商工委員会 第4号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/07
会議録
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、中尾辰義君が委員を辞任され、その補欠として内田善利君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、通商産業行政の基本施策に関する件等について、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森下昭司君 それではまず最初に、電力の安定供給問題について若干質問いたしたいと思うわけであります。 第一は、最近の通産省のまとめられた数字によりますと、昭和五十二年度から五十六年度にかけまして、中期の需給見通しというものを試算されたようでありますが、その試算によりますと、各電力会社がいま計画をいたしておりまする分、これは電調審等で計画決定がされたもの、あるいはされないものも含むわけでありますが、そういうされないものも含みまして、順調に工事が進みましても予備率が約八%程度、工事が順調にまいりませんと四・八%程度に落ち込むおそれがあるというような、非常に需給の安定に不安が持たれるような状況だと言われているわけであります。特に北海道、中部、北陸、中国というような各電力社別に見ますと、いろいろ問題があるようでありますが、これは一つには将来の建設の立地の問題もありますが、既設のいわゆる発電施設というものが利用されているのかどうかという点もひとつ問題になるのではないだろうかというような感じがいたすわけでありまして、特に原子力発電関係における稼働率というものが一つの目安になるのではないかというふうに考えておるのでありまして、従来の原子力発電所の稼動率というものは非常に低いというふうに数字上出ているわけでありまして、いわゆる将来に向けての稼働率というものは、大体年平均何%程度保つことが望ましいし、またそのことによって電力の安定供給を確保することができるとお考えになっているのか、まず最初にお伺いいたします。
○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘になりましたように、原子力発電所の稼働率はいままでのところ必ずしも良好ではございません。 若干具体的に申し上げますと、四十八年度は五四%、四十九年度四八%、五十年度四二%、五十一年の四月から十二月までの実績で六〇%、やや回復しつつございますが、必ずしも良好な成績とは言えないわけでございます。これは一つには、ささいなトラブルと申しますか、事故と言えないようなものでも安全性確保のために、発電所を一時停止いたしまして点検、補修をする、こういった時間もかなり影響をしておると思うわけでございますが、将来の問題といたしましては、やはり七〇%程度の稼働率を期待いたしたい、さような観点に立ちまして、一昨年来軽水炉を中心にいたしまして改良標準化作業を進めております。こういったことからさらに信頼性を増大をいたすことによりまして、稼働率の上昇を期待いたしたい、かように考えておるわけでございます。
○森下昭司君 ただいま七〇%というお話があったのでありますが、これは私は、非常にこれだけの稼働率を維持するということはむずかしい問題ではないだろうか、現に稼働いたしておりまする火力発電所等は、いうならば稼働率七〇%を大体維持しておるようでありまして、いま試行錯誤の時代とはいえ、原子力発電関係におきまして、長官が言われるような七〇%台を確保しようというのは並み大抵の努力ではでき得ないのではないかという感じが実はいたします。 特に、軽水炉のいま改良型というお話がございましたが、これは私前々委員会であったかと思いますが、CANDU炉の問題を取り上げてみたり、あるいはまた、その他いろんな問題について長官に御質問いたしました記憶がございますが、現在軽水炉改良型と申し上げましても、西ドイツの型もありますし、いま申し上げたカナダのCANDU炉の問題もございますし、また日本におきましてもいろいろ高速増殖炉等、転換炉等の研究開発がなされておるようでございますけれども、なかなか思うような改良進歩が具体的にあらわれていないと私は断じても差し支えないのではないだろうかというふうに考えておるのでありまして、特に私は、先回の科技特委員会で、美浜一号炉の問題について武田審議官からお答えをいただいておりますが、美浜一号炉は現に故障いたしました原因が、いわゆる摩擦によって燃料棒に破損が起きたという事実は否定できません。したがって金属片でありますとか、あるいは燃料もですが、固体が、これが噴流水によって粉々になって炉心の水の中に残っておることも、これも否定でき得ない事実であります。とすると、私は美浜一号炉なんか、今後はこれは廃棄処分にする以外に方法はない。つまり炉心内の水を入れかえるということも一つの方法でございますけれども、廃棄処分されれば運転再開の望みはないというふうな感じを実は持っているわけです。数少ない原子力発電、つまり原子力発電計画がきちっと進んでおりません今日の現況からまいりまして、このいわゆる新しい中期計画の中で、一体原子力発電というものをどの程度お見込みになっているのか、五十六年度にすでに九電力会社で一億一千八十万キロ、この中でどの程度原子力発電に頼ろうとなさっているのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(橋本利一君) 五十二年度の電力施設計画によりますと、五十六年度末の発電設備は全体といたしまして約一億四千万キロワットでございます。このうち原子力は千六百六十万キロワットを計画いたしておりますので、全体の一二%であろうかと思います。現在時点では御参考までに申し上げますと、約一億四百万キロワットに対しまして七百四十五万キロワットでございます。比率といたしましては七%でございます。
○森下昭司君 まあ、これは原子力発電計画からまいりますと非常におくれているというふうに私は思うわけでありまして、原子力委員会が策定いたしました原子炉発電計画と、あるいはまた通産省のいろんな各審議会でエネルギー総合調整等が行われておりますが、これの原子力発電の状況改善と申しますか、原子力発電の占める割合というものは計画どおりにいっていないということは言い得ると思うのであります。 そこで、この原子力発電を今後非常に政府としては力を入れたいというお考え方のようでありますが、現実には立地点が非常に数少なくなってきておるというような考え方で、たとえば東北の青森県の下北ですか、あそこに総合的な大原子力発電をつくろうとか、あるいは都市近郊に原子力発電所をつくるべきだとか、いろんな議論がありますが、将来の原子力発電のあり方というものについて通産省の考え方があればお聞きいたしたい。
○政府委員(橋本利一君) 御承知のように、一昨年の八月に総合エネルギー調査会から昭和六十年のエネルギー需給バランスが答申されておるわけでございます。それによりますと、原子力につきましては四千九百万キロワットを目標値として設定いたしておるわけでございますが、現在までのところ稼働いたしておりますのが、先ほど申し上げましたように約七百四、五十万キロワット、現在着工中のもの、あるいは建設準備中等を含めましてかれこれ二千二百万キロワット程度でございます。したがいまして目標値を達成するためには、今後両三年の間に二千七百万キロワットにつきまして電調審の決定を必要とする、このような状況にあるわけでございますが、現実の問題といたしましては、ただいま御指摘のように立地問題がますます深刻化してきておりますので、六十年までに四千九百万キロワットの目標値を達成するということはかなりむずかしい段階にきておる、こういうことでございます。
○森下昭司君 まあ、むずかしくなっていることは承知をいたしているのでありますが、私は具体的にこの中期見通しの関係からいって、先ほど原子力発電をどの程度に見込んでおみえになるのかとお尋ねしたわけでありまして、その中期の五十六年度までの原子力発電所の見込みからまいりますと、長官は稼働率を七〇%で維持した上で、その立地についても困難性を認めつつあるので努力したいというお考えのようでありますが、中期計画の見通しの中で原子力発電というものを、これを計画どおり達成できるとお考えになっているのか、それをお伺いします。
○政府委員(橋本利一君) 中期見通しの中で申し上げますと、すでに電調審を通過いたしまして着工準備中のものが四地点五基、四百七十六万キロワットでございます。それから、今後一、二年の間に電調審に上程したい、いわゆる予定地域が十四地点で十五基、千三百九十五万キロワットでございます。合計いたしますと二十基、千八百七十一万キロワット、これが五十六年度までの施設計画の中に出てくる着工計画でございます。これにつきましてもまだまだ楽観を許さない数字でございますが、ぜひともこの計画に基づいて目標が達成できるように、われわれとしても指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
○森下昭司君 たとえば、この五十一年度の電調審における原子力発電計画の要するに計画認可は、原子力発電は当初三百三十万キロワットを見込んでおった、ところがなかなかいろんな困難な条件がございまして、つい先日、ことしの一月になりまして初めて東京電力の福島三号炉百十万キロの計画を御承認になった。いわば達成率を原子力発電で見れば大体三分の一、三三%しか達成していない。単年度の一つの例を今年度取り上げてみましても、三三%程度の達成率でありまするから、いま長官がお述べになりましたような十四地点十五基、一千三百九十五万キロワット、これは達成を樹立いたしますことは非常にむずかしいのではないだろうかというふうに私は考えておるのでありますが、もしこの原子力発電、いまお話がありましたような十四地点十五基、一千三百九十五万キロワットが五十六年度の中期見通しの中で、電調審等の計画認可すら得られなかったというのでありますれば、五十六年度における予備率というものは四・八%以下になるのかどうか、あるいは予備率はどの程度を見込んでおるのか、九電力会社の平均でいいですからお答えいただきたい。
○政府委員(橋本利一君) 五十一年度電調審の決定数値はただいま先生御指摘になったとおりでございまして、全体としては七七%ということで、過去三、四年のことを考えますと、全体としてはかなりの決定を見たわけでございますが、原子力につきましては、御指摘のように三分の一程度しか決定を見なかったというのが実態でございまして、したがいまして私たちといたしましては、さように原子力については決定値が低かったという現実、あるいは現実を来した原因等を究明いたしまして、個別に一地点ごとの実情に即した対応を図りまして、なるべくさような計画予定どおりに進むように努力いたしたいと思います。ただ最悪の場合、さようなものが計画どおりにいかない場合には全国ベースといたしましては四・八%、通常予定される負荷率の二分の一程度になる、それは最悪の場合でございますが、さようなおそれもあることもやはり配慮しておく必要があろうかと思います。
○森下昭司君 その最悪の四・八%の予備率というのは、ただ単に原子力発電関係の遅延だけではなく、一般的な現在の主力になりつつあります火力発電等の発電建設がおくれることも、一つの原因にはなりませんか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のとおりでございます。
○森下昭司君 そういたしますと、実際問題といたしまして過去の電調審における計画承認は、達成率からまいりますと四十七年が三二%、四十八年が四四、四十九年が五三、五十年が六五、五十一年がただいまお話がありました七七・一%、総合的にまいりますと、徐々にではありますが、計画承認の達成率は上昇しつつあることは否定できません。しかし、実際上の工事の進捗状況はどうなっているのか、この点について、たとえばいま申し上げた四十七年からずっと過去五年間にわたりまして計画承認されたもののいわゆる発電設備で、現在どの程度のものが完成し、建設中のものはどの程度のものがあるのか、建設認可、つまり工事実施許可のまだおりてないものはどの程度あるのか、大まかでいいですからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(服部典徳君) 電調審を通過いたしましたものでまだ実動に入っていない設備につきましては、現在工事中のものと、それからまだ工事に入れない未着工の地点と両方あるわけでございますが、両方で合わせまして約四千六百万キロワットございます。そのうち、現在工事に入っておりますのが約二千九百万キロワットでございますので、残りの約千七百万キロワットが未着工という状態でございます。
○森下昭司君 時間の関係がありますので、細かいことは後ほど水力関係ではこれだけ、火力関係ではこれだけ、原子力関係ではこれだけという明細を、資料として御提出いただくように手配していただけませんか、いいですか。
○政府委員(橋本利一君) 提出するようにいたします。
○森下昭司君 そこでいま申し上げましたように、現実にもう四千六百万キロワットに上るものが着工中または未着工である、その中では原子力もあれば火力発電もあるということに実はなるわけであります。 そこで、いわゆる各電力会社別に見ますと、特に北陸電力でありますとか、中国電力などにおきましては、電調審で決まりました計画承認されたものが工事が非常におくれている、着工は決まっておるけれども、工事はおくれているというようなことが実は出ておりまして、たとえば供給不足が五十二年度の下期のピーク時には起きるのではないだろうかというような心配がされておるというふうに言われておりまするが、こういった事実は懸念されるのかどうか、最初にお伺いします。
○政府委員(橋本利一君) 五十二年度について申し上げますと、北海道電力の予備率が九・二%でございます。北海道では御承知のように連係線がございませんので、一五%を適正予備率と見ておりますので、他の八電力よりも予備率は高いわけでございますが、北海道としては不足ぎみである。それから、中部電力につきましては五・三%でございます。かれこれ三ポイントほど適正予備率を下回っておる。他の七社につきましては五十二年度はまずまず問題がない、こういうことでございます。
○森下昭司君 そこでこの中部電力の供給不足、予備率が低下いたしました一つの原因といたしましては、たとえば中部電力が知多火力に、LNG、液化天燃ガス専用の火力発電所を建設をいたしましたけれども、インドネシアの内情等によりまして、この春から稼働いたします予定のものが、LNGが秋にしか輸入をされないというようなことから、事実上遊休施設として運転ができないというようなことが、予備率低下の一つの大きな原因ではないだろうかというふうに思うのでありますが、その点についてはどうお考えですか。
○政府委員(橋本利一君) 中部電力に限って申し上げますと、知多の五号と六号がやはりLNG専焼設備として準備いたしております。それが当初この春さきから第一船が入ってくるであろうと予定しておったものに対しまして、夏ごろになるということから若干おくれを示してきておる、予備率の低下を来しておるということになろうかと思います。
○森下昭司君 こういうような問題というものは、たとえば経営者が見通しを誤ったというようなことにも私は通じるのではないであろうかというふうに思うわけであります。いわば指導監督に立ちまする資源エネルギー庁といたしまして、何らかのやっぱり私は指導監督に事を欠いたのではないか。つまり、インドネシアにおけるLNG供給の見通しについて政府の指導に誤りはなかったのか、私は若干の疑問を持たざるを得ないわけであります。 というのは、たとえば電気の発電の設備——送電、配電を含めましてすべてのものが料金によって原価主義ではね返ってくるというようないまの料金体系からまいりますと、言うならばこういうような見通しの誤りは即すなわち消費者の上に事実上かぶさってきて、この問題が見逃されているというようなことにも通ずるのではないかと思うんであります。私はそういうようないわゆるエネルギーの供給源になりまする石油でありますとか、あるいはLNGの供給の見通しというものは、長期的な観点に立って政府みずからが的確な判断をし、その計画を立てて、そして各電力会社にそれぞれ指導なさっているというふうな理解をいたしているわけでありまして、こういうような問題について政府はどうお考えになっているか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(橋本利一君) インドネシアのLNGが当初の予定よりもおくれるということは私たちまことに遺憾なことでございます。先日もハルヨノ総裁が私のところに参りまして陳謝していったわけでございますが、また一面LNGというのは非常に扱いのむずかしいものでございます。しかも供給を開始した段階におきましては、継続的、安定的にそれが実行に移されるということが必要でございますので、現段階においてあえて急がせることによっての不測の事態を引き起こさないといったような配慮も必要かと思います。ただ、いずれにいたしましてもこの夏からは必ず第一船がわが国に到着するようにということを、強く要請しておいたわけでございます。 それから、中部電力につきましては結果として見通しを誤ったということにもなろうかと思うわけでございますが、私たちといたしましては、ただいま申し上げましたようにこのままいけば八月のピーク時においては五・三%程度の予備率しかないということもございますので、かねがね近接する関西電力、東京電力の方に話をつけまして、その不足する部分につきまして三十万キロワット強になろうかと思いますが、その部分について融通するようにということで、中部につきましてもそういった融通を含めまして、予備率を八%までに高めるという措置を現在講じておるわけでございます。
○森下昭司君 私の言わんとするのは、いわば前回社債の発行に関する特例法案を見ておりまして、電力会社は資本金の二倍を四倍に、これは株式発行による増資によるとしても限界がある。それからもう一つは安い金利の資金をつくること、それによって電力全体の設備を拡大して需要に応じていくという一つの考え方で出されたと思うのであります。そしていま申し上げたように資金が足らなければ社債の発行の特例で恩典を受ける。そしてまた合理化はいろいろやったけれども、収支が伴わなければ料金の値上げによって収支を補っていく、こういう繰り返しになっているわけです。 たとえば、いつも電力値上げのときに問題になりまする料金体系等については、少しも手が触れられていないんであります。大口電力に対しましては安い。そして一般家庭用は大口電力の何倍もの料金をとっておる。こういうような体系というものには少しも手が触れられていない。そういうことは言葉をかえて言えば各電力会社が漫然とした経営体質、経営姿勢をとっておるのではないかという国民的批判というものが高まる私はおそれはないかと思うのであります。そういう点について電力会社のこういった放漫経営の姿勢、そうしてできるならば料金体系も含めた電力問題について、今後私は抜本的なやはり改善策というものを通産省は考えていく必要があるのではないか。いま申し上げたように、ただ単に資金がなければ社債の発行で特例で資金源をつくってやる、赤字になれば料金値上げをしなさい、こういう形で電力というものが今後いけるのかどうか、電力会社というのはそういう経営姿勢でいけるのかどうか。何らかの改善策が必要だと思うんでありますが、その点について将来の電力会社のあり方についてどうお考えになっているのか、これは田中通産大臣からお答えを願いたい。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のいろいろな問題につきまして、われわれといたしましては電力料金問題等の算定方法、その他既定の一つの方式もあるわけでございまするし、しかしながら、何分にも国民生活に最も重要な電力問題でもございます。国家的な見地に立ち、また国民的なこれに対しまする御協力を真剣に得なければ、計画の達成も同時に順調にいかない、こういうことを彼此思い合わせまするときに、お示しのような今後の厳しい一つのあり方というものは当然反省をしなきゃならぬ、かように考える次第でございまして、今後につきましてもなお十分に心して進めてまいりたいとかように考えます。
