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80回国会参議院1977/05/12

商工委員会 第7号

発言数
158
登壇者
12
会派数
4
開催日
1977/05/12

会議録

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  去る十日、柳田桃太郎君が委員を辞任され、その補欠として青木一男君が、また昨十一日、藤井恒男君及び対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君及び粕谷照美君が委員に選任されました。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  三井石炭鉱業株式会社三井芦別炭鉱の災害に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。田中通産大臣。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) まことに不幸なことでございまするが、御案内の三非芦別炭鉱芦別鉱におきまして、昨五月十一日十二時三十分ごろ突然ガス爆発がございました。死亡者二十五名、負傷八名、計三十三名の罹災者を出したことはまことに残念でございます。  事故の連絡がありました直後、札幌鉱山保安監督局では橋本局長以下鉱務監督官十一名を現地に急行させまして、罹災者の救出及び原因の究明に当たらせております。  なおまた、災害の重大性にかんがみまして、十一日斎藤立地公害局長を現地に派遣をいたし、万全の対策をとるよう指揮をとらせておりまするが、十二日、本日、松永政務次官を現地に派遣いたすことにいたしております。  なお、詳細は担当官から御報告をいたさせます。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 今回発生いたしました事故について、概略を御報告いたしたいと思います。  災害の状況でございますが、五月の十一日、昨日の十二時三十分ごろに、三井芦別炭鉱の第二坑のN−1マイナス六百メーターレベルの付近におきましてガス爆発と思われる災害が発生いたしたわけでございます。これは当時巡回しておりました係員その他が圧風を感じまして、ガス爆発ではないか、こういうことで対策にかかったわけでございます。場所はマイナス六百メーターレベルの南八番坑道付近でございます。この付近に作業をしておりました作業興が全部で三十三名でございますが、この人たちを含め、付近全域について、第二坑坑内の就業者全員について退避命令が十二時四十分に出されております。  その後、坑内に残っている罹災者救出のために鉱山救護隊が出動したわけでございますが、非常に不幸なことでございますが、その後死亡者二十五名、負傷八名、合計三十三名の方が全員坑外に収容されたということでございます。  なお、この災害の種類でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように圧風現象があったということ、また罹災者の身体の状況等からいたしまして、これはガス爆発であったというふうに推定いたしております。また、ガス爆発の原因につきましては、現在札幌鉱山保安監督局において調査を行っておる、こういう段階でございます。  以上、簡単でございますが御説明を終わらせていただきます。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 まず、二十五名の方が亡くなられまして、御冥福を祈りながら質問を申し上げたいと思いますが、先ほど委員長の報告にもありましたように、すぐにでも調査団が出られる、こういう状態でもございますし、また通産省の方でも、まだ時間も余りだっておりませんので詳細なことはおわかりになっておらないと思いますので、簡単に御質問申し上げたいと思うんです。  第一は、今度の事故もマイナス六百メートルのレベル、しかも一昨年の十一月幌内では一千メートル、そしてその遺体がまだ十三体が上がっておらない。こういう事態に深部で再びこういう災害が起こったということについて、深部掘進の対策を相当、委員会でも他の委員諸君からも通産省にはお尋ねあったと思うんです。こういう問題についてどう考えておられるか。  それから、この図面ではよくわかりませんし、私も報告を受けておりませんのでわからないんですが、三十三名おって全員が被害者である、こういうことになってまいります。それも三十三名が一カ所にかたまっておったのじゃなくて、それぞれ別な場所で仕事をしておった。そういうことになってまいりますと、この現場は一体どういう状況であったのか、炭を掘っておったのか、掘進坑道なのか、掘進作業中なのか、人気、排気の関係はどうなっておるか、こういう点等はこれは直ちにわかるはずです。だから、そういう点をひとつお尋ねしてみたいと思うんです。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) お答えいたします。  第一の御質問の炭鉱の深部化に伴う保安対策はどういうふうになっているかという点でございますが、この点につきましては、保安確保ということを私どもとして最優先に考え、その上に立ちまして生産を行うように特に指導をしているわけでございます。従来こういった考え方に立脚いたしまして、監督指導を強化拡充すると同時に、保安技術の研究開発に努めてきたわけでございます。特に掘採個所の深部化に伴う坑内条件の悪化等に対処するために、昨年末に石炭鉱山保安規則の改正を行いましたほかに、五十二年度から札幌鉱山保安監督局に深部保安課の新設を行いまして、深部保安対策の強化に努めてきたわけでございます。また、現在中央鉱山保安協議会の中に深部保安対策のための委員会を設けまして、可燃性ガス等の集中監視体制、また坑内骨格構造の改善等の問題を含めまして技術的見地から総合的な検討を行っているところでございまして、今後の保安対策に万全を期したい、こういうふうに考えます。  また、第二の御質問でございますが、先ほど私、概略の御説明のときにそこを抜かしまして大変申しわけなかったわけでございますが、このマイナス六百メーター南八番層坑道付近の作業個所といいますのは、次の切り羽をつくるための坑道掘進をやっていたわけでございます。マイナス六百メーター南八番層坑道をさらに添層で進めていく切り羽が一つと、その途中から二十五号昇りと称しておりますが、添層で切り上がりをつくっております。これは断層の状態を把握するためにつくっている坑道でございますが、そういう二十五号の昇りがございます。それから、切り羽といたしましては十八号昇りの中段坑道、これも掘進中でございます。このマイナス六百メーターの南八番層坑道というのが人気になっておりまして、これから十八号昇りを経てマイナス五百十五メーターレベルの南八番層坑道、こちらの方に排気が行くわけでございます。それで、その排気がマイナス五百十五メーターのレベルの立て入りを通りまして、排気坑道の方に行くということでございます。したがいまして、通気は六百メーターレベルの立て入りから入りまして、南八番層を通って、それから十八号の昇りを通って五百十五メーターレベルの南八番層坑道から入ってまいる。図面なしで御説明いたしますので、おわかりにくいので恐縮でございますが、大体そういった通気——もちろんこれに局扇通気を加えているわけでございますが、そういった通気になっております。そこに三十三名の方がおられまして、そのうち負傷で出てこられた方、負傷だけで済んだ方というのは大体において六百メーターレベル南八番層坑道の人気側で働いておられたんではないか、こういうふうに推定されるわけでございます。奥の方の方が死亡された、こういった推定になっています。  以上でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、ここは通常ガスが非常に多いところであったかどうか。しかもいまのお話では、何か断層に当たる危険性があるが、その方に進行されておったと、こういうようなお話ですが、断層の間際は御承知のように一番危険なんです。一番ガスが多いんです。それをどう感知しておったのか。現在までガスの状態はどうであったか。さらに六名死んでおられる。これは人気側ですな、いまの説明じゃ。六名の方が……

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 六名、五百十五メーターレベルでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 五百十五メーターですか、これは。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) はい。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これが爆発したと思われる地点ですか、この六名おられたところが。そうすると、他の軽傷が二名おるところはこの図面ではこれはちょっとわかりにくいんですけれども、これは行き詰まりなんですか。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 六百メーターレベルの方が軽傷の方でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 六百メーターの方が軽傷……

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) はい。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、しかしこれは、この拡大図で見ると、ここは行き詰まりになっておるんでしょう。ここのところがよくわからない。そうすると死亡者五名、さらに死亡者が二名、この方は、これは排気の方になっているんですか。そこをちょっと……

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) このお手元にあります拡大図で一番下に書いてあります死亡者一名、重傷四名、軽傷二名と書いてあります坑道が六百メーターレベルでございます。それで、通気はこのレベルを通りまして上に上がりまして、死亡者六名と書いてあるここを通って右側の排気の立て入りの方に行くわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ガスの状態は。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) それからガスの状態でございますが、御指摘のようにこの付近は断層がございまして、したがいまして、いま申し上げました二十五号昇り等は断層の状態をチェックするための坑道というふうに御説明したわけでございますが、この付近はふだんからガスが出ますので、特別警戒地区といたしましてふだんから警戒を厳重にしていた地域でございます。その当日のガスの状態がどうであったかという点については、まだ報告が参っておりません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それ以上は、これは細部のことでまだおわかりになっておらないし、ここで論争する時間もないと思うんですよ。だから、これは調査団の方が調査されてこられるからこれでやめますけれども、この前の石炭関係の法案を審議する場合に、わが党から非常に強く、これから先は深部である、だから、この深部対策について特別な機構をつくれ、こういうことを強く通産大臣に迫ったはずです。いまさき説明のように、これでやっているんだということなんですけれども、特に今後エネルギー対策でも、御承知のようにアメリカは十億トンの石炭を使うと言っているのに日本は二千万トンがまだ出ない、こういう状況だということで、ずいぶんここで各党から論争されたことなんです。しかし、こういうように一年置き、二年にならないうちにこんな災害が続くということになってくると、これはとても勤労者の意欲どころじゃなくなってくると思うんです。現在のこういう状態の中で、どうしてこういう大きな災害が次々起こらねばならないか。いま聞いてみましても、ここはかねがねガスが多いところだった、こういうお話なんです。そうするなら、もっと監督も厳しくやるべきじゃなかったろうか。ふだんガスも何もないところだったというなら、これはまたガスもなかったところへ突出したんだということも考えられるけれども、ふだんこういうところはガスがある。しかも断層面である。それなら、ガスが当然出るということは、これは予測されるはずです。それがこういう事故が起こったということは、やはり私は、何かそこに手抜かりがあったんだ、こういうように思えてしょうがないんです。  これ以上私質問はいたしませんが、そういう状態の中で、いま聞いただけでも非常に疑問がある。こういう人命の問題ですから、これを契機にして、もう一回石炭政策を考え直してもらいたい、私はこう思うんです。そうしませんと、これから先の石炭というものはわずか二千万トンであるといっても大変な日本の資源です。それを掘っておる人たちが安心して掘れるようにするためには、これは幌内でもこの問題は蒸し返して相当厳しくやった。それがこの六月には十三の遺体が出るというところまで来ておるとき、やっとこれで幌内は生き返るかというようなときに今度は別の炭鉱がまた爆発する、こういう状態は、これはきわめて残念な状態であるし、家族から見れば、これはもう本当に気が狂いたくなるほど苦しいと私は思うんです。そういう状態の中で、もう一回保安対策について洗い直してもらいたい。特に、深部対策についてはもう一段ひとつ考え直す。こういう考えを通産大臣からはっきりお聞きして質問を終わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御質問のとおりでございまして、特に保安ということが最大の問題であります。就労されます方々におかれましても、安心して作業をしていただかなきゃなりませんし、同時にまたその御家族に対しましても、本当に気持ちよい職場でなけりゃならない、かようなことがまずもって前提になって、初めて石炭の採炭ということが考えられるわけであります。  なかんずく、御指摘のように深部掘進になりますれば、従来にも増してそういう憂えも多くなりまするし、かような次第で、御趣旨を十分に体しまして、今後なお一層これらの保安並びに諸政策を進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 今回の芦別炭鉱の災害につきまして、死亡者が二十五名、負傷者が八名ということで、大変に悲惨な事故であったと思います。死亡者に対して心から御冥福を祈りながら質問を少々やっていきたいと思います。  まず最初に、簡単な質問でございますが、死亡者二十五名、負傷者八名、計三十三名の全員の収容が終わったのかどうか、まず一点伺っておきたいと思います。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 全員の収容が終わったとのことでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 新聞によりますと、札幌鉱山保安監督局は四月の十八日に芦別炭鉱の定期検査を行ったと、こういうように載っております。そのときはメタンガスは〇・五から〇・六であった。それで爆発危険量は大体五%ということになっているというふうに新聞には載っているわけですが、この新聞の報道、間違いございませんか。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 当方の記録によりまして四月の十八日から二十一日まで、札幌鉱山保安監督局の監督官が三名巡回に行っておりますということは承知いたしております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 数字について間違いありませんか。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 数字については当方にまだちょっと資料ございませんので、はっきりしたことはわかっておりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 さらに、新聞情報によりますと、同鉱は急傾斜で断層が多く、変化しやすい地層と、だからしたがって、警戒の必要が常にあったと、こういうふうに報道されているわけでございますが、こういう認識が通産省当局にはあったのかどうか、あったとするならば、この問題に対してどのようにいままで処置をしてきていたのか、その点について伺っておきたいと思います。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 当炭鉱はガスの湧出量は多いわけでございまして、したがって甲種炭鉱に指定されております。また、特にガス湧出の多い地域につきましては、ガス突出の警戒地区といたしまして坑道掘進の際のガス抜きボーリング等の指示をいたしております。また、御指摘のとおり、この夕張來炭層は非常に急傾斜の炭層でございまして、また断層が多いということは十分私どもとしても把握していたところでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうしますと、同じように新聞の報道でございますけれども、昨年の十二月の八日の日に大体同じ、今回の爆発の近い個所というふうに報道されているわけですが、第二坑南大坑道でガス爆発の風圧事故が起きた。このときは小規模であったために一応死傷者はなかった。こういう事故が昨年の十二月の八日に発生をしている。とするならば、しかもまた四月十八日から二十一日の調査のときにも〇・五から〇・六%のガスが一応検出をされ、しかもいまお話がありましたように、ガスの非常に多い個所であるために非常に警戒をしておった、こういうお話でございます。  とするならば、いま申し上げましたように昨年の十二月の八日の日に一応ガス爆発の、小規模であったけれどもいわゆる風圧事故が起きた。そして今回の事故につながっているというふうに考えるならば、私はここに何らかの手落ちがあったのではないか、あるいはまた甘く見ていたのではないか、こういう危惧を抱かざるを得ないわけですが、その点はこの十二月の八日の風圧以後、どのような処置とどうような指示を流されましたか。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 御指摘のありました五十一年十二月の八日に、盲立て坑の中で側壁が崩壊いたしまして、炭層のちょうど縫い目のところからガスの湧出現象が起こり、ガス爆発が発生したわけでございます。  その後監督局といたしましては、十二月の二十日から二十三日までの間に五名の人員で総点検をいたしました。その後、さらに一月十七日から二十一日まで五名の監督官による点検、二月七日から十二日まで三人の監督官による点検、三月二十二日から二十六日まで四人の監督官による点検、最後にいまお話がありました四月十八日から二十一日までの点検ということで、監督局といたしましてはでき得る限りの努力を払って事故の防止に努めたつもりでございますが、またその対策といたしましては、これらのガス突出警戒地区についてはガス抜きのボーリング、また発破時におけるウォーターカーテンを行わせるというような特別な安全対策を実施させてきたわけでございますが、まあ何といたしましても、今度のような事故を起こしたことはまことに申しわけございませんので、今後ともさらに努力を続けていきたいと、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 過去十二月の八日からの事故以来三回、四回にわたって監督局から調査員を派遣をして調査をしたというお話でございますけれども、しかしそのときの資料というものはございますか。変化というものがあった、このような状況下に置かれておったという資料か何かございますか。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 監督ないし点検いたしましたその記録につきましては、内容についての詳細な記録は手元にございません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 特に、ただ単なる調査だけではやっぱりまずいと思います。先ほど阿具根委員からもお話ありましたように、いわゆる炭鉱の深部のガス問題というのは非常に重要な問題でもございますし、これはやはりいまから先の日本の炭鉱というものが、非常に深部にわたってきたということは事実でありますから、したがってこれに対する早急なる対策を講ずる必要がある、こういうふうに考えるわけでございますが、この問題について通産当局としてはどのように考えておられますか、対策として。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの採炭の深部移行の問題でございまするが、保安対策に関しましてはなお一層万全の処置をとらなくては相なりません。保安技術の研究開発に今後一層努めますると同時に、石炭鉱山の保安規則の改正でありますとか、さらに札幌鉱山保安監督局におきまする、特に深部保安課の新設といったような問題等も考えられておるのでございまして、ただいまの御指摘のように特に十分な万全の措置をとってまいりたい、かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 あと詳細については、現地の調査並びにもう一歩調査が進められていかないと質疑ができないわけでございますが、とりあえずこの補償問題をちょっと尋ねておきたいと思うんですが、現在この炭鉱はこういった二十五名の死亡者、負傷者八名、この方々に対する補償能力が現在この会社にあるのかどうか。ないとするならば通産省としてどのように措置を考えるか、その点をまず伺っておきたいと思います。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) 昨日の災害でございますので、補償問題につきましてはまだ、企業側と被害を受けられた方々の間のお話し合いというところまでまいっていないのではないかと思うわけでございますが、通産省といたしましてもこれらの方々の災害の補償については、でき得る限りの補償ができるように側面から援助してまいりたい、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 即刻いますぐに、この補償を幾ら幾らせいとかいう、そういう問題をぼくはお話しているわけじゃなくて、現段階においてこの炭鉱が、これは三井系統ですから、恐らく補償能力あると思いますけれども、実際に補償能力があるのかどうか、現段階において、会社そのものが。そのぐらいのことはいますでに掌握されておられることだと思います。もしそれができないとするならば、通産省としては過去の事例から考えて、大体こういう手を打ちたいというお考えがあるならば、示していただきたいということです。

