱりいままでのような財政、税制の仕組みが根本的には少しも変えられない。一昨年ですか、一昨年の予算委員会で、たとえばその租税特別措置法の問題を問題にして、しかもそういう租税特別措置によって地方税が減少すると。国の政策の遂行によって、国の税金が減るだけの問題じゃなしにそのはね返りで地方税まで減収する。こんなばかな話はない。本来なら地方税として自治体に金が入るわけですよね。税収が入る。それが国の政策によって税金をまけてやるということで税収がストップになる。こんな不合理な話はないがという問題を出したら、当時副総理だったいまの総理が、これは確かにお説のとおりだと、これは検討しなければいかぬというお約束をなさったけれども、いまだにこの問題は解決をしておりません。いままでやっぱりそういう仕組みというものがそのまま残ってきておりますよね。地方財政の、これはこれから議論しますが、地方財政のこういう問題についても、やっぱり根本的に解決をするということがなされていない、こういう状態で進んできています。  それから公共事業は今度景気対策でふやすんだということをおっしゃってますが、それでも中身は、これは衆参の本会議質問やあるいは衆議院の予算委員会の中でも追及されておりますが、公共事業費の中身を見ますと、公共住宅など生活基盤整備は、総額から言っても、比較しますとうんとやっぱり少ない。そうして、高速自動車道路や、あるいは本四架橋のあのつけてあるやつの方がうんと多いわけですからね。ですから、そういう大規模なプロジェクト事業というのが引き続きふえている。  さらに、これから参議院でも大問題になりますし、衆議院でもこれから重要法案で論議になりますが、政管健保の改悪など、そういう住民福祉の切り捨てが一方で進みながら、ポスト四次防の新装備を大幅に含むような一兆七千億からの軍事費とか、YS開発費に対する大企業への補助金ですね。あるいは、五ヵ年で一兆五千億を上回る石油の九十日備蓄のための予算こういう浪費はやっぱり続いている。  ですから、不況とインフレという状態、あるいはさらに国鉄を初め公共料金の引き上げなどによる物価高あるいは失業、こういうものを考えますと、これから一層国民の生活というものは厳しくなる。逆に言えばそれだけ自治体に対する地域住民の行政需要はますますうんとふえてくるだろう。失業対策も地域自治体では考えなければなりません。あるいは、中小企業の倒産に対する手も打たなきゃならぬ。あるいはそういう生活困窮者に対する対策もこれからますます自治体の仕事として手厚くやっていかなきゃなりません。そういう状況がこれからますます強まるわけですね。  ところが、この地方財政対策というのは、そういう危機的な状況を根本的に解決することじゃなしに、何と言いますか、いままでの惰性に基づく一時的なこう薬張り、これで終わっているというところに、私はこれは政治問題として、特に地方自治の推進を担当している自治大臣としてきわめて重大な問題ではないかというふうに思うのですが、この点についての見解を伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 租税特別措置につきましては、地方財政をその影響から遮断をするという努力をいたしておるわけでございます。中には技術的にそういう断ち切ることができない性質のものもございますが、しからざるものはできるだけ地方財政に影響が及ばないような努力をしておるわけでございまするし、中小企業、農業等についての租税特別措置は、これは存続を適当とするものもございましょう。ございましょうが、全体としてあとう限り整理圧縮を図っていくつもりでございます。  それから、公共事業の中にはもちろん大規模なプロジェクトも含まれておりましょうけれども、やはり上水道、下水道初め国民の生活に密着した生活関連の公共事業もたくさんあるわけでございまして、まだまだ足りないという御指摘もございますけれども、必ずしもこれはその種の公共事業を全くやっておらないというわけではない。結構やっていると私たちは考えておるわけです。  あと、YSに対して補助金を与える、あるいは石油の備蓄、それぞれそれなりの理由があって、石油の備蓄のごときは国の安全保障の問題にもつながる大事な問題と私たちは心得ておるわけです。いろいろ御意見がございましたけれども、これは自治大臣として答弁申し上げるべき範囲を超えておるかと存じまするし、先生と私どもとの立場の相違でもございましょうから、それらの点に関しましてはひとつ答弁することを御遠慮申し上げさせていただきます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま申し上げた政府予算案についての私どもの考えというのは、まあわれわれは、ことしの予算を考えてみればそういう状態で、この予算でこれからの一年政府が施策を進めていくならば、景気が回復をする、あるいは物価は下がりインフレはとまるというようなことにはならないで、ますます深刻な不況が長期化をするし、失業、倒産はふえてくるんじゃないかという、そういう危惧を持っておるわけです。いずれにしても、今日の状態が進んでいく、そういう状況の中で、来年度、五十二年度に対しておとりになった地方財政対策、これで十分に地域住民のそういう行政に対する需要あるいはそういう国民生活の窮乏に、十分自治体としてやらなければならない仕事がやれると、そういうようにお考えかどうかという点はいかがですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 私どもといたしましては、今回とろうといたしておりまする措置で曲がりなりにも対処していけると、こう考えておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その辺が、今日の地方財政の危機の実態をどう見るかという点でやっぱり認識が違う私は重大な問題だと思うんです。しかし、そのことを抽象的に議論しておりましても話は進みませんから、したがって具体的に、ひとつ地方財政計画あるいは五十二年度の地方財政対策の中身について少し質問をしていきたいというように思うのです。  先ほども少し話が出ましたが、まず財政局長にお伺いしますが、五十二年度の財政不足額を二兆七百億ということにお決めになった根拠ですね。それがまた先ほどわざわざつけ加えられて、大蔵省の査定で減らされたんではありませんと、一致をしましたというふうにおっしゃいましたが、非常にそういう意味では、自治省のみならず大蔵省も一致をした不足額ですね、この根拠ですね、これをお伺いしたいと思うんです。先ほどは地方財政計画の各項目に基づくなにかをずっと積算をして積み上げるというようにおっしゃっていますね。恐らくそれは、つかみ金で二兆円ぐらい足らぬとかどうとかじゃなしに、大蔵省と折衝するんですから、一定の根拠をお持ちになってやられたと思いますが、この根拠を、言葉でいま説明してもらってもなかなかわかりにくいわけですから、基本的にあれを積算をする基礎というのを、去年の実績をもとにしてやられるのか、あるいは五十二年度に対してどういう事業をお考えになっているのか、あるいは自治体からいろいろな要求が出ていますが、そういう事業なんかは加味されているのかされてないのか、一体どの辺を基準にしてそれぞれの歳出の項目をお考えになり、そしてはじき出されたのか、この辺のひとつ基準をお聞かせいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 先ほど申し上げましたように、五十二年度の歳出の所要額を積算をいたしますに当たりましては、財政計画に立てております各費目ごと、つまり具体的には給与関係経費、一般行政経費、これも補助と補助を伴わない単独のもの、それから公債費、維持補修費、投資的経費がこれまた公共事業関係と単独事業関係、そういったように各費目ごとに所要額の積算をいたしたのでございまして、その基礎は、前年度の計画額に所要の伸び率等を掛けて積算をする、それからないしは、具体的には、たとえば単独事業等におきましては、臨時市町村道等の例もございますが、そういうように地方団体側から要求の強いものについて配慮をする、特に生活環境施設の整備を中心とする公共投資、それから社会福祉関係、こういった点には十分な伸び率を考えながら計画を立てたということでありまして、こういった見積もりにつきましては、当然のことでございますが、地方団体側の意向、六団体等の意向、これも十分承り、配慮をして積算をしたものでございます。申し上げましたように、このようにして積み上げました歳出額、これを大蔵省との折衝の経過で、財源不足を縮めるためにちょん切られると、こういうようなことは一切されておらないわけであります。  で、具体的なその伸び縮みにつきましては、地方財政計画の歳出ごとに前年度と比べて増減率の積算もお示しをしてございます。その率によって計算をしたということでございまして、口で言うと長くなりますが。それからさらに、歳出の増減事由の内訳につきましても、事細かに財政計画の中に明示をしてございますので、それをもって御承知を賜りたい。  歳出をそのように積み上げました後に、歳入につきまして税収そのほかの収入計算をする。その結果出ましたのが二兆七百億という数字でございまして、これは当初予想しておりましたより公共投資関係の経費が伸びてきた、それからそれに伴って単独事業も伸ばしたと、こういうようなことで、私ども当初推定をしていましたより若干多目の不足額が出たと、こういう結果に実はなっております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 どうもそれがもう一つよくわからないんですがね。だから、地方財政計画で策定された地方財政計画の歳出の項ですね、あれが、何ですか、自治省が大蔵省と折衝する一番最初の段階からお考えになっておる五十二年度の全地方公共団体の歳出内容、総規模と内容ということですか。  だから、あれに基づいて要る金が決まりますね。そしてそれに基づいて交付税その他地方債、国庫支出金その他を見て、不足額は幾らぐらいと、交付税は幾らと出ていますから、というので出したのが二兆七百億だ。だから、二兆七百億必要だという根拠というのは、あの歳出が、需要額の総額として、基礎として、結局それを大蔵省が認めて、歳出の方はそうならない、何ともならない、歳入不足をどう片をつけるかというのが対大蔵の折衝だ、そういうように理解をしていいんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 大体そのとおりでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうしますと、そこで自治省が計算をされたその歳出の枠です。その中には、たとえば、先ほども出ましたが、昨年の五十一年の七月十日付で自治事務次官から各省庁事務次官に対して、五十二年度の地方財政措置について要望されていますね。超過負担の解消やその他いろいろ、これは恐らく各自治体の方からの要望事項、あるいはこの委員会でも問題になったような事項、これらを検討されて、こういう問題については各省で来年度予算を検討する場合に十分ひとつ配慮してもらいたいという内容だったと思うのですが、そういうように理解していいんですか、これは。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ただいま申されました超過負担解消等に伴います措置につきましては、いわゆる補助事業費に当たりますものの国庫支出金、これを実態に合うように完全に措置をしてほしい、こういうまあ要求をしたわけでありまして、これに対しましては、事業費に見合うだけの適正な国庫支出金が歳入として増加をしてくると、こういうことを求めたものでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 たとえばこれには「超過負担の解消」、それから「補助基準の合理化等」、各項目があります。で、補助基準の合理化等について、国庫補助負担金に係る補助対象範囲、基準数量、標準仕様等の補助基準については、社会経済情勢の推移等に十分対応できるものとするように内容の改善をしてもらいたいということですね。これは各省あてにまた具体的にずっと出ています。このことは、現在の補助基準が実態に合わない。補助対象範囲、基準数量あるいは標準仕様等、いわゆる補助単価の問題も含めまして——補助単価の問題はその超過負担の解消の項の一項に書いてありますから、そういうものが実態に合わない。これは各自治体から自治省に対しても強くそういう要望が出ている。当委員会でもこの問題では何遍も具体的な問題の提起をして問題になってきております。これは当然解消されなければ自治体の負担になるわけですね。負担になるだけではなしに、そういう実態を反映をしない補助単価が決まると、それを基礎にして交付税算定しますから、交付税自身の算定の内容にも違いが出てくる。だから二重の問題が含まれますからね。こういう要望を各省に対して自治省はしたと。この自治省の要望が全部入れられるならば所要財源はどれだけ必要になってくるか、こういった問題はこの二兆七百億の計算の過程の中には出てきているわけですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 超過負担の解消問題でございますが、私どもが申し出たものが完全に実施をされれば幾らの負担減になるかという数字は、実は出てまいらないわけでございます。と申しますのは、どれだけの事業量が採択がされるか、これにかかわりますものですから、もっと平たく申し上げますと、同じある省ならある省が百億という国庫補助金を使う場合に、百億を超過負担をたくさん生じさせるかっこうで四百億という事業費にしてしまうのか、百億の国費を正確に計算をして二百億の事業量ということで設定をするのか、そこの問題にかかわってまいりますので、これはむしろ所要の事業費の伸び、それに対しまして国が支出をします国庫支出金の額、これがいかに適正に出てくるか、こういうことになってあらわれてくるべきものであろう、こう考えておるわけであります。全般的にこれに対します地方財政計画の従前の対処の方法といたしましては、建設事業費関係にありましては、公共事業なら公共事業という補助事業関係の普通建設費の伸び、それが一定にございますと、従前と同様にこれに伴います継ぎ足し、関連、単独等の事業も伸びてまいりますので、単独事業関係、こういうものも少なくとも同じ程度を下らないようなかっこうで伸びて、それだけの財源所要額が歳出としては総額で要る、こういう想定を最初に立てまして、そこで歳出の所要額を計算をしていく、こういう手法をとっております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまちょっと公共事業の補助事業と単独事業が出ましたが、四十九年が補助事業ずっと減ってきましたね。