決算委員会 第6号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/05/11
会議録
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十七日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が、また、四月二十八日、中村太郎君が委員を辞任され、その補欠として石本茂君が、また、五月六日、下村泰君が委員を辞任され、その補欠として市川房枝君がそれぞれ委員に選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、外務省の決算について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大塚喬君 外務大臣に、わが国の経済協力のあり方についてという問題に話をしぼって、質問を若干続けたいと存じております。 長途の旅行からお帰りをいただいて、また引き続いて昨夜は大変御苦労さまでございました。コンディションもあるいはそういうことで心に感ずるものがございますが、ひとつ率直なところをお尋ねして、外務大臣の見解を明らかにしていただきたいとお願いをいたします。 きのうのきょうでございますので、ロンドン会議に関する外務大臣の見解について初めにお尋ねをいたします。 ロンドンの英首相官邸でのこのたび開かれました資本主義国七ヵ国の先進国首脳会議、各国とも自分で決断できる首脳が自分の考え方を述べ合うという本来の首脳会議で、大蔵大臣や外務大臣、これらの発言は余りなかったというようなことも報道されておりますが、特に鳩山外務大臣の場合には、ロンドン会議について帰国早々に、二、三の私が考えております問題についてしぼってお尋ねをさしていただきたいと思います。 第一番目は、ロンドン会議では端的に言って日本は重荷を背負ったという、こういう批評があります。これは朝日新聞の五月十日付の報道でありますが、カーター大統領が提唱した「世界景気を引っ張る「三台の機関車」論」、結局これは宣言には明文化されませんでしたが、日本は実質六・七%の経済成長を国際的に公約したものと私は認められるわけであります。まず、この点を初めに明確にしていただきたいと存じます。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 首脳会議の経過につきましては新聞等で報道されておりますが、繰り返して申し述べませんけれども、結論といたしましては、公表された宣言というものが外部に出るわけでございます。議論の過程におきまして各国首脳が忌憚のない意見を述べ合ったわけでございます。特に国際収支が赤字の国々、この国々の首脳の方は、相当な口調で黒字国に対する要望のようなこともあったわけでございます。しかしながら、結論におきまして、これらの国がやはりみんな一本になって共通の目的に対して相協力していこう、こういうことで思想統一ができた、その点に私は最大の意味があるというふうに思います。 六・七%の成長につきまして、日本はもう前から世界に向かって申し述べてきておるところでございまして、会議の席上におきましてこれを約束したとか約束しないとかいうことは、私は余り意味がないことであろうと思います。特に機関車論という議論は前からあったわけでありますし、裏返して言えば、黒字国としての責任という問題でありまして、日本といたしましても、いろんな経済政策がありますけれども、やはり自由な経済体制を維持する、これが大切なことなんだ、これが輸入障壁を高めることによって自由主義諸国、自由なる国々がみな統制経済の方に入っていくということは、一番各国の国民の生活から言ってもよくないことであるということで、これも意見が一致したわけであります。 そのために、自由な貿易、自由な経済体制を守っていく、このために経済政策としては、景気対策を何より重視していくべきではないか。日本といたしましても、経済成長の面では最大の努力をして計画どおりの六・七%、この達成に努力する、こういうことを申し上げているわけでありまして、そういう意味で今回重荷をしょったということよりは、自由な経済体制を守ることに成功したというふうに御理解を賜りたいのでございます。
○大塚喬君 大変安易に六・七%という数字をお答えいただいたように感ずるわけでありますが、この六・七%という成長率は七ヵ国の先進国、この中では最高のものではございませんか。この数字そのものが五十二年度の経済見通しをつくる最終段階で総理が、その当時の報道によれば、鉛筆をなめなめ〇・一%を上積みした、こう言われておる数字でございます。インフレ不安が現存する状況のもとでこれを国際的な公約とする、こうなれば、従来の企業運営の公共投資型の実施、これを柱として進めるということがインフレを助長して国民に犠牲を強いる結果になる、そういうおそれが強いものと心配をするわけであります。それが、こういうふうないきさつで六・七%という数字を国際的な公的な場で発言をし、公約をしてくるということが重荷になりませんかと、私はいま外務大臣の答弁をお聞きしてもそういう心配が抜け切れませんので、重ねてこの問題について見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 六・七%という数字は、集まりました七ヵ国の中で、経済の見通しとしては最高の成長率を掲げておるわけでございます。この最終の宣言案を出しまして、また、それに付属の文書というものをつけてあるわけでございますが、この付属の文書のところに、各国の言われておる成長率、これを書く案と書かない案とがございまして、それは書かないことにしたわけでございます。そういう意味で、公約をしたのではないか、こういうお話でありますけれども、この文書の上にはそのような数字は落としたということになっております。しかし表現といたしましては、各国が掲げておる成長率というもの、これはとにかく維持をしようというふうに書いてあるわけでありまして、数字が書いてないから成長率は、成長の高さはどうでもいいんだ、こういうことではないと思います。この成長率と実際のこれからの日本経済の運営という点につきまして、大塚先生も御心配だろうと思うわけでございます。 私どもといたしましても、実質成長率を高めるためには物価騰貴率、インフレ率を抑えなければ高めることができない、逆に言えばそういう関係にあろうと思います。物価が上がってしまった場合には成長率はむしろ低まる働きをする、こういうふうになろうかと思うのでございまして、しかるがゆえに、今回のこの宣言におきましても、インフレに対する闘い、インフレに対する闘いが大事なんだ、インフレは結局成長を弱める、また、失業を起こす原因になるというふうに述べておるところであります。実質成長率を高めるためには本当に物価の騰貴を防いで、インフレに対する闘いにも勝たなければならない、こういう趣旨で考えておるところでございまして、ただ名目成長率だけがどんどん上がってしまう、しかし、実質の成長は落ちるというようなことのないように経済政策を運営してまいらなければならないと思う次第でございます。
○大塚喬君 いま後段のお答えの分については後ほどまたお尋ねすることにして、付属文書の問題が出たもんですから、これに関連して若干の質問をいたしたいと思います。 閉幕時に当たって、首脳会議宣言が採択されたわけでありますが、採択する文書と中身に盛り込む貿易、エネルギーをめぐって最終場面でももめたあげくに付属文書が加えられた、こういうふうに承知をいたしております。このようなことは第一回のランブイエ、それから第二回のサンフアン首脳会議、ここではなかったことです。今回が初めてのことですね。その原因が、前回、前々回とこのたびの先進国首脳会議、このときに比べて、資本主義先進国間で国際収支などの点をめぐって利害の対立が激化をした、こういうことに原因が私はあるのではないか、こう考えるわけであります。 宣言及び付属文書の内容は、元外務大臣の宮澤喜一さんがこの問題について見解を表明されて、私もなるほどと、こういうことで感じたわけでありますが、宮澤さんでさえ、国情の違いの中で求めた共通項で焦点がぼやけた結論になっている、こうおっしゃっておるわけです。これらのところで、一体どういう実情であったのか、そこのところをもう少し明らかにしてほしいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回のロンドン会議が前の二回と非常に性格が違ってきたという点は、やはり七ヵ国の間におきまして、いわゆる二極化現象ということが言われておりますけれども、経済の運営がうまくいっている国と、特に国際収支上赤字を累積している国と、このように二つのグループに分かれてきたということがあろうと思います。そのゆえに今回の結論と申しますか、その一国一国といたしましては、赤字国は黒字国の経済運営について要望をするし、また、黒字国は黒字国として黒字傾向を維持したいというような、そのようなばらばらなことでまいりますとこれは結論が出ないわけでありますから、そこで相集まって、やはり世界経済を全体としてうまく運営しなければならないではないか、このように思想統一をしたというところに今回の意味があろうかと思います。 そういう意味で、いままでは同じ方向を向いて、インフレを抑えようということを各国みんな共通をして言っていたというとき、それから、これから経済はもう不況だから、不況に対してとにかくみんな一本になってやろう、こう言っていた前二回の会議と比べまして、今回はそういう意味で言えば焦点がぼけておる、このような印象を与えるかもしれません。しかし、世界経済の現状が、そのようにむずかしい段階になってきたというところにあろうかと思うのでございまして、そのために、今回の会談に臨むに当たりましては、前から周到なる準備をして臨もうではないかということで、三月以来準備を重ねてきたわけでございます。 その準備を重ねてきた主要なテーマにつきまして、これが付属文書というようなところに細かいことまで詳述してあるわけでありますが、首脳会議で議論されました主要な点は、この宣言のところに集約をされてある、こういうことでございます。その中にやはり、それぞれの国として見解がやや異なる面が出てきておるという点、あるいはまた、核燃料の再処理についての問題のように現在非常に議論をされておる、論議中のものでまだ結論も出てないというような問題も含まれておるものでございますので、そのような前二回と大変性格が変わってきたという点は、御指摘のとおりであろうと思うのでございます。
○大塚喬君 貿易やエネルギー、これらの問題では、具体的には何も決まらなかったとイギリスの新聞も報道されておるようでありますが、そういうふうに外務大臣も御理解をされておるのか。各国の利害関係が前々回、前回と比べてもっと鋭く対立をしておった、こういうふうな御認識かどうか、改めて御確認をいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 現状におきまして各国の最大公約数を求めたというところではなかろうか。貿易につきまして、自由な体制を守ろう、そのためにしっかりとしたルールのもとに貿易を行うべきである、特に東京ラウンドの取り扱いにつきましていろいろ議論があったわけでございます。関税障壁を下げるべきである、あるいは非関税障壁をなくしていかなければならない、これは自由なる貿易を促進しよう、こういう方向にあるわけでありますが、それにつきまして、現在のような国際情勢といいますか、貿易の情勢におきまして、これ以上もっと自由化をした場合には、国の経済はもたないというような主張をする国もあるわけでございます。 そういう状況下にありますが、しかし、自由なる貿易体制を維持することがそれぞれの国民の生活といいますか、国民の所得を維持する、生活を維持するためには必要だ、こういう結論を出しておるわけでありますから、私どもといたしまして、今回得られました物の考え方につきまして、日本の立場から言えば大変よかったと思うわけでありますし、また、世界貿易が不安定になるというようなことを防げたという点では、評価してしかるべきことであろうと思うのでございます。
○大塚喬君 そういうお答えをいただきますと、いよいよ私どもの心配も強まるわけでございますが、具体的にお尋ねをいたします。 国際収支問題で、経常収支見通し七億ドルの赤字は、国際的な公約となっておるんですか、そこの点をひとつ改めてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 国際収支上、日本が昨年のような国際収支の黒字傾向といいますか、これを続けていくということは、私は現在の世界経済から見まして許されないことであろうと思います。しかしながら、経常収支で七億ドルの赤字にするということを公約をするというような、そういったことでは全くないわけでございまして、経済政策の考え方として、もっともっとこの黒字をふやそうというような方向は、それは避けるべきである、そのような経済の運営をするというふうに日本としては考えておるというわけでありまして、具体的な公約をしたというような性格のものではないのでございます。
○大塚喬君 そうすると、七億ドルの赤字というのは、しごく国際的な儀礼というか、しごく簡単に私どもも言葉だけだと、こういうふうに受けとめてよろしいわけですか。心配することは、実質成長率を六・七%を確保する、こういう一つの問題と、それから経常収支七億ドルの赤字を実施するとロンドン会議の中で連日報道された問題は、一体その可能性があるのかどうか、こういう点を私は強く懸念を打ち消すことができません。この公約実施についての可能性について、外務大臣の重ねての見解をお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 六・七%の実質成長という点につきましては、これも公約というものではない、まして経常収支の赤字がどのくらいになるかということは、これは公約をすべきような事項ではございませんし、そのようなことを公約したということは全くないわけでございます。また、会議の席上におきましても、福田総理は、七億ドルの赤字に持っていくというようなことは一言もおっしゃっておりません。したがいまして、公約云々というようなことは全くないわけでございます。ただ、日本のこれからの経済運営といたしまして、日本一国だけのことで経済運営はできないのであって、世界全体として、日本は協調と連帯の精神でやはり経済運営をしていかなければならない、このような考え方を持っておるというふうに御理解いただけばよろしいのでございまして、日本として何ら重荷をしょったというようなことは何一つないというふうに御理解を賜りたいのであります。
○大塚喬君 私どもが心配をしておること、大分楽観的なお答えとで食い違いがございますが、五十一年度貿易収支は史上最高百十一億ドル、こういう数字が明らかにされております。最近の黒字は一ヵ月当たり十億ドルを超えておるという、こういう現状が続いておるわけであります。このままでいけば、今年度の貿易収支見通し、これはさきに政府が発表された七十三億ドル、この数字の見込み違いになるのではないか、私はこういう感じがするわけでありますが、この点について外務大臣の見解はいかがでございましょう。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この国際収支がどうなるかという点が、私ども大変関心があるところでありますが、ことしになってこの一−三月の経済情勢がどうなるかという点にも、各国とも非常に関心を持っておるところでございます。それがことしになりましても、貿易収支の面では依然として輸出はやはり順調に推移しておる、また、輸入も若干はふえておりますけれども、輸出の伸びよりは依然として輸入の伸びの方が少ないという傾向が出ております。この点につきまして各国とも非常に関心を持っておりまして、日本は計画としては、ことしは経済が違ってくる、必ず輸入がふえて、輸出の方は伸びないという情勢になるということを説明をしてきておるわけでございますが、それが実績としてはなかなかあらわれないという点で、私どもも心配をいたしております。しかし、この経済政策を変えまして、それが結果としてあらわれますのはどうしても時間的なずれができるのでございまして、ヨーロッパ各国でもその点を非常に心配をしております。私どもも、実際に国際収支上にその影響が出るのは、どうしてももう少し時間がかかるということを説明しておるわけであります。 したがって今回も、いまおっしゃるような、いままでまだその黒字傾向が続いておるじゃないか、その点につきましては、これからのフォローアップが大事だということで、これ、ただ文章を書けばそれでいいんだこういうことでは首脳が集まっても意味かないではないかというので、経済のこれからの運営につきまして、フォローアップをしようという意見が非常に強まっております。そういう意味で、はっきり決まってはおりませんけれども、いままで準備をしてきたグループがあるものですから、それらのグループで、これからの経済の運営につきましてフォローアップを重視しようということで、日本自体のこの経済運営につきましても、これからさらにさらに各般の努力をしていかなければなるまい、このように考えております。
○大塚喬君 外務大臣として、ことしの貿易収支見通しは一体どの程度になるとお考えでございますか。いまのようなそういうふうな経緯をたどって一体ことし日本の貿易収支はどのくらいになると、こういう見通しをお持ちですか、いかがでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私、政府が見通しを一応つくっておりますので、その見通しどおりになると考えておるかと言われれば、それはなかなかそのとおりになるかどうかということには自信を持っておるわけではございません。しかし、いままでの情勢では、このままいけば貿易収支の黒字というものはやはり多目に出る可能性が強いのではないか。これからの経済運営をさらに努力をしていかなければならない。 日本の政策にいたしましても、いろんな問題がありまして、たとえば金利政策にいたしましても、思い切って下げるということがなかなかむずかしかったわけでありますけれども、公定歩合もさらに一%下げるということになりまして、ただ、これらの政策がいつごろから効果が出るかということにつきまして、なかなか見込みが立ちませんものでございますから、私自身の見込みの数字は遠慮をさしていただきたいと思います。
○大塚喬君 付属文書の中に、貿易について、われわれは国際貿易、金融及び通商から不規則な慣行や不適当な行為を排除すべきであると考える、われわれは不正支払いを禁止する国際的合意に向かって作業が進められていることを歓迎する、こううたわれております。この問題についてわが国は、日本の外務大臣としてどういう作業を進めておるのか、今後どういう作業を進められるお考えか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 国際的な貿易、さらに貿易だけじゃなくて銀行もあるじゃないかというようなことで、金融及び通商というような言葉が入ったわけでございますが、これらの点につきましては国連におきまして討議が進められておりますし、また、OECDにおきましても進められておるわけでございます。私どもといたしましてはこの両者におきます作業に協力をいたしてまいる、こういうことでございます。 これらの点につきまして、日本といたしまして、海外に進出する企業が非常に多いわけでございますので、これらの企業に対しましてはいろんな団体、貿易関係の団体を通じまして不正常な慣習、特に賄路という言葉がよく使われますけれども、こういうようなことは、払う方は必要経費というような観念があるわけだと思います。そういうようなことは、日本が進出先の国におきまして絶対やらないように、貿易関係団体にそのような趣旨を、協力をお願いをしておるところであります。
○大塚喬君 実は私は、外務大臣が財政、金融の専門家でいらっしゃるものですから、特に首脳会議の結果について経済的な問題についてしぼってお尋ねをいたしたところでありますが、いまお答えいただいた中でも、福田総理それから鳩山外務大臣は、この実質成長率六・七%と経常収支赤字七億ドル、輸入を増大する、こういう二律背反の関係が一体両立させられるような具体策があるのかどうか、どうしてもいまのお答えでは納得がまいりません。この問題に関連する質問として、外務大臣としての決意——容易ならざる問題を背負い込んできた、重荷を背負い込んできたと私は理解をしておるわけですが、この点について最後にひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 成長率の六・七%あるいは経常収支の赤字基調、こういうような点でありますが、これらは日本自体が経済政策によりまして世界に日本として貢献をしていく、そういう考え方でございます。そのためには、やはり国内の有効需要をいかにしてふやしていくかという点にあるわけでございまして、これは財政、金融それぞれ相まって努力をしていかなければならないことでございます。したがいまして、この点につきましては外務省が幾ら逆立ちをいたしましてもこれなかなかむずかしいことで、やはり政府全体、あるいは金融機関も含めまして、経済政策官庁がこのような方向に向かいまして努力をしていただきたいと思っておるところでございます。 貿易の問題につきましては、日本としては自由なシステム、特に東京ラウンドを中心とした施策を進めたいわけであります。しかし、この自由な施策を進めるということは、日本といたしましても自由化を現在以上に進めるということは、なかなかこれは国内としても問題がございます。また、諸外国としてはそれぞれの立場から国内問題を抱えておりますから、そういう点で非常にむずかしい問題がありますが、いまここで大事なことは、やはり考え方として、各国が皆、余りナショナリズムになってしまって経済に対して制限的な行為をどんどん加えていく、こういう方向に進まないようにということが一番大事ではあるまいか。そういうときでありますが、日本といたしましても、輸出の急増によりまして世界各国に失業を輸出しているではないか、このような非難を非常に強く受けておるところでありますので、これらを勘案しながら、輸出の急増に対しましては日本としては自制をしてもらいたい、こういうふうに考えて、ことしの経済運営のやり方につきましては大塚先生も御指摘のように、果たしてそれが実現可能なのかどうか、こういう点につきましては今後とも大変な努力が要ることというふうに思っております。私どもも本当にまじめにこの問題に取り組むべきであるというふうに思います。
○大塚喬君 お答えをお聞きして、総論ごもっともという感じをいたします。各論に具体性というか、今後の問題でございますので、大変むずかしい。一体インフレはどうなんだ、不況はどうなんだ、こういう心配、それに対して十分納得いくようなお答えがいただけなかったことを遺憾に存じますが、今後これから先の施策を見守りながら、適時この問題についてお尋ねをしていきたいと思います。 経済協力のあり方について質問を続けたいわけでありますが、先ごろ外務省から「わが外交の近況」、こういう本の配布をいただきました。この上巻を目を通したわけでありますが、わが国の外交の基本方針として、第一に、平和外交を推進して国際の安定に寄与する、第二に、国際協力を推進して応分の役割りを果たすことによって、国際社会全体の調和ある発展に貢献することにある、こういうことが明らかにされております。こういう方針に立ってわが国の経済協力、国際的責務、こういうふうに述べておられるわけでございますが、開発途上国との関係、この維持強化のためにきわめて重要な政策である、こう述べられておることは、至極私も当然のことと拝見をいたしたわけでございます。しかし、今日までのわが国が行ってきた経済協力の実施の状況を振り返ってみますと、このようなきれいごとではとても説明がつかないこういう数々の問題が発覚し、あるいは発覚しつつある、私は率直にこう申し上げるわけであります。 去る一月二十八日の本委員会で私が取り上げました日比賠償の件、それから対インドネシア経済協力関係の問題、私は、これらの事例がそれに該当する問題、さらに他の委員会でも問題になっておりますいわゆる日韓経済協力の問題、そういうところにもあらわれておる、こういうふうに考えるわけであります。 その後、今日までに日韓関係では日韓議員連盟総会、日韓外相会談、そして福田総理と朴韓国外相との会談、各種の次元で協議が行われてまいりました。フィリピンの大統領も来日、こういうようなことも聞いておるわけでありますか、これらを契機にして日本の経済協力、これが新たな段階に立って推進をされるものと、こう考えられるわけでありますが、私は、この経済協力問題について二、三の反省すべき点を申し上げて、これに対する経済協力の再検討を政府にぜひお願いをしたい、こういう考え方でございます。 まず第一番に、先ごろ取り上げましたフィリピンの賠償問題、具体的にはYS11の価格差問題について取り上げたところでございますが、この問題について外務省の評価、一体どういうことに受け取めておるのか、お尋ねをしたいと思います。 さきの会議で外務省は、フィリピン賠償を含む賠償額が関係国にどのような貢献をしたかという私の質問に対して、関係国の経済社会開発に多大な貢献をし、日本との友好関係を増進したと評価をされました。ところが、第十六年度のフィリピン賠償のうち、先ほど申し上げましたYS11の問題、これは日航製から東信交易が購入した一機当たりの価格と、そしてフィリピンの航空局に引き渡した価格との間に大きな差額がある、こういうことを私は指摘をいたしたところでございますが、新聞によって初めて外務省は知った、こう述べただけで、前回の私の質問に対してお答えになったわけであります。 現在、外務省は、この価格差問題についてどのようにその後の経緯を経て評価をされておるのか。外務省の言う賠償の一般的な評価、こういうきれいごとでは済まされない問題がこの中に私は現存しておる、こう思うわけであります。このYS11の問題についても外務大臣は、そういうきれいごとの友好が進められた、それから関係国の経済社会開発に多大な貢献をした、こういうふうに受けとめておられるのかどうか、改めて外務大臣からこの問題についての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この日比賠償にかかわりますYS11の問題につきまして、私も新聞で承知をいたしているわけでございます。この賠償自体の仕方が、これは御承知のように、フィリピン政府が契約するわけでありますので、その契約内容が正当であるかどうかという点につきまして、私どもとして関与をいたしておらないわけでありますが、他方におきまして、このYS11の値段は幾らかという点につきましても、これは算定されたものがあるわけではありますけれども、所定の生産費を賄うことができない。半額とか——半額ではありませんけれども、一機当たり恐らく二億円くらいの赤字生産をしておったわけであります。そういう問題でありますので、適正価格が幾らであるかということ自体が、なかなかこれはむずかしい問題であろうと思います。 しかし、日本が日本の賠償で払うものによりまして、また片方で赤字が出ていくという問題もあるわけでありますので、これは外務省として、この価格にタッチをするということをいたしておらなかった。しかし、そのようなことでいいのか、こうおっしゃいますと、これは価格はどんな値段でも構わないというわけでは決してないわけで、財政支出としては、やはり最高の効果を上げることに努力をいたすべきであろうというふうに思います。そういうわけで、もう済んでしまったことでありますけれども、これからの経済協力のあり方につきまして、いやしくも今後このような疑惑を起こさせるようなことは、外務省の段階で防げることがあればやはり努力をしなければならない、こういうふうに考えて、反省すべきではないかという点につきましては、私どもは率直にお受けをする心構えでおるわけでございます。
