決算委員会 第1号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/01/28
会議録
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二月二十四日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が、また、昨二十七日、木島則夫君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君がそれぞれ委員に選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木力君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鈴木力君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和四十八年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、通商産業省とそれに関係する中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 質疑通告のない渡辺中小企業金融公庫総裁及び近藤中小企業信用保険公庫総裁は退席していただいて結構でございます。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大塚喬君 本日は、三点ほど通産大臣並びに関係者の皆さんに質問を行いたいと存じます。 初めに、石油関係の問題についてお尋ねをいたしますが、昨年十二月十七日に発表されたOPECの原油値上げ、これはサウジアラビアとアラブ首長国連邦が五%、その他の国、イラン、イラク、クウェート等の国が一〇%という二本立ての値上げが実行されたわけでありますが、この値上げの推移の見方について、大臣からひとつ今後の見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 大塚先生の御質問にお答えいたします。 御質問は、今後の見通しという問題でございますが、現下の世界の石油需給の動向は、世界景気の回復程度なりあるいは代替エネルギー開発の進捗等々によりまするが、当分の間は不安定な状況で推移するものと予想されます。 一方、また価格につきましては、去る十二月のOPEC総会でとられました措置によりまして、イラン、イラク、クウェート等の原油に対しまする需要が減少する一方、サウジアラビアヘの需要が増加するなどの動きが出てきておりまするが、現段階で原油の実勢価格がどの水準に落ちつくかということはまだ不明の状態ではないか。このような不安定な石油の情勢にかんがみまして、私といたしましては石油開発の推進、石油備蓄の強化等、今後の石油の安定供給の確保のために全力を尽くしてまいりたいと存じておる次第でございます。
○大塚喬君 まあ五%あるいは一〇%ということで見方が二通りこの石油価格の問題について考えられるわけでありますが、日本が一番多く輸入いたしておりますのはサウジアラビア、これが五%の値上げ、これに次ぐ輸入国でありますイランが一〇%、こういうことでございます。 一体これらの値上げの影響というのは、今後わが国内への影響はいつごろあらわれてくるものか、実質備蓄九十日、こういうような話も聞くわけでありますが、影響の出るのはいつごろどんな形で出てくるものやら、ひとつ見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問に対しましては、わが国内の需給関係の推移なりあるいは業界のいろいろな動向もございますので、エネルギー庁長官からお答えをさしていただきます。
○政府委員(橋本利一君) いろんな各社の状況によって異なってくるかと思いますが、三月ごろから大体新しい価格の原油を使わざるを得ない段階になるんじゃなかろうかと思います。ただ、御指摘のように、サウジアラビアとアブダビが五%、その他の国が一〇%。この五%アップの価格を維持するために、サウジの石油大臣は増産をしてでもその価格を維持するというふうに言っておりますので、その五%と一〇%が実勢価格にどのように反映してくるかということの判断は非常にむずかしい段階にございます。 それから、日本の石油精製各社によりましても、いわゆる五%国と一〇%国とどの程度に輸入を依存しておるかということによっても差も出てくるかと思いますが、ただいままでのところオファーベースで加重平均いたしますと、大体七ないし八%ぐらいじゃなかろうかと思います。したがいまして、確定的にどの程度の影響があるかということはむずかしいわけでございますが、まず千円から二千円程度の幅を持った原油価格の上昇というふうになるんではなかろうかと思います。
○大塚喬君 昨年石油開発公団法の改正がございましたね。これによって日本の石油販売会社の構造改善に対して投融資を行うことができる、こうなったわけでありますが、その後この構造改善はどのように進んでおりますか、お尋ねをいたします。
○政府委員(橋本利一君) 昨年の六月の改正によりまして、石油開発公団におきまして石油製品販売業にかかわる構造改善に必要な資金の出資及び貸し付けができることになったわけでございます。かようなことで、石油業界における構造改善に対する資金的な手当てはできたわけでございますが、率直に申し上げまして現在の段階では株式の持ち合い、あるいは精製、販売の受委託契約あるいは業務提携、こういった点で各社協調の動きは活発化いたしておりますが、いわゆる本格的な体制の改善と申し上げるような段階には至っておりません。関係各社におきましては、現在慎重にそのあり方について検討を進めておる、こういう段階でございます。
○大塚喬君 昨年のこの法案審議の際に、大変その審議の促進を図られて、日本の石油政策について種々の問題があるにもかかわらずたった一日で、しかも二、三時間の審議で法案を通してくれと、こういう通産省側の働きかけがあったことを聞いております。実質これの審議が大変短かったわけでありますが、それほど急いで法案の成立を図ったわけでありますので、いままでに当然この構造改善が進んでおらなければならないはずだ、こう受けとめておるわけでございますが、こういう点についてどういう努力をされておるのか、ひとつ率直にお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) わが国の石油産業界における構造改善の必要性はいささかも薄れておりません。御承知のように、日本の石油産業はいわゆるダウンストリームだけを担当いたしておりまして、アップストリームに比べまして本来的に収益性が低いということに加えまして、多数の各社が過当競争をやっておる。そのために石油の安定供給がおぼつかなくなるといったことの重要性あるいは緊要性からいたしまして昨年の六月、かような改正をお願いいたしたわけでございますが、一方、かような構造改善の問題は、基本的にはやはり民間企業がみずからの問題として判断し、みずから対応すべき問題ではなかろうかと思います。 政府といたしましては、そういった方向が構造改善の必要性に合致するものであるといったような点を勘案した上で側面からこれを支援する、こういう態勢をとるべきではなかろうかと思うわけでございますが、事の重要性にもかかわらず、問題のまた重要性もございまして、御指摘のような形でなかなか進展いたしておらないというのが現状ではございますが、先ほど申し上げましたように、再編成、体制整備の必要性というものはいささかも衰えておりませんので、われわれといたしましても、関係業界がそういった方向で一日も早く結論を出し、政府といたしましても側面からこれを助成し得るような日の早く来ることを期待いたしております。
○大塚喬君 次に、昭和四十二年、通産大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会が石油開発公団の設立を主な内容とした提言を行っておりますが、それは石油の低廉安定供給についての具体策、こういうことで四項目掲げてございます。質問の前の段階でこの四項目について確認をしておきたいと思いますので、ひとつ簡潔にこれの説明をお願いいたします。
○政府委員(橋本利一君) 当時、エネルギー政策の目標の中で、「原油の低廉安定供給の確保」という項目がございます。その一つは「海外原油開発の促進」。二番目が輸入ソースの多角化。三番目が「ソ連原油、その他の特殊原油の活用」。四番目が国産原油および天然ガスの開発促進」。
○大塚喬君 石油の低廉安定供給について具体策が、四項目提案がございますね。ちょっといまのお答えではっきりしないわけでありますが、この提案の中では、一九七〇年のバーレル当たりの価格、そして日本の原油供給の自主開発の目標、こういうようなものが述べられておるんではありませんか。どういう方針でいままでこのエネルギー資源の確保のためにやってこられたんですか。
○政府委員(橋本利一君) この「原油の低廉安定供給の確保」という中で、「昭和六十年度において、わが国総所要原油の三〇%を海外開発原油で供給することを目途とし、そのために必要な規模の開発を行うべきである。」と海外原油開発の促進について述べております。
○大塚喬君 価格については——。 昭和六十年度までに原油供給を三〇%開発をする、こういうことで述べられておりますが、その自主開発原油の比率は現状どのくらいですか。 それから、一九七〇年までのバーレル当たりの価格目標、これはどういうことでいままで努めてこられたわけでありますか。
○政府委員(橋本利一君) まず、自主開発原油の目標でございますが、五十年度実績で申し上げますと二千三百万キロリッターでございまして、その時点における総輸入量に対して約九%でございます。 それから、価格につきましては、特に触れておらなかったと思うわけでございますが、後刻調べた上でお話し申し上げたいと思います。
○大塚喬君 次に、問題の一番お尋ねしたいところですが、海外石油開発会社の問題で質問をいたします。 六十数社と言われておりますわが国の海外石油開発会社、これは大変非能率であるので整理集約すべきである、こういう意見が以前から聞かされておるところでございますが、現状どうしてこれらのことが進行しないで、依然としてこういう海外石油開発会社が雨後のタケノコのようにたくさん出ておりますのか。この点について通産省の見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように、たくさんある石油開発会社を整理総合したらどうだという御意見のあることも承知いたしております。ただ、これは私の私見でございますが、御承知のように、石油の油田としての開発成功率というのは世界的にも三%を下回る、非常にリスキーなものでございまして、日本の石油開発企業も孜々として努力はいたしておりますが、全体としてやはり成功率が必ずしも高くない。ただ、石油開発公団がタッチいたしております開発会社の成功率は六、七%になっておりまして、これは世界平均よりはかなり高い成功をおさめておるわけでございますが、いずれにいたしましても油田としての開発成功率というものは低い、そういったところから、必ずしも十分な成功を上げておらない。したがって、経理的に内容も十分でないものが多数整理集合いたしましても、むしろ力としては開発能力を十分に持ち得ないといううらみもあろうかと思います。そういったところから、整理総合すべし、あるいは集約すべしという御意見がある反面、現実にはなかなかそういった集約化が進まない大きな原因になっておるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
○大塚喬君 さきに通産省に、日本で海外石油開発を行っている事業会社、その内容等について資料の提出を求めたわけでありますが、四十社の一覧表が提出をされました。この資料を見ますと、「探鉱開発状況」という欄がありまして、その中で「探鉱中」という会社が四十社のうち二十七社。提出いただいた四十社のうちの二十七社が「探鉱中」ということになっておるわけであります。この中には、会社の設立年月日等を検討いたしますと、果たしてこれから探鉱をして希望の持てるようなそういう事業会社が、まあないとは申しませんが、大変年月のたっておる会社もあるわけであります。 最近の新聞の報道、これは同僚のわが参議院議員の方が社長をしておる会社でございますが、九州石油開発、これは相次ぐ失敗で資金を使い果たし、ついに会社整理へと動き出した、こうい報道が伝えられておるわけであります。ベンガル、アラカン石油開発、この会社なども東南アジアで事業を中止と、こういう報道もなされておるわけであります。このほかにも中東石油、マダガスカル石油開発、こういう会社も休眠状態にあるようであります。ところが通産省の資料では、こういう会社はいずれも「探鉱中」と。これから先これを続ければ、石油が莫大に噴き出してくるようなそういう印象がこの提出いただいた資料の中からは出るわけであります。ここを一つ考えてみますと、明らかに、通産行政の不徹底あるいは指導が足りない、こういうことを通産省が責任を回避してことさらに隠そうと、こういうような気配すら感じられるわけであります。もっとあからさまにして、事実は、現状はこうなんだと、こういうことを示すべきだろうと思うわけでありますが、この提出いただいた四十社の資料、現況見通しのあるものは一体何社ぐらいございますか、ひとつそこのところをはっきりお開かせいただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘の中の九石は公団の対象ではございませんが、さきにお届けいたしてございます資料に記載してございますように、現在探鉱を続けております。ベンガルとアラカンにつきましては磁気探鉱を検討中ということでございます。 それから、石油開発公団の投融資等の対象になっておる会社について申し上げますと、探鉱開発に成功いたしまして生産中ないし生産の準備に入っておるものが十社ございます。それから、油あるいはガスを発見いたしまして生産の可能性について検討中のもの、いわゆる油田として商業生産に入れるかどうかということで検討中のものが五社ございます。それから探鉱活動中のものが十七社、それから探鉱に失敗し終結を検討しておるものが七社、こういう現状になっております。
○大塚喬君 たくさん開発会社があるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、いただいた資料の中では四十社しか載っておりませんが、総数はもっと多い六十社を超える、そういうものではないでしょうか。 問題点でございますが、大変なこういう会社が石油開発公団から融資を受けて長年そのままで現状放置をされておる、こういうことの問題について私ども大変疑惑を抱いておるわけでございます。これらの内容というものは果たして適正な資産であるものやら、あるいはもう再考して、いまおっしゃっていただいたように見通しが乏しいというようなことになれば、それらの融資というものが不良資産ということになるのではないか、それが放置されておる。こういうことについて会計検査院でどなたかお見えになっておりますか。——この問題について会計検査院の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 いま先生御指摘のように、石油開発公団におきましては、五十一年度末までに約三千二百億程度の投融資をやるという予定になっておりまして、非常に多額な金額である。それと先ほどからも通産御当局から答弁ございましたように、石油の開発ということは大事なことであるということで、われわれとしましても公団の投融資につきましては非常に重大なる関心を持っておりまして、たまたま昨年外国旅行の旅費がつきましたので、私どもの職員二人を中東方面に出張させまして、いろいろ現地についても調査しているような状況でございます。 不良資産につきましては、原則論としてはなるだけ早く処理するということが望ましいのではないか、このように考えております。
○大塚喬君 いまお答えの中で、六十社ある会社のうちで公団から出資あるいは融資、あるいはそのいずれかを受けておる会社は総額で三千二百億円というようなお答えでございましたが、前に提出をいただいた資料によりますと、公団の貸借対照表、この資産の部を見ますと、投融資資産ということで五十年度までに全体で三千五百七十八億円、こうなっておりますが、ただいまのお答えといま資料に基づく数字ではどちらが正しいのでしょう。資産ということになっておるので、大変公団がお金持ちのような印象を受けるわけでありますが、ほとんど事業が失敗をしてしまって、この中身というのは実際はないのとは違いますか。
○説明員(東島駿治君) 私どもとしまして、昨日まで調べましたところでは、投融資の額としては三千二百三十三億という予定だというふうに調査上なっておりますけれども、これは海外関係の石油だけを取り上げてみたわけでございます。
○政府委員(橋本利一君) ただいまの、会計検査院の五十一年度末三千二百億という数字に対して私の方からコメントいたしますと、昨年度五十年度末で二千四百億の残高になっておりまして、五十一年度で八百五十億の投融資予算を組んでおりますので、これが予定どおりに投融資された場合に三千二百億円と、こういうお答えがあったのではなかろうかと思います。 それから、ただいま先生からそういった会社の内容については不良資産化しているんじゃないかというお尋ねでございますので、それに合わせてお答えさせていただきます。 一つは、先ほどお話し申し上げましたように、事実上休眠会社になっておるものが七社ほどございます。これは石油開発公団の投融資対象会社の中でございますが、現在探鉱活動に失敗いたしまして鉱区の返還を行った会社といたしまして、カタール石油、ジャペックス・カナダ、オセアニア石油、ジルド・オーストラリア、サバ海洋石油、コロンビア石油、アンデス石油の七社でございまして、このうちカタール石油とジャペックス・カナダは現在みずからは探鉱活動を行ってはおりませんが、他の石油探鉱会社に出資を行って株主になっておるという関係でございます。 それから、オセアニア石油とジルド・オーストラリアの両社は、新規探鉱活動を行う機会を待っておるという状況にございまして、サバ海洋石油、コロンビア石油の二社は今後生産する方向で検討中でございます。 先ほど御指摘のございましたアンデス石油につきましては、現在、かつて探鉱活動に使用いたしました資材、器材等の処分を行っておりまして、こういった処分を終えた後、今後どうするかを検討する予定だというふうに承知いたしております。 御指摘のように、かように石油開発公団の出資先が休眠状態に入りますと、公団の経理上は資産を保有しておることにはなるわけでございますが、事実上不良資産化しておる。こういうことでございますので、ただいま申し上げましたようなこれらの休眠会社につきましては、実情に応じて順次解散させていくことといたしたい、かように考えておるわけでございます。 なお、先生も御承知かと思いますが、探鉱につきましては、ボーリングに一本当たり十億から十五億円と資金もかなりかかるわけでございますので、探鉱にはやはりかなりの時間がかかるということでございます。 それからいま一つは、同一の鉱区内でございましても幾つかの油田の可能性がございますので、逐次探鉱を進めるのが普通でございます。最初に失敗しても次のチャンスを待つ。その結果、成功するというケースも間々ございますので、実際にお届けいたしました資料の中に探鉱中という注記の入っておるケースが多うございますが、ただいま私が申し上げたような段階にあるということで御理解賜りたいと思います。
○大塚喬君 会計検査院に重ねて伺います。 石油開発公団の不良資産、いまもお話ありましたように、不良資産ということにはっきりなるだろうと思います。これが三千二百億か三千五百億か、そこのところあるいはちょっと海外の分を含めての数字かどうかということで若干の数字の相違がございますが、ほとんど全部が全部事業をしておらない休眠会社、ここのものは会計経理上こういうものをこのまま放置しておいて妥当なものかどうか。私は、この問題をいつまででも放置してよろしいということにはならない、不良資産をほっておいてよろしいということにはならない、こう考えるわけでありますが、この点について会計検査院としてのはっきりしたお考えをお示しいただきたいと思います。
○説明員(東島駿治君) 最初に数字のことでちょっとおわび申し上げますが、昨日私どもの方で御説明しましたときには、石油備蓄関係の投資額も含めて三千五百億、石油備蓄関係でございます。これが約千百六十五億ございまして、これを含めて三千五百億というふうに御説明いたしましたが、海外投資関係は、先ほど御当局からもお話がございましたように二千四百億、それに年度末までに約八百億程度の投資をやるという予定というふうに聞いておりますので、それを合わせまして、私先ほど御答弁申し上げましたように約三千二百億というふうな数字になるわけでございます。 それから、休眠会社関係でございますが、先生御指摘のとおり、このような状態で不良資産を抱えておるということは非常に公団の経理としても思わしくないことでございますので、また、休眠のままでも経常経費については当然これがかかっていくわけでございまして、もし将来解散になった場合には、少なくともそういうものは回収できないというようなことになりますので、はっきり見通しのついたものから順次解散、その後の清算というようなことをやっていただいた方が望ましいんじゃないか、このように考えております。
○大塚喬君 石油関係の問題で幾つかあと質問が残っておりますが、進行を図りたいという本人のあれなものですから、石油関係の問題はその辺で打ち切りをさせていただいて、次に、フィリピン賠償に伴うYS11の問題についてお尋ねをいたします。 初めに、日本が主として東南アジア諸国に戦争によって与えた損害を償う、こういうことで戦後、賠償が約二十年間にわたって続けられてきたところであります。この賠償業務というものの概要について初めに、外務省お見えになっておりますか。——準賠償も含めてひとつこの概要をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菊地清明君) 東南アジア諸国に対します賠償の概要について御説明申し上げます。 わが国は、まず最初四カ国と賠償協定を締結いたしまして、その総額は十億一千二百十万ドル、邦貨換算いたしまして三千五百六十五億五千万円の賠償義務を履行いたしました。国別にごく簡単に申し上げますと、まず、ビルマにつきましては昭和三十年から十年間二億ドル、七百二十億円。これは昭和四十年四月十五日で支払いを完了いたしました。ベトナム、昭和三十五年から五年間、三千九百万ドル、邦貨換算百四十億四千万円、これは昭和四十年の一月十一日に完了いたしました。インドネシア、昭和三十三年から十二年間、賠償供与総額二億二千万ドル、邦貨換算八百三億八百八十万円、昭和四十五年四月十四日完了いたしました。フィリピンにつきましては昭和三十一年から二十年間、賠償供与総額五億五千万ドル、邦貨換算一千九百二億三百二十七万円、これは五十一年、去年の七月二十二日に完了いたしております。 それから、準賠償についてもお触れになられましたけれども、準賠償に基づくものはラオス、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポール、韓国、ミクロネシアでございます。これらの諸国に対します準賠償は全部支払いを完了いたしております。ただ一つ準賠償で支払いが残っているものはビルマでございますが、これも本年の四月十五日でもって支払いを完了いたします。 以上でございます。