松村克之通商産業大臣官房参事官

○説明員(松村克之君) お答えいたしますが、これまでの災害におきましても、これらの補償問題等については、企業の努力によってこれを行っておりまして、まあ私どもといたしましても十分な補償ができるような行政指導をするということでまいったわけでございます。  今回の災害につきましては、まだ会社側から特段私どもの方にその点についての要請等もないわけでございますので、もしそのような補償問題についての問題が出てまいりました場合には、十分な対策をとるようにという行政指導を続けていきたい、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 まだ詳細について災害の内容がわかりませんので、この程度で質疑は打ち切りたいと思いますが、いずれにしましてもこういった事故が、災害が二度と起こらないように、また日本の炭鉱はいまから先さらに深部へ深部へと進んでいかなければならない、そういう状況化に置かれておるわけでございますので、災害が起こらないように最善の努力を今後とも続けていただきたい。これと同時に不幸にしてこういう災害を受けられた方々が、またいわゆる補償問題で裁判ざたにならないように万全の指導体制を組み上げていただきたいことを要望しておきたいと思います。  この件について通産大臣の最終的な一言をいただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御指摘のとおりでございまして、今後石炭の重要性を考えますれば考えまするほどに、また条件の悪くなっておりまする現地の作業につきましては万全のあらゆる措置を講じてまいりたい、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私はきのうテレビの放送でこの報道を見ました。何と痛ましいことかという気持ちで胸が詰まったわけですが、私たちの党も石炭産業というものに対しましては心から大きな関心を持ち、日本の唯一の地下資源である石炭をどうして守っていくか、どうして日本のエネルギーに占める位置を高めていくかということについては常常考えてもおるし、また頭をひねっているわけなんですが、私はあの災害の報道を聞くたびに、これでどうして石炭産業が守っていけるのか、日本唯一の地下資源の石炭が守っていけるのかというここにぶつかるわけです。  石炭産業を守るためには、何よりもそこで働く人たちの保安というものを第一に考えていかないとどうにもならない問題である。これは私の持論でもあり、また党の考えでもあるわけなんですが、幾らわれわれが大事だ大事だと思っておっても、保安状況がこういう状態を繰り返しておるということでは、この石炭産業を守っていくことができないんじゃないか、そういう気持ちさえもするわけなんですね。  というのは、私は石炭の調査に行って穴の中へも入りました。切り羽にも行きました。そうしてそこで働く労働者がいかに苦労し、そうしてひどい労働条件で働いておるかということを私は知っている。それだけに、この労働者に対する生活の問題、あらゆる問題ですね、まず生命を危険から守るために炭鉱の保安というものをどうしていったらいいと、そういうふうに私は常に考えておるわけなんですが、政府にそういう問題が起こるたびに質問しますと、十分に検討していきます。こういう答えです。炭鉱の持ち主に尋ねても同じような答弁なんです。そうしてこういうことが繰り返されておる。  一体これは、どうしたらこういう災害をなくすことができるのか、これは通産大臣にはっきりと伺っておかなきゃならぬが、この災害の責任者は企業なのか政府なのか、どうしたらこういう災害をなくして、働く人たちが安心して炭鉱で働き、そうして日本のエネルギー源である石炭産業というものを守っていくことができるのか、その基本的な考えを、この際私は、通産大臣にはっきりと伺っておきたいと思うんです。今日やられておることでこれでいいのか悪いのか、どうしたらいいのか、もっと深刻に私は通産大臣並びに関係者には考えていただきたい。これが私のただ一つの質問です。これに対して私ははっきりと答えていただきたい。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、今日の炭鉱の経営はあくまでも企業でございます。ただいまの保安の点におきましては政府といたしまして行政指導の面で十二分にいろいろな面を行っておりまするけれども、さような災害等の際におきまする第一次の措置は、あくまでもやっぱり企業体の方でやってもらわなければならない、こういうふうな姿でございます。  なおまた、石炭鉱業というものが今後の日本経済におきまする重大な要素でもございまする関係から、政府といたしましてもあらゆる施策、あらゆる協力を惜しまない、かようなたてまえでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういう答弁はこれまで再々聞いておる答弁です。私が聞きたいのはあなたたちの腹の中なんです。本当にやる気があるのか。今日で十分だと思っておるのか、足りないと思っておるのか。足りないと思うならば、どの点が足りないと思っておるのか。十分だというお考えですか、今日のやり方で。どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) もちろん、なお幾らやってもやり足りないという点でありまして、私どもはもっともっと、経営の面の改善にいたしましても、あるいは技術の面にいたしましても、その他行政官庁としての指導の面にいたしましても、なおこれ以上全力を尽くしてその万全を期していきたいと、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もっとやるべきだというお考えでしょう。そうですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) エネルギーの重要性から考えましても、あるいはまた国策といたしましての行政の面からいたしましても、もっと十全を期していきたいものであると、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もっとやるべきだというお答えですが、そのお答えの裏は、これまでもっとやるべきものをやってなかったということじゃないですか。それでなかったら、もっとやるべきだという言葉は出てこないはずです。だから、もっともっと徹底してこの問題は取り組まなきゃならぬ。言葉の上では、ああ気の毒でございました、そういう言葉ではこの問題は済まぬと。とうとい、何よりもとうとい人の命の問題であり、そうして日本の唯一の地下資源である石炭を守るというこの二つの大きい私は問題だと思うんです。その点から言うならば、もっともっと私は真剣に取り組んで、通産省全体として、そうして日本の石炭産業をもっともっと厳重に監督し、指導し、そして当たるべきだと、こう思うんです。  先ほど同僚が、死んだ方や傷された方に対する補償問題も取り上げられました。これまで私は災害のたびに政府並びに企業がやっておる補償の問題を見ると、はなはだ不十分、あれでは家族たちが安心して夫を炭坑の中に送ることはできないと、こういうふうに私は考えるんです。一つの石炭山を守るために、助けるためには百何十億という融資も政府はいたしますよ。企業を守るためにそれだけの融資をする腹があるならば、この災害を受けた労働者の家族たちを守るためには、私はもっと手厚い補償をすべきでないかと、こういうふうに考えておる。だから、これまでは幾らだったから今度もこうだとかああだとかいうことじゃなしに、もっと抜本的にそういう点も考えていくべきだと、こう思いますが、大臣、この災害をなくすためにあらゆる努力をする、災害を受けた人たちに対する補償も従来よりももっともっと十分なことをやっていくと、こういうふうにここで御発言できますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 心持ちの上では、須藤先生の御意見と全く同じような気持ちを持って対処いたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなた行政官じゃないですか。心持ちの上ではというような、そんな答えではいかぬ。行政官だから実現できるじゃないですか。やる力があなたたちにあるんじゃないですか。責任もあれば権力もあるんじゃないですか。あなたが本当にやろうという気ならば、言葉の上、心の上ではというようなことを言わずに、はっきりともっと皆が安心のできるような答弁をこの際すべきだ、そうしてそれを実現すべきだと、こう私は思う。私が行政官ならすぐ即刻やりますよ。どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) もちろん、ただいま申し上げたように気持ちの上では全く先生と同様でございまするが、やはり行政の、法制の上から申しまする一つのルールもございまするし、行政慣例もございまするし、いろいろなそこには軌道というものがあるわけでございまして、その限りにおきましては、今後の保安対策につきましても、さらに補償等の問題につきましても万全を期してまいりたいと、かように存じております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 企業を助けるため、これも企業で働いている人たちのためだということも皆さんおっしゃるでしょう。しかし、企業を助けるために百何十億という金が出せる政府ならば、実際に災害に遭った、命を失った人たちに対してもっと手厚く補償をすべきでないか。と同時に、こういう災害の起こらないように、災害が起こった山に百何十億という融資をするならば、その金を使ってそういう災害が起こらないように事前に補償に万全を期すべきだと、こう私は思うんです。それに対して大臣は同感ですか、反対ですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ルールに従いまして、万全を期してまいりたいと存じます。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 本件に関する本日の調査は、この程度にとどめます。     —————————————