○森下昭司君 具体的には大臣どうですか。いまお話がありましたように、たとえば中電がことしの夏予備率五・三%では供給不足になるおそれがあるので、関西電力を初めといたしまして三十万キロワット程度を融通したい、そういう手配をしたい、これは知多火力のLNGの専焼火力発電所に燃料が予定どおり入ってこないので緊急の措置をとるのだと言われました。そうして先ほど私は中国電力とか北陸電力の問題を取り上げましたが、これは中期的な見通しからまいりますと、建設が大幅におくれた場合は、特に中国電力管内と北陸電力管内におきましては供給不足の事態が懸念される、五十六年度になってという点があるわけであります。非常に各電力会社のアンバランスが目立ち始めてまいりました。これは自己資本率とかいろんな細かい点を言えば切りがございませんが、各電力会社間のアンバランスが目立ってまいりました。地域格差というものも出ております。 といたしますと、私はただ単に九電力会社の現行体系で電力を発電し、これを供給するというようなことではなくって抜本的な改善策、つまりよく再編成問題とかいろいろなことが抽象的に言われておりますが、そういった方向を検討する必要があるのではないだろうかという感じがするんでありまして、その点を重ねてお尋ねいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのいろいろの御意見を拝聴いたしておりまするが、今日までの九電力会社並びに電力の供給の形態でございますが、何分にも電源開発を含めました十電力によりまする広域運営の問題、なお供給力を上げて電力の安定供給を確保するという問題につきまして、電源の立地が大幅におくれておる現状がこのまま推移いたしますれば、御指摘のように近い将来に電力需給の非常な逼迫が生ずるおそれもございます。 こういうふうな問題の解決に当たりましては、九電力会社が自由企業としての特殊性をますます発揮してもらいまして、国民の協力と理解を得られますようにできる限りの自己努力を行うと同時に、十電力によりまする広域運営を強化をいたし、さらにまた国としても、電源立地の促進のためにでき得る限りの方策を講じてまいろうと、かように考えておる次第でございます。
○森下昭司君 自由経済と自己努力、そしてこのいわゆる広域運営というようなお話がございましたが、私はこの公益事業でありまする電力会社におきまして、自由経済とはいえ、一定の公共的、社会的制約がある、これは否定できない事実だと思うのです。それから自己努力といっても、自己努力をちっともしてないでしょう。さっきも言ったように、金が足らなければ社債発行だ、特例法案で四倍にしてもらった、収支が赤字になれば料金の値上げだ。いま自己資本率見てみなさい、各電力会社。一体あれで自由経済における株式会社と言えますか。大体みんな一三%台、一四%台じゃありませんか。そんな一般の民間会社において一三%、一四%というような自己資本率の法人は、そう数えたってありません。いかに公益事業という名のもとに国の大きな保護政策を受けているかという証左ではないかと私は思うのであります。自由経済といまおっしゃいましたが、そういう公益事業の会社、しかも自己資本率の低い会社が社会的、公共的制約を受けるのは当然であります。 そしてなお抜本的に言えば、自己努力であれば、なぜ料金体系に手を触れないのですか。料金体系、漫然としておりますよ。極端に言えば大口電力と家庭用電力——先ほど申し上げたとおりです。細かいことはもう私が言わなくてもわかっていることです。広域的運営と言うならば、なぜ中国電力や北陸電力が五十六年度供給不足が懸念されるか、なぜ中部電力がことしの夏にピーク時に供給不足が懸念されるか、そういう広域的運営をなさるならば、そういう九電力会社が自由経済でいわゆる会社会社の持ち味を生かすというならば、持ち味を生かすようなふうに、公益事業であるこうした電力会社を通産省は指導監督する必要があると私は思うのであります。 でありまするから、先ほどから長官の答弁、それから大臣の答弁を聞いておりまして、私率直に思うのでありますが、電力の問題は多年、戦後から再編問題が口にされまして言われてきておりますが、一つのある区切り点、曲がり角に来ておるのではないだろうかという感じが率直にするのであります。でありまするから、このままの状態で、いま大臣が言われたように自由経済であり、そして自己努力である、広域的運営でいけるのだという考え方を将来もお持ちになることができるのだと確信を持っておるのか、重ねてひとつお尋ねをいたします。
○政府委員(橋本利一君) 九電力会社について、いろいろ御意見のあることも承知いたしておるわけでございますが、私たちの立場といたしましては、それぞれの九電力会社が自己努力によりまして、その供給地域に安定供給し得るような努力というものを怠ることなく、その責務を果たすようにわれわれとしても指導してまいりたいと考えるわけでございまして、電力に公益性を与えておりますのは、実に重要なエネルギーである電力を、安定供給させるというところに公益性を与えておるわけでございますので、そういった観点からいたしまして、電力各社がその職務に応じて、安定供給を実現するように今後とも一層指導してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○森下昭司君 まあ、きょうはちょっと経済企画庁長官の御出席の時間が制限をされておるようでありまして、時間が迫っておりますから、この問題についての深い論争はまた次の委員会に下げたいと思います。 ただ私が申し上げておきたいことは、いまのような形態を維持する限り、供給不足なり、あるいはその他いろいろな形になってあらわれてくる危険があるという点だけの指摘にとどめておきたいと思います。 そこで、渥美火力の発電所増設問題について、具体的にこの機会にひとつお伺いをいたしておきたいと思います。時間の関係で経企庁長官からお尋ねをいたしたいと思います。 まず、経企庁長官はこの渥美火力発電所増設に関しまして、具体的に言えば三号機、四号機問題でありますが、この三号機、四号機問題を通じまして、昭和四十五年ごろからいろいろな渥美地区におきまして紛争が起きている。あるいは漁業や農民に対する被害も出ているというような、こういった事実関係について御存じであるかどうか、まず最初にお伺いいたします。
○国務大臣(倉成正君) 事務当局から大体の問題点、報告を受けております。
○森下昭司君 まことに失礼な質問になると思いますが、その報告はいつごろお受けになりましたか。
○国務大臣(倉成正君) ちょうど電調審が、私が就任いたしました後、昨年の十二月二十七日に開かれております。この電調審を開く際におきまして、渥美火力発電所について地元の方々が一排煙の問題あるいは温排水の問題、火力発電所の建設に伴ういろいろな各地で起こっております問題があるということ、それから町長の問題、そういうことを伺っております。
○森下昭司君 そのいろいろなお話の中で、いま長官が当時の記憶からまいりまして、何が一番いま記憶として、問題だというふうにお聞きになっておるが、重ねてお尋ねいたします。
○国務大臣(倉成正君) 町長がリコールされておると、そういう問題が一番頭に残っております。
○森下昭司君 私は後ほど通産大臣にじっくりとお聞きをいたしたいと思っておるのでありますが、電調審はいま長官自身がお答えになりましたように、昨年の十二月二十七日でございました。で、二十五日というのは福田内閣が成立をいたしまして、失礼でありますけれども、両大臣が御就任になった日であります。二十六日は日曜日でありまして、その翌日が実は電調審でございます。長官は部下から御報告をお聞きになったというふうにいまお答えになっているのでありますが、常識的判断からまいりますと、私は非常に概括的な詳しいお話ではなくて概括的な、いわば新聞でまいりますと、タイトル程度の御報告ではなかっただろうかという感じが実際は率直にいたします。 本当に何年何月にどんなことが起きたのか、四十五年以来のことをずっと六年間回顧すれば、これはこの日程からまいりますれば、御多忙中の身でありまして、私はそこまではお聞きになれなかったのではないだろうか、物理的に無理があったのではないだろうかと推測をいたしておるわけであります。後ほどまた、喜多村さんがお見えになりますから、喜多村局長にちょっとお尋ねいたしますが、私は長官に、御退席になりますから要望いたしておきたいことは、そういう非常に物理的にむずかしいときに電調審が開かれましたけれども、長官自身が委員として御出席でございますけれども、本当の意味におけるこの渥美火力発電所増設問題に関する事細かな状況というものは、余り熟知しておみえになかったのではないだろうか。言うならば、言葉は悪いのでありますが、電調審における審議というものが形式的なものではなかっただろうかというふうにも思えるわけであります。そういう点について私は今後の電調審のあり方として、紛争があるべき地点は、十分にひとつ事情聴取とその実態把握というものに努められるように長官自身が御努力を願いたい。そのことが逆に言えば紛争を抑え、そして円満に物事を解決する一つの道に通ずる場合もあるということを申し上げて、今後の問題等についての長官の、もしも御所見があればお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(倉成正君) まことにごもっともな御意見であると思います。私の地元にも松島火力というのをいま実施いたしておりまして、私もこの事業についてはいろいろ関心を持って地元の細かい事情、漁業の紛争の問題等も承知しております。 したがいまして、渥美火力の問題につきましてもちょうど就任早々でございましたけれども、先ほどエネルギー庁長官から申しましたように、非常に需給事情が中部についてはいろいろ問題がある、知多の問題もございますし、そういうことで大体の事情を聞いて、先生のお話のように、もう細部の細部までということになりますと、物理的には時間ございませんでしたが、大体様子を伺って、この時期に審議会をやるのが適当であると判断をいたした次第でございます。今後とも御意見の点は十分努力してまいりたいと思っております。
○森下昭司君 通産大臣、まことに申しわけございませんが同じような御質問を申し上げますが、大臣からも同じようなお答えが私は返ってくるのではないかと思うのでありますが、この点に対する大臣のまず御認識をひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたしますが、渥美火力の問題の四十六年の六月一号機、十月には二号機の運転の開始をしておる。ところが地元におきましていろいろ問題が発生いたしたということは長官の方から聞いてはおりましたが、御指摘のように就任早々のことでもございまして、余り詳細な報告を当初から率直に申しまして伺ってはおらない事情でございます。 なおまた、七十回の電調審で決定いたしました電源につきましては、数カ月以上にわたりまして、NOXあるいはまた温排水等の環境問題を中心としての、関係省庁間で慎重な審議、検討が進められておりました由がございますが、なお七十回の電調審の開催は、電力の安定的確保及び景気浮揚対策のためのきわめて緊急を要しまする課題でもあったわけでございまして、本件につきまして、今後ともに十分に配意してまいりたいと思っております。
○森下昭司君 私は、景気浮揚効果を出すために電調審で渥美火力問題についてはお急ぎになった感じなきにしもあらずだと思うんであります。 と言うのは、先ほど経企庁長官は、町長リコール問題が一番印象に残っておるという御報告がございました。私は、あえて通産大臣にはそういったことをお聞きいたしません。後ほど詳しくお聞きしようと思っておりますからあえてお聞きしなかったのでありますが、この電調審の開かれておりました十二月の二十七日というのは、町長リコール運動の真っ最中だったんです。町長のリコール運動が仮に成功したと仮定をいたしました場合は、新しい町民の意思の表示だとこれは受け取らなくちゃならぬわけなんです。新しい住民の意思を尊重するという第七十回電調審と、環境庁並びに通産省のエネルギー庁との間における確認文書の趣旨からまいりましても当然でありますし、地方自治の精神、まあ国政の基本的な問題だと思うんであります。そういう、いわゆる背景としてリコール運動が行われている最中にあえて七十回電調審でこのことをお決めになったということは、やはり一面において住民無視ということに通ずるのではないか。現に私は、先ほど最初にお尋ねいたしました電調審の計画承認の達成率の問題のときに、原子力発電は本年度三百三十三万キロに対して、東京電力福島第三号機百十万キロと述べましたが、これは一月の段階なんです。私は、そのいわゆるリコール運動の真っ最中に渥美火力増設問題を電調審でお決めになるということは、住民の意思というものを逆なでをすると。言うならばリコール運動無視、住民の意思はどうあろうとも景気浮揚の効果をねらう、あるいは電力発電ということは二の次にいたしましても、景気浮揚の効果をねらうということが優先をいたしました産業経済優先主義という考えがあったのではないだろうかという感じがいたすんでありますが、なぜリコール運動の帰趨を御判断の上に、電調審で決めるという態度をおとりにならなかったのか。これは経企庁との関連もございます。しかし通産省が実際の建設承認、許可等を与える立場にもありますので、もしも差し支えなければ、電調審がなぜそれを決めなければならなかったのか、七十回の電調審で決めねばならなかった理由は何なのか、具体的にひとつお答えいただければ幸いです。
○政府委員(橋本利一君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、決して住民無視といったようなことではございませんで、一つには電力の安定的確保、中部地域が特に安定供給につきまして懸念される点が多かったといったようなこともあるわけでございますが、一方、電調審を通りましてもすぐ直ちに着工に入るというわけじゃございませんし、かたがた後ほど公益部長からもお答えすることになろうかと思いますが、環境庁との間にいわゆる確認事項を取り交わしまして、十分にそういったことのないように配慮いたしておるわけでございます。したがいまして電調審を通してはございますが、いわゆる着工の認可に至るまでにはかなりの手続が要るわけでございますので、そういった段階におきまして住民の意見、意思というものを十分反映してまいりたい、かような立場で昨年年末、差し迫った段階であったわけでございますが電調審に上程いたしたと、こういうことでございます。
○森下昭司君 まあ一応住民の意思を無視したという考え方はないという点を強調されたのでありますが、町長がその後、二日後に辞任をいたしました。そうして一月の二十七日から町長選挙が行われまして、町を二分する大選挙でありまして、結果からまいりますれば建設推進派が推薦をいたしました町長が、辛うじてという表現が正しいと思うのでありますが、お互いに七千票台で、五百四十六票差で当選をされたという事実があります。この事実を裏書きいたしますと、いかに渥美町におきましては、この火力発電所の増設問題が重要な住民の一つの大きな課題であったかということを私は物語っているのではないだろうかというふうに実は考えているわけであります。 そういう意味において、私はそういう重要な、いわゆる住民に大きな影響を与える問題であればこそ、少し慎重な態度をもって対処することの方が、かえって先ほど経企庁長官に申し上げましたとおりに紛争を解決する一つの道に通ずる場合もあったのではないか。電調審で強硬に増設を承認なさらなくとも、私は一月の段階でもでき得たでありましょう。かえってそういうリコール運動の真っ最中に電調審で御承認なさったことが、紛争に輪をかけたような結果に相なっているのではないだろうかというような実は感じがいたすわけであります。そこに電力供給安定という大義名分はともかくといたしまして、大臣からいみじくも景気浮揚効果をねらったというお話がありましたが、私は余りにも景気浮揚効果をねらい過ぎたため、あるいはそのこと自体が一つの前提として、こういった問題をなりふり構わずにお決めになったのではないだろうかというような感じなきにしもあらずであります。 そこで、具体的に細かいことをただいまから聞いてまいりますが、最初に経企庁の総合計画局長にお尋ねをいたしますが、昭和五十一年十二月二十四日付で愛知県知事より、この火力発電所四号機計画についての回答が出されておりますが、この回答が経企庁に出されましたまでの経過についてお尋ねいたします。
○政府委員(喜多村治雄君) 電調審は御存じのように電源開発に関します基本的な事項を調査審議するところでございます。基本的な事項と申しますのは政令にもございますように、だれがどこで、どの程度の原動力で、最大出力はどの程度かといった一般的基本事項であると理解いたしております。電調審みずからの基準といたしまして、この審議の俎上に上げます場合には地元の調整というものを十分とってくることを方針として、審議の前提といたしておるわけでございますけれども、この方針に従いまして、私どもはいろいろと地元の事情というものにつきまして、関係各省の情報を通じていろんなものを聞いてまいりましたり、あるいは私ども自体が陳情なりあるいはいろんなことを聞いてまいってというようなことを総合いたしまして判断をいたしておるわけでございますけれども、形を整えます場合には、やはり地元の意向というものを一番よく知悉しておられる知事というものの判断が、最終的に必要であるというように考えておりまして、電調審の手続といたしましても、最終的には知事の判断を求めるということをしてはどうかというような方針をとっておるわけでございます。 したがいまして、文書の日付等々につきましては、きわめて形式的なようにおとりになるかもしれませんけれども、その前提的な判断といたしましては、いろいろ県との間のやりとりもございますし、地元のやりとりもございますんですけれども、最終的には当時の総合計画局長の名前でもちまして、これはどの地域についてもそうでございますけれども、愛知県知事に対しまして、こういう電調審に審議し、新規に計画に組み入れることを検討したいと思うけれども、地元の情勢等も十分判断した上で知事さんの御意見を聞きたいということを、計画局長名で十二月二十日にお問い合わせをしたわけでございます。知事さんとしましては、もちろん十分平生におきまして地元の情勢も把握なさっておられると思いますけれども、改めて渥美町長からの報告を伺われ、あるいは中部電力からの同意書についても確認を求められた上で回答が来たというのが、いま先生仰せの十二月二十四日付の愛知県知事から当時の宮崎局長あての文面でございます。 この中身は、もちろんこの渥美火力につきまして、五十一年度の電源開発基本計画に新規着手地点として組み入れることには異議がないということがまず本文に書かれておりまして、後には地方の事情として、現在渥美町長からもこれについて同意しておるということについても書かれておりますし、また渥美町長が同意をしたことについては、反対派のグループによるリコール運動が行われておるということについての情報も提供されておるわけでございます。 以上でございます。
○森下昭司君 文書はいま局長がお答えになったのに間違いございませんが、ただ一言お尋ねしておきたいことがございます。 それは、いま回答——県知事からの回答文書の中に「反対派グループ」という表現の中に括弧して「一部」という表現を使ってある。私は先ほど、リコール運動の真っ最中になぜ電調審で決めなければならなかったのかということを重ねてお尋ねしておったわけでありますが、この文書の中にも「反対派(一部)グループによるリコール運動が行われていることを申し添えます。」という点がこれ正式回答になっております。 この文字を、局長がいま前段でお答えになりました地元の情勢を十分に踏まえ、地元の情勢を十分判断した上で回答を求めた趣旨からまいりますれば、経済企画庁としてこの最後の表現をどう評価しておみえになるのか、重ねてお尋ねします。
○政府委員(喜多村治雄君) この問題につきましては、電調審にかかるちょっと以前から非常に微妙な動きがいろんな団体にあったことは承知いたしております。したがいまして、そのすべての反対派の人たちがリコール運動をしているのではないという、こういうことだと存じましてこの括弧書きがあるんだろうと思います。この一部がどういう団体の人であり、そうでないがどういう人たちであるかということについては私どもは十分知っておりませんけれども、反対派すべての人がリコール運動を行ったのではないと、こういう解釈をしております。
○森下昭司君 申しわけございませんけれども、最初にお答えになりました電調審前にそういった動きがあるという、いろんな動きがあるということは承知をしておったというのはいつごろからですか、そういう。
○政府委員(喜多村治雄君) これにつきましては、四十五年以来の長い六年ぐらいの経過があります中で、いろんな住民の方の反対もありましたし、また、もっと推進しろという賛成派の方々の動きもございまして、私どもはそれなりに情報をつかんでおるわけでございますけれども、こういう、少し微妙になってまいりましたのは、直接私どもの方の電源開発官の方にいろんなことを持ってまいりましたのは、五十一年の夏ごろからではないかと思っております。
