決算委員会 第5号
- 発言数
- 301 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/04/27
会議録
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十一日、鶴園哲夫君が委員を辞任され、その補欠として竹田現照君が、また、四月二十五日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が、また、昨二十六日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として内藤功君がそれぞれ委員に選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、運輸省及び日本国有鉄道の決算について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小山一平君 きょうは国鉄財政と国鉄経営に関連する範囲で質問をさしていただきたいと思います。 昭和五十年度日本国有鉄道監査報告書、財政再建計画実施状況報告書によりますと、昭和三十九年度から純損失を生み、五十年度は国鉄営業収入一兆八千二百九億円、営業経費二兆七千四百四十四億円で、不動産売却益を差し引いた損金は九千百四十七億円となり、五十年末累計赤字は三兆一千六百十億円、長期負債総額は六兆七千七百九十三億円に達して、経営は破綻に瀕していると指摘をいたしております。昭和四十四年度以降二回にわたる国鉄自身による財政再建計画が策定されたが、成果を上げることができませんでした。国は、五十年十二月、日本国有鉄道再建対策要綱をつくりました。五十一年、五十二年の二カ年で国鉄収支の均衡を図って健全経営にする方針と諸施策を決定したことも報告いたしております。 そこで私は、これをもって破綻状態に陥った国鉄財政を建て直して、公共的交通運輸の中心機関にふさわしい国鉄として再建できる見通しがあるのかないのか、このことについて運輸大臣と国鉄総裁の見解をまずお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 過去の国鉄の再建策は、御承知のように、十年間という非常に長い期間を想定してその最終年度に帳じりを合わせよう、こういうことでありましたが、何さま十年と言えば、十年一昔というほど長い年月であります。そうしてその間に、まずもうしょっぱな経済の大激変が参りました。そういうことで破綻を生じたことはまことに残念でありますが、国がつくりました再建計画におきましても、当初五十二年度で収支均衡をさせるということを計画いたしましたけれども、運賃値上げに関する時期の狂いとか、あるいは経済事情の急速な回復が見られなかったとかいろいろな事情がありまして、おおむね五十四年度ということに変更をいたしたわけでございます。 いまの計画によりますと、おおむね五十四年度、これに収支均衡年度の照準を合わせて、遅くとも五十七、八年ごろには再建を、累積赤字を処理し得る、そういう確信をもって今度の計画と取り組んでおる次第でございます。
○説明員(高木文雄君) 何さま累積赤字が大変大きいわけでございますし、今日ただいま単年度でも収支がまだ均衡していないという現状でございますので、なかなかこの再建は一応二応の努力ではできないのではないか。よほどこれと取り組んでいくことにしなければならぬのではないかと思っておりますが、従来から政府、国鉄を通じまして、政府の方から行政上あるいは財政上のもろもろの御援助をいただくということと、それから利用者の皆さんには大変御迷惑ではありますが、経済情勢その他に応じながら運賃の改定を行っていくということと、三番目に、それにつけましても、国鉄自身が経営に必死に取り組むということ、この三つをいわゆる三本の柱といたしまして再建に取り組むということで今日までもまいりましたし、これからもいくわけでございます。 私どもといたしましては、前の二つの点もお願いをしなければなりませんけれども、その前提としては、経営側も労働側も含めまして、両者一体となって真剣に企業の経営に当たっていくという覚悟でございまして、過日、私どもの方の再建についての心組みを経営改善計画という形で取りまとめまして運輸大臣に御提出申し上げ、御承認を得たところでございます。私どもといたしましては、ただいま申し上げました心組みで何とか立て直しを図ってまいらねばならぬ。何と申しましても、非常に大ぜいの職員が働いて、そして毎日の列車、電車を動かしておる職場でございますから、その諸君を中心にして本来の使命を果たすべく取り組んでいきたいというふうに考えております。
○委員長(鈴木力君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま石本茂君が委員を辞任され、その補欠として中村太郎君が選任されました。
○小山一平君 運輸大臣の大分確信のあるような御答弁に対して、総裁はずいぶん厳しい状況にあるというふうな若干のニュアンスの違いを感じるわけでございますが、私は、運輸省も国鉄も、特に運輸省は今日までみずから国鉄財政を破綻に陥れるような政策的失敗や欠陥をつくってきたのではないかと疑わざるを得ないわけです。そこで、その疑問点と思われるような点について逐次お尋ねをしてまいりたい、こう思います。 その前提として、ちょっとわかったらお聞かせをいただきたいんですが、昭和三十二年の第一次五カ年計画から第三次五カ年計画、さらに現在の再建計画に基づいて巨額の設備投資が行われてきましたけれども、三十二年から今日までの投資の総額、それから三十九年までは損益勘定によって賄われたが、四十年度からはすべて借入金によって賄われているというふうに言われておりますが、この区分、さらには本年昭和五十二年度における借入金の償還及び利子の概要、まずそれを前提にお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。いますぐでわからなければ、後で結構です。
○説明員(加賀山朝雄君) 利子等につきまして厳密な数字は現在持っておりませんので、ちょっとラウンドで申し上げます。 第一次五カ年計画、三十二年から三十六年までの投資額が役四千三百億円でございます。それから第二次五カ年計画、三十六年から四十年の投資額が約九千五百億円です。それから第三次長期計画、これが四十年から四十六年で打ち切られておりますが、これが一兆四千二百億円でございます。失礼いたしました。いまのは計画が四十年から四十六年でございますので、四十年から四十三年になります。三十二から三十五、三十六から三十九、四十から四十三、いずれも四年間でございます。 それから、第一次再建計画を立てまして、四十四年から十年間の計画を立てましたが、これが四年間で次の再建計画になりまして、この四年間で一兆六千五百億、それから四十八年から五十年までの三年間で二兆一千百億、大体これが過去におきます三十二年以来のそれぞれの計画に基づきましてやりました工事でございます。 利子等につきましては、ちょっと現在まだ集計しておりません。
○小山一平君 いまお示しいただいた数字を見ましても、特に三十九年から赤字になっておるわけですが、それ以後においてもかなり巨額の設備投資が行われております。私は、この建設投資の内容が妥当であるのかないのか、まずその疑点についてお尋ねをいたしますが、第一は、ローカル赤字線の問題であります。 国鉄の再建の一つの方策として、赤字線の撤去構想というものがございますね。そして私の資料の範囲では、その目標となっている八十三線、延べ二千六百キロのうち昭和五十年までに三十線、二百六十三キロが撤去をする。延長においては約一〇%である、こういうことでございますが、私はローカル赤字線の撤去というものがなかなかむずかしくて思うように進まないというのは、これは当然のことであって、このことはそう問題はないと思います。ところが、一方ではローカル赤字線の撤去を進めておりながら、一方では赤字ローカル線の建設をどんどんやっている。これは大変おかしな話だと思います。ここに鉄建公団の資料がありますけれども、すでに貸し付けあるいは譲渡をした線、これもたくさんあります。三十四線、八百六キロにわたっている。そうしていま開発線、幹線も含みますけれども、相当の新しい工事を進めている。これはおかしいじゃありませんか。一方ではローカル赤字線を撤去しなければならない、こう言ってやっていながら、一方では明らかに赤字線であることがわかっているのに、後から後から建設をする。一体これは、国鉄当局はこのことについて賛成をして承認をしているんですか。
○説明員(高木文雄君) 実はいまお示しの鉄道建設公団で建設をしておられますAB線というのは、三十年、五十年前から何とか線をつくってほしいという、それぞれの地域におきまして御要望があり、そしてそれぞれの法令に従ってその計画を予定しておったものでございまして、かつそのうちの相当部分は過去において、国鉄において遅遅たる状態ではございましたけれども、何がしかの程度少しずつ線を延ばしておった地域でございます。それを新しく鉄道建設公団ができましたときに、私どもの方からその仕事を鉄道建設公団の方にお渡しをしたということを考えまして、鉄道建設公団ができてから新しくどこに線を引こうということで始めたわけではないという事情が一つございます関係上、私どもといたしましても、それがこの計画が進行することについて経営上非常に問題があるわけではございますけれども、さりとてそれに対して、なかなかいわゆるストップをかけがたいという事情になっておるわけでございます。 そこで、現在の段階では赤字線といいますか、地方ローカル線はなぜ赤字になるかと申しますと、何と申しましても人口が比較的希薄でありまして、したがって、利用者が少ないところに敷設されているレールについてどうしても赤字が出るということでございますす。鉄道は列車、電車を走らせますためにはどうしても相当数の人数が必要である、手間がかかるということになりますので、なかなか黒字にはなりませんけれども、何とか赤字が余り大きくなりませんように、建設の段階でこちらから鉄道建設公団の方にいろいろお願いをするというか、注文をつけまして、こちらで経営を引き受けてから後に経常経費がなるべく少なくて済むようにいろいろお願いをしておるわけでございます。 AB線の場合には、本来国の方から鉄建公団に出資がされておるわけでございます関係もありまして、私どもの方としては償却という必要がないわけでございますし、また、市町村納付金等も免除されるというようなことになっておりますので、かなりそういう点では配慮はいただいております。したがって、すでに完成をし私どもが引き継ぎを受けました線区から生じてまいります赤字の絶対額は、それほど大きくないという現状でございます。 ただ、いまお示しのようにいろいろ区分のしようはございますけれども、全国で二万一千キロの距離の長いレールの中で、半分に近い九千二百キロというものが必ずしも採算的に、あるいは別の角度から見ましても、鉄道で輸送することが適当かどうかということにいま疑問が提示されておる段階でございますので、そういう際にまた新しく赤字線の要因となるものが建設されるということについては、私どもといたしましてもどうも釈然としないものがあるわけでございます。けれども、何分長い歴史のあることでございますので、既存赤字線の撤去というようなことを言い出しましてもなかなかできませんのと同じような環境にあるわけでございますので、どうしてもお断りするといいますか、経営を引き受けないというわけにもなかなかいきかねる事情でございまして、大変歯切れの悪いお答えで申しわけございませんが、せいぜい何とか赤字が出る大きさを縮小するようにという努力をいたしておるのが、現在精いっぱいのところでございます。
○小山一平君 私は、新しくいまのようにローカル線の建設を進めていくというのであれば、既設線の廃止をしようなどということももうおやめになった方がいいと思うんです。いまやめようとしているところはきわめてその地域にとって利用価値がなくて、いま建設されているところはきわめて重要な意義があるというんなら話はわかりますが、そうじゃないでしょう。たとえばこの中に、「群馬県長野原ヨリ嬬恋附近ニ至ル鉄道」というのが、これが一部ができております。私の隣の県でしょっちゅう行くからよくわかります。小さな村が一つあるんです。冬になれば、まあ乗るものがあるとしたらクマかサルでも乗るよりほかに乗るものがあるはずがないというところへ新しい鉄道を引っ張っているじゃありませんか。どこへもつながっていかない、行き詰まりじゃありませんか。こういうものをどんどんつくられたんじゃ、これは国民にとって大迷惑じゃありませんか。 大臣、いま総裁も、大変釈然としないというようなことを言っておられました。手をつけているところは、これはやめるわけにもいかぬと思いますけれども、この鉄道敷設法の別表にこんなにたくさんの路線が書いてある。これ、百何十にも及ぶこの別表は生きているんですか。そして、こういう中から皆さんがいま進めているような新線の建設を進めていくんですか。ですからこの際、大臣にはぜひうんと指導性を発揮していただくべきときではないか。運輸省としてのこの新線開発についての考え方、それから、大変私にはよくわからないんですけれども、この鉄道敷設法は大変古い法律でございますが、ここに記載されている別表は、これは死んでないで生きていて、そのうちに工事と結びついてくる可能性があるのかないのか。大変なものですよ、これ。二百に近いじゃありませんか。
○政府委員(杉浦喬也君) ただいまの鉄道敷設法の別表のお話でございますが、法律の規定によりまして現在の段階でまだ生きております。ただ、その中ではすでに開業をしているものがかなりございますので、いわば使命を果たして削るべきような内容も含まれておりますけれども、現在としてはまだ法律的に生きているというふうに考えていいと思います。その別表の中から鉄道建設公団法によりまして運輸大臣が鉄道建設審議会の議を経まして、さらにピックアップをいたしまして基本計画をつくっております。これが建設の対象になる路線でございまして、先ほど先生が触れられましたように、現在工事をいたしております路線は三十一線、千三百五十三キロというような線を対象にいたしておるわけでございます。 ただいま先生御指摘のように、赤字ローカル線対策、特に廃止というような点に焦点をしぼって行ってきた政策と、それから、一方ではつくっているんじゃないかということにつきましての矛盾点、これを御指摘になったわけでございまして、私どもの方もそうした点については十分に検討を加えておるところでございます。廃止をしようといたしましても、これはなかなか地元との関係におきまして存続の希望が強くてできない。それから一方では、この新線建設につきましての地元からの御希望も非常に強いというようなことでございまして、両方ともなかなか思うようにいってないという実情でございますが、ただ、政策的に理屈の面では先生おっしゃいますように、現在の赤字ローカル線対策というものと今後の新線建設のあり方というものは、やはり同じ基盤で物を考えていく必要があろうかと思います。 そういう意味におきまして、大変むずかしい問題ではございますが、現在私どもの方では運政審で、運輸政策審議会におきまして、このローカル線をどうあったらいいかということを検討をいたしております。その検討の中には当然に、今後の新線建設のあり方というものも含めまして検討をいたしておるわけでございまして、先般一月の二十日に中間的な報告をいただきましたが、なお引き続き検討を進めて、本年じゅうにはもっと具体的な対策を講ずるよう現在審議をしている最中でございます。
○国務大臣(田村元君) 高度成長という環境のもとに、地域住民からの非常に切なる御要望が強かったということで、赤字ということがわかっておりながら、等しからざるを憂うということであったのだろうと思いますが、いま国鉄部長が申しましたように、運政審で御審議を願っております。先般中間報告がありまして、四つの方法ということでございまして、それは要するに存続、廃止をも含めて地域住民との協議の機関をつくって地域住民の選択にゆだねるということでございます。この秋過ぎには恐らく最終答申があろうかと存じますが、その答申を踏まえまして現在の赤字ローカル線も、それから建設中のいわゆるAB線と言われる赤字になるであろうローカル線も一緒に再検討をする、そして答申の線に基づいて地域住民とよく話し合っていろいろと御選択を願う、こういうことになろうかと思います。
○小山一平君 私は、国家財政も豊かで、国鉄の財政も豊かであって、したがって、赤字になることはわかっていても地域住民のためにあえて利便の国鉄を建設をする、こういうことであるなら、そういう条件下にあってそういう方針でやるならそれも一つの選択の方法だと思います。ところが、今日では在来線であっても自動車の普及によって利用が減少の一途をたどっている。今日まで鉄道のなかったところなどはみずから車という交通機関をかなり確保しているはずです。ですから私は、地域住民の声を素直に聞くということも大切だけれども、地域のエゴや政治家の票取りのためにどんどん赤字線が建設をされていくなどということであるとしたらこれは反省をして出直すべきだ、こう思うんです。 この鉄道敷設法にたくさんの路線がここに別表で出ている。こんなのがあるから、さてこれを何とか取り上げてもらおうではないかということになるんでしょう。もうこんなの廃棄したらどうですか。廃棄をして、必要があったらまた新しく検討をして路線を選択するということをやったらどうでしょうか。もう時代がずいぶん変わっていますよ。大昔に決めたものを後生大事にとっておいて、そしてこれが種となって住民運動となる、やむを得ざる建設となる、こういうことだと思います。どうですか大臣、もうこの膨大な別表は一応やめにして、必要がある場合には新たな現在の見地に立って検討をしていくというふうにおやりになる気ありませんか。
○国務大臣(田村元君) いずれにいたしましても運政審の答申を見てみなければ、私として早まった言動は差し控えなきゃならぬかと思いますが、私自身が運輸大臣という立場に立って現地の方々とお目にかかってみますと、いまおっしゃいましたけれども、必ずしも地域エゴということできめつけるわけにいかない面もあります。恵まれざる地域に住んでおられる庶民たちがせめても文化の恩恵に浴したいというそういうことで、国が迷惑と知りつつ、国鉄がとりわけ迷惑と知りつつ求められておる新線建設ということを考えますと、財政上、経済上の観点だけで割り切ってしまえないそういう気の毒なこともございます。やはり国は、国鉄が公共輸送機関であることを考えたときに、でき得る限り恵まれざる地域の庶民を救っていかなければなりません。そういう点で、単に地域エゴとしてきめつけてしまうことのできないことを私もどうも残念に思いますけれども、申しわけなく思いますが、しかし、この建設は全額国費でやっておりますから、問題は後の運営の面について国鉄に財政負担のかからないようにするということがやはり必要であろうかと存じます。いずれにいたしましても、そういう面からも運政審の答申を待って適切な処置をとりたい、そのときには英断を下したい、このように考えておる次第でございます。
○小山一平君 どうも自分自身の考え方というようなものを示していただけないわけでございますが、私はこの鉄道建設審議会、鉄道建設公団、ここらにも何か問題があるように思えてならないのです。いま大臣の言われるように、その地域のためにただそろばんだけはじいていろんな要望、要求を退けることばかりにはいかないという問題もあります。それはいまでも取り上げて何とかしてあげなければならないところがあります。しかし、いま言われたように、財政的にも国費をもって建設をするということですから、これは国民の税金ですから、だれもが納得のいくような選択でなければいけませんね。皆さんがこの建設審議会に諮問をしてお決めになるんですが、どうもこの建設審議会のメンバー表を見ても、これは大変問題があるように思います。これで全国的な公平な見地に立って正しい答申ができるのかどうか、私は疑問です。それは与党も野党も入っておりますけれども、——————————議員というものはやっぱり選挙のことを考えますから、そう不粋なことばかりも言っていられない点もあろうかと思います。そこで、最近は鉄道建設審議会というものがどういうふうに開催をされて、どんなふうに審議というものが行われてきておりますか。
○政府委員(杉浦喬也君) 鉄道建設審議会の開催状況でございますが、四十八年の十一月、いまから三年半ぐらい前になると思いますが、これまでは適宜開催が行われておりましたが、ただいま申しました日以後現在まで一回も開催をされておりません。国鉄の問題あるいはローカル線の検討その他等の諸般の情勢がございましたので、なかなか開催する機会がございませんでした。そういう状況でございます。
○小山一平君 全くあってなきがごとき存在だということもよくわかりました。どうも私はこういう審議会というものは非常に形式的なもので、真に国鉄の建設問題なんかに機能するような存在ではない、こう思います。今後この審議会のあり方についても御検討をいただきたいと思いますし、それから鉄道建設公団でございますが、どうも私はこの公団に何とか仕事を与えてやるために建設事業が計画されていくんではないか、どこに目的があるのかわからぬのではないかというふうな疑念がどうしても感じられるわけなんです。 いずれにしても、赤字ローカル線の撤去、建設、そういう問題については抜本的な対応をおやりになるということですから、それを待つより仕方ありませんけれども、私は、いまのようなことで新線の建設が行われざるを得ないというのならば、そこに人家でも一切なくなればいざ知らず、既設の赤字ローカル線の撤去などということはもうおやめになる、これをやらなけりゃ不公平じゃありませんか。そうして今後の建設についても、国民が、その地域でなくて広く国民が見て、ああ、あれはもっともだというような納得のいくようなものを選択をしてやっていただく、相当の犠牲を払うわけですから。ぜひこの問題についてはそういう対応をしていただきたいと思います。 それから、大臣、このいま申し上げた別表についても、その答申を待って処置される、こういうことですか。
○国務大臣(田村元君) 当然考えなければならないと思います。
○小山一平君 それでは、赤字ローカル線についてはそういうことで慎重にひとつ対応をしていただく。一方では撤去する、一方ではどんどんつくる、こんな国民を愚弄したようなやり方はぜひとも再検討をして、国民の納得のいくような方法をとっていただく、こういうことについて確認をさしていただきたいと思います。そういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(田村元君) 先ほど申しましたように、運政審答申を拝見いたしまして、その上で相当なる決断を下さなければならないと思います。
○小山一平君 次は、新幹線についてお尋ねをいたしてまいりたいと思いますが、現在、東北新幹線、上越新幹線、成田新幹線、それぞれ建設が進んでおります。五十一年度完成予定が五十五年度予定となった。そしてそのために東北新幹線では累計工事費の予定六千七百億が二兆七百億に変更された。上越は四千六百億円が一兆二千五百億円に変更された。まあ時期も延び、インフレの時代でございますからこれはやむを得ないことだと思いますが、この建設に当たりまして国鉄当局が積極的に賛成をしていなかった。特に上越新幹線については賛成でなかった、こういうふうなことが言われております。これはお答えしにくい点でしょうけれども、いかがですか、国鉄。
○説明員(高木文雄君) 率直に申しまして、私も国鉄に入りますまでは何となくそういう印象を持っておったわけでございますが、いま中で見ておりますと、全国で一番線路が詰まっておりますのが大宮から高崎の間と、大宮から宇都宮の間でございます。それは東京都の人口が周辺に移っていく、団地がドーナツ化して外部に出ていくわけでございます。したがいまして、東北線あるいは高崎線についてはもう少し通勤電車を走らしてお客様に対するサービスをしなければいけないわけでございますが、線路容量という特殊な言葉がございますが、線路に列車を走らし得る能力が限度いっぱいにきておりまして、大変お客さんに迷惑をかけておりながらそれを現在改善できないという状態になっております。 そういうことを考えあわせますと、東北新幹線につきまして、また上越新幹線につきましても、それができるということは東北地域の方々の利便になる、上越の地域の万々の利便になるというだけでなくて、東京周辺のいわば都市問題といいますか、そういう問題にもプラスになるわけでございまして、総合的に考えてみますと現在の計画、盛岡までの東北新幹線、新潟までの上越新幹線ということでありますれば、ただいまの面も含めまして考えますと、経営収支的にも採算もとれますので、大変ただいま御指摘のように工事費が上がりましたけれども、それでもなおかつ採算がとれますので、現在施工しております東北、上越の新幹線に関する限りは、私どもは決して、何といいますか、好ましいものではないというふうには考えていないわけでございまして、鉄道の経営全体の立場からもぜひ早く実現をさしていただきたいという気持ちを持っておる次第でございます。
○小山一平君 この両新幹線はかなり黒字になる可能性のある路線だ、こういうことでございました。新幹線が黒字になれば在来線の赤字は増大するんじゃありませんか。そういうことになりませんか。
○説明員(高木文雄君) 新幹線ができますと、在来線で走っておりました特急とか急行とかいう線は、そういう列車編成は余り必要がなくなるわけでございますので、おっしゃるとおり在来線は赤字になります。現に東海道新幹線あるいはまた山陽新幹線につきまして見ましても、在来線の東海道線なりあるいは山陽線なりは赤字になっております。ただ、東海道新幹線、山陽新幹線と在来線を総合的に見まして、結局黒字でございます。東北、上越につきましても、開業後数年の間は、償却費が非常にかかりますという関係もありまして、若干赤字になるかもしれませんが、そう時間を経過しないうちに在来線を含めてどうにか、黒字とは言い切れないかもしれませんけれども、在来線、新幹線を含めて収支とんとんのところまでは大丈夫だという現在のところ見通しを持っておる次第でございます。
○小山一平君 実は私は、上越新幹線の建設について十分な調査検討が事前に実施されて、その上に立って着工されたのかどうか大変疑問に感じられてならないんです。まあ差しさわりはありますが、うわさによれば、田中角榮さんの圧力によって工事が早く出発してしまったなどという声も聞くわけでございますが。 なぜかといいますと、ことし私は、上越地方の雪害調査に参りました。国鉄ではあの線に対する除雪対策の研究をいま積極的に進めていらっしゃる。東海道新幹線も関ケ原付近で少量の雪で遅延、ダイヤの乱れがずいぶん出て悩まされておりますし、ことしは特に雪が多かったために、東北にしても上越にしても北陸にしても、ずいぶん列車というものは雪のためにおくれたり運休をしたりというようなことが続出したことは、御承知のとおりです。 さて、上越新幹線、あの豪雪地帯を走っていくのに一体あの多量の雪を排除をして、そして安全に順調に運行をしていくという調査研究の準備、これはきわめて私は不十分だと思う。いまやっている最中でしょう。予定どおり五十一年にでき上がったらどうなりますか。まだとてもとてもこれを具体的なものとしてやることができない段階でしょう。そこで私はあの研究をしている現地を見て、この新幹線の着工というものはそうした事前の調査検討というものが不備のうちにスタートをしたのではないか、こういう疑念を持たざるを得なかったわけです。そういうことはありませんか。
○説明員(高木文雄君) 恐縮でございますが、私は当時おりませんでしたので、詳しいいきさつなり何なりはよくわかりませんが、しかし、いずれにしましても上越新幹線につきましては、いま御指摘のように大変雪の問題が大きな問題である。雪について必ずしも一〇〇%の自信は持っていなかったんではないかというふうに想像いたします。ところが、いまもお触れになりましたように、幸か不幸か若干遅延をいたしましたので、その間に私どもの技術陣がいろいろ研究を重ねました結果、現在の時点ではほとんど一〇〇%と申してもよろしい自信を得るに至っておるわけでございます。 もともと構造的にトンネル部分を非常に多くしておりますし、また、平地については高架橋を多くしておりますから、高架橋の場合には橋の上から落とすということができるわけでございまして、いろいろ地下水を使って雪を解かすことであるとかそういうことも含めまして研究が進みましたし、それから車両の万の研究も、関ケ原の経験等を大分活用をすることができておるわけでございます。関ケ原と比べますと、上越の方は雪の量は問題にならぬぐらい多いわけでございますけれども、むしろ施設、設備の関係から言いますと、十五年も前につくられました関ケ原の方が実は大分設備的に劣っている現状になるわけでございまして、現段階では、雪が降りましても関ケ原のようなことにならないで運行できるという、ほぼ一〇〇%の自信を得ておるという現状でございます。
