公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/27
会議録
○理事(小林国司君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。 本日は、委員長が所用で欠席のため、かわりに私が委員長の職務を務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月九日、瀬谷英行君、安永英雄君及び阿具根登君が委員を辞任され、その補欠として野々山一三君、秋山長造君及び戸叶武君が、四月二十二日、和田春生君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が、四月二十六日、高橋誉冨君が委員を辞任され、その補欠として戸塚進也君が、それぞれ選任されました。 また本日、多田省吾君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。 —————————————
○理事(小林国司君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小林国司君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に中西一郎君を指名いたします。 —————————————
○理事(小林国司君) この際、中山自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。中山自治政務次官。
○政府委員(中山利生君) 去る十二月二十七日に自治政務次官を拝命をいたしました中山利生でございます。 大変機会がないままに、ごあいさつがおくれまして申しわけございませんでした。 きょうは自治大臣が出席をして御答弁申し上げる予定でございましたが、御承知のように、衆議院の決算委員会に呼ばれておりますために、私が大臣にかわりまして出席をいたしました。 申すまでもなく、当委員会は民主主義の基本的なルールを御審議いただく大変重要な委員会でございますし、また、諸先生方にはその方面での高邁な識見をお持ちの方々ばかりでございます。皆様方の御指導をいただきながら、この国民の期待する基盤づくりのためにこれから努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 —————————————
○理事(小林国司君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましてはすでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○中西一郎君 具体的な質問に入ります前に、私がどういう趣旨で質問するかという全体の、何といいますか、構図とまではいきませんが、スケッチについて申し上げたいと思います。 けさの読売新聞だったと思うんですが、参議院をどう考えるかという、改革案ですか、何かそういう連載がきょうから始まったようであります。きょうの記事だけに限って申しますと、与党の参議院の方も、野党の参議院の方も、いまの参議院のままではおかしい——リコピーというような言葉を使ってあったと思うんですがね、衆議院の焼き直しのようなことを同じようにやっている、というようなことで記事が始まっておるのです。私自身もミニ衆議院であってはならないとかねて思っているのですけれども、公職選挙法というものの中で参議院議員の選挙をどうするかということは、参議院がどういうものであったらいいのかということとの関連づけなしには議論され得ないんではないか、かような基本的な立場をもとにして、以下御質問をしてまいりたいと思うのです。 野党それぞれ御相談になりまして御提案になった今回の定数改正の案について、まずお尋ねいたします。 それは、われわれの経験だけでも、短い経験でございますが、二十六名増をお出しになった党もございます。十六名増という案もあったように記憶しております。それから十名増という提案をなされた党もございました。また、十二名増の十二名減という、差し引き増減なしという御提案をなさった党もございました。それらの経緯を考えますと、今回の十八名の定数増というこの案は、論理的に言うと、二十六名ではだめなんだと、あるいは十六名でもだめで、十名でもだめで、十二名ふやして十二名減らすというのもだめなんだと、で、十八名がいいのだと、こういうことになったのだろうと思うんですけれども、十八名増ということについての根拠をまずお伺いしたいと思うのです。片山先生お願いします。
○片山甚市君 提案説明のときにも申しましたか、私たちとしては、定数を、現実に二百五十二名あります、その枠内でどのような形がとれるか、こう考えてみたのでありますが、一票の重みの開きの大きさ、これを何としても縮めていきたい。それでまた、逆転現象を起こしている区がございますから、それを解消していく。こういうふうに考えてみますと、御案内のように、神奈川県は北海道を超えておりますし、そういうことを考えて案をつくる。そのときには、まず大きく言って一票の重みをおおむね衆議院の三対一になりましたものに見合ってやりたいと考えているところです。そういたしますと、二名区のところが、一番下の鳥取県が、御承知のように、配当基数で〇・七八、それから三重県の二・二程度の開きがある。それを加味しまして、いろいろ検討しましたが、いま御質問のあるように、それぞれ原案にありますような形で訂正することによって、おおむね私たちが考えました逆転現象、一票の重みが解消されるとは言いませんが、是正される。前に二十六名の案を出した、それがどういうふうに変わったのか、どのように変わったのかという御質問でありますが、現実にこの機会に解決する、全党が一致していただくのにはこれが一番いいだろう、このような判断でありまして、二十六名の原案が間違っておるから十八名になったのではない。内容的にはそのように申し上げます。
○中西一郎君 二十六名増という案も出たし、十六名、十名、先ほど申し上げた十二名増の十二名減という案もあったことは、これはもう否めない事実であります。で、そういう案が出てくる理由は一体何なんだろうかということが一つ大きな問題だろうと思います。こういう問題を掘り下げる機会はまた別に持ちたいと思いますが、そういうことを一つ問題点として提起しておきたいと思うんです。 そこで、いま一票の重さのお話が出ました。確かに逆転現象はわれわれも変えなければならないと実は考えておりますが、その一票の重さの問題は、自治省まずお答えいただきたいんですが、現在一票の重さの一番軽いところと一票の重さの重いところを、どういう比率、割合になっておるか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(佐藤順一君) お尋ねの議員一人当たり人口における格差の問題であろうと存ずるのでございますけれども、これにつきましては、昭和五十年の国勢調査人口を中心に見てまいります場合に、神奈川県と鳥取県がこの議員一人当たり人口の格差が一番開いておりまして、おおむね五・五対一という関係に相なっております。
○中西一郎君 そこで、参議院の地方区の定数を考えたときのもとへ戻っての話なんですけれども、御承知のように、地域代表とも言うし、人口比例を加味したとも言う。その辺の御認識、片山先生いかがでしょう。
○片山甚市君 御承知のように、参議院の地方区の決定は、二人区、四人区、六人区、八人区とありますように、一つの人口の基数をつくりまして、それによって配当を決めたということでありますから、地域代表と言うのは正しくなくて、都道府県代表、漠然たる地域じゃございませんで、府県の代表でございますから、府県がある限り、人口が少なくても一人ずつ三年ごとに選ぶのが参議院の制度であります。そういたしますから、その意味では一番少ない鳥取県からいわゆる一番大きいところまでの間の問題でなくて、二人区のところで、御承知のように配当基数にいたしまして〇・七、上は二・二ぐらいですね。その間に約三倍の格差が極端に言えばあると言ってもいいでしょう。同じ二人区の中にそれだけの格差を認めて、そしてくくって包括的にやっておる。これはどうしても、この地方区というのは府県単位の意見を国政に反映させると考えたものと思っております。
○中西一郎君 いまお答えなさいましたように、府県単位ということであるわけですが、私思いますのは、その最小の単位である二人区というのは、これは地域にそれぞれ二名ずつ基礎的に割り当てられておると考えることができるのではないかと思うんです。 そこで、これは自治省に伺うんですけれども、その二人区の中ででも、一票の重さは人口によってそれぞれ違う。そこで、二人区の中で一票の重さの一番軽いところは、五十年の国勢調査でいいんですけれども、いま何県になりますか。
○政府委員(佐藤順一君) お尋ねの、二人区で議員一人当たり人口が一番多いところはどこかということに相なりますと、宮城県が二人区でございますが、議員一人当たり人口が九十七万七千六百三十四人でございまして、これが一番議員二人当たり人口が多いところに相なっております。
○中西一郎君 そこで次のことをお聞きするんですが、東京都が、議員一人当たり人口百四十五万八千人ですか、に同じ調査でなっておるはずです。で、それと宮城との格差をとりますと、正確な数字はどうなるんでしょうか。宮城と東京。
○政府委員(佐藤順一君) 議員一人当たり人口を東京都と宮城県で対比いたしますと、一・四九対一ということに相なります。
○中西一郎君 衆議院の場合と違いまして、参議院の場合には、府県にそれぞれ二人ずつ割り当ててあるという制度になっている。そういうことを考えますと、巷間言われておるような、またこの原案をおつくりになった基礎になっておると思われる一対五といったような格差、それを問題にすることは、参議院の地方区の定数の場合には当てはまらない点があるのではないかという意見もあるんです。それについて自治省、まずどうお答えになるか、お願いします。
○政府委員(佐藤順一君) 確かに、お説のとおり、議員一人当たり——一票の重みという言葉がございましたが、私どもは議員一人当たりの人口の格差ということで申し上げたいと思います。議員一人当たり人口の格差を論じます場合に、冒頭お答えいたしました議員一人当たり人口の最小である鳥取県と議員一人当たり人口の最大である府県とを直ちに比較すべきものかどうかについては、確かに問題があろうかと思います。さればと申しまして、今度は二人区でありましても、議員一人当たり人口の最高のところと最高のところと比較すべきかどうかについても、これまたいろいろと御意見があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、最小限一府県に二人の定数が配分されておるということからいたしますと、この格差を論ずる場合には、単に一番小さいところと一番大きいところ、二人区の中で一番大きいところと一番大きいところというふうに比較するかどうかについてはいろいろ御意見のあるところだろうと思います。
○中西一郎君 問題があるという御認識であろうと思うんです。片山先生その点いかがでしょう。
○片山甚市君 私たちとしては、現実に一つの県の、いわゆるいまで言うと、鳥取県と比較して東京がどうあるのかということを出すのは比較として当然だ。それをどのように選択をするか、その県代表として出される地方区のいわゆる議員の数をどのようにするかということは、国民の基本的な権利がどのように保障され平等になるかというように考えるんですね。 そこで、御承知のように、格差について幾らがいいのかというふうに聞かれているように思いますけれども、いまのところ、当然東京と鳥取県の比較をして、その間における矛盾点をどのように直していくかということについての大きな基礎にしたい。問題があるということは、先ほど申しましたように、二人区ですら、私の方が申したように、ここで鳥取県と宮城県を比較すれば、配当基数で鳥取県は〇・七八九ですね、そして宮城県は二・六五五です。中西先生がいま御質問しておるように、宮城県や岐阜県の下にある岡山、群馬、鹿児島、熊本、栃木、こういうのははるかに宮城県より下です。それと、二人区の最高の配当基数二・六五五になっておるものと東京と比較してのお話は、余り格差はないじゃないかということについての御意見が述べられたと思いますが、私は初めから二人区においてすらこれだけの格差があるということを認めておるんですから、このようなものの中でも当然比較をされて定数を決められるべきだ。といいますのは、当初決めましたときに、定数を決めるときには配当基数で割り当てた数を議員定数にしておりますから、私たちは配当基数というのを非常に重く見るし、それから先ほど申しましたように、一番少ない人口の割り当ての数と最高のところを見て、その国民の権利がどのように保障されておるのかということをわかってもらい、それについての是正を求めていく、こういう態度には変わりはありません。
○中西一郎君 地方区の定数のあり方といいますか、あるべき姿ということについて、私の考えておることといま御答弁になったことには若干のずれがあります。これをいますぐどうのこうのというふうにも考えていませんが、私後で若干触れますが、この参議院について、ある学者グループなんですけれども、最近こういうことを言っておるんです。地域代表に徹するべきではないか。そして地域というのは府県ということで結構なんですが、府県代表に徹するべきではないか。一回に一人ずつ選挙するのか二人ずつ選挙するのか別として、任期は六年としても、いまの全国区をむしろ廃止して、平均に各都道府県に定数を割り当ててしまったらどうだ。要すれば議員の総数を少し減らしてもいいじゃないかというような意見があるわけであります。それだけではないわけですが、そういった意見もある。そういったようなことを、将来の参議院のあり方という点を考える場合には、どうしても無視するわけにいかないと私は思っております。 そこで、当面の御提案の法案についての質問に戻りますが、ある地域で、人口の多い埼玉、東京というのはあるわけですけれども、そういったようなところで、これは予想しがたいという御見解もあるでしょうけれども、ある地域で人口が非常に減る、それが隣かもう一つ隣の県に移動していく、そういうこともなくはないと思うんです。いままでは過密ということでどんどん太平洋ベルト地帯へ人が集まりましたけれども、これ逆転現象はまた起こるかもわからない。そういうことを考えますと、ある地域で人口が大変減って、同時にどこかで大変ふえたと、そういうときに、今回御提案の法案と同じ考えでいくと、減ったところは減らさないで、ふえたところをふやすんだと、こういうことになりそうなんですが、そういうふうにお考えなんでしょうか。
