災害対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/04/27
会議録
○委員長(辻一彦君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十三日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として志苫裕君が選任されました。 —————————————
○委員長(辻一彦君) 小山一平君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻一彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(辻一彦君) この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻一彦君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に志苫裕君を指名いたします。 —————————————
○委員長(辻一彦君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 この際、昭和五十一年度災害対策経費に対する特別交付税措置について、政府当局から説明を聴取いたします。石原審議官。
○政府委員(石原信雄君) 昭和五十一年度に発生いたしました災害に対する五十一年度の特別交付税の財源措置状況について報告さしていただきたいと思います。 御案内のように、特別交付税は従来二月に配分されておったわけでありますが、昭和五十一年の法律改正によりまして、十二月と三月に分けて配分されることになりました。で、十二月の配分に際しましては、夏の台風あるいは冷害、こういった関係の項目を中心に配分作業を行いまして、また三月の配分におきましては、豪雪対策等十二月配分以降に発生した災害に対する措置を中心に算定作業を行ったわけであります。 さて、昭和五十一年度分の特別交付税の総額でございますが、三千百十三億円でありまして、この額は、前年度に比べますと四百三十億円、一六%の増となっております。このうち、災害対策関係分として配分いたしました額が五百八十七億円であります。この額は、前年度に対比いたしますと約二・八倍、金額にいたしまして三百七十七億円の増ということになっております。さらに、これに防災関係の算定項目を加えますと、その総額は六百九十九億円となります。 次に、この配分額の内訳について御報告いたしたいと思います。 まず第一に、台風、豪雨等の災害による財政需要に対する措置でありますが、昨年は、台風十七号を初めといたしまして全国各地にきわめて大きな風水害による被害が発生いたしました。これらの状況を勘案いたしまして、この関係で二百六十九億円の財源措置を行いました。この金額は前年度に比べますと一〇九%の増であります。このように災害関係の算出額が大幅に増加いたしましたのは、一つには被害額がきわめて大きかったということと、特別交付税の算定方法の中で、単価とか乗率の全面的に見直しを行いまして、配分内容を大幅に改善したということもその原因となっております。なお、現年発生災害のほかに、前年度以前の発生災害の大きい団体に対しましても、過年度対策等を考慮いたしまして、五十三億円の財源措置を行っております。 第二に、干害、冷害等の対策でございます。昨年は異常な冷害等によりまして、関係地方公共団体におきましては多大の財政負担を生じたわけでありますが、これらの状況を勘案いたしまして、干冷害対策関係の算出額を前年度の二倍以上に引き上げております。すなわち、算定内容そのものを二倍に引き上げたほかに、干冷害による農作物被害額そのものが前年度よりも大幅に上りましたので、この関係の算出額は総額で百六億円になっております。この金額は前年度に対比いたしますと十七倍という非常に大きな額になります。 次に、第三番目でございますが、豪雪対策の経費、特に豪雪地帯における除排雪の経費に対する財源措置であります。現在除排雪関係の経費につきましては、通常必要とされるであろう金額に対しては普通交付税の算定を通じまして財源措置がなされておりますが、本年の冬の豪雪は地域的に非常に偏っておったということ等、きわめて異常な状態であったと、かようなことから、団体によりまして、この普通交付税による算入額ではとうてい賄い得ないほどの財政負担を生じたわけであります。これらの状況を勘案いたしまして、総額百五十九億円の財源措置を行いました。なお、昨年度、前年度の除排雪関係の算出額は四十二億円でありましたから、約四倍近い算出額と相なったわけであります。 以上、五十一年度の特別交付税の配分におきましては、災害関係に最重点を置きまして算定を行ったわけでありまして、これらの措置によりまして関係団体に対する財政措置としてはできるだけの配慮をいたしたつもりであります。なお、今後におきましても、災害関連の財政負担に対しましては、特別交付税の配分に当たりまして最重点を置いて作業をしてまいりたいと、このように考えております。 以上で報告を終わらしていただきます。
○委員長(辻一彦君) 次に、昭和五十一年十二月以降の降雪及び低温による農作物等の被害状況とその対策について、政府当局から説明を聴取いたします。犬伏農林大臣官房審議官。
○政府委員(犬伏孝治君) 今次の降雪及び低温によります農作物等の被害状況とその対策について御報告申し上げます。 今次の異常気象による農作物等の被害は、昨年の十二月下旬から本年三月上旬にかけて、日本付近にシベリア方面から上層の寒気のかたまりが相次いで南下したためにもたらされた記録的な降雪と低温によりまして全国各地に発生したものでございます。去る四月十二日農林省の統計情報部発表の農作物の被害——これはお手元に配付申し上げておりますが、これと、これ以外の農林水産関係の都道府県からの報告による被害とを合わせますと、本日現在で約七百億円を超える被害額となっております。このほか、果樹等の樹体被害が、同じく統計情報部発表におきまして二万八千五百ヘクタールとなっております。以上の被害状況は、降雪及び低温によります災害では、昭和三十八年の豪雪等の災害以来最も大きな規模のものでございます。 次に、お手元に配付いたしました、農林省統計情報部発表の農作物の被害状況について御説明いたしますと、北日本では平年を上回る大雪、西日本では異常な低温と乾燥が続いたため、全国各地の果樹、野菜及びお茶などに被害が生じ、この総被害見込み金額は約四百八十上億円となっております。 作物別に見ますと、柑橘類を中心とする果樹の被害が最も大きく、三百五億円の被害で、総額の六三%となっております。これは落果、果実の凍結、さらには落葉、枝の枯死などによる花芽の減少等の被害が発生したことによるものであります。次いで被害の大きいのは野菜であり、総額の二〇%を占める九十七億円の被害で、これは各地の未成熟のエンドウ、イチゴ、キャベツ、ホウレンソウなどに茎葉の凍結、枯死、生育遅延等により発生したものであります。茶につきましては、山間高冷地の茶園を中心に、低温等による葉の褐変枯死、枝の枯れ込みが著しく、三十一億円の被害が見込まれております。このほか麦、飼料作物などにも被害が発生しております。 以上の農作物の被害状況を地域別に見ますと、被害は全国に及んでおりますが、特に被害の大きいのは九州、中国・四国で、その被害は柑橘類を中心といたしまして全国被害額の三分の二に及んでおります。次に被害の大きいのは近畿であり、関東、東北等がこれに続いております。 今回の農作物関係の災害で特徴的なものは、樹体被害が果樹、桑樹、茶樹に全国的に発生し、近年に例を見ない大きな被害面積となっていることであります。地域別には、九州及び中国・四国で全国の総樹体損傷面積の約四分の三に及んでおります。このほか、果実に損傷を受け、用途変更されるなどによる損失見込み金額は約十六億円となっております。 以上の農作物関係の被害のほか、都道府県からの報告によりますと、現在のところ、造林地被害が約百二十三億円、林地荒廃が約四十五億円、農地、農業用施設の被害が約四十六億円、林産物被害が約二十一億円などとなっております。 以上申し上げました農作物等の被害に対して、すでに講じた主なる対策でございますが、まず、果樹の樹体損傷等農作物の被害に対しましては、被害を最小限度に食いとめるよう、肥培管理、病害虫防除等、技術指導の徹底を図ってまいっておりまして、また、被害農林漁業者等に対するつなぎ融資及びすでに貸し付けております貸付金の条件緩和等の指導、果樹共済等の共済金及び保険金の仮渡しについての指導を行ってきているところでございます。 さらに、去る四月二十二日付で、昨年十二月下旬から本年三月上旬までの間の降雪及び低温についての天災融資法及び激甚災害法の適用政令を公布施行したところでございます。なお、天災融資法に基づく融資枠は百十三億円を確保しておりまして、被害農林漁業者の資金需要には十分対応し得るものと考えております。また、自作農維持資金につきましても、被害農家の資金需要と天災融資法上の融資枠の設定等を勘案の上、五十億円の融資枠を設定するとともに、連年災等により負債過多となっております長崎県及び愛媛県の貸付限度額を百五十万円に、北海道の貸付限度額を二百万円に引き上げたところであります。 次に、農地、農業用施設及び山地災害に対しましては、今回の豪雪により、融雪時には融雪による異常出水、地すべり等を誘発するおそれがあり、また、現に一部の地域で地すべりの発生がありますので、これらの災害発生を防止するため、災害危険個所、防災施設等の点検を行い、必要に応じ適時適切な措置を講ずるよう関係機関に対しその指導に努めてきているところでございます。 今後の対策といたしましては、農作物関係では、今次の寒干害による柑橘類等の被害状況にかんがみまして、今後明らかとなる被害樹の萌芽状況——芽の出しぐあいでございますが、萌芽状況等に応じまして技術指導の徹底を図り、必要な場合には苗木の確保等の対策を検討するとともに、寒干害等異常気象に対処する技術開発等の試験研究を一層推進してまいることとしております。また、果樹共済金につきましても、できるだけ早期に支払いが行われるよう努めてまいることといたしております。 次に、林業関係及び施設関係では、雑林木被害につきまして、都道府県による被害地の実査を速やかに完了し、造林補助事業実施要領に基づく激甚災害復旧造林の指定と復旧造林の実施を進めてまいることといたしております。荒廃林地のうち放置し得ないものにつきましては、緊急治山事業、林地崩壊防止事業及び小規模山地災害対策事業によりまして、早急に復旧することといたしております。農地、農業用施設、林業用施設等、施設災害につきましても早期査定に努め、緊急な個所から早期に復旧することといたしております。 以上をもちまして、今次の降雪及び低温による農作物等の被害状況と対策の現況に関する報告を終わりますが、今後ともその対策の万全を期してまいる所存でございます。
○委員長(辻一彦君) これより昭和五十二年度防災関係予算に関する件等の質疑に入ります。 まず私から、委員会を代表して、豪雪控除につき一、二点質問いたします。 二月の十五日から十八日、新潟、富山、石川、福井の四県を、本委員会は豪雪に伴う雪害調査として調査団を派遣をいたしました。その中で、除雪費、森林の災害救済、豪雪控除の三点が共通した四県の要望でありました。三月の二日本委員会で、税制における豪雪控除について質疑が行われました。大蔵当局は、調査の上検討いたしたいという答弁がありました。その後、大蔵当局のこれに対する検討が進んでいるならば、この機会に明らかにしていただきたい。 まず第一に、豪雪の場合、雑損控除の適用対象を一キロ四方のみに限らず、さらに拡大すべきであると思うが、その点どうか。
○政府委員(斎藤十朗君) ただいまの雑損控除につきましては、いわゆる災害を未然に防止するという意味において、豪雪の、屋根にたまりました雪を雪おろしするということにおいて雑損控除の適用範囲に入れておるわけでございます。しかし、先日来の御議論をも踏まえまして、いわゆる家屋の構造などにおきまして、周辺の雪などによって家屋の倒壊のおそれのある場合についてのその雪の排除につきましてもこの雑損控除の対象に入れてまいろうと、こういうことにいたしております。同時に、加えて、それらの除雪に直接関連をいたしまして、雪を捨てに行った費用、こういったものにも適用をいたしてまいろうということに幅を広げてやってまいると、こういうことにいたしております。
○委員長(辻一彦君) もう一点、せっかく雑損控除の適用範囲が拡大されましても、納税者に周知徹底されないのでは意味がないわけであります。政府はどういう方法をもってこれを周知徹底を図る考えであるか、お伺いします。
○政府委員(斎藤十朗君) ただいま申し上げましたように、対象範囲を拡大をいたすわけでございますが、これらを今後国税庁におきましてこの線に基づいて事務的に進めてまいるわけでございますが、そして、そのやり方を、いわゆる国税局、税務署を通じて一般納税者の方に周知徹底をいたしてまいりたいと考えております。特に本年の豪雪につきましては、来年の三月十五日が確定申告の日でございますが、この日に向けて、いわゆる説明会の開催、またチラシの配布、そういったものにおいて、こういったふうに対象範囲が広くなったんだということを周知徹底できるように万全を期してまいりたいと、このように考えております。
○委員長(辻一彦君) 第三点として、豪雪に伴う雑損控除でありますが、たとえば車両、家屋等の損耗というのが非常に激しいのでありますが、その中で、車両のスノータイヤ、タイヤチェーン等々、豪雪、積雪に伴ういろんな経費がかかりますが、これらも含めて雑損控除するならば、その対象を拡大をし、さらに足切りの限度を引き下げる必要があると考えますが、この点についてはいかがですか。
○政府委員(斎藤十朗君) 足切り限度額をもう少し、何といいましょうか、低くしたらどうだというお話もあるわけでございますが、まあ言うならば、その方の総所得の約一割ぐらいについてはその災害に対して、一割ぐらいについてみずからやっていただくべきではないか、それ以上については税制で見るというような、そういう考え方で成り立ってきているわけでございますが、当委員会の御議論、また大蔵委員会その他の委員会における御議論や強い御要望なども十分考慮いたしまして、今後そういった問題について真剣に検討いたしてまいりたい、そして、いわゆる税調に諮問することなども含めて進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○委員長(辻一彦君) 最後に、第四点として、家屋とか車両の冬季間における損耗は、豪積雪地帯では非常に大きいわけですが、耐用年数を短縮してほしいという非常に強い要望がありますが、これについて大蔵当局のお考えを最後にお伺いしておきます。
○政府委員(斎藤十朗君) いま御指摘の点につきましては、いわゆる法定耐用年数に比べて実際の耐用年数が短いもの、そういうものにつきましては、個別に国税局長の承認を受けて実情に応じた耐用年数を適用することができる制度がすでにあるわけでごいざます。でございますので、その個別の問題について国税局長に申し出をしていただければ、そのような計らいができるようになってございますので、御理解をいただきたいと思います。
○委員長(辻一彦君) 前回の三月二日の委員会における答弁に比べればかなり前進しておると思いますが、なお大蔵当局でこの点について十分な論議をいろんな場において深めていただいて、さらに前進をいただくようにお願いしたいと思います。 それでは、質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○志苫裕君 私は、最初豪雪対策、雪の方にしぼってお伺いをいたします。 で、総まとめをしていなさる国土庁、豪雪対策本部の方にお伺いをしますが、今度の豪雪をめぐってさまざまな対策が講じられたわけでありますが、関係住民、関係方面からさまざまな豪雪対策の要望があって、それらのうち、処理というか、措置ができたものと、それから、制度その他の問題で十分に措置を講ずることができなかったというものと、項目別にちょっと分けて御報告いただけますか。こういう点はできたが、こういう点はだめだったというようなことで整理をできますか。
○政府委員(四柳修君) いまの御指摘の点でございますけれども、今回の豪雪に伴います緊急対策として特に取り上げました、たとえば除排雪の問題でございますけれども、これは御案内のように、予備費で二十億を見るほかに、先ほど自治省の方から御報告ございましたように、特交で百五十九億だったですか、そういう措置がされましたものですから、そういった関係の経費あるいはこれに対します財源措置は一応措置されたと理解しております。 それから、特に、二番目に御要望の強かった農林漁業者に対しますいわゆる天災融資法あるいは激甚災害法の問題でございますけれども、この点につきましても、先ほど農林省の方から御報告ございましたように、それぞれ所要の措置済みでございます。 その他、特に御要望ありました点としましては、先ほど委員長の方から御確認ございました税の減免の問題がやはり御要望があったかと思います。ただいま大蔵当局の方から御答弁申し上げましたような次第でございまして、要はそれらの点が具体的に末端の国税当局なりあるいは税務署でどのように指導をされているか、これらのことにつきましては、詳細は私どもの方はつかまえておりませんけれども、一応措置済みと理解しております。 その他の細かい問題としましては、たとえば国鉄の輸送力の確保の問題ですとか、あるいは豪雪が続きました後の、農林漁業者におきます今後の水稲の確保の問題ですとか、中小企業者に対します政府系の融資の資金確保の問題ですとか、その他一応主だったところにつきましては、私ども、緊急対策として現行制度でできますことは、一応今回の措置でできたものと理解しております。
○志苫裕君 じゃ、少しぼつぼつ中身を聞きますが、いまのまず第一番目に手当てをしましたという除排雪ですが、予備費及び特別交付税の措置で、地方公共団体等が要望するあるいは実際にかかったと思われる経費の大方はめんどうは見れたという理解でいますか。
○政府委員(四柳修君) 私どもの聞いている範囲におきましては、関係地方団体の負担はおおむね財源措置されたものと理解しております。
○志苫裕君 ではあれですか——自治省お帰りになったのかな。じゃいいです。 それでね。しかし、それには若干の言い分もあるところですが、いまここでそのことを言ってもしょうがありませんが、特に問題になりました市町村道の雪のけの話でありますが、これは、ことしはまさに緊急特例措置として一定の制限づきで対策、手当てが講じられたわけでありますが、これはあれですか、特例の、今回限りの措置というようなものでなくて、ある程度恒久的な、制度的なものとして取り上げていくというお考えはありますか。
○政府委員(四柳修君) これは、御指摘のように、今回限りの特例措置という形で取り上げたわけでございますけれども、御質問のような恒久制度に仮に取り上げたといたしますと、やはりたとえば豪雪という物差しをある程度考えなくちゃいけない。その場合、既存の各種の除雪経費がございますけれども、これとのバランスも考えなくちゃいかぬとか、あるいは特に地方団体側から御要望がございました、県、市町村の負担の問題でございますけれども、これが恒久制度という形になりますと、当然のことながら、その裏負担でございます地方負担のものを交付税でめんどうを見るのか、あるいはほかの財源でめんどうを見るのか。いままでの例で申し上げますと、多分普通交付税の積雪補正でめんどうを見なくちゃいけない。そうしますと、国庫補助分だけはいわゆる特定財源としてたてまえ上差っ引く計算になりますから、そういう意味では、従来通常ベースでいわば通常の積雪のときに措置された分につきましてのバランスも考えなければいけないと、そういったたてまえもございますものですから、私どもとしましては、いまのところ、にわかに恒久的な制度にすることよりも、そういった既存の制度の上に特例的なものとして乗せる方が実は地方の御要望にこたえられるんではないだろうかと、こういうふうに理解をしております。
○志苫裕君 それはやっぱり考えものでありまして、この種のものは交付税で、通常の普通雪が降るとか寒いとかというもののめんどうは見ていて、それより限度を超えますと特別の交付税で措置をするという仕掛けになってますわね。まあ特別交付税——自治省いないからあれですが、というのは、もらう方はそれでいろんなめんどうな補正をしてもらうから、もらった気にはなってますけれども、結果からすると、だれかの分を取っているわけですよ、あれは。どこかの自治体なりへ行かなきゃならぬ費用を取っちゃっているわけでありますから、だから、マクロの意味でいきますと、あれはちっともふえたことにもならないし、手当てしていることにもならない。自治体は全体としては裁量の幅が狭くなっていくという問題に通じていくわけです。ですから私は特交で何かこう手当てをしていくというやり方には余り賛成でないわけです。やっぱりその分は余分の新しい措置として、それにかかったものは補助していくと、めんどう見ていくというやり方にしてもらわないといけない。 そうなりますと、たとえば市町村道の問題等についても、これはまさに災害と同じような扱いのものでありますから、災害が起きたらこうするというほかの扱いと同じように、制度の中に組み込んでいく。現に国道なりあるいは県道にまでそれがあるわけでありますから、市町村道に見れないという手はないじゃありませんかというふうに考えるんですが、いかがですか。 それもあわせてですが、ことし特例で見たのは、何かこう幹線で、しかもそれも改良が行われたごく一部分で、それも平年よりもかかっておる、上回った分のさらに半分とかなんとか、つまらぬけちけちした制約をつけていますが、こういうものをもう少し緩和をして、まあ一定のルールは必要ですけれども、やっぱり除雪、排雪の費用のめんどうを見るという制度はやっぱりつくっていくべきだと思うんですがね。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点、私どもの方も、今回は全く特例措置の形で、しかも国の方はいわば予備費という枠の中から措置したものでございまして、それに対する地方の方も、いま先生御指摘のように、実は特交全体の中の枠の問題ではないかと、こういう御指摘でございます。確かに全体の枠の中の問題でございまして、そういう意味では全体の枠をふやす方向というものも一つの方向として、そういったものが何か既存の制度を拡充する方向で、あるいは既存の制度の基準を見直す方向で、そういった枠をひとつ、その方法があるのかどうかという点が考えられるかと思います。それまでの間は、やはり今回のような特例的な措置をある程度とらざるを得ないんではないだろうかと、やはり既存の枠をどうしても基準を改正して見直すということになりますと、結果的にはこれは大きな意味で言えばやっぱり国全体の枠の中での取り合いの問題になりますものですから、どうしてもどこか今度はほかの方をへずらなくちゃいけないと、こういう問題になりますものですから、それに対しますプラスの国庫補助金分だけは関係団体にとりましてはプラスになるかもしれませんけれども、そこいらの点も踏まえまして私どもとしましても検討さしていただきたいと思います。