○小山一平君 私はこれ以上申しませんけれども、いま一生懸命で研究してかなりの段階に来たことは私も承知をしております。しかし、そういう経過を考えるならば、事前の調査研究というものは完全でないうちにスタートしたことだけは間違いがない。このことがどういう要因であったかということについては深くせんさくはいたしませんが、大変問題を感じざるを得ないという点だけ指摘をしておきます。 それから、国鉄は私よりもあるいはもっとよく知っていらっしゃると思いますけれども、ことしの豪雪などで見られたように、いま人手不足で在来線の除雪というものが非常に困難に陥っております。年々これはひどくなっていくことは否めない。そういたしますと、新幹線だけはお金をかけてりっぱな施設をつくって雪が降っても突っ走ることができるのに、在来線は運休だ、遅延だということが続出をするというようなことであるとすれば、これは国民感情として納得できない。何で新幹線だけはそういう扱いをしなきゃならぬのか、だれのために、何のために新幹線だけを優遇しなければならないのか、こういう批判が出ることは必定です。この研究が完成をして新幹線にりっぱな研究結果が反映できるということであるとしたら、在来線についても豪雪地帯についてはそういう方法を取り入れますか。
○説明員(高木文雄君) 二つほど問題があるわけでございまして、一つは新幹線で、たとえば関ケ原の例をとりますと、新幹線の方に運休その他が出まして、そして東海道の在来線の方はむしろわりあいに順調に動いているという現象がございます。それはどういうことから起こるかと申しますと、スピードが早くなると、そのスピードと雪の関係というのが国鉄自体としていささか研究不十分でございまして、線路上の粉雪のようなものが、スピードが上がりますと床下に巻き込まれてまいりまして、かつ同時に、それがスピードの関係で非常に雪が氷になりまして、その氷が機器を損傷するというような現象がありますために、非常にスピードの早い新幹線は在来線の場合に比べまして雪に弱いということがわかってきたわけでございます。そこでいま、関ヶ原についても対策を急遽とっておるところでございます。そういう意味で、新幹線に関する限りは、在来線以上に雪に対応する対策を初めから考えておかなきゃならぬという要素が一つございます。 第二に、いまお触れになりましたように、雪は昔からずっと降っているわけでございますけれども、いままでは主として農村地帯におきましては、ある意味では奉仕的な意味もありまして、比較的作業に大ぜいの方に緊急に出ていただける事態で明治以来きたわけでございますけれども、最近は農村地域において、冬期におきましても余り余剰労働力がないということもございましょうし、また、物の考え方が昔とは変わってきたということもございまして、在来線については除雪に非常に苦労する程度が高まってきておるわけでございます。そこで、これではいけないということで、たとえばラッセル車等の車両につきましてもここ十年ほどの間に大分整備を進めてまいりましたし、それから踏切等について、あるいはポイント等について融雪装置を設けるとか、あるいはまた、排水溝を敷設しましてそこへ雪を投げ込んで流すとかいう設備を徐々に始めておるわけでございます。 残念ながら、この冬はものすごい雪に遭いまして、しかも雪質もいつもと違うという状態がございましたために、上越あるいは信越の一部において大変多くの運休を出しましたけれども、これを一つの教訓として、いま部内に対策委員会を設けて対策を研究いたしておりますが、ただいま御指摘のように、在来線につきましても少なくとも主なる幹線については、そういうことを大雪が降りましても起こしませんように従来にも増しまして、ここ数年のやってまいりましたテンポに増しまして、雪に対して強い国鉄にできますように所要の設備改良をやってまいりたいと思っておるわけでございます。
○小山一平君 次は、整備計画線についてお尋ねいたしますが、五つの新幹線の整備計画は今日まで全面ストップされてまいったんでありますが、このごろどうも自民党内部において凍結解除の積極的な姿勢が取りざたをされてマスコミをにぎわしております。そしてその第一歩として環境アセスメント調査に入るとも報じられておりまして、これらの報道は関係する地方に不安やら期待やらさまざまな影響を生み出しています。これらの新幹線の総工費予定額は五十一年度価格で五兆五千億と言われておりますから、東北新幹線が、インフレの影響もあって当初計画を非常にオーバーをするような計画変更をしたというようなことを考えると、恐らく着工して完成するまでには十兆円を超えるようなことにもなろうかというふうに予想をされるわけです。いま破綻に瀕している国鉄財政をもってして、一体この五線の凍結解除、着工というようなことができるのかできないのか、する気があるのかないのか、これを明らかにしていただくことがいま緊急の問題だというふうに思います。 やる気もないのに、できもしないのにやりそうな宣伝をすると関係地方が大変迷惑をいたします。現在の国鉄の財政状況、いま再建途上にある段階においては、とうていこれら五線の凍結解除、着工などということは考えられないのではないかというふうに私自信は思えてならないのでありますが、これについて国鉄総裁としてはどう考えておられるのか、運輸大臣としてはどういうふうにいま考えておられるのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 整備五新幹線につきましてどのように受けとめていらっしゃるか、ちょっと私、しっかりわかりませんが、まず第一が、この整備五新幹線につきましては凍結は従来からいたしておりません。工事費という名の調査費を出して、一応工事費でございますが、細々とやってきたという意味においては、極端にスローダウンしてきたと言うことがあるいは正確かもしれません。そこで、地域からの非常に強い御要望もございますけれども、いずれにいたしましても、私どもここで明確にしなければなりませんことは、整備五新幹線につきましては環境影響評価等を徹底してやるということを決めたということでございます。 これはどういう意味かと申しますと、まず第一、環境アセスメントというものを徹底してやることは、これは時代の趨勢でございます。私は、空港だ、新幹線だ、いろんなものを受け持っておるわけでございますが、これからの公共事業、特に大規模なプロジェクトというものは環境影響評価を徹底してやって、その結果を公表して、地域住民、沿線住民の御理解と御協力を得なければ、とうていこれはできるものではございません。でありますから、これを徹底的にやるということでございます。 そして、環境影響評価等と申しますのは、その過程でこの新幹線が発揮するであろうところの効率というものも調べなければなりません。また、国鉄がこういう経営状態でございますから、もし仮にこの新幹線をやるとすれば、工事をやって完成せしめるとすれば、その時点で国鉄に対して財政的にどういう影響を及ぼすであろうかということも徹底して調べなければなりません。そういうことを、環境影響評価を中心として十分に調べよう、こういう決定でございますので、その点は沿線の各県の知事さん等もよく御承知と思いますが、率直なことを申し上げて、沿線の知事さんにはまだ一人もお目にかかっておりません。そういう事態でございますけれども、いま申したような調査をすること自体、私は特に間違っていないというふうに考えておる次第でございます。
○説明員(高木文雄君) どこに新幹線を敷設するか、また、それは他の道路等とどういうふうな選択にするかというような点につきましては、これは政府の方でお決めいただきたい。非常に交通政策として重要なものでございますと同時に、国土政策としても非常に重要なポイントでございますから、鉄道の立場だけで物事を判断することは適当でないのではないか、政府の方でお決めいただきたいというふうに考えます。 ただ問題は、先ほどお尋ねにお答えいたしましたように、新潟まであるいは盛岡までということでございますとかなりの輸送人員がございますので、それの経営を私どもがいたします場合に、何とか在来線も合わせて収支が償うということになるわけでございますけれども、現在お話のございます整備五線の場合には、どうもそれよりも人口の少ない、したがって輸送人員の少ない地域に線路を引くという計画でございますので、なかなか採算的にうまくいかないという心配をいたしておるわけでございまして、現在国鉄が赤字で、しかも立ち直りに非常に苦慮いたしております際に、さらにそういうものの経営をお引き受けすることについては私どもとして軽々に賛成いたしがたいわけでございますので、その点については、建設をされるされないは政府の方でお決めいただくといたしましても、その際、当方の経営に負担になりませんような具体的な方策をあわせてお考え願いたいということを、運輸省の方にお願いをいたしているところでございます。
○小山一平君 そういうことだと思いますが、先ほども私が指摘をいたしましたように、国鉄財政が今日のような事態に立ち至ったゆえんのものは、政府の政策の失敗とか欠陥とかというものがあった。きょうは時間が十分ありませんから徹底して論議ができないことは遺憾でございますけれども、そう思います。 そこで、この新幹線にいたしましても、なるほどこれは政府でお決めになることではあるけれども、その経営の全責任を負うのは国鉄でございますから、やはり国鉄総裁といたしまして、国鉄の立場から毅然たる態度で過ちのない方法がとられていくように強く御要請をしておきたいと思います。 それから問題なのは、原子力船「むつ」の修理港引き受けの条件として長崎線が何かクローズアップしてきているようだ、これについて何か裏の方で、約束とまではいかなくも何らかの取引があるのではないかというようなことが報じられております。これは大変問題でございますけれども、よもやそんなことはないと思いますが、この席からはっきりさしておいていただいた方がよろしいのではないか、こう思いまして、この点について大臣からお答えをいただきます。
○国務大臣(田村元君) 結論から申しますならば、断じてそういうことはございません。 そこで、ちょっとお聞きをいただきたいんですが、長崎新幹線を仮につくるとしましても、鹿児島線とかというものから見ればこれは支線でございます。長崎新幹線だけを先にするということは考えられないことでございます。それじゃ鹿児島の方がおさまりません。ところが、整備五線全部を恐らくわれわれは論じなきゃならぬかと思いますが、整備五線をやろうと思えば、いま御指摘のとおり、五十一年度の金額においても五兆五千億でございます。「むつ」のような船一そうと五兆五千億の引きかえができるものではございません。
○小山一平君 次は、東北、上越両新幹線計画のうち、大宮から都内に至る線というのがなかなか難渋いたしているようであります。住民の厳しい反対運動などがあって、なかなか路線の決定もできかねるということのようです。これは今後こういう問題はたくさん起きてくると思いますけれども、この計画ルートにある日本住宅公団大宮桜木団地について、国鉄からそこを譲渡してほしい、こういう申し入れがあった。公団は国鉄の要請にこたえて、譲渡してもよろしいという方針が出た、そしたらば入居者の猛烈な反対が起きて紛糾をしている、こういうことが報じられております。この経過とこれからの方針について、まず最初に住宅公団の方から——来ていらっしゃいますか、お答え願います。
○参考人(有賀虎之進君) いま先生お尋ねの私どもの団地は、大宮市桜木町にございます三十二年から三十三年に建てました百二十戸の団地でございます。ここのところを新幹線が通るということで、私どもの方に日本国有鉄道から、昨年の三月の十七日に文書で総裁から私どもの総裁あてにこの協力につきまして依頼がございました。私どもといたしましては、この新幹線が適法な手続に従いまして計画が決められ、工事の路線が決定され、その事業がオーソライズされていることでもございますので、まあこんなことを言うとしかられるかもしれませんが、一新幹線でございますから私どもの団地のところだけ曲がって通るわけにもまいりませんので、やむを得ないものといたしまして、基本的にはこの協力依頼に対しまして応じたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小山一平君 時間がありませんから先へ行きます。 結論でございますが、公団がそういう方針とられたことに、別に私は何も申し上げません。しかし、今後住民の反対運動があるわけですから、これにどういうふうに対応するのか、最悪のときは強制手段に出ることもあるのか、あくまでも話し合いで解決をするという取り組みをしていくのか、このことだけははっきりしておいていただきたいと思います。
○参考人(有賀虎之進君) ただいま先生お尋ねでございますが、強行するとかしないとかという問題でございますけれども、これは日本国有鉄道の事業でございまして、私どもの持っております土地、建物を用地買収にかかっている、こういうことでございましす。起業者は国鉄でございますので、先生御承知かと思いますけれども、市街地等で公共事業をやる場合におきましても、土地の所有者、建物の所有者、あるいは借家人あるいは間借り人、いろいろと権利が重層している場合が間間あるわけでございます。こういう場合におきましては、起業者がそれぞれの権利者、関係人に対しましてそれぞれ交渉して用地の買収をしていくというのが一般のルールでございます。 したがいまして、私どもとしましてはそういうふうに、国鉄の申し入れに対しましてものを譲渡していくという考え方でおりますが、個々の入居者につきましては、基本的には起業者である国鉄が交渉に入るというのが原則であろうと存じます。私どもとしましては、そうでありますけれども、一般の場合でも公共事業等の立ち退き者につきましては別に公団の住宅も優先的にあっせんしてるところでもございます。本件は特に私どもの団地の居住者でもございますので、実情に応じましてできる限りのことはしていきたい、こういうふうに考えてるわけでございます。
○小山一平君 これは大変問題ですよ。住宅公団は国鉄の要請があったから国鉄へ売った、売る、そこに入居者で反対があるやつは国鉄でやってくれ、こんな無責任なことがありますか。そこにいる入居者は国鉄から住宅を借りたんじゃありません、公団から借りたんじゃありませんか。その公団が勝手にだれかに譲渡をしてしまって、問題が起きたら買った人とやってくれ、そんな無責任なことが許されますか。それは当然住宅公団の責任として、入居契約を結んだ住宅公団として入居者の問題を解決をする、あたりまえじゃありませんか。
○参考人(有賀虎之進君) 先ほど来私申し上げましたのは、別に無責任という意味で申し上げているわけじゃございませんで、事業を行う場合に一般的にそういうルールでやっておりまして、たとえば従来でも、高速道路が都営住宅にかかるとか、それから一般の住宅にかかるとかいろいろございまして、原則はそういうことでございます。ただ、申し上げましたように、私どもの入居者でございますから、私どもとしてできる限りのことをやりたい、こういうふうに思ってるわけでございます。
○小山一平君 それは許されませんね。そんなばかなことが世間に通用しますか。だれかが自分の家を貸しておいた、第三者に売っちゃった、出ていくいかないはおれの知ったことじゃないなんていう、そんな大家さんか許されますか、あなた、それは国鉄も一枚かんで努力はするでしょうけれども、一番の当事者であるべきものは住宅公団ですよ。そういってむずかしい問題は国鉄におっかぶせて、譲渡するものだけは譲渡をして、知らぬ顔をしようなどということが許されるわけがないじゃないですか。そんなことを公団はいつもやってるんですか。一般社会ではそんなことは許されないんですよ。
○参考人(有賀虎之進君) 何か私の説明が大変無責任のように聞こえるかもしれませんけれども、別に特別私、無責任な気持ちで申し上げてるわけじゃございませんで、先ほど来申し上げるように、私どもの入居者でございますのでできる限りのことはしたい、こういうふうに考えてるわけでございます。ただ、先生その辺を御理解していただけると思って私申し上げたんでございますけれども、一般に、道路がそういう都営住宅とかいろんなところにかかった場合でも、起業者が借家人と交渉してるというのがこれは通例でございます。したがって、原則的にはそういうことでございますけれども、私どもとしましてはいま先生おっしゃられるように、大家といわゆる入居者との関係でございますので、もちろんできる限りのことをやるということでやりたい、こう思っております。
○小山一平君 住宅公団というところは世間に通用しない通例を採用しているようですけれども、このことは何としても了解ができません。 それでは、国鉄当局にお尋ねいたしますが、国鉄といたしましてはこの公団の土地建物を買収をしたい、これは当然のことだと思います。そして、皆さんは公団から譲渡を受けて、皆さんで入居者との交渉をおやりになるんですか。住宅公団と入居者との間に了解がない段階でも国鉄は譲渡の手続をきちっとおやりになって、後の処理は国鉄の責任でおやりになりますか。
○説明員(高橋浩二君) 住宅公団は、いわゆる普通の家で言えば大家さんに当たるわけでございます。通常一般の民家の場合でございますと、大家さんとたな子の関係について、国鉄がたとえば引っ越し料等は幾らぐらい負担してくれるんだとか、そういう大家さんとたな子の関係においても国鉄自体が引っ越し料等については、このぐらいのものは私の方で負担いたしますというそういう関係のことがございますので、通常の場合には、大家さんと国鉄とたな子の三者の間で民間の場合お話しするのが非常に多いというのが実態でございます。 本件は、住宅公団に私の方から正式にお願いを申し上げております。したがいまして、私の方から住宅公団の方へ、いま申し上げた引っ越し料その他及び住宅公団が同じ住宅公団でお持ちになっている他の住宅等のごあっせんも含めて、住宅公団にお願いをしているというのが今日ただいまのところでございます。建物の権利は住宅公団でお持ちでございますので、そういう意味では、一義的には住宅公団でまずいろいろその辺私の方と打ち合わせした上で、お話をして決めていただければ一番幸せだというふうに考えております。
○小山一平君 これが常識だよ、非常識なこと言っちゃだめだよ。あくまでも話し合いで円満に問題の処理を図っていただく、これは住宅公団も国鉄当局もぜひそういうことでお願いをしたいと思います。 だんだん時間がないんで大事なところが残っちゃうんだが、それでは次は、国鉄経営の独立採算制の限界といったようなことに関連をして少しくお尋ねをしてみたいと思うんです。 まず、その一つは、公共負担というのがありますね、各種の国の政策による料金割引、これがあります。文教政策としては通学定期の割引、学生割引、社会福祉政策としては戦傷病者、身障者等の無償、あるいは割引、産業政策としては通勤定期、物価政策としては農林水産物資の割引とか、文化政策としては新聞雑誌等の割引とか、国会議員などはこれは一体何政策だかわかりませんけれども、さまざまな割引が行われている。ひとつ今日まで国鉄当局がこの政策割引によってどのくらいの金額をしわ寄せされたというか、負担をしたというか、されておりますか。
○説明員(加賀山朝雄君) 運賃上の公共負担と称しましていろいろ考え方があるわけでございますが、私どもがこれまで言ってまいりましたものは、一つは通学、通勤の定期の割引でございます。それからそのほかいわゆる学割と称するものがございます。その他といたしまして身障者の割引等でございます。一応四十年から五十一年、これはちょっと概算でございますが、大体七千億でございまして、公社発足以来にいたしますと約一兆四千億という形になってまいります。
○小山一平君 これは大臣にお尋ねしたいんですが、国の政策によって国鉄が今日までに一兆四千億もの実は負担をした、こういうことをいま述べられました。私は、なるほど国からの財政援助が国鉄にあるにいたしましても、国の政策である限りにおいては、たてまえとすれば独立採算制を基調としていくという国鉄にこれをかぶせるというのは不当であると思うのです。文教政策で行う場合には、文部省で当然予算を取ってこれを国鉄へ納付をする、厚生省で同じようにやる、こういうふうにやることが必要だと思うのです。ですから、今日まで国が国鉄に出した財政措置というものをはるかに上回る金額を、国鉄当局は国の政策に協力をして負担をしてきたわけです。これは私は大変酷なやり方ではないか、こう思うのです。こういうものは、国の政策ですから、当然国の責任で国鉄に犠牲を払わせない。こういう政策をたくさんとることは結構だけれども、これを国鉄の総合原価主義ですか、こういう中でやるということは、これが国鉄会計を苦しくする大きな要因の一つとなっている、こう思うのです。大臣どうですか、こういう国鉄の公共負担というようなものは政府が責任を持つというふうにやりませんか。
○国務大臣(田村元君) これは率直なことを言って小山さんおっしゃるとおりなんです。もっとも国鉄の公共割引、広義の公共割引と言われておるものの中には営業政策上のものもございます。通勤割引というのはむしろ営業政策上のものかもしれません。けれども、いずれにいたしましても公共割引というものは、政策予算としてきちっとけじめをつけて、その担当省庁において予算化して国鉄に払っていただくということが私は一番好ましいことだと思っておるのです。これは以前から言われておることでございまして、しばしば各省庁に運輸省からもお願いをいたしたようでございますが、なかなからちがあかない。実は先般の昭和五十二年度の予算編成のときにも、私は閣議の席でこれを強く関係大臣にお願いをしたのです。たまたま、そのつい直前まで運輸大臣をしておられた石田労働大臣も私の肩を持ってくだすって、ずいぶん強く要請をしたのですが、何さま私が運輸大臣に就任しましたのが十二月の二十四日でございまして、予算編成が一月ということで、時間的にも物理的にどうにもしようがありませんでしたけれども、これは何とかけじめをつけてやらないと国鉄も困るであろうし、第一国の政策上のけじめをつけることは、これは国民に対しても一番すっきりしたことでございますから、これはおっしゃるとおりの努力を今後も続けて関係省庁と十分話し合いたい、こう考えております。
○小山一平君 ぜひそういう努力をお願いをいたしたいと思います。 住宅公団はもうよろしゅうございます。 次に、国鉄財政にとって大きな問題の一つに貨物輸送という問題がございます。全貨物輸送機関の中において、国鉄のシェアは昭和三十五年度には三九%であった。年々低下して、今日では一四%ですか、大変低いところへ落ち込んだと言われております。それから、国鉄赤字のうち貨物部門がその八〇%以上を占めていると言われておりますが、これらのことはそのとおりですか。
○説明員(高木文雄君) 現在の国鉄の収支を、まず新幹線とその他とに分けまして、その他の在来線を——新幹線の方は貨物は通っておりませんので、その他の在来線を旅客と貨物とに分けましてみますと、新幹線は御存じのように黒字でございまして、在来線は赤字というかっこうになっております。 そこで、どういうふうな割合で見るかということでございますが、在来線の中で、これは全体として赤字でございますが、その赤字のうち貨物の赤字と見るべきものがどれぐらいかといいますと、そういう率でいいますと大体六割前後ということになります。ただいまおっしゃいました八割という数字は、新幹線の黒の部分ももう全部つっくるみで見まして、最後に出てくるしりの赤字と貨物の赤字とを比べますと八割ぐらいになるわけでございまして、そういう意味では八割でございますし、在来線の赤字の中で見ますと六割ぐらいというかっこうになります。
○小山一平君 貨物が大変国鉄にとっては重大な問題であるということがわかりました。このことは、経済の高度成長を進める目玉産業の一つとして国が自動車産業発展の政策をとりまして、総合交通運輸体系の一環としてそれぞれを位置づけるということをせずに、高速自動車道その他道路の建設、改良などというものがきわめて積極的に進められ、巨額の投資を集中してきた。そして、さらにガソリン税など豊富な道路目的財源によって自動車優先の諸条件というものが整備をされてきた。その結果、国鉄の貨物部門というものが困難に陥ってきた、競争に耐えられないような条件下に置かれてきた、こう思うんです。言いようによっては、これは政府の自動車偏重の政策によって国鉄が犠牲にされてしまった姿だとも言えるんじゃないかと思うんです。 そこで、この道路等に対する国の投資、こういうものと比較をいたしますと、同じ交通手段でありましても、国鉄に対する政府の財政措置というものはいままで非常におろそかにされてきたということは否めないと思うんです。たとえば、ここの監査報告の中にも、これは四十五年から五十年までの国鉄の投資が一兆二百四十三億円ですか、道路投資が二兆八千四百三十五億円とこういうふうに出ておりますし、そしてこの投資の中で国庫財源というものが道路あるいは港湾、空港こういう施設に対しては非常に高い。ところが、国鉄に対してはきわめて不十分である。国鉄は独立採算だから自身でかせいだ費用でやりなさい、こういう原則的なことだと思うんです。 そこで、一つぜひ申し上げたいのは、国鉄も大変赤字で苦しんでおり、政府もようやく財政的な措置も積極的に取り上げるようになってはきたけれども、一層の努力が必要ではないか、こう思うんです。ですから、いままでとられてきたような財政措置のほかに、私はガソリン税などの道路目的税を道路ばかりに使わずに、公共的交通対策の一環として国鉄にもこれを配付するような方策がとられてしかるべきじゃないか、今日まで国鉄は自動車産業のために犠牲にさらされてきたんじゃないか、そのために国鉄が今日的な危機に瀕しているんだから、当然その道路目的財源の一部を国鉄にも移譲をしていくべきではないか、こういうふうに考えるのですが、大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(田村元君) 道路の犠牲になったことはこれは事実でございます。ただ、道路投資が社会資本投資として間違っておったかということになりますと、これは必ずしもきめつけるわけにもいかない、過去においての道路投資というのは一種のナショナルミニマムとも言うべきものであったと思いますから、きめつけるわけにはいきませんけれども、しょせんは時代の趨勢ということになろうかと思います。いずれにいたしましても、国鉄が自動車というものによって受けた影響は非常に大きなものがございます。直接的な原因としてはお客様の選択ということであったと思いますけれども、いまおっしゃったようなことだろうと存じます。 実は、道路の場合あるいは空港の場合、これは非常に利用者負担が高いにもかかわらず、その利用者負担が目的税特定財源として構成されておりますから、何となく利用者負担率の小さい国鉄の方が利用者負担率が高いように見られて、そこに大きな錯覚が起こるわけでございます。御参考までにちょっと申し上げますと、昭和五十一年度を例にとりますと、道路の利用者負担率つまりガソリン税等の利用者負担率が八三・四%、それから飛行場が九九・六%、それに対して国鉄の利用者負担率は五八・七%でございます。にもかかわらず、国鉄は利用者負担が高過ぎるというふうに糾弾を受けるわけでございます。 そういうことから、何とか国鉄に安定した特定財源が与えられれば一番いいなと、いま仰せのガソリン税等の問題でございますが、実はきょうここに大蔵省あたりがおってくれるともっとよかったと思うんでありますけれども、実はこれは私の前からの持論でありまして、全くその点で小山さんと意見が合ったわけであります。何とか現在までの政府の手厚い助成というものはそれをそのままこれからも続けるとして、それ以外に安定した特定財源が与えられればと、このように考えまして、いま私これを模索中でございますが、確かにおっしゃることは時宜に適した御意見だと思います。
