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80回国会参議院1977/05/12

大蔵委員会 第10号

発言数
281
登壇者
19
会派数
5
開催日
1977/05/12

会議録

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る四月二十七日、内田善利君、安武洋子君、安永英雄君、瀬谷英行君、目黒今朝次郎君、田渕哲也君、山東昭子君、望月邦夫君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君、近藤忠孝君、野々山一三君、吉田忠三郎君、村田秀三君、三治重信君、岩動道行君、青木一男君がそれぞれ選任されました。  去る十日、青木一男君が委員を辞任され、その補欠として柳田桃太郎君が選任され、また昨十一日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君が選任されました。     —————————————

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  栗林卓司君の委員の異動に伴い、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に三沿重信君を指名いたします。     —————————————

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 大蔵大臣、ロンドンの首脳会議に御出席をされまして、われわれまだ正確な情報は得ておりませんが、きょうは少し、せっかくの機会でございますので、大臣に幾つかお聞きをしたいと思うわけです。  まずは、遠路御苦労さんでございました。昨日熱を出されたとかいうことを聞いて、きょうの出席を心配しておったのですけれども、まあお元気で結構です。  まず私は、大臣は、総理あるいは外相ともに首脳会議に出席をされておりますので、今回の首脳会議は、過去ランブイエあるいはサンファンの二回の会議に続いて、比較的短い間隔で開かれたわけですけれども、世界の経済状況あるいはまたエネルギー問題の重大化している中で注目をされておったわけですが、まず、大蔵大臣という立場では、特に七カ国の首脳がかなり活発に議論をされたと、こういうふうに聞いているのですが、全体としてどういう成果があったか、大臣としての印象をまずお聞きしたいと思うのです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 七日、八日のロンドン会議に出席してまいり、十日に帰国をいたしました。その私の不在中にもいろいろと重要な審議を進めていただいたり、また私どもの交渉に対して御支援をいただいたりいたしましたことに対しまして、深く感謝の意を表するものでございます。大変ありがとうございました。  この会合は、いまおっしゃられましたとおり、第三回目でございますが、私が親しくこの会談に出席いたしまして印象を深くいたしましたことは、世界の経済が、これはいままでにないほど相互の依存関係というものが、強いものであるということを私として感じてまいったような次第でございますが、こういったような感じからして、この会合についての世界経済の当面するむずかしいいろいろな問題特に景気の回復だとか、なかんずく世界各国を襲っておりまするところの失業問題の解決、それから貿易問題、南北問題 エネルギーの問題といったようなものに対してみんなが、世界各国が協力し合っていかなければならないというような気持ちが一貫したその会議の底流であったと、私はかように考えます。わが国といたしましても、インフレを招かない範囲で景気の回復を図ろうとしておりますが、これが私は、日本の国として、国民に対する当然の責務であると同時に、このことが世界の経済、世界に対する先進国としての責任ではなかろうかということをひしひしと感じてまいりました。世界経済が直面する問題について、われわれ先進諸国の首脳が忌憚ない意見を交換することが非常な意義の深いことであったと私は思いますが、わが国といたしましては、保護貿易——いま大分そういう傾向、そういう意見に傾いてきておる保護貿易というものを排除いたしまして、徹底的に自由貿易でもってやっていこうということを主張しましたが、これが会談の一つの大きな勢いになったということが、わが国としては大きな実りと申しますか、収穫であったというふうに考えます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 いまお話がありました中でも触れていられますように、私ども国内での各種の報道で印象として感じるのは、まあインフレ抑制に力を入れようということを前面に出している国と、そうでない国と少しニュアンスの違いが出たんじゃないのか。景気を刺激するということに力点を置くのと、インフレを犠牲にするのとは、その場合も言っておるわけじゃないですけれども、そういう印象を少し受けるわけです。共同宣言の中ではその点、引き続きインフレを抑制しながら雇用を拡大する、これが緊急な任務だということを明らかにされているわけですけれども、またインフレは失業の解決策ではない、むしろ失業の主要な原因の一つなんだ、こういう文言まで組み込まれているわけです。この点わが国の立場では、果たしてどういうふうにこの考え方というものを具体的に受け入れていくのか。六・七%の成長を目標とするということも、公然と約束されたことにこれはなるわけです。さらにきのうあたりの報道では、失業も百二十七万人水準だと、こういうふうに聞いているわけですけれども、決してこれは低い水準とは言えません。また物価の問題にしましても、今年度七%程度目標というものの、景気が回復するにつれてさらに上昇の危険なしとしないというようなことですから、共同宣言の中で、特にドイツあたりがかなりそういう点では物価抑制にむしろ力点を置く、こういうような姿勢のようにうかがえたのですけれども、大臣は会議の中で、翻ってわが国の現実を顧みた場合に、どういうふうに今後対処していくべきだとお考えになったですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) やはりいま日本にとっても、世界の各国にとりましても、これは経済の成長を期して、そうして当面不景気を打開して着実なる回復をしていくということが非常に大事でございますけれども、しかし、それの方法を誤って、インフレを起こすというようなことに相なりますと、すべてが健全なる成長ができないということでございますので、私は、この会議を通じてさらに考えましたことは、どうしたって今日日本の国が、今日まで御審議を願っておりまするいろいろな景気対策といったようなものを、着実に実現をしていく。ただし、インフレというものは、これは一たん起こしましたら、なかなか失業対策その他の大事な対策につきましてうまくやっていくわけにはまいらないということは、これはその会合に出席いたしました各国代表も、やはりこれに対しては疑義を差しはさむ者はございませんということで、私の特に感じましたことは、今日日本が考えておりまする諸般の政策、これを何としてでも着実に実行していくということが、先ほども申しましたとおり、国民に対する責務であり、また世界に対する使命でもあるというふうに感じてまいりました。  それから、成長率につきまして、数字的にこれを何か相談をして約束をしたというようなことではございませんで、日本もアメリカもドイツも、それぞれ今日までに考えておりました経済成長率というものをお互いに持ち出して、そうしてこれをひとつ推進していこう、これはわれわれも、アメリカやあるいはドイツに対する成長率をとやかく言ったものではございませんし、まさに自発的に、日本は日本として六・七という成長率を、この決意を披瀝いたしまして、そしてこれでやっていこうということに相なったような次第でございまして、まさにこれはパッシブではない、アクチブにこのわれわれの決意というものを披瀝したというわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 まあおっしゃること、意味はわからぬわけではないんですけれども、要するに強い国と弱い国ということが言われるほど、七カ国の中でも格差が少し経済状況にあるという認識に立てば、まあ共通の一つの課題はインフレを抑制する、それがまた健全な経済の発展に寄与するんだと、あるいは失業を抑えるということにも役立つんだと、こういうふうな思想だと思うんですけれども、その限りにおいては私も理解ができるわけですけれども、しかし前々の会議に比べると、何か少し保守的といいますか、そういうふうな性格の話の中身としてまとまったんじゃないのか。特にそれは、大臣もいま触れられたように、貿易問題なんかで国際的な開放体制というふうな表現が、日本の翻訳では使われているんですけれども、いままでの場合は、むしろ自由貿易というものを、こういう表現が使われてきたと記憶するんです。そういう点でも少し表現が変わってますし、何か少し半歩後ろへ下がって、非常に慎重になっているというふうな感じがするわけですが、これは議論じゃなくて、私はむしろ事情を、大臣が向こうでどういうふうに実際のこの印象として持たれたのかということを、お互い勉強の意味でお聞きをするという——とらわれておるわけじゃないんですけれども。  たとえば前の委員会でしたか、私はここで申したんですけれども、カーターさんがああいうふりに景気の回復は予想よりも早まったということから、例の戻し税減税の撤回をされたり、あるいはまたカーターさんの発表された国際的な経済政策に対する抱負に対して、シュミット西独首相はかなり厳しく反発をしてみたり、いろんな経過が前段にありましたね。そういうことも含めて考えた場合に、今度の会議での合意という内容は、非常に見方によれば堅実な中身じゃないか、そういうふうに思うわけですけれども、見方によれば、それは、表現を変えればやや保守的になっておる。特にわが国の場合に、これから問題は、例の交易問題であると思います。  すでに並行して開かれたロンドンの、テレビ問題の日米会談でもなかなか厳しいようですし、さしあたって具体的にはそういう問題としてわれわれに振りかかってくると思うんです。したがって、何かこう保守的な性格というものがややいままでよりは表に出たのじゃないのか、そんな感じがするんですけれども。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 保守的なにおいが表へ出たとおっしゃられますが、これ議論するつもりでも何でもありません、率直に私の観察してきたこと及び私の受けた印象について申し上げるのでございますが、実は貿易につきまして、これはわが方の福田総理が徹底的に自由貿易ということを、これを主張したわけなんです。そうすると、カーターさんにしてもシュミットさんにしても、これに対して何らのあれはありません。ただ、ジスカールデスタン大統領が、これが若干の意見がありました。  というのは、いま徹底的なる自由貿易というようなことでは、これは現在の事態で予測することのできないようなことが起こってくるんじゃないかと、こういうことは、そのいまおっしゃられた強い立場、弱い立場というものがあって、そこでその弱い立場、強い立場の人たちが、手放しの自由競争をやると、ますます弱いものが弱くなってくるんじゃないかというようなことを私は意味するんじゃないかと思いますが、それをおっしゃるに当たりまして、自由貿易というものは反対はしない、結構であると、しかしそれは、オーガナイズされたものでなければならないというような言葉がございました。で、福田総理がこれに対しまして、オーガナイズ貿易というのは一体どういうことかと、ちょっと意味が解しかねるというような話もいたしまして、この問題についてずいぶんやりとりをやりました。決して激高して、そうしてまなじりを決して議論をするというようなことではございません。実に淡々とした口調でもってお互いが話し合いをしたわけでございますが、それが結局は、ほかの各国もやはり自由貿易というものでもってこれやっていこうということに、だんだんとそうなりまして、ジスカールデスタン大統領も最後にはウィというような表現をなすったというような場面もございまして、私は、決して一歩退いたとかなんとかいうようなことではなかったように記憶をいたしますが、これはまあ一つの例を申し上げたにすぎませんけれども、きわめて私は今度の会談というものは——まあ今度のといっても私は初めてでございますから、前の会談は知りませんけれども、実に落ちついた、率直な、裸になった意見を熱心にこれ話し合ったというように私は認めてまいっておりますが、ただ一こまをいま申し上げた次第です。

福間知之日本社会党

○福間知之君 そこで、共同宣言なり付属文書の中で、特に大臣、所管大臣としても重要な一つの課題が幾つか生まれ出ていると思うんですけれども、いまの貿易の問題はもちろんですが、南北問題に関しまして、もうすでに今月の末から来月のかかりに、例のパリでのCIECですね、国際経済協力会議が開かれるという予定ですけれども、その中で、ロンドン会議の中でうたわれた一つの課題として最貧国援助の強化というのがあるようなんですけれども、あるいはまた一次産品の共通基金の創設ですか、という問題もあります。あるいは途上国の輸出所得を安定化するというふうな課題もあるわけです。で、これらには当然わが国もやっぱり参加をしなきゃならぬというふうに思うんですけれども、具体的にこの最貧国援助などはどういう構想が考えられているんですか。この一次産品の共通基金の創設なんか、これは意味はわかりますけれども、最貧国援助の強化というのは具体的にはどういう姿で行っていくことになるんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 今度の会議におきまして、世界経済におけるいま御指摘の南北問題の重要性にかんがみまして、国際経済協力会議、すなわちCIECといいますか、CIECを成功裏に解決させるために全力を投入することに合意するとともに、開発途上国との建設的な対話の継続を約束した。建設途上国との対話を継続して行うということを約束しております。政府といたしましては、このような精神にのっとりまして、今後とも南北問題の解決のため積極的に貢献してまいりたいと、かように考えておりますが、いまの最貧国に対する援助等は、これもやはり重大なる問題でございまして、わが国といたしましても、これに対する意欲は十分持って、そういうことに相なりますれば、これはぜひともそれをわが国も加盟してやっていきたい、こういうことでございますが、最終の決定は、まだこの会議においてそういったようなことについての最終的決定はいたしておりませんけれども、いずれ私どもはそういうことに相なって、日本もこれに対して大いに努めてまいることになるであろう、またなるべきである、かように考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 そのことと関連しまして、共同宣言の中で、いわば国際収支の調整に関しての思想が一つ含まれているようですね。国際収支の赤字を主要国で分担をするんだ、赤字を分担するんだという表現が使われておるわけです。これは赤字を黒字の国が分担してやるというそういう直線的な解釈をすべきではもちろんありませんし、まあ石油ショックで消費国の間にかなり赤字が拡大しているという事態を考えて、産油国と消費国の関係でも、さらに消費国でも先進国と途上国と格差がありますし、いろんな複雑な関係があるんですけれども、要するに国際収支が赤字続きであるというふうな国、特に主要国の中でもフランスとかイタリー、イギリスというのは、そういう立場だと思うんですけれども、そういう国々が国際収支の改善を図るためには、結局貿易を少し改善をしていかなきゃならぬ、その改善するための土壌を終局黒字国がつくっていくと、こういう趣旨に理解をするわけです。  で、私は特に日本の場合、黒字国として、まあ金の保有は少ないけれどもドルは持っているというようなことでかなりにらまれていると、こういうふうにいわば言えると思うんですけれども、それだけに国内のもちろん景気を回復し、輸入を増大をするということと同時に、先ほど申したような発展途上国の購買力を高めていくというために、われわれがドルを放出していかなきゃならぬと思うんですけれども。さらにまたそれで赤字に悩んでいる先進国の品物を途上国は輸入する、こういうことが構想としてあるんじゃないかと思うんです。で、日本が、私はその点をかなり積極的に今後考えない限り、かつての高度成長時代でも、わが国の輸入量というのは、それらの国々から見たら批判がまだあったと思うんです。まだ少ないじゃないかと、てめえのところで何でもつくっちゃって逆に輸出しているじゃないか、輸出の見返りとしての輸入を期待されたほど日本は行わないじゃないか、こういう批判が高度成長時代にもあったぐらいですから、これ低成長時代になりまして、多少経済の成長が他国に比べて高目だといったって、まあ六、七%ということなんですけれども、そんなに輸入をふやすということになるのかどうか。これ非常に私は疑問があると思うんです。だから、共同宣言で高々とうたわれたようなこういう高通な精神が、実際はわが国の立場で履行できるのかどうか、非常にこれむずかしいと思う。やはり南北問題への積極的なひとつ協力という姿勢をとらなければ、これはならぬのじゃないだろうか、こういうように思うわけです。また、いわば資本の輸出なんかを積極的にやっていかなきゃならぬ。すでに外債の発行条件の緩和等が考慮されているようですけれども、そんなことを今後具体的に各省庁と議論をしながらやっていかなければならぬのじゃないかな、そういうふうに思うんですけれども。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御意見のとおりだと思います。もう一つ考えなければなりませんことは、先ほども申しましたとおり、世界の経済が各国相互依存ということがこれがもうどうしたって必要だということになりますと、われ一人よしというようなことではいけない。そこでできるだけ、いまの経済から考えてみますると、今日なおかつ赤字で苦しんでおるというような国に対しまして、これはやはり先進の黒字国ができるだけのいろんなことをしていかなければならないということでございますが、これ端的に向こうさんの赤字を黒字国が負担していこうということでは、これはとうていその国の経済の回復にはなるまいと。  そこで、そういった国に対しましては、でき得る限り自立——自力でもってこれを、精神的にその国の経済の立て直しということをやる根性になってもらいたい。その根性になっておるそれらの国に対しましては、黒字国は非常に無償に近いような、あるいは供与とか、あるいは無償のものも考えなければなりますまい。そういったようなことを、いろいろいま世界には機構が、いまおっしゃられましたCIECだとか、あるいはIMFだとかOECDだとか、いろんなそういったような機構がございます。そういったような機構の作用なり、何と申しますか、機能なりというものを十分尊重いたしまして、そういうようなものを媒体といたしまして、そういったような赤字国に対しましては、でき得ることをやっていこうということが、今度の会議においてもそういう結論が表出されておりますが、私は、これから世界経済の立て直しということにつきましては、それをやらなければならない。それをやるためには、これまたわが国に例をとってみまするならば、わが国の経済の成長ということを考えなければ、この上ともに成長していくことによって、わが国は世界の三機関車でございますか、その機関車としての世界的使命を果たす——それはドインもアメリカも同じでございましょうけれども、国内の経済体制というものを、これを充実成長さしていくということをまず考えなければなるまいと、こういうふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 総理が、貿易の問題に関しまして、集中豪雨的な輸出というものは自粛をするように徹底をひとつ図りたいと、こういうことを述べられたようですけれども、それはそうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 総理はさように述べられました。と申しますことは、総理の気持ちをそんたくいたしますと、やっぱり大きく自由貿易というものをこれでもってやっていこうということであるならば、特定の商品を、特定の場所に集中的に持っていくというようなことをやると、そこの局部が、一時これは日本の収支がいいかもしれませんけれども、そういうことをやっていきますと、大きな目的である自由貿易というものに対する一つの阻害になるんじゃないか、こういうようなお気持ちでもって、私は言われたように理解をいたしておりますが、その集中的な輸出と申しますか、特定の品物についての、これはやっぱり差し控えるべきであるというような気持ちのように思います。大きな目的を達成するためには、小さいそういったようなことについては、これはやはり自粛をすべきものである、こういうふうに総理が言われたかのように私は考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 帰国された後で臨時閣議が短時間行われたようですね。そのときに、その問題は少しくは話題に上ったんですか。何か現地の会談後の記者会見で、その集中豪雨的な輸出は抑制をしていかなければならぬということとあわせて、まあ、貿易管理令の発動なども考慮するというようなことが発表されたやに報道されているんですけれども、具体的にはそういうことが話題になってんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 帰朝後の閣議はほんのわずかでございましたが、五分かそこら。そのときにも、それから現地における記者会見のときにも、その貿易についての管理というようなことは、私は聞いていないんでございます。何か言われたことを、新聞がもし報道があったとすれば、そう  いうふうに書かれたのではなかろうかと思いますが、私にはそういったようなことは耳に入っていないのでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 これは首脳会議で、いろいろ最高責任者同士が、高い水準で、相互尊重の立場で、しかも紳士的な約束を交わしたわけですから、私は、当然各国が持ち帰って、新しい政策として具体化していく、こういう責任はあろうと思います。  一方、さりとて、自由経済でございますから、特に通商貿易問題などにつきましては、政府としても介入するやはり限度なり、あるいはその一定の制約というものは、これは当然あるわけですけれども、先ほど大臣申されたように、特にフランスのジスカールデスタン大統領あたりの、言うならば、オーガナイズされたトレードということ、再組織されたトレードということ、管理されたトレードというようなことを、具体的に日本に当てはめてみた場合に、単に集中豪雨的輸出を抑制するということだけじゃなくて、まだほかにも改革をしなきゃならぬ条件というものがあるように思うんですけれども、これは総理はどういうふうに考えておられますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 総理がどういうお考えであるか、総理の腹の中すべてわかっておるわけではございませんけれども、総理は、組織化された貿易ということについては、ずいぶんジスカールデスタン大統領とやりとりをやっておりましたからね。どうも組織化された方向に総理の気持ちは行ってないように私は考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 まあ、一説によりますと、やっぱり関税障壁を撤廃してオープンにしていこうというふうなこと、これは手をつけなきゃいかぬだろうし、また輸出の量あるいは伸び率というものがもう一定の水準以上になれば、自動的に輸出を調整するというふうな自動調整機能的なものを検討するとか、やはりそういうことが考えられるわけですけれども、もちろんこれは品物によって一律にはいかぬにしても、私はそういう感じがするんです。結局、わが国にとってやっぱり問題なのはその点ではないか。集中豪雨的輸出はもちろんこれは抑制しなけりゃなりませんけれども、全体として貿易の輸出水準というものをやはり維持していかなけりゃならぬという場合に、いろいろ政治的な側面、相手方に対する理解を求める外交努力、いろいろなことがありますよ。しかし、より具体的には、一定の水準の輸出というものをどうしても確保しなければ、これは国内の景気を刺激する言うたって、なかなか思うようにいかないし、わが国で一番これから問題になるのは、これはこの点じゃないかなあというふうな感じが非常に強いんですけれども。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 何と申しましても、日本のこの産業というものは、原料を入れて、そしてそれを加工して、製品として出していくということ、これをゆるがせにしたのでは日本の経済はとうてい立っていかないという一つの大きな条件に支配されておるということは、これはもう忘れようったって忘れるべきものではございません。そこで、一定量のやっぱり輸入能力というものを欠くわけにはまいらないと思いますが、そういうような条件のもとにおいて、私は、やっぱりそれはそれだけやって、日本へ黒字をためてしまうと、たまってたまって山ほどためたところで、これはどうにもならぬことでございます。で、そういったようなものを、これはやっぱり買ってもらうということでなければならぬと思いますので、ここのところは非常に日本にとっては大事なところでございまして、私は、ここの操作と申しますか、国内としても、何も貿易をどうするこうするということは、自然の経済の勢いによるものでございますけれども、そこはおのずから日本の国の輸出貿易の政策として、頭の中に常に置いておかなければならないものである。それを実践していくためには、いまおっしゃられました非関税障壁とかといったようなものは、これは日本だけのものではございません。万国がそういったようなものをできるだけ外していくというようなことも、今度の会議で、そういう原則と申しますか、これがやっぱり同意されておるというようなことで、これらのことにつきましては いわゆる東京ラウンドというのが非常に大きな使命を帯びて、これは活発に働いていくということに私はなってくると思う。わが国もまた、それをやらなければならない、かように考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 その東京ラウンドを活発に、積極的にやらにゃいかぬと、こういう趣旨、それもわかるんですけれども、実際はしかし、そういうこと自体が今度の会議では、前の会議に比べると後ろへ下がったんじゃないのかというふうな印象なんですね。たとえば共同宣言で、貿易プレッジ、いわゆるOECDの貿易自粛、貿易制限の自粛宣言ですね、OECDの。これも全然、いままでうたわれておったけれども、今度はうたわれてない、完全になくなってしまっている。  それから、東京ラウンドの問題にしましても、七七年のうちにこの終結するというのがいままでの目標であったのが、七七年中に主要分野では実質的な前進を目指すという表現にやや緩和されておるようであります。まあ半歩か一歩か知らぬけれども後退した印象はぬぐえない。特にジスカールデスタンあたりが、東京ラウンドの推進に当たって、先ほどちょっと触れたような、いろんな関税障壁の撤廃を要求をしているようでありますが、こういう傾向は、今後やっぱり宣言のこの精神というものに立って、力点の置き方が各国によってかなり違ってくる危険があるし、まあ日本の場合は、特にその点で私は、これから具体的な対策として、いろいろ難問があるのじゃないだろうかということをやや危惧をするわけですけれども、これは今後通産省あたり肝いりで、いずれにしてもやっていかなきゃならない課題だと思うんですけれども、総じてこの通商問題について、私は冒頭から申し上げているように、やはりかなり管理された交易状況というようなものをつくり出していかなければならない、完全に自由貿易という文字どおりのそういうことでは通用しない、こういうふうな認識が、わが国も含めてやはり合意された精神じゃないのか、こういうふうな気がするわけであります。  これは、私個人は別にそれに対して反対だという意味ではもちろんありません。当然古典的な意味の自由貿易などはもうとっくにこれは消え去っておりまするし、かなり貿易問題はここ数年来わが国をひとつ中心としてと言うと語弊がありますけれども、対象としてクローズアップしている国際的な問題ですから、今度の共同宣言の精神は間違いだとは言いませんけれども、わが国としてはかなり影響をこうむらざるを得ないという結果だけは出てきそうな気がするわけです。  それから、国際収支の面で特に大蔵省の関係では、外債の円建ての発行条件の緩和、これは考えられますか。あるいはまた、特に外貨の持ち出しなども緩和をせなきゃならぬというふうな方向をとられますか。あるいはいま円高の事態が続くと見るわけですけれども、その円高というものに対する介入の考え方というものは依然としてとらないという方向で行くのか、今後の課題でまだきょうここで結論どうのこうのはないですけれども、大臣としてはそういうふうな処置をとってでも、やはり黒字というものを抑えていくという必要があると考えられますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) わが国内における諸国の外債を応募する、こういうことのようにお聞きいたしておりますが、これは、私は今後ともひとつ積極的に前向きに考えていかなければならない。この前に私は、これはロンドン会議じゃございませんけれども、マニラに参りましたときに、フィリピンの国債を、これは公募ではございませんが、私募をするということも決定いたしまして、それにつきましてマニラでは大変感激をしておったというようなことでございますが、そういうようなものが確かなる保証といいますか、どういう形かは別といたしまして、確かなる保証のもとにあるというようなことが大事なことでございますが、そういったような条件がそろえば、これはわが国といたしましてはそれに応ずる、こういうような態度をとってまいりたいと思っておりますが、いまはまだその決定をいたしたということではございません。

