公害対策及び環境保全特別委員会 第5号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/27
会議録
○委員長(片岡勝治君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として後藤正夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(片岡勝治君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○寺田熊雄君 三菱石油の重油流出事故、これはずいぶん瀬戸内海の環境、水質等を汚染したり破壊したりしたわけですけれども、この水質とか環境とかに対する影響は、大体現時点ではどういうふうに把握したらいいんでしょうかね。ちょっと担当の局長のお考えを聞きたいんですが。
○政府委員(二瓶博君) 四十九年の十二月に、いわゆる水島重油流出事故、これが発生をいたしまして、ただいま先生がおっしゃいますように、相当環境なり漁業等にも被害を及ぼしたわけでございます。そこで、環境庁といたしましては、この重油流出に伴います環境に及ぼす影響等につきまして総合調査を実施するということで、四十九年度の調整費と、それから五十年度の調整費をもちまして総合調査を実施をいたしたわけでございます。 この調査につきましては、環境庁は当然でございますが、水産庁それから厚生省等がこれに参画をいたしまして、それぞれ調査項目等を分担をいたしまして調査をいたしたわけでございます。この調査結果につきましては、最終的にはことしの今月の十一日でございますか、四月の初旬に総合取りまとめの結果を公表をいたしてございます。 で、これによりますと、一つは水質の問題があるわけでございますが、これは概括的に申しますと、事故の起こります前、大体四十八年五月ごろでございますが、それと比較いたしますと、重油が流れ出しました後の一カ月経過をした時点では、相当水中の油分等も高かったわけでございますが、事故後の時間の経過に伴いまして、逐次事故前の水質に戻りつつある傾向でございまして、五十一年の一月、事故発生後十三カ月後でございますが、この時点では、水中の油分は全般に事故前の濃度に復したと、この総合取りまとめの際もそういうふうに見られておるわけでございます。 それから、COD等につきましては、これは局部的には高い値も見られましたけれども、平均的に見ますと、おおむね環境基準を満足をいたしております。それから、底質の方につきましても調査をいたしましたが、これにつきましても底質中の油分の定性分析、例のノルマルパラフィンの定性分析等もいろいろやったわけでございます。これにつきましては、類似の石油類の存在というものも若干は見られたわけでございますけれども、これが今回の流出重油の特徴を有するというものとは認められませんで、底質中の油分が流出重油によるものかどうか、この辺はちょっと確認ができなかったということがございます。その他プランクトンあるいは底生生物、それから魚介類、それから細菌類、海水中にあります細菌数等もいろいろ調べましたが、結果から見ますと、全般的に生物相は回復に向かったものというふうに言えるというのが結論でございます。 まあ非常にはしょった物の言い方で失礼でございますが、まあそういうようなことで、最近公表いたしました総合環境影響調査につきましては、大体事故前の姿に戻っておる、一般的に言えばそういう結論でございます。
○寺田熊雄君 その報告書は、資料としてこの委員会に提出していただけますか。
○政府委員(二瓶博君) 提出いたします。
○寺田熊雄君 あの事故の教訓から、その後、石油化学コンビナートの災害防止法などができましたね。まあ新しい立法措置がなされたわけですが、そういう立法措置で、ああいう事故はもう完全に防げるという御認識でしょうか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話がございましたように、この事故を契機にいたしまして石油コンビナート等災害防止法、これの制定を見たと。またその際に、この法律の附則によりまして消防法の一部改正というものも行われまして、罰則の強化というようなことも行われたという経緯がございます。それで、今後こういうようなたぐいの事故というものは、十分こういうことで対処できるかというお尋ねかと思います。 環境庁といたしましては、こういう石油コンビナート等災害防止法、まあこれの所管そのものは自治省なり通産省でやっておられるわけでございますけれども、こういうような法律なり、消防法なり、あるいは環境庁で所管いたしております水質汚濁防止法なり、こういう法律の厳正な運用と申しますか、そういうことで対処できるものと、かように考えておるわけでございます。
○寺田熊雄君 まああの事故で、三菱石油に対して刑事的な責任を問うべきであるというのが国民的な世論だったと思うんですが、検察庁、警察庁、海上保安庁とも、大変苦心をして、最終的には岡山県海面漁業調整規則ですか、これはわずかに罰則は懲役六月、罰金一万円以下という非常に軽微な行政罰、それと刑法の業務上過失往来危険罪、この二つで千代田化工ほか一社が起訴されたようですね。罰則の整備、これはまああなたの方の所管というわけにはいかぬかもしれぬけれども、罰則の整備等で需要とか要請、国民的な要請ということも大体いまの一連の石油コンビナート等災害防止法と消防法の改正で賄えるという、そういう御意見と承ってよろしいでしょうかな。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生がおっしゃいましたように、この水島流出事故につきましては、昨年の十二月三日、岡山地検が起訴をいたしたわけでございます。で、その起訴をいたしました際に、先生がおっしゃいますように、岡山県海面漁業調整規則三十四条一項違反ということと、刑法百二十九条一項の違反ということで、千代田化工ともう一社というのが、まあそのほか個人の方は六名ほどございますが、起訴されたと。そのときに水質汚濁防止法違反というのが起訴のあれには入っておらないわけでございます。これにつきましては、三菱石油の過失というふうには見られないということがあったようでございまして、三菱石油は起訴というふうにはなっておらないわけでございます。 それで、今後こういう事故が発生します際に、これを未然に防止するという角度で、罰則その他そういう面での整備なり強化というのが必要かというお尋ねかと思いますけれども、この面につきましては、先ほども答弁申し上げましたように、この事故を契機にしまして石油コンビナート等災害防止法の制定なりあるいは消防法の改正なり行われておりますし、水質汚濁防止法の面につきましても、十分われわれといたしましては厳正にやっていきたいというようなことで、これらの法律の厳正な運用といいますか、そういう面で対処し得ると、かように現在のところ考えておるわけでございます。
○寺田熊雄君 これは、私の方もまだ検討が十分でないので質問はこれだけにして、次に、あなたはほかの委員会へいらっしゃるんでしょう。ですから、もう一つ質問を先に終えてしまいたいと思うんですが……。 日本は、外国と比べますと至るところごみが散乱しているという現象を痛切に感ずるわけですね。道路であろうと河川であろうとあるいは公園であろうと、大変ごみが至るところに散乱している。これは日本の国民がインターナショナルになれない一番典型的な現象だと思うんです。で、ヒマラヤの登山家であるとかあるいはアラスカの山に登る人々などが、現地の山岳関係者から、日本人がごみを捨てていくじゃないかということを指摘されて、これは国家的な大変不名誉なことなんだけれども、自然環境あるいは社会的な環境を守るという意味で、やっぱりこれはあなた方の御所管の一つになっているんじゃないかとも思うんだけれども、法律的には廃棄物の処理に関する法律というものは、主要な所管者は厚生省だそうですね。だけれども、環境を守るという点ではあなた方も無関心でいてはいけないことですからね、これはどういうふうにしたら環境庁としてはこういう現象をなくすことができるか、その抱負というか、それをお伺いをしたい。
○政府委員(今泉正二君) お答えいたします。 私も一人の日本人として考えますのに、世界じゅうで一番つばきを吐きますのは日本人が多いような気がいたします。これは車に乗りましても、タクシーの運転手さんを見ておりましても、私ども十台のうち二、三台は、赤信号でとまったときにドアがあいて、ドアの下の道路に向かってつばきを吐いて、また戸を締めて走っていくという車が多く、先生方も諸外国を御存じでございますが、余り外国ではそういう風景は見られません。御指摘のとおり、日本人は自分の家は掃除をいたしますけれども、表へ出ますと急に公衆道徳が乱れる部分がございます。したがって、景勝地、川、公園等、道路ももちろんでございますが、廃棄物をみだりに捨てました場合は、軽犯罪法だけでなく、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、自然公園法、河川法、道路法とか諸法ございまして、違反をすれば直罰が科せられるということが一点ございます。 それから私たちの役所でございます環境庁といたしましては、一省ではどうにもなりません場合もございますので、関係省庁と連絡を密にいたしまして、この法例を形骸化しない、現実にこれが適用を厳格にいたしまして、ごみ等の不法投棄に対しましては環境を汚染されないように懸命にいまの枠内でこれを励行してまいりたいと、こういう所存でございます。
○寺田熊雄君 水俣病に関しましては、きょうは環境庁長官がおかげんが悪いようですから、大部分の質問を保留いたしますけれども、昨年の十二月十四日に熊本地裁で、水俣病の認定のおくれが違法であるという判決があって、あのときに、前の環境庁長官丸茂さんでいらっしゃったんですが、熊本県との密接な連携のもとに積極的に対応していく所存であるというような感想をあの判決について当時述べていらっしゃるのです。ところが、その後熊本県の方で、熊本県議会がこの認定業務の返上を議決したというようなことも報ぜられておるわけですが、この患者認定業務についてどういうふうに対策を講じようとしておられるのか、この点、主管の局長にお伺いしたい。
○政府委員(野津聖君) 現在、約三千六百名の方が申請をされまして、現在の状況でございますと、検診をいたしますのが一熊本大学の先生方にお願いをいたしまして検診を行っているわけでございますけれども、大体月に四十件ないし五十件の検診しかできないという実態がございます。それから、その検診の結果に基づきまして審査会が開かれるわけでございますけれども、これも月に一回開いておりまして、審査会にかかります件数が、一回の審査会に八十件ほどかかっているわけでございます。ところが、その八十件のうち約二十件ほどが処分されまして、あとの六十件程度が保留という形になってきておるわけでございます。現在の状況を申し上げますとそのような状況でございまして、約三千六百件の申請者の方々の処理に相当な期間が要るという状況にあるわけでございます。 私ども、先生も御指摘になりましたように、県と一体となりまして、どの面から処理していくかということを考えていろいろと相談をしているわけでございます。一つは県のお立場としまして、ただいま申し上げました認定審査会におきまして保留の件数が非常に多いという実態に対しましては、現在の認定基準が非常に不明確ではないかという御意見があるわけでございます。ただ、水俣病像といいますのが、やはり学問が進歩してまいりますと非常に多様化してまいるわけでございます。したがいまして、医学の範囲の中でどのように水俣病像を決めていくかというところが非常にむずかしい点があるわけでございます。この問題につきまして、実は一昨年以来、これは新潟、熊本、それから鹿児島と、三つで持っている仕事でございますけれども、その三県の審査会の委員の方々を中心にいたしまして、特に熊本大学におかれまして過去からこの水俣病の研究をおやりになっておられた先生方にも御参加をいただきまして、いろいろと御議論いただいておるところでございます。そうしまして、ただいまの状況では、いろいろ御議論いただきました中で、先生方の間でいろいろと御意見をいただきながら、ここまでは現在の医学では言えるのではないかというふうなところを現在まとめておるところでございまして、これをもとにしましていわゆる判断条件と申しますか、医学的な判断条件をやはり明確化していくことは一つの問題ではないかというふうに考えておりまして、これにつきましてはほぼおまとめいただきましたものを、ただいま整理をしながら、それぞれの先生方の御意見もいただいておるところでございます。これにつきまして、大体六月末をめどに判断条件をより明確化していきたい。これによりまして、いわゆる審査会の運営がよりスムーズにいくのではないかというふうに一つ考えております。 それからただいま申し上げましたように、現在、検診をしますのが熊本大学の最大の能力を挙げましても一カ月に四十件ないし五十件しか検診ができないという状況がございます。これにつきましては、熊本県としましては、常駐の医師をひとつ国の立場から派遣してもらえないかと、こういう御要望があるわけでございます。しかし、私どももいろいろと検討をしているわけでございますけれども、ただ医師の立場といたしまして、検診だけに一年三百六十五日と申しますか、検診だけをそこで引き受けてやっていただけるという方、そこで検査だけやる医師というのは非常にむずかしい問題がございます。さらには、やはりこの水俣病の問題といいますのは、申請者あるいは患者と医師の間の信頼関係というのが非常に大事な問題でございます。したがいまして、たとえば検診ができるというだけの能力がある医師を派遣するだけではいけないわけでございまして、やはり患者との信頼関係を持った医師を確保しなければいけないという問題がございまして、現在、私ども、国立病院関係さらには大学の医学部関係につきましていろいろとお願いをしているわけでございます。医師としてそれだけの形で常駐していただけるかどうかにつきましてはいろいろな問題もございますけれども、少なくとも現在は、月に二日ほど熊本大学の先生方に来ていただけるというふうな状況しかございませんものですから、これを、二日を三日、四日に持っていけるように外部の先生方のお力をお借りしたい。そうしますと、検診が現在、月に二日やりまして四十件ないし五十件ということでございますから、三日、四日、五日とふやしていくことによりまして、さらに検診件数がふえていくのではないかというふうに考えておるところでございます。 私どもの現在の状況といたしましては、検診の件数をふやしていくということ、さらには一つの判断条件を明確化いたしまして、審査会の処理がスムーズにいくようにするというところが、私どもは現在の一番大事な仕事ではないかというふうに考えまして、国立大学あるいは国立病院という関係の方にもいろいろとお願いをしているところでございます。
○寺田熊雄君 認定業務を促進する手段が二つあると。一つは判断基準を明確化するというか、あるいは簡略化するというか、もう一つは認定を担当する専門家をふやしていくこと、この二つだということですが、その前の方は六月末をめどにということが大体わかりましたが、あとの認定するお医者さんですか、専門家をふやすというのは、いつまでに何人ふやすという具体的なめどがあるんでしょうか。