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  三井石炭鉱業株式会社三井芦別炭鉱における災害の実情調査のため北海道へ委員を派遣することとし、派遣委員、派遣期間等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案の審査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通産大臣。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  中小企業の事業活動の機会を適正に確保することは、中小企業基本法の制定以来中小企業政策の重要な柱の一つとなっております。このために、すでに昭和三十九年、中小企業団体の組織に関する法律の一部改正により、中小企業と大企業との間に生ずるいわゆる事業分野をめぐる紛争につきまして、これを当事者間の自主的努力を基本として解決するための特殊契約制度が商工組合の行う事業として創設されたところでございます。  しかしながら、以来現在までこの制度の運用実績ば乏しく、また石油危機以降内外経済環境の変化により、わが国経済が安定成長への移行を余儀なくせられておりまする中で、従前中小企業が多く手がけてきました事業の分野におきまして大企業の進出をめぐる紛争の発生が増大するに至りました。このような状況を背景といたしまして、時代の要請に合致した新しいルールをつくるという観点から、より実効の上がる法制を確立すべきであるとの要請が、国会における与野党一致の決議を初めといたしまして、各方面において高まることと相なった経緯は御高承のとおりでございます。  政府といたしましては、このような情勢に対処し、中小企業と大企業の事業分野の調整のあり方について中小企業政策審議会に検討をお願いをいたしておりましたところ、昨年十二月、新規立法の方向について各方面の意向を取りまとめた意見具申を受けたのでございます。  本法案は、この意見具申で示された方向に沿って、関係各方面の御意見を十分に聴取しつつ、作成いたしたものでございます。  次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。  第一は、一定の要件を備える中小企業団体の申し出を受けて主務大臣が大企業の進出に関し、調査を行い、その結果を通知することとしたことでございます。これによって中小企業団体が大企業の進出情報を早期に、かつ、的確に入手し、適切な時点を選んで調整の申し出を行うことが可能となるのであります。  第二は、中小企業団体の調整の申し出を受けて主務大臣が中小企業の事業活動の機会を適正に確保するため、学識経験者により構成する審議会の意見を尊重して、勧告により大企業者の事業活動を調整することといたしたことでございます。  なお、調整の手段に関して当初の政府案におきましては、経済の効率化の達成や消費者利益の増進といった自由経済のメリットを可能な限り損なわないよう配慮しつつ、多種多様な問題に対し、機動的な調整を行う必要があるという分野調整問題の特質にかんがみ、勧告及びその違反についての公表をもって対処することとしておりましたが、勧告の遵守をより強く担保するために、勧告違反については命令を発動し得ることとする旨の修正が衆議院で行われております。  第三は、主務大臣が調整の申し出のあった案件に関し、大企業の進出が切迫しておる場合には、これを一時停止すべき旨の勧告を行い得ることとしたことであります。これにより、大企業の進出が既成事実化し、調整が難航することを防止することが可能となると考えております。  以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りまするように、ひとえにお願い申し上げます。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 次に、補足説明を聴取いたします。岸田中小企業庁長官。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案につきまして、ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。  中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の事業活動の機会の適正な確保を図ることは、中小企業基本法制定以来、中小企業政策の重要な課題の一つとなっております。このため、同法制定直後の昭和三十九年に中小企業団体の組織に関する法律の一部改正により、商工組合の行う事業として特殊契約制度が設けられたところであります。この制度は、中小企業と大企業のいわゆる事業分野をめぐる紛争を商工組合と進出大企業との間の契約により解決することとし、行政がこの解決のための自主的努力を助長することを目的とするものであります。  しかしながら、以降今日に至るまでこの法制による紛争の処理は、契約という仕組みが中小企業者になじまないこともあって実績に乏しく、主要な紛争事例は国及び地方自治体の行政指導により解決が図られてきたのが実態であります。  この間、中小企業を取り巻く経済情勢は、いわゆる石油危機以降の内外経済環境の変化の中で質的に変容しつつあり、こうしたことを背景として、軽印刷、豆腐など中小企業が従来より多く手がけてきた事業の分野において大企業の進出をめぐる紛争が増大するに至りました。このような状況のもとで中小企業の事業活動の機会を適正に確保するため、行政がより積極的に対応し、実効を上げ得る法制を確立すべきであるとの要請が国会を初めとして各方面において高まるところとなったわけであります。  政府としましては、こうした経済環境の変化に即応した新しい競争と調整のルールづくりを行う必要があるとの認識に立脚し、中小企業政策審議会に検討をお願いしたところ、半年に及ぶ精力的な御審議の結果、昨年十二月意見具申をいただいたところであります。  本法案は、分野調整のあり方に関する国民各層の合意ともいうべきこの意見具申に示された考え方に基づき、提案いたしたものでありますが、次に、その概要を補足して御説明いたします。  第一は、商工組合その他中小企業者の利益を正当に代表し得ると認められる中小企業団体の申し出を受けて、主務大臣が大企業の進出についてその規模及び時期等を調査し、その結果を当該団体に通知することとしております。本法案は、後ほど御説明いたしますとおり、中小企業団体の申し出を受けて調整のプロセスが始まる法制をとっておりますので、この申し出が適切な時期に行われることが肝要であります。このいわゆる事前調査の導入は、その前提となる中小企業団体の情報収集を補完するためのものであります。  第二は、大企業の進出により相当数の中小企業者の経営の安定に著しい悪影響が生ずるおそれがある場合には、中小企業団体の申し出を受けて主務大臣が必要な調査を行い、事案を各界の学識経験者により構成する審議会に付議し、審議会においては関係者の意見を聞きながら、論議を尽くして大方の納得のいくような調整案づくりを行い、主務大臣はこれを十分尊重して、勧告により大企業者の事業活動を調整することとしております。  なお、調整手段につきまして、政府案におきましては、自由経済体制の持つメリットをできるだけ損なわないよう配慮しつつ、また、従前の行政指導による紛争解決の経験等に照らしまして多種多様な事案についてのきめ細かい調整を行い得るよう、勧告という手段をとっておりましたが、衆議院における審議の過程におきまして、調整案が慎重な手続を経てつくられたものである以上、より強くその遵守を担保すべきであるとの観点から、勧告違反に対しまして命令罰則により対処できるよう修正されております。  第三は、大企業の進出が調整案づくりが進む過程において既成事実化し、そのため後日調整が難航するおそれがある場合には、主務大臣が大企業の進出を一時停止すべき旨の勧告を行い得ることとしております。さきの事前調査の制度と相まって、この措置により、大企業の進出を比較的初期の段階で調整の対象とし、調整を円滑に進めることが可能になると考えております。  以上、この法案につきまして補足説明をいたしました。何とぞ、よろしく御、審議のほどお願い申し上げます。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員橋口隆君から説明を聴取いたします。