福間知之日本社会党

○福間知之君 この問題ばかりやっているわけにもいきませんので、大体印象をお聞きしましたが、今後の国内政策として幾つかの課題を背負ったということは言えると思いますし、せっかく政府としても、あるいはまた国会におきましても、この共同宣言に盛られた首脳会議の理想をひとつわが国なりに追求していく、役割りを担っていくということでは、大いにひとつ、いままでのあり方にとらわれない新たな発想でもって政策を創造していくということでなければならぬかと思います。その限りで、私どもも大いにひとつ勉強しなければならぬだろうと、こういうふうに思うのですけれども、特に経済の機関車の一台だと、こう言われているわが国だけに気がかりなことは、確かに共同宣言で言われているような、景気の刺激なり失業の解消なりに関連して、それよりも先立って必要なのはインフレ抑制だと、こういう思想ですけれども、この点はわが国ではやや、何といいますか、認識度合いが薄いんじゃないか、そういう危険があるんじゃないか、過去においての実績からしてそういう感じがするわけです。確かに六・七%の成長を果たすと同時に、またそのことが結果として雇用を拡大していく、確保していくということにつながることはわかるわけですけれども、それで景気を刺激すれば、一方において物価の上昇が危険視されるというのが、これまたいままでの常識であります。  福田総理も、その点を一番オイルショック以降重要視されてきたわけですから、そういう点でわが国の場合機関車としての役割りを果たすと言っても、まあドイツ並みにやはり物価を絶対抑えるんだというぐらいの、本当に固い決意でいかないと、これはアブハチ取らずになってしまう危険があるわけであります。カーター大統領の、政策の何か一種転換したようなポーズも、やっぱりインフレを恐れているということではないかな、そんな感じがするわけです。すでにわが国の場合は、五月になってからもタクシー、地下鉄等上がりましたし、いま問題になっているのは魚の価格がかなり暴騰ぎみであるということで、問題視されているわけですが、景気がいわば上半期で公共投資七三%消化というふうなことも言われているだけに、回復基調を早めれば、それと並行して卸売物価あるいは消費者物価へのはね返りというものが懸念されるわけですから、そういう点をにらみながら、ロンドン会議の精神というようなものをどう実現していくのか、なかなかこれは容易でない道のりじゃないか、こういうふうに感ずるわけですけれども、まあ今後そういう問題を具体的に政府で詰めていく過程で、国会との関係で私は少し気になるのですけれども、余り議論する場がないんですね。総理、大蔵大臣等主要なわが国の代表が行って、いろいろ議論をされ、一定の約束をされてきたことは、これは国全体として責任を感ずる必要があるわけです。どうも日本の国会は、そういう点では何か責任が果たせないような立場に追い込まれていると思うのですけれども、そんな点も考慮を願って、率直に野党の私どもにも情報を提供し、あるいは政策については提案をひとつ提起をされまして、そして、よりよいひとつ努力を果たしていくように希望を申し上げておきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) おっしゃるとおりでございまして、もう景気の回復ということで終始それでもってやっていこう、多少物価が上がってもしようがないじゃないかというようなつもりは、これは毛頭ございません。物価を上げないということ、インフレを避けつつ景気の浮揚をそれで着実にやっていこうと、こういったようなことを言っておりますのは、そういったような不健全な考えを排除するために申し上げておるのでございますが、ただこれは口で申し上げておることでございまして、そういったような物価が上がるというようなことについては、一番懸念をいたしまして、これを何としてでもさようなことでないようにということ、政府におきましても推進本部、微力な私が推進本部長になっておるわけでございますが、これまでにいろいろ相談を申し上げましたことは、何としてでも公共事業の推進に当たりまして、いろんな資材等がございますが、これがまず上がらないようにということを、所管各省にお願いをいたしまして、そういう方向でもってかたくそこを守りつつやっていこうというようなことに相なっておるのでございまして、ここが本当に大事なことだと思います。御注意非常にありがたく思います。それで今後も、私どもといたしましては、政府だけが一生懸命に汗かいたところで、これはやっぱり議会制度でございまするから、国会の方々にいろいろと御協力を願わなければ実を達し得ないということは、腹の底まで私も心得ておるつもりでございますので、今後ともいろいろの点につきましては、お知恵を拝借したり、あるいは御相談したりすることをいたしたいと思っておりますが、どうぞその節はよろしくお願いしたいと思います。   〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕

福間知之日本社会党

○福間知之君 特に、いま先ほど来触れておりますように、大蔵大臣の関係では、南北関係あるいはまた国際収支の主要国間相互における改善という課題ですね。これは非常に重要だなと、この点によほど思い切った手を打たないと、何度首脳会議をやっても、いわば今度の宣言の冒頭にもあるように、世界の経済の構造的な変化というようなことがうたわれているんですが、まさにそれは構造的変化に揺さぶられておるわけです。しかもそれは各国によって事情が違うわけで、そういう事情の違いの上に立って、利害を調整しようということはなかなか大変なことでございまして、まあ一九三〇年代の世界的な大恐慌というふうな経験を持っている各国ですが、そういうことを今後徹底してひとつ回避していくためにも、特に私は、日本が機関車の一台だという限りにおいて責任が非常にあろうと、そういうような意味で申し上げたわけでございます。  主税局長、少し税金の問題で、いわゆる戻し税の方式が決まったわけですけれども、これ法的に何か、この間決定を見た法律以外に、施行細則とか、政令とか、何かそんなものを準備されているわけですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 法律の委任に基づきまして、政令、省令を用意いたしまして、法律と同時に公布施行いたしてございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 六月ないし七月に、一般的な勤労者の場合は勤務先から還付されると、こういうことでございますが、私は、あの議論のときに、あの程度の金額で景気刺激に何ほどの役が立つのかということを言いながらも、まあ一定の効果を期待したいもんだと、こういう気持ちで議論をやっておりましたが、そういう立場から、まあ給料なりボーナスなりの税金と相殺をするという方法はより一般的かもしれませんが、それよりも別個に、別封筒で還付できるところは還付させると。そうすると、まあ思いがけない銭が還付されたということで、いま言ったように多少消費にもプラスになるんじゃないかというふうな感じがするんですが、そういうことを主税局の方では、国税庁の方では考えておられるかどうかですね。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) これは与野党合意ができました後、衆議院の大蔵委員会の理事会で、具体的な実施要領について非常に御熱心な御検討があったわけでございます。最初は、やはりできるだけ早くできるだけまとめてお返しすることが、今回の合意の趣旨からいっても望ましいということでございましたので、この間成立いたしました法律の案に至ります前に、税務署から納税済者の、去年所得税を納めてくださった納税者の方全部に通知をし、郵便局でお支払いをするということも検討の対象になったわけでございますが、これは何分ものすごい事務量と、それから非常な経費を要するということで、やはりちょっと言うべくして実行が無理ではないかということになりました。  したがいまして、その次には、いわゆるサラリーマンの方は、お勤めになっているところから、去年の税金をお返しするという方法しかないと、実務的な見地からしてないということになりました。その場合に、やはり勤務先の御協力を得なくてはなりません。税務署がやってみて非常に手数がかかるということは、同時に勤務先の方でも非常な手数がかかるということでございますから、勤務先の方で御協力をいただくために、できるだけそこでの手間も省かなくてはならぬというような御検討を経まして、この間成立いたしました法律によりますと、御承知の毎年の年末調整とほとんど同じ手続をとっていただくと。それならば事務的にも相当なれておられるし、そう過大な負担をかけなくて済むんではないかと、源泉徴収義務者の方にですね。ということでああいう法律になってお決めいただいたわけでございます。  したがいまして、いまの法律、政省令によりますと、勤務先からの還付を受ける方につきましては、給与支払いの都度これは法律的に支払い明細書というものを個人個人にお渡ししなくてはならない。支払い明細書の中に、この法律による還付の金額がこれだけあるんですということを、その月分なりボーナス分の源泉徴収税額のほかに必ず書いていただくというところまでは規定をいたしてございます。別に書くところまでを義務づけるのが、いわば手間とか人数とか経費とかということと兼ね合わせましてのぎりぎりの線かと考えておりますが、もちろん各企業におきまして、企業の御判断で、別立てに書いた金額に相当するものを別の封筒に入れて、個々人にお渡しいただくということが、いけないということではございませんので、そういうことをやっていただければ、それはまたおっしゃるように一人一人の方に、なるほどこれだけ返ってきたんだなとわかっていただけるということにはなろうかと思います。ただ、私どもの方もそういう仕組みであるということは、源泉徴収義務者を通じて鋭意説明会などをいまや始めておりますので、できることならば源泉徴収義務者の方から、実際に還付される月に、今月の月給袋にはこういうものが入っていますよと、金額は袋に書いてありますよということを言っていただければ、御質問の御趣旨にもかなり沿えるんではないかと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ということは、いずれ支払い明細書に、賃金とか、あるいはボーナスの支払い明細書に、減税の趣旨をもちろん書くということを義務づけると、これはそういうことですね。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 趣旨と言うとちょっとあれでございますが、この法律による還付額幾らという金額を書いていただくということでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 もちろんそういう私も意味なんですが、それを義務づけるということですね。私が言っているのは、それは当然のことですが、手数が多少かかるとか、あるいは強制はしたがってすべき筋のものじゃないからできないということは前提としてあるんですが、結局、相殺する場合でも、その計算をして、しかも支払い明細書にその金額もちゃんと書いてやらなければならぬわけですから、結構手数はかかるわけなんです。それを分離するということですね。計算はもうどっちにしろしなければいかぬのです。だから、分離して余分に封筒が要るといえば要るわけですけれども、そういう二回袋詰めしなければいかぬという手数はかかるわけですが、しかし、強制はできないけれども、そうすることによってより明確になることは明らかですな。これは御理解いただけますな。ということは、だから、別個にそういう支払いができるところはまあやってもいいじゃないか、それは望ましいではないかというふうに考えられませんか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほどお答えいたしたのもその趣旨のつもりでございまして、企業側が独自に、あるいは組合と御相談の上で、庶務の負担はかかるけれども、ひとつこの金額だけは別の袋で渡そうということをしていただくことを決して妨げるものではございません。ただ、全企業にそれを強制するということは、ちょっと無理だという意味で申し上げたわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 特例公債の問題にちょっと移りたいのですけれども、前に大蔵省から提示されました新しい五十二年度をベースにした「財政収支試算」、これまだ説明を正確に受けておりませんので、概略ポイントを少し説明を願いたいと思うのです。   〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕

加藤隆司大蔵省主計局次長

○政府委員(加藤隆司君) お手元の資料の末尾に調理要領がございますが、これを先にちょっとごらんいただきまして御説明さしていただきたいのですが、「試算の前提及び要領」というところでございますが、これは昨年の二月にお出しいたしましたものと全く同じでございますか、念のために読み上げてみますと、「昭和五十年代前期経済計画——これは五月十四日に閣議決定になったのでございますが、その中の(1)(2)(3)(4)という指標を基本的な前提にしているわけでございます。  すなわちGNP伸率の五十−五十五年度の平均が、実質六%強、名目一三%強というのが計画の中に出ております。文章といたしまして、「前半においては、やや高目の経済成長を維持」、「後半においては、緩やかな長期安定成長路線が定着」と、こういうような考え方がうたわれております。  政府固定資本形成でございますが、五十−五十五年度の平均伸率が実質七%程度で、名目一四%弱である。累積の五カ年投資額が百兆である。  それから、政府から個人への移転が、五十−五十五年度で名目一七%程度。それから五十五年度における対国民所得比が一〇%弱である。これは金額に直しますとおおむね二十三兆円になります。  それから四番目の税及び税外負担率(対国民所得比)でございますが、四十八−五十年度平均、これが二二・七%でございますが、に対し計画期間中に対国民所得比三%程度上昇。この中で国税の分は四十八−五十が一三・二でございますが、三%の上昇のうち二ポイント%、一五・二%を計算の基礎に使っております。  それから2でございますが、1のこういう経済計画の基本的な諸指標を手がかりにいたしまして、歳入歳出について五十二年度予算を基礎として(1)(2)(3)のような計算をいたしておるわけでございます。  (1)でございますが、歳入のうち税収、これは専売納付金を含んでおりますが、特会収入は除いておりますが、については、五十一年、昨年の二月の六日に国会にお出しいたしました「財政収支試算」の五十五年度の所要税収というのかあるわけでございます。三十五兆五千という数字がございますが、この数字を使いまして、今回試算の所要税収としこれを使っておりますが、各年度は名目GNP伸率の一般割合で伸びると想定しておるわけでございます。  GNPの伸率は、ちょっと飛びますが、(3)のところでケースAの場合には一五、一二、一二と、昨年使った数字の残った年度の数字を使うやり方でございます。  それから、ケースBの場合は、五十三−五十五年度のケースAと同じ高さをとりまして、五十五年度の高さは同じにしておきまして、平均伸率を出しますと一二になります。一五、一二、一二を平均いたしますと一二になるわけですが、この二つのケースを想定いたしまして、(1)に戻りますが、このGNP伸率の一定割合で伸びるという機械的な計算をいたしておるわけでございます。  それから、歳出については、昨年と同様の事項分けで、公共投資、振替支出、その他、国債費に分けまして、ここに書いてございますような想定をいたしておるのでございますが、公共投資については五十−五十五年度の計算で一五・五で、これはやはりGNPと等率に一定率で伸びるような計算にいたしております。  それから、振替支出でございますが、先ほど申しました、1の方の(3)のところで申しました五十五年度の全体の二十三兆の中で、国費一般会計相当分を出しまして、それを各年度、先ほど申しましたA、BのGNPの伸率に一定割合で伸びるという計算をいたしておるわけでございます。  その他は、名目GNP伸率と同率といたしたわけでございます。  国債費は、これは個々にわかるわけでございますから、現行の発行条件を前提にいたしまして計算をしておる。  この(2)は以上でございますが、(3)は先ほど御説明しましたとおりでございます。  それで、ちなみに表のケースAという一ページ目にお戻りいただきますと、ただいま申し上げましたような前提でつくりましたものがケースAの第一表でございます。第一表が本表でございまして、五十年度補正後と五十五年度との間の各年度の数字、これは二枚目にございますが、これは言うならば参考的なものとしてお示しいたしておりまして、われわれの頭の中は、五十五年度の、この経済計画が前提といたしております政策目標に向かって、この財政収支試算を政策の目安にいたしまして各年度考えていくというようなふうに考えておるわけです。  二枚目をちなみに見ていただきますと、昨年お出しいたしましたのは五十一年度の予算をベースにして五十五年度とつないでおったわけでございますが、今度は五十二年度の当初予算ベースで五十五年度とつないでいったというような表か二ページの内訳表になるわけでございます。  それから、ケースBは、先ほど調理要領の3のところで申し上げましたようなGNPの伸率を平均伸率を使って全くケースAの場合と同様の計算をいたしたものでございます。  計数その他はあえて読み上げませんが、われわれの関心を持っておりますのは、そのうちの歳入欄の「公債金収入」の欄でございまして、二ページの表で申しますと、五十五年度に公債収入が六兆七千八百、うち特例公債はゼロというふうに相なっておるわけでございます。  それからもう一つは、国債依存度でございますが、五十一年の二九・九、五十二年の二九・七がだんだんと減りまして一五・五と、それからその下の公債残高の五十四兆七千億、ここらあたりが申し上げるべき数字かと思います。  以上でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 これは試算でございまするから、いまケースAとBか、それぞれ先ほど説明のあったGNPの年度別の伸びぐあい、このA、Bの両ケースとタイアップしているんだと思うんですけれども、これは実際生き物である経済ですから、このとおりいかないということも、もちろん前提としてあるわけですけれども、私いま問題にやはりしたいのは、いずれにしても、先ほどの税及び税外負担率一対国民所得比一で、国税で二%、地方税で一%上げる、こういうことでございますが、それは主計局の方では具体的な税改正という面までは立ち入って考えてはおられないかと思うんですが、いまの税制のままでは、なかなかこの数字は達成できないような気がするわけですけれども、景気が回復するに従って自然増収があるという前提で見ましても、何せ五十四年度までに膨大な公債の発行ということを前提にして考えた場合に、国民の負担は、租税の増徴で負担するのか、結局は特例公債というふうないわば姿で負担をするのか、どっちかの違いだと思うんです。  要は私は、この委員会でもかねがね議論が出されていますように、まず特例公債の発行、これを抑えるということにかなり力点をとらなければならない、こういうふうに思います。公債残高が五十五年度で何と五十四兆七千億円だとなりますと、国債費の負担だけでも、ここに数字が出ていますが、大変なものになるわけでございまして、これ大蔵大臣、先ほどの首脳会議じゃありませんけれども、主要先進国の財政と比較してみて、日本の国債依存率というものは高いわけですから、こいつをどうするのかということを基本的に見直してみなければ、単に試算だけを前提に議論をしていますが、そういう筋のものではもうなくなってきているんじゃないのか。この試算は多少——多少ではない、かなり変容を遂げていくわけです去年からことしにかけてもそういう姿が見られるわけですから、やはり基本的にはどうしていくべきなのか。たとえば歳出面で当然の増経費なんというものは、年度を追ってとにかく前年度ベースにして歳出面を見ていくというのではなくて、カーター大統領が言っているわけじゃないが、ゼロベースでとにかく思い切って歳出面を見直していくとか、そういう姿勢転換が必要じゃないかと、そんな感じがするんですが、大臣は今度向こうに行かれていろいろ話し合いをなされた上に立って、わが国の財政というふうなものについてもどういう印象を持っていられますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 最近における日本の国の財政の姿から見まするならば、先進諸国家に比しまして公債の依存度がきわめて大きいということは、これはもうわれわれ、何としてでもそのような姿から姿勢を正していかなければならないということは、常に考えておるところでございまして、いつも申し上げることでございますが、五十年代前半にはまず特例公債というものをなくしていこう、こういう考えでございます。そういうことからまいりますと、五十三年、五十四年、五十五年でございますが、その間におきまして少なくとも、これは一遍に五十五年に特例公債をなくしてしまうというのは、なかなか容易ならざることで、私は漸次、やっぱり勾配の傾斜の坂を急にぼっとそのまま持っていくよりも、比較的緩やかなる傾斜でもってこの是正をしていかなければならない、かように考えております。  いずれにいたしましても、あと三年でございますが、その間に、少なくとも赤字公債というものを消していくということになりますれば、これは何と申しましても、いまおっしゃられましたように、歳出面におけるいろいろな過去のいき方というようなものを、これを十分ひとつ見直しまして、たとえば行政の整理とか、あるいは補助金の徹底的な整理だとか、これは総理も強く主張されておりますけれども、そういったようなことを一面においてやるとともに、なおそれでも、なかなかそれによって能事終われりというわけのものではこれはもちろんございません。だから、そういったようなことを一方においてやっていくとともに、歳入の面におきましていろいろな手段——歳入の面におけるいろいろな手段と申しましてもいろいろありましょうけれども、一番大きなのは租税収入でございますから、その租税収入の増収を図っていくということを、これはどうしても実行していかなければ、とうてい目的を達成できない。私は、ロンドン会議に出まして、なお切にそういうようなことを感じてまいったような次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ここの五十五年度の税収、これは三十五兆五千八百億円ですか、これはどういう根拠でこの時点でこういう数字になったのですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど主計局の加藤次長が御説明いたしましたのと若干重複いたしますが、三十五兆五千八百億という数字は、昨年お出しした五十五年度の所要税収をそのままここに持ってきております。昨年度お出しいたしました計算の前提は、先ほどの備考にございますように、五十五年度で予想される国民所得に対する負担率が、四十八年から五十年度までの平均に対して全体で三%ポイント程度上昇する、その中で、ここにございます一般会計分については、三%ポイントのうち約二%ポイントを受け持つという前提をとりまして、五十五年度に予想される国民所得に対してその比率を掛けて三十五兆五千八百億を出して、終点をまず決めておるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 これはGNPではどれくらいになっているのですか、このときは。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) ちょっとGNP比率を手元に持っておりませんので、至急計算いたしまして……。