○志苫裕君 後ほども触れますが、大体私はこの雪の対策を予備費からというのは気に食わないんです。予備費というのは事があったら使うということでしょう。雪というのは毎年降るんですよ、これ。予備費に組んでおいて、大雪が降ったら充てようという考え方だが、大雪は毎年降るんです。雪が降ればさまざまな点で費用がかかるというものなんでありますから、まさに臨時の突発的なものとして扱うという考え方が実は気に食わぬものですからね。これからもその論議はしていきたいと思うのでありますが、いまの指摘も含めてひとつこれは検討をしておいてほしいと思うのであります。 ついでにちょっと農林省の方にもお伺いしますが、いつものことでありますが、大雪が降ると山の方では苗代の手当てがつきにくいというので、水稲の苗確保対策というのが雪害対策の仕事の一つとして取り上げられてきておるわけです。私はこれについても、大雪が降って苗ができないようであれば、たとえば平場の方につくっておいて山へ運ぶとか、あるいは消雪を促進をするとか、いろんなことを雪害対策としてその都度講ずるんですが、これは毎年あるんだから、この種の対策というふうなのも恒久対策として制度的なものにしていけないかということを実は農水委員会でも私は主張をしておるのでありますが、この点はどうですか。
○政府委員(犬伏孝治君) 確かに、御指摘のように、豪雪がございました場合に、適期に苗代等を設置することが困難になりまして、その場合に委託苗代の設置でありますとか、機械移植用の苗の施設の整備とか増設等の助成を、その被害の発生状況を見ましてやってきておるということがございました。しかしながら、その都度都度の対策じゃなくて、もうちょっと基本的に考えるべきではないかという御指摘だというふうに存じますが、豪雪地帯におきましても、苗代の問題につきましては、機械移植の栽培が普及をいたしておりまして、このための苗の円滑な供給を図るという観点から、諸種の助成策を、その都度都度ではなくて行うことといたしております。たとえば、すでに高能率集団営農推進対策事業でありますとか、あるいは農業構造改善事業でありますとか、これらの事業によりまして必要な助成措置を講じておりまして、今後もこれらの事業を通じまして、これは当初の予算に計上して実施をするものでございますが、必要な額を確保いたしまして、これらの事業によりまして関係者の意向を尊重しながら実施をしてまいると、このようなことで進めてまいる所存でございます。
○志苫裕君 いや、せっかくですがね、いまのお話の、たとえば共同育苗施設の事業などのことは私はよく承知をしているんですよ。しかし、たとえば委託苗代とかあるいは早い日の苗代の消雪をしてくれとか、そういうところというのは、実は、いまあなたのお話があったような機械植えがどんどん普及をしているという場所ではないんですね、あんまり。いま皆さんやっている共同育苗施設のやつは、あくまでも機械植えをどんどん普及をしていくという前提に立って、それに必要な施設などはめんどうを見るという仕掛けのことなんです。で、私がいま指摘をしているのはそうじゃないことなのであって、そこのところはひとつ取り違えないようにしてほしいのですよ。たとえば委託苗代の問題です。大雪が降って、これは豪雪災害だと言うとその委託苗代のめんどうは見てもらえるわけです。しかし、あれは降ってみなければわからぬわけですね、雪というのは。本当のことを言うと。ですから、恒常的な制度があれば、あるいは山でつくれたかもしらぬけれども、しかし、もう前の年からちゃんと平場で苗代の準備をしておくということを、通常の制度があればできるわけですよ。ですから、ひとつ恒常的な制度として、そういう豪雪地域における苗代委託であるとかそういう問題については制度として取り上げてくれないか。それは年によっては雪の少ない年もあるかもしれぬ、原則として雪は多いんだからということなんですね。
○政府委員(犬伏孝治君) 先ほど申し上げました、当初予算に計上して実施をいたします対策につきましては、これは農業の発展に対応いたしました対策として、そのような先ほど申し上げましたようなことを実施をしておるわけでございますが、豪雪がひどいときに、ひどい被害が発生した場合の対策は、いわば緊急避難的な対策でございまして、農家の心理としては、やはり苗代は自分の手で近間につくりたいというようなことが通常でございまして、豪雪があってやむにやまれず平場の方に委託苗代をつくるということでございまして、そういう緊急避難的な措置についてはこれまでもその被害状況に応じて実施をしてきておるわけです。これをあらかじめ緊急避難的措置を制度化して実施をしておくという御指摘かと思いますけれども、これにつきましては、農業団体等が中心になりまして、それぞれどういう場所でどういうふうにつくるかということをあらかじめよく話し合いをしておく。また、そういう指導を行政側もやっていくというようなことで、その仕掛けと申しますか、そういう組織づくりと申しますか、そういう点につきましては指導をしてまいりたい。ただ、それについて助成をするということになりますと、やはり緊急避難的なものとして助成をするということになりますので、そういう組織づくりをするということについての指導をやっていくというようなことで対処してまいりたいと考えております。
○志苫裕君 先ほどの道路の除雪と同じことで、ここでもまた、雪が降る、それの対策は、大雪が降ったら緊急避難的な仕事として考える、恒常的な制度としてあらかじめ用意をしておくことはなじまないという発想になるわけですね。ここでもまた、私たちとまるっきり頭が違いますのは、私は、緊急避難じゃなくて雪は毎年降っていつでも避難しなきゃならぬのですよ、雪国の人はね。だから、大雪の降るときと大雪でない年があるという考え方じゃなくて、いつでも山は大雪なんです。だから恒常的な仕掛けとして物を考えてくれないかということを二つ目の問題としていま提起したわけですが、これもひとつもう少し、一遍に私の言うことは通らぬようですが、考えておいてください。 三つ目に、大蔵省の方、先ほどいろいろ努力をいただいた報告がありました。委員長の話を聞いておると、ちっとはよくなったような話でありますが、私はちっともよくなっていない。あんなもの何の役に立つんだろうかという気がするわけです。これは後ほど長官と少しもう一遍雪論争をやりたいと思っているところですが、あなた方にもうちょっと聞いておきますが、雪国の人たちが要求をしておるのは、雪をのけたらそれを控除の対象にしてやろうとか、雪をおろしたら控除の対象にしてやるとかというのじゃないですね。もうちょっと総合的に——水だったら三メートル降った五メートル降ったといったらこれはあんた大変なことですよ。ところが、雪が三メートル降っても五メートル降ってもあんまり大事にしてくれない、大変だ大変だと言わないことが実は雪国の人は気に食わぬわけです、率直に言ってね。雪が降っておれば、早い話が、たんぼがある、土地がある、家があるといっても、その上に三メートル、五メートルの雪が乗っかっておるんだから、たんぼも土地もうちもない。雪しかないんですよ。それに税金かけるとは何事だという考え方があるわけね。土の上に雪しかないんですから、雪に税金かけるとは何事だと、土なんかないじゃないか、半年も。という形の考え方があるんですね。それと同じように、雪がそんなにたくさん降ることでずいぶん——うまいこと計算はできないけれども、ずいぶん費用がかかる。だから、子供が一人おったら子供の控除が幾らとか、配偶者の控除が幾らと同じように、もうとてつもない雪の降るところは、さまざまの要素でかかるんだから、雪の控除幾らというふうな制度を取り入れてくれぬかというのが、もうまさに悲願のような願いなんですよ。この辺までこう、ぐっと一歩入りませんかな、もう少し。
○説明員(矢澤富太郎君) お答え申し上げます。 ただいまの先生の御要望は、かねてからたびたびある御要望でもございますし、また今回の豪雪に関連いたしまして本委員会でもたびたび御質問を受けた問題でございます。で、私どもといたしましても、機会あるごとに税制調査会に御審議をいただいているわけでございますが、税制という一般的な制度の中で、なかなか地域的個別的な事情を配慮することはむずかしいんだということで、御理解を得るに至ってないわけでございますが、税制という、一億の国民を、しかも全国津々浦々の方々を対象とする制度で考えますと、特定の地域の個別的な事情をその中に織り込んでくるということはなかなかむずかしい問題があるのではなかろうかと考えておるわけでございまして、そういった意味で、今回の豪雪に関連いたしまして、何らかの形で御要望にこたえたいということから、先ほど政務次官がお答えしたような方向を決めたわけでございます。何とぞ御理解を賜りたいと思います。
○志苫裕君 御理解が賜れぬのですよ、本当にね。なぜなんですか。まあこれはいままでもずいぶん長く国会でも議論になっていますから、私も同じことを繰り返すのも恐縮なんですが、いろんな記録、皆さんの答弁の記録を読んでみると、率直に言って私にはわからないですね。なぜなんでしょうね。たとえば、それこそ災害がありますと、税金を免除してやるとか、まけてやるとか、あるいは納めるのを延ばしてやるとかというふうな制度がありますね、現に。災害があれば税の減免、猶予というような仕掛けがある。少なくともそういう考え方も一方にはあるわけであります。それから、いろんな控除制度だって、たとえば、かあちゃんがいるから経費がかかるだろうと、子供がいるから経費がかかるだろうという考え方ですよね。で、雪でもう大変な不自由な暮らしをするだろう、ずいぶん経費がかかるだろう、したがって控除の制度をつくってやろうとか、税の減免制度をつくってやろうとかというようなことは突拍子もない出来事じゃないでしょう。どうして皆さんの頭ではそれがすんなりと取り入れられないんだろうね。
○説明員(矢澤富太郎君) ただいまお話のございました扶養控除あるいは配偶者控除、こういったものは、御承知のように、所得税が必要生活費に税金をかけないということからできておるわけでございますけれども、税制の上で、いまのたてまえは、全国一律にその必要生活費みたいなものを頭に置いてそういった控除を決めておるわけでございます。で、いまおっしゃいました、たとえば豪雪地帯の生活費はもっと高くかかるんだから、豪雪地帯はたとえば東京あたりの二割増しだとかというようなことに、地域的に差をつけていくということになりますと、これは各地域でいろいろな事情がございますものですから、収拾がつかなくなってしまうんではなかろうかというのが私どもの気持ちでございます。
○志苫裕君 収拾つかぬことはないんですよ。それは鹿児島には鹿児島の事情が、北海道には北海道の事情が、雪が降るところは雪が降るところの事情が、雨が降るところは雨の降るところの事情があるでしょう。ありますよ。それを一々あの事情この事情と言ってたら、もう収拾つかぬので、もうめちゃくちゃになっちゃうという、まあ極端に言ったらそういう言い分でしょう。しかし、雪の場合について言えば、それこそある年に降ってある年に降らないというんじゃない。実は何かのときに、それこそ災害ですね。台風がやってきて、どっと大雨が降って、川がばんとあふれるというふうなのは毎年あるというんじゃないですよね。しかし、雪は毎年なんですよ、これ。二メートル、三メートル、五メートル。毎年なんだから、そんなにあっちにもこっちにもあって、それぞれの事情があって示しがつかないというものとは、ぼくは扱いを分けることはできると思うんだけれどもね。これは私はこの委員会におる限りいつでもやりますから、きょうばっかりこれやっておりませんし、これは予告をしておきます。私の方ももっともっと今度は勉強してきますから、あなたの方も同じような答弁ばっかりしないように、いまから研究しておいてください。 で、二、三並べて申し上げて検討をあれしますが、いままで要望している中で、一つは、俗に保安要員の確保と言われる冬季孤立集落の機能維持のための制度を考えてくれぬかと。新潟県なんかでは自分でいろんな工夫してやっておることを土台にして要求をしておるようですが、それはどんなことになっておるか。 二つ目に、雪国のこういうところでは、子供がもうとてもじゃない、通えないわけでありますから、これはもういやおうなしに寄宿舎に入るわけで、寄宿舎に入るということになれば、寄宿舎をつくらにゃならぬし、先生は置かなきゃならぬしというような、いわば寄宿舎制度、これ制度的なものにしてくれというこの要望、この二つについては、先ほどの御答弁の中では、何か要望のあったような扱いにさえも入れてないけれども、これはずいぶん強い要望のはずですよ。これはどういうことになって、どうなっているんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 最初にお尋ねの、冬季における孤立集落対策の問題でございますが、これは、お示しのように、非常にこの解消ということは緊急な問題だろうと思うのでございまして、ただ、いろいろ地域により、また自然的、社会的な状況によりまして事情が異なりますので、いまお示しのような、新潟県のような、保安要員制度といったような形で対策をとっておるところもございます。いろいろそれぞれの実態に応じて対策を講じておられるわけでございます。私ども全般的な面から申し上げますと、やはり基本的には、交通網の確保を図る、道路等の整備によりまして交通網の確保を図るということが基本であるという観点に立ちまして、そういった面からの対策を講じておるわけでございますけれども、個々のいろいろな問題になると、いかにしてそこを歩けるようにするかどうかといった意味で、先ほどお示しのような保安要員制度というものも問題になろうかと思うのでございます。ただ、この点については、実際にやっておるところの意見等もいろいろ聞いておるわけでございますが、まあこれだけがすべての地域に共通的に一番いい制度であるとも言えない面もございますので、私どもとしては、たとえば従来からいろいろな克雪センターあるいは五十一年度からは、まあモデル事業ではございますが、基礎集落圏防雪体制整備事業といったようなことも発足させて、いろいろなことを試みながらその有効な対策を検討、模索しておるといったような状況でおるわけでございます。したがいまして、こういった話がございましたが、今後私どもとしては、いま申しましたモデル事業等を通じての実績を踏まえながら、一体どういう形に持っていったらいいのかということを早急に検討して、何かの方法を考えてみたいとは思っておるわけでございますが、いまのところ、結論的なものはまだ出ていないところでございます。
○説明員(西崎清久君) ただいま先生からお話のございました寄宿舎の問題でございます。御案内のとおり、小中学校は原則として徒歩通学ということで、通学区域が指定されるのをたてまえにしておりますから、学校教育法上は寄宿舎を予想していない。しかし、やはり豪雪地帯であるとか、あるいは学校統合とか、僻地の学校等では、通学距離が非常に延びるとか通学困難であるという事情で、実態として寄宿舎がかなり全国にあるというのは事実でございます。特に豪雪地帯等においては寄宿舎が多いわけでありますし、それから季節宿舎というのもあるわけでございます。そういう点では実態面に着目して、たとえば豪雪地帯対策特別措置法であるとか施設負担法で、寄宿舎の新増設、改築については補助をいたしております。特に三分の二というふうな施設費の補助をいたしております。それから、教員の定数法の方では、やはり舎監的勤務を先生方がなさるという必要がございますので、寄宿舎を置く学校については教員定数の加配という措置を法律上とっております。この点については、現在進めております第四次五カ年計画で、第三次までは通年制しか教員加配を行っておりませんでしたが、四次の五カ年計画で、季節制の寄宿舎にも教員加配を行うというふうな措置をいま進めておるところであります。それから、さらに寄宿舎居住につきましては、食費、日用品が要りますので、この点については予算補助として私どもが担当いたしておりますが、これは大体実態に合うように補助しております。 そこで、いろいろと豪雪地帯の御要望が、それらの措置の拡充について総合的な検討をしたいというふうな御希望もございまして、現在都道府県教育長協議会の第三部会で本年度からこの寄宿舎問題について検討を始められることになっております。そこで、私どもも都道府県教育長協議会の検討とあわせて、その結果も見ながら私どもも検討を進めてまいるつまりでございますので、これらの点についてはそれぞれの措置の拡充について努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○志苫裕君 じゃ、後ろの文部省の方からちょっと聞きますけれども、皆さんの方ももう実態としてああいうところでは通えないし、寄宿舎のようなところに入らなければ行けないということは、もう十分認めているわけでしょう。いや、それでも通えなんて言ってるんじゃないでしょう。ですから、そのことはそれで一応終わらしておきます。 そこで、確かに寄宿舎の補助とか定数の加配はあるんですよ。事実やってるんです。私があえて制度と言いますのは、詰めた話ですが、そんなら寄宿舎で事故が起きたらどうするかとかということになりますと、どこに責任があるのか、そこへいきますと、ぱたっと頭打っちゃうんですね。やっぱりこれは、寄宿舎制度とか舎監制度とか、責任の度合いまできちっと盛り込まれたような制度ができないと、何かいまいろんな工夫をしてやっていますけれども、実態は寄宿舎もあり先生もおり、また財政的にも措置を講じているわけですから、それを制度として集大成すればそれだけでいいわけですから、これはそうできぬ障害じゃない。何か検討検討と言っていますが、これはもう古いですよ、要望はね。ですから、これも検討だそうですが、早くひとつ制度として仕上げができるように、これも要望しておきます。 それから国土庁さん、冬季の集落機能維持制度ですが、私は新潟のことをちょっと引き合いに出しましたが、あればかりが別にいい制度じゃないというような、けなしたようなことを言っているけれども、あれだってあんた、若労をして、工夫をして、これ以外にいい手はないと思って、何年かかかってあれ考えついた手でしょう。それも皆さんの手にかかると、あれよりもっといいことがあるんじゃないか、いいことないかなんて考えていますがね、せめてこれでもいい知恵だと思ったら、それをくみ入れなさいよ、これ。どうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 私が申し上げましたのは決してそういう意味で申し上げたわけではございませんで、冬季の孤立集落対策の一手法として新潟県が非常に苦労されてやっておられることは、それはそれで十分評価しておるわけでございます。ただ、地域によっていろいろな考えがあるであろうと。だから、私が申し上げましたのは、そういった保安要員制度というものが、一つの制度として全地域になじむものとして確立していくという形でいいのかどうか、そういった意味で申し上げたわけでございまして、幅広くいろいろなモデル事業等を通じていま模索しておること等も含めまして、どういったことがいいのか、あるいはどういった仕組みで制度化すればいいのかどうかといったようなことを幅広い上から見ておるんだという意味で申し上げたわけでございまして、これ自体はそれなりの一つの、新潟県が考えた対策として十分生きておるものだというふうに考えておるわけでございまして、その点誤解があったらお許しを願いたいと思います。
