商工委員会 第13号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/05/26
会議録
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○熊谷太三郎君 最初に、ちょっと総務長官にお伺いいたしますか、たしかきのうであったかと思いますが、総務長官のお答えの中に、公取委の職権行使については、これは容喙できないか、立法の趣旨に反したものについては云々という言葉があったように思いますが、まあ簡単で結構ですか、ちょっとその御趣旨を承りたいと思います。おわかりですか。
○国務大臣(藤田正明君) 公取委員会の自主性、独立性は、これはもう守っていかなきゃならぬわけでございますが、ですから職権行使の面だけにつきましては、これは介入の余地はございません。ただ立法の趣旨というものはございますから、この立法の趣旨を逸脱したものであるならば、これに対して注意を喚起するというふうなことは私はできると存じております。 それからまた人事、予算面においては内閣が所轄をいたしておりますので、これらにつきましてもいろいろと発言はできると存じております。
○熊谷太三郎君 もちろんこの法律のたてまえ上、職権行使については容喙できない、これは常識でございますか、つまり立法の趣旨について、その趣旨を逸脱しているといった場合には注意を喚起することかできるというお話でございますが、これはいま現実の問題としまして、明らかにそういう趣旨に反しているようなことか行われるわけでもないと思います。また万一そういうふうなことがあるといましたならば、それは皆常識のお互いにある方ばかりでしょうから問題はないと思いますが、しかし、この法律のたてまえは、いかに政府において、ないしは総務長官において、お互いに立法の趣旨とは離れているというお考えになりましたら、公取委におきまして見解が違うということになれば、極端な場合はその公取委の意見が通る、その処置が是認されるということになるのが現在の法律のたてまえではないかと考えるのですが、総務長官。
○国務大臣(藤田正明君) 非常に微妙なことがあり得るかとも存じます。これは運用の範囲に入っている問題ではないか、いやこれはもう立法の趣旨に反しているではないか、こういうふうな微妙な問題かあろうかと存じますか、それはお互いに行政官庁同士としての話し合いの上で、その点は解決をしていくものだというふうに思っております。大きく逸脱しておれば、またそういうこともあり得ないわけでございますけれども、これは簡単明瞭でございます。微妙な問題はあろうかと存じます。
○熊谷太三郎君 まあこの問題、そう掘り下げていくわけではありませんか、しかし、現実にはそういうことがあり得ないと考えましても、やはり職権行使についてはそれを扱うものの中に、そういうたてまえであるということが常に働くであろうということは考えられると思うんです。そのことについては別に御答弁要りませんが、しかし、私どもがこの法案の趣旨にどうしても納得しかねる、改正案の趣旨にも納得しかねるというのは、せんじ詰めればやっぱりその一点に帰するのではないかと思っているわけであります。政府はもとより国会にもその行政権限の執行に責任を持ち得ないというそういう存在であるということが、重ねで言いますけれども、私どものどうしても納得できない——個々の条項につきましてはいろいろ意見もありますし、それらに対する意見もさることながら、基本的に国会にも責任を負わないというそういう行政権限を持っているということが、少なくとも私どものどうしても納得しかねるという点であることだけを改めて御認識願いたいということを申し上げておきます。 そこで、二、三の点についてお尋ねしたいわけでありますが、まず大変簡単な問題ですが、今回のこの改正案におきましては目的の第一条に別に改正が加えられていないわけであります。ところが今回の改正案によりますと、きのうもどなたか触れておられますが、企業分割であるとか、あるいは同調値上げに対する報告義務といいますか、何条かにそういう規定が新たに盛られたわけであります。しかし、この法律の目的には、「この法律は、」云々と、一々読みませんが三つばかりこの法律の目的が書いてあるわけであります。そこでこの独占的状態に対する排除規定といいますか、そういう状態があって弊害が生ずれば云々と、そのときにはそういう状態を排除するということになっていますが、これはこの三つのいま規定されておる現行法律の目的の中には正確に言えばちょっと入りかねるんじゃないか。これも衆議院等でも議論があったようでございますが、いわば独占的状態の排除でありますから、状態を新たに規定して排除していこうと、こういうことになるわけでありますが、「私的独占」云々の「取引方法を禁止し、」というところまでは、これはいわば行為の規制でありますし、それから「過度の集中を防止して、」ということも、防止するという一種の消極的な一つの状態を規制しているわけでありまして、積極的に排除するということにそれを使うというのは不適当なように思います。それから後の「一切の事業活動の不当な拘束を排除する」ということも、これは「排除」でありまして、いわば行為規制とも言うべきものであって、状態規制ではないというようなことで、そこに多少無理な点があるのではないかと考えます。それから同調値上げの云々ということもやはり同様のことが言えるのではないかと思います。 非常にこの点はささいな問題でありますから、簡単に一応お答えだけしていただきたいと思います。
○政府委員(大橋宗夫君) ただいま、第一条の目的と、独占的状態に対する措置あるいは価格の同調的引き上げの場合の報告の徴収がどういう関係にあるかということでございましたが、私どもといたしましては、事業支配力の過度の集中を防止するということの中に、独占的状態が起きました場合の措置、これを防止といいますか、沿革的には、昨日も法制局からの答弁がございましたように、不当な事業能力の格差の場合の営業の一部譲渡等の命令の規定も、この同じ目的規定の場合にあったというようなこともございますし、さらに価格の同調的引き上げに関しましても、やはり一定の産業構造を前提として、そこでその産業構造を理由として同調的な価格引き上げが起っているかどうかという点についての独占禁止法の関心を示す規定でございますから、やはりこれも事業支配力の過度の集中を防止するという点で読めるのではないかというふうに考えております。また、拘束を排除という点につきましては、これはやはり事業支配力の過度の集中というものを通じまして、事業活動に対する拘束が起こるのだという点でございますから、その拘束を排除するという目的に合致しているというふうに考えた次第でございます。 これは法律の条文のなかなかテクニカルな問題でございますが、私どもとしましては、立法に際しましては十分に検討したつもりでございます。
○熊谷太三郎君 まあそれはその程度で結構ですが、しかしただこれに関連して言いたいことは、どうも私どもの邪推では、なるべくこの「目的」は変更しないでおいて、ひとつこの事案に反対機運も強いのでそういう露骨な刺激を避けたいという、そういう真意が入っておるのではないかと思うわけですが、まあそんなことは私の考えだけですから別に御答弁は要りませんが。 ところで、本法を一体どういう趣旨で改正されるか、そういう点についてどうも納得ができませんので、この提案理由説明、これを何遍も読み返してみまして、どうもこの点が、この提案理由の説明が十分でないというか、腑に落ちないというふうに考えられるわけであります。たとえば「情勢の変化に適応し」ということになっております。これはほかの同僚の方も取り上げられましたが、私もどうもこの「情勢の変化に適応」するということにひっかかるわけであります。まあ「情勢の変化」とはこういうわけだ、ああいうわけだといういろいろ御説明もありましたが、大変お手数ですが、もう一遍ひとつ簡単明瞭に、どういうふうに情勢が変化した、その情勢が変化したということがわかれば、それに適応するそういう考え方もおのずから常識的に出てくるわけでありますが、情勢がどういうふうに変化したということを考えておられるのか、その点をひとつお聞かせいただきたい。
○国務大臣(藤田正明君) 長期と短期に分けて申し上げますと、長期の方は、昭和二十八年以来二十四年の間に、大きく世界経済も日本の国内経済も変わってきたこと、これはもう言うに及ぶことではない、御承知のことだと存じます。短期的なことを申し上げますと、昭和四十年代の後半に至りまして、高度経済成長がいわば爛熟期に入ったと申しますか、そういうふうな時代になってき、まず第一に起きたのがドルショックでございます。世界通貨の混乱が起きてまいり、その後御承知のような四十八年に石油ショック、それから資源有限という時代に入りまして物価狂乱と、こう相なってきたわけでございますが、そこで大きく高度経済成長から安定経済成長へと経済そのものが変貌せざるを得ないわけでございます。短期的には、そういうふうな曲がり角から安定経済成長に入ってきたということが言えると思います。 そういう中で、こういう経済情勢に対応して、ますます公正で自由な競争を企業家において行わなければ、活力のある経済情勢がつくり得ない。やはり、何といたしましても日本は資源的には弱小国でございますので、相当な資源を輸入せざるを得ないし、また、その資源をもとにして相当な輸出をしなければ、貿易立国として成り立っていかぬわけでございますから、非常に高い工業力、科学力、人材を持ちながらも、こういうふうな競争ということによって活力のある経済を維持していこうというのが本旨でございます。
○熊谷太三郎君 そのお考えはきのうから承っておりますので、決してそれ自身間違いだと言うつもりではありません。しかし、現実にこれを改正しなければならぬということに即応した、つまり情勢の変化ということになりますと、ちょっとわれわれの感覚とは違っているような気がするんです。私どもの感覚では、いままで従来景気がよかったが、景気が悪くなった、そして非常にいまみんな困っているということが、経済情勢のやはり一番最初に浮かんでくる情勢の変化だというふうに考えるわけであります。したがって、そういうふうに景気か悪くなってくれば、どうしてもどういう状態が生まれてくるかといえば、これはまさにもう千差万別のいろいろなあらわれ方があるでしょうが、やはり景気が悪くなれば競争が激甚になっていくということが、一番一般の姿ではないか。一般的な姿としては、情勢の変化といえば景気が悪くなった、景気が悪くなれば競争がおのずから厳しくなってくる。例外もいろいろあるでしょうし、いろんな問題もあると思いますが、そういうふうに私どもは考えますので、むしろ競争の促進ということを、公正かつ自由という形容詞はつくとしましても、競争が厳しくなってくるということは、そういう競争の促進をたてまえとせられる立場から言えば、かえって好ましい情勢の変化でありまして、改めてここでそのためにこの法案を改正しなければならぬというのに対しては、どうも必然的な、何といいますか、感じが起こらないというのが私どもの考え方であります。 それから第二でありますか、引き続きまして、この「国民の理解の得られるルールを確立し」ということが提案理由の中に、大変明文が載っているわけでありますが、一体国民というのはだれを指されているのかということをお尋ねしたくなるわけであります。 で、われわれは、先ほどから申しておりますことや、これから後に述べる事柄も御推察いただけると思いますが、どうしてもこの法案には納得できない、言いかえれば理解を得られないということになるんではないかと思います。しかし、これは私だけでなしに同僚の多くの議員が、みんなこういう趣旨には納得できないということはもうすでにおわかりと思います。そうすれば、「国民の理解の得られる」というのは、われわれは、おまえらは国民でないということになりやしかいかと、大変ひがみ根性でありますか、そう思うわけであります。理解する国民もあれば、理解しない国民もある。