大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/03/24
会議録
○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 昨二十三日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として岩動道行君が選任され、本日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として山崎昇君が選任されました。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 印紙税法の一部を改正する法律案、登録免許税法の一部を改正する法律案及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案、以上三法案を便宜一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○竹田四郎君 印紙税法について若干お尋ねをしておきたいと思いますが、印紙税法を見ますと、下が五十円を百円に上げている、上の方で一億円を超すものは幾らか段階をつけてやっているということに全体的にはなっているように思いますけれども、たとえば不動産、鉱業権、無体財産権云々、航空機または営業の譲渡に関する契約書とか、これ調査室でまとめてくれたようでありますけれども、これを見ると中は動かしてないわけですね。下を上げて、上を上げているけれども中は動かしてないと、これは一見非常に何かおかしいのですがね。全体的にこう上げているというならわかりますけれども、下だけを上げている。これは一体どういうことなんでしょうか。
○政府委員(大倉眞隆君) 今回の改正の考え方の一つが、定額税率を引き上げさせていただきたい、五十円を百円にお願いいたしたい、これと同じように千円のものとか一万円のものを倍にさせていただきたい、もう一つは、階級定額になっておりますものの一番上の部分を、前回改正以後の取引の大型化というものに即応するように、上の方の刻みを追加させていただきたいという二つから成り立っておりますので、まさしくおっしゃいますように、階級定額の真ん中の部分は原則として手をつけない、ただ部分的に千円、三千円、一万円というふうに飛んでおりますところを、この機会に千円、五千円、一万円というふうに直さしていただきたい、ごく一部分だけの手直しになっております。それは階級定額税率と申しますのが、一番根元にございます考え方は、これは比例的な負担を求めたい、したがって取引が大きくなれば印紙も大きい印紙を張っていただくということにしたい、それから出発いたしまして、しかし純粋の比例税率にいたしますと、たとえば万分の一という税率でずっと統一いたしますと、実際の取引は何千何百何十何万円というふうになりまして、その端数の印紙をまた張っていただかなくてはならぬ、それは実務上納税者の便宜のためにちょっと煩にたえないということで、荒っぽい刻みをつくりまして、この金額からこの金額までは何万円、したがって、一千円から五千円になり一万円になりというふうに、大きい契約であればだんだん大きい印紙になるということにさせていただいておるわけでございます。 したがいまして、それはいまの例で申し上げますれば、万分の一という税率を万分の三なり万分の五に上げるかというように判断いたしますと、この階級定額の中の部分も上げていかなくてはいけないことになる。ただ、今回お願いしておりますのは、そのように万分の十であれ万分の一であれ、それぞれにいま決められております比例的負担はこれは直す必然性はないのではなかろうか。つまり、その仕組みの中で契約が大きくなれば、それなりに大きい印紙というふうに動いていくわけでございますから、そこは直さない。しかし、一番下のところは、前回改正以後の所得、物価の動きを見てこの機会に直すことをお願いいたしたい。一番上は天井を打っておりますから、その天井を少し上の方まで押し上げて新しい刻みをつけ加えていただきたい、そういうお願いをしているわけでございます。つまり、比例的負担にほぼ実質的になる部分というのは、それは直すことをお願いしておらないわけでございます。
○竹田四郎君 どうも下だけ上げて中間はそのままにしておるというのは、どうも見て納得ができないわけであります。いまいろいろおっしゃられたんですけれども、確かに百円刻みでやる方が便利だとは思いますけれども、しかしどうもそういう点にもう少し公正な立場を貫くべきではないだろうかと、こういうふうに思います。 第二点は、預貯金の証書のところですが、これも大体預貯金の証書というのは金額が少ないものなのかどうかわかりませんけれども、これは預貯金だけでなくてほかの貨物引換証もあれば保険証券もある、信用状もあるということになりますと、これもいろいろな金額あると思うんですがね。これは一定の金額というのはどうもこれもよくわからない。当然大きい額の預金についてはやはり階層的にやるのがあたりまえではないのかと、こういうふうに思うんですが、この辺のところも、これじゃたくさん預金しても少しの預金でも預金証書を出す場合には同じだと、その他のほかの問題でも同じだということになって、この辺どうも理解がいかないわけですが、これはどういうわけですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 御指摘の御趣旨はよくわかります。それで、印紙税は文書税という限界がどうしてもつきまといますけれども、その中でやはり先ほど御説明いたしました大きな金額ならば大きな印紙という思想をなるべく取り込んでいきたいという考え方は一つございます。それで前回の改正のときに売上代金の領収書にそういうような仕組みを取り入れさせていただいたわけでございます。考え方の流れといたしますと、預貯金証書につきましても、大きな金額の預金証書については、いまの百円でなくて、もう少し大きい印紙をという考え方は確かにあってよいと私どもも思います。それで議論を大分いたしてみたわけでございますが、おっしゃいましたようなバランスから申しますと、お手元の資料でごらんいただきますれば、五号文書でございますが、五号文書という株券、出資証券、社債券それから投資信託、貸付信託の受益証券、こういったものが非常に荒っぽい刻みではございますけれども、ある程度大きな金額は、その百円じゃない大きな印紙となっておりますので、これとのバランスはどうかということで大分議論をいたしたわけでございます。 ただ今回の改正につきましては、結論的にはやはり株券、社債券というような五号文書になっております証券類は、いずれも有価証券である。一般に譲渡性がある。それからまた一般論として寿命が長い。それに比べて預貯金証書というものはこれは譲渡性はない、免責証券であるにすぎない。それから寿命が長いものでも二年であると、普通は一年とか短いものが圧倒的に多いということがあり、それからまた改正後で五百万円まではとにかく五号文書は百円でございますが、いまお願いしております案で。預貯金証書というのも圧倒的に五百万円以下が多いんだというような事情もございまして、両者相合わせまして今回の改正案では、あえて預貯金証書に五号文書のような仕組みを持ち込まないということにいたしておりますけれども、御指摘の御趣旨は私どもよくわかるつもりでございまして、今後の研究課題として、預貯金証書について五号文書と同じようなものを盛り込んでいったらどうかということを、なお関係局の方と一つの課題として勉強を続けてまいりたいと思っております。
○竹田四郎君 債券は全部長期というわけでもございません。短いのだってあるわけでございますから、貯金の性格とほとんど変わりはないと思うんです。これは検討し直してもらわなくちゃいけないと思いますが、もう一つは、恐らくこういうふうに決められていて、恐らく罰則も決められていると思うんですけれども、実際には張るべき印紙を張ってないというのも私は相当あると思うんですが、そういうのでいままで罰則を受けたとか、告発をしたとか、そういうことは余り聞かないのですけれども、手数がかかるからそんなことはやめた方がいいということなのかどうかわかりませんが、一応法律はあるわけですから、そういう張るべき印紙を張ってないというようなことは、一体御調査をどんな程度にどんなふうにして、実際どのように処理しているのか、とかく忘れがちな点でありますが、その辺はどうなっておりますか。
○政府委員(大倉眞隆君) これは国税庁からお答えするのが本当なのかもしれませんが、便宜私から知っております限りのことでお答えいたしたいと思います。 一般論といたしましては、明治以来の税でございまして、何と申しましょうか、納税者の方々の間には非常に広く定着しておる。したがって 大事な書類をつくるときにはやっぱり印紙を張るんだという慣行がかなり広く広がっておって、非常によく張っていただいているんではないかというふうに思います。思いますけれども、まあ忘れてしまったとか、あるいは場合によっては意識的にもう張らないとかいうこともあり得るわけでございまして、実際は契約書の作成者が印紙を張らなくてはいけないわけですが、たとえば受取書のようなものは出した方にはもうなくて、もらった方にあるんですね。法人なんかにつきまして間税の職員がある程度の数を、事務量を見ながらまとめて調査をするわけでございます。保管している領収証にずっと印紙が張ってあるかどうかを調べるわけでございます。 その場合の罰則的な規定といたしましては、もちろん故意に逋脱したというのには、それは刑事罰までまいりますけれども、単純な張り漏れとか、あるいは張るべき印紙を間違えておるとかいうものにつきましては、長い間御承知の通告処分という制度でやってまいりました。通告処分というのは、実は刑事罰の前提処分でございまして、所定の期日までにその不足分を納付していただければよし、補足していただけなければ告発いたしますという非常にこわい制度でございまして、もし告発されてしまうと、会社なり当事者に刑事罰、まあ張り漏れとか張り間違いというのにいかがなものかというような御議論を重ねました結果、四十二年改正で過怠税という制度に切りかえられております、軽微なものは。過怠税と申しますのは、たとえば百円張るべきものが張ってないといたしますと、その三倍、三百円という過怠税を納めていただくということで現在は運用されておりまして、私の承知しておりますのでは、最近におきます過怠税の徴収額は、四十八年度で一億一千一百万円、四十九年度で一億一千四百万円、五十年度では五億六千八百万円ということになっておるようでございます。
○竹田四郎君 これ、いまの数字を聞きますと、五十年には大分ふえておるわけですね、五倍くらいに。これは一体どういうわけなんですか。その四十八年、四十九年というのは割合低いんですが、これは価格が上がったからということなんですか、どうなんですか、これは。
○政府委員(大倉眞隆君) これは申しわけございませんが、ちょっと国税庁に問い合わせまして急にここの金額が大きいのも私もその数字見ながらはっきりいたしませんので、御質問の時間中にお返事申し上げたいと思います。
○竹田四郎君 じゃ、印紙税のことはこのくらいにいたしまして、関税のきわめて技術的なことを先に伺っておきたいと思いますが、特恵のシーリング枠というのは今度改められるわけでございますけれども、いままでよくシーリング枠が小さくて、せっかく向こうからシーリング枠の適用ということでこちらへ輸出をしてくる、輸出をしてきたときにはもうその枠一ぱいだということで、よくその辺がいままでの若干の争いになったことがあるわけでありますけれども、今度の改正で、そういうことはやっぱり枠はふえたけれども、しかし同じようにそういう問題が出てくるんではないだろうかという心配があるわけでありますが、輸出する方は特恵のシーリング枠のつもりだけれども、もうこっちへ申し込んできたときにはもう枠は一ぱいだということで、思うように日本は物を買ってくれないんだという非難の対象にもなりやすいことだと思うんですけれども、その運営にそういうようなことは今後あるのかないのか、どうなんでしょうか。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま御指摘のありましたように、工業製品につきましては、特恵関税制度のもとにおきましてシーリング枠を品目別に設けておりますので、その枠が一ぱいになってしまうということにつきまして、従来からも特恵の受益国の側あるいは輸入者の側からそういうような苦情を聞いておったところでございます。ただ今般の改正につきましてお願いしております点の一つといたしまして、特恵シーリング枠を計算いたします基準年次を、発展途上国などの強い要望にもこたえまして、現行は四十三年が基準年次になっていますが、それを五十年に改めた次第でございます。したがいまして、大まかに申しましてこの基準年次を七年新しくすることによりまして、シーリング枠はおおむね七割程度ふえるということになるわけでございます。その上さらに、現行でもそうでございますけれども、シーリング枠の弾力化という制度を現行も持っております。その制度は維持していくということになっておりますので、かなりその事情は緩和されるものだろうと思っております。ただ、やはり依然として枠自体は残るわけでございますから、その枠に近くなったときにはそういう問題が起こり得ると思いますけれども、何分にも七割もふやすものでございますから、したがいまして、その辺の摩擦はかなり緩和されるというふうに思います。
○竹田四郎君 恐らく七割ふやしても、これ金額でいくんでしょうから、量だけじゃないでしょうから、金額でいくということになりますと、やっぱりその枠というのは相変わらず、大きな枠ではなくて、やっぱり狭き枠ということになると思うんですが、今日のようなこういう段階で、国内産業の保護という面もその中には当然入っているんでしょうけれども、やはりもう少しその弾力性というものを広げて私は考えていいんじゃないのか、余りそれにこだわり過ぎているということになりますと、やっぱり批判というものが非常に強く出るわけでありますから、むしろその辺の調整というものは、国内の産業構造の中で調整をしていくということを私はどっちかと言えば考えるべきじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、御答弁は要りません、要望だけしておきたいと思います。 この前、渡辺さんからも、いわゆる新国際ラウンドあるいは東京ラウンド、この話が実は出たわけでございますけれども、今度のこの改正案と、東京ラウンドとは一体どういう関係にあるんでしょうか。またどういう関係だというふうにわれわれ理解してこの審議に当たったらいいんだろうかというふうに考えるわけです。これは、この間の日米会談でも東京ラウンドについてはいろいろ話が出たようであります。まあ七七年に決定を見るということになっていて、これについてはいまのところ変更はあったというふうに私ども聞いておりませんから、七七年、ことしいっぱいには結論を出さなくちゃならぬ、こういうことでありますが、この東京ラウンドと今度の改正案というものはどう理解し、今後またこういうものの、東京ラウンドの結論が出てまいりますと、また関税法についてのいろいろな改正というようなものが行われるであろうと思いますが、それが一体今後どんなふうに行われていくだろうかという問題も同時にあるわけでありますが、その辺を一体どう考えておりますか。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま御指摘のありましたように、現在の東京ラウンドは、本年末を目標にいたしましてその妥結に努力するという方向でありますのは従来と変わらないところでございます。ただ、いろいろ問題はありますけれども、その目標に対して努力をしてまいろうということであることは従来と変わりはございません。それと、東京ラウンドと今回御審議をお願いしておりますこの法案との関連、今度の改正との関連についてお尋ねでございますけれども、まず第一に申し上げられると思いますのは、今般の改正案におきまして熱帯産品につきまして特恵関税を新設する、あるいはその税率を引き下げる、あるいは暫定税率を設ける、あるいは下げるというような改正をお願いしております。 この結論は、先般来ガットの場におきまして熱帯産品についての一つのグループがございまして、そこで発展途上国から非常に数多くの要望が各国に出されたわけでございます。それにつきましてわが方も対案を提案いたしまして、その話し合いの結果まとまりましたものにつきまして、本来でありますれば、ガットのその協定の中に織り込んで実施すべきものでありますけれども、しかし、発展途上国からの御要望は、一日も早くそれを実施してもらいたいという御要望が非常に強いものでありますので、その協定全体の成立を待つことなく、今般の改正案に織り込んで、国内措置で早く実施するということにしたのが第一点であります。 それから、第二点でございますけれども、これは、過去数年にわたりましてわが国の関税は非常に逓減の方向で毎年法案をお願いしてまいったわけでございます。したがいまして、最近の年次におきましてはかなり関税の引き下げは規模も小さくなってきておるところであります。しかも一方、ガット全体の立場で、恐らく工業製品を中心としてということになろうと思いますけれども、関税の大幅引き下げを検討するという際でありますので、したがいまして、全体的な大きな見直しというのはそのガットの場にゆだねるという考えでございます。したがいまして、全体といたしましては今般の改正案の規模はわりあいに小さいものとなったということが言えようかと思います。
○竹田四郎君 大蔵大臣にお伺いしたと思うんですけれども、日米首脳会談でも、東京ラウンドの話は出たようであります。そして合意をされたというふうな新聞報道があるんですが、具体的にはどういう点で合意されたのか。これは、まだあしたにならないと総理、帰ってこないからあるいはわからないのかもしれませんけれども、しかし、担当者は、大体電報もきているでしょうし、行くときにもこの話は、恐らく大蔵大臣と総理との間にやっぱり東京ラウンドの話も私は出ていたんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、どういう点で合意されたんですか。
○国務大臣(坊秀男君) 外務省から……。
○説明員(松田慶文君) 大蔵大臣の御答弁に先立って、事実関係を中心にお答えを申し上げます。 一昨日二十二日、福田総理大臣とカーター大統領との間で共同声明が発出されたわけであります。その第四項の一部には、両者、すなわち総理と大統領が世界貿易の自由な発展の必要性について意見の一致を見た。「この関連において多角的貿易交渉東京ラウンドの早期かつ重要な進展を図り、同交渉をできるだけ速やかに成功裡に妥結せしめるとの決意を表明した」というふうにうたわれております。すなわち、首脳会談におきましては、自由貿易の堅持という、言いかえると保護貿易の抑圧という協議、議論の過程から東京ラウンドの推進の必要性について両者の見解が一致し、これに基づいてただいま読み上げましたような共同声明が発出された次第でございます。
○竹田四郎君 そうしますと、大蔵大臣、この共同声明ということは、アメリカも七七年には結論をひとつ出そうと、こういうふうに理解していいわけなんですか。それとも、ただ抽象的な、早くやろうということなのか、その辺はどうなんでしょうか。——それは判断ですわな。
○国務大臣(坊秀男君) ただいま外務当局からお答え申しましたとおりでございますが、両国はこれを積極的に推進していこうということに同意をされたというふうに私は聞いております。
○竹田四郎君 そういうふうに聞いたということは、東京ラウンドのやっぱり責任の省庁というのは、恐らく私は大蔵省あたりはかなり重要なところだと思いますけれども、それに基づいてまあ早くやるということは当然だろうと思うんですけれども、一体、今年中にまとめてしまえという理解、そういう理解で合意されたのかどうなのか、その辺を聞いておきたいわけですよね。それでさらに、なぜかというと、五月には先進国の首脳会談がやっぱりあるわけですよね。ここでも恐らく東京ラウンドの話というのは、私は当然出るんじゃないかと思うわけです。今度の日米会談というのは、言うならば五月の先進国首脳会談に対して日米でひとつ歩調を合わしておこうと、こういう意図も福田・カーター会談には私あったと思うんですね。そうしますと、よっぽど日米会談に基づいた合意というものが、ある程度具体的に理解をされていないと、今度は五月の首脳会談に行って推進するというわけにはまいらぬようになるんじゃないかと私は思うんですよね。ですから、共同声明に具体的になかなかそこまでは恐らく書けないと思いますけれども、しかし、それは双方のそれに対する理解をどう理解していくかということによって、日米間でさらに話を詰めるなり何なりをしておかなけりゃならないように私は思うんです。そういう意味では、ただ単に抽象的なことではどうも済まされない段階に来ているのではなかろうか、こう思うんですけどね、どうでしょうか。
○政府委員(旦弘昌君) 新ラウンドの目標につきましては、先般、一昨年行われましたランブイエの首脳会談、あるいは昨年行われました首脳会談におきまして、それぞれ七七年末にその妥結を目標に努力するということが確認されておるわけでございまして、その方針は現在も変わらないものと思う次第でございます。ただ、世界全般の経済の不況の状態、あるいはアメリカにおきます政権の交代というような事情がございまして、ややこのところ交渉が中だるみ的な印象を与えておるところでございます。したがいまして、ガットの事務局長でありますロング氏は、ことしの一月にアメリカを訪問し、また先般はわが国を訪問いたしまして、これらの二国に対して新ラウンドを積極的に推進するように協力を要請したところでございます。もちろん両国ともその意向には全く全面的に賛成でございますので、これらの二国が推進力となって、今後進めていくことになろうかと思います。 ただいまの御指摘の今回の日米首脳会談の共同声明には、先ほど外務省からお読みいたしましたような文言でありまして、具体的にいつまでにということは触れておりません。ただ積極的になるべく早くやるという精神はあらわしておるわけでございまして、その辺の精神のあらわれ方、表現は、五月に予想されます第三回の首脳会談においてどういうふうになるかというところにかかっておりますが、なるべく早くということにつきましては、いかなる国も異議のないところであろう、かように考えております。