○大塚喬君 いまの大臣の答弁には、後ほどまた突っ込んでお尋ねをしたいと思いますが、会計検査院にお尋ねをいたします。 このYS11の価格差問題、私の前回の質問の際に、「このような著しい値開きが」あった場合には云々ということで、途中に言葉が入っておりますが、その後で、「何らかの改善の措置はとれたのではないか、このようにわれわれとしては反省いたしております。」、こういうお答えをいただいたわけでありますが、これはYS11の価格差は改善すべきもので、そのままでは不当なものである、こういう評価をされている、そういう理解をしてよろしゅうございますか。
○説明員(前田泰男君) この前御答弁申し上げましたのは、われわれは日本航空機製造株式会社の検査権限を持っておるわけでございます。したがいまして、日本航空機製造を検査いたしました際に、この問題になっておりますYS11は八億二千百万程度のものである、この価格はおおむね妥当であろうということはわれわれも検査しておるわけでございます。それが十四億という数字になってあらわれてまいった。どうしてこういう差が出るのか、これは結局われわれかいもく見当がつかない、余りにも開きがひど過ぎる。われわれがわかっておるのは、実はそこまでと申し上げざるを得ないわけでございます。 何とかなったんではないかと私申し上げましたのは、これはプライスチェックがもしできるといたしますと、外務省における認証という行為の際でございます。会計検査は普通その後行われますので、認証を一たんパスしてしまったものを会計検査院が文句を言って変えることができるかどうかにつきましては、私も若干疑問は持っておりますけれども、支払いが二回、三回と続くわけでございますから、あるいは合同審査会といったものに持ち込めるチャンスもあったのではないか、まあその程度の意味で申し上げたわけでございます。
○大塚喬君 いまのお答えで、私は最後に、不当なものである、こういう評価をされた、こう受けとめてよろしいかとお尋ねをいたしております。
○説明員(前田泰男君) 大事な点申しおくれました。 われわれが不当と申します場合には、大体全部洗い上げまして、これが完全にむだな金であるということを断定いたしましてから不当と申します。ですから私は、非常におかしいということだけはここで申し上げますが、じゃ幾らむだ遣いなのか、こうおっしゃられますと、その意味で不当とおっしゃるんでしたら、やっぱり不当と断定するというところまでは至っておりません。
○大塚喬君 この賠償に関する幾つかの資料をいま私も収集中のところでございますので、今後ひとつ次々に、これから先関係官庁にお尋ねをしたいと思いますが、このYS11の価格差のクロスチェックの問題、この体制づくりの問題で先ほどの外務大臣、それから通産省あるいは会計検査院等にお尋ねをいたします。 この問題は、行政府が気がつかなかった理由の一つとして、YS11はダンピング防止のプライスチェックの指定物資ではないことが挙げられておりました。たとえば八億二千万円、その購入価格のYS11が十四億二千三百六十七万円、こういう価格差について通産省の内部では、あるいは外務省と通産省の間でクロスチェックする体制ができておれば少なくとも問題の糸口だけはつかめたのではないか、こう考えるわけでございますが、外務大臣、この点はいかがでしょう。
○政府委員(菊地清明君) ただいま先生のおっしゃいましたクロスチェックとおっしゃいますのは、恐らく賠償契約の場合に賠償協定で決められております、外務省によります認証のことかとも思いますが、賠償契約というものはフィリピン政府、具体的には東京におります賠償使節団と日本の業者との間に賠償契約が結ばれますが、その契約の内容、特にこれが協定の趣旨に合うかどうかということで認証をいたすわけでございますが、その具体的な認証に当たりましては、外務省としては現実の航空機の価格、部品の価格その他に関する専門的な知識がございませんので、その都度関係省、この場合は通産省でございますけれども、通産省に書面でもって協議いたし、書面でもって回答を得ているということでございまして、認証という意味でございましたら、そういう意味のチェックはあるわけでございます。
○大塚喬君 いま外務省にお尋ねをいたしましたが、このクロスチェックする体制ができていれば少なくとも糸口はつかめたんじゃないかという気がするんですが、通産省、この問題についての見解はいかがでございますか。
○説明員(杉山和男君) 対象の契約につきまして、外務省から認証するに当たりまして協議があるわけでございますが、その認証の基準、いわゆるその基準というのは、賠償協定の規定に違反していない、それからその付属書に違反していない、その年度の実施計画の範囲内におさまっておる、こういう点です。これに合致しているかどうかということを基準として行うということが協定の第四条に明記されてあるわけでございます。具体的には、対象が日本人の役務、あるいは日本国の生産物であるというその協定によって。それから契約者が日本国民または日本国の法人であるという規定、これも協定でございます。それから全体の総額の五億五千万ドルのうち五千万ドルが役務に割り当てられる、これは交換公文。さらに支払いが日本円で行われるということ、それから年度の実施計画に含まれている、そういう点を私どももチェックをいたしたわけでございます。 年間、フィリピンだけとりましても百件に余るものでございまして、しかも、外務省に対しまして回答申し上げる期限というのは非常に短くなっておりまして、いまのようないわばネガチブなチェックというのを行っておりますと当時、御回答を申し上げたというふうに考えるわけでございまして、その点、ただいま先生の御指摘のように、非常に開きがあって一見おかしいのではないかという御指摘だと思いますが、その点につきましては前回、機械情報産業局長がお答えいたしましたが、恐らく、当時フライト・チェック・エクウイップメントをつけまして、それから非常に多数の付属部品をつけたということで、当時の協議の回答に当たりまして、はなはだ一見しておかしかったということを考えなかったのではないかというふうに私どもは考える次第でございます。
○大塚喬君 私が指摘したいのは、今後の問題もあるものですから重ねてお尋ねをするわけですが、少なくともこのような価格差が六億余の莫大なものがあった、これを賠償として支払いをする、こういうときに、会計検査院第五局の第三部門と大蔵省の検査官、少なくとも二つの検査が行われたわけでしょう。その際に、その二つの部門の検査、この連携というか、クロスチェックするそういう体制ができていなかったということに私は一番大きな問題があり、今後もそういう問題が依然として起きてくる心配がある、こういうことを指摘するわけであります。それを照合すればこういう問題はおかしいぞというぐらいの糸口はわかるはずであります。この点について会計検査院としては今後どうされる、どうしたらいい、こういうようなお考えがあればひとつ率直にお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(前田泰男君) この前も御答弁申し上げましたとおり、会計検査院といたしましては当時、この契約はフィリピン政府が独自に行うものである、それから認証という制度はございますが、その認証というのはいわば、きわめて協定に違反することがないかといったような形式的なものだ、そういうぐあいに当時は考えておりました。したがって、プライスチェックないしは会計検査と同じものじゃないんじゃないか、こういうぐあいに考えておったわけでございます。これは参議院のたしか予算委員会の分科会で、そういうぐあいに当時の事務総長が御答弁申し上げているわけでございますが、そう考えておりましたためにプライスチェックというのは行っていなかった。しかしながら、確かに先生御指摘のとおり、これだけの値開きはうちとしてもわかったではないかという御指摘まことにごもっともでございまして、私がこの前、反省していると申し上げましたのはその趣旨でございます。 今後でございまするが、賠償は終わりましたけれども、同じ形で経済協力というのが進んでいくだろう。そして価格決定も、外国政府主導型の価格決定で認証という行為だけで続いていく、こうなりました場合に、それでは会計検査院の立場から言ってチェックできるのか、これが相当大きな問題になろうかと思うわけでございます。 会計検査という見地だけから申し上げますれば、やはりわれわれは高い安いを論じます場合には、まず現物を見せていただく、それから相当詳細な原価予想を全部見せていただく。これをやりませんと、いままでわれわれ高い安いとは言ってきたことはないわけでございますが、そういたしますと、そういうものに対しましてそういうものを外国政府、恐らく外国政府が出すことになると思いますが、そういうものを一体お願いできるのかどうか。結局われわれが本件みたいな事態に対しまして力を持ち得るのは、やはりその方法しかないんではなかろうか、このように私は考えております。
○大塚喬君 この問題に私は重大な関連がある、こう推測をいたしておるわけでありますが、フィリピンにおける政府高官、官吏の公職追放措置がなされておりますね。外務省で出しております「わが外交の近況」上巻の八十八ページ、フィリピンの項、「政治・経済情勢」、この中で述べられておるわけであります。さきに私の質問に対して外務省は、航空機をフィリピン賠償の品目に指定してもらうため種々の働きかけを現地で行ったという当面関係者の話について、そのような事実の存否は承知していない、こういうお答えをいただいたわけであります。 外務省にお尋ねしたいのは、フィリピンにおいては、いま申し上げたこの中によりますと、一九七五年九月、「再び顕著になってきた政府部内の腐敗を一掃するため、現職の閣僚を含む二千人の政府高官、官吏の公職追放措置」がマルコス大統領によってとられた、こういう記載があるわけであります。この具体的な内容をひとつお聞かせいただきたい。
○政府委員(菊地清明君) ただいま先生のおっしゃいました一昨年の公職追放といいますか、大幅な官吏の罷免、更迭があったわけでございます。それは私どもも承知しておりまして、具体的に申しますと、一番大きな異動であったのは、マルコス大統領のナンバーツーといいますか、最も勢力のあったメルチョールという官房長官か更迭されたということは承知しております。ただし、この更迭された二千人の人の中に、本件YS11の賠償契約に基づく購入に関係のあった者が含まれているかどうかということについては、私の方としては承知いたしておりません。
○大塚喬君 いまの答弁は少しのんびりしておる答弁ではございませんか。こういう外務省から公的に発刊をされておる文書の中で、その腐敗を一掃するために大統領が措置をとった、一体その二千人の政府高官の内容、どういう関係筋でどういう事由でそれらか賄賂の一掃のために公職追放されたのか、当然ここらのところは、これだけの資料を公表する以上、その内容を具体的に把握されておるのがしかるべきじゃないですか。これから後次々申し上げますが、運輸あるいは建設、こういう関係の該当者は、一体具体的にどういう内容になっておりますか。
○政府委員(菊地清明君) この更迭に当たりましてその対象となった人の重立った人の名前、官職その他は後刻調査いたしまして、アジア局あたりで持っていると思いますので、それは差し上げられると思います。
○大塚喬君 これは外務省あるいは政府系の研究機関と理解をいたしておるわけですが、アジア経済研究所発行の「アジア動向年報」一九七六年版、そこの三百六十一ページの中にこれらに関連する事項が公表されておるのではないですか。私が質問をしたときには、新聞報道で初めて知った、こういうことを答弁されたのですが、現実は違うんじゃないですか。
○政府委員(菊地清明君) この前のこの決算委員会で初めて知ったと申し上げましたのは、実はそういった八億円と十四億円、そういった差について初めて知ったということでございまして、このフィリピン政府部内の非常に大幅な更迭の問題については、私たちとしてもその起きた当時から承知しておりまして、注目しておったところでございます。
○大塚喬君 そこの中で述べられておりますように、YS11及びこれから申し上げます船舶関係の水増し価格の経済協力の問題、この問題と公職追放が重大な関連がある、こういうふうにもうすでに政府系の研究機関であるところから公表されておるわけです。日本政府が賠償問題ということを誠意を持って本気になって取り組んでおるというときに、こういう事実がその中間に明らかになったわけですから、それらに対する対応策、それから、国会での審議の際に外務省のとった態度は私はきわめて遺憾である、こういう感じをぬぐうことかできません。 そこで、さらに突っ込んでお尋ねをいたしますが、航空機や船舶を賠償品目に指定してもらうためにフィリピン政府筋のどこに働きかけをすればよいか、その範囲というのは、これはだれが見ても明らかなことだろうと思います。前述のいわゆる政府系研究機関の資料によれば、運輸委員会全員がこの追放対象者になっておりますね。それからこの賠償にきわめて関連する事項が、具体的には農業、天然資源、公共事業、道路各省、そしていま申し上げました運輸関係で合計して一千百五十一人、こういう推計の数字が公表されております。いずれも日本の日比賠償に関する費目の関係者と目される者かその公職追放の該当者になっておるわけであります。それから会計検査院の委員長であるイスマエル・マタイ氏も追放されております。こういう事実を外務省は一体どう受けとめておられるわけですか、率直にひとつ外務省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菊地清明君) 私の方で承知いたします点でございますが、どういう品目といいますか、機材を賠償に乗せるかという手続でございますけれども、これはフィリピンの国内に賠償委員会——レパレーションズコミッションというのがございまして、そこが最終的にどういうものを取り上げるかということを決定するわけでございます。それで航空機につきましては、実はYS11だけがフィリピンに売り渡されたということではございませんで、ほかにもYS11がフィリピン側に渡っているという事態もありますので、これが賠償に乗ったということが非常に特殊なことであるというふうには考えておらないわけでございます。 それから、先生の御指摘の運輸委員会、恐らく運輸委員会というのは全体の賠償委員会のまた下部機構にありまして、各分科会みたいになっているんではないかと想像いたしますが、これのメンバーがこの対象になったかどうかということについては、早速調査して御報告したいと思います。
○大塚喬君 前に申し上げましたように、このフィリピン政府高官の公職追放、これは政府部内の腐敗を一掃するためのものである、こういうことを外務省がこの外交青書、これは白書、何と言うのですか、青いから青書と言うのでしょうか、ここで公表しておるわけでありますが、この公職追放とフィリピン賠償との、特に航空機、船舶水増し輸出の問題、この問題は後でまた取り上げますが、再三新聞でも報道されておる、そういう事実がございます。一体どのように認識をされているか。 少なくとも、いままで一月二十八日から相当の期間があったわけでありますから、この両者の関係について調査をすべきが至当ではないか、調査すべきだったのではないか、私はそう考えるわけでありますが、調査をされておるのかどうか。もし調査をされておらないとするならば、速やかに両者の関係を調査して、この決算委員会にその調査の結果を報告されるように強く要望いたすものでございます。見解をお聞かせいただきます。
○政府委員(菊地清明君) 先ほど申し上げましたように、本件は調査いたしまして御報告いたしたいと思います。 ただ、現在、この公職追放のことが起こったときにすでに考えたわけでございますけれども、公職追放といいますか、罷免とその理由というものを明らかにすることが必ずしも容易ではない。特に、外国政府の照会に対して、これをフィリピン政府が明らかにするかどうかという問題については、私たちは当時から疑念を持っておりまして、その点は、現在もそういう困難は予測されるのではないかというふうに思っております。
○大塚喬君 そういう逃げ口上でなくて、マニラには外務省の大使館もあるのでしょうし、こういう関係の専門家もたくさんいらっしゃるはずじゃないですか。取り組む気があれば、こういう問題の少なくとも概要については両者の関係が明らかになるはずです。ですから、そういうことをおっしゃらずに、ひとつ本気になってこの問題に対してできるだけ正確な調査をされて、本委員会に報告されるよう重ねて要望いたします。 次に、具体的な船舶の問題について、これは後で取り上げることにして、先に分裂国家に対する経済協力の問題、特に日韓経済協力の基本姿勢の問題について、外務大臣にこれは直接お答えをいただきたいと思います。 最近、カーター政権の成立に伴い日韓会談が進展をし、昭和五十年十二月をもって終了した請求権協定に基づく十ヵ年の経済協力、これに続いて新たな経済協力の時代に入ろうとしておる。これは、先ほど幾つかの会談が行われた、そういう中から私どもがうかがわれるところでございます。この日韓経済協力の問題は、同一民族が社会主義国と資本主義国との二つに分裂をしているその一方の資本主義国韓国に対して行われる、こういうものであるということ。この問題は、統一前の南ベトナムに対する経済協力と大変類似をしておる、こう私どもは理解をいたしておるわけであります。南ベトナム革命の発展、ベトナム統一に伴う有償協力の請求権継承の問題、この問題は現在どうなっておりますか、外務大臣から概要をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ベトナム統一後の新政権に対しまして、南ベトナム時代の経済協力につきまして、日本の債権の承継につきましては、目下折衝中でございます。私どもの考え方は、国家が継承関係が生じましたときには、債権債務は引き継ぐということが原則でなければならない、こういう考えに立ちまして債権の引き継ぎ方を要請をいたしているところでございます。これにつきましては、まだ交渉が妥結をいたしておりませんので、これ以上当方といたしましては、承継を要望しておるということ以上になかなか申し上げにくいわけでございます。すでに金融機関に対しまして、たとえばアジア開発銀行等に対しましては債権の引き継ぎが行われておる、このように聞いておりますので、わが国といたしましても承継、引き継ぎを要請をいたしておるところでございます。 この考え方にはいろいろ考え方があろうと思います。たとえば、南ベトナム政府に対しまして過去に行われました経済援助、いろいろな性格のものがございます。これらにつきまして、これをどのように考えていくかということにつきましていろいろな考え方がございますが、目下交渋中のことでございますので、わが国といたしましては、そっくり引き継いでいただきたいというふうに考えているところでございまして、その債権を引き継いでいただいた上におきまして、たとえばその支払いの条件をどうするとかいうようなことにつきましては、いろいろ考え方があろうかと思いますが、原則としては引き継いでもらいたい、こういう態度で臨んでおるところでございます。
○大塚喬君 外務大臣から大変楽観的なお答えをいただいたんですが、そういうふうなことで実際にこれらの問題が解決をされるとお考えかどうか、私は疑問に思っております。南ベトナムの経済協力に基づく債務継承問題、この問題についてはもう少し突っ込んでひとつお尋ねをいたします。 南ベトナムの経済協力の実績、これは一九七五年四月三十日、南ベトナムの政権を南ベトナム共和国臨時革命政府が把握するまで、わが国の南ベトナム経済協力の実績と有償分の債権額について一体どの程度に具体的になっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。経済協力の実績と有償分のいわゆる債権額。
○政府委員(菊地清明君) まず、債権額の方を申し上げますと、元本だけで百五十五億円、それからそのほか利子がたまっているということでございます。それから無償協力につきましては二百六十六億八千万円、それからいわゆるKR食糧援助と申しておりますけれども、これが三億六千万円、それから円借款、先ほど残高だけ申し上げましたけれども、円借款全体の供与額は三百四億三千万円でございます。
○大塚喬君 外務大臣のお答えがありましたけれども、この債権継承が現在見通しは立っておらない、否定的なそういうものでないかというふうに私は感ずるわけであります。それは南ベトナム経済協力が反革命的性格を持っていた、こう見られておると思うわけですが、その二、三の事例を申し上げます。 一つの事例は、ダニムダム発電所の経済協力、これは第一期、第二期、そして修理、こういう問題を含めてそれぞれの多額な額が出ておるわけですが、この発電所というもので発電された電力は、民家の電灯、ともしびにされたということも確かにあったと思います。しかし解放戦線、そして北ベトナム側は、これは主として軍事的に利用されたものだという強い非難を繰り返しておるわけであります。岡村昭彦氏、この方が解放区に入って建築士フェン・タン・ファット氏と会談をした。そのときの内容が岡村氏の著書の中に出ておるわけであります。このダムについてファット氏は、 たとえば、日本政府は南ヴェトナム政府に賠償という名目で、ダニム・ダムを建設してやりました。結局は解放戦線がこの国を支配するようになるのだから、かまわないではないか、という人もあるかもしれません。それは大きな間違いです。マダム・ヌーが日本に頼んでダムの完成を急いだのは、その電力を使って、すべての戦略村のまわりを真昼のように明るくし、解放戦線が攻撃することができないようにしようと計画したからです。かって日本がわが国に与えた損害の償いなら、北ヴェトナムと南ヴェトナムに平等におこなうべきです。 こういう発言がされておるわけであります。この発言をされた方が、当時南ベトナム解放民族戦線中央委員会の副議長であり、後に南ベトナム共和国革命政府の首相になった方であります。その方がこういうことを発言されておるのです。 この戦略村というのは、当時ニュースや何かであるいは外務省の方もごらんいただいたと思うわけですが、どういう状態にあったかということは、いまでも目を覆いたくなるようなそういう内容であったことを承知いたしておるわけであります。このような発電所に関する経済協力、軍事援助の実態を備えておる、こういうものであれば損害賠償請求の根拠に一体これがなるのかどうか。外務省はこれは損害賠償の根拠になる、こういうふうに外務大臣はお考えでございますか。
○政府委員(菊地清明君) いまお話しのダニムの水力発電所でございますけれども、実はその大半の資金が賠償資金から出ております、百二十六億円。南ベトナムに対する賠償総額の九〇%がこのダニムの発電所に充てられておるわけでございます。それから、そのほかに借款として二十七億円供与しております。これは輸出入銀行から供与しておるわけですが、これでもおわかりのように大半が賠償資金でございますので、新しいベトナムとしましては、この返済の義務は大半についてはないということでございます。 それから、この目的がそういったことじゃなかったかということでございますけれども、私たちの承知しているところでは、ダニムからサイゴン市に送電いたしまして、サイゴンの市民の電灯用ということ、それから、それと兼ねて恐らく産業の電力としても供給されたと思います。しかし、これが主として軍事用であるとか戦略村用であるというふうには私たちは承知しておりません。それから、現にこのダニムの発電所につきましては、若干いま故障しておりますけれども、すでにわが国の日本工営その他に対して新しいベトナム政府から、早くこれを修復して使いたいというふうな申し出もございますので、そういったことも御参考まで申し上げておきたいと思います。
○大塚喬君 いまの問題もまた後で、最終的にまとめのところで取り上げたいと思います。 第二の事例は難民救済援助、これは、政府が日本赤十字社を通じて、人道的見地から南ベトナム難民を救済するために数次にわたっての医療品あるいは医療機械等の無償協力、こういう分が十億二千万円、こういうものが出されておるようであります。しかし、この難民救済援助、これは本当に難民救済、こういうために使われたものだ、軍事援助という性格は全くなかったのかどうか。この問題についても外務省の見解を、これは南ベトナム政府の見解も私は承知をしておるものですから、改めて日本の外務省の見解をお尋ねしたいわけであります。
○政府委員(菊地清明君) 難民救済事業に関する協力につきましては、三回にわたりまして二億六千万円、五億円、五十億円ということで援助をいたしております。 この使途でございますが、どういうふうに使われたかといいますと、主として難民用の住宅の建設、それに付属しております診療所のための医療器材、それから医療品、トラクター、農機具、そういったものがこれらの協力の具体的な内容でございます。
○大塚喬君 この難民救済援助は、表向きは崇高な人道的なそういう看板を掲げながら、実際の目的は、米軍と南ベトナム政府軍、その戦争政策に日本政府が加担した結果、援助をした結果、協力をした結果、そういうことになっておるのでありませんか。これがこれから先、外務大臣から先ほど楽観的な答弁をいただいた損害賠償請求の根拠になるものですかどうか、外務省からはっきりした見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菊地清明君) この難民救済に関する協力は全部無償、ただでございますので、これも新しい政府に承継を求めるとかそういったことはございません。