福間知之日本社会党

○福間知之君 昨年度と変わっているのですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 昨年度お出ししたものと同じでございます。三十五兆五千八百億は国民所得比で一五・〇のわけでございますが、予想されるGNPとの比率では一二・八でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 先ほどの主計局の方のお話とあわせて考えますと、この税収の中には、二%なり三%増徴された税金分が含まれている、こういうことになりますと、これはやっぱり六兆以上、七兆円ぐらい含まれているということになるのですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 四十八年度から五十年度までの平均に対して、五十五年度の水準が一般会計ペースでは二%ポイント程度上昇しておるということでございますが、二%程度の上昇のすべてが、法律上の税率なり課税標準を改正して負担の増加を図ることによって出てくるというものではございません。この二%程度の上昇の中に、自然増収分と、それからなお不足して負担の増加をお願いしなくてはならない分と双方が含まれております。自然増収分が幾らであるかということは、これは実は明確な見通しは立たないわけでございますが、しかし従来の経験からいたしますと、たしか当委員会でもお答えいたしたと思いますが、弾性値計算から見て、税制改正をしないで自然増収だけでこれだけの税収になるとは考えられないので、やはり何らかの時期に負担の増加をお願いせざるを得ないだろうというふうにこの数字から読み取っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 いまの問題点ですね、かねがね議論の対象になってきたんですけれども、大蔵省もどうも法人税の改正などに積極的に取り組むやの姿勢が報道としてありましたけれども、租税特別措置の議論のときにも繰り返されていますように、税調に向かってかなり思い切ったあれですか、諮問、素案などを考えられておるわけですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 財政収支試算というのは、実はことし初めてお出ししたわけではございませんで、去年の二月にもお出ししたわけでございます。そのときすでにいま申し上げているような数字的な予測が出ておったわけでございますので、昨年の六月に大蔵大臣、自治大臣両方に出席していただきまして、まことにお願いをいたしにくいことでございますけれどもひとつ税制調査会として今後どうすればよろしいかということを根元から御検討願いたいということをお願いいたしまして、昨年の暮れまでかなり精力的に御審議を続けていただいております。私どもとしては、いまある税制を全部負担の増加を求めるという角度から見直していただきたいということをお願いしております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 時間がきょうはもうありませんからあれですけれども、この試算に対して、いま手元にないのですけれども、一遍桜田さんが桜田私案なるものを出されましたね。少し私も中身忘れちゃったですけれども、あのときに少し勉強したのですが、あの私案と、このいま大蔵省の出されている試案と比較されてどうですか、一説によると大蔵省の試案よりも、桜田私案の方が現実味があるんじゃないかというふうな見方があるんですけれども、どういうお感じを持っていますか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○政府委員(加藤隆司君) たびたびこの委員会でも御議論になりましたが、たとえば五十五年度で赤字公債が二兆残るというような計算になっておるわけでございます。残念ながら私ども計算の前提とか計算の方式、詳細つまびらかにしてないわけです。それで数字的に比較はできませんが、前書きに桜田さんの名前で文章がありますが、その中におっしゃっている言葉で、要するに容易外はないよと、だから労働分野も使用者も野党も与党も財政の状況をしっかり認識して、不退転の決意を持って財政再建へかかるべきであるというくだりがあります。私どもといたしましては、桜田さんのおっしゃりたいのはそういうことではないんだろうかと、いろんなこれ計算はできるわけでございますが、私どもの方は、政府でございますから、全体の経済についてのホールピクチュアが与えられておりまして、その中でただいま御説明したような計算をしておるわけでございます。桜田さんの方の場合には前提をどういうふうに置かれたのか、それから計算がどういう計算でおやりになったのか説明かないわけでございます。したがって、くどくなりますが、ただいま申し上げましたように、どっちが正しいとかというようなことではなくて、結局、現在わが国の財政が当面している状況が非常に異常な状態にあると、したがって、関係者は心して財政再建をしなければいかぬのではないかという前文の方の文章に重点があるというふうに私どもは理解をしております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 それはそれで私いいと思います。私も何も桜田私案の方が正しいとか政府案が間違っているとか、そんな議論は一向にしたくないんで、そういう筋のものではないと思う。言うならば、啓蒙的な意味合いに重点があるというふうな見方をするとすれば、私は政府案の立場で考えた場合に、それは先ほど来も少し触れていますような、これからの財政と、その裏づけになる税制というふうなものについて、より指導的理念を持った政策を提示して、やっぱり国民に理解を求めるものは求める、批判を得るものは批判を得るということでなければならぬ、そういうふうに思っているわけです。だから、税制改正というのをかねがね議論の対象にしているのはそういう意味でございまして、私たち野党もやはり、たとえばことしの場合、不十分だとはいえ減税が行われて、物価高の中の生活を少しでもカバーするという意味はありましたけれども、こういうふうな姿の減税が今後可能なのかどうか、考えられるのかどうかというと、はなはだ心もとないわけでございます。  したがって、これからの議論というのは、国債の発行そのよしあしということよりも、その前提になる国の財政、税制のあり方をやっぱり検討の俎上にのせていかなければいけない、そういうふうに当委員会の任務としても私は考えるわけで、その結論として収支試算、この程度の展望に立って国債はこの程度発行が必要だというふうな結論が導き出されれば、それはそれでいいわけなんでございまして、やっぱり何となく景気の見通し、あるいは生活の不安定性というものが漂いながら公債のよしあしをだけを議論をしても、私は、昨年の経験からしても何か不毛の議論のような感じがしてならないんです。現実に、赤字公債、特例公債といいますけれども、建設公債を含めましてやはり借金は借金なんですよね。しかも、その建設公債なるものは、一定の借りかえなり償還という制度に基づいて行われるにしましても、これはやはり中身が問題になるわけでありまして、仮に一般経費を賄うために特例公債が必要だという考えに立った場合といえども、建設公債は経済成長その他の要因から必要とはいえ、中身の吟味をすれば、絶対枠として必ずしもいま提示されているこの建設公債の発行額が妥当なのかどうか、これはやはり議論のあるところだと思うわけです。  私はことしの建設公債、もちろん批判をすれば、田中列島改造論に舞い戻ったんじゃないかという批判ももちろんありますが、一面においては、やっぱり生活関連のいろんな施設にも前年度よりも、やはり建設公債で賄っていくという部分がふえているということもこれは率直に認めるわけです。だから、問題はその中身ですが、結論として、建設公債の総枠と、それから特例公債の総枠と合わせて国債総枠と、こうなるわけでございますので、まあ予算委員会ですでに建設公債を含めた総枠はもう決まっておりますから、蒸し返した議論は意味がありませんけれども、私はそんなような感じがするんです。絶対枠を押えるという意味であれば、赤字公債だけを見ても実際はこの一知半解の域を出ない、こういうふうな感じがいたします。  まあ、今後は当委員会として当然特例公債にしぼった議論を深めていかなきゃなりませんけれども、そんなような印象を昨年来からの議論で持っているわけです。だから、まあ今回、発行される四兆五百億円ですか、この公債の可否というようなことを、何かもう議論としてむなしい感じがしてならないんでございますけれども、まあ、そういうことで、今後税制の問題を含めまして、ひとつ次回からは議論をしてみたいと。きょうは時間がまいりましたので、これでとどめておきます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大変ロンドンの会議はハードスケジュールのようでございまして、その辺ではまことに御苦労さま、こういうふうに申し上げておきたいと思いますが、まあ私ども見ておりまして、あるいは報道なんかによりまして、どうも大変大きな荷物をしょわされてきたという感じがするわけですけれども、大蔵大臣はどのような所感をお持ちになっておるでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、ロンドン会議によって大変重い荷物を背負わされたということでなくて、もう初めからこの問題は日本としては大きな問題を背負ってこれに片をつけていかなければならない問題である、こういうふうに考えております。とにかく、世界のいまの異常なる経済の停滞と申しますかあるいは南北の問題と申しますか、そういったようなものを片づけていくためには、むろん日本は機関車の一国として大きな役割りを果たさなければなりませんけれども、その役割りを果たすためにも国内の体制というものを、これを充実していかなければならない。これはもう初めから日本が、日本の国の経済のために、また世界の経済の立て直しのために、背負っていかなければならないことだと、かように私は考えておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは当然おっしゃるように、大きなエンジンカントリーという言葉がよく使われておりますけれども、その役割りを果たさなきゃいけないわけでありますけれども、まあ国際的な監視の中で機関車を動かしていかなきゃならないということでですね。いままでは日本独自の考え方を中心にして展開していけばよかったんですけれども、まあ今度はそういう意味では一つの公約というものですかね、公の約束、これを首脳会談の中で果たした。それだけ日本政府の今後の行動というものは当然制約をされていく、こういうふうに思うわけですけれども、その辺はどうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) むろん日本の経済というものは、これは第一義的には、何と申しましても、日本国民の経済であり、われわれのための経済である。ところが、われわれのための経済が、これが正常に充実、成長していくためには、先ほども申し上げましたけれども、世界の各国と相互依存をしてやっていかなければならないという一つの前提があろうと思います。さような意味におきましては、これはどうしてもわが国だけのことを考えていったんでは、わが国の目的が達成できないというようなことから考えまして、それで、特に世界の先進国とひとつかたく手を結んで、そして協調して、日本経済の、何と申しまするか、やっぱり背景と申しますか、環境と申しますか、そういったようなものもこれをわれわれは十分考えて、そして日本の経済を高めていく、日本の経済を高めていくということは、すなわち日本の国民に対するわれわれの使命であり、かつまたそれを達成するためには、世界経済に対して貢献をしていかなければならないということを、先進諸国においてこれは手を結んでやっていこう、こういうようなことであろうと私は考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、政府自体が、このロンドン首脳会談を通じまして、いままでよりも海外的視野が大変広くなった、この点は私は大変プラスだと思うし、また日本国民の国際的な視野から景気の問題を考えたり、貿易の問題を考えたり、あるいは国際通貨の問題を考える、こういうふうなことには大変いい機会だったと大いに私もそれは思います。ただ、ロンドン会議の結果、大変世界の機関車か——ワシントンの首脳会談あるいはモンデール副大統領の来日、その当時は確かに世界の機関車は三つあったわけですね。いわゆる日、米、西独というのが三つのエンジンカントリーズという複数だったと思います。しかし、今度の会議で見ますと、どうも私は、西独はもう景気よりもインフレ景気、それからアメリカも戻し税政策というものを引っ込めてしまった、そして景気は回復しているからむしろインフレなんだと、まあこういう景気刺激策について、これ下がってしまっているわけです。福田さんだけは一国になってもエンジンカントリーだと、こういうふうにおっしゃったと、こう報道をしているわけです。私はそういう意味で、世界の景気、これが日本自体が大変世界の景気刺激に対する重い負担をしょわされてきた、こういうふうに思わざるを得ないんですけれども、この首脳会談で各国の経済成長率の話が出て、付属文書にそれを書こうかという話も出たようでありますけれども、現実にどうなんですか、各国の本年度における経済成長率の数値というものは首脳会談の中で話されたわけですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 首脳会談につきましてはもちろん私は出ておりませんが、伺いまするところ、首脳会談でそういう議論が出たというよりは、コミュニケを書きます際に、はっきりと各国の成長率を書いた方がいいんじゃないかという議論が途中の過程であったようでございます。しかし、結果はごらんのようにそういうことではなくて、各国当局の声明したその目標率を達成するということになりまして、具体的な数字は載っていないということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 西ドイツのシュミットさんですか、この方は経済成長率、いままでアナウンスメントされていたものは五%というのを、四・五%ということを首脳会談で言ったと、こういう話が出ているんですが、これの真偽はどうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 数字的には首脳会談、その会議においてはその数字は私は耳に残しておりません。ただ、いま局長が話されましたとおり、コミュニケを起草するに当たりましては、各国のあるいは次官とか局長とか、そういったような人たちがこれを起草するということになったのでございまして、会談には私は終始出ておりましたが、どうも数字についてはそういうようなことはなかったと、私は記憶いたしておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ数字が出されようが出されまいが、少なくとも西ドイツはエンジンカントリーになるのはいやなんだということは、全体に私うかがわれるわけですが、福田総理は、日本の経済成長率六・七%、これを必ず達成するんだと、こういうことをおっしゃったそうですけれども、これは首脳会談の席であるか、あるいはロンドンにおいてそういう新聞記者等との会見でおっしゃったのか、少なくともそういう意思表示をしたことのようでありますが、これは事実ですか、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 福田総理が六・七%についてはっきりとそう言ったか言わないか、これも私は記憶しておりませんけれども、しかし福田総理は、六・七%というものはぜひともこれは達成しようということは、もうすでに初めから決めておることでございまして、その席におきまして初めて言ったことではありませんで、私は、六・七%を福田総理が達成するという決意を持っておるということは、そこから一歩を引くというようなことはないというふうに私は信じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この首脳会談の結果、各国の経済成長率について何人かの人を選んでモニターをやっていくというようなことが言われているわけですが、そういうふうなモニターというものを現実的にこれから首脳会談の後でつくってやっていくんですか、やっていかないんですか、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 今度決めましたことについては、ひとつぜひ実現するべくフォローをしていこうじゃないかということは、これははっきりと申しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そのフォローをしていく——あなたの言葉で言えばフォローをしていくんですが、これは何かそういう専門的な何人かの人でそういうことを、たとえば三カ月ごととか、四半期ごととか、あるいは半年ごととか、そういうことをやっていくようになるわけですか、どうなんですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) いま大臣の言われましたフォローすることにつきまして、そのフォローする仕方は具体的に決まっておるわけではございません。これからもいろんな機会に大蔵大臣の集まりとか、いろいろその他ございますんで、あるいはそういうところで検討するのか、あるいは特に必要があれば何かつくるのか、その辺についてはまだ決まっていないわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ただそういう方向にあることは間違いないと、こういうふうに理解していいだろうと思いますけれども。  そこで、六・七%、一年に一回じゃなくて恐らく何回か、おまえのところはどうも進み方が弱いじゃないかとかなんとかいうような話というのは、それぞれの会議で具体的に勧告めいた話というのは恐らく出てくることを覚悟しなくちゃならぬと、こういうふうに思うわけでありますが、そういう意味でも政府の経済政策というのは、当初の予算のままで、あるいは経済見通しのままでいくかどうかということになりますと、私は大変紆余曲折が出てくるんじゃないかと、また、このロンドン会議によって、政府の政策もかなりいろいろ調整すべきもの、あるいは追加をすべきもの、こうしたものも出てくるんではないかと思いますけれども、かなりいろんな施策をやらなければならないと、こういうふうに思うんですか、大蔵大臣どうですか、いまのままで、そのまま進められるんですか、ある程度体制を変えていく、こういうことになるんじゃなかろうかと思うんですがどうでしょう。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 会議の席上でも、貴国の経済成長率は、数字は別として、もっと上げにゃいかぬじゃないかとか、これは低過ぎるじゃないかとか、そういったような意見は、これはよその国のことでございまするから、全然なかったように私は思います。じゃ日本が、福田総理が決意をいたしております六・七%について、これを改定しなければ、このロンドン会議の決めた事項について達成することができないというふうには私は考えておりません。私は、この六・七%という目標のもとにおいて、これを基礎といたしまして、この宣言をいたしました事項は、今日のところそれを達成することができるものであると、これを改定していかなければならないというふうには考えておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 五十一年度の成長率五・六%というものは、これは五十年度の末のげたがかなり高かったわけですね。たしか三・三%ぐらいげたをはいていたと思うわけですが、今度五十一年度末のげたというのは一体幾らぐらいになるんですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) まだ五十二年の一−三月期の数字が出ておりませんので、正確な数字を私どもは承知をいたしておりませんが、五十一年の一−三月期からのげたに比べますと低いものになるのではないかというふうに考えられます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 世上このげた分は一・五%ぐらいだと、こういうふうに言われているんですが、大体その辺ですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 一・五といいますと一−三月期の前期の伸び率が一・五ということになりますと、政府の見通しの五・七という五十一年度の実質成長率が達成できるというふうに計算上はなっておるわけでございます。それをもとに計算を、仮にげたを計算いたしますと大体一・五とか一・六ぐらいになったのではないかというふうに記憶いたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、去年は成長率、成長目標五・六に対してげたが三・三、ことしは六・七に対して一・五か六ということになると、六・七%の成長率というものを達成するのには、去年は五・六、三・三のげたをはいているわけですからこれは到達しやすいわけですが、今度はげたが低いんですからなかなか到達しにくいという問題がありまして、これは世上も六・七%というのは努力目標だと、これは財界の人は大体六・七%というのは努力目標だと言って、実際にそんなものはできやしないんだと、こういうふうな意見を大分吐かれておりますけれども、これについてはどうなんでしょうか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 五十一年度の四半期別の国民総生産の伸び率は、この七−九、十−十月期、確かに余り高くございません。こういう状態がこのまま続くということになりますと、それはなかなか達成がむずかしいということはあろうかと思いますけれども、私どもはそのようには考えてないわけでございまして、五十二年度の六・七%を達成するというために、民間の回復力により力強さを与えるという観点から、一連の施策を講じておるわけでございます。御承知のように公定歩合につきましては三月と四月と二度にわたって引き下げが行われまして、金利水準全般が低下をしておる状況でございます。また財政におきましても、公共事業の上期の集中的な施行ということを図っておるわけでございまして、相当な規模の事業が上期に出てくるということでございます。このように財政、金融一体となった施策を通じまして、民間企業におきます信頼感というものも回復をしてくるというふうに期待をいたしておりまして、事実公共事業の進みぐあいを数字で見てみましても、この一−三月期あたりから相当大幅にふえてきておるということが出ております。このような調子でまいりますれば、五十二年度の成長率が政府の見込みを達成するということは、決して不可能ではないというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういうふうにおっしゃるわけですけれども、確かに公共事業の前倒し、七三%の前倒しがありますから、まあとにかく今年度の前半は、私は比較的経済成長率は高いと思うんです。公共事業の前倒しがなくなって、坊大蔵大臣は大体自民党も大型補正を後半に組みたいという考えのようですけれども、しかし福田総理は、大型補正は現在のところ組む考え方はない、この前、本会議でそういうふうに言われたわけですね。そうしますと、どうも前半はいいけれども、後半は中だるみ、あるいは底割れと、こういうようなことになる可能性が私はあると思うんですけれども、その点は大蔵大臣どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 前回の本会議のときに、福田総理と私との意見が違うじゃないかと、こういうふうに指摘をされたわけでございますが、私は、全然違っていないと思っております。私は、今日ただいまのこの情勢から申しまして、補正予算を組むというような考えは毛頭ございません。しかし、将来いろんな、政治は生きておりますから、政治も生きておるし、政治は自然に即応した政治でなければならない、自然に逆行したりすることではいけないというようなことから考えてみるならば、そのときそのときの事情によりまして、たとえば不測の災害が起こるといったようなときにも、私の今日の考えのとおり補正予算やらないのだということでは済むまいと思います。そういったようなときも考慮するならば、これはもう未来永遠に本年度は補正予算をやらないんだ、こういうことではない。そのときそのときの実情に応じましてそれは考えることもあるかもしれませんけれども、今日ただいまのところ景気浮揚のために……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その話はあなた、景気の問題ですよ、大型補正を組むか組まないか、また後でやります。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いや、景気浮揚のために大型補正をやるというようなことは毛頭私は申しておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 景気の問題を聞いているんですよ。私は、大型補正を組むか組まないかということをいま質問しているわけじゃないんですよ。先ほど課長が言ったことに対して私は疑問があると思うんだけれども、大蔵大臣は、今後の景気状況はどう考えているのか、これが本間でありまして、後の方はつけたりなんですからね、補正予算を組むか組まないかは。ですから、あんたはずいぶん補正予算にこだわっているようですが、私は、景気は一体どうなるのかということをあなたに聞いている。大蔵大臣の認識を聞いているわけです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、とにかくこの五十二年度の、日本の国で一番大事なことは景気浮揚をしていく、着実に経済を回復していくということが一番大事だ、そのために予算の編成に当たりましても、これの執行に当たりましても、あるいはまた金利の問題にいたしましても、今日あらゆる手を講じてこれを図っておるということでございます。さようなことが漸次効果を発生することによりまして、景気は私は回復をしていくというふうに信じております。

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 午後一時五分まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      —————・—————    午後一時十分開会

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 先ほどは経済成長率の問題を中心にお尋ねしたわけでありますが、これはまたさらに最終的に総合的な立場でもう一回お伺いをしたいと思っておりますか、もう一つは、今度の首脳会談で、福田総理なり日本の政府が自由貿易を堅持すると、こういうかなりはっきりした立場で臨んだわけですが、先ほども福間委員からもそのお話が出たわけですけれども、どうも自由貿易という考え方が大分後退したんではないか。一つは、前二回の首脳会談では、貿易プレッジといいますか、貿易制限は自粛しようじゃないかというようなものが加わっていたわけですが、今度の場合にはそういうことでなくて、開放的国際貿易制度というような言葉になったわけですが、あるいは今度の会議では、フランスあたりからオーガナイズドマーケットというような言葉が大変強く出てきているわけですが、そういう意味では、さらに後でまたお聞きいたしますけれども、東京ラウンドの問題、これも率直に言いまして大変後退している。その裏側にはやっぱりオーガナイズドマーケット、要するに管理された貿易、こういうような思想が大変強く出てきた。そういう意味では、日本の主張している自由貿易体制というものは後退したんではないかというふうに考えられるわけですが、なるほど保護貿易とかいうような言葉は具体的には出なかったわけでありますけれども、どうもそっちの方へ一歩近づいたんじゃないかという感じがしますけれども、これは大蔵大臣どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 午前中にも申し上げましたとおり、フランスからは、おっしゃるとおり組織化された貿易ということが大分強く主張されておりましたけれども、これに対しては、まず福田総理から、一体組織化された貿易というのはどういうことか、その意味からしてはっきりわからないというような異議を申し述べまして、だんだんとやりとりをしておるうちに、結局は、フランス側もそれを引っ込めるというか応じるというか、ついにそういったようなことで合意がされて、それで、コミュニケにおきましては、組織化された貿易というようなものは姿を消した、こういうことでございますので、私はかような意味においては保護貿易の方へいったということでなく、自由貿易主義がこれはやっぱり終始自由貿易主義に合意がされたと、こういうふうに私は考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、前二回の貿易制限的なものを自粛しようという貿易プレッジですね。今度はこれがうたわれなくなったというポイントというのは、一体どういうことでそれがうたわれなくなったのですか。もうそういう宣言の必要がなくなったという意味ではなしに、そういうことではなしに、やはり日本あたりの自由貿易というのは、これはオオカミの自由貿易である。羊の自由貿易じゃないんだというようなことで、ここで自由貿易体制というものをさらに言葉を重ねていくということは、やっぱりオオカミの自由貿易じゃないのか。そういう反省のもとに貿易プレッジが今度は外されたと、こういうふうに理解すべきじゃないですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) いま大臣が申し上げましたように、確かにフランスとの間で、自由主義のオーガナイズされたということにつきまして議論はあったわけでございます。結論は、大臣も申されましたように、保護主義を拒否するというふうになったわけでございます。そこで、OECDのプレッジにつきまして前二回の首脳会談で引用してございます。第一回目には、その原則を、そのコミットメントを確認する。で、第二回目の首脳会談におきましては、OECDプレッジから逸脱をしないようにしようという意味で引用してございますが、それは一回目のときには、七五年の十一月でございましたけれども、六月に一年目のOECDのプレッジが更新されましたので、それを受けまして確認しようというふうな表現をされたわけでございます。第二回は、去年の六月でございましたが、ちょうどその何日か前に、OECDの閣僚会議で貿易プレッジがさらに更新されたわけでございましたので、それから逸脱しないようにという形で引用したわけでございます。今回は時間的に逆になりまして、来月六月にOECDの閣僚会議があるわけでございまして、そこで一年間の期限の参りますOECDのプレッジをどうするのか、単純に延長するのか、あるいはどうするのかということが相談されるわけでございます。したがいまして、その前に首脳会談という高いレベルの会議で、それをどうのこうのと言うのは、手続的にも適当ではないという背景が一つございます。  もう一つは、やはり実態を強く述べるということは必要だということで、従来使っておりませんでした、非常にはっきりした保護主義を拒否するということまで使いまして、相当開放体制といいますか、自由貿易といいますか、保護主義の拒否ということが今度のコミュニケに盛られておるわけでございますので、貿易に関して自由貿易の原則から後退したということは私はなかろうと思っておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 しかし、福田総理もあれだけ国内でも自由貿易体制を世界的に堅持していくんだと、したがって、この点を強く訴えるんだということを、出る前から国会でもおっしゃっていたし、あるいは新聞等でもおっしゃっていた。それが、開放的な国際貿易制度という言葉になった。これはやっぱり、くちでは保護主義、保護貿易主義を拒否するとは言いながら、純粋な保護貿易にも幾つかの段階が私はあると思うのですよ。いろいろな非常に軽いものから、その色彩が非常に濃いものからいろいろあると思うのですけれども、そういう意味ではやっぱり、かなり極端な保護貿易主義というのは、これは恐らく世界各国、現在の段階ではとろうとは私はしておらないと思うのですけれども、しかし、集中豪雨的な貿易、これが今度の場合には、自由貿易というものの何か代名詞になってしまっているという感じがするわけでありますけれども、この特定地域に対する集中豪雨的な貿易は、これは福田総理は自粛をするということをかなり明確におっしゃったようでありますけれども、しかし、この集中豪雨的な輸出というものの、これは必ずしも自由貿易という概念と同じだと私は思いませんけれども、自由貿易の概念からいけば、やっぱり集中豪雨的な輸出というものも、市場の価格の点から、あるいは需要のあるという点からは、私はやっぱりこれは自由貿易の中に入ると思うのです。しかし、それを福田さん自体が否定しているわけですから、そういう意味では、はっきり自由貿易から一歩後退をしている発言を福田総理自体がしている、こういうふうに私は思わざるを得ないんですけれども、これはどうなんでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そこのところ少し私は、竹田さんとは考えが違うんでございますが、とにかくいまの貿易は、日本はもちろんのこと、世界各国が貿易を隆盛ならしめて範囲を広げていかなければならない。そのためには、一国ないし何国かが保護貿易をやる、保護するというような立場から貿易をやりますと、それだけその貿易の規模なり範囲なりが縮小する。縮小するというと、資源有限の今日の貿易としては、どうしてもそれは縮小でなしに、貿易の範囲というのはもっと広げていかなければならないということについては、これはもう集まった国全部が全部異議がないということでございますが、そういったような立場に立ちまして、いまおっしゃられました集中豪雨的な貿易が一カ所に一時に降ってわいてまいりますと、それが一つのきっかけとなって、それによって保護貿易の圧力がかかってくるというようなこともあり得るわけでございますので、要するに自由貿易というものを広げて、これを盛んにやっていくというためには、一つのそういったような集中豪雨的なそういう輸出といいますか、これはひとつ自粛していった方が、本来の目的であり、本来の行き方である自由貿易というものを邪魔することなくやっていけるから、こういうふうな趣旨に確かに福田総理が言っておったように私は記憶しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、これは集中豪雨的な輸出がいいと言っているわけじゃないのです。しかし、日本の競争力の点と需要の点で私は必然的にそうなっていっているんだろうと思うんです。それをみずからやめるというのですから、具体的にどういうふうにやめていくのかこれわかりませんけれども、通産省の方がお見えになっていると思うんですが、特定地域に対する集中豪雨的な輸出を自粛するというのですから、具体的にはどうやっていくんですか。これははっきり約束したのですから、もうすぐにでもその方向で進まなくちゃいけないと思うんですけれども、どういう考え方でこの集中豪雨的な輸出をやめさせていくのか、これはやっぱり経済の法則にある程度は抵抗していかなくちゃならぬと私は思うんですが、どうなんでしょうか、それは。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) 輸出の集中の問題でございますが、わが国といたしましては、もとより貿易立国ということを旨としておりますので、基本的には従来からこの自由な貿易を伸ばしていくという、これが原則でございまして、これは今後といえども基本的には変わることはないというふうに考えておりますけれども、ただ、先ほど大蔵大臣の御説明にもありましたように、特定品目の集中豪雨によってその保護主義的な動きを巻き起こすというのは、かえって自由貿易の進展に有害であるという見地からこれはできるだけ避ける、こういったことで市場の混乱を招いたり、相手国の産業に急激な打撃を与えるということは避けていきたいという考え方は、従来からも貿易政策の基本的な考え方としてまいったわけでございます。で、従来におきましてもこういった考え方に基づきまして、在外公館とかジェトロとか、いろいろなルートを通じまして外国の市場の状況あるいはわが国の商品輸出の状況等の把握に努め、またそれに応じて通産省におきましても業界の指導等に努めてまいったわけでございますが、今後はさらにこういった現在の世界的な雰囲気、首脳会議にあらわれましたような討議を踏まえつつ、基本的には従来の路線に即しながら適切な業界に対する指導を通じまして、やはりこれは政府が前面に出て管理するということを直ちに考えておるわけではございませんで、むしろ業界にその情報を的確に伝える、その認識と自主的な自覚を促すことによって輸出企業がみずから秩序ある輸出に努めるということを期待しておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 よくオーダリーマーケティングというようなことか盛んに言われるんですが、しかし、いままでも実際にはなかなかオーダリーマーケティングというのはできないんですね、できた例ありますか。結局輸出カルテルをつくらせるかり、何かあるいは一番ひどいものになると貿易管理令なんかも使われる可能性があると思うんですけれども、結局何らかの形で数量制限をするというようなことをせざるを得ないんじゃないですか、どうなんですか、それは。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) 先ほどもいろいろ申しましたように、基本としましては、貿易については企業の自主的な自覚に基づく行動ということが望ましいわけでございますが、それだけではなかなか問題が片づかないという場合におきましては、従来でも必要があります場合には、業界に適切な指示を与え、あるいは話し合いを通じまして数量制限あるいは取引方法の規制等のカルテルを認可してきたこともございますし、今後も商品に応じ、場合に応じてどうしてもそれが必要な場合には、そういった輸出入取引法等に基づく措置も当然考えていくことにいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうするといま日米間で問題になっているカラーテレビなんか具体的にどうなんですか。これはアメリカとのカラーテレビについての交渉というのは行われているわけでしょう、これについては、具体的にいま話はどうなっているんですか。

鈴木健通商産業省機械情報産業局通商課長

○説明員(鈴木健君) お答え申し上げます。  カラーテレビにつきましては、さきの日米首脳会談におきまして、米国のカーター大統領から日本のカラーテレビの対米輸出が非常に急増しておるので、日本側が自主的に輸出を自粛してほしいという要請がございまして、その際に、福田総理が、双方の事務レベルで話し合いをさせたらどうかという提案を行いまして、それに基づきまして事務レベルによる交渉が開始されたわけでございます。その後四月から五月にかけまして数次にわたる事務レベルの話し合いを行いまして、現在日本側が自主規制を行うという方向で交渉を行っておる最中でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 具体的に数量が双方から出ているわけでしょう、たとえば日本は二百万台で維持したいと言っているでしょうし、アメリカの方は二百万台を下回った線で決めてほしい、こういう話が出ているんでしょう、具体的にはどうなんですか。

鈴木健通商産業省機械情報産業局通商課長

○説明員(鈴木健君) これまでどのような対象について自主規制を行うか、あるいはどのような方法について行うかということにつきまして突っ込んだ話し合いを行いまして、対象につきましては、ほぼ合意の線に至っておるわけでございますが、数量につきましては、日米の主張にまだ食い違いがございまして、今回の首脳会談の際に通産省の増田審議官が出席いたしておりまして、その際に、米国STRのストラウス大使と話し合いを行ったわけでございますが、時間的に十分の詰めを行うことができませんで、次回に持ち越したという段階でございます。数量につきましては、まだそういう段階でございまして、日米双方がどの程度主張をして現在どのような段階になっておるということをお話しできる段階ではないわけでございますが、かなり双方の主張が歩み寄りつつあるという段階のように聞いておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いずれにしても近いうちに数量の問題というのは、これは出てくることを覚悟しなきゃならぬと思うんですが、どうですか。