そうすると、理解しないおまえらは国民でない、理解する国民の理解を得るということか目的だと。これも言葉じりをつかまえて言うわけではありませんけれども、しかし、これはちょっと言い過ぎではないか、もう少し私は文章にこだわるわけでないが、謙虚な気持ちで立案に当たっていただきたかったと思うわけであります。憲法問題についてあれほどやかましい論議があり、そうしてわれわれの知るところでは、学問的には何らこれを反駁する何も、意見も見たことはありません。この間の法制局長官でも甲と乙があって乙の場合がいいんだから甲の場合もいいんだと、あるいは総務長官はもう合憲とみなすんだと、そのほかの議論かありますが、まともにこの憲法論を反対した意見はいままで聞いたことがありません。 それから、いまのこういう行政機関を独裁的な権能で推し進めるということは世界に例かないと私は思っております。幾らか似通っているのがアメリカのFTCですか、何かありますが、これが幾らか似通っていると言えば似通っておりますが、もともと大統領に直結する司法省の官轄下にあった問題であります。それからFTCは、公正な取引についてこれを規制するという出発点から生まれて、現在はこの独占禁止の問題にもいろいろわたっているということでありますが、それしもアメリカは日本と違って、一つの法律があって、その法律に該当するかしないかということに対する訴えの問題の取りまとめというようなことでできているわけでありますし、イギリス、ドイツに至っては全部、こういう最高首脳部はおろか国会に対しても責任を持たない、そういう行政機関によってこの法か運用されているということはないわけであります。そうしてそういう基本的なことが出てきて、この法に対するいろいろな議論が出てくるわけであります。その議論を正しいと思って主張すればおまえは国民でないと、少なくともこの法のためまえから言えば国民でないというような言い方のように響くわけです。そういうことを言ってどうですかとお聞きすれば、そんなことありませんというお答えだと思いますから、強いて御答弁は要りませんけれども、やはり私はそういうふうに解釈するわけであります。 そこで、それは私の気持ちだけ申し上げて、引き続いて次のお尋ねをするのですが、この提案理由の説明の一ページの最後のところに、「公正かつ自由な競争を促進し、」これはこのとおりでしょうが、「自由経済に新しい活力を与えることが必要となった」と、こういうことがうたわれております。そこで、これも蒸し返しになるかと思いますが、つまり活力ある経済というのは一体どういうものが活力ある経済ということに思われておるか。あるいはおっしゃることと一致するかもしれない、私の考えと。簡単にひとつ活力ある経済ということについて御所見を承りたいと思います。どういうことを活力ある経済と言うのか、その点。
○国務大臣(藤田正明君) 活力ある経済とは、創造力に富みそして公正な競争をやっておる経済、社会、そういうふうに考えます。
○熊谷太三郎君 それもまあ間違いの表現ではございませんでしょう。しかし、私どもは活力ある経済ということになりますと、まず第一に、国民に対してよい品物を安く、かつ豊かに供給するということが、これが活力ある経済の第一義ではないか、それから第二義的には、並行した意味にもなりますが、そういう経済力の原動力となる国際経済力を強化していく、この二つの大体目的が達成されたものが活力ある経済と、こういうふうに私どもは理解しておるわけであります。したがって、ただいたずらに「公正かつ自由な競争を促進」するというだけの局限された考え方では活力ある経済を、言いかえれば「自由経済に新しい活力を与える」ということには十分でないと、このように考えるわけであります。 そこで、私が申し上げる活力ある経済ということが、そういう意味に解釈するということが、いま私の申し上げておることか誤りであるならば、またいろいろ御意見も承りますか、もしそういうことが誤りでないということでありますならば、そういう経済に活力を与えるためにはどこまでも、先ほどから申し上げておりますように、国民の合意の上に立った総合的な経済政策の遂行が必要であると思います。現在の制度のように、内閣はおろか国民の代表である国会に対してさえ責任を持たない、そういう独裁的な行政機関が、単に「公正かつ自由な競争を促進」するという立場のみを強調して、いたずらに法を強化し、ほしいままにその運営を図っていくということは、必ずしも自由経済に活力を与えるどころか、かえって場合によってはその活力を失わしめる結果にもなりかねないと、こういうふうに思うわけであります。これに対して長官の御所見を簡単にお願いいたします。
○国務大臣(藤田正明君) 時の政治状況、政権に影響されない、そうして経済の、先ほど来先生がおっしゃいました活力のある経済を維持するために、そういう影響を受けないようにするというのが一つの趣旨でもございますし、そういう意味合いにおいて公取の独立権限というものができおるわけでございますので、その点は御理解を願いたいと思いますし、また活力ある経済、その活力とは何ぞやというお尋ねでございましたか、先生のおっしゃっていることも確かにそのとおりでございます。表現の言いあらわし方はいろいろあると思いますが、おっしゃるとおり二つの要件がやはり活力ある経済の柱だとも思います。
○熊谷太三郎君 そこで、ただいま申し上げました趣旨をさらに推し進めてまいりますと、やはり本当に活力ある経済を保っていきますためには、総合的な経済施策全般を推進しまして、独禁法はどこまでもその一環として位置づけられなければならないのではないか、こういうふうに思うわけであります。 そして重ねて申し上げますが、違憲の疑いの強い私は分割にはこういう本法をさらに再検討していただいて、そして独禁政策が経済政策の一環として、たびたびいま繰り返しておりますように、国会に責任を持ち得る形で運営されるように私は改善されねばならぬと、このように思うわけであります。いま強化しようという——そのままにしておいて強化しようという法案の最中に、あるいはこういうことは御答弁はむずかしいかもしれませんが、私はやはりこのことを念頭に置いて、いつかはこういう不自然な形を再検討してよりよい方向に、状態に改善していくという私は考えを持つべきであると、決して時の政府に左右されてはならないということはもうすべてでありますが、しかし、そういうことを言っていけばもう政府というものはもうどの政府であったところでいいかげんな、無責任なことをやることを国民が認めているわけでありませんから、その辺の感覚は多少違うかもしれませんが、いずれにしてもこういう状態を——政府の責任者として御答弁になるのは困難かもしれませんが、しかし常識的にはそうあるべきものでないかと思いますので、なければ御答弁は要りません。やはり将来はそういうことも考えなきゃならぬというお気持ちがあればお漏らしを願いたい。そうでなければ別に御答弁は要りません。
○国務大臣(藤田正明君) おっしゃいますように、確かに産業政策とこういう独禁競争政策というものは整合性がなくてはならぬと思います。環境政策も同じような問題だろうと思います。そういう上に立って、国民全体の福祉増進、国民経済をよりよくしていくというふうな基本に立って、このいまの整合性が保たれていくことが必要ではないかと思います。 それからまた、違憲論に関しましてたびたび御意思が述べられましたけれども、確かにそういうふうな違憲論を唱えられる学者あるいは国会議員の先生方もおられますが、しかしまた、これを合憲とするという立場の学者、国会議員の先生方もいらっしゃるわけでございまして、一概にこれが違憲であるというふうな一致したような結論はまだ出ておらない、かように存じます。 それから、国民の納得するルール、——自分たちは国民の代表者である国会議員だから、納得していないんだから一体どうしてくれるんだ、こういうお話でございますが、これはどうにも困る問題でございますが、これは一人一人の御意思なり、お考えなりがいろいろあることもよく存じ上げております。しかし党としては、自由民主党としてはこの政策に、強化改善の政策に対して一致した意見を出し、そして若干の、本当にわずかな修正でございますが、それを修正して政府案として出したわけでございますので、自民党のみならず各党で御賛成を得られるような法案ということを考えて提案をいたし、衆議院におきましては、全党一致で参議院の方に送付せられたという経過もございますので、私たちとしましては「国民の理解の得られる」ルールづくりということにますます自信を持ってきておる次第でございます。
○熊谷太三郎君 まあ憲法問題がまた、私がたびたび申し上げたので長官から御意見が出ましたが、重ねてそういうことを言われれば申し上げますが、私どもは憲法学者でもありませんので、まあ違憲論を唱えられる人があればごもっともであるとは思いますが、それを強く主張する立場ではありません。しかし、やはり何としても、いま長官のお言葉をおかりすれば、整合性のある経済政策というものを推進していかねばならぬ。そのためにはいまのようなあり方では不適当である、こう思うわけであります。 それから国民の云々で、御返事要りませんからと申し上げましたが、お答えありましたが、私も国会議員でありますから一党の統制に服するということは、これはごもっともであります。まあそういうことを言われれば私もはなはだ残念にたえません。しかし、ある場合には涙をのんで、まあ党議に服したわけではないが、まあ党の方向とされるところに一遍は従わねばならぬかというくらいの気持ちでおりますが、そういう気持ちの人か大多数だろうと思いますか、そういう者の顔を逆なでするような、こういう表現では納得できないということを重ねて申し上げるわけであります。まあそいつはちょっと問答みたいになりましたか。 そこで、現行の独禁政策は公取という職権独立機関にその運用かゆだねられているわけでありますが、そういうことのために、たとえば、特に不況対策でありますとか物価安定でありますとか、あるいは国際調整、産業の構造改善等のそういう経済政策的な要請と、ほっておけば、ややもすれば対立しやすい。対立するまでにはいかなくてもいろいろのトラブルが起こりやすいわけでありますが、一体そういう場合にだれかこれを調整されるのかということであります。この点を考慮して、本法案にも、第四十五条の二かあるいは第四十九条の規定などによって、公取は主務大臣に通知してその意見を求めたり、あるいは主務大臣に協議したりしなければならぬことになっておりますが、そういう事態に立ち至りましたときに、私は、公取なりあるいは主務官庁なり関係者は言うまでもなく、国全体の経済政策を円滑に推進する見地から、言ってみれば謙虚な気持ちでよく相手方の、双方の主張を聞いて、そうして誤りない問題の処理に当たっていただかねばならぬ。公取にしても通産省にしてもこれは同様であります。こういうことについて、もちろん聞くまでもありませんが、一応、公取委員長と通産大臣とのお考えを承っておきたいと思うわけであります。
○政府委員(澤田悌君) 独禁政策とその他の政府の諸政策との整合性の必要性ということについての御意見、そのとおりと私も存じます。独禁政策は、独禁法に基づきまして経済運営のルールと申しますか、基盤を整えるものでございます。その上に諸般の経済政策、産業政策がスムーズに行われることを期待するものでありますが、両者の間によく意思の疎通があり、諸政策の整合性が保たれ、それが国の産業の発展、国民の福祉につながる、こういう流れになるべきことは当然期待するところでございまして、私どもも日々の独禁行政におきましては、その点に極力留意いたしまして努力をいたしておる次第でございます。
○国務大臣(田中龍夫君) 公取委員会も通産省も、ともに経済担当の国家機関でございます。われわれが思うところは、念願するところは国家の隆盛繁栄でありまして、国家の繁栄は国民経済の伸展、躍進にあると存じます。国民経済の伸展と申しましても、要はそれを構成いたしまする企業体の健全な発達と、それからまた活力の増大でございまして、国内的には厳しい低成長の環境の中におきまする全体としての整合性を持たなければなりませんし、国際的には、これまた非常な厳しさを持っておりまする国際経済に対して、日本企業が、日本の経営者の皆様方がたくましく堂々と国家のために躍進されるのでございまして、これがために経済を担当いたしまするわれわれは、相ともに手をとりまして、国家の繁栄のために、国民経済の伸展のために努力をいたす所存でございます。