五十年で大体従来二対一だったのが三対一ぐらいになって、補助事業が全体で四分の一ぐらいになったでしょう。七十五ぐらいまで下がったですか、五十一年はちょっとふえてきておるだろう、先ほどの話ではそういうことでした。だから、今度五十二年というのは、いまの公共事業の割りでいきますと、補助事業、単独事業ではどのぐらいの率で見ているんですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 建設事業関係では、公共事業関係が全部で、直轄等も入れまして五兆五千億ぐらいの規模だと思います。それに対応いたしまして一般単独事業関係が四兆五千億弱、四兆四千八百億ぐらいになりましょうか、このぐらいの比率で見ておりますので、決して比率的に低い状況に抑え込んだという意識はちっとも持っておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ところが現実には、たとえば、指定都市の関係は、先般理事会が陳情を受けたんですが、人口急増に伴う高校建設その他の問題、それから産業廃棄物の増大の問題とかいういろんな要因を挙げて、財源の確保といいますか、拡充を要求してきましたね。それから人口急増地域あるいは過疎地域に対する特別の施策というやつも要求がされてきております。だから、この歳出の規模を一体どれだけの範囲に見るのか。自治体がそれぞれの条件に応じてどれだけの仕事をやれば住民の要求にこたえることができるのかということを自治省として展望を持って策定をしなければ、これはなかなかできないわけですね。  というのは、財源はもうこれだけで決まって、ないんだと、だからやりたい仕事があってもやれない、保育所つくってくれと言われてもそれは金がないからできません。だから、自治体の年間の仕事の枠というのはまさに財源で抑えられるわけです。そうしますと、この問題を解決しようとすれば、地域住民の要求にこたえる最低の社会資本の充実なりあるいは自治体の行政水準の内容を、五年なら五年後にはどの程度の水準まで拡大をしていくか、住民の要求にこたえられるような仕事に拡充し強化をしていくのか、あるいは十年後にはどういうように見るのか、そういう一定の指標をもとにして、そうしてそれに向けてそれに必要な財源をどう保障するのかということで、不足額、仮に不足をすれば不足額ですが、そういうたてまえから財源というものを考えなかったら、もう何といいますか、政府が決めている何カ年計画あるいは政府が決めた補助事業、これを土台にして、それに必要な自己財源プラス大体のいままでの例からくる補助事業と単独事業の割合、その他人件費、交際費その他をずっと計算をしてやっていくとすれば、毎年のやつをずるずると惰性で進んでいくだけです。あるいは政府の方針が決まればそれに基づいて自治体が仕事をやらされるというだけで、地方自治の本旨に基づいて自治体が地域住民の要求にこたえてその生活環境を改善をし、そして住民自治の実を上げていくという、そういう角度からはこの地方財政計画は全然つくられていないし、したがって、それとは無関係に財源不足額が生まれてくるというように私はなるんじゃないかと思うのですが、この点いかがですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、各団体それぞれ財政需要というものは数限りなくございまして、あれもやりたい、これもやりたい、これはたくさんございます。それは御指摘のとおりでございまして、それに対応していくためには、全般的に申し上げますれば莫大な財源が要るわけでございまして、ただいまのわが国の現状でいわゆる公的資金として確保できます財源でとてもそれは賄い切れないだけの充実すべき社会資本がたくさんある、これは御指摘のとおりだと思います。そこで、各団体ともそれぞれの地域ごとに最近は長期計画をおつくりでございますが、従前の手法でございますと、ともかくこれだけ要るんだと、要る額ばかりの算定が出ておってとても財源対策がなかったのでありますけれども、最近はやはり与えられた財源の状況も考えながら、それをどう繰り回していってその山積をする財政需要に重点的に対処をしていくか、こういうことをお考えいただくように相なっておると思うわけであります。  そこで、地方財政計画における所要の財源措置総額の問題でございますが、これはおのずとGNPの伸びでございますとか、あるいは各事業費目におきます国の財政規模の伸びでございますとか、あるいは各般の長期計画、こういうものに対します各計画のあり方でありますとか、こういうところから算定をされまして全般の財源総額というものの大方の見込みがつくわけでございますが、これが必ずしも希求をいたしております全部の財政需要を賄うに足るだけの額にはなかなか到達しないのは事実であろうと思います。しかしながら、個別個別の事業費目の所要額を積み上げてまいります場合には、各般の事情を考えながら、少なくとも公共事業等においては、国の行います施策が完全に実施ができるよう、それに対応して地方団体の単独事業もそれに劣らない全般的な伸び、これでもって確保ができるよう、その中で地方団体の自主性が確保される措置がとられ得るよう、そういうことを目の子に置いて計算をいたすわけでございます。  なお、具体的には、先ほども申し上げましたように、臨時市町村道とかあるいは過密過疎対策とか、こういったような点につきましては、地方団体側の要望も十分承りながら、伸び率としては非常に高い率に設定をしておる、こういうかっこうでございます。  したがいまして、最近の傾向といたしましては、財政運営の実態の問題もございますけれども、むしろ単独事業等におきましては、財政計画に計上しております額、これが事実実施をされております決算額より若干上回る、こういうような傾向が出ておりますのは、私どもそういう点を十分考えながら計画の編成に当たっておるということをあらわす一つのささいな例ではないかと考えておる次第であります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 議事進行。  私どもは何とか積極的に委員会を進めて、抱えている日切れ法案なども処理をしたいと、こういうことで野党がこれだけやっているのに、与党は理事もいなければ委員は一人もおらない。こんなばかなこと、これで会議ができますか。与党は全く無責任じゃありませんか。これじゃ会議にならないでしょう。野党きりじゃないですか。どうしますか。こんなことをやっていて委員会ができないというようなことになって、日切れ法案が上がらないなんというようなことになったって、挙げてこれは与党の責任になりますよ。どうしますか。

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 速記を起こしてください。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 地方財政が窮屈になるに従って、だんだん交付税増額問題というのは当然大きくなりますわね。そういう問題に余り突っ込まれるのを避けるために所要財源総額というのをできるだけ過小に押さえる、そうすれば財源不足額をできるだけ出さないようにする、あるいは小さくする、特に五十年度以降そういう財源不足額というのを小さくしてきている傾向があるのじゃないか、そういう疑惑が私もなかなか抜け切れないんです。だから、この点いろいろいま御説明になってますけれども、なぜそういう問題が起こるかといいますと、先ほども言いましたように、地方行政のあるべき姿、あるいは地方行政の行政水準、これらを本当に長期的な展望を持って政府は自治体の意見も聞きながら策定しているのかどうかというと、これはできていない。それで、しかも交付税の需要額の算定は、都道府県は百七十万、市町村は十万という昔から変わらぬ基準で、あとはいろんな計数で処理をするというような、そういうやり方がいまだに踏襲されてきているという点に、本当に自治を育てるとかどうとかいう考えがあるのかどうかという疑問がある、こういうふうに思うのですね。  そこで、ひとつそういう意味で、地方財政計画と決算との乖離の問題ですね、これは何回ともなくこの国会でも論議になっているんですが、そういう点で、昭和三十九年から五十年にかけて少し計数を拾ってみますと、地方財政計画額を一〇〇としますと、それに対する決算額は一体幾らか。大体昭和三十九年一二一・八、四十一年が一二一・六、四十三年が一二〇.一、四十五年が一二四・三、四十六年が一二二・六、四十七年が一二四・四、四十八年は一二〇・〇、四十九年一三一・七、五十年はこの間の決算出ました数字の計算では一二六・九ですか、大体二〇%台以上でずっとさていると。そして危機が深まりました四十九年、五十年について見ると三〇%あるいは二六%という、そういう乖離の状況になっている。  こういう点を見ますと、それには個別に言いますといろいろ理屈があるようです。自治省は一生懸命いままでも説明をされていますけれども、大体その計画額自身の決め方が低く過小に見積もっている。で、自治体が実際にやっている仕事は決算をしてみたらそれを上回るだろうというところに根本問題があるんだと、私はそのように思うのですね。こうならざるを得ないのは、できるだけこれを押さえて、そして財源不足額を出さないようにする、これが出てくると交付税率の引き上げが問題になる、だから財源不足額をできるだけ少なくすると、こういう意思作用、これが働いているんじゃないかという気持ちが抜け切れないのですが、この点はいかがですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 財政計画と決算との間に乖離がありますのは御指摘のとおりでございまして、この具体的な内容、理由等については、先生いろいろ御承知のとおりでございます。ただいま先生ごらんをいただきましたように、この乖離の状況が年を追ってだんだん大きくなってきつくなってきているという状況ではないわけでございます、いま先生ごらんをいただきましたように。したがいまして、実質的な乖離は財政計画の性格上からやむを得ないものもございますし、また人件費とか、あるいは枠外地方債によります単独事業経費とか、こういうものがありましてこのような状況になっておるわけであります。したがいまして、私どもとしてはこの財源不足額をちびるために財政計画の額を小さくすると、こういうようなことは、もうゆめ思ったことはございませんし、そのようなことがあれば、私どもの務めは全く頭から成り立たないわけでございます。また、そのようなことがあれば地方六団体も決して黙っていないだろうと、こう思うわけであります。決してそのような考え方は持っていない。この乖離の状況は、計画と実際決算との性格的な問題、あるいは先生御承知のようないろんな理由、こういうもので生じておるものであると、こういうように思っておるわけであります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 個別に言うと、いろいろ理由をつけて、乖離の理由はこうでございますということになります。しかし、いずれにしても乖離があることは事実ですよ。四十九年はしかも一三一・七になりますからね、これは落ち込みの大きかったとき。五十年は一二六・九。これは下がったのは下がっただけの理由があります。それは地方税収がごぼっと減るわ、そしてその財源保障がどうなるかわからぬわ。ですから、九月のそれぞれの各都道府県の予算議会は皆削減の、減額修正の議会をやっておりますよ。だからそういう状態になるだけの話。しかし、そうやってもなお一二六・九の乖離が出てきている。ですから、地方財政計画が、これは何遍も指摘をされていますが、実際の現実の地方財政の実態を十分に反映をしているということにはなっていない。自治省の方は、それを何とか反映をするようにしたいという努力をなされていると、われわれはそう聞いていますし、またそのことを信じてはおりますが、しかし、このことはやっぱり事実だというように思うんです。  そこで、次の問題に移りますが、この財源不足ですが、先ほども大分議論が出ました。五十年に二兆二千億足らず、五十一年は二兆六千二百億余り、五十二年度、来年度は二兆七百億になります。五十三年度は、この中期収支試算によりますと一兆一千八百億ということになっていますから、こういうように、こうずっと続いてきていますし、これは先ほど来議論になりましたが、交付税法上から言いましても、六条の三の第二項から言っても、当然制度改正または交付税率を引き上げなければならないそういう状態であるということは、これは先ほど自治省もお認めになってます。  ところが、それができなかった。私はそれが単にできなかったというだけでなしに、いままで、従来、元の塚田長官ですか、時代に、長官の答弁で、引き続いてというのは三年であり、著しくというのは一割以上だという論を盛んにおっしゃっていました。ところが、いままでに交付税率は七回引き上げをしておりますね、交付税率七回の理由をずっと見ると、別に三年間そうであったという状況ではないですよね。いわゆる国税の減収に伴うそのはね返りということで、交付税率を引き上げるという状態がずっと続いています。当時の塚田長官の発言は、二十九年ですが、それ以降にしましても、三十一年、三十二年、三十三年、三十四年、毎年上げていますからね、この交付税率は。塚田長官のそういう基準が出ましても、毎年上げているわけですよ。別に、三年間そういう著しい財源不足が生じたという事態でない。そうして四十一年以降今日まで三二%でくぎづけと。  ですから、私は本来こういう問題はもっと早く交付税率の引き上げを図り、同時に行財政、行政制度、財政制度、これに根本的にメスを入れるということが当然必要である、こう思うんですが、この辺については、どうお考えですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 先生御指摘のように、交付税制度が発足をしました当時二〇%程度でありました交付税の率が、その後逐年引き上げを行われまして、四十一年に三二%になった、これはそのとおりでございます。  