鈴木健通商産業省機械情報産業局通商課長

○説明員(鈴木健君) 双方できるだけ満足のできる線で合意に達したいということで交渉を行っておりますので、近いうちに合意に達し得るものとわれわれは考えております。その際には、現在、輸出入取引法に基づきまして、日本側が自主規制を行うという方向を考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 首脳会談で、英国との間に造船の輸出の問題や何か話されたというふうに出ておりますけれども、これは首脳会談の席であるか、あるいは別なところであるか、これわかりませんけれども、造船の話はどういうふうに、どんな話がされたわけですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いまのお話でございますが、私は聞き漏らしたか、記憶ございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あるいは鉄鋼とか自動車はこれは首脳会談では話が出たんですか、出ないんですか。集中的な輸出の自粛という中に、そういうような問題はどうなんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 聞き漏らしておりましたらはなはだ申しわけないことであって、おわびをせにゃなりませんけれども、そういう個別の商品については、首脳会議の席上では私は耳にいたしておらないのでございますが、これ聞き漏らしておりましたらおわびを申し上げます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは事務的な、首脳会談ではなくても事務的にそれぞれの国と、これは通産省が主体だろうと思うんですけれども、鉄鋼やあるいは自動車は恐らく通産省だろうと思うんですが、船の方はあるいは運輸省かもしれませんけれども、その辺でやっぱり貿易問題としては通産省だろうと思いますけれども、何らかの形で折衝はされているんですか。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) 今回の首脳会談及びその前後の英国等との会議では、特にそういった個別商品についての突っ込んだ問題提起というのはなかったというふうに聞いております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いや、首脳会談以外のいままでの経過の中でそういう話はされているんですか、されてないんですか。あるいは向こうから抗議がきたということもあるかもしれぬし、こういうふうにしたいと思うという意見なり、そういうようなものは何らかあったんですか、全然ないんですか。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) これは従来からいろいろな形で問題が提起されておりまして、たとえば造船につきましては、ずっとこれは以前からOECDという場におきまして、加盟諸国が造船不況問題をどうするかという話し合いを続けておりまして、その過程で、たとえば欧州諸国は日本の受注シェアが大き過ぎるのではないかという批判を出し、日本としても、ある程度最大の造船国として国際的な不況克服のために協調しなくてはならないということで、船価引き上げ等の措置で多少輸出を抑える措置をすでにとっているところでございまして、しかし、これについては引き続きOECDの場で検討が行われているわけでございます。  それから、鉄鋼につきましても、昨年ECとの間で話し合いがございまして、日本側では主要メーカーが自主規制をするという形で一応解決を見ております。なお、特殊鋼等について依然一部の国々とで話し合いが行われております。自動車については特にそういった政府レベルの話し合いということはございませんですけれども、情報といたしましては、英国あたりの業界において日本の輸出の増加を懸念している。それに対して日本側からもいろいろ説明を行っているという状況でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理が言った集中豪雨的な輸出という範囲に、いま申し上げましたカラーテレビだとか電卓とかそれから自動車だとか造船だとか鉄鋼とか、こういうものは入るんですか、入らないんですか、考え方としてどうなんですか。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) 大部分のこれらのものにつきましては、日本側の考え方といたしましては、西欧あるいは米国等がよく申しますように、向こうの業界に非常な被害を及ぼしているというふうには考えられないわけでございまして、そういうふうにわが方の主張は繰り返し説明しておるわけでございますが、ただ、先ほど来出ましたような保護主義的な動きを警戒する立場から、わが方の自主的な判断としまして、余り急激に伸び過ぎないようにという注意は払っているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 だから、具体的に総理が集中豪雨的な輸出は自粛すると、こう約束してきたわけでしょう。ですから、いま私が申し上げましたようなカラーテレビだとか自動車とか造船とか鉄鋼だとか、電卓もあるでしょうし、ベアリングなんかもあるでしょうし、こういうものは一体、全部とは言いませんけれども、ある特定な国に対するということになりますけれども、そういうものの対象として考えられますかどうですかと私は伺っているわけですよ。何にもなくて福田総理がこういうことを言っているんじゃないと思うんですよ。具体的にある国ある品目、こういうものを頭に置きながら言っているわけですよ。だから、私の言ったようなものは、そういう自粛の対象に入るのかどうなのか。これははっきりしなければ、国際的な会議で言って何にも自粛しないということになるわけでしょう。だからその辺を示してほしい。

鈴木健通商産業省機械情報産業局通商課長

○説明員(鈴木健君) テレビにつきましては、総理がアメリカにおける会談におきまして、集中豪雨的輸出は好ましくないということを発言しておられますし、総理がそのようなことを念頭に置かれて発言されたのではないかというふうに考えておるわけでございます。先ほど名取課長からも申し上げましたように、テレビにつきましては、米国の国際貿易委員会が米国の産業労働組合等の提訴を受けまして、日本からの輸入急増が米国産業に被害を与えておるという認定をいたしまして、それに基づきまして、米国政府が何らかの決定をする必要に迫られておるわけでございます。もしそのような関税の引き上げというような措置がとられますと、それがきっかけになりまして、保護貿易主義的な動きがさらに強まるおそれもございますので、わが国といたしましては、日米両国政府で話し合いをいたしまして、自主的な措置として、日本側が輸出の急増を避けるような措置をとるのが必要ではないかという、まあそういう考え方に基づいて交渉を行っているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、テレビだけですか、その輸出の自粛をするというのは。たとえば船なんかはこれは全然そういう、特に英国の関係なんかありますけれども、そういうものは全然ないわけですか、船なんかは。船についてはかなり英国は強いことを私言っているように思うんですがね、そういうものはないですか。私はある程度あるんじゃないかと思うんですが、テレビだけと理解して、ほかのものはそういう輸出の自粛の対象品目にはならない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) そのテレビ以外のいろいろな品目につきまして、日本が本当に集中豪雨的輸出をしているというようなことは、いまだ別に認めたわけではございませんけれども、たとえばいまの船舶のような場合につきましては、これは全世界的な不況でございまして、日本自身も非常に苦境にあるし、ほかの国もさらに厳しい状況にあるという、そういった状況を踏まえて、日本も国際協調の一環として輸出をある程度自粛しようということで、運輸省の方で船価を引き上げるよう指導するという方針を打ち出して、多少とも船舶の輸出を迎える方向の措置をとったわけでございます。  それから鉄鋼につきましても、輸出の急増が起こってはいけないので、あらかじめ輸出入取引法に基づくカルテルによって、一定の数量内におさめるという措置をすでにとっているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、まだ通産省としては、そういうものは必ずしも明確にすぐ決まるということじゃなくて、これから研究して、いろいろなものがふえてくるかもしれぬと、こういうふうに理解していいんですね。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) ただいま申しましたように、船舶とか鉄鋼につきましては、現に輸出の増加を抑える措置がすでに講ぜられております。これは集中豪雨か起こったということを認めたのではなくて、将来起こるという懸念が相手国側に非常に強いものですから、それを、そういうことはないのだという意味でこちらで自主的に規制をしておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ですから、そのほかの商品でもそういう可能性のあるものはあるわけですな、全然ないとは言えないわけですよ。しかも、この問題はみずからか言ったわけですから——日本の総理大臣がみずから言ったわけなんです。これはやはり日本の自粛という意味では、日本自体が、こういうものについては、たとえば幾らか数量を制限するなり価格をもっと上げさせるなり、こういうことをしていかなくちゃならぬわけですな。それについてはやはり通産省としてさらにこれから研究をしてその方向に進めていかざるを得ないでしょう、現実問題としては。いまのすぐの段階では、具体的なものというのはいままでやってきた程度のものであって、これからのものというのは通産省で研究してやるのでしょう。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○説明員(名取慶二君) そのとおりでございまして、問題が起こりそうなものにつきましては、絶えず動向を注視しておきまして、場合によっては相手がいろいろ騒いでおりましても、案外それほどでもない場合というのもあるかもしれませんし、一々そのケースにつきましてよく調べた上ということでございますけれども、その上やはりなお相手側に非常な被害を及ぼして問題化するおそれがあるというときには、それぞれの場合に応じた措置を講じていくということになるかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大蔵大臣に伺いますけれども、私は、予算委員会で、日本は共通基金に対してどうするのか、こういうことをお伺いしたときに、あのときにはそれについてはまだ検討していないというお話だったように私は記憶しております。しかし、今度福田総理は、共通基金については賛意を表明したというふうに言われているのですけれども、これはどういう点に賛意を表したわけですか、向こうで。

平尾照夫大蔵大臣官房審議官

○説明員(平尾照夫君) 共通基金は、先生御承知のように、一次産品の価格が短期に激しく変動をする、変動いたしますことによって、それにお互いの外貨収入を依存している国の財政あるいは外貨収入そのものに大きく影響する、それを国際的な緩衝在庫によりまして価格的な安定を図ろうという趣旨でございます。総理かおっしゃいましたのは、こういう一次産品問題の安定的な拡大というのは、現在の南北問題の非常に大きな課題になっておりますので、それの解決に積極的にかつ有意義な解決ができるように図りたいという御趣旨であると理解しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この共通基金については大蔵省は大変前々から反対していましたな。金出すことになりますから反対していたのですけれども、これは総理は、具体的に金もそのためには出していこうと、そこまで決意なさったわけですか、どうなんですか、この賛意を表明したという内容は。

平尾照夫大蔵大臣官房審議官

○説明員(平尾照夫君) 一次産品問題を解決いたしますその一つの手段として、国際的な緩衝在庫の問題があり、それに対するファイナンスとして共通基金の問題がある。ただ、共通基金を設定いたします場合に、現在の国際的な自由貿易の原則というものを他方に踏まえまして、さらにまた一方個別商品それぞれの特性があるわけでございます。そういう特性に着目した解決をやっていこう。で、その解決のための会議が、去る三月ジュネーブでございました。総理がおっしゃいますような方針のもとにわれわれとしては前向きの姿勢をとっているわけであります。  で、現実にそれに対してどういう共通基金のファイナンスをするかという点は、去る三月の会議におきまして、改めて秋までに——一応十一月ごろまでと言われておりまするが、南北間ひっくるめまして、それぞれの関係国が話し合いをしよう、そこで検討することになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、大蔵省の方なり、外務省も関係してくるだろうと思いますが、共通基金というものは、まだ余り具体的なものというのは、まとまったものというのは恐らくまだ出ていないわけですね。各国がそれぞれの構想というものの中で出ている程度にしかすぎないと私は思うのですけれども。これは日本としても、総理が共通基金に賛意を表したということであれば、日本的な共通基金の考え方ですね、これは近くつくらなくちゃならぬだろうと思うのですけれども、そういう日本的な共通基金の創設に対する考え方というようなものは、ある程度固まりつつあるのですかどうなんですか、それは。

八木真幸外務省国際連合局経済課長

○説明員(八木真幸君) お答え申し上げます。  先ほど平尾審議官の方からお答え申し上げましたとおり、開発途上国は一次産品の輸出に大きく依存しております。この開発途上国の輸出所得を安定化させるという目的で共通基金を設置しようじゃないかという話が約三年来続いておりまして、昨年のUNCTAD第四回総会におきまして、これの具体的にじゃどう交渉しようという方針が決まった次第でございます。  三回の準備会合を経まして、先ほど平尾審議官が申し上げましたとおり、三月から四月三日にかけまして、共通基金第一回の交渉が行われた次第でございますが、まだまだ詰めるべき内容が非常に多うございまして、一体どういう方向で物事を進めていけばよいかということにつきまして、共通の考え方がまだない次第でございます。  御承知のとおり、UNCTADと申しますのは、グループ別に交渉してまいる次第でございますので、わが国のみが一つのアイデアをつくり、そのアイデアをもって百五十数カ国を相手にどうするというような交渉の姿勢はとれません。したがいまして、先進国グループ——Bグループと呼んでおります。このグループに日本は属しているわけでございますが、このグループ内で十分考え方を詰めていこうということで、現在もさらに検討を重ねている次第でございます。  わが国はどういうような方針でこの共通基金交渉に対して臨んでいこうかということになりますと、大きく申し上げますと、三点ぐらいあるかと思います。まず一つは、先ほど平尾審議官が申し上げましたとおり、一次産品それぞれ特性がございます。たとえばバナナという緩衝在庫になじまないような品目も、十八品目の中には含まれております。それから第二に産出国、それから消費国、双方の利益をやはり合致したような、その双方の利益を体したような何らかの仕組みである必要がある、こう考えております。  それから第三に、市場メカニズム、これを損なうような形であってはならない、こういう形で、この三つの考え方を組み合わせていきますと、那辺に共通基金のあるべき姿が出てくるかということで目下検討している最中でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、共通基金について賛意を表したということも、大蔵大臣、これは結局、創設じゃなくて、創設に向けての話し合いに賛意を表したというくらいにしか、現実問題としては、話し合いに賛意を表したという程度くらいのものだというふうにしか理解できませんな、これは。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そこのところはきちんとしたことを決めたということでなくて、私どももいまおっしゃったようなことに受け取っておりまして、決してこれに対して全面的な反対とか、そういうことではないようでございますが、これから検討をしていってというふうに受けとめて私どもはおります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、共通基金に賛意を表したということも、いまの国際経済の貿易の停滞の中ではすぐ役に立つことじゃないと。五年たつか十年たつかわけのわからぬと、こういうような話になりそうなわけで、そんなことで果たして私は、大みえを切ったエンジンカントリーになれるかというと、どうもなれそうもないという感じをまたさらに実は深くしたわけですけれども、私は、福田さんが共通基金の創設に向けて、かなり引っ張っていくんだろうというふうな期待を持っていたんですけれども、その点では期待外れということになろうと思いますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

平尾照夫大蔵大臣官房審議官

○説明員(平尾照夫君) いま共通基金に対する日本政府の基本的な態度につきましては、大蔵大臣が御説明をいたしたとおりでありますか、若干補足をいたしますと、検討に積極的に参加をいたしまして、それが有益な結果になるように努力をしたい。かつまた先ほど来申しておりまするように、そういう各種の要件を満たすような一次産品の価格安定のための共通基金の必要性というものもまたわれわれ、当然総理も認識しておられるということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃ、時間もありませんから、次へ入りますけれども、関税局長、東京ラウンドが七七年に終結するんじゃなくて、東京ラウンドについても大変後退をした方向ですね。これがそういう形で合意されたんですけれども、これはかつて東京ラウンドをやろうという考え方から見ますと、相当な後退じゃないでしょうか。

旦弘昌大蔵省関税局長

○政府委員(旦弘昌君) 東京ラウンドにつきましては、今般のロンドン首脳会談の宣言文には、重要な諸分野において一九七七年に実質的進展の達成を図ることであるということを述べておるわけでございます。これに対比しまして、第一回のランブイエの宣言におきましては、われわれは一九七七年中にこの交渉を完了するとの目標を提案すると言っておりまして、その次、昨年のプエルトリコの共同宣言におきましては、われわれは多角的貿易交渉を一九七七年末までに完結するとの目的を設定している。われわれはここにこの目的を再確認し、東京宣言に従い、適当な期間を通じ、これを達成するため、あらゆる努力を傾けることを約束するということを述べておるわけでございます。したがいまして、その意味で、今般の決定でございます、一九七七年に実質的進展の達成を図るということにおきましては、それは完結ではございませんので、したがいまして、その点では若干ずれが生じてきているということは事実でございます。ただ、この事態は何分にも昨年アメリカの政権の交代がございまして、その後アメリカのSDRの指名がおくれまして、ことしの三月になったというような事情、あるいはヨーロッパにおきます政権の交代もございましたし、あるいは不況であったというようないろいろな事情がございまして、こういうことになった次第でございますか、しかし、この宣言で、はっきりと七七年には実質的な進展の達成を図るんだという合意ができたことは評価されるべきではないかと、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どういうふうに説明しようが、確かに関税の一括引き下げという問題も、これはどうも後退したと見ざるを得ないわけですが、さっきちょっと質問を忘れたのですが、大蔵大臣にこの際伺っておきたいわけですが、日本が自由貿易ということをあれだけ強く主張するということになりますと、いままで日本として、かなり制限してまいりました農産物の日本への輸入ですね、今度の場合には、前記のECの委員長も首脳会談には出られていたと思うのですが、こうした問題というのは、やはり日本が自由主義、自由貿易ということを強く述べる以上は、こういう問題に対して、やっぱりこっちで受け入れなくちゃならないという羽目に陥りませんか。どうですか。何かこういう問題も若干出たんではないですか。

旦弘昌大蔵省関税局長

○政府委員(旦弘昌君) 私、首脳会談に出たわけではございませんけれども、聞いておりますところでは、そういう農産品の対日輸入という問題、個別の問題は出なかったと聞いております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そのときの話には出なかったけれども、必然的に自由貿易体制というものを考える上においては、やはり日本が輸出だけをするわけではなくて、やっぱり輸入すべきものは輸入すると、こういうことになるんじゃないですか、これは。将来の問題、したがって、ある程度の輸出を維持しようとすれば、必然的にそういう問題がこれから出てくるし、それは受け入れざるを得ない、こういうことになるんじゃないですか。