○志苫裕君 それにしても、皆さんは代がかわって、局長さんなり課長さんなり長官なり代がかわっても同じこと言ってますがね、そうこうしているうちに北国の人は、明治百年の暖国政治をいま弾劾しておるわけですね、率直に言って。これもしかし自治体ごとにいろいろと工夫をして、いろいろ編み出しておるわけでありますから、ただ、それがいまお答えのようにどこでもその制度がいいかとなると、地域で工夫されたものでありますから普遍性があるとは言えないかもしれないという意味で、もう少し普遍性のある制度という意味で考えているものと、ぼくは前向きにいま答弁を受け取っておきますけれども、これはひとつ急いでくださいよ。この点もひとつ要望しておきます。 そこで長官、いままでの議論を私まとめる意味で少しお伺いをしたいのですが、この間の本委員会ですね。長官は要旨二つのことを述べておられるわけです。さすがは雪国出身の長官だと思っておるわけですが、一つは、雪に対する見方もだんだん時代とともに変わってきておって、やっぱり新しい時代に新しい対応が必要だと思うという見解も述べておるし、それらに関する法令の見直しもこの際やってみたいとお話しになっておるのですが、その後何か、この間の答弁をもとにして、部内とかその辺であなたのそういう考え方を生かすための具体的な段取りなどを始めていますか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 雪に対する考え方は、この前この委員会ですでに申し上げたとおりでございますが、その後の雪に対する考え方でございますが、先生の御指摘のように雪を災害として見るというこの限界でございますが、これはやはり災害対策基本法にのっとって、被害が生じた場合にこれを災害と見るという線は、やはり基本法の精神にのっとってこれは進めてまいらなければならないと思うのでございますが、ただ、先ほど来先生が御指摘になりましたように、税制の面での雑損控除の問題だとか、あるいは中小企業対策だとか、あるいは農林行政の面での雪国におけるマイナスの面だとか、あるいは学校を初め住宅、道路、いわゆる雪国における恒久対策を一体今後どうしたらいいかという問題を含めて、雪国と暖かい国とのいわゆる格差の是正というのは、これはぬぐい切れない現状にあるわけでございますから、この問題はいわゆる国の政策として考えていかなければならない問題だと思うのでございます。そういう点で、私たちも、ここいわゆる戦後三十年来このことで、いろいろ雪に対する考え方を中央に訴えてまいったのでございますが、当時は全く雪に対する認識というものは中央では認めていただけませんでしたが、最近は雪に対する、いわゆる災害として見ていただく考えも、それからまた雪国の格差是正というものも、相当高く認識していただけるような現状でございますので、私たちは、さらにこれは雪国の雪によるいわゆる制約というものを一層考えていかなきゃならないと考えております。 そこで、私はまず、道路をつくる場合、公共事業を進める場合にも、雪を考えた道路の敷設のあり方をまず考えなきゃならない。あるいは住宅、あるいは学校、すべてを豪雪地帯あるいは雪国地帯に沿うようないろいろな施策を今後進めていく必要があるだろう。あるいは河川をつくる場合にも、それなりに豪雪地帯の対策を考えながらその施策を進めるということが必要であろうと考えております。また、災害が起きた場合には、できるだけこの豪雪地帯の考え方を入れて、速やかにその災害に対処していくという考え方を今後とってまいりたいと、こう考えているのでございます。
○志苫裕君 雪は、そろっと降りましてね、そろっと消えていくんですよ、あれ。その限りにおいては、物を急に壊したとか、だれだれを痛めつけたとかいうようなことには確かになってない。それなので雪を災害というふうになかなか扱わないですね。しかし、仮にそろっと来てそろっと行くにしても、膨大もない雪がそこに鎮座ましましていることによってどれだけの迷惑をかけるか、影響を与えるかというのは、本当に雪国の者でないとこれはわからないですね。私は思うんですよ、あれだけの膨大な雪が降っておっても、雪にはお金はかけないけど、あの雪が変化をして水になったらどれだけのお金をこの国はかけているんだろう。川から何からもう大変な経費をかけていますよね。しかし、あれが人の家の軒下にあるとき、人の家の田畑の上にちゃんとあるときは、だれもあれを経費をかけて何とかしょうとは思わないんですね。これは非常に不合理です、率直に言って。ですから、行政をされる側で雪を昔と同じに考えちゃだめなんで、雪の態様は昔と同じであっても、人間の生活の態様が変わっておるわけでありますから、ここのところはよくひとつのみ込んでおいてほしいわけです。確かに昔は、さあ冬が近づくといえば、地域には地域の暮らしがありましたから、一冬そこに閉じこもるようにさまざまな準備をした。まきも用意しました。野菜も用意しました。しかし、いまはそういう地域の暮らしというふうなものはだれも認めないわけですから、いやおうなしに、まきのかわりにプロパンガスが入ってきているわけですよ。事ほどさように、自分の気持ちとは別に、大雪の降るところの人々の暮らしは商品経済やそういうものに押し流されてしまっているわけでしょう。この上に昔と同じ雪が降るわけでありますから、雪が降れば、いままではまきで何でもなかったのが今度はプロパンですから、そのプロパンが来ないというような被害が起きるわけでしょう。こういう点についての理解が私はどうしても足りないという気がしてならぬのです。 特に、雪害対策というと、先ほど来道路の除雪とかというような公共施設に目を向けていろいろな手当てが講じられています。それは結構なことですが、しかし、どうしてもここで忘れられておるのは、雪に悩んでおる個人の暮らしですよ。雪に悩んでおる個人の暮らし、この点についてはいまだにもう全然手がついていないと言っていいと思うんですね。こういう意味で、長官、どうですか、雪に対する改めての見直しをあなたもおやりになるんですが、もう一度そういう意味で、雪から受ける個人の暮らしの影響、個人の文化とか、そういうもの、さまざまな個人の生活領域に雪がどんな迷惑を与えるか。それは、大水が出て橋が落ちるとかというのとはまた違った意味で大変な被害があるはずなんです。この辺の実態を、いまさらながらですが、改めて調べる。何とかデータになる、指数化できるものがあれば改めてそういう作業をやってみるというふうなことにちょっと手をつけてくれませんか。
○国務大臣(田澤吉郎君) お話のように、社会経済情勢の変化が雪というものに対する認識を変えてきたわけでございまして、私たち小さいときは、先生も御経験がおありだろうと思いますが、冬になりましたらもううちの中に閉じこもって、いわゆる経済社会活動というものを全くもう半年休もうという生活をしたのでございますが、最近の社会経済情勢はそういうことを許さなくなっちゃった。雪国でもやはり経済の行為は休むわけにいかないという厳しい現状にございますので、雪の中をかき分けてやはり中央との商いをするということになっておる現状からいいまして、それに対して、やはり雪をどう排除していくかということは当然考えていかなければならないと思うのでございます。 ことに、過疎過密の問題が、農村地帯あるいは東北地帯あるいは北国からいわゆる若年労働力というものをだんだんなくしております関係から、除雪に対する人手というものは非常に不足しております。そのことが除雪費の高騰というものに相なっておりますので、それが農家経済あるいは雪国の個人の家計に大きな影響を与えているということ、負担を与えているということは事実でございますので、そういう点も含めて私は、来年度の予算でこの雪の研究をもっと徹底して大学あるいは研究所にこれを委託したいと、こう考えておるわけでございますが、単に雪の科学的な研究だけじゃなくして、経済社会に及ぼす影響というものを研究していただくということを新しい予算の段階でお願いしようと、こう考えているわけでございますが、その折にはどうかひとつ御協力、御援助をいただきたいと思うのでございます。
○志苫裕君 非常に雪に対する見方に私も共鳴をできる点がありまして、喜んでおるわけでありますが、それにしても、大体長官になりますとそれに近いようなことは大体言うのでありますがね。あなたの周りにおる官僚諸君はあなたほどの熱意があるような顔をしとらぬので私は残念なんです……
○国務大臣(田澤吉郎君) そうでもないんです。
○志苫裕君 大いに督励をして、雪に対するやはり新しいシステムなり価値観を確立をされるように、これは要望をしておきます。そういう意味ではひとつ長官のせっかくの奮闘を期待をしたいのです。 最後に建設省さん、時間がないのであれですが、河川災害に対する裁判の判決が、去年ですか、二つばかり出たりしておるわけでありますが、災害対策という場合に一番大事なのは、災害が起こらぬようにするのがいいことで、起きて右往左往するというのは、まさに後ろ向きであります。そういう意味では、河川災害等に対する判例を皆さんはどう受けとめておられるか。さらに、ことしから新治水五カ年計画というのが始まったわけでありますが、たとえば、そういうものの内容に、計画の中身に、河川災害に関する判例などを生かして、考え方の面でも対応の面でも生かしておるかどうか、この点をお伺いしたい。
○政府委員(栂野康行君) 現在いわゆる水害訴訟というものが提起されております。その訴訟の内容につきましては、その河川の水害の実態によりましていろいろ差異がございます。河川管理者としましては、従来から水害の軽減に最善を尽くしておるところでございます。 それで、今次の五カ年計画におきましても、いわゆるこういう水害訴訟請求の有無にかかわらず、最近発生しました水害の実態を踏まえまして、その五カ年計画の策定にそれを十分生かしていきたいというふうに考えてございます。具体的に申しますと、水害を軽減するには治水施設の整備というものを促進しまして洪水に対する安全度を上げるというのが第一でございます。 〔委員長退席、理事上條勝久君着席〕 したがいまして、その中におきましても、最近の水害の実態、いわゆる都市河川あるいは中小河川の水害実態が多いということにかんがみまして、そういうものに治水事業の重点を当て、効率的にまた重点的に治水事業を推進していきたいというふうに考えます。 また、昨年の長良川の災害にかんがみまして、直轄河川の堤防の総点検あるいは治水施設の点検を現在行っている次第でございます。したがいまして、その結果を踏まえまして、整備を必要とする主要堤防の整備というものを重点的に施行する。と同時に、やはり河川管理施設の維持、修繕、管理というものがいわゆる水害を防ぐに重要でございますので、そういう治水施設の維持、管理につきましてもこの五カ年計画におきましてさらに努力をして、治水施設の万全を期していきたいというふうに考えてございます。
○志苫裕君 時間がありませんから、いずれこの点はまた時間をかけてやりたいと思うのでありますが、ただ、私は建設省に要望しておきたいのは、たとえば五十一年の大東水害の訴訟で建設省があの判決で負けておるわけですね。裁判の勝ち負けですから、がんばって争うのもいいでしょうけれども、ただ、皆さんの方では人工公物である道路なんかと違って、自然公物である川なんかは、やろうやろうたっておのずから限度があるんだという言い分をしています。それも私わかります。しかし、そうやってがんばるよりは、その自然公物から災害が出ないように最大限の努力を払うということの方が本筋でなければならぬと思うんですね。おのれ、裁判に負けやがった、けしからぬと、そっちの方で争うよりは、そういうことが起きないように努力する。それですから、よく言われていますように、たとえば戦後だけでも、道路にかけた費用と川の改修なんかにかけた費用では、もう月とスッポンでしょう。それ一つを見ても、この自然公物、自然災害に対する力の入れ方がやっぱり弱い。経済性に走って、道路にはずいぶん力を入れたけれどもということも裏づけられていたわけでありますから、私は、自然公物からの災害はある程度しようがないんだよと言うて開き直るのではなくて、それが出ないように最大限の努力をする。きょう聞けなかったですけれども、川の危険個所は何カ所かと聞いたら、これはもう気が遠くなるほどの危険個所がまだあるわけでありますから。このことは要望だけしておきまして、いずれこれはまた後日にじっくりやらしてもらいます。 委員長、私、少し時間がありますが、辻委員のあれがありますので、これで……。
○辻一彦君 河川局長、いまそこに御着席ですから、一点だけお伺いします。 雪が解けると、融雪に伴って地すべり等が各地でかなり起きておりますが、その場合に、緊急を要するいろんな処置が必要ですが、建設省としては、この地すべり等に対して直ちに対処できるような態勢にあるかどうか、これが一点。 それから、もう一つは、どう対処されておるかという具体的な例として、一つの例を挙げてお伺いいたしたい。福井に武生市というのがありますが、これがいまかなり地すべりの懸念があって、民家がかなり下にあって、現地を私もちょっと見てみましたが、対策を立てないといけないと思いますが、当面の対策、恒久対策、その見通し等について。それから、同様山の方の美山という町で地すべりを若干起こしておりますが、こういう問題について、直ちに具体的にどういう対処をされておるかということを、参考に一点だけ伺っておきたいと思います。
○政府委員(栂野康行君) 建設省としましては、地すべりが起きましたときの対処の態勢でございますけれども、地すべりが起きますと、直ちに県当局と打ち合わせしまして、その工法の査定を行う。それで、どういうふうな方法で対処すればこの地すべりをとめ得るか、それに基づきまして応急対策をとるわけでございます。引き続きまして、地すべりというものは、その機能を考えてみますと、降った雨が地下水といいますか、地下水がいわゆる地すべりを引き起こす一番の引き金になるわけでございます。したがいまして、緩慢な地すべりが一般的に非常に多い。まあ急激に地すべりを起こすときもありますが、緩慢な地すべりが非常に多いわけでございます。したがいまして、いわゆるその恒久対策としましては、ボーリングをしまして地質を調査する、あるいは地下水の深さを知るというふうに、この地すべりの原因を究明する、それに基づいていわゆる地すべり対策を行っていくという次第でございます。 応急的な地すべり対策としましては、第一点としましては、地すべりの一番すそに土どめぐいといいますか、鋼矢板とか、そういうものを打ちまして滑りを抑える。第二点としましては、地すべりの一番上の個所、いわゆるトップヘビーですと、滑りを助長しますので、トップヘビーの土、高いところの頭の土を除去する。と同時に、さっき申し上げましたように、地下水というものの挙動が地すべりに非常に影響いたしますので、地下水をいかにして抜くかということ、こういうものを総合的にやっていくということが応急対策になろうかと思います。 それで、いま先生御質問の具体的な例といたしましては、いわゆる武生市の地すべりでございます。これは、ことしの三月十四日、融雪に基づきまして発生したものでございまして、八十メートルの幅にわたって地すべりが起きている。その低い方には市街地がございまして、多くの民家があるということでございます。したがいまして、現在の応急措置としましては、まず、一番地すべりのすそにシートパイルの土どめ矢板を打ちまして、地すべりがこれ以上大きくならないというふうにまず防ぐ。と同時に、先ほど申し上げましたけれども、いわゆる山側、高いところの山側のクラックの入ったところの土、不安定の土を取り除いて、その重さを軽減するということで現在やっておるわけでございます。それで、この応急対策につきましては現在終わってございます。 それで、今後の復旧計画、恒久対策でございますけれども、これにつきましては、現在ボーリング、地質調査が終わってございまして、その結果に基づきまして現在復旧工法を県当局と鋭意検討中でございます。そして、復旧工法が決まり次第早急に恒久対策にも着手していきたいというふうに考えてございます。 次に、美山町の地すべりでございますけれども、これは地すべりというよりもむしろ崩土といいますか、がけ崩れといいますか、そういうものというふうに解釈してございます。それで、延長五十メートルにわたりまして道路が被災いたしまして、当時交通不能というふうになったわけでございます。応急措置としましては、崩れた土地約一千立方メートルでございますけれども、これをまず取り除いた。と同時に、土どめ工としまして、H鋼ぐいを施工いたしまして土砂の崩落を防止する。と同時に、一車線の交通を確保いたしてございます。以上でございます。
○辻一彦君 これから雪解けに伴っていろいろな災害が起こると思いますから、急を要する場合には敏速にひとつ対処してもらうように要望して終わります。 〔理事上條勝久君退席、委員長着席〕
○藤原房雄君 きょうは、過日御説明ございました各省の防災に対する予算についての質問ということで、本来は相当時間をかけてそれぞれの省庁に対してのこの災害に対する取り組みについて御質疑しなけりゃならぬことでありますが、時間の制約もございますので、過去にございました災害のことや、それから今後の取り組み等について、二、三点御質問申し上げたいと思います。 先ほど自治省から特別交付税のことにつきましては御説明ございました。これは、今回の豪雪につきまして、私、現地視察をしてまいりました問題については過日審議がございまして、それに対してのいろいろな処置をとられたということでございますが、続きまして、農林省から天災融資法の適用についてのお話がございまして、被害状況——被害状況を聞いてもしようがないんで、これに対してどういう施策をするかということでありますが、これについては天災融資法の適用ということをなさったようでありますが、去年の暮れからことしにかけましての降雪、低温、この被害というのは、この発表にもございますように、およそ一千億を超すという大変な被害であったわけであります。そしてまた、農業関係、林業関係、漁業関係という多方面にわたっての被害があったわけでありますが、そこで特別被害地域という指定があるわけでありますけれども、この指定につきましては法律にのっとっての被害という、被害額、被害見込み額といいますか、それによって指定がなされるんだと思いますが、ここで果樹の被害がおよそ三百億ということであります。そしてまた樹体の被害というのが五百六十六億ですか、五百億を超しておるという、こういうことになっておるわけですが、これを見まして、東北の樹体被害面積が二千二百六十ヘクタールという相当な被害を受けているわけでありますが、この特別被害地域の中に東北六県のどの県も含まれていない。確かに、九州、四国、こちらの方は柑橘類を初めとして樹体の被害もあり、そしてまた果実の被害もありということで、被害額が大きかったんだろうと思うんですけれども、しかし、東北における樹体の被害というのは毎年あるわけでございますし、樹体が被害を受けるということは、次の年の作況にもまた大きな影響があるということでしてね。しかも、リンゴ等につきましてはもう被害額の相当額が東北に集中——リンゴ、ブドウですね。それから桃等につきましては集中的にこれ、被害を受けておる。こういう作物だけで云々はできないかもしれませんけれども、そこらの樹体の被害というものをどういうふうに見るかという、この点ですね。農林省としては、被害額算定に当たりまして今後の作況に相当大きな影響があるということから見ていただきませんと、被害を受けた農家につきましては次年度の再生産というものの取り組みが非常に厳しくなる。しかも、こういう被害を受けるところというのは大体そう違いませんで、豪雪のたびに被害を受けるということでありますから、十分な配慮をしていただきませんと、被害を受けて、そのたびに農家経営というものが非常に窮迫せざるを得ないという、こういう点は農林省としてはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(犬伏孝治君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、今次の被害の特徴といたしましては、農作物の被害も相当額に上っておりますけれども、果樹等の樹体の被害が非常に面積におきまして大きな数字に上っておりますことは先ほど御報告申し上げましたとおりでございます。で、樹体の被害の態様といたしましては、落葉、それから枝の枯死、さらに被害が大きい場合は木全体が枯れてしまう。特に、雪の地帯におきましては枝折れが発生する。さらに幹に裂傷を生ずるということがその態様でございます。で、このような被害が樹体に発生しました場合には、当然当年産の果実の収穫が減収となることはもちろんでございますが、さらに後年度にもその影響が及ぶということでございまして、そのようなことを考えた対策を当然講じなきゃならないということでございます。 そこで、今回の災害の状況にかんがみまして、樹体の被害の対策といたしまして、雪の地帯におきます対策といたしましては、雪による裂損、枝折れ等に対しましては、できるだけ被害を最小限に食いとめますようにするための、たとえばかすがいでつなぎ合わせるとか、あるいは支柱をやるとかというような対策を講ずるように指導をいたしておるわけでございます。 なお、リンゴ地帯の被害につきましては、雪解けとの関係もございまして、芽の出しぐあい等を見ました上でさらに対策を講ずる必要があるということでございまして、それらの関係県に対しまして、その被害の状況が、雪の時期から相当もう時日もたっておりますので、その後の状況をさらに報告を求めまして適確な処置を講ずるようにしたい。 なお、農家の経営資金といたしましては、当年産の果実がとれないということに対する資金手当てを、先ほど申し上げましたような天災融資法による天災資金の貸し付け、それから、再生産資金がこの天災融資法の対象になるわけでございますが、収入が得られないということで、再生産資金に事欠くだけではなしに、農家経営を、農家経済を維持することは困難であるという場合には自作農維持資金の融資をするということで、金融対策としてはそのような措置を講じております。 なお、当然のことでございますが、すでに借り入れておる制度資金等につきましては、条件緩和の措置を講ずるというような金融対策を講ずる。先ほど申し上げましたような技術対策と金融対策、両々相まちながら対策の万全を期してまいるというふうに考えておる次第でございます。
