建設委員会 第7号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/06/09
会議録
○委員長(小谷守君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る五月十九日、矢原秀男君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君が選任されました。 —————————————
○委員長(小谷守君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴いまして理事二名が欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に石破二朗君及び赤桐操君を指名いたします。 —————————————
○委員長(小谷守君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本住宅公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小谷守君) 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院建設委員長北側義一君。
○衆議院議員(北側義一君) ただいま議題となりました国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 戦後の昭和二十五年から二十六年にかけて別府国際観光温泉文化都市建設法等の特別都市建設法が制定されて今日に至っていることは皆様御承知のとおりであります。 本案は、国際観光文化都市がわが国の国民生活、文化及び国際親善に果たす役割にかんがみ、これらの都市において特に必要とされる施設の整備に関する事業計画の作成及びこれに基づく事業の円滑な実施に関し必要な財政上の措置等について規定し、もって国際観光文化都市にふさわしい良好な都市環境の形成を図り、あわせて国際文化の交流に寄与しようとするものであります。 以上が提案の理由であります。 次に、本案の要旨について御説明申し上げます。 第一に、本案における国際観光文化都市は、別府国際観光温泉文化都市建設法等の九特別都市建設法が適用される市または町並びにこれらの市または町に準ずる市町村のうち、当該市町村の流動人口及び財政力を基準にして、政令で指定する市町村をいうものといたしております。 第二に、国際観光文化都市の長は、流動人口の状況を考慮して特に必要とされる都市公園、下水道、道路等の施設の整備に関する事業計画を作成し、主務大臣に提出し、その事業の完成に努めることといたしております。 第三に、国は、事業計画に基づいて施行される事業については、当該事業の進行状況、当該国際観光文化都市の財政状況等を勘案して補助金の交付の決定並びにその事業に要する経費に充てるため起こす地方債については特別の配慮をすることといたしております。 また、国及び関係地方公共団体は、その事業の促進と完成にできる限り積極的な援助を与えることといたしております。 なお、この法律は、昭和六十一年度までの限時法といたしております。 以上が本案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださるようお願い申し上げます。
○委員長(小谷守君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○二宮文造君 ただいま説明にありました本案について、若干質疑をいたしたいと思うんですが、まず、本法案を提出するまでに相当の紆余曲折があった、このように伺っておりますが、その経過はどうだろうか。また、どういうところから意見の聴取を行ったか、これはひとつ提出者の方からお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(北側義一君) お答え申し上げます。 先生も御存じのとおり、現在の特別都市建設法、これは昭和二十五年から六年にかけまして制定された法律であります。この内容と申しますのは、これらの特別都市建設法に関連するいわゆる特別都市においては、次のようなことが規定されておるわけであります。 一つは、特別都市が国際観光文化都市としてわが国の国民生活、文化生活及び国際親善に大きな役割りを果たしていること。また二つ目には、これらの都市において、観光目的のための滞在または宿泊する流動人口、このような流動人口によりまして特別の行政需要というものが非常に大きいということ。また三つ目には、現行法では、特別都市を建設する事業の促進と完成について国等でできる限りの援助を与えねばならないと、このような規定がなされておるわけであります。 以上のような内容になっておりまして、国のいわゆる財政上の特別措置についての内容の法律、これをぜひとも制定していただきたいというようなそういう要望が非常に多いわけであります。そのような要望を受けまして、衆議院の建設委員会におきましては理事会を中心といたしまして、二月の二十三日、この日の理事会におきまして関係特別都市よりその実情を聴取いたした次第でございます。なお、三月二十五日と四月十五日におきましては、この法律案の要綱を理事会で検討いたしました。また、四月二十日には全国市長会、全国町村会、また大蔵省、厚生省、また自治省、このような各省から意見を聴取した次第でございます。なお、四月二十七日には外国人の観光客宿泊数、また流動人口の比率、財政力の指数、これらにつきまして建設省から意見を聴取した次第でございます。また、五月の二十日には各党の御了承をいただきまして法律案の作成方を法制局にお願いした次第でございます。そうして五月の二十五日、委員会で全会一致で委員会提出の法律案とすることを決定した次第でございます。なお、五月の二十六日、本会議で全会一致で可決した。そのようなことでございますので、以上申し上げましたような経過を経まして、各党で十分御検討をお願いいたしまして、そうしてこの法律案を提出した次第でございます。
○二宮文造君 若干中身についてお伺いしたいんですが、本法案の第二条第一項に関しまして、「政令で指定する市町村」というのは流動人口の状況とかあるいは財政力を基準にして定めると、こうなっておりますが、具体的な状況としてどういう方法で把握されるのか、これをお伺いしたい。
○政府委員(中村清君) お答えいたします。 法案の第二条でございますが、一応「政令で指定する市町村」としましては、流動人口の状況とそれから財政力と、これで判断すると、こういうことになっております。そこで、具体的にはどういう資料をとるかということが問題になると思いますが、まず流動人口の状況、これは流動人口といいますのは、その市町村の総人口に対する宿泊数といいますか、観光客の数の比率、これによって判断されるものと思っております。まず総人口につきましては、五十年に国勢調査がございましたから、それによって総人口を把握する。それから宿泊客、これは公式の資料がなかなかないわけでございます。具体的な名前を出しますと、たとえば日本観光協会あたりがいろいろ統計をとっている、資料をとっておられますが、そういうところの資料もひとつ御参考にしたいということで、いま申し上げました総人口とそれから宿泊客の比率、これによって一応流動人口を出したい。それから財政力指数でございますが、これは自治省の方で毎年公表しておられますいわゆる財政力指数というのがございますから、これを御参考にしたい。それから「政令で指定する市町村」としましては、この法案の一号から九号までに書いてありますが、これを拝見しますと、相当当該都市自身が国際性があるというふうな市であるというふうに拝見できますので、そういう意味からいいますと、運輸省で指定統計として国際観光統計、これをおとりになっている。そこで外国人の宿泊客の数がどうなっているかという統計もとっておられますので、そういうものも参考にすべきではなかろうかと思っております。大体いま申し上げましたことを総合的に勘案をいたしまして、政令でどういう町を指定するかということになろうかと思っておりますが、まだもっといい方法があるかどうかもう少し話を詰め、検討をしてみたいというふうに考えております。
○二宮文造君 同じく第二条の第二項、これにつきまして、国際観光文化都市として政令で指定するその市町村というのはどういうものを予定されているのか、いわゆる特別都市建設法の制定されている都市で、本法案に定められていないものも政令で指定することができるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(中村清君) ただいま御説明を申し上げましたように、流動人口の状況と市町村の財政力を基準にしまして政令で定めると、こういうかっこうになっておりますが、先ほどもお答え申し上げましたように、一号から九号までの町は、まあ国際観光都市ということで相当限定的に書いてあるものですから、そういう意味合いからいいますと、政令で追加して指定できるものにもおのずから限界があろうかというふうに考えておりますが、いま御指摘がございましたこういう各種の特別建設法が制定されましたが、その中で、各号に列記されていない部分につきましては、その観光都市建設法のあるいは制定の目的、あるいはその後の経緯、それからそういう都市の整備の必要性といいますか、こういったものを総合的に勘案いたしまして、指定するかしないかを検討してもらいたいというふうに考えております。