この場合の地方財政の歴史的経過を考えてまいりますと、戦後の大幅な地方制度の改正に伴いまして、地方行政に非常に多くの仕事が移ってまいりましたのに対応して、国、地方を通じての財源配分、税と交付税を含めてでございますが、これが非常に国に偏っていたという現実が前提としてまずあったと思います。そのことの修正のために、私ども自治省といたしましては、血道を上げて地方自主財源の増強に努力をしてきた、それがそのような経過をたどってきたものだと思うわけでございます。ただいまの状況ではまだ十分だとは私ども決して思っておりませんが、一応国、地方を通じましての一般財源の配分といたしましては、税と交付税とを合わせますと、先生御案内のように大体半々になっておるわけでございます。そういう状況になるのが四十一年でありまして、その四十一年に決まりました後は、経済の高度成長等もありまして税収の自然増等がございましたものですから、何とか増加をする財政需要に対応して財政を運営することができた、こういうことであったろうと思うわけでございます。  それが五十年から経済の状況が非常に悪くなりまして、国、地方を通じまして税源が不足する。特に地方税減も激しく不足をする、こういう状況に至ったわけでございまして、ただいま先生御指摘のように、交付税法六条の三に該当するような事態がただいま起こっておると、こういうことであろうかと思っておるのであります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、私が言っているのは、仮にあなたのおっしゃるのを認めるとして、四十一年現在で大体交付税、地方税、とにかく税収の各財源としては一定の安定度に達したと。そしてそれ以後は、今度は高度成長の中で自然増収があったものですから、国と地方との関係の行政再配分の問題や税源再配分の問題、これが消されてしまった。現実に国の仕事の七割を自治体がやって、税源としては三割しか与えられていないという根本問題が、そのまま、自然増があって、そしていつの間にかそれで毎日毎日を過ごしていくと。それが根本的なメスを入れなきゃならぬのに入れずにきた。そして五十年の事態を迎えました。五十年から始まっておるわけです。四十九年からもうその前兆が出ていますね。そういう状況だったと思うのですね。  ところが、そういう問題について、当委員会でも、行財政制度の根本的な、抜本的な改革をやらなければ大変なことになるということは何遍も指摘をされています。地方制度調査会の答申を見ましても、これは何遍となくやられております。あるいは一般新聞を見ましても、特に最近は、昨年の暮れですか、からことしにかけまして、この二兆七百億の財源不足をめぐって自治、大蔵が折衝しているあの時期には、こういう時期にこそ根本的な、抜本的な改革に手をつけなければやれる時期はないのではないか、いまやらなければできないのではないかという、そういう論文が、毎日新聞その他にも指摘されている。こういった問題について、具体的に自治省の方ではどういうように作業を進め、やってきておられたのかという点を私は聞きたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ただいまの状況が、前提といたしまして経済状況の大幅な変動等によりまして、国、地方を通じまして所要の財政需要を賄うのに著しく税収入が不足をするという事態になっておる時点でございます。したがいまして、税財政制度の抜本的な改革をやるということになりますと、やはり歳出面での削減、こういった問題もたくさんあると思いますけれども、また歳入面においても、しかるべき歳入の増収を図るということがどうしても必要な事態、まあこういうことに相なろうかと思います。ただいまの経済状況では、五十五年までの将来見通しでは、国民の租税負担率をどうしても三%程度上げていただかなくてはつじつまが合わぬということになっておりますが、そのような大幅な増税を含みます税制の改正等がこの不況期において行い得るのかどうかというような問題もあわせて出てきたわけでございまして、私どもといたしましては、でき得べくんば地方税の大幅な増収方策をいろいろ考えたいと思いましたし、また、全般の財源が増加をいたしますならば、交付税率の引き上げ等を行っていただいて地方の自主財源を増強するように、まあいろいろな方策を検討いたしたのでありますが、その結果が御高承のような措置に落ちつかざるを得なかったと、こういう状況でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、事務当局としては、早くからそういうことを心配をして、また国会でも指摘をしておりますから、そういうことで作業をしてきたけれども、結局実現をしなかったということですね。もちろんそうだと私は思うのです、これはきわめて政治的な問題ですから。ぼくはだから自治大臣にその点でひとつお聞きをしたいんです。  先ほどから、交付税法の六条の三の二項に基づいて制度改正または交付税率の引き上げをしなきゃならぬ、このことは自治省当局も確認をされている。「地方財政」の一月号の座談会を見ますと、石原審議官は、五十二年に間に合う制度改正はもう見当たらぬ、だからもういまとなっては交付税率の変更しか法律上やれることが残っていないと、こういうように言っていますし、関根課長さんも、それから今井課長さんも、この交付税率の引き上げの問題というのは避けて通ることはできぬと、六条の三の第二項の規定に該当をする事態にいま立ち至っておると、これはどうしても今度はもう交付税率の引き上げ以外にはないというのが、座談会でそれぞれ話をされていますよね。そういう事態です。いままで早くから制度改正あるいは地方交付税の改正の問題やら、行政事務の再配分の問題、こういった問題をいろいろ事務当局は言ってきたけれども、もうどうにもこうにもならぬ、急場の間に合わぬと。交付税法上から言っては五十二年度は、大臣の答弁もありますから、どうしても交付税率の引き上げをやらなきやならぬという状況になっておったのですが、ところが先ほどの大臣の答弁では、二年据え置きで八年償還するという問題を法律に明記をさしたんだから、これは恒久的なものではないにしても制度改正と言う。八年間で返すということを法律で決めるんだから、それで非常に短期的というのか、部分的ではあっても制度改正だという意味かと思いますが、そうおっしゃってますね。そうならざるを得なかった理由は何かというと、国の財政が大変だということ、それから経済安定成長へのまだ見通しが立たない、国税を含めた税制の大改革をやらなきゃならないけれども、まだその見通しが立たない、こういう発言ですね。  そうしますと、ことしも交付税はふえないと私は思う。来年もそうだと思うんですね、来年も。五十三年度もやっぱり交付税率の引き上げまたは制度改正をやるということにはならないと思うのです。言いかえたら、今年度中に抜本的なそういう国税を含めた税制改正は必ずやられるということになるのか。先ほどの大臣の答弁ですと、五十五年までの間にやるということになると思う。事務当局の方は一刻も早くと言っていますが、大臣の答弁を聞いていますと一刻も早くということはなかなか出てなかった。五十五年度までという、幅をとっておられますが、この辺を考えますと、五十二年度もこういう異例の措置とおっしゃる。われわれから言うと交付税違反の措置しかやってない。五十三年度もやっぱり引き続いてそういうことになるのか。まあ大臣の答弁を聞くとそう考えざるを得ないのですが、この辺はいかがですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 一刻も早く、交付税の問題を含めまして税財政制度の根本的な見直し、改善を図っていきたいと願っておるわけでございます。五十三年度におきましてかようなことを実行するのに適した経済の環境が出てくることを期待をいたしておるわけであります。ことしもだめだから来年もだめだとは考えておらないわけでございます。一日も早くそのために景気を立て直していきたい。まあ国税、地方税を通じて、税収等につきましても相当確かな予測のつけ得る状況下で交付税の税率改正ということは実行するのが望ましいと思いまするし、中期収支試算というようなものも出ております。これは一つの試算でございますが、かようなものがあるなしにかかわらず、財政の均衡を取り戻すために相当程度の税負担率の引き上げを実行せざるを得ないと私たちは考えておりますが、さような場合に、これは一つの仮定の問題ですけれども、相当の税収を引き続いて確保できるような新税が創設されるというようなことになりますれば、あるいは交付税をこれにリンクさせるというようなことも考えられる、このように考えておるわけでございます。  今日、経済が揺れ動いております時期、しかも深刻な不況下で交付税率の問題だけを単独に決定をする、いわば独走させるということは、遺憾ながら非常に困難な問題だと、こう思っております。     —————————————

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、片山正英君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君が選任されました。     —————————————

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その辺が一つ私は最大の問題だと思います。冒頭に本年度の政府予算についての意見を申し上げましたけれども、政府予算の、特に地方財政をめぐる諸問題としては根本的にそこのところに一つ問題がある。だから、たとえばわれわれは、景気回復をやる場合でも、ああいう大規模の。プロジェクトチームに投資をうんとして、そうしてそこに仕事を与えてその波及効果で景気の回復を図っていくというやり方じゃなしに、もっと地方自治体の方に財源を与えて、そして高校の建設やあるいは保育所や保健所の建設、住宅建設あるいは上下水道の事業をどんどんやらせるとか、こういうところにもっと投資をする必要がある。それをまた支えていくためにも、地方自治体の自主財源をうんと強めないとこれは進まないということを言っているわけです。これをことしやろうと思ったらことしの予算でもやれぬことはない、二十八兆余りの一般会計予算の総枠をどこに重点を置いて割り振りをするかという問題ですから。だから、そこのところが私は根本的に一つの問題だと思います。だから、景気を浮揚させるために一体そういう大きな大事業を起こして、そうして大企業に仕事を与える、そうしてその関連産業にまた仕事が伸びていく、下請、孫請に至るまで仕事がいくようにいくという方法をとるのか、それをもっと自治体に財源を与えて、そして地域からずっと地場産業を中心にして、地域産業、中小企業を中心にそういう活力を与えていくのか、この点でも不況の解決策の方法が根本的に私は違うと思う。  だから、本当に交付税法のあの六条の三の二項というのは、これは午前中小山先生もおっしゃいましたように、経済の激動期はこれは適用しないとは何にも書いてないんですからね、あの条文は。国の財政がそれにこたえることができない場合にはこれはやらないとも書いてないのです。だから、あの六条の三の第二項をちゃんと正確に読めば、当然制度改正または交付税率の引き上げをやらなきゃいかぬ。私は、いまの状態ですとこれは両面やっぱり考えてやらなきゃならぬ、両方。ただし、一遍になかなか、きょう言ってあす制度改正というのはできるものじゃありませんから、それについてはしかるべき機関をつくって、そしてすぐ検討していくような方途というものを考えなきゃならぬと思いますが、交付税率の引き上げは私は可能だと思う。仮に三二%を四〇%に引き上げますと約一兆円余りの財源になりますね。ですから、これに必要な一般会計、交付税会計ふやすと。それに必要な、それだけの一般会計からのなにができなければ、交付税特会に運用部から借り入れをして、それで三年据え置きの八年償還と。今度の四千億余りをちゃんと政府が元利償還を責任を持つというやり方をやりましたけれども、われわれは国の財政でどうにもこうにもならなければ、交付税会計にそういう方法をやって、そのかわりそれについては政府が全部責任を持つという一時的便法も今日の事態ではやむを得ないと思っているのですよ。いままで自民党の政府の政治のために確かに国の財政状況というのはもうきわめて深刻な状況ですから、あれにも金を使わにゃいかぬ、これにも金を使わにゃいかぬという状況がありますから、そういう意味では一定部分というのはそういう方法をとってもいいだろうというように思っているのです。しかし、当然自治体に出さなきゃならぬ財源ですから、その元利償還についてはこれはもう政府が責任を持つというように今度初めて五十二年度にやろうとするわけですから、そういう方法をもっと早くからやれば、この問題は、いま直ちにその金が、財源が要るわけではないんですから、処理できるわけですね。だから、四〇%にとりあえずまず引き上げるということも、私はそういう方法を含めて考えるならば決して不可能ではないというように思うんですよ。  ところが、もう頭からそういう点では私は、交付税法の六条の三の第二項というこの項目を本当に守って、何としてもこれは法律で決めてあるんだからやらなければならないという立場に立って大蔵省とも、あるいは大臣は閣議の中でも折衝されたのかどうかという点については、私は重大な疑問を持つと同時に、これは重大なやっぱり法律違反行為ではないかと思っています。しかもまた来年もこういうことにならざるを得ないかもわからぬ。そういうことはいたしませんとは大臣言いませんからね。必ず来年は交付税率を上げますとはおっしゃってないんですから、これはあり得る可能性があるわけです。これをまだこういう違法のやつをこれを前例として引き続いてやられるということになると私は重大だと思うのです。  しかも、五千百七十五億はこれは返済なしの融資ということにしたというんですが、しかも法定したとおっしゃるけれども、結局後年度返済分の一部を国が責任を持ちますということを義務づけただけであります。だから、制度改正というような本来の趣旨には全く合致しない、そういうものだというように思うわけです。この辺、大臣もう一遍ひとつはっきり——いまになってこれは法律違反でございますということを認めたらこれは大変なことだから、なかなかおっしゃらぬだろうと思うんだが、しかしあの覚書にもこれは異例な措置だとおっしゃっているんですからね。六条の三の第二項に言う制度改正であるというようには書いてないんです。異例の措置、特別の、もうとにかくどうにもこうにもしょうがないからまあやりますということだけでね。