○小山一平君 このことについては大臣と意見が一致したようでございますので、ぜひそのような努力をお願いをしたいと思います。 それから、なるほど利用者負担の率という点がいま述べられたのですけれども、私のここにある資料で、いわゆる公共投資の比率でございますが、たとえば昭和四十八年の道路については、国がその費用の全体を見て三九・二%、地方団体が三八・二%、合計すると七八%が公費で賄われる、それから港湾は九一・六%が公費で賄われる、空港整備は四六・六%が公費で賄われる、国鉄については、国の財政措置を計算に入れると一〇%そこそこだ、こういう数字があるわけです。いずれにいたしましても、ぜひとも国鉄に積極的な財政措置を講ずるようにというふうにお願いをしたいわけです。 特に石油ショック以来資源問題、日本ではその中でもエネルギー問題というのが大きな課題になってきておりまして、国鉄の持つ任務、将来というようなものは、これは評価し直さなければならないところへ来ていると思うんです。ですからここで、赤字であるからといって改良工事がおろそかになったり、近代化がおくれたりというふうなことになってはならない、こう思うわけです。それにはどうしても政府の強力な援助というものが必要だ、私はこういうふうに思いますので、ぜひお願いをしておきたい。 それから、国鉄当局におかれましては、いままでいろいろ論議を交わしてまいってきわめて不十分でございますけれども、いろんな基本的な政策は政府が決めるのだということではあっても、経営の全責任は皆さんが背負うわけですから、政策的な方向で納得のいかないようなもの、そういうようなものがあるときにはやっぱり毅然として国鉄の考え方というものを明らかにしていただいて、国鉄の主体性というものをひとつしっかり持って当たってほしい。政府の方でいろいろなことを決めてやってきた、しりぬぐいだけは国鉄だ、当事者能力がないなんというようなことであっては国鉄は立つ瀬がないと、私は大変国鉄に対して同情を禁じ得ないわけです。 きょうは、時間の制約もありまして十分な御質問もできませんでしたけれども、運輸大臣並びに国鉄総裁は、いま希望を申し上げたようなことをひとつ聞いていただいて御努力を願いたい、こういうことを申し上げて、私の質問を終わります。
○国務大臣(田村元君) いかに独占性を失ったとはいえども、国鉄は全国民の足でございます。その持っております役割りというものは非常に大きいものがございます。先ほど来の御意見まさに肝に銘じまして、国鉄の経営について、これは国民の足を経営するのだという考え方の上に立ちまして万全の対策を講ずる所存でございます。
○説明員(高木文雄君) 冒頭に申し上げましたように、大変病気にたとえれば重い病気にかかっている現状でございます。しかし、いま大臣からも申されましたように、非常に重要な役寄りと使命を持っているわけでございますので、その役割り、使命を肝に銘じまして大いに再建のためにいろいろ努力を重ねてまいりたいと思う次第でございます。
○委員長(鈴木力君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木力君) 速記を起こしてください。 先ほどの小山氏の発言のうち、多少疑義の出ている点がございますから、後で速記を調べまして委員長として善処いたしたいと思いますので、御了承願います。 午後零時五十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 —————・————— 午後零時五十五分開会
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○遠藤要君 私は、きょうは遠藤要が質問するということでなく、東北の住民が素朴な疑問を持っている点を御当局にお聞かせ願い、それを私に答えるということでなく、東北の住民に答えるという姿勢でひとつ御答弁を願いたいと思います。 まず最初に、もろもろの問題に入る前に、先般行われた春闘のスト、このストに対して、運輸大臣、国鉄総裁、違法であると認められますかどうか、その点をまずお尋ねいたしておきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 三公社五現業の職員は、公労法十七条の規定によりましてストライキは禁止をされております。でありますから、いかなるストライキも違法でございます。
○説明員(高木文雄君) まことに申しわけございませんが、いずれにしても違法ストであることは間違いなないわけでございまして、これを何とも私の力で法律を守る事態を実現できませんことがまことに残念と申しますか、申しわけないと思っております。何とかそういう事態を一日も早く脱却をいたしたいと考えております。
○遠藤要君 ストの問題については、運輸大臣、国鉄総裁ともども違法であるということをお認めになっておられるんですが、その問題についてもろもろお話を申し上げるとスト問題だけで私に与えられた時間がなくなってしまいますので、これ以上はきょうここでスト問題については触れず、後日に回したい、こう思いますので御了承願いたいと思います。 それで私は、先ほどの小山委員からもいろいろ御発言がございましたが、まず最初に、国鉄の任務と申しましょうか、国鉄の公共性についての性格等について、これまた運輸大臣、国鉄総裁からお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 国鉄は過去百年来、国民の足としてその役割りを果たし愛されてまいりました。今日、モータリゼーションの発展とかいろいろな環境変化がありまして、特に航空機の発達等非常に環境変化がございまして、往年の国鉄の姿はやや衰えたりとはいいながらも、いまなお全国民が利用する貴重な足でございます。独占性が薄れてきたとはいっても、その点はわれわれは国民の足であることを忘れてはなりません。でありますから、国鉄に課せられました任務また義務、使命感というものは非常に大きいわけでございます。 でありますから、政府といたしましても国鉄に対し従来以上の関心を抱かなければなりません。残念ながら、今日の国鉄は非常な経営困難に陥っておりますけれども、何とかこれを再建せしめてりっぱにお役に立ち得るようにしなければなりません。その意味でいま御審議をいただいており、特に衆議院でいま御審議をいただいております国鉄に関する二法案等につきましても、格段の御理解、御協力を賜りたいのでありますけれども、政府といたしましてもでき得る限りの保護を加えていきたい、このように考えておる次第でございます。
○説明員(高木文雄君) 長い間にわたりまして全国に鉄道網をめぐらせるということによって、わが国の社会、経済さらには政治の中で非常に大きな役割りを果たしてきたと存じますし、それがまた国鉄の使命であり、そのことは今日も変わっていないというふうに思っております。ただ、いろいろな新しい輸送手段が科学技術の発展とともに生まれてまいりました。独占性は失われたわけでございますけれども、全国至るところに広がりを持っておるという点におきましても、それから何といいましても基本的な輸送手段であるという点におきましても、公共的使命はきわめて高いものがあると思っております。夜も昼も分かちなく二十四時間動くというたてまえになっておりますし、また、雪が降りましても、いろいろな災害等がありましても、よほどのことがない限りダイヤのとおり走っておるということ自体が、公共性を意識して、それを自覚しての毎日の作業ということになっておると思います。 ただ、いろいろと経済面におきましては、独占性が失われつつあるということから非常にむずかしい状況にございますし、社会環境あるいは物の考え方が変わってまいりましたから、先ほどちょっとお触れになりましたストというような事態まで起こしておるわけでございまして、その社会環境あるいは物の考え方の変化に応じて少しずついろいろな体制を変えてまいらねばならぬと思いますけれども、その場合におきましても、あくまでも企業ではありますが、同時に、非常に公共的使命を持っているという特殊な企業でございますので、そのようなつもりで全体の運営をおあずかりしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○遠藤要君 そこで運輸大臣、国鉄の性格から言っても、ただいま大臣なり総裁のお話のとおり、私は国鉄のこの異常な赤字というのは、ただ国鉄だけ責めるというわけにはいかぬと思うんです。やはり政府も国会も責任がある、そういうような点を感じておるのです。それで、再建のためにいろいろ方策を立てられておりますけれども、私は、国鉄幹部なり職員が、明るい見通しのもとに再建に取り組むということならば夢と希望も持たれると思いますけれども、大きな壁にぶつかったような感じでこれをくずしていかなくてはならないのだということになると、何となく荷が重いような感をいたしておるのです。そういうふうな点で、特に運輸大臣にひとつ大きな政治力を発揮して御努力願いたいと思うんです。 それは、国鉄の性格と文部省の所管である学校教育とでどちらが重要かというようなことの比重は私ははかれないと思うんです。国立大学をつくるのに、その大学をつくって授業料を取っておりますが、しかし、その授業料が学校建築費を含めて授業料を取っておるかどうか、そういうふうな点も考えてみなければならぬ。また、都市計画の街路事業や何かについても国がそれぞれ大幅の補助をしておる、そういうふうな点等も考えて、やはり先ほどの委員のお話ではございませんけれども、国鉄が採算のとれる路線だけを経営しておるならば何をか言わんやでございます。いろいろ地域格差の問題、住民に文化の恩恵を与えるために、生活の向上のために、また、流通機構の完備のためにというような点で大きな役割りを果たしておる、私はそういうふうないろいろな点で財政援助を運輸大臣も努力されていることは承知をいたしておりますけれども、先ほど来財源の問題も運輸大臣からお話がございました。私はそういうふうな面で、何らかこれならば国鉄もあと何年間で赤字の解消ができるというような方策がないかどうかという点をお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 国鉄の再建というのは、これはあらゆる角度からその赤字要因を探求して総合的な施策を講じていく、こういうことでなければ簡単に再建はしないだろうと思いますし、再建した後の国鉄の経営またしかりであろうと思うのでございます。でありますから、まず国鉄の再建について私どもが考えておりますことは、当然国鉄が負担すべき原価に見合うものは、これは運賃で賄っていかなければなるまい、しかしながら、国鉄の当然負担すべきという点を超える、その限界を超えるものについては政府が助成等の措置で守っていかなければなるまい、同時に、国鉄自身があらゆる角度から赤字要因を探求して経営努力に一層励んでいくということも大きな要因であろうと思うのでございます。そういう観点から合理化の問題も考えなければなりません。あるいは関連事業収入等をかき集めることも考えなければなりません。いずれにいたしましても、国鉄といえども企業である、しかし公的な特殊の企業である、このような考え方の上に立ちまして、国鉄の努力と政府の保護政策というものが利用者の方々の御負担と相まって功を奏していくということが必要であろうと考えておる次第でございます。
○遠藤要君 国鉄が企業はどうかということについては、ただいま大臣のおっしゃるとおりだろうと思います。私は、あくまでも国鉄が独立採算でいけというようなことになると、どうしても企業本来の性格がむき出しに出てくる、そういうふうな点を懸念している一人でもございます。そういうふうな点でそれが結果的にはスト権の云々にも波及してくるのではないか、こういうふうな点を感じておりますので、今後運輸大臣に一層ひとつ国鉄の赤字解決問題について御努力をお願い申し上げておきたいと思います。 それで今度は、話を変えてというよりも、東北の住民の声をそのまま申し上げて、大臣なりそれぞれ御回答をちょうだいいたしたいと思うのであります。大変大臣の前で非常に言いにくい話なんですが、東北の住民は、なぜ東北に新幹線一本が満足に進行しないのか、岩手県ぐらいの小さな四国に橋が三つかかろうとしている、そういうようなときに、われわれの悲願がなぜ達せられないのか、そういうふうな声がしょっちゅうわれわれの耳に入り、ただいま鈴木委員長からも、ぜひそれを伝えてほしいという話もここで出たわけでございます。そういうような点で、東北、北海道住民の新幹線に期待している夢と希望というのは非常に大であるということは、運輸大臣、国鉄総裁ともども御理解をちょうだいいたしておるわけでございます。 御承知のとおり、当初の計画は五十一年完成、それが五十五年だという話を新聞なりテレビ等ではお聞きをしておるんですが、ここで改めて大臣と総裁から何年に完成するかということを、まず盛岡までの点についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 盛岡以南の東北新幹線につきましては、すでにもう熟知していらっしゃることと存じますが、大宮以南の工事がはかばかしくいかない、まあ住民運動等もございまして簡単にいかないということでございます。そういうことで若干当初計画がずれておることは申しわけないと思っております。 先般も、実は東京都知事が私のところへ来られて、羽田空港の問題やら調布の飛行場の問題、いろいろな話があったわけでありますが、そのときに、東北新幹線の話にも及んだのであります。美濃部さんが私におっしゃるには、田村さんどうですか、もう反対反対と言っておってもしようがないんで、何とかこれをうまく解決しなければならぬと思うが、それには知恵というものが必要であろうと思う、だからそういう点でお互いに知恵を考えようじゃありませんか、こういうことでございました。 私は大変ありがたく思いまして、早速それじゃ国鉄総裁をあなたのところへ差し向けますから、相談相手になってやってください、こういうことをお願いしたわけでありますが、だからといって国鉄の新幹線が実際に通る、その沿線の直接の関係者という立場から見れば、迷惑なこともよくわかるわけでございます。そういうことで何とか知恵を出して、一日も早く懸案の解決をいたしたいと思っておりますが、そういう意味で何とか五十五年度には決着がつくのではないか、このように今日推測をいたし、その線で努力をいたしておるということでございます。
○説明員(高木文雄君) 着工いたしましたときには、ちょうどいまごろまでに完成をするという計画で始めたわけでございまして、それがためには工期に非常に手間取ります長いトンネルであるとか、あるいは長い橋であるというところから手をつけ始めたわけでございます。遠藤委員よく御存じのとおり、一番長いトンネルももう貫通をいたしたわけでございまして、そういった工期の進捗という意味からいきますと、当初考えておりましたのとほとんど大きな差がなく進行しておったわけでございますけれども、いま大臣も触れられましたように、東京の近くが用地問題で行き詰まっておる次第でございまして、幸いつい最近に、大宮のすぐ北のところは大体御了解が得られる段階にまいりました。あとは大宮から赤羽の間の埼玉県とそれから赤羽から東京駅までの東京の中の問題が残っておるということでございますが、どうもなかなか思うようにはかどっておりません次第でございまして、線路を引きましたり橋をかけましたりという部分がまだ相当ありますので、もうそろそろ用地問題の解決が最終的につきませんと、せめての目標年度といたしております五十五年度完成がなかなか容易でないという事態に追い詰められておるわけでございます。 私どもも、担当職員は日夜を分かたず住民の方方の説得に当たっておる次第でございます。何とか一日も早く目鼻をつけたいと思っております。いま大臣も触れられましたように、所要の向きには私自身も出向きましていろいろお願いをしておる次第でございますので、何とか目標年度の五十五年度までには完成しなくてはならない。東北の、あるいは上越の皆さんの御期待もございますし、また、私どもの経営の立場から言いましても、投資しました資本がいつまでも寝ているということでは大変困るということもございますし、先ほど小山委員のお尋ねにお答えいたしましたように、宇都宮まで、あるいは高崎までの通勤線といいますか、在来線の通勤列車を増発したいわけでございますが、それもできないということで、そういう意味では、単に東北、上越の方だけでなくて、東京周辺の方々からも強い期待を抱かれておるものでございますから、何とかして住民の方方の御理解を一日も早く得たいものと思っておる次第でございます。
○遠藤要君 五十五年に完成せしめたいというお言葉でございますので、五十五年にはぜひひとつ完成するように、私も大きく御期待を申し上げておきたいと思います。 ただ、大臣、総裁、実は五十一年に完成するのだということを、住民はそのまま信じておったんです。それである住民は自分の山なりたんぼなりを売って、そうして仙台の裏口の方に、今度は駅がこっちにも向くのだというようなことでホテルをつくった、それが何年たっても駅の方が向いてこない、そういうような結果、その借金に苦労をし、最終的には倒産してその人が蒸発した、そういうような問題が東北には各地に起きておるわけであります。これは東北新幹線のみではなく、恐らくもろもろの問題にそういうふうな問題があろうと思います。成田の空港の周辺にもそのようなことが私の友人であります。 そういうふうな点で、お役所としては、当初の計画で何とか推進したいということで努力はされたと思うのでございますが、それがオイルショックだ、いろいろな問題からこのように遅延したということになると、大変例としては悪いことだと思いますけれども、たとえば日ソ漁業交渉がなかなかまとまらぬ、その結果船の出航がおくれる、それに対しては国は金融の道なりいろいろの処置をとってくれるような方策を立てておりますが、そういうふうな点で、新幹線が四年間おくれるということによって各地にもろもろの被害がございます。しかし、それを国なり国鉄でどうせいということではございませんが、私は、そういうふうな点を十分ひとつ御認識をちょうだいいたして、今後の完成の促進をひとつお願い申し上げておきたい。 そして、あわせて私は、これは高橋常務理事にお尋ねしておきたいと思うんですが、残った工事費というのは一体盛岡まで幾らぐらいかかるかということと、それから、この新幹線によっていろいろの問題が出ております。先ほど総裁のおっしゃったように、トンネルを掘削するためにその地域の水が枯渇して生活用水も農業用水もなくなった、そういうような点で国鉄自体がいち早く処置をされております。私は、このような方法がやはり今後も持続してやってくれるかどうかという点をひとつお尋ねしておきたいと思いますが、その点に対して御回答を願いたいと思うわけです。
○説明員(高橋浩二君) 東北新幹線全体のお金がどうなるという第一の質問でございますが、五十一年度までに六千七百億円ほどの工事費を使って仕事を進めております。五十二年度は御承知のように二千六百億円の予算を認めていただいておりますので、五十二年度が終わりますと九千三百億円ができ上がる。おおむね全体が二兆七百億円と考えておりますので、四五%ぐらいが五十二年度末で完成するということになろうかと思います。 それから第二の、トンネル等が出ていろいろと地域の方々に水の問題で御不便をおかけしている点がございます。この点について、ただいまは応急給水処置をとりまして、飲料水なりあるいはたんぼの灌漑用水等に水を配水をいたす処置をいたしております。先生の御質問は、そういう点について十分意を用いて、なおかつ工事が終わったからといって、すっぽりこれをほっぽり投げるようなことのないようにやれということかと思いますので、私の方もいままで東海道、山陽等についても類似の問題がただ一度ございました。いままで水の問題等で工事中にはいろいろ御不便をかけたことは多々ございますけれども、完成後特にけしからぬというようなことのないように処置をしてきておりますので、東北新幹線に絡むこういう問題につきましても、誠心誠意、もって最後まで地元の方々が本当にこれでよかったというような状況にまでして、工事を完成させたいというふうに考えております。
○遠藤要君 鉄建公団にお尋ねしたいと思うんですが、鉄建公団がいま青函トンネルを工事中でございますが、あのトンネルは何に使う目的で工事をやっておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
○参考人(篠原武司君) 青函トンネルはいま一生懸命やっておるところでございますが、これは新幹線を通し得るようにやれという大臣の御指示をいただいておりますので、そのように考えて勾配なり断面なり全部変更したわけでございます。
○遠藤要君 運輸大臣にお尋ねしたいと思うんですが、新聞紙上で先ほどは凍結はしてないのだ、こういうふうな大臣のお話が、五つの新幹線ですか、についてございましたが、これから何か慎重に調査をしてというような印象に新聞を読ませていただいたんです。青函トンネルがいま公団総裁のおっしゃるように、新幹線に利用するために大臣の命令で着工されたということになっておるわけでございますが、その新幹線が一体いつごろ北海道、札幌ですか、札幌までの工事着工の大臣のお指図があるものか、お聞かせ願いたいと思います。大臣命令でしたか、着工命令……。
○国務大臣(田村元君) 先ほどの青函トンネルの指示をいたしましたのは橋本運輸大臣の時代だったと思いますが、いま念のために聞いておきましたが、整備後新幹線につきましては先ほどの御質問で申し上げたとおりでありまして、もう一回申し上げますならば、四十八年の十一月に整備計画を決定いたしました。現在、国鉄において工事実施計画策定のための調査を行っておるところでございます。先般決めましたのは、この整備後新幹線について地元の要求が非常に大きく強いものがございます。でありますので、この際徹底した環境影響評価等をやろう、つまり環境アセスメント等をやろう、こういうことでございます。 これは、先ほど申し上げましたように、環境アセスメントというのはもう時代の趨勢から言って徹底してやらなければなりません。それでないともう大きなプロジェクトはできません。これは空港や新幹線各地をごらんになってもよくおわかりのところでございます。こういうことをやったらどのような影響が出るか、あるいはその影響に対してどのように対処し得るか、いろいろなことを検討しなければなりません。そうしてその結果を、データを国民の前に公表するということをしなければなりませんし、同時に、その公表したデータに基づいて地域住民の意見というものを地方公共団体の窓口を通じて十分に聞いていくということをいたしませんと、もう社会資本投資の大きなプロジェクトはできない。 そこで、今後こういうことをうんとやろうというわけでございますが、それと同時に、国鉄の財政事情というものも考えなければなりません。国鉄の財政事情を無視した新幹線に対する工事着工ということは不可能でございます。国鉄の財政事情がどうか、それからこれに幾ら金が要るか、そうしてこれができ上がったときにどのような営業の姿になるだろう、黒字になるか赤字になるか、あるいは収支とんとんでいくか、そういうことも検討して、その上でもしそれでもなおやるとすれば、国鉄に対して何らかの保護措置を加えなければなりません。そういういろんな面を検討しなければなりません。 ただ、やみくもに工事をどんどんやるということは、高度成長時代ならいざ知らず、これからの日本の姿としては慎重にしなければならないところでございます。そういうことから現在の東北新幹線、盛岡以南あるいは上越新幹線の完成見通し等も参考にしながら三全総——第三次全国総合開発計画との整合性を保ちつつ、その過程において決めていく、こういうことになろうかと思います。しかしいずれにいたしましても、環境影響評価に大きく踏み出したことはそれなりに大きな意義があるだろう、このように考えておるところでございます。
○遠藤要君 先ほど国鉄総裁のお話ではございませんけれども、すでに青函トンネルも一番難所にいま取り組んでおられるようでありますが、それも大過なく順調に進んでいる、まあそういうふうな点で財政的にも相当投入しております。それから大臣も御承知のとおり、私どもは盛岡以南の者でございますけれども、この東北新幹線を要請するときには、北海道、東北住民がこぞってお願いをしておる。これが東北の夜明けだ、北海道の夜明けだ、そういうふうな合い言葉で要請をいたしたものでございます。さような点でひとつ大臣、盛岡以北についても一日も早くやはり住民の期待にこたえるような措置をお願い申し上げておきたい、こういうふうにお願いを申し上げておきたいと思います。 それで、新幹線の問題はその程度にさしていただいて、私は鉄建総裁にお尋ね申し上げたいのですが、宮城県に、総裁御承知の丸森線、気仙沼線がございます。これはいつ完成する見通しであるか。大変まあ丸森線についてはあとわずか、目の前に向こう側が見えている、そういうふうな状態でございますけれども、どうも順調に進んでおらぬというような点で住民が大変やきもきしているという点もございますので、その点をひとつ総裁からお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(篠原武司君) 丸森線は、昭和四十三年に槻木−丸森間が部分開業したわけでございます。これは御承知のとおりでございますが、東北本線の矢野目と丸森の間につきましては、路盤工事はほとんど完成しておりますが、開業設備につきまして現在国鉄と協議中でございます。この協議がなるべく早く御返事をいただかなければならないという形になっておりますが、竣工までには矢野目のまず立体交差という問題がございまして、この連絡設備の工事の工程を勘案いたしますと、なお数年かかるんじゃないかというふうに言われております。実際問題としまして総工事費は二百八億でございますが、五十一年度までの決算額は百三億でございます。それであと国鉄矢野目の立体交差の問題と、それからあと国鉄に委託するいろいろな工事がございまして、協議が整った後にこの工事をやらなきゃならぬということになっておりますので、まだしばらくかかるということになっております。 それから、気仙沼線の工事でございますが、気仙沼線は昭和四十三年に前谷地−柳津間が部分開業いたしまして、柳津−本吉間につきましては、現在工事はほとんど完成しております。一部開業関係の工事を施工中でございますが、これは現在国鉄に委託して仕事をしていただいているわけでございます。今年中には全線竣工する見込みになっております。 以上でございます。
○遠藤要君 重ねて鉄建公団にお尋ねしたいんですが、この整備計画と申しましょうか、これは実際的に工事の着工命令が来て着工して、矢野目に来てから初めて国鉄と話し合いを——何年もかからなくてはならないというのが当初からの予定だったんですか。最初からそういうような点は、これは大体こうするとかああするとかということを決めて整備計画なり何かが出てくると私は思うんですが、土壇場になって国鉄さんと御相談してということになるわけですか。そこをお尋ねしておきたいと思います。
○参考人(篠原武司君) 担当理事の原島が来ておりますので、原島君から御返事させていただきます。
○参考人(原島龍一君) 私どもの方で施工いたします建設線につきましては、まず最初に、工事実施計画のその一というのを運輸大臣から認可をいただかなきゃならないわけでございます。これは大体の経過地とか、それからどこに駅をつくるというようなことの大枠でございまして、これにつきましてもまず国鉄と協議を済ませまして、それから大臣の御認可をいただくわけでございます。その点では間違いなく協議が済んでいるわけでございますが、これによりまして路盤工事にまず着手いたします。路盤工事の完成が近くなりますと、自然、当初計画いたしておりましたときと周囲の状況その他変わってまいりますので、さらに詳しい協議を国鉄とすることになっております。そういうわけで、路盤工事がだんだん進捗いたしまして、完成が近づいたという時点で、いま詳しい開業関係の協議を国鉄とやっているところでございます。 なお、いま矢野目のお話が出ましたが、矢野目の立体交差といいますのも、これは開業設備とは直接関係ございませんが、地元との立体交差につきましての協議が、これは東北新幹線の関連で福島の貨物駅をこちらへ移転するというようなこともございまして、なかなかその辺との絡みもございまして、これの地元との設計協議に大変ひまがかかっている。これはもうほとんどまとまっておりますので、近日着工できると思います。そういうことをつけ加えさせていただきたいと思います。
○遠藤要君 そうしますと、国鉄との協議というのは、そう長い時間はかからぬということですか、重ねてお尋ねしたいんですが。 それからいまひとつ、実施計画をやるときに、あらかじめ国鉄とは話し合っておることなんだろうと思いますが、その点どうなんですか。