○二宮文造君 それから第三条に関連しまして、事業計画の作成につきまして、「その他政令で定める施設」——ありますね。第三条「国際観光文化都市の長は、第一条の目的に照らし、かつ、流動人口の状況を考慮して特に必要とされる都市公園、下水道、道路及びその他政令で定める施設の整備に関する事業計画」——「その他政令で定める施設」というのはどんな施設を予定されているのか。
○政府委員(中村清君) ここに書いてありますような各種の都市からもいろいろ実情をお伺いする機会がございまして、いろいろお話を承っておりますが、たとえば、ごみ処理施設であるとか、あるいは屎尿処理施設、こういったものが非常に困っておるというふうな強いお話もございまして、私ども現在の段階では「政令で定める施設」としましては、ただいま申し上げました、ごみ処理施設と屎尿処理施設、この二つが対象になるのではないかというふうに考えております。
○二宮文造君 次に、財政の問題ですけれども、四条に、「事業計画に基づいて施行される事業については、」「補助金の交付の決定について特別の配慮をする」、こうなっておりますが、「特別の配慮」というのはどういうことを意味しているのですか。
○政府委員(中村清君) 「特別の配慮」の中身でございますが、まず一般的には、こういうところについて補助金を交付いたします際には、事業の目的でございますとか、効果であるとか、あるいは事業の企業性であるとか、こういった通常補助事業の決定をする際に判断しなければいけない問題がいろいろございますが、それは当然こういう都市における事業につきましても判断をいたしますが、さらに特別の事情といたしましては、法案の四条にございますように「当該事業の進行状況」でございますとか、あるいは「国際観光文化都市の財政状況等を勘案」いたしまして、これは法文の字面どおりでございますが、「法令」「予算の範囲内において」、たとえばいわゆるよく補助採択と言っておりますが、補助採択を積極的に行うといったのも一つの方法でございますが、ともかくそういうふうな方法によりまして、当該国際観光文化都市の関係事業の促進に力を尽くしていきたい、こういうふうに考えております。
○二宮文造君 それでは、あと一問だけ。 自治省にお伺いしたいと思うのですが、五条に関しまして、「事業計画に基づいて施行する事業」については「地方債について」「特別の配慮をする」、こうなっております。ここでもまた同じ意味で、「特別の配慮」というのはどういうことなのか、具体的にお伺いしたいと思いますし、さらにまた第二項で「財政上の措置」と、こうなっておりますが、この点についても説明いただいて、質問を終わりたいと思います。
○説明員(小林実君) 五条に関連しての御質問でございますが、これに対しましてお答えを申し上げます。 国際観光文化都市につきましては、先ほど御質問がございました施設につきまして事業計画がつくられるわけでございます。この中で、公園緑地あるいは下水道につきましては、たとえば五十二年度で申し上げますと、相当起債をふやしておるわけでございます。まずこれで対処することになるわけでございますが、このほかに在来から国際観光文化都市整備のために、地方債につきまして一般単独事業の中に別枠を設けまして対処しているわけでございまして、今後ともその枠の拡大によって措置してまいりたい、こういうふうに考えております。 それから二項の「財政上の措置」でございますが、これは関係市町村から、特に公園、観光地ということで観光客が多いので、たとえばごみ処理施設に関連してその諸経費がかかるということで特別交付税で処置してほしいという希望も参っておるわけでございまして、まあ関係団体の財政状況等を勘案しながら特別交付税で適切な処置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○委員長(小谷守君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小谷守君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小谷守君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(小谷守君) これより請願の審査を行います。 第一〇号街路事業の促進に関する請願外八十四件を一括議題といたします。 本請願につきましては、あらかじめ理事会におきまして協議いたしました結果、第一〇号街路事業の促進に関する請願外三十一件に関する請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第二三九号尾瀬の水の広域的運用に関する請願外五十二件に関する請願は、これを保留することに意見が一致いたしました。 なお、採択となります第一〇号街路事業の促進に関する請願外二十六件に関する請願は、願意の一部に検討を要する部分がありますので、その部分を除く旨の意見書案を審査報告書に付することといたしました。 つきましては、理事会の協議のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします —————————————
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします
○委員長(小谷守君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小谷守君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤桐操君 建設省は既存の特殊建築物の防火避難施設の整備に関する特別措置法案を今国会に提出すべく取り運び中であったわけでございますが、去る四月の二十八日、衆議院建設委員会において今国会の提出を断念することを明らかにされました。その経過と理由をお伺いいたしたいと思います。 また、この既存建築物に対する防火対策につきましては、さきの国会で成立した建築基準法の一部を改正する法律案に関連して、竹田前建設委員長より、デパート火災等の例で見られるように、既存の特殊建築物に一たん火災が発生した場合にはその被害はまことに大きく、人命尊重の見地からこれらの建築物に対する防火避難対策の強化は焦眉の急であるとし、次期国会に必要な法律案の提出を求めましたところ、中馬建設大臣は次期国会に必ず提出することを約束されております。しかるに、前大臣の言明に反し、今国会に提出されるに至らなかったということはきわめて重大であると思うのでございます。本法案をめぐる大臣の責任はきわめて大きく問われるところであり、今後の基本的な態度をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 最初に、今回の国会に提案できなかった経緯につきまして御報告いたしたいと思います。 政府といたしましては、既存の建築物の防災対策の強化を図るため、これまでの国会におきます審議の際の問題点を踏まえまして、鋭意法案の作成に努力してまいりました。一方、衆議院の建設委員会におかれましては、前国会の経緯にかんがみまして設けられる予定でございました建築防災対策小委員会にかえまして、理事懇談会におきまして既存不適格建築物の避難対策について検討を続けられてまいりました。理事懇談会には、建設省からば既存建築物の防災性の向上のためにとるべきシステム及び技術的基準についての考え方等について御説明をいたしました。自治省からは消防法の施行の実情についての説明がございました。理事懇談会では数次にわたり真剣な討議が行われましたが、大筋につきましては政府の考え方につきまして御了解いただけたものと考えております。理事懇談会は四月八日をもって一応打ち切られることになりました。政府の方で前向きに検討せよということで終わったわけでございます。 なお、理事懇談会におきましては、政府が最終的に技術的基準を定めるに当たりましては、第三者機関によるオーソライズを検討すること。それからさらに、スプリンクラーの設置が非常におくれているという点につきましての問題点の御指摘がございました。政府といたしましては、以上の経緯を踏まえまして、その後も引き続き検討を重ねてまいりましたが、すでに先発している消防法によるスプリンクラーの設置の義務づけの猶予期間が到来したものにつきましても、相当程度未設置の状況が明らかになったという点から、一つには、本法案は対象建築物における未設置の状況及びその原因等につきまして十分究明する必要がありますけれども、そのためにはさらに時日を要する見込みであること。一つには、未設置の理由の詳細につきましては、ただいま申し上げましたとおりさらに調査を要しますけれども、企業が赤字または担保切れ等のためにやる気があっても資金の調達が困難等のものもあるということ。一つには、スプリンクラーは防災性の非常に高い施設でございまして、政府が現在考えている改修の技術基準は、スプリンクラーが設置されていることと密接な関係があること等の事情にかんがみまして、当面スプリンクラーの設置の状況等を見守りながら、引き続ききめ細かい援助措置等を含む総合的な検討を続けまして次の機会に提案することが適当と判断し、今国会に法案を提案することを見送ることとした次第でございます。 このことは、新たにスプリンクラーの設置のおくれという新事態が生じたとは言いながら、さきの国会におきまして当時の中馬建設大臣がなさいましたお約束を果たさないこととなりました。私どももまことに申しわけないことと存じております。政府といたしましては、既存の特殊建築物等の防災対策の重要性及び緊急性にかんがみまして、スプリンクラーの設置の状況について、未設置のものについてはその原因をも含めて十分な調査をした上で速やかに総合的検討を行い、次期通常国会に所要の法案を必ず提案いたしたいと存じます。なお、それまでの間においても、建築物の防災対策は一日もゆるがせにできないものであるので、前国会で成立し本年秋ごろを目途に施行を準備いたしております改正建築基準法案に盛り込まれております防災関係規定の確実な実施、現行法の活用等によりまして防災行政の励行に努めることといたしたいと考えております。
