外務委員会 第15号
- 発言数
- 361 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/06/02
会議録
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十八日、坂野重信君、戸塚進也君及び上條勝久君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運君、伊藤五郎君及び矢野登君がそれぞれ選任されました。 また、昨六月一日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として佐々木満君が選任されました。 また、本日、伊藤五郎君及び高田浩運君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君及び岡田広君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○小柳勇君 議事進行について。 矢田部君がこの前資料要求したのを外務省はまだ出せないと言って出さないそうだが、その問題についてなぜ出せないかを質問者が聞きますので、その後、もし質問者が納得できなければ私が質問するから、質問者に特に発言を……。
○矢田部理君 前回の質疑で外務省そしてまた通産省に要求をしておりました資料等について、通産省はきょう配付されました項目的なものだけ出してきましたが、これ自身も非常に問題であります。それはちょっと置いておくとしまして、まず外務省の方でありますが、私が要求をしましたのは、日韓大陸だな協定の中で韓国政府と企業との契約が法令の中に入る。法令の中に入るということになりますと、その契約条項の内容を知らなければこの協定の是非の論議ができにくいのではないか。したがって、その契約内容を明らかにせよ、これについては韓国政府と問い合わせて内容を明らかにします、あるいは資料等を出しますという約束を前回したわけでありますが、その後全く音さたがありません。その資料を前回の質問に関連してまず求めたいというふうに思います。 それから通産省に関してでありますが、たとえば共同開発区域で開発権者となるであろうところの日石開発等があるわけでありますが、それはたとえばカルテックスと共同事業契約を結んでいるわけです。その事業契約の内容がどうなっているのか、それを明らかにしてほしい、契約の資料を出してほしいと要請をしたにもかかわらず、きょう配付をされましたように、「共同事業の契約について」というのが資源エネルギー庁から出されています。これはいわば項目を挙げただけにすぎない。中身は何一つない。こんなものでは使い物にならぬわけであります。その資料は一体どうなっておるのか。その点を進行に関連して、前回の質疑に関連してまず明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 矢田部先生の前回の御質問、資料御要求に対しましては、当然のことでございますけれども、審議にできるだけ御協力しなければならぬと常々思っておりますので、改めて韓国政府に、在韓日本国大使館を通じまして、この協定が発効した暁に締結されるであろう開発契約の予定内容なりとも示してもらわないとわれわれとして判断がむずかしいんだということを説明して先方に要請いたしました。先方の回答はこういうことであったわけでございます。 まず、現在あります開発契約というのは、これは累次申し上げておりますように、韓国側の企業と韓国政府との間で単独開発を前提として締結されておりますもので、これはこの日韓大陸だな協定、共同開発協定とは直接関係のないものということでございますので、これを日本側に提示するということは韓国側としてはできないということが第一点であります。 第二点は、今度はそれでは協定発効後の開発契約といいますものは、これは当然御理解いただけると思いますけれども、まず協定が発効しないと開発権者というのは認可できないし、したがって、いまの時点で認可されていないものとの間で正式に話し合いをするというわけにはいかないというのでありますし、したがって案文も固まったものがない。しかしながら、これはいまの御質問にもありましたように、協定発効後はこの開発契約の部分によりましては文脈上ほかに別段のあれがない限りは法令として読み込まれる部分があるわけでございますので、韓国政府はかねがね言っておりますけれども、協定発効後韓国政府と韓国側の認可された開発権者との間で開発契約が締結されましたならば当然それは日本側に通報すると、こういうふうに言ってまいりました。これが韓国側の改めて照会いたしました場合の回答ぶりでございました。 したがいまして、政府といたしましては、遺憾ながら、韓国側が本件協定発効後に締結するであろう開発契約の内容、あるいは現在単独開発を前提として締結されている開発契約というものを提出することはできないのでございますけれども、他方、前回政府委員からも御説明いたしましたように、いまの単独開発を前提としております開発契約の中でも、その規定されている事項はやはり一つのモデルとして将来の協定発効後の開発契約にも盛り込まれるものと、こういうふうに思われますので、その骨子につきましては累次韓国側から得ております情報がございますので、それをまとめましたものをもし御参考になればと思いまして、韓国の現行大陸だな石油開発契約の骨子というものは資料として準備しております。 こういうことでございます。
○政府委員(古田徳昌君) 日本石油開発とテキサコ、シェブロンの間で四十五年十二月に共同事業契約が結ばれているわけでございますが、これにつきましては、前回も御説明いたしましたように私企業間の私契約という形になっておりますので、その契約自体の提出は私どもの方からは差し控えさせていただきたいと思うわけでございまして、その契約の内容となります主たる項目あるいはそこで定められる内容等につきましてモデル的なものをお出ししたいというふうに前回もお答えしたわけでございまして、それに基づきまして整理し配付さしていただきましたのがお手元の資料でございます。
○矢田部理君 ということで、外務省から「大陸棚石油開発契約の骨子」というものがただいま配付されました。これは協定の内容そのものになるわけでありますので、きわめて重大な位置づけになっております。したがって、いまもらっただけですぐ質疑をせいと言ってもむずかしいので、十分ないし十五分検討の時間を与えていただきたいと思います。進行について特にお願いしたいと思います。
○委員長(寺本広作君) その場で検討してください。休憩はいたしません。理事間で相談してください。(「議事進行について」と呼ぶ者あり)
○矢田部理君 休憩は宣してないんですか、これは。
○委員長(寺本広作君) 休憩は宣しておりません。
○矢田部理君 質問時間に入っているんですか。
○委員長(寺本広作君) はい、入っています。
○矢田部理君 そんな、理事間で相談しているのに質問時間に入れているなんてばかなことはないでしょう。いま資料をもらって検討して、理事間で協議してくださいと委員長が指示しておりながら、これが質問時間に入るんだなんてばかなことはないでしょう。それで私が理事にいろいろと話しかけておる時間もこれまた質問時間に入れるなんという、これはもうとんでもない話ですよ。(「おかしいよ、理事会をやろう」と呼ぶ者あり)いやいや、いま質問しますけれども、ただいままでのやつを質問時間に入れられたんじゃ……。(「おかしいよ、なぜもっと早く資料を出しませんか、三日も四日も日にちがあるのに。いま配ったんでしょう、幾ら言っても資料を出せぬと言いますから、なぜ出せぬか聞いてくださいと言うもんだから、私はけさ発言したわけですよ。資料を出せぬなら何も質問しませんよ。時間を一生懸命気にしているんですよ、質問者が。わざわざ引き延ばしているんじゃないんです。おかしいですよ」と呼ぶ者あり)せいぜい十分か十五分と言っているわけですからね。これを質問時間に入れられたんじゃたまったものじゃないですよ。
○委員長(寺本広作君) 十分は過ぎていますよ。
○矢田部理君 過ぎていますって、ないでしょう。自民党の理事が私のところに来て、緊急に検討してほしい、至急やってくださいと言ったから、いま私はもう大体読み終わったから、それじゃ質問しようというときに、わずか十分か十五分の検討期間すら質問時間に入れるなんてばかなことはないでしょう。これは横暴ですよ、委員長の。三十分も一時間もと言っているんじゃないでしょう。前回要求して、この内容が明らかにならなければ質問しにくいということでお願いしたのを、いま質問が始まろうというときに持ってきて、そしてそれで十分か十五分の休憩を欲しいと、検討するために。これすら認めないような委員会運営はないでしょう。
○委員長(寺本広作君) それじゃ、いままで過ぎたこの十分を控除します。
○矢田部理君 理事間でまとまったことをそのとおりやってください。全部はずすという話に理事間でまとまったら。理事間でまとまった話をそのとおりやらない委員長というのはない。
○委員長(寺本広作君) それでは、理事間の申し合わせに従いまして、いままでの時間は質問時間から控除します。
○矢田部理君 いま外務省から問題の資料が出されたわけでありますが、これは率直に言って、内容を見ても、従前韓国の議会に出されたものと基本的には変わりがないわけです。政府は協定ができて開発権者と契約をしなければ最終的には何とも言えぬ、だからこの程度のものしか出せないんだという言い方になるわけでありますが、前回も指摘をしましたように、そうするとこれは項目だけなんですよね。それは租鉱料とか税金とかは書いてありますが、何も契約書を見なくたって法令でその内容は決まっているわけですから。そうでない特約みたいなものがどんなふうに展開するのか、そこがまさに問題の焦点でなければならぬわけであります。それについては率直に言ってかいもく書いてない。見当がつかない。言うならば、依然としてその部分は白紙委任、白地のままこの協定の是非を議論しなきゃならぬ。大変な問題を実は含んでいるわけです。たとえば、ここには署名賞与金だとか教育資金だとか生産ボーナスだとかという項目だけは書いてありますが、中身は何一つ書いてない。しかも、条項の一番最初には、企業が「石油生産物を自由に販売する権利を付与する。」、つまり、韓国の中で売っても外に持ち出してもよろしいというのが原則になっている等々、いろんな問題がこれ自体でも含まれているわけでありますが、しかし全体としては内容が依然として不明。そういう契約条項を協定の中では法令と同じように取り扱う。そのことを通して法令の内容に組み込まれる重大な異例の協定を実は結んだのが大陸だな協定の大きな問題点になっているわけです。 そこで、先般の説明で政府は、日本の法令事項に当たるもので韓国ではそれに該当する法令がなく、契約でやらざるを得ないので、韓国側についてだけ開発契約を法令の中に入れたんだという説明をされた。この説明もまたおかしいわけですね。つまり、韓国側の開発契約というのは、日本の法令にない部分についてのみ契約するという契約条項、契約内容の特定がないわけです。政府と企業との任意の契約でありますから、いろんな条項に拡大することができる。それを日本の法令に該当する法令が韓国にないからというだけの説明では説明がつかないというのはおわかりでしょう。そういう無制限に契約条項、契約内容を拡大することができるものを、しかも日本の政府はそれにかかわることができない内容を、言うならばこの協定上法令として取り扱う、協定本文の中身に組み込まれる、こういうことは非常に許しがたい。外務省の先般の根拠の説明でも説明できない問題点を含んでいるのですが、もう一回その点について答弁を求めます。
○政府委員(中江要介君) これは、いま矢田部先生もおっしゃいましたように、先回の委員会で私も御説明したことですが、それをもう一度全般的に振り返って申し上げますと、まず、この共同開発というのは文字どおり共同開発なんでございますので、どちらかの国内法で相手を縛るということはできない。つまり、それぞれが自分の国内法——国内法といいますか、国内法秩序のもとで開発権者を認定いたしまして、そしてその開発権者の間で事業契約というものを締結して、それに基づいて共同で開発していくということでございますので、両者が完全に一つの、第三の事業体をつくってやるというのとは発想が違いますので、通常の法律制度の常識から言いますと非常に理解のむずかしい面が出てくる。そのむずかしい点をまさしくいま追及しておられることだろうと思うんです。 その中に、日本側ではそういうのはないのにどうして韓国側でのみ開発契約の一部分が協定上法令と見なされるのか、これは不可解であるという点でございますが、それは韓国の法制がそういうふうになっている。これも前回御説明いたしましたけれども、韓国ではいわゆる海底鉱物資源開発法というものと、それから政府が個別の案件について締結いたします開発権者との間の開発契約、コンセッションアグリーメント、こういうものによってこの開発という事業が行われていくそういう体質でございますので、じゃその開発契約の中でまさしく先生がおっしゃいますように、何でもかんでも勝手なことを決めてしまわれて、それが協定の法令になったのでは話にならぬじゃないかという点は、これは前回私申し上げましたが、そういう開発契約を締結した開発権者が、わが方の開発権者との間で事業契約を結ぶわけであります。したがいまして、その事業契約を締結する段階で、まずその事業契約の内容がこの協定の趣旨に合っているかどうかということは、当然わが方の開発権者の利害にも関連いたしますので話し合われると思いますけれども、なお事業契約が締結されますと、これはこの協定の第五条の第二項にございますように、「事業契約及びその修正は、両締約国の承認を得たときに効力を生ずる。両締約国の承認は、事業契約又はその修正が承認を得るため両締約国に提出された後二箇月以内にいずれか一方の締約国が事業契約又はその修正を明示的に否認しない限り、与えられたものとされる。」ということは、一つの事業契約について日本政府が明示的に二箇月以内に否認すればそれは承認されないということになる。その事業契約の主体になります韓国側の開発権者が、一体韓国政府との間でどんな開発契約を締結しているかという点は、これはきょう冒頭に御説明いたしましたように、協定発効後開発契約が締結されれば、それはもう当然日本政府に通報すると言ってきておりますので、その内容を見まして、その開発契約の中に協定の規定あるいは協定の精神に反するようなものがございましたら、そういう開発権者が幾ら日本の開発権者と事業契約を締結いたしましても、その事業契約を否決、否認するということはできるわけでございます。したがいまして、何でもかんでも勝手に白紙委任したものに基づいて決めたものを全部そのまま日本側が協定上の法令として受け入れなければならないというようなシステムにはなっていない、こういうのが先般来私が御説明した趣旨でございます。
○矢田部理君 ごまかしの答弁なんですよ。開発契約というのは両国政府と企業者との間の契約でしょう。言うならば縦の関係。横糸は事業契約です。これはそれぞれ開発権者に指名された企業間契約です。その企業間契約でチェックできるのだなんという議論は理論上通らない。そんな説明じゃだめなんですよ。日本側の法令があるにもかかわらず、韓国側にはそれに該当する法令がない。その部分に限ってのみ契約条項として認めたのだというならば——これは私はそれでもけしからぬと思います、内容が明示されない協定になるわけですから——幾らか論理の筋は通る、形式論理的に言えば。ところが、契約条項を含めて白紙委任という、その白紙委任されたものが協定の内容に取り込まれる。異例、異常の協定ですよ。 法制局長官、政府と民間企業の契約がそのまま協定内容、国際条約に取り込まれるというような国際条約はありますか。
○政府委員(真田秀夫君) 御議論の筋を聞いておりませんでしたので、どうもはっきりお答えできないのですが、そういう先例があるのかどうか、外務省の方からでもお答え願いたいと思います。
○矢田部理君 話を聞いてないから答えられないということはないでしょう。法制局長官でしょう、内閣の。国際条約で、いわば内容を白紙委任して、自分たちの手の届かない相手の政府と民間企業との間の契約内容を協定本文の中に取り込む、それによって協定内容に影響が出てくる、そんな異例、異常な国際条約がありますか。
○政府委員(真田秀夫君) どうも具体的にぴたりそれに当たるような先例があるということをはっきりここで申し上げるほどの私は知識がございません。
○矢田部理君 妙な言い回し方で……ないということでしょう。私は国際法学者その他にいろいろ調査を依頼したけれども、こんな協定はないということが出ているわけですけれども、相手国の契約だけを協定本文に取り入れる、日本の契約は全然入らない。めちゃくちゃですよ、この協定は。しかもその契約内容が、いわばこの協定が発効して開発権者と結ばなければ最終的には確定しない。確かにその内容は後で報告はされる。しかし報告されたからと言って、いわば事後承認せざるを得ない。それに対する歯どめ措置は事業契約論で説明しようとしているが、それは歯どめにならぬですよ、お互いの開発権者同士の契約に過ぎないわけですから。でたらめ千万な協定なんです。 通産省に伺います。 同時に、問題は別ですが、日本側の開発権者となるであろう企業、幾つか考えられますね。日石開発であるとか帝国石油、あるいは西日本石油開発、これらはいずれも外資との関係がある。あるいはカルテックスやガルフ、エッソなどがそれぞれ共同事業契約を結んでいる。その共同事業契約の写し、これは通産省には提出されているんでしょうか。いるかいないかだけ簡単に。
○政府委員(古田徳昌君) 内容については、発見しました石油につきましての日本国内への供給々行政指導する必要上、内容につきましては承知しております。
○矢田部理君 公正取引委員会に対しては、これはロッキードでも問題になったわけでありますが、国際契約については、契約内容をたしか届け出をすることになっているはずですが、いま言った日石開発、帝国石油、西日本石油開発等の国際契約については、公正取引委員会にその契約内容が届け出をされているでしょうか。
○政府委員(澤田悌君) 問題の共同開発地域におきます開発契約、国際契約につきましては、日本石油開発と米国のシェブロン・オイル・カンパニー・オブ・ジャパン及びテキサコ・.シャパン・イン・コーポレーテッド社との間の契約が昭和四十六年一月七日に届け出られております。
○矢田部理君 その内容を明らかにしていただきたい。
○政府委員(澤田悌君) 契約の具体的内容につきましては、独占禁止法第三十九条の規定もありまして申し上げることを差し控えさしていただきたいと思いますが、一言で申せば、石油類の探鉱、掘削及び生産等を先ほどの三社共同行為として行うというものでございます。
○矢田部理君 一言じゃなくてもっと詳しい説明を。
○政府委員(澤田悌君) これ以上事業者間の契約の具体的内容は差し控えさしていただきたいと思います。
○矢田部理君 理由は。
○政府委員(澤田悌君) 独占禁止法第三十九条の規定によってでございます。
○矢田部理君 国際契約が一般的に民間企業間で結ばれている場合に、それをたまたま監督官庁が知ったからといって公にできないということはあるいはあるかもしらぬ。問題は、本件についていえば、ロッキードのときもそうでありましたが、通産省が言うように私企業間の契約だから明らかにできないんだ……。法律上の論拠はあなたの方にあるんですか。
○政府委員(古田徳昌君) 行政指導の必要上私どもとしまして取りました企業につきましての情報でございますので、公務員法上私どもとしても公表を差し控えているところでございます。
○矢田部理君 もっとはっきり言って……。法律上の根拠あるの。
○政府委員(古田徳昌君) 職務上知り得た企業につきましての秘密ということで、私どもとしましては公務員法上の規定に基づきまして公表を差し控えているところでございますが、公務員法の第何条ということにつきましてはただいま明確にお答えできません。
○矢田部理君 職務上知り得た秘密だって、あんまりいいかげんなこと言っちゃいかぬですよ。とりわけ実態的に見ましても、単なる民間ベースの契約で行政指導あるいは通産行政を進めるに当たってたまたま知ったということ以上の問題をこれは含んでいるわけでしょう。今後開発権者になる可能性が強い。開発権者になれば石油開発公団等が、先般も問題にしましたように多額の投融資をする可能性もある。しかもたてまえは、実態はかなり問題がありますが、日本の石油資源の確保のために役立てる、その意味で国家的な仕事なんだということで、いわばその公的面を非常に強調しておりながら、中身に立ち入っていくと、それは明らかにできません。これではあなた方が言う国家目的——これにもいろいろ実態的には問題かありますけれども——と、いまの答弁とは実態的に言っても矛盾する。そぐわないわけですよ。本当に国家目的でやるんならば、もともと民間会社ベースで開発をやらせること自体に非常に問題があるわけであります。少なくとも、やっぱり公的管理をいろんな面で強めなきゃならぬ、公の場でその内容はやっぱり監視できるような体制にしなきゃいかぬ。それを企業秘密です、職務上知り得た秘密だから明らかにできない、そんなばかなことがありますか。直ちに日石開発に対して、こういうことで明らかにする、したがって資料を持ってこいと……。丸紅との契約などはロッキードではずいぶん通っていますよ、民間会社のものであっても。通産省だけそれができないというばかなことはないはず。もう一回答弁を求めます。
○政府委員(古田徳昌君) 繰り返しの答弁になって大変恐縮でございますけれども、企業間の契約ということで、私どもの方からその内容そのものをお出しすることは差し控えさしていただきたいと思うわけでございますが、その内容につきましての判断する必要上どういうことが項目として挙げられているかということにつきまして、前回もお答えしましたように、モデル的な形で共同事業の契約内容について今回お出ししたわけでございます。 なお、日石開発の事業概況としまして、同社が本件につきまして説明しているところによりますと、この当該共同区域も含めました九州西側の地域、海域につきまして、米国法人であるテキサコ及びシェブロン、三社との共同事業を行う。所要費用は日本側が五〇%、アメリカのテキサコ、シェブロンがそれぞれ二五%ずつということで負担する。それから生産の原油もこの比率によって三者がそれぞれ取得するというふうな形になっておりまして、また、当初の探鉱費用につきましても一定額を限度としてテキサコ、シェブロンが折半して負担するというふうな形になっているわけでございます。この内容につきましては、先ほど言いましたように、私どもとしては承知しておりますが、契約書自体につきましての私どもからの公表等につきましては差し控えさせていただきたいと思います。
○矢田部理君 いまの答弁は納得できませんので、この資料はぜひ提出させるよう、委員会として、あるいは理事会として御協議を願いたいと思います。
○委員長(寺本広作君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(寺本広作君) 速記を起こして。 質問者の御了解が得られぬようですから、政府側は重ねて御答弁を願います。
○政府委員(古田徳昌君) 私どもはこの内容につきましては行政指導上の必要ということで承知しているわけでございまして、政府側に対しましての正式の内容の届け出は、先ほど公取委員長からも御答弁がございましたように、独禁法に基づいて行われているわけでございまして、これは独禁法上第三十九条の規定で公表できないという形になっているわけでございます。
○矢田部理君 公取はそれで、わかったわけじゃないが、ちょっと解釈上の問題はないわけじゃありませんが、公取は公取としての必要上の届け出をさせるわけだ。通産行政の問題とはまた別なんだ。そちらの答弁があったからそれを有利に引用するなんていう議論はだめですよ。大臣にひとつ緊急に相談をして——あなた、だめだもうそんな話をしたって。同じ話を繰り返したって。ロッキードでは児玉との契約だって丸紅との契約だって出ているじゃありませんか。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。 私ただいままで不在をいたしておりましたので、お答えが詳細に適合するかどうかはまた御質問をいただきましてアジャストをいたします。 いま担当官から承りました報告によりますると、その共同開発区域にあります日本の権利者と米国側の会社との間の私契約の内容についての御質問のように承りますが、それでよろしゅうございますか。 それでは、その点につきましての内容の詳細な資料の御提出方でございまするが、それは今日まで各委員会等におきましてお答えいたしておりまするように、われわれは私契約の内容につきまして、それを当該会社が御提出になります場合は別でありまするけれども、私ども役所といたしましてお示しいたしますわけにはまいらないというのが、これが今日までのずっと慣例でもございまするし、その態度は変えておりません。同時にまた、なかんずく日本側だけではなく、外国側との関係の交渉でもございましょうし、私の方では遺憾ながら御要望に沿いかねますということを改めて申し上げたいと存じます。
○矢田部理君 これは公取も基本的には同じ問題を含んでいるわけですよ。つまり私契約は出せないんだと、しかし政府は行政上の必要からそういうものを聞き及んでいる。国会は国会として審議の必要から、特にこういういろいろな疑惑や問題点に包まれた協定の内容を審議するに当たってその資料が必要だという場合、出せないということから出発するのじゃなくて、どうやったら出せるかということを考えてみたらどうですか。さっきの法律論やたてまえ論を私たちは議論してもあるいは平行線になるかもしれません。できるだけやっぱり疑惑を解明し、必要な資料はできるだけ出して審議に供するというのが政府の姿勢でなければならぬ。とするならば、たとえば日石開発に対して国会から要求があるけれども、できればこれを出したいがどうだと、こういう根回しといいますか、問い合わせだって可能じゃありませんか。純粋な私契約じゃないんです、さっきから言っているように。これは国家的事業としてあなた方推進するというんでしょう。しかも、資源問題としてきわめて重要だというんでしょう。そのために石油開発公団などから多額の投融資が考えられるわけでしょう。そういう国家が相当部分でかかわる内容のもの、それは単純な民間の私企業間の契約というレベルだけでは考えられないファクターが含まれているわけでしょう。そういうものも国会には一歩も出せないんだ、守秘義務なんだということで逃げ込むんでは、話はやっぱり違うんじゃありませんか。現に丸紅の契約はロッキードで出ていますよ。児玉とロッキード社との契約だって公然となっているじゃありませんか。どこにその差がありますか。公取だって同じですよ、基本的には。それは強制——強制というか、調査その他で独自に集めた資料なら、場合によっては調査の必要ということで知り得た秘密になるかもしれません。法律上やっぱり届け出が義務づけられているわけですから、政府が知って国会が知っちゃならぬという論理はどこにありますか。通産大臣もう一回。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま、政府が知って国会が知ってはならぬということはないではないかということでございまするが、私の方は、政府といたしましての守秘義務と申しますか、私契約につきましては出さないという行政実例、慣行というものにつきまして申し上げておるのでございます。国会が知ってはならないというようなことには私ども一切触れておりませんので、私の方といたしましてはお出しできないと、かような次第でございます。
○矢田部理君 やっぱりこれは取り扱いについて理事会でひとつ協議していただきたい。これはまあ私から知恵を授けるのもなんでありますが、少なくともそれは日石開発に問い合わせてみて、国会で審議の必要上こういう要求が出ているがどうだろうかというような努力はやっぱりさせてしかるべきだと思うんです。これはまあロッキードの例ばかり引いてなんでありますが、しばしばロッキードでもやってきたことです。ただ守秘義務だ、職務上知り得た秘密だと、あるいは私契約は出さないんだというようなことだけではやっぱり納得できませんので、やり方はあるだろうと思うんです。その点ひとつ理事間で御協議をいただきたいと思います。
○委員長(寺本広作君) 国会に対する政府の資料提供の一般原則に関する問題のようでございます。この委員会だけの問題ではないようでございますので、この委員会の理事会で協議するのはいかがかと考えます。(「おかしいよ、民間だけじゃなくて、国の主権、国益が絡む問題なんだよ」と呼ぶ者あり)ここの委員会の問題じゃないですよ。国会の問題ですよ。
○矢田部理君 だから、いままさに国会の問題で理事会で協議してくれというのです。(「委員会が資料要求を議決すれば出さなくちゃいけない」と呼ぶ者あり)
○委員長(寺本広作君) それは委員会で議決するということになると、ここで議論しなくちゃならぬ。「自民党が反対ならばあれだが、自民党だって賛成しているんだから、場合によったら秘密理事会で資料を出させてもいいんだよ」と呼ぶ者あり)
○矢田部理君 ぼくは秘密理事会は余り賛成じゃないですがね、やっぱり法務省の資料だっていろんな出し方を工夫しているわけでしょう。公にはこうだけれども秘密理事会ならどうするとか、会社と一回問い合わせてみるとか、いろんなやり方があるわけですよ。なじまないなんという議論じゃ委員長おかしいですよ、それは。理事会にかけないで委員長が独断で指揮しちゃいかぬですよ。理事会で協議いただけますか。
○委員長(寺本広作君) この委員会だけの問題でなく、それは国会に対する資料提出の一般原則の問題ですから、ここでは委員会としてこの問題にこの場で決着をつけることば不可能だと考えております。
○矢田部理君 いや、理事会でそれを相談してくれというんだよ。
○委員長(寺本広作君) この委員会だけの問題でないですから、一般原則の問題ですから、これはこの委員会で決着をつけるべき問題ではないと思います。
○矢田部理君 独断ですよ、理事の意見を聞いてないでしょう。理事の意見を聞くべきじゃありませんか。秘密会ではどうかといういま公明党からの不規則発言もあったし、あるいは少なくとも日石開発に問い合わせてみるぐらいのことはできるじゃない。そういう取り扱いだって可能じゃありませんか。(「理事会に諮ってくださいよ」「休憩して協議したらいい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(寺本広作君) 暫時休憩いたします。 午前十一時十八分休憩 —————・————— 午前十一時五十四分開会
○委員長(寺本広作君) 委員会を再開いたします。 ただいま理事会で御相談いたしました結果を御報告いたします。 矢田部委員要求にかかる資料は、政府としては提出できないということでございます。理事会で、理事会の秘密会にも出されぬかということを政府側に尋ねましたが、秘密会にも出されない、こういうことでございます。 そこで委員会として、政府に出されぬものを出すように要求する決議をするかせぬか、これが一つ、もう一つは、政府を飛び越えて民間の会社に資料を提出するように委員会として決議するか、その二つが問題でございますが、いずれも各会派にとっては非常に重要な問題でございますので、午後一時まで休憩して、その間に各会派の態度を決めてくるようにという話し合いをいたしました。 以上であります。 それでは午後一時まで委員会を休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時二十五分開会
○委員長(寺本広作君) ただいまから委員会を再開いたします。 午前中、委員会から政府に対する資料要求の問題で委員会としての態度を決める必要があって理事会に切りかえ、その間休憩いたしたわけでございますが、ただいま理事会を開いて各会派の意見を承りましたところ、各会派とも、政府から提出しがたいというものを、この際委員会の議決によって提出の要求をするということは適当ではあるまい、また政府を飛び越えて民間の会社に資料を提出するよう委員会として議決することも、この際適当ではあるまいということでございました。ただ政府から資料を補正して改めて出したい、こういう申し出があったそうでございまして、そのことを了承することに理事会としては意見が一致いたしました。 そこで、委員長として申し上げておきたいと思いますのは、政府が資料をお出しになるときは、これが最終的なものだというようにきちっとした資料をお出し願いたい。質問をされて、その都度ちびちび訂正してくるような資料の出し方は今後ひとつ慎んでいただきたい、こう思います。議事運営上非常な支障になりますので、政府としては、お出しになるときはこれがぎりぎりのものだというものを御提出いただくように委員長から特に申し入れておきます。 以上であります。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 午前に引き続き、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とし、質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢田部理君 通産省は別途詳しい資料を出すということでありますので、それはお待ちすることにしまして、したがって、その点に関する質問を留保いたしまして、同時に、公取委、先ほどちょっと気に入らない発言をされた。それは独禁法三十九条があるので出せない、国際契約の届け出があるにもかかわらず出せないんだというお答えでありましたが、あの三十九条があるから全面一律に私契約、国際契約については出せないんだという議論は少しくおかしいと思います。やはり国政調査の必要性、その重さ等々を勘案してケース・バイ・ケースで考えるべきであるという考え方を私は持っているわけでありますが、その点非常にかたくなな対応を公取委の委員長はされたので、大変これはけしからぬというふうに思っておるわけでありますが、法制局の見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(真田秀夫君) 国政調査権とそれからいわゆる守秘義務との関係につきましては、昭和四十九年の十二月二十三日、当院の予算委員会におきまして当時の三木総理大臣から非常に明快な答弁がなされております。 その総理の答弁の考え方の筋を申し上げますと、いわゆる国政調査権は、憲法第六十二条に由来するものでございまして、国政の全般にわたってその適正な行使が保障されなければならないことは言うまでもないところでございます。 一方、憲法六十五条によって内閣に属することとされておりまする行政権に属する公務の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には守秘義務が課されているわけでございます。 そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間において調整を必要とする場合が生ずるわけでございますが、国政調査権に基づいて政府に対して要請があった場合、その要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかは、守秘義務によって守られるべき公益と国政調査権の行使によって得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することによって決定されるべきものだと考えます。 個々の事案について右の判断をする場合において、国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避け得ないところであろうと思いますが、政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成することができるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考えます。 以上が、当時三木総理大臣が当院の予算委員会で述べられた趣旨でございます。
○矢田部理君 公取委はまあきょうは用はありませんが、そういうことを十分踏まえて答弁をすべきであって、三十九条があるから出せませんなどという開き直った態度は国会の国政調査に対する対応としては非常によろしくないというふうに思います。 通産省は、追って資料を追加して出すということでありますから、それを見たいと思いますが、通産省も企業秘密だとか私契約については出せないんだという態度で臨む議論、これまたいまの議論から言えば法制局見解と矛盾する対応であります。その点を心して新資料を提出していただきたい、こういうふうに思います。 次の質問に入ります。 ところで、通産大臣がお見えになっておりますので通産大臣にお尋ねをしたいと思うんでありますが、通産大臣は、かねてより韓国と親しいというふうに言われておるし、現に日韓協力委員会等の事務総長ですか、中枢の役割りを果たしておられる。その功績をたたえられてか、韓国から一等樹交勲章までもらっているというような関係があるわけでありますが、通産大臣として、あるいはその以前の段階で、この日韓大陸だな協定、あるいは石油の共同開発について、たとえば同じ協力委のメンバーである矢次一夫氏からいろいろな相談なり話をされたことがあると思うんであります。その経過と内容を出してほしい。 矢次氏によれば、「わが浪人外交を語る」という東洋経済新報社で出した著書があるわけであります。非常に裏方で彼が動いた経過が書いてあります。日韓両国政府や関係者に対する根回しなどの詳細な記述があります。あるいはまた、とりわけ最後の詰めは、「四七年五月、日韓協常任委員会がソウルで開かれた際、うまいチャンスがあったので、私が政府首脳者に話を持ち込み、これがトントん拍子にまとまったわけですよ。」そして後宮大使などを通じて外交ルートに乗せたという記述なども具体的にあるわけであります。あなたとして、いつごろ矢次氏からどういう話が持ち込まれ、どんなふうに日韓協力委としてこれを扱ったか、その経過、内容をお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) そのお話につきましては、私は日韓協力委員会の事務総長といたしまして何回か韓国にも参りましたが、矢次さんあるいはまた岸さん、そういう方が、行き詰まった日韓両国の、大変ぎりぎりのところまでの客観情勢下において、本当に裏工作と申しますか、いろいろと努力をされておられたかも存じませんが、日韓協力委員会の表の委員会にはその問題は何にも論議に出ておりません。その点は新国策その他の資料をごらんになりましてもおわかりでございましょうが、そういうふうな高等政策と申しますか、その問題は日韓協力委員会のような場においてはなされる性質のものではなかったわけでありまして、その後、日本におりまして、大平外務大臣のときに、いまの日韓両国の共同開発が決まった、調印ができたということで、私どもはかえって大変びっくりしたような状態でございます。向こうにおりまする在韓滞留中にそのようなことは全然出ておりません。