○大塚喬君 その準賠償のトータル、それから全部合わせますとどのくらいになりますか、金額で。邦貨でひとつお聞かせください。
○政府委員(菊地清明君) ちょっといま合計いたしておりませんが、トータルだけ申し上げますと五千二百五十八億九千万円でございます。
○大塚喬君 準賠償の総額がちょっとわからないんですが……。
○政府委員(菊地清明君) 簡単でございますので、国別にちょっと申し上げます。 ラオス十億円。カンボジア十五億円。それからタイ、これは特別円と申しますけれども、九十六億円。マレーシア二十九億四千万円。シンガポール二十九億四千万円。韓国、韓国は三億ドル、千二十億九千万円。ミクロネシア十八億円。ビルマ、ビルマはいわゆる追加賠償とわれわれ言っておりますが、これは一億四千万ドルで、円貨では四百七十三億三千五百万円。 以上でございまして、先ほど申し上げましたように、ビルマに関してだけまだ九億六千八百万円の支払い残がございます。これも四月十五日で完了いたします。
○大塚喬君 ビルマを除いて日本の賠償業務というものが一応昨年のフィリピン賠償を最後にして終了したようにお聞きをいたしたわけであります。こういう国家的な大きな事業が終了した、こういう段階でここで外務省にお尋ねをいたしますが、フィリピン、インドネシア、ビルマ、南ベトナム、その他各国に対する賠償はどの程度その国のために貢献をしたと評価をされておりますのか、外務省からひとつ忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菊地清明君) わが国といたしましては、賠償協定の義務履行上の立場から、先ほど申し上げましたいわゆる賠償そのものは東南アジアの四カ国に対して行ったわけでございますけれども、これは、第一義的には第二次大戦中の不幸な出来事に対する償いということでございますが、それが同時に、賠償支払いの相手国とわが国との平和友好関係の増進に大いに大きな役割りを果たしたというふうに考えております。 それとさらに、第三番目といたしましては、これらの賠償の受け取り国は、戦後復興の途上ないしは独立直後の状況にありまして、資金不足に非常に悩んでおったわけでございますけれども、わが国の賠償支払いによりまして多くの経済開発プロジェクトというものを実施いたしましたし、それから、相手国が緊急に必要としました資本財及び生産財というものをわが国から調達したということでございまして、これらの諸国の経済社会開発に多大なる貢献をしたということでございます。 それから、もう一つつけ加えますれば、戦後復興期にありました日本経済というものの日本人の役務及び生産物というものがこの賠償という形で東南アジアに支払われ、これが日本との友好関係の増進に果たしたというふうに感じております。
○大塚喬君 まあ、大変ごりっぱな評価をなさっておるようにお聞きいたしましたが、果たしてそうなのかどうか、私は幾つかの疑問がございます。 フィリピン賠償のうちで、YS11を賠償品目に指定し引き渡したという事例がございますね。これは日本商社トーメンの子会社である東信交易が昭和四十六年十二月六日にフィリピン賠償使節団と契約をし、四十七年の秋にフィリピン航空局に引き渡した、こういうことでございますが、このことは外務省ではっきり御確認を願えますか。
○政府委員(菊地清明君) この契約の内容につきまして認証よりわかります事実を申し上げます。 契約当事者は、おっしゃられたように在京のフィリピン賠償使節団と東信交易株式会社、それから契約金額その他を申し上げますが、十四億二千三百六十六万六千八百円、契約内容としてはYS11一機その他でございます。
○大塚喬君 続いて通産省にお伺いいたします。 このフィリピン賠償により引き渡されたYS11、これは日航製——日本航空機製造株式会社が製作しました一七九号機でございますね。このフィリピンヘの引き渡し年月日、標準価格と売り渡し価格、それに標準装備以外の装備内容、その他に初度部品があればその初度部品の内容と価格、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(熊谷善二君) ただいま先生御指摘のとおり、日本航空機製造の製造にかかります一七九号機でございますが、相手方に対します引き渡しは四十七年十二月五日でございます。 この飛行機につきましての標準価格を申し上げますと、五億五千万円でございます。ただ、この飛行機につきまして特別の仕様ということで増加いたしておる部分がございます。これは日本航空機製造が支給いたします部品、たとえば特殊なシートあるいはインバーター等々の支給品がございます。また、日本航空機製造が支給いたします材料、それから外注先の支給部品材料、機体の保管あるいは整備の関係の費用、また、設計とかあるいは試験マニュアルあるいは治工具、こういったものが特別の仕様増加分といたしまして二億一千二百万がございます。また、特別仕様に伴いましてたとえば客席を減らすとか、そういった減額分もございまして、これが七百八十八万円というのがございます。差し引きいたしまして、そういう調整をいたしました上で合計七億七千二百五十万というのがこの機体の価格の内容でございます。 以上でございます。
○大塚喬君 いま日航製からトーメンヘの——トーメンというか、子会社の東信交易、ここに出された価格について内訳がございましたが、この賠償のYS11、これは幾らで東信交易がフィリピン政府航空局に売り渡したというか、納付をいたしたのですか。
○政府委員(熊谷善二君) 私、先ほどの御説明漏れが一つございましたので、追加さしていただきたいと思いますが、七億七千二百万円のほかにいわゆるYS11の部品が別途四千九百万円ございまして、合計は八億二千百万ということになっております。 日本航空機製造が東信交易と結びましたトータルの金額は、いま申し上げました八億二千百万でございますが、私どもが調査いたしました結果によりますと、先ほど外務省から御報告ございましたように、総額は約十四億二千三百万の航空機並びに部品アクセサリーということになっているわけでございますが、日本航空機製造が東信交易に売り渡しました機体並びに付属品のほかに、東信交易自身が他のメーカーから部品その他の機材の購入を合わせましてこの契約の内容となっているものと思うのでございますが、東信交易の親会社でございますトーメンからの報告によりますと、現段階におきまして、この東信交易自身の担当者の海外転勤あるいは事務所の移転といったことから書類が処分をされていたりいたしまして、現段階におきましては明細なる内訳がなお確認されていない、時間を要するという説明がございまして、フィリピン政府の方に売り渡しました価格は、冒頭申しましたように十四億二千三百万ではございますが、その内訳の細目につきましては、まだ現段階においては確認されておりません。 以上でございます。
○大塚喬君 確認いたしますが、東信交易がフィリピン政府に賠償金として納めたYS11一七九号機は十四億二千三百六十六万六千円と、こういう金額でございますね。そして東信交易が日航製に支払った代金はただいまのお答えでは八億二千百万円と、こういう数字でございますね。一つお聞きをして大変困ったことだなと思うわけですが、いまのお答えだというと、東信交易が他の会社から購入した部品もある、こういうことで説明を受けたわけですが、その他の会社から購入をした部品は何で、その金額はどのくらいになりますか。
○政府委員(熊谷善二君) 先ほども申し上げましたように、私どもが聴取いたしましたところでは、東信交易自身のその後の資料の散逸等もございまして、現在なお確認できないという報告でございますので、私ども自身としましても、その点は現段階では確認することはできない状況でございます。
○大塚喬君 ずいぶんのんびりしたお答えが返ってきて私もびっくりしているわけですが、この問題が一応社会的に表面化し取り上げられてから約一カ月であります。大変悠長なお答えでございますが、もう少し意見を述べさせていただきますと、このYS11一七九号機、これはYS11の標準価格が二通りあって、一つは五億八千万円、もう一つは一機五億五千万円。私どもが調査をいたしたところによりますと、フィリピン賠償に使われた一七九号機は安い方の五億五千万円、この方であります。ただいま報告を受けましたが、この五億五千万円の飛行機がいまの八億二千百万円という価格になったその内訳は、いまの説明によりますと、フライトチェック用機器とVIP用ラウンジ——これは重要人物の居室、大統領かどなたかわかりませんが、そういう居室に改造する。そしてそれをつくるための前の座席の取り除きの費用、こういうようなお話がございました。 確かに、いま申し上げたような標準装備以外の特別のものがこの一七九号機にはついておるようでありますが、その費用は二億二千三百万円ですね。初度部品が四千九百万円ですか。もし若干の数字の狂いがありましたらひとつ改めて説明をいただくことにして、総額で八億二千百万円。私が通産省からいただいた資料によりますと、一七九号機、東信交易がフィリピンに賠償用として使った飛行機の引き渡しの期日が四十七年十一月三十日、売り渡し価格が七億七千三百万円。この飛行機の標準価格が五億五千万円。この需要者の要求による特別仕様装備、こういうことで先ほど申し上げたようにフライトチェック用機器と特別のラウンジを装備した、こういうことでこの五億五千万円プラス二億三千万円という費用がかかっておるのだと、こういう資料をちょうだいいたしたわけであります。 私がお尋ねしたいことは、八億二千百万円、この数字について、いまのようなお答えでこの国会の決算委員会の審議でお済みになれると、果たしてこういうようにお考えになっておるのかどうか、ひとつ性根を据えてここのところははっきりお聞かせをいただきたいと思うのです。関係者がどうこうとか何とかというようなことでここでお済ましになる、そういうお考えはひとつ起こさないでいただきたい。これらの内容について知り得ておられることは、ひとつ率直にお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(熊谷善二君) 若干繰り返しになりますが、また若干補足さして申し上げたいと思います。 先ほどの一七九号機の標準価格は五億五千万円。それから、それに対します特別仕様の増加分価格というのが二億一千二百万円でございます。また、特別仕様の減額分の価格が七百八十八万でございます。若干端数ございますが省略をいたします。合計いたしまして七億七千二百五十万。これが機体本体に関する部分でございます。なお、このほかにYS11の部品といたしまして四千九百万がございます。合計東信交易に売りました価格が八億二千百万円でございます。 なお、当省といたしましては、当省内におきます当時の認証に関する資料が、文書の取扱保存規則に従いまして、すでに相当の時間がたっておりますので、文書は廃棄処分になっておりますので、当省といたしましては、確認ができないわけでございます。外務省に御照会申し上げているところの資料によりますと、当時の認証の中身といたしましては、機体関係が六億九千八百四十万円、それからフライトチェック用の機器といたしまして五億四千七百二十万円、それからスペアパーツといたしまして一億七千八百七万円、合計十四億二千三百六十七万円ということになっておる由でございまして、当方といたしましては、日本航空機製造が東信交易に提供しました価格につきましては、日本航空機製造を所管いたしております当省といたしまして、会社側から報告を受けたところは先ほど申し上げたとおりでございます。 東信交易自身につきましては、これらの日本航空機製造から提供を受けました機体並びに部品関係、それに東信交易自身が他のメーカーから機器あるいはパーツを購入するというようなものを含めまして、この十四億というものが構成されているんだろうと思うのでございますが、先ほど申しましたように、東信交易自身の資料の整備並びに担当者がすでに海外へ行ったり等々の話もございまして、現段階では、東信交易の方からの報告が大変おくれておる点につきましては遺憾だと思っているんでございます。東信交易からの報告では、現段階ではそのようになっておるわけでございまして、引き続きこの実態につきまして東信交易に対して調査を指示いたしておるわけでございます。早急に調査内容を確認をいたしたいというふうに思っております。
○大塚喬君 どうもがまんができませんが、通産省がこの調査を始めた時期はいつですか。もしこれらの新聞報道がなかったならば、通産省はこのことについて調査を始めなかったと、こう理解してよろしいですか。 それから、こういう問題について、特殊法人である日航製を監督しておるというか、その所管に入る会社、この会社の業務内容、こういうことについて監査なり審査なり、こういうことは全然いままでしておらなかった、そういうことは初耳だと、こうおっしゃるお考えですか。もしそういう新聞報道がなければ、一切これはやみのままに葬られて、だれも通産省という官庁、外務省という官庁、そういう官庁も全然これは知らないでおしまいになったと、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○説明員(杉山和男君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、賠償は、フィリピンに限りましても一年間に大体百件以上従来ございまして、先ほど先生御指摘のように、二十年にわたってやられてきたわけでございます。 私ども通産省の立場といたしましては、外務省がお取りまとめになりました年度の実施計画に従って、各契約の認証がフィリピン賠償使節団から外務省に対して要求されるわけでございますが、その場合、個々の契約の内容についての協議を受けておる立場でございます。協議の趣旨は二つあろうかと思いますが、一つは、賠償協定に書かれております認証基準に合致しているかどうか。これは最もその主なことを申しますと、当時の日本国の外貨事情等から考えまして、これが外から調達される、つまり外貨を要する物資、外国から買ってフィリピンに納入するものであるかないか、当然日本国の産品であるか、日本人の役務であるか、そういう点を審査するわけでございます。 それからもう一つは、外国貿易及び外国為替管理法、これで現物が出ますときに輸出承認を当省で行っております。契約の認証の段階に当たりまして、この法律に基づきます輸出承認を後でできないということになりますと大変困りますので、それとの連動を図るということで、後で輸出承認できるなという意味での協議を受けておるわけでございます。 この場合におきましても、輸出承認に当たりましてチェックプライス制をしいておるというふうな場合、つまり日本からのダンピング価格があらわれないというようなために行われておりますチェックプライス制、そういうもので指定されております物資は別にいたしまして、一般的には価格チェックは行わないというふうなたてまえになっております。したがって、フィリピン賠償の個々の契約の認証についての外務省からの協議に当たりましては、私どもとしては、一般論といたしましては、価格チェックはいたしておらなかったと考えられるわけでございます。 いまの御指摘の御質問に対しましては、そういう前提でございますので、私ども新聞報道によりまして初めて知ったわけでございまして、先ほど機械情報産業局長からお答え申し上げましたように、直ちに調査にかかったということでございます。 ただ、調査と申しましても、文書規程上、文書が全部破棄されておりまして、かなり日時を経ておりますために、繰り返しになりますが、外務省から当時どういう協議がなされていたかということを外務省にお伺いすると同時に、日本航空機製造、それから東信交易それぞれに対して当時の状況の報告をするように、特に東信交易につきましては、日航製から購入いたしました価格、その差額は一体何であるか、よそから部品を買ったというのだったらばその部品は一体どこから何を買ったのか、一般管理費がかかっているというのであれば、それはどのくらいかかったのかということを至急報告するように指示をいたしたわけでありますが、残念ながら、今日までの段階ではその回答に接していないというのが現状でございます。
○大塚喬君 いまのお答えは、フィリピン賠償だけでも百点余にわたるそういう多岐のもので、個個については内容についてチェックはしてない、形式的なその他のものだけで済ましたと、こういうことでございますね。 この賠償について、戦争中日本が各国に侵略をし、多大の迷惑をかけたということで戦後、賠償を支払うということは私も当然なことであろうと思います。しかもその事業は、国家的になさなければならない事業であることも私率直に考えております。しかし、この賠償支払いをめぐって国際疑獄、こういうもののにおいが、そのうわさがいままで絶えず立ってきたところであります。そういう事実は、これは見逃すことができない。ところが、いまの通産省のお答えでは、外務省あるいは通産省ということで、責任の所在がはっきりしない。そういうように聞くわけでありますが、それだからといってこの問題をこのまま見過ごすことはできません。賠償という国家事業、国家の資金が流れる、そういう中で財界なり政界なりこういうものが賠償利権をむさぼる、私はそういうにおいをこの問題に関して強くかぎ取るわけでございますが、それらについてもう少し突っ込んでお尋ねをいたします。 これは通産省から出していただいた資料。これはYS11航空機の一、二号機が試作機であったということで、三号機から一八二号機までの売り渡し先、国名、引き渡し年月日、売り渡し価格、それから標準価格と、それらに対する差額、それから備考ということで書いてございますが、フィリピン航空局に賠償品目として納付をいたしました一七九号機以前に日本のYS11がフィリピンに売られたものを抽出いたしてみました。一二号機、これがフィリピナスオリエントというフィリピンの民間航空会社に四十年十月十九日、売り渡し価格が四億八千百万円。同じく一五号機がフィリピナスオリエントという同じ航空会社に四十年十一月十六日、これが同じく四億八千百万円。二七号機、これが同じくフィリピナスオリエント、四十一年の十月二十七日、五億一千百万円。それから三九号機、同じくフィリピナスオリエント、四十二年の七月一日、五億二千五百万円。こういうことで、四機、フィリピンの政府ではなくて、民間の航空会社に同じこのYS11航空機が若干の値上がりはございましたが、四億ないし五億ということで売り渡しをされておるようでございます。 問題の一七九号機でございますが、日航製が東信交易に引き渡した年月日は四十七年の十一月三十日、売り渡し価格が七億七千三百万円。備考としてその値上がりをした分はフライトチェック用機器、それからVIP用のラウンジを装備、まあ重要人物が乗るために室内の装備をした、こういうことでその差額が二億二千三百万円と、こういうことになっておるわけでございます。 そこにもう一つ問題が残るわけでありますが、いわゆる初度部品、この額がそこに加わっておるようであります。これらに関して、いまのお答えで私がどうしても納得できませんことは、新聞に出なければこれが全然やみに葬られておった、こういうこと。そして、新聞に出てあわててその事情調査を始めた。一体、官庁という機構は、問題にならなければ、騒ぎにならなければこういう問題に手をつけない。しかも通産省、外務省、こういうところで、この賠償事業の事務遂行に当たって穴があるような、そういう感じがするわけでございます。 この六億余の金額について新聞報道によってちょっと発言をさせていただきますが、トーメンの機械担当の中村専務、これは、その一割程度の販売利益約一千四百万円、これは商社として当然の商行為だと、こういうことを述べておりますが、その点について見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(熊谷善二君) 先ほど経済協力部長からお話しいたしましたように、賠償契約につきましては、本件たとえばフィリピンの場合にはフィリピン側で賠償法を設けまして、日本に賠償使節団が常駐をいたしまして市況、価格その他を調査をした上賠償契約が取り進められるわけでございまして、なお本国との承認を得てその上で日本政府の方に認証の申請が参ってくるのが実態になっております。わが方といたしましては賠償の性格という点を考えまして、相手国の考え方というものを尊重し、その自主的な手続というものを尊重するたてまえでまいっておりまして、先ほど御指摘のように、形式的な審査であるというふうにお受け取りになったようでございますけれども、契約の当事者はフィリピン国の賠償使節団代表でございます。同時に、日本側の相手方企業との間の契約によりまして実行される、契約の実行の責任は両当事者にあるということになっておりまして、当方の方で認証を受けました際にチェックいたします点は、そういう意味で個々の内容、価格内容等につきましては一々日本政府として価格はチェックする仕組みにはなっていないわけでございまして、そういう意味で価格チェックはいたしてないと申し上げたわけでございます。 いま御指摘のように、一体この契約にどの程度の利益が入っておるのかという点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、現在私ども会社側からの細かいデータはまだ提出されておりません。督促はいたしておりますが、されておりませんので確認のしようございませんが、一概に一割等々というある基準があって行われるかどうかにつきましては、私ども何ともここの段階で申し上げることはできないと思います。これは賠償の契約の当事者であるフィリピン側政府と企業側との間で契約の際におのずから決まってくる。どの程度の利益をそれによって受けるかということにつきましては両当事者間の問題でございまして、日本政府といたしまして、一般的に一割あるいは二割というようなことが適正な利益であるということにつきまして、ここで明確なお答えをすることは差し控えたいというふうに考えております。