○政府委員(野津聖君) この問題につきましては、私ども、現在、数名の医師につきまして接触をいたしているところでございます。この行っていただけるということが御了解いただけましたにしましても、一つは、その先生方の検診しました資料に基づいて熊本大学が中心になりました認定審査会が認定の材料に使うわけでございまして、認定審査会の先生方の立場から、あの先生ならば結構でございますということが一つ必要なことでございます。それからもう一つは、やはり先ほど申し上げましたように、こういう先生が行ってあなた方の検診をしますよということにつきまして、患者あるいは申請者の方々の御理解を得なければいけないと思っております。そうしませんと、先ほど申し上げましたように、やはり医師と申請される患者さん方の不信感というのが非常に大きな問題になってくると私ども考えておるわけでございます。したがいまして、申請者の方々の御理解あるいは御協力も得なければ十分なあるいはスムーズな検診が行われないというふうに考えております。 したがいまして、いま先生の御指摘は、いつまでにということが明確にならないかということだろうと思うわけでございますけれども、そのような面を、御本人、行っていただける医師の御了解を得るためのいま努力をしているところでございます。第二番目には、熊本の認定審査会の御了解も得なければいけません。次には、やはり一番基本的な問題としましていわゆる申請者の方々の御協力も得なければいけない。こういう問題があるわけでございまして、これにつきまして私もちょっとめどというものを、できるだけ早くという考え方で対処しておるわけでございまして、事務的な処理としての問題じゃございませんで、もうお三方が全部人間と申しますか、人格を持っておられる方々ばかりでございますものですから、その辺につきましては、私どもはできるだけ十分な御理解を得るための努力をしていきたいと思っておるわけでございますので、若干いまのところめどにつきましては、私どもは、できるだけ早くしませんといまの不作為の違法状態の解消というのはできないと思っております。ですけれども、何名がいつまでにということにつきましては、ちょっと現在の段階では申し上げかねるような状況にあることは御了解いただきたいと思うわけでございます。
○寺田熊雄君 多少頼りない気がしますがね、それは別として、あなたは主管の局長として、まだ認定を受けていない患者を大体全部認定し終わるのに、何年ぐらいかかるというお見込みですか。
○政府委員(野津聖君) 現在の状況と申しますか、特に審査会に八十件かかっておりまして、そのうちの約二十件についてしか処分ができないという形で、すでに七百名近い方がいわゆる保留というふうな状況になっているわけでございます。したがいまして八十件がすべて処分ができるという形になってまいりますれば、一年に約千件の処理ができるわけでございますので、三年ないし四年で処分ができるんではないかというふうに考えておりますけれども、その中で、少なくともいま申し上げましたように約六十件につきましては、保留という形で次に回されるということになってまいりますものですから、その分が処分できないということになりますと、その分がいま申し上げました三年ないし四年というものに対して追加されてくるというふうな形になるのではないか、思っております。
○寺田熊雄君 八十件のうち二十件が処理されて六十件が処理されないということになると、三年四年というのがそのまた三倍ぐらいを要すると考えていいわけですか、数学的に。
○政府委員(野津聖君) 三倍という形ではなくて、少なくとも現在保留になっておられる方はもう少し経過を見たいということが一つ、それから、もう一回検診していただきたいという形でおるのが主な保留の要件になっておるわけでございますので、そのような状況が解決していくならば、三倍という形じゃございませんで、若干の年数が加わる程度だと私は理解いたしております。
○寺田熊雄君 これはどうなんですか、損害の補償というものは、認定を受けた時点から補償が得られるんですか、それとも発病のときにさかのぼりますか。
○政府委員(野津聖君) 申請をいたしました時点にさかのぼっておるわけでございます。
○寺田熊雄君 そういうふうに認定が延びて、そして、もしその間に死亡したような場合は、認定が可能ですか。死亡した場合でも可能なのか、あるいは非常に困難になりますか。
○政府委員(野津聖君) 検診を受けられた後でお亡くなりになった場合につきましても、できるだけ御遺体を提供していただきまして、解剖を熊本大学でしていただきまして、そのデータに基づきましての認定あるいは審査会にかけるという形になっておるわけでございまして、不幸にして亡くなられました場合でも、審査会に出ます資料というものは、さらに病理学的な意見まで加わって審査会で審査がされるという形をとっております。ただ、突然お亡くなりになりました場合は、ただいま申し上げたようなことになるわけでございますけれども、現在、どうも患者さん方といろいろと御相談しました結果ではございますけれども、非常に一般状態の悪い方、さらには御高齢という方につきましては、いわゆる繰り上げて検診、あるいは繰り上げて審査会にかけるという形がとられておりまして、そういうふうな状態の悪い方につきましては、できるだけ早く審査会にかけるという形になっておるわけでございます。突然御不幸にして亡くなられました方につきましては、ただいま申し上げましたような形で審査会にかけていただいておるという形でございます。
○寺田熊雄君 これは認定がおくれたことによって、いろいろ死亡の場合もあるでしょうし、精神的な苦痛もあるんでしょうが、そういう場合、国の側の損害賠償義務というのは、まあ不作為の責任が法律的に認められた以上は、やっぱりそういうことによって生じた患者の損害は、国が補てんする義務があるんでしょうね。
○政府委員(野津聖君) 私どもの立場といたしましては、直接その面につきましての損害の問題につきましては、判断ができる状況にないというふうに考えておるところでございます。
○寺田熊雄君 私どもから見ますと、この認定業務がおくれたということで県の責任を問うたのは、同時に国も被告として、国の責任も問うべきであったというような感じを持つんですが、これについては、国に責任があることについては、担当の局長としてはお認めになるんですか。あるいは県だけの責任だとおっしゃるんですか、どちらです。
○政府委員(野津聖君) 昨年の十二月の十五日に判決がございまして、十二月の二十九日に確定した、この事柄だけを考えました場合には、直接は県が被告となって不作為の違法状態の確認の判決があったわけでございます。この問題は、この裁判に関する限りにおいての形は、県が直接の対象になっているわけでございますけれども、もちろん、この水俣病の問題は、汚染者であります責任につきましては、当然汚染を起こしました企業が直接の責任があるわけでございます。ただ、全般的にこの対策あるいはこの問題点ということにつきましては、国としましても当然相当な努力をやるべきでございますし、また私どもといたしましても、その面につきまして、現在まで流れてきましたということにつきましては、非常に大きな責任を国全体としても考えるべきであろうというふうに思っておるところでございます。
○寺田熊雄君 国の責任については、今度、長官が出られたときに具体的に御質問することにして、きょうはこの程度にしておきます。 ただ、環境庁の設置法を見ますと、地方自治体のこういう仕事に対しては財政的な措置をしなければいけないような規定がありますがね、財政的な措置を十分やっておりますか。
○政府委員(野津聖君) 現在の流れといたしましては、いわゆる認定審査に関しましての事務費につきまして、国と県が二分の一の負担をするという形になっておりまして、この分につきましての財政的な措置は実施いたしているところではございます。 ただ、いまの状況を熊本県からつぶさに聞きますと、どうも現在のこのいわゆる補助の状況から見ますと、補助の対象にならないような面につきまして、相当な県としましての超過負担があるということにつきまして、私ども事情を聞いているわけでございます。したがいまして、今年度、五十二年度の予算といたしましては、熊本県に直接関係がございます、いわゆる現在の公害健康被害補償法の以前の法律に基づいた形で、先ほど御指摘ございましたように、患者さんが残っている関係で、以前の法律、いわゆる旧救済法と称しております部分で処理されているところでございまして、これにつきましては、特に熊本県の実態というふうなものを十分組み入れまして、特別な形で、従来ございました予算よりも大幅に、特に約倍近い形で補助していきたい、そうしまして、県の超過負担がないようにしたいという形で今年度も考えてきているところでございます。
○寺田熊雄君 瀬戸大橋が着工が大体内定したようですがね、これに対して環境の事前調査の準備ができておると思うんですが、これは大体どのぐらいのスタッフで、どのぐらいの期間を要するというお見込みですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 瀬戸大橋のルートが内定をしたということでございますが、これにつきましては、環境影響評価との関係では、十分な環境影響評価の結果を踏まえて、環境庁としてもこの架橋についての意見を述べることにしたいと思っておるわけでございまして、その場合に、環境庁といたしましては、この瀬戸内の架橋につきましての環境影響評価の指針というものをつくりまして、その指針に基づいて環境影響評価をやっていただこうと。さらに、まあその基本的な事項でございますが、この実施の細目につきましては、これは事業の所管官庁でこれをおつくりをいただいて、環境庁と協議をした上でこれを取り決めまして、それに基づいて環境影響評価を実施していただくように指導していきたいと。そういたしますと、いまのような実施事項の細目というようなものがまだ決まっておりませんので、それから主管の官庁からまだ具体的な話も伺っておりませんので、いつごろまでにどれだけのスタッフでやられるかということについては、まだ現段階では明らかになっておりません。
○寺田熊雄君 正確にはわからないでしょうけれども、大体の抱負はあるでしょう。というのは、これは他の——これは国土庁でしょうかね——行政庁では、大体半年ぐらいで終えてもらおうというようなことを言っているようですがね。ですから、あなた方の方でも、主管の官庁として大体どのぐらいの期間がかかるということのめどはあるでしょう。それから、そういうやみくもに早くしてしまいたいというような他の官庁の要求というものに、押されるか押されないかというような問題もあるでしょうし、大体どの程度のめどを持っていらっしゃるのか。どうですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 私どもで現在、いわゆるアセスメントの審査をやっておりますのは年間に五、六百件あるわけでございますが、その中には、事業の性質によりまして、私どものところへくるような計画が、環境影響評価の内容が上がってきましてから一カ月程度で済むケースもございますし、それからいろいろな資料あるいは調査が不十分で、さらに新たな調査の資料の要求をしたりいたしまして、長いのは二年ぐらいかかるのもございますし、まあ実際に環境影響評価がやられた結果を見ませんと、どの程度の日数がかかるかというところはいまの段階では申し上げることができない状況でございます。
○寺田熊雄君 これはまあすべでの国の事業に共通なんですけれども、たとえば地域開発のマスタープランであるとか都市計画のやはりマスタープランであるとか、こういうようなものが、外国と比べると日本の場合はきわめておざなりに短期間ででき上がっちゃうんですね。外国ではたとえば五年も六年もかかるところを、日本は半年ぐらいでつくり上げちゃう。非常にずさんなもので、後でもう大抵実際と現実と計画とが大きく食い違うということが多いわけですが、これはよほど慎重にやっていただきたいと思うんですが、その点の御決意を伺いたい。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 環境影響評価を非常に不十分にやられておったために、後々その問題を残してまたトラブルが起こる、そういう傾向が必ずしもいままでなきにしもあらずということもありますので、私ども、今後は、環境影響評価を最初の段階で十分やりまして、後々そういうトラブルの起こらないようなやり方でやっていくというふうにいろいろと指導をしていきたいと考えております。
○寺田熊雄君 いまの環境アセスメント法案ですがね、これはしばしば今国会に提出するということが報道せられるかと思いますと、とても無理だと、通産省や建設省の反対があるというような、いろんな報道が入りまじっていますが、これはまあ大臣にお伺いしたいと思ったんですが、政務次官、かわって御答弁いただきたいんですが、今国会にお出しになるんですか。
○政府委員(今泉正二君) ただいま先生から御指摘の件でございますが、環境影響評価法案というのは、現在、関係省庁と環境庁私どもと鋭意調整を図っておりまして、急いで成案を得まして今国会に提出いたしたく、いま全力を挙げて努力をいたしておりますし、また地域開発のメリットにつきましては、開発事業の実施に当たりまして、環境に及ぼす影響その他の諸情勢とあわせまして総合的に、そして適切にこれを考え、開発事業が誤りなく実施されますように、私たちは公害防止及び自然環境の保全に資するという本来の目的にのっとりまして、いま、法案の位置づけをいたしたいと鋭意やっております最中でございます。
○寺田熊雄君 いま次官のおっしゃいました開発のメリットの問題ですが、これは環境に対する影響を評価していくというので、別段どういうふうな経済的なメリットがあるかとかいうような問題を論ずべき分野でないというふうに私は思うんですけどね。それが、何か開発のメリットというようなことを言われたことが納得できないんですが、その開発のメリットというのは、環境に与えるよき影響という意味のメリットなんですか、それとも何か国民経済上経済面でメリットがあるという、そういう趣旨をうたうというんですか、どちらなんでしょう。
○政府委員(柳瀬孝吉君) まあ大臣がおっしゃいましたのは、開発のメリットも考慮すべきではないか。というのは、ある開発行為につきましては、環境の問題だけを検討するんじゃなくて、いろいろな経済的なメリットから社会的、文化的ないろいろな諸条件というようなものを総合的に考慮して判断さるべきものだというふうな意味に理解しますと、それはそのとおりでございます。しかし、その中でこの法案が予定しておりますものは、その中の環境影響の問題につきまして、どういう手続でどういうやり方でこれを評価をしていくかということを特にこの法律で取り出して、それをきちんとやるような仕組みにしたいというふうなことでございまして、したがって法律そのものの予定しておりますのは、そういう位置づけになっておるということでございます。
