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80回国会参議院1977/05/12

社会労働委員会 第8号

発言数
288
登壇者
15
会派数
5
開催日
1977/05/12

会議録

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を開催いたします。  まず、委員の異動について御報告します。  去る四月二十七日、高田浩運君が委員を辞任されました。また、同日、村田秀三君及び遠藤要君が委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君及び橋本繁蔵君がそれぞれ選任されました。     —————————————

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。石田労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  わが国の経済は、今後、経済成長率が低下するものと見られており、これに伴って、景気の変動や産業構造の変化等が雇用の面に与える影響がますます大きくなるものと考えられております。  そこで、適切な経済運営によってでき得る限り経済の安定を図ることとあわせて、経済成長率低下のもとにおける雇用対策の柱として、従来の失業者に対する対策から進んで積極的に失業の予防を図ることにより、労働者の雇用の安定を確保することが、当面の重要な課題となっております。  政府といたしましては、このような背景のもとに、雇用安定事業の実施及びその財源を確保するための雇用安定資金の設置等について関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し提案した次第であります。  次に、その内容の概要を御説明申し上げます。  第一は、雇用保険法の一部改正であります。  景気の変動、産業構造の変化等により事業活動の縮小等を余儀なくされた場合における失業の予防その他雇用の安定を図るため、雇用保険事業の一環として新たに雇用安定事業を行うこととしております。  その一は、景気の変動その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、その雇用する労働者を休業させる事業主に対して、休業に必要な助成及び援助を行うこと、その雇用する労働者に職業に関する教育訓練を受けさせる事業主に対して、教育訓練に必要な助成及び援助を行うこと等であります。  その二は、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業の転換または事業規模の縮小を余儀なくされた場合に、これに伴い必要となる教育訓練をその雇用する労働者に受けさせる事業主に対して、その教育訓練に必要な助成及び援助を行うこと等であります。  第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。  新たに行うこととしております雇用安定事業に要する経費に充てるため、雇用保険の保険料率のうち事業主のみの負担に係る部分を、千分の〇・五引き上げることとしております。  第三は、労働保険特別会計法の一部改正であります。  雇用安定事業は、景気の変動等による波動性の大きい事業であり、雇用調整給付金を初めこれに要する経費は、不況期には相当多額に支出されますので、平常時において計画的に積み立てておき、必要に応じて集中的に使用することにより、事業を効果的に実施することが必要と考えており、このため、労働保険特別会計の雇用勘定に、雇用安定資金を設置することとしております。  なお、この法律案は、昭和五十二年十月一日から施行することとしておりますが、雇用保険の保険料率の引き上げに関する部分は、昭和五十三年四月一日から施行することとしております。  以上、雇用保険法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 法案に入る前に、当面する雇用の問題がありますから、二、三お伺いいたします。  労働大臣は、季節労働者の雇用と生活の安定を図るために臨時の特別措置として、季節労働者の就労促進や通年雇用化のために必要な技能の付与を目的とした職業講習の実施を促すため助成制度を講ずると、これはこの前衆議院で述べておりますが、北海道における季節労働者、私もこの飛び石連休でずっと北海道を回ってきたんですが、相当季節労働者が激しい条件で、苦しい条件に置かれている。こういう北海道の問題などについて、野党三党の提案した特例一時金などもあるわけでありますが、これらの問題について具体的にどういう措置を講じようとするのか、まずこの件について大臣なりその他の方の御答弁をもらいたい、こう思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) この季節労働の人々に対する雇用保険の適用の問題についての私の見解は、もうたびたび申し上げておりますから繰り返しません。しかし、それにかわる北海道という特殊地域の特殊条件に対応いたしますために、衆議院の社会労働委員会あるいは石炭その他の石特委員会、あるいは本委員会等でお約束いたしましたように、具体的な措置をすでに講じ、関係各省との調整を進め、そのほとんどを終わっているところでございます。具体的内容については安定局長からお答えを申します。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) いま大臣御説明のように、北海道におきまして雇用の場を確保するために関係各省との御協力のもとに公企事業の早期発注等、あるいは労働対策としまして職業訓練の拡充、職場適用訓練の拡大等を行っておりますが、特に北海道におきます現状にかんがみまして、一つは冬季の就労奨励のための制度を行いたいと思います。これは一−三月の屋外における就労が非常に困難な際に、季節労務者を雇用する事業主に対してある程度の助成を三年間に限定をして行うと、こういう考えでございます。  さらに、四十五歳以上の中高年の季節労働者につきましては、その通年化を前提といたしまして、職業講習等を行う事業主に対しまして、これもやはりある程度の助成を考えたいと、こういうことで鋭意構想を検討中でございまして、これによりまして三年間のうちに通年化を促進するとともに、先ほど申しました公共事業の早期発注、その他職場の拡大等を通じまして北海道におきます季節労務者の雇用の安定をぜひ図りたいと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 公共職業訓練の充実については積極的に取り組むと、こういうお話であったわけでありますが、北海道の場合でもこの訓練施設の能力という点には限界があるんじゃなかろうか。そういう点を考えますと、この方面の打開をどんなふうに考えていらっしゃるか、ひとりお伺いしたいと、こう思うのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 従来の公共職業訓練所の計画的な拡充ということも考えておりますが、これは急場には間に合いません。したがいまして、公共訓練の一環といたしまして事業主に委託をするという形での短期の訓練の充実を当面いたしたい、そういうことでその委託先を現在鋭意開拓中でございまして、これによりまして従来行っておりました公共職業訓練の定数の倍以上の収容をぜひ実現をさせたい、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この安全衛生法に基づく「技能講習」、こういう点もあるわけですね。こういうものなどの関連について拡大させていくというお考えはないでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先ほど御説明をいたしました職業講習を行いまして、それに対して種々の助成を行う考え方と関連をいたしまして、その講習の一つのやり方としまして、御指摘のようにただいま建設災防協会等が行っております安全のための技能講習も、当然この職業講習の一環として組み入れて、有機的に職場講習の拡大を図ることといたしたいと思っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この前労働大臣、予算委員会で季節労働者の失業給付の問題についてアンケートをとると、現行の方がよろしいというのが六〇%以上超していると、こういう話があったんですが、北海道に行っていろいろ議論してみますと、あるいは東北の雪の多いところ、そういうところの方の意見を聞くと、全体としてアンケートをとれば、暖かい方が多いのであるからパーセンテージは出てくるだろうと。しかし、雪の降る方の者はそういうことについては非常に困る。したがって、もう一回、この国会で間に合わなければこの問題について現行のやつと旧法と二つ置いて、その選択制度をその業種によって、地域によって諮る、こういう運用の幅を設ける方法は出ないものだろうかという点は、非常に林野関係あるいは出かせぎ農民の方々の間に多いのです。したがって、この選択制という問題について検討する用意があるかどうか、ひとつ大臣のお考えを聞きたいと、こう思うのです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) いまの目黒さんの御質問の中に、全体として六〇何%というお答えをした覚えはないのです。私の郷里である秋田県で調べた場合に六二%が改正法の方がいいと。それで前の方の、要するに九〇%で、そのかわり就業しちゃいけないと、こういう前の制度の方がいいというのは十数%である、そういう御説明を申し上げました。ただ、北海道の場合はこれは専業者が多い。それから内地の場合は農林業との副業が多い。それから、北海道の場合はいわゆる夏季型就労が非常に多い。東北の場合は必ずしも夏季型ばかりじゃなく、冬季型の就労も見られます。そういう意味で申し上げたのであります。北海道の場合は特別の条件にあることは事実でありますし、あるいは私どもの郷里、あるいはまた青森県等の一部におきましては、いま仰せのような御希望があることは十分承っております。しかしながら、こういう種類の問題を雇用保険だけで処理しようとするのは私はやっぱり間違いであると、何度も申しますが、いわゆる季節労働については七十八億円の負担金に対して給付は国庫負担を除いても千五百億円ぐらいに現在でも達しておる。やはり、これは総合的な施策の中でその地域対策の一環としてやっぱり取り上げてもらわなきゃいかぬ。私は北海道道庁の人たちにも、こればっかりで解決しようとしないで、あなた方ほかの施策の中ででもこの問題を取り組む必要があるんじゃないかということを申し上げてまいったわけでございます。したがって、この雇用保険法自体の中で現行制度を変更していくという考えはございません。しかしながら、やはり全体の施策の一翼を担う労働行政として、あとう限りの配慮をしてまいりたいと、やっぱり雇用保険のお金というのは結局全勤労者、全国の勤労者から集めたお金でもあるわけでありますので、やはりできるだけ公平に、各地域にわたって公平な条件で行われるように運用するのが私どもの責任だと考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、そういう御努力をお願いします。  それから次は、ソ連の二百海里問題で北海道、東北などの北洋漁業関係者の問題について、この前新聞にあったとおり、五月一日からこの雇用調整給付金の対象にしたと。非常に敬意を表するわけですが、これによって救われる労働者といいますか、どのくらいに大体把握されているか、わかっておったら聞かせてもらいたいと思うんです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これは逆でありまして、今度の漁業交渉のまとまり方によって、出てくるものに対して全体的に対処しようと、こういうのでありまして、漁業交渉がまとまっておりませんから、どれだけ出てくるかということをまだつかんでおらないわけでありますが、出てくるものについては八業種を指定をいたしまして、そのうち七業種についてはサケ、マス、スケトウに限定されますが、一業種は全体にわたりまして実施をしようという考えでありまして、何人に対処するかというのではなくて、出てくるものに対しては全体的に対処していきたい、こう思っておる次第であります。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この際、私この前沖繩に行ってちょっと聞いたんですけれども、沖繩県というところはほとんど雇用調整給付金の給付を受けていないというようなことを言っておったんですが、これはどういうことなんですか。向こうの認識が誤っているのか。こちらの方で把握している点があったら教えてもらいたい。向こうの県の責任者が、どのくらい受けていますかと言ったら、いや、受けていませんと、こう言っておったんですが。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 現在、雇用調整給付金の対象業種、対象といたしております業種が四十業種に及んでおります。これは全国共通的な業種がほとんどでございます、いまの北洋を除きまして。したがいまして、沖繩におきましても当然対象業種があり、かつこの恩恵に浴しておると思いますが、現在手元にその数字を把握をいたしておりませんので、後で調べて先生に御報告いたしますが、もし検討いたしましてその対象の数が少ないとすれば、あるいは行政上普及についての欠陥があると、そういうようなこともあろうかと思いますので、その辺は十分検討させていただきたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、それお願いいたします。  この北洋漁業に適用する際も、零細企業が網にかからないという点がたまたまありますので、こういう水産業であるだけに、きわめて零細企業が多いんですから、その点については特に指導から御配慮願いたいと、こう要請しておきます。  それから、この漁船乗組員、これなどについては雇用対策法で職業転換という点は当然積極的に考えられなきゃならぬと、こう思うんですが、この点はいかがでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 船に乗っているいわゆる船員の人たちについては、御承知のように五トン以下の漁船の乗組員が私どもの所管になるわけであります。それから政令に定めた場合三十トン以下の漁船というのも政令において定められておるわけで、それ以外の人たちはいわゆる運輸省の所管でございますし、船員保険の対象となるわけであります。しかし、実際に離職をいたしまして海から陸へ上がる場合の処置となりますと、これは私どもの所管でございますので、これは雇用対策法等の対象はむろんのこと、一般の勤労者諸君と同様の取り扱いをいたしたい。しかし、遠洋マグロ・カツオあるいは遠洋捕鯨それから——捕鯨は遠洋に大体決まっておるでしょうけれども、捕鯨と、それからアメリカの二百海里設定によるスケトウダラ、そういうものはすでに業種指定をいたしておりますし、先ほど申しましたように、これから生ずるものについても五月一日に、私どもが一番最初に業種指定をいたしたような次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この職業転換をする際に、この職業転換給付金制度には年齢の制限がありますね、四十歳以上と。ところが、小さな船に乗っている人は四十歳以下で若い方が大分いらっしゃるんですよ、私の塩釜あたりを見ましても。こういう際の年齢制限の特例か何か考えてもらえるかどうか、これについて見解を聞かせてもらいたいと思うんです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これは北洋漁業関係だけというわけにはいかない。やるとするなら全体の問題となるわけで、北洋関係だけということになりますと、やっぱり特別立法というようなことも考えなきゃならぬわけでございます。そういう実情を踏んまえた検討をいたしたいとは思っておりますが、現状はいま申し上げたとおりでありますので、直ちにそれを実施するということは非常に困難でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それは、じゃ私らも検討しますから、検討をしてもらいたいと思います。  それから、やっぱりこの際にも職業訓練の、北海道だけでなくて、船乗りの方々が転換する際の受け入れ体制といいますか、そういうことについてもやっぱり行政の面から積極的に指導しないと、なかなか宙ぶらりんになってしまうと、こう  いう前例が幾つもありますから、こういう受け入れ側の行政指導ということについてどんなお考えを持っているか聞かせてもらいたいと、こう思うんです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 具体的な問題は担当局長からお答えいたしますが、船から出てくる方々の訓練と受け入れというのはなかなか——船から船は楽ですけれども、船からおかという問題になりますといろんな困難が伴うわけで、先般も岩手県あるいは秋田、青森等の業者から、それは困難だと、こうよく言われるんです。しかし、困難なことはわかるけれども、それはもうだめなんだと、こういうように決めてかからないでもらいたい。こちらの方としてもやっぱり結局受け入れができなければしようがありませんから、そういう意味もかねて処理をするつもりでおるんで、自分の方の条件はもうだめだ、これはもうだめなものだと決めないでもらいたいと、こういうことを申し上げておりますが、そういう態度で臨みたいと思います。  具体的なことは担当局長からお答えをいたします。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 大臣御指摘のように、いまの漁業交渉の結果を見ませんと対象人員がどのくらいになるか、訓練吸収の人員がどのくらいになるかという把握ができませんので、いま何とも具体的にはお答えはできませんが、ただ北海道を中心として集中的にそういう対象の者が生ずる、発生することが予想されますので、道内における訓練所の活用、先ほど申しましたように、事業主への委託訓練も含めて検討いたしますとともに、この問題につきましては、やはり応急的には東北各県における御協力を得て、東北における訓練所あるいは事業主の受け入れ等をも、やや広域的な受け入れ体制をも準備をいたしたいと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 次に、政府は去年の六月十八日、第三次雇用対策基本計画というものを設定して、その課題として、低成長化のもとでインフレなき完全雇用を達成維持すると、こういうことを挙げておるわけでありますが、この計画は五十一年から五十五年まで五ヵ年計画であると、こういうふうに定められまして、ことしは二年目になるわけですが、この五十五年を想定した際に、雇用構造といいますか、雇用関係というものはどういう状態になることを求めているのか、若干数字を挙げて説明してもらいたいと、こう思うんです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 具体的な数字は安定局長からお答えをいたしますが、基本的な考え方としては、五十五年までの間、年平均六%程度の経済の成長が持続されれば、五十五年度以降においては労働力の需給のバランスがスムーズに移行できるであろう、こういう考え方に基づいたものでございます。ただ、五十年度以降これが停滞をいたしておりますのは、幾つかの原因、むろん第一には不況期間が長く続きましたために、使用者側において、いわゆる労働力の雇用というものの意欲が停滞をしたということがまず第一に挙げられると思います。第二には、同じような不況の条件の中にありながら、アメリカやヨーロッパに比べていわゆる完全失業率というのが低く済んだ裏には、やはり終身雇用制あるいはまた企業別労働組合、そういうような日本独特の雇用制度、労使関係の中で、これが背景となってそういう状態にとどまり得たとも言えるわけです。逆に言うと、それだけに過剰人員を抱えているとも言えるわけでありまして、鉱工業生産が回復をいたしましても、その回復の度合いに並行して、雇用の増大が期待できなかった。あるいはまた高度成長期における労働力不足時代がかなり長く続きまして、それの対応策として省力化が進められておる、そういうようなことも背景をなしているかと思います。ただ、本年度、予算案がこれは非常に実施をいま急いでおりますが実施されて、当初の目標の六・七%の経済成長が達成をされるとわれわれは思っておりますが、達成された段階におきまして、漸次第三次雇用対策要綱の線に戻っていけるものと考えておる次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いま大臣から若干あったんですが、この統計を見てみますと、求人倍率の方は三月で〇・六三ということで二月に比べて若干上がっていますけれども、しかし依然として失業者は百二十何万と言われている。あるいは常用雇用指数も逆に下がっている、こういう傾向から見ますと、なかなかこのいま大臣が言ったような五十五年で需要と供給のバランスをとるという展望については、率直に言って暗い展望じゃないかと思われるんですが、その見通しと対策などについて考えがあれば聞かしてもらいたいと思うんです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 見通し達成が楽な条件の中にあるとは決して思っておりません。先ほど申しましたような条件が背景にございますために、なかなか経済の回復とか鉱工業生産の伸びとかというものがすぐ雇用に反映するというわけにいかないところにむずかしい点があると考えております。具体的な数字等の見通しについては北川君から。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 私たちの見通しでは、先ほど雇用対策基本計画の中で先生御指摘のように、労働力需給の比較的スムーズなバランスをとるということで、数字としては明示をいたしておりませんで、ただ政府の五十年代前期の計画の中では、五十五年に失業率一・三%ということを一応の目標として掲げております。それを達成するためには、いま大臣御指摘のように、いまの雇用情勢の中で大変むずかしいといいますか、相当努力を積み重ねなければ実現がなかなか困難であると、こういう事態でございますので、私たちがいままで行っております対策を再検討し、体制の整備あるいは施策の充実を図りまして、そういう状態にぜひ実現をするよう最大限の努力をいたす考えでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この五十二年の四月二十六日の新聞報道によりますと、労働省としては、五十一年の有効求人倍率を〇・七から八と、こういう目標を設定してやってきた、こういう記事が載っておったのですが、これといま言った〇・六と若干差があり過ぎるのですが、この辺の背景、原因というのはどんなふうに掌握しているか教えてもらいたい、こう思うのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 昨年の五月段階で、昨年度の雇用の見通しというものを労働省としては検討いたしたわけでございます。その際は、昨年の一−三月が鉱工業生産がかなり急テンポで上昇をいたしました。それに伴いまして雇用の改善も著しいものがございました。したがいまして、私たちはいま先生御指摘のように、年度平均で有効求人倍率が大体〇・七七程度には回復するのではないかとこう見ておったのでございますが、実はその後景気の中だるみ、それに加えて非常に企業側としましては求人の手控えというものを行っておりまして、これは現実的な面としましては、たとえば常用をふやさずにパートタイマー等で補う、あるいは時間外労働をふやすというような形が如実に出てまいりました。そういう点から、やはりいまの景気の見通しが大変現実と合わなかったということが、雇用が伸びない一番大きな原因でございまして、その点昨年度私たちが立てました見通しがやや甘過ぎて現実と離れたというのが実際でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 さらに、第三次計画の中で不安定雇用労働者の解消という点がテーマに上っておるわけでありますが、臨時工、日雇い労働者あるいは中高年齢者と、こういう方々が非常に不安定雇用の中で揺れ動いている、こういう現状でありますが、この不安定雇用の改善ということについて、ことしはどういう点に重点を置いて取り組もうとするか、その見解を聞かしてもらいたいと、こう思うのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 私たちのこれからの雇用対策の中で、先生御指摘の臨時、パートあるいは日雇い、そういう不安定雇用者の解消、これが大変重大な課題と、こう考えております。私たちは事業主に対しましてこういう不安定雇用の解消、すなわち通年雇用への切りかえ、そのためにたとえば通年雇用融資とか、あるいはそのための奨励金等を行っておりますけれども、これらの支給の要件等につきまして再検討をして、施策の完全化を図りますとともに、不況によりましてこれら不安定雇用者が解雇をされるというような事態が、好ましいことではありませんが起きた場合にも、パートあるいは臨時というような名称でなくて、実態に即しまして常用的要因を持っておれば、当然雇用保険法の対象として十分なる失業給付が受けられるような措置をする等々の施策を行っておるわけでございますけれども、今後もこの施策の充実を図りまして、先生御指摘のような方向で不安定雇用が少しずつでも減るように行政的な努力を積み重ねる考えでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは一昨年ですか、雇用保険法の改正の際の附帯決議として、国有林労働者の通年化ということなどについても掲げられておりまして、いま労使などにおいて交渉が行われておるわけですが、私はいま、先ほど大臣が省力化という問題もわからないわけじゃないのですけれども、国の機関が、いま中高年齢の雇用ということを、いま局長が言うとおりやっている反面、国有事業という場から中高年齢者をどんどんどんどんふるいにかけて落としていく。労働省の政策と逆行するようなことが政府機関内部で行われている。それが以下同文、地方の自治体にも反映して行われている。この辺は総合的に私は雇用の安定ということを考えると、一定期間、三年なり五年なり景気の回復して雇用の見通しが出るまでぐらいは、政府関係機関ぐらいは私はきちっと筋道を立ててやる、その上で民間の皆さんにもあるいは企業の皆さんにもお願いする、そういうことをしないとどうも片手落ちじゃないかということを、ある経営者から私はこっぴどく言われたことがあるんですが、こういう関係の総合的な指導理念といいますかね、それをひとつ大臣に聞かしてもらいたいと、こう思うんですが。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) いや実は、きのう私はやはりある使用者から、中高年齢層の雇用促進も結構、定年延長も結構、一体労働省はどうなっているんだと聞かれまして、即答ができないで弱ったんですが、おっしゃるとおりであります。多くの民間企業に対して、民間人が自分の責任において行う企業に対して、こういう問題についての協力を求める以上は、政府及び政府関係機関がまず率先して行わにゃならぬ、これはもうお説のとおりで、そういう基本的な考え方で臨んでおるつもりでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 まあ、きょうは各省呼ばなかったんですけれども、そういう点で、たとえば専売においても、皆さんがのんでいるたばこが一分間二万本の機械を、今度は新しい機械を入れて四万二千本と、そういう機械を導入して、いわゆる中高年齢者の皆さんなり、あるいは婦人労働者の皆さんに退職を募集する提案をするとか、いま林野の常勤化、常用化の皆さんを、三万二千名おる現在の方々を公務員に準ずるにするかわり、一万六千か七千でがまんしてくれと。逆に一万四、五千の方々が一応ふるいから落とされる。ほとんどが中高年齢者だと、こういう実態があるんですよ。だから、私はいま大臣の言ったことを、ひとつ閣議なりあるいは関係各省で、もう少しその辺は、不景気の完全失業をこういう時代ですね、そういうものに対する具体的なやっぱり調整指導という点を三年なら三年、五年なら五年、景気の見通しがつくまで一応やろうじゃないかと、その点については少し、まあたばこの製作が二万が四万のやつ一年おくれたからって——私はたばこのみませんけれども、たばこのむ方が困るわけじゃないんですから、その点はやっぱり雇用の安定という角度から十分政策を見直してもらいたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 問題はやっぱり二つあると思います。一つは、いま申しましたような、お話にありましたような能率化、合理化、生産性の向上と、こういう面から全体としての労働力が機械、技術その他の導入によってどうあるべきかということ。それからもう一つは、中高年齢層の、つまり一定率六%なら六%以上の雇用を政府及び政府関係機関がみずから守るという問題と、これは別個に存在する問題だと思います。それから両方兼ね合わせて全体の問題としては、雇用の回復というのがおくれている状態の中において、新たに政府関係機関の中でそのままの形で失業あるいは休業というようなものの出ることはこれは好ましくないと——これはわれわれの立場としては好ましくないと、そういう問題点があると思います。で、われわれは合理化を妨げるという立場にはありません。しかしながら、政府関係機関がみずから決めた六%という中高年の雇用率は守ってもらわにゃならぬ。それから、願わくば雇用情勢がこういう状態の中で、新規に失業の発生というようなことはやはり手控えてもらいたいというのは、これはわれわれの立場でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、それはひとつ期待いたします。  