○赤桐操君 住宅局長のいま述べられた考えはわかりましたが、大臣の所信をひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) さきの建設大臣がお約束を申し上げたにもかかわらず、それが果たせなかったということはまことに遺憾の至りである、私も謹んでおわびを申し上げたいと存じます。したがいまして、今回いろいろな対策につきましても、かなりおこたえ申し上げべく努力はしたつもりでございましたけれども、ついにそれに達しなかったという点につきましても、まことに申しわけないと考えております。私といたしましては、これらの問題に対しまして遺憾の意を表しながら、次期国会には何とか取りまとめてまいりたい、このように考えておる次第でございますのえ、ぜひ御了承を賜りたいと存じます。
○赤桐操君 質問を終わります。
○上田耕一郎君 私は、既存建築物の避難施設の整備に関する特別措置法問題、それから住宅問題について質問したいと思います。 まず、消防庁の方にスプリンクラーの設置状況、そのうち遡及適用の達成状況、それから未達成に対してどういうふうに対処しようとしているか、この点についてお伺いします。
○説明員(持永堯民君) お答え申し上げます。 スプリンクラーの設置状況でございますが、御承知のように、ことしの三月までに遡及適用の期限が参っておりますのは百貨店と複合用途の防火対象物、いわゆる雑居ビルでございます。それから地下街の三つでございますけれども、これにつきまして四月一日現在で十大都市並びに県庁所在都市についての調査をいたしたわけでございますけれども、その結果によりますと、三つのものを合計しまして全体の七七・六%の建物については四月一日現在ですでに設置済みあるいは工事中という数字になっておりまして、残り二十数%ございますが、その中で四月現在ですでに計画を達成を終わっておるというものが約一四%程度ございます。したがいまして、残りの全く未計画というのが約九%程度あるわけでございます。そういう状況であるということにつきましては、私ども当然本来であれば一〇〇%整備が終わってなくちゃならないわけでございまして、その点はまことに申しわけなく存じておる次第でございますけれども、四月以降引き続き消防機関の方を私どもの方からも奮励をいたしまして、消防機関におきましても積極的に建物の関係者に対しまして働きかけをいたしておりまして、指導あるいは督励をいたしておりまして、現在の段階では、またその未計画のもの、あるいは計画中であったものがすでに工事に入ったもの等もあろうと思いますけれども、いずれにせよ、なるたけ早い機会に全部が終わるように進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○上田耕一郎君 十大都市では七七・六%という数字をいま言われましたけれども、東京の場合、これは新聞記事によると、改修完了、工事中合わせて対象建築物三百二十七件のうち三四・六%というおくれている数字が出ていますけれども、東京の場合、特におくれているんですか。
○説明員(持永堯民君) 東京の場合の数字をいまちょっと手元に持ち合わせておりませんのであれですが、三十何%ということが新聞に出ておりましたが、それは遡及適用の対象となった建物の中で、三月三十一日現在ですでに工事が完了したものが三十何%ということであったと思っております。残りの六十何%のうち、たしか半分程度のものはすでに工事中ということに入っておったわけでございまして、東京消防庁の報告によりますと。四月一日現在で全く未計画というものは、たしか全体で十七件程度だったと記憶しております。
○上田耕一郎君 新聞記事によりますと、この改修完了と工事中合わせて三四・六%で、計画中が五八%と、全く未計画が七・三%という数字なんですね。だから、十大都市では七七%といっても東京のように雑居ビルが多くて火事の危険が多いところではどうもかなりおくれているように思う。スプリンクラーを設置すれば、それは火災の防止でかなりの役割りを果たすことは言うまでもないけれども、人命救助の点からいうとスプリンクラーの完備のみでは不十分であることは言うまでもありません。今回、いま赤桐委員からも質問がありましたように、この既存建築物の避難施設の整備に関する特別措置法問題がさらにおくれるという状況になってしまったわけですが、消防庁としてはこういう防災に面した避難施設の遡及適用について、防災並びにこの人命救助の点でどういう期待をお持ちになっているのか、この点を述べていただきたいと思います。
○説明員(持永堯民君) いまお話もございましたように、私どもの方といたしましては、スプリンクラーその他の消防用設備について設置の促進を図っておるわけでございますけども、やはりそれだけでは完全であるということは申しにくいという面があるわけでございまして、やはり同時に建築物の方の防火規格の問題でありますとか、あるいは避難階段の問題でありますとか、そういったものが有効な防災性能を持っているということは、当然安全性の確保のためには必要であるというふうに考えておるわけでございまして、特に煙による避難の困難性というようなことがかなり問題がございますので、そういった面からいたしましても防火規格その他のものは当然必要であるというふうに考えております。したがいまして、既存の建築物につきましても、そういった意味で何らかの形で法令上の措置がとられることが望ましいと、かように考えております。
○上田耕一郎君 人命救助の点でこれが望ましいことはもう言うまでもないわけですけれども、きわめて残念な事態になっているわけで、建築基準法改正から遡及適用部分が削除されるという事態が起きて、しかもこれに関する特別措置法が今国会に提出されるはずだったのに、先ほど説明がありましたように申しわけないと言われながらも、さらに延期されるという状況になっているわけですね。ところが、延期されようとしているこの建設省が準備している法案の中身そのものも、さらに最初の建築基準法改正に盛り込まれようとしたものと比べますと大きな後退が生まれていると思います。 住宅局長にお伺いしますが、建築基準法改正案として提案した内容と、今回建設省がつくった特別措置法案の要旨、この二つを比べて、目的、適用範囲、技術的基準などについて何が変わったか、またなぜそういうふうに変わったのかを説明してください。
○政府委員(山岡一男君) まず一つは、法律の形式でございますけれども、今回われわれが検討いたしました案は、全国で約二千二百棟の建築物で、特定されたものについて遡及適用を考えるというような中身でございましたので、しかも一回限りの措置であるということでございますので、基本法でございます建築基準法の改正という形式をとらずに特別措置法という形式をとることにいたしたいと考えました。 それから第二点は、防災改修の基準でございますけれども、前回の改正案に盛りましたのはいわゆる遡及適用ということでございまして、建築基準法の定めております構造設備等に関する遡及という形をとっておりました。しかしながら、今回は別途避難の安全を確保するために必要な最小限度において政令で定めるということでございまして、まあ建築基準法の本法ずばりの適用ではないというふうなことが一点ございます。特に、その技術基準の中身として検討いたしましたのは、前国会に法案提案以後相当の経過を経まして、すでに消防法の施行期限の来たものもまいっておりますので、当然そういうものも前提とした技術基準内容についても検討してまいったということでございます。 それからもう一つは、将来の政令改正によりまして、防災改修の工事がその政令改正の際に新しい基準を遡及するかどうかにつきまして、その政令の中身で決められるというふうに前回の法案には決めておったわけでございますけれども、そういうふうに無限に改修の工事が義務づけられるという点につきましてのいろんな御指摘がございまして、したがいまして、防災改修の基準は特別措置法の施行の日において政令で定められているものに限ることにしたいと考えておりました。さらに、防災改修の工事が道路内の建築制限等の規定に抵触することになりまして、防災改修の工事が現実に不可能になるというようなことが想像されますが、そういうものを防止するために、所要の建築基準法の規定の適用の特例に関する措置を定めることにいたしておりました。さらに、防災改修を円滑化するために資金のあっせん等に関する措置のほか、不動産取得税の課税標準の特例に関する措置を設けることにいたしておりました。さらに、代替措置の積極的な活用を図るために所要の規定の整備を行いました。そのほか、防災改修を適正ならしめるためにあらかじめ改修計画書の提出を求めて、特定行政庁は定めました改修基準に適合しない計画についてはその変更を勧告することができるというふうなシステムを考えておりました。 大要、以上が前回の遡及適用に対する法案との相違点であろうというふうに考えております。
○上田耕一郎君 目的で変わった点はありませんか。