○大塚喬君 さきに、これはもう数年前の話ですが、当時、米軍が相模総合補給廠で戦車を修理してベトナム戦線に持ち込んだ、こういういま私どもの記憶に新たに残っておる問題がありました。解放戦線が日本政府のこのような態度、それからそのときにも見解の発表がされておったわけですが、先ほどのいわゆる南ベトナム解放政府の首相になったフェン・タン・ファット副議長、この人から先ほど私が著者名を申し上げました岡村昭彦氏に出された書簡、これらを見ますと、いまあなたがお答えいただいたそういう答弁とは全く正反対の書簡が出されております。それだけに私は、外務大臣が、これが賠償の根拠になるか、そういう一連の日本政府のとってきた態度の中で、この南ベトナムに先ほど三百四億というような数字の債務があるというお答えをいただいたわけでありますが、そういうことが一体できるのか、こういう心配をしておるわけです。債務継承の問題、債務請求、この可能性、そういう問題をひとつ心配ないなら心配ないとはっきりここで外務大臣から見通し、先ほど大分あいまいなお答えをいただいたわけですが、今後のいま取り上げる日韓経済協力の問題があるものですから、それから、ソ連のいわゆる革命時における各国の反革命勢力に対する援助が、現在までソ連の方から損害賠償請求ということで逆にこう出されてきておって、そしてそれが現在まで未解決、もう数十年そういう経過が過ぎておるということも承知をしておるものですから、先ほどの答弁に引き続いてひとつ外務大臣、この南ベトナム賠償の問題は債務継承が今後ベトナム政府によって完全に引き継がれるものであるかどうか、はっきりした御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 先ほども申し上げましたのでありますが、この問題はやはりこれから先、日本がベトナム統一政府、新政府に対しまして——両国とも両者の関係がどのように発展するのを望むかという点に私はかかってくると思います。ベトナム政府が、たとえばアジア開発銀行に対しまして債務の承継問題を片づけた。これはやはりこれからベトナム政府として、この経済再建のためにアジア開発銀行というものに今後とも関係を結んでまいりたい、こう考えているから、過去の債務につきましても承継という措置に出たものと思います。したがいまして、わが国がこれからベトナム統一政府との国交を発展をさしていく、また、先方も日本との間に国交を進めてまいる、このような方向に進む過程におきまして私は解決をしていくことが可能であるというふうに考えております。 この債務の承継は、決して賠償というような性格のものではなくして、これからやはりお互いに建設的な方向で話し合いをつけてまいるべきである、このように考えているわけでありまして、いかなる考え方でこの問題を解決するかということにつきましては、まだ両者の一致を見ておりません。おりませんが、私どもといたしましては、これから先将来の国交ということを考えた上でこの問題に対処してまいりたい、このように考えておるわけで、はっきり自信を持っているか、こうお尋ねでございますけれども、私は解決の道はある。その条件はどうなるかということは、いまここで申し上げるわけにはまいりませんけれども、お互いの将来になるような方向で必ず道はあるものというふうに考えておるところでございます。
○大塚喬君 今後のベトナムに対する経済協力の問題は、私もぜひ本気になって取り組んでいただきたいと念願をいたしております。ただ、これから先そういうことであめを与えるからと、前にげんこつくれたことは、結果としては軍事協力ということにつながっておると向こうでは、政府関係の首脳者がそういうふうに理解をしておるわけですから、そのことについて今度は、そのときには骨折り賃をひとつ出してくれ、こういうふうなことを言われても、そういうことで一体日本政府がいいのかなと、私は大変道義上、人道上、社会正義という立場から疑問を打ち消すことはできません。 そろそろ結論に入りたいと思うわけでありますが、この南ベトナムの問題と、先ほどちょっと触れましたいわゆるロシアの第二革命の当時の問題、この歴史的な教訓をぜひ今後の経済協力の問題で十二分に生かしてほしい、私はそういう観点から以下少しく申し上げたいと思います。 ロシアの第二革命後、資本主義諸国が帝政ロシア時代の借款の返済をソ連政府に対して求めた際に、ソ連政府は逆に、資本主義諸国の反革命的干渉の事例を挙げて、損害賠償の請求を行ってきたわけであります。交渉が難航したまま第二次大戦に突入をして、いまだにその解決がなされておらない。しかも、その当時、一九三五年の賠償請求額がソ連の金額にして四百億ルーブル以上、こういう金額が逆に出されてきた、こういう歴史的な教訓があるわけであります。 最後に、韓国の経済協力の問題のあり方についてお尋ねをするわけでありますか、韓国の第四次五ヵ年計画に対応して、日韓経済協力が本格的に実施の段階に入ろうとする動きが活発化をいたしております。次の諸点を、こういう歴史的な教訓を生かすという中からひとつお尋ねをしたいわけですが、日韓経済協力のいままでの経過、この実績の評価をどういうふうに外務省でされておるのか、お尋ねをいたします。 一九六五年六月二十二日に署名された請求権協定に基づく有償二億ドル、無償三億ドルの対韓経済協力、これは七五年の十二月十七日をもって終了したわけであります。政府は、特に外務大臣としてこの成果についてどういう評価をされておるのか、率直に見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 日本と韓国との国交正常化に伴いまして、無償三億ドル、有償二億ドルとこのような協定ができたわけでございまして、これが終了をいたしたこと、感慨が深いわけでございますが、韓国の経済再建に対しまして合計五億ドルの、広い意味の経済協力が大変あずかって力があったというふうに私どもは考えております。韓国の最近の経済情勢につきましては、日本と韓国との間は日本が出超——輸出超過を続けておる。そういう傾向はまだ続いておりますけれども、韓国全体としての経済といたしましては、一時の大変な国際収支上の困難、この問題が徐々に改善の傾向を見ておるということは、隣国としても喜ばしいことであるというふうに考えておるわけでございます。
○大塚喬君 具体的な問題を一々取り上げることは、時間がございませんので省かせていただきますが、最近、ソウル地下鉄の建設の問題それから韓国アルミに関する経済協力の不当性、こういう問題がしばしば報道されて論議を呼んでおるところであります。また、韓国政府はすでに日韓経済協力について、「韓国政府の経済計画にそうより、日本資本の利潤の視点からなされた点に不満を表明している」、こういうことが「韓国の経済」これは岩波新書の中に出されておる本でありますが、その中に強く指摘をされておるところであります。 重ねて大臣にお尋ねをいたしますが、いままでの日韓経済協力、これは一〇〇%成果を上げていった、こういうふうに何らの反省点がないんだ、こういうふうに理解をされておるのか、大変私はそこのところが不思議でなりません。ひとつ重ねてこの日韓経済協力の問題の成果についてどういう評価をされておるのか、こういう事例が現に起こりつつあるのですから、そこのところをお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 日本が賠償あるいは経済協力、こういうやり方につきまして、これは戦後の占領政策もありましたでしょう。また、サンフランシスコ平和条約におきます考え方もそうであります。日本が賠償を払います場合に、日本人の役務によって賠償を払うんだ、こういう考え方でまいったことは御承知のとおりでございます。そのためにわが国の経済が戦後、賠償によりまして国民が大変な苦しみを負うということなくして行われた。日本人が働けば、日本人の役務によって賠償を払うということで、第一次世界大戦後のあの過酷な賠償によりまして、大変な経済困難を戦敗国がしょった、そういったことを二度と行わないようにという戦後の政策がとられたということは、わが国にとってもこれは幸せなことであったと思います。 ただ、そのやり方が役務賠償ということになりますと、やはり契約ベースで、あるいは物の輸出、役務の輸出という形で行われるわけで、そこに民間ベースの契約が入ってくる。その契約の価格が高かったのではないか、こういうようなことが指摘をいまされておる。これは予算委員会でも大変な議論になった点でございまして、私ども、これが野党の皆様方が御指摘になった点、反省すべき点が多いだろうと思います。 しかし、事実関係につきまして、私どもは、真実は何であるかということが一〇〇%把握できないでおるものでございますので、ここではっきりしたことが申し上げられないわけでありますが、しかし、わが国の立場から申しまして、現金賠償で行われた、そういったことの場合はどうであったろうかということを考えますときに、やはりわが国といたしましては、役務賠償式の方式がわが国の国民生活を守るためには大きな効果があったのではないか、また、その経済協力の効果として韓国経済か立ち直りを見せたということも事実でありまして、大きな目的としては正しかったのではないか。 ただ、実際個別の契約になりますと、それは御指摘になるような、一〇〇%正しい、だれが見ても非の打ちどころがないというようなことと言えない面があるかもしれません。それは人間のすることでありますから、いろんな御批判を受ける点もあったかもしれませんけれども、総体といたしまして、そういうことがあったから全体の経済協力はおかしいじゃないかと、こうおっしゃることも、また私は承服いたしかねる点でございまして、御指摘の点につきましては、私は事実関係を明らかにしていくべきである、このように考えて、また、反省すべき点は反省をしなければならない。今後の経済協力のあり方という点につきましては、大いに反省をしてまいりたい、このように考えております。
○大塚喬君 韓国の政府筋は、日韓両国の「経済協力は、年を重ねるにつれてその緊密度をまし、韓国経済開発に寄与したところ絶大であったが、」、これはいま外務大臣の御答弁で、そういうことは確かにあったろうと思います。確かにというか、どの程度かあったろうと思います。「その協力の様態は、根本的に利潤動機に立脚した商業借款により主導され、対象事業においても、能動的な選定はなされなかった。」と、こういうふうに韓国の経済白書の中に述べておるわけであります。こう向こうの政府から指摘されておるのですから、その反省点というのは、これは大臣でなくても結構ですが、具体的にどういう項目が日本政府としてこの日韓経済協力の反省点として現在考えられておるのか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菊地清明君) 先生御案内のとおり、この経済協力にはいろんな形態がございまして、一つは先ほどの一九六五年の請求権協定に基づく、半ば——半ばといいますか、日本の義務的な支払い、これを経済協力に入れているわけでございます。 そのほか政府の借款がございます。 その次には民間の借款。民間の借款といいましても、大体は輸出入銀行からのいわゆるサプライヤーズクレジットというもの、その他民間投資、その他いろんな形の広い意味の経済協力がございます。 それで、そのおのおのについて論じなければならないわけでございますけれども、いま先生の御指摘の日本側の利潤動機というようなお話につきましては、これは特に民間借款の場合に当てはまると思います。 これは御承知のように、韓国と日本とは経済情勢がはなはだ違いまして、特に違うところは、韓国は国内の金利が非常に高いということでございます。したがいまして、外国から政府借款なり民間借款でもどちらでも同じですけれども、そういった外資を導入すること自体非常に有利なわけでございまして、そういったことにまつわりまして、韓国側では非常に大きな日本の資本に対する要請がある。それでしかも、金利が韓国内よりも安いというようなこと、それからいろんな経済的な現象が波及してくるということではないかと思います。基本的には、韓国の情勢が非常に発展する経済といいますか、資本飢餓状態といいますか、そういった状況にあったということがもろもろの現象を生んだのではないか。それはいいとか悪いとかという問題ではなく、それが実態、現実であったのではないかというふうに考えるわけでございます。
○大塚喬君 いまの答弁では、その悪いところは商業借款、民間借款のところにおっかぶせて逃げておる、こういう感じであります。それだけでなくて、いわゆる政府借款の中にも問題点が現に幾つか指摘されておるところは事実でございます。日本国民の誠意が韓国の国民に間違いなく伝えられる、こういうことにならなければ、賠償あるいは経済協力というものの意義が私は果たせないのではないか、こう心配して、具体的に反省点は何かということをお尋ねしたんですが、そういうところはどうもお答えいただけないので大変遺憾であります。 外務大臣にまた一つお尋ねをいたしますが、政府は、先ほど申し上げたように、各次元での韓国首脳との協議、会談を重ねてきておるわけであります。日韓経済協力についてどのような同意を与えておられるのか、この会議の対象に全然ならなかったのかどうか、そこらのところをひとつ外務大臣から、具体的な事由を明らかにしてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私、韓国の外務部長官と一度——長官か豪州の方に行かれる途中寄られまして、一度会談はいたしましたが、これにつきまして、何ら先方との間に約束をしたというようなことは一切ございません。わが国といたしましては、韓国の第四次の五ヵ年計画につきましては、調査団を出しまして一応その報告を聞いたという段階でございまして、これからそれに対しましてどう対処するかということは、まだ何ら決めてないのでございます。
○大塚喬君 時間が、これ何分まで。
○委員長(鈴木力君) 十二時。
○大塚喬君 始まったのが遅かったでしょう。十三分まで。じゃ、あと二言ほどひとつ。 韓国のわが国の外交上の位置づけについて、私は大変大きな関心を持っておるところでございます。南ベトナムの政変、ベトナムの統一、こういうことを契機にしてわが国の外交における韓国の位置づけは、韓国条項から新韓国条項、新々韓国条項と、こういうことで発展をしてきておると見ておるわけであります、重要性が特に増してきておると。こういうことで福田内閣が新韓国条項をそのまま引き継ぐ、こういうことで外務大臣としては今後の日韓関係を進める、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。そこのところを一言外務大臣から。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 先般福田・カーター会談の結果出されましたコミュニケにおきましては、朝鮮半島の平和と申しますか、こういったことを主眼として表現をされておるところでございまして、よく御質問があるんですけれども、一体韓国の情勢は三木さんのころと変わったのかどうか、あるいは佐藤さんのころと変わったのかどうかというお尋ねがあるわけでありますが、朝鮮半島におきます現在の情勢は、そうまだ変わっておらないというふうに認識はいたしております。 私どものこれに対処する考え方といたしましては、南北の朝鮮が緊張緩和の方向に進むことを心から念願をいたしておる、そういった態度を表現をいたしたつもりでございます。それに従いまして、特に佐藤さんのころの韓国条項、これらとの——これは全く同じか、こうおっしゃいますと、基本的に現状認識としては変えてはおりませんけれども、われわれの念願としては南北関係の緊張緩和を望んでおる、このように御理解を賜りたいのでございます。
○大塚喬君 じゃ最後に一言申し上げて、あわせてひとつ外務大臣から答弁をいただきたいと思います。 韓国政府の世論の評価、最近大きく動いてきておることを私は受けとめておるわけですが、昭和四十八年の二月、アメリカ上院外交委員会専門委員会で韓国とフィリピンに関するレポートを発表し、朴政権を、李承晩政権以来最悪の独裁政権と述べておる。このことは御承知でございますね。 続いて今度は、カーター政権成立以後、在韓米軍の撤退が韓国の人権問題に対するアメリカ国民の批判にこたえたものである、こういう見方が強く出されておるわけでございます。韓国においても、現状、維新体制以後の政治に対する強い批判が国内でも強まっておることは御承知のことと思います。外務大臣は、このような韓国政府に対するわが国民をも含めた世論評価に対してどう受けとめておるのか、お答えをいただきたい。 もう一つは、在韓米軍の撤退についてアメリカの国家安全保障会議事務局長が、この問題は数年前韓国側から持ち出されたものである、こういうことを明らかにしていることが伝えられておりますが、外務省は、在韓米軍撤退の根拠、これを一体どういうふうに受けとめておるのか、この考えをお聞かせいただきたい。 そして、朴政権に対するこのような世論の批判が、実は韓国政権もさきのベトナム独裁政権と同じような運命をたどるのではないか、こう指摘する。こういうことは、単に私一個人が先走った見解の表明ではなくて、そういうことを各方面から私ども耳にするところでございます。朝鮮半島における国家体制のあり方について、そして、この国家と日本が経済協力をこれから先緊密化する、こういう問題について外務省は、外務大臣はどのような見通し、どういう考えを持って処置されようとするのか、最後に一括してお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) アメリカの政府と申しますか、その一機関と申したらいいかわかりませんが、この世界の各国の国民にどれだけ自由があるかというような、これは裏を返せば人権の問題、これにつきまして大変な関心を持っておるということは事実であります。自由主義諸国のリーダーとしてアメリカが世界の国民の自由というものに大変な関心を持っておるということは、これは私は正しい方向であろうと思いますし、それ自体を、日本としてとやかく申す必要はないことであろうと思っております。 ただし、人権の問題を論じてまいりますと、社会主義国と申しますか、そういったイデオロギーの問題にどうしても無関係ではなくなってまいりまして、社会主義国と言われておる、あるいはコメコン諸国と言われておるそういったグループの国、これはもう疑いもなく自由が非常に制限をされておるということであります。自由主義諸国と言われておる中で、どの程度の自由が確保できているかということにつきましていろんな国によって差異がある。しかし、わが国が世界の体制も違う各国と友好関係を進めてまいる、このような立場をとっておりますので、ここでよくもっとアメリカと同じように論ずべきではないかという御説があるわけでありますけれども、私どもといたしましては、それはやはり各国としての体制があるわけでありますから、これについて内政干渉がましいことを外務当局か発言をするということは差し控えさしていただきたいという態度を、私としてはとっておるところでございます。 世論の批判というものは、これは当然あってしかるべきものであるというふうに考えておりまして、その世論の批判に対しまして、一々私どもはコメントする必要はないと思っております。ただ、外務当局として責任のある私からいたしますと、いま大塚先生がおっしゃいましたように、おまえはどう考えておるか、こうおっしゃいましても、私は、それぞれの国の体制というものはやはり現実の判断、現実の必要性というものと無関係でありませんので、その辺に対しましての批判はいまこの席では申すことを御遠慮させていただきたい、こう思うわけであります。 これからの韓国に対します経済援助につきまして、あるいはアメリカ政府の韓国におきます地上軍の撤退問題につきまして、人権問題が発端となってあのようなことになっておるのではないか、こういう御指摘でございますけれども、いろいろな経過、カーター大統領の過去におきます発言にはいろいろな発言があったと思います。大統領になられましてからの発言というものは、私はそのようなことから行われている問題ではなくして、やはり従来からのアメリカの政策、ニクソン・ドクトリン以来の政策が進められるという段階であろうというふうに考えておりまして、これはやはり南北朝鮮におきます軍事バランスということ、これを考えた上での措置であろうというふうに理解をしているところでございます。したがいまして、日本が韓国に対します経済援助というものにつきまして、別な考え方をとるべきではないかということに対しましては、先ほど来申し述べました理由によりまして、いま日本が今後の対韓援助というものに違った考え方で臨むというようなことは、考えておらないのでございます。
○委員長(鈴木力君) 午後一時十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十三分休憩 —————・————— 午後一時二十一分開会
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 私は、きょうは特に外務省関係の中で、問題を幾つかにしぼりまして質問したいと思います。 その中で、大臣も御存じのとおりVOAの問題ですが、このVOAをどうこうするとか、たとえばいままで沖繩国会等でさんざん議論になりました問題につきましては、もう議論し尽くされた問題でございますから、この題についてはきょうは議論はしないのですが、われわれ国会で議論をいたしておりまして、やっぱりVOAの職員の身分の保障という問題は、これはどうしても解決しておかなければいけない問題である。 それで、先般の予算委員会やあるいは各種の委員会でこの問題を取り上げられておりまして、その窓口もようやく開発庁の方へなったそうではございますけれども、これはやはり十五日までという期限があります。検討するという答えがいままでずっと返ってきているわけですけれども、それをそのまま済ましてしまうと、日にちが過ぎてしまうと、こういう人たちは完全に路頭に迷うし、あるいはそういう人たちは完全に退職金にしても、いわゆる一般の基地従業員とは違った意味の退職金をもらってやめざるを得ない、こういうことになるわけです。そういうような意味では、これはこの人たちにとっても完全に日切れでございますから、少なくともこういうことを議論する機会というのは、きょうのこの委員会が最後ではないか、私はこう思っています。そういうような意味で、この問題について決着をつけておかなければいけないと思っておりますので、この点についてまず初めに、外務省のそれぞれ担当の局長さん、いままでの経過を踏まえて、できるだけ簡明に、それで問題点はどこに残っているかという点をあわせて御答弁を願いたい。
○政府委員(山崎敏夫君) 外務省といたしましては、このVOAの沖繩中継局の日本人職員の待遇問題に関しましては、従来非常に熱意を持って取り組んでまいったわけでございます。 まず、われわれ取り上げましたのは雇用保険の加入の問題でございまして、この点につきましては、労働省等の御協力も得まして、アメリカ政府にいろいろ折衝いたしました結果、アメリカ側としても去年の四月一日にさかのぼりまして、この日本人職員に対して雇用保険の適用を受けるための手続をとった次第でございまして、その手続は、去年の十月二十一日までに完了いたしたわけでございます。 しかしながら、退職金の問題に関しましては、アメリカ側は、これらの日本人職員はアメリカ政府の現地職員でございまして、アメリカの制度におきましては、その雇用関係というのは世界一律に取り扱われておりますということもございまして、この雇用保険以外には、退職金について例外的な措置をとるということはどうしてもできないということを言っておるわけでございます。この点につきましては、アメリカ側に例外的にやらせるということは残念ながら成功しなかったわけでございます。したがいまして、結局はこの問題は、国内においてどういう措置をとるかという問題になるかと存じますが、この点に関しましては、峯山委員からもお話のございましたように、沖繩開発庁が窓口になって目下お考え願っておるというふうに承知しておる次第でございます。
○峯山昭範君 この問題について、私はまず外務省にお伺いしておきたいんですが、いろんな答弁の中で、関係部局が集まっていろいろ協議をする、それで当然沖繩開発庁を中心としてという頭がございますが、これは実際問題、政府はこの問題について協議をやっておるんですか。
○政府委員(亀谷禮次君) 政務次官がいまお見えになると思いますので、私、かわりましてその間お答えをいたしたいと思いますが、ただいま外務省からも御答弁がございましたように、VOA問題につきましては、アメリカ国務省広報庁のいわゆる雇用に係る問題ではございますが、国会における御論議もございました経緯にかんがみ、外務省その他労働関係省庁及び私どもで数次にわたり協議をしたわけでございます。 先生のお話がございますように、この問題の要点としましては、いわゆるいま問題になっております退職者の方々に対する手当の問題、それからすでにアメリカ局長御答弁ございましたように、当時におきましては雇用保険の引き継ぎの問題、さらには離職後の新規の求職の問題、あるいはいわゆる休職手当の問題、こういった広範にわたる問題が実は数年前からあったわけでございます。これらのうち、アメリカ局長御答弁ございましたように、一昨年から、いわゆる雇用保険の問題につきましては、一応解決の見通しがつきましたわけでございますし、その他の何と申しますか再就職のための職業のあっせん、あるいは今後三年間にわたります沖繩振興特別措置法に基づきますところの求職手帳の給付、いわゆる休業手当、これも振興法の適用を受けまして、給付が行われるわけでございます。 最後に残りましたのか、先生御指摘のいわゆる退職金の問題でございまして、現地側の御要望は、御質問にもございますように、本土における駐留軍離職者に対する退職の手当と同じような措置を、このアメリカ国務省広報庁職員の退職者にも支給するよう政府で考慮してもらいたい、こういう御希望のように理解をしております。 この点につきましても、先般来各委員会等で御質疑もございましたし、私どもが一応窓口ということで関係省庁と数次にわたって今日まで論議をしてきたわけでございますが、先ほどアメリカ局長の御答弁にもございましたように、現在までの検討の時点では、この雇用の関係がアメリカ国務省広報庁の職員としての雇用形態でございまして、本土におきます駐留軍離職者の雇用とは別個のものであります。そういったことで、もっぱら国務省広報庁とのいわゆる雇用契約に基づく賃金ないしは給付でございますので、これにつきまして、政府が直接本土におきます駐留軍離職者と同じ措置をとるべきだと見なして、この補完的な措置をとることには相当の無理があるということでございます。 なお、これに関連して議論がございましたのは、現在本土及び沖繩にも事例がございますが、アメリカの軍雇用、直接雇用で、いわゆる港湾荷役の会社が雇用しておるような請負契約の港湾荷役業務がございます。先生も御案内かと思いますが、現在沖繩でもこの荷役をめぐって労働争議と申しますか、事業量の縮減によって問題が起こっているわけでございますが、そういった各種の事案を考えますと、やはりそういった問題を背後に控えまして、必ずしもこのVOAだけでないそういった事案というものが相当出ておるわけでございます。 そういう面からいきまして、私は率直に申し上げまして、他に広がるからどうこうということでは毛頭ございませんが、現実にアメリカ局長からも御答弁いたしましたように、雇用の形態からいたしまして、いま直ちにこれを国の責任で財政的な措置をするということには困難があるということでございますが、なお引き続きいろいろな問題がございますので、何らかの解決が図られないものかどうかということで、検討さしていただいておる現状でございます。
○峯山昭範君 きょうは、もうそういうあなたが言っているような議論では全く間に合わないわけです。 それで、初めにもうちょっと、それじゃ外務省、VOAの職員の身分はどういう身分ですか。
○政府委員(山崎敏夫君) VOAの現地職員は、米国政府、正確に言えば米国の広報庁の現地職員ということでございます。
○峯山昭範君 それじゃ余り詳しいいきさつは結構なんですが、要するに、いまから五年前に沖繩返還という問題が起きてきて、そして返還協定が結ばれ、沖繩が日本に返還になった。もし返還にならなければ、これはVOAもそのまま継続されておりましたですね、これはそうでしょう。
○政府委員(山崎敏夫君) 沖繩が返還されなければ、アメリカとしてはVOA中継局をそのまま存続しておったであろうということでございますれば、そのとおりでございます。