それが法定されればなぜ制度改正なのか、この辺もちっともわからないから、もう少しお答えいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 前例のない措置を法律に明定して実行するわけでございます。今回の措置は単年度限りの措置でございますけれども、法律に書いておりまする制度というのは必ずしも恒久的な制度であることを必要としない、法律は広い選択の余地を残しておるというのが法制局等の解釈でございます。また、五十五年度以降、毎年毎年必ず臨時地方特例交付金で埋めていくということを今日の時点であらかじめ法律に明定をしておく、そういうルールで物事が必ず処理されるということを法律で決めるわけでございますから、これは制度と理解できないとは私どもは考えておらないわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ法制局の見解がそうだということで強弁をされていますが、私はそれを、説明を納得することはできません。まあ大臣ももうそういうことで閣議でも確認をして改正案を出しておられるわけですから、ここで違法であったということを認めろというようなことはこれはやぼなことですからこれ以上言いませんけれども、しかし、来年度をこういうことが行われるということになると事は私はさらに重大だと思いますが、来年度はどういう処置になるんですか。やっぱりちゃんと正しく——私はこういう措置をやったら、今日に至って——たとえば石原審議官が座談会で言っていますよ、この段階で制度改正なんかどんなことを考えてみてもできませんと。何か法定したら制度改正になるというなら簡単なことですから、さっさとやる、そういう方法があります、制度改正できますと言っておりますよ。もう自治、大蔵の折衝でにっちもさっちもいかぬことになって、それで法制局の解釈をうんと幅を広げさして、そしてああいう措置をとったというように判断せざるを得ないわけですね。しかし、それ以上、のことは言いませんが、来年度引き続きやっぱりこういう措置をやられるわけですか。来年度は交付税法の六条の三の第二項に基づいて制度改正、これはだれが考えても制度改正だと言われるような制度改正をおやりになるのか、あるいは交付税率の引き上げをおやりになるのか。来年度も、この試算では一兆三千億ですか、とにかく一兆円以上の財源不足が出ることはもう明らか、恐らくこれ以上になるであろうと思うんですが、そういう事態が予想されるんですね。五十三年度の対策、それについてどうお考えですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 引き続いて大きな財源不足が生じまするような場合には、その時点でこれを実行することが可能のような経済の環境ができ上がっておりますれば、これはもちろん交付税率の引き上げを実行すべきものだと思っております。これが実行できません場合にはどういう措置をとるか、今日の時点で具体的に申し上げることは困難でございますけれども、いずれにいたしましても六条の三の二項の趣旨に沿った措置をとる、これはもう当然のことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 六条の三の第二項の趣旨に沿った措置をとるということは、ことしのような、今回のようなそういう異例の措置ではないというように理解をしてよろしいですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これは同じことの繰り返しになりますが、具体的にどういう方法をとるかということは、ただいまからあらかじめ申し上げるわけにはまいりかねますので、これはひとつ御容赦をいただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、六条の三の第二項というのは非常に明快なんですよ、行政制度、財政制度の改正または交付税率の引き上げ。今回のやつはこれは法制局あたりはそうお考えになったかどうか知りませんが、きわめて学者の中でもほとんど支持をする人のないぐらいの制度改正の内容ですからね。そういう異例の、あえて言うならば異例の制度改正ということに尽きますが、それを再び繰り返すということは少なくともないということですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) まあ来年の問題でございますから、お答えといたしましては、法律の趣旨にのっとって、交付税率の変更をするか、あるいは行財政制度の改正をするか、あるいはその両方を行うか、いずれにいたしましても法律に違反せざる措置を実行する、こう申し上げるほかございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃもう少し詰めていきますが、制度の改正というのはことしのような措置ではない、単年度限りのそういう措置ではないというように理解していいですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これは、私たちは制度の改正というのは必ずしも恒久的な制度でなくてもこれは制度の改正だと存じておりまするから、ことしと同じようなことをやる、やらぬは別といたしまして、何らかの形で単年度限りの制度の改正をするということも、これはそういたしますというのじゃございません、可能性の問題としてはあり得ないことではないと考えます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これはますますちょっと承認できぬですね。あり得ないことではないということであれば、再び来年度もそういうことを、ことしのような単年度だけの、その場限りの、その場しのぎのといいますか、そういう措置をやってそれで制度改正とおっしゃるということであれば、それが続けばあんな条文は何も要りませんよ、制度改正。そういう場合は、毎年それに必要な財源を保障したらよろしい。財源不足を生じたら毎年そういう措置をしたらよろしい。それはいままでもやってきているんだ、特会に借り入れをしたりして。向こうに言っているのは制度改正なんですよ。毎年毎年いろんな方法を考えて、特別の地方債に振りかえてみたり、あるいは特会に借りてきたり、臨特を出したり、こういう措置、それをやったらいいということであれば六条の三の第二項は必要でないわけですよ。あれがなくたって毎年やってきているんだ。そういう措置でなしに、制度改正または税率の引き上げをやりなさいというのが六条の三の第二項の精神。それをことしはもう無理やり法制局の拡張解釈で政府は意思統一をして、法律違反ではございませんと言っている。来年もまたそれをやりますと再来年もそうなりますよと。いや、その可能性はありますよ。経済がどないなりますか、そうですよ。自民党の政府は私どもそう長く続くとは思わぬけれども、この政府が続いている限りはそう簡単に安定しないでしょう。もう経済が安定をしない限りはだめですよ。毎年毎年やっている。毎年の措置はいままでからやっています。それだったら六条の三の第二項は要らぬですよ、どうですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 必ず五十三年度において交付税率の変更、引き上げをいたしますとこの時点で私がお答えするということは、これははなはだ無責任のことになると存じます。その時点で経済の状況がどうなっておるのか、国の財政、地方財政の前途に確たる見通しが出ておるのかおらないのか、いまからこれは予測しかねることでございます。いずれにいたしましても、法律の趣旨に照らして何らかの適切な措置を講ずることは当然でございますと、まあこう申し上げるほかはございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 どうにもちょっと納得できぬですね。五十年度からこういう措置をするまでも、臨特を出したり、いろんな措置をやっています。その場合には、引き続いてではないとか、著しい不足ではないとかいうことで単年度措置をやってきた。で、五十年度からは、もう明らかに二兆円を超える財源不足を出したわけですから、それじゃ直ちにやりなさいと、これは六条の三の第二項の発動の時期ではないかと、こう言ったら、そうしたら塚田元長官の答弁、これは自治省の有権解釈だということで二年引き続いて三年目もということになった。それで、昨年の国会の答弁では、福田自治大臣は、六条の三の第二項の事態が五十二年度はまだわからぬにしても見通されると、そういう事態の場合には制度改正または交付税率の引き上げの措置をやりますと、少なくとも交付税率の引き上げを含む制度の改正をやりますと、これは何回か明確に答弁された。これは法律にそうなっている。制度改正を今度やったとおっしゃるが、あけてみたら制度改正というのは単年度限りの臨時措置である。単年度限りの臨時措置は五十年も五十一年もやっているんです。しかもそのやり方は、われわれが言うように、交付税の需要額をほうり出して起債をやってみたりしていろんなことをやっている。今度の問題も、後で触れますが、とにかく本来なら交付税なり地方税として入ってきたら使途は自由であるのに、起債に振りかえられることによって、それはその事業をやらなければ金はもらえないんですから、使途が限定されるということなんです。交付税制度自身、あるいは地方財源、自主財源自身が非常に制約をされる。そういう事態、これらについてもわれわれは、交付税法違反だ、あるいは地方財政法違反だということを言ってきたわけです。そういう単年度措置はいままでやっていますよ。これはしかしああいう措置は決して制度改正ではない、あるいは六条の三の第二項にいうところの制度改正ではないとおっしゃった。そして今度も臨時措置でありますと。ただ違うのは何かといったら、その元利償還は政府がやるということを法律で義務づけただけです。これをまた来年もやるということになったら、もう六条の三の第二項は要らぬじゃないですか。削除したらどうです。承服できないです。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) まあこれは来年の話になりまするので、経済がこのように激しく揺れ動いておる時期でございます。今日の時点で必ずしかじかの方法をとりますというお約束は、これは私としてははなはだ無責任なことになりますから、ひとつ御容赦いただくよりほかございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 どうしてもそれ以上お答えにならないということであれば、これはもう時間の関係がありますからそれは言いませんが、私は、したがってもう一度念を押して言っておきますが、五十二年度の財政対策としてとられた、元利償還の義務を政府に義務づけた、それを法定化したということをもってあの六条の三の第二項にいう制度改正とはとうていわれわれは考えることはできない。まあなかなか来年度のことはわからぬとおっしゃいますが、来年度は恐らく一兆円を超える財源不足が引き続いてあるであろうというのは、これは自治省の資料に、きょういただきましたが、ちゃんと出ています。ですから、経済情勢の変動がどうであろうとこうであろうと、さらに引き続いてそういう状態が起こるんですから、これはどうしても制度改正に踏み切らざるを得ない。これは早くやらなければ私はますます傷が大きくなると思うんです。これはいままでの論議でもそういうことは指摘をされているし、またそのことはお認めになっていますね。どんどん傷は深くなる。地方債がふえますから、地方債残高がどんどんふえていくし、したがって元利を含めて精算をしなきゃならぬということになってきますからね。だからそれはよけい大手術を必要とするという事態になるわけです。だから、経済が安定をしない限りということで、五十五年を見通して五十五年ぐらいまで待つんだというようなことになったら、私はこれはますます大変だと言うわけです。このことだけひとつ警告をしておきたいと思います。  その次の問題は、そういう地方財政計画と決算額との間の乖離に先ほど触れましたけれども、この乖離をどうやって実際それじゃ埋めてきているかという点です。それを少し分析をしてみたわけですが、地方財政の収入の約八割、八〇%を占めているのが地方税、交付税、国庫支出金の合計額です。交付税と地方税と国庫支出金を合計しますと大体八割。これを地方財政計画の従来の三項目の合計額と比較をして見てみますと、いまの三十九年から五十年にかけてですが、大体一〇七・四、一〇八・三とずっとあって、まあ大体一番大きいところで一一五・〇というのが四十九年。五十年は一〇〇を割って九八・一。これは計画の方が大きかったということになっているわけです。ですから、あとその残りは結局もっぱら地方債、それから使用料、手数料、それから雑収入、この増額、増発、これで埋めざるを得なかったという、そういう状況であります。  先ほどもちょっと触れましたが、そこで地方債の問題ですが、この地方債計画を見ましても、そういう事態ですから、地方債計画と許可実績を比較しますと、地方債計画を上回って地方債の許可をしてきている。結局地財計画の枠全体が決算ではうんとふえてくる。しかし、それを税収やあるいは国庫支出金では賄うことができなくて、地方債計画を上回って許可をしなければ財政運営はできないという、そういう実態で来ています。したがって、この地方債がさらに自治体のやらなきやならぬ仕事のために起債をするというだけではなしに、税収の減収に伴う地方債ですね。国の方からいやおうなしに押しつけられる起債とも言えますが、そういうものも含めて地方債というのが非常にふえてきている。  この地方債の残高が年々増加をしていくわけです。先ほども問題になりましたが、五十五年度にも二兆九千億からの地方債の発行を予定せざるを得ない。恐らくこれを上回る起債を見なきゃならぬだろう。そして地方債の残高も、公営企業を含めますと、恐らく二十五兆から三十兆前後になるのではないかというように自治省の人もおっしゃっているんですが、そういう事態になってきますがね。こうなると、これは公債費もこの計画によりますともう膨張してきますから、非常に重大な事態ではないかと思う。先ほども指摘がありましたが、五十五年度には地方債は二兆九千億ですが、公債費は三兆四百億です。借金をしてもまだ借金返しに足らないという事態ですね。借金したやつを全部利子の払いに使ってもまだそれでも足らぬ、何のための借金かわからぬという事態が五十五年度に起こってくる。