○大塚喬君 いまお答えいただいたことで、そういうことではやっぱりがまんができません。最後にまた申し上げることにして、その多額のマージンというか不当な利益というか、仮にその差額が六億ということになれば、実は七五%というマージンが乗っかっているわけですね。そのうちトーメンの中村専務という方の説明によれば一割程度のマージンだと、こういうことを説明されて、それでもあと六億という問題について差額が残る。それでその中にフライトチェック用レーダー装置が一億円強、それからそれにもう一つアフターサービスの経費、こういうことが述べられておるわけでございます。このフライトチェック用に一億円強かかったということで、先ほど実は私が申し上げました数字、この通産省からいただいた資料の中には、フライトチェック用の装備をしたから二億二千三百万円かかったんだと、こういうことがおたくの方から出された資料の中には載っておるんです。ですから、この問題は新聞や何かで報道されたところでまことに恐縮なんですが、フライトチェックのために一億円強かかったと、こういうのは事実でないということをお認めいただけますか。
○政府委員(熊谷善二君) 先生にお届けをいたしました資料の一七九号機に関します分を申し上げますが、先生御指摘の数字のとおりでございまして、標準価格との差額は二億二千三百万ということでございますが、これは特別仕様の関係でふえたものである、こういうことでございます。いま具体的に先生がおっしゃったレーダーであるとかあるいはアフターサービス等々の費用が幾らであるかという点につきましては、まだ報告が参っておりません。確認をいたしておりません。 重ねて申し上げますが、私どもの方で認証の際に提出されました内訳でございますが、先ほども申し上げましたように三つの種類に分かれておりまして、機体関係が六億九千八百四十万、それからフライトチェック用の機器といたしまして五億四千七百二十万、それからスペアパーツが一億七千八百七万円と、これで合計十四億二千三百六十七万円ということになるわけでございまして、この資料が認証の際に日本政府に出されまして、当省におきましてもこの資料によってチェックをいたしたと思われます。 この機体の六億九千八百四十万とフライトチェック用の機器五億四千七百二十万、この内訳が具体的にどういうものになっておるのか、この辺がわかりませんと、先ほど日本航空機製造が東信交易に引き渡しました機体並びに部品関係、こういうものとの整合ができないわけでございまして、この辺の事情につきまして会社側にその差額はどうなっているかということをいま調査を急がせておるわけでございまして、その辺が現在まだわかっておりませんので、詳細は申し上げられないというのが現段階でございます。引き続き調査をいたします。
○大塚喬君 報道関係にはそういうことをしゃべっているんですね。 もう一つお尋ねいたしますが、その六億というものの内訳はアフターサービスの経費だと、こういうことも言っておるんですが、航空機の取引関係、こういうことでそのアフターサービスの経費というものは、現在までの慣習で製造会社である日航製が当然そういうことを行っておるものではないですか。この六億の中に含まれる、こう言っておるわけですが、そのことについて妥当だとお考えになりますか。
○政府委員(熊谷善二君) 本件一七九号機に対しますアフターサービスでございますが、日本航空機製造がYS11のメーカーといたしましてアフターサービスを行っておりますのは、一つは機械の整備につきまして指導援助を与えるための技術者を派遣をいたします。これは約六カ月間でございますが、これが一つ。それから巡回サービスをする。これは毎年やることになっております。それから三番目に、いろいろ技術上の質問に対しまして回答するとか、あるいはマニュアルを配るとかこういうものがございます。これは大体無償で日本航空機製造がユーザー側に対するアフターサービスとして行っておるのでございます。これ以外にいわゆる東信交易あるいは実質トーメンでございますが、どのようなアフターサービスを先方に対してやる約束をしていたのかどうか、その辺の細目が現在まだ報告がなされていないということでございまして、金額的にどのようなものになるのかは、現段階ではなお確認をされていないというのが現状でございます。
○大塚喬君 もう一つどうしてもがまんならないことがございますが、先ほどのトーメンの関係者の話によりますと、航空機を賠償品目に入れてもらうために種々の働きかけを現地で行ったと。いいですか。そのための経費があり、それを上乗せしたということがあります。働きかけの経費、これはそう言えば問題はないわけでありますが、実質は、賄賂ではないですか。YS11を賠償品目に入れてもらうために現地で働きかけの経費がかかったと、こう言っておるわけでありますが、これは賄賂ではありませんか。特に関係者の話をもう少しさしていただきますと、賠償の枠の中で飛行機を指定してもらうために数年間にわたって関係者に働きかけるから、結論として賠償品は高くなる、こういうことを言っておるのであります。昭和四十三年から現地で働きかけをしてたくさんの経費がかかったと、こういうことを言っておるわけであります。 外務省にお尋ねをいたしますが、賠償品というのは、他の一般の取引の品よりも高くていいのですか。 それから、こういうことがあって、新聞報道や何かがなされてもう一カ月もたっておる。それなのにいまだに通産省は、関係者の方の話が、説明が受けられない、調査がつけられない、こういうことで余りにもあなた方の仕事というのが緩慢であり、怠慢ではないですか。そこらのところをひとつ、この場の言い逃れという、この場だけを済ませればいいというそういう安易なお考えでなくて、どうするのか、ひとつこの問題についてはっきりした答弁をいただきたいと思います。 初め外務省からお答えをいただきます。
○政府委員(菊地清明君) 賠償実施の手続面を念のためちょっと申し上げておきたいと思いますが、たまたまYS11、本件に関する関係のみに限って申し上げますと、これはフィリピン賠償第十六年度の実施計画によっております。それで、フィリピン側から提案がありましたのが四十六年七月で、日本政府、フィリピンの賠償委員会がございますが、これで合意したのが四十六年、同年の七月二十二日、十六日に言ってきまして二十二日に合意した。このYS11の該当するものは、空港施設及び航空機という項目がございます。カテゴリーA、それから十六という番号でそれが入っております。このように年度の初めに当たりまして、今年度にどういう品物をどのくらい賠償として支払うかということを両国政府間で合意するわけでございます。この場合は空港施設及び航空機という項目に該当しておりますので、これは賠償協定に合致するものであるということでございます。 それで、先生御指摘の、その前にフィリピンでどういう運動といいますか、そういうものがあったかどうかということは、外務省としては承知いたしておりません。 それから、一カ月もあれだということですが、私たち外務省としても、実は新聞が出た段階で初めて知ったということは通産省と同様でございます。 以上でございます。
○説明員(杉山和男君) ただいま経済協力局長からお話がございましたように、この十四億の契約の基礎になっておりますのは第十六年度の賠償計画、実施計画のことでございますが、の中で、エアポートファシリティス・アンド・エアクラフトというふうに一括いたしまして二十一億六千万というのが年次計画で出ているわけでございますが、さらにこの前後のを見てみますと、前年の十五年度に同じものが出てきております。したがいまして、いま先生からお話のありましたうち、こういうものの売り込みについてかなりの時日を要したんだろうというふうな、前々から計画があったんだろう、しかもそれが前年度に一度実施計画に取り入れられまして、実行されないで次の年に繰り越されてきている。これは間々あることだそうでございますが——という事実はわかっておりますが、それ以上どういうことを行ったかということについては、私ども現在の段階では全然わかっておりません。
○大塚喬君 さっき私が、同じフィリピンにYS11を四機売り込んだ価格についてお話をいたしましたが、それらの、同じ国に同じ飛行機が、たとえ若干手入れをして装備を加えたからといって、それの二倍以上という金額になっておる。これはやっぱりフィリピン国民にしても、国民感情として少しそういうものはおかしいではないかと、こういうことで、それらの差額に対する解明を少し突っ込んでほしいと思うわけでありますが、戦争で多大の被害を与えたこのアジアの諸国に対して、日本が反省の心を持って相手方の発展のために、こういうことで賠償を供与する。それが日本国民として私が考えますことは、一〇〇%相手方に日本の誠意が、日本国民の誠意が伝わらない、こういうことが、この問題で私はどうしても心の底に残るわけであります。日本の商社が、先ほどの説明の中で、六億余の差額については、全然通産省、外務省からお答えいただいた言葉の中に解明されてはおりませんし、外務、通産両省とも反省というようなかけらはみじんも受け取れない。これらの賠償問題、もう四カ国、その他の準賠償を含めて、ビルマというのは若干四月まで残るようでありますが、実際的には賠償業務というのは全部済んだわけであります。 外務省に重ねてお尋ねをいたしますが、あなたがおっしゃるそういう手続、形だけばかりの答弁をされて、繰り返されておるわけでありますが、こういう手続について何ら反省するところは外務省としてございませんか。
○政府委員(菊地清明君) この賠償実施に関しましては、念にも念を入れて実施計画の段階でまず両政府間で検討いたしまして、そこで、ただいま先生のおっしゃいましたような賠償の目的に沿うものであるかどうかということは慎重に検討いたしまして、これはしかも日本の、日本人の生産物及び役務であるということを確かめた上で実施計画に乗せておるわけでございまして、この実施計画で両国政府で合意した以上は、これを実施していくということであります。 賠償というのが非常に特殊な性質のものでありまして、どうしても賠償受け取り国の自主性といいますか、つまり、日本は賠償を払う義務があり、向こうは受け取る権利があるわけでございますので、その場合どうしても先方の意思といいますか、先方の自主性というものを尊重するというのが大原則になっております。それを踏まえた上で年度ごとの実施計画を慎重にやっておるということでございます。
○委員長(鈴木力君) ちょっと私の方から関連して御質問申し上げますが、これは大臣に私はお伺いしておきたいんです、これからの質疑もあると思いますから。 いま大塚委員が質問している一つの焦点は、手続論はさることながら、一般商品の価額と賠償に使われた商品の価額とが著しく相違がある、そういうことが政府として常識であるというのかどうかということなんです。それでいいのかどうかということが質問の趣旨なんです。大臣にその基本的な態度をお答えいただいて、それから大塚委員の質問を続けさしてもらいます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま委員長からのお話でございます。この問題は、敗戦国といたしましての日本が、戦後、賠償義務を課せられたと同時に、またその賠償の調達に関しましては、先方国の方から当然調達官がまいりまして、両国の委員会において品目その他を合議いたしまして、その実行は先方の調達官が日本の各メーカー、商社等を通じましてバイヤーとして行うものでございます。ただいま委員長の仰せられましたように、これらの賠償価格と市価の関係が余りにも今日翻ってみまして不当に格差ができておるではないかという御指摘に対しまして、私どもそれを実施いたしましてから数年たちました今日、それをたまたまフォローいたしました際に新聞等に問題になっておるものでございます。 その問題といたしまして、国民としてその間の道義上の商行為についての御質問でございますが、もちろん、誠実に賠償を履行するという誠意の点においては断じて欠くるところがあってはならぬ、また、先方の国家に対して迷惑をかけても相済まぬということと同時に、さらにその間に何らかの疑惑を生ずるようなことがあっては、これは断じて相ならぬのでありまして、その倫理性と申しますか、その点に関しましては、委員長からのお話のとおりに、忠実に義務を履行すると同時に、またその間における道義的な問題、またその間にいやしくも不正等の行為があっては絶対相ならぬものであると、かように存ずる次第でございます。
○大塚喬君 外務省にもう一度。 その賠償業務というのは、相手国の使節団が勝手に日本の品物を指定し、勝手に業者と契約をすれば、そのお金を外務省は払いますと、これだけが外務省の責任でございますか。
○政府委員(菊地清明君) その問題につきましては、年度計画がまず最初にございまして、それが決定されまして、それに基づいて在京のフィリピン使節団が、日本の業者といいますか、サプライヤーといいますか、そういう人たちと契約をいたします。その契約はいわゆる賠償契約と申しておりますが、これは認証のために外務省に上がってまいります。認証という手続は何をするかといいますと、先ほど通産省の方からも御説明がありましたけれども、いわゆる認証基準というのがありまして、その基準は主としてこの賠償協定の目的その他に違反していないか、それから特に日本人の役務及び生産物であるかというようなことをチェックいたすわけでございますが、この場合に外務省といたしましては、関係する生産物の種類に応じまして関係省に書面でもって協議をいたします。その協議で差し支えないということであれば認証をいたします。それから、もしこれは賠償目的に沿わないというようなものがあれば、認証しないというようなことになっております。それで認証があり、それから実際の引き渡しその他がありまして、日本銀行からフィリピン賠償使節団の持っている勘定に支払われるという段取りになっております。
○大塚喬君 外務省は、その相手国の使節団が業者と契約をした場合に認証という行為をするだけだ、こういうことで、その中身については全然チェックはしていなかった、こういうことになるわけですね。 そこで、この契約書正文、この正文と所定部数の写しを賠償使節団が外務省、当時の賠償部、ここに提出をする。賠償部では、契約の内容別にこれを関係各省庁に回付をして、認証しても差し支えないかどうか回答を求めることになっておる。すると、現実の問題として、通産省はこれで差し支えないという回答をしたということになるわけですね。認証したということになるわけですね。このYS11の場合は、当然通産省が認証したからこのことについての契約が成立をして、YS11の一七九号機がフィリピンに賠償品目として送られた、こういう理解を私はするわけであります。 これの標準価格が五億五千万円、それから初度部品、それとあわせて特別装備、これが八億二千百万円。これはもうだれでも、幾ら手数料を入れても十四億二千一二百余万円ということの額になるはずはない、まさに法外な契約をした。このことを通産省は認証した、こういうことになるわけであります。そういう法外な価格について、通産省はいま調べる、こうおっしゃっているのですから、その当時はそのことを見落とした、こういうことになるわけですね。いかがですか、通産大臣、こういう騒ぎになっていま調べると、こうおっしゃっておるのですが、当時は通産省としてこれらの通産省の大きな責任を見逃して、見落としてきたと、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか、ひとつ大臣からお答えをいただきたい。
○国務大臣(田中龍夫君) そういう詳細な面につきましては、事務当局の方から答えさせていただきます。
○政府委員(熊谷善二君) 先ほども実はたびたび申し上げたわけでございますが、当時の私どもがチェックしたと思われます資料、これは外務省の方から提供されておりますが、それによりますと、機体関係が六億九千八百四十万、またフライトチェック用の機器が五億四千七百二十万、スペアパーツが一億七千八百七万、こうなっておるわけでございまして、一見して、いま先生が御指摘のように、非常に多額の差額が出るというようなことは当時の資料としてはわからなかったわけでございます。当時疑義をここに差しはさむということはなかったであろう。基本的には、先ほど来申し上げておりますように個々の価格につきまして一々チェックはいたしておりません。これらの両当事者間の契約を尊重するというたてまえでやっておりますから、価格のチェックはいたしておりませんが、一見していま先生の御指摘のように、大変な差額があるものであるということは当時の資料からは少なくともわからない状況であったと思います。 現在、この事件が新聞に報道されまして以来、私どもは先ほど申しましたように日本航空機製造に対して報告を求めました。その中身を見ましたところ、日本航空機製造が東信交易に提供したのは、合計いたしまして約八億二千万のものでございまして、内訳は先生いろいろ御指摘のとおりのものが入っておるわけでございますが、その他のものが一体どれだけあるのか、その辺のところが現在調査中でございまして、現段階では、私どもその明細につきまして認証した当時と、それから実際のものがどういうふうに整合し得るのかという点につきまして御説明ができないという状況でございます。私どもも東信交易に対しまして、早急にこの差額について説明を求めておるわけでございますが、遺憾ながらなかなかまだ報告が返ってこない。私どもも督励をいたしまして、内容については引き続き調査をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。
○大塚喬君 大分押し問答みたいなかっこうで、はっきりした回答を得られないのが遺憾でございますが、そうしますと、それらの報告というのは、いつの時期に通産省としては調査を済ますことができますか、どのぐらいの期間で。
○政府委員(熊谷善二君) 私どもも先生御指摘のとおり、現在なお調査が完了していない点は大変遺憾に思っておるわけでございまして、会社側にできるだけ早く出すようにと、こういうことでやっておるわけでございますが、会社側の方の報告というものが、会社側の事情でなかなかおくれておるということがございますので、私どもが会社側にかわりましていつまでという確約はなかなかできかねるわけでございますが、できるだけ早く誠意をもって調査をいたしたい、かように思っております。
○大塚喬君 どうも何としてもはかばかしくないお答えで、おおよそのめどというか、十日間とかあるいは半月とかということのおおよそのめどは当然立つはずだろうと思います。現実にあった問題で、もう一切が完了しておる問題ですから。 私は、この調査結果の報告、このYS11の賠償事項、これらの調査結果を本委員会に資料として提出をされるように求めたいと思います。委員長として速やかにこれらの内容を詳細に決算委員会に報告いただけますように、取り計らいをお願いいたしたいと思います。
○政府委員(熊谷善二君) 本件につきましては、一方の当事者がフィリピン政府であるということもございますので、外交上の問題もあろうかと思います。その点は外務省とも打ち合わせをいたしました上で、私どもとしては誠意をもって対処をいたしたいというふうに思います。
○委員長(鈴木力君) これは最終的な価額のどうこうということより、いま通産省に求められているのは、この通常価額、標準価額との格差の内容を調査をして出せと、こういうことですから。先ほどの御答弁で、会社側のことですからいつ出すか私は言われませんというようなのは、これは政府の答弁にはなりません。少なくとも会社側にどれくらいの期間で調査を出させるという努力をしますぐらいの答弁をここでしていただけませんと調査になりません。そういう旨も含めて、鋭意資料をそろえてお出しくださるようお願いいたします。
○大塚喬君 この問題で会計検査院にお尋ねいたします。 このように法外な五億五千万円という飛行機が、まあ手入れをしたということでありますけれども、十四億二千三百余万円ということで賠償金が支払われております。国家資金が特別会計というその中であっても、外務省の認証のもとに法外な金が支払われておる。そのことに関して会計検査院はこの事実を検査をしたのですかどうですか。検査をしたとすれば、会計検査院は八億二千万円、このものを十四億円で売り渡した、この事実を妥当としてお認めになったのですかどうですか、会計検査院の立場からひとつお答えをいただきたいと思います。
○説明員(前田泰男君) 昨年十二月、田代局長にかわりまして第一局長に就任いたしました前田でございます。ただいまの御質問にお答え申し上げます。 先ほど外務、通産両省からお答えがございましたように、本件フィリピン賠償につきましては、この価格の決定権はフィリピン政府にある。それからもう一つは、わが国としましては認証という制度があるわけでございまするが、これも協定書の内容から見ますとかなり形式的なものである。このようなことから、プライスチェックも一応は行われていないといったようなことから、この価格その他契約の内容につきまして、日本の政府の契約と同じようにぎしぎし見ることは適当ではないのではないか、こういう見解にわれわれも立っておったわけでございます。 しかしながら、先生御指摘のとおり、現在になって考えてみますと、まあわずか八億二千万に六億円もの上乗せがあった、このような著しい値開きがありました場合に、認証に関する書類は会計検査院も見せていただいたわけでございますので、これにやはり気がつくべきであった。気がつきましてもし御質問申し上げたといたしますると、まあこれは国内の契約とは違いまするから、その是正につきましてはいろんな手続がございますし、そのとおりいったかどうかわかりませんけれども、しかし、何らかの改善の措置はとれたのではないか、このようにわれわれとしては反省いたしております。
○大塚喬君 私が心配しておることは、賠償という事業が相手国のために本当に役立っておるのかどうか、こういうことを考えますと、これは必ずしも一〇〇%そういうことにお役に立っておらないと、日本国民として大変遺憾に思うわけであります。しかもその金の支払いというのは、日本の国家資金がこう流れ出ておるわけですから、会計検査院としてはやっぱり事が賠償であっても、そういう問題は聖域、立ち入ることのできないそういう問題ということでなくて、少なくとも価格の問題については十分検査をして、妥当かどうか、そういうことについて関係官庁の外務省なり通産省なりに当然警告を発し、協議をすべき問題であったろうと思うわけであります。 ところで、この賠償業務というのが総額で、準賠償含めて五千二百五十余億円という多額の金にわたっておるわけであります。賠償業務というのが一たんここでピリオドを打つことになるわけでありますが、このような事件というのは、他にも幾つもあるということが十分いろいろのうわさから想像されるところでございます。適正な価格で相手国にこれらの賠償品目というものが渡っておるのかどうか、会計検査院として南ベトナムの分、ビルマの分、フィリッピンの分それからインドネシアの分、あるいはその他の準賠償の諸国に対して一度洗い直しをしてみる必要があるのではないか、こう思いますが、会計検査院としてどうお考えになっておりますか、お答えをいただきかいと思います。