橋口隆自由民主党

○衆議院議員(橋口隆君) 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案につきましては、衆議院において修正を行いましたので、私からその趣旨を御説明申し上げます。  修正の第一点は、第一条目的の規定におきまして、「大企業者の大規模な事業の開始又は事業の大規模な拡大」に関し調整するとありましたのを、「中小企業者の経営の安定に悪影響を及ぼすおそれのある大企業者の事業の開始又は拡大」に関し調整することに改めるとともに、第三条以下における「大規模な」の字句を全部削除したことであります。  第二点は、第五条調査の規定中、中小企業団体が調査を申し出ることができる事項は「自ら調査することが困難であるもの」に限定されておりましたのを、この字句を削除し、特に限定しないように改めたことであります。  第三点は、審議会の名称を「中小企業調整審議会」から「中小企業分野等調整審議会」に改めたことであります。  第四点は、調整勧告を受けた大企業者が勧告に従わず、その旨を公表されてもなお従わなかった場合、主務大臣がその大企業者に対し、当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるという「調整命令」の規定を第十一条として新たに設け、これに伴い、調整勧告の範囲の明確化等について所要の整理を行うとともに、命令違反に対する罰則を設けたことであります。  以上の修正は、大企業の進出に対する調整措置の実効を担保しようとするのが主な趣旨であります。よろしく御審議をお願い申し上げます。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 質問に入ります前に、今回の三井芦別炭鉱の災害の犠牲者の皆さんの御冥福を心からお祈りいたします。  私は、ただいま議題となりました中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案、この問題につきまして御質問を申し上げたいと存じますが、実は大臣が途中で御退席のようでございますので、まず結論から申し上げまして、大臣に御質問申し上げたいと思います。  わが国の中小企業は、御承知のとおり、全企業の九九%が中小企業であるわけでございます。四百九十万とも言われておるわけでございますが、その従業員の数は三千万を突破する、全体の七六%が中小企業に籍を置いておる、こういうことでございます。製造業の出荷額におきましては五二%、あるいは商業販売額におきまして六〇%のシェアを持っておる、こういうふうなことで、わが国の経済社会に今日まで大きな比重を占めてまいりましたことはもう皆さん御承知のとおりでございます。しかしながら、経済が高度成長から低成長に移行するに伴いまして、経済の二重構造の底辺を構成するところの中小企業の環境は、まことに厳しいの一語に尽きるものがあるわけでございます。特に大企業を含めた企業経営の悪化によりまして、あるいは非常に需要が激減をした、こういうふうな現状によりまして、大企業が経営の多角戦略をとってきた、そして新規事業の分野を求めて、従来主として中小企業が占めておった分野に大企業が進出してくるところの傾向が非常に目立ってまいったということは、これまた御承知のとおりでございます。  そういうことからいたしまして、今回のいわゆる分野調整法というものが取り組まれたわけでございます。いろいろ原案に対しましてただいま衆議院の修正案が出たわけでございますが、こういうようなことで非常に皆さんたちの数々の御努力によりまして、一応本日に至ったわけでございます。この分野法につきましてはそれなりの見方もございますし、意見もございますが、時間ございませんので……。  こういうようなことで大企業の進出に対してチェックはいたしましてもこれがすべてではない、結局中小企業の体質を強めていって、そして消費者の皆さんが納得するようないわゆる取り組み方をやらなければ私はできないと思うんです。だから分野調整法が一応現段階まで参りましたことは非常に多といたしますけれども、それと同時に、今後さらに非常に弱っておりますところの中小企業の対策に対しまして格段の御努力をいただきたい。  今回の中小企業白書を見ますときに、やはり中小企業はそれなりの役割りを果たしておるようでございます。小回りのきく、そしてやはり特徴あるところの地域地域の経済に生かされておる。ただ非常に何と申しますか、資本力がないということ、あるいはのれんがないということ、ただいわゆる組織があるということでございます。あるいは地域の立地条件は非常にいいということでございます。あるいは小回りがきくということでございます。そういうこともあわせながら、今後は構造上の問題も加えて私は検討すべきじゃなかろうか、そういうことが私は今後大きな課題として残るのじゃないかというように考えるわけでございます。したがいまして、今後中小企業に対するところの取り組み方につきまして、格段のひとつお力添えをいただきたいというのが大臣に対する一応質問なんでございますが、私のお願いでございます。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 今回御提案を申し上げました趣旨もその御意見に尽きると存じまするが、われわれは中小企業に対しまして、特にただいま先生が御指摘に相なりましたように、全企業数から申しましても、あるいは就労人口から申しましても、実に国民経済上重大な問題であり、これは単に経済問題と同時にまた社会問題でもあるわけでございまして、かような意味におきましてこの中小企業問題を最も重視いたし、取り組んでおるような次第でございます。また、国民経済の発展と国民生活の向上というかかる問題につきまして、大きく貢献いたしておりまするこれらの中小企業に対しまして、政府といたしましても、こうした中小企業に対し、時々その経済環境に即応した成長発展が図られまするように、各般の対策を講じております。  現在、中小企業は安定成長経済への移行の中で厳しい対応が迫られておりまして、政府といたしましても各般の施策を通じて、こうした事態を克服いたしまする中小企業の努力を側面から助成をいたすことが必要であると考えるのでございまして、同時にまた、これに対しましての万全の措置も講じたい。このために特に小規模企業に対しましての十分な配慮をいたしながら、中小企業の近代化、高度化、経営の安定、診断、指導等、各般にわたりまして中小企業施策の充実を図ることといたしております。このための予算につきましても、厳しい財政事情の中におきまして格別の配慮をいたしたような次第でございまして、今後ともに本御提案いたしました政策を通じまして、なお一層の御指導と御協力を賜りますようにひとえにお願い申し上げます。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 それでは逐次調整法の問題につきまして御質問を申し上げたいと存じますが、先ほど申し上げましたように、安定成長というような低成長、減速経済と申しますか、そういう段階で非常に需要減と申しますか、そういうものと関連いたしまして大企業が中小企業の分野に殴り込みをかけてくる、これはあらゆる業界で見られるわけでございます。  たとえば清涼飲料界のような、コーラのごときものを例に挙げましても、巨大なメーカーがマスコミを通じて広告宣伝作戦によりまして市場拡大をし、そしてそのためにもうほとんど小さい中小企業というものは市場から追いやられてしまうというのが現在の実情でございます。先般来いろいろ大企業が、小さいクリーニングとかもやしとかお豆腐屋とか、そういう段階にまで殴り込みをかけるというわけで、たくさんの中小企業の皆さんがいわゆる方向転換せざるを得ないという、そういったような情勢が今日の要するに分野法の生まれる一つの発端ともなった、かように考えるわけでございます。  ただ私はここで過去を反省してみまして、こういったような大企業と中小企業との確執というものは従来もあったわけです。ただ非常に最近経済の変動によってその厳しさが加わってきたために、社会問題になったわけでございますけれども、従来もこの傾向はあったわけでございます。それじゃ、従来はどういうととであったかと申しますと、結局例の中小企業団体法によりますとか、あるいは商調法とか市場関係の法律とか、そういうようなことで、いわゆる行政指導を主にして今日までやってこられた。  ところが私がずっと調べてまいりますと、たとえばどういうことかと申しますと、商調法であっせんされた件が二件であります。あるいは昭和四十五年から五十年までの五ヵ年間におけるところの行政指導は四十件に満たないということでございます。こういうようなことでございますが、あるいはまた中小企業団体の組織に関する法律の一部改正ですか、とにかく中小企業の団体の特殊契約という、いわゆる商工組合の関係の特殊契約という方法でもっていろいろ指導されたわけでございますが、この制度は中小企業と大企業の事業分野をめぐる紛争を、商工組合と小さい企業との間の契約によってこれを解決をする、こういうことが行政指導というような面でとられてきたわけでございますけれども、今日までこの適用を受けた案件は一件もない、こういうことが実情じゃないかと思うんです。  そういうことを考えますと、いままでこの問題に対しまして、行政指導ということを押し出されておりましたけれども、実質的の取り組み方はなかった、こういうことを私が申し上げても過言じゃなかろうと、かように考えるわけでございます。だから私はこのいろいろ御告労いただいた御当局の、これに対する考え方をひとつ、まずお尋ねしたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) ただいまお話にもございましたように、大企業の進出によって中小企業が打撃を受ける、こういうことに関する問題というのは大変古くからあった問題でございますし、現にそれを受けまして中小企業基本法の中にも十九条という特別の条文が設けられたという経緯があるわけでございます。十九条の基本法ができまして翌年に団体法の改正をいたしまして、いまお話にございましたような特殊契約制度を設けて、大企業の進出問題についての新しいルールづくりも行ったわけでございます。ただその後の運用実績を見ますと、お話のようにこの法律を直接に利用したケースはほとんどないという実態でございますが、他面、問題がいろいろ出てまいりますと、実は法律によらずに事実上の行政指導で問題の解決が図られてきたというのが実情ではないかと思っております。  これは特殊契約制度というのがなかなか使いにくい制度であるということに加えまして、やはり問題が起こったときにすぐ行政官庁あるいは都道府県知事に駆け込んで、問題の解決を図る方がより迅速であるというようなことが恐らくその背景にあったのではないかと思っておるところでございます。私どももたくさんの案件を手がけてまいりました。総じて申しますと、従来やってまいりました行政指導はそれなりの成果を挙げてきたということも言えるかと思っております。ただ案件は次から次へとまだ現在も起こっておる最中でございます。特にこれから安定成長の時代に移ってまいりますと、一層問題が起こりやすい事態になってくるかと思いますので、やはりこの際行政指導というようなやり方だけにとどまらず、もっと一本筋の通った法律的な裏づけのある体制をつくるということが実情に即した考え方ではないか、こういうような考え方のもとに新しい法律の御提案を申し上げたという経緯でございます。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 行政指導の問題につきましては、それなりに非常に御苦労なされたということはわかります。ただ、最近いろいろ紛争を起こしております問題といたしましては、軽印刷の問題とかあるいは青写真とか、あるいは紙器関係とか——ダンボール、それから理化医カラスとか豆もやしとか、そういうような、いろいろございますが、こういうふうな紛争事件につきまして、結論的に申し上げますと、たとえば軽印刷業のようないわゆる進出企業側が行政指導によって一応話し合いの場はつくった、こういうことですけれども、次々にチェーン方式に展開をしてきた、そうして実情はやはり変わっておらないというような例も出てくるわけでございます。  あるいはまた、先ほど私漏らしましたけれども、昭和四十八年以来、大規模店舗法というようなことでいろいろ御指導をいただいておりますけれども、この問題につきましてもやはり末端にまいりますと、大型スーパーの殴り込みによりまして非常に混乱をしておる、こういうふうなことをいろいろ考えてまいりますと、やはり非常に何か大きな欠陥があったんじゃないか、それが今度法律が生まれた大きな一つの原動となったと、かように考えておるわけでございます。こういうことでございますので、いま申し上げました、私はこれはまあ言い過ぎかもしれませんけれども、ひとつ十分御参考にしていただきまして、そして今後、分野調整法の運用については格段の努力を、取り組み方をひとつしていただきたい、かように考えるわけでございます。  まず、本文に移りまして、今回の分野調整法に業種指定と、こういったようないわゆる小さい業者からの強い要望があったにかかわりませず、業種指定が入っていない、このことは、いままでの例からいたしますと、以前実はいわゆる行政指導を中心としていった場合はどうもやっぱり物足りないような、危なげなような感じからくる一つの私は要求じゃなかろうかと思う。いろいろこれには事情があろうと思いますから、その事情についてもまたお伺いしたいと思いますが、私は極端なそういったような業種に対しましては、やっぱりある程度これは認めていくべきじゃないのかというような感じがいたします。非常に今回の修正案を、結論を見ますと至れり尽くせり、いろいろ私どもが、命令、罰則というようなところまで行き届いたなんでございますが、ただ、それだけではやはり徹底できないんじゃないかというような感じがいたしております。本当に困った零細な業種、業界に対しましては、やはり業種指定ということを、ある程度私は取り組むべき問題じゃなかろうかと、かように考えておりますが、それに対する御意見をひとつ承りたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 大企業の進出につきまして何らかの規制をするというときに、業種の指定をするというやり方がとれれば、一番ある意味では直蔵簡明でございますし、現に中小企業団体からもそういった考え方がとれないかということで大きな声があったことも、私ども十分承知いたしております。実はこの問題は私どもが中小企業政策審議会でルールづくりを考えましたときにも一番大きな問題であったわけでございます。ただ、議論をいたしてみますといろいろ問題がございます。  一つは、やはり競争政策上どうであろうかという問題が指摘をされました。しかし、それと同時に、私どもとして実際問題、この業種指定というやり方がむずかしいと思っておりますのは、実務上の問題でございます。大企業が進出して中小企業が打撃を受ける、これがこの問題の出発点になるわけでございますが、果たして大企業がどういう業種へどういう出方をするかということをあらかじめ予想するわけにはいきませんので、その予想さえ立てられればあるいは指定ということも可能かもしれませんが、そこの予想が立てられないという点が一つの問題かと思います。  同時に、そういうような難点があるならば、少し幅広く業種を指定しておけば解決できるんではないかというような意見もございました。そういうようなやり方をやりますと、たとえば製造業の中で中小企業の出荷比率が七割以上を占めている業種どのくらいあるかということを数えてみますと、全体の業種数五百四十七の中で三百二十七という、かれこれ六割の業種が、製造業の出荷比率の中で中小企業が七割を占めるという業種に該当するわけでございます。これらの全体の業種の六割の業種について、一つ一つ大企業の進出をチェックするということは物理的にも不可能でございますし、またそれを行うまでは経済の進行をとめるということも、何か一種の統制経済に入ったような感じすら受けるわけでございまして、こういったこともやはり実情に沿いにくいのではないかというふうに考えたわけでございます。  