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80回国会参議院1977/03/10

商工委員会 第3号

発言数
219
登壇者
11
会派数
4
開催日
1977/03/10

会議録

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三月二日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として藤井恒男君が、また、三月八日、福岡日出麿君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運君が、また、昨九日、高田浩運君が委員を辞任され、その補欠として福岡日出麿君がそれぞれ選任されました。     —————————————

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に福岡日出麿君を指名いたします。     —————————————

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、通商産業行政の基本施策に関する件等について、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 大臣のせんだっての所信表明を伺いましても、大変現在の商工問題に気を使われているといいますか、あるいは御苦心をなされているという、そのほどはわかりますけれども、特にきょうは、主として中小企業対策についてお伺いいたしたいと思うんですが、大臣の所信表明の冒頭にもありますように、企業の倒産の状況が非常に高くなっている。それから、失業者数も非常に多くなっておる、憂慮すべき状態であるというふうにおっしゃっておるわけでありますが、大変これは重要な問題だと思います。  まず、大臣に企業の倒産の傾向について、つまりどういう企業が倒産が頻度が高いのか、あるいは倒産の原因についてはどういう原因が一番多いのか、そういう点についての概括的な御所見をまず最初に承りたいと、こう思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 鈴木先生にお答えをします。  ただいま御指摘に相なりました企業の倒産の量的にも多いことと、なおその内容におきまする傾向でございますが、一応全体といたしまして、昨年の倒産件数は一万五千六百三十八件、負債金額にいたしましても二兆二千六百九十五億、大変量的に申しましてもゆゆしい問題でございます。十二月の倒産が千六百八十五件ございましたが、一月になりまして千二百八十五件、二月になりましてから千三百六十四件とちょっと増加をしております。もちろんこの中の九九%ぐらいは中小企業でございまして、ことに業種別に見ましても、何と申しましても繊維関係でありますとか、あるいは鉄鋼関係でございますとか、大変ばらつきが見られまして深刻な状態をたどっております。  この傾向につきまして、さらに詳細は担当の政府委員から、いま少し詳しく御報告申し上げたらどうかと存じます。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いま大臣から御報告申し上げましたように、昨年一年の倒産件数が合計いたしまして一万五千六百三十八件になっておりますが、大体その内訳を業種別に見ますと、建設業が三分の一の約五千件を占めております。それから商業、サービス業等の各般の産業で二分の一、七千五百件程度、残りの六分の一が製造業という構成になっております。製造業の中では、いま大臣からもお話ございましたように繊維関係等が目立っておりますし、それから商業、サービス業の中では、小売業関係が目立っておるわけでございます。  それから、次に原因別でございますが、昨今の動向を見ておりますと、やはり何と申しましても売り上げ不振という原因が圧倒的に多うございまして、全体の四割程度を占めております。そのほかに関連企業が倒産をしたということのあおりを受けたものも一〇%余りございまして、これらいわゆる不況に関連をした原因というものが全体の半分以上を占めておるという点が、昨年の特色ではないかと思っておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私がいま冒頭にこのことをお伺いいたしましたのは、私も多少資料を拝見しますと、そういう傾向になっておるわけでありますけれども、特にこのうちの、いま伺いました中で、企業の規模別に見ますと、中小企業が非常に多い。しかもその中小企業のうちの、たとえば鉄鋼なら鉄鋼でも、どうも私のこれは詳細な調査とかなんとかいう口幅ったい口をきくほどの資料もありませんし、調査もいたしませんですけれども、感じからいたしますと、どうも下請企業の、そういう位置づけにされているところに非常に大きな倒産という形のものが、不幸な状況が起こっておる。そういうふうにもどうも感じられるので、そういう意味で若干下請問題について伺ってみたいと、こう思うんですけれども、下請企業につきましても、ずいぶんいろいろ遅延防止法でありますとか、さまざまの手だてはされていらっしゃることは承知しております。  ただ私がきょうお伺いいたしたいのは、実は、多少は制度上も見直すべきものもありはしないかという問題もありますけれども、むしろそれよりも、制度的にはこういうはずがないけれどもというのに、実情はその趣旨が生きていない、制度はあるけれども、その制度が働いていないために業者が倒産をし、あるいは倒産まではいかなくとも、倒産の一歩手前状況に呻吟をしている、そういうことが少しあり過ぎるのではないかというふうにも感じます。  で、具体的に若干お伺いしたいが、その前にちょっと申し上げておきますけれども、公取委員会の方にもおいでいただいておるわけですが、一応お聞きいただきたいのは、これは私のところにも相当の業者の皆さんがいろんなことを訴えてくる。訴えてきますけれども、下請業者の人たちの共通の願いは、名前だけは絶対出してくれるな、こういうことをされているけれども、何とかしてもらわなければ助からないが、しかし、どこのだれがだれにいじめられたということが表に出ますと、いまの不況時代でもありますだけに、直ちにもう仕事を切られてしまえば、そこで死ぬ以外にない、そういうことをほとんど共通して訴えるわけです。いま中小企業の人たちがそれほど追い詰められているというのか、それほどつらい立場に置かれている。そのことをまず最初にひとつこれはお聞き取りいただきまして、こういう現状を御理解の上に、私のこれからの御質問にお答えをいただければ幸いである、こう思うわけです。  そのうちの一つの問題は、下請企業の人たちの問題はやはり決済のあり方であります。で、ほとんどの決済のあり方、一言で申し上げますと、手形の期限が長過ぎるということが一つです。それからもう一つは、キャッシュのシェアがだんだんだんだん狭くなってくる。そういう形で元請の方からの手形の方は、そういう手形を受け取っておるけれども、しかし、それをまた下に諸支払いの場合には、たとえば人件費は現金で払わなければいけないとか、そう長い手形ではどうにもならないとか、こういう問題がまず訴えられるわけであります。  そこで、まず最初にお伺いいたしたいのは、通産省で、現在の決済の実情といいますか、実態等について、どのように把握をなされていらっしやるのか、まずそれをお伺いしたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 下請企業の取引条件の動向につきましては、私ども毎月、下請をやっております中小企業約三千六百を調査対象としてその実態を調査をいたしております。その調査事項の中に、いまお示しの手形期間はどうなっているか、現金比率はどうなっているかというような事項も含まれております。  まず手形期間でございますが、受取手形のサイトは、ごく最近の状況では、大体総平均で百二十日ということになっております。これは業種別、規模別にもいろいろ差があるようでございますが、総平均としては大体百二十日程度というふうに報告をされております。  それから次に、受け取りの現金比率でございますが、最近の報告によりますと総平均では大体四五%前後というように報告をされております。これは昨年に比べますと少しずつ、本当にかすかでございますが、よくなりつつあるということが言えるのではないかと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この総平均の話はわかりましたけれども、いまたとえば手形の百二十日、これは総平均で百二十日、そうだとしますと上限と下限はありますけれども、最も長い方はどれくらい、それから最も短い方はどれくらいですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) この統計は、業種別とそれから従業員規模別にくくってございます。したがいまして、業種につきましても、いわばその業種に属するものの平均でございますが、業種別に見た場合に総平均と比べてみますと、繊維は若干短い、それから輸送用機器が若干短いということでございまして、それ以外は平均より多少多いということではないかと思います。  それから、従業員規模別に見ますと、やはり規模の小さいものの受取手形が期間が長い傾向があるということが言えると思います。  それから、現金比率につきましては、先ほど四五%前後というふうに申しましたが、平均より悪い感じが出ておりますのは機械関係、それから金属関係でございまして、繊維関係は六〇%台でございますから、わりあいいい方に属しているのではないかと思います。  それから、従業員規模別に見ました場合には、これは総じてでございますが、一人ないし四人の一番小さいクラスはわりあいに現金比率が高うございます。これは取引単位が非常に少ないので、その程度なら現金で払おうというようなことで、こういう数字になったのではないか。悪いのがやはり三十人から九十九人層、この辺が平均に比べますと悪いということでございます。  以上申し上げましたことは、先ほど申しましたようにいわば業種なり、あるいは規模別の平均値でございます。実際問題といたしましてこれよりいいものもございますが、同時にこういった数字にあらわれていない例外的な非常に長いものも現に存在しているようでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 実態はそういうことだと思いますが、これはちょっと私はどうも深刻な問題だと思うのですね。これは大体、金融機関が手形を割り引く場合の大体の基準というのは、通産省どれくらいというふうに見ていらっしゃるのですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私ども下請関係の支払い条件について、その改善方の指導をいろいろいたしております。やはり現金で受け取る場合は問題ないわけですが、手形で受け取った場合には、それが割引可能でなければならない。その場合の割引可能というものの物差しをどう考えるかということでございますが、従来の一つの目安といたしましては、資本金三億円以上の企業から受け取る場合には、繊維であれば九十日、それからその他の業種であれば百二十日ということを一つの目安といたしております。それから三億円以下の場合にはたしか繊維の場合で百二十日、その他の場合で百五十日ということを目安にいたしております。大体その程度であれば、金融機関へ行けば割り引いていただけるという常識的な限度になるのではないかと思っておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまのおっしゃる意味は、そうすると大体、金融機関の割り引く基準というと少し言葉が適当かどうかわかりませんけれども、その範囲内でおさまっているという見解ですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私どもが実態をいろいろ調査をいたしております。これはこの席で御報告したこともございますが、下請企業が一体支払い条件がどうなっているか、それが適正であるかということにつきましては、通産省と公正取引委員会が協力をいたしまして実態を調査をし、そしてその結論改善を要するべき点があれば改善勧告をする、それが十分行われがたいときには、公正取引委員会の方でしかるべき処置をお願いする、こういう制度でいままで運用をいたしておるところでございます。それを見てみますと、やはりいまだに私どもの考えております適正な基準に対して外れておる事例というものがある程度ございます。したがいまして、私どもはそういう事態を発見するごとに、その都度是正措置を講じておるところでございます。  ただそうは申しましても、先生の先ほど御指摘にございましたように、なかなか下請企業から親企業の名前を挙げてということが実際問題としてむずかしい場合がございます。私どもはそういった場合については、別に絶対に外に漏らさないから、できるだけ私どもは協力をするという意味でこの調査をしているのであるということを繰り返し申しまして、中にはそういう趣旨を理解をして協力をしていただいているものもあるけれども、ただ中には、なかなか正直な数字がフォローできない分野もなお若干は残っているのではないかと思っておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いま長官がおっしゃったのは数字だけで、これは大変だとお思いにならないところに私も少し不満があるんですよ。と申しますのは、総平均が百二十日とこう出ているでしょう。そしていま伺ったところによると、最初の規模のあれにもありますけれども、その適正というか、これは適正というのは少しおかしいんですが、金融機関が引き受けて割り引きをするのの期間が百二十日、こう先ほどの御答弁にありますね。そうすると百二十日であればまあまあ金融機関が割り引くと、それなのに調査の結果の総平均が百二十日ということは、百二十日を超えているものが相当なければ、総平均が百二十日にならないでしょう。したがって、本来なら私は、長官はいまのこの数字が出ただけでもうびっくりするぐらいの気持ち、青くなるぐらいの気持ちが示されないと、善意を持って調査をしても、中小企業側の方は中小企業庁が頼りがいあるとは、なかなかこの問題に限っても、いまの数字といまの御答弁の態度であれば、頼りないというふうに見られるような気がする。だから、いまのこの統計の数字が出ただけで、総平均を超えている部分がどれだけあるかということをすぐに御調査なさるというぐらいの御熱意は、ひとつ持っていただきたいような気がするのですね。これは私の方から強い御要望を申し上げておきたいと思う。と申しますのは、仮に百二十日なら金融機関がこれを割り引くといっても、百二十日分の割り引いたところのこの利子の負担が、一体どれほど重くなっているかということが一つあるわけでしょう、下請の関係ですと。  それからもう一つの場合には、私のところに訴えてくる人は、百二十日ぐらいならまだがまんできるけれどもと言うのが多いんですね。いまのところは百五十日が大体相場だとささやかれておるのが、中小企業の業界ですよ。百五十日が相場であって、百八十日ぐらいのものがもう出てきている。これ以上これでやられたら、そこで一般の経営者の人たちはどういうことをやっているかというと、とてもじゃないが、これは割り引けない、割り引いても大変だ。であるから、別の金融機関にまた頼って、そうしてみずからの私財を担保にして、やりくりをしておいて、一定の期日がきたときにその手形を落として、そういうやりくりをしているわけです。だから、こういう点に焦点を合わせて中小企業のいまの経営実態を見ると、これはやっぱり倒産を導いている、この手形が直接的に役割りを果たさないにしても、その手形の期間が延びるということと、それからもう一つは、人件費なら人件費、最低でも人件費は現金で払わなければいけない、その分の金繰りにやりくりをしているわけであります。  これは大臣にもよくお願いをしておきたいと思うんですけれども、通産省の中小企業対策というのが目玉というのはいつでも金融助成ですね。政府機関の、あるいは制度金融に資金を多く抱き込んでおいて、そうしてその資金面のめんどうを見るというのが目玉の大きなものだ、それはそうなんです。それはそうだが、そのうちの相当部分が、いまの手形決済のやり方を野放しにしておくところから、その穴埋めをやっているにすぎない。そうすると中小企業側に言わせると、一体、この金融に対する資金手当という政府の目的が、中小企業に本当のこの活力を与えるための目的にどれだけ働いているかということが、大きな問題として一つ残るような気がするんです。こういう点について中小企業庁長官はどういうふうにごらんになっていらっしゃるのか、まず伺いたい。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 下請問題は、私ども中小企業庁としては非常に大きな問題であると考えております。製造業を例にとりますと、やはり半数近くが何らかの意味で他の企業からの発注を受け、あるいは部品供給をするというようなことで、下請関係にある企業でございます。特に零細な企業が多いということから、これが何とか健全に生き延びていくためには、私どもとしても最大限の努力を払っていかなければならないと思っているところでございます。特にその下請企業に対応するために、御指摘のように支払い条件というものが大きな要素であるということも十分承知をいたしておるつもりでございます。下請条件の改善につきましては、一方では下請代金支払遅延等防止法によりまして実地の調査をし、場合によっては立ち入りの調査をし、その結果を受けて改善をするという措置を講じてきておりまして、五十年の例をとりますと、調査対象約二万八千件余りのうち、違反容疑事業者数が四千件余り、そしてそれに対して大部分検査を実施して、改善を促しておるというような実情でございます。それと同時に、下請条件についてやはり親企業との間に、いいルールをつくっていこうという意味での指導をいろいろいたしております。  さらに下請の一番の希望は、少しでも仕事が多いことであるということでございますので、下請振興協会等を通じまして仕事のあっせん等も一生懸命努力をいたしておるところでございます。いまお話の中に手形期間、それから現金比率、これらについてもっと具体的な改善の方法はないものだろうかという点が御指摘がございました。私どもも部内でいろいろ議論をいたしております最中でございます。正直に申しますと、手形期間を短くするということになりますと、発注する企業の方が資金繰りの関係から現金比率を下げるという傾向、逆に現金比率の方を上げるようにいたしますと、手形がおのずから長くなってしまう。金のもとが一つでございますので、そういう関係にございます。それでは両方ともよくするようにすればということになりますと、親企業の経営自体が非常にむずかしくなる場合と、それからそのくらいならば自分でつくるというような傾向がございます。  そこでいまの問題は、なかなか一つのルールできっちり縛るということが、実際問題としてはむずかしい問題であるということを、私どもも幾つかのケースにぶつかっていま痛感をいたしておるところでございます。ただ一番の基本は、やはり受け取った手形が円滑に割れれば当面問題が解決するわけでございまして、そういった実情を考慮いたしまして、来年度から一つの構想を持っておるわけでございますが、資金繰り上、どうしても百八十日の手形しか切れないという人に、百五十日でも切れる、それから百五十日しか切れない人に百二十日でも手形が切れるように、特別のやっぱり金融措置を考えていく必要があるんではないか。これを実際に動かしますために、都道府県にございます信用保証協会を活用していく方法はないものだろうかと、こういう考え方をいまいろいろ中で議論をいたしております最中でございます。来年度の予算におきましては、信用保証協会の強化のための基金約十億円が、予算の中に組み込まれております。その中で約二億五千万円ぐらいを活用しまして、いま申し上げましたように手形条件をよくするための制度を応援する仕掛けができますれば、いま申し上げました悩みを多少とも解決できる道が開かれるのではないか、何とかこれはうまく制度に乗っけていきたいといまいろいろ研究いたしております最中でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私が一番先に申し上げましたように、一つはやっぱり制度に欠陥があるということもあるけれども、せっかくつくった制度が働いていないということが、いまのような私は手形の問題として出ているのではないかと、こう思うんですね。もちろんそれを補完するための制度ということは考えなければいけない。しかし先ほど冒頭にお伺いしましたように、倒産件数というのが特に中小企業に多い。という意味は、倒産をしない中小企業は安全だということは意味しないわけでございます。それに近づいている企業がいまどれだけいるのかわからないような状態だと思うんですね。  で、これは言葉じりをつかむわけじゃないけれども、いま長官の御答弁の中に、百五十日でも百八十日でも割れればいいのだけれどもというふうなお言葉があった。これはその言葉だけでいきますと、業者が苦しんでいるのは、割れればいいだけではならないのですよ。割れればいいのだけれどもとおっしゃる政府側の御答弁であれば、その場合の利子補給の手伝いをどうしてやるかということが一緒に出なければ、割引料をどこが見てやるかということが出てこなければ、別の資金繰りで倒れていくといういまのそういう仕組みになっているということなんですね。だからこの点につきましても、手形の期間と、それからキャッシュについても確かにそういう事情があると思うんです。キャッシュのシェアを広げると期間が長くなる。ただそれをちょうど矩形の面積みたいに、面積を一定のものとして皆さんが議論をされているうちは中小企業は浮かばれない。縦を伸ばせば横が縮まる、横を伸ばせば縦が縮まるんですという、問題は矩形の面積をどう拡大をするかというところに目を向けないと、中小企業が浮かばれないということじゃないんですか、そうでしょう。私が言っているのはそういうことなんです。  だからたとえば少なくともいまのキャッシュの問題について言いますと、これはかつても議論をしたことがある。いま初めての議論じゃないはずなんですね。最低限度でも人件費部分に見合うぐらいは現金支払いをすべきものだ。これくらいの原則で、行政指導ができないというはずはないだろうと思うんです。そしていまの手形の割引期間についてもおのずから限度がある。これは大分前の話でありますけれども、台風手形でありますとか、お産手形でありますとかというような、そんなことで騒いだ時代が一遍あったわけです。そこを越えて一応若干は改善をされたと思う間に、もう一度それが台風シーズンが来るというようなことでは、これは私はいまの中小企業政策といいますか、政策と言うよりあえて私は対策と言った方がいいぐらいだろうと思いますけれども、何となしにかゆくないところをかいておって、かゆいところには手をつけていないような感じがしてしようがないわけです。  そこで、もう時間も余りありませんけれども、もう一度私はお伺いいたしますけれども、たとえばいまの手形問題にいたしますと、幾ら何でも期限については、一定の上限というのは、何日以上というのは不適当だというような強力な方針、それから最低限度現金のシェアはどの部分というような、こういうことの行政指導の強力なことができないかどうか。できない場合にはいま申し上げたような利子、割引に苦心しておる金繰りを、いまの少なくとも政府機関の金融の処置というのは、手形の部分の金繰りの手当という意味じゃないはずだと思うんです。そうするとその点は何か考えなければいけないと思うんです。いずれにいたしましても、せっかく公正取引委員会からもおいでいただいておるわけでありますから、いまの私が申し上げた手形取引の実態につきましても御調査もなさっているはずだし、御指導もいただいているはずですから、まず公正取引委員会の御見解をいただき、それに対しての今後の一つの指導のあり方については、通産省の方からお答えを承りたいと、こう思います。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) お答えいたします。  私どもの調査はいわゆる統計的な調査でございませんで、いわば下請法違反行為があるかないかという調査でございますので、必ずしも統計的に正確さがどうかということにつきましては若干問題がございますけれども、私どもが本年手形につきまして調査しました親事業者、これは事業所数でございますけれども、四千八百七十二件のうち、一応の基準として考えております百二十日を超える手形を出しているのが千七百五十三事業所、さらにこれを二、三年前にさかのぼってみますと、四十九年度が四千二百六十五事業所を対象としまして調査しましたところ、百二十日を超えますものが千百三十九、割合にしまして二六・八%。それから五十年度が四千三百九十事業所を対象としまして千四百十一事業所、すなわち三二・三%。