○政府委員(山岡一男君) 目的といたしましては、やはりその建物の中にいらっしゃる方々の避難のために必要な最小限の防災処置を行うということにいたしております。
○上田耕一郎君 いや、いま言葉を濁されましたけれども、そこが一番問題で、建築基準法改正のときには防災避難のための必要な施設の整備に関しといって防災と避難が二つ目的がはっきりあったわけですね。今度の要旨には防災が取られて避難ということになってしまったわけで、そのことが私は、今度のこの新しい特別措置法の、もとの建築基準法の改正当時と中身が非常に大きく後退した中心問題だと思う。そのためにこの技術的基準についても大きな後退がやっぱり行われております。つまり、技術的基準については、防災がなくなってしまったので、火災が発生した場合における建築物内の人の避難の安全を確保するために必要な限度というふうに緩められてしまった。だから比べてみますと、たとえば竪穴区画、これは一番大きな問題ですけれども、これを見ますと、もとは耐火構造の壁ということになっていたのに、今度は網入りガラススクリーンでよいというように要旨の案では後退しています。それから煙感知器連動自動閉鎖式遮煙シャッター、先ほど消防庁の方も煙の被害というのはこれを防ぐということが非常に重要だと言われましたけれども、遮煙シャッターの遮煙がなくなっちゃって防火シャッターと、それでいいということになったわけです。竪穴区画の耐火構造の壁のかわりに網入りガラススクリーンというのでは、これは避難には多少確かになるかもしれませんけれども、防災という点では非常にわれわれは弱いと思うんですが、この網入りガラススクリーンというのは火災が起きた場合に何分ぐらい耐えられるんですか。これで人命救助上十分であると思われますか。
○政府委員(山岡一男君) 今回の技術基準につきまして、先生おっしゃいますとおり避難を重点にしておることは紛れもない事実でございます。ただ、前国会におきまして、建築基準法は基本法でございますし、構造設備についての政令内容を決めておりますので、スプリンクラーの効果を考えたらそういうものについては少し過重ではないのかという議論がずいぶん行われておりました。それらの意見も参考といたしまして、本当に火災が生じた場合、スプリンクラーが相当、九十数%の効果を上げるわけでございますが、それでもなおかつ人が逃げるということのための必要にして十分な最小限の措置をねらいたいというのが今回の技術基準でねらった点でございます。 遮煙シャッターの点でございますけれども、今回避難時間というようなものを一応いろいろと検討いたしまして、その建物について避難時間を計算をするというようなことをいたしております。そういう場合に、やはり何分間で逃げられるかというような点につきまして、それぞれの建物につきましていろいろ数字は違うと思いますけれども、遮煙シャッターの効果の範囲内でなくても、防煙シャッターの範囲内でも十分逃げられるような建物であればそれで結構だというふうに基準を改めたという点でございます。
○上田耕一郎君 私の質問は、網入りガラススクリーンですね、耐火構造の壁のかわりに後退させた。これは火災が起きたときに何分耐えられるかという質問です。
○政府委員(山岡一男君) ちょっと現在いま手元に資料がございませんので正確にお答えできませんが、大体避難時間を、最小限フラッシュオーバーまでの間を六分と押さえました。その間については十分に持ちこたえ得るというふうに考えております。
○上田耕一郎君 やっぱりそうすると六分しか——私、これは質問を前もって言ってあったんですが、どうもお答えが十分調べていないようですけれども、どうも避難時間六分というと、網入りガラススクリーンというのはぼうぼう燃えてくると恐らく五分ぐらいしかもたないのじゃないか、必要にして最小限度十分なものにしてあるということですがね。そうすると、五、六分しかもたぬもので、これ人命救助上十分ということは考えられないですよ。雑居ビルその他というのは御存じのように大変な構造を持っておるわけで、そのときに火災が発生して非常に混乱が起きますね、で、竪穴区画にみんな行くわけですから、それをわずか五、六分しか時間を見てないと。網入りガラススクリーンというのはそのぐらいしかもたぬということになりますと、人命救助上やはり重要な問題があると思いますけれども、その点どういうふうに考えておられるのか。住宅局長自身がこの網入りガラススクリーンがどの程度もつのか十分ここでお答えになれぬということ自体も、どのくらい本気でこの特別措置法案の準備をしてきたのか、この点、はなはだ危ぶまれる感じがせざるを得ませんけれども。
○政府委員(山岡一男君) 避難計算による安全限界のことにつきましては、一応の試算はあるわけでございます。ただ、建物の内装その他によって違いますので、たとえば例を申し上げますと、階段幅、延べ床面積、それからスプリンクラーのありなし、それから内装が防火材料であるとか可燃材料であるとかいうようなことにつきまして避難時間の計算が異なるわけでございます。そういう場合にも、内装が防火材料でございますと大体六分はもつということで、いろいろなものは検討いたしておるのは事実でございます。
○上田耕一郎君 つまり、事は人命にかかわる問題ですけれども、この防災避難というところから防災ということが目的の中から落ちたと。技術的基準も緩められておる。それで人が避難する場合に大体五、六分ということであなた方は計算し、こういう法案を準備している。しかし、これは人命救助の上からきわめて危険ですよ。たった五分しかもたぬと。その間に逃げられればいいけれども、それに間に合わない人はこれ危なくなるわけですから。 こういうふうに法案そのものを後退させた上に、これの国会の提案さえおくらせているという状況は、私非常に国民にとって危険な見逃すことのできない問題だと思うんですが、こういう措置をとる上で、建設省はこの法案作成に当たって百貨店協会など業者と話し合いをしたと伝えられているんですけれども、それは事実かどうか。それから百貨店協会の主張の中で、この要旨、法案要旨の作成ですね、法案作成に取り入れるべきだと建設省が考えた意見、これにはどういうものがありましたか。
○政府委員(山岡一男君) 先ほど少し御説明が足らなかったと思いますが、網入りガラスというのは材料が何分もつかというお話でございましたが、避難の安全限界におきましては、スプリンクラーがある場合は九分、スプリンクラーがない場合に、先ほど申し上げましたような防火材料、可燃材料等につきまして多少の増減を検討すべきだという基準を考えたということが一つでございます。 それから百貨店協会等のお話がただいま出ましたけれども、関連の業界は二十幾つあると思います。で、全部に——やはり前国会の審議の状況におきましても、二千二百棟のねらい撃ち法案なのだから十分皆さんの意見も聞いてやれというサゼスチョンございまして、各協会を通じまして皆さんの意見を聞いたことは事実でございます。ほとんどのところは余り異論がございませんでしたけれども、確かに日本百貨店協会それから日本ショッピングセンター協会、これは大体メンバーはダブっておりますけれども、そういうところからは、現在まだスプリンクラーの設置も全部終わっていない、したがってスプリンクラーをつけることが先だと。したがいまして、そういうことについての援助の方法も十分検討してもらいたいという点が一点ございました。その辺につきましては、いろいろ実情を聞きますと、確かにやる気はあってもなかなか赤字で金が借りられないというような点がございましたが、われわれがまた新しい基準をつくりましても、それに対する対応策を実は講じておりません。そういう点については、今後われわれ十分参考にして検討したいと考えております。 それからもう一点は、技術基準の中でいわゆる煙感連動という措置がございますけれども、煙感知器が誤作動が非常に多いという問題がございました。したがいまして、その煙感知器の誤作動を何とかしたいという意味では、全体の関係の業界の方々だけではなくて、関係の研究所の職員等も全部集めまして、全体で討論をいたしまして、新しく小委員会を設けまして基本的な結論を得まして、その方面に対する解決案を大体策定し得たと思っておりますが、そういう点は御意見として十分取り入れたつもりでございます。
○上田耕一郎君 私は、この委員会で建築基準法改定のときに百貨店協会の要望書に触れたことありますけれども、今回の技術的基準を見ますと、あのとき私が触れた日本百貨店協会が四十九年に出した防災に関する要望書、その枠内にほぼ入るというものだと考えざるを得ません。 大臣にお伺いします。新聞紙上でも、今度この特別措置法の提出の断念ですね、延期。これは業界の圧力に屈したものだと、こう批判されておりますけれども、特別措置法の中身そのものも百貨店業界の要望の枠内に入ると。スプリンクラー設置で金がかかるし、これやられてはかなわぬという圧力ですね。これに結局客観的に屈したものとしか考えられませんけれども、大臣としてどう弁明されますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は百貨店協会からの陳情一つ受けたこともありませんし、百貨店の経営者から御意見を伺ったこともございません。
○上田耕一郎君 あなた個人は受けなくても、いま住宅局長が業界と話し合ったと。百貨店協会とショッピングセンター、これについてはこういう意見があったということをはっきり言われたじゃないですか。法案の中身そのものも私が指摘したように大きく後退しているじゃないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は受けたことがないと申し上げているんでございます。
