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80回国会参議院1977/05/24

外務委員会 第12号

発言数
280
登壇者
15
会派数
2
開催日
1977/05/24

会議録

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  去る五月二十日、安永英雄君が外務委員を辞任され、その補欠として青木薪次君が選任されました。  また、去る五月二十一日、長田裕二君及び小林国司君が委員を辞任され、その補欠として矢野登君及び木内四郎君がそれぞれ選任されました。     —————————————

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院送付)を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。鳩山外務大臣。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、改正の第一は、在外公館の設置関係でありますが、昨年独立承認いたしましたアンゴラ及びセイシェルの両国にそれぞれ兼轄の大使館を設置するほか、マレーシアのペナンに総領事館を、パラグアイのエンカルナシオンに領事館をそれぞれ実館として設置いたしますとともに、既設の一部の公館につきまして国名、首都名の変更に伴う所要の改正を行うこととしております。  次に、改正の第二は、在外職員の在勤手当関係であります。新設する在外公館の在外職員の在勤基本手当の基準額を定めるほか、子女教育手当につきましては、その月額を改定することとし、住居手当につきましては、特定の在外公館に勤務する在外職員で館長代理となるべきもののその職務の特殊性にかんがみ、住居手当の月額の限度額を調整することといたしております。  なお、本法律案は、昭和五十二年四月一日に施行されることを想定しておりましたが、これが実現されませんでしたので、所要の調整を行うため、衆議院においてその附則の一部が修正されましたので、申し添えます。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  以上でございます。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 以上で説明は終わりました。     —————————————

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 次に、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、派遣委員の報告を聴取いたします。亀井君。

亀井久興自由民主党

○亀井久興君 委員派遣について御報告いたします。  本委員会の寺本広作委員長、大鷹淑子理事、小柳勇理事、青木薪次委員、大塚喬委員、矢原秀男委員、渡辺武委員及び私の八名は、ただいま議題となっております日韓両国に隣接する大陸棚の北部境界画定に関する協定及び南部の共同開発に関する協定の審査に資するため、一昨日と昨日の両日にわたり、福岡県に派遣されました。  現地におきましては、まず一昨日、協定関係水域の概況、日韓共同開発区域の石油開発に伴う諸問題等について、水産庁福岡漁業調整事務所、海上保安庁第七管区海上保安本部、長崎県及び福岡県当局からそれぞれ説明を聴取いたしました。  それによりますと、日韓共同開発区域を含む東シナ海、黄海は豊かな漁業資源に恵まれ、東経百二十八度三十分以西の海域では、以西底びき網漁業が行われ、その漁獲量は全体で約二十一万トン、うち共同開発区域内で約二万トン、アジ、サバを対象とするまき網漁業は全体で約三十五万トン、うちこの区域で約九千トンから二万トンを漁獲し、中型タイはえなわ漁業も共同開発区域附近で盛んに行われているということであります。また、この附近はアジ、サバの主要産卵場でもあります。かかる漁業上の観点から、共同開発区域の開発によって関係漁民が不利益をこうむることのないよう十分な対策を講ずるとともに、海洋汚染事故防止のため万全の措置を図られたい旨の要望がありました。次いで昨日は、海上保安庁のYSH型機に搭乗して、約三時間にわたり協定関係水域を視察いたしました。  飛行コースについて申し上げますと、福岡空港を離陸した搭乗機はまず北西の方向に向かい、国際海峡である対馬海峡東水道から西水道に出て、韓国の釜山をかすかに望みながら機着を南に転じ、北部の大陸だな境界線の日本側沿いに南下し、共同開発区域の北部を視察しながら再び北に向かい、鮫瀬岩礁の上空から男女群島、五島列島を通過して帰路につき、実感を深めて福岡空港に戻った次第であります。以上御報告いたします。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 以上で報告は終わりました。  これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 私は、日韓大陸だな協定の批准同意案件について、外務大臣、通産大臣その他関係機関の皆さんに質問をいたしたいと存じます。  この日韓大陸だな協定の現在に至るまでの経過を若干振り返ってみますと、東シナ海の海底資源が注目されるようになったのは、六八年エカフェによる調査によって、世界で最も豊富な石油埋蔵地帯であると発表されて以来であります。この大陸だな開発については、メジャーと朴政権が結託と申しますか、結託をし、大陸だな自然延長論に基づき、韓国の朴政権は、七〇年海底鉱物資源開発法を制定し、大陸だな全七鉱区を設定したわけであります。すなわち、第一、第五鉱区がカルテックス、第二、第四鉱区がガルフ、第三、第六区がシェル、第七区がコーリアン・アメリカン、こういうことで開発許可がなされたわけであります。  逐次質問の内容に入っていきたいと思いますが、ちょうどこの時期にガルフの政治献金が行われたわけであります。これらの詳細は、ごく近日中にアメリカのフレーザー委員会で詳細が明らかになることと思います。お断りいたしておきますが、その後、第二鉱区、第四鉱区のガルフ、それから第三、第七鉱区のシェル、第一鉱区のカルテックスは撤退をしたようでありますが、このような情勢の中で、日本の大陸だな獲得への動きを新聞報道をたどって若干振り返ってみたいと思うわけであります。  初めに、サンケイ新聞の七四年一月三十一日、この報道によりますと、「戦前、日本帝国主義は、明治以来、資源確保のためアジア諸国への侵略を進め第二次世界大戦へと突入していったが、一九六八年の秋、朴政権が大陸棚についての法案作成を急いでいるとの情報を得るや今また大陸棚の石油かガス等の海底資源確保のため、「経済協力」をテコに強力なまき返しを図り、日韓相方の重複部分に対する「大陸棚協定」を結ぶために大陸棚の「等距離の原則」をもち出し、日本石油、日本石油開発、西日本石油、帝国石油に対し、鉱業権取得の申請をさせた。」と、こういう報道があるわけであります。この席に通産省関係のどなたか、できれば大臣の出席を午後ぜひひとつ委員長計らっていただきたいんですが、とりあえず大臣にかわって出席をいただいております通産省関係者に、この事実の有無を報告いただきたいと思いま  す。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 韓国側の事情でございますので、私どもつまびらかにいたしておりません。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いま聞いておるのは、通産省が、先ほど申し上げたように、日本石油やその他の会社に鉱業権取得の申請をさせたと。韓国のことを聞いておるんじゃありません。その事実の有無を確かめておる。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 失礼いたしました。  日本石油開発、西日本開発等につきましては、いずれも当該日本石油開発あるいは西日本開発、帝国石油開発等が自発的に申請をいたしたものでございまして、通産省がこれを指導して申請させたというようなものではないわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 通産省が指導したんでなくて自主的に出したものである。それらの期日関係、それから申請の内容、できるだけ速やかにひとつ申請書の内容を明らかにしてほしい。  それからもう一つ関連をして通産省に。一九七〇年十月七日、通産省は第七鉱区に対して日本の領有権を主張し、これの声明を出したわけでありますね。この事実の有無を明らかにしていただきたい。あわせて、この声明の全文も示されたい。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど申しました三社の申請につきましては、申請の時日等は当方から発表できるわけでございますが、詳細なる内容は個々の企業の内容に属する問題でございますので、提出は差し控えさせていただきたいと存ずるわけでございます。  それから、第七鉱区につきまして通産省が領有権を主張したという事実につきましては、調査いたしてみますが、われわれの記憶にはないところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どういう理由でその資料の提出ができないのか、私はただいまの説明では納得できません。それらの期日、内容を重ねてひとつ本委員会に提出をいただきますように、これは強く要求をいたします。  それから、外務省もこれに関連をして一九七〇年回内容の声明を行いましたね。外務大臣、この声明の内容をひとつ明らかにしていただきたい。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 担当のアジア局の方からお答えさせていただきます。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 御質問にあります声明というのはどういうことを指しておられるのか、ちょっと私どもすぐには思い当たらないんですけれども、外務省として、あの地域の大陸だなには日本は日本として国際法上の根拠に基づいて主権的権利を行使し得るという立場をとったことは事実でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 その態度をとったことが事実だという答弁でありますが、そのときに、声明という正式の形かどうかわかりませんが、外務省として態度を明らかにしたその要旨ですね、それと、これと同時に関連をして、外務省は韓国の朴政権に対して重複地域に対する交渉を行いましたが、一九七〇年十月、このときの交渉の内容もひとつ報告いただきたいと思います。  それから通産省の先ほどのあれは、至急にひとつ資料を出してください。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 御質問の点はこういうことのように私どもは整理しておるわけでございます。  いま先生がおっしゃいましたように、韓国側かあの地域の開発に着手するという情報が入りましたので、私どもはその地域について国際法上果たして韓国だけが開発の権益を持っているのかどうかという点を調べてみたわけでございます。その結果、あの韓国の国内法で開発し得ると決めております地域の中には、特に南の方でございますけれども、その点は日本は日本として大陸だなの権利を主張し得るではないかということでございますので、まず韓国側に対して、一方的に開発に着手されるならば国際法上の紛争になるということを警告いたしまして、韓国が自国の国内法で一方的に開発に着手することをまず思いとどまって、日本と韓国との間に横たわっている大陸だなの開発の問題でございますので、日本と韓国で話し合って境界を画定しようではないかということを申したわけでございます。  その結果、韓国としては国内法に基づいて一方的に開発をどんどん進めることをやめまして、それじゃ一体日本はどう考えているのか、日本の言い分を聞いてみようということになりまして、いまおっしゃいました一九七〇年に第一回の法律専門家会議というものを開きました。この法律専門家会議というのは、その名前の示しておりますように、国際法上あの地域の大陸だなはどちらが開発のための主権的権利を行使し得るのかという点について論争したわけでございます。  そのときに日本側がとりました立場といいますのは、あの地域の大陸だなは韓国と日本との間に横たわっている一つの大陸だなである。したがって、一つの大陸だなを相対する二つの国が共有しているときには、通常は、特別の合意がない限り中間線によるというのが国際法の原則であるから、したがって日本は中間線で境界を画定して、そしてこの中間線の向こう側は韓国か開発する、こちら側は日本が開発する、こういう主張をしたわけでございます。  それに対しまして韓国の言い分は、日本の言うように、あの地域の大陸だなは日本と韓国の間に一つの大陸だなが横たわっているという状況ではない、海底の地形をよく見るとそうはなっていない、朝鮮半島の方から延びてくる大陸だなが自然に延長いたしまして、それが沖繩海溝のところで深く深みに落ち込んでいく。したがって、大陸だなの一般的な定義から言ってこれは自然の延長の終わるところまでが沿岸国のものである、日本側からは何ら大陸だなが延びてきていない。したがって、二つの国の間に一つの大陸だなが横たわっているのではなくて、朝鮮半島からは一つの大陸だながある、それは自分か自然延長の限界まで開発する権利がある。日本側は、沖繩海溝で区切られているのであるから日本からは大陸だなの主張はできないはずである、こういう論拠で韓国は主張したわけでございます。  この法律家小委員会で、この二つの国際法上の論争を双方とも国際司法裁判所の判例だとか、国際法学者の意見だとか、大陸だな条約の規定だとか、大陸だな条約ができましたときの審議過程だとか、あらゆる材料を駆使しまして論争を展開したと。それが足かけ三年続いたあげく、法律的にはやはり平行線であるということで、そういう平行線である法律的な見解の相違を解決するのに一番ふさわしいのは国際司法裁判所ではなかろうかというので、わが方は国際司法裁判所での決着を提案したわけでございます。  ところが、不幸にして韓国は国際司法裁判所規程の当事国でございませんので、当然にはこの国際司法裁判所の管轄権には服さない。これを日本と韓国で国際司法裁判所の法廷に持ち出すためには、日本と韓国との間で特別の合意書というものをつくって持っていかなきゃいけない。この特別の合意書をつくるというのは、これは合意でございますので、韓国か、国際司法裁判所の管轄権に服するまでもない、自分の主張は正しい、したがって国際司法裁判所に持っていくことは受諾できない、こういう立場をとったわけでございます。それならひとつ韓国が国際司法裁判所に出ていくまで交渉を——交渉というか、日本側から要請を続けるか。続けてみても相手がそれを受けない以上は、いまのところ国際司法裁判所の法廷に無理やり引っ張り出すという根拠あるいは権限がない。そういう状況のもとで、韓国の国際法上の論拠にもそれなりの理由があるということでありますので、韓国は最初に思いつきました原点に戻って自分は自分の論拠で開発すると、こういう体制をますます整えてきたわけでございまして、一九七二年でございましたか、その年の夏か秋ごろにはもう韓国はいまにも開発に着手するというところまでまいったわけでございます。  そういう状況のもとで、日本と韓国の間でこれを非常に激しい国際法上の争いのもとで韓国か一方的に開発して実際上の紛争につながっていくと、そういうことが賢明であるか、それとも両方の言い分に五分五分の理があるのであれば、そこを実際的解決をするのが、そしてその資源の有効利用ということに着目するのが賢明かという政策的な判断の時期が来たわけでございまして、そのときに、両方の言い分がそういうふうにそれぞれに国際法上論拠かあるのであれば、これを一応たな上げにして、重複する部分は共同で開発するということにしたのが南部の共同開発区域の発想でございまして、北部協定の方は、これは一つの大陸だなが韓国と日本の間にべったりとつながっておりますので、これは中間線をもって境界とする。これはしたがいまして綿密に距離を測定して中間線を引いたわけでございます。これはただいま申し上げましたように、北部から南部までずっとつながっている一つの大陸だなである。それを日本は中間線で区分すべきである。韓国は、北部はそういう状況だけれども、南部は沖繩海溝という深いみぞが入っておるので、日本には大陸だなを主張する根拠かないと、こういう立場をとりまして、この考え方が一般に自然延長論と言われておるわけですが、自然の延長の終わるところまでが沿岸国の権利である、日本の方からは自然の延長はないと、これが韓国の立場であったわけで、この両方の意見の違いますところに限って共同開発にしょう、こういう合意を見たのが南部の協定、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 ただいまの問題は、後ほど本論に入ってひとつ十分意見をただしたいと思います。  次に、朝鮮日報七四年一月三十一日の報道によれば、「朴政権は、すでに探査権を米独占資本に売り渡しておりまたこの問題を日韓のみで解決できるものでもなかったため米国の意向を打診した結果アメリカは「日韓間で共同開発を打ちだすことが最善の方法である」として、南朝鮮人民の反日気運と大陸棚協定の反対をそらすため領土問題を棚上げにして、日韓での共同開発を示唆した。この「共同開発方式」は、世界でも例のない方式とされている。」という報道があるわけでありますが、この日韓での共同開発案、これはアメリカの示唆によるものですか、この事実関係を明らかにしていただきたい。アメリカに全然そういう相談もなしに、日韓独自でこの大陸だな共同開発を決定したものかどうか。そこのところをひとつお聞かせいただきたい。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) アメリカの示唆によるものでは全くございません。これは日本か、先ほど申し上げましたような法律論争のございましたときに、実際的な解決方法として日本側でも別な境界線を引く方法、あるいは共同開発にする方法、いろいろな方法は検討はしておりました。これが共同開発という方法によろうということに最終的に決まりましたのは七二年の日韓定期閣僚会議の機会に、当時の大平外務大臣と朴正煕大統領との間の話で、韓国側が共同開発でやるという方法でどうだろうという話がございまして、大平外務大臣は、かねがね日本の内部でも検討していた一つの実際的な解決方法でもございましたけれども、それはひとつ持ち帰ってよく検討してみましょうということで東京に持ち帰られまして、政府部内で検討した結果、共同開発という構想でやってみようということに決断されたわけでございます。  共同開発という方法は、先生もお触れになりましたように、世界には類を見ない非常にユニークな方法であるというふうに私どもも認識しております。     —————————————

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、木内四郎君が委員を辞任され、その補欠として高橋誉富君が選任されました。     —————————————