○矢田部理君 そういう答弁の中に暗さと陰を感じるわけです。 最終的に詰めたのは四十七年五月の日韓協常任委員会がソウルで開かれた際、その際に、その主要なメンバーである矢次氏が話を最終的に持ち込んで、とんとん拍子に進んだんです。つまり、協力委の表の議題には出なかったかもしれません。しかし、実際は表舞台の議題ではなくて、裏方でずっとこれが仕切られてきた。そこにやっぱりこの問題の暗い陰、問題意識を感じるわけであります。あなたも、そういう会合にはしばしば中枢として参加をしておられるわけであります。何らかのかかわりがあったとしか状況から見れば考えられないわけであります。 どうも通産省の姿勢を見ておりますと、いろんな資料の提出の問題にいたしましても、何か隠そう、審議の問題の素材の提供をできるだけ出すまい、こういう姿勢が一貫して見受けられる。同じ表題の文章を、衆議院と参議院で別々の内容に取りかえて改ざんをしてきた。そこにやっぱり通産行政の問題点があるし、そのキャップであるあなたが日韓とのかかわりがいろいろあるだけに、いろんな疑念といいますか、疑問が出てくるわけであります。その点は時間がありませんから、別に改めて機会を設けて問題にしていきたいと思います。 あと残された時間がわずかであり、かつ私が予定した質問が半分ちょっとしかまだ終わっておりませんので、大急ぎでなでていきたいと考えています。 一つは、海上保安庁に、海洋の汚染の防止及び除去に関する交換公文が結ばれているわけでありますが、この中身を見ますと、非常に適用外とか例外とかという規定が多いんですね。つまり至るところでざる、しり抜けになっているのがこの交換公文のまた非常に大きな特徴なんです。たとえば特別事情があるときは例外を認める。千五百メートルを超える坑井については付表の圧力に耐えることに関して例外を認める等々、例外条項を非常に特徴的に持っている交換公文になっているわけです。これではとてもじゃないが本格的に汚染防止なり事故対策ができないというふうに考えざるを得ないわけです。特にまた問題になってきておりますのは、先般も外務省にその点の答弁をいただいて、きわめて不十分だったわけでありますが、操業管理者が双方で決められた場合にはその操業管理者が所属する国の法令が適用になる、こういう規定があるわけですね。そうだとするならば、たとえば日本には、まだまだ不十分でありますが、水質汚濁防止法であるとか海洋汚染防止法等がある、それに見合う韓国の法令は一体どうなっているのか、その比較表をあなたは出せますか。とりわけこの交換公文では罰則の規定が全くない、これについてどういうふうに今後考えていくのか。つまり韓国法令の体系と環境公害法の日本の体系とが罰則その他で狂いがある。幾つかの小鉱区に分かれるわけでありますから、同じ日本人でありながら、あるときには韓国法令で処罰をされ、あるときには日本法令が適用になる、これは主権や境界を画定しないまま共同開発というかっこうになったためにいろんな矛盾や混乱が起きる可能性が多いわけであります。韓国法令との比較表をいますぐ出せますか。
○説明員(山本了三君) 交換公文の内容の基礎になっておるもののように思いますので、外務省の方にお願いいたします。
○政府委員(大森誠一君) この協定につきましては、海洋の汚染の防止及び除去に関する交換公文というものが設けられておりまして、海洋汚染防止についてとられるべき措置の一定の基準が定められているところでございます。 韓国におきましては、公害防止の基本的な法規や公害防止のための法規はございますが、ただいまのところ、わが国の海洋汚染防止法に該当するような法規はないと承知いたしております。しかしながら、韓国側も海洋汚染の防止に関する先進諸国の先例に従い、海洋法体系全体の整備、見直しの一環として立法措置を検討中であると聞いております。いずれにいたしましても、わが方といたしましては、両国の開発権者間で結ばれる事業契約を認可いたします段階で、その内容について十分チェックすることができることとなっているわけでございまして、したがいまして、交換公文で定めております基準に合致しないような事業契約は、わが方としては認可しないということになろうと思います。
○矢田部理君 そういうまたでたらめ、事業契約に問題を逃げ込んでいく姿勢が問題なんですよ。事業契約で罰則付せられますか。日本の海洋汚染防止法に違反する廃油のたれ流しや、あるいはこれがあった場合については罰則の適用があるんです。韓国にはそれに見合う法令すらもない、全くのしり抜けじゃありませんか。交換公文自身においても、こういうことをしなければならないという規定はあるけれども、それを怠った場合の制裁措置、行政的、刑事的——民事的には損害賠償論がないわけではありませんが、ここが完全に抜けちゃってどうして汚染の本格的な防止ができるんですか、事故対策が可能なんですか、めちゃくちゃですよ、やり方は。法令すらもない。取り締まり一体どうするんですか。取り締まりの根拠を事業契約に求めるなどという理屈は、幾ら外務省だって立てることはできないでしょう。開発権者間の事業契約を通してチェックするなどということが歯どめにならないことはもう明らかなんですよ。 次の質問に移ります。これはもっともっとやりたいんで、私は率直に言うと、公害環境委員会との連合審査をこの点でやっぱり深く詰めなきゃなりませんので、ぜひ理事会で御検討をいただきたいというふうに考えています。特に北海油田の事故等もありまして、それと比べても非常に問題が多いわけでありますので、ぜひその点を要請しておきたいと思います。 それから、とにかく大急ぎで問題点だけさわっていきたいと思いますが、協定の三十一条、五十年間の長きにわたって日韓両国で縛り合うというこの開発協定、いまの国際情勢の変化から見て一体どうなのかということが厳しく問われなけりゃならぬというふうに私は思うわけであります。特に、もともと本質的にけしからぬ協定なんでありますけれども、加えて、やっぱり五十年も縛り合うという関係がさらに問題点として大きい。特にこの三十一条を見てみますと、この協定は五十年間継続し、改正または終了できるのは経済上の見地から採掘が不可能であると認める場合にのみ両国の合意によって解消できるというふうになっているわけですね。つまり、採算が経済上合わないときにだけ取りやめられる、これもまあ両国の合意という条件があるわけであります。いまの国際情勢はどうなってるか。たとえば海洋法会議の結論が出て、主権的権利の及ぶ範囲が画定できるようになった場合でも、五十年間は動かしがたい、こういう場合の修正条項すらも欠落をしている。あるいは中国との関係を見ましても、中国との話し合いの結果妥当でない面があるなら当然修正しなければならないと中江局長は衆議院の外務委員会で答えているわけですよ。ところが、中国との話し合いの結果妥当でない面が出てきた場合でも、この協定上はそのための修正条項が記載をされていない。経済上の採算ベースだけが修正または解約条項になっている。こんなことでいいんですか。海洋法会議の結果、あるいは結果を待たなくても、中国が二百海里宣言をした場合、当然この海域が入ってくる。あるいはまた、自然のたなの延長ということの議論を中国が展開をしていった場合、朝鮮から延びてきてるたなと中国のたなは必ずしも一つではない、朝鮮のたなは切れてるんだという専門家の意見もあるわけであります。当然のことながら、ここは紛争の問題が生じる余地がある。いろんな問題が山積している中で、海洋法会議の結末も見定めないまま、特に二百海里宣言などということができれば、当然のことながら中間線論が息を十分に吹き返してくるわけであります。こういう問題のある協定を五十年の長きにわたって縛り、かつ、それに対する修正もそれから改廃も経済上の採算ベースに合うか合わないかという問題だけでしかできない、ここにまた大きな問題があるわけです。外務大臣としての所信、見解をお聞きしたいと思っています。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 三十一条によりまして確かにこの協定は五十年間の効力を有するとされております。この五十年間という期間は、探鉱の結果非常に有望であったという場合に、採掘には三十年間の期間を認めておるわけで、したがいまして、その後延長された場合を考えて五十年と、こうされておるわけでございます。 で、この問題と、海洋法会議のニューヨーク会期におきまして今後結論がどのようになるかでございますが、海洋法会議との関係につきましては、前々から申しておりますように、この大陸だなの開発ということを考えますと、やはり隣接国の間で話し合いをつけた上でないと開発が現実問題として進まない、そういう状態は、今回海洋法会議で結論が出まして経済水域という制度が確立いたしました場合におきましても、やはり大陸だなの問題としては残ると、このような趨勢にあるわけでございます。したがいまして、海洋法会議の結論が早期に決まることをわが国といたしましても期待はいたしておりますけれども、現状におきまして実際に開発を進めるためにはこのような共同開発という方法しかないのではないかというのが政府の考え方でございまして、その点はどうか御理解を賜りたいところでございます。
○矢田部理君 中国との話し合いの結果妥当でない面があるなら当然修正しなければならなぬ、中江局長の衆議院の答弁があるんです。どの条項を基礎にして修正されるんですか。
○政府委員(中江要介君) 私が衆議院の外務委員会で答弁しましたときの質疑の経過をお読みいただくとわかりますように、あそこで問題になりましたのは、中国との間の大陸だな境界画定の問題であったわけでございまして、大陸だなの境界画定の境界線としては、この共同開発区域を囲んでいる線というのは最終的に決めたものでないということ、また国際法上の立場を留保しているということが協定の二十八条にあるわけでございますので、まず韓国と中国との間の中間線、それから日本と中国との間の中間線、そういったもの、つまり中国との間の境界線というものが、別途合意によって定められたその境界線が、この共同開発区域を囲む線として画定しております線と違います場合には、これは当然協定第二十八条にありますように、この境界が最終的に画定しているものでないということからの帰結といたしましてその正しい線に微調整しなければならないと、そういうことを申し上げたわけでございまして、この共同開発をするという協定の改定というものではないわけでございまして、共同開発区域を画定している境界線の微調整ということが、その中国との間の話し合いの結果、もし手を加える必要があるとすればその面であるということでありまして、この共同開発していることそのものについて手を加えなければならない、あるいは改正しなければならないと、そういうことはそもそも考えていないということの意味は、この共同開発協定は何度も申し上げますように、日本と韓国との間にまたがる部分に限って協定されておるわけでございますので、日本と韓国との間で合意されることなしにはこの共同開発という構想に基づく資源開発の取り決めは修正するわけにまいらない。したがいまして、その共同開発の構想に基づく協定の改正というのは、先生御指摘の三十一条のところで明記してあるわけでございます。 他方、五十年が長いという御議論は私どももわかるわけでございまして、五十年間国際情勢がいまのままであると思う人はないわけです。しかし、他方いまの国際情勢がいまのようであるということも事実であるわけでございまして、いまの国際情勢を前提といたしまして共同開発に踏み切るという以上、その共同開発を行うには安定した見通しがなければ共同開発はできないわけでありますので、現在の国際情勢下で共同開発をするということに踏み切ります以上は、五十年という期間が安定的な資源開発のために最小限必要な期間だということでここに五十年という期間があるわけでございまして、そのことと、国際情勢がいかように変わっても、これがそれにもかかわらず一人歩きするというようなことで、そういう非現実的なことでないことは再々御議論が提起されておりますように、朝鮮半島の情勢が、たとえば五十年の間に統一されればどうなるかというような問題もこれは将来の問題として考えられます。これはしかし日韓間に、国交正常化以来十一、二年になりますか、その間日韓間でいろいろの協定が結ばれております。日韓漁業協定もその一つでございますが、そういったそのときそのときの国際情勢のもとで日韓間で取り決められるものを取り決めていくと、そしてその後国際情勢が変わればそれに即応して両者の間で適用していくと、これがやはり具体的な外交施策としては選ぶべき道ではなかろうかと、そういう考え方に基づいているわけでございます。
○矢田部理君 私は暫定的であればいいとか、短期間なら結構だという趣旨では全くないんです。それ以上に本質的な問題をこれは含んでいるわけであります。しかし、仮にこの協定を前提とした五十年論の議論をする場合に、いまいみじくも指摘をされましたように、経済上採算が合わない場合はもちろんでしょう。のみならず、統一朝鮮が実現した場合に一体これはどうなるんだろうかと、二つの朝鮮の固定化につながらないだろうかという議論があるのは当然のことです。さらには、海洋法会議の決着がついて、たとえば経済水域二百海里論が国際法的に法的権利として高められていった場合どうなるんだろうかと、あるいは、これは衆議院で議論がありますが、日本が領海十二海里の宣言をした場合、当然この共同開発区域と重複するわけです。それについてきわめて妙な説明をしています。特別法があるにもかかわらず一般法で領海宣言をすれば特別法が修正されるんだと、法の論理は逆じゃありませんか。全く説明にならない説明をしている。あるいはまた中国との関係で、中国はこの共同開発区域に対しても主権的権利があるという主張を繰り返し述べているわけであります。またその裏づけとしての一定の根拠もあり得るわけであります。少なくとも日本、中国、朝鮮三者間で話し合いをしなければ本格的な開発はできないはずなんであります。そういう国際情勢の推移や動向について全く否定をして、五十年間経済上の理由以外には固定化するというやり方、これ自身が非常に問題だということを特に指摘をしておきたいと思います。 いまの局長の説明にもかかわらず問題はまだまだ山積をしているということなんでありますが、最後になりましたので、私はこれも本当はもう少し各論的な議論を実はしたいわけでありますが、問題点だけあと指摘をして答弁を求めたいと思います。 その一つは、費用の分担の問題でありますが、協定九条二項では、合理的に認められる費用については双方で分担をするということになっています。ところが問題なのは議事録確認で、「協定の効力発生の日前に共同開発区域における調査のために要した費用を含む。」ということ、本来民事不遡及の原則などもあるわけでありますが、協定発効前の費用まで分担をするんだ、こういう特別協定、特別規定を議事録確認という形で法的意味を与えている、ここに非常に問題があるわけですね。どんな費用が考えられるのか、すでに支出した費用はどのぐらいあるのか、あるいはまた、韓国側の費用もこれは従前にかかった分も負担することになるわけであります。これはどのようにしてチェックするのか、その具体的な内容、いま私が幾つかの質問事項を出しましたが、この点をまず明確にしていただきたい。 引き続き質問だけを続けます。 先ほど公害問題に関連して申し上げましたけれども、汚染その他で被害を受けた場合については一定の損害賠償責任が課せられておりますが、これも非常に問題なんですね。たとえば単独危険負担操業というのがございます。両者間の話がまとまらなかった場合に単独危険負担で操業をやる、この場合に連帯責任的な規定が適用になるのかならないのか、ここも問題でありましょう。あるいは単独危険負担から起こった事故や汚染について、その裁判管轄権は一体どこになるんだろうか。さらにはまた、韓国側が加害者であった場合、日本の裁判所にも訴えを提起できることになりますが、そこで損害賠償を支払えという判決が出たとしましても、相手が韓国にいる場合に強制執行の方法がないじゃありませんか。実効性の確保がこの協定上なされていない、この点も問題でありましょう。この点を一体どういうふうに考えるのか。一つ一つ実は時間をかけて議論をしたいわけであります。 海上保安庁は海上警察権を持っています。ところが、これは幾つかの鉱区に分かれて操業管理者が所属する国の法令に従うということになります。この部落は日本の取り締まり、他の部落は韓国の取り締まり、しかも日本の法体系と韓国の法体系は、たとえばさっき出しましたように、公害関係の規定だけを見ても向こうは法律そのものもない。向こうは野放し、こっちは取り締まられる。非常にふくそうした関係が実は小鉱区ごとに出てくるという問題点もあるでありましょう。その点は一体どういうふうに考えていくのか、何一つ明らかにされていないではありませんか。 質問を続けますれば、たとえば協定の十六条と二十八条の関係にも問題が出てきそうであります。つまり、主権の及ぶ範囲、境界についてはさっき局長も言われたように画定しなかったわけです。ところが、そこからとれた資源については自分の主権の及ぶ範囲からとれたものとみなすという規定を置いているわけですね。この共同開発区域は、先ほどから議論が出ておりますように、日中朝間の三者がいわば利害を持っている地域であることは間違いないと思うんです。朝鮮といっても韓国だけではありません。朝鮮民主主義人民共和国も含めて、たなではつながっているわけであります。そうすると、三つ以上の国が利害関係を持っている区域であるにもかかわらず、そこの主権的権利や境界については一切留保をして決めなかった。しかし、出たものについてはおれのところでとれたものだという擬制条項を日韓両国間だけで置いた。日本と韓国との間には債権的効力といいますか、通用するかもしれません。他の利害関係国からクレームがついた場合、おれたちのものだ、韓国とそう約束しているから自分のものだなどという権利主張は当然にできないはずであります。つまり排他性がここには発生する根拠がないわけであります。それを協定のごまかしで擬制で仕切ってしまっている。ここら辺にも大きな問題が実は残されているわけです。 いずれにいたしましても、逐条的に問題を提起いたしますれば、一つの項目を三十分ないし一時間ぐらいずつかけていろんな角度から議論をしなければ尽きるものではありませんけれども、そろそろ時間が尽きてきたようでありますから、私の問題提起なり質問はこの程度で終わらざるを得ませんが、いま述べた幾つかの問題について、関係各省からひとつ考え方についての答弁をいただきたいのであります。 鳩山外務大臣に最後に申し上げておきたいのであります。わずか数時間の間の議論の中でも私は幾つかの問題点を提起したはずであります。それらに全部ほおかぶりをして、ひた走りにこの協定を動かしていけばいいんだという姿勢、率直に申し上げて私たちも資源は大事だと思っています。しかし同時に、本当にそこに資源があるのかどうかについても、エカフェの調査を見ましても、あの共同開発地域全域をカバーしているわけではありません。日石開発等の調査にいたしましても係争地、紛争地であったためにほとんど直接的な調査をやっていない状況の中で、どうして性急に海洋法会議の結論も待たずにこれを走らせる必要があるんでしょうか。間もなく海洋法会議も一定の方向が出ようとしているわけであります。調査なくして開発なしと言ってもいいと思います。その点では、もっともっと調査を進めることがこの問題の基本ではなかったのか、それに先行して、いまファッショ的な政治、人権を徹底的にやっぱり否認する政治で、非常に政権自体の基盤が弱まっている朴大統領とこのような協定を結ぶ、まさに朝鮮の仮の支配に、南朝鮮の支配にてこ入れをすると言われても仕方がない、そういう問題も含んだ大変な協定だ。どんなことがあってもわれわれは認めるわけにはいかぬというふうに考えるわけでありますが、もう一回最後にその点に関する外務大臣の姿勢、あるいは通産大臣もおいでになっておりますので通産省の考え方、これを両大臣に出していただいて私の質問は終わりたいと思いますが、その前に各論的な問題を幾つか列挙いたしましたので、関係各省からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(大森誠一君) 私からは、ただいま御質問の第一点につきましてお答え申し上げます。 すなわち、合意議事録七項に言います第九条2による「探査及び採掘のために要すると合理的に認められる費用」についての本協定の効力発生の日前の調査のために要した費用を含むという規定の趣旨について申し上げます。 この区域につきましては、実際問題として協定発効前にある程度ではございますが、調査が行われておりまして、この調査結果は共同開発実施に際しまして有益な資料となるものであるわけでございます。したがいまして、かかる見地からそのために要した費用は両国の開発権者に共通に必要な費用と考えられますので、その費用は協定第九条2に言う経費に該当するということとしたのがこの合意議事録の趣旨でございます。具体的には、双方の開発権者が協定第五条の事業契約を結びます際に相互で検討して具体的な額を決める、こういうことになろうと考えております。
○政府委員(村田良平君) 単独危険負担操業とその連帯損害賠償責任の点をお答えいたします。 単独危険負担操業は両開発権者間の事業契約によって定められるわけでございまして、したがって、単独危険負担操業が行われておる場合におきましても、両締約国の開発権者というものは存在しておるわけでございます。したがいまして、二十一条の3項(1)(a)の規定が適用されまして、当然連帯損害賠償責任というものが生じるわけでございます。なお、開発の途中で一方の開発権者がいろんな理由で不在になるという取り扱いが第十五条に取り決められておりますが、その際の事態に関しましては二十一条の3項の(1)(c)の点に手当てがしてありまして、その場合におきましても連帯損害賠償責任というものが担保されておるわけでございます。
○矢田部理君 強制執行については。
○政府委員(中江要介君) これは一般論でございますけれども、一国の裁判所でこの共同開発協定に関する争いにかかわりませず、日本国の裁判所で韓国の団体ないし個人に対する判決がありました場合に、その判決をどういうふうにして執行するかというのは、これは先生も御承知のように、司法共助の問題といたしまして、相互主義に基づいて両国間で合意をいたしますれば、その部分についてその主権的権利の行使が相手の国で認められるということになる、こういうことでございます。
○矢田部理君 具体的にやっていますか、これ。
○政府委員(中江要介君) 現在までのところでは、日韓間にはそういう事例はございません。 ただ、司法手続上の共助は、これは御承知のように、韓国側が過って司法上の出頭要求のようなたぐいの文書を日本で送付いたしまして、それが、私がいま申し上げました国際法上の原則に即しないということで韓国に抗議を申し込んで、それを撤回させたという例は二、三ございます。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 本協定が国際間でも類例を見ないような共同開発ということを取り決めたわけでございまして、わが国といたしましても、このような協定は初めて結ぶわけでございます。そのためにただいま御熱心に御審議をいただきまして、問題が非常に多いということも事実でございます。これは確かに新しい大変な大事業でございます。この協定の締結に際しましても大変な努力が必要だったわけでございます。したがいまして、問題が非常に多いではないかということも私どももこれは率直に認めるところでございます。この共同開発を円満に実施すること、これは私どもも大変な努力の要るものであろうと思います。 しかし、何ゆえに共同開発をしなければならなかったかという点につきましては、もう御承知のとおりと思います。もう昭和四十五年からの懸案である、韓国側が単独開発ということに踏み切ったところから問題が生じたわけであるわけでございまして、それからすでにもう七年になんなんとする、協定ができましてから三年を超えた、こういう事態になっておるわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましてこの協定を、やはり約束は守らなければならないという観点から、ぜひとも共同開発を実施をさしていただきたいわけでございます。そういう意味で大変むずかしい仕事でありますけれども、この事業につきましては、政府といたしましてもあらゆる角度からいま慎重な態度をとって、いやしくも世間から非難を受けるようなことのないりっぱな事業を行いたい、このように考えておるところでございます。 いろいろな点にお触れになりましたけれども、わが国のエネルギー事情、これは日本も韓国も同じようなエネルギーに恵まれていない地帯であります。そういった意味で、エネルギー開発という点につきましては、他のいろいろな政治的な要因とは区別して、どうかこのエネルギー問題の開発のためにぜひとも御承知を賜りたいというのが率直なところでございます。
○矢田部理君 外務省、十六条と二十八条の関係。それから海上保安庁、取り締まりあるいは法令適用の関係。
○説明員(山本了三君) 海上保安庁に対しましては、取り締まりの法規が異なるあるいは国が異なる小区が散在する、したがって、このふくそうした小区の取り締まりをどうするかという御質問であったと思いますが、海洋施設につきましてはわが国に責任がある小区がありますし、また船舶については旗国主義になっております。したがいまして、こういった小区あるいは船舶につきまして、海上保安庁は海上保安庁が保有いたしております船艇、航空機、こういったものを有効に活用いたしまして取り締まりを行いたい、そのように考えております。 なお、相手国であります韓国の海洋警察隊ですか、そういった担当の機関とも連携を密にいたしまして、取り締まりには遺憾ないように努力してまいりたい、そのように考えております。
○政府委員(中江要介君) 第十六条と二十八条との関連でございますが、御質問の内容には二つの側面があると思います。 第一点は、そもそもこの大きな大陸だなに中国と日本と韓国と北朝鮮と、見たところ恐らくこの四つ、あるいは南に行きますとほかの国もあるかもしれませんけれども、そういう国が接しているということと、その接している国がその大陸だなのあらゆる面について主権的権利を主張し得るということとは違うわけでございまして、たとえば日本は渤海湾の近辺の大陸だなに対して主権的権利が主張し得るかというとそれはできない。また、北朝鮮は台湾の北の方にあります大陸だなに対して権利が主張できるかというとそれはできない。つまり一つの大きな大陸だなに複数の国が接しておりますときにはこれをまず区分する、区画していくというのがまず大陸だなの主権的権利の分配の問題でございまして、分配された後は、それはそれぞれが主権的権利を持つ、こういうことでありますので、この共同開発区域に北朝鮮なり中国が、同じ大陸だなのつながっているところだからといって主権的権利を主張し得るんだということには真っすぐにはつながらないわけであります。 したがいまして、境界を画定しました上は、その画定された部分について、その隣接国なり日本と韓国のような場合ですと、相対する国の間で分けてそれぞれが主権的権利を行使する。そのときには排他的な権利を行使することになるわけですが、この共同開発区域に限って申しますと、この部分について、何度も申し上げておりますように、主権的権利の行使の主張は重なったわけですので、重なったところに限ってはその主権的権利の問題を最終的に決定しないということが二十八条にあるわけでございます。したがって、主権的権利の問題を決定していないのであるから、決定しないでほっておくとだれも主権的権利が行使できないかというと、そうではなくて、共同開発ということで双方が共同に主権的権利を行使する。しかし、それは黙ってほっときますと結局けんかになるわけでございますので、その場合にどちらかの開発権者から出てきた天然資源はどちらの分だというふうにそこで分けて考えようというのが十六条でありますので、したがいましてこの表現が「採取した天然資源とみなす。」と、このみなす規定になっておりますのは、まさしく先生も御指摘のように二十八条で主権的権利を最終的に決定していないからしたがってそういう表現になっている、こういうことでございます。
○矢原秀男君 日韓大陸だな関係協定について、まず第一段階としては簡単に質問をしておきたいと思います。 まず最初に、日韓大陸だな共同開発協定への経緯というものについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 経緯を大きく流れを申し上げますと、まず第一に一九六八年、昭和四十三年にエカフェがこの地域の調査をいたしました。この調査は大陸だなの帰属を調査するのではなくて、この地域の天然資源の分布状況がどうであろうかという全く科学的な調査をいたしたわけでございます。この科学的調査の内容に着目しました沿岸諸国が、それほど有望な大陸だなであるならば開発しようではないかということを考え始めたのは、これはもう当然のことでございまして、日本でも昭和四十三年から四十八年にかけて鉱区設定の出願がございましたし、韓国側でも四十四年から四十五年にかけて開発権を付与するという事態が相次いで行われたわけでございます。 そういうふうに沿岸国がそれぞれ開発を目指して法の整備あるいは開発権の付与というものを行っております状況を日本政府としていろいろ見ておりましたところが、韓国で、国内法に基づいていま共同開発区域になっております部分についてまで、つまり日本に非常に近いところまで鉱区を設定して開発権を与えているということを知るに及びまして、これは日本として看過するわけにまいらぬと、この部分はまさしく日本が大陸だなの主権的権利を行使し得る地域であるということで、韓国側にその一方的な国内法に基づく開発を行うことは再考すべきではないか、この部分は日本と韓国の間にまたがる大陸だなであるのであるから、日本と韓国の間で境界線を画定する話をしよう、こういうことを申し入れたわけでございます。これが昭和四十五年の六月のことでございます。 ところが韓国は、それでは話をしましようとすぐ言わなかったわけでありまして、なぜ言わなかったかというと、韓国は、日本と韓国の間には境界を画定しなければならないような共通の大陸だなはないと、韓国の方からは沖繩海溝まで及ぶ自然の延長の大陸だながあるけれども、日本の方からは何もないじゃないかと、もうすぐに深い海溝があってそこで終わっている、日本には大陸だなはない、したがってそもそも境界画定の話をする必要がない、こういうことでなかなか話し合いに応じないで、そういう日本の立場は国際法的におかしいと、大陸だな条約に徴しましても自然の延長の外縁までが沿岸国の権利主張の限度だということになっているんだから一点の疑問もない、日本と話し合う必要はないと、こういう強硬な議論であったわけです。 そこで日本は、日本の立場からいたしますと、そこに海溝はあるにしても一つの大陸だなをはさんでいるんだから当然話し合いによって境界を画定すべきだ、もし、にもかかわらず韓国が自然の延長の外縁までだと言って一方的に開発するならばこれは日韓間にゆゆしい紛争になると、したがって自重してもらいたいということで、まず国内法に基づく単独開発の自粛を促したわけです。 〔委員長退席、理事秦野章君着席〕 韓国はその自粛をすることについてはしぶしぶ応じまして、話し合いをするといっても、それは法律的な立場に基づいて境界を話し合うのではなくて、当然韓国としては単独開発できるということを日本に納得してもらうために、それじゃあ話し合いをすると言うんなら話し合いをしてみようじゃないかと、こういう当初は態度であったわけです。したがいまして、まず日本側の韓国に対してやりました努力は、韓国と日本と境界画定のための話し合いだという、その話し合いの場に引きずり出すことにあったわけです。 日本としましては、先ほど申し上げましたように、この大陸だなは一つの大陸だなで、たまたまそこにみぞが入っているだけだという議論を展開いたしますし、韓国はみぞのあるところまでは自分のもので、日本側には大陸だなの権利主張はないと。この法律論争が四十五年の十一月からやっと始まりまして、四十七年の二月まで三回にわたって法律専門家小委員会というものを開いていまの論争を続けました。 この論争をやりますうちに、だんだん韓国も法律的にそれじゃ境界画定はどうするかという日本側の立場に歩み寄ってまいりまして、やっぱり何とか境界画定しなきゃいけない。その場合に、どこに境界画定するかということで議論をしたんですけれども、全く立場が違うものですから折り合いがつかない。いつまでもそういう論争だけをしておりますと資源の開発は先に延びるばかりでいつになっても開発ができないと、これは日韓双方にとって有益な、利口なことではないということで、それではもう純粋に法律的な国際法上の紛争であるから、これは国際司法裁判所に付託するのが一番国際社会の認める道ではないかということで、国際司法裁判所に提訴することを日本側から提案いたしたわけでございます。これが昭和四十七年の四月のことでございます。 ところが、韓国は御承知のように国際司法裁判所規程の当事国でもございませんし、したがいまして、国際司法裁判所に服するということを一般的に受諾宣言しておりませんものですから、どうしてもこの法廷に日韓両国が出ていくためには、日本と韓国との間で特別の合意書というものが必要なわけです。 ところが、韓国は国際司法裁判所に持っていくことに応じない。応じない理由の一つには、基本的には国際司法裁判所に持っていくまでもなく自分の方が正しいと、こう思っている。これは韓国の立場ですからそういうことでしょうが、それプラス国際司法裁判所でこういったたぐいの問題を処理いたしますには大変な時間と経費がかかる。それだけの金をつぎ込み、時間をかけて国際司法裁判所の法的判決を得るまで努力することに韓国は乗り気でなかった。韓国が応じません以上は、幾ら日本が一方的に持っていこうとしてもこれができないのが実情でありますので、韓国としてはもう手がないじゃないか、法律論争しても平行線、国際司法裁判所に持っていこうとしても韓国がそれに応じない、そうすればもう平行線で決着がつかない 決着がつかないなら韓国は独自で原点に戻って、昭和四十五年のときにやろうとしたことを四十七年の夏ごろには着手しますと、試掘の井戸も掘りますというところまで情勢が緊迫したわけでございます。 そういうことで、両方で話し合いをしたけれども話がつかない、ついに韓国が一方的に踏み切ったということは、これは日本にとりましても韓国にとりましても、日本がまず資源を失う、韓国はそういうことで日本との大きな紛争を巻き起こす、どちらもこれは政治的に決断すべき段階に相なったということで、四十七年の九月の五日、六日にソウルで第六回の定期閣僚会議が開かれました。この定期閣僚会議が開かれます前でございまして、ここははっきりしておく必要があるのですが、定期閣僚会議で持ち出された問題ではなくて、定期閣僚会議が五日、六日に開かれました前日の四日に、ソウルで、これはたまたまそちらに赴いておりました閣僚の一人であります当時の大平外務大臣と朴大統領とが会談する機会があったわけでございまして、この席で韓国側から、あの問題は両方ともなかなかがんばっていると、法律的に決着がつきにくいと、こういうままでほっておくということは、私が先ほど申し上げましたように日韓双方にとって得策でない、ひとつ共同開発というようなアイデアでこれを開発することを考えたらどうだろうということがありました。 大平外務大臣は、自分一存でもちろん決められる問題でありませんので、韓国がそういう実際的解決についての一つの提案が出たということはこれは非常に注目すべきことであったわけです。なぜ注目すべきことであったかと言いますと、それまで韓国はとにかく単独開発か否かという姿勢しか持っていなかったわけです。日本が説得されるまでがんばると、そして単独開発すると、こういう線できておりましたのが実際的解決に歩み寄ったということで、日本側もその韓国の考えていることを大平大臣が持ち帰られて東京で検討したわけでございます。 で、こういうふうに双方の大陸だな権利主張が重なりましたときの解決方法としては、普通はどこか中間線以外の適当な線を妥協で引いて、ちょうどオーストラリアとインドネシアがやりますように、中間線以外のところで落ち合うという方法も一つあるけれども、この共同開発区域についてはそういう線がなかなか考えにくいと、そうすれば、ジョイントベンチャーのようなものはなかろうか、あるいは共同開発というようなものは考え得ないだろうかということは、日本側でも事務的には検討しておったことは事実でございますので、その中の一つである共同開発構想というのが韓国の大統領から示唆されて、それを受けまして東京で関係各省庁の間で会議をいたしまして、九月の八日に、つまり閣僚会議が終わりまして、関係閣僚が東京に帰りまして、東京で打ち合わせた結果、原則的にそれでは共同開発構想というのはむずかしいけれども一度やってみるかということで、九月八日にわが方の後宮大使から金外務部長官に対して原則的に共同開発構想で検討してみようということで、この世界に類を見ない共同開発というものに私ども挑戦いたしまして、四十七年の十月から四十八年の七月にかけて十回にわたる大変な作業を重ねまして、四十九年の一月三十日に協定の調印に及んだ、これが経緯でございます。
○矢原秀男君 世界に例のないジョイントベンチャーでございますが、一九七二年九月の日韓閣僚会議、ここで共同開発構想が出たわけでございますが、それが続いていると思います。しかし、この時点において、中国、北朝鮮等々の関係諸国との話し合い云々というものが出されたのか、それともそういうものは一片すらも出なかったのか、そういう点お伺いしたいと思います。