○上田耕一郎君 そういうことで、あなたが受けていなければ、法案の中身がどう後退しても、それから国会で約束したことがこう行われなくても構わないというのでは建設大臣として私は大きな問題があると思わざるを得ません。 スプリンクラー設置問題も当初建築基準法改正にこれは含まれていたときには、スプリンクラーの設置が完全に終わってからこれをやるというようなことは問題になっていなかったんです。煙感知器の機能がどうだとかいうことで削除の理由その他になったことは確かにあります。それで、いま先ほど消防庁が言われたように、十大都市が七七%、東京都では新聞の報道によりますと、まだ三十数%しかできていないと。このスプリンクラー設置が全部終わってから、これからその法案を出して、それからこの避難施設をつくっていくということではこれは何年かかるかわからないじゃないですか。だから、スプリンクラーの設置がどのぐらいでできるか。これは金の問題が確かにありますよ。それは別の問題で考えればいいわけで、スプリンクラー設置が完成してから、それから法案を通して、これからまた三年間ということでは何年かかるかわからない。その間にもし雑居ビルその他特殊建築物にですね、火災が発生して人命の大きな被害が起きたら、建設大臣、どういう責任をおとりになるつもりですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、先ほども申し上げましたとおり、前大臣がそのようなお話を申し上げたにもかかわらず、これが行えなかったということは実に残念なことで、申しわけございませんでしたとおわび申し上げたわけでありますが、おわび申し上げたから済んだとは私は考えておりません。そういうような件についての責任が十分あることも自分でも自覚をしております。したがって、どうするのだと、人命が起きたらどうするのだと、そういうことのないように十分にいろいろ現在の法律の角度から、いろいろの面から防除策を考えて、今後そういうことの間違いのないように、それまでの期間努めていかなければならぬと、そういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 きょうもうこれで国会終わりですから、今国会に提出しようと言ってもどうにもなりませんけれども、私は特別措置法案の要旨の中身も、防災避難の防災を取って避難だけにする、技術的基準も緩めるということでなしに、防災も復活し、技術的基準も実際に人命を救い得るようなそういうものに高める、そして次期国会に必ずそういう内容の人命を救い得るような法案として提出されることを強く要望して、次の問題に移りたいと思います。 次に、住宅問題について、時間もあれですから急いで質問を続けたいと思いますけれども、前から空き家問題が問題になっておりまして、新築空き家、それからいわゆる保守管理中の空き家予備軍と言われるものも合わせて二万七千三百戸あるということで大問題になっております。もしこのまま放置していきますと数年後には公団の空き家が五万戸になるということまで言われているわけですけれども、この空き家問題の見通しについて、まず総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(南部哲也君) 空き家の問題につきましては、ただいま建設省も省を挙げてこの対策に取り組んでいただいておりますし、私どもの方もその委員会に参画いたしておりまして、ともに、いかにしてこの問題を解決していくかということについて協議をいたしまして、先般六月一日から実施できるような方途につきましては、ハードウエアについてもソフトウエアにつきましても、あるいはPRの方法につきましてもいろいろ改善の意見が出されております。したがいまして、私どもといたしましては五月一日からこの首都圏におきまして住宅キャンペーンを実施しております。土曜、日曜を返上いたしまして、いろいろと現在PRの方はいままでのような殿様商法といいますか、そういう点を一てきいたしましてやっております。その結果、これは後で一カ月の間の申込数その他は担当理事から報告させますが、なかなか根本的にむずかしい問題があるということを痛感いたしております。したがいまして、これに対する今後の問題としてやはり一番大きいのは家賃の問題、これに対してどうするかという問題がこれからのわれわれの検討課題として大きな問題になる、このように考えております。 現在のところは六月一日から実施するという、これらの先般決められました諸問題を全部実施してみまして、その結果どれぐらい未入居住宅の解消ができるかという現実の姿を見た上でさらに次の手を打たなければならない。実はいまお話のありましたように、現在の保守管理中と申しますか、これらのものは四十七年、四十八年以降に手をつけたものでございまして、これをいまから立地の条件を変更するとか、あるいはハードウエアにおける狭さを解消するということができないようなところまで進んでおる建築住宅もありますので、これらの問題についての対策というものをいかにするかということを日夜公団内部でも現在検討いたしております。その結果の見通しにつきましては、現在の対策を実施した結果、結論を待ちまして来年度予算要求に向けまして新しくいろいろな手を打って、できるだけ空き家の未入居住宅の発生を防いでいかなければならないということに全力を尽くしておる次第でございます。
○上田耕一郎君 この二万七千三百戸のうちには例の千葉ニュータウンは含まれていないと思いますが、千葉ニュータウンは鉄道建設もさらにおくれるということが報道されておりましたが、千葉ニュータウンに関する見通しはいかがでしょう。
○参考人(沢田光英君) 千葉ニュータウンにつきましては、千葉県が東京周辺では多摩ニュータウンに匹敵するような規模で宅地開発をしてニュータウンをつくっておる、こういう計画で進めておられるものでございまして、私どもはその中の公団立地の計画に従って住宅を建設していくわけでございますが、私どもが土地をお譲りいただいて建設を始めようとした時点が四十六年でございます。四十六年、当時の用地を買いまして、四十九年ごろに第一回の発注を行っております。四十九年は、発注したときの見通しでございますれば、もう現在では大体入居ができるような計画で、各種の基盤整備、交通、下水等がやられておると、こういうふうなお話し合いで進んできたわけでございますけれども、鉄道の問題あるいは下水の問題等、地方公共団体の方にもいろいろ問題がございまして、おくれてきております。 そこで、私どもは途中で工事を中止をいたしたりしまして調整をしておるわけでございますが、現在のところ、あの地区には幾つかの地区がございますけれども、船橋地区と白井地区、これは大体五十三年六月ごろ、この辺のところに諸条件がそろってきてできようと、こういうことでございますので、四十九年に発注したものも、これはそれに向けて現在入居の段階まで進めるということの計画をしておる次第でございます。さらに、奥の方の印西地区でございますが、これはやはり鉄道の伸延の問題がございまして、五十四年以降できるだけ早い時期にということを私たちは望んでおりますけれども、さような計画で、その状況を見ながら逐次進めていく、かような状態になっております。
○上田耕一郎君 千葉ニュータウンで、ほぼ躯体工事が済んでいるのは何戸ですか。
○参考人(沢田光英君) 躯体工事が済んでおりますのが八千三百戸程度でございます。白井地区に四千戸、印西地区に三千戸、船橋地区に千三百戸くらいでございます。
○上田耕一郎君 私も千葉ニュータウンへ行って見てまいりましたけれども、胴体工事だけのものがずらっと並んでいるわけですね。これが八千三百戸あるわけですね。これ、鉄道がなかなか通りませんから、これも結局躯体工事だけなので、完成した保守管理中といきませんけれども、実際上やっぱり空き家に等しいわけですね。そうすると、この一万戸近くということになりますと、やっぱりこれで四万戸近い。さらにこのまま進んでいくと、本当に五万戸ということもうそではなくなるし、よほど大きな手を打たなければ、住宅公団が五万戸からさらにもっと十万戸近い空き家まで、もし何の手も打たなければつくってしまうというふうな非常に大変な状況にあるということが、われわれが現実に目を開いて見なければならない状況だと思うんです。だから、こそくな手段ではこういう状況はやっぱり乗り切れない。本当に政府の責任を追及したり住宅公団の責任をただ追及しているだけでは、いま直面しておる大きな壁を破ることができない状況に来ているということをわれわれ全体考えなきゃならぬと思うんです。 公団は、五十一年度一万戸建設削減について、二十四団地で一万戸分の建設の削減を発表されたということですけれども、この理由は何でしょうか。