○片山甚市君 それは中西先生の誤解というか、私たちの提案説明を十分お聞きをいただけないお気持ちから出ておると思います。 御案内のように、昭和二十一年でございますが、参議院が構成されて今日まで国民の人口がふえておりまして、減った県があったらお聞きをしたい。全体の人口はふえております。昭和五十年の国勢調査では、昭和二十一年の法制定時の人口よりも減少したところはないということですが、激増したところがあったということに相なる。その例は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪など、太平洋ベルト地帯。しかし、過疎だとかなんとか言っておるけれども、全体に府県の人口がふえておるということでありまして、一票の重みが人口のふえたところは余りにも軽くなったんです。 そこで、質問に答えます。激減をする、人口が減ったというときに、減らすつもりがあるかということだと思います。そういうことは予想もしておりませんが、当然、人口が東京が百人になったと——極端に言います。それでも十人区にしてあるんだから十人にせよと言いません。東京都が人口が百人になったとします。激減というんですかね。極端に言わないとわからないでしょう。それでも十人の国会議員を送れなどとは言いません。お答えをいたします。
○中西一郎君 ありそうもない話を例に出して申し上げたんですけれども、しかし、物の考え方ということはありますからね。で、バランスということをもとにするについても、われわれとしては二百五十二名の総数はこれは変えるべきではないだろうということを前提に申し上げておるわけです。そこで、やはりどこかふえれば相当無理をしてでも減少をする府県があってしかるべきではないか。ふえたからふやすんだということだけでは、これは十分な考え方であるとは思えないという点を特に強調いたしておきたいんです。 それから次は、法制局長官、わざわざお見え願っておるんですけれども、参議院のあり方、いかにあるべきかということについての質問であります。 両院制になっておる。先ほど申し上げたように、ミニ衆議院と言われるだけでなしに、そう思っておる参議院議員も相当いる。このままでいいのかどうか。では両院制というのは要らないのかということになると、やはりこれは現在の憲法でも決まっているし、なくするわけにいかない。それならばもっといいものにしたらいいじゃないかということになっていくだろうと思うんです。そこで、衆議院の方でいま——今明日どうなるのか知りませんが、日韓大陸だななんかのことでがたがたする、そういうことがあっても、参議院は参議院なりに自分の任務を遂行していく、別の役割りを持ってもいいじゃないかという議論があることはもう御承知のとおりなんです。そこで、そういった点について、法律の番人というと悪いですけれども、非常に重要な仕事であるわけですが、法律というものを見ておられる法制局の長官として、両院制度というものはいまのままでいいのか、何かもう少し、外国の立法例とか実際の運営の実態にかんがみて、もう少し変える点、変えられる点があるんじゃなかろうか、そういう点についての御見解をお漏らし願いたいのです、法制局長官。
○政府委員(真田秀夫君) まあ学問上、二院制をとっている諸国の二院制のあり方の分類といたしまして、普通には、連邦制、連邦型の二院制とか、あるいは貴族院型——保守型といいますか、貴族院型の二院制とか、あるいは民主制型の二院制とか、あるいは職能型二院制とかいうふうに分けられているわけでございますが、日本の憲法では、これは御承知のとおり、国会は衆参両院で構成されておりまして、しかも、両議院の議員はいずれも全国民によって選挙された全国民を代表する議員をもって構成する、組織するとなっておりますところから見まして、明らかにこれは民主型の二院制でございます。連邦制だとか、貴族院制とか、職能制の二院制につきましては、それぞれ二院制をとっている理由が制度上非常に明らかなわけなんですが、わが国みたいに単一国家でありながらなお民主制の二院制をとっているというところに実は問題があるわけでございまして、こういう日本のような制度のもとにおいて二院、特に上院である参議院はどこに特色を持つべきかということで、学者の本を読みましても、そう際立ってわれわれも納得するようなはっきりしたことは実は書いてないんです。強いて言えば、下院である衆議院が解散して国会の一院が機能を失った場合にもなお国政が動くように、いまの緊急集会の制度に意味があるとか、あるいは同じような民主的な代議員制度である二院制をとることは、それはより一層民意を国会に反映させるのに手厚い制度である、あるいはまた、国政の運営についてより慎重な手続を踏むことになるというようなことが書いてあるわけなんでして、法律的にはそれぐらいしかお答えできないわけなんで、あとはやはり国会御自身の運営の問題として、それぞれの特色を発揮して、それぞれの議院の役割りを果たしていただくということを申し上げることで御勘弁願います。
○中西一郎君 お話は十分に理解できるわけです。ただ私は、これは片山先生にお聞きすることになりますので、ひとつお聞き置き願いたいんですけれども、できれば、いまちょうど日本へ帰っている立教大学の西山千明君という教授がいまして、彼は長いことアメリカへ行ってまして、いま帰ってきておるんですけれども、また来月実はアメリカへ行っちゃうんです。そういうことで、この当委員会へ本人に来てもらって、参考人として上院のあり方ということについていろいろ議論を深めてみたいというふうにかねて私思っておったんですけれども、しかし、それのチャンスが得られないのは大変残念なんですが、そこで西山君が言っておるようなことをそのまま採用するわけにいかない点が憲法上の制約もありますしするんで、当然それをどういうふうに具体的に日本の場合に適用するかを私自身も考えておるんですけれども。 そこで問題は、法律というものに自然法と実定法と区分けする。ケルゼンという人によると、法律は国会で成立したものがこれは何でも法律なんだというような実定法論者のグループがある。これは、たとえばヒトラーが国会で多数を得てああいう独裁国家をつくっていった、その独裁国家をつくったのも、これは議会で積み上げてつくったんだから、あれもやっぱり法律なんだということは言えないんではないかというまた別の立場がある。というのは、そういったような人間の自由とか、あるいは民主主義という基本にかかわる問題を覆すようなことが議会制民主主義のもとで行われてはならないんだと、そのために上院というものが必要なんではないかと、そこで法律を二つにかけると言ったんですけれども、利害関係を調節するようなたくさん法律が何本も出ます、毎国会数十本出る。そういう法律を、いわば行政法といいますか、命令法と名づけることができる。他方、そういう民主主義あるいは自由という大きな大原則、枠組み、そういう枠組みをつくる法律を枠組み法——常識的に言いますとね。その枠組み法というのが、自然法学者と言ってもいろいろ種類がありますから概括的に言うのは少し乱暴かもしれませんが、人類が続く限り守っていかなければならない大きな基本的な枠組みというのがあっていいんじゃないか。その法律は何かということになると、六法全書をひもといてチェックしていけば何ぼか出てくる。そういう枠組みを崩さないための法律を絶えず審議している、そういうものを改正するんならもう参議院先議にするんだ、言ってみれば、命令法とか行政法、日常の利害関係を調節するような法律は衆議院先議で結構だ、で、両院の独自性を発揮していく、というようなことを、ハイェックあるいはフリードマンあるいは西山千明、そういうグループがここ数年来唱え始めておるんです。そのことはもう御承知だと思うんです。そういうことを踏まえての上院、参議院のあるべき姿を見出す努力をわれわれはしなければならないんではないか、こういうふうに思っておるんですが、これ、片山先生、そういった点についてお答えいただけるかどうか、思ったとおりのことで結構でございますが、御答弁をお願いします。
○片山甚市君 これは本法案と直接関係ありませんから、答えることがむずかしいことです。 ただ、参議院制度の最も基本的な姿は、衆議院の審議や決定をチェックすることができることだと思います。この機能が本質的に保障されている限り二院制度というものが機能しておると思うし、本来のいわゆるあり方が失われていないと考えます。そういう意味で、むしろ衆議院が与党多数なら参議院は野党多数にしておいて、どちらも無理ができぬということになるのが望ましいかと存じます。
○中西一郎君 両院制度というのがあって、衆議院が暴走すると、そういうときには参議院がチェックする、そのお言葉に関する限りそれでいいと思うんですよ。ただ、チェックするというその中身の問題を先ほど来申し上げておったんです。 そこで、こういう議論を長く続けてもいけませんが、しかし、選挙制度を議論するからには、その選挙のやり方によって選ばれてくる議員さんというのは違ってくる点があろう。そういうことも頭に置けば、上院はいかにあるべきかということを横に置いておいて、それで選挙制度だけ議論するというのは、これは余りにも技術的な議論にとらわれ過ぎではないか。そういう所見を持っておりますので、申し上げておるわけです。 そこで、もう一つですが、それに関連しまして、参議院で政党化が定着する、あるいは進む、いずれも好ましくないんだというような何か一般的な世論があるように思う。私思うんですけれども、議会制民主主義というのは、やっぱりその担い手は政党なんであって、政党として未成熟な、あるいは政党に所属しないような方が国会で議席を得てくるということが弊害のない間はいいんですけど——弊害というと言い過ぎかもわかりませんが、政党が与野党伯仲してくる、そういうときに政党離れした方がいいんだといったようなことが巷間伝えられるし、国会の中でもそういう議論がなくはない。そういう点を考えると、私は西独の政党法のようなものがいますぐ必要だとは思いませんけれども、しかし、そういうものを研究していく必要はあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点は、自治省、法制局、御所見があれば伺いたい。
○政府委員(真田秀夫君) 参議院議員の方々の政党所属はどうあるべきかというようなことだろうと思うんですけれども、衆議院はもちろんのことでございますが、参議院もやはり各議員の方々のうち主義主張を同じくする方々が集まって党派をおつくりになるということは、これはもう当然あってしかるべきことなんで、行政府と違いましてね。行政府は、これは政治的に中立でなければなりませんから、政党に所属していけないとか、あるいは積極的な政治活動をしていけないというふうに法律で禁止をするわけなんですが、どうも国会議員の方々に政党に入るなと言うわけにはいかないんで、むしろ当然その政治的な場なんでございますから、政党というのをおつくりになることはあってしかるべきことなんで、ただおっしゃいます気持ちは、余りに参議院が衆議院と同じような政党所属関係が反映してくると、第二衆議院といいますか、ミニ衆議院みたいになるんじゃないかというようなお気持ちだろうと思うんですけれども、これはどうも法律で規律をするにはなじまないような事項だと思いますし、本来やはり政治の場でございますから、政党と切っても切れない関係にあるんだろうと思います。法律でどうも規律するというような場ではないというふうに思います。
○中西一郎君 そこで、地方区の定数増の案が出ておるんですが、私どもは地方区の定数については増と減と両方考えるべきだという立場を堅持しておるわけでありますが、先ほど来申し上げたような、あるべき上院の姿ということを考えました場合に、これは御提案の法律とは直接関係はないんですけれども、四十九年の選挙の前後を通じて全国区制について大変世論の批判も多かったわけで、その中身については申し上げませんが、むしろ公選法改正という場合に、どちらが世間から見た参議院のあり方に対する答えになるかという点から言うと、地方区の定数の問題もさることながら、同時に全国区の制度をどうするんだということも大変大きな問題で、いまだにあると私どもは思うんです。そういう点を考えましての政党についてどう考えるかということに触れたわけですけれども、全国区の比例代表制というものを、現段階でそれぞれの野党の皆さん御相談になったかなさらなかったかは別として、御提案なさらない理由がありましたら片山先生お伺いいたしたい。
○片山甚市君 地方区の定数是正は、従来の審議の経過から、当委員会の意見からも直ちにやってもらいたいということになっていますから、そのことについては四党でよく話をいたしました。しかし、全国区の問題については、それぞれの党にはそれぞれ意見がございますから、それぞれの党の御意見を尊重しながら、それは今後の課題になると思いますが、当委員会で私から御答弁をする余裕はございません。お答えします。
○中西一郎君 いまの問題と少し離れるんですけれども、先ほども触れました西独の政党法なんですけれども、政治資金規正法を先般来改正をして一年ちょっと経ました。で、この政治資金の問題に絡んで、西独の政党法というものを与野党一緒にもう少し共同で勉強する必要があるんではないかというふうに私は考えております。で、そういう立場で申し上げるんですが、政党の選挙資金なり政治活動に必要な経費——具体的な詳しいことは抜きでいいんですけれども、そういうものを国の財政が保障をするといいますか、補助というと少し厳密な意味合いで誤解があると悪いんですけれども、保障をするというような制度が外国に相当立法例としても出てまいりました。で、選挙のうらはらで、選挙費用というのはどうしても要るんですから、そういった問題も与野党一緒にこれから問題を詰めていく必要があるんではないか。そういう立場に立っての質問でございますが、自治省の方でいろいろ諸外国の立法例を御検討だと思うんですけれども、考え方として、そういうものは日本の現状になじむのかなじまないのかについて、御所見があれば伺いたいんです。