○政府委員(中江要介君) まず日本の立場からいたしますと、この共同開発区域を含めまして日韓間にわたります大陸だなの部分は、この部分は北朝鮮と話し合わなければならないという面はないということでございます。これは地図でごらんになりましたらおわかりのように、日本と北朝鮮との間で話し合う必要はない、つまりそういうふうに朝鮮半島が不幸にして二分されたその南の大韓民国との間に話し合えば足りると、こういう考え方でございます。 他方、中国との関係につきましては、この協定の署名に先立ちまして、一九七四年の一月の四日に大平当時外務大臣が姫鵬飛当時中国外交部長に対しまして、日本としてはこういう話を韓国との間で進めている。しかし、これは大きな大陸だなのうち日本と韓国で話し合えばいい部分に限ってやっておるのでひとつ理解してもらいたいということを話し合いました。そのときに中国が答えましたのは、中国としてはまだ大陸だなに対する国際法上の権利主張というものをどういうふうな立場をとるかということは決めていないので検討させてもらいたいと、こういう話であったわけでございます。 やがてその月の末になりまして、一月三十日が署名の日でございますので、署名に一日先立ちまして一月二十九日に東京と北京とで、東京では法眼当時外務事務次官から陳楚当時駐日大使に対しまして、また北京では橋本参事官から王暁雲アジア局副司長に対しまして、かねがね大平大臣から話をしておりました協定はいよいよあす署名になりますということを中国側に通報いたしました。その翌日、一月三十日に署名が行われますや否や、私が東京では米国釣参事官を呼びまして、協定本文から附属文書、またそれを大きな地図の上に書き写しました地図を渡しまして、いかにわれわれが測定して、中国の権利主張の部分に手を触れない、日本と韓国だけで話し合えばいい部分に限ったかということを詳細説明いたしました。中国はその説明を聴して帰ったわけですが、やがて二月の四日に中華人民共和国外交部スポークスマン声明というものが出されまして、これがとりもなおさず、その年の初めに中国としてはまだこの部分の大陸だなについての立場は検討中であるという、その検討の結果が出ましたのがこの協定の署名された後の二月四日であったわけです。 その二月四日の内容は、これは何度も言われておりますように、この大陸だなはこの大陸だなにかかわる全関係者が集まって境界を画定すべきであるというのが中国の立場である、そしてまた中国は自然延長論をとると、つまり韓国と同じで沿岸から公海の方に向かって、外部に向かって自然の延長が延びて終わるその外縁までが沿岸国の主張の限界であるといういわゆる自然延長論をとるということをはっきりいたしたわけでございます。 日本といたしましても、関係国が全部集まって境界が画定できればいいわけでございますけれども、御承知のように、この日韓間の大陸だな部分を決めます一番もとになります線は韓国と中国との間の境界線であるわけです。ところが韓国と中国との間は、これも再三申し上げたと思いますけれども、韓国が一方的に開発しようとして国内法を制定しましたときに、すでに中華人民共和国政府は韓国に対して文句を言ったわけです。この大陸だなに一方的な単独開発をするのは中国としては認められない、少なくとも自分と相談すべきであるという立場を表明しまして、韓国政府はそのすぐ翌日、韓国としては中国と話し合う用意があるということを中国に対して声明いたしました。ちなみに、この声明において初めて大韓民国政府は中華人民共和国政府という正式国名を使用したという記録的な声明であったわけです。そういう韓国の呼びかけにもかかわらず、中国はそれでは韓国と話をしようとは言わなかった。そういう次第でございまして、現実の問題として韓国と中国で話ができない、しかし、日本としては韓国と中国の間はこれはもうみぞも何もありませんので、どう見ましても中間線で境界を画定するのが国際法上最も衡平の理論にかなった境界であるという前提でございますので、韓中中間線というものをきめ細かく測定して、それを前提といたしまして、その韓中中間線の韓国側の部分に限って日韓間で境界を画定する作業に移ったというのがこの協定を作成する過程におきまして周辺諸国、いま先生の御指摘の北朝鮮及び中国に対してわれわれが対応してきた考え方と経緯でございます。
○矢原秀男君 あとまた具体的な問題点の質疑を交したいと思います。 一九七四年の十二月十六日の韓国の国会の審査結果を見ておりますと、批准の手続が非常にはかどらない日本側について促進の要請が盛んになされ、向こうの国会内のいろんな論議、それから国内の報道に対する一部マスコミ等の歪曲解釈の報道云々という問題の中で、外交経路を通じてその正当性を周知させるよう努力する、こういう向こうの外務部次官の国会における答弁要旨があるわけでございますが、それから恐らく今日まで日本の外務省に具体的にどういうふうな形で働きがあったのか、それをお伺いしたいと思います。
○政府委員(中江要介君) いま先生がおっしゃいましたように、一九七四年の十二月に韓国で国会の承認が得られたわけですが、その後日本側は御承知のように金大中事件に端を発します日韓間の冷却期間というものが相当続きました。それが七三年のことでございまして、七四年になりますと文世光事件というものが起きまして、また日韓間はなかなか緊張した状況が続く。そういうことで、日本の国会においてこの協定の批准承認案件を平静に審議していただくという状況はなかなかむずかしい状況であったわけですが、それもやがてロッキード事件などで、また韓国とは関係のないことで日本の国会、日本側の事情もございました。 そういう間、韓国としては韓国から見ておりまして、日本政府に接触していろいろ話し合うまでもなく、これは無理な状況ではなかろうかというときは、韓国はその様子を静かに静観しておったわけでございますが、昨年の一月ごろから、もう幾ら何でもあの協定を早く発効させて資源の開発を急ごうではないか、特にエネルギー危機以降日本も韓国も資源問題ということには神経的になっておったわけでございまして、昨年の一月十九日に在京の韓国大使から当時の宮澤外務大臣に何とかこれを早く発効させるために努力をいたしましょうという話がありましてから、一月に二回、三月に二回、四月、五月、六月に二回、九月に三回というふうに、折あるごとに韓国側から日本側に促進方の申し入れがあったわけでございます。そういたしまして、最近のことになりますと、ことしになりまして一月十四日に韓国の崔圭夏国務総理、つまり総理大臣から西山大使に対して批准促進の希望が申し越される。また二月になりますと朴東鎮外務長官が日本に参りましたときに鳩山外務大臣に対して同じ希望の表明があり、また四月には同じく西山大使に二回、それからまた四月の末には韓国政府の訓令に基づきまして在京大使館の公使が鳩山外務大臣に申し入れをしてくるということで、つまり日韓関係が緊迫化しているときにはこれは日本の国会審議も多少影響を受けることはやむを得ないといたしましても、それが静まりましたら、あるいはまたロッキードとか総選挙が終わりましたならば、これはもう早速やっていただきたいという希望は韓国側からいま申し上げましたように頻繁に申し越している、こういうことでございます。
○矢原秀男君 外務大臣、そこで頻繁にいろいろと交渉されておるようですが、この件について韓国国会で日本国内の一部のマスコミが歪曲の解釈の報道をしている、こういう発言が向こうに載っているということは、私たちも審議をしておりまして、外務省がどういう姿勢でこういう発言に対して、何回もあると聞いておりますけれども、抗議なり対応されたのか。そしてこういうふうなゆゆしい発言に対してどういう外務大臣が感触を持ちながら、無視したのか、それとも韓国の国会に対してちょっと言い過ぎではないでしょうかとか、そういうふうな何らかの姿勢を示されたのかどうか、そういう点についてはいかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま韓国国会の発言についてであろうと思いますが、まだ原文読んで、どの部分かわかりませんが、私どもソウルにおられます西山大使にはこの日韓関係の非常に問題が微妙な段階にありますので、日本につきましていろいろ問題が起こらないようには常々注意はしてあるわけでございますけれども、特定の発言に対しましてどのような行動をとったかはいまつまびらかにいたしておりません。しかし、一時非常に新聞等にも、いわばこの協定が批准できない場合には、たとえば漁業関係の二百海里を実施する等々のいろいろな新聞記事が載ったわけでございまして、そういうような際には、日本では目下審議中でありますから冷静な行動をとっていただきたいというようなことは、大使から先方にはときどきそのようなことは申しておりますが、具体的な発言につきまして、国会におきます発言につきましては、当方としても、やはり当方からいろいろ異議を申し述べるのも、これも慎重に扱わなければなりませんので、恐らく個別的な発言としていろいろな抗議というようなことはとっておらないだろうと思います。
○政府委員(中江要介君) いま大臣も申されましたことなんですが、この韓国の国会の議事録の中で日本の新聞報道を歪曲して、新聞報道が事実を歪曲しているという趣旨ですか、その先生の御質問に出てきますような部分というのはちょっと見当たらないものですから、もう少し具体的におっしゃっていただきますとあるいはわかるかと思いますが……。
○矢原秀男君 一番最後。
○政府委員(中江要介君) 一番最後のところ、つまり韓国政府から日本政府に対して外交経路を通じて正当性を周知させるように努力する何らかのアプローチがあったかという御質問ですと、そういう具体的なアプローチはございませんでした。
○矢原秀男君 その国その国で賛否両論のいろんな、たとえば国会においての政治論議であるとか、そうしてまた社会においての賛成反対のいろんな意見とかというのは、一つの目標というものが設定をされて論議をされていく、これは当然だと思うんですね。それを他の国からいろんな干渉というものが入ってくるということになればこれは非常にゆゆしき事態だと思います。そういう観点から外務省が向こうから外交経路を通じて、私は日本の外務省が圧力をかけられたのではないかというふうな立場でいま質問したわけでございますが、こういう点は一切なかったわけですね、大臣と局長のお話ですと。
○政府委員(中江要介君) そういったことは一切ございませんでした。
○矢原秀男君 国際法の立場から見まして、また後論議したいと思いますけれども、いまあなたが言われました世界で初めてと言われるこの共同開発区域、こういう構想がどういうふうに見るべきであるかということとともに、もう一点は、先ほどもお話があなたから出ましたけれども、国連海洋法会議等々の関連性、この二点お伺いしたいと思います。 〔理事秦野章君退席、委員長着席〕
○政府委員(中江要介君) まず第一点の方でございますけれども、これは私どもも大変苦労をいたしまして、日本政府としても苦労いたしまして、先ほど申し上げましたような法律上の立場が完全に平行線になったと、そういうときに一体どうしたらいいか、一つは裁判所へもっていく、しかし裁判所にもっていこうとしても相手が応じなければ引っ張っていくわけにまいらない。そうするとその場合の選択は双方で延々と法律平行線の論争を続けるか、あるいは何らかの実際的解決を図って資源の開発に着手するかどちらかである。その政治的な判断、決断というのが先ほども申し上げました一九七三年の九月でしたか、いずれにいたしましても韓国の大統領の方から実際的解決の一つの方法として共同開発構想というものが出されたわけでございまして、この共同開発構想というのはまさしく実際的解決でございますので、法的争いには決着をつけない、しかも双方の立場が大きく害されない、そういう方法としてはちょっと私も先ほども申し上げましたように、ジョイントベンチャーのようなことで第三の会社をつくって、日韓両国の会社をつくってやるか、あるいは中間線以外の妥協の境界線を画定してしまうか、それとも境界線は画定しないで、法律的立場は境界線の画定まで含めて全部たな上げにして、重なっているところだけを共同開発するという発想であったわけで、この場合はその共同開発という構想で一度作業をしてみよう、そしてうまく共同開発できるなら、これは資源の乏しい両国にとってプラスするのではないかということで作業をして一応まとめ上げたのがこの協定と、こういうことであります。 それから海洋法会議との関係につきましては、あるいは条約局の方から補足していただいた方がいいかもしれませんけれども、私の知っておる限りでも、当時から海洋法会議というものは国連が主唱いたしまして行われておりました。 この海洋法会議の中には、領海を十二海里にする、そしてその結果生ずるであろういままで公海であったものが領海によってふさがれた国際海峡をどういうふうに扱うかという問題、それから距岸二百海里までのいわゆる経済水域というものをどうするか。この経済水域二百海里と領海十二海里と国際海峡の通航の問題、この三つがパッケージになりまして国連海洋法会議の中ではずっと扱われてきておる。その結果、経済水域二百海里というものがほかのパッケージとの関係でめでたく制度化されたといたしましても、その結果として大陸だなの制度というものがなくなるかというと、それはなくならないのでありまして、そういう国連海洋法会議が開かれる前から、一九五〇年代から存在いたしますこの大陸だな制度というものは厳然として存在すると。 そういたしますと、大陸だな制度と二百海里の経済水域制度とが相重なった場合にどうするのかという点について国連海洋法会議はどれだけの手当てをしているかということは、もちろん私どもは常時見守ってきたわけでございますけれども、そういう非常に特異な例、つまり大陸だなが、相対する二つの国の間で大陸だなの争いがあって、それがしかも中間線で境界が確定できるような大陸だなではなくて、そこにみぞがあって、そもそも境界画定を要するような一つの大陸だななのか、それとも海溝があって境界を画定するまでもないそういう大陸だなであるのかというようなことに論争のあるところに、さらに加えて二百海里の経済水域というのが上に延びたときにどうするかと。そういう複雑なところまではとてもこの海洋法会議のいろいろの議論をしておりますところでは議論には話の端にも出てこない。 そういたしますと、予想される結論はただ一つで、そういう複雑な諸要素が重なったところでは関係国の間で話し合いなさいという原則がその場合には適用されることは間違いない。そうしますと、いま日韓間で話をしているのと同じ話し合いを、海洋法会議の結論を待ったあげくでもそういうことになる。それならいま話し合いをしても先で話し合いをしても同じことであるし、さらにその場合に大陸だなというものは自然の延長の外縁までという、そういう考え方がだんだん大陸だなの定義としては強くなってきている。そういう状況のもとで一つの大陸だなか二つの大陸だなかということを議論する、そういう話し合いを日韓間でしなきゃならない。そういう状況を想定いたしますと、いま、いまというのは当時、この共同開発に踏み切ることが海洋法会議の趨勢から見て決してマイナスにならない、こういう判断をしたと、こういうことでございます。
○矢原秀男君 通産省にお伺いしますけれども、石油エネルギーの現状についてどういう把握をされていらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(古田徳昌君) わが国のエネルギー事情につきましては、昭和五十年の十二月に、基本的なエネルギー対策についての閣議了解が行われまして、それに基づいて現在進められているわけでございますが、その基本的な方向は、第一が石油依存度の低下ということでございます。これは現在でも七〇%を超えております石油依存度が結局は日本のエネルギー構造の脆弱性を引き起こしているということで、これに対する依存度を長期的には下げていきたいということが第一の柱になっているわけでございます。 それから、それを達成いたしますために、代替のエネルギー源としてどういうものを開発していくかということになるわけでございますが、その第一の柱が原子力の開発でございます。それから第二の柱がLNG、液化天然ガスの導入の促進ということになります。それから、順不同でございますが、第三に国産エネルギー源の開発、これはたとえば石炭あるいは地熱の開発というふうなことになっていこうかと思います。 こういうふうな形でエネルギー供給構造の長期的な方向を出して、そのための諸政策が行われているわけでございますが、同時に、その方向を進めましたとしましても、なおかつ五十年末につくりました需給の見通しによりますと、昭和六十年度では石油への依存度が六〇%を超えるという姿になっているわけでございまして、やはり大きなエネルギー対策の柱としては海外からの石油の安定的な供給の確保といったものが、先ほど言いましたような他のエネルギー源に対します対策のほかに打ち出されているわけでございます。 その目標としまして、ただいま言いました六十年度の供給構造は石油の輸入量を四億八千五百万キロリッターというふうな水準に立てておりますが、これにつきましてはその後の世界の石油情勢、最近におきますOPECの動向を勘案いたしまして、現在見直し作業を進めているところでございます。政府としまして全体的なエネルギー政策の見直しということで、三月初めからかなり組織的に進めておりまして、この結論を中間的にはことしの夏まで、最終的には来年の夏までに打ち出していきたいということで、この供給数量につきましての見直しも含めまして検討中ということでございます。
○矢原秀男君 具体的な問題にちょっと入りますが、共同開発区域でどれくらいのエネルギー源が確保できるのか、そういう点については数字的にはどういうふうに期待をされていらっしゃるのか、お伺いします。
○政府委員(古田徳昌君) 共同開発区域を含みます東シナ海地域、九州、沖繩西側の海域でございますが、この地域についての調査が幾つかあるわけでございます。第一に挙げられます調査は、御存じのとおり、一九六八年に行われましたエカフェの調査でございます。この調査結果によりますと、この地域につきましては石油及び天然ガスの賦存の可能性が非常に高い第三紀の堆積物が厚くあるということで、詳細につきましてはなお今後の調査にゆだねておりますが、長期的には世界でも有望な産油地帯の一つになるだろうというふうな見込みが出されているわけでございます。 なお、そのほかに、共同開発区域に対しまして現在の鉱業法に基づきます出願をしている西日本石油開発及び日本石油開発、二社が行いました物理探査もございます。この探査結果によりますと、この共同開発区域内の堆積層の厚さはエカフェのときに予想したよりももっと厚いと、一部では六千メートルにも達するものがあるというふうな報告も出されているようでございます。 それからそのほか、この共同開発区域ではございませんが、その周辺部分につきまして九州、沖繩に近い海域でございますが、これにつきましては国としましての基礎調査も実施しております。このような調査結果を踏まえまして、私どもの方で、石油開発公団の協力等も得ながら、一部試算を行ってみたわけでございますが、試算につきましてはいろいろなやり方があるわけでございますが、いろんな条件をかために置きまして考えました場合に、この九州、沖繩の西側海域、共同開発区域を含みます一帯の海域につきまして究極可採埋蔵量という数字で把握しますと、約七億キロリッター程度のものがあるだろうというふうな推計があるわけでございます。
○矢原秀男君 あなたの方では世界の石油供給についてはどういうふうに考えておられるのか、その点お伺いします。
○政府委員(古田徳昌君) 世界全体の石油供給動向の問題でございますが、昭和五十年に東京で行われました国際石油会議の際に発表された一部の研究結果によりますと、世界じゅうの石油の究極の埋蔵量は約二兆バレルである。そのうち一兆バレルがすでに使われないしは発見されており、今後発見可能性のあるものは残りの一兆バレルであるというふうな試算が出ております。さらに、現在発見され、かつ使われていない埋蔵量はどれぐらいあるか、つまり当面手元にあるものはどれくらいかということにつきましては、約六千六百億バレルだというふうな試算があるわけでございまして、これを最近の世界じゅうの石油の使用量で割りますと約三十三、四年分というふうな姿になるわけでございます。 こういうふうな状態を踏まえまして、世界じゅうの石油関係各社あるいは国の機関といったふうなところが積極的に探鉱活動を進めているわけでございますが、一九七〇年ごろまでは大体毎年使う石油の量を上回る埋蔵量だけ発見してきていたわけでございますが、一九七〇年以降になりますと、毎年使う量よりも新たに発見する量の方が小さくなっているというふうな状況にございます。 こういう状況を踏まえまして、最近OECDあるいはアメリカの一部機関等で長期的な石油需給の見通しを打ち出されておりますが、おしなべて言いますと、一九八五年を過ぎると少し窮屈になってくるだろう。一九九〇年になりますとかなり世界的な石油需給というのは窮屈な姿になってくるだろうというふうなことが言われているわけでございます。こういうふうな長期的な石油需給の見通しをもとにいたしまして、これは日本に限りませず、世界各国とも現在のエネルギー政策を検討中というふうに承知しております。
○矢原秀男君 長期のエネルギー需給計画についてですけれども、大体水力の場合、それから地熱の問題、国内石油・天然ガスの問題、国内の石炭の問題、原子力の問題等々、こういうふうに種別されると思いますけれども、こういう点から五十五年度か六十年度どういうふうにその需給計画の推定があるのか。また輸入エネルギーの場合、石油、石炭、LNG、こういうふうな目標値があなたの方であれば数字的に明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど御説明いたしましたように、全体の供給構造につきましては、現在政府といたしまして全体としての見直し作業の段階にございます。しかしながら、現在まで私どもがエネルギー政策を考えました場合に前提といたしました供給構造につきましては、昭和五十年末に総合エネルギー調査会の答申を得まして政府として取り上げた数字があるわけでございまして、これを簡単に御紹介したいと思います。 その第一の点は、これも先ほど触れましたけれど、輸入石油の依存度を六三・三%までに下げる。これは現状が七四、五%でございますから、かなりの引き下げということになるわけでございます。 それに対応いたしまして、原子力につきまして現在一%以下というふうな数字になっておりますが、これを九・六%までに高めて、四千九百万キロワットというのを目標値として掲げているわけでございます。 それから国内石炭につきましては、これは国内の資源状況等もございまして、二千万トンで横ばいというふうなことになっているわけでございます。したがいまして、これに対します依存率といいますか、構成比は逐次下がるというふうな姿になります。 それから水力につきましても、これはなお開発の努力は続けますとしても、国内におきます開発の余裕が逐次減ってきておりますので、四十八年度が二千百二十万キロワットになっておりますが、これに対しまして六十年度二千八百三十万キロワットということで、構成比はむしろ下がるというふうな姿になっております。 地熱につきましては、これは新しいエネルギー源ということで大いに開発の努力が行われるということを政策目標としているわけでございますが、これにつきましてもいろいろと諸制約条件が多いということで、六十年度におきましても〇・五%、二百十万キロワットというふうな水準を目標として掲げております。 それから国内の石油・天然ガスの開発努力といったものもあるわけでございますが、これにつきましては現在が一%前後ということになっておりますが、その構成比を一・九%まで高めたいということで、天然ガスも含めまして千四百十万キロリッターというふうな数値を掲げているわけでございます。 いずれにしましても、全体の供給構造の見通しにつきましては、先ほど言いましたように最近の情勢を踏まえまして再検討の段階にあるということでございます。
○矢原秀男君 あなたの方では、一つは石油の寿命というものを何年ぐらいに、あと何年ぐらいと見ていますか。 もう一点は、まあ代替のエネルギーの開発の目通しというものをどう見ていらっしゃるか、その二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど言いましたように、現在の埋蔵量で今後全く新たに発見されないということになりますと、現在の消費量を世界じゅうが続ける限り三十年強で全くなくなるという計算になるわけでございますが、これに対しましては世界じゅうで探鉱活動が活発に行われておりますので、それによってさらに今後発見されていく埋蔵量もあるわけでございまして、その辺を考えますと、これから先、物理的に何年たてば石油の利用ができなくなるかということは非常にお答えしにくいわけでございますが、世界の消費量の動向との関係で需給バランスがどうなるかというふうな見方をいたしますと、先ほど私もちょっと言いましたように、一九九〇年前後ぐらいからかなり窮屈になっていくだろうということは言えるんではないかと思います。 それから代替エネルギーの問題につきましては、これもただいま御説明いたしました六十年度の表からもわかりますように、原子力とかLNG、先ほどちょっとLNGの数字を申し落としましたけれど、六十年度四千二百万トンというふうな数字が掲げられておりますが、そういうふうなところに重点を置いているわけでございます。なお先ほど、これもちょっと数字として触れませんでしたけれど、輸入石炭につきまして一般炭を現在よりもかなりふやしまして、二千万トン程度というふうな数字を掲げているわけでございます。 こういうふうなところに代替エネルギー源を求めていこうということでございますが、これにつきましても、その後の原子力発電の開発状況、あるいはその後の国際的なLNGの計画の具体化の動向といったふうなものも踏まえまして、再検討の段階にあるということでございます。
○矢原秀男君 それから国内の自主開発の部分ですね、その生産数量、もう一つはコスト、大体どの程度になっているのか、その点をお伺いします。
○政府委員(古田徳昌君) 国内におきます石油・天然ガスの生産の水準でございますが、これは最近数年間ほとんど変動がございませんでして、資源的な制約もあるわけでございますが、石油で約七十万キロリッター、それから天然ガスで約二十四億立方メートルというふうな数字が年産額でございます。このコストにつきましては、地質的な条件が悪いために、たとえば中東地域とかその他世界的な産油地帯に比べますとかなり高くついているわけでございます。正確な数字が非常にむずかしいんでございますが、たとえば、最近発見いたしまして昨年秋に生産に移行いたしました新潟の阿賀沖油田の場合で考えますと、バレル当たり恐らく五ないし六ドルぐらいかかっているんではないかというふうな推計がございます。
○矢原秀男君 国内の場合ですけれども、新潟でも結構ですけれども、陸地の場合、海洋の場合、発掘、そうしていろいろと製品コスト、商品コストという形になるんですけれども、大別して掘削までに大体幾らぐらいお金がかかったのか、そういうふうなデータがあなたの手元にあれば、大体どのぐらい金額の面でかかったかどうか、お伺いします。
○政府委員(古田徳昌君) 油田の大きさ、あるいは陸上であるか海上であるかということによって非常にばらつきがあるわけでございますが、先ほど御説明しました新潟の阿賀沖油田の事例で見ますと、探鉱開発費を含めまして総投資額が約三百億円ということになっております。このうち約百億円が探鉱費であると。したがって残りの二百億円が石油を発見しました後の生産のための投資、開発投資ということになるわけでございます。ただし、これは昨年末で生産を始めました油田の事例でございますので、この数年間の探鉱開発費の値上がりといったふうなものを勘案いたしますと、この阿賀沖油田と同様程度の規模、たとえば約一千万キロリッターの埋蔵量ということになるわけでございますけれども、それにつきましては九百億から千億円ぐらいの総投資額になるのではないかというふうな見通しでございます。
○矢原秀男君 いまのは陸上が三百億、海上は。
○政府委員(古田徳昌君) ただいま事例として挙げました阿賀沖油田は海上油田でございます。
○矢原秀男君 英国の北海油田については、大成功であったという話も伺っているわけですけれども、通産省としてはどういうふうに評価をされているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) ほんの十数年前まではヨーロッパ各国に囲まれました北海地域が一大産油地帯になるというふうな予想を立てた人は少なかったわけでございますが、一九六五年前後から非常に活発に探鉱活動が行われまして、その結果現在では、ことしの予想でございますと約百五十万バレル・パー・デーといったふうな生産規模にまで達するというふうなことが言われているわけでございます。 この地域につきましては、北海の気象条件あるいは陸地からの距離といったふうなことで非常に探鉱開発費が巨大に上っております。したがってコストも高くついております。現在、北海での平均開発費用は約三ないし六ドルというふうなことが言われておりまして、これは中東の陸上地域に比しますと二十倍ぐらいにつくというふうな非常に高いコストになるわけであります。 現在まで行われました探鉱投資としましては、約五百本の試掘井が掘られておりまして、そのための投資額が二十五億ドルに達しているということでございます。これは探鉱投資だけでございまして、これに加えまして、成功いたしました場合には開発投資、つまり生産のための設備投資が行われるわけでございますけれども、これらの投資額を見ますと、一九七二年から七六年の間だけでも合計百四十億ドル強というふうな数字が挙げられております。 それから、先ほどわが国におきます阿賀沖油田の事例を述べましたけれども、同じように北海の油田について一、二事例を御紹介いたしますと、北海での中規模油田でございますクレイモア油田、これが可採埋蔵量が約六千四百万キロリットルと言われておりますが、これの開発経費は約千五百億円というふうな予想が立てられております。それから阿賀沖の油田と同じ程度の規模のアーガイル油田というのがございますが、これの開発経費が九千万ドル、約二百七、八十億円というふうなことになろうかと思いますが、これは探鉱費は除いておりますので、この規模で考えますと阿賀沖油田よりももう少し高くつくというふうな実績がございます。
○矢原秀男君 当委員会の質疑を通していろいろと問題になっておりましたが、この日韓の共同開発の大陸だなには、石油の埋蔵量という問題がいろいろと討議をされたわけでございますが、最終的に当局の方ではこの区域については石油埋蔵はこの程度であるというはっきりした、まあこの前も参考人等のお話も伺いましたが、やはり自画自賛というのか、国の考え方あるいは参考人の方いろいろと入り乱れているようでございますので、この際、実際にこういう程度なんだというようなことをはっきりと言っていただきたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 石油の埋蔵量につきましては、事前の予測といいますか予想が非常にむずかしい。これが結局は石油探鉱のリスクの大きさということに結びついているわけでございますが、現在世界じゅうで行われております埋蔵量の予想につきましては幾つかの方式があるわけでございます。 堆積物の容積であるとか、あるいはその中に含まれている有機物質についての推計を行うとかいうふうなことをベースにしまして種々の予想を立てているわけでございますが、この地域につきましては、先ほども御説明いたしましたように、私どもとしましては、可採埋蔵量というふうなとらえ方をしました場合には、沖繩、九州西域の東シナ海一帯で約七億キロリッター程度の推計がございますので、そういうものをめどにして検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
○矢原秀男君 エカフェ調査のいろいろの文献も読ましていただいているわけでございますが、先般の参考人の方にも背斜構造の問題点についていろいろとお伺いをしたわけなんですけれども、先ほどもあなたからもお話があったわけでございますが、六千メートルぐらいの背斜構造というものが、これはまあ先般もお話があったわけですけれども、この点について、どういうふうな探査をされた結果これがわかったのか、そういうふうな点、もしあなたのところに資料がございましたら簡単で結構ですから、説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) エカフェが行いました調査は、スパーカー方式と言いまして、電気のスパーカーを利用するわけでございますが、これは出力が比較的弱くて、大体地下二千メートルよりも深いところについては詳細がわからないというふうなことのようでございますが、その後、日本石油が行いました物理探鉱は、これとやり方がちょっと違っておりまして、エアガン方式というものを利用しているわけでございます。海中で音波を発生させまして、その音波が海中を通りさらに海底下に伝わってこれが地下の地層から反射してくるということで、この方式をとりますと、その出力の大きさにもよりますが、かなり深いところまで把握できるということになってくるわけでございます。 この日本石油開発の調査結果を私どもとして聞いてみますと、詳細は別でございますが、この共同開発区域内におきまして第三紀層が非常に発達しているということで、石油の母岩とかあるいは貯留岩というふうなものが非常に期待できる、かつ、その石油の母岩となります第三紀層の厚さが六千メートルにも及ぶ地域であるというふうな報告を受けているわけでございます。
○矢原秀男君 もう一つお伺いしますが、今後日本の経済の問題だとか国民生活、こういう全般を考えましても、省資源エネルギー対策のうち、やはり石油の消費をどういうふうに合理的に節約をするかというふうな対策も真剣に考えなくちゃいけないと思うのですけれども、こういう点についてはどういうふうに対応されようとしているのか、お伺いします。
○政府委員(古田徳昌君) 長期的な石油情勢が先ほど御説明したような見通しになっておりますので、現在世界各国ともエネルギー節約については非常に積極的な姿勢を打ち出しているわけでございます。先般アメリカのカーター大統領が出しましたエネルギー政策におきましても、省エネルギー政策といったものが非常に大きな柱になっていることは先生御存じのとおりだと思いますが、わが国といたしましても、先ほど御紹介いたしました六十年度のエネルギーの供給構造あるいは需要量といったふうな数字の中でも、すでに相当程度のエネルギー節約を織り込んでいるわけでございますが、従来まで、エネルギーをより効率的に使用する対策としまして、熱管理法の運用とか、あるいは中小工場の診断指導とかいうふうな形によりましてエネルギー管理の改善等を行ってきておりますし、それから開発銀行の融資等を利用しまして、エネルギーを節約する省エネルギー設備の導入の促進等も行ってきているわけでございます。 それから、石油危機後の昭和四十九年の八月に、内閣に「資源とエネルギーを大切にする運動本部」というのを設けておりまして、各種の節約対策を推進しているわけでございますが、たとえばことしの二月におきましては、省エネルギー月間ということで幅広い広報活動を行っているというふうなことでございます。 さらに通産省としましては、大型プロジェクトとか、あるいは重要技術の研究開発費の補助制度といったふうなものを通じまして、省エネルギーのための技術開発の積極的な推進というふうなことも行ってきているわけでございますが、三月の初め以降積極的に取り組んでおります全体のエネルギー政策の中でも、この省エネルギー政策のさらに一層の促進といったものが非常に重点を置かれておりまして、総合エネルギー調査会の中に新たに省エネルギー部会というのを設けまして、その部会で最近のエネルギー事情を踏まえた、もっと実効性があって、もっと全体としての整合性のある省エネルギー政策を打ち出そうということで、現在そのための準備をしているという段階でございます。
○矢原秀男君 水産庁お見えになっていますか。——じゃ、関係のどなたかで結構です。 開発区域のところも漁場の非常に発達しているところでございますけれども、漁業とこの開発とのいろいろな具体的な事項というものがどういうふうに進められているのか、その点をお伺いします。
○政府委員(大森誠一君) 南部の共同開発協定におきましては、まず協定第二十七条におきまして、開発は、共同開発区域及びその上部水域における漁業等の正当な活動が不当に影響されないよう行う旨が明記されているわけでございます。 さらに、協定第五条一項におきまして、両締約国の開発権者間の事業契約には、必ず「漁業上の利益との調整」を含めるべきことが規定されておりまして、これに関しましての十分な規定がない場合には、政府は開発権者間の事業契約を認可しないと、こういうこととされております。 さらに、この共同開発事業の操業を始めます前に、政府の方は、開発権者が自国の関係国民と漁業上の利益の調整を図るよう指導するということを合意議事録の四項で定めているわけであります。 また、両国は衝突の防止、海洋汚染の防止及び除去のためにとるべき措置について一定の基準を設けまして、それを防止するということが協定二十条で規定されております。 この規定を受けまして、交換公文でそのとるべき措置、基準につきまして取り決められているところでございます。 このような関連規定を実効あらしめるためのわが国における具体的措置といたしましては、事業契約に、漁業との調整に関する業務のうち、日本の漁業者との調整は日本側企業が担当すること、物理探査は盛漁期を避けること、坑井の掘削に当たっては坑井ごと関係漁業者の了承を得ることなどの基本方針を記載させるように、通産省において指導するということになっていると了解いたしているわけでございまして、その内容が漁業との調整の観点から支障があると認められる場合には、先ほど申し上げましたように事業契約を認可しないものとすると、このような了解が水産庁長官と資源エネルギー庁長官の間で行われていると、かように理解しているところでございます。
○矢原秀男君 漁業問題はまた後で深く質問したいと思いますが、海洋汚染、これは海上保安庁になると思うのですけれども、この前も参考人の方から北海油田の原油の流出、原因、被害、そういうお話も出たわけですけれども、私まず懸念をしますのは、海上保安庁として、これ新しいまた別な仕事がふえるわけですけれども、現行法において対処するだけの陣容がどういう形で整えられていらっしゃるのかが一つ、そして、この開発が行われる段階において海洋汚染というものをどういうふうに想定されているのか、まずこの二点をお伺いしたいと思います。