で、先生のお話のございましたように、もっとしぼったルールづくりはできないかというような点も私ども考えてみましたが、実際に起こっております紛争は、態様もまた進出業種もなかなか予想もできないような業種について起こっておりまして、なかなかしぼった指定ということもかえってむずかしいし、しぼればしぼっただけ思いもかけないところで問題が出て、解決の道具が用意されないというようなことにもなりかねない、こんな点が議論になったわけでございます。したがいまして、御質問の趣旨は十分私どもも理解をしておるつもりでございますが、法律の形にするときには業種指定というようなやり方は避けることにいたした次第でございます。  ただ、そうは申しましても、問題が起こる前に何か歯どめができないかということが業種指定の基本的なその考え方であろうかと思いますので、私どもといたしましては、問題が起こったらなるべく早目に問題をキャッチをし、そしてそれに対する解決の手段を探るというような対応をできるだけ努力をしていきたい、こう考えまして、政府から提案いたしました原案の中にも、事前調査という条項を特に用意をいたしまして、調査の段階で政府としても協力をすると、また、一時停止勧告というような措置を設けまして、既成事実が進行することを防ぐ、こういうような措置を別途講じておるところでございます。なお、それに先立ちまして私どもは五十一年度から分野調整に関する特別の専門官を用意をいたしましたし、また各商工会議所、商工会並びに中央会におきまして分野問題に関するモニター制度を用意をいたしまして、これらの方々がなるべく問題を早くキャッチをするというようなことについても一応の体制の整備をいたした次第でございます。  以上のような経緯にありますことを御理解を賜りたいと思うわけでございます。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 まあいろいろ業種指定がなかなか実際問題としてむずかしい、こういう御意見につきましては私もよく了承できるわけでございます。ただ、いままでの経過からいたしますと、やはりそういったような非常に厳しい業種に対しての考え方というものは、やっぱり何かそこまで考えぬといかぬじゃないかという私の気持ちはまだ現在も変わりません。いずれにいたしましても、まあ今回の法案がいわゆる事前調整の規定ができたと、いろいろ問題が起こる前にひとつ取り組むという非常に前向きな姿勢、あるいは主務大臣の命令規定、罰則、勧告が加えられる、あるいは大企業の進出をあらかじめ規制するのに非常に実効が期待できると、こういうふうな制度につきましては非常に私は多とするわけでございますが、いずれにいたしましてもこの運用を特にひとつ厳しくやっていただきまして、そして大企業の無秩序な進出を規制をすると、こういうふうなことで実効を上げていただきたいと、こういうことをお願いを申し上げるわけでございます。  次の問題は、今回のこの規制の中に生活協同組合と農協が入っておらない。生協と農協の進出規制という問題についてはどういうお考えなのか、この点につきまして一応御意見を承りたいと思います。  農協、生協のこの事業活動、両方ともこれは非営利法人であるということからそういうことになったと思います。しかし、現在の実際の現状を見ました場合には、必ずしもいわゆる非営利法人だとは私は断定できないんじゃないかと。員外利用が公然と行われておると、まあ員外者に対しましては結局売らないというたてまえのものが、農協にいたしましても公然と行われておる。あるいは公然と広告が出てるわけですね、あるいはチラシが入っておる。それでよく見ると、何かすみっこに「会員の皆様」と、こう書いてある。  そういうことをいろいろ考えました場合に、農協と生協というものは税制の面からも非常に優遇を受けておるわけですね。ちょっと調べてみますと、どういうことかと申しますと、法人税にいたしましても、普通法人の場合は年所得七百万以下の所得に対しましては四〇%、こういうことですが、協同組合の場合、あるいは公益法人の場合は二三%。あるいは事業税の場合も七百万以上に対しましては一般普通法人は一二%でございますけれども、協同組合関係につきましては八%である。七百万円以下の場合は普通法人は九%、公益法人、協同組合は八%であります。それから支払い配当がある場合は普通法人で二二%、公益法人、協同組合は一九%である、こういう異常な格差があるわけです。そういったような協同組合の場合には印紙税が要らぬというような、あるいは地方税におきましても特別の恩典措置があると、こういうふうなことでございまして、もちろん本当に申し上げましたような非営利法人であるということで、法を固く守っておれば私は何も申しません。しかしながら、やはり一方ではそういう優遇制を受けながら、一方では員外に対して、員外利用の制限があるにもかかわらず、どんどん商行為をやるという、いわゆる営利主義でやっているのが現状です。  そうすると、現在中小企業が置かれている立場は、一方からは大企業から攻めてくる、一方からは農協、生協が突き上げてくると、こういった非常に私は気の毒な立場にあると思うんです。だから、そういうことがいままで余り強く取り上げられておらないというところに問題点があるんじゃないかと思う。だから、先ほど申し上げましたように、日本経済の、特に地域経済の一端を担っておるその中小企業のあり方に対しましては、私は冷淡過ぎるんじゃないかというような感じさえ持つわけです。ちょうどある町の商工会の会員の約二七%ぐらいが所得税の対象になっておりますと、そのまた一八%ぐらいがやっぱり事業税の対象になっている。そういたしますと、事業税のごときもやはり中小企業であっても、商工業であるがために事業税の対象にもなり、所得税も税率が高いという矛盾がある。あるいは地方税も恩典がない、こういうふうなことで、この点については非常に私は問題だと思うんです。  したがって、いま申し上げましたような意味で、規制の中に生協、農協というものは、常識的に考えてどうしてもこれは入れるべきものだと、私はそういう感じを持ちます。もしそれができないということであれば、法律に書いてございますような員外利用の取り決めを、もっともっと厳重にやっていくという考え方が出なければ大きな片手落ちだと、かように考えるわけでございます。いままで中小企業特に零細企業が組織がなかったということで今日までそういう発言がなされなかったということもありましょう。しかし、現在相当、会議所あるいは商工会あるいは協同組合あたりができまして、やっぱりみんな勉強し出した、われわれだけこういったような待遇をどうして受けるだろうというような疑念が出てきたというのも事実でございます。  そういうようなことは別といたしましても、とにかく法律をつくる場合に、こういったような片手落ちでいいものだろうかと、こういうふうな感じを私は持つものでございます。これに対します長官の御意見をお伺いしておきたい。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私ども中小企業をお預かりしておりまして、やはり最近生協、農協の問題につきましていろいろ各地でトラブルがあるということを承知をいたしております。この法律におきまして、生協、農協等の非営利法人を適用除外にいたしましたのは二つの理由がございます。  第一の理由は、生協、農協問題と言われております問題のほとんどが、この法律では一応適用除外にいたしております小売りの関係で発生をしておるということが第一の理由でございます。  それから第二の理由といたしましては、いまお話の中にもございましたが、生協法、農協法を見ておりますと、員外利用についての規制がそれぞれ一応用意をされております。特に生協につきましては、員外利用は原則としても特別に許可を要するというような形になっており、しかもその許可をするに当たっては、中小企業への影響を十分配慮して許可をするというような条文も、特に用意をされておるというような実態に相なっておるわけでございます。したがいまして、やはり生協あるいは農協について問題が起こるとすれば、やはり根拠となっております生協法あるいは農協法を活用しまして、それがうまく運営され、結果として中小企業に打撃を受けないように配慮されるということが基本ではないかと思ったのが第二の理由に上げられるかと思っておるわけでございます。  ただお話にもございましたように、現に問題が起こっておるということは事実でございます。したがいまして、私どもはそういった実態を、生協を担当しております厚生省、あるいは農協を担当しております農林省に十分伝えまして、やはり主務官庁としてできるだけの協力をいただきたい、また問題があれば一緒に相談をするというような体制、これはもう少し強化する必要があるのではないかと私どもも思っておるところでございます。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。  午後一時より再開いたします。    午前十一時五十七分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  午前に引き続き、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 それじゃ、午前中に引き続きましてお尋ね申し上げたいと思いますが、今度の法案の中には小売業を除外してあります。第十四条の「適用除外」、小売業はその他の法令でもって十分第六条の一項の規定のいわゆる事態発生を回避できると、こういう意味からの除外だと、かように考えられるわけでございますが、中小企業の政策審議会の意見具申の中においても、事業運用法の対象外にすべきであると、こういうふうな答申になっておるようでございます。そういうようなことでございますが、それじゃ小売業は除外して商調法あるいはその他の法律でもってこれができると、こういうふうなお考えのことだと思うんでございますけれども、これにつきましてのいきさつをひとつ御答弁いただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 小売商に関しましては、御承知のとおりすでに昭和三十四年に小売商業調整特別措置法が制定をされておりますし、また近年に至りまして大規模店舗法が制定されておる、かような次第でございまして、いわば大企業の進出に伴う小売商に関連する諸問題については、すでに小売商の分野法とも言うべきものが用意をされておるということから、今度の御提案を申し上げております法律の中では小売商は適用除外にいたしまして、特に小売商は御承知のとおり製造業などと違いまして商圏が非常に狭く、また地域との密着性も強いという特殊性がございますので、調整を行います場合にも、いま御提案申し上げておる法律のような全国的な調整というよりは、むしろ地方的な調整を行う方が実態に即した解決ができるのではないかと思っておるところでございます。  先ほど申し上げましたいわゆる商調法におきましても、都道府県知事があっせん、勧告、調停を行うという道が用意をされておりますし、また大規模店舗法におきましても、まずは商工会議所あるいは商工会等に置かれております商業活動調整協議会において地域の実情に即した解決の道を探るというような道具が用意をされておるわけでございます。こういったような地域的な調整というようなやり方が小売商の場合にはなじむのではないかということもその背景に挙げられるのではないかと思っておるところでございます。ただ、御承知のとおり、小売に関してはいま申し上げましたような諸法制が用意されておりますものの、現に各地でいろいろの問題が起こっておりますことも承知をいたしておりますし、また法律制定後若干の年月がたっておりますというその間の経済的情勢の変化というものも、頭の中に置いておかなければならないと思っておるところでございます。したがいまして、当面は大規模店舗法あるいは商調法につきまして極力運用の改善を行っていきまして、問題の解決を少しでも図っていきたいと思っておるところでございます。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 それでは、小売業については大店法及び商調法で調整措置ができると、こういうことでございますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 小売商の問題に関しては、その法律を活用することによって問題の解決を図る道具立てが用意をされておる、こう理解をいたしております。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 私、いろいろなにしまして、これを省いて、大店法あいは商調法でもって調整困難であると、現在の段階では私は可能であるという見方はとり得ないわけなんであります。そういうようなことでございますから、もしそうであるとするならば、大店法のいわゆる改正をやる、あるいは商調法の内容充実をやるということが前提でなければ、これを今回の法律から除外するということについてはどうもおかしいじゃないかと、こういうようなことを考えるわけでございます。たとえば大店法が、現在の段階では三千平米以上あるいは普通都市で千五亘平米以上がチェックの対象になる、そういった基準面積から取り組んでみましても、現在各地に起こっている状況というものはいわゆるぎりぎりまでやっておるんですね。小さい都市でぎりぎりまでやっておる、千五百平米だから千四百八十五平米ぐらいまででやっておる。ところが、それも通路とかいろいろそこにごまかしがあって、実際には千五百を超えるような段階も、これも常識的みたいなかっこうになっておるわけなんですね。それだけいままでの大店法の運用というものがルーズであったと、こういうことが言われる。  それからもう一つ非常に心配なのは、非常に大型スーパーなんかの殴り込みが大きいということです。結局各地を見ましても、むしろオーバーストアと、こういうようなことが言えるんじゃないか、そういう言葉を使った方がいいんじゃないかというようなことでございますが、そういうようなことですから、大型の出店が各地にできて、それでオーバーストア、もうとにかくあっちこっちでもストア同士のけんかになってくる。従来の一つの田舎のストアあたりでは一つ二つの目玉商品を使って、それによって拡大をするという一つの政策があったわけです。ところが、最近の実情から申し上げますと、非常にそういったようなストアがふえたためにストア同士のいわゆる出血乱売だと、こういうようなことになって、中にはやっぱりつぶれかかっておる出店もあるわけであります。そういう出血作戦の飛ばっちりを田舎に至るまで小さい業者が受けておるというのが私は実情じゃないかと思うんです。  たとえば、私は佐賀県でございますけれども、佐賀県の例で申し上げましても、日祐というスーパーがありますが、この神埼の店が千四百八十四平米、武雄にまたできたやつがこれがまた千四百八十平米、白石にできたのが千四百五十五平米、もう続けて同じ店が三カ所に大きな店を出したと。あるいは壽屋が小城に千四百九十平米ぐらい、そのためにいままで小さいスーパーがあった、多久から出てきておったスーパーがお手上げして引っ込んだ、逃げ帰ったと、こういうことなんです。あるいは主婦の店その他いろいろありますけれども、とにかくメジロ押しにそういったような大型のスーパーができてきた、しかも出血乱売をやると、こういうふうな非常に混乱した段階ですね。それからこれは私が申し上げるまでもなく、非常に地方行政の面から見てもこれが問題になりまして、いまもうむしろ大きな社会問題になっておる。地方自治体で大型対策として条例制定をしたのが県では熊本、それから市町村では九市町村がある。それからもう一つは、要綱をつくって指導しておるところが県で十七、それに十五市町村、これは四月三十日現在であります。佐賀県なんかもその後またできましたから、各地でもそうだろうと思いますけれども、そういうふうなかっこうで乱立をしているわけです。先般、関東知事会からこれに対する要望書が来たわけでございますが、そういうようなことで非常に混乱の極に達しておると、こういうことでございます。  したがって、いまの分野法でこれを調整をするということでないならば、早い時期に大店法の改正をして、それでやっていただきたいと、これが私の考え方でございます。