○熊谷太三郎君 まあ委員長並びに通産大臣の御答弁を承りました。もとより望ましいことでありますから、どうかその辺は円滑に今後とも運営していただいて、そして遺憾のないようにしていただきたいと思うわけであります。なお、あわせて申し上げれば、政府におかれてもやはり両者の意見が円滑に疎通できるように、決して通産省、公取だけの問題に任せられずに、やはりそういう点を常に心がけていただきたいと思うわけであります。まあこれは別に御答弁も要りませんが、当然のことでございますが、この機会に心からお願いをいたすわけであります。 そこで公取と通産省との間に、現在の産業界における技術進歩や国際的競争に対応するためには、たとえば特に構造改善等の問題をめぐって、両者の密接な連絡調整や協調体制の持続を図るために、昭和四十一年ごろかと思いますが、通産省と公取委の間の事務レベル間で一つの合意か成り立ったように承っております。構造改善の取り扱い等についていま申したように事実上の合意が交わされたと聞いておるわけでありますが、時間もなるべく短くしたいと思いますから詳しいことは申し上げませんが、こういう協調体制は今後もひとつぜひ堅持していただきたい。ただ言葉の先だけで協調する、協調するではまあ不十分でありますので、やはりこういう協調体制か具体的な形でひとつ取り上げられるという問題は十分にひとつ評価していただいて、そうしてそういう具体的な形による協調体制を今後も堅持していっていただきたい、このように考えるわけであります。両者の御意見を、お考えを簡単で結構ですからお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘の覚書は、お話のように当時日本経済が国際化の嵐にさらされるというような時期に、事務的に公正取引委員会と通産省の間で取り交わされたものでございまして、その後十年以上たっておりますので、そのときとの背景はいろいろ違ってまいっております。しかしながら経済状態自体の困難性というのは違った意味で現在も非常にむずかしいところでございます。御指摘のように、そういう問題の処理、特にあの中で投資の問題、設備の問題等について特に重きを置いておる覚書でございますが、現時点におきましては御承知のように、いろいろな業界がいわゆる構造問題というものを抱えておりまして、単純な循環的不況ではございません。したがいまして、設備というよりも生産力の調整というような問題が最も深刻になってきておるのでございます。したがって、あの覚書にございますように、お互いによく話し合って処理して、むずかしい問題を検討していこうじゃないかというのが最後の趣旨でございます。その趣旨は現在も変わっていないわけでありまして、むずかしい問題については個々に十分話し合って、最善の解決の道を見出していきたいと考えておる次第でございます。
○政府委員(濃野滋君) ただいま公取委員長から御答弁ございましたように、当面の景気問題のみならず、これからの長期的な進み方というものを考えましたときに、いわゆる構造問題を抱えました業種というのが幾つか出てきておりまして、私ども当面のそのものの需給調整ということではなしに、そういう構造問題を解決するための業界の体制ということにつきましては、業種ごとにいろいろ問題を詰めておりますが、これに関しましては、ただいま公取委員長の御答弁にございましたように、私どもといたしましても、公正取引委員会の独禁政策との関係、十分御連絡をし、お話し合いをして解決をする、という方向で進んでいきたいと、かように考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 そういうお気持ちで大変結構だと思いますが、ただ、ここに御出席になっておりますのは最高の責任者の方ばかりでありますから、やはり末端にいきますと、あるいは若干の摩擦というものか考えられる——なければいいんですが、考えられると私は思わざるを得ない。ことに想像してみますと、ものによってはやはりお互い業者同士か話し合って、あるいは価格の問題でも構造改善でも、考えて打ち合わせしていかねばならぬということがあります。もちろんこの話し合いの結果が独占的な価格の形成と、そういうことになってはこれはいけませんから、話し合いをどうこうというのではありませんが、しかしただ話し合いをするから——やっぱり話し合いをしなければ、ことに輸出の問題などについてはそういう話し合いをしながら競争体制を堅持していくという必要があると思うわけですか、そういうこともありますので、話し合いをしたから直ちにそれが間違いだというふうなことにはひとつならないように、運用に十分気をつけていただきたい。話し合いによって、よい結果が生まれるということもあります。悪い結果が生まれるということもありますので、それはその結果によって判断すべきことであって、話し合いをしたから、話し合いをすること自体がいけないというふうな非常にかたいことですと、やはり公取は背後にそういう権限を持っているから、それを押し通すんだという誤解を生み、また事実そういう弊害もひいては起こりやすいというふうに考えますので、よくそういう協調の精神が業者に末端まで行き渡って、そして業者かそれぞれの目的をよく調整しながら、国全体の国益のために処理していくんだというお考えを、ひとつ末端まで堅持するように御指導をこの上ともお願いしたい、 このように考えるわけであります。 それから実は余り好ましい問題ではありませんので、遠慮しようかとも思いましたが、この機会に思い切って申し上げますが、大変ささやかな事例ではありますが、具体的な事実につきまして、独禁法の精神とその運用について公取委並びに政府に対して一応お考えを伺いたいと考えるわけであります。 現在、御承知のように全国の各地にはその地方独得の地方新聞ないしはいわゆる郷土紙といったものが発行されております。これは単数の場合もあれば、複数の場合もあります。単、複いずれの場合も同様でありますが、特に単数の場合、すなわち一つしか地元の新聞がないといった場合に、新たに一つの新聞か発刊されて複数化していくということは、つまり二つの新聞かできることになるわけであります。そうしますと、私は消費者である読者にとりましては、豊かな情報、またはこの情報の選択ということが与えられることになりますし、かつ価格の点から言いましても、従来より安くはなっても高くなることはないと一応は考えられるわけであります。したがって、公正かつ自由な競争の推進をたてまえとされます公取委にとっては、この事実は望ましいことであるか、あるいは望ましくないことであるか、これについてお考えを承りたい。なおあわせて、恐縮ですが政府のお考えも、この御判断をひとつ示していただきたいと思うのであります。
○政府委員(澤田悌君) 独禁法あるいは独禁行政のたてまえから申しまして、何業種にかかわらず、新しく公正な競争のもとにそこに新規参入か起こると申しますことは、きわめて望ましいことでございまして、その点につきましては御指摘のとおりと考えております。
○国務大臣(藤田正明君) ただいまの公正取引委員長からの御答弁のとおりでございます。
○熊谷太三郎君 この問題は、さっきもちょっと申し上げましたように私自身にも関係がありますので、ここに取り上げますことは余り好ましいことではないと思いましたが、決してここで私の個人的な立場を申し上げるつもりではありませんから、また、この実際の問題がどういこうと、どういう結果になろうと、それは決して私の企図する、意図するところではありませんから、どうかその点は御了解をいただいた上でこの話を進めさしていただきたいと考えます。 私の地元に、既刊の福井新聞という新聞があります。ところが、その経営に不満を持ちます同新聞の役員や従業員の一部が、数年前から退社したわけであります。これは別に内容を申し上げる必要はありませんが、福井新聞という新聞がどういうことで世間的な印象を受けているかということは、適刊誌などにもたびたび両三度書かれていることであります。しかし、それはどういうことであろうと問題はないんですが、とにかく、そういう経営方針に不満で数年前から退社しまして、それが昨年の八月に新たに日刊福井という新聞を創設しまして、私もその趣旨に共鳴しましたので、求められるままにこれに参加して協力することになったわけであります。しかるに、この既刊の福井新聞が、代表者の一人であります私並びにこの日刊福井を相手取りまして、多分これは独禁法第七条かあるいは第四十五条でございますか、まあ詳しく調べればわかりますが、そういう法規を盾にとりまして、われわれがそこの役員をそそのかしたり、あるいは引き抜いたりして非常に損害を与えているということで公取委員会に申告したわけであります。もちろんこの事実関係につきましては、公取委の御当局でいずれ——もう始まっているかもしれませんが調査されるようですから。重ねて申し上げますが、この内容を問題にするのではありません。 ただ、この申告が出されましたときに直ちにこの地元の福井新聞はもとより、ほかの新聞でも、非常にこういう違反の疑いがあるということで書き立てられたわけであります。これはまだ事実の判明しない——われわれから言えば全く問題にならぬことだとは思いますが、少なくともまだ事実であるないかこれは判明しない、少なくとも事実か事実でないか半々の結果ということなら客観的に見られても一応了解いく問題でありますが、しかし、そういう新聞に書き立てられるということになれば、それをもう打ち消すわけにはいきませんから、やはりこれによって私は大変信用上損失を受けたという結果になるわけであります。まあそれくらいのことで私も別に痛くもかゆくも思ってませんけれども、しかし、やはり中には、ああして新聞に書き立てられる以上は何か臭いこともあったんじゃないか、何か法律に抵触することがあったんではないかという疑いをかけられて、これはいかなる方法をもってしてもこれを打ち消すことはできない場合がたくさんあるわけであります。それのみでなしに、そういう申告をされて公取委員会が受け取られますと、それは残念、悲しいかな、やはりまあ民間としましてはこれにやっぱり対抗して間違いのないような方法をとらねばならぬ、これは当然であります。それはまあ高いところ、関係のないところから見れば、何にも悪いことしたことがなければ十分調査させればいいじゃないか、というようなものですが、そういうわけにはお互いはいかぬわけでありまして、やはりそれを専門家に委嘱する、その処理について。そうすれば莫大な経費が要るわけであります。現に、まあ詳しいことは知りませんが、相当そのための経済的な負担も負ってるわけだろうと思います。 そこで私は公取委にお尋ねしたいのですが、調査の結果もしその申告か誤っていて——その申告した内容が——私並びにその日刊福井がシロだったということが判明した場合には、私どもの人権と損害に対してどういう救済の道があるか、それをひとつ承りたいと思うわけであります。
○政府委員(澤田悌君) ただいまの件につきましては、御指摘のように昨年委員会に申告がございまして、ただいま調査中でございますが、その結果はまだ当然出ていないわけでございますけれども、その結果がただいま御指摘のようなことになったらどうかというお尋ねにつきまして、部長の方からお答えいたします。
○政府委員(野上正人君) 結果が——現在審理中でございますんで、結論につきましてはただいま委員長が申し上げたとおりでございます。仮にまあ結果がシロでございますれば、われわれはそれは結果がシロであったということを通知するということになると思います。