○説明員(前田泰男君) お答えいたします。 この賠償が行われまするのは、先生御存じのとおり、外国政府と日本の民間業者との契約という形で行われてまいります。したがいまして、外国政府を検査するというわけにはまいりませんですが、それからさらにまた、外国政府の契約の相手方でありますところのいわゆる民間業者も、実はわれわれ検査権限を持ってないわけであります。したがいまして、本件に限って申しますならば、結局、通産省なり外務省なりが、一応認証行為のやり直しといったような意味合いにおきましていろいろな御調査をなさるというようなことがございますれば、確かに先生御指摘のとおり、多額の国費が伴ったことでございまするので、それに対して十分検討さし、検査さしていただきたいと、そのように考えるわけでございます。
○大塚喬君 このフィリピン賠償のYS11については、会計検査院としてはどうなされるお考えですか。
○説明員(前田泰男君) さようでございまするので、結局、東信交易に対しまする検査権限がわれわれにございますればこれは一番手っ取り早いわけでございまするけれども、これは不可能でございまするので、したがいまして、通産省、外務省の方でお調べになりましたものを再びわれわれが再検討する、こういう形になろうかと思います。
○大塚喬君 もう一つ問題がございますので、先ほどの調査報告書を至急に出していただくことを強く要望、お願いを申し上げまして、次の質問に入ります。 次に、インドネシアLNG輸入問題についてお尋ねをいたします。 これの経過を振り返ってみますと、四十八年春に日商岩井とファーイースト・オイル・トレーディング社の間でこのLNG輸入問題が計画をされました。四十八年十一月に両角・ラディウス会談があって基本的な合意が成立。四十八年十二月、ユーザー五社はジャカルタでプルタミナと正式契約が成立。四十九年一月、田中・スハルト会談——いま時の人、田中前総理とスハルト会談で民間借款十一億ドルが供与決定をいたしております。五十年六月、河本通産大臣とラディウス商業相会談、追加融資三億七千二百万ドルが決定をいたしております。 こういう事実経過に立ってLNG輸入問題についてお尋ねをいたしますが、ファーイースト・オイル・トレーディング社、これは日本の民間企業とプルタミナが折半出資をして設立したものだ、こう聞いておるわけですが、どういう会社で、どういう主な業務、設立年月日、日本の民間企業は一体どこがこれに当たっておるのか、ひとつはっきりここでお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) ただいまの御質問にお答えする前に、先ほど大塚先生から、総合エネルギー調査会の答申の中で、原油の価格引き下げについてどのように触れておるかというお尋ねがございましたので、それについてお答えさしていただきたいと思います。 四十二年二月の総合エネルギー調査会答申で、原油価格の引き下げ目標といたしまして、「油種別あるいはフリーハンド原油とひもつき原油の別によって引き下げ幅に差異があるものの、これらを平均して、昭和四十五年度までに昭和十四年度下期の平均価格から少くともバーレル当たり、十五セント引き下げることとすべきである。」また、それ以降も引き下げ目標を設定し、継続すべきである、かように述べられておるわけでございます。 当時、四十年度の平均CIF価格は一ドル九十七セントでございます。四十五年度におきましては、バーレル当たり一ドル八十セント、平均いたしまして十七セント程度価格が下がっております。ただ、当時は御承知のとおり、どちらかと申しますと原油が過剰傾向にあった時点の問題でございまして、四十八年以降の石油危機によりまして、現在では原油価格の引き下げはむしろ困難な状態になっておるということでございます。 それから、お尋ねの……
○大塚喬君 もうその答弁は結構です、いまの問題は。
○政府委員(橋本利一君) ファーイースト・オイル・トレーディングでございますが、設立は昭和四十年の五月十五日。資本金は四億八千万円でございまして、資本構成はプルタミナが五〇%、第一石油開発が九・一%、その他関西電力、中部電力、日本鉱業、丸善石油、石油資源開発、東京電力、出光興産等々がその株主になっております。社長は東澄夫氏でございます。
○大塚喬君 このインドネシア産石油を日本に輸入するに際して、なぜこのファーイースト・オイル・トレーディング社を通さないで、新たにジャパン・インドネシア・オイル、これを設立さした真意は一体どこにあるんでか。通産省はこのときのいきさつをどういうふうに把握、理解をされておりますか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように、当初、インドネシアのLNGプロジェクトにつきましては、日商岩井が、インドネシアで原油が生産される際に随伴して発生いたしますガスを液化いたしまして、それを日本に持ってこよう、いわゆるLPG化構想を進めておったわけでございます。その後、その構想がだんだん具体化していく過程におきまして、一商社のみでは扱い切れない大規模なプロジェクト案件になるということが明確になりましたことと、一方、インドネシア政府といたしましても、本件を経済協力という観点からGGベースで推進していきたい、かようなことを言ってきたわけでございます。日本側といたしましても、資源確保の見地からいたしまして重要案件であると判断いたしまして、四十八年の四月、両国間で基本的な構想を了解した、こういう経緯でございます。
○大塚喬君 外務省にお尋ねをいたします。 昨年の八月、アメリカの証券取引委員会——SEC、ここでLNGに関する疑惑が取りさたをされて以来、再三報道関係をにぎわしておる事件があります。駐米日本大使館がこの問題について調査を開始したと、こういうことが伝えられておりますが、外務省はこの問題についてどの程度把握をされておりますか、お尋ねをいたします。
○政府委員(菊地清明君) インドネシアとの関係では、インドネシアの石油の借款問題とLNGの問題と二つございまして、いま御質問の方はLNGの方だと思います。 それでお尋ねの案件は、日本とインドネシアとの間のLNGの輸入問題と直接関係ございませんで、むしろ、LNGを輸入する場合のLNGタンカーをつくるということに関しましてバーマ・オイルというアメリカの会社が——まあ、いろいろなその間あるんですが、簡単に申しますと、ゼネラル・ダイナミックスというところに合計で七隻のLNGタンカーを発注した。その場合に、アメリカの制度によりますと、商務省の海事委員会というのがございまして、アメリカの造船所で船をつくるという場合には造船の助成措置がございます。その助成措置に関して造船の発注者の国籍の問題、それからその会社の支配権といいますか、どこが多数を占めておるかというようなことなどありまして、果たしてこの助成措置を受ける資格があるかどうかという点で問題になり、その他若干株式の操作をしたとかいうその他のあれがございまして、米国証券委員会、SECというのが調べたわけでございます。 それで、一番最近の状況だけ申しますと、結局、今月の十九日にやめました、二十日で交代いたしました商務長官のリチャードソンという方がこのSEC——証券委員会の調査の結果も踏まえた上で助成措置、つまり造船融資でございますけれども、これを承認したというのが一番最近の状況でございます。これは在米大使館の報告でそういうふうになっております。
○大塚喬君 アメリカ国内で、かつて韓国のKCIAの一員として活動していた朴東宣、彼がイギリスのバーマ石油が日本の大手造船会社ジャパンラインにタンカーの用船契約を結び、その後、この契約をキャンセルするときに仲介の労をとり、キャンセル料が本当は一億八千万ドル払うというところを、その三分の一の五千六百万ドルにまけさせた、こういうことが伝えられております。その謝礼としてバーマ石油は朴東宣に三百万ドル、日本円にして約九億円を渡し、これが日本の高い地位にある海運当局者に手渡された、こういうことが報道されておりますが、海運当局者が運輸関係の政府高官を示すものやら、あるいは海運会社の幹部を意味するものか、そこのところは私どもにも大変関心の深いところでございます。 こういうことが外電で伝えられた、ワシントン筋の情報として伝えられた以上、わが国政府も重大な関心を持ってその真相を究明しなければならない、こう思うわけでありますが、先ほど、アメリカのリチャードソン氏が、前商務長官が最後に承認をしたということでありますが、書簡で朴東宣に手数料として三百万ドルが支払われた、こういうことだけははっきりしておるようでございます。この件に関して外務省はどういうふうに事実関係を把握されておりますか。そこのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菊地清明君) 外務省といたしましても、可能な範囲で朴東宣と本件の関係を調査いたしましたけれども、現在までのところ、朴東宣氏が本件LNGタンカーの造船計画に関係があるという情報は得ておりません。まず、先生おっしゃられたような事実関係、つまりバーマオイルとジャパンラインとのタンカーの用船契約のキャンセル問題に関しまして三百万ドルのコミッションが払われたということは、これを承知しております。ただ、これは全然別個の契約、全然別個の案件でございます。つまり、このLNGの輸入計画とも関係ございませんし、LNGタンカーの造船とも全然別個の契約であるというふうに承知しております。 それから、先生のおっしゃいましたリチャードソン前商務長官が言ったことですが、肝心のところだけ読ませていただきますと、バーマ社から朴東宣の会社に三百万ドルのコミッションが支払われたことは承知しているが、バーマ社から日本の海運高官に金が支払われたということを裏づける証拠は有していないというふうに商務長官が述べておることだけを申し上げておきたいと思います。
○大塚喬君 まあ、この問題はおいおい時日を経過するにつれて内容が明らかになるだろうと思うわけでありますが、借款問題を中心にしてお伺いをいたします。 初めに、このLNG輸入問題で、ファー・イースト・オイル・トレーディング社と日商岩井の間で計画をされ、その後ナショナルプロジェクトとしてこれが取り上げられることに変わったわけであります。最初に計画したこの二社に対して、政府として通産省はどういう働きかけを行ってきたのか。当然この二社が利益が上がると期待をして計画をしていたものだと思います。それを政府が横取りをしたような形になっておりますが、どういう了解のもとにこういうことになったのか、それとも、初めの二社が手に負えなくなって政府に泣きついてきてこういうことになったのか、そこらのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 先ほどお答えいたしましたように、本件が大規模なプロジェクトであるということと、それから経済協力案件として進めたいというインドネシア側の意向、さらには資源確保の見地から重要な案件であるというような立場からナショナルプロジェクトとして取り上げたわけでございますが、一方、LNGのユーザーといたしましても、プルタミナとコンタクトをとっておりまして、こういったプロジェクトの性格からいたしまして、現にそれを消費するユーザーが交渉の前面に出るということでなければ、プロジェクトの遂行上問題も出てくるであろうといったようなところから、政府間交渉とあわせまして、ユーザーとプルタミナとの間で交渉を行っておったわけでございます。 先ほど先生も御指摘になりましたように、四十八年の十二月にLNGの売買契約が締結され、あるいは日本側の融資窓口会社といたしましていわゆるジルコが四十九年の二月に設立される、あるいはジルコとプルタミナとの融資契約が四十九年の五月に締結されてプロジェクトが推進されていく、こういう経緯でまいったわけでございます。その間、日商岩井は連絡調整機関としての機能を果たしておりましたし、また現在では、このプロジェクトによるLNGの輸入代行業務を行う、このような形で日商岩井も参加いたしておるわけでございます。
○大塚喬君 ナショナルプロジェクトとして政府が、通産省が関与するようになったのは四十八年十一月の両角・ラディウス会談で基本的に合意に達して、十二月にユーザー五社とプルタミナが正式に契約を行った。その後日本から二度にわたる融資が行われたわけであります。 この中で一つ初めにお尋ねをいたしますが、日本側が輸送権を放棄したということは一体なぜ、いつなのですか。これは通産省としては初めから、日本側が輸送するということは一切考えなかったのかどうか、お尋ねをいたします。 それから、このプロジェクトに政府借款として五百六十億円の融資が行われておりますが、海外経済協力基金、この内容を見てまいりますと……、時間がありませんので、まあこのような融資、その後でまた、先ほど申し上げたように、河本通産大臣が出向いて二度目の借款を成立させておるわけですが、政府、民間合わせて合計十一億ドル余の低利の融資をし、その対象も、LNGのためのほとんどすべての施設を対象としてこういう莫大な融資が行われておるわけですが、どうしてLNGの輸入価格が高くなるのか、国民として素朴な疑問を吹き消すことができません。この問題についてひとつ明快なお答えをいただき、解明を願いたいと存じます。
○政府委員(橋本利一君) 第一の御質問でございますが、日本政府と申しますか、通産省といたしましては、FOBでこれを契約いたしまして、輸送を日本側で持ちたいという気持ちを当初持っておったことは事実でございます。ところが、日本側のユーザーといたしましても、従来のケースがCIFベースで契約されておる、要するにふなれであるということと、日本の造船業界でも、あるいは海運業界でもLNG船を扱った経験が乏しい、それまでに経験がないといったようなことがございまして、むしろ輸送は相手方に渡してCIF契約で輸入いたした方がよい、こういう考え方を終始一貫して持っておりましたので、そういった関係からいたしまして、CIFベースと申しますことは、プルタミナの方が海上輸送を責任を持って日本に送り届けるという形になったわけでございます。 それから、第二の指摘の融資がかなりたくさん出ておるにもかかわらず、価格はなぜ高いのかという御指摘でございますが、これについて若干御説明いたしますと、インドネシアから持ってくるLNGのCIF価格につきましては、四十八年の十二月契約当初におきまして、熱量で比較いたしまして、ローサルファ原油と同等の価格を初年度、ということは一九七七年ということになりますが、初年度のベースといたしまして、これに他のエネルギー価格の動向を考えながら、合理的な原則に従って価格上昇を見込む、こういう考え方であったわけでございます。 いま少しく具体的に申し上げますと、CIF価格の要素といたしましては、LNGの要素とフレートの要素がございまして、フレートの要素につきましては、これは実績主義、実費主義を見込むということでございますが、一方のLNG要素につきましては、この中が二つに分かれておりまして、九〇%相当分につきましては、他のエネルギー価格の動向、と申しますのは、インドネシア原産の原油価格にスライドする、あとの一〇%の分につきましては、物価スライドとして三%程度を見込む、こういう考え方でCIF価格の算定方式について合意いたしておるわけでございます。この方式に従いまして算出いたしますと、当初の価格は原油に換算いたしますとバーレル当たり五ドル八十ということでございまして、当時ミナス原油のFOB価格が六ドルでございましたので、まずまずインドネシア産のローサルファ原油と等しい価格であった、かように申し上げられるかと思います。
○大塚喬君 各党の申し合わせがあって時間を短縮するという話ですので、あとプルタミナとユーザー五社の契約等にもいろいろ問題がありますし、借款の問題についてもいろいろお尋ねしたい疑惑がございます。機会を改めてひとつこの問題については重ねて質問をすることにして、本日の私の質問はこれで終了いたします。
○委員長(鈴木力君) 午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 —————・————— 午後二時一分開会
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢原秀男君 まず、就任されました田中通産大臣に、中小企業保護育成の立場から課題を申し上げながら、基本的な姿勢を二点ほどお伺いをしたいと思います。 現在、民間の信用機関が十三日まとめた昨年十二月の全国企業倒産、負債が一千万円以上の状況によりますと、件数は、危機ラインと言われます千五百件台を大幅に突破しております。そうして千六百件台になっており、負債額も二兆二千億円台となっております。この結果、昨年の一月から十二月の累計は、企業倒産件数が一万五千六百件台、負債額も二兆二千億円台と、過去で最高を記録いたしておるわけでございます。今後の見通しにつきましては、年末の決算、借入金の、いわゆる借り入れ金の返済が三カ月程度後に集中をいたしておりますので、景気刺激策の効果も春以降にずれ込む、こういうふうな悲観的な材料が多いことから、三月から四月の倒産件数は千七百から八百件に達することも予想されるわけでございます。 そういう中で、倒産の主な特徴といたしましては、一つには、金融機関による年末特別融資などの金融面の対策と各企業の資金繰り努力により、大型の倒産は何とか避けられたわけでございますが、第二といたしましては、しかし、長期にわたる赤字経営定着からはい上がれずに息切れをする企業が一段と増加したことでございます。三番目に目につくことは、この結果、受注、売り上げの停滞など、景気低迷を背景にした不況型倒産が五カ月連続して増加したことでございます。業種別には建設業、卸小売業、運輸業、サービス業の倒産がふえて、これらはいずれも過去最高の件数となっております。金融機関の選別融資がまた強化されておりますことが倒産増勢の背景となった等等が挙げられているわけでございます。 そこで、大臣に質問する第一点は、こういう観点の中からどういうふうに対処したらいいのか。先ほど経過、実態分析を申し上げたわけでございますが、最初の基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま矢原先生の御質問に対しまして、私どももこの倒産件数を伺うにつけましても、その対策を真剣に考えなくちゃならぬ、かような次第でございまして、ことにこの冷え込んだ日本経済の中の最もひずみを多くかぶっておりまする中小企業、零細企業の現状におきまして、基本的には中小企業、零細企業に対しまする総合的な諸施策を早期に行うと同時に、昨年の補正予算並びに今度お決め願いまする五十二年度予算におきましても、これが景気回復の諸施策には特に上半期に集中して資金散布を必要とする、こういうふうに考えております。 倒産防止対策といたしましては、ただいま申しましたような景気の着実な回復を図ることにあるのでございますが、さらに倒産防止のための補完施策といたしまして、政府は、御承知の中小企業金融三機関、この融資、あるいはまた信用補完制度の活用、さらにこれらの資金枠の問題におきましても本年度三兆六千億という予算におきまする枠を内定いたしておりまするし、さらにまた、ことに零細な国民金融公庫から出しておりまする無担保・無保証の枠におきましても、皆様方の御協力によりまして、本年は四千七百億という枠を考えて施策をいたした次第でございます。これらのいろいろな施策を効果的に、機動的に実施いたしてまいりますために、各自治体等の、県等の機関との緊密な連携をいたしまするとともに、さらに倒産防止のためにいろいろきめの細かい配慮をいたしていかなくては相なりませんので、わが省におきましても、通産局等々に命じまして全力を挙げてこれらの施策に邁進いたしたい、かように存じておる次第でございます。