○参考人(原島龍一君) 御指摘のとおり、当初国鉄とあらかじめ使い方につきましては協議いたしております。しかし御承知のように、普通はもっとどんどん工事を進めなきゃならないんですが、いろいろな事情がございまして工事が非常におくれてまいりますと、国鉄の経営状況も違ってまいりますし、それからこれに並行しております東北本線の使い方などもだんだん考え方が変わってまいります。それから旅客、貨物を含めまして輸送の需要というものも変わってまいりまして、その辺でいろいろな議論が出てまいりまして、実はこれに数年、ああでもないこうでもないということでかかっておるような次第でございます。
○遠藤要君 運輸大臣、ただいまの話は、国鉄と公団の実施計画なり何かのいろいろ具体的な話し合いということで大変年月がおくれているというような御答弁なんですが、現実はそうではなく、やはり国鉄の再建に大きな影響があると思うのです。そういうふうな点で、この丸森線が果たして国鉄に与える影響ということはどうか、そういうような点もあって、なかなか話が済んでいても仕事の方がスムーズにいかないというような私は見方をしておるわけなんです。しかし、先ほど来申し上げているとおり、国鉄の性格、地域の問題、そういうような点を御配慮願って、ひとつ運輸省としてもまた総裁としても何とか一日も……。この丸森線は向こう側がもう見えているんです。わずかつなげばいいというような状態になっておるので、この点は住民のこういう非痛な叫びが私の耳にまだ残っております。そういうふうな点でひとつ御善処を願いたいと思うんですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(田村元君) 地元の方々のお気持ちは痛いほどわかるわけでありますが、いずれにいたしましても、運輸政策審議会が地方ローカル線についての扱いについていま御審議を願っております。去る一月に中間報告がございましたが、恐らくこの秋ごろか秋過ぎになるかと思いますが、最終答申が出されるものと思います。でありますので、いわゆるAB線を含めましてその扱いをその時点で、それぞれのケース・バイ・ケースになりますが、検討をいたしたい、このように思っておりますので、いましばらくお預けを賜りたいとお願いを申し上げる次第でございます。
○説明員(高橋浩二君) 私の方も前に協議した後、いろいろ輸送の事情が変わってまいりまして、いま鉄道建設公団の方からのお話のようなことで協議がおくれております。それとは直接関係ございませんが、いま先生からおっしゃいますように、この線は有償線区ということになっておるというようなことも、一つのこれは全然別個の問題でございますけれども、国鉄財政全体の問題と絡んでくるということも、開業いたしますとそういう問題も出てまいります。いま大臣がお答えいたしましたように、こういう性格の変わってきた線についての取り扱いその他について、運輸省でも御検討いただいておるやに聞いておりますので、そういうことを踏まえていろいろ運輸省の御指導をいただいて、この問題については進めていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(田村元君) 遠藤さん、大変失礼しました。CD線であります。私が錯覚を起こしたことをおわびします。いずれにいたしましても、丸森線は実態的にはいま私が申し上げた内容と余り変わりませんから、同じような趣旨の答弁になるかと思いますが、十分検討をいたしたい、こう考えております。
○遠藤要君 ぜひひとつ検討——検討でなく前進させていただきたいということを強く要請いたしておきたいと思います。 それから、高橋常務理事にお伺いしたいんですが、この三陸鉄道気仙沼線、これは東北本線と連結することがあの線の一層効果があらわれると思うのですが、その点についてはどういうふうなお考えを持っておられますか。
○説明員(高橋浩二君) ただいまは東北本線と気仙沼線は、その間に小牛田から前谷地まで石巻線を通じまして東北線と気仙沼線が続いているという状況になっております。仙台の方から北へ向かってまいりましてこの線に乗り入れるためには、たまたま線の方向が、スイッチバックその他を使わずに石巻線を通じまして気仙沼線に入っていくというようなルート構成になっておりますので、旅客の輸送の今後の状況、あるいは三陸縦貫線全線の問題として、この列車体系については今後よく考えたいというふうに考えております。
○遠藤要君 ぜひひとつ考えていただきたいと思うんです。これは東北本線の地元では、いろいろこの駅あの駅ということで要請をしておるようですが、私はどこでもいいと思うんです。とにかく東北本線に連係してこそ初めて三陸鉄道の効果があらわれる、こう信じておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。それから、空港問題についてお話し申し上げようと思ったんですが、峯山委員も空港について御発言があるようでございますので、一つだけ私は申し上げておきたいと思うんです。 先般羽田で、あれはどこの飛行機だったろう、フィリピンですか、フィリピンの飛行機が羽田の滑走路であのような事故を起こして、滑走路一本がちょっと使えなかった、わずかの時間だと思うんですけれども。その余波が仙台はもちろんのこと、日本じゅうの空港に大きな影響を与えた。そういうふうな点で、私ども国会でも先生方にお集まり願うのがなかなかおいでにならぬ、一体どうしたのかと言ったら、大阪に五、六人ごろっとたまっていたとかなんとかというような状態で大変困惑をいたしたのでございますが、羽田の空港の滑走路一本がそのようなために全国の空港が麻痺する、そういうふうな状態であっては果たしてどうか、こう思います。 さらにまた、それとあわせて成田の空港の進捗状況等についてもお尋ねをしておきたいと思うんですが、これは峯山委員から恐らくお尋ねがあろうと思いますので、そういうふうな点を私はお尋ねしたかったということだけを申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。 以上です。
○峯山昭範君 私は、きょうは航空行政を中心にいたしまして質問をしたいと思います。 そこで、初めにこれは外務省にお伺いをいたします。 特に日米航空協定の問題なんですが、これはきょうもテレビや新聞等でも報道されておりますように、種々問題があるようであります。そこで、きょうは私は、時間的な関係もありますので端的にお伺いをいたしますが、これは新聞報道でも出ておりますように、第二回日米航空協定改定交渉で日米輸送力不均衡の原因である増便自由主義を定めた輸送力条項に関する日米合意議事録——この日米合意議事録というこういうふうなのが現実にあるんですか、これは。
○政府委員(山崎敏夫君) 一九五九年の日米航空交渉におきまして輸送力の問題に関して話し合いが行われ、その問題に関して航空当局間の話し合いの結果をまとめた合意議事録というものはございます。
○峯山昭範君 それで、この議事録というのは、これはきょうの朝のNHKの放送では、昭和三十四年一月十四日の、日本がロサンゼルスヘの乗り入れ権を得た代償として、アメリカの航空会社が輸送力や便数を変更したい場合は実施の四十五日前に日本政府に通告すれば認めるとの内容を、協定の輸送力条項の適用に関する合意議事録に記してある、こういうふうな意味の発言がありました。いま局長がおっしゃった一九五九年、五九年といいますと昭和三十四年ですね、三十四年の一月、このときにこういうふうな議事録があって、これは双方がちゃんと署名してきちっとした外交取り決めになっているんであろうと思うんですが、これはそのとおりなんですか。
○政府委員(山崎敏夫君) 先ほども御答弁申し上げましたように、これは航空当局間で取り決められた内容を記したものと承知しておりますので、運輸省の方からお答えいただいた方が適当かと存じます。
○政府委員(高橋寿夫君) この問題につきましては、四月六日の衆議院決算委員会で、公明党の林先生から御質問がございまして、そのときに私がお答えしたのでございますけれども、合意議事録というものがあることは事実でございます。ただしその中身につきましては、外交文書であるというようなところから、物そのものをお出しするということは外交儀礼上できないということでございますけれども、内容につきましてこういうことでございますという御説明を決算委員会でしたことがございます。 そのとき御説明いたしました内容は、一九五九年、すなわち昭和三十四年の航空協定交渉のときに、この航空協定におきましては当初二十七年にでき上がりました現協定を、日本側に有利に改定しょうということでやった協定でございますけれども、ホノルル−ロス以遠南米というふうな路線を獲得いたしました。その代償というわけじゃありませんけれども、獲得したその時点におきまして、アメリカ側が当初の二十七年にできました日米間の航空協定の中に、輸送力に関する条項がたしか三カ条ございます。この輸送力に関する三カ条にわたる条項の適用の一種の方法、適用のための行政的な取り決めといいますか、そういった意味のものといたしまして、こんなふうなことでやりたい、やってほしいという要望が出されたのだろうと思うのであります。そのときにアメリカ側としては、アメリカの航空企業が日本の航空企業に対して、明らかに不当な輸送力競争をやるということはあり得ないということを主張いたしまして、日本側の代表団もそのことを了承をしたというふうな両代表団の一応基本的な了承の上に立ちまして、両国間で輸送力を増強する場合のやり方を合意したというふうに聞いております。具体的な合意の内容につきましては、すでに新聞あるいはテレビ等で言われております内容とほぼ同じでございます。
○峯山昭範君 新聞、テレビの内容と同じということでございますから、その中身につきましては、ポイントだけ言いますと、要するに四十五日前に日本政府に通告すれば足りる、こういう内容になっているわけですね。
○政府委員(高橋寿夫君) 四十五日前に通告をいたしまして、その内容について日本側が非常に問題ありというふうに考えた場合には、輸送力増強という行為の終わった後、六カ月間たったところで事後的に協議を向こうに対して提起し得る、いわゆる事後審査主義という言葉で言われておりますけれども、一たん認可した上で、六カ月後にこちらとしては不当ではないかということを言い得るというふうなルールになっているわけであります。
○峯山昭範君 さらにこの問題について、昭和四十年の改定交渉のときに、ニューヨーク乗り入れ世界一周コースを確保するということで、外務省の安川北米局長とバース駐日アメリカ公使との間でいまの合意書が拘束力を持つ外交取り決めとして明確化された、こういうふうに放送していましたが、ここら辺のところはどうですか。
○政府委員(山崎敏夫君) 一九六五年の航空交渉の際に、先ほどから問題になっております一九五九年の合意議事録の効力を確認するために、その種の文書の往復があったということは事実でございますが、これはいわば、その交渉過程において交渉担当者間で取り交わされた文書の一つというふうに了解いたしております。
○峯山昭範君 ということは、この一九六五年ですか、のときには、一九五九年に結ばれた合意書を文書の往復があって確認したということですね。ということは、私は航空局長お伺いしますが、こういうふうな合意書は、これは実務協定上ですから、一般的には少なくとも国会の承認は必要ないと私は思うのです。しかし、少なくとも国内法を左右する、国内法に反するようなことをやるときには、これはやっぱり国会の承認を必要とするというのが一般的な考え方ですね、これはどうなんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) これは、国内法と申しますと航空法でございますけれども、航空法の実施を左右するという効力を必ずしも持っているとは思わないわけでございます。
○峯山昭範君 そんなことを言っちゃいけませんよ。航空法に基づいて航空法施行規則の二百三十三条の二に、これは二カ月前に申請することになっているでしょう。それを四十五日と変更するからには、これは国内法を左右しないとは言えませんよ。そういう日米合意事項、こういうような問題は過去何回かこの委員会等でも取り上げられているのです。それで、国内法を左右するかしないかということがそのときのいつもの論点になります。しかしながら、これは明らかに国内法で規制された問題とアメリカの場合とは全然待遇が違うわけでしょう。そのほかの国はやっぱり六十日前にちゃんと運輸大臣に申請をしなければいけないわけでしょう。アメリカだけ四十五日というのは、これは一体どういうわけなんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 六十日前の義務づけにつきましては、先生のおっしゃるとおりでございます。六十日前のこの期間は、運輸大臣がこの申請が合理的であるかどうかということを判断するために必要なものでございます。米国との関係におきましては、合意議事録によりまして、アメリカ側が不合理な増便申請はしないということを双方の交渉団に約束を取り交わしております。かつまた共通の審査基準に照らしまして米国政府当局も、合理的であるというふうに政府当局自身が判断いたしまして通告をしてくるということになっておりますので、運輸大臣としては六十日の期間を短縮いたしまして、四十五日でも審査することが可能であるというふうに考えて処理をしているものでございます。六十日という形式的な規定を四十五日に形の上で縮めているということでございまして、実質的に航空法の精神をこのことによって拡張している、あるいは精神を曲げているというふうには私どもは必ずしも考えていないわけでございます。
○峯山昭範君 これは法制局長官を一遍呼んでください。航空局長、そんな解釈は成り立ちませんよ、あなた。ちゃんと航空法施行規則で六十日と決めているものをそれを四十五日と結んで、それが法の精神を曲げたものとはならないとは言っていますけれども、そんなことはないです。そういう理屈が通るんなら国の予算だって何だってみんな一緒です。一日一日が大事じゃないですか。要するに、いまの日本の不平等なこういう条約とかいろんな問題については平等にきちっとしないといけない。これは何もいまの漁業交渉の問題だけじゃない。そのことについてもわれわれはいろんな角度から言っているわけです。アメリカに対したって、こういう問題はやっぱりきちっとしなければいけないと思います。
○政府委員(高橋寿夫君) 私は、先ほど航空法の運用に関しまして御答弁申し上げましたけれども、私自身このようなことでいいと思っておりません。衆議院の決算委員会で林先生にもお答え申し上げたわけでございますけれども、日米の航空協定は日米間の力の圧倒的な差というもののもとで結ばれた協定でございます。不平等条約でございます。したがいまして、私どもは二十七年に協定締結以来、あらゆる機会をつかまえてこの不平等の是正に取り組んでいるわけでございます。そして、各種の不平等がございますけれども、今日におきまして私どもが一番やはり矛盾を感じますのは、ただいま先生御指摘の、私どもが言っておりますいわゆる輸送力の事後審査主義でございまして、その根拠となっておりますところの合意議事録というものを私どもはなくなしてもらうということをもって、実は先ごろ四月に行われました第二回の日米航空協定交渉の主要な問題の一つにしたわけでございます。 そういたしまして、御承知のように、先ごろパンアメリカンが日本に対しまして増便要請をしてまいりました。それに対しましても私どもは、合意議事録どおりに取り組むんであれば、これはもう増便を認可しなきゃならない立場になりますけれども、航空交渉におきましてこの合意議事録をやめてもらう、廃棄してもらうということを強く主張いたしまして、アメリカ側も合意議事録の書き物自体をなくすかどうかというふうなことの問題につきましては問題があるけれども、合意議事録の合理性について日本の言い分にも耳を傾けようという態度を示してまいりましたので、私たちはこれから継続的に今後交渉を続けまして、御指摘のように私どもも問題だと思っておりますこのことの是正を強く主張していくつもりでございます。したがいまして、そういったような経過中でございますので、先ごろパンアメリカンの増便につきましても認めないという処分をしたわけでございます。 このことは、形の上では合意議事録に違反になるわけでございますけれども、私どもはあえてこのことをやりまして、合意議事録を事実上眠らしてしまうということにしないと日米間の航空企業の公正競争は保てないという原則のもとに行動しているわけでございます。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたことは、航空法規の解釈としていわば苦し紛れに申し上げましたけれども、私どもはそういったことは決して今後あっていいと思っておりません。したがいまして、基本的にはただいま申し上げましたように、この全面的な見直しと廃棄という点で仕事を進めておりますので、この問題につきましては、いましばらく私どもの交渉の経過をお見守りいただきたいと思うわけでございます。
○峯山昭範君 局長が言ういまの一つの問題はわかった。これは大臣も同じ考えですか。
○国務大臣(田村元君) いま局長が申しましたのと全く同じ考えであります。
○峯山昭範君 そこで大臣、同じ考えであるならば、私はかねがね問題になることなんですが、こういうふうな協定を結ぶときに、そこに問題があるわけですよ、初めに。少なくとも日本で決められた法規を破る、あるいは変更せざるを得ない、運用によって実際にいままでやってきたとはいえ、これはこの問題だけではなくて、米軍基地の問題とかいろいろな問題でこういう問題がいっぱいあるわけだ。これはやっぱりそういうのを結ぶときにそこに問題があるわけです。そういうふうな意味で私は、こういう日米合意議事録とかいうようなもので、それは当事者間とはいえ、施行規則なり何なり日本の国内法をいじらなくてはならないというような場合は、国会の承認を必要とするという大原則は私はあると思うんです。ここら辺のところについては、今後こういうようなものを結ぶ場合の一つの考え方として基本にきちっと私は持っておいていただきたいと思うんですが、この点はどうですか。
○国務大臣(田村元君) 私は、そういう大原則があるかどうかということはわかりませんけれども、しかし、少なくとも国内法に大きな影響を及ぼすような協定書というような問題につきましては、やっぱり国会の承認を得た方がいいんじゃないかと思います。
○峯山昭範君 いずれにしても、この問題については外務省当局も相当いろいろな角度から交渉のあれに当たると思いますけれども、一日も早く日米航空協定そのものが平等な、きちっとしたものになるように要望しておきたいと思います。 外務省結構です。 そこで、先ほど遠藤先生がおっしゃいましたように、私はきょうは二つ問題を提起したいと思っております。一つは現在の羽田空港の問題であります。もう一つはいわゆる成田空港の問題です。 それで、私はかねがね羽田の空港を利用さしていただいておりますけれども、これは近々大きな問題が起きるんじゃないかと非常に私は心配をいたしております。その混雑の状況といい、その警備の状況といい、これは本当に羽田に行っていろいろなところを見た人は、それはもう頭を痛めていらっしゃる。ところが、その言うことはみんな同じことを言っているわけです。成田が開港しないからこういうことになるんだ、こう言うわけです。しかしながら、成田が開港しないから事故が起きたという弁明は、実際に大事故が起きたらそれは成り立たない。やっぱり現在の羽田を何とか安全で、そしてみんなが安心して乗れる空港にせざるを得ない、その任務があると私は思うんです。そういうような意味できょうはいろいろな角度から質問してみたいと思います。 先ほどのフィリピンの航空機、これは離陸時に暴走事故があったわけですけれども、その事故の原因とか、また、そういうようなものは判明したんですか。
○政府委員(松本操君) お答え申し上げます。 四月十八日に発生いたしましたフィリピン航空ダグラスDC8型機の事故、つまり滑走路を逸脱をいたしまして、着陸帯の上で向きを変えてとまりはしましたけれども、足も折れ、エンジンも全部飛んでしまう、幸いに火は出なかった、この事故でございますが、原因につきましては目下、私どもの方の事故調査委員会が鋭意調査中でございまして、的確な事故原因というものについての報告はまだ出るに至っておりません。
○峯山昭範君 一般的にもう一回お伺いしておきますが、これは今回火を噴いたり大きな事故に、人身事故に余りならなくてよかったと私は思います。もしここで火を噴いて何百人という人が死亡する、そういうような事態はいま考えるのもぞっとするわけですけれども、そういう事故が起きた場合の対処の仕方、いわゆるぱっと敏速にその事故に対処していかなければいけない、その責任体制は、もし今回のこの事故がそういう事故になっていたとすれば、事故発生からそういう体制を組むまでの手順というのはどういうふうになるのですか。
○政府委員(松本操君) 先生おっしゃるとおり、今回は幸いにそういうことにならなかったのでありますし、今後ともそういうことをさせることのないように私ども努力をしておるわけでございますが、万が一にもそういったような事故が発生いたしました場合には、各空港に保安対策協議会とか保安委員会とか、名称は多少違いますが、われわれの方の航空関係と消防関係、警察関係、こういうところが一体となった常設の委員会がございます。現にこの前の羽田の事故のときにも、その委員会が直ちに活動を起こしまして、警察は警備及び事故の原因の調査の一端を担い、その他それぞれの処置をとったわけでございますが、こういう場合にまず火が出れば当然消防が飛んでいく、あるいは人死に等があれば外部から消防を頼みまして救急車を運んできてもらう、こういう体制に入りますのに、恐らく初期の立ち上がりは数分間でできるだろうと思います。羽田の場合には大体遅くても三分間あれば消防自動車は現場まで飛んでいける、こういうふうな体制になっておるわけでございます。
○峯山昭範君 いや、それは事故が起きて火が噴きゃ、消防自動車が三分ぐらいで飛んでいくんだったら、そんなことはだれでもやります、そこの町の中の火事でさえ消防自動車は何分以内で飛んでいくんですから。そんなことを私は言っているんじゃなくて、現実にこういう問題が起きたときに事故の最高の責任者はだれですか、だれが指示をするんですか、どうなってるのですか。
○政府委員(松本操君) 先ほど私がお答え申し上げました保安対策協議会なり委員会なりの座長の場を空港長が占めておりますから、空港長がその空港内で起こっております問題につきましてはすべて責任を持って取り仕切るわけでございますが、それぞれ警察なり消防なりの持ち分につきましては、その依頼によって警察なり消防なりがそれぞれの持ち場を守る、こういう仕掛けになっております。
○峯山昭範君 それじゃ、ぱっと事故が起きますね、そういう大事故になった、責任者は空港長ですか。要するに最高指揮官は空港長、そうですか。
○政府委員(松本操君) 一義的には空港長でございますが、空港長は通常の官庁勤務をしておりますので、土曜の午後とか日曜とかというときにはおりません。その場合には代行者がだれということがそれぞれの空港によってきちっと決められておりますので、そのときの責任者が指揮をとることになります。
○峯山昭範君 今度の場合はだれですか。
○政府委員(松本操君) この場合には、直ちに空港長が先ほど申し上げました委員会を招集し、自分が先頭に立って彼は指揮をいたしております。
○峯山昭範君 この事故は十八日の午後三時二十三分ごろ起きましたね。それで空港長はすぐそういう招集をしましたか。それで羽田でどういう処理をし、そしてその他の空港に対してはどういう指示をしたんですか。
○政府委員(松本操君) 先生いまおっしゃいますように、十五時二十三分ごろ事故が起こったことを知りますと、空港長としては直ちにランウエーをクローズするかどうかという当面の判断をいたしまして、B滑走路及びC滑走路をクローズする、こういう判断をいたしまして、テレタイプをもって同じく十五時三十九分には国内のすべての空港にクローズした旨の通告が行っております。さらに、十五時四十一分にはB滑走路だけがあけるようになりましたので、これにつきましては十五時四十七分にすべての空港に対してテレタイプの通信が行っております。こういうふうな形で逐一空港内の状況を把握しつつ関係の空港等に対し必要な情報はテレタイプをもって流す、かつ外国の飛行場に対しては管制部を通じ同じくテレタイプをもって情報を流しております。
○峯山昭範君 それでは具体的にもう一つ言います。十九日の日、翌日、これは羽田の状況についてどういう情報を流していらっしゃるわけですか。
○政府委員(松本操君) 最初のころは、羽田のC滑走路、つまり事故の起こりました滑走路を午前六時の始発便までにはオープンできるのではないか、こういう期待感がございました。そこで午前六時までにはC滑走路を再開できるだろう、こういう情報を流しておったのでございますが、実際はあそこに残骸化しておりましたフィリピン航空の機体を取りのけるのに思いのほかの手間と時間のかかることがわかりましたので、これを延ばしまして十時十五分にはオープンできるだろう、こういう形で情報を出し直しました。結局は十時三十分にオープンをいたしまして、十時三十五分にテレタイプの通信を流しましたので、最終的な見込みとは十五分、二十分の違いが出ましたけれども、一応十分な措置はとったものと考えております。
○峯山昭範君 十時十五分にオープンできるというテレタイプは何時に流したんですか。
○政府委員(松本操君) 十時十五分については私、ただいま承知しておりません。ちょっと資料を持っておりませんので、お答えいたしかねます。
○峯山昭範君 そんないいかげんなことじゃだめです。これは私も現実に空港におりましたからよく知っておりますけれども、あなた方は六時ごろオープンできるということで、大阪空港なんかは朝から一番機から全部飛ぶつもりでみんな行っているわけです。ずっととにかくあなた方の十時十五分にはオープンできるなんという通知がなかなか来ない、もう何便も何便も出る時間になってもずっとふん詰まりじゃないですか、実際問題として。とにかく、これだけじゃありませんよ。たった一本の滑走路でこういう事故が起きたというだけで地方の空港は大混乱しています。しかもそういうふうな段階になっても、日航にしたって全日空にしたって座席のチェックインはどんどんやっているわけです。こういうふうな結局満足のできるような体制では全くない。 これは私は、これからいろいろ具体的に話をしていきますが、いま言っているこのことは、たった一つのことをとらえて言っても、あなた方はうまいことやっているみたいに言っていますけれども、大臣、本当に事故が起きたら、これはもう大混乱して空港長一人で指揮できるような状態じゃないと思います。現実に私は当日、その現場から直接電話して聞いた。全然何の指示もないじゃないですか。空港長だって何時ごろ羽田があくということはわからないじゃないですか。これは私は、きょうこれからいろいろなことを言おうと思っておりますけれども、たった一つのこのことをとらえても、これは本当に相当引き締めて、そういうような事故が起きたらどうするかということについて本気で取り組まないと大変なことになってしまう。取り返しがつかないことになってから言うんじゃ言う意味がありませんから、私は事前にきょうはこう言っているわけです。この問題については、確かに大きな事故にならなくてよかった、人身事故が起きなくてよかったんですけれども、私は、もしそういうことが起きたら一体どうするか、現在の羽田の状況から見て深刻に取り組む必要がある、こういうふうに思います。どうですか。
○政府委員(松本操君) 確かに先生御指摘のとおり、空港長一人でできるものではございませんので、冒頭申し上げました委員会なりあるいは空港の航務課、管制、その他の機能を動員して事に当たったわけでございますが、外部的に見ました場合、ただいま御指摘がございましたように、うまくやったと残念ながら私も言えないと思います。しかし、相当の努力をし、相当効率的にやったということは言えるのではないだろうか。 いまの朝のオープンにつきましても、実はB滑走路については使えましたので、B滑走路から出せる航空機は朝からもう出しておったわけでございます。したがいまして、十九日の欠航というものが国内線でやはり二十便か三十便かあったように記憶しておりますが、しかし、一本でも使える滑走路は使って、最大限に効率のいい運航をさせるための努力も同時に行ったわけでございます。今後こういったような事例を十分参考にしつつ、二度とこういうことが起こってほしくないのではございますが、起こった場合にどうするかという点については、私どもとしても十分に研究をし対策を練ってまいりたい、このように思います。