○藤原房雄君 いま農家経済を圧迫する一つの要因に、金利の大きな負担というのがあることはもう十分御承知のことだと思います。よく御存じのとおり、こういう豪雪を受けるところというのは地形的に決まっているわけでありますから、それでもここ数年ちょっと雪が多かったわけでありまして、歴年こういう被害を受けているところが多いということ等も考え合わせて、いま技術的な指導——技術的なことでこれがカバーできればよろしいわけでありますが、今後の芽の出ぐあいとか、そういうものによって十分に検討するということですから、やっぱりできるだけ安い金利のもので再生産また農家経済の安定が図られるように、十分ひとつ配慮をしていただきたい。これはひとつ要望いたしておきます。 それと、こういう災害時においての対策として、技術的な面でカバーできればいいわけですが、どうしてもこの農作物、農林水産関係というのは天然現象による影響というのが大きいわけですから、これは水産物の養殖によりますノリとかワカメとか、こういうものについての共済制度ももちろんあるわけですけれども、最近海流のいろいろな変動によりまして——変動といいますか、被害が、松島湾等についてのノリなんかは連年、ここ三年ぐらい被害が続いておるわけですけれどもね。共済制度はもちろんありますけれども、共済制度の仕組み自体にも、これはもう個人の災害についてはこれはカバーできない。まあ共済の運用等についてはこの前いろいろ御説明いただきましたから私は大体わかっていますけれども、この二年、三年と被害が続くという、こういうことに対しまして、やっぱり漁業者が経営の安定ができるような対策を考えなきゃならぬだろうと思うんです。そのとき大きな台風のために大きな被害を受けた、そういうことに対しての対策というのはいろいろ講じられているわけですけれども、そういうことで、この共済制度についても組合一括ということでいまやっておるわけですけれども、個人的な問題については検討する余地はないのか。また、二年、三年と被害が続いた場合等についての、これは大きな何号台風によって、またはどの台風の被害によってという大きな被害でないといたしましても、その地域にとりましては、またその地域の漁業者にとりましては大変なこれは負担になるわけでありますが、そういう問題についての配慮等については水産庁としてはどういうふうに考えているのか。水産庁というか、農林省としてはどう考えていらっしゃるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(尾島雄一君) ただいまのノリとかワカメとか、こういう漁業につきましては、漁業協同組合が漁業権を持っておりまして、漁業協同組合が漁業権の行使規則というものをつくって、漁場の管理とかあるいは漁業の行使というものを行う方式をとっております。いわゆる部落の総有的な性格を持っているものでございまして、また漁場を一体として管理、運営もしくは行使していると、こういう実態があるわけであります。したがいまして、共済の契約をいたす場合におきましては、個別契約ではなくて漁場全体として、漁協一体として共済契約をしていくという実態になっております。 いまの先生の個別にいたすということでございますが、個別になりますと、やはりいま申し上げましたような漁場利用の実態という点からいたしまして、いろんな逆選択の問題とか、あるいはモラルリスクの問題とか、こういうような問題の発生する傾向が強まるということがございまして、共済設計上非常に困難な要素が入ってくるわけで、慎重にこれにつきましては対処検討していく必要があろうかというぐあいに考えております。なお、漁業者で個別に加入をいたしたいというような希望がある向きもあるようでございますが、地元の共済組合を通じまして、ただいま申しましたような趣旨等を十分理解が得られるように指導してまいりたいというぐあいに考えております。
○藤原房雄君 これはよく実態については御存じだと思うんですけれども、あれは場所によってそういう——もちろん、いまおっしゃる漁業権の問題については私もよく理解しておるわけでありますが、やっぱりこう二年三年と被害が続きますとね、共済掛けていながら、全体として被害総額なりまたは共済の恩恵に浴し得ないということになりますと、掛けてもいざというときには役に立たないじゃないかという、こういう声も非常にありまして、今後の運営上現状のままで漁業者が安心してこの共済というものを信頼して続けていけるかどうかということも、ある時点では非常に疑問視されている点もあるものですからね。そういう声も非常に強いということで、これで事足れりということじゃなくして、ぜひひとつ御検討いただきたい。これはいろんな制約があることも私ども十分承知しておりますが、技術的な開発とか、また被害を受ける原因の究明とか、そういうものと総合しなきゃならないだろうと思いますけれども、被害が二年三年と続くところにつきましては、ぜひひとつそういう点で漁業者の経営安定という上から農林省もひとつ真剣に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけです。 続きまして、農林省のお話が出たところで、過日富山県の氷見市で大きな地すべりがございまして、まあ大正時代から昭和の十何年、それから昭和三十九年と、ずうっとこういう問題が続いているわけですけれども、地元には私も何度か行ったことがあるんですが、今回はこれ、被害面積はおよそ四十ヘクタールですか、農地が十四ヘクタール、山林が二十六ヘクタール。幸い人命には影響はなかったわけでありますが、これは非常に大きな面積にわたってこういう地すべりがあり、そしてまた地元の住民の方々は絶えず不安におののきながら生活をしなきゃならないという、地質構造上そういうことになっているわけですけれども、この被害に遭った後どういう施策を講じたのかということ、また、今後当面する問題と恒久的な対策と二つあるだろうと思いますけれども、非常に大幅な面積にわたってのこういう被害が続いておるだけに、しっかり対策を立てていただかないとならないと思うのでありますが、応急対策、そしてまた今後に対する恒久対策、これをひとつ御答弁いただきたいと思います。農林省から。
○説明員(岡部三郎君) 本年の三月二十九日に、氷見市五十谷地区というところで大規模な地すべりが御指摘のように発生をいたしまして、農地十四ヘクタール、林地二十四ヘクタールが被災をしたわけでございます。この地域は、ただいま先生のお話にもございましたように、非常に地質的にも泥岩あるいは凝灰質砂岩というふうな風化しやすい地質であるというふうなこともございまして、三十八年に地すべり防止地域に指定をいたしまして、三十九年から四カ年かけまして地すべり防止のための事業を実施いたしたわけでございます。ところが、今回その実施地域よりもはるかに大きな規模で地すべりが発生をいたしました。烏帽子山という一つの三角点が設けられているような山の頂が六十メートルも、ずるというふうな、非常に大規模な地すべりが起きたわけでございます。 農林省といたしましては、被災後直ちに係官を派遣をいたしまして、被災の状況の把握に努めております。さらに二次災害が発生をしないように応急対策あるいは応急工事等も実施をいたしております。さらに、この災害を受けました地域につきましては、復旧計画を立てるよう指導しておりまして、現在設計書の作成等実施いたしております。この復旧計画に際しましては、富山県に地すべり対策技術委員会というものを設けていただきまして、ここでいろいろの原因、それからそれを今後防止するためにどういうふうな対策をとったらばいいかというふうな技術的な検討をしていただくことになっております。さらに、現地の農林事務所には復旧計画調査室等も設けておりまして、万全の対策を講ずるよう指導いたしておるわけでございます。 また、再度こういうふうな災害が起きないように、いま申し上げましたような原因調査等を踏まえまして、五十二年度から地すべり対策事業を新規に起こすべく、現在新規採択地区としての手続をとっておるわけでございます。
○藤原房雄君 国の多額な費用を投じて農地を開発したということからいたしまして、また国土保全という上から言いまして、こういう農地につきましては十分な配慮がなければならぬだろうと思うんですが、地すべりというのはここだけに限らず、相当あちこちでこういう被害を受ける可能性のあるところはあるわけですね。富山県でも相当あるわけでありますが、このたびの富山県のこの氷見市の五十谷地区の地すべりというものを一つの教訓としまして、やっぱりそれ相応の対策が講じられなければならないと思いますが、しかし、非常に大がかりな、膨大なこういう地すべりというものに対してどれだけのことができるかという、こういうことも私ども十分理解できるわけでありますが、農林省として今日までこういう地すべり問題についての全国のこういう可能性のあるところについての調査とか、また今後のことについて、まあどのぐらいの可能性のあるところがあって、それに対してどれだけの指定をし、そしてまた今後どういう取り組みをしようとしていらっしゃるのか、そこら辺、将来の対策等について御検討なさった結果がございましたら御報告いただきたいと思います。
○説明員(岡部三郎君) 地すべりの危険個所につきましては、これは昭和四十五年から四十七年にかけまして三カ年間にわたりまして、地すべり関係の建設省、林野庁等関係三省庁が合同で全国的な地すべり危険個所の総点検を行ったわけでございます。で、その結果、私どもの構造改善局所管の危険個所は全国で大体二千七十カ所ほどが挙げられておるわけでございまして、このうち、地すべり防止法によります地すべり防止区域の指定の作業が終わりまして、指定済みの地区が大体半分の千三十五地区になっております。その中で、地すべり法の九条によります基本計画というのを県知事が立てて主務大臣に提出することになっておるわけでございますが、その約九割に当たります九百五十二地区がすでにこういう手続を終わりまして工事に着手しております。そのうち四百五地区がすでに工事を完了しておるわけでございます。で、残ります五百四十七地区につきましては、現在工事を実施中あるいは全体設計の取りまとめ中の地区でございます。
○説明員(江藤素彦君) 林地関係につきましてのお答えを申し上げたいと思いますが、ただいま農地関係についてのお答えがございましたと同様な形の調査に基づきまして調査いたしました結果、林地関係の危険個所数につきましては二千九百三十五カ所でございます。現在までにこの危険個所につきまして指定をいたしました個所数が一千九十一カ所でございます。で、農地と同様に、この一千九十一カ所につきまして現在まで実施を進めておりますのが八百九十六カ所ということで、約九割近い数でございます。 で、林野庁関係の治山事業につきましては、現在まで、ことしの予算額——昨年の伸び率一二〇%でございますが、その中で、特に復旧治山事業、予防治山事業あるいは地すべり防止事業等いろいろ事業の内容が分かれるわけでございますが、特に地すべり防止事業につきましては、いままで実態の把握がおくれまして、かなりおくれておるという実態も踏まえまして、五十二年度予算につきまして、地すべり防止事業は一二五%近い伸び率で積極的に実施してまいりたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 いま農林省の構造改善局と、それから林野に対しての御答弁があったわけでありますが、これは農林省の管轄だけであって、まあ建設省も、当然地すべり、また急傾斜地、こういうことで、国土の保全という意味から言いまして非常に重要な問題だと思うんです。 で、農林省関係のことについてはいまあらあら調査をして、それに対する施策をしておるというお話がございましたが、急傾斜地の安全対策に関する行政監察ということで、行政監察局から五十一年ですか、勧告が出されておるわけですが、これは主に建設省の所管になることだろうと思いますけれども、これは農林省が調査をする以後のことでありますから農林省のことは入っておりませんけれども、行政監察局のこの勧告に対して、それに対する建設省の回答もあるわけでありますが、行政監察局としてこの問題を取り上げたゆえんのものは一体どこにあったのかということを中心にして、考え方をひとつお述べいただきたいと思うんです。
○説明員(鈴木昭雄君) お答えいたします。 先生御指摘の監察は、昭和五十年度の第二・四半期に監察を実施いたしまして、五十一年の二月に勧告したものでございますが、この監察を実施するに至ったその背景といいますか、われわれが実施するに至った経緯と申しますか、これを申し上げますと、急傾斜地、いわゆるがけ崩れと言われるものでございますが、急傾斜地法——急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、この関係の急傾斜地の崩壊でございますが、この急傾斜地の崩壊、いわゆるがけ崩れは、現象的にはきわめて小さいとあるいは言えるかもしれませんが、人命安全といいますか、そういう観点から考えますとなかなか重大なものでございまして、私どもがその計画策定当時把握した資料によりましても、たとえば昭和四十七年から三カ年、四十七、四十八、四十九の三カ年間で死者数が三百八十六名に達しているというような経緯がございました。まあそういうことで、私どもといたしましては、人命の安全を確保するという見地からこの監察を実施したわけでございます。 なお、地すべりにつきましては、この監察に直接には含めませんでございましたが、地すべりという現象はかなり大規模な現象でございますが、私どもが計画策定当時把握していたデータによりますと、先ほどと同じ時点——昭和四十七年から三カ年間におきましても、死者数という観点から見ますと、地すべりによる死者数はゼロであったということもございまして、この監察に直接含めることにはいたしませんでございました。
○藤原房雄君 国土庁長官、いまお話しございましたように、地すべりというのは、確かに人命には、この三カ年の結果を見ましても大きな被害はなかったようでありますが、しかし、この三月にありました五十谷地区を見ましても、四十ヘクタールという、農地が十四ヘクタール、山林が二十六ヘクタールも——これは人命には被害がないといいましても、農家の方々にとりましては、山林所有者にとりましてはこれは大変なことであります。それから急傾斜地、これはこんな大きな規模ではないかもしれませんが、非常に人命に大きな被害を及ぼしておる。これは農林省、建設省それぞれにまたがるところでありまして、今日まで三省でいろんな検討をしてやってきたようでありますが、やっぱり国土保全という上から、国土庁としても当然この調整役として重要な立場にあろうかと思います。しかも、地すべり等につきましては、面積が大きいだけに、その地質構造からいきまして非常に大規模なそういう可能性があるということで、予算が相当伴いませんと、一市町村とか県とかでできる問題じゃこれはございませんで、国としてもこういう大がかりな地すべりのあるところについては、積極的なひとつ検討をしていただきませんと、全部後追いになってしまう、被害が起きてからその後の対策云々という。こういうことで、国土庁としても調整官庁としてひとつ十分な検討をいただかなければならぬと私は思うんですけれども、どうでしょうか、大臣。
○国務大臣(田澤吉郎君) 確かに、地すべりあるいは急傾斜地における最近の被害が非常に大きいものでございますから、それぞれ建設省あるいは農林省等でその対策を進めていただきますが、総合的にやはり調整をして、その対策を考えていかなければならない状況にあろうと思いますので、国土庁といたしましては、それぞれの関係省庁で進められた結果を見まして、私たちも調整の官庁として努力をしてまいりたい、こう考えます。
○藤原房雄君 まあ大いにひとつ努力してもらいたいと思います。努力の中身が問題だけれども……。とにかく、余りにもお金がかかり過ぎるという、非常に大規模な問題であるだけに、どうしても大都市周辺の諸問題については、関係する方々が大きいだけに真剣に取り組みますけれども、こういう山間僻地等におきます問題についてはおろそかになりがちなんで、ひとつその点は大臣もよくそういう現状についてはおわかりだと思いますので、御努力をいただきたいと思います。 時間もありませんので、本当にもう少しいろいろとお聞きしたいんでありますが、それに伴いまして、最近の被害を見ますと、どちらかというと、去年の長良川のような大きな問題もございますが、河川の被害等を見ましても、ああいう大きな河川については相当改修が進んでおる。ときたまああいう問題もありますが。やっぱり先ほど建設省のどなたかのお話の中にありましたが、中小河川とか都市河川、そういう中小河川に非常に被害が大きい。特に農村を抱えた中小都市、こういうところでは、水田等で使いました農業排水とそれから河川と、雨量の多いときにはそれが複合いたしまして町に大きな被害をもたらすということを私どもしばしば見ているわけであります。二、三年前、五十年ですか、山形県の新庄にもございましたが、早急な施策をいろいろやっていただいたようでありますが、去年は鶴岡でも同じような現象がありました。それは何もそこに限ったことじゃございませんで、私どもあっちこっちに行きますと、そういう大きな河川の崩壊による被害というよりも、最近はそういう中小河川の方が多いように私ども見受けられるので、農林省と建設省と両方関係することだと思うんでありますが、これは被害があっても、河川が決壊するとか、そういう大きなことじゃございませんで、温水して都市の方に流れてくるということですから、雨量が多かったということで済ましてしまえばこれはまた同じようなことが再び起こる。やっぱり早急に対策を講じてもらいませんと、また市町村としましても、自分のところだけではとてもでき得ない、相当な予算を伴うことでもございますし、また一級河川等がその中を流れているということでありますと、こういうことで、今度の予算等につきましては、こういう点についてはずいぶん配慮があるだろうと私は思うんですけれども、金額的にどのぐらいでどうかということはよく存じませんが、鶴岡におきます赤川ですか、この河川を中心にして改修工事は行われているんですけれども、これはできるだけ早く改修をいたしませんと、集中豪雨というやつがあちこちに異常な降雨を伴うようなことはしょっちゅう私ども経験しているわけですから。それから、たとえ河川が決壊するような大きな災害でなくとも、やはり農業用水やなんか、いろんなことで河川が溢水いたしまして都市に被害をもたらす、そういう場合には激特の緊急事業でなせる、そういう道も開かれておるはずですけれども、これらのものをあわせまして、やはりこういう都市河川の対策というのは緊急を要するんじゃないかと思いますが、本年度の予算は、今後に対する対策等について建設省ではどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(栂野康行君) 先生のおっしゃいますように、いわゆる中小河川のはんらんが非常に大きいということでございます。現在の中小河川の施設の整備の実態でございますけれども、いわゆる一時間五十ミリ相当の降雨に対しても、まだ全国的に見ますと一三%しかできていないということでございます。したがいまして、本年度から発足いたします五カ年計画、七兆六千三百億円でございますけれども、その中におきましても、いわゆる中小河川をできるだけ伸ばす、また都市河川を伸ばすということに重点を置いてやっておるわけでございます。また、毎年の予算におきましても、いわゆる中小河川対策としまして重点的にやっていくというふうに考えてございます。
○藤原房雄君 いま具体的なことで鶴岡のことを申し上げましたが、実際そういう被害を受けたところについては、現在改修工事を行っている途上にあってああいう被害を受けたわけですけれども、やっぱりそれをもっと早めて、そういう被害を二度と起こさないようにすると、こういうことについては建設省としてはどうなんですか。
○政府委員(栂野康行君) 先ほど先生おっしゃいましたように、激特事業というのが一つございます。それで、激特の対象になるやつは激特事業で重点的に推し進めていく。しかしながら、激特すれすれの河川とか、あるいはそれ以下の災害を受けた河川につきましても、いわゆる民心の安定といいますか、住んでいる方々の立場に立って物を考えて、そしてそういう河川に重点を置いてやっていきたいというふうに考えてございます。 で、鶴岡周辺でいきますと、あそこでは中小河川としましては内川というのがございます。あの鶴岡市内を流れておる内川、これはやはり放水路を早く通水するということが最重点であろうかと思います。したがいまして、この放水路をいかに早く通水するかということに重点を置いてやっていきたいというふうに考えてございます。また、周辺の大山川につきましても、これは中小河川で現在やっておりますけれども、やはり五十一年でございますか、災害を受けたわけでございます。こういう川につきましてもいわゆる五カ年計画、五カ年内にできれば概成に持っていきたいというふうに、努力していきたいというふうには考えてございます。
○藤原房雄君 いままでとかく河川の改修とか整備が非常におくれていた。それだけに河川が崩壊したり被害が甚大であるということに対しては特別な配慮が払われてきて、原形復旧のためには御努力いただく、こういうことになっておるわけですけれども、だんだん改修が進んでまいりますと、それに伴いまして対応策というものもやっぱり考えていかなきゃならぬということで私も申し上げておるわけでありますが、ぜひひとつ被害のあったところについては、大きな、長良川のような決壊があったとか、そういうことではないにいたしましても、同じところで同じような被害を何年も続けるなんということのないようなやっぱり十分な配慮と、工期を早めて、地域住民、中小都市の方々に大きな被害をもたらしたわけでありますから、河川が大きな決壊をしないからといって手抜かりのないような政策を、まあそれは十分相当な伸び率でやっておりますという——われわれとしては気にくわない面もありますけれども、ひとつ御努力いただいて、同じ被害を同じ所で生じさせることのないような施策をひとつ強力に推し進めていただきたい、こう思うんです。 次は、急傾斜地やなんかのことについて、先ほどちょっと——もっといろいろお聞きしたいことがあるんですが、時間もありませんから申し上げないんでありますが、後日こういうことについてはいろいろお尋ねしたいと思いますが、最近落石等によりまして非常に事故が起きている。これは春先はどうも多いわけで、一番私どもの記憶に新しいのは国鉄上越線の落石事故ですが、過去の状況をずっと見ますと、平均落石発生件数というのは一千件を超す、こういう落石件数。そのために運転支障があったというのは三十台から四十台。また脱線等のこういう被害が伴ったというものについてはそれは少ないかもしれませんけれども、非常に危ない橋を渡っているという、こういう私どもは感じがするわけです。これについてはいろんな防護さくとか対策がいろいろ考えられているわけでありますけれども、これは国鉄だけでできるわけじゃございませんで、それぞれの所管庁が、また監督官庁が協議をして、これをはっきりした基準といいますか、こういうものをつくってやりませんと、いつも事故が起きた後に同じことを答弁し、そしてまた繰り返すという過去の形態が一歩も進んでいないんですね。いささかなりともこれは人命にかかわる問題でありますから、各関係機関または各関係省庁とのいろいろな協議の上に立って防災対策というものをきちっとしなければならぬと私は思うんですけれども、これは国鉄当局について、そういう危険個所等については十分な調査があるんだろうと思いますが、国鉄だけじゃできない、ほかの監督官庁との協議をしなければならない点もたくさんあるんだろうと思います。そういう点で、今日までそういう協議というものが進められているのかどうか、そういう実態等をちょっと御説明いただきたいと思います。