先ほど申し上げましたように五十一年度が、これはまだ途中でございますけれども、現在までのところで三六・一%。残念ながら百二十日を超える手形の割合がふえておるということは認めざるを得ないわけでございます。それらに対しまして私どもとしましては一応百二十日、考え方としましては中小企業庁長官がお答えになりましたように割引可能なものと、以外のものは支払いと認めないという考え方で、百二十日以内に何とか抑えたいという考えで指導しておりますけれども、そういう百二十日を超えるものにつきましては何らかの改善方を要請するという形で指導しております。  そういう形で指導をいたしましたものが、本年度が、これは十二月まででございますけれども、三百七十七事業所、昨年度が四百八十三事業所でございますが、今年度は第三・四半期まででございますので、割合からいきますと約五百件近くなるんじゃないかというふうに思っております。極力百二十日を超える事業所に対してはそれを短縮するようにというふうな指導をいたしております。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私どももこの支払い条件の改善には、従来もいろいろ手を打ってまいりましたし、今後ともいい知恵があれば積極的に生かしていきたいと思っておるところでございます。  一方では、取り締まりによりまして長期手形を見つけまして、それを改善するという措置を講じますと同時に、先生がお話ございましたように、面積を一定として考えるのではなくて、面積自体をふやす工夫をという点についても、先ほど申し上げましたようにいろいろ知恵をこらしております最中でございます。  百八十日の手形が受け入れ可能であるというふうに考えておるのではないかと先ほどお話の中にございましたが、私どもは、むしろ百八十日の手形を出さざるを得なかったいままでの人に対して、百二十日の手形が出せるようにするというようなことを頭の中に置いて、いま対応策を講じておるところでございます。御指摘の点は私どもも重々考えておるところでございまして、今後とも一生懸命対応をしていきたいと思っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この問題だけに時間をかけてもいけませんが、これは私の方からも特に大臣と公正取引委員会に御要望を申し上げたいと思いますが、私の感じと言った方が一番正確だと思うんで、私の調査ではなんというほどのことはやっていません——一番極端にひどいのは私は建設業界にあるような気がいたします。きょうは建設省の方は呼んでおりませんであれですけれども、たとえば同じ鉄鋼関係でも、建設業界からの下請の何というんですか、橋梁の足でありますとか、上乗せ部分でありますとかというような、そういう鉄鋼業界が一番極端に長い手形と、それからキャッシュのシェアの少ない手形を持たされておる、泣いておる。傾向から言うとそういう感じが非常に強いんですね。したがってこれは、いま政府は公共事業をもって景気回復ということに非常に大きなウエートを置いていらっしゃるということです。たとえば私の県の岩手県のようなところになりますと、国の高速道路にしてもあるいは新幹線にしても、そういう工事の直接の請負は岩手県にはいないわけです。それで必ず岩手県の業者は下請。それからその鉄鋼業関係の機械関係でもそういうところに納入をするわけです。ところが国の元請の場合には手形支払いは国はやっていないはずであります。キャッシュでやっているわけです。本当の大手の企業はキャッシュで受け取っておる、そして下請には手形で出しておる。その手形がどの業界と比べても一番長いということになりますと、私はこれは相当の問題があると思っております。この件について、特に建設業界については改めて別の機会にもう少しお伺いしたいとは思いますけれども、そういう点にはひとつ目をつけていただいて、御調査の方も、御指導の方もお願いをしておきたい。  特に大臣に御要望申し上げるのは、さっき言ったような景気浮揚対策あるいは景気刺激としての公共事業という役割りが、せっかく政府がそこへねらいをつけておいても、それを帳消しにしていく、あるいは足を引っ張る役割りが、この元請、下請関係の間の手形の決済のあり方も相当大きな足を引っ張ることになっている。その辺に着目をいたしますと、単なる一つの中小企業政策の何かの制度というところをつついていくというよりも、もっと大きな政治的な観点からも、こういうあり方については追及するべきときに来ているのではないか、こういうふうにも考えます。したがって、これはそういう点からの御検討といいますか、点検といいますか、十分なひとつ手を打っていただきたい。そうすると、いまのような問題も解決の方向に必ず進んでこなければならないはずです。こういうふうに私は思うのです。大臣の所見を承ってから、次の質問に移ります。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問、御意見に対しましては、本当に私も感を同じくいたしまして、当面一番大事なのは景気回復の問題でございますが、その景気の回復のやっぱりずれ込みやら、思うように効果の上がらない一つの大きな原因にも相なっておるかと存じます。  今後、この下請の代金のサイトの問題、あるいは現金比率の問題等々につきましても、通産省といたしましても、また建設省に連絡もいたしまして、鋭意努力をいたしたい、かように存じております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それからもう一つ、先ほども長官からもお話がありましたが、要するに、仕事がなくなるという問題、事業量が減ってくるという問題ですね、先ほども、長官の御答弁の中にも、確かに重要な問題だとして御指摘になったと思います。親請が、だんだんに不況になってくると、あるいは事業量が減ってきますと、下請部分に対して侵入してくる。極端な話をすれば、下請がある日突然に、倒産の場合はやむを得ない、これは波及して倒産ということもありますけれども、そうでない場合でも、業界の動きによっては、ある日、突然に切り捨てられるというような不安な状況に置かれておるわけであります。これらの点につきましても、下請中小企業振興法でありますか、あれによりまして大分手は打たれておるようでありますけれども、この振興法を制定をされて、そしてそれぞれの手は打たれておる、あるいは下請取引のあっせんをいまやられていられるわけでありますけれども、始められてからいままで、どれだけの実績が上がっておるのですか、ちょっと伺いたい。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 下請条件の改善のために下請中小企業振興法をつくりまして、親企業と中小企業との関係をよりよいものにしていく一つの目安を用意をいたしたわけでございます。この振興のための基準につきましては、いろいろの団体、機関を通じましてPRをいたしておりますが、それに加えまして、毎年、年の暮れになりますと、その中で特に大事な事項を抜き出して、その遵守方について主な大企業あるいは関係団体等に特に念を入れて要望をいたしておるのが例でございます。これはなかなか一朝一夕に改善ができませんけれども、それでもやはり目に見えない効果が少しずつ上がっているのではないかと思っておるところでございます。また、別途必要に応じまして、契約のひな形のようなものをつくりまして、それを普及をするという手段もいまいろいろ進めておるところでございます。  それから、さらにいまの御質問に関連をいたしまして、仕事の量を確保するという意味からいたしますと、下請振興協会の活動ということが大きな役割りを果たすことが期待をされておるわけでございます。下請振興協会は、いままで予算のたびに逐次数をふやしてまいりまして、五十一年度で全国で四十一協会が設置をされておるわけでございますが、来年度の予算要求におきまして、さらに六協会追加することを要求し、それが認められております。これによりまして四十七協会、すなわち全国各都道府県に下請振興協会を置くということが来年から実現を見ることになったわけでございます。この振興協会の活動といたしましては、下請を探している親企業を登録をし、また仕事を探している下請企業を登録をし、そしてその間をうまく結びつけていくということが主な役割りになっておりますが、最近一年間のあっせん件数を見ましても一万六、七千件に上っておりまして、年を追ってこのあっせん件数がふえてきております。これは、特に昨今、不況の際には下請の企業の方々のお役に立ったのではないかと思っておるところでございます。さらに、こういった一般的なあっせんに加えまして、このごろは広域的なあっせんということに特に力を入れております。  例を一つ申し上げますと、先般、東洋バルヴの倒産がございました。下請企業も非常に多い、特に長野県等に地域的に集中しておる面がある。これは、ほうっておきますと連鎖倒産へ追い込まれることが懸念をされましたので、一方では金融面でのいろいろの対策を講じますと同時に、仕事をあっせんするという面でも私ども現地に早速担当者を派遣をしまして、実情を明らかにしました後に関係の下請振興協会——これは長野県だけではなくて、近隣の協会も含めて会議をし、積極的に仕事のあっせんをするという作業に取りかかったわけでございます。たしか、東洋バルヴの場合でございますと、八十五社ほど長野県に下請企業がございまして、それに希望を聞きましたところ、四十七件仕事のあっせんをしてほしいという申し出があり、それについて一つ一つどういう仕事がふさわしいだろうかということを明らかにしました後に、非常に広域にわたって仕事のあっせんを行い、これはかなりの成果を上げたということが言えるのではないかと思っておるところでございます。  いま申し上げましたように、下請の仕事の確保という点について今後ともいろいろ力を入れていきたいと思っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 かなりの成果を上げたけれども、出てくる数字はそれに見合わない数字が出てくるわけでありますから。私は成果を上げていないというふうに言っているんじゃありません。それほどまでにいまの中小企業界というのは深刻になっているということだと思いますけれども。  もう一つは、先ほどの手形の話も同じようなことでありますし、いまの振興協会の話もそうでありますが、こうした通産省のそれぞれの制度といいますか、仕組みがどの程度に該当業者にわかっているのかどうかということですね、これも実は相当の規模の業者の人でも、私さえ知っていることを知らなかったという例がずいぶんある。ですけれども、伺いますとそれぞれ指導員も置いているし、たとえば商工会議所あるいは商工会には経営指導員も置いてあるはずだし、中小企業の診断士、専門家も置いてあるはずです、わからないはずはないと大体お役所はおっしゃる。そちらの方はわからないはずがないとおっしゃるけれども、下の方はわからないでいるというのが現状だと思いますね。これは相当指導を要すると思います。  それからもう一つは、さっきの下請代金支払遅延等防止法に限って申しますと、公取さんでも、それから中小企業庁もいろいろとサンプル調査なんかもやっていらっしゃる。これは、私はさっき部長さんがおっしゃったように、必ずしも統計があればそれでいいというものじゃない。むしろ統計ではないもので生きた調査というのも必要だというふうにも考えられるのでありますが、これはどうも私から見ますと、陣容が少し足りないんじゃないかという感じがいたしますけれども、おやりになってどうなんですか。たとえばいま下請代金支払遅延等防止法の主管課は、これは公正取引委員会の事務局下請課になるわけですか、それから、中小企業庁は計画部の下請企業課だと思いますけれども。合わせて陣容は、人員は何人なんですか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(長谷川古君) 本局におきまして下請課の課員は現在十五名でございます。そのほか主要事務所におきまして専任の者は大阪で三名、名古屋で一名、他の地方事務所、五地方事務所がございまして、専任はございません。で、ほかの業務と兼ねまして各一名ずつ下請をやっておる者がございます。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 中小企業庁の下請企業課の定員が十三名でございます。その中でいま御指摘の支払い条件の改善にもっぱら取り組んでおりますのが六人でございます。そのほかに通産局に中小企業担当の課が置かれておりますが、一応定員の関係で申しますと十一人がこの下請関係の改善に取り組んでおることになっております。実は、五十二年度ではこれをさらに二名ふやすという計画をもちまして一応予算の編成が行われております。  さらに申し上げておきたいのは、この下請関係の実態調査の仕事のシーズンになりますと、下請企業課だけではなくて中小企業関連のほかのスタッフもこの問題に臨時に応援を求めておりまして、実際に作業をしておる人間はこれよりかなり多くなっておるというような実情でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これは皆さんの方がこの人数で十分だとおっしゃるなら何も私は無理に人をふやせといま言っているつもりはありません。ただしやっぱりいま下請企業の数が三十万を超えていると言われているときに、私がさっき言いましたように、かゆくないところにはかいてやっているけれども、かゆいところに届かないというのは、やはり私はこのスタッフが足りないのではないかという、これはもう外から見ての感じなんです。もちろんさっきの指導員とか何とかというのとはまた別なんですけれども、それで十分だとおっしゃれば別に私はそれを、いや足りないんだと言うつもりもありませんけれども、どうしてもさっきからくどいほど、手形問題なり支払いの決済のあり方なりを申し上げている意味は、おっしゃっていることはよくわかるんだけれども、おっしゃっていることが実際の業界の中には通用されていないから私が申し上げたんであって、そのためには、本当の強力な指導をするにはやはり中央で叫んでおってもどうにもならない問題が多い。しかも、公正取引委員会なんかも非常に苦労をなさると思うのは、一番先に申し上げたように、名前を出してくれるなというような被害者意識が非常に強くなっているだけに、相当細かな手を届かせてやらないと徹底をしないのではないかと思うわけなんです。これはひとつ私の方からは感想というか、所感として申し上げただけでありますけれども、十分であれば十分であるなりに、それだけの成果だけはひとつ上げてみせると胸を張っていただきたいと思うのですね。少なくともいままで私が御質問申し上げたことについては、やっていらっしゃる誠意と御努力は認めますけれども、本当にやったんだと胸を張ったというふうにはどうも私は感じ取れない。それならそれでやはりスタッフも足りないし、スタッフをふやしてもこの問題には突っ込みますと言ってもらった方が、中小企業の皆さんには頼りがいのある中小企業庁であり、通産省である、あるいは公正取引委員会であるという、そういうふうにとられるだろうと思うのです。まとめて大臣の御所見を伺います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま鈴木先生のお話は、まず第一点が下請のいろいろな施策を講じておるが、果たしてそれが末端までいろいろな機構なり、あるいはまた内容が浸透しておるだろうか。第二の点は、これを担当する係員の数を見ても、まことに僅少じゃないかというありがたい御注意だと存じます。  私も全く同感でございまして、この中小企業の問題を通産省といたしまして、いろいろと検討いたしてみますると、さすがやっぱりよく評されますが、世界じゅうで日本ほど中小企業対策というものが完備されている国はないと申されますほどに、実にいろいろな制度、機構ができ上がっておることにかえって驚くような状態でございますが、ところが実際に御商売をやっておられる方々が営々としてお働きになっておられて、これだけのやっぱりいろんな制度、機構があることを十分に御承知のない方が大部分じゃないかと、そういうふうに思いますので、御指摘のようにこういうふうないろいろな制度があることをできるだけあらゆる機会に周知していただいて、PRもして、そうしてこれを活用していただくようにしなきゃならぬと、まあかようにしみじみと思っておる次第でございます。  なお、担当いたしておりまする員数が、あるいは公取にせよ、あるいはまた通産省にせよ、まことに僅少であります点は御指摘のとおりでございますが、しかし僅少ではございますが、一生懸命にこれらの各位が努力をいたしておることもまた事実でございます。しかしながら、何と申しましてもいろいろ定員の関係その他がございまして、この大事な下請その他中小企業の関係に多くの人数を割くことができませんことは、本当に残念でございますが、できるだけ能率を高め、また各方面に対しましても特に地方庁——県庁でありますとか、あるいはまた市町村等の関係、商工会あるいは商工会議所、こういうふうな横の連携も十分にとりまして、その一層徹底を期してまいりたい、かように存じております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 もう一つ中小企業のうちで、中小企業の金融関係の対象や何かについてのいろいろな制限がございますね、この制限について再検討をなさる御意思はないかということをひとつお伺いいたしたい。  たとえば卸売業者は、いま従業員とそれから資本金と両建てにはなっておりますけれども、一応従業員の方はおきまして、資金について申し上げるんでありますが、それはいろいろな考え方があるにしても、簡単に言いますと日本の中小企業——中小企業ばかりじゃない、大企業も含めましても自己資本が非常に少ない。自己資本が非常に少ないけれども、大企業の場合には多少不況風が吹いてもびくともしないけれども、規模が小さくなるほど不況風が吹けば倒れたり、他の何かがあれば倒産という形になってくるわけで、どうしても自己資本の強化ということも必要だ、これはまあ私は素人でありますけれども、そう考えるんでありますが、ところが、たとえばサービス業、旅館も含めますと、資本金が一千万——多分一千万だったと、こう思います。それから小売商店も一千万、卸売業は三千万だったと思うんですけれども、現在の商業活動を見ますと、とても一千万の資本で、それでたとえば旅館なら旅館を経営をしていく場合に、一千万の資本で現在の旅館営業をやりますというと、外部資金というものは相当の大きなシェアを占めなければいけない。そうすると、さっき申し上げたようなさまざまな状態があると経営状態は非常に不安定になる。したがって、業者の方では、私は非常に意欲的な企業の経営者だと思いますけれども、もう少し自己資金をふやしたいという意欲が相当あると思うんです。私が接した範囲内では資本金をもう少しふやしたい、しかし資本金をもう少しふやして一千万を超えると、今度はその中小企業の融資の対象に、それぞれ制度的に、ならないので困るという意見が、私が接した限りにおいては圧倒的に多い。したがって、特に小売業なんかにつきましても、この一千万が決定をされてから相当期日もたっているはずです。それから卸売業については、まあ一遍は改定になったと記憶しておりますけれども、それにいたしましても昭和四十八年あたりからのあの急激な成長に見合っての今日でありますから、少なくとも資本金の資金の力というものは、同じ一千万でも相当落ち込んでもいるはずです。そういうことを考えてみますと、私はいまこれを一つ一つどうこうということを申し上げませんが、見直してみる時期にきているのではないか、つまりある程度は枠を拡大をすべきではないかというのが私の考え方です。これは一まとめにして申し上げましたのですが、いかがですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いまお話にもございましたように、中小企業の定義につきましては四十八年に見直しを行っております。その見直し後の状況について申し上げますと、御指摘の小売業、サービス業については資本金一千万円以下、または従業員五十人以下ということが定義になっております。従来は商業、サービス業一本にいたしまして、資本金一千万円以下、または従業員五十人以下ということになっておりましたのを、四十八年の見直しの際に卸売業について限度の引き上げを行ったわけでございますが、小売業、サービス業については、従来の定義をそのまま引き継いだという形になっております。  で、この中小企業の定義をどうするかということにつきましては、四十八年の見直しのときにもずいぶんいろいろの議論がございましたことを私も聞いております。生産性の格差はどうか、あるいは賃金格差はどうか、資金調達力はどうか、それらの点をいろいろ吟味をした上で見直しが行われたと聞いておるわけでございます。その後資本金の規模も四十八年以降かなり実体が変わっているのではないかというお尋ねでございますが、いまの定義は先ほど申し上げましたように、資本金規模だけではなくて従業員規模と併用いたしまして、どちらかの要件で中小企業に該当すれば、中小企業であるという解釈をとっておるわけでございます。その結果といたしまして、現在たとえば小売業をとってみますと、現在の定義におきましても、全体の小売業の中で、九九・七%が中小小売業であるという形になっておるわけでございます。これをさらに広げまして、この残りの〇・三%程度のものも繰り入れるということになりますと、議論として出てまいりますのは、やはり中小企業対策というのは、一番苦しんでおる中小企業を何とか力づけていこうということが本旨でございまして、それに対していろいろ対応策を講じておる。これが対象を拡大することによって、かえって施策が薄められるのではないかというような議論も当然あり得るかと思うわけでございます。  中小企業の定義いかんということにつきましては、かなりいろいろな面から慎重に考えなければならない問題を含んでおるように思いますので、この定義の見直しということにつきましては、すぐどうこうということではなくて、事態の推移を見守りながら、やはりどうしても変えなければならないというような客観情勢が出た場合に検討をするのが妥当な取り扱いの仕方ではないかと思っておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私の質問の意図を履き違えられていらっしゃる。現在九九・七%が中小企業になって、一千万以下になっている。その九九・七%の人たちが自己資金を上げると中小企業から外れるから一千万円でやっておって、それで困るんだという訴えなんです。九九・七%が満足してやっているならいまの御答弁が正確な答弁です。そうではなくて、そこのところの枠を上げてもらえれば、おれのところは自己資金を上げて健全経営をやりたいんだという、いまの中小企業の皆さんの意欲がある。その意欲を吸い上げることなしに中小企業育成という中小企業庁の考え方が、積極的じゃないという言い方をするんです。旅館なんか考えてみてください。皆さんだって御出張なさると旅館に泊まるでしょう。いま一千万の資金があの旅館の施設、設備にどれだけの役割りを果たすか考えてみただけでわかるでしょう。特にサービス業は従業員の規制では、ちょっと一人前の旅館では炊事から全部入れたら五十人は直ちに超えますよ、超えざるを得ないのです。でなければいまの旅館が持たないんです。そこで出資金でも少しはふやしたい、ロビーを改善するんだって一千万かかるじゃありませんか。それを全部外部資本でやっているところに弱さがある。それを強化させるのには、一千万というのは四十八年のあのときも一千万で据え置かれたわけだから、そのままになっているからそれでもいいというんだったら、これは中小企業の育成という考え方とは基本的には違う。  だから私がもしそういうことなら別の角度からこれは強く御要望申し上げておきます。調べてみてください。いまの一千万の経営者の人たちに、たとえば旅館業なら旅館業、小売店なら小売店もそうです。そこで本当に一千万で満足しているかどうかという調査をした結果、九〇%満足だというんならそれでいまのお話の御答弁で私は承知するけれども、上げる力のないところもあるかもしれません。しかし、いまや中といわれる企業は、本当に意欲的なところはもっとまじめに考えているんだ。その辺のところには答えを出してもらいたい。したがって、私は直ちに増額しろということを、いま、わかりました増額するという御答弁が出そうだとは思いません。であるけれども、本当に中小企業のいまの実態を皆さんが御心配なさるなら、そういう側面からの調査ということが必要だと、これは本当を言うと自己資金と外部資金の比率がどれだけあればいいかという議論になるんですけれども、これは時間がかかるからそこのところは一応避けているんですけれども、どうなんですか、その辺は。もう一遍お答えいただきたい。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 当面の問題といたしましては、従業員規模と資本金規模と二つ併用になっておりますために、資本金の方は一千万円を超えましても従業員の方で五十人以下であれば中小企業になっておるわけでございますが……