○政府委員(佐藤順一君) 政党に対する国家からの助成の制度がなじむかなじまないか、また法理論的にどうか、いろいろとこれはやはり議論をしていただきますと御意見のあるところと存じます。 まず、その手がかりといたしまして、御質問にもありました西独における政党に対する国からの資金援助の問題についてこれを見てみますに、西独におきましては、厳密に申しますと、政党の選挙運動費用に対する補助制度というものがあるわけでございます。で、これは西独におきましては、基本法上、つまり憲法上でございます、政党の任務が明定されておりまして、政党に対しまして適正な選挙費用を国が支出をするということについて基本法上の、すなわち憲法上の正当性と申しますか、根拠がそこに認められておる、こういうふうに聞いておるわけでございます。 そこで、政党に対する選挙費用の補助というものは、金のかからない政党本位の選挙というものを実現していくという見地からいたしますと、確かに検討すべき一つの方法と考えられるわけでございますけれども、何分にも議会制民主政治、それから政党制度、その根幹に触れるきわめて重大な問題でございますので、やはりわが国におきます政党の現状とか、選挙制度のあり方、加えて政治資金の規制のあり方、こういったものとの関連におきまして、他の重要な選挙制度と同様に各党間で十分お話し合いいただきたいというのが私ども政府の考え方であるわけでございます。
○中西一郎君 少し話を変えますが、というのは、目下この七月の上旬に投票日がうわさされており、で、全国いろんな形で、政治活動といいますか、選挙のための準備活動といいますか、が行われておりまして、きわめて緊急の問題でもありますが、一つは、片山先生自身が、前の七十四国会ですか、でポスターをこう出されて、一つ一つ当時の選挙部長に、これはいいか、これは悪いかと言って詰められたことがございました。そのことを思い出すんですけれども、それを繰り返すつもりはございませんが、一、二、選挙部長、それからきょうは警察庁来ていただいていますね、の御所見を伺っておきたい。 一つは、裏張りをしてはいけないという話がずいぶん出ました。で、裏張りしていい部分と裏張りしちゃいかぬ部分との何か解明があったはずです。このごろコンクリートや板べいに、のりやピンでとめるというのがたくさん出ている。ところが、それでなしに、やや厚手のビニールと言ったらいいのかどうか知りませんが、要するに、ああいうたぐいのもので、一枚なんですよね。一枚なんだけれども、穴をあけて針金を通して金網に張ったりガードレールにぶら下げておけば、それは紙と違うから相当しゃんとして保存できる。長い間人が見てくれるというようなものがあちらこちらで見受けられるんです。で、裏打ちはしてない、しかし、へいに張る必要もないというようなものがいまあらわれている。これは新手の戦術だと思うんですけれどもね。ところが、当時片山先生が御質問になったときの経緯から言いますと、そういうような壁に張らざるを得ないもの、あるいはへいにピンでとめざるを得ないものはまずいいだろうと、しかし裏張りするのはいかぬという趣旨であったんじゃないか。すると、裏張りしなくても裏張りしたものと同様に扱えるものというのは裏張りしたものと同じに扱うべきじゃないか、これはいけないんじゃないかというふうに私は思うんです。 そこで、明らかにしていただきたいことは、私のいまの考え方が間違っておるかどうかということと、そして、その裏張りしてはいけないものというのは一体どういう場合場合に該当するんだということも、後で取り締まりされるんですからね、だから選挙運動をやっておる人はよく知っておりませんと、これ困るということもあろうと思うんで、その二点を明らかにしてもらいたいんです。
○政府委員(佐藤順一君) お答えいたします。 本来政治活動は自由であるということから、政治活動用のポスターが非常に常時多数掲示されるということはあるわけでございますが、しかし、その中で裏打ちをしたポスターが非常に大量に掲示されるということは、これはやはり金のかかる選挙ないしは金のかかる政治という見地から望ましくないということで、さきの改正が行われたわけでございまして、その結果といたしまして、裏打ちをしてはならないポスターは何かということになりますと、公職選挙法の百四十三条第十四項の関係でございますが、裏打ちを禁止されておりますポスターは、公職の候補者等の、つまり個人の政治活動のために使用されるそれら候補者等の氏名または氏名類推事項を表示してあるポスター、これが一つ。それからもう一つは、後援団体の政治活動のために使用される当該後援団体の名称などが表示されているポスター、大きく分けましてこの二種類であるわけでございます。 そこで、第二のお尋ねで裏打ちの態様についてのお話、あるいは裏打ちをすれば掲示できるポスターについての御見解、お尋ねだと思うんでございますが、ポスターと申しますのは、やはり先ほどお話ございましたとおり、通常主として張りつけて使用する性質のもの、紙等に一定の事項を記載いたしまして多数人に見せるために作成されるものと、こういうふうに解されるわけでございます。で、この裏打ちポスターとして禁止されますものは、まずポスターに裏打ちをされているもの、これが禁止されることはもちろんでございます。同時に、今度はポスターでないもの、これもまた禁止されるわけでございます。そこで、ある文書図画がポスターと言えるかどうかということに相なってくるのかと思いますが、一般的には、その文書図画の材質あるいは硬度、かたさ等からいたしまして総合的に判断をしていかざるを得ないわけでございます。そこで、仮に実質的にベニヤ板それ自体、あるいはプラスチック板それ自体を使ったような文書がありましたならば、これはとうていポスターとは言えない、つまりポスターに裏打ちに使うであろう材質のものを、そのもの自体を使ってつくった文書図画が仮にありましたら、それはポスターとは言えない。そこでむずかしいのは、いまお尋ねのありましたビニール製のものでございますが、これなども、いま厚手のものとおっしゃいましたか、かたいものとおっしゃいましたか、そういうようなものでございますと、これが、いま申し上げましたベニヤ板それ自体を使ったポスターというものはあり得ない、あるいはプラスチック板それ自体を使ったポスターというのはあり得ないと申し上げましたのと同様に、ビニールの厚手のもの、ないしは非常にかたい、それ自体プラスチックに近いようなものが仮にありました場合には、これはポスターとはなかなか認めがたいのではないかと思いますが、ビニール製と申しましてもいろいろと種類がありますものですから、その態様によりまして判断が違ってくるかと思います。
○中西一郎君 いま態様によりましてというお話がありましたけど、要するに、コンクリートやへいとか板べいに張りつけるざるを得ないものと、独立してその掲示の役割りをするものというその効用でぴしゃっとお分けになったらいいと思うんですがね、使っておるその態様によってもう区別しちゃう、その方が警察の方もやりやすいと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(鈴木貞敏君) まあ、法令解釈、先ほど百四十三条十四項の問題、あるいはポスターとは何であるか、そういう面について選挙部長からのお話がございました。解釈全体としまして、私たちもそういう主管庁のあれに基づいてやっているわけでございますが、いま先生の御質疑の具体的なそのビニール云々という問題につきましては、まあ警察として違反であるかどうか、どう処置すべきかということは、一線の警察官を含めましてその都度慎重に検討をして、それぞれ適宜な、適正な処置をするということに心を砕いているわけでございまして、具体的にそのビニールの問題は、ちょっと現物を見まして、これだと、こういうものはどうだということで具体的な判断をしませんと、率直に言いまして、私もこの席でどうであるかということはお答えしかねるというふうなことでございます。
○戸塚進也君 関連。ただいま中西委員が御指摘のことはもう切実な問題として、後で警察からお小言言われても大変困るし、また、関係者としては非常に頭の痛い問題だと思うんです。 そこで、いま全国的に——これは特定の政党とか特定の団体を指すわけじゃありません。これは何党を問わず、何団体を問わずの傾向でございますが、たとえば〇〇党掲示板、あるいはまた〇〇の政治団体があります。あるいはまた何かの団体、そういう団体の掲示板という、ベニヤ板ではないか、ベニア板の二倍ぐらいの黒板形式みたいな小さいものがありまして、で、その小さいもののところへ、まあ今度の立候補予定者の方の励ます会というふうなポスターか何かがこういうふうに張ってある。これは別に特定の候補者の方だけの掲示板じゃないんですよ。そうじゃなくて、〇〇党掲示板だとか、あるいはまた〇〇団体というような——断わっておきますか、別に特定の政党じゃなくて、これはほとんどのいろんな団体とかなんかがそういう傾向にあるんです。こういうものがいまの公選法で合法的と考えられるのか、あるいはまた、それはどうもちょっと問題があるのか、この点はよく承っておいて今後の参考にしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤順一君) ただいま例示をされましたお尋ねの問題は、いま主題となっております裏打ちポスターの禁止の関係から申しますと、常設の掲示板、あるポスターを張るために特につくった裏打ちではなくて、常設の掲示板に、ある方のポスターを張ったり、ある団体のポスターを張ったりということに使われる場合には、これは裏打ちポスターとは考えられないと、こういう考えでございます。
○戸塚進也君 わかりました。 そういうことなら、常設という意味は、一年も二年も前からずうっと常設してあるというのも常設、それからまた、今回からたまたま〇〇党掲示板、〇〇団体の掲示板というのができたが、それがこれから別に選挙にかかわらず二年も三年もずうっと継続しているんだというようなことであるならば、それは裏打ちポスターには入らぬと、こういうことなんでございますね。
○政府委員(佐藤順一君) 基本的にはそういうふうに申すことができると思います。もっとも、選挙も目睫の間に近づいてまいったことでございますので、それが非常に大量性を持って一地区に限定して、しかもそれに張ってあるものは特定の立候補予定者のものばかりであるというような場合に、いまの裏打ちポスターの禁止の関係の評価ではなしに、事前運動を禁止しておりますところの公職選挙法の百二十九条関係の判断をされている場合もあろうかと思いますので、これは御注意いただきたいと思います。
○中西一郎君 いまの問題は私、しかしこれ、現物を現場から外してくるわけにもいかないのですけれども、どこにあるということは後で申し上げますから、その実例を踏まえて御判断をいただきたいと思います。 次に、話を少し戻しますが、先ほど政党の政治活動、あるいは選挙活動に対する国家財政の保障の問題をお尋ねしたんです。それはさらにまた機会を見て与野党の皆さんと話を詰めていかなければいかぬ問題であると思うんですが、それに関連しまして、これはある学者の意見なんです、私の意見じゃない。企業の政治献金はよくないとよく言われますし、そういうことを言う人もいる。ところが、大企業もあれば中小企業もあるんでしょうが、労働組合はまたいわゆる革新政党の勢力の力を借りて自分の生活の向上を図られる。そのためにはまた政治献金も行われるというようなこととつなぎ合わせて考えますと、中小企業もいま大変苦しいと、あと四、五年大変なことになる、構造改善をやらないといかぬ、ひとつ政治活動をして、与野党と限らない問題ですけれども、政治献金をしてひとつこういう新しい法律の実現を期そうではないか、というような話が起こることもいままであった。これからもあり得るだろうと思うんです。そうすると、個人ならよくて企業なら悪いのだということが一体どこから出てくるのかという疑問もまた沸いてくる。 そこで申し上げるんですけれども、企業は宗教団体にも社会事業にも寄付をしている。で、政治に対してもやっている。そこで、宗教事業や社会事業と政治というものとは一線を画せるものなのであろうかという疑問をある学者が出しておるんです。それだけのことで判断するのは非常にむずかしいかもしれませんが、選挙部長なり片山先生もお答えにくければお答えなくて結構なんですけれども、その辺は一体どう御理解なさるか、お答えいただきたい。
○政府委員(佐藤順一君) 企業からの政治献金についてはいろいろな見解があるところでございますけれども、このことにつきましては、昭和四十五年の最高裁判所のいわゆる八幡判決、これが非常に明快に結論を出していると思うわけでございます。すなわち、会社は自然人と等しく、一つの社会的実在として一般社会から期待ないし要請される社会的作用は当然なし得るものであり、社会福祉事業への資金面での協力などのほか、政治献金もまた当然に認められるものと考える。また、会社は納税の義務を有し、自然人である国民と等しく税負担に任ずるものである以上、政治的行為の自由を有し、その面からも政治献金は当然認められるものと考えられる。こういうふうに明快に申しております。これが一つの現在確立されている見解ではないかと思います。 それに対しまして、一昨年の政治資金規正法の改正で、企業の献金を含めまして一定の量的な制限、質的な制限が加えられたわけでございますが、この考え方は、以上のような考え方に立って、政治的な自由を有し、政治献金も認められるという考え方に立つけれども、その量は分相応のものであることが望ましいと、こういう見地から、改正後の政治資金規正法におきましては、量的な面での制限のうち、すなわち年間を通じて総額幾らまで献金ができるかということを大体規模に応じまして制限をする、こういう総額制限と、それから、一会社は一受領者に対して年間百五十万円に限るという個別の規制、合わせましてこれを量的制限と申しますが、これが加えられたのが、先ほど申しました献金の分量は分相応であることが望ましい、こういう考え方に立ったものであるわけでございます。