それから、最近の雇用調整を見ておりますと、景気循環型から雇用そのものを調整する、そういう型に変わってきてるんじゃないか。いわゆる先ほど常用指数が上がらないというのは、逆にそういうことも裏づけしてるんではなかろうかと、こんなふうに私は見ておるんですが、雇用対策法第二十一条で大量の人員整理をする際には届け出の義務がありますね。こういうものについて最近の数字で結構ですから、届け出があった個所と人員がわかれば参考までに教えてもらいたいと、このように考えます。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) いま、五十人以上につきましては、大量解雇の届け出を雇用対策法で義務づけておるわけでございますけれども、最近の数字で申し上げますと、五十一年の九月は二十六件、十月が二十四件、十一月が二十八件、十二月が三十四件ということで、五十一年通算で約四百件程度の届け出が出ておることになっております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうしますと、この大量解雇あるいは雇用調整がそういう常用化の問題の人減らしという形までずうっとこう——この五十二年の二月一日の日本経済という新聞に大分具体的に、従来のパート型から本格的な人員整理と、こういう形に内容が変わってきてるという点を相当具体的に提起をしているんです。たとえばトヨタ自動車、あるいは中部電力、こういう大どころが本格的な人員の調整に入ってると、こういう傾向にあるわけですが、これらの問題等について労働省で具体的な取り組みなりあるいは指導の中身があったならば明らかにしてもらいたい、こう思うんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 雇用調整の動向につきましては、一番景気のどん底でありました五十年には雇用調整を何らかの形で行っておるのが約七〇%、それがこの五十二年の一−三月では三割程度に下がってきております。ただ、雇用指数そのものが伸び悩みということは目黒先生御指摘のとおりでございますが、これは結局自然減耗といいますか、定年その他でやめた方の補充を企業がせずに、それはパートあるいは時間外労働の増加というような形で行っておる、こういうのが実態だと考えております。したがいまして、先ほどの大量解雇の届け出も、五十一年を五十年と比べますと件数的にはやや減っておるということで、私は日経新聞が指摘しておるように雇用の調整が時間外規制あるいは臨時の採用というようなことから大量解雇の方向へこれから進むというふうには即断はいたしておらないわけでございまして、ただ、われわれとしましては、いまの求人手控えという慎重な企業側の態度が厳然として存在いたしておりますので、やはり基本的には景気の回復という政府のいまの経済政策の発展を待ちまして、企業が雇用について積極的にやはり人を採って大丈夫だと、こういう気持ちを起こさせることが一番大事なことだと、こう考えておりますし、今後の雇用調整に当たりまして、先ほど大臣が御指摘のように、国の施策として中高年層あるいは身体障害者というような方の雇用の確保については、こういう届け出がありました際にも適切な指導を行っておるところでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それで、まあ企業の先行き不安ということでなかなか退職者の穴埋めを控えてると、そういう傾向はそれなりに私ども認めておるわけでありますが、もう一つ、この雇用の機会の拡大という問題等については、時間短縮という、労働基準法ね、もう労働基準法の問題に手をつけて、やはり時間短縮ということを積極的に行政の面なりあるいは立法の面でもう積極的な指導をするべき時期じゃないかと、こんなふうにまあ考えるんですが、この件はいかがでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 労働時間の短縮というものが直ちに雇用の増大に結びつくと、こういう短絡的な期待というものはそう持てないと思いますが、しかし労働時間の短縮というのは、ただそれだけでなく、労働者諸君の福祉という面から見ましても、また同時に労働、いわゆる雇用の増大に当然ある程度の影響は考えられると思います。ただ、公衆の利便とか、あるいはその事業の相対的な関係とかいろいろなことがありまして、一律に立法的な措置をするためには、もっと現実的な状態が進行していることが必要じゃなかろうかと思います。たとえば、四十八時間労働を基準法で決めます場合においても、にわかに決めたのではなくて、そういう方向に国全体がかなりの程度で動き始めて、動いて実績をとったときに行い得たと。四十時間につきましても、これはかなりな程度で進行がしております。かなりな程度で進行いたしますと、これはお互いに皆関連し合っておるわけですから、この進行の速度を加えてくることが期待される、そういう状態を待って実施すべきものだと、私どもはこう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私も大臣の言うとおり短絡的に続くとは思いませんが、しかし常用雇用の拡大する重要な側面であることは私は間違いないと思うんです。ですから、いろいろな情勢とは言われておりますが、おたくの方の行政指導で週休二日制という点が大分浸透しているということを、再三大臣なり労働省の側が答弁しているんですから、あるいは企業の方でも、まあ逆に見れば仕事がないから休めと、こういう極論もありますが、それは別として、やはり週休二日制が相当進行しているという現状、情勢から考えますと、私はやっぱり大臣と認識が違うかもしれませんが、ある程度積極的に時間短縮の法改正ということを問題を提起するとか、あるいは労働省が中心になって検討するとか、そういう具体的な手がかり——二年なり三年を展望をして手がかりをつける、そういう時期にあるんじゃないかと、こう思うんですが、まだ早いでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) いまから十二、三年前に、私は自由民主党の労働憲章を書いて、四十時間労働を目指すという文句を入れましたところが、くそみそにたたかれた記憶がございます。しかし、今日それを議論して、その当時のような対応の仕方をする人はなくなってきました。それだけ世の中が進んできたわけであります。それから、現実的にもうすでに四十時間労働がかなりの程度普及をしていることは事実でありますし、私どもの方もそういう方向に向けて行政指導をいたしております。これがある程度のところまでいきますと、どの程度かは別問題ですが、ある程度のところへいきますと、自分のところだけ土曜日やっておっても仕事にならぬというようなこともありまして、相互関連をして速度を加える、そういう時期に私は一般化すべき問題だと考えております。まだ、いま不況な状態でありますので、いまの状態の場合に雇用自体を、雇用の増大という点だけを目標にしてやりますと、今度は中小企業の方向に及ぼす影響ということもありますので、まだ少し早いんではないだろうか。目指す方向としたら私は異存はございません。もう十数年前からそれを言っておるわけでございますから、異存はございませんが、いまそれを実施しますと、受け取り方としては今度は中小企業の経営条件の悪化という方の受け取り方にされる危険がある。プラスの面も無論あると思いますが、マイナスの面も非常に大きいんじゃないかと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私、この前北海道回ってずっと商店街のおやじさんたちと話し合って——いま中小企業の問題があったんですが、私、中小企業の皆さんに会ってみると、やっぱり雇用の拡大あるいは時間短縮なども含めて、もっと中小企業に対して国自体が予算の裏づけを十分にしてくれる、そのぐらいの親切味があっていいんじゃないかと、こういうことをよく言っています。  きょうは通産省来ておりませんが、予算の面だけ見ますと、総予算の〇・六%ですね。労働省はやっと一%ですか程度いっていますけれども。ですから、農民の方は九・二%程度いっている、食管法等いろいろな形で農民は苦しいながらもそれなりに手が向けられておる。ところが、中小企業の方は本当に二百万、三百万の貸し付け運転資金ぐらいが関の山であって、ほとんどめんどうを見てくれられない、だから雇用の問題についてもなかなかうまくいかないと、こういうことを言っているんですよ。だから、やっぱりそういう中小企業対策に国の助成ということについて、もっと積極的に私は手を入れれば、いま大臣が言った中小企業の雇用の分野という点は相当変わってくるのじゃなかろうかと、こんな気がするのですが、この点はいかがでしょう、中小企業対策。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私の所管でございませんので、中小企業対策について論評する立場にはございませんけれども、いまこの四十時間労働というものを強制実施をするということになりますと、どういう受け取り方がはね返ってくるかというと、中小企業の経営圧迫というような受け取り方がはね返ってくる面も多い。したがって、そういう条件がある程度排除されることが私どもとしては望ましい。その排除のための諸施策は、これは私どもの所管ではございませんけれども、それを積極的に行うことを含めて、そういうはね返ってこないような条件整備が必要だと、こう申し上げたんであります。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 ぜひそういう面も国務大臣としてひとつ御努力をお願いしたいと、こう思っております。  次は雇用の関係、年次有給休暇の取り扱いについて、私も不勉強で余りわからなかったのですけれど、昭和三十年十一月三十日、基収四七一八号と、こういう達しが出ておりまして、休暇をとった際に期末手当、ボーナスなどについて判定の対象にしてよろしいと、こういう通達が出ているのですがね。この通達の出た背景などについてわかっておれば聞かしてもらいたい、こう思うのです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 詳細は基準局長からお答えをいたします。  ただ、労働基準法というのは刑事罰を担保として実施を使用者に迫るものでありますから、したがって、その解釈の統一をしておかなきゃならない、こういうことから発せられたものと考えております。したがって、年次有給休暇とボーナスの関係で言えば、ボーナスは要するに働いた者に対する使用者側が出す報酬でありますね、賞与でありますね、文字どおり。したがって、ほかの理由で休んだ場合と同じように稼働日数には計算されないと、こういう立場からのものと考えております。ただ、日本は年次有給休暇を買い上げるとか何かの方法、いろいろなことによって、いわゆる国際競争力を増して、逆に相手国側から言うと、何と申しましょうか、公正な競争条件の中にないと、こういうような批判もございます。ただし、今度逆に言いますと、ボーナスという制度は欧米諸国にはないわけなんであります。そういう違いもございますが、こういう制度が年次有給休暇をとることを防げるようなことに利用されているようなことであれば、これはそういうことのないような行政指導が必要であろう、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 大臣、そうは言っても、行政指導で、はいそうですかと聞くような社長さんもいらっしゃるけれども、やっぱり逆にこれを利用して、休暇を抑制して働かせるという社長さんも一ぱいいらっしゃるんですよ。ですから、私はほかの方は、労働省はどういうことをやっているか知りませんが、国鉄あたりは休暇とったから云々なんていうことはやっていませんね、期末手当、ボーナスその他については。一切国鉄適用されておりません。私も委員長を十何年やってきたんだから。公労協のほかの組合は私はほとんど適用されていないと思うのですよ。国家公務員だって私は適用されていないと思うのですよ。休暇とったからお前さんのあれは千円引くとか、千円上げるとか下げるとかと、自治労関係も私はやっていないと思うのですよ。いわゆる国の機関関係はほとんど行われていないと私見ても間違いないと思うんですが、どうでしょうか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 私どもの承知している限りにおいては、先生のおっしゃるように国あるいは地方自治体等についてはこういった期末手当と年休とのかかわり合いにおきましては、先生の御指摘のような形になっていると思います。ただ、私どもは民間の取り扱いについて、労働基準法の解釈をどうするかというぎりぎりのやっぱり判断をしなきゃならないわけでございます。その判断によって法違反であれば私どもは司法警察権をもってこれを強制的に履行させなきゃならぬという使命を帯びておりますので、その解釈は厳しくいたさなきゃなりません。で、ボーナスあるいは賞与というものを、まずその会社で採用するかどうかということは全く基準法と関係ございませんし、その会社が採用したければいいと。どういう場合にボーナスを払うか、賞与を払うかということも全くその企業の任意になっているわけです。こういう任意的な制度について、私どもが基準法とかかわりを持たして強制的にこれを強行するということはいかがと思います。全くそれは企業の自治の問題であろうかと思います。ただ問題は、その有給休暇を買い上げるとか予約するとか、そういうことになりますと、まさに三十九条年休の違反になってまいりますけれども、御指摘のような国がそういう取り扱いをしているから民間もやらなきゃならぬというようなことになるわけでございませんので、先ほど大臣が申し上げましたように、解釈そのものといたしましては、全国統一的にやらなきゃならぬ。しかも解釈は厳しくしなきゃならない、刑事法の解釈といたしまして。そういうことを申し上げているわけでございまして、その運用自体についていろいろ年休の取り扱いに問題があるとするならば、私どもは行政指導の面でやってまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは私は年次有給休暇というものを労働省がどういう角度で受けとめておるかという認識の問題だと思うんですよ。この年次有給休暇というのは労働者の権利でしょう、保護のためあるんでしょう、保護のために。あるいは文化その他のいわゆる人間らしい生活をするための法律で保障している年次有給休暇と、最低二十日という、あるいは積み上げ方式あります、それは。そこを重点に考えると、その労働者の権利としてある問題で、それを使ったためにはね返り給与に差がつくということについては、だから支払いという点から問題をとらえるか、労働者の保護という点から問題を見るか、その私は視点の違いだと思うんですよ、視点の違い。だから結局労働組合の強いところは労働者の権利が大変だぞ、大事だと、そんな企業の関係もあるけれども、こんなもの適用すべきじゃないといって、動労なり国労なり公労協の組合なりあるいは官公労の組合は適用してないんじゃないですか。私は組合の力関係でこの解釈がよくもなり悪くもなるということはどちらの視点に、企業の支払い能力に立つか、労働者の保護に立つかと、そこの私は認識の違いだと、こう思うんですからね、もうこれ昭和三十年ですか、十年一昔を二回り回っているから、こんな行政解釈は撤回したらどうですか、これ。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) こういう刑事法規の解釈は、月日が変わったからといって、特に事情がなければ変えるわけにまいりませんが、私ども基準法の三十九条はその一年間に八割出勤をして六労働日を与えなきゃならぬと、最低。これをまず取り上げて私どもは行政監督をやっていっているわけでございますから、その関連において私どもはこの解釈をいたしておるわけです。一般的な望ましい年休のとり方については、十分前向きで積極的に指導をいたしてまいりたいと、こういうふうに思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは雑誌「労働法」の座談会見ていると、あなたが心配するいわゆるこれがてこになって、休暇の付与の抑制の手段として使われている、あるいは、労務管理として使われているという点があるんでしょう、このことは、座談会見ますと。だから、この法律があって労働者があんた喜んでいるというのなら私はいいと思うんですよ。この行政通達のために労働者が苦しめられているという点があれば、やっぱり労働者保護のサービス機関である労働省は、そういう事態があれば撤回すべきじゃないですか。私はその点が大事だと思うんですが、もう一度どうでしょうか。現にあるんですから、労務管理に使われているというやつが。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 労務管理の面で望ましい年休のとり方がどうあるべきかということは、私どもも十分研究をし、また行政指導の面で企業を十分指導してまいりたいと思いますが、この三十九条のぎりぎりの解釈として、一年間八割出勤をして六労働日与えろと。その場合における解釈論といたしまして、私どもは通達を出しているわけでございます。その解釈自体は私ども間違ってないし、そういう意味においてはこれを改めるつもりはございません。ただ、労務管理の問題といたしまして、年次休暇をどういうふうな取り扱い方をするかというような面について、いろいろなそういった抑制的な機能を持っておるとすれば、私どもは十分そういった面について関係の方々の指導をしてまいりたいと、こういうふうに思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それじゃ少し要請しておきますよ。この問題をめぐって具体的に休暇の抑制、私はまあ労働省が書面出して企業に調査したって、抑制やってますなんていう答えてくるりっぱな企業は私ないと思うんですよ。ほとんどやっておるのにやっておりませんと。やっぱり実際労働者が集まって実態を通じてこういうことがあるんですと、こういうふうに言われている以上は、これを解消するための努力は当然すべきじゃないですか。おたくのこれが法解釈だと。しかし、このために労働者が苦しんでいると、苦しめられておるという現状に対してはどうするんですか、あんたら。行政からやっても返ってこない。現に労働者が苦しめられていると、こういうりっぱな「労働法」という雑誌の中に堂々と名前まで言って言っている。そういうものをどういうふうに解決するつもりなんですか、行政の面で。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 労働基準監督官は、企業に立ち入りをいたしまして諸帳簿を調べてその年休の取り扱い、消化の状況等を十分調べます。そういう場合において法違反があれば、厳しく私どもは厳正に処置をしてまいりたいと思います。その中において、先生おっしゃるような法違反ではないけれども、好ましくないようなもし事情があるとするならば、そういった問題についても十分にその当該事業主に対して指導はしてまいりたいというふうに考えます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 確認しますが、こういう問題が職場で現に労働者がこの通達のために休暇の抑制その他について不利益な取り扱いを受けているという問題があった際に、労働基準局の窓口にその申請をすれば、おたくの方で責任をもってそういうことのないように、労働者の不利にならないように指導すると、そういうことですか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) もちろん、労働者の方々が問題をお持ちいただいて、監督署の方に御申告いただければ、その問題について十分調査をいたします。ただ、私どもはやはり権限行使といたしましては、法違反という立場でやることが大原則でございます。それをさらに進んでより望ましい状態ということになりますれば、また別途の観点から指導をしてまいりたいと思いますが、申告事案につきましては、まず法違反であるかどうかということが大前提で進んでまいりますので、その延長線として何かございますれば、十分その辺の調査をいたして、必要があれば指導をしてまいりたいと、こういうふうに考えます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 だから大臣、もう一回お伺いしますが、年次有給休暇というのは働いている労働者に法律的に保障しているといいますかね、そういうものなんでしょう。普通の病気で休むとかあるいは事故で休むとかそういう欠勤と違うんですね。年次有給休暇。それを賃金の支払いの対象から——期末手当、ボーナスであっても、そのボーナスの支払いに出勤日数で差をつける手段として、年次有給休暇を加算するということは、他の問題とは違うんじゃないかと私はこう思うんですが、そこのところどうしても撤回できませんか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 労働基準法の実施に当たっては、これはもうよくおわかりのとおり司法警察権をわれわれは持っているわけであります。司法警察権を行使いたします場合に、これは解釈を明確にしておかないといけない問題であります。そういう見地から、基準法の解釈としてぎりぎりの線を出しているというこの通達は、私は誤りでないと思います。  しかし、もう一つ年次有給休暇をとるという権利は労働者に与えられているものであります。そのまた当然の権利を行使することを妨げる目的をもって、これを使うということは、それ自体もやはり基準法の精神に対する違反であります。これはまた別な話でありまして、司法警察権の行使というののぎりぎりの線はやっぱり明確にしておく必要がある。ただ、片一方の権利を擁護するという方法は、それをいいことにして、あるいは何かの具体的にそれを背景として年次有給休暇というものを抑制する行為があるとするならば、これは是正させるべきであることは言うまでもありませんが、法解釈としての通達を改正することは、そういう意思はございません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これはあれにしても、先ほども言ったとおり、どうも認識の違いがあるようですから、私はあくまでもその法解釈はわかるけれども、労働者の保護、有給休暇をとったために給与の面で差別を受ける、たとえ手当であっても、そういうことでは差別を受けるべきじゃないという基本的な考えを持っているわけですから、これは今後とも論争を続けていきます。   〔理事浜本万三君退席、理事佐々木満君着席〕  それから、時間がないようですから、この雇用安定事業と雇用安定資金の創設については、今後雇用調整が格段と拡大されていくんですが、雇用調整給付金で指摘されたような額、これは衆議院で、会計検査で——衆議院の議事録見ますと、局長が四点ばかり会計検査院から指摘されて、千二百四十万円ですか、これが乱用であったと、こういうことを聞いておるんですが、この会計区分ですね、この問題についてはどんな考えをお持ちなのか、ちょっと局長から聞かしてもらいたい、こう思うんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) この四事業は、今度の新しい雇用安定事業を含めまして失業給付の本体の保険と表裏一体的に運営する必要がある、こう考えております。そういう観点から、雇用勘定の中で一本の経理を行っておるわけでございますけれども、雇用保険法の六十八条の二項で、失業給付の財源と四事業の財源につきましては明確に区分をして経理をすると、こういうことになっておりまして、御懸念のように、たとえば四事業が財源的に不足をしたので、失業給付、すなわち千分の十の部分からその充当を図るというようなことは法律上不可能になっております。したがいまして、そこの点は経理が明確に区分をされておりますので、そういうような御懸念の点はないと思いますが、ただ先生いま御指摘のように、衆議院の段階で会計検査院の局長から御指摘のように、四事業の支給につきましては、民間の一部におきまして不正受給があったことも事実でございます。今後新しい雇用安定事業の推進に当たりましては、そういう不正の起こらないようによく実態を把握をいたしまして決定をいたすように最大限努力をいたす考えでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この三事業の昭和五十年度——私も余り新しい資料を持ってませんから、五十年度の資料見ますとですね、三事業の業務取扱費で二百二十七億円を使っておって、そのうち四億円が国庫補助と、こうなっておる。それから、いろんな宿舎その他などの施設整備費これは五十年度は十一億、それから宿舎貸付料は四千万、このくらいの金が出てるんだが、これは全部三事業から出ないで、失業給付の方から使われているんじゃないですか、これ。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) いま御指摘の業務取扱費あるいは施設整備費につきましては、これは国庫負担、国庫からの負担金、それから積み立て、いままでの関係で言いますと積立金の運用収入、それと雑収入等で賄っておるわけでございますが、今後は雇用安定資金で別に積立金——保険の失業給付金の積立金のほかに、雇用安定資金という特別の枠が出ますけれども、今後は雇用安定資金の運用収入をも、この業務取扱費あるいは施設整備の方に回すことにいたしておりますので、失業給付金の負担のみでこれらの業務取扱あるいは施設整備費が実施をされるというような御懸念の事態は生じない、こう御理解をいただきたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうすると、これは金については失業給付の資金からは出てなくて、別な運用資金並びに雑収入の方でやっておったと、こういう御理解なんですか。今後は安定資金の運用資金で回すと、こういうふうに理解していいんですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先生御指摘の五十年におきますその業務取扱費、施設整備費というのは、私が申し上げましたように国庫の負担金、それから資金の運用収入、雑収入等で賄っておりまして、失業給付のための保険料そのものからは一切支出をいたしておりません。今後におきましては、いま言いました国庫負担金、それから積立金の運用収入のほかに、今度は資金の運用収入というものが新たにできますので、それをも投入をして業務取扱費、施設整備費そういうものを賄っていく考えでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうすると、局長からそういうふうにわざわざ説明を二回も聞かなければ中身がわからないくらい込み入った会計区分になっていると、そういうことが逆に裏書きできると思うのですよ。ですから、私は、この見ようによってはわれわれも疑念を持ってきたのは、いま局長から説明を聞くまではやはり失業給付のやつを少しつまみ食いしてやっておったのではなかろうかというような疑いも持ってくるのですよ。ですから、私はやはりこの失業給付と四事業の会計区分というのは、もっとわかりやすく明確にするような工夫を、この法改正では間に合いませんから、今後の課題としてわれわれちょっと関係者が見てもわかるような形に収支、財源捻出の根拠というものをわかるようにしてもらいたいと、こう思うのですが、いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 法律的には、繰り返しますが六十八条の二項で明確に書いておりますが、先生御指摘の趣旨がいろいろの方面からも御指摘がございますので、運用上そういうことが明確にするような工夫というものを今後一度検討さしていただきたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それから、雇用保険法の成立に当たって本委員会で、「完全全面適用を可及的速やかに実現するよう」努力すると、そういう附帯決議がなされておるわけでありますが、当然適用された事業がその後どの程度になったか、それで対象はどのくらいであるのか、それを具体的に教えてもらいたいと、こう思うのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 前回の雇用保険法を御審議いただきましたときに、附帯決議をいただいておるわけでございますが、五十年の四月から五人未満の零細企業に対しても雇用保険法の全面適用ということにいたしております。現在適用事業所は約百四万でございまして、ただ新たに拡大をいたしました中小零細五人未満の事業所につきましては百万程度ございますけれども、その大半がなかなか把握をいたしかねておるというのが現状でございます。したがいまして、当面は保険の加入問題につきまして自主的にいろいろ相談に来る事業所に対して積極的に加入の手続の指導をするほか、事業主団体を通じましてそういう零細企業の把握をして適用の拡大を図ると、こういうことをいたしておりまして、現在まで五十年におきまして約七万四千、それから五十一年の上半期、これは半年分でございますけれども、四万二千の新しい新規把握をいたしております。ただ、未把握の実態から考えますと、大変不十分でございますので、今後は事務組合の育成強化、さらには事務的な簡略化のための電子計算機処理業務の改善、さらにはやはり関係職員の増員等の事務体制の整備を図りまして、完全適用の達成のためにいろいろ努力を重ねたいと思います。  なお、適用手続が済んでおりません強制適用の事業主に勤めております労働者で、雇用保険の適用を受けるような事態になる、すなわち解雇をされたというような場合には、必要に応じましてさかのぼって適用手続をとらせまして給付を行うことといたしております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 まあ非常に少ないので、いま局長の言ったことも含めてさらに一層の適用方促進について努力を要請しておきます。  それから、この暫定任意適用の加入、この点はどうなっている、暫定任意加入だね、これはどの程度になっていますか。