と同時に、また商調法の問題にいたしましても、十五条ですか、十五条の三号ですかね、十五条は「都道府県知事は、次の各号の一に掲げる紛争につき、その紛争の当事者の双方又は一方からあっせん又は調停の申請があった場合において、物品の流通秩序の適正を期するため必要があると認めるときは、すみやかに、あっせん又は調停を行うものとする。」と、その中の一号が、生産者の直接小売あるいは卸売が直接小売をする場合、前号のほか、中小売商以外の者の行う一般消費者に対するところの紛争、こういうふうな項目があるわけです。だから、こういう面につきましていまの第三号のごときは中小企業以外のということになると、大企業が行う行為、しかも一般消費者に売るということでございますから、いまのあのスーパーまがいのその行為については、こういうふうな問題について従来何もとられてなかった。こういうことでございますから、いわゆる商調法の運用を特に強化をしてもらう、あるいはいろいろまた改正の必要も出てまいります。これは一応いろいろ論議が出ておるところでございますが、そういったようなことで早急な対策が必要だと、かように考えるが、これに対する長官の御意見を承りたい。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いまお話ございましたように、大規模店舗法におきましては、政令指定都市で三千平米以上、その他の都市において千五百平米以上の店舗で小売業を始めるときに一定のルールによって調整すべきこととされております。従来の運用実績を見ておりますと、いろいろ問題はありながら、こういう基準面積以上のところにおきましては各地の実情を踏まえたような一応の解決が行われ、それをもとにその町の流通秩序づくりが進められていると思っておるところでございますが、いまお話にもございましたように、最近は基準面積以下のところでいろいろな問題が起こっており、またこの問題をめぐって小売商の側も非常に神経をとがらしているという実情にありますこと、私どもも十分承知をいたしておるところでございます。  大規模店舗法ができます際に附帯決議がございまして、この基準面積以下のところにつきましても適切な行政指導を行うべきことということが要請されておりますので、私どももこの基準面積以下の出店につきまして、私どものものとして問題をキャッチするごとに、その都度行政指導のような形で解決に努力をしてまいったところでございますが、何せ最近は非常に件数が多くなってまいりまして、お話にもございましたように千四百何十という基準すれすれの店が各地に出てきておる。しかもそれに加えまして、従来は大規模店舗といえば大体大都市に進出するというのが通例でございましたものが、最近では小都市にまで進出してくる。そうなりますと、大都市であればそう問題にならないようなことでも、地方の小さい町の小売店にとっては非常に大きな死活の問題につながりかねないと、こういう問題が出てきておるように思っておるところでございます。  こういった問題に対応いたしまして、いまお話にもございましたように条例をつくる、あるいは要綱によってルールづくりを行うという傾向が最近出てまいりました。これにつきましては、私どもも非常にその取り扱いをどうするかということが一つのこれからの流通政策上の大きな問題ではないかと思っておるところでございます。条例によって処理をするというのは、いわば大規模店舗法に関する一種の補完措置としての役割りを果たすことが期待されておるのではないかと思うわけでございますが、ごく最近の事例を見ておりますと、たとえば三百平米であるとか、あるいは五百平米のお店についても、ある種の規制を加えようというような動きが出てきております。この点につきましては法制局にもいろいろ問い合わせてみましたところ、先ほど申し上げました基準面積をある程度下回るものについて、地方の実情に応じたしかるべき規制を考えることはあながち違法とは言えないという答えをいただいておるところでございますが、問題は、いま申し上げました、ある程度下回るというような点、どの程度までのことを具体的に考えるべきかという問題がさらに新しく出てきておるのではないかと感じておるところでございます。  以上申し上げましたような現実の問題点を踏まえまして、私どもとしてもいままでの大規模店舗法のルールづくり、その中における運用の改善、こういったことはそれぞれ従来どおり進めていきながら、さらに新しい課題として、いわゆる基準面積以下の問題について、この際もう一度全体の小売商政策の中でどういう位置づけを考えていくのか、あるいはこれからのルールづくりをどうしていくのか考え直してみるべき時期に来ているのではないかと、これは中小企業庁自身の感じでございますが、そう受けとめておるところでございます。今後産業政策局等とも打ち合わせをしながら、小売商に関する各種の規制の問題につきまして、少しじっくりと腰を落ちつけて小売商の将来という問題あるいは小売商業の将来のあり方、他方で消費者の利益の確保、さらにまた流通秩序の維持、さまざまな課題を念頭に置きましたルールづくりの問題につきまして、できるだけの勉強をいたしてみたいと思っておるところでございます。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 大店舗法の改正についてはじっくり腰を落ちつけて慎重を期してひとつやりたいと、こういうことでございますが、先ほど申し上げますように、末端の実態、これをもうはだで感じておりますと、どうも私は大店舗法の強化ということが優先するんではないか。今日ここに至りまして分野法でやらないということになると、大店舗法でひとつこれを取り組んでやるということでなければしょうがないわけなんです。末端の自治体が、いま申し上げますような条例をつくるとか、要綱でなにするとかいうことで、いろいろ各県のそれぞれの実情によって基準面積もつくっておるようです。それだけに非常に厳しい段階を早急にやらなくちゃいかぬからということで、県としても、あるいは県議会あたりでも、まあ中央の情勢よりもむしろ大急ぎでやるというかっこうのことが多いんじゃないか。私どもの立場からいたしますと、各県ばらばらということでなくて、むしろ政府がある一つの基準をつくっておいて、その基準に沿った一つのあり方でこれは持っていくべきじゃなかろうかという感触を持つわけですね。  まあいろいろなにでございますが、一つの例といたしますと、最近いわゆるスーパーの進出というようなことで、神奈川県の藤沢市あたりでも大型店が一時に多数出てきたために、市内の小売業の売り場面積が、二十万平方メーターの半分の十万平方メーターが大型店によって占められておると、こういうような乱立状態になっている。市の再開発ビルの大型店誘致に、地元の小売業者ばかりではなくて既存の大型店が大反対運動を起こしておるという事例もあるわけなんです。いわゆる大型店同士の競争がいかに激しいかということが、あるいは出血競争がどうして激しいかということがおわかり願えると思うんです。こういうようなことですから、地元の小さい商店はこれはどうしても対抗できないというのが現在の実情でございます。いろいろなにでございますが、先般中小企業白書が出たわけでございますが、その白書にも大企業が中小企業分野への進出は、小売業ではこの三カ年間に四四・八%を超えたと、こういうようなことが出ております。製造業、卸売あるいはサービス業と比べて最も高い数字になっているんじゃないかと、こういうようなことを考えますと、いま申し上げましたことが非常に緊急な対策として考えられるべきじゃなかろうかと、かように考えているわけでございます。ただいまの御意見ではございますけれども、再度ひとつ再検討していただいて、そしてわれわれ議会としてもこれはひとつ大いに掘り下げまして緊急対策を講ずべきだと、かように考えておるわけでございます。この点についてはひとつ特に御配慮をいただきたい、かように考えるわけでございます。  いろいろ先ほど衆議院の委員会の附帯決議について、かなり前進した修正が加えられたわけでございますので、分野法自体といたしましても非常に強力な決め手ができたというような感じを持つわけでございますが、しかし、結論から申し上げますと、私が先ほど大臣に申し上げましたように、要するにこういったような分野法でチェックをするとか、あるいは大店法を強化をしてチェックをするとか、こういうことは対消費者という問題を考えました場合は、いわゆる小規模企業の段階から申し上げますと緊急避難というような問題にしかならない。どういうことでひとつ対抗できるような、いわゆる消費者の皆さんが本当に御理解願うような対抗策ができるかということ、いろいろ田舎でも反対運動をしながら、少し消費者の批判を受けるということになりますと、やっぱりみんな反省しておるようです。だから、私ども必ずしも田舎で、ああいったような末端でもって条例をつくるということでは賛成ではございません。いわゆる緊急避難的だと、こういうような解釈をいたしております。が、しかしながら、いわゆるそういったようなチェックはチェックをすることにして、本当に抜本的ないわゆる中小企業対策というものがとられなければ私はいまの分野調整法が本当に生きてこないんじゃないか、こういうふうな感じを持っておるわけでございます。先ほど申し上げましたようないわゆる小規模企業は組織の力というものが唯一の宝でございます。資本力もなければ、のれんの力もない。やっと現在そういったような小規模企業の段階で組織が強化されてきたと。この組織を利用しながらひとつ近代化なりあるいは合理化なりあるいは構造改善なり、そういうことに取り組むような方向に私はやっぱり持っていくべきじゃないかと。  先般私はドイツに参りまして、ドイツのエデカ協同組合でもっていわゆる自由競争原理を取り入れながらこの問題に取り組んでいる実情を見たわけでございます。十年前のエデカ協同組合はいわゆる小売業者がつくった共同仕入れの協同組合だった。それかといって、協同組合というようなことで、おんぶされがちなところを、今度参りましたときには、やっぱり目玉店舗をつくる、目玉店舗に対してはその店舗長が二〇%出して、あと八〇%をエデカ協同組合が出資する。それで結局、店舗長の責任においていわゆる競争原理を利用しながらやらせるんだと。そして八〇%のいまの出資に対しましては十年間で返済をするというようないわゆる活力を持たせた一つのあり方をやっておると。こういうようなことが私はいわゆる自由経済の中では非常に何かお手本になるような姿じゃなかろうかということで見てまいったわけでございますが、いずれにいたしましても抜本的ないまの小規模企業対策というものがとられなければ、私はただチェックだけでは解決できない問題じゃなかろうか、かように考えるわけでございます。  そこで、たとえばそういったような組織を利用してもう一つ考えなくちゃいかぬのは、現在農業団体でございますと、いまの協同組合というようなことからいたしまして、あるいは購買事業をやれる、あるいは金融事業をやれると、こういうようなかっこうで経済行為がやれるわけなんです。しかし、いまの商工団体の段階では、いまみたいなかっこうでは補助団体だというようなことで全然経済行為がやれないと。したがって、いまの対抗できるようないわゆる経済組織というものができないというのが私は実情じゃないかと思うんです。だから、もう少し突っ込んで申し上げますならば、やはりそういったような組織を頼りにしておる小規模企業者が生き抜くためには、その組織が、組織であるその団体がある程度経済行為ができるような、その経済行為に対して国がある程度長期低利資金を出すとか、あるいはいまの近代化資金、あるいはまたそういったような合理化資金あたりも出して、そしていわゆる組織化をしながらこれを育て上げていくということでなければ、私はいまの浮かぶ瀬が出てこないんじゃないかという、これは私だけの考え方でございますが、持っておるわけでございます。だから、そういう意味からひとつ今後の小規模企業対策といたしましては本当に愛情のある、ひとつそういったような対策が私は望ましい、かように考えるわけでございます。これについてひとつ御所見を伺いたい。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 冒頭にお話がございましたように、日本の経済の中で中小企業というのは非常に大きな役割りを占めております。日本の経済が戦後世界的にも注目をされ、また驚嘆されるような発展をした陰にありまして、中小企業の果たした役割りというのは非常に大きかったのではないかと私は思っておるところでございます。それがなかったならばいまの繁栄もなかったんであろうとすら思っておるところでございます。日本の中小企業は、冒頭のお話にもございましたように、非常に機動性もあり、また適応力も持っておる、また経営者自身も非常に努力をしたということで、底力は非常に大きいものを持っていながら、小さいなるがゆえにいろいろなハンディキャップがあることは事実でございます。そのハンディキャップを何とか少なくしながら、中小企業が持っているたくましい活力をいかに引き出していくか、またそれを伸ばしていくかということが中小企業政策としては大きな課題であろうと思っておるところでございます。今回御提案申し上げております法律は、先ほど申しましたようにハンディキャップを少しでもなくしていくために用意をされた法律でございますが、その基本的な気持ちとしては、やはりいま御指摘もございましたように、本当は中小企業はやはり一般の需要家、特に消費者の方々に愛され、また親しまれ、信頼されるような伸び方が必要でございますし、またそうあることが当然であると思いながら、それに対応するいとまがないような形で大企業が出るのを一時チェックをして、そしてその時間を利用して大きく中小企業自身も伸びていただく、こういうような姿へ持っていきたいというのが本当の気持ちであるわけでございます。今回御提案申し上げております法律の中でも、合理化に関する指導に関する条文を特別に用意をいたしました。私どもはこの条文をできるだけうまく生かしていきたいと思っておるところでございます。また、この法律では直接適用の外に置いておりますが、小売商についても同様の考え方を基本的には持っておるところでございます。一方で大規模店舗の出店についての調整を考える、これは現実の問題として必要であろうということは十分認識いたしておりますが、それと同時に、やはり小売商の方々が消費者に愛され、信頼されるという姿に持っていくことがどうしても必要でございます。そのためにどうしたらいいのかということは、やはり基本的にはいま御指摘ございましたように、組織の力を通じて伸びていくということが一番大きな柱になるのではないかと思っておるところでございます。  アメリカの戦前の不況期におきまして大規模店舗の進出が大きな問題になったときに、それに対する規制が議論されると同時に、やはり小規模企業、特に小売商の方々が生き延びるための手段としてボランタリーチェーン運動がスタートをし、そしてそれが今日では非常に大きな地位を占め、もはや大規模店舗との競争というようなことが大きな社会問題にならなくても済むようになったというような事例は、十分私どもとしても参考にする必要があるのではないかと思っておるところでございます。ヨーロッパの事例もお話がございました。ヨーロッパにおきましても加工食料品の相当部分が独立小売店の組織を通ずるボランタリーチェーンによって行われておるというような事態、これも私どもとしては十分参考にする必要があるだろうと思っておるところでございます。それと同時に、小売商の段階ではもう一つの組織化のあり方として商店街の近代化の問題があろうかと思っております。これは、ボランタリーチェーンが業種別に横につながっていくという組織であるのに対して、商店街の場合には地域的につながっていく組織としての役割りを果たすんだろうと思うわけでございます。こういった縦と横との組織化を通じまして本当に信頼されるような小売店づくりをつくるということは、一方で規制の問題を考えると同時に、それと劣らず重要な課題である。したがって、今後私どもは、小売商の問題を本格的に考えるということを先ほど申し上げましたが、その際にはこういった面での助成策、対応策、また小売商の方々の盛り上がりというものをお手助けするための方策、こういったことを特に力を入れて考えてまいりたいと思っておるところでございます。