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いやそれはわかっているんだ、私さっきから言っているわけだ。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いま御指摘のような問題につきまして、特殊の業界について従来の定義ではどうしても実情に合わないというようなときには、やはり中小企業政策の個々の政策ごとに、適用業種をどうするかという点でもう一回見直しをしてみるということは、これはもう必要があればそういう措置を講じていくのが当然であろうかと思います。なおよく勉強いたしてみたいと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私が申し上げたことは、必要であればというのは別のことであって、参考になるかならないかということが、おまえの言うのは全然客観的じゃないから、必要があればと感じたときにはやると、そういう意味ですか。私が問題提起をしたことも、一つの問題として取り上げて調査をするという意味ですか。もう一度答えてください。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 全般論として中小企業の定義をこの際見直すということは、前回の改正もその検討のために相当の時間を要しておりますので、とっさの問題としてはなかなかむずかしかろうと思っておるところでございます。ただ、おっしゃる趣旨は私どもも十分理解ができるわけでございます。したがいまして、当面の対応策として特定の業種について従来の定義ではどうにも実情にそぐわなくなってきたというときには、やはりその部分についての対応策というものを一つ一つ講じていくというようなやり方で、当面処理をさせていただきたいと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 どうもくどいようですけれども、長い時間かけて検討したのであるからこれは完全だと、通産省の時間をかけた長さによって、完全か不完全かを議論するのがあなたの立場なんだ。私は業者の皆さん、つき合っている人たちの経営上の苦心の生な声を聞いているから申し上げている。あなたがどれだけ時間をかけていまの制度をつくったのかはわからないけれども、問題は、行政のよしあしを時間の長さで決めてもらっちゃ迷惑なんだ。不謹慎じゃないですか、いまの御答弁は。そうじゃなしに通産省としては旅館業なら旅館業、もうこれでいけるという実例を皆さんの方が持って示すなら私は黙って聞くんです。私の方で時間をかけて検討したものですからこれは手をつけるつもりはありませんと。大臣どうですか、そういうような行政があるから中小企業問題は問題が絶えないわけです。いかがですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 中小企業とはという定義の問題につきまして、いろいろ苦心をいたしましたことを長官も申したわけでございましょうが、鈴木先生の御指摘のとおりに、私は自己資本と借入金との企業としての健全性の問題だけでなく、金利負担という問題と、さらにまた中小企業なるがゆえに信用の問題と、また歩積み両建てとかいろいろのそういった金利の重圧、そういう問題を私は実は企業全般として真剣に考えなきゃならない段階にきていると、こういうふうに思っておるのでございます。しかしながら中小企業のいろいろな手厚い対策ということを考えますると、やはり中小企業という一つの指定の中に入りませんと、いろんな恩典を受けられないということもございましょうし、その辺なかなかむずかしい問題だと存じます。  なおまた業種別にもいろいろ検討を要するものがあると存じます。御指摘の問題につきましては、確かに仰せられるとおりのいろいろの問題があると存じますが、なお私どものところで勉強させていただきます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 まあいずれ、やはり一つ一つ皆さんの方でもう少し温かい気持ちでといいますか、本当に育成するという意欲的な気持ちで、中小企業の経営者の皆さんが、前に意欲的に進むような施策というものを私は望みたいということです。きめ細かなという言葉がちょいちょい出るんですけれども、私の言ったことはきめ細かな対策を講じてほしい、少なくとも時間かけて検討したからよけいなことを言うなというような、そんな態度であってほしくないということを申し上げておきます。  その次に、時間が大分過ぎましたから若干の問題について簡単にひとつお伺いいたしますが、最近また問題になっておることに大型店の問題があるんです。これはまあ政府もそれぞれ苦労をなさっていらっしゃるし、それから努力もなさっている。しかしこの大型店の何といいますか、受ける方から言えば最近は殴り込みという言葉さえはやっている。たとえば私の郷里の盛岡でもいま大騒ぎをしているわけです。そのもう一つの型のスーパーの余り大型に入らないところの問題もあるけれども、きょうはその問題は除きまして、そういう問題は地域で相当うまく調整もされている。  特にいわゆる大型店の進出と地域の業界との問題について私は伺いたいのでありますが、商調協とかいろいろな形でチェックもなさっていらっしゃる。しかし、どうもこの進出の仕方が、相当いまの地方の商店会には大きな不安を与えておるわけであります。これに対する対策をひとつ伺いたいと思います。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございました最近いわゆる大規模店舗の地方進出という問題が、各地でいろいろ問題を起こしておりまして、私どもも地元との調整に大変力を使っておるわけでございますが、先生御指摘のように、私どもといたしましては御案内の大規模小売店舗法によりまして、この法律に基づきます地元の商調協を中心とした調整、これで消費者の利益とそれから地元の既存の小売商の方の利益、これをいかにうまく具体的に調整をしていくかということが、何と申しましても本問題調整のやり方の根本ではないかと思っております。ただもう一方では、先生のあるいは御指摘の中の御趣旨ではないかと思いますが、出る方がもう少し、いわゆる殴り込みといういまお言葉を使われましたが、もう少し正々と地元の情勢を見ながらうまく出ていけないか、これももう一つの問題ではないかと思いまして、私ども関係のいわゆる大型店舗の方たちとも何らかの機会を通じまして、そういう私どもの考え方を申し述べておりますが、何分にもまだ関係業界の中にはそういう気持ちは持っておりますけれども、やはり商売の拡張という観点から、出るところにはひとつ何とかして出たいという空気も強うございまして、ただ今後の方向といたしましては、そういう大型店舗の進出の考え方につきましても、できるだけ私どもといたしましては関係者と話をしながら問題を起こさないように、大型店舗が地方へ進出をしていくという方向をとっていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そういけば何も問題はないわけです。ただ私がちょっと伺いたいのは、通産省でそういう御研究があるのかないのかわかりませんけれども、その都市なら都市ですね、中都市、小都市が、私どもの岩手県なんかだとむしろ小都市、都市と言うのもおかしいぐらいのところなんです。人口に対してそうした大型店舗がどの程度にあれば適正なのかというような、そういう側面からの御検討をされている例というのはありますか、ありませんか。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) まず大型店舗の地方への進出に当たりまして、先生ただいま御指摘のございましたような、この地域ならばどの程度の要するに店ができれば、地元の既存の中小小売商の利益を損なわないでできる範囲であるかというようなことは、実は私どももそういう問題がつかまえ得れば、大変この問題の調整に役に立つと思っておりますが、実際になかなかこれはむずかしい問題がございまして、一般的に通ずるような原則をつかむことはなかなかむずかしゅうございますが、ただ私どもはこの大型店舗の問題は非常に昔からの問題でございますが、四十九年、現行法が施行した後、かなりの新しい問題がたくさん出てきておりますので、そういう問題を具体的に幾つかとらえまして、実際にいままでのケースの中で地元の中小小売商業への影響がどうであったかという調査等は実施をやっておりまして、何とかいま先生の御指摘のような問題についての目安がつかまえることができるならば、今後も運用に非常に役に立つ、こういうふうに考えておるわけでございます。いままでのところ非常にはっきりといたしました基準なり一つの指針になるような調査、考え方というのは残念ながら私ども現在のところ持っておりません。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それは確かにむずかしい問題だと思うし、簡単にこうでというふうに結論が出る問題だとも思ってはおりません。ただいろいろな問題を起こした事例を見ますと、これは大規模小売店舗法、あの法律がある、それから商調法がある、それでやっていくからいいのだという形にはどうもならないわけですね。いわば、通産省の行政指導はある程度一生懸命やっていらっしゃるけれども、行政指導が力負けしているような状況がありはしないかということなんです。特に余り大きくもない人口のところに大型の店舗がどんどんどんどんできてしまいますと、これは周辺の小売店がそれによってあおりを受けたという実例は、あちらにもこちらにもあるわけでありますから、したがってある程度の大型店の面積の規制というようなことを、行政的にというわけにはいかないにしても、一定のそこの商圏人口と売り場面積というようなことは、これはまあ専門家に頼むかなんかあるいはいままでの実例からのケースによって一つのやっぱり指導というものがなければ、無差別に出てくるような気がいたします。  それからもう一つは、よく大型店が問題になりましたころには、実は周辺の小売商店がその影響を受けて、逆に言ったら客が多く集まってくるからという考え方が相当議論をされたように記憶しております。しかし、たとえば岩手県の盛岡市なんかの例を見ますと、いまやそういう小売店が経営をしているその地域に、大型店をつくれるようなスペースというものはもうほとんどないといってもいいわけですね。そういたしますと逆に一歩離れたところに、独立した物すごく大きな大型店、まあ小さな食料品を中心にしたスーパーというようなそんなことを意味しているのじゃない。そういたしますというと、むしろ商圏移動という役割りを果たしてしまってそして小売店の利益のためにはならない。あるいは消費者側の方から言えば、そういうところが出てくれば便利だという議論もずいぶんある。しかしまた消費者側から言うと車を持った者は買いに行けるけれどもというような問題が出てくる、交通規制の問題が出てくる、さまざまな問題をかもし出すわけであります。だからそういう点でいま商工団体、たとえば盛岡の場合ですとこれは新聞によりますと商工会議所も、それから隣の大型店が出てくると言われている先の商工会も、これはもう強力な反対運動をするということを決定をしているわけです。しかしそういう気持ちは私はよくわかるわけでありますね。軽率にここを認めてもらっては——、もっともこれは届け出制だからと言えばそれまでの話。届け出制だからというなら店舗法の見直しということも出てくると思います。そういうような意味からも検討しなければいけないので、相当これはある程度の規制措置を検討してみる必要があるんではないか。  実はそれからもう一つ、これはよけいなことかもしれませんけれども、商工関係の皆さんで心配をしていることの中には過去の実例があるわけですね、さまざまな。たとえば商調協で売り場面積についても話し合いがついたと、キィー・テナントが幾らで地元が幾らでというような面積の話し合いがついた。しかし、実際あけてみたら設計をしたところに連絡通路がその面積に入るとか入らないとか、それの解釈の相違を議論しているうちに、もうずうっとそこに店舗ができちゃったといったようなさまざまな例があるんです。そういう点から考えてみても、この問題は私はやっぱり相当強力な実情に見合った行政指導がないと、いまの中小の小売業者にとっては物すごく不安だと、こういうふうにも考えるわけです。でありますから、余りくどくはこの点については申し上げません。  何か伺いますと、新聞によりますと、中小企業庁がこの大型店の進出につきまして、大規模小売店舗法のほかに小売商業調整特別措置法ですか、これを厳格に運用するようにということを都道府県知事に通達を出すというようなことを新聞でも拝見をしましたけれども、それを厳格に適用しながらも、いまの問題点を——もうここまで全国的な問題になってきますと、やっぱり中央でも知事に任せることなしに手を打たなければ、こういうふうに思うものですから申し上げたんですけれども、通達はお出しになったのですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) お話ございました商調法、厳格には小売商業調整特別措置法、この条文の中には、中小小売商とその他の者との間の紛争について、あっせん、調停または勧告ができる旨の条文がございます。その他の者といいますと、いわゆる大型店の問題もあり、あるいはメーカーの直販の問題もあり、さらには生協、農協等の活動も含まれるわけでございます。中小小売商がそれ以外の者の活動によっていろいろな打撃を受ける。それについて紛争が生じたときに、第一次的には都道府県知事があっせん、調停を行い、さらに場合によっては勧告をし、そしてそれが十分効果を発揮しないときには主務大臣においてさらに勧告の措置をとる、こういうことが規定として用意をされておるわけでございます。この条文は、従来は必ずしもこの条文の形で運用されておりませんで、いわばこの条文があることを背景にして、事実上の調整を行うというような形で運用されてまいりました。ただ、昨今のように小売商をめぐるいろいろな紛争が出てまいっておりまして、中小小売商が非常に不安な状態にある。こういう際にはこの条文をもう一度うまく使えるように工夫をするということを考えてみる必要があるのではないかということでいま検討いたしております最中でございます。そう遠くなく、何らかの指針を用意をいたしまして、これが各府県を通じて中小企業小売商の問題について、多少でも改善に役立つような使い方に持っていきたいと思っておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ぜひひとつ通達を出すといううわさというか、話があるから、出ないうちにというような動きを誘発したりすることも——まああるかないかわかりませんけれども、私どもが外から見るとそういう心配もありますから、適切な手はやはりできるだけ早く適切に、先回りして打つようにひとつお願いをしておきたい。  それからさきに申し上げましたように、商圏の人口とその大型店の売り場面積の比率などというのも、たとえば北海道の釧路市あたりでも市自体でそういうような基準を出したというような例もあるようでもあります。そうした点を少し細かに御調査願えれば、中央としての御指導ができないはずはないとも思うんです。そういう点はきめ細かなひとつ御指導をお願いしたい、こう思うわけです。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) ただいまの御指摘にもございました地方の都市の人口、それと売り場面積との関係等、先ほど御答弁申し上げましたように、私どもも現在までの事例等から何とかひとつ、一つの目安ができるように今後も調査を進めていきたいと思います。  それから先ほど基準面積の問題、あるいはある地域にスーパーができることによりまして、その地域ではないほかの地域の購買力が移動するというような問題、いろいろあると思います。たとえばそういう問題につきましては、商調協の活動につきましても、その地域の商調協ではなく、それに関連するところの商工会議所、商工会、その他関係者の意見を聞くというようなことで、法律をバックにいたしましてその地元の実情に応じました円滑な結論のもとに新しいスーパーの進出を認める、そういう方向で私ども今後も努力を続けていきたい、かように考えておるわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この点についてはぜひひとつ、適切な御指導をというと少し中身がはっきりしませんけれども、申し上げた意図はおわかりいただけたと思います。  あと、最後にもう一つだけ、いわゆる企業分野法についてお伺いいたしますが、政府は中小企業分野法をお出しになるというふうに伺っておりますけれども、その準備ができたのか、いつごろ提案をされるのか、まず最初に伺いたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 分野法の制定につきましては、昨年の夏以来、中小企業庁として積極的に取り組んでおるところでございます。このために中小企業政策審議会の中に分野問題の小委員会を設けまして、そこで十一回にわたって議論をしていただきました。その結果が昨年のたしか十二月十四日であったかと思いますが、意見具申の形で取りまとめられましたので、私どもはいまこの意見具申をもとに立法化の作業を進めておるところでございます。なるべく早く国会へ提出するようにということをかねがね承っておりましたので、私どもの気持ちといたしましては、何とか三月下旬ぐらいには閣議決定に至るような段取りで進めたいと思いまして、いま着々準備を進めておる段階でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そういたしますと、三月下旬ですか、提出のめどは、いま。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 三月下旬には閣議決定に至るような段取りを頭に置きまして、いま作業を進めておるどころでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そうすると、具体的な細かい——細かいというと少し語弊がありますが、具体的な諸問題については、いずれ法案の審議の機会もあると思いますからそのときに譲りますけれども、私は基本的なことをちょっといま——まだ幸いに閣議決定もしていない、いま御検討中だということであり、それから法案を提出なさるということもはっきりしたわけでありますから、基本的なことについて御質問というのか、私どもの方から御注文申し上げたいと、こう思うんですけれども。  まず最初にその一つは、何となしに私ども新聞等で拝見をしている限りは、審議会の答申もややそういう傾向があるように見受けられますけれども、大企業と特定の中小企業との営業上の紛争の調停を目的とするようなふうに私どもの方は、どうも伝えられるところから見ると、そういう印象を受けるんでありますけれども、これに対する通産省の基本的な考え方はどういうところにありますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) この分野の問題が起こってきましたそもそもの背景といたしまして、中小企業が一生懸命仕事をしておる、そこに突如として大企業があらわれたために中小企業が大きな打撃を受け、先行きの不安にさらされる、こういうことを少しでも排除していこうということが基本的なねらいでございまして、答申におきましても、一方では消費者の利益、それから産業の活力の維持、こういった点を配慮しながら、何とか中小企業の経営の安定を図っていこうということをねらいとして答申がまとめられたわけでございます。その中で紛争を解決するということについてのいろいろな道具立てについて提言がなされておりますが、私どもの率直な気持ちを申し上げますと、この問題の基本はやはり中小企業基本法に返ってくる。中小企業基本法によれば、「中小企業の事業活動の機会の適正な確保を図る」ということが書いてございます。  やはりそういう気持ちを常に頭に置きながら、現実に起こった問題をどうするかということについてのルールづくりをするのが、この私どもがいま考えております分野調整法の基本的な考え方ではないかと思っておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そのとおりだと思うのですね。中小企業基本法の目的に沿って中小企業を育成するといいますか、強化するといいますか、そこに目的を置かなければいけないことはいまの御答弁のとおりだと思うのです。  そこで気にかかるのは、なぜ私がそういうことを伺うかといいますと、私が気にかかるのは、よく中小企業分野調整法とかという見出しが新聞に出るものだから、その法案の名前が。いまの長官の御答弁の趣旨に基づくと調整法ではないはずです。中小企業の分野を確保する法案でなければいけない。私どもの党としても中小企業分野確保という言葉を使って法案を提出しているわけでありますが、中小企業の事業分野を確保するという目的に沿った法律の名前なのか、調整するということの名前なのか、名前で議論するというのもおかしな話でありますけれども、名は体をあらわすというから私は心配なんです。その辺の御見解はどうなんですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 先ほど申し上げましたように、いま立案の作業をいたしておるところでございます。  表題をどうするかという点でございますが、まさに体が決まって名が決まってくるんであろうという感じがいたしております。いまは大企業が進出してきて中小企業が困ったときにどういうやり方をしたら一番円満なおさめ方ができるかという仕組みについて、法律技術的な面からいろいろ検討をいたしておる最中でございます。それに応じまして一番ふさわしいような名前を考えていきたいと思っております。  ただいずれにしても気持ちといたしましては、先ほど私が御答弁申し上げましたような気持ちを頭において仕掛けをつくっていくつもりでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 もう少し念を押しておきますと、まだ法律の要綱も条文もできないうちに、法案の内容の質問ということも、これもまたきわめて不見識な話でありますから、そこまで踏み込むつもりはありません。いまおっしゃった名は体をあらわすということですね、中小企業の分野を確保するという、基本法に基づいてそれをやるんだ、それにもう全部が徹してもらいたいということです、私のまず申し上げたい一つの注文は。  そういたしますとどういうことかといいますと、私は主体は中小企業にあるわけですから、中小企業といっても一般的に抽象的に言ってしまっちゃぐあいが悪いんでありますけれども、たとえば軽印刷なら軽印刷あるいはクリーニングならクリーニング、最近は葬祭業等もあります、さまざま。将来も心配をされている。そうしたらそこに主体を置いて、この部分に対しては他のものは進出相なりませぬぞという法案にならないと、確保の法案にはならないわけでありますが、そういう精神が貫かれるんだということを言っていただければ私はよく理解できるし、私の考え方と同じだと、こう言えるわけなんです。その点はいかがですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) いま御質問をいただきましたことは、中小企業業界の一部にもございます業種指定という仕組みを骨格にして法律を考えるべきではないかというお尋ねではないかと思うわけでございますが、実はこの業種指定の問題は、先ほど申し上げました分野問題についての小委員会でも、非常に議論の中心になった事柄でございます。確かに業種を指定してそこへは一切大企業が入ってはいかぬ、あるいは入る場合には非常な制約をつけるというやり方は、明快と言えば明快なやり方であるかもしれませんが、実は同時に非常にいろいろむずかしい問題を含んでおるように思うわけでございます。と申しますのは、基本的な考えといたしまして、競争制限との関係をどう見るかというような問題がございます。ただそれと同時に、現実問題として非常にむずかしい問題があるような気がいたしておるところでございます。  と申しますのは、そもそもこの分野についての問題が発生をいたしましたのは、大企業が進出をすることによって中小企業が打撃を受けるということが、そもそもの発端になるわけでございますが、大企業が一体いかなる分野へ出てくるのか、あるいはどういう出方をするのか、この辺がわかりませんと、問題のスタートが切れないわけでございます。それをあらかじめ予知するというようなことが不可能でございまして、それを予想して政令で業種を指定する、あるいは法律で業種を指定するということが、現実問題として困難なように思われます。さらに、それを何らかの機械的な基準で決めるというような案が考えられないかということも議論がなされておりますが、それも、たとえば中小企業が出荷額の七割を占めておるような業種を対象とするという、こんな案を仮に用意をいたしたといたしましても、その業種の数は全体の業種の数の六割ぐらいを占めるというような形になるわけでございます。製造業の全業種の六割に当たる業種について、事前にチェックをし、それがいいか悪いかというようなことについての指示をするというようなことは、実際問題として事務的にも不可能でございますし、またそれが仮にいいといったから後で問題が起こらないという保証もございません。こういった意味で、実務の面からいって業種指定はむずかしかろう、こう考えるわけでございます。  以上のような議論を頭に置きまして、審議会の意見具申におきましては、業種指定というようなやり方を避けまして、問題が起こる都度、それを円満に解決をするような機動的な仕掛けを用意してはどうかという内容になっております。私どももいま申し上げましたような議論の経過を踏まえて、もう一度考えてみますと、やはり意見具申のような形で処理するのが妥当なやり方なのではないかと思いまして、いまその方向で法律の作成作業を行っておる状況でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 どうもわかったようなわからないような話になってしまうわけですね。というのは、私は一貫した趣旨で、この法案を全部つくってくれということを言っているわけです。つまり中小企業の事業分野を確保するという中小企業基本法の第一条の目的に沿ってきっちりいくんだと、そういたしますと、いきなり指定するかどうかという話にまずいく前に、その分野を確保するんだ、そうすると、その分野に対しては他の大企業がここを侵しちゃなりませんぞという趣旨の法律になるわけでしょう、確保するという以上は。それをどれをやるか、どれをやるかという話はまだそこへいく前に、物の考え方としてはそうだ、しかしいまだんだんだんだんに、最初の方はよかったんだけれども、後の方になってくると、大企業が一応来るということを前提にして、来てみて始まったらそのときにどうしようかという法律になってくるんでは、これはもう手おくれになってしまう。  特に私が申し上げたいのは、この法案ができる、あるいは中小企業の分野を確保しなければならないという世論がここまで広まってきたのは、大企業に侵された実例が出てきてそういう議論が出てき、審議会の答申になっているわけでしょう。そうするというと、全然どの業種がどうなるのか、全然わかりはしないでこの法案をつくりますというような、白い紙に法律をつくるという、頭に書くのじゃなしに、社会的な現象があった上に、これをどう法律に仕組むかということがこの問題の焦点じゃありませんか。そうしますと、この業種指定なら業種指定のところにいきますけれども、業種指定というのがむずかしいか、むずかしくないかということになれば、それはむずかしいということは私もわかりますよ。むずかしいということはわかるけれども、しかしできないかというと、やり方を工夫をするという方がむしろ前に向いているじゃありませんか。たとえばさっき申し上げましたように、業界の皆さんも大変心配していらっしゃる。過去においての軽印刷の皆さんとかクリーニングもそうだ。あるいは豆腐業の人もそうだ。挙げると全部——それは皆さんの方がわかり切っておることですから一々挙げませんけれども、そういう人たちが侵された実例があり、あるいは侵されようとした実例があって、そこでそれを防止するという法律が今度できるわけでしょう。したがって初めから全然白紙なんです。どこの業種がどういうことになってくるかわかりません、いずれ大企業が侵してきたのを見てそれから何とか始末をしますということになったら調整法で——そのときには大体もうやられているときですよ、先ほど私が大型店のときにも申し上げたのはそのことなんだ。いろいろなことをやっているけれども、もう大企業の方は先に進出をしてきて、売り場面積にしてもそうですよ、言いがかりと言うとまた適切な言葉じゃありませんが、いろいろな理屈を、自分なりの理屈をつけて、そして売り場面積でも何でも広げてしまって既定事実をつくってしまう。そこから調整に入るんですから、とてもじゃないがそう簡単にはいかない。それを事前に防止するというのがこの法律案だ。  でありますから、これから法案を御検討なさる場合でありますから、少なくともいままでにそういう事例があったことは頭の中にはあられるわけでしょう、立法作業をする場合に。少なくとも、いまの軽印刷なら軽印刷にしてもクリーニングにしても、あるいは最近の葬祭業で言えばデパートがそれをやり出して大変だという事実とか、そういう具体的な事実は通産省の方はちゃんとわかっているわけだ。そうすると、そういう業種、いままでに起こった問題の業種はこの法案をつくるところの中の想定には入っているわけですね、そうでしょう。想定に入っておってこれを指定できないということは、立法技術上の問題になってきやしませんか。したがって立法技術上の問題であるなら、その立法技術的な問題をどう解決をするかということをみんなで知恵を集めていこうじゃありませんか、そういう基本態度に、ぜひひとつこの法案提出までの間に取り組んでいただきたいということを、私はこれはもう強く御要望申し上げておきます。少なくとも、まあこれは思いつきでありますから、具体的にいま私が何業と何業と何業をどういう形で指定をするんだということまでは、とてもここで申し上げてもそうという返事が返ってくるとも思えませんし、いまも御検討中でありますからそれはそれでよろしい。そうすると、いま想定されている部分は含む。その想定の中にあるわけですから、そうすると、それから新しいものが何が出てくるかということは、確かにわからないと言えばわからないかもしれない。そういたしますと、そういうケースについての規定の仕方があるだろうと思いますね。たとえば、そういう事例が今後出た場合にはこれを弾力的に指定をしていくとか、あるいは安定をして、かまぼこならかまぼこが、これはもう大企業は全然進出をするという心配がなくなった、そういう情勢のときにはまた指定から外していくとか、そういう弾力的な物の進め方、行政のあり方ということも、その行き方を法律の中で一つ決めておくということがあるじゃありませんか。中小企業関係の法律案には幾らもそういうのがあるじやないですか。業種は政令で決めるというやつがあるでしょう。法律案ではちゃんとそうやっておいて、立法的には、具体的に対処をする業種は政令で決めるという中小企業関係の法律が幾らもあるじゃありませんか。そういうやり方をこの企業分野に適用するということが、立法技術上不可能と私は考えられない。そうすると、何か大企業が襲ってきたときに親鳥がひな鳥をかばうみたいに、それからおれがここへ行って、それから守ってやるんだという社会保障的な、そんな考え方で中小企業を見てくると、最初に御答弁いただいたこの法の目的とおかしくなってくる。確保じゃなしに調整になってくる。そこのところを、一貫して中小企業の分野を確保するというところをひとつ貫いていただきたいということを、これは強く御要望申し上げておきたいと思います。  同時に、さっき言いましたように、 いまあった、さまざま私が事例として挙げました業種については、この法案をつくるときには想定されている。これはもうそのとおり肯定をして立法作業に取り組んでいただきたい。具体的な問題は法案審議の機会があると思いますから、きょうは基本的に私の方からの御要望を申し上げておきたいと、こう思います。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。  午後一時より再開いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時十二分開会