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 ただいまの答弁は大変理屈に合っておらない、子供か考えてもおかしいという、そういう答弁に私は受けとめたわけです。現実にこのときに韓国政府は大陸だなの開発について、七鉱区全部をメジャーにその利権を売り渡しておったわけですね。そういうときに日韓両国だけで、アメリカの示唆、意向を打診することなく、メジャーの意向を打診することなしにそういうことが現実に可能ですか。あなたのおっしゃることはちょっと子供が聞いても、日韓両国だけで、アメリカあるいはその背後にあるメジャー、こういうものの意向を全く無視して、日韓両国だけでこの大陸だな共同開発というそういう方法がとれるものですか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 先ほど私申し上げましたように、韓国が一方的にアメリカのメジャーに開発の権利を与えて開発しようとしたと、それに日本が異議を申し立てたわけでございます。したがって、韓国かどこの外国資本なり外国の技術なり、どういうふうにしているか知りませんけれども、いずれにしても韓国が自分でやろうとしたことは日本として許せないということでそれを待たせて、そして日韓でこの大陸だなについて新たな発想で解決をしたというのが北部の中間線と南部の共同開発ということでございますので、この共同開発という構想は既定の、韓国側でその当時までやっておりました既成の事実というものに対する日本側の異議というものを前提にして締結された協定でございますので、韓国がそれまでやろうとしていたことを日本から文句を言われてどういうふうに整理したか、これは韓国側の問題で、私どもとしてはこの大陸だなについて新たに日韓間でどういうふうに実際的解決するかという、そういう観点からこの協定を締結したと、こういうことでございますので、アメリカがどうしたかこうしたかということは、少なくとも日本に関する限り何ら関係のないことである、こういう認識でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの答弁でも、メジャーがもうすでに利権を持っておるところを、そう日韓両国だけで話のつく問題でないことは、これはどなたが考えてもはっきりわかることですが、その問題にかかずり合うことを避けて、次に引き続いてまたこの経過についてただしたいと思います。  「七二年九月の「日韓首脳会談」で、「日韓共同開発」を実現するため「韓国ロビー」の根回しが行われた」と、これは日経の七二年十一月十一日の報道であります。この隠蔽された開発方式、共同開発、これを進めるために日韓の支配者が両国の人民を欺くために裏工作を行ったと、こういう理解がこの報道記事の中に私どもはぴんと感ずるわけでありますが、韓国ロビー、いわゆる矢次一夫氏という方がこの中に踊ったと、こう言われておるわけでありますが、この間の韓国ロビー、そういうことについて外務省が、事実関係として私どもはあったものと、こういう確信的な受け取り方をしておるわけですが、これらの問題に関してそういう暗躍の事実、この点についてひとつ説明をいただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 結論を先に申し上げさしていただきますと、そういう事実は全くなかったと、こういうことでございます。現に七一年からの第二回目からの法律専門家委員会、第三回の法律専門家委員会、その辺はずっと私自身が参加しておりまして、この国際法上の論争をやりました。その過程におきましても、また、その後共同開発構想ということに基づきまして共同開発のための世界で初めての試みに挑戦いたしまして、どういう方式が考えられるかということをいろいろ事務的に検討いたしました段階でも、いま御質問の中でおっしゃいましたような事務当局以外の何かがあったというようなことは全く感じておりませんでしたし、私どもはそういうこととは全く無関係に、きわめて事務的に誠心誠意この共同開発の方式というものを検討したと私自身記憶しておりますので、そういうことについて、何もなかったということに関しましては事務当局としては確信を持っております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 あなたが確信持っているとおっしゃっておりますが、読売新聞の七三年十月九日付の報道、これによりますと、韓国ロビー、矢次一夫氏、この発言が出ておるわけでありますが、それはあなたがおっしゃったいまの答弁とは事実に反する。先ほど私が暗躍をしたということを裏づけるものとして、「七三年の財界人の経済専門誌の座談会で「共同開発の方式を成立させるため、韓国の有力者とひそかに懇談をしたり、外務省の担当官と大いに話し合うとか根回しをした」と発言」をいたしております。読売新聞のこの記事、あなたはごらんになりませんか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) ただいまの新聞の記事あるいはその他の雑誌などでそういう話が話題になっていることは、私はもちろん承知しておりますけれども、事務当局ではそういったことは全くなかった、これは事実なかったわけでございますので、そう言う以外に仕方のない問題でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 先ほど韓国側を強引に同意させたということの背景と申しますか、その点について少しお尋ねいたしますが、これは朝日新聞の七三年十月六日の報道であります。「七三年九月五、六日の「第六回日韓定期閣僚会議」では、同秘密会で、大陸棚の領有権問題を一時たな上げにして同地域の共同開発にふみきることに合意成立したと報じている。その引換に一億七〇〇〇万ドルの円借款を約束した」、こういう報道がなされておるわけ二であります。時期は全くこの時期に一億七千万ドルの円借款が成立いたしたわけですね。これは韓国側に同意をさせる引きかえ条件と申しますか、手みやげと申しますか、そういうことではなかったのですか。この両者の関係について、新聞の報道の記事が間違いかどうか、ひとつ明らかにしてほしいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) ただいま先生のお読みになられました新聞の記事は、本来関係のないことを関係づけて書いた記事であるというふうに私どもは思います。といいますのは、日韓定期閣僚会議の席上でこの大陸だなの共同開発の話が大いに議論されたということはなかったわけでございまして、先ほど私が申し上げましたように、この件は日韓の定期閣僚会議とは別に、その定期閣僚会議のためにたまたまソウルを訪問しておりました外務大臣と先方大統領との間で、共同開発という方法でやったらどうだろうかということを韓国側が持ち出しまして、そのことは先ほど申し上げましたように、わが方も事務当局の中で実際的な解決方法として考えられる第三の、境界線を引くかあるいは共同開発にするか、そういう問題として検討していたことでございますので、大平外務大臣はそれを持ち帰って正式に日本政府の返答をお伝えしますと、こう言って帰られたのが事実でございまして、定期閣僚会議とは無関係に、それまで足かけ三年間論争を続けたものに対して、実際的解決の方法をここで韓国側から示唆かあったと、こういうことでございまして、借款とは何の関係もないことだということでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 大変巧妙な答弁をされておりますが、私かお聞きしたいのは、この一億七千万ドルの円借款の協定と申しますか、約束と申しますか、それが成立をした時期、それから第六回日韓定期閣僚会議、その時期、外務省と韓国外交部あるいは韓国の朴政権、それと同じ交渉の人的な構成と申しますか、あるわけですね。しかも、日韓間の経済問題に関する一つは大陸だなの共同開発の問題、一つは円借款の問題、それはあなたがどういう答弁をされて言いのがれをされるかわかりませんが、事実関係として両者の中に何らかの関係がなかったと断言する、そういうことはその時期的な問題を明らかにしていただけばもう少しはっきりわかると思いますので、この時期についてひとつもう一度御答弁をいただきたいと思うんです。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 一部繰り返しになりますけれども、日韓大陸だなの問題、紛争といいますのは、当時は、つまりその定期閣僚会議が開かれました一九七二年当時はまだ経済的な側面、経済問題としての認識ではなくて、純粋に国際法上の論争であったわけでございます。その定期閣僚会議が開かれるその瞬間まで、日本は引き続き中間線論が国際法上正しい議論であるという立場で貫いておったわけでございまして、韓国がそれに対して自然の延長論で日本には大陸だなの主張の根拠がないということで対立したまま、したがってそのときの日韓双方の関心事は、関心の的は純粋に法律上の論争、これをどういうふうにするかということで、双方がぼつぼつ実際的解決を考えなければいつまでも平行線をたどっていて、その間に大陸だなの資源が眼ったままで開発ができないということは、だんだん資源の問題が重要になる当時の趨勢から見まして賢明ではないではないかという認識が高まっておったわけでございまして、その一億七千万ドルか何かの借款の問題はこれは当時までは、定期閣僚会議の席上で借款額について話をし合うと、そういう慣行になっておりました。これは一九七三年以降、日韓定期閣僚会議ではそういう借款の総枠の話をしないというふうに性格が変わったことは御承知のとおりでございますが、七二年当時はまだそれまでの定期閣僚会議と同じ慣行によりまして、定期閣僚会議の席上で経済援助の総枠の話が行われた。ですから、その経済援助の総枠の話が定期閣僚会議で行われたということは、これは当時までの慣行に徴しまして不思議なことではない。他方、日韓大陸だなの方は純枠に法律上の論争としてその時点まで続いていて、実際的解決をどうするかという問題は、これはまだ定期閣僚会議の議題になるようなものには熟していなかったわけでございます。  そういう状況のもとで、先ほど申し上げましたように、これは定期閣僚会議に出席しました全閣僚の間で議論する問題ではなくて、一つのサゼスチョンとして大統領から外務大臣に限ってそういう示唆があったということで、これは当時の状況としましては両国の外務省の間で国際法上の論争をしていたことに対する実際的解決の一つの方法として韓国側が持ち出した構想であると。それはたまたま日本も事務的にはそういう方法もあろうかということで考えていた構想でもありましたので、追って日本側からそれでは共同開発構想で話を進めてみよう、こういうことになったわけでございまして、定期閣僚会議とは直接関係のない問題であったわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうも納得いく答弁ということには受け取りがたいものがあります。  事実関係をもう少したどっていきたいと思うわけですが、七二年十一月二十八日の中央日報、これは「一九七二年十月五、六の両日ソウルで「大陸棚協定」のため初の第一回「日韓実務者会議」が開催された。」と、新聞の報道ですから、されたとなっております。「これは、第六回日「韓」定期閣僚会議秘密会議にもとづき大陸棚の領有権問題を棚上げにし、「共同開発方式」で行なうことを確認し、日本側は沖繩海溝を越え第四鉱区の一部を自国の領有と主張した」と、こういう韓国の中央日報の報道があります。この第一回日韓実務者会議の内容、そしてその中で日本側の主張、その具体的な事項をひとつ明らかにしてほしいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) ただいま御質問の第一回の実務者会議というのは、共同開発構想のもとでどういうふうに共同開発を持っていこうかという一連の、第一回から第十回までたしか実務者会談が行われたと思いますが、それの冒頭であったと思います。そのときの議事内容はしさいには私記憶しておりませんけれども、法律的な立場をたな上げにして、共同開発という新しい発想でこの資源の有効利用を考えてみようということについては、両国首脳の間で合意を見た後の会議でございますので、その場合の日本の主張といいますのは、共同開発構想というもののたとえばいま協定に盛られてきております開発権者をどうするとか、出てきた資源をどういうふうに分けるとか、それに対する税金はどうするとか、これに伴う海水の汚染とか漁業に対する保護の措置をどうするとか、そういったもろもろの問題点を洗い上げながら十回にわたる実務者会談を重ねていったということで、法律論争はもうそのときにはたな上げにされておった、こういうふうに記憶しております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 関連をして、第二回実務者会議の内容が読売新聞の七二年十一月一日付の報道でなされております。それによりますと、七二年十一月二十八、二十九日第二回実務者会議が東京で開催され、朴政権に対し早急な共同開発を迫り、「東シナ海の石油資源開発で、日韓両国の鉱区が重複している鉱区を共同鉱区とし、日韓折半出資の合弁会社「日韓共同石油開発」(仮称)を設立し、この合弁会社が専門に開発する」一方、「石油開発公団の融資機能を拡大し、ナショナル・プロジェクトとして、海外での石油開発並みに大規模な資金援助を行う」、そこで「重複鉱区にある日本石油開発、西日本石油開発、帝国石油三社は社長会を開いて出資比率、生産原油の取得権などの細目にわたって合意を図ることになった」のであると、そういう報道がされております。ここらの問題が明確にならないとこれからの論議についての主張が大変私どもとしても支障がありますので、これらの、一体日本が朴政権に対して早急に共同開発を迫ったと、こういうことで、その合弁の日韓共同石油開発、こういうものを設立し、「出資比率、生産原油の取得権など細目にわたって合意を図ることになった」と、こういう報道がされておるわけでありますが、この事実関係をひとつ明確にしていただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 私、その実務者会談の第一回から十回までの会談録を手元に持っておるわけでございませんので、あるいは正確でないかもしれませんけれども、少なくとも第二回目の実務会談でそういう具体的な話が出たはずはない。と申しますのは、この共同開発構想というものが出まして一番最初にしなければならないことは、どこが共同開発区域になるのかと、いわゆる線引きの問題でございますけれども、そのどこを共同開発区域にするかということが実は大問題であったわけでございまして、私どもの記憶いたしますところ、双方で海図の上でどういうふうに測定して、どこからどこまでが共同開発になるかということを確定するのに相当の回数の会議を重ねたということは記憶しております。  他方、合弁会社がいいのか、それともいまの協定になっているような開発権者というものをそれぞれに指定してやっていくのがいいのかと、こういう問題は、最終の段階までいろいろ議論をされたことはございますけれども、その第二回の段階で日本側で特定の会社の間で合弁の話がすでに進められていたとか、あるいは資本金をどうするとかいうような話があったということはなかったというふうに思います。  韓国側に早くこれを迫ったというのは、これは新聞の方でどういうふうに評価をされたのか知りませんけれども、とにかく三年間も論争に論争を重ねた問題でございますので、共同開発という大筋といいますか原則が決まりました以上、資源小国である日本、韓国両方にとってこれを速やかに解決することが国益に沿うゆえんであるという認識をともにしたことは事実でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうすると、この読売新聞の第二回実務者会議の報道というのは全く虚構な報道だったと、こういうことになるわけですか。  まあその点についてお答えいただきたいことと、前段の、これは質問になりますので少しはしょって申し上げますが、第三回実務者会議、これは七二年十二月二十日、二十一日、ソウルで開かれた。日本側は第七鉱区だけでなく、第四、第五、第六鉱区の一部までも共同開発鉱区に組み入れ、共同開発鉱区の作成を行い、開発会社運営問題と関連をして日韓政府運営会、仮称でありますが、を設置することに合意を見たと。さらに、七三年二月一日、二日第四回実務者会議、七三年三月五ないし七日第五回会議、七三年四月第六回会議、そして七三年四月二十三日から二十七日まで第七回実務者会議を開き、約一年間の間に七回という急ピッチで実務者会議を開き、日本側の一方的内容で共同開発条約を合意させたと、これは新聞の報道をずっとまとめていきますとこういう形になるわけでありますが、その中でお尋ねしたいことは、先ほどの前回の質問に対する第二回実務者会議の読売新聞の報道というのは虚構なものであったのかどうか。  それから、今回いま審議をしております共同開発鉱区の問題、これは日本側が韓国側に対して強く要請をしてこの共同開発区域の鉱区の作成を行ったと、こういう問題と、日韓政府運営会、これを設置することが実務者会議で決まったと、こういう報道の事実論をひとつ明らかにしてほしいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 通常この種の協定交渉が行われますときにいつも起こる問題でございますけれども、双方ともいろいろ試行錯誤を加えながら合意点を見出していくわけでございまして、交渉の内容をそのときそのときブリーフするとか、あるいはある程度制限つきで発表するとか、そういうことはしないわけでありますので、毎回の実務者会議の内容について新聞が報道しておりますといたしますれば、それはいろいろの周辺からの情報をもとにして推測して報道されたものだと、こう思います。   〔委員長退席、理事秦野章君着席〕 その中には当たっているところもあるし、当たっていないところもある。それは結局交渉が妥結した段階で決着がつくわけでございまして、これは本件交渉に限らず、通常の外交交渉の場合は国際的に守られている一つのルールでございますので、そのときそのときの報道が正確に内容を反映しているかどうかという点については何とも申し上げられない。  ただ、基本的にこの交渉の底に流れておりますものは、出発点が、韓国が一方的に開発しようというところに日本が待ったをかけたということでございますので、共同開発区域につきましても、韓国は自分が一方的に開発しようとしたときの権利なり考え方というものをあくまで通そうとする立場にあると、これは想像にかたくないところでございまして、日本はそれに対して平等の立場で共同開発するんであるということで、その韓国の立場といろいろ調整を要したということは事実でございます。その一つの例がいまお挙げになりました、一つのある共同開発区域の中にどの鉱区を入れるかというような問題でございますが、韓国の立場からすればどの鉱区を入れるか入れないかということがそれまでの一方的開発の構想との関連で問題になりましょうけれども、日本の立場は、これは日本の主張と韓国の主張の重なるところを共同開発にするという明確な原則のもとに線引きをしたわけでございますから、その結果、第何鉱区が全部入るか一部入るか、途中でぶった切られるか、それは韓国側の問題で、私どもはそういうことには左右されないという強い姿勢をとったことは事実でございます。  もう一つ、運営協議会の設定が決まったという、まあ運営協議会か委員会か知りませんが、そういう名前のものはどこにも設定されなかったわけでございまして、一つの推測といたしまして、こういうものができれば恐らく共同委員会のようなものができて、それによって協定の実施を随時監視していくと、そして、処理すべき問題が出ればその場で両国間で話し合うと、これは通常行われることですので、それを想像してそういう名前の、仮称と書いてあるようでございますが、そういったものもやがてできるんではないかという推測記事ではなかったかと、こう思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 まあ質問の本論に入る前に、現在までの経過について私どもが理解をしておる主だったところについて若干の質問を行ったわけでありますが、そういう経過でこの大陸だな協定の問題が国会の審議にかかっておるわけであります。  外務大臣にお尋ねをいたしますが、外務省の情報文化局から出されております資料によりますと、その要旨は、日本政府は、海洋法会議の趨勢から日韓大陸だな協定の早期批准が有利であると、こういう内容が見られるわけであります。大陸だな協定が日本にとって有利だと外務省が認め主張されておりますその理由、根拠をひとつ、これは外務大臣から、どういうことでそんなに急ぐんだ、こういう私は懸念があるものですから、外務大臣からその理由と利拠を具体的にひとつ明らかにしていただきたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまアジア局長の方から経過について詳細御説明申し上げましたところでございます。