○参考人(沢田光英君) 私どもいま十万を超す仕掛かり品を持っておるわけです。保守管理未入居はこれは水面から出た頭でございまして、十万戸を超す仕掛かり中のものを持っておるわけです。先年度につきましても実は六万戸という計画で発足をいたしました。したがって、当初から六万戸以上七万戸程度の土地を用意し、この上にいろいろ設計をして発注をする段取りをしてたわけでございます。しかし、一昨年末あたりから空き家問題が急激に出てまいりました。昨年の秋ごろからそういう緊迫感が出てまいりまして、私どもはいまこれから発注しようとするものを全部見直したわけでございます。その結果、空き家の経験から、これではなかなか工事を発注しても、でき上がる時点におきましては空き家が発生すると、かように思われるところも出てまいっております。それは土地が遠いということもございますが、遠いところに行って、需要のないようなかっこうで——ないといいますか、少ないようなかっこうで、高層住宅などを分譲で建てたりをしておると、かような反省をいたしまして全部チェックをしたわけでございます。その結果、年度末までに一万戸程度の問題のものがある。これは東京の周辺、大阪の周辺が主でございますけれども、そういうものについて急遽これの発注を打ち切りまして、現在ただいま打ち切ったものについては土地があるわけでございますから、それで土地のある上にその土地の需要といたしまして、完全に空き家が出ないような家の建て方、あるいは家賃まで関係するわけでございますが、そういうもので実はやり直しておる次第でございまして、そういうことで一万戸というものを削減して次の年度の事業に送ったと、かような次第でございます。
○上田耕一郎君 公団はいま言うように一万戸減らしたと、公営住宅の方も五十一年度実績を見ますと、計画戸数八万五千戸のうち着工戸数は七九・二%で六万七千三百四十五戸だと。五十二年度の公営住宅建設の配分計画も、予算化されたものが八万五千戸分であったにもかかわらず、実際には一万二千五百戸が保留されて、配分は七万二千五百戸だということを私ども聞いております。そうしますと、第三期五カ年計画、これは五十一年度から五十五年度までなんですが、早くも公団住宅で一万戸ダウン、公営住宅一万七千戸計画ダウンということになりますと、五カ年計画の第一年度目で早くもつまずいているということになる。そうすると、五十二年度も同じ傾向で進まざるを得ないように思いますが、建設省としてはこういう現状、それから五カ年計画の実施について、いまどういう見通しをお持ちになっているでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) 第三期住宅建設五カ年計画におきます公営住宅及び公団住宅の五十一年度の進捗状況は、先生おっしゃいますとおり、公営住宅が一五・四%、公団住宅が一六・一%となっておりまして、建設のおくれが見られるわけでございます。これに対しまして、五十二年度予算におきまして、単価の引き上げ、それから公営住宅につきましては地方債充当率の引き上げ、公団住宅の率の改善等々各種の予算措置を講じてまいっておりますが、今後さらにそういう点につきましての努力を重ねて、年度といいますか、計画年度の後半におきまして十分所期の目的を達するように進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。特に、公営住宅等につきまして地方債の充当を相当ことしも上げたわけでございますけれども、年度当初のヒヤリング等によりますと、やはり地方公共団体等の当初予算におきましても、前半度踏襲の予算を組むということが多いわけでございまして、年度の後半におきまして起債の増額等の効果が出るように十分にわれわれも努力をしてまいりたいと考えております。いずれにしても第三期五カ年計画は必要にして十分な計画だといまのところ思っておりますので、その達成のためには後半におきまして十分取り戻しを図り、達成を図りたいというふうにかたく考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 次には空き家対策問題ですが、公団総裁にお伺いします。 PR作戦などいろいろおやりになって、今年度に入っての空き家応募状況ですね、どうなっているか。空き家解消が進んだかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(有賀虎之進君) 実は先ほど総裁から申し上げましたように、今年度に入りまして、従来のような募集の仕方ではいけないということで、私ども思い切ったキャンペーンといいますか、積極的な方法を講じてきたわけでございます。その中で、ただいまお尋ねのことに関してお答えしますと、最近首都圏におきまして、特に五月一日から六月十五日までの一カ月半を限りまして、勧誘のキャンペーンをしたのでございますけれども、ただいまこの実績を申し上げますと、まあ終了が六月十五日でございますので、まだ最終的な結果が得られませんので、詳しくはその最終結果を待っていろいろと判断したいと思っておるわけでございますけれども、この一カ月間の状況を見てみますと、昨年の五月の時期には、この首都圏で現在のような常時募集をしている団地につきまして約二百件の契約でございましたけれども、今回五月一日から一カ月間の状況を見てみますと、申し込みで約八倍の千六百七十件、それから契約件数にいたしましても、昨年に比べまして三・五倍の七百五十件ということになっておりますので、私どもとしましては、あとしばらく様子を見なければ最終的な結果は得られませんけれども、このような措置によりまして次第に契約戸数が出てきておる、こういうふうに考えておりまして、十分効果があったのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 どうも昨年五月の八倍だというのでちょっといいようですけれども、新聞によりますと、これは六月四日ですが、「三日まとめた一カ月間の応募状況で、賃貸住宅が一四%、分譲住宅も四五%の応募しかないことがわかった。建設省・同公団は、この数字にショックを受けており」、それで秋にもう一度大々的なハウジングキャンペーンをやらなきゃならぬと書いてありますけれども、こういう事実はどうですか。
○参考人(有賀虎之進君) 首都圏でもって全体としてその対象になった戸数が、いまおっしゃられましたように賃貸で六千九百戸、分譲で千五百ぐらいございますので、確かにその数字はそのとおりでございます。しかし、まあ昨年度におきましてもやはりある程度の常時受け付けなきゃならぬ、要するに空き家になっている戸数がございまして、同じような募集をしたのでございますけれども、昨年は二百件だったということにつきまして、ただいま申し上げたような数字でございますので、私どもとしましては今回の措置が昨年に比べまして相当積極的にやったことが効果があったというふうに考えておる次第でございます。
○上田耕一郎君 去年と比べて八倍で大体よかったという数字をおっしゃりたい気持ちもわかりますけれども、そういうことで事態を糊塗するんじゃなくて、やっぱり賃貸住宅では一四%の応募しかなかったということで、これではいまの空き家問題は解消できないということの方がやっぱり大事な問題ですから、そういうことをもあわせてお答え願いたいと思います。 建設省は、公団住宅問題対策委員会をつくられて、五月十一日にその暫定対策を発表しましたが、これでどの程度空き家解消が見込まれるとお考えでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) 六月一日から新しい暫定措置を施行に移しておりまして、その成果がまだ実は確認されておりません。しかしながら、やはりわれわれそういうものが実を結びまして、まあできるだけ早くそれの解消をするということを念願しておるというのが現状でございまして、いま直ちにどの程度の成果が上がるかという点について、どれぐらいということはなかなか申し上げにくいと思いますけれども、公団も建設省も一緒になりまして本気でひとつ取り組みたいと思っておりますので、しばらくの間時間をかしていただいて、相当の成果を上げたいというふうに考えております。 〔委員長退席、理事赤桐操君着席〕
○上田耕一郎君 この暫定対策を拝見しますと、確かに遠い問題ですね、いわゆる遠・狭・高の問題で、交通対策でいろいろ努力する問題だとか、狭い問題では三LDKや四LDKに大型化するとかといういろいろ案は書いてありますが、これもやはり部分的対策で、すぐ実効あるものにはならないと思いますが、やはり最大の問題は家賃の問題だと思うんですね。これは、衆議院の住宅小委員会の審議でもかなりやっぱり家賃問題は大きな問題として、審議されましたし、結局この遠・狭・高の中で最大の問題は、高い家賃のこれをどうするかというところに問題がしぼられてきていると思います。 それで、時間もありませんし、少し重点的にしぼってお伺いしたいと思うんですが、公団の設立された目的、第一条、この基本点にいまわれわれはやっぱり戻って考えなきゃならぬと、こういう段階に来ている。第一条は「住宅の不足の著しい地域において、住宅に困窮する勤労者のために」ということがうたわれております。それで、この家賃負担率を見ますと、大体第三分位中位の一五%から一六%ということで公団は考えて計算してきた。ところが、この一五%、一六%というのは、計算上確かにそうなっておりますけれども、この中にはボーナスも、それから税金その他も入って一五%、一六%ということになっているわけですね。実際にこの第三分位中位、これは五十一年度ですが、月額二十四万六千円となっている、平均家賃四万三百円、だから負担率一六・四%ということになっておりますが、この月額の中から税金、ボーナス分などを引いて手取りで計算しますと、手取りは何と十六万六千円になる。そうすると、平均家賃四万三百円というのは負担率で二四・三%で、いわば手取り月収の四分の一、これを平均家賃では払っているということになるわけで、この家賃が住宅に困窮する勤労者のために適切なレベルだと、そう公団としては考えられているかどうか、実際の率直な感想をお伺いしたいと思います。