○寺田熊雄君 これはまあ長官がおっしゃったことだから、長官が出られてからまた詳しくお尋ねすることにして、通産省はこれは反対だというようなことがしばしば言われておりますが、それから建設省も反対のチャンピオンだというようなことを言われておりますが、これはどういう趣旨なのか、通産省、建設省の方、おられたらお伺いしたい。
○政府委員(斎藤顕君) お答え申し上げます。 通産省としましては、環境の影響に対する評価の必要性につきましては十分認識しているところでございます。事実、昭和四十年から産業公害総合事前調査を実施してきておりまして、さらに昭和四十八年から、電気事業法に基づく資源エネルギー庁長官の通達によりまして、事業者に環境の影響に対する調査と評価を実施させ報告をさせておるところでございます。その方向につきまして、専門家で構成される環境審査顧問会によりまして審査が行われ、その結果を通産省として正式に電源開発調整審議会に報告を行っております。 このような実質的な経験に基づく観点から、通産省としましては、環境庁案につきまして率直な意見を述べて協議をしておるところでございます。環境に対する影響の予測評価につきましては、科学的な予測と客観的な評価が不可欠でございますけれども、いわゆる典型七公害の中でもこれが可能なものは、大気と水質のごく限られた項目ではないかと考えております。また自然環境につきましては、影響の正確な予測やその客観的な評価がきわめてむずかしいというふうな問題等ございまして、それらの意見を現在環境庁と協議し調整しておる段階でございます。
○説明員(関口洋君) 建設省としましては、ことしの一月の半ばからだったと思いますが、環境庁の方からいろいろ試案の形で出され、さらに法案の形で一次案、二次案ということで御協議いただいておりますが、その都度誠実に対応してきたつもりでございます。私どもは、先ほど先生の方からお話のございましたような、公共事業を着実に執行していくという立場から、環境問題につきましても通産省と同様に非常に大きな関心を払っております。そういう意味から、いわゆる試行という形で、四十六年以降、私どもなりに必要と思われる問題についてアセスメントをやってきたわけでございますが、それらの経験を踏まえてみますと、何と申しましても、このアセスメントの根幹となるべきものとしては、環境庁長官が示される指針というものが非常に大きなウエートを持つ、そういう立場から、指針の内容につきまして具体的に環境庁の方からお示しをいただきたいということで、まずその点をお願いしておるわけでございますが、結論的に申しますと、その辺の調整がまだついておりません。 それから第二の問題としましては、この環境庁から示されました法案の一つの目玉に、言葉は悪いかもしれませんけれども、住民参加という問題がございます。で、その問題につきましては、実は私ども既存の法体系ですでにその問題に踏み切っておる部門がございます。たとえば都市計画でございますが、都市計画法におきましては、都市計画を決める際にいわゆる縦覧に供しまして、その際にいただいた御意見、これを各県に置かれております都市計画地方審議会で審査をしていただく。その上に基づいて都市計画を決める、こういうたてまえになっておるわけでございます。そういう意味から、そういう都市計画法を中心とする既存の法体系との調整と申しますか、こういう点について十分配慮をお願いしたいと申し上げておるわけでございますが、この点についてもまだ調整ができておりません。 そのほか、ごく大づかみの答弁で恐縮でございますが、確かにいろいろのプロセス、これを着実に展開していくためには、それぞれのプロセスの段階において、一つずつ次のステップに踏み出すためにどうしたらいいかということについての、できれば具体的なものを少し法案に盛り込んでもらいたい、こういう立場から、いろいろな意見を申し上げております。
○寺田熊雄君 いまのはまた速記録をよく拝見して、次の機会にさらに御質問したいと思います。 時間がないので、法務省と警察庁の方の質問に移りたいと思いますが、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律、これがまあ俗にいう公害罪法という法律のようですが、これの罰則を見てみますと、刑法の傷害罪の規定などとの比較検討の上で、刑がやや軽いような感じを持つんですね。ことにその被害が非常に拡散され広大なものになって、被害者がたくさんふえているような事例がありますね。カネミ油の事件なんかそうなんですけれども、そういう点を考慮すると、公害犯罪というものをもう少し重く位置づける必要はないだろうか。この点、法務省の方にちょっとお伺いしたいんですが。
○説明員(佐藤道夫君) 公害犯罪処罰法の法定刑につきましては、四十五年の立案当時におきまして、法制審議会あるいは関係各方面の意見を慎重に拝聴した上で、現在の体刑——自由刑の最高が懲役七年、罰金額の最高が五百万円というふうに決定されたわけでございますが、その後の公害の実情等を観察いたしますと、この法定刑をもって賄い切れないというふうな事犯はそう数は多くないようにも見ておりますので、いまにわかにこの法定刑を引き上げるということは法務省としては考えておりませんが、参考までに指摘しておきたいわけですが、刑法の全面改正をただいま法務省としては検討しておりまして、この公害罪の基本的な罰則、これは基本的な法律である刑法において取り込むべきではないかという意見が出されておりまして、刑法の全面改正という段階におきまして他の罪との比較考慮の上で適切な罰則を考えていきたいと、かように考えております。
○寺田熊雄君 それから、人の健康にかかわらない自然や環境を破壊する公害犯罪一般について、いろいろな単行法はたくさんあるのですが、たとえば廃棄物の処理及び清掃に関する法律というのは過失犯がないですね、規定が。そういうことを考えると、自然または環境を破壊する公害犯罪、これについての一般法を制定するような必要はないでしょうか、どういうふうにお考えですか。
○説明員(佐藤道夫君) いわゆる環境破壊につきまして、これもやはり公害罪に持ち込むべきではないかという角度から立案当時検討いたしましたが、環境破壊と申しましてもさまざまな類型が考えられるもので、このすべてを基本的な罰則の中に盛り込むということは、罰則の明確化という観点からいささか疑義があろうということで、これに対処するにはやはり行政罰則の適正な運用ということに尽きるのではなかろうかということで、現在の行政罰則をもちまして十分対処できないものにつきましては、それなりの行政庁におきまして対応策を考えていただく。法務省といたしましては、行政罰則の適正な運用という観点から御協力申し上げていきたいと、かように考えております。
○寺田熊雄君 この問題も時間の関係で次に譲って、警察庁の方に伺いたいんだけれども、先ほど政務次官が、ごみの問題で一つの所感を述べられたようですが、実際問題としてこの問題は、たまたま検挙しても説諭程度で離しちゃうような事例が多いんじゃないかと思うんですが、警察庁としてはどういうふうな取り締まりをごみの不法投棄についてやっておられますか、取り締まり状況をお伺いしたい。
○説明員(浜田栄次君) ごみの取り締まりにつきましては、軽犯罪法もございますし、それから廃棄物処理法もあるわけでございます。いま一番公害罪法の中で取り締まりの多いのは廃棄物の違反でございまして、昨年一年間で、公害関係事犯として取り締まりをいたしましたのが四千六百九十七件でございます。そのうち廃棄物処理法を適用いたしまして検挙いたしましたのが三千五百四十九件ということで、公害関係事犯の七五・六%が廃棄物処理法違反でございます。それから軽犯罪法を適用してやりましたのが二十七号の汚廃物放棄の違反、これが三十三件取り締まりをいたしております。 そういうことで、警察庁といたしましては、こういう関係法令を厳正に適用いたしまして取り締まりをしていく。一般的なごみの取り締まりにつきましては、やはり公衆道徳の向上あるいは遵法観念の高揚というような点に期待すべきところが多いんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○寺田熊雄君 最近、六価クロムの井戸水汚染というものが滋賀県で発生して、警察庁が公害罪法を適用して検挙するということがあったようですね。この公害罪法の適用の事例というようなもの、これは、実は時間がなくなっちゃったんですけれども、警察庁の方で何件かもしありましたら、きちっとした表にして当委員会に提出願えませんか。
○説明員(浜田栄次君) これまで公害罪法を適用して送致をいたしましたのが六件ございます。昭和四十七年に二件、昭和四十八年が二件、四十九年が一件、五十一年が一件。ただいま御指摘の滋賀県の事例につきましては、ただいま捜査中でございます。資料は後ほどお届け申し上げます。
○寺田熊雄君 先ほどのごみの不法投棄の検挙状況ですね、それといまの公害罪法の適用の取り締まりの状況ね、これ、両方とも表にして提出していただけませんか。
○説明員(浜田栄次君) 後ほど委員会の方に提出いたします。
○寺田熊雄君 最後に、取り締まり当局としては、この現行の法令でごみの不法投棄は完全に取り締まれるというお考えですか。それともやっぱり法的に、いまの法制では不備だと思われますか。ことに自動車からごみを捨てる事例が非常に多いので、これは検挙しにくいんだけれども、道路交通法あるいは何か自動車関係の法規に特別な規定を設ける必要はお考えになりませんか。この点ちょっと最後に伺いたいと思います。
○説明員(浜田栄次君) 産業廃棄物の不法投棄の事案につきましては年々増加しているわけでございますが、七十七国会におきまして不法投棄の罰則が非常に強化されたわけでございます。これが三月十五日から施行されたわけでございますので、警察庁といたしましては、新しい規制につきましては指導期間を設けて現在指導いたしておるわけでございますが、六月に全国集中取り締まり期間を設けまして、ごみの取り締まりにつきましては強化を図っていきたいと、このように考えております。 それから第二点の、走行中の自動車の中から空きかんとか空きびん、ジュース類というものを投棄する事案でございますが、これは現在道路交通法の七十六条に禁止規定がございます。これで昨年五十一年中に全国で四千四百六件検挙いたしました。ただ、この七十六条違反といいますのは、禁止行為が幾つか項目がございますので、空きかんだけについての統計というのが明らかでございませんので、空きかんの投棄事案が何件かは明らかでございませんけれども、この四千四百六件の中に、そういう違反の取り締まりも含まれている、こういうことでございます。
○寺田熊雄君 それも資料として出してください。
○説明員(浜田栄次君) はい。
○委員長(片岡勝治君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時十二分休憩 —————・————— 午後一時九分開会
○委員長(片岡勝治君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、上原正吉君及び金井元彦君が委員を辞任され、その補欠として高橋誉冨君及び斎藤栄三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(片岡勝治君) 休憩前に引き続き、公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○内田善利君 先ほども寺田理事から質問があっておりましたが、今回の石原長官が水俣を訪問された、そのことについて、いろいろ長官が現地を見られて言っておられますので、そのことにいて、具体的にどのように実施されていくのかお聞きしたかったわけです。長官の意欲的な水俣の調査には大変敬意を表するわけですが、御病気のよし、大変残念ですけれども、環境庁当局にその具体的な方策について、いろいろまずお聞きしたいと思います。 水俣病につきましては、本委員会で何回も質問してまいりましたが、とにかく裁判でも不作為の裁判の判決があっておりますし、行政が怠慢であったということに私は尽きると思うんです。長官も水俣では深々と頭を下げておられますが、頭を下げただけでは水俣問題は解決しないんじゃないかと、そのように思います。したがいまして、いろいろ発表されておりますが、具体的にどのようにして水俣問題を解決していかれるつもりなのか。さびついた列車を動かすと、このように言っておられますが、そのさびは何であったのか。また、この列車を動かしていくための油は何にされるのか。また、動かしていくのは国なのか県なのか。その辺の責任をはっきりしていただきたい、このように思うわけですが、この点については政務次官、どのようにお考えでしょう。
○政府委員(今泉正二君) ただいまの内田先生の御質問にお答えいたします。 まず、御答弁に入ります前にお断りいたしますととは、御指摘のございましたように、私どもの長官が、血圧のあれでいま倒れておりますので、奥さんが看病しております。私の、次官の発言でお許しをいただきたいと思いますが、その御了承の上に立ちまして、大臣が日ごろ申しております報告、そういうものをもとにいたしまして、御答弁を三点に分けて申し上げたいと思います。 水俣病の問題は、その発生におきまして人類が未曾有の体験であります。行政も医学もどのように対処していくか、非常に時間を要した点でありますことは御案内のとおりでございます。そして、責任はもとよりチッソにございます。国としても決して手をこまねいて傍観をしていたわけではございませんが、本問題を解決するためには、そういうことはもちろん前提として当然でありますが、特段の努力を今後さらに傾注しまして、少しでもその解決に向かっていかなければ——歩みは遅くても、私たちは懸命にぶつかっていきたいと思います。今日の事態を招来いたしましたことは、結果はどうあり、原因がどうであろうとも、その当局でございます環境庁としても、また、いま欠席はいたしておりますけれども長官も、その下で働きます私たちも、はなはだ遺憾なことだということを強く認識しております。そして三番目は、水俣病解決に当たりましては、過去の反省に立ちまして、重複いたしますけれども、一歩でも二歩でも私どもは進めていく。それがじみであっても、お小言を賜りながら、また御指摘を賜りながら、それを背中に背負っていく私たちの使命だと強く自戒を含めながら、御答弁にかえたいと思います。
○内田善利君 水俣病はきのうきょう起こった問題ではなくて、もう発生してから二十一年たっていると思うんです。その間いろいろな対策がなされました。だけれども、患者の皆さんの不信感はつのるばかりだし、また熊本県当局も大変苦労されながら効果が上がらない。ついにあのような裁判になったわけですが、あの裁判の判決後、不作為状態をどうやって解消するか、国はどのような手を打ってこられたのか、また、県はどういう手を打ったか、この辺、御説明願いたいと思います。