○熊谷太三郎君 まあ現在の法規のたてまえ上、それくらいのことしかおできにならぬ……。これはあなた方を別に追及するわけではありません、それはまあ災難とあきらめるよりほか仕方ないわけでありますが、しかし、受けた損害というものは、これは何とも方法がないわけであります。私は、これは私の例を申し上げて大変恐縮だったわけですが、こういう場合は、単に私の場合だけではなしに、やはりあり得るんじゃないかということを考えざるを得ない。いままであったかないかわかりませんが、あり得るのではないかと思うのです。そうした場合に、やはりなぜこういうことになったかということになりますと、私は法律そのものが考えられなければならぬじゃないか。 で、私はこの法律がよくわからぬので、間違いでありましたらまた御訂正願いたい、教えていただきたいのですが、これは多分独禁法の第四十五条ではないかと思います。何人といえども、こういう条項が一つあります。「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」、こういうのではないんでしょうか。いまちょっとお尋ねしておきたいのですが。
○政府委員(野上正人君) 四十五条の規定によって申告されております。
○熊谷太三郎君 そこで、私は申し上げたいのは、「何人も」ということがひっかかるのじゃないか。いかにそういうことがないにしろ、この法律があるために無責任な者が、だれかに迷惑をかけてやろうと思ってそういう処置をとれば、いやおうなしに公取が活動せざるを得ない。活動された結果はそういう無事の災いに泣く者かたくさんある。私は泣きませんが、やはり泣く者かたくさんあると思っております。こういうことを考えますと、法改正も必要かもしれませんが、しかし、現行の法律そのものに私は思いをいたして再検討をやはり考えていただかねばならぬ。これによって、民主主義の治下でどんな責任のない者がどうなことを言ってきても、一応は取り上げるのだ、少しもこの法律ではそういうことを申告した者の責任を規定してはいない。言いさえすれば、どんなことをだれが言っても公取は取り上げるのだという、これは、私はお考えになっていただかなければならぬじゃないか。この民主主義の国の、ことに人権の保護ということがこれは何人がお聞きになってももっともなことだと思います。やはり人権の保護、ことにこういう厳しい法律を遂行されるというためには、それによって、でき得る限りは人権の保護が、全うされなくても少しでも守られていく。そうして、一面においては公取というものはそのような厳しいものではない、よく事理をわきまえた常識的な役所であるという印象がいま少しでも国民の間に広がるように考えていただくべきではないかと思うわけであります。余り具体的なお答えも要りませんが、せっかくお尋ねすることですから、ちょっとぐらいひとつこういうことについてお答えをしていただきたい。
○政府委員(澤田悌君) 御趣旨まことにごもっともでございます。私どもその点は十分心がけて運用に努めておるつもりでございまして、具体的調査に入ります前には、できるだけ予備調査というようなことにも意を用いておる次第でございまして、今後も御趣旨に沿って努力をしてまいりたいと存じます。
○熊谷太三郎君 もちろん運用については十分そういうことの御配慮をしていただきますことはこれは言うまでもありませんが、やはりそういうものが幾ら予備調査と言われても、出した以上は、いま言ったようなそういう問題がたちどころに起こってくる問題でありますから、やはり改正だけでなしに、現行法の検討ということも考えていただきたい。これが私の主眼であります。もう運用について澤田委員長以下皆さんは非常に周到なお考えでやっておられるだろう、いろんな問題についてそれは御信用しますが、法がこうしてあれば、やはりそういう無責任な者の出てくる懸念が十分にある。したがって、法そのものをやはり検討していかねばならぬ、こう私は思うわけであります。 そこで、やはりこの問題に関してでありますが、いま一つこの福井新聞という新聞は、本年の一月以来、大体十二万ほどの購読者があるそうですが、この購読者に、法律上禁止されておると聞きますいわゆる拡材が頒布されておるわけでございます。これもいろいろ法律にありますが、こんなものは引っ張り出しても時間かかかりますし、よくおわかりでしょうから申し上げませんか、これがいままで、一月の二十四日ごろにだれかが見つけたそうですから、今日まで五カ月間そういうことが行われておる。しかも、推定価格は、一人の購読者に対して多少値引きをしてもらっているかもしれませんが、大体定価として考えれば千円程度の物、それからその範囲はほとんど全購読者——十二万ですから、まあ推定ですから数はわかりませんが、大体十万世帯ぐらいであります。これは推定ですから数や値段のことは私は推定ということで申し上げておきます。そうして石けんと引きかえに購読申込書をとりまして、氏名、捺印をとっているそうであります。念のためにこんなものもありますが、これは、新聞は申し合わせてそういうことをしないというような、これは非常に皆さんもう公取委を権威あるものとして取り扱っている証拠だろうと思いますが、「公正取引委員会より警告をうけて」というのがありまして、そして中央紙並びに地元の地方紙が連名でこういう申し合わせをしているわけであります。これは五十年一月五日でございますが、ここに日刊福井という新聞はこの新聞のあれに入っていませんから、入っていませんが、こういう協議会か仲間に入っているといないとにかかわらず、そういう相手とするしないにかかわらず、やはりそういう拡張材といいますか、そういうものを持って歩くということは明らかに公取法の違反ではないかと考えるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(長谷川古君) お答えいたします。 新聞には御案内のように公正取引協議会をつくって自主的な取り締まりの組織をつくってございますけれども、その会員であると否とを問わずそのような拡材を提供するということは、新聞業につきましては景表法違反でございます。
○熊谷太三郎君 どうしてそれを取り締まらないのですか。それがきのうやきょう見つかったということならいざ知りませんが、一月以来、幾ら福井というところか辺陬な土地でありまして、皆様から取り上げられるような地域ではないかもしれません。しかしそこで五カ月間にわたって、総額にしては五千万円か一億か知りませんが、何万世帯にわたって配られたということを、なぜお取り上げにならないか、これも、そういうことを言うことが目的じゃありませんが、一応順序としてお尋ねいたします。
○政府委員(長谷川古君) まことに申し上げにくいことでございますけれど、その事実を私ども存じませんでした。なお念のため福井県を所轄しております大阪地方事務所、あるいは景表法は御案内のように都道府県も運用することになっておりますので、福井県にも県庁にも尋ねましたんですけれども、いまのところ申告がないということで、、はなはだ怠慢でございますけれどその事実を把握しておりませんでした。そのために、それに対する対策がおくれたということでございます。
○熊谷太三郎君 そうすると、その調査されておりますか。
○政府委員(長谷川古君) いま調査するように命じたばかりでございます。
○熊谷太三郎君 そんなことを調査して、どうしてくれこうしてくれということが本旨ではもちろんありません。しかし私は一方において、無責任な申告をしても直ちにこれを取り上げて、そうして場合によっては無事の人に非常な御迷惑をかける、一方においては、明らかに不法行為が数カ月間にわたって放置されていてもそのなすがままに任せておく、私はこれはよく事情もわかりますから、この問題そのものは追及しようとは——場合によっては追及しますが、いま直ちに追及しようとは思いませんか、しかし、これはやっぱり謙虚にこういうことを考えていただかねばならぬと思います。この結果から見ますとそういうふうにさっき長官や公取の委員長に御意見を求めましたのは公正かつ自由なそういう競争が行われることが望ましい状態であるということをお話でありましたが、まさにこの事例は、公正かつ自由な競争を抑圧する方に重大な味方となっていることを示されているわけであります。私は小さい事例でありますか、こういう問題があるいは随所に行われているのではないかということを思って非常に心配しているわけであります。 まあ公取の職務権限に別に容喙することはできないと総務長官は言われるかもしれませんが、御注意ぐらいはしてやっていただきたい。まあこの公取の機密漏洩問題、これはまた後ほど同僚議員がお取り上げになるそうですから私は申し上げませんが、まあああいう疑いかなかなか消えないというのも、現実にそういう事例に接しますと、あるいはそういう事例の存在を知りますと、よけい残念ながらその疑いを深めざるを得ない。公取の信用から言いましても、やはり根本は人手が足りぬとかいろいろなことを言われますが、私は法自体がもっと人権を尊重するようなそういう趣旨から、見地から、いたずらに法改正のみに専念することでなく、現在の公取にも、それこそ長官のお話ではありませんが、二十何年たって以来少しも改正を行っていないというお話でございますが、そんな企業いじめの改正ばかり考えないで、一面にはそういう人権尊重に行き届くようなそういう配慮のもとに、私は真剣に考えていただきたい。 私は法改正の反対論者ではありません。反対論者ではありませんが、とかく足元のことを忘れて先走りしようというふうな、そういう勇み足が見えるような気がしてならないのであります。大変申し上げにくいことを申し上げまして申しわけありませんが、ひとつ御寛容をお願いしたいと思います。 まだ時間が大変残っておりますが、大体申し上げることはそのくらいでございますから、失礼でありますが、重ねて申し上げますが、私どもはいろいろ個々の条項についての御注文、希望もさることながら、やはり何としてもこの公取委の行政機関としてのあり方が、あくまでもやっぱりひっかかるわけであります。決して公取委を信頼しないではない、独禁政策の大切なことを無視するわけではありませんが、しかし、他の経済政策と調和してそれを実行していくというためには、主務大臣はともかくとして、内閣総理大臣が終局には責任を持ち得ない、いわんや国会に対して責任を負わない。そんなような機関かいつまでも存在するということは、単に憲法違反というだけの問題ではない、もう大きな国家的な問題であります。もちろん憲法問題も大切でありますから、これはこれとしてやはりしかるべき調査機関を設けて、早急にそうであるかないかという結論をこの際出すべきであると思いますか、しかしそれはそれとしまして現実の問題として、やはりこういう機構そのものについて十分お考えを願いたい。 どんなに独禁法が強化されましても、そんなことは私は決して必ずしもそういうことにこだわるつもりはありません。今回の独禁法の改正でも、どうしても納得いかないというためにいろいろな条項に触れていろいろなことを文句を言っていますが、その一点さえ私どもとしては納得いく機構でありますならば、何にもこの法案に納得できないとか反対であるとかそんなことは言いたくありません。どうかその点を十分にひとつ、お答えはできないにしましても、よく皆さんがお考えになっていただきたいということを私は重ねて申し上げたいと思います。 それから最後に、通産大臣に一応承りたいと思います。 この法律の適用は、幾ら寡占状態にあるからといって、決して弊害のない状態を規制するものではないということは繰り返し言っておられるところであります。言われるまでもなくそれは当然であります。しかし、やはり受け取る側ではいろいろの取り越し苦労をする、これも当然であります。しかも、この際その取り越し苦労を最も深くしておりますのは、長年の営業努力によって、ただ国内においてのシェアを高めさせただけではなしに、国際的な競争に打ちかって日本の経済力を高めることに寄与してまいった、いわば優秀な企業、産業であると私は思います。したがってこういう優秀な企業が、このような法改正によって、極単に言えば戦々恐々たる状態にあるということは、これは日本全体の経済力から考えても大きな損害であると言わざるを得ません、このままいけば。 そこで主務長官庁であります通産省とされましては、こういう法律が成立するとすれば、その現実の事実は否定できませんから、こういう状態において、優秀な企業がそういうために萎縮しないように、まあ許されたあらゆる方法をもって指導していただいて、そうしてこういう法案が、心配なく安心して特徴を発揮していくことができる、そういうようにひとつ私は指導といいますか、そういう御配慮を願いたいと思うわけであります。通産大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 大変貴重な御注意を賜りましてありがとうございます。御注意を体しまして、その行政執行の任に当たる所存でございます。