その経過で、特に韓国が昭和四十五年から韓国側によるただいまの共同開発地域、これを第七鉱区として開発に乗り出す、このような状況になってまいりまして、そこで今日までに大変な折衝を重ねて経過をたどってまいったわけでございまして、急ぐ理由と申しますのは、エネルギー不足の時代に入ったということから石油の開発を行いたいということにあるわけでございますけれども、ただいま海洋法会議との関係のお尋ねと思いますので、その点につきましては、海洋法会議におきまして大陸だなの問題と経済水域の問題と両方あるわけでございます。一説には、経済水域で二百海里になるということから、それを待った方が有利ではないか、こういう議論がありますけれども、私どもは、経済水域という観念は今回の海洋法会議で出てきたものでございまして、それ以前から大陸だなという、そういう概念の方が先行しておったという傾向にありまして、また、今回の海洋法会議におきます大陸だなの考え方につきましても、これは経済水域と全く関係なく存在をする、こういうことでありますので、海洋法会議の結論を待った方が有利であるということではないんだ、こういうことを主張をしておるわけでございます。  そして、大陸だなの問題といたしましては、やはり自然の延長まで、一定の距離を制限すべきであるという主張をわが国としてはいたしておったわけでありますけれども、わが国の主張は大勢ではなくて、自然の延長までが大陸だなである、大陸だなの沿岸国の管轄権を及ぼし得る大陸だなである、こういう趨勢にあるということから、いたずらに海洋法会議の結論を待つということは海底資源の開発をおくらせることである、こういうことから急いでいただきたい、急いだ方が有利である、このように考えておるところでございます。  これ以上遷延した場合に、私ども率直に心配をいたしておりますのは、もう三年にもなるということ、しかも、韓国側が開発を志した時点から言えばもう七年以上になる、こういうことでございますので、やはり先方としても待つのにも限度がある。それから、韓国の国内情勢を見ましても、やはりもう待ち切れないという気分が横溢をしてきておるわけでありまして、このままこの国会でぜひ御承認をいただきたいという私どもの強いお願いもこの点にあるわけでございまして、その点を御理解を賜りたいと思っております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの外務大臣の説明は、何ら早期にこの国会で何が何でも批准しなければならないという理由づけの説明にはきわめて薄弱だと、私は納得させることに乏しい、そういう御答弁としか受け取れません。その中でひっかかりになる点が二、三点ございますので、そこのところでひとつお尋ねをいたします。  韓国が待ち切れない事情にある、こういう答弁がありました。確かにそういうところがこれから先の質問にも幾つか出てまいりますので、そこらのところでまた論議を深めていきたいと思いますが、率直に言ってこういうことではないですか。  朴政権は南朝鮮人民の祖国統一と民主化闘争を弾圧し、反朴闘争は激化し、重大な政治危機を迎えている。また、経済的には国際収支の悪化と借款償還額の負担によって、アメリカ、日本の援助なくしては自己の権力が維持できない状態にある。そのため、朴政権は日本とアメリカの支配層を大陸だなの共同開発によってより深く引き入れることにより、日本の援助と朝鮮の永久分断化を図ろうとしておる、こういう事情が一つあるのではないか。  それから韓国の経済を見ますと、日韓の軍事、経済の一体化の進行の中で、日韓双方において海底資源開発権問題が反共体制の強化、軍事戦略の拠点、これは後ほど具体的な事例で質問をいたしますが、こういう韓国側の事情があって、それに日本の外務省が乗っかってその片棒を担いでおる、これが大臣がおっしゃった待ち切れないという韓国側の事情の真相ではありませんか。外務大臣の重ねてこれに対する見解をいただきたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま御指摘のような問題、高度に政治的な問題と経済的な開発の問題と、これを大変関連のあるようにおっしゃいましたけれども、私どもはやはり今日の置かれておりますエネルギー問題ということを考えまして、そういう問題と政権の問題等と明確に分けてお考えをいただきたいと思います。純粋に経済開発ということに取り組んでおるわけでございまして、これが政治的な側面からいろいろ論議をされるわけでございますけれども、それはどうも私どもから見れば非常に色めがねをかけた見方ではないかという感じをいたすわけでございます。日本にいたしましても韓国にいたしましても石油資源は持たないわけでございまして、石油ショック以来のそれぞれの国が何とか経済を運営してまいるためには、やはりエネルギー問題が最も基礎的な問題になるわけでございますから、基礎的な問題に取り組んでおる、このように率直にお考えをいただきたいと思います。  今後の政治体制その他の問題につきましては、それぞれの問題といたしまして、やはりお互いに努力をすべき問題でございますが、石油開発という問題はそういったものと全く違った次元の問題であるというふうに私どもは信じておりますし、韓国側も恐らくそのように将来の韓国のエネルギー問題というものを考えて努力をしていると信ずるのでございます。どうかそのように御理解を賜りたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 アジア局長に大臣の先ほどの答弁の補足をぜひお願いしたいのですが、私が質問したのは、日本が早期批准を急ぐ、こういうことが私どもにはまだ納得できないんですよ。なぜ日本がそんなに早期批准を急ぐ、そのことが有利なんだということを、ひとつこの委員会の皆さん方に有利だという理由を明らかにしてください。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 恐らく、理由は三つに分けて御説明するのがいいかと思います。  第一点は、エネルギー問題の側面でございまして、これはいま大臣も説明されましたように、日本が石油資源のほとんどを輸入に仰いでいる。そしてまた、その輸出国というのは日本からはるかに離れたところであるわけで、いろいろ輸送路上にも問題がある。そういう状況のもとで、もし日本の近海に、手近なところに石油資源があるならばそれを利用するということは、これは一日早ければ早いだけ国の利益になる。これは一般的なエネルギー資源の問題として言い得ることでございまして、この日韓大陸だなの協定の対象としておりますところには、これは掘ってみなければ何人も確言はできませんけれども、一応有望だと言われているところであれば、これは早く開発するにこしたことはない、これが一つの理由だと思います。  もう一つは、これはこの協定が結ばれました経緯、先ほど私が申し上げましたことで御想像いただけると思いますけれども、国際法上の問題として一体待った方が有利なのか不利なのか、待つだけの価値があるような国際法の趨勢であるかという問題でございますが、これは少し問題が込み入っておりますので、申し上げますと、そもそも私が冒頭に申し上げましたように、日本はこの大陸だなは一つの大陸だなを日本と韓国が共有しているんだと、こういう立場でございます。韓国は、朝鮮半島から一つの大陸だなは延びているけれども日本の手前で終わっているから共有していないと、こういう立場でございます。そういたしますと、海洋法会議の結果がどうでありましても、一体この地域の大陸だなは日韓で共有しているのかしていないのかという問題は変わらないわけでございまして、韓国は相変わらず朝鮮半島から延びた大陸だなで日本の手前で終わっている、こういう自然の延長論というものを主張するでございましょうし、日本は、中に沖繩海溝という深いみぞはあっても、これは無視して一つの大陸だなである、したがって中間線で分けるべきであるという立場を法律的には続けるわけでございます。  そうしますと、海洋法会議の結果あるいは海洋法条約がどういうふうにまとまりましょうと、それを適用する対象である区域の大陸だなが、日本と韓国の間で一つのものであるのか、それとも途中で切れて、韓国の自然の延長の終わるところまでが韓国の大陸だなであるという主張と、これは解決がつかないわけです。そういうふうに大陸だなの認識について意見の相違がございますと、これは結局関係国の間で話し合うということになるわけであります。話し合いますときに、韓国の言う自然の延長論、つまり大陸だなというのは本土から、領土から海の方に向かって自然に延長していって、その自然の延長の終わるところまでが沿岸国の大陸だなであると、これかいわゆる自然延長論、この自然延長論というものが、海洋法会議において日本が主張しております距離説と比べますと、距離とかかわりなく自然の延長の終わるところまでが沿岸国の大陸だなであるという主張の方が強いという傾向を念頭に置きますと、仮に海洋法会議の結果、終わりましてから、日本と韓国の間でこの地域の大陸だなについての認識について同じ論争を繰り返しますときに、韓国は一九七一年、二年ごろに主張したときよりもさらに強く、自然の延長論が海洋法会議でも優勢であったのであるから、大陸だなは自然の延長の終わるところまでが自分のものだと、こういう主張をするでありましょうし、したがいまして、この協定をやめまして、もう一度、海洋法会議の結果を待って日韓間で話し合うといたしましても、そのときの韓国の主張は一九七〇年ごろよりもさらに補強されていくというのが、待っても有利にはなるまいということの一つの論拠でございます。  第三番目は、韓国側で待てない理由が、先ほど申されましたような、何らか経済的なあるいは軍事的なとまておっしゃいましたけれども、そういうものと結びついているかというと、それはそうではなくて、そもそもこの協定を結ぼうということが始まりました経緯は、先ほども申し上げましたように、韓国は相当の理由をもって一方的に開発できると、したがって開発すると言うのに対して日本側が待ったをかけた、そういう状況でございますから、韓国としてはいまでも自分は一方的に開発できるんだというふうに法律的には信じておるわけでございます。日本はそれはできないと信じておるわけでございます。しかし、その法律的な立場はたな上げになっておるからあえて論じない。しかし韓国としては、本来なら自分の立場によれば一方的に全部自分の手で開発ができたものを、半分日本に取られたという感じを韓国の立場からすると持っておるわけでございます。しかし、それも両方の法律的立場が平行線をたどった状況のもとで、実際的解決としてはやむを得ないということで踏み切った以上は、やはりその実際的解決の方法である共同開発によって早くその資源を開発したい、こう思っておるわけでございます。  そういうふうに二つの国の間で合意をいたしまして、これは法律的な立場はたな上げにして実際的解決をしようということを最高首脳の間で合意をいたしまして、鋭意事務当局の間で協定を締結しまして、署名調印まで持ち込んだ協定である。   〔理事秦野章君退席、委員長着席〕 そうなりますと、今度はその協定そのものの持つ国際信義の問題というものが当然出てくるわけでございまして、そういうことで協定を結んでおきながらそれをいつまでも批准をしない。つまり、承認も否決もしないでいつまでもほっておく。ほっておきますと、韓国はそれを待たなければいけないわけです。仮に否決されますとこれはなきものになりますので、韓国はやはりそれじゃあ自分の思うとおり全部単独開発いたしましょうと、原点に戻るわけでございます。原点に戻って単独開発はさせてはならぬと言って待ったをかけたのがこの協定でございますから、待ったをかけておいてその協定をいつまでも否決も可決もしないという状況は、これは韓国の立場からすると相当問題になる状況だということも、これは御理解いただけるかと思います。  したがいまして、韓国の中では、まずそもそも単独開発ができたであろうものを、日本側が待ったをかけたためにこういうふうに引き延ばされておる。しかも、その協定をいつまでも決着をつけてもらえないということなら、やっぱりこれは原点に戻って単独開発しようじゃないか。自然延長論というのは海洋法会議でも強くなりつつあるんだから、ますます強く主張できるからやろうじゃないかという世論なりそういう論評が多くなっても、これは韓国側では一応韓国政府としてもそれを無視し得ない状況になっているということは事実でございましょうし、他方、この協定そのもののメリットのほかに、一体日本と韓国が一九六五年に国交を正常化いたしまして、お互いに隣国として主権尊重のもとで友好関係を深めようということで踏み切っておる両国の間で、そういうふうにいつまでも合意を見た協定について決着をつけないということは一種の背信行為ではないかというような議論も韓国国内で上がってくる。韓国政府は、当然のことでございますけれども、日韓両国の友好関係というものを重く見ておりますので、そういうふうなせっかちなことを口にしたり表明したりすることはしておりませんけれども、一般の世論の中にはそういうものが出てくる。  そういたしますと、もしこれがいつまでも決着がつけていただけないものならば、単独開発ということのみならず、そういう態度でこの協定を取り扱った日本側にも何らかの責任を追及すべきだという声が上がってくることも、これは韓国政府としてもなかなか抑え切れない面もあろうかと、こういう状況にいまなっている。そういうふうな観点からしますと、この第三点というのは、日韓両国関係全般から、この協定に決着をつけることは早いほどいいんではないかということになろうかと、こういうふうに思うわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 まあ早期批准が有利だということを三点にわたって説明をいただきました。エネルギーを遠くから輸入をする、全部輸入に頼っておる、こういうことは事実そのとおりであろうと思います。  それから、国際法上から有利だと、こういうことをおっしゃったわけですが、そうだとしますと、国際信義の問題、背信行為だと韓国で騒いでおる、韓国も急いでおると、これは後ほどまた触れることにして、私が素朴な疑問を持つことは、韓国側はいまそういう協定を結ぶことには、少なくとも日本で有利だと言うわけですから、韓国側は、相互に有利だということではなくて、物事というのは片方が有利になれば片方が不利になる。先ほどの説明によれば、韓国は自然延長論で主張してきた、日本は中間線論だと、こういうことの妥協の産物でこの共同開発方式になったと、こういうことになったわけでありますが、韓国側は国際情勢の推移をずうっと待っていれば有利になる、それを共同開発に踏み切った、そしてしかもいまやんやかんやと急いでおる、そういう理由、日本政府が有利だと言っているんですから韓国政府の方は裏返しに言えば不利になっていると思うわけですが、それを認めた一体理由は何だろう、こういうことを私はこの問題に関して、どうしてもまだ疑問が解けませんものですから、一体韓国はどういう理由でこの共同開発方式、しかも早期批准の方式を強く要求しておるのか、この事情をひとつ明らかにしてほしいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 先ほど申し上げましたように、海洋法会議の動向を見てれば自然の延長論の方が強くなってきているんだから、韓国に有利になっているはずなのに、ひっくり返しますと、この協定の考え方は韓国のそういう趨勢から見れば不利であるのにかかわらず急いでいるのはおかしいじゃないか、こういう御疑問だと思います。  この有利不利の問題は、決定的に有利不利になりましたら、これは日本であれ韓国であれ待つと思うんです、有利になりますことがはっきりしておりますれば。たとえば、大陸だなというような観念はもうやめてしまって、経済水域一本でいくんだというふうなことになることがはっきり決まりましたならば、もう大陸だな協定というのは意味がなくなる、そういう極端な場合すら考え得るわけですけれども、海洋法会議のいまの単一草案その他に出ております考え方は、やはり経済水域という考え方のほかに別のチャプターで大陸だなの問題というのがまた扱われておるわけでございますから、したがって、海洋法の会議がどういうふうにまとまりまするによりましても、先ほど申し上げましたように、韓国と日本との間ではしょせん話し合いをしなければならぬ。一九七〇年、七一年時代よりも多少自然延長論が強くなった状況であるといっても、それが決め手にはならない、日本と再び交渉を重ねなければならない。日本とより強い立場で韓国が交渉いたしましても、日本がそれじゃ韓国の言うとおりだ、自然の延長の終わるところまで全部韓国のものだと言って認めることができるかというと、これはわれわれとしては認められない。また、そう認めなきゃならないような国際法になる見込みは全くない。そうすると、話し合いで何年かまた法律論争を繰り返す。そうすると、この協定が結ばれましたときと同じまうに、三年なり四年なりという期間を法律論争をいたしまして、そしてあげくの果てどこに落ち着くか、またそのときの話し合い。そういうことになりますと、合計十年近くの間、韓国としては自分で一方的に開発しようとしたその資源は手がつけられないという状況になる。したがって、韓国といたしましては、国際法上の趨勢が多少有利になろうと、これは資源を有効利用することを急ぐことが国益だという考え方に立っているのではないかと——これは韓国政府のことでございますから推測でございますけれども、そういうふうに思います。  もう一つは、日本と韓国との間のこういう直接の隣国同士で友好協力関係を重ね、また日韓正常化のときの基本関係条約にも明記されておりますけれども、日韓間の紛争は話し合いによって解決する、平和的に解決する。この大陸だなをめぐる法律論争も話し合いによって解決したわけでございますので、基本関係条約及び紛争解決に関する交換公文によって示された日韓両国のよって立つべき原則に沿って法律的な紛争をこういうふうに実際的に解決したという協定であれば、それを尊重していくという態度を韓国側がとることは、これは私は非常にいいことだというふうに思うわけです。  したがって、もう少し待てば有利になるかもしれないから、まああの実際的解決はやったけれどもやめてしまおうと、韓国の中では、先生が御指摘のように、この協定は韓国にとって不利であるという批判論があることも事実でございますけれども、韓国政府としてはそういう大極的な見地からこの協定による資源の早期開発を国益と考えている、こういうふうに私どもは推測しているわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうも大変歯に衣を着せた答弁をいただいて、私はそこのところは依然として釈然としません。ここをもう少し突っ込んで質問をいたしますが、日本は当初中間線を主張し、七二年四月には国際司法裁判所に付託することを韓国に提案いたしましたね。これが、九月になったらそのことがいつの間にか立ち消えになってしまった。このことについて疑問を感じておるわけですが、このときの交渉の経過、どういうことで一体その国際司法裁判所に付託することを取りやめになったのか、この交渉の経過を詳細に説明いただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 詳細にといいましても、非常に簡単なことでございまして、韓国政府が国際司法裁判所に本件を付託することに合意しなかった、同意しなかった。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 なぜ。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) それは韓国の考え方として、まず第一に、法律的に申し上げまして、冒頭に御説明いたしましたように、韓国はそういう国際司法裁判所の管轄権を認める立場にないと。つまり、国際司法裁判所規程の当事国でもございませんし、国際司法裁判所の義務的管轄権という言い方をしておりますが、要するに、一国が国際司法裁判所に何らかの紛争を提起しましたときに、義務としてそれに応じて出廷するという義務を受けていないわけでございますので、韓国としては、どういう考慮であるにいたしましても、これを拒否するだけの法律的な根拠があるということであろうと思います。  もう一つは、それにもかかわらず特別合意書をつくって国際司法裁判所に持っていくという道は理論的に開かれてはいるわけです。なぜ韓国はその方法をとらなかったかということについては、これも推測の域は出ませんけれども、御承知のように、国際司法裁判所に一つの案件を付託いたしますと大変な時間と金がかかるわけでございます。