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、産業の貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 現在わが国にとって最も緊急を要する政治課題というものは、何と言ってもこの深刻な不況を克服して、経済を回復させるということが重要課題となっているわけでございます。先日のNHKの世論調査の中におきましても、現在のいわゆる国会に何を要求するか。その中で二五%が不況対策という数字が上がっておりますし、また感じとして、現在不況を本当に感じているのは、九三%の人が不況を感じているという回答を寄せているわけでございます。こういった事柄はいまだかつてなかった事態でもございますし、これにどう取り組むかということは、通産大臣としては非常に重要な課題の一つであろう、こういうふうに思うわけでございます。  ところが、先日来の通産大臣のこの所信表明の中をもう一遍目を通さしていただきましたところが、この不況対策に対する、対処する方法論としてただ六行ばかり公共事業の執行促進、七項目云々ということで、わずかにこれだけが載っているだけで、通産大臣として特別なこの景気対策に対する措置というものが何もうたわれていないという実態でございます。そういった立場から、どういうふうに通商産業大臣として臨まれているのか、具体的に方途を御説明願いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問は、先般の所信表明が抽象的であって、より具体的な方策を示せ、こういうことであろうと存じます。  御案内のとおりに、不況の状況は、本年に入りましてからも横ばいの状況にありまして、われわれは一日も早く軌道に乗せなけりゃならぬ、回復しなければならぬと存じておりますが、これには何と申しましても、今日御審議をいただいておりまする予算、並びに先般通過いたしました補正予算等が、すみやかにこの経済市場に政府資金として散布されるということが一番の根本の問題だろうと存じます。しかしながら、このような公共投資を中心といたしました資金散布というものが、確かに景気は刺激いたしまするけれども、同時にまた、私ども通産省が所管をいたしておりまする中におきましても、あるいは電力会社等の建設計画といったようなものが具体的にはいろいろございます。かようなものを繰り上げ発注いたしますることによりまして、やはり通産省は通産省なりの改善の努力も払っておるような次第でございます。  いまの予算の早期の執行ということは、当然上期に寄せられました資金の散布ということがございましょうが、わが方といたしましては、速効性と言わんよりもいささか遅効性になりまするけれども、プラント輸出というようなものもあるわけでございます。いままでコミットいたしました各方面の経済協力あるいは援助、こういうふうなものが現実には停滞をいたしておる、日本は約束ばっかりして一向すみやかに実行しないのじゃないかということもございまするが、かような問題などは、帰するところ今回御審議をいただいておりまするボンド保険、つまり言えば金融機関に対しまする発注者の保証というものがいままで出なかった、そういう制度がなかったということでありますが、今回のボンド保険の制定によりまして、金額から申すならば、半期で四千億でありますから通年八千億の保証料が支払われるということを、プラント輸出の各方面におきましては実は待機しておるような状態でございまして、これまた法案が通過いたし、軌道に乗りますれば、プラント輸出の方面におきましても積極的に出てまいります。  まあ貿易の関係でございますと、ECの関係あるいはアメリカの関係におきましても、テレビやあるいは平電炉の鉄の問題とかいろいろ摩擦がございますが、プラント輸出の場合におきましては摩擦のない、しかも相手国が待望いたしております施設の問題がありまして、双方が本当に喜ぶ姿において相当額の発注が国内市場に出るわけでありまして、設備投資その他の面におきましても膨大な額に上ると存じます。これらがやはり景気回復の大きなよすがであろう、かようにも存じておるような次第であります。