○森下昭司君 これは全く私はもう認識不足もはなはだしいと思うんでありますね。私ここに過去のずっと新聞の切り抜き等を印刷したものを持っておるんでありますが、もうこれは反対派というよりもいろんな動きは、一、二号機建設当時からあったわけであります。ダンプカーが農道を壊す云々というような、細かいものでは切りがございませんが、あります。そうして四十六年当時は公害防止協定の調印問題をめぐって町と中部電力が公害防止協定を結んだ内容が、県側から余りにも内容がずさんだというので注意を受けまして、改めて公害防止協定を結び直さなければならぬような指導が行われた当時から、郡医師会を中心にいたしまして三、四号機増設反対の運動が起こり、昭和四十七年に至りましては市民団体が集まりまして反対のいわゆる会が設けられております。あるいは公害を勉強する会でありまするとか、いろんなものが設けられております。こんな当時いま局長が言われましたように賛成の運動は一つもありませんよ。賛成の運動が起きましたのは、いま局長が最後に言われました五十一年十月に町議会の全員協議会が行われました後リコール運動がおき、その当時から推進をする派が初めて具体的な会をつくり、運動を開始しているんです。全くそれは認識が違いますよ。こういう長い抵抗の歴史といいますか、そういうものがこの短い文章ではありますが、県知事も書かざるを得ないという状況になっているわけです。 もしも局長がおっしゃいますようにいろんな——あながたその当時在任ではございませんけれども、単なる運動でありますればこんなこと書く必要なかったはずです。なぜリコール運動に発展せざるを得なかったか、その経緯をやはり事務を担当する経企庁が十分把握されていなかった、これは私非常に残念なことだと思うが、どうですか。
○政府委員(喜多村治雄君) 私は、賛成派があったということを申し上げましたのは、四十五年の町公害対策委員会におきまして増設計画についてこれを了承する旨町長に回答をしたとか、あるいはそれ以後の公害防止の関係の方々が賛意を表されたというような事実に基づいて申し上げたのでございます。もちろん反対運動がその過程において行われたことは当然でございますけれども、私たちの判断といたしましては、五十年十二月に行われました渥美町議会で増設推進を決議されましたことや、あるいは県の環境部長から町長あてに十分な対策を講ずれば環境は保全されるという回答をなされたことや、渥美町議会が五十一年十月二十五日の町議会におきまして——これは全員協議会と申すものだそうでございますが、二十六対二でもちまして県の回答に沿った環境保全対策の実施を条件として増設を承認したとか、そういった事実に基づいて申し上げたのでございまして、確かにそういう政治的な動きがその背景にありましたことについて、十分な知悉を持っておらなかったことは先生御指摘のとおりかと思いますけれども、私たちの判断はそういったもので判断をした次第でございます。
○森下昭司君 いや局長、ちょっとお間違いになっているんじゃありませんか。政治的な動きと言いますけれども、私は先ほど郡医師会という名前を使いましたが、ここに昭和四十六年四月三日の東海日日という豊橋を中心にした地方紙がございます。その地方紙の記事からまいりましても、「三、四号機増設には絶対反対〃医師の立場から〃渥美火力に町医師会」こういう見出しで事細かに、もうこの当時から町医師会は反対の態度を打ち出しているわけです。これは、町医師会がなぜこういうことをやったかというと、言うならば健康を守るという立場からこういうことをおやりになっているのでありまして、このこと自体は私は決して政治的運動でありますとか、政治的目標があったとか、そういう問題ではなくって、純粋に開発か人命尊重かという人間の人権の基本的立場に立った私は行動だと思うんですが、どうですか。
○政府委員(喜多村治雄君) 先ほど私申し上げました電調審の方針が四つばかりあるわけでございますけれども、その中の一つに、健康の問題でありますとか、環境の問題でありますとかを十分に考えておく必要があるというような方針がございますんですけれども、これにつきましては電調審にかけますに先立ちまして、環境庁なりあるいは私どもも一緒になって考えたわけでございますが、環境庁を中心にして検討をなさった成果として私どもは受け取っておる次第でございます。
○森下昭司君 いろいろ電調審でそういうことをおやりになったおやりになったと申しますが、私いまおたくの方から出されました経過の文書をいただいておりますが、たとえばいま全員協議会で二十六対二だったとか、いろんなお話がございましたが、実は全員協議会はそういう結果が出ておりますが、町長が同意を与えまするもう一つの機関といたしまして公害対策審議会というものが町に設けられているわけであります。この公害対策審議会は、若干委員の構成に不公正な点がありますが、このことはまあ抜きにいたしましても、二十名で構成されておりまして、当時二名が欠席いたしまして、十六名が賛成、二名が反対と報道されているんです。しかしその十六名の中で六名は、何と九項目にわたる条件つき賛成なんです。だから二十からこの条件つき賛成を引きますと、全く無条件に賛成という者は十名しかないんです。過半数を超えておりません、公害対策審議会は。県環境部から出された環境調査の結果を踏まえて町議会が全員協議会を開き、本来は採決すべき場ではないが、議長が念のためといって採決をとったらそういうような結果が出たという順序になるわけです。 それから四十八年とか四十九年とかという町議会の動向をお話しになりましたが、そういう町議会の動向に当時の町長は火力増設に同意を与えようといたしましたから、この町長はリコールの対象になったわけであります。しかし結果におきましてはリコール運動に発展せず、町長みずから辞任をいたしました。そして新しい、この間辞任をいたしまして鈴木さんという町長が五十年二月の町長選挙で増設反対を旗頭にして当選をしているんです。それからまた振り出しに戻って、いま申し上げたような五十一年の十月の町全員協議会なり公害対策審議会の結果になってきているんです。 こういう経過を踏まえる中で、反対グループによるリコール運動という表現を県知事がいたしておるわけであります。ところが四十九年の秋に全有権者を対象にいたしまして当時反対運動をしていた人々が署名運動をなさった経緯がございます。この経緯について知っている限り答えてください。
○政府委員(喜多村治雄君) 四十九年十一月でございますか、渥美の公害勉強会を中心とする増設反対派住民が、増設反対署名運動を開始しているということについては知っております。
○森下昭司君 内容、内容。それだけですか、知っているのは。
○説明員(飯島滋君) このときは公害勉強会が中心になりまして、渥美増設に伴い環境影響という観点から問題があるのではないかということで、住民のうち一万人程度の署名を集めたということを聞いております。
○森下昭司君 一万人とは全有権者の何%に当たったと思いますか。
○説明員(飯島滋君) 全有権者が大体一万七千名程度と聞いておりますから、過半数ではないかと思います。
○森下昭司君 そうですね。有権者たった一万六千七百三十三名です。ですからこれだけ、過半数以上の人が当時はもう反対しているんです。それから五十一年の二月十八日に、同じく公害勉強会を中心にいたしましてこの火力発電所が建ちまする土地の、中山地区、小中山地区というのがありますが、ここで戸別に、いわゆる訪問で調査をいたしました事実がございますが、御承知ですか。
○政府委員(喜多村治雄君) 私は存じておりません。
○森下昭司君 このときは戸別訪問いたしました結果、反対が三百八十二名、賛成が九十二名、不在・意見保留が六十二名なんです。こういう地元の火力発電所が建ちまする付近の中山、小中山地区におきましてはもう圧倒的に増設反対なんです。これ五十一年二月なんです。ですから局長の四十七年がどうだ、四十八年がどうだ、四十九年がどうだというような話は、先ほど申し上げたように五十年二月の新町長当選で一切白紙に戻っているんです。その後の経緯からいけば、賛成的動向は五十一年の町議会全員協議会と公害対策審議会。公害対策審議会も賛成は十人。それからもう一つ、そういう町議会の全員協議会なり公害対策審議会が判断をいたしました際に、何が資料として提出されたか、どういうものが資料として、前提として討議をされたか、そういうところお話をお聞きになっておりませんか。
○政府委員(喜多村治雄君) ちょっとその点については存じておりません。
○森下昭司君 これは先ほどもちょっとお話がありましたように、県側が出しました昭和五十一年十月のいわゆる公害関係に対する回答書だけなんです。そのほかその回答書を裏づける資料も何にも出されておりません。先ほど大臣か長官が言われましたように、県側が公害関係については、決してこれ以上悪くならないというようなものが出されておったというお話であります。それだけであります。中電から資料も何にも出ておりません。そういう形で、たった一片のこの文書のこれだけの文字で、これで地元の情勢が一番おわかりになっており、地元の情勢に一番明るい県知事の意見を聞いて判断をするんだという考え方が貫かれ、これによって十分生かされておるかどうかというと、いまの答弁でもう明らかであります。重要な反対の問題等について、あるいは重要な賛成等の経緯について全然事細かに御承知になっていない。とすれば私は、先ほど局長が強調されたように、地元の情勢に明るい県知事さんの判断を聞くのが一番正しいとするならば、電源開発促進法第十一条で「関係都道府県知事の意見の聴取」、これは必要がある場合と書いてあります。なぜこれをおやりにならなかったのか。
○政府委員(喜多村治雄君) 確かにその都道府県知事に電調審の方に来ていただきまして、その意見を申し述べていただくということがなされることの方が妥当のように聞こえますけれども、もうすでに集まられた電調審の席上で申し述べますよりも、むしろその前に具体的に、一般的にまた抽象的ではなく、非常に具体的な判断をあらかじめ求めて電調審にかけた方がいいのではないかという電調審側の判断もございまして、先ほど申し上げましたように地元の調整が整っておるということがなければ、電調審の審議に乗せないという方針があるものでございますから、まあ法律、政令には書いてございませんけれども、そういった趣旨を前進的に先取りいたしましてそういう手続をとっておるわけでございます。
○森下昭司君 いや全く理解できませんですね。繰り返すようでありますが、地元の情勢が一番よくわかる知事の判断を求めることが電調審の意向だと言っておる。だから、十二月二十日で文書で意見を求めている。回答は十二月二十四日にきた。その回答文書などを私は聞いてみますと、事細かなことは御存じない。たとえば、「反対派(一部)グループ」、一体四十九年に過半数を超えるような人々が署名したこのいわゆる火力増設問題について、いま行われております反対運動というものは本当にほんの一部のグループによるリコール運動と言えるでありましょうか。残念ながら、リコール運動が行われておりました真っ最中に町長が辞任届を出しましたために、リコールは自然消滅という形になりました。したがってリコールの結果については明らかにされておりません。することはでき得ないわけであります。だから私は、最初から申し上げたとおり一つは、リコール運動が行われておりまするから、決着がつくまで電調審の決定を待つことが妥当ではなかったかということを言っているわけです。しかしそれは間違いではない、間違いではないと言うから、それじゃ電調審で、本当に渥美火力増設問題について確実な認識が行われ、いろいろな問題が俎上に上せられて十分討議をされたかということを私は聞いているわけです。ところがこの一片の文書だけでは、いま私がやりとり聞いておれば、抜けた点もありましょうし、あるいは御承知であっても「反対派(一部)グループ」というのは、たとえば四十九年の十一月の署名運動の過半数を超えておっても、一部という評価をなさっているのかどうか、いろいろな問題点がたくさんある。十分解明されていない、この文書は。 だから、十一条で知事を実際呼んでおやりになった方がいいんじゃないですか。そのことが一番地元の情勢に明るい、地元の情勢を的確に私は各委員がお聞きすることができ得たのではないか。たとえば公害対策審議会のお話、私しましたね。こんなこと失礼ですが、電調審の会議で、二十名の委員で二名が欠席して、十六名が賛成いたしましたけれども、六名は九項目の条件をつけて、条件つき賛成ですなんて報告はなされていないはずです。なされているんですか、そういうことは。
○説明員(飯島滋君) 経緯については報告をいただいております。
○森下昭司君 何ですか。
○説明員(飯島滋君) そういう、いま先生おっしゃったような六名が条件つきで賛成であった、十名が回答を承認するという報告は受けております。
○森下昭司君 いや、受けておるけれども、電調審で報告したかと聞いておるんです。
○説明員(飯島滋君) 数字までは申し上げなかったかと思います。
○森下昭司君 私が言ったように、十六名のうち六名が条件つき賛成、委員二十名ですよ。一〇〇%賛成は過半数超えてないじゃないですか。それをあなたの方の文書によりますと、町の公害対策審議会あるいは自治会長会議に諮り、町長においては賛成が多数であったことからと書いてある。どこに賛成が多数か。形式的多数ですよ。それから自治会長の問題だってそうでしょう。自治会長が辞任しているでしょう。地元の中山地区の自治会長——町会議員ですよ。町長、町総会へ行って、何で賛成したかと言ったら、いや皆さんの意思だって言う。おれたちの意思は反対じゃないかと言った。絶対多数が反対です、先ほど申し上げた。いまでも反対です。そうしたらその自治会長は、私個人の意見で賛成しました、申しわけございませんと言って辞表を出しているんです。それが町の全員協議会の実態なんです。自治会長会議の実態なんですよ。こういうことを電調審の会議に報告なさらないで、町長が賛成多数であったといって報告があったから同意をしたと、そういう手続がなされたから大丈夫ですという考え方だけで計画を承認するということは、私はさっきも言った大臣が御就任になって間もない、そして電調審自身が形式的な論議、形骸化された論議が行われて進んでおるのではないか。そこに電力供給安定という大義名分の中に、景気浮揚効果をねらったという強行策というものが、姿が出てくるのではないだろうかという感じを私は指摘をしておるのでありまして、私は先ほど喜多村局長が言われましたように、電源開発促進法十一条で知事をなぜ呼ばない。全く理解できません、そんなお話では。こういう重要な問題があればこそ、お呼びになって直接聞いたらいいじゃないですか。そして反対派グループの一部とはどの程度のものを指すのか、具体的に。私はやっぱり事実認識というものがあって初めて計画承認が、それを前提として行われるのが妥当だというふうに考えているわけでありまして、まことに私は電調審における経済企画庁がおとりになった事務の進め方というものについては、強い不満をこの機会に表明して、午前中の質問を終わります。
○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。 午後は一時三十分より再開いたします。 午前十一時三十五分休憩 —————・————— 午後一時三十二分開会
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○森下昭司君 午前中に電調審の審査の一部について御質問いたしまして、電調審におきまして詳細な事態というものが把握されていなかったのではないかという感じがいたしますが、それはともかくといたしまして、計画が認可になったわけでありますので、今後電気事業法に基づく工事実施の問題が残るわけでありますので、そのことを前提といたしまして質問をひとついたしたい、かように存ずるわけであります。 最初に、七十回電調審の際に環境庁と資源エネルギー庁との間におきましていわゆる確認事項というのが文書によって行われたわけであります。これは言うならば、大規模火力の立地に際しまして、今後環境保持というたてまえの上に立ちまして、どうあるべきかという点について住民に要するに公開をして周知をせしめ、そしてまた住民の意見があればこれを採用していくという、いわば三つの原則を確認したということに相なっているわけであります。この点について、今後この渥美火力増設問題と関連をいたしまして、この確認文書の中で、一月末までに地方公共団体と環境庁との間において許容計画排出量等についての作業が終わることになっておるようでありまして、一応この経過につきましてどういま行われてきたのかお尋ねをいたします。
○政府委員(服部典徳君) ただいまお尋ねの七十回電調審に際しましての私どもと環境庁との間の確認事項でございますが、去年の十二月二十三日に確認事項として文書で取り交わしたわけでございますが、御指摘のように今後の立地に関しまして環境保全上の検討結果を公開し、周知し、それから、適切な意見については計画に反映するように事業者を指導するということが一つの内容になっております。 またもう一点といたしましては、本年の一月末日を目途にいたしまして、地方公共団体と環境庁との間に許容計画排出量につきまして検討を行う、その検討結果を踏まえて事業実施の処分を行うということが決められているわけでございますが、その検討結果につきましては、私ども環境庁から三月三日付の日付で文書で回答をいただいているわけでございます。
○森下昭司君 では環境庁の担当者にお伺いしますが、その文書のおおよその内容はどういうことを御回答なさっていますか。
○説明員(大塩敏樹君) 渥美火力発電所四号機の増設計画につきましては、昨年末以降愛知県が作成しました資料等に基づきまして慎重に検討いたしました結果、五つの内容につきまして留意されたい旨回答してございます。 第一点は、「当該地域の大気汚染の現状にかんがみ、地方公共団体が策定する地域削減計画に沿って、武豊発電所その他周辺地域の発電所の窒素酸化物及びばいじんの排出量の削減に努力すること。」二番目、「渥美火力発電所3、4号機の脱硝装置が所定どおり稼働しない場合には、所要の措置を講ずることにより、計画排出量を超える窒素酸化物を排出しないこと。」三番目、「発電所機器の運転故障等により、周辺地域の農作物に悪影響を与えることがないよう十分配慮するとともに、地方公共団体に協力して大気の監視を行い、その結果に応じて所要の対策を行うこと。」四番目、「水質等の定期的監視を十分に行い、その結果に応じて所要の対策を行うこと。」五番目、「温排水によるのり漁場への悪影響がみられた場合には、適切な措置を講ずること。」以上でございます。
○森下昭司君 このいま御回答になりました前提といたしますのは、愛知県が出されました回答、これは渥美町が県に対しまして環境保全についての疑問点をただしたのに対しまして、県が渥美町に対しましてかくかくの状態であるので環境が保持できるという回答、これを前提になさっていまのような三月三日付の回答を通産省の方に出されたということなりますか。
○説明員(大塩敏樹君) 私どもが主として検討いたしましたのは、大気保全関係並びに水質汚濁関係でございます。県が地方に示された資料等は承知いたしておりますが、この東三河地域は本年一月二十八日、内閣総理大臣の承認を経て決定されました公害防止計画の策定地域でございます。したがいまして私どもは従来公害防止計画の対象地域でございます名古屋地区あるいは衣浦、西三河地区並びにこの東三河地区全体の大気汚染の問題等について、愛知県が作業されました結果に基づいてこのような意見を出したわけでございます。温排水につきましては主として事業者がやられた分でございますが、これもあわせて検討いたしております。
○森下昭司君 これは先ほど私午前中にも申し上げたのでありますが、町の全員協議会でありますとか公害対策審議会でありますとか、そういったところは町が県に要するに環境評価について依頼をいたしまして、それに対しまして県が町に対しまして回答したものだけを前提として討議が行われたという点を指摘をいたしたのでありまして、いま環境庁のお答えを聞いておりますと、全体的立場から県のいろいろな問題が出されて云々というお話がございましたが、やはり基礎は私はこの回答が一つの主体になっているのではないだろうかというふうに考えているわけであります。そこでいま環境庁から所要な五つの点について回答が出された点がございましたが、この確認文書、回答に基づきましてですね、住民に公開をいたしまして周知徹底をさせ、住民の意見を取り入れるものがあれば取り入れていくという手続を経て、そういうようなことが完全に実施できるように事業所を指導するということになっておるわけでありまして、この点に対しまして、このような手続を経るように事業所を指導していくお考え方があるのかどうか。これは、大臣から直接お答えを願いたいと思うのであります。
○国務大臣(田中龍夫君) 渥美火力の四号につきましては、両省庁間で確認した事項に沿いまして、立地にかかる環境保全上の検討結果をば公開いたし、地域住民等にさらに周知を図るとともに、適切な意見につきましては計画に反映するよう、事業者を指導してまいる考えでございます。
○森下昭司君 そこで、原則的なことをお聞きいたしますが、いまそういうようなお答えをいただいたわけでありますが、そういたしますと電気事業法に基づきまして、まあ八条とか四十一条とかあるいは二十四条とか関係してまいりますが、こういう事業実施の処分との関係はどういうようにお考えになっていますか。言葉をかえて言えば、こういう手続が事業者によって完全に行われたと通産大臣が認めない限り工事処分は行わないということになるのかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(服部典徳君) 私ども、先ほど来の話に出ました環境庁と通産省との間の確認事項の線に沿って事業者を指導していくという方針でございますので、八条許可に当たりましては当然周知、公開、それから適切な意見についての計画への反映という対策が十分とられているかどうかという点はチェックをいたしたいと思います。