これは法廷論争において自己に有利な判決を得るためにいずれの国も大変な努力をいたしまして、そのためにまた非常に長期の期間がかかるわけでございます。  かつて日本もアラフラ海の真珠貝論争でオーストラリアと国際司法裁判所で争おうとしたことがございました。またその後、ニュージーランドとの間で漁業紛争について国際司法裁判所に提訴しようとして準備したこともございました。いずれも裁判所の判決を求める、判決を得るという段階に至る途中で解決を見てしまったわけでございますけれども、その準備段階の私どもの経験からいたしましても、これは大変な時間と金のかかる問題であります。したがって、下手をいたしますと数年から十年かかって判決を得るまで待って、そして大変な金をかけて国際法学者の関係者その他を準備いたしまして、法廷で何年も争って、その結果が出るまでこの資源の開発を待つということがいいのか、それともこの際そういう法律的な論争はたな上げにして、両方に五分五分の理があるならば共同開発をしてその利益を五分五分で分けるという実際的解決がいいのかと、これは高度に政治的な判断の問題であろうと、私ども事務当局としてはそういうふうに思っておったわけでございます。それが七二年の段階で国際司法裁判所に提訴することを韓国が受けなかった後で実際的解決として共同開発の構想が打ち出された、つまりそういうむしろ法的論争を徹底的に最後まで争い抜くという方法ではなくて、日韓双方ともエネルギーの問題は差し迫った問題だから、ここのところは実際的にまず開発して共同で折半して利益を共有しようと、こういう政治的な判断が下された、これが経緯でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 局長の答弁は論理的でないですよ。それは日本が国際司法裁判所に付託しようと、そういうことを提案したわけですね。そのときにはその裁判が容易でないということは外務省も百も承知のはずだったわけです。そのことを十分外務当局としては承知をしておりながら韓国側に付託しよう、そういう提案をしたわけですから、あなたのいまのような答弁ではつじつまが合いませんよ。  それで、そのハーグ国際司法裁判所の判例の問題、これはひとつ日本側にとっては重要な教訓になると思うわけでありますが、一九五一年十二月のノルウェーとイギリスの間の漁業紛争をめぐる国際司法裁判所の判決、この問題であります。これは当時「イギリスの漁船は、一六一六年ごろから一九〇六年までの間は、デンマーク、ノルウェーの国王の申し入れに従い、ノルウェーの沿岸で漁労に従事することはなかった。しかし、一九〇六年に、少数のイギリス漁船か現れ、続いて一九〇八年には強力に装備したトロール船隊が、大挙出漁してきた……。最初の拿捕事件は一九一一年に起こり、以後、両国の漁業紛争が年を追ってエスカレートしたため、一九三五年、ノルウェーは、沿岸漁業防衛のための新しい領海制度を公布した。この制度は、深い入り江の多いスカンジナビア海岸沖合の岸礁を結ぶ直線を領海の基線としたもので、当時としては画期的な主張として、イギリスの反論を招き、国際法による係争となった。一九四九年一二月の国際司法裁判所の判決は「ノルウェーの決定は、国際法に反するものではない」と明確に述べている。」わけであります。  この問題は、この日韓の問題に関して重大な教訓を与え、そのことは決して日本に不利にならない。その他にも判決の実例を調べてみますと西ドイツ、オランダ、デンマーク、こういうところがあるようでありますが、この問題を日本が取りやめたということについて、どうも私は納得ができないわけでありますが、この点に関してもう一度、ひとつ国際司法裁判所に日本が最初提案をしておったのにもかかわらず、途中で翻ってそれを取りやめたと、こういうことの理由をひとつ日本国民みんなにわかるように説明をしてください。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 私、先ほど国際司法裁判所に提訴をいたしますと大変な時間とお金がかかるという話をいたしましたけれども、これは韓国がどうして国際司法裁判所に応訴しなかったかということの推測の一つの理由ではなかろうかという趣旨で申し述べたにすぎないのでございまして、日本政府はそれを覚悟したればこそ提訴したわけでございます。日本は国際法上この大陸だなについては、これは一つの大陸だなであるから中間線で境界を画定するということにはそれなりの国際法上の根拠がある、こう信じたわけでございます。  他方、韓国は沖繩海溝があって一つの大陸だなではない、日本には大陸だなを主張する幅はない、こういう立場をまた信じておって、この間、足かけ三年法律家専門家委員会で何度も論争をいたしまして、いま先生の御指摘のような国際司法裁判所の判決だとか、国際法学者の論拠だとか、世界の各地で行われております大陸だなの紛争の実態とか、そういったものを日韓双方であらゆる手段を講じて傍証材料を集めまして、そしてこの法律論争をしたわけですが、ついに決着がつかない、平行線だと。  そうなりますと、日本としてはこれは紛争は平和的に解決する、特に国際間の法律的な紛争の最終的な解決方法としては、仮にそれが金がかかり時間がかかっても国際司法裁判所の判決を仰ぐのが筋であるということで、日本がそれを提案したわけでございます。韓国の中にも、提訴すれば自分の方の国際法上の立場の方が必ず勝つだろう、むしろ国際司法裁判所に行って争った方がいいという意見も実はあったやに聞いておりました。ところが、結局韓国政府として最終的に決断いたしましたことは、これを国際司法裁判所に持っていくことには応じない、こう言ったわけでございます。応じないものを無理に引っ張っていくだけの力がいまの国際司法秩序の中にはないわけでございますので、それならばまた延々と何年も法律論争を続けるのか、それともそれにしびれを切らして一方的に開発をするのか、あるいはそういう紛争を招くことなく日韓間の友好関係にかんがみまして実際的解決をするのかという、そういう選択の問題になって、今回の場合は第三の道である日韓間の実際的解決を図るということに政治的に判断されたわけでございまして、法律的には国際司法裁判所に持っていって争うに値するくらいの問題である、両方ともそう思っておるわけです。したがいまして、協定の二十八条で両方の法律的な立場を害しないということをことわりまして法律的立場をたな上げにしている、こういう趣旨でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 まあこの問題ずっと後ほどまでの論議に関連いたしますが、ここでひとつ次のことについて説明と資料の提出を求めたいと思います。  韓国の海底鉱物資源開発法、そのうちで特に私が強く要請したいことは、一九七〇年五月の大統領施行令、この内容の説明と、その全資料の提出をひとつ要求いたしたいと思います。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) ただいま御要望のありました資料につきましては、できるだけ早く準備いたしまして御提出いたしたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 内容の説明……。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 二つの資料のうち、海底鉱物資源開発法につきましては、すでに委員部の方に資料として提出してあると了解いたしております。  韓国の海底鉱物資源開発法は一九七〇年一月一日に公布されております。この法律の目的といたしましては、朝鮮半島とその付属島嶼の海岸に隣接する海域、または大韓民国が行使することのできるあらゆる権利が及ぶ大陸だなに存在する天然資源のうち石油及び天然ガス等を合理的に開発することにより産業発展に寄与することを目的とするということがうたわれております。その目的のもとに、この法律におきましては、海底鉱区の定め方、海底鉱業権の帰属、海底租鉱権の種類、海底租鉱権の譲渡の承認、権利義務の承継の問題、探査権の存続期間、採取権の存続期間、海底租鉱権者の資格、探査権の設定の手続の問題、採取権の設定の手続の問題等について諸規定が設けられております。  また、一九七〇年五月三十日に公布されました、ただいま申し上げました海底鉱物資源開発法施行令というものがございまして、海底鉱物資源開発法の施行についての必要な事項を規定するということを目的とした施行令でございます。この施行令におきましては、この法律で定めております海底鉱物開発区域、海底鉱区、海底鉱業権の登録、採取権存続の期間、探査権の設定出願の手続、採取権設定の出願の手続、租鉱料の賦課の基準、租鉱料の納入時期等について詳細な規定が設けられております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 なるべく速やかにただいまの大統領施行令をひとつ資料として出していただきますように。  具体的な論争に一つ一つ入っていきたいと思います。  一つは、南部共同開発といわゆる北部中間線画定の根拠について伺いたいと思います。  南部共同開発の区域の画定に当たって、基本的根拠は韓国の言う大陸だな自然延長論に基づいているわけですが、エカフェの報告書中の中ほどにあるわけですが、その報告によれば、中国からの堆積物によって形成されたものである、中国のたなであるとしております。現実に私も海上保安庁から詳細な地図をいただきました。海底の深度調査等をずっと見ていきまして、その地図の中に、これらの地域がいわゆる揚子江の堆積物が沈でんしたと申しますか、そういうことでつくられた大陸だなであると。しかも、この日本の政府機関の持っておる地図の中でも、大揚子砂堆という名称でこの辺一帯の地域が呼称されております。韓国の言う自然延長論とこのエカフェの報告書は内容がまさにつながりのない別個なものであるということがなされておるわけでありますが、日本政府が韓国政府の自然延長論を認めた根拠は、一体どういうことで日本政府が韓国政府の主張を認めたことになったわけですか、ここをひとつはっきりとさせてください。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) まず、日本政府は韓国の自然延長論を認めたわけではありません。ただ韓国が自然延長論を唱えているという立場と日本の立場とで法律的な討論をやった、こういうことでございますが、それじゃ一体韓国はなぜ自然延長論を、いま先生がおっしゃいましたような地形構造、地質構造になっているにもかかわらず自分の自然延長の地域だという主張をしたのかという点を日本はどう考えているかと、こういう御質問と受けとめますと、これは地質学上の大陸だなと国際法上の制度としての大陸だなというものとに違いがあるからそういう結果になった、こういうことでございまして、国際法上は、これは陸地の場合でも同じでございますけれども、国と国との国境というものは、その地質学的な生成過程とかかわりなく国境は引かれていくわけでございますので、海底に対する管轄権の延長の問題も、領海であれ漁業水域であれ大陸だなであれ、国際法上の主権国家であるその主権の一つの延長としてとらえられている。これが国際法制度としての大陸だなのとらえ方である。そういたしますと、大陸だなというのは領土から自然の延長が終わるところまでというふうに自然延長論者は唱えるわけでございまして、その領土から、その地質がどういうふうな形成になっているかということとはかかわりなく、主権の延長としてそういう制度が生まれてきている。これが国際法制度としての大陸だなでございまして、その大陸だながどの川から流れてあるいはどの海流に乗ってできた堆積物からできているかということとはかかわりなく、管轄権の分配の問題として、あるいは管轄権の調整の問題として国際法的には取り扱われる、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 大臣が何か本会議に出られるということですから、じゃ質問をいま中途ですが……。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後一時七分開会

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  午前に引き続き、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とし質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 先ほどの質問でアジア局長の答弁をいただいたわけですが、午後の質問の冒頭に、大変アジア局長まじめに答弁いただいておることは、私もはだで感じてわかります。ただ、局長の答弁の中には論理的につじつまの合わない個所が幾つか感じられるのです。優秀な外務官僚の方々のおそろいで、これは私にどうこうということよりも、局長が後で局長の答弁をごらんいただいて、局長自身の良心というか、ひとつ論理的に自分で御納得いただくような答弁をぜひお願い申したいなと、昼休みの休憩中にそういうことを感じたものですから、特にそのことをお願いを申し上げて、ひとつ率直な御答弁をいただけますようにお願いをいたします。  さっき北部中間線の画定の根拠についてお尋ねをした中途で昼食休憩になったわけでありますが、このエカフェのいわゆる報告書には、中国のたなであると、こういうことを報告しておるわけであります。韓国が自然延長論ということで述べたこととの関連、そこのところをお尋ねしたんですが、その答弁の中途で休憩になってしまって、そこのところ、どうもはっきりいたしません。エカフェの報告で始まって、そして韓国側がこの北部中間線の画定の根拠を、これとは違うところから出ておることを外務省としてどう受けとめて日本政府が認めたものか、その経過をもう少しわかるようにお願いをしたいというのが一点。  それから、韓国が自然延長論を述べておるわけであります。韓国は一体この大陸だな条約を締結をしておるのですか、批准をしておるのですか、そこのところをひとつ明確にお願いしたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 引き続き、自分自身で矛盾のないように努めながら答弁をさしていただきたいと思います。  エカフェの報告の中にある大陸だなのあの部分の認識と、そのことと韓国が朝鮮半島からの自然の延長としてこの大陸だなを日本に対しても主張しているその主張との間に何かつながりがないんじゃないかという御疑問だろうと思いますが、エカフェの調査は、これはそのエカフェの調査の目的その他のところにはっきりしていると思いますけれども、その大陸だなが国際法上どの国に所属するか、あるいはその境界画定はどうするかというような国際法上の大陸だな制度という観点からではなくて、この海底にあります大陸だなというものの資源的な見地からどれだけ有望であるのかどうか、一体どういう形になっているのだろうということを調査したわけでございますので、勢い、地質学的な意味での大陸だなあるいは地形としての大陸だなというものをきわめ、そしてその大陸だなの生成過程を逆に推測いたしまして、そういう形でできた大陸だなであろうから資源があるのではなかろうかという、そういう評価を下したわけでございます。したがって、一つの大陸だなに石油、天然ガス資源があるかどうかということを推定いたしますときの重要な要素の一つに、その大陸だなの地質学的な形成あるいはその成り立ちあるいは生い立ち、そういったものを検討する必要はこれは当然科学的にあろうかと思います。  そこで、そういうふうな大陸だなの資源の埋蔵量その他をきわめた上で、さて、その石油、天然ガス資源が相当あるのではないかと思われた大陸だなをその沿岸諸国がどういうふうに主張しその管轄権を分配するかということになりますと、これは国際法上の制度としての大陸だな、つまり、大陸だな条約その他から徐々に形成されております一般国際法としての大陸だな制度というものをそれぞれの沿岸国が持ち出して、そしてこの部分は自分のものだと、この部分も自分のものだと、ここから先はおまえのものだというような主張をし合うわけでございます。したがいまして、一つの大陸だなに複数の国が隣接しております場合、あるいは一つの大陸だなをはさんで複数の国が相対している場合、そういう場合にはその大陸だなをどういうふうに分割するか、あるいは境界を画定するかという問題が生じますが、その場面になりますと、もう地質学的な要素あるいは形成過程、そういったものは国際法の秩序としては、要素としては導入されませんで、もっぱら、その国の領土主権の及んでおります領域から海の方に向かって大陸だなが自然に延長していくその限度までという主張、これが自然の延長論でございますけれども、そういう主張、あるいは一つの大陸だなを隣接する国同士で共有しているときにはどこで境界を引くかという、つまり隣接している国の場合の境界線、それから今度は、相対しているときにはどこで分割するかという分割の問題、こういうものが国際法上の大陸だな制度としては問題になるわけでございまして、韓国が自然の延長論として唱えておりますのは、そういう国際法上の制度としての大陸だなの主権的権利を韓国としてはどこまで主張し得るか、こういう問題でありますと、大きく分けますと恐らく三つの側面といいますか、部分に分けることができると思います。  一つは、朝鮮半島と中国大陸との間に存在します渤海湾から南にずうっと伸びておりますこれは大陸だなでございますから、これはまさしく私が申し上げました一つの大陸だなを相対して共有している。したがいまして、韓国と中国との間ではこの大陸だなは恐らく特別の合意がない限り衡平の原則に従って中間線ということで分割される、これは大体確立している考え方ではないかと思います。それがずっと南に参りますと、今度は日本という国がそこで相手の国として出てくるわけでございますので、そこで、韓国と日本とが相対する国同士の大陸だなの境界線ということで日本は中間線を主張する、こういうことになるわけでございます。  ところが、韓国はそこで日本とは見解が違う、そのずっと南に伸びてきました大陸だなは沖繩海溝で終わっている、したがって、一つの大陸だなを日本と韓国とで相対して共有しているのではないからそもそも境界画定の必要はない、自然延長の外縁まで自分は主張すればそれでおしまいと、こういう主張でございまして、日本はそこで、海溝はあるけれども一つの大陸だなで、その上に琉球列島が乗っており沖繩海溝があるんだと、こういう考え方で、つまり、大陸だなの認識の仕方がそこで違ってきている。日本は一つの大陸だなを日本と韓国が相対して共有しておりますので中間線で分けるのが筋だと、こういう議論をしたわけでございまして、韓国がエカフェの地質学的な構成にかかわらず自然延長を唱えましたといいますのは、そういう国際法上の制度としての大陸だなの境界画定の問題として日本と韓国の間でこれを取り上げるならば、韓国は自然の延長の終わるところまでが自分の大陸だなであるから日本との間には境界画定の必要がない、こういう議論になるわけです。  三番目の場面は、これは対馬海峡から日本海の入口にわたって大陸だながございます。この部分は真ん中にみぞがあるわけじゃございませんから、ちょうど中国と韓国の間と同じように日本と韓国の間で中間線で分けるということになったわけで、これが、北部境界画定に関する協定はまさしくその部分を解決したものと、こういうことになっておるわけでございます。  それから御質問の第二点の、大陸だな条約には韓国も日本も当事国にはなっておりません。この大陸だな条約に日本が当事国となっていない理由につきましてはいろいろありますけれども、一口で言いますと、大陸だなの上に、上にといいますか密着して生息している動植物の採捕という、そこのところで、例の真珠貝論争に象徴されますように、そのところの生物資源の問題について日本があの条約の解釈に疑義がありということで加入しなかった。しかし、この大陸だな条約か採用しております大陸だなの定義といいますか、どういうふうに大陸だなに対して沿岸国か主権的権利を主張し得るか、あるいはそれがいま申し上げましたように、隣接する場合あるいは相対する複数国の間でどういうふうに境界を画定するかというようなものは、一応、一般国際法として熟してきました規則を成文化したものが大陸だな条約ということでございますので、本件、日韓間で大陸だなの法律論争をしておりますときも、日韓双方とも、大陸だな条約の中の一般国際法とみなし得る部分につきましては双方とも大陸だな条約の条章を引用しながらこの法律論争を展開したと、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この問題について、今後きわめて重要な問題になってくると思うことは、中国との関係が問題になってくると思うわけです。