桑名義治公明党

○桑名義治君 この景気を回復するためには、もちろん輸出の貿易の拡大ということも当然考えられるわけでございますけれども、しかし現在のアメリカの情勢あるいはEC諸国の動勢等を考えたときには、これは大きく望むのはむしろ無理ではないかというふうに考えられるわけですが、国内においてはいわゆる電力の早期発注というお話でございます。しかし大きく柱を建てますと、これで三つになるわけですね。  先ほどもお話し申し上げたように、所信表明のときの公共事業の執行、それから。プラント輸出、電力の早期発注、こういった大きく分けると三本の柱。私はもう少しきめの細かい対策がいまは望まれている、それと同時にもちろん一年という将来を見きわめながらの政策も必要ではございますけれども、いま早急にやらなければならない問題は、月々倒産が戦後最高をどんどん示しているように、不況が長期にわたっている、これを早急にどういうふうに改善をしていかなければならないかという目先の問題と一年先の問題、あるいは将来にわたる問題、こういった対応が最も必要ではないかと、こういうふうに思うわけでございますけれども、そのほかに具体的にどういう施策を考えられておられるのか。プラント輸出というのはもう外国がどういうふうないわゆる対応を示すかということによって初めて決まるべき問題であって、それよりもまず国内的にやはり不況を脱出する方策を通産大臣として打ち出す必要があるじやないかと、こういうふうに考えますが。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの国内的ないろいろな問題だと仰せられます中で、一番何と申しましても重要性を持っておりますのは、中小企業の今日の状態を一日も早く救い上げていかなきゃならぬと。もちろん大企業におきましても、設備投資その他が軌道に乗りますることが前提でございまするけれども、同時に、われわれが総企業数の中から考えましても、全体の九九・七といわれるほどの膨大な中小企業、この中小企業が今日少なくとも当面いたしました冷え込んだ状態を何とかわれわれの力によって救い上げてまいらにゃならぬ、こういう当面の問題がございます。  そういう場合におきまして、業態別にきめの細かいことを申すならば、まず一番落ち込んでおると思われますのは繊維関係でありますとか、あるいはまた造船関係関連企業、あるいはアルミニウム関係の製錬関係と、こういうふうな非常に苦しい状態にありますものもございまするし、また同じ中小企業と申しましても、大分ばらつきがございまして、比較的いい状況にありますのは家電の関係、あるいは通信機器、あるいは自動車工業、こういうふうなものもございます。これらの中小企業対策の中には、われわれは何といいましても非常に信用力の少ない、しかも企業構造からいいまして、非常に借入金を膨大に抱え込んだ、金利負担にあえいでおるというようなこの企業、これに対しまする金融の面から考えますると、やはりわれわれが直接政府関係の三機関と申しますか、商工中金あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫、こういうふうな政府系の三機関の金融から積極的に特段の、資金量というものも三兆六千億という大体の枠組みも予算的には考えてございまするが、同時に、なかんずく小企業、零細企業に対しまする国民金融公庫の枠としましても四千七百億という総枠は持っております。しかしこれらの中小企業が民間金融機関に依存いたしておるという度合いは大きいのでございまして、その中でも、あるいは信用金庫あるいは相互銀行といったような民間で、しかも中小企業を対象にいたしまする金融機関に大体四五%程度のものをこれらの中小企業は依存いたしております。  こういうふうな民間金融機関に対しましての貸し出しを何とか有利にするためには、信用力のない中小企業に対しまして信用補完制度、つまり中小企業金融公庫でありますとか、あるいはまたさらに再保険の問題でありますとか、こういうふうな制度をつくりまするとか、あるいはそのほかにもきめの細かい中小企業対策を総合的にやってまいる。同時にまた中央政府でありまする通産省だけではなく、地方通産局を通じましてのいろいろな地方庁あるいは市町村に至りまするまでの各機関を通じまして、緊密な連携のもとにあるいはこの不況対策をどうするか、あるいはまたそれによって生じました転廃業をどうしていくか等々のきめの細かい対策を総合的に駆使いたしますることによりまして、少しでもこの中小企業の落ち込みを立て直していかなきゃならぬ、全力を尽くしていたしつつあるところでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 いまの大臣の御答弁の中で、一番中心になるので九九・七%という中小企業を浮揚させることがすなわち景気の回復の大きなまた柱にもなる、そのためにはいわゆる金融対策でもってこれはあがなっていく方針である。概略申し上げればそういうお話であったと思います。  で、この中小企業対策につきましてはまた後ほど論議をしたいと思いますけれども、全体として中小企業がいま一番困っているのは、もうこれはたびたび論議になっておることでございますけれども、金融もさることながら仕事をどう確保するかということが一番大きな問題になっているわけです。そういった立場から考えた場合には、いま言われた資金的な手当てももちろん当然大切なことではございますけれども、この仕事に対するいわゆる考え方、ここら辺を明快にしておかないと、私はこれはもう空振りに終わるんじゃないかというふうに考えるわけですが、その点どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話が出ました仕事量という問題がございます。お話のごとくに、相当資金的にはいろいろの手当てが講じられておる、しかし資金はあっても仕事がないのでどうにもならぬというようなことも実態的にはよく承っておる次第であります。こういうふうな仕事をどう与えていくかということになりますると、これは根本的には景気の全体的な回復がなければ本当の軌道には乗らないだろうと存じますが、それにつきましても政府資金の中央政府、地方政府、あるいは公共団体等の資金散布というものが要するにはずみ車になってまいりまして、その公共投資その他の発注が出ますことによりまして仕事量も出てくると、そういう中におきましても特に官公需の問題、あるいはまたその他公共団体をも動員いたしまして、少なくとも中小企業を優先した姿において仕事をお願いしていく、こういうことをやはり政策といたしましては考えておるような次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 いずれにしましても大臣になられてまだ三カ月しかたたないわけでございますが、五十二年度の予算がいま衆議院で審議をされておりますさなかでございます。そういった立場から今回このような長期の不況、あるいは経済のどん底の中で、通産省としてはどういうふうな事柄を柱にして今後のこの不況の乗り切りをやっていこうとしているのかという、その面がはっきり明快にならない限りは、それぞれの企業もその目標の立て方がまた違ってくるわけですし、そういった意味で明快ないわゆる大臣としての、いまこれをぜひやっていかなければならない、ぜひこれをやるんだという、そういうものが業界としては最も知りたがっている事柄ではないか、こういうふうに思うわけですが、その点の御答弁を願いたいと思いますが。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま通産省としてはこれをまずやるんだということにつきましては、いま申し上げたような概括的なことに相なりますが、さらにこれを業種、業態別にも、あるいはまた地域別にもいろいろとおのおの分かれておるような状態でございます。  で、中小企業の問題に主として集中してお話を申し上げるような次第でありますが、いま御質問の趣旨がちょっと私は読み取れなかったのでございますが、たとえば通産行政の中で大きな抱負経綸を持っているかと、こうおっしゃれば、私はまずエネルギーの問題というような問題に取り組まなきゃならぬと、こういうふうに存じておりますが、しかし、エネルギーの問題とはまた別途に国内経済ということになりますれば、私どもの所掌の中におきましては一番中小企業の問題が、実は最大の関心事であるわけでございます。で、両々相待ちまして、この景気の回復に全力を挙げてまいろうと。  なお、さらに詳細にわたりまする業態別あるいはまた地域別の細かい施策等につきましては、担当の政府委員がおりますので、どうぞより詳細にお答えさせていただきたいと存じます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 こればっかりやっておりますと、時間がございませんので、次に進みたいと思いますが、不況の最も深刻な繊維産業に対しまして、去る二月二十五日、制度融資の償還期限延長などを骨子とする繊維緊急てこ入れ対策を決定したと、こういうふうに新聞紙上で見たわけでございますが、この概要をまず御説明を願いたいと同時に、この種の対策は同じ不況にあえぐ他業種にも当然実施されるべきだと、こういうふうに考えるわけですが、その点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) それでは、私の担当の繊維産業の不況対策について御説明申し上げたいと思いますが、去る二月の二十五日でございましたか、金融問題を主といたしまして緊急対策というものを一応決めたわけでございますが、金融関係につきましては、特に繊維関係におきましては、過去の既往の累積債務が非常に大きいということがございまして、償還期限を延ばしてほしいという要望が非常に強いわけでございます。そこで、既往債務の処理問題につきまして、あらかじめ、まだ返済期限がきませんものを、いまの時点であらかじめ延ばしておくということは非常に金融として不可能でございますが、将来、いま毎期弁済期がきますものを延ばしていきますと、結局最後には相当累積すると、こういうことになることは明らかでございますので、将来その期限がきました時点におきまして弾力的な配慮をするようにということを、中小企業庁の金融課長と大蔵省の特金課長の連名の通達をもちまして政府関係三機関に流したということでございます。それと、それからさらに個々の現在まいります弁済期限のくるものの延期につきましては、その都度一いままでもやっておりますが、さらに、繊維関係不況にございますので、弾力的に取り扱うようにということを、同じく政府三機関及び中小企業振興事業団の方へ通達を出したわけでございます。  なお、それは緊急のいわば既往債務の返済問題ということでございますが、そのほか現在非常に過剰生産に悩んでおりまして、非常な在庫がたまっておる面が多うございます。したがって、在庫金融の必要があるわけでございますが、それにつきまして在庫を凍結いたしまして、凍結いたしました在庫を担保にいたしまして運転資金の金融をするというふうなことをシステムとして考えていこうということで、それを推進いたしております。  なお、繊維産業全般につきましては、構造不況ということが言われておりますように、単に繊維産業の不況につきましては現在の景気変動というふうなものだけが原因ではございませんで、ここ数年の不況、消費需要の問題あるいは国際的な問題も含めまして、繊維産業全体の構造が不況に陥るという形になっておりますので、構造問題を直さなければ、やはり恒久的に繊維産業の問題は解決しないということでございますので、昨年の暮れに繊維工業審議会の方から提言をいただいておりますので、それに基づきまして構造改善事業をさらに現在の法律に基づきまして推進していく、こういうことにいたしたいと思っております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうすると柱は三つですね。在庫金融と、それから累積債務の弁済の期限の延期、それから構造不況であるために審議会の答申どおりにいわゆる構造改善をやっていくと、この三つが柱になっているわけですね、今回のてこ入れ対策というのは。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 今回の緊急対策と言われます点から言いますと、主として金融の対策とそれから在庫金融の問題がいわば今回の金融対策かと思いますが、その根にありますものは構造的な問題でございますので、それも同時に解決を進めていかない限りうまくいかないだろう、こういうことでございまして、構造問題につきましては長期の問題として本年早々から取り組んでおる、こういうことで緊急対策の中にも構造改善問題を組み入れて考えておると、こういうことでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 確かにこの繊維不況を乗り切るためには今後この構造改善を進めていかなければならないわけですが、当然長期にわたることはこれはもうだれもが承知していることですが、このテンポを多少速めていく必要があるんじゃないかというふうにも考えられるわけですが、何か一つの暫定的な目標というものがあるならばお示し願いたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 現在の構造改善に関します法律の終期が五十四年の六月になっております。これは法制定以来構造改善を進めてまいったわけでございますが、いろいろ不況状態その他も関係もございまして、所期のとおりに進んでいないというのが実情でございます。そこで、いま提言に基づきまして五十四年六月を目標にしましてこの構造改善をスピードアップしようということで、構造改善事業にかかわります施策の弾力化とかなんとか、いま検討いたしておりまして、新年度早々にもその推進方をさらに速めてまいりたい、このように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 繊維の緊急てこ入れ対策については概要について大体わかったわけですが、この種の対策が、同じ不況にあえいでいる他の業種についても必要と認められるような業種は、現在のところございませんか。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) ただいまの繊維と同じような対策がその他の業種に要るかどうかという問題でございますが、まず一般論で申し上げますと、事前にたとえば中小企業あるいは中小企業の枠を超えました中堅企業、これは主として民間の銀行のベースになりますが、一般的に申し上げますならば、不況対策を当省の立場から実施をいたしまして、必要がありましたときには繊維と同じようなことを考えなければならない時代も来ると思いますが、現段階で個別的な具体的な業種につきまして、ただいま繊維で藤原局長から御説明がありましたと同様な対策を、具体的に検討しておるものはただいまのところはございません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 最近のこの景気状況というものを地域的に見ますと、これはたびたびいま問題にされているわけですが、北海道や東北地方、この低迷が非常に著しい。特に雇用面で見ますと、有効求人倍率が北海道は〇・二五、東北は〇・四三、全国平均〇・六を大幅に下回っている。しかも、出かせぎに出るにしても仕事がない。その上、記録的ないわゆる今回の雪害、こういうふうに大変に苦しめられているわけでございますが、こういったいわゆる北海道、東北方面における実情を救済する特別な融資や仕事のあっせん、こういった特別の緊急対策というものが必要になっているのではないか、こういうふうに思うわけですが、この点はどのようにお考えですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 地域別の実情につきましては各通産局を通じて実態の把握をいたしておりまして、いまお話がございましたように、北海道、東北においてかなり問題がむずかしくなっておる、特に雇用面での問題がほかの地域よりも際立って問題になっておるという実情は私どもも承知をいたしております。ただ、対策といたしましては、北海道、東北は特にこの問題が大きくあらわれておるわけでございますが、いわば全国的にもやはり問題があるわけでございまして、対策のとり方としては全国規模でできるだけの手を講ずる、特に問題の多い地区はそれについて重点的に活用していただく、こういうやり方で進めておるところでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、政府も国民も一生懸命になって、この深刻な不況を打開をしていかなければならないという努力を積み重ねているわけですが、その一方で、たとえば石油や鉄鋼という基幹産業が製品の値上げを主張をしている。いまどの産業もどの企業も、あるいは国民の台所も苦しいときです。そうであれば、お互いにみんなが同じように耐え忍んでいかなければならない実情にあるわけです。そういった努力に対して水を差すような態度は私は絶対に許せない、こういうふうに考えるわけです。石油も出光、共石などに次いで日石も四月からの値上げを表明をしておりますが、こういうふうに、次から次にこういう基幹産業が値上げをするということになれば、これはもう景気浮揚に対して水を差すような、あるいは国民生活のいわゆる防衛に対して水を差すような、そういう結果になってくるんではないか、こういうふうに思うわけです。円高で為替差益も出ていることでもございますし、これはまあ、円高は最近は異常な数値を示しているわけですし、この前からこの問題に話が言及してきますと、いわゆる為替差益というものはいつまでこれが持続するかわからないために、OPECあたりが石油の値上げを打ち出している以上は、当然多少の値上げはせざるを得ないというような御答弁をお聞きしたことがあるわけでございますが、このように円高ということが横ばいよりむしろまだまだ今後も進んでいくんじゃないかといわれるような状況下において、私は通産省は企業に対して一切の行政介入はしないという方針ではありましょうけれども、石油、鉄鋼などのような基幹産業の値上げ攻勢に対しては、これを撤回させるぐらいの強い行政指導が私は必要ではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますが、その点について大臣はどのようにお考えですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお示しのごとくに、各石油関係者からの値上げの要請が出ております。もちろん、これからなおユーザーの方とのいろいろ交渉がございますから値上げの会社の申し分どおりにはならないとは存じます。同時にまた、灯油の需給関係その他のことから申しましても、通産省といたしましてのいろいろな指導もいたさなくてはなりませんが、現在のところは業界からの方の要請に対しまして、これから需要家の方との折衝の過程でございます。  なお、その間につきましての説明は担当者がおりますから、政府委員からお答えさせます。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○政府委員(天谷直弘君) 鉄鋼の値上げ問題についてお答えを申し上げます。  鉄鋼の値上げにつきましては、新聞紙上等で鉄鋼経営者が値上げの意向があることを表明しておることはもちろんよく承知をいたしております。値上げの主たる理由は、鉄鉱石、それから原料炭あるいは賃金等の上昇、これによってコストが上昇しておることが理由になっておるようでございます。で、鉄鋼の価格水準がどの辺が妥当であるかということにつきましては、これは市場が決定すべきものである、具体的には鉄鋼企業とユーザーとの間の交渉によって決定さるべきものであるというふうに考えております。ただ狂乱物価のときにおきましては、事前了承制によりまして介入したことがございますけれども、現段階におきましては政府が介入するのは妥当ではないのではないかというふうに考えております。ただし鉄は非常に重要な物資でございますから、その価格動向等につきましては今後注意深く監視をしていきたいというふうに考えております。