こういう事態に対して一体どういうようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 地方債の問題で二つの点に触れての御指摘でございました。  一つは、地方財政計画と決算との乖離の場合の枠外地方債発行の問題でございますが、これは四十九年の例を申し上げますと、一般会計で枠外地方債七千八百億ほど発行を許可いたしておりますが、これは投資的経費が八千百億ほど計画以上に実施をされております。つまり、当該団体が地方債計画に計上したもの以外にどうしても緊急にやらなきゃならぬ事態が起きておる、こういう場合に対応いたしまして、弾力的にこれは地方債の発行を許可したものでございますので、これはむしろ地方財政の実態に合って、それだけ仕事が伸びる、こういうことに活用されたものだと、このように観念をいたしております。  それからもう一点は、五十年から起こしました減収補てん債、それから五十一年あるいは五十二年度、このように財源不足に対処をしますために増発をいたした地方債問題でございまして、これは、この面の地方債の現債額がどんどん増加をしていって公債費がふえるということは、御指摘のように決して望ましいことではないわけでありまして、できるだけ早い機会に一般財源を増強いたしまして地方債の状況を圧縮をしていきたい、こういう念願を持っておりますのは御承知のとおりでございます。  ただ、このような増加をいたしました地方債の償還費に対しましては、これは国としても適実なこの償還対策をとっていってやる責任がある、このように考えておるわけでございますので、一つには、御案内のように、地方財政計画を立てます場合にこの償還額を的確に掲上いたしまして、これによって生じる財源不足額を完全に補てんをしていく、こういうことで地方財源の総枠を確保していく。それから、具体的には、各地方公共団体それぞれに対して、このような財源対策債の元利償還金を交付税の計算の際に基準財政需要額に算入をしていって、案質的に個別の団体がその償還費で行き詰まることがないように措置をする。この二つの措置は的確にとっていきたいと、このように毎々申し上げているところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、私はちょっと疑問に思うんですよ。地方債は別にしまして、いわゆる財源対策債ですね、五十年から出してきています。これらの償還について交付税で措置をするということになりますと、本来一般財源でとって、利子も要らぬ金ですね。それを今度は交付税措置でやれば、二重に自主財源を食うという問題になってくるんじゃないかと。この点はどうですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ですから、先ほど申し上げましたように、交付税ないし一般財源の所要総額、これをマクロで計算をいたします際に、地方財政計画を通じましてその償還費総額を的確に歳出に算入をいたしますから、交付税総額がマクロにおいてそれだけ増加をする、このような措置を前提にした上で各個別の地方団体に需要算入をしていく、こういう措置をとりますので、差し支えなかろうと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、マクロにしましてもね。歳出でそれで償還金を出すわけでしょう。見るわけですね、歳出のところで。本来はそれは交付税から措置するんじゃなしに、国の措置、あるいはたとえば国庫支出金か臨特か何かで措置をするという措置をするならわかりますよ。これは、国の責任で減収して、その際減収補てん債をやったとかあるいは財源対策債、本来交付税でくるやつがそういうことになったんですから。だから、それを交付税で措置されるならそれならわかる。交付税の三二%——いま三二%ですね、三二%をそのためにふやすなら別ですよ。その別枠として、臨特としてその分をふやすのなら別です。ことしの九百五十億の臨特の中にも一部そういう部分が若干入っていますわね、だから、そういう措置としてやるのならば。しかし、全体としてやっちまえば、その部分は交付税の中に入れましても差し引きゼロだということになれば、自由に使う財源というのは減ると。全体として、起債や国庫支出金を含めまして、全部含めた財源としてはそれでそろばん勘定は合うけれども、自主財源という点で言えばそれだけ減るということになるんじゃないですか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) この問題は、投資的経費の財源を確保いたします場合に、なるほど御指摘のように、目的財源としての地方債、それから自主財源、完全な自主財源としての交付税、これの性格の差が出てくるのは御指摘のとおりでございます。しかし、いずれにいたしましても、一定の投資的事業をやります場合に、地方債という目的財源と普通交付税、交付税という自主財源をどのようにかみ合わしていくのか、この問題になるわけでございまして、たとえば、いままでの交付税の措置を通じまして建設財源を確保します場合には、特定の公共事業がたくさん寄るところに事業費補正という手法で交付税を回す、このような措置をとったわけでございますけれども、それが今度は地方債に振りかわるというかっこうに相なります。  そこで、なるほど自主財源と目的財源の差はこれはございますが、そうやって出しました地方債についても、償還費を将来一般財源で補てんをしていってやれば、当該団体の財政運営そのものには支障を来さない、こういうことは言えようかと思うわけであります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこのところがまだ私は若干問題だと思います。というのは、普通例年やっている建設事業債、これはそれぞれ自治体自身が自主財源を何ぼやるか、これを何ぼにしてあと残りを起債に頼むと。まあこの起債充当率もなかなかむつかしいわけですが、いずれにしても、それでいきますわね。この財源対策債の場合はもうそういうことじゃなしにきているわけですから、そういう意味では、使うときからそういう点では制限をされ、しかも今度は払うときにもまた、そういう自主財源と目的財源、目的財源がふえちゃって自主財源が減るというそういう結果を生みますからね。この辺は私はもう少し、これから出てくる問題ですから、ずっとふえてきますから、研究をしてもらいたいと思います。  それから、もう一つついでにお伺いしますが、特会会計が借りたやつの返済問題ですがね。来年度、五十二年度の四千二百五十五億ですか、これは元本国が持つということで、先ほどおっしゃるいわゆる広がった制度改正をやられたということになるわけですね、これは。残の五千百七十五億の分、これの償還について一負担の緩和という問題はないのかどうかですね。というのは、昨年度の場合は、これについては、そのときの経済情勢に応じて自治、大蔵両大臣で検討して緩和について配慮するという一項がありましたね。ことしはそれがないわけですよ。去年の場合はそういう処置があるのにことしはそれがないということは、逆に、もうこれは交付税特会で責任をもって返さなければならぬと、そういうことになっているのかどうか。この去年の緩和についての配慮の問題がことしはない、この違いについて一体どうなっているか。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ことしの覚書には、特に去年に書きましたように、残りの五千百七十五億分の返済について云々という覚書はなるほど取り交わしておりません。しかし、これは五千百七十五億は二年据え置きの八年償還で交付税特別会計からまさしく償還をいたしますけれども、これは当然その償還額は交付税の所要額、これから減少してまいりますので、当該年度の地方財政計画がそのことによって財源不足が生ずると、こういうふうなことであれば、やはり別途それは当然補てんをしなければならぬ、こういうことになるわけでございます。したがいまして、この償還費が出てくることによって当該各年度ごとの地方財政の運営が阻害をされるような事態があってはならない。これはもう当然のことでございますので、その点は特に書いてないから、全然そんなことを頭から考えなくて足らなくても払わさすんだと、こういうふうには考えておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 五十三年度から、この償還がずっと五十年分から始まってきますね。ですから、五十三年度のときからこの問題の折衝が始まると思うんですが、それはそういうことであって、最後には財源不足が生ずるんだから、当然これは保障されるべきだという趣旨ですね。それだったら、去年のときも同じことですよ。去年の五十一年度のあの覚書にわざわざ書かなくてもいいことだと、これは私はそうなるんですね。去年のときはあれは一札ちゃんと償還の緩和について配慮をするという一項を取ったことが自治省の対大蔵省折衝の戦果の一つになりましたからね、去年は。折衝の中の成果の一つにあれが挙がっていますよね。ことしは四千二百五十五億元本、国が責任を持つことになったというのが成果の一つでしょう、ほかにもあるでしょうけれども。ことしは去年のそれは一つなくなっているんですからね。実際の実務上は、確かに計算をしてそれだけ交付税会計が減りますから、他の歳出が普通にあればそれだけ足らぬという問題が起こってくるということがありますからですが、この辺のところは、交付税率がいつ引き上げられるか、それらの問題とも関連はすると思いますが、これはしかし国の責任において処理をしてもらうべきしろものだと、五十年度からのいろんな減収補てん債とか財源対策債とかいう特別の財源不足については。それまでにもありますよ。われわれはそれについても、特会会計から借り入れをしてもその元利償還は政府が責任を持つべきだと言っていましたけれども、これはそれぞれの自治体の行政運営、財政需要、これに伴って生じてきたわけです。言うならば自治体がそれだけまた仕事をしたわけでもある。今度は逆に政府の失政によってそういう支障が起こって、そういう借金をやらなければならなかったわけですから、少なくともその借金については政府が責任を持つということは最低確立をしていかないと、これは交付税率が三二%から仮に四〇%に上がったと、だからそれで返せるじゃないかということで全部特会から返していくと、せっかく四〇%に上げても実際には三三%にしかなっていなかったということにもなりかねないわけですね。この辺のところがひとつあるんで、これは来年度予算の折衝から始まる問題ではあるけれども、私は将来のこれからの地方財政にとっては重大な影響を与える問題ですから、少しその辺についての見解あるいは自治省側の決意を伺っておきたいと思うんです。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) 昨年の多額の借り入れに対しまして、これが地方財政に悪い影響を及ぼすときには、国の財政、地方財政の状況を勘案をしながら緩和についていろいろ配慮をする。これは初めてあんな大きな制度をとりましたので、そこまでの思い切りを大蔵当局につけてもらった、こういう意味で意義があったのだろうと思います。それから、ことしは、ともかくどうあろうと四千二百二十五億は的確にその金額をまるまる義務費として支出をしてもらうと、こういうことを明記したわけでございます。したがいまして、ことしの残りの五千百七十五億、この償還が、先ほど申し上げましたように、将来の地方財政にそれだけの穴をあけてしまう、こういうような事態があれば、それを補てんをすることは当然の前提のことでありまして、私どもとしてはそのような措置を確実にとってもらうという点については、昨年の覚書の例から考えてもあたりまえだと思いますので、そのような趣旨で今後進んでまいりたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その次は地方税の見積もりの問題ですが、これも先ほど出ましたが、地方税収入の伸びを前年比一八・一%、それから法人事業税は二四%余りでしたかね、そうなっていますね。それで五十二年度の各都道府県の予算を見ますと、これは地方税だけ、地方税総額のものしかないのでなんですが、これを見ますと、やっぱり地方税の収入が対前年比二〇・三と見ています。ですから、法人事業税は恐らくさらにもっと大幅に平均で見ましても伸び率を見ているんじゃないかと思うんです。先ほど、もしそれだけの税収が確保できなければ、これはそういう地方財政計画をつくった自治省、政府が責任があるんだから当然その補てんはいたします、ということですね。その場合、地方財政計画上は一八・一ですが、都道府県の平均二〇・三と。それから各府県で、たとえば北海道二二・三の伸び、青森二四・一とかいうようにやっていますが、これは各府県にアンバランスがありますから、大体これらの数字というのは、自治省の言う一八・一に該当して、各府県で見た場合の数字は大体適合しているわけですか。あるいは自治省の見込みよりもさらに大きく見込んでいる府県——少なく見込んでいる府県はこれはいいですがね。自治省の見ているよりも大きく見込んでいますと、その分はその県が責任を持たなければいかぬということになりますから、そういう点でちょっとお聞きするんですが、そういう府県というのは、ありとすればどことどこですか。

森岡敞自治省税務局長