○中西一郎君 そこで、これで私の質問を終わりますが、西独の政党法の話も少し持ち出しました。いま政治資金についての問題点も少し出しました。公職選挙法ということになると、参議院のあり方はどうだということも問題になるし、また政治資金のあり方はどうだということも問題になる。こういう問題を与野党一緒に、委員会も結構ですけれども、委員会だけでなしに、お互い話し合って問題を詰めていく、そういう努力を与野党それぞれすべきではなかろうか。まあ公職選挙法というと対立しがちでございますから、そういう場を持つということは非常に困難かもしれません。しかし、対立は対立、話し合いは話し合いと、こう分けまして、やはりそこは皆さんりっぱな議員さんばっかりおられるんですから、せっかく良識の府だとみんなにも言われておるかどうかは別として、言う人もたくさんおるんだから、そういう機会を持つための努力を私どももいたしますが、きょうは野党代表で片山先生御提案者としてその席にお座りでございますので、そういった与野党全体がこの参議院をどうしていくんだとかということにかかわるすべての問題を話し合う、そういうことについてのお気持ちを御表明いただければありがたいと思うんです。
○片山甚市君 当委員会が設置をされておる趣旨は、そのことを含めて、やはりこの院に所属する者たちが十分に意見を合わせて国政の革新と、こういうことであろうかと思います。そういうことで、いまの御意見については十分に承っておきたいと思います。
○向井長年君 私は、大臣が衆議院のようでございますから、政務次官並びに提案者に確認を含めた質問をいたしたいと思います。 いま中西議員の質問を聞いておりますと、委員会で質問は自由でございますから、これは結構でありましょう。しかし、いま提案をしておる定数是正の問題とあわせて、制度問題、参議院の制度問題、あるいはまた機能、参議院の機能、こういう問題を含めての質問であると思います。これは、質問は自由でございますから結構でございますけれども、履き違ったらいかぬのであります。制度というものは、これは言うまでもなく大きな問題でございますから、今後十分検討しなければならぬ問題であります。たとえば、自民党さんが言っておる参議院全国区の問題であるとか、あるいはまた、過去において衆議院においては言うならば小選挙区制の問題を考えるとか、こういう問題は制度の問題でありまして、相当これは時間をかけて十分国民の意見も聞きつつ検討しなきゃならぬ問題、そしてもう一つは機能の問題です。読売新聞のきょうの記事を見ても、私の発言もあります。確かに、いま、参議院は完全な機能を果たしているかと言えば、必ずしもそうではないと思います。何に原因があるかと言えば、やはり参議院の今後の機能、運営、改革が、いまも提案がありましたが、十分検討しなければならぬことは事実です。たとえば、参議院の二院制という、いわゆる衆議院から送られたものに対するチェックをするというならば、各党の拘束をされないという状態も一つの法でしょう。これは、やれるやれないは別であります。あるいは場合によれば、自民党さんがいま大臣を送っておりますね、内閣に。これもやめよと、独自の立場で、参議院は国政全般に対してチェックをするんだと、こういう問題も一つの機能のあらわれであります。したがって、そういう問題は今後時間をかけて検討することにして、たまたま河野議長が誕生して以来、参議院政革をやろうではないかということで各党の代表を委員にして、たびたびこれを重ねてまいっております。現在まだ続いておるんであります。当委員会でもやらなきゃならぬでしょうが、そういう問題はそれとして、今後の検討課題でありまして、これといま四党が出しておる、提案者が趣旨説明をいたしました定数是正とはおのずから別個の問題である。この認識を私はまず新たにしてもらわなきゃならぬと思います。そういう中で自民党さんがいま降いて湧いたような形で考えられておるが、そうではないです。長い歴史を持っております。 そういう中で、自民党さんは、増もあれば減もやるんだということをいまも言われておりますが、減というのはどこから出てきたのか、私から質問じゃありませんが、一応提案者に確認いたしたいのですが、昭和二十二年でしたね、参議院が発足いたしましたのは。昭和二十二年の趨勢を考えたときに、定数がそのときに決められております。そのときの定数が各地方区においてどういう状態であったか、いまから考えるならば、本当に人口が低い中において考えられた定数です。それから減っておるかどうかという問題、いま提案者もそれは先ほど答弁されておりますが、そのときの人口から、あるいは有権者から減っておるかと言えば、絶対減っておるところはどこにもないはずであります。したがって、基礎をどこにとるか、いわゆる減の基礎をどこにとるかということは全くこれは論議にならないところでありまして、少なくとも現状を基礎として、それから著しいところをいかにこれをどうするかというところにこの提案の趣旨が私はあると思っております。したがって、これを明確に、もしこの定数是正に反対の党があるとするならば、十分この認識をまず改めてもらわなきゃ困る、こういうことを私は意見として、まず申し上げておきたいと思います。これは、ひとつ提案者、私の言ったことを確認の意味で、いかがでしょうか。
○片山甚市君 向井さんのおっしゃったとおりでありまして、実は昭和二十一年に鳥取県の人口は五十五万七千四百二十九名でございました。昭和五十年は七十七万四千九百五名となっておる。東京都は四百十八万三千七十二名のところ、千百三十四万九千六十五名となっておりますように、全体として人口が増加した。その分についての一票の重みが軽くなったのに対しての是正と、特定の工業地帯あるいはベルト地帯ということで人口が集積をしまして特定の都府県がうんとふえました。それによって起こった、人口増による府県のアンバランスを直すという最小限度で、これは国民の皆さんから了承してもらえる問題と思って提案をしております。
○向井長年君 続いて、中西議員は昨年は公選特別委員長でございましたね。そうでしたですな。
○中西一郎君 一昨年。
○向井長年君 一昨年、そうでしたね。それでよく御存じだと思いますが、これ一昨年衆議院の、いわゆる分割定数是正がございましたね。これに呼応して参議院も直ちに定数是正をやるべきであるという意見が各党間で出まして、そしてこの問題が、御存知のごとく、非常に当委員会においても審議がせられ、いろんな代案が出、それから最終的には、これはとうてい委員会の結論が出ない、小委員会も持って審議したけれども結論が出ない、意見の対立である、こういう経過が実はあったでしょう。 そういう中から、これは法案審議を含めて、その他の法案審議も含めて——重要法案もございました。こういう中にあって、各党間の話し合いに持っていかざるを得ないではないか、こういう中から、言うならば国対に上げまして、そこでいろいろと各党間で話し合ったと思います。最終的には、この問題についてはどうしても各党間で話し合っても結論が出ない、そこで、会期は迫ってくるし、その他の重要法案はあるし、やむを得ないということで、各党の代表が河野議長のもとで、いかにこれを処置すべきかということで、いろいろと検討されたはずであります。そういう中で、やはり参議院は良識をもって解決しなきゃならぬではないか、そのためにはひとつ、いろいろと各党の主張があるけれども、何とか私もあっせんの労をとりたい、議長は——そうして一つの案が出たはずであります。これは自民党の皆さんも御承知かと思いますが、この案が、著しい増のところについては定数是正をことしの七月の参議院通常選挙までに必ず行う、こういう裁定が出て、これを各党が受けたはずであります。当時、まあ公明党さんと共産党さんはそれには捺印いたしておりませんが、あとで、当然だという形でこれは追認されて、今日共同提案になっているはずであります。 したがって、自民党さんは、この場合安井会長が党を代表して河野裁定を受けた。これは恐らく忘れていないと思うんです。そうなれば、一かけからではなくて、もう前進をしておるのです。しかも、時期はあと二月ほどすれば選挙でございますが、それまでにこれは解決をしなきゃならぬという宿命を持っている法案なんです、これは。自民党さんも、ともに共同提案をやるべきであったはずでございますけれども、自民党さんに呼びかけても、やはり先ほど言われるような減の問題が出てきてどうもならぬ。野党四党でこれが相談の中から、ただいま定数是正のいわゆる法案を提出、議員立法でしておるわけであります。こういう実情を自民党さんはいかに考えるかということを、私は非常に疑問に思うわけでありますから、しかし自民党さんにここで質問するわけにまいりませんから質問はやめますけれども、そういう経過があるということを十分認識をしなきゃならぬ問題であります。したがって、こういう経過について、提案者である片山さんはどう考えられるか、まずお聞きしておきます。
○片山甚市君 先生のおっしゃるとおり、私たちは、いままで当委員会を通じましても、地方区定数是正というものが、少なくとも最高裁判所から指摘をされておる国民の基本的な権利である一票の重みをこれ以上広がらさないための措置をとるべきだ、また、先ほど申し上げた府県単位の地方区でありますから、逆転現象が起こっておる問題について解決をする、そのようなことをやろうとするときには必ず、中西先生がおっしゃったような制度の問題もありましょうけれども、その次にそのような問題が討議されるもの、当面する、いわゆる最高裁判所等から御指摘を受けるまでもなく、私たちの立法機関としての措置を政党が合意をしてやるべきだというようにやってきましたし、あと、提案者といたしましては、自民党の方か今夜でも御相談して、野党の言い分について大きくうなずいていただくならば、この法案についての、いわゆる成立といいますか、条件ができるはずであろう、こう思っております。ですから、向井先生の方からおっしゃったように、いま何を求められておるかというと、いままでの審議の経過、公党間の話し合い、当委員会でもいろいろと御議論して剱木試案なども出された自民党の御努力が、いわゆるもうあと一歩歩み寄っていただくのは自民党さんの考えによってであろうと、こう思っていますから、先生の御説はもっともだと存じます。
○向井長年君 政務次官にお伺いしますが、いま私が言った経過です。いま提案者も確認をされております。私はこの問題については重要視いたしまして、三木内閣当時も、本会議なり、あるいは予算委員会、先般は参議院の予算委員会で福田総理にも明確にこの質問を私はいたしました。こういう過程で、総理もこれについてはうなずき、何とか各党間で一致するように努力をしたい、こういうことを言っておられる。特に所管である自治大臣がきょうはおられませんが、政務次官としてもこの問題については十分理解できると思いますが、いかがですか。
○政府委員(中山利生君) おっしゃるように、当委員会におきましても長年にわたって各党ともに御努力を積み重ねられておりまして、ある程度のそれぞれの試案等もおできになって、それを詰めておられるということも承っております。しかし、まあ選挙制度調査会などでも、院の独自性、それから選挙制度のあり方、定数是正のあり方、また、定数是正については、総定員をふやすべきか、総定員の枠内でやるべきか、また、ふやすとすればどの程度にしたらいいのかというようなこと、また、全国区の選挙制度との関連というようなもろもろの議論が出ておりまして、まあ決着がつかないといったような状態でございます。で、この事の重大性につきましてはわれわれもよく認識しておりますし、今後とも、総理がしばしば御答弁申し上げておりますように、とにかく民主政治の基盤づくりの問題でございますから、先ほど中西先生がおっしゃったように、与野党ともなお一層話を詰めていただいて、そして適当な結論が出ると、それに対してわれわれは御協力を申し上げるという形でまいりたいと存じます。
○向井長年君 あなたは政治家ですよ、政務次官ですよ、事務次官じゃないんですよ。まあ事務局というか、自治省のお役所さんはそういう答弁をされていいと思いますよ。しかし、あなたはもう政務次官という名称を持ち、自民党の代議士なんだ。いいですか、信義があるんですよ。これは参議院とか衆議院じゃない、党としての信義はやはり政務次官もあるはずであります。私が先ほど経過をたどって申し上げた。いいですか、河野議長の裁定というものは、この七月に来る参議院選挙に間に合わすように著しいところは増をするんだということを自民党の代表は受けておるんですよ、まずね。そうなれば、その信義は守らなきゃならぬじゃありませんか、党としても、あるいは政治家としても。それを役人が言うような答弁では私は納得できない。本来であるならば、こういう著しい状態で不均衡を来たしておるところ、しかも違憲判決まで出ておる、こういう中にあっては、自治省が腰を上げて、自治大臣が、あなたたちが、みずからもって是正をしなきゃならぬというのがあたりまえなんですよ。そうでしょう。それが、あなたたちはやはりいろいろ情勢があってやらない。したがって、野党四党が正常な形で提案をしているのがいまの現状なんです。いまのそういう事務的答弁は私は質問したんではない。あなたも自民党の代議士であり、あるいは政務次官という大きな肩書きを持っておるわけですから、先ほど言った経過の過程からこの参議院選挙に間に合わすように努力をしなきゃならぬ。ここに私は政務次官の大きな使命もあると思いますよ。この点についてどうですか。
○政府委員(中山利生君) 自民党の代議士と政務次官という、まあ二つの性格を持っておりますことは先生も御承知だと思いますし、長い間の各党間の話し合いの中で、やはり自民党がこの選挙制度の改革について果たすべき責任ということは私も十分承知しております。国民が期待するような、そういう結果ができますことを私も望んでおりますし、そのつもりで、まあ微力でありますけれども努力をしてきたつもりでございます。しかし、政務次官の立場といたしましては、何といいましても、これは各党間の、また両院の合意というものを尊重しなければならないという立場でございまして、私の答弁に先生まあ大変御不満とは思いますけれども、私の立場ではそういうふうに申し上げるほかはない。ただ、個人的に党員といたしましては、今後ともお話のような線で努力をしてまいるということでございます。