望月三郎労働省職業安定局雇用保険課長

○説明員(望月三郎君) 先生の暫定任意適用というのは、農林漁業の五人未満の未適用だと思います。この点につきましては、雇用保険法の成立のときに五年程度をめどに完全適用を実施するというように努力するという労働大臣の答弁がございます。その方向で検討を進めてまいりたいと、こう思っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 把握はしてないですね。

望月三郎労働省職業安定局雇用保険課長

○説明員(望月三郎君) はい。なかなかこれ、いまの商業、サービス業でも先ほど局長からお答えいたしましたように、なかなか大変でございます。そういうことで、私どもも鋭意把握に努めていきたい、こう思っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 全体の把握が大変なら地域別に、農林水産ですから地域別に若干モデルでも設定して、その実態の把握ということにしないと、その中身がどうなっているかということもなかなか私は今後の立法の面でも行政指導の面でも私は問題があると。だから、どこか地域を指定して、特段の協力を願って実態を把握してわれわれに提供してもらう、そういう努力をぜひお願いしたいと思うが、いかがですか。

望月三郎労働省職業安定局雇用保険課長

○説明員(望月三郎君) 先生のおっしゃる御趣旨の方向で、できるだけ努力をしたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それから、このパートタイマーの問題について、この雇用保険の全面実施に伴う施行通達で見ますと、パートタイマーの方々は当然適用することになっていますが、その適用や離職票の交付に際して、短時間就労の再就職に固執するような者には云々という、回りくどい通達が出ているんですが、私はこれはやっぱりパートタイマーをやる人はパートタイマーをやらなければならないような環境と事情にあるから、パートタイマーをやっておったと思うんですよ。その方をまた短期間のパートでは云々と、こういうことで締めつけるのはちょっと酷ではないか、このように思うんですが、この改善方について御意見を聞かしてもらいたい、こう思うんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) パートタイマーの就労形態は、先生御指摘のように区々でございますが、概して臨時内職的にしか就労しない。しかも、きわめて短期にしか就労をしない、こういう事態が多いわけでございます。その場合は、これは受給資格が六カ月資格が必要でございますので、たとえば二カ月で必ずやめるというようなことに保険料を取っておりましても、掛け捨てになります。そういうことを考慮をいたしまして、こういうことを書いておるわけでございます。ただ、御指摘のように、臨時パートというような名前でありましても、実際に働いておる常用の方とそう変わらずに長期にわたって雇用をされておる。したがって、そこの職場を離れる場合に、やはり失業の恐怖というものが大変深刻だと、そういう者に対しては必ず雇用保険法の失業給付の対象にいたすと、こういう考えでございます。ただ、この基準そのものにつきましては、いまのところ私は適切なものと考えておりますけれども、もし先生の御指摘のような事例が出てまいりましたならば、その点をよく踏まえて検討をさしていただきたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 やはりね、こういう問題がわれわれの手元にくるということは、非常に困って安定所の窓口に行くと、まあこの前、全国職業安定主務課長会議で北川局長が、窓口では親切にやりなさいと、これで訓示をしていらっしゃるんですがね、やはりいまパートの人はパートなりに環境と事情にあるということですから、そういうところへ行った際は、やっぱりいま局長の言っているようなことを含めて、もう少し窓口で親切丁寧に教えてやるとか、あるいはあっせんしてやるとか、そういう、まあきめ細かい安定行政が私は必要じゃないかと、こう思うんですが、その点はいかがでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) いまの事態で、先生おっしゃるように、日の当たらない人たちに温かい手の届く行政というのが安定行政の真髄だと思いますので、そういうことに心がけまして、真剣にそういう方の御相談には応じ、できる限り弾力的な運営が図られるように努力をいたしたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それから、この雇用安定事業に中小、下請に対しては手厚い配慮をしているという点がよく言われるんですけれどもね、具体的にどんな対策をしているか聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 従来も雇用調整給付金の支給に当たりまして、中小企業につきましては支給要件の緩和とか、あるいは支給助成金の率につきましても、大企業の場合には助成率二分の一に対して中小企業三分の二と、そういうこともいたしておりますし、さらには業種指定に当たりましても、下請が元請企業の方のために倒産をした場合に、元請企業そのものが業種指定になった場合には、一定の要件のもとに下請をも業種指定に準じて扱うと、こういうようなことを行っておるところでございます。ただ、今回雇用安定資金の運用に当たりましても、中小企業に十分恩恵が及ぶようにという強い御要望もございますし、国会での御指摘もございますので、今後の運用につきましては職業安定審議会に十分諮りまして、そういう方向で基準をつくるように努力をいたす考えでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この中小の場合、前三カ月間の生産と雇用というこの期限があるために、私この前沖繩へ行って聞いたところによると、この三カ月という、この期限制限があるために、それに耐え得る企業は雇用調整金の申請ができるけれども、その三カ月間にも耐え得ることのできない本当に零細企業というのがばたばた倒れていって、それがどうにもこうにももう手のつけようがなくて、私がさっき冒頭申した、沖繩ではそういう適用がわりあいに少ない——まだないと言ったんですがね、そういうことだと思うんですよ。ですから、ある程度耐えられる企業、耐えることのできない企業、そういうことについてもっと私はきめ細かい配慮をしないと、確かに基準は必要ですけれども、そういう例外と言っちゃ語弊ありますが、そういう本当に耐えることのできない企業に対しても手を差し伸べる方法はないものだろうか、それが一番零細の零細だと、こう思うんですが、どんなものでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 雇用調整給付金の指定基準につきましては、先生御指摘のように、一定期間の生産量の前年との比較というものを基準といたしております。これは助成金をこれだけ手厚くやる以上、やはり景気変動に伴うところのやむを得ない休業であるという認定のための基準といたしましては、私はこの程度の基準が最低限必要だろうと、こう思っておりますが、御指摘のようにいろいろ問題も零細企業では生じておりますし、現に、たとえば先ほど大臣からお答えしましたように、北洋漁業の関係で水産加工につきましては緊急の問題で、いまおっしゃっているような基準そのままの適用、たとえば三カ月の実績ということではそれこそつぶれてしまうというような観点もありまして、実は実績が一カ月も出ておらない時点で業種指定をいたしたわけでございます。こういう運用につきましては、原則をこれでやるということははなはだむずかしゅうございますが、そういうきわめてまれな事例に対しては弾力的に対応することを考えておる次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それは、先ほど沖繩の実態を調べて報告すると言われましたから、その調査をする際に、そういうことも私現に二、三見てまいりましたし、聞かされてまいりましたので、ぜひ慎重な配慮をお願いしたいと、こう思います。  それから最後に、戦後最大と言われた五十年不況ですね、この失業給付の全国延長という点が発動されなかったのですけれども、これだけの不況で発動されないとなると、逆に言えばどういう事態の際に発動するのか、発動の基準といいますか、その点はどんなふうに考えているのか聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 全国延長のその基準といたしましては、基本受給率四%ということを一応中央職業安定審議会の御答申をいただきまして決めておる次第でございます。現在の大変深刻な、あるいは五十年の深刻な事態においてなぜ発動をしなかったという御指摘でございますが、なるほど求人倍率たとえば〇・六程度、あるいはときには〇・五八というふうに下がった時点もございますが、これを年齢別に見ますと、あるいは地域別に見ますと、若手層で二十代ですと求人倍率がそういうときでも三倍を超えておる。あるいは地域別に見ますと、大都会周辺ではやはり一・二三の求人倍率であるというような事態もございまして、そういう場合においてやはり一律に延長するのはどうかという考え方で、たとえば高年齢者あるいは雇用調整給付金を受けるような非常な不況な産業からの離職者というものにつきまして個別延長を行うということで、これに対処してきたわけでございます。ただ、四%と申します基準そのものがどうかという御指摘もございまして、現在中央職業安定審議会で御検討をいただいておりますので、その検討の結果を待ちまして私たちとしましても検討をいたしたいと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 ですから、いま局長に先取りされちゃったのだけれども、四%というその基準が果たしていいのかどうかということも含めて、これだけ失業で大騒ぎをしておって、それで云々ということについては、やはり再検討なり善処方をひとつ要請をしておきたいと、こう思うんです。  それで、不況の長期化に伴って失業給付の支給期間が切れた、再就職もできない、こういう方がどのくらいいらっしゃるか、実態をつかんでいらっしゃったら教えてもらいたいと、こう思うんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 一番最近の時点の数字というわけにまいりませんけれども、現在失業保険を受給をしております者の年齢的な区分というものがございますので、それを申し上げましてお答えにかえさせていただきたいと思いますが、一年以上の給付を受けておるというものにつきましては、これは一年以上というのは受給期間でございますけれども、三十歳未満の方が五十一年の十一月で三万八千でございます。三十歳から四十五歳が一万九千、それから四十五歳から五十五歳、これが一万一千三百、三十五歳以上三百日の給付を受けておる方が一万九千人、就職困難で二百四十日の給付を受けておる方が六百十七人と、こういうふうに一年以上の場合になっておるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 こういう方々に、やはり冒頭大臣が言った中高年の問題なども含めて、やはり生活ができるような、あるいは職業転換給付などを含めて、生活のできるような道筋を十分に考えてもらうことを要請いたしまして、時間が来たようですから私の質問を終わります。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 最初に日本の経済動向と雇用の関係などにつきまして、目黒委員に重複しない程度の範囲でお尋ねをいたしたいと思います。  先ほど目黒委員の質問に対しまして大臣並びに局長は、第三次雇用対策基本計画の達成目標または基本計画の達成年次である五十五年度までの雇用見通しについて一応御説明があったわけなんですが、ただ、そういう見通しについて若干私不安な点がございますので、さらにお尋ねをしてみたいと思います。と申しますのは、最近の常用雇用指数の動向を見ますと、非常に憂慮すべき事態ではないかということがわかるんですが、たとえば五十一年の水準が、昭和五十年の平均を一〇〇といたしまして九八・三、それから六年前の四十五年の水準が九八・二とほぼ同じなんですが、このことは、わが国の常用雇用労働者の数が、小さい規模の零細企業を除きまして、この六年間に全くふえてないということを示しておるわけなんでございます。一方、五十一年度の政府の経済見通しによりますと、五十年度の労働力人口の実績見込みが五千二百八十万人になっておりまして、五十五年度までには約二百三十四万人増加すると言われております。つまり、労働人口はふえておるけれども、その中で常用雇用労働者の需要が停滞をしておる、ないしは減少をしておるということが見受けられるわけなんでございます。そこで、大臣は完全雇用の達成を高く掲げておられるわけなんでございますが、完全雇用の達成というものは一体どういう性格のものかということが明らかにならないと困ると思いますから、そういう点お尋ねいたしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) われわれは昨年度つくりました雇用基本計画では、五十五年度において失業率が一・三%くらい、それが目標でございます。完全雇用と申しましても、いわゆる職業の移動等がございまして、ある一定率の失業というものは、これは幾ら完全といっても失業率ゼロということはあり得ないわけであります。そこで、その辺を目標として努力中でございます。その五十五年くらいのときに二百三十万くらいふえると、そういうものを吸収してなお現在の失業者を減少させるのには年率六%程度の経済の成長の持続が必要である、こういうふうに考えているわけでございますが、先ほどもお答え申しましたように、昨年の初めに考えましたような経済情勢がその後停滞をいたしましたことが一つの大きな見通しの狂いでございますが、もう一つは、なかなか鉱工業生産と雇用の回復とが並行しないことは、先ほども申しましたように一つは省力化が進んでいる、一つはやっぱり企業の労働力雇用意欲とでも申しましょうか、先行き不安というものがまだ解消しない。それから、終身雇用制やあるいは企業別組合その他のわが国独特の制度のために、かなりの過剰人員を抱えておるために、経済の回復が直ちに雇用の増大に結びつかないというところに難点があると思います。しかし、本年度はかなり大規模な公共事業を見込み、あるいはまた減税等もございまして、景気回復を強力に進める予算が実施されます。しかも、それはできるだけ早い時期に実施するつもりでございますので、これから後、本年の六・七%の実現はもとより、六%程度の経済成長の持続も可能である、こうわれわれは思っておる次第であります。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 経済成長率との関係につきましては、また後ほどお尋ねをいたすことにして、私どもは基本的な問題を大臣に伺いたいと思うんですが、結局いまの状態を見ますと、雇用態様というものが非常に、何と言いましょうか、いびつになっておるんじゃないかという気がするんです。たとえば、もうすでに平均寿命が七十歳を超えるような状態になっておるのに、依然として企業の方では五十五歳の定年制が非常に多い。しかし、実質的には雇用を継続しようという意思がありますから、したがって労使間の協約上の制度的な定年延長はやらずに、雇用だけひとつさしてもらいましょうというので、さらに四、五年、しかも給料を下げて、つまり労働条件をうんと下げまして雇用をする。さらに、企業の最近の仕組みというものが、だんだん大企業中心にたくさんの企業が隷属するようになりますから、それが横に入ってくるというので、不安定雇用あるいはパートタイマー等が非常に多くなっておると思うのであります。私は、そこのところの構造的な改善をしない限り、日本の俗に言ういい意味での完全雇用というものが達成されないんじゃないかと思うのです。つまり、これは労働者の権利意識も高めなきゃなりませんし、また企業側の雇用を通じての社会的責任を果たしていくという認識も強くなってこなきゃなりませんが、同時に、労働省はその政策を進めるような積極的な施策を講じないと、構造的に抜本的な解決は私はできないと思うのであります。そういう点、大臣は今後国務大臣としてどのように政策を推進なさるのか、大きい問題ですから伺いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 確かに生産が伸びたりあるいは経済が回復しても、これは雇用の増大にすぐに結びつかない。これは先ほどお答えしましたような条件が背景にあると思うのです。したがって、それが一巡することがまず必要だと思うのですね。そういう諸条件が一巡すること、そういう種類の経済の回復がまず望ましいと思います。  それから、先ほどから局長等お答え申し上げておりますとおり、現在でもなお若年労働力の有効求人倍率は、年齢によって違いますが、二ないし三に上っておるわけでありまして、問題は中高年齢層、そこに集約されているわけであります。したがって、雇用の安定あるいは雇用の拡大の基本施策というものは、中高年齢層の雇用の拡大に集中さるべきであると私は考えておるわけであります。そのために、雇用保険法の運用その他に当たっても、そこに集中した施策を講じておる次第であります。雇用という点だけから見れば、経済を刺激しある程度のインフレーションを覚悟してでもやっていく方が、雇用の問題だけを考えればこれは早手回しかもしれません。前にノーベル賞を取ったハイエクという経済学者が、第一次世界大戦後のケインズの主唱しニューディール等によって具現されました、ある程度のインフレーションを覚悟しながら公共投資を行って、それで失業を吸収した、要するに完全雇用の実現というところに重点を置いた施策を非常に強く批判をいたしまして、インフレと完全雇用というのを、インフレの克服と完全雇用の実現なんてものを一緒にやることは不可能だというようなことを言っておるのを読んだことがございますが、学者の見解としてそういうことを言うのは自由でありますが、私どもはそういうわけにいかない。やはり両方の実現を図らなけりゃならぬ。そのためには速度においてある程度の調整を図らなければならぬわけであります。そういう意味で、インフレなき完全雇用というものを図っていきますのには、その速度の調整が必要である。そういうことを考えながら、私どもは五十五年には失業率一・三%——一・三%というのは完全雇用という言葉には私は値しないと思います。値しないと思いますけれども、それを急ぎますとインフレなきという方が実現できなくなる。そういう調整を図りたい。そこで雇用の拡大、それから失業率の減少ということの最大目標は何か、これはもう一にかかって中高年齢層の雇用の拡大であると、こう考えておる次第であります。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 私も雇用確保の一つの大きな要素は、大臣の御見解と同様でございます。最近の数字を見ましても、五十五年までに約二百八十万の雇用労働者がふえるということを申し上げたんですが、その年齢別を見ますと、やはり若い者が少なくて年の多いものが非常に多いという実情が明らかになっておりますので、まさにそのとおりだと思うんであります。  そこで、そうすると現在の中高年齢者の雇用・失業対策がいまの政策で全きであるかという点につきましては、私はやっぱりまだまだ政策が少し足りないんじゃないかというふうに思うんです。そこで、現在おとりになっておる高年齢者雇用奨励金、定年延長奨励金などの助成措置が実施されまして、大臣の言うこの目標がどの程度まで達成するとお考えになっていらっしゃるでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 具体的な数字等は局長からお答えをいたしますが、私は制度自体の問題のほかに——制度自体の問題のほかにというか、制度自体はいろいろ配慮しておるつもりでございますが、これが普及してないんです。案外知らない。使用者側でそういう制度があるということを知らない人が意外に多い。まず必要なことは、こういう制度があるということを使用者側に全部知ってもらうことが必要であろうと、こう考えております。  それから、その制度を利用するための手続その他の簡素化も必要だろうと考えておる次第であります。制度を知れば意外に進むと思っております。最近、新聞広告を注意して私は見ておりますが、求人広告の中に中高年齢者に限って雇い入れるという広告が散見されるようになってまいりました。  制度の持つ期待その他については局長からお答えをいたします。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 今後約五年間に高年齢労働者が約百万ふえると私は予想をしておりまして、その百万を吸収するために、今後六%の雇用率を達成することが必要であるということで、昨年の十月に中高年齢者の雇用促進に関する特別立法の改正を行ったところでございます。私たちは、いま大臣のおっしゃるように、一応制度としましては奨励金制度いろいろございますけれども、それの体系の整備、簡素化、それと趣旨の徹底ということに欠ける点がございますので、こういう点につきましてはさらに一段の努力をいたすことにいたしたいと思いますが、やはり問題は、雇用・賃金慣行と非常に深い関連を持っておる事態でございますので、こういう点につきまして労使の御理解、御認識ということも大変大事だと思いますので、産業別にこういう問題についていろいろ労使と直接お話をするというような雇用行政の展開も、今後一つの方向として検討いたしたいと、こう考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 高年齢者の政策を産業別レベルで労使の交渉を強めていく、そしてその達成を図るということは、私も一つの方法として大変結構だというふうに思いますので、なお一層高齢者の皆さんの雇用確保に努力をしていただくように要請をいたしたいと思います。  それから、同じような問題は先ほどお話がございました不安定雇用の問題でございます。これは、五十一年度で四百件ほどあったということが報告になったわけでございます。しかし、先ほども言いましたように、不安定雇用というものを解決しない限り、日本の全体の雇用構造というものはどうしても安定させることができないと思います。そういう意味で、これまでの政策を見ますと、努力をするということは非常に高い声でおっしゃるんですけれども、その具体策が余りない、非常に抽象的であるというふうに私は考えます。これまでの抽象的な政府の政策というものをより具体化するために、さらに一層政府の努力を要請したいと思うんですが、その点について、何か積極的な施策を持っておられればお話しいただきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) まず、私たちは通年雇用の促進ということを非常に重点といたしておりまして、そのために奨励金制度、あるいはそのための融資制度を行っておるわけでございますが、本年度からはこれの金額、奨励金の金額を大幅に引き上げましたほかに、支給要件を従来は三人以上を通年雇用ということを条件としておりましたけれども、一人でも通年雇用にすれば通年雇用奨励金の対象にする等の要件緩和をいたしております。なお、これにつきましては、もっと奨励金の額の引き上げ、あるいは要件の再検討等の御要望もございますので、この点につきまして検討をひとつ進めたいと思います。  それから、もう一つ最近私たち行っておりますものの中に、雇用管理の改善ということで、企業集団を通じましていろいろの雇用管理、こういうパートタイマー、日雇いの雇用につきましてもっと合理化をするというような指導を行っておりますが、これは実は、指導の中身が大変むずかしゅうございまして、先生御指摘のように口頭禅に終わっておるようなきらいもございますけれども、今後そういうものにつきまして内容の充実のためのいろいろの資料の整備、あるいはPRのためのパンフレット等の発行をぜひ心がけていきたいと、こう考えておる次第でございます。  さらに、パートタイマー、日雇い、こういう方々が常用化に通ずるためには、これらの労働者の労働能力の向上といいますか、技能化ということがうらはらでなければ、私たちがいかにこれを進めましても、受け入れ側としてはその要請に沿ってくれないという面もございますので、離職者はもちろんでございますけれども、在職者についてこれらの者の在職訓練、そういうものの充実助成を図りまして、能力向上を通じて常用化に一層の促進を図ることといたす考えでございます。  なお、これも目黒委員から御指摘がございましたように、雇用保険の適用につきましても、パート、日雇いという方が解雇をされるという事態を避けることが第一義でございますけれども、もし離職というような事態には、やはり実態に応じて雇用保険の失業給付が受けられるように積極的な措置を講じてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 先ほど労働大臣は一・三%の失業率に抑えていくためには、日本の経済成長がおおむね六%、衆議院の方では六・七%程度ということをおっしゃっておられるんでございます。ところが、経済成長の見込みが狂っておるんじゃないかというこの考えが、最近政府内部にも出ておるようであります。去る四月二十九日には、その見解を自民党の政調会長がお述べになっておられるということになりますと、これは大変なことだと私は思うわけでございます。現在のように雇用構造が変わりましたり、それから企業の雇用抑制政策がとられておるときには、従来のように一二%とかあるいは一〇%とかいうような実質経済成長があるときには、大臣の言われるような目的が達成されますが、今日のような、いま申したような事情ではなかなか困難ではないかと私も思うのでございますが、重ねてその点についての大臣の御見解を承りたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 河本君が言われたのは、現在の予算の実施を中心とした経済政策で、六・七というものはなかなか問題が多い。したがって、補正等のことを考えなければならぬ。こういうような趣旨を述べられたと、こう私は考えております。私の側から言えば、労働省の側から言えば、どんなことをおやりになろうとそれは別でありまして、六%の成長を実現してもらうことが、いま申しましたような一・三の完全失業率を達成する前提要件だと、こう考えておる次第でありまして、六・七%の成長それ自体を否定をした河本君の発言だと私は受け取っておらないのであります。そういう意味で、いろいろな施策を追加実施することは必要だと思いますが、本年六・七%、これから平均六%というものは可能であると考えております。特に、先般の先進国首脳会議等で論議されました論議の内容等を踏まえますと、やはりわが国が黒字国として、経済の成長の速度、それを特に国内における経済の回復ということに施策の重点を向けていかなきゃならぬということの義務も、まあ次第に生じてくるように考えますので、六%の成長は可能であるとこう考えておる次第であります。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 その点はおいておきまして、次は完全雇用の達成という問題に絡む問題につきましてお尋ねをしたいんですが、先ほど大臣も申されましたように、日本の経済政策というものは諸外国との関係も密接である。しかも、諸外国の要請に応じた経済政策もとらなければ、日本の経済も立ち行かないという意味のことをおっしゃったと思うのでございます。そうすると、諸外国は日本の場合にも積極的に経済の成長と雇用の拡大というものを要求しておると私は見て差し支えないと思うんです。また、日本も経済大国だというので相当自負をされておるようでございます。そこで、雇用政策に関するILO百二十二号条約の批准ということが、国際的にもまた国内の労働者の立場から申しましても重要な問題であろうと私は考えるわけでございます。去る四月二十二日予算委員会におきまして、片山委員からその点について大臣に質問をいたしましたところ、批准する方向で検討中であるとお答えになっていらっしゃるわけでございます。批准する方向で検討中というのはいかにも消極的でございますから、先ほどのお話の中から言えば、積極的な姿勢を示されてもよろしいではないか、かように考えます。重ねて大臣の御所見を承りたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 批准する方向で検討するということは消極的だというお話でございますが、いま批准をいたしますと、こう断言をするのには国内法との関連で問題があるわけでございます。したがって、その国内法との関係を調整をしていかなきゃならぬわけでありますが、その調整する方向はどういう方向かと言えば批准する方向だと、そういう点でございます。国内法との関連の問題点については担当者からお答えをいたします。

石井甲二労働大臣官房長

○政府委員(石井甲二君) 百二十二号条約の雇用政策に関する条約でございますが、この条約の内容につきましては、特に全体の趣旨とするところは、日本における雇用政策の方向に沿っている面が非常に多いわけでございますが、ただ前文その他におきまして未批准の百十一号条約との関係の問題もございまして、さらに検討してまいりたいというふうに考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 大体、国内法との調整と言われるんですが、いつごろまでかかるんでしょうか、その見通しがございましたら。