○参考人(有賀虎之進君) 公団の家賃につきましては、先生おっしゃられますように、従来から中堅勤労者の家賃負担率を大体第三分位の中位に対しまして一六%ということでやってきたことはそのとおりでございます。まあ私どもこの負担率につきましては、たとえば一昨年の八月の住宅宅地審議会の答申におきましても、第一分位の人の負担限度率も一五%程度でいいだろうと、こういうふうになされておりまして、私どもの供給対象階層と申しますのは、大体勤労者といっても相当幅がございまして、大体二分位の中位から四分位の中位ぐらいの間を対象階層といたしております。そんな関係から申しまして、大体第三分位の中位でとりますと、一五・六%というのはまあ大体適当な負担率だというふうに考えております。
○上田耕一郎君 適当に考えておられても、月収の四分の一取られるということはやっぱり相当な負担なんですね、住宅に困っている勤労者の場合。しかもそれが最近、これは大きな問題に新聞紙上でも一般でもなりましたけれども、あちらこちらで家賃七万円、傾斜家賃で十年後には十二万円という数字が出てきて、これではとうてい——ということも生まれてきているわけですね。建設大臣いかがでしょう、勤労者にとって家賃当初七万円、十年後十二万円というのは、これは高いと大臣はお思いになりませんか。 〔理事赤桐操君退席、委員長着席〕
○政府委員(山岡一男君) 平均の話といたしまして四万幾らという話をしておりますが、個々具体のケースにつきまして、そういう家賃を私は高いと思っております。
○上田耕一郎君 恐らく大臣も同じ感想をお持ちだと思うんですが、もう一つ、その家賃が高いだけじゃなくて、これは敷金問題もあるわけですね。敷金は七万円のその当初家賃で払うんじゃなくて、傾斜終了後十二万円の三カ月分払うということになっていて、そうすると三十六万円ですね。それに当初家賃を加えますと、とにかく入居するときに四十万円出さなきゃならぬ。これ、民間のアパートよりも高いということで、これもう大変不評なわけですね。敷金というのは退居するときに返すものですからこれは預かるわけですね、多少利子が出て、それまあ何かに使うということになっておりますけれども。そうしますと、この敷金というのは預かっておくわけだから、その最終家賃の十二万円の三カ月分を取るというのは、やはりこれは私は温かみのない官僚行政の最たるものだと、そう思うんですけれども、この点やっぱり当初家賃の三カ月分というところに戻すような措置をぜひ至急とるべきだと思いますけれども、総裁いかがでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) 敷金につきましては、いま先生おっしゃいますように預かり金でございまして、入居者が退居するときに債務不履行がなければこのまま返すという性格のものでございます。一般の通例といたしまして三カ月分というのはまあ常識でございまして、三カ月分そのものについては私ども問題ないと思っております。ただ、先生おっしゃいますように、傾斜家賃の最終原価で取るのはおかしいじゃないかというお話は、実は私どもも公団もそのように考えております。そういうことで昨年も予算の際にもいろいろ協議いたしましたし、本年度予算におきましてもそういう点につきまして十分配慮しながら善処してまいりたいと思っております。
○上田耕一郎君 善処ということは、とにかく最終年度じゃなくてもっと前へ持っていくということですか。私、まあ当初家賃でということを言いたいんです。
○政府委員(山岡一男君) 実は原価家賃につきまして三カ月分というの、が原則でございます。いまの場合はやはり傾斜後の十二万円が原則でございます。何となれば、その傾斜家賃と申しますのは、十二万円で取るべき家賃を当初入りやすいように減額しておるという思想でございます。したがいまして、本来原価は十二万円だというのがたてまえでございまして、そういうたてまえのもとにそういうふうな運用をいたしておるわけでございますが、先生おっしゃいますように、いまのような一番当初家賃にするのか、ちょうど中間にするのか、それとも敷金を毎年少しずつ積み増していくのか、いろんな方法があろうかと思いますけれども、できるだけ負担が少ないような方向になるように努力したいということを考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 この問題、ぜひいまのような答弁の方向で至急具体化していただくことをお願いしたいと思います。 先ほど十二万円、家賃、これは平均でない一番高いものですけれども、家賃七万円、傾斜終了後十二万円というのは住宅局長も高いと思うと言われました。公団法の施行規則第十条の四号に「家賃が著しく高額となるため、相当な期間を定めてこれを減額する必要があると認めるとき。」という規定があって、家賃減額可能な規定があるわけですけれども、これを、こういう非常に高い家賃ですね、七万円とか十二万円とか、こういうものについて適用することができるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) したがいまして、その十条の四号を使いまして傾斜家賃をやっておるわけでございます。
○上田耕一郎君 この十条四号を使って傾斜家賃にしているんだけれども、傾斜家賃そのものが、列島改造の四十八年、四十九年で住宅の建設費が大体二年間で約二倍になっちゃったわけですね。そのためにいまの家賃の計算システムによりますと当初家賃が七万円というようなものも生まれて、これ自体が高いというので問題になっているんですから、この十条四号をもう一度そこに適用すると。で、傾斜家賃を若干凍結するとか——いつまでも凍結するということは私ども言いませんけれども、先ほど指摘しましたように、いま住宅公団の、また国の住宅政策そのものが大きな曲がり角に来ていて、これを何とかしなけりゃならぬ、その過渡期の措置として三年間凍結することをとればたとえば空き家対策にもなると思うんですね。これは安いということで、傾斜家賃が凍結されるということになれば、いまの空き家でも多少遠くても入ろうという人も出てくるわけで、そういう点ではやっぱり数万戸の空き家があるということを放置した場合の欠損の問題を考えますと、それひとつやれるんじゃないかと。私どももう時間がありませんので申しますが、三年間——五十年度、五十一年度、五十二年度入居のものを当初家賃に凍結すると、三年続けると、きのう計算していただいたんですが、百四十一億円でできるということなんです。この空き家の収入欠損がどのぐらいかというと、これがいまのいわゆる空き家で五十五億円年間欠損、いわゆる空き家予備軍なども考えますと、恐らくこれは百億円近い欠損が、これは詳しく計算していただきたいと思いますけれども、出ているんだと思うんですね。 そうすると、傾斜家賃、三年凍結して百四十一億ですから、これは十条四号をうまく適用してやれると思うんですね。欠損をさらに少なくする、入居者もふえて喜ぶと。この点で資金繰り資金、これは毎年一千億円もあるわけなので、そういうことも何とか考えてやっぱりやると。もちろん非常措置ですけれども、そのぐらいのことをやっぱり思い切ってやる時期に来ているんじゃないか。その三年間にそういう措置とりながら、公団そのものの基本的なあり方や住宅行政の基本そのものをやっぱり見直すべきではないかと、そう思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) 公団の家賃の問題につきましては、そういう新規供給住宅の家賃がだんだん高くなってしまったという問題が一つあると同時に、非常に公団そのもの、全体で五十四万戸の管理をいたしておりますけれども、不均衡が著しくなったという点が一つ大きな問題となっております。当初昭和三十一年につくりましたものと、先生いまおっしゃいました十二万円と比べれば二十倍近い差ができております。そういうふうな不均衡の是正ということも現在われわれに課せられた家賃問題の問題であろうかと考えております。基本的な家賃の問題でございますので、現在、たびたび申し上げておりますけれども、われわれの中の住宅審議会の中におきまして、今後の家賃体系はいかにあるべきか、従来の何といいますか、原価主義でいいのか、それともそういう以外の何か考え方はないのかということをきわめて真剣にいま議論いたしております。その中におきまして、そういうものも同時に含めて検討さしていただきたいと考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 検討をする方向が、プール家賃などということもよく言われておりますけれども、結局問題はそういう欠損分をだれが負担するかということで、それをプール家賃ということで、かなり早く入った人たちが四、五千円だと、そういう人たちの家賃を上げて、何倍かに上げてそれで負担するというと、結局入居者負担ということになるんですね。これはもう借地権、借家権の基本に触れる問題で、われわれはそういう考え方はとるべきでないと考えておりますが、そういう欠損をやっぱり国がどうしても考えなきゃならぬというところに来ていると思うんです。家賃の問題の矛盾の解決を入居者負担でやるのか、それとも日本列島改造を実行してこういうところに追い込んできた国がやっぱり責任を持って解決しようとするのかというところがこの分岐点になるということを私は指摘しておきたい。 それで、最後に、先ほど住宅公団法の第一条の問題、住宅に困窮する勤労者のために公共住宅を建てるという公団の目的ですね、ここに触れる問題がやっぱりいま出ていると思います。