○竹田四郎君 この新国際ラウンド、まあこれについてはそれぞれの国がある程度案をもう出していると思うんです、主なところは。小さなところは出していないでしょうけれども。まあそういう段階ですから、早くやろうと思えばできる段階にあると言っても私はいいと思うんですよ。しかしそれが七三年ですか、そこで終結をするという初めの約束がやはりまだかなりおくれてきている。そのおくれてきているということは、いままあ一つのアメリカの大統領が交代をする、あるいは新通商法等々の関係もあったかと思うわけでありますけれども、しかし、やはりそれだけ長引いている、あるいはその前にできなかったというのには、やっぱりできなかった理由が私はあったんじゃないかと、こう思うんですけれども、ECの主張とアメリカの主張というのは、何かニュアンスが若干違うように私は聞いているわけでありますけれども、その辺が現在のところどんなふうに違っているのか、それは早期に双方が了解点に達するような問題であるのかどうなのか。あるいはその国の経済の違い、そういうものによってなかなか和解できないものであるのかどうか、この辺の見通しをつけていくといかないによって、また七七年が先に持ち越される可能性の方が、何かこの間の渡辺さんの御質問の中でも、どうもことしは無理ではないのかというような印象を私は実は受けたわけでありますけれども、その辺は一体どの辺に相違点があってどの辺が和解できない問題点なのか、その辺を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(旦弘昌君) 新ラウンドにつきましては、御案内のとおり七三年の九月に東京でガットの閣僚会議が開かれまして、そこでいわゆる東京宣言が採択されたわけでございます。ところが、その年の末にいわゆる石油危機が発生したわけでございまして、その影響はきわめて大きかった次第でございます。したがって、その間の数年間にわたります非常に大きな世界的な規模における経済の混乱、その一部はなお今日も残っておるわけでありますが、このオイルショックが東京ラウンドの実現を非常におくらせた第一の大きな点であろうかと存じます。それから、また先生がただいま御指摘になりましたような、アメリカの通商法の成立、これによってアメリカ政府に関税交渉の権限を与えられるわけでありますが、その法案の成立がおくれたこと。あるいは昨年の秋にアメリカの政権の交代がありましたこと。それから、欧州におきましては、かなりの数の国が今日もなお経済的な不況から脱出し切れないでいるというようなさまざまな要素があろうかと思うわけでございます。しかし、にもかかわらず、一応東京ラウンドは本年じゅうに達成したいということは変更がないわけであります。 第二の御指摘の、アメリカとECとの間のどういう意見の相違があるのかという点の御質問でございますけれども、これは何分にも現在のところまだガットの交渉がその緒についたばかりでございますので、全貌がはっきりしているわけではございません。現在わかっておりますところは先ほど御指摘のありましたように、昨年アメリカ、EC、それから日本などが関税の一括引き下げの方式につきましてそれぞれの案を提出したわけであります。そのフォーミュラについて見てみますと、アメリカは非常に簡単に申しますと、一律六〇%カット。しかも、これは工業製品だけでなくて農産品にも同じように適用するんだということを強く主張しておるのであります。で、ECの側の提案されましたフォーミュラを見てみますと、これはいわゆるハーモニゼーション方式と申しまして、高い税率のものはより多く割合としてカットする、低いものはより少なくカットするという提案でございます。この点につきましては日本の提案と似ておるのでございますけれども、ECはこの提案いたしました方式は、農産品には適用しないということを主張しておるわけであります。したがいまして、その辺の農産品の扱いにつきましては、アメリカとECとの間には大きな意見の相違があろうかと存じます。したがいまして、この辺の詰めはまだ行われておりませんので、これが第一の大きな点ではなかろうかというふうに考えております。 で、現在のガットの交渉の中におきましては、この関税グループで行われております引き下げのフォーミュラだけでございませんで、そのほか六つのグループに分かれていろいろやっておりますので、それらのグループにつきましては現在作業が、程度の差がございますけれども、余りまだ進捗しておりません。したがいまして、その辺のところでアメリカとECとの間にどういう差があるかというのは、今後見てまいるべき問題であろうかと、かように考えております。
○竹田四郎君 農産物の問題というのは関税の中でも恐らく一番むずかしい問題点であろうと思いますし、また同時にその関税引き下げだけでなくて、いろいろな、六グループというふうにおっしゃておられたわけですが、いろいろなグループがあって、それが進まないということになりますと、どうもまたことしいっぱいも結論に達しないということになりそうですけれども、今度の日米首脳会談でカーターさんから大分福田さん、おまえもっと世界的な役割りを日本はとるべきではないかと、こういうふうに言われていたようでございますけれども、そうなってまいりますと、貿易が日本の中で占める役割りというのは大きいし、同時に日本の経済先進国としてこうした世界の関税や貿易を新しく構築をすると言った方が私はいいと思うんですけれども、そういうことになりますれば、これは大蔵大臣、日本の役割りというのは、経済的な役割りというのは、私は大変大きくなると思うんですが、そういう意味では、世界景気の中でも日本、アメリカ、西独はいわゆるエンジンカントリーと、こういうふうに言われているわけでありますから、やはり坊大蔵大臣のこの東京ラウンドを成功させるかさせないかという意気込みと指導性、これは私は大変大きいと思うんですが、大臣として七七年が結論を出すという目標だとあるわけで、まだ変更されていないわけですね、首脳会議でどうなるかわかりませんけれども。われわれの立場としてもなるべく早く結論を出すという必要性があろうと思うんですけれども、これは大臣どういうふうにされていきますか。いま関税局長から聞きますと、どうも簡単なような感じを私は受けないんですけれども、まだ他のグループもあるわけでありますから、どうなんでしょう、その点。これをひとつ大蔵大臣どういうふうにこれを進めていくのか、やっぱり国際的な一つの観点に立ってひとつお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) お言葉のごとく、これは非常にむずかしい問題だと思います。だがしかし、いまの世界の情勢から考えてみまして、これはやっぱり自由貿易に徹して、各国の自由なる貿易というものをこれだんだんだんだんと進めていきまして、そして資源有限といいますけれども、そういったような各国の資源とか、あるいは各国の、何といいますか、富といいますか、そういったようなものを自由に相互有無相通ずるというためには、これはやっぱりガットを母体といたしまして、そうして基本的には自由貿易に徹するという方針でもって、この世界の交易というものを進めていくということが、これが最もわれわれに与えられました、いまおっしゃられましたアメリカ、日本、ドイツ、フランス、その牽引車と申しますか、それをやっていくべきものであると思いまして、私も全力を挙げてまいりたいと、かように思っております。
○竹田四郎君 大蔵大臣その辺を、確かに気持ちはわかるんですよ、全力を挙げてやらなくちゃならぬというのですけれども。具体的にどこからどんなふうに、この問題の調整の糸口というようなものを事務局長のみならず、やっぱり三国は私はとっていかなくちゃならぬだろうと思いますけれども、どんなふうにこれからこれを進めていかれるつもりですか、具体的に。御決意のほどは、やらなくちゃならぬというその熱意のほどは非常にわかったんですが、具体的に大蔵大臣としてどういうふうに手順を踏んでいこうとなさっているのか、その辺をお示しいただかないと、果たして七七年に結論が出るかどうかこれはわかりませんし、そういう点こそ福田内閣の大蔵大臣としての指導性、これがやっぱり私は問われるのじゃないか、いままでは日本国内の大蔵大臣で済んでいたようでありますけれども、日米会談が終わり、五月の先進国首脳会議になりますと、あなたももう日本の大蔵大臣じゃなくて、やっぱり世界の大蔵大臣というふうな形で私は進まなくちゃならないようになってくるんだろう、こう思うわけですよ。その辺の手順なり、どこどこをどういうふうにさわっていくのか、この辺どうなさるのか、その辺を決意だけじゃなくて、具体的な進め方をひとつお話をいただきたい。
○政府委員(旦弘昌君) 手順のお話でございますので、私から答えさせていただきますが、東京ラウンドは、先ほど申し上げましたように七つのグループに分かれておりますが、全体的におくれているということではございませんで、たとえば熱帯産品グループにつきましては、もう成果がかなり上がっておりまして、その結果がすでにこの法案の中に盛り込まれているのが現状でございます。したがいまして、その他の分野におきましてどういう手順で進めるかということになりますれば、やはり一括関税引き下げのフォーミュラを決める、その関税グループ、そのグループの交渉を積極的に進める必要があるんではないかというふうに考えておる次第でございます。ただ、アメリカの政権の交代に伴いましてアメリカの特別通商代表の正式の発令がまだ行われていないというような状況でもございますので、その辺が近日中に決まりますれば、日本といたしましても先般ロング事務局長から要請を受けました線で強く交渉の進捗方を努力してまいりたい、かように考えるわけでございます。その他のグループにつきましてもすでにいろいろな交渉が行われておりますので、それはそれなりに推進してまいる、かように考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 大臣、何か御意見ございませんか。
○国務大臣(坊秀男君) 局長が申しましたとおりでございます。
○竹田四郎君 余りこれかかっていますと時間がなくなってしまいますし、またの機会にこれはまた重ねて御質問をする機会を委員長にお与えいただきたい、こういうように思いますが。 そこで、今度の九十六カ国ですか、参加しているわけです。これに参加していない国というのがあるわけですね。いろいろありますけれども、私は特にOPECなりOAPECの国にこれが未参加であるというのは、やはり若干問題があるんじゃないだろうか。まあ特にOAPECの国々なんというのは、どっちかというと、この際うんと諸外国から輸入を促進していただいて、そうして彼らの持っているオイルダラーをやっぱり世界の各国へ散らしてもらわなければならない重要な時期に私はあると思うんですがね、まあやっぱり石油ショックの前だったから未参加なのか、その後何らかの動きがあるのかどうなのか。私の考え方ではこういう人たちも加えていただいての東京ラウンドを私はつくるべきじゃないか。なるほどケネディラウンドのときに比べますると、参加国は倍にもなっているわけですから、それだけはいいわけでありますけれども、そういう国々が入っていないということは、やっぱり今後の貿易の拡大を図っていく上には私は大きな障害になるのではなかろうかという気がするわけでありますが、その辺は今後どういうふうに扱われるのか、まあ未参加だからしようがないと、そのまま突っ走っちゃうのか、あるいはそういうところも参加させていくようにするのかどうなのか、その辺はどうなんでしょうか。
○説明員(松田慶文君) お答え申し上げます。御指摘のとおりOPEC、OAPEC加盟国、これは必ずしも一致いたしませんが、延べ十六カ国になっているわけでございますが、その全部はこの交渉に参加しておりません。そのうち、十六カ国のうち九カ国がこの交渉に参加しています。たとえばイラン、イラク、ベネズエラ、インドネシア等々はこの交渉に参加しています。参加していない国の中にはたとえばサウジアラビア、カタール、アラブ首長連合国と、いわば石油のみを輸出していてその他に輸出関連品目が非常に少ない、あるいはもうないのに近い、そういった国が非参加国となっております。東京ラウンドが当初の宣言に明記しておりますとおり参加を希望するのであれば、特に資格を問うことなく、どの国も参加できるような仕組みになっておりまして、この点はケネディラウンドがガット参加国に主として限った、あるいはそれに関連する国に限ったのと大きな違いであります。したがって、これらのサウジアラビア等々の産油国の幾つかが東京ラウンドに入ってこないのは、全くこれらの諸国の側におきます考えに基づくものでありまして、すなわち石油以外に他国へ自国産品を輸出することの利益というものに乏しいという判断に成り立っているものだと思います。私どもといたしましては、一国でも特にこのような経済的に非常にかかわりのある国が参加してくれることを希望し、交渉を当初以来希望はしておりますけれども、交渉開始以来数年たちまして、現状でもなお入ってくるという、入ってきてくれるという期待は持てない状況にございます。
○竹田四郎君 これは実際参加してくれるような要請といいますか、そういうものは何回かやっておるわけですか、やってないんですか、それは。その自由だということで余り参加をしろという要請はしてないわけですか。
○説明員(松田慶文君) 七二年及び三年の交渉準備段階、交渉開始当時におきましては、ガット事務局からの勧奨等々で参加を招請いたしましたけれども、開始後は特段の働きかけはあったとは承知しておりません。
○竹田四郎君 これは大臣どうなんですか、それはいまからそんな誘いかけしても間に合わないから、そのままほっておくというのがいいんですかね、あるいは東京ラウンドであるだけに、そういうものも入ってもらうような誘いかけを日本としてやってもいいんではないかと、こういうふうに思うんですけれども、大臣それはどういうふうに考えていますか。これはちょっと大臣じゃなくちゃ困る、ほかの事務当局じゃそれは困るんで、大臣はどう判断されておりますか。
○説明員(松田慶文君) とりあえずお答えさせていただきますけれども、サウジその他の石油産出国につきましては、むしろ安価に先進国の産品を輸入することの必要性があるわけでございまして、関税障壁は原則として設けておりません。したがいまして、他の国からこれらの国に対する輸出上問題点としては特段支障はあるとは考えられません。また石油以外に他の先進国及び開発途上国への輸出産品というのも見るべきものがございませんので、その扱いということをまた世界貿易の観点から論ずるという余地もきわめて少ないわけでございます。したがいまして、現在交渉に参加しております九十五カ国にとりましては、ぜひともこのサウジ等々の積極的参加をいまの段階から求めなければならないという貿易の拡大、自由化の観点からの必然性は率直に申し上げて乏しいのではないと思うのでございます。このような状況がございますので、ガット事務局及びその他の先進国並びに途上国も、この一両年石油産出国の非参加国には積極的な働きかけをいたしていないものと思います。
○竹田四郎君 現在は私そうだと思うんですけれども、しかし、これらの国々というのはとにかく使い切れないほどのダラーを持っておるわけです。これから日本だってこれらの国にプラント輸出しようという動きがあるわけですね。そうなってくれば、東京ラウンドもまた二、三年でどうこうなるというわけじゃなくて、一回できれば私はある程度固定して十年ぐらいはそのままでいくとすれば、向こうの国がいまのままでとまっていてくれればいいんですがね、金を持っている国ですからこれは進むことは考えられるわけですよ。そうすると、いまの段階はそうですけれども、十年先になったら一体どうなるかと考えてみますと、いまのような単純な形では私はなくなるんじゃないかと思うわけですけれども、だからやっぱり十年ぐらいのタームというものを私は当然考えなくちゃいかぬと思うんですよ。そういう先を考えてみると、やっぱり私は入っていてもらった方がいいんじゃないか。現状そのままを固定して十年先まで考えるというのは、それはかつてのような石油の安い時代はそうだったかもしれませんが、これからは私はそうではなくなるんじゃないか、こう思うんですよ。だからあなたのおっしゃっている現状はわかる。先のことについてはこれは大臣に聞かざるを得ないわけですから。
○国務大臣(坊秀男君) 産油国の中で非参加国がたくさんあるということでございますが、私どもといたしましては、何とかして参加をしていただきたい、してもらいたい、こういう気持ちがございます。こういったようなことにつきまして、外務省ともよく相談をいたしまして、そういう方向に何とかしてこれは参加をしていただく、大蔵省が先立ってお世話をやるという——国内におきましてはこれはもう相談をしてまいりたいと、かように考えております。
○竹田四郎君 国金局長にお伺いしたいんですが、いま国際的に国際通貨の偏在というものが私はあるように思うんですよ。特に石油の値上げ以降、極端に赤字国と黒字国、債務累積国とあるいは債権を持っている国、こういうものが極端になってきているんですが、全体的にあなたがながめられて全体の絵はどんなふうになっていますか。
○政府委員(藤岡眞佐夫君) 石油危機の発生以来国際収支が著しく不均衡になっておるわけでございます。 第一の不均衡は、当然のことながらOPECに石油関係の黒字が非常に巨額に集中したと、それに見合ってOPEC以外の国に赤字が発生したということでございます。 それから、第二には、非産油開発途上国でございますが、これは石油危機の前からやはり年間百億ドル程度の赤字があったわけでございますが、石油危機を契機に、石油の値上がりと石油危機に続きます世界経済の停滞を反映いたしまして赤字がふえたわけでございます。 第三には、新しい現象でございますが、先進諸国の中の二極分化といいますか、黒字国と赤字国が偏在したということだろうと思います。そこで、つまり全般的に申し上げますと、OPECが最近でございますと毎年四百億ドルぐらいの黒字を出しておる。それに見合って非産油開発途上国が二百億から三百億くらいの赤字を出しておる。残り百億から二百億ぐらいをOECDの諸国が出しておるということになっておるわけでございますが、このうち対処方針といたしましては、やはり原因のよって来るところを考えて、いろいろ検討しなくちゃいけないと思いますが、開発途上国につきましては、短期的な資金でこの赤字を埋めるということだけでは解決いたしませんので、従来からやっておりますような世界銀行その他の公的な資金を導入するとか、それから先進諸国の赤字につきましては、その国の経済の再建が一番大事でございますが、といいましても、国際収支の調整が短期間でできるわけではございませんので、その間は融資によって赤字をつないでいくということだろうと思います。その融資を行います際に、従来民間の金融機関等の果たした役割りも相当多かったわけでございますが、やはり赤字国、弱い国に対しましては民間の金融機関だけでは十分な融資ができませんので、世界銀行グループとか、あるいはIMFといった公的な機関も今後役割りをふやしていくということが必要ではなかろうかと存じております。
○竹田四郎君 大体そういう規模というのは、金額にしてかなり私どもが想像する以上に国際収支の赤字、これは融資のことも全部入るわけでありますけれども、赤字国の累計と黒字国の累計というものを考えてみると大変大きな金額になると思います。 それから、いまあなたがおっしゃったように、民間銀行が途上国に貸している金も、日本じゃどのぐらい貸しているか、私はよく知りませんけれども、アメリカあたりですと大変な金が途上国に融資されている。それが何か更改期に、来年か再来年あたりがちょうど更改期になるということになると、将来の問題を考えると、やっぱり銀行のペースでいきますと、返済がむずかしいというところには余り金は貸さないということに私はなると思うんですけれども、そういうことになれば、偏在といいますか、不均衡というのは私はもっと大きくなって拡大していく、エスカレートしていく心配が非常にあると思うのですよ。そうなってくれば、幾ら大蔵大臣が、自由貿易を強化して貿易をもっと広げるのだ、東京ラウンドをつくってもっと貿易を広げるのだと言っても、結果的にはだんだんだんだん縮小してしまっていくのではなかろうかというふうに思うのですけれどもね。 そういう意味で、国際的な貿易を拡大していくということになりますと、この関税なんというものの立場というのは私は非常に矮小化されてきたような気が実はするわけですよ。やっぱりそういう全体的な国際収支なり資金の偏在というものを改革をしていく手だてというものをつくっていかなければいけないのじゃないだろうか。 この前の石油ショックの後、これはこの前あなたが提案されたOECDの資金の支援協定ですか、私もその審議に参加させていただいたわけでありますけれども、あれもこの先進国同士の問題であって、南北問題にはなっていない。それからIMFにいたしましても、これは私よく詳しくは知りませんけれども、資金の限度というのは、一体いまのままで果たしてそういう赤字国に融資をしていくだけの資金量があるかどうか。余り枠はないというふうに私は聞いているわけでありますが、何か新たに出資でもしない限りは、これはどうにもならないと思います。 それから、IMFが持っていた金を売ってこれを南の国の援助に充てるということで、いま大分金も、オンス百四十ドルですか、百四十五ドルぐらいのえらい高い値段になっているわけでありますけれども、これは一体どのくらい進んでいるのか、この辺もこの際承っておきたいと思うのですけれども、関税局長には大変恐縮なんですけれども、そういうグローバルな資金のやりとりというものがこれから、そういうシステムというものですか、フレームというものですか、そういうものができていかないと、私は、ただ関税だけいじっているだけで世界貿易が発展する、新東京ラウンドができるから世界貿易が発展するなどということは、これはよもやうまくいくとは私は思わぬわけですけれども、そういうグローバルな物の考え方、これをしていかなくちゃいかぬと私は思うのですけれども、その辺の段階でひとつ、国際金融局長に支援協定の問題、IMFで金を売った金がどう使われているかという問題それから日本の民間銀行が、特に先進国あるいは途上国にどのくらいの民間銀行で金を融資しているのか、その辺の問題、それからIMFが一体どのぐらいの余裕があるのか、この辺のお話をひとつ聞かしていただきたい。
○政府委員(藤岡眞佐夫君) まず、銀行の対開発途上国貸し付けでございますが、アメリカにつきましては、先般バーンズ連銀議長が議会で証言されまして、その中で、非産油国の債務が千八百億ドル、米銀の貸し付けが四百五十億ドルという数字を言っておられます。この四百五十億ドルのうちの大部分は石油危機以後の増加ではなかろうかと思います。したがいまして、これに関連してその債権の回収が大丈夫であろうかというふうな議論が一方に出るとともに、他方では、いやそれは大丈夫だというふうな議論もあるわけでございます。日本の場合には、石油危機の後七四年の夏に日本自身が、先生御案内のところでございますが、例のヘルシュタット事件を契機としてユーロダラーの取り入れが困難になるというふうな外貨危機に見舞われまして、為銀の対外貸し付けを自粛していただいたわけでございます。したがいまして、それから三年間残高がむしろやや減ったということでございまして、最近では、正確な数字はとっておりませんが、八十億ドルぐらい中長期の貸し付けがあろうかと思いますが、地域的にも分散されておりまして、回収が心配だというものはないと私どもは見ておるわけでございます。 それから、OECDの金融支援基金協定は、昨年の国会で御審議いただきまして、日本はいち早く批准したわけでございますが、目下米国等八カ国の手続が済んでおりません。そのうちアメリカその他四カ国が議会でまだ審議中でございます。 それから、IMFの資金でございますが、IMFの資金が足りないからこれをふやそうという動きが現にあるわけでございますが、現在のクォータの総額が二百九十二億SDRでございまして、そのうち利用可能通貨が約半分、百四十億SDR程度あろうかと思います。そのうちにすでに利用してありますのが八十億SDR以上ございますので、残り余裕資金といいますか、これから使い得る通貨が六十億SDRほどあろうかと思います。 したがいまして、私どもはIMFが資金がいま非常に窮屈になったというふうには見ておらないわけでございますが、これから国際金融でどういう波乱が起きるかもしれませんので、それに備えて資金を充実するということは一つの考え方かと思います。恐らく四月にIMFの暫定委員会が開かれますときにはそういうことが話題として取り上げられるのではないかと思っております。 それから、金を売ってつくりますトラストファンドのことでございますが、ことしも三月までに五百二十万オンスの金をIMFは売却いたしまして、それによる利益約四億SDRをトラストファンドに繰り入れしてございます。そのトラストファンドは、非常に困っている国に対しまして、金利〇・五%、期間十年で貸すことにしておりますが、目下のところネパール、フィリピン、モロッコ、ザイール等十二カ国に三千百万SDRを貸し付けをしております。