○政府委員(森岡敞君) 各府県ごとの、たとえば法人事業税の税収の五十一年度の実績見込み、あるいは五十二年度の収入見込み、かなり地域的、業種的に格差がありまして、これはもう御承知のとおりでございます。その問題が一点です。  それから、いま御指摘の五十一年度の当初予算と五十二年度の当初予算の対比の二〇・三%というのは、まさに当初予算単位でございますので、この二〇・三%を全体の五十一年度実績見込みから見ますと一五%台になっている。ただ、県ごとに見ますと、実績見込みに対する伸び率に若干上下のあることも事実でございますが、しかし、この当初対比で出ておりますような大きな開きは出ておりません。大体一七%から二〇%の間で見ておるものと思います。  したがいまして、各県とも私どもの地方税収入見込みを基礎として、しかも地域ごとの法人の収益状況を非常に慎重にながめながらやっておりますので、本当に過大に見込んでおるという県は私どもとしてはない、そういうふうに思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この地方税収の伸び率というのは、結局、大蔵省の国税の伸び率、それから経済指標、それと一緒の指標になりますが、これから出てくるわけですから、自治省は独自に判断をしてその税収を高めてみたり低めてみたりはしていないと思うのですがね。大蔵省の国税の伸び率、それに必要な指標を使えば、これより減収をした場合には大蔵省も責任を持たなければいかぬということになりますから、そういうことだろうと思うのですが、しかし、それにしても実際には相当大胆な伸びを見ているんじゃないかという懸念というのは、各県へ行って二、三、税の担当者の意見を聞きますと出ていますので、それで特に心配をして聞いているわけです。だから、これで各都道府県がやっているのは、補正などして、補正後の最終的なものでいけば平均が一七・何%ぐらいですか、そうすれば、仮に自治省の言っている税収よりも減収した場合には、その減収補てんは全体として及ぶことが大体見通されるということになるわけですね、減収補てんの措置は。おまえのところはおれのところよりもよけい見過ぎているからそんなに減収は見られませんよというようなことが起こるということが前にありましたからね。五十年のときはちょっとそういうアンバラがありましたから、特にそういう点、ちょっともう一度念のために聞いておきます。

首藤堯自治省財政局長

○政府委員(首藤堯君) ただいまの予算計上額、特に大幅な増を見込んだといったようなところはないという税務局長のお答えでございますので、全体的にはそのようになろうと思います。  なお具体的に、減収がまあ万々一起こった場合でございますが、その補てんの額を計算をいたします場合には、交付税算入の場合の基準財政収入額、これを私どもが計算をいたしましたのが各県に割りつけた収入見込み額になりますので、その基準収入額をひっくり返しました標準税収入額、これと実収入額との差でございますね、それを基礎に置きましてどれだけ痛みが起こる減収が起こったか、これの判定をいたしますので、ここは公平にまいるはずでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その次、超過負担の問題ですがね。超過負担の問題は、単価差だけじゃなしに、対象差、数量差に踏み込んだという点が五十二年度の超過負担解消の目玉だそうですが、ところがその額は事業費ベースで四百九十五億ですね。で、四十三年以降ずっと見てみますと、四百九十五億というのはそうどえらい大きい数字じゃないんですね、超過負担の解消が。四十九年が最近の中では、この十年間では一番大きくて、三千五百五十億、事業費ベースで超過負担の解消措置をやっています。その次は五十年が千三百四十二億で、あと五十一年、五十二年となりますと、三百九十億、四百九十五億という程度です。これは四十八年が八百五十九億ですから、それ以来の物価上昇なんかを考えますと、きわめてこれは微々たるものだと言わざるを得ぬ、そう見ざるを得ぬですね。だから、たとえば四十六年は百三十億ですから、まあ四十六年並みとは言いませんが、それほど全体として超過負担の解消をやられたというように見えないわけですよ。思えないわけです。今日、地方財政の非常に危機がもたらされた原因の一つにこの超過負担問題というのが非常に大きいわけですね。これは何回となく指摘をされておりますし、しかもそれは個別に見ますと、中には法律違反の疑いのあるそういう問題もあるという内容なんですが、いまだにこれ五十二年度でやっと四百九十五億しか是正措置ができないという点、一体これ大臣、どうお考えになりますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) この問題は、まあ公共団体の負担ということはもとよりでございますが、国と地方のいわば財政秩序を乱る問題でございますから、関係省にも絶えず働きかけをやっておりまするし、大蔵省はもちろん関係省を交えて実態調査というようなことも実行いたしまして是正を図ってきておるわけで、まあことしはいよいよ対象差というようなところへも踏み込んできたわけでございます。お言葉にありますとおり、自慢のできる実績ではございません。ただ、各省とのこれは談判の問題になるわけで、大変むずかしい問題でありますけれども、これからもひとつ引き続いて努力をいたしまして、是正を図っていきたいと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私はこれは事務レベルでいかにやってみても始まらぬと思うんですよ。だから、大臣が閣議なら閣議で、来年度の超過負担の解消枠は二千億なら二千億と、それで各省は考えろと。再来年はこれだけと、ある程度計画を持ってやらないと、これは事務折衝だけですと、いまの税財政の窮屈なときですからこれは解決しない。だから、今日の地方財政対策の問題として、一つはそういう制度改正という中にも超過負担の解消計画というもの、これも私は一つ重要な柱になるんじゃないかと思うんですよ。だから交付税率の引き上げ、いろんな方法があるわけでしょう。しかし、超過負担の解消をひとつ閣議で、税率を上げられないとかいろいろあるでしょう、それならこれをやろうじゃないかと。二千億なら二千億の財源、三千億なら三千億の財源、そこで三年計画なら三年計画でなくそう、こういうことを考えなきゃならぬのじゃないか。  ところがそれをやると、一体どれだけ超過負担があるのかということがわかってなきゃ困る。ところが、先ほどもちょっと話が出ましたが、毎年事務次官名で各省に対して、概算要求をする前に、自治省としてはこういう点について十分補助を考えてくれ、実態に合ってない改善をしてくれというふうに出していますが、これがそれぞれ各省と項目ごとに、自治省としては、これを自治省の期待をする改善措置というものを考えれば総額どれだけ要るかというのをやっぱり私は持つべきだと思うんです、自治省が。そうしたら大臣は、その総額は幾らだからこれは単年度一遍にはいかぬだろうと、何年計画でやろうじゃないかという提案も閣議の中でできるでしょう。そういう政治問題にしないと、これは補助枠が決められていろんな制限があるわけですから、各省事務折衝でやりますと、その補助対象をふやせば枠は、対象事業は減りますから、そういった問題も出てくるんです。政治折衝でそこのところでぽんと枠を決めれば、あとは今度はそれに基づいて各省は決まりますから、こういう措置をやっぱりやらないと、これ百年河清を待つようなもので、問題の解決は少しも前進をしないんじゃないか。  私どもは、これからのそういう超過負担の解消だけではなしに、少なくとも過去五年にさかのぼって、これをひとつ政府側とそれから自治体側とそれから学者、経験者の代表といいますか、この三者機関でひとつ適正な実額、補助額というものを確定する、補助対象も決めるというようにして、そして過去にさかのぼってそれを精算するという措置も、いまの財政危機打開のためには、政府としてこれは制度的にも不可能なことではない一つの方法ではないかというふうに思っているんですがね。まあ、そういう措置が仮にやれないにしても、来年度以降あるいは新年度へ向けて、そういうことでとりあえず進むだけでも私は大きい前進になるんじゃないかと、こういうように思うんですが、この辺いかがでしょう。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 目標をつくって計画的に解消していくということは確かに一つのお考えであろうと存じますから、そういう点も研究をいたしたいと存じます。  それから現在も絶えず六団体とひざを突き合わせまして、大事な問題でありますので相談をし合っており、研究を続けておるわけでございますから、まあこの際このために特別の機関を設置するということはしなくともその目的は達成できるんじゃないかと考えております。まあ、いずれにしましても、何とかひとつこの問題を根本的に解決いたしますために私も十分研究をしてまいりたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう時間がありませんから最後にいたしますが、まだまだいろいろ議論をして御意見を聞きたい問題もあるわけですが、もう時間ですから終わりますが、最後に、やっぱり当面のこの地方財政対策をどう進めたらいいかという点で私どもの意見を最後に申し上げておいて、大臣の方でもひとつ、全部が全部オーケーということになれば結構なんですけれども、そうもいかぬでしょうが、ひとつ参考にしてもらいたいと思うんです。  一つは、先ほど言いました交付税率の引き上げですね、これで約一兆円の財源が要ります。しかし、先ほど言いましたように、国の財政状況というのはもう非常に私ども長期にわたる失政の中で深刻だと考えます。ですからそういう点では、ことし四千二百五十五億余りの措置をやられたような、特会に借り入れをする、その返済について責任を国が持つということで、本年度当面する金を出さなくてもいい措置もとりながら、それらを含めながらやっていくというようにすればどうかと思います。だからそういう意味で、たとえば一兆円借り入れをするといたしましても、五十五年から一律償還しますと、国の支出としては年約千六百億ぐらいで済みますから、だからそう無理なことではないだろう。  第二番目には、先ほど特別措置の問題とおっしゃいますが、私も特別措置全般を言っているんじゃないんですね。大企業に対する特権的な減免税、大企業に対する優遇税制の問題、これが私の計算でいけば国税で三兆円以上大体ある。これは地方税に、法人事業税、法人住民税、さらにまた交付税にもはね返ってきます。ですから、こういう三兆円からの分を逆に一兆円ほど縮小する。一遍に私どももやっちまえというわけにも——なかなか大きい影響を与えますから。仮に三分の一の一兆円縮小するとしますと、地方税で約三千億円強増収になります。交付税率を四〇%に引き上げたとすれば、この分で交付税で約四千億増ですね。合計七千億ぐらいの増収が見込まれる。それから、先ほど言いました超過負担の解消ですね。過去五ヵ年にさかのぼって計算をして——これも一遍に解消はできません。私ども初めのうちは三カ年で解消と言っていましたが、今日の国の財政状況からいくと三年ではちょっと窮屈じゃないか、五年ぐらい見なきゃならぬじゃないかと思うのです。そういう措置も考える。それから地方債資金は、もともと約六割程度は政府資金で保障していましたが、いまはそうはいかなくなって、政府が利子補給するということでやっと六〇%保障していますが、少なくともこれは八割まで政府資金を充当するというように、財投資金の運用の仕方を変えるべきだというように思うんです。こういった点、さらに大都市対策、過疎対策がありますが、こういう措置と含めてやりながら、やっぱり早くこの事務事業と税源の配分の見直しを急いでやる必要があると思うんです。  これはしかし、実際この間も委員長以下と雑談をしておったんですが、例の地方事務官制度の廃止の問題が衆参両院で決議をされながら、国会の意思が確定をしながら、一部官僚が反対をしたら実現できぬということでは、事務事業の再配分、そしてそれに伴う税源の見直しということになるとこれはもう各省から大抵抗を受ける。なかなか事務官の廃止さえできぬのにこんなことできるかという話も出ているんですけれども、しかし、今日の事態はここまでメスを入れなければ、本当に国と自治体の仕事を正しく配分をし、そしてそれに必要な財源を分ける、そういうことができないし、そのことがまた迫られているんじゃないか、こういうように思うんです。まさにそういう意味では地方財政の危機であると同時に、いまの松浦次官が局長時代に、この地方財政の危機は地方財政の転機なんだと言ってましたけれども、私どもはこの地方財政の危機の状態だからこそ、これは根本的にそういう行財政制度の見直しをやっていく、そして正常な国と自治体との関係というものを確立をするということが今日三十年を迎えた地方自治の歴史の上においても求められていることではないかと、こういうように思うわけです。この点を特に最後に申し上げて、御検討を期待をして私の質問を終わりたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) いろいろ御教示をいただきましてありがとう存じました。何分むずかしい事態に直面をいたしておりまして私どもの仕事も困難の度を加えておるわけですけれども、御鞭撻をいただきまして、及ばずながら自治省一丸となって対処してまいりたいと思います。どうぞ今後もよろしくお願いいたします。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 最初に自治大臣に対して、昨年十二月五日に施行されました衆議院議員の選挙の結果についての御感想を伺いたいと存じます。  あの選挙は自治省の提案されました公職選挙法の改正、政治資金規正法の改正による初めての選挙でございました。自治省としてはあるいは自治大臣としてはいろいろな御感想があるはずだと思います。本当は細かくいろいろと伺いたいんですが、時間がありませんので、まず総括的なといいますか、御感想を大臣から伺いたい。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 仰せのとおり、二法が改正されまして後初めての国政レベルの選挙でございますので、自治省といたしましても管理執行の面で適正を期していきたいと、こう考えまして、自治省はもとより地方の選挙管理委員会におきましても格段の努力をいたしました結果、おおむね順調に執行ができたというふうに考えております。それからこの啓発の関係につきましても、きれいな選挙を実現する、それから投票参加の推進ということを中心に官民一体となって運動を推進いたしました。前回の総選挙に比べますると選挙違反の数が減っております。また、供応とか金品の供与という点につきましても金額が減ってきているわけで、これは不景気のせいでありまするか、あるいは国民の政治意識が多少とも向上した結果でございますか、その辺は判断の問題でございます。確かにそういう事実もあらわれてきておるわけでございます。投票率も全体として向上をいたしておるわけでございまして、まずまず相応の成果が上がったという感じを持っております。まあいろいろな見方もあると存じますが、国政に対する国民の意思の表明であり、厳粛な審判が行われたというふうに受けとめておるわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いま選挙の施行に関してのいろいろなことを伺ったんですが、私が伺いたいのは選挙の結果ですね。