○政府委員(野津聖君) 現在の不作為の状態になっております事態と申しますのは、もう先生御存じのとおり、約三千五、六百名にわたります申請の方々が、現在まだ検診も受けられない、あるいは認定審査会にかからないという実態があったわけでございます。このためにも一番大事なことは、この認定業務の促進が大事ではないかというふうに私ども考えておりまして、熊本県と十分な連絡をとりながら、では認定業務を促進するためにどのようなことをすればいいかということでいろいろと話し合いをしてきたところでございまして、まず第一番目には、現在の段階におきまして、特に医学の進歩というものに関連いたしまして、水俣病そのものの病像というものを、この際明確化すべきではないかという御意見もあるわけでございまして、私ども、一昨年来、熊本県のほか新潟県、それから鹿児島県におきます審査会の委員の方々にお集まりいただきまして、また、さらにはこの水俣病に対しまして、過去から十分な研究をお積みになっておられます熊本大学の先生にも御参加いただきまして、一体、この水俣病像というものは、現在の段階で医学的にどういうふうに理解すればいいかということを御議論いただいてきたわけでございます。これにつきましてほぼ御意見等もまとまりつつあったわけでございますので、いま、現在の段階におきましての一つの判断条件というふうなものをまとめまして、これにつきましてことしの来月、いや再来月になりますか、六月末を目途に、一つの判断条件を明らかにすることによりまして認定業務の促進が図られるというふうに考えております。この点につきまして、現在、各先生方に最終的な御相談をかけているという実態でございます。 それから、現在の状況でございますけれども、検診を行いますのが、現在、熊本大学の大変好意のある御協力をいただいているわけでございますけれども、大学自身としましても教育あるいは研究という問題がございまして、最大限の御努力をいただきました中で、現在、月に二日ほど熊本大学の先生方に水俣に出向いていただきまして、検診をしていただいているわけでございますけれども、非常に判断困難な事例がふえているというふうな実態もございまして、一カ月に処理できます、検診ができます数が、約四十ないし五十というふうな状況になっているわけでございます。したがいまして、この場合に、県の方からも御要望があるわけでございますけれども、常駐で検診をしていただくことによりまして、この検診のできます数がふえるということが非常に大事なことではないかというふうに考えておりまして、現在、私どもも国立病院とか、あるいは大学関係の先生方にお願いをいたしまして、この検診に参加をしていただくというふうなことで、個別にいま御相談をしているところでございます。 ただ、この検診をするということにつきましても、非常に大事なことは、患者さんあるいは申請者の方と検診をいたします医師との人間関係が非常に大事なことでございます。過去におきまして、夏に一斉検診を実施いたしたわけでございますけれども、若干、その検診を受けられる方と医師との間の問題がございまして、十分な検診が行われなかったという実態もあるわけでございますので、その辺、やはり患者あるいは申請者の方々の御協力もいただかなければならない面もあるわけでございます。したがいまして、具体的な人選を進めながら、やはり申請者の方々の御協力が得られるというふうな形での了解もいただきたいと思っておりますし、さらにはこの検診の結果につきまして、認定審査会でそれを資料といたしまして審査をするわけでございます。そのためには、やはり認定審査会の委員のお立場でも、この方の検診であればというふうなことも必要になってくるかと思います。その面を前提といたしまして、いま私どもの方でも県と話をしながら具体的な人にお願いをするというふうな形で実施いたしております。 ただ、非常に問題がございますのは、常駐して、一年間その医師が検診だけを行うという場合には、非常にこういう形での医師の確保はむずかしい面もございます。医師の立場から言いますと、検診もするし、やはり臨床なりあるいは研究なりというものがその方にとっては必要なことであろうかと思います。したがいまして、何かの形で常駐できるような形で検診が行われるようなことを中心に考えて、現在個別の先生方にそれぞれ当たりましてお願いと御理解をいただいている状況でございます。 それから、従来、熊本県が非常に苦労しておりましたのが、いわゆる事務費という形で、検診なりあるいは認定審査会の業務というものが、二分の一が国からの補助という形になっていたわけでございますけれども、その中で、お願いしました場合の医師の単価というふうなものにつきまして、非常に低いということもございまして、熊本県としましては、その分について部分的な超過負担という形もあったわけでございますけれども、今年度から熊本県のこの業務につきましては、十分考えていきたいということでございまして、五十一年度に比べまして九二%の増額を図ったところでもあるわけでございます。できるだけ財政的な面につきましても、熊本県の努力というものを支えていくようなことを私ども考えてきているわけでございまして、また、個々の問題につきましては、できるだけ県と十分な連絡をとりながら、特にこの事業そのものが県の事業であるわけでございますので、私どもも県と一体になりまして、必要な場合にはいろいろ私どもの方から直接お願いをするというふうなことも含めまして、現在、具体的な面についての努力を重ねているところでございます。
○内田善利君 検診医の確保ですけれども、患者の方からすれば毎日いてほしいわけですね。ですから、土曜、日曜だけじゃなくて毎日確保できるような、一人でも二人でも三人でも、研究の時間があればそういう時間を持たせるような方法を考えて確保すべきじゃないか。また、いままでのいろいろないきさつをかなぐり捨てて、やはり真摯に検診してくださる先生方を求めるべきじゃないか、このように思います。 一斉検診のときの状態は、あのときにいろいろ議論したわけですけれども、余りにも何といいますか、形にとらわれた一といいますか、そうしてまた、患者の皆さんは、もう二十一年になりますと、自分の周囲に患者さんがおるわけですから、認定された方々がおるわけですから、非常によく病状を知っているわけですね。あの人はどういう状態になったというようなことをよく理解し、自分の目で見て、言ってみれば水俣病については素人医者みたいなかっこうで非常によく知っている。ですから、そういう人たちがにわか仕立てのそういった検診ということになりますと、やっぱり反発が出てくるのじゃないかと、そのように思うわけですね。そういったことで、今度も長官は実態総合検診をやるとおっしゃっておりますけれども、そういった点もよく配慮してやらないと、またあのときの二の舞をするんじゃないかと、このように思うわけです。 それから、認定基準の見直しですけれども、これもやはり二十年たちますとずっと病状が変わってくるわけですね。そういったことで、カネミライスオイルの被害者の皆さんもそうですけれども、いろんな砒素による障害が内臓疾患等にあらわれてきている。しかしまだ認定基準の中にそれも入っていない。そういう状況でございますから、やはり被害者の患者の方の実態をよく見れば、疫学調査をやれば私はある程度の認定はできるのじゃないかと、素人ですからよくわかりませんが、そう思うんですね。ですから、そういった点で、もう少し積極的に対策を講じていっていただきたいと、そう思います。いままで熊本、新潟、鹿児島、認定基準ばらばらなんですから、せめて新潟並みというのは、もうずっと前から、私もこの席でいろいろお伺いしましたし、患者の皆さんもそういう声のようです。ですから、今度の認定基準の見直しも、そういった意味でひとつ国が先頭に立って決めていただきたい、そのように思うわけです。 それと、予算のことですが、県は、結局七月から、認定審査会の方も二千八百三十九万何がしから八百二十万円にストップしているわけですね。予算化していないわけです。それから認定検診費の方も八千三百五十七万一千円から、二千三百七万円というふうに、七月からそういった予算措置はもうストップしている。そういう状況でございますから、これはもう早急に手を打たないといけないんじゃないかと、こう思うのですね。ですから県の側とよく話し合って、今度の対策には具体的な十分な措置をとっていただきたい、このように思うのです。その点が一つです。 それから水俣市の人口が約三万六千人ですか、そのうち意識調査をしたら二割ぐらいがやはり水俣病ではないかという不安を持っている、こういうわけですが、当時水俣湾でとれた魚を行商等によって食べた人口が大体三十万人、このように言われておりますし、それから自分の父なり母なりが水俣病の認定患者になった場合に、その娘さんあるいは子供たちの不利益といいますか、そういったことがたくさん出てきている。そういったことで検診をしないという方向の人たちもおる。そういうことでまだまだ潜在患者がいると、こう言われているわけですね。そしてこの公害健康被害補償制度は、申請によって患者を見つけていくという方式ですから、こっちから探し出して実態調査をやって、あなたは申請しなさいというのじゃなくて、本人が申請して初めて認定検診をやり認定していくという方式ですから、まだまだ隠れた患者がたくさんいる、こう想像されるわけですね。ですから強力な国のレベルでの実態調査、これが必要なんじゃないかと、こう思うのですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(野津聖君) ただいま検診の問題、あるいは一斉検診のやり方、あるいは現在の認定基準の問題についての御意見をいただきましたわけでございますけれども、これにつきましては、私どももまさに先生と同感でございまして、できるだけスムーズに仕事が進むような形に持ってまいりたいということで、県と一体になりまして努力を重ねているところであります。 また、予算が一応第一四半期分しか組まれてないということでございまして、私どもも一番の問題は、やはり先ほど申し上げましたように、具体的な面につきまして県と相談をいたしまして、具体的な進め方というものを決めることが非常に重要なことではないかと考えているわけでございます。ただ、私ども県と相談しながら、一応六月末をめどにいろいろな問題の解決を詰めていきたいと考えているところでございますが、その時点におきまして、一層スムーズに仕事が進むような形になるということを期待いたしているところでございます。 それから、現在の申請主義という問題があるわけでございまして、御指摘ございましたように、自分の意思で申請するというのが現行の制度でございます。特にいまお話がございましたように、いろいろな社会的な原因によりまして申請することをためらっておる方々もおられるというふうにも聞いておりますし、今回も、一部の申請をされておらない方々の御意見も実はあったわけでございます。したがいまして、非常に重要なことは、そこにおきます汚染の実態というものがどういうものであるかということを根底に置いておく必要があるだろうと思います。また、特に何と申しますか、調査をして探し出してという形が果たしていいものかどうか、非常に社会的な問題も抱えておりますし、また事によりましては人権の問題にも絡んでくるところもあるのではないかというふうにも思っているわけですが、やはり汚染なりあるいは発病の実態というものにつきましては、実態を把握しておくことが必要であろうと考えておるところでございます。したがいまして、過去におきます各種の資料につきまして、ひとつ全部まとめてみて、その中からどういう形で問題が残されているかというふうな点も踏まえての調査をすべきではないかというふうに考えているところでございます。したがいまして、具体的に現在どういう形での調査ということは、まだ結論を得てないわけでございますけれども、御指摘ございましたような形での実態を把握するということは、非常に重要なことであろうと私どもも考えておるところでございます。
○内田善利君 具体的な話をちょっとお聞きいたしますが、申請中に死亡した場合に、認定のための解剖をすると先ほど話があっておりましたが、その場合に、二年たっても放置されておったということが新聞に出ておりますが、こういうことが実際あったのか、もしあるとするならば、何とかして生きている間に救済する方法はないものか、こう思ったんですが、この点はどのようにお考えでしたか。
○政府委員(野津聖君) 不幸にしまして申請されて後に、まだ審査会にかかる前にお亡くなりになった方がおられました。これらの方につきましては、ひとつ御協力いただきまして、病理解剖を実施しているわけでございますが、ただ、先生御存じのとおり、水銀の影響というふうなものにつきましての病理解剖でこれを確認しようといたしますと、非常に細部の検査が必要になってくるわけでございます。特に脳の解剖が肉眼的に処理できない問題が非常にございまして、どうしても顕微鏡的な形での検査をしなければいけないということでございます。熊本大学の病理学の教室にも大変御努力いただきまして、また、いわゆる専門でなくても携われる問題につきましては、県の職員もこれに応援をしているというふうな実態があるわけでございますけれども、どうしても人手の問題、あるいは逆に非常に細密な検査をしまして水銀の影響を見たいというふうな面がございまして、現在、ある方によりましては一年以上も結果が出ないというふうな問題もあるわけでございますけれども、これは実態としましては非常な努力を重ねていただいておりますし、また熊本大学の病理の教授にも非常に御協力をいただいておるわけでございますけれども、結果的にはそのような細かい検査を重ねていくというふうなことが中心になりまして、若干の日時がかかっておるということはやむを得ないと思っておりますけれども、できるだけこれにつきましても早く結論を出していただくように、私どもの方からも、大学の病理学の教授にもお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
○内田善利君 それから、国立水俣病研究センターのことについて、長官は新たに社会科学部門を加えて内容を充実したいと、このようにお答えになっておりますが、専門スタッフのお医者さんの確保、これはどのようにして確保されるのか。それから、患者の方々からこの研究センターに入院させてほしいということと、治療施設をつけてほしい、こういう要望があっておりますが、この点についてはいかがお考えですか。
○政府委員(野津聖君) センターで研究を続けていただきます専門家の確保の問題でございますけれども、現在、このセンターの運営の中心になります所長につきましての人選を行っているところでございます。また、その所長の方針に従いまして、公募にいたしますか、あるいはそれぞれの大学の教室にお願いして来ていただくかということも関係してくるんではないかというふうに考えておりますが、ただ、社会科学の問題というふうな面があるわけでございますが、現在のところでは、いわゆる臨床研究、それから基礎研究というふうな二つの大きな柱を立てているところでございます。まあ基礎研究の中に疫学の研究を行うというふうな準備をいたしているところでもございますし、したがいまして、この社会科学の問題ということにつきましては、その疫学の、広い意味での疫学というものを中心として考えていってもいいのではないかと思っているところでございます。 それから、患者さんあるいは申請者の方々の御要望として入院施設の件があるわけでございますけれども、これは現在の状況から見まして、あの地域には相当の医療機関があるわけでございます。また特に施設となっておりますけれども、明水園という施設があることは御存じのとおりでございますが、このような専門の施設もございますし、またあの地域のすぐそばに、市立病院の分院もあるわけでございます。そのようなことで、より大事なことは、あの地域におきましての治療研究が、それぞれの医療機関と、ほかにも開業しておられる医療機関もあるわけでございますから、そういう医療機関と十分な連携を保っていくということが非常に大事なことではないかというふうに思っているわけでございまして、現在の段階では入院施設については考えておらないところでございます。 また治療研究でございまして、いわゆる臨床研究部門につきましては、主として各種の検査あるいは治療法というものを中心といたしましたほかに、やはりリハビリテーション部門もその中に含みましての研究を進めていきたいというふうな考え方を持っておるわけでございまして、入院施設がございませんでも、十分その面での機能は果たせるというふうに考えておるところでございます。