旦弘昌大蔵省関税局長

○政府委員(旦弘昌君) 今般のロンドン会議におきます宣言の付属書の中に、東京ラウンドについて触れた点がございますけれども、その中に次のような文言がございます。東京ラウンドを推進するくだりで、「この目的のため、われわれは本年、次の如き重要な諸分野において実質的進展の達成を追求する。」と言っておりまして、第一が関税の引き下げ、第二が非関税障壁の問題、第三番目に農産物貿易の項がございます。その項におきましては、「農産物貿易の一層の拡大及び安定化並びに世界の食糧供給につきより大きな保証を達成する相互に受諾しうる農業問題への取組み方」ということをうたっておるわけでございます。したがいまして、この農産品貿易の問題につきましては、今度のガットの七つのグループのうち一つであります農業グループでこの検討がされると思いますが、先生のただいま御指摘の問題につきましても、このグループで検討がされることと思います。ただ先ほど申し上げましたように、日本という名指しで、日本に対する農産品の輸出あるいは輸入というような問題は今度の会議では出なかった。一般論として農産物貿易ということがここにうたわれておるということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もちろん子供の会議ではありませんから、一国の代表者の会議ですから、一々おまえのところはあれを輸入しろとか、おまえのところはこれ出し過ぎているとか、お互いに言い合いみたいなことは私当然ないと思うのですよ。またそんな一つ一つの細かいことまで触れないと思うのですけれども、しかし全体としては、やっぱりかなり農産物輸入をせざるを得ない、こういう印象というのはわれわれ与えられたわけですけれども、だから相当、特にいままでECと日本との貿易問題という中で、ある程度出ているわけですね、話は。そういたしますと、当然私は、農産物はかなり輸入しなくちゃならないだろうと、こういうふうに理解せざるを得ないんですが、これは大蔵大臣どうですか、その点は。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) この問題は、御指摘のとおり、ロンドン会議の問題、俎上に乗る乗らぬにかかわらず、どの国もどの国もこの問題はある、どう片づけていくかということは、原則としてはあくまでも自由貿易という立場に立ちますけれども、それは、そういったような個々の問題につきましては、これはもうやはり双方の話し合いということも全然排除するというものではないと、しかしながら、それによってこの自由貿易の原則を、それによって破壊してしまうというようなことでなく、これをどう調整していくかと、どういうふうに片づけていくかということは、今後の非常に重大な問題であろうと、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いままでいろいろ首脳会談の話をこう聞いてみますと、輸出というのはかなり縮小せざるを得ない、こういうふうに思うんですけれども、しかし、輸出を余り縮小していくということになると、今日の日本の経済成長率の中で、この輸出の占める役割りというのは私は大変大きいと思うんですけれども。これは通産省、去年の経済成長の中で輸出の果たした役割りというのは、寄与度といいますか、——いないですか。それじゃ調査企画課長でいいです。去年の輸出の果たした経済成長に対する寄与度というのはどのぐらいあったんですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 昨年の輸出の寄与度そのものを、ちょっと計算を手元にいま持ち合わせておりませんけれども、今回の不況の底が五十年の一−三月期と言われております。で、そこから昨年の十−十二月期までの国民総支出の各需要項目の寄与率というものを計算いたしてみますと、「輸出等」というところの数字が三七%ばかりということになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、ことしの経済見通しでは大体輸出の寄与度というのはどのぐらいに見ておりますか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) これを計算いたしますと一二・四という数字になります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これからどうなるかわかりませんけれども、いまのところでは日本の輸出というのはそう減ってないはずですね。今度のこのロンドン会議によってかなり制約を受けているわけですから、経済見通しのときにそういうことを考慮に入れて寄与度を一二・四%というふうに考えたわけじゃないと思うんですよ。かなり、一三・四%にするためには輸出をかなり減らしていかないと、これはそういうことにならぬじゃないかと思うんですが、いまの状態でこの範囲にとどまりますか、どうですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) まだ五十二年度に入りましてそれほど時間がたっておりませんので、現在のあるいは最近の傾向をそのまま伸ばすということが、どこまで確実な見通しが得られるかということについては、まだかなりむずかしい面があると思いますが、政府の経済見通しは、御承知のように、政府の政策意図というものの反映でもございまして、先ほども申し上げましたように、五十二年度の経済の姿といたしましては、内需とそれから外需といいますか、輸出とのバランスのとれた経済の成長、景気の回復という姿を想定をいたしまして財政金融面から政策を講じておる次第でございます。したがいまして、現在のところ私どもといたしましては、そのような内需中心の景気回復ということに向かって努力をいたしておる最中でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大臣、一三・四というのは、私は、これは経済見通しかなり低目に見ていると思うんですよ。実際は、昨年と同じようにやはり三〇%くらいにいくだろうと思うんですよ。このロンドン会議で、外はこう日本の輸出に対する警戒というのがやはり強くなる。そうなってくると、エンジンの役割りというのは一体どこでやるんですか。景気に対して六・七%はやるというふうに大みえ切ってきたわけですね。西ドイツの首相なんかはむしろそういうところで五%から四・五%に落としたような——そのとおり言ったかどうかは知りませんけれども、先ほどあなた聞いていなかったと言うし、ほかの人もそういうことはなかったと言うんですから。しかし、それをにおわせるような発言のあったことは事実であろうと思うんですよ。そうなってくると、福田総理は六・七%をやって世界の機関車になるんだという形で大みえを切ってきたんですが、どうもその辺、一体どこでエンジンの役割りを日本はするのか。輸出でやるということになれば、いま以上の非難というのが、私は来ると思うんですよ。民間の設備投資はこれは少しも伸びていない。それから公共事業というものを考えても、なるほど七三%の前倒しはやる、大蔵大臣は後で補正予算でまた公共事業をそれに匹敵するぐらい盛るつもりでしょうから。けれども、しかしそれをやっていけば、やっぱり国内のインフレ問題が、私は出てくると思うんですよ。非常に狭い選択を世界から強制されたというふうに思うんですけれども、一体どこで六・七%の経済成長をやるというんですか。その辺少し大蔵大臣説明してほしいんですが、どうもわからない。したがって、インフレとそれから輸出を少なくしなくちゃならぬというきわめて狭い選択を押しつけられたと、こうしか私は思えないんですが、どこで景気を成長させるんですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 需要のこれからの見通しということになるかと思うんでございますけれども、いまこの五十二年度の経済の姿として私どもが想定をいたしておりますのは、先ほども申しましたように、内外需のバランスのとれた形ということでございまして、非常なこの現在のやや沈滞をしております企業の先行きの見通しといったようなものが徐々に明るさを増してまいりまして、在庫投資あるいは設備投資という形で自律的な経済回復が働いてくるということを期待をいたしておるわけでございまして、したがいまして、現在需要項目といたしましては、かなり強いのは、先ほど大臣御指摘のございました輸出がかなり増加しておるということはこれは事実でございます。一方また、公共支出は前倒しの施行によりまして、現在相当力強い足取りを示しつつあるわけでございます。こうしたことが一つのきっかけになりまして、民間の設備投資あるいは在庫投資というものが出てくるというふうに私どもは考えておるわけでございます。それが順調にまいりますれば、政府の見通しのような姿になるだろうという期待を持っております。それから輸出につきましても、非常に集中豪雨的な輸出というものは、相手国の立場も考えて自粛もしなければならないということはあるかと思いますが、ほどほどの輸出の伸びというものは、これは否定をするということではないと思います。内外需がバランスがとれた形で発展をしていくということが望ましいというふうに考えておるわけでございます。  それからもう一点ちょっとつけ加えますと、現在いろいろな形で企業の設備投資の見通しというのがアンケート調査などで公表されております。この数字をごらんになりますと、かなり低い数字が出ておるわけでございますが、これは調査時点が大体二月ごろでございまして、最近の公定歩合の引き下げ、あるいは公共事業の施行の促進といったような一連の対策を織り込んだ見通しではございませんので、現在の時点ではまたもう少し明るい面が出ておるのではないかというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大変苦しい御答弁ですが、内外需のバランスのとれたということは、いまの段階では内需を拡大するということでしょう。内需を拡大するので、いま拡大できそうなのは赤字国債をふやして公共事業をふやすだけですな。一%の公定歩合を引き下げたと言うのですが、経済界はこれはもうちゃんと織り込み済みですよ、株価を見ても、何を見ても。どうしてそういう民間設備投資がふえるなどという、そういうことが一体あるんでしょうか。あなたもきょう新聞に出ている三菱銀行の調査レポートお読みになったでしょう、大体の概括は。これだって稼働率から見ればちっとも前に進んでいない。むしろ稼働率下がっているとすら言っているわけですね。景気の停滞はむしろ深まったと、こう分析していますね。そういうところで一体、げたの低いスタートで始まっている六・七%の経済成長というのは、私は大変困難だと思うんですよ。それはおっしゃるように民間設備投資が出てくれば、それはかなり急激な回復はあり得ると思いますけれども、いまそんな事態じゃないわけですよ。ですから、これだけ世界に向かって大みえ切ったわけですから、大蔵大臣、これは何としても達成しなくちゃならぬと思うんですけれども。これは大型補正で公共事業をさらにふやしていく、それ以外に手ないんじゃないですか。大蔵大臣、どう考えていますか、率直なところ。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 再三の御質問でございますけれども、大型補正を——先ほど申したことから申しますれば、それはいろんな自然の現象等もありますからそれは別といたしまして、景気浮揚のために大型補正を組むということは考えておりません。と申しますことは、竹田さんも十分御案内のとおり、今度の予算及び金利等に関する措置というものは、予算についての公共事業費は、あれは五十二年度全部入れますと十兆にもなろうといったような、中央、地方のすべて入れますとですね。それに対して前半期におきまして七三%、七兆幾らといったようなものを、これを契約実施をしていこう。いまそれにつきましては着々と準備を整えて進行させております。そういったようなことを財政上やる。それから金利の引き下げということも全面的にやっていくといったようなことを、これを総合いたしまして、私はこの前半期におきまして相当な私は顕著なる成果をおさめるであろうと、その成果をおさめることを、一つの経済の自立的な力というものをつまりつくり上げまして、そうして後半期に備えていくということによりまして、私はいま考えておりまする六・七の目標というものは達成することができると、かように私は考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私も結論を言いますけれども、いまの企業の金の使い方というのは違っているわけですね。余った金というのは完全に、かつては土地に向かったんだけれどもいまは有価証券へ向かってきているわけですね。そういう意味で、私はやっぱり金利を下げてもすぐに設備投資やそれへ回るというような甘い考え方はできないと思うんです。ですから結局は、六・七%の成長を達成していくということになりますと、大変な苦労がこれから要るんじゃないか。そのお荷物を結局日本はロンドンの首脳会議では負ってきた。こういうようにしかあなたが幾ら説明したって理解できないですね。そういう意味で、これから日本経済というのはロンドンの首脳会談のかなり大きな犠牲にならざるを得ないというふうに私は結論を持っているわけであります。またこれはいつかその成果については議論をする日があると思います。大変なお荷物をお三人さんでしょってきてくれた。その重さ御苦労さまだと、こう言わざるを得ないと思います。  以上で終わります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私も、最初にロンドン会議のことで、質問が重複するかもしれませんが、その点はひとつお許しをいただきたいと思います。  大臣は、この会議に参加されてどういう御感想を受けました。つまり、参加者各国首脳が日本に対してどういうような要求というか、ものを突きつけてきているか、そういうことについてどういうふうにお感じになって帰ってきたかまず伺いたいんですが。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) ロンドン会議に出席いたしましてまず第一に感じたことは、今日の世界の経済、世界の景気というものを立て直して正調なる姿に持っていこうということのためには、何といたしましても、まずロンドン会議に集まりました七カ国が、これがリードをいたしまして、そしてこの何と申しますか、世界の経済成長に対して鋭意努力を重ねていかなければならない。と申しますことは、これはもう釈迦に説法でございますけれども、いま世界の各国におきまして自分の国だけがひとつ経済成長しているというようなことではこれはとうていいけない。世界経済というものは、相互依存の関係に最も深い関係を持っておるということを痛切に感じてまいりました。で、そのためには、ひとつこの七カ国なり、さらに多くの国が、小異を捨てて大同について、そうして大きな目標に向かってひとつ進んでいこう、こういうような感じがしてきたのでございますが、その中にはいろいろな——これはやっぱり世界経済を立て直すということは、何と申しましても私も日本人であり、かつまた日本の財政当局の重任を拝しておる人間でございまするから、何と申しましても、日本経済ということが先に立つわけでございますが、その日本経済というものを、これを伸ばし、成長させていくためには、従前とは違いまして、世界の各国と手を握って、そして相ともに協調してまいらなければならないということでございまするので、そういったような方向に、このいろいろな諸政策を考えまして、これを実施していくということが一番大事なことであろうと、かように考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまの大臣の答弁で、私は、日本国が何か罪をしょって帰ってきたような感じを受けます。一国だけ成長してもだめであるという感想をお受けになったと。自分のことだけの成長を考えてもいかぬと。世界経済立て直しのためには各国寄り集まって協調しなきゃならない。しかし、今度のこの宣言のあるいは付属文書を見てまして感じることは、かなり黒字国に対しての責任は強いような感じが受けます。もちろん黒字国、赤字国というともの責任なんでしょうけれども、それが石油のおかげだということで、石油に責任をかぶせちゃって、オブラートで包んで最後に責任が出たような私感じ受けたんですけれども、しかしその中で、やはり黒字国に対してはかなり国内需要を喚起しろとか、まあいろいろ出てまいります。そういう点で赤字国に対してのいわゆる無責任なインフレ、無責任な放漫財政、そういうことのしわ寄せがきていることも事実ですね。そういうことについてはほとんどこれは触れてないんですよ。ただ、インフレの国内要因の排除をしろとか、そういうことだけが載っているだけであって、世界経済を窮屈な目にあわしてきたという、そういうことの努力が欠けていたと、それを立て直すための。ということについての責任というのがないと。無責任なインフレと慢性的な国際収支の赤字というものに対して、何ら責任の追及がなされてないような感じが受けるんですよ。そういう点はいかがお考えですか。日本だけが黒字国で、特に、日本と西ドイツということになるわけですけれども、そこだけが悪くて、いまの御答弁でも一国だけ成長してもということは、日本だけ成長しても、としかぼくらには聞こえてこない。何か初めから行かれて帰ってきたときに、日本が悪かったのでございますといって帰ってきたような感じ受けるのですけれども、その点いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そういうふうにお考えになられるということは、私にとってはきわめて遺憾な次第でございます。私は、決して日本が黒字をためて悪いことをしたと、そこでこの贖罪のために日本の黒字でもって何か慈善的、慈悲的に何か各国ともにそろって栄えていくというようなことを考えておりません。まあ、これは十分御存じのことと思いますけれども、今日までに至る人類の歴史を考えてみますと、最初は自分がとにかくほかの民族なりほかの国に勝つようにということで戦争をやった。戦争やって領土を奪略をしたり、あるいは賠償金を取ったり、これはそのときの歴史の、そのときにおいてはそれほど私は罪悪視されなかったかと思うんです。ところがだんだん反省してみると、そういうようなことでは人類の成長を意味するのではないというようなこと、これはまさに反省であります。  そういうことをやりまして、それで、ところが人類というものは、将来ともに幸せに豊かに幸福な生活をお互いにやっていかなければならないというようなことから、そういうようなことは間違いであるということで、次に来たったものは、私は経済による競争と申しますか、自分の国の経済を高めていく、よその国よりも競争して少なくとも富を自分の国に集めていく、こういうことをやる、その方法として持ってきたものが戦争みたいなことをやられた。戦争をやらないまでもいろんな競争をやってきた。ところが、それは戦争をやらないし、ただ富の競争をするということは、これは私は今日大変国があり民族がありすぎるんだから、それはいいと思う、また階級の間でそういうこともやるということだろうと思いますけれども、もっと大きくながめてみますと、人類というものは、世界の各国というものはこれは自分が豊かになろう、自分が安穏になろう、自分が幸せになろうということ、これは当然のことでございまして、それをやっていく、実現するためには、やっぱりほかの国も、自分が富んでいくためには相手の国も富んでいくという方に持っていかなければ、これはどうしても、相手から吸収してしまって、そして自分の国だけがよくなっていこうということは、資源有限の時代においては、これは相当むずかしいことである。  ですから私は、いまの世界におきましてはそういったようなことができるだけないように、赤字国に対しまして、何も黒字が集まったものを、これただ分配するとかなんとかいうことを考えているんではございませんけれども、赤字国で苦しんでおるところに対しまして、あるいは発展途上国の産業といったようなものに対しましても、それをこちらから救援助成をいたしまして、そこで産業の開発をその国においてやってもらう、そのやってもらったことによりまして、またわが国の方もそれと相交易をいたしまして、そして資源をお互いに十分効率高い使い方をしていって、そして人類、世界の各国というものが、お互いにひとつ豊かになろうじゃないか、文化を高めていこうじゃないか、これが私は今日のいき方ではなかろうかと、かように考えるものですから、決して日本が贖罪のために黒字を分けるんだ、あるいは慈悲慈善事業をやるんだと、そういうようなことではない、世界人類のためにやるべきことである、そのやるべきことが、つまりそれをやることによって、日本の民族というものが、周囲がよくなる。したがいまして、それに乗っかった日本民族というものが豊かになり安穏になるというふうに私は考えておるのでございます。決してその贖罪をするというような考えは毛頭持っておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まあ、一国だけ成長してもと言うから、日本だけが罪かぶったのかと、こう言ったんですけれども。赤字国に対して自助努力をもっともっと要求するべきではなかったか、それが裏にはあったんだろうかと思いますけれども、宣言には出てこない、こんな軽いものじゃないと思うのです。無責任な福祉のところもありますよ。それですごい大きな赤字をつくった国もあるわけですね。そういうようなことを考えると、これは石油に全部責任をかぶせていこう……、ありますけれども、文章を読んでいくと。そういうものじゃなくて、やはり赤字国の自助努力ということについて強く定めなければならぬだろうし、一言でもいいからもう少し強い調子の文章が宣言の中か付属文書かどちらかに出るべきだろうと思うのですけれども、黒字国ばかりが目立つような感じを受けるわけです。ひがみかもわかりませんけれども、その点はどうなんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私も、御指摘のとおりだと思います。黒字国が、自分の国の黒字を配分することによって赤字国に協力し、救援するというようなことでは、とてもその目的は達成できまいと思うのです。やっぱりセルフヘルプといいますか、その赤字国が赤字に苦しみ経済に苦しみしておるところは、これはやっぱりまず第一にみずから自分の国というものを立て直していくという決意に燃える、その意欲を強く持ってもらうということによりまして、これに対しまして、黒字国はある国に対しましてはほんとに無償に近いような援助をする、あるところに対しましてはこれは無償の上にも惜しんでいないようなこともやっておりますけれども、そういったようなこと、それからしかるべき特定の国に対しましては、この際ある程度の援助をする、そういったような機関がいま世界の機構の中の上におきましては、たくさんできておることは御承知のとおりでございますが、そういったようなものの機能と申しますか、作用といいますか、そういったようなものを十分これを発揮するような仕組みに持っていきまして、これを媒体として私は世界の各国がだんだんとその生活といいますか、豊かさと申しますか、富と申しますか、文化と申しますか、これが向上していくということを期待してやまないのでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まあ、この宣言にあるように、長期的資本輸出の拡大、こういうことは賛成ですよ、いまおっしゃるとおり。ただ、これだけのロンドンでの宣言、それに対して福田総理が記者会見で、日本は必ずこの首脳会議での約束を守ると、こう述べられている。そうなると、経済成長率についても、これはたびたび先ほどからあったとおりでありますけれども、しかも輸出の抑制もあると、経済成長は達成しなきゃならない、輸出は抑制しなきゃならないと、いろんなことが重なってきている、国内需要は喚起しろとかありますね。そういうところで、このロンドンでの宣言と国内政策とがどうしても私はぶつかるものが出てくると思うんですよ。実際実行するとなると。だから、福田総理がこういうふうに日本は必ず約束を守ります、実行しますと言ったことが、国内政策と真正面から衝突するものがずいぶんあるんじゃないかって感じがしてしょうがないんですけれども、その点は大臣はどう考えておられますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 福田総理が約束を守るという言葉が新聞記者会見にあったということでございますが、その約束を守るということは、何も私はロンドン会議で強いられて、そうして成長目標などというものを決めている、そういうものではない。これは御案内のとおり、すでに前々から日本の国の五十二年度の成長率は六・七%にするんだと、こういうふうに——世界に対してどうの、約束するとかなんとかというよりは、日本は国民に対してこういう約束をしておるんだということを、これをその会議において、世界に決意を被露したということであろうと私は受けとめております。  それから、こういったようなことは、世界の各国に対して、おれの方はこうするんだからおまえさんの方はこうしなさいといったような性質では私はないと思う。それぞれの国が経済成長率を幾ら幾らにするということを、これを考えていくのが普通の行き方でありまして、必ずしも第一義的によその国と約束をするといったようなことではない。だから、よその国とロンドン会議においていろいろ話し合いをして、重荷をしょって帰ってきたということでは私はないと、自分の国におきましてこれだけのことは断じてやるんだということを、国会の皆さんにも約束し、国民にも約束をしておる、いま卒然としてロンドン会議においてこれを決めたというものではないと、こういうふうに考えておりますが、私はどういたしましても、この国の国民に対し、また国会に対するお約束というものは是か非でも——是か非というとおかしいですが、とにもかくにもこれを守るべく鋭意努力を重ねていくという決意のほどを示したというふうに私は理解いたしております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 赤字国のことについては同感だという責任の問題についてはお話がありました。今回ので、前提で先ほども質問がありましたけれども、アメリカが、日本と西ドイツと三者で一つの引っ張っていこうというようなことを言っていながら、国内インフレということの要因からぱっと戻し税はやめてしまう、それから公定レートも変わってきたようですね、こういうことが行われています。そういうことになりますと、結局かぶってくるのは日本と西ドイツということになってくるわけですけれども、言い出しながらそうなっていった、その国の事情ははっきりしていると思いますけれども、若干そういう点についての、これはアメリカに対しての責任も、たとえ国内事情であろうとも追及をしなきゃならないものかあったろうと思うんですね、責任について。その点はどう今回の会議になされたかどうか伺いたいんです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) アメリカが戻し税を、一たんカーターさん、やると言うて、これを撤回したということにつきましては、これはアメリカにおいては国内の景気を上げるために何とか——日本とこれ違う、日本は、私どもといたしましては減税よりも公共事業の方がと、こういうふうに考えて、最初そういうふうに考えておったわけですが、アメリカではこのときすでに戻し税と、減税ということを決意されておったと。これは何も、一に景気を上げるということについて考えておられたのでございますけれども、その後アメリカは、この景気はどうやら心配がないということに考えられて、これは減税をするということは、もちろんアメリカとしては景気を上げるということに通ずるものと考えておられたんでしょうけれども、もうそこまでの景気を上げるためには必要がないんだと。私はアメリカの弁護するつもりも何もございません。ございませんが、そういったような客観情勢をカーターさんなりアメリカの政府は見てとられて、そして一たん決めたところの戻し税をやめると、こういうふうになった。そのこと自体に対しましては理論的に申しまして、私はまあ一たん決めたものを、これを変えるということがよくできたものだと思って、まああきれもし、感心もししておりますが、そういうようなことでありまして、その点については特にアメリカの政策に対して私は、これをまあ理論的、学問的といいますか、私は学者でも何でもありませんが、それは一般的、抽象的には大変なこと、まあ余り芳しくないことをやったものだと思いますけれども、これはアメリカの政策でございますから、別にこれに対してとやかく言うつもりもございません。  しかしながら、そうすることが、アメリカがアメリカの判断におきまして減税をやめるということが、これがアメリカの国の経済政策として適当なことである、経済を回復すると、景気もまあそこまでやらなくても上がっていくんだということであるならば、それはそれといたしまして、私はやっぱり日本とアメリカとドイツとがまあとにもかくにも、まあ大きなことは言うておれませんけれども、世界の三つの機関車という役割りを果たすという意味におきまして、いずれこの三国ともに自分の国の経済というもの、自分の国の生活というものを、これをできるだけ改善していくということによって、私は世界のあるいは赤字国、あるいは発展途上国というものに何か助けていくところのよすがは、やはり自分の国というものを、これを成長さし、これを向上さし、これを発展さしていくということの上に立たなければできないことでございまするから、さような意味におきまして私は何もアメリカが、ドイツが一歩後退したというふうには考えておりません。やはり今日のところは、日本とアメリカとドイツとが、三者が、まあリードするとか支配するとかということではありませんけれども、まあ先に立って世界景気、世界経済の立て直しを図っていこうということを強くロンドン会議において合議をしたものだと、かように理解しております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私はやはりそうはとれないような感じします、あの戻し税をやめたってことが、景気対策を怠ったようにしか受け取れないわけですからね。だから、そういう点でまあ私は赤字国に対して、あるいはそういうふうなアメリカ等に対しても言うべきことも言わないでこの宣言ができたんじゃないかっていうことを思うんです。ずうっと読んでっての感じでは、日本の方が一方的に、輸出抑制というのがある、それから成長率を達成しなきゃならないという約束がある、しかもいま一つはエネルギーの節約ということがある、それとインフレの抑制というのが根底にあるわけでしょう、国内需要の拡大と。   〔委員長退席、理事上條勝久君着席〕 何だか、エネルギーを節約すりゃ成長率が落っこってきますよ、これは。輸出を抑制しても同じように成長率は下がるはずです。国内需要を喚起してやっていけば当然インフレが出てきますよ。こういう相矛盾する問題を約束をしてきたのです。だから、ロンドン宣言というのは、ずいぶんと整合性のことがいつも問題にされているようですが、整合性が全くないというような感じがする。どうしてそういうものにサインをしてきたのだろうかと思わざるを得ないのですけど、その点一つと。  こういうふうに先進諸国の中に、助け合っていかなければならない、助けなければならない、援助すべき国ができてきたという形が必要になってきたわけですね、これ。ということは、先進諸国でも援助をしなければならないのだから、南北については、もっとやってあたりまえだという要求が大きくなるのはもう当然だろうと思うんですね。そうすると、いわゆる秩序ある世界経済の発展というのじゃなくて、下手をすれば努力なき要求とかいうようなものばかりが野放しになって、世界の大勢になるというおそれが出てくるのじゃないか。そうなってしまったのでは本当に困ったことになるわけですよ。日本だけが、さっきの大臣のお話から聞いてみても、国際的な感覚でいるのに、各国がナショナリズムが非常に強過ぎるという感じも受けます。そういうことから見ても、どうも私は今回なぜこんなものにサインをしたのかという感じを受けるのですけれども、その点三つ——いま御質問申し上げたのは、について御答弁をいただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 整合性の問題でございますか、私はやっぱり各国ともに——各国の整合性ですか、日本の国内における整合性ですか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ロンドン宣言自体の整合性の問題。これを日本が適用したときには整合性がなくなるでしょうと申し上げているわけです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 日本だけがその重荷を負う、こういうことなんですか、各国の中で。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうじゃなくて、この宣言をきちんと実行しますということになれば、先ほど申し上げましたように、インフレの抑制という問題がある。一方に国内需要の喚起という反対するものがある。成長率の達成と言いながら、輸出の抑制とエネルギーの節約とが出てくる。これは全然合わないわけですよ。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) こういうことは考えられないのでしょうか。たとえば輸出というものは、日本が輸出をし過ぎて黒字を残す、だから、世界の黒字といいますか、何といいますか、資産といいますか、これを日本が皆集めてきておるのだ、だから、これを何とかして吐き出すというために、輸出努力というものに対して、日本自身がブレーキをかけるというようなことをやらにゃならぬことになるんじゃないか、こういうようなお話かのように一つは承っておるのでございますけれども、私は、やっぱり日本という国は、原料を輸入して、そうしてこれを加工し製品化して、そうして外へ輸出をしていくということによって日本の国が立っておる、こういうことを考えますと、これは、ただ端的に輸出というものを日本の国で抑えて抑えていくというようなことをやるということは、これはまさに自殺行為であって、そういうことではなしに、まず第一に、日本の国内における内需というものを、これを刺激して、できるだけ内需に使うということと、もう一つ、私は、日本の国は、いま申し上げましたとおりに、原材料を仕入れて、そしてこれを製品にしていくということでございまするから、その残りのものは、これは原材料を仕入れるというふうに持っていくと。そうすると、発展途上国、主として言えば南の国でございましょうか、そういったような国が、日本が原材料を輸入するということによりまして、その国自身の輸入力——日本から支払われますから、輸入力というものが自然上がってくる、上がってくるから、それらの国が、輸入力を深めていくことによって、世界の先進国の製品等をその国へ持ってくるというような、一連のやっぱり流れが非常にうまくいくというようなこともこれあり、必ずしもいまおっしゃられましたような、このこと自体によって日本が整合性を失うというような、日本一国がもしもその宣言をそのままやっていくならば、これは犠牲を負うんじゃないかというような御心配でございますけれども、その点は私は必ずしもそうではないというふうに、スムーズな流れを起こしていくということも、一つの大きな作用であろうと私は思います。   〔理事上條勝久君退席、委員長着席〕  それから、先進諸国の中にも赤字で苦しんだり、経済が悪くって困っておるという国もある。それからその先進国の中には、それと違う黒字の国もある。そういったようなときに、先進国の赤字で苦しんでおるところに対しましてのみ——のみじゃありませんが、そんなところに力を入れておるよりは、もっとどうしても必要欠くべからざるといったような苦しみにあるところに対して、これをひとつ救援、援助の手を差し伸べたらどうかと、こういう御意見でございましたか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 違うね、ちょっと。そうじゃなくて、先進国の間でありながら援助を必要とするようなかっこうになっています、宣言見ますとね、黒字国と赤字国というような表現になりますけれども。黒字の方か赤字を応援するような感じです。そういうことになると、もっと差のある南北の問題になったら、南の方が徹底してもっと大きな要求を出してくるんではないか。そうなってくると、いわゆる秩序ある経済発展じゃなくなるでしょうと。恐らく努力なき要求とか、こういうことも起き得ることが出てくる。これは経済の荒廃に結びついてくるわけですよ。そういうような宣言じゃないんですかと。これは非常に恐ろしいことだと言うので、そういうのが大勢となったら困るけれどもどうなのかということです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 南の方の非常に赤字で困って、もう弱り切っておる。そして、どうもこのまま放つといたんでは再起の見込みがないというようなところに対しましては、これはひとつ世界のいろんな機構、機関を通じて援助をしよう。先ほど私が申し上げましたように、無償あるいは無償に近いまでの援助をして、この開発をするようにしていこう、こういうことであります。それからまた、先進国の中の赤字で苦しんでおるというようなところに対しましては、これはそういったような援助的なものにあらずして、ファイナンシングと申しますか、とにかくそういったような国に対しては、行き方が、一方は援助の手を差し伸べる、他方はこれに対して融資等をやっていこうと、こういうようなことで、たとえばイギリスに対しまして実際にやっておりますが、そういったようなことをやっていこうと、こういうようなことでありまして、行き方が違う。そこで私どもといたしましては、何とかしてやっぱり先ほど申し上げましたとおり、みずから立て直していこうという意欲、それがやっぱり援助にいたしましても、あるいは融資にいたしましても、それが何よりも一番大事なことであろうと、かように考えて、そういったような見地に立って、そうして世界のいろんな機構、これはもう御承知のとおりの機構でございますが、そういうものの機能というものを発揮してやってまいりたい、かように考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私は整合性と言ったのは、日本国内でこれを取り扱ってこの宣言どおりやるというのは大変なことになる、相矛盾するものがある、こういうものをどうして判こを押してこなければならないのかというような疑問があったんですが、特に核エネルギーのことでは、これから特別の委員会を設けて八週間以内に結論を出すという、利用問題で、核の問題でなりました。その中に、御承知のようにロンドン宣言では、石油への依存度を減らすために、エネルギー資源の節約を図るということがうたわれているわけですよ。カーター大統領もエネルギー教書を発表して長期にわたる節約計画、ガソリン消費課税、こういったものを、非常に厳しい内容のものの節約方針を一応示していますね。日本の国ではそういうエネルギーに対しての節約というのは、そういった具体策がないわけですけれども、これから先、ロンドン会議でこういう約束をしてきた宣言をお互いに交してきたということになると、どう実行していくかということが一つです。  いま一つは、日本の産業構造はエネルギーの多消費型です。そういう形になっている。ですから、日本の場合省資源といってもこれ以上できないだろう、産業構造の転換といっても実行は容易じゃないだろう、こういうように考えざるを得ません。しかも、そういうものを産業構造を転換しようといえば長い期間かけなきゃできない。そうすると、このロンドン会議での決まったことの実効を上げるということになると、大変なことになるという感じがする。特に成長率一に対して、一伸ばすのに対してはエネルギーは一・二から一・三余分に消費しなければならないというエネルギー弾性値があります。そういう場合に六・七%の成長を保とうということになるのに、エネルギーを節約するということになれば、どうしても逆に私は生産が落っこってきて、縮小再生産というかっこうにいくんじゃないかという感じがしてしようがない、これは大臣がそこの席におられたはずでございますので、どういうふうに大臣としてお考えになっているかで結構ですから、伺いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) なるほど石油の消費というものを、これはまあ端的に産業にひっかかってくるということは、御指摘のとおりでございますけれども、しかし、今日日本におきまして石油の消費というものを、これをいままでどおりにどんどん使っていくということ、これは必ずしもそうではなくて、省エネルギーと申しますか、そういったような気の配り方でもって、私はつくっていくということも、これは決して不可能なことではないし、さらにまた、これはきょうあす片づく問題でございませんけれども、いまから石油のほかのエネルギー源というものを、これ真剣になって考えていくということも、今日与えられた、こういったような事態に即する一つの方法だと思います。そういったようなことにつきましては、これは私は関係各省、これ何も大蔵省だけではどうすることもできませんけれども、関係各省と相談をいたしまして、そうしてでき得る限りそういったような世界の大勢でございますから、その大勢に従ってまいりたい、かように考えておりますが、具体的な方法等については、いまいろいろと日本の国でも会議をやったり、あるいは予算措置をやったりいたしておりますけれども、そういったようなことについては、さらに鋭意検討をしてまいりたい、そのように考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 たとえば成長率を実質三%ずつ毎年上がっていったとすると、二十年で倍になるわけですね、大体。そういうようになりますよ。そういうことを考えますと、エネルギー消費が減るということはないだろうと思うんですね。それを省エネルギーということでのこういう約束、宣言をしてきたということは、経済で言えば縮小再生産に入ったということを大臣みずからお認めになってきたんじゃないかという感じがするんですけれども、その点はどうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、これに当たっていくに際しまして、できるだけエネルギーというものは、石油は節約をしてまいりますけれども、そのエネルギーの絶対量については、これを減らしていこうと、減らしたんじゃ日本の産業はもちません。しかしながら、今日使っておる石油は、これは全部有効に使っておるということも私は考えられないことである。たとえばお役人さんが多過ぎるから減らしていこうというようなこと、いるものを減らしていこうということは、これは大変なむずかしいことではあるが、しかし減らしてマイナスの効果が直ちに生じてくるというような減らし方でなしに、省略ですか、省いてまいるということが、これは不可能なことではないと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それからもう一つは、六・七%の成長率の問題ですけれども、その達成は、今回のロンドンでの会議で、各国首脳間でも相当むずかしいという意見があったんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点は反応はいかがでございましたか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 六・七%について数字を挙げて、そういったようなものは日本はむずかしかろうなんという議論は、これは私は聞いておりません。ことに日本の成長率につきまして、外国の人々からこれに対しての意見、立場を述べるというようなことは聞いておりません。それからドイツに対しましても、アメリカに対しても、わが方からそれに対して批判をするといったようなことは申しておりません。それはそれぞれの国の計画なり決意なりをして、これはここに、そういったような数字は首脳会議の席上では私は出たようには記憶をいたしておりません。おりませんが、コミュニケを書くに当たっても何かそういう話があったかどうか、それは私もそれにも出ておりませんが、そういったようなことについての論議があったというふうには私は聞いておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それにしても公表されている経済成長目標の達成ということが宣言ではっきりうたわれておりますけれども、そうなると、わが国としては六・七%実質成長というこれが、正式に国際的な約束というふうになったということですね、これは。裏打ちをされてきたわけです。そうなると、先ほども御質問ありましたけれども、公共事業の前倒しとか、そういったことだけでどうかと、一方では、先ほどの御答弁でも、日本の経済の成長要因の大きな部分が輸出ですね、そういう答弁がありました。ところが、ロンドン会議では貿易の黒字国の責任というものが言われて、輸出の抑制、輸入の推進というようなことがECあたりからも言われている、強く主張されたという話ですが、そうすると、一方では経済成長の達成ということで六・七を約束し、他方ではその成長要因の大きいものの輸出を抑える、こういうことになるわけですね。大変な何だかむずかしいことをやろうというような感じをするんですけれども、竹田委員からもこの点について質問されたんですけれども、できるんですか、こういうことを。よくその点ひとつ御答弁いただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 御心配の点非常にありがたく思います。非常に激励をされたように考えております。  私は、今度の六・七%ということにつきましては、竹田さんにもお答え申したつもりでございますけれども、何もロンドン会議で卒然と約束したことではない、それよりも先、大事な国会に、あるいはまた日本の国民に対しましてこれを決意を示したということでございまするから、これはどんなことがあっても達成しなければならない。無論国際会議においてそういうことを、数字を挙げてやったのじゃございませんけれども、とにかく日本が三つの機関車になっていく、そうして支出をしていくという以上は、やっぱり日本で決めた日本の目標というものは、これはあくまでも達成していかなければならない。いろんな今日までの施策というものを、これはもう詳しくここで申し上げませんけれども、それに従って必ずや達成することができるものだと、かように信じております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その諭出を抑えているという点はいかがですか。それで達成できますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 輸出を抑えていくということにつきまして、先ほど集中豪雨的な輸出ということが一つの例になっておりましたけれども、そういったようなことは、これは私は輸出を抑えていくということではない、輸出を保護貿易に触発しないようにするためにも、そういったような集中豪雨的な輸出というものは、これは自粛をしていく。むしろ輸出をふやしていくという、そのふやしていって、どんどんどんどんためていくということを考えておるものではなくして、それで一方におきましては、内需を刺激することによって輸出圧力を弱めていくということと、それから、いずれにいたしましても日本は貿易立国でございますから、その原料を入れまして、そうして製品として輸出していくということでありまして、極端に、もう端的に輸出が多いから輸出を抑えていこうというようなふうには考えておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 集中豪雨的という話があったんですけれども、実態から言えば、日本の商品の方がマージンがいいとか、品物がいいとかということで、ほかの方の国の代理店、またその国の産業の同じ商品を扱っている代理店までが、どんどんどんどん日本の代理店にかわってくるということで、こちらだけの問題じゃないですね。これは。勝手に集中豪雨になっちゃう場合もあるんでしょう。そういう実態論に立たないでおっしゃっているのじゃないかという感じがするんですけど、集中的、集中豪雨的とかということが一体あるんですか。いまのお話だと輸出を伸ばして、じゃあ、そういう保護貿易にならないようにやりながら輸出を伸ばすといって、一体どこに伸ばすのですか。火星に持っていくわけじゃないんですし、どこへやればよろしいのですかね。その点ちょっとわからないのです、これ意味が、おっしゃっていることが。