中国側の主張、それから日本の中間線という主張、今後この日韓大陸だな協定を結ぶということが大きな問題を生み出す種にならないかということを心配するわけであります。この問題について一体中国とはどんな話し合いがあったのか、そしてこれらの問題についての中国側の態度、ここをひとつ明らかにしてほしいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 中国との関係について申しますと、この大陸だな協定の北部の部分はこれは関係がないわけでございます。北部境界画定は、これは中間線で日韓間で分けたわけでございまして、南部の共同開発協定、この部分が中国との関係の出てくる面でございます。  その場合に、一つは、韓国と中国との間には、先ほど申し上げましたように、朝鮮半島と中国大陸との間に横たわっております一つの大陸だなについて境界画定の必要があるわけです。したがいまして、通常の原則でいきますと、韓国と中国の間は中間線で境界が画定されるべきものと、こういうふうに認識されますし、そのことには恐らくいずれの国も疑義のないところだろうと思います。したがって、この韓中中間線というものがありまして、それがずうっと南下して自然の延長の終わるところまで延びますと、これは韓国と中国との間の境界線。韓国と中国がともに自然延長論をとりまして、日本には大陸だなの主張がないという立場に立ちますと、もうそれでこの東シナ海の大陸だなの境界は終わりになってしまうわけでございます。  ところが日本はそれに対して、日本からも大陸だなの主張ができるということで、北の方に押し上げてわが方の主張をしておるわけで、それが中間線ということになります。そういたしますと、日本の立場は北の方に押し上げますのは、韓国に対して押し上げますと同時に、中国に対しても押し上げていくわけでございますので、韓日、中日、つまり日本と韓国、日本と中国の中間線というものがずうっと今度は琉球列島に沿って引かれるべきであるというのが日本の立場になるわけです。そういたしますと、どうもこの大陸だなはちょうどエカフェが調査いたしますときに、国籍にかかわりなくこの地域全体の大陸だなを調査いたしまして、それに対して関係国が複数でございますから、最も望ましい姿は複数国が相寄り相集まりまして、どこでお互いに線引きをして分け合うかという話をするのが常道であることはどなたもおわかりのことだろうと思うんです。  ところが、この大陸だなに隣接しております国、あるいは相対しておる国の中には外交関係がない、つまり、席を同じくして話し合うことのできない国がある。最も現在典型的な例は韓国と中国でございまして、韓国の方は、これは最初に韓国がこの地域の開発のための国内法を設定しましたときに、中国は韓国に対して異議を唱えたことがございました。これは韓国が一方的にそういうところに手をつけるのは中国としては容認できない。これは話し合った上で決めなきゃいけないということを言った経緯がございました。そのときに、韓国政府は直ちにその翌日に中国政府に対しまして、これは韓国としては初めて中華人民共和国という正式国称を用いた例でございますけれども、大韓民国政府は中華人民共和国政府とこの大陸だなの境界画定について話し合う用意があるということを正式に公式声明を出したわけでございます。ところが、中国はそれに応じて、それでは話し合いをしようとは言わなくて、それを無視したままになっておるわけでございまして、韓国政府は中国とは話し合う用意があると、こう言っておりますけれども、中国は御承知のような立場でございまして、大韓民国政府と正式に話をする立場にはないと、こういう原則論をいまでもとっておりますために、韓国と中国の間では話ができないという状況であります。したがいまして、韓中中間線によってまず大きく東と西に分かれて、そしてその韓国側の部分について日本が南から押し上げて中間線まで自分のものだという主張をしたというのが今度の交渉でございますので、基本的には、まず韓中中間線の韓国側の部分について日韓間で話をしたというのが今度の共同開発協定であります。  そういう経緯でございますので、中国との関係といいますと、韓中中間線が韓中間で話し合った結果引かれた線でないという意味において中国の意向が正式に反映されてないということはこれは事実でございますけれども、韓中間で話し合うような国際政治情勢になるまでには一体何年待てばいいのかわからないという状況のもとでは、日本としてもあるいは韓国といたしましても、双方が持っております海図の上でできるだけ詳細に測定をいたしまして、わが方として間違いないと思う韓中中間線をまず前提といたしまして、その中間線から韓国側の部分につきまして、改めて日本と韓国の間で南北の境界をつくったというのがこの共同開発区域の北西にわたっておる線であるわけでございます。したがって日本政府は、本来ならば中国とも韓国ともみんなと話し合って決めなければならない問題ではありながら、実際上の問題として話ができない。しかし、日本は日中関係というものを重んずるという立場で、異例のことでございますけれども、この協定が正式署名される前に、つまり一般には明らかになります前に、一九七三年の一月四日でございましたか、七四年の一月四日に日中貿易協定の署名のために訪中されました大平外務大臣から姫鵬飛外交部長、つまり外務大臣レベルで、近く日本は韓国との間でこういう協定に署名することになりました。その内容はこういうことで、この協定を作成するに当たっては、いま私が申し上げましたように、中国の権利を害さないように細心の注意を払ってあります、ひとつ御理解いただきたいということを申し入れました。  そのときの中国の反応は、中国としてはまだ大陸だなに対してどういう権利主張をするか、つまり国際法上どういう権利主張をするかということはまだ決めていないのでよく考えさしてもらいたいと、こういうことであったわけでございます。  その一月の三十日に署名の日取りが決まっておりまして、この署名に先立ちまして、日本側から、かねて外務大臣から御説明しましたような日韓間の大陸だな協定をいよいよ一月三十日に署名いたしますということを、東京では当時の法眼外務事務次官から陳楚大使、北京では橋本参事官から王暁雲アジア局副司長、つまり次長でございますが、これに申し入れまして、そして翌日一月三十日に協定を署名いたしました。協定の署名が終わったという正式の通報かありましてすぐに、今度は東京で私自身が東京の中国大使館の米国鈞参事官——もういま離任されましたか、米国鈞参事官を招致いたしまして、署名された協定テキストの全文を渡して、また、その協定に記載されている内容を地図に克明に引き写したものも示しまして、こういうふうに日本側としては線引きに当たっては細心の注意を払っておる。しかしそれにもかかわらず、日本としては原則的にはやがて中国との間にもこの大陸だなの境界画定の話をしなければならないわけですから、中国側でもし日本と引き続き——引き続きといいますか、そのずっと南部の部分について境界画定の話をするという御用意があるならばいつでもする用意があるということも申し添えたわけです。中国側は、その時点ではまだはっきりとした大陸だなに対する態度表明をしておりませんでした。  そこで、二月の四日だったと思いますが、私がその一月三十日署名の日に説明してから五日後に当たりますか、二月の四日に、中国の外交部スポークスマン声明というものが出されました。ここで初めて中国は、この東シナ海大陸だなに関連して中国がどういう態度をとるかということを公にいたしまして、この立場がいままで一貫して続いておる。  その立場どういう立場かといいますと、一口で言いますと、韓国と同じ立場で自然の延長論、つまり中国大陸から延びた大陸だなが自然に延長されて、それが終わるところまでが自分の大陸だなであると、こういう主張をしている、これがはっきりいたしました。  もう一つは、この大陸だなは、関係諸国の間で協議の上その境界を画定しなければならない、そういう立場でございます。これは先ほども私が冒頭に申し上げましたように、この大陸だなを囲んで存在しております関係諸国がみんな集まって、そして話し合いによってどのように区分するかを決めるべきである、こういう立場であります。そうしますと、今度は関係国が話し合わないで、つまり日本と韓国だけでここを話し合ったのはこれは許せない、これは中国の主権を浸す行為である、こういうふうに言っておるわけです。  日本はそれに対しまして、中国の原則的な立場は理解ができますし、また、それは日本の立場でもあるわけですか、遺憾ながら現在の状況では中国が韓国と話ができない、同席しないという立場をとっております以上、これは関係国の間で話し合って境界を画定することができない、それを待つことなく、日本としては細心の注意を払って中国の主権を侵さないように線引きをしている。しかし、そうは言っても中国には中国の主張があるでしょうから、いつでも中国とは話し合う用意があるということをいままで何回となく、国会提出に先立ちまして、あるいは国会提出の際に、中国側に繰り返し繰り返し申し述べてきております。ことしになりましても、今度の国会に提出するに先立って同じ申し入れをいたしましたし、また先般は衆議院の本会議で、中国とこの話し合いを早く進めるべきであるという強い御要請の声も出ましたので、当時外務大臣からも正式に国会で御答弁がありましたように、日本としては早急に中国にこの話し合いをまた申し入れようということで、早速北京の小川大使に訓令をいたしまして、日本としては、日韓大陸だな協定の締結に関連いたしまして、この東シナ海大陸だなについて日中間で話し合うことを提案するし、また中国側で用意があるならばいつでも、あすからでも協議に応ずるという趣旨を申し入れております。中国側はこれに対して、暫時検討させてくれということで、いま私どもは中国側の反応を待っておるわけでございます。  そういうことで、残念ながらこの大陸だなを囲みます国の間に、それぞれに外交関係が満足な形で樹立されておりませんために、中国が希望するように、また日本もできればそうありたいと思うように、関係国の間に円満な話し合いによる最終的な境界画定ができないという現状。他方、この資源の開発を早く急ぎたい、また、韓国が単独開発しようとしたのに待ったをかけたという経緯、そういったものを勘案いたしますと、ここでは中国に対して誠心誠意日本政府の関心と日本政府が選んだこの境界画定の方法について中国の理解を得まして、それをもとにして中国側でなお日本と協議をするという態度に決まりましたら、いつでも日本としては応ずる用意があるということで臨んでおるわけでございます。  長々と申し述べましたけれども、一口で言いますと、中国側はどういう態度をとっているかといいますと、中国側は自然延長論をとっている、そして関係国の間で境界画定すべきものであると、こういうことでございます。  なお、ちなみに、大きな大陸だなの境界画定をする場合に、全関係国が集まって円満に境界画定したという例はむしろ少のうございまして、関係国同士で分割して大陸だなの境界を画定していくという例は世界にもあるわけでございますので、今回のところはとりあえず日韓間に関連するところだけについて境界を画定した、日中間の部分は中国との話し合いができるようになりましたら、早速日中間で話し合いをしていこう、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの答弁で幾つか問題が提起をされたわけですが、中国側の問題に限ってもう少し突っ込みたいと思いますが、日韓大陸だな協定に対する中国外交部スポークスマンの声明、昭和四十九年二月四日、一応短い文章ですから朗読いたします。  その後の中国大使館あるいは中国外交部の数々の動きは、この線と全く同じ行為が繰り返されておるわけです。  こうなりますと、先ほどのアジア局長の答弁、これは、これだけの中国からの明確な意思表示があった問題に関して、この韓国との大陸だな協定は、まさに一切のことを無視して見切り発車をしょう、結果的にはそういうことになるものではありませんか。先ほど急ぐ理由として国際信義を重んずると、こういうことを述べられましたが、このことは、一つの国に対する信義を重んずる、こういうことの反面、一つは中国に対する信義を全くじゅうりんして、そしてこの協定の成立をがむしゃらに強行しよう。一つめ国に対する信義、そのことはもちろん大事です。しかし、そのことが他の国に対する信義をじゅうりんしてよいという理屈にはつながらないものである、私はこう考えるわけであります。  それからもう一つは、外交関係のないいわゆる北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国に関する問題でありますが、これもいまの問題に関連をして「朝鮮民主主義人民共和国外交部の声明 外交部スポークスマン、「大陸棚協定」の無効を主張して声明」、これはちょっと長文でありますので、最後のところだけ朗読をいたしますと、朝鮮民主主義人民共和国の主張というものがその末文のところで明確にされておると思います。そこは、   全チョソン人民は、外来帝国主義者にこびへ  つらって国の貴重な富と利権を売り払っている  南チョソン当局者の許し難い売国反民族行為を  きびしく断罪し、わが国の大陸棚と海底資源を  略奪する日本軍国主義者の恥知らずな侵略行為  を強く糾弾する。   南チョソン当局者は、米日帝国主義者にたい  する従属と屈従に強く反対する人民の正当な要  求を無視し、ひきつづき外部勢力にしがみつい  て反逆の道を進むならば、わが民族のきびしい  審判を免れえないことをはっきり悟るべきであ  る。   日本軍国主義者もまた、日本の再侵略策動に  反対するチョソン人民をはじめとするアジア人  民の慎怒の声に耳を傾け、わが国にむやみに手  を出してはならない。   チョソン民主主義人民共和国政府とチョソン  人民は、わが国の資源にたいする侵害と略奪行  為を絶対に許さず、国の自主権と利権を守るた  めにだんこたたかうであろう。           一九七四年二月二日  こういう声明が出されておるわけであります。  こういうことを考えますと、先ほどなぜ急ぐのかと、そのことの一つの理由に、石油が外国から輸入をされて、これから資源時代に入って大変だからと、こういうことと、国際信義を重ずると、こういうことを主張されたわけでありますが、先ほどちょっと触れましたように、これらの事実というものは、日本の外務省当局のとっておる態度というのは、万人を納得せしめる、国際信義を重ずる、こういう理由というのは全く成り立たないものであると、私はこう理解するわけであります。これらの問題について一体これから先どう話し合いをし、いつの時期にこれらの問題の解決——私はこれらの問題のすべての解決を図ってからでも、この資源の開発という問題に円満にアジアの各国が協調的に開発、共同の理解のもとに始まっても決して遅くないものである、それが当然至当な行為である、こういう考え方でございますが、ただいまの二つの、両国外交部スポークスマンの声明に対する日本外務省としての正式な態度を、ひとつこの席で明快にお答えいただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) まず中国との関係について申しますと、中国の外交部スポークスマン声明というのは、これは日本が中国にこの協定の締結について詳細な説明をした際に、十分慎重に中国の態度を検討中だといった、その検討の結果として出されたものでありますので、日本政府としては、これは中国政府の非常にまじめな原則的な立場の表明であるというふうに受けとめておるわけでございます。  ただ問題は、日本が何らかの行為をした場合に第三国がそれに対して意見を表明する、その意見を表明したものがすべて日本としてそのとおりだと思うかというと、それはそうではございませんで、国際社会のことですから意見の相違もある。日本は、先ほどるる申し上げましたような立場ですので、日本としては中国の権利は侵害していないと、こう確信しているということを申し上げて、それにもかかわらず、中国の方で問題ありというのであれば話し合いましょうということを言っておるわけでございます。この精神は、日中共同声明にありますように、両国間の紛争は平和的に話し合いによって解決すると、これは日中双方が受け入れている原則であります。したがって、日中共同声明の精神にのっとるならば、日本と中国とがこの件について意見が違うわけですから、話し合いによって解決したいということを日本は中国に正式に何回も申し入れている。その日本側の申し入れに対して中国側が応じてきました暁には、即刻日中間でこの問題の協議が始まる。そういう協議の結果、いまの日中友好関係にかんがみますれば、話し合いによってこの法律的な立場の違いというものは円満に解決し得ると思いますし、またしなければならないというふうに私どもは用意をしておるわけであります。  他方、朝鮮民主主義人民共和国の方でございますけれども、いま先生がお読みになりましたその用語からもはっきりいたしますように、通常、ある国がある国の行為に対して意見を述べますときに、こういう激しい表現でその問題点を指摘するということは余りないことであると思います。したがいまして、それにはそれなりの別途の目的があるのかもしれませんけれども、しかし、それにもかかわらず北朝鮮の当局としてはこの協定を認めるわけにいかぬということを述べておられることは事実でございます。しかし、この点になりますと中国の場合よりももっと、日本の考え方からいいますと、北朝鮮の当局がこの協定に対して日本政府に異議を唱えるという根拠は、国際法的にはなかなかむずかしいのじゃないか。といいますのは、日本政府は、御承知のように、朝鮮半島の南の部分、大韓民国との間で国交を正常化いたしまして北の半分は白紙に残すと、白紙のままに残しているというのが日韓基本関係条約の立場であるわけであります。この日本政府の立場からいたしますと、今回の大陸だなをはさんでいる両当局というのは、まぎれもなく大韓民国政府と日本国政府である。日本と大韓民国との間にまたがっている大陸だなの境界を画定する。北朝鮮の方は、大韓民国と北朝鮮との間で、これは隣接する国同士の境界として境界が画定できるような状況になればこれは最も望ましいわけですけれども、これは南北両朝鮮ともそのよって立つ立場の相違のためにそういう話し合いが行い得ない現実である。これは非常に不幸なことでありますし、一日も早くそういう状況になっていただきたいと思いますけれども、これは日本の力では直接いかんともしがたい問題である。そういたしますと、結局、この地域の資源を開発するために日本としてなし得る道は、いま現実にそこを管轄している当局、しかもその国との間には国交があるわけですから、この法律紛争を話し合いによって解決するというのが唯一残された道である。将来朝鮮半島全域の人たちの資源利用という形になる状態、すなわち朝鮮半島が統一されました暁には、これは通常の国際慣例に従いますれば、統一された国家がそれ以前の国際法上の権利義務を継承するというのが通例でございますから、そういう形で継承されていくべきものというふうに私どもとしては期待しているわけであります。  そういうことでありますので、中国の立場に対しましては、これは一つの立場として私どもはそれなりの重みを感じておりますし、したがって、中国とは速やかに話し合いに入りたいという姿勢に変わりはございませんし、それを希望しておるわけです。北朝鮮との間では、遺憾ながら、現状を国際法に当てはめますと、これは日本と韓国との間で話し合って定められた境界は国際法上有効に主張し得るものであると、こういうふうに日本政府は確信している、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 朝鮮の問題は、この次少しみっちりと突っ込んで質問をしたいと思いますが、先ほどの質問に関連をして、この北部中間線の問題で論議をしておるところですので、この合理性についてまだ疑問がありますものですから、いわゆる竹島、この領有の問題がこの中間線の設定の問題に重要な関係を持つものである。その領有、これは韓国あるいは日本の領有になるか、その結果いかんによっては中間線が変わってくるわけであります。  