○矢原秀男君 どうか通産大臣として、こんな非常に大変な諸事情が勘案されておりますので、一生懸命がんばっていただきたいと思います。 では、ちょっと具体的なことになりますが、中小企業庁長官で結構でございますが、いま大臣の決意といいますか、抱負をお伺いしたわけでございますが、いずれにいたしましても、今後の景気の回復期には倒産する中小零細企業の救済対策、昨年の不況の長期化で企業の体質が非常に弱体化しております。また、去年の秋口からの景気の中だるみから売り上げの不振、受注減などによって息切れをする中小企業等が多くなる予測がございますけれども、長官に、具体的に数字的にお伺いしたいことは、今度の五十二年度新予算にどれだけ上乗せすることができたかということを、一つは官公需の拡大について、二番目には金融の円滑化——少しいま大臣からもお話がございましたが、三番目には税負担の軽減等々についての具体策、そうして四番目には、分野調整法成立などについてはどういう見解等を持っていらっしゃるのか。このことは、大臣の方もちょっと法案成立のことはかかると思いますが、いま申し上げた点について具体的にお願いしたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 大臣からもお答えをいたしましたように、私どもも最近の倒産の状況については非常に心配をいたしておるところでございます。長い不況の期間にわたって一生懸命がんばって今日まで来た。しばらくたてば景気がよくなるだろうということを期待をしてがんばってきたわけでございますので、ここで息切れさしてはいけないということで、できるだけの対策を講じておるところでございます。 具体的な点について御質問ございましたので若干説明さしていただきますと、まず、官公需の拡大の問題でございます。やはり中小企業の一番の希望は仕事が欲しいということでございまして、その仕事の中で、官公需は政府としてやれる分野でございますので、これは私どももここ数年特に力を入れてやってまいりました。官公需の比率も毎年目標を上げてまいりまして、五十一年度が三四%というところまで来たわけでございます。私どもは、こういった目標を達成するために関係各省の協力ということが先決問題でございますが、国会のいろいろな議論を踏まえてかと存じますが、関係各省もこの官公需に対する中小企業の比率拡大ということについては、かなり理解を示すようになってきたように思っております。 具体的には、分割発注を勧めるとか、あるいは地方機関へ権限をおろして中小企業への機会を多くするとか、あるいは適格者の登録をふやしていくとか、こういった具体的な施策のほかに、私ども昨年、官公需適格組合の育成ということを大きな柱に掲げましていろいろ努力をしてまいりました。個々の企業ではなかなか発注ができない。これを組合の力によって注文をとっていこうという方向でございまして、適格組合の数も三十を超えたと思います。私どもは、来年はこの適格組合の育成ということを組織化の一つの大きな柱といたしまして、実は、来年度予算要求におきましても特別の助成制度を要求いたしておりましたが、これが実現を見た次第でございます。予算案の中に組み入れられることになった次第でございます。私どもはこれが成立の暁は、極力それをうまく使っていきたいというふうに思っております。官公需の問題については御指摘あるまでもなく、私ども今後とも一生懸命やっていくつもりでございます。 それから、第二番目に御指摘のございました金融の円滑化の問題につきましては、大臣からお答えいたしましたとおり、まず、政府関係の金融三機関、具体的には中小企業金融公庫、国民金融公庫及び商工組合中央金庫がそれでございますが、ここに中小企業向けの資金を十分余力を持って供給できるような体制をつくろうということを考えておりましたが、幸い先般まとまりました政府予算案の中でも、この点についてはかなりの配慮が行われておると思っておるところでございます。それに加えまして、貸出限度につきましても引き上げをいたしましたし、若干の特別の制度も創設が期待をされておるという形でございます。 さらに、民間資金をうまく活用するという意味からいたしますと、信用保証協会その他の信用補完制度ということが大切でございます。ごく最近、不況が深刻化してまいりまして、金融に関するいろいろなトラブルが起きてくる。その中で、中小企業に対する金融を円滑にするためには保証が円滑に行われなければいけませんし、さらに、その背後にある信用保険公庫というものの資金的なバックがしっかりしていかなければいけないということは申し上げるまでもないわけでございます。 この面について来年度予算において認められた事項を若干補足いたしますと、信用保険公庫では出資金を五十一年度は二百六十億円確保いたしておりましたが、五十二年度はさらにそれを百億円上乗せしまして三百六十億円を確保する予定でございます。また、個々の信用保証協会に対する財政的な援助というものも、五十一年度は六億円でございましたが、五十二年度は十億円を予定をいたしております。このように信用補完制度についても極力充実を図ってまいるつもりでございます。 それから、そのほか大臣からも申し上げましたように、特に零細な企業を対象として小規模企業に対する無担保・無保証融資の制度がございます。大変中小企業の方々にも期待をされておる制度でございますが、これの資金量を、今年度の三千五百億円から四千七百億円の貸出規模まで拡充をするということに加えまして、貸し出しの対象も拡大をし、さらに貸付条件についても改善を図るなどということをいま予定をいたしておるところでございます。 第三番目に、税負担の軽減の問題でございます。 中小企業の税制につきおしては、いわば中小企業が非常に税の負担能力が乏しいということを頭に置きまして、軽減税率を適用するとか、あるいは特別償却の制度を用意するなどいろいろの施策を講じてまいりました。実は今年、予算編成の交渉をいたします際に、税制の合理化という面からこれをどういうふうに扱うかということをいろいろ議論をいたしました。特に財政が非常に苦しいという中で、何か圧縮ができないかというような議論もあったわけでございますが、いまの中小企業の現状からいたしますと、それどころではないということで、これらの整理縮小は一切見送りにし、別途新しい制度として、たとえば小規模企業の共済制度についての税の特例、これを従来の三倍にまで引き上げるとか、さらにまた、個人事業税の事業主控除の限度を引き上げるなどの新しい施策を中小企業対策という見地から創設を見るように、事務的には打ち合わせが進んでおるという体制でございます。 それから、最後に御指摘のございました分野調整の問題でございますが、この問題につきましては、昨年の夏以来、政府の諮問機関でございます中小企業政策審議会の中に分野調整の問題についての特別の小委員会を設けまして、夏以来合わせて十一回の審議を重ねてまいりました。その結果が十二月十四日に審議会の意見具申の形でまとめられております。私どもといたしましては、中小企業が一生懸命仕事をしている中に突如として大企業があらわれてきて、そして中小企業の方々があしたからの経営にも困るというようなことになるのは非常に問題でございますので、やはり何らかの調整措置が必要であろう。それも、従来は行政指導でやっておりましたけれども、法律のバックのある形で一層調整をやりやすくするということが必要であろう、こういう考え方のもとに審議会の審議を進めていただきましたし、一応の意見具申をちょうだいいたしました今日においては、それを尊重をして何とか早く法律の形にまとめようということで、いま鋭意努力をいたしておる途中でございます。 以上、お尋ねの点について補足的に御説明をさしていただきました。 〔委員長退席、理事大塚喬君着席〕
○矢原秀男君 いずれにいたしましても、日本経済における不況下に置かれております中小企業の救済、育成、こういう対策にも大臣を初め努力をしていただきたいと思います。 次に、独占禁止法改正問題についてお伺いをいたします。 先般、福田総理は、ことしの年頭から藤田総務長官や自民党の山中独禁法改正問題特別調査会長に対して、独禁法改正案を今国会に提出する考えを明らかにし、検討を指示したと報じられております。 独禁法改正案は、一昨年の通常国会では、衆議院で五党一致で修正可決をされながら参議院において流産をしたという経過がございます。昨年の通常国会では、三木内閣が提出を約束しておきながら、自民党内が容易にまとまらなかったという理由等々もあって、会期終了のわずか三日前に、企業分割条項を削除した骨抜きの改正案が申しわけのように提案をされまして、一回も審議をされないまま継続審査し、廃棄という運命に終わったいわくつきのものでございます。福田総理は、来る三十一日の施政方針演説では、独禁法改正案の今国会提出に触れる予定と伝えられておりますが、改正案の内容については、また例によって党内の調整等に手間取りそうな徴候を、私たちははたから見ておりまして感じるわけでございます。問題の焦点は、昨年の経過から見ても、改正案に企業の分割条項を盛り込むか否かにしぼられると思います。 まず、ここで質問の第一点は、澤田公取委員長にお伺いをするわけでございますが、基本姿勢といたしまして、あなたは独禁法改正への意欲はどのようにおありであるのか、お伺いをしたいことが一つ。 第二点は、わが国経済や産業の実態から見て、一昨年の五党修正による改正案と政府案、すなわち昨年の第二次山中試案による改正案のいずれを好ましいと考えていらっしゃるのか、御見解をお伺いしたいのであります。
○政府委員(澤田悌君) まず、第一点でございますが、現在の経済社会を観察いたしますと、やはり寡占化が進行するというようなふうに考えざるを得ない。こういう情勢に対応いたしまして、公正取引委員会といたしましては独占禁止法強化のための改正が必要であると考えておりますし、このために努力を引き続き続けてまいりたいと存じておる次第でございます。 それから、第二点の御質問でございますが、独占禁止法の改正につきましては、ただいまお述べになりましたように、二つの案が国会に提出され、ともに廃案となっておる状態でございますけれども、公正取引委員会といたしましては、冒頭申しましたような趣旨からも、第七十五国会の衆議院におきまして全会一致で修正可決されたものが改正の基本となるべきものであって、そういう方向で御審議されることを希望いたしておる次第でございます。
○矢原秀男君 よくわかりました。 第三点は、大臣にお伺いしたいわけでございますが、前の中曽根通産大臣は、日本企業の国際競争力を低下させるということから、独禁法の改正には消極的であったというふうに私は感じるわけでございますが、新しく就任をされました田中通産大臣は、こういう点を勘案する中でいかがお考えでございますか、そういう点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問につきまして、通産省といたしましても、新内閣の方針といたしまして独禁法の改正に積極的に取り組む、この姿勢につきましては何ら変わりはございません。もちろん、いままで自由民主党並びに野党の皆様方との間にもいろいろと御協力をいただきました五党修正案、あるいはまた山中案、いろいろの経過を経ておる次第でございまするが、われわれといたしましても、前向きで積極的にこれが改正に御協力をいたす所存でございます。 ただ、私ども通産省という立場から申しますると、企業というもののあくまでも活力というものをつけていかなきゃならぬ。ことに世界的に落ち込んでおりまする国際的な不況に対しましても、わが国の企業の国際的な活力というものを特に考えてまいりまする場合に、国内的な一つの判断だけでは律し得ない面もあるわけでございます。国際的な競争力に対しまして、日本企業といたしまして堂々と進出するだけの力強さというものを堅持しなきゃならぬというような面におきまして、いろいろと検討を進めてまいっておる次第でございまして、あくまでも前向きに、しかも積極的な気持ちを持って取り組みたい、かように考えております。
○矢原秀男君 澤田委員長は、先ほどは五党修正案の線というものを基本的にしたいというお話でございました。まあ通産大臣のお話を伺っておったわけでございますが、非常にちょっと微妙でございますので質問申し上げますが、政府として国会に提出される独禁法改正案について、私、いま澤田委員長に質問申し上げたわけでございますが、単刀直入に申し上げますと、通産大臣、前の通常国会で衆議院を通過したときにもあなたは衆議院に議席を持っていらっしゃるわけですから、五党修正案にも賛成されたと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、参議院で廃案となった五党修正案を支持されるのか、それとも修正案を小骨、大骨といいますか、骨抜きにしております政府案を支持されるのか、単刀直入でございますけれども、簡潔にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 政府の方針といたしまして、今後与党でありまする自由民主党の党内の見解もございまするし、また、総理が就任以来いろいろと党首会談等におきまして野党の皆様方とも御交渉を持って、そうして配慮されておられると存ずるのでありますが、その政府のこれからの方針に従いまして通産省といたしましてはこれに対処してまいらなくてはなりません。いま通産省といたしましての単独の見解の表明ということは、いまの段階において慎みたいと思うわけであります。
○矢原秀男君 どうもはっきりしないようでございますが、じゃ、別に質問の観点を変えまして、通産大臣、あなたは企業分割など構造規制の強化に反対のように私もお伺いをするのでございますが、先ほどから申し上げておりますように、いやしくも衆議院で与野党全部が全会一致で通過をした事実というものは厳然としてあるわけでございますので、これを踏みにじることはすべきでないと私は思うわけでございますが、大臣、この点はいかがなものでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問は、私が昨日、京阪神方面の関西の財界に就任のあいさつに参りました際、記者会見をいたしましたことが記事に載っておったと存じますが、そのいまの私の申しましたことは、企業の一部譲渡といいまするか、構造規制という問題に対して反対であるという表現をいたしたのではございません。 問題は、ただいま申し上げたように、通産省といたしましては、あくまでも企業に活力を与えることによってこの不況の乗り切りをしなければ相ならぬ。同時にまた、国際的な視野に立ってみまする場合に、日本の企業というものは、あるいはアメリカやあるいは国際的な規模を持った大きな圧力の前に、日本経済を守って戦っていかなきゃならぬというような要請もございますので、国内的な視野にだけ立ってこれを判断するわけにもまいらない。そういうふうな企業というものに対する一つの活力ということを基本に置きまして、私が述べた一言があたかも企業分割反対、こういう表現を持って新聞に出ておったような次第で、この点は修正を要することでございます。その点だけは誤解がないようにお願いいたします。
○矢原秀男君 次に、通産省が業界再編成を進めると、結果的には寡占体制の強化につながることは論をまたないわけでございます。そこで、独占禁止法上問題となりますが、こういう点について、田中通産大臣は市場の占有率が何%までならよいと考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 通産省といたしましては、今後の産業構造のあり方等から見ましても、必要がありまする場合におきましては、審議会等の場において検討を進めた上で、業界としてのあるべき姿を指示いたしたい、かように存じております。この場合、関連中小企業者への影響はどうであるか、あるいはまた雇用問題にどう対処するか、国際的な情勢をどう判断するか等、総合的な考慮を加える必要がある次第でございます。 〔理事大塚喬君退席、委員長着席〕 市場の占有率につきましても、一律に幾らと考えるのはいささか困難でございまして、業種の実態に応じまして総合的な判断をすることが必要であろう、かように考えます。
○矢原秀男君 公取委員長、この件についてあなたの方では、市場の占有率が大体何%までならよいと、こういうふうな考え方があればお示しをいただきたいことと、また、占有率の第一位と第二位の差というものは問題としないでいいのかどうか、この二点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(澤田悌君) 産業再編成ということに関しての御質問でございますが、それが具体的には合併というような問題につながるかと思いますけれども、その際に、その結果、市場の占有率がどの程度になればどうかというような公取委員会の見解をという御質問と理解いたしますが、私どもでは、合併等によりまして一定の取引分野におきまする競争が実質的に制限されるようになるかどうか、そういうことについて慎重に検討することとなるわけでございまして、その場合に、市場占拠率が何%以下なら問題にならないというふうに一概にはなかなか申せないのでございます。 ただいま通産大臣からお話しのように、ケース・バイ・ケースの場合が多かろうと思いますけれども、しかし、私ども合併の申請等を受けました場合に、審査の基準になりまする率というのを一応内部の目安として考えておりますのは、二五%という線でございます。それで、これを超えたら絶対いかぬとか、これ以下なら全然よろしいとかというものじゃございませんで、一社の占有率が二五%を超えるというようなケースにつきましては厳重に審査をする、こういう目安でございます。 それから、競争が実質的に制限されるということが、単に市場の占拠率だけというものでないことは申し上げるまでもないのでありまして、ただいま御質問の一位と二位の関係というようなものもケース・バイ・ケースで考えざるを得ない、具体的な問題として独禁法の趣旨に反しないような結果であるかどうかという観点から個々に厳正に判断する、こういうふうに考えておる次第でございます。
○矢原秀男君 非常に私も注目しておるわけでございますが、昨今の不況に際して、不況下の物価高と言われながら、景気が停滞して需要が減退しているにもかかわらず、価格が下落をしないばかりかかえって値上がりをしている、こういう品目が多くなっているということで、公正取引委員会では昨年の十月十九日であったと思いますが、主要産業における生産集中度調査を公表されております。私もいろんな角度からこの資料を検討もさしていただいて、資料として重要視しているわけでございますが、この中で公取では、不況下に値上がりをする品目は、寡占度の高い産業の製品ほど多い点を指摘されております。上位数社の間に協調関係があって、寡占企業による価格の操作が行われた結果ではないかと推測をされているわけでございます。 私は、この事態を非常に国民の方々と興味深く、また非常に注意深く、何とかしなくちゃいけない、こういう形で見ておるわけでございますが、委員長は昨年の国会、五十一年十月七日参議院の商工委員会の席上で、企業分割条項抜きの改正案であっても、現行法よりは前進であるから成立を望む旨の答弁を行なっていらっしゃいます。これで寡占産業に対する有効な独占禁止政策の実施に、いま申し上げたような観点の中から果たして責任が持てるのだろうかどうかという懸念を私はしておるわけでございますが、その点について公取委員長の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(澤田悌君) 最初御指摘の寡占状態の調査につきましては、おっしゃったとおりでございまして、五十年不況のときと四十六年不況のときとの企業の集中度の調査をいたしたのでありますが、五十年度不況のときには石油ショックという特別な事情がありますので、同じ不況でも同一レベルで比較するには若干問題はあるのでありまするけれども、何と申してもやはり、寡占度が進む場合の問題として価格の関係が問題になるわけでございます。それで、あの調査におきましてはそこの価値判断については大方の御批判を得たいという趣旨でもあったわけでありますけれども、寡占が進むにつれて価格が下方硬直化する傾向にあることは、私どもも指摘せざるを得ないところでございます。 それで、そういう問題について現行独禁法がどれだけ有効な対応規定を持っておるかということになりますと、なかなか十分と申せないのであります。これが今回の改正の問題になった一つの点であろうかと思っておりますけれども、昨年私がしばしば国会におきまする御質問にもお答えした、ただいま御指摘の私の考え方を率直に申しますと、新しい政府案が構造規制と申しますか、独占的状態の是正に関する規定を全部削除されておるというのははなはだ残念ではございますけれども、しかし、私ども日々独禁法の運用に努めております者の立場から申しますと、その他の条項において前進をいたします場合には、率直に言えばそれで通していただきたい、一つ落ちたから全部だめというのは私どもの立場としてはこれまた残念である、そういう趣旨から申したのでありまして、できることなら前の案の線で御審議願えればという希望は、少しも変わっていないのでございます。
○矢原秀男君 先ほど委員長は、五党修正案の線で基本的にということでもあるし、非常に喜んでおったわけでございますが、私もこの独禁法の質問につきましては、衆議院で与野党ともに五党修正の案で必ず実現されなくちゃいけないなという立場の中で申し上げたわけでございますが、少々人の考えいろいろ幅広く違うわけでございますので、それはお互いの持論といたしましていろいろあると思いますが、いずれにいたしましても公取で発表されましたこの寡占企業による価格の操作の疑念、そうしてまた、昭和四十五年度を一〇〇とする消費者物価指数を国民の立場から見てまいりますときに、昭和五十年にはやはり世界で一、二を争う一七五%から六%の状態になって、横ばいの形で上向きに動いている、こういう形を考えますと、すべて政治も経済も国民生活優先の立場から、憲法二十五条で保障されておりますように、最低限度の文化的な生活程度は、経済の面でも文化の面でもどういうふうにあるべきかという問題がいまから提起されようとしているわけでございますが、経済の憲法と言われます独禁法についても、やはり国民生活というところにストレートで、またあるときには間接的に直ちに影響をするわけでございますので、委員長としても、また大臣といたしましても、国民生活はいかにあるべきか、いかにここへ寄与できるかという観点の中で、経済のこの生き物に対するコントロールをしていただかなくちゃいけないと思います。そういう点をお願いいたしまして、次に移りたいと思います。 通産省は、近年の産業界における企業間の再編成の動きに対応して、昨年は省内に産業政策懇談会や産業組織政策室を設置されました。産業組織政策の検討を行ってきておるわけでございますが、一部の話の中では、これは通産省の独禁法改正問題に対する理論的武装の準備ではないかと評する向きもあるわけでございます。そういう中で私が質問申し上げたいことは、産業政策懇談会や産業組織政策室はこれまでどういう作業を行ってこられたのか、そして今後のスケジュールはどういうふうになっているのか、お伺いしたいことでございます。 もう一点は、産業政策の立場から、また、産業再編成を効果的に進めようという立場から、独禁法改正についてはどうあるべきだと考えていらっしゃるのか、該当部局から答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(濃野滋君) ただいま御質問のございました産業政策懇談会の経緯につきまして御説明申し上げます。 ただいま御指摘のございましたように、産業政策懇談会は昨年の五月に通産省の私どもの局、産業政策局の諮問のための機関としてつくりました。座長を慶応大学の辻村先生にお願いいたしまして、約二十名程度の委員で五月から御検討をお願いいたしております。 何をやるかということでございますが、この懇談会でお願いをいたしますことは、今後の日本の経済を取り巻くいろいろな環境が変わってきておりまして、いわゆる産業構造問題といたしましては、四十九年から私ども産業構造のビジョンというものをつくりまして、さきの産業構造のあり方等を検討してまいりました。この問題をも含めまして、いままでやってきました産業政策の全般的な見直しが必要であるということで、ただいま申し上げました、まず環境変化にどう一体対応していくべきか、それから、その中で産業政策の役割りは一体何であるかというような基本問題に返りまして、まず問題点の整理をしていただこうということが現在までの検討の内容でございます。 若干具体的に申し上げますと、たとえば、産業と国際経済が非常に変動しておりますが、国際経済の変化に対応していく上にどんな問題があるか、それから産業構造がこれから変わっていくときに、産業政策はどうあるべきかというような問題でございまして、大体昨年の十二月までの間にいろいろな問題点の整理をお願いを終わりまして、それと並行しながらただいま業種別の問題点、たとえばある業種の日本の国民経済における地位はどう考えるべきかというようなことにつきまして、省内でも関係の資料整理、問題点の整理をやっております。 今後の問題でございますが、私どもといたしましてはなるべく早い機会にこの懇談会を再開をいたしまして、そういう集まりました資料に基づきまして、産業政策上の具体的な問題につきましていろいろまた御討議をお願いをしていこう、かように考えております。先ほど先生から御指摘ございましたように、たとえば独禁法問題に対するその問題だけを取り上げて当初は検討するということではございませんで、産業政策全般に対する見直し検討ということで今後運用していきたい、かように考えております。