旦弘昌大蔵省関税局長

○政府委員(旦弘昌君) この全体の宣言文を読んでみますと、輸出は減らさなければいけないということは言ってないように感ずるわけでございます。たとえば、ガットの交渉をやる、推進するということをうたっておりますが、これも世界貿易の拡大のための一つの手段でございまして、世界貿易を拡大するということでは一致した宣言になっておるように考えるわけでございます。  ただ、問題になりますのは、特定品目の特定地域に対する集中豪雨というような問題は、最近いろいろ議論されておるところでございまして、それはこの宣言には特に強くうたわれておりませんけれども、それは福田総理もそういう問題については自粛する、努力するということを発言されたやに聞いておりますが、輸出をシュリンクさせるということで合意したということではないように考えております。そういう意味で、前向きに輸出は拡大していくという思想は一貫して貫いているように思うわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは大蔵大臣、日本の輸出については抑制というよりは、拡大の方向であるというふうに理解してよろしいですね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 輸出そのものを、これを端的に抑えていくというふうには、私はロンドン会議のときでもそんな話をしたことはない。ロンドン会議におきましても、各国とも自由貿易でもって輸出量というものは、これは日本だけではない、世界各国が輸出というものを引き上げていかなければならないということを申しておったわけでございまして、その中で日本だけか輸出を抑えていくというふうに、そういうことについて話し合ったということはございません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 経済企画庁にお聞きします。経常収支の赤字七億ドルというのが五十二年度の経済運営ということになっておりますね。六・七%のこの経済成長率、実質を保つための経済見通しですから、その中の国際収支で、経常収支七億ドルと赤字になっておりますが、どうも七億ドルの赤字となるような貿易の状況ではない、こういうようなことが日銀総裁が認めているようなんですけれども、そうなってくる、とこれは大分変わってくるのじゃないかと思うんですが、現状いまどういうふうにお見通しになられますか。

岡島和男経済企画庁長官官房参事官

○政府委員(岡島和男君) 五十二年度におきましては、一九七七暦年のOECDの地域の実質輸入の伸びがかなり前年度に比べて減るというようなことがございます。そういうことがございまして、世界貿易全体の伸びは、五十一年度に比べましては鈍化するというような見方に立っておりまして、そういうことを受けまして、わが国の輸出の伸びは五十二年度は五十一年度に比べて低くなるというふうに見ているわけでございます。一方、わが国の国内景気は、今後実質かつ持続的な回復を示すことになるだろうと、また先生よく御承知のように、最近相次いで景気を安定的に拡大するための手も打たれたわけでございますから、輸入は着実に増加するんじゃないかというふうに見ているわけでございます。したがって、貿易収支の黒字幅は五十一年よりも小さくなる、それから貿易外収支の赤字幅は五十一年度より拡大するというふうに考えまして、経常収支で七億ドル程度の赤字を見たということでございます。  今後一年間につきましては、海外の経済動向等見通しのむずかしい要素が大変多うございますものですから、なかなか確定的に何億ドルというのを、いまの段階で七億ドルきっかりそうかということはなかなか言いにくいわけでございますけれども、現在政府が考えております経済情勢のもとにおきましては、あるいは需要創出効果の大きい公共事業に重点を置いた五十二年度予算の執行あるいは公定歩合の引き下げというようないろんな政策を通じまして、景気刺激が図られるということによって、一方において輸入増加も図られるということでございまして、全体として五十一年度の経常収支の黒字の後は、五十二年度においては赤字になるという姿勢を示しているというようなことで考えているわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃ、これは日銀総裁あたりが赤字になるような状況にないと、こう言っておりますけど、そういった気配はないですか。

岡島和男経済企画庁長官官房参事官

○政府委員(岡島和男君) 実は日銀総裁がどの段階、いつそういう御発言をされたかどうか正確には知らないわけでございますけれども、最近相次いで打たれましたいろんな景気刺激策というようなものを考えました場合に、内需もかなり伸びるわけでございますから、それによって輸入の増加が図られるということもございますものですから、とうていそれが実現されないというふうには私どもは考えておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これはもしこういうように、日銀総裁が言っているように、七億ドルの赤字どころか、これは赤字にはならない、黒字であるというふうになってきますと、逆に六・七%というものを達成するには、抑えるか伸ばすかどっちかわかりませんけれども、輸出についての考え方が出て来なきゃならないことになるでしょうね。そういう点は、政策判断としては、大蔵大臣どう考えておりますか。

岡島和男経済企画庁長官官房参事官

○政府委員(岡島和男君) 先ほど来出ております六・七%の話でございますが、あれを策定いたしました事務当局は実は私ども経済企画庁でございますので、私から便宜お答えをさしていただきますけれども、各需要項目ごとに考えてまいりますと、個人消費とかいうようなものにつきましては、景気が次第に、所得の確実な増加というようなものを通じましてかなりな伸びが期待されると。住宅投資につきましては、いろんな根強い住宅需要というようなものもあってこれまた相当な伸びが期待されると。それから設備投資につきましては、逐次いろんな景気刺激策というようなものがあって、これからは、緩やかでございますが回復してくるというようなことがあるわけでございます。それから政府につきましては、御承知のとおり大変な公共事業の伸びを考えた予算が組まれまして、それが執行されるというようなことがあるわけでございます。そうした中におきまして輸出についてはどう見ているかということでございますが、先ほど申しましたように、世界貿易の動向を勘案いたしまして、前年度の伸びよりもかなり低い増加率、IMFベースで申しますと、前年が二割を超えているような伸び率に対しましてそもそも一二%程度の伸びを見ているわけでございまして、こういう伸びを見ているわけでございますから、いろんな各国の輸入制限的な動きというのも一部にあるようでございますけれども、それも、先生御高承のように、ロンドン会議などにおきましてそういうことについて自粛しようというような考え方があるわけでございますから、政府が想定した一二%程度の伸びが実現されれば、全体といたしまして名目成長率で一三・七%、実質で六・七%程度の成長は可能ではないかというふうに見ているわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それから大臣に、国内需要を拡大するということがうたわれているわけですけれども、国内需要を拡大して経済成長の目標率を達成すると、こういうふうに宣言ではあるんですが、それをしようとすれば、当然わが国としても、国内需要をこれより喚起するとなれば財政拡大をしなきゃならない。そうすると、三〇%が危険ラインと言われている国債依存度をさらに高める必要が出る。そう追い込まれてくるだろうと。そうすればこれは財政危機になりますね。そういうことで、さらに、内需の喚起ということで、公共事業の拡大を図っていけば、これは建築資材の値上がりからインフレという物価問題になってくる。で、ロンドン宣言ではインフレの防止ということが基調としても強くうたわれております。それと、しかし一方で国内の景気振興ということばかりに目を奪われると、インフレ防止という宣言は実現できないことになる。こういう二律背反の危険があるわけですね。この点はどうなんでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 日本の国の国内におけるいわゆる内需を刺激するというために組まれたのが五十二年度の予算でございますが、この五十二年度の予算を執行するに当たりまして、特に公共事業費といったようなものについては、前半期におきまして、これは先ほども申し上げましたが、七三%をこれを契約実施をしていこうということでございますし、また、これより先に五十一年度の補正予算等も織り込んでおりまして、そういったようなことでもって、国内における仕事が、雇用にいたしましても、それから資材の使用にいたしましてもこれがふえてくると。ふえてくるからそこで物価が上がるんじゃないかという御心配でございますけれども、いまの状態から考えてみますと、それほどそこの点は心配の要らないような物価情勢にあるということ。それからまた、政府は、微力な私でございますけれども、この推進本部というものをつくりまして、そこをひとつやっていけと、こういうようなことで、中央、地方を通じましてこういうふうに前倒しの事業を推進していくんなら、物価の上がるということは極力これは抑えてまいらなければならないということを指示いたしまして、そうしてそういう方向に向かって進んでおるということでございますので、目下のところはこれによりまして日本の国の物価が急に上がってくるということはまずはなかろうということを考えておりますが、何か数字がありましたね。そういったようなことにつきましては事務当局から説明いたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃあ、時間があれですから、あと一、二問なんですが、今回のロンドン会議で——日本の場合は現在倒産件数が、東京リサーチの調査でも、四月に千五百八十件、三月は千七百件。失業者数が御承知のように三月で百三十万人を超えていますね。こういう状況です。消費者物価も毎年一〇%近く上がってきている。で、アメリカ、西ドイツの倍ということでございますし、そういう点で、失業者や潜在失業者の問題まで入れるというと、ほかの国と余り変わらないような感じがするんですね。赤字国と言われているような国々でもわが国でも少しもちっとも変わらないと。だから、そういう国内の経済状態の実態を本当に強く訴えるべきだったと思うんですね。で、この宣言を見ると、表に出た国際収支とか貿易収支とかということだけでもって責任論があるような感じがするんですけれども、こういうわが国の倒産の問題とか失業とか物価の問題についての強い訴えをなされたかどうか。これは大蔵大臣に伺いたい

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) いまの具体的なお話につきましては、これは私は細かく聞きとめてはおりませんけれども、日本の国の経済状態というものについては総理から詳しく述べたように思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 当然、そういった各国に共通する、日本にだけないみたいなふうに思われては困ることはちゃんと言ってもらわなきゃいけないと思うんですね、言うべきポイントは。  それから、時間ですが、通産省からわざわざ来ていただいていますから一つ伺いますが、ロンドン宣言では、保護貿易主義は失業とインフレを招き各国国民の生活を脅かすものであり、われわれは保護貿易主義を否定すると、こうあって、自由貿易の必要を認めていますが、一方では、新聞報道等では、宣言とはうらはらに、ヨーロッパ諸国を中心に、いわゆる管理貿易という言葉が使われておりますが、その主張が広がっている。この管理貿易というのは一体何だろうかと。福田総理は集中豪雨型の輸出の自粛ということを述べておりますけれども、いわゆる一方の国に輸出をして、そして黒字ができたのでほかの国から買う、輸入をするというような、いわゆるラウンドで回っていくような、そういうものじゃなくて言っているんじゃないかという感じがするわけです。日本の国は、先進諸国への輸出超過、そして今度は石油初め原材料の方で赤字をつくるという、輸入超過ということでやってきているわけですけれども、どうも今回のヨーロッパの人々の考え、国々の考えというのは、二国間の不均衡がいけないということじゃないのか。ほかのところにも赤字があり、日本にも赤字だからこういうのは困るという、そういうことからいわゆる管理貿易というか、そういうような感じがあるんですけれども、そうなると、いわゆるブロック化ということにつながってきますので、よくわからないんですが、それに対して通産省等でもいろいろ対策を考えられるというようなことで、ロンドン会議の後何かやられているようなんですけれども、その点ひとつ、この管理貿易というのは一体何なのかというようなことと、それに対してどういうふうに対策をいまやられつつあるのか。

日下部光昭通商産業省通商政策局通商関税課長

○説明員(日下部光昭君) お答えいたします。  この管理貿易という、これは何かリベラリズムオーガナイズということで、要するに組織化された自由主義とかいう、何かそういうような言葉でジスカール大統領が発言されたらしいんですけれども、この意味はどういうのかということは、どうも御出席の方々というか、だれもかれしもよくわかっておらない。ただ、一般的に強い者がどんどん失業の非常に多いところへ入っていって、そこへ圧倒するということはよくないんじゃないかという感じのことを、そういう言葉の表現で言われたんだろうということを推察しておるわけですが、いずれにしても、この表現というものはいろいろ首脳間で御議論があった後、具体的にはそういう言葉は出ておらないわけでございます。  で、いずれにしても保護主義は拒否すると、できるだけ自由な貿易の拡大という方向で考えていきましょうということについてはコンセンサスがあったと考えております。ただ、そういう組織化された自由主義というのは、話が出てくる背景としてヨーロッパが考えておるであろうとわれわれ思われますのは、やはり福田総理の言うように集中豪雨というか、特定の分野においてたまたま失業が非常にある、そういうところへばっと貿易が、輸出が伸びると、そういうことは少し考えてくれなきゃ困るよということがあるかと思いますが、このような国際協調の観点から、余りにも集中豪雨的な輸出というのは好ましくないということは私ども考えておりまして、これは総理のおっしゃるとおりでございます。  で、そういう方向で具体的な品目、具体的な市場で問題が起こりそうである場合には、適切な対処というのをやる必要があると考えておりますが、基本的には保護貿易はいかぬと、できるだけ自由な貿易をそういう留意をしながら確保していくということを考えておりまして、これは首脳会談での大体皆さんの首脳の方々のコンセンサスでもあるというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私も、質問に先立って、この間の国際首脳会議の問題をちょっと伺いたいと思います。  もう大分同僚委員がやりましたので、なるべく重複しないように心がけながら二、三点伺いますが、福田総理がこの首脳会議に臨むに当たって、いまの国際経済情勢について大体一九三〇年代のあの深刻な危機状態にいまの状態をなぞらえて、そしてこの経済危機をほっておけば社会的な危機にまで発展するおそれがあるんだということまでおっしゃって、そうして新しい世界的な経済社会秩序をつくらなきゃならぬという趣旨のことも強調されておったわけですね。で、今度の首脳会議が終わった後のコミュニケを見てみますと、どこが一体新しい世界経済秩序なのか、これどうもよくわからないんですね。一体どういう新しい経済秩序が生み出されたのか、その辺をまず伺いたいと思う。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 福田総理が会議に臨むに当たりましてまず述べられたことは、いまおっしゃったとおりのことを述べました。それで、今日の世界における経済危機は、三〇年代のそれにも増してこれがむずかしいのであると。そこで、少なくとも七カ国ですね、特に三カ国、七カ国が、これがリードをして立て直していくということは世界的使命であると。それでやっていかなければならない。あの時にも増してということは、南北問題といったような新しいのが、あの時はたしか東西問題だったと思います、南北問題といったようなものも出てきておりますし、今後のこの見方については、しかも、資源がきわめて有限である。あの時はまだそこまではいっていなかった。資源の取り合いといったようなこともあの時は頭の中にあったけれども、いまは資源の取り合いなんというふうなことを、とてもやっていてはこれは自滅していくことであると。  さような意味におきましては、どうしてもこれはひとつ世界の各国が連帯と協調ですね、その精神に燃えてこの難局にぶつかっていかなければならない。そのためには世界の資源等についてできるだけこれを人類のために有効に活用していかなければならぬ。ともすれば今日起こっておる保護貿易主義のことを、これはその方へ流れていくというと、これはどうしても硬直し、縮小しするということになるから、そこで、できるだけ自由なる貿易によりまして、世界の資源というものを有効適切に豊かに、できるだけ豊かに人類のために活用していく。しかも、それは協調と連帯のもとにやっていくということが大事なことであるということを主張しておりましたが、私も隣で聞いておりまして、これに対しましては、絶えず福田総理の言うことでございまするから、世界に対していいことを言ってくれたと。これに対しましては、集まっておる国々の方は、その基本方針に対しては、みんなが反論を出すというようなことはなかったというふうに見てまいりました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その反論はなかったということなんですが、この結論ですな。このロンドン宣言の全文と付属文書、どこを見ましても、従来と事変わって何か新しい経済秩序あるいは社会秩序、そういうものが確立されたというふうにはどうにも考えられない。その点はどうですか。どこが新しい側面ですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) いま大臣が言われましたように、一つには南北問題を強調したということでございまして、従来二回の首脳会談におきましては、南北問題に触れてはおりますが、今後引き続いてうまくやってくれという式の希望の表明であったと言えるかと思います。今回は南の側が世界問題について意思決定に参画すべきだという、その南の安定と繁栄が北側の安定と繁栄につながるということをうたって、具体的な南北問題の今後の課題を列挙しております。その点が一つ前二回の首脳会談と違っている点じゃなかろうかと思います。  それに関連いたしまして、東西関係につきましても、確かに西側の東に対する信用供与につきまして前回触れておりましたが、今回はそういうことではなくて、南に対する援助についてもコメコン諸国が一緒に努力をしてもらおうではないかということを要請しておるわけであります。  さらに、大きく違ってまいりました最近のエネルギー資源の問題につきまして、従来よりも深く堀り下げてエネルギー対策について触れているという点が、従来と違っている特色でなかろうかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 最初に強調された南北問題については後からちょっと伺いたいと思いますが、やはり今度の会議で一番強調されましたのは、現在のインフレと不況の同時進行ですね。国際的な規模で行われているわけですが、それに対してどう対処するかということが一つ重要な問題だったと思うのです。それに対しては、各参加国がすでに表明した経済成長目標あるいは経済安定化政策を履行することを約束するという程度のことになっているのですね。つまり在来型のこの経済成長政策、これを履行するということを各国首脳が合意したというだけのことでしょう。これについては何らの新しい側面は私はないと思う。もしわが国か従来のような経済成長政策、きょうこの審議の対象になっている財政特例法、これに基づく大量の赤字公債、これまでも発行し、そうしてそれも含めて、財政規模の三〇%にも及ぶ大量の公債を発行してまでもやろうとしている経済成長政策、これを実行する、こんなことやれば、いまのインフレと不況の同時進行、まあ、言って見れば、一言で言えば、スタグフレーションとも言われておりますが、多少景気は回復するでしょうが、同時にインフレも進行するという状態にならざるを得ないと私は思われるんです。もちろん日本のように大きな経済力を持った国が、いろいろ国際的にその役割りを果たすということは、これはまあ私、別に反対することはないんですけれども、しかし、国際的な役割りを果たすためには、同時に国民の利益と合致した方向で国際的な利益は果たさなきゃならぬと思う。ところが、インフレが激化するだろうということは、これはまあ十分予想されるような経済成長政策を履行するということで、国際的な責務を果たそうとする。これは私は国民の利益に合致しないと思うんですね。また、そういう国際的な責務の履行というのは、これは恐らくいまの国際経済危機の打開という点でも成果のないものになるんじゃないかと思うんです。その点どう思われますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 福田総理の考えは、これはまあ私が福田総理の腹の中に入ったもんじゃございませんから、私がそんたくいたしますと、やはり今日まで決めてきました財政金融政策、これに基づく予算、あるいは法案といったようなものを、これを国会において認めていただいて、そうしてこれの運営に当たりまして、先ほど来もしばしば申し上げましたとおり、これを推進、促進して、実行をするということによりまして、私は所期の目的、所期の目標である六・七%というものを達成することができるのだと、こういうような信念を持って、しこうして、この考えどおりに物事が進んでいるということがあるなれば、日本の国の経済の立て直し、それから世界に対して、このロンドン会議においていろいろ話し合ったことを、世界に対しても、日本はこれに対して協力をすることができるんだと、こういうふうに考えられて、こういう発言をし、結局こういう合意が行われたものであるというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この経済目標を達成すれば国際的にも貢献があるんだという政府の御見解はもう何回も伺いました。しかし、つまりそういう政府自身が国際的に大きな成果があるんだという、そのわが国の、政府の経済政策そのものがもう在来型のものだと、いままでとほとんど性格の変わりのないものだということは、いかにこの国際的な経済危機の打開策というものの手詰まりが深刻かということを私は物語っているんじゃないかと思うんです。  ところで、わが国の政府の立場はそういうふうにしていま伺いましたけれども、参加したほかの五カ国、この中にはイタリアとかイギリスとかインフレの特別深刻な、いわばイギリス病とかイタリア病とか言われているような国もある。フランスも若干それに近いというような国もある。これらの国は一体どういう打開策を示したのか。それを伺いたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) これらの国も、たとえばイギリスにいたしましても、何とかしていまの不況、沈滞から脱却をいたしたいという意欲も満々でございまして、そういったような国に対しましては、やはり御案内のとおり相当程度の援助をして——援助という意味ではないか、有償融資といったようなものをしておるというようなことでございまして、こういった国が何とかして立ち直ってくれるということが、相ともに手を携えて、三国より四国、四国より五国が手をつないで、そうして世界経済のために貢献をしていくということになろうと私は思いまして、これらの赤字で苦しんでおる国も、ぜひとも昔の、大英帝国は当時のものでございますけれども、ひとつ一人前の世界の先進国——先進国は先進国てございまするが、そこで大いにひとつ力を発揮して、われわれと協力してひとつやってもらいたい、こういうことを考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 先進国手を携えてとおっしゃいましたけれども、大分意見は分れたのでしょう。各国同じ立場を主張したというわけではないと思うのですが、その点どんな事情ですか、内容ですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) もちろんそれぞれの国にはそれぞれの国の立場、それぞれの国の希望といったようなものがありますから、国の立場を全然振り切って、そうして一緒になってやっていこうやということではございませんけれども、私はそれはそれで独立国としての立場を堅持しつつ、ひとつ一緒に世界のために貢献していこうということは、これは私は必ずしもマイナスのことではないというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ところで、付属文書の方を見ますと、簡単に言いますと、公表された目標率の達成について、必要な場合にはその新たな政策をとるんだと、いわば見直して新たな政策をとるんだということまでがつけ加わっておるわけです。六・七%の経済成長率あるいは経常収支、赤字七億ドル等々という、わが国の経済目標必ず達成できるのだと先ほどから大分強調しておられますけれども、この付属文書の言葉というのは、やはりそれが目標どおりに達成されないかもわからぬということを前提としての言葉だというふうに見ていいんじゃないでしょうか。どうですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 何も目標率——各国それぞれ政府の見通しございますが、それが危ないから、何か新しい政策をとるということを約束したわけではございません。現に日本の場合でも、先般金利を引き下げたりいろんな措置をとっておるわけでございます。そういうふうに経済情勢を見ながら各国持っております目標に対して進んでいくということを、ここでうたったわけだと解釈しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 大臣、あなた御出席になったのだから特に伺いたいのですがね。いまの答弁だったら、何も付属文書に事新しくこうやってうたうと、いままでの国際会議の文書にないことですよね。新しくうたう必要は私はないと思う。わざわざここにうたっているというのは、これは仮に、たとえて言えば、わが国が約束した経済成長率の達成が困難だというような場合には、あるいはさらに補正予算を組むとか、あるいはまた金利の再引き下げをやるとかいうことの可能性もある、あり得るということを、これ言っているんだというふうに読めるのではないでしょうか。その点どうですか