もう一つは、中国の問題で尖閣諸島の問題それらの所有をめぐってまだ係争が続いておるわけでありますが、そうなった場合にはそれらの線引きというのが自然に変わってくると、こういう理解になると思うわけでありますが、この点について外務当局はどう考えて今後処理をされようとするのか、問題はないのかどうか、ここのところをひとつ明確にしていただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) まず、竹島について御説明いたしますと、あの竹島は、御承知のように、非常に深い海の中に突如として浮き出ております岩礁から成っておる島でございまして、この周辺には深海はありましても大陸だなはないわけでございます。こういう深海の岩礁、そういったものが大陸だなは持ち得ないという議論すらいまの海洋法会議では行われておるわけでありますので、この竹島をどう扱うかという問題は、まず、国際法上の大陸だなの制度といたしましてはいまだはっきりした規則なり基準というものが生まれていないという事情が一つございます。  もう一つは、この北部境界画定につきましては、先ほど私申し上げましたように、朝鮮半島と日本列島との間に横たわります大陸だなを開発するに当たってどこに境界を画定するかという問題でありますので、その境界画定に当たっては、その画定の結果、それぞれに属する大陸だなについて資源開発の主権的権利を及ぼすということが当然の前提になるわけであるわけですが、この竹島のところは日本海でございまして、日本列島からも朝鮮半島からも急激に深くなっておりまして、いまの北部境界画定の中間線の北端はもうそれ以上延ばしてみても大陸だな資源開発という実利的な観点から意味のない線引きになる。この意味のない線を一生懸命日本海の中央に向かって引いてみましても、これは余り役に立たない。他方、それを引こうといたしますと、いま先生御指摘のように竹島というものがある。竹島については、日本は当然これは日本固有の領土だという法的立場をとっておりますし、韓国は韓国で、韓国の固有の領土だということで紛争になっておることは事実でございます。仮にその紛争がなくても、冒頭に申し上げましたように、竹島のような絶海の岩礁を大陸だなの中間線を決める場合の測定の基点として使うかどうかという点については、国際法上確立していないばかりでなくて、むしろそういうものは基点としてはカウントしない、基点としては採用しないという主張の方が海洋法会議では強くなっているぐらいの状況なわけです。したがいまして、実利上の観点と国際法上はっきりしていないという、この二つの理由によりまして、竹島を念頭に置かないでその手前のところで中間線がとまっていると、こういうのが北部境界画定の中間線を画定するに当たりまして竹島をどう扱ったかということについての日本政府の見解であるわけです。  他方、尖閣諸島の方は、これは先生は国際紛争とおっしゃいましたけれども、日本政府の立場は、これは日本の固有の領土であり、かつ日本が有効支配しておるということでございますので、これを紛争地域というふうには認識しておらない。日本政府としては、これは御承知のように尖閣諸島が問題になりましたときに、当時の国会でもそうでしたし、それ以外でもそうですが、与野党を問わず日本の当時の全政党が尖閣諸島は日本の領有のもとにあるんだという公式見解を出しておられるという経緯もございまして、これの日本帰属については何らの疑問がないというのが日本政府の立場でございまして、竹島のように日本の固有の領土が不法に占拠されているというのと違いまして、日本の固有の領土を日本か有効に現実に支配しているという意味で、尖閣諸島の場合は竹島とは違いまして何らの疑念がないという立場であるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの答弁を確認したいと思いますが、先ほど竹島の帰属の問題で、その先の延長、中間線の問題で意味がないと、こういう答弁があったわけですが、これは正式に外務省としてそういうことをこの席で表明されることができるんですか。  それからもう一つは、この竹島の領有問題が線引きの問題に全く今後影響はないと、こう断言をされるわけですか。  それから第三番目に、この尖閣列島が日本固有の領土で現在も間違いなく占有をし続けておる、こういうことで今後中国との間の国際紛争の種にはならないと、はっきり断言をされるわけですか。その点を重ねて確認をいただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) まず第一点の意味がないと申し上げました意味は、何でもかんでも意味がないと申し上げたわけではなくて、現実にあの地域のあの水域、まあ海底区域の大陸だなとしての開発必要性あるいは要望、そういったものがない。また、竹島のすぐ外はもう千メートル以上の深さになっておる、そういう深海でございますので、その周辺を開発しようというような考えはいまのところ韓国にもございませんし、日本にもありません。そういうことで、もっぱら実際上の見地から、大陸だな開発という観点からいたしますと、それ以上線を引きましても、その線にのっとってどちらかが開発するというようなことの現実可能性がないという意味で申し上げたわけでございます。  したがいまして、第二点として、竹島は何でもかんでもほうっておいていいんだということを私は申し上げたわけでございませんで、竹島を、大陸だなの境界画定に当たって中間線を採用するときにどこの基点をはかって中間線を定めるかという場合に、絶海の岩礁をやはり基点として、たとえば広い海のとんでもないところに一つぽんと岩礁が出ているからといってそこから先で中間線を引くと。そうしますと、絶海の孤島と沿岸との間は全部沿岸国のものになるわけです。そういうふうにして、たった一つの岩礁のようなもので自分の領域を、海域を大きくとることが果たして衡平の原則に合うだろうかというような議論が、これが海洋法会議で絶海の岩礁を基点として採用するに対して提出されている疑問点があるわけです。  そういうことで、絶海の岩礁を大陸だなの中間線を画定する場合の基点として使うかどうかという点は、これは経済水域の場合と同じでございますけれども、海洋法会議ではまだ国際法的にはっきりしていない、のみならず、趨勢といたしましては、そういうものは、絶海の岩礁そのものが大陸だなを主張しあるいは経済水域を主張するということは、これもどうも疑問を持つ意見の方が多いというのが現状であるわけです。  しかし、固有の領土であるという意味では、これは岩礁であろうと島であろうと何であろうと、同じ主権の重さがあるわけでございますから、領海を持つことも当然でございますし、いま問題になっております漁業専管水域というような、そういったたぐいの線引きの場合には当然これを基点として使用するということはこれはもう問題のない点であると、こういうふうに御理解いただきたいわけでございます。  第三番目に、尖閣諸島につきましては、これは大体尖閣諸島は日本が明治二十八年以来正式に日本領土ということで主張しておるわけでございますが、これに対して周辺諸国から、いやそれは少し問題があると言い出しましたのは、先ほど先生午前の会議で御指摘になりましたエカフェの報告で、あの辺に石油資源が多い、石油埋蔵があるのではないかという可能性が指摘されましてから何となくざわざわしてきたというのが現状でございまして、日本政府はもうその以前からこの尖閣諸島は日本の固有の領土であるということでずっと一貫して主張しておりましたし、それの一番はっきりした証拠といたしまして、平和条約に基づきましてアメリカかここに施政権を、沖繩を中心といたしまして平和条約第三条地域として施政権を行使しておりました。そのアメリカの施政権下に尖閣諸島は置かれておったわけです。現に演習場として使用されたこともあるくらいでございますので、沖繩返還とともに尖閣諸島も日本に戻ってきた。何の疑いもない、きわめて平穏裏に引き続き日本の固有の領土である、こういうことでございます。  他方、これには海上保安庁の方で一年のうち何回か定期的に巡視をいたしまして、不法占拠のありなしということを見ております。不法占拠の事実はございませんが、ときどき周辺諸国の漁船が台風を避けるために漂流したり、あるいは間違ってその三海里以内で漁労活動をするということがありますと、これは厳重に注意をして退去してもらっている。いままでそういうことですべて円満に退去しておりまして、日本としてはこの尖閣諸島には実効支配を及ぼしていると、こういうふうに認識しておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうなってきますと、この日韓共同開発区域のいわゆる韓国側の主張を認めたものと、それから中国のいわゆる大陸だな延長論、こういう問題との関連の中に矛盾があるという私は受けとめ方をしておるわけですが、日本政府のとる態度は一貫するそういう態度ではなくなるんじゃないですか、この点いかがですか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 日本の立場からいたしますと、日韓大陸だな協定のこの南部の共同開発協定は、日本の主張が一〇〇%入れられたものであるというふうには思っておりません。これは従来申しておりますように、韓国の主張と日本の主張とが重なる部分について法律的な立場をたな上げにして実際的解決を図った。そういう意味で、たな上げにされました法律的立場というものが一〇〇%実現されていないということは客観的に明らかなことでございます。しかし、そのことは日本の法律的立場を譲歩したとか、あるいは制限したとかということでない。そのことを天下に明らかにするために協定第二十八条におきまして、日本の法的立場を害するものでないということを規定しております。したがって、日本が同じ大陸だなにつきまして今度は中国と話し合いをいたしますときに、日本が中間線の立場を主張いたしましても、そのことはこの協定とは矛盾しない。しかし、実際上そう言うけれども中間線になってないじゃないかと言われれば、それはそのとおりでございます。それがすなわち実際的解決のゆえんでございますので、これは法律的な立場と実際的な資源の有効利用という両方の要請を入れてできたものである。そういう意味では、日本の法律的立場が一〇〇%実現されていないという意味ではおっしゃるとおりに私どもも十分心得ておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 心得ておっても、日本国民それからそれらの関係諸国に納得させる、こういう日本の堂々たる主張にはなり得ないものと私はここで強く指摘をいたしておくものであります。  特に、先ほどの朝鮮民主主義人民共和国との関係についてアジア局長が重大な発言をされましたものですから、これについて少しさらに具体的な問題で日本政府の態度を伺って、明らかにしてほしいと思います。  現在の大陸だな開発協定は、日韓両国によって行われております。しかし、南北朝鮮の統一が国際的にも支持されておる現在、このことが、いまアジア局長が答弁されたように、今後問題は残らないのか、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国は全くこの協定の部外者だと、日本政府がこれから先そういう態度を堅持されることに日本の外交進路として誤りはないのかどうか、こういうことをひとつ私は重大な疑問点としてただしたいと思うわけであります。日本政府はこの南北朝鮮の統一、このことを支持されるのですか、これに反対なんですか、分断することを固定することを日本政府としては望んでおるんですか、これが永久的に続くということを期待しておるわけですか、そのところをひとつはっきりお聞かせいただきたい。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) これは累次日本政府が明らかにしておりますように、日本政府といたしましては、朝鮮半島がいまのように二分されていることは非常に不幸な事態である。したがって、朝鮮半島におられる人たちの希望がかなえられて一日も早く統一が実現することを期待していると、この基本的立場にはいささかの変更もございません。絶えずそういうことを念頭に置いて現実的な問題の処理に当たっていると、こういうふうに御了解いただきたいと思います。  したがいまして、この大陸だなの協定につきましても、これがもし朝鮮半島の統一というものがもう目の先にはっきり見えておりますれば、あるいは統一を待ってやるという話を、第一、朝鮮半島の方からも統一を待ってやるという態度になるべきだろうと思いますけれども、遺憾ながらそれが現実の問題として目の先に見えていない。他方、この資源を開発する必要がある。そして日本と韓国との間には国交がある。しかもこの大陸だなは、午前も申し上げましたように、一つの大陸だなにそれぞれ面している、それに接している国の主権の問題として処理されるのが国際法上の制度でございますから、このいまの共同開発地域が対象としております部分は、これは国際法的に見ますと、これは大韓民国の占めている領土から自然の延長として出てきている大陸だなである。これは国際法的に見て明らかなわけでございますので、その部分に限りまして日本と大韓民国との間で合意をいたしましても、そのことは北の主権を侵すということにはならないということを確信しておるわけでございます。  将来の問題といたしまして、首尾よく統一が実現されましたならば、これは当然統一された朝鮮の一つの主権的権利の対象になるというのが国際社会における通例であるということを申し上げたわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この協定自体が五十年という長期にわたる内容を期限といたしておるわけであります。その中で、ただいまの局長の答弁は、南北朝鮮の分断は不自然である、日本はその統一を支持すると、こういう立場に立っておる際に、朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮の方では明確にこのことに対して反対の意思を表示している。そのことに一切耳を傾けないで無視してこの協定を結ぶ、こういうことが一体、先ほど国際信義という言葉が出されましたが、日本政府のとるべきしかるべき態度だと、日本外務省当局はこういうふうに断定をされるわけですか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 先ほど私申し上げましたように、朝鮮半島の統一というものを将来の展望として日本政府も堅持しておりますけれども、そういう考え方を基本といたしましても、現実の処理はやはり現実に即して解決しなければならない、現実の問題はですね。そういたしますと、この大陸だなの開発に関して言いますなれば、いまの現実に即しますと、この部分の大陸だなに主権的権利を主張し得るのは大韓民国である。したがって、その権利を主張している大韓民国と日本国との間で話し合うことには国際法的には全く異議はないし、疑問のないところである。しかし、そうかといって、北朝鮮の当局が出されましたそういう立場、先ほどの激しい言葉がございましたけれども、そういう声明の中にあります関心というものを全く知らないわけではございませんけれども、その部分は、現実に支配しております地域に関連する問題についての話でございますれば、これは話をするなり理解を求めるなりということもあるいは必要かもしれませんけれども、いま私どもが対象としております地域は、どういうふうに見ましてもこれは大韓民国の領域から自然の延長として延びている大陸だなの部分についての論争でございますので、大韓民国との間で解決することには問題がないと、これは確信しておるところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 では日本の外務当局は南北朝鮮の統一、この協定の成立ということがこの南北朝鮮の統一の阻害に全くならないと、こう断定をされるわけですか。そう確信をしておられるわけですか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 日本が韓国といろいろの取り決めを結んだものがすべて統一の妨げになるというようなことを考えますればそれは別でございますけれども、現地の処理といたしましては、これは南北の統一とは関係がなくて、いま現実に支配している国とその関係水域についての取り決めをしたということでございますので、日韓の間でたとえば漁業取り決めをして日韓漁業協定を結んで、そして現実に韓国が支配している水域についての漁業秩序を日本は定めていると、それと同じような認識で行動しているわけでございまして、これが南北の統一の妨げになる、あるいはそれを妨げようとするものであるというようなことは毛頭考えていないわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 アジア局長の答弁は、まあともかく朝鮮は関係ないと、こういう論旨で一貫をされておると思います。それから、南北の朝鮮は統一は期待できない、統一はできないんだと、こういうことを前提にして答弁をされておると私は受けとめております。  そうなりますと、ひとつさらに突っ込んで聞きたいわけでありますが、南北統一のための南北両政府の共同声明、いわゆる七・四共同声明について日本政府はどうこれを考えておるのか。それから、現在の南北朝鮮の人たちが統一の悲願、統一への運動をどういうふうに受けとめておるのか。それから、南朝鮮の人たちがこの大陸だな開発協定についてどういう世論を構成しておるのか。そこらのところをひとつ明確にしていただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) まず一九七二年の七月四日の南北共同声明、これはたびたび日本政府も機会あるごとに明らかにしておりますが、これを全面的に支持しております。したがいまして、この南北共同声明の線に従って南北調節委員会といいます政治会談ができ得べくんば頻繁に開かれまして、南北が話し合いによって平和的に統一を実現してもらいたいということは何度も申し上げていることでございます。いまの共同声明にもかかわりませず、その後の事態は私どもの期待するようには動いておりませんけれども、しかし日本政府の態度は、今回総理がアメリカに行かれましたときの共同声明にも明らかでございますけれども、朝鮮半島に早く緊張が緩和されて、そして話し合いによる統一が実現してもらいたい、そういう話し合いによる統一が実現するまでの間、この朝鮮半島には平和と安定が維持されることを強く期待するという姿勢が一貫してとられているというふうに私どもは認識しているわけでございます。  で、日韓大陸だな協定につきまして韓国の世論はどうかという点は、午前もちょっと申し上げましたけれども、私どもの承知しておりますところでは、一日も早くこれが日本の国会で承認を得て批准され、批准書交換の上この協定が発効して、この大陸だな資源が有効に利用できることを待ち望んでいると、こういうふうに私どもは受けとめておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 南北朝鮮の平和統一が国際的にも、それから日本政府も支持をすると、こういう立場を明確にしている以上、いまのような答弁で急ぐんだと、もうそんなことは構っておれないと、統一はいつだかわからない、できないと、こういうような日本の政府当局の態度というのは、これはまあ言葉をやわらげていますが、あなたはそういうことを好ましいと、こうお考えになって答弁をされておるようにお見受けをするわけですが、そういうことで今後一つの国に対する、韓国に対する信義を重んずると、こういうことの中に、それの何倍かの大きな背信行為、不信行為を日本政府が好んで引き起こすことになるものではありませんか、いかがですか。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 私は、いま先生が言葉をやわらげておっしゃった、そういうことを好んでいるんではないかと言われましたが、全くそういうことは好んでおりませんで、私の好んでおりますのは、サンフランシスコ平和条約で日本から独立いたしました朝鮮が一つの朝鮮として統一されて、そして日本との間に友好な善隣関係を持っていくという将来の姿を好んでおるわけでございます。