○峯山昭範君 これは効率よく使えるということも大事ですね。羽田が全面閉鎖にならなくて一本使えるような状態であっても、地方の空港は相当影響を受けているということです。しかも地方の空港は、いや、もう羽田は間に合いませんから新幹線の方がいいですよと早く言ってくれればいい。羽田がもうあく、もうあくと言って一時間も二時間も待たされたんじゃね、とうに東京に着いてしまいます。そこら辺のいつごろから全面的に使えるようになるかという指示、これがもう全く遅い、そこら辺のところはやっぱりきちっとしていただきたい。 そこで、羽田の問題については具体的にお伺いをしていきたいと思いますが、これはもう非常に昭和四十四、五年から相当混雑をいたしておりますが、現在航空機の発着回数は一体どういうふうになっているのか。それで端的に言いますと、私の手元にも数字はございますけれども、現状ピーク時では一体どういうふうになっているのか、具体的に説明願いたい。
○政府委員(松本操君) 羽田の離発着、これは着陸回数で申し上げますが、四十三年ごろで大体六万三千回でございましたものが、五十年に八万二千回になっております。ただしこの回数は四十六年、七年ごろがピークでございます。それ以後は頭打ちあるいは多少減る、こういう状態の繰り返しがここ数年続いてございます。 ピークのときにどのようになっているかという御質問でございますが、これは四十六年に私どもの方で時間別のそれぞれのダイヤの調整基準というものをつくりました。つまり一時間当たりは三十四機を限度とする、それから連続する三時間、この間には八十六機を限度とする、そのうち到着便は五十七回が限度である、さらに一日当たりの定期便の回数、これは四百六十回である、こういうふうな限度をつくりまして、以後それを守っておるわけでございますので、ピークの一番込みます場合に一時間当たり三十四機、こういうのがダイヤ上の基準になっております。ただ、実際はこれに一、二機上乗せになるような時間帯が日によって生ずることはあるようでございます。
○峯山昭範君 それで羽田の実情はどうなんですか。これはいまは片方だけ言いましたが、発着両方合わせるとどういうことになるのか、これはどうなんです。
○政府委員(松本操君) 大体着陸機があれば出発機がある、こういうことでございますので、私の申し上げました八万二千回とか八万六千回とかいう数字を倍していただく、つまり十七万前後というあたりのところが年間の総発着回数になる。一日当たりは四百六十のほかに有視界飛行で飛ぶ飛行機が十機か二十機かございますので、これは日によって違いますが、一日当たりの発着回数が全部を含めまして多いときは四百八十ぐらい、少ないときは四百六十幾つ、こういうふうな数字になっておるわけでございます。
○峯山昭範君 いまの年間十七万回ですね、これは要するに羽田の現状の設備あるいは現状の施設から言いますと、これ以上はもう無理ということですか。
○政府委員(松本操君) 現在の羽田の滑走路の配置の方法、飛ばせ方等から理論的に求められます限度は、十七万五千回というふうに私ども考えておりますので、たとえて申しますならば、五十年度の十六万四千回とか四十九年度の十七万二千回とかいうのはきわめて限界に近い状態ではございますが、限度ぎりぎりというのにはちょっとすき間をあけてある、こういうふうな感じでございます。
○峯山昭範君 そうしますと、十七万五千回というのがピークとしますと、現状で考えてもう少し下でも結構ですが、そのピーク時これは一時間に先ほど三十四回ですか、という話ございましたが、これはこの倍としまして離発着は大体六十何回となるんですか。三十四回というのは片方ですね、両方ですか——三十四回が離発着両方ですか。一時間にこれだけですね。そうしますと、一回何分何秒ですか。これは一分四、五十秒に一回は離発着しておるということになりますね、これは大体そういうことですか。
○政府委員(松本操君) 一時間当たり三十四でございますから、本当にピークのところをとりますと、六十分割る三十四でございますから二分まではいきませんので、一分五十秒か五十何秒かということになろうかと思います。先ほど申し上げましたように、引き続く三時間に八十六という別の枠をもう一つかけてございますので、ある一時間に仮に三十四飛んでしまいますと、前後の一時間は残りの五十二を割り振らなきゃなりませんので、三十四まではまいらない、こういうふうな仕組みにしてあるわけでございます。
○峯山昭範君 一般的に安全運航という場合は、一回の離発着が二分に一機なんというのは、これは非常に込んでいるわけですね。やはり二、三分に一機というのが——二、三分に一機でも込んでる方なんですね、実際問題としては。 そこで、今度は乗客の方ですが、これは国内線、国際線合わせまして現状はどういう実情にあるんですか。
○政府委員(松本操君) 四十三年ごろの羽田の旅客数が六百五十万人でございました。これが昭和五十年になりますと千八百二十万でございますから、三倍とは言いませんがかなりふえていることは事実でございます。ただその間に、全空港を合計いたしましたいわゆる航空旅客の数も非常にふえたわけでございまして、昭和四十三年には千八百八十万程度でございました。したがって、羽田が三四%程度を持っておったわけでございますが、それが昭和五十年になりますと日本全国で五千七百五十万程度、それに対する千八百万でございますので、比率的にはやはり三二%とか何とかいう数字であろうかと思います。
○峯山昭範君 最近私は、特に羽田が混雑しているように思うんですが、最近の傾向としてはどうですか。
○政府委員(松本操君) 旅客の数で申しますと、最近というのは四十八、九、五十くらいのところでながめてみますと、四十八年が千五百九十万、約千六百万でございますが、これが前年比一・二八倍。それから四十九年が千七百十六万、前年比一・四四倍。五十年が千八百二十万、前年比一・〇六倍、ここは少し頭を打ちかけてまいりました。これは先ほど申し上げましたように、発着回数の方はそんなにふえておりません。むしろ頭打ちという状態でありながら旅客の方はなお最近まで増勢を保っておった、こういうことは機材の大型化という影響であろう、私どもの方が便数を厳密に抑えますので、機材の大型化ということによって需要に対処してきているのではないだろうか、こういうふうに考えられます。
○峯山昭範君 どうもあなたの議論と私の議論とかみ合いませんね。あなたは航空局の次長さんなんですから、あなたが言うような資料は私の手元にみんなあるわけです。四十八、四十九、五十年なんというのは資料は全部あるわけですから、もっと新しい最近の資料で言いなさい。大昔の資料なんか要らない、そんなことは。特に羽田の事故の問題についても、最近の実情で私言っているわけです。何でかというと、最近は東京−大阪にしたって、東京−福岡にしたって、新幹線のグリーン車より飛行機の方が安いわけです。そういうような意味でも相当わっと押しかけています、現実に。その実情を踏まえて私はきょうは質問しているわけですから、もっと新しい資料でちゃんと言ってください。
○政府委員(松本操君) 五十一年度というふうにまとめた数字、あるいは先生いま御指摘の五十一年の十二月あるいはことしの一月、二月という数字を用意してまいればよろしかったんでございますが、ちょっといま私手元に持っておりません。 ただ、したがって抽象的なお答えになって大変恐縮でございますが、最近あれは何というんでしょうか、乗車効率というとおかしいんですが、ロードファクターと申しますか、要するに座席に対するお客の乗りぐあいが伸びてきております。したがいまして、五十年の一日平均数で単位が変わりまして大変申しわけないんですが、五十年一日平均で大体五万人程度でございましたものが、五十一年には五万五千人というふうに一割ちょっとふえてきてまいっております。
○峯山昭範君 これは、いずれにしてももう少し私は実態を掌握してもらいたいと思います。大臣、実はいま急にこの問題を言っているのと違うんです。もう二カ月も三カ月も前からこの問題をやるということで、質問通告も、それは質問やるというふうには言いませんけど、資料を何回も要求をして、あんまり出さないんで私は直接航空局へ電話入れて、この間説明をしてもらって、そうしてきょうこう質問しているわけですから、もう少しやっぱり実情をつかんでやっていただかないと議論にならない。現実にいま羽田へ行ってみなさい、大変な実情なんですから。これは私はちょっとどっか狂っても大きな事故になるということを感じるから質問しているんで、もう少しちゃんとしてもらいたい。 そこで、もっといろんな角度からやりたいと私は思っているんですが、そのほか貨物の問題もあります。貨物が実際問題としてどういうふうにふえてきたのか、この問題もありますけれども、五年前に比べて、たとえば昭和四十五年が十万三千トンであったものが五十年には二・五倍となった、そして五十年度中の取扱総量は三十六万三千トンで五年前に比べて六〇%の増加となっている、最近のそういう大まかなデータは私の手元にも来ているわけです。そうじゃなくて、私がいまここでどうしても知りたいのは、最近の具体的な問題点をピックアップしたいんで聞いているわけなんです。 そこで、貨物の問題はいいとして、もう一つ、いわゆる駐機場の問題があります。これは羽田には一体正式のスペースは何スポットあるんですか、実際問題、航空機をとめられるスポットというのは。
○政府委員(松本操君) 駐機場としまして、お客を積みおろしできるところも、それからただ飛行場を置いておくところも一律に駐機場という考え方で数えまして、国際線用が五十三でございます。それから国内線用が七十一でございますから、全体で百二十四の駐機場を持っております。
○峯山昭範君 それは要するに、いま説明がありましたように、航空機を置いておく場所も含めてですね。実際に乗客を乗りおりさせるためのいわゆるスポット、これは何ぼあるんですか。
○政府委員(松本操君) ちょっといま私、正確な数字を記憶しておりませんが、このうちのたしか四十程度を除きまして、だから八十幾つであったと思いますが、四十程度を除きまして、バスを持っていってお客を乗りおりさせるというふうな手段を現実には使っております。つまり本来のスポットは、ローディングブリッジがあるとか、そこにハイドラントがあるとかいうのでございますが、これは御案内のようにビルの前の非常に限られた数十スポットしかございません。そこで、Bランの向こう側とか、あるいはつぶしてしまいましたAランの上とか、こういうふうなところにバスで乗降させるところを入れまして八十幾つかあったと記憶しております。残りの四十程度は夜飛行機がとまっているだけ、こういうふうな使い方をしておるはずでございます。
○峯山昭範君 そのとおりだと私は思うんですね。私の手元にある資料によりますと、いろいろこれは多少数字が違うかもしれませんが、もともとスポットとして利用できるきちっとしたところは四十三カ所である。ところが、実際バスを利用してどうこうということがありますから、いろいろ合わせて百二十四になるんでしょうけれども、現在の夜間の駐機数ですね、大体どの程度に現在羽田はなっているのか。これはどうです。実際問題として。
○政府委員(松本操君) 日によって違いましょうが、たしかほとんど全部のスポットに夜とまっておるはずでございます。
○峯山昭範君 全部のスポットにとまっておるということは、要するに羽田の飛行場の中はもう飛行場でいっぱいである、とめられるところには全部とまっているということでしょう。そういうふうなもう大変な実情に現実あるわけですね。そこのところはやっぱりちゃんと認識しておいてもらいたい。 そこで今度は、そういうふうな満杯の羽田、そこで着陸する場合、この羽田の上空でぐるぐる回ることがあるわけですね。あれを何と言うのか私知りませんが、その実情はどういうことになっているんですか。大体羽田上空の混雑の状況はどうなっていますか。
○政府委員(松本操君) 先ほどお答えいたしましたように、一時間当たり三十四とか、引き続く三時間で八十六とかいうふうな制限をつけましたことが、いま先生御指摘の非常にホールディングが多くなった四十六年のころに、これは乗客に不安感を与えるだけでなくて管制上も問題があるということでこの制限をつくったわけでございます。したがいまして、ダイヤどおりに入ってくればまずホールドはさせないで済むはずでございますが、現実には四%、一日当たり四%でございますから、仮に五百機とラフに考えまして、インバウンドだけをとりまして一日に七、八機から十機ぐらい。そのくらいが、これは羽田の上ではございませんで、御宿の上でございますとか、あるいは成田の少し北の方とか、あるいは大島の上とか、こういうふうなところでひっかかることがございます。これはダイヤが乱れた場合に起こるわけでございますので、必ずしも毎日起こっているということではなく、数字的には四%程度、こういうふうになっております。
○峯山昭範君 私は素人ですから、実際に利用する者の立場からしかわからないんですが、そういうふうにダイヤどおり飛んでいるときは事故もないでしょう。何か一発あったときには相当な混乱になるわけですね、実際問題として。それでそういう場合に航空局に対して、たとえばニアミスがあったとか、空でこれだけ混雑して飛んでいると、まあ素人考えですが、何か空で事故でも起きないかなと思って非常に心配なわけですが、そういうふうなチェック、報告というのは一体どういうふうになっているんですか。
○政府委員(松本操君) 確かに先生おっしゃいますように、ダイヤが乱れた場合、ついせんだってのフィリピン航空の事故のときもそうでございましたが、こういうふうな状態が起こりましたときには、航空路の管制をしております東京管制部というところがございますが、この東京管制部というところで、ちょっと適当な日本語がないんで恐縮ですが、フローコントロールというのを出します。これがAクラスからたしかDクラスまで四段階に分かれておったかと思いますが、一番激しい場合には各飛行場から出てくる飛行機を全部とめてしまう、一番軽い場合はいまのホールドをさしておく、こういうことでございます。これを使い分けることによりまして、おろす方でさばき切れなくなってしまうちょっと前に管制部の方が空に上がっている飛行機の数を制限してしまう、こういう措置をとることによって、先生いま御指摘のような問題が起こらないように事前に手を打つことにいたしております。
○峯山昭範君 これは私、羽田の問題を非常に心配しているのは、大阪と比べてもそんなに——大阪空港は実際問題として羽田と比較して発着機数というのは大分違うんですか。これはどうなんです。
○政府委員(松本操君) 大阪にも同様な、こういった時間ごとあるいは三時間ごとの制限がございますが、現実のフライトの数は、羽田が目いっぱい四百六十に対しまして、大阪の方はもう四百を切っておりますからかなり少ない数になっております。三百七、八十ではないかと思います。
○峯山昭範君 そんなに違いませんね、数の上から言いますと。大阪のいわゆる整然としたことから比べますと、羽田の混雑のぐあいはもう異常な実情にわれわれの目に映るわけです。これはどうしてなんですか。
○政府委員(松本操君) 混雑というのが二つに分かれるかと思いますが、お客の身になってみた場合に、ロビーなり何なりが非常に混雑をする。これは大阪に比べますと羽田の方がはるかに人が多いので、しかも大阪の方はりっぱなビルを初めからつくった、羽田は継ぎ足し継ぎ足しでつくった、こういうふうな違いが一つあろうかと思います。 それから今度は、飛行機を見ていていかにも飛行機の出入りが混雑しているではないか、この感じが大阪の方はわりあいに起こらない、東京の方が非常に起こる、これはなぜかということでございますが、大阪の方は一本の滑走路に、たとえば南から入って北へ出るという非常に単純な操作を繰り返しておりますので、空港に行って見送りの人や何かが見ておりましても、向こうからおりてくる、こっちへ出ていくというだけで非常に単純な流れに見える。羽田の場合には二本の滑走路が交差をしておりますので、あっちからおりてくるやつがあればこっちからおりてくるやつもあるというふうなことで、一見非常に込んだように見えるのではないかと思います。これは数字的にはいま申し上げましたように四百六、七十対三百七、八十ということで、九十ぐらいの差があるわけで確かに込んではおりますが、込み方が激しく見えるとすれば、いま申し上げたように滑走路が二本あるということではないかと思います。
○峯山昭範君 それから、この港内での事故の実態について一遍お伺いをしたいんですが、先ほどもお話ございましたように、スポットが非常に少ない関係上で、羽田ではスポットまでの案内の乗客用のバスを千五百台も何か使っているんだそうですね。そして牽引車というのですか、飛行機を引っ張る車、こういうようなものも千七百台に上がっておるというんですね。そして、そういうふうなバスやこういう牽引車、航空機との接触事故、あるいは場内でのいろんな人身事故、こういうようなものが五十一年度中には六十一件発生した。五十一年八月、去年の八月まででも全部で三十六件が発生しておる。うち十四件は人身事故である、こういうふうに私の手元の資料にはなっているんですが、ここら辺の実情についてはどういうふうな様子ですか。
○政府委員(松本操君) いまの事故の数字は、先生おっしゃったような数字でございまして、これの絶滅のために実は空港事務所といたしまして、この自動車の免状、これは当然警視庁の出しました正規の免状のほかに、私どもの方がさらに講習会を開きまして、空港内の特殊なルールについて講習会を開き、それに出た者でなければ、ランプパスと呼んでおりますが、構内運転の免状を出さない、こういうふうな処置はとっておるわけでございます。この自走車と申しまして、自分で動力を持って走る車だけで約千六百台あの中を走り回っております。そのほかに被牽引車——荷物などをつけて後ろに引きずられて歩く、これだけの数が約千八百ございます。こういうものが、いまおっしゃいましたように飛行機から飛行機へ、スポットからスポットへと、こういうふうに走り回っておりますので、マーキングと申しまして、路面にいろいろとペンキを塗りまして、こっち側を通っちゃいかぬとか、ここを通れとかいうことを指示するとかいうふうな点で努力をしているのでございますが、遺憾ながらまだそういったような接触事故、中には人身事故に及ぶようなものが後を絶っていないのが実情でございます。 ただ、飛行機とぶつかるのが一番こわいわけでございますので、この点につきましては飛行機を牽引する車がございます。この飛行機を牽引する車には、外国の一部を除きまして、必ず無線をつけさしまして、この無線でタワーと直接連絡をとりながら飛行機を引っ張らせる。それからランプバスと申しますか、お客を運んでいきますバスには別の無線をつけさしておりまして、これが中央指令所の方から何番スポットに行きなさい、いま出る飛行機がいるから注意しろとかいうふうなことを、お聞きになるとガヤガヤ運転台で言っておるのはそれでございますが、そういうふうなことをやらせることによりまして、努めて航空機との接触だけは避ける、絶対にないようにということをやっております。それでも昨年でございましたか、一件、翼端をひっかけたことがございまして、飛行機を壊したというふうな実例がございます。
○峯山昭範君 これはやはりこれだけ事故が起きる可能性もありますし、また、非常に危険性があるわけで、私は相当慎重にやらないと大きな事故になってしまう、そういうふうに思います。 さらに、今度はもう一点違う角度から一遍質問してみたいと思いますが、現実問題として羽田に乗り入れをしたい、こういうふうな外国の航空会社がいろいろあると私は思うんですけれども、増便要求も含めまして現在までどの程度の新規乗り入れの要請が来ているのか、そして、実際そういう申し入れに対してどういうふうに処理をしていらっしゃるのか、その実情をお伺いしたい。
○政府委員(松本操君) たしか三十二カ国から日本に乗り入れたいという要求があるように承知をいたしております。この中には、これは先生御案内のように、乗り入れの場合には必ず航空協定を結びまして、おまえが来るならおれも行く、こういうふうな形で協定を結ぶわけでございますので、来たいという希望者が三十二カ国ある。わが方としてこれを全部受け入れるつもりかどうかということになりますと、相手の国によってなかなかそうもまいらない。相互乗り入れを考えてもいいなとは思うけれども、羽田のいまのような状態ではもうどうにも入れようがないのでお断りをせざるを得ないというふうに幾つか分かれると思います。 それが、どれが幾つでどれが幾つだということになりますと非常に微妙な問題でもありますし、そう詰めた話を実はいままでしていないわけです。いたしましても、最後には羽田が能力いっぱいで入れようがございませんので、結局は断らなければならない、こういうことになりますものですから、そう詰めた話をしておるわけでございません。カテゴリー別と申しますか、類型別に幾つ幾つというふうに分けるのはやや困難でございますが、考え方としては三十二全部うちで来てもらいたいと思っているわけでもございませんけれども、ともかく日本に来たいと言っている国は三十二カ国ある。ただその中には、一週間一便とか二便とかいうふうな程度のものから、毎日来たいというふうなところまで、これまた幅がございますので、全部言うことを聞いたら何便になるかというふうなのは、これはちょっと話をじっくり詰めてみないとなかなか数字は出せないんではないか、こういうふうに思います。
○峯山昭範君 その中には、何かサウジアラビアの航空会社からも週二便か幾つかの乗り入れの要望があったと聞いていますが、これはどうですか。
○政府委員(高橋寿夫君) サウジからも乗り入れの希望があることは事実でございます、非常に強い希望のあることを聞いておりますけれども、いまの羽田の現状ではいかんともしがたいので、まだ対応いたしておりません。
○峯山昭範君 これは三十二カ国というような大変な国から要望があって、その中にはどうしても希望を入れてあげなければいけないような問題も私はあると思うのですが、こういう問題については実際問題どういうふうに対処していこうとお考えなんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 現在羽田の状況は、ただいま先生の御認識のとおりでございますので、私どもは航空の安全ということを第一に考える立場から申しますと、多少外交上問題を起こすことがありましても、三十二カ国の御要望に沿うことはまずできないという考え方でございます。したがいまして、この要望に沿う道はただ一つ、やはり成田をなるべく早く開港さしていただきまして、そこで処理をするという方法しか残されていないわけでございます。
○峯山昭範君 成田の問題は後ほどやるとしまして、滑走路の問題があるのです。これは非常に重要な問題だと私は思うのですけれども、国鉄の新幹線でも半日列車をとめて新幹線の路線の補修やいろいろなことをやっていますが、ああいうようなことは飛行場は必要ないのか。これは私は重要な問題だと思うのですけれども、この滑走路の老朽化という問題がいろいろ生じてきている、こういうふうに私は聞いております。さらに最近は、地盤沈下のため本格的なかさ上げをしないといけないんじゃないか、そういう話を現実に空港の中の皆さんが物に書いていらっしゃるのを私見たこともあるのですが、ただ単に夜間の応急修理と言うのですか、それだけでは間に合わなくなってきているんじゃないか、こういうふうにも思うのですが、ここら辺の空港の設備そのものの問題についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(松本操君) 確かに先生おっしゃいますように、滑走路が飛行場の基本施設でございますから、これが痛んでまいったのでは航空の安全どころの騒ぎではなくなります。そこで毎日毎日の点検をいたしまして、亀裂が入ったとかいうふうなものについては、いま先生おっしゃるような応急処理という形で、どういう薬品か私はよく存じませんが、そういうものを流し込むとか、あるいはアスファルトを塗るとか、こういうことで処理をしておりますが、しかし、やはりかさ上げということが必要になってまいります。これは一日とめてしまいますと、ともかく、四百六十機のうち約百五十機が外国機でございますし、全部一日きょうはお休みだというわけにもなかなかまいりません。そこでどうしても夜間作業ということになります。 夜間作業ではございますけれども、御案内のように、羽田の場合には十一時から六時まで全然飛行機は飛ばないのを原則としておるわけでございますので、その間を使いまして端から端からかさ上げをずっとやって、夜中の間にある長さをやりまして、あと残った部分をすりつける、こういう形でC滑走路の手入れはもうほとんど終わりに近づいておるはずでございます。それからB滑走路につきまして、これもやはり不等沈下によるでこぼこが出てまいりました。これも同様なやり方で、B滑走路についてはこれから不等沈下の手当てを含めたかさ上げを、延長した先の方から根元の方へ向かって着手する、こういうことを考えております。
○峯山昭範君 これはそういうことだけで実際問題として間に合うんですか。これは私、そのほか航空黒書という本が出ておりますが、その中でいろんな指摘している問題を見ますと、非常に内容的には私たちびっくりするような内容が多いわけなんですが、やはりこれらの問題については、すでに皆さん方はもうちゃんとチェックしていらっしゃると思いますので、幾つかお伺いしておきたいと思うんです。 一つは、管制機器が停電した場合、これは自家発電をしなきゃならないと思うんですが、そこら辺の設備はちゃんとしていますか。
○政府委員(松本操君) 現在羽田におきましては、東京電力から二系統で受電をしております。したがいまして、どちらかの系統が停電をいたしましてももう一本の系統で生きることができる。しかし実際に両方の商用電力、つまり東電から買っております電力がとまってしまった場合、このことを予測いたしまして自家用の発動発電機を二基持っております。したがいまして、これによって仮に商用電源が入手困難になったといたしましても、この自家発電三百キロボルトアンペアと九百三十七キロボルトアンペアを持っておりますので、これで相当長時間にわたって羽田を支えることができます。これもなおかつしかしだめになってしまった、あるいは、回線が途中で切れたために発動発電機は動くんだけれども電気が流れない、こういうふうなのはまずめったにないと思いますが、こういったような最悪の状態になりました場合に、航空の安全を保つ上でどうしても欠かせないのが無線通信でございますので、無線通信用は別にバッテリーを持っておりまして、このバッテリーで最低一時間だけは絶対に通信が可能なようにしてございます。一時間というのは、実は必要時間三十分の倍見てあるわけで、三十分あればさらに浮いている飛行機は必ずどっかの最寄りの空港におろしてしまうことができます。したがいまして、いまのように商用系が二重、自家発電が二重、それでもなおかつだめな場合にはバッテリーを使って最低の通信だけは保つ、こういうふうな措置をすべて終わっておりますので、この点については御心配いただかなくてもいけるのではないか、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 その自家発電機ですが、私の手元にある資料によると、この発電機というのは二十三年ほど前に米軍から払い下げを受けた老朽品で、始動からエンジンがかかるまで十二分間かかる、そんなあれですか。これは間違いないですか。
○政府委員(松本操君) これは非常に申しわけないんですが、事実と違っておりまして、 〔委員長退席、理事大塚喬君着席〕 現在私どもが使っておりますのは三百キロボルトアンペアと九百三十七キロボルトアンペアというものすごい大きなやつでございまして、これは電源が切れますと自動的に立ち上がりまして、約十秒から十二、三秒で全回転に入る、こういう仕掛けになっております。米軍から払い下げ云々のものは、これは実は今年中に廃棄しようということになっておるものでございますので、ここ数年来まず使ったことがございません。
○峯山昭範君 ぜひそうあっていただきたいと思うんです。 それから、七階の給水洗浄水用の水槽が非常に古いもので相当腐食している、こういうふうな記述があるのですが、もしひび割れがあってその水があふれたり、あるいは漏れたりした場合、六、七階が水びたしになる、こういうふうな記事がその中にあるんですが、これはどうなんですか。