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 付属文書につきましては、私どもは、会議において会議をしておる、それは無論それとは全然関係なしにつくったものではもちろんありません。それを受けてつくったものでございます。要するにこの宣言というものはこれは会議において大綱、方針を決めて、それを宣言にせられて、それをなお敷衍し補足するというような意味のものが、私はこの付属文書だと思いますが、ここに書いておりますいま御指摘の点でございますが、これはわが国が、今後このとおり実行するに当たりまして必要があればという、あるかないかということにつきましては、今日私は、ここで、いや、実はこういう考えでどうだと、こういうことを申し上げる段階にはないと思います。それは、政治は生き物でございまするから、そこで将来、将来ともに全然そういうようなことはないんだと、いやこういうことをするんだというようなことはここで申し上げる段階ではない、かように考えます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは将来のことだから、大臣幾ら言明したってそのとおりになるとは私どもは考えておりません。つまり、必要があれば補正予算を組み、あるいは金利の引き下げもやることがあり得るということが、日本についてのいわばこの付属文書の意味だというふうに理解できるわけでしょう。どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 私は、いまの段階におきましては、必要があれば補正予算を組むんだと、予算がやっと通ったところなんです、そのときに、必要ならば補正予算を組むんだというような考えは、今日の私は持っておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 だから、そういうふうにあからさまに政治的に言えないから、この付属文書をあなた方は合意してきたわけでしょう。どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) そこまで考えてこの付属文書をつくったということではございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは少し国際会議に出席した方としては私は無責任だと思いますね。そういう、もし必要があれば、そのくらいのことをやる用意があるということであればこそ、この付属文書にも合意し、特にこのロンドン宣言で、すでに設定した経済成長目標ですね、これを達成するんだということも約束して帰ってきているわけでしょう。どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 経済成長率が六・七%、これを達成するんだということは、そういう数字は福田総理は言っておりませんけれども、私も福田総理の考え方に全く同感でございます、六・七%の達成ができるものだということをです。そこでここに書いておりますことは、一足踏み切って、そして必要なる場合には具体的に補正予算も組むんだというところまでは、これは私は考えておりません。それはいろんな制度につきまして、何もかにも全然、これはいかなることがあろうとも変えないんだというようなことを申し上げておるのではありませんけれども、具体的に補正予算の必要な場合には補正予算を組むんだというふうには考えておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、必要がもし生じた場合にはどういう対策をとろうとなさるんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) それはそのときになってみまして慎重に考えなければならぬ問題だと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その慎重に考えなければならぬ問題の中に、だっていままで政府は、いま財政が牽引車だということもしきりに強調されてきたんですよ。個人消費も冷えている、設備投資もなかなか起こらない、いまは財政が牽引車で、この財政で景気を回復しなければならぬのだ、だから、赤字・公債の大量発行もがまんしてくれということを盛んに言ってきたじゃないですか。だとすれば、追加的な財政措置ということを当然考えるでしょう。それからまた景気対策のためと称して公定歩合の大幅引き下げ、それに伴う各種金利の引き下げをやった、そうしていまでは郵便貯金の金利の引き下げまでも考えている、こういう状態でしょう。これは国民に対して大きな責任のあることですよ。そいつをいま何とも言えないんだというようなことでは、これは納得できませんよ。とるべき対策の中にはそういうものも含まれておるでしょう、どうですか、何を選択するかは、これは先のことですから具体的には言えないにしても。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 従来の政策のことにつきましてはもうるる申し上げたわけでございますけれども、政策当局といたしましては、財政の刺激的な効果、それから金融の面からいたしまして金利水準の全般的な低下といった効果によりまして、六・七%の成長というものが十分達成できるものであるというふうな認識を持って現在やっておるところでございまして、このロンドン会議の結果何か新たな対策を講ずるということは考えてないということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 議論をもとへ戻すようなことを言っちゃ困るですよ。もうそんな議論は前に聞いたですわ、だからさらに質問しているのだから。質問に時間がかかって困ります。大臣責任者でしょう、あなた。答弁してくださいよ、私のいま伺った点について。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) お答え申し上げます。  現在のところ私はいま政府のとっておる政策、予算でこれは十分達成できるものと、かように考えておりますので、そこで将来どうあったらどうするのだということを申し上げることには、ちょっと私はそういうことを申し上げるわけにはまいりませんと、こう申し上げております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私の伺っているのは、せっかくこの付属文書にもこうしてうたわれている。もし達成できなかった場合、卑俗に言えば、「必要な場合には、新たな政策を執ることを約束する。」とはっきり書いてあるのですね。そうでしょう。わが国としては、やはりそれと同じ立場に立って六・七%で必ずいきますよということだけでは答弁にならぬから、私は、その点はどういうことを考えるのだということを言っているのだ。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 「必要な場合には、新たな政策を執ることを約束する。」、こう書いてあるのです。その「必要な場合」はいまおっしゃられることは、補正予算を組むのだと、こういうふうに言えと、こういうふうなように私には聞こえますが、私は、必要な政策をとるということをさらに特定して、限定していって、これを補正予算を組むのだということを申し上げるわけにはまいらない、こう申しておるのです。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、財政が景気対策の牽引車だと何回も政府は言ってこられた。だとすれば、もし達成できなかった場合は新たな財政措置ということも当然考えられるじゃないかと。また重要な景気対策として金利の引き下げ措置をとった。もし経済成長が達成できなかった場合、目標どおりね、これも考慮の中に入るのじゃないか。必ずとりますと言えというのじゃないのですよ。そういうことも考慮の中に当然入るじゃないかということを伺っておるのです。どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) どうもそういうふうに限定してまいりますと、いかにもいまからそういうことをやるのだと、こういうふうに非常に受け取られやすいこともありますから、そういうことは考えておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 じゃ、必要が生じた場合には全然何の対策もとらぬということですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 決してさようなことは考えておりません。そういう必要な場合には必要な対策をとる、こういうことであります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間の損になるからもうやめておきますがね。  それからもう一つ伺いたいのですが、今度の付属文書に、特に非常に興味のあることというとなんですけれども、こういう言葉があるのですね。「インフレは失業の解決策ではなく、失業の主要な原因の一つである。」、こういうことが書かれている。これはわが国の政府の認識でもあるわけですか、主としては西ドイツ等々から主張されたことだと言われておりますが。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 共通した意見であります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、財政規模の三〇%にも及ぶ公債を発行して、そうして経済成長政策をさらに続けようと。これはいずれなおよく議論したいと思いますが、これはもう改めて議論するまでもなく、やはりインフレの重要な要因になるだろう、いますぐインフレが起こるかどうかということを言おうとしているんじゃないんですけれども、いずれにしてもインフレ高進の条件になる、このことはもう争う余地のないところだと私は思うのですね。そうしますと、「インフレは失業の解決策ではなく、失業の主要な原因の一つである。」ここで失業といわれているのは、いまの不況、経済危機ですね、これから生まれている失業ですから、インフレの高進ということは、同時にまた不況解決の手段ではないんだと、むしろ不況を深刻にする道なんだということをいっていると理解していいと思うんですね。本当に日本政府はこういう立場に立っているんですか、どうですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) やはりインフレというものが存在しております限り、この失業の基本的な解決にはならないというふうに認識をいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうすると、私は、いま政府かとり  つつある政策、そしていままで自民党政府がとってきた政策、これと全く根本的に違った立場にいま立とうとしているのかなという感じがします。なぜかといえば、今度の予算でもそうでしょう。本四架橋だとか、高速自動車道路だとか、大型プロジェクトを中心とする公共事業、これを大幅に拡大をして、これをてことして景気の刺激をやりますと、これがいまの政府の立場だと思うんですね。そうしてそのために大量の公債を発行する、  つまりインフレ抑制、これはいわば二の次で、言葉で言うか言わぬかは別にしてです。まず不況の克服だということですね。これがいまの政府の立場だと思う。ところが、いまあなたの答弁によりますと、インフレ抑制が第一と、これが景気を、いまの不況を解決する道だというふうに受けとれますが、どっちが、真実ですか、あなた方の立場ですか。

大竹宏繁大蔵大臣官房調査企画課長

○説明員(大竹宏繁君) 政府の立場といたしましては、いつも申し上げているところでございますけれども、物価の安定を図りながら景気の着実な回復を図るということでございまして、景気回復を急ぐということによりまして、インフレの再燃を許容するというような立場はとっておらないわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは口ではそう言うことは簡単ですよ。しかし、五十一年度の消費者物価も政府の目標をはるかに超えて九・四%の上昇率、こういう状況ですね。一方で不況が長期化して、そうして倒産はもう三年続き戦後最高を更新している。失業者も百数十万と、完全失業者もね、というような状況下で、九%を超えるこのインフレ率ですね。これは政府がやはりインフレを二の次にして、そして景気回復ということを第一にしているということの私は証拠だと思う。しかしこれまあ余り論争しても何ですからこの程度にして次に移りますけれども。  先ほどの南北問題、これは新しい側面だというふうに大分強調しておられましたが、このロンドン宣言の中にも、IMFの最近の暫定委員会の結論を支持するという趣旨のことが書かれておりますが、このIMFの暫定委員会ですね、四月の末に開かれましたが、終わりましたが、これどういうことを決めたのかまずそれをお伺いします。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) この首脳会談の一週間前にIMF暫定委員会が開かれたわけでございますが、そこで幾つかの議題が議論されましたが、その一つに、最近の国際収支不均衡がかなり長期化、今後数年間にわたって大幅な不均衡が存続し、それに直面する国が、IMFから資金援助を受ける必要がある。そこで、暫定的に追加の融資措置をとろうということにつきまして大筋の合意を得たわけでございます。その主な点を申し上げますと、IMFが産油国及び国際収支の強い先進主要諸国からクレジットラインを設定してもらいまして、それを大幅の赤字で困っている国に融資するわけでございますが、その際、その融資について適度のコンディショナリティ、つまり借り入れに当たってその国の経済を再建するという政策運営目標を課することにしようというのが一つございます。  それからもう一つは、当然のことながら、この資金は、半分程度は、これははっきり決まったわけではございませんが、産油国から資金を持ってこよう、その意味でオイルマネーの活用になりますから、そこにもねらいがございます。さらに産油国がこういったクレジットラインをIMFに供与しやすいように、市場に関連した金利でIMFに金を貸す、それに基づきまして今度IMFが赤字国に融資をするというふうな仕組みにしようと、さらにこのお金を出します債権国にとっては、その債権に適度の流動性を与えようということも考慮されております。大体以上が暫定委員会でまとまった大筋でございますが、さらに詰める点がございまして、金額を含めてこれからの交渉に待つということになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そのいわゆるIMFの特別融資制度ですね、と普通言われている制度ですが、これについて二、三点伺いたいのですが、まず第一に、融資に当たって条件をつけるということになっておりますが、その条件というのは大体どういう内容のものなのか、日本政府としてはどういうことを考えているのか、これ伺いたい。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 従来からIMFが加盟国に金を融資いたします場合には、その加盟国のクオータの比率が高くなるに従いまして条件が厳しくなる。つまりクオータの一二五%まで貸す場合には、第一クレジットトランシュといっておりますが、比較的容易な条件で出せるわけでございますが、一二五%を超しますと、だんだんと厳しくなるわけでございます。今度の特別融資に、おきましては、第一トランシュを超える程度の条件をつけようということに大体の合意はできているようでございます。余り厳し過ぎますと、借り入れ国の方が、IMFから借りるのはいやだと、むしろ市中銀行から借りたいということになりますし、余り条件が甘過ぎますと、金を借りてもちっとも経済がよくならないということで、借金が累積するということになりますので、その辺はほどほどの条件をつけようということで、第一クレジットトランシュを超える程度ということになりそうでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 だから、その条件の具体的な内容ですね、これどういうことを考えているのか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 具体的な内容は、借り入れ申請がありましてから、詰めることになりますが、大ざっぱに申し上げますと、一年、二年という期間にわたりまして国際収支が改善できるような政策をとってくれと、たとえば金融を余り緩めないようにしようとか、あるいは財政の赤字を余りふやさないようにしようとか、その程度の条件がつくのが通常の例でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 イタリアが非常に深刻な経済危機に陥って、IMFから特別な救済融資がありましたね。そのときにはどういう条件がつきましたか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) イタリアは先般IMFから借りましたのは、いわば第四トランシュに相当する部分でございまして、特別融資ではございません。第四トランシュでございますので、かなり財政金融の引き締め、それからあそこの国で一つの問題になっておりますが、賃金が物価にスライドするというインデクセーションをとっておりますが、それについて若干の手直しをするというふうなのが主な内容でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その財政金融について、財政の赤字が大幅に出ないようにとか等々のことについても、これは非常に疑問がありますけれども、特に賃金と物価のスライド制というのは、イタリアの労働者階級の長年の闘いによってかち取られた民主的な成果でもあるわけですね。それについて、IMFが融資するに当たっていわばそれに反対する条件をつけるというようなことになりますと、他国の内政に対する干渉というにおいが非常に強いわけですけれども、その点はどういうように考えますか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 御指摘のように、この賃金問題は大変むずかしい問題でございます。ですから、私も一部の手直しと申し上げたわけでございまして、これはイタリアの当局、当局はさらに労働組合あるいは各党と話したと思いますが、そういう話し合いを通じまして、これくらいのことはしょうというところで合意を得たというふうに聞いております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 今度できる新しい特別融資制度、これで発展途上国、特別赤字に苦しんでいる発展途上国に、先ほどのお言葉によりますと、なかなか厳しい条件がつきそうだということですね。イタリアの場合で、イタリアの各党が一応それの条件をのんで借りることになりましたけれども、イタリアでさえそういう条件がつくとすれば、途上国に対する融資が厳しいということであれば、これはそれぞれの国の内政に干渉するような条件がつくんじゃないかという感じがしますが、その点どうですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 内政干渉というところまでいきますと、これは融資が円滑に行われませんので、先ほども申し上げましたように、適度に強い条件ということで、現在もやっておりますような第二トランシュ以上の条件ということになろうかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その内容、もう少し伺いたいんですが、時間の関係もありますので、もう一点伺います。  いわば非産油途上国の累積債務ですね、これは非常に膨大なものになって、そしてこれに対応するためにIMFの特別融資制度が今度いよいよ発足ということになったろうと思うんですけれども、さてこの莫大な累積債務に対応して債権者の方ですね、これはアメリカの市中銀行が最大の債権者の場合が大きいということをよく言われますね。それは真実ですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) アメリカ側の数字によりますと、昨年末で債権の額が千八百億ぐらいあるうちに、市中銀行の分がたしか七百五十億ドルぐらいだったと思いますが、そのうち四百五十億ドル程度がアメリカの債権だということのようでございますので、アメリカの市中銀行の債権がかなり大きなウエートを占めているということは事実のようでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、このIMFが特別融資制度をつくって第三トランシュ以上の厳しい条件つけて金貸した、ところが、せっかく貸した金が、アメリカの市中銀行の債権焦げつきを救済するための金に変わってしまうという可能性はあるんじゃないですか。その点はどういうふうに防ぎますか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 債務国に対します融資の相当部分は、市中銀行の貸し付けがあるわけでございますので、IMFの特別融資をつくったために市中銀行の貸し出しが減ってしまうということでは意味はないわけでございます。今度のIMFの新しい追加措置を講ずるに当たりましても、私どもはその辺非常に気を使ったわけでございまして、量的に確かにIMFは少しふやしますが、同時に、いま申し上げましたようなコンディショナリティーをつけることによりましてその国の経済が再建される、赤字が減っていくというめどが世界的に立つわけでございます。そういたしますと、IMF以外の公的機関のみならず市中の金融機関も安心してその国に貸し付けを継続あるいは貸し増しができるという事態になりますので、私は、質的な意味においてもそういうようなIMFの役割りか、市中銀行を含めました全体的な資金の流れを円滑にする役を果たすんじゃないかと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 大体この特別融資制度の問題は、アメリカからこの案か出たというふうに普通見られているんですね。ウィッテフェーンIMF専務理事がわが国に来ていろいろ交渉した。そのときに日本政府は、当初の立場はアメリカの市中銀行の焦げつき債権を救済するようなことになったら、これ、もう意味がないというような立場をとって、若干消極的な立場であるということが新聞に報道されておりました。今度の首脳会議では、この新制度の発足に賛成したということになっているわけですね。そうしますと、アメリカの市中銀行のいわば焦げつき債権を救済するようなことにならないというような何らかの歯どめがこの融資条件につけられるということになったわけですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) IMFの融資に際しましてどの程度の条件がつくか、それはいまここで申し上げることはできませんが、アメリカの市中銀行の肩がわりになるんではないかという懸念は、ちょうどそのウィッテフェーン専務理事がこの構想を発表したとき、アメリカの市中銀行からずいぶん途上国に金を貸しちゃった、これ以上貸しにくいというふうな情報が流れましたので、その二つがひっつきまして、あたかもウィッテフェーンの考えておることがアメリカの市中銀行の肩がわりであるかのごとき印象を流したんじゃなかろうかと思います。ウィッテフェーン氏は四月初めに日本に参りまして、私ども会って、そういう点を含めまして考え方をよく伺ったわけでございますが、決してそういうことではなくて、さっき申し上げましたように、市中金融機関が安心して継続し得るというふうなことを、このIMFの追加措置によって果たし得るめどもついておりますので、具体的に融資につきましてどういう条件をつけるか存じませんけれども、私は、このIMFの追加措置を講ずることによって市中銀行が手を引くことはない、むしろ安心してついてくるということになるんじゃないかというふうに思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 なお、この問題についてもう一点伺いたいんですが、先ほど産油国が拠出金の半分ぐらいは持つという構想だという話を聞きましたけれども、新聞などを読んでみますと、特に最大の出資国と見られているサウジアラビアですね、これが出資を渋っているんじゃないかということが言われております。その辺の可能性はどうなんですか。十分に出資できるということですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) ウィッテフェーン専務理事が個人的な希望だとして発表したところによりますと、これ全体の規模が百四十億SDRで、そのうち半分七十億SDRを産油国に期待しておるようでございます。産油国の中では当然サウジアラビアが大口の国でございますので、具体的に幾らになるか知りませんが、七十億か産油国だとすれば、その半分以上程度サウジに期待しているのかと思いますが、それにしても相当大きな金額になりますので、すぐにウィッテフェーン氏が希望した額をコミットするかどうか、その辺につきましてはまだ私どもも、交渉かいま始まったところでございますので、確かなところは存じていないわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その辺かはっきりしなければ——それは制度を発足させるということについてはこうやって首脳会議で合意した。しかし、この首脳会議には産油国は参加していないんですよ。最大の出資国が、半分は持たなきゃならぬという出資国が参加もしていない首脳会議でこういうことを合意しても、一体本当に発足できるのかどうか。さっき南北問題は非常に重大だ、これを解決する方向を出したのが新しい側面だと言ったけれども、ちょっと可能性としては非常に疑問を持たざるを得ないということなんですよ。その点について伺いたいんですが、なぜサウジアラビアが一体出資をまだ応諾していないのか、その点はどうですか。何か理由があるんですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) いま申し上げましたように、何分これはサウジにとっても非常に大きな金額でございますので、これだけの金額をウェッテフェーンさんに頼まれて、はい、すぐ出しますというふうなわけにはまいりませんので、やはり、たとえば金利についてはどうするのかとか、期間をどうするのかとか、それからほかの国はどうであろうかとかいろんなことが絡んで、そして検討に、あるいは交渉に多少の時間がかかるんではないかと思います。先週の暫定委員会で大筋の合意がありまして、その合意の中でウィッテフェーン専務理事にこれからその交渉に当たってくれということが言われておりますんで、やはり何週間かというふうな程度の交渉の期間は少なくとも要るんじゃないかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 見通しとしてはどうですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) ウィッテフェーン氏の希望する金額をぴたりとサウジが出し、ほかの国も出すということは一〇〇%受け合うことはむずかしいと存じますが、金額はコミットしませんけれども、前向きにサウジその他出ているというふうに聞いておりますので、かなりの金額は集まるんじゃないかという見通しを持っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 サウジアラビアはもとよりですが、ほかの産油国もなかなかこの出資にすぐに応諾しないということの非常に重要な理由として、発言権の問題があるんじゃないかというふうに考えられるんですね、つまり金は出すと、しかし、発言権はそれに応じて与えられないというようなことではちょっと金は出せないというのが真相じゃないですか、その辺は解決できますか、どうですか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○政府委員(藤岡眞佐夫君) 実はIMFに対して資金を供与する国がどの程度発言権を持つかということでございますが、IMFという全世界的な組織の中に特定グループをつくりまして、そこが発言権を特に強く持つということも、これは制度的に問題があろうかと思います。IMF自身のシェアが、クォータがふえる場合にはそれに応じて発言権はあるわけでございますが、今般のIMFの第六次増資におきまして産油国の発言権は従来の倍になっております、五%から一〇%、これは産油国全体でございますが倍になっておりまして、発言権はふえております。それに加えまして、資金を供与する場合、たとえばGABもそうでございますが、供与の都度発言権を特に与えるということもなかなか制度的にはむずかしいと思います。しかし、GABの場合におきましても、実際に発動する場合にはG10諸国が集まって相談するという形において資金供与国の意見が反映しておるわけでございますので、今度この追加措置ができますときにどういう形になるか知りませんけれど、やはり資金を供与する場合にはこういう金利で、こういう条件というふうなことの当然その意思表示があると思いますので、その意味でそういう形の発言等は出てくるんじゃないかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、発言権の形としては、いわば何というか、IMFの制度そのものの中での表決権というようなものでなくて、融資に当たって若干の条件をつけるくらいのものだということなんでしょう。そうしますと、やはりこれは金を出すのを渋るのは私は当然のことだと思うんですね。と申しますのは、いま具体的にはIMFの問題で伺いましたけれども、やはり非同盟諸国、いわば発展途上国と言われておりますが、これらの国が世界経済あるいはまた社会についての発言をいま非常に増大さしているというのが私は世界の潮流だと思います。  まさにそういう国際的な潮流にこたえて、そして発展途上国との関係を緊密にしていくということこそ、新しい世界経済体制あるいは新しい社会秩序の創設という方向にふさわしい内容になるんじゃないかと思うんです。ところが、今度の首脳会議では、とにかく、いわば高度に発達した資本主義国の主要七カ国が集まってそうしてその範囲内でいろいろ合意をする。そうして一番最初申しましたように、一番この会議の中心議題の一つであった現在の世界的な経済危機、深刻な不況とインフレ、これどう打開するかという問題についても、全く在来型のやり方しか出てないんですね。いま伺っても同じような御答弁が返ってくると、いままでと同じような。そういう状態では、私は総理大臣が強調しておりました新しい世界経済秩序の確立だとか、あるいはまた社会秩序の確立だとかいうものにはほど遠いものじゃないかというふうに考えるんです。大臣はこの点についてどういう御見解を持たれるのか。また一番最初伺いましたが、重ねて伺います。一体、新しい世界経済秩序、新しい世界社会秩序というのは、どういう方向に志向したらいいと思っていらっしゃるのか、これを伺いたいと思う。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 最初から申し上げておりますように、この世界的な危局というものは、東西の問題あり南北の問題があり、諸般の問題がありますが、それをすべての国か、最大公約数と申しますか、そういったような手段、方法でもってこれを是正、改正していくということでなければいけないと私は思います。無論日本にとりましてもずいぶんいやなことも私はあろうと思います。あろうと思いますけれども、これはやっぱり日本の経済のためにも、世界経済のためにも、そこらのところも、ひとつ忍ぶとともに、大いにがんばっていただくということにやってのみ——これは坊主の説教みたいなことを申し上げまして大変失礼でございますけれども、そういうことをやっていくよりほかにいたし方がないのかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 坊主の説教とおっしゃいましたが全くそのとおりだなと思って伺っていたんですよ。いままでの場合でもそういうことをおっしゃればそれで済むでしょうし、何も新しい世界経済秩序という問題についての御答弁とはとても受け取れませんね。  それじゃ、何ですから私具体的に伺いますが、一番新しい側面だと言って第一に強調した南北問題について、IMFの特別融資制度、さっき私質問の中で明らかになったと思いますけれども、融資を受ける国のいわば経済的な成長を促すということに中心があるんだという趣旨のことを言われましたね。しかし、結局それは、そこの国に莫大な焦げつき債権を持っているアメリカの市中銀行、これの焦げつき債権を結局は救済していく措置にも通じているんじゃないかと思うんですね。これは私はアメリカの市中銀行だけじゃないと思う。いまのわが国の民間銀行も、市中銀行もそれはもう莫大な対外融資をしている。特に発展途上国に莫大なやっぱり事実上の焦げつき融資を持っておると思うんです。そういう民間金融機関の救済措置にも通じてしまう。これは南北問題の解決というよりも、日本で言えば大金融機関、そうして国際的に言えばアメリカの金融機関救済措置ということに通じていると言って差し支えないと思うんです。しかも、融資に当たってまさにアメリカ、日本その他の発達した資本主義国が最大の表決権を持つIMFが、かなり厳しい条件をつけなければ融資ができない、こういうことになっている。そうして今度の特別融資制度についても、大きな出資国である産油国の発言権が完全には保証されないというような状況のもとで発足しようとしている、これでは南北問題の正しい解決にならぬと思うんですね。  繰り返し強調しますけれども、この非同盟諸国、これの国際的な発言が非常にいま増大しているというのが、現在の世界の一つの特徴だと思うんです。まさに彼らとの提携を強化している、そういう方向によるいまの世界経済の問題、世界的な社会問題の解決を図るという方向を、日本政府が積極的に打ち出すことこそ、総理大臣の言う新しい世界経済秩序、社会秩序の確立という内容でなきゃならぬというふうに思いますが、その点どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) ロンドン会議におきまして合意しましたのは、IMFの特別融資というものをうまく使って、そうして非産油国、南の国といったようなものに対しての融資なり、あるいは贈与的融資なりというようなもの、これをやっていくと。それから、CIECにおきましても同様のことを考えておるわけでございますが、いま御指摘のとおり、そういったようなせっかくの手段が、これはアメリカを初めほかの国の金融機関の債務の肩がわりをすると、債務を返済するというようなことに相なりましては、これは全く目的達成どころの話ではないということでありますから、いまはそういうふうな基本方針は合意してまいりましたけれども、これをいかに運営していくかと、この合意に従いましてどういうことをやっていくかということについては、これから関係の国々が相談をして、決してそういったような効果を発生しないと、無効なようなことになってしまうということは、これはいたさないということでやっていきたいと、かように考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは、赤字国債の問題一問だけまず予備的に伺っておきたいと思います。  この間の本会議で、わが党の近藤忠孝議員が質問いたしましたけれども、重ねてこの委員会で質問あるいは要望をしておきたいと思うんですが、大量の赤字公債を含む長期公債がたくさん発行されるわけです。今年度の公債発行残高が約三十一兆円と、昭和五十五年度には五十五兆円になるだろうと、こういうことになっているわけですね。こんな大量の公債が一体消化できるのかと、政府の方は発行する立場だから、これは財政上必要だから出すんだ出すんだと、こう言っているんだけれども、しかし、国民からして見れば、一体これがどうなるのかというのが非常に心配だと思うんですね。それで、財政収支試算で昭和五十五年度までの国債発行のいわば試算が出ている。これがどういうふうに消化されるのか、それの試算を、これを提出していただきたいと思うんです。保有者別に昭和五十五年度までに、たとえば日本銀行はどのくらいの保有になるのか、あるいは市中金融機関はどのくらいの保有になるのか、あるいは資金運用部はどのくらいの保有になるのか、それからまあ個人保有ですね、これはどのくらいになるのか、これの具体的な数字と率、これをぜひ出していただきたい。  それからもう一点は、そのような保有者別の現在高の試算が可能となる条件ですね。いま国債管理政策がいろいろ議論されておりますけれども、どういう措置をとれば個人保有がふえるようになるのか等々、こういう措置、これも含めて当委員会に提出していただきたいと思います。それやっていただけますかどうか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) 先般の大蔵委員会でも先生からちょっとそういう御指摘がございましたんですが、財政収支試算、これはあくまで試算で、かなり前提が置かれております。それから日本銀行総裁が先般この委員会でお答えになりましたいわゆる全国銀行が五十五年末にどのくらいの保有になるかというようなことを、たとえば試算をしてみればということで、かなりいろいろな複雑な前提がついておるわけでございます。私は、その前提になるものは果たして大蔵省としてそれはアクセプトできるかどうかという問題もございますし、なおかつ経済のこの面につきましては、財政収支試算のように、たとえ年度間の発行がいま決められましても、年度末において、あるいは年度の途中において経済の状況がかなり変わってまいります。その金融環境の変化もございましょうし、それからたとえば五十二年度の現在におきましても、ただいまの保有状況と、秋の九月や十月ごろの保有状況とはかなり違ってくると思います。  したがいまして、そこにはあるいは広い意味の国債管理政策というようなものが、これからまたいろいろ打ち出されていくわけでございますから、そういうものを前提にして、さらに複雑にした上で五十五年度の保有状況を示せと言われましても、これはなかなかいろいろな前提の上にさらに前提をかけるということでございますから、まあ初めからできませんと申し上げるのは大変失礼でございますけれども、まあ私どもも大量の国債を発行してまいる五十五年度までの姿というものに対しましては、国民に対して非常に責任を持っているわけでございますから、勉強はいたしてみまして、途中でそれが大変むずかしいものであるかどうかということにつきましても、あるいはまた先生に御説明に上がるというようなことをもしながらでございませんと、いまのこの席でわかりました、承知いたしましたと言うのもこれまたまことに無責任な答弁でございまして、いままでのところでは私ども大変むずかしい宿題をいただいているような感じがいたしますので、あらかじめそういうことをおくみおきいただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間が来ましたので、いまのちょっと私納得できないので、保留して次の機会にまたやりますから。