○向井長年君 私はあなたの口から、少なくとも先ほどの経過を聞かれるならば、党内でも努力しましょうと、党内でも、皆さんの言うことも非常にこれは理にかなっておると、最善の努力をしましょうと言うのが私は当然だと思うのです。しかしながら、たとえばわれわれ四党が出しておる案が、十八名増が、これはひとつ内容的に増でも、こういうところをして、ここはひとつ今回やめたらどうかとかいう代案がまた出てきてもしかるべきだ、これはね。これは自民党の自由でございますから。そういう形で積極的に解決に向かう姿勢を党自体もつくらなければならぬと思いますよ。あるいは自治省自体もそういう形で検討をみずからしなければならぬと思いますよ。だから、みずからそういう検討をすると同時に、あわせて、党内においての努力をあなたがするのが当然ではないだろうかと、これは自治大臣を含めてですよ。私は事務局に——事務局というか、自治省にそれをやれということ言いません。少なくとも大臣や政務次官はそれくらいをやらなければならぬ使命を持っておると私は思うのです。 いま漁業問題で、御承知のごとく、ソ連は理不尽なことを言っておりますよ。各党が非常にこれに対して問題にし、ソ連まで訪ソしておるでしょう。やはりいま私が考えるなら、これ非常に理不尽なんです、自民党の今日までの経過から考えることは。この理不尽な態度について、われわれはこれではどうもならぬと、こういうかっこうの状態になって、話し合いが決まっておったやつを覆す、次官がたとえば覆すということになりますならば、この国会、重要法案はたくさんまだありますよ、参議院においても。これは相当——これは自治省だけじゃございませんけれども、私は野党として問題にせざるを得ない状態が生まれてくるということを思うわけです。まあ自民党さんの議員さんもおられますから私は申し上げておきますが、俗に言う、のど元通れば熱さ知らずというたとえがありますが、そんな状態で政治というものは動いていかない。お互い信義は守らなければならぬ。野党間でも必ずしもすべてが一致しておりません。いや、この問題じゃありませんよ、他の問題で。それであっても、国民という立場でそれそれの立場をとっておるんです。そういう中で自民党さんも、少なくともこういう理不尽なことを言わずに、たとえば野党が十八名の増を出している、十八名は多いけれども十名にしたらどうだ、この個所、この個所でどうだという建設的な一つの提案があってしかるべきである。私はこれ、きょうここで出せとは言いませんけれども、今後これがそういう形で内容を詰めていくならば、また野党も話し合いの余地があるわけでありますから、そういう問題を含めて、今後われわれは十八名を堅持して、これを主張いたします。そういう中でやはり前向きで七月の選挙に間に合うようにやらなければならぬのが私は今日の段階だと思います。こういう点を私は意見として強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。 〔理事小林国司君退席、理事中西一郎君着席〕
○小林国司君 まず、政府側にお尋ねを申し上げますが、昭和二十一年に公職選挙法が制定されました当時、参議院議員の定数が全国区と地方区に分けられて、総体で二百五十名に決定されました。その内訳は、地方区百五十名、もちろんその当時は沖繩が入っておりませんから百五十名、全国区百名、合わせて二百五十名という定数が決められたわけでありますが、この定数の決め方について当時どのような理由から、またどういう関連をもって地方区と全国区の定数が決められたのか、この経緯を政府側から御説明をお願い申し上げたいと思います。
○政府委員(佐藤順一君) お答えいたします。 当時の国会審議の際の政府側の説明などを徴しまするのに、参議院の構成につきましては、参議院の第二院としての役割りにかんがみまして、立法当時できるだけ衆議院と異なる構成を持たせるための配慮というものが選挙制度についてもなされたものと考えられます。すなわち、衆議院の総定数との均衡を考慮しながら参議院の総定数が定められたということが当時の記録で明らかでございます。そして、それを全国区と地方区に分けます場合、全国区につきましては職能代表的な人材やあるいは学識経験者などが選出されてくるということを期待しながら、また、地方区につきましては地域代表的な性格を持つものとして、それぞれの選挙方法、それから定数配分が定められたというふうに承知いたしております。
○小林国司君 ただいまのお話によりますと、全国区は職能代表的な意味を持ち、地方区の百五十名というのは地域代表的な意味を持って定められたものである、そしてその総数はおおむね衆議院の半分である、こういうことから定められた。そこで、地方区と全国区の百五十名と百名というのは、永久にこの比率を守らなければならぬということは決められてはおりません。おりませんが、このバランスというものがいろんな形で崩れていっでもいいものか、どんなものか、こんな点について政府側はどうお考えになられるか。
○政府委員(佐藤順一君) ただいまのお尋ねに直接今後のいわば方針まで含めましたことをお答えするのは、とうていその任にたえないわけでございますけれども、やはり過去の経緯を見てみます場合、参議院の地方選出議員と全国選出議員の定数につきましては、まず、先ほど申し上げましたような考え方から、参議院の総定数を衆議院に比べまして相当少ない数字でもって決めることによって、やはり参議院の特異性を出したい。他面、議会活動というものを支障なからしめるという見地も必要である。こういうことからあわせて考慮されまして二百五十名という総定員が定められたわけでございます。そして、この二百五十名のうち、全国区につきましては、先ほども申し上げましたように、全国的な人物を選出するという考え方からいたしまして、地方選出議員の数よりも何がしか少なくした方が適当であるという考え方からいたしまして、地方選出議員の定数は百五十名とし、残りの百名を全国選出議員の定数というふうに定められたと、このように承知をいたしております。
○小林国司君 私のお尋ね申し上げたことに直接お答えをいただいてない面がございましたが、私は、百五十名と百名というもののバランスは今後守っていかなければならないものか、それとも、このバランスというものは人口の増減に伴って随時変更していってもいいものか、どんなものか、これについての御所見を伺ったわけでございます。
○政府委員(佐藤順一君) 御答弁申し上げます際に、一番最初にお断りしたことでございますが、今後の方針にかかわるものを断定的にお答えする任でございませんので差し控えましたけれども、ただいま申し上げましたような制定のときの経緯というものは十分今後におきましても尊重されて議論をされていくことだろうと考える次第でございます。
○小林国司君 参議院の地方区の定数百五十名、これは二十一年当時の各都道府県の人口を基準にして傾斜配分で割り振られております。したがって、そのときの議員一人当たり人口の最高と最低、いわゆる偏差と申しますか、これが宮城県と鳥取県で二・六であった。それが現在は、先ほど片山代表から御説明ございましたように、現在の偏差は神奈川県と鳥取県で五・五にまで、つまり二倍にまで偏差が広がっておる。したがって、このことは、一票の重さがこのような変化をしてきたことについては、これは妥当な定数であるとは言えないということは、私どももこの点については同感でございます。しかしながら、一方では、先ほど選挙部長のお話のごとく、地方区は地域の代表という意味も含んでおると。地域の代表ということは、人口の増減に従って——まあ人口は減はございませんで、ふえ方がひどいか、それほどひどくないかということだけでございますが、人口の変動に従って——地域の代表であるという意味を考慮したならば、直ちに人口の変動のひどいところはどんどんとふやしていってもいいかどうか。このことについては世の批判もございますし、これは減ということは現実には非常にむずかしい。しかしながら、私どもは、参議院の地方区の総定数を枠を広げていいものかどうかということについては大変疑問も持っております。したがって、地域の代表である、こういう意味からすれば、この定数の枠を広げるということについては慎重に対処していかなきゃならぬ、このように考えておる次第でございます。 そこで、片山代表にお尋ね申し上げたいと思いますが、先ほど向井先生からのいろいろな御意見もございましたとおり、現在の人口の変動に従って、減は現実にはこれはむずかしいから、増によって定数の不均衡あるいは逆転現象を解消すべき現在の時点に来ておるし、また一昨年の議長裁定の中にもこういう意味が含まれておる。これはお説のとおり、私どももそのように考えておりますが、しかし、枠を広げても——これが歯どめなしに無制限に広がっていっていいとは私どもは思いません。今回御提案の中身を見てみますると、十八名増ということについて、これはいろいろ御苦心なさった点はよくわかりますけれども、総定数の枠を、だからといって広げていっていいかどうかということについては大変私ども疑問に思っておりますが、この点について、減はむずかしいからやらないんだと、増だけでいいんだと、こういう論法が直に出てくるかどうかという点について、先ほどいろいろお話を伺っておりますけれども、もう一度片山代表からそのことについての御意見を承りたいと思います。
○片山甚市君 小林先生の御質問ですが、私たちとしては、一票の重さに大きな差が出ており、また急激な人口増のために逆転現象の選挙区があるのを是正するために、皆さんのおっしゃるように、総定数二百五十人の枠をいわゆる増加していいかどうか、その判断はどうなのかと問われていることについては、先ほど申し上げましたけれども、国民的な基本的な権利の保障を何よりも優先するのか、国会議員の数がふえるということは冗費になる、またはそれがむだ遣いになるというふうにお考えになるかによって変わると思いますが、私たちとしては、国民の権利を何よりも優先をさしていきたい。 で、無制限にふやしたいと思っておりませんのは、人口が無制限にふえると思っておりません。食糧の問題や消費、資源有限時代と言われるような時代でありますから、人口も近く静止をさせるという国際的な、国内的な運動もございますから、先生もおっしゃるように、日本の民族があふれ出て海に沈むようなことはない、こういう信頼感を持っていることをまず申し上げておきたい。 そして、現状においても、地域代表、都道府県として二人区のうちを見てみましても、先ほど言いましたように、配当基数でいくと〇・七八九の鳥取から二人区は宮城の二・六五五という二十六県の人口は正比例をしておりません。いわゆるなだらかに傾斜をしたままで認められております。さらに、四人区も十五府県になりますけれども、二・三〇六の配当基数から八・六八七の配当基数までの間の中にそれぞれの県があります。そういう形で、特に八人区の北海道の配当基数は七・二四九です。東京は一五・八四八の人口でありますが、それも比例をしておりません。こんなことで、御質問をしておる趣旨から言うと、二人区ばかりにせよ、全部、どこの県も二人区にせよ、四人区もいわゆる六人区も八人区も、それは参議院の地方区を法制定したときの趣旨に違っておるではないかとおっしゃらなければ、昭和二十一年から今日までの人口が加味されて是正をされる、三十年間の間にたまった矛盾点を十八名という増で解決ということは大変むずかしいこと、これで十分だと思っておりません。ですから、暫定的にという言葉を法案の中に言っておるように、いま当面の措置として緊急に、先ほど向井議員の方から御指摘のありましたように公党間の約束もあり、あるいは院のいろいろな討議の関係もあるから、これを提案をした。ですから、無制限にこれを広がらしていくつもりはないというつもりであります。 御質問があればさらにお答えしますけれども、私たちは定数をふやしたんじゃなくて、自民党の方から見ると定数をふやしたんだとばかり思うんでしょうが、国民の基本的な権利をいかに保障するのか、そして当該地区の逆転現象になった県民の総体的な権利をどのように守るのかということで、高度成長をやってきた日本の経済、これだけGNPが世界資本主義の国では二番目と言われるような経済になった、人口も一億一千万を超えるようになってきた、そのときと、だれも頼るものがないと言われる昭和二十二年との議員数が同じでいいということを言うのは、余りにも御発言をしておる側が、いわゆる党利党略的に聞こえはしないか、また国民が議員をふやしたらいけない、役員をふやしたらいけないという声があるのに便乗して御自分たちの御主張を言っておるんではないかというように、提案者の側としては非常に恐れます、断定いたしませんが。そういうことでお答えをしておきます。
○小林国司君 ただいま片山代表からの御説明のとおり、十八名増ということは、ただ単に定員をふやすということの意味よりも、一票の重さの大きな差をなるべく平均化したいという努力のあらわれであるということの御説明がございまして、そのことはよくわかります。日本の総人口が御承知のとおり相当この三十年間にふえております。 そこで、全国区百名という定数が初めから決まっておりますが、今日、百名の定数が、人口がふえたのにこれは少な過ぎるという声は全然出ておりません。なぜ出ないのか。これは完全に日本の国全体を一つの選挙区とした地域の代表だからです。人口の増加に関係がない。完全な地域の代表である。こういう意味から、全国区百名が、これは少な過ぎるからもっとふやせという意見は私らも聞いたことございませんし、片山代表も、全国区の議員の方でございますが、そういう声はお聞きになっていないと思います。このことは、完全な地域の代表であるという一つの証左である、こう考えます。 そこで、地方区も、その県、その都道府県の地域の代表であるという意味が初めから入っております。これはもう否定することはできません。ただし、人口の多い少ないによって傾斜配分されたことも、これもまた事実でございます。地域の代表であるということを考えました場合には、やはり総定数の枠を広げて平均化するという意味はわからぬではございませんけれども、そこにもう少し何か工夫があって、非常にむずかしい問題だと思いますけれども、工夫があってしかるべきじゃないかという感じがするわけでございますが、この点について片山委員どうお考えですか。