ただ、現実の国際政治の流れはそういうものの実現にはまだまだむずかしい問題があると。これは日本だけの問題ではなくて、国際政治全体の問題として解決すべき問題が前に横たわっていると。しかし日本としては、それにもかからわず一日も早く南北両鮮の間で話し合いが再開されて、平和的に統一されるという努力が実を結ぶことを期待しているということは先ほど申し上げたとおりでございまして、そういう経過期間の間で現実に処理を要する問題が出ましたときには、これは現実にその問題について管轄権を持っている国同士の間で解決すると、これが国際社会のルールであると私ども思いますので、実際にそこを支配している国との間で問題を解決することが統一の問題に妨げになる、あるいはそれを邪魔しようとしているというようなふうにとられることは、私どもとしては心外なことであると、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いままで述べてきたところで、ここで外務大臣にひとつお尋ねをしたいと思いますが、この論議でこういうことを一つ私は思い出して、ちょっと大臣の所見をお尋ねしたいと思いますが、道路標識、それからオーナードライバーの車に、「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」というあれがありますね。私はこの協定の早期批准を急ぐ、自民党政府が強行する、そういうことの中にこの日本人のせっかち、一時的な急いで行って仕事をしようというような、そういうことのために取り返しのつかない大事故を起こし不祥事件を起こす、こういうことと大変この協定案の取り扱いの問題が何か相似点があるような、そういう感じがするわけであります。まあこの協定の成立は、これはもう三年前になりますか、第七十二国会で一九七四年の五月十八日に衆議院に提出になり、第二回目が一九七五年三月十四日に衆議院に提出になりいずれも審議未了と、そしてこの第八十回国会、一九七七年の二月十四日に提出をされて、そして去る四月の二十七日だったでしょうか、自民党の強行採決、そして五月の十日、十一日に衆議院の本会議で強行採決と、まあこういうことになってきたわけでありますが、さっきの自動車の標語、ここでもう一度ひとつ外務大臣から、そんなに急いでどこへ行くんだと、こういうことに関して私が素朴な疑問を持っているものですから、もう一度ここのところをひとつ外務大臣から御答弁をお聞かせいただきたいと思います。何でそんなに急ぐんですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 結局、御論議の一番最初の御質問をまたいただくわけでございますが、これは昭和四十五年といえばもう七年前でございますから、そのころからの問題が法律論争の時代を通じ、そして共同開発ということに決着を見て、それからすでにもうまた三年も経過しておるわけでございまして、その間国会におきましてもいろいろ御審議をいただいてまいったわけでございます。参議院の御審議は今回が初めてのようでございますけれども、そのような経過をたどっておりまして、もう韓国側でもこれはいままで待っていたと、しかし、これからもうそういつまでも待てないという情勢になっていることは御承知のとおりでございます。そういった意味で、私ども何が何でも急いでと、こういうことではなしに、二国間の協定をやりまして三年もたってもまだ御承認がいただけないというのは、これはもう私ども外務省の力がない、こう言われてもいたし方のないところでございます。そういう趣旨で外交案件としてこのような協定をいたしましたにつきまして、もう三年目にはひとつどうか御承認をいただきたいと、こういう意味でございます。  もちろん石油資源、石油問題としての重要性はけさほども申し上げたとおりでございますが、この点に関しましては、これは通産省の方から御答弁いただくべきでありますけれども、今日のエネルギー事情、そして、特に陸上におきまして備蓄を九十日分確保したいということでありますけれども、なかなかそういった施設も陸上に持てない、そういうことを考えますと、本当に近海におきましてこの共同開発地域に油があるかどうか、当たるかどうかわかりませんけれども、もしここに油が、探鉱の結果、これ成功いたしますれば、わが国といたしましてこれは大変心強いところであります。先般のいろいろなオイルショックがあったわけでありますけれども、そのような場合におきましても、近海にこのような油田があるということになりますれば、大変わが国としては経済の運営といたしましても安心できるわけでありますし、その持つ意味は大変大きいと思っております。  そういう意味で、この案件かなかなか御審議をいただけなかったということには、やはりほかの案件と申しますか、皆様方からは日韓の癒着と言われるような御指摘がずいぶん続いたわけでございます。あるいは人権問題等も御指摘があったわけでありますが、そのような、この開発以外の問題とが絡みましてなかなか御審議がいただけなかったということが私はいままでの経過ではなかったろうか、私は率直にそのような気がいたします。そのような日韓間のいろんな問題、その問題は問題といたしまして、別個の観点から御指摘、御批判をいただくこと、私どもといたしましても、この日韓間の諸問題の改善につきましては鋭意努力をいたす所存でございますけれども、この石油開発につきましては全く次元の違った問題で、これは長期的な観点から、仮にただいま御指摘のありました南北朝鮮の統一というような問題、これは統一後の両国関係にもきわめて益するところであって、ちっとも害になるものではあり得ない、そういうふうに考えますので、どうかこの問題はこの問題として本当に御審議をいただきまして、この共同開発を成功に導いていただきたいということを心からお願いを申し上げる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いままでの質問、これは前段の質問になるわけですが、その締めくくりの意味で次のことをひとつお願いしたいと思います。  海洋法会議の今後の動向と大陸だな問題についてそのお考えをお聞かせいただきたいわけですが、具体的に第三次海洋法会議第二会期に起草された単一草案の全文をひとつ明らかにしてほしい。それからそのときの日本代表のスピーチ、その全文をひとつ聞かしていただきたい。日本がどういうふうに対処したのか、対応されたのか、賛成したのか反対したのか、そこをひとつ明確にして、いまの質問にお答えをいただきたいと思います。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) ただいまの先生の御指摘は、海洋法会議の単一草案を資料として提出せよという御指示だと理解いたしますが、そのようにいたしたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 ちょっと後の論議があるものですから、その要旨をここでひとつお聞かせいただいて、後ほど全文の資料は提出いただきたい。  それから、日本代表のスピーチ、これの要旨をひとつ御説明いただいて、後ほどその資料は提出いただきたい。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) 単一草案は実は非常に膨大なものでございまして、大陸だな部分に関しましてもいろんな規定があるわけでございます。したがいまして、ごくその要旨だけを申し上げたいと思います。  まず大陸だなの定義でございますが、これに関しましては、沿岸国の大陸だなはその国の領海を越えて領土の自然の延長全体にわたりコンチネンタルマージンの外縁まで、またコンチネンタルマージンの外縁が領海の幅を測定するための基線から二百海里の距離に達しない場合には同基線から二百海里までの海底区域から成るということになっております。  次に、大陸だなに関する沿岸国の権利に関する条項がございまして、これは五八年条約とほぼ似ておりますが、沿岸国が大陸だなに関しましてこれを探査し及びその天然資源を開発するための主権的な権利を行使するということが定められております。なお、そのほかにいわゆる定着性生物資源に関する規定もございます。  それから、二百海里を超える大陸だなの開発に関しましては、二百海里を超える部分に関して適当な拠出を行うということが定められております。  それから、第七十一条でございますが、境界画定に関しましては適当な場合には中間線または等距離線を使用し、かつ、すべての関連する状況を考慮に入れつつ衡平の原則に従って合意によって行うということを定められております。このような点が単一草案の大陸だなに関します主要な規定でございます。  それから、わが代表がこの海洋法会議におきまして行いましたスピーチのテキストは改めて資料として御提出したいと思いますが、その重要な点は、わが国の立場といたしまして、海洋国としての利益とそれから沿岸国としての利益と両方あるわけでございまして、この双方か調和のとれるような解決を図るべきであるという趣旨を述べたものでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 次に、海洋法会議の第四会期に、大陸だなで相対する沿岸国が紛争する場合の大陸だな問題について自然延長論を主張した国々はどこの国々、具体的に名前を挙げて、そしてその国はどこの国だったかということをひとつ明示してほしい。特にそのときの韓国の主張はどういう主張をされておったのか、韓国の主張をひとつお聞かせいただきたいと思います。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) 海洋法会議におきましては、カラカス会期のときは別でございますけれども、それ以降は、各国の申し合わせによりまして、どの国がどういう主張をしたかということは出さないというルールが確立されております。したがいまして、御質問でございますが、この国とこの国ということは申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても、五十カ国以上の国々が自然延長論というものを唱えたのは事実でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そういう申し合わせばどこでされて、それが合理的に認められるものかどうか、ちょっと私も不審に思っておるわけですが、主張した国は何カ国ですか。それから韓国はこの問題に、重要な審議があるのですから韓国はどういう主張をされたのか、そこのところは明確にしてください。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) 正確な国の数はちょっともう一遍チェックいたしませんとお答えできないんでございますが、五十数カ国であったというふうに記憶いたしております。なお韓国に関しましても、先ほど申し上げました会議のルールということでございますので、海洋法会議のどの会議で韓国の代表がどう言ったということは申し上げられないわけでございますけれども、いろんな機会に韓国がこの海洋法の問題に関しまして述べておるところは、自然の延長論という考え方に立脚した発言であるということは一般的に言えると思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうもそういう答弁では、この審議に重要な資料が提出いただけない。今後の私どもの主張の根拠がそこで外務省で出していただかないとどうも大変困るわけです。  今度は、その次の第五会期の日本代表の大陸だな、経済水域等の問題に触れたスピーチ、これの全文を提出していただきたいのですか、ここではその要旨をひとつお聞かせいただきたい。  それから、先ほどの答弁でまた逃げられると困るのですが、韓国、中国、朝鮮民主主義人民共和国のスピーチの全文、これをひとつ出していただけませんか。出していただけないと、この重要な問題の論議の、外務省が国会審議にまじめに真摯に協力いただいたということにはならないと思いますよ。この韓国、中国、朝鮮民主主義人民共和国のスピーチ全文、第五会期の、これをひとつ出していただきたい。それと一緒に、そのときの日本代表の対応、どういう対応をされたのか、それをひとつお聞かせいただきたい。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) 各国の発言、これはわが国のものも含めまして先ほど申し上げましたルールというものか守られておりますので、そのテキスト自体を御提出するというわけにはいかないわけでございます。  わが代表は第五会期におきまして、大陸だなに関しましては従来の方針にのっとりまして、二百海里をもってその大陸だなの限界とすべきであるという立場にのっとりまして主張を行ったわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 申し上げた資料の提出はどうなんですか、いただけますか。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) 先ほど申し上げましたような会議のルールでございますので、残念でございますが、資料、テキスト自体は御提出することはできないわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 これは審議の重要な資料ですよ。理事会でひとつ検討してください。いまのような答弁で国会の審議が可能かどうか、これはそれらが基礎になる資料ですから。国会審議にまじめに政府が参加していない。ひとつ理事会で相談してください、この取り扱いを。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 速記とめてください。   〔速記中止〕

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 速記起こして。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま大塚先生の御要望の資料につきまして、完全な発言というようなものはむずかしいかもわかりませんけれども、あらゆる資料を検討しまして、なるべく理解していただけるようなものをつくってお出ししたいと思います。極力努力をいたしたい。発言のそのものを直接お出しするということは、ただいま政府委員からお答え申しましたように申し合わせ等があるようでございます。そのようなことにならないように、しかも実態の御理解をいただけるようなものを何かつくりまして御理解のお役に立てたいと、そのために努力をいたしたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。  なお、公開していた時代のものはもちろん、恐らくそのころからの主張というものは変わっておらないと思いますので、その公開できた時代のものはお出しできると思います。その後、もし主張が変わっておれば、こういうことを主張しているけれども、その後この点は主張がこういうように、変わっている点があればそういうものをお示しするなりして、ただいま大塚先生のおっしゃいましたような御理解をいただけるようなものを調製いたしましてお出ししたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまのような答弁をいただいて、提出を渋っておるわけでありますが、その根拠は一体何ですか。重要な国会審議に政府がそういう基礎的な、基本的な資料の提出を拒む、そういう一体何らかの法的な根拠はあるのですか。ここのところがこの論議の一番基本点になる。国際信義という問題に関するこれらの外務省の説明に対する基礎的な論議をするその資料でしょう。全文でこれは出していただかないことには、私どもは継ぎはぎされたそういうものではこれらの審議というのは不可能だと、私はそう考えるわけですが、全文の資料の提出をいただけるわけですか、どうですか。そこをはっきりお答えいただきたい。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) カラカス会期以降の会期におきましては、議長あるいは副委員長等から成ります一種の運営委員会がございまして、そこで各会議のルールを相談するわけでございますが、その運営委員会、普通ビューローと言っておりますけれども、そこの申し合わせによって、この各会議における発言は一切外に出さないという紳士的な申し合わせをしようということになったわけでございます。それから、そういう申し合わせに基づきまして各国の発言も特に記録というものはつくらないということで討議が行われておる次第でございますので、カラカス会期のときは各国の発言が全部記録に残る形で会議は運営されたわけでございますけれども、その後の会期におきましては、そういった資料自体が正式のかっこうでは残さないということで運営されておりますので、その申し合わせというのをやはり日本政府としては守らざるを得ないということでございまして、そのルールはルールといたしまして、可能な限りの資料を取りまとめたいと、こういう考え方でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そういう一体会議の申し合わせというものが、この国会の審議を制約するような、そういうものですか。どういう根拠でそういうことをおっしゃるのですか。  それから、仮にそういうことの申し合わせがあって、国際信義ということをあなた方が考えておられるとするならば、秘密会でもそういう資料の提出はできないわけですか。いかがですか。

村田良平外務省条約局外務参事官