○説明員(山本了三君) 海洋汚染が発生いたしました場合に海上保安庁が対応し得る勢力等があるかどうかというのが第一点であろうかと思いますけれども、御承知のように、海上保安庁は巡視船九十五隻、巡視艇二百十五隻、合わせて船艇といたしましては三百十隻、航空機は三十四機保有いたしておりまして、こういった船艇、航空機を活用いたしまして、現在、海洋の沈染の防止、監視、警戒等に当たっております。したがいまして、こういった開発区域が設定されました場合には、当然その範囲をいま申し上げましたような船艇、航空機を駆使して監視、警戒を実施すると、そのようになろうかと思います。 なお、二百海里の漁業水域設定の問題あるいは領海十二海里拡大の問題、こういった法令の実施に伴いまして、海上保安庁といたしましては、拡大された海域の警戒を行うわめに、船艇、航空機の増強につきまして現在関係当局と鋭意協議中でございます。したがいまして、こういった新しく付加されます勢力も注入いたしまして、先ほどの開発区域の取り締まり、あるいは防除活動を行いたいと、そのように考えております。 海上保安庁が現有いたしております防除の諸機材について簡単に御報告しますと、海上保安庁が五十一年度末現在におきまして保有いたしております機材は、油回収艇が三隻、オイルフェンス展張艇が十九隻、油防除艇一隻、油回収装置十式、油移送装置一式。五十二年度にはさらにそれに油防除艇二隻、油回収装置三式、油移送装置一式を増強整備する計画にいたしております。 なおまた、海上保安庁は、大量の油が流出いたしましたような場合には、これに対応いたしますために、海洋汚染防止法におきまして、その原因者となり得るようなものに対する資機材の備蓄、あるいは流れました場合の防除活動に必要な組織あるいはマニュアル、そういったものの作成義務、こういったようなことも定めております。こういった原因者の防除活動と同時に、海上保安庁みずからも先ほど申しましたような船艇、航空機あるいは防除用の資機材、こういったものを活用して海洋汚染の被害の未然防止に当たる、そういうことにいたしております。また、こういったものに対する訓練も定期的に実施いたしておりますし、海洋汚染が発生いたしました場合、特に大型タンカーからの大量の流出、あるいはいま申し上げましたような海洋施設からの大量の油等の流出、こういったものに対しましては、現有の施設等を十分に活用して被害を未然に防ぎたいと、そのように考えております。
○矢原秀男君 次に、外務省の方にお伺いしますけれども、韓国の自然延長論の主張というものが外務省としては法律的にはどういうふうに、妥当であるのか不当であるのか、いろいろの観点があると思いますけれども、そういう点ではどういうふうに判断をされていらっしゃるのか、それお伺いします。
○政府委員(中江要介君) 韓国が一貫して唱えております自然延長論と言いますのは、古来大陸だなとして国際法上の制度として登場いたしましたときからの国際社会における一般的な認識に沿った考え方である。したがいまして、この韓国の主張は相当の論拠がある。ただ、その自然延長論をいま問題になっております地形に当てはめますと、これは一〇〇%自然延長論で海溝のところまでで切れていると、そして日本側には権利主張の根拠がないと言い切るにはこれは問題がある。 そこで、日本は一つの大陸だなの境界画定であるから中間線ということを言うわけですが、その主張をいたします場合にも、韓国が自然延長の外縁までと言って海溝の手前までを主張しておりますその主張を完全に論破するということは、これは国際司法裁判所の判決に照らしましても、大陸だな条約の規定に照らしましても、海洋法会議におきます大陸だな制度にまつわる諸外国の議論に徴しましても可能なことではない、非常にむずかしい問題である。まさしくどちらに軍配が上がるかということを決めかねるくらい優劣がつけがたいというのが、そもそも日本が国際司法裁判所に持っていこうとした理論的な根拠であったわけです。 したがいまして、繰り返しになりますが、この地域について韓国が唱えております自然延長論というのは相当の根拠がある主張である、こういうふうに受けとめております。
○矢原秀男君 いま話が出ました国際司法裁判所の世界における判決等の事例というものをもう少し詳しく、あなたの方で把握をされておりましたらちょっと伺わしていただきたいと思います。
○政府委員(村田良平君) いわゆる自然の延長論と申します論が国際法における基本的な法理というものとしてはっきり出されたというのは、一九六九年の北海大陸だな事件に関する国際司法裁判所の判決の中でこの自然の延長という考え方が明確に打ち出されたというときでございます。 この判決によりますと、ある国がその大陸だなに対して権利を認められるというのは、その国の陸地の領土が、あるいは領土主権が海の中に向かいまして自然に延長しておる、あるいは拡張と言ってもいいかもしれませんが、拡張しておるというふうにみなされる事実に基づいて大陸だなに対して主権的権利を持つのであるという考え方を出しておるわけでございます。たまたまこの一九六九年の北海大陸だな事件は、ドイツを一方とし、それからデンマークとオランダを他方とする争いでございますが、この際にその三国が国際司法裁判所に対して提起しました問題点は、どのような国際法の原則によって大陸だなを画定するのが妥当かという国際法の原理を聞いたわけでございまして、境界の画定自体をどう線を引くかということの判決を求めたわけではないのでございますが、その際に裁判所といたしましては、この日韓大陸だな協定との関連で言いますと三つの大きい考え方を示したというふうに言えるかと思うのでございます。 その第一点は、デンマークあるいはオランダが主張いたしました等距離原則というものが慣習国際法とは言い切れないという点でございまして、詳細は省略いたしますけれども、幾つかの理由を挙げて、まず等距離原則というものは一つの準則ではあるけれどもこれが国際法とみなすことはできないということを言った点が第一点でございます。 第二点にいまの自然の延長という考え方を出しまして、大陸だなというものは本来そういった性質のものである。したがって、衡平の原則に従って合意によって関係国がその境界画定を図らなければならないということを示したわけでございます。 さらに第三点といたしまして、関係国が合意できないような場合にはこういったような考え方があるじゃないかということで幾つかの示唆を行っておりますが、その中に共同開発という考え方が示唆されておるわけでございます。
○矢原秀男君 もう一つは日本の立場ですけれども、海洋国日本の歴史といたしまして、一九五八年に国連の第一次海洋法会議で大陸だなの条約ができたと思うわけですけれども、日本がこれに加入をしなかったことは、現時点に立ってやはりその良否というものを外務省はどういうふうに考えておるのか、その点を伺います。
○政府委員(村田良平君) 一九五八年の海洋法会議の際に、わが国は、この大陸だな条約とそれからもう一つ公海漁業に関する条約が採択されたわけでございますが、この二つの条約には加入しなかったわけでございまして、加入しなかった主たる理由は、この両条約が公海条約あるいは領海条約と異なりまして、従来の慣習国際法を法典化したというものでは必ずしもなくて、むしろ立法的な内容が入っておる。したがって、いろんな問題点があるということからでございます。特に、この大陸だなに関する条約に関しましては、海底の定着性生物資源の扱いに関しましてはわが国のとっております態度とこの条約の規定ぶりとは異なっておりますので、この理由によってわが国は大陸だな条約に加入しなかったわけでございます。 ただし、大陸だなと申しますのは、トルーマン宣言以来、国際慣習法によってできておるそもそも制度でございまして、この大陸だな条約にわが国が加入するしないということ、あるいはわが国が特定の区域をわが国の大陸だなとして宣言するとかいうふうな特定の行為をとりませんでも、国際法の原則に許される限りにおきましてわが国の大陸だなというものはそもそも備わっておるわけでございます。したがいまして、この大陸だな条約にわが国が加入しなかったということによって国益上非常なマイナスがあったというふうなことは特にないというふうに考えております。
○矢原秀男君 ちょっと休憩、五分か十分お願いしたいと思います。
○委員長(寺本広作君) それでは、ここで五分間休憩いたします。 午後三時四十二分休憩 —————・————— 午後三時四十七分開会
○委員長(寺本広作君) 再開いたします。
○矢原秀男君 いま話が出ましたので、大陸だなの問題について論議を進めてまいりたいと思います。 大陸だな制度の始まった一九四五年のトルーマン宣言、そうしてまた一九五八年四月三十九日ジュネーブで成立した大陸だな条約等に対してまずお伺いしたいのでございますけれども、海洋法会議等々の行方を見ておりましても、いま質疑を簡単に交わしましても、国際法的に大陸だなの定義というものをどういうふうにすべきであるかという問題については、一つは大陸だなの定義あるいは範囲をどういう基準で考えるかという問題と、もう一つは、二つ以上の国が相対をしている場合にどういうふうに境界区分を設けるかというふうな問題が出てくると思うわけなんです。そういう中で、私、いろいろ質疑交わされておりますけれども、改めて政府としての定義というのか、見解というものをまずお伺いをしたいと思います。
○政府委員(村田良平君) 大陸だなの定義及び境界画定に関する問題でございますが、この双方に関しましてやはり過去三十年間に国際法上の大陸だなに関する考え方が徐々に変わっておるということが言えると思うわけでございます。 まず、大陸だなの定義でございますけれども、これがはっきり条約上の文言として規定されましたのは、先生御指摘の五八年の大陸だな条約でございますけれども、この第一条によりますと、「海岸に隣接しているが領海の外にある海底区域であって、水深が二百メートルまでであるもの又は水深がこの限度をこえているがその天然資源の開発を可能にする限度までであるものの海底」ということになっておりまして、この大陸だな条約自体では必ずしも自然の延長という字自体は出ておらなかったわけでございます。考え方としては、その海岸に隣接して領海の外にあるということで、当然そういう自然の延長が前提であるというふうに考えられますけれども、条約上の表現としては出ておらなかったということと、それから水深が二百メートルまでというのが一応の基準でございまして、それ以上開発可能な限度までということになっておったわけでございます。 ところが、先ほど申し上げました一九六九年の国際司法裁判所の判決によりまして、この大陸だなというものの概念に関して、自然の延長ということが非常に明確に打ち出されたということでございます。 さらに、現在進行中の第三次海洋法会議におきましては、大陸だなに関していろんな議論がございますけれども、定義につきましては現在、改訂単一草案におきまして、ちょっとその部分を読ましていただきますと、第六十四条の規定でございますが、「沿岸国の大陸棚とは、海底地域の海底であってその国の領海を越えその陸地の自然の延長をたどってコンチネンタル・マージンの外縁までの部分、又はコンチネンタル・マージンの外縁までの距離が領海の幅員を測定する基線から二百海里ない場合には二百海里までの部分をいう。」という規定ぶりになっております。すなわち、この海洋法会議におきましては、陸地の自然の延長という考え方が正面に出てきたということがやはり特色であろうと思われるわけでございまして、これが六〇年代の後半、先ほどの国際司法裁判所の判決といったような考え方がやはり国際的に受け入れられたと申しますか、そういった考え方を反映した規定ぶりになっておるということでございます。それからまた、水深二百メートルといったような考え方よりも、コンチネンタル・マージンの外縁までというふうな考えが出ておりまして、ここにもやはり自然の延長という思想が出ておるように思うわけでございます。 それから境界画定の方でございますけれども、これも大陸だな条約によりますと、その第六条に規定があるわけでございますが、この際には関係国の合意によって決定するということをまず大原則といたしまして、合意がない場合には特別の事情がない限り中間線をとるということで、比較的中間線思想が当時は強くとられておったというふうに思うわけでございます。 ところが、現在の海洋法会議で行われております大陸だなに関する境界画定、これは単一草案によりますと第七十一条でございますけれども、ここでは「衡平の原則に従って合意によって行われる」というのが原則でございまして、その際に「適当な場合には中間線又は等距離線を用い、かつ、すべての関連する状況を考慮に入れ、」ろというのが、いわば第二次的な規範として入っておるわけでございます。換言いたしますと、衡平の原則に基づく合意というのが表面に出まして、中間線という考え方がかなり後退したということになっておるわけでございます。このような国際的な変化というものを反映して実体の方も若干動いておるかと思われますのは、従来、大陸だなの境界画定に関しては二十幾つかの条約があるわけでございますが、六〇年代において結ばれました協定では、原則として等距離線あるいは中間線をとっておったわけでございますけれども、七〇年代に入りまして、豪州とインドネシアとの間の境界画定では、豪州の方のやはり大陸だなというものの自然の延長を考慮に入れまして中間線によらない、面積的に言いますと豪州の方に有利なような境界画定が行われておるという事実もございます。
○塩出啓典君 関連質問。 まず自然延長論ですけれども、これは私たちの理解では、自然延長論が強くなってきたというのは、いままで大陸だなのいわゆる公の海に延びている場合にその境界を二百海里までにすべきだとか、それからもっと先までいくとか、そういう点で大体自然の延長までが沿岸国の権利であると、こういうのが自然延長論がだんだん強くなってきたことじゃないかと思うんですね。したがって、もしある国の沿岸からずっと、たとえば日本の場合、太平洋のような公海に向かって、それはもうそこまでが自然延長として沿岸国の権利に属すると、こういう考え方が強くなってきたというのが自然延長論じゃないかと思うんですけれども、これは外務省も異存はないと思うんですよ。 また一方、いまさっき村田さんが読まれた六十四条では、いわゆる「コンチネンタル・マージンの外縁までの距離が領海の幅員を測定する基線から二百海里ない場合には二百海里までの部分をいう。」と。日本の太平洋岸への大陸だなが、これは余りないと思うんですけれども、これがたとえば十海里あったと、それが十海里で終わりじゃないかというのではなしに、そういう場合でも二百海里までは、そこは深海であっても大陸だなとすると、こういう定義なんですね。 そうしますと、また一方、二百海里の経済水域、排他的経済水域の概念から言っても、二百海里までの海底とその水中の生物、そういうものは沿岸国に権利があると、こういう方向じゃないかと思います。それば太平洋のような公海に対する場合でございまして、ところが現在問題になっております共同開発区域、いわゆる東シナ海の場合は、わが国の方から二百海里、それで向こうの方からも少なくとも二百海里まで、大陸だな二百海里までなくとも二百海里までは韓国も主権があるし日本も主権がある。そうすると、そこで境界をどうするかということでありまして、だから日本と韓国の境界の問題については、大陸だなの自然延長論というものは余り関係がないわけであって別の問題である。そういう点でちょっと外務省は非常に説明にごまかしがあるんじゃないかと思うのですがね。だから二百海里の自然延長論というのは公海に対する場合の自然延長論で、韓国と日本の場合は、これは自然延長論に関係なしに向こうの主張とこっちの主張が重なり合うわけですから、そこでどうやって境界を決めるかと、こういう問題だと思うのですね。こういう点どう考えておりますか。
○政府委員(村田良平君) 先生御指摘の点幾つかあると思うのでございますが、順を追ってお答えをいたしたいと思います。 まず自然の延長という考え方自体でございますけれども、これには大きく言ってやはり二種類あると思うわけでございまして、そもそも大陸だなというものはいかなるものかという考え方自体について、それが陸地から自然の延長であるという思想は、先ほどの六九年の国際司法裁判所の判決でも出ておるわけでございまして、当時はまた海洋法会議というのもなかった時代でございますから、これを逆に言いますと、大陸だなというものが地理学的あるいは地質学的にまたいろいろな定義が別途あると思うのでございますけれども、国際法でいう大陸だなというものは領海の外の自然の延長である。こういう意味で自然の延長という考えが一つあると思うわけでございます。 それから、海洋法会議で出ておりますのは、先生御指摘のとおり、特に二百海里以遠まで自分の権限を及ぼそうという国が非常に自然の延長ということを強く言っておるということは、まさに御指摘のとおりでございます。しかしながら、その根底にある考え方というのは、やはり本来の大陸だなというものが、自然の陸地が海中にもぐってと申しますか、その自然の延長であると、したがって沿岸国が管轄権を持つべきであるという思想が根っこにあるわけでございまして、海洋法会議におきまして、特に二百海里以遠の点を主に議論しておるからと言って、その根本の思想自体がやはりあるからこそそういう主張が出てくるのではないかというふうに思うわけでございます。 そこで、第二点といたしまして、六十四条の規定ぶりにお触れになりましたが、確かに二百海里に満たない場合におきましても、二百海里までは大陸だなといわばみなすといいますか、そうするという創設的な規定が現在単一草案に置かれておるわけでございまして、これはまだ海洋法会議がまとまっておりませんので、現在のところ国際法のルールと言えないわけでございますけれども、海洋法会議におきましてこのような考え方で話し合いがまとまる可能性というのはもちろんあると思います。しかしながら、六十四条でこのような規定が置かれましたのは、やはりその交渉の経緯等から見ますと、たまたま世界の大陸だなにおきましては、距岸二百海里前後というような地理的形状のところもかなりたくさんございまして、仮定の話として、百六十海里とか百七十海里ぐらいの大陸だなを持つというふうに考えておる国々が、それでは自分らは損だというような主張をしたというふうなこともありまして、一律二百海里にしようじゃないかという考え方が後から出てきたというのが事実上の経緯でもございます。 したがいまして、この六十四条自体の規定ぶりからもそういうことが言えると思いますが、やはり二百海里の距離基準というものは自然の延長という第一義的な基準の補助的と申しますか、そういった基準として採択されたというふうに考えるわけでございます。 したがいまして、まさに先ほど先生御指摘のとおり、日本からその久里浜の沖、太平洋というふうな場合におきましてはこの第二次的な基準というものもそれなりに適用されると思いますけれども、二つの国が相対するという場合には、この第二次基準をもって当然二百海里まではわが国の大陸だなであるという主張は必ずしもできない。そこには恐らく七十一条で規定いたしますところの境界画定の問題ということとして処理されるんではなかろうかと思うわけでございます。 その際に、境界画定で先ほど申し上げましたように衡平の原則に従って合意に基づくという、その衡平と申します意味は五〇、五〇というよりは、むしろいろんな状況を考えて六、四とか七、三に分けろという考え方が裏にあって出てきた言葉でございまして、そういった意味でこの六十四条の、二百海里に不足する大陸だなも二百海里まで大陸だなとみなすということをそのまま援用いたしまして、わが国が中間線まで大陸だなを得ることを主張するのは困難ではなかろうかと思うわけでございます。 それから、経済水域の点についてもお触れになりましたが、これについては、従来何遍もこの席でも御説明したとおりでございますけれども、大陸だな制度と申しますのは、やはり歴史的にも三十年間定着した制度でございますし、それから、現在のこの単一草案の規定ぶり等を見ましても、たとえば海底資源に関する沿岸国の管轄権に関しましては、これは四十四条の三項でございますけれども、経済水域の条項によらないで大陸だなの条項に従って管轄権を行使せよというふうな規定もございます。 それから、定着性生物資源に関しましても、これは改訂単一草案の経済水域に関する条項の中では、経済水域ではなくて大陸だなに関する条項を適用せよというふうな規定が五十七条に入っておるわけでございまして、これは大陸だな制度というものが少なくとも優先しないまでも、経済水域と全く並列する、場合によっては優先するというふうな考え方を示すものというふうに受け取らざるを得ないわけでございます。 いずれにいたしましても、この経済水域あるいは先ほどの二百海里までの大陸だな理論をもって韓国と話し合うという場合には、結局決め手になるような国際法のルールというものはございませんで、最終的に合意によって打開をしなきゃいけないという状況は変わらないというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(寺本広作君) 塩出君に申し上げます。 関連質問でありますから、簡潔に願います。
○塩出啓典君 答弁が長い。 結局あれでしょう、韓国側は、大陸だなは自然延長だということでわが国の近くまで主張してくる。わが国は、将来海洋法会議が成立した場合に、二百海里経済水域ということで中間線を主張していく、そのどちらが優先していくかという問題ですね。これはどっちが優先するか優先しないかということは実際決まってないわけでしょう。いかにも大陸だなの自然延長の方が古い議論だから、そちらがいかにも優先するんだ。だから時間がたてばたつほどわが国には不利になる。自然延長論がどんどん出てくるから不利になるから早くやった方が得なんだということを外務省はしきりに言っているわけなんです。これはもらった資料にたくさん書いてあります。外務大臣は委員会ではそういうことは言わないと言っているけれども、外務大臣が委員会で言っていることと外務省からもらった資料とは大分食い違いがあるわけですね。だからどちらが優先するかということはこれはまだ海洋法会議でも話し合われていない問題であって、それも韓国の自然延長の方は優先するというものは何らない。古い概念だからそっちの方が優先するなんていうことは私はおかしいじゃないかと思う、その点はどうなんですか、それだけ伺っておきます。
○政府委員(村田良平君) 簡潔にお答えいたしますと、現在の単一草案の先ほど例に挙げました二つのような点をとりましても、やはり経済水域よりは大陸だなの条項で扱うという考え方が出ておりますので、大陸だなの方が優先するとまでは言えなくても、両方の制度というものが優先関係が調整されないというのが現在の状況でございますし、これが経済水域の方に非常に有利に調整される可能性というものは余りないのじゃないかということは判断の問題としては言えるのではなかろうかと思うわけでございます。
○塩出啓典君 将来二百海里経済水域の主張と大陸だなの自然延長、こういうような場合には大陸だなの自然延長の方が強い、そういうことで何か法律を挙げましたですね。それをあとでどなたか出してください、もうこの質問やめますから。わかりますか、言っていることは。あなたはいま自然延長の方が——こちらから経済水域二百海里と、向こうから自然延長と言った場合には自然延長の方がより優先するということを言われましたですね。その根拠として第何条、第何条と言われましたので、それをあとで私に見せてください。 それともう一つは、現在まで各国においてそういう相対する沿岸国の境界を画定するのにたくさんの、私は二十四ぐらいあると聞いて、その二十四の境界画定がどういう結果になったのかということを資料要求したわけでありますが、まだ全部来ていないわけですが、私が聞いている範囲では、二十四の境界が相対する国の境界画定におきましてむしろ中間線に近い形で決まった例がほとんどであって、いわゆる大陸だなの方が優先をして、わが国と韓国のように、わが国の近くで境界が決まったような例は私はないように聞いておるわけでありますが、先ほどあなたが言われたように、いわゆる自然延長、大陸だな延長の方が優先するというような国際的な国際司法裁判所の判例はあるのかどうか、これをお聞きします。
○政府委員(村田良平君) 先ほど私の引用いたしました条項は、経済水域の方の規定でございますので、その部分はそれでは資料として提出いたします。 それから、従来の境界画定の先例に関しましても資料を御提出いたします。 先ほどもちょっと申し上げましたように、そのうちで中間線、等距離線を原則としておらない例としては、豪州とやはりインドネシアの例が一番顕著なものであるかと思います。これはしかし、日韓大陸だな協定の際の韓国の主張のように沖繩列島のすぐそばまでというほど一方の国に寄った例でないということはそのとおりでございます。ただし、中間線ではなくて大分インドネシア寄りに線引きされているということでございます。
○矢原秀男君 この問題はやはり経済水域、いわゆる中間ラインを日本というものは極力主張していかなくちゃいけない、こういうふうに私は感じるわけです。そうして自然延長の問題についても、もし外務省が韓国の自然延長論というものを非常に優先する立場になられますと、水産庁来ていただいたと思いますけれども、外務省でもそうですが、水産庁でつくっているメッシュの形のいわゆる韓国、朝鮮半島、そういうふうなあれで、日本列島をはさむいろんな区画割りをした非常に拡大されたものがありますけれども、それからいわゆる大陸だなという形のものをずうっと見ていきますと、韓国と日本だけで話をした場合に非常にこれは国際的な問題が起きる。どうしても隣国という北鮮の問題、中国の問題、そうして韓国の問題、こういうものが学問的にも大陸だなの自然延長という形のものの中にやはり含まれてくる、こういうふうな問題点もございます。 そういうことで、もう一回、外務省の姿勢としてなぜ中間ラインを日本の国としては強硬に表に出していかないのか、そういう問題をまず一つお伺いしたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 国際法上の理論としては、日本政府は中間線論というものを引っ込めておらないと、この地域の大陸だなの境界画定については日本政府としては中間線論が正しいと、こう思っておるわけです。 ではなぜここのところで共同開発をしたのかというと、これは先ほど来御説明申し上げましたように、自然の延長の外縁までという主張にもそれなりの根拠があるという国際法制度の不備がこういう実際的解決を導き出さざるを得なかったというのが遺憾ながら現状である、こういうことでございます。
○矢原秀男君 しかし、国際法的にも日本政府としては皆さんを初めとして非常に世界で有名な方々ばかりでございますから、世界の世論というものをケース・バイ・ケース、いろんなそういう配慮というものをしながら、やはり喚起をしていく理論構成というものが長い歴史の間で私は当然ではないかと、常に受け身、常に後追い、これではいかぬと思うんです。そういう点はどういうふうに反省をしていらっしゃるわけですか。
○政府委員(中江要介君) まず、この共同開発協定は、私どもは受け身というよりもむしろ世界に率先して新しい例をつくったというふうに考えておるわけでございます。 それでは、なぜ中間線論で最後までがんばらなかったかといいますと、相対する国の間に一つの大陸だながあれば中間線と、これはもう二十四の先例のうちの二十幾つがそれに沿っているところから見ても当然ですし、もし日本と韓国が一つの大陸だなをはさんでいるということについて日本と韓国の間に意見の相違がなければ、これはもう北部境界画定協定と同じように南部でも境界は中間線によって画定されたであろうことは明らかなんですが、いかんせんそこに沖繩海溝という海溝がありまして、この海溝さえなかりせばこれは南部も北部も貫いて一本の中間線による境界が画定できたであろうところを、この海溝がありますためにそこで国際法的に議論が分かれたと、そしてその分かれた議論を最終的に判断する、決定する十分な国際法上の基準といいますか準拠すべき規則がまだ生まれていない、こういうことでございます。
○矢原秀男君 私、これ撤回していただきたいのは、非常にいい例をつくったと、こういうようなことですけれども、いま海洋法会議というのが、この前の参考人がお見えになったときに私も話したわけでございますけれども、いまからは海底資源というものは人類のやはり共益のものでなくてはならない。そういう理論構成から進んでいくということになれば、海洋法会議で日本からも出ていらっしゃるでしょうし、そうしてまた、もう少し海洋法会議の結論的な問題が出てから議論を尽くす、そういうふうにしてこの開発区域というものが取り上げられていっても、私は急ぎ過ぎではない、こういうふうに感じるわけです。それをあなた方は、非常に世界で初めてのよい例ができたと、こういうふうに自画自賛をされているわけでございますけれども、そういう点については私たちは非常に異論があるわけでございます。 これは後また海洋法会議含めて話に出すわけですけれども、大陸だなに関して中国はどういう見解を持っておるか、あなた方が把握をしていらっしゃるその中において。そして北鮮もどういうふうに把握をしているのか、そういう点、まずそれをお伺いします。
○政府委員(中江要介君) まず、中国がこの地域の大陸だなについて持っております論点は二つございまして、一つは、この大陸だなの定義といいますか、大陸だなをどう認識するかという点では、自然の延長の外縁までという、いわゆる自然延長論というものをとっていると、この点では韓国と同じ立場でございます。 もう一つは、この大陸だなの境界を画定するに当たっては、大陸だなに関係する全関係者が集まって相談して決めるべきであって、日本と韓国だけで日本と韓国に関する部分だといって先に決めてしまうのは中国としては認められない、これが第二点でございます。 北朝鮮の方は、これはそういう国際法上の理論はございませんで、この朝鮮半島に住む全住民のための資源を南の大韓民国政府だけと話をして決めたのは許せない。 もう一つは、これは南北の分断を固定するものである。この二点で反対を唱えていると、こういうふうに承知しております。
○矢原秀男君 地質学的に見て韓国だけのいわゆる自然延長線にあるのか、そうして揚子江とか黄海とかそういうような形の中からやはり続いてくるものなのかということは、学問的に私はいろいろとやはり韓国一辺倒ではないと、こういうふうに解釈をしておるわけですけれども、あなたの方では地質学的にどういうふうに考えていらっしゃるのか、その点をお伺いします。
○政府委員(中江要介君) 私どもは国際法的にどう分割するか、どう境界を画定するかという観点から見ておりますので、地質学的にどう見ているかと言われましても、ちょっと専門外で正確なお答えはできません。 なぜそれでは地質学的な形成過程なり形成要素というものを考慮に入れないかといいますと、これは国際法上の制度としての大陸だなは、そういう形成過程だとか地質構造等、地質的な要素というものとは無関係に、そういうものとは無関係に、そこにある大陸だなに接している国の主権的権利の行使の延長の限界をどこまで認めるかという、もっぱら国際法上の観点から分けられておるわけでございまして、これは世界に幾つもございます大陸だな境界の画定の場合に、特に隣接しておりますような場合には、これはちょうどその土地の形成要素がいかようであれ、陸地部分について国境が引かれますのと同じように、その地質がどこからきた、どこから生まれたものであるということにかかわらず管轄権を分配する境界線として国境が引かれておる。それと同じように、大陸だなにつきましても、その大陸だながどういう地質から成っているかということではなくて、その大陸だなにどういう境界を画定するかという観点から国際法上の制度としての大陸だなが発展してきている、こういう観点でございますので、地質学的に見てどうかということから自然の延長論と結びつけるという考え方は一般的にとられていない、こういうことでございます。
○矢原秀男君 では日韓協定について中国や北鮮とは話し合う必要はなかったんだと、それが正しかったんだという考え方ですね。
○政府委員(中江要介君) まず、中国とは話し合うことができれば話し合ってほしかったと、先ほども申し上げましたように、この大陸だな協定、特に南部の方は韓国と中国との中間線というものを想定いたしまして、その上で韓国側の部分について今度は日韓で話をしたと、こういうことでございますから、韓国と中国の中間線は韓国と中国の間で話し合ってほしかった、また、中国はそういう話し合いが必要だということに対して韓国政府は話し合う用意がありということまで声明いたしました。にもかかわらず、韓国と中国の間で話し合いが行われなかった、これは非常に残念なことだと私ども思っております。したがいまして、いままで中国に毎回御説明して理解を求めておりますのもその点でありまして、そういう観点からしても中国と日本との間で話し合う用意は日本としてはいつでもあるということも重ねて申しておるわけですが、いままでのところ日中間でもそういう話し合いが行われ得ない。しかし、日本側はこの共同開発協定に関する限り韓中中間線の韓国側について日韓で話をしたもので、中国の権利を侵すものではないという確信を持っているということを何度も何度も御説明している、こういうことでございます。 他方、北朝鮮の方は、もし北朝鮮の私が先ほど申し上げましたような国際法上の大陸だなに対する主権的権利の行使についてこの地域まで及ぶような国際法上の根拠を持つに至りましたならばそれは当然話し合うべきであったでございましょうけれども、現在のところ、この地域はわが国と国交のございます大韓民国政府の管轄しております陸地の部分から延びてきている大陸だなである、したがってその国と話をすれば足りると、こういう考え方でございます。
○矢原秀男君 私たちも、これだけ小さくなっている地球上に生存する各国が、やはりお互いの主権やいろんな立場を尊敬して平和を表に出していかなければ今後の各国の外交というものも成り立たないという、これは昨年もアメリカに行ったりしていろんな話をしておりましても非常に感じたわけです。そういう意味で、先ほども申し上げましたように、地図を見ておれば隣国はもちろんですけれども、日本の国も寄りに寄っていると、そういうふうなことで、いろいろ問題点が醸し出されるわけでございますが、いま話をしております中国にいたしましても、あなたの方では御承知だと思いますけれども、私はこれを何度も読んでおりましても、非常にこれはあなた方が簡単に考えている以上に慎重に考えなくちゃいけないということを感じますのは、日韓大陸だな協定に対する中国外交部スポークスマンの声明でございますが、これも一月の三十日、日本政府と南朝鮮当局はソウルでいわゆる大陸だな共同開発協定に調印をした。同協定は東中国海の海域において大面積にわたる大陸だなを日本と南朝鮮のいわゆる共同開発区域として一方的に区分し、日本と南朝鮮の双方が共同で投資し、当該区域で石油と天然ガスを開発することにしている。これについて中華人民共和国外交部スポークスマンは権限を授けられて次のように声明をする。 中国政府は、大陸だなは大陸の自然な広がりであるという原則に基づき、東中国海における大陸だなをどう区分するかは当然中国と関係諸国の間で協議決定されるべきであると考える。現在日本の政府と南朝鮮当局は中国を差しおいて東中国海の大陸だなにいわゆる日韓共同開発区域を画定したが、これは中国の主権を侵犯する行為である。中国政府は決してこれに同意することはできない。もし日本政府と南朝鮮当局がこの区域で勝手に開発活動を進めるならば、これによって引き起こされるすべての結果に対して全責任を負わなければならない、こういうふうに声明があるわけです。 ここで私懸念をしておりますのは、韓国を中心とする大陸だなの自然延長論というものが幅をきかした場合に、当然いま申し上げた中国としても中国の主権を侵犯する行為であるというのがクローズアップされると思いますね。これに対して外務省ではどう考えているのか。 二点目には、もし日本政府と南朝鮮当局がこの区域で勝手に開発活動を進めるならば、これによって引き起こされるすべての結果に対して全責任を負わなければならない、こういう一点と二点の問題についてどういう問題を想定し、どういうふうに対策の手を打たれているのか、その点を改めて伺いたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 御指摘の第二点は第一点を前提としてそういうことになっておると、こういうふうに思います。つまり、主権を侵犯したということがはっきりしておれば、それは当然のことといたしまして主権を侵犯された国はその主権を侵犯した国に対して全責任を追及する、これは国際法上の一般原則であるわけです。したがいまして問題は第一点でありまして、果たしてこの協定が中国の主権を侵犯しているのかどうかということに尽きるわけで、この点については中国と日本と韓国との間で意見が一致しておらないということであります。日本はしかしながら、関係者が集まって境界を画定すべきであるという点は中国と見解を一にしております。それでありますから、関係者が一堂に会して決めればいいわけですが、その関係者が一堂に会することができない、特に韓国が中国に対して話し合いをする用意があると言いましたのに対して中国がこれに応じなかった、これは私は非常に残念な、いい機会を失したことだろうと思うんですけれども、そういう現実を前にしまして、それではどこかの一カ国が応じなければいずれの国もその大陸だなに対しては何の権限、権利の主張、あるいは権利の行使ができないという状況でいいのかと、つまり、資源の豊かな国と資源の貧しい国とがありまして、資源の貧しい国が何とかその手近にある資源を開発したいというときに、資源の豊かな国がその話し合いに参加しないということだけをもって資源の乏しい国ががまんしていかなきゃならないのかという点は、これは一つの判断の問題としてあろうかと思います。 そういうときに、資源の乏しい国が何とかこれを利用しようと思うときになし得ることは、その関係者が集まって協議をいたしましたときでも、この部分は自分の大陸だなとして主権的権利を行使して大丈夫な地域、そういうところに限ってこれを開発するということはこれは国際法的に問題がなかろうではないかということで、日本と韓国との間に限ってここの部分は話し合ってもいいというところを話し合って解決した。それに対して中国は、そこは自分も相談されなきゃならない、しかしその相談にはなかなか応じていただけない、そういう状況でございますので、韓国と中国との中間線につきましては、日本も韓国と一緒になりまして、あらゆる地形を綿密に測量いたして韓国と中国の中間線というものを想定いたしまして、その中間線から中国側には全然及ぼさないで、韓国側に関する部分についてのみ境界画定の話をして、それが話がつかなかったので共同開発にした、こういうことでありまして、そういういきさつをただ黙ってやって押しつけるということではなくて、協定の署名に先立って大臣レベルで説明して以来、十何回となく中国に説明して理解を求めておる。 それにもかかわらず、中国側といたしましては、いま先生がお読みになりました外交部スポークスマン声明というものの立場を崩していないというのが現状でありますので、そこでどうするか、それは根気よく中国側の理解を求めて、資源の乏しいわが国としてこれがなし得る次善の策であったという点について理解を求めますとともに、中国側として問題のあるところについては速やかに日中間でも友好裏に話し合っていく、そして意見の違いを調整していきたい、こういう誠意を引き続き示していくことによってこの問題が日中間の大きな友好を損なうことのないようにいたしたい、これが日本政府のいまとっておる立場でございます。