石井甲二労働大臣官房長

○政府委員(石井甲二君) いつごろという日にちの設定はなかなかむずかしゅうございますが、なおILOとの疑義解釈その他の折衝を通じまして、さらに慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 その程度ですか。とにかく早くひとつ作業を急いでいただきまして、批准の実現を要請いたしたいと思います。  それから次は、失業防止対策の問題でございますが、現行の雇用調整給付金さらには雇用安定事業の給付金の目的は、失業の予防にあるということでございまして、その趣旨は私どもよく承知をしております。そうだといたしますと、その給付の対象になった企業におきまして、従業員の解雇が安易に行われるということはこれは許せないことだと私は思うんです。これまで労働省の方にも六百五十億円の給付金が支給された中で、そういう事情にある企業はどの程度ございますかということを申し上げたんですが、これはわからないという話なんでまことに残念なんですが、私はやっぱりそういう実績を調べまして、そのような行為が行われないような歯どめ措置を講じる必要があると思うんですが、この点どのようにお考えでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 御指摘のとおり、本制度は失業の予防、雇用の安定ということを目的といたしておるわけでございますから、この雇用安定事業の業種指定対象となったところから、その助成のあとで解雇が出るということは決して好ましいことではないと考えております。その歯どめといたしましては、私たちはこの制度を受ける一つの要件としまして、労使協定を前提といたしておるわけでございまして、労働組合がその辺のチェックあるいは事前の話し合いによって保証をとって、この制度の対象受給に踏み切るということを期待しているわけでございます。またそれとともに、私たちも対象事業所に対してはアフターケアを十分いたしまして、そういう事態の起こらないように指導を深めたいと考えておるわけでございますが、ただ予期せざる景気変動のために、事後に解雇というものが絶対に避けられないというような事態もあり得るかと思いますので、その辺のことは現実の事態と対応いたしまして適切な指導を行うことによりまして、なるべくそういう事態が起こらないように配慮をいたしたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 雇用調整給付金制度の適用が、やむを得ない事情もあるのかわかりませんけれども、どうも本質に外れた方法で運用されておるんではないかという心配がございます。労働省がお出しになりました「雇用調整給付金制度の解説」という中で明らかになっておりますように「雇用調整給付金の支給の対象となる事業主は、」「経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた者」というふうになっておるわけです。そうすると、この調整給付金の支給対象は、経済上の事由で企業が非常にぐあいが悪くなったという者については、個々の企業に対しましてその適用が行われるのが私は本筋だと思うんです。ところが、この解説書によりますと、そういうことができないから業種指定でくくっておるんだという話になっておるわけでございます。業種指定にいたしますと、確かに技術的にも物理的にも困難な事情はわかるんですよ、わかった上で私は申し上げるんですが、そういうことになりますと、結局多くの人が心配されておりますように、産業政策に追従されて利用される心配はないかということはどうしても起きるわけでございます。また逆な面から言えば、救済されなければならない不況企業が個々に存在しておる場合には、その個々の企業の救済が行われない、そういうおそれはないだろうかという心配があるわけなんでございます。そうだとすれば、本法の精神にも反することであると思います。その点はいかようにお考えでしょうか。私はやっぱりこの法の精神のように、経済上の事由で困っておる企業については、大小を問わず救済をしていく積極的な措置を講ずべきだという理解を持っておるんですが、いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 法律の趣旨からいたしますと、先生御指摘のように景気変動その他経済的事情でやむを得ず休業をする、そういう事業につきまして、この対象をまんべんなく広げていくということが当然の道かと思います。ただ行政の推進の方法といたしまして、そういう認定を個々の出先の安定所に一々やります場合に、その統一性あるいは困難性というような問題もございまして、一応便宜的な方法として業種指定をいたし、その業種指定に当たりましては中小零細企業に対しても十分恩典が及ぶように、業種指定の弾力性というようなことで従来カバーをしてきておるわけでございますが、業種指定のみでこの今後の安定事業の運営についても終始するという考え方はとっておりませんで、従来も雇調金の際に、たとえば親会社が業種指定を受けておって、それの下請の企業が別に業種指定と関係がなくても下請関係が一定要件ではっきり認められる場合には、それを対象にするとか、あるいは本四架橋のような、これはまだ今後の問題でございますけれども、ああいうような大型プロジェクトというようなものが大きな影響を及ぼすような産業についても、これは個々に拾っていくとか、さらには大型倒産に伴うところの対処の仕方等々、業種を原則としながらも個別事例に対応いたしまして、やはり経済事情でやむを得ず休業を余儀なくされるような企業に対して、この制度が十分適用されるように配慮を今後運用上十分いたす考えでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 局長の御答弁で十分配慮するということなんでございますが、その配慮をするためには物差しをつくらなければならぬ。そこで、先ほどのお答えではその基準は職安審でつくる、こういうお話なんです。私職安審でその物差しをおつくりになるということは結構だと思うんですが、先ほど心配を申し上げましたように、この産業政策に追従する形はやっぱりいけないというふうに思いますので、そういう点きちっと基準の中で配慮をしていただくように要請をいたしたいと思います。  それから、次の質問なんですが、雇用対策法二十一条の大量雇用変動の場合の届け出義務が規定されておるわけなんですが、これは先ほど五十一年度に四百件だというふうにおっしゃったわけでしょうが、この場合、希望退職の場合は除外されておるんですか入っておるんですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 二十一条の届け出で、純然たる自己都合あるいは労働者の責めに帰すべき事由で解雇された場合というものは、対象から除外をされております。ただ、人員整理を行います場合に、形は希望退職を募集するという形で、実際はこれは会社都合という形のものがかなりございますので、そういう場合の自己都合退職につきましては、いわゆる希望退職につきましては、この届け出の当然対象の中に含めて報告をいたしてもらっておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 私、いま思いますのに、結局、労働省は企業に対しまして希望退職について届け出義務を課しただけではどうもぐあいが悪いんじゃないかという気がしてなりません。そこでさらに一歩これを進めまして、大量解雇を積極的に規制するような、できれば法制面を含めた措置を検討する段階に来ておるんじゃないかと思うんです。で、大臣は、衆議院の社会労働委員会では、外国の例にならって研究したいと御答弁されていらっしゃるんですが、これは非常に重要な問題でございますので、重ねて大臣の御答弁をいただきたいと思うわけです。私は、むしろ積極的に検討するというところまできょうの答弁を進めてもらいたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 確かにいま御指摘のようなお答えをいたしましたし、そういう考えに現在も変わりありません。そのことは、いま御指摘のように検討をするという意味でございます。ただし、これはいろいろ歴史的な慣行、その及ぼす影響そのほかを配慮しなきゃなりませんし、すでにそれに類似のことを実施しておる外国の例が、どういう実態的影響を及ぼしているかということも調査をいたさなければならない。大量の解雇が行われないような方途を見出すのが私どもの責任であると考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 前よりは、衆議院よりは多少前向きの御答弁のように承ります。  それから次は、例の雇用安定事業、二つの柱で成り立っておるわけなんですが、これ十月一日から施行されるといたしまして、現在の景気変動や産業構造の変動に対しましてどの程度対応できるんだろうかという疑問がいまだに解消できないんですが、見通しはいかがでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) これは私たちもいまの段階でどの程度ということは申し上げられませんが、五十年に、いわゆる一番不況のときに雇用調整金制度というものを発足をいたしまして、私たちはかなり失業の防止に役立ったと、こう考えております。当時、大臣等が国会で答弁をされたことを引用いたしますと、大体二十万から三十万の失業の防止ができたんではないかと、こういうことを答弁をしておられますけれども、そのことから考えますと、私たちは、今回の安定事業につきましては雇用調整金制度よりもさらに内容の充実をいたしておりますので、それにまさるとも劣らない効果を発揮することを期待をいたしておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 次は、訓練事業の問題なんですが、これは先ほど目黒委員にもお答えになりましたんですが、私の方から特にこれ要望を申し上げておきたいと思いますのは、この訓練の適用条件というものをさらに拡大する必要もあるし、それから施設を含めまして内容の充実を図る必要もあると思いますので、これらに対しましてはさらに積極的な施策を講じていただきたいということを要望いたしておきたいと思います。  それから次は、雇用安定事業など四事業を実効のあるものにするためには、関係労使の意見を十分反映した適正な運営が図られなければならない。そういう意味で、十月一日以降施行される本法に対しましては、労・公・使三者構成による専門機関の設置でもって具体的なこの推進を図っていきたいというお話がございました。その具体的な構想があれば伺いたいと思うわけです。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) まだしっかりまとまったものではありません。いろいろ御意見の違いがございまして目下調整中でございますが、中央職業安定審議会の中に専門部会を設けることによって運営をしていきたいというような意見がだんだんと固まりつつあるように思っております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 趣旨を全く貫くような、そういう委員会をぜひつくっていただくようにお願いを申し上げたいと思います。  それから、雇用保険法は五十年四月一日から施行されましたんですが、その際に五人未満の事業所にも適用されるということになりました。これを全適というふうに申しておるわけでございますが、しかし現在この未加入の適用事業所が非常に多いと伺っております。私は広島でございますが、事業所が六万二千ぐらいありまして三万程度しか適用されてないということ。全国的にも推計で百万件だというふうに労働省から伺っておるわけでございます。そうなりますと、加入漏れの労働者や失業者などは当然この被保険者にならないと不利益な取り扱いを受けるわけでございますが、これらに対しまして労働省はどのような対処をなさっていらっしゃるか、伺いたいと思います。   〔理事佐々木満君退席、委員長着席〕

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 今後、未適事業所に対する適用については格段の努力をいたすことといたしておりますし、それから先生御指摘のように、未適の段階でその雇用労働者が解雇をされた場合等につきましては、適用の遡及につきまして事業主に届け出をさせますとともに、失業給付につきましてはさかのぼって支給をするというような措置を従来も講じておりますけれども、この趣旨の徹底を図りたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 結局、百万件もまだ未適の事業所があるということは、大変大きな問題だと思うんです。本来、全部が適用されなきゃならぬのに半分しか適用されてないというのは、法施行後二年をたっておるのに、これは経営者が悪いのか労働省が怠慢なのか、いずれにしても保険者であります責任は労働省にやっぱりあると私は思うわけでございます。  そこで、なぜこうなったかという原因はどうしてもやっぱり究明しなきゃならぬ。私が思うのに、労働省がもともと失業給付を締められた時期がございますよね。昭和三十九年八月の例の適正化通達なんていうのも、われわれこれは悪い通達だということで当時の労働省の関係者の皆さんに強く反省を求めたわけなんですけれども、そういう問題もあると思うんですが、また経営者の方がサボっておるという問題もあると思います。それから労働者の権利意識が薄いという問題もあると思います。しかし、最も大きな責任は、労働省がしっかりPRをいたしまして全適になるようなそういう施策を怠ったところに最大の責任があるんではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。どこに一番大きな問題点があったのか、労働省はどういう反省をなさっておられるのか、その点を伺いたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 新適用になりました零細企業の把握が不十分であるということは御指摘のとおりでございます。ただ、先生御承知のように、これら零細企業はその数がきわめて膨大でございます。かつ、一方で昨日できたかと思えばまたその後ですぐにかわりのものがつぶれておるというような変動も激しゅうございまして、なかなか五十年の四月から全面適用になっておりましても、その把握が不十分だというのも、そういうところにも若干原因があろうかと思いますが、やはり先生御指摘のように、行政機関としまして格段の努力をさらに一層すべきであるという点につきましては、私たちも十分把握をしておるところでございまして、このためにまずなかなか個々の零細企業を把握することが困難でございますので、集団で、たとえば事務組合の形で把握をするというようなことも一つの方法としてこれからさらに検討いたしたいと思っておりますし、さらに私たちの事務体制としまして、もっとそのための職員の体制、増員等を図りまして、体制を整備する、あるいはそのいろいろの事務の煩瑣を簡便にして、零細企業の方からも手軽に加入をしていただくための手続の簡素化、そのための合理化というようなものもあわせて図りまして、法律で決めておりますところの全面適用の実効が上がるようにさらに努力を重ねてまいる所存でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 政府の統計を見ましても、窓口に来る失業者の数が三百二十万人、そのうち離職票を持っておる者は百六十万人と私は伺っておるわけです。つまり、これは半分ほどは離職票を持っていないということですね。これは適用事業所でないということ、つまり労働者が救済されないということになっておるんじゃないかと思うんです、数字の上から見ますと。したがって、そういう失業者を救済していかなきゃならぬ。しかも、法律は厳然とある。そういう中でやはり政府がもう少し責任を感じてもらわなきゃぼくはいかぬと思っておるわけなんですよ。その点、大臣いかがでしょうかね。もうちょっと物事が進むように叱咤督励を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私自身も職業安定所に出かけまして、それの推進に努力をするよう督励をいたしております。一つには、私どもの方の人不足も問題がありますが、もう一つには、いま局長が申しましたような使用者側の不安定性、それから使用者側の自覚のなさ、自覚があっても自体不安定であるとか、それから業種が非常に飲食店とか、そういう風俗営業的なものが非常に多い、そういう点にも問題がやっぱりありまして、非常にまた業態が数が多過ぎる、そういうところに問題がございますから、そういう点の把握のために、いま申しましたような事務組合等を推進してまいりたい。これは全力を挙げて督励をしておりますけれども、何しろ町をお歩きになっておわかりのとおり、千差万別で仕事がみんな出ておって、きのうあったかと思うときょうはもうない、そういうようなところも非常に多い。極力努めてはおりますが、そういう実情もひとつお察しをいただきたいと存じます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それは察する点は一部は察するのですが、それにしても私はこう思うんですね。実際、適用事業所でないところで働いた労働者が離職します。そうすると、当然窓口の方ではやっぱりそれを救済をする措置が法的には講じられることになっているわけですよ。ところが、それもおやりにならない。使用者の方も消極的だと。結局、期間がたつに従ってその労働者は生きていけないわけなんでありますから、次の就職の機会をみずから見つけて、あるいは安定所のあっせんに従って次の職場に移っていくと、こうなるわけです。結局、その労働者は強制権のある法的な制度の中で救済されるべきものがされないで泣き寝入りになるということは、私はこれは事情を察してくれと大臣がおっしゃっても察するわけには私はいかないと思うんですよ。  もう一つ、私が大臣のおっしゃることに承服しかねるというのは、法律的に全適になっているんですから、労働者の失業者から確認請求を起こさせて、そしてその事業所の罰則の適用なども考えた政策を進めれば私は可能だと思っているわけですよ。ところが、話を聞いてみますと、そういうことを全然おやりになっていない。何か一、二件どこかおやりになったということを聞いているんですが、ほとんどやっておられない。百万も事業所があって、ほとんどやっていないということは、私はどうも大臣のせっかくのお話でございますけれども、了承できない点がそこにもあるわけなんでございます。また、四十七年四月からは労災、職安などの保険料を徴収するための法律もつくられたわけでございますから、その法律に基づきまして強制権が発動される条件も整うておるわけなんです。それすらも一件もおやりにならないということは、一生懸命やっているとか申しましても、私は了承することができないというふうに思います。その点、重ねてひとつ大臣並びに担当者からお聞きいたしたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先生先ほど御指摘の、安定所の窓口の求職者とそれから離職票所持者との割合が半分にも達していないじゃないかという御指摘がございまして、数字ではそのとおりでございますが、実態は実は安定所の窓口に参ります者は、在職でありながら転職希望というのもございますし、あるいはまた、当然適用事業所でありますけれども、いわゆる受給資格の六カ月間在職しておらないというような事態もございまして、その数字の差そのものが未適のための数字であるというふうに私たちは考えておりません。ただしかしながら、御指摘のように、大変把握の実態がよくございませんで、そのために強制適用の事業所で働いておる労働者が不利益をこうむることのないように、したがいまして、離職をしていろいろ安定所で相談をいたしました際に、当然適用事業所の労働者で保険に入っておらないという場合には、その事業所に対して保険の適用をいたしますとともに、労働者に対しましては失業給付の当然給付を早急に行う、こういう手続を指示をいたしておりまして、安定所でもその方向で最大限の努力をいたしておるところでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いずれにしても、ぼくはやっぱり窓口の人手が足りぬのじゃないかという気がするのです。熱意の問題もあるでしょうが、人手も足りないんじゃないか、こう思います。  そこで、労働省の方の人員問題はどうなっておるだろうかというので、多少関心を持っていろいろな資料を調べてみました。一番明確に出ておりますのが、「これが労働行政だ」という全労働の単行本ですね、これを見ると、これはいけぬなというふうに、ぐあいが悪いなというように私痛感したわけです。一々内容は、もうすでに大臣御承知ですから申し上げませんが、そういう気がいたしました。また全適の問題だけをとって考えてみましても、先ほど言ったように、窓口で相当やっぱり失業者を救済するための行動の余地があるわけなんでございますから、それもやっぱりやっていただくためには、強化をしていただかなければならぬと思うわけです。また、いまのように求人倍率が二人に対して一人だ、〇・五だという程度の状態、ないしは大臣が非常に重視されておりますところの不安定雇用者ないしは中高年齢者の雇用状況というものを見ますと、特に中高年の場合には十人に一人とか十人に二人とかいうような求人倍率が報告をされておるわけなんでございますので、そうなりますと、窓口に座っておるだけじゃやっぱり問題の解決にはならぬと思うんですよ。むしろ庁外活動を積極的にやっていただきまして全体の情報を把握される。それから求人状況をつかまれる。求職者の希望もつかまれる。そういうふうな活動を展開いたしまして、この雇用安定事業に大いに貢献をしてもらいたいというのが、これは私だけじゃなしに、すべての人の希望だと思っておる次第でございます。そういう意味で、先ほど人手もふやさにゃならぬ、要員もふやさにゃならぬということを局長がおっしゃいましたので、私はその意味では全く積極的にお答えいただいておるので満足なわけなんでございますが、ところが、そういうお答えをいただく中で、過去の状態を調べてみますと、衆参両院では何回も増員決議が行われておる。ところが、実際は定員法の問題でこの四十三年から五十二年の十年間で二千三百九人も減員になっておる。こういうことになりますと、局長の意思と結果というのはまるきり違っておるし、また、われわれの期待する職安行政というものにも停滞を来す心配があるんじゃないかというおそれを持っておるわけなんです。そこで、もう一回大臣の方からきちっとそういう点はわれわれの要請にこたえてやりますということをお答え願いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これはあらゆる機会にお答えをしておりますが、全体としていわゆる安い政府をこしらえるための行政改革の方向というものについては異存は私もありません。しかし、それぞれの業務の実態との関連がどうしても必要でありまして、職業安定行政だけでなく基準行政、監督行政の面におきましても、対象事業所が著しく増加をいたしておるわけであります。特に雇用政策を推進いたしますためには、いま申しましたように、机の上で座って書類や電話だけで処理できるものでもありません。事務の簡素化あるいはまた機械化、そういうものを極力実施はいたしておりますけれども、やはり第一線の業務に携わる人々の充実、増員というものは私どもは必要だと考えております。したがって、予算折衝等において私は異例の直接——最終段階に至らない前に、異例ではございましたが、関係筋に対してそういう一線の監督官、あるいは職業安定所の職員等の増員を求めたのであります。一般的の方向には異存はございませんので、いままでのいわゆる不急不用の定員を減らして、それを必要なところにできるだけ回すように努力をすべきだと思いますし、これからも努力をしてまいりたいと思います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 大臣の明確な御答弁をいただきましたので、時間が参りましたから、最後、御質問申し上げたい。定年延長の問題でございます。先般、衆議院社労委員会におきまして、定年延長問題についての決議が行われました。本社労委員会でも、先ほど理事会で相談をいたしました結果、衆議院にならいまして決議をやろうではないかというお話がまとまっておる次第でございます。したがって、定年延長問題というのは、雇用安定の政策から言えば重要な施策といたしまして、国民の大きな課題になっておると私は理解をしております。したがって、大臣もすでに国会答弁の中で現在の定年制の慣行を助成することは必要だとお述べになっていらっしゃるわけなんですが、しかし、現在の定年延長奨励金制度、さらに行政指導の強化によって六%の高齢者雇用率の達成を目指すということもあわせておっしゃっていただいておるわけでございますが、その程度では問題の解決にはならぬのじゃないかと思います。したがって、六十歳以上の定年延長をするために、より積極的な施策を私は望みたいと思っているわけです。少なくとも六十歳以上の定年を実現させるように、大臣がいつも言われるように労使の自主的な努力もまたなきゃなりませんが、定年延長のできれば法制面での検討も早急にしていただきたいという、私は希望があるわけなんでございます。また、これまでの政府の経済社会基本計画とか、あるいは社会保障制度に関する勧告などを見ましても、いずれも六十歳定年ということと年金という問題を重要な関係があるものとして位置づけられておるように思います。したがって、政府の方とされましてもより積極的に定年延長の問題について努力をいただきたいと思いますが、大臣からお答えをいただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これは五十五歳定年というものが現在の実情に合わないものであるということは、わざわざ議論するまでもないことだと思います。で、雇用問題が、中高年齢層の雇用が最大の問題であるということは、しばしば私からも申し上げておるものでありますが、ただ問題にならない制度であることは言うまでもないのですが、残念ながらこれが長い間、平均寿命がぐんぐん延びているにもかかわらず、長い間の慣行となってきたこともまた事実でございます。そういう人事管理体系あるいは賃金原資の分配の方法、中高年の人たちが定年だけ同じ企業の中で延長いたしましても、そのために地位の低下とかあるいは待遇の低下とかというものを伴ってそのままになりますと、これは果たしてそれがその人にとっていいことやら悪いことやら、いろいろの仕事によって違いがございます。現在の状態では、依然として五十五歳定年を実施しているのは大体五二%前後、六十歳になっているのが三二%前後、基本的には厚生年金の受給開始時期とつながるべきものだと思うのでありますから、六十歳の定年の実施を目指したい。ただ、五十五歳定年を依然としてとっておりますところは大企業に多い。この場合は、大企業が下請関連その他のところに移していくというような運用の方法をとっているところもありますし、最近はいろいろの工夫がこらされておるようであります。そういう風潮の何と申しますか広がりをわれわれは期待をいたすのでありまして、先般、衆議院で行いました決議のごときは、そういう風潮の助長に非常に大きな影響を与えるだろうと思うのです。ただ、にわかにこれを法制化いたしますと、人事管理体系に大きな動揺を来します。また、すぐに同じ条件で適用しがたいところもございますので、そういう風潮の助長に極力努力をすることによりまして、できるだけ早い実現を期したいと思います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 時間が来ましたので、最後に要望を申し上げておくのですが、雇用安定事業は、やはり大きく分けると雇用安定給付、失業給付、給付の面では二つあると私は思うのですが、ところが最近の傾向を見ますと、雇用安定政策ということで、失業給付の面が後退をしておるのではないかという疑いを持たれておると思うのですが、そういうことのないように、きょう時間がないので、その点申されませんけれども、両面あわせて積極的な施策を推進していただきますように要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、今泉正二君が委員を辞任され、その補欠として福井勇君が選任されました。     —————————————