○政府委員(村田良平君) 根拠と申しますと、非常に、特に条約に基づく根拠というものはございませんけれども、やはり国連主催の会議でございまして、その運営委員会が決めたルールというものはやはりわが国として守るべきであろうと思います。それから、先ほど申し上げましたように記録が残っておりませんので、わが代表団が耳で聞いて本省に電報で報告したというふうなことを取りまとめて、韓国がどういう主張をしたとか、あるいは米国がどう言ったということを申し上げる以外にはないわけでございますが、秘密会という形をおとりになる場合に、そういったことはこの大陸だな協定の審議に必要な限りにおきましてわれわれとしても当然資料の提供等に努力すべきものであるというふうに心得ております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうしてもいまの答弁では納得できません。これはひとつ理事会を開いてこの資料の提出、どういう方法で可能なのか、そこをひとつ相談してください。これでは審議になりません。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもは御審議にはもう全面的に御協力申し上げますから、調製できるものは調製をいたします。ただ、ただいまの約束等がございますので、公表できないものは一般の外に出ないように御配慮をいただければ、それは私どもは何なりとも御提供申し上げますし、御理解を賜るようにあらゆる努力をいたします。御審議には全面的に御協力申し上げる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの外務大臣の答弁に基づいてそれをどう取り扱うか、ひとつ理事会で相談してくださいよ。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 会議録等がございませんので、やはりいろんな資料を調製しなきゃいけないと思います。したがいまして、ちょっと時間がかかると思いますので、いま直ちにというわけにはまいらないと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまのようなことで日本の外務省が、会期が過ぎてどれだけの期間が過ぎたか、これはお考えいただけば……、ずいぶん悠長な外務大臣のお答えですが、少なくとも、それらの会議の都度、外務省に電報などで報告が受けてあるはずだと思います。そういうことの資料は、直接会議のメモをとらなかったということであっても、その都度出席をされておる日本側の代表からどういう趣旨の日本側のスピーチがあったと、こういうことは当然もう記録されておるはずでありますし、それから各国の態度についても刻々外務省にその報告があったと思います。どれだけの時間があればこの審議に間に合うように提出いただけますか、それらの全文の報告資料、一切まとめたもの。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 公開しておるものはもう即刻、明日でもお出ししたいと思いますが、公開してないものでいろいろな報告を集めまして、二日いただければできる限りのものをつくりましてお出しいたします。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの問題は、外務大臣のそういう答弁をひとつ私もこの席では一応信頼して、明日早朝出していただいて、この件に関する質問はひとつ保留をさせていただきます。  次に、時間が刻々過ぎるもので気が急いでおるものですから次の質問に話を進めます。  まあ、「ここ掘れワンワン」じゃないが、大変宝物があるということでいまそれぞれの関心を集めておるわけでありますが、共同開発地域の有望性、これの根拠は一体どういうもので、いまわれわれも、それから韓国の方も、ガルフとかメジャーも関心を持っておるわけでありますが、現在までの有望性の根拠と、こう見られる全資料をひとつここに出していただきたい。これは通産省になりますかな、通産省でこの有望性の根拠となっておる資料をひとつ提出いただきたい。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 正式の資料といたしましては、先生も御承知だと思いますが、一九六八年にエカフェがスパーカーによります調査を行ったものでございまして、この資料は御提出をいたしたいと存じます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 これだけ大騒ぎをしているのに、それだけですか。あの資料だけで七億キロリットルという埋蔵量があると、日本政府も本気になってこれは信憑性があるものと、こういうことでやっておるんですか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) エカフェの調査の結果、この東シナ海大陸だな区域の堆積物は、いわゆる新第三紀層ということで石油賦存の可能性が最も大きいものであるということと、それから堆積物の厚さも非常に厚いということがわかっておるわけでございます。ただ、実際に石油があるかないか、あるいはどの程度あるかということにつきましては、これはさらに詳細な地震探鉱あるいは試掘をやってみないとわからないわけでございまして、具体的にどれだけの油があるということにつきましては、まさにそのために探鉱をしなければわからないということであるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 資料はこのエカフェの報告だけですか。それ以外に何にもないんですか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) われわれとしてはいま申し上げましたエカフェの調査の資料を持っておるだけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 すると、埋蔵量というのは確認されてないわけですか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) この埋蔵量につきましては、いま申し上げましたように、いろいろな地震探鉱でございますとか試掘等を行ってみませんとわからないわけでございまして、埋蔵量の確認はもちろんまだされてないわけでございます。ただ、七億キロリットルという数字は、これは物理的な一つの試算をいたしますればそういう計算もできるということで、技術的な専門家が試算をして計算をした数字でございまして、それだけの埋蔵量がまだ確認されておるというふうなものではないわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 その試算の算出した基礎、これをひとつ大至急に出してください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 出せるものにつきましてはお出しいたしたいと存じます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 何をいつまでに出せるのか、そこをはっきりしてください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) お出しいたします。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どういう資料をいつまでに、何と何の資料をいつまでに出すのかはっきりさせてください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 石油・可燃性天然ガス資源開発審議会というのがございまして、そこで本邦石油・天然ガス資源の究極可採埋蔵量につきまして試算をしておる資料がございます。その資料をお出しいたしたいと存じます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そのほかにもあろうかと思うんですが、メジャーの資料なんかは通産省では持ってないんですか。そういうものもひとつぜひあわせて出していただきたい。  それから、「大陸だな協定 早期締結の必要な理由」で、先ほども触れました外務省情報文化局一九七七年四月の刊行物がありますね、そこの二ページのところをちょっと読んでみますと、「極めて有望な海底油田開発 南部共同開発協定が定めた東シナ海大陸棚の共同開発対象区域は、ECAFE(現在のESCAP−アジア太平洋経済社会委員会)の調査をはじめとするこれまでの各種調査によれば、背斜構造の発達した極めて有望な地域で、石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるとも推定されています。」と、こう外務省がはっきり説明の公式文書で出しておるわけです。  外務省にお尋ねをし、要求をするわけでありますが、これらの資料の基礎になった、この説明の各種資料というものをひとつ何と何に基づくのか、そこのところを説明いただいて、それらの資料の概要をひとつここで御説明いただきたいと思います。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 先ほど来お話しございましたように、石油埋蔵量というものは、実際に試掘をして掘ってみないと確認というところまでまいらないわけでございます。ここに引用いたしましたのは、この地域に埋蔵されているという一つの推定の数字を参考として掲げたものでございます。この参考としての一つの推定の量というものにつきましては、私どもとしては直接そのような資料を持ち合わしているわけではございませんで、資源エネルギー庁等から伺っているところをここに引用した次等でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 外務省が出しておる資料ですから、私どもも公的なものとして信憑性の高いもの、こういう信頼のもとにお尋ねをしているわけですが、「各種調査によれば」、こういうことを述べておるんですから、その各種調査というのは何と何と何だ。それの中で石油埋蔵量は七億キロリットルを超えよう、こう推定をしたその根拠になるものをひとつ明らかにしてもらいたい。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 先ほど申し上げましたように、石油の埋蔵量については幾つかその推定と言える数字があるというふうに承知しているわけでございますけれども、その推定の数字の一つをここに掲げたものでございまして、先ほど申し上げましたように、外務省が直接調査したとかいう、そのような資料を持ち合わしているわけではございませんで、資源エネルギー庁等から伺っている数字を、その推定の数字の一つをここに掲げたものでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 その質問している、各種調査というのは一体何ですか。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) この点については、むしろ資源エネルギー庁の方にお答えいただくべきかと思いますけれども、私どもの聞いているところでは、エカフェの調査後にも民間その他で調査が行われている、かように承知している次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 各種調査ということで信憑性のあるそういう書き方をしている、そのことは早期締結のためにという銘を打っているのですから、そのことが明らかにならないと、ここの説明資料というのは国民をたぶらかした、外務省はそういうことになりませんか。各種資料というのは何ですかと聞いている。だからそのことずばりをお答えいただけばいいのです。何と何ですか。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) いずれにいたしましても、先ほど資源エネルギー庁の方からなるべく早く提出するという資料によっていただきたいと存じます。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど提出すると申しました石油・可燃性天然ガス資源開発審議会の資料でございますけれども、これは一回だけでございませんで何回かやっておりまして、たとえばいわゆる貯留岩、油のあります岩の中の炭化水素の量の推定等につきまして何%何%というような係数をそのつど若干変えて、そのときの採油の何といいますか、可採技術その他を判断いたしまして変えて出しているわけでございまして、そういう点からいきまして幾つかの数字が計算できるわけでございますが、先ほど申し上げました七億キロリッターという数字は、五十一年の十一月に先ほど申し上げました可燃性天然ガス資源開発審議会が用いた係数で算出したものでございます。  各種の資料というのは、そういった幾つかの計算があるがその中で七億キロリッター、こういうふうな御趣旨で外務省はお使いになったものじゃないかというふうに承知しております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまそういう数字を挙げられたわけですが、埋蔵量を確認されているんですか、いないんですか。先ほどの地震探査、試掘などがされていない、こういうことで報告があったわけですが、そうだとすると、ここに書いてある外務省の資料、各種の調査ということになっておるんですが、われわれが審議するいわゆる大前提が、そこのところをみんな宝物があるということだから審議をしているので、そこのところの論拠がはっきりしないと論議になりませんよ。論議にならないというよりも、国会の審議として、資料の提出をいただく政府当局としては、これはきわめて無責任な態度と言われても仕方がないんじゃないですか。だから私が繰り返しお尋ねしているように、各種の調査ですから、そこのところをひとつ何と何だと、その資料を出してくれと、こういうことを私が言っているんで、そこのところをごまかさないでずばりお答えください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 幾つかの御質問がございましたが、まず確認埋蔵量と申しますのは、先ほども御説明いたしましたが、地震探鉱をやり試掘をやりまして、それで確かにそこに石油があるということを発見いたしました段階で確認埋蔵量ということになるわけでございまして、まあ現在の技術では、試掘をいたしましても、たとえば大体四本に一本ぐらいしか試掘が当たらないということでございますから、試掘までやってみないと確認埋蔵量というものは出てこないわけのものでございまして、また逆に言えば、埋蔵量が確認できればそれで石油の開発は大半成功したも同様ということになる性質のものでございます。この地域につきましては、そういう意味で、まだ確認埋蔵量というところまで行ってないのはむしろこれは当然のことだというふうに考えるわけでございます。  それから各種の調査という言葉が適切であったかどうかにつきましては、言葉の使い方としては、あるいは各種の資料と言った方がよろしかったのではないかという感じもいたしますが、先ほど申し上げましたように、幾つかの計算のやり方があって、その中の最近時点における計算としては七億キロリッターという計算かございますというふうな意味で使われたものと理解しておりますので、御了承いただきたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 答弁に全くなってない。その「各種調査」ということについてお尋ねしているそのことと、それからその「石油埋蔵量は七億キロリットルを超える」と、こう言っていることに対して、こちらの質問に対する答弁に全然なってないですよ。各種の調査というのをまず。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 七億キロリッターというふうな数字につきましての計算は、先ほど申し上げましたように、可燃性天然ガス審議会でやりました計算だけでございます。ただ、この地域が有望な地域であるということに関します一般的な調査といたしましては、そのほかにも先ほど申し上げましたエカフェの調査があるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 だからそこのところはひとつ、この資料は間違いなんだと、そういうことなのかどうか、はっきりしてください。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) いま次長が申し上げましたことを若干補足して御説明いたします。  外務省のパンフレットに書いてございます「各種調査」というのは、私は具体的にはどの調査を言っておるか存じませんけれども、私どもが根拠といたしておりますものは、いま次長が申し上げましたエカフェの調査というのは確かにございます。ただ、エカフェの調査と申しますものは出力が低いものでございますから、調査の結果自体に限界があるというのが一つございます。それを補完をする意味で、実はこれは通産省が行っております大陸だな全体の基礎調査というのがございまして、これは共同開発区域それ自体につきましては、実は四十五年以降、係争というか、紛争地帯でございますものですから、実は国の調査というものはいたしておりませんが、地下構造を考えます場合に、周辺の陸上ないしは海上での調査結果というのを活用することがございます。これが私どもが用いました一つの調査でございます。  そのほかには、実は先ほど申し上げました石油および可燃性天然ガス資源開発審議会というところで、いろいろ計算をいたしましたときに使いましたデータの中に、いま申し上げましたエカフェの調査及び国が行いましたその周辺のデータ、これは当然織り込み済みでございます。それ以外に、民間企業が四十年代の半ば以降に行いましたいろいろな幾つかの物理探査の調査がございます。その結果をいま申し上げました審議会の資料の中に実は組み込んでおるわけでございまして、その内容につきましては、いま後刻提出いたしますと申し上げました審議会の資料の中で御説明すれば御理解いただけるのではないかというふうに考えております。したがいまして、私どもが考えておりますデータとして用いました資料というのは、いま申し上げました大別いたしましてエカフェの調査、国が行いました基礎調査のデータ、それから企業が行いました物理探鉱のデータを言っているものであるというふうに私どもは考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 外務省といまの答弁が違うわけですが、外務省は一体何を基礎にしてこういう表現をされたのですか。それが一つと、メジャーがやった報告書というのは外務省は握っておるんですか。そしてそれらのことがこの各種資料という中に入っているんですか。メジャーの調査報告書というのを外務省は握っておるのかどうかです。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 外務省のパンフレットでございますので、外務省か責任を負うわけでございますけれども、いまの御指摘の部分につきましては、ただいま先生の御聴取になりましたのと同じ説明を私どもは資源エネルギー庁から受けまして、それをその三行のところにこういうふうに表現したわけでございまして、外務省自身はこういう調査をする能力もまた知識も乏しいわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 政府の答弁がお互いに責任のなすり合いで、こちらの質問には答弁いただけないんですよ。どうしてくださるんです、これは。責任なすり合いですよ。しっかりしてくださいよ。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 私は責任をなすりつけるつもりで言っているわけではございませんで、こういう高度に技術的なあるいは専門的な知識の必要な部分につきましては、日本政府部内でその分について責任を持って所管しておられます官庁の意見を尊重いたしまして、それに即して書いたわけでございますので、その内容の実態につきまして資源エネルギー庁が御説明申し上げましたところは、私どもが聴取しているものと同じであるわけでございますので、そういうふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと関連。  開発課長がいま言われたことに重要な問題が入っている。一つは、このエカフェの調査のほかに陸及び海の方で調査した資料がプラス、こういうふうに申しておる。それからもう一つは、審議会の調査資料がありますとおっしゃった。それはぼくも審議会の調査資料調べてみても、あそこら辺の埋蔵量なんて書いてないんだ、日本海とか別なところは書いてありますよ、ところが共同開発地域の埋蔵量なんか書いてない。だからみんなが疑問を持っているわけだ。したがって、言うならば、外務省の書いたのはこれは全部資源エネルギー庁のものでございます、それを聞いたから書きましたと言うなら、それならそういうふうにあのパンフレットはやっぱり取り消さなければいかぬ。もう一つは、資源エネルギー庁として、あんなことは実際自信ございません、それはこれからですと、その内容全部取り消さなければね。いま資料要求しましたら、この審議はできません。したがって、まず開発課長が審議会の結論がありますとおっしゃる、それがあるのかないのか答弁してください。その後、いま七億キロリットルというのはこれはほんの推定でございまして、そんなものはまだこれからです、架空の数字です、それをはっきりおっしゃらなければ、これは論議になりません。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) 言葉が足りなかったと思いますので、そのつもりでお答えさせていただきます。  まず第一の審議会の資料でございますが、これは実はいま手元に持っておりまして、これは取扱注意ということにしてございます。なぜそういうふうにしているかと申しますと、これは御存じのとおり、いろいろな前提を置いた計算でございます。したがいまして、この数字だけが特定のところだけ転々流通するということを避けたいためにそういうふうにしているわけでございまして、従来は審議会の先生方のみしかこれはお渡ししてない資料でございます。したがいまして、その推定数字があるのかどうかということにつきましては、ごらんいただけばわかりますけれども、地域別に分けた推定数字というのは実は書いてございます。ただ、先生の御指摘のとおり、当該共同開発区域で幾らという数字は載っておりません。  それから、ここで出しております数字というのはどういう意味があるかということでございますが、これは次長が先ほどから再々申し上げましておりますとおり、石油の確定埋蔵量と申しますものを計算して出します場合には、どうしてもボーリングのデータが少しはないと、当該地域の正確な確定埋蔵量というのは出せないわけでございます。この共同開発区域につきましては、四十三年ごろから日韓でもってそれぞれ鉱区の申請ラッシュというのが実は行われておったわけで、したがいまして、その外交交渉が