これは周知のことですけれども、公団が対象としている入居階層は、先ほど第二分位の中位から第四分位の中位と言われましたが、大体公営第二種が第一分位、公営第一種、これは第二分位に当たるわけで、公団は大体第三分位あたりを中心にして考えているというのがこれまでの国の住宅行政だったわけですね。そのために公営第二種には国の補助を三分の二出しておる、公営第一種には国の補助が二分の一出ている、公団については利子補給だけという考えでやってきたわけですね。ところが、そこの区分をやっぱり見直さなきゃならないというところに来ていると思います。 現に公営住宅の問題はこの建設委員会でもしばしば問題になりまして私どもも取り上げましたが、超過負担の問題だとか関連公共施設の問題がネックになってどこでも公営住宅が非常に建たなくなってきている。公営住宅は建たない、公団住宅はもう家賃が高い。そうしますと、それこそ住宅に困っている勤労者はたとえば東京ではいわゆる木賃アパートに入らざるを得ない。木賃アパート、東京に百万戸あるわけですね。木賃アパートの家賃というのは三万円とか四万円とか物すごい高い家賃ですよ。当然第一種、第二種に入れる資格を持っている人も、倍率が高いし公営住宅はまるで建たない、じゃ住宅公団はどうしているかというと、遠いところに空き家を持っている、それで便利のいいところは家賃が七万円だということになるわけですね。それで分譲住宅は——分譲住宅もおやりになっているけれども、これはかなり頭金その他やっぱり持っている人でなければ入れないわけで、買えないわけで、本当に住宅に困っているという方々、本当の意味での住宅困窮者、勤労者のために国と自治体が公共住宅を提供するということがもうできなくなりつつあるというのがいまの現状だと思うんです。その現状をどうするかということを真剣に取り組んで具体策をいま立てなきゃならぬ。 そこで、衆議院の住宅小委員会の参考人の意見その他いろいろ出てきているいま新しい問題は、住宅公団が入居者対象階層をいままでのこの三分位の中位ということを中心に考えるんじゃなくて、公営住宅の第一種階層ですね、やっぱりここまで広げて考えていくということをする時期に来ているという問題が出されているわけでありまして、これは私は当然やらなきゃならぬと思うんですね。そうなりますと、いま利子補給だけしか国から出ておりませんけれども、たとえば第一種には国から二分の一の国庫補助が出ているわけで、住宅公団に対する国庫、国の補助の仕方もいまの利子補給だけでなくて、利子補給も一%さらに利率下げますと、家賃が数千円から一万円ぐらい下がるわけで、利子補給も考えるけれども、かつて行っていたような政府出資その他国庫補助、たとえば三分の一もやるとか、そういうことを考えてやらなければならない時期に来ていると思うんですが、そういう問題、住宅公団並びに建設省も検討中だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) いま先生おっしゃいましたように、確かに公営住宅との連続ということは非常に必要なことだと思っております。現在の連続の状況を申し上げますと、第一種公営住宅の入居階層の第一種の上限は、ことしの四月からやっぱり年収の十二分の一で見まして十七万円程度ということになっております。住宅公団の入居資格そのものは家賃の四倍以上の収入または十五万円以上の収入ということになっておりまして、十五万円と十七万円を見ます限りはダブっておるわけでございます。しかし、これは全体の平均の話でございまして、先ほど起こりましたようなケース・バイ・ケースの話では、確かに先生おっしゃったような矛盾があることもわれわれ承知いたしております。ところが、住宅公団に対しまして、従来出資金でやっておりましたけれども、それを利子補給金に切りかえておりますが、これはもっぱら財政上の理由でございますけれども、効果としては家賃その他には何ら影響はないと思っております。 ただ、その利子補給金の出方でございますけれども、これは私の試算でございますが、たとえば五十一年度に供給しました住宅公団住宅九百五十万円ぐらいということにいたしますと、それにやはり七分五厘の金利でつくったものを五分のコストでやるといたしまして、七十年で償却する間には累積の利子補給金は千四百万をちょっと超します。それを何といいますか、七分五厘で逆割り戻しをいたしまして初年度に補助金を一括交付したとしたらどうだろうという計算をいたしますと、約三百三十万円ぐらいになります。そういたしますと、公営の二種は三分の二の補助、それから一種は二分の一の補助でございますけれども、公団についても約三分の一ぐらいの補助金がすでに入っているということも言えそうな計算が出てまいります。したがいまして、月々の家賃の中で二万円近くは利子補給をしながらやっておるというのが現状でございますので、そういう点につきまして、今後もそういうふうな国民の皆さんの一般会計負担による税金を投入することによりまして家賃を下げるのが妥当なのか、そろそろそういうものは限界と考えて別途な政策家賃を検討するのが妥当なのか、そういう点がいまでもわれわれの審議会の中の論点の一つであることは事実でございます。そういう点を踏まえながら現在検討を進めておるということが実情でございます。
○上田耕一郎君 時間が参りましたので、最後に住宅公団の総裁にお伺いしたいと思うんですけれども、日本住宅公団はこれまでかなり私は積極的な仕事をやっぱりしてきたと思うんですね。いろいろ住宅の設計の面においても新しい基準を打ち出したし、勤労者のためには五十万戸の住宅を建設管理するというところにまで仕事をしてこられたのですが、すでに述べておりますように、いま大きな壁にぶつかっておると思うんですね。五千人の住宅専門家の集団でもあるわけで、国際的にも重要な仕事をしてきたわけですが、先ほど私の指摘しましたような住宅公団の新しい方向を模索して国民の期待にこたえるべく仕事を進めていただきたいと思いますけれども、その点についてどういう方向で住宅公団としては今後進もうとしているか、そのことについて決意と方向を聞かせていただければ幸いと思います。
○参考人(南部哲也君) 石油ショック以来の非常に大きな経済の変動、それにわれわれの仕事が対応できないという点が現在全部裏目になって出ていると思います。しかし、公団といたしましては、私は職員に絶えず言うんですが、二十一世紀のわれわれの子孫なりにいい町づくりを残してくれたと言われるような仕事をしていきたい。短期的に見ますといまいろいろ空き家が出ておりますけれども、しかしながら、一般に言われているようなミニ開発で再び何らかの手を都市計画的に打たなければならないというような町づくりは住宅公団は絶対にしない。そういう意味でいま一番問題になっているのはこの家賃の問題であって、そのために、現在に対応しておる国民のニーズに合っていないという点は、これから十分に検討いたしましてニーズに合うようにしなければいけない。新設の方はただいま〇・四倍とか〇・三倍とかいうような申込者しかありませんけれども、これは第三分位の階層が非常にたくさんの住宅を選択するチャンスを持っておる。民間のマンションもありますし、庭つき一戸建てもありますし、公庫の融資もあるし、さらには民間の融資もあるというような階層に向かって、公団がその中で国民のニーズにこたえていくというのには現在の状態ではだめだということがはっきりしてきている。しかし、片や町づくりあるいは都市の防災的な再開発、このためには公団の技術力を結集し、また資金力を結集してこれを活用していくということが非常に望まれております。現在、大阪市あたりは、公団と全くタイアップして大阪市の再開発の淀川べりの再開発も全部やろうということでやっておりますし、あるいは都市におきましては公団の力で町づくりを全部やろうと、埼玉県の三郷市のごとく、そういうような方向で地方公共団体と住宅公団とが本当に密接にタイアップして計画そのものから練っていく、こういう行き方についてはやはり公団としては十分な使命を果たしておると、こう自負しておるのであります。 ただ現在、経済変動に追っつかないでこれからますます空き家もふえてくる、供給の半分しか新規のやつはない。片やしかし、いわゆる本来の空き家、これに対しましては年間二百二十万の申し込みがございます。これらの連中はやはり何十倍の抽せんに落っこちるということで、その不運を、いまだに公団住宅というのは非常に宝くじみたいだというような感覚を持っておる方々もたくさんおられるわけであります。ここら辺の調和を、これらの需要を新規の方にいかにして向けるかということは、これは非常に大きな国の政策の問題であろうと思いますので、いろいろ御指摘のありました点等につきましても、目下公団としてはいかに来年度予算において政府の方にお願いをしようかということについて日夜検討を急いでおるという状態でございます。いましばらくこれらの点につきまして、先ほどの入居対策に続いての六月一日からの成果とともにこの結果を見守っていただきたい、このように思う次第でございます。
○上田耕一郎君 あと、住宅ローン問題などについても聞こうと思いましたが、時間が参りましたので以上で終わりますが、建設省と住宅公団に対し、これまでの問題点の反省と、それから問題の根本的解決に大きな決意と深い検討で進んでいただくこと、それから国の強力なやっぱり援助ですね、資金の拠出、こういう点を検討していただくことを希望して、質問を終わりたいと思います。
○委員長(小谷守君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会 —————・—————