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 午前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最初に短期雇用の労働者についてお聞きいたします。  その前に、雇用保険法が提案されましたときに、短期雇用の労働者のことについて私が質問をいたしました。それに対する御答弁に間違いがないかということを確認させていただきたいわけなんです。この議事録にもございますが、私の質問は、この雇用保険法において特例が設けられました。それは、六カ月以上の季節労働者については一時金五十日分を支給するということですが、これに対して私は、ILOの四十四号条約を引いて、特例を認めているのは六カ月未満の者に限るとなっているのに、六カ月以上を特例としているのはおかしいではないかという点で質問いたしたわけです。  それに対する御答弁は、要点だけ申し上げますと、四十四号条約では確かにそういうことになっているが、百二号条約では特に六カ月というような限定なしに、季節労働者について特例を設けることができることとなっている。また、給付期間についても、百二号条約では、その給付期間などについても特例を設けることができるということで、先ほどの六カ月の方も四十四号とは変えまして、季節労働者全体について特例を設けることができるというふうに変わってきておりますと、こういう御答弁でございました。これはそのとおりでございますね、御答弁の意味は。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 百二号条約につきましては、二、三年前にもたしか政府として批准したものでございますけれども、社会保障関係の条約としましては百二号条約が最新のものでございます。いまの受給要件につきましても、百二号条約で六カ月につきまして特例を認めておりますので、国際基準から見まして、今回の雇用保険法の特例一時金制度というものは国際慣行からして反しておらない、こう考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、私が納得できないわけなんです。というのは、御答弁のように、百二号条約の点でお答えになっているわけですね。ところが、その百二号条約の中に七十四条、ここに、「この条約は、いかなる現行の条約をも改正するものとみなしてはならない。」、こういうふうにございます。これをどう解釈していらっしゃるのかお尋ねしたいわけなんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) ちょっと私手元にいま先生御指摘の条文を持っておりませんので、的確なお答えになるかどうかあれでございますけれども、百二号条約というのは現在の社会保障に関する国際的基準を網羅して定めておるわけでございますけれども、その条約そのものが過去にILOで採択をした条約と抵触をすることはない、こういう趣旨の条項の、先生の御指摘の条項はそのようでございます。四十四号条約で、この短期季節労務の労働者に対する受給の要件が、私たちちょっと現在勉強不十分でございまして申しわけございませんけれども、反しておるというふうな点につきまして詳細に存じておりませんので、その辺のことはよく調査をいたしまして先生にお答えをいたしたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 非常にあいまいなお答えのようですから、それはしっかりと調査をしていただきたい。  そこで、私もこうやって御質問を申し上げる以上は、一応は調べたわけでございます。それで、四十四号条約というのは六カ月未満の者に対して特例を設けるということが示されているわけですね。それを百二号条約では勝手に改正してはならないというふうに七十四条から見れば考えるのが正しいと思うんです。ですから、百二号条約の第二十四条を取り上げて六カ月以上云々ということを言っているわけです。だから、都合のいいところだけは取り上げて、そして特例というのは六ヵ月未満を特例として扱うんだというのを、いや百二号条約ではそんな……百二号条約はそういうことを限定はしてないんだと。けれども、百二号条約の中を全部見れば、特に七十四条にきちっと「改正するものとみなしてはならない。」と。いままで四十四号条約というのは先に批准してある、決まっているもんですから、決められたものはたとえ百二号条約でいろいろなことは取り扱ってもいいけれども、決まったものは変えてはいけないと言っているわけですね。ですから、その点百二号条約は、いかなる現行の条約、特に前に採択された四十四号条約も含めた条約の内容を変更するものではないというふうに言っているんだと、こう私は解釈するわけです。だから、この七十四条の内容から考えれば、そちらの御答弁はおかしいということになりますね。けれども、いいんだというふうに言い張っていらっしゃいませんので、よく御研究いただきたい。それで、あくまで特例は六カ月未満の者に限るんだということをここではっきり申し上げて、それに対してのお答えを次の機会にお願いいたしたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先ほどお答えいたしましたように、よく条文内容を研究いたしまして、また先生にお答えいたしますが、ちょっと私申し上げておきたいのは、北海道の季節労務者の問題について、季節労務者というのは果たして失業であるかどうか、毎年毎年繰り返し一定時期に必ず職から離れるというのを、保険法上の失業として扱うべきかどうかという点につきましては、これはこの条約とは別に一つの大きな問題であろうと思います。現に、季節労務につきましてそういう失業給付の対象としております国も、実は西ドイツのようにあるわけでございますけれども、これを除外しておる国も相当ございますので、百二号で四十四号条約を引用しております点が、そういう点まで含めておるかどうか私はやや疑問に思います。  それから、なおやや蛇足的な考えでございますけれども、百二号につきましては日本政府としては批准をしておりますけれども、四十四号については実は形式的なことでございますが批准はいたしておりませんので、そういう点も含めまして、よく事務的に検討いたしまして、先生の御質問に対して後刻お答えをいたしたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、パートタイマーの雇用保険適用についてお聞きいたしたいと思います。これはパートタイマーの問題で、昨年の十月二十一日のこの委員会で質問いたしました。保険の適用についていろいろとお答えいただいたわけなんです。で、答えてくださったのが婦人少年局長の森山さんなんですね。——おいでになってない。おいでになってなくてもお答えになったことを確認させていただいて、この質問に対してお答えは、強制適用の保険はもちろんのこと、それ以外の保険もできるだけ加入するように勧められておりますという、非常に前向きな御答弁だったわけなんですね。それで、ここでもう一度お聞きしたいのは、強制適用の保険はもちろんとおっしゃった、その強制適用の保険という中に、雇用保険法はもちろん入っておりますね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 森山局長が答えましたその強制保険の中には、当然雇用保険法が入っておる、こう考えます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、私も本当にパートタイマーの人たちの立場に立って、よかったとこう思っておりました。それで、雇用保険法に関するいろんな通達などを見たわけなんです。で、私が拝見したこの通達は、森山さんがお答えになったよりも一年前の昭和五十年三月二十五日に雇用保険法の全面実施に伴う施行通達として相当分厚なものが出ているわけなんです。それで、この中を見ますと、ちょっと意外に思うところがあるわけなんです。というのはこの「雇用保険法の施行事務について」というところですが、そこのところの「被保険者の範囲」というところにイ、ロというふうに通達が出ているわけです。その中に「なお、」云々というところがあるんですね。そこにお手元にありますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) ございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 その「なお、」云々というところが、私非常に疑問を感じたわけなんです。それでこの「なお、」云々のところを御説明していただきたいと思うんですけれども。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) パートタイマーの就労実態は、先生御承知のように種々さまざまでございまして、雇用保険におきましては一定の基準を設けまして臨時内職的にしか就労しないもの、といいますのは、たとえば二カ月なら二カ月しか就労しないということがわかっておられる方に雇用保険の適用をいたしまして保険料を取りましても、労働者の方は保険料の掛け捨てになる、そういう事態もございますので、この通達で一応の被保険者の期間を決めておるわけでございます。で、ここのなお書きにつきましても、そういう趣旨の意味のことを言っておりまして、結局、離職後においてパートタイマーに徹すると、その保険の受給を得る資格のないようなところしか働かないんですよというようなことをおっしゃる方につきましては、そういう指導を十分すべきであると、こういうことをここで明記をしておると私は存じております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 私はそれは非常に親切らしいお言葉なんですね。まあわかりやすく言えば、保険の掛け捨てをすることはかわいそうだと、だからそういう人は入らない方が得ですよ、いいんですよ、また事業主もそういうことをよくわからしてあげなさいと、こういうことですね。ところが、私の考えはその反対なんですね。はっきり言えば、パートの者はなるべく加入させないようにしなさいということにどうしてもこれ受け取れるんです。というのは、「短時間就労者に対する雇用保険の適用に際して」と、これはパートの人たちに対してということですね。また、「離職票の交付に際しては、その者が離職後において短時間就労を固執することによっては当該労働市場の状況等から判断して再就職が困難と認められる場合には、短時間の就労を固執することのないようあらかじめ事業主等を通じて十分に指導しておく。」こういうことでしょう。だから、あなたはいまパートでやっているけれども、今度は次にまた再就職をする場合には、またパートで働きたい、こういうふうにパート、パートと言ったってパートの職場が必ずあるわけじゃない。パート、パートなんて言ってないで、この次勤めるときはフルタイマーを希望しなさい、こういう指導をしなさいということでしょう。はいと言ったら、はいとこういうふうに言ったらば、雇用保険には入れてあげると、はいと言わなかったら雇用保険には入れないということですよ、これ。はいと言った人は入れてやると。いいえ私はパートタイマーがいいからずっとこれからもパートタイマーでやっていきます、そういうあなたは入れませんと、言外にそういう威圧的なものがどうしても私は感じられるわけです。パートは雇用保険法によって加入させないように、それでパート、パートでずうっとやっていきたいという人を、その事業主が何もフルタイマーにこの次はしなさいなんでどうして言わなきゃならないんですか。この次どういう職場を自分が希望しようとそれは本人の自由であって、フルタイマーを希望するんだったら雇用保険に入れてあげます、だれだって雇用保険に入りたいわけですよね。だから、入りたいと思ったら次の再就職の場合はこういうふうにしなさい。何か、私は事業主がそこまで本人の再就職の問題を云々する必要があるかどうか。それは事業主にお説教されなくたってパートがいいと思っている人も多いですよ。だけども、パートでなければ職場がないから、やむを得ずパートで働いている人も非常に多いわけでしょう。それを雇用保険に入れる入れないというその場所で、そういうことを条件みたいに出して、そして本人にはいと言わせるような、そういう行き方にこれはなりますよね。また、パートタイマーというのは私はいい制度だと思いますよ、職場によっては。また、婦人の場合は特に家庭というものがありますので、パートというものが適切に行われれば私は非常にいいと思うんですね。ですから、この「なお、」というのはどうしてこんなことを言わなきゃならないのか。しかも、いやそうじゃありませんよと、さっきおっしゃったように、保険の掛け捨てがないように、掛け捨てするとかわいそうだから、そういうことを注意してあげなさいという意味なんだと、こういうふうにおっしゃっていますけれども、その後に(イ)、(ロ)、(ハ)と、パートだって何でもパートでいいというんじゃなくって、パートという内容についても(イ)の場合、(ロ)の場合、(ハ)の場合と、こういう条件に合っているパートならば雇用保険法が適用されるんだと、相当厳しい条件をパートタイマーの人に着せているわけですよね。それだけで十分じゃないですか。それを「なお、」と何で言わなきゃならないのか、こう私は思うのでお聞きしているわけなんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 臨時とかあるいはパート、日雇い、そういう方々の不安定雇用をなくする、そのためにいろいろの施策を講じろという御主張がむしろ強うございました。私たちはあらゆる機会にそういう不安定雇用の方が通年雇用になるような行政指導をいろいろやっております。それの一つのあらわれがここにおきます通達のなお書き以下でございまして、私たちは。パートタイマーの方が今度就職する場合には、事業主等を通じてできるだけ通年雇用、常用雇用、そういうことを希望しておるわけでございまして、先生が勘ぐってこれの裏として、じゃパート、パートでいく者は雇用保険としては入れないのかという点については、そんなことはこの文言でおわかりのように、私たち考えておりません。むしろ、パートという名前で繰り返しておっても、実態が常用と同じ(イ)、(ロ)、(ハ)の条件を満たしておるならば、当然これは雇用保険の適用にいたす、強制適用の対象だと、こう考えて今後も指導してまいる所存でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 パートよりもフルタイマーの方がいいと、だから職場はフルタイマーを希望するように指導すると、そんなことはあたりまえなことであって、   〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕 本人だってパートをいいと思ってない。フルタイマーの職場があればそっちを希望しているんですよ。それをまたおっしゃらなくてもいいと思うのですね。しかも、これは雇用保険の適用者にするかしないかというところを決めるときに、「なお、」というなお書きで、パートタイマーをずっとやっていこうとすれば、そういう人は雇用保険の適用からはやはり外されますよということじゃないですか。これは職業指導しているときじゃなくて、雇用保険法を適用させるかさせないかというときの注意事項でしょう、これ。そのときにパートタイマーよりフルタイマーにしなさいなんで、そんなこと関係ないじゃないですか。パートタイマーを幅広く雇用保険法にやはりフルタイマーと差別しないで入れてあげるように指導しなさい、こういうことでしょう。これは私はどうしても逆だと思いますね。そういうときに、雇用保険法が適用されるかされないかということを決めるときにですよ、そういうことをそこに出してくるということは、(イ)(ロ)(ハ)だけで十分じゃないかと思うのですね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先生の御主張も、あるいはそういうお考えがあろうかと思いますけれども、この通達全体の流れとしましては、たとえば先生御指摘の条項の中の一番上に、イの項の「すなわち、」以降で、「適用事業に雇用される労働者は、下記(3)の「被保険者とならない者」に」、すなわちこの限定された条件に該当しない限り、その労働者の意思いかんにかかわらず、被保険者ですよと、こういう言い方をしておるわけでございまして、適用事業につきまして、こういう考え方で、実態さえ備えておれば当然強制適用されるんだと、こういうのが大原則でございます。  ただ、パートタイマーの方がそういう離職票をもらわれるときとか、あるいは雇用保険の適用に際しましては、われわれ雇用政策の一環としまして、常用化を進めるということはこれからも必要だと思いまして、そういう趣旨でこのなお書きがあるわけでございまして、これによりまして、パートタイマーで実態は常用労働者と何ら変わりのない方も適用の外に追いやるようなことは一切いたしておりませんし、今後もそういう考えはございません。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、また重ねてお尋ねするんですけれども、資料の提出をお願いしたわけなんですよ、この通達のことについて。そうしましたらば、ここにいただいているんですけど、肝心な問題になる「なお、」というところの部分を抜いて、それで私のところに資料を寄こしているわけです。で、私も肝心なところが抜けているので、一体どうしたのかしらと思って、これは私は抜けている方が結構だと思いますよ、こんなものがあることは非常に問題なんですから。それを抜いて、そこがない資料を労働省として国会議員に下すったわけですね。けれども、私はある雑誌を見て、そしてその「なお、」というところを拝見したわけなんです。しかも、これは一番新しい資料ですよね、「なお、」の抜けているところ。私が勉強で見たのは雑誌でもありますし、昭和五十年三月二十五日に出しているわけですから、ずいぶん月日がたってますね。だからその途中に、「なお、」というところは事業主に対して十分に指導しようという、非常に誤解の起きやすい内容だから、私が感じたように労働省も感じて、これを取って、そうしてよりよいものをさらに通達して、そしてここに出してきたんだなと、善意に解釈すればですね。ところが、私は非常に不愉快に思ったわけですね。労働省で出す資料が、問題のところをまるで削って、そして突っ込まれないように出したんじゃないかと。勉強不足の私に対して年じゅうそういうことをやっていらっしゃったのか、やっていらっしゃらないのかは知りませんけれども、私はこの点をはっきりお答えいただきたいわけです。  それで、この資料が非常に作為的なんですよね。抜きましたということが全然わからないようにね、いかにも元本をリコピーしたようにちゃんと寸法まで合わせて、それで出している。で、私は労働省というのはそんな秘密を平気でやってるのかしらと、こういうふうに思うと、私が「なお、」というところに固執せざるを得ないわけです。やっぱり何か労働省はこの「なお、」という強圧的なパートタイマーの人を雇用保険法から適用させないように解釈できるところをちゃんと知ってて、それでこういう資料として出してきたんじゃないのか、こういうふうに受けとめて、どうしてもはっきりしたいと、こういうふうに思ってお尋ねするわけなんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 私たちは、先生の御指摘のようになお書きがこの資格要件の問題点だという意識が全くございません。資格要件というのはこの「なお、」というのは関係がありませんので、資格要件、被保険者の定義ということになりますと、先生にお渡ししたこの資料、この資料は実は部内で私が国会答弁するために職員がつくってくれる資料でございまして、これさえ備わっておれば資格要件が合うと、こういうものでございます。したがいまして、なお書きについては資格要件、資格の決定とは全く関係のない条項、先ほどの常用化促進のための行政指導の方針をうたっておるだけで、そういうことで何ら他意がございませんので、その点は御了解いただきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それでは、この「なお、」というところは、パートは加入させないようにという意味ではないんだということをはっきりおっしゃれますね。けれども、ここで言っただけじゃ私はだめだと思いますよ、私は森山さんにもまかれちゃったんですから。だから、その証拠として局長さんの手元にもこの「なお、」というものがないものを使ってらっしゃるんでしょう。だから、この「なお、」というところはなくしてもらいたいと思いますね。「なお、」というところは局長さんの手元の資料にもないんだから、通達にも「なお、」を消した方がいいですよ、これ、そうじゃないですか。それを私は通達から削除するようにしていただきたい、こういうふうに申し上げます。非常にこの「なお、」というところは通達としては問題なところだと思いますよ。そこで、事業主に十分に——活字だから大きい字で書いてありませんけれども、十分に指導して、ですから、相当なものですよ、これ。それで局長さんの方は、その問題のところは削除しているなんというのは、私は本当にパートタイマーを守る監督が労働省としてできるのかどうか、そう思います。ですから、監督ができてないんですから、自分の手元にもその「なお、」という問題のところを見てもいないんですから、それで通達には強烈な感じを与えるような文章として届いているわけでしょう。ですから、そこをぜひ取っていただきたい、いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 私たちは、先ほど申し上げておりますように、雇用政策の方向としていかなるどういう機会をもつかまえて暫定雇用の解消ということでいろいろの行政指導をやることが必要だと思っております。したがいまして、パートタイマーの離職票の交付あるいは適用に際してこういう指導をやることは、やはり必要だと思いますので、なお書きを削れとおっしゃる点につきては、大変残念ながらそういうことは私たちとしてはできないと思います。ただ、先ほどからお答えしておりますように、パートタイマーが、名前はパートであっても実態が常用労働者と変わらずに、ここに掲げております(イ)、(ロ)、(ハ)の要件を備えておれば、なお書きとは関係なしに受給資格を有する者であるということは、これは森山さんもお答えになっておるとおりでございます。私もここで明らかに申し上げる次第でございます。そういう趣旨が徹底するように、今後下部に機会を通じまして周知徹底をさせるようにいたしたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 あなたの手元にも「なお、」が削られているのです。私に下すったのもなお書きが削られているのですから、一番影響を与える通達のその現場になお書きを削りなさいと、これは私は取り消しません。それで、大臣もいろいろとお聞きいただいているわけですが、この雇用保険法の適用については、パートの場合は切実なんですね。で、こうした失業者が続出するときに、一番先に首を切られるのはパートなんですね。そのパートがこうした雇用保険法の適用に厳しい条件をつけられるというようなことは私は非常にまずいと思うのですね。特に、この雇用保険法の精神にのっとった適用がされるように、パートタイマーを温かく守っていけるような、その指導をもっと強めてほしい。そして、実際現場ではどうなっているかということをやはり点検していただきたいと思うのですね。大臣、いかがでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 雇用保険法の適用の精神というのは、おっしゃるとおりだと思います。それから、いま局長がお答え申し上げましたように、なお書き以下のものはその適用の条件じゃないんですよ。だから、なお書き以下が整わなければ適用しないというわけじゃない。ただ、あらゆる機会をとらえてその通年雇用を実施しようとすれば、あらゆる機会にそういうような指導、なるべくならパートでなくて通年雇用をするような指導あるいは使用者の精神、注意の喚起、そういうものをあらゆる機会にやはりやっていかないと普及しません。だから、なお書き以下はそういう趣旨であると御理解をいただきたいと存じます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 なお書きの御説明は、大臣はそういう考え方だとおっしゃることは、大臣のお考えとしてわかりますが、私が大臣に申し上げてお聞きしたいのは、パートの立場をできるだけ雇用保険法が適用されるように、私が心配しているような点もなきにしもあらずですね、絶対あなたが言っているようなことは何も心配ないよなんて私は言えないと思います。ですから、十分にそういうことのないように指導も強めますと、また場合によったら再点検をしてほしいということに対して、しましょうと、こういうふうに大臣に前向きの御答弁を期待してお聞きしたわけなんですけれども、それは何かやはり外されたような感じがします。もう一度しつこいようですけれども。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ですから、雇用保険法の適用の方針と趣旨についてはあなたのおっしゃるとおりですと、そうお答えをまずしておいて、それから次に、なお書きのことをお答えしたつもりでございます。違ったことを申し上げているつもりではございませんし、そういう方向でやるつもりでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次の問題に移ります。  今後、わが国の労働力はますます高齢化していく。それによって高齢者の雇用問題は非常に重要になっていくわけでございますが、そこで定年制の問題についてお聞きしておきます。  私は、四十八年のこの委員会でも取り上げました。そのとき政府は、今後五年間程度の間に六十歳定年が一般化することを目標として定年延長の促進を図ると、こういうふうに明確にお答えいただいたわけです。しかし、現実にはこの目標が達成されておりません。その理由はどこにあるのか、お尋ねいたします。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 定年制延長のスピードが私たちが予期しておりましたよりもおくれております一番大きな理由は、やはり石油ショック以降の経済の長期的な停滞、こういうことが一番大きな理由だと思います。それが原因となりまして、定年延長の障害になっておりますところの賃金、退職金の原資の問題、あるいは大臣が先ほどもお答えになりましたように人事上の停滞の問題、そういう問題点の解消のための労使の積極的話し合いが進んでおらない、こういうような事情もあろうかと思います。さらに、私たち反省いたしますに、これも大臣が御指摘されましたけれども、いろいろ制度につきましては奨励金制度を積み上げておりますけれども、必ずしもその体系が整備されておらないし、かつその趣旨が民間のトップレベルに周知徹底しておらない、こういうような点につきましても、私たちも今後そのために制度の簡素化、あるいは合理化を図りますとともに、趣旨の徹底を何よりも図りまして、私たちが思っておりますように、六十歳定年が一般化するように行政上の努力をさらに続けたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 厚生年金の場合は、老齢年金が六十歳からになっております。そこで、当面定年を六十歳までに伸ばすということが緊急課題になっていると思います。そこで、これを達成するためにある一つの方法もとられているようですけれども、それが余り効果的じゃないわけです。そこで、も一つと具体的な効果的な対策、そういうものを別に考えていらっしゃるのかどうか、これをお示しいただきたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 定年制延長につきましては、まず昨年の十月から中高年齢者雇用促進法を改正をいたしまして、各企業で高年齢者の雇用率六%というものを法律上明示したわけでございます。もちろん、これは努力目標ということで、それをひとつ掲げて行政指導を展開をしていく、こういうものでございますけれども、私はこのことが一つのてこになりまして、今後この景気の停滞の中でも定年延長あるいは高年齢者雇用というものが進むことを強く期待をいたしております。現に、最近の定年制の調査を見ましても、徐々にではありますけれども、この不況の中で六十歳定年というものの比率が高くなっておりますし、昨日も新聞で出ておりますように、関東経営者協会の調査によりましても、六十歳定年というものの伸びがかなり目立っておる、こういうことが指摘されておるとおりでございます。  さらに、いまございます定年延長奨励金あるいは高年齢者雇用奨励金等につきましても、いま申し上げましたように、その制度につきまして余りに複雑であるとか、要件がむずかし過ぎるというような点につきましては、これを何らか改善をいたしまして、使いやすい制度にいたしますとともに、その趣旨そのものが特に民間のトップレベルの経営者に御理解をいただいて、これが活用されるように万全の対策を打っていきたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 私が前に、この問題について提案をいたしました。その提案について、検討してみますという御答弁だったのですけれども、これはどういうふうに検討していただいたのか。これは労働省だけではむずかしい点もあると思いますので、政府全体で取り組むべきだと、労働省だけの問題ではないと思いますが。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 御提案の内容を言ってください。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 柏原委員、もう一回お話しください、質問してください。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ここにございますように、たとえば政府が物資を購入するときの入札、また物をつくらせる、船とか飛行機などをつくるときの入札、工事を発注するときの発注先、輸入割り当て、こういうようなことを政府が行う場合に、大企業の中で定年延長を積極的にやらないところは対象の枠から外すというようなことがあってもいいのではないかと、こういうような提案をいたしました。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) この定年制、五十五歳定年というものが現状に合わないことは、私はたびたび申し上げているとおりでございます。ただ、それがいろいろな事情でなかなかわれわれの期待する速度に進まないのには、先ほど局長からお答えいたしましたように、長年にわたる人事管理、それから退職金とか賃金とかのいわゆる原資の分配の問題についての労使の協議、そういういろいろの問題がございます。それから、事業の種類によっても違うわけであります。それから、同じ企業の中で定年を延長する方が円満に管理上いくか、あるいは御本人にとってその方が居心地がいいか、あるいは仕事を中高年に向くのと向かないのとに分けて、向く方だけを別企業にして——これは交通公社あたりで検討しているようでありますが、そういうふうにしてやった方が、五十五歳を超えて格下げをされたりなんかされるよりは、いままで使っておった人に逆に使われるよりは、別の方に行った方がいい場合もあるわけでありますので、中高年の雇用促進を同一企業内の定年延長ということだけで処理することが適当な場合と適当でない場合とが出てまいります。そういうことをあわせて実態に合っていかなければなりませんが、たとえば妙なお話をいたしますけれども、年月日をかけると次第に延長になってきた。私は労働省に初めてまいりましたのはいまから二十年前でありますが、二十年前は次官が四十代の後半でございました、いま次官は五十五歳でございます。そういうふうに二十年たちますと、それがよどみなく人事管理がずっとそれで沿って延びていくわけであります。それを一遍にここでストップして六十歳まで働かせるから、あとのやつはそれまで待てということになりますことは不自然な面もありますので、そういう強制的なものを背景とするのではなくて、要するに中高年の雇用促進ということが現下最大の雇用問題であるという共通の認識の上に立って、その運用はそれぞれの実情に応じて配慮してもらいたい。先ほどもお答えいたしましたが、最近の求人広告の中で、中高年齢者だけを対象とする求人広告が、身体障害者だけを対象とするのと同じようにふえてまいりました。で、大企業の場合は子会社とか関連企業に行った方が人事管理上都合がいいというような場合もあり得るわけでありますので、一律的強制的な問題をいま実施するのは実情に合わないじゃないか、こう考えておるわけであります。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、北洋漁業の漁業規制に伴う漁船乗組員並びに関連業の失業雇用等の実態について御報告をいただきたいと思います。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(小粥義朗君) 北洋漁業関係漁業従事者の全体の数につきましては、ソ連二百海里水域内それと北方四島周辺水域、両方合わせましてほぼ十一万四千ぐらいの数というふうに承知いたしております。ただし、その中には、たとえばサケ・マスの漁期が終わった後イカ釣りの漁業に従事するという形で重複する部分もございますので、実数としてはその十一万四千程度の約六、七割見当というふうに水産庁等からも聞いているわけでございます。今後、二百海里問題、いま日ソ交渉最中でございますが、結果を見なければわかりませんけれども、どの程度の影響が特に雇用面に出てまいるのか、その交渉結果等を踏まえながら至急に検討をいま急いでおるところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 北海道の市長会の調査によりますと、水産加工業の従業員は約二万人と聞いております。そして、全面休業が事業所の四〇%だと、こういうことを承りましたが、簡単にこれを計算しますと、八千人がその影響を受けていると単純な考えで考えられますが、その実態をつかんで緊急対策をとる必要があると思います。その点についていかがでしょう。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 北海道の実態につきましては、水産加工を中心に実は四月の中旬に労働省から担当官を派遣をいたしまして、いま先生がおっしゃったような実態を把握をいたしております。私たちの把握によりますと、水産加工でサケ・マス等の関係が北海道で約四万人程度ではないかと把握をいたしております。全面休業はおっしゃるように事業所の四割程度と、こう把握をいたしております。したがいまして、こういう実態に伴いまして、この五月一日から水産加工、それから木箱あるいはサケ・マス等を専門に運送をする運送業等八業種につきまして、雇用調整給付金の業種指定をいたしたところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 また、雇用保険の適用されてない臨時の従業員、また労働者、非常に多いと思いますが、こうした人にも政府の手が差し伸べられなければならないと思いますが、その点いかがでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 雇用保険の当然適用事業であって、事業主の怠慢によりまして保険の適用を受けておらないというような労働者につきましては、先ほどからも答弁申し上げておりますように、そういう事態がわかり次第雇用保険の適用を図りますとともに、当該労働者にはさかのぼって離職のときから保険給付ができるように措置をいたしておるところでございます。なお、臨時、パート、保険そのものの適用を受けない労働者につきましては、現在実態を把握をいたしておりますので、その実態の把握の上に立ちまして、適切な措置を今後講じてまいりたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次の問題に取りかかりたいのですが、ちょっと時間半端になりますので次の機会に譲って終わりにいたします。ありがとうございました。