まあ言うまでもなく保革逆転といいますか、接近といいますか、いままでにない結果だったんですが、それについては、自治大臣は政治家でいらっしゃるのですし、その御感想をちょっと伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) まあこのような状況になりましたにつきましては、私どもといたしましても厳粛に反省を要すると、こう考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 私はあの結果は、一つは有権者といいますか、あるいは特に数もあるいは投票率も高い婦人の有権者の政治意識が前よりも少し高くなったということの結果でないかと、これはまあ私が婦人の立場で思うのですけれども、いかがですか。大臣はどんなふうにその点をお考えでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 私どもといたしましては、そういう点につきまして分析をするというところまでまだ立ち至っておりませんので、果たしてこれが婦人有権者の自覚が高まったという結果であるのかそうでないのか、これはまあ私から責任のある御答弁はいたしかねるわけでございます。あるいはそういうことであるかもしれません。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 まだ期間が短かい、済んでから短かいので、そういう分析もまだできていないかもしれませんが、自治省でそういう分析はやっぱりやっていただいて、そして自治省としての考えを私は発表していただくべきだというふうに考えますから、ひとつそれはお考えおきいただきたいと思います。  それから先ほどちょっとお答えをいただいたんですけれども、この間の衆議院の選挙が、金のかからないようにすると。いや、二法の改正もそこに重点が置かれていたのではないかと思うのですが、実際に金が少なくて一体済んだのかどうかということは実ははっきりしませんけれどね。候補者の収支報告は選管にそれぞれ届け出はするんですけれども、それは世間で知られているように、決してそれだけで済んではいないといいますか、もっとたくさん金が要っているわけなんです。それはなかなかっかみにくいとは思いますけれども、自治省としてはそういう点を一番御心配になっていると思うのですけれども、それはどうなんでしょうか。お金は一体全体として少なくなっているのか、多くなっているのか。私どもはいわゆる一般から見て、非常にやっぱり金がかかっていると、こういうふうに見ているのですけれども、自治省としてはどうなんですか。大臣としてはどうお考えですか。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 先般の総選挙の際の選挙運動費用収支報告書につきましては、当該選挙を管理する選挙管理委員会、すなわち各都道府県の選挙管理委員会に提出されまして、それぞれその要旨の公表手続が始まっておる段階でございます。おおむね一月中旬以降におきまして発行されました各都道府県の県公報に公表され、また現在自治省の方にも報告されつつございます。これを見る限りにおきましては、現在までのところ、法定費用の制限額を超えて支出されたということにつきましては、そういう事実の報告はございません。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) いま御答弁を申し上げたことは御質問の御趣旨に必ずしも沿っていないと存じますが、現実にどのぐらいの金が使われておるかということは、これは自治省としてはとうてい把握することが困難な問題でございますので、これはちょっと御答弁申し上げることができないわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いま選挙部長から御報告になりましたのは届け出のことのお話で、届け出がもう法定選挙費用より超過しているのは一人もいないとおっしゃったのはあたりまえの話ですわね。超過しておったら今度は当選してもそれは無効になるわけなんで、法定選挙費用よりもいつも二、三割と言いましょうか、あるいは五割も少なくて届けられている実情なんですがね。それで選挙管理委員会に届けるのは、それはもう選挙期間と言いますか、初めの準備あるいはその程度であって、その前のいわゆる事前運動費は入っていないわけである。それは余りにも自明なことなんですけれども、それはいま大臣おっしゃいませんが、これをつかむということはなかなかむずかしいことで、結局はマスコミが言ってると言いますか。ただ政党のは今度の政治資金規正法の改正でわかりますね。いままではわからなかった。届け出の中で選挙費用というものをちゃんと明示することになっていますね。選挙部長、そうじゃありませんか。だから幾らかわかっている。しかし、それじゃそれが全部かと言えば必ずしもそうではない。届け出のものですから、その一部ということになるんでしょうけれども、私はそういうめんどうな質問を申し上げたんですけれども、しかし、ただそういう決まりきった届け出、それが事実でないことは国民がみんな承知していますし、実際本当にどうなんだというところが私は肝心なのであって、だから、むずかしいけれども、しかし自治省としては、私は選挙法の改廃の立案だとかあるいは施行の責任を持っておいでになる自治省としては、やっぱり何とかしてそれをお調べいただいているのが当然じゃないかしらと。ただ、それを民間のわれわれに発表してくださいというとそれはちょっとめんどうになるかもしれませんけれども、そういうことを調べておいでになるということを伺えば、私幾らか安心をするんですけれども。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) これは選挙をきれいにするための法律を主管しております官庁ですから、いま御指摘のような点にも強い関心を持っておるわけでございますが、その辺のところを何か組織的に調査をするというようなことになりますると、どうも行政が政治に踏み込んでいくということになりますので、これは関心は持っております。しかし、そういう点について私どもがひとつ調査を始めますというようなことは、これはまあ穏やかでございませんので、そういう御返事はいたしかねます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 候補者の届け出の選挙費用は、選挙部長おっしゃいましたように、いま各都道府県の選挙管理委員会に届け出があり、それの公報での発表がぼつぼつ出ているようですけれども、自治省は各都道府県で出した公報と言いますか、そういうのをおまとめになっておいでになりますか。前に私が伺ったときは、それは法律に何にもそんな規定がないし、自治省はそんなことは知らぬとおっしゃったんですけれども、それはおかしいと私がそのときに申し上げたのですけれども、それはお集めになっているのでしょうか。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) ただいまでは公職選挙法の施行規則によりまして、そのような公報を自治省に送ってもらうようにいたしております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 ああそうですか。さっき少しお金も少なくなったみたいとおっしゃったのですが、この間の選挙で公営が拡大になりましたわね。それで公営の中でビラの公営ですね、これは規定で言えば一枚三円ぐらいなようですけれども、ところが、もうこれは私どもの仲間が東京都内の選挙事務所を訪問して、それからビラをいただいて、一体これはどのくらい金がかかりますかと伺うと、みんなもう三円どころじゃない。十円以上ですね。何倍かかかっている。色刷りでなかなかきれいで、そんな三円ばかりでできるはずはないんですけれども、そうすると、公営で、それだけ候補者としては金が要らないとか宣伝ができるという趣旨でされたのが、結局それの上に上積みをすることになっちゃったのですね。私は候補者はよけい金が要るようになったんだと、これは一つの矛盾だと思いますけれども、それはお認めになっていますか、自治省としては。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 確かに仰せのとおり、新しく設けられました選挙運動用ビラというものを取り上げました場合には、基本といたしまして一枚につき三円ずつを、これを国から交付するという考え方をとっております。それを上回りましたものは、これは必然的に候補者自身の負担になるわけでございますが、それを含めまして、先ほどお話しの法定選挙運動費用の中でおさまるように各候補者ともいろいろと工夫をされまして、彼此勘案しながら作戦を立てておられると、これが実情であるわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 公営という問題ですね。だんだん公営拡大になってきて、この間も拡大されたのですが、私は公営は余り賛成しないといいますか、ことに選挙運動に関する候補者個人個人の運動に関するものまで公営にするということはむしろ行き過ぎといいましょうか。だから、むしろみんなが、候補者全体が公平に同じ機会といいますか、を与えられるような公営ならまあまあと思いますけれども、自治省としてはもっと公営を拡大しておいでになるつもりですか。公営について将来どういうふうにお考えになっていますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 日本の選挙で行われておりまする選挙公営の度合いと申しますか、程度、これは諸外国と比較いたしまして相当な水準にすでになっておる。そこで、当面はこれをさらに広げようという研究はいたしておらないわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 前から続きますから、本当は一遍公営について検討して、これはまあいい、これはこうすべきだというようなことも本当はやっていただくといいと思うんですが。  それから、さっき各都道府県で発表している候補者の届け出の選挙費用ですね。それは、表向きにはそれで物を言うのだけれども、実際はそれはあんなもの見たって何にもならぬといいますか、こういう意見もあるし、しかし私は、一応法で決められているので、あれを見れば少しは見当つきますけれども、だからあれはあれでいいと思うのですが、ただ、つまりあれは有権者に公開するということが趣旨であるので、だから、各県の公報の発表の仕方と言いますか、どうもわかりにくいですね、一般の有権者が見たのでは。だから、これはもう少しわかりよくといいましょうか、あるいは、県の公報なんてみんな一般の市民なんかは見ないですよ、特別な関係のある人だけだし。それも新聞が幾らか書いてくれますけれども、東京なんかじゃほとんど書きませんわね、地方ではある程度書くようですけれども。  それでさっき自治省は、いまは全国のそういう公報をちゃんと送らせてまとめているというお話でしたが、一歩進めて、どうなんですか、それを印刷にして、そして欲しい人にはちゃんと定価をつけて売ったらいいと私は思うんですよ。それで、これは御存じですね。イギリスでは選挙のそういう選挙費用といいますか、結果ですね、それをまとめて、これはイギリスの議会が発行しているんですよ。ちゃんと値段をつけまして、それで欲しい者は買えるんですよ。私それを持っているんです、何冊か。日本でもそうすれば、私は一般の国民がそれこそ選挙に関心をもっと持つようになるし、ことにそういうお金の問題は本当は一番国民としては関心がありますからね。そういうものをひとつこの際お考えになっていただくといいと思うのですが、どうでしょうか。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 実はこの件につきましては、昨年十月二十一日の本委員会におきまして市川委員からお尋ねがあったことでございます。そのときもお答えしたことでございますけれども、現在、選挙運動に関する収支報告書の公表手続は、先ほども申し上げましたとおり、それぞれの選挙を管理する選挙管理委員会の段階におきましてそれぞれの責任において行われておりまして、いまお話しありました県公報なども、これは一般の方が購入することもできるようになっているわけでございます。と同時に、それだけでなく、その公表の時期から向こう三年間にわたりましては一般の方々が報告書を閲覧をすることができる、こういうことに相なっているわけでございます。そこで、私どもといたしましては、この公表ということと、それから閲覧が可能であると、こういう二つのことによりまして一般の方々が知り得るところになること、知り得るような状態に置くこと、これをもって、ひいて国民の方々の監視にさらすことができる、こう考えておりまして、現在の制度におきましては、選挙の際の収支報告の公表手続もそうでございますし、それから、政治資金規正法による政治団体の収支の報告書の公表についてもそうでございますが、一般国民の監視にさらすことができるという状態に置くことによって満足すべきものという考え方に立っております。したがいまして、これをさらにまとめて印刷をするとか刊行するというようなことは現在のところ考えておらないような状況でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 それはいまの法の規定と言いますかがそうなんだが、ただそれでは足りないんだと私は言うんですが、私はやっぱり有権者に対して親切ではない、きれいな選挙で金を使うならそういう金をこっちへ使ったらいいのだと、私はそうさえ思うんですが、まあおやりにならないと言うのでしたら、私ども民間でやりますよ、それは。前にやったことはあるんですけれどもね。民間でやってできるだけそれをチェックしようと思うのですが、なかなかその考えを変えてもらえないみたいですけれどもね。  次は、参議院の選挙についてちょっと伺いたいと思うのですが、七月に行われるはずの参議院議員の選挙、あともう三カ月前後になって、もう大分事前運動も行われているようですが、今度はまた大変な金が要るというのでマスコミにずいぶん出ていますけれどもね。やれ三億円だ五億円だなんて出ているのですけれども、それは自治省としては、知らぬ顔をして別にそういうことを心配をなさらないのか。何とかそう金が要らないようにというか、そういう対策、何もありませんか。