○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。午後零時二十三分休憩 —————・————— 午後一時三十七分開会
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 本日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として塚田大願君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 休憩前に引き続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○植木光教君 この間から問題になっておりますエポキシ樹脂の企業秘密の漏洩問題についてお伺いいたしたいんでありますが、総務長官、政府のこの問題に対する対処方針はいかがでありますか。
○国務大臣(藤田正明君) この件につきましては、事柄の重要性にかんがみまして、政府としても責任を持って善処をいたす所存でございます。
○植木光教君 公取委員長、今後も調査は継続せられますか。
○政府委員(澤田悌君) 昨日、当委員会に従来の調査結果を御報告申し上げました。今後も事態を明白にならしめるために、捜査を続行いたします。
○植木光教君 公取委員長は、嫌疑が明らかになった場合、職員の場合でありますけれども、委員長として厳正な行政処分を行われますか。
○政府委員(澤田悌君) その点も昨日申したところでございますが、嫌疑が明らかになりましたならば、委員長といたしまして厳正な行政処分をいたす覚悟でございます。
○植木光教君 総務長官にお尋ねいたしますが、必要がある場合、司直の調査にゆだねるということはお考えになっておりますか。
○国務大臣(藤田正明君) 公正取引委員会の中におきましてなかなか嫌疑も明らかにならない、あるいはどこにも事態が究明ができなかったというふうな場合は、これはもう司直に任かさざるを得ない、かように思います。
○植木光教君 当事者が告発をして司直の調査が行われるという場合には、公正取引委員会はこれに御協力をなさいますか。
○政府委員(澤田悌君) これに協力いたします。
○植木光教君 今後このようなことがないように、政府としても公正取引委員会としても厳重な指導、監督を行われる御決意があるかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(藤田正明君) 独禁法の二十七条の二によりまして、「公正取引委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する。」ということがはっきり書いてありますから、ただいま植木先生の御質問のように、厳重に監督、指導をいたすつもりでございます。ただし職権の行使につきましては、この独立性、自主性につきましては、これはもうあくまでも尊重をしてまいります。
○政府委員(澤田悌君) このような疑いを受けるような事態の発生は絶対にないように、内部機密の厳正な保持及びそれに対応する監査制度等の整備に努めて、ただいま長官の申されました職権行使の重要性にもかんがみまして、最大限の努力をいたす覚悟でございます。
○植木光教君 それでは最初に、独禁法改正問題について総務長官にお伺いをいたします。 独禁法は経済活動の基本的なルールを確立するものであると思うんでありますが、今日の経済情勢の中で、新しい時代にふさわしい競争のルールはいかにあるべきだとお考えになるか。この点につきましては、五十年の六月四日の衆議院の商工委員会の質疑の中で、私は次のような答弁をいたしております。経済の変貌に対応して国民の理解の得られるルールを確立することにより、企業は企業として創意工夫を練りながら活力のある企業活動をしていただく。同時に政府としては、高度寡占、企業集中、カルテルの横行等のないよう競争原理を確立し、企業活動を刺激していく。このことが自由経済をさらに発展させていくゆえんであるという基本的な考え方で改正案をつくった、という趣旨であります。今回の改正案を提案をせられた政府の基本認識は、この私の答弁と同じであると考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(藤田正明君) そのように考えていただいて結構でございます。
○植木光教君 五月十九日の当委員会におきまして、斎藤議員から、今日のような深刻な不況期であって不況からの脱出が最大の課題となっているときに、今回の改正を行う必要性について質問がありました。総務長官は、好不況にかかわらず長期的な観点から経済のルールをつくるために必要であると答弁をされております。確かに新しい時代に即応したルールの確立はぜひ必要なことでありますが、それは、究極的には活力ある企業活動をいかに維持していくかという観点から考えるべき問題であると考えるのでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(藤田正明君) 全くお説のとおりでございまして、活力ある企業の経済活動を、今後維持していくというのか根本でございますので、お説のとおりだと思います。
○植木光教君 公取委員長にお伺いをいたします。 独占的状態の排除についてでありますが、まず立件前に行う経済部の調査について、特定の事業分野において改正法第二条第七項で言う、独占的状態の定義で言う事実があるかどうかについて公取委が判断するためには、事業分野を確定し、特定企業が輸出向けを除く国内供給額または数量が一社五〇%、二社七五%超のシェアに該当しているかどうか、相当の期間コストや需給関係と離れた価格設定がなされているかどうか、著しい利益率を上げているか、過大な経費支出があるかどうか、ということについて調査しなければならないことになります。事件として処理する前のいわば事前調査については、経済部が所掌することになっておりますが、公正取引委員長は具体的な運用方針として、できるだけ有価証券報告書や、統計等の公表資料によって調査する旨の考え方を明らかにされております。産業界が不安に思っておりますのは、本規定の新設によって公取委が、何ら違法行為がない場合であっても企業秘密にわたる調査を行えるようになるかという点にあるのでありますから、過剰な企業干渉は極力排したいという公取委員長のお考え方は評価をいたします。 しかし、これは公正取引委員会の前職員でありますが、今回の改正の立案作業でかつて重要な補佐をしていた、現在青山学院大学の助教授である菊地元一氏が三月十日に日本総合研究所主催で講演をしております。で、この菊地氏は、次のような重大な説明をしているのであります。企業分割規定が実質的に発動されることは困難だ、しかし、実効性のない規定であっても削除すべきではなく、必要なものである、それは、年商五百億円、一社五〇%、二村七五%の構造基準に入った企業に対して、公取委は、四十条の一般的強制調査権限を使って常時企業の行動、市場成果について実態調査を行い、かつ四十三条の公表権限を使って当該企業のビヘービアを間接的に規制するところにある、こういうことを言っておるのであります。そもそも、原価調査であるとか利潤の調査に立ち入る調査権限と公表権の活用がねらいであるとするならば、政府の立法趣旨と全く異にすると私は考えます。公正取引委員長はどうお考えになるか、また、そのような懸念がないと断言できるか、この点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(澤田悌君) 独占的状態に対しまする措置は、一定の要件のもとで営業の一部譲渡という構造規制的措置を命ずるものでございますが、同時にまた現実の効果といたしまして、弊害基準を示すことによりまして、企業がこれを経営の指針とするという弊害発生防止効果も大きいと考えられます。ただいま御指摘のような意見もございますけれども、独占的状態に対する措置はそのような趣旨で設けられたものでありまして、調査、公表をねらいとするというものではないと考えておりまして、したがいまして御指摘のような御懸念は全くないものと考える次第でございます。
○植木光教君 この資料でありますけれども、有価証券報告書等をもっていろいろ判断をしていくというお考えでありますけれども、非上場会社のように公表資料が非常に乏しい場合、これはどうなさるお考えですか。
○政府委員(水口昭君) お答えいたします。 独占的状態に関する措置につきましては、上場会社を対象とする場合が多いと思われますが、先生御指摘のように非上場会社の場合も若干あることはございます。で、その場合でも、規模の大きい非上場会社の場合には、ある程度公表された資料もあると思われますので、まずそういったものを利用いたしたい。さらに必要な場合には、事業者の協力が得られれば任意の調査を行うこととしたい、かように考えております。
○植木光教君 よくわからました。 次に、寡占企業に対する評価についてでありますが、公取委員長も、単にシェアが高いことをもって独禁法上危険な存在であるということではない、ということを認めておられます。寡占企業でありましても市場でのパフォーマンスか良好である限り何も心配することはないのでありますけれども、日本の社会風土では、公取委から調査を受けるだけでも、ロッキード灰色高官のような灰色企業扱いをされるということが十分に考えられるのであります。さきの菊地助教授の講演におきましても、灰色企業として事実上社会的サンクションを受け、それで寡占の弊害が少なくなれば結構なことだ、こう言い切っております。寡占企業が国民経済の面で種々の貢献をしていることは多くの人々も認めるところであると思うんでありますが、行政機関の判断次第によって、社会的にいわば保護観察扱いにするようなことがあってはならないと思います。公正取引委員長と政府側の考え方を重ねてお聞きしておきたいと存じます。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘のとおり、公正取引委員会の判断次第で仮にも企業を保護観察扱いにするとか灰色視するというようなことは、断じてあってはならないものと考える次第でございます。
○国務大臣(藤田正明君) おっしゃいますとおりに、そういうことでもって企業か社会の敵であるというふうな烙印を押されることは、これは大変企業側にとっては迷惑なことだと思うのです。で、四十条並びに四十六条のような強制調査なり強制処分というふうなものは、本当に慎重にこれは発動さるべきものであって、その前に企業が保護観察を受けるというふうなことにつきましては、また灰色企業というふうなことを喧伝されるようなことは厳に慎まなければならぬ、かように思います。
○植木光教君 独占的状態のガイドライン作成の目的であるとか性格についてはすでに質疑が行われておりますので、次のような諸点についてお聞きをいたしたいと存じます。 ガイドラインで対象業種と指定された場合、これに異議のある事業者の救済手続はどうなりますか。