内藤功日本共産党

○内藤功君 最近、私どもがいろいろ見聞きする中で、職業安定法の四西条違反、それからそれに関連をして労働基準法の六条違反、二十四条違反、こういう事案が大分ふえているようであります。一ころは造船関係でありましたが、いまはたとえば民間放送、テレビの部門、あるいは国際的な航空会社ですね、こういうところでふえておる。これはどういうのかというと、大体お調べだと思いますが、親会社と下請会社とそれから下請の労働者というのがあって、親会社と下請会社の間は請負契約、下請会社と労働者の間は雇用契約になっておる。そして、その下請の労働者が親会社に何というか派遣をされているという形なんです。ただ、実際親会社の中ではもうそこの正社員と渾然一体というべき実情の中で、その親会社の指揮命令、監督を受けている。まあ従属関係にある。もう一つ従属関係を言うと、採用されるときも履歴書は結局親会社に行っている。それから、面接試験のときに親会社の人が立ち会って、ああこの人ならいいでしょうなんて言って親会社が決める場合もある。従属関係というのは採用時と採用後の関係だと昔から言われているが、従属関係が十分にある。裁判所の事件になっているのもありますが、いまここで問題にするのは、そういう実際上はもう親会社の労働機構に組み込まれている人が、実際はその下請会社から派遣なんていう形になっている。これは多分に職安法の四十四条の違法な労働者供給事業、あるいは労基法六条の「中間搾取の排除」ですか、さらに二十四条の賃金の直接一時払い、こういう条項に違反する疑いも多々あるのじゃないかと思う。労働省としては職安なり労働基準監督署なりの現場を通していろんな報告を受けておると思うのですが、この実態の概要と法律運用の上での一般方針というものはどういうふうにこれに臨んでおるかということをまず伺っておきたいです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先生御指摘のように、最近放送、テレビあるいは航空会社等におきまして安全法に抵触するおそれのある事案というものが出ております。私たちが把握をしておりますものを若干御紹介いたしますと、たとえば東京12チャンネルでテレビ制作に当たっての照明あるいはVTR、カメラ操作等の業務を下請業者にやらしておりまして、それを直接放送会社が指揮をしておる、こういうような事態がございまして、これに対しましては東京都の職業安定所が、港の労働安定所でございますけれども、実態を調査をいたしまして、安定法四十四条に抵触する疑いがあるからということでこの企業に対して是正勧告をいたしまして、現在それに基づいていろいろ是正の措置が講ぜられておるところでございます。そのほかに、たとえば航空機会社の英国航空におきましても、そういう事態についての申し立てがございまして、これにつきましても是正の指示をいたしておるところでございまして、われわれは、こういういろいろの事態についての労働者側の申し立てもございますので、これからは重点的にこうした民放あるいはテレビ局さらには航空機会社等におきまして、安定法に抵触するような事態のないように指導を徹底することを行政の方針として立てて、現在、下部に対していろいろ指示をいたしておるところでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 その是正勧告のあり方をきょうは聞きたいと思っておるのですが、本論に入る前に、大体労働省として現場の各機関に、認定ででこぼこがないようにするために、こういうようなポイントをよく押さえていけよと、それは労基法六条なりあるいは安定法四十四条違反を押さえるつぼはこことこことここだぞと、まあ常識的にはわかるようなんだけれども、役所としてこことここを押さえろという指示は出しておりますか、全く現場の判断ですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 安定法四十四条に基づきまして、いわゆる下請という名前を持っておるけれども、いわゆる安定法四十四条に違反しないためにはということで四つの条件がございます。それは、施行規則の四条で示しておるところでございまして、それは直接に下請業者が労働者を指揮監督をしておる、あるいは財政上あるいは労働法上の雇用者としての義務を負っておる、あるいは専門的な技術あるいは設備を持っておって、それによって労働者の労働と結合して下請をやっておるというような条件が決められてあるわけでございますが、この具体的な条件の基準につきましては、安定局長通達によりまして詳細に基準を定めて、各下部機関で統一的な行政運営が図られるように指示しておるところでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そこで、いまの詳細な基準というのは、国会で要求があればあるいは国会議員が要求すれば見せていただけるものですね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) いまの局長通達につきましては、先生のお手元に機会を改めましてお届けさしていただきたいと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 それじゃぜひそれはお願いしたい。  そこで、そういう前提に立って認定をした場合の是正勧告ですが、是正の措置でありますが、基本的にはずばりもう時間の関係で言いますが、親会社とその労働者、下請会社に雇用されておると称するこの労働者の間に、直接のダイレクトの雇用関係を結ぶように指導するのがベストというかベターというか、一番いい方法だろうとぼくは思うんですね。幾つか方法あるだろうけれども、なるべくもうそういう中に組み込まれている、労働過程に組み込まれている。中には、もう自分は親会社に勤めているという意識になっている人もいるわけですね。ですから、なるべく直接雇用にもっていくようにすることが私は望ましいだろうと思う。そういうふうな行政の手引きというか、一般方針というか、そういうものもぼくは出されているように思うんですが、その点はどうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) これはケース・バイ・ケースで一概に申せませんけれども、われわれがいま実態の指導といたしましては、やはり下請としての実態が職安法四十四条あるいは施行規則の四条に定められておる要件に該当するように指導するというのが、行政のたてまえとしては第一歩だと思います。そういう意味では、いま先生が元請と下請の労働者の雇用関係を促進することが本論ではないか、こういう御指摘でございますが、私たち行政指導の、行政のキャッチの仕方としては、まず本来、下請としての条件を整備するということが行政指導の第一要件でございまして、ただ労働者がいままでの雇用の実態から下請に使われておるんではなくて、元請会社、親会社に勤めておるんだという意識が強いような場合、これの解決はやはり労使間で十分話し合って解決をしていただく以外にはないのではないかと思っております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 私がこれを特に強調しますのは、最近、いまお話に出た、名前も幾つかお挙げになりましたが、そういう会社も含めまして、この中間搾取の疑いだとか、あるいは労働者供給事業をやっている疑いだとか、そういうものの疑いをなくすために、まず解雇してしまう。下請会社が下請会社の労働者を解雇してしまう。その解雇のやり方はいろいろあるんですがね、たとえば親会社、あなたは元請と言ったが、親会社ですね、親会社から下請会社の職場に配転命令をまず出すんですよ。配転命令といったって、下請会社というのは小さな二坪か三坪ぐらいの事務所で電話が一本置いてあって、人が一人いるかいないかというところに配転命令ですから、実際上行けやしないんです。仕事なんかないんだから。そういう配転命令を出しておいて、それで配転命令違反と、就業規則違反ですか、それで解雇なり、一時解雇なりやるというふうなケースがわりと私の聞くところ多いようなんですね。そういうふうになりますと、解雇されるでしょう。解雇されて間を置かないで、親会社との間に雇用契約を結ぶとかいうふうになればいいんだが、宙ぶらりんなんだね。つまり、切られたまんまで置いておく。そして、親会社の方は話に乗ってこない。あなたはなるべく円満にいくように願っている、それはそうでしょう。また指導というのもするかもしれないが、親会社がそういう指導に従わないで、切られたまんまになっている。だから、極端に言いますと、下請労働者はそういうよくない、異常な、ある意味では違法な雇用状態を脱せんとして、関係監督署に申告なり違反の申し立てをしたのに対して、首切られたままである。これも後で言うが労働基準法違反、百四条違反、申告したがゆえに自分が首を切られちゃったということにも、これも後で論争するけれども、なりかねないのじゃないかという議論も立つと思うのですよ、議論は。いろいろこれは結論は違うだろうが、議論は立つ。そういうふうに、切られたままで新たな関係の設定がないというケースが多いために、私は特にいまの直接雇用化ということを、強力にやはりふだんのときと違って、この不景気のこの雇用状況のときにおいてやる必要があるのじゃないかと、私はいろいろ考えて思うのですよ。裁判所の救済、労働委員会の救済、監督署の救済あるけれども、これはやっぱり監督署の救済が一番早いだろう、労働省当局の強い指導が、直接的な指導が必要な時期にきているのじゃないか、ちょっと長くなりましたけれども、その点どうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先ほどの御答弁を繰り返すような形になりますが、私たちとしましては、下請として認められる条件を整えさせるというのが、安定法の四十四条に基づく行政指導の限界でございまして、それ以上に、では下請に従来使われておった労働者が親会社と結ぶことが望ましいとか望ましくないというようなところまで立ち入るべきではないと考えておりまして、むしろその点は労使の中での話し合いを増すことが一番適切だと、こう考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 労働省でおつくりになった、これはどういう性格のものかお聞きしたいのですが、「労働者供給事業の禁止措置の一般方針」というのがございますね。これはどういう性格のものですか、この文書は。もし持っておられなければ私のこのコピーを。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) ちょっと手元に現物ございませんので、後で拝見いたしますけれども、恐らく行政の手引きとしまして、各一線の担当者に対して行政上の指針あるいはそれの基準を示したものではないかと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そのようですね。このいま、ぼくが引用したものを後でよく調べてもらいたいのですが、この中には禁止措置を行うに当たっては、次のようにしろということで、2として「労働者供給事業を行う者から労働者の供給を受けていた工場、事業場に対しては、」つまり親企業に対しては、イ、ロとあってイの方が「供給を受けて使用していた労働者をできる限り常用として、直接雇用するよう勧奨すること。」できるだけ常用として直接雇用しろと。ロは「常用化が困難な場合には、公共職業安定所を極力利用するよう勧奨し、公共職業安定所は、その所要労務の確保について、事業主の要望に応え得るよう万全の態勢を整える」と。明らかにイ、ロで並列的に並べてあるようですが、イの方が重点なんですね。つまり、イの方で直接雇用するように勧奨しろと。ロで、できない場合は安定所が乗り出してあげなさいということになっています。私はこれが現在でもあるものだとすれば、やはりこの点に重点を置いて、この手引きというものの考え方が本来の労働行政のあり方ではないかという気がするのですが、それでもう一回伺いたいのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 後で、その資料に基づきまして詳細に検討してまたお答えをいたしますが、いまお聞きしました限りでは、その手引きは労務供給に関しての手引きでございます。労務供給は現在法のたてまえでは労働組合に限定をして、労働大臣が認可で認めておるものでございまして、その場合と安定法四十四条に基づいて下請として認められるものとでは若干取り扱いが違うのではないかと思います。そういう趣旨で、下請の条件を整えたいという下請業者の意向に反して、お前は下請をやる資格がないのだと、したがって労働者は親会社に直用されることが望ましいということは、行政としてはやや差し出がましい措置ではないかと思いまして、先ほどのお答えをしたわけでございますけれども、なお先生御指摘の手引きも参考にいたしましてもう一度検討をいたしまして、機会を改めてお答えをしたいと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 一般的にはそれでいいと思うんですが、現実にいまこの世の中に下請会社から首切られまして、宙ぶらりんになっているというケースがたくさん出てきて、これからもぼくは出てくると思うんです。そこで、転ばぬ先のつえなんですが、いま起きている案件、それからこれからも不幸にして起きるであろう事態というものに対して、これは当事者間で話し合ってくれればいいということで、腕をこまねいているというお考えじゃないと思うんですね。そういう場合に、私は議論を進めますか、元請——親会社と、それから下請会社と下請労働者、この三者、下請労働者は労働組合をつくっている場合が多いですからね、そういう三者で同一テーブルに着いて、それで話し合いということを職安なり労働基準監督署の現場としてやっぱりやるように、これはどんどん指導していかないといけないと思う。その場合に、いや、これはもう下請の整備ですということになるかもしれません。しかし、大体の場合は、もう元請と労働者の直接雇用にしていきなさいということになるときが多いんですね。たとえば、さっき名前出されたからぼくの方でも言いますが、民放の大手の会社、この近くにある12チャンネルという会社ですね。ここでは下請の会社が、それならば直接どうぞ結んでくれ、こう言ってるんですよ。下請の会社で、いや、うちの会社を整備しますからと言う人は私の知るところじゃあんまりなくて、大体直接契約になるとそうしてくださいと言うんです。一番はこの元請の方なんですね。親会社なんです。この親会社は大きな会社が多いですから、やっぱりここはきちんと三者テーブルに着かせて、そして現場の基準監督署がしっかりやらなくちゃいけない。増員の方はわれわれが要求して一生懸命やるんですから。増員は要求して大臣も努力してるんだから。そのかわり仕事はどんどんやってくれなきゃ困るわけだ。どうです、この三者テーブルに着かせてやっていくことを原則としていくというのは。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 私たちも、労働者の雇用の安定ということを行政目的としておるわけでございますから、安定法の四十四条に基づくいろいろの指導の段階で、あるいはその経緯の中で労働者が職を失うというようなことは決して望ましいことじゃありません。したがいまして、そういうことのないように万全の指導はいたしたいと思います。その方法としまして、先生の御指摘のような方向が適切な場合には、そういう方向をとるようにこれは行政指導をいたしたいと思います。ただ、いま御指摘の事例の二、三の中には、下請の方で下請の条件を整備をして、これから法に基づいた請負業者として十分な作業環境もつくりたいとこう言っておるのに、労働者の方がもう下請の労働者じゃいやなんで、直接親会社にということでトラブルが起きている例も二、三聞いておりますが、そういう点につきまして、私はどちらがいいというようなことまで差し出がましく申すべきでないと、こういう趣旨のことを先ほどから申し上げている次第でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この三者の話し合いを、できるだけ強力にやっぱり進めるべきだということを重ねて申し上げまして、次の問題ですが、いま労働者の処遇をどうするかということを考えないで、まず下請会社が下請の労働者を首切ってしまうということは、まず抑えとかなきゃならぬと思うんです、とりあえずの応急措置として。ですから、確かにあなたが言うように、三者で会談して下請の会社を整備するという方向にいく場合もあるでしょう。それから、ぼくはその場合が多いと思うんだが、直接雇用にいくという場合もあるでしょう。しかし、このどっちかになるまでの間、その過程において労働者だけが首切られちゃっている。下請が整備されるのか、あるいは直接雇用契約になるのか、どっちも決まらない。いつになるかも決まらない。三者会談のテーブルにも、労働基準監督署がいろいろ催促しても乗らないという場合、切られたまんまで労働者がいるという事態は、これは極力抑えなきゃならぬ。そのために、たとえば指導するときに、現状凍結と言ったら語弊がありますが、いま凍結というのがはやってるんであれですが、解雇はしない。いやしくも後始末の方法が決まらない限り解雇はしないということ、これは最低限指導の中で強力に、これこそ強力にやっぱりやるべきものじゃないですか。これはどうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 安定法四十四条をめぐる紛糾の中で、労働者が職を失うという事態はぜひ避けたいと、こう思います。したがいまして、いままでの過去の事例の中でも、先生の御指摘のように、解決するまで労働者は従来どおり継続雇用をするようにという指導をしたこともありますし、今後もその精神にのっとりまして、雇用の確保を念頭に置いて、この問題の解決を図るように十分留意をいたします。

内藤功日本共産党

○内藤功君 どうもこの下請会社は解雇しそうだなという場合については、いまのお答えでぼくはいいと思うんです。そうすると、もう一歩進めて、解雇されちゃった、解雇されて一月、二月たっておる人がいるわけですよ。この人は普通でしたら、もうこれはだめだと絶望的な気持ちになれば、それこそ労働仮処分を申請するとか、あるいは労働委員会に、組合活動がらみであれば提訴をするとかいう決断がつくんですが、労働基準監督署が何とかやってくれるだろうという期待があるために、何にもしないでほうっている場合もあるわけですね。そこで、この解雇されたという場合には、一たんこれを戻すようにやはり勧告をして戻して、そうして三者がテーブルに着いて、そうして話し合うということまで——これは限度があるのは、私は私はわかりますよ。限度があるのはわかりますが、そこまでやるのは決してぼくは越権じゃない。テーブルに着くというのは、一方が、三人のうちの一角が首を切られたままのテーブルにつくんじゃ、これはもう話にならぬと思うんですね。そこはどうお考えになります。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) なかなか微妙な問題でございまして、私から直接ここではっきりしたお答えはできませんけれども、私も、この問題が労働者の生活の不安を起こすような、そんな長期の事態で解決すべき問題ではない、早期に解決すべき問題であるという趣旨で、三者の会合が持たれることが望ましいという場合、そういう指導をいたす際には、労働者の雇用確保については十分下請業者に対してその旨を要請して、御趣旨に沿えるようなことができるんではないかと、こう思っております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ひとつ、そのいま言われた中の消極面はぼくは余り聞かぬことにするが、積極面をひとつ強力に進めてもらいたい。特に私は、この場ですからこれ以上細かい具体的な例を言う時間がありませんが、いまあなたの方からお名前を出された各社において、特に顕著なように私は思うので、十分留意を願いたいと思う。  そこで、さっき、あなた首を横に振りましたが、労働基準法百四条というものがあって、百四条一項では申告の権利がある、申告の自由がある。百四条二項では、その申告をしたことのゆえをもって解雇その他の不利益取り扱いをしちゃいかぬと、こうなっておるんですね。それで、これがあるから労働者はいわゆる内部告発にせよ外部告発にせよ、安心して労働基準法違反の事実を現場機関に持っていくことができる。現場機関は、いま予算が少ないから、こういう申告はありがたいと思わなくちゃいけない。申告をしてくる労働者はわれわれの仕事をつくってくれる人だと思ってありがたく思わなきゃいかぬと思うんです、押しつけがましいようですが。それで、この申告があった場合、申告に対して不利益をやる者があれば、これはもう厳しくいかなければいけないと思うんですね。百四条二項についてはいろんな判例もあるが、労働省のお考えどうですか。申告をした、間もなくその申告した人が首切られたという場合、これは申告したがゆえの首切りじゃないかと思って聞いた。ところが、会社は、いや、そうじゃありません、これこれの理由ですと言った場合に、ああ、そうですかと引き下がるんですか。それとも、いや、口ではそう言うが、本当の意思、本当の動機はどこにあるのか。本当の動機、表にあらわれないが本当の意思は申告に対する報復的なものであるというふうに諸般の事情で判断すれば、勧告もし、違反の告訴、処罰請求もし、そういう態度をとるのか、そこのところをまずはっきり聞かしてもらいたい。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 百四条の解釈につきましては、先生の御指摘のように、法違反がありまして申告してくる。その申告したことを理由として解雇その他処置した場合には当然違反になりますから、私どもとしては厳正に措置をいたしてまいりますが、その不利益な取り扱いに至ったいろんな事情につきまして、私どもは十分調査をいたした上で判断をいたしたい、こういうふうに思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうすると、あなたですね、労働基準局長に聞きますが、会社側がこの解雇あるいは不利益取り扱いは配転命令違反で切ったんでございまして、百四条の申告があるがゆえに切ったんでございませんと口でそう言っても、その言う言葉をそのまま信用するんじゃなくて、いろんな状況を判断するということですね。どういうような状況を判断しますか、一般基準をちょっと言ってください。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 私どもはこういう各条違反の判断をいたします場合には、関係当事者の意見を十分聞くことが一つでございます。それから、その紛争なり事実が起こった経緯につきましては、十分に客観的なデータもそれなりにそろっているはずでございますから、それに基づいて判断をしてやってまいるわけで、一方の関係者だけの意見をもとにして判断をすることは全くいたしておりません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 細かいことを聞くようですが、労組法七条の場合にはものすごい判例が多いから集積されているけれども、基準法二十四条の場合は余りない。だけれども、大体たとえば時期が、申告の時期と解雇の時期がどのぐらい離れているとか、それからその人間に対してどういう感じを持っていたとか、いろんな基準があるでしょう、労働省としての基準はどういうふうに持っています。いまのやり方はわかりました。基準は。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 特に、基準を通達その他で示しておりませんけれども、私どもの行政取り扱いの大筋を申し上げますと、第一は使用者の単なる表面上の理由だけにとらわれてはならないということが一つでございます。それから、当該不利益取り扱いをいたしましたまでの経緯、ほかの労働者との関連におきましてどういった不利益になっているかとかいう総合的な判断をして最終的に判断をいたします。もちろん、その場合に不利益取り扱いと申告との関係がどうなっておるかということがもちろん最終的な決め手でございますけれども、申し上げておりますのは、使用者の表面的な理由だけでどうこうするということはいたしておりません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 話がちょっと戻りますがね、これはどっちに聞くのかわからないが、うちの会社は某テレビ会社の下請に入っていると。これは安定法四十四条違反あるいは労基法六条違反の疑いがある、あるいは二十四条違反の疑いがあるというんで申告をしたと。申告をしたら、それに対して首切られたという場合ですね、そのケースはまさに申告を理由として首を切られたケースになると思うんですね。そういう疑いが一般的にまず濃いだろうと。だから、それを晴らすよほどのものがなければ、申告をした労働者が解雇されたり不利益取り扱いされた場合は、一応百四条二項違反の疑いがあると、こういうふうには見られませんか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 百四条違反の最終的判断をいたしますのは、やっぱり具体的な事実に基づいて判断いたしませんといけないんではないかと思います。したがって、安定法四十四条なり基準法六条との関連において、私どもは先ほど安定局長がお話し申し上げましたように、監督署と安定所とが提携いたしまして、この四十四条違反なりあるいは六条違反にならないような形で、どういった形にしていったらいいかということをお互いに相談しながら、また関係の労使にいろいろ指導をしているわけでございますね。その段階において、先ほどもお話ございましたように身分関係をはっきりさせることが一番基本でございますから、それが元請になるのか下請になるのか、それはその具体的な事情によって違ってまいりますが、そういった関連の中において、いまお話しのような、解雇されていくというような事案も出てまいりますので、解雇に至る経緯というものがまさに申告そのものから来ているのか、決定的な理由が、あるいはそういった労基法違反なり六条違反にならないような形にどうしたらいいかというような話し合いの中で、労使の話し合いの中で結果的にそうなったということもありましょうし、この辺はやはりその具体的事案に基づいて判断すべきではないかと、こういうふうに思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ちょっと二人に聞いて失礼ですが、職業安定局長もこれは関係あるわけだから、どうですか、いまの点、同じ点はどうです。いま決定的理由というのを基準局長言われたが。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 労基法の百四条につきましては、私ちょっと申し上げる権限も能力もございませんので何ともあれですが、四十四条違反の問題につきましては、労基法の六条あるいは二十四条とうらはらの関係にございますので、常々安定機関と基準監督機関とで連携をとるようにということで、両局長連名の通達も出しておりますし、現に各現場におきましてはケース、ケースでいろいろ御相談を申し上げながら、事態がそごを来さないように、かつ労働行政そのものが労働者の保護ということに、あるいは雇用の安定ということに重点を置いておるという立場で、この問題の解決を図ってまいりいと、こう考えます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 お二人の答弁は、非常に具体的事案に関係すると思ってか、少し憶病な答弁のように失礼ですが感じましたが、決定的な動機というもので判断するという答弁を得ましたので、じゃ次へいきます。  次は、今度は労基法六条と職安法四十四条の関係は大体いま議論をしたが、もう一つは、労基法二十四条が残っておるわけだね、直接一時払いの原則。これは大体あれですか、最近やや労働省として元請と労働者の関係——指揮、命令、従属の関係がある場合に、労基法二十四条違反という判断をあんまりやらないようにしようと、遠慮しようというようなことはないですか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) この労働者供給事業に絡む事案につきまして、私ども先ほども申し上げましたように、安定局とあるいは出先の諸機関と十分相談しながら、問題がそういうことにならないようにするという、まずそちらに重点を置いてやっておることは先ほど申し上げたとおりでございます。しかしながら、私どもは基準法六条なり二十四条という問題が、明らかにその条文に違反することになりますれば、当然そのことについては基準局の段階において、これはもう安定局との関係はございませんから、私どもとしては当然に処置をしてまいるつもりでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 まあ従属関係、労働の従属ですね。採用のときの従属、それから労務指揮における従属と、両方あります。そういう従属関係が親会社と労働者の間にあると、こういうケースでいまずっと質問しているわけで、それが認められる場合には、そこに一つの労働契約が存在すると、こういうふうに見られるわけです。ところが、元請から労働者に賃金を直接払わないで置いておる、こういう場合は二十四条違反になりますね。そういう勧告もいろんな企業にたくさん出ているのを私写しを大分持っています。そこらあたりはどういうふうに見ますか。いままでの見解と最近の労働省の見解は変わっていませんか。ずっと去年来見解は同じ見解で臨んでいますか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 基本的に元請と下請の関係についての法解釈を変える考えはございませんし、いままでも変えたつもりはございません。ただ、先生のおっしゃるように、使用従属関係というのがどちらに入るかというのは、なかなかむずかしい問題でございますから、そういった面についての解釈を明らかにしていくということは重要だろうと思いますし、そういった面についての出先に対する指導はしてまいりたいと、こういうふうに思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうしますと、一応わかりましたが、使用従属関係があれば、そこに二十四条違反を適用していくという方針はいままでと同じですね——局長にちょっと言って、局長から答えさせなさいよ、なるべく。こまかいことなら別だけれども、基本方針を聞いているんだからね。