○竹田四郎君 OECDの支援協定というのは、アメリカさんが一番先やいやい言って、そして日本でも早くこれをやれということで、私はあのときは、この協定はそんなに急ぐ必要はないということをあなたに申し上げたように記憶しているのですがね。そういうふうにして、アメリカが、たしかキッシンジャーだと思いましたけれども、大変これをせいたわけですけれども、そのアメリカが現在それを批准してないというのは、私はこの審議経過の中でどうも納得できないし、アメリカも今日のエンジンカントリーの一つでありますし、それがECの中にある赤字国に、ほかの方では応援しているんでしょうけれども、こういう協定に基づくものが、まだ効力を発しないというのは、どうも私は納得できないのですが、これはこの間カーターの方は、日本にもっと世界的な役割りを果たせと言ったわけですが、この問題については福田さんはカーターに、おまえの方も早くこれを通せということを言ったんでしょうな、大蔵大臣。どうなんですか、その辺は。それも言わないで、こっちだけ問題を引き受けてくるというのは、私は大変やっぱり日米間というのはまだ対等の形になっていないような気がいたすのですが、これは言ったんですか、言わなかったのですか。
○政府委員(藤岡眞佐夫君) 総理が言われましたかどうかはまだ伺っておりませんが、総理に言っていただきたいということは実は私は申してございます。 それから、アメリカがおくれておりますのは、私も残念に思います。で、先般モンデール副大統領にお供して参りましたバーグステン財務次官補にはこの点を念を押しました。先方は、カーター政権にかわったところであるので、この問題のみならず、ほかの問題を含めて、いま再検討中であるから待ってくれというふうな返事であったわけでございます。 それから、ちょっと先ほどのお答えを補わせていただきたいのでございますが、日本の為銀の中長期の対外貸し付け八十億ドル程度と申し上げましたが、それは先進国を含めまして、全体に対する分でございますので、そのうちいわゆる開発途上国に対しましてはまあ半分程度ではなかろうかと推定しております。
○竹田四郎君 これは日本の銀行が焦げついて取り立てられる危険性は少ないから、現在の世界の金融情勢がそれでいいというわけには私はいかぬと思うのですね。これはやっぱり波及効果というのがあるわけでありますから、日本だけがよければほかの国のことはどうでもいいといって安心していれない問題であるだけに、やはりこれは大蔵大臣、先進国首脳会議においても私はグローバルなそうした融資協定というようなものですか、いまのところ世界的なものは一応IMFがあるわけでありますけれども、その資金を充実するとか、もっとグローバルなものをつくるとか、部分的なものはいろいろ中南米には一つあるとか、アジアにはアジ銀があるとかいうふうにありますけれども、やはり今日の状況では、私はグローバルに物を考えていかなきゃいけないんじゃないないか、そういう指導権をやはり私は日本がとることが、先進国首脳会談において、やはり日本の立場を強化することであるし、やっぱり世界経済を安定し、貿易をさらにふやすことになるんじゃないかということでありますから、その辺はもう少し私は積極的にひとつやっていただけないだろうかと、このように思います。 そこで金融局長、個別にそういう融資をやっていくということが一体これからいいのか悪いのかということになりますと、私は、民間銀行でも一種の国際融資団といいますか、そういうような形のものを今後やっぱり考えていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに一つでは思います。 それから、それ後で御返事いただきたいと思いますが、経企庁からお見えでございますか——。経企庁は現在の国際的な経済の見通しを一体どんなふうに見ておられるのか。貿易収支の非常な不均衡に対して、どんなふうに日本自体として役割りを果たさなくちゃいけないのか。日本の産業構造をどうしていかなくちゃならないか。まあカラーテレビの問題とか、あるいは鉄鋼の問題とか、あるいは自動車の問題とか、いろいろいま世界的に批判を受けているわけでありますけれども、私はこういうカラーテレビにしても、いまは批判を受けているんですが、そのうちには逆に途上国から追い上げられて、今度は日本のテレビはとても高くてだめだというような時代というのも来るだろうし、あるいは日本の自動車なども、もっと安く日本と同じような自動車がほかの国でできるというような時代も何か来そうな気がするわけですよ。そういう意味では日本の産業構造自体というものも早急に、私はこういう時期に新たな展開を示すようなことを考えてなくちゃいけないと思うんですけれども、そういう見通し、そういうようなものを経企庁からお聞きしたいし、通産省お見えでございますか——。通産省は一体その辺はどういうふうに今後の日本の経済構造、産業構造をしていこうとしているのか。これはやっぱりグローバルな立場でお答えを願わないと、議論をしているのは国際的な金融危機といいますか、そういう中での話でありますから、国内のちっぽけな話されても実は困るわけでありますから、その辺、御両者からひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(岡島和男君) 産業構造の問題につきましては、ちょっと私担当が違いますものですから、最初の世界経済のような問題についてだけからお答えをさしていただきたいと思います。 先ほどから先生がいろいろ申されておりますように、非常に世界経済が国際収支の不均衡というような問題を抱えまして、いろいろむずかしい局面にあるということを私ども認識している次第でございます。そういう局面に立ちまして、先進国がまず相互に連帯をしまして、先進国の中で、いわゆるエンジンカントリーといわれている国が、それぞれの実情に応じまして、全体として世界経済の浮揚に力を注がなければならないというのが一つの考え方でございます。 また、もう一つ南北問題というのがあるわけでございますが、南北問題につきましては、これは非常にむずかしい問題でございまして、いろんなところで、いろんな部面で会議が行われているわけでございますけれども、わが国といたしましては、先進諸国と協調するという考え方に立ちまして、開発途上国に対する経済協力をできるだけ強化していく、こういうような考え方で臨むべきではないかと、こういうのが基本的な考え方でございます。
○政府委員(柳井昭司君) 先生のいまの御質問にお答えいたしますが、中長期的な視点に立って国際協調、あるいは国内資源の制約、そういうものを踏まえて、わが国の産業構造、ひいては貿易構造をどのように改善していったらいいのか、こういうふうな御質問と理解するわけでございますが、ただいま申し上げましたように、わが国は単に国際的な協調ということのみならず、国内資源の制約というような内外の資源の制約、そういうようなものを考えてまいりますと、やはりこの期間内におきまして、経済計画におきましても、産業構造を改善していかなければならないというふうな基本的な考え方に立っておるわけでございまして、そしてその際、大体三つぐらいの型の産業構造というものに転換するということを計画ではうたっておるわでございます。 一つは資源エネルギー、あるいは環境立地というようなそういう制約に対処し得るような省資源、省エネルギー、あるいは環境保全型、そういう産業構造への転換というようなことが考えられますし、それから今後やはり国際競争力を持ち得ると期待されるような、そういう技術集約的、あるいは技術先端型といいますか、そういうような産業構造への転換というようなことも必要になるかと思います。 それから、国際経済の新たな展開というものに対応いたしまして、国際分業を目指しまして、国際協調に資し得るような、そういう産業構造、こういうようなものに転換していかなければならないのではなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、貿易構造につきましても、そのようなことが反映できるような輸出入市場の多角化、あるいは総輸入に占める製品の比重の拡大というようなこと、さらにはプラントとか、あるいは高級機械というような付加価値の高い商品のウエートをふやしていく、こういうようなことを行うことによりまして、わが国といたしましても国際的に調和のとれたものにしていく必要があるんではないか、こういうように考えておるわけです。
○説明員(日下部光昭君) 産業構造の問題につきましては、ただいま企画庁の方から御説明がありましたとおり、私どもの方も考えております。産業構造高度化の具体的な内容は、いまお話があったとおりでございますが、特に先端的部門をできるだけいろいろと引き上げていくというか、集約度を高めていくということが一つと、それからいろいろ発展途上国等との関係があるわけでございますから、その辺も構造改善等、できるだけの施策を講じながら、先進国型の産業構造を実現していくということに努力をしているわけでございます。ただ部門によっては非常に時間がかかるのもございますので、その辺は若干長い目で見ていかなければならぬと思いますけれども、基本的な方向は、いま局長から説明のあったとおりであります。
○竹田四郎君 いま大体それはどの程度まで進んでいるのでしょうか、目標に対して。いまおっしゃったのは一応の目標だと思うのですがね。まあ私は、大分日本の国際経済に対する認識というのは全体としておくれているのじゃないか。もっと世界の経済というのは、われわれ日本の国内では、不況不況と言っても、これは六%近くの成長率があるわけで、まだそれほど何か差し迫ったという感じはないわけでありますけれども、国際的にさっきの国際通貨の偏在の問題、あるいは世界のエネルギーの有限性の問題から見ると、私は何かのんびり日本はやってい過ぎるような気がして実はならないのですが、もう少し問題を深刻に考えて対処していかないと、私はおくれをとってしまって、いまのところは大変太平のムードでありますけれども、その打撃というのは、私はより大きいものが出てきそうな気がするのですがね。通産省のそういうものというのは、大ざっぱでいいですから、大体どの辺まできているというふうに、認識をわれわれはしていたらいいんですか。私は何かおくれているような感じがするんですが、どうですか。
○説明員(日下部光昭君) その点についての問題は、特に非常にインセンティブな部面の問題だと思いますけれども、これは御承知のように、繊維なら繊維構造改善、あるいは雑貨関係であればその中小企業近代化促進法に関する構造改善、政策手段とっておりますが、構造改善というのは、とにかく業界が一体となってこうやっていこうと、業界、政府が一体となってやっていこうという、そういう問題でございますので、われわれの方はできるだけ予算を確保し、また業界の方はできるだけまとまって、一緒にこれからどうするかということも考えていこうじゃないかという、その辺のところを、こう一致したところについて、ずっとやられるということになるわけですから、その辺は政府もそうですし、業界もそうですし、できるだけこういう変動が多い国際情勢の中でスムーズに適合していくという方向を目指して鋭意努力しておるというのが現状でございます。数字的にどのくらいまでいっているか、何割ぐらいいっているかというのは非常に口では言いにくい事構だと思います。
○竹田四郎君 どうも総論賛成、各論はそれぞれでぶつかっていっているというような感じが私はしてしようがないと思うんですけれども、これについてはひとつ大蔵大臣もう少し私は国民のコンセンサスというものがやはり大事だと思うんですよ。その辺は何とかもう少し指導性を私は発揮してもらわなくちゃならぬと、こう思うんですけれども、大蔵大臣の国際経済の認識というものを、どの辺まで認識されているのか、その辺をちょっとこの際お聞きしておきたいと思うんですがね。それでなければ日本の指導性というのは私は発揮できないんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のように、私も日本の経済というものは、国際経済上非常に考えていかなければならない弱いところがたくさんあろうと思います。世界の三大経済国ということになっておりますけれども、いま国内のことを考えてみますと、御指摘のように業種によって非常な、盛んに成長し生産を上げておるところもありますけれども、そうでない部面も業種によってたくさんありますし、また日本の国内の地方地方によりましても大変なばらつきがあるというようなこと、これはどうしても是正をしていかなければならないというので、五十二年度予算等にもそういったようなことをこれ重視いたしまして、そうして五十二年度の予算といったようなものを編成したような次第でございますが、まさに御指摘のとおり、日本の今日の経済というものについては、本当にこれは深刻に考えなければならないということはしみじみと感じております。
○竹田四郎君 これからのひとつ政府の姿勢を見ながらまたひとつこうした問題を討論してみたいと思いますけれども、その開発途上国に対する政府の開発援助というものは一体最近どうなってきていますか。どうもあんまりはかばかしいエンジンカントリーといわれるには何か大変お粗末なような気がしてならないわけですが、実態はどんなふうになっておるんですか。
○説明員(三宅和助君) ただいまの現状につきましては、実は七六年につきましては各国の現状が出ておりません。七五年でございますが、政府開発援助の総額は、日本の場合十一億四千万ドル、五千万ドルございます。これをGNPに対比いたしますと〇・二四%ということでございまして、これはDACの十五カ国平均が〇・三六になっております。したがいまして、日本の場合DAC諸国中の十三位ということで、絶対額につきましては第四位でございますが、対GNP比におきましては十三位ということになっております。
○竹田四郎君 先進国でもその三強の中に入って、貿易収支にいたしましても、あるいは保有外貨にいたしましてもかなりの額になっているわけですがね。それでいながら何か新聞で見ますと、五十一年も昨年より若干減っていると、予算は多いけれども実質は減っていると、こういうことで、十三位にあるということはいまおっしゃられたとおりでありますが、質の面でも余りよろしくないということが批判が出ているようでありますけれども、しかしこれでは大蔵大臣、世界の黒字国として見られている日本がODAが、とにかくほかのイギリスあたりに比べても低いとか、フランスあたりに比べてもはるかに低いというのは、これは国際的な世論の上で日本が私はよくないと思うんですよ。これはどういうわけですか。こんなに日本が他の国に比べて低いということはどういうことでこういうふうに低いのか。これでは私は、国際的な非難を受けてもこれはやむを得ないと思うんですがね。
○説明員(三宅和助君) 先生御案内のとおり、確かに実数は低いんでございますが、二つか三つの理由があるかと思います。一つは、財政状況が苦しくて予算の手当てが十分でないという面もあるかと思いますが、それ以上に、実は日本のやっております援助がプロジェクト援助でございまして、先方、すなわち東南アジアの受け入れ体制が必ずしも十分でない、ましてオイルショック後経済変動ございまして、現地政府の負担する部分が十分でない、場合によってはそのインフレのために従来コミットした円借款では十分できない、場合によっては優先順位の変更など、先方政府及び世界経済の変動に伴いまして、日本のたまたまやっております経済援助がプロジェクト中心でありますために、その変動に性格上なかなか対応し切れない、したがいまして、ディスバースメントが必ずしもこの二、三年芳しくなかったという事情が一番大きな事情かと思います。
○竹田四郎君 これは国内的に見てもやっぱりその援助が機動性を失っているということはございませんか。これは担当はどこですか、省は。外務省だけでやっているんですか。それとも通産省がやっているんですか。大蔵省がやっているんですか。経企庁がやっているんですか。これはどういうようになっているんですか、その仕組みは。
○説明員(三宅和助君) これは援助の性格によりまして違いますが、たとえば技術協力につきましては外務省が中心的な役割りを果たしまして国際協力事業団を通じてやっております。それから円借款でございますが、これが日本の援助の約六〇%でございますが、これにつきましては外務、大蔵、通産、経企と、四省の協議体制でもって現在実施しております。
○竹田四郎君 どうもその辺に問題があるんじゃないですか、なかなか各省の意見が合致しないと。たとえば通産省がいいと言えば農林省がそれはいかぬと言う。農林省がいいと言えば今度は大蔵省がそれはけしからぬと。そういうような、日本の各省の意見がこれについては余り意見が一致していないということが言われているわけですが、その辺はどうなんですか。意見が常に一致しているんですか。今度の五十一年にいたしましても、これは外務省が一番これは積極的だったようです。〇・二二を目標にしていたようでありますが、実質的には〇・二〇、これはGNPに対するあれですね。そういうことになっているわけなんですけれども、どうもその辺、国内の各省の開発援助に対する問題というのは非常に軽視をしている。それでなければ、日本がこんな十三位だとか、平均が〇・三六%ですか、これからはるかに低いなどということは私はないと思うんですよね。こういうことをやっていればやっているほど、貿易の自由化というような問題も私はこれはやっぱりネックになると思うんですよね。特に資源のない日本の国でありますから、こういう点は少なくとも平均的ぐらいに持っていかなければならぬと思うんですけれども、当面の目標というのは、やっぱり平均的なところを、これはいつまでにその辺まで上げていくということでしょうか。五十二年度はそこへ持っていくということですか、〇.三六%に。その辺はどうなんですか。これはやっぱり私は今後の国際経済に対する物の考え方で、やっぱりこの辺はぴしっと数字で出るわけですからね。それだけの数字に私はしておかなければいかぬと思うんですよ。まあ何かさっきの参事官のお話では相手が悪いみたいなような話でありますけれども、ぼくは相手だけじゃないように思うんですよ、ほかの国はうまくいっているんだから。日本だけが特に低いというのは、むしろこちら側に私は問題があるんだと、こう思うんですけれども、その辺大蔵大臣どんなふうに考えていますか。
○国務大臣(坊秀男君) 援助についてですけれども、各省が所管が分かれておるから、そこで意見が違うんじゃないかと、それが災いしておるんじゃないかという御質問でございますが、それは初めに、たとえば予算編成に際しましていろいろ意見がございます。ございますけれども、結局各省の意見をまとめて、一致して、そうして最終的にはそういったような措置をとるのでございまするから、そこで、ばらばらだからということではない、日本の国の意見としては一致して実施をしている、こういうことになっておるんですが、御指摘のように、予定されたものがなかなかそこまでいかないということに相なるということでございますが、それは何も相手が悪いからという御答弁の趣旨で言ったんじゃなかろうと思いますけれども、そこらあたりの関係もこれはあるんじゃないかと思いますけれども、とにかくできるだけ速やかにやっぱり世界の平均というところまでこれはひとつ持っていかなければならないことであると私は考えています。
○竹田四郎君 これ、大蔵大臣ね、ひとつ予算と実績を出してみてくださいよ、どのくらい違うか。予算はかなり組んでいるけれども、実績は非常に低いというのが実態であろうと私は思うんですよ。だからこれはひとつ七〇年くらいから、ショックの前と後が、その辺が一つの境だろうと思うんですけれども、七二年からでいいですから、七二年、七三年以降七六年まで、一体予算が幾らついて、実績は幾らだったというのを一回資料として出してください。その資料を見れば、いま大臣が言ったことが本当にいいのか、途上国への開発援助というものがおざなりではないのかというようなことも明確に数字の上で出てくるわけですから、これはひとつ数字で出してください。私はそれで終わります。
○説明員(三宅和助君) まあ最近の数字は持っておりますが、七二年からの数字につきましては調べまして別途提出いたします。
○政府委員(大倉眞隆君) 先ほどの竹田委員の御質問にお答えを追加させていただきます。 過怠税の金額が五十年度に、前年度に比べて大きくなりました背景でございますが、国税庁の方では署から洗ってきましたものを集計いたしておりまして、署ごとの詳しい内容までいまのところ把握していないようでございますけれども、恐らく二つの理由によるのではないかと申しております。一つは、従来からそうでございますけれども、限られた人員で調査をいたしますので、なるべく金額の張りそうなものを相手に調べてみろと、それから非常に多量にあるであろうというものを調べてみろということで個別の企業の方を調査して、たまたま五十年度にはかなり——これは名前はちょっと御勘弁いただきたいんですが、かなりまとまって印紙が張ってないものが発見されたケースが幾つかあるので、全体の金額が大きくなったという事情は確かにある。 それからもう一つは、四十九年から売り上げの代金領収書に階級定額税率を入れまして、かなりのPRに努めているわけでございますが、やはりそこのふなれと、昔は金額にかかわらず一律でよかったものでございますから、そこのふなれということがあって五十年度にそれが影響しておるように思うと。その問題はしかし、今後ともPRを続けていけばだんだんよくなってもらえるんではなかろうかというようなことを申しておりますので、追加してお答え申し上げます。
○福間知之君 私は、一昨日の当委員会で聞き残しました五十二年度関税率改正に関する中で石油関税にしぼりましてお聞きしたいんですが、その前に主税局長、けさの新聞報道では、どうも前福島県知事さんに対して、国税庁としては任期中における収賄金員に対する所得税法違反というものを出されましたけれども、これは積極的に今後そういうことはやはりやるべきだと、前田中総理に対する賄賂課税とあわせて、そういうふうな姿勢だと伺ってよろしいですか。簡単に一言、決意のほどを。
○国務大臣(坊秀男君) 主税局長は、これは国税庁所管なものですから主税局長からは……。まあしかし、そういうことにつきましてはやっぱり厳正に扱っていくべきだと、私はこう思います。
○福間知之君 まあ、そういうことでえりを正して国民の信頼にひとつこたえていただきたいと思うんです。 さて、時間がさほどございません。要約してお聞きをしたいんですが、まず、原油関税率の今回の改正に関して、現行六百四十円をキロリットル当たり七百五十円に引き上げるということでございますが、金額で百十円の引き上げ、こうなっています。六百四十円という今日の水準は、いまの輸入価格に対しては二・七%ぐらいだと承知をしてます。だから今度百十円引き上げて七百五十円にするというのは、四十九年のときの輸入価格に対してその当時の関税が三・一%だと聞いているんですけれども、そういうことが一つの改正の基準あるいは根拠というようなことになっているんでしょうか。
○政府委員(旦弘昌君) 今般の増税の百十円を決めました根拠についてのお尋ねであろうか存じますけれども、この問題につきましては、現在の原重油関税がいわゆる財政関税でございますので、どれだけの支出が必要であり、どれだけの歳入が現行法で出るか、したがって、その差額はどれだけになるということが決め手であったのでございます。したがいまして、この百十円の増税を決めます際には、石炭石油特別会計の歳出につきまして主計局と通産省との交渉の結果、ほぼこの程度ということになりまして、それに対して歳入は現行法ではこのぐらいである、しかしその辺は物価にも影響のある問題でございますので、極力最小限度にとどめていただきたいというのが私どもの立場でございました。したがいまして、その結果百十円ということになった次第でございます。 振り返りまして、この百十円上がりました後の七百五十円が、今般の値上げ後の石油価格に対しましてどの程度の負担率になるかということを見てみますと、先ほど御指摘のありましたように、大体三%ちょっと上回ったところということで、それは振り返りますと、四十九年の石油ショックの後の価格が、その当時の原重油関税の負担率がほぼその辺であったということで、まあおおむね妥当なところであろうという判断をした次第でございます