○峯山昭範君 ですから、これはいま局長が言った港湾荷役の人たちの云々という問題とは違うんです。国が責任を持ってこの問題については解決をする責任があるわけです。こういうVOAに勤めている従業員が、自分たちの責任でやめなければいかぬようになったのと違うんです。要するに、沖繩返還という大きな事業の中で行われた一つの取り決めなんです。だから、こういう人たちに対する退職金にしたって何にしたって、その取り扱いについては、少なくとも自分のあれでやめるわけじゃないんですから、これはやはり軍の離職者の臨時措置法に基づいて行われる退職金と、またVOAの、アメリカからのいわゆるいま広報庁ですか、その身分のまま退職する退職金というのは、現在、実際問題として登録されている人たちの名前は私の手元にもございますけれども、退職金は一体どの程度の差があるんですか、計算してみると。
○政府委員(亀谷禮次君) これは、それぞれ経歴の違う方のケースがあるわけでございますので、平均的と申しますと非常に語弊があろうかと思いますが、いわゆるアメリカ国務省広報庁の計算の方式で標準的な雇用関係の方の例で申し上げますと、約四百万円強ということでございまして、これに対しまして、駐留軍離職者の退職手当の計算方法で同類似の方の計算を仮定しますと、約六百万ないし七百万と、非常にラウンドナンバーで申し上げて恐縮でございますが、そういうふうに理解をしております。
○峯山昭範君 一人当たりでそれだけの差があるわけでしょう。実際問題として私の手元にある資料によりましても、トータルで申し上げますと、VOA方式によりますと三億四千二百万、軍離職者の現在の臨時措置法に基づく計算によりますと、五億三千三百万という金額が出ています。これは私は、もう政務次官、あなたは沖繩なんですから、この問題についてはやっぱり深刻にとらえてもらいたいと思うし、実際問題として一生懸命やっていただいていると私は思いますが、きょうはもう十一日ですね、これはこういうふうな正式の場で議論する機会はきょうが最後だと私は思うんです。そういうような意味では、先ほどから局長が検討しますとかどうこう言っていますけれども、そういうことを言っている時間はもうない、実際問題。ですから、もう少し一歩前進して、この問題について本当に責任を持って解決する意向がなければどうしようもない、そこまで追い込まれてきていると私は思うんです。 ですから、先ほど総務局長ですか、がおっしゃいましたように、このVOAを扱うと、そのほか港湾労務者がいっぱいいるとか、これと同じような人がいっぱいいるような話をさっき答弁しましたけれども、それと全然違う。少なくとも先ほどアメリカ局長からも答弁ございましたように、VOAというのは、日本がアメリカと返還協定を結んで国の責任でやって出てきた問題です。ですから、そこへ勤めている人たちは全く責任はないわけです。その全く責任がないそういう人たちにそれだけのマイナスの負担を負わせて、そしてこの十五日が来てやめさしていくというんでは、これは本当にわれわれとしてもそれをほうっておくわけにいかない、こう思うんです。これは一体、政務次官はどうお考えなんですか。
○政府委員(國場幸昌君) 先生おっしゃるとおり全く同感でございます。しかし、私もおっしゃるとおり沖繩出身の議員でもあるし、立場からしましてでも、その方たちに対しては何とか考えてやらにゃいかないというような見地からしまして、外務省あるいは労働省、その関係のある各官庁との折衝もしてきたのは今日までの結果で、結論としましては、その問題に対しては、法の裏づけが、適用するものがいまの制度の中では、ない、こういうことからしまして、官房審議室の方に何とか窓口をつくってくれというようなことで、官房審議室長等を呼びまして、それで開発庁でいろいろ検討を加えましたが、これは予算の裏づけをすべき法が、現段階においてはないというようなことで、何とか考えてやらにゃいけない。 しかも、沖繩特別委員会においては、かようなる問題に対しては特段の配慮をすべくという附帯決議をしておる。委員長から私に、特別にV〇Aの件については何とか配慮をすべくというようなことも言いつけがございました。問題は切迫しておることでございますし、しかし、段階的にVOAの従業員というのは、九月ぐらいまでに整理していくんだということも現地の方では言っておりますので、その点も配慮をしまして何とかやってやらにゃいけない。先生おっしゃるとおり、国家の制度によって、しかもこれは二ヵ年間の猶予を置いて、最後的な詰めは、五ヵ年をめどにしてやるというような返還協定においての問題がございます。それで二ヵ年たって、いよいよもって五ヵ年目には撤去をするというので今日を迎えておるわけでございます。 それは返還協定のときに、そういう面までも配慮をしたところの国策をもって、アメリカの方の都合でなくして、わが国のいわゆる政策によって国内法もこれありというようなことで適用されるわけでございますので、従業員の立場からしますと、やはり恩給を目当てにして、常日ごろの待遇関係は別としましても、それに希望を燃やして今日までやってきた、一、二年にして恩給のつくところが、国策によってそれも犠牲にならにゃいかない、それもよろしゅうございますでしょう。しかし、せめてその軍雇用員並みの退職資金だけは何とか配慮をしてくれぬかというような、彼らの立場からの要求でございますので、その点に対しましては、いま直ちにというようなことでそこで即答はできませんが、最後まで努力しまして、彼らの要望に対してはできるだけこたえていきたい、こういうことを考えております。ただし、いますぐこうしろというようなことに対して、即答のできないことはまことに残念ではございますが、いまの立場としては、かようなるお答えしかできないということを御理解いただきたいと思います。
○峯山昭範君 いや、私は、政務次官が確かに地元出身でその実情もわかっており、かつ非常に苦しい立場にあるというのはよくわかります。しかし、この問題は法の裏づけがない、あるいは沖繩返還協定のときに特段の配慮をすべきである、こういうふうにうたってある、いろんなことがいっぱいあります。けれども、結局この問題はここまで来て、これはもういままで何回かそれぞれの立場から委員会でこの議論をしているわけです。少なくともきょうは外務大臣もお見えになってますけれど、それぞれの立場で政府がこの問題についてどうするのか。 やっぱり現在の福田内閣が、これは私は金額にしたらわずかな金額だと思うんです。しかしながら、この問題をこのままほうっておきますと、政府に対する不信、あるいは行政のあり方に対する不信というのはやっぱり大きくなります。たとえば、法の裏づけがないからこれはどうしようもないというよりも、結局彼らは法の裏づけなく、自分たちの責任なくやめていかざるを得ないわけです。逆に言えば、沖繩返還協定という国民の悲願のもとで犠牲になっていく人たちということになりますね。そういうような意味では、そういう犠牲はなくした方がいい。沖繩返還協定さえなければその会社も続き、逆に言えばその職場もずっと続いていったわけですからね。私はそういう犠牲を、そういう本当の一部の人たちに強いるべきではない、こう思うんです。 そういうような意味では、この問題はもう本当に日にちがありませんので、これはきょうは先ほど政務次官は、外務省や労働省に働きかけたと言いましたけれども、それだけじゃなくてやっぱりもちろんあっちこっちもやったでしょう。口に出して言ってないところもやっているんだと私は思いますけど、これは外務大臣、この問題はいろんな問題が私はあると思います。あると思いますが、やはりこの問題についてはそれぞれ関係の大臣、少なくとも外務大臣、それから大蔵大臣、それから開発庁長官、それから総理、こういう人たちが集まって、きちっとした結論を出してもらいたいと思います。法の裏づけがないと言いましても、これは法の裏づけがなくたって、そこのところは臨時措置なり何なり、何でもできるわけです。何らかの措置はできると思うんですよ。全く何にもないからこういう人たちに犠牲を強いるなんということはいけない。 私は、こういうふうな意味で、やめていく人たちには、少なくとも彼らが言っている、軍雇用者が退職していく場合の退職金ぐらいはせめて出してあげてもいいんじゃないか、そういう気持ちにわれわれならざるを得ないわけですがね。そういうふうな意味では、私はただ単に——もちろんいままでアメリカ大使館あるいは広報局と直接折衝もやっておられたと思います。しかしながら、そちらの方の道はこれはもう精いっぱい、先ほどアメリカ局長が答弁になったところまで。それから先は国内での処理の問題だと私は思うんですけれども、ここら辺のところどうですか、大臣。
○国務大臣(鳩山威一郎君) VOAの従業員の退職手当の問題につきまして、私どもといたしまして、先ほどアメリカ局長からお答え申し上げましたが、アメリカ大使館あるいはアメリカ国務省との折衝はもうこれ以上は無理だというところに来ておると思います。したがいまして、この処理につきましては、やはり国内問題として御処理願わなければならないというふうに考えておる次第でございまして、はなはだ申しわけないんでありますけれども、国内の所管官庁としてやはり開発庁の方で御処理を賜りたい、このように思います。
○峯山昭範君 いや、大臣、その答弁を私はいただこうと思って質問しているんじゃないのです。要するに、あなたも福田内閣の一員なんですから、アメリカと交渉ということになると、外務省が窓口になりますから、私は当然だと思うのですよ。しかも、あなた方の外務省が担当して、いろいろ問題点をいままで処理してきたわけですね。そういうふうな観点から言えば、これから先の国内の問題については開発庁と、こういうふうにおっしゃられたんでは、これは私はこの問題は解決しないと思うんです。あなたも含めて、やっぱり少なくともきょうのこの決算委員会に、大臣としてはあなたしかいないから、私は、福田内閣の少なくとも総理大臣でもここにおれば総理に言うのですけれども、あなたに代表して言っているわけです。 この問題については、やはり国内問題として、開発庁も政務次官が来ていますけれども、政務次官ももう手に負いかねているところまで来ているわけですよ。実際、政務次官は沖繩出身ですから、この実情についてはよく御存じで、少なくとも何とかしてあげたいという気持ちも私は多分にあると思うのです。大臣はもう一歩踏み込んで、やっぱりこの問題についてどう処理をしていくかということについて、少なくとも開発庁なり総理なりあるいは大蔵省なりに、もう日にちが、きょう十一日ですから、あと四日間しかないわけです。そういうふうな意味では、私は、大臣が直接出向いて行って、この問題についてそれぞれ関係者が集まって——関係者というのは、少なくとも最高首脳陣が集まって、この問題についてどう対処するかということをきちっとやらないと解決しない、こう思うんです。そういうふうな意味で、私は大臣の考えをお伺いしているわけですけどもう一遍お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 外務省としては、対外折衝としては最善を尽くしたということを申し上げたわけでございます。国内問題の処理とされましては、それは私ども申すべきことは申しますけれども、しかし、これは何分所管の役所があるわけでありますから、所管の官庁の方にお願いをするしかない、こういうふうに思います。
○峯山昭範君 いや、そういう答弁は大臣、私は納得できませんね。あなたのそんな態度、そういう答弁なんというのは納得できません。この問題については、少なくともきのうきょう急に起きた問題じゃないのですよ。前々から何回も何回も、山崎さんだってこの問題については何回も、待遇の問題やいろいろな問題について、少なくとも退職金の問題も含めて解決するということについては、いろいろ発言をしてこられているわけですね。 大臣の答弁だと、要するに、アメリカとの交渉はわれわれが窓口で一生懸命やるけれども、国内の折衝については担当のところでやってもらう以外にない、そんな答弁ありますか、本当に。あなたのその答弁納得できませんよ、私は。あなた、ここに来ているたった一人の大臣じゃないですか。そんな、ここまで来て、この問題についてほかに大臣が来ているんならともかく、事を分けて私はさっきから話ししているんじゃないですか。外務省としては全く知らないというような感じの答弁じゃないですか。そんな答弁じゃ私は委員長、納得できませんよ。冗談じゃない、本当に。
○国務大臣(鳩山威一郎君) どうも言葉が不十分であったと思いますが、しかし、もしこの措置が仮に財源的な措置を要するような問題でありますと、やはりこれは私どもとしては手に負えぬ問題でございます。そういう意味で、この所管をはっきりしなければいけないと私も思うわけでございます。したがいまして、私としてそれは、この問題につきまして外務省はもう知りませんよ、こういうことを申し上げているわけではありませんで、やはりそれは所管の権限をお持ちになっている方、これから御答弁をいただかなければ、私ども権限のないことにつきましてここでお引き受けするわけにはまいらない、こういうことを申し上げておるわけであります。
○委員長(鈴木力君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木力君) では、速記を起こして。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまの退職手当等の面で、VOAの職員につきまして、一般の駐留軍労務者に比べまして不利な面があることは事実でございまして、このためにいろんな面で努力をしてきたところでございます。しかし、この問題が今日まだ解決をしておらないことは残念でございますが、今後とも国務大臣として開発庁とも御相談しながら、最善の努力をいたしたいと思います。
○峯山昭範君 大臣、あなたはいまそうおっしゃるからには、あと四日しかありませんよ、四日しか。この四日間何をするのですか、具体的に。ちゃんと具体的に言ってもらわないとだめですよ、中途半端じゃ困る。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 実際問題といたしましてこの十五日に皆そこの職を失う、こういう問題でもありませんので、今後とも事実問題として、このVOAの現地の従業員の実際的な待遇が保たれるように最善の努力をいたしたい、こういうことを申し上げたのでございます。
○峯山昭範君 いや、もうそんな抽象的な答弁はいままで腐るほどいただいておる。そんなんじゃなくて、とにかく少なくとも十五日に期限が切れるわけですから、そういうことになっているわけですから、彼らもそう言っているわけです。政府の部内で一体現実の面としてどういうぐあいに対処していくのか、具体的に答弁してもらいたい。
○国務大臣(鳩山威一郎君) これ、先ほど申し上げましたのでございますが、退職金制度としてこれを直接増額を図るということはなかなか困難であるというふうに、いままでの折衝を通じて考えておるところでございます。したがいまして、これから努力いたすべきことは実際的な待遇と申しますか、やはりいつ解雇されるかということも非常に関係してくるわけでありますから、事実上この失業状態がそう長くならないように、最善の努力を具体的に図っていくということは申し上げられると思いますが、それ以外の具体的な制度としてこれを具体的に解決を図るというのはなかなか見通しが立たない、こう思います。
○峯山昭範君 私は外務大臣、きょうは簡単にそんな答弁じゃ納得できませんよ。あなたの初めの答弁がなければ、私はいまの答弁で納得しますけれども、それだけでは納得できません、きょうは。あなた、外務大臣として一体何をしようというのですか、これから。これから四日間なり五日間なりあなたが具体的に外務大臣としてだれに何をするんですか。具体的に言ってください。そんな中途半端な、抽象的な話じゃ納得できませんよ。法律上実際問題、法の裏づけがないわけです。しかしながら、国の責任で解決しなきゃいけない問題であるということははっきりしているわけです。あなたは外務大臣として外務省には権限がないと言っているわけです。国務大臣としてあなたはどの大臣にどの話をするのか、ちゃんとわかるように説明してください。そうでないと私、納得できません。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この従業員の問題は、これは労働行政としてとらえられなきゃならないと思います。したがいまして、やはりこの沖繩開発庁の長官と労働大臣にお願いをいたしまして、現実の退職者の処遇というものにつきましてお願いを申し上げたい、このように思います。
○峯山昭範君 それでは大臣、少なくともあなたはいま、労働大臣と開発庁長官に話をすると、こうおっしゃいました。これは私は、ただ単に話をするだけでは納得できない。これはただ単に一対一で話をしたってなかなか解決できる問題じゃない。むずかしいということは私もわかっているからきょうはもう、少なくとも関係の大臣が集まって、福田内閣としてこの問題についてはどう対応していくのか、そこの結論をきちっと出さないと解決しないと私は思っています。 むずかしい問題であるということも承知の上です。あなたが初めから、この問題はこういうわけで、実はきょうはこれから少なくともこういうような問題は日にちも迫っているし、福田内閣としても何らかの結論を出さざるを得ないところまで来ている、そういう認識の上に立ってこの問題を初めから対処していくということであれば、私はそれなりに了解もできたんですけれども、あなたの初めの発言だと私はとても納得できなかった。 そこで、労働大臣、開発庁長官に実際にあなたがどういう話をするんですか。ちゃんとやっぱり詰めておかないと、きょうは私はあなたを全然信用してないですから、失礼ですけれども。しかし、あなたが初めからきちっとしていればそんなことは言いませんよ。どういう話をして、どういうふうに詰めるんですか。どこまでいくんですか、この問題。そうでないといけませんよ、きちっと。
○国務大臣(鳩山威一郎君) いま峯山さんがおっしゃいました、どういうふうにやっていくかということをやはり詰めなければいけないと思います。この問題は、大分折衝を重ねてきた大変むずかしい問題でございますし、予算委員会等でも取り上げられた問題でございます。したがいまして、日にちが迫っておることも事実でありますが、私といたしまして今日何ができるか。この実際にいま心配されている方々に、いまここでできもしないことを安受け合いをすることも申しわけないことでございますから、やはりこの問題につきまして関係の大臣とよく御相談を申し上げまして、はっきりした結論を出さしていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○峯山昭範君 いずれにしましてもこの問題は、ぜひとも私は、少なくとも国の責任でこの問題を解決する、そういう方向でないといけないと思うし、また、そういうことできちっとやってもらいたい。それでしかも、この問題はいま大臣もおっしゃいましたように、予算委員会やいろんなところで何回も何回も議論されて、その都度検討するとか、結論をなるべく早く出すように努力をするとか、そういうような答弁がずっと重なり重なり重なってきて、そしてきょうまで来ているわけです。もうこれから先十五日まで、実際問題として——もちろん退職のいろいろなあれによっては多少の差があるにしても、もう日にちがないわけです、実際問題。これ以上延ばせないところまで来ています。ですから、少なくとも私は、この問題についてはどういうふうになったということは御報告をいただきたい、こう思います。どうですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 早急に対策を詰めたい。関係の各所管の大臣と御相談申し上げまして、なるべく早く御報告を申し上げたいと思います。
○峯山昭範君 開発政務次官、この問題、いま外務大臣がおっしゃるのも——私は多少失礼なことも申し上げましたけれども、この問題については私も現地でいろいろ現実にそういうお勤めの皆さんから陳情も聞きました、実情も話を聞きました。そういうこともありますから、きょうは多少失礼対しては窓口になり、そういう諸問題に対しての解決をせにゃいけないということを理解しておりますので、関係省庁とよく話し合いをしまして、できるだけ短期日においても実現に持っていくように、最善の努力をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
○峯山昭範君 こんなことを私が聞くと、あいつは意地の悪いやつだと、こう言われるかもしれませんけれど、政務次官、いわゆる政務次官としてのいまの答弁、よく私はわかるわけです。けれども、いまの段階では、関係省庁と相談してという答弁をいつも政務次官、いろいろな人がやられるわけですよ。そういうような抽象的なのじゃなくて、本当はもうどことどこと相談して、ポイントはどうせもうおわかりなんでしょう。ですから、どことどこと相談をしてどういうふうにしていくのかということまで、本当はもう政務次官の頭の中にあっておっしゃっていると私は思います。そうでないといけない、こう思うのです、実際問題。そこまで私は来ておると思いますので、その点はしておいていただきたいと思います。 それから、ここへお勤めの皆さん方がこれからやめていくわけですけれども、再就職とか、あるいはこういう人たちがいわゆる相談するところですね。この窓口は、これは開発庁きちっとしておられますか。
○政府委員(亀谷禮次君) 先ほど若干触れて御答弁をしたかと思うわけでございますが、今回の措置によりまして離職をされる方々の再就職のための職業紹介等につきましては、すでに県の労働担当部局とも相談をしておるところでございまして、当然のことではございますが、公共職業安定所等で取り扱う場合の離職者の方々の希望条件等も十分に考慮をいたしまして、できる限り再就職が促進されるよう連携を図ってまいる所存でございます。
○峯山昭範君 いずれにしましてもこの問題は、私はこの程度でおいておきますけれども、少なくともこの問題が後々まで、国会であれだけ議論したけれども全く実効が上がらなかったというんでは、本当に私は情けないと思いますよ、実際問題。そういうふうな意味では、先ほど政務次官からも答弁をいただきました。また、外務大臣にも大変御無理なお願いをいたしましたけれども、ぜひともこの問題については真剣になって取り組んでいただきたい、そのことを要望しておきます。 それから、次の問題に移ります。沖繩関係結構です。 それでは、特に私は在外公館の土地、建物等の問題についてきょうはちょっとお伺いをしておきたいと思います。いろんな問題がありますんですけれども、その中で初めに在外公館の土地、建物の使用関係の実態、これを国別に明らかにしていただきたいと思います。いろいろと範囲が広いと思いますので、範囲をしぼりまして、特に初めに借地に関するもの、これにしぼって概略——概略というわけにもいきませんが、大綱説明をいただきたいと思います。
○政府委員(松永信雄君) 現在、在外公館におきましては、いわゆる事務所を保有しておりますのが百五十六、それから公邸は百五十一という数に上っております。このうち借地あるいは借家で、いわゆる借りているという関係のものは、事務所におきましては百十八、すなわち全体の七六%、それから公邸につきましては、借りておりますものが七十三、全体の約半数、約五割というのが現在の状況でございます。
○峯山昭範君 いまの問題とは別に、先ほどの問題で私は質問をちょっと漏らしておりましたので、詰めておきたいと思うんですが、大蔵省は来ていますか。——主計官の方ですね。 先ほどの沖繩の問題ですが、これは大蔵省はどうお考えなんですか。
○説明員(吉居時哉君) 私は、外務、通産を担当しておる者でございますけれども、ただいまの御指摘の問題につきましては、実は私どもいままでこれに携わっておりませんものですから、ちょっとこの席でもってお答え申し上げる立場にございませんので、御了承いただきます。
○峯山昭範君 この問題、きょうこれから質問終わるまでに担当の主計官でも結構ですから、一遍御出席願えませんか。
○説明員(吉居時哉君) そのような先生からのお話がありましたことを、それではいまから本省に伝えまして、後ほど先生の方にまた御連絡さしていただきたいと思います。
○峯山昭範君 いや、来てもらう、ここに。
○説明員(吉居時哉君) 早速それではその旨を関係のところに伝えます。
○峯山昭範君 その問題は、後でまたお見えになってから議論したいと思います。 先ほどの在外公館の問題ですけれども、そこで先ほど数の方の説明ございましたが、これをもう少し具体的に、借地面積は全体で大体どの程度になるのか、それから年間に支払っている借料、これは全体でどの程度になるのか、一遍ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(松永信雄君) 借地面積につきましては細かい資料がございますが、総数は必ずしも出ておりませんので、これはもし必要がございますれば、後で先生の方に申し上げたいと思います。 借料でございますけれども、五十二年度初めにおきまして、借料のこれは契約額でございますけれども、事務所につきましては十四億八千万円、それから公邸につきましては五億四千万円、いずれも概数でございますが、そういう借家契約を締結をいたしております。
○峯山昭範君 これはいまの大体両方合わせまして借料が二十億ですね。 そこで、今度の首脳会議のいろんな問題等からも絡んで、特に私は外交基礎の確立といいますか、それぞれの公館のかちっとした関係をしていくためにも、いわゆる借用地である在外公館を買い取ってしまったらどうか、こういうふうに考えているわけですけれども、こういうような在外公館、たとえば買い取れない分もあるとは私は思います。しかし、買い取った方がいいのじゃないかという感じを受けるわけですけれども、こういう問題については、大蔵省にも後でお伺いしますが、外務省としてはこういうふうな考え方についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。
○政府委員(松永信雄君) いま御指摘がございました点につきましては、確かに最近一部の地域におきましては借料が非常に高騰いたしております。非常に高い借料を払っていくというよりは、国がこれを建築するあるいは購入する、いわゆる国有化することによって在外公館を維持していく方が得策ではないか、また、在外公館の体面の維持、機密保持あるいは事務能率の増進という観点からも、その方が望ましいというのが私どもの一般的な考えでございます。ただ、他方、いま議員の御指摘にもありましたように、必ずしも取得できない場合がございます。外国人あるいは外国政府による土地、家屋の取得を禁止している国もございますし、現に、社会主義体制の国にはそういう状況が多いわけでございますが、そういう場合もございますので、これを全面的に徹底していくということはできないかと思います。しかし、当該国の法律その他の状況が許し、かつ財政的に状況が許す限度におきましてできるだけ国有化を進めていきたいというのが、外務省の一般方針でございます。