○内田善利君 チッソがPPPの原則に従って負担をしているわけですが、その負担能力にも限度があると思うのですね。したがいまして、このような膨大な、三千六百人、七百人という申請者がありまして、先ほどの話でも、一月に五十人程度だということでは二十年、三十年かかってしまうということなんですが、これを促進する場合に、やはりチッソの負担能力ということも問題になるわけですが、これに対して長官は、大蔵省とも話し合うというようなことも言っておられますが、これ、何か公害健康被害補償法のほかに、特別立法によって水俣病患者を救済していくと、そういうようなことは考えておられましょうか。
○政府委員(野津聖君) 現在の公害健康被害補償法そのものが、やはり民事責任を踏まえました形での補償制度ということになっているわけでございまして、この考え方から別の新たな考え方というのは、非常に私はむずかしいのではないかというふうに思っております。中身が充実していくという形での円滑な運用ということが中心となるべきではないかというふうに考えております。 チッソの問題につきましては、環境庁独自の問題とはならないわけでございまして、その辺につきましても関係各省と十分な相談をし、実態につきましても関係各省が理解を示していただくことが非常に大事なことではないかというふうに思っているわけでございます。
○内田善利君 長官にいろいろお聞きしたかったんですが、結局、水俣病が発生して二十何年の間、私の目から見れば、行政の責任というのはこれは非常に大きいと、対策が遅々として進まなかったと、そういうふうに思うわけです。その間、患者の皆さんの心も体もむしばまれてきておると、そういうふうに思うわけですが、ある患者の方は、水俣病になったことも不幸であった、しかし日本に生まれたということはなお不幸であったと、こう言っておられるわけですが、そのように日本の行政責任というものに対する患者の皆さんの不信感というのは非常に強い。私も水俣に何回も行きましたが、あの手足の不自由な胎児性水俣病患者の姿を見ますと、涙を催さずにはおられません。この世に生まれてきておりながら、あのような姿で生涯を過ごさなきゃならないというかわいそうな胎児性水俣病患者が、やはり会ってみなければ実感としてわからないと私は思います。そういった意味では、長官が行ってこられたということは、大石長官、三木長官、今度の石原長官というふうに行ってこられて、私は、水俣病対策は十分前進ずるものと期待をいたします。いままでの行政のこういった不十分な点をひとつ十分取り戻して、先ほど申しましたようなことを言わせないような行政に立ち直っていただきたいと、このように要望するわけです。 その次に、環境アセスメントについて若干お伺いしたいと思います。現在、環境庁ではこれを準備されておられるわけですけれども、通産省また建設省等で反対をしておるように伺っておりますが、環境庁としては、今国会にこの法案を提出されるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(今泉正二君) ただいまの件でございますが、環境影響評価法案——アセスメントにつきましては、現在、おっしゃられた通産、建設、関係省庁と調整を図りまして、早急に成案を得まして、ぜひ今国会に提出いたしたく、私たちも全力を挙げていま努力をしているというところでございます。
○内田善利君 通産省、建設省が反対しているということですが、その反対の理由は何なのか。——通産省。
○政府委員(斎藤顕君) お答え申し上げます。 通産省としましては、環境影響に対する評価の必要性につきましては、私ども十分認識しておるつもりでございます。また現に通産省自身、昭和四十年から産業公害総合事前調査によりましてこのアセスメントを実施してきております。またさらに昭和四十八年から、電気事業法に基づく資源エネルギー庁長官の通達によりまして、電気事業者に環境への影響に対する調査とその評価を実施させまして、報告を行わせております。また、その報告に基づきまして、専門家で構成されております環境審査顧問会がございまして、審査を行いまして、その結果を通産省としては正式に電源開発調整審議会に報告をしております。このような実質的な経験に基づきまして、通産省としましては、環境庁案につきまして率直な意見を述べ、協議をしておるところでございます。 環境に対する影響の予測評価につきましては、科学的な予測と客観的な評価が不可欠でございますけれども、いわゆる典型七公害の中でも、これが可能なものは、大気と水質のごく限られた項目ではないかと思います。また自然環境につきましては、影響の正確な予測やその客観的な評価はきわめてむずかしい状況にもございます。それらの点を踏まえまして、現在環境庁から提示されております第三次案につきまして意見を交換しておるという状況でございます。
○内田善利君 じゃあ建設省も。
○説明員(関口洋君) ただいま通産省の局長から御答弁がございましたような事情、私どもも共通でございますが、念のため、重複するかもしれませんが、私どもの態度を御説明さしていただきたいと思います。 建設省に対しまして環境庁から、今回のアセスメント法案、これにつきましていろいろ御相談がありましたのはたしか一月の半ばだったと思いますが、それから数次の段階を経まして三次案というものがいま提示されておるという状況でございます。この間、私どもとしましては、事の重要性にかんがみまして、環境庁の御意見に対しましていろいろ誠実に対応してきたつもりでございますので、この点、あらかじめ御了承を賜りたいと存じます。 いずれにいたしましても、私どもとしましては、あの法案の中で対象となっております事業のうちで、主として建設省所管の俗にいいます公共事業関係が主でございますが、これらの事業を着実に執行するという任務を負っておりますので、従来から環境にも十分配慮いたしまして、四十七年以来、必要に応じまして私どもなりにいわゆるアセスメントを実施してまいっております。で、その経験を踏まえますと、今回の法案の一番大きな骨子は、やはり環境庁長官がお示しになる指針、これが一番大きなウエートを占めておる、かように思うわけでございます。で、その指針の内容につきまして、具体的にいままでいろいろと御相談をしてまいったのでございますが、私どもとしましては、まことに申しわけございませんが、環境庁から十分なお考えを私どもに示されておるというふうには思っていないわけでございます。なおこれは調整を要するというふうに考えております。 それからまた、今回の三次案に至りましても同じでございますが、一つの住民参加という問題がございますけれども、この住民参加の問題にいたしましても、私どもの所管する法律の中では、すでに具体的にその措置が講じられておるものがあるわけでございます。その代表的な例としましては都市計画法でございますが、この法律の中におきましては、もうすでに都市計画の案を作成します場合、公衆の縦覧に供し、さらにこの過程におきまして、いただきました御意見を、各県ごとに置かれます都市計画地方審議会におきまして十分御審議を煩わし、都市計画の案につきまして、原案でいいのかあるいは修正すべきか、そういう点を具体的に決めるという法の仕組みを持っております。そういう意味から、今回、もし環境庁が環境影響評価法案をおまとめになる場合は、都市計画法というようなものにつきましても十分調整が可能になるようなひとつ仕組みをお考えいただきたいということを申しておるわけでございますが、これにつきましても、遺憾ながら意見がまとまっておりません。そのほかにもいろいろな点でまだ意見を調整しなければならぬところが多いのが現状でございます。 そういう意味から、冒頭に申しましたように、やはり一つの大きな法案でございますから、具体的に私どもとしては環境庁と調整を図ってまいりたい、かように考えております。
○内田善利君 通産省の方は昭和三十五年からですか、第一回環境影響評価をやったと。
○政府委員(斎藤顕君) 四十年でございます。
○内田善利君 この四十年の報告書によりますと、鹿島にしても四日市にしても、水島は環境庁ですか、通産省の環境影響評価は大丈夫だという結論なんですね。大丈夫だと。みんな見ました。ところが大丈夫じゃなかったわけです。被害者が、大気汚染による被害者がその後出ている。その前の大気汚染の影響であったのか、大丈夫だと影響評価が終わった後の大気汚染によるのか、その辺は私もわかりませんが、被害者が出ている。そういうことを見ますと、やはり通産省のおやりになった環境影響評価ではだめだったということなんですね。ですから、やってきたとおっしゃっているけれども、その結果は芳しくない結果が出ている、そういうふうに考えるのですが、この点いかがですか。
○政府委員(斎藤顕君) 私ども昭和四十年から、いわゆる環境アセスメントの手法を導入いたしまして、恐らく日本で最初に導入し実施したグループの一員だと思います。また工業技術院でこの問題に関しまして特に研究をした経過もございます。環境に関するいわゆる法律が整備されましたのは昭和四十五年でございますけれども、その後逐次いろんな汚染に対する基準が整備されてまいました。その基準にのっとりまして環境の整備を積極的に進めてきたわけでございます。まだそういうふうな環境基準の定まる以前、五年前でございますか、そのころから始めたことでございまして、客観的な事実をそのレポートの中では述べておりますけれども、その後、また技術的にアセスメント手法自身の改善された面もございまして、現在では、先生御指摘の諸コンビナートにおきまして、特別な公害問題が発生しておるというふうな事実はなくなっておるというふうに私ども認識しております。
○内田善利君 努力は私もよく認めるわけですが、私が言いたいのは、やはり住民参加のない業者だけの手法では、まあその当時は通産省方式あり、環境庁方式あり、手法が確かに確立されていなかったんですけれども、やはり何といいますか、公開の原則に基づいた住民参加の手法でないと、開発する側が事前調査を、影響評価をやるわけですから、やはり手前勝手なといいますか、そういう結果でやったからああいう被害が出たんじゃないかと、そういうふうにシンプルに考えれば考えられるわけですが、私が言いたいのは、住民参加によるアセスメントをやるべきじゃないか、もう現段階に至りましたら住民の参加なしに開発は不可能であると、そう思うわけですね。日本は非常に狭い、土地が狭い、そういう中で開発をしていこうというわけですから、やはり住民の納得のいく開発をしていくのが一番いいんじゃないか。いままでの開発は住民の参加しない中で、密室といいますか、そういう中で開発をしてきた。ですから、やはり地域の住民の方々は不安と安全性、そういった問題でなかなか納得がいかなかったと、そういうことで開発のおくれた場合もあります。必要な安全なそういう開発までだんだんおくれていったということも私はあると思います。そういうことのないようにするためには、この狭い日本の開発でございますから、やはり広く住民参加の上でしていくべきじゃないかと、このように思うんです。どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(斎藤顕君) 環境アセスメントを実施するに際しまして、関係住民の意見を聞くことはこれは必要でございます。通産省としてその趣旨に特に反対しておるわけではございません。また現に、電源立地に際しましては地域住民の意向を十分反映させると、こういうことを取り入れておりまして、事業者に対しまして地元住民の理解、協力を得るための資料の公開、説明会の開催等実施するように指導しております。今回の環境庁案のいわゆる住民参加のことに関しましては、そのこと自身、私ども趣旨に反対しておるわけではございませんで、その手法といいますか、そのプロセスについて一部意見の相違があるということを指摘しておるわけでございます。
○内田善利君 その点環境庁、調整がまだ不十分だと、建設省の方も通産省の方も御答弁になったように思いますが、その点はどうなんでしょうか、環境庁の方としては。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 環境庁が示しております案につきまして、確かに通産省、建設省の方からいろいろ意見の違いがある部分があるわけでございまして、指針の問題、あるいは電源開発をこの対象に入れるか入れないかとか、あるいは都市計画法に基づくいろんな開発行為を除くか除かないか、その他若干の点についていろいろ意見の違いがあるわけでございまして、今後そういう点につきまして、精力的に食い違いの点をよく調整を図って、まとめるように努力をしてまいりたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○内田善利君 もう少し環境庁は、主体性を持ってやっていただきたいと思うんですけれども、ことしの二月十八日に法案の第一次概要が発表になったんですけれども、そのときには、公害の防止、自然環境の保全の見地から、意見がある者、地域住民等として他地域からの支援者を含むものになっていたわけですね。それが三月九日の第二次概要では、関係都道府県の住民となっている。四月十八日の現在は、環境上影響が予想される市町村の住民と、このようにだんだん、だんだん後退といいますか、これが一番妥当なのか、この辺の問題になってくると思うんですけれども、これで自然環境の保全、公害の未然防止ということができるのかどうか。やはり環境庁としては主体性を持って臨んでいっていただきたい。社会党の方でも法案を出しておりますし、私どもも再度改正いたしまして、きょう提出することになっております。もう私どもは二回改正して出すわけですけれども、環境庁ももう少し主体性を持ってやっていただきたい。環境庁長官の所信表明の中にも、この環境アセスメントについては、「第一は、環境影響評価制度の法制化です。」と言って、「今国会に提出いたすべく、現在鋭意努力しているところです。」と、こう言っておられるわけですから、もう少し主体性を持ってこのアセスメントの法案の提出に踏み切っていただきたい、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(今泉正二君) きょう長官が出席いたしておりますれば、先生いま御指摘の点につきましての再確認と、前向きの検討に対して自分たちの役所のその抱負、意向を力強くお伝えできたと思いますが、私たちもいまの言葉をそのままちょうだいをいたしまして、関係省庁と、先ほどいろいろな意見が出ておりましたけれども、早急に調整をいたしまして、本来の目的に向かいたいと思っております。