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 一番冒頭のお尋ねもそうでございますが、選挙に金がかかるということはしばしば耳にいたしますけれども、これにつきましては費用が二種類あると思うのであります。選挙運動期間に入りましての選挙運動費用につきましては、これは、私ども法定選挙運動費用の制限額を改定をいたします際に、選挙運動期間中に行われる必要とする選挙運動の手段につきまして個々について検討いたしまして、つい先ごろも改定をいたしたところでございまして、今度の選挙の場合には、全国区の選挙につきましては二千七百万円、それから地方区につきましては、いろいろと個々の選挙区ごとに違いますが、一例を挙げてみますと、大きな東京都の場合におきましては二千百二十五万円程度でございます。それから、一番小さい鳥取県におきまして約一千百万円程度に相なります。それから、平均的な岡山県あたりで約一千四百万円程度に相なるということになっております。  このほかに、今度は選挙の前にいわゆる政治活動的な経費について必要であるということは、これはしばしば耳にすることでございますけれども、これは私どもの法定選挙運動費用制限額で規制する範囲外であるわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 お役所としてはそうでしょうね。それ以上はあれでしょうけれども、しかし、一般の国民としてはそれを非常に心配しているんですけれどもね。  まあその金のことにも関連してくるんですけれども、最近のといいますか、去年の十二月二十四日の最高裁の判決で、四十九年の参議院の選挙のときのプラカード式ポスターといいましょうか、道路の。あれは金がかかったのですね。ところがあれを、東京で近所のを引っこ抜いたのが訴訟になって、一審、二審は負けたけれども、最高裁で無罪といいますか、あれはそもそも選挙違反がし、そうしてあれを引き抜いても何でもない、こういう判決があったというんです。そうすると、今度の参議院の選挙でこれが普及しますと、やっぱり自分の家の近所にああいうのがいっぱい立っていたら取るというか、そういうことについて自治省は何かお考えになっていますか。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 市川委員もいま御質問を通じて非常に詳細御承知のとおり、昨年末の最高裁判所の判決によりまして、公道にプラカード式のポスターを掲示することは例外なくこれは違法である、こういう判決が下ったわけでございます。したがいまして、今後におきましてはそのようなことのないように、選挙を前にいたしましての候補者あるいは運動員の方々との打合会におきましては、この点を徹底していかなくてはならないと思うわけであります。ただこの場合、いまのままで進行いたしますと、選挙運動用のポスターはそれ以外の方法、つまり、通常の方法でありますところの、方々のお家のへいとかあるいはガラス戸とかにお願いをして掲示をさしてもらう、こういう一般的な方式にいくことになると思いますが、いろいろとこれにつきましても、それでは非常に掲示場所が少なくなって不都合である、何とか公道にも掲示できるよう広げることができないか——もちろん、これは法令を一部手直しをしてでございますが、そういうことはできないかという御意見もまたなくはないわけでございまして、これにつきましては、近く参議院の公職選挙法特別委員会の理事会あたりにお願いをいたしまして、意見交換をお願いしたい、こう思っている次第でございます。それによって今後どのようにするかということを考えてまいりたいと存ずる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 法を変えてといいますか、道路にいままでのプラカード式のを立ててもいいということにしても、あれは非常に金がかかりますよね。だから、これは私の考え方なんだけれども、ああいうポスターなんか、一人がやめたら困るけれど、みんながやめればかまわないし、むしろそれにかわるテレビをもう少しふやすとか、あるいは公報。参議院の公報は衆議院の公報に比べまして写真が出ていませんわね。それから非常に狭いですわね、四百字、五百字ぐらいしか書けないんですけれども。だから、もう少し候補者の一般に知らせるようなそういうところで補う。私は候補者の方たちはそうしたら助かると思うのだけれども、これはもうポスターを街頭にやるのは、みんなバケツに砂を入れて持って歩いてそしてさしているでしょう。運び賃だけで大変だし、あるいはコンクリートのあれにもさしているんだし、だから前のをそのまま承認するという方向にいかないで、自治省、少し何とかいい考えを出して、それを補うようなことをやっていただけるとありがたいと思うんですが。  さっききれいな選挙のお話が出ていまして、本当はきれいな選挙、それからもう一つは政治資金規正法の問題もちょっと伺おうと思ったのですが、時間がないのでまた別な機会にしたいと思うのですが、きれいな選挙という言葉が使われるようになったのはあれは三木前総理が主張してからであって、いまのきれいな選挙運動、自治省のなさっていらっしゃるのは、常時啓発ときれいな選挙と、二つありますね。ところが、私ども地方の選管なんかを見ていましても、二つあって困るんだと。それは全然区別がないんですね。要するに常時啓発の上に乗せるだけで、金を乗せて同じことをやっているんだということをしばしば聞くのですけれども、あれはどうなんですか、一つにしちゃったら。まあ、もっとも予算獲得のための手段だという話もちょいと聞こえてくるのですけれども、むしろ一つにして、そして方法をいろいろ考えていただいてやっていただけるといいと思うのですが。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 市川委員非常に詳細に御承知のとおり、ただいま選挙に関する啓発事業は、一つには国の選挙の有無にかかわらず、常時国民の政治意識を高揚する、そして明るい選挙を実現するということを目指して行われますところのいわゆる常時啓発事業と、それから二つには、まさにいまおっしゃったとおり、昭和四十九年十二月の選挙の明正に関する衆議院の決議と、それから政府の声明に基づきましてスタートをいたしましたところの選挙をきれいにする国民運動推進事業、この二つの大きな柱によって行われているのが実情でございます。このように、二本立てで啓発事業を行うのはどんなものだろうかという御指摘がいまのお尋ねであると思うのでございますけれども、やはり、このように二本立てで行っておりますにつきましては、以上申し上げましたような成立の経緯から見まして、それぞれに意味を持っているというふうに考えておる次第でございます。せっかくの御意見でございますので、この点についてはなお研究をしてみたいと思う次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 政治資金の問題、これは内容でなくて手続の問題ですけれども、新しい政治資金規正法によると、政党及び政治団体は五十一年一月から十二月までの一年の収支報告を、あれは三カ月ですね、そうするとこの三月三十一日までにみんな出さなければなりませんね。大分出ていますか。それであれが出たのを今度は自治省が整理をして、そして新聞に御発表になるのだけれども、それがいっでも半年からもっと七、八カ月も延びるのですけれどもね。それの見通しは大体どうですか。自治省がまとめて発表になるのがいつごろといいますか、みんななかなか三カ月で出しませんわね。みんないつも延びるから、自治省の方で集計がなかなかできないという事情も知っているわけですけれども、その見通しと、それから届け出の政治団体だけはわかっていますね。あれ、種類分けを本当はしていただきたいのだけれども、みんな一緒に発表しておいでになるみたいだけれども、それをちょっと伺いたい。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) 団体はわかっております。そしてその団体のうち、まだ全部は出てまいっておりません。恐らく現在は、自治省に提出されます分も各都道府県の選挙管理委員会あたりにある段階ではないかと思うわけでございます。やがて出てまいるわけでありますが、これの公表の時期はどうなるだろう、見通しはどうかということでございますが、結論を先に申し上げまして、九月中というくらいになるのではないかと思います。と申しますのは、収支報告書の公表の時期は、参議院の通常選挙のある年におきましては、この選挙の執行事務と、それから私どもの収支報告書の公表作業とがちょうどぶつかりまして、選挙のない年に比べまして相当におくれるのが過去の実情でございますので、前回通常選挙のありました昭和四十九年におきましては、その前年の下半期分といいますか、半期分だけですね、下半期分の収支報告書の公表が、四十九年の九月二十八日に相なっているわけでございます。今回の公表は、御承知のとおり、改正後の政治資金規正法に基づきまして初めて行われる公表でありますが、そしてまたいま申しました旧法の場合の公表が半期六カ月分でありましたのに対しまして、今回は昭和五十一年一年間の分の公表でございます。加えまして、収支報告書の内容が従来よりも相当詳細な形式でもって公表されることになりました。こういったことで、公表作業に従来以上に実は時間と労力が必要となる見込みであるわけでございますけれども、選挙事務とぶつかるとは申しながら、私どもといたしましては可能な限り作業を急ぎまして、公表はそのように分量は多いわけでございますけれども、九月中には公表にこぎつけたい、こういうように考えておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 自治省に、政治資金のために政治資金課というのが一つできて、そして人員も少しおふえになったようだから、前よりも充足というか、おできになるはずだと思うのですが、ちょうど法律が変わって、いろいろな報告の方式もいろいろ変わってきていますから、私今度の集計は前と同じでなくて、少し新しいというか、考えていただきたいということをお願いをするのです。  それからさっきの選挙の方と同じことで、収支報告書を一般に公開するといいますか、見るのもちゃんと自治省に行けば見せてもらえるのだけれども、あれは一部しかないでしょう。それで何人か見たいというと、時間で奪い合いしたりということで、だから私はやっぱり本当に国民に公開するという法の精神からいけば、届け出があったら、私は自治省さんめんどうだけれども、コピーして三部か五部つくって、そして本物はなくなるといけないからそっとしまっておいてもいいんじゃないですか。コピーを自由に見せる。五部あれば五人行ったってみんな一つずつ見られる。  それから政治資金の報告書が国会図書館にないんですよ。おやりになっていないでしょう。自治省で三年間の保存期間というものが終わればあとはみんな紙くずですね。本当に紙くずにしていらっしゃるのか、どこかにしまってあるのかそれはわからないけれども、私はリコピーしたものを国会図書館へ、そういう問題の研究者のためにというか、向こうにもやってほしい。だから、コピーをそういうふうにとることはできませんか、これは前からちょっと申し上げているのですけれども。

佐藤順一自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐藤順一君) これも前にも実はお尋ねなり、御主文なりあった問題でございますけれども、やはりこの種の性質のものにつきましては、法律のもとで定められました公表とそれから閲覧という手続をいたしておりまして、やはり一般の公文書などにつきましても、閲覧という制度を採用しているものにつきまして、コピーということまではやっておらないのが一般に公文書の扱いでございます。これはやはりコピーをいたしまして、なかなか一冊のものにつきましてコピーに正確に反映できるかというような場合に、仮の話が、とじましたところで一行隠れてもこれは真実とは違うということにもなるものでございますので、やはりそういうこともありまして、現在コピーというような制度も取り入れられておらないということも、まあ御了解をいただきたいと思う次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 前にはちゃんとコピーを許したのですよ、私どももコピーしたり、それから筆記もしたのですがね。このごろはむしろ逆にやかましくなっちゃって、やれ写真ならば許すけれどもと言ったのが、その写真もこのごろだめだったり、コピーはもちろんだめだ。そこで見るだけで、まあ筆記することはいまでもいいらしいけれども。だんだんむしろ金の問題を私は隠すといいますか、むしろ公開すべきなのに、自治省の態度は私から言わせるとむしろ隠すと。いまさら隠す必要はない。だからもっと見たい人にはというか、なるべく国民に関心持つようにというか、だから、これもさっきの選挙の費用と同じことに、私は自治省が集計したものを新聞記者に発表なさいますね。あれはどこにもちゃんと発表しないんですものね。あれぐらい印刷して、欲しい人にやるぐらいのことはどうなんですか。新聞社がそれをもらったのを印刷して出すことは構わないのかもしれないけれども、その点は大臣、ひとつ政治資金規正法が改正になったのだし、それから国民が、それこそロッキード事件を契機として、政治献金といいますか、政治資金というものに対して非常に関心を持ってきましたから、それにこたえるように。前と同じように、いや前よりもやかましくなって見せないという方式に、私にはそう映っているのですよ。だからそれをひとつ大臣、考えてください。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(小川平二君) 御趣旨はよくわかりますので、ごらんになる方の御便宜を図る上で何か研究ができまいものか、ひとつ研究をさしていただきます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 ありがとうございました。

高橋邦雄自由民主党

○委員長(高橋邦雄君) 本件に関する調査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。    午後七時三分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