○説明員(鈴木秀昭君) お答え申し上げます。 落石等につきましては、国鉄の用地以外からの落石のおそれがあるところが全危険個所の約半数ぐらいだと私どもは思っております。で、もちろん林野庁を初めとしまして、災害等が発生いたしました後につきましてはいろいろと関係官庁と御協議を申し上げているわけでございますが、その防護という事前のものにつきましては、四国地区におきましては、防災地域でございますので、地域の政府の出先機関及び地元の学者先生等の御意見を取りまとめて、地域防災計画を立てまして、それぞれのいわゆる施行責任分野を分担いたしましてやっているのが実情でございますが、その他の地区につきましては、今回の上越線の事故にかんがみまして、衆議院からの決議もございまして、私ども鋭意関係官庁の御協力を得ながら、そうした危険個所の防護に努めてまいりたいと思います。 ただ、標準的な設計があるのかという先生のお話でございますが、やはり自然はだんだん風化いたしますのと、それから環境が変化してまいりますので、やはり設計の内容そのものにつきましては、その地形、地質、環境等に合わせまして、現地において一つ一つやはり御協議申し上げるのが妥当ではないかと心得ております。
○藤原房雄君 いまお話しございましたように、これは一国鉄だけでできることじゃなくて、それぞれの山林所有者等については林野庁の監督官庁としての行政指導もあるのかもしれません、あるでしょう。また、国道等建設省の所管の分も、国鉄だけのことに限らず、国道、国鉄、こういう交通機関の通っておりますところにつきましては、今日までも被害が非常に発生し、この三月には岐阜県でも被害がございましたですね、一般国道で。国道に昇格になって間もなくということでありますが、バスが通っているところに、路面バスに落石がちょうどあった。バスにぶつかって三名の死者を出した。こういうことで、国鉄に限らず、それぞれの省庁で十分に協議をいたしてこの対策を講じませんと、こういう被害が後を絶たない。こういう各省にまたがるような問題については、国土庁が調整役をとるのが当然のたてまえだろうと思います。通る本数からいいましても国鉄が一番多いということで一番心配をしているんだろうと思いますけれども、やっぱり各省庁に対しての調整役ということで、これは国土庁で本当に真剣に取り組んでいただいて、この調整役をとっていただき、それぞれの基準なり何なりというものを決めていただいて、同じようなことが起きないような施策をひとつ講じてもらいたい。危険個所が非常に多い、また春先等についても、どこがどうかということは非常にむずかしい面もわれわれは十分承知しておるわけでありますが、しかし、それだけに国土庁の役割りというのは非常に重要だろうと私は思うんですが、どうでしょうか、大臣。
○国務大臣(田澤吉郎君) 落石事故その他について、これまでは国鉄の当局にいろいろお願いをしてまいったわけでございますが、ただいま御指摘のように、この落石事故その他の抜本的な防災対策を考える、あるいはまた一たん事故が起きた場合に、応急対策あるいは災害復旧を進める面からいって、総合的にこの問題は扱わなければならないというのは御指摘のとおりだと思いますので、国土庁といたしましては、いままではこれらのことについては調整の能力というのは非常に小さかったのでございますが、私は、災害全般について調整費を思い切ってやはり国土庁で確保いたしまして、これらの対策に調整官庁としての役割りを今後果たしていかなければならない、こういう考えを持っているわけでございまして、明年度予算にこれらの具体的な対策を何らかの形であらわしてみたいものだと、ただいま考えているような状況でございます。
○藤原房雄君 過日の上越線のような被害のときには、これは国鉄当局の問題になるかもしれませんが、国道を走っていて国鉄バスに落石があれば今度は被害者ということになるわけで、まあいずれにしましても、だれの責任という、そういうことも明確にしなければなりませんが、被害の起きないようにしなきゃならぬ。そういうことで、過日衆議院におきまして交通安全対策特別委員会の決議等もございました。その中にも「土地等の管理者と十分に連絡協議し、」云々と、こうありますけれども、いま非常に前向きなといいますか、国土庁としては取り組んでいくという御説明がございましたが、実効の上がるような施策をひとつぜひとっていただきたいものだと思います。 時間ももうだんだん迫ってまいりまして、終わらなければなりませんので、あれでありますが……。昨年の十月、酒田市の大火で、私ども現地を調査しまして、いろいろ申し上げたわけでありますが、激甚災害の指定があって、その後、今度は都市計画にのっとっていま仮換地等が進んでおるわけでありますが、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、これは指定がありまして、まあ六カ月ということで、五十二年の四月三十日までにこれがなされないと適用にならぬということになっていますね。四月三十日となると、もう幾らもないわけでありますが、これは期限を延長して適用しようという、こういうことが閣議でお話があったやに聞いておりますけれども、これはどうでしょうか。
○政府委員(四柳修君) お答えします。 ただいま御質問の、酒田市におきます大火の激甚災害の中小企業者に対します特別な財政援助の期限の問題でございますけれども、関係省庁話し合いました結果、御指摘のように、六カ月ではなくて、もう一年先の、五十三年四月末まで延ばすように政令を改正するところでございます。
○藤原房雄君 もうあれやこれや多方面にわたりまして本当に申しわけないんでありますが、何せ去年一年間いろいろありましたことを、当委員会はしよっちゅう開かれるわけじゃないもんで、また予算に伴う問題でありますので、いいかげんにしないように、ときどきこう監視をしておるということで、各省庁にわたって一言ずつ申し上げておるわけでありますが、これから国土庁を中心に申し上げたいと思うのでありますが、もう時間もありませんので余りお尋ねできないのでありますが、国土庁の組織の改正ということで、いつも大臣がおっしゃっておりますように、災害の後追いであってはいかぬ、そういうことから事前の対策、そしてまた応急対策、こういうことを確立していかなきゃならぬということをおっしゃっておるわけでありますが、それに相応する災害の対応策というものがやっぱり行政当局になきゃならぬ。今日まで災害対策室と、こういう形でやっておったわけでありますが、今度は大分強力に予算措置等で折衝したようでありますが、その思いは遂げられなかったようでありますけれども、しかし、この縦割り行政の中で、何とか災害について取り組みのできるようにということで、防災企画課、それから震災対策課という二つの課で新設されるように聞いておるわけであります。これによっていままでよりは取り組みが少しは前進するのじゃないかと私どもは思うわけであります。私どもはこれで本当に満足はいたしませんし、もっと強力にという気持ちでありますけれども、この防災企画課、震災対策課の新設に伴いまして、現在よりどれだけの、それぞれの課の所掌する事務として、また今後の取り組み等について、そしてまたいままでよりもどれだけ前進した形で対処できるのか、その辺ちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府委員(河野正三君) 昨年、国会方面の御要望等も勘案いたしまして、国土庁といたしましては、災害対策部、その下に防災企画課と震災対策課という二つの課を抱えます部を新設すべく要求をしたところでございます。残念ながら部局の新設は一切認めないという予算編成方針に基づきまして、今回の五十二年度予算におきましては政府各省庁とも一切の部局の新設が認められませんでした。そこで、国土庁もやむを得ず防災企画課と震災対策課の設置でまあやむを得ないという態度をとったわけでございますが、幸いなことに、官房審議官という制度がございましたので、長官訓令というものを出しまして、官房審議官のうち一名を長官が指名した場合には、その指名された審議官が二課を統括すべく、その二課の所掌を所掌するという訓令を四月十八日付で出しました。なお、同日付で、本日出席しております政府委員の四柳審議官が長官から指名を受けたのでございます。おかげさまで、部は新設されませんでしたが、ほぼ部長と同じ職務を遂行し得る審議官が特定され、二つの課が新設されましたので、相当の整備を見ることができたと考えております。 この防災企画課におきましては、地震によりまして起きます災害以外全般の事務を統括をすることになっております。災害対策基本法、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法等々を所掌いたします。 震災対策課におきましては、地震に係る災害に関する施策の企画立案推進を所掌いたします。と同時に、活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律をも所掌することにいたしております。 定員の方は、本年度国土庁は七名増員が認められました。うち四名をこの災害対策関係に割いたのでございます。これまた予算上の定員要求は数十名の要求をいたしましたが、行政部の職員増員を極力抑制するという方針に基づきまして、この程度の増員にとどまったのでございますが、今回からは責任ある課長が二人できまして、責任ある審議官の体制が明確になりましたので、従来よりは幾らか強力な対策の推進に当たることができるのではなかろうかと考えております。明年度以降も、諸先生のお力によりましてさらに整備に力を尽くしてまいりたいと考えております。
○藤原房雄君 まあ幾らかよくなったという話ですから、全くちょっと肩の力が抜けるような話でありますが、しかし、ないよりはあった方が……。確かに今日まで災害対策室というのはいろんなお仕事で非常に大変だったということも私も十分に聞いておるわけでありますが、このように二つ課になってそれぞれお仕事をなさるという、今後の大きな発展のそれがもとになればという、こんなふうに思うわけでありますが……。 それで、防災企画課と震災対策課ができるわけでありますが、この震災対策課と、今日まであります中央防災会議で、それから各省庁の震災対策の部門とのこういう関係はどういうふうになるんでしょうか。
○政府委員(河野正三君) 中央防災会議は、御承知のように、災害対策基本法に基づきまして設置されているものでございます。その事務局長は国土庁の政務次官でございます。したがいまして、実質的にはこの防災企画課がこの事務局を務めることになるのでございます。一方、震災対策のことに関しましては、連絡会議がございまして、この各省連絡会議の事務は震災対策課で所掌することになろうかと思います。 以上でございます。
○藤原房雄君 いま問題になっております地震予知、これに関しましては科学技術庁の方に関係しますので、きょうは科学技術庁の方がいらしておらないようなんで、これはまた後日にさしていただきたいと思いますが、本当に国土庁の防災関係についてちょっと話に入っただけで中途半端でもって申しわけないんでありますが、また次の機会に、地震予知推進本部を中心にして、今度できました東海地域の判定会、こういうものとの関係、こういうこと等について御質問したいと思います。 きょうはこれで終わりたいと思います。
○委員長(辻一彦君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、十三時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 —————・————— 午後一時三十七分開会
○委員長(辻一彦君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、川野辺静君が委員を辞任され、その補欠として堀内俊夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(辻一彦君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○柄谷道一君 さきに私は当委員会で、水サイクルシステムの重要性と河川行政の役割りに触れまして、治山治水五カ年計画の拡充を強く求めました。建設省の当初第五次計画試案によりますと、総事業費八兆五千二百億円。その内訳は、治水投資五兆九百九十億円、水資源開発施設一兆六千二百二十億円、砂防関係一兆五千三百三十億円であったと承知をいたします。そして、この整備の基本目標としては、大河川につきましては戦後起こった大規模の洪水に対応できるように改修する、中小河川は時間雨量五十ミリ程度の豪雨でも安全なようにする、これが改修の基本方針であったと理解いたします。にもかかわらず、本年度の予算では、この予算が七兆六千三百億円に減額になっております。この減額により当初の基本目標は大きく後退せざるを得なくなったと思うのでございますが、この予算規模で果たして治水の対策が十分に対応できるものかどうか、お伺いをいたします。
○政府委員(栂野康行君) 第五次治水事業五カ年計画の投資規模でございますが、いま先生おっしゃいましたように、総額七兆六千三百億円で閣議了解されまして、現在この五カ年計画の詳細な内容につきまして検討中でございます。しかし、この規模というものは、現在の五カ年計画四兆五百億の約二倍に相当する額でございまして、要求額は八兆円でございましたけれども、八兆円と比較しましてある程度整備状況が下がるということは避けられないところではございます。しかし、この七兆六千三百億円を完遂さすということによりまして治水施設の整備というものを相当程度推進されるというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、事業の実施に当たりましても、災害の実態、それから用水不足の実情などを十分勘案しまして、いわゆる緊急を要する事業につきまして重点的にかつ効率的に執行して、計画の達成、七兆六千三百億円の達成には万全を期していきたいというふうには考えてございます。
○柄谷道一君 利水関係でございますが、六十年の水資源需要は、今後の経済成長の度合いによっても違いますけれども、おおむね二百六億トンから二百七十億トンぐらいまでの間にある、こう推定されております。しかし、現在、当初の第五次計画の水開発計画では、一応五十五年の水需要を百二十三億トンから百五十六億トンと推定をしておるわけでございますが、供給能力の点を見ますと、すでに着工しております百七十一のダムのうち八十七のダムの完成が見込まれている程度でございまして、年間供給量は五十一億トン程度でございます。これは新規需要の半分にも満たないということを示すものでありまして、五十五年ごろ以降は深刻な水不足の傾向があらわれてくるであろう。これと、今度は七兆六千三百億円の予算との関係で、利水関係について十分要望を満たし得る金額であると考えていいのかどうかでございます。
○政府委員(栂野康行君) まず、水関係について御説明いたしますと、当初八兆円の要求におきましては、五十六年度までにいわゆる年間に百三十四億トン確保いたしたいというふうに考えて八兆円というものを要求しておったわけでございます。それで、今般七兆六千三百億というので、いろいろ現在検討中でございますが、一つの試算としましては、大体百三十億トン程度確保できるのじゃなかろうかということでございまして、八兆円に対しましては大体まあ年間五億トンぐらい不足するんじゃなかろうかというふうに考えられます。
○柄谷道一君 ところが、建設省の五カ年間の総事業費に対比いたしまして、経済企画庁がつくっております新経済計画によりますと、治山、利水への投資配分は五兆五千億円でございます。したがって、これは相当の差があると、こう見なければなりません。八兆五千億円が七兆六千三百億円に減額された、そのこと自体大変な問題でございますけれども、そうなりますと、この経企庁の配分計画そのものは当然に修正が加えられてしかるべきではないか、こう思うのでございますが、どうですか。
○政府委員(栂野康行君) 経済企画庁の「昭和五十年代前期経済計画」との関係でございますけれども、百兆円の中におきまして、いわゆる治水、利水関係におきまして五兆五千億というものが認められておったわけでございます。これがいわゆる五十一年から五十五年度までの投資枠でございまして、今回の五カ年におきましては、五十二年度から五十六年度——一年間これ、ずれるという関係にあるわけでございます。 それで、全般の七兆六千三百億でございますけれども、まず、その五兆五千億は五十年価格で計算されておる。しかし、今度は五十二年度以降の五カ年計画でございますので、これを五十一年の単価に引き延ばすということで、まず五兆五千億との関係から申し上げますと、第一点としまして、単価の修正というのが一つございます。それから次に、その五兆五千億というのは五十一年度から五十五年度まででございまして、五十六年度分の予算を新しく加える必要があるということでございます。それで、その辺を見てみますと、いわゆる五兆五千億が七兆五百億になっていくわけでございます。そうしまして、七兆五百億に対しまして今度新しく予備費というものが出てくるわけでございまして、予備費は百兆円の中におきまして二兆円ほど確保されておったわけでございまして、その予備費のうちの五千八百億円というのを加えますと七兆六千三百億ということで、七兆六千三百億というのはこの五兆五千億というものをベースにしていわゆる単価をスライドしたと。それから五十一から五十五が五十二から五十六になったというその差額というものを勘案しまして決まった数字でございます。
○柄谷道一君 これは大臣にひとつ要望いたしたいわけでございますけれども、今日までこの災害対策特別委員会で、再度災害を防止するためのいろいろな問題が議論されました。その中には、昭和五十年度から採用されました激甚災害対策特別緊急事業もございます。また、これからの施行が期待されるものとしては、都市河川における多目的遊水地事業、準用河川補助の拡大、急傾斜事業の増大など、多くの要望が寄せられているところでございます。また、私は、さきの委員会におきましても、この公共投資に占める治水投資の割合が相対的に下がっているということを指摘いたしまして、この回復が必要ではないか、また、これに伴いまして特定財源のない治水事業にどのようにして財源調達を図っていくか、この問題点も残されているんではないかという点を指摘しつつ、この治山治水事業が当初の建設省案によってもなお不足ぎみである、こういう点を強く述べました。これは恐らく当委員会の共通した認識ではないか。しかし、実際予算が編成されますと、その最小限見積った建設省予算すらが——まあこれは財政問題等もございますけれども、削られていっております。そこに私は現在の行政姿勢を見るような気がするわけでございます。一たん決めました五カ年計画でも、修正不可能ということでは私はないと思うわけでございまして、ぜひこのへこみ分を次年度の予算においてこれを復元し、治山治水事業の一層の充実を図るよう、ぜひ大臣としての御努力、善処を求めたいと思うわけでございます。いかがでございましょう。
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま河川局長から御説明がありましたように、第五次治水五カ年計画あるいは治山五カ年計画の策定の経過はただいま御案内のとおりでございます。そこで、私も、この治山治水五カ年計画に際しましては、国土庁としてもこれにかなりの力を入れて、関係省庁と連絡をとってこの計画の策定に当たったわけでございますので、この計画の実施に当たっては、私たちといたしましては、毎年度予算については責任を持って努力するようにいたしたいと考えておりますので、今後とも御協力をお願い申し上げたいと思います。
○柄谷道一君 こればかりやっておってもしようがありませんので、ぜひ御努力をお願いいたします。 次に、地震予知の問題について御質問いたします。 私は、この委員会で過去数回にわたりまして地震予知対策の整備充実に対して質問をしてまいりました。その結果、予知連の体制整備、判定会の設置、また動物の超能力を利用しての地震予知研究に対する補助など、一歩一歩前進しておることは評価をいたします。しかし、まだまだこの予知問題、地震対策につきましては未解決の問題が山積しているのではないか。そこで、東海地域判定会について、以下若干の御質問をいたしたいと思うのであります。 私は、サンケイ新聞に、ことしの一月十七日から二十一日にわたりまして、「地震国・日本の対応進路をきく」ということで、力武教授の文章が連載されております。その文章を読んでみますと愕然としたんでありますが、予知連の委員であるこの力武教授が、たとえば、「会長の萩原先生は会社の顧問をされてそれでメシを食っておられる。そうして一週間に一度国土地理院に出かけてデータをごらんになる。委員の私も大学で講義して給料をもらっている。予知連からもらっているわけじゃない。北大あたりの先生は、三カ月に一回の会議に出張してくるにも二回に一回は自腹というありさまです。」、こう書いてございます。それから、「手紙の発送なんかをする事務員はいますが、専門の常勤の人はいない。三カ月に一回会議があっても、ほうぼうから出ている資料を二時間ぐらいみたって何もわかりはしませんよ。常時監視、責任体制になっていない。国民の皆さんがお考えになっているものとはだいぶ遠いんじゃないですか。」、これ力武先生の新聞に発表している文章でございます。私はやはり学者の方々の十分な協力を求めなければならない、とすれば、それ相応の処遇というものが当然必要になってくるのではないか。あわせてその体制についても、現状の体制は、この新聞報道を真実とするならば、これはまだまだ弱体であると、こう言わなければならないと思います。これらの問題について、気象庁、どのようなお考えと今後の抱負を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(小林寿太郎君) ただいま先生のおっしゃった問題につきまして御説明申し上げたいと思います。地震予知連絡会は、これは事務局は国土地理院でやっておりまして、私どもは予知連のメバンーでございますが、国土地理院の方がいらっしゃらないようなので、差し出がましいと思いますが、若干説明させていただきたいと思います。 私どもが担当しております範囲は、このたび地震予知の推進本部が科学技術庁を中心としてでき上がりまして、そこで判定会というのを設けて短期予知に対応するということに相なったわけでございますが、短期予知の問題につきまして、判定会の運用等につきましては私ども気象庁がやるということに決まりましたもので、判定会の先生方に対しましては、作業に遺漏のないよう、また先生方のいろいろな御苦労がおありかと思いますので、そういった点につきましては十分先生方に御迷惑をかけないよう努力してまいりたいと思っておるわけでございます。 で、予知連等の関連の問題につきましては、私ども実際の実務を扱っておるわけではございませんもので、ちょっとこの席で申し上げられないかと思いますが、まあ国土地理院におきましても精いっぱいやられておることだと私は想像しておりますけれども……。