○矢原秀男君 では、最後の一問につきまして質問したいと思います。 タイトルは絹業安定緊急対策をどうするかという問題でございます。わが国が明治維新以来今日に至るまでの近代工業化の歩みの原動力は、養蚕業と欧州から導入した製糸業を基礎とした製糸業にあったと思います。ちなみに、明治より昭和に至るまでの絹関係輸出の輸出総額に占める比率は、明治五年の四八・二%から昭和の三十年三・三%へと急激に落ち込んでいるのが実態でございます。さらには、国内における養蚕農家と絹撚糸、絹織物業者の利害の矛盾が、農林省と通産省という形の中でいろいろと話し合いというものはあるわけでございますが、結論的には業者の、労働者のそういう中小零細の担当する企業の中に明らかになっているわけでございます。そういうものが大きくはまた国際取引を通して顕著になるほど、わが国近代化の基幹をなしてきた絹関連産業を私は歴史的に思うにつきまして、言い知れぬ悲しみや、そうしていろいろな複雑な思いがいたすわけでございます。 そこで私は、決算委員会でございますので、この関連対策としての四十八年度歳出予算の減額における繊維、そうして蚕糸関係費を見てまいりますと、農林省では蚕糸園芸振興費に二百十三億円が計上されたわけでございます。通産省においては繊維工業構造改善対策費として四億円、臨時繊維産業特別対策費として百二十八億円、両省合わせて約三百四十五億円と計上されているわけでございます。非常に不況下にありまして、今後いかようなる施策をもってこの問題に当たられるのか、まず最初に田中通産大臣に所見をお伺いして、そうして後で具体的な詳細について質疑を重ねてまいりたいと思います。大臣よろしくお願いします。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問でございまするが、日本経済の中で最も重大な案件の一つでございますが、絹織物業の国内需要が停滞いたしており、また、生糸の一元化輸入制度が継続されておりまするために、原料高、製品安と相なっておりますことから、最近その経営が著しく悪化いたしておりまして、このために昨年の八月には大蔵省、農林省、通産省三省の了解のもとに絹業安定緊急対策をば決定いたしまして、この一環として設備共同廃棄事業というふうなものが積極的に推進されておるような次第でございます。なおまた、この了解に関しまする特殊性でもございまするが、後進性のある各地からの突き上げというふうなものもございまして、国内的には非常な窮境に立ち至っておりますることは矢原先生の御指摘のとおりでございまして、なお本件につきましての具体的な、詳細な対策につきましては、担当の政府委員の方からさらにお答えを申し上げたい、かように存じております。
○矢原秀男君 大臣、ひとつこの問題も真剣に取り組んでいただきたいと思います。 では、具体的な問題に移りたいと思いますが、去年の十二月、私、兵庫県でございますが、日本海沿岸の但東町と、そうして出石町から京都西陣に関係する但馬ちりめんの産地で、中小零細企業は倒産の憂き目にあり、働いている人も収入がなくして大変である、一回現地を視察してほしい、こういうことで、私も日本海に面する但東町や出石町に伺ったわけでございます。これは単なる地場産業だけではなしに国内の問題であり、ひいては二国間の問題であり、国際問題というものがからんでいて、非常に日本の国の政治の中で、先ほど申し上げたように大変な事態であるということを把握することができたわけでございます。そこで私は、まずこの地場産業の具体的な問題点をクローズアップする中で地場の問題とそうして全国的な問題、国際的な問題を並行して質疑を重ねてまいりたいと思います。 いま申し上げた但東町や出石町では、業界の現状といたしましては九百三の企業がございまして、従業員の数が千二百六十六でございます。生産数量が平米に直しまして三百七十四万一千平米という生産量でございます。これを全国で見てまいりますと、企業の数が一万六千三百、従業員の数が十一万六千三百、生産数量を平米に直しますと、一億三千五百九十四万二千平米となるわけでございます。こういう但馬関係、そうして全国関係の現状でございますが、これは京都西陣を起点とするちりめんの特産地でございまして、京都と丹後と一連の関係があり、特に緞子ちりめん、また駒綸子ちりめんとか、そうして白無地の高級品の生産等が非常に盛んでございます。絹糸一〇〇%という本当にすばらしいものでございますけれども、そこで働いていらっしゃる労働者の方、そうして経営者、小規模零細でございまして、早く言えば賃加工という形でございますので、一番世間の波を受けやすいのでございます。 この但馬地区の白生地ちりめんは、やはり当地区の高い湿度と円山川の清流等の自然条件のもとに、独得の撚糸機で強いよりをかけた糸で生産されるためでございます。美術的にもすぐれて、耐久性にも富んで、多品種少量生産方式による最高級品のちりめん生産でございますけれども、いまは着物も若い人たちの中でも、高級という名前はつきますけれども、庶民的な、そうして日常的に平均的な文化的なそういう着物という立場で、国民の中にも非常に愛好される状態になっているわけでございます。決して一部の者だけのものではなくなったわけでございます。ところが、現在の不況の中で国際競争の波にあおられまして、その中小零細加工業者の経営が非常に困難になりました。そうして倒産の危機にまみえているわけでございます。 それと申し上げますのは、どういう実態であるかと言えば、最盛期には一台の機械で一カ月五万円から七万円の収入がございました。大体四台の機械に一人がつくわけでございますから、五台の機械がございますと、御家庭でも二十万円の収益が上がっていたわけでございます。だから過去に国や県が行政指導の中で、あなた方のたんぼやいろんな財産を織機という織り物の機械にかえて家庭のお仕事にしても、過疎の農村においても悠々と生計ができるんだという行政指導のもとに、ある人はたんぼを売り、そうしてある人は都会から帰って、家庭の中でこういう職業というものが中心に進められたわけでございます。ところが現在では、よい収入の方で一台が一カ月に二万円から三万円でございます。悪いところになれば、一台の機械で一カ月に一万円から二万円しか収入が入らない、全くどろ沼のような状態の中で賃加工というこの産地が破滅に陥っているわけでございます。そういうふうな中でいろいろな問題が出ております。 時間の関係で単刀直入に質問をするわけでございますが、そういう中でいま国内の業者が、地場産業の業者も一緒でございますが、では、何の問題を解決をすればわれわれの生きる道があるのか、そういうことで国内的に大体意見が合っておりますのは、機械を取りつぶして廃業をしていく、そのためには少しでも政府や国やいろんなところから援助をいただいて一万円でも高く機械を売って、そうしてお金をいただいてあとは仕事をやめていく、専門的な名前で言いますと、設備共同廃棄事業という形になるわけでございます。 まず私は、この設備共同廃棄事業について質問を申し上げたいわけでございますが、政府の方では、政府といいますか、通産省といたしましては、設備共同廃棄事業——韓国や中国に、機械やなんかは向こうにもどんどんいっているわけですが、規制の手は向こうでは私は聞きません。世界じゅうの外国の、日本で絹関係は大変であるから、機械を買い上げてつぶしていこう、そうして生産を少し落としていこうという、そういうニュースは私の手元にはいまないわけでございますが、日本の国では自主防衛の立場でとにかく機械を壊そう、そうして極力仕事をやめていこう、そういうふうにして背水の陣がしかれております。それに呼応して政府も、これは私の言い方でございますけれども、それ以外に手はないというふうな感覚だと思うんです。その機械を廃棄する設備共同廃棄事業というものをやる以外に、この絹関係の解決はないということが第一点に上がってくるわけでございますが、この点について少し質疑を交わしてまいりたいと思います。 まず、これに対する考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) お答え申し上げます。 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、絹業緊急対策として昨年八月に七項目につきまして三省で合意をいたしまして、これを推進しようということにいたしたわけでございますが、その中で、いま先生お示しの設備共同廃棄事業というものが基本的には最も大きな方策であるということでございます。仰せのとおりでございます。
○矢原秀男君 そこで、では私の方から具体的な質問をいたしますが、確かに大蔵省、農林省、通産省の了解事項として、五十一年の八月十九日に絹業安定緊急対策というものが打ち出されたわけでございますが、現場のそういう具体的な問題点を踏まえて質問したいと思います。 共同廃棄に至るまでの経過の中で、絹業安定のためにはこれが一〇〇%の、いわゆる野球で言えばホームランを打てる、業者に喜んでいただける、そこで働く労働者の人にも喜んでいただける、また市場でお買いになる方々、こういう三者になるわけでございますが、そういう方々のすべてを勘案する中で、この機械を廃棄する共同廃棄、これが一番のやり方であると、これは業界等ずっと見ながら、どういうところに必要性の理論的な構成というものが成り立っていくのか、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) 緊急対策の一つの骨として設備共同廃棄事業を推進するということでございますが、その理由といたしましては、絹製品の需要といいますものが非常に低迷いたしておりまして、それに比べまして生産の方の設備が非常に過大であるというところに基本的な原因がございます。もちろん、その需要が停滞いたしております基本には、まあ生糸が高いというところからきますところの製品の値上がりということもあるわけでございますが、また、絹製品が一時非常によく売れましたとき、いわゆる戦後のベビーブームの人たちがちょうど結婚年齢に達しまして、非常に絹製品がよく売れた時期から比べますと、やはりそういうふうな人口構成上の問題からいたしましても、最近は大分需要が減ってきた。こういうふうなことで需要が非常に停滞をいたしてまいった。それに比べましてやはり設備が過大である。したがいまして、そこで調整すればやはり合理的に設備を調整せざるを得ないのではないかということでございます。
○矢原秀男君 これの廃棄事業の買い取り価格でございますけれども、十六年の無利子制度、その内訳としては四年の据え置き、十二年の支払いですね。そういうふうな中で残存の組合、残ったところの業者組合、これと国や県、こういうふうな形でそれぞれの分担があるわけでございますが、いずれにいたしましても九〇%までは貸し付けの内訳があるわけでございます。事業団が六七・五%で、都道府県が二二・五%を、四県以上をまたがる場合には事業団が七八・七五%、都道府県が一一・二五%負担する。これで九〇%は解決するわけでございますが、いま業界で問題になりますのはあとの一〇%ですね、どこが負担をするのか。これを残った業者に全部まる抱えにされると、こういうふうに波のある業界の中で将来の保証というものが全然できてないのにわれわれがなぜ負担をしていかなくちゃいけないのか、そういうあとの一〇%の負担の内容についてはどうしたらいいのかということが大きな設備共同廃棄事業についての、機械を取り壊していく、そうしてそれに対して一台幾らというお金を出していく、その出す分はどこが負担をするのかというので非常に論議が交わされているわけでございますが、九〇%までは負担がわかったわけです。あとの一〇%の問題をやりたいと思うんですが、あとの一〇%は通産省はどういう御意向を持っていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府委員(藤原一郎君) いまお示しのように、中小企業振興事業団から融資ということで九〇%の融資をするわけでございますが、全額融資というふうなことは、実はこういうケースではほとんどあり得ないわけでございまして、九〇%というのも振興事業団の諸般の融資ベースからいいますと特段の異例のケースでございまして、これ以上の全額ということはちょっと無理であろうかと思います。したがいまして、一〇%ぐらいは自己負担ということはやむを得ないことではないかと思っております。
○矢原秀男君 いや、その一〇%の自己負担の内訳をやはり通産省である程度明示してあげないと、一〇%あなたたち自己負担しなさいと、そしたら今度は無理やり仕事はやりたいのですと、また景気がよくなるから。毎年向こうの方では、昔のある総理大臣の人たちのいろいろなお力で無免許の機械がどんどんできて市場を圧迫した。そういうことは既成事実にして、昔から免許を取りながらきちっとしている、そういうところで私たちは仕事をしたいというのに、どうしてもこの状況ではというので機械を取り上げられてまたやめなくちゃいけない。 財産をいろいろ機械にして、そうして将来に対する仕事の希望もあったのに、みずからやめたいわけじゃないんです。国や県から行政指導が来るから、そういう枠内の中でこれは仕事はしたいけれどもどうしようもない、そうしてお金も何もない。いま申し上げたように、働いている平均的な勤労者の方よりも、企業主のこういうふうな方がまだ貧しい、想像できないんですから。だからその一〇%については、あなた方が自己負担しなさいと言っても、ある程度やはり現況を見て、そうして過去の経過を見て、通産省としてこの一〇%の内訳はこうしたらどうですか、こうしたらどうですかという、もう少し親切な手の施しようがあるんではないかなと思うんです。 そういう意味で私は、通産大臣に最初に、中小零細企業の異例的な倒産の中で中小零細企業を救済するためにはどういう手を打ってくださるんですかという、初めて大臣のそういう御見解を聞いたのは、これと前の質問は何も別個、そういうことではないわけです。そういうことですから、担当の皆さん方が、地場産業や国内産業の方々がこの一〇%に集中しているんですから、もう少し情のある、真心のある、きめの細かい行政指導というのか、横からの参考的な意見というのか、そういうようなことでもうちょっとこれは深く入る必要があると思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(藤原一郎君) いまの一〇%の資金の問題でございますが、これをどういうふうにして調達をするかというふうな具体的なケースにつきましては、共同廃棄事業を推進するに当たりましていろいろ御相談にもあずかり、御助言申し上げることもあろうかと思いますが、ただ、先ほどおっしゃいましたように共同廃棄事業、これを負担いたします者は残存業者で、残ってこれから大いにやろうという方々でございまして、やめていく方に負担がかかるわけではございませんので、その点は御了解願いたいと思います。
○矢原秀男君 もう時間がないので次に移りますけれども、やめていく人が負担するんでなしに、残っている人に負担をさせるんだ、こう言われておるんですが、いま業者が国際価格、後にちょっと移りますが、こういう国際価格と輸入一元化や二国間の協定問題の中で非常に圧迫をされて、将来の保証が一つもないわけですね。将来の保証があなた方はありますよと通産省で言っていただければ、幾らでも人の分でも責任は負いましょうと、こう言っているわけです。 ところが、その都度いろんな政策、助言が打ち出されてきても、国内だけの政策ではなしに、すぐ世界じゅうのいろんな問題で壊されてしまう。もうめちゃめちゃになる。日本の国では、農林省と通産省が本当にああこれはいいなという了解点には、なかなか私は至っているとは思わない。そういうふうな形の中で、残存業者も将来保証がないのに何で負担できるんですかと、こういうあれで非常にもめているわけでございます。きょうは時間ございませんが、今後の課題として、またいろいろと参考意見等を求められる場合があると思いますが、どうか積極的に参画、御意見をいただきたいと思います。 その次にお伺いをしたいわけでございますが、国内問題では、いまこの廃棄事業が一番業界の中で問題になっております。では、この後で仕事を買い上げして全然だめになっていく、そういう場合に、絹織物業をやっていらっしゃる方々は、他事業への事業転換というものについても、これは中小企業振興事業団とか繊維工業構造改善事業とかいろんな制度等があるけれども、いままでに廃業された方が地元においてはラーメン屋さんが一軒とか、そうしてまた過疎から過密の町に働きに出ていくとか、そういうあれでいろんな県やひいては国からの行政指導によってもそういうふうに仕事をやめざるを得ない。では次の仕事に転換をするというときに、本当に貴重なアドバイスというものは余りないわけです。ですからそういうふうにしてその仕事をやめて、行く先もない、非常に大変な状態になっている。これは時間がございませんので、答弁はいただきませんけれども、過去の実績から見て非常に大変でございます。こういう点についてもきめの細かい具体策を考えていただきたいと思います。 そうして、国内問題はさておきまして、問題は二点ほど国際問題であるわけです。 その一点は、絹糸の輸入一元化についてその実施が製品輸入の急増となって、業界事業者に経営の困難化をもたらしたことは十分考慮されるわけです。だから業界の中では、もう自由な国際価格を望む上からその撤廃を求める声があることも当然でございます。ところが、四十九年の八月に一元化の量規定がなされて、農林省では五十一年の五月三日、これは議員立法等にもなったわけでございますが、そのときには輸入一元化は当分の間というふうなことが入っているわけです。 ところが現在、国際価格がキロ当たり七千円前後でございますのに、農林省の政策によりましていまキロ当たり八千円から一万二千五百円前後に日本の国ではなっている。だからこういう業者に渡るのは一万二千八百円近くで渡っている。それで外国と競争しなさいというのであれば、これはヘビの生殺しでございまして、そういうことで業界では、特に地場産業では、もうこんなことであるのだったら、自由に国際価格にしてください、そして海際の七千円のキロ当たりにしていただければ、日本が技術輸出を外国にした、そして安い製品が外国から返ってくる、われわれ業界は日本の国で敗れてもよろしい、国際間の値段で技術の問題、人件費の問題、外国と戦いをして敗れるものであればわれわれは納得がいきます、こういうふうにして訴えをいたしております。 これに関連して、やはり韓国と中国の二国間協定による輸入制限についても、業界の要望というものを十分考慮しないといろいろと大変な問題があるわけでございます。数量等の明細がございますけれども、時間がございませんので、国際経済の輸入、輸出のいろんな関係の問題等がございますので、この問題だけを非常にああだこうだと言うことはいろいろと問題があると思いますけれども、この業界においてはこういう心からの叫びをいたしているわけでございます。また別個な面で世界の、日本と取引の数字のデータ、そうして日本のこういう問題点の数字的なものをいまここにきしっと用意をいたしておりますけれども、業界の叫びというものが、地場産業の叫びというものが、いまの段階においては非常に数字的に見ても、歴史的な最近の経過だけを見てもやはり大きな理由がある、こういうふうに私は思うわけでございます。 この国際関係の二点について、議員立法で決まったこういう問題についても、通産省と農林省が意見が全然違います。通産省はなぜこんなわかり切ったことをやったんだと、もうまた議員立法ができても、当分の間の期間があって正常に返っている段階の中で、通産省としての立場では、こういう問題については早急に検討されなくちゃいけないということです。だから私は農林省に対しても、養蚕の保護についてはこういう価格を瀬戸際で防止するためにアップをするだけではなしに、別な政策次元を農林省でも考えて、養蚕の保護をすべきである。なぜかこの業界だけが農林省と通産省の意見が違う。しかも通産省では、こういうことをすれば業界はだめになる、こういうふうにして私たちは最初から言っておりましたと。私は通産省の御意見を伺いながら、これは本当にその理もありますなと思っているわけです。 どうですか、通産大臣、あなたは期待をされて——私はこの正月の後に福田総理大臣にも官邸でお会いをしまして、この現状を申し上げました。その後、通産大臣にもこの実態を申し上げたわけでございますが、農林省と通産省の意見が違う。しかも、こういうふうな事項というものが議員立法という形の中でも、当分の間という規定があった。そうして、当分の間という規定の中でこういう目的はやや達成をしたという数字が出ている中で、なぜ通産省の意見が農林省や大蔵省やそういうところへもう少し伝わっていかないのか。これは農林省と通産省をけんかをさせるとかどうこうするわけではなしに、私は絹業の安定という将来から見て、省庁がまたがって意見が違うということは国民の産業の立場からも非常によくないし、そうして、この問題についても議員立法の役目は、本当に大体できておる。また、農林省についても幅の広い立場の中からもっと有効な政策があるはずなんです。そういうことでございますので、時間もやってまいりましたから、通産大臣からまとめて、私の意のあるところを答弁にかえてしゃべっていただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま矢原先生から切々とした当業界の現状につきましてお話を承りまして、私もまさに断腸の思いがいたす次第でございます。しかしながら、本件につきましては、何とかして救済に当たっていかなきゃなりませんが、と同時に、いまの趨勢から申しまして厳しい政策もやむを得ない、かようにも思う次第でございます。ことに韓国、中国の絹糸の問題、さらに加えまして新しい意味におきましては、特に南米方面に向かって蚕糸移民というようなのが出ておりまして、これがまたブラジルからもパラグアイからも絹糸の輸入をさらに増してくれと言ってまいっておるような状態でございます。 一層厳しい業界の現状に照らしまして、農林省とも篤と今後将来の問題につきまして談合をいたし、そうして当業界を救うべく全力を傾倒いたしたい、かように考えておる次第でございます。 —————————————
○委員長(鈴木力君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま志苫裕君、小谷守君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として野口忠夫君、竹田現照君及び加瀬完君がそれぞれ委員に選任されました。 —————————————