○内田善利君 環境影響評価法案の概要を見ますと、「事業者は、開発事業の実施に際しては、環境影響評価の結果を勘案しなければならない。」というふうになっているんですが、これではちょっと、勘案という言葉だけではむなしいアセスメントになってしまうんじゃないかと、こう思うのですが、開発の決定、実施——住民参加というのは情報を公表するということで、開発を決定するのはこれは住民じゃなくてやはり環境庁だと思うのです。その開発の決定、実施、これは評価の結果に基づいてがっちりなされていかなきゃならない、このように思うんですね。そして、評価された結果については、私は第三者の審査機関を設けて、そこで最終的にその事業の可否を決めると、そのようにすべきじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) いま先生おっしゃられました「結果を勘案しなければならない」というような表現ですが、これは、これだけのいろいろな手続を踏んで、相当手間暇かけていろいろな観点から環境影響を評価してくるわけでございますから、その結果というものは、当然開発行為を行うに際して取り込まれなければならないのでございまして、そういうことをどういうふうに表現するかというので、表現上の問題で、勘案とかあるいは考慮とか尊重とか、いろいろな言葉があるので、一応勘案というふうに書いたわけでございますが、これは表現上の問題でございまして、そういう結果が当然取り込まれなければならないということは言うまでもないことだと思うわけでございます。 そこで、いまもう一つおっしゃいました、第三者機関を設けてそこで判断をするという問題でございますが、確かにそういう方法も一つの方法だと存じますが、従来いろいろ行政委員会的なものは一利一害がありまして、非常にいい点もあれば悪い点もあるというようなことで、日本の行政制度ではわりとそういう行政委員会的なものは、仕組みというものは少ないわけでございまして、私どもといたしましては、行政の二元化とか、そういうことにわたらないように、最終的な判断というものは、やはり主務大臣なり主務省で総体的に判断をするという形式をとるのが現実的に合っているんではないかというふうな考え方でこの仕組みが構成されておるわけでございます。
○内田善利君 時間が参りましたが、結局、環境庁法案がだんだん骨抜きになっていって、もうそういう法案ならばむしろない方がいい、開発の免罪符になってしまったというようなことにならないように、もう少し環境庁の主体性を持った環境影響事前評価法案を出していただきたいと、このように思います。 それから、NOxのことについて最後に質問したいと思うんですが、まとめて質問いたしますと、NOxの固定発生源の第三次規制はどうなったのか。 それから一昨年の十二月でしたか、大気保全局長にいろいろ御質問したわけですけれども、脱硝技術は、特に焼結炉とか、セメントのガラス溶融炉とか、ダーティーガスの炉の脱硝技術、これはどのように開発されておるか。 それから、低濃度のNOとか、NO2の測定方法の開発はどうなったか。前回のときにはいろいろザルツマン法しかない、ケミルミネッセンスの方法もあと一歩というようなことでございましたが、この開発はもうされていいと思いますが、どうなっているのか。 それから、シミュレーションについても四十九年度、五十年度、五十一年度、三年間にわたってNOxのシミュレーションの手法がいろいろ検討されておると思いますが、その開発状況はどのようになったか。 それから、第三次規制に基づきましてNOxの総量削減計画はいつになるのか、この点お聞きしておきたいと思います。 NO2の環境基準のことについては前回も質問いたしましたが、これは一時間値についてはどのように考えておられるのか、これ一つ聞いておきたいと思います。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御質問のございました点につきまして順を追って御説明いたしてまいります。 まず第一に第三次規制でございますが、これはことしの二月に五十一年度の固定発生源につきましての低NOx技術及び脱硝技術の防止技術の評価の報告をいたしまして、それに基づきまして、第三次規制の案をつくって現在通産省といろいろやっております。この一つの特性は、三次規制だけを決めたらいいという問題では実はございませんで、先生の最後の方の御質問にございました総量規制というものを、実は五十三年度から何とか着手をしたいということを考えておるわけであります。そのときに二重投資、三重投資を起こさせては非常にまずいという判断がございまして、防止技術の評価の報告の中にもございましたが、現在の防止技術は相当進みました。進みましたが、まだやはり結果としてわりあい効果に幅のあるものがございまして、法律で決めますと、許容限度の幅の中に全部きちっとはめなければならないということになるところがございまして、そういう問題もひとつ頭に入れなければなりませんし、それから、実は非常にたくさんスペースを食います。既存の工場の中に、先生方も一度ごらんになると実感を持っていただけると思いますが、膨大な施設でございます。膨大な施設でございまして、それでスペースが要りまして、ランニングコストがこれまたすごくかかるというしろものでございますから、できるだけむだな投資はさせないでやっていく。そのためには、総量規制と一体どういう関係にするかということを調整しなければならないというような問題点がございますので、従来のような、一次規制はこうだ、二次規制はこうだというように、その年、そのときどきだけのものをやるというような問題ではございませんので、その点につきましていま通産省と鋭意詰めているところでございます。 通産省の方も、横に局長お見えでございますが、非常に各局全部にわたり、きわめて広範な産業界にわたるものにつきましていま御努力をいただいているところでございまして、私どもは、率直な気持ちを申し上げますれば、五月中には何とかまとめ上げて、そうして明らかにして、地方自治体にもあるいは産業界にも、はっきり今後の進み方を示していくということをしないと、地方自治体と企業との間の非常にむずかしい問題にぶつかろうかと思います。そういうようなことで現在鋭意詰めておりまして、いずれそう遠くない時期に結果としてはまとまるものというように、通産省の方も御協力いただいておりますので、これはまとまるものと信じております。 それから第二は脱硝の問題でございますが、脱硝の問題は、LNG等のクリーンのガスは昨年にはもうできるということで、五十年十二月の規制から、一部にはもう入ってきておりまして、実用基の問題も発電所の計画の中に入っております。それから今回のヒヤリングで重油脱硝、これは半分汚れておるといういわゆるセミダーティーというやつですが、セミダーティーについて大体めどがついたという判断でございまして、発電所につきましてはもうすでに数基電源開発審議会のときに重油脱硝を入れるというものがあらわれておりますが、これは相当熟度が高くて、いずれこれは規制にもう近々入れられるものという判断を持っております。 ただ、御指摘のございましたガラス溶融炉と焼結の脱硝は、特にガラスの方は少しおくれておりますが、焼結の方は、川鉄等にも一つのケースとしてはございます。ケースとしてはございますが、これもまた非常に膨大なものでございまして、非常に問題のあるところで、ケースとしてやらせるということはわれわれも努力はいたしまして、一つの実例も見ましたが、それを現在実用基として基準の中に押し込むというには余りにまだ無理があるという判断でございまして、鉄鋼連の方もこれにつきましてのいろいろテストを続けておりますので、いずれ数年内と言った方が間違いないと思いますが、これは実用化のものに入ると思います。それからガラス溶融炉の方につきましても、研究組合をつくって大分進行してきておる状態でございまして、これはなかなか実用化というところまでにはまだまいっておりません。 次は、非常に低濃度のNOxの測定はどうなっているかということでございますが、これは七四年に、ザルツマン方式とそれからケミルミネッセンスの方式がJISで決まっているわけでございます。現在、ザルツマン方式によってやっております。このザルツマン方式の評価をいろいろこの数年にわたってやっておりまして、今度の、いま中公審に対しまして判断条件につきましての諮問をしておりますが、その中でやはり測定法につきましての一部の改善というものがこれを織り込めるというように思っております。それからもう一つのケミルミネッセンスの方は、確かに非常にりっぱなラボラトリーで高級な技術者がいてきっちりやるということならばこれは可能かというように思われますが、何分全国千カ所ぐらいのところに測定ステーションがあるわけです。そこで、すべての場所でその方式でやるということはまず現在の段階ではできないという状況でございまして、一番むずかしい問題は、これは標準ガスというのがどうしても校正に要るわけでございますが、その標準ガスがまだJISの方ではっきり固まって供給できる体制にはないというところで、これはまだ現在のところ、行政のモニタリングステーションに実用化してどんどんいけるというところまでにはまいっておりません。機械としては次第にぽつぽつ入ってきております。ケースとしては使えるが、まだ全部に広く使えるというところではございません。ただ、両者の測定に若干相違がございますので、この点はやはり明らかにしなければならないというところでございます。 それからシミュレーションの方は、これは昨年十一月に現在までのシミュレーションの中間報告をいたしました。NOxのコントロールでNOからNO2に変わるというところが非常に厄介な問題があるわけでございますが、NOxとしてならいけるということはほぼ見当がついております。しかし、一方でまたNOがNO2に転換するというモデルについても環境庁の方でも一部やっているのがございますし、通産省の方でもいま非常に努力をしてやっているのがございまして、これはよい方式で実用化できるものがあればいつでもこれを取り入れたいということですが、私どもの目標は、五十三年度の総量規制に着手をするというときには、いまの見当ではNOxというところではないだろうかというところでこのシミュレーションの方式の準備が進められておると、断定はいたしませんが大体そのような状況でございまして、SOxの場合ほど詳細にできませんが、第一段階的な総量規制というのは可能であろうというように思っております。 それから総量規制の問題でございますが、これは五十三年度から着手をしたいということでございまして、この点につきましては五十年十二月、第二次規制をいたしますときに、窒素酸化物対策の進め方という長期のスケジュールを私が通産の局長と数度にわたりまして徹底的に話をし合いまして、大体五十三年度ごろにこれは手をつけたいと、完全合意というわけではありませんが、大綱としてはお互いにコンセンサスがあるというものでございますが、この総量規制の問題は五十三年度に何とか着手したいというのはどういうことになるかと申しますと、五十三年度やるということになりますと、やはり地域指定という問題がございます。そういうことで、五十三年度は一番早くいって地域指定が着手できるということをねらいとしておりまして、今度は、この総量規制では、本当にそれで規制が入るというところまでどれだけかかるかと申しますと、これは固定発生源と移動発生源、大阪の伊丹空港などでは飛行場も入ってくるということになりますので、そこらのところを全部をあわせて検討しなければなりませんので、比較的シンプルなSOxでも約一年半かかります。私どもはどう見てもまず二年は全体の計画をつくるのにかかると、こういうぐあいに見ております。総量規制によって地域差をはっきり織り込むことができますし、工場単位の規制ができるようになるということでございまして、これはまあ効率も高い、非常に合理的なものであるというぐあいに考えておりますので、総量規制につきましては五十三年度にその着手をするということで、現在、鋭意準備を進めておるところでございます それから最後にNO2の一時間値をどう考えておるかという御質問でございますが、これはWHOの専門委員会がございまして、そのときにこのWHOの専門委員会の合意として出てきましたのは、単時間値で急性影響を一定度の安全性をもって防ぐ、三分の一ないし五分の一の安全性をもって防ぐということで、一時間値の〇・一を超えることが月一回以上あってはいけないと、あるいは一時間値の〇・一七を超えることが月一回以上あってはいけないということをWHOは出してきたわけでございます。これは維持することが望ましいというような条件ではございません。少なくともこれだけのものはできるだろうというような条件でございますが、この一時間値の問題が入ってまいりまして、従来、わが国の環境基準の中では一時間値の一日平均値といたしております。で、今度の専門委員会の御議論の中で一時間値をいかに扱うかということが非常に一つの問題点になろうというように思っておりますが、国際的な合意のあるものがあらわれておるということは注目すべきであろうと思います。で、これは測定法の問題と、あと一時間値をコントロールするのにどういうやり方が果たしてかなり確定的にできるかという両者の問題が絡んでまいりますので、今回の中公審の専門委員会ではこの点の議論がされるものというぐあいに期待しております。
○内田善利君 あと一問。 NOx対策、非常に慎重に検討されていることはわかりますが、SO2対策、NO2対策をやっておられるわけですけれども、実際は大気汚染による公害認定患者数が非常にふえているわけですね。四十六年の三月は三千二百十九名、四十九年の三月になりますと一万三千五百七十四名、五十年の十二月になりますと二万九千七百九十七名、昨年の十二月になりますと四万九千三百六十四人というふうに、大気汚染による公害認定患者数がふえてきているわけです。SO2かNOxか、その他の複合関係いろいろあると思いますけれども、せっかくSO2対策、NOx対策をしながら、大気汚染による患者数がこのようにふえておりますから、ひとつこの点、早急に対策を講じていただきたいと、このように思います。 以上で終わります。
○安武洋子君 私、国道四十三号線の公害の問題について質問いたします。 それに先立ちまして、先ほど兵庫県の姫路市の出光石油のタンクが事故を起こしたというふうに聞きました。現在、重油流出中というふうに聞いておりますが、この事故の規模それから原因、対策をお尋ねいたします。
○政府委員(金子太郎君) 本件につきましては、私どもは一応水質保全局の担当でございますが、現在までのところ、私ども報告を受けておりませんので、もういっときお待ちいただきたいと思います。
○安武洋子君 タンク事故につきましては、去年のちょうどいまごろ、隣接しました日本触媒というところでも新鋭のタンクが爆発事故を起こしております。頻繁にタンクの爆発事故とか、事故が起こっているわけですけれども、環境汚染もはなはだしいわけなんです。環境庁としても、私はこういう際にはタンクの総点検というふうなことを関係省庁に連絡なさってやはり推進すべきじゃなかろうかというふうに思うわけですけれども、環境庁としていかがお考えでございましょうか。資料は後でいただきとうございます。