○片山甚市君 二百五十二名の総定数の中でいわゆる是正をするといたしますと、御承知のように、十五府県にわたる四人区について減をすることがまずとられなければ、また、六あるいは八のところに積み上げることはできません。そういたしますと、鳥取県は今度の選挙は参議院選挙はなしで行くのですか。そういうことまでやられるおつもりで御質問があればよくわかりますけれども。いわゆる鳥取県というのは正しくはありませんで、四人区のところが二人区になりますと、六選挙区であろうと五選挙区でも四人区を二人区にいたしますと、それはちょうど三年ごとの選挙でありますから、今度の第十一回通常選挙では選挙することができない定数になろうかと思います。方法はありますよ。そういう意味で私たちの中でも議論はしてまいりましたし、試案も幾つかはつくってまいりましたが、それは国民の権利を著しく抑えるというか、権利を失わせるものになる。そういうようなことを考えまして、先ほどから申しますような措置を十八名の増でそれぞれ議論をした結果、妥当なものとして考えた。 だから、先生が一番心配をしておられるのは、地方区という代表になればそれでいいではないかというのは、二人だけであればそれでよろしい。東京の一千百万人も鳥取の七十七万も一人ずつでいい、一人ずつというのは、三年ごとに一人ずつ、六年で二人でいい、それでいいではないかとおっしゃるならば非常に道理が通るのですが、困ったことに、いまいわゆる一千百万人おるところに東京は八人割り当てをしておる。人口を斜めに見ながらでしょう。配当基数という、議員数と人口で割った数で割り出した数が出ておりますから。今日北海道が人員が多く見えますけれども、配当基数割り当ては、昭和二十二年はその該当する数字があったからなったのでございまして、こじつけ、牽強付会ではございません。そういう意味で、現状が大きく変わったのにかかわらず自民党の皆さんの方では制定当時の趣旨を説かれておるのでありますが、制定当時の趣旨から言いますと、人口に正比例でございませんが、斜めに大体合うように傾斜比例をするような配分をするような形になりながら来た。それか著しくでこぼこ——というのも、ぼこじゃなくて、でこ山ばかりができまして、そういうことで起ったことですから、少なくともそういう措置が人口急増地帯に対する対処として行われた。急増しなかったところは減らしてもいいというのが先生方の意見でありますが、それはまた、地域の拡大——広いところもあります、いろいろなことがございまして、過疎には過疎の嘆きがございます。 こういう意味で、私たちは十分な配慮が行われる……。本来ですと、意見はまだまだ、皆さんの方からおっしゃる理由はありましょうけれども、私たちは、与野党が一致するのはこのくらいのところではないかというように、正しい案と思っておりますので、再び強調さしてもらいました。
○小林国司君 次は政府側にお尋ねを申し上げたいと思います。 衆議院の定数是正が昭和三十九年に法改正が行われまして、四百七十二名から四百九十一名、十九名増に相なります。その改正の前と改正後のいわゆる格差が、議員一人当たり人口の格差が、改正前は三・二一倍、それから法改正した後には二・一九倍に低下しております。つまり、十九名ふやしたことによって議員一人当たりの票の重さというものが相当緩和されたということが、これは数字の上で明らかになっております。その後、昭和四十五年にやはり大阪第三区と兵庫第五区の間で格差が四・八三倍になっておった。これはひどいということで、法改正が昭和五十年に行われまして、つまり一昨年、四百九十一名から五百十一名に二十名増に相なったわけでございます。そこで、この法改正の行われました直後、またそれから二年たっておりますから、人口の変動も多少あったと思いますが、法改正直後では東京七区と兵庫五区、これが二・九二倍に緩和されております。つまり、五近かった偏差値というものが三以内におさまったと、衆議院の定数、法律改正が二回行われて、こういう経過をたどっておるわけでございます。 そこでお尋ねは、千葉一区の衆議院選挙に関しまして、最高裁が昨年の四月十四日に、一票の重さに大きく差のあることは違憲であるという判決を下しております。これは自治省としてはお答えしにくい問題かもしれませんが、違憲というのは一体どの程度の格差以上をもって違憲とするのか、どの程度以下ならば違憲にはならないと——これは過去の判例が何回もございまして、この程度は違憲でない、この程度以上は違憲であると、こういう最高裁判所の判決がございますので、こういう点から判断して、今後どの程度の格差になれば違憲ということになるのか。これは公職選挙法のこれからの扱いについて重要なかかわりがありますので、これは最高裁でなければその当時の判断の基準というのはわからないかもしれませんけれども、この辺の感触について、もしおわかりでございましたら御説明をいただきたいと、こう思います。
○政府委員(佐藤順一君) ただいまお話のございました千葉一区の衆議院議員の選挙に関連いたしまして、昭和五十一年四月十四日に最高裁判所の判決が出たわけでございますが、これはすでに御承知のとおり、ただいまお話のありました昭和五十年の公職選挙法の改正による定数是正の前の昭和四十七年に行われました衆議院議員総選挙についての判決でございまして、衆議院自体はその後是正がされておるということ。同時に、この判決が衆議院議員の選挙区別定数について示された判決でございまして、直ちに参議院議員の選挙区別定数についての見解を示したものではないということは、これは御承知のとおりでございます。ただ、その判決の前段におきまして、選挙人の投票の価値の平等が憲法第十四条の要求するところであるという旨の指摘がなされておりますことは、これはひとり衆議院議員の選挙区別定数に限らず、参議院議員の選挙区別定数についても言われているところでございまして、この点は非常に大切な事柄として私どもは拳拳服膺しているところでございます。 そこで、この判決が衆議院議員の総選挙について下されたものであるということを前提といたしましてこの判決を見てまいります場合に、その同じ判決の中で、各選挙人の投票の価値は具体的選挙制度の仕組みと密接に関連し、そのいかんにより投票の価値に何らかの差異を生ずることは免れないものである、憲法は、衆議院及び参議院の各議員の選挙制度の仕組みにつき、具体的決定を国会の裁量にゆだねているのであるから、国会がその裁量権の行使によって具体的に定めたところの選挙制度において結果的に各選挙人の投票価値に不平等が生じた場合においても、それが直ちに憲法に違反するかどうかということについては、正当に考慮することのできる重要な政策的理由に基づく判断の結果として合理的に是認することができるものであるかどうかによって決せらるべきものである、と述べられているわけであります。 このようなことからいたしまして、果たしてどのような段階に立ち至った場合にこれが違憲であるという判決が下されるかは、以上申し上げましたような観点から、また、その事案ごとに裁判所において判断されるものと考える次第でございます。
○小林国司君 違憲であるか違憲でないかの区分というのは、これはなかなか説明しがたいものでございますし、ケース・バイ・ケースでその時点で関係者が相協議して考えなきゃならぬ問題だということはお説のとおりでございますが、そこで、今後人口の移動ということに伴って一票の重さをできるだけ違憲にならないように平均化していこうという努力を重ねる、これは必要かもしれませんけれども、それによって衆議院の定数が今後も何回となしに増ばかりあって、衆議院議員の定数がすでに法律制定以来約三十九名増加になっておりますが、今後も衆議院の定数というものがふえ続けていくことについてはいかがなものであろうかという世論が耳に入ってくるわけでございますが、これにつきまして、これは本当は大臣にお聞きすればいいんですが、大臣がいらっしゃいませんので、そういう世論もあるということを政務次官ひとつ胸の中に入れておいていただきたい。これはお答えは恐らくできないと思いますので結構でございます。 そこで、いま選挙部長からちょっと触れられたのでございますが、衆議院の違憲の判例というものは参議院の場合には援用しないんだと、参議院には当てはまらないんだと、こういうふうにちょっと聞こえたわけでございますが、ただいま四党から共同提案をなさいまして、片山代表が苦心惨たんしていろいろお答えになっているわけでございますが、しからば、参議院の場合は違憲にならないということであるならば、どんなに格差が開いてもいいものか、これは常識では許されないと思います。適当なところで一票の重さを平均化しなきゃならぬ、これは常識で当然考えられるわけでございますが、衆議院の違憲の判例は参議院にこれは適用するのかしないのか、あるいは参議院の場合にも、たとえ地域の代表であるという意味があったにしても、格差がどんどんと、もっともっとひどくなってきた場合には、あるいは違憲になるというおそれもあるかもしれない。こういう点について自治省はどういう判断をなさっておりますか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(佐藤順一君) 初めに、誤解をいただいてはなりませんので申し上げますが、私は、参議院に適用にならないという表現ではございませんで、先ごろの最高裁の判決は、昭和四十七年の時点における衆議院議員の総選挙時の衆議院の選挙区別定数について下された判断である、参議院の選挙区別定数について直接判断されたものでないということだけを申し上げたわけでございまして、その際申し上げましたとおり、その判決におきましても、選挙人の投票の価値の平等、すなわち一票の価値の平等の問題につきましては、これは国会の両議院の議員の選挙について述べられているものでございまして、ひとり衆議院議員の選挙についての一票の価値の平等についてだけ述べられているものではないということでございます。つまり、序論と申しますか、総論は、これは双方の選挙における選挙人の投票の価値について言及されている、こういうふうに理解いたし、この問題は私どもとしては非常に大切なこととして拳拳服膺をしているところであるということを申し上げた次第でございます。 それに対しまして、どのような段階になった場合に違憲になるだろうかというお尋ねがございました。これについても先ほど御答弁したところでございますが、先ほどの判決におきまして、選挙区割りと議員定数の配分の決定には、きわめて多種多様で複雑微妙な政策的及び技術的な考慮要素が含まれると判決においてされました上で、具体的に決定されたところの選挙区割りと議員定数の配分のもとにおける選挙人の投票の価値の不平等が、国会において通常考慮し得る諸般の要素をしんしゃくしてもなお一般的に合理性を有するものとは考えられない程度にまで達したときに違憲となるんだと、こういうふうに述べられているわけでございまして、そこで、参議院議員の選挙の場合にどうであろうかということにつきましては、こういったような考え方をもとにされながら、しかも衆議院の選挙制度と参議院選挙制度との相違点というようなものなども十分判断の基礎に置かれまして、裁判所において今後においてそういった問題については判断が下されるものでございまして、私どもとしてはその点については言及いたすことはいたしかねますので、御了承いただきたいと思います。
○小林国司君 片山委員にお尋ね申し上げたいと思いますが、今回の四党共同提案で、総定数を十八名ふやすことによって一票の重さをできるだけ差を縮めたいという御努力をなさっております。にもかかわらず、東京と鳥取県とで四・〇一という、これ以下に差を縮めることができなかったと、こういうふうに提案理由の説明の中で申されております。そこで、こういう偏差値と申しますか、格差と申しますか、これがただいまの提案によりますと、四ぐらいは仕方がないんだと、こういう御説明でございますが、この四以下なら仕方がないのか、あるいは将来はこれをもっと縮めて、三とか二・五とかというような、もっともっと平均化を進めていくということになりますというと、地方区の総定数の枠というものはさらに今後も広げていかなきゃならぬという問題にも発展してくるわけでございますが、そこで、先ほど片山委員からのお話がございましたけれども、これについて何らかの歯どめということについてお考えがあるのかないのか、この点、もう一度ひとつ御説明いただきたいと思います。
○片山甚市君 先ほど申しましたように、都道府県を単位にしていますから、二人区では、何回も言いますけど、鳥取県の〇・七八九に対して、宮城県は二・六五五になっております。この格差がまずあるという前提であります。衆議院と違うのはそこなんです。歯どめとおっしゃると、いわゆる私たち野党側で議論したのは、無限大と言いませんけれども、無制限に定数をふやしたいなどと言ったんではなくて、あくまでも国民の合意を得るために、一票の重みがおおむね均衡がとれたと納得してもらえるというのは三倍以内だろうと。普通、衆議院の場合、三倍以内だろうと。衆議院はそうですが、参議院の場合はそれにげたが入っていますから、いま申し上げたように、相当困難なことがありましょうが、それは議論がこれから行われるでしょう。しかし、私たちが暫定と言いながら十八名で提案をしているのは、このあたりで決めてもらえば、これが改正できれば、十分に当委員会を含めて、あらゆる方法をもってでも検討してみたい、いまおっしゃる歯どめの問題について。いま歯どめは四対一、偏差値四対一の歯どめにしました。歯どめがないのかと言えば、文章に書きませんけれども、私たちが、四党が言っているんですが、あなたの方が五・五でいいと言うなら別でありますが、四対一というまでに偏差値を認めましたんですから、これをしてくれれば、これから後今後のいわゆる定数はどうあるべきなのかというのは、もっと広範に議論をしてもらって、国民にもわかりやすくしたい。われわれが議論をしていましても、これは公表されておりませんから、参議院は選挙前になってどさくさに定数をふやす話ばかりしておるんじゃないかと誤解をしておる趣がありますが、私が当選して以来でも三年間このことについてやってきたことであり、いま小林先生からお聞きの歯どめの話をされるならば、まず二人区で歯どめはされておるんですね。二人区というところでこれだけの差があることを認めておる。それから上、四人区以上の問題についてどうするかということであって、今後東京が千五百万も二千万もなるように小林先生は思われておるかもわかりませんし、神奈川県がまた五百万ほどふえると思っておるかもしらぬけれども、高度成長はやめたそうでありまして、余り労働者を連れてきたり、無理をしないようであります。ですから、従来の非常に異常なほどの人口の流動、変動については、終止符がというか、非常になだらかになったろうと、こう思っておるところです。ですから、そのお聞きをしておる歯どめの偏差値を幾らに置くのかということについては、四党間でその具体意見を一致させておりませんが、増員を目的にしてないんだということだけは、四党が明確にしています。これからも、ふやす話でなくて、もっとそういうものについては突っ込んで議論を四党間もしたい。自民党さんも入れてやりたい。 しかし、このような十八名増、三十年間の積もり積もった人口増に対する対処の方法は、四人区を二人区にするという方法をとらないとすれば、やむなく、不可避的にでも増員をせざるを得ないのであります。先生方は奇妙きてれつなアラジンのランプみたいなものがあるそうでありますが、私たちはそういうことができない。選挙権を奪うまではできないということから起こった問題であり、これから後の問題についても十分に、先ほど申しましたように、人口が静止をしてもらわなければ地球が爆発したり食糧不足で大変になるというように言われておるときですから、国民的にも合意を得て、日本の人口というものについてはいままでのような形にならないんじゃないか、諸外国は知りません、というふうな私の考えです。これは四党は一致していません。ですから、国民を信頼申し上げておる。国民の権利を保障するということにしたい。 議会の内部の問題については、もう少し質的な高めをしなければならぬと思いますが、これは議員片山甚市なら甚市個人の責任でありましょう、こう思っておりますので、歯どめは、このような議論をした結果、実り豊かな結論をすることが国民に対する信頼を得て歯どめになるんじゃないかと。パーセンテージを幾ら示してみても守らない国会であれば、約束しても守らない国会ならば、幾ら議論をしてもだめだろうと思っておりますので、お答えにかえさせていただきます。