○峯山昭範君 外務省はそういう方針であるとすれば、私は現在のいろんな情勢から考えて、これは買収という一つの大きな方針に立ってこれから具体的に取り組んだ方が日本の国のためにもいいんじゃないか、そういうふうに思うわけです。 それで、私の手元にもこれは外務省でつくっていただいた在外公館の事務所及び公邸、土地等の具体的な一覧表が全部出ております。これを見てみますと、借地あるいは何といいますか、そういうようなのが非常に多いわけですね。こういうような実情を見てみますと、この実情とさらに、大臣も今度国際会議に行ってこられて、午前中にもいろいろ質問がございました経常収支七億ドルの赤字、これはそうじゃないというふうな答弁もございましたけれども、現実の面でいろいろと外貨減らしというふうなことが、これからの日本に課せられた大きな課題にもなってくると思いますね。 そういうような観点からいけば、いまそういうふうな意味でこういうふうな、それが直接そうなるのかどうかは別にしましても、これは要するに、現在の国際情勢から見て外交の重要性というのが非常に増大しているときでございますから、私は、そういう意味からもこういう在外公館を、現在の借用地であるのを買収して国有財産にしていくことは、一挙両得というか、そういう感じにもなるんじゃないか、そういうような感じもするんですが、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) いま峯山先生のおっしゃいましたことは、まことに私どももそのとおりであろうと思います。また、過去におきましても、いわゆるドル減らしが問題になりましたときにも、なるべく在外公館を国有化しようではないかというようなことを外務省としても主張をいたしてまいったところでございまして、まさに時宜に適した施策である、こう思うのでございます。 しかし、他方におきましてなかなか財政が苦しい、三〇%近い借入金で賄っておる、こういう事情にありますので、財政当局といたしましては予算の規模が広がることを極力抑えたい、こういう態度に出るものでございますから、なかなか進展がむずかしい、こういうことになるもので、こういう時代にありましては、当然その財源はやはり国債に頼ってでも国有化を進めた方が私はいいと思うのでございます。しかし、この点についてはまた財政当局との折衝も必要なものでございますので、ただ、お考えはまことに外務省としても大変ありがたいことでございますし、国際的な観点からも非常に結構なお考えであろうと思います。
○峯山昭範君 確かに私は、現在非常に国際的にも円が高いわけですから、そういうふうな意味で、これは実際問題、買収を進めた方かいいのじゃないかという感じがするわけです。それは社会主義国やいろいろ買えないところもあると思いますけれども、現在、買えるところを全部買うということにすればどのくらいお金がかかるものですか。
○政府委員(松永信雄君) 先ほど申し上げましたように、事務所については八割近く、それから公邸につきましては五割ぐらいが現在借料で保持しているものでございますから、これを全部国有化する、買い取る、購入するあるいは新築をして国有財産とするということになりますと、恐らく相当巨額の資金が要るだろうと思います。他方、事務上の制約ではございませんけれども、一挙にすべての国についてということもできないことであろうと思いまして、私どもは毎年予算折衝によりまして、財政の状況によって認めていただいております範囲内において極力、最大限に国有化の計画を進めるということで、現に五十二年度におきましても十数館につきましてこれを新築する、あるいは購入するという方針で計画を進めているわけでございます。 全体の資金総額についてどのぐらい要るかという点は、これは国によりまして土地あるいは建物の購入の価格、あるいは建築の価格というものが非常に違ってくるものでございますから、一律的な作業をいたすことは若干困難かと思いますので、御了承いただきたいと思います。
○峯山昭範君 それは、そういう事情があるということはよくわかっておりまして、現在買えるところを買うとすればどの程度かかるものかということを概略聞いたわけですけれども、それはできないとすれば結構です。 〔委員長退席、理事大塚喬君着席〕 それで、そうするとこういうふうな方向、あるいはこういうような問題について、会計検査院は来ていますか。——こういうような問題について会計検査院はどういうふうにお考えですか。
○説明員(前田泰男君) 一般的に申し上げまして、これは不動産だけに限りませず、賃借料を払っている方が、買い取るよりは不経済であるということだけは一応申し上げられるのじゃないか、これはどこまでも一般的な話でございます。
○峯山昭範君 これは会計検査院はときどきこういうことを、いま一般論として答弁いただいたわけですけれども、そうじゃなくて、会計検査院はときどき、たとえばコンピューターなんかでも借りているより買った方がいいんじゃないか、そういうようなことを検査報告の中に一遍記載したこともありますね。そういうようなこともやっぱり研究をしていらっしゃると私は思うんですけれども、在外公館の場合も、そういうふうにした方がいろんな角度から見て、ただ単に私はお金だけの問題ではなくて、それ以外の面も含めてプラスになる点が多い、そういうことも考えられるわけです。そういうような問題については、検査院としてはいままでこの問題について研究したことはないであろうと私は思いますけれども、もう一遍ちょっとお考えをお伺いしておきたい。
○説明員(前田泰男君) われわれといたしましても、先生と大体同意見でおりまするので、毎年一回在外公館関係の検査もいたしますし、それに近々出かける予定でもございまするので、先生の御意見十分拝聴さしていただきまして、それで検討さしていただきたい、そのように考えます。
○峯山昭範君 毎年一遍外国へ出かけるわけですね、在外公館の検査等も含めて。そういうときには、こういう問題についての要望等はございませんか。
○説明員(前田泰男君) これは一般的にどうであったか、ちょっと恐縮でございますが、私が参りましたときだけに限らしていただきますと、そういうお話があったことがございます。
○峯山昭範君 これはそれぞれ問題もあると私は思いますけれども、大蔵省に一遍ちょっとこの問題についてお伺いしておきますが、今回の先進国首脳会議の席上でも、国際的な公約として、いわゆる日本の黒字という問題についての非難もいろんな角度から私はあったと思うのです。そういうような意味で、何もこれが役立つかどうかはわかりませんね、実際問題、具体的には。しかし、こういうような問題についてはやっぱり財政当局としても積極的に措置をしていく必要があるんじゃないか、こういうふうな考えには私なるわけです。この問題については、大蔵省当局はどういうようにお考えですか。
○説明員(吉居時哉君) 先ほど外務省の方からも御答弁がありましたけれども、私どもといたしましても、在外公館の国有化につきましては、それが体面の維持に役立つとか、あるいは機密の保持に役立つというような望ましい面があろうかと思います。また、ある一部の地域における家賃が非常に激しい高騰を示しておるというようなところにおきましては、借料を続けていくということに比べまして、これを固有化するということの方が得であるというようなこともあろうかと思います。しかし、また一方、先ほどお話がありましたように、国によってはいろいろ法制上の事情もありまして、これを国有化できないということ等、相手の国の諸事情ということを考えなければならないという面もございます。 私どもといたしましては、こういう国有化につきましてのメリットとそれから問題点ということを総合的に勘案いたしまして、必要なものにつきましては毎年これに対して予算化して、そして実現してきたところでございまして、これまた先ほど数字の御説明がありましたけれども、公館につきましては、百五十六公館のうち三十八公館、全体として約二四%強の国有化率を示しており、また、公邸につきましても約五〇%程度の国有化率を示しておる、こういうふうな状況に相なってきておるわけでございます。私どもは、国有化の必要性ということは認識しておりますので、先ほど申し上げました諸事情を十分総合検討いたしまして、必要緊急なものにつきましては今後も国有化の方向で考えていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 この問題はその程度にしまして、もう一点だけお伺いしておきたいと思います。 これは財団法人国際学友会日本語学校、この問題ですが、先般から新聞でもいろんな角度から報道されておりますが、これは現在、外務省としてもいろんな角度からこの問題については取り組んではいらっしゃると私は思います。そこで初めに、この財団法人国際学友会のいままで起きた問題と、あわせて設立された目的、それから現在までの活動状況等について概要をお伺いしたい。
○説明員(西宮一君) お答え申し上げます。 国際学友会は昭和十年に設立されたものでございますが、設立の目的は、主としましてアジア諸国からの留学生の方々に対しまして日本語の教育を施すと同時にその宿舎を提供する、こういうのが主な目的で設立されております。
○峯山昭範君 その目的とあれはわかりましたけれども、もう少し現在までの活動状況等もあわせて、特に先般から財政の問題なんやかんやでいろんな問題が起きているわけですけれども、これは一体どういうふうになっているのか、概要をお伺いしたいと思います。
○説明員(西宮一君) お答え申し上げます。 ただいま申し上げましたように、学友会は過去四十年にわたる歴史があるわけでございますが、戦後、特に昭和四十年代の後半になりまして、財政状況がだんだん厳しくなってまいりまして、その金繰りということから土地を一部売却するとか、そういったことで学友会の運営を図ってまいりました。そのような状態は決して好ましいことではございませんので、これを何とか立て直して、いわば学友会の再建を図りたいということで、再建計画を立てたわけでございます。 その再建計画の中身は、現在の所有地の一部を売却いたしまして、その代金をもちまして銀行からの借入金を返済いたしまして、その残余の自己資金に加えまするに政府の補助金をもちまして日本語学校等の建物の新築を図る、こういうことでまいりました。ところが、ことしの三月の末までに残余者の方の立ち退きということが実現いたしませんで、再建計画は一とんざして今日に及んでおるわけでございます。
○峯山昭範君 これは私はいま話をお伺いしただけでも、昭和十年設立といいますから、いまお話ございましたように四十年にわたる歴史があるわけですね。しかもアジア諸国からの留学生を受け入れて、そして日本語とその宿舎を提供する、私は非常に大事な役割りを果たしてきたんじゃないか、そう思います。 これは、赤字の原因というのはどういう点にあったんでしょうか、そして、どの程度の赤字があったんでしょうか。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 赤字は五十年度末に一億八千六百九十万に達しておりまして、それがそのまま現在まで持ち越されているわけでございます。さらに昨年の決算赤字としまして、これはまだ正確な数字を詰めている段階でございまして、数千万というふうに私ども受け取っております。二億数千万というのが現在の赤字の累積額でございます。そのように了解いたしております。
○峯山昭範君 その原因は。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 原因は、人件費、それから食堂経営を主とします事業費の赤字でございます。
○峯山昭範君 人件費の赤字はわかりましたけれども、事業費って何ですか、中身。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 事業費の中身と申しますのは、食堂経営、それから日本語学校管理費会館施設管理費、庁費その他もろもろございますけれども、この中で一番赤字の多いのは、事業費の中でも人件費の方へ謝金として回っておる分、これもかなりの額を占めておった、こういう事情があるというふうに理解しております。
○峯山昭範君 その人件費の赤字のいま謝金とかなんとかおっしゃいましたが、これはどうしてそんなに赤字になるようになっているんですかね。要するに、四十年も続いてきたこの財団法人が、国際学友会が五十年の赤字が一億八千六百九十万、五十一年に二億数千万というように、一年でもやっぱり相当の増加が見込まれますね。これはどうしてこういうことになるんですか。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 人件費、これは、政府関係団体に勤めております職員の人件費というものは、認められております上昇額というものは、実は一定のものが決まっておるわけでございまして、これを上回って俸給を増額した場合には、当然のことながら赤字が出てまいるわけでございます。この辺にむずかしい問題がございますと同時に、非常勤の講師の方々、これに対する謝金というものも実はございますわけでございまして、これは事業費におきましてお考えいただいていたわけでございますけれども、この点につきましてもやはりむずかしい、支出の面で赤字を生ずるところがあったということでございます。
○峯山昭範君 これは具体的な資料をいただかないと詳細にわかりませんね。これは役員の給与とかそういうものを含めて財政状態は一体どういうふうになって、どうしてこんなに赤字になるのか。これはやっぱり国際的な信用問題にもかかわりますから、そういうような意味では、私は、やはりぜひともこれは検討しておく必要がありますので、資料を一遍後で提出していただきたいと思います。よろしいですか。
○説明員(西宮一君) 後刻お届けいたします。
○峯山昭範君 そこで、これは国の方の補助金というのはあるんですか、ないんですか、どうなっているんですか。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 国庫補助金をいただいております。今年度につきまして見ますれば五億五千万、そのうちに人件費が一億一千万、それから事業費が九千万、それに日本語学校建設費につきましての補助金といたしまして、約三億五千万円いただいているということでございます。
○峯山昭範君 これ、国の補助金として初めにおっしゃった五億五千万等の補助金というのは、これは毎年あるわけですね。
○説明員(岡照君) お答えを申し上げます。 平年におきましては、二億から二億数千万と申しますのがいただいておる概算額でございますけれども、本年度につきましては、日本語学校建設につきましての補助金を三億五千万円いただいている、そういうことでございます。
○峯山昭範君 五億五千万の中に三億は含まれているわけですか。——わかりました。そうすると、それだけの補助金を出し、かつこういうふうにしているにもかかわらず、再建計画でいわゆる所有している土地を売却しなければならないということになったというのは、一体これはどういうことなんですか。
○説明員(西宮一君) 学友会は、御案内のとおり民間の財団法人でございまして、全額国庫の補助金で処理するというわけにまいりませんので、その自己資金に補助金を加えまして再建計画を考えた、こういう状況でございます。
○峯山昭範君 国際学友会の経常費というのは、大体年額どのくらいなんですか。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 人件費、事業費といったものが経常費の中に入るものでございまして、大体約二億から二億数千万、こういうふうに御理解願えればありがたいと思います。
○峯山昭範君 ということは、それはほとんど補助金でやっていけるということなんですか。
○説明員(岡照君) このほかに自己資金というものがございます。自己資金と申しますのは、外国人留学生の入学金、授業料、そういったものでございまして、それから財界からの寄付、こういったものを合わせまして昨年は約六千万であった、こういうことでございます。これがその補助金に加算されるということでございます。
○峯山昭範君 そうすると、大部分は国の補助金でこの財団法人は運営されている、そういうことですね。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 そのとおりでございます。
○峯山昭範君 これは私は、きょう私の手元にある資料が、非常に詳細な資料ございませんので、これはわが決算委員会としても、この問題は相当重要視して一遍取り上げる必要があるように思います。 会計検査院は、国際学友会というこの財団法人ですね、国の補助金がこれだけ出て、しかも戦前から四十年間も続いたこういうふうな学友会が、土地を売って再建するというようなことになったいきさつ、あるいはそういうふうにしなくちゃならないということについて、会計検査院としての調査あるいは検査、そういうことはやっていますか。
○説明員(前田泰男君) 補助金額もかなり大きいようでございまするので、これはここ数年毎年いたしております。
○峯山昭範君 毎年やっている割りにはどうもすっきりしないようですが、その原因は何ですか。
○説明員(前田泰男君) 補助金を検査します際に、最も初歩的なことと申しますると、目的外に使われているものはないかという観点から従来は検査してきたわけでございますが、先ほど外務省の方からも御返事がございましたとおり、人件費の高騰その他でもって赤字がかなり多くなってきている。 それから、おととしあたりから目立ち始めたことでございますけれども、留学生の間の管理に失敗したと申しますか、宿泊していても宿泊費を払わないという方がかなりふえてきた。これは直接赤字ではございません、未収金に計上してございまするので赤字とは申し上げられませんけれども、しかし、かなりの金額が未収となって残っておる。こういったようなことが去年の検査の際に一応はっきりしたわけでございまして、われわれとしても、これは大体東京本部だけの問題だと思いますが、これについて是正改善方をお願いしたわけでございます。その際に、東京本部の部長さんから、一応来年度は土地を売っても何とか経営は再建したい、こういう話がございましたので、一応われわれとしてはそれを見守っている、こういう段階でございます。
○峯山昭範君 いまその未収金合計というのはどの程度ありますか。
○説明員(前田泰男君) 確かな数字はちょっと持ち合わせておりませんが……。
○説明員(岡照君) お答え申し上げます。 約二千二百万円に達しているというふうに了解しております。
○峯山昭範君 これは私は、人件費とか、あるいは理事長とかいう人たちの天下りの問題とか、そういういろんな問題もこの中には含んでいるやに思います。 そこで、いろいろとこの後、私やりたいと思うんですけれども、きょうは時間ございませんので……。外務大臣、これは非常に私は大事な問題であると思います。特に東南アジア諸国からの留学生を受け入れている、そういうふうな意味では、この東南アジアに対する外交の姿勢としても、こういうふうな長年続いてきた日本語学校が閉鎖をしたり、あるいは満足に授業が受けられなかったり、あるいは未収の状態がこういうふうにあるということは、そこに管理の手落ちやらあるいはいろいろな問題が波及してあるんじゃないか、こう思います。そういうような意味からも、私は特にこの問題についてはいろんな角度からまた支援もし、あるいはこういう事故が起きないように手当てをしていかなければいけない、こういうふうに思うんです。 この問題については、最後に、大臣はどういうふうにお考えなのか、また、外務省として今後どういうふうにこれを指導していらっしゃるつもりか、これもあわせて御答弁を願いたい。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 国際学友会の問題が非常に世間を騒がせまして、大変残念なことであり、またかつ申しわけないと思っておる次第でございます。 ただいまお聞き取りいただきましたように、四十年の歴史があるわけでございますけれども、特に戦後におきましてなかなかこの経営がうまくいかない、いろいろなことで問題が起こっておるわけでございます。 これにつきましては、ただいま御指摘になりましたような管理の能力等につきましても御批判が出ておるわけでありますけれども、相当な多額の国庫補助金が出て、いただいております。そのために、宿泊料などが一般の世間の下宿代などと比べて非常に安いわけであります。安いために、一度入ってしまったら何とか口実をつけて、出て行ってくれない。そういうわけで、いま日本語学校に学んでおる人たちを収容したいわけでありますけれども、一度入ってしまった方が出て行かないために、ほとんど日本語学校に学ぶ人は入れない、こういう事態に立ち至っておるわけであります。そういう事態を何とか改善をしなきゃならないということで、いろいろな施策を考えはいたしたわけでありますけれども、なかなか実行ができないということであったわけでございまして、いよいよ今日、過去におきますそのような経営のうみが一挙に噴き出したというような形になっておるわけで、大変これは残念なことでございます。 そういうときに、一応このことしの予算編成の際に再建計画を大蔵省にお願いをして立てたわけでありますが、その再建計画も結局、宿舎に入っている方々が反対をして実行できない、こういうことであります。何とかこの再建を軌道に乗せたいというので、留学生関係の経験の深い方に集まっていただいて、どうしたらいいかということをいろいろ御相談をしていただいて、いま一応その方々の意見というものが固まった段階であります。その意見に沿いまして、何とかいまとまっておるところの日本語学校の教育をとにかく再開をするということにこぎつけたわけでありますので、これから在寮生諸君の了解を得てこの再建にかかりたい、こういうふうに考えておるところでございますが、今後ともいろいろな面で御指導を賜りたい、こう思っておるところでございます。
○塚田大願君 このたびの先進国首脳会議で、大臣、大変御苦労さまでございました。 けさほどからもこの問題でいろいろ質問が行われましたが、大臣の御答弁を聞いておりますと、とにかくこの会議は自由な経済体制を守ることができて成功だったというふうに評価されておられます。しかし、どうもこういう評価は少し甘過ぎるんではないかという感じが私どもするわけであります。と申しますのは、やはり一般の国民の論調を見ましても、今度の会議では、今日のこの深刻な世界経済の危機を打開するための積極的な方策は見出せなかった、そして、日本はいわゆる機関車としての役割りを押しつけられて重荷をしょってきたというのが、これが一般的な共通した認識でございます。こういう点から見ますと、大臣の評価が少し甘過ぎる、そんなものじゃなかったのではないかという疑惑がやはり払拭し切れないわけであります。 〔理事大塚喬君退席、委員長着席〕 この問題は、私どももこれは理論的に考えまして、今日のこの経済危機というものは決して単純なものではない、やはり今日の資本主義経済体制の構造的な所産である、したがって、そう簡単に右から左に解決できるような、そんな甘っちょろいものではないという考え方を持っておるわけであります。それにいたしましても、こういう論議はおきましても、やはり日本としまして今度の会議で、たとえば貿易問題あるいは景気対策、あるいは発展途上国の援助問題、こういう問題を見ましても、結論的に申し上げますと、アメリカに対する追随といいますか、あるいはそのアメリカの世界経済支配の意向、ねらいに対する補完的な役割りを果たしたのではないか、こういう疑問があるわけであります。 きょうはしかし、私はほかの問題で質問しようと思っておりましたので、余りこの点で詳しく突っ込んだ質問、論議はできないと思うのでありますが、一つだけこの問題についてひとつ大臣の所見をお伺いしたいんです。たとえば貿易問題をとりましても、非常に不協和音といいますか、みんなこうばらばらな見解というものが出された。たとえば共同宣言には盛り込まれておりませんけれども、フランスのジスカールデスタンが言ったといわれておるあの秩序ある自由貿易、あるいは自由貿易の組織化といったような問題提起は、やはりいままでの日本のやり方に対する手厳しい批判であったというふうにも考えられます。 また、二番目に景気対策の問題をとりましても、午前中論議されましたが、実質六・七%成長、こういう問題と七億ドルの国際収支の赤字というこの二律背反の問題、こういうむずかしい目標を達成しなければならない。大臣は数字は出ていなかったんだとおっしゃるんだけれども、数字が出ようと出まいと、とにかくそういう内容であったことは、これはもう一般共通の認識だと思うのであります。これなんか見ますと、こういう無理な目標を日本が達成しなければならないということは、やはりアメリカを中心とするいわゆる帝国主義的な同盟への忠誠をはかられる結果になるんではないか、こういう点が非常に不安として残るわけであります。現に自民党の河本政審会長なんかは盛んに、追加的景気対策が必要であるとか、あるいは大型補正予算が必要である、こういうことを言っておられます。こうなりますと、財政危機とインフレの懸念というものが一段とわくわけであります。 また、この国際収支七億ドルの赤字の問題にいたしましても、大企業、たとえば自動車のような大企業がそういう姿勢を変えるんならばとにかく、そうでなければ、福田さんが集中豪雨的な輸出はやめますと言ったって、そんなに簡単にこれがやまるわけではない。にもかかわらず、アメリカあたりは発展途上国から靴などを輸入したらどうだというようなことを言ってくる。こういうことになりますと、国内の中小企業はもう大変な打撃を受けるわけであります。ですから、この景気対策を見ましても、やはり日本の独自の立場というよりもアメリカに対する追随、あるいはそのアメリカの世界政策に対する補完ということになるんではないだろうかという点が私どもの疑問として残るわけであります。 それから三番目には、発展途上国への援助問題でありますけれども、たとえば発展途上国への援助をするために輸入を拡大する、あるいは援助を強化するというようなことは、これは決して途上国との自由な経済関係、あるいは南北問題の本当の解決ということにはならないのではないか。もし本当にそういう点で真剣に発展途上国のことを考えるならば、もっと自主的な平和な公平な、平等な経済秩序をつくり出していくという努力がなければ、やはり問題は解決しないんではないかと思うのであります。 そういう意味で、大臣にお聞きしたいのは、これは簡単でよろしゅうございますが、とにかく日本がやはりアメリカの枠の中に組み込まれているようなそういう政策、そういう外交、そういう姿勢では、本当に今日の深刻な世界経済を打開する道というものを探し出すことが不可能ではないかということを考えているわけでございまして、その点でひとつ大臣の所見をまずお聞きしておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回、七ヵ国の首脳が集まられまして話し合われたわけでありますけれども、先ほども申し上げたことでありますけれども、今回の会合というものは、国際経済上二極化現象などということが言われております。しかし、この首脳が集まられたこと、これは何より七ヵ国、これは七ヵ国だけではありませんけれども、とにかく世界的な考え方でお互いに協力をして乗り切ろうではないか、こういうことが方向づけられた。そういう点で一番の意義があったというふうに思います。 国際機関としても、いろいろな国際機関があって、それぞれ専門的にやっておりますけれども、この首脳会議で申し合われましたような、世界が本当に相協力して進もうではないか、こういうことが一番の成果ではなかったろうか。これをしてアメリカが指導した枠組みに組み込まれておるのではないか、こういうようなお話でありますが、私ども率直に議論を聞いておりまして、そのようなことではむしろなくて、アメリカ自体としては非常に強力な力を持っております。強力な力を持っておりますから、自国だけに都合がいいような政策は幾らでもとり得るわけであります。しかし、そういうようなところに決して固執をしておらない。日本とアメリカの間には、テレビの問題、その他いろんな各種の具体的な問題としてはありますけれども、そういうような考え方でいったのでは、それぞれの国が自国本意で都合のいいところはもう門戸をみんな閉ざしてしまって、そういう経済運営になっては、これは世界の全体のために大変なマイナスになるということを皆認識をしておるわけで、その点は福田総理が強く主張された点でございます。特に、一九三〇年代の大不況というものの経験を忘れてはいけないということを強く主張されたのもその点でございまして、決してアメリカの枠組みの中でみんな決められてしまうという、そういうような印象を私は全く何にも、むしろ逆な、世界が協調してこの危機を乗り越えていこうと。 今日、資源問題有限時代、油の価格が四倍あるいはそれ以上に上がったことに伴う世界的な経済困難というものが依然として未解決である。油の輸入国は皆苦しい立場にあるんだ、こういうことで、これを救っていくために景気の浮揚を図るということもまず必要なことでありますし、また、先進国の中でも国際収支が非常に苦しいものがある。これらについてはIMFの増資その他によりまして何とか防いでいきたい。そして南北問題、特に油を産出しない途上国の困難というものはまた大変なものでありますので、これらにつきましては、来るべき国際経済協力会議——CIECと呼んでおる会議でありますが、これを何とか成功させて、途上国と先進国との歩調を合わせて乗り切ろうではないか、こういった広く言って国際協調の精神がうたわれておる。 また、いわゆるコメコン諸国につきましても、いろんな武器の援助等というようなことではなしに、やはり経済的な向上を入れた援助、先進国としての援助体制に一緒になってやるように呼びかけようではないか、このような意見も強く出されたわけで、そういうように、決してアメリカ一国のことを考えてのことではない。世界は広い一つの経済という、これを何とか改善を図りたい、こういう期待に満ちた会議であったというように考えているところでございます。