濃野滋通商産業省産業政策局長

○政府委員(濃野滋君) 資源エネルギー庁長官おりますので、私から石油製品の値上げに関します通産省の考え方について御説明申し上げます。  石油製品価格の値上げにつきましては、ただいま天谷局長の御答弁にありましたのと同じように、基本的には当事者同士の話し合いで解決さるべき問題である。特に石油につきましては、前回のOPECの値上げが二重価格制度でございまして、各精製業者が受けます原油コスト非常に違っておりました。こういう実情のもとで、通産の行政当局としてはしばらく石油精製業者と各需要業界との話し合いの結果を見てみたいというのが基本的な考え方でございますが、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、灯油につきましては、これは国民生活に広く影響する物資でございますので、この需要期の間は価格の据え置きをしろという指導を、資源エネルギー庁が行っておるわけでございます。確かに先ほど先生のおっしゃいましたように、石油精製業界は、最近におきますいわゆる為替レートの円高傾向から、企業の収益も計算上は大変プラスの要素が出てきておりますが、私どもの調査によりますと、五十一年度の上期につきましては、これまた円高の影響を受けまして全体で約九百億ぐらいの経常利益を計上しておりますが、長い累積赤字がございましたために、民族系では約九百億、それから外資系では反対に五百億ぐらいの黒でございますが、石油業界全体としてはなお四百億ぐらいの赤字を抱えておりまして、この下期は為替相場の影響等の好条件もございますが、一方OPECの値上げがある、また先行きもそういう問題を抱えておりまして、石油業界全体で見まして、安定供給という感じから、やっぱりコストに見合いました値上げはやむを得ない、方向としてはやむを得ないものではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 私も前提としてお話し申し上げましたように、通産省としては一切こういった事柄に行政介入はしないという基本的な方針であることはよくわかっておるわけです。そしてまた、価格の設定というものは双方の話し合いによって一応決まるということも、これは好ましいこともわかっておるわけです。わかってはおりますけれども、現在のようなこういった長期の不況下、お互いにがまんをしていかなければならないとき、不況対策を大きく打ち出していかなければならないとき、こういう鉄あるいは石油という基幹産業が値上げをすればその影響力は非常に大きい。それと同時に、国民のいわゆる生活に響く度合いというものが非常に大きい。したがって緊急な一つの措置として、臨時的なまた措置として、一応これは強力な行政指導をする必要があるんではないか。これ政治的な配慮から言っているわけの話であって行政ベースの話をしているわけじゃない。そういった意味で大臣のいわゆる御答弁が一番欲しいわけなんです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 特に景気の回復と同時に物価の問題というのは、国民生活の上から言って最大の問題でございます。かような意味におきまして、ただいまお話のございましたように、現時点におきましては各社の値上げの申し出があった、それとユーザーとの間のお話し合いの段階ということでございまするが、同時にまた、ただいまも事務方から話がありましたような国民生活と密着する灯油の問題等につきましての行政指導というものもいたしてまいりまするが、いまの基幹産業でありまする鉄鋼とか、あるいはまた燃料というような問題につきましての国政上の重大な問題も踏んまえまして、ただいま現在ありまする状況を見ておるような状態でございます。政治的に何らかの対策を必要とするいまはまだその時期ではない、かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうすると値上げをしてから行政指導すると言ったって、一たん値上げした以上下がりはしません。だからその前に、鉄鋼の場合は新日鉄の社長が四月から上げたいというふうに言っておりますし、石油業界は一斉に値上げを発表しております。だから時期とすればいまが一番いい時期じゃございませんか、政治的措置をとる一番いい時期じゃございませんか。上がった後からその実情を見ながら、おい値下げですと言ったって、絶対値下げやりませんよ。いま取り組まなきゃならない問題を、実情見てということだったらまた手おくれです。  そういう通産大臣の姿勢がいままで問題にされてきているわけですから、国民も、また国民の目もそこに目が向いているわけですから、だから大臣としての毅然たる態度、すなわち不況をどんなことがあっても浮揚させるんだ、そして国民生活をまた守るんだと、こういう毅然たる態度をいま国民は一番望んでいるんではないかと思う。それには一番目を向けているのが石油、鉄という基幹産業に目が向いているわけですから、これに対して政府がどういう態度を示すかということがいま国民の一つの関心事なんです。それに対して通産大臣のいまの御答弁は私たちはもう不満足です。もう少し毅然たる態度をとっていただきたいと思うのですけれども、どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 御意見は十分に承っておきます。同時にまた、そういうふうな時期に参りましたらば、もちろん非常に重大な問題でございますから、政治的な解決も必要といたしますが、いまの段階におきましては、これをどうすべきときではない、まだ様子を見ていなきゃならぬ、こういうふうに考えます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 全く政治的答弁で信用のおけない最たるものでございます。いままで一番国民が大臣等の答弁を聞いて、ああまたあんな答弁、あのような答弁なのか、また逃げを打ったなと、こういうふうに思われる答弁でございますけれども、時間がございませんから次に進みますけれども、この問題については真剣にひとつ取り組んでいただきたいと思います。  次に午前中にも出ておりましたが、事業分野調整法の問題についてお尋ねをしておきたいと思いますが、まず最初に、午前中も出ておりましたいわゆるユニチカの子会社のもやし製造、それから森永乳業の豆腐製造、日商岩井のクリーニング、それから大日本印刷の軽印刷、挙げればたくさんありますが、一応代表的に四つだけ挙げてみたんですが、これ、現在どういうふうにそれぞれの業界と話しがついていますか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 分野調整問題につきましては、この不況を背景にかなりいろいろの事件が出てまいりました。私どももそれを円満に解決するために苦労を重ねておるところでございます。  いま具体的なケースについてお尋ねがございましたのでお答えいたしますと、まず最初に御指摘のございましたもやしの問題につきましては、ユニチカの子会社が工場の空き地を利用してもやしをつくるということで、それがもやし製造業者から反発が起こり、そして大きな騒動になったわけですが、結局、これ以上設備はふやさない。それから、やるにしても今後は組合へ入って協調しながらやるということで解決がつきました。これは五十年六月のことでございます。  それから、第二番目にお話ございましたのは理化医ガラスでございまして、これは岩城硝子という会社、これは約半分の資本を旭硝子が持っておる会社でございます。これが理化医ガラス業界でかなり新しい設備を入れて事業活動を拡大したいということから問題が起こったわけでございます。この件につきましては、通産省が間に入りましていろいろ指導をいたしました。その末に五十年十二月に一応の和解ができまして、内容を見てみますと、今後二年間は従来の出荷実績程度とするということで業界に出し、中小企業の方もそれを了としたという経緯になっておるわけでございます。  それから三番目に御指摘がございましたのはクリーニングでございますが、これはエーデルワイスという会社、資本金の半分余りを日商岩井が持っておる会社でございます。これが神奈川県におきまして集中処理工場を設けようという計画に対しまして、クリーニング業界から反発を生じたケースでございます。これにつきましては大分前の話でございますが、直営店は出さない、チェーン店を使って事業をする。そのチェーン店については東京のクリーニング環境衛生同業組合の加盟店を使う。こういう形で和解ができたわけでございます。  四番目はこれは軽印刷の分野でございまして、大日本印刷が一〇〇%出資しておりますキュープリントという会社が、プリントショップ形式によって全国的にチェーンをつくろうという計画を持って、それがいわゆる軽印刷業界からの反対で問題になったケースでございます。これは通産省の行政指導によりまして、次の条件で和解ができました。第一点は直営店を二店舗に限るということ。それから第二はその他の運転についてはフランチャイズチェーン方式をとることにし、既存の中小企業との共存共栄を図る。こういうことが内容になっておるわけでございます。  これらのお示しの四件のほかにいろいろのケースがございますが、いま申し上げました経緯にもあらわれておりますように、両方で話し合いをし、その間に通産省なり関係各省が入りまして、何とか円満に納めようということで努力をいたしまして、一応の結着を見たという経緯になっておるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、最近ちょっと耳にした話をお尋ねをしたいわけですが、鉄鋼連が最近鉱滓バラスを細粉砕をしまして、そして砕石のかわりに使うということで、通産省の方にもJISマークの申請をしているという話を聞いておるのですが、この点については現在どういうふうになっておるわけですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 中小企業庁では、いまの話まだ耳にいたしておりません。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) 製鉄用の製鉄のスラグに関しましてのJISにつきましては、現在道路用のスラグとそれからコンクリート用高炉スラグ粗骨材につきまして、日本工業標準調査会におきまして審議しております。そのうちコンクリート用の高炉スラグ粗骨材につきましては、現在建築部会でスラグ骨材専門委員会というのがございますが、そこでこの一月に議決されまして、建築部会の審議に入ることになっております。今後の予定といたしましては、調査会で審議がまとまりますればこの規格を制定したい考えでおります。現在そういう段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 道路用については。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) 道路用につきましては、現在土木部会の専門委員会で審議中でございますが、特にまあ直接風雨にさらされるということもございますので、慎重に審議をしている最中でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 価格の面については鉱滓バラスと砕石とどちらが安いんですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 価格としてはスラグの方が安いようでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 それは間違いです。私調査してみました、大分違います、値段が。スラグが出た当初はスラグの方が安かった、最近は砕石の方が安いです。——この値段のことをこれまた言っても時間がたつばっかりですが、実際は鉱滓バラスよりも砕石の方が安いのですよ、現実には。  そこで道路用の問題でございますが、北九州の例を見てみますと、市街地については道路用にもこのスラグを使っているわけです。ところが農村地帯の道路、あるいはあぜ道、こういったところには絶対に使わない。なぜ使わないかというと、これは公害問題が出て問題になっている。そういう面でこの鉱滓に対して公害が起こらないかどうかという調査はしたことはございますか。その上に立ってJISマークのいわゆる認定をするかどうかというところまで検討しておりますか。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) 道路用につきましては現在調査審議中でございまして、まだ結論が出ていない段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そういうことを聞いているのじゃない。公害の問題を調査しているかどうかということを聞いている。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) 公害の問題につきまして問題があるということでございますので、その点も含めて調査審議をしているということございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 私が言ったから調査しているというのはおかしいじゃないか。現実にその調査をしているのかしていないのかということを聞いている。私が言ったからするのなら、いまからそれを含めて今後審議しますというなら話はわかるけれども。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) 先ほど御説明申し上げましたときに、特にこの問題については直接風雨にさらされるということもございますので、二次公害問題について慎重に審議しているというふうに御答弁申し上げましたが、そういうことで審議中であるということでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 公害問題も含めて審議しているということですね。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) そういうことでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 それはデータ出してくれませんか。

下邨昭三工業技術院標準部長

○説明員(下邨昭三君) 審議中でございますが、データをそろえて御提出申し上げたと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 私は省エネルギーということで、こういったスラグの再生利用ということについては、基本的には賛成をしたいわけですよ。それと砕石がこれ以上また続きますと自然破壊にもつながりますし、それから砕石上出てくるまた別の公害問題も、地域住民との間に相当なトラブルが起こっていることも存じております。したがって、こういったことは当然今後の大きな課題として重要だろうとは思います。しかしながら、現在の砕石業界というのは非常な中小零細企業でございますし、急速にこのJISマークがおりたからといって一切の建設の仕切所の中にこういた鉱滓バラスを使うということに組まれてしまいますと、この中小零細企業である砕石業界は一遍に私は連続倒産が始まると思います。そこにまた一つの社会問題も起こるのではないかと、こういうふうに懸念をしているわけです。  したがって、こういった方向性をさらに進めていく必要があるとするならば、当然そこに弾力的な何かの救済措置なりあるいは双方の話し合いなりを続けながら施策をとっていかなければいけない、こういうふうに思っているわけです。たとえば需要量の調整をするとか、あるいは販売ルートについては現在のそういった砕石業者を通すとか、あるいは粉砕をすることについてはこれは現在の砕石業界に依頼をするとか、いろいろな方法あろうと思うんです。そのほかにまた政府自身の政策等も当然考えられるわけでございますが、そういった弾力的な方法によって方向性を決めていかなければいけない、こういうふうに考えるわけでございますが、その点についての考え方は何かございましょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 鉱滓バラスの問題でございますが、これ問題が起こりましてから、先生のお説のように省資源という問題から、ぜひこれは利用したいという立場で私どももいるわけでございますが、砂利業界はお説のように非常にまあ中小企業の集団みたいなものでございまして、これが出方によっては非常に業界に混乱が起こるということは大体私どもも見えているように思いまして、実はかねてから従来の砂利業者なり何なりの販売ルート等を尊重いたしまして、それを通してやるような行政指導をいたしたいと思っております。  また、それにつきましては、方向といたしましては中小企業協同組合等を砂利業界でも地区別にでも結成していただいて、そこでそれを通すというふうなことを指導してまいりたい、このように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 大臣、事業分野調整法の論議をする前に少しこういった例をいま挙げてみたんです。過去に起こっている例、それから砕石というのは今後起こるであろうというふうに思われる例なんです。これもやっぱり鉄鋼連という基幹産業の大きな業界が鋼滓バラスを粉粋して、それを今度は砕石のかわりに使うということになれば、砕石業界は完全につぶれちゃいます。こういうふうに過去の例を一、二挙げました、今後こういうことが起こり得るであろうということも挙げました。  どうですか、事業分野調整法というものは、これは強力な体制でもって法律を制定していかなければいけないだろうと私は思うんですが、大臣の御意見はどうでございますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの先生の御指摘は、分野調整法の必要性、なおそこにさらに一歩進めた業種指定ということが、なされなければならぬのじゃないかという御設問だろうと存じます。通産省の方といたしまして御案内のとおりに分野調整法の対象といたしておりますのは、小売関係は大小ともに外れておりまして、製造業、卸業、サービス業、この間における業種の問題、なかんずく大企業が、中小規模の製造業その他の分野をどう侵食するかという問題について、公正な立場でこれを調整しなければならぬじゃないか、確かにいろいろな面もございまするが、今日までのわが方のいろいろな審議会を経まして、そうして意見の具申を求めました結論というものは、問題は消費者の利益の侵害などのいろんな問題も懸念せられると同時に、これはむしろ話し合いによっての調整を適当とするのではないか。つまり、そこに業種指定ということが実際上非常に困難であって……。

桑名義治公明党

○桑名義治君 大臣ね、中身まだ聞いてないんですよ。この法律に対するあなたの考え方を聞いているんですよ。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) しかし、分野調整法はぜひこの国会で通していただきたいし、同時にまたそれにつきましての内容につきましては、さらにいろいろと御検討を賜わりたい、こういう状態でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 大臣、まだ余りのみ込んでいらっしゃらないようなふうでございます。答弁要旨をそのまま読んで、読み過ぎたようなきらいがございます。  大臣としては必要だというようにお考えなんですね、要するに。それでいいですね、受けとめて。どうですか、いいですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 分野の調整は必要であろうと存じます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 調整法の制定は必要だとお考えですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) さようでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 五日の日に、政府は事業分野調整法の要綱をまとめたというふうに話聞いているわけですが、どういうふうな大綱になっていますか。柱だけでも結構ですから。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 過日通産省のこの分野調整問題に関する要綱が新聞に出ておりまして、実は私もびっくりしたわけでございますが、過日出ておりましたいわゆる要綱といいますのは……

桑名義治公明党

○桑名義治君 新聞の話を聞いているんじゃないですからね、新聞読んだんですから。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 昨年十二月に審議会の意見具申をいただきまして、その意見具申をもとに、要綱の形に直すとどういう形になるのかという一種のたたき台としてまとめたものが出たわけでございます。あの要綱をもとに省内で意見の調整をし、また関係各省の意見を聞きながら、具体的に法案をどうするかということをいま作業をしておる段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 じゃ、新聞に出たのは、ああいう要綱というのは、あれはそのとおりなんですね。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 私どもが答申を尊重して、法律の形に直せばどうなるかという意味でまとめましたものでございまして、そういう要綱案がございましたことは事実でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 もう新聞でも出たことでもございますし、要綱案を提出願いたいと思うんですが、どうでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) あの案自体は特に私否定もいたしませんが、正直に申しますとあの案をもとに関係方面の意見を聞き、そしてそれをもとに、どういうふうにこれを入れた法律にするかということをやっておりますので、どうもあの案を差し上げることが、それほど意味があるのかどうかという気がいたしますが。