○小林国司君 片山委員に角度を変えてちょっと参考までにお尋ねしてみたいと思うんですが、現実の問題としては困難というよりも恐らく不可能に近いかもしれませんが、総定数の枠内で、つまり百五十二名の枠内で、人口比による傾斜配分ですね、傾斜配分、それから現に逆転現象を起こしている県が大分ございますので、逆転現象をなくすと、それから一面地域の代表である、地域の代表というのは少なくとも二名は配分しなければならぬ、こういう意味合いを含めて、たとえばですね、たとえば百五十二名のうち各都道府県に二名をまず地域の代表として定数を割り当てて、百五十二名と——四十七都道府県に二名ですから九十四名になりますね、九十四名を差し引いた残り五十八ですか、五十八を人口の多い順に、また逆転現象をなくするような方法で配分案をいろいろ検討してみる。しかし、これは現実には、できるできないということは、これは非常にむずかしい問題でございますから、白紙の上にもしこういう試算を試みたとするならば、いろいろやり方はございましょうけれども、ただいま御提案になっておりますような、参議院の場合は一対四ぐらいはこれはやむを得ないのだとただいまお話がございましたが、その程度におさまるような試算が可能であるのかないのか、そのお見通しについて、もしおわかりでございましたら御説明いただきたいと思います。
○片山甚市君 いまお聞きされたことで、特に二人区を基礎にして人口で割り当てる、そしてそれによるところのいわゆる逆転現象をなくする、こういうことで枠内におさまる案ができればそれに対する所見はどうかと、こう言われておるんですが、私たちとしては幾つものことを考えてみました。しかし、そういうことについてはむずかしいと。仮に地方区定数制定当時の配当基数方式を用いて試算した結果を見ても、二十四名増で十四名減になります。十名増に四党で案はつくりましたけれども、それをやるのについても実行ができないのでこれはお手上げになる。先生がおっしゃるのは、ものに書いてみたらどうかといったら、そのとおりできそうに思う。ところが、そこにはそれぞれ、国民の選挙はしなければならない、意思表示はしなければならない、こういうことになると、そういうことの方法が、国民の権利が本当に保障をされる、全国民がひとしく、ということになるならば、前に私たちが示した二十六名案であってみたり、今回四党で一致しました十八名案か、今日的な最も国民に納得してもらえる案だ。ですから、先生がおっしゃる二百五十二名の枠の中で、地方区ですと百五十二名の枠の中でそういうような方法があるかということになれば、計算上は成り立つが、選挙を行うのには現実われわれとしては自信がない。こういうことで、参考にされるかといったら、お話があればお聞きはいたしますが、それは長く考えるいとまがなく、これはどうもいただけないと言わざるを得ないかと存じます。
○小林国司君 現実に、総定数の枠内で増減を図るということは、これは非常に困難だ、また実現不可能に近いかもしれません。しれませんが、私がお尋ねいたしましたのは、計算上、試算では偏差値を四以内にとどめることが可能であるのかないのか、この点についていろいろ四党で御計算をなさったことがあると思いますので、実現できるできないは別問題にして、試算的には可能であるかどうかということをお尋ねしたわけでございます。
○片山甚市君 四党の方に間違っておれば後で訂正してもらいますが、私の知っておる限りでは、計算上はできる。しかし、それは私たちの中で受け入れることができるようなものではない。各党か集まって相談ができるようなものではなくて、集まらないうちからだめだと、こういう程度のものだと存じます。
○小林国司君 この前の委員会で片山先生がお読みいただきました公職選挙法の一部を改正する法律案提案理由説明、この前お読みいただきました、その文章の中に、「参議院の地方区は、三年ごとに議員の半数を改選するとの憲法の規定により最低二名の定数を必要とし、かつ定数は偶数をもって定めなければなりませんので、総定数の枠内で増減によりアンバランスの是正を試みるとしますなら、減員は定数四名以上の人口が多い道府県を対象とせざるを得ないこととなり、しかも減員数は二名ずつを必要とし、その結果かえって一部にアンバランスを増大するという矛盾を生ずるのであります。」、こう提案理由の説明に書いてございます。 そこでお尋ねしたいと思うのでございますが、いま、これは四党で相談をして答えるわけにはいかないので、自分の判断だけで言うならば、できるできないは別にして、試算だけから言えば、偏差値を四以内にとどめることは計算だけならできるかもしれないと、片山代表がただいまそうおっしゃいましたが、そういたしますと、ただいま読みましたように、提案理由の説明の中に、減を考えた場合には結局四名以上の道府県から持ってこなければ人口急増したところに持っていくわけにいかない、そうするとかえってアンバラが増大するんだと、こういうふうに書いてございますが、この点についてはどうお考えになりますか。
○片山甚市君 いま御質問がありましたように、たとえば市川さんの二院クラブから出されておる案を見ても、福島、栃木、群馬、岡山、熊本、鹿児島をそれぞれ二名ずつ減をして、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、それをふやす、それに先ほどの減の方は北海道を加えますが、そういうことをいたしますと、二人区の人口がうんとふえて、そうして人口がふえたと思う東京あるいは神奈川、埼玉、千葉に渡してみても、この格差が縮まっていくようにならない、こういうように考えてみました。それから、いまお聞きをしていただいておる、四人区を二人区にすることによって六人区あるいは八人区をそれぞれふやす、あるいは減ずることもできましょうが、できても、それによってアンバランスが解消されると考えませんでした。もし具体的な、それではこういうことはどうかということならお答えしますが、いわゆる減員によって増を見合いで上げるということでは、今日の定数を正しく決めることはできない、アンバランスが残ったままになる、こういうように考えておるところです。
○小林国司君 いろいろ四党で御検討なさいました結果は、減をもしするとすれば、四名以上の道府県から減をして、そうして人口急増の都府県に持っていかなければならぬ。で、総定数を動かさないでそういう操作をすれば、現在最大偏差値が五・五になっております、御承知のとおり、これよりももっとひどくなりそうだと、こういう意味ですか。それとも、四前後には計算上はできるかもしれないけれども、むしろそのほかの、たとえば二・幾らとか三前後のところがもっと偏差値が上がってきて、総体的には矛盾が出るのだと、こういう意味なのか。ここの提案理由の説明といろいろ計算の結果と、ちょっとこう符合しない点があるような感じがしたものですからお聞き申し上げたんですが、「かえって一部にアンバランスを増大する」という意味は、まあその具体的なことは結構でございますが、抽象的で結構でございますが、どういう意味か、もう一度ひとつ。
○片山甚市君 いま申しました福島県から鹿児島県は従来よりも一票の重みが軽くなってまいります。そういう意味で、一票の重みの問題がいまよりも少しでもよくなるというんならわかりますが、悪くなるところも前提とすることは困る。
○小林国司君 わかりました。提案理由の説明に書いてありますことと、片山委員の御説明で意図はよくわかったわけでございます。 次に、昭和二十一年の日本の人口が七千三百十一万人、数字がまあ間違っておったらお許しいただきたいと思いますが、昭和五十年の人口調査で一億一千百九十三万人、したがって、昭和二十一年と五十年と比べてみますというと、日本の人口は一・五三倍に広がっております。ただし、二十一年の年には沖繩を含んでおりません。議員一人当たりの人口は、二十一年は四十九万人、五十年は七十四万人、その比率は一・五一倍になっております。つまり、日本の人口も一・五三倍にふえ、議員一人当たりの人口も一・五一倍になっておる、これは参議院の場合でございますよ。こういう状況の中で、鳥取県だけは三十年間に人口がほとんどふえてない。ところが、東京初めその他の都府県につきましては、著しく人口が急増したところがたくさんございます。そういたしますと、鳥取県のような、三十年間に人口が全然変化がない、ふえもしなければ減りもしない、こういう県を基準にして偏差値の計算をいたしますというと、それが正しい計算の仕方であるのかないのか、鳥取県というような例外的な県を除いて、もう少し基準の取り方の県を、違った県を基準にするとか、あるいは下から五つぐらいな県を平均して基準にするとか、鳥取県だけをとって見ますというと、これはもう計算の基準にはなり得ないような感じが私はするわけでございます。 こういうふうに見てまいりますというと、偏差値をなくすということは、これは一票の重さをできるだけ平均化しなければならぬというのは、国民の権利だと思います。衆議院で違憲の判決が出た、出ぬにかかわらず、当然それに向かって皆で努力しなきゃならぬとは思いますけれども、鳥取県を基準にする限り、偏差値がこれからもどんどんと広がる県が出てまいりまして、総定数が、先ほど片山委員がくどく十八名という人数にこだわっているんじゃないんだと、いまのようなアンバラは困る、あるいは逆転現象は困るので、最小限十八名ふやすことによって国民の権利が平等化していくんだ、こういうふうにくどく御説明がございましたけれども、鳥取県を基準にする限りにおいては、これからも総定数の考え方というものが正しいのかどうなのか、こういう感じがするわけでございますが、この点については、片山委員にお尋ねした方がいいのか、自治省にお尋ねした方がいいのかわかりませんけれども、できれば両方からひとつ御説明をお願いしたいと思います。
○片山甚市君 お答えをいたします。 先生の資料はどうなっているかわかりませんが、私は国勢調査の方を見ると、鳥取県の人口、昭和二十一年は五十五万七千四百二十九名になっております。昭和五十年の国調によりますと、七十七万四千九百五人で、その間、二十一万七千四百七十六人ふえています、鳥取県の場合でありますから、いろいろと御議論がございますけれども、五十五万の人口から二十一万ふえたんでありますから、余りよその県と変わらないのではないか、平均的には。私の計算が間違ってなければ、そうであります。 そこで、私はくどいことを言っておるんですが、一人区には、鳥取県からいまは宮城県までですが、その幅をもっておって決めておるんですから、単に——それだけの枠があるんです。鳥取県と東京なり神奈川なり比較すれば五・五になりますが、こういうような事情を踏まえた上で、可能な限り見よい、だれが見てもわかりやすいものにすればこのぐらいの定数是正をしないと困るという、非常にあなたたちの好きな常識を言っているわけです、これ。もう少し科学的に言うと私も立ち往生するんですが、私の方が立ち往生をする前に、皆さんの方がそれじゃ理詰めの案ができたら、されるのかということになるが、お互いこのあたりは、国民が見て、やたらに議員をふやそうとするんではなくて、国民の権利が保障されやすいように、そしてそれぞれの地域代表としての権利が地域代表らしく人口もある程度見合ったような形で保障される——ある程度というのは、先ほど言ったように、二人区ですと鳥取県から宮城県まで入れると三倍の人口になります、一人当たりですね。そこだけで三倍になるんです。それから上は二倍になるわけですね、極端に言うと。しかし、鳥取県というのは、私は先生のところだから言うんじゃありませんが、尊敬しておるわけです、これは。一つの府県単位だということですから、人口が多いか小さいかでその価値を決めるんじゃなくて、その県の代表としての、一つの行政単位としてのいろいろと仕事をしているんですから、そういうことでは、参議院は職能代表を含めた全国区まで置いているところでありますから、当然でありましょう。 ですから、私たちが申し上げておることがわからないのかなと思うのは、私たちは、いわゆる最高裁から違憲だなどと一言でも言われるようなことは、立法府におり、こういう議論をしておる者にとっては最も恥ずかしいことだ。ですから、国民がいわゆる裁判権を行使して今度提訴する、そしたら、これだけの議論をしていますから、裁判官の方が、なるほどどちらが無理をしておるかということになって、違憲だと言われたときに、私たちまで縄目を負わなければいかぬ。ですから、できるだけこの委員会を通じましてお互いに合意をして、最高裁判所からの判決などいただかないように心がけたいので、四党いろいろな意見がありますけれども、ここは自民党の皆さんも納得してもらえるものに違いないと思ってまとめていますから、あんまりきつい御質問を受けると、私の方は、本日はこれにて答弁を保留して次の委員会において御答弁させてもらいますと、こういう政府答弁になりますので、その点はひとつこれ以上の無理な御質問はやめていただく方が円滑だと思うんです。 以上です。