福岡日出麿自由民主党

○福岡日出麿君 それじゃ最後に。まあいろいろなにでございますが、昭和五十二年度の予算を見まして、通産省関係が三千百七十億、そのうちの中小企業関係が千三百三十七億と。これは〇・五%弱になるわけですが、こういうことで、さっき申し上げました四百六十万、従業員三千万以上の中小企業対策というようなことを言われるわけですけれども、これも実は長官にお願いするよりもこれはもう大臣にぜひお耳に入れておくと、こういうことであったわけでございますけれども、まあ農業予算が約二十八兆五千億の一割と、こういうふうなことである。ちょうど時代の流れのなにと同時に、農業も自給度を高めるということから現在圃場整備なんかにもうんと金を突っ込んでいわゆる構造改善をやっておると。だから、われわれやはり中小企業の関係も、そういったようなある程度いわゆる圃場整備というようなかっこうの、そういうような意味からの内部改造、再編成というようなものも必要じゃなかろうかというふうなことを考えるわけです。まあ学校給食関係だけでも、いろいろなにいたしますと、施設費にことしは五十八億、それから配給米を三五%安くやるわけですが、この財政負担が十七億、それで二万二千トンというぐらいの数字なんですが、そういうことで思い切った手が打たれておるというようなことを考えますと、やはり中小企業も、この際私は、この大店舗法の、調整法が、この機会にいいチャンスだと私は思うんですね。そういうふうなタイミングもございますので、ひとつ今回特にそういう点もお願いを申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 私は問題をしぼりまして、割賦販売法に基づく割賦販売、なかんずく割賦購入あっせん業、あるいは割賦購入あっせん、かような問題と、そして割賦購入あっせん業に類似すると思われるような営業内容を持っております主として銀行系クレジット、かような会社の実態をただしてみたいと、こういうぐあいに思います。  昭和三十六年に制定されました割賦販売法には、割賦販売とは何であるか、また、割賦購入あっせん、あるいはあっせん業とはどういうものであるか、かような定義づけをいたしておりますけれども、割賦購入あっせんということを平たく言えばどういうぐあいになりますか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) お答え申し上げます。  割賦購入あっせん事業と申しますのは、カード等の証票を利用者に交付いたしまして、その利用者がそのカードを提示して加盟店というところから商品を購入いたしました場合に、その利用者にかわってその加盟店に対して代金を支払うと。そして一方、利用者の方からは分割してその返済を受ける、そういう事業でございます。割賦販売法の第二条によってそういう定義になっておるわけでございまして、この事業を行う場合には、販売法の三十一条に基づきまして、登録を受けることを要するということになっております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そういたしますと、割賦購入あっせんを業とする者のあっせんによって消費者が加盟店で物を買う、そして業を営んでおる団体はいわば消費者にかわって代金を支払う、かような形態ですね。代金の支払い形態につきましてどういうものがありますか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 割賦購入あっせん業者は、その加盟店である販売業者に対しまして、会員である利用者、消費者にかわって代金を払うわけでございますが、この場合に、割賦購入あっせん業者と加盟店との間におきまして、両者間で加盟店規約が締結をされておりまして、それによって割賦購入あっせん業者と加盟店との間での決済が行われるということになっておるようでございます。そして一方、割賦購入あっせん業者の方は、またその会員である利用者、消費者の方から、立てかえた代金に手数料を加えまして、その金額を今度は分割によって回収していくと、こういうシステムに第二条の方はなっておる状況でございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そうすると、いま御説明のように、代金の支払いと同時に手数料なるものが一緒に支払われる、なおかつ一括の支払いではありませんで分割をして支払うためにその間の利息が含まれる、かように理解していいわけですか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 先生御指摘のとおりでございまして、分割払いの都度に代金に金利、手数料等を加算いたしまして、その分割払いの分と合わせまして徴収をしていくということになるわけでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そうしますと、割賦購入あっせん事業を行っております者は、もとより会社もあります。ですけれども、専門店会とか、あるいは小売商団体とか、あるいは商店会とか、かように比較的規模の小さいものが割賦購入あっせん業をやっておると、かように承知いたしておりますけれども、かような業態について通産省は実態調査をしたことがありますか、いかがです。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 割賦購入あっせん業につきましては、先ほど申し上げましたように割賦販売法三十一条に基づきまして登録を要するわけでございまして、この登録を受けております業者は昭和五十年十二月末の段階で九十七社ございます。この九十七社に関連いたします加盟店数が九二万八千店、会員数——利用者の方でございますが、これが四百三十一万人、五十年度の売上高は千九十八億円という調査結果が出ております。なお、この三十一条の規定では、この登録につきまして、特に中小企業者の組合あるいは連合会、中央会等が行っております割賦購入あっせん事業につきましては適用除外をいたしまして、登録を要せず事業ができるということになっておりますが、こういったいわゆるチケット団体と申しますか、中小企業者の団体による事業が約千五百ぐらいあるというように承知いたしております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 商店会とか、あるいは専門店とか、あるいは模範店というようなものは、いまの説明では三十一条による届け出は必要としないということですか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 御指摘のとおりでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そうしますと、登録を必要としないのなら把握はきわめて困難ではありましょうけれども、小売商のいまのような団体が割賦購入あっせん業をやっておりますものの数はいま約千五百、かようなことでありましたが、千五百の団体で扱っております売り上げはほぼどの程度でしょうか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 事業協同組合等によって行われておるわけでございますが、この組合の監督等の事務は原則として都道府県知事が行っておりますので、先生御指摘のとおり正確な数字の把握というのがむずかしいという点がございまして、正確な数字というわけにはまいりませんが、一般に千五百件足らずと申しますか、近い数字になっていると言われておりまして、この団体数がこの程度でございますが、これに加入をいたしております小売店の数、これが大体十二万から十五万程度ではないかと言われております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 団体の数と、それから店舗の十二万ないし十五万ということはわかりましたが、約一千五百の団体で扱っております売り上げの金額はわかりませんか。いま会社の場合の九十七社は約一千九十八億円、かように説明がありましたが、団体の場合は売り上げの金額は把握しておりませんか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いま産業政策局からお答えがございましたように、小売業の個々の事業協同組合の監督は都道府県知事がやっておりますので、全貌はなかなか把握いたしにくいわけでございますが、たまたま中小企業団体中央会が調べた資料がございますので、それをお話し申し上げまして御参考に供したいと思います。これはかなり前の年次でございますが、回答が二百六十二組合、そしてその加盟店舗が一万九千店、その売り上げ合計が三百七十九億円ということでございまして、一店当たり大体二百万円程度の売り上げがあるという報告がございましたので、それによって全体の姿をある程度御想像いただけるのではないかと思っておるところでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 いまの二百六十二団体といいますのは、千五百の中の抽出をした団体ですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) そうでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そうしますと、千五百対二百六十二団体でありますから、三百七十九億円のおおむね数倍、こう理解していいわけでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 恐らくそのように想像されます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そこで、会社の場合でも結構だし、また中小企業の団体の場合でも結構ですが、その企業内容等について主として経理の面で分析をした資料がありましたら、その御説明を願いたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私ども組合関係につきまして得られました範囲でお答えをさせていただきますが、先ほども申しましたように正確な数字は掌握できないわけでございますが、先ほど引用いたしました中小企業団体中央会の行いました調査によりますと、こういった割賦販売あっせんを行っております協同組合におきましては、総収益の中で手数料の比率が大体七〇%近くになっております。また最近ではこの比率が八〇%から九〇%に達しておる団体もかなり多いというふうに聞いておるところでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 ただいまの七〇%ないし九〇%といいますのは、三十一条によって登録を受けた会社の場合ですか、それとも中小企業のいわゆる協同組合等の団体の場合でしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 協同組合の場合でございまして、会社の場合は含まれておりません。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 ただいま説明がありましたように、中小企業の皆さん方が協同組合等で割賦購入あっせん業をやっていらっしゃる。そしてその主たる収入は、いまのお話のように七〇%ないし九〇%を占めておるということが明らかになってまいりました。恐らく協同組合の組合員に対する賦課金はきわめてわずかなものであって、いまの手数料収入でありますとか、あるいは割賦販売で先に延ばして代金を徴収いたしますために利息を賦課するのでありますから、銀行で借り入れた借り入れ金の利息と、また徴収をいたします利息との間のわずかの差があるといたしますならば、こういうものが経営の中心になっておる財源だと、こういうぐあいに見ざるを得ないのでありまして、そこでこれらの団体が、もし割賦購入あっせん業が大幅にダウンするような事態があるといたしますならば、単に割賦購入あっせん業としてダメージを受けるだけではありませんで、協同組合それ自体が非常に打撃を受ける、こういうぐあいに判断をいたしますが、どういうぐあいに考えられますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 確かに御指摘のとおりかと思います。総収益の中で非常に大きな比率を占めておるということから、組合の経理上もこれが大きな要素でありますし、これが大きな打撃を受けるようになりますと、組合の経営にも影響少なからぬものがあろうかと思います。特にまた割賦販売事業というのは、地域の小売商の方々がその与えられた環境の中で何とか販売を伸ばしたいというために導き出された手段でございますので、そういった面での影響というのも大きいのではないかと感じておるところでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そこで、銀行系クレジット会社なるものが数社ありますけれども、その実態がわかっておりますか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) ただいま現在、いわゆる銀行糸のクレジットカード会社と称せられておりますのは六社ございまして、日本クレジットビューロー、ユニオンクレジット、住友クレジットサービス、ダイヤモンドクレジット、ミリオンカードサービス、日本ダイナースクラブ、この六社でございまして、古いものは創業以来十数年を経過しておるということでございます。これらの会社では、会員にクレジットカードを渡しまして、その会員がそのカードを持って加盟店に参りまして買い物をいたしました場合に、二十五日から五十五日までの期間内で会員の取引先の銀行の口座から代金を自動的に引き落として決済する、そういうカード業務を行っておるわけでございまして、その規模は昭和五十年度におきまして六社の合計の売上高が五千百四十二億円、このうちカード業務による売上高が四千百四十五億円、会員数が六百三十四万人、加盟店の数が四十六万店、提携をしております金融機関数が延べで八百二十社というような数字に一応なっております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 ただいまJCBを初め六社の名前が挙がりましたが、これらの会社の資本金がどういうぐあいになっているか、手元に資料がありますか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 資本金は日本クレジットビューローが六億円、ユニオンクレジットが四億円、住友クレジットサービスが二億円、ダイヤモンドクレジットが二億円、ミリオンカードサービスが二億円、日本ダイナースクラブが一億円ということになっております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 ただいまの六億円あるいは四億円、二億円、一億円という資本金の額が明らかになりましたが、これらの資本金のうち、金融機関が占めております金融機関名並びにパーセンテージがわかっておりますか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 御説明申し上げます。  まず、JCBでございますが、三和銀行、三井銀行、協和銀行、大和銀行、太陽神戸銀行、北海道拓殖銀行、それから東海銀行、これがそれぞれ六%ずつ出資してございます。そのほか地方銀行等三十三行で合計二五%でございますので、金融機関全体の出資比率として見ますと六七%に相なっております。それからユニオンクレジットでございますが、これは富士銀行、第一勧業銀行、埼玉銀行、太陽神戸銀行、これがそれぞれ一〇%、三菱銀行七・五%、そのほか地方銀行等五十一行で二五・五%出資いたしてございますので、全体で見ますと七三%に相なっております。それから住友カードでございますが、これは住友銀行が一〇%を出資、それだけでございます。次にミリオンクレジットでございますが、東海銀行が一〇%、中央信託、それから中京相互、中央相互、名古屋相互、東京相互、近畿相互、こういったところがそれぞれ四%ずつの出資でございまして、そのほか十行で合わせて二一%出資いたしてございますので、全体といたしましては五六%に相なっております。ダイナースクラブにつきましては、富士銀行が一行で一〇%だけでございます。ダイヤモンドクレジットにつきましては、三菱銀行が一〇%で、その他は非常に細かいものが多うございまして、二十九行で合わせて四四・五%、合わせまして五四・五%の出資になっております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 ただいま金融機関の出資の比率の説明がございましたけれども、多いものは七三%あるいは六七%、少ないものは一〇%前後と、かようなことが明らかにはなってまいりましたけれども、おおむねこれらのいわゆる銀行系六社なるものは一般には金融機関のダミーだと、かように信じられております。また、実際の運営状況を見てみますと、全く金融機関の意を体している、かように思える節があるのでありますけれども、その点は次の問題といたしまして、いま審議官がこれらのいわゆる銀行系六社の業務の内容について簡単な説明がございましたけれども、もうちょっと詳しく業務内容の説明が願えませんか。ことに物品の購入との関連においてどういう処置をやっておるのか、この点について御説明願います。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) クレジットカード会社はカード業務が中心になっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように全体の売上高の中の大きな部分がカード業務による売上高になっております。そのほかにもまあいろんな種類の業務を行っております。たとえば、金銭貸し付け、あるいは保険の代行、あるいは保証業務というようなものをやっておるようでございます。また、これらのほかにリース事業あるいは集金事務の代行、国際カードの発行あるいは提携ローンというようなものが行われておるものもございます。  以上でございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 カードを持って加盟店に消費者が行きまして、そこで物を購入いたします場合の具体的な方法をですね、もうちょっと詳しく御説明願えませんか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) このクレジットカード会社には会員があるわけでございますが、その会員にあらかじめカードを渡してある、その会員がカードを持ちまして加盟店で買い物をいたしました場合に、そのカードを表示することによりまして決済といいますか、決済が別途その会員の取引先の銀行口座から自動的に、加盟店においてそのカードを示した場合にはその決済が利用者、その会員の銀行口座から自動的に決済が行われる、その決済期間は二十五日から五十五日の間ということになっておるわけでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 いまのように消費者がカードを持って加盟店に行って物を買う、そして物を買いました場合には当然そこでサインをするんでしょうから、そのサインに基づいて加盟店がかわって金融機関から二十五日ないし五十五日以内において預金からこれを取りおろすと、このことはわかりますけれども、割賦販売あるいは割賦購入あっせん業に類似をするような取り運びをしている会社はありませんか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) ただいままでのところ、ないというように理解いたしております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 いままで割賦購入あっせん業に紛らわしいことをやったということで行政指導を受けましたり、あるいはまたその違法性が指摘をされたりというような事例はありませんか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 先ほど御説明申し上げましたように、割賦購入あっせん業を行う場合には通産大臣の登録を受けるか、あるいは登録を受けなくてよい中小企業等の事業協同体であるというような場合でなければ業を営んではいけないということになっておるわけでございます。で、割賦販売法の運用に当たりましては、また「割賦販売等を行なう中小商業者の事業の安定及び振興に留意しなければならない。」ということは法律にも明示されておりまして、銀行糸クレジットカード会社が割賦購入あっせん業に進出してくるということになりますと、中小事業者の事業活動に影響を及ぼすおそれはあるかないか、あるいは一方で一般消費者の保護の関係から見ればどうだと、そういったようなことを慎重に勘案しながら対処してきておるわけでございますが、これまでのところ銀行系クレジット会社と特定の加盟店とが提携をいたしまして、そのクレジットカードを利用いたしまして割賦購入あっせんの類似の行為を行った例はないと思いますが、行おうとしたような例がございまして、当初におきまして中小商業者に対する影響等も配慮し、これを取りやめるような指導を行った例がございます。  以上でございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 私は、ここに銀行系クレジット六社がずらっと全部名前を挙げまして、おのおの特徴のマークを挙げて、そしてカードでオーケー、分割払い、かような広告を手元に持ってきております。これはそうすると、こういうことはやれないことをやったんだと、こう理解していいわけですか。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 広告につきましては、一時紛らわしい広告があったことがございまして、これを取りやめるようにという指導をしたことがございまして、現在では行われていないと存じます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 銀行局来ておりますか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) はい。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 銀行がみずから割賦販売をやることができますか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 銀行は、銀行法の五条によりまして業務に専念する義務を負わされておりますので、割賦販売に限らずいわゆる物品販売というものは許されないことでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 銀行法第五条を見ますと、銀行はいまおっしゃるように銀行業務本来の仕事に精を出さなければならぬし、また他業に手を出してはならぬ、かようなことで他業禁止がありますけれども、しかし、これに付随する業務は可能なように書いてありますけれども、いわゆる付随業務というものの中にはどんなものがありますか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 付随業務につきましてはいろいろな諸説があるわけでございますが、固有業務が銀行法の第一条によりまして預金、それと関連しまして貸し付けとあわせ行うこと、あるいは振りかえ等の為替取引を行うことというぐあいに明記的に書いてございます。これとの関連におきまして、付随業務というものも、社会的、経済的な機能を、どういった機能を銀行が営むのが適当であるかというような観点から解釈すべきものというふうに解されておるわけでございますが、具体的に現在付随業務として一般的に認められておりますものは、おおむね、たとえば一つ保護預かりでございまして、これはたとえば貸し金庫みたいなものでございます。それから両替業務、それから有価証券の売買、貸し付けでございますが、これはただし商取法によって業務の制限が課せられております。それから換金あるいは会社の金銭出納の取り扱い、あるいはその債務の保証をすること、それから信用状に関するいろんな手続、こういったものが付随業務とみなされております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 私は、これもまたここにこんなすばらしい広告を持ってきておりますけれども、これは地方の某相互銀行です。某相互銀行が、一枚のカードで二役、かようなことで、キャッシュカードとしても使えるし、またショッピングカードとしても使える、かようなことであります。銀行みずからがショッピングカードを出すことについては、大蔵省としてはどういうぐあいに思いますか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 先生御指摘の事案につきましては、私どもも実は陳情を受けまして調査いたしたことがございますが、その場合における銀行の役割りと申しますのは、預金者の依頼に基づきまして振りかえを行うということでございますので、直ちに銀行法第五条に違反しているというふうには見られないわけでございます。ただ、銀行が百貨店その他とタイアップいたしまして、同じ一つのカードでショッピングカードも兼ね合わせるというようなものを発行するということは、法令に違反しないにしましても銀行として必ずしも適当でないと思いますので、この件を調査いたしました結果、直ちに発行の取りやめを指示いたしまして、現在は発行を差しとめております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 発行を差しとめたことはわかりますけれども、しかし、この広告の中には、分割払いについては販売員に御相談ください、かように書いてあります。ですから、少なくもショッピングカードを出したことだけではなくて分割払いを容認する、あるいは窓口でその相談があれば当然分割払いに応ずるということであったに間違いがないと思うんでありますけれども、この点について大蔵省はどう考えますか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) クレジットカード会社、先ほど先生御指摘の銀行系クレジット会社が割賦販売を行うことに関しましては、これは既存の業者との摩擦を回避するという観点から、従来私どもとしましても銀行を通じまして、銀行系クレジット会社の割賦販売というものをしないように指導いたしております。また、先ほど通産省からのお答えにもありますように、通産省の方においてもそれを認めないという指導をいたしておるわけでございます。  ところで、ただいま先生御指摘の件は、銀行が顧客の要求に基づきまして買い物代金の決済を振りかえで行うということでございますが、これは銀行の立場にいたしますと、それが一回で決済されるのか何回で決済されるのか、これは顧客の指示によってその都度決済するわけでございますので、銀行の方からこれを抑えるということは銀行の業務としてなかなかむずかしいわけでございますが、通産省の方の、本来そういった大型百貨店が割賦販売を銀行とタイアップして行うことは既存業者に対する影響が大きいからこれは望ましくないと、こういう御結論を出すといたしますれば、私どもも今後その方針に従いまして銀行を指導いたしたいと思っております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 その点はわかりました。  そこで、先ほど銀行系六社の金融機関の占めておりますパーセンテージは、なるほど全くのダミーではありませんけれども、相当の高いパーセンテージでございますが、そこで銀行みずからが自社の系統の六社のうち、自社の系統の会社のクレジットカードの販売に協力をする、あるいはみずからその会員の獲得を行う、この点は許されますか、どうです。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 銀行がその顧客の御相談に応じまして、たとえばどこかクレジット会社で適当なものはないかというような場合に、こういったものがあるという程度のことば、これは常識の範囲として許されると思いますが、クレジット会社にかわりましてその会員の獲得ということに専念するということは、本来的に銀行業務の範囲から逸脱しますので望ましくないと考えております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 大蔵省は望ましくないとは考えておりましても、現に私は幾つか資料を持っておりますけれども、あえていわゆる六社のうちのどの会社ということは言いませんが、某社のカードは、こうやってちゃんと申し込みができるようなはがきを同封して、そのはがきのあて先は銀行の業務部ですよ、銀行の業務部のカード係へ申し込みをする、こういう仕組みにしておりますが、これは適当ですか、どうですか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 具体的な事案に応じまして、そのやり方によって程度の差その他いろいろあろうかと存じますが、一般的にそういったシステム的に銀行がその会員の勧誘その他を行うということは適当ではない。もし先生、その具体的な事案としてお示しいただきますれば私どもとして指導いたしたいと考えております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 あなたは東京都内の銀行の店頭をのぞいたことがありますか。都内の銀行の店頭で恐らく半数以上の銀行が自分の系統の会社のクレジットカードの広告をしておりまますよ、店頭に。ごらんになったことありませんか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) まことに申しわけございませんが、私、銀行課長の職にはございますが、店頭にはほとんど出入りしたことございません。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 銀行課長ともあられるのでありますから、ぜひそういう状況をごらん願いたいと思いますが、私は手元に十数枚の写真を撮ってきました。大手の銀行のほとんどの窓口に必ず自分の系統の会社のカードの募集の広告がちゃんと出ておりますから。何ならこれをごらんにかけます。  そこで、銀行系のかような会社が進出をすることによりまして規模のきわめて小さい、ことに団体で割賦購入あっせん業をやっております方々に非常な影響が生ずるのでありますから、かつて国会にその陳情が出たことがあります。銀行課長はその記憶はもとよりないでしょうな。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 四十四年に請願がございまして、これに対しまして、その請願に従いまして銀行系クレジット会社に対しましては割賦購入あっせん等、そういった摩擦を起こすことのないように指導いたす方針であるということを内閣の意見としてお答えしたことがございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 いま御指摘がありましたように、昭和四十四年に衆参両院に請願書が提出をされました。おのおの採択になりましてこれを政府に送っておるのでありますけれども、この請願に対しまして大蔵省は回答文を寄せ、これが官報に掲載されております。請願の趣旨の第二は、銀行系クレジットカード会社は銀行法並びに銀行業務方法書等を逸脱した行為と認めるので厳に戒めてほしい、かような願意でありましたけれども、これに対して大蔵省の回答は、「銀行の職員は銀行の業務に専念すべきものであって、別法人であるクレジットカード会社の加盟店及び利用会員の勧誘を行なうことは許されない。銀行業務の必要を越えたいきすぎを招かないよう今後も銀行に対し十分の指導を行ないたい。」、かようなことを明確に回答されました。それも官報に掲載されておるのでありますけれども、先ほど来の店頭における会員の募集でありますとか、あるいはまたその銀行あてに申込書を送付させますとか、かようなことは大蔵省の従来の考え方とはうんと逸脱をしてしまっておる行為だ、かように考えて間違いありませんか。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 大蔵省といたしましては、四十四年の採択されました請願に対する処理意見で申し上げたとおりの考え方で現在もおります。したがいまして、その考え方に照らしまして具体的な事案が、違反するというようなことがあれば、私どももちろん十分指導いたしたいと考えております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 私がかようなくどい言い方をいたしましたのは、割賦購入あっせん業をやっております会社は、御承知のように株式会社の場合でありましても都道府県の範囲に限らなければならぬ、かような制約を受けております。こういう制約を設けましたのは、地場の規模の小さい小売商の皆さん方が、協同組合等で割賦購入あっせん業をやっておりますその方へ打撃が来ないように、かような心配りであるのに間違いがないのでございます。そしてさっきの代金の支払いで明らかになってまいりましたように、消費者、利用者にかわりまして加盟店に代金の先払いをするのでありますから、これは当然銀行からの借り入れによらなければ先払いが不可能であることは明らかであります。そこで、割賦購入あっせん業を営んでおることに規模の小さいものは銀行や金融機関の目の色ばっかりをうかがっておる、これが本当の姿なのでありまして、そこで銀行系六社等がどんどんどんどん伸びてさましたり、あるいは割賦購入あっせん業類似の行為を行いましても泣く泣くじいっと黙っておらなければならぬ、これが中小企業や零細企業の本当の姿であります。そこで文句を言ったりいたしますと、すぐに金融の枠が縮められたり、あるいはまた利息の、金利の操作がなされたり、かようなことで非常な打撃を受けるのでありますけれども、しかし、かようなことは断じて私は許されない、こういうぐあいに思います。もう一遍通産省や大蔵省はかような大銀行あるいは金融機関の進出に対してどういう考え方を持っておるのか、この点を重ねて伺っておきたいと思います。