○森下昭司君 長官、重ねてお尋ねいたしますが、本当は大臣にお答え願いたいのでありますが、どうも御存じないようでありますが、いま公益事業部長からお答えがございましたが、私の聞いておりますのは電気事業法との関係でありまするから、そういう確認事項が事業者によって適切に手順を踏んで守られた、行われてきたと確認をしなければ工事の実施の処分はしないという理解をしていいかどうか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(橋本利一君) ただいま部長からもお答えをいたしましたようにいわゆる公開、周知、意見の反映、こういった手順を十分踏むように指導すると同時に、そういった指導の成果を見守りながら、事業法の許可は慎重に取り扱ってまいりたいと考えております。
○森下昭司君 その見守りながらというお答えがございまして、私言葉じりをとらえるわけではありませんが、見守るでなくて、そういう手続は大臣が先ほど最初に総括的にお答えになりましたように、事業所を指導監督すると言われたんですから、その指導監督の中でこの手続が私は完全という言葉をあえて使わさせていただきますが、完全に手続を踏まなければ事業実施の処分を行わないという理解に立つのが常識じゃないかと思うんです。そのいわゆる手続を見守りながらというのは、並行的に問題を考えるという理解の仕方じゃしようがないですよ。これでは私は、確認事項の趣旨というものは生かされないきらいがあると思うのでありますが、この点もう一遍重ねてお尋ねします。
○政府委員(橋本利一君) 私の申し上げたのは、単純に見守っているということではございませんで、指導して、その指導の結果がどうように会社側計画に生かされていくかということを見るということでございまして、じっと見守っておるというわけではございません。ただ、いろいろな事情もございますんで、われわれといたしましては午前中以来先生からも御指摘のあるような事情も踏まえまして慎重に対処したい、こういうふうに思うわけです。
○森下昭司君 そこで、私いま環境庁の五つのお答えの中で、一番私気がかりになりますのは、脱硝装置の問題ですね。窒素酸化物をどう取るのか、これはダーティー排ガス方式で実用化というのは、環境庁も通産省もいままで技術的には非常に困難性があるということを常々言っておみえになったわけであります。まあ、セミーダーティーという言葉をお使いになりまして、ダーティーではなくてセミダーティーならば、一年ないし二年以内に技術的に可能だという見解をお示しになった。それがいわゆる電調審における渥美火力四号機増設の認可をする一つの大きな根拠にもなったというふうに思うんであります。しかし原子力発電ではございませんが、これが故障続きでいろんな改良が重ねられておる。あるいはまた、この渥美火力の一号機、二号機の際にも集じん装置が故障をいたしまして、昭和四十八年のたしか一月であると記憶をいたしておりますが、キャベツに黒い斑点ができて、中部電力もその原因が集じん機の故障にあったことを認めて、約一億円の補償金を三農協に支払った事実がございます。故障しないとは言えないわけなんです。しかも、いまだ技術的には完全に開発されていないという前提であります。脱硝装置で所要の措置を講ずる——言葉の上では単純でありますが、私は一体脱硝装置というものが本当にこの一年以内に技術開発が可能なのかどうか。また、ダーティー排ガスがなぜセミダーティー排ガス方式になっているのか。この辺の具体的な相違点をお述べいただきたいと思います。
○政府委員(服部典徳君) 脱硝技術、なかなかむずかしい問題でございますが、いま御指摘のセミダーティーとダーティーの違いでございますが、ダーティー排ガス用脱硝装置といいます場合には、私どもは石炭を燃料といたします発電所の場合にダーティー排ガス用脱硝というふうに呼んでおりまして、重油あるいは原油を燃料にいたします場合にはセミダーティー排ガスという言葉の使い方をいたしております。 技術的に申しまして、ダーティー排ガス用の脱硝装置の場合には、セミダーティーの脱硝装置に加えまして高温電気式集じん機を設置するという点がさらに加わるわけでございまして、その点が違うわけでございますが、その他の点はセミダーティーでもダーティーでも全く同様の設備で可能である。それから技術的にどうかというお尋ねでございますが、ごく最近になりまして、実例といたしましては関西電力の海南発電所、これは四十五万キロワットの発電所でございます。これに設置される大型脱硝装置が近々運転に入るわけでございます。そういう実例から見まして技術的には信頼性のある方向に向かっている、渥美の場合におきましても、技術的に万々遺漏はないというふうに考えているわけでございます。
○森下昭司君 万々遺漏がないといったって、現実に一号機、二号機の集じん機が故障して一億円の被害を与えたという実例を話しているんですから、それは答えの上では万々遺漏なきかもしれませんが、原子力発電でさえいまだ今日、日本に設置されて十年以上たったってまだまだこんな故障続きで、先ほど御指摘いたしましたように稼働率すら上がってないような状況なんです。 で、私はセミダーティーとダーティーの違いは石炭と重油、原油生だきの違いだというお話がありますが、私は一号機、二号機、三号機、四号機になりますと、二百四十万キロ、これは日本で東電の横須賀火力発電所に次ぐ第二の最大の火力発電基地になるわけです。それから粉じんも運転再開の五十四年を目指して〇・〇二から〇・〇一に少なくしますというお話がありますが、全体の総量というものはいまの百万キロが二百四十万キロになるんでありまするから、総量というのはふえてくるんですよ。とすれば、ダーティー方式を採用して、そして高温の電気集じん機をつけて万全を期していくという考え方に立つのが、公害を防止するという見地から私は望ましいのではないだろうかというふうに実は考えているんでありますが、環境庁はこういう点について先ほど御回答なさった中で、脱硝装置というお言葉だけでありますが、セミダーティーをとるのが妥当なのか、あるいはダーティー方式が妥当なのか、そういう点についての御見解はございませんか。
○説明員(大塩敏樹君) 脱硝装置の技術の進歩は急速に行われております。したがいましてそのダーティー、セミダーティーという言葉の技術の進捗状況に応じて異なった意味で使われていることも事実でございますが、私どもそれがどのようであれ、決められました窒素酸化物の排出量を守っていただくということに主眼を置いて審査したわけでございます。で、脱硝装置につきましては、先ほどお話ございましたような点について私ども説明を承り、もし万一の場合はというようなことでナフサ相当油というものも手当てをして許容量を上回ることがないという、こういう説明でございますので、その点について確認を求めたものでございます。
○森下昭司君 そういたしますと、技術的な効果というものについては、通産省側の説明を前提として判断をしたという理解の仕方でいいんですか。
○説明員(大塩敏樹君) この脱硝装置は大気保全行政を進める上で非常に重要なものでございまして、現在窒素酸化物の排出規制に対しましてもこの技術の評価が問題になっているわけでございますが、そういう意味ではこの脱硝技術の推移、実用化については環境庁としてはこれは非常に重要な関心を持っているわけでございます。ただ、大気汚染防止法によります規制と申しますのは、あくまで規制力を持った基準でございます。したがって現在、そういったものが基準を前提として脱硝装置が導入できるかどうかについては、なお大気保全局で検討中でございます。 私どもは、先ほどお話ございましたように、事業者がこうした計画をつくってきておられると、その技術については通産省の方で実用化についておよそのめどがたっている、しかも計画排出量を上回ることがないと、こういうことで判断したわけでございます。
○森下昭司君 環境庁としては率直に言えばダーティー方式なり、あるいはセミダーティー方式なり、そういった技術問題を通じまして、完全に窒素酸化物を除去できるかどうかという点については、率直に言えば若干の疑問点を持っているということに実は私はなるのではないかというふうに思うわけであります。 そこで、そのことを論ずるつもりはございませんが、仮にこの脱硝装置が今後完成をした場合——これ仮の話ですが、完成をした場合に、この脱硝装置をつけていま環境庁がお答えになりましたように大気保全をいわゆる保持することができなかったという場合、あるいは故障によって大気が汚染をされるというような事態、故障もたとえば数回とか、あるいはいろんな回数の問題もあるかもしれません、範囲の問題が具体的には出るかもしれません。そういう前者の場合はもちろん問題なく操業停止できますが、後者の場合でも先ほど申し上げました確認事項の趣旨と、それから県民の健康を守るというたてまえからいけば、当然私は運転を認めない、操業を停止させるという強い指導監督が必要だと思うんでありますが、そういうような場合に通産省はどういう態度をとる考え方があるのか、お聞きをいたしたい。
○政府委員(服部典徳君) 許容排出量は遵守しなければならないというふうに考えますので、脱硝装置が所定のとおりに稼働しないという場合には、燃料をたとえばナフサ相当の燃料というものに切りかえて、許容排出量が守られるような方向で指導するとか、場合によってはいまおっしゃった停止というような問題も含めて考えなきゃいかぬというふうに考えております。
○森下昭司君 この火力発電所はLNGを燃焼させることができるんですか。
○政府委員(服部典徳君) ただいま申し上げましたように、ナフサ相当品に切りかえることは可能でございますが、LNGに切りかえるということは技術的に不可能だと思います。
○森下昭司君 私は一つの県の回答を、環境庁も県の回答が基礎になっていると思います。この県の回答で、先ほど何遍でも申し上げましたが、町の全員協議会でもあるいは公害対策審議会でも、環境が保持できると判断なさっておる、その県の長がナフサに切りかえるようにできるかどうかという問い合わせをした、県は公式文書で、「LNG導入を図ることを期待する。」と書いてあります。技術的に不可能なことを期待すると書いてあります。いかに回答というものが町民に幻想を与え、もっと言うならば中電に同意を与えるという立場に立った回答であるかということは、この回答の公式文書一つを見ればわかる。それを前提に町長は町議会に諮って、町の全員協議会、公害対策審議会に諮ってそうして多数が賛成だ——公害対策審議会を私は多数とは思いませんよ。そうしてこのいわゆる回答文書をお出しになっている。全く私は技術的に無知な町民を欺瞞的な方法で建設へ強引に引っ張っていくような文書ではないかと思います。だから全体のシミュレーションを基礎にして、大気汚染だとか水質汚染だとか、あるいはまた騒音・振動だとか悪臭だとか、あるいは産業廃棄物の関係とか全部書いてありますがね、全くその信憑性については欠ける点があるのではないか、これはもう先ほど午前中に喜多村局長にも再三申し上げているんです。こういう回答をもとに電調審においていわゆる計画承認をするようなやり方は妥当性を欠く、私は再三申し上げたんだけれども、一つの証左としてこういう点がある、まことに私は残念だと思うんであります。したがって、いま申し上げましたようにナフサ類ですね、ナフサに相当するものに転換はできるけれども、LNGでは技術的に不可能であるということをいまお聞きいたしたわけであります。 その中から、今後のいわゆる工事の処分を行うに当たっては、こういった点についてやはり前提条件において妥当性を欠く点がありますので、先ほど住民に公開、周知、意見採用という三原則をお示しになって、それを大臣も手続を事業者に踏ませると言った以上は、私は本工事処分の問題については慎重な態度をとらざるを得ないと思うんでありますが、この点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点非常にごもっともでございます。われわれといたしましても、いま指摘されたような点を十分踏まえまして、電気事業法による許可に当たりましては慎重に対処してまいりたい、かように考えます。
○森下昭司君 そこで、こういうような問題で同意を与えた町長の責任も重大でありまするが、同時に同意書が出ましてから電調審で計画が承認されました後に、中部電力側がとっておりまする態度についてひとつ通産省としてどう考えるか、お尋ねいたしたい。 電調審で通りますと中電側は直ちに一月着工説を表明いたしております。続いてリコール運動等が——町長が辞任いたしまして町長選挙が終わって、この選挙は先ほど申し上げたように五百四十六票差です。片方が七千六百余票、反対派の推薦した候補者が七千一百余票、五百四十六票という僅少差で賛成派の町長が当選をされた。その当選直後中電の会社は三月着工説を唱えている。最近に至りましては何か社長がオーストラリアへ視察中でありますから帰国後四月に着工したい、それは電力供給安定という大義名分をかさに着て態度表明をいたしまして、いわゆる早期着工ということを盛んに述べております。 いま長官あるいは大臣等がおとりになりました慎重な態度からまいりますと、いささか中電は、ただ単に会社の言うならば考え方、そういうものだけが優先する、先ほど私は産業政策優先だという言葉を使わしていただきましたが、そういう会社の考え方だけが優先をするという姿勢を見受けることができるのでありますが、こういう点について事業所を指導いたしまする通産省としてどういう御見解をお持ちになっているのかお尋ねします。
○政府委員(橋本利一君) 電力の安定供給を確保したいという立場から着工を急ぎたいという気持ちはわれわれもよくわかるわけでございますが、それがやり方によってはむしろ、俗な言葉で申し上げますと地域住民、地元住民を逆なでするようなことになって、結果としてはますます着工がおくれるということも間々あることでございますので、われわれといたしましては安定確保、現実のものにできるように慎重な態度で地元住民の理解と協力を得るように会社側を指導いたしたいと思います。
○森下昭司君 そこで喜多村局長にお尋ねいたしますが、電源開発促進法第三条に基づきまして多くの方から実は意見書が提出をされているわけであります。法律に基づきますが、「これをしんしゃくして必要な措置を講じなければならない。」ということになっているわけであります。この意見書について現在どのような進行状況になっておるのか、またこの意見書についての各省の態度がまとまるのはいつごろになるのか、この点ひとつ明らかにしていただきたい。
○政府委員(喜多村治雄君) 電源開発促進法第三条によりまして地元から意見書が提出されておりますが、愛知県知事を経由して農林大臣及び通商産業大臣あてに意見の申し出がなされております。件数といたしましては農林大臣あてが二十五件、六百五名、通商産業大臣あて二件、三名でございます。現在農林省及び通商産業省におきまして、この意見の趣旨に照らし、とるべき必要な措置について検討を行っている最中でございます。 経済企画庁といたしましては、これらの関係各省の措置が決まった段階で所要の措置をとりたいと思っておりますが、現在のところできるだけ早く関係各省がとるべき措置について検討していただくように要請をしておるところでございます。
○森下昭司君 この「必要な措置を講じなければならない。」というのは、具体的にはどういうことが想定されるんですか。
○政府委員(喜多村治雄君) 要求をされております内容でございますけれども、通産大臣に対しましては、これ以上火力増設はエネルギー政策の誤りであるとか、あるいは渥美は増設の適地ではないとか、公害発生をいま以上に増すことは言語道断であるとかというようなことでありまするし、また環境影響評価に信頼性がないのでもっと環境評価を十分しろとか、こういうことでございますので、こういう内容につきまして関係各省において十分検討なされるべきであると考えるわけでございます。 したがいましてこの措置と申しますのは、こういう意見に対しまして十分御検討を願った上で、納得がいくような答えをしていただくということが一つと、それからその答えの出方いかんによってその措置のとり方はいろいろございますけれども、従来の経緯からかんがみますと、たとえばそれを意見申し出の住民一人人一人に納得していただくための通知をするとか、そういうことに相なるかと思います。
○森下昭司君 いまいろんなことを申されましたが、それは局長、前提があるんですね。適地でないとか、あるいはこれ以上エネルギーは必要ないとか、いろんな前提があるわけなんです。それは先ほどから申し上げましたように、たとえばキャベツの問題だとか、あるいはごく最近に至りましては再び黒い斑点がキャベツに出たと。これは調査をいたしましたら渥美火力発電所の粉じんとは異質なものである。じゃどこからこういうような粉じんがつくのか、ビニールハウスに黒いタール状のしみがつく。また四十八年一月のようにキャベツに黒い斑点ができた。これは五十一年の一月から二月、三月にかけた事件ですね、こういう原因が少しも明かになっていないんです。それからたとえばいまいろんなことを結論的に申されましたが、たとえばよく例に出されますバカガイというのがあります、通称。これは火力発電所の温排水が出る前は浜へ行けばおもしろいほどとれるんですね。そういう点からもバカガイという名がついたのかもしれませんが、とにかくたくさんとれる。そういうものがこの火力発電所の温排水が出てからほとんどとれなくなってしまったということが、これが実は確認をされているわけであります。特にこの確認につきましては昭和四十六年ですか。渥美の町議会でも問題になりまして、いろいろと議会で論議をされた経緯等がございます。また、愛知県の水産試験場が昭和四十七年の四月にアサリで実験をしてみたんです、六万トン。個数にいたしますと二百万個のアサリを豊橋近海の牟呂という地元からとってまいりまして、これを放水口付近に一遍飼育してみたんです。何と三月間たたぬうちに二百万個のアサリが影も形もなくなってしまったという表現が妥当なぐらい、いわゆる試験で採取いたしました際にアサリがとれなかったのであります。それは多少のアサリはとれましたが、二百万個に比較いたしますとほとんど皆無であります。この水産試験場の報告を読んでみますると、たとえばここは漂砂があるので海底砂で埋もれてしまう。洗掘によって散逸をしてしまった結果ではないだろうか。ことさらいわゆる温排水との関係を否定するような報告が出されている。この原因もいまだ明らかにされていないのであります。あるいは閉塞性呼吸器疾患の問題については、これはもう経済企画庁の方にも御報告があったと思いますが、昭和四十六年渥美火力発電所一号機、二号機が運転を開始をして以来、四十六年当時に比べて五十年の渥美町の閉塞性呼吸器疾患患者は約二倍に上っておる。これは郡医師会がレセプトによっていわゆる統計数字をあらわしておるので現実の事実である。これもすなわち火力発電所の大気汚染によることが大きな原因ではないかと言われている。こういった数々の実態が失礼でありまするけれども、また先ほどの電調審ではありませんけれども、電調審では論議されておりません。こういう問題があって、先ほど長官がお述べになりましたように事態というものがしっかりと把握されておりませんから、私はやはり問題の処理に誤りが出てくるのではないだろうかと思うのでありまして、こういう点からまいりましても私は工事処分に当たっては慎重な態度が必要ではないだろうかというふうに実は考えているわけであります。 そこで、実は先日の愛知県の三月県議会の本会議で知事はこの渥美火力問題に触れまして、住民の意思を尊重することについてはこの間の町長選挙のどちらの候補者も変わりはなかったし、増設問題について慎重にかつ真剣に取り組んだ。町民の健康については今後十分説明をして納得を得なければならないと答え、その疑問点、たとえば五十一年一月、二月三月にかけては、黒い斑点のタール状のしみでありまするとか、あるいはキャベツに再び斑点が出た問題でありますとか、いま申し上げたような閉塞性呼吸器疾患患者がふえたことなど、すべて異常現象の点についての疑問点というものは、何が原因でそうなったかということを明確にしなくちゃいかぬということを答弁いたし、そして町長選挙の結果を踏まえて町の大多数の方に腹から納得してもらうことだ。賛成派の推薦した町長が勝ったから建設を進めるというようなことは極端なことだと答弁をいたしております。公式議事録に載っておる答弁であります。 こういうようないわゆる知事の趣旨からまいりましても、住民の納得を得た後に私は工事認可処分というのを行うのが妥当ではないだろうかというふうに考えているのでありますが、これはひとつ大臣といたしましても、先ほど長官からは慎重に検討するというお答えでありますが、大臣としての所見をひとつお聞かせいただきたい。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話でございますが、電源開発の円滑な実施に当たりましては、地域住民の理解と協力を得ますることが不可欠でございます。従来からも強く電気事業者を指導しておるところでございますが、渥美火力三、四号の許可につきましては、地元の動向等を踏まえまして十分に慎重に対処してまいりたい、かように存じます。