○福間知之君 私は、いまの御説明はそれなりに理解をしたいと思いますが、要するにまたこの一般価格へのはね返りというふうなことが心配なわけです。この上げ幅そのものはそう大きくないんで、それほど心配する必要はないということかもしれませんが、一昨日私もお聞きしたように、今年度の灯油のいわゆる需給関係などからして、当局もかなり力を入れてバランスをとられたようですけれども、まあこれが来年の冬にまた持ち越された問題として残っている。そんなことも考え合わせますと、そういう点が私は心配になるということ、この点ひとつお答え願いたい。 それから、この原重油の関税の収入というものをおうちの方から提出されました資料で若干見てみますと、推移を見てみますと、昭和四十九年、七四年ですが、総額で千四百九十六億円、五十年は少し減りまして千四百三十九億円、昨年五十一年は千四百六十三億円となってます。昨年五十一年が四十九年よりむしろ減っておるわけです。さらに一方におきましてこの間の石油全般に対するいわゆる消費税として、たとえば揮発油税を含めましてガソリン税などが八千八百二十四億円から一兆一千五百四十億円へとふえているということは目立つわけであります。このような国内における石油関係の消費税と、今回の重原油の関税との相関関係というのは全くありませんか。ある見方からすれば、国内におけるこの消費税というものは上げる、関税はほどほどにしておく。こういう配意がそこにはあるんですか。これは皆さんが出された資料ですよ。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま御指摘の原重油関税の収入の数字でございますが、確かに五十一年度の当初の見積もりでは千四百六十三億円でございまして、これが四十八年度に比べますと、四十八年度は千四百六十八億円でございましたので若干減ってはおるわけでございます。それでお尋ねの点は、この原重油関税はこの間に若干減っているが、揮発油税の税収が上がっておるではないかという御指摘かと……。
○福間知之君 いや違います。 ガソリン税、揮発油税含めたガソリン税が一番値上がりが目立つわけですよね。国内の税金ですよ、これね。それとの相関関係というのはどういうことなんですか。
○政府委員(旦弘昌君) あるいはその揮発油税の点につきましては主税局の担当でございますので、私、ちょっとただいま手元に数字を持っておりませんけれども、あるいはこの間に景気の落ち込みによりまして、重油あるいは軽油等、この原重油関税といたしましてはまず重油でございますけれども、工場等で使います重油の消費量が、ガソリンの消費量の伸びに比べまして景気の落ち込みで底が落ちたのでではないか。揮発油税の方が重油に比べましてあるいは景気循環の弾性値といいますか、その辺のところが違うのではないかという感じがいたしますが、なお数字をまだ念査しておりませんので、勉強させていただきたいと思います。
○福間知之君 いや、というよりも私がお聞きしたのは、ガソリン税がいわば三千億以上伸びているわけですよ。原重油関税の方の伸びはないと言っていいわけです。このことは結構だと言えば結構なんですが、それは、たとえば二億七千万キロリットルあたり輸入しているということから考えて、輸入量がずっと減っているのか、原重油そのものの輸入量が。だから伸びないのか。むしろ意識的にいわば関税率を据え置いているために、余りふやさないために、関税額を高めないために、率を据え置いていますわね、これ、一年一年上げているわけじゃないのですから、そういうことだと思うのですけれども、何かその改正の場合に、そういうものについて相関関係を配慮をしているのですか。あるいは今回はそういう配慮があるんですか。
○政府委員(旦弘昌君) 原油とその価格の相関関係でございますけれども、私ども感じといたしましては、日本のような規模の経済になりますと、しかも、エネルギーの大部分が原油に頼っておるという構造におきましては、たとえば先般の価格が四倍にはね上がったというような場合におきましても、それはかなりのショックでございますけれども、必要な原油量を確保するということがまず先に立つわけでございまして、あとそれに対する金の手当てをどうかという問題ございますけれども、しかし、急激にはこれを減らすことができないという構造になっておると思います。その意味では、価格の変動に対しましても、それが原重油関税の収入にさほど大きな影響はないんではないかというふうに考えます。もちろんございますけれども余りないのではないか。 それから一方、先ほどのお尋ねの揮発油税につきましては、確かにその間にかなりの増収がございますけれども、これは一つには、先ほど御指摘の年度で見ますと、四十九年の四月と五十一年の七月とに二度にわたりまして揮発油税の増税がございました。したがいまして、量が仮に同じでありましても、税収としては非常に伸びた。一方、原重油の方はその間一度も増税ございませんでしたので、数字は余り動かなかった、かように考えられます。
○福間知之君 じゃ、もう一点の一般消費価格へのはね返りの危険というふうなものについてのお見通しはいかがですか。
○政府委員(旦弘昌君) 今般も五%ないし一〇%の原油価格の値上げが、いま話が進行しておるわけでございますけれども、これはあるいは通産省からお答えをいただいた方がいいのかもしれませんが、物価、その点につきましては若干の影響はあろうかと思います。しかし、その辺は通産省からお答えいただくことにいたしまして、今後の私どもの一キロリットル百十円の増税の物価への影響は、消費者物価指数へは〇・〇二%程度、それから卸売物価につきましては〇・〇四%程度でございまして、非常に率としては低いわけでございます。したがいまして、このことに、この増税によりまして消費がどう動くかということについては、ほとんどこれだけとしては影響は余りないのではないか、かように考えております。
○福間知之君 通産省の方もこれはそういうことですか。
○政府委員(古田徳昌君) 私どもの方で試算いたしましても、関税率の引き上げに伴います影響は、ただいま大蔵省の方から御答弁なすったとおりの数字になっております。別途、先生御承知のとおり、ことしの一月一日からOPECの原油価格の引き上げ問題が発生しておりまして、この影響は、五%と一〇%という二本立てになっておりますので、正確には現在推定できませんけれども、七ないし八%の原油価格の上昇という形ではね返ってくるんじゃないかというふうに考えております。これはかなり影響が出てまいりまして、そのままの形ではね返りますと、消費者物価には〇・三%というふうな影響があろうかと思います。
○福間知之君 その問題は少なからず影響は大きい、こういうふうに考えますが、きょうの主題じゃありませんので。 関税の方でもう一点。いわゆる製油用の、何というのですか、低硫黄原油ですか、これについての関税は今回で打ち切る、こういうことで、お考えを当局からお聞きしましたら、脱硫装置などが整備されて輸入量も少ないということだと聞いて一いるのですが、そういう理由ですか。
○政府委員(旦弘昌君) いわゆる低硫黄原油の減税につきましては、四十六年度から今年度までずっと行われてきたわけでございますけれども、これは一キロリットル百十円の減税をしておったわけでございます。振り返って、四十六年当時にこの制度を新たに新設いたしましたときには、低硫黄の原油とその他の原油、つまりハイサルファの原油との原油の価格の差がかなりございました。つまり低硫黄原油の方がかなり高かったわけでございます。その価格差は、その当時で一八・七%程度の差がございました。ですから、これは公害対策上はこの低硫黄原油が望ましいけれども、しかし価格が非常に高いということで、これが同じ関税で輸入されるのはいかがかという要請が非常に強かったのでございます。しかし、その後最近の、昨年の実績で見ますと、その差が約三.二%、著しく縮まってきておるわけでございます。したがいまして、そういうような低硫黄原油を輸入するインセンティブを税法上与える価値がかなり減ってきたということでございます。しかも最近の情勢では、低硫黄原油の輸入量が、ウエートといたしますと全体の中でかなりふえてきておりまして、確保されてきておるということでございますので、全体の約二五%ということになってきておりますので、この辺でそういうようなインセンティブを持っております制度は廃止してもいいのではないかということでやめた次第でございます。
○福間知之君 通産省の方にちょっとお聞きしたいんですが、いまの日本の石油産業の構造というものは、御案内のとおり大量の部分をメジャーに依存をしているわけで、また国内における関係企業はきわめて小粒で過当競争を展開している、こういうように考えるわけです。したがって、経営的な基盤も弱い。特に外資系の石油企業に比べれば、民族系の卸売部門の構造というものをかなり改善していかなければならぬのじゃないか、そんなような感じがするわけであります。加えて、いま九十日備蓄問題というものが進行しつつあるわけですけれども、これは昭和五十四年度末でしたかを目標にひとつやろう、こういうことですが、かなりこれは資金的にも、あるいは新設の基地の設置あるいはタンクの増設、重要な困難がやっぱりそこにはあると、こう思うわけであります。したがって、石油開発公団の発足なども行われ、また政府レベルでも対策機関が設けられたりしておるわけですけれども、どういうひとつ展望があるのかということが一つ。 それと関連してヨーロッパ主要先進国等の備蓄対策。私は、九十日という備蓄目標は、このこと自身も大変だと言えば大変ですけれども、妥当かどうかも実は問題があると、こう見ているんですけれども、そのあたりいかがですか。
○政府委員(古田徳昌君) 昭和五十年に五十四年度を目標といたします九十日備蓄増強計画をスタートさしたわけでございますが、これは五十五年三月末で九十日の備蓄を達成しようということでございます。この計画に基づきますと、五十二年度から五十四年度まで三年間の間にタンク容量としまして二千三百万キロリッター、この建設のために必要な用地面積は約三百五十万坪というふうな試算になっております。この建設及びその備蓄のための原油購入資金として必要な総額は一兆六百億円というふうな試算になっておりまして、先生のおっしゃいますとおり、この備蓄増強計画の実現のためには非常に資金調達面で努力が要るところでございます。このような計画を実現させますために、私どもとしましても備蓄増強対策のための予算措置をいろんな形で充実してきたわけでございますが、その第一の柱は、共同備蓄会社の構想の推進でございます。で、共同備蓄会社のための出資金を石油開発公団を通じて出すことにしておりますが、これにつきましては、五十一年度四十億円の予算に対しまして五十二年度は九十六億円というふうな金額を計上しております。 それから第二の柱としましては、備蓄いたします原油の代金に対しまして利子の補給をする、その資金調達のための利子補給をするということでございます。これは五十一年度四%の利子補給をしておりましたが、五十二年度はそれを四・五%に引き上げるということで考えておりまして、予算規模としましても五十一年度の五十五億円が、五十二年度に百四億円に増額するというふうな形にしております。 そのほか財政投融資の面でも、石油開発公団債の発行に伴います資金調達というふうな形等も考えておりまして、五十一年度に比べますと、五十二年度の備蓄増強対策の関係の施策は一段と充実したものというふうに考えておる次第でございます。 このような施策によりまして、現在、私どもの見通しとしましては、五十四年度末の九十日の備蓄体制の達成は十分可能になってくるんじゃないかというふうに見通している次第でございます。 それから、二番目の問題につきましてでございますが、ヨーロッパ各国では大体九十日備蓄はすでに達成しておりまして、ヨーロッパ平均現在九十六日、昨年四月一日現在でございますが、九十六日というふうな水準に達しております。で、現在各国においては九十日備蓄目標からむしろ百二十日の備蓄目標を議論しているというふうな段階だというふうに聞いております。この備蓄目標の達成のために、たとえばドイツ、それからアメリカ等では国家備蓄を積極的に推進しようというふうな方策も検討中というふうに聞いております。
○福間知之君 それに関連して、いわゆる国際エネルギー機関ですね、IEAあたりではどういう目標を持っているわけですか。それは特別に備蓄の中身についての目標は持っていないのか。
○政府委員(古田徳昌君) IEAの現在の目標は、達成目標として掲げられておりますのは昭和五十五年一月で九十日ということでございます
○福間知之君 次に、いまのお話にもありましたように、開発公団あるいは開発銀行、さらに財政投融資等を通じて資金援助をしていくという、これはもちろん必要だという前提で私考えるんですけれども、開発公団あたりがいま考えている事業の進め方としては、やっぱり海外における石油の開発と、わが国の手によるそれが一つかなり大きいウエートを占めておるようであります。それからいまたとえば日韓大陸だな問題が一つクローズアップしていますが、それらを含むわが国、日本列島周辺の大陸だなの開発と、こういうのが一つの目標としてあるやに承知をしているんですが、私は、やはり日本周辺の開発というものに、政策的には力を入れなきゃいかぬのじゃないかと、そのことが今後予想される世界全体の石油エネルギーの供給源をふやくということに通じ、国際的な経済に対する貢献をすることになると思うんです。私はそういう点で、まさにこれは国策として非常に重要なことだと思うんです。ただ、日韓大陸だなを進めろということを意味してるんじゃないんですよ、言っているんじゃ決してありませんが、視点を変えれば、私が申し上げたようなことは石油に関する限り非常に国際的に重要なことではないのか、こう思うんですが、当局はどういうお考えですか。
○政府委員(古田徳昌君) わが国の石油の安定供給確保策の二つの大きな柱が、一つは、備蓄増強であり、一つは、先生の御指摘になりましたように、石油の探鉱開発の促進ということでございますが、中でもわが国周辺大陸だなの石油資源の開発は、安定供給確保の観点からいきますと、最も効果的な施策であるということでございます。そういうことで、私どもとしましても、石油開発公団の業務を通じまして、この数年来積極的に探鉱開発の促進に努めてまいった次第でございますが、昭和五十年十二月にエネルギー対策閣僚会議で決められました施策の中でも、その点が一つの重要施策として打ち出されておりますし、かつ昭和六十年度の目標値としましても、千四百万キロリッターというふうな数値も掲げられております。 ちなみに、従来の努力の結果昭和五十年度の実績で見ますと、これは原油が七十一万キロリッター、天然ガス二十四億立米ということで、原油換算しますと三百十万キロリッターというふうな数字になっております。五十一年度になりまして、新潟の阿賀沖で大陸だなの開発に成功いたしまして、埋蔵量一千万キロリッターというふうに言われておりますけれども、この生産が原油換算六十二万キロリッターというふうな数字に達しております。今後も石油開発公団の業務を通じまして、周辺大陸だなの探鉱に努めてまいりたいと思いますが、現在六社がその探鉱活動を積極的にやっておるというふうな状態になっております。地質学的に見ましても、周辺大陸だなでは相当程度の可能性があるということで、先般御説明いたしましたように、一部技術研究機関の推計によりますと、十億キロリッターを超える埋蔵量を発見される可能性があるというふうなことでもございますので、昭和六十年度の一千四百万キロリッターの目標値といったものはなお今後検討されることになるかと思いますけれども、総合エネルギー政策の全体の見直しの中でも、一つの重要課題として重点を置いて進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○福間知之君 大体海外を中心にして開発事業活動に参加している、乗り出している企業が六十社を超えると聞いているんですが、その中でいわば大手筋と目されるようなところはほとんど海外基地に向かっておるのかどうか、そうじゃないかと思うんですけれども、いまおっしゃった列島周辺地域における、たとえば予想される十億キロリッターとも言われる埋蔵量、これは膨大なものでありますので、その半分が、三分の一が開発されたとしても、これはわが国にとっても大きなメリットであると同時に、世界エネルギー資源、石油資源にとっても大きなプラスになるんですけれども、日本における大手筋の企業というものをそういうところに積極的に参加させていくというような誘導政策、そういう姿勢が私は欲しいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(古田徳昌君) 現在、石油開発公団の探鉱活動に対します助成比率は、海外の場合は五〇%となっておりますが、周辺大陸だなの場合は七〇%ということで、非常に重点を置いてやっているわけでございます。それから周辺大陸だなでの開発の大半は、従来からわが国の石油開発企業の中核体でございます石油資源開発株式会社と帝国石油でございます。そういうことで、この両社を中心にいたしまして、さらにそのほかに日本石油開発とか、あるいは西日本石油開発とか、あるいは三菱石油開発というふうな大手が最近非常に関心を示しまして、積極的な探鉱活動を計画しておりますので、今年度以降従来に比べますとかなり探鉱活動の水準というのは高まっていくんではないかというふうに考えます。
○矢追秀彦君 法案の内容に入ります前に、初めに主税局長にお伺いしたいんですが、昨日の衆議院の大蔵委員会で、来年度で増税ということについての答弁があったということがけさの新聞に出ておりますが、これ、もう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大倉眞隆君) 昨日の衆議院大蔵委員会では、ちょうど一昨日の当委員会で福間委員から御質問受けましたのとほぼ同じような内容の御質問がございまして、中期財政収支試算から見ると、あるときに増税が必要だと思われるがどうか、という御質問に対して、どうしてもその道を避けて通れないように思う、ということをお答えいたしました。それでは増税の方向はどうなっておるのか、という御質問に対しまして、現在税制調査会で昨年六月以来御審議を願っておりますと、で、中間的な報告は資料としてお出ししてあるとおりでございます、ということを申し上げました。それでは各部会がどうなるかはこれからであるのか、という御質問に対しまして、それはまさしくそのとおりでございますが、まあ一部会と二部会がそれぞれ分かれて審議をしておられますので、何かの機会にやはり両部会御一緒に全体の姿を御論議願うということを考えてる、その場合に、一部会の報告では、所得税が基本的な租税であるから、仮に負担の増加を求めるとすれば所得税においてこれを求めるのが適当であるという御意見が多いけれども、しかしそれは、まあ私どもが申し上げるのはいかがかとは思いますが、なかなか政治的あるいは社会的にその道というのはむずかしいのかもしれぬ、仮にそこがむずかしいということになるということになるならば、一部会で申せば法人税、後は二部会で御審議願っている各種の租税、まあそれらをどう組み合わせてどういう選択をしていただくかということにならざるを得ないかと存じます、ということをお答えいたしました。 それではいつごろなんだ、という御質問がございまして、それに対しましては、この各紙の報道の中でもそこまで触れて報道しておられるところもございますけれども、それは経済の体力自身がそういう負担の増加にたえるようになってくれないと、なかなかいつということは申し上げかねる、しかし財政収支試算から見る限りは、何らかの時期に負担増加をお願いせざるを得ない、しかも五十五年度が目標だということになれば、それは経済情勢がそれを許す場合には早くそういう措置をとれれば所要の増税幅はそれなりに小さくて済む。何もしないでいて後ろにしわを寄せていけば、所要の増税幅はむしろ大きくなってしまうというふうに考えざるを得ないと思います。そこまで申し上げたわけでございます。それを五十三年度に踏み切ったというふうに報道をされたわけででございますが、私がお答えいたしましたのは、以上のような内容をお答えをいたしました。
○矢追秀彦君 いま言われた経済の体力がどの程度回復するかという点ですけれども、やっぱり一つのめどとしては、この三月、年度末ということは考えておられますか。要するにこの三月末でどの程度景気が回復してきたか、それで五十一年度予算、あるいは補正、それから今度五十二年度予算が執行されていく、その辺を考えた上でその辺が一つのポイントになりますか、それとももっとずれ込むか、あるいは夏ごろなのか、来年度予算編成時期、その辺が大きな一つの時期なのか、その点はいかがですか。
○政府委員(大倉眞隆君) そこはいまからいろいろな予測は必ずしもできない問題でございますけれども、通常の日程で申し上げますれば、ただいま審議をお願いしております中期税制につきまして、ただいまの税制調査会の委員をお願いしております方々の任期がたまたま本年の十月上旬に切れます。そのときには何らかの方向づけをしていただきたいということをお願いするつもりでおります。そこで、五十三年度に具体的にそういうような方向づけのある答申を踏まえて、五十三年度に具体的にどういうことを考えるべきかという手順に、税制だけから申すとなろうかと思います。またしかし同時に、十月という時期は、ほぼ五十二年度の経済情勢の推移について前半の感じがつかめる。そこで後半をもう一度見直すということもできる時期であるかもしれません。したがって、それがまた五十三年度にどうつながっていくかという予測も非常に誤差は大きいなりにある判断ができる時期かもしれません。それらを踏まえながら、特別の事情がない限り、やはり予算は年内に編成するということでございましょうから、十月から十二月にかけまして、予算編成の過程で他のあらゆる要素と一緒に、五十三年度の税制改正というのはどういう方向でどの程度のものを考えるべきかということを、大臣の御指示を仰ぎながら詰めてまいりたいというふうな手順になるのではないかと考えております。
○矢追秀彦君 大臣にお伺いいたしますが、いまいろいろお話をされたことを考えますと、やはり間接税と法人税、付加価値税ということに方向としてはなってくると考えられるんですが、まだこれからいろいろ検討されるとは思いますけれども、やはり方向性としてはそちらへ行かざるを得ないと、やっぱり大臣もそうお考えですか、その点いかがですか。
○国務大臣(坊秀男君) 大体の方向はいま主税局長がお答えしたとおり私も考えておりますが、しからば一体税の中でどういったような税を取り入れるべきかと、こういうことにつきましては、これは私は今度の中期税制改正におきましては、税制全般——所得税、法人税等の直接税、それから消費税——消費税と言ったってたくさんありますが、一般消費税、あるいはその他の特別の消費税といったようなものがたくさんあります。それからまた、資産課税というようなものもありますが、それらの税の中であらゆるものをひとつ爼上へ乗せてもらいまして、そうして現在の、ことしから来年にかけての経済情勢、それからまた五十五年度の見積もりといったようなものを勘案いたしまして、どういった税をどの程度取るかといったようなことを慎重に考えなければならない。つまり、いまのこの時勢に最も適切なる税体系というものはどういうものであるかと、つまり芋も大根も何もかも材料をすべて爼上に乗せて、そしてりっぱな租税体系をつくっていくためには何を選ぶべきか、どの範囲において選ぶべきかということは、これは大変大事な問題であり、かつまたそう簡単に決定することのできないものであるというように考えまして、それでいま税制調査会に真剣になって、去年から作業をしていただいておるということで、それをどれをとるかということについては、今日まだ私は具体的には考えておりません。決定もそれから腹も決めておりません。