○小笠原貞子君 新しい年が明けまして、アメリカではカーター新政権が誕生する、また、日本も国内では福田新政権が誕生する。ある人は一九七七年とラッキーセブンが二つ続いたから、ことしは何とかいい年になるだろう、そういうことを言う人もございました。しかし、決してラッキーセブンが二つ続くどころか、ことしはますます大変なときになりそうだ。きのうからロッキード疑獄の裁判が始まりましたけれども、いまの日本の中で特に日本の経済関係を考えてみますと、大変御苦労な時期に田中通産大臣は御就任になったわけでございます。 そういう中で、ロッキード疑獄のあの暗雲と重なって日韓の非常に黒い霧がいま少しずつ見えてまいりました。そういうような中で、いまいろいろ各同僚議員もお話がありましたけれども、日本の通産行政がどういう姿勢でどういう努力をしていくかということによって、国民の期待は非常に大きいと思うわけです。特にそういう立場から考えますと、貿易立国とも言われる日本において、対外経済協力、そうして特にきょう私お伺いしたいと思いますのは、その日韓関係について一体いままでどうであり、今後どうなっていくであろうかというようなことについて大臣の姿勢をお伺いしたいと思います。 もちろん、もう新聞などで御承知のとおり、この日韓関係については最近もKCIAの活動だとか、それからまた、アメリカ国務省の韓国部長レイナード氏の発言などから見ても、日本と直接関係のあるというような問題が非常に大きく出てきたわけでございます。こういう疑惑が疑惑だけで済めばいいんですけれども、非常に暗雲の中でいま大臣が通産行政に当たられる。この姿勢として、一体どういうふうにいまの情勢の中でお考えになっていらっしゃるのか、まず最初にそれをお伺いしたいと思います。時間の関係もございます、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの小笠原先生にお答えいたします。 日韓の両国の関係は、何といたしましても隣邦でございまして、一衣帯水の間にあり、同時に、経済関係から言いましても有無相通ずると申しますか、具体的な面が非常に促進しなければならぬと存ずるのでございますが、ただいまお話の中で、日韓の間に黒い霧云々というようなものが出るというお話もございましたが、かかることは絶対にない、私はかように申し上げたいと存じます。 同時にまた、この日韓の両国の関係が国交正常化以前には、あるいは李承晩ラインの問題でありますとか、その他両国の間に非常に険しい状態が続いたのでございまするが、佐藤内閣のときにようやく両国は国交正常化いたしまして、以来、この両国の提携という問題は促進をしなければならぬという国の方針に従いまして今日も継続されておる次第でございます。同時に、準賠償でございます三億、二億という有償無償の面も十年間継続いたしまして、そうして昨年においてこれが完了に相なりました。その後におきましても、この両国の関係というものは今後ともに相提携してまいらなくてはならない、かような気持ちでおる次第でございます。
○小笠原貞子君 それでは、具体的にお伺いしたいと思います。 非常に大臣も韓国との友好ということに熱を入れられて、いわゆる世間で言っております親韓派議員と言われるわけになるわけですけれども、日韓間に設けられた民間レベルのいろいろな団体がございます。その団体との関係、大臣がどういう団体とどういうふうに御関係なすっていらっしゃるか、いらっしゃったかという点について具体的にお伺いいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) 岸内閣が成立いたしまして私が官房副長官に就任いたしましたときに、なお国交は正常化いたしておりません段階におきまして、日韓両国の間の担当を命ぜられました。自来国交正常化について努力してまいりましたが、同時に岸内閣の後に、ただいま先生が申されました民間団体であります日韓協力委員会を構成をいたしまして、まずもっていたしました努力は国交正常化の問題でございまして、池田内閣を通じまして両国の間の、何とか国交を開かなきゃならぬという問題に努力してまいりました。先ほど申し上げたように、佐藤内閣になりましてようやっと国交が正常化いたしました後におきましても、なお幾多の問題が残っております。両国の険しい三十六年間の、日本の植民地時代の名残と申しますか、容易にこれがスムーズな関係に相なりません。その間にこの協力委員会が果たしました両国のきずなと提携のための努力というものは、私は評価されていいと存じます。 なお私は、今回福田内閣と相なりまして、協力委員会の方の関係は事務総長をやめまして、そうして今日は関係は持っておりません。
○小笠原貞子君 日韓協力委員会の事務総長をずっとやって非常に大きな役割りを果たしていらした、大臣におなりになっておやめになったということでございますね。 それから、日韓議員連盟の副会長もしていらっしゃいますですね。
○国務大臣(田中龍夫君) 日韓議員連盟——じゃない、日韓議員懇談会の方でございますか、つまり自由民主党にございましたアジア問題議員連盟、その中におきまする韓国部会というものが日韓議員連盟でございます。それとは別に、大分おくれまして日韓議員懇談会というのができまして、それがその後また名称が変わりました。そちらの方は私は顧問ということになっておりまして、副会長ではございません。日韓議員の方は椎名先生でございますか、会長で、幹事長は毛利松平君でございます。
○小笠原貞子君 そういうことで日韓協力委員会には初めからずっとお入りになって、しかも事務総長までおやりになったということで、いろいろ私も伺わせていただきたいと思うんですけれども、その協力委員会の設立目的といいましょうか、そういうものは簡単に言ってどういうことになっておりましたですか。
○国務大臣(田中龍夫君) これは日韓両国の親善友好でございます。
○小笠原貞子君 まことに簡単でございます。まさに親善友好ということだそうでございます。 それじゃ、外務省いらしておりましたらちょっとお伺いさせていただきたいと思うんですけれども、この日韓協力委員会というものにつきましては、設立総会には当時の愛知外務大臣がわざわざ御出席になって、そしてお祝辞を述べていらっしゃる、総理からもメッセージがいくというようなことを記録で伺ったわけですけれども、外務省としてはこの日韓協力委員会がいわゆる外交面の立場から言って、また経済面の立場から言っても大変いい役割りを果たしたとお考えになってきていらっしゃるか。きっとそうお答えになると思いますけれども、これについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(大森誠一君) 外務省といたしましては、日本のすぐ隣に位しております韓国との間で種々のレベルでの幅広い人的交流が行われまして、それによって両国の相互理解が深められるということに役立つというふうに考えておるものでございまして、日韓協力委員会というものも、そのような日韓両国間の幅広い交流の場の一つであるというふうに考えております。
○小笠原貞子君 初めに申し上げましたように、現在アメリカで大問題となっておりまして、日本にも関係してきているように承りますけれども、KCIAだとか、それから統一協会というようなものを通して米議会の買収事件というものが報道されている。これはアメリカの対外援助の削減、いわゆるニクソン・ドクトリンなどに基づく在韓米軍の削減問題に関連して、そこから韓国に対するアメリカ議会の理解を得るために行われたというふうにいま報道されているわけでございますね、御承知のとおり。そうしてそれは時期はいつかといいますと、一九六九年末と、こう言われているわけなんです。 その一九六九年という年になりますと、じゃ、そのとき日本と韓国との関係はどうだったと、こう見て見ますと、ちょうどその同じ時期でございます一九六九年十二月二十七日から二十八日にかけて、ソウルの大然閣ホテルにおいて日韓協力委員会第二回常任委員会が開催されております。これには大臣も御出席になっていらっしゃると思います。で、当然この席上では、そのとき一番問題になっておりました在韓米軍削減問題等についていろいろと論議もなされたと思います。その中身と言えば、韓国側からは、軍事援助の肩がわり——アメリカが撤退した後大変だということで、日本に対して非常に大きな期待、協力ということが要請されたと思うんでございますけれども、大臣としてはその辺の記憶をちょっと呼び戻していただいて、どういう話し合いがされたか伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 六九年と申しますと、いまから八年ほど前でございますが、しかし、日韓協力委員会という団体は、御案内のとおりに、民間とわれわれ数名の国会議員がおるだけでございまして、その中において、事日本政府に属するような、あるいは外交上の問題よりも、むしろいろいろと紛争が起きておりまする問題の処理というふうな、両国の間に何とかしていい関係をつくろう、あるいはまた両国の間の経済的な交流をしようというようなことが主でございまして、ただいまお話が出ましたようなそういうむずかしい問題は爼上には上しておりません。
○小笠原貞子君 ちょっと私わからないのでまたお伺いいたしますけれども、日韓協力委員会というのはメンバーが大体どれくらいで、日本と韓国と何人くらいで、日本の中ではどういう方々がいらっしゃるかというような、全部御記憶ございませんでしょうけれども、人数とそれから、もしできましたら、そのメンバーなども伺わせていただきたいと思うんですけれども……。
○国務大臣(田中龍夫君) この団体は非常におもしろい団体でございまして、会長は岸先生でありまして、私が事務総長をしております。それから委員に相なっておりますのは、国策研究会の矢次君でありますとか、あるいは石井光次郎先生でありますとか、その程度の、もう一名は木内信胤さん等々と評論家も入っておりますが、四、五名が常任委員をいたしております。それで、あと、韓国に参りますときには希望をとりまして、そうしてその訪韓を希望するあるいは財界の方あるいは評論家の方、学者、そういうふうな方々が応諾なさいました際には団の結成をいたしまして、そのときに名前としましては委員として加わるだけでありまして、現実には数名の者だけで常任委員ということに相なっております。できれば一年交代——毎年年一回の総会をいたすという際に交互にいたすということに相なっておるのであります。 この日韓協力委員会がそもそも発足いたしましたのは、まずもって韓国との間の国交正常化を実現する。国交正常化をいたした後は、今度はまた新たにいろいろな不正常な面がたくさん残っておりましたり、あるいは紛争がありましたり、そういうふうなものをできるだけ友好裏に話し合ってほどいていこう、こういうふうなのが使命でございます関係から、両国の間が正常化いたしました後は、だんだん民間相互におきましても、あるいは役所間におきましても、協力委員会がお世話をしなくてもいい環境に相なってまいりましたので、ここのところ数年はなかなか年一回の交流をすることすらがむずかしいような、また、客観情勢もその必要がないような状態に相なっておりますので、形式的には続けておりますが、実体的には前のような両国の関係を努力して正常化する、それを交流してさらに一層促進するというような機能はだんだん低下いたしております。
○小笠原貞子君 じゃ、会長、事務総長、そして常任委員と。普通の委員というのは別にないということでございますか。——数は大変少数でいらっしゃるけれども、まあ時の実力者でもあり、日韓に大変詳しいという少数精鋭の委員会だというふうにお見受けをいたしました。 そういうわけで、この委員会が開かれまして、私もいろいろ調べさせていただいたのですけれども、その中で、一九六九年の十一月の二十七、二十八日にいま申し上げました第二回合同常任委員会というのが開かれております。そこで一体どういうお話がされたのかと、いま大臣からお伺いいたしますと、大変簡単で、親善についての話し合いというようなことしかお話し合いなさらなかっというふうにお答えをいただきましたのですけれども、実はその常任委員、いまメンバーの中でおっしゃいました矢次さんが「新国策」という報告を出していらっしゃいますね。これは大変細かく出されているわけなんです。それを読ませていただきまして、これ全部読むわけにはいかないのでございますけれども、大変な中身だなとちょっとびっくりいたしました。 そのときに、二十七日に議題に入って、直ちに議題に入り——ごめんください、ちょっと読ませていただきます。 直ちに議事に入り、二七日午後に、1沖繩返還にともなう極東安保問題、2韓国安保問題、3在日韓国人の永住権、経済活動、教育の諸問題などの政治方面の討議が、二八日午前から午後にかけて、1貿易アンバランス問題、2浦項総合製鉱所建設に関する協力・支援などの経済方面の討議がそれぞれ行なわれた。 こういう議題で話し合われた。決して単なるお茶を飲んでというようなことではない。こういうことなわけですね。 そういう問題について韓国側はどういう主張をしたか、これが出ているわけです。 これに応じて韓国側は、アメリカの軍事力がいつかアジアから去るのは既定の事実であり、日本の国情からして、アメリカの肩代りが不可能なことも承知している故、韓国安保に影響が少ないような形で沖繩返還が行なわれることが望ましい、と述べ、さらに続けて、羽田で涙を流した佐藤総理の心情に理解と同情を示しつつも「気持は複雑だ」とし、総理の記者会見の要点を二つに整理、提示した。一点は、駐韓米軍が共産軍に攻撃された場合、これを座視するわけにはいかないこと、二点は、韓国安保に関して(日本は)米軍の肩代りは憲法上不可能なので、経済面で協力するということである。これは解散・総選挙を控えた総理の発言として十分に了解はするとしながらも、アジアにおける激しいバランス・オブ・パワーの変化の中で、いったい日本は、結論的に、何を目標とし、どこへ行こうとしているかについて深い懸念を表明した。 ですね。 さらに韓国側は、沖繩の米軍核基地の撤去という日本の政策方向がそのまま延長されて韓国に適用されることがもしありとすれば、これは即われらの生存の問題につながる。重大な関心を持たざるを得ないゆえんだとし、韓国における米軍基地は韓国のためのみならず日本のためにも必要であり、ぜひこれを引きとめる努力をして欲しいこと、沖繩から撤去が伝えられる「メースB」を韓国は受入れる用意があり、アメリカに対してこれをプッシュして欲しいことなど、かなりシリアスな内容を含む見解を提出した。 また、韓国は朝鮮半島における国連がオーソライズした唯一の合法政府であり、日本も国連第一主義をその国策とする限り、断固たる立場をとるべきであり、それとの関連で、日本の憲法改正問題の行方に重大な関心があることを表明した。「生かさず殺さず」式の現在の対韓政策では必ず将来のある時期、両国関係に重大な蹉跌が生ずるとし、憲法上、兵器・軍需産業に問題があるなら、これを韓国に移すことも可能であり、その時にこそわれわれは、日本の決意について国民に訴え、理解を求ることができる、と述べた。 韓国側の主張はこういう点なんですね。特に「憲法上、兵器・軍需産業に問題があるなら、これを韓国に移すことも可能」だというふうな憲法問題が韓国側から云々されているわけです。 これに対して日本側は、それではどういうふうな回答がこの中で話し合われたか、これが日本側なんですけれども、 なお、日本の現状について、ある種のいらだちを韓国が感じている点について、それが新聞を経由している点に問題があること、新聞だけで日本を判断することの危険性についても注意がうながされた。 これから日本は、日本人自身が驚くほどの変化を遂げるに違いなく、ここからちょっとまた聞いていただきたいのですけれども、 「安心を与えてほしい」との韓国側の意見は十分理解できるが、大局をつぶさに観察するなら、日本は非常な勢いで望ましい方向に転回していることがわかろう。日本は明治以来の対西欧コンプレックスから脱却し、自己再評価の段階に入りつつあり、とくにこのところ、日本人の間に大きな心境の変化が認められるのは注目に価いする、との指摘もあった。 さらに、右の意見につけ加えて、アメリカの軍事力の肩代りというようなケチな量見は日米にはないこと、敗戦国日本は一億の国民を飢えさせないため八方美人にもなり、「いやらしい日本人」にもなったが、ここまで来た日本として、何が果たさねばならぬ責任かを十分に承知していること、実体上からはもちろん、論理上からもそういう段階が近々やって来るだろうとの意見が述べられた。 ということですね。 それからまたちょっと云々ありますけれども、佐藤・ニクソン共同声明に明瞭であるとし、以の判断から日本側は、「時はわれらに幸い」しており、このチャンスの十分にして適切なる活用の必要を訴えた。 日本側の課題としては、アジア諸国の要請に応じられるような内的変革と体制の整備であり、その第一着手が憲法改正だとした。 こういうふうに非常に具体的に出されているわけなんで、御記憶にまたよみがえらせていただいたと思いますけれども、こういうことになりますと、まさにこれは単なる親善というものを越えまして、恐るべきことがここで話されております。つまり、在韓米軍削減を機会に韓国への全面的な軍事援助を肩がわりするために、ネックになる憲法改悪を韓国側と事実上話し合いもし、そして最後に私が読みましたように、その第一着手が憲法改正だとしたというのが日本側の対応なんです。ということは、韓国側と憲法改悪を事実上合意しているということにならないでしょうか。これは先ほど伺いました単なる親善という趣旨、目的を越えた憲法改正まで外国——韓国と話し合って同意しているという点、これはもう大変なことなんでございますが、その点についての御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 六九年と申しますれば昭和四十四年。四十四年の日韓協力委員会で、いま「新国策」になっておりますような詳細なことが言われたということは余り私記憶しておらないんですけれども、しかし、それを拝聴いたしておりまして、韓国側が何を言おうとそれは私どもの関する限りではございません。わが方といたしまして、そこにも申しておりますように、日本はあくまでも平和国家として経済的に伸びて、そして日韓両国の提携をしなけりゃいけない。同時にまた、日本は兵器やその他について輸出することは一切できない。そういうこともそこで明確にいま聞きますと申しておるようでございます。そのスピーチはだれのスピーチかわかりませんが、愛知君かだれかが委員として参りましたときの、愛知君か北澤君か存じませんが、おいでになった方のスピーチでございましょう。委員会は向こうに参りまして、政治とか経済とか文化とか、三つぐらいのグループに分けまして、そしてその主査になりました方がいまのようなスピーチを主張的になさいますわけであります。 日本に関しまする問題の中で、御案内のとおりに岸先生は憲法改正を強く主張しておられる方でございまして、また、わが党といたしましても憲法の改正の問題を党是といたしておるような次第でございます。 大体、いまお話をお読みになったのを聞きます限りにおきましては、先方の言い分は一切存じませんよ。日本の方の主張は、まあ私どもの常識に等しいことを言っているだけの話であって、そう別に私は特段のことを申しておるとも存じません。しかし、よその国に行ってそういうことを言うのはよくないじゃないかというような御批判はあるかもわかりませんが、しかし御案内のとおりに、われわれ自由民主党の者は、憲法を改正するということは党の方針でもございますし、どこで話をしてもこれはちっとも問題になる節はない、かように存じます。
○小笠原貞子君 大したことはない、常識だとおっしゃるところに、私は非常にいままた改めて驚かされたわけなんです。特にいま大臣でいらっしゃいますね。一般の議員が、自民党議員が憲法改正について研究会に出るとか何とかというのならこれまた別ですけれども、国会議員にいたしましても、憲法九十九条で憲法を守らなければならないという現時点の立場は尊重しなければならないと思う。それなのに、しかもいま大臣でいらっしゃるあなたの口から、憲法改正を言われたってあたりまえのことだ、自分たちは常識だと。ということになりますと、これは大変な問題だと思うんです。 その憲法改正がどういう改正かというと、具体的にいま出されたように、アメリカが在韓米軍の削減をする、そうすると困るから日本に肩がわりしてくれということで、つまり日本の邪魔になっている憲法改悪をしようということになり、まさに軍国主義復活につながっていくという、こういう問題になっていくわけです。それが議員として一個人であるというならまだしも、きょう私はその意味で、大臣としての立場でその考え方をお伺いした。その大臣としての立場でこれが当然のことである、常識であると言われることになりますと、これはまさに大臣、大臣の職責において憲法改正当然だと発言されたと同じことになるんです。いかがでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私がいま申しておりますのは、事務総長時代の日韓協力委員会におきまするお話を申しておるのでございます。私が今日の立場において申しておることではございませんことは、これはひとつ……。
○小笠原貞子君 いま常識だと。
○国務大臣(田中龍夫君) 明らかにしておきます。私が申し上げておりますことは、その当時の日韓協力委員会においてそういう問題が出た。しかし、その当時の客観情勢とそこにおきまする問題は、やはり米軍の韓国からの撤退問題ということについて昭和四十四年のころにすでにいろいろと懸念もされたり何かをいたしましたし、あるいはまた、沖縄の返還等の問題につきまして非常に日韓関係ではシリアスであったことは事実でございます。 私は改めて申しておきますが、ただいまの私の発言が国務大臣としての発言であるかどうかという問題は、これはひとつ明確に一線を画したいと存じます。 それは、私は国務大臣といたしまして現行の憲法をあくまでも遵守いたしております。しかしながら、党がどう決定いたしておりまするか、これはまた別な問題でございます。私は、今日は自由民主党の党籍は持っておりますけれども、政府の国務大臣としての立場、政府の方針、これに従いまして今日の現行憲法を遵守いたします。この点はひとつはっきりと明確に一線を画しておりますから。
○小笠原貞子君 では、初めはちょっとうっかり、もういま考えれば、それは当然の常識だというのはお取り消しになったわけですね、いまのことで。では、取り消されたら取り消されたで結構でございますが、当然のことだと思います、(「四十四年当時のお話をしたのでしょう」と呼ぶ者あり)いや、そういうことが常識だ、あたりまえなんだという考え方をおっしゃったから、あたりまえだと考えているという、現在は大臣なんだからそこが問題だと。こっちとのやりとりですから、また後でゆっくりいたします。 そういうことでございますけれども、それでは、次に進めさせていただきますけれども、日韓議員連盟というのがありまして、顧問になっていらっしゃるということでございますが、この日韓議員連盟が昨年六月一日、アメリカ議会に対して在韓米軍撤退反対の要請を連盟でお出しになったということについて、御記憶でいらっしゃいますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほどもちょっと申し上げたように、日韓協力委員会なり、APUの中の日韓議員連盟と申しますものと、それから日韓議員懇談会というもの、それが今日はまた連盟に名前が変わっておりますが、それとはいささかちょっと違うのであります。というのはつまりわれわれの方はどっちかといいますと、OB——オールドの方でありまして、日韓議員懇談会の諸君はいわゆるヤングパワーの方のグループでございます。そんな関係から、私と野田卯一君とが顧問ということに相なっておるのもその理由でございます。議員連盟、今日の議員懇ですか、の方のあれにつきましては、余り私は深く介在いたしておりません。これはもうお調べになればよくおわかりでございます。