○政府委員(水口昭君) 独占的状態の定義に関しまするガイドライン、これは現在公正取引委員会の事務局の暫定的な試案といたしまして本委員会に提出してございます。そこでこの法律が成立いたしますと、これを正式なガイドラインといたすわけでございますが、その際に十分関係者の意見を聞きまして、実態に即したものをつくりたいとまず考えております。 そこで、いま先生のお尋ねの点でございますが、ガイドラインというものは現在の独禁法、それから独禁法の姉妹法でございます景品表示法、これにつきましてもいろいろガイドラインをつくっておりますが、これはいわば公正取引委員会の解釈、運用基準のようなものでございます。したがって、法律的には事業者はこれに拘束されることはない、こういったものでございますので、特に異議申し立ての手続等を認めるといった性格のものではないと思いますが、もし不満がある場合には、審判あるいは訴訟、そういった段階におきまして主張することができる、かように考えております。
○植木光教君 ガイドラインで指定された業種に対して保護観察を行ったり、あるいは灰色企業であるというような烙印を押すというようなことはないというお答えでございましたけれども、指定されただけでダメージを受けるのではないかということも考えられます。そういう場合、そういうダメージをどう救済をしていくか、お答えいただきたい。
○政府委員(水口昭君) 現在つくっておりますガイドラインでは、独占的状態の中の事業分野、これに関連いたしましていろいろ解釈の仕方について説明するとともに、それを具体的に当てはめた場合にどういうことになるかということで、別表の一、別表の二というものをつくってございます。この別表の一に掲げられておりますのがいわゆる九業種と言われておるものでございます。そこで、この九業種というのは一体何であるかということでございますが、これは独占的状態の定義の中のいわば形式的要件に該当するものでございまして、決して独占的状態のすべてに該当するものではないというふうに考えておりますので、その辺の誤解を解くように極力努力をしたいと思っています。
○植木光教君 その点については極力誤解を解くようにしていただきたいということを、重ねて要請をしておきます。 いまも御答弁の中に出てまいりましたように、いわゆる九業種が企業分割の対象であるということについて、一般的な受け取り方は現在のところ誤解に基づくものであるというふうに考えてよろしいと私は思うのであります。今後ともそういう誤解の生じないように十分な配慮かなされるべきであること、先ほどの質問といささか重複いたしますけれども、委員長からお答えをいただきたい。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘のような受け取り方があることは、まことに私どもとしても不本意でございます。公正取引委員会といたしましては、かねてから機会あるごとにそのような誤解の解消に努めてきたところでございますが、今後とも、独占的状態に対する措置の制度につきましてその趣旨を十分に説明し、誤解を生じないように努力をしてまいりたいと存じます。
○植木光教君 ガイドラインで指定された業種に対する調査の方法についてお伺いいたしますか、調査そのものによってダメージを受けることにならないようにすべきであると思いますが、いかがでありますか。
○政府委員(澤田悌君) 調査そのものによって企業がダメージを受けるというようなことにならないよう注意を要することはお説のとおりでございまして、独占的状態に関する調査のあり方についての私どもの見解は次のとおりでございます。 一つは、独占的状態は違反行為とは異なり、相当の期間にわたりオープンに形成されてくる状態でございます。また、この改善についても政府、民間産業界のあらゆる手段を動員して競争回復の目的が達成されればよいのでありまして、必ずしも公正取引委員会の命令によってこれを是正しなければならないというものではないのであります。 第二に、独占的状態に関する調査は、以上の特質を踏まえまして立件前は経済部が担当することとなりますが、この場合、通常は有価証券報告書、各省庁発表の統計資料等の公表されている資料や、公正取引委員会の通常の業務を通じて得られる情報等ではほぼ足りるであろうと考えておるのであります。 第三に、公表資料等によっては十分把握できない情報、たとえば新規参入の困難性でありますとか、国際競争力の状況等については、関係事業者等の協力が得られれば任意の協力を求めて調査することとなろうと考えます。この場合、主務官庁の専門的知識及び判断の力をかりることが、調査を効率的に進める上で必要かつ有益なものと考えるわけでございます。 なお、独占禁止法第四十条の権限に基づく調査につきましては、これが罰則によって担保された強制的権限であることにかんがみまして、その実施には慎重を期さなければならないということは申すまでもない点でございます。
○植木光教君 次に、弊害要件の解釈についてお伺いをいたします。 これは三号要件によって市場における弊害というものが規定されておるわけでありますか、政府側の解釈によると、三号で言う著しい利益や過大な経費という弊害が市場にあらわれている場合に発動されるという意味であると答弁をされております。この「弊害」という言葉は、五十年の五党修正案に入っておりません。その後、種々検討の結果、今回追加されたものであります。この弊害という規定を導入しても、実質的な内容が変わるものでないというのであれば、取りまとめに苦労をされた関係者の意図に沿わないものではないかと思います。産業界におきましては、製造業平均の五〇%を超えたり、あるいは数倍の利益を上げている企業であっても、正当な利益であれば問題にすべきではなく、その程度や内容が国民経済上明らかに実質的な弊害となっている場合に限って適用すべきであるという意見が強いのであります。立法者の意図もまさか弊害というのは、消費者の利益や国民経済上現実にかつ明らかに弊害を与えることを意味する概念としていると思うのでありますが、いかがでございますか。
○政府委員(大橋宗夫君) これは今回の改正作業の際に、従来「次の各号に掲げる事由」と書いてございましたのを「次の各号に掲げる市場構造及び市場における弊害」というふうに改めたわけでございます。 この改正の趣旨でございますけれども、これはやはりとかく従来の独占的状態の規定そのものが、大きいだけで、あるいは市場構造だけですでに悪であるという認定をしているというような誤解が非常に広く行われておりましたので、その誤解のないような表現に改めるという点が重点でございますけれども、しかしここに「弊害」という言葉が入りますことによって、事由という意味に比べましてやはり三号の要件を解釈する際に、そういう弊害という感覚でとらえていくという効果を持つことになるのは当然であろうと存じます。
○植木光教君 そういたしますと、要するに独占的状態の構造要件と弊害要件の関係は直ちに結びつくものではなくて、競争抑圧による弊害が明白であること、すなわち企業か競争を抑圧しているか否か、公正取引委員会が立証して初めて適用されるものであることと私は解釈をいたしますか、この際改めて確認をしておきたいと存じます。
○政府委員(大橋宗夫君) 第三号の要件は競争抑圧による弊害をあらわしているわけでありますから先生御指摘のとおりでございます。
○植木光教君 公正取引委員長からもお願いします。
○政府委員(澤田悌君) 独占的状態につきましては、改正法二条七項にその定義が定められておるのでありますが、公正取引委員会が措置をとるに当たっては、構造要件及び弊害要件両者を公正取引委員会がすべて立証しなければならないと考えておるわけであります。
○植木光教君 利益率の判断でありますけれども、現実の国際競争にかんがみまして、国際水準との比較の上に立って行うべきであるというふうに考えますが、いかかでありますか。
○政府委員(水口昭君) 二条七項三号の定義を読みますと、法律的にはこの利益率というのはまず国内でもって比較をする。こういうことになろうかと思いますが、先生のおっしゃいました点も、やはりこの法律を運用するに当たりましては配慮しなければならない点であると、かように考えております。
○植木光教君 次に価格の同調的引き上げについてお伺いをいたします。 まず三カ月の起点となる日は、建て値がセットされた日というふうに考えるべきものであるかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(水口昭君) 法律によりますと、「取引の基準として用いる価格について」、「引上げをしたとき」というふうに規定してございます。そこで「引上げをしたとき」とは単に引き上げの通知あるいは公表をしたときではなくて、実際に建て値が引き上げられたときであると、このように解釈しております。
○植木光教君 第十八条の二の規定かもしない場合、価格の同調的引き上げの理由について、現行四十条で報告を求めることかできるかどうか。と申しますのは、先日の本委員会の斎藤議員の質問に対し、公正取引委員会の政府委員は、このような場合四十条でも可能であると答弁していたと思うんでありますか、もしそうであるならば、十八条の二の規定は不要ではないかというふうに考えられます。また昭和五十年六月三日衆議院の商工委員会で時の高橋公取委員長は、「三カ月じゃなくて一日はみ出したという場合、トップ企業、第一位の企業が一日だけおくらした場合には、四十条の二は」、今回の改正案では十八条の二になっておりますが、これは「全然適用されません。しかし、四十条は働き得るのです。それを使うか使わないかは、公取かその都度、職務の必要上これは使った方かいいと思えば使えるということであり、」「ですから、たまたま故意に一日だけずらしたとか、または一日ではみっともないからもう少しということでこの規定から逃れようとした」「場合には、私どもは四十条で必要な報告をとり、必要な範囲で公表することも可能である、従来の法律によって可能であると思います。」と答弁をしておられます。この考え方は現在も変わりがないかどうか、もしそうであるならば、価格の同調的値上げについての報告徴収は現行四十条でも可能であって、十八条の二を新設する必要はないということになります、いかがでございますか。
○政府委員(水口昭君) ただいま先生御指摘のように、私が先日の本委員会におきまして斎藤先生にお答えしたところでございますが、そのお答えしました趣旨は、まず現行の四十条でございますが、これは先生よく御承知のように、学者の間でもいろいろ議論のあるところでございます。で、独占禁止法専門の学者は、この四十条の規定によって、同調的値上げの調査は可能である。こういう説が多いようでございます。で、公正取引委員会といたしましてはぎりぎりできるかできないかとこう言われれば、この四十条でもって調査可能であるという見解を従来とっておりますけれども、しかし御承知のようにこの四十条というのは罰則によって担保されております。したがってその運用はきわめて慎重であってしかるべきと思います。ですから従来も現実には同調的値上げの調査に当たりましてこの四十条を適用いたしませんで、任意調査でやっております。したがいまして、公正取引委員会といたしましては今度の十八条の二という規定が新設されればきわめてありがたいというふうに思っておる次第でございます。 そこで十八条の二でございますか、これは「三箇月以内に、」値上げが行われた場合と、こう書いてございます。それでは三カ月と何日かたった場合はどうかという御質問にもしばしばお答えしたわけでございますが、それは今回は十八条の二ではっきりとそういう規定か新設されたわけでございまして、そこでいろいろ要件か書いてございますから十八条の二で処理すべきであって、三カ月と数日超えた場合に、直ちに四十条に戻ってそれを適用するということはむずかしいのではないかと、こういう見解を申し上げておるわけでございます。
○植木光教君 五月二十四日の当委員会の桑名議員の質問におきまして、公取の政府委員は、事業規模が三百億円以下のような要件に該当しない事案について、直ちに四十条でやる考えはない旨の御答弁をしていたと記憶しております。これは四十条ではできないということでありますか、可能であるかやらないということでありますか、明確にお答えをしていただきたい。もし後者であるならば第十八条の二は不要ではないかということも考えられます。