倉橋義定労働省労働基準局監督課長

○説明員(倉橋義定君) 従来、労働者供給事業等によりまして使用従属関係が元請と下請労働者の実態にあったという場合におきまして、必ずしも二十四条違反を構成するかどうかは明確ではなかったわけでございます。最近、いろいろ事件がございますので、私どもといたしましては使用従属関係だけで直ちに契約上の賃金支払い義務が発生するものではないということは明らかにいたしております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうすると、それじゃあ私は聞きますが、ちょっとそういうことだったら聞きますよ。昭和五十一年十一月十一日、東京労働基準局中央労働基準監督署から某テレビ放送網株式会社——名前はここでは言わないでおきましょう、ある放送テレビ会社あての改善措置をとれというこの文書ですね、これには「貴社と当該労働者の間に使用従属関係が認められ、従って労働基準法第二十四条(直接払い)違反の疑いがあるのですみやかに改善の措置を講ぜられたい。」——ほかにもたくさんある。以下同文。幾つかの例を持ってきている。どうですか、こうなると、使用従属関係があれば、したがって基準法二十四条違反、これがいままでの見解でしょう。そうすると、いま課長が出てきて大事なこと、重大なことを言った。見解を変えたんですか。使用従属関係即二十四条違反じゃないと、見解変えたんですか。見解変えたとすれば、こっちも重大問題ですから、開き直りますよ。わかりますか、この問題の重大性は。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 二十四条違反の解釈というのは、必ずしもいままでの取り扱いが明らかでない面もありましたので、基本的な考え方はとにかく当該雇っている労働者と使用従属関係があることがもう大前提でございますね。その使用している事業主に責任があるわけですから、そういった面についてその考え方を改めたわけでありません。ただ、そういった使用従属関係を基本にして二十四条違反を考えるということについて先ほど課長が申し上げたわけで、解釈を変更したわけでありません。要するに、そういった面について不十分な面があるから、いま課長が補足したようなわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうすると、従来の見解は変えてないと言うんですか、変えたと言うんですか、どっちなんです。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) いままでの見解が必ずしも十分でないので、補足してお答えを申し上げたわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 どういう点を補足したんですか。それじゃあ、どういう点を補足したんです。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 使用従属関係というのは、一つの事実関係を申し上げているわけですけれども、そういった使用従属関係という事実関係を含めて法律的な契約関係を総合的に判断をしろと、こういうことを言っているわけであります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうすると、いままでやっていた「使用従属関係が認められ、従って労働基準法二十四条違反の疑いがあるので」と、この書き方は間違いだということになりますか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 疑いが認められというわけですから、基本的には早く直せということに、それに問題があるわけで、それを一つの主要事件として捜査するについては、いろいろとまた議論しなきゃならぬと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 どうも質問に答えてないんですが、使用従属関係が認められれば二十四条違反の疑いがあると、こういうふうな考え方ですよ、これは、いままでの。その考え方は同じなのかどうかと言うんです、ここんところは。質問の意味がわからぬですか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 法律案の解釈につきまして、使用従属関係という一つの事実関係、それから一つの契約、つまり法律的な関係、そういったものを総合してやはり二十四条の責任というものを考えていくべきじゃないかと思います。したがって、使用従属関係がもちろん基本にあることは間違いありませんけれども、その辺の補足をいたしたつもりでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 何が補足なんだかさっぱりわからないです。わかるように説明してくださいよ。しかし、もし見解の変更がないということなら、私はもうこれでいいですよ。しかし、見解の変更があると、労働基準局の見解が変更あるというなら、これはもう大問題ですよ。どうなんですか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) 説明が不十分で申しわけございませんが、私どもは特に通達を出して解釈を変えたつもりはないわけでございますけれども、二十四条というのはあくまでも……

内藤功日本共産党

○内藤功君 解釈を変えたことはないんですね。

桑原敬一労働省労働基準局長

○政府委員(桑原敬一君) ありません。要するに、補足をいたして説明しておりますのは、二十四条の違反というのは、当然に契約の責任がなければならぬ。それはあくまでも事業主が契約関係があって、そしてそこに使用従属的な関係を持って働いている労働者については、当然二十四条の責任があると、こういうことを申しておるわけで、従来からそういう考え方は変えてないつもりでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 さっきからの答弁を聞いていると、補足をしたとか、変更がないとかいろいろ言いまして、これ以上言うとあなたに大変失礼なことも言わなければならないから、これでぼくはやめておきます。とにかく納得できない、これ。納得できないということだけ申し上げておきたい。それから、途中で課長に答えさすからいけないんですよ、大事なところで。だから、ぼくはあそこで声をでかくして課長に言ったんですよ、局長に答えさせないでいいのかと言ったんです。案の定こういうことになったんです。ですから、これはまあ急に聞いたから御無理な点もあったろうから、しっかり調べて、後でちょっともう一遍じっくり聞きたいです。あるいは次の委員会でもまた聞きたいと思います。大事な問題ですからね。大事な問題ですからうっかりあなたも言えないでしょう。ですから、これはここでやめておきます。納得しないです、私は。納得しないが、この質問はやめておきます。  次に、今度はこれは国際労働関係に関する問題。これはこういうことなんです。看護婦さんですな、看護職の労働条件について、ILOの総会の議題になっております、ことしの六月。第六十三回ILOの総会の議題の一つに、看護職員の雇用及び労働生活条件に関する勧告案というものがございます。私は時間がないのでずばり言いますが、これに対するILOの主要加盟国としての日本政府の態度、意見として非常にやはりいまここでお伺いしておかなければならぬ問題がある。それはもう前置きなしにずばり言いますが、労働時間に関する部分では、ILOの勧告案では、「一般労働者の労働時間が週四十時間を超えるところは、一九六二年の労働時間短縮勧告の第九項に従って、俸給を減じることなく看護職員のために可及的速やかに週四十時間の水準まで引き下げるための処置」を求めている、四十時間に引き下げろと。ところが、日本政府は「可及的速やかに」というところですな、これも大臣よく聞いてください、大臣ね。「可及的速やかに」というのを「漸進的」という、まあ、ゆっくりいきましょうというわけですよ。「可及的速やかに」とILOが言ってきているのです。恥ずかしくないですか、これ。七カ国首脳会議——ダウニング街会議では福田総理もいらしって、七カ国のお歴々と一緒に日本は世界を引っ張る機関車だというようなことで持ち上げられて帰ってきましたよね。景気回復やそういう経済の面では機関車かもしれないけれども、足引っ張っているわけだ、今度は。ブレーキだ。ブレーキの役目を看護婦さんの労働条件やそれから労働者の労働条件の面じゃ果たしているということが、これで私は大げさに言えばそういうことになると思うのです。  それからもう一つは、年休の問題です。さっきも同僚委員から質問がありましたが、年休は勤続一年について四週間未満である場合は、看護職員のために「可及的速やかに四週間の水準にもってゆくよう処置」を求めている。これに対して「可及的速やか」を「漸進的」と修正の意見を出している。医療の問題はいろいろな問題があること私も知っています。厚生省の関係でいろいろな問題があるのを知っていますから、むずかしいことはよくわかる。しかし、ILOは労働者の労働条件を向上させる、特に医療労働者の場合は、その向上が国民の福祉、医療あるいは生命、健康にも響く問題ですからね、そういう観点で勧告している。それを、ほかの大きなところを直して、四週間に持っていくという改正を日本がしたというならいいですけれども、そうじゃなくて、「可及的」というのを「漸進的」に削るなんという、ある意味じゃこそくかもしれませんよ。そういう修正を施そうというような考え方は、ILOの主要国である日本の政府の労働行政、しかも石田さんをいただいている労働行政としては、どういうもんかなと私は思うんですね。この点について、担当政府委員のお考えを聞きたい。

石井甲二労働大臣官房長

○政府委員(石井甲二君) ただいま御指摘の勧告案について、第一次討議のときに各国に対してこれに対する意見を求められたわけでございますが、そのときに御指摘のように、労働時間につきましては「漸進的」にという形を意見として申し上げました。これは私の考え方では、日本の場合を申し上げますと、御存じのように労働時間につきましては、現在労働基準法上は一週四十八時間ということでございます。これが週当たり労働時間を四十時間とするという措置を看護職員について規定をするわけでございますが、ただ私ども考えましたのは、たとえば一九六二年の労働時間短縮勧告の前文を見ますと、「各国間における経済的及び社会的条件の差異並びに労働時間その他の労働条件の規制に関する国内慣行の差異を考慮して労働時間の漸進的短縮のための実際的な方策を示すこと」というようなことがございますが、そういうことをも含めまして、わが国においてもそうではございますが、世界的な、ある国においては相当時間短縮が行われておりますけれども、現在の法制上の、労基法上一週四十八時間ということに対して、この勧告案が労働時間を四十時間ということにするためには、やはり現在の国内慣行その他からしまして、「可及的速やかに」というよりは、実態的に「漸進的」にという形の方が、この勧告を実際に受けとめるという意味では現実的ではなかろうかということで、そういうことを意見として申し上げたわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これはあなたも言うように勧告ですからね、勧告で、たとえば「可及的速やかに」というのが来ても、それを実行するのは日本の条件で制約されるでしょうね。ただ、その勧告の根元において「可及的」と書いてあるのを「漸進的」にしろというのは、世界の足を引っ張りませんかと言うのですよ、大臣ね。世界の国みんなにこれやるんですから、ILOというのは。日本だけじゃないんですから。憲章には何人も自分の国だけ考えちゃいけませんよと書いてあるんです。まあこれ逆に読めば外国のこと考えなくちゃいけないというのかもしれないが、日本のことだけ考えちゃいけない。世界の進歩のために、医療のために労働者の福祉のために出すわけなんだ、勧告。その根元の文句を「漸進的」と変えるのは、まあ私はこういう質問をするのも情けないくらいだ。これは勧告として「可及的速やかに」が来たらいただいて、可及的速やかに努力をする、これが堂々たるILOの主要国である日本の世界に示す態度じゃないでしょうかね。私はやっぱり大臣、もう一回日本政府の見解を検討して、大物大臣がおるのにこんな細けえことしちゃいけませんわ。あなたの決断ですがね、どういうふうにお考えになりますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) いろいろ事情がありましょうと、言葉として「漸進的」ということと「可及的速やか」というものを変えたからといって、実際上われわれが負う義務の具体的内容に切迫した影響を与えるものとは私は考えない。そういう場合には景気がいい方がいいから、この言葉の使い方については検討いたします。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そう言われるともう次に投げる球がなくなっちまった。まあひとつそうしてくださいよ。万事こういうふうに言ってくれると時間も早くいくんです。  最後に、これは三番目の問題で、最後の問題になりますが、季節労働者の問題について、これぜひ聞いておきたいと思う。私は前々から質問の機会をうかがっておったんですが、遂に時間がここまで来ちゃったものですから、少し時期の古いお話も中ですることは御容赦願いたい。  まず、北川局長及び石田大臣のさっきの答弁で出ておりましたが、北川局長ね、さっき冬季の就労奨励金か、これが三年間助成を出すと。それから、四十五歳以上の中高年の方に通年を目指して職業訓練を三年間やると。それで職場を拡大をするという答弁のように思いましたね。それで、私はまず、これがいいと言って聞くんじゃないですよ、意味を聞くんですが、まず冬季就労奨励金の金額はどう考えているのか。金額が非常に問題だと思うんです。金額、支給方法、それから四十五歳以上の職業訓練についての、恐らくこれは委託金というのかな、そういうこれも金額がお考えがあるだろうと思うんだが、これはどう考えているかという点をまず聞きたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) まず、冬季の就労奨励金でございますけれども、冬季、毎年一月から三月に建設その他屋外事業におきまして、季節労働者を十日以上雇用をした場合には、十日につきまして一万五千円、最高三十日まで、したがいまして三十日雇えば四万五千円の奨励金を出すと、こういう内容が冬季雇用奨励金でございます。なお、これの対象になります地域は、寒冷地手当五級地支給の地帯というふうに考えております。北海道につきましては全域、東北はほとんど、北陸の一部、こういうことになろうかと思います。  それから、第二点の通年雇用のための職業講習奨励金でございますけれども、これはいま申し上げましたような屋外関係の事業主が単独で、もしくは事業主団体が共同で四十五歳以上の季節労務者を対象といたしまして職業講習を行います場合に、ただしその職業講習が二十日以上行うという要件で、二十日の場合に三万円、二十五日以上の場合には四万五千円という手当のほか、職業講習実費といたしましてプラス一万二千円、したがいまして二十五日職業講習を行いました事業主に対しましては、最高でございますけれども五万七千円の助成金を出すと、こういう内容でございまして、この冬季就労奨励金あるいは通年雇用のための職業講習奨励金、いずれも三年間の暫定的な措置として行いまして、その間に本来的業務でございます雇用の場の拡大あるいは公共事業の早期発注、職業訓練の充実等々を行ってまいる考えでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これはあれですか、さっき私よく聞き取れなかったんですが、法律改正でやるのか、政省令でやるのか、何でやるんです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 事務的にその点検討をいたしておりますが、一応考えとしましては省令改正をもって行いたいと思っております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 私はきょうこれに対する全面的な意見開陳は避けておきますが、ただ、この二つと、あと一般的な公共事業の早期発注、職業訓練、雇用の場を広げるというものだとすると、ほかにもあるかもしれないが、政省令に手をつけるのはこれだけだということだね。そうですね。——そうすると、これはいずれもけちをつけるわけじゃないですよ、前進するということはいいことなんですから、決してけちをつけるんじゃないが、あくまで事業主に対する財政助成である、労働者への直接の注射にならないということですよ。で、私はどうしてもこの点では石田さんと意見が違う、違うのはあたりまえなんだが。ほかの点では石田大臣に同感するところはあるが、この点の保険論を振りかざして、もうここでまたやりませんけれどもね、保険論、保険のあり方、これはあなたの考え納得できないね。北川さんの考え方もほかの点はともかくとして、この点は納得できない。保険というものは公平にやるんですとこう言うでしょう、まあ俗に。そうじゃないですよ。それもあるが、この保険の公平というのは、いま困ってない人からお金をもらって一番困っている人にお金を出す、俗の言葉で言いますが、それが保険なんだ。そういう状態になっているのが保険の正常な状態なんです、雇用保険の。ところが、あなたの方は何か北海道の季節労働者に五十日分を九十日分にふやせば、北海道の労働者だけをよけいに保護して不公平になるとかいうふうな考え方は、私は絶対に納得できない、これは。また冬が来ますよ、これ。もうすぐ冬来る。いま北海道のいろんな労働組合やなんかの団体はものすごい陳情してきましたがね、またいろんな陳情や行動をされていくでしょうね。私はどうしてもこの夏の間にこれ忘れるんじゃなくて、抜本的な保険法の五十日自体というものをどうしても九十日にやっぱり引き上げるということをすべきだ。さっきまあ北川さんはね、外国の一部、西ドイツあたりでは季節労働者に失業者としての取り扱いをしているところがあるが、即失業者と言えるかどうか問題だ、てなことを言われたがね、日本の北海道じゃ現にそういう実態なんだ。この実態に立って政策や法律を打ち出し改正しなきゃならぬと思うんです。  私はここで、あらかじめ関係者に失礼の段はおわびしてちょっと失礼なことを言いますが、あの三十日を五十日にするときに、五十日でいいと言った方と、それから五十日じゃいかぬと、九十日あるいはもっと長くすべきだという意見と分かれたが、いまはね、この季節労働者の実態を見て、あの当時三十日を五十日にすることでまあこれでいいと言われた人の中にも、これはやっぱり九十日だという声が出てきているんですよ。ですからね、これはもう過りを改むるにはばかることなかれ、まあ二年前に五十日に変えたから、変えたばっかりだから、今度九十日にするのはちょっと朝令暮改だというような印象があるとしたら間違いであります。  私はまあ実態いろいろ調べてきて言いたいんですが、ちょうど時間になりましたから、最後に大臣ね、この点は誤解しちゃいかぬですよ、私たちは雇用保険法だけでやれって言っているんじゃないんですから。あなたはすぐわれわれに雇用保険法だけでやれという考えには賛成できませんとこうおっしゃる。それはちょっと誤解しているんです。われわれは皆さん方のやっているいろんな省令にしても、生活保護を緩やかにするとか、公共事業早期発注とか、もろもろのエトセトラの政策について前向きならみんな反対しませんよ、結構なんです。それと相まって雇用保険法の改正もやるべきだと、こういう考え方なんです。そういう一環としてもあんたは検討しないとおっしゃるのかね。それはやっぱり柔軟な頭をもって臨んでもらいたいと思うんですがね。最後にこれだけ聞いておきます。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 保険というのは、困らない人の負担の上で困った人を救済するという、そういう精神であることは私も同感。だけど、困った人が毎年毎年同じように繰り返される、そうしてその繰り返される条件というものをいじらないでおくということは私は間違いであると思います。したがって、現在の五十日という状態でも、季節労働については負担金七十八億に対して千四百億円くらい使っている。これでも決して均衡とれたとは思いませんが、これでまた北海道の原状が回復されているとも思わない。したがって、北海道の原状回復については、保険法それから労働行政だけで処理しようという考え方は間違いだということを、私は北海道の道当局にはいつでも言っているんです。ほかの総合的施策——北海道の気象条件というものはこれは一定しているのですから、そういう条件の中でもっと総合的にあなた方の方も検討しなさい、われわれの方でなし得ることはできるだけいたしましょう、先ほど安定局長がお答えいたしました、またあなた御指摘になったほかに、通年雇用奨励金というものも新たに行うつもりでおります。そういう方法で、あとう限りの努力をいたしますが、現在の雇用保険法を改正するという考えはございません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 最後に、私は本法案そのものについて一言申し上げておく。  本法案は、幾つかの改善点が認められるのでありますが、第一点として、失業の予防をうたいながら、大企業がいままで行い、今後も行うおそれのある大量解雇、大量の人減らしについては、何らこれを規制する手だては講ぜられていない。  二番目は、雇用安定資金の管理運用について、労働者の代表の意見を聞くという制度的保証がない。  三つ目は、全国で、私どもの調べで、百万事業所二百五十万人と言われる零細企業——労働者数人の零細企業における保険料の納入率はきわめて低くて、保険制度に基づく救済は期待しがたいんですが、この零細企業対策が見られない。  以上の点を考えて、われわれは熟慮の結果、日本共産党としては本法案については賛成しがたい、しかし、改善点があることも認められるので反対はしない、棄権だという態度をとった次第であるということを申し上げて、私の質問を統わります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 雇用保険法等の一部を改正する法律案に関しては、去る四月二十二日、私は本会議において代表質問をいたしました。そのほか四月十四日予算委員会分科会において、職業訓練行政に関する質問をいたしました。また、四月二十一日には本委員会において総合的雇用政策に関する質問を行いました。これらの質問を通じて大臣の所信を伺いましたので、本日はあえてその重複することを避けたいと思います。  また、雇用安定資金制度につきましては、昨年本委員会で私がその指摘を行い、その必要性を述べてきたところでありまして、基本的には賛成するものでありますけれども、私は、新制度を生かすかいなかは、次の諸点にかかると言っても過言ではないと思います。  その第一は、総合的雇用政策の質的転換、すなわち、従来の労働力不足時代ないしはそれ以前の労働力過剰時代というものから、安定経済成長下の摩擦的・構造的失業をいかに予防するか、ないしは中高年、身障者等の雇用対策をいかに拡充するかへの質的転換が必要であろう。  第二には、職業訓練行政の転換と拡充であります。  第三は、文部省及び労働省一体となった一元的職業能力の開発であります。  第四は、本制度を中小零細企業にいかに適用せしめるかの問題であります。  そして第五は、雇用の地域間移動に関する誘導政策を確立するということであります。  そして六番目には、財政の確立と管理運用に関する改善でございます。  最後に七番目は、本法施行までの現行法の弾力的運用と雇用調整給付金の支給対象範囲の拡大など、現行法の活用でございます。  これらに対する最初に労働大臣としての総括的な御所見を再度ただしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 御指摘の点、一々ごもっともだと存じます。特にこれからは、日本の置かれている経済条件が非常に違ってまいりまするから、産業構造の変化に対応する措置ということが一番重大になります。訓練行政におきましても、訓練種目、方法等において、従来の形のものをそのまま続けていくことは不適当である、新しい時代の要請に合うような変更をしていくべきものと考えておる次第でございます。  それから、特に法施行前の対処するための弾力的運営はそのようにいたすべく努力をいたすつもりでありますし、すでに現実的な措置をとっておる次第であります。  財政の確立と管理運用につきましても、これが財政が充実し管理運用の適切を得なければ、効果を十分にあらわさないことはよくわかっておりますので、そういう方向、特にこの管理運用については、労使双方の意見が十分反映できるようにいたしたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それでは、実務的に数点について私の過去の質問を再確認いたしたいと思います。  まず第一に、雇用安定資金の業種指定でございますが、景気変動対策については雇用調整給付金と同様な方式が考えられるわけでございますけれども、事業転換対策となりますと、産業政策との関連が生じてまいります。したがって、それら関係官庁と十分協議をいたしますとともに、今後、関係審議会の意見を十分にそんたくをして具体的業種指定の基準が定められるものと、こう理解してよろしゅうございますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 事業転換対策の業種指定に当たりましては、先生の御指摘の線に沿いまして今後運営したいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次は、不況業種の指定問題でございますけれども、全国的には不況業種でなくても、地域的には業績不振に陥っている業種がございます。また、同一業種であっても、異なる品種を扱っている場合、非常に深刻な影響を受ける場合もございます。したがいまして、雇用安定資金の業種指定に当たりましては、たとえば地域別業種指定、取扱品目別業種指定など、より細かな配慮が必要ではないか。このような点を指摘してきたところでありますが、これらにつきましては、法施行の際に審議会の意見を十分そんたくして配慮されるべきものと理解いたしてよろしゅうございますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) すでに、雇用調整金の業種指定に当たりましても、今回の北洋関係の水産加工等につきましては、取扱品目別の水産加工というような指定の仕方をいたしておりますし、今後そういう必要も多々出てこようと思いますので、先生御指摘のように、業種指定の基準等につきましては、十分御指摘の点を踏まえて法施行の際に検討をいたしたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 雇用安定事業の職業訓練に関してでありますが、事業主に対して行われる補助、これは景気変動等の雇用調整事業とは異なりまして、事業転換等の雇用調整事業につきましては、相当長期の期間が必要ではないか。具体的にいまどの程度の期間ということを言明することは困難でございましょうが、基本的考え方として、より長期間を配慮するというふうに考えたいと思います。いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 事業転換の雇用調整事業は、御指摘のように、従来の雇調金の景気変動の場合と違いまして、中長期の対策が必要かと思いますので、やはり御指摘のように、より長期的なものを考えたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次に、同じく職業訓練でございますが、企業の企業内訓練への委託、これが本改正案には含まれている、こう思います。そのとおりですね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 含めたいと考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次に、教育訓練施設につきましては、専修学校等の連携というものをこの前質問いたしたわけでございます。訓練機関の実施機関といたしましては、各種学校など幅広く活用していく。そして、専修学校の許認可は文部省所管ではございますけれども、訓練の委託等について迅速な処理ができるように、文部省とも十分連携の上対処をしてもらいたいと思いますが、いかがでございましょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 職業訓練の実態機関としましては、各種学校等幅広く活用することにいたしたいと考えております。そのために、専修学校の件につきましては、文部省と十分連携をとりまして迅速かつ的確な処理が行われるように十分配慮をいたします。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 同じく教育問題でございますが、教育訓練を受ける以上、労働者はその転換する職種を完全に身につけなければならない、こう思うわけでございます。したがいまして、比較的短期の雇用対策的な色彩の強いものもございますけれども、事業転換等に伴うものにつきましては、さきに第三点で質問いたしましたように、この期間もそれに相応して相当の長期にまたがる配慮がされると、そう思いますが、そのとおりですね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 御指摘のとおりでございまして、構造変化等に伴います職業訓練そのものが、長期でかつ相当基本的なものを必要といたしますので、法定訓練の場合にはその基準によって認定をいたしますし、また訓練を出ました場合に、技能検定の関連職種等との連携というような点につきましても、十分配慮をいたしてまいりたいと考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 企業に教育訓練を委託した以上、それは労働者の職業訓練を最後まで責任をもって行わなければならぬという視点からいたしますならば、その体制、責任を明確にしていかなければならないと思います。これは当然のことでございます。しかし、情勢によりましては、途中でその教育訓練を中断するという事態も予測されるわけでございますが、私は労働者の雇用の安定を図るという面からするならば、十分な行政指導が企業委託を行う場合には行われなければならない。その行政の運用を誤りますならば、法の目的に沿わないという事態が生じてくることを憂うるのであります。その点、行政指導を十分にやられるお考えは当然お持ちだと思いますが、いかがでございましょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 御質問は、恐らく事業転換の場合の訓練につきまして、今度受け入れ側の産業においていろいろ訓練を受託する、こういう場合かと思いますけれども、これにつきましては、受託した以上、その訓練を完全になし遂げるということが受け入れ側の企業の責任でございますので、行政指導として途中でそれが挫折するようなことのないように、十分な行政指導をいたしたいと考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 確認の最後でございますが、教育訓練を受けた後の資格の問題でございます。これは当然法定訓練の基準に合うものは認定をいたしまして、技能検定等の関連資格を与えられるべきことは当然でございます。また、各種学校等で行ったものにつきましては、それぞれのコースにおいて与える資格が取得できることも当然でございます。しかし、今後その技能検定、技能尊重機運の醸成等につきまして、さきに指摘してきたところでございますけれども、十分の行政の指導が行われるべきである、こう私は思います。いかがでございますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 教育訓練につきましては、やはり資格を得られるということが、後の再就職あるいは転職の場合に大変役立つものでございますので、御趣旨の点については、技能検定との関連、連携というものに十分配慮をして、制度の組み立てをいたしたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次に、高年齢者の雇用対策について大臣にお伺いをいたしたいと思います。  労働省は、大臣官房統計情報部が「高年齢労働者雇用実態調査の結果概要」というのを発表されております。私は、日本経済が高度成長のいわゆる頂点にあったと思われる昭和四十八年でさえ、平均の有効求人倍率一・八倍に対しまして、五十五歳以上のそれは〇・五倍でございました。不況に陥りました五十年は〇・一、五十一年は〇・一、すなわち現在の雇用不安は特に五十五歳以上の高年齢者に顕著な影響があらわれている、こう言わなければならないと思います。しかも一今日まで労働省としては努力をしてこられたわけでございますけれども、たとえば定年延長の声が高まる中で従業員千人以上の大企業のほぼ三分の一が高年齢者を一人も雇っていないということが、この調査で発表されております。また、高年齢者の雇用率六%以上を雇用するよう労働省は努力されたと言っておりますけれども、千人以上の大企業で目標に達しているものは二三%にしか過ぎない、これが率直な実態でございます。  反面、三十人以上、百人未満の中小企業等は五四%の企業が法定の努力目標に達しているとも発表されております。現在当面しておりますこうした深刻な中高年齢者の雇用状態というものの中で、今後大臣として具体的にどのように対処していこうとされておるのか、お伺いをいたします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 確かに、定年延長に限って申しますと、大企業の実施率が低いのは事実でございます。現状において六十歳定年を実施しておるのは千人以上の企業においてはまだ一九%、二〇%に足らない。全体で申しますと三二%を超えている状態の中に二〇%に足らない。これは必ずしもこういうもの、定年延長というか中高年雇用というようなことについて社会的責任を自覚していないというよりは、そういう大きな企業におきましては下へ、関連企業への転換がわりに容易であるという事情もあろうかと思います。しかし、この点においても現在いろいろその実情に合わせた検討が行われておりまして、たとえばブルーカラーについて言うと、単能工を複能工に働きながら訓練をすることによって、中高年の雇用機会を増大させるとか、あるいは先ほどから何度も申しますように、別企業をこしらえてやるとか、いろいろな工夫がいま行われていることは事実でございます。そういう方向に向けて実質上、中高年の雇用が高まればそれはいいわけなんでありまして、同一企業内でいままでの人事管理方式があって一遍に直らない場合には、別企業、別会社の方へ移すというようなこともやっぱり含めて考えていいのではなかろうかと考えておる次第であります。やはり、何と申しましても、現在の状態では使用者が中高年雇用ということについての社会的責任を自覚をすると同時に、将来次第に高年齢社会になっていくわけなんでありますから、それに企業が対応する管理方式をとらないと、企業自体がやっぱり大きな問題にぶつかってくることは必然でありますので、そういう点の自覚を強めるようにいたしますと同時に、現在私どもがとっておりまする各種の奨励措置、これを知らないところが非常に多いわけであります。これを周知徹底させると同時に、手続の簡素化を図って対応したいと、こう考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 いま大臣がお答えになりましたように、確かに昭和五十二年度予算では定年延長奨励金、高年齢者雇用奨励金、定年者継続雇用奨励金などを引き上げております。しかし、大臣御答弁されましたように、これは徹底が案外されておりません。と同時に、その手続も非常に複雑であるということで、それがこの制度の実を結ぶことを鈍らしている、それが一つの要因ではないか。  それからもう一つは、いま大臣が申されましたのですが、これは労使の自主的交渉にかかわる問題ではございますけれども、定年延長をしようとする場合、やはり労使間の障害になってまいりますのは年功序列型賃金と人事のあり方、これが定年延長の場合の一つの問題点として浮かび上がっておる。これは現実でございます。とすると、これは労使当事者間の問題であるということでこれを任すのではなくて、決定はそこにおいて行われますけれども、やはり労使の自主努力を促進するための労働省としての指導というものが必要になってくるのではないだろうか。今日の深刻な中高年の雇用実態を考えますと、惰性のまま進むべき時代ではない。ここで大臣としても手段をいろいろ講じられまして、これらの欠陥を補いながら、院の決議でもあります定年延長というものが実を結ぶような、ひとつ抜本的な対策を確立願いたい、こう思うのであります。いかがでございましょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これは今日の雇用問題というのは、もう集約すれば一にかかって中高年の雇用問題だと思います。そういう意味において全力を挙げるべきでありますが、この抜本的とおっしゃいますが、これは長い間の人事管理のやり方の継続でありますので、いま急に人事管理の体系なりあるいは年功序列型賃金をこのままにしておいて五年ぱっと上げろと言っても、これは実際上不可能であります。やはり、順次上がっていく、改善をしていくというようなことが必要じゃなかろうか。そして、また事実そうなってきている。一言に言えば、出世がおくれるというんでしょうか、そういうことによってだんだんとそういうふうに変わってきているように思うわけであります。それから、急速にやることは摩擦が生じ、かつ御本人に余り必ずしもいい影響を与えない場合もございますが、しかし問題の重点はここにあるんだということで、極力普及措置について行政指導をやっていきたいと思っております。  ただ、われわれとしてやるべきことは、各種の奨励金をつくっても、それに手続がめんどうくさい、それから複雑であり過ぎる。それからこの間、私ある中都市の使用者の団体へ行きましたところが、ほとんど知っていなかったのです、こういう制度があることを。これは驚くべきことでありましたので、まずこの制度の普及徹底による利用の拡大ということをいたしたい。知らないで制度ばかりつくって、あるぞあるぞと言ってみても仕方がありませんから、つくった以上はそれが利用されるように努力をいたしたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次に、北洋漁業の縮小に関する漁業労働者の問題について御質問をいたします。  ソ連距岸二百海里以内における日本漁船の操業漁船数は五千二百八隻、漁業従事者の数は七万四千名に及ぶと承知しております。このほかに北方四島周辺で操業する者約四万人。加えますと十一万人を超えるというのが現状でございます。そして、まだ協定は成立しておりませんが、サケ・マス減船によるだけでも当面五千人の労働者がその職を失う、こう言われているわけでございます。現行の漁業再建整備特別措置法は、いわゆる捕鯨とマグロだけが対象になっております。したがって、多くの漁船員はこれによってカバーできないわけでございますが、今後どのように対処していこうとされておるのか、まずそこをお伺いします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 今度もどれくらいの、どういう交渉がまとまるかはまだ未定でございますが、その結果に伴って当然対象になろうと思っております。いま対象になっておりますのは捕鯨ですね、それからマグロ、カツオ、遠洋漁業、それから東太平洋のアメリカの二百海里の適用に伴うスケトウダラ、これがなっておりますから、それに準じた扱いをするのは当然であります。  それから、すでに何度もお答えしておりますように、五月一日から業種指定を八業種について行いました。私どもの方の対処は、一番早かったと思っております。今後そのほかについても万全を期してまいるつもりでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 失業した者をいま言った法律で救い上げていく、それは当然のことでございます。しかし、問題はそれだけでは解決しないと思います。ソ連、アメリカのみならず、今後二百海里はひとつ国際的な大きな幅をもって拡大をしていくということになりますと、減船をされたいわゆる乗組員をどのように転換さしていくか、これはきわめて重要な雇用政策でなければならないと、こう思うのであります。私は過般、農水と内閣の連合審査の際に、二百海里水域実施後の監視、取り締まり業務に活用するということも一方法ではないかと問題指摘をいたしました。運輸大臣は、非常にユニークな提案であるので前向きに検討したいというお答えでございましたが、それ以外にも、たとえばサケ・マス漁業の指導及び取り締まり業務、また新漁場開拓事業、これはたとえば開発途上国の二百海里内における新漁場開拓もありましょうし、他国の二百海里外における新漁場の開拓もあると思います。また、二百海里内の沖合い漁業につきましても、資源調査と再開発業務というものを考えられるわけでございます。また、沿海漁業を再開発するための沿海、いろんなものが沈んでいる、そういうものの大掃海業務というものも考えられます。さらに、漁港整備のための業務というものもあるわけでございます。海に生き海に育ってきたこの人々を、やはり海に関連するところで活用する、それは最も必要な転換対策ではないだろうか。この問題は水産庁、海上保安庁、さらには自治省、いろんなところに関連をいたしますけれども、一々聞くのは時間的余裕がございませんので、その転換対策に対する政府としての方針をお伺いいたしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これは漁船員あるいは船員の再雇用の問題は、海から海に行く場合、海から陸へ行く場合と二つあるわけでございます。海から海へ行くのが最も適応性を持つ対策だと思いますが、これについては、いま御指摘のような問題を含めまして、御意見として非常におもしろい御意見だと私も思います。各省と連携をとって、そういう働く場所を見つけてまいりたい。  それから、海から陸へ移る場合は、これはわれわれの業務でございます。でき得る限り転換職業訓練を施しまして、安定した再雇用を見出すべく努力をしたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 いま非常に前向きのお答えがあったわけでございますけれども、私はたとえば資源調査にしても新漁場開発にしても、これは採算ベースに乗りがたい問題でございます。いま大臣も申されたのでありますけれども、これを実行していくということになれば、それ相応の国の補助、助成というものが伴わなければ、ユニークな発想であっても、これを実行することが大きな壁に阻まれる、こういう結果にならざるを得ません。本日の質問でそれぞれに対してどの程度の補助、助成を行うということは答弁しにくいでしょうけれども、ひとつ国務大臣として関係省庁と十分お打ち合わせの上、これらの転換対策が充実しますように、ぜひ御努力を願いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 全部が全部採算ベースに合わないとも私は考えない。合うものもあるだろうと思うんです。たとえば、開発途上国の二百海里の中における漁場の開発、指導というようなことは、これは採算ベースに合わないとは限らないと思います。しかし、長期的に見て国益に合致するもので、いま直ちに採算ベースに合わせられないものが大部分であることはよくわかっております。そういう意味において、関係省庁とも連絡を密にいたしまして対処したいと考えます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 次は、減船補償金の問題でございます。これは昭和四十六年または昭和五十一年にニシン減船の際にこれらの補償が行なわれております。これは乗組員に対しましては出漁しております期間の固定給、それに生産奨励金、これを合算いたしましたものを補償するということで、休漁の場合はこれらの経費及び準備に要した費用、期待利益、さらには減船の場合には漁業権の補償等も加わりまして、船主に対して補償が行なわれる。事は船主と労働者との交渉によって解決がされる、このような方式がとられているわけでございます。いまは融資の段階、これはまだ日ソ漁業協定がどうなるかわからないということで、当面の応急の融資でございますが、当然減船し出漁できない、こういう漁船員に対しましては、過去の方式と同じような措置がとられるべきものだと私は理解をいたしております。いかがでございますか。