○小笠原貞子君 いまお伺いしましたのは、日韓議員連盟として連名でアメリカ軍の削減撤退することに反対する要請書というのをお出しになりましたですね。そのことを覚えていらっしゃるかと言ったんです。日韓議員連盟というのは、初め自民党さんだけで日韓議員懇談会というのがあって、それから今度は民社党さん全員がお入りになって日韓議員連盟というのが現在ございますね。そこにあなたは入っていらっしゃるわけです。そして、そこで日韓議員連盟として米軍の撤退反対という要請を連名でお出しになっているわけですね。それは記憶ありますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 余りどうも印象がないんでありますが、しかし、いろいろと活躍をされておったことは存じておりますけれども、余り私はそれに対して関係もいたしておりませんし、記憶もございません。
○小笠原貞子君 議員連盟の活動がどうかこうかという評価じゃないんです。あなたがそれにサインして参加したかどうかということを伺ったわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) それはサインをするようなことではなかったと思います。というのは、有志の諸君がおいでになっておって、同時にまた、それは全部サインをとって行動なさるというような、議決してどうこうということも多分なかったんじゃありませんか。
○小笠原貞子君 もう聞いていてまことにあきれちゃったわけです。それは書いたかどうか記憶にない、中身もどういうのだか記憶にないと、そういうサインするようなものではなかったんでしょうか。そんな簡単なことでアメリカの上院議員に全員に署名していらっしゃるわけですね。それ全く記憶になくってあなたはそれに署名なさっていらっしゃるんですか。これの名前がアメリカの方からの資料でこっちに入ってまいりました。田中龍夫、ミスター田中龍夫になっているんでございましょうね、ちゃんとサインが出てきているわけです。つまり、あなたはさっき憲法改正などということはいま考えないと言いながらも、韓国と一体となって米軍削減反対だと、しかも、韓国の問題について日本の議員が連名で出すというような、こういうことまでやっていらっしゃるんですね。だからさっき、憲法改悪は取り消しました、いや日韓協力委員会、日韓議員連盟はまさに親善でございますと幾ら美しくおっしゃっても、事実やっていらっしゃることはまさに政治的な、しかも内政干渉に関するような問題になっているわけなんです。その辺のところ、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(田中龍夫君) それは、いま小笠原さんがおっしゃったようなふうに理論づければそうかも存じませんけれども、私どもも韓国との間に親善提携をしていかなきゃならないという一つの政治の理想を持っております。そうしてそれはアジアの平和につながる重大な問題であって、同時にまた、日本国といたしましてもいろいろな意味で重要性を持っております。そのことにつきましては政治家として当然と考えておりますが、しかしながら、具体的にいまおっしゃった議員連盟の諸君が訪米をいたす、その公の文書に私がサインをしたかしないかということにつきましては、私はどうも余り記憶にありません。
○小笠原貞子君 訪米するんじゃないですよ。
○国務大臣(田中龍夫君) いや、いまの……。
○小笠原貞子君 撤退に反対するという署名……。
○国務大臣(田中龍夫君) 撤退反対の署名運動は余りよく記憶にありません。
○小笠原貞子君 だめですよ。そんな署名したことないなんと言ってぬけぬけととぼけちゃったってだめですよ。ちゃんと署名しているんだもの。それはあなた、小佐野さんじゃないし、知りませんなんと言ったってだめですよ。もう署名していらっしゃるんだもの、ミスター田中さんは。そういうことで署名していらっしゃるわけです。署名しているということ自体について記憶は定かじゃないとおっしゃりながら、その署名の内容というものについては、それは当然のことだと思っていらっしゃるわけでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は、自由世界の平和のためにそのことは必要なことであろう、かように存じます。
○小笠原貞子君 そういたしますと、きのう福田総理が記者クラブでの記者会見でお話しなすっていらしたんだけれども、在韓米軍の撤退について、これは好ましくない、やめてくれ、他国に干渉するようなことはこれは望ましくない、これは不介入の立場をとらなきゃいけないということを、私はきのうちょっとテレビで拝見したんです。そうしたら、総理とあなたの関係とは立場が違いますね。いまは当然のことだとおっしゃった。総理は具体的にこれをおっしゃった、在韓米軍撤退についてはそういうことはするべきでない。私はこれは当然だと思うのです。これは見解不一致ですね、内閣としても、あなたとしても。
○国務大臣(田中龍夫君) それは小笠原先生、時点が少し違うんじゃないかと思うんです。私はただいまは福田内閣の閣僚でございますし、いまの時点におきまして総理の御意思にすべて私は同意いたしております。
○小笠原貞子君 それじゃ、さっきのもまた失言ですか。当然だと思ったことが、いま言われてみれば、福田さんのもとの閣僚としてはちょっとうまくないということで訂正なさるわけですね。
○国務大臣(田中龍夫君) うまくないという表現はちょっとおかしいけれども……。
○小笠原貞子君 いや、よかったら何も……。
○国務大臣(田中龍夫君) しかし、思ってもいけないということもまたないでしょう。それは、かつてそう思ったからといって、いま福田内閣の閣僚としては、これはもう閣内、福田総理の万事御指導によりまして私は国務大臣として奉仕いたします。(「それでいい」と呼ぶ者あり)
○小笠原貞子君 それでいいなんというのが通るところが大体おかしいんです。そういうことで、大事な問題ですよ。この憲法問題だとか、それからアメリカについてこういう内政干渉みたいなことを堂々とやる。これがあたりまえだというところから物が判断されて政治を行われたら、もうあたりまえ通らなくなってしまいます。とんでもないことになると思います。 それで、さっきは憲法改悪も当然だとおっしゃったけれども、いまは閣僚だからそういうことは言わない、憲法は守ると。これは大臣になるまでは憲法改悪、韓国へ軍需物資をどんどんつくるために、というような憲法改悪まで考えて当然だと思っていたけれども、大臣になってから変わったんですか。そして、大臣やめたらまた変わるんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) それは「新国策」にもございますように、韓国側が何を言ってもそれはまああれですが、そこに参りました日本の諸君は、韓国に対して武器を出すとか兵器を出すとか、そういうことはできない、また、現行の憲法からいってもそれは不可能であるということを申しておるのでありまして、その点は、出そうとか、やろうとか、その場合でも言うてはおらないと存じます。私はその辺は、参りました者もみんな常識豊かな者でございますから、日本のできることとできないことは、分別をつけて現地で主張しておると存じます。
○小笠原貞子君 先ほど読みましたのをまた繰り返して読むと時間がかかりますけれども、そういう韓国側の要請が来たというのは、向こうが何を言おうといいんですよ。だけど、それに対して日本側の回答として、さっき読んだように「日本側の課題としては、アジア諸国の要請に応じられるような内的変革と体制の整備であり、その第一着手が憲法改正だ」と、こう言っているんです。物を出さないとかそんなことは考えられない、言っていないというところですね、もう一つ後でゆっくり考えていただきたいと思うんです。 とにかく、すらすらとごまかしていらっしゃるわけですけれども、さっき聞きました、具体的に、大臣になったときに憲法改悪を言わなく、変えて、大臣済んだら、またもとへ戻るのですかと言ったことはどうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 万事内閣の方針に従いまして善処いたします。
○小笠原貞子君 それでは、先ほどから私、「新国策」というのを読ませていただいて、いろいろ情報をいただいたんですけれども、たとえば第一回から昨年までですと、事務総長会議というものまでがございます。少なくともここでは、一九六九年の第二回常任委員会で、いま言ったような、私たちにとりましては大事な憲法問題も論議されているというようなことですね。これについての議事録があると思うんです。それをぜひ出していただきたいとお願いしたいと思うんですけれども、全部資料として残っているんじゃないですか。
○国務大臣(田中龍夫君) その資料はちゃんとございますから、御提出いたしましょう。
○小笠原貞子君 「新国策」ではなくて。
○国務大臣(田中龍夫君) それは全部「新国策」に載っております。
○小笠原貞子君 そうですか。それじゃ「新国策」に全部載っておるから、「新国策」は非常に議事録みたいな間違いのないあれだと、こういうふうに読ませていただいていいわけでございますね。
○国務大臣(田中龍夫君) 事務局には大体資料は毎回整理してございます。まあ「新国策」に載っておらないこともあるかもしれませんが、ほとんどございませんでしょう。
○小笠原貞子君 それで、出席されたメンバーというのが、ちょっと見せていただいたんだけれども、わからなかったんですけれども、その第二回常任委員会、一九六九年の十一月二十七日から二十八日の。このときの出席された方ですね、そういうメンバーを後で教えていただきたいと思うんです、七三年の第十回常任委員会などの。それもお願いしたら出席メンバー教えていただけますか。
○国務大臣(田中龍夫君) それは公的なあれでございますから、全然秘密でも何でもございません。
○小笠原貞子君 それでは時間がなくなってきましたので、大急ぎで飛びますけれども、いまも私申し上げましたのは、一九六九年という昔みたいになりましたけれども、決して昔じゃなくて、いまの問題として韓国問題がまた同じ立場で起こっておりますね。そして、これも御存じだと思いますけれども、いろいろ報道によりますと、韓国の国会議員だとか、金鍾泌さんだとか、丁一権さんだとか、いろいろな方がいらっしゃると。総勢にしますと、百名ないし百二十名からの方たちが大挙いらっしゃるというようなことでございますが、それについては御存じでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) それはこれからですか。
○小笠原貞子君 はい、そうです。
○国務大臣(田中龍夫君) 私はまだ聞いておりません。
○小笠原貞子君 そうですか。何か大臣に初めてお目にかかったけど、とぼけるのお上手ですね。全然もう新聞も読まないで、何も読まない私たちなんかだったら別だけれども、大臣におなりになっても大変日韓協力一生懸命やっていらっしゃるのに、お読みになっていて、どうもとぼけるの上手だなと思っています。
○国務大臣(田中龍夫君) いまの丁一権さんや百何十人来るというようなことは、本当に私は存じ上げないのです。また、偶然でございますけれども、それほどいま議員レベルと私関係ないですからね、その関係ないことを立証しておると思うんです。もし、いわゆる丁一権さん、韓国の総理並びに議長が百何十人の議員を連れて日本に来るということだったらば、当然私、議員連盟の顧問であるわけですから、連絡が緊密ならば存じ上げてなきゃならぬこと。本当に私のところには全然言ってまいりません。
○小笠原貞子君 それじゃ、御存じなくともそのうちに御連絡がいくと思いますけれども、百人からいらっしゃるということで、これも報道を読みますと、やっぱりちょっとした観光旅行では全然ないですね。二月半ばには金鍾泌前首相を初め、韓国の野党である新民党の党首李哲承氏ら与野党合わせて七、八十人の韓国議員が大挙して来日する。こういう方たちがいろんな立場で来られるということは、やっぱりずっといま、何と言っても在韓米軍削減問題というのが韓国で非常に大きな問題になっているわけです。そうすると、これについてのいろいろな要請があると思うのです。当然そのためにいらっしゃると言っても、はっきりしていると思うのです。そういう方たちがお見えになる。で、日韓協力委員会をおやめになっても、ずっと事務総長をやられていたし、非常に韓国ロビーといわれる大変御親密な間柄である大臣だから、この方たちがいらしたときに、特に通産大臣としてのいまの立場から考えれば、ぜひ会いたいということになると思うのです。そういうときはどういうふうに対処なさるおつもりですか。いらっしゃることは確実でございます。
○国務大臣(田中龍夫君) それは、堂々と御要望があれば会います。
○小笠原貞子君 堂々とお会いになるときの姿勢でございますね、向こう側のそういういろいろな要請がきたときに、やはり大臣として、日本の憲法を守り、平和ということを考えたときに、当然その立場できちっと押さえるということでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 福田内閣の姿勢として取り組みます。
○小笠原貞子君 さっき私、その会議の参加者の名簿も下さいということを言いましたね。それ大丈夫ですね。余りいろいろしゃべったものだから忘れちゃったりして……。
○国務大臣(田中龍夫君) 過去の参加者でしょう。
○小笠原貞子君 はい、そうです。 中途半端になっちゃったのだな。二十四分ぎりぎりまでですね。それじゃ、ちょっと入れるところまで入ります。これからが、またいい問題になって、大臣の御意見も聞こうと思っていたところ、また次の機会に譲りますけれども、入れるところまで入ります。 その後七三年に、御承知のとおりに金大中事件により日韓関係が非常に緊張いたしました。それはもう御存じのことだと思います。日韓関係が緊張いたしまして、そうして定期閣僚会議というのも延期されておりましたです。その時期に、九月二十七日から二十九日までソウルで、日本側岸会長、そして田中事務総長、大臣。矢次常任委員らが参加して、第十回常任委員会というのが行われているわけです。つまり金大中事件というのは、御承知のように日本の主権に関する問題だと、これは非常に大きな問題でございました。これが決着つくまでは日本としては当然毅然とした態度で臨まなければいけないというふうになって、閣僚会議も延期されていたときに、経済協力についての打ち切りの声も出るというようなときに、八月に金大中事件が起こって、九月に第十回常任委員会が開かれた、この辺のところのいきさつはどうなんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) その当時の——いま私あえてその当時と申しますが、その当時の立場から申しますと、金大中事件は金大中事件で、これは政府がいろいろと処理されておられる。同時にまた、政府の処理の中にも、それとは別個な日韓の経済問題、あるいはいろいろ文化問題等々それは別途分けて処理すべきものではないのか。金大中問題が起こったから日韓問題は軽視してしまう、断絶してしまうというようなことはあってはならない。それはそれ、これはこれというのが協力委員会の態度でございました。
○小笠原貞子君 きれいに言えばそういうことにお答えになると思ったんです。しかし、確かに金大中とあれとは別だ、経済、文化というのは進めなきゃならないとおっしゃったけれども、実際問題の中身はどうなんだ、決してそんななまやさしいものではないということですね。それは先ほどの「新国策」というのが公的な文書として、議事録と同じように信憑性があるとおっしゃった中に出ているんです。これはどういうことが言われているかというと、ここのところで朴大統領と会見なすっていらっしゃるわけです。そして「会議に先立ち、日本側は朴大統領を青瓦台に表敬訪問したが、同訪問は単なる儀礼を越えて予定の一時間をオーバーするきわめてなごやかな会談となり、一一時から開催の常任委会議が二〇分ほど遅れてしまった」というふうに非常に中身が話されている。そして、ここの中で「なお、今常任委員会は、会議もさることながら、会議以外の表敬訪問、レセプションあるいは総理主催親善ゴルフ会などを通じ、朴大統領、金国務総理をはじめ各界の有力者とじっくり話合いを行ない、行き詰まっている日韓関係打開への大きな布石となったのが、きわだった特徴」となっていると、こういうことなんですね。だから、つまり金大中事件で非常に緊張しているというところにこの日韓協力委員会の常任委員会というのが開かれて、そしてこれを促進するという役目というのを果たしているわけです。 ここでも記者会見をされているわけですけれども、岸さんは記者会見で、 金大中問題についていろいろ話合ったが、事の性質上、誰が何をどう言ったかは、いうべきではない。したがって、韓国側要人に会見しての私なりの感触を申し述べる。」 とこうおっしゃって、 韓国側からは——事件は捜査中であり、出来るだけ早急に解決すべく努力している。両国の関係が順調にいっていたのに、かような事件のため、日本政府および国民に迷惑をかけているのは遺憾である。冷静な判断を欠いた点があったが、適切な処置を今後逐次とり、ある程度の時間は必要とするが早期解決をはかりたい。閣僚会議、経済協力関係は、本来当事件とは別個のものだ。したがって、閣僚会議を早期に開催し、経済協力も独自に進めてほしい。 つまり、この緊張の中でとだえていた日韓関係を、「閣僚会議を早期に開催し」と。そしてたしかこのときだと思います、閣僚会議を早期に開催しろという決議もされている。 つまり、金大中問題というのはまさに日本にとって主権の問題。主権が侵害されたという問題に対して、これとこれとは別なんだ、これは大したことはないんだというふうなとらえ方で、実は非常に私は屈辱的なことを感じました。毅然とあの日本の主権を侵害したものに対する態度ではなくて、いや、それとこれとは別ですよ、経済協力やりましょうよ、そのために閣僚会議を開かせましょう、何と言うんでしょうか。胸を張って日本の政府だ、日本の閣僚だとこれでおっしゃれるのかどうか、まことに私は遺憾に思ったわけです。 それでその後、補足的に矢次さん——常任委員の矢次さん、大変中心になっていらっしゃいますが、この方が言っていることがこうなんです。 この時期に韓国へ行くのは〃どしゃ降りの中を傘なしで行くようなものだ〃と心配していたが、やって来てよかった。韓国側首脳各位と忌憚なく話合ったが、今回の事件は本質的にそう大した問題ではないのだから、国連総会、韓国国会など、いろいろ都合も考え、両方のメンツを考えながら、いいタイミングをとらえて解決すべきだろう、という感触を両者がもっていると思う。日本で考えている筋道や段階と韓国側のそれとはちょっとズレているが、この調子ならうまくタイミングをかみ合わせることは難しくなく、事件の解決と両国関係の正常化はそれほど遠くないと感じた。 これで見ますと、タイミングを合わせて両方のメンツを立ててという立場でこの金大中事件もみ消しの一役を買っていると言われても、私は客観的にこうなっているのではないかと。そしてこの朴大統領の会見の内容は、直ちに田中さん自身が国際電話で二階堂官房長官にお伝えになっていらっしゃいます。これも記憶ないですか。ちゃんと官邸日記というのに書いてあるんですよ。あなたが田中さんに電話で報告していらっしゃる。だからこれとは別に閣僚会議を開きましょうというようなことが話し合われた云々と、この内容が国際電話であなたはかけていらっしゃるんです、これはちゃんと記録に残っているんです。共産党の文書じゃないんですよ、公の新聞にちゃんと載っているのです。 それで、あなたがそうやって電話をおかけになった。そうしたら田中さんは今度は記者会見を翌日やって、事件と経済協力は別だ、早期に閣僚会議を開きたいと述べている。まさにぴたっと筋書き通りいっているわけです。だから、こういうことが平気で行われるというようなことに対して、これからの経済援助だとか経済協力というような問題について、私は非常に大臣の姿勢をはっきりさせていただきたいと思う。そのときに大臣はソウルに行っていらしたわけです。そしてその時期というのは、もうすでに金大中事件で九月二日に警視庁は現場の指紋から金東雲書記官を犯人の一人と断定したという報道も出ている……
○委員長(鈴木力君) 小笠原君、時間が超過しておりますから、まとめて……。
○小笠原貞子君 はい。——というのもあるわけです。だからそのことが、もうすでに金東雲の指紋があるということも全部宣伝されていた。その時期に行って、そして金大中とは別なんだ、経済協力をやればいいじゃないかということで、具体的に閣僚会議というものを推進させているという、田中通産大臣は、いまそのことを反省してどういうふうに考えていらっしゃるか、その辺のところを伺わせていただいて終わりにしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) まず、その電話のことでありますが、それはちょっとおかしい。私が田中角榮首相に電話をかけるなんていうことは、これはちょっと私と田中さんとの関係からいってもないのできっとそれは、もしそういう国際電話があったとすれば、矢次さん——矢次さんは田中後援会の会長でしたから、矢次さんがかけたのでしょう。これは私はかけていません。そういう事実はありません。 それからもう一つ、先ほど申し上げたように、金大中問題が日本の主権にかかわる問題である、国威、国権に照らしまして、これは毅然とした態度をとることが望ましい。ドイツなんかの場合でも同様です。と同時にまた、そういうことだけで非常に重大な二国間の経済関係も文化関係もあらゆるものを全部停止してしまっておる、冷え込んでしまっておるということはこれはよろしくない、これはあくまでもそれはそれ、これはこれとして処理しなければならないと思うのです。それはもう先ほど申し上げました。たとえば戦時国際公法というものがありますが、この戦時国際公法の中におきましても、交戦国の間でもやはり貿易というものはあるのです。ですからそういうふうな、一方においては国威、国権に照らして毅然とした態度をとりつつも、その間にやはり韓国と日本というもののあるべき姿は、善隣友好という会の趣旨に照らしてそういうものがあったのでございましょう。いまではございません、そのときに。
○小笠原貞子君 じゃ続きはまた次の機会に……。
○委員長(鈴木力君) 他に御発言もないようですから、通商産業省とそれに関係する中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算につきましてはこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十分散会 —————・—————