○森下昭司君 住民の動向等を十分にというお話でありますが、私はちょっと具体的にお尋ねいたしておきたいのでありますが、新しい町長が御当選なさいました後に建設という問題については、前町長が決定しておる問題でありまするからそういう前提はある。しかし住民がこれほど、町を二分するほど騒いだ問題でありますので、新しく環境問題審議会というものを設けてみんなの理解を得て事を進めていきたいと思っておる、そのためには中電に抵抗する場合もあるし、安易な妥協はいたしません、こういうような実は態度を述べております。その後具体的には町民の健康調査を郡医師会に依頼をされておりまするし、住民の不安を取り除かないことにはいわゆる事務手続を進めないということも住民に約束をされているわけであります。したがって、私は長官の言う慎重な態度、大臣の言う住民の意向というような二つの御答弁を一つの前提にいたしますならば、少なくとも新しい町長はそういうお考え方で具体的に健康調査を郡医師会にお願いをしてみたり、建設への手続は住民の納得を得るまでいたしませんということを表明し、かつ環境問題対策審議会等を設けてそこでやっていくんだ、そこで結論を得たいのだということをお述べになっているのでありまするから、少なくともこういう町の手続が終わりまして、町として態度を再確認したときを待って、私は工事処分の認可を行うのが妥当ではないかというふうに考えておりますが、具体的にその点についての大臣の所見をお尋ねいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) 渥美町におきます地域住民の理解を求めまして、必要な手続を進めることといたしておりますると聞いておりますので、通産省といたしましてはこれらの動向を十分に踏まえまして、事業実施の処分の検討を行ってまいる所存でございます。
○森下昭司君 そのような紋切り型の答弁じゃ回答になりません。現実に物事は進行しているんです。また、現実に紛争は起きているんです。先ほども長官自身がお述べになりましたように、紛争に輪をかけるような行為は慎むべきであるということを、中電のいわゆる持つ態度についての質問に対しお答えになっている。私はやはり紛争に輪をかけて広げるのではなく、紛争をおさめて住民の理解と納得を得るためにはどうしなければならないかという、具体的に町長が手続をするためにはこうしたいということを述べているわけなんです。 とすると、その手続を待って通産省は御判断なさるのが私は一番妥当性を持つのではないだろうかというような考え方を持っているわけなんです。そのことについてただ単に抽象的にですね、住民の動向を見てからとか、あるいは慎重にとかいうことだけでは問題の解決にはならないのじゃないですか。その点について具体的に県知事も本会議で述べ、具体的に新しい町長も述べているんですから、言うならば総じて町が再確認して態度を表明したときに、通産省として工事処分を行うということが私は民主主義のルールから言っても妥当ではないのだろうかと思うんでありますが、もう一遍重ねてお尋ねします。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御指摘でございますが、発電所であります電気工作物の変更区間に際しまして適用いたしまする電気事業法第五条の「許可の基準」には、県とか町当局の同意を必要とすることにはなっていないのでありますが、渥美火力の円滑な建設を進めてまいりますためには、地元の理解を前提にその意向を踏まえまして事業実施処分を行うことといたしたい、かような次第でございます。
○森下昭司君 なぜはっきり答弁できないのですか、それほど。地元の理解を得てということは、地元の理解を得るということは、やはり私は電調審でも地元の情勢が一番判断できる県知事さんの意見を聞いて、計画を承認したという経緯が答弁の中で明らかになっているのですよ。そして、文書回答をもっておみえになる。具体的に町長が町政の混乱をさけ、住民を納得させるためにはこういう手続を踏まなくちゃいかぬと言っている。県知事もつい最近の県会本会議で、大多数の町民の方に腹から納得してもらわなければだめだと言っているのです。愛知県の責任を持つ、地元の情勢が一番判断できる県知事でさえそう言っている。それが住民の理解を得るということと、いま県知事の言っていることとを比較対照して、そして具体的には、町長が一面において健康の問題に一つの大きな関心を持っているから、これは郡医師会で健康調査をしてもらいましょう、そして原因がどういうものかということをはっきりさせましょうと言っている。そして、一面において開発工事その他の工事の申請が出てまいりまするから、そういった点については十分住民の理解を得る。先ほど言ったキャベツの黒い斑点だって原因が明らかになっていないんですよ。バカガイだってそうです。アサリの貝だってそうです。県自体が二百万個のアサリを入れて、三月間でアサリがなくなっちゃう。廃油の影響だと言う。じゃ、それに大学側のいろいろな学者の意見があるかというと、意見は全然とってない。ただ事実現象だけを述べている。事実現象だけで、なぜそれが漂砂により海底に埋没したとか、洗掘による散逸だと推定されるということが出てくるんでしょうか。これは単なる現象面だけを勝手に判断しているだけなんです。具体的に町長はそういった問題を通じて環境問題対策審議会というものを設けて、そこでもう一遍町民が話し合っていったらいいではないか、そういう具体的な手続を町長自身がお述べになっているんです。それが大臣の言う住民の理解を得るということと同一じゃないですか。とすれば、そういう手続の終わった時点で工事処分を考えるとお答えになるのが当然じゃないですか、そんなことは。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生のおっしゃるような次第でございます。で、われわれといたしましては、何といいましても一番地元の実態をよく知っておられるのが町長でありまして、その町長の意向を尊重いたしまして慎重に対処いたしてまいりたい、かように考える次第であります。
○森下昭司君 わかりました。 それじゃ運輸省の方にちょっとお尋ねいたします。中山水道問題です。 これはいま申し上げたように、三号機、四号機をつけますと相当油の輸送が激しくならざるを得ない。一応いま三十数万トンの貯蔵タンクを九十何万キロまでふやすということは述べておりますが、新しい観点で防災問題が一つの話題に上っておりますが、それはともかくといたしまして、日量これから五百五十トンですか、という程度の油を使うようでありまするから、一、二、三、四号機が完成いたしますと相当な量になります。そこで、中山水道の大型船舶の通航が漁船にとって非常な脅威になっているし、きょうもタンカーが再び衝突をいたしまして海の汚染が心配されておりますが、中山水道はそれ以上に狭い水道でありまして、今日一万トン以下の船でしか通過できないと言われている。喫水がマイナス十メートル程度と言われております。そういう点におきまして中部電力は、油の輸送増強に備えましてシーバースに七万トン級の油送船が横づけできるように先日シーバースの増強が行われております。中山水道の通過船舶許容量とこのシーバースの改築とが合っていないわけでありますが、それはともかくとして、中山水道の船舶の通航推定量、それから一応今日計画的には五十四年運転が行われるのではないかという希望があるようでありますが、そういう五十四年、五年、六年ごろの船舶の通過推定量、それから当然そうなりますと、七万トンクラスまで接岸できるような航路しゅんせつ問題が出てくるわけでありまして、航路しゅんせつの問題等について運輸省の考え方を最後にお尋ねしておきます。
○説明員(小池力君) 中山水道の現状でございますが、先生御指摘のとおり、中山水道は伊良湖水道から分岐いたしまして渥美湾内の諸港へ出入りいたします船舶の航路となるものでございます。現状の航路の通航量の問題でございますが、昭和四十八年の八月に五日間の実態調査をやりましたところ、一般船舶が一日平均にいたしまして四十五隻、それから漁船が百六十八隻というような交通量になってございます。この渥美火力との関係でございますが、一口に中山水道と申しますのは、先ほど申しましたとおり渥美湾の諸港に入ります航路でございますけれども、先生のお話にもございましたとおり二つに分かれてございまして、一つは、伊良湖水道を通りましてから、伊勢湾に第三号灯標というのがございますが、そこから東の方へ参ります野島の南に出ていきます航路、これは先生がお話しでございましたとおりマイナス十メーターでございます。それから渥美火力の方に入ってまいります、巨大船が入りますものにつきましては、伊良湖水道の航路を出ましてすぐに北に変針いたしまして、渥美半島の西岸沿いに非常に水深の深い部分がございますが、そこを通って行っているというような状況でございます。 御質問にございました今後の船舶の見通しの問題でございますけれども、渥美湾の諸港の港湾貨物量の今後の動向、あるいは船型の大型化といったようなものを勘案いたしまして推計をいたします必要がございます。この中山水道の奥にございます渥美湾諸港、主なものは重要港湾の三河港でございますけれども、ここにつきましては港湾計画をいま見直している段階でございまして、この港湾計画の見直しに伴いまして、将来の三河港等の港湾貨物量の推計が上がってまいります。その時点で中山水道の船舶の航行量の見通しを立てたいというふうに考えている次第でございますので御了承をお願いいたします。
○森下昭司君 水道の改良。
○説明員(小池力君) どうも失礼いたしました。 この中山水道につきましては、先ほど申しましたとおり二つのルートで通っているわけでございますが、非常に屈曲の激しいところでございます。したがいまして航路の形を整える必要が確かにございますので、運輸省といたしましては昭和四十八年から港湾事業調査費によります調査を継続しているところでございます。なお五十二年度につきましても調査を実施する予定でございます。 航路の整備の計画といたしましては、この調査の結果を待ちまして航路の整備計画を立て、この事業を実施いたします段階は、さらに港湾法に基づきます開発保全航路の政令の指定という手続が必要でございますけれども、そういうような手続をとって実施に移していく。現段階では調査をなるべく速やかに終わらせたいというふうに考えておるところでございます。
○森下昭司君 終わります。
○加藤進君 私は、いま問題になっておりますスーパーの問題、大規模小売店舗の進出の問題について御質問を申し上げたいと思います。 いま大臣も御承知のとおり、大都市は言うに及ばず、中小都市からさらに地方都市へといま全国的にわたってスーパーの進出が行われています。この進出された地域の商店街やあるいは小売店は、そのために大きな打撃を受けています。したがって業者の方たちは、このようなスーパーの進出に対して勢い防衛せざるを得ないわけでございまして、今日もスーパーがすでに進出したところでも、あるいは進出中のところでも、さらに今後進出するであろうと予定されているところでも、ひとしく地元の小売業者の大きな反対運動が起こっています。こういうスーパーの進出と地元小売店との間の利害の調整を行う、そういう中で苦境に立つ地元小売業者の利益を守る、こういう立場に立って立法されておるのが大店法であろうと考えています。 ところで、地元商店街のさまざまな反対運動があるわけでございますけれども、こういう地元の商店街の意見を行政に十分反映するような保証が、やはりこの大店法の中にも明記されておると思うわけでございますけれども、その点はこの法律のどこに明記され、定められておるのか、この点を大臣からお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(濃野滋君) ただいま先生御指摘のように、最近におきましてスーパーを中心としましたいわゆる大手の小売業者、これが従来は大都市中心でございましたけれども、だんだん中小都市に大規模店舗の進出が目立ってきておるという傾向は私どもも十分承知をしておりまして、またそれだけに従来からございます地元の中小小売商業の方との間の権益問題、利害問題、これについていろんな問題が出てきております。 そこで、ただいま先生の御指摘の大店法でございますが、大店法はいわゆる四十九年にできましてここまで三年間でございますけれども、大規模店舗の店舗の新設、あるいは実際にその中での小売商業の商売を始める開始、これにつきまして届け出制をとりました。そして問題がある場合にはこれを審議会に諮り、通産大臣が調整、勧告、最後は命令をする、こういう法体系になっておりますが、いずれにいたしましてもこの法律のねらいといたしますところは、ただいま先生御指摘のように、地元の中小企業者の方々の権益の保護という問題のほかに、これからの流通近代化、あるいは消費者の利益というような問題も含めておりまして、それと同時に地元の問題でございますので、法律の大枠の範囲内でできるだけ地元の方の意見の調整ができるという体系をつくっております。したがって、現実には私どもは地元の商工会議所あるいは商工会を中心といたしまして、御案内の商調協という場で、いわゆる話し合いで全体の意見をまとめながら問題の解決を図る、こういう体制で個々の運用に当たっておるわけでございます。
○加藤進君 ただいまの御説明でございますけれども、やはりまず第一にこの法律の目的の中に、「この法律は、」「その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、」と、こういうことがあるわけでございますから、その意味では小売業の正常な発展、事業活動の機会を適正に確保するということに目的がなければならぬというふうに考えますが、その点は御異存がないと思います。つきまして、さらにいまお話しになりましたようにその間の利害の調整と申しますか、意見の調整を図るものとして、商工会議所の中に置かれている商調協に基づいてその間の取りまとめを行う、こういう説明でございますけれども、そういう説明であればあるほど、商調協の持つ役目というものは非常に大きいものである、こういうふうに見なくてはならぬわけでございますが、果たして今日の商調協が、その運営に当たって本当に地元関係者の意見を正しく反映しながら正常に運営されておるかどうか、この点は、私は通産省の行政指導の面においても十分に考慮しなくてはならぬ問題だと思いますけれども、その点はどうお考えになるんでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) ただいま先生の御指摘のとおり、この法律はいわゆる届け出制を前提といたしまして、最後は、問題のある案件につきまして大臣の勧告、命令ということで法律を担保しておりますが、実際の運用は大変地方の、地元の特殊事情等がございまして、私どもは流通近代化とかあるいは中小企業者の保護ということを国の立場で統一的に見るという商業政策と申しますか、小売商業に対する国の政策という一般的な方針を確保すると同時に、地元の具体的問題を片づけるという両面がございまして、御指摘のとおり商調協の運用がその中心、非常に重要な問題になってくると私ども強く認識をしております。ただ私ども、そういうことで商調協のあり方についての基本的な考え方、あるいは基本的な部分につきまして通達を出しまして基準を定めておりますが、個々の商調協の動きにつきましては、それぞれ地元の実情等を入れましたいろいろな運用の仕方等もあると思います。 先ほども申し上げましたように、法律施行以来三年、しかもだんだん中小都市の問題というのが大変むずかしい問題も出てまいりました。過去の、これまでの経験等も生かしながら今後も運用の改善を図りたいと思いますが、そういうことでいままでの運用状況等につきましてもいろいろな研究を進めておりまして、ますます運用改善を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○加藤進君 言われるように商調協の運用については基準が出されていますね、通達が。ところがその通達に基づいて果たして商調協が正常に運営されておるかどうか、これも私は行政の立場に立つ指導監督の問題ではないかと思っています。 そういう点で実は私のところに、静岡の業者の方から非常に綿密なお手紙をいただきました。この内容の全体をここでお読み上げ申し上げることは時間がございませんので、残念ながらそれは省略さしていただきますけれども、内容は次のようなものでございます。静岡駅の南側に進出するジャンボ静岡について訴えられておる手紙でございます。ジャンボ静岡については通産省の方にあらかじめ調査しておかれるようにとお願いしてますから、その経過についてはもうすでに御存じだと思いますので、その上に立って若干質問を申し上げたい、こういうふうに考えるわけでございます。 静岡市には昨年の春以来、シズオカヤ、キミサワなどの大中小スーパーの進出が相次いでいます。近辺の小売市場、商店街、小売店の大幅な売り上げ減が今日現に起こっています。そのためにたとえばシズオカヤショッピングセンターの進出によって静岡市の中の馬淵地区の小売業者は十軒近くが転廃業に追い込まれています。中でもシズオカヤに一番近い距離にあるニコニコマートという店は五店のうち、店舗所有者一人を残して全部転廃業というようなきわめて深刻な事態が出てきておるわけであります。こうした中で昨年の九月、ジャンボ静岡中央の進出という情報が地元紙によって報道されたわけでございますが、この手紙によって問題点となるところを拾ってみますと次のとおりになるわけであります。 地元の小売業者の方たちが商工会議所に聞きに行っても十分に回答もしてもらえない、こういう問題が提起されています。静岡市に聞いても市の商工部長は、現に手紙にございますけれどもこう言っております。商調協に出てもその場で文書が渡される、会議が終わるとその場でまた回収されてしまう。正確な計画内容を知らせてくれない、こういう商調協の実情が明らかに訴えられています。また別の委員の方の話によりますと、メモをとることもいけないといって禁止されている、こういうことであります。次に地元商店会の業者の人たちの意見を聞いてほしいというふうに商調協の事務局長に申し出たところが、答えは次のようであります。 商調協はそのようなことをやる必要はない、異議があれば官報を見て申し立ててくれればいいではないか、こういう答弁だそうであります。さらに商調協のメンバーには、駅南地域の商業者は一人もいないから出店計画も伝わってこない。われわれの意見をもっと聞いてほしい、こう言うと事務局長は、商工会議所の会員には商工会だよりというニュースがあるからそれで知っていただきたい、こういうのが返事として返ってきたわけであります。さらにこうした中で、それでは後日審議の日程が決まったらお知らせするから、その前に文書を上げてもらいたい、こういう電話がその方にかかったそうであります。その方はその電話を聞いて、一生懸命に準備をして待っていたところが何一つ連絡がない。そこで問い合わせてみると、まだだという返事だったというわけでありますが、実はその、まだだと言われながら商調協は開かれて、進出を決めてしまったというのであります。別の商調協の委員は、議題も、商調協にかかる計画内容も、その日会議に行って初めて配られ、会議が終われば回収されてしまう。これでは事前に小売業者の意見も聞き得ないし、調査一つできないと、商調協のこのやり方についてきわめてはっきりとした疑問を出しておられます。こういう状態の訴えがあるわけであります。 そこで私は、大臣にお聞きしたいわけでございますけれども、地元との実際の話し合いがなされるはずの商調協がこのような実態であるということについて、すでに御存じなのかどうか、この点をひとつまず明確にお答え願いたいと思います。
○政府委員(濃野滋君) 私先にちょっと事実の関係につきましてお答えをさしていただきたいと思います。 ただいま先生から、お手紙の内容の御指摘を受けましたこのジャンボ静岡の進出に関係いたしまして、特に最後に御指摘のございました期日の問題等につきまして、私どもできるだけ東京通産局、これが管轄をしておりますので調査等もやっておりましたが、申しわけございませんが、現在までのところ、それほど確実な全体の状況がわかっておりません。これは後刻御説明を申し上げますが、ただいまの先生のお手紙の、御披露になりました静岡の商調協の、あるいはその事務局の運用に当たります態度と申しますか、これにつきましては、実は私どもそういう事実があったかどうかにつきまして、調査がまだできておりませんという事実をまずお答えを申し上げます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生の御指摘のこと、なかんずくそのお手紙を拝聴いたしまして、何はともあれこの中小企業の、ことに小規模店舗の商調協の扱いにつきましては、真心を持って、本当に愛情を持って懇切丁寧に尽くさなければならぬ、これが私は一番大事なことであると思うのでございます。で、いろいろと紛争のめんどうなことでございますから、なかなかむずかしいところではございますけれども、しかしそれを担当いたしまする担当者といたしましては、ただいま申し上げた心がけということがまずもって大事である、かように考えます。 それからそのいまの会議の運営、あるいはまた資料の問題等もこれは実務上の問題でございまして、またいかにも不親切な、そういうふうな姿でありますれば、これは私の方で通産局に命じ、また商調協に基づく指導員やあるいはまた調整官もおる次第でございますので、この点十分に意を尽くすように私の方から命じたい、かように考えております。