○矢原秀男君 関係国が一堂に会していく、こういう日本の考え方は非常にいいことだと思います。 ただ、やはり韓国が中国に申し入れをして断られた、また日本としても十回近くにわたっていろいろと呼びかけたけれども中国の方で話に乗ってくれなかったというふうな話がありましたけれども、やはり資源のない日本の国でございますけれども、経済大国という形からいけば、これは世界でも非常に第一級の国です。そういうふうな立場からいきますと、日本がやはりこの問題についてももっともっと中国に対しても中心的な立場で呼びかけていく、そうして話し合いをまず前提とする、そのテーブルにお互いがつかない間はこの話はなかなか進めていかない、こういうふうなきちっとしたものが必要ではなかったのか。そういう立場からいくと、これは外務大臣を初め——これは鳩山さんじゃなかったと思うんですけれども、非常に粘っこい日本の特徴という、平和外交というものが非常にない、せっかちである、こういうふうなことを感じるわけですけれども、なぜもっと、こういうふうな中国が主権を侵犯する行為である、もしそういうような形になればいろんな問題が起きても全責任をあなたの方で負ってください、こういうふうな声明を出すまでに、何回も何回もやはり外交交渉というものを続けていく、それが十回でだめであれば十五回でも進めていく、十五回でだめなら二十回でも進めていく、それが日本のやはりいまからの小さな子供さん、いまから生まれてくるであろうそういう人たちにとっても、外務省として当然将来の日本の国益、国民の利益、ひいては世界平和の外交というものに大きな私はルールをつくっていくんではないかと思うわけなんです。それをたった十回前後の話だけで中国が乗ってくれない、そうして世界で類のないすばらしい成果である、こういう外務省の姿勢というものは、いまから資源のない日本の国として本当に正々堂々と胸を張って言いたいことは言う、間違ったことは間違い、正しいことは正しい、こういう外交の中で、何も相手の国に遠慮するわけじゃございませんけれども、やはりわかった国が一生懸命話しかけて理解を求めていく、そういうことは何も屈辱的なことでもないんですからどんどん努力を尽くしていかなくちゃいけない。それをわずか十回か十一、二回の話に相手が乗ってくれなかったということで、日韓の共同開発の問題が世界で類を見ない、こういうふうな賛美の仕方というのは大きな障害を今後に残すと思いますね。 十一回か十二回くらいで——私たちは親子の関係とかいろんな人との意見がこじれた小さな問題についても、やはりこれは踏ん張らにゃいかぬ大事なことだな、みんなに影響するなということになればもっともっと時間をかけますけれども、こういう非常に大事な問題に対してこの程度で、相手が乗ってこないからというふうなことでいいのかいうことですね。そういうことについては局長どうなんですか、すばらしい、これはいいことなんだとほめ上げておりますけれども、このことについてまず局長どういうふうなお考えを持っていらっしゃるのかお伺いします。
○政府委員(中江要介君) 私が共同開発構想というものでこれをまとめたことが非常にいいことをしたと言いました点を、だんだん先生のお言葉の中では賛美の度合いが強く出て、あらゆる角度から見てこれがりっぱなもので胸を張って云々というところまで私は申し上げたつもりではなくて、こういうふうに——こういうふうにと言いますのは、日韓間の問題に限りまして、日本と韓国のように相対する国の間で大陸だなの境界の画定の話をして、その場合に、一つの大陸だなか、あるいは二つの大陸だなというか、一つの大陸だなが一方にだけあって他方にないのだ、つまりこういう海溝をはさんでその大陸だなの定義そのものについて争いがある、これを長い時間と経費をかけて国際司法裁判所にかけたり、あるいはいつまでもそういう論争に明け暮れているということをやめて、政治的に解決する一つの方法としては、国際司法裁判所も、先ほど政府委員からも説明がありましたように、こういう場合の解決の仕方の一つとして示唆している共同開発というような構想を現実に組織化したというそのことは、これはひとつ解決の仕方としてはよかったではないかということを申し上げたわけで、中国との関係でこれが問題がないということの側面を言っているわけでございませんので、その点はひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。 中国との関係につきましては、これはいま御質問の先生と私も全く同じ気持ちでおるわけでございます。したかいまして何とか——何回やったからもういいんだと、そういう気持ちでやっておるわけでは全くございませんけれども、ただ一つの問題について二国間で合意をしたあるいは二国間で何らかの処理をした、それに対して第三国が反対である、あるいは異議を唱える、あるいは抗議をする、そういう場面というのはこれは国際社会には間々あることでございます。そのときにその相手の国の、つまり第三国が異議を唱えてきているその論点といいますか、その考え方というものがまさしく当を得ておって、国際的に見てあるいは国際法的に見て二国間で最初にやったことが間違っているということでありますれば、これはもう速やかに訂正するにこしたことはないわけでございます。しかし、国際法的に見まして私どもはこの日韓大陸だな協定の特に南部の共同開発協定というものが、中国が言っているように主権を侵害しているというふうに思わないわけでございますので、その点は中国に説明をしておりますけれども、納得が得られない。一つの問題について意見が違いますときには、これはいつまででも話をしてとにかく話し合いによって平和的に解決するというのが日中間の共同声明でも約束していることでございますので、その後の全責任はおまえだということですべてのことに話し合いを封じてしまうというようなことは私どもは受け取りたくございませんし、これはどこまでもいま先生のおっしゃいましたような精神に基づいて日本としては中国との話し合いを続け、理解を求め、そして日中間でさらに境界画定について具体的に問題がございますればその話をするという用意で、いっでも話し合いをする用意があるということを中国に伝えて、その立場を崩しておるわけでは決してございませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○矢原秀男君 外務大臣、いま私申し上げた外交原則というものが、そういう問題について、この問題が提起されたときは鳩山さんまだ大蔵省だったと思いますけれども、いま現実には引き続いてこの問題を兼ねていらっしゃるわけですけれども、こういういま中国そうして北朝鮮、いろいろと問題等が起きている段階の中で、こういうふうなやり方でいいのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 中国の了解が得られない点につきまして、中江アジア局長からお答え申し上げたとおりでございますが、私どもの考えておりますことは、これは中国と韓国との間に国交がない、このことが一番の阻害要因になっているというふうに考えております。それなるがゆえに、韓国からの話にも中国はこれを拒絶をしたわけでございます。 これらの関係につきましては、やはり今後日本と中国との関係、これももっともっと交流を重ねなければならないことでありますし、また今後の問題といたしましては、やはり韓国の立場も中国が認めるようなそのような国際情勢になることが望ましいことであろう、また日本と北鮮との関係についてもしかりということが言えると思います。そのような情勢にいつごろなるであろうかということは、これは私どもちょっと予測のつかないことでございます。ただ、私どもとしてはそのような方向に進むことを期待をいたしておるわけでございますが、したがって、現状におきまして中国とわが国との間は、いずれまた大陸だなの本共同開発区域よりもっと南の力の開発ということが日程に上る段階におきましては、いずれこの中国との間に大陸だなの問題を協議をしなければならないことはもう目に見えていると思います。これは先のことであります。しかし、そのような現状におきまして私どもがなし得ることは、やはり中国の立場をどこから見ても害しないというその点は慎重な配慮をしてあるわけでございますから、この問題は私は将来アジアの情勢が好転をするという事態になれば、私はおのずと理解が得られる問題ではなかろうかと、こう思います。 しかし、現在におきまして、たびたび私どもが中国に御説明をし、また境界画定につきましていつでも話し合いをいたしましょうと、このような提案を申し上げていることにつきまして、中国側としてはいまは時期ではないという返事でございます。したがいまして、現状においては正式の了解を得ることは私はむずかしいというふうに思っております。ただ、これが日中間の友好を損なうようなことになっては相ならないということは、私どもも全く同じ気持ちでいるわけでありまして、その点につきましてはこれは当方だけで何とも申し上げるわけにはいきませんけれども、私どもの努力によりましてそのような平和を、日中間の友好関係を損なうようなことにはならないように最大限の努力をいたしますということを申し上げることしかできないわけでございます。 五月の二十七日でございましたが、もう一度礼を尽くす意味におきまして、小川大使に訓令をしまして先方のしかるべき地位の方ともう一度話し合うことをいたしたわけでございますけれども、返答はやはり同じ返答しかいただけなかったことは私どもとしては残念でございますけれども、これは当方から中国に説明をして中国の了解を得るということは、私は現段階では不可能なことというふうに思います。しかし、それは一つの見方とすれば、中国としては権利の留保、立場の留保ということを強く主張しておるというふうにも解せられるところでございまして、そういう意味で当方としてはあくまでも中国側の主権を侵すものでないということを御理解を賜っておる。先方からの明確なる返事ではなくして前回と同じ返事であったことは大変残念に思いますけれども、今後の努力によりまして日中間のこれが友好関係を損なわないように私どもといたしまして最大限の努力をいたしたい、このように考えておるところでございます。
○矢原秀男君 こういう問題は朝鮮民主主義人民共和国外交部の声明という形でも出ておりますが、それを要約しますと、向こうは一つは協定の無効等を主張をしています。だから、これを無視して批准した場合にはどうなるかという問題が出てきますけれども、これは局長、どうなんですか。
○政府委員(中江要介君) これは大韓民国政府といいますか、大韓民国という国際法上の主体としての国家及びそれを代表しております大韓民国政府というものを正統な政府と認めない立場からいたしますと、これは無効なものであるということになろうかと思いますけれども、日本政府の立場は、大韓民国は国際法上の権利主体としての国家であるということでおつき合いをしておりますし、大韓民国政府はこれを正統に代表する政府であるという立場で交渉をいたしまして締結したものでありますので、この協定が国際法上無効であるというふうには全く考えておりません。
○矢原秀男君 そういう局長のお考えでございますと、北鮮との協議というのはもう全然行われてないわけですか、日本では。
○政府委員(中江要介君) 全然行われておりません。
○矢原秀男君 しかし、いま韓国と中国との国交回復が、国交の正常化がない、こういうふうな問題点が非常に障害になったと思うんですが、やはりこれは日本が韓国へも中国へもどんどん話し合い、いろんなものを進めていかなくちゃいけないと思います。そういう面から見ると、韓国に対する北鮮、こういうふうな問題についてもやはり国交がないから話はしないというふうなことではなしに、朝鮮半島という立場を考えたときに将来どうなるのかという、そういう観点から見ると、やはり意見の相違であるとか意見の交換であるとか、そういうことはどうなんですか、やらなくてもいいわけですか。
○政府委員(中江要介君) これは私、この大陸だな協定、つまり大陸だなの境界を画定するという観点からいたしますと、日本がずっと北の方の渤海湾に近いところまで境界の画定をするんだということになりますと、その辺を管轄しております北朝鮮との話というものが問題になろうかと思いますけれども、いま北部境界画定及び南部の共同開発、この二つの境界画定の大陸だなの協定二つともこれは日本と韓国との間にまたがる大陸だなの境界を画定しておるわけでございますので、その大陸だなが一つの大陸だなとしてどこまで及んでおりましょうとも、いまここで画定しようとしている境界画定については、その部分に有効な管轄権を行使している国との間の話し合いでまとまればそれで十分である、またそれが国際社会における慣行である、こう思っておるわけでございます。
○矢原秀男君 いま南北朝鮮が統一への動きというものを、まあ民族的な要求として存在しておるように聞くわけですね。そういう観点からいきますと、本協定の締結がその一方との間に結ばれるということになると、二つの朝鮮というものをもう固定化をしていくんではないかという論議もまたあるわけです。そういう面については局長の方ではどういうふうに考えていらっしゃるのか。
○政府委員(中江要介君) おっしゃいますように、日本政府は一貫いたしまして朝鮮半島が早く話し合いによって平和的に統一してもらいたい、またそれを希望するという立場は変わりはないわけでございますが、他方、現実の問題を処理いたしますに当たっては、やはり現状に即して問題を解決していかなければならない。たびたび私は申し上げますけれども、漁業の問題にいたしましても、日韓の間の漁業協定は、韓国が有効に支配しております韓国の沿岸の漁業については、やはり日本と韓国の間で話し合いをすればいいわけでございますし、松生丸事件のようなものが起きまして、そこに現実に管轄しておりますのは北朝鮮であるということでありますれば、日本政府としてはその管轄を及ぼしている北朝鮮当局にその問題について話をしようと働きかけたこともあるわけです。この場合は不幸にして北朝鮮の当局の方で応じませんでしたけれども、そういうふうに将来あるべき姿、あるいはあってほしい姿がいかようでありましても、いまの問題を解決するということになりますと、やはりその時点における国際社会あるいは国際法の原則に即した問題の処理をしていくということで十分であろう。ただ、そういうふうに解決したからといって朝鮮半島の統一の邪魔をしようとか、これで分断を固定しようとか、そういうことを考えていないということはこれは理解していただきたい点であろうかと、こう思います。
○矢原秀男君 外務大臣、まあいろいろ考え方はあると思いますが、いずれにしても北鮮の場合にもこういう声明が出ておりますけれども、今後の日朝両国との友好関係についてどういうふうな影響が出てくるのだろうか、これが結ばれることによって、その点の判断はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 将来におきまして朝鮮半島に一つの政府ができるという事態になった場合には、当然権利の承継が行われるわけでございますから、私どもは、北鮮政府が本件につきまして反対の立場をとっておりますのは、やはり韓国政府を認めないという立場の延長の論理であろう、このように考えるところでございます。したがいまして、これが現状の固定につながるとか、そのようなことは、直接の影響はないものというふうに考えております。
○矢原秀男君 外務大臣のお話を伺っておりますと、終始、世界じゅうがいろんな問題があっても楽しくいくような感じを非常に受けるわけですけれども、しかし、事態は非常に微妙なものもございますので、やはりこれは真剣に対処していただかなくちゃいけないと思います。 次に、ちょっと話は変えますけれども、私は持論といたしましては、第三次国連海洋法の会議がいま開幕をされている。そこで深海底の開発をどうするかという問題がやはり課題になっている。そういうふうなことでございますから、国連の海洋法会議が有終の美を終えて、そうしてそれから対処すべきであるという考え方を持っているわけです。いま現実には、海洋法会議では深海底開発をめぐる先進国、開発途上国とのいろいろの意見の相違とかそういうものがありますけれども、これは私は世界の将来にとっては、対立があり、議論があり、そうして前進をしていく、非常にいいことであると思うんです。むずかしければむずかしいほど、大事なことですから。ですからそういう意味で日本の国が非常に、海洋法会議の開幕を待って検討して対処するのではなしに、もう国連海洋法会議というものを適当に判断をして、解釈をして日韓大陸だなというものをこういうふうな形で進めていっているということについては、今後の世界の海底資源という立場をとったときに、私は日本の考え方に間違いがあるのではないか、まあこういう考え方を持っているわけです。 ここで、まず大臣に質問するわけでございますが、いま国連海洋法会議の中で取り上げている深海底開発の問題、また経済水域や大陸だなの問題も取り上げておりますけれども、開会宣言でも、先般申し上げたんですけれども、スリランカのアメラシンゲ議長が、海洋法会議を妥結させるための時間が迫っておると、そうして早く妥結をしないと海の無法時代を招く云々という訴えがあったように報道では聞いております。海の無法時代というものを招くということになると、これはもう大変な状態になると思います。そういうふうな中で、ワルトハイム国連事務総長も、会議の失敗は国連の信頼を揺るがすものであるという、非常に責任のある立場の中でこの会議を進めていこう、軌道に乗せよう、こういうふうなことを考えておりますけれども、ここでまず質問を申し上げたいわけでございますが、深海の開発の問題について、開発の条件とか方式の中で国連総会の宣言というものを引き合いに出されたことは周知だと思うわけなんです。その中には、深海の海底及びその資源は人類共同の財産であるという一九七〇年の国連総会の宣言、これは日本としてはどういうふうに解釈、理解をして、そうしてこの第三次の海洋法会議の中で訴えようとしているのか、その基本的な姿勢、根回し、そういうものをまずお伺いをしたいと思います。
○説明員(井口武夫君) お答え申し上げます。 現在ニューヨークで海洋法会議第六会期が開かれておりまして、ワルトハイム国連事務総長、アメラシンゲ議長が申したことは先生のおっしゃるとおりでございまして、現在深海底問題がちょうど二週目に入っておりますけれども、これは交渉打開のかぎであるということで交渉が行われているわけであります。それに関連しまして、まさに海洋法会議を始める際に、一九七〇年にこの深海海底宣言が採択されまして、これはコンセンサスで採択されたわけでありますけれども、深海海底の資源が、これが新しい国際レジームに従って開発されるべきであるということで、人類共通の財産であるという観点から国際社会全体の利益のために開発したいということでございまして、日本のこの会議における立場も、やはり先進国、後進国相互の立場が反映されて、国際社会全体にとって利益であるというような開発方式という条件を見出したいということでございます。 現在の方向は、鉱区の開発というものを大体半分に鉱区を分けまして、半分の鉱区は国際機関が後進国のために開発するということで、直接国際機関が海底資源を開発するという新しい方式を考えておりまして、それに対して加盟国が直接開発を可能ならしめるような援助をするということでございます。援助の具体的な実は討議はさらに数日後から行われる予定でございますが、わが国といたしましては、先進国と協調しながら後進国との妥協点を見出してできるだけ合理的な開発方式を確立したい、国際機関の直接開発方式はこれを支持するという立場でございます。
○矢原秀男君 外務大臣、本当にいままでの論議を自民党の方、参議院では社会党さん、そして公明党、いま来ておりますが、あと共産党、ずっと出てきますけれども、衆参を通じ、やはり深海の開発の資源問題というものについて、私は人類共同の財産であるという問題が打ち出されて、それに対してやはり心ある国がそれに対応する一つの理論的なものを堂々と打って出る、こういうことはいまこそ私は大事だなということを感じるわけですね。これは一つの哲学であろうと思うんですけれども、このことについて外務大臣は、やはりこういう日韓の共同開発のようなあり方が世界で類を見ないいいものであってこれに該当するのかどうか。そうしてまた、そうではなしに、これはやはりお互いの国が人類共同のものとして資源を大事にして後世に残していかなければ、いま取り急いでどんどんやっていたのでは大変なことになるんだと、いずれかの論理があると思いますけれども、この深海海底及びその資源が人類共同の財産であるという国連総会の宣言というものを具体的に今後世界に対して外務大臣としてはどういう働きかけをしたらいいのか、そういう点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 深海海底が人類共同の財産であると、こういう発想は、やはり経済水域というものが二百海里にも及んで沿岸国の主権のもとにしよう、こういう意見が非常に強まっている中で、沿岸国だけのエゴではなくして、人類共通の財産であるという、そういう思想が強く主張をされてこれがコンセンサスになったものというふうに理解をいたしておるところでございます。 漁業水域等が二百海里というようなことで、アメリカを初めソ連まで二百海里を国際的なルールというものができる前に実施をしたということ、これは日本といたしましてはなはだ残念に思っているところでございます。 〔委員長退席、理事秦野章君着席〕 そういう沿岸国の、本来ならば海洋法の結論が出てから実施すべきことが漁業水域の問題などは歴然としておる。したがいまして、なるべく早く海洋法会議の結論が出ること、これは政府としても協力をすべきであるというのが今回の海洋法会議に臨む態度でございます。 しかし、今回の共同開発区域につきましては、これは二百海里の経済水域の問題、あるいは深海海底の開発の問題とはいささか次元の違う問題でございまして、これは旧来から大陸だなというものにつきましては、それぞれ大陸だなの沿岸国の権利というものがすでに認められておって、そこの一体どこの国に属するかということが、今回の日韓の場合には問題になっていたことでございますから、したがいまして、本協定につきましては、これはもう既存の、しかも日韓両国のきわめて接近をした地域におきます大陸だなの開発であるということでございますので、これは別の次元の問題としてぜひとも御承認を賜りたいというのが私どもの考えていることでございまして、海洋法会議の結論を急ぐべしということにつきまして、特に人類共同の財産というものを実現するためにはやはり国際的な開発機関というものをつくらなければならない。本来、資源の開発というものは、これは開発事業はそれぞれ経済的に行われるものでありますから、開発機関に対してそれぞれの国が、たとえば日本として相当な額の出資、資金を供出しなければならないというようなことは財政問題としてはいささか問題があるわけでございますけれども、そのような点を言っているよりは、やはり日本としては協力していこうという態度を決めて会議に臨んでおるところでございまして、その共同の財産というものの実現につきましては日本としても協力をしよう、こういう態度で臨んでおりまして、この両者はちっとも矛盾をしないことである、そのように私どもは考えておるのでございます。
○矢原秀男君 外務大臣は別な次元であるからというふうな話でございますが、そうではないですね。 世界の海洋法の秩序というものも変わり目にございますし、また、日本の周辺を見ましても国際法的には領海十二海里の問題、経済水域の二百海里の問題と絡めて深海底の国際管理とか、そういういろんな地域的なケース・バイ・ケースのものも出ているわけでございまして、やはりこういうものをくるめた中でのいろんな国際法の樹立というものがいま苦悩されているのではないかと受けとめている現況の中で、外務大臣はこの日韓の大陸だなの問題は別の次元の問題であるというふうに簡単に解釈をされておられるのはちょっと意見が違うわけでございます。 そういう中で、日本としてはこの海洋法会議に対して基本的にはどういう立場でいま話を進めているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○説明員(井口武夫君) わが国といたしましては、やはり包括的な海洋法秩序が早期に全面的に妥結するということが依然として望ましいという立場でございまして、海洋法会議の現在の大勢もなるべく早期に包括的に妥結したいということでございまして、これはわが国としてはやはり安定した新しい法的な秩序というものが確立いたしまして、新しい国際法秩序というものによって海洋国家の利益というものは守られるという考えでございますから、今度の会議におきましても、あくまでも早期妥結ということで臨む立場でございまして、経済水域の内容についてもなるべく早く合理的に細部にわたって詰めが行われるということを希望しておりますし、それから深海海底の開発のレジームにつきましても、先進国、後進国の間の妥協ができ上がるようにわが国としても妥協すべきところはしなければならないというふうに考えておりますし、さらに、実は紛争解決の問題なんかもございますけれども、新しい法的な強制的な解決手続というものが確立されるということを目途にして交渉しておるわけでございます。
○矢原秀男君 いま、海洋法会議の中でも深海海底開発の問題は、開発の方式と条件というものが焦点となって、発展途上国と先進国との間でいろいろな議論というものが展開をされていることは事実ですね。しかし、それ以外にも経済水域の法的な性格、そうして同じ水域内での沿岸国や第三国の権利の問題というものが重要な争点にもなっていることも事実なんです。そういうふうな法的な性格の問題についても、やはり経済水域の三百海里を、基本的に公海と見るか領海と見るかの問題も出ておりますし、ひいては漁獲資源の配分など問題点もあるから、いま簡単に日韓だけが別の次元だというふうなことではなしに、くるめた関連性の中でいま第三次の海洋法会議が行われて、百五十カ国の国々がいろいろと一生懸命している。 そういう意味からいきますと、何回も申し上げておるようでございますが、海洋法会議の閉幕を待って、そういうふうな中でこの日韓大陸だなの問題が論議をされても遅くはない、こういうふうに私は考えるわけでございますが、もう一度外務大臣、私の意見についてどういうふうにお考えであるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この共同開発の協定の経緯で申し上げましたとおり、昭和四十五年以来、あるいは問題になりましたのはそのもっと前からでありますけれども、四十五年からはいろいろな折衝が行われてきた問題でございまして、過去のいろんな経緯というものがございまして今日に至っている問題でございます。したがいまして、私どもといたしましては大陸だなの問題につきましては、当時から現行の海洋法秩序というものを前提としてこの問題に取り組んできたわけでございます。将来海洋法会議がどうなるかということで、それまでとても待てるような経過の問題ではないということからお願いをいたしておるわけでございまして、白地にいま絵をかくというようなことはもうできないわけでございます。そういう意味でぜひとも御承認を賜りたいのでございます。海洋法の会議の結論によりましてこれが非常に大きく変わるということは考えられないところでございますし、現在の大陸だなに対します考え方、この上に立って処理をいたしても、これは決して国益として日本が大変な損害をこうむるということではないというふうに考えておるところでございます。
○矢原秀男君 いま、とにかく急がにゃいかぬという話でございますが、やはり韓国政府と五十年にも及ぶ協定でございますから、それが今時点から二カ月か六カ月なぜ待てないのかというふうな問題が、これは国民全部にもあると思うんですね。五十年の長い間の協定を結ぶということになれば、これは赤ちゃんが生まれたって、五十歳になるまでの人生経験というものは大変な問題があるわけですけれども、まあそういうようなことを考えましたときに、これは国際間の問題にしましても、五十年に及ぶ協定というものの中で、なぜ急いでいかなくちゃいけないか、こういうふうなことが、これは国民みんな、五十年の協定を結ぶんであれば、韓国と結んでもいいじゃないかと、しかしもっともっと真剣にいろんな問題点をクローズアップして、そしてこれは日本の利益になる、これは韓国の利益になる、そしてお隣の国々はどうなのか、そして世界の立場から見たときどうなのか、そういうふうな時間的な審議というものは十分私は尽くしてもいいと思うわけなんですね。 そういう意味からいきますと、同僚議員も前から論議が続いておりますけれども、五十年に及ぶこの協定がどういういきさつの中で、そうして五十年という協定がなぜ最高に妥当なのか、こういう点をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(中江要介君) 一番先生の御質問の冒頭で、経緯のところで申し上げましたように、これはきのうきょう急に起きて、あわてて急いでやっているという問題ではございませんで、いまも外務大臣かおっしゃいましたように、昭和四十三年のエカフェの科学的調査というものが一つの動機になりまして、この大陸だなに関係のある国がいろいろと資源開発のことを夢見始めたということでございまして、その中で昭和四十五年に韓国が、自分の大陸だなは自分で開発する、これはもう当然のことで、日本も同じでございますけれども、やろうとしたその中に、日本が、日本の立場によれば日本の大陸だなだと思う部分が入っているということから日韓の話し合いが始まったということでございまして、これがまとまりまして協定ができましてからすでに三年を経過しております。 その間、海洋法会議の成り行きをなぜ待てないかということで、カラカス会議の結果を待てばいいじゃないかといって、そういう議論もございましたけれども、カラカス会議の結果を待ちましても結論は出なかった。しかもその会議の模様を見ておりますと、このように複雑な地形で、このように入り組んでいる問題を一刀両断に解決し得るような基準が海洋法会議の結果を待っても出てくる見込みがないという状況が続いておるわけでございまして、日本といたしましては、昭和四十五年以来韓国と話をしてきておりますこの問題は、国会におきましても三年間機会がありますごとに御審議をお願いしてまいっておるわけでございまして、この一、二カ月で大急ぎでやっているというような感じはないわけでございます。 でございますけれども、この協定にまつわるいろいろの疑問点に対しましては、政府といたしましてはできるだけ誠心誠意御説明申し上げながら、この解決の最も基本にある原点はまず資源の開発であるというところであったわけですが、その次に、この日韓間の紛争の解決として実際的な解決をしたこの協定の意味といいますものは、もうこの時点になってまいりますと、日韓間の紛争をどういうふうに解決するか、この協定による解決をしないときにはもとの立場に戻る、それはすなわち日韓間の紛争に戻るわけでございまして、そういう政治的な条件もこの三年の間にはおのずから生まれてきておるわけでございます。そういうことと、最初に申し上げました資源エネルギーの問題と双方を勘案いたしまして、速やかに御承認いただいて、私どもといたしましては、両国間の見解の違いをせっかく協定による、話し合いによる解決の道を見出したわけでございますので、それが実行できるようにしていただきたい、こう思っているわけでございます。 それにしても五十年は長いではないかという御疑問ですけれども、それはこの協定をごらんいただきますとわかりますし、一般に国際的に石油開発という事業が安定して行われるためには、これぐらいの期間を見て、そうして注意深くその進行を規定しておくことの方がこの共同開発を円滑に行い得るゆえんである。しかし、その五十年の間にいろいろ国際情勢もあるいは国際法も進展するかもしれない。したがいまして、この共同開発区域の部分につきましては、この大陸だなに対します主権的権利の主張というものをこれで最終的に決定しているものでもないし、境界画定をこれで決めたものでもないという点につきましては、日韓双方とも注意深く権利と立場を留保しているということでございます。 〔理事秦野章君退席、委員長着席〕
○矢原秀男君 韓国の国会の論議では、五十年協定の五十年というのは出てないでしょう、本文には。——いや、後では五十年——四十八年くらいになっていますな、本当は。それを最終的には五十年というふうな年限に持っていくというふうに——そうでしょう、論議見ていただいたらわかりますが。そういう問題等通して見ると、非常に大ざっぱな感じを皆受けるわけなんです。 まず質問申し上げたいのは、確かに四十三年エカフェの調査があったというお話でございますが、日本独自としてこの地域に対して調査をしたのはいつなのか。したのか、されないのか。もししたとすればいつなのか。
○政府委員(古田徳昌君) この地域につきまして現在鉱業法上の出願をしております西日本石油開発株式会社と日本石油開発株式会社が、四十四年から四十八年にかけまして断続的に物理探査の実施をいたしております。測線の延長で見ますと約五千キロということでございます。
○矢原秀男君 この前も参考人に来ていただきまして、いろいろお話がございましたが、あれは学習院の波多野先生も、私質問いたしましたら、五十年協定には問題があるんだと、こういうふうに言われました。局長その問題について、もうすべて一〇〇%万々歳ではなしに、そういう専門家でも五十年協定には私も異論がありますというこの前のお話であったんですが、あなたは五十年協定にもし異論があるとすればどういうところに具体的な問題点があるのか、聞かしてください。
○政府委員(中江要介君) 先ほど先生もおっしゃいましたように四十八年と、この協定にあります考え方でいきますと、八年の探査と開発が三十年で、五年の延長を二度やりますと四十八年、それをなぜ五十年にしたかと言われますと、その二年間については、別にこの二年間でなければならないという理論はないわけでございまして、俗な言葉で言いますと丸くしたと、こういうことでございます。 この石油開発という事業がそれだけの長期の調査と探査と試掘と開発と、そうして油が出ましたならばそれを有効利用するということは、それだけの期間の必要な事業であるという認識でこういう期間を定めたわけで、五十年間を国際法的にこれで固定したという意味でそれは適当でないともし国際法学者がおっしゃいますならば、それは私は国際法学者としてはそのとおりの御議論があり得ると思います。しかし、国際法が将来五十年どういうふうに変わらない、固定した海洋法秩序ができるかということについて、的確な意見を出していただけた国際法学者はないわけであります。 他方、政府としては国際法の発展あるいは国際法秩序の固まり方もさることながら、いま差し迫った問題といたしましてこの地域の石油開発というものが行われようとして、そしてそこに韓国が韓国の立場で開発しようとしている。それに対して、日本としてはその論拠は承服できないということで、国際法上の論争として紛争となった。その結果として実際的解決の道が開けたと。そういたしましたならば、日本としてはその開発をまず進めていくということが国の利益になるのではないかと、そういう考え方でありまして、国際法的にこれでどこまでも押しまくるというものでないことは、先ほど申し上げましたように、協定二十八条でその立場と権利を留保して、これが最終的なものでないということは十分認識した上での実際的解決であると、こういうふうに御理解いただきたいわけであります。
○矢原秀男君 まあ向こうの国会論議を見ておりますと、探査権及び採取権について、一つは探査権の存続期間は運営契約発効日から八年間、二番目には採取権の存続期間は設定日から三十年間というまず話が出てくるんですね。あとは必要に応じて五年ずつ延長申請可能、ただし申請の承認可否は両国政府が協議決定と、こうなっていますね。ということになりますと、実際は探査権八年間、採取権三十年間で、三十八年間ぐらいでもこれは実際は可能であったということなんですよ。だからぼくは、学習院のこの前の教授が具体的な話はされなかったけれども、恐らく私はこういうふうな点のいろいろのものがその専門家の先生方にも疑問になっているのではないかなと思うんですが、私も採取権は三十年間、探査権は八年間、だったら合計三十八年間でも可能であったものが、必要に応じて五年ずつ延長申請をすれば可能であるというふうな理由づけの中で五十年協定という形になる。だから、三十八年間でこれは外務大臣、本当はよかったのと違いますか。三十八年間、ぴしっと向こうの国会の論議で出ているんです。この文字をきちっと解釈をしても、三十八年間あれば十分だという形に私は受け取れますけれども、この点どうなんですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この有効期間が非常に長くかかるという場合は、非常に油がたくさん出る場合だろうと思います。したがって、もうこれ一番短い場合には、探査はやったけれども結局探査で終わってしまったという場合には、これは八年で終わってしまうかもしれないわけでございます。 それから、私がつくづく考えるんですけれども、いま石油の備蓄というようなことも非常に大事な問題になっております。したがって、採掘というものも考えながら行うということも、あるいは場合によっては必要になるかもしれませんし、その採掘期間はゆとりがあった方が私は実際上において便利であろうと思うわけで、もう油がなくなってしまえば実際問題として消滅してしまうということになるんだろうと、こう思いますので、その点は私は期間の長いことは国益上ぐあいが悪いというふうには考えないでおるわけでございます。