○塚田大願君 大臣は、大変この国際協調ということをバラ色に描かれておるようであります。それが私どもにとってむしろ不安を感ずるところであります。じゃそれほど世界がバラ色であったなら、何で日本がこういうインフレ、不況、そういうものをますます背負って進まなければならないようなそんなことに、公約と大臣は言ってないけれども、一応そういう約束のようなものができておる。こういう状態だったら日本の経済の発展、再建というものはなかなか大変なことになるんではないか、私どもはこう思うわけであります。でありますから、ただ美しい言葉だけでは問題が解決しないので、そういう意味では、何かやっぱり重荷を背負わされたという感じを拭い切れないわけでございます。しかしこと問題は、これからも活発に論議されるところでありましょうし、また、これからの施策を見なければその結論は出てこないと思いますので、きょうはほんの一言、大臣の御苦労を感謝して所見を伺った、こういうことでございますから、この問題はこのぐらいにしておきます。 まず第一に、きょうの問題点は、外務省の職員の中にいわゆる大銀行のエリート社員が出向して、在外公館に派遣されておるという問題であります。これは俗によく天上がりというふうに言われまして、あのロッキード問題が起きましてから天下り、天上がりという問題がずいぶんやかましく論議されまして、私も昨年の十月に、この決算委員会でも天上がり問題について質問をいたしましたが、きょうは外務省関係のこの天上がり問題についてお聞きするわけであります。 私がなぜこの問題をしつこく取り上げるかというと、やはりロッキードに代表されますようなあの汚職、腐敗、いわゆる政界、官界、財界の癒着というふうな問題をはっきりさせなければ、本当に政治というものが国民のためにならないという観点からこの問題を追及しているわけでございますが、先般外務省から資料をいただきました。ことしの三月現在で、銀行から外務省に出向されておる大使館員、この表をいただきました。 この表は外務省お持ちだと思うのでありますが、二十一名ございます。この人たちの行先を見ますと、大体発展途上国と申しますか、この数年来日本との経済関係が非常に密接になって、また、これから急速に密になろうとしているというふうなところでございます。外務省発行の「わが外交の近況」を見てもその点が明らかでございます。たとえば、アラブ首長国連邦の場合、大変経済関係も年々緊密化しておりますし、あるいはポーランドなどもそうでございます。 問題は、この二十一名の大銀行から大使館員になられ、外務省の職員として活動しておられる方々、これが全員退職しているのかどうか。つまり兼職でなくて、銀行から外務省の職員となられたときに、はっきり銀行を退職しておられるのかどうかですね。どうもこの点がはっきりしないんですが、まず、このことをひとつお答え願いたいと思うんです。
○政府委員(松永信雄君) 御指摘ありましたように、現在各銀行から約二十名の方を外務省がこの数年間採用いたしまして……
○塚田大願君 二十一名だ。
○政府委員(松永信雄君) 二十一名……
○塚田大願君 あなた方の表は。
○政府委員(松永信雄君) 二十二名……
○塚田大願君 この表、あなた方持っている。(表を示す)
○政府委員(松永信雄君) 失礼いたしました。お手元に差し上げました表に、もう一名実は追加になっているそうでございます。現在二十二名でございます。 主として銀行からの出身者でございますが、これらの人たちは外務省の職員といたしまして正規に採用いたしまして、在外公館に配置する場合には、お手元に差し上げました表にもございますように、それぞれの大使館の二等書記官あるいは三等書記官、または副領事という肩書きで派遣しているものでございます。親元の銀行等から採用をいたしたわけでございますけれども、当該銀行の職務を兼務しているという事実は全くございません。
○塚田大願君 人事院が来ていらっしゃると思うんですが、人事院にお聞きしたいんですが、もしこれらの人々が万一退職していないことを外務省が知っていたにもかかわらず、退職したことにしている、つまり黙認といいますか、そんなふうなことに、仮に黙認したというようなことになりますと、これは国家公務員法第四十条の人事に関する虚偽行為の禁止条項に抵触すると思うんですが、人事院の見解はどうでしょうか。
○政府委員(今村久明君) お答えいたします。 ただいま先生から御質問になりました事実関係でございますけれども、私どもいまのようなお話を伺うのは実は初めてでございまして、全くそういう事実関係があるということについて把握しておりません。したがいまして、ただいまのような事実関係につきましての事実の確認をいたしませんで、軽々にその判断を申し上げるということは適当でないかと思いますが、一応、ただいま先生から公務員法上の取り扱いの問題が質問がございましたので、制度上の問題を、一般的な原則だけを申し上げておきます。 国家公務員法の四十条というのがございまして、ここに人事に関する虚偽行為の禁止規定というのが書いてございます。その内容は、「何人も、試験、選考、任用又は人事記録に関して、虚偽又は不正の陳述、記載、証明、採点、判断又は報告を行ってはならない。」という規定でございます。したがいまして、ただいまの在外公館の話は私、全く初耳でございまして存じませんが、私どもいままで経験しましたところでは、経歴詐称あるいは学歴詐称というようなことで採用されるというようなケースがございまして、これらがこの四十条に該当するというケースはございます。ただ、ただいま先生の申されました関係につきましては、私ちょっと判断がいまつきかねるという状況でございます。
○塚田大願君 人事院としてはそうだと思うんです。いまお聞きしたのは法律的な解釈でございます。この国家公務員法によりますと、百十条では、これに違反をした場合には「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」と、大変厳しい罰則がついている法律であります。 そこで私は、やはりこの問題を厳密にしておかなければいかぬと思うんですが、私の調査によりますと、大変これが怪しげなのがずいぶんあるんですね。外務省は確かに退職している、兼職はしていないとおっしゃるんですけれども、この天上がりというのはそう単純ではないんです。やっぱりこれだけの一流銀行から途上国の大使館の二等書記官、三等書記官あるいは副領事なんかになるというのは、これはたまたま偶然にそうなったというふうなことではないと思うんです。 私の調査によりますと、たとえばこういう例がございます。三和銀行であります。三和銀行から一人出ておられますが、この場合には社員としておる、ただ休職にしてある、休職として出向している、こういう答えであります。社員としていると言うんですよ。それから東京銀行、これは一時退職しております、しかし、実際上は休職であります、こういうことです。それから三菱銀行、在職しております、給料は当行から支給しております、どうですか、給料をもらっておるんですよ。これはもうはっきりしているでしょう。富士銀行、人事部付で職員録に載っておる、五十一年六月現在で。さらに電電公社の場合ではもっと明確でありますけれども、この名薄にはっきり載っております。調査役とかいろいろな役職がついております。大体調査役ですか、ここは二人おられるんですけれども、そういう状態です。ですから、先ほど官房長は退職しておるとおっしゃったんですが、どうもその辺がやはり大変あやふやだ。私どもの調べた限りにおいてはそうなんですが、この点はどうですか、もう一回答えていただきたい。
○政府委員(松永信雄君) 先ほど私は、銀行から採用しました者が親元の銀行の職務に従事しているという事実は全くないということを申し上げたわけでございます。これはまさしく、兼職をしているとすればいろいろと誤解も生ずるからということから考えているわけでございますけれども、私どもが銀行等から若い職員の人を採用しておりますゆえんは、最近の国際経済情勢にかんがみまして、国際金融であるとか経済協力等について、専門的な知識を必要とするという分野が非常にふえております。外務省の職員力をもってしては十分にその必要とする需要に応ずることができないために、採用して在外公館に配置しているわけでございますが、そのために配置しております先は、大部分がいわゆる開発途上国になっているわけでございます。これらの人たちは、きわめて優秀な在外公館の館員として活動をしておりまして、私どもはその活動を非常に高く評価しているというのが現状でございます。 さきに申し上げましたように、私ども外務公務員は、当然国家公務員といたしまして国民全体の奉仕者として、全体の利益のために職務に専念しなければならないという義務が最も基本的な義務であると考えております。これらの銀行等から採用いたしました人たちにつきましても、その採用時におきましては、国家公務員としてその職務に専念をし、法令及び上司の職務命令に従うという宣誓書をとりつけており、現に本省におきましても、また在外公館長におきましても、先ほど御指摘がありましたような、いやしくも兼職をしているのじゃなかろうかというような誤解を与えることがないように、平常から十分に指揮監督をいたしております。現にそういう事実は全くないということを、私としては断言申し上げることができると思います。
○塚田大願君 私どもが申し上げておるのは、民間の優秀な頭脳を使ってはいかぬとかなんてなことを言っているのじゃないのです。つまり外務省がこの大銀行と、いわば癒着しているようなかっこうで、在職している銀行員をそのまま在外公館の外交官として使っておる、中には、給料が銀行から出ておると言われているような人すらいるわけです。あるいは休職であるとかいろんな形ではあっても、それは形の上はどうにでもなるかもしれない。しかし、問題は中身ですよ。実際に政府と外務省と銀行が癒着しているとすれば、やはりロッキード問題で象徴されますような、ああいう事件が起きないとだれも保証しないのですから、そのために汚職防止法すらいま論議されておるという状態でありますし、そういうことで、形式的なあいまいなことで、あるいは民間の知恵を借りるんだという美名に隠れて、こういう癒着を許すようなことがあってはいかぬということを私は言っているわけです。 いまのお話ではやっぱり、いわば通り一遍の答弁しか返ってきません。しかし、私どもが調べた限りにおいては、幾つかの疑問点が出てきている、こういう状態でありますから、本当に採用するならば、国家公務員法の規定によってきちっと採用して、大いに優秀な頭脳を活用してもらうことは結構だと思いますが、いまのような問題がございますから、これはひとつ外務省としてはこういったことも、あいまいなことをやめる、きちっとするという点で、さらに報告を出していただきたいと思いますが、どうでしょう。 それから、人事院にお願いしたいのですが、いま言ったようなことです。至急、こういった問題があるとすれば重大な瑕疵でありますから、ひとつ人事院でも調査をしていただきたい、このことを御答弁願いたいと思います。
○政府委員(松永信雄君) 私、さっき御説明申し上げておりますように、銀行からの採用をいたしますときに、銀行員として採用しているわけではございませんで、外務公務員法の規定に従いまして外務公務員として採用いたしているわけでございます。それは正規の職員でございます。非合法な、あるいはもぐりの採用をいたしているわけでは全然ございませんので、その点は御了承いただきたいと思います。 また、先ほど来私が何遍も実は繰り返して申し上げておりますけれども、先生がおっしゃいましたような銀行との癒着というようなことが、もしございますれば、それは私どもとしては実はあってはならないことでございまして、そういうことがないように細心の注意を払って、十分な指揮監督もしているわけでございます。現にある特定の銀行から出向している者が、たとえばサウジアラビアに在勤している、そのサウジアラビアとの経済協力のために、その出向している銀行員がいるから、その銀行のために便宜を計らうとかどうこうするというようなことは、一切やっておりません。現に来ている人たちの名誉のためにも、私はこれは断言させていただきたいと思います。そういうことがもしあるとすれば、それはゆゆしき問題でございますけれども、全くそういう事実はございません。ただ、そういう誤解が生じないように、また誤解を与えないように、もっと細心の注意を払えという御指摘かとも存じますので、その点につきましては、私どもも今後十分に注意してはまいりたいと思います。
○政府委員(今村久明君) お答えいたします。 人事院といたしましては、公務員制度全般を所管する立場にございますので、各省庁におきまして適正な人事管理が行われるべきであるということを強く望んでおり、また、期待もしておるわけでございます。 ただいまの問題につきましては、先ほども申し上げましたように、事実関係を確認しておりませんので、軽々にああしろこうしろという判断は差し控えさしていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、そういう問題があるという御指摘がございましたので、外務省の方からも十分事情を聴取いたしまして善処してまいりたいというふうに思います。
○塚田大願君 ぜひ人事院にはお願いしたいと思うんですが、外務省の方ですね、もちろん癒着をして何か悪いことしていたとすれば、これは大変なことですよ。私どもそんなことはあってはならないし、ないことを望んでいるわけなんです。しかし、現実にこういった天上り、天下りということが世論の中で非常にやかましく言われているとき、李下に冠を正さず、瓜田に履を納れずということを、外務省、そのぐらいの気持ちでないと、いいかげんなことで形式上きれいになっていりゃいいやなんてな調子では困る、そういう点を私は申し上げているわけであります。決して、いま行っている方々の名誉を傷つけようとか何かというような、そんなことはちっとも考えていません。制度の上できちっとしてもらいたい、こういうことであります。ですから私は、名前もあえて固有名詞は挙げておりません。そういう点でございますから、ひとつ十分に慎重にやっていただきたいということであります。 時間が大分、私の時間が短かいので、もう一つ問題があるんでそっちの方に移ります。 次の問題は韓国アルミの問題であります。韓国アルミの問題は四十八年の十月、十一月、この決算委員会で私、二回質問をいたしました。それからもう約四年近く経過したわけでございますが、最近、今度の予算委員会でもいわゆる日韓問題が新しい政治問題として浮かび上がってまいりまして、その中でわが党の橋本議員が、わが党が独自で入手いたしました韓国国会の調査報告書、これについて質問をいたしました。これはつい先日でありますが、この韓国国会における報告書ですね、韓国アルミについての報告書。外務省にこれがあるはずだから提出しなさいと言ったわけであります。 実は、この報告書は私が四十八年の十月のときにも、これがあるはずだ、提出しなさいと言ったんです。そうしたら、当時の水野清外務政務次官は、ソウル大使館に問い合わせたがそういうものは存在しないといううそを言ったんです。それから私はまたさらに追及いたしまして、十一月のこの委員会で再び問題にしましたら、訂正いたしまして、いや、実はありましたと当時の高島アジア局長が渋々これを認めました。こういう経過があるんです。四年前からこれは問題にしているんです。 ところが、今度この三月の予算委員会で橋本議員がこの内容を出しなさいと言ったら、外務省の中江アジア局長は、報告書そのものはまだ入手できてない状態でございますと。四年かかってまだそんなことを言っているんですね。全くまあ人を食ったというか、国会を侮辱したというか、とにかく公式の場で問題になって四年間、しかも、今度日韓問題が新しく出てきているときに、この韓国アルミの不正問題について何も外務省はいまだ入手していない、こういう答弁をされたわけであります。 じゃ実際入手できていなかったとすれば、この四年間外務省は何をやっていたんだろう、あるいはソウルの大使館は何をやっていたんだろうという疑問がわきます。国民の高い税金を使って在外公館は何にもしないで遊んでいた、こんなばかな話があるもんじゃないですよ。あるいは、国会での議員の質問なんか適当にそのとき聞き流しておけばいいんだというようなことだったら、これは重大な怠慢だと思います。さらに、実際に入手していながらうその答弁をしたとすれば、これは一体どういうことになりますか。国会の国政調査権を侮辱した行為ということになります。一体どっちなのか、はっきりさしてもらいたいと思うんです。 ところが、ついでに言っておきますが、この橋本議員のときに、まだ入手していないと言ったにもかかわらず、二週間たちまして四月の十四日ですか、私の会館の事務室の中にこれがそっと投げ込まれていたんです、この翻訳書が。その予算委員会では、ないと言ったのが、私の会館の事務所の中へちゃんとタイプで打った翻沢書が投げ込まれていた。まるでミステリーみたいなもんです。こういう状態なんですが、この問題について、まずひとつ、外務省は一体何をしていたのか、そして、どうしてやっとこういうものを手に入れたんだったら手に入れたで、きちっと出してくれないのか、会館の事務所に投げ込んであるというふうな、そういう不見識といいますか、無礼なやり方というのはないと思うんですが、一体外務省、これについてどういう考えをお持ちなのか、お聞きしたいと思うんです。
○政府委員(中江要介君) 塚田先生御指摘のこの報告書の件でございますけれども、いま先生もお触れになりました、三月三十一日の参議院の予算委員会で私が答弁申し上げましたときに、これは橋本委員からの御質問に対しまして、ソウルの大使館は何もしないでいたわけではございませんで、いろいろ報告書の内容は調べて、調べるというか調査しておりまして、その内容として聞いておりますところではこうこうであるということを私は答弁いたしまして、ただ、その報告書そのものはまだ入手できていないということを申し上げて、これはそのとおりで別にうそもございませんし、隠しているわけでもなかったわけでございます。 そうしますと、四年前から言っているのに、どうして報告書をいつまでも入手しないでいたのかという御疑問なんですが、これは、私、その間どういう経緯であったか、私自身の体験としては記憶にはないんですけれども、四十八年当時に、塚田委員から本件が国会で提起されましてから、ソウルの大使館では、その前からすでに新聞その他で言われておりましたので調べておりましたところが、韓国アルミというのは再建築といいますか、再建策がだんだん進んできているということの報告がソウル大使館からございまして、他方、この報告書そのものが韓国の国会の議事録の不可分の一部ということでございましたので、その外国の国会議事録の一部を、そのものをまず入手するということもさることながら、それをフォローいたしましてその内容を見てきたと。その結果が、他日予算委員会で私が口頭で御説明したような内容であったと、こういうことを申し上げました。 その後、塚田委員から重ねて、これは三月七日のことだったと思いますが、資料として提出するようにという御要求がございまして、ソウルの大使館では、これはすぐにどこかに行って手に入るというものではないものらしくて、国会議事録の一部でございますので、向こうの国会図書館に参りまして、実費を払って複写をするという方法でこれを手に入れて、そしてそれを翻訳いたしまして準備が整ったのが、いまおっしゃいました先月の上旬であったわけでございます。 これの提出の仕方といたしまして、私ども通常の手続でございます、政府委員室を通じて先生のお部屋に届けるという手続をとったわけでございまして、ミステリーのようにぽとんと投げ込んだというような意識は私ども持っておらないわけで、その間、長い間の時間の経過の間で先生の御期待に沿えない、つまり、報告書そのものの提出というものがおくれたということについては、あるいは私どももう少し、まず、報告書の内容よりも報告書そのものの入手に努力すべきであったかなという点は、反省しておるわけでございます。
○塚田大願君 この四年前から問題になっている問題、最近の日韓癒着の問題で、改めてソウル地下鉄の問題であるとか韓国アルミの問題が持ち上がったわけですけれども、韓国と言えば大変近い国です。韓国の国会と言ったってやっぱり同じ近い国会でありまして、その国会の報告書が、議事録が四年もかからなければ、あるいは何回もここで、三回も四回も委員会で問題にしなければ手に入らないなんということは想像できないですね。何かそこに意図的なものがあったんではないか、こういうふうに勘ぐらざるを得ない。 あるいは、国会図書館で調べました。国会図書館で調べたら、国会図書館には韓国の会議録がちゃんとつづってあるんですね。ところが、肝心かなめのこの報告書のところだけが欠番になっておる。まことにこれも不可思議というか不可解というか、全くびっくりしました。そして、私どもは党として別のルートで会議録を入手しまして、すでに橋本議員が質問するときには私ども持っておりました。あなた、局長さんはごらんになったでしょう。そういうことなんです。 やっと出たんですから、それはそれとしていただいたんだからいいんですが、とにかく、いままでの経過が余りにも暗過ぎるですよ。何となく何かがあったんじゃないかという感じ。したがって、その韓国アルミの不正問題の問題が——これは本物はこっちにあるんですが、それとの関連でやはり外務省があえてこういうことをしたんではないかと思うわけです。 そこで、この論議をやっていますと時間ばかり食いますから、ひとつ外務大臣にまず、この問題はこういう経過なんです。大臣は四年前の話なんか御存じないでしょうけれども、四年前に大きく盛り上がった問題ですから、それがやっとこういう状態になったというのは、私は、やっぱり外務省あるいは政府の国会の国政調査権に対する姿勢の問題だと思うんですが、その点で大臣の所見をひとつ伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま経過につきましてアジア局長から御説明申し上げたところでございまして、私、事実関係を全く知らないものでございますので、何とも申し上げようがないのでございますけれども、国会の御審議、これには最大限の努力をいたしまして御協力申し上げるのが当然のことでございます。時間がいろんな意味でかかったことが何に起因するかということも、私、事実関係をつかんでおりませんが、国政調査権には、極力私どもも御協力を申し上げますということだけを申し上げさしていただきます。
○塚田大願君 これからぜひそういう点気をつけていただきたいと思うんです。 それで、委員長にちょっと注文があるんですが、私はこの報告書をもらったんです。しかし、これは私だけです。これは決算委員会で四年前ここで問題になった問題ですから、当然委員会に提出するようにひとつ要求してもらいたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 委員長が御指定になれば当然のことでございます、御提出申し上げます。
○委員長(鈴木力君) それでは、いまの塚田委員の要求のとおり、委員会にひとつ御提出をお願いいたします。
○政府委員(中江要介君) 恐縮でございますが、一言だけ。 塚田委員が、日本の国会図書館でその部分だけ欠けていたという点を御指摘になりましたので、その点はこういうことになっておるということを御参考までに申し上げておきたいのは、一九七二年の五月から、日本の国会図書館と韓国の国会図書館では国会会議録の交換を行うということになっておるわけです。この交換を行った国会議事録は公開されておるんですが、ただ、一昨年までは交換される国会議事録の場合には、いわゆる本会議の議事録だけであって、特別委員会の議事録は交換されないということになっておった。 その後、昨年から特別委員会の議事録その他そういうそのほかのものも、作成されたものについてはすべて送付するということになっておりますので、昨年からはこういったものはすべて交換されるというたてまえになっておりまして ちょうど問題になっております報告書の出ましたころは、本会議の議事録だけをまず交換するという約束のもとで交換されておりましたので、その部分がなかったというのは、当時の手続としてはそういう実態であったということを、ちょっと御参考までに申し上げておきます。