○政府委員(水口昭君) ただいまの点も私かお答えした点でございますか、先ほどの三カ月と数日の例に非常に似ておりまして、やはりこの三百億円とか七〇%といったことは十八条の二にいろいろ要件として規定してあるわけでございます。したがってその要件に該当しない、そういたしますと十八条の二か適用できないことは当然でございますが、それじゃまた四十条に戻ってそちらでやるのかという解釈はむずかしいのではないか、こういう趣旨のお答えをしておるつもりでございます。
○植木光教君 同調的値上げの報告徴収等についてお伺いします。 まず調査の対象でありますが、共通のコスト上昇要因かあって、需要家と期間をかけた交渉の上決定される場合や、どの企業の製品もほぼ同質な場合には、各社が同様な価格の引き上げを行うというのは自然であると考えられます。たとえば鉄鋼、鋼材、石油、石油化学製品、アルミ等非鉄金属あるいは新聞紙などの場合、物価対策の見地から経企庁や主務省か問題にすることが考えられても、独禁法上の違法行為もないのに、なぜ報告を求めなければならないかという疑問があるわけであります。違法行為の疑いであるならば、現行法の四十条や四十六条で十分調査できますし、公正取引委員会は今日まででも新聞紙、鉄綱などの同調値上げの調査をしてきております。公取委は何を対象に、どういう観点から調査する方針であるか、お伺いをいたしたい。
○政府委員(澤田悌君) 同調的値上げの調査いろいろ御指摘のような問題もあるところでございますが、したがいまして、価格の同調的引き上げに関する報告の徴収の具体的な考え方は、次のように考えておる次第でございまして、第一に価格の同調的引き上げは形式的な基準により判定されるもので、相互の意思疎通があるような疑いを前提にしたものではないのであります。 第二に、また形式的に第十八条の二の要件に該当するからといって、値上げの理由か客観的に明白な場合にまで値上げ理由の報告を求める必要はないものと考えるのであります。 第三に、値上げの理由の報告としては、ケースに応じて値上げの理由を説明するに足りる資料の提出を求めることとなりますが、現在のところおおむね次のような事項についての……
○植木光教君 ちょっと報告については後でお聞きいたしますから。
○政府委員(澤田悌君) はい。説明するに足りる資料の提出を求めることとなると考えております。
○植木光教君 斎藤議員の質問に対して公取委員長は、値上げの理由が客観的に明白な場合にまで値上げ理由の報告を求める必要はないと考えているとこの間答弁をされております。いまも同じような御答弁かあったわけであります。 一体それでは具体的にお聞きをいたしたいと存じます。 次のような場合に報告を求めるかどうかですね。求めるとすれば独禁法の目的なり精神からいってどのような観点から調査することになるかということもあわせて聞きたいと思います。 まず、鉄鋼のように自動車業界と長期間にわたる交渉を経て値上げか決定していく場合、こういう場合には途中での経過等は新聞に報道されていることが多いというのは御存知じのとおりであります。また春闘等によって各社の労賃が一律に引き上げられて、その結果経営維持のために値上げがなされる場合はどうするか。OPECの石油値上げによって重油、軽油、ナフサ等の石油製品を燃料や原料として使用する企業が、同調的な価格転嫁をする場合はどうか。鉄鉱石や原料炭等輸入原材料の国際価格が一律に上昇し、そのため値上げがなされる場合はどうか、さらにこれらの要因が複合された場合にはどうするのかということをお聞きします。
○政府委員(澤田悌君) 素材産業等におきましては、その値上げの理由か各社似通ったような状況になるということにつきましては、そういう傾向にあることを否定するわけではございませんけれども、それぞれの企業によりましては、購入先その他必ずしも同一とも言えない場合が多いのでございまして、御指摘のような物資の価格につきましていろいろ問題はございますけれども、これは具体的にはそのケースによって判断するのが私は大事ではないかと存じます。一つの素材あるいは労賃、あるいはそれらの複合の問題、それぞれにつきまして具体的に考えないと、一律にこれの基準であらかじめこれはいい、これは悪い、こういうふうに申せるものではないように感じておる次第でございまして、具体的に慎重に考えるということではないかと存じます。
○植木光教君 私の希望としては、値上げの理由が客観的に明白な場合、これは委員長のお言葉でございますけれども、こういう場合には報告を求める必要はないというふうにに考えます。これは具体的にケース・バイ・ケースで考えるという御答弁でありますけれども、いま私が申し上げたようなものについては、やはり報告を求めることについては慎重にしていただくべき筋合いのものであるというふうに考えますので、その点については特に配慮していただきたいと存じます。
○政府委員(澤田悌君) 客観的に見て理由が明白な場合の典型的なものは、たとえば税金のようなものがあろうかと存じます。それからいろいろな段階があろうと存じますが、御指摘のように、それについては慎重に検討することが大切であると思います。
○植木光教君 次に報告徴収の内容と性格についてお聞きいたしますが、報告を徴収する場合、多くは企業の原価を報告させることになるのではないかということが一般に心配をされております。この点、さきに引用いたしました菊地氏が、企業原価、利潤に対する調査権のため、同調的値上げ規定が必要だと、こういう断言をしているのであります。また公正取引委員会は四十八年十二月二十七日に公表した新聞購読料値上げ問題に関する審査結果の概要でも、四社平均の原価と内訳を公表しております。業界平均の原価やその構成か発表されるのは、競争関係や国際取引に与える影響は重大であります。それでなくても、たとえば鉄などはダンピングをしていると言われている。また自動車でありますとか、電気製品でありますとか石油化学製品等は、国際的にきわめて大きい影響を持っているわけであります。違反をしていないのにそうしたことをするというのは、国益上から問題があるというふうに考えられますが、いかがでございますか。
○政府委員(澤田悌君) 価格の同調的引き上げが行われた場合に値上げ理由の報告を求めまして、その概要を国会の年次報告で公表することとなるのでありますが、この際企業の秘密を除くというのは当然でございます。 それから業界平均の原価は、これまで公正取引委員会としても公表したことはございますが、いずれも特定の場合でございまして、本制度の場合に、一般的に業界の平均原価を調査し、公表するということは考えていないのでありまして、先ほど申し上げかけましたが、現在のところその報告の内容として考えておりまするのは、価格引き上げの状況、それは建て値その他標準的な価格による引き上げ前の価格、それから引き上げた価格、平均的な引き上げ率等でございます。 それから価格引き上げの理由の説明及びその参考資料、こういうことを考えておりますわけでありまして、参考資料といたしましては、たとえばその理由が費用の上昇にあるときはその費用の額の推移、原材料費の上昇の場合には、主要な原材料の種類別の購入価格の推移、労務費の上昇の場合には、従業員一人当たりの賃金の額の推移等が必要となろうと考えておるわけでございまして、企業の秘密あるいは先ほど御指摘のような点については、十分注意することが必要であると考えておるわけでございます。
○植木光教君 企業に資料を提出せよといった場合、違法性に関するものは提出をしないということが考えられます。十八条の二によってかえって現行の調査権の発動かむずかしくなるのではないかということも考えられるのであります。この点について委員長は、任意調査を主体にする方針であると答えておりますが、そうであれば法律の規定は、具体的運営の方針として、まず報告を求めたことは公表されるのか、公取委は値上げの報告を求め公表した場合、新聞等から意見を求められると思うのでありますが、そのような場合公取委は意見を言うのか、意見を言わないのか。この点についてまず伺いたい。
○政府委員(澤田悌君) その値上げ理由の報告を求めて、その概要を国会への年次報告で公表することとなっておりますが、これによりまして企業が競争的な価格決定を行うことを期待するものでありますので、国会への報告とは別に公表することは、特に必要な場合についてしか行わないのが普通であろうと考えておるわけでありまして、その公表の場合の理由につきましては、これも特に必要がなければ、理由の説明を、あるいはその価値判断を公取委員会か示すということは普通はないと考えておる次第でございます。
○植木光教君 報告を求めたことだけで、公取委の判断を示すものと受け取られることはないかどうかということも考えられます。こういう点、十分な配慮か必要であると考えますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(澤田悌君) そういう点について、今後とも誤解か生じないように十分配慮してまいりたいと、こう存ずるわけでございます。
○植木光教君 次に、事業者の秘密であるかどうかについての判断の基準は何かということでありますけれども、事業者自身の考えと公取委の考えが異なった場合には、一体どうなりますか。
○政府委員(水口昭君) 事業者の秘密に関する判断基準でございますが、事業者の秘密といいますのは、まず、一般に知られていない事実であること。それから第二に、秘密とすることについて法律上保護に値すると客観的に認められること。第三に、事業者が秘密にする意思があること。こういったことの三つの要件を考える必要があろうと思います。 そこで、これは公取が判断するのか事業者が判断するのかとおっしゃれば、これはやはり最終的には公取か責任を持って判断するわけでございますが、いま申し上げた三つの点を十分に配慮しながら判断をする、こういう考えでございます。
○植木光教君 公正取引委員会か、コストに比べて値上げが不当だと思った場合にどのような手段によって是正をしようとせられますか。公取委は是正の手段を私は持っていないと思うんでありますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(水口昭君) 仰せのとおり、権限はございませんので、是正を考えておりません。
○植木光教君 同調値上げの規定の運用に関してでありますが、新聞の値上げというのが問題になると思います。その場合、一定の事業分野とは、たとえば全国紙は全国紙として一つの事業分野と見るのかどうか。それから新聞には、たとえば北海道とか中部とか九州とかのブロック紙があるわけであります。そういう場合、ブロック別に見るということは考えないかどうか。それからさらに、地方紙を含めてすべての新聞を一つの事業分野として見るのが適当であるとも考えられるのであります。公正取引委員長のお考えをお聞きいたします。
○政府委員(澤田悌君) 同調的値上げの該当業種につきまして、過般当委員会の御要請によりましてわれわれが暫定的に定めましたリストを提出いたしたのでありますが、これは事務局の暫定試案でございまして、法律か通りましたらなお慎重に練り直す必要のあるものでございますが、それが八十数業種ございます。その際に、新聞というのをいま御指摘のようにどのように考えるかということが一つの問題でございます。今後新しい資料によりまして検討をいたしますとすれば、あの八十数業種から落ちるもの、あるいは新たに入るもの等いろいろあろうかと存じますが、その段階で、御指摘のように、全国紙あるいはブロック紙、地方紙、これを分けるか、全体として見るのが妥当か、各関係者の意見も聞いて決定いたしたいと存じておる点でございます。
○植木光教君 もう一つでありますが、たとえばウイスキーの事業分野を判定いたします場合、特級、一級、二級というようなものがあります。それぞれについて判定をするのか、あるいはその合計を一定の事業分野と見るのかということをお伺いいたしたい。