○委員長(寺本広作君) それでは六時十分まで休憩いたします。 午後五時三十分休憩 —————・————— 午後六時二十三分開会
○委員長(寺本広作君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
○矢原秀男君 私、休憩前にもいろいろと申し上げたんですけれども、この探査権及び採取権の裏舞台において、実際は探査権が八年間、そうして採取権の存続期間は設定日から三十年間と、こういうふうな基本線というものが明らかになっているわけですから、この第三十一条の二項と三項、二項は「この協定は、五十年間効力を有するものとし、その後は、3の規定に従って終了する時まで効力を存続する。」、三項は「いずれの一方の締約国も、三年前に他方の締約国に対して書面による予告を与えることにより、最初の五十年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。」というふうになっておりますけれども、韓国の国会の有効期間のところでは、「五十年間有効であり、一方の国の廃棄通告が行われない限り、自動延長。ただし、採取すべき資源がないときには、両国が本協定の改正または終了の可否につき協議。」すると、こういうようになっておりますけれども、採取すべき資源がないときには終了の可否云々というのは、これは全く国民の税金が多大に投資される点からいくと無責任きわまりないことであるし、逆にまた、五十年間有効であって、一方の国の廃棄通告が行われない限りは自動延長するというような観点から逆にいくならば、これは非常にまた責任のないこともはなはだしいわけなんで、これはやはり最初の探査権八年間、採掘権三十年間という、これが恐らく基本的なものであろうと思いますので、そういう観点からいきますと、第三十一条の二と三については、これは三十八年間効力を有するものと。二の「この協定は、五十年間効力を有するもの」というのを「三十八年間効力を有するもの」というふうにやはり変えていかなくちゃいけないと思うわけなんですが、局長どうですか。
○政府委員(中江要介君) 協定は、いま先生が言われましたようにはいたしませんで五十年としたわけでございます。それは、第十条をごらんいただきますと、まず第二項に、「探査権の存続期間は、」この協定の効力発生じゃございませんで、「事業契約の効力発生の日から八年」と、こうなっております。第三項に今度は、「採掘権の存続期間は、採掘権の設定の日から三十年」、さらに、「両締約国の開発権者は、それぞれ自国に対し、更に五年間の期間の延長を申請することができる。この延長の申請は、必要に応じ、何回でも行うことができる。」、これだけの条件を頭に置きましてこの協定の有効期間を何年にするのが適当かと、こういう問題だろうと思います。 五年の期間の延長を申請する道が開かれておりますから、三十八年何カ月かしりませんが、その事業契約の効力発生までには若干の時間があるわけでございますから、まあ三十八年プラスアルファ、それに五年間の期間の延長、一回だけ期間延長を見るのがいいか、二回だけ期間の延長を見るのがいいかと、これはもう何とも決め手のない、物の考え方でございまして、物が出なければそれ以前にもやめるくらいのものですから、出るんならいつまででも続けたいと、まあその必要があって五年間の期間の延長が何回でもできると、こうなっておるわけですから、協定の有効期間なしでもいいかもしれないし、あるいはもうぎりぎりに三十八年プラスアルファで切って、五年の期間延長はもう協定の延長というふうに考えるという考え方もぎりぎりのところはあるかもしれません。 で、なぜしたかというと、まず二回ぐらいの延長を見ておいて、四十八年プラスアルファ、それを丸くして五十年と、区切りのいいところで五十年というのが妥当だというふうに考えただけのことでございまして、このことについてそれ以上の理由ということを言われましてもないわけでございます。
○矢原秀男君 この共同開発に関する協定も実際はもっともっと時間をかけて論議しないと、いろんな問題点が多くあるわけでございます。このことについては大臣も完璧なものではないというふうな答弁もあったかと思うわけでございますが、そういう意味ではこの協定についてもいろんな角度から検討されるべきであると思うわけでございます。 この共同開発に対する機運が出てきた問題の一つとして、エカフェ報告書についてのこの調査報告が非常に大きな問題になってるわけでございますが、端的に申し上げまして、先般の専門家の方々の、いわゆる参考人のお話を伺っておりましても、埋蔵量についてはあるようにも思うしないようにもというふうなことで、いずれにしても今後さらに調査をしてみないとはっきりしたことは言えないと、こういうことでございましたけれども、エカフェ報告書についても、「東シナ海及び黄海海底の地質構造と海水に見られるある種の特徴について」というふうな報告等も出ておりますけれども、一九六六年の国連アジア極東経済委員会によってこの東アジア沿岸海域に潜在する鉱物資源の一時的探査でございますけれども、「東シナ海及びその近辺の浅海域において石油及び天然ガスの存在にとって好適な位層及び構造が存在することの有望性が示された。」というふうになっているわけです。 その証拠についてお伺いをしたいわけですけれども、「当地域から得た約三百三十種の堆積物のサンプルについて」云々の条項があるわけでございますが、これらについて行った分析、その資料等どの程度外務省では報告を受けて、そうしてそれを単なる報告をそのままにするんではなしに、独自でその資料というものについて再分析を行ったかという点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 外務省自身は、エカフェのそういう科学的な調査の結果を独自で分析したり検討したりする能力も準備もありませんので、通常の処理の仕方といたしまして、関係の省庁にその報告書を回しまして御検討いただくと、こういうことでございますので、あるいは資源エネルギー庁の方から科学的な御説明があった方が適当かと思います。
○政府委員(古田徳昌君) エカフェの調査は一九六八年十月十二日から同年の十一月二十九日の間に行われたわけでございまして、その調査結果が取りまとめられまして翌昭和四十四年五月に公表されております。 私どもとしましては、その公表された報告をもとにいたしまして石油開発公団等にその内容についての検討を行わさしたということでございます。
○矢原秀男君 その三百三十種類の堆積物というのが非常に大きな動機になっていると思うんですが、その具体的な内容をもう少し細かく、エカフェの報告だけではなしに、当方としてもこういうふうな具体的な分析の結果というものが出たのか、もう少し詳しく報告してください。
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘のサンプル自体はエカフェに所属するということで、私どもとしましてはサンプルに直接当たって検討したというわけではございませんで、ただいま御説明いたしましたように、エカフェのその分析の結果を取りまとめた報告書に基づく研究を行ったということでございます。
○矢原秀男君 そういうことになれば、やはりこの調査というものも、先般もお話ございましたが、埋蔵量があるのかどうかということについてはあくまでも推定であると、いろんな地層の、そういうふうな世界じゅうで石油の発掘があったと、そのときにはこうであったと、今回の地層もこうなんだと、そういうふうなあれで、あくまでも推量であって、掘らなければどれだけあるのかわからないと、こういうことですね。
○政府委員(古田徳昌君) 石油探鉱の特性といたしまして、まさに先生御指摘のとおりでございまして、最終的には試掘をいたしまして油田の存在を確認しない限りその埋蔵量というのは把握できないわけでございますが、最近の地質学的な進歩、あるいは似通った地層におきます他の地域での経験等踏まえまして、専門の技術者がいろんなデータ集めまして分析し、推計をした結果が非常に有望であるということになっているというふうに承知しております。
○矢原秀男君 エカフェの調査というものも大ざっぱであるというこの前お話あったでしょう、参考人から。ということになると、その資料というものを日本も韓国もまる受けして、そうしてこの問題をどんどん進めていくということについては、やっぱり疑問が出てくるんではないんですか。
○政府委員(古田徳昌君) 石油の探鉱開発の段取りを申し上げますと、まず非常に広い地域につきましての概査から始まるわけでございます。そして地質的に有望な場所がありました場合に、その地域につきまして詳しい精査を行っていくという形でございまして、エカフェの行いましたのはスパーカー方式という方式で、いわば概査の段階のものでございます。全体の調査いたしました測線長も一万二千キロメートルということで、網の目状の調査ということではございませんで、主要地点についての測線を引き、その調査を行ったということでございます。それから、調査方式もスパーカー方式という、かつ出力も三万ジュールということで、総体的には余り大きくない機材のようでございますが、それによる地下反射の記録ということで、深さにつきましても地下二千メートル程度までの状況がわかるというふうなことでございまして、あくまでこれは探鉱開発を進めていきます場合の第一段階の概査ということで考えるべきではないかというふうに思っております。
○矢原秀男君 次に、「米海軍海洋局によるMAGNET計画における航空地磁気探査等の予察的な検討」の内容もあったかというふうに報告を受けていますけれども、こういう点についての再確認はどういうふうにされているんですか。
○政府委員(古田徳昌君) ただいま先生御指摘の米海軍の調査結果との関係につきましては明確ではございませんが、エカフェの調査自体もプロトン磁力計というものを用いまして磁力測定を行っておりまして、その測定結果も先ほど言いましたスパーカー調査の結果と兼ね合わせまして分析を行っておるというふうに承知しております。
○矢原秀男君 それ以上は把握はされていないんですか。
○政府委員(古田徳昌君) エカフェの調査も、ただいま先生御指摘の米海軍の磁気部門によって行われました調査結果が入っているという事情でございます。
○矢原秀男君 非常に、向こうで調査をしたあれですから、当局の方も把握が大変だろうと思いますけれども、しかし問題は、何回も申し上げますけれども、これは私的な機関だけのお金で左右されるものではなしに、国民の税金がいろんな形のルートを経て多大に投資される可能性というものが明らかであるから、同じお金を投資するのであれば、石油の埋蔵が十分これはあるということは価値的になることですから、価値的なのか、それとも全然値打ちのないものであるかという観点に立つと、やはりいろんな権威があっても、そういうふうな一つの報告だけを真に受けて、それが協定ができてからやったらいいではないか、お金も無尽蔵に渡すではないかというふうなことでは済まされない状態があるから、いまいろいろと聞いておるわけなんですが、この報告書の中で琉球の隆起という点をやはり第三紀層のそういう図面の中から報告されているわけなんでございますが、これと石油埋蔵の関係性というものをどういうふうに分析をされたのか、この点お尋ねします。
○政府委員(古田徳昌君) 地質的に非常にむずかしい問題にだんだん入ってきまして、私も正確な御説明にならない場合には大変恐縮でございますが、琉球隆起は古生代火成岩それから褶曲した第三紀の地層から成っているわけでございますが、この隆起の内側に新第三紀層の堆積物があるというふうな形で、いわば堆積ができます場合の一つのダムのような働きをする。そこへ石油を胚胎する非常に有望な地層が長い年月の間にずっと深くたまるということになりまして、その内側におきます第三紀層の厚いところ、その周辺部といったところが石油の探鉱開発の場合に有望な地点というふうなとらえ方になるのじゃないかというふうに思います。
○矢原秀男君 黄海の中央部と渤海湾にわたるところの、そういうふうな地域というものが石油を胚胎している可能性というものが提示されていると思うんですけれども、大体推定で細かく分けていけばどういう形で埋蔵の形がこの地域ではこうなんだと、そういう点は示されますか。
○政府委員(古田徳昌君) エカフェの調査によりますと、朝鮮半島の方から揚子江側へ向けまして福建−山領南岩盤というのがずっとつながっているわけでございます。したがいまして、これをまた、いわば一種のダムの形となりまして、その向こう側、つまり渤海湾側にも石油胚胎に有望な堆積層があるということが推定されるかと思います。
○矢原秀男君 いずれにしても、新第三紀層というものの中にいわゆる堆積層のこの問題点というものが石油埋蔵に関連すると思うんですが、厚さの推定についてエカフェは三千メーター、そうしてあなたの御報告は六千メーターもあるというふうに、こういうばらつきがなぜ起きているのか、層の厚さで多くのメーターを出せばだれが聞いても相当あるんだなと、こう思うわけですけれども、権威のあるそういうような調査機関が探査をしながら三千メーターまで、それであなたがおっしゃっていらっしゃるのが六千メートルまであると、こういうふうなことではやはりどちらを信頼していいのか、そういう点も出てくるわけなんですが、なぜそういうふうな権威のある調査の中でばらつきが出ているのか。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど御説明いたしましたように、エカフェの調査はスパーカー方式でございまして、その出力は三万ジュールということで、この出力によりますと、海底下の地下二千メートル程度の深さまで概況がわかるというふうなもののようでございます。そのためにエカフェの報告書では、三万ジュールのスパーカーでは測定し得ない堆積物が厚くあるところがあるということで、それにつきまして二千メートル以上というふうな考え方を出しているようでございます。 他方、私どもの方で六千メートルという事例を挙げましたのは、これとは別の調査で、日本石油開発が、これは方式が違いまして音波探査の方式によって行ったものがあるわけでございます。昭和四十六年の十一月に行ったものでございますが、これによりますとかなり深い層まで地下の様子がわかるということで、エアガン方式をとっているわけでございます。これにつきましても、会社側からの報告によりますと、一部地域で砂岩の地層が発達していて、その厚さが六千メートルに及ぶというふうな地域があるというふうな調査結果が出ているわけでございます。
○矢原秀男君 いずれにしても、千メートルから三千メートルの堆積層、共同開発区域の図面から見ると、西の端にちょっとかかる程度という形もまた話は出ているわけですけれども、とにかく掘ってみなくてはわからないというのが結論的なものであろうと思うわけなんですね。そういうふうな段階になると、先ほども話をしておりますけれども、海洋法会議もやっている、こういうふうないろいろな問題も出ておるという中で何で急いでいくのかという問題がまた出てくるわけなんですが、その新第三紀堆積層の下層の岩石の性質というものはどういうふうに推定されているのですか。
○政府委員(古田徳昌君) 通常、地下の地層は一番下に地球ができましたときの基盤があるわけでございます。その基盤の上に数十億年前からの堆積物が逐次重なっていくという形になっておりまして、石油が最も胚胎されやすい地層が一億年前後昔の第三紀層というふうなことになっているわけでございまして、したがいまして、この当該地域につきましても、第三紀層の下にありますのはそれよりもっと古い地層があるかと思いますが、その厚さ等については現在のところは私どもとしましては情報を持っておりません。
○矢原秀男君 午前中もいろいろと論議が出ておりましたが、契約問題について質問をしたいと思いますが、非常に国家的な事業という立場でこれは重々検討していかなくちゃいけないわけなんですが、この共同開発区域の中でいろんな事業を行うにしても、これは民間事業、国の事業を問わず、すべてそこに貴重なお金というものが動いていくわけですから、計画の前にはやはりアウトラインというものがみんな明確になっているかということは、非常にこれは大事なことなんですね。 そこで、日本側による事業計画の簡単な説明も伺っておかなくてはいけませんし、また、これは外務省においても当然協定を結ぶという前には大体のことはつかんでいらっしゃるわけですから、探査の計画、そしてそれについてのあらあらの予算、そういうものはどの程度にかかっておるのか、お伺いします。
○政府委員(古田徳昌君) 現在まだ当該地域につきましての日本側の開発権者も決まっていないわけでございますが、それ以上に石油の探鉱につきましては、段階ごとに判断をしながら次へ進むというのが形でございます。まず第一に概査をいたしまして、有望でないということであればそれ以上の金はかけないわけでございます。そこである程度有望であるということになりますと、詳しい網の目状の物理探鉱を実施いたしまして、そこに試掘を行っていくということになります。試掘をしました結果油がないということになりますと、そこでやめるわけでございます。それから油を発見しましたならばさらに探掘段階に進み、構造の大きさを確認した上でそれから先いよいよ生産段階に移行するということで開発投資が行われるわけでございます。 そういうことで、現在のところこの当該地域につきましての全体の探鉱計画を数字的にお示しするということは全くできないわけでございますが、たとえば一つの事例としましてもし新潟の阿賀沖油田並みの埋蔵量一千万キロリッターというふうな規模の油田が見つかりまして、それの開発投資まで進んだということになりますと、現時点での金額でいいますと全体として千億円程度の金がかかるだろうというふうな推定ができるわけでございます。もしこういうふうな構造が五つありまして五千万キロリットルの埋蔵量を発見したということになりますと五千億前後の金がかかるというふうな、非常に大ざっぱな言い方でございますけれども、そういうふうな段階でございます。
○矢原秀男君 当局としては大体何千万キロリットル可能であるというふうに踏んでおるわけですか。
○政府委員(古田徳昌君) 当該地域につきましては、従来までの分析結果によりまして、この地域も含めます九州、沖繩西側海域で究極の可採埋蔵量を約七億キロリッターということで私どもはこの地域の有望性を判断しているわけでございますが、そのうち探鉱活動によってどの程度の埋蔵量を発見し得るかということにつきましては、現時点では見通しが全くできないということではないかと思います。
○矢原秀男君 いや大体でいいから、そうしないと話が全然進まないし、もしないのであればこんなに急いでやる必要ないという前の議論になりますから、それはある程度の推定というものはきちっとあるでしょう。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほどもお答えいたしましたように、最終的な埋蔵量は試掘によりまして確認するということになるわけでございまして、それまではあくまで全体としての可能性についての推定でございます。そういうことで私どもとしては最大限七億キロリッターというふうな推定をもとにして今後の探鉱活動を進めていこうというふうに考えているわけでございます。
○矢原秀男君 では七億の場合でございましたら、資金計画というものもあらあら準備の形も出てくると思うんですが、民間べースでなしに、国からやはり七億の石油埋蔵というものを仮定したときに大体どの程度同意をされておらなくちゃいけないかということになるわけですが、その点はいかがですか。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど言いましたように、全体の資金規模がどの程度になるかというのはまだ全く未定でございますが、さらにそれに対しまして国としてどういうふうに助成していくかということにつきましても、現時点では方針が固まっているわけではございません。 石油開発公団の活用につきましては、昭和五十年の公団法の改正の際の附帯決議との関係もございますし、私どもとしては十分慎重に検討してまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 非常に要領を得ないわけですけれども、この問題はやはり今後大きな問題点になると思います。 次に進みますけれども、堆積の総容量というものは大体どの程度につかんでいらっしゃるのですか。
○政府委員(古田徳昌君) 埋蔵量を試算いたします場合のまずスタートになる堆積量でございますが、これにつきましては、私どもの方の試算では九州、沖繩西域海域につきまして五十六万六千立方キロメートルというふうな数字になっております。
○矢原秀男君 いまから少し御質問いたしますのは、やはりこちらでも一応計算していかなくちゃいけない問題点が出てまいりますので、あとはあれですか、泥岩の密度、泥岩率、泥岩の総量、こういうのはどういうふうに把握しておられますか。
○政府委員(古田徳昌君) 泥岩密度につきましては、陸域の測定値、それから検層の測定値、地震探鉱の速度解析等の結果を参考といたしまして、この場合の試算におきましては、新第三紀層につきましては、二グラム立方センチ当たりでございますが、という数値を用い、古い方、古第三紀層、それから白亜紀層につきましては二・四グラム立方センチを平均値として採用しております。
○矢原秀男君 いずれにいたしましても、いま質疑を通してわかったことは、埋蔵量の試算等の手順とかいろんなものをずっと見ておりましても、結論的には掘らなくてはわからないと、そういうふうな問題点が浮き彫りになりますので、掘らなくてはわからないものをなぜ急ぐのかという問題も逆に出てくるわけでございます。そういう点でいろいろと問題を大きく残しておるわけでございますが……。 次に移りまして、現地ではやはり非常に漁場の恵まれたところでございまして、これは水産庁にちょっとお伺いをしたいわけでございますが、ここでちょっと細かい問題でまず質疑を進めたいと思いますけれども、この関係で開発区域の中においては生産量、生産額、その点については年額どの程度なのか、お伺いします。
○政府委員(佐々木輝夫君) この共同開発区域の中におきます漁獲量は、昭和五十年の実績で約三万九千トンというふうに推定をいたしております。主としてサバとかアジのような浮き魚類と、グチとかタイのような底魚が主体でございます。金額的には一応の推計でございますが、五十年の単価で推定をいたしまして約百二十億円ぐらいになるというふうに推定をいたします。
○矢原秀男君 三万九千トンというお話でございますけれども、漁業の種類では底びき、まき網とかいろいろあるわけですけれども、大体どれが一番大きな被害を受けるのかという問題ですね。
○政府委員(佐々木輝夫君) 開発に伴います影響の程度になりますと、開発のやり方なりやる時期、場所によりましてかなり違ってまいりますので、いまの段階で一概に申し上げかねるわけでございますけれども、この共同開発区域の中で行われております漁業の実態で一番漁獲量から見まして主要な漁業は以西の底びき網漁業でございまして、先ほどの三万九千トンのうち約二万はいまの以西底びき関係でございます。そのほか、それに続きまして大中型のまき網漁業で約八千五百トン、これが先ほど申し上げましたサバとかアジとか、そういったものを主体に漁獲しておるのが現状でございます。
○矢原秀男君 先般、委員の方々と一緒に該当のところを上から見たわけでございますが、男女群島の、これ前も議論があったかと思いますけれども、鮫瀬から十二海里線が共同開発区域に重複をしている、この点については韓国の解釈によっては無人島であるから、その基点にした十二海里というのは無効である。たなのない島であるからこれまた無効であるという話が出ているわけです。外務省これは確認しておりますか。
○政府委員(中江要介君) 私は初めて伺う議論でございます。
○矢原秀男君 これは向こうの国会の論議の中に出ていることなんです。こうなってくると、竹島について韓国はどういうふうに考えているのかというのが逆な私たちのまた考え方なんですけれども、外務省はいま私が申し上げた鮫瀬からの十二海里線、それに対する韓国の解釈、そうした場合に竹島については韓国について外務省としてはどういう見解を持たれるのか。それによっては、やはり今後のいろんな経済水域の問題等も大きく影響を与えてくると思うんですけれども、どうなんですか。
○政府委員(中江要介君) まず、領海及び漁業専管水域を設定しますときの基点として何を用いるかということについての日本政府の考え方ははっきりしておりまして、問題の海域は、いわゆる海洋二法を設定するに当たりましても、国会の審議を通じて説明しておりますように、あらゆるもの、それが仮に岩礁でありましょうとも、それはすべて基点として採用する、日本の領土はすべて基点として採用すると、こういう考え方でありまして、そのことについては国際法上一点の疑念もないと私どもは確信しておりますので、もし韓国が、鮫瀬が岩礁であるから十二海里の基点にならないという主張をもししているといたしますれば、それはいまの国際法に反する考え方であると、こう言わざるを得ないと思います。
○矢原秀男君 では、いま局長お話しのように十二海里線、免れは確かに重複を二カ所しておりますね。そうしたら韓国の国会でそういうふうに大体決定的な話が出ている、無人島は基点であるために無効であると、たなのない島であるからこれまた無効であるという答弁については、日本としてもいまあなたがおっしゃったように、韓国の考え方は間違いであると、こういうふうに再確認していいわけですね、その点お答えいただきたい。
○政府委員(中江要介君) その点は韓国がどの時点でそういう議論をしたのか、私ちょっと詳細つまびらかにいたしませんけれども、鮫瀬という岩礁を基点として日本が十二海里に領海を拡張いたしますと、その部分は領海になるわけですので、現行の国際法に照らしますと、大陸だなはその領海から外に向かって主張し得る権利ということになっておりますので、その部分は国際法上の当然の帰結として大陸だなでなくなる、こういう考え方について韓国政府との間では、御承知のように確認のための口上書を往復しておるわけでございますので、韓国政府が、そういういま申し上げました考え方と違った意見を持っているとは信じがたい、こういうことでございます。
○矢原秀男君 先ほども質問しましたけれども、海洋汚染の公害対策についてでございますが、北海油田の噴出の事故の報告等も受けているわけですが、これはあれですね、海洋汚染というものが今後本当に、保安庁でも言われておりますように、政府の方ではまあまあ問題はないというふうな感触を報告の中で受けるわけでございますが、逆に私は海洋汚染というものについては、これは非常に力を入れていかないと大変なことになる、こういう解釈をしているんですけれども、この点重ねて大丈夫なのかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
○説明員(嶋田勝弘君) まず、わが国の周辺大陸だなにおきまして過去約百本の掘削をしておるわけでございますけれども、これは現に石油の噴出によって海洋が汚染されるような事故は一件も起こっていないということが一つございます。 それからまた、鉱山保安法によりまして、海洋において掘削作業を行うときは噴出防止装置の設置その他の義務を課してございまして、事故が生じないよう十分に規制しているので万全ではなかろうかというふうに考えております。
○矢原秀男君 私も最後に、まだいろんな質問点多く残っているんですけれども、きょうはこの程度でとどめたいと思いますけれども、いずれにいたしましても多くの問題点を残していることは間違いございません。先ほどからも私論議を申し上げておりまして、やはり五十年にも及ぶ協定を結んでおる点についての慎重審議、そうして第三次海洋法という形のものの結果を得てやはり動いていくべきである、こういうふうにも考えているわけでございます。 また、先ほども申し上げましたように、関係国間での話し合いという原則というものについて中国、北鮮と十分でないということになりますと将来の紛争の原因になるのではないか、こういう懸念もあるわけでございます。共同開発区域の設定の根拠についてもいろいろとあいまいな点がございます。それからまた、大陸だなに対して自然延長論という問題、経済水域の問題、これは国際法上もまだまだ決定的なものではございません。そういう中で、地質学的にまた大陸だなの自然延長というものを考えた場合にも、関係国ともいろいろな重ねた討議というものも必要であろうかと思うわけでございます。そういう中で、海洋法会議というものはもっともっと日本の立場としても有効なものであるという観点の中から、もう少し行方を注目する必要があろうかと思います。 そういうふうなことを考えておりますと、今回のこの協定問題につきましても、いろんな角度から慎重審議をしていかなくてはならないし、時期的にも少し早いんではないか、こういうふうなことを考えておるわけでございます。 きょうは一応この点について終わりたいと思います。また、残りの質問については次の機会にやらしていただきたいと思います。
○立木洋君 この大陸だな協定がきわめて重大な問題を多々含んでおるというふうなことはいままでも議論をされているわけですが、特に、事実上日本の主権を、メジャーに関してはその主権の大半、権益の大半を五十年間の長きにわたって売り渡すにも等しい内容のものであり、しかも、この共同開発に至る経過を見ても、また今日の時点の中で、日韓癒着の問題が大きな問題として取り上げられておるそういう事態の中でこの批准を急ぐという問題点も大変な問題であるわけです。きょう私はすべての問題について質問するわけにはまいりませんけれども、その中の幾つかの点についてお尋ねしたいと思います。 最初に、特に一九五〇年代から一九六〇年代にかけて、いわゆる非同盟諸国が天然資源の恒久主権を主張するような状態の中で、また五〇年代の後半にスエズ運河の国有化やサハラの大油田が開発されるという状態の中で、国際石油資本の支配がぐらつき始めるという状態が生まれてきたと思うんです。 そういう状況の中で、国際石油資本はみずからの支配権を維持し拡張するためにあらゆる進出を図ってきたというふうに考えられるわけですが、この辺の事情についてどういうふうにお考えになっておるのか、事実を挙げて説明していただきたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘のように、一九四〇年代から五〇年代にかけまして、世界じゅうの石油の産出は主としていわゆるメジャーの手によって行われていたわけでございます。一九三〇年半ばに中東で大きい油田を発見しましてから、それがいわばスタート台になってこういうふうな世界的に活発な探鉱活動が行われるようになったと承知しているわけでございますが、一九六〇年代に入りましてからは、その探鉱開発の結果、原油の供給は世界的に言えばいわば過剰な時代であったというふうに言えるんではないかと思います。この一つの反映としましては、たとえば代表的なアラビアン・ライトの値段を見ましても、一九六〇年に一ドル九十セントだったわけでございますが、一九六一年にはこれが一ドル八十セントに下がりまして、そのまま一九七〇年代に続いたというふうなことであります。こういうふうな世界的に原油の過剰な関係といったふうなものが背景にあったわけではございますが、しかしながらメジャーの各社は、その中でも将来の石油需給につきまして長期的な見方のもとに、石油の探鉱開発を世界的に進めていたわけでございます。たとえばエクソンあるいはモービルといったふうなものが、代表的な探鉱に熱心であった会社であるというふうに言えるんではないかと思います。 ただ他方、そういう動きの背景としまして、ただいま先生御指摘ございましたように、一九六〇年にOPECの設立が行われたと。そういうことで、このOPECを中心としましていわば産油国の石油主権の主張が始まったということが言えるんではないかと思います。これは一九六〇年九月に当初五カ国の産油国によって設立されたわけでございますが、一九七二年までには十一カ国まで加盟国がふえたというふうなことで、その間に何回も総会が行われ、かつ幾つかの重要な決議が行われているわけでございますが、代表的には、一九七一年のテヘランの協定といったふうなものが最近に見ますOPECの動きのいわばスタートポイントであったというふうなことが言えるのではないかと思います。 そういうふうなことで、六〇年代の世界の石油の情勢を考えますと、産油国各国は国有化等を逐次進めるというふうな方向で進んでおりまして、いわばメジャーの支配が次第に後退していった時代というふうな把握の仕方ができるのではないかと思います。この一つの指標としまして、たとえばわが国が外国から原油を入れます場合にどういうルートで入れているかという数字を見ますと、昭和四十七年度には七一%が米英系の企業から入れておりました。しかしながら、五十年度にはそれが六一・四%まで下がっておるというふうな形でございまして、いま言ったような傾向がこういう形で逐次具体化してきているというふうな考え方がとれるのではないかというふうに思います。
○立木洋君 事実上、いま言ったようにメジャーが一定の打撃を受ける、つまり支配権が揺らいで後退していくという状態が生じてきた。しかし、国際石油資本というのはそれに甘んじて後退をし続けたのではなくて、そうであればあるほど、いわゆる進出をして支配を強めていく、そういう状態を彼らは目指したと思うんですね。特に新興勢力が石油資本の中でも生まれてくる、特に中近東における支配権が揺らいでいくという状態の中で、一九六〇年代から七〇年にかけて各地にどんどん進出を始めたと思うんですよ。新たな油田を見つける、さらにそこには自分たちの鉱区権をあらゆる形で手に入れようとする動きが強まったというふうに考えられるわけですが、その点についてはどうでしょう。
○政府委員(古田徳昌君) OPECが中東諸国を中心にしまして、産油国の資源主権を主張し始めるというふうなことで、産油国におきます利権、あるいはその他の契約関係の条件がだんだん悪くなるというふうなことで、確かにメジャー各社は、いわばそれまでの産油国以外の地域に対しましてきわめて積極的に石油探鉱のために進出をしていったわけでございます。 そういうことで、世界的に探鉱活動が活発になり、かつ拡大していったわけでございますが、その結果としまして、たとえばナイジェリアとかあるいはリビアその他アルジェリアとかいうふうな新しい産油国ができ上がってきたというふうなことが言えるのではないかと思います。
○立木洋君 海外に進出を強めていくたとえばアフリカ、インドネシア、マレーシア海域、あるいはアラスカ、コロンビア沖合いからアマゾン流域等々ですね。その対象の一つにやはり東シナ海、いまの問題になっている共同開発地域を含む東シナ海の大陸だなに対するいわゆる進出ということも、メジャーの一つの対象にされていたのではないでしょうか。
○政府委員(古田徳昌君) やはりメジャーにしましても、その他の石油会社にいたしましても、探鉱地域を選定いたします場合は、できるだけ地質的な条件がいい、それから経済的にも有利な生産ができるだろうというふうなめどを立てながら地域を選定していくわけではないかと思いますが、一九七三年の暮れの石油危機前後から、御存じのとおり石油の値段が非常に高くなったわけでございます。そういうことで、それまで地質的な問題等、あるいは消費地との地理的な関係等から比較的手がつけられていなかった場所も、いわば限界的な開発地点というふうなことで探鉱開発の日程に上ってくるというふうな現象が起きていったことは事実でございます。 この東シナ海の地域につきましては、それまで特別の地質的な情報がなかったわけでございますが、一九六八年のエカフェの調査を契機といたしまして、これはメジャーに限りませんが、世界的に新しい産油地帯になる可能性のある地域であるというふうな関心を引き始めたというふうに承知しております。
○立木洋君 つまり、メジャーとしてはこの東シナ海大陸だなが一つのいわゆる進出の対象にされていたということだと理解しますが、ある報道によりますと、「そもそもこの地区の石油埋蔵を指摘したのは米国海軍の第七艦隊である。彼らは軍事的立場から太平洋、日本海など地質調査及び分析を行っており、地質調査の過程で東シナ海に有望な埋蔵地帯があると分析した。それをいち早くキャッチしたのがアメリカ系メジャーであった。」というふうな指摘がありますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(古田徳昌君) そういうことが話としては私どもも伺ったことがあるわけでございますが、米海軍の調査、さらにそれとメジャーとの関係というふうなことについては承知いたしておりません。
○立木洋君 つまり、メジャーがこの地域を積極的な開発の対象にしてきたということは、これは明らかなわけですし、この地域で一番最初に鉱区申請を行ったのはどこの会社ですか。
○政府委員(古田徳昌君) 当該地域につきまして日本側の企業で鉱業法に基づきます申請をした時期を見ますと、西日本石油開発が四十二年十一月以降断続的に行っております。それからその次に日本石油開発が四十三年十二月以降行っています。それから帝国石油開発はさらに一年おくれまして四十四年の七月から行っております。
○立木洋君 これはまだいわゆるエカフェの調査が発表される前ですね、この西日本やあるいは日石——日石の場合は発表されたのかその明くる年ですから。しかし、そこに鉱区申請をしたということは一定の根拠があって鉱区申請をしたと思いますけれども、その西日本や日本石油がそこに鉱区申請をした根拠はどういうものだというふうに判断されますか。