○政府委員(今泉正二君) 安武先生のお説のとおり、私たちの役所もその線に沿いましてこういう事態に際しましては早急に手を打ちたいと思いまして、自後そういうことのないように、私たちも監視の目を光らしたいと思います。
○安武洋子君 四十三号線の問題ですけれども、石原長官も就任早々四十三号線に視察においでになった、橋本大気保全局長も現場を御視察なさっていらっしゃいます。どんなにひどい状況かということはよく御存じだろうと思うわけですけれども、現場を視察なさって以後、どういうふうな対策をお立てになって手をお打ちになったでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生から御指摘のございましたように、一月の末でございましたが、石原長官が四十三号線に参りまして、現地視察をされました。また、現地視察の後、いろいろ沿道のこの公害に悩まされておられる住民団体の方々、自治体の方々の御意見を聞かれまして、非常に強い指示を私の方に長官からされまして、この問題の解決を進めるために全力を挙げてやれということでございまして、関係各省との問題が一番多いわけであります。そういうことで、陳情の中でも、政府が一体となって取り組んでやってほしい、特に大型車の夜間の交通規制というものを具体化してほしいという強い要望がございまして、長官の命を受けまして、私は建設省の道路局長のところに、私自身参りましたのは少なくとも三回以上あると思います。それからそのほかに向こうからおいでになってお話をしたこともございますが、いたしておりますことの一つは、いま尼崎に一部あらわれてきておりますが、緩衝地帯として両側に、車線を一車線ずつ切りまして、そしてそこに緑地をつくっておりますが、何とかそれをもっと早く全線にできないかということにつきまして、これは長官からも、御自身も建設大臣に恐らく二、三度まで直接お話しになっているんじゃないでしょうか。それぐらいな熱心さで実は折衝をしておりまして、建設省もきわめて前向きにこの問題に取り組んでいただいているところです。 それからもう一つは、四十三号線の上を走っております阪神高速がありまして、その阪神高速の高速道路の横の生活環境保全ということのために、建設省は五十一年度以来、防音工事とかあるいは物によっては移転というような問題の予算をおとりになって施行をしておられるわけであります。それをぜひ促進してほしい、あるいは条件をよくしてほしいという御要望があるわけでございまして、この点につきましても建設省にいろいろお願いをしているところでございます。で、これはまだ昨年度が初めての事業でございまして、これからどういうぐあいにしてよくしていくかということはかなりまだ未経験の部分があるということでございますが、建設省もきわめてこの点に対しては前向きに取り組んでいただいているということであります。 それからもう一つは、交通規制でございますから、これは警察庁の交通局長さんのところにこれも私は三、四回参りました。三、四回参りまして、大型車の交通規制という問題と、高速道路上におけるそのスピード制限の問題ということにつきまして、いろいろ御意見を承り、あるいは地元でテストをしたいというような御意見もあり、その問題の可能性について相談をしておるところであります。 なおそのほか、交通局長さんからの御意見で、非常にこの問題は運輸省の方にも関係がある。通運行政の関係があり、また、フェリーボートの着く港がありまして、そこで夜十時から次の日の六時まで、大体相当多くのフェリーが着きまして、一晩に千台以上の大型車が上がってくる。そういうものをどういうぐあいにするかは、これは警察庁ではいかんともしがたい。それは運輸省の方でいろいろどういうぐあいにできるかをやってもらわなければ困るということでございまして、この点も運輸省の方に私、二度ほど参りまして、自動車局長と官房審議官といろいろ話をいたしまして、そのようなことを通じまして、長官御自身の強い御指示は、政府一体として打ち出すということを強くおっしゃっておられ、閣議の後でもそのことをおっしゃっておられまして、総理、官房長官も、その方向を早く実現せよという強い御指示でございますので、私たちいま鋭意、まず個別の問題につきましての整理をした上で、一体としてぶつかれるようにしたいということで努力をしているところでございます。
○安武洋子君 スピードダウンをなさっていらっしゃるわけですけれども、五十キロから四十キロにスピードダウンされております。で、兵庫県警が四月二十二日に取りまとめております三月十五日、十六日の測定の結果があります。これは騒音振動低減効果の調査結果と、こういうことで発表をされておりますけれども、これを見ますと、騒音レベルで平均二・一ホン、それから振動加速レベルで平均〇・五デシベル、これぐらいの低減にしかなっていないわけなんです。この程度では沿線住民は騒音とか振動が減ったというふうにはだには感じとられないような状況があります。そして、四十三号線で減少したこういう車が、阪神高速、大阪−西宮線、これに流れているわけなんです。これでは全く効果は出ないというふうになってしまうわけですけれども、一体こういう調査結果ですね、こういう調査結果をどのように政務次官受け取っていらっしゃるか。それから、今後どのように対策をお立てになるおつもりか。もっと実効のある走行規制対策、これを考えなければならないと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(今泉正二君) まあ私も自分で車を運転して国会へ通っております。二十年運転しておりますので、自動車の功罪というものは、よく自分もハンドルを通じて覚えております。ただいまの御指摘の線でも、いま局長が申しましたとおり、早急にやることはもう焦眉の急でございますけれども、何しろ交通規制の枠の中でもあふれるばかりでございますので、消極的とは思われますかもしれませんが、植樹帯の建設、高速道路の防音壁の設置、それから小中学校の防音の対策を講ずるとか、そういう、蝸牛の歩みのようにも見えますけれども、そういう一つ一つからやって私たちは処理をしていきたいという方針でいま進んでおります。そして、もちろんほかの省庁とも連絡をし、県警とも話をしながら、その流れをいろいろ見ていきたいと思っております。私は、いま自分でもその現場をまた通りますので、よくこの目で確かめて、さらにまた先生の御意思のように持っていきたいと、自分自身はこう考えています。
○安武洋子君 四十三号線の対策の一つとしましては、やはり音源対策、発生源対策、これがあると思うわけなんです。四十三号線を、異常な騒音それから振動、これを振りまきながら通過する大型車があるわけなんです。人間の健康にとりまして睡眠ということはもう欠かせない条件なんですけれども、ちょうど睡眠時間にこういう大型車が集中して走るというふうなことで、異常な騒音、振動、こういうものを発生させる大型車があるわけなんです。これは、車台を継ぎ足して海上コンテナ、これを二個も積載するというふうにして走っているわけなのですけれども、こういうふうな違法車両が四十三号線を通過しているという、こういう実態をおつかみになっていらっしゃるでしょうか。もしおつかみになっていらっしゃると、それは何台ぐらいあると、こういうふうにつかんでいらっしゃるでしょうか。お尋ねいたします。
○説明員(北川清君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、海上コンテナを自動車で輸送をする場合におきましては、実は専門のトレーラーがございまして、これにつきましては陸運局長が保安基準の認定を行いまして、交通関係法令に違反しないような措置を講じておるわけでございます。ところが、いま御指摘のような二十フィートの海上コンテナを二個平ボデーの積みトレーラーに積載して輸送すると、こういうことにおきましては、長さとか車両総重量につきまして道路運送車両法の保安基準に適合しないものが出てくる。また、このために車体の不正改造を行っておるというようなものが見受けられるということはまことに遺憾でございますので、このため早速現地の陸運事務所におきまして、そういう不正な車を使っておる疑いのある車の登録番号などを、神戸港などに立ち入り調査などをいたしまして把握し、そういう車を使用しておる事業者について、目下その状況の調査、取り調べを行っておるわけでございます。そういたしまして、こういう不正改造が行われることがないよう、厳重な監督の徹底をしてまいる所存でおります。 なお、現在まで調べました台数といたしましては、ほぼ三十台ぐらいのものを把握いたしております。
○安武洋子君 いつ、何月何日に立ち入りをなさったんですか。
○説明員(北川清君) 三月の十五日、十六日に現場に取り調べを行いまして、現在そのナンバーによりまして車の大きさ、それから所有者というようなものを把握して、その指導を進めておるところでございます。
○安武洋子君 私、ここに写真を持ってきております。これ、見ていただいたらわかりますけれども、ここのところにボルトで長さを継ぎ足しているわけなんです。後でごらんいただいたらと思いますが、これ全長を継ぎ足しまして、荷台を十三メートル余りにしているわけです。こうしますと、陸上コンテナが二個積載できるわけなんです。こういうものが夜間に走行して住民の睡眠を奪っているわけなんです。それだけではなくて、このような車両といいますのは、車両所有者のもとで働いている労働者が証言いたしておりますけれども、定期点検、この整備も十分に行っていない、これは道路運送車両法四十八条違反になると思いますけれども、使い古した、摩滅したタイヤ、こういうのを再生しまして、整備も不十分なまま走るわけなんです。これでは異常な騒音、排気ガス、振動、こういうものの発生源になってしまう。で、住民は極度の被害に遭っているわけですし、非常に交通事故も起こるんじゃなかろうかと不安におびえているわけなんです。環境庁としては一体このような事態をどういうふうにお考えでございましょうか。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございました個別の車の問題までは私は専門でございませんのでわかりませんが、非常にひどいということを言われまして、夜の十二時から推移をじっと見ておりましたら、とにかくすごい車が来るということは間違いございません。どうとっているかということでございますが、飛行場は大体九時から六時まで飛行機は飛びませんが、四十三号線というのは深夜、早朝、非常に大型車が通ると、しかも深夜に至ると六三%ぐらい大型車であるということで、これはきわめてひどい実態と思います。しかし、環境庁自身がこの問題を押さえる能力はございませんで、このことになりますと、先ほど通運業者と車の規格ということで、これは運輸省の自動車局長さんに私、前にお願いに行ったときにもお話を申し上げたことですが、運輸省の側とそれからもう一つは警察の方の側と、それからその重量が果たして道路や高速を走る合法的な重量であるかどうかということの問題が絡みますので、これは運輸省と警察庁とそれから建設省にお願いすべきことであるということで、私の方からも足を運んでおるところでございます。
○安武洋子君 それでは運輸省の自動車局長、それから警察庁、お伺いいたします。 このような継ぎ足しをしてコンテナが二個積載できるというふうな車両、明らかに私は違法だと思いますけれども、昨年、こういう車両がコンテナを二個積んで神戸の摩耶大橋を渡っていたわけです。で、ここでコンテナを落下させるというふうな事故も起こしているわけですけれど、こういう違法な車ですね、これはどのような規定に対してどういうふうに違反しているとお考えでしょうか。
○説明員(北川清君) 先生御指摘の違法車両、これにつきましては道路運送車両の保安基準におきまして、長さとか幅、大きさ、それから車両総重量というようなものを決めておりますが、これらの基準によります自動車検査証を発行されておりますものに対して、その後、不正に車体の改造など行っておるということになりますと、そういうことに対しまして、道路運送車両法による違反ということになるわけでございます。
○安武洋子君 いまおっしゃったのは法四十条だと思いますけれども、単なる四十条だけの違反ですか。
○説明員(北川清君) 車両法四十条関係につきましては、道路運送車両の保安基準、安全基準の関係でございまして、その基準に適合しておることにつきまして、車両法の六十七条「自動車検査証の記載事項の変更及び構造等変更検査」という規定がございまして、このあたりに対する基準に適合しておるかどうかという問題でございます。
○安武洋子君 欠陥車両でもあるわけですね。欠陥車両であれば、これは道交法の六十二条、七十条、七十四条、こういうのにも違反するんではないですか。
○説明員(広谷千城君) 道交法六十二条におきましては、単に整備不良車両を運転しただけで処罰の対象になってございませんで、その車両を運行した結果といたしまして、交通の危険を生じさせるおそれがある、あるいは他人に迷惑をかけるおそれがあるというふうな場合に違反になるわけでございます。
○安武洋子君 じゃあ、いまのような車を走らせて、他人に迷惑を及ばさない、違法でないと、こうおっしゃるわけですか。
○説明員(広谷千城君) これはそういうふうに申し上げておるわけではございませんで、多くの場合、そういう整備不良車両を運転をいたしまして騒音を発するというふうな場合には、道交法の六十二条の違反になろうかと思います。
○安武洋子君 国道四十三号線の沿線住民は、本当に一日も早く静かな夜をと願っておるわけです。こういう沿道住民のささやかな願いにこたえるという立場からも、こういう欠陥違法車の走行、これは許しておけないと思うわけですけれども、取り締まりをお願いしたいのですが、運輸省、それから自動車局長さんですね、こういうものを取り締まっていただけるでしょうか。それと警察庁さん、お伺いいたします。
○説明員(広谷千城君) お答えいたします。 国道四十三号線上でそういうふうなひどい状況があるということは、兵庫県警におきましても十分認識をいたしておりまして、特に国道四十三号線は取り締まりの重点対象といたしまして、重点的な取り締まりを行っておるわけでございます。今後とも重点的な対象としてとらえまして、特にそういうふうな騒音を発するような車が多く走行する時間帯をとらえまして、重点的な取り締まりを今後ともしていきたいと、かように考えております。
○説明員(北川清君) 運輸省におきましても、先生御指摘のような不正改造をした車が出ないよう、そういう点についての絶滅を期するため、あらゆる機会を通じて事業者を指導しますと同時に、実際にそういうものを使っておる事業者が発見された場合には、これには厳正な措置を加えていくわけでございます。 なお、街頭取り締まり等におきましても、警察当局と協力いたしまして、不正な車というものについての摘発に努めてまいる所存でございます。