○政府委員(松本操君) たしか七階にタンクがございます。このタンクは多摩川の水をくみ込んで使っておりますので、多少塩がさかのぼって塩分があるかもしらぬということで、初めから相当の何というか耐食構造にはしてあるわけでございますが、せんだって実は——せんだってと申しましてももう二年ぐらい前になりますが、五十年にビルでぼやがございまして、そのときにやはりいまおっしゃいましたように、六階のレーダーの機器室に水が漏ってくる、これは水槽が漏ったのじゃございませんで、消防が水を七階にかけたものですから、その水が床を通って抜けて六階のレーダー室に水が漏った、こういう例がございましたので、このタンクについては全部専門家に頼んで検査をし直しました。 〔理事大塚喬君退席、委員長着席〕 腐食の度合いについては全く問題がない、こういうことになっておりますが、しかし、それでもあの場所に今後ずっと置いておくということは余り適当でなかろうと思いますので、同じ七階でございますが、横の問題のない位置にずらすということを五十二年度にやろうということをいま計画をいたしております。
○峯山昭範君 これは同じ記述の中で、もう一点ちょっと心配事がありますのでお伺いしておきますが、これは前々から防衛庁や米軍の訓練空域との問題で何回か問題になったと思いますので、もう最近改められているかもしれませんが、羽田の上空に入ってくるときに、要するにパイロットの皆さん方のアンケートの中で、航空路に沿って防衛庁や米軍の訓練空域、試験空域が設けられている、そのために非常に危険を感じるし、好ましくない、そういうふうに思っている、こういうようなことが事実あるのかどうかということが一つです。それから、実際問題そうであるとすれば、ほとんどの人たちが航空路のとおり飛べないことがあるわけです。そういうような場合非常に訓練空域へ入ることがあり得る、実際入ったことがあるというパイロットが八九%いるわけです。そういうような訓練空域の資料が私の手元にありませんので、そうなっているのかどうかちょっとわかりませんが、もしそうであるとするならばこれは大変な問題なんですが、これはどういうふうになっていますか。
○政府委員(松本操君) 訓練空域の設定につきましては、昭和四十六年の雫石事故の直後に緊急対策要綱というものができまして、航空路のへりから五マイル離してつくるというようなことが原則として書いてございます。それに基づきまして訓練空域ができておりますので、通常のフライトをしている場合には、仮に航空路の幅がすでに十マイルございます。航空法上飛行機は航空路の真ん中を飛べということになっておりますから、まず横に抜けていくということはないわけですが、仮に何らかの理由で抜けましても、さらにその外側に五マイル、約十キロメーターの幅を持たしてございますので、そこを突き抜けて訓練空域に飛び込んでしまうということは万々ないと思います。いま先生御指摘のありましたのは、そうあちこちにあるわけではございません。 そういうことではなくて、たとえて言えば太平洋から、大子というのが茨城県にあったかと思いますが、そこに入ってくるときに、夏の非常に限られた時期に雷が多い。雷を避けようと思ってコースを変えると、その訓練空域に入ってしまいやせぬか、こういう心配があるので、その近所には訓練空域をつくらないでほしい、こういうふうな希望がありましたり、あるいは、私ちょっといま正確に覚えておりませんが、浜松の沖合いだったか何だかのところで、ある特定の航空路との間にやはりどうしても何か横へ寄ろうと思うとそばに訓練空域がある、この場合にはどうするかということが、実はAIPというものにちゃんと書いてございます。かくかくの手続をとって訓練空域にやむなく入るときには入ってもいい、こういうことになっておりますので、先生がいまお読みになっておりましたのには、大方のパイロットはこれを知らないでいるというふうな記載もあったように私記憶しておりまして、その冊子が出ましたときにこれは非常に問題だと思いましたので、事実の有無はともかく、改めて関係の航空会社を通じ、パイロットに対しては、AIPにこういうことが記載されているわけだから、それを確実に守るように、必要があるときにはその手続に従ってやるようにということを指示してございます。したがって、御心配のような事態が起こるということはまずもってないというふうに私どもは考えます。
○峯山昭範君 ぜひともこういうふうな事故が起きないようにするためには、非常に細かいところまで注意していかなければいけないと思いますので、ちょっとあれしましたけれども…… それではもう一点、羽田の問題でただしたいことの中に、この空港の中のロビーの混雑というのがあります。これは非常にいろんな問題があるのですけれども、なぜ混雑しているか、私もずいぶん現場で確めてみましたけれども、やはり手荷物のチェックですね、大変な混雑のしぐあいなんですが、これは一体どういうふうになっているのですか。
○政府委員(松本操君) ハイジャックがいまでもなお後を絶たない現状にもかんがみまして、やはり航空旅客に対する手荷物のチェックというものは相当厳密に、厳重にやらざるを得ない、こういうふうに私ども考えております。 東京の場合で申しますと、出発ゲートと申しますのが三つあるわけでございますが、そこに五セットの金属探知機とX線の透視機を置いてございます。そこで手荷物はX線を通す、人間はその金属探知機のところを通ってブーツとすればその旅客の了解を得てボデーチェックをする。それから手荷物の方は、何かわからぬ物が映った場合には旅客の了解のもとにこれを開披して中を調べる。これは運送約款上そういうことになっておりますんで、もし旅客がこれを拒めば輸送契約を破棄する、お客を乗せることを引き受けない、こういうふうな仕掛けにしておるわけでございます。 確かに、非常に混雑をしております理由は私は実は二つあるんではないかと思って、いまその対処方針的なものを考えさしておるわけでございますが、一つは、あそこがもともとそういうことをやろうと思ってつくったビルではございませんので、どうしても旅客のチェックをするところというものを後から急場で押し込んでつくったわけです。そこでチェックをいたしまして、全員がすうっと流れてしまえば問題ないんでございますが、何人かの人間がブーツと鳴り、あるいはXレイでひっかかるということになりますと、その人間を横へ外して、手荷物を開披したりチェックしたりできれば一番いい。ところが、そのふところが狭いもんですから横へどけることができないで、同じ列の中で一生懸命それをやっている。そのために後ろの方がずらっとつながってしまう、これが一つの問題でございます。これはいまいろいろ工夫はさしておりますが、ああいったようなつくりでございますので、急にどうこうしろといってもなかなかむずかしい問題ではないだろうか。 もう一つの問題は、先ほど申し上げましたように三つのゲートがございまして、それぞれ北海道行きとかどこ行きとかこう分かれておるわけですが、そのどのゲートも全部込むということは実はないんでありまして、どっかのゲートが非常に込んで長い列をつくっているけれども、どっかのゲートはすうすうだという場合も非常にしばしばあるわけです。そこで、そういったチェックのゲートを一カ所にしまして、中に入ってからこう分けることができると非常によろしいんですけれども、これも先生よく御承知のように、第一から第三までのロビーがいろいろと入り組んだ形になっておるもんですから、なかなかそこがうまくできない。まあ成田展開後、どうせあそこは国内空港として全面的な整備をし直さなきゃならぬというふうに思っておりますので、そういうときにはいま私が申し上げましたような点も踏まえ、さらにそのほかのいろいろな点も考えましてもっときちっとしたものができるように工夫をしていくべきかと思っておりますが、現状では、臨時のゲートを設けるというふうなことによって多客の場合には一応対処をさしておるというのが実情でございます。
○峯山昭範君 いや、三つのゲートが三つとも込んでいることはないと言っていますが、それはもう全然認識違いです。具体的に時間も指摘してもいいんですが、きょうはこの後私は成田の問題をどうしてもやりたいんで、余り時間がないんでこれ以上やりませんけれども、現実の問題として第一出発ゲートも第二も第三も三つとも超満員、もう大変な実情になっている。しかもその一番込んでいる時間に、それじゃちゃんとガードマンがいるかというと、ちゃんといない。私は資料をもらいました、大分言いましたけれどもね。 私へのこの間の説明によりますと、一つのチェックするところで全部で五セットあると言っていましたが、その中の一つで、検査する人が六人いると言うんです。ところが六人きちっといないんです。それはまあたまたまいなかったのか、私たちが聞いたところによると、きょうは朝からずっといない、これは私一人確認したのと違うんだ、ある人と一緒に確認をした。現実に三人しかおらぬ。それで私がそういうことを言うと、いやそんなことはないと一生懸命弁解はしていましたが、現実はそうです。だから、第一出発ロビーがぐっともうあふれんばかりになっている。第二出発ロビーも隣の列でずうっと回っていっぱいあふれている。第三出発ロビーはどうなっているかといったら、もう大混乱。それはもちろん私はそれぞれ事情はあろうと思います。けれども私は、その日航の職員の方にいろいろ聞きましたけれども、いや、実はあれやっているのは私たちがやっているんじゃないんですと言う。これはもう本当に私はこれ以上は言いませんけれども、本当にこの警備のやり方、チェックの仕方、これはもっと考えるべきところがある。もっと合理化すべき点がずいぶんある。そういうふうないろんな問題がからんでこういうふうな問題になってきている、そう思います。 そこで、きょうはいろいろと羽田の問題やりましたけれども、現実の問題としてこれから連休に入ります。ますます羽田は私は混雑するであろう、こう思います。そういうふうな意味では、本当によほど腹を引き締めてやらないと羽田でまた大きな事故が起きてしまう。起きてからでは遅いんで私は言うんですけれども、本当に細かいところに気を配って、そして事故を起こさないようにということは、もう非常に大事な問題だと思います。そういう意味で羽田の問題を細かくやってまいりましたけれども、いずれにしても、これは爆発寸前にあるということはもう確かです。そういうふうな意味で、きちっと羽田の問題についてはいろんな角度から私は対処していただきたい、こういうふうに要望をしておきますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(田村元君) 先ほど来の質疑、そばで承っておりまして、確かに必要以上になおも注意をしなきゃいかぬ。何といっても飛行機事故というのは、これはもう大変なことでございますから、早速きょうの御質問の御趣旨も踏まえまして、羽田の空港長を明日でも本省へ呼びまして、航空局長から十分に注意をいたさせたいと思います。
○峯山昭範君 ぜひよろしくお願いをいたします。 そこで、私はこれはわれわれにも全く羽田の問題について責任がないとは考えておりません。羽田がこれだけ混雑するのはやっぱり成田である、成田を何とかせにゃこれはどうしようもないということを聞いております。 それで、成田は一体どうなっているのか。これは私はまず会計検査院にお伺いをいたしますが、成田、これは昭和四十一年から政府が出資をいたしまして、現在まで相当な資金をつぎ込んで準備を進めているわけです。私は、検査院としてもこれはほっとくわけにいかないと前々からずいぶん言っているわけですけれども、昭和五十年の決算で初めてこの国際空港の問題が出てまいりました。「特に掲記を要すると認めた事項」ということでチェックをいたしておりますが、成田の問題について検査院はどのようにお考えですか。
○説明員(小沼敬八君) お答えいたします。 いままで検査院が成田の問題につきましては、できるだけあらゆる角度からその遂行の過程を見守ってきたわけでございますが、発足当初からいろいろな問題がからみまして今日に及んでいるような状態であることは御承知のとおりであると思います。したがいまして、言ってみれば開港が非常に遅延しているという事態は、今回五十年度の決算検査報告の中に掲記してありますとともに、このことにつきましては二度ほど過去に照会を発しております。 そこで、現段階におきましては、大体成田の全貌というようなもの、また、これが遅延している根本的な原因はどこにあるかというようなことを私たちの立場でできるだけ解明いたしまして、取りまとめて簡略に検査報告に特記事項ということで、いまおっしゃったように「特に掲記を要すると認めた事項」として五十年度の検査報告に掲記した次第でございます。この特記事項の内容は、検査院として成田の問題をどう扱うか、原因は現在のところどこにあるかというようなことについて重大な関心を持って見ておるというような内容の全貌でありまして、いまお話しの点もこの点で集約できるかと存じます。
○峯山昭範君 これは検査院が指摘するまでもなく、私は非常にいま大変な実情になっている、わが決算委員会としては国の資金の有効的な、効率的な使用という問題からいきますと、これはもう大きな問題になってくる、こういうふうに思うわけです。 そこで、これは大臣、実際問題として羽田がこういう実情の中で成田はどうなるんでしょうか。開港の見込みとか、成田についてはどういうふうにこれから進めていかれるのか、そういうこともあわせてお伺いしておきたいのです。
○国務大臣(田村元君) もうすでに四千メートルの滑走路ができ上がっておりますし、それに対応するターミナル等も完成をいたしております。結局いま問題になるのは、油の暫定輸送の問題と、それからいま一つは例の妨害鉄塔と称する鉄塔でございます。 暫定輸送に関しましては、鹿島ルート、これが昨年の七月に調印されまして、去る二十五日に成田、佐原等二市二町と運輸省との間で、あるいは公団との間で調印がなされたわけでございます。でありますから、四千キロリッターを必要とするというのに対して、その四分の三の三千キロリッターの確保はこれで大体はっきりしたわけであります。あと佐倉とか市原とか、それから最後に千葉が残るわけでありますが、これとの話し合いをいま一生懸命に進めておるところでございます。いずれにいたしましても、これも大体いい線へ進みっつあるようでございます。 残るのは妨害鉄塔ということでございます。いろいろと計算してみますと、大体年内に開港の運びになるのではないかというような感じでございます。
○峯山昭範君 これは大臣、確かに国の予算を相当つぎ込んでこれだけの設備をつくり、かつあれしていらっしゃるわけです。しかも先ほどの同僚議員の質問の中で大臣が、これは空港の問題ではありませんでしたが、環境アセスメントの問題で、これからそういうふうな問題については相当議論を尽くしておく必要がある、大規模なプロジェクトは何もできなくなってくる、こういうふうな御意見がありましたが、私も全くそのとおりだと思うんです。 そういうような意味で、実際問題としてこれは政府の方も成田の開港の問題については昭和四十二年の一月、当時の大臣が記者会見をされたときには、四十六年の四月に開港する、こう現実におっしゃっているわけです。四十六年の十二月に今度は公団総裁が記者会見されたときには、四十七年の六月に開港する。四十七年の八月に発表されたときには、四十八年の三月に開港する、ずっとこう逐一延びてきているわけです。それでことしの年末ということになるわけですけれども、あと、いま大臣もおっしゃいましたように、いわゆる鉄塔の撤去作業というのが残っておるわけです。これも私はただ単に力の対決だけでは解決しない問題ではないか、そういうように思っているわけです。それでこの問題は非常に重要な問題でありますので、これからの進め方について大臣はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(田村元君) 実はわれわれは今日まで、千葉県を初め関係市町等からいろいろ御意見も承ってまいりました。その御意見を尊重して可能な限りその方向に作業をするということも当然行ってまいりましたし、これからいよいよその総仕上げをしなければなりません。 いま一つは、やはり地元の直接の関係者であります農民の方々に対してわれわれは最大限のお話し合いの努力をしなければなりません。直接の関係者はある意味においては最大の被害者であります、でありますから十分の話し合いもしなければなりません。また、環境問題につきましても最大限の努力を払っていかなければなりません。そういう点でいままだ私ども現地に具体的に説明がしてございませんから公表する段階ではありませんけれども、ある種の実は案を作成いたしまして、まあこれならば大体御了解いただけるのじゃなかろうかというふうに考えております。 妨害鉄塔につきましては、これは運輸省だけでどうこうというものではございませんから、関係省庁と十分に話し合っていかなければならないことは申すまでもございません。いずれにいたしましても、最善の努力をいま払っておるところでございます。
○峯山昭範君 もう私の時間が参りましたので、きょうはこのほかいろいろと成田の問題について詳細に細かく質問をするつもりにいたしておりました。特に関連企業の問題もあります。成田開港を見込んでいわゆる投資をし、かつその準備をしてきた方々もいらっしゃいますし、あるいは成田の敷地を売って転業農家の皆さん方が準備をしてきた方々もいらっしゃいますし、そのほか問題点がいろいろとあるわけです。たとえば成田開港という問題については、これは国際的な航空時刻報の中にも成田の名前が入っているんですけれども、実際問題は時刻は入っていないというようにして、国際信用の問題もあると思うのです。そういうふうな問題がずいぶんいろいろあるのです。 これは相当私の手元にある資料が間違っているのかどうかわかりませんけれども、五十年八月十四日の報道によりますと、千葉の市長の話がずいぶん出ているわけです。それで、当市が本格ルートの実現に努力しているのに、当局では市には何も諮ることなく鹿島−成田間の暫定ルート計画を進めたことや、その暫定ルート計画書との絡み合いから運輸省と公団は一たん当市に環境整備費用を迷惑料的な意味も含めて十一億円支払う、そういうふうな約束をしておきながらこれを立ち消えにしてしまったやり方にはがまんできない。あの当時、当局か迷うことなく千葉港からの本格ルート一本に決めておけば、燃料輸送問題はさして混乱はなかったはずである、こういうように語っている、こう載っているわけです。 これに対して石田労働大臣が、本年一月ごろの閣議の席上で、当時大蔵省が十一億円の対策費を渋ったために今日では四百億かけても解決しがたくなった、こういうふうに発言をした、こういうような記事があるわけですけれども、ここら辺の中身は、この真疑のほどは多少違うかもわかりません。しかし、いずれにしても政府当局がやっぱりこの問題については地元の皆さんに相当誠意をもって説明をし、話をしないと解決しない問題である、こういうように思います。そして、しかもこれは非常に大事な問題でもありますし、またむずかしい問題でもあろうと思います。そういうような意味で、この点についての答弁を後でいただきたい。 それから、会計検査院にちょっともう一点お伺いしておきたいんですが、これだけの国の費用をつぎ込み、かつ準備をしてまいりました。実際問題、四十六年の四月開港、四十七年の六月開港、四十八年の三月開港というようにずっと順番におくれてまいりました。このことによる国のいわゆる損というのですか、損害というのですか、何というのか、国損は一体どの程度とあなた方は見ますか。ただ単に一概には見れないところもあると思います。しかしながら、現在まで全く使ってないのに、たとえばコンピューターにしたって保守の費用や、あるいは建物にしたって何にしたって相当また、一たん完成してからずいぶんだっておりますから、その保守の費用やいろいろ費用が要ると思います。そういうふうな点についてもやはり相当力を入れてチェックしていただかないといけないと思うんですけれども、そういうふうないろんな費用をひっくるめてみますと、現在開港しないことによるところの損害というのはどの程度であると見ていらっしゃるか、それもあわせて御答弁いただきたい。
○説明員(小沼敬八君) 私どもも、基本計画が告示されて以来十数年かかりました今日においても開港していない、こういう事情につきましては、今日までに至るもろもろの諸費用、投資された国を含む関連事業等の諸費用というものは莫大なものであろうと思います。いまおっしゃいました点は、やはりこれらの投資によっていろいろ借款等に要した利息というようなことはもちろんのこと、長年かかってつくりました施設も、開港が延びるに従ってそれに要する保守とか、あるいは災害等によってそれを復旧しなければならぬという諸費用、こういうものを含めますとこれはかなりの金額になると思います。 国の金の出資のそういう事態につきましては、試算もある程度見込みは立つこととわれわれも思いまして、その過程で努力してきておりますけれども、有形無形の、しかも、各省にまたがるいろいろな関連計画の問題もございますので、この計画全般のやはり遅延というものはかなりの金に上るであろうということが予想されます。ただいまのところはその金の試算につきましての資料はございませんが、いずれこの問題も事態の進展とともにある程度明確な姿ができましたならば、それに合わせまして私どもの立場で検討し、どのぐらいの規模、内容のものであるかというようなことはやはり国民の前においてもある程度の金額的なものは示す必要があるのではないか、私はそう考えております。
○国務大臣(田村元君) 本当に長い間御迷惑をかけたわけで、国民に対しても大変な損失を与えたわけでありまして、この席をかりて改めて深くおわびを申し上げたいと思います。 率直なことを言いまして、私は一介の御承知の野人でございますから、一介の野人として物を申せば、いままで成田空港に関してお役所仕事がなかったかと言われれば、私はそれに対して否定する勇気を持ちません。運輸省も当然のことでございます。同時に、それ以上に私は空港公団の過去の行為に対しては、率直なことを言って不信感も抱いております。しかし、だからといってそれを厳しく責めるばかりが能でもありません。とにかくやらなければいけないのであります。私から言えば、やらさなければならないのであります。たとえば、具体的な先ほどのような事例はとにかくとして、自分が経営する会社であるならば命がけになるであろう、あるいは夜の目も寝ずに考え行動するだろうと思いますけれども、お役所仕事になるとついそれがおろそかになる。一文惜しみの銭失いというような妙なことになることもあります。 でありますから、私は着任以来、その点を厳しく戒めて叱咤勉励いたしておりますが、幸いにいたしまして空港公団大塚総裁、町田副総裁、非常に思いを新たにして意欲を燃やして取り組んでくれておりますし、航空局におきましては、ここにおります局長、次長ともにこの問題に精根を傾けてくれております。何とか国民の皆さんにおかけした御迷惑を償う意味においても事を急ぎたいし、しかし、急ぐの余り権力的になってもいけない、官僚的になってもいけないのでありまして、その点十分自律自戒しながら必死の努力を続けておりますし、今後も続ける決意でございます。
○内藤功君 私は、運輸省と会計検査院に対しまして、日本航空のリベート問題及び同社に関係する外一件、もう一件の問題について質問をしたいと思います。運輸大臣は初めて聞く話が多いと思うんですが、よくひとつ聞いておいてもらって、後であなたに大きなところから聞きますから、あらかじめ申し上げておきたいと思う。 その日本航空の問題そのものに入ります前に、今度は海の方でありますが、海の運賃のことをちょっと引き合いに出すわけなんであります。これは航空局長にお聞きしたいんですが、海運の運賃の決定は届け出制ですね。ところが、航空運賃の決定は認可制であります。そうむずかしく考えなくていいんですが、航空運賃の方が海よりもより厳格なる手続にかからしめているという理由は、その合理的理由はどういうふうに説明されますか。航空運賃の決定の方が海に比べてより厳格だというその理由はどう説明されますか。
○政府委員(高橋寿夫君) いままで余り基本的に考えたこともありませんでしたので、ただいまこの場で考えていることを申し上げたいと思いますが、海運の場合には、御承知のように運賃というのはほとんど貨物運賃でございます。航空の場合には、少なくとも従来は旅客運賃というものがその大半でございました。旅客運賃ということになりますと、利用旅客というものは不特定多数のお客さんである。貨物の運賃は不特定多数のお客もありますけれども、いわば荷主という存在を相手にするわけでありますので、運ぶ人と荷主さんとの間の商業的な取引関係によって上下することもあろうではないかというふうな観点から、海運に関する運賃はあるいは運賃同盟に任したり、届け出制にしていたりすることが多いと思うんでありますが、航空につきましてはその発生からして、民間航空というのはそもそも貨物を運ぶことじゃなくて人間を運ぶことから始まったということを考えますと、団体運賃のように、中間に旅行業者が介在いたしまして運賃取引というふうなことが起こりやすい、あるいは起こる余地のある分野は別といたしまして、通常のお客はやはり不特定多数の個々人でございますので、そういった個人の利用者の利益を守るというふうな意味から、国が認可制ということできちんと確定額を認可するという制度になっているのだろうと思います。 なお、つけ加えますならば、航空企業は何にしても安全第一をもって旨とすべき企業でございますので、運賃のダンピング、そういったことによりまして経営が危殆に瀕するということがあっては、ひいては航空の安全にも影響があるというふうな観点から、これは事業の確実な遂行を担保する意味で適正な原価を償う運賃を決める必要があるというふうなこともあったと思いますが、私はその二つのファクターのうち第一義的なものはやはり利用者保護である。第二義的には企業の経営確保であるというふうに考えております。確保、いずれも運輸行政上すぐれて公益的な理由だというふうに答えを聞いて理解しました。それはそれで結構です。 質問を進めますが、空に入る前に海の問題ですが、ことしの一月十五日に、アメリカの連邦海事委員会のカール・バッキ委員長、この人が七五年の十一月の就任以来、特に最近ではロッキード事件を契機にして各海運企業の清潔さといいますか、道義的な清潔さというものをアメリカの政界の一部でも要求するようになった、御案内のとおり。ところが、実際にはアメリカの海運業界の中で非常にお客の争奪戦が多くなって、表では運賃を守りながら、裏じゃリベートを払って荷主を獲得しようとする、こういう動きが出てきた。摘発の第一段はアメリカのシーランド・サービス社だ。七二年から七六年までの違法リベートに対し罰金が四百万ドル、リベート総額は数千万ドルに上っている。しかも、このリベートを払っている企業の中には日本の大手商社、大手メーカーがずらっと名前を並べている、こういうことが日本の新聞に報道されました。ことしの一月十五日の新聞を私持っています。この経過、これは海運局長ですね。海運局長、この経過は私は新聞しか知らないが、さらに経過。
○政府委員(後藤茂也君) ただいま先生御指摘のように、アメリカの連邦海事委員会はことしの一月の五日に新聞に対する公表を行いまして、ただいま御指摘のシーランド社については、シーランド社とアメリカの連邦海事委員会との間の話し合いの結果、このシーランド社が過去において行っておるところのアメリカのシッピングアクト違反のケースについて、四百万ドルの罰金をシーランド社が政府に支払うことで和解が成立した、こういう趣旨の新聞発表を行い、また同時に、この種の事案についてのアメリカのFMCの考え方というものをるるその同じ新聞発表で説明をいたしております。 御指摘の新聞記事、どれでございますか。恐らくはそういったアメリカの動きというものを日本に報道したものであろうかと存じますが、このFMCの一月五日の新聞発表は、御指摘のように一昨年の秋に現在のバッキ長官が就任して以来、アメリカ航路における航路秩序の安定ということについて非常な努力を重ねておるんだということが各般の事実によってうたい上げられております。しかし、御指摘のような日本の荷主云々というようなことは、その公表文には何ら触れられていないように私は承知しております。
○内藤功君 これは一月十五日付の新聞を引用したんですが、新聞の名前を言うと毎日です。ここには「シーランド・サービス社違法リベートの支払先の荷主およそ四百社の名を、支払額とともにすべて列挙して海事委に提出した。この中には日本の企業数十社が含まれ、日本の大手商社、メーカーがずらりと名を連ねているという。」あなたもごらんになったと思う。どうですか。