○柄谷道一君 大臣にこれまた要望なんでありますけれども、国民がこういう新聞を見まして、いまこれだけ地震に対して敏感な時代でございますから、こんな処遇を受けておるのか、こんな体制でしかないのかということは、これは国民の不安を一層増すだけだろうと、こう思うのであります。私、これは実態を調べたわけではございませんが、ひとつ大臣としても、この状態、実態を一遍精査されまして、やはり少なくともまじめに地震予知に取り組んでおられる先生方からこういう苦情といいますか、実態の告白が新聞紙上で出されないまでに、ぜひその体制なり待遇の整備を図っていただきたい。一応御精査願いたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 地震予知については、実は科学技術庁長官が本部長になって地震予知推進本部が開かれているわけでございまして、直接国土庁の関係じゃございませんけれども、しかし、中央防災会議が大都市震災対策要綱というものをつくりまして、その中で、都市防災の強化、防災体制の強化あるいは防災意識の高揚、地震予知という重点項目を設けて進めておる関係から、やはり関係がございますから、十分ひとつ私たちの方でも、国土庁の立場からただいまお話しのような点を精査してみたいと思います。
○柄谷道一君 ぜひ精査をされまして、その結果矛盾があるならば速やかにその是正を図るようにお願いをいたしたいと思います。 次に、地震予知推進本部から、「地震の予知はできるか 東海地域を中心に」と、こういう冊子が五十二年の四月に出されております。この中には、「前兆現象を伴わない地震については、」現在の地震予知は「全く無力」である。「また、かなり明確な前兆を伴うものであっても、現在の観測体制では、まだまだ不十分であるといわざるを得ません。従って、この判定会が最初から十分機能できるわけではなく、仮に、判定を行ったとしても、判定の精度もかなり低いものとならざるを得ません。」、こういう現状が記載されております。そして、「近い将来、現存のひずみ計に加えて、多くの観測データを気象庁に集中することによって、更に的確な判定を下すことができるようになることが期待されます。」、こう結んであるわけでございます。 私は、まず一つお伺いしたいのは、この冊子が地域住民に正しく伝達されているかどうか、これが一つ。 それから、この冊子が示しておりますように、現状きわめてまだこれでも不十分なんだ、地震予知というのは非常にむずかしい問題ではございますけれども、その貧困を訴え、近い将来にこのような方法をとっていきたい、こういうものを率直に住民が見た場合に、東海地震の問題がいま非常に話題になっております際に、かえってこの冊子というものが、いわゆる地域住民に対して不安を与えないだろうか、こういう危惧を持つものでございます。こういった住民の動揺を解消していくためには、やはり思い切った予算措置によって多くの観測データを気象庁に集中できるような機材、体制の整備というものが急がれなければならないのではないか。「近い将来、」と、何かのんきに書いておるようでございますけれども、気象庁としての対策はいかがでございますか。
○政府委員(園山重道君) ただいま御指摘の、この「地震の予知はできるか」につきましては、私ども科学技術庁が中心になりまして、昨年十月内閣にできました地震予知推進本部、私どもの長官が本部長をいたしておりますので、ここでつくりましたので、私から御説明をさしていただきたいと思います。 まず、住民に伝達されているかという御質問でございますけれども、これによれば、今年四月四日に推進本部会議を開きまして、東海地域に対する体制の整備、判定会等を含めて決定いたしたわけでございまして、すでに判定会が四月十八日に発足いたしておりますが、こういった体制をつくりますに当たりまして、できるだけ関係方面に対しましてこの地震予知の現状あるいはこの判定会というもののいわゆる可能性とその限界ということを十分御説明する必要があるだろうということで、まずはその関係省庁あるいは地方自治体の地震関係の仕事をしておられる方を対象に一万部つくったものでございまして、住民の方に読んでいただきますためには、若干まだむずかしいと申しますか、読みづらいところもございますので、それはいずれ検討いたしたいと思っております。現在すでに検討しておるところでございます。 内容につきまして、ただいま御指摘のように、現状では不十分であるということがまあ率直に書いてあるわけでございますけれども、これは、今回のこの東海地方に対する地震予知ということを行います場合に、学者の先生方から非常によくお話が出ておることでございまして、現在まだ地震予知というものが完全にできるようになったわけではない。この理論に基づきまして、実際の地震とその前のデータの相関が完全について、こういうことになればこういう地震が起こるという、いわばオーソドックスな予知ができるようになったわけではない。しかし、理論的に危ないと言われている地域に、いま御指摘のようなひずみ計を初め、いろいろな計器を埋めておきますと、大地震の起こる前には明らかな前兆現象をつかまえる可能性が非常に高いと、そういうことがつかまえられた場合に、やはりこれは何とか損害を回避する手だてをしなければいけない。したがって、それは学者の先生方が判断をしなければわからないことであるということでございますので、今回学者の先生の御協力を得まして判定会を発足させたわけでございます。ただ、これが、もう判定会ができたから地震の場合には必ずその前に予知情報が出ると、あるいは予知情報が出たらば必ずすぐ地震が起こるということではまだないわけでございますので、その辺を十分関係住民の方あるいは防災関係の方々にも理解していただこうということでこれを作成したわけでございます。 なお、もう一点、中にございます「近い将来、」ということで、のんびりしているではないかという御指摘でございますけれども、これにつきましては、今年度、五十二年度予算におきまして、昨年十一月科学技術庁としては追加要求をいたしまして、その東海地方中心の観測強化の経費七億五千万円が特別研究促進調整費として計上されましたので、現在それをなるべく早く支出いたしまして東海地方の観測を強化するよう準備中でございますので、そういったことを踏まえて「近い将来」と書いたわけでございまして、のんびりしているわけではないわけでございます。
○柄谷道一君 何か激励質問みたいにばかりなりますけれども、私この冊子はきわめて率直な現状を書かれていると思うんです。このことについて私異論を言っているわけではない。しかし、一たん地震が起きた場合のこの甚大な被害というものを考えるならば、私は、やはりその可能性の限界まで学者の方々の知恵をかりながら、整備すべきものは一刻も早く整備する。そして、きわめて困難な予知ではありますけれども、でき得る限りこれを事前に予知できる体制をとるというのが、やはり政治の果たすべきこれは責任であろうと、こう思います。まあ防災の中心に当たられる大臣はもうこれは百も御承知のことだと思いますけれども、ぜひ次のこの冊子が早急にできますときは、やはり住民に力強いものを与えるように、かくかくこういう体制をもって予知の観測の拡充に対して万全を期していきたいという具体的なものがここに書かれますように、これは大臣としてもひとつせっかくの御努力を強くこれは要望したいと思います。 そこで、私一昨年の十二月十二日の当委員会で、そのようにして予知能力が高まったと、いよいよ警報発令をするという場合ですね、これは社会学的な観点から、その出した警報に伴って人心の動揺なりこれをいかに排除していくか。アメリカについては、こういう面の研究が、いわゆる予知とあわせて、いわゆる警報を発する体制の研究というのが十分行われていることを指摘しました。そのときの国土庁の、たしか官房審議官だったと思いますが、その御答弁では、政府としてもそのような研究を進めたいと、こういう御答弁があったと記憶するわけでございますが、そういう警報発令と社会学的な問題の研究がその後どの程度進められてきておるのか。その現状についてお伺いいたします。
○政府委員(四柳修君) ただいまの先生御指摘の点でございますけれども、アメリカのハース教授の話だと思いますけれども、私どもも実は同じような形で相当大規模なものということも考えてみましたけれども、時間的な問題あるいは予算的な制約等もございまして、とてもいまの段階ではそこまでまいりませんけれども、とりあえず、五十二年度予算にも若干の調査費をいただきましたものですから、たとえば、御案内かもしれませんけれども、NHKの静岡の放送局でアンケート調査をことしの三月やっております。そういったものも参考にしながら、できればある程度相当の御認識をお持ちの方あるいは関係方面の責任ある方々と、デルファイ方式かなんかでいろいろの対策なりいろいろの御心配事をフィードバックしながら、少し具体的なその影響といいますか、あるいはこれに関連しました御心配事、われわれとしてとらなくちゃいけないこと、そういったことを五十二年度に具体的に詰めてまいりたいと思っております。
○柄谷道一君 これも大臣、いま答弁がありましたように、予算上の制約でと、こういうことなんですけれども、これはやはり私は地震をいかにして早く予知するかという問題と、予知したものをどう警報を出していくか、そして被害を最小限に食いとめていくか、これは二者一体のものですね。このような重要な問題が、私は、このために莫大な金が要るわけでもないわけでございますから、いま申されましたように、予算上の制約でその研究が十分にできないということは、果たして防災対策の上でいかがなものであろうかと、こう思うのであります。これ、ぜひ早急に、せっかく予知しても、いまの体制なら警報を出すことをちゅうちょするということになるわけですから、こんな状態をいつまでも放置しておいていいというものではありません。大臣、これを早急に充実していただきたいと、これは要望するんですが、いかがでございましょうかね。
○国務大臣(田澤吉郎君) 実は、地震予知の判定会がつくられたというときに、そのニュースを私聞きまして、直ちに防災関係の職員に、この判定を警報として出す場合に一体どうしたらよろしいかということを直ちに気象庁と連絡をとってその対策を考えなさいということを命じたのでございます。たまたまアメリカのハース教授がサンケイに、地震予知はできたけれども政府は全然その準備がないという小さな記事を私読みまして、実は困ったことだなと、こう思ったんですよ。ですから、できるだけ早い機会に、予知ができたら直ちに警報に切りかえる技術的な研究というものを進めなきゃいけませんよと。それで、たとえば天気予報などというものは、かなり心理的な研究が進められた結果、今日私たちの生活に定着してあると思うんですよ。ですから、地震予知についても、私は政府の力で警報を発するのじゃなくしてね、地震予知というので警報が出た場合に、天気予報と同じように、きょうは雨でございますからという予報がありましたら、かさを持つべきか持つべからざるかということは個人みずからの判断で進められるような地震予知ができないものかという、その心理的な研究を進めながら、この予知から警報態勢、警戒態勢に入るような研究を進めなければいけませんよということを、実は職員の方に直ちに私は命じてあるわけでございますが、予算の関係でそのことができないとするならば、直ちにその点は予算の面で補いまして、その体制を確立しなければならないと、こう考えております。
○柄谷道一君 いま非常に前向きの御答弁をいただいたわけですが、これ、警報を出しますとね、たとえば国鉄が運行している新幹線を一体どうするのか、警察関係の態勢はいかがな即応策をとるのか、住民は、いま大臣が言われましたように、かさを持つと同じように、どういう心構えで対処しなければならないのか、この警報によって波動的に整えていくべき態勢というのがあるわけですね。そういう問題の背後にやはり社会不安というものが出てくる、こういうことになりますと、組織的、システム的な警報に対する順応態勢と同時に、やはり社会学的といいますか、社会心理学的といいますか、そういう問題もこれは早急に研究を詰めまして、せっかくの気象庁等を中心とする予知体制の整備が現実に生かされないと、これはもうこの体制づくりのために時期をそう私は待っておれない問題ではないかと思いますので、善処を強く求めておきたいと思います。 そこで、去る三月四日に起きましたルーマニアの大地震でございますが、これは日本国民にも衝撃的な出来事であったと、こう思います。伝えられるところでは、すでに現地に調査団が派遣されているということも聞くのでありますが、いつごろその報告書はまとめられるのか。で、私はその報告書は、できますならば災害対策を中心としております当委員会にその報告書は御提示を願って、われわれ委員としても今後の災害対策の指針にするということが必要ではないかと、こう思いますが、その報告書作案のめどと、本委員会に——これは委員長にもお願いいたしますが、ぜひその報告書はわれわれにもお届けを願いたいと思いますが、いかがでございましょう。
○政府委員(四柳修君) 現在ルーマニアに派遣されております派遣団でございますけれども、ルーマニア政府からの要請を受けまして、ルーマニアの被災地の再建に必要な技術提供といいますか、そういうための目的で参った調査団でございます。そういう意味では、いわゆる一般的な調査団とは違いまして文字通り技術的な、積極的な、何といいますか、コンサルタントだと思います。したがって、そういう目的でございますから、この派遣団はいわば国際協力事業団の事業の一環としまして参りましたわけでございまして、四月の八日から二十八日まで、耐震建築ですとか、あるいは都市工学ですとか、地震予知といった方面の専門家九人の方が行っておられます。 いま御要望がございましたその報告書の点でございますけれども、そういう仕組みで参りましたものですから、たてまえとしましては、派遣元でございます国際協力事業団において報告書をおまとめになるだろうと思います。しかし、私どもも、そういう事情からしましても、わが国の震災対策を推進する上でも参考となる点が多々あろうかと思います。そういうことが考えられますので、関係機関への報告の方法等につきましても、派遣団帰国後、先ほど申し上げました国際協力事業団との間で調整を図って、何らかの報告書の公表といいますか、そういったことを交渉してみたいと思います。
○委員長(辻一彦君) いまの提案、提出できるんですか、報告書。
○政府委員(四柳修君) そういう方向で事業団の方に要請してみたいと思います。
○柄谷道一君 これは委員長に対する要望でございますが、ぜひ委員長の方からも、これは一般公表していいかどうかはいろいろ問題があるにしても、少なくとも災害対策委員はそれに目を通しておくことが、私は今後のために有効だと思いますから、委員長の方でひとつ御善処を賜りたいと思います。
○委員長(辻一彦君) 理事会でまた相談いたします。
○柄谷道一君 次に、そのルーマニアの地震でございますが、基幹産業である石油コンビナートを直撃いたしまして、相当大きな被害があったということが新聞で報道されております。これは、わが国におきましても新潟地震の際に一つの前例があるわけでございます。これは新聞の報道でございますが、これに対して石油コンビナート側は「大地震発生と同時に運転を停止する。停電しても保安装置は蒸気で作動できる。関東大地震の揺れより多少強くても、危険施設が破損することはない」と、こう説明しておられます。また、新潟地震の対象になりました昭和石油新潟製油所でも、「こんどは大丈夫」である、こう言っておりますけれども、現実に新潟地震の際は原油タンクが動揺しまして、その摩擦で火事になったわけでありますが、自動消火装置はいわゆる作動をしなかったというふうに当時言われているところでございます。 こうした問題について、特に私は、その報告提出の際に、ルーマニアの技術的に見た、石油コンビナートを直撃した地震と石油コンビナート災害というものに対して、これまた幾つかの大きな教訓を残したのではないかと、こう思いますが、そのことをあわせてひとつ当委員会に御提示を賜りたいと、こう思いますが、いかがでございますか。
○説明員(山本重三君) 先ほど審議官の方から御説明申し上げましたように、今回の調査団と申しますのはむしろ技術協力団でございまして、一応現在のルーマニアの地震学といいますか、実験地震学とか、あるいは地震予知体制とか、あるいは耐震設計について具体的な、日本のすぐれた技術についての援助をしていただきたいという要請で行っておりますので、その間かなりハードスケジュールでそれに対応した作業をしてくるということを前提に出ておりますので、果たしてコンビナート地域についての視察ができるかどうか、その実態は帰ってからでなければわかりませんので、帰ってまいりました状況に応じて、先生の御要望の趣旨について検討してみたいと思います。
○柄谷道一君 ぜひそのように御努力を願いまして、これはまあ非常に地震対策とコンビナートの安全対策というのは重要なかかわり合いを持っておりますので、その報告のあるなしにかかわらず、ひとつ国土庁の方でも、その安全対策に対するさらに深い検討を願いたいと思います。 次に、昨年私は五月十四日この委員会で、液化天然ガス、LNGの安全対策について質問をいたしました。時間の関係で、この質問は言いっ放しになっております。総合エネルギー調査会の中間報告によりますと、わが国のLNGの輸入は、昭和四十八年度は二百三十七万トン、これは第一次エネルギー供給の〇・八%であったものが、昭和六十年度には四千二百万トン、一次エネルギー供給の七・九%になるであろう、こういう中間報告をいたしております。前回も私指摘いたしましたように、アメリカのテキサス州オデッサにおきましてこのLNGが漏れまして大爆発を起こしたということが報道されているわけでございますが、私は、新しいエネルギー時代に対応するためにこのLNGがきわめて重要な存在であるということは、これは当然でございます。この問題を解決せずしてエネルギー問題の解決はない、そうは認識はいたしますけれども、同時に並行して考えなければならないのは、その安全対策でございます。兵庫県から運輸省に提出いたしましたこの資料によりますと、姫路液化天然ガス基地の問題が触れられております。当然関西電力姫路第二発電所等陸上における安全施設につきましてはその整備がされるものと思いますけれども、その安全対策について現在どのような対策を進めておられるのかお答えを願いたい。
○説明員(久世勝巳君) LNGの安全対策でございますけれども、私ども実は海上輸送に関します安全対策というふうに聞きまして出てまいった次第でございまして、陸上の方につきましては所管が違いますので……。
○柄谷道一君 海上はまた質問します。——じゃいいです。どうも、私飛び回っておりまして、秘書から通告さしたものですから、その点落ちがあったと思いますが、これはその点改めてまた質問の機会を得たいと思います。 そこで、いま言いましたように、それでは御出席になっております、海上の安全対策をお伺いしたいと思うんですが、海上から輸送してくるわけですね。とすれば、当然船の出入りには友ケ島水道と明石海峡を通るということになります。特に明石海峡の場合は、これは淡路島が突き出しておりまして視界が悪く、しかも海峡は狭うございます。しかも潮の流れが、速いところでは十ノットぐらいの潮の流れがあるというふうに聞いております。で、船の往来の激しいこの海峡で、それだけに衝突の危険もまたあると、これ、言わなければなりません。しかも、専門家の話によりますと、たとえば潮流の速さが十ノットだとすれば、それを上回ること二ノット、最低十二ノットの速度で走らなければこの潮の流れに押し流されてしまう。狭い海峡で、しかも船は数多く出入りしているというところを、このLNGを載せました船が通過をしていくわけでございます。私は、たとえば三千総トンの船が五ノットを超えて衝突したというふうに仮定いたしますと、これはタンクが破壊されます。そうしますと、オイルフェンスなどはLNGはこれは溶かしてしまうわけでございまして、オイルフェンスはその用をなしません。しかも、これが蒸発してくる。それに何かの形で引火いたしますと、これは付近は明石市、神戸市、いわゆる住宅の密集している地域でございまして、この爆発から受ける災害ははかり知れないものがあると言わなければならぬと、こう思うのであります。LNGのエネルギー対策としての重要性は認識しつつも、特に海上安全対策というものについては格段の配慮が必要であると、こう思いますが、 いかがですか。