○安武洋子君 違法車を絶対に走行させないように厳重に取り締まっていただきたい、私はそのことをお願いするとともに、一体違法車がいまどういうふうな状況にあるのかと、こういうことを調査してぜひ現状を報告願いたいと思います。 で、私は、違法車を取り締まってほしいと、こう申しました。これはもちろん取り締まらなければならないと思うんです。しかし、政府として考えていただきたいのは、なぜこのような違反車が走っているのかという根本原因ですね、これを考えていただかなければならないと思うわけです。で、違反車両が走行しておりますけれども、この所有者というのはほとんどが中小、弱小の下請運送業者なんです。で、単純に責任をここに持っていき、そしてこれを運転している労働者に持っていってはならないと思うわけです。 なぜ私がそういうふうに申し上げるかといいますと、私はここに一つの資料を持ってきております。これが資料なんですけれども、これは神戸港管内の一つの例なんです。これは貨物を取り扱う場合に、自動車運送業者とかそれから自動車運送取締事業者の危許を持っている親会社ですね、大抵の場合は大手船会社とかそれから倉庫業者とか運送業者なんですけれども、この親会社たちが、自分の社の運転能力をはるかに超えた荷主からの荷物を集めるというふうなことで、ほとんど中小弱小の下請業者に輸送をさせているわけなんです。これはその下請に強制している運賃料率表なんです。これは一つの例ですけれども、いま業界では運賃のダンピングというのはもう常識なんです。私が持ってまいったのは、これは三菱倉庫とその子会社の菱倉運輸の例なんですけれども、これは海上コンテナ下払料率表、こういうふうになっております。菱倉運輸といいますのは、福田運送とか関西高速とか野田屋運送とか森口運輸、こういう二十を超えるような下請会社に対してこういう料率表を強制しているわけなんです。 まず最初にお伺いしておきますけれども、一般区域貨物自動車運送事業運賃料金、これは道路運送法の第八条三項の運輸大臣の認可運賃ですね。
○説明員(金田徹君) お答え申し上げます。 さようでございますが、ただし政令によりまして、そうした一般区域貨物運送事業の運賃につきましては、地方の陸運局長に権限は委譲されておりますけれども、もとの権限は運輸大臣でございます。
○安武洋子君 その法の第二項一号に「適正な利潤を含むものであること。」というふうな項目がございます。この菱倉運輸の下請に強制している料金表、これを見ますと、十キロメートル以内、五キロメートル以内、こういう構内運送のケースで最大八一%から八八%も認可運賃より低くなっているわけです。平均でも六七%から七〇%も低い料率になっております。全体としてこの下払い料率は運輸省の所定の二%の利潤、これを菱倉運輸は取得した上で、さらに猛烈なピンはねなんです。これは不当利得を手に入れているわけですけれども、その平均が大体三七%。ですから二%の正当利潤を引きますと、三四%以上のピンはねだというふうになるわけなんです。 これは一例でございまして、もう構内ではこれが全部このように行われている、料率は少し変わりますけれども。政府としてこのような事態を放置してお置きになりますか、いかがでしょうか。政務次官にお伺いいたします。
○政府委員(今泉正二君) 私もその数字をいま伺って初めてわかったわけでございますが、私どもも運輸省の、あるいはまた私も警視庁の交通モニターをやっておりますから、そういう点で警察庁とも話をいたしまして、そういう点の是正、追及、それから指弾というものにつきましていろいろ協議をいたしたいと思っております。
○安武洋子君 どのようにやっていただけるんでしょうか。こういう料率表については直ちに改めるようにというふうなことで指導していただけるんでしょうか。
○説明員(金田徹君) お答え申し上げます。 まず、先生おっしゃいました二%の利潤と申しますの底それは区域運送事業者全般の総売り上げの中において、運賃認可の際に利潤として見込まれる適正な配当可能というふうなことで、具体的には資本金その他から積み上げておるわけでございますが、それが結果的に大体二%程度になるということでございまして、これはいわゆる本当の利潤でございます。それと取扱業者の取り分ということとは話は同じ次元のことではないわけでございますが、取扱業者の収受する運賃につきましても、初めの、もとの荷主さんから取る運賃についてはやはり陸運局長の認可制でございますけれども、それが具体的に個々の下請と申しますか、実際に運送する会社にどういう運賃を実際上払うかということにつきましては、これはやはり元請業者といいましてもそれはそれなりに単なるピンはねではなくて一定のサービス、それは集荷の努力もございましょうしいろいろの連絡その他の事務もございます。ですから、そういうところの取り分としては何がしかの取り分があるのは当然だろうというふうに考えておりまして、通常その取り分としては、これはケースによって、いろいろその実態によっても違うわけですけれども、普通は一〇%か一五%ぐらいを取っているのが普通の実態のように承知しております。で、それよりも非常によけい取り過ぎると、それが、じゃ一五ならどうか、一八ならどうかというふうなことにもりますと、必ずしもはっきりはしないんですが、半分も取っておるとか、六割も七割も取っているというのはやはり異常だと思いまして、そういうことにつきましては、そういう実態が本当にあるのかどうか、それが元請業者の与えるサービスの内容と照らして非常に不当な著しく高いものであるかどうかといったような実態も含めまして、現地の陸運事務所において調査をいたすことにいたしております。
○安武洋子君 調査なさって——いま政務次官が、政府としてはこういう事態を放置しておくつもりはない、善処をするというふうにおっしゃいましたし、それからいま私が申し上げて、ここに資料を持って来ておりますけれども、大体いまの運送業界ではこういうダンピングですね、これはもう常識だと言われているわけです。ですから、私は実態調査をぜひやっていただきたい。こういう私がいま申し上げたのは、単に特殊な例でなくて、一般的、普遍的にあるわけなんです。ですから、これについてはどういうふうに処置をなさったか、どういうふうな実態であったかという調査結果を報告していただきたいし、その処置をされたというその中身についても報告をしていただきたい、こう思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
○説明員(金田徹君) 兵庫ですか、地元の陸運事務所につきまして、いまの海上コンテナの件について調査をいたし、その結果はしかるべき段階で報告できるかと思います。
○安武洋子君 ぜひそのようにお願いいたします。といいますのは、私はなぜ公害委員会でこういうことを申し上げるか、ここを解決していただかないことには根本解決にならないわけなんです。中小の業者は非常にもう追い詰められて、こういう安い運賃で運ばされるわけですから、どうしても無理をすると。車両も点検不十分のまま、そして違法を承知で車両を改造して海上コンテナを二個も積んで走ると、そのことが四十三号線なんかで一番激しい振動をもたらし、それから騒音をもたらし、そして非常に交通事故の面でも安全に欠けるわけですから、住民を脅かしているわけなんです。そうして、こういう中小業者の方はまた非常に労働者を過酷な条件で働かせてもおります。それでも賃金不払いだ。倒産の危機にもおびえているわけなんです。ですから、本当に公害をなくすると、四十三号線からこういう公害の発生源をなくするという立場に立つなら、この運送界の構造に抜本的なメスを入れていただかなければならないと、その責任が私は政府におありだというふうに思いますので、いまのことはぜひひとつお願いいたします。 それから次に、四十三号線の沿線に建っている芦屋市立精道小学校、この問題について申し上げますけれども、国道四十三号線といいますのは一日に平均約十万台の車が通るわけですね。そしてその上の阪神高速道路、これは一日平均約九万台ということで、十四車線を一日十九万台の自動車が騒音を立てて走る。排気ガスをまいて走る。その四十三号線、阪神高速に面している小学校なわけです。ですから、ここには五十年八月に防音サッシと大気清浄装置、これが設置されたんですけれども、残念ながら南側の校舎にだけこれが設置されて、北側の校舎には大気清浄装置が設置されていないわけなんです。精道小学校の健康教育部の追跡調査というのがあるんですけれども、四十九年度にこの大気清浄装置が設置されるまでは、南校舎にいる児童の訴えというのが、病気調べをやりましたところ、北校舎の二、三倍もあったわけなんです。気分が悪いとか目まいがするとか鼻血が出るとか、そういうふうな症状ですけれども、そうすると、施設を完成した後では訴えが次第に北校舎と南校舎が接近してくるわけなんです。そして、現在では同程度または北校舎よりも南校舎の方が低いというふうな状況があらわれているわけです。で、私はここにも資料を持ってきておりますけれども、それとともに今度は逆に、北校舎の方が四十九年度のときよりも健康状態が悪化していると、こういうデータも出ているわけです。これは排気ガス汚染が進んで北校舎でも無視できないというふうな健康破壊が進行していると、こういう状況のあらわれだと思うわけです。私は、この精道小学校については南校舎だけではなく、北校舎にも大気清浄装置をつけるべきだと思いますけれども、文部省いかがお考えでございましょうか。
○説明員(倉地克次君) 私どもといたしましては、環境基準に達しない学校などにつきまして、先生御指摘のような空気清浄器の設置でありますとか、防音装置の設置ということが行われますに際しましては、特に公害防止地域につきましては三分の二の補助率というものを適用しまして補助をしている次第でございます。 それで、いまの北校舎につきましては、私ども伺っているところによりますと、市におかれまして、五十二年度の事業として一部空気清浄器設置の計画もあるようでございますので、補助申請を待ちまして十分検討してまいりたいと、このように思っております。
○安武洋子君 精道小学校、これは芦屋市自体が国の公害防止計画区域に指定されているわけです。ですから、大気汚染の物質の一定の削減計画、これが義務づけられている地域であり、そしてその上に特に精道小学校、これは先ほども申し上げましたけれども四十三号線に面しておりまして、自動車公害の激甚地区なんです。この学校の運動場といいますのは、あそこの精道小学校に行ってもらえばよくわかりますけれども、四十三号線と六メートルの防音壁を隔てて向かい合っているわけなんです。この防音壁に隔てられてはおりますけれども、騒音値というのは中央値で七十から七十四ホンもあるわけなんです。周囲は防音壁、それから南校舎、民家と、こういうふうに囲まれておりますから、ちょうどどんぶりの底のような校庭になるわけなんです。南寄りの風の日、それからまた季節風が南寄りから吹いてくる季節、こういうふうになりますと、窒素酸化物とか排気ガスとかがその校庭にどんよりとよどんで排気ガスの吹きだまり場になる、こういうふうな状態なんです。ここで子供たちは運動をしなければならないというふうなことなんですけれども、少し激しく運動をすると、頭痛とか吐き気とか目まいとか、こういうことを訴える子供たちが続出するわけなんです。激しく動いた子ほど真っ先に倒れていくというふうなことで、この小学校の健康教育部会が昨年運動能力、このテストを行っているわけですけれども、五十メートル走るとか、それから走り幅跳びをするとか、こういうことで六種目の調査をしているわけなんです。三年生から六年生までの学年別とか、それから男女別、この平均値を出しております。詳しい数字はいまもう時間的にあれですから申し上げませんけれども、全国を一〇〇としますと、全体的にここの小学校では全国平均の七〇%から八〇%にしか達していないわけなんです。 これについて体育主任、この教師がどういうふうに言っているか、これを聞いてみますと、まず大気汚染などの悪い環境の中で運動不足のため体力の発達が未熟なんだ、それから常に無理をしないようにと、こう指導をされているために、自分で運動能力ぎりぎりまで動く、運動能力ぎりぎりがどこなんだと試そうとしない、こういうことも言われております。それから激しい運動を避けるために無理のない特定の運動、こういうものしかやらないということで運動能力も伸びないわけなんです。ですから、これではもやしっ子になってしまうというふうなことで、いまこの運動をやらないという後遺症がいつあらわれるかというふうなことで大変父兄もそれから先生方も心配をなさっていらっしゃるわけです。この学校では、もういまの状態では屋外で伸び伸びと運動をやるというふうなことは不可能なんです。だからどうしてもそれにかわる大気清浄装置をつけた体育館、こういうもので子供たちの運動能力を伸ばしてやらなければならない。これは非常に急務だと思いますけれども、文部省いかがでしょう、大気清浄装置をつけた体育館、建設をしていただけますでしょうか。
○説明員(倉地克次君) 先生のいまお話しになりましたようなお考えも当然あり得ることと思う次第でございます。ただ、私ども、設置者が一番よくその具体的な事情は知っているわけでございますし、また設置者には設置者なりの行財政上の考え方もあるわけでございますので、最終的には設置者の考え方を尊重してやってまいりたいと思っている次第でございます。いまお話しの件につきましても、設置者から補助の申請があれば私ども十分検討してまいりたいと、さように考えております。
○安武洋子君 では北校舎の空気清浄装置についても、それから大気清浄装置のついた体育館建設についても、設置者からの要望があれば十分それにこたえていくと、こういうことを確認させていただいてよろしゅうございますね。
○説明員(倉地克次君) 補助の申請があれば十分検討してまいりたい、そのように考えております。
○安武洋子君 終わります。
○委員長(片岡勝治君) 安武委員からの冒頭の、出光石油兵庫製油所の石油流出事故について、その後環境庁の方でその状況がわかったそうでありますので、この際、御報告をいただきます。
○政府委員(金子太郎君) 安武先生の御質問に対します資料が先刻入りましたので、御報告申し上げます。 石油漏洩事件が起きたわけでございますが、その事故が発生いたしましたのは、姫路にございます出光石油の兵庫製油所においてでございます。石油の漏洩が発見されましたのは四月二十七日、本日の午前一時三十五分でございまして、場所は、この製油所の中にあります貯蔵能力六万キロリットルの原油タンクでございまして、このタンクには四万八千キロリットルの大慶原油——中国の原油だと思いますが、大慶原油が貯蔵されていたそうでございます。このタンクの基礎から約一メートル上部の側壁に取りつけられておりました撹拌機のメカニカルシール部分が破損して流れ出た模様である。しかしながら、御承知のとおり、タンクの周りには防油堀、油の外部への流出を防ぐ防油堤という堤がございますが、その防油堀の中に四百ないし五百キロリットル流出していたと、こういうことでございます。で、事故発見後直ちにタンクの中の原油をほかのタンクに移しておりまして、したがいまして、事故を起こしたタンクの中の原油の量はどんどん減少しておるとのことでございまして、その結果、流れ出るスピードは落ちており、現在までのところ、流れ出た原油はすべて防油堀の中にとどまっている。で、先ほど新聞関係のファックスなどによりましても、外部への流出はない模様で、周りの住民の方々もほっとしておられるというニュースが入っております。 以上でございます。
○委員長(片岡勝治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時五十九分散会 —————・—————