○政府委員(大倉眞隆君) 大臣がいまお答えいただいたとおりでございます。先ほどの御質問の中に、付加価値税を考えていくのかというふうにおっしゃられましたけれども、私が福間委員にお答えいたしましたのも、昨日衆議院で社会党の只松委員にお答えいたしましたのも、それから二部会で検討していただいておる諸税と、一部会で申せば法人税との組み合せでございましょうというふうに申し上げておるわけでございまして、一部の報道で、これが付加価値税を意味するというふうに書かれておりますけれども、私がお答えをいたしておるとおりでございまして、付加価値税という特定の税目を頭に置いてお答えしておるわけではございません。
○矢追秀彦君 大臣、答申をお願いすると言っても白紙でお願いするのではなくて、やはりある程度の方向づけみたいなものは言われるわけでしょう。それは、先ほど大臣最初にお答えになったように所得税減税、所得税の増税よりむしろそうでないものをしたい、この方向はいいわけですね。
○国務大臣(坊秀男君) 私は、いま財政の責任者にしてもらっておりまするけれども、非常に国民にとって関係の深い税を、これをどういう体系にしていくかということを考えるに当たりましては、むろん私も、私個人の意見というものはないことはございませんけれども、そういったようなことで、とうていやっていけるものではない。結局は大ぜいの知恵を出していただいて、つまり最初は税制調査会で知恵を出していただいて、それで一つの体系をつくりまして、何にいたしましても、それをやっぱり国民に批判をしてもらわなければならない。国民に批判していただくということは、これはやっぱり現在の政治体制においては国会において審議して選択をしていただく。たとえば、たとえばの話でございます。一般消費税と法人税と、これを増税していくことがいいのか、あるいは所得税をいじっていくのがいいのか、あるいはまた、一般消費税を少し広げていくのがいいのかというようなことにつきましては、これはどんなことがあってもやっぱり国民の選択にひとつよる。選択にひとつお願いするということは、やっぱり最後には国会でお決めをいただくということでございまするから、そこで何と申しましてもその国民の選択、国会でお選びになるというようなことにたえ得るものを、これは租税体系としてつくっていかなければならない。かように考えておりまするので、いま何をどうすると、具体的なことをまことに御不満でございましょうけれども、私申し上げるだけのところまで到達いたしていないことを御了解いただきたいと思います。
○矢追秀彦君 そう言われますと、今度は、先ほど主計局長十月ごろというふうなお話ございましたですね。その辺だと間に合わぬのじゃないですか。いつも税の議論をする時間というのは非常に少ないんです。予算の中に組み込まれてきて予算が出てきた。今回まあ修正が幸い行われましたけれども、参議院においてはいつも税というのは、昨年は全然審議なしで採決、後で議論だけやったと、絶えず日切れ日切れということに押されまして、今年度も来週二、三回の審議でどうも終わってしまわなきゃならぬような情勢にあるわけでして、それはまあ衆議院はかなり議論されているでしょう、それでも少ないわけですね。もっと早い時点で、いま大臣言われたような、国民に議論をしてもらうと、判断を任せるというならば、これは相当答申はもっと早く出していただいて、しかもそれをむしろ国会にかけるとか、何らかのいままでとは違ったやり方にしなければ、いま言われたことは、実際具体的に議論する時間はないわけです。その点いかがですか。
○国務大臣(坊秀男君) まことにごもっともなる御意見だとして解釈いたしております。 〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕 ただ問題は、私は今度税制改正をするかどうかということは別といたしまして、あるいは予算とか、あるいは税制を翌年度に実施しなければならない、そういったような国の政策というものは、これは何としてもできるだけ早目に原案を決めまして、そうして御批判を願うということでなければ、なかなかいいものはつくれないということは私もよく存じておるのでございます。 ところが、いずれにいたしましても、たとえば税のごときものは、ことしの税は予算では見積もっておりますけれども、一体その実績はどういうふうに固まってくるかとか、その固まってくる模様によりまして、来年の御審議というものを見通していかなければならない。その上に立っての私は税の案を立てていかなければならないということから考えますと、これはやっぱり税は項目だけ並べて、所得税だ、あるいは法人税だ、あるいは一般消費税だ、あるいは資産課税だといったようなものを上げるだけでは、この税によってどれだけの税収が求められるかということも、これやっぱり私はそういったようなことを決めていくためには大事な大事なファクターだと思います。 そういうようなことから考えますと、一面におきましてこれは早目に何か原案をつくって、そうして御批判を願うということは大事なことでございますけれども、しかし、いま申し上げましたような、実際経済の動きと、来年の見通しといったようなものも、これも大事なことでございまして、これ考えてまいりますと、大変ごもっともなる御意見でございます、それはもうよくわかりますけれども、そんなに早目に御批判を願うというようなところまではいけないと、しかしながら、できるだけ速やかにこれはつくってまいらなければならないと、かように考えております。
○矢追秀彦君 次に、首脳会談について少しお伺いしたいんですけれども、拡大、均衡に努力をしなきゃならないと、 〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕 特に先進国首脳会議が今度ロンドンの会議を控えまして、ある程度今度は日米会談とは違った、ヨーロッパが入ってきますだけにまた厳しい面も出てくるかと思いますが、特に私聞きたいのは、国内需要ですね、国内需要を換起して輸入を拡大するということが果たしてどの程度可能と見ておられるのか、またそれをやるために予算の執行面において、大臣、どういうお考えがあるのか、この会談を踏まえてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) いまの日本の国で大事なことはそこだと思います。さような考え方によりまして、私どもは日本の国内における経済の成長、それも国内需要というものを、これを刺激するとかということによってこの目的を達成しようと思いましてつくったのが、これが私どもがいま御審議を願っておりまする五十二年度の予算でございますが、その予算をできるだけ速やかにひとつ御審議、御決定を願って、それからそれに加うるに、いろいろな、たとえば住宅の関係の問題につきましては、先般また閣議において決定いたしました住宅問題を初めいろいろなものを取り上げてこれを実施をしていこう。それからまた五十一年度の補正予算、これを上げていただいた、そういったようなものを渾然一体として、そして日本の国の経済をこれを景気を上げるとともに、日本の国の経済というものを安定成長の路線へ持っていって、そして世界の、何と申しますか、先進国の一つとして、そして国内の需要というものを上げることによって、輸出入等の、バランスというようなものにも貢献していくというようなことで、これはやってまいりたいと思いますが、そういうようなことを考えましても、今度の先進国首脳会議といったようなものを、そこで舞台にいたしまして、日本の行き方というものをこれをお話し申し上げまして、各国の御了解を願って、そしてそういったような線に沿ってやってまいりたいと、かように考えます。
○矢追秀彦君 この景気回復のかじ取りに、非常にむずかしい問題が私は二つあると思います。 一つは、現在の円高ですね。これはやはり日本の場合は輸入が一次産品が多いものですから、結局は輸出の停滞の方が先にきて、放置した場合は景気回復の足を引っ張る、こういう可能性が非常に出てきます。これがずっといまじりじり上がってきている、この辺を大臣どう克服されるのか。 それからもう一つは、いま言われた五十一年度予算の後残りの執行、それから補正、さらに五十二年度予算を先にどんどんやった場合、いま大体どこの業界も値上げを無理して抑えてきています。材料が上がっておる、工賃も上がっておる、しかし製品が売れないということで非常にがまんしてきたのが、いろいろ公共事業でお金がばんばん出てきた場合、そこで値上げが起こる可能性が出てこないか、その辺をどう克服した上で景気を、いま言われた安定基調に持っていかれるのか、私はこの辺二つが大きなネックじゃないかなと思うんですけれども、その辺の大臣の考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) そこが一番むずかしいところでございますね。一般的に申しまして、景気を上昇させるということと、それから物価を抑えて安定せしめるということは、きわめて単純に考えますと、これは両者が相背反するというふうに考えなければならない。そこで、景気を回復しつつ、しかも物価を抑えていくということが、一番むずかしいところでございまして、実際その実を上げていくのにはどうすればいいかということでございますが、今度の予算なり、税制なりというものが、言うなれば中途半端じゃないかというような御意見も、私はいまのこの状態、この実情に即しましてもうぎりぎりこれよりほかにないと思ってつくったのでございますが、そこが見方によりますれば、帯に短かしたすきに長しじゃないかというような御批判も受けるわけでございますが、まあこのぎりぎりの予算なり、税制なり、政策の運営をすることによりまして、何としてでもこの目的を達成してまいりたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 次に、石油関税について伺いますが、今回の引き上げの理由として、石油供給安定化対策の緊急性と当面の財政事情とこうなっておりますが、これではちょっと大ざっぱでして、もう少しこれを詳しく説明していただきたいのと、どうしてこの石油関税が必要なのか。というのは、石油関税については基本的に無税が望ましいと関税率審議会でも答申をされております。今回やむを得ない、こういうことになっておりまするが、この必要な理由、これをもう少し具体的に詳しく説明をしていただきたい。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま御指摘になりました二点、石油備蓄等の石油供給安定化の緊急性の問題につきましては、後ほど通産省から答弁があるかと思いますが、私どもの現下の財政事情からやむを得ないと判断いたしました点につきまして御説明いたしますと、御案内のとおり、この原重油関税は特別会計の財源となっておるわけでございます。したがいまして、もし原重油の輸入量がかなり大幅に増加いたしまして、現行の税率でも財政需要を十分満たし得るという状態でありますれば、増税をする必要はないわけでございます。しかし、現在の見通しでは、五十二年度におきまして、さほど原重油の輸入量がふえるということは余り期待できないというのが第一でございます。第二には、もし財源が足りない場合には一般会計から繰り入れたらどうかという点でございますけれども、これにつきましては、一般会計の財源が非常に苦しい。その三分の一が国債で賄わなければならないというような現状からいたしますと、これはほとんど無理ではないか。また第三には、この会計の歳出を削る点につきましては、石油備蓄対策等の財政需要を削減するということは非常にむずかしいという点がございまして、そのような意味で現下の財政事情からして、増税がやむを得ないというふうに判断した次第でございます。
○政府委員(古田徳昌君) 石油の安定供給の緊急性についてお答えいたしたいと思います。 わが国の一次エネルギーの供給の七三ないし七四%が現在石油に依存する形になっておりますが、その石油は、ほぼ全量、九九・七%海外からの輸入という形になっているわけでございます。こういうわが国のエネルギーの供給構造の特殊性からしまして、石油の安定供給の確保は非常に重要な国民生活上あるいは国民経済上の観点から課題であるということは、言うまでもないことでございますが、特に近年におきまして国際石油需給情勢が短期的にも非常に不安定になっている。それから長期的に見ましても一九八〇年代末から一九九〇年代の初めには、世界的な石油の需給関係はかなりタイトになっていくんではないかというふうな見通しが強くなっているわけでございまして、こういう観点からしまして、安定供給確保策のための石油の開発の促進、それから石油の備蓄の増強が非常に急がれているわけでございます。特に石油の備蓄の増強につきましては、現在私どもとしましては、五十四年度末九十日備蓄の達成ということを目標としているわけでございますが、このためにはあと三年間の間に二千三百万キロリッターの備蓄タンクを建設する必要があるという形になっております。そういうことでこの実現のために積極的に財政資金による助成も行っていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
○矢追秀彦君 この関税率審議会において検討期間を考慮して二年に限り輸入関税の引き上げもやむを得ないと。いま三年と言われましたですね。これ二年でいいわけですか。いま三年かかるとおっしゃった、備蓄の問題では。そうしたらもう一年要るんじゃないですか、いまのお話だと。
○政府委員(古田徳昌君) 原重油関税の引き上げによります財源措置につきましては二年間の暫定措置という形になっておりますが、基本的に総合エネルギー政策の中での備蓄政策あるいは石油開発政策の位置づけ、さらに全体としましての財源措置につきましては、これから二年間の間に全面的な検討を行うということで、現在すでに通産省としましては総合エネルギー調査会の場におきましての検討を開始したところでございます。その検討の結果に基づきまして、この二年間の暫定措置の後の財源対策についての方向が打ち出されていくものだというふうに期待しております。
○矢追秀彦君 その二年間で実際できるのかどうかですね、そのエネルギー対策が。というのは、四十二年の総合エネルギー調査会の答申によりますと、昭和六十年度に三〇%の自主開発原油を目指す、それが四十年には一三%が五十年度は逆に八・八%と減少しておるわけです。そうすると、六十年に三〇%というのが、このままでいきますと非常に無理と考えられるわけです。いま言われたこの二年間の間にこれだけの自主開発原油ですね、これを目指すだけのこともできるのかどうか、非常に不安に思うわけですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(古田徳昌君) 総合エネルギー調査会の答申を受けまして、四十二年の十月に石油開発公団が発足したわけでございますが、その後の石油開発公団の活動を中心としまして、わが国の自主開発原油の総量は逐次増加してきたわけでございます。昭和五十年度には二千三百万キロリッターに達しておりまして、比率は八・九%というふうになっておりますが、この比率が、先生御指摘のように数年前に比べて若干むしろ低下している面は確かにございます。これはその間の石油の需要量の伸びが当初予想したよりも非常に急速であったということの反映ではないかというふうに思っております。ただ、この公団の開発の成功率の状況を見ますと、油田の発見率が六%ということで、世界平均の二・七%よりもかなり高いというふうな形になっております。こういう面では、石油開発公団を中心とします海外開発自体は円滑に実施されてきたというふうに見られるのではないかと思います。 ただ、一九七一年のテヘラン協定以降、OPECの活動が非常に活発になりまして、そのために世界的な産油情勢が非常に変化したというふうなことで、その情勢の変化が背景にありまして、必ずしも海外開発の促進が当初予想したよりも急速に伸びなかったということはあるかと思います。しかしながら今後につきましても、安定供給の確保の観点からしますと、自主開発原油の確保はまず何といっても第一に必要な手段でございますし、それから長期的な観点からしますと、世界の石油の一割を消費しているわが国としましては、資源の発見のための努力というのは国際的な責務でもあろうかというふうに考えているわけでございまして、ただしその三〇%の目標値をどうするかというふうなことにつきましては、今後の石油情勢等との関係も考えながら、先ほど言いましたエネルギー調査会の中での検討を経て結論が出されていくのではないかというふうに考えております。
○矢追秀彦君 石油開発にリスクが多いのを認めますけれども、五十二年度でもその出資金は五百四十五億円も出しているわけですね。かなり大きな金額が出されておりながらさっき言ったようなデータでありますし、非常に石油開発公団の機構あるいは予算の執行、開発会社等のいろいろな改善をもっとしなければならぬのじゃないか、お金もかなり使われておるわりに成果が上がっていない、もちろんむずかしい点わかるんですよ。だけれども、まだまだ改善する点は相当あるのではないか、こう思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(古田徳昌君) 昭和五十二年度の石油開発公団に対します資金供給は、先生ただいま御指摘のように、総額は五百四十五億円となっておりますが、そのうち開発のための原資となりますのは四百三十二億円でございます。石油開発公団の事業は、いろんな事業活動の中でも最もリスクの高い石油産業の探鉱部門を中心といたしておりますので、その成果につきましては、先ほど申し上げましたように、世界的な平均から見ますと、成功率は高くなっておりますが、一般的な産業との比較で考えますと、非常にそのリスクの高さは見られるわけでございます。ただ、今後の石油開発公団の探鉱活動の促進につきましては、先ほど言いましたように、いろんな観点から今後なお積極的に推進していく必要があるわけでございまして、この成功率をできるだけ高めるように、対象として選定します。プロジェクトを十分厳選していくというふうなこと、あるいは助成措置をできるだけ効率的な形に持っていくというふうなことも必要になってくるのじゃないかというふうに考えております。
○矢追秀彦君 時間がありませんので、大蔵省にお伺いしたいんですが、この原重油関税は石炭石油特別会計の財源になっており、石炭勘定が千二百億円、石油が六百八十億円、しかもその石炭勘定の方は予算の約半分が公害対策費、産炭地域振興対策費、炭鉱離職者援護対策費等のいわば後ろ向きというか福祉面、そういった面に使用されておるわけです。石炭の現状から言えば、これはやむを得ないと思いますけれども、果たしてその石油にかけた関税を、そこで入れた収入を、歳入をそういうふうなことに使うことはいいのかどうか。先ほど来言いましたように、無税であるべきと答申されておるのに、当面の財政経済事情ということが言われておるわけですけれども、果たしてそれは許されるのかどうか。というのは、石炭が今後これをやることによって本当に立ち直って、昔のようにまではいかないかもしれませんけれども、このエネルギーの対策になるのかどうか私は非常に疑問に思うわけですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) 石炭特会ができましたときの考え方は、申すまでもございませんが、国内産のエネルギー、なかんずく石炭の保護と、それから国産原油の奨励というような観点で、全体のエネルギーの中で石炭のウエートが非常に高かったと。それを保護するということで、石炭特会が関税を財源として始まったわけでございますが、四十五年の前後にOPECの前回のいろんな問題が起こった際に、財政制度審議会で議論いたしまして、この石炭特会の中に今度は石油勘定を設けて、石油というエネルギーを含めた総合的なものに改組していこうという、そういう考え方で現在の石炭石油特別会計が関税を特定財源とするエネルギー特会として存在しておるわけでございますが、ただいまの問題点の御指摘の中で、石炭のウエートが非常に高いというのは、多分にそういうような経費的な背景があるわけでございます。それでこの数年ごらんいただきますと、石炭勘定への配分は非常に安定的に推移しておって、関税の伸びに比べますと、石油勘定への方の配分が非常にでかくなってきておるということは端的にあらわれておるわけでございます。 なお、その石炭産業が今後立ち直れるかどうかというような問題は確かにあるわけでございますが、五十年度の際の二千万トン体制というもの、通産省の方で鋭意いろいろな行政指導なり、あるいはこの特会からのいろんな施策を総合的に講ぜられているところでございますので、われわれとしてはそういう通産省の石炭対策を信頼いたしまして、ただいまの石炭特会の最近の、石炭勘定の最近の傾向から見ても、これがべらぼうにふえていくものではない。だんだんと石炭産業というのは立ち直っていくんではないかというふうに考えております。
○矢追秀彦君 私が聞いているのは、別に石炭をだめにしろというんじゃなくて、この石炭の勘定の中で後ろ向きというか福祉面が多いわけですから、それをやはりこれで賄わなくちゃいけないのかと、そういうことなんですけど、その辺はどうなんですか。
○政府委員(加藤隆司君) これは白紙で考えますといろいろな考え方があろうかと思うわけです。それでことしの五十二年度予算編成の過程で、通産省にいろんな関税に財源を求めるか、あるいは他の財源を求めるか、いろんな議論があったわけでございます。これは五十年度の編成のとき、五十一年度編成のとき、前二回やりまして今回三回目であるわけですが、われわれいろいろ検討したわけでございますが、経済の状況が非常に石油ショックの後異常状態にある。片や緊急のそういう財政需要がある。そういう中で石油の備蓄というものをどう考えるか、石炭の問題というものは、御指摘のように後ろ向きの金がかなりウエートを占めているわけですが、それを一体どう考えるのかという、そういう非常にむずかしい問題に逢着したわけなんですが、現実的な処理をせざるを得ないんじゃないか。緊急的な財政事情は片っぽに出てきた。片やいろんな背景を背負った石炭のいろんな問題、そこに伴う財政事情が現存しておるわけでございます。そういうものを大がかりな抜本制度改正というもので果たして解決できるであろうか、いろんな議論になってまいりまして、五十年、五十一年のように結局積極的な施策がとれないかもしれない。そこで現在の制度を活用するということによって活路を見出すべきではないだろうかというような考え方、これは通産省もそう考えたわけでございますが、そういうようなことで、確かに石炭勘定については、そういう社会福祉的な要素がございますけれども、中をごらんいただきますと、必ずしもそれだけではなくて積極面もあるわけでございますが、いろいろ見方はありましょうが、そういうようなことで最も現実的な処理ということを考えたわけでございます。
○矢追秀彦君 時間がありませんので、一つは、仮に二年後にこれが廃止された場合、特別会計はどうされるのか、歳入をですね、財源をどこに求められるのか。 それからもう一つは、これは大臣最後に二年後にやはり廃止される決意なのか、答申の線で。それをする場合の二年間のエネルギー対策の確立はきちんとできるのかどうか、その点をお伺いしたい。 それから、まとめてもう一つ、これ印紙税のことちょっと一言伺って終わりますが、時間ですから、銀行振り込みについて伺いたいですが、振り込み金の受け取りの印紙税がもし今回改正になった場合、振り込みの手数料と関係がないのかどうか、いま百五十円で大体送っていますよね。それには絶対影響出ないのかどうか、その点はどういうふうになっているか。それだけ印紙税関係お伺いして私の質問、時間ですから終わりたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) 前段の方の御質問、大臣が答弁される前に若干技術的なことを申し上げたいと思いますが、関税率審議会の答申は、廃止するという表現ではなくて、検討するという表現になっております。それで現在通産省の方で総合エネルギー調査会の基本問題懇談会で、二年間かけて原子力まで含めた総合エネルギーの需給の問題、あるいは国民的なアクセプタンスの問題、あるいは資金の調達の問題、こういうような問題を検討しようということで、先ほども通産省の方から答弁がございましたが、そういう総合エネルギー体系の中で、この特別会計をどういうふうに持っていくべきであるか、あるいは現在特別会計に直入しております特定関税をどうするかということを検討したいということで、この国会が終わり次第関係各省が鋭意検討にかかるというような段階でございます。