○政府委員(古田徳昌君) 昭和四十二年の十月にわが国としましても石油開発公団を設立して、石油の探鉱開発の促進を政策的に推進するということで始めたわけでございますが、そのころからわが国の周辺大陸だなの探鉱開発の促進というのが関係会社の間で非常に関心を呼んだことは事実でございます。したがいまして、この地域に限らず、わが国の全体としまして大陸だなといいますか、海域につきましての鉱業法に基づきます鉱業権の申請か数多く見られたわけでございますが、その場合も一応現在の鉱業法が先願権の方式をとっておりますので、非常に詳しい地質調査あるいは地質的な情報というふうなものに基づいて行ったかどうかについては、私どもの方としてもはっきりしたことは言えないのじゃないかと思います。
○立木洋君 大体一つの会社が鉱区申請をする場合に、先願主義だからといっていいかげんに設定して、ここを一つ、ここを一つなんというような勝手な申請をするということはあり得ないわけです。事実上やっぱり根拠があってそういう鉱区申請がなされているわけでしょう。それを受け取る側にしたって、問題をよく考えないで受けるという形にはなっていないと思いますけれども、そこらあたりはどういうふうに考えますか。
○政府委員(古田徳昌君) もちろん何の根拠もなしに申請するということはないと思いますし、それから大体従来のわが国におきます陸上地域を主体としました石油探鉱の歴史からしまして、大体どの地域においてその石油胚胎の可能性のある地層が厚いとか、あるいはあるとかいうふうなことは、その地域につきましてのそう詳しい調査ではなくて、いわば地質的な陸地の調査結果とかいうふうなことからも推定がされてきたところでございます。 それから、なお現在の鉱業法では、出願が参りますとそれを受け付けるという形だけでございまして、私どもの方としてそれに対しまして何らかの判断をした上で受け付けるという形にはなっておりません。
○立木洋君 一つ一つお尋ねしていきますが、この西日本石油開発というのは、いわゆる外国の石油資本あるいはメジャーとはどういう関係にある会社ですか。
○政府委員(古田徳昌君) これは三菱グループがその資本の五〇%を持っております。他の五〇%はシェルグループで、その中心は日本法人でございますシェル興産でございます。
○立木洋君 その設立された経過についても述べていただきたいし、いままで外国資本と共同事業をやった場合の内容についても。
○政府委員(古田徳昌君) この会社は四十二年六月に製品の販売会社としてまずスタートしておるようでございますが、その後、昭和四十二年六月にいまの西日本石油開発というふうな社名に変更になっているようでございます。 それから、同社は従来島根県、山口県、長崎県の沖合いでかなり積極的な探鉱を行っておりますが、これにつきましては単独の探鉱ということで、提携をしている外資あるいは他の会社といったふうなものはございません。
○立木洋君 日本石油開発の場合にはどういう関係になっていますか。
○政府委員(古田徳昌君) 日石開発は、これは日本石油が一〇〇%の出資会社でございます。日本石油自身は金融機関等が出資しております一〇〇%わが国資本によります会社でございますが、同社の一〇〇%子会社として昭和四十三年の十二月に設立されております。現在までのところ、わが国周辺海域では探鉱は実施しておりません。
○立木洋君 外国資本との共同事業の内容については。
○政府委員(古田徳昌君) まだ探鉱は実施しておりませんが、土佐及び西九州地域、この西九州地域の場合共同開発区域も含まれているわけでございますが、これにつきましてテキサコ及びシェブロンと共同事業契約を結んでおります。 なお、探鉱実施してないと先ほど私言いましたけれども、失礼いたしました。三千五十キロメートルの物理探査は昭和四十六年に実施しております。
○立木洋君 帝国石油の場合についても同様に述べてください。
○政府委員(古田徳昌君) 帝国石油は、第二次大戦中わが国の石油開発会社を糾合してつくられた会社がその母体でございますが、現在の姿になりましたのは昭和二十五年の四月ということになっておりまして、株主につきましては、これは金融機関が主として中心の株主ということになっております。もちろん資本的に外資との関係は全くございませんが、探鉱につきましては房総、天草、宮崎、北陸、山陰、三陸地域につきましてガルフとの共同事業契約を結んでおります。それから常磐につきましてはエッソとの共同事業契約を結んでおります。
○立木洋君 その共同事業、共同契約の内容については、経済的利権がどの程度譲渡されるような内容になっていますか。
○政府委員(古田徳昌君) 石油探鉱におきます共同事業契約は、石油探鉱のリスクを回避するために世界的に見られる現象で、単独でやる方がむしろ例外であるというふうなのが最近の傾向でございますが、帝国石油の場合につきましては、ガルフ、エッソそれぞれ五〇%、つまり帝国石油が五〇%持っているという形でございます。 それから日本石油開発の場合につきましては、日本石油が五〇%持ちまして、テキサコ、シェブロンがそれぞれ二五%というふうな共同事業の契約内容になっておりまして、原則としましてこの比率に応じましてそれぞれ探鉱費を負担し、かつ生産物の分配もその比率で行うというふうな形になっておるわけでございます。
○立木洋君 つまり、いまお尋ねした点で明らかだと思うのですけれども、これはやはり日本の場合にはいわゆる外資系には鉱業権は与えないというふうになっているわけですね。ところが、西日本なんかの場合には外資が入っているわけでしょう。もちろん、この日本石油と帝国石油の場合には共同事業の内容として五〇%、いわゆる経済的な利益を渡すことに事実上はなっているわけです。これは私は実際には日本のそういう資本という形を通じ、日本の会社という形を通じながら、事実上メジャーがここでの権益を手に入れるというふうな内容のものになっておるというふうに判断せざるを得ないと思うんですがね。 それで、次いでそこでお尋ねしますけれども、先ほど言いましたように、昭和四十二年の十月に西日本石油開発が鉱区申請をしたのに、この鉱区申請が許可されなかったのはどういう理由で許可されなかったか。
○政府委員(古田徳昌君) 鉱業法の運用といたしまして、通常、具体的な探鉱活動に入ります場合に鉱業権を付与するという形になりまして、それまではいわば鉱業法に基づく出願をしたという状態が続くわけでございます。したがいまして、いまの先生の御質問に関連して言いますと、鉱業法に基づきます出願を受け付けたという状態になっているわけでございます。
○立木洋君 いつまで続くんですか。
○政府委員(古田徳昌君) それは具体的な探鉱開発計画が策定されまして、その実施に移る前に鉱業権を付与するという形になると思います。
○立木洋君 今度韓国の方をお尋ねしますけれども、韓国が鉱区を設定して鉱業権を与えていく、そういう経過について説明していただきたいと思います。
○政府委員(大森誠一君) 韓国は、一九七〇年に海底鉱物資源開発法というものを制定いたしまして、またそれに基づき、大統領施行令というものも定めたわけでございます。この法律及び施行令によりまして、韓国は七つの鉱区を設定いたしました。そしてこれらのそれぞれの鉱区に外国系、主として米国系のメジャー系の会社が租鉱権の申請をいたし、それに対しまして韓国政府は、今回御提出いたしました資料にございますように、一九六九年から七〇年にかけまして、開発契約を結ぶという形で租鉱権をこれらの会社に与えたというふうに承知いたしております。
○立木洋君 その背景についてお尋ねしたいんですけれども、日本の場合でもこういう大変な損失を伴う石油の探査、いわゆる開発という点では、メジャーに依存しなければならない部分というのも多分に強いわけですね、資本力の面からしても技術力の面からしても。韓国の場合には、これはこういう言い方が適切かどうかは別としても、少なくとも資本力の問題にしたって技術力の問題にしたって、日本の石油資本に比べるならば数段やはり劣っておるだろうというふうに判断されるのが常識だろうと思うんですよ。だけれども、急遽韓国自身がそういうふうに鉱区を設定して、石油開発に乗り出すというのは、ただ単純に韓国だけが判断してやったというふうには考えられないのじゃないですか。やはりメジャーとのかかわり合いというものが当然あるんではないかというふうに考えられるわけですが、その点についてはどのように考えておりますか。
○政府委員(大森誠一君) 韓国側において鉱区設定という措置をとり、またメジャー系の企業が租鉱権の申請を行ったということの背景につきましては、私どもが承知している限りでは、やはり一九六八年に行われましたエカフェの調査により、東シナ海一帯の区域が非常に石油資源が賦存しているきわめて有望な地域であるという結果が報告されたという事情によるものと承知いたしております。私どもとしては、特段にこの間にメジャーがどういうふうな動きを示したかというような事情については承知いたしておりません。
○立木洋君 七〇年に韓国が決めたといわれる海底鉱物資源開発法、この内容を見てみましても、いわゆる外国資本が鉱区権を取得する、それがやりやすいような状態になっていますし、またそれが保障できるような内容になっています。ある報道によれば、大体アメリカのそれに似せてつくられたものであるということすら報道されているわけですが、しかも鉱区を設定して、ほとんど全部それはメジャー等々、外国資本等々にその権益を譲渡しておるということからみれば、まさにこれはかかわり合いがないどころか、明確にメジャーの進出の一端、そういう形態をとったというふうに判断せざるを得ないと思う。いま彼らが鉱業権者として共同開発地域に与えられておる会社、これはどういう会社なのか、それが本社がどこにあって資本金がどうなっておるのか、いつそれが支店が設立されたのか、その点についてはどうでしょうか。
○政府委員(大森誠一君) 第七鉱区に租鉱権を保有しておりますコリアン・アメリカン・オイル会社、これは本店は米国デラウェア州にございます。会社の設立年月日は一九七一年三月六日というように承知いたしております。資本金につきましては、払い込み資本、授権資本ともにそれぞれ一万ドルということと承知いたしております。 それから、第三鉱区及び第六鉱工に租鉱権を得ておりましたコリア・シェル・オイルという会社でございますが、これは本店はオランダのハーグ市にございます。会社の設立年月日は一九六九年十月十三日と承知しております。資本金につきましては、払い込み資本では十万ギルダー、授権資本では五十万ギルダーとなっております。 次に、第一鉱区と第五鉱区に租鉱権を有しておりますテキサコ・コリア社でございますが、これは本店は米国デラウェア州となっております。会社の設立年月日は一九七〇年二月四日、また払い込み資本金は千ドル、授権資本金は一万ドルとなっております。 それから、第二鉱区及び第四鉱区に租鉱権を得ておりましたコリア・ガルフ・オイル・カンパニー、これは本店所在地は米国のペンシルバニア州、会社設立年月日は一九六七年十一月十日、払い込み資本金は一千ドル、授権資本金は二万五千ドルである、かように承知いたしております。
○立木洋君 これは結局エカフェの調査結果が公表されて韓国が鉱区を設定したわけですけれども、ここでも結局メジャーはいろいろ報道されております韓国の朴大統領に政治献金をやったというふうな問題等々が報道されているけれども、いわゆるメジャーとしてはいち早く権利を獲得する、だから日韓両国にわたってそれぞれ出願権なりあるいは鉱区権を獲得して東シナ海の有望鉱区の独占を図るというふうな動きとして判断されるのではないかというふうに思いますけれども、この点について大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま御指摘のありましたメジャー系の会社がどのような行動をとってきたかということを私つまびらかにいたしておりません。しかし、韓国が開発する場合にはどうしてもやはり金融力のある企業の力をかりなければならないことは当然でございますし、そのようなことにならざるを得ないのであろう、こういうふうに思いまして、その点につきましては私どもとしてコメントする立場にないものと考えております。
○立木洋君 これが一つの基本なんですよ。この点をつまびらかにしていなくて、こんな協定をどんどんさっさと上げてしまうという態度に私は問題があると思う。この地域の半分以上の権益が事実上メジャーによって握られてしまう。一九七三年でしたかのあの石油危機が起こったときにどれほど重大な事態になったか。だからこそメジャーの支配ではなくて自主的な開発の問題もその当時議論されましたし、あるいはある国とは対等に、いわゆるメジャーを通ずることではなくて石油の輸入等々も考えるということすら国会では議論されてきたんです。これだけ膨大な権益をメジャーに事実上売り渡してしまうというふうな内容になっている。メジャーがここに進出してくるということは、対象区域としては明確に考えてやってきた計画的な内容ですから、それに全く乗っかってこういうふうにやっていく、だからこそ、思想的にはもちろん保守的な人々の中でも、真に国を受するならばこういう協定には賛成できないと保守的な人々の中ですら言われていることなんです。この問題をはっきりさせないと、問題はやはりこの協定がどういうものであるか、なぜ事実上主権を揺るがすということを議論されているのかということが明確にならないと思う。その点についてもう一度大臣の見解を述べていただきたい。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 韓国との共同開発をいたすわけでございまして、韓国側の権利につきましてわが国が条件をいろいろつけるということは適当でないと考えるわけでございます。したがいまして、石油の開発されることが大事なことであるというふうに考えておりまして、これがどのような資本構成によるかということはそれほどわが国の国益には直接関係するものではないというふうに考えます。
○立木洋君 それは重大な問題なんですが、次に質問を進めながらその点について議論をしていきたいと思いますが、この協定の第三条に「共同開発区域は、小区域に分割することができる。」ということに基づいて、付表でいわゆる九つの小区域に設定されているわけですが、この共同開発区域が九つの小区域に分割されている理由、その根拠、これについて述べていただきたい。
○政府委員(大森誠一君) 本件協定の共同開発区域につきましては、先ほど来御説明が行われていますように、昭和四十五年ごろに韓国側が租鉱権を設定したということがあった。他方におきまして、日本側においても昭和四十二年から四十八年にかけて鉱業法に基づく出願がなされていたわけでございます。このために日韓双方の権利主張が重複した地域につきまして、日韓が共同開発をすることとしたわけでございますが、それぞれの小区域につきましても、日韓それぞれの租鉱権者あるいは出願者の権利主張を基礎として考えるという考え方に立っているわけでございます。したがいまして、この協定の当初の小区域につきましては、韓国側の四つの海底鉱区と日本側の三社による鉱業法に基づく出願区域とのそれぞれの組み合わせをとりまして、それが九つに分かれましたので、それによることとしたわけでございますが、それは先ほど申し上げたような事情によったものでございます。
○立木洋君 しかし、これは素人でも考えて、いわゆる石油を開発する場合に、賦存状況だとか、どういうふうにすれば合理的に開発できるとかいうふうなことでこの鉱区、小区域が設定されたのではなくて、まさにいわゆる出願権、出願者とあるいは鉱区設定してきた韓国との重複した部分で便宜的にこういうふうに分けたということなんですか。合理的な区分けという根拠はないわけですか。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど申し上げましたように、実際問題として韓国側、日本側それぞれの鉱区あるいは出願区域について重複があり、その組み合わせをとりましたところ九つということで九つの小区域に分けたというのがその事情でございます。
○立木洋君 結局だから便宜的に分けたということですね。合理的な根拠はないということですね。
○政府委員(大森誠一君) 私が先ほど申し述べましたような実際上の見地からこのような小区域の分け方になったわけでございますけれども、それが合理的であるかないかという点についてはちょっと意見を申しかねますけれども、事情は先ほど申し述べたとおりでございます。
○立木洋君 現実的だと言われましたけれども、それなら部長さん、こういう鉱区の設定というのは石油開発の見地から見て合理的な区分けであるかどうかという点についてはどう判断されますか。
○政府委員(古田徳昌君) 石油開発の見地からというよりも、やはりこの区域の設定につきましてはその時点での経緯を考慮せざるを得なかったんじゃないかというふうに思います。 日本側の事情について言いますと、その時点ですでに鉱業法に基づきます先願といいますか、出願が行われていたわけでございまして、鉱業法に基づきます出願権は、たとえば承継を認めるというふうなことで一種の財産的価値を有するということに法律上もなっておりまして、そういうことから私どもとしましてもその点を全く無視した小鉱区の設定というのはその時点でもできなかったんじゃないかというふうに思います。したがいまして、ただいま外務省からお答えしましたような小区域の設定といいますか、決め方がこの時点では合理的な決め方であったというふうに思うわけでございます。
○立木洋君 いや、外務省におもねて発言されなくてもいいんですよ、私が聞いているのは外務省の見地であなたに答弁求めているんじゃないわけですから。あなたはあなたの立場で、通産省としてどうなのかということを私は聞いたわけですからね。外務省せっかく来られているんだから、あなたが外務省の答弁までされたら外務省おらなくてもいいということになる。 最も広い小区域と最も狭い小区域というのは面積はどれくらいになっていますか。
○政府委員(大森誠一君) 最も広い小区域は第七小区域でありまして、その面積は約四万六百平方キロメートルであります。最も小さい小区域は第四小区域でございまして、その面積は約二十平方キロメートルでございます。
○立木洋君 この最も広いところと狭いところを見ると約二千倍ぐらいの差があるわけですね。これは実際には先ほど来議論されてきましたように賦存状況、これは掘ってみないとわからないと、どこにどれだけの石油があるのか実際にはわからないということで、そういうふうな面積、最も広いところあるいは狭いところと大変な開きがある。こういうふうな鉱区の分け方というのはそれでも合理性があるというふうに通産省の方はお考えですか。
○政府委員(古田徳昌君) 探鉱開発で同じようなたとえば可能性を配分するというふうな観点に立ちますと、面積の似通った方がいいというふうなことも言えるかと思いますが、先ほど言いましたように、この時点での韓国側との共同開発という考え方が出まして、小区域の設定というふうな考え方も出てきたわけでございますが、それにつきまして私どもとしましては、先ほども言いましたように、鉱業法に基づきます出願権がすでにあったということで、どうしてもその持ちます財産的な価値を無視した決め方はできなかったというのが私どもとしましての事情でございます。
○立木洋君 外務省の方にお尋ねしますけれども、結局は重なった部分を便宜的にこういうふうに、大森さんが言われるのは現実的にというわけですけれども、こういうふうに決めざるを得なかったということであるならば、出願をしたその人が協定が発効して後、そこの鉱業権を認められるということが事実上前提にされているんではないでしょうか、こういう小区域の分け方というのは。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど私が申し上げたことをまず補足的に説明させていただきますと、韓国側においては租鉱権の設定、日本側においては鉱業法に基づく出願というものが行われたわけでございます。これはいずれも、当時の状況におきましてはそれぞれの側の企業が単独開発をするということを前提としてこれらの申請あるいは出願を行ったわけでございます。したがいまして、これらの権利の主張というものが重複するということの事情から、韓国側の四つの海底鉱区と日本側の三社による出願区域との組み合わせからこういう九つの分け方というものには、実際問題としてそうならざるを得なかったという事情があったわけでございます。 次に先生御質問の、こういうような小区域の分け方ということは将来、つまりこの協定が実施される段階における開発権者という者をあらかじめ決めているということになるのではないかという御趣旨の質問だと存じますが、この点につきましては先ほども申し上げましたように、この協定の当初の小区域は両国の設定済みあるいは出願中の鉱区の重複に応じて決定したものでございまして、日本側のこの協定発効後における協定上の開発権者につきましては、協定発効後に能力等を厳重に審査して認可されることになっている、かように承知しているわけでございます。したがいまして、協定の発効後はこの協定に基づく開発権者というものが認可されることになるわけでございまして、現在日本側で出願している会社が自動的に協定上の開発権者になる、こういうことではないと理解しているところでございます。
○立木洋君 韓国の場合のいわゆる鉱区権の設定をしている企業は、協定が成立して後、批准されて後、効力を発して後、引き続いてそれが認められるということになっているわけでしょう、韓国の場合は。その点はどうですか。
○政府委員(大森誠一君) 韓国側におきましても、現行の開発契約というものは単独開発というものを前提としてつくられているわけでございまして、この協定が発効いたします際には、この協定に基づき協定上の開発権者としての企業として韓国政府は別途の新たな開発契約を結ぶ、かように承知しているところでございます。ただ事実上の問題としては、恐らく現在租鉱権者となっている者が協定後も開発権者としての開発契約を韓国政府と結ぶことになろう、かように考えております。
○立木洋君 先ほど言われた点で言いますと、これは日本の場合には出願者あるいは韓国の場合には鉱区設定の申請者ですね、これらの人々が出されたそれで重複した部分を九つに分けていわゆる九つの小区域を決めた。ところがその人たちは実際には開発者になるかどうかわからない。全然それは全く無関係だということなんですか。
○政府委員(大森誠一君) 韓国側の開発権者につきましては、ただいま私が申し上げましたように、恐らく現在の租鉱権を得ている会社が協定発効後の開発権者として認可されることになるのであろうと考えます。それは韓国政府と開発権者との間に新たに共同開発というものを前提として開発契約が結ばれるということになれば、そういうような事態になろうと思います。そしてその可能性は非常に高いものと承知しているわけでございます。日本側の企業の点につきましては、むしろ通産省の方から御説明いただいた方が正確になろうかと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 日本側の企業につきましては、先ほど御説明いたしましたように、現在の鉱業法に基づきます出願をしている企業ということでございます。この協定を実施するための特別鉱業権を得るためには、別途国会に私どもの方でお諮りしております特別措置法案の中で規定がございまして、そこで厳重な資格審査を受ける必要があるわけでございます。その資格審査は技術及び資金、経理的基礎ということで、経理的な面、技術的な面、両方についてこの鉱区におきます探鉱活動を実施する能力ありや否やということを判定の基準とするわけでございますが、ただ先ほど言いましたように、すでに鉱業法で出願していると、その先願権に一種の財産的な価値があるというふうな事情も踏まえまして、一般的な他の企業が出願するのに先立ちまして審査を受け得る特例を認めているわけでございます。これは特定鉱業権を設定する区域の告示を通産大臣が行います場合に、三十日を経過してから一般的な出願を受け付けるわけでございますが、この先願権を持っている三社に限りまして、その三十日以前に出してきても出願は受け付けると、ただし、資格審査は十分するという形になっておるわけでございます。
○立木洋君 結局、先願権として先に審査を受けるということだけの特典ですよね。ほかにこれは何ら、自動的に決まったからといってそこでの開発権者になるというふうなことでは事実上ないわけでしょう。ところが、この協定の内容を見ると、いわゆる第一小区域にしたって西日本石油開発、共同事業者としてシェル、韓国側ではコアムが鉱業権者となっているわけですね。こういう出願者や鉱業権者あるいは共同事業者、それらが事実上重なっている区域としてこういう九つの小区域に分けた、これは全く出願あるいは鉱業権を要求する便宜的な形で事実上こういうふうにして分けられておる。ところが、実際には審査してみないと事実上そういうふうになるのかならないのかもわからないというのにもかかわらず、ここで協定にはこういう小区域を設定したという意味は、事実上これらの出願者に引き続いて鉱業権を与えるということの内容を前提としておるというふうに考えられるんじゃないですか。全くそういうことは無関係だと言うのですか。無関係であるならば、こういうふうな九つの小区域に分けたということは全く違った意味を持つことになるんではないでしょうか。
○政府委員(大森誠一君) 先ほども申し上げましたように、日韓双方の設定済みあるいは出願中の鉱区の重複に応じてこの協定の当初の小区域というものを定めたわけでございまして、日本側の企業について申し上げれば、これらのものが、先ほど通産省から御説明ありましたように、一応初めに審査を受けるという点はございますけれども、協定発効後に能力等を厳重に審査して、協定上の開発権者となるかどうかについて審査を受けた後に認可されると、かように承知しているわけでございます。
○立木洋君 じゃ、「掘さく義務に関する交換公文」ではどういうふうになっているのか、第一項ですか、そこのところ、ちょっと読み上げてくれませんか。
○政府委員(大森誠一君) 「掘さく義務に関する交換公文」に「おきまして——第一項を全部お読み上げいたしましょうか。 1(1) 協定の付表に定める各小区域について認 可された両締約国の開発権者は、最初の三 年の期間、次の三年の期間及び残余の二年 の期間中に、それぞれ、一の坑井を掘さく する。 (2)(1)の規定の適用上、単独危険負担操業は、 両締約国の開発権者によって行われたもの とみなす。 (3)(1)の規定の適用上、第一小区域及び第九 小区域は、単一の小区域を構成するものと みなす。 (4)(1)の規定にかかわらず、第八小区域につ いて認可された開発権者は、最初の三年の 期間中は(1)の規定に基づく義務を免除され るものとし、第二小区域、第三小区域、第 四小区域又は第六小区域について認可され た開発権者は、(1)の規定に基づく義務を免 除される。 以上でございます。
○立木洋君 そこで述べられている、第一小区域と第九小区域を単一の区域とみなすというふうにされている理由はどういうものですか。
○政府委員(大森誠一君) この交換公文の規定というものは、協定第十一条に述べられております探査期間中の期間を三つに分けまして、それぞれの期間における坑井発掘義務の最低数というものをそれぞれ定めることとされているのを受けているわけでございます。この第十一条一項の規定におきましては、「両締約国は、各小区域において掘さくすべきものとされる坑井の最低数を合意するに当たっては、当該小区域の水深及び大きさを考慮に入れるものとする。」と、かような規定がございます。 ただいま御質問になりました第一小区域と第九小区域を単一区域とみなした理由は何であるかという御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、第一から第九までの小区域は韓国側の四つの海底鉱区と日本側の三社による鉱業法に基づく出願区域とのそれぞれの組み合わせによっているわけでございますが、第一小区域と第九小区域につきましては、その関係会社、これがいずれも日本側の鉱業権出願者につきましては西日本石油開発であり、また韓国側はいずれも鉱区権者はコアムという会社であるという事情によるものが一つと、またさらに、第一小区域については面積が比較的小さいこと、第九小区域については水深か深いことという事情を考慮したものと承知いたしております。
○立木洋君 大森さん、あなた本音を言われたようですがね、だけれども、第一小区域は鉱業権者はだれになるか決まってないんでしょう、第九も。違った人になる可能性もあるんじゃないですか。だから私は協定でもうすでに決まっておると、決めていることを前提にしているんじゃないかとさっきから言っているんです。第一と第九、これ全部同じですよね。いわゆる出願者が西日本石油開発、共同事業者がシェルである。韓国側がコアム。変わるかもしれないならば何も第一と第九——これは第一と第九というのは遠く離れているんですよ。一番遠く離れている、最も遠く離れているところをなぜ単一の区域とみなすようにしたのか。これは根拠はいわゆる出願者が同一である、鉱業権者が同一である、共同事業者が同一である、そういうことであるならば、これは事実上協定でだれに出願権を与えるかということがもうすでに決まっておるということになるんじゃないですか。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど申し上げましたように、日本側の開発権者、これは協定上の開発権者というものの認可というものが、審査などの結果によりまして第一小区域と第九小区域の当事者が異なるということになりましたような場合には、わが方といたしましては韓国側と協議いたしまして、それぞれの小区域の掘削数を別途新たに合意する所存でございます。
○立木洋君 だから、事実上変わらなかったならばということを前提にして決められているわけでしょう。あなたが言う論理になればそうなるじゃないですか。すでにもう前提として決めておるんだと、変わったならばまた協議をして改めてやる、だったら変わらないということを前提にしているんじゃないんですか。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど御説明申し上げましたように、日韓双方の鉱区設定済みのもの、あるいは出願済みのものというもののそれぞれの区域というものが重複するということで組み合わせを見た場合に九つの小区域としたわけでございまして、これを協定上の当初の小区域としたわけでございます。 この第一小区域と第九小区域につきましては、そのような実際上の形から見ました場合に、先ほど申し上げましたような理由から、この掘削数については両方、二つの小区域を単一の小区域とみなしての規定を設けたわけでございますが、協定発効後にこの協定に基づく開発権者が新たに認可されました場合に、現在のように第一小区域と第九小区域の当事者が同じではなくて、異なってくるという場合もあるわけでございます。その場合には、それぞれの小区域の掘削数を韓国側と協議の上別途定めるというのが私どもの考えでございます。
○立木洋君 だからそういう考え方というのは、もともといまのメンバーに鉱業権を与えるということを前提にしておるということになるのです。 通産省にお尋ねしますけれども、国内法で特定鉱業権者の資格については、どういうふうに規定されていますか。
○政府委員(古田徳昌君) 特別措置法案の第十八条第四項におきまして、「大韓民国開発権者と共同して行う天然資源の探査及び採掘並びにこれらに附属する事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。」というふうになっております。
○立木洋君 特定鉱業権者の資格については第九条にも述べられていますよね。
○政府委員(古田徳昌君) 第九条は現在の鉱業法の十七条と全く同じ表現でございまして、特定鉱業権者の資格について、「日本国の国民又は法人でなければ、特定鉱業権者となることができない。」旨を定めたものでございます。
○立木洋君 外務省の先ほど言われたことなんですが、この「協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案」というのを、この協定が通ればこれを出して国内法によって実行するということになるわけですね。ところがこれでは、この十七条の内容、十八条ですか、つまり日本人であっていわゆる「適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力」があれば、これはだれでも鉱業権者になることができる、そういう形で門戸は開かれているわけです。ところが実際にこの協定の内容というのは、すでにいま出願した者に鉱業権を与えるということを前提にした内容として出されておるということであるならば、こんな国内法なんかでわざわざそんなこと決めなくてもいいんじゃないですか。通産省どうですか。その辺はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(古田徳昌君) 私どもとしましては、協定が発効しました後、これを実施するに際しましては特定鉱業権の許可につきましては、別途国会で御審議をいただいております特別措置法案の第十八条の四項の基準に合致するかどうかということで審査をして決めることになるというふうに考えております。
○立木洋君 決めることになると言っても、事前にもう前提が決められてしまうんですね。先ほど言ったように、もう鉱業権者というのは大体こういう人になりますということを前提にして小区域が分けられている。そして掘削義務に関したって、出願者が同一人物だからということで掘削義務まで削減しているわけでしょう。国内法に定められておる、この特別措置法によれば、できるだけ早く掘削義務を与えて早く掘り当ててくれと、掘り当ててできたならばどんどん早く開発してくれと、こういう精神がこれは特別措置法の精神でしょう。同一人物だからといって掘削義務を削減する、だから事実上掘削義務を削減するということは、出願者が引き続いて鉱業権者になるということを前提にしておる協定でないと、そういうふうな掘削義務を一と九鉱区を単一の鉱区と見て義務を削減するというふうなことは考えられないんじゃないですか、それ以外に何か根拠があるんですか、いいかげんな答弁ではなくて、はっきりさしてもらいたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 立木先生の御疑問に答えるためには、この共同開発協定というものがなぜ必要になったかという先ほど来お話に出ております経緯のことを少し思い起こしていただくのがいいかと思いますので、あえて私が御説明さしていただきますと、日本も韓国もこの協定ができます前は、それぞれ自分の大陸だなであるという前提のもとに、それぞれに租鉱権者を決め、あるいは先願主義に基づいてその鉱区の出願を受理していたと、そういう事実があったわけでございます。したがいまして、双方ともに相手の国がまさかそこに大陸だなの権利を主張してこようとは思わない、そういう前提である程度の期待権を持たせている状況のもとで、その権利の重複しているということが明らかになって、それを双方で話し合いの上で解決する、またその解決をするときに主権的権利の主張あるいは境界の画定を最終的に決めるという法的手段がなかったために実際的に解決した。したがいまして、そういう経過をたどっておりますので、全く白紙のところに改めてこの大陸だなをどうしようかといって両者で共同開発を話し合ったわけではなかったわけでありまして、そういう事実関係、そういう経緯というものから見まして、やはりすでに租鉱権を持っている者あるいは先願しておる者、そういう者に対するそれぞれの国の国内法上の利益あるいは期待権と言いますか、そういったものは尊重していかなきゃならぬという事情に双方があったわけであります。 したがいましてこの交渉の過程におきましては、日本側は日本側、韓国側は韓国側で、それぞれ単独開発を前提としてある程度進みかけていたその手続というものを尊重した上で実際的解決をするというので、非常に奇異な感じをお持ちになることは私も理解できますけれども、そういう経過からそういうものが出てきている。 したがいまして、前提といたしましては、本来ならば単独でできたであろうそれぞれの租鉱権者なり開発権者が、鉱業権者が、この協定ができたがために共同開発ということを強いられる形になる。これが結果として出ておるわけであります。したがいまして、前提としてはいままでの手続の上に乗っかったものが恐らくこの協定のもとで共同開発という新たな構想のもとで開発に従事するであろう。したがって、事実上は同じような関係ではありますけれども、法律的にはこの協定が介入することによりまして様子が変わるということで、どちらの面から見るかによってそこのところの割り切り方が違うわけですけれども、それが何となくはっきりいたしませんのは、事実がそういうことから出てきていると、こういうことなんでございまして、これが完全に法律的に割り切れていないというのがおかしいと言われましても、これはいかようにも仕方のない、そういう経緯のもとから出た実際的解決であると、こういうことを申し上げるほかはないということでございます。
○立木洋君 ごまかしをされるならもう少しうまくごまかされた方が私はいいだろうと思う。 第一点、経緯という点でいえば、私はきょうの質問の冒頭でなぜあの問題を出したか。メジャーがここを対象区域として争ったんですよ。そうして、シェルなんかは西日本石油開発を通じて早く先願せい、出願せいと、大体通産省は行政的にはあれしているのは帝石ですか、いわゆる国内的な行政指導として大体行っているのは。いろいろな報道がありますけれども、国内の会社においてもいろいろな対立があり争いがある。そういう状況の中でどんどん出願される、これは日本が先なんですよ、経過から言えば。韓国がしたのが後なんですよ。しかし、実際上、協定のつくられた内容から見れば、こういうメジャーにしろ、こういう開発権者等々の権利が保障されるような内容に実際上はなっているんではないか。いま中江さんは矛盾があるかもしれないけれども、これが経緯から見て現実的だと言われるけれども、一つも現実的ではないです。事実上そういう争いの中で起こってきた経緯を踏まえて、そういうメンバーに、メジャー等々に十分に権益を保障するような内容にこの協定がなっているからこそ、第一、第九小区域を単一区域とみなすというふうな内容が含まれているわけですよ。何も掘削義務を削減しなくたっていいじゃないですか。その第一、第九の掘削義務を削減するという点については通産省はどのようにお考えですか。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど外務省からお答えした内容と同じような形になるかと思いますけれど、この第一区域と第九小区域が、両方とも当事者がその時点で西日本石油開発とコアムということで同じ組み合わせだということ、それぞれがその時点でのそれぞれの国の法律に基づく権利の主張を行っていたという事情、それと水深等を考慮して決めたというふうに私たちとしては承知しております。