桑名義治公明党

○桑名義治君 それをもとにして各方面の御意見を伺うということでございますので、国会の御意見もわれわれも研究さしていただきたい、それが民主的な審議じゃございませんか。大臣、どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御答弁申し上げたように、あれはスクープされた記事でございまして、関係各省庁の間で意見を練り、さらにまた法制局の審議もこれから経る段階でございます。かような関係で一応役所対国会ということに相なりますると、もう少し役所間の話を詰めて、そうして政府のまとまった見解として、お求めに応じて資料を差し出したい、かように考えております。いささか今日では時期尚早の段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 大臣時期尚早が多いですな。先ほどから時期が早い、時期が早い、何を問うても時期が早いとおっしゃるわけですよ。素案ができて、その素案を各関係者にいろいろ諮問をするというお話でございましたので、私たちも大体政府としてはこういう方向性で考えているなということから、私たちの意見もまた、いわゆるこの法案の審議に入ったときに実のある審議をしたい、こういう話なんですから、別に私は悪い話をしているつもりはございませんよ。新聞にも出ているわけですから、その新聞に出ているのが間違いないというんですから、出したっていいじゃないですか。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 先生のお手元には早速お届けいたしたいと思いますが、ただこれ政府の正式の提出ということになりますと、やはりこれは省内の意見を調整し、政府としての意思を統一したものを出すというのが本来の筋ではないかと。その辺のところは御容赦を願いたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 はい、わかりました。  この問題につきましては、法案が提出されてからまた具体的な審議をしていきたいと思いますので、まあ入り口ちょっとさわったという程度でございますけれども。  時間がもうございませんが、中小企業問題について少しばかりお尋ねをしておきたいと思います。  まあ最近の中小企業はもう先ほどからお話がございますように、ことしの一月には倒産数が一千二百八十五件というふうになっておりますが、十二年前の四十年不況のときに山陽特殊鋼、山一証券に対する日銀の特融というような事件があったわけですが、今回はそれを上回る状態になっていることは事実でございます。恐らくことしの決算期、三月から四月期には月間千七百件から千八百件にも倒産は達するんではないか、こういうことが一応予想はされているわけでございますが、この状態に対して、倒産防止にどのように政府としては対応をしていこうとお考えになっているか、そのところを要点でお話し願いたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 今回の不況は金融緩和しても、なおかつ非常に長い時期にわたり倒産が高い水準で推移しておる。またさらに言えば、ごく最近は一層それが増加しつつあるという点は、私どもも非常に懸念をいたしておるところでございます。これに対応するために、従来から金融推置その他いろいろな措置を講じておりましたが、これらを少し体系的に進めていくという考え方のもとに、先般通産局に対して新しい通達を用意をいたしました。  これの内容をあらまし御紹介をいたしますと、一つは倒産問題に対する地方のネットワークというものを強化していこうという点が第一点でございます。そのために通産局が中心になりまして、財務局、それから日銀の出先機関、さらに政府系金融機関の出先、これらを集めた金融問題懇談会というものを設けて、同様の形のものを各府県ごとにも用意をする。これらが事前に各企業の動向を話し会って情報を交換をし、早く手の打てるものは打っていく。また仮に倒産ができちゃったという場合に、それが波及しないような手を迅速に打てるような形に持っていこうというのが第一点でございます。  それから第二点は、金融の面では政府系金融機関、いろいろやっておりますが、それに加えて県の制度融資をうまく使っていくという仕掛けを考えていったらどうか。県の倒産関連の制度融資を積極的に応援をするために、中小企業信用保険公庫にございます融資基金あるいは国から保証協会、直接に出ております保証協会の基金補助、これらの資金の配分につきまして、こういう倒産対策というむずかしい局面を大いにカバーしてくれた場合には、できるだけ手厚く応援をする、こういうような仕掛けを考えていったらどうかと思っております。  それから第三番目には、不況業種の指定でございますが、従来は多少景気が上向きになってきたことを背景にしまして、逐次不況業種の数を減らしてきておりましたが、最近の事態に応じて、もう一度見直してみたいと思っております。  それから第四番目には仕事のあっせんの問題でございまして、下請振興協会等を通じて下請の方々に積極的に仕事をあっせんしていく。特に倒産等の場合には急激な打撃を受けるわけでございますから、集中的にそういう場合には応援の手を伸べる。  こういったことを主な柱として通達をしまして、これらの通達につきましては各通産局あるいは財務局、府県、これらのところが非常に積極的に協力をしていただいておりまして、通産局で会合をし、府県ごとにそれの受け入れ体制をどうするかというような作業も進んでおるように聞いております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 時間が来ましたので、これ一問だけにしてやめます。  いまいろいろと施策をお聞きしたわけですが、金融面について最近は民間の各種の保証機関が続々とできておりますね。これは政府のいわゆる政府系中小企業金融機関の貸し出し要件よりも上回る制度ができ上がっておるわけです。こういう動きに対して、やはり政府の中小企業向けの金融機関の貸し出し要件というものも改善をしていかなければならないんじゃないか、そういうまた時期に来ていると、こういうふうに思うわけです。  最近の一、二の例を挙げますと、日本専門店会連盟ですか、一万五千店加盟。この団体が事業推進団体である全国専門店事業開発協同組合、こういうところが全国の都銀や地銀の十一の銀行との間に運転資金は一千万、設備資金は二千万まで、さらに加盟店の地区団体である専門店会の保証があれば、五百万までは無担保で融資を受けられるとか、あるいは日本ボランタリーチェーン協会あるいは東京都商店街連合会のこういった団体が民間の業者と組みまして、契約をしまして、そしてこういう非常に条件のいい金融をしているという事柄が最近の動きの中にあるわけです。そういうことを考えまして、時代のひとつの要請だということで制度改善に努める必要があるんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、当局としての考え方を伺って私の質問を終わりたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 政府系の三金融機関は、本来の趣旨が民間の金融に対する補完機能が中心でございますので、主力舞台である民間がこういって中小企業の分野にも一生懸命知恵を出そうというような動きが出てきましたことは、私どもは本質的には歓迎をいたしておるところでございます。ただ、それだからといってすべて民間に任せるということでは相済まないわけでございまして、政府系金融機関もやはりその本来の使命である政策的な面について、できるだけやっぱり今後とも知恵をこらして応援をしていくということが必要であろうと思っております。その際に、貸出条件等についても少しでも有利にとおっしゃるお気持ちは私どもも十分理解できるわけでございます。従来もいろいろやってまいりましたが、来年度の予算におきましても、貸出限度を引き上げる等の措置、あるいは特別の政策目的に応ずる新しい制度の発足等が予定をされております。今後ともいろいろの工夫をして条件の改善に努力をいたしてまいりたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 通産大臣、通産行政の重要な柱の  一つとしまして経済協力問題があると思います。そうして田中通産大臣自身は長らく自民党対外経済協力特別委員長の職についておられました。いわばこの問題の権威者の一人であろうと、こう思いますので、経済協力問題に関連して田中通産大臣に何点か伺いたいと思います。  御存じのように、いま日韓をめぐる経済協力問題について、ソウル地下鉄建設を初めさまざまの疑惑が取りざたされておることは御存じのはずでございます。いやしくも国民の血税を使って、相手国の国民生活の向上を期することを目指して行われる経済協力に、多くの疑惑が集中するような事態はあってはならないことであると考えます。それだけにこうした問題は公平、公正かつ明朗な形で、断固として行わなければならない問題でございます。この点に関して、大臣の所見をまず伺っておきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  須藤先生お話のごとくに、日本といたしまして、特に後発途上国に対しまする経済協力、なかんずくアジアの場合におきましては、特に善隣友好というような意図も含みまして、この経済協力を推進してまいらなくてはなりません。かような意味合いにおきまして、国といたしましても、特に、あるいは日韓の関係から申すならば、国交正常化に際しましての有償、無償の純賠償という問題がございまして、その忠実な履行ということがまず第一に唱えられておるような状態でございまして、この点は昨年をもって完了いたしたような次第でございまするが、順調に推移いたしておる、かように存じております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 通産大臣、あなたの答弁ぶりを聞いておりますとね、こっちが言ったことを率直に、そのとおりでございますとか、それは違いますというような答え方をなさらないで、くるっと回ったような、賛成しているのか反対しているのかわからないような答弁をあなたはなさるということをこれまで聞いておりましたが、いまの答弁を聞いておりましても、公明党の同僚委員に対する答弁を聞いておりましても、ややそういうところがあるように思いますので、そうじゃなしに、率直に私の質問に対して、そのとおりでございます、違いますと、どちらかはっきりとお答えになるのが一番私はいいと思います。そういうように答えていただきたいと思います。おわかりでござまいしょうね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) はい、確かに。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 おわかりになりましたね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) はい。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、以後答弁はそういうふうに願います。  いまの問題は、後でまた改めて出てきますから、繰り返して答弁は要求しませんが、ところで大臣は、通産大臣就任の直前まで日韓協力委員会の事務総長を務めてこられました。これも事実でございますね。——事実と認めてよろしい。  ところが、この日韓協力委員会なるものは、最近日韓癒着問題が浮上してくる中で、大いに注目を集めております。たとえば、さきの予算委員会で取り上げられました金大中事件の政治決着に関係する疑惑もその一つでございます。とりわけ日韓経済協力に果たしてきた役割りは重大で、あるところでは日韓定期閣僚会議の補完機能としての役割りを果たしてきたとさえ言われております。事実、国策研究会の「新国策」に掲載されております報告を見ますると、浦項総合製鉄問題、日韓大陸だな開発問題を初め、きわめて重要な問題が論議されております。  そこでお伺いしますが、日韓の経済協力に関して日韓協力委員会が果たしてきました役割りは、経済協力問題が公明正大かつ明朗な形で行われ、重要な役割りを果たしてきたと自負されるのかどうかという点、どうぞお答え願いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  日韓両国の親善友好のために、公明正大、しかも率直な姿において今日まで運営をされておったと存じます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣が公明正大だとおっしゃることと、私たちが考えることとには多少違いがあると思うんですが……。  ところがですね、残念ながら公明正大どころか、日韓協力委員会の存在こそまさに今日の疑惑の根源となってきておる。このことは「新国策」、ここにありますが、「新国策」等での矢次一夫氏などの発言を見ますると一目瞭然にわかると思うんですね。たとえば「新国策」七〇年五月十五日号で、矢次・鍋山・木内氏らが「日韓協力委員会第二回総会より帰って」ということで座談会をしておりますが、その中で矢次氏は次のように語っております。「委員会の席は、鉦や太鼓で賑やかにやりながら議論をし、」「具体的な話合いというものは、委員会の楽屋裏でいろいろ進めるのが一番いいのであって、俗な言葉でいえば、「女を口説くのと金を借りる話は、演説によってはできないのだ」ということで、今度もそういう問題はそういう問題として、別室で行われた。そして、たった三日間であったけれども、非常に大きな具体的な経済協力の話が、私の承知しているだけでも五つか六つすでにまとまったのです。」、こう矢次氏が話しております。御存じですか。これは一体どういうことでしょう。まさに経済協力の話が舞台裏で決められてきたことを示すものではないでしょうか。これで公明正大と言えるでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私は、その矢次君の東京に帰りましてから話された話、全く関知をいたしておりません。私はさようなことではなかったと存じます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 ちょっとおしまいのところがはっきり聞き取りにくい、もう一遍はっきり言ってください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○政府委員(田中龍夫君) 私は、そういうふうな舞台裏でどうのこうのというようなことではなく、筋を通した事務総長としての会の運営をいたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ重ねて尋ねますが、矢次氏が言っているようなこういう舞台裏でいろいろ操作されたということが、先ほど私が申しましたような公明正大にやられた、こういうことに該当するのでしょうか、どうでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 矢次君はどういうことをいたしたか存じません。私は公明正大に事務を処理いたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もう一度聞きますが、矢次君が言っていることは公明正大という言葉に値するかどうかということです。大臣はどういうふうにお考えになりますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) それは本人は公明正大であると思って言っておるのでありましょうが、お聞きになる方は公明正大でないとおとりになっても、それは主観の問題であろうと存じます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 ぼくが最初指摘したように、私が「おはよう」と言えば、あんたは「こんばんは」と、こう言う。そういう答弁じゃないのです。大臣はこれは公明正大だとお考えになりますかということを尋ねているのです。矢次君の言っているのは公明正大だと考えるなら、そういうふうに答えたらいいのです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 矢次君は矢次君でございまして、私は私でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 矢次君の意見を聞いているのじゃないのです、考えを。大臣はどう思うかということを聞いているのです。あなたの意見を率直に述べてください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私はそのことにつきましては、矢次君のことでもあり、第三者の論評は避けたいと存じます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 こういう押し問答をやっていれば時間がかかるだけで、はっきりしないのだが、矢次君がこういうことを言っているというのは事実なんです。ちゃんとここに載っているのです。大臣はこれを読まれて、なおこの問題が公明正大にやられておる−裏で話し合われている、女を口説くときと金を借りるときは裏で話をするのが一番よいのだということを矢次君は言っておる。そういうやり方が公明正大に値するかどうかということをぼくは聞いているのです。あんたの意見はどうなんです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 第三者のことでありますので、私はあえて論評をいたしません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういう答弁を何回も繰り返すと、ぼくは、大臣は矢次君の意見に賛成をしているのだと、これを公明正大だと大臣は言っているのだというふうに理解せざるを得なくなるのですが、そういうふうに理解していいのですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私は第三者の行為に対して論評を避けたいと、こう言っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 第三者の意見は、どういうことを言ってても——あなたも関係ある内部のことなんですよ、これ。あなたは日韓協力委員会の事務総長でしょう。その中でこういうことが言われておって、それを第三者の言ったことだから私は知らぬ、いいとも悪いとも言えないというような、そういうあなたの姿勢ですかどうですか、それをはっきりしていきましょう、それじゃ。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 「新国策」に載りました矢次君の言葉に対しまして、私は第三者として論評を避けたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いいとも悪いとも言えないのが私の姿勢ですと、こういうことですね。どうですか、そこをはっきり返事してください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 矢次君はそう申したということでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 矢次君の言ったことじゃなく、あなたはこれに対してどう思いますか、あなたは事務総長として、どういうふうにこれに対して考えを持ちますかということを私は尋ねているのです。これに答えてください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私は事務総長といたしまして事務を処理いたしてまいりました。同時にまたその矢次君たちの行為に対しまする論評をあえて避けます。論評をいたすことを避けます。私の個人の発言としての論評を避けたいと存じます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 答弁を避けたいと、こういうことですね。いいですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) さようです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 田中通産大臣は、この第二回総会におきまして大会事務総長を務め、経過報告まで行っておるのですね、この席上。その詳細について承知しているはずだと私は思います。矢次氏が言う楽屋裏で決められたという五つか六つの大きなプロジェクトとは一体何を指しているのか、この点は明らかにしていただきたいと思います。知らぬと言えませんよ。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 会議に出ましたケースにつきまして、いろいろの議題がございまして、特にわれわれは国交の正常化と同時に、日韓の政府間ベースでもって決めました有償無償の経済協力の円滑な実施、こういう問題につきまして討議をいたしました。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 五つか六つの大きなプロジェクトということは、どういうプロジェクトかということをあなたは知っているはずでしょう。それを私はいま尋ねた。この五つか六つの大きなプロジェクトというのは一体何を指しておるのか、これをはっきり言ってもらいたい。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) そこで矢次君が申されたと言うておりまするプロジェクトなるものは、私は何を指しておるか存じません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 おかしいな。あなたは事務総長ですよ、そのときの。事務総長が、矢次君がどういう内容の話をしたか、五つか六つの大きなプロジェクトは何を指しておるかということをあなたは知らなくて事務総長が務まったのですか。そうじゃないでしょう、知っているはずですよ、あなたは。何があったか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私は事務総長として会議を進めてまいりましたが、夜の方のことは私は一切存じません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういう答弁ではもう吹き出さざるを得ないのですが、失礼ながら。事務総長がその内容が具体的に何もわからなかったというようなことでは、これはあなた、おかしいんじゃないですか。事務総一長はちゃんと知っているはずです。この五つか六つは何を指しておるのだ、何を言っているのだぐらいなことはちゃんとつかんでなかったら、事務総長としての報告もできなければ役目が果たせないじゃないですか。だから、私は責任のあるあなたにその内容はどうだったということを聞いている。もう一遍時間を差し上げますから答えてください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 第二回の協力委員会と申せばずいぶん古い話でございましたが、その間のことは、私はその「新国策」にはほとんど全部載っておると存じます。つまり言えば、報告にかえた「新国策」の記事でございますから、大体お読みになれば、その載っておりますことがその内容でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 載っていることはぼくが読めばぼくはわかりますよ。しかし、大臣も知っているはずだから、大臣の口からそのことを聞いておきたいんです、責任のある大臣から。事務総長からそのことを聞いておきたいんです。私が読んだだけでは済まないんです。それをぼくは求めているんです。あなたの口からはっきり言ってほしい。——言えなかったら言えない理由を述べてください。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 残念でございまするが、その矢次君も申しておりますように、宴席その他で行われました話なんというものは私は事務総長として心得ません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 宴席で言っているんじゃないんでね。矢次君が帰ってきて報告会のようなところで、それで談話で話しているんですね。あなたがそれを承知してないはずはないと私は思うんです。  矢次氏は続いて−それでは申しますが、その五つか六つのプロジェクトが「おそらく八月の常任委員会、さらに秋の常任委員会までには、はっきりした形をとって日韓双方に示されるだろう、」とこう語っておるんですね。つまり七〇年八月の第四回常任委員会、十一月の第五回常任委員会のときには楽屋裏から舞台に出てくるということをはっきり述べておるんです。それがここに出ているわけですね、「新国策」の文書に。なぜ表に出てくるかと申しますならば、ちょうど七〇年七月には第四回日韓定期閣僚会議が行われており、日韓協力委員会の舞台裏の話が政府ベースの話し合いのレールに乗っかることを日韓協力委員会のあなた方は承知していたし、事実そうなったのではないでしょうか。だから知っているはずです、どうですか。そこまで言ってもだめですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) その知っているはずだとおっしゃいましても、私はいま何も手元に持ってはいないんでありますが、つまり、日韓両国の親善友好という上に必要ないろいろな問題につきまして相談をいたしますのが日韓協力委員会の本来の姿であり、同時にまた国交正常化をさらに促進するという次第でございますので、そういう限りにおきまして、私は堂々と公明正大に処理されている、こういうふうに考えます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 ここに第四回常任委員会の議事録があります。ここの一節にこうなっていますね。「さらに第四、第五、第六項の先般閣僚会議が採択したる経済協力について、本委員会はこれを一段と促進する立場のもとに、具体案を採択し、」——これは別紙になっていますが——「これを両国政府に実現方を要請することとした。」と、こうまで書いてあるんです。