○説明員(久世勝巳君) LNGのタンカーのいろいろ安全対策につきましては、もう先生御指摘のとおり、非常に重大なことでございます。先生も御存じのとおり、LNGタンカーは昭和四十四年以降横浜を初め現在千葉あるいは堺泉北に入っておりまして、昨年の入港隻数は百七十七隻という多きになっておりますが、特に姫路に今回入るということにつきましての安全対策だと、このように考えます。 そこで、従来から私ども港則法というものによりまして、港におけるいろいろ規制、それから東京湾とかあるいは瀬戸内海、明石海峡を含めまして、こういうふうに船舶がふくそうする海域におきまして、特に海上交通安全法というものによりまして、いろいろ航路を一方通行で通航させるとか、あるいは警戒船をつけるとか、あるいはパイロットを乗せるとか、そのようないろいろな規制をしておりますし、また、そのような危険物が、船舶のふくそうが非常に激しい場所に入るときは、その航行する時間というもの、あるいはその航路を出る時間というものを海上保安庁に届けさせる。そういうようなこと等をするとともに、消防設備を備えた曳船——警戒船でございますが、これをつけさせる。そして、同時にまた、海上保安庁の巡視船艇が明石海峡あるいは友ケ島水道等必要に応じて常時一隻現場で安全対策を指導するとか、このような対策をとっております。これは一応の、法律等により規制しているところでございますが、そのほか、海上保安庁としましては、LNG船のように総トン数二万五千トン以上の大量の液化ガスを搭載しております船舶が明石海峡等を通るときには、それぞれの場合に応じまして、見張りを強化させるとか、あるいは視界不良時、霧のときは通さないとか、あるいは夜間はもう通させない、あるいは水先人を乗船させる、あるいはボイル・オフ・ガスの制限、すなわちガスを出させない。その他港に入りましては、離着桟の速度、これを規制したり、あるいはそのときの気象・海象条件に応じまして着桟を制限するとか、そのようにするとともに、LNG桟橋をつくるときには、その設置の場所とか、あるいは消防設備等の安全対策の特別な指導をすると、このように十分なる指導をしているつもりでございます。
○柄谷道一君 私は、いま述べられました対策、それから船の構造の問題もございますでしょう。あわせて、いまもちょっと触れられましたけれども、専門家の意見では、このLNGを運搬する船の周辺にいわゆるエスコートボートと申しますか、これを配置いたしまして、その船舶を誘導するとともに、他に接近する船に対して警報なり警戒を発する、こういうことがきわめて有効な安全対策ではないかと、こう専門家は言っておるわけでございます。まあ万が一のことではありましても、これから起こる災害ははかり知れないものでございますから、ひとつそういったエスコートボートの配置、誘導、こういった問題についても今後十分に検討願いまして、災害の防止に対して万全の対策をとっていただきたい、こう思います。 時間もありませんので、最後に御質問したいことは、私はその委員会の際に検討をお願いしましたのは、余剰キャッチャーボート活用問題でございます。現在四十一隻のキャッチャーボートが南氷洋の捕鯨中止によって余っております。聞くところによりますと、このうち十五隻はいますぐにでも改造に出せる状態であると、こう聞いております。私は、海上保安庁の沿海用の「ひりゆう」「しようりゆう」「なんりゆう」、これを新しくつくるということになりますと、その造船費が一体どれくらいになるのか。 また、私の手元にあります資料によりますと、改造は一隻二億円から三億円程度で改造ができる。このキャッチャーボートは、消防艇は十一ノット半のスピードでございますが、キャッチャーボートは十七ないし十八ノットは出せる。非常に高速性を持ち、また鯨を追いかける関係で旋回性もよし、また、一たん緩急ある場合は、相当の機動力、馬力を持っておりますから、消防艇としてきわめて有効に活動し得る、こういう資料が出ておりまして、昨年、日本海事新聞にもこの活用の記事が出ておりました。これらについてその後、前回言いっ放しになっておりますから、検討の結果いかがになったか、お伺いします。
○説明員(久世勝巳君) 昨年当委員会におきまして先生から御指摘になりまして、その後私どもいろいろ検討した結果について御報告いたしたいと思います。 先に、私どもの大型消防船の建造費でございますけれども、今年度、五十二年度で建造する大型消防船の建造で約四億五千万でございます。 そこで、実は私ども、キャッチャーボートを改造して消防船に使おうということで、船舶技術部というものがございますので、そこともいろいろ相談しながらやったのでございますけれども、実は海上保安庁の巡視船に改造するにはどうしても抜本的な改造が要るということでございまして、その主なものは、捕鯨砲等の不要な物件をまず撤去いたしていく、それと同時に、放水銃あるいは消防ポンプあるいは粉末消火装置、それにちょっと高いところから大型タンカーに対処しなくちゃいかぬということで、消防やぐら、これは大体水面上十五メートルぐらいになりますけれども、そういうふうに消防に必要な設備を搭載すると同時に、タンカー対策でございますので、いろいろガスが海面に漂っているので、その防爆装置というものが必要でございます。高いところから空気をいろいろ取り入れる、そうしてガスを取り入れないというようなことでございます。それと同時に、非常に巨大なる、大きな消防能力を持っておりますので、放水するときに、その反力で船が動くわけでございます。そのために私どもはその放水反力に備えまして可変ピッチの二軸の消防船をつくっているわけでございまして、そのためにどうしても私どもの試算では当庁の大型消防船を新造する程度以上の改造費がかかるんではないかと、こういうことでございまして、キャッチャーボートを消防船に転用することは非常にむずかしいと、このような実は結論に至ったわけでございます。
○柄谷道一君 この問題で議論しようと私は思いませんが、私の手元に来ておりますこの設計見積もりからいたしますと、大分違います。同時に、私は前回触れていませんでしたけれども、その消防艇を補助するものとして、いま各港内にはタグボートがございます。消防艇ということになりますと、事故が起きない場合には全部係留されているわけでございますが、港内にはいつもタグボートはいるわけでございます。そのタグボートに多少の改装を行うことができるとするならば、大型のタンカー等の火災には対応できないにしても一般船舶の消火等には十分活用ができるのではないか、こういう意見もございます。海上災害を防止するためにそのようないろんな発想があるわけです。しかも、私は、人的な面におきましても、海上防災法を受けて設置されております海上災害防止センターの用船としてこれを活用するということであるならば、民間人を雇用することもまた可能である、これはまだまだ未解決の、もっともっと深い検討を要する問題が私は山積していると思うわけでございます。 資料等はまた追っての機会に突き合わしたいと思いますけれども、海上災害、これを防止し、その災害を必要最小限度にとどめるためには、既存の概念ではなくて、新しい発想を生かせばまだまだ手が残されていると、こう思いますので、ひとつこのことについて十分な検討をお願いをいたしたいと思いますし、国土庁も、管掌が違うという姿勢ではなくて、その充実方についてもいろいろ知恵と言葉を出していただきたい、こう思うわけでございます。 もっともっと質問を予定いたしておりましたが、時間が参りましたので、私の質問はこの程度で一応終わります。
○神谷信之助君 きょうは、コンビナート防災問題について質問をしたいというように思います。 高成長のもとで、巨大なコンビナート基地群がどんどんできましたが、これが一方では、公害の発生源であると同時に、危険物の集積の地域としてきわめて危険な存在になってきています。そういう状況の中で、一昨年の五十年十二月十七日にこのコンビナート防災法が成立をいたしました。特別に、火災あるいは爆発あるいは油の流出あるいは震災のときの被害の増大、これらを食いとめるための対策というのが一応生まれたわけでありますが、その後、この法律ができましたけれども、それが、特に企業側が十分このことを理解をして、そうして防災上の措置をとっているのかどうかという点を特にお尋ねをしてみたいというように思います。 そこで、まず最初に消防庁にお願いをいたしますが、ことしの四月の三日に京葉コンビナートの極東石油で火災事故が発生をいたしました。まずこの点について御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(林忠雄君) 四月の三日の極東石油の千葉製油所タンクの火災の概要でございますか。
○神谷信之助君 はい、概要で結構です。
○政府委員(林忠雄君) 御指摘のとおり、四月の三日の夜でございますが、発生したのが二十時四十分——八時四十分ごろでございます。それで、消防当局が覚知いたしましたのが二十時五十八分ということになっております。それで、鎮火は二十二時四十七分。人的被害はございませんでしたが、物的被害は、タンクの側板上部より三メートル以内の塗装焼損一部変形、ウインドガーター一部変形と、こういった、ある程度の被害がございまして、貯蔵の油が約一・三キロリットル燃焼しております。 原因は、現在調査中でありまして、まだちょっとはっきりいたしておりません。 問題点は、消防の覚知が、十数分で覚知はしておりますが、それにしてもやや遅かったということと、それから、直接会社からの報知よりも、はたの人が見つけまして報知してきた方が早かったという点がちょっとございますが、その間の事情をちょっと御説明しますと、二十時四十分ごろ、会社のオペレーターが異常音を聞きまして、自衛消防隊——会社自体が持っている消防隊に連絡して、自衛消防隊とオペレーターが火災を確認して、化学消防車及び固定消火設備により、二十時四十七分に泡放水を開始した。ところが、市原市の、地元の市町村の消防本部では、二十時五十三分に付近の事業所——別の事業所でございますが、ここから電話照会がありまして、火が見えるから火事ではないかという意味の電話照会。そして、会社に照会をいたしまして、確認したのが二十時五十八分でございました。こういった点がございますので、十数分ではございますけれども、ややおくれたという点になお疑問点を残しておりまして、現在それについて調査中でございます。
○神谷信之助君 私どもの方で、県の防災課、それから市原の消防本部、ここで調査をいたしましたが、いまお話しのように、午後の八時四十分ごろに、工場内のマリンオフィス、ここにいた従業員が爆発音を聞き、火災が発生をしたことを知った。近くの自衛消防隊員及び現場のオペレーターが四十三分に火災と確認をして、そして四十四分に直ちに偵察隊が出て、そして消火活動を始めています。四十七分にいまおっしゃるように放水を開始をしております。四十七分にそういう状態が起こっているときに、五十三分ごろ、付近の住民から火事らしいという通報が消防本部にあった。消防本部が極東石油に問い合わせたところ、いま調べているという回答をしています。しかし、市原消防署の消防長の話では、同時に消防署としても四階から双眼鏡で見たところ、異状がありそうだということを言っているわけです。ところが、極東石油自身は、いま調査をしていると言っている。ところが、実際はどうかというと、いま調べているどころか、もう消火活動に入っているわけですね。そういう状態です。それで、おかしいというのでもう一遍、一分ほどしてからですが、再び問い合わせると、今度は、タンクの火災だけれどもそれはもう自衛消防でやっているので消防署の出動はいま必要ではないと、そういう回答をしています。で、五十八分、また四分ほどしますと、先ほど電話をしたところの住民の人が、これが火災だということで再度通知があった。そこで、やっと消防署の方も特一の出動をかけるという状況になっているんですね。 こういう経過を見ますと、私、これは大変重大ではないかというように思うんですね。で、極東石油の方にも直接聞きまして、向こうの総務部長に会いましたが、先ほど言いましたが、五十四分ごろの問い合わせに対して、出動はいま要らないと言ったというんですがそんなことは絶対ありませんという否定をしています。しかし、消防署の方では、いやそういう返事でしたということで、まあ消防署の方では別にテープにとっているわけではないんで、いまとしては確認はできないけれども、事実そういう返事だった、だから見合わしたんだと言ってるわけですね。あるいは出動しなかったんだというように言っています。この点、今度のコンビナート防災法の二十三条の一項で、出火、あるいは石油等の漏洩、その他異常な現象の発生については、これはすぐ通報する義務が今度は確定をしたわけですね、コンビナート防災法で。これに対する、この事実は重大な違反ではないかと私は思うんですがね。この点についてはいまどういう状況になっているわけですか。
○政府委員(林忠雄君) この法規ができて実際に動き始めたわけでございますけれども、なお企業のそれに対する心構えが十分できていないじゃないかという御趣旨で問題をお取り上げになったことと存じます。で、まあ法的な意味では直ちに通報するというのですが、これは具体的な防災計画に従ってということになっておりまして、現在法が施行されてまだ間がないものですから、それぞれの企業で防災計画を実は作成中であったわけでございまして、そういう意味では、防災計画において——まあ防災計画がないから通報できないというものじゃなくて、通報するものはもう直ちに通報せにゃいかぬぐらいわかり切っていることでございますけれども、まあいままでの企業の体質として、何となしに、こういう騒ぎを大きくしたくない、地元民に不安を与えたくないということから、これは大変誤った観念と思いますけれども、自分ところでできるだけ処理したい、人に知らせるのは遅い方がいいと、そういう、何と申しますか、それがやや残っているということもあるのではないかと推察をしております。 そこで、まあそうであってはいけないんでございまして、この法の目的とするところに従ってそういう体制をできるだけ、防災計画も早くつくってもらいたいし、企業自体のそういうものに対する取り組み方もしっかりと正しいものをとらえてもらいたいということで、なお指導を続けておるわけでございまして、間もなくこれらのものにつきましては、防災計画もそれぞれ詳細に決めたところが完成すると思いますし、今後はこういうことがないようにということで、さらに強い行政指導を続けてまいりたい、こう考えております。
○神谷信之助君 この二十三条の一項ですがね、そういう「異常な現象の発生について通報を受け、又は自ら発見したときは、直ちに、石油コンビナート等防災計画の定めるところにより、その旨を消防署」その他に通報しなきゃならぬと、こうなっていますね。で、いまおっしゃっていますが、このコンビナート等防災計画ですが、これは県の防災計画のことを言っているんですか、それとも、いまおっしゃっているのは企業の防災計画を言っているんですか、どちらを指しているんですか。
○政府委員(林忠雄君) 県の防災本部の防災計画でございます。
○神谷信之助君 で、千葉県では正式の防災計画がまだできていないようですが、五十一年十二月九日に、一応暫定措置ですね、これはもう策定をしておるわけですね。そういう状況ですから、それに基づいて企業に対する指導も当然しているであろう、またするのがあたりまえだと思うんであります。しかし、それをやっておる状態であるにもかかわらず、ことしの四月の三日にそういう事故が発生をし、通報をしていないという事態であります。で、県の防災課の話でも、今回、消防法で定められたあわ噴射装置ですね、これがもし正常に働いていなかったら重大な事故になっただろうと、タンクとタンクの側板距離は約五十メートルぐらいの距離ですから、これ重大な、大変な事態を引き起こしたんではないだろうか。御承知のように、火事の場合は初動消火が一番大事ですわね。ところが、その初動消火の必要な時間、十数分ですが、この時期に通報のおくれで——まあ幸いここはそういう大爆発にならなかったから不幸中の幸いだけれども、もしそういうことが起こったらこれは重大な問題になると思うんですね。 そこで、お伺いしますが、各県の防災本部の定める防災計画、これはいつごろまでにつくらせるという指導をなされておるんですか。
○政府委員(林忠雄君) 指導のめどといたしまして、年度内ということを目標にしてずっと指導してまいったようでございます。しかし、実際はややおくれておりまして、まあ半数ほどは恐らく年度内につくり上げているだろう。それで、多少おくれるのがございますので、五、六月中までにはまあ大半できる。いまの見通しでございますけれども。なお、二、三残りまして七月以降になるという見通しが現在あるようでございますけれども、少なくとも本年いっぱい中にはあらゆる県で全部完成するということになっているようでございます。
○神谷信之助君 このコンビナート防災法は、とにかく早くつくってくれと、特にあの三石の重油流出事件がありましたからね、ということで、やいやいと言って国会の審議もせかされて、その上でおととしの暮れに成立したんですね。ところが、防災計画自身がまだのんびりした状況だというのは、私は大変なことだと思うんです。ここだけじゃありません。ことしの一月の三十一日、水島で日本鉱業の重油流出事故が起こった。この場合は油の流出の発見をしたのが午前の九時です。水島の消防署へ通報したのは午後の二時三十五分です。だから、まあこれは油が流れ出しただけで、まだ火災になっておらぬという状態だと、あるいは流出の量がそう大きくないということもあって、おくれたというふうに言っています。しかし、あの三石の事故の場合も、初めは少なかったんですよね。ばっとふえてきたわけでしょう。だから、そういう事態にならないとも限らないのに、午前九時に発見をしながら午後の二時三十五分になってやっと水島の消防署に報告をしている。したがって、地域住民の人々は非常に不安を持っていますね。その後、同じ日鉱で、また四月の二十六日には高さ百六十メートルの煙突から異常な黒煙が出まして、これも約十五分ぐらいして自動制御装置が動いてとまったわけですね。これ自身はそれ以上の事件にはなりませんでしたけれども、しかし、一月の三十一日にそういう事故があって、しかもその通報は数時間たってからというような、五時間半以上おくれているという事態は、これはもう住民の人は皆知っています。あの倉敷では市会でも大問題になったわけですから。ですから、そこにまた同じような事故が起こっているわけですね。こういう問題について、今度は通報の義務を二十三条の一項でちゃんとして、罰則を決めました。それで、五十一条で、「第二十三条第一項の規定に違反して通報しなかった者」に対しては——これは大したことないんですけれどもね、「十万円以下の罰金」でしょう。しかし、十万円以下の罰金にしろ——十万円以下の罰金ぐらいですから企業にとっては痛いこともかゆいこともないと思いますけれども、しかし、今度明確に、三石の事故から、通報のおくれについての通報義務を明確にして、罰則もちゃんとさせるということでコンビナート防災法が決めたわけですね。ところが、それじゃこの罰則に基づいて、この通報の義務違反に対する厳しい措置をとるのかどうか、あるいはとっているのか、という点を消防庁の方に聞きますと、そうすると、先ほど言いましたこの防災計画に基いてだと言う。その防災計画ができていないんだからこれはちょっとという話でしょう。その防災計画はいつできるのだと言ったら、まだできないと。一年半たってもまだできてない。そうしたら、これは何のために一体つくっているのだと、こういうことになるんですよ。いかがですか。
○政府委員(林忠雄君) この一月の倉敷の場合は、もう私たちから見てもこれは論外だと思います。何時間も、しかも、ついこの前のあれだけの大きな問題を起こした水島のあの地域におきましてそれだけ通報をおくらしたというのは、まあひっくり返せば、こういう法的な体系の整備ができても、いかに企業の中にその心構えができてないかという証左ではないかと思います。これにつきましてはうんと厳しい指導をいたしておる次第でございます。 それから、いまの、「防災計画の定めるところにより」通報といっても、通報ということそれ自体は、実はもう防災計画もくそもないので、何か起こったら直ちにやるというのはもうこれ常識でなければいかぬと思うんです。たまたま法文にそう書いてありますから、今回これを持ち出して、罰金ということをもってみても、あるいは刑事的には有罪の判決ができないということぐらいかもしれませんけれども、もう心構えとしては全くなってないと、こう言わざるを得ない。 まあ防災計画、いまちょっと私、遅くも今年じゅうはと申し上げましたが、実は、六月までには八割以上が全部整備いたしまして、今年じゅうというのも、いま見ますと、十二月と書いてのんびりしたところが一つございますが、あとは七月、その他書いてございますから、これはもう早急に防災計画は全部完全にさせるつもりでございますし、それから、通報の方は、防災計画ができているから義務遅反だ、できてないうちは義務違反と言えないだろうという問題ではなくて、もう何か起こったら何が何でもすぐ先に消防当局へ通報するという形で強力に指導してまいりたい。法的体系がせっかく整ったことでございますし、企業のそれに対する心構えも含めまして、一刻も早く遺憾のない体制に持っていくよう、さらに努力を強化してまいりたいと存じます。
○神谷信之助君 これ、どうしますか。罰則の適用で、二十三条の通報義務違反で、地検ですか、検察庁ですかに告発をするという、そういう措置をとるような指導をなされるわけですか、どうですか。
○政府委員(林忠雄君) 法ができまして当初の幾つかの事件ということは、形の上でも防災計画ができてないというところもありますし、それはある程度行政指導ということによるのもやむを得ないと思いますが、これらの防災計画その他の体制が整った上で起こりました事案につきまして目に余るものがあれば、当然一罰百戒の意味ででも相当強硬な態度をもって臨むということが必要ではないかと考えます。
○神谷信之助君 特にいまの水島の日鉱の問題です。御承知のように、水島の地域も事故が再発していますから、したがって水島の、倉敷の消防署を中心にして、向こうの全企業と常に防災についての協議はやってきているわけですね。そうして通報の義務についてもやかましく指導している。そういう指導があり、しかもこの法が改正をされ、岡山県も暫定計画をすでにもう五十一年につくっています。それについての説明も、水島の消防署の署長の話によると、ちゃんとしている、これは何遍もやかましく言っていると。ただ、それに対して、いま言ったように、午前九時に油の漏出を発見をしながら、通報したのは二時三十五分、こういうことになっていますね。これはもうきわめて私は著しい重大な義務違反だ。一罰百戒という話がありましたが、これはコンビナート防災法ができる以前から、地行の委員会でもあるいは災害の委員会でも、企業側の通報のおくれ、それから消防署の立ち入り検査についての拒否、こういった企業の秘密主義といいますか、協力をしない、非協力の態度については指摘をされているわけですね。それで、今度コンビナート防災法ができた。そして二十三条の一項を入れ、それについての罰則も明確にした、こういう事態ですからね。同じようなやっぱりそういう甘い態度といいますか、できたところでとか、どうとかこうとかおっしゃっていると、目に余る事態というのができたときは大変なことなんですからね。それによって人命事故が起こったとか、そういうことのあるなしにかかわらず、それが起こったら大変なんですから、これは私は消防庁としても厳しい態度で指導する必要があるんじゃないかと思うんですが、この点いかがですか。もう一度お尋ねします。