○立木洋君 通産省先ほど言われたけれども、国内法で言えばすでにだれも決まってはいないと、開発権者はだれも決まっていない。実際にはその後十分な慎重な審査を経て決定されるものだというふうに言われたわけですね。だけど、事実上決められることが前提とした内容に協定文はなっているんです。 それからもう一点では、この掘削義務を削減する、いわゆるこの特別措置法で、まだこれは発効していませんけれども、提出されている内容から言うならば、できるだけ速やかに掘削もやり、ですから八年間に三本ということが割り当てられているわけでしょう。業者がサボって、権益だけ持って一つも掘ろうとしないというふうなことでは困るんで、だから八年間に三つは掘ってください。そして、さらに内容を見ていきますといろいろと義務が課せられているわけですね。二十六条では採掘転願命令まで出しているわけでしょう。そういうことまで規定されておる。二十五条では共同開発鉱区の減少の問題も出しておる。だから、これはできるだけ速やかに掘って、そしてエネルギー問題を解決しなければならないんだという精神で、賛成か反対は別にして、そういう精神で出されているものだろうと思うのですよ。ところが、 一方ではそういうふうに第一と第九、これは全く飛び離れておる。あるいは第一と第二と近いところがひっつけられるというなら、これはわかりますよ。あれは小さい区域がいっぱいつくられているわけですから、面積が小さいから、だからそこで八年間に三本掘るのは大変だろうから一と二は一緒にひっつけても構いませんよというような話なら、またこれは別の問題として考えられます。しかし第一、第九——第九といったらこれは広いところです、しかも一番離れている。とにかく全く出願者と鉱業権者が同一であるということだけで掘削義務を削減しているということであるならば、これはすべてに門戸を開いておるという観点から見ても、速やかに掘って掘り当ててほしいという考え方から見ても、協定の内容と矛盾してるんじゃないですか、どうなんです。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど中江局長からの御答弁がございましたように、この協定に、……
○立木洋君 中江さんの答弁引く必要ないですよ。
○政府委員(古田徳昌君) 協定の話の時点におきますそれぞれの国の事情、日本側におきましては鉱業法に基づきます出願をしている会社が権利主張を行ってきたというふうな事情等考えまして、協定上こういうふうな取り扱いになったというふうに承知しているわけでございます。
○立木洋君 じゃ、そういうふうなことが前提になっておってもやむを得ない、外務省のおっしゃるとおりです、通産省としては、これはこの特別措置法で早く掘るように言っているけれども、それは結局言うだけであって、内容はどのように掘削義務が削減されておろうともやむを得ませんと、そこまで追随的な態度をとられるわけですか。通産省はそれで結構なんですか。
○政府委員(古田徳昌君) この特別措置法におきましては、先生御指摘のとおり、掘削義務とかあるいは鉱区の放棄義務とかいうふうな従来の鉱業法に取り入れてない概念が入っているわけでございます。そういうことで、私どもとしましても、特定鉱業権の付与に当たりましては、技術あるいは経理的基礎といったふうなことをその審査の内容とすることを取り上げているわけでございますが、この結果、先ほどの若干の調整措置はこの法案の附則等で行われておりますけれど、いずれにしましても、審査等の結果、第一小区域と第九小区域の当事者が異なるというふうなことになった場合には、私どもとしましては、韓国側との協議に基づきます合意を経た上でこの特別措置法案の三十四条に基づきますおのおのの小区域の掘削数を通産大臣は指定するという形で実施したいというふうに思っております。
○立木洋君 この特別措置法の問題に関しては、どうせまたこれは大変な議論になるでしょうし重大な問題点を含んでおるので、それはその時点のまた議論に譲ることにしますけれども、問題は、このようにメジャーがこの地域で鉱区権を取得するというふうな対象地域としてこの地域を設定して、それを事実上保障する形にこの協定がなっておる。そういう意味では、大半の権益をメジャーに売り渡し、また、仮に石油が出た場合でも、日本に来るかどうかも保証されていないということもきょう午前中の議論の中でも明らかにされた点だと思うんです。そういう意味で、この協定というのがきわめて重大な問題を持った協定であるということだけをまず一つ指摘をしておきたいと思います。 次に、先ほども問題になりましたけれども、この大陸だなの境界画定についての問題ですが、韓国側がなぜ中間線による境界画定を認めないのかという点をもう一度整理して、何点彼らが挙げているのか、説明していただきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 韓国側が中間線による境界画定を認めない基本的な理由は、この大陸だな部分については、日本は大陸だなに対する主権的権利を行使する権限が国際法上ないという立場をとっておるからであります。
○立木洋君 そこでお尋ねしたいわけですが、いわゆる大陸だなの定義で、先ほども問題になりましたけれども、この六十四条で、「沿岸国の大陸棚とは、海底地域の海底であってその国の領海を越えその陸地の自然の延長をたどってコンチネンタル・マージンの外縁までの部分、」というのが一つですね。「又はコンチネンタル・マージンの外縁までの距離が領海の幅員を測定する基線から二百海里ない場合には二百海里までの部分をいう。」、この二つの内容が出されておると思うんですが、この二つの内容というのはどういう関係があるんですか。
○政府委員(村田良平君) どういう関係かという御質問の御趣旨を必ずしもよく理解しておらないかもしれませんが、従来のこの大陸だなに関する海洋法会議の議論を踏まえて考えますと、当初は、その陸地の延長がどこまで延びるか、要するに大陸だなの外縁が二百海里を越えた場合でもそれを認めるのか認めないのかという議論がまずあったわけでございます。その点はまだ決着がついておりませんけれども、二百海里を越えてコンチネンタルマージンまで認めるという議論がいまや主流になっておるということは言えるわけでございますが、そういった議論が行われましたある段階で、その二百海里に必ずしも満たないけれども、まあかなりの長さの大陸だなを持っておるという国々もございまして、そういった国が、一律の少なくとも二百海里までは大陸だなとみなすというふうに取り扱うのが妥当ではないかという主張をいたしまして、そういった議論を踏まえまして、一応交渉のたたき台として取りまとめたのがこの六十四条の規定でございます。したがいまして、この六十四条の規定どおりに海洋法会議がまとまるかどうかということはまだ即断できないわけでございますけれども、従来の会議の感じから申しますと、二百海里以遠の主張というものも非常に強い。それを認めるならば、せめて二百海里までは一律にということになる公算が大きいということは言えるかと思います。
○立木洋君 もちろん、まだ決まっていないことを前提にして話しているわけです。ですから、この二つの部分というものは大陸だなの定義としてはまあ同等の意義を持つわけでしょう。
○政府委員(村田良平君) まあ意義としては同等と言えるかもしれませんが、規定ぶり自体からいたしますと、まず、その自然の延長で二百海里以遠というのがいわば第一義的な基準でございまして、この二百海里に満たない場合というのは補助的な基準ということは言えるのではないかと思います。
○立木洋君 その補助的なというふうな意味はどういう意味ですか。
○政府委員(村田良平君) 本来大陸だなと申しますのは、これは一九四五年以来の国際法の生成過程から見てみますと、やはり物理的にある国の領土が海底に延びておるという、いわばそういう事実を基礎としてできた制度だと思うわけでございます。この六十四条の第二文の場合には、それが通常の観念で言いますともはや陸地の通常の延長ではなくて深海海底になっておるというふうなところも、いわば創設的な合意を今回海洋法会議でいたしまして、新たに大陸だなとみなすという意味でございますので、大陸だな制度の歴史的な変遷ということから考えますと、後者の方は補助的といいますか、新たに今回つくり出されるかもしれない制度、それに対して、まあ二百海里で切るかそれよりもその以遠まで認めるかという点には議論はございますけれども、陸地の自然の延長が大陸だなであるということはすでに確立しておる原則でございますから、そういった意味で補助的と申し上げたわけでございます。
○立木洋君 その補助的というのは、事実上結論が出された場合、どういう結論になるかというのはまだ確定していないわけですし、その補助的だというふうな意味がいま言われたような意味であるならば理解できないことはないけれども、しかし、そういうふうにこの二つを主張するというのは、私はいまの段階で適当でないだろうと思うんです。 もう一点お尋ねしておきますけれども、それならばこの経済水域と大陸だなという関係はどういう関係になりましょうか。
○政府委員(村田良平君) 従来、海洋法会議におきましては、経済水域と大陸だなはそれぞれ全く別個の制度ということで議論をされておりまして、単一草案におきましてもそれぞれ別個の章を設けまして規定が置かれておるわけでございます。もちろん、その章の中には若干両者の関係に言及したような条項はございますけれども、基本的にはそれぞれが別個の国際法上の概念であり制度であるということで交渉が行われておるわけでございます。したがいまして、現在のところではこの両方の関係を調整するというふうな規定もございませんので、特別にどういう関係になっておるかということは、海洋法会議の議論なりあるいは単一草案の規定からは出てこないのでございます。
○立木洋君 それでは、この間、これは衆議院でしたか、この改訂単一草案において経済水域が大陸だなに優先するという規定はない、今後の海洋法会議の過程で大陸だなの沿岸国の権利が経済水域の沿岸国の権利と同等ないしそれ以上とされる可能性も十分考えられる、というふうな主張をされておるのを読んだわけですけれども、これはどういう意味でしょうか。
○政府委員(村田良平君) 大陸だなは、国際法上の概念としましてはすでに長年にわたって定着しておるわけでございまして、一九四五年以来の制度でございますし、また五八年の大陸だな条約というもので成文化されておるわけで、各国がすでにそれぞれこの大陸だなという概念に基づきましていろんな制度をとったりあるいは条約を結んだりしておるわけでございます。それに反しまして経済水域と申しますのは、本来は漁業に関するまあ管轄権を行使し得る水域というものを中心にして距岸二百海里の水域が、いろいろ議論された結果、その管轄権の範囲が拡大してきたという経緯にあるわけでございまして、そういった意味で、国際法上見ましても生成過程にあると申しますか、まだできておらない制度である、そういう点が基本的にあるわけでございます。そこで、海洋法会議でいろんな各国の議論を見ますと、この経済水域というものを創設することは結構だと、しかしながら、それは既存の大陸だな制度というものに影響を与えるべきものではないというふうな主張がいろんな国から行われておるということが海洋法会議の現実なわけでございます。 さらに、規定ぶりから申しましても、単一草案のたとえば四十四条の三項を見てみますと、海底資源に関する沿岸国の管轄権というものに関しては大陸だなの条項でこれを取り扱うということが規定されておるわけでございまして、経済水域に関する条項のほとんど大部分は漁業に関する規定が設けられておる、こういうことになっておるわけでございます。 それから、定着性の生物資源に関しましても、これは従来から大陸だな条約等によりますと、大陸だな資源の一部という考えがあるわけでございますが、この改訂単一草案の経済水域に関します条項の中には、定着性の生物資源については経済水域ではなくて、大陸だなに関する条項を適用するという規定が第五十七条に置かれておるというわけでございます。こういった規定が、果たして大陸だな資源については大陸だな制度の方が優先するとまで読むべきかどうかという点は、これは議論のあるところだろうと思います。 いずれにいたしましても、従来の海洋法会議におきます議論を見てみますと、大陸だな制度というものは覆せないという前提で経済水域に関する議論が行われておると、かつ、この両方の制度を調整しようという努力は行われておらないし、今後も行われないであろうというのが見通しでございます。
○立木洋君 つまり、大陸だなの沿岸国の権利の方が経済水域の沿岸国の権利と——それ以上とされる可能性も十分考えられるということになれば、これは問題が違ってくると思うんですよ。いま言われたように、まだ経済水域というのは確定された内容ではないし、将来の問題になるだろう。しかし、大勢としては経済水域二百海里というふうなことが決まっていくというようなことは、これはもう大勢は変わりないだろうということになるわけで、そうした場合にこの四十四条、先ほど言われたけれども、排他的経済水域、これは漁業の問題だというふうにおっしゃったけれども、これは漁業専管水域とまた違って、排他的な経済水域としてはいわゆる「海底及び上部水域の生物・非生物を含む天然資源の探査、開発、保存及び管理の目的上、主権的権利」というふうに書いてあるわけですね。いわゆる海底まで含んである。だから漁業だけの問題ではもちろんない。するならば、海底及びその地下、上部水域両方合わして沿岸国の主権は大陸だなでも認められる、経済水域でも認められるということであるならば、いまのあそこの経済水域、共同開発地域というのは、いわゆる将来二百海里、これはいまのところはあそこは線引きしてませんけれども、もちろん今度の二百海里の宣言では。しかしそういうふうになった場合には、当然あれはわが国の二百海里の経済水域に入るんでしょう。
○政府委員(村田良平君) どれだけがわが国の経済水域になるかということは境界画定の問題でございますけれども、経済水域に関しましては自然の延長というような事情もございませんので、中間線をもって律するというのが妥当な境界画定の方式であろうと思います。その限りにおきまして、この水域はわが国として経済水域を韓国との場合に境界画定をするといたしますと、中間線ということを主張することになりますから、その中間線よりもわが国の部分はわが国に属する経済水域であるという主張になるかと思います。
○立木洋君 ややこしいことを言わなくてもいいんですよ。どう主張してどう決まるかということは別にして、三百海里が宣言される場合になったら、あそこは二百海里内に全部入るんでしょうということを聞いているんです。韓国とどうするかというようなことまで聞いてるんじゃなくて、あの地域というのは全部入るんでしょうということです。
○政府委員(村田良平君) 入ります。
○立木洋君 だから結局いわゆる将来、いまの世界的な趨勢から見れば二百海里の排他的経済水域、これは上部水域だけではなくて海底の資源まで含めて、それに対するここで述べられているように、いわゆる天然資源の探査、開発、保存等々、それは主権的な権利として認められる内容というのがすでに四十四条で出されております。もちろんまだ決まっていません。これが決まるというのが趨勢である。するならば、その二百海里経済水域の大勢になる状態の中で、事実上日本の主権的な権利が及ぶ経済水域が共同開発になっているという点ですね。これが一つ問題だと思うんです。 それからもう一つ、その点については後ほどもう少し議論しますけれども、もう一つの点については、この六十四条の大陸だなの定義で、いわゆるコンチネンタルマージンというふうな表現が使われているわけですけれども、これは大陸外縁というんですか、これはいろいろと国連でも討議されて幾つかの規定があるだろうと思うんですが、このコンチネンタルマージンというものについてはどういうふうなものなのか、その規定がどうなっているか、説明をしていただきたい。
○説明員(井口武夫君) コンチネンタルマージンに関しましては、確かに客観的に技術的にこれを具体的に決めたいという考え方はございまして、昨年のニューヨークの春会期の委員長の実は報告でも、このコンチネンタルマージンの境界というものを正確に定義されることが必要であると。しかしながら、正確な境界に関する点は非常に技術的なものであって、専門家の討議にゆだねたいということで、実は夏会期にこの点を議論をしようという考え方を委員長が出したわけでございますけれども、しかし、昨年の夏に専門家がこれを技術的に討議するというような形では実は必ずしも審議は進みませんで、これは今後そういう点がさらに詰められる可能性もございますけれども、やはりコンチネンタルマージンというのは、地質学的に大陸の延長であるということで、自然延長のコンチネンタルマージンというのは地質学的な概念でございますけれども、それをさらに詰めてどういう形で定義するかというのはなかなかむずかしいということでございまして、まだ今後詰められる可能性もございますけれども、現在、それがさらにどういう技術的な形になるかということをはっきり申し上げることはまだ予測できないということでございます。
○立木洋君 それはおかしいですね。まだ最終的に決まってないという意味については、いろいろ検討されているということについてはわかりますけれども、国連の広報センターが出しておる資料見てみますと、専門家、学者が検討した内容として、海底用語解説というのを出してますね、あれにはコンチネンタルマージン等についてはどういうふうに述べられていますか。
○説明員(井口武夫君) 実は、正直申し上げてその点どういうふうに書いてあるか、私ちょっと現在それを見ておりませんのであれでございますけれども、ともかくコンチネンタルマージンの外縁というものについて客観的に技術的に詳細な定義ということを設けるということがまだ具体的に煮詰まっていないということでございますが、恐らくいろんな学者の議論がございまして、それからもちろん、たとえば石油会社とかそういうところでもいろんな考えがあるようでありますが、これが具体的にどういう形になるかという点については、技術的に専門的な形で煮詰まっていないということでございます。
○立木洋君 コンチネンタルマージンの問題は、今度の日韓大陸だなのいわゆる自然延長か中間線かということを議論した場合に問題にならなかったわけですか。
○政府委員(中江要介君) 協定の第二十八条にございますように、日韓双方が大陸だなに対する権利主張を国際法的にどういう立場で主張するかということは、この共同開発協定では何ら決めていないと、その点は論じないということで実際的解決をしたわけでございますので、おまえの主張している大陸だなの主張はここまでであるべきだという議論を始めますと、これは日本はそれを認められない立場に立っておるわけでございますので、お互いに相手の国の大陸だな主張というものを論じない。したがって、その前提といたしまして、大陸だなの外縁がどこで果てるかということを議論することは南部共同開発協定の場合には必要がなかった。北部の境界画定につきましてはそういう問題がありませんので、素直に中間線で境界が画定された、こういうことでございます。
○立木洋君 だけど、韓国側がいわゆる沖繩の近くに海溝があるから、だから自然延長だ、そこまでわれわれの大陸だなだ、そういうことを主張したというのでしょう。日本側としては中間線説ですと言って主張したというのでしょう。その場合に問題にならなかったのかというのです。そんなことを言い出したらまとまらないからではなくて、日本側としてはそのコンチネンタルマージンの問題をきちっと踏まえた考え方を持っておったのかおらないのか。
○政府委員(中江要介君) 日本側はこの海溝がありましても、それを無視して一つの大陸だなだという主張しかしなかったわけでございます。したがって、韓国が主張してくるところの外縁がどこが妥当であるかということを議論することがわが方の立場の譲歩になる、こういう関係であったわけでございます。
○立木洋君 そうしたら、その無視した根拠というのはどういう形で無視したわけですか。海溝ではない、一つの大陸だなだと。それはコンチネンタルマージンの問題が根拠になければ問題にならないわけでしょう。だから、どういう根拠でそういう立場に立ったのかということを説明してください。
○政府委員(中江要介君) 日本の立場は、沖繩海溝というのは一つの大陸だなの中に切れ込んでいるみぞといいますか、ひだというものにすぎないので、大陸だなは琉球列島のさらに外洋に向かって中国及び朝鮮半島から延びて、そして琉球列島の外で太平洋に向かって終わっている、こういう立場をとったわけでございます。
○立木洋君 私は、あちらの方が説明してくださるだろうと思っておったんだけれども、読んでおらないと言うから私の方から言いますけれども、国連広報のセンターが出された資料ですね、CESI・FACTSというのが一九七四年の十二月に海底用語解説というのを国連の責任において出しているわけですね。 これを見ますと、海底のぐあいを全部詳しく述べてあって、海岸からコンチネント、それからシェルフの部分に至り、さらにはスロープ、ライズと、全部区別をして解説がされてあります。結局、コンチネンタルマージンというのはコンチネンタルスロープのふもとから、通常水深二千メートルから五千メートルの範囲の深海にまで広がっている。ですから、海底が全く平らになるその起点まで、コンチネンタルマージンとしてそこまでがいわゆる大陸だなの延長として認められるというふうに述べられているわけですが、沖繩海溝の深いところで一体何メートルあるんでしょうか。
○政府委員(中江要介君) 深さは四百メートルないし二千メートル、大体の深さでございますが、そういうふうに見ております。幅は百三十キロから二百三十キロ。
○立木洋君 だから、ここで言われておる国連の解説用語を見ても、五千メートルの範囲の深海にまで広がっているということでありますから、これは事実上国連の学者、専門家等々が研究をして出された海底用語解説の内容であるわけですから、それはまさに日本側が主張していささかも韓国側に譲るべき内容ではないわけですから、その点ももう一点ここではっきり指摘をしておきたいと思います。 もう一点は、いわゆる隣接国または相対する国との間の大陸だなの境界画定の問題であります。七十一条に述べられてあります、今度の単一草案の。ここで述べられている、つまり「大陸棚の境界画定は、適当な場合には中間線又は等距離線を用い、かつ、すべての関連する状況を考慮に入れ、衡平の原則に従って合意によって行われるもの」と、この「適当の場合には中間線又は等距離」という「適当な場合」とはどういう意味なのか。「かつ、すべての関連する状況を考慮に入れ、」とはどういうことなのか。「衡平の原則に従って合意によって行われる」というのは、そういう三者との関係でどういうことになるのか、説明をしていただきたいと思います。
○説明員(井口武夫君) まだこれ交渉中の草案でございまして、いろいろ議論のあるところでありますし、用語も非常に抽象的な面がございますから、確定的なことを申し上げることはまだ慎重にしたいと思いますけれども、原則は「衡平の原則に従って合意によって行われる」ということが基本でありまして、衡平の原則というものがどういうものであるかは、これは御存じのとおり六九年の国際司法裁判所の判決とか、そういうものもございますが、このエクイティーという観念は法律的に非常に長い間使われておりまして、具体的にどういうことかと言えば、結局は関係国が公正で、大陸だなの分割というものが双方納得いくような、十分に満足し得るようなものであるということが一つの常識的な概念としてあるわけでございますが、その場合に、「適当な場合には中間線又は等距離線」という「適当な場合」というのはまさに「衡平の原則」に合致するということになるのではないかと思います。 それから、「すべての関連する状況を考慮に入れ、」というのは、これもいろいろ議論があるところでございまして、「すべての関連する状況」というのは、それぞれの国の立場から、やはり自分たちは重要な要素であるということを当然主張するわけでありますけれども、たとえば、まさに自然の延長とか、地質学的なものとか、あるいは海溝とか、海岸線の長さとか、資源の賦存状況とか、島とか、いろいろな関連ある状況があると思います。これも国際司法裁判所で一つの考えるべき要素というものを幾つか例示しておりますけれども、やはり結局はその交渉する相互の国が自分の立場から非常に重要な要素であるという点を結局主張して決めるということでございまして、非常に明確に「関連する状況」というのはこうだというようなことが、現在有権的に海洋法条約で決まっているということではございません。
○立木洋君 わかったようで、わからぬようで…… 結局、「衡平の原則に従って合意によって行われる」と、いろいろな状況を想定するけれども。だから、衡平の原則というのが貫かれなければならない。そうすると、あそこは韓国は自然延長でわれわれのたなだと、しかし日本側としてはあの海溝は問題にならない、これは同一のたなであるという主張する根拠はあるわけですね。そして、ましてや経済水域二百海里というふうな問題になれば、あれは何も一緒にやらなくたってこれは日本の主権の及ぶ範囲内ですから、日本で開発するということだってできる、そういうことが主張すればできるところだ。ましてや、先に日本の企業があそこに先願しているわけでしょう、鉱区を。申し出ているわけですよね。だから、そういうもろもろな状況を考えてみても、これは何ら韓国に譲らなければならないという根拠は一つもない。今度また来週になったら議論されるでしょうけれども、日ソ漁業交渉の場合でも私はそうだと思うんですよ。やはりぴしっと筋を通して主張すべきことは主張する、そして絶対に曲げるべきでないことは曲げないという態度を貫かなければならない。それにもかかわらず、この場合には韓国側に譲っていわゆる共同開発、まさにいままで歴史上かつてない、よい方法とあなた言われたけれども、私にすれば最も悪いやり方ですよ。未来に重大な禍根を残す、権益を何しろ五十年間も売り渡すわけですから。こういうふうなやり方にした、いわゆる共同開発に踏み切った原因は一体どこにあるんですか。
○政府委員(中江要介君) まず、この共同開発協定で韓国に譲歩したとおっしゃいますけれども、法律的な立場を譲歩しているわけではないということは、先ほど申し上げましたように韓国側も譲歩しておりませんし、日本側も譲歩していない、これは協定二十八条に明確になっております。 そこで、この共同開発という方式に踏み切ったのはなぜか、立木先生のお立場ですと、わが方の立場はあらゆる面から支持ができる、韓国のこれに対する主張は根拠がないというお立場ですが、これは私どもが韓国と交渉するときにとった立場であったわけです。ところが、韓国の立場にもそれなりの理由があるわけでございまして、これは先例その他から見ましてもこの程度の海溝を無視していいのか、考慮に入れるべきかというのは、これはやはり大問題であったわけです。 「適当な場合には中間線」でというその適当な場合とはどういうところかといいますと、北部の境界画定協定のような場合なわけです。北部の境界画定協定はごらんになりますとはっきりいたしておりますように、中間線で明確に境界が画定しておる。これは中間線が適当な場合であったわけでございますが、南部はそれが中間線が適当でない場合、いろいろな要素を考慮に入れて衡平の原則でどこで線を引くのがいいかという点については、これは日韓間で交渉いたしましたときに、そもそもの出発点で、これは境界画定になじむ大陸だなか、そもそも境界画定を必要としない、韓国だけの大陸だなかということが問題の出発点であった、こういうことでございますので、この平行線を割り切るだけの材料が国際法上まだ与えられていないというのが現状なわけです。日本は与えられていると言いますし、韓国も韓国の立場について与えられていると言うわけです。 したがいまして、これを法律的に決着をつけるためには国際司法裁判所に持っていくのが一番適当であるというのがわれわれの判断でありましたけれども、これに韓国が応じない、また韓国が応じないことについて現行国際法上韓国を責める理由がないというこの事情は御承知のとおりです。 そういたしますと、無限にと言うと大げさかもしれませんが、平行線の法律論議をいつまでも続けていくのが賢明か、それとも法律論はたな上げにして実際的解決をするのが賢明かという判断の問題に差しかかったのが昭和四十七年のころだったわけです。そのときにもうこれ以上放置、放置といいますか、法律的に決着がつきませんと、韓国は韓国で国際法上の根拠がありと思ってやっております、そのいまの共同開発区域に当たりますところに試掘の井戸を掘るという準備を着々と進めているという状況にあったわけです。そういうところで、日本としてはそれはどうしても日本の立場からすれば日本の大陸だなに対する侵害であるということで、むしろここの場面は何らか実際的解決が図られた方が、そしてそのことによって大体の目的は法律論争をすることが目的ではなくて、資源を開発することが目的であったはずでありますので、日韓双方とも法律的な立場をたな上げにして資源を開発する方法はないものかということで政治的な判断といたしまして実際的解決を図るということになりまして、そしてその実際的解決を図る方法の中に、たとえばオーストラリアとインドネシアがやりましたように、チモール沖のように、中間線でないほかの条件を考慮に入れた衡平の原則に基づく別の境界線を画定するという方法も一つであったでありましょうし、この共同開発という方法も一つであったでありましょうし、あるいはジョイントベンチャーを新たに設立してやるという方法もあったでありましょう。その中でこの共同開発という、これは国際司法裁判所の意見の中にも、こういった場合には、北海大陸だなの場合にこういうふうに権利の主張が重複した場合の解決の仕方の一つの方法として示唆されております共同開発という方法によるということで政治的に決断されまして、それに基づいて事務的に作業してつくり上げたのがこの協定である、こういうことでございます。
○立木洋君 韓国の主張にも根拠があるというふうに言われたわけですけれども、韓国の主張にも根拠がある、だから日本の主張には根拠がなくなったということなんですか。そうではなくて、韓国の主張にも根拠がある、日本の主張にも根拠がある、それをてんびんにはかって、そしてやむを得ないと妥協したんですか。日本の主張に根拠があるという立場がなぜ貫けなかったか。
○政府委員(中江要介君) これは全く相手に法的根拠がないときでありますれば、恐らく法律論争しているうちにやっぱり自分が間違ったなということで解決の道が開かれるということがあるかもしれませんけれども、この場合には韓国は韓国としてずいぶんいろいろ国際法学者の論説だとか国際司法裁判所の判例だとか、あるいは国際社会における先例だとか、そういうものを持ってきて、そして韓国の立場を裏づけたわけです。これに対しまして、日本ももちろんあらゆる勉強をいたしまして日本の立場の正当性を主張したわけです。それはついにどちらも引かなかった。したがって、てんびんにかけることができなかったわけです。てんびんにかけるというのは国際司法裁判所に持っていきましてどっちの法的根拠が重いかということの判断を求めるわけですが、てんびんにかけるところに韓国を連れ出すということができない現状でありましたために、この両方の主張を延々と続けるよりは、やはり本当の目的である資源開発の方に着目した方が国の利益になるという判断がなされたと、こういうふうに御理解いただきたいわけでございます。
○立木洋君 結局、先ほど来私が指摘しておりますように、沖繩の海溝というのは問題にならないと、われわれの権利を主張する場合に。それから同時に、いまの経済水域の国際的な議論の趨勢から見て、経済水域二百海里ということは遠からず設定される。ところがこの協定は五十年ですからね、何も一年二年じゃないんです。五十年間も経済水域が決まらないというふうなことじゃないんですから。それからまた、相対する国の大陸だなの画定の問題については、先ほどわかったようなわからないような御答弁いただきましたけれども、適当な場合には中間線説ですね、中間線または等距離線を用いて、基本は衡平の原則に従ってということであるならば、いろいろ条件を出し合って双方で合意できるようにすべきであって、向こう側の方が有利な主張であるというふうにはならないです。ですから事実上これは韓国側に譲歩をしたと、両方が主張して、日本側は日本側で根拠のある主張をして、そして日本側としては最後までそれを主張すればいいんですよ。なぜ日本側が引いたのか、そして日本の権益の及ぶところに共同開発をやるという結論を引き出したのかということが問題だと思うんです。 きょうの部分の最後のところを言いますけれども、二十四日の日に局長が共同開発に至った経緯を述べたときですね、いまの問題と関連してですけれども、いわゆる自分たちの大陸だなであるということをわれわれ日本側は主張した、しかし共同開発でなければ韓国は単独開発をする。これはまた国際司法裁判所に出しても相手が受けないというふうな問題があって、そういう経緯を踏まえて高度の政治的な判断をしたものだというふうに述べたわけですね。高度の政治的な判断というのはどういう判断ですか。
○政府委員(中江要介君) それは法律的立場をたな上げにして実際的解決を図って、資源の開発に着手するという判断でございまして、いまの立木先生の御質問の中にございます日本側だけが譲ったという認識は、私どもはそういう認識ではございませんで、これは韓国の国会でも議論されておりますが、韓国の立場からいたしますと、共同開発区域の部分は韓国が単独で開発できるところである、それを日本に半分譲ったと、こういうふうになっておるわけでございまして、まさしく両方が半分ずつ譲っている。したがいまして、共同開発という形が、そういう意味で法律的立場をたな上げにして実際的解決を図るという方法としてすべてを折半していくということにはそれなりの根拠があると私どもは思います。 それで、どういう政治的判断かという御質問に対しましては、私いま申し上げましたように、法律論争をいつまでも続けるよりも、その法律論争をたな上げにして、まず資源の開発のために実際的解決を図るべきであると、これが政治的判断であると、こういうことでございます。
○立木洋君 最後に。 きょうはすべてもうこれで議論尽くすわけにいきませんので、きょうの質問を終わるに当たってですが、実際にはこれは日本側が韓国に譲ったと、主張の内容ですね。そういうことだけを私は主張しようとは思っておりません。基本は、いわゆるメジャーの権益を保障するという状況がこの協定の内容として私はある。事実上メジャーがこの地域において石油の権益を握り締めるということがその根底にある。 いま言われた高度の政治的な判断を下したという点について、最後に外務大臣の所見を伺いたいわけですが、この高度な政治的な判断を下したというのは、法律論争をたな上げにしていわゆる共同開発に踏み切るという結論を下したことだと言うけれども、なぜそういう結論を出したのかという点について説明していただきたい。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私、当時の実情を詳しく知っているわけではございませんけれども、しかし、単独開発の挙に出られた場合に、日本としては大変困った立場になるわけであります。それは紛争というものは平和的に解決をしなければならない、そういう立場にあるわけでありますし、日本としては平和憲法をいただいているわけでありますから、したがいまして、先方があくまでも単独開発ということをやられたときには、日本としては本当に困る立場になろうと思います。そういうことを争いを続けていくということよりも、開発を急いだ方が平和的に解決するという意味できわめて適切なことである。 それが一つでありますが、資源の開発というものが、先ほどメジャーのお話が出ましたけれども、メジャーが完全に支配をするという場合におきましてはいろいろな独占的な弊害が予想されるわけでありますけれども、仮に、韓国の背後にメジャーの資本力がある、こういう仰せでありますが、共同開発いたしましても、これはやはり日本とフィフティー・フィフティーで開発をするわけでありますから、メジャーがいろんな意味で本当の被害が起きるということはあり得ない。これは日本の企業といたしましては通産省の方でこれは監督下にあるわけでありまして、それはメジャーが世界的にまだまだ力を持っているということは事実でありましょうが、この共同開発につきましてメジャーが参加することによって非常な不公正なことが起こるということは予想されない。私はその点は心配をする必要はないのではないかというふうに考えておる次第で、ただいまいろいろな御指摘ありましたけれども、やはり日本としては、資源が開発できることが日本としては非常に必要なことであるということ。それから、これは一つの事業をやります場合に、いろいろな出資を集めてやるわけでありますけれども、仮にこの開発というものが失敗した場合のことを考えれば、これもいずれにしても国家資本の損失になるわけでありますが、その場合でもそれは半額で済むことは確かである。 そういう意味で、必ずしも、決して共同開発がマイナスになることばかりではなく、大変結構な開発の仕方であるという考え方もできるわけでありますから、この共同開発というものが非常に国益を損じているのではないかというような考え方は、私は必ずしも適切じゃないんじゃないか。これからはやはり国際協力をして事業をやっていくということもこれは一つの道であると思います。そういう意味で、大陸だなとか、あるいは将来海洋法の結果どのように経済水域というものが設定されるか、これは今後の問題でありますけれども、そのときの日本の主権的な権利の問題、この点については協定によりまして何ら立場を損じないということをうたってあるわけでありますから、その点はひとつ御理解を賜りたい、このように考えております。
○立木洋君 最後に一言。 反論したい点がたくさんあるんですが、もうきょうは時間がありませんので、次回に反論を含めて質疑をしたいと思います。
○委員長(寺本広作君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後九時十六分散会