○小林国司君 片山委員が代表されて答弁されますので、いろいろ御迷惑をかけて申しわけないと思いますが、鳥取県、先ほど昭和二十一年は五十五万で現在は七十七万とおっしゃいましたが、そうじゃなくて、現在も五十六、七万でございます。それは何か印刷の間違いだと思います。
○片山甚市君 そうですか。
○小林国司君 したがって、宮崎先生も私も鳥取県でございますが、人口がこの三十年間に全然ふえていない、こういうことでございますので、これは計算の根拠に鳥取県を入れるということはいまの実情に合わないんじゃないかという点をもう一度申し上げておきます。(「減ってないでしょう、昭和二十一年から減ってないでしょう。」と呼ぶ者あり)減っちゃいません、横ばい。よそがふえておるわけです。だから、それを基準にするとおかしな計算が出てくる。
○片山甚市君 わかりました。
○小林国司君 次に、選挙制度審議会が第六次まで答申がなされております。そして、第七次は報告という程度にとどまっております。提案理由の説明の中には、第七次選挙制度審議会の報告をもとにしていろいろ検討したのだと、こういう説明がございますが、答申がなされたのは第六次まででございます。その間、全国区、地方区を通じていろいろ数多い意見がその中に盛り込まれておりまして、これを全部述べるということは時間の都合もあり煩項でございますが、選挙部長さんから第六次の答申案までのおおむねの傾向と申しますか、概要と申しますか、一口に言ってどんなことだったということは、これは説明しにくいと思いますけれども、概括的にお述べいただきたい、こう思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○政府委員(佐藤順一君) 参議院議員の選挙制度につきましては、いまもお話がありましたとおり、数次にわたる選挙制度審議会で種々論議が重ねられたのでございますけれども、問題が参議院制度のあり方という基本的な問題と密接な関連を持つ事柄であるということからいたしまして、結局なかなか結論を得るに至りませんで、答申という形にまでなったのは第六次の選挙制度審議会においてだけでございます。 第六次の選挙制度審議会の当時は、昭和四十五年の国勢調査人口を基礎に地方区の定数の問題が論議されておったんでございますけれども、答申におきましては、地方区の定数の配分については、「この際暫定的に総定数を増加しないで、人口と定数との不均衡を是正すべきであり、大阪府、神奈川県、東京都にそれぞれ二名を増員し、栃木県、群馬県、岡山県についてそれぞれ二名を減員すべきである」とされておるのでございます。
○小林国司君 第六次まで選挙制度審議会が持たれて答申がなされたわけでございますが、まとまった答申は第六次だけであったと。で、その第六次の答申の中は、地方区の総定数については動かすべきでない、ふやさなければならぬところはどこかを減らして持っていったらどうかと、こういう意見が地方区について多く述べられたと。それから同時に、ただいま説明がございませんでしたが、全国区の選挙制度も非常に問題が多いと。地方区の検討をすると同時に、あわせて全国区の制度も検討したらどうかということも第六次の答申の中にあったように思います。 それから、第七次は報告にとどまったわけでございますが、これは地方区の総定数を約十名ぐらいふやさなければ、これはもう減ということは現実にできない、ふやさなければならぬであろうということは、これは答申ではなくて、そういう意見もあったという報告にとどまっておるわけです。 そこで片山委員にお尋ね申し上げたいし、また自治省側にもお尋ね申し上げたいと思いますことは、いま選挙制度審議会は解散をいたしまして、なくなっております。この選挙制度の問題は各党の意見が一致するということは、過去の経緯から見て、なかなか容易なことではございませんので、私の個人的な意見でございますけれども、審議会をつくって、これは総理大臣の意向によるわけでございますが、これは自治省だけでつくるということをお決めになるわけにはまいらぬと思いますが、できることなら政府におかれて審議会を再びおつくりになって、地方区の問題、全国区の問題、あるいは中西委員からいろいろ質問等もございましたような選挙制度全般について審議会に活発な検討をしてもらって、各党がその意見を尊重して答申案に従って制度改正にみんなで協力していくということが望ましいのではないかと。これは私、自由民主党に所属しておりますが、自由民主党でそう決めたわけではございません。私個人の意見で申し上げるわけでございますが、四党を代表されまして片山委員、審議会の今後の設置の問題、そしてその審議会の意見というものを各党が尊重してやっていくということがいいのか悪いのか、これについての御判断、また大臣がいらっしゃらないわけでございますから政務次官からこの問題について——お答えかしにくければ結構でございますが、この問題についての将来の見通し等についても、もしお答えがいただけるならば、政務次官からこの問題についてのお答えをいただきたいと、このように思います。
○片山甚市君 お答えいたします。 まず、私の方から出しております今日の案について御協議を願い、御決定をいただけましたならば、その後の問題といたしまして、いま申されたように当特別委員会における審議も十分に尽くされるような状態が中西委員から言われたことについても保証される、その上に審議会等を設けられて、そこでいわゆる選挙制度全体も含める議論がされる、それを尊重をされる、いわゆる国会審議の隠れみのになり、長びかすための方法でないという保証があり、答申を受ければそれを実行していくようなことであれば非常によろしかろうと思いますが、従来、答申が出ましても、小骨一本も抜かないといって、大骨どころか全部やらなかったという痛い歴史がございますので、これは御質問をされた側の自由民主党が本気にそうお考えになるのならわれわれ検討ができると思います。と申しますのは、審議会を置かれることに反対をいたしませんということ。しかしその前に、当委員会がどのような形で十分な審議を尽くしていくかということについては、中西委員の言われたことが具体的な点でございましょう。その前に、一番先に本日私たちが提案をしている議案をどのような形で議決をしていただくか、このことがありましたならば、私たちとしては応じられるけれども、これも含めて審議会に審議を構えるようなことはどうかとの御質問ならば、それは今日考える余裕がございませんのでお断りをせざるを得ない、こういうように四党の立場から申し上げます。
○政府委員(中山利生君) ただいま片山代表からもお話がございましたし、向井先生からも先ほどお話がございました。この問題は本当に国民の議会政治のあり方の基本的な問題にかかわる問題でもありますし、また同時に、各党の利害といった大変生臭い問題も抱えた問題でございまして、先ほどから御指摘になりましたように、数次にわたる委員会もなかなか結論が得にくい、また、出てもなかなか実行がしにくいということもございまして、やはりただいまの三権分立制度の中では、国会において各党間で十分に議論をしていただいて合意を得る、そういう姿、それしかないんではないかというふうな、いまのところ、考え方でございます。
○小林国司君 大臣がお見えになりましたので、私これで終わりますが、最後に意見を申し上げておきますので、四党代表の片山委員におかれてお聞き取りを願えば結構でございます。 いままでいろいろ御意見申し上げましたことから御判断いただけると思いますが、地方区の定数をふやして、そして人口の激変によって一票の重さに大きく差の出ていることを縮めたいというお気持ちは、これは四党の皆様方と私どもと変わるところではございませんけれども、諸般の情勢から、総定数をふやすということについては世の批判もございますし、私どももまだ割り切れない面もございます。したがいまして、今後逆転現象を解消する、あるいは一票の重さに大きく偏差のできたところについては総定数の枠内で、現実の問題としては非常に困難かもしれませんけれども、検討していいのではなかろうかと、こういうことと、もう一つには、全国区の制度というものが非常にいま世間で問題になっておりますし、そして全国区で選挙活動をなさる議員の皆様方の御苦労も御承知のとおり大変なものが今日ございますので、今後選挙制度の改正という問題の中には、地方区の定数是正、逆転現象の解消、あわせて全国区制度を再検討するという、全体を含めた検討をしてしかるべきではなかろうかと、このように判断をいたしますので、この点については片山委員はお答えいただかなくても結構でございますので、そういう意見を持っておるということを申し上げまして、質問を終わります。
○理事(中西一郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○理事(中西一郎君) この際、小川自治大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小川自治大臣。
○国務大臣(小川平二君) 自治大臣の小川平二でございます。今後何とぞよろしくお願いをいたします。 選挙の関係につきましては、平素から委員各位の御高配をいただいておりまして、まことにありがとう存じます。申すまでもございませんが、選挙は民主政治の基盤をなすものでございます。民主政治の健全な発展のためには、常に国民の政治意識の涵養に努めまするとともに、公正かつ明るい選挙の実現に積極的に努力してまいらねばならないと存じます。私といたしましても、責任の重要さを痛感いたす次第でございまして、今後とも努力してまいる所存でございますから、何とぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○理事(中西一郎君) 次に、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小川自治大臣。
○国務大臣(小川平二君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員の給与の改定、賃金及び物価の変動並びに選挙事務の実情等にかんがみまして、執行経費の基準を改正し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一は、最近における公務員の給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当、人夫賃及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償の額を実情に即するように引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価であります印刷代その他の額を実情に即するように引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 第三は、最近における選挙事務の実情にかんがみ、投票所の事前準備事務、選挙人名簿の抄本作成事務及び不在者投票関係事務に係る経費の基準について、所要の改定を行おうとするものであります。 以上が、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○理事(中西一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。佐藤選挙部長。
○政府委員(佐藤順一君) ただいま御説明のございました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明を申し上げます。 国会議員の選挙等を行います場合に、地方公社団体におきまして選挙管理委員会等が必要といたします執行経費につきましては、その基準を法定し、三年ごとに改正をする慣例に相なっております。今回、その一部改正を行おうとするものでございますが、以下、その主な内容について申し上げます。 第一は、超過勤務手当の単価について、昭和四十九年以降の公務員の給与改定等に伴う所要の引き上げを行おうとするものでございます。これに要する増加経費は約二十四億八千万円でありまして、現行に比べまして約五七%の増加となります。 第二は、嘱託手当等の単価について、実情に即するよう所要の改善を行おうとするものでありまして、これに要する増加経費は約九億三千万円、約六八%の増加と相なります。 第三は、選挙長、投票管理者、開票管理者及び各立会人に対する費用弁償の額について所要の改善を行おうとするものでございまして、これに要する増加経費は約三億二千万円、約四七%の増加となります。 第四は、最近におきます物価の変動等に伴い、旅費、通信費、印刷費等の諸単価を実情に即するよう引き上げようとするものでございまして、これらに要する増加経費は約六億九千万円と相なります。 第五は、最近におきます選挙事務の実情にかんがみまして、投票日の前日における投票所の準備に要する経費、選挙人名簿の抄本の作成のための経費及び選挙管理委員会が必要といたします不在者投票関係書類の郵送経費につきまして、関係基準額に所要の改善を加えようとするものでありまして、これらに要する経費は約一億八千万円と相なります。 以上を合計いたしますと、約四十六億一千万円の増加となり、現行法に基づく算出額約百十一億六千万円に対しまして、四一・三%の伸びと相なります。この結果、本年夏に執行予定の参議院議員の通常選挙におきます地方公共団体に対する委託費の総額は、約百五十七億七千万円になるものと見込んでおります。これは、四十九年七月執行の通常選挙に比べまして、約四三・六%の伸びと相なる次第でございます。 以上でございます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○理事(中西一郎君) 以上で説明は終わりました。 本案の審査は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 —————・—————