○政府委員(後藤達太君) ただいまの銀行の振り込み手数料の関係でございますが、現在の振り込み手数料の百五十円と申しますのは、四十八年からやっております料金の手数料でございまして、その前は百円でやっておりました。四十八年ごろにいろいろな物価の関係等を見て銀行が直されたものと思います。これは銀行がそれぞれ決めておることでございまして、役所の方で介入をいたししておりませんことでございますが、やはりこの印紙税の関係もそのコストの一つではございますから、やはり将来この手数料をどうするかということを銀行が検討します場合には、その一つの要素にはなるだろうと思います。ただ、ただいまのところ銀行がすぐこれを上げるとか考えておるという話は聞いておりません。そのような状況でございます。
○矢追秀彦君 これはあくまでも銀行局としては指導はできないわけですか、あんまり急に上げるなとか。いま全然関係ないとおっしゃったでしょう。それは全然いままで介入してこなかったということは、まあこういう問題もなかったからだと思うんですけれども、今回これ上がったと、だから直ちに手数料値上げということは十分注意しろとか、そういうふうな指導はされますか、されませんか。
○政府委員(後藤達太君) 基本的に私ども介入をいたしてまいっておりません。ただ、いま先生のような御議論がございますれば、その御議論があったことは銀行には伝えておきます。
○矢追秀彦君 大臣、いいですか、二年間。
○国務大臣(坊秀男君) 暫定期間の二年が切れた後どうするかと、こういう御質問かと思いますが、今後二年間の暫定期間中に、石炭石油対策その他エネルギー政策全般について国の財源対策のあり方を初め広く検討を行いまして、費用負担の裏づけを確立するよう努力してまいりたいと思っております。通産大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会に専門の分科会を設けて御審議をお願いしておるところでございます。したがって、現在の段階であらかじめ方針を決めまして、そこで申し上げるところまではいっておりませんが、いずれにいたしましても、石炭石油対策の遂行に支障のないよう必要な財源確保に努めてまいるつもりでございます。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 委員の異動について報告いたします。 本日、近藤忠孝君、岩動道行君、藤川一秋君及び嶋崎均君が委員を辞任され、その補欠として、安武洋子君、望月邦夫君、坂元親男君及び初村滝一郎君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○渡辺武君 最初に、前回に続きましてつむぎの問題について若干伺いたいと思うんです。 前回も私申しましたけれども、いまのガットの東京ラウンドの交渉の中で、アメリカ側からもEC側からも、ガットのセーフガード条項、これの適用の、何といいますか、柔軟な適用という問題が提起されておる。個々の品目については賛成反対いろいろあるだろうと思いますけれども、私は、これはやはりこの大きな不況の中で、発達した資本主義国の間でも非常に大きな経済的な格差が生まれているし、同時にまた産業部門間の格差も非常に生まれているという状況のもとで、また他方では発展途上国の工業的な発展というような問題もあって、恐らくこういう問題が提起されるのも時の勢いだというふうに考えざるを得ないわけです。恐らく政府当局としても、この東京ラウンドの交渉の中でこうした問題について何らかの対応をしなきゃならぬという事態に立たされているんじゃないかというふうに思うんです。 ところが、一方でいま韓国産のつむぎの輸入によって大きな打撃を受けているつむぎ産業、特に大島つむぎですね。これは大臣も御承知のように、もう二百年の伝統を持った本当にもう手工業の技術に立脚した産業なんです。私も現地へ行って視察して非常によくわかりましたけれども、とにかく染料にしましても木を長時間煮て染料をつくり、有名などろ染めと称して、どろの中で何回もつむぎをもんで色をつけるというようなことをやっておりますし、織りの技術も非常に複雑でほとんど手の技術に頼る、こういう状態なんですね。そういう産業のつくった物を大体いままで自由化したことがそもそも間違いだというふうにしか考えられないような状態なんですね。これがいま大きな打撃を受けていると。 ところで、私は、ガットに自由貿易主義のたてまえを維持するためにもセーフガード条項というのがあるわけですから、こうした事態に陥っている国内の伝統的手工芸品産業を救済するためにも、やはりこのガットのセーフガード条項を適用して、日本でも適切な措置をとるべきじゃないかというふうに思うんですが、いろいろ調べてみますと、この緊急輸入制限についてやることができるというような国内法がどうも見つからない。国内法があるのかないのか、これをまず伺いたいと思います
○政府委員(旦弘昌君) 輸入制限をいたします手段としてはいろいろなものがあろうかと存じます。ただいま先生が御指摘になりました大島つむぎ等のつむぎの織物につきましては、私どもが了承しておりますところによりますと、通産省が主体となりまして、韓国政府との間に数量的な自粛をしていただくような話が現在も進行中でありますし、また五十一年分につきましてもその話し合いが成立しておるように聞いております。そのような話し合いによります輸入の規制と申しますか、そういうような方法が一つございます。それからもう一つの方法といたしましては、急に、ある品物がフラッドしましたときに、関税の措置といたしましてこれを関税を引き上げるとか、そういうような方法で対処する方法があろうかと思います。その制度につきましては、現行の関税定率法の九条の二というところで、一定の条件がございますけれども、「特定の種類の貨物の輸入が増加し、当該貨物の輸入が、これと同種の貨物その他用途が直接競合する貨物の生産に関する本邦の産業に重大な損害を与え、又は与えるおそれがある場合において、国民経済上緊急に必要があると認められるときは」これをストップするという、防ぐために措置を、緊急関税を課するという規定がございます。そのような規定はすでに現存しておるところでございます。で、私どもが考えますところでは、このような緊急関税の措置をとるのも一つの方法でございますけれども、現在せっかくその数量的な自主規制につきまして話し合いが進んでおるところでございますので、しかもその方法はかなり効果のある方法でございますので、そういう点で対処していくのが現在とるべき筋ではなかろうかと、かように考えております。
○渡辺武君 いや、その韓国との間の政府間の交渉ですがね、前回も伺いましたが、前年度よりもまあカットダウンしていま交渉中だということなんですね。ところで五十一年度も大体まあ三十万反というところが交渉内容だったと思うんですけれども、実際のところ、私通産省からいただいた資料によりますと、五十一年、これは年ですね、かすり糸を用いた物の韓国からの輸入ですね、絹製品ですね。これは反に換算して三十六万八千六百九十四反と、こういうことになってるんです。ところが、業者の方がわざわざ韓国まで行って生産の事情を調べている。それによりますと、前回も申しましたけれども、とにかくつむぎ用の織り機が一万五千台ぐらいある。日に一反とちょっとくらい。国内の生産の事情とにらみながら考えてみて、大体二百万反ぐらいはこれは入っていることは確実じゃないかという状況なんですね。ところが、税関の統計では、もしこれが先ほど申した数字が全部つむぎだと、仮に、ほとんどそうだろうと思いますが、つむぎだとしても、二百万反とは大分かけ離れておる。それで業者の人たちは、この統計自身にも疑惑を持っておりますけれども、同時に税関を通らないでたくさんのものが入ってきているんじゃないかということも言っているんです。現にみやげ品と称して飛行機などで持ってくる、あるいは郵便で送るというようなものもずいぶんあるようであります。大蔵省に資料いただいているんですけれども、何か一度昨年の十二月にサンプル調査をやったと言いますが、これちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま御質問のありました大島つむぎの旅行者による携帯輸入の事例につきましては、私ども現場の税関の職員に、経験によりますと、その実績はごく少ないというふうに判断しておったのでございます。しかし、通産省等の関係省から行政目的に基づきまして、大島つむぎのその携帯輸入の輸入量の実態調査につきまして御依頼もありましたのと、それから私どもの経験値による推測とどういうふうなことになるのかという観点から、昨年の十二月に旅客等の協力を得まして、韓国産の本場大島つむぎ類似品等の実態調査を実施したところであります。この調査方法は、韓国から入国いたします旅客に対しまして、本場大島つむぎ類似品及びその他のつむぎという品目を特掲しました携帯品の申告書を特に配付をいたしまして、それに記入していただきまして集計したものでございます。その結果、本場大島つむぎ類似品と申告のあったものは全部で五百二十八反でございました。その中には一反三万五千円未満のわりあい安いもの、これが約七五%でございました。
○渡辺武君 向こうの賃金は日本の労働者の賃金の三分の一以下だと普通言われてるんですね。実際もっと安いだろうと言われているんです。ですから、三万五千円未満のものだからといって、大島つむぎ類似品とは考えられないという、そういう受け取り方もちょっとわれわれとしては承知できない。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま私の申しましたのは、この三万五千円未満のものは本場大島つむぎ類似品とは言えないと申したのではございませんで、本場大島つむぎ類似品と申告されたものが五百二十八反ございまして、その中で比較的安いものが七五%を占めておったということでございまして、この安いものも本場大島つむぎ類似品ということで申告されたものでございます。
○渡辺武君 いや、あなたの方からいただいたものには、大島つむぎ類似品とは考えられない一反三万五千円未満のものが約七五%を占めている、書いてあるから伺った。これはあなたの答弁でいいですね。
○政府委員(旦弘昌君) 私が申し上げたとおり、申告がありましたのは、本場大島つむぎ類似品として申告のあったものがそれでありますということでありまして、その中で三万五千円以下の価格のものがこれだけありましたということを申し上げておるわけでございまして、それが実際に本場大島つむぎ類似品であるかどうか、それはまた申告がありましたら、そういう事実であったということを申し上げておるのでございます。
○渡辺武君 これはどこで調べたのですか、空港で調べたのですか。
○政府委員(旦弘昌君) これは空港だけでございませんで、羽田、伊丹、福岡——これは空港でございます。それから下関の海港でございます。
○渡辺武君 それにしましても一カ月五百二十八反というのは、さっきも言いましたが、業者の言っているのとはずいぶんかけ離れている感じが強いですね。やはりこういうようなものについても、私はもっと身を入れて調査すべきじゃないかと思いますけれどもどうでしょう。
○政府委員(旦弘昌君) その点につきましては、この携帯品の輸入につきましては、私どもとしましては、この調査の結果からいたしましても、私どもの職員の従来の勘と申しますか、推測とさほどかけ離れたものではない、かように考えております。しかし、この大島つむぎの分類上、この商業輸入の分類上、このつむぎだけをえり出すということが従来の分類ではできなかったのでございます。したがいまして、この大島つむぎを含みますつむぎ織物につきまして正確な数量を把握したいと、統計上も把握したいということで、昨年分類を改正いたしまして、絹織物の中でしぼり加工のもの、あるいは紋織りのもの、これ以外のものというふうに分けまして、その紋織りのもの、しぼり加工のもの以外の中につむぎ類が入りますので、そういうことで分類を分けまして細分いたしまして、数字を確定いたしたい、正確に把握いたしたいという努力をしておるところでございます。
○渡辺武君 ところで先ほどの御答弁を伺いますと、政府間で協定しているからそれに任したい。しかし、国内法としては緊急関税の措置ができているのだということで、それ以外には国内立法ないということですね、こういう緊急に入ってきたものについては。
○政府委員(旦弘昌君) その他の方法といたしましては、あるいはこれは通産省の関係かとも存じますが、輸出入貿易管理令の規制などの方法があるかとも存じます。
○渡辺武君 通産省、どうですか。
○説明員(保延進君) 御指摘のように、輸入貿易管理令に基づきまして、必要な場合には輸入承認制度等を引用することによりまして輸入を抑制することは可能かと思います。
○渡辺武君 輸入制限をすることが可能だとおっしゃったんですか。よく聞こえなかったんだが。
○説明員(保延進君) 制度的には可能と思います。
○渡辺武君 そうしますと、政府間交渉で取り決めても、事実上はそれが守られていないという訴えが非常に強い。現に現地のメーカーはこれはもう在庫がふえちゃって非常に危険な状態になってきている。もちろん不況という状態もありますけれども、外国からの輸入でそういう状態になってきているということは、やはり業界の存立そのものにかかわる重大問題です。もしそういう国内法があるならば、それを発動して、この輸入制限措置、これを講ずべきじゃないかというふうに思いますが、いかがです。
○説明員(保延進君) この問題につきましては、この前も御説明申し上げましたように、韓国との協定によりまして輸入の抑制を図っておるわけでございますが、韓国側は、協定を守っておるということにつきまして、わが方はたびたびいろいろな面でチェックをいたしておりますけれども、その辺の心証は得ておるわけでございます。したがいまして、今後ともこの方法を続けていくことが、日本と韓国との貿易の円滑性の維持という点から考えましても妥当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺武君 これは大蔵大臣に伺いたいのですが、先ほど答弁のあった緊急関税について、つまり関税定率法の第九条ですね、それについては大蔵大臣がこの実情を調べて、そうして必要があれば関税率審議会に諮問をするという措置がとられることになっていると思うんですが、それで、いまも輸入量そのものについても、業界の見ておるところと政府側の見ておるところは大分食い違いがある。やはり業者がいま非常な窮乏状態に陥っておる。奄美大島の名瀬市なんかは、人口の三分の一は、このつむぎで食べておるんですよ。あそこにはほかに産業がないんです。もしこれがつぶれたら大変なことになるんですよ。そういうような実態にあるところに、韓国産つむぎで大きな打撃を受けておるんですよ。大臣としてもその実情を調べられて、そうして必要があれば関税率審議会に諮問するという必要があるんじゃないかと思いますが、おやりになっていただきたいと思いますが、その点どうですか。
○国務大臣(坊秀男君) 大島つむぎの問題につきましては私も聞いております。承知しております。今日の——いままあお話をいろいろと聞きましたけれども、何ですか、卑俗な言葉で言えば、抜け荷で入ってきておるというようなこともおっしゃっておられましたが、こういうものにつきましては、これはきわめて厳格に扱っていくべきものだと思います。抜け荷なしに入ってきておるものにつきましては、通産省の方からもお話がございましたが、何とかして話し合いによって解決をしたいと、こういうふうに言われておるので、私もそれが一番最善の方法かと考えます。 そこで、いますぐそれじゃ何か法的措置を講じたらどうかと、こういうお話でございますが、いましばらくこれはやっぱり話し合いをとことんまでやっていきたいと、かように考えております。
○渡辺武君 それでは、次に原重油関税の問題について伺いたいと存じます。 今度の原重油関税の引き上げ、私の記憶ですと十四年ぶりの引き上げになるわけですけれども、これで増収額は一体どのぐらいになるんでしょうか、今年度、来年度ともに。
○政府委員(旦弘昌君) まず五十二年度の増収額でございますけれども、今般の引き上げによりますものが二百八十億円でございます。 それから、いわゆる低硫黄原油の減税を廃止いたしました分が六十億円でございますので、合わせて三百四十億円の増収でありまして、これを含めまして五十二年度の予算の原重油関税の収入額といたしましては千八百三十五億円でございます。 第二の、五十三年度の税収は幾らになるかという御質問でございますけれども、これはまだ五十三年度の原重油の輸入量がどのくらいになるかということは、私どもは推計をいたしておりませんので、その数字は現在持っておりません。
○渡辺武君 先ほどもほかの委員からも御質問がありましたけれども、ガットの東京ラウンドですね、日本がいわば主唱国で進めなきゃならない立場にある、いわば関税の大幅引き下げというのがその一つの重要な内容になっているわけですが、まさにそういう時期に、わが国がこうして関税率を引き上げる、ちょっと解せないところがあるわけですね。で、関税率審議会の答申を見てみますと、「基本的には無税が望ましいとの立場に立って」おるということを最初に言って、最後にもその原重油関税は「基本的に無税が望ましいとの立場に立ってその関税の引下げを強く要望する。」ということも書いてあるわけですね、それを二年間の措置ではあるけれども、こうして引き上げる。一体なぜこんなことをなさるのか。この使い道は石油の備蓄のためだというふうに言われておりますけれども、主としてはそうですか。
○政府委員(旦弘昌君) まずガットとの関係でございますけれども、なるほど現在の東京ラウンドにおきましては、関税率の引き下げに向かいまして、ガットで努力をしておるところでございます。先般のケネディラウンドの際にもこの引き下げが行われたわけでございますけれども、その際は、この原重油関税につきましては、アメリカも日本もその対象から外して、それはガットでも認められたのでございます。わが国の石油関税につきましては、これは財政関税でございますし、その財政関税は、ガットの規約の中においてもこれは認められておりますものでありますので、そういう扱いになったものでございます。 それから第二の、今般のこの答申の中におきまして、御指摘のように、関税率審議会は、従来から原重油関税につきまして、基本的には無税が望ましいという立場に立って政府に意見の表明を行ってきたというのは、おっしゃるとおりでございます。しかしながら、原重油と申しますか、石炭、石油対策の緊急性、特に石油の備蓄、あるいは探鉱の必要というような点から考えまして、特に暫定期間二年に限りまして、暫定措置としてこの引き上げもやむを得ないということの御答申をいただいたのでございます。 それから、さらに御指摘のように、そのなお書きにおきまして、この二年間の抜本的検討を行うに当たりましては、当審議会としては、従来からたびたび言及しているように、原重油関税は基本的に無税が望ましいという立場に立って、その関税の引き下げを強く要請するということを書かれておるのは、その御指摘のとおりでございます。
○渡辺武君 使い道……。
○政府委員(古田徳昌君) 今度の原重油関税の引き上げ措置によりまして、五十二年度の石炭及び石油対策特別会計の歳入予算額が千八百八十億円というように計上されておりますが、そのうち関税引き上げによる増収額は二百八十億円になります。 使途につきましては、石炭鉱業対策のために千百九十九億円、それから石油対策のために六百八十一億円ということになっております。 石油対策について内容を御紹介いたしますと、石油の備蓄増強対策、それが五十一年度百一億円でございましたが、二百四億円ということで倍増いたしております。この中身の主なものとして二つありまして、一つは、共同備蓄会社の促進のために石油開発公団から出資を行いますが、それが四十億から九十六億にふえております。それから石油備蓄のための原油代金に対しましての利子補給を四%から四・五%に引き上げるということで、五十五億円から百四億円にふえております。 それから二番目の大きな柱としまして、石油の探鉱開発の促進でございますが、これは石油開発公団に対します出資額としまして、五十一年度の二百七十七億から五十二年度の四百四十九億、これは探鉱投融資のほか債務保証金等も加えまして四百四十九億というような数字になっておりますが、その他の項目を合わせまして、石油対策費全体が四百八億から六百八十一億にふえているというようなことになっております。
○渡辺武君 その石油備蓄のために石油精製会社に利子補給をやると、金額百四億円と、ずいぶん大きな額だなあと思わざるを得ないですね。それからこの共同備蓄会社に九十六億円出資するということになっておるわけですね。大体大企業に対してこういう措置をやって、なおかつ石油備蓄をやらなければならぬ。しかも九十日の備蓄目標ということでしょう。これはどうですか、アメリカのキッシンジャーがあの石油危機の当時、いわゆる俗にいうキッシンジャー構想というものを発表して、それに基づいてIEPですか、これがつくられた。そこで九十日備蓄というのが決まって、それを実行するために行われているということだと思いますが、どうですか。
○政府委員(古田徳昌君) 日本のエネルギーの供給構造が七三ないし七四%石油に依存し、かつそのほとんどが海外に依存しているというふうな、非常にいわば供給構造として脆弱性を持っているということから、石油備蓄を促進するということが出てきているわけでございまして、これはヨーロッパないしアメリカにおきましても同じような考え方で石油備蓄の増強対策を講じているのと考え方としては全く同じでございますが、実態的な必要性があってそういうことを政策として打ち出しているということでございます。九十日について理論的にどの水準が妥当かということは、これはなかなかむずかしいわけでございますけれども、四十八年十月の石油危機のときに、私どもとしましては六十日の備蓄対策ということで考えていたわけでございますが、あのときの混乱を考えますと、やはり六十日では不足だというふうな反省が一つあるわけでございます。それからもう一つは、西欧諸国がいずれも九十日以上の水準に達しているというふうなことも参考にしながら、九十日備蓄増強対策を五十年度に打ち出したわけでございます。 それから、この企業に対する助成措置の問題でございますけれども、これは、もともと石油産業の通常のランニングストックといいますか、商業ベースでのストックの量は四十五日分というふうなことになっておりまして、これを上回って現在、備蓄法に基づきまして強制的に備蓄をさしているわけであります。この強制的に備蓄をさしておりますのは、いわば先ほど言いましたような社会的な混乱なり国民生活の混乱を回避するためにやっていこうということで、いわば国の政策として国民経済の安全のために行わせるというふうなことになっておりますので、国としても何らかの助成を考えたいということが一つあります。 それからもう一つは、その目標値を五十四年度末までというふうなきわめて短期間に達成するということで進めております関係上、非常にその負担が大きくなっている。先ほどちょっとお話しいたしましたけれども、今後三年間の間に二千三百万キロリッター分のタンクを建設すると必要資金が一兆六百億に達するというふうなことになっておりまして、企業独自での負担では非常に困難な水準であるというふうなことで、私どもとしましては、財政的な助成を図っていきたいというように考えている次第でございます。