○政府委員(濃野滋君) それでは先ほどの先生の御質疑の内容につきまして幾つかお答えを申し上げます。 まずその資料の回収、あるいはメモを静岡の商調協が禁止をしておる等のお話がございました。私ども最初に申し上げましたように、商調協の運営につきましてはその地元地元のいろいろな事情がございますので、大まかな基準あるいは基本的な問題につきましては全国的な統一をやっておりますが、個々の商調協の運用につきましてはかなり自由にと申しますか、弾力的な運用ができるように、各地の商調協に任しているわけでございますが、ただその中で何分ともこのスーパー進出に伴いますいろいろな意見の開陳というのは、スーパー側につきましても、また意見を開陳される小売業者の立場から見ましても、率直に申し上げましてかなり個人の営業の秘密というようなこと、あるいはお互いのいろいろな利害関係、この辺がかなりはっきり出る。そういたしますと、小さな場所でございますと、いろいろな後の問題等も起こすということから、会議の内容についてはたとえば部外秘扱いをするとか、あるいは委員として参加をしておる人は、個人的に自分の知り得た情報を外には流さない、こういうことはやはり商調協運用の上でやはり必要なことではないかと私ども考えておるわけでございますが、それを資料の回収とか、あるいはメモまで禁止をしておるかどうか、その辺は私ども実態はわかりません。大臣のお答えにありますように、いま御指摘のございました静岡の商調協の具体的な運用、やり方につきましては、相当通産局を通じまして至急に実情を調べてみたいと、こういうふうに考えております。
○加藤進君 これは個々に具体的に問題を調査し、研究していただきたいと思いますけれども、事実、私の受けたその手紙の内容から見ると、これは私は運用上きわめて異常だと思うんです。したがって、その基準になるものは何かといえば、言うまでもなく通達がございますから、商調協の運用についてという通達があるわけですから、通達の趣旨あるいは精神に基づいて適切にやっぱり運用されるように、ぜひとも的確な懇切な御指導をいただかなくてはならぬ問題ではないか、こういうふうに考えます。したがって、少なくとも静岡におきますこの事態から言うと、商調協の議題にすべき問題について、あるいは何ら資料も提出してこないで、一体出てみるまでどういうことが議題になるかわからないというような状態は、商調協の運用についてという通達の趣旨にも私は反するものではないか、こういう点を私は感ずるものでございますけれども、大臣の方の御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) 先ほどから申し上げておりますように、この静岡の運用につきましては具体的に調査をいたしますが、御指摘のように議題も示さず、資料も配らないという会議は、これは場所によってはあるいはそういうことで済むようなもの、あるいは案件の内容によってそういうことで済む場合も、個々のケースによって違うと思いますが、一般論としてはやはり親切な運用ではないような私、気がいたします。重ねて調査をいたしたいと思います。
○加藤進君 ぜひ、その点の御指導を的確にお願いしたいと思います。 実は、静岡の市の当局自体もこう言っています。商調協のメンバーに入っておられる方も、商調協に出される案件がやっぱり事前には何にもわからない。資料が出てこない。出された資料もその場で回収されてしまう。メモもとらせないような運営でやられる、こういうことについて、やはり改善を要望しておられるようでございまして、私は、案件は少なくとも事前に渡さして、少なくとも調査できるような体制を持って商調協を運営されるべきであるというふうに考えますが、重ねてその点の御意見を伺いたい。
○政府委員(濃野滋君) ただいまの問題、御指摘のとおり、静岡の実態につきましてはよく調査をいたしまして対処をしたいと思います。
○加藤進君 それから、本人の意見を言わせてほしいということについては、文書を出しなさいというようなことを言う前に、ともかく商調協に出て発言の機会を与えてやるというふうなことができれば、一番私は親切な方法ではなかろうか、こう感じますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) 商調協におきます発言あるいは意見の申し出につきましては、これは各商調協いろんな取り扱いをされておると思いますが、文書により、あるいはまた口頭によっても、いずれの場合も認めておる場合が多いと思います。ただ、案件の内容、あるいはその商調協によりましては、その実情に応じましていろいろな取り扱いをしておると思いますが、基本的には、最初に申し上げておりますように、その地元のいろいろな意見をできるだけ調整をしてやるということでございますから、方針といたしましては、御意見のある方につきましてはできるだけ、その商調協の側からの会議運用上の問題もあるかもしれませんが、考え方といたしましては、口頭により、あるいは文書によって十分意見が述べられる機会を持つように運用するのが筋だと私考えております。
○加藤進君 なお、その意見をどう取り上げるかという問題もございましょう。それからまた、意見を文書でやるか、あるいは口頭にするかということもまた問題になるかもしれませんが、少なくともそういう結果について、これこれの理由によってこうさしていただきますというようなことを、やはり懇切に相手方にし示ていくというようなことまで考えていただかないと、実は商調協の運用上きわめて不親切であり、同時に地元の皆さんの不信を買う結果にもなりかねない、こういうふうに考えますけれども、その点重ねて大臣の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま来申し上げておりまするように、特に中小企業また小規模店舗、零細企業というような方々に対しまする商調協の扱いというものは、基本的にあくまでも真心を持った懇切丁寧な御指導を必要といたします。これが大きな企業でございますと、職員もたくさんおりましたり、情報収集能力がありましたり、あるいはまた法制その他の問題につきましても事前に研究ということもございましょうが、本当に小規模店舗になりますとそういう人手もないし、手間もないし、時間もないし、そういう方々に対しましては本当に指導に当たりまする指導員、あるいはまたこの商調協に基づきまする調整委員でありますとか、調整官でありますとか、われわれ通産局の方にはあくまでも心から懇切丁寧な指導をしなければならぬということを常々申しておりまするが、さらにまたこの考え方をひとつ徹底させたい、かように考えております。
○加藤進君 もう一つ、念のために申し上げておきますけれども、ジャンボ静岡中央の中に出店しておるエンチョウというのがございますね。このエンチョウというのは、地元の了解を得たと言っておるようでございますけれども、それは事実から言うと、食品関係の組合だけ個別に回って了承をとりつけておるようでございます。それ以外のことについては全然地元の了解などということにはなっておらない。商店会などには一言もこの点については言っていないというような事態が私の方にも報告されておるわけでございますので、この点も含めて、通産省はよく実態をひとつおつかみいただいて、個々に具体的にひとつ適切な御指導をお願いしたい、こう思います。
○政府委員(濃野滋君) ただいま御指摘のエンチョウの問題でございますが、私どものただいま存じておるところでは、何か現在の店舗の面積をふやす計画を持っておるようでございまして、先生のお話はあるいはその点に関係するかもしれません。御指摘のとおり、先ほどから御答弁申し上げておるように、地元との調整は十分行った上で私ども取り扱うと、基本方針に沿ってやりたいと考えております。
○加藤進君 次に、今度静岡市に進出が予定されているやはり大きなスーパーにイトーヨーカ堂がございます。これについて、静岡市の商店会連盟の会長外一万四千七百四名の方たちが市議会に対して陳情書を提出しています。 この陳情書によりますと、「大型店等の人口支持率は売場面積一平方メートル当り五人である。これは百貨店法に示された出店基準「十人以上」からみると、すでに劣悪な状況にある」と、こう見てもいいと思います。そのために市内の商業活動は非常に変調を来しつつあるということを陳情書にも述べておりまして、そのために市内の商店会挙げて反対しておるわけであります。この陳情書を受けて静岡の市議会は、次のような決議をしております。 内容を申し上げますと、 「本市内の小売商店は、父祖の代から幾百年にわたり刻苦精励し、関係地区住民の協力を得て、本市商業分野の秩序を築きあげてきた。しかし、近年小売商業市場における大型店の占有状況は急速に進み、現在では人口支持率において一平方メートル当たり六・三人と下がってきている。 しかるに、このたび郊外型巨大スーパーイトーヨーカ堂が伝えられる規模で本市内に進出したときは、上記指数は二・九人まで大幅に低下することが予想され、商業分野の秩序はまさに破壊されるといっても過言ではなく、小売商店の生活権に及ぼす影響は放置できない状況となることは明白である。 よって市当局は、この際下記について早急に措置され、もしくは指導されるよう強く要望する。 こういう前文がございまして、 一 イトーヨーカ堂が進出を思いとどまるよう最善の措置を講ずること。 二 既設小売業者に対し、消費者サービスを強化させるため商業近代化について適切な指導をすること。 三 小売商業活動の秩序維持のため、この際ミニスーパー問題について早急に要綱をつくり、適切な行政指導をすること。 こういうふうに市当局に対して決議がなされておるわけであります。 これに対する指導の点でございますけれども、地元の静岡新聞の三月二十四日付を見ますと、こういう記事が載っておるわけであります。通商産業省産業政策局の話として、「議会で大型店及びミニスーパー進出規制が議題にのぼったのは熊本市、大阪府豊中市、千葉県柏市などであったが、個別企業の進出反対を決議するのは静岡市が初めてだろう。今後、全国他市に波及することも考えられ、静岡市に対して適切な指導を行いたい」、こういういわば記事が通商産業省の産業政策局の言葉として言われておるわけであります。 さらにもう一つ、三月二十九日付によりますと、東京通産局流通課の話としてこういうのが出ております。「静岡市議会の反対決議は全国初めてのケースだけに、対応策を協議し始めたばかりであった。今後どのような行政指導を行うか、市当局、商工会議所とも相談し、他市に波及しないよう最善をつくしたいと困惑の表情。」であったと、こう出ておるわけであります。私はここでこの新聞報道を見て気がかりになるのは、通産省がこのような反対決議あるいは陳情等々の趣旨に対してこれに困惑されて、これについては早く手を打たなくてはならぬ、ほかの都市に波及しては大変だなどというふうに状況を認識しておられるのか、あるいはそういう立場に立つ御指導をしておられるのか、その点ひとつ明確にお答え願いたいと思います。
○政府委員(濃野滋君) ただいま御指摘の静岡市へのイトーヨーカ堂の進出計画に対しまして、静岡の市議会で三月二十五日にそのような決議が行われたという結果は私も存じております。ただ、いま先生御指摘の私どもの局あるいは東京通産局、私どもの局は好ましくないという何か感じのあれを言ったようで……、それから、東京通産局は困惑をしておると——実はその点は私存じませんが、少なくとも私そのような決議は好ましくないということは私は考えておりません。
○加藤進君 考えていない。
○政府委員(濃野滋君) 考えておりません。 それから第二に、そういうことで、そういう市議会の決議をやめさせようというような指導をすることも私は考えておりません。 ただ、私このケースを見てみますと、昨年末以来イトーヨーカ堂は地元関係者にいわばアプローチを始め、三月に入りまして商工会議所その他の話を始めておるようでございまして、この種の動きから申しますと、まだいわば手をつけ出した段階でございまして、私ども希望といたしましはまだ話も余り進んでいないと。基本的には先ほど申し上げたように考えておりますが、できればこういうものは地元の問題でございまして、むしろそういう地元の市議会あるいは市当局ができ得れば もう少し、イトーヨーカ堂にもいろいろな言い分もあると思いますので、その話も聞いていただくということをやっていただくのが、これからまあこの件を片づけていく上で、私どもの立場とすればそうしていただきたいという希望を持っておるということを申し上げたいと、こういうふうに考えております。
○加藤進君 これは静岡市議会の状況についての若干の批判的御意見だと思いますけれども、やはり市議会が取り上げてこれを一致して採択したということは、これは相当の状況の検討もあり調査もあり、意見聴取もあった上でのことではないかと私たち考えておりますので、むしろ先ほど言われたように、こういう市議会の決議であるならばこれは十分に尊重する、その主張を理解する、そういう立場に立って通産省もそれなりの行政指導ないし監督を行うということが、基本的な立場として私は必要ではないかと考えるわけですけれども、その点いかがでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) あるいはいま先生御指摘のように、市議会で地元の問題として決議までされたということの間に、綿密な調査があるいは行われておるということかどうか、これは私存じませんが、私申し上げましたのは、やはり地元の問題は結局は関係者の方々、特にこういう大きな計画になりますと、市当局でございますとかあるいは地元の市議会を中心とする有力者の方でございますとか、関係者が非常に円満な解決を、むしろあっせん等にも入っていただくというようなことが必要なケースが非常に多いわけでございますから、先ほど私が申し上げましたのは、市議会の御決議に対する批判ではなくて、この問題を円満に解決するためには進出側の意見等も、もしいままで御調査等が余りいってないならば、もう少し聞いていただければという私の希望を申し上げたわけでございまして、今後私どもといたしましては、いずれ商調協を中心の調整の場になると思いますが、ほかの例と同じように十分地元の意見の調整に努めていく、そのための必要な行政指導と申しますか、これに努めていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○加藤進君 これはこの陳情書にもあるいは決議文の中にも出されておりますけれども、いまや地元の中小商店は危機に当面している、もはや存立が問われるような重大な事態だ、こういうことからこれなりの反対の運動が起こり、これが市議会でも採択され、市当局もまたそれで動かざるを得ない、こういう状況に立ち至っておるわけだと思います。したがってそういう状況について、やはり中小商店の立場を十分に認識するということから出発して、この事態についてのやはり円満な解決策を講じなくてはならぬということが、私基本的な問題ではないかと考えるわけでございますが、これにつきまして、実は先般全国の小中業者の中央総決起大会から日本チェーンストア協会に対して要望が出されたわけでございますが、この要望に対して次のような回答が昭和五十年五月二十日付で出ておることは恐らく御承知のとおりだと思いますけれども、その内容には次のような点が書かれています。「去る二月十二日「全国中小業者中央総決起大会」を代表され、当協会に対して申し入れられました御要望事項については、その後の諸会合において会員に対して洩れなく伝達し、御趣旨を充分伝えておりますので御承知おき下さい。」こういうことでございまして、中小業者の中央総決起大会の決議趣旨については十分に全会員にこれを周知徹底させましたと、こういうのが第一の内容になっています。 もう一つこの回答の中で、「県や市議会等各自治体の決議を尊重することは当然のことであり、議会及び当該自治体の総意が、出店を認めず、といった決議で出されれば、事実上出店は困難となるはずでありますので、心配されるようなことはないと思われます。」という推測が出ておるわけでございますが、その推測は別としまして、とにかく日本チェーンストア協会さえ県、市の各自治体の決議が尊重されるのは当然である、議会や当該自治体の総意が出店は認めないと言われるなら、そのようにするのが至当ではなかろうかという見解まで出ておるわけでありまして、私は、これは軽視し無視することはできないのではなかろうか、こう考えますけれども、その点についての大臣の御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) ただいま先生御指摘のように、スーパー協会、いわば進出側の大企業側でございますが、そういう返事を出しておるというのはいまここで初めて伺いましたが、おっしゃいますように、その地元の市当局なり、あるいは市議会の御意見が反対決議という事実のあることは、これは大変大きな一つの要素と申しますか、これから話し合いを民間業者として進めていく上におきましても、当然のことながら十分尊重して地元との話し合い、自分の計画に対する今後の進め方について、大きな要素として頭に入れなきゃならぬ問題だと思っておりますし、私どもも先ほどから申し上げておりますように、基本的な考え方といたしまして、そういう決議がおありになるならば、それを当然頭に入れまして、いわゆる大店法ベースでの調整に当たりましても考慮をしていくこと、これは当然のことだと私は思っております。
○加藤進君 そうしますと通産省の指導の方向としては、市議会や地元の商店街の要求されるように出店を控えさせるような立場で行政指導を行いたい、行おう、こういうふうな趣旨に理解してよろしゅうございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) 私も過去の例等につきまして、まことに申しわけございませんが、それほど具体的な例については頭にはございませんが、過去におきましても、地元で市議会の決議までとはいきませんでも、市当局の御意向あるいは市会の御意向等としまして、出店につきまして大変批判的なお話がありましたり、そういう御要望があったりしたケースは多々あると思います。私どもは、その場合にも出店要望側と、そういう市議会あるいは市当局を含めまして、今度は進出をひとつ遠慮してもらいたい、こういう御意見との調整に鋭意努めてきたわけでございまして、同じような考え方で円満な解決を図っていくという方向で処理をしていきたい、こういうふうに考えております。
○加藤進君 若干あいまいでございまして、私もちょっと納得しかねるわけでございますけれども、これだけ地元の方たちの強い要望が出されて、しかも市議会や自治体まで動いている、そこをあえて突破して無理やりに巨大なスーパーが地域に進出していくということになりますと、これはもうこの点をもし認めて、あるいはそういうことについて容認するようなことになりましたら、これは通産省の責任もきわめて重大だと私は考えるわけでございまして、そういう点から見て、通産省が指導に当たられなくてはならぬ商調協に対する皆さんの適切な指導、監督というものがきわめて重要な地位を占めるわけでございますので、その点から見ますならば、やはり地元地域の要望については、これに反するようなことが決定されたり、あるいは行われたりすることのないような立場で指導されるということは私は当然のことだと思いますけれども、その商調協に対する御指導、監督という点についてはいかがでございましょうか。私の見解間違っておるのでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) 先ほど申し上げましたようにイトーヨーカ堂の進出の問題、先生御指摘のとおり私どもで言いますと東京通産局がこれに責任を持って当たるところでございまして、ヨーカ堂の進出問題につきましては、先ほど申し上げましたように昨年の暮れぐらいから内々の当たりが始まり、三月に入りましてから商工会議所等を中心にイトーヨーカ堂はいろいろ話している状況でございまして、東京通産局等につきましてもイトーヨーカ堂からそういう動きについての話は、私の手元に来ております資料によりますとございますが、進出側の考え方等についても非常に詰めた考え方等をどこまで聞いておるか、申しわけございませんが、私、ここで了知しておりません。 ただ、先ほどから申し上げておりますように、私ども何しろ地元で話が円満につかない上は基本的にスーパーの進出、特にこの辺はただいま先生御指摘のように、静岡という四十五万程度の都市にかなり巨大な企業の進出でございますから、より慎重に取り扱う。商調協にいま直ちにしかるべき指導をするかどうかということは、東京通産局側とも私どもよく打合せをしまして、円満な解決ができる方向で、必要があれば本省といたしましても指導等をやっていきたい、こういうふうに考えております。