猪瀬節雄大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(猪瀬節雄君) 大蔵省の方から御説明申し上げます。  まず、銀行系のクレジット会社でございますが、これは四十四年の請願に対するお答えと同じでございまして、既存業者に対する摩擦を起こすことのないように十分指導いたしておりまして、したがいまして、今後とも割賦販売業に銀行系クレジットが進出するということにつきましては、私どもとしては銀行を通じまして十分指導いたすつもりでございます。  それから銀行が、先ほど先生御指摘のような一枚のカードで紛らわしいというようなことにつきましては、私どもそういった銀行が、ある百貨店の特定のものと結びついた形で誤解されることのないように、そういったカードの発行そのものの取りやめ、それから若干時間はかかりますが、現在発行されておりますカードの回収、こういったことを指導いたしたいと思っております。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) 銀行系クレジットカード会社が、巨大な資本力を利用いたしまして割賦購入あっせん業に進出するという点につきましては、中小企業の事業の安定その他の観点からもきわめて問題があると存じます。まあ本来の銀行系クレジットカード会社の業務の拡大ということになりますと、これは消費者の利益その他の面からも問題はないと存じますが、購入あっせん業への進出問題ということになりますと、中小企業に及ぼす影響を一般消費者の保護の要請と同時に勘案して慎重に対処していかなければいけないというように考えております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そこで、割賦購入あっせん業というのは、業種としては何業種ですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) これは、分類もいろいろあろうかと思いますが、広い意味で申せばサービス業の中に入るのではないかと思います。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 サービス業につきましては、いま審議しております法案は、どの範囲を中小企業者というぐあいに規定しておりますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 資本金一千万円以下、または従業員五十人以下を中小企業と定義をいたしております。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 そうしますと、ただいま審議しております大企業者の事業活動の調整に関する法案のいわゆる調整対象と規模の小さいものはなり得ると理解をしてよろしいでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 割賦購入あっせん事業は、いま申し上げましたとおりサービス業に属するものと考えられますので、事業としては本法の対象になると考えております。しかしながら、個個の問題が具体的に本法の調整の仕組みに乗るかどうかという点につきましては、大企業の事業の拡張が、中小企業が現に供給している役務に対する需要を減少させ、相当数の中小企業者の経営の安定に悪影響を与えること、その他の要件を満たしておるかどうかということにつきまして、個別の案件ごとにこれらに照らして考えていくことが必要ではないかと思っているところでございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 時間が参りましたので、最後に、通産大臣からお答えが願えればありがたいと思うのでありますが、先ほど来説明がありましたように、割賦購入あっせん業の会社としての九十七社で約一千億円の売り上げ、それから千五百という大変な数の協同組合の皆さん方で割賦購入あっせん業をやっておられます方々が、二百六十二団体で約三百八十億円でありますから、千五百団体といたしましてもこの金額は大したことではなくて、恐らく二千億円前後になると、こういうぐあいに考えられます。片や銀行系六社のものは、六社で年間五千億円を超えますような、ことにカードだけの場合でも四千百四十五億円、かような大変な売り上げであることが先ほどの説明で明らかになってまいりました。そこで、銀行系の六社、あるいはこれに類似をいたしますようなものが今後割賦購入あっせん業に出てくるようなことになりましたら大変でございます。さようなことは許さるべくもないと私は思うのでございますけれども、しかし、銀行系クレジット会社は資金力と組織に物を言わせまして、どんどん加盟店の増加の獲得をやってまいりましたり、あるいは会員の募集に狂奔したり、あるいは広報宣伝等に力を入れる、かようなことが心配されるのでございます。  そこで、政府は中小企業を守る立場において、金融機関がかような、見方によりましては、資金力や組織に物を言わしての横暴とも見えますようなことでありますけれども、かようなことは中小企業を守るためによろしくないと私は思うのでありますが、この点に関して大臣の所信が伺えればありがたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 非常に詳細にわたりましてお調べをいただいておりますことを厚くお礼を申し上げます。  なお、銀行系のクレジットカード会社の割賦購入あっせん業へ進出してまいりますことにつきまして、中小業者の事業活動に及ぼします影響、それからまた一般消費者の保護の要請等、相互に勘案いたしながら慎重に本件に対しましては対処しておるところでございまするが、今後ともにそうした考え方に基づきまして善処してまいりたいと、かように存じておる次第でございます。

加藤武徳自由民主党

○加藤武徳君 終わります。

熊谷太三郎自由民主党

○理事(熊谷太三郎君) ほかに御発言もなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十九分散会      —————・—————

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