○渡辺武君 私も、石油備蓄が全然必要でないなんということを言おうとしているわけではないんです。それは、確かに日本のように輸入石油に非常に依存して、国内エネルギーの自給率一〇%を割っているというふうな、そういう異常な事態ですから、多少の備蓄は持たなければならぬ、これは明らかですよ。しかし、その一九七四年の二月に、ワシントンで石油消費国会議がアメリカの呼びかけで開かれて、そしてここで、先ほど言い間違えましたがIEAですね、国際エネルギー機関、これの設立と国際エネルギー計画の構想がいわば採用された。この国際エネルギー構想の第二条でしたかな、国際エネルギー計画ですね、これの第二条で、九十日分に相当する緊急時備蓄というものが加盟国に義務づけられているという事実はあるでしょう。今度の措置はそれに基づいているんじゃないですか。
○政府委員(古田徳昌君) IEAの第二条で、努力目標として九十日ということは掲げられております。 なお、私どもの現在行っております九十日備蓄の達成のための施策は、先ほども御説明いたしましたように、日本経済のエネルギー供給構造の実態的な判断からということが主体でございます。
○渡辺武君 まあ、日本には日本の立場も確かにあるかもわかりませんがね、しかし日本はこの加盟国でアメリカに次いが表決権は大きい国でしょう。だから、そういうところでやはり九十日分の備蓄ということが、努力目標にしても義務づけられているということは、これはやっぱり日本はそれを実行する義務を持っているというふうに見なきゃならぬし、今度の措置はまさにそういうキッシンジャー構想に基づくものだと見るのが私は当然だと思うんですね。 ところで、このキッシンジャー構想ですけれども、あのときにキッシンジャーが言っておりますように、産油諸国に対していわば対決的な態度でこの緊急時に石油の備蓄をしておかなきゃならぬのだというようなことを言っているわけでして、やはりこれが発達した資本主義国を中心にああいう新興の産油国、これに対して対決していくということが基本にあってのことじゃないかというふうに思いますが、その点どうですか。
○政府委員(古田徳昌君) 産油国との関係につきましては、現在国際経済協力会議、いわゆるシエクで産油国及び消費国の会議が継続的に行われていることは御承知のとおりでございます。その場におきまして産油国と消費国との協力関係が具体的な形で詰められていくというふうになるんではないかと思います。 それからもう一つ、現在IEAにはフランスは参加しておりません。先生御承知のとおりフランスは参加しておりませんが、フランスも備蓄増強対策を積極的に講じまして、現在の備蓄水準は九十七日ということになっておりまして、国際的な考え方からしましても、やはり実態的判断として九十日程度の備蓄を持っておくというのが最近の一般的な傾向ではないかというふうに考えております。
○渡辺武君 フランスが参加してないというのは、アルジェリアその他アフリカ諸国との関係が特別に深いし、そしてアメリカのそういう国際的な対決姿勢というものに対してフランスが反発したからこそ入っていないんですよ。ですから、やはり私は、一方でOPEC諸国とのいろんな協議ということは進めながらも、その基本としてやはりキッシンジャー構想に基づくこうした備蓄計画というのに日本が、まあいわば参加をして、その実行のために関税も引き上げると、大企業にも利子補給をやる、融資もやるというようなことをやっているという点は、これはまことによろしくないことじゃないかというふうに思うんですよ。 ところで伺いたいことは、いま申し上げましたように二千三百万キロリットル今後も備蓄しなきゃならぬと、ずいぶんべらぼうな備蓄基地をつくらなきゃならぬだろうと思いますけれども、いまどういうところにそういう基地を設定しようとしているのか、あるいは設定しつつあるのか、その点を伺いたい。
○政府委員(古田徳昌君) 二千三百万キロリットルを全体としては五十四年度末までに建設する必要があるわけでございますけれども、企業ベースで大体その半分程度は達成されるのではないかというふうに考えております。現在企業が製油所の敷地として持ったりしている場所があるわけでございますけれども、そういうところで大体半分程度は建設されるということで、私どもが考えております共同備蓄会社構想として基地の建設は大体一千万キロリットル前後がめどになろうかと考えております。 それから、備蓄基地につきましては、これは現在石油関係企業が各地で話し合いや適地調査を行っているところでございますが、いずれにしましても、この立地は地元の理解と協力が前提ということでございますから、私どもとしましてあらかじめどの地点というふうな決め方にはしておりません。そもそも日本の備蓄増張計画は、国家備蓄ということではなくて、企業の備蓄を義務づけるというふうな形で、それに対して国が助成するということでございますから、企業の行います地元との話し合いがまず先行すべきであるというふうに考えているわけであります。で、具体的に本年二月に新潟地区で一カ所共同備蓄会社がスタートしている。今後なお幾つかの地点が具体化するとは思いますが、いま言いましたような関係上、地点名につきましては差し控えさしていただきたいと思います
○渡辺武君 まあ、新潟という地名が一つ出ましたがね、太平洋沿岸ベルト地帯では、とうていこれはもう備蓄基地なんかつくれないから、いまは日本海の方へ手を伸ばしているということの一つのあらわれだろうと思います。しかし同時に、私は四国、九州、沖繩、これが石油備蓄の一つの大きな目標地点になっているんじゃないかという気がするんです。たとえば志布志湾の開発計画ですが、昨年の六月に県が第二次案を出しました。その中に一千万キロリットル、いわば世界最大の備蓄基地をつくるというのも一項目入っているんですね。それから鹿児島県の喜入の日石の基地、これも一千万キロリットルの貯油施設に拡充するということを発表して、いま着々実施に移しているという状況ですし、沖繩の方は例の平安座と宮城、あの島にCTS計画、これもこの間、県知事と会社の方が公害防止協定を結んでいよいよこれも実行に移されるんじゃないか。それから四国の高知県の宿毛湾等々、数え挙げればたくさんあるわけですね。大体そういう方向がこの九十日間の備蓄ということのために目指されている地域じゃなかろうかと思いますが、その点どうですか。
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘の地点につきまして、たとえば県の開発計画等で石油貯蔵施設の建設が取り入れられていることは私どもも承知しておりますが、具体的にどういう形でそれが進展いたしますか、それにつきまして私どもとしましても地元と県、それから関係企業との話し合いの推移を見守りたいと思います。
○渡辺武君 このやっぱり石油備蓄を中心とするいわゆる拠点開発方式、これがいままで、石油備蓄だけじゃありませんけれども、いろいろ公害その他住民の強い反対を受けてきている問題だということはあなた方も御存じのとおりだと思うんですね。それでやはりそういうような住民に理解を得るとは言っておりますけれども、大きな被害を与えることが予想されるようなものを、これをキッシンジャー構想に基づいて関税の引き上げまでやって、大企業の利子補給までやって強行していくということは、これはもう本当によくないことだというふうに思いますが、時間が来たので最後に一、二点伺いたいんですが、いま申しました鹿児島県の志布志湾開発の第二次案ですね、これの扱いはどうなりますか。 またついでに聞きますけれども、まだ三全総も策定されてない、そしてまたアセスメント体制も国としては法律も成立していないし、確立されてないという状況のもとで、これをどんなふうに扱われるのか、この点を伺いたい。
○説明員(富永孝雄君) 先生御指摘の志布志湾の開発に関連いたしました新大隅開発計画でございますが、これは昨年の六月に県の案といたしまして第二次案ということになっておりますが、発表されたわけでございます。私どもその中身につきましては事務的に内容を聞いておりますけれども、昨年の六月に発表されました当時、まだ十分環境面の調査が達成しておりませんで、現在その環境調査の結果につきまして取りまとめをやっている段階でございます。その取りまとめの結果につきまして関係方面、たとえば宮崎県といったようなところが入るわけでございますけれども、そこと十分協議、話をいたしまして、これをその結果もし必要があればその中身を検討いたしまして県の計画として決めていく、そういうふうに聞いておるわけでございます。私どもといたしましてはこの新大隅開発計画の取り扱いにつきましてはそういった地元での話し合いといったようなものを踏まえまして関係の省庁とも十分協議しながら取り扱いを考えていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。 三全総にどう位置づけるかという御指摘でございますが、現在三全総は策定作業中でございまして、ただいま申し上げましたように県の計画はまだ案の段階でございますので、基本的な考え方ということになろうかと思いますが、志布志湾地区につきましては四十六年からすでにかなりの環境面につきましての調査も行っておりますし、いま申し上げましたような地元との話し合い、コンセンサスといったようなこともあるわけでございます。それからまた、新全総策定当時とは大分経済情勢も違ってきておりますので、そういったことを踏まえまして、もし県の計画ということが決まりました段階におきましては、三全総の中での位置づけを考えていく、そういうふうに考えておるわけでございます。
○野末陳平君 印紙税法ほか二法につきましては私の質問したいこと大体出てしまいましたので、あとは一般的なことにさせてもらいます。 まず、住宅取得控除のことをお聞きしますけれども、この間の確定申告でもかなりこの住宅取得控除については一般の納税者の間にもう定着してきつつあるようで非常にいいと思うのですけれども、さてここで一つ矛盾を感じることがありますので主税局長にお伺いしたいのですがね、この住宅取得控除は原則として新築の家、マンションになっているんですがね。現実にマイホームとして中古のマンションなり住宅を手に入れた場合にこれ全然適用されないわけです、いまね。すると、新築ならば控除の対象になる、同じマイホームなのに中古ならこれが対象にならないというのはどうもおかしいということで、この辺不公平じゃないかなと思いまして、なぜ中古住宅が控除の対象になってないのか、これが創設されたときにさかのぼりますけれども、その辺をまず説明してほしいと思います。
○政府委員(大倉眞隆君) 前回鈴木委員の御質問にお答えしたことと重複してしまうとは思いますけれども、私どもやはりこの措置法にございます住宅取得控除というものは、税制調査会で御審議を願い、逐次整理合理化したいと考えている政策税制の一つであるというふうに位置づけているわけでございます。したがいまして、特定の政策目的のためにある程度の不公平を犠牲にして、なおかつ税を誘導政策として用いるという性格のものの一つである。したがって、その政策目的とは何であろうかということを考え、住宅関係につきましては、私の方の理解しておりますところは、やはり質のいい新築住宅を確保したいということが住宅政策の従来の基本になっておるわけで、したがって、新築住宅のところに焦点を合わせて誘導的な負担軽減ということを考える。そのように理解している限りにおきましては、建設省から中古住宅についても適用対象にしてほしいという御要望が五十二年度改正に関連してございましたのですけれども、私どもはいまのように税制全体の中で特別措置を位置づけておるので、ひとつ建設省の立場でいまや住宅政策の焦点を質のいい中古を取得してほしいということになるのかどうか。私どもどうも素人で考えると、住宅全体はほぼ世帯数を上回ってきた、これからはむしろ余り小さな物でない、ある程度条件の整った住宅というものを考えるということまではわかるような気がするのでございますが、そういうものの流れの中で、中古住宅を取得するということは、結局現にある住宅の所有者が変わるだけではないのかなと、それを税を用いて誘導するということをもう少し私どもに納得できるように政策的な位置づけをしてみてくれませんか。頭からだめだと言うつもりはないわけでございますけれども、政策的位置づけが何であるかということをまず私どもにわかるようにいろいろ教えていただきたい。その上で必要があればもちろん必要な措置を考えるということになるのではなかろうか。建設省の方も、大蔵省のその考え方はわかったと、それでは住宅政策の中でこの中古住宅問題というのをどう考えるか、ひとつそこから議論しましょうやというままで、五十二年度改正としては時間切れになっております。しかし一度御要望が出ているわけでございますから、恐らく五十三年度改正で再度この中古住宅についての何らかの特例ということを建設省からの御要望がまたあるのかもしれません。そのときにはいま私どもがお願いしているような、つまりどういう政策目的なのかということからひとつ議論を始めましょうということになっているのが現在の段階でございます。
○野末陳平君 そこで、そうすると質のいい新築の住宅を確保することが政策目標であるということでしょう。だけども、私は考えるのは、そういう質のいい新築住宅をどんどんふやすことが目的なんじゃなくて、新旧を問わず、中古でも当然、国民に家を持たせるという広い意味の住宅政策の促進の方がねらいだと思うんですね。そうじゃないんですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 野末委員のおっしゃるような政策の立て方というのももちろんあるわけでございましょう。それは持ち家促進だというふうに考えれば、自分の持ち家ができる限りはそれは建ったばかりでなくてもいいではないかと。いままでだれかが住んでいたものでも、いままで家のなかった人が家を持つならいいではないかということになるのかもしれません。ただそうなると、今度は新築住宅でも、いままでは借家にいた人だけよということになるのかもしれません。それらすべてを含めまして、税を用いてする誘導政策というのは何なのかということをもう少し私どもにわかるように一遍論点を整理してひとつ議論しましょうということを申し上げておるわけでございます。
○野末陳平君 そうしますと、今度は家を持つという一般の国民の立場から考えるんですね。今度の確定申告で一番疑問といいますか、私などがあちこちで聞いたのはこういうことなんですね。要するに新築するには土地から始めなければなりませんから相当なお金要りますね。それから建て売りにしても高いですね。ですから、新築欲しいのはあたりまえで、だれだってそうなんですけれども、現実に予算その他から考えて新築というわけにいかないからやむを得ず中古でがまんして、たとえば中古のマンションでもいいからがまんして、で、またその次にはという、まず第一段階としてとりあえずのアパート暮らしからマイホームという人がわりと多いんですね。そうすると、いまの政策目標が住宅政策でなくなっちゃうんですね、いわゆるこういう人にとっては。こういう人は全然網から外れちゃうわけでしょう、中古のマンションだったら。つまり中古はマイホームでないのかというふうになるわけです。だから新築だけがマイホームで、中古はマイホームでないと。で、政策目標は質のいい新築住宅だというふうになりますと、これから、中古マンションなども現にかなり売れてきているようですけれども、予算の関係からいってだんだん新築する人が限界になってきますね。そうするとこれからは、いまの住宅取得控除というのは中古を含めるという方向を考えるのが当然じゃないかなというふうに考えるんですよ。ですから、それはあくまでも家を持つという立場の人間から言えばこれがあたりまえでしょう。やっぱり不公平だと感じるんですけれども、いかがですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど申し上げましたように、そういうふうに政策を立てるという立場を私、否定しておるつもりはございません。ただ、住宅政策全体の中で、おっしゃるような、マイホームとおっしゃいましたが、要するに持ち家を促進するというのも一つの政策でございましょうし、それから新築の質のいい住宅をというのも一つの政策でございましょうし、すべてを税で全部やるわけではないんだと思います。ですから持ち家促進には勤労者財形というものがどうなっておるかとか、まあ勤労者財形について持ち家のためにいろいろ積立貯蓄をしておられる場合には、それはそれでまた税率でも応分の配慮はしておるわけでございますし、いろんな政策手段の組み合わせがある。政策の立て方にもいろんなものがある。その中で税はどの分野をどのように受けとめるかということではなかろうか。つまり、これはもうちょっと言葉が過ぎるかもしれません、おしかりを受けるかもしれませんが、私はどうもいまの制度というのは、私が冒頭に申し上げたような制度として理解をしておって、これは持ち家をお持ちになっておめでとうございますといって税をおまけしておるという制度ではないように考えておりますから、それでおめでとうございますというところを税でやってくれと、ほかのところはまた金利でやったり、公団でやったり、公庫でやったり、勤労者財形でやったりというふうに全体の中の位置づけをひとつ議論しましょうということでございます。
○野末陳平君 主税局長の意見わかりました。じゃ大臣に聞きますけれども、主税局長は、持ち家促進じゃなくて、質のいい新築住宅促進ということです。しかし、現実にこれから質のいい新築住宅を持つということが予算的に非常にむずかしくなりつつあると、土地の問題がいまのままでおれば、これはとうていむずかしくなるということを前提にして、またそういう傾向がだんだん出てきていることを考えながら、やはりここらでこの住宅取得控除は、政策目標が質のいい新築住宅から持ち家促進の方に移るのが当然だと、あるいは今後中古マンション、中古住宅を本格的にこれを繰り入れ、控除の対象に入れるべきだとぼくは思うんです。大臣はどうでしょうか、主税局長と当然意見違うんじゃないかと思うんですけれども。
○国務大臣(坊秀男君) この問題は、私が考えますと、やはり政策目標をどこへ置くか、どういうふうに理解するかということによって変わってくると私は思うんです。と申しますことは、国民のために住まうことのできる住宅をたくさん建てていこうというのが主たる目的なのか、あるいは家を欲しいという人たちが、安い家賃でもって家に入ることができるようにというふうに目標を立てるのか、そこの違いであって、たとえば中古の家を買うという場合には、これは第一の私の申し上げました政策目標から言いますと、家の戸数がこれふえないんですよ。それで、それに対する、何と申しますか、政府の突っかい棒と申しますか、それを、そういうお金が政府が使い得るならばこれでもって新築の住宅を建てる方へこれを回しますと、住む家が、戸数がふえてくるという、そこのところの政策目標をどこに置くか、住むべき家をたくさんつくるのが急なのか、あるいは安い家を手に入れることにするのが急なのか、そこらのところの政策目標があろうと思うんです。そういうことについてこれ一遍よく考えてみなければならないと、こういうふうに私は考えます。
○野末陳平君 そうしたらその場合には土地の問題は当然出てきますから、戸数がふえるためにまず土地を確保しなきゃならない。土地の値上がりは少しは、前ほどひどくはありませんけれども、現実には高いのは事実ですね。それ、じゃ一般のサラリーマンが買えますか。財形や何かあるといったってそう簡単には買えない。そうなれば、やはりいまどこに置くかといった場合に、土地の問題もう少し、手に入りやすくしてもらったならば大臣の考え方はもうそれで通用すると思いますけれども。どんなものですかね、土地何とかなるように——いや、大蔵大臣がそれをやるわけじゃありませんけれども、少なくもその土地政策というものを頭に置きながらでなければ、いまの大臣の戸数がふえていくという、ここに政策目標を置くという考え方は限界が来るし、一般の人にそれちょっとやりなさいと言い切れないと思うんですがね。
○国務大臣(坊秀男君) やっぱり政策にはこれは絶対に甲より乙の政策の方がいいということは私はないと思います。甲にもいいところがあり、乙にもいいところがあるというふうに考えなけりゃならないと思うんですが、いまおっしゃられたような土地の問題、これ大変な大事な問題です。そういったことも考えの中に入れながらこの政策を選んでいくのが私はいいと、それが妥当だというふうに考えます。
○野末陳平君 それではぼくは中古であろうが新築であろうが、マイホームを持つということに対して控除を考えるのがあたりまえだというふうに考えておりますから、今後この中古も控除の対象に入れるような方向で検討してほしいと思います。 ついでにもう一つ。増築とか改築というのがあるんですね。これは当然対象になっていません。なってないのはそれでいいんですけれども、いままで住んでいるうちをばっとこう新築したくても、ほかにもう一つ借りておかなきゃなりませんから、つまり住みながら家を建てかえるというような改築なんですね。つまり増築の場合はもうこれはいいです。しかし新築とほとんど変わらないような改築というのがあるわけですよ。戸数はふえませんよ、大臣の表現でいけば。ありますね。これが対象になってないんですね、いま。その辺が非常にむずかしいんですが、ここをどういうふうに考えたらいいか、改めてお聞きしたいんですが、こういうことなんです。 敷地は同じわけです。それで同じところに建てるんですけれども、全部さらから建てかえるならば新築、人間が住まいながら、少しずつ全部一とおり新しくすれば、これでも新築と認めてもらえるのか。改築と新築の非常にけじめがむずかしくて、これもやはり家がもう老朽化して土地も求められないから、すると、やっぱり本人は新築なんですよね。家族も含めたその他の事情で、これは新築なんだけれども、現実には控除を受けられないというケースが出てくるわけで、この辺どういうふうにはっきり区別したらよろしいんですか。改築と、それからいままでの敷地に住みながら新築にほとんど同じような形で家を建てる。ここらがどうもぼくにはわからなくて、説明を求められても困りまして、税務署に聞いてもそれがはっきりしたことがわからないんで、そこをはっきりさしてほしい、
○政府委員(大倉眞隆君) これは究極的には国税庁の解釈問題になるとは思います。法律の条文では「新築の工事に着手し、又は新築された当該家屋で新築後使用されたごとのないものを取得し」こう書いてあるわけでございますが、私の友人などで、いまの敷地に、いままであったうちを新しいうちに建てかえると、その間ちょっとアパートへ入っている。で、でき上がったらアパートからこっちへ入ってくると、これは新築になるわけですね。おっしゃる住みながらというのは——完全な新築と同じような、住みながらの改築というのがうまくあるか——ことだと思います、それは。ですから、それは税務署でもなかなか即座にお答えできないという乙とであるだろうと思います。いまのお話の趣旨をよく国税庁に伝えまして、どこまでならこれ新築と同じということになるのか、国税庁の方で少し勉強してみたらどうかというふうに思います。