○加藤進君 この点ぜひよろしくお願いします。これは私も現地を見てまいりましたけれども、非常な広大な地域で三万五千平方米以上の大きな敷地を持つスーパーでございますから、これがもし新たに進出していくというような状況になったならば、これは町の商店街の様相、商業活動の様相は一変する、こういう状況でもございますので、私はその点で特に危惧をしておるわけでございますけれども、大臣、いまの問題について一言大臣からも所見をお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話が出ましたのも大規模店舗法のスーパーあるいは特に農協、生協、いろいろなスーパーがこのごろ相当進出いたしております。こういうものに対しまする一番重大な調整の問題でございます。冒頭申し上げたようにこの大規模店舗法におきましては、法制上商調協にない規定もございまするし、ある程度までこれに対しまする制肘を加えることもできるわけでございますが、何はともあれ今日こういうふうな低成長時代になりますると、大規模な業者がだんだんだんと中小企業の中に浸透してくる、かえっていろいろ紛争を増してくる、こういうときに当たりまして、通産省といたしましてはその間の調整ということが最も肝要なことであろうと存じます。鋭意努力をいたしますので、よろしくお願いいたします。
○加藤進君 ぜひ地元の商店街の将来の繁栄を考え、またその方たちの十分な納得のいくような調整に努力していただきたい、こういうふうにお願いしますけれども、その点はよろしうございますね。
○国務大臣(田中龍夫君) はい。
○加藤進君 よろしく。 もう一つ別のケースの件を私は申し上げたいと思いますが、それは愛知県の岡崎市の南部におけるスーパーヤマナカというものの進出問題でございます。 これにつきまして、実は市議会に対して岡崎市南部大型店進出対策協議会の方々の方から陳情書が出ています。これはお手元に渡っていると思いますけれども、この陳情書によりますと、このヤマナカというのは普通ではとても考えられないような、きわめて横暴で卑劣で、そしてとうてい業者仲間には置けないような不当なことをあえて強行しつつある、こういう点を私は指摘したいわけでございますけれども、以下、若干内容について触れたいと思います。 柱町トーフクボール跡へのヤマナカ進出問題は、計画が判明して以来一年有余を経過しましたが、この間、ヤマナカは市と商工会議所を煩わせて開催した二回の説明会以外、地元との話し合いは一切行わずにきましたが、昨年末、突然、大店法三条申請を取り下げ、法基準をわずかに下回った、明らかに〃大店法逃れ〃という手段で開店を強行しようとしています。この間のヤマナカの横暴にして卑劣なやり方は枚挙にいとまがありません。と、こうして七項目を述べておるわけでございますけれども、私はそのうちの二、三項目だけを取り上げてみたいと思いますけれども、取引している電算機のセールスマンを使って、秘密のうちにテナント募集行為を行っているそうであります。これが指摘されると、地元はもとより市や商工会議所に対しても知りませんといって言い逃ればかりをしているというようなのが状況だと言っています。 もう一つは、年末が押し迫ってあわただしい日に突然、地元はもとよりこれまでさんざん仲介の労をとってこられた市、商工会議所にも一言の断りもなしに建物改装の建築確認申請を提出いたしました。続いて通産局に大店法第三条の申請の取り下げをいたしますということを申請している。このとき通産局は、これまでの経過からいって安易に取り下げを認めることはしないというような立場で、地元との話し合いを行わせなくてはならぬと。地元との話し合いを行わせるというような誓約書をお取りになっておるわけであります。以来一カ月も経過しても話し合いをしようともしないで、二月の初めに通産局がヤマナカを呼んで事情をただすと、市が仲介してくれて地元代表団を選出してくれているので、それを待っていると答えたというんでございますけれども、市はそのような依頼も受けていないし、約束もしていないので全くのでたらめの答えであったということが言われています。 最近になって建築確認申請がおろされたのでございますが、西三河事務所建築課も地元と話し合うという誓約書をヤマナカからとってのことでございました。話し合うという誓約条件が出ておるわけであります。にもかかわらず今日に至るも依然として誠意の一かけらも見られない、こういうことが現状だというふうに訴えています。 大ざっぱに言って以上のようにヤマナカは不誠実、そして横暴な態度を取り続けております。これに対して国、県、市、さらに商工会議所からも厳しい批判が出されている。が、最も重要な問題は、国を初めとする関係各省からの行政指導も、地元からの切実な声も全く無視して開き直り、開店を強行するというヤマナカのやり方をもしこのまま許しておいたら、これがあしき先例となって、今後とも同じようなやり方が横行するということを非常に心配する。こういうことが具体的に出されておるわけでございます。 いま私が申し上げましたのは、私が実情を調査した場合でも決して間違ってはおりません。これはもう正しいいわば状況だと思いますが、こういう点について、指導に当たられる通産省といたしましてどういうふうにされる気なのか。こういうヤマナカのやり方について、これはいままでのように話し合いをしなさい、確認書までとって、なおかつこれがそのとおりやらないわけでございますから、そういう点について通産省はどのようにお考えなのかということを、ぜひお聞きしたいと存ずるわけでございますが、これについて地元の方たちの言い分としても、あるいは通産局の御指導の中でも言われておることは、ともかく話し合いをするということが前提なんだから、それまでは工事を中止して、その上で話し合いをしていただきたいということが指導上申し出されて強く言われておるというふうに私は聞いておりますし、私も電話で問いただしましたら、そのような努力をしているという返事なんでございますけれども、こういう状況のもとでの通産省の御指導というと、一体どういうことをやられる気なのか、その点をひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(濃野滋君) ただいま御指摘のヤマナカの岡崎店の問題でございますが、先生からただいまお話のございましたような経緯がございまして、また複雑なのはどうも最初の計画と若干、中途で一部一緒にやる人がおりているというような経緯も含んでいたようでございますが、いずれにいたしましてもこれは地元通産局でも再度と申しますか、十数度にわたりまして本人をいろいろ指導しておるようでございまして、特にヤマナカが規模が小さくなりましたときに、規模が小さくなっても、やはりこれは周辺小売業との間の紛争も予想されるということから、御指摘のような誠意を持って話し合うという誓約書をとっております。 それから工事の方の関係は私つまびらかではございませんが、やはり通産局で指導しまして、工事の方の計画もずっとおくらしておるというふうに聞いております。 それから地元との話し合いの件でございますが、ヤマナカの通産局に言うところによりますと、個別的に地元と話をしているということでございましたが、私ども地元通産局からの連絡によりますと、三月の三十日の日に担当部長のところにヤマナカを呼びまして、団体が約十四団体ぐらいあると聞いておりますけれども、この方と一緒にひとつ話し合いをしろということを重ねて指示したと申しますか、指導したようでございまして、それから四日の日に岡崎市とヤマナカから通産局に連絡がございまして、四月の七日、きょうでございますけれど、岡崎で市当局もごあっせんのために入るのかどうか、その点はっきりいたしませんが、十四団体と話し合いをするようになったという連絡が私どものところにきております。
○加藤進君 いまの御説明で、やっときょう十四団体との話し合いが始まるようだということは、若干この状況が好転したとは考えられますけれども、その間とにかく十数度にわたってあなたたちの御指導があり、しかも誓約書はとった。とったけれども、それは全くナシのつぶてであって現に工事は遠慮なく進めている。こういう状況で、しかも地元との話し合いは今日まで実はほとんどやっていなかったのも同然、個別的な話し合い、こういうことでございますけれども、通産省の指導ではこれはもう統括された十四団体との話し合いをしなさいという指導があったはずでございますけれども、これも無視された、こういうことで実に法は法としながらなおかつこういう無法のことが行われるということを、われわれ黙っておいたら大変なことになるということを非常に危惧するわけでございますが、もう一つ私は実例として別のことを申し上げます。 これは名古屋市の瑞穂区であった例でございますけれども、瑞穂区の田光町に進出する予定になっているハローフーズという店でございます。これは鴻池組名古屋支店が建設しておりますけれども、当初スーパーを出すということにしておったのが、地元の反対があったために急拠倉庫にいたしますからといって建築許可をとった。その後態度を豹変さしてスーパーを入れてきた。名古屋市から地元と話し合うようにと指導されると、営業のためにやっておるのに一々文句をつけられてははなはだ迷惑だというようなことまで言って、そのような話し合いには応じない。 こういう種類のいわば無理な進出があちこちで行われている、こういう点でございますけれども、こういうやり方は正しいのか正しくないのかという御判断をいただきたいんでございますけれども、正しいと思われますか正しくないと思われますか、その点明確にお答え願いたいと思います。
○政府委員(濃野滋君) ただいま先生の御指摘の案件、実は内々の本日の御質問の件もございましたので、地元通産局の方にも確かめましたが、地元の方におきましてもまだ確たる事実をつかんでおりません。したがいまして、いま御指摘のような倉庫に一時するといってやったのかどうか、そこの辺も実は事実関係がはっきりしておりませんが、もし仮に何か問題になるというケースでございますれば、それは今後事情をよく聞きまして、問題があればほかの案件と同じように通産局に適切な指導をさしていきたいと、こういうふうに考えております
○加藤進君 たとえそれが建築基準等々以下であっても、大店法が制定されたときの附帯決議第四項によりますと、御承知のとおり「基準面積未満の大規模店舗についても、本法の調整措置に準じ適切な指導を行なう」ということが明記されておるわけでございますから、その点につきましては指導上過ちなきように、ぜひ十分の調査をして適切な指導を賜りたい、こういうことをぜひお願いしたいと思います。 本来こういう規制を逃れて、あるいはうそをついて、あるいはあらぬ手段を講じて、さまざまな形でスーパーが進出しようとしている、業者との話し合いさえやろうとしない。こういうことについては、私は、業者と話し合いをさせようという御指導は御指導として、とにかく業者と話し合えるような状況をつくり出していくという意味では、通産省にも指導上の責任があると考えるわけでございますけれども、その点について皆さんのさらに一層のやっぱり御努力を賜らなくてはならぬと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(濃野滋君) ただいま先生の御指摘、基準面積未満の大店法の千五百平米から見ますと、小さなものに対するお話ではないかと思いますが、私ども御指摘のございましたような国会の決議の趣旨に沿いまして、基準面積以下の問題につきましても、行政指導によりまして、基準面積以上のものと同様の問題のあるものについては調整の努力を続けております。現に昨年等におきましては、最初にも申し上げましたように、だんだん中小都市に基準面積以下でも問題のものが出てまいりましたが、昨年一年間を全国的に見ますと、四十件を超えるような案件もございました。こういうものについて通産局を通じまして地元との調整に努めております。 なおそのために、先ほど最初に大臣も触れられましたが、私どもこれをやりますためには、やはり役所の体制も整備しなければいけませんし、そのためには、通産局の担当官がこの仕事をするための予算等も、いま予算の審議をお願いしてございますが、事務経費も大幅な増額を図りましたし、それからまた商調協の活動も、実質上千五百平米以下のものについてもこの活動に期待をする点が非常にございますので、この商調協の活動のためのお金も従来のものから大幅に増額をさせまして、基準面積以下のものの調整の取り扱いが円満にできるように、これまた五十二年度の予算案でお願いをしているわけでございます。 それから、本省にもこういうものの統括といたしまして、課長に相当しますいわゆる政令職の調整官をつくりまして、こういう問題の調整専門に当たらせるということで、一歩一歩ではございますけれども調整問題の整備体制を整えたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○加藤進君 そこでちょっとお尋ねしますけれども、岡崎のスパーヤマナカというのは、いま工事はとにかく中止しているわけでございますか。
○政府委員(濃野滋君) 私、ただいまその現状について事実を了知しておりません。早速通産局を通じて調べてみたいと思います。
○加藤進君 その点について私、つい先ほど電話で確かめたわけなんです。まだやっているそうです。やっていながら一方では、皆さんからの強い要請があるので、個々の業者あるいは個々の団体と話し合いをするということから、一歩とにかく統合された十四団体の統一した話し合いの場に臨むというふうに進んできてはおると思いますけれども、工事を中止しないで話し合いをするというようなことを、私は行政指導上許してはならぬと思いますけれども、私は特にその点で通産省にお願いしたいのは、とりあえずとにかく話し合いの間は工事だけは中止しなさいと、こういうような御指導を願わなくてはならぬと思いますけれども、その点はいかがでございますか。
○政府委員(濃野滋君) 私、早速地元通産局と相談をいたしまして、現状把握の上しかるべく指導を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○加藤進君 なお、このヤマナカの進出するという岡崎南部の商店街の実情でございますけれども、これはほかと違った特別の事情があるわけでございます。というのは、この地域は区画整理の対象区域になっておりまして、この区画整理計画が今日進行していないわけでございまして、まだ区画整理が行われないために、たとえば改造したいと思われる店舗についても手がつけられない。こういう状況で、地元の小売業者の諸君は、たとえば共同化しようと思ってもそれがやれない状況に現実にある。こういうところへスーパーが進出してくるというわけでございますから、まさに手を縛られ、足をもがれるというような状態の中でこの地元の業者の苦しみがあらわれてきておる。こういうことでございますので、この地元業者の方たちの切実な声の中にはこういう声がございます。少なくともせめて区画整理事業が終わるまでこの進出計画は凍結していただいて、地元とその間に話し合っていただくような指導をしていただきたい、こういう要望でございますけれども、その点については通産省いかがでございましょうか。
○政府委員(濃野滋君) 申しわけございません。ただいま御指摘の点も私存じておりませんが、いずれにいたしましても先ほどから申し上げておりますように、ヤマナカのケースにつきましては、担当通産局も非常に指導を重ねてきておりまして、ただいまの問題等も、地元でただいま御指摘のようなお話が出ておれば、役所側も十分存知しておると思いますし、またこれから商調協あるいは岡崎市が、いろいろあっせんに入られているそうでございますが、関係者の方も十分そういう御意向が出ておると思いますので、当然のことでございますが、そういう点も含めてこれからの調整が進められていく、また必要があれば、われわれとしましても担当通産局と話しながら円満な解決ができるように取り計らっていきたいと思います。
○加藤進君 最後でございますけれども、とにかくこの私の提起しました問題で共通しておるという点は、通産省は通産省なりにとにかく指導上努力していただいておるということは、私も私なりに認めるにやぶさかでございません。同時に、自治体あるいは市議会等々もそれなりに適切な努力を払ってきておるけれども、にもかかわらずこういうスーパーの横暴な進出について取り締まり得ないというような現状に私はあるのではないかと考えております。なかなか取り締まりがたい。私は恐らく、今後ともこの状態が進むならば、これはもう全国各地にもっともっとこういう種類の紛争は激化していくであろうというふうに見ています。したがって、このためにどうしても解決しなくてはならぬということになりますと、通産省としても、この大店法の改正という問題に踏み切らざるを得ないような時点に来ておるのではないかと私は考えるわけでございますが、とりあえずいまのような届け出だけやれば、後はスーパーの進出はできるという前提があるために、とにかく地元の反対があれ、指導があれ、あくまでこれを強行していく、こういう状況が出てくるわけでございますから、どうしてもこの届け出制については検討を加えながら、改めてかつての百貨店法と同様な許可制に向かって皆さんの御検討が開始さるべきではないか、努力が行われるべきではないか、またそういう点では、許可の権限を地元の事情をよく知っておられる都道府県知事に、その権限をゆだねる等々の措置や、あるいはいま千五百平米以上を基準としておりますけれども、その面積についても現在の実情から言うと、千平米以下に引き下げるなどというようなことを内容とするような大店法の改正が、いまや必要になってきておるのではないかと私たちは考えるわけでございますけれども、その点の大臣の所見はいかがでございましょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘をいただきました大規模店舗法並びに商調法、これらの問題につきましては、現在ただいま御指摘のようないろいろの問題が現場ではたくさんございます。私どももこれらのことにつきまして始終お話を承っておるような次第でございまして、さらにこれらの問題については検討を加えたい。また、これらの問題についての紛争調停につきましても、制度的にもさらに完備したものにしてまいりたい。 しかしながら、それを貫きます一つの精神的な指導原理といたしましては、あくまでも中小零細企業に対しまする真心からなる懇切丁寧な指導なり、扱いというものを忘れてはならないということを常に心がけております。
○加藤進君 大臣は巧みに私の質問をそらされましたけれども、私の聞きたいのは、こうした個々の実例から見ても、とにかく従来のような行政指導あるいは運用上の改善ということだけでは、もはや解決ができかねるような数々の矛盾があらわれてきている、この矛盾をそのままにほっておくのか、あるいはこれを行政指導の上だけにゆだねて、その範囲だけにこの問題の解決をゆだねていくということになるとこれは大変なことになる。したがってその点では、大店法自体についても改正を行うような御努力や御検討がいまや開始さるべきではなかろうかと、こういう私は問題を提起しているわけでございますけれども、その点を明確にお答えいただかないとちょっと困るわけでございます。
○国務大臣(田中龍夫君) まあ、いろいろ問題はございます。ございますこともよく承知いたしておりまするが、今日の時点におきましては、一応ひとつ現行の法制で処理をしてまいりたい、かように考えます。
○加藤進君 その最後の御答弁については納得しかねますけれども、しかし現時点において通産大臣がそのような御見解を持っておられるということになりますれば、それはそれとして、きょうは聞きおく程度にとどめさせていただきます。