○政府委員(後藤茂也君) 問題のFMCのバッキ長官は、昨年の四月、昨年の十月と本年の四月と三回にわたって日本に参っておりまして、その都度私はバッキ長官といろいろと意見の交換をいたしております。ただ、アメリカのいわば一種の取り締まり当局が現実に調査を進めている案件につきまして、具体的な話というものを私が聞いておるわけではございません。 ただ私どもは、米国の連邦海事委員会が一昨年の秋以来とっておりますアメリカ関係の定期航路において、航路の安定をこれまでと違ったような角度で実現を期するためにいろいろと新しい努力をするという方向につきましては、同じ太平洋を隔てて日本も非常に重大なる定期航路を日米間に開いておるその日本国の担当の役所といたしまして、全くそのような方向でやるのが適当であるという同じような考え方を持っておりまして、いわばバッキさんと私どもとは相携えて日米間の航路の秩序の安定というものについて基本的に努力していこうというような考え方でおります。
○内藤功君 質問に答えてないんですがね。この記事を見たかどうか、この記事を見た上でこれらの予想される大手業者に対して運輸省として調査をしたのかどうか、その点だけです。
○政府委員(後藤茂也君) 御指摘のその新聞記事は恐らく私は見ておると思います。ただそのことにつきまして、シーランド社というアメリカの船会社についてアメリカのFMCがいろいろとやっておることでございます。荷主が関係しておるということは、リベートでございますからいろいろとあり得ることだと思いますけれども、それについて日本国の政府が取り締まりをするというような法律上のたてまえにはなっておりません。
○内藤功君 取り締まりをやれと言っているのじゃない。事情を聞いたかというんです。
○政府委員(後藤茂也君) はい、私は聞いておりません。
○内藤功君 そういうことだからいかぬのです。それでこれは後で調査を要求しますが、一月の十八日に運輸省が明らかにしたところによると、これも一月十九日付の毎日新聞ですね、郵船と商船三井とジャパン・ラインと山下新日本と川崎と昭和海運とこの中核六社は運輸省に対して、「これまで世界海運界の〃常識〃となっていた荷主に対するリベート支払いを今年一月から中止する 国外の荷主に対しては、すでに通告済みであると報告した。」と報道されておりますね。このような事実があったのか、それからこれは運輸省が指導をしたのか、どういう経過なのか、これを報告願いたい。
○政府委員(後藤茂也君) 御指摘の一月十九日付の毎日新聞、私も読んでおります。いろいろな意味でこの毎日新聞の記事は正確ではございません。先ほども御説明申し上げましたとおりに、米国の連邦海事委員会は、一昨年の秋以来、きわめて精力的にアメリカ着発の定期航路の航路秩序の安定ということについていろいろと努力をいたしております。一方、わが日本におきましても、日本国着発の定期航路の航路秩序の安定ということにつきましては、長年の間私どもとしましてはその実現のために苦労をしてきております。 実際上の状態といたしまして、航路秩序の安定ということについてはいろいろと条件があるわけでございまして、遺憾ながら最近四、五年間の間、極東方面とアメリカとの間の定期航路はきわめてその秩序が乱れておりましたが、その主たる原因は、韓国、台湾、香港、その他の日米以外の資本の新興定期船会社がこの航路に営業を始めまして、既成のこの航路に組織されておる運賃同盟「に対する盟外船として運航を開始して、したがって、同盟船と盟外船との間に」熾烈な競争関係ができた。その結果として非常に航路の運賃秩序が乱れたのでございます。私どもは、そういう状態を非常に憂慮いたしまして、いろんな形でそれの安定について心を砕いておりましたけれども、昨年の春ぐらいからでございますか、そのような盟外船の相当のものが運賃同盟に入ってくる、加盟して同じ賃率表を使う、そういうふうな動きが見えてまいりました。 さらにもう一つ、いま、るる先生が御指摘のアメリカの連邦海事委員会が、アメリカの側から航路の秩序安定についてのいままでかつてなかったような形の動きをし始めてまいりました。私どもは、これはいい機会だということで、昨年一年間かかりまして、日本の船会社に向かいまして、これはいい機会であるから航路秩序の安定というものに対していままでやっていなかった努力をして、いろいろと世の中でうわさされておるマルプラクティといったようなことをなくするように努力をしてみませんかというふうな話をしつこくしたわけでございます。この結果、恐らく私どもも実際に細かな実際のことをつかんでいるわけではございませんけれども、そのような熾烈なる競争のもとでは、きちっとした公表された運賃表だけで商売をやっていないで、いろいろな形で値引きが行われるということのうわさが絶えません。恐らくそうだったと思います。そういうふうな事態がずうっと最近改善されてきたというのが実情でございます。
○内藤功君 しかし、この新聞記事にはもっと具体的に、一番最後運輸省も出ている。「運輸省によると、」「その運賃の一部を、リベートの形で荷主に払い戻すことは、実質的に運賃の、ダンピングにつながり「届け出た以外の料率で運送してはならない」と定めた海上運送法三〇条に違反する。」ということもはっきりこの記事に出ていますね。あなたは新聞記事は正確でないとおっしゃるけれども、大手六社が、いやしくもこの大会社が通告をしてきた、ことし一月からリベート支払いを中止すると言ってきたということ、これをあなたは否定するんですか、これまで。それから運輸省の、こういうリベートは海上運送法の三十条に違反するというこの見解、これはどうなんですか。
○政府委員(後藤茂也君) 通告をしてきた、何をもって通告をしてきたか……
○内藤功君 報告だな。「報告」と書いてある。
○政府委員(後藤茂也君) 報告をしてきたとこの毎日新聞は書いてございますが、報告とは何をもって報告と言うのか私はよく存じませんけれども、先ほども申し上げましたように、ただいま先生がお述べになりました六つの船会社がまさに日本とアメリカとの間の定期航路を現在運航しておる日本の船会社であり、私が先ほど申し上げました、昨年一年かかって口を酸っぱくしてこうしなさいよと私が説得をした相手はこの六つの会社でございました。その説得に対して、皆さんは、それはごもっともです局長さん、こういうことでございます。何月何日にみんながそろって、手紙でも持って、報告書を持ってきたというような事実はございませんけれども、先ほども申し上げましたように、そのような私どもの説得あるいはそれを取り巻くいろんな事情ございましょうが、その結果、最近は全くそのようなうわさを聞かなくなったというのが第一点でございます。 第二点。毎日新聞の記事によりますと、「運輸省によると、」とございますが、ここに書いてあるこの短い新聞の記事は正確ではございません。俗にリベートあるいはマルプラクティスと言いますけれども、つまり賃率表にこういうものは百ドルと……
○内藤功君 リベートと、もう一つ何と言いますか。リベートと、もう一つ何とおっしゃいましたか。
○政府委員(後藤茂也君) マルプラクティス悪い習慣とでも訳しますか。 賃率表にこういうものは百ドルと、こういうふうに書いてある同じ物を運びまして、百ドル運賃をもらって十ドル返せばそれはリベートであり、いま申し上げたマルプラクティスであります。ただいま先生がおっしゃいました海上運送法第三十条でございますが、「船舶運航事業者は、左の各号に掲げる事項をしてはならない。」、第三号、「虚偽の運賃請求書を作成し、運送貨物の品目又は等級について賃率表の適用を偽り、運送貨物の数量を偽り、その他不公正な方法によって、第十九条の六の規定により届け出た賃率表の運賃及び料金より高い金額又は低い金額で貨物を運送すること。」、つまり、リベートをそれ自身違法としているわけではございません。リベートの仕方について、不公正なる値引きの仕方というものについて海上運送法はそれを違法だとしております。アメリカの法律はそうではございません。アメリカのシッピングアクトの十六条は、いま私が読みましたと同じような趣旨の規定がございます。この同じアメリカのシッピングアクトの十八条には、コミッションにファイルをして、公表されて有効である賃率表よりも高い、安い金額で貨物を運送し、あるいはリベート・リファンド・オア・レミットすることについて違法だと、こういうふうに決めております。アメリカの法律と日本の法律の差について、この毎日新聞の人は十分なる理解をしていないようであります。
○内藤功君 この、局長がいま言った、昨年来口を酸っぱくして、六社ですか、これを説得してきたという問題、それから、いまあなたはいろいろ法律上の理解を述べられたけれども、要するに、このリべートそのものを一つの禁止要件とするものはないにしても、リベートのやり方いかんによってはこの三十条三号違反になり得る場合は、これは認められるわけですね。私は、きょうは日本航空の問題を聞くので、この問題はさらに引き続いて私の方でも、あなたがそこまで新聞記事を否定されるということになれば、こちらも本格的に調べなきゃならぬと思います。そういう意味で、私は、あなたのいまの二つの御答弁を留意をして先へ進みたいと思う。 そこで、本論の日本航空の問題ですが——その前に海運局長、とにかく中身を否定されるにしても、これだけの記事が具体的に、会社の名前も書き、運輸省の名前も出ているんですから、これはやはりどうしてこういう記事になったのか、また、こういうことを言われるような点がないのかということは、率直に考えていかなきゃならぬでしょうね。それは単に新聞記者が悪いと、新聞記者の責任だけで済ませられる問題では私はないと思うんですよ。
○委員長(鈴木力君) 後藤海運局長……。
○内藤功君 いや、それは結構です、私の意見で。
○政府委員(後藤茂也君) 先生御指摘の点は、私もまさにそのとおりでございまして……
○内藤功君 いいですよ。それは一つの忠告としてあなた聞いてくれればいいんだ。
○政府委員(後藤茂也君) るる御説明申し上げましたように、日本国におきましても、日本国の定期航路、ことにアメリカ向けの定期航路については航路の安定と、言いかえればリベートのような、うわさされるような事態がなくなることということにつきましては、格段の努力を今後ともいたしてまいりたいと思っております。
○内藤功君 海の運賃はさっき言ったように届け出制であるけれども、しかし、空の運賃は認可制であって、海の運賃についても、いま局長が言ったようにリベートというものがあってはならぬことだ、また、法律に違反することがあってはならぬことなんです。いわんや認可制の空の運賃では、なおさらそういう問題が多いだろうと思うんです。海運局長はまた別の機会にさらに聞きますから、あなたは結構です。 そこで、本論の日本航空の問題ですが、これは去年の十月の十二日に私はたしか航空局長に質問をしました。会議録も出ておるので、会計検査院も運輸大臣も見ておられると思いますが、そのとき私は金額について、昭和四十八年度七十億、四十九年度約百二十億、昭和五十年推定で二百億、こういう大きな金額だということを申し上げた。さらにもう少し前にさかのぼって私の調べたところで言いますと、四十五年度が十一億、四十六年度が三十億、四十七年度が九十二億、四十八年度が九十七億、四十九年度が百二十六億、五十年度が、これはよく細かいところわかりませんが約二百億推定と、合計でこの六年度の間に五百五十六億円のリベートが出ておる。 まず、会計検査院は当然日本航空を検査の対象にしていると思いますが、検査院から先に聞きましょう。 大体どうですか、あなたの方で調べて金額をつかんでいるかどうか、私のいま言った金額は大体あなた方の調べた金額というものとほぼ一致しているかどうかという点を聞きたいです。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 先生おっしゃったリベート、これは日本航空の方では特別販売促進費と言っておりますが、これの存在については私どもも知っておりますし、検査の際にはよく調べております。金額については、これはちょっと公の場ではなかなか申し上げにくいところでございますが、ほぼ先生先ほどおっしゃった金額に近いものだというふうに理解しております。
○内藤功君 金額はいま言ったようにウナギ登りなんですね、だんだんとこうふえてきている。昭和四十九年度で計算しますと、国際旅客の収入の九%に上っている、九%ですね。大変な。パーセンテージを占めておるわけであります。それから大リベートが、いまの特別販売促進費ですが、略して特販と言ってるらしいですね、こういう形で戻っている。一般のわれわれ、たまに航空券を買って乗る普通の旅客には余り関係ないんです。関係あっちゃ大変なんだ、全然関係ない。こういう大商社、大手荷主、大手旅行社というところにもっぱら行っている。 そうして、私は思うのに、いま日本航空は労働者の賃金差別で訴えられていますよ、七億円の差別があるというんで。これは未解決でしょう。こういうような会社がこんな大きな額のリベートを出しているということは、これは許されない、会社の経営上も経営の安定上も許せない。しかも値上げの問題ですね、朝田社長は一〇%から二〇%の値上げを一方で言っておる。一方で値上げを言い、一方で賃金差別七億円で労働者に訴えられている。差別していると、こう言っている日本航空が、一方ではこういう大きな額の、九%にも上る金額をリベートという形で大手会社に出しているということは、私は許せないことだと思うんです。この点、いままでも好ましくないという答弁を運輸省はしていますが、まず、会計検査院はこれをどういうふうに見ますか。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 国際線の搭乗券の約八五%を代理店に依存しておりますので、代理店には日本航空としても相当お世話になってるということをわれわれ説明を聞いております。また、国際間では相当搭乗客の獲得競争が行われているために、その面でも営業上あるいは日航としての企業防衛上、ある程度必要だという説明をわれわれ聞いておりますが、先ほどからの先生のお話もございますように、極力こういう特販というものにつきましては少なくするようなことが望ましいんじゃないか、このように考えております。
○内藤功君 検査院に伺いますが、極力少なくすることが必要だと、しからば、大体総売り上げのこのぐらいならいいとか、このぐらいのけたなら いいという、少なくするという基準とが目標とかいうものは検査院のお立場で考えておられましょうか、考えておられたらお示し願いたい。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 まことに残念でございますが、そこまで私ども考えたことございません。まことに申しわけございません。
○内藤功君 やはりあなた方調べているんですから、しっかり調べてもらわなきゃ困る。そして、国がこの資本の約四〇%を出資してる会社なんでありますからして、国民の税金をそれだけ出してる会社ですから、考えたことがないじゃ困るんです。これから次々にいろんな材料が、きょうも出るしこの次も出ますが、そういうときにそういうことじゃ困るんです。きちんと大体このぐらいのリベートならいいと。私はリベートというのは一切いかぬと思うのだけど、少なくするというのはどのくらい少なくするかということを研究してもらいたいと思うのです。どうですか。
○説明員(東島駿治君) 今後の検査の過程でよくその辺を調査して、研究してみたいと思います。
○内藤功君 それから、運輸省に聞きますが、いまずっと聞いておられたと思うのですが、国際線ばかりじゃなくて、国内線についてもこういう形のリベート——特販制度というものが行われてるということをわれわれの調査でつかんでいますが、これ、運輸省はつかんでいますか。
○政府委員(高橋寿夫君) 国際線におきまするほど蔓延しているとは思いませんけれども、残念ながら国内線についても旅客獲得競争ということが盛んになってくるに従いまして一部あるようでございます。
○内藤功君 運輸省航空局に聞きますが、あなたはこの前の十月十二日の答弁でも答弁されましたけども、こういう九%にも上るようなリベートについて、これ、どう思いますか。好ましいことだと思うか、好ましくないと思うか、その理由はどういうところか。
○政府委員(高橋寿夫君) 結論は好ましくないと思います。ただ、なぜこういうことになってきたかという由来でございますけれども、もともと商慣習としてそういうことがあったかどうかということは別といたしまして、特に多額のものが出現するようになったのは、やはりいわゆるジャンボ化時代の到来とともに航空機の供給力が飛躍的に拡大をした、それで恐らく生産会社の設備競争のように、外国のエアラインも含めて、世界じゅうの一流エアラインがジャンボ化をしたということになりますと、一挙に供給力がふえます。そうしますと、そのあいている席を何とかして埋めないと大変だというところから国際的にその集客競争が始まったというところが、この激しい金額になってきた原因だろうと私思うのであります。これは国際的な競争に打ちかつということも一つの使命でもあるわけでありまして、そういったところからやっているという点もあるかもしれません。 もう一つは、やはり旅行業者との関係というものがあると思います。エアラインはみずから集客をする力が弱い、特に国際旅客につきましては非常に弱いので、旅行業者に頼らざるを得ない。また、旅行業者といわゆる持ちつ持たれつというふうな関係になっている場合もあったりして、なかなかそこの間がきれいさっぱりと手を切るわけにいかないというふうな関係、そういったもののところへ、先ほど申し上げましたジャンボ化時代到来ということで激しい競争になったんだろうと思います。しかしながら、このことは決していいことじゃございません。航空運賃設定の本来の趣旨にもとるばかりでなく、そういったことを続けてまいりますと、やはり最終的には企業の経営は危殆に瀕しますし、ほっておけば航空機の安全にも支障を与えるおそれなしとしないというところでございまして、私は、正当な販売促進費、PRとかそういったもの以外の特別販売促進費というふうないわゆるリベート、バックというふうなものはゼロにするべきであるというふうに考えております。
○内藤功君 それでは、航空局長の言われる正当な販売促進費としからざるもの、そこの区別を局長はどういうふうに見ていますか。
○政府委員(高橋寿夫君) 正当な販売促進費と申しますのは、いわゆる旅行に関する広告を出したり、あるいは旅行業者に相手国の国情の説明をしたりという、いわゆる一般のPR宣伝費の類に属するものは正当だと思うのでありますが、そういったものでなくて、旅行業者がお客さんを持ってきてくれるその率に応じまして割り戻すというふうな、出来高制みたいになっておりますそういったものは、これは一種の運賃の割り戻しみたいなことになりますので、割り戻すのならば本来お客さんに割り戻すべきものであるのが、旅行業者の手元に入ってしまうということはよくないことであると考えています。
○内藤功君 それでは、そういうものを航空局長は実際に日本航空をよく調べて、事情を聞いて、いまあなたの言った少なくとも正当なものと認められないものについて、まずこれをやめさせるという指導をなさいますか。
○政府委員(高橋寿夫君) しなければならないと思います。
○内藤功君 会計検査院に伺いますが、こういういま航空局長からも答弁があったわけです。まだ正当かどうかという非常にあいまいなところが少し残っておりますが、会計検査院としてはこれはやはり権限もおありなんですから、きちんとこの調査を一層強化して、いま局長が言ったように実際に利益を戻してやるとか、大手業者に一定の金額を戻してやるとか、いわゆるリベート的なものですね、これをやめさせるように指導する、指導したいと思う、こう言っているわけですから、あなたの方もそれに沿った会計検査院なりの活動をなさいますか。
○説明員(東島駿治君) いま御当局のそういう指導方針も伺いましたので、われわれもそういうことを踏まえまして厳重に今後検査していきたい、そのように思っております。
○内藤功君 大体の方向がそうだとすれば、私は、具体的に少し調べてもらいたいことがあるんで注文を出しておきたいと思うのです。 これはまず、さっきから特販、つまり特別販売促進費という名前で出ておるんですが、実際には税務上の処理として、帳簿上の処理としてこのリベートを出しますね、相手がそのリベートを収入として計上している、そういう場合は会計検査院、こっちは損金で落とすわけですね。ところが日本航空の中では、私の調査によると、相手が収入として帳簿上受け入れてない場合、私は帳簿の方は余り玄人じゃありませんから言葉遣いがよくないですが、帳簿上収入として受け入れてない場合に、日本航空はそれは一切帳簿上計上しなくていい、そういうリベートを支出に計上しなくていいということを実際に社内でやっているようです。私はきょうは、ようですと言っておきます。これはどうですか、会計検査院の力、判断というもので、そこまで調べなきゃいかぬと思うのですが、これは会計検査院と航空局長、両方に伺いたい。
○説明員(東島駿治君) 全然帳簿に載せないで処理されるということになりますと、われわれとしてもなかなか見つけにくいことでございますが、私どもが日本航空を検査した印象としては、日本航空の経理は非常にガラス張りであるという印象を持っております。私の個人的な意見でございますけれども、そういう帳簿に載せないでやっているということになりますと、今度は税務署としても、恐らくその金額が出たということははっきり何らかの形でわかりますので、それは日本航空として税金の対象になるんじゃないかというふうに考えます。今後、先生のそういうお話ございましたので、これの検査の際には、また一応注意をしてやっていきたいと思います。
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもの存じております範囲では、日本航空が旅行業者から運賃その他の収入を得ます。そのときに、そもそも収入金額の計算のときに、いわゆるリベート分を差し引きまして、差し引き残高だけを日本航空は収入に充てるという帳簿処理をしているようでございます。
○内藤功君 表向きだけの処理、表向きの帳面だけ見てガラス張りだということを、会計検査院、余りお職務柄上あっさり言わない方がいいです。よくこれは調べた方がいい。ガラス張りだなんということを軽率に言って、後で仕事が十分でなかったということになりますとあなた方が傷つきますから、お気をつけになった方がいいですね。私の調べでは、概算で言いますと、四十九年度で少なくともそういう扱いをしているものが五千万円あります。それは何億何百億というさっきの数字に比べればけたは少ないと思っちゃいけません。監督に金額の多寡はありません、昭和四十九年度であります。これをひとつ問題点として指摘しておきます、いまあるかないかと聞いたってすぐわからないでしょうから。つまり特販制度には、さっき局長が言ったように相手の方にちゃんと収入で入れて、こっちも支出損金で落とすというものばかりじゃなくて、ほかにあるということ。そういう制度を社内で——もちろん社外には言わないでしょう、言わないでしょうが、社内の扱いでやっている疑いがあるということ、これを私どもの調査で指摘をしておきたい、金額は小さいかもしれないが。いいですか。 もう一つ、今度はもっと大事なことです。いままで私の言っておったのは、いままであなた方が話しておったのは、いわゆるリベート、運賃を戻すというリベートの問題として議論しておった。今度は一歩進めてリベート外一件、というのは無賃乗車券の問題です。 会計検査院と航空局長にお伺いしますが、現在日本航空では無賃乗車券あるいは無賃パスでもいいです、これはどのように行われているか、どう把握しているか、あるいは全然ないのか。
○説明員(東島駿治君) 私どもの検査の際に調査しました結果は、代理店に対しましての褒賞優待というのと、社員の出張あるいは社員の勤続に応じた優待、それと巨体の添乗員に対する優待券、こういうものがあるというふうに把握しております。
○内藤功君 局長、何かありますか。
○政府委員(高橋寿夫君) ほぼ検査院の局長のお答えになったことと同じと把握しております。
○内藤功君 それは恐らく検査院が帳面の上で確認されたものだと思います。私がいま問題にしているのは、これも問題に——と思えばできます。しかし、帳簿に載っている無賃乗車についてきょうここでやる時間はないし、もっと重大なことなんだ。それは日本航空では、そういうものじゃなくて社外の人に、外部の人に約一年間で一億八千万円ぐらいに上る——これは私の調へは四十九年度です。四十九年度で一億八千万円に上る無賃航空券を、無償航空券ですね、無償航空券を部外者、社外の人に提供しておる。これは帳面上にいろんな隠された形で恐らく出されていると思う、一億八千万、この疑いがあります。いかがでしょう、いままでの会計検査院の調査で何かこういうことに気がつかれていたかどうか、この点だけ簡単に。
○説明員(東島駿治君) まことに残念でございますが、私ども気づいておりません。
○内藤功君 項目では建設仮勘定、それから交際費、会費、何の会費かわかりませんよ、会費、寄付金、こういう名目です。この建設仮勘定というのはいろんな問題の起きる項目のように私は聞いているんですが、日本航空の場合、建設仮勘定の中身はお調べになっていますか。
○説明員(東島駿治君) 調べております。
○内藤功君 できたら内訳を。
○説明員(東島駿治君) 私どもに提出されました決算書によりますと、五十年度末に三百六十七億六千万円余の建設仮勘定がございまして、このうち大きいものはDC10の六機の購入費の未払い分でございますが、これが約九十六億、その他二百七十億はほとんど大部分が成田空港に施設しました建設工事の未完成分の計上でございます。
○内藤功君 成田空港分というのをもう少し具体的に話してください。
○説明員(東島駿治君) 大きい順に申しますと、成田空港格納庫、これが約四十二億、それからカーゴーターミナルが約三十九億、空港ターミナルが約二十一億、その他女子客室乗務員寮購入が十四億、成田空港オペレーションセンターが十二億、成田ニュータウン女子寮十億、男子寮十億、その他社宅関係がずっとございます。それとDC10のシミュミレーター、これは物品でございますが、これの購入設置の工事でございます。これが五億五千四百万円、あとは小さな工事でございます。
○内藤功君 いまの私の言った科目を特によくもう一回調べてほしいと思うんです。そうして、この一億八千万円に上るものが何に使われているかという問題です。表向きのさっき航空局長や検査院が言ったような名目のつく無償乗車券であれば、ちゃんと帳簿に載っけて正々堂々とこれはやればいいものを、なぜこういうきわめて隠された形でやるのかという問題です。私はこの点の調査をきちんとしてもらいたいと思うんです。しかもこの制度、この部外の人にリベートと別個に国際線の航空券を無償で提供することを社内である特別の呼び方で呼んでいるんです。航空局長なんかお気づきの点ありますか。
○政府委員(高橋寿夫君) 特にございません。
○内藤功君 検査院、どうですか。ある呼び名で呼んでいるんです。
○説明員(東島駿治君) 私の部下からそういう話はまだ聞いたことございません。
○内藤功君 マーチンと呼んでいるんです。局長、検査院、マーチンということ聞いたことありますか。
○説明員(東島駿治君) ここに担当者がおりますが、聞いたことないということを申しております。
○内藤功君 ないですか、局長どうですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 聞いたことございません。
○内藤功君 大臣どうですか。
○国務大臣(田村元君) マーチンですか、ジンですか。
○内藤功君 マーチンです。マージンはよく知っているでしょう。
○国務大臣(田村元君) マーチン、残念ながら聞いたことありません。
○内藤功君 これは社内で早速調べてもらいたい、マーチンとは何か、すぐ調べてもらいたい。マーチンシステムかね、マーチン制度というか。ピーナッツ、ピーシーズの故事もございますからね。そうしてこのマーチンというのは、航空機の会社にはマーチンというのがありますよ。飛行機にもマーチンRB57というふうな偵察機もあります。マーチンという制度で呼んでいる。私はこの制度を調べていただくと必ずこのさっき言った一億何がしのリベートの問題、これにぶつかって、ここでやはり日本航空の経営姿勢をきちんと正さなきゃならぬ課題が出てくると思います。どうですか。検査院は会計検査院法三十四条の権限を行使する必要があるし、運輸省は日本航空株式会社法十六条、十七条などの権限を発動する力を持っているわけですから、いま私の言ったこの一億八千万に上る、一年度でこれだけに上る、しかもマーチンという名前を隠している制度の調査をしてもらいたいと思います。一言ずつ局長と検査院からこれに対してどういう決意で臨むか、姿勢を伺いたい。
○政府委員(高橋寿夫君) 早速調べたいと思います。
○説明員(東島駿治君) 経理上改善すべき事項としていま先生がおっしゃったようなことが存在いたしますと、私どもちゅうちょなく三十四条の改善意見の表示をいたしたいと思います。