○塚田大願君 そのことは、じゃ私の方でももう一度国会図書館の方を調べて確認しておきます。 そこで、もう時間もどんどん過ぎましたが、内容の問題なんです、御承知でしょう。 まず、通産省にお伺いしますが、通産省から当時、これは四十八年の十月二十九日付になっていますが、この資料を私もらっておるんです。通産省として、韓国アルミは——ちょっと内容を読んでおきますと、 韓国アルミは三十九年、昭電、トーメンに対し、ボーキサイトよりアルミ地金までの一貫プラント、設立計画に対する協力要請を行ない、両社は協力を約束。四十年韓国アルミはアルミニウム年産一・五万トン、アルミナ年産四万トンの工場設立についてのFesibility studyを依頼。昭電は、四十年春、技術者五名を派遣し、約一カ月調査を行なった結果、『ボーキサイト⇒アルミナ』の原価が、トン当たり五万円を超すことが見込まれ、国際競争力の観点からみて問題があるので、当面は、『アルミナ⇒アルミニウム』の工程に限定し、『ボーキサイト⇒アルミナ』の工程は、アルミニウム地金工場の増設により相当の規模(年産二十五万トン程度)に達した時点で検討すべきであるとのアドバイスを行なった。その結果、アルミニウム生産工場のみになった。 というふうに記載されて、当時このことは何回も確認されておるんです。 つまり、最初はアルミナ工場とアルミニウム精錬工場の二つを計画をしておった。ところが、採算上問題があるというのでアルミナ工場はやめた。つまり、ボーキサイトからアルミナにする工程の工場はやめて、これは日本から輸出する、こういうことになって話が決まったんです。 ところが、昭電がその一年後の四十一年七月に、資金導入許可をもらうための条件として、アルミナ工場の建設を一年四ヵ月以内に着手するとの覚書を、トーメンと韓国アルミニウムの三者連名で韓国企画院に提出しているんです。一度やめたと言ったやつを、もう一度再建すると言ってその覚書を三者でつくった。これは明らかに予盾した行動なんです。問題は、その行動が予盾しているだけじゃない、問題は金なんです。輸銀の融資千三百四十八万ドルの中に、いろんな問題の金があるんではないかということが当時問題になった。したがって、この問題を解くかぎというものは、この覚書をつくったこのところにあると思うんです。一度やめた工場をもう一度つくるという怪しげな覚書を韓国企画院に提出しているわけです、昭電とトーメンと韓国アルミ、この三者が。 ですから、最初は二つつくるという場合、アルミナ工場とアルミニウム工場をつくる計画のときには千五百七十二万ドルだったんです。その中身は、アルミニウム工場が七百五十万ドル、アルミナ工場が八百二十二万ドルという計画。ところが、一年半後の覚書によりまして、アルミニウム工場七百五十万ドルから千三百四十八万ドルに水増ししちゃったわけです。アルミナ工場は、最初はやめると言ったのだけれども、この覚書の段階で、これが何とどうです、最初の計画では八百二十二万ドルの計画が二百二十三万ドルで建設する。四分の一ですね。四分の一の費用でこれをつくるという、まことにだれが見てもおかしな契約、覚書ができたのです。これが事の中身の問題点なんです。したがって、二百二十三万ドルでつくるというアルミナ工場はついにできなかったわけです。できるはずがないんです。また見込みも全然ないんです。八百万ドルのものを二百万ドルでつくるなんて覚書をつくったって、最初からつくるあれがなかった。それで結局つくらなかった。 それで、韓国の国会でもこの問題がやっぱり非常な問題になりまして、この特別委員会の報告書では、韓国政府の企画院にアルミナ工場を建設できないようにした責任があるということを、報告の中で指摘しております。もうはっきりしておるんです。 したがって、こういう経過でありますから、まことに怪しげな経過をたどってアルミ工場が建設された。アルミナ工場はどっかにすっ飛んだ。アルミニウム工場だけが水増しされて膨大な資金で建設された。その中にはいろいろ問題があるんじゃないかというのが当時、たくさんいろいろな事例として挙げられて、韓国でもこの点では大分詳細にやったようでありますが、やはりまだはっきりしないという点がたくさんあるのです。依然としてこの問題は解決していないんです。 とにかく、日本の昭電とトーメン、韓国アルミ、この三者、その中にいろいろな政治家が介在をしている、こういうことなんで、これはなかなか簡単に片づくような問題ではないと思うんです。しかし、こういう今日政治腐敗やなんかが問題になっておりますとき、やっぱりこれははっきりさせなきゃいかぬ。特に日韓癒着が言われているとき、これは公明正大に国民にしておかなければならない問題だと思いますので、この問題を改めてこの段階で外務省、通産省、もう一回はっきり、調査をその後したのか、またこれからどうしようと思っているのか、その辺をひとつ見解を聞かしていただきたい。 それから会計検査院、もう時間が来ましたから、ついでに会計検査院にもお願いをしておきますが、会計検査院は、橋本質問のときに、十分特別な注意を持って監査をするというふうに答弁されたわけですが、この点もひとつぜひ十分にやっていただきたい、こういうふうに思うわけです。 ひとつ、以上外務省、通産省、会計検査院お願いしたいと思います。
○政府委員(中江要介君) この報告書を読みまして、塚田委員と同じように私どもまだわからない点がございますので、そういう点について通産省その他関係の企業の問題もございましょうし、外務省としても協力しながら、もし何か間違いがあるようでしたらそれを正していきたい、こういうふうに思っております。
○説明員(照山正夫君) お答えいたします。 先般四年前、四十八年でございますか、塚田先生に私どもの方から御説明をいたしたのは、当時関係者から聴取した内容につきまして御報告申し上げたわけでございます。通産省といたしましては、このアルミのプラント輸出問題につきましては、輸出貿易管理令上の輸出承認を行うという立場で当時関与をいたしたことになるわけでございますけれども、輸出承認に当たりましては、その機械の内容でございますとか、あるいは代金回収の可能性でございますとか、延べ払い条件か適切であるかどうかという点について審査をいたすことになっておりまして、当時通産省といたしましては、十分にその点審査を尽くして輸出承認を行ったものであるというふうに私ども聞いている次第でございます。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 先般、橋本委員からの御質問で参議院の予算委員会でございまして、その節、先ほど先生おっしゃいましたように、特別の検査をするということを御答弁いたしまして、四月の初旬に課長ほかベテラン調査官三名で本件を調査いたしました。これは輸銀が融資いたしましたのは四十四年でございますので、相当古いことでございましたが、その当時にさかのぼりましてこの問題を掘り下げてみたわけでございます。 それで、われわれの検査の対象でございます輸出入銀行につきましては、輸出の契約書の内容とか輸出承認、それから船積みの書類、それから外貨の支払い保証書とか、そういうものを丹念にもう一度見直しまして、千三百四十八万ドルの融資については確認いたしまして、その融資そのものにつきましては、私どもとしては別におかしな点がなかったというふうに判断しております。 それから、予算委員会の節にいろいろ問題になりました昭電の予算総括表とか、それから、先ほど先生おっしゃいました覚書につきましても、輸銀を通じましてトーメンを調査いたしましたんですが、その存在についてはわろわれ確認できませんでした。それと、予算内訳書で書かれているとおっしゃいました八百二十二万ドルと七百五十万ドルというものについても、私ども残念ながら確認できなかった次第でございます。 それで、千三百万ドルというのが果たしてどうであるかということを、また別の立場から関係の技術者などに聞きましたところ、千五百万ドルのほかに韓国内で資金を調達してそれで一たん工場をつくるという、本件の融資以前の商談の段階でそういう話があった。それでその際に、アルミナ工程分と精錬工程分との比率は大体四対六だということでございまして、または三対七というような比率であるということを聞きましたので、それから計算いたしますと、約千三百万ドルというのはそう大しておかしな費用じゃないんじゃないかというふうな印象を持っておりますが、いずれにしましても、まだ書類が十分整っておりませんので的確な判断はできないというのが現状でございまして、今後とも調べていきたいと思っております。
○田渕哲也君 ロンドンにおける先進国首脳会議についてお伺いをしたいと思います。 先ほど外務大臣は、その成果として、各国が協力してこの危機を乗り越えようというそういうことが一つの成果だと言われましたけれども、もう少し具体的に成果と問題点についてお伺いをしたいと思います。 各国が協力してやろうというのは、ランブイエにおいてもサンフアンにおいてもこれは確認されておるわけでありまして、同じことを繰り返しておってもそれは成果だと言えないわけでありますから、具体的に今度のロンドンの会議でどういう成果があったか、またどういう問題点があったか、こういう点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ランブイエ会議、サンフアン会議に引き続きまして今回の三回目の首脳会議におきまして、情勢が前二回のときよりもいろんな問題が出てきたという背景があるわけでございます。そういう問題が出てきて、いわゆる二極化現象とかあるいは南北問題が大変大事になってきた、あるいは累積債務の問題をどうするか、こういうようないわば何と申しますか、オイルショック後の世界の苦しみがみんな大変いま問題になってきた、そういう状況のもとにおきまして、とにかく首脳が集まりまして、皆ひとつ全世界の立場に立ちまして協力して乗り越えようではないか、こういう点にいま一つの大きな意味があるというふうに申し上げたわけでございます。いままでの会議は、どちらかと言えば同じ方向を向いていたような会議だ、こういうことで、皆協力していこう、こういうことが言われておりましたが、今回は、そのような世界的な情勢のもとに協力をしようということがまず第一であろうと思います。 それから、具体的にこれを申し上げれば、大きな問題として不況に対する対処の仕方、特に、このインフレに対する考え方が示されたのも一つの成果ではなかろうか。特に、世界的に失業がまだ大変な高水準にある、この失業を何とか少しでも減らしたい、それとともに、これがインフレの方向に行ってしまったんでは、かえってこれは失業問題、雇用問題に対しましても悪い影響を及ぼすのである。そういう意味で、失業に対処するとともに、インフレに対処するという大きな方向が示されたということも大きな点ではなかろうかと思います。 それから、具体的な問題といたしましては、やはり貿易問題におきまして保護主義的な傾向が世界に出てきつつある、そういう状況に対処しまして、やはりこれから世界が保護主義の方向に、保護貿易主義の方に進んでしまう、各国が障壁を高める、こういう方向に行っては困るということで、逆に東京ラウンドを何とか実質的に新しい刺激を与えるために進展をさせたい、このような方針が打ち出されたことが大事ではなかろうか。 それから次に、エネルギー問題でございますけれども、今日、エネルギー問題がとにかく非常にむずかしい問題である。石油に頼り過ぎていたこの問題から脱却するためには、どうしても石油自体はなるべく節約をしながら代替エネルギーの開発に協力していこう、そういう背景のもとにこの核燃料の再処理の問題、プルトニウムの問題、これにつきまして議論が行われたわけでございます。これにつきましても、エネルギー問題といたしまして核兵器の拡散、これを防ぐために努力をしながら、しかも核の平和的な利用は促進しよう、こういう方向が出されたわけでございます。 また、南北問題に対しましては、とにかくこの差し迫っております南北の対話の場でありますところの国際経済協力会議、CIECと呼んでおります会議をとにかく今度成功する方向に持っていこうではないか、そして産油国を含めた南北問題の解決に当たろう、こういう方向が打ち出されたこと、これらが成果ではなかったかというふうに考えております。
○田渕哲也君 いま挙げられた点は、成果という判断もされようかと思いますけれども、同時に、これは問題点でもあろうと思うんです。それで、インフレ克服が合意された、これはきわめて当然のことであって、特にこれは具体的な成果と言えるかどうか。それから、保護主義を排するといいましても、この自由貿易体制、これは福田総理も記者会見で、自由貿易体制が堅持されることに満足の意を表明されたということでありますけれども、むしろこの自由貿易に対して非常に管理貿易という考え方が強く台頭しておる。だから、従来のこの自由貿易制度から見れば、若干後退のきみというものがこの会議ではあらわれておるのではないか。 それから、エネルギー問題につきましても、これは核の再処理の問題がいわゆる今後の検討ということで結論が出ていない。だから、いずれもこれは問題点は残したままであるというのが今度の結果じゃなかったかと思うわけです。その中で、まず、福田総理が満足の意を表明されておるこの自由貿易体制の堅持ですけれども、外務大臣は本当に、これから自由貿易が維持されるとお考えになりますか。この点はいかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) いま田渕先生おっしゃいましたように、問題点の指摘ではないかというような御説があります。まさに、やはりこれらのロンドンでうたわれました宣言ということは、これは言葉だけでは意味をなさないので、これをいかに実行していくかという点がもちろん一番大切なことであると思います。そういう意味で、これからこのロンドンでうたわれました線に沿いまして各国ともに努力を傾けていく、そしてことしじゅうにもその成果をフォローアップできるようなことを考えなければいけないというようなことも言われているわけでございます。そういう趣旨で、御指摘のとおりであろうかと思うわけでございます。 最後にお述べになりました、一体、じゃ自由貿易体制は本当に貫けるのか、こういう点でございますけれども、いま各国が本当に自分のところだけのことを、貿易に対する障壁を高めるというような行動をとりましたときには、それは直ちに相手国にそれに対する対抗手段が講ぜられる。そういうようなことから、この貿易自体が非常に閉鎖的な方向に進んでしまう、そういう危険がいま非常に強いわけでございます。一、二の国から、現在を切り抜けるにはそのような対策を講じなければならない、こういう主張が出たことも事実でございます。 しかし、集まられました首脳の大半の意見は、そのような方向はやはり各国の首脳自身が極力押さえて、世界的な協調を掲げていかなければ大変なことになる、こういう認識を持った。そういう意味からいきまして、この保護貿易主義を排するということがうたわれましたことは大変よかったというふうに思います。しかし、さらばと言って日本が、これから日本自身の貿易が自由にどこの市場にもどんどん伸びていけるというふうに考えるのは大変これ甘いことでありますし、また危険な考え方であろう。日本といたしましては、やはり相手国のことも考えながら通商政策を進めるという必要があろうかと思いまして、そういう意味では、わが国自身の輸出に対する考え方というものも、これは自粛をしてまいらなければならない、こういうふうに考えております。
○田渕哲也君 今度の共同宣言の中では、開放的国際貿易体制という言葉が使われております。これはこの自由貿易体制とどのように違うものか、この点はいかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) オープンという言葉が使われたわけでございまして、これはやはり表現の問題というふうに私は理解をいたしておりまして、開放ということと自由だということと同じじゃないかというふうに考えております。
○田渕哲也君 私は、必ずしも全く同じという感じを受けないわけです。自由貿易というのはもう自由競争というものが前提となった考え方である。ところが、開放という、オープンというのは、いわゆるその非関税障壁というようなものをできるだけなくして、特に黒字国の輸入義務というものにウェートが置かれておるのではなかろうか。だから、いわゆる弱肉強食の形の自由じゃなくて、やはり黒字国の開放体制を要求するものではないか、そういうニュアンスの違いがあるような気がしますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) あるいは私の語学力の不足かもしれませんが、全くこれは同じことを考えておるというふうに私は理解していたわけでございます。
○田渕哲也君 共同宣言の中には、確かに、いわゆる開放された貿易というものを言葉ではうたっておりますけれども、私は、その背景にある情勢とか、あるいは条件というものを考えてみますと、必ずしも福田総理が喜んでおられるような自由貿易体制というものとはうらはらのものがあるような気がします。黒字国責任論ということも言われておりますけれども、共同宣言の中にも、国際収支赤字の継続的資本調達能力に対応する配分というような言葉があるわけです。これは一体どういうことを意味するのか、この点はいかがですか。
○政府委員(賀陽治憲君) ただいまの御指摘の、「継続的資本調達能力」という言葉、わかりにくい言葉でございますけれども、これは、強い経済の国に対しましては資本の調達が容易である。たとえば産油国等の資本が流れ込みやすいわけでございまして、そういう意味では、その国の資本調達能力が高いということになるわけでございます。その前提といたしまして、産油国に集中しております国際収支の黒字というものがある以上は、他の部分において赤字が生じなきゃならないというふうに必然的になるわけでございますけれども、その赤字を公平に分配しなきゃならぬ。その場合に、やはり資本調達能力に応じました、言いかえれば、その国の経済の力の強さに応じましてそれを分ける必要がある。その方法といたしましては、この宣言付属文書に出ておるわけでございますけれども、主として国内政策によりまして赤字国はインフレの除去に努めまするとともに、黒字国は節度のとれた範囲内で内需の拡大をやりましたり、あるいは長期の資本輸出に努めるというようなことで、赤字のいわゆる公平なる分担の一助とする、こういう精神がこの文書に盛り込まれておる、こういうふうに考えております。
○田渕哲也君 そうすると、これで言っていることは全く矛盾したことになるわけですね。経済力の強い国は国際収支でも黒字になりやすい。ところが、そういうところにたくさん赤字を配分すべきだというのは、全く矛盾したことを言っておるわけです。したがって、これは何らかの人為的なものを加えなければ自然にはそうならないわけで、私は、これは確かにその国の経済政策、そういうもので義務づけをするということも一つの方法だと思いますけれども、それだけで果たしてそういうことができるかどうか。私は、やはり貿易面でも管理的なものが出てくるという、それは必然ではないかという気がするわけです。この点はいかがですか。
○政府委員(賀陽治憲君) これは先生御指摘のとおり、ここのコミュニケの文言に出ております部分につきましては、ただいまのように、国内政策による相互調整を主体とすべしということになっておると解釈されますけれども、御指摘のように、それが全部の施策であるかどうかという点につきましては、必ずしもこれが全部の施策とはもちろん言い切れないわけでございまして、必要な状況に置かれましたる場合には、やはりある程度の秩序ある輸出に対する配慮というようなものも、これを全く排除しているものではないと考えるのが順当な解釈であろう、こう存じております。ただ、先ほど大臣からのお話がございましたように、自由貿易原則というものは確固として堅持するという精神は、これは揺るぐことはないのであろうというふうに考えております。
○田渕哲也君 原則としてはそういうものは残っておりながら、実際面においては、かなり自由競争という度合いに制約を加えざるを得ないのではないか、私はそういう気がするわけです。特に、このロンドン宣言の趣旨に沿って考えた場合、日本の貿易政策のやはり軌道修正というものが必要になると思うんです。そして、この貿易政策を修正するということは、当然国内政策にも影響があるわけです。この点についてはどうお考えですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 貿易政策が、いわば日本では、特に輸出面には日本としては輸出を奨励をいたしまして、輸入面につきましては、従来から奨励をするというようなことは余りなかったと思います。しかし、今日の国際情勢では、むしろこれからは輸入を拡大するという方向に行かなければならない。しかし、これを余り急激にやりますと、国内におきます関連業界におきましていろんな問題が出てまいります。したがいまして、その点は慎重にやっていかなきゃならないと思いますが、そういう意味で国内の対策は、拡大しながら解決をされることが一番国内の産業に対しましてもいい影響を与えていく、悪い影響が出ないで済むことであろう、こういう観点に立ちまして、やはり総合的な経済施策と申しますか、国際的に協調を図りながら国内の経済施策を講じてまいるということが必要になろうと思います。 なお、さきに御指摘のありました資本の調達能力に応じて配分するということも、これはなかなか実行を、そのままこれを第一に考えて施策をやると、私どもは必ずしもそういうことを言われておるようには思わないのでございまして、日本といたしましても、昨年のような急速なる黒字の累積というようなことを極力避けるということも、その方向に協力するということで、まさに資本調達能力に対応する配分というようなことは、これは、すぐ全くこれに比例したようなことをやるというところまで厳密には考えられないことであろうと思います。ただ、そういう考え方で臨みたい、こういうふうに考えております。
○田渕哲也君 特に、わが国の貿易政策で、もうすでに政府も表明しておられますが、一つは集中豪雨的輸出の抑制。それからさらには輸出の伸び率ですね、余り急激に伸びる場合には何らかの制限手段というものをとる必要に迫られるのではないか。それからもう一つは、いま言われました輸入の拡大でありますけれども、これはやはり非関税障壁の撤廃ということをもっと進めなくてはならない。これは当然農畜産物に対する影響が出てくるわけです。いままでは農畜産物に対する保護の観点から、こういう点は諸外国から要求されながらもなかなか進まなかったわけですけれども、これはやはり見直さざるを得ない羽目に追い込まれてくるのではないかという気がします。 それから同時に、この輸出の伸びを抑えながら輸入をふやすとするならば、やはり内需の拡大を図らなくてはならない。これはことしの景気対策ということで予算でも組まれてはおりますけれども、とてもいままでの既成の政策では不十分だということもいろいろ言われておるわけです。したがって、ロンドン宣言の趣旨に沿ってわが国が背負うべき役割りといいますか、それを忠実に実行しようとするならば、大型補正予算を含む景気対策の追加は当然必要になってくる、このように考えるわけですけれども、いま申し上げた点についてはいかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) いまおっしゃいましたことは、わが国がこれから世界に協力していく上で大事なことであると思います。ただ具体的に、それでは補正予算をどうするんだということは、いまこの段階では申し上げることはできないわけでございますけれども、これからの経済の運営というものに全世界が注目しておりますので、わが国といたしましても、真剣に努力をしなければならないと思います。 ただ、私の個人的な考えでありますけれども、やはり従来金融面におきます対策というものが、いろんな関係もあって出おくれてきたということは事実でありまして、これにつきまして、政府、日銀当局も真剣に取り組み出したという段階でございます。そういう意味で、これからあらゆる政策当局か内需の拡大につきまして努力をしていただきたい、こういうふうに望んでおるところでございます。
○田渕哲也君 私は、ランブイエの会議にしても、サンフアンの会議にしても、今度のロンドンの会議にしても、先進国首脳が集まっていろいろ論議しておるけれども、根本的な問題はやはり、OPECの石油の価格の値上げによるOPECの膨大な国際収支の黒字、これが基本に横たわっておるわけです。だからこの問題が解決されない限りは、なかなかこれはむずかしい問題で、そのOPECの黒字の裏返しの赤字がほかの国に寄るわけでありまして、それができるだけ片寄らないように均等に分担しろというのが、この会議の大体の流れの思想ではないかと思うのです。 ただ、それだけで問題の解決にはならないと思うのですね。もうすでにIMF体制というものは崩壊しつつある。増資とか何とかによって若干かっこうはつけてみたところで、IMF体制というのは、やはり国際収支のあるときには黒字になったり赤字になったりする短期的なそういうものを補う体制に過ぎないのであって、OPECが年々数百億ドルの黒字を恒常的に出すというような状態については、とてもこのIMF体制ではどうにもならない。したがって、私は、IMF体制に変わる何らかの新しい提案がなされなければ基本的には解決をしないと思うんです。この点についてまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回のこの付属書にも述べられておりますように、いわゆるOPEC諸国の黒字、これが四百五十億ドルというようにはっきり書かれたということは、やはり諸外国の関心もそこに集まっておるわけでございまして、そういう事態に対処してどうしたらいいか、こういうわけでございます。 IMF体制というものが固定相場制を維持するというようなことであれば、崩壊をしたというようなことが言われておりますけれども、今回別に新たに出現してまいりましたのは、一方におきまして四百五十億ドルに及ぶような産油国の黒字の累積がある。これに対処いたしますのにいかなる金融体制をとったらいいか、こういうことになりますと、ここでもう一度このIMFの機能を、ひとつ産油国の参加を求めることによって、何とかこれを切り抜けていけないかということがいま真剣に考えられていることで、そういう意味で、新たな必要に基づいてIMF体制というものをもう一度考え直さなければいけないのではないか、こういうような時期に来ているように思うのでございます。
○田渕哲也君 時間もありませんので、次に、核の処理問題についてお伺いをしますけれども、これは今後二ヵ月をかけて研究をするということになったようでありますが、これの見通しはどうですか。二ヵ月たてばこの問題について結論が本当に出るのかどうか。それからさらに、わが国が準備しておるこの東海村の再処理工場の運転に間に合うのかどうか、この辺の見通しについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この核問題につきましては、カーター大統領の考え方が最初に説明をされまして、それに対しまして各国の意見が述べられたという、そういう形で議論が進んだわけでございます。したがいまして、このカーター大統領の意見とヨーロッパ各国の意見というものは相当対立したような様相でございました。したがいまして、ここに掲げられましたことは、いわばその中の最大公約数というようなものがこの二ヵ月間の緊急な問題点の論議という点になってきたように思います。 初め、この二ヵ月間でいわゆる再評価——リバリュエーション、核再処理につきましての評価をしようというような感じもあったわけでありますけれども、その二ヵ月間にそれだけのことはできないだろうと思われますので、この二ヵ月間にはそれを含みます問題点の検討というようなことになるのではないか。その期間に日本の希望といたしましては、この核兵器の拡散をどういうふうに防ぐのか、そういういわば政治的な問題、それから技術的な点についての問題、この両面におきましてその問題点を詰めるということで、その過程の中で東海村の工場の運転というものが可能にできるような、そのような方向を見出したい。 この点につきましては、福田総理もカーター大統領と個別に話をされまして、いままで調査団が参りまして、第一次の調査団がアメリカの国務省といろいろ話をしてまいりました。その方向に沿いまして、日本側の考えていることが実現できるように総理からカーター大統領にもお話しになる機会がありましたので、私どもとしては、アメリカ政府としての考え方、日本の既定のこの開発計画を即実行できるような、その方向で努力をいたしたいと思っております。
○田渕哲也君 終わります。