○野末陳平君 それだったらあえてもうちょっと積極的にお願いしますけれども、結局、これを知っていれば、この住宅取得控除の存在は知っていても、いわゆるいまのテクニックですね、アパート借りて住んでおけば新築になるんだということをすれば、これ受けられるわけですよ。ところが現実に、アパートを借りて住むといったって、荷物は多い、家族は多いで、そううまくいきませんよ、主税局長。大抵はやはり住みながらうまくかぶせていって新築するというケースになってしまうのが多いんじゃないかと、必ずしもみんな、だってアパートね、二カ月か三カ月の間権利金払い、何払いで、引っ越し料ですね。そんな簡単に。 私の友だちはアパートに行ったから控除受けられたと言いますけれども、現実にはなかなかみんながそううまくはいかない。しかしそういう弁法を知っておけば、そうやれば、控除を受けられるということがはっきりして、それから住みながら建てたんじゃ新築と認められないんだということにはっきりしてもらえれば、きっと建てる人もそれなりの知恵働かすと思いますから、そこらやはりきちっとしてほしいと思うんですね。これ、税法みんなそういうちょっとした解釈とかテクニックが要るんでおかしいと思うんですけれども、結果的に余裕のある人はアパート借りて住めるけれども、余裕のない人はそのままとか、いろいろな事情あるじゃないですか。それを新築、事情によって片方は控除受けられ、片方は受けられないというのがどう考えてもおかしいと思う。 家を新築したという事実は全然変わらないわけですから、だからさっきのも、中古はマイホームなのにかかわらず、戸数がふえないとか、質のいい新築住宅でないからとかというけれども、それは金取る方が、金取る方と言っちゃ変だけれども、そういうのは国税庁や大蔵省が言うことであって、家を持ちたい、やっと持てたという立場から言えば、そんな区別が住宅政策だといったらおかしいと思う。やっぱり住宅政策というのはだんだん収入に応じ、家が大きくなったりすることを楽しみにしながらまず第一段階、中古から始めてもちっともおかしくない。その辺のことをぼくはどうも矛盾に感じるんですよ。ですから、さっきの中古の話はおいておきますが、改築と新築という区別をはっきりさせて、それを国税庁から教えてもらえれば、私も説明しやすい、それをきちっとしてもらわないと、ただ住宅取得控除はあります、中古はだめです、増築も改築もだめです、これだけじゃ、やっぱり納税知識を一般の人に普及させるというわけにいかないと思うんで、その点をお願いしておきます。時間来ましたから……。
○政府委員(大倉眞隆君) いつものように非常に具体的な事例を挙げての御質問でございますから、先ほど申し上げたように国税庁によく連絡いたしまして、もっとはっきり納税者の方にもわかるように、またせっかくある制度をうまく使うようにしていただくということは、私ども非常に大事なことと思っておりますから、それをどうやって納税者の方に広く知っていただくか、その問題をあわせまして勉強いたしてみたい。いまお話伺いながら、もう一つは、建築基準法の方で、そういうのを一体どういうふうに扱っておられるか、新築家屋の建築確認みたいなものがいろいろまたございまして、あちらの方で改築になるのかならぬのかとか、いろいろなことを考えてみないといけないのだろうとは思いますが、先ほど申し上げたように、国税庁によく伝えて、もう少しはっきりと納税者の方にわかるような解釈、それからPRの方法等も考えてほしいということを、私からも強く申し上げておきます。
○栗林卓司君 前回の質問が時間の関係で途中で切れておりますので、続けてお尋ねをしたいと思います。 最初に、大臣にお伺いしますけれども、赤字国債について昭和五十五年度までにゼロにしたい、そういったことを再々大蔵省として言ってこられたわけですけれども、それで御努力だとは思いますが、それは五十五年度までにゼロとすることを約束したから、その線に沿って努力をするということなのか、約束をしようとすまいと、財政の実態を考えると遅くも五十五年度までには赤字公債をゼロにしておかないと実は大変なんですということなのか、どちらの御認識で五十五年度までに赤字公債ゼロとお考えになっておいでなのか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 五十五年度までに赤字公債から脱却するということはまことに容易ならざることでございます。しかしながら、その容易ならざることを、これを何とかなし遂げなければ日本の財政が、全く、大きなことを言いますと、日本の財政が再び立たぬというようなことになると私は思いますので、これはどうしても、やっぱり非常にむずかしいことでございますけれども、何とかこれを実現しなければならないということも、もちろんそういうことでございますけれども、またお約束もしばしば申し上げたということもありまして、これはもうぜひとも考え方を実現したい、かように考えております。
○栗林卓司君 重ねて同じことでありますけれども、さらに確認のために伺うのでありますけれども、五十三年度例の中期財政試算を見ますと、国債費が三兆一千七百億円、その赤字公債が三兆二千六百億円で、五十三年度でさえ赤字公債の九七%は公債費で消える、相当深刻な事態である。しかもなおかつ、五十五年度に予定どおり赤字公債をゼロにしたとしても、その年の国債費というのは歳出のすでに一割を超えている。こうなりますと、いま大臣が言われたように、いろいろむずかしい問題はあるとしても、五十五年度までに赤字公債脱却というのは何としてもしなければいけない至上命題だ、こういう、いまの御趣旨の御発言だったと思います。 そこで、重ねてお伺いするんですけれども、大蔵省がお出しになっている財政収支試算の下敷きになっているものが「昭年五十年代前期経済計画」であるわけですけれども、これを見ますと、昭和五十五年までに税及び税外負担率、これは国民所得比おおむね、四十八−五十年度平均に対して三%程度上昇さしたい、こういうお話でありますから、数字を当てはめますと四十八−五十年度平均が二二・七%でありますから、これにおおむね三%を足した二五・七%前後に持っていきたい、こういう内容だと思います。問題なのは、五十年度の実績を見ますと四十八−五十年度平均よりさらに下でありました。これが二〇・四ですから、先ほど申し上げました四十八−五十年度よりさらに二%下でありました。この五十年度の実績に比べて五十一年度、そして現在、五十一年度末ですけれども、改善されているかと言うと、御案内の不況のど真ん中で改善の見通しは少なく、改善されたという経過はありませんから、おおむね五十一年度実績は横ばいと見なければいけない。そうしますと、現在時点から五十五年度を考えますと、実はたまたま、いまと五十年度実績が同じとしますと、二〇・四%から二五・七%、何と五%——五・三%になりますか、これだけ税及び税外負担率を国民所得比では高めなければいけない、こういう課題をしょっているんだと思いますが、間違いありませんか。
○政府委員(大倉眞隆君) おっしゃるとおりでございます。これを中期財政収支試算の方は一般会計ベースで計算が出されております。一般会計としてはほぼ二%ということで三%のうちを受け持つことになっておりますが、事情は全く同じでございます。五十年度補正後、いまお手元にございます十三兆八千億円、これは負担率としましては一〇・八でございます。五十五年度の三十五兆五千八百億円、これは予想される国民所得に対しましては、負担率としては一五でございます。したがいまして約四・二ポイントの増加がないとこのような姿にはならないという状況でございます。
○栗林卓司君 そこで、現在が大体五十年度の実績と横ばいと考えますと、五十五年度に赤字公債から脱却するためには、税及び税外負担率をおおむね五%高めなければいけないと、こうなるわけですが、そこで大臣にお尋ねしたいのは、五十三、五十四、五十五と、この三年度で、果たして五%の税及び税外負担率の増加ということが可能なんだろうか。 で、もう少し申し上げてみますと、いま五%と申し上げましたけれども、税及び税外負担率そのものをとってみますと、実は負担率の大きさ、大きくなり方というのはもっと大きくなるわけでありまして、数字を申し上げますと二〇・四が二五・七、これは地方税も含めてですけれども、考え方として。その割合で伸びるというのは二六%の伸びに当たる。問題は、三年間で二六%の伸びが本当にできるんだろうか。 そこで、もう少し申し上げてみます。五十五年度の場合、税収を考えますと、おつくりになりました試算では三十六兆八千億と書いてありますけれども、この税収というのは、負担率がふえた分と経済が伸びた分と二つあるわけですけれども、非常に大胆な推測をしますと、負担率が高まったものというのはおおむね二割のようでありますから、計算間違いないと思うんですが、そうしますと、三十六兆八千億のうちの七兆四千億は税及び税外負担率——この場合は税だけを見ておりますけれども、その増加分として、さらに増税もしくは何らかの手段で上積みをしないと、五十五年度の三十六兆八千億という税収見積もりにならない、こういう算術になってくると思うんです。 そこで、申し上げてまいりましたのは、なるべく話を具体的にして伺いたいものですから、こんな話の段取りをつけたわけですけれども、七兆四千億、五十五年度。その負担額の積み増しというのは、大臣お考えになりまして本当にできるんだろうか。冒頭申し上げましたように、赤字公債からの脱却というのは至上命題だと思います。と言って、七兆四千億、五十五年度。わずかに三年後であります。できるんだろうか。その辺のお考えを大臣にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど来お示しの数字の中で、一つは、五十年度対五十五年度で先ほど私申し上げました。五十二年度は、いまごらんになっております十八兆七千九百億というのは一一・四でございます、負担率で。一一・四と一五の間をどうやって埋めるか、五十五年までにということでございます。それから予想される差額は、これはGNP弾性値で申しますと、収支試算では一・八三になりますが、現在の税制のままで一・八三という弾性値を自然に期待することはとうてい無理であって、何らかの増税をお願いせざるを得ないと思われるということは繰り返し申し上げておるとおりでございます。 さて、その中で自然増収に相当する分が幾らになるであろうかという点は実はよくわからないとしか申し上げようがないわけでございますけれども、仮に、過去の平均弾性値が一・三九でございますから、まあ一・四と置いてみて五十五年までをプロットしてみますと、三十五兆五千八百億円に対して三十一兆二百億まで自然増収ベースで出てくる可能性はある。そうしますと、その差額は四兆五千六百億ということに相なります。まあ、そういう計算がただいまおっしゃいました七兆幾らという計算に見合うものになる。おっしゃいました七兆幾らというのは、御質問の中にございましたように、二割ぐらいしかないだろうとおっしゃる。それを弾性値一・二というような計算をいたしてみますと、私どもの計算では六兆五千六百億でございます。 ただ、それともう一点、これは五十五年まで何もしない、五十三年も五十四年も何もしないというときに、五十五年度だけで四兆なり六兆なりというしわが寄っていく。その意味で、先ほど矢追委員にお答えいたしましたように、昨日の衆議院大蔵委員会では、経済の体力が戻ってこなければ大きな増税というものは考えられないので、いつ増税するかというようなことをいまとても決められないけれども、しかし事柄の性質としては、五十五年度特例債脱却ということをトップ・プライオリティーに置く限りは、増税可能な環境においては早くやれば幅は少なくて済みます、後へ後へと荷物を持ち越せば、後で処理しなくてはならない幅は非常に大きくなる、それまでの傷も深くなるということを昨日の衆議院大蔵委員会で申し上げました。それを五十三年度に増税するというふうに受け取られてしまったわけですが、私は、五十三年度にやるということは一遍も申したことはございません。しかし経済の体力が回復してくれば、やはり早目に何らかの措置を講じないと、後に後にとしわを寄せていると最後に収拾しなければならない金額というのは非常に大きな金額になる危険があるということを申し上げたわけでございます。
○栗林卓司君 いまの数字を使いながら重ねて大臣に伺うわけですけれども、先ほど七兆四千億と申し上げましたのは、いま言われました四兆五千六百億でもいいし六兆円でもいいし、おおむねそういう性質の数字として申し上げたわけでありまして、従来の経験則ですと、おおむね弾性値は一・二強でございましょうから——もっと上ですか。どうも四兆と六兆の間の五兆と、どうせ腰だめの議論ですから、お考えになっても結構であります。で、五十三年度、五十四年度をどうやって上げていくかという議論を私はしていません。五十五年度という最終時点で少なくも普通の弾性値から期待し得るよりも五兆前後積んでおかないと、先ほど申し上げました赤字公債脱却ということは達成できない。で、それはできなきゃ後に、五十六年度に持ち越していいかという話になりますと、それが冒頭の質問でありまして、そんなことはとうていできた話じゃない。とは言いながら、五兆円積むというのが果たしてできるんだろうか。一兆円、一兆円、三兆円と積んでもいいですよ。途中の議論をしておりませんよ。五兆円という金額の大きさ、これが増税し得ると、大臣御自身どうお考えになっているか。その質問なんです。
○政府委員(大倉眞隆君) 大臣からお答えいただきます前に……。 実は、もう一つ条件はあるんだろうと思います。つまり中期財政収支試算の前提は、実質公共投資百兆円、これを五十五年度までにやるんだ、それから社会福祉の水準を、国民所得比で振替所得支出を一〇%の水準まで持ち上げていくんだ、なおかつ特例債依存から脱却するんだ。ほかの国では、ほかの国の財政再建はそうではないわけでございまして、歳出の伸びを極力抑えてしまって何とか赤字をなくすかというタイプなんです。日本の場合はそうではない。社会福祉も社会資本も考えながら、なおかつ特例債から脱却するというのがこの案でございます。したがって、もし、いまおっしゃっているような増税を適当としないとか、あるいは増税をするにしてもそれだけの幅は無理である、なおかつ特例債依存から脱却するというのであれば、それはあえて社会福祉の水準の引き上げをペースダウンするか、あるいは社会資本の充実をペースダウンするか、そういう選択をも問いかけておるというふうに私は理解しております。
○栗林卓司君 いまの答えは、次に私が聞こうと思っておったことなんですが、前で結構ですけれども、とにかく五兆円できるかしらということを——私はとても無理だと思うんですよ。そんなコンセンサスが得られるはずがないですもの。といって、できないと、あるいはお答えづらければ、そうやって座っていることなのかもしれませんけれども、この問題だけは本当ははっきり言わないと議論が前に行かないのです。行かないので、できますかということを、大変恐縮ですがお伺いしているわけです。
○国務大臣(坊秀男君) 赤字公債脱却は非常にむずかしいことであるということは申し上げたとおりでありまして、いままた主税局長がお答え申し上げたという一つのファクター、新しいファクターもあるのでございますから、私はどうしても、いかなる方法をもっても赤字公債から脱却をせねばならないということを前提といたしまして、そこで、まず赤字公債脱却するということは、租税収入の増を図らなければならないということで、中期税制というものにつきまして、税制調査会で鋭意これは去年から検討をしていただいております。で、租税収入の増収を図るためには、どういうことを一体やっていけばいいかということでございますが、それにつきましては、租税と申しましてももう無限にあるわけではございません。大体におきまして直接税、間接税、それから資産所得税といったようなものに尽きると思うんですが、その中にはこれいろいろのものがございます。そういったようなものをもう全部税制調査会において爼上に出してもらいまして、そうしてあらゆる材料を出して、その中で、一体いまの実情のもとにおいて目標を掲げて、そしてこれを達成していくためには一体どういう体系の税体系をつくればいいかと、その税体系を立てていくのに、所得税と法人税と、あるいは一般の消費税と、あるいはまた資産所得といったようなもの、その他の税もありましょう。そういったようなものをどういうふうに組み合わしていくか、またそれぞれの税の項目について幾らを見込むかというようなことを、これを検討をしてもらいまして、そしてそういったようなあらゆる材料、この材料でもって一つの税体系という料理を組み立ててもらうということでもってやって、まずとりあえずそれでもってやっていこうと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 お答えがずれてるわけですけれども、どういう税をどう使うかということじゃなくて、どんな税を考えてもいいんですけれども、問題は五兆円の増税が入るか、この日本という入れ物の中に。もう少し申し上げますと、いま国税だけ議論してるんですけれども、地方税も税及び税外負担率が高まる。大体国税の半分だと、これも腰だめの議論をいたしますと、二兆五千億がさらに上積みになりますから七兆五千億。これ一億で割りますと七万五千円ですね、それだけの税負担にたえ得るとお考えになりますか。もっとも、みんなでがんばろうって話になれば別ですけれども、国民の合意を含めて、それまでできるとお考えになるかならないかは、五十年度前期経済計画をあのままのむか直すか、実はそこまで議論がいくんだろうと思うんです。したがって、これはやはり政治家としての大臣の御判断がまずないといけないんでありまして、したがって、五兆ふやして七兆五千億として改めて伺いますし、しかも五十年代前期経済計画では保険料負担がさらに一%国民所得比でふえるわけであります。これは金額はじいておりませんけれども、なかなかの額であるはずです。そう考えてみると、政治論としても経済政策としても、五十五年度に国と地方を合わせて七兆五千億、そういう増税負担ができるという前提に立ってお考えになるのか。できないとなったら五十五年度赤字公債脱却できない。できないということは、おっしゃったように、財政はもうそれから先進まなくなっちゃう。まさに親方日の丸の沈没でありまして、何としてもこれはしなきゃいかぬ。そのときに七兆五千億が取れるか取れないか、政治論を含めてどう御判断になるかということは、最高の経済担当閣僚としてよほど腹をくくった御判断をお持ちにならないといけないと思いますので、重ねて伺います。
○国務大臣(坊秀男君) 繰り返して申しますが、私がどうしてもこれをやらなければならない。ところが、御心配のように、万一どうしてもこれできないということであるのならば、先ほど主税局長がお話し申し上げました赤字公債から脱却をするためには、あるいはいま考えております福祉だとか、社会資本だとかといったようなものにこれを響かしていかなければならないということになりますが、さようなことは、これはできるだけ避けなければならないということを考えますと、どうしてもこれは実現をしなければならない、かように考えます。
○栗林卓司君 実現したい気持ちはみんな同じでありまして、ただ、できるかできないかということの判断をいまつけておくことは、非常に重要だということを申し上げているんです。 時間がありませんから、では続けて一つだけお尋ねしますけれども、いま局長が言うように、どうしてもだめだってことになれば、あっちも見直しをしなければいかぬというお話ですけれども、これは大臣としても、本当にできるかどうか真剣に御検討いただきたいと思います。それをしないと、五十三年度の予算も組めない事態に恐らくなると思うんです。そうなってくると、そのときになって、いやあっちはできないよと言っても間に合いませんから、本当はこの時期において昭和五十年代前期経済計画の真剣な見直しをしておかなければいけませんし、あそこの中で、政府から個人への移転がおおむね一七%前後と書いてありますけれども、果たしてこれが日本の体力に耐え得るかどうか、そこまでも御判断いただかなければいけないことだと思います。 ただ一つ、ちょっと飛躍するようですが、時間の関係で一つだけお伺いしますけれども、これからはこういう議論が私はふえてくると思います。そこで、今回の片々たる税制改正にしても、いまの五十五年度の赤字公債脱却にしても、下敷きになっておりますのが昭和五十年代前期経済計画でありますけども、これは歳出歳入両方にわたって書いてあるわけですが、これほど重要な問題がかかわってくるとすると、本来こうしたものは、例の所得減税含めて与野党合意の上でという新しい状況を踏まえながら考えてまいりますと、この種のものはやはり国会に出して、承認を求めながら、コンセンサスのいわばきっかけをつくっていくというところまで踏み込んでいかないといけないんじゃないか。そんなことを含めながら、至急、五十五年度、これは本当に赤字国債から脱却しないと、私は先がない気がするものですから、見通しをつけながら、五十年代前期経済計画の見直しを含めてどうお取り組みになるのか、その際に国会とのかかわり合いでどういう政治的な行動をお考えになっていくのか、この点だけお尋ねをして質問を終わります。
○政府委員(大倉眞隆君) 大臣からお答えいたしましたように、計画を前提にし、なおかつ特例債依存から脱却をプライオリティーに置く限り、非常に険しい道しかないということでございますが、国会にそのような姿をお示しするという御質問の御趣旨につきましては、私ども昨年度も本年度もこのような一応の手がかりを数字的に試算してみまして、十分国会での御審議をいただきたいというつもりでございましたものですから、なお、もっと別の角度のいろいろなものを出してみよという御要望を具体的にいただきまして、私どもなりにできるだけそういうものをつくって御審議の参考にさせていただきたい、かように考えております。
○委員長(安田隆明君) 他に御発言もなければ、三法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより三法案に対する討論に入ります。御意見のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、印紙税法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(安田隆明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 野々山君から発言を求められておりますので、これを許します。野々山君。
○野々山一三君 私は、ただいま可決されました印紙税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 印紙税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に伴い、今後、免税点の引上げについて十分配慮し、また階級定額税率の最高価格帯の見直しを行うなど、経済取引の動向並びに取引規模に適合した税負担を求めることができるよう税率構造の合理化について検討すべきである。 右決議する。 以上であります。
○委員長(安田隆明君) ただいま野々山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(安田隆明君) 全会一致と認めます。よって、野々山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坊大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坊大蔵大臣。
○国務大臣(坊秀男君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。
○委員長(安田隆明君) 次に、登録免許税法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(安田隆明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、関税暫定措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(安田隆明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、ただいま可決されました三法案についての審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時三十三分散会