○内藤功君 最後に運輸大臣、ずっと黙って聞いておられましたが、日本航空の問題ですね、海の方でもさっきの海運局長の答弁、私は一部若干に落ちない点もあるけれども、局長も、とにかくリベートがあっちゃならぬ。届け出制ですからね、わかりやすく言うと。われわれ運輸行政に素人ですが、われわれ考えて届け出制の海の運賃についてもああいう姿勢を持っている。空の運賃についてはなおさらである。局長も会計検査院もすぐにこれを調べるという姿勢を出された。これはどういうふうに、やっぱり大臣の姿勢が、同じ調べると答えるだろうけれども、まあ適当にやっていけという場合と、日本の国民の税金使っているんだし、値上げ問題で国民が大きな疑問を持っているんだし、労働者も賃金差別で問題にしているんだから、この際しっかりやれ、いいかげんなことしちゃいかぬぞという姿勢と、いろいろあると思うんです。大臣の人柄は私はわかるけれども、どうですか、これ。どういうふうにされるか。
○国務大臣(田村元君) 私は、国内線でございますけれども、航空運賃の値上げに、まだ申請してきてはいませんけれども、新聞等で読みますと、どうも相当な申請をしそうだ。それに対して非常に厳しい姿勢をとっておることは御承知のところだと思います。先ほどからいろいろと質疑応答を聞いておりまして、これはやっぱり徹底的に調べた方がよい、調べるべきだと思います。でありますから、私は航空局長に、勇気と正義感で調べなさいということを改めてこの席でも指示をいたしたいし、帰りましてよく相談をいたしたい、こう思います。
○内藤功君 最後に、私の時間はもうあと少しになりましたので、いま大臣お話しの国内航空運賃の値上げについて一言聞いておきたい。 それは、五十二年度の今度の予算を見ますと、空港整備特別会計の収入について、着陸料、航行援助施設利用料を五十二年の八月から二倍に引き上げることを予算化しております。航空会社の方は、この二つの料金が引き上げられれば値上げをしなくてはならない、こう言っているわけです。五十二年の八月から二倍に引き上げることを予算化している。そうすると、航空会社の方はことしの秋値上げということを目標にいろいろ手はずをし、田村運輸大臣の方に持ち込んでくる、大体私はそう予想しておるんです。それに対して、大臣としてはこういう値上げは認めないという、過日私は新聞で拝見したが、そういう姿勢でいくことになる、こういうお答えと承っていいか。 なお、いま予算措置に関連して何かあれば、政府委員の方からも答弁を賜りたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 私は、航空会社の決算状況を見なければ、それは正式には何も言えませんけれども、あの程度のものならば吸収できると実は見ておるのです。大変主観的な私の言葉になって恐縮でありますが、公式といいますか、表立った表現としては、決算の状況を見てと。しかし、実際にはそれぐらい吸収できるだろう。だから、もうけておる会社が運賃値上げの申請をする理由はありますまい、私、このように考えておるんです。でありますから、率直に言って航空運賃、これは国内線の問題でございますが、航空運賃の値上げについては私はきわめて消極的でございます。と同時に、国鉄運賃を上げるので、航空運賃も上げておかにゃぐあいが悪かろうという意見があるやに聞きますけれども、これはとんでもないことでありまして、それはそれ、これはこれ。特に航空会社が国鉄運賃に悪乗りをするなんということは断じて許すことのできないことだ、このように私は割り切っております。
○内藤功君 希望を最後に申し上げておきますから、答えはしてくれても、してくれなくてもいいです。 一つは、さっき私が言ったあのリベート問題、それからして無償搭乗券提供問題、大変問題であります。けしからぬことだと私は思うんです。徹底的に調べてもらいたい、あなたの言葉どおり。徹底的という言葉は結構です。調べてもらいたい。徹底的という言葉は大変私は評価します。そのとおりやってもらいたい。そうして、それが調べがあいまいでつかなきゃ、もう航空運賃どころじゃないという姿勢で臨んでもらいたい。これが一つ。 もう一つは、国鉄の話も出たから、ついでに乗った形で失礼ですけれども、この際、国鉄の新幹線なんか空気を運んでいるじゃありませんか。これは余談になりますけれども、きょうの質問の論外ですが、もうグリーン車なんか空気を運んでいると言われている。グリーン車の値下げをすべきですよ。グリーン車だけでなくて、普通車も新幹線の方は下げるべきだ。そして少し飛行機に行っているお客を国鉄も値下げして取りなさいよ。そのくらいやるべきなんだ。私、きょう国鉄のことを話す時間がないですから、きょう応援に来て余りこれ以上やるのは皆さん方に失礼だからやりませんけれども、国鉄も下げたらいい。新幹線、全部とは言わないから下げるんだよ。何でも上げれば客が集まると思っているけれども、上げて客が減っているじゃありませんか。 この二つを要望いたしまして、私の質問は終わります。
○国務大臣(田村元君) 先ほどのリベートや、何といいますか、ただの札といいますか、ただ切符といいますか、これは徹底的に調べさします。そうして、それに対して厳しく対処するつもりでございます。 それから、いまの新幹線は空気を運んでおるじゃないかというお話でありますが、確かにグリーン車なんか非常にすいております。また、グリーン車自体が航空運賃よりも高くなっておるということも事実でございます。私は、内藤さんは新聞等であるいは御存じかもしれませんが、グリーン車の大幅値下げ論者なんです。それは一つには、営業政策上グリーン車の値を下げた方がよいという理由。いま一つは、昔の白帯や青帯の一等車、二等車というああいう権力的な、特権階級的な観念というものは近代社会においてはもう抜かなきゃいけない。ですから、庶民がだれでも安直に乗れるグリーン車、そういうふうにすべきであるというのがもう私年来の持論であります。でありますから、新幹線だけでなしに、在来線の方もグリーン車は大幅に値下げしろというのが私の意見であります。 国鉄や鉄監局の方は何か非常にみみっちい案で、つい近距離ぐらいはどうだろうかということのようであります。これも私は直接聞いたわけではなくて、新聞等を読みますとそういうことでありますが、私の大幅値下げ論に対しては国鉄総裁以下、皆困惑の表情であろうかと思います。けれども、私はそれをやるべきだという意見でございます。でありますから、私があとどれだけ在任するか、これはまことにはかなきは大臣の地位ということでありますが、それはそれとして、私の在任中にこれはけじめをつけていきたい、こう考えております。 新幹線の乗車券まで値下げしろというお話でありますが、それはちょっと酷な話でございますので、それはそれ、これはこれということで考えていきたい、このように考えております。
○田渕哲也君 まず、領域十二海里並びに二百海里の漁業水域の設定に関連しまして、海上警備、管理体制などの問題についてお伺いをしたいと思います。 初めに、二百海里時代に突入しつつあるわけで、もう近いうちに領海法あるいは二百海里法が国会で成立するようでありますけれども、現在の海上保安庁の能力でこの二百海里時代における海上警備、管理体制などについて十分なことができるかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(薗村泰彦君) 先生ただいま御指摘のように、十二海里に領海が広がりますと、それから漁業水域が二百海里に広がりますと、確かに海上保安庁の仕事は増大するということで、私どももいろいろと考えている点がございます。 まず、現有の勢力でございますけれども、巡視船艇は全部で三百十隻ございまして、それが北は稚内、東は根室、西は対馬、それから南は石垣島まで百十六ほど保安官署がございます。主としてそういう基地に三百十隻をそれぞれ配備してございます。その中には当然二百海里まで参りますことのできる大型の巡視船もございますし、また現に、根室、対馬で外国の漁船の拿捕をいたしましたり、あるいは日本漁船の被拿捕を防止したりしている仕事で巡視艇がございますが、それぞれ必要に応じて配備をしてございます。航空機は三十四機でございますが、これは全国十二の基地に配備をしてある現状でございます。当面、十二海里時代の到来、それから二百海里時代の到来が非常に早いスピードでやってまいりました。私どもはこの現有勢力を使って重点的に、有効に領海の警備体制をしいていきたいということを考えております。 ただ、現状のそういった船艇、航空機で今後ずっと管理体制、領海警備体制を続けていけるかということについては、先生も御承知のとおり、領海警備に限らず、海難救助、法令の励行の関係、それからいろんな仕事を幅広くやっておりますが、重点的にそういった仕事をさしあたりの領海警備にやることによって、またほかの仕事に長期的に見て手抜きがあるというようなことが出てきたら、それぞれの仕事が大事なことでございますので申しわけないことでありますので、整備計画をつくりまして、五十二年度の予算ではヘリコプター搭載の巡視船を一隻、それから大型航空機を一機、それからさらにスピードの早い三十ノットの高速巡視艇を二隻、それから日本海に航空基地を新設してヘリコプターを一置くということを重点にしまして、かなり従来よりは増強をされたかっこうで予算に整備計画が実現をしておる現状でございます。 ただ、何分二百海里時代の到来が特にスピードが早まったことにかんがみまして、私どもは整備計画を現状において見直しをして、その整備の促進方を図っていきたいというのが現状でございます。
○田渕哲也君 これからの海上警備あるいは管理というものをあくまでこれは海上保安庁でやられる方針なのか、あるいは自衛隊の支援というものも必要と考えられるのか、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(薗村泰彦君) 海上保安庁の庁法第二条におきまして、法令の海上における励行、それから犯人の捜査逮捕、犯罪の予防鎮圧、海難救助、それから交通安全、海洋汚染防止、その他海上の安全に関する仕事というのは海上保安庁に与えられた任務でございます。したがいまして、今回の海上警備の問題も当然第一義的には海上保安庁の仕事である。これは庁法の示すところではっきりしております。 ただ、自衛隊との関係につきましては、自衛隊法の八十二条で、海上における人命、財産の保護、それから治安の維持につきまして、特別に必要があるときには、防衛庁長官は総理大臣の承認を得て行動をとることができる、こういう規定がございます。その場合も、当然海上保安庁が第一義的にやる海上警備の仕事について、自衛隊の方がその規定に基づいて、特別の必要のある場合に、支援行動をしてくれるということが現在の自衛隊法で明らかでございます。 それから、お互いに緊密な連絡を取り合うというのは、実は、平素の災害出動で自衛隊の支援を現状でも仰いでおる点がございますが、そういった点についても百一条で、相互に十分緊密な連絡をとるということになってございますので、そういった情報の堤供を受けるとかということについては、相互に十分今後とも緊密な連携をとっていきたいということを考えております。
○田渕哲也君 運輸大臣にお伺いをしますけれども、二十一日の臨時閣議で運輸大臣は、いわゆる海上保安体制の強化のために予算の追加補正を行う必要がある、こういう発言をされたと報道されております。この点について、やはり補正予算というものを要求されるのかどうかお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 率直に言って、二百海里時代がこんなに早く来るとは思わなかったわけです。これはだれしも思わなかったと思うのです。でありますから、その点で若干の戸惑いがないと言えばうそになる。 そこで、先ほど長官か拝しましたように、当面はいまの保安庁の現有勢力、加うるに、五十二年度で要求して実現いたしましたヘリコプター搭載船とかあるいは船艇、大型航空機等でやれますけれども、やはり長い将来を考えますと、いまのうちに強化をしておいた方がよいと思うのです。それも計画的にある程度増強しなければならないだろう。そこで先般の閣議で、私は補正ということについて若干の発言をいたしました。そのときに私がつけ加えて言いましたことは、いま補正をしておけば、五十四年度にはりっぱにお役に立ち得る、それは船をつくる時間がかかりますから。しかし、それでも五十四年度にはりっぱにお役に立ち得るということを申しました。そういう考えでおりますが、現実に財政当局とはいま保安庁が内内で交渉中でございます。
○田渕哲也君 二百海里時代に備えてどの程度の装備が必要になるか、これに対する何らかの構想とか、そういうものがありますか。それから、予算、費用の面について大体どのぐらいのものが必要になるのか、この点はいかがですか。
○政府委員(薗村泰彦君) 私、先ほど四つの点を申し上げましたが、一つは、ヘリコプター搭載の大型巡視船でございます。それから大型航空機でございます。それから中型のヘリコプター、それから三十ノットの高速巡視艇、この四つの項目について今後計画を促進していくという観点から私どもいろいろと考えていきたいと思います。ただ、年次別にどういう金額になってというところまで現状ではまだ詰まっておりませんので、お許しを願いたいと思いますが、そういう四つの点を中心として今後計画の促進方を図っていきたいと思っております。
○田渕哲也君 そうすると、五十二年度から発足をしました三カ年計画というものは、大幅にこれは見直しをする必要がある、そのように伺っていいわけですか。
○政府委員(薗村泰彦君) いずれにいたしましても、その整備、増強の促進方を図っていきたいと
○田渕哲也君 そのためのやっぱり補正予算というものも、体制を整備するためには必要になろうかと思うんですけれども、ただ問題は、国の財政事情からそう簡単にはいかない面もある。したがって、私は、海上保安庁だけで当面それだけの体制をつくるのにはかなり時間がかかると思います。こういう場合にやはり自衛隊の支援を求めるということは、現実の問題として必要になってくるのではないかと思いますが、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(田村元君) 自衛隊には現在の法律の許容する範囲内で御協力をいただく、これは当然のことだと思いますが、しかし、世界の例を見ましてもそうでございますけれども、海上警備あるいは海洋汚染防止というような海上保安業務につきましては、やはり本来海上保安庁が専門に担当をしていくことが一番好ましいのではないか。特に日本の場合におきましては、外国の場合と違って軍隊に対する観念が違います。そういうことも考えれば、海上保安庁が専門に担当していくことが好ましい、このように考えております。
○田渕哲也君 そうしますと、現在の自衛隊法の改正までは考えていない、支援を求めるとしても現在の自衛隊法の枠内で求めるのだ、そういうふうに理解していいですか。
○国務大臣(田村元君) 自衛隊法の改正ということについて運輸大臣である私に権限はありませんけれども、しかし、運輸大臣として物を申せばそれが好ましい、このように考えます。いまのままでいいのではないか。ただ、連絡だけは十二分にやり、協力を十分にしていけばそれでいいのではないか、このように考えます。
○田渕哲也君 現在の自衛隊法では八十二条というものがあって、「特別の必要がある場合には、」云々ということがあるわけです。この「特別の必要がある場合には、」という解釈はどうですか。
○政府委員(薗村泰彦君) 実は、先生も御承知のとおり、この規定がございますけれども、まだ発動したことはございません。ただ、私ども当然自衛隊法にこういう規定がございますので、「特別の必要がある場合」にお互いにどういう行動をとり合うかというのは、そのときに備えてのいわば協定みたいなものはちゃんと考えております。私ども、どういう場合かというのを特に当面の問題と関連してお答えするのはちょっとむずかしいのですけれども、私どもの勢力でどうしても足りないというようなときに、治安の維持に困難を来す、あるいは人命、財産の保護に支障があるというときにこの規定は働くものと思っております。いずれにいたしましても、ただいま大臣がお答え申し上げましたように、相互の連絡というのは十分とり合って、情報の提供などについては御協力を仰いでいきたいというふうに考えております。
○田渕哲也君 「特別の必要がある場合」というものの解釈で内閣法制局では一海賊が大挙出没する場合、不法行為を犯す船舶が多数出没する場合、たとえば他国の漁船が大量に二百海里内に来て不法な漁業をやる場合、こういう場合にはこれに該当するものですか。
○政府委員(薗村泰彦君) 最初に先生からお話ございました二つの点についても、まだ確定した解釈ということではなくて、いわば想定でこういう場合はどうだろうかということが言われているということを私どもも承知しておるわけです。漁船関係についてそういう「特別の必要」が今後どういうふうに起こるだろうかというのは、実は今後の出現する事態というものを私どもいろいろ頭の中では実は思い浮かべて考えてはおりますけれども、漁船関係で果たしてこういう「特別の場合」というのがどういう事態で起こってくるだろうかというのは、ちょっといま私は率直に申し上げましてまだわからないという感じでございます。
○田渕哲也君 九年前の五十八国会でこの点について論議されておるわけですが、当時の佐藤総理も、国際漁業紛争にはもう自衛隊は出動させることは問題があるというふうな答弁をされております。それから当時の増田防衛庁長官も、李ラインとかマッカーサーラインのような紛争のときにはわれわれは出ないというような答弁をされておるわけです。というと、今回の場合も、この二百海里の水域内での漁業紛争というようなことには原則として自衛隊は出ないのだ、当時の国会の論議をそのまま踏襲する、そういうことになるわけですけれども、大体そういう理解でいいわけですか。
○政府委員(薗村泰彦君) 李ラインの騒動が実は二十年代の終わりごろにございましたときに、いろいろな御論議もそのときにもあったようでございます。そのときの結論は、海上保安庁が朝鮮海峡でやれ、こういうことでかなり厳しい勤務に服したという点もございます。今後の事態といたしましても、当時の考え方と違いはないではないかと私は思っております。
○田渕哲也君 そうすると、再度確認をしますけれども、昭和三十五年に海上における警備行動または治安出動に関する協定というのができております。これもそのままでいい、それで自衛隊はあくまで後方支援、これもこのままでいいということですね。
○国務大臣(田村元君) 非常に大切な問題でございますから、私から御答弁をいたします。 そのとおりでございます。海上自衛隊はあくまでも海上保安庁の支援行動であるというふうに割り切って今後もいきたいと思います。 それから、私自身は単純に割り切っておるのでございますが、八十二条の場合におきましても、これは保安庁の手にどうにも負えなくなったような事態が生じたときというふうに私は割り切っておりますが、漁船が大砲を積んでくるというようなこともないでしょうから、そのような割り切りでいいのではないかというふうに考えております。
○田渕哲也君 それから、現在の三カ年計画の中には含まれていませんけれども、たとえば飛行艇の問題ですね、飛行艇の利用の問題、それから海洋監視衛星の問題、こういう点についてはどう考えられておりますか。
○政府委員(薗村泰彦君) 飛行艇の問題については、ちょっと消極的なことを申し上げるので恐縮なんでございますけれども、実は飛行艇はたしか五、六十億かかりまして、それからそれの整備要員もかなり要るのでございますが、現状ではちょっと手が出しかねるものであって、私どもむしろより有効的な、先ほど申し上げましたような四つの手段というものでやっていきたいと思います。 それから、人工衛星のお話ございました。私どももアメリカからの情報として、それを監視の手段として取り入れていきたいという情報は得ておりますけれども、どの程度実用化ができるものであるか、現状をよく勉強させてもらって、アメリカのコーストガードとはかなり平素の行き来がございますので、よくその辺は今後勉強させていただきたいと思っております。
○田渕哲也君 それからもう一点、これから外国船の洋上臨検ということをやるというようなケースもふえてくるわけですが、現在海上保安庁には特にロシア語等の外国語の要員が非常に少ないと聞いております。これの実態と、今後に備えての対策はどうなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(薗村泰彦君) 先生御指摘のように、ロシア語を修得した者の現状を申し上げますと、四十四年度からロシア語の研修を外部の委託、内部の研修ということで始めまして、五十二年の三月の末ではロシア語は十人が研修を終えて所要の保安部署、船艇に配備しているという現状でございます。 いずれにしましても、この対ソ連の関係というのが非常にシビアになってまいりますので、ことしは五名の研修を内部の研修と外部委託とで一年間勉強させるというつもりでございます。今後ともこの要員の研修については力を入れていかなければいかぬと思っております。
○田渕哲也君 それでは次に、国鉄関係について若干お伺いをしたいと思います。 本年一月の閣議了解で、五十四年度で収支均衡という目標を出されておりますが、これは実現可能かどうか、運輸大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(田村元君) いま私どもが考えております案が現実にうまく実行されれば、おおむね五十四年度の収支均衡は可能であると見ております。
○田渕哲也君 運輸大臣のそういう御答弁でありますけれども、私はいろいろ考えてみても、これはきわめて困難ではないかと思うわけです。なぜかといいますと、これの三本柱というのは財政補助、もう一つは運賃値上げ、もう一つが経営努力、このようになっているわけですけれども、財政補助の面は一応さておきまして、運賃値上げということですね。これは今国会に運賃法定主義の緩和ということを政府は提出されるわけですけれども、たとえ、いまの段階で運賃法定主義を緩和してある程度値上げが自由にできるようにしたところで、私は余りその効果は期待できないと思うんです。 なぜかというと、昔の時代は国鉄がかなり独占性を持っておる、それから国鉄の運賃が他の交通機関に比べて割り安である、こういう条件があったわけですけれども、現在ではこの条件が崩れてきておる。それで国鉄の運賃は他の交通手段に比べてもう割り高になりつつある。さらに、独占性はますます道路等の発達によって失われてきておる。したがって、運賃を値上げをすれば今度は逆に国鉄離れを促進する。こういうことが先ほどの論議のように、新幹線のグリーン車の値下げの問題というような論議になっておるわけであります。したがって私は、運賃値上げは国鉄の収支改善の決め手にはなり得ないと思うんですけれども、大臣はどう思われますか。
○国務大臣(田村元君) もちろん運賃値上げのみで国鉄の再建はあり得ません。これは私は全く同感でございます。ただ、今度の運賃の法定制を緩和していただくということは、適時適切の運賃の値上げができるということについての国鉄自体の当事者能力を強めていただくということに非常に大きな意義があるわけでございます。それに徹底した経営努力、関連事業収入、それに加うるに政府の手厚い補助、助成ということで、おおむね五十四年度ごろには収支が均衡するであろう、もちろん、だからといって昭和五十四年度に必ず一文たがわず収支を均衡させねばならぬという趣旨ではございません。おおむねという表現を使っておりますのはいわゆるおおむねでありまして、一つの目安として昭和五十四年度ということを目標にいたしておるわけでございますから、余り硬直的にこれを考える必要もないかもしれません。しかし、私がいま申し上げたような努力を払えば、おおむねそのころに収支は均衡するであろう、このように考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 先ほどの論議の中で、大臣は国鉄運賃との均衡上、航空運賃を引き上げるようなことは絶対しない、こういう御答弁を聞きまして、非常に心強く思っているわけですけれども、私はこれに似たような質問ですが、やはり国鉄料金も高くしなければやっていけなくなる。ところが航空機や自動車に比べて競争力は落ちてくる。そこで均衡をとるために直接運賃値上げ、航空運賃値上げとかそういうことじゃなくて、税金の負担を重くするという手段があるわけです。たとえば自動車にかける税金をもっと高くするとか、あるいはガソリン税というものをもっと上げるとか、あるいは航空機の施設使用料をもっと上げるとか、こういうことによって均衡をとるという政策はおとりにならないですか。
○国務大臣(田村元君) これは、結論から申せば、とりません。たとえば、揮発油税というようなものは運輸省自体が税率を上げるというべき筋のものじゃございません。これは建設省の道路の特定財源でございます。でございますから、それだけでも御心配のことはなくなると思うんですが、いずれにいたしましても、国鉄料金を高くつり上げるための操作としての諸事値上げということは断じていたさないつもりでございます。ただ、誤解を生じないようにお願いしておきたいことは、建設省がわれわれの方と全然、国鉄と関係なくそういうことを仮に考えることがあるとすれば、これは私の答弁と矛盾するものではありませんので、どうぞその点だけは御理解をいただきたいと思います。私の方はそれは考えておりません。
○田渕哲也君 大臣のお考えはよくわかりました。ただ、いま論議されておる中に、たとえばガソリン等の道路特定財源、こういうものを、道路投資というのは大体かなり完備されてきた、何か最近はガソリン税もどんどんふえて、特定財源はちょっと余裕ができたからこれを一般財源にして、やはり国鉄のこれからの補助もふやさなければならないから、その財源を生み出すために特定財源を一般財源にしろというような論議がされておるわけです。これについてはどうお考えですか。
○国務大臣(田村元君) 他省の所管する特定財源でございますから、私からそれを特にどうしろこうしろということの発言は心得なければなりません。しかし本音を吐けば、国鉄を保護できるような特定財源は欲しゅうございます。
○田渕哲也君 もしそれが行われると、私は、結果的には先ほど言ったようなことと同じことになると思うんですね。たとえば、自動車が道路財源としてのガソリン税とかそういうものを負担するというなら、利用者負担ということですからわかりますが、それを一般財源にして国鉄補助の財源をつくるということになれば、やはりほかの交通手段に何らかの負担をかけることによって国鉄の財政を救う。そうすると、先ほど言ったことと理屈として同じになるんじゃないかと思うのです。これは総合交通体系というものをどう考えるか、それから各交通手段間のイコールフッティングというものについてどう考えるか。それから各交通手段の間の競争というものについて、これはあくまで自由競争でやらせるか、政府が介入していくのか、こういう問題になろうかと思うんです。この点について基本的な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 私が先ほど特定財源のようなものを欲しゅうございますと言いましたのは、これは願望でございまして、まだそのようなアクションは一切スタートいたしておりません。端的に申しますならば、運輸大臣として国鉄の再建に頭を悩まします、そういうときに、いまの一般財源からの政府助成というものに加うるに、何か特定財源がもらえたらどんなにかありがたいがという、言うなれば私の真情を吐露したものでございます。 そういうことでございますので、その点はどうぞお聞き流しを願いとうございますが、いまつい最近まで非常に大きな経済変動がございました。でありますから、いまなお、その景気の浮揚も率直に言ってスピーディーではございません。でありますから、いま直ちに私どもが総合交通体系というものを、昭和四十六年七月の答申や十二月の閣議了解というようなものをたたき台にして、これを修正しなければならぬ面もたくさんありますが、具体的に前面に押し出していくということは時期としてややどうかと思いますけれども、いずれにいたしましても国民の税金をちょうだいするということになれば、いまおっしゃったような総合交通体系の問題の絡みやイコールフッティングという問題は、それは当然検討しなければならないことだ、このように思います。
○田渕哲也君 終わります。
○委員長(鈴木力君) 他に御発言もないようですから、運輸省及び日本国有鉄道の決算の審査についてはこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会 —————・—————