だから、その内容が全然あなたにはわからないということは私はないはずだと思う、ここまではっきり書いてあるなら。だから、その内容をあなたにはっきりここで答弁していただきたい、こういうことを言っているんです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私はそらで覚えていないんでありますけれども、そこに何と書いてあるんでございましょうか。私、それ、資料も持っていないので覚えておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私、これ相当長い文章ですから、これを読めば時間がなくなるんです。だから、私の質問時間外にすると委員長がおっしゃるならば、これを私ずっと読みますよ。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 時間内に抑えてください。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういうわけにもいかぬらしいですから、私はいまその中心の問題だけをあなたに読んでいただきたい。これ、あなた読んでいないですか、第四回委員会。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 要点だけでもちょっとおっしゃってください。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 要点はいま読んだところですよ。本委員会はこれを一段と促進するんだと。「第四、第五、第六項の先般閣僚会議が採択したる経済協力について、本委員会はこれを一段と促進する立場のもとに、具体案(別紙)を採択し、これを両国政府に実現方を要請することとした。」こうはっきり言っているんですから、事務総長であるあなたがその内容を知らぬというわけにはいかぬと思うのですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 第四、第五、第六とおっしゃいましても、何回も常任委員会やっておりますので、そのいまの第四回のときの第四、第五、第六が何でございましたか、ちょっとおっしゃってくださいませ。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 何回も常任委員会をやっておるので、具体的には記憶がないと。そこであなたの御指摘の第四回は何と何をやったのか、それをおっしゃっていただけば記憶がよみがえるかもしれない、こういうことを言われておるようです。五、六の項目ということを矢次一夫氏が言っておるけれども、五、六の項目ということが大臣にはわかっておらないわけですから、具体的な答弁が返ってこないわけです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 四つ五つの大きなプロジェクトの中には、韓国の地下鉄の問題もこの一つなんですね。大きなプロジェクトが一つなんです、具体的に例を言うならば。で、この八月の第四回でやった問題は「本委員会は双方合議の上、次の議題を採択し、討議したが、終始友好的な雰囲気の中で、誠実かつ極めて熱心であった。」と書いていますね。一は「国際情勢の分析に関する問題」、二は「日、韓、華三協力委員会間の「連絡委員会」設置に関する問題」、三は「日韓両国間の海洋を共同して開発を行なう問題」、四が「先般の日韓閣僚会議が合議した両国の経済協力に関する事項を推進する問題」、五は「両国間の貿易アンバランス是正に関する問題」、六は「両国間の投資環境を急速に造成する問題」、七が「文化交流センター設立問題」、八が「文化ゼミナールを開催する問題」、九が「在日韓国人の法的地位に関する問題」、十が「北鮮と在日朝鮮人が往復する問題」、こういうことが挙げられておるわけですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) いまのお話の日韓の貿易のアンバランスの調整、こういうことが主たる議題になったことは存じております。その中で私、冒頭に御指摘になりました地下鉄の問題というのがございます、それは私の記憶する限りにおきましては、私に関する会議の席では全く出ておりません。日韓協力委員会の性質から言いましても、そのような具体的なケースでなく、抽象的な両国間の正常化が主たる議題でございます。地下鉄の問題につきましては私は全く存じません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなたはぼくにこれを読ましといて自分に都合のいいところだけ取り上げておっしゃいますが、そうじゃないんですよね。こういう広範囲にわたっていろいろな話をされておる。この中では憲法の問題まで、この経済協力という中であなたたちはやっているんですね。それをここで一々例を挙げてぼくが反駁している時間的な余裕がないから、ぼくはほんの一部分だけを申し上げたんです。それをあなたそういうふうに、自分に都合のいいところだけ経済協力、貿易のアンバランスを訂正するというようなそんなところだけあなたはおっしゃる。次にいきましょう、質問の中でだんだんと明らかになっていきますから。  第四回日韓定期閣僚会議のコミュニケ及び第四回、第五回の日韓協力委常任委員会のレポートを見ますと、事の経過、真相は明瞭でございます。たとえば、七〇年四月の第二回総会直後の七月に第四回定期閣僚会議がソウルで開催され、韓国第三次五カ年計画への積極的協力が約束されております。具体的に申しますならば、現在疑惑の焦点となっている車両価格差二十二億円が政治リベートに使われたのではないかと言われておるソウル地下鉄建設を初め、多くの経済協力が約束されております。そうしてまさにこれを受ける形で、定期閣僚会議直後の八月、第四回日韓協力委員会常任委員会が行われ、ここで「先般閣僚会議が採択したる経済協力について、本委員会はこれを一段と促進する」。先ほど私が述べましたですが、促進することを決め、さらに十一月の第五回常任委員会では、日韓定期閣僚会議で決まった四大。プロジェクトの推進を決めておるんです。そうしてこれらの常任委員会には三井物産、伊藤忠、三菱重工、石川島播磨、新日鉄など、日韓経済協力に深くかかわっている企業の代表が委員として参加しております。この事実については、あなたはお認めになりますか、どうですか。また、こうした経過は、ソウル地下鉄をめぐってあなたにも疑惑があるということになるのではないでしょうか。その点、お答えをいただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 日韓協力委員会というものをちょっと誤解していらっしゃりはせぬかと存じますが、日韓協力委員会と申しますのは民間団体でありまして、日韓協力委員会は大まかな問題につきまして討議をいたしましたり何かいたします。それは「新国策」に全部載っておると存じます。が、しかし、いまのお話のようなケースは、これは日韓閣僚会譲なり、あるいはまた日韓間の政府間ベースで行いまする純賠償の有償、無償の具体的な取り決めでございまして、それは日韓協力委員会はほとんど、全くと言っていいぐらい関係しておらないんであります。それから、いまの政府間ベースで行われまする問題は、まさに両国の条約に基づきます実務者会談で事が要求され、承認され、進められてまいっているものでありまして、本当に全く関知いたさない、こうはっきり申した方がむしろいいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 どうも事務総長でありながらそういうことを関知しないとか何とかというふうに逃げられるんでは、はっきりした質問ができなくなるわけですが、この文書は、あなたは作成には協力もしてなきゃ、責任も何も持ってない文書なんですか。この「新国策」に発表しておる日韓協力委員会という名目で出しておるこの文書に対して、あなたは何ら責任も協力もしてないということですか、どうなんですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) それは事務総長という肩書きがございますから、当然それは関与しておるとも申すべきでございましょうが、実際問題としましては、万事その国策研究会の事務機構がそれを記録もとり、また編集もし、出しておるような次第でございます。で、いまの会譲の内容は、御案内のとおりにそこに全部スピーチや何かは集録されております。それからまた議事等につきましても「新国策」に載っておるような次第でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういう無責任な事務総長を相手に議論するということはいやになりますけれどね。よくそんな無責任なことで事務総長をこれまでやってこられた。私は事務総長たるものは、もう少し責任を持っていかなけりゃあらゆる問題できないと私はそう思うのですよ。田中さんはそういう無責任な考えで事務総長をこれまでやってこられたのですか、どうでしょうか。ほかの文書にははっきりそういうことが出てくるのに、その文書の制作には自分はやはりタッチしていると言わんばかりのことをいまおっしゃいました、全然知らぬとはおっしゃらない。しかし責任はないし、はっきりわかっていないのだというようなことをおっしゃるのですが、この文書によりますとね、通産大臣、四大プロジェクト援助問題というところに「第三項イについては、韓国側が赤沢調査団の正式報告に接してから、改めて具体的にとり上げることにしたが、この問題は韓国第三次五カ年計画のいわば中核となるものだけに、日本側としても原則的に協力を惜しまない旨のべた。」こう書いてありますね。「ロについては、日本側は全面的に同意、早急に準備する旨約束した。」こう書いてありますが、第三項イというのは、四大プロジェクト援助問題のことなんですね。ロは、民間投資調査団派遣問題、これに対してこういうようなはっきりした態度を表明しておるわけですね、あなたこれは御存じでしょう。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私先ほどもちょっと申しましたのでありますが、このいまの日韓協力委員会と、それから政府間交渉のなかんずく実務会議というものとをずっとつなげてお考えになっているのじゃないかと思うのでありますが、実はそうではございませんで、どっちかと申すならば、日韓協力委員会というのは一つのムードづくりでありますとか、あるいはまた両国の親善友好の民間団体にすぎないのでありまして、それが直ちに有償無償の賠償の内容あるいはその執行にまでも立ち入って、介入してどうこうというようなことはこれは全く実はないのであります。で、そういうことで私はここで別に詭弁を弄するものでもなければ何でもありませんが、それをこうずっとつなげてお考えになることの方が、むしろ不自然と申しますか事実と違っておる、国策研究会の議事録になっております日韓協力委員会は、いまのようなプロジェクトの内容にわたりますことは何にも聞かされもしませんし、審議の対象になりませんし、相談の場にのってまいりません。そういうものでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 政府間協定とあなた方が言っている日韓協力委員会の決定と何ら関係がないので、政府間協定に対しては自分らは何にも知らないと、こういう御意見ですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) そうです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それにしては少し突っ込み過ぎているんじゃないですか、これ。私もう一遍言いますから聞いてくださいよ。たとえば、七〇年四月の第二回総会直後の七月に第四回定期閣僚会譲がソウルで開催され、韓国第三次五カ年計画への積極的協力が約束されておると、これが政府間協定ですね。具体的には現在疑惑の焦点となり、車両価格差二十二億円が政治リベートに使われたのではないかといわれておるソウル地下鉄建設を初め、多くの経済協力が約束されておる。そしてまさにこれを受ける形で定期閣僚会譲直後の八月第四回日韓協力委員会常任委員会が行われ、ここで「先般閣僚会譲が採択したる経済協力について、本委員会はこれを一段と促進する」と、こういうふうに決めておるんですね。これじゃあなた別のものじゃないじゃないですか。さらに十一月の第五回常任委員会では日韓定期閣僚会議で決まった四大プロジェクトの推進を決めておるわけですよ。これは政府とうらはらですよ。一体ですよ。そしてこれらの常任委員会には三井物産や伊藤忠、三菱重工、石川島播磨、新日鉄など日韓経済協力に深くかかわっておる企業の代表が委員として参加をしておるんです。あなたはこの事実についてお認めになりますかどうですか、その点ひとつ。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) ちょっと先ほど申しましたことをもう一遍裏づけますが、日韓協力委員会がプロモーターになって話を進めて、プロジェクトができるなんというようなものではございませんで、政府間交渉、なかんずく実務関係各省庁の両国の話し合いによって、あるいは五カ年計画あるいはその内容というものは真剣に検討されて滑ってまいります。それに時を合わせて日韓協力委員会が大会を開きましたり、あるいはまた促進を決めましたりするだけであります。それはむしろ両国の親善友好ということに対しまする、どこの国別の団体も同じようなことをいたしておりますが、両国政府の取り決めに対して、それを協力し、推進するという姿こそ協力委員会の本来の姿でございます。その内容にわたってのことは本当に一切関知いたしておらないんです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私がいま述べたことに対してあなたはそれを、事実は認められるんですか、どうですか。そういう事実があったということは認めているんですか、どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) もう一遍お伺いいたしますが、その事実というのはどういうことを意味しますか。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いろいろ問題があるところのソウルの地下鉄建設に対する経済協力が約束されておる。それはお認めになるんですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) それは全く爼上に上りません。全く話が出ません、出ておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 しかしあなた、日韓協力委員会のあなたは事務総長でしょう。その協力委員会がそういうことを言っているんですよ。四大プロジェクト問題で協力する。先般閣僚会議が採択した経済協力、いわゆる地下鉄やいろいろな問題ですね、これらについては本委員会は、あなたの所属している委員会はこれを一段と促進するんだ、これを決めた。さらに十一月の第五回常任委員会では日韓定期閣僚会議で決まった四大プロジェクトの推進を決めておる。そうしてこれらの常任委員会には三井物産や伊藤忠、三菱重工、石川島播磨、新日鉄など日韓経済協力に深くかかわっておる企業の代表が委員として参加しておるんですね。この事実はお認めになるかどうかです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私の申し上げるのは、日韓協力委員会で政府のそういったことのプロジェクトを事前に討議したり審議したり推進したりというようなことがあるかないかということが第一点。それは全くございません。また、もしあったと、そこに書いてあったとすればそれは事務総長まことにこけにされたというか、浮かされたというか、私には何ら知らされておりませんことでありまして、それから、政府が決定いたしました閣僚会議の決定事項に対しまして、日韓協力委員会がこれを推進するということを決議をいたしたということはこれは当然のことでありまして、両国の親善友好でありまする親睦機関といたしましては、政府決定の五カ年計画の推進でありますとか、あるいはいろんなプロジェクトの推進についてこれはひとつ、日韓協力委員会で挙げてひとつ積極的に推進しよう、これはもう当然のことであります。それは決定いたしました自後においてそういうことについての推進を両国のためにいたすのが日韓協力委員会の本来の会の目的でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 先へ進みましょう、もう時間が来ますから。  日韓協力委員会の役割りはぼくははっきりしていると思うんですね。本来政府ベースの日韓経済協力の準備から仕上げまですべて世上韓国ロビーといわれるあなた方の指導のもとに行われ、定期閣僚会議はまさにそれを公の形をとって追認するだけというのが実態であることを私は余すところなく示しておるのではないか、こう思います。いま日韓経済協力をめぐってさまざまの疑惑が指摘されておる中で、日韓協力委員会のこうした役割りはまさに疑惑に満ちあふれていると、こう言うべきではないかと思うんですが、どうでございましょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) それは全く違います。ということは、政府の決定に対しましてそれを協力し、推進する両国の親善団体でありまするが、その政府の決定に対しましては何ら事前に関与するとか、あるいはまた事前に相談があるとか、プロモーターになるとかということは、全くそれはございません。日韓協力委員会というものは政府決定の自後に対しまする大いに積極的な協力は惜しみませんが、事前の折衝は遺憾ながら政府からもどこからも受けておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そこの点はえらくはっきりとおっしゃいましたが、すべての点にわたってそういうふうにはっきり言っていただきたい。  次の質問は、元駐米韓国大使館公報館長李在鉱氏はこう言っております。日本からの民間借款、政府借款が絡む商取引では朴大統領と日本の韓国ロビーグループにリベートを支払わなくてはならないのだということを聞いていると、こう李在鉱が言っているんですね。さらに民間借款では、成立の段階ですでに朴政権に対する賄賂いわゆる不正な政治献金が組み込まれているケースがあり、これがいま韓国、日本で普通のやり方のようだ、日本側でこうした種類の手はずを整えるのは韓国グループだと聞いている、主な韓国ロビーグループは二つある。古くからあるのは岸元首相が率いているグループ、こういうふうに李在鉱氏が言っておるんですね。これは皆さんもお読みになったかと思いますが、日韓協力委員会やあなたはまさに岸元首相が率いるグループの一人ということではないでしょうか、どうでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 日韓協力委員会の会長は岸先生でございます。しかしながら、ただいまそこに言われたようなことは私は断じてあり得ざることと、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなた自身にも重大な疑惑が寄せられている問題でございますが、ところがあなたの態度はどうだと、たとえば去る一月二十八日、本院決算委員会におきましてわが党の小笠原委員があなたに質問しました。その中で、日韓協力委員会の会議録及び出席者名簿を提出するように求めたのに対しまして、これは速記録にちゃんと出ておりますから読めばはっきりするわけですが、あなたは提出を約束しておられるんですね。これは何にも秘密でも何でもない、公然たるものであるから提出いたしますということを、小笠原君にあなたはっきりと答えておるんです。ところが、再三再四提出を催促しましたにもかかわらず、一カ月以上も経過したいまも、いまだに提出していないわけです。これ自体重大問題であり、これ以上われわれとしましても放置できない時期にきておると申し上げます。しかも、あなたが疑惑を否定し、やましいことが一点もないのならば、なぜみずから進んで速やかに資料の提出をなさらないのか。もし、大臣が最も責任を持つべき国会での約束を意識的に引き延ばすならば、それはまさにみずから指摘されている疑惑を、事実上認めたということに等しいことになると思いますが、どうですか、その点。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私は小笠原委員からの御要望にこたえまして、私の方の秘書を通じまして、国策研究会の方に資料を御提出するように要請してございます。当然もはやお手元に提出されてあると私は思っておったのでありますが、再度そのことを国策研究会の方には督促をいたします。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣は一緒に見えてそれを提出するように言ってあると、それが提出されてないので、いまそれを知ったというわけだね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) はい。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 日韓協力委員会をめぐる疑惑は、大臣、これにとどまらない。まだほかにもたくさんあるわけです。きょうは一々そのことをここで問題にする時間がありませんけれども、一点申しますならば浦項総合製鉄問題、日韓大陸だな開発問題等々数限りなく出てくるわけです。もし、疑惑がないとあなたはいまはっきりおっしゃいましたが、決算委員会はもちろんのこと、この当商工委員会にも全会議録とそのときに出席した出席者の名簿を提出していただきたい、改めて私は要求しますが、大臣どうですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私の手元に何にもないことは先生御承知のとおりであります。国策研究会の方にそのことを私から要望いたしておきます。  浦項並びに大陸だな等の問題は、先ほど来申し上げるように、日韓両政府間交渉に基づきます事務レベルの決定事項の側面から推進協力ということでありますので、その点もあわせて申し添えておきます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 じゃ、最後にもう一点私指摘しておきますが、これはこの間決算委員会で小笠原委員の質問に対してあなたの答えられた点です。小笠原委員はこういうふうに述べています。省略しますが、「たとえば第一回から昨年までですと、事務総長会議というものまでがございます。少なくともここでは、一九六九年の第二回常任委員会で、いま言ったような、私たちにとりましては大事な憲法問題も論議されているというようなことですね。これについての議事録があると思うんです。それをぜひ出していただきたいとお願いしたいと思うんですけれども、全部資料として残っているんじゃないですか。」という小笠原委員の質問に対しまして大臣は、「その資料はちゃんとございますから、御提出いたしましょう。」と、こういうふうに答えている。資料をあなたはちゃんと持っているということをここでおっしゃっているんです。それから、小笠原君が改めて、このときの、「一九六九年の十一月二十七日から二十八日の。このときの出席された方ですね、そういうメンバーを後で教えていただきたいと思うんです、」そうしたらこう大臣は答えてますよ。「それは公的な会議でございますから、全然秘密でも何でもございません。」こういうことで出すということを約束されているんですね。だから、一刻も早く、もう一カ月たっているんです、これからね。これは一月二十八日の議事録です。だから、一カ月以上たっているんですから、一日も早く私がいま申しました資料をこの委員会、また決算委員会に出していただきたい。お約束できますね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私たびたび申し上げますように、まあ議事録と申しましてもイコール「新国策」でございますが、それは会員に頒布されておるものでございますから、それはちっともやぶさかではないのであります。私、先般この委員会から後、秘書に命じまして国策研究会の方に、資料を差し上げるように要請をいたしたのであります。もうとっくにお手元に行っているんだろうと実は思っておったのでありますが、しかしながらいまのこの協力委員会自体に対しまして格別、まあ協力委員会の所有でございますから、協力委員会自体に論がなければ、当然これは会員に配付する、そちらのお手元にあると存じますが「新国策」でございます。なお、図書館にもあるだろうと存じますし、これらも私、早速改めて国策研究会の方にそのことを要請いたします。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 日韓協力委員会に私は資料を出せと言っているんじゃないですよ。事務総長をやっているあなたがよく知っているはずだから、だから大臣として責任持って当委員会に出せと、こういうことを言っているんですよ。だから、あなたの責任においてやってもらうことで、協力委員会が出さぬと言うから出せませんというのはない、そんな逃げ口上はだめですよ。あなた出すと言っているんだから、ちゃんと議事録に載っているんだから。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) 私自身は資料を持っているわけじゃございませんので、国策研究会に命じて出させます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃあなたの責任で協力委員会に命じて資料を出さす、必ず出すと、こういうことですね、そうですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中龍夫君) いまの、先方の国策研究会の方にございます資料はお出しいたしましょう。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 他に御発言がなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十一分散会      —————・—————

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