大坪敏男水産庁漁政部企画課長

○説明員(大坪敏男君) ただいま御指摘の点でございますが、御案内のように現在日ソ漁業交渉が進められているわけでございますが、事態の進展のいかんによりましては漁獲量が大幅に削減される、さらにまた減船とこれに伴う離職者の発生も十分予想されるわけでございますが、当面の緊急対策といたしましては先生いま御指摘のように、三、四月に休漁に追い込まれた業者に対しまして、緊急の必要な資金といたしまして百五十億の融資を行なうということと、もう一つは、本年休漁になりましたサケ・マスの業者につきまして同様に必要な経営資金を融資する、これは百五億でございますが、これを緊急に融資することにいたしたわけでございます。もちろん、交渉の結果いかんによりまして減船及び離職が現実化した場合の措置でございますが、これはただいま先生御指摘のように、昨年におきましてもニシン、カニの減船につきましては救済措置を講じたわけでございますが、これらを参考としながら事態に即応した適切な救済措置を講じたいと考えておるわけでございます。その際におきましては、過去の例もございますが、救済措置の中におきましては漁船乗組員に対しまする労賃等の労務費につきましても十分配慮いたす考えでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それと関連をいたしまして、水産加工業者の問題がございます。それから今日まで余り話題に上っていないのでありますが、関連産業としましては、漁網、ロープ、これらは出漁がされないというためにいま生産されましたものが納入されておりますけれども、補償がまだ入らないということでその支払いもされていない。しかもこれは相当強い操業短縮を今後していかなければならない。水産加工業者ともども、漁網、ロープというのは御承知のように中小零細企業でございます。これらに対する融資とあわせ、雇用面においても現行法の弾力的運用というものが当然あってしかるべきだと、こう思います。よろしゅうございますね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○政府委員(北川俊夫君) 先生御承知のように、本年の五月一日から水産食料品の製造業初め関連の七業種につきまして、雇用調整給付金の対象業種として指定したところでございますけれども、漁網、ロープにつきましても先生御指摘のような事態に追い込まれつつあるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましてはいま漁網、ロープにつきましての操業度等につきまして早急な資料の収集を行なっておりまして、それの結果がまとまり次第、早急に御要望のような方向で対処いたしたいと考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 その点は準備に要した費用の中に、漁網、ロープの購入費というものは当然私は入ってくると思うわけでございまして、雇用保険の弾力的運用とあわせて、水産庁のいわゆる補償金算定の中にも、この問題に対する十分な配慮を加えていただきたい、こう思います。  それから、時間が余りありませんので、二つ御質問をしたいわけでありますが、一つは、私は陸上と海上の雇用関係法の不平等ということを指摘いたしたいと思うのであります。船員保険の被保険者数漁船関係十一万三千四百四十九人、五十一年十二月末でございますが、これに対する失業保険が適用されている被保険者の数は三万八千九百九十八人、すなわち三四%にしか過ぎません。昭和五十年十二月が三一%、三%ほど上がってはおりますけれども、きわめてこれは低率であると言わなければならぬと思います。また、社会保険庁の五十一年十月に八千八百四十人を抽出いたしました調査が私の手元にございますけれども、これによりますと、十二カ月以上勤めている、すなわち当然被保険者となるべき資格の者でありながら未適用である、それが未適用者の六一・四%を占めている、これは傾向値でございますけれども、そういう問題がございます。私はこのような点を考えますと、まず適用範囲において陸上は六カ月以上の者を対象者にしておりますが、海上の場合は年間雇用者に限定しております。と同時に、年間雇用者であって資格がある者もこのようにまだ依然として法の不徹底により未適用者が多い。二番目には、陸上にあります短期特例の制度が海上にはございません。さらに、基本手当につきましても、五十五歳以上陸上三百日に対して海上は二百四十日、六十日の差がございます。さらに、問題を指摘いたしますと、雇用保険の雇用改善三事業が船員保険には含まれておりませんし、本日可決されるであろう雇用安定資金制度もまた海上には適用されない。このように、同じ労働者でありながら陸上、海上の間にその法内容において著しい不平等、不公正が存在しているというのが実態ではないか。こういうことを考えますと、私は海上労働者に対する雇用のあり方について、この際根本的な洗い直しが必要である。と同時に、わずか被保険者二十数万というこの数で、果たして陸上と同じような制度を適用することについて保険原理になじむであろうかどうか。保険原理を適用していこうとすれば、これは当然相当陸上に比べて高額の保険料を取らなければ、陸上と同じペースに合わすということができない。ということになれば、もっと突き進んでいくとするならば、総合保険である船員保険の中に雇用問題を包括していることが果たして妥当なのかどうかという根本問題までさかのぼる、私はそれが実態ではないかと思うのであります。審議会でもいろいろ洗い直しが行われているようでございますが、労働大臣、この際私は、関係する省庁多いのですね、労働省、厚生省、水産庁、運輸省、四省にまたがっているわけです。この四省が私は少なくともプロジェクトを組んで、これら陸上、海上の不公正取り扱いに対する解決について着手すべきではないか。  第二の質問は、陸上につきましては、昭和三十三年に駐留軍関係、三十四年には炭鉱離職者、四十一年には繊維、この三業種に対しまして臨時措置が行われました。私は今日の深刻な情勢を考えます場合に、現在の法体制の中で果たして雇用対策が万全かいなか、少なくとも漁業従事者等の臨時措置法を制定いたしまして、かつて駐留軍、炭鉱及び繊維に対してとられたと同様の措置が立法の根拠を持って行われるべきではないか、こう思うのであります。  以上、二点について私の質問を申し上げまして終わります。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 第二の点でありますが、第二の点については、確かに重大な段階は迎えておりますが、その実情はまだはっきりつかんでいない状態であります。前にやりましたような臨時措置法をやるかやらないかということは、これはこれからの日本の産業政策あるいは水産政策、漁業政策というようなものとの関連、見通し、そういう上に立って配慮しなければならぬ問題だと私は考えておる次第であります。労働行政だけの立場から発言をいたす段階ではないと思います。  それから、第二の問題でございますが、私自身労働行政を初めてお預かりしてから二十年たっているんですが、いまだになぜ船員だけが特別扱いされているのか私自身がまだ納得がいかない状態であります。しかし、行政的な扱い方としまして、いま御指摘のように、水産庁へ行ったら運輸省へ行け、運輸省へ行ったら厚生省へ行け、厚生省へ行ったらそれは労働省だといってぐるぐるぐるぐる回らされているのはこれは困る。そこで、これを窓口を一本化して、そして一定の日にちを決めてこちらの担当者が全部集まって、そして応対をする、お話を聞くというような運営をいたしたいと、こう考えております。  それから、陸上と海上の雇用保険の扱いは、これはやはり同じに扱うべきものだと考えておる次第であります。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 労働大臣にちょっとお願いしたいんですが、上田委員長が参りまして大臣にお願いするという予定になっておったんですが、まだ見えないようですから私がかわりまして。  今朝、新聞、テレビ等で報道されております三井芦別鉱のガス爆発事故、これは無論通産省及び関係省庁で対応されるでしょうが、労働省とされましても労働安全対策あるいは死亡者に対するいろいろな措置等が必要になってくると思われますので、ぜひひとつ万全の対策を労働省として講じていただきますようにお願いをしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) いまの御指摘の問題について、もうすでに直ちに課長を現地に派遣をいたしました。そして、実態の把握に努めますると同時に、一酸化炭素等の中毒を予防いたしますためには特別の器具が必要でございますので、その特別の器具を現地に近い美唄の労災病院にもう集中させております。万全の措置をとっておるつもりでございます。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) それじゃ速記を起こしてください。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、森下泰君及び鹿島俊雄君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君及び永野嚴雄君がそれぞれ選任されました。     —————————————

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  雇用保険法等の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 私は、ただいま可決されました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党提案の附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします    雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、現在の長期にわたる不況による深刻な雇用失業情勢にかんがみ、労働者の雇用及び生活の安定を図るため、左記事項について、なお、一層努力すべきである。 一、今後の経済社会情勢の変化に対応して、完全雇用の達成を図るため、労働時間の短縮問題を含め、労働者の雇用機会の確保、拡大の施策を講ずるとともに、失業者の再就職の促進、短期雇用、日雇い、パート、家内労働者第不安定就労の改善のための施策の充実を図ること。 二、雇用安定事業の実施に当たっては、特に、中小企業、下請企業の労働者の失業予防に実効があがるように、その実施基準及び運用について、十分配慮すること。 三、雇用安定事業等の四事業の実施に当たっては、関係労使の意見を十分に反映した適正な運営が図られるよう公労使三者構成による専門機関の設置等速やかに所要の措置について検討を行うこと。 四、雇用保険の安全全面適用を可及的速やかに実現するよう努めるとともに、被保険者が不利益を被ることなく適用事務の円滑な処理が行われるよう定員増を含め事務体制を充実するなど適切な措置を講ずること。 五、日雇労働者の就労確保が厳しい実情にかんがみ、日雇失業給付の段階制の是正、特例の受給要件の緩和等その改善について可及的速やかに所要の措置を講ずること。 六、生涯訓練体系の確立、技能尊重気運の醸成を図るとともに、特に、中高年齢層に対する転職訓練の量的質的な内容の強化、訓練期間中の生活安定など、職業訓練制度を財源措置も含めて、抜本的に再検討し、速やかにその改善を講ずること。 七、雇用安定事業による雇用調整給付金の目的が失業の予防にあることにかんがみ、その給付の対象となった企業においては、従業員の解雇が安易に行われることのないよう行政指導に特段の配慮を行うこと。 八、最近の海運業の低迷、国際的な漁業規制の強化等による船員の深刻な雇用・失業情勢にかんがみ、船員としての雇用の確保、失業の予防を図るため、可及的速やかに雇用対策を確立するとともに、やむを得ず転職する船員については、その雇用機会の確保のため、特段の配慮をすること。   右決議する。  以上でございます。よろしくお願いいたします。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) ただいま佐々木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 全会一致と認めます。よって、佐々木君提案の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石田労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石田労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしましてこれが実現に努力する所存でございます。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 労働問題に関する調査を議題といたします。  この際、便宜私から各派共同提案にかかわる定年延長の促進に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決しました。  ただいまの決議に対し、石田労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石田労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ただいま御決議のありました定年延長の促進につきましては、政府としても広く関係者へ呼びかけを行ってきたところでありますが、今後におきましても御決議の趣旨を尊重いたしまして一層努力をしてまいる所存でございます。     —————————————

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。石田労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ただいま議題となりました労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、労働安全衛生法の一部改正について御説明申し上げます。  最近における労働災害の発生状況を見ますと、全般的には毎年減少の一途をたどっておりますが、その中にあって職業病の発生は、なお相当数に及んでおり、特に、がん原性物質等による重篤な職業性疾病が大きな社会問題となっております。  政府は、このような問題に的確に対応するため、ILO第百三十九号条約の批准を進めるとともに、あわせて、職業病対策の充実強化を中心として労働安全衛生法の一部を改正することとし、先般、中央労働基準審議会に諮問し、その答申に基づいて立案した次第であります。  次に、法案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、職業病対策の充実強化であります。  その一は、化学物質の有害性の調査を行うこととするものであります。  新規の化学物質を製造し、または輸入しようとする事業者は、その化学物質の有害性についての調査を行い、その結果を労働大臣に届け出なければならないこととし、労働大臣は届け出をした事業者に対し労働者の健康障害を防止するための措置を講ずべきことを勧告することができることといたしております。  また、労働大臣は、がんその他の重度の健康障害が生ずるおそれのある化学物質については、事業者等に対し、特別の有害性の調査の実施及びその結果の報告を指示することができることといたしております。  その二は、疫学的調査等を行うこととしたことであります。  労働大臣は、化学物質等と疾病との関係を把握するための疫学的調査その他の調査を実施するとともに、その調査の適切な実施に資するため、事業者等がこれに対し、協力すべきものといたしております。  その他、有害物の表示、健康管理手帳の交付対象者の範囲等について充実を図ることといたしております。  第二は、労働者の安全を確保するための規定の改善であります。すなわち、検定、自主検査、免許試験等について改善を図ることとするほか、統括安全衛生責任者の業務執行についての勧告等について所要の規定を整備することといたしております。  続いてじん肺法の一部改正について御説明申し上げます。  現行じん肺法は、昭和三十五年に制定されて以来十七年間を経過しており、その間の産業活動の進展に伴い、粉じん作業従事労働者が約六十万人にも達する等労働面での変化が見られる一方、じん肺に関する医学的研究にも進歩が見られるところであります。  政府としては、このような情勢を踏まえ、粉じん作業従事労働者のより一層の健康管理の充実を図るためにじん肺法の一部を改正することとし、じん肺審議会に諮り、その答申に基づいて立案した次第であります。  次に、法案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、じん肺の定義の改正であります。  じん肺の定義を明らかにするとともに、現行法制定後の医学の進歩により、肺結核以外のじん肺と密接な関係があると認められる疾病についてもじん肺の合併症としてとらえ、じん肺そのものとは別個に適切なる健康管理を行うこととしたところであります。  第二は、じん肺に係る健康管理の区分の改正であります。  じん肺のより以上の進展を的確に防止することを目的としてじん肺管理区分を定めることとし、エックス線写真の像を基礎として、じん肺管理区分を五つに区分することといたしました。  第三は、健康管理のための措置の充実であります。  じん肺のより以上の進展を防止するための唯一の方策は、じん肺の進展段階に応じて的確に粉じん暴露の低減ないしは中止を行うことであります。  そこで、先に述べました五区分のじん肺管理区分に応じて、粉じん暴露の低減・中止について段階的かつ具体的な健康管理のための措置を定めることといたしております。  また、じん肺管理区分が管理四と決定された労働者のほか、肺結核その他の合併症にかかっていると認められる者は、療養を要することとして健康管理の適正化を図っているところであります。  その他じん肺健康診断の整備充実を図る等所要の整備を行うことといたしたところであります。  以上この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。  本案の自後の審査は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三分散会      —————・—————

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