○委員長(加藤武徳君) 他に御発言はないようでありますから、大臣の所信に対する質疑は終了したことにいたしてよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案、産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田中通産大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) 石炭鉱業合理化臨時措置法等一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 石炭鉱業につきましては、昭和四十八年度からいわゆる第五次石炭対策を推進してきたところでございますが、御高承のとおり、この間に石油危機を契機といたしましたエネルギー情勢の変化を背景といたしまして、世界的に石炭の見直しが行われ、わが国におきましても、こうした情勢に対応いたした石炭政策の確立が要請されるに至っております。 このような状況の中で、昭和五十年七月、石炭鉱業審議会から新石炭政策に関する答申がなされ、政府におきましては、この答申に即して総合エネルギー政策の一環として石炭政策を推進してまいる所存でございます。しかしながら、こうした新石炭政策を推進する上でその担い手となるわが国石炭鉱業を取り巻く状況は依然として厳しく、今後とも石炭鉱業の一層の近代化、合理化の推進を通じて石炭鉱業が自立していける状況をつくり上げる必要がございます。このため、石炭鉱業に対する従来の助成措置を延長いたしまするとともに、新しい情勢に応じて必要な助成措置の追加を主たる内容といたしまして、このたび、この法律案を提案いたした次第でございます。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 本法律案は、第一に石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正、第二に石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部改正、第三に石炭及び石油対策特別会計法の一部改正をその内容とするものでございます。 まず、第一条は、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正でございます。その改正の内容の第一点は、石炭鉱業合理化基本計画の目標年度を現行の昭和五十一年度から昭和五十六年度に変更することでございます。これとともに、石炭鉱業合理化事業団の主要業務が廃止するものとされる期限につきましても現行の昭和五十一年度末から昭和五十六年度末まで延長することといたしたのでございます。 第二点は、石炭鉱業合理化事業団が行いまする業務の追加でございます。その第一は、大規模な災害を受けた石炭鉱山の復旧の円滑化を図るため、災害復旧資金の貸し付け及び復旧資金の借り入れに係る債務の保証業務を新たに同事業団に行わしめることでございます。その第二は、わが国石炭鉱業を中心として行われる海外炭の開発事業を助成いたしまするため、探鉱につきましては資金の貸し付け、開発につきましては資金の借り入れに係る債務の保証業務を新たに同事業団に行わしめることでございます。加えて、昭和五十年十二月の特殊法人の整理合理化につきましての閣議了解に基づき、電力用炭販売株式会社を廃止することとし、同株式会社の行っておりました電力用炭の一手購入販売関係業務を新たに同事業団に行わしめることでございます。 第三点は、石炭鉱床の合理的な開発を推進いたしまするため、廃止事業者が放棄いたしました鉱区等を再活用するための要件を緩和することといたしたのであります。 そのほか、今回、石炭鉱業合理化事業団の業務を追加することに伴う関係規定の追加等、所要の規定の整備をあわせて行うことといたしております。 第二条は、石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部改正でございます。 この改正は、石炭鉱業合理化事業団を通ずる各種助成が昭和五十六年度末まで講じられることに伴い、この助成を受けております石炭企業に対して、経理の適正化等を図る観点からその経理の監査及び利益金の処分の規制等を引き続き行うため、同法が廃止するものとされる期限を現行の昭和五十一年度末から昭和五十六年度末まで延長することをその内容とするものであります。 第三条は、石炭及び石油対策特別会計法の一部改正でございます。この改正は、資源エネルギー問題の重要性から見まして、石炭及び石油対策は、今後とも引き続き推進して行く必要があることにかんがみ、同法が廃止するものとされる期限を石炭関係法律の期限に合わせて、昭和五十六年度末までに延長することをその内容とするものでございます。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同賜りまするように、ひとえにお願いを申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 次に、補足説明を聴取いたします。橋本資源エネルギー庁長官。
○政府委員(橋本利一君) 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 最初に、第一条の石炭鉱業合理化臨時措置法の改正につきまして御説明申し上げます。 まず、今回の改正の内容の第一点は、石炭鉱業合理化基本計画の目標年度を現行の昭和五十一年度から昭和五十六年度に変更するとともに、石炭鉱業合理化事業団の主要業務が廃止するものとされる期限を、現行の昭和五十一年度末から昭和五十六年度末まで延長することであります。これは、一昨年七月の石炭鉱業審議会の答申に即して、総合エネルギー政策の一環として石炭政策を推進していく上で今後とも石炭鉱業の一層の近代化、合理化の推進を通じて石炭鉱業が自立していける状況を作り上げる必要があるため、石炭鉱業合理化臨時措置法が廃止するものとされる期限である昭和五十六年度末まで石炭鉱業に対する助成措置を延長する必要があることによるものでございます。 改正内容の第二点は、石炭鉱業合理化事業団が行う業務の追加でございますが、その第一は、大規模な災害を受けた石炭鉱山の復旧の円滑化を図るため、災害復旧資金の貸し付け及び復旧資金の借り入れに係る債務の保証の業務を新たに同事業団に行わしめることであります。これは、一昨年の幌内鉱山における事故のような優良な炭鉱における大規模な事故が、わが国石炭鉱業全体の近代化、合理化の円滑な実施に大きな影響を与えることにかんがみ、その復旧の円滑化を図るために新たな制度を設けるものでございます。その第二は、前述いたしました石炭鉱業審議会の答申を受け、わが国石炭鉱業を中心として行われる海外炭開発事業を助成するため、探鉱については資金の貸し付け、開発については資金の借り入れに係る債務の保証の業務を新たに同事業団に行わしめることであります。 本制度は石炭鉱業の合理化のため適切であると見込まれる場合に限り適用することとしており、その運用に際しては、海外炭の輸入により国内炭の引き取りに障害が生ずることのないよう十分配慮してまいりたいと考えております。その第三は、一昨年十二月の特殊法人の整理合理化についての閣議了解に基づき、電力用炭販売株式会社を廃止することとし、同株式会社が行っていた電力用炭の一手購入販売関係業務を新たに石炭鉱業合理化事業団に行わしめることでございます。石炭価格の長期的安定及び石炭需要の確保は、石炭鉱業の合理化及び安定のための諸施策の基本的前提となることにかんがみ、電力用炭販売株式会社を廃止することに伴い、電力用炭の一手購入販売業務を新たに石炭鉱業合理化事業団に行わしめることといたした次第でございます。 改正内容の第三点は、石炭鉱床の合理的な開発を推進するため、廃止事業者が放棄した鉱区等を再活用するための要件を緩和することでございます。従来から石炭鉱山整理促進交付金等の交付に係る区域及び石炭鉱業合理化事業団の保有鉱区につきましては、非能率炭鉱の再発生を防止する観点から、その再活用は隣接鉱区の鉱床と一体として開発することが著しく合理的である場合に限定されておりましたが、稼行炭鉱が減少した現在では、有望な区域等の再活用ができない事例も生じてまいりました。このような情勢にかんがみ、石炭鉱床の合理的な開発を推進するため再開発を行おうとする区域とその周辺の鉱区の鉱床の位置形状等から見て、これらの一体的開発が著しく合理的であると認められる場合にはその再活用を認められることといたしたものでございます。 その他、今回、石炭鉱業合理化事業団の業務を追加することに伴う関係規定の追加等、所要の規定の整備をあわせて行うことといたしております。 次に、第二条の石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部改正につきまして御説明申し上げます。 これは同法が廃止するものとされる期限を、現行の昭和五十一年度末から昭和五十六年度末まで延長することをその内容とするものでございます。 同法は、国から助成を受けている石炭鉱業に対して、経理の適正化等を図る観点から、その経理の監査及び利益金の処分の規制等を行うための法律でありますが、今回石炭鉱業合理化事業団の主要業務が廃止するものとされる期限が昭和五十六年度末まで延長されることに伴い、同法が廃止するものとされる期限も同じく昭和五十六年度末まで延長する必要が生じたものでございます。 次に、第三条の石炭及び石油対策特利会計法の一部改正につきまして御説明申し上げます。 この改正は資源エネルギー問題の重要性にかんがみ、長期にわたって施策を継続していく必要のある石炭及び石油対策に要する財源を確保し、その経理を明確化するため同法が廃止するものとされる期限を、石炭関係法律が廃止するものとされる期限に合わせて、昭和五十六年度末までに延長することをその内容とするものでございます。 最後に、附則につきまして御説明申し上げます。 附則におきましては、法律の施行期日及び今回の法律改正に伴い必要となります経過規定その他所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を補足して御説明いたしました。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案について趣旨説明を願います。田中通産大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 同法は、石炭鉱山の休廃止により移転、転業し、あるいは経営不安定に陥った中小企業者に対してその信用力を補完し、経営の安定や企業の再建に必要な資金を確保することを目的として昭和三十八年八月に制定され、その後昭和四十四年及び昭和四十九年に当時の石炭対策の期限に合わせて同法の期限延長が行われ、現在、昭和五十一年度末がその廃止するものとされる期限と相なっております。 しかしながら、産炭地域の現状は、今日までの各般にわたる産炭地域振興対策の実施により一応の成果をおさめつつあるものの、なおその疲弊から十分に回復するには至っておらず、また、今後においても自然条件の悪化等による石炭鉱山の休廃止が発生することも予想される状況にありまするために、今後とも同法に基づき産炭地域の中小企業者に対する助成措置を引き続き実施する必要があります。このため、同法が廃止するものとされる期限を石炭鉱業合理化基本計画の目標年度でございます昭和五十六年度末まで五年間延長しようとするものでございます 以上が、この法律案の提案理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同賜りまするようひとえにお願いを申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 次に、ただいまの法案の補足説明を聴取いたします。橋本資源エネルギー庁長官。
○政府委員(橋本利一君) 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、補足して御説明申し上げます。 御承知のとおり石炭鉱業の合理化の進展に伴い、産炭地域においては事業活動を縮小、あるいは休廃止する石炭鉱山が相次ぎ、その結果として、地域経済活動の停滞その他産炭地域経済に対する影響が生ずることとなり、このため政府といたしましても、数次にわたり対策の強化を行い、産炭地域の振興を図ってまいりました。 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律は、石炭鉱山の休廃止により移転もしくは転業し、あるいは、経営不安定に陥った中小企業者に対してその信用力を補完し、経営の安定や企業の再建に必要な資金を確保することを目的として、付保限度額につきまして通常枠と同額の別枠を設定すること、普通保険につきましててん補率を引き上げること及び保険料率を引き下げることなどの特別措置を講ずることとして昭和三十八年八月に制定され、その後昭和四十四年及び四十九年に当時の石炭対策の期限に合わせて同法の期限延長が行われ、現在、昭和五十一年度末がその廃止するものとされる期限となっております。 しかしながら、産炭地域の現状にはなお厳しいものがあり、産炭地域中小企業者についても引き続きこうした特別措置を講ずることが必要であります。このため、同法が廃止するものとされる期限を石炭鉱業合理化基本計画の目標年度である昭和五十六年度末まで五年間延長しようとするものであります。 以上簡単ではありますが、法案の提案理由につきまして補足して御説明申し上げました。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨説明につきましては、都合により後刻聴取することにいたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、輸出保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通産大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 わが国経済が今後とも世界経済と調和のとれた発展を遂げてまいりまするためには、海外資源等の安定供給の確保を図るとともに、貿易構造の高度化、経済協力の推進等を進めていかなければなりません。 なかんずく今後の貿易構造の高度化の中核をなしますプラント類の輸出、海外建設工事等につきましては、発展途上国の経済発展に寄与し、国際的にも摩擦を惹起しない輸出または技術の提供等としてわが国といたしましても大いに推進すべき分野でございます。さらにこれらの推進は、国内の数多くの関連中小企業の事業活動にも大きな効果を及ぼすものでございます。 ところでプラント類の輸出、海外建設工事等の受注を行いまする場合には、輸出者または技術提供者は、海外の発注者の要請に従い、当該輸出等の履行を保証するための金融機関の発行する保証状いわゆるボンドを提出いたしますることが国際取引における慣行と相なっておりますが、近年わが国におきましては、これらのプロジェクトの規模の大型化等に伴いまして金融機関のボンドの発行に伴う危険が増大いたし、輸出者等が金融機関から輸出保証を得ることが困難な様相を示しつつあります。このような事態を放置いたしておきますと、わが国といたしまして推進すべきプラント類の輸出や海外建設工事等の受注に支障が生じることと相なりますので、ボンドの発行に伴う危険を担保するために必要な措置を整備いたしますることが緊急の課題と相なってまいりました。 輸出保険制度につきましては、従来から経済環境の変化に機動的に対処して制度改正を行ってまいりましたが、このたびも以上に述べてまいりましたような実情にかんがみ、現行の輸出保険制度に所要の改正を加えることとし、本改正案を提案した次第でございます。 次に改正案の内容を御説明いたします。 今回の改正点は、西ドイツ、フランス等の先進諸国におきましてすでに実施を見ております輸出保証保険をわが国におきましても創設することであります。 これは、外国為替公認銀行等の金融機関が輸出者等の依頼に応じて当該輸出等について輸出保証を行った場合におきまして、その金融機関が輸出保証の相手方である海外発注者からの請求に基づき、金銭を支払う等の保証債務を履行したことにより受ける損失を一定の範囲内におきまして、てん補することを主たる内容とする保険であります。 本保険の新設により、輸出者等が金融機関から円滑に輸出保証を得ることが可能となり、プラント類の輸出、海外建設工事等が一層促進されるものと期待いたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議を賜り、御賛同くださいまするようにひとえにお願いを申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 次に、ただいまの法案につきまして補足説明を聴取いたします。森山貿易局長。
○政府委員(森山信吾君) 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を補足して御説明申し上げます。 輸出保険制度につきましては、昭和二十五年の制度創設以来累次の制度改正を行い、現在では八種類の保険制度を有しております。 その利用状況を見ますと、昭和五十年度におきましては保険引受件数にして五十七万件、引受保険金額にして八兆二千億円と輸出保険機関としては世界一の引受規模となっております。 このように輸出保険制度の引受規模が大きくなっておりますのは、わが国の輸出量の増大もさることながら、変動する国際経済情勢に機動的に対処しつつ、対外取引に伴う種々の危険をてん補し、わが国の輸出者等の不安を軽減していくという本制度の機能が広く対外取引において活用され、その効果を発揮していることを示すものであると考えられます。 さて、現在わが国は、貿易構造の高度化、経済協力の推進等を図るため、プラント類の輸出、海外建設工事等の推進に積極的に取り組んでおります。 これらは、いわゆる摩擦なき輸出または技術の提供等としてわが国の産業、貿易構造の高度化の進路に沿うものであるとともに、発展途上国の経済、社会の発展に寄与し、さらにまた国内景気への影響という面においても、たとえばプラント輸出は大きい生産波及効果を持ち、雇用機会をつくり出すなど、多くの効果を有するものであります。特に、国内の数多くの関連中小企業の事業活動にも大きな効果を及ぼすことが期待できます。 昭和五十年度におけるプラント輸出承認額は約五十二億ドル、海外建設工事受注額は約十一億ドルで、いずれも前年度に対して非常に大きな伸びを示しておりますが、これらプラント類の輸出及び海外建設工事等に係る案件の増加及び規模の大型化に伴い、これに必要なボンドの調達に困難を来す例が出てまいりました。最近では、一千億円を超えるボンドを要求され、これを調達できる見込みが立たず受注に失敗した実例も出ております。 ボンドとは、輸出契約等の忠実な履行を保証するために銀行や損害保険会社等が発行する保証状のことでありますが、最近、海外の発注者から要求されるボンドは、そのほとんどがいわゆる無条件・即時払ボンドといわれるものであり、受注者にとって非常に厳しい内容を含んだ保証状となっております。 このため、銀行や損害保険会社等は、要求されたボンドの金額が輸出者の担保能力に比べて大きい場合にはボンドの発行に消極的になるわけであります。このような障害を取り除くためには、ボンドの発行に伴う危険を輸出保険によって担保する必要があり、このため、輸出保険制度に所要の改正を加えることとし、本改正法案を提案した次第であります。 改正点は、輸出保証保険を創設することであります。 本保険は、輸出者等の依頼に応じて輸出保証を行った外国為替公認銀行等の金融機関が、輸出保証の相手方である海外発注者から不当な請求を受けて保証債務を履行させられた場合に、これにより受ける損失をてん補することを主たる内容といたしております。 てん補率としては、包括保険契約を締結した場合には保証金額の九〇%、個別保険契約の場合には保証金額の最大限七〇%とすることを予定しております。また保険料率としては、包括保険契約の場合には年率〇・一%、個別保険契約の場合には年率〇・三%とすることを予定しております。 なお諸外国においては、西ドイツ、フランス、イギリス等の主要先進国を含む十二カ国が輸出保証保険を実施しており、米国においても、最近その導入を決定したと聞いております。 以上、簡単ではありますが若干の補足説明を申し上げました。何とぞ、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について、提案理由の説明を聴取いたします。石田労働大臣。
○国務大臣(石田博英君) ただいま議題となりました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 石炭鉱業の合理化に伴い発生する炭鉱離職者に対しましては、炭鉱離職者臨時措置法に基づき炭鉱離職者求職手帳を発給して、特別な就職指導、就職促進手当の支給を行うなど各般の施策を推進することにより、これら離職者の再就職の促進及び生活の安定に努めてまいったところであります。 しかしながら、石炭鉱業の現況からみまして、今後とも合理化に伴う炭鉱離職者の発生が予想されますことから、政府といたしましては、現行の炭鉱離職者対策を今後引き続き実施する必要があると考えた次第であります。 この法律案は、かかる判断から、石炭鉱業の合理化に関する他の施策との関連も考慮して、炭鉱離職者臨時措置法の廃止期限を現行法に規定する昭和五十二年三月三十一日から五年間延長し、昭和五十七年三月三十一日に改正しようとするものであります。 以上、この法律案の提案理由及び内容を御説明申し上げました。何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(加藤武徳君) 以上で、四案の趣旨説明の聴取を終わりました。 四案に対する質疑は、後日に譲ります。
○委員長(加藤武徳君) この際、お諮りをいたします。 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案、産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の三案につきましては、便宜資源エネルギー対策小委員会において、審査をいたすことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十分散会 —————・—————