○政府委員(水口昭君) 先ほど委員長がお答え申し上げましたように、現在事務局におきまして暫定的な試案をつくってございますが、それによりますと、ウイスキーの事業分野はウイスキー一本として掲載してございますが、いまおっしゃったような点につきましてもこれからいろいろ相談をしてまいりたいと、このように考えております。
○植木光教君 いまこれは特別に例として挙げたわけでございますけれども、二級だとか一級だとか特級、それぞれはもちろん価格も違いますし品質も違うわけでございます。したがってこれを全部ひっくるめる場合と、そういうふうに段階的なものと区別する場合では大分変わってくるわけでありますから、そういう点については、ひとつ慎重に検討をしていただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(水口昭君) 事務局でこの試案をつくりました際には、ウイスキー、あるいはビール、バター、チーズ、いろいろございますが、そういったのは一本でもってこの事業分野に該当するものと、こういうふうに考えておりますが、なおよく関係者とも相談をしたいと、こういうふうに思っております。
○植木光教君 新聞の場合でありますけれども、朝刊と夕刊とは別々の事業分野なのであるか、同一の分野であるのか。御承知のように、朝刊だけを発行している事業者もありますし、夕刊だけを発行している事業者もある、両方発行している者もあるという現状でございます。この点お伺いいたします。
○政府委員(水口昭君) 先ほど述べました事務局の試案によりますと、新聞につきましては現在のところ全国紙一本で掲載してございますが、これにつきましてもいろいろ議論のあるところでございますから、慎重に検討をいたしたい、こういうふうに思っております。
○植木光教君 いずれにいたしましても、この改正は、冒頭で私から御質問を申し上げたように、「わが国経済の一層の発展を図るため」、「国民の理解の得られるルールを確立して、公正かつ自由な競争を促進」することによって「自由経済に新しい活力を与える」ための改正であるということは、もうすべての者が認めるところでございます。 したがいまして、この法の運用に当たってはその点十分に留意せられることを強く要請をいたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(加藤武徳君) 暫時休憩いたします。 午後二時二十八分休憩 —————・————— 午後三時十七分開会
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、青木一男君、斎藤栄三郎君及び小笠公韶君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君、福井勇君及び最上進君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) これより請願の審査を行います。 請願第一二号燈油・プロパンの標準価格の設定、北海道価格の撤廃に関する請願外三百五件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において慎重に検討いたしました結果、第一二号燈油・プロパンの標準価格の設定、北海道価格の撤廃に関する請願、第五九六号景気浮揚対策に関する請願、第五六七三号景気の浮揚対策に関する請願外一件及び第三九六五号炭鉱離職者緊急就労対策事業の継続実施に関する請願の計五件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第一三三号中小企業分野法(仮称)の制定に関する請願外三百件は保留と決定いたしました。 以上、御報告いたします。 この際、お諮りいたします。 ただいまの報告どおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 竹田君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田君。
○竹田現照君 私はただいま可決されました中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党の五党共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、中小企業をめぐる環境の変化に対応して、消費者利益との調和を図りつつ、中小企業の事業機会を適正かつ安定的に確保するため、次の諸点につき必要な措置を講ずべきである。 一、主務大臣に対する調査及び調整の申し出に係る中小企業団体の要件については、当該業種の実態に合わせて弾力的に配慮すること。 二、第三条の趣旨に基づき、紛争の未然防止を図るため、大企業者に対し適切な指導を行うとともに、主務大臣の調整措置の実効を期するため、他の大企業者及び関連事業者等にもその内容を周知徹底し、類似の紛争の防止に努めること。 三、主務大臣は、調整措置を講ずるに際し、一般消費者の利益の保護を図るため必要な配慮を行うとともに、調整後も一般消費者の利益を害することのないよう当該事業分野の事業者の指導を適切に行うこと。 四、中小企業団体に対する指導に当たり、業種の実態に即した適切な配慮を行うとともに、中小企業者の育成強化のための諸施策の活用及び必要な助成措置の拡充に努めること。 五、モニター制度等情報収集体制を大企業の進出問題の経過の実態に即して整備し、必要な調査機能が確保されるよう努めること。 六、中小企業分野等調整審議会の構成及び運営に当たつては、関係中小企業者及び一般消費者等の意見が十分に反映されるよう、必要な措置を講ずること。 七、中小建設業の受注の実態にかんがみ、建設業法による許可を必要としない軽微な工事を行う小規模事業者の受注機会の確保を図るよう、特に配慮すること。 八、中小企業者等の割賦購入あつせん事業が、銀行及び銀行系クレジットカード会社の同事業への進出により悪影響を受けることのないよう、必要な対策を講ずること。 九、小売業における中小企業の事業機会を適正に確保するため、消費者利益の保護に配慮しつつ、関係法令の厳正な運用を図るとともに、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法等について基本的検討を早急に行うこと。 右決議する。
○委員長(加藤武徳君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し田中通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田中通商産業大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、対処してまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある力は順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、流通近代化及び中小小売商業振興施策に関する件を議題といたします。 この際、便宜私から、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党の五党共同提案に係る流通近代化及び中小小売商業振興施策に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 流通近代化及び中小小売商業振興施策に関する件 政府は、最近の小売業をめぐる環境の変化にかんがみ、中小小売業の事業活動の機会を適正に確保するとともに、流通の近代化及び消費者利益の保護に十分留意しつつ、中小小売商業振興施策の抜本的拡充ならびに大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律、小売商業調整特別措置法の基本的検討等、法制の整備に努めるべきである。 右決議する。 本決議案を、委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田中通商産業大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま議決をいただきました決議につきましては、その御趣旨を体しまして対処してまいりたいと存じます。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 熊谷君から発言を求められておりますので、これを許します。熊谷君。
○熊谷太三郎君 私は、ただいま可決されました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党を代表し、附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 本法の改正は、わが国経済の一層の発展を図るために、国民の理解の得られるルールを確立して、公正かつ自由な競争を促進することにより、自由経済に新しい活力を与えるための改正であることにかんがみ、政府並びに公正取引委員会は、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、本法の改正により、公正取引委員会の権限が著しく強化されることにかんがみ特に守秘義務の厳守に万全を期すること。 二、経済政策の中における、独禁政策と産業政策の位置づけを明確にするとともに、わが国経済や国際競争の実態を十分にふまえ、経済政策及び産業政策との整合を図るよう配慮すること。 三、独占的状態に対する措置は、弊害が著しく、かつ現実に相当長期間にわたって生じ、消費者の利益や国民経済に悪影響を及ぱすと認められる場合になさるべきものであって、正当な企業活動を萎縮させるごときことのないよう十分に配慮すること。 四、ガイドライン、運用基準等の作成に当たっては、学識経験者、主務官庁、産業界等の意見を十分に聴取し、ことに「事業分野」のガイドラインについては、最近における著しい技術的進歩、流動的な需要の動向等の事情を考慮し、経済の実態に即したものを作成し、これを公表すること。 五、法第二条七項三号の「利益率」については、自己資本経常利益率のほか、総資本経常利益率、売上高経常利益率等をもって総合的に判断することとし、現実の国際競争にかんがみ、国際水準との比較等の配慮をも行うこと。また企業利益率は、好・不況などの経済情勢や業種業態によって著しく異なるものであるから、「著しく超える」か否かの判断は、一律的なパーセントによることなく、経済の実態に即した弾力的な運営を行うこと。 六、独占的状態の排除に際しては、従業員若しくは、労働組合の意見を尊重し、審査、審判過程において、その意見を十分に反映させること。 七、調査権の行使に当たっては、企業への過度の介入を慎み、企業の社会的立場が損なわれないよう十分留意し、価格の同調的引上げに関する報告の徴収は一律に行うことなく、徴収する場合は、生産原価の秘密性に配慮しつつ、値上げの理由を説明するに足る必要最小限に止め、これが公表に当たっては、国際的影響に留意し慎重に対処すること。 八、中小企業協同組合のカルテルについては、中小企業の実情に即して十分配慮すること。 右決議する。 以上のとおりであります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(加藤武徳君) ただいま熊谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 多数と認めます。よって、熊谷君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、藤田総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。藤田総務長官。
○国務大臣(藤田正明君) ただいまの御決議につきましては、御趣旨に沿って善処をしてまいりたいと存じます。 ありがとうございました。
○委員長(加藤武徳君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十八分散会 —————・—————