三治重信民社党

○三治重信君 私は、きょうは資本市場というのですか、公債の消化ならびに流通関係について御質問をしたいと思います。  非常に大量な国債を五十年度からまた発行するようになり、政府の一応の試算によっても、五十四年まではやらざるを得ないという一応の試算がある。それも五十五年から赤字公債をなくすというだけで、建設公債はまだ何年続くかわからぬ、建設公債だろうが、赤字公債だろうが、資本市場でスムーズに消化されていかないと大変な問題といいますか、いわゆるインフレ問題が起きてくるわけなんで、そういう問題について質疑を重ねてみたいと思います。  それで、いままでも資本市場が日本において十分でないと、資本市場は育成しないと、いわゆる先進国の仲間入りができないと言われておったのですが、それとさらに加えて大量の国債を消化をしていく状況になって、この資本市場の育成対策というものを大蔵省はどういうふうに現在考えて、資本市場の育成政策というものをどういうふうにしていこうとしておられるのか、ひとつ基本的な方向を説明願いたいと思います。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) いままさに先生御指摘のとおり、日本における資本市場の育成というのはもう十数年来言われてきながら、なかなか発達を見なかったという原因はいろいろあると思います。しかしながら、最近の状況から見ますと、まあ、たとえば個人の金融資産等の動きを見ましても、かなり債券につきましての関心が深まり、また所有者の状況から見ましても、かなり国債を初めとする債券の保有はふえております。  したがいまして、この市場というものは、ある意味におきましては、今度のような公共債の大量発行というようなものに刺激された面、それを発行側から見た場合に、それもあり得ると思いますし、また同時に、いままで個人の金融資産のうちで預貯金が五〇%程度を占めておった、その預貯金に対する関心が、さらに金融あるいは債券というものを比べてみて、有利な債券の方に、またその傾向が移っていくというような、そういうような資金の流れがございましたり、あるいはまた今度は発行する側から見ましても、いい条件の証券あるいは国債、そういうものを出していかなければ消化していけないというような状況、そういうようなものをあわせて、やはりおのずから自然に資本市場というものができつつある、またこれから先はさらにできていくであろう、これまた自然のままの仕方で流していくということは、必ずしも当を得たことではないと存じますが、そこには、国債に関しましては、国債管理政策というようなものをかみ合わせながら、なるべく資本市場になじみ、国民経済の中で安定して定着していくような国債として育てていけば、それが資本市場の発達にもつながっていくし、大量発行下においてこれからいろいろ指摘されるような問題の解決にも、国債の条件なり、あるいは種類なりというようなものを工夫していくということも必要であろう、かいつまんで申し上げれば、そういうことから、あらゆる角度から資本市場の育成が必要であり、かついまそれはかなり機は熟しつつあるし、ただ同時に、かなり時間もかかる問題である、こういうふうに申し上げておきたいと思います。

三治重信民社党

○三治重信君 いまのは、資本市場が非常に改善されており、またいまから改善されるであろうというふうな説明にすぎないと思うんですが、むしろ大量国債の発行を踏まえて、日本の資本市場というものを、こういうふうにいまから改善、どういうふうに改善をしていきたいという一つの、どうしてもこういうふうに改善していかないと国債発行ができないし、日本の資本市場を、政府としてはこう改善したいんだという基本理念というんですか、基本政策というものは、端的に言って、一言、二言でははっきり言えないといいますか、そういうふうには簡単にいかないと、こう考えておりますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) 簡単に申し上げれば、やはりいままでの日本の経済は、間接金融中心の経済でございましたが、直接金融というものに対してかなりのウエートがかかってきたということからいくと、いままではどっちかというと、債券が冷遇と申しましたらあれですが、そういう形になっておった、それが資本市場におきましては、やはり条件が余り整わない債券、これはポンドでございますが、出されてくる、こういうことになりますと、おのずから資金の流れがそちらになかなか集まってこない、結局、端的に言えば、資本市場を育成する一つの目的は、手段としては、やはりこれは諸金利の金融のバランスの上に立ちますけれども、やはり条件等が相当やっぱり問題があり、どんなマーケットでも、どんな市場でも同じでございますけれども、いい品物が出回ってくるということに、一言に言えば尽きるんじゃないかと思います。

三治重信民社党

○三治重信君 まだはっきり、大体同じ方向だろうと思うんですが、私は、日本の資本市場は、いわゆる金融市場が主になっていて、直接金融が資本市場のほとんどを占めて、まあこういうような国債発行で、債券、証券市場というものがおくれていたために、非常に国債の消化の問題が、これみんなが憂えられていると、そういうぐあいになれば、資本市場というものは、直接な金融市場から債券、証券市場にバランスを重点をずっともっていって、全体の資本市場を、そういう直接金融から間接金融の方へもっていくと、こういう基本的な政策が、高らかに政府が大蔵省が言っていかんと、その点の不安が、資本市場の中で、先ほど来説明のように、非常に有利にはなってきて理解が深まってきたとはいうけれども、公債発行のテンポと合わぬで、むしろ混乱を来すというか信用が進んでいかないと、また対策もおくれるということになるんじゃないかということを言っているわけなんです。したがって、私としては、そういういわゆる銀行の預貯金、それを投資なり金融に使って——そういう債券市場が非常におくれたためにこういう問題がある。だから国債発行をしていくためには、そういう資本市場の中身を、非常に直接金融から間接金融に大きく前進といいますか、転換さす資本市場政策というものがなければいかぬと思うんですが、その点についての腹構えはどうなんですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) 基本的に私は先生のおっしゃることと余り違わないことを言っているんじゃないかと思いますが、ただ簡単に、市場というものを育成するといいましても時間がかなりかかるであろう、先生の御指摘は、その間に国債は遠慮会釈なく大量に出ていくから、そこの間のいわば歯車がかみ合わないで、その点が問題ではないかという御指摘と、それからそういった市場をつくっていくのに具体的に何があるかということであろうかと思いますけれども、これは、先ほどちょっと御説明いたしましたが、一年度間を見ましても、金融の変化というか環境の変化というものはいろいろ変わってまいりますが、それに対応してかなりきめの細かい対応策というものか、資本市場の育成の段階においても要るんだろうと思います。したがいまして、たとえば今度のような金利の改定が行われる、短期金利から長期金利まで改定が行われる。そういうような場合に、長期金利の中で、やはり国債を初めとする証債券の金利というものをどういうふうに位置づけていったらいいかというようなことから、やはりそこに一つの、先ほど申し上げました国民の側から見て魅力のある債券というものが出てくれば、それは国民のサイドでやはりそこに対して資金を向けてくるという姿が出てまいるわけでございます。いままではどちらかと言えば、発行条件が低過ぎたために、流通市場において流通価格と発行価格の間に非常に乖離が出てくるというような問題があって、債券に対しての魅力が薄かったと、そういうものを解決していくことは、一挙にはなかなかできない、それはやはり金融の環境あるいは経済の実力に合わせながら徐々にそういう市場に対して、ごく自然な形で入り込んでいくというのが一番いいやり方ではないか、それでございますから、今度の長期金利改定までの間におきましても、国債一つを例にとれば、国債に対して、まあ若干ではございますけれども、魅力のあるような金利にもっていくように努力をいたしたわけでございますが、五十年の十一月の大幅な金利改定のときの、これは国債に対してかなりの配慮を払ったというようなことでございまして、大量発行下における国債の市場におけるあり方なり、あるいは定着の仕方なりというものは、これから先きめ細かく経済の動向に合わせてやっていくということになるんではないかと思います。

三治重信民社党

○三治重信君 そうしますと、いまの、何というのですか、国債の所有区分の調査を依頼しておりましたんですが、資料を見えて、日本ではいわゆる中央銀行や金融機関、いわゆる銀行が持っている比率が非常に高い。それがまあ先進国の比較においてアメリカやイギリスやその他の国では、わが国より相当低いと思うんですが、こういうのも、何といいますか、この点はこれでいいんだと考えておられるんですか。こういうものの構成比を、アメリカやイギリスや西ドイツやフランスとの比較から見ても、どういうふうに、まあどの国の国債の所有区分に持っていくのが大蔵省としては目標とされておるのか、そういうことでなくして、日本は日本でやると、こういうふうに言われるのか。その点ひとつ今後の大量発行のことも考えて、国債の所有区分の構成比をどう考えておられるのか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) 先生のお手元にあります資料は、私恐らく日本とアメリカ、イギリス、西ドイツあたりと比べたあれでございますと思いますが、一口に国債と申しましても、アメリカの場合には短期国債が含まれておりましたり、日本の場合にはそれが入っておりませんでしたりいたしますので、一概になかなか比べるのがぴったりいかぬわけでございますけれども、たとえばいまの表でごらんいただきましても、日本と諸外国に比べまして、日本の個人の国債消化というのは、つまり保有というのは非常に低くございます。これは国債に限らずいわゆる有価証券という形で個人の金融資産を見てみました場合に、日本の場合は大体五〇%近いものが預貯金でございます。外国においてはそれが大体二〇%近いところがせいぜいだということでございまして、やはり有価証券の保有という形におきましては、日本の比率が非常に低いわけでございます。これは先ほど触れましたような原因でございますが、私はそうは申しましても、いまの日本の経済のこの五年やそこらの見通しの中では、やはりそれは何と申しましても金融機関の市中消化ということを、これは市中消化の量においては依存せざるを得ない。できるだけ個人消化の領域を広めていくということを図りながらでも、やはり金融機関消化という形をこれを諸外国、これは国によってずいぶん違いますけれども、アメリカあたりは金融機関というのは、保有枠が非常に低うございますけれども、私どもはそういう消化先の、保有先の状況というものは、いま申し上げたようなことでございますけれども、その保有者それぞれに抱えておる国債に関するいろんな問題点、そういうものを洗いながら長期の、まあかなり中期の大量発行に備えてきめの細かい施策をやっていく以外にはないのではないかと。したがって、将来個人保有をほとんど一〇%近くに上げますというようなことを私どもはそれは考えているわけでもございませんし、またわれわれ可能とは考えませんが、金融機関消化というものがかなり続くとすれば、大量な金融機関消化につきましても、それがいま抱えているような問題をどう解決していくかということをやはり掘り下げて検討してみなければならない、そういうふうに考えます。

三治重信民社党

○三治重信君 非常に、何といいますか、慎重と言われるのか、まあなるようにしかならぬというふうな答弁でどうも物足りないんですけれども、やはり金融機関なり、ことに中央銀行が所有の割合を高めるということは、決して資本市場育成から言っていいことじゃないと思うし、四一%というだんだん金融機関のいわゆる銀行の持ち分が多くなるということも好ましくないと思うんですが、私はまあ本当にこの国債の政府の発行予定を見ても、個人消化に本当に特段の努力をする方向でないと、国債というものがインフレの原因だということに言われるようになるんじゃないかと、こう思うわけなんですが、国債の個人消化について格段の工夫というんですか、努力をやろうという意欲はないんですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) 国債の個人消化につきましては、現在におきましてもかなりの進歩を遂げてきたわけでございまして、三年前の四月は大体月平均が百五十億ぐらいでございます。それが昨年の四月は五百億ぐらいいっております、月平均が。現在ことしの四月は千六百億台でございます。したがいまして、個人消化という点につきましては大蔵省としても大変熱を入れてきたわけでございまして、またこれは証券会社等が相当そういう国債消化について努力をしているというようなところが数字としても歴然とはっきりあらわれておるわけでございますが、そのほかにも個人消化のためにいろいろと工夫が現在もなされておるわけでございます。税制上の問題もございますし、担保金融の問題もございますし、それからさらにいままで十年もの一本でやりました国債を、もう一つ国債多様化という形で国民のニーズにこたえたいということで、中期割引国債を発行するというようなことをことしの一月からやったわけでございます。ただ、それだけで十分だとは私ども考えておりません。あくまでもいまから先も国債の個人消化に対していろんな工夫をしながら、市中消化の何といっても柱でございますから、そういう工夫をしながら、これからも努力してまいりたいと思っておりますが、いまの最初に申し上げました数字でもごらんになりましたように、かなり個人消化というものが進んできたというのは、それなりに御評価いただきたいと考えるわけでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、ひとつこの基本に戻って、個人の日本における貯蓄、日本は非常に勤労者でも一七%とか多いときには二〇%も貯蓄をすると、こういうふうに言われているわけです。この貯蓄の構成が、非常に私の方の手元の資料だと、貯蓄の中で、結局、定期性預金というものが四割を占める、有価証券だと一七・八%と、これは何というんですか、四十九年の貯蓄動向調査報告、総理府の統計局、こういうふうなのが出ておるわけなんですが、これを見ても、私はこういう個人の貯蓄の形を、定期性預金から有価証券の方へ変えていくことが、国債の個人消化の一つの秘訣になってくるわけで、国債を消化するために貯蓄率をさらに上げろといったって、それはなかなか上がるものではない、こういうふうに思うわけなんですが、そうすると定期性預金と有価証券の消化の、有価証券を持つのの有利さの比較といいますか、安心度の比較ということなんですが、日本がなぜ、何というんですか、一般の庶民は定期預金になり郵便の積み立て預金になり、そうして有価証券がうまくいかぬというのは何が原因だとお考えになっていますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) これはなかなか、私どもいろんな分析はございますけれども、これだということはなかなか申し上げにくいような、それはわかっていて申し上げないというのじゃなくて、なかなか一口で申し上げにくいいろんな背景があると思うんです。したがいまして、預貯金だけに限定しておった貯蓄を債券にかわると言いましても、それはやはり金利選好でご覧になる場合もありましょうし、その金利選好でやりました場合にでも、それが税を頭に入れて国債とほかの債券とを比較されて、国債ならばということで向かわれる方もありましょうし、依然としてやはりある程度の預貯金は安心のために銀行にそのまま置いておこうというような方もありましょうから、私どもとしては、できるだけ国民が自由に選択できる、そういう国民のニーズというものが出てきて、それに見合うようないわゆる貯蓄手段というものがそこに登場しているというふうな形に持っていきたいと。しゃにむに個人消化を図るために国債に何か資金が向かってくると、こういう形を考えているわけではございません。  ただ背景としましては、従来とかく長期資金の方が低目に置かれてきた、したがって、長期債が金利的に見れば低目になっておるという点で、どちらかと言えば、預貯金に国民の資金が向かっていたという事実はあるかと思います。これから先も、ですから、銀行から預金をおろして国債を買いなさいと、こういうようなことではなくて、むしろそれは、国債には国債の魅力があり、それから郵便貯金には郵便貯金の魅力がある、あるいは銀行預金の方がベターだというようなことを考えるのは国民の側でございますから、できればそういったインフォメーションをよく与えておいて、その上で、そのニーズというものが出てきた、そのニーズにこたえる物をできるだけ多様化していけばいい。そうなりますと、恐らく日本の場合にも、諸外国と同じようにかなり有価証券への関心というものはこれから出てくるんではないかと。それからその中において国債の魅力というのが増してくるんではないかということも考えておるわけでございます。それが先ほどから、この二年間の間にかなり個人消化が進んでまいりました点も、国民がやっぱり関心を持ってくれたということにもあるかと思います。したがいまして、個人消化のために、あるいは有価証券とか、あるいはそういう債券選好のために積極的な何か政策を打ち出して、そしてその金融機関の資金をこちらに流そうというような、そういう姿を頭に描いているというわけではございませんで、あくまでも資本市場というものはそういうふうに自然に育っていくものではないかと。そういうことでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 まあ、おたくの方で、銀行や各金融機関をみんな持っておられるから、ほかの局のことを刺激しちゃまずいと思って言っておられるのかもしれませんが、しかし現実に国債は、いまも見たように金融機関にみんな持たしているわけでしょう、銀行や信用金庫に。そしたら信用金庫や銀行は資金の固定化で困ると、国債の消化を義務づけられていると。こういうふうになれば、そうすると金融機関のそういう国債の割り当てみたいに持たされているやつを、銀行もそんな割り当てじゃなくて自由に消化できるようにするように公債政策というものをやらなければ、これはあれじゃないですか、理財局長としては何というのですか任務を果たさぬことになるんじゃないかと思うんですが、どうです。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○政府委員(岩瀬義郎君) 私もそのように思います。したがいまして、資本市場の育成につきまして、公社債市場の育成につきましては全力を投入しておるつもりでございます。ただ、それはそうでございますけれども、時間のかかる問題、それから同時に、まあ国債だけが一人歩きをするというような形ではなくて、むしろやはり債券に対してのいままでの国民の関心がなさ過ぎたというか、あるいは低過ぎたといいますか、そういう点に対する啓蒙の仕方とか、あるいはいま御指摘のような、銀行や何かが持っておる国債というものが、仮にそれをもう少し流動化するためには、かなり厚い市場がございませんと、これは価格が乱高下いたします。価格が乱高下するということは結局持っておる国民にも迷惑をかけるわけでございますから、どうしても、追っかけっこみたいなことでございますけれども、かなり時間をかけながら市場の厚みを増していかさせるような方法、そして同時にそれは債券の魅力ができてくるということと、それからそういうものに啓発されてまた国民の選好も変わってくるというようなものの絡み合いだろうと私は思っております。ですから、どこから始めるかと言えば、一つはやっぱりいい国債を、国民が喜んでもらうような国債を出すということだと思いますが、同時にいい債券が出てくる、同時にまたそれは国民が比較しいいような環境をつくっていくということを、いろんなものが集まって資本市場の育成という形になるんだろうと思います。

三治重信民社党

○三治重信君 大蔵大臣、先ほどから議論をお聞きになっているとおり、局長は同じことばかり言っているわけ。しかし、これだけの大量の国情を出していき、しかも日本ではほかの国との比較においても、銀行は、銀行と中央銀行、いわゆる日本銀行と合わせれば七割近くも持つということになってくる。そうするとこういうことが、みんな、大量国債発行をやっていくときに、銀行と日本銀行がみんな抱えさせられるということはインフレになる。また、現実に民間の設備投資が、やろうとしても銀行はもう政府に国債を抱えさせられちゃってあっぷあっぷして民間の設備投資もできないと。こういうふうなかっこうに、国民全部が、いまの金融機構から、資本市場からいけば当然判断してくるという、それをぼくは言っているわけなんです。したがって、金融機関、日本銀行や銀行の持っている割合をどうして減らしていくか。そうすると、個人消費というものをふやしていくということが大蔵省として当然もっと熱を入れなくちゃならぬと思うんですが、そういうことについて、国債や、将来の日本の景気回復のときに、民間の設備投資をやっていくときの金融機関というものがそういうことができぬように国債をしょわされちゃうということは、いまの態勢からいけば当然考えられること。そうすると、個人消化というものを少々——いまは銀行に無理して持たせちゃっている。ところが、個人消化というものを、無理——無理と言っても割り当てて買えというわけには戦時中みたいにいかぬから、いろんな対策をやる。その対策まで入ろうと思ったけれども、入る前に時間が過ぎちゃってしょうがないんですが、やはり大蔵省はよっぽど個人消化についてもっと策を——策の前に、個人消化というものをもっとふやすんだと、先進国のほかの国のようにふやすんだという基本的な政策を持ってもらわぬと、インフレに対する危急というものは私はなくならぬと思んですが、どうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(坊秀男君) 国債は、私は大事なことは、個人に愛され、かわいがられるというものでなければならないと思う。そのためには、個人が資金を保有するに当たってこれが魅力のあるものであるということが一番大事なことだと思います。ただしかし、そこには他の債券とのやっぱりバランスということも考えられます。しかし、いやしくも国の債券、国債というものの魅力というものは、これはどうしても他の債券に比べまして、自然おのずから国民がこれに対する評価をしていくものでなければならぬと思いますが、そういうようなことをやっていくために、先ほど来理財局長もお話があったと思いますけれども、今後ともそういう面において鋭意力を入れていくと。要するに銀行がこれを消化するということでも、いずれにいたしましても、これは個人的に評価されておるものであるということならば、銀行もこれを消化しやすいということでございますので、いろんな方法を講じまして、個人に魅力のある債券ということに持っていかなければならないと、かように考えます。

三治重信民社党

○三治重信君 じゃあ、個人に魅力ある、購入のそういう政策と、それから私はもう一つその新しい政策として、今後国民の増加する資産あるいはこの財産について、その資産の、財産の不公平さを是正するためにも、国債のこのいわゆる低所得層なり一般庶民に有利に所持さして、将来の日本の資本形成の中に、この一般の市民もその持ち分を持つような積極的な財産形成政策というものを考えているわけ 考えているといいますか、考えてもらいたいと思う。その一つとして、労働省がやったいわゆる持ち家の財産形成政策なんかは一部成功している。これをさらに国債にもひとつ応用的な問題として、今後のものについて、財産形成政策的な国債の個人の持ち分、いわゆる一般の個人所有というものまでひとつ、日本、この国民の資産の財産形成に役立つ国債の消化対策も考えてもらいたいという考え方も持っているんですが、この点について、この次にまたさらに質問さしていただきたいと思います。

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) 暫時休憩いたします。    午後五時一分休憩      —————・—————    午後五時十七分開会

安田隆明自由民主党

○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十八分散会      —————・—————

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