○政府委員(林忠雄君) まあ新しい法体系ができて、言ってみれば、それになれるまでのある期間が必要だということは、一般的には言えるんだと思いますけれども、こういう問題につきましては、先生御指摘のとおり、そんなに悠々と、なれるまで待っちゃおれぬと、むしろ行政指導で、一日も早くそういう体系に引っ張っていくという必要があるんだと存じます。したがって、いま御指摘のことしの一月の問題は、もう五時間も六時間もおくれた。私たちから言わせれば全く論外の措置だと思いますが、これ自体は、法的には防災計画そのものができてないという点もあるかもしれないわけで、この問題自体を刑事的責任を問うということはあるいはむずかしいかもしれませんけれども、全般的な態度といたしまして、のんびりした、体制になれるまでの指導ということではなくて、いまの御指摘のとおり、厳しい態度で、一日も早く地域の住民も企業も全体を適切な体制に持っていくようさらに指導を強化してまいりたい、そういう点では全く御指摘のとおりに努力をしたいと存じております。
○神谷信之助君 消防庁からいただいた資料を見ますと、五十一年の八月の二十八日ですか、この法が施行になったのは。したがって、それ以降ことしの二月までの間で、いわゆる特別防災区域内の特定事業所の主な火災発生状況というのを報告を求めました。それを見ますと、十件あるんですね。そのうち消防庁の方で通報が遅いと考えられるものというのが、十件のうち三件あります。それで、これにいま言いました極東石油と水島が入りますから、十二件のうち五件がいわゆる通報がおくれるわけですね。遅いと消防庁自身も認めざるを得ない事態が起こっている。だから、昨年の八月から法律が施行されたけれども、実際には企業側の怠慢によっていまだに守られていない。十二件中五件ですから、約半分ですからね。五割近くも事故の通報がおくれているというそういう事態になっています。ですから、これはひとつ——なかなか企業の方はいばっていますからね、言うことを聞かぬのですよね。で、倉敷のあの水島の消防署の話を聞きましても、本当に往生しておるわけですね。ですから、専門家の技術者を一人高給で雇って、そうして初めて向こうの方も本当のことを言い出す。それまでは、ばかにして、もう何というか、まともに答えない。そういう中で現場は苦労しているわけですよ。ですから、その辺をひとつ厳しくやってやらないと、まだ法が生まれてから、施行されてから時間がたってないということでこれ済ませておると、重大な事故が発生したんじゃ何にもならぬ。大変なことになる。また、消防庁自身も怠慢を問われなきゃならぬ。きょうここへきて指摘をしているんですからね、その後にもし通報のおくれから甚大な被害をもたらすような事態が起こったら、これは私は重大な責任を問われなきゃならぬと思いますから、この点はひとつ指摘をしておきたいと思います。 その次の問題ですが、市原の消防署でいろいろ話を聞いてみますと、今回の市原のこの極東の火災の消火に当たっては、大型の高所放水車、これが大変役に立ったというように言っています。で、消防庁の方も、消防力の基準を政令を改正して、この辺で、いわゆるコンビナート防災についての三点セットですか、これをお決めになりました。そこで、全国のコンビナートの七十五カ所中この大型の高所放水車というのがどれだけ配置をされているか、この点についてひとつ報告をいただきたいと思います。
○政府委員(林忠雄君) 私の手元の資料によりますと、必要とされるのが七十三カ所だそうでございます。で、五十一年中に十九カ所整備をいたしまして、五十二年ではいま予定しておりますのが十四地区だそうでございます。それで、実はこれ、私の方も心配をいたしまして、予算では昨年度三十セット一応予算に計上していただきまして、できるだけ早く整備するようにという指導をしてまいったんでございますけれども、地方財政がこういう状況だというようなこともございまして、なかなかちょっと整備意欲が十分でございませんで、去年は予定まで消化できなかったわけでございますし、ことしの十四カ所というのも、必ずしも私十分な数字と思っておりません。さらに今後も勧奨を続けまして、ことし実は予算には二十セット計上してございますけれども、これは消化できるように努力をしてまいりたいと存じております。 それで、法的には五十四年までに整備をするということに一応なっておりますけれども、同じ地区でもできるだけ——まあできるだけというか、危険度の高いと思われる地区を重点的に一日も早く整備をさせようということで指導をしてまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 この大型の高所放水車ですが、これ、聞きますと、大体いままで一台四千五百万。で、ことしは約二割ぐらい値上げになるだろうという話なんですが、ところが、これに対する補助率が三分の一なんですね。 〔委員長退席、理事上條勝久君着席〕 で、大型化学車の場合には人口急増地で二分の一、価格は約二千万ぐらいですね。ですから、値段の安い方の大型化学車が二千万で、人口急場地の場合は二分の一、半額補助になる。それで、コンビナート地域での火災においては必ずこれ必要な大型高所放水車。ところが値段がこれは高い。しかも補助率が低いと。ですから、二十台を予定をされて予算を組んでも——昨年もそうですが、なかなか自治体の財政事情からは消化ができない、こういう状況になっているわけでしょう。だから、これは市原の場合は人口急増地ですから、大型化学車の場合は二分の一の補助ですけれども、この大型高所放水車の方はたくさん負担をせなければいかぬ。幸い、たまたま大型高所放水車を購入をして、まだ試運転もせぬ時期にちょうど極東石油火災が起こって、まあ試運転がてら威力を発揮をしたという状況になったわけですね。ですから、これ考えますと、そういう補助率の問題、これらを含めて手当てをしないと、一応予算を組んでも、いまの自治体の財政の状況の中では五十四年度までに整備をすればいいということになってあるとしても、これは早いにこしたことはないわけでしょう、事故は五十四年まで待ってくれないわけですからね。その辺、何らかのやっぱり手当てをする必要があるんじゃないかと思うんですが、この点はどうお考えですか。
○政府委員(林忠雄君) 一般には三分の一でございますけれども、この三点セットの場合は、いわゆる財政力指数が一未満の市町村については二分の一という、補助率を高めてございます。そして、具体的には適用市町村数が七十四でございますけれども、そのうち五十九、パーセンテージにして八〇%弱がこの財政力指数一未満になっておりますので、まあ二分の一補助という恩典——恩典と申しますか、二分の一の補助金は受けられるという体制になっております。さらに、残りの地方負担分につきまして、起債を九割まで認めるということにしておりますので、この三点セット自体を購入することにつきましては、市町村にそう財政負担を与えないという体制だけは整えているつもりでございます。ただ、それにしても、これを購入して整備しようという意欲が少ないのは、まあ地方財政一般が苦しいということもございますし、それからさらにこれを整備しようとするときは、やはり消防当局でもこういうのを整備するときしか人員を要求できないとかいうようなことで、そういうことがいろいろ積み重なったり、あるいはその消防車自体に無線をつけたり、こういう装備もしてくれ、ああいうのもしてくれとか、何と申しますか、欲を出してと言っちゃまずいのですけれども、その機会にできるだけ整備しようとする、そういうことでやや整備がおくれていると思うんですが、財政負担としては私たちの方ではほとんどが二分の一になり、かつその残りの九割を起債で認めておりますので、極端に言えば一億円のものであれば五千万円補助金があって、あと五千万のうちの九割、四千五百万円が起債でございますから、五百万あれば一億のものが整備できるという体制は整えておりますので、補助率の点では私はいまこの状態でいいんではないか。さらに、そういう整備意欲をかき立てるための人員要求とか、いろいろな装備の要求ということもございますけれども、それでは自治体を指導しまして、仮にそういうところはやや十分でなくても、整備を一日も早く急いでくれということで指導をさらに続けてまいりたいと、こう考えております。
○神谷信之助君 まあこれは車だけ整えても、おっしゃるように、人間が整わなければだめだということになりますから、これは交付税措置も含めて自治省内部の問題でもありますから、積極的に整えられるように、そういう財政措置もひとつあわせて考えてもらいたいということです。 それから、その次の問題ですが、水島の日鉱の事故について、その原因は一体どのようにお考えになっていますか。
○政府委員(林忠雄君) 現在まだ実ははっきりしていないんだそうでございまして、学識経験者を集めて調査中でございます。ただ、いま言われておりますのは、地盤の影響ではないかという説が有力に浮かび上がっていると、こういう知らせを聞いております。
○神谷信之助君 五十年にあの三石事故があったものですから、消防庁の方でコンビナートのタンクの不等沈下調査をなさいました。で、このときタンクを水平にするときに用いた工法というのはジャッキアップであったように聞いておりますが、そうですか。
○政府委員(林忠雄君) そのとおりでございます。
○神谷信之助君 水島の日鉱の事故についてはまだ調査中ということですが、現地の消防署の意見なんかを聞きますと、そのジャッキアップをして、そして下に角材を入れると、そうしてやっているわけですね。ナンバー一八九ですか。で、完成をしたときに、不等沈下を修正をするためにジャッキアップをやって、角材を作業員の安全確保のために埋める、それで今度はそれを取り除きますと、その分地盤が緩みますから、それで意識的にこの角材を残したのではないかというように言っています。で、もしそうだといたしますと——まあこれは現地の消防署がそういう話をしているんですが、もしそうだといたしますと、この五十年の消防庁による検査のときに不等沈下だというように断定をされたもので、それを修正をするとき、同様にジャッキアップをやって角材を入れていると、そういう可能性があるんではないかというように思うわけですね。そういうことも考えられはしないか。そうしますと、この日鉱のナンバー一八九号のタンクと同様のやり方をやっておるタンクがさらにあるとすれば、これについては至急に開放検査をすべきではないかというように思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(林忠雄君) 水島のこの場合は、まだ原因は、いま申しましたとおりはっきりしていないので、地盤ではないかという説があるといま申し上げましたけれども、角材を入れて、これが一部残しているということでございますが、これも原因の一つではないかという疑いが持たれているそうでございます。ただ、どうもこれだけではない、まあ幾つかの原因が重なってということがどうも定説になりそうだそうでございます。そうすると、いま御指摘のとおり、同じような修理をしたところには同じような検査が必要ではないか、まさにそのとおりだと存じます。で、現在この石油タンクにつきましては、この法の体系の整備によりまして、一定の期間に保安検査をするという体制になりましたので、それの運用で、まあそういうことをやったところはなるべく早い時期にその検査をし直すという必要は当然生じていると思いますので、その点を留意いたしまして、たとえばその保安検査をやっていく順序とかその他についても指導してまいりたいと存じております。
○神谷信之助君 これは、当時、あのコンビナート防災法をつくるときに大分議論になったわけですが、一万トン以上のタンクについては十年ですね、境界をつくってそしてやるんだと、もっと短くする必要があるんじゃないかということを大分やり合ったわけです。しかし、いまは陣容、体制、能力でそれ以上早めるわけにはいかぬと。しかしできるだけ早めたいという、当時長官は答弁をしておりました。ところが水島ナンバー一八九号、これの完成検査は四十六年の十二月なんですね。ですから、五年ほどで腐食をして油漏れを起こしたということになるわけですよ。ですから、体制が整わないので、できるだけ早急にそういう能力をつけて、そしてもっと検査期間を早めていきたいというようにお答えになっておりましたけれども、しかし、もうすでに五年ほどで腐食をしているという状況が起こっている。特に、サルファの入っているタンクですね、これは腐りやすい、腐食しやすいというように言っています。ですから、タンク内の貯蔵物によって差があるわけですから、腐食の程度もね。したがって、腐食しやすいものを貯蔵しているタンクについては、十年ということではなしに、早くそういう検査をする必要がある。腐食の状況を調べようとすれば、これは開放検査する以外にないということになります。ただ、その場合問題になるのは、企業の方の都合があるわけですね。この不等沈下の問題の開放検査につきましても、いまはもう恐らく全部済んだんじゃないかと思いますが、先般聞いたときにはまだ残っていると。それは、企業側の都合で、もう少し空にするのを待ってくれということでおくれてきているという話もありました。ですから、企業側のそういう都合を聞いて、そして検査をするということでは、事故がいつ発生をするかもわからない、こういう問題もあります。したがって、こういった点も含めて、特に、水島にしても四日市にしても市原にいたしましても京葉コンビナートにいたしましても、こういう事故が再々起こっているわけですから、したがって、その地域の住民の不安はますます高まっているわけですね。そういう住民の不安をなくすためにも、安全を確保するためにも、タンクについての開放検査、これはより積極的に私はやる必要がある。消極的じゃなしに、より積極的にやる必要があるんじゃないかと、そういう指導を強める必要があるんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがですか。
○政府委員(林忠雄君) まさに御指摘のとおり、すでにもう五年でもってこういう腐食したタンクができたということで、それはほっておけないじゃないかということはもう御説のとおりだと思います。さりとて、その企業側の都合というのが、すべて企業側のもっぱらそろばんを上に置いたエゴであると言うわけにもまいらないと思います。タンクをあけて検査するためには一定期間休む、それからほかのタンクが必要だ、その他もありますし、企業自体ももちろん採算だけを考えていることではいけませんけれども、採算を全く考えないでやるということもなかなか困難だろうと思います。まあ、それに対して、今度はタンクの検査の順番とか、そういったものにつきましては実はまだ余り十分に完備しているとは言えないわけでございまして、いまおっしゃいましたような、中に入れているものの種類によって、あるいはタンクの大きさによって、あるいはタンクの建設が古い時点のものからということで、最も合理的にやるとすればどういう順番でどういうところを重視するということも早く決めてやらないといけない。それに従って、そういった企業の都合というのも許される限度では考えながら、できるだけ早く皆さんが安心していただけるような体制にこぎつけなきゃならぬということでございますので、消防庁としては近々におきまして、いま言ったような重要度その他を考えまして一つの基準を決め、これを通達して指導してまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 しかも、この問題の水島のタンクですが、これは五十年の消防庁の調査のときには、消防庁の指示した不等沈下の基準ですね、あれでは安全だという判定の出たタンクなんですよね。ですから、外形だけでこの不等沈下を見るというだけでは、腐食の場合は内部ですから、これはわからないわけです。それで、今度の場合は、前の三石の事故と同じように、底板から漏れた油が土をえぐる。三石の場合はさらにそれが底板の亀裂を拡大をして、そして膨大な量の重油の流出になったわけです。まあ今度の場合はそこまではいかなかったということで大事に至らなかったわけですけれども。したがって、そういう点を考えますと、これはそういう保安基準という点ですね。不等沈下の問題だけではなしに、そういう腐食の度合いの問題これらについても早く基準をもう一遍見直してみて、そしてそれに基づいて、いまおっしゃるように、基準も、順序もつけ、そして危険が予想されるものから早く検査をしていくという体制を私はやらなければいかぬと思うんですがね。この辺は、消防庁の方では、そういう点についてどの程度までいま研究し、あるいは段取り、準備を進めておられるわけですか。
○政府委員(林忠雄君) まさに御説のとおりでございまして、このタンクにつきましての技術的なそういった研究というのも実はまだ十分とは言いがたいと思います。水島の大きな事故を契機にいたしまして、一応その法的体系も整え、そういう検査をするとかいうような体制も整ったんでございますけれども、なお細部に至っての基準その他についてはまだ十分ではございませんし、それから私の方で学者の方にお願いしていろいろそういう基準を議論していただく中でも、見解が真っ向から対立したりするというような事案もずいぶんございます。やはり、こういうものは技術の進歩に従って、もう見直したからこれでいいということにはならないと思いますので、日進月歩の技術におくれないように、常に新しい見地から見直して、仮に基準を決めても必要があればそれをすぐに変えていくというような態度で進めていかなきゃならないと存じておりますが、それにつきまして、いま先生のおっしゃったような考え方でこれに対処してまいる。いままでもまいっておるつもりでございますけれども、なお、不十分な点があると思いますし、それから今後の技術の進歩によってはさらに変えていくということにもやぶさかであってはいけないと思います。そういうつもりで対処してまいるつもりでございます。
○神谷信之助君 長官にお尋ねしますがね、大体いまお聞きのように、きょうは時間の関係で、特にコンビナート防災の問題に限って質問をしてまいったわけですがね。これは地震の発生に伴って大事故を引き起こすというだけではなしに、日常的にその危険が存在をするわけですから、そういう意味で、一昨年暮れのコンビナート防災法の審議に当たっても、相当地方行政委員会でも現場の視察もし、そして審議も重ねて法の成立を見たわけです。ところが、いまおっしゃるように、まず一番初め、事故が発生してその通報をする、消防署に通報をする、この当然のことがいまだに企業の側で守られていないというのが、私はこれは一番最初の問題、大変重大だと思うんです。それをちゃんと、その通報義務違反については罰則も決め、実際やるんだと、これで企業の姿勢も正すんだというお話でしたけれども、実際は、それで罰則を適用しようとすると、それは県の防災本部の防災計画がちゃんとできておらぬとこれはちょっと有罪になるのはむずかしいんではないかということで、もう少し程度の悪い違反が起こったらおきゅうを据えようかという程度になっているわけですね。私はこれも大変だと。だから、これ、もう一年半ほどもたっていまだにそういう状態だということ自身も、私はこれはせっかく防災法をつくったたてまえから言いましても、私は政府の怠慢だと言わざるを得ないと思う。 それからもう一つは、消防力の問題です。これは、先ほど消防庁長官のお話では、七十四地区とおっしゃっていますが、それに現在十九台、これは三点セット全部そろっているわけでしょう。そして、今年度はさらに二十カ所配置をする。それにしましても三十九台ですからね。そのうち、七十四地区のうち九カ所はこの高所放水車などの施設を義務づけてないところがあるそうです。仮にそれを引きましても、なかなかこれ、五十四年度までとおっしゃっても、このままの状態では、いまの地方財政の実態から言うと、そう簡単には進まないということが懸念をされる。したがって、これについても、所管は自治大臣ですから自治大臣自身も責任はありますが、災害の全般についての責任をお持ちになっている国土庁長官として、私は、せっかく法律をつくっても、まだのんびりともたもたしているということでは、この法律成立のために国民を代表して審議をやってきたわれわれとしても非常に不満にたえないわけです。この点について、ひとつ大臣の見解と、それから決意をお聞きをしたいというように思うんです。
○国務大臣(田澤吉郎君) 石油コンビナートにおける火災事故の対策についてでございますが、これは、単に火災にとどまらず、ただいま御指摘のように、震災対策にもつながることでございますので、非常に重要な問題であろうと思うのでございます。 そこで、先ほど来御指摘のように、コンビナート防災法二十三条一項の、会社側の通報のおくれということは、先ほど来消防庁長官も答弁しておりますとおり、会社側の姿勢なり責任感の不足ということに対しては全く遺憾だと思うのでございます。また、都道府県の防災計画の策定については、さらに積極的に消防庁も強い指導をして促進を図らなきゃならないと思います。また、コンビナート関係市町村の施設の整備等についても、同様やはり消防庁において指導して促進を図らなければならないと思います。ですから、せっかくこのコンビナート防災法というのがつくられたのでございますから、この精神を尊重して、今後とも石油コンビナートにおける火災事故対策について積極的な姿勢で臨んでまいりたい、かように考えます。
○神谷信之助君 終わります。
○理事(上條勝久君) 他に御発言もないようですから、本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 本日は、田澤国土庁長官には全調査時間を御出席いただきまして、まことにありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十三分散会