○市川房枝君 最初に、マルコスフィリピン大統領夫妻の来日について大臣からちょっと伺いたいと思います。 日本の政府は、四月の末に国賓としてフィリピンの大統領夫妻をお招きになりました。ところが、その夫妻がマニラに帰国された直後の四月三十日のマニラのデーリー・エクスプレスという新聞が、日本は、フィリピンの政治上の非常に実力者であるイメルダ夫人を単なる大統領の夫人扱いをした、こういう批判をしているということを同地の朝日の特派員からの通信が本紙に出ておりました。私どもはこの記事とは実は別に、フィリピンに近い人たちから、イメルダ夫人は、日本の待遇に憤慨して新聞記者会見にも出なかったし、予定より一日早く帰ってしまったということを実は聞かされていたわけでございます。私どもは、日本の政府の夫人に対する平生の態度から、あるいはそういうこともあったかもしれぬと実は思ったわけでございます。 大臣は、この記事をごらんになったと思うんですが、フィリピンのデーリー・エクスプレスをごらんになりましたか。私はそれを見たいと思ったんですが、日本には来てないということでそれは見られなかったのです。もしその新聞の記事が事実でない、間違っているんだということだったら、やっぱり訂正をなさる必要があるんじゃないか。私は一昨年フィリピンに参り、イメルダ夫人にも実は会いまして、彼女のフィリピンにおける立場というものをよく知っておりますだけに、この将来の日本とフィリピンの外交上にやっぱりある影響が出てくるんじゃないかということをちょっと心配をするので、それを伺いたいと思うわけでございます。
○政府委員(松永信雄君) ただいま御質問がございました新聞記事は、私どもも承知いたしております。恐らくこれは全く事実無根の記事、報道であろうと考えております。そういう事実は全くございませんで、私どもといたしましては、マルコス大統領夫人が単に大統領の夫人であるだけでなく、大マニラ知事の要職にあり、いろいろ政治的な活動もしておられるということも十分承知いたしておりまして、大統領御夫妻が訪日される場合の日本における接遇ぶりにつきましては、フィリピン側と十分事前に打ち合わせをいたしまして、いろいろ具体的な行事、それへの参加等につきましても十分打ち合わせをいたしまして、そのとおりに取り運んだわけでございます。現に通常の場合でございますと、国賓の夫人が参加されないような行事にもマルコス夫人には参加をしていただいております。接遇ぶりにつきましては、手落ち等があったとは考えておりません。 現に、ロムロ外務大臣は帰国後、在フィリピンの日本大使館に天皇誕生日の祝賀レセプションに出席をされた際に、スピーチをされて、日本における接遇ぶりについて、非常に心温まる完璧な接遇ぶりであったといって感謝の言葉を述べられたということも報告を受けております。でございますから、この新聞の報道は全く事実には反する、事実無根の記事であったと考えております。
○市川房枝君 全くそれが間違いといいますか、ただ正確じゃないということであれば結構だと思うんですが、ただデーリー・エクスプレスというのは、新聞の性格を私ちょっと聞いたんですけれども、非常にマラカニアン宮殿といいますか、マルコスに近い新聞であり、そしてその筆者も、名前も聞いたんですが、わりあいに近い人だというんです。そうすると、全く事実無根のことを書いたんではなく、何らかにそれらしきことがあったんじゃないかということを実は想像するわけですけれども、何らかの方法で私はその点についての、日本側ではそうじゃないということの意思表示を大統領夫人にというか、あるいはその新聞に対してなさることがいいんじゃないか、こう思いますが、それはその点だけで結構です。 次に、国際学友会と留学生の問題についてちょっと伺いたいと思います。 先ほど峯山委員から詳しい御質問がありましたので、重複を避けて、私は簡単に二、三の点だけ伺いたいと思います。 外務省当局は「国際学友会問題に関する会議」というのをおつくりになって、そしてその答申を得たんだと。そして日本語学校も開かれることになったし、その線で再建計画を進めていく、こういうふうにおっしゃっているようですが、ただ、だれがそれをなさるかということですね。まさか外務省がおやりになるというわけでもないでしょうが。その点どうなんですか。どこが一体具体的に再建計画を進めていくというのか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(松永信雄君) これは、その再建計画自身は学友会が当事者でございますから、学友会が実施されるということであろうと思います。しかし、外務省は所管官庁でございますし、これを全面的にバックアップいたしまして必要な援助をし、計画を、答申を得ました線に沿ってできるだけ速やかに実現をいたしたいと思っているわけでございます。でございますから、外務省といたしましては、あの答申の線に沿いまして、学友会の学校再開の方は、すでに五月の半ばごろから再開するという方向で準備をいたしておりますし、そのほかの問題につきましても答申の線に沿って実現をするという方向で、全面的な努力をするということでございます。
○市川房枝君 実施するのは学友会なんだというお話あったんですが、学友会の理事長、専務理事、常務理事、みんな辞職しているんじゃないですか。後任がちゃんと決まりましたか。
○政府委員(松永信雄君) 理事長は辞職したわけでございますけれども、専務理事、常務理事は辞職いたしておらないわけでございます。それで、専務理事が理事長の職務を代行してその職に当たっているというのが現在の状況でございます。しかしながら、いい適任者を得られれば、なるべく速やかに新理事長を得まして、実行に当たってほしいということを希望しているというのが現在の状況でございます。
○市川房枝君 学友会の理事はたくさんおいでになるようですが、その中で文部省の今村学術国際局長も辞表をお出しになったといううわさを聞いたんですけど、それは本当ですか。あるいはほかにおやめになった方ありますか。
○説明員(西宮一君) 本当でございます。おやめになったというのは事実でございます。
○市川房枝君 おやめになったことは事実ですか。 国際学友会といいますか、今度留学生問題なんかを起こしたのは、直接の責任は学友会の理事者ですか、の責任ですね。それから監督の立場におありになる外務省なんであって、だから外務省も責任がおありになるということになると思うんですが、理事長は外務省のOBだったんでしょう。あるいはその他の専務理事あるいは常務理事もやっぱりお役人だった方なんで、そういう方々が学友会の執行部の一番最高を占めておいでになる。それは留学生問題を扱うのに私はうまくいかないというか、あるいはこういう赤字を出して、そのまま累積してきたというような事態には、私ども民間のものから見れば、それはあたりまえみたいな気がするんです。だから国際学友会そのものを再建するといいましょうか、それに対して、それこそ学友会というより外務省でしょうけれども、外務省がそういう点でよくお考えになって、そして再びこういうことが起こらないようにしていただくというか、外務省の責任は私は非常に大きいとこの問題で思っておるんですが、そういう点は外務省としてはどうお考えになっていますか。
○政府委員(松永信雄君) 主務官庁といたしまして外務省は、このような事態になったことにつきましてきわめて遺憾であり、その責任を十分果たさなければならないということを痛感している次第でございます。 理事長につきまして、先般辞任しました理事長は、外務省出身の元外務省の職員であったわけでございます。一般論といたしまして、私は、外務省のOBだからだめだということは一概に言い切れないと思います。しかしながら、ああいう留学生会館の経営、運営につきましてやっぱり十分な知識、経験を持っている人がそういう理事機関におられるということは大変大切なことだろうと思いますし、ことに、事態が紛糾をして、解決がむずかしくなってきたという事態であるだけに、その必要は非常にあろうかと思います。でございますから、先ほど申しましたように適任の方が見つかれば、その範囲というものは決して外務省のOBの範囲に限る必要はないと私どもも思っておりまして、現に文部省の方にもいろいろ御援助、御協力をお願いして、御相談にあずかっていただいているというのが現状でございます。
○市川房枝君 別に、お役人だった方だから不適任だと一概に申しませんけれども、ただ、役所の外部団体というものの性格は大体同じであって、だからこういう問題に対しては、むしろ民間でそういう問題について非常に関心を持って一生懸命やっている人たちがいるんだから、そういうふうな人も含めていけば、私はそれこそ留学生たちの心をつかみ、うまくいくんじゃないのかと思いますので、そういう点ひとつお考えをいただきたいと思います。 それから、いま文部省の方もというお言葉が出たんですが、文部省の方おいでいただいておりますか。——本当は留学生の問題は文部省が所管をしてしかるべきではないのか。文部省には留学生課というのがちゃんとあるんですね。あるのに文部省が全然これには関係してない。ただ、留学生の病気になったときに健康保険ですか、医療費を少し、八割か何かお出しになるという、それは文部省がなすっていらっしゃるらしいんだけれども、どうもそれはおかしいといいますか、それは歴史的な経過があるんだということはそれはわかります。しかし、私はこの際考えてほしいんだけれども、文部省は一体、今度の問題について何か具体的に動いておいでになりますか、それを伺いたいんです。
○説明員(光田明正君) 先ほどお話がありました小委員会に、今村学術国際局長並びに私はずっと出席いたしておりました。なお、その委員会ができる前に、岡文化二課長から私のところにいろいろ、たとえばどういう大学の教授がこういう事柄に明るいか等の問い合わせがありまして、その際には、私たち知っている限りのことをお教えしたりいたして協力いたしておる次第でございます。 でも、たてまえといたしましては、この財団法人は昭和十年以来外務省が所管いたしておりまして、普通でございましたらこういう留学生に関する財団でございますから、あるいは共管かと一般の方はお思いになるかもしれませんけれども、これは専管の団体でございまして、私たち、外務省の官房長初め部長等の御努力をはたから見守っておりまして、円満に解決すればと祈っている次第でございます。
○市川房枝君 外から円満解決を祈っておると言うんじゃ、私は文部省としちゃ少し無責任だと思うが、そうじゃありませんか。もっと具体的に協力をしてくだすっていい。いや、それを外務省の方が拒否なさる、これはおれの方だと言って、文部省は口を出すなということがあればですけれども、私ども民間へ聞こえてくる声では、どうも外務省と文部省はこの問題でうまくいっていないんだというのが耳に聞こえてきています。それはお役所のなわ張り争いというものがありますから、そういうことはあるかもしれぬと思うんですけれども、この問題は今度を機会に、それこそ外務省と文部省でよくお話しになって、そして学友会ももう一遍この際立て直しをしなきゃならぬし、何か共管といいますか、そこのところが私どもにはわからない。それは行政の方で相談なさればいいけれども、やはり文部省は責任を半分はしょわなきゃいかぬというか、という感じなんですが、これは大臣いかがですか、どうお考えになりますか、大臣の御意見を伺いたい。
○政府委員(松永信雄君) 文部省の方でただ見守っているというような印象をお受けになったかもしれませんけれども、そうじゃございませんで、文部省の方から非常に有益な意見その他ちょうだいしているわけでございまして、私どもは、毎日のように文部省の方とは御連絡して御相談しているわけでございます。決してその間に妙な対立とか、なわ張りのようなあれを持っているわけではございません。 ただ、先ほど先生も御指摘になられましたように、これは外務省所管下の財団法人で起こった問題でございまして、外務省の責任がもう非常に大きい問題であろうと思います。でございますから、この解決に当たっては、やっぱり外務省が責任を回避した形で解決するというわけにはまいらない。私どもの責任において解決していかなきゃならないというふうに考えているということでございます。
○市川房枝君 いままでよりも余り大して進まないみたいですけれども、とにかく私は、この留学生の問題は、先ほどからほかの方からもお話があったんですが、非常に重大な問題だと思うわけなんです。 留学生のうち、ことに東南アジアの方が多いようなんですけれども、そういう人たちは将来、エリートとしてその国の重要な役割りをする人たちなんであって、その人たちが日本に悪感情を持って帰ったら反日に回る、そういうことになっては私は非常に残念だと思うんです。幾ら外務省が上の方の外交問題でおやりになったって、やっぱり基礎が問題なんであって、これは中国の問題でさんざんそういう経験を日本はしているわけじゃないんですか。中国からの留学生の多くが日本に対して余り好感を持たないで帰って、抗日運動の先頭に立った、それが中国とああいうように悲しい現象になったということもあります。 だから、留学生を私は被害者の立場に立たしちゃいかぬ。出ていかなかったら解散するぞなんというようなおどしもあったという話も聞くんですけれども、なぜ留学生と学友会の幹部といいましょうか、もっと話し合いをして、そうしてそういう学生たちの納得を得ると。ちょっと私は漏れ聞いたところでは、先般外務省は、初めて学生と何か懇談なすったんですって。ところが、なかなか学生の礼儀は正しいし、それから意見もなかなかいい意見で、実はびっくりなすった、国際学友会の幹部からは、あの不良学生たちは手にも負えないひどい人間たちばっかりだというふうにいままで聞かされていたんだけれども、会って話してみたら、そうじゃないんだというふうな感じをお持ちになったということを漏れ聞いているんです。 私は、やっぱりそういう話し合いといいますか、が必要であって、国際学友会の宿舎にいる留学生なんかのあの人たちは、理事長なんて顔見たこともない、こう言うんだそうですけどね。だから理事長なんか、そういうえらい人と一体学生は話し合いをしたことがあるのか、全くなかった。いや、外務省とも初めてだったんだろうけれども。しかし、外務省とは多少距離がありますけれども、学友会の中では私はもっと親しく、それこそ、だからお役人というのは、私が言ったのは、官僚的になったらだめであって、本当にそういう学生たちから親しく物が言われるというか、ということでは、どうもわが国出身の方は、いままでの慣例、習慣かありましょうから、やっぱり一段と高いところに立って、そうして命令する側にお立ちになることが多いのじゃないかと思うので、私は、民間の熱心な人たちをそれに加えるということが必要じゃないかと言うわけです。大臣は、抽象的なお答えで構いませんけれども、その問題についてちょっとお答えください、直接。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 学友会につきまして、市川先生に大変御心配をおかけいたしましたことを大変申しわけなく思っております。 私も、もう外務省の予算を若いころから担当しておりましたので、この国際学友会の問題につきまして、このようにこじれてしまったことを非常に残念に思っている一人でございます。そうして、おっしゃいましたように、この若い方々が日本に来て、日本に本当に愛情を持ってそれぞれの母国に帰られるかどうかということによりまして、将来の日本の外交につきまして大変大きな関係が出てくるということも、しょっちゅう考えていることでございます。 しかし、それに対しまして現実の学友会の状況というものが、これが全く本当に想像もつかないような事態になっていることを聞きまして、愕然といたしたわけでございます。もちろん、外務省あるいは学友会の理事当局におきましていろんな手違いもあったかもしれません。しかし、この問題はうまくいって普通なのであって、だれもほめてくれない仕事でございまして、何か事が起これば大変な非難を受けるような仕事でございます。外務省の先輩でありますけれども、ほかに比べてきわめて薄給でこの学友会の仕事に努力をしてくれました先輩諸兄に対しまして、私は本当に非難をする気持ちはございません。いままでよくやってくれたというふうに感謝の気持ちは持っておるわけでありますが、長い間にだんだんとしきたりができてしまって、先ほども申し上げましたが、この寮に入るということが非常な特権になってしまった。そうしてその特権が、プライベートな面で譲り渡されていくような関係ができておるとか、したがいまして、日本語学校に入るために参りましても、寮に入れない。一度入った人はなかなか出ていかない。最近に至りましては、その宿賃も払わない、こういうように長い間に悪化してしまったわけでございます。 ここまで来てしまいまして、外務省がどうの、文部省がどうのと、所管争いなどをする気持ちは毛頭ございません。やはり教育でございますから、多年教育のために生きてきた人にやっていただければ、それにこしたことはないのでございます。しかし、わずかの人たちの日本語の教育だけで、そこから日本語教育を終えた人がほかの大学に入りまして、文部省のあるいは留学生として大学に入っていかれる、そういういわば前段階の仕事を請け負っておるようでございますので、これにつきまして文部当局と本当に真剣に相談をいたしまして、これからの対処ぶり、これはもうなわ張りというようなことを全く離れまして研究をいたしたい、早急にこの結論を出したいと思っておりますので、今後とも御指導のほどをお願いを申し上げたいと思います。
○市川房枝君 大臣のそういうお言葉で、少しどういうふうに再建されるか期待を持っておりますけれども、ひとつ十分重大な問題としてお考えをいただきたいと思います。 次は、人権規約の問題なんですが、これは四月五日の本院の予算委員会の総括質問でちょっと触れましたけれども、国連の人権に関する条約の中で人権規約が一番重大だと思っておりますので、これをできるだけ早く日本が批准をしてほしい、それが国際的にも日本の地位を上げることにもなるのだと思うのです。それには、それこそ外務省国連局当局がいろいろお骨折りになっていることを存じていますけれども、その御努力にもかかわらず非常なネックがあるということを伺っておるのですけれども、どういう法律がそれを妨げているのか、余り時間がありませんので、簡単に伺い、また、適当の機会にもっと詳しく伺いたい。そうして、民間でそれを望んでおります特に婦人団体なんかが御協力をしたいと思っておりますから、簡単にそのネックになっている法律といいますか——役所はそれでわかりますから、役所のお名前は要りません。
○政府委員(大川美雄君) 国際人権規約批准の必要性につきましては、私ども本当に十分理解しているつもりでございます。また、大変長い経緯がございまして、もうそろそろ日本としても踏み切っていい問題だということで、私ども外務省事務当局としては、及ばずながら努力してまいりました。いま手元に、その関係の法律のリストはちょっと持ち合わせておりませんけれども、いままでに何回か答弁の際に御報告申し上げましたように、十幾つの省庁が実は関係していまして、それを一つ一つその省庁とお話をして、それぞれの省の関係法令をどういうふうにこの規約の内容に合わせるように改定できるか、改定する必要があるかどうかということを、緻密に検討していかなければならないわけでございます。 ごく最近も、鳩山外務大臣からも私たちに対して、早急にこれを積極的に進めるようにという御指示が実はございまして、私どもとしても、大臣の御指示を踏まえて一生懸命引き続き努力してまいりたいと思います。それじゃ、その批准の御承認を得ますために、いつまでに国会にお出しできるかということをもし聞かれますと、ちょっといついつということは申し上げかねるのでございますけれども、できるだけ早く何とか国会にお出しできるように、私どもとしては引き続き努力してまいりたいと思います。
○市川房枝君 もう時間がなくなりましたので、一緒にちょっと答えていただけばいいと思いますから。 国連のNGO主催で、来る七月二十一日から日本で、被爆の実相と被爆者の実情に関する国際シンポジウムというのが開かれるはずですが、二ヵ月ぐらい前に国連局に伺いましたら、電話にお出になった方が、そんな会議は知らぬとおっしゃった。けれど、もう多分御存じでしょうし、これに対して外務省はどんな協力をしておいでになりますか、私どももこれに参加をしているわけなんですが。 それから、もう一つ伺いたいことは、これは予算委員会でちょっと触れましたけれども、昨年の二月に次官会議で、審議会なんかに婦人の委員を加えるように、それからもう一つは、婦人の公務員の採用及び登用といいますか、それを進めるようにということを決議されて、それぞれ所管省でやっていてくださると思うのですが、もう一年少したちましたので、外務省としては審議会、委員会なんかに婦人をお加えくだすったのかどうか。さっきは外務省じゃありませんけれども——外務省ですか、留学生の問題の協議会等おつくりになって、あれは女の人は一人も入っていませんね。男の方ばっかりだったのです。しかし、あれは正式のものじゃないかもしれませんけれども、それについて。 それから、婦人の登用といいますか、採用といいますか、これはいまでなくても、後で数字をいただいても構いませんけれども、どれだけ一年間にふえたか、あるいは、管理職に婦人をどれだけ任命されたかということも実は伺いたいのであります。 それから、婦人の登用ということで、これは予算委員会で申しましたけれども、昨年の四月初めに婦人の公使が初めて任命されました。これは三木内閣の宮澤外務大臣の決断であったわけでして、これを鳩山外務大臣はどうお考えになっているか、具体的に少し伺いたいのです。取りまぜて申しましたけれども、あと簡単にそれらをちょっとおっしゃってください。
○政府委員(大川美雄君) 最初の御質問にお答え申し上げます。 ことしの七、八月ごろに、広島または長崎で被爆者の実相に関する国際シンポジウムが開かれる予定であるということは、私ども去年から存じておりまして、二ヵ月ぐらい前でございますか、日本側の関係者が私のところへ確かにお見えになりました。そのときに、全然存じませんでしたと申し上げた覚えはございません。何か誤解ではないかと思います。よくこの計画を知っておりました。 こういう会議が、シンポジウムが開かれること自体、とにかく日本は唯一の被爆国でございますし、核兵器がいかに悲惨なものであるかということを、改めて世界じゅうにできるだけ知らせるという意味におきまして、これは意義があることと私どもも考えております。 ただ、これの主催者は、実は各国の非政府機関でございまして、いわば民間のいろいろな団体が世界じゅうから集まって協力して催されるものでございます。国連NGO主催ととかく書かれるのでございます。これは市川先生に対しましてはお釈迦様に説法を申し上げるようなことでございますけれども、国連NGOと書かれますと、とかくすると、まるで国連自体が主催しているような印象を与えかねないのですけれども、そうではございませんで、国連と若干の関係がある民間非政府機関、あるいは全く関係のない機関もたくさん入っているようでございますけれども、そういったいろいろな団体が一緒になって集まって主催される催しでございますので、日本政府といたしましては、直接にその具体的な協力ということは現在のところは考えておりませんけれども、この会議が開かれること自体は十分意義があるものだと考えております。
○政府委員(松永信雄君) 最初に、外務省所管の審議会に女性をという点はどうなっているかというお尋ねでございますが、外務省の所管の審議会といたしましては、外務公務員法に基づく外務人事審議会がございます。この構成は、法律によりまして五名となっておりまして、一名が外務省、一名が人事院、あと三名をいわゆる学識経験者から選考して外務大臣が任命するということになっております。 この審議会の主たる任務は、給与その他の勤務条件について外務大臣に答申するということと、それから、いわゆる機密漏洩による懲戒処分を受けた者の不服申し立てを受ける機関としての外務人事審議会という、その二つが非常に大きな仕事でございます。したがいまして、どうしても外部からお願いする方については、法律関係の方を主として入れていかなくちゃならないというようなことで、三名でございますので、現在のところは女性の方にはまだお願いはしていないというのか現状でございます。 それから、一般的に女性の職員の採用の問題でございますけれども、これは外務省としては最近かなり数としてはふやしてきております。たとえば昨年試験をいたしまして、外務公務員試験で採用いたしました女性は八名になっております。それはその前年は三名、その前年は四名という数から見ますと、ほとんど倍増したわけでございます。思い切って採っているわけでございまして、こういう人たちがおいおい育って、いわゆる女性外交官として活躍してくれるということを私どもも非常に大きく期待しております。 在外公館におきましても、現在本省から外交官、書記官とか領事とかいう形で派遣しております女性の数というのが、合計六十三名という非常に大きな数になってきております。この傾向は今後もできるだけ伸ばしていきたいというふうに考えております。ただ、非常に遺憾なことでございますけれども、女性職員の場合は、採用して十年たつかたたないかのうちに、その半分以上が結婚その他の事情によってやめていかれる。そうしますと、外務省といたしましては非常に巨額の国費を費やしまして育成をしている、それが十分返ってこないうちにやめていかれるというような事情もございますので、その辺は今後は、来られる女性の方も、やっぱり一生懸命自分の生涯のキャリアとしてやっていただくということでないと、うまくやっていかれないんじゃないかという感じを持っておりますけれども、一般論としてはこういう傾向は今後も維持、継続してまいりたいと考えております。 それからもう一点、女性公使の昨年のお話がございましたけれども、現在の時点においては、具体的に検討しているものはございません。一般論としては、適任の方があればそれは検討はしてまいりたい。ただ、どうしてもこれは昨年いろいろ選考と申しますか、検討いたしましたときに、やっぱり年をとられた女性の方の場合は、御家庭の状況とか、それから任地の事情とか、いろいろな制約要因と申しますか、むずかしい問題もございますので、なかなかその辺はそうしかく簡単にはまいらないという問題がございます。しかし、一般論としてはできるだけ考えてまいりたいということでございます。また、これも市川先生は万々御承知でございますけれども、国際会議等に対しましては、できるだけ多くの女性の方にも参加していただくという方向で、必要な場合には政府代表とか代表代理とかいう発令をして、女性の方にも非常に多くの国際会議その他の会合に参加していただいているというのが現在の状況でございます。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 昨年緒方公使が実現いたしたわけでございますが、市川先生のお考えをかねがね伺っております。何とか女性の大使ができないものかなという気持ちは皆持っておるのでございます。そういう意味で、本当に適当な方がございましたら、ぜひともまた市川先生にもいろいろお願いを、御相談申し上げたいと思いますが、そういうような方向で努力をいたしたいと思っております。
○市川房枝君 ありがとうございました。
○委員長(鈴木力君) 他に御発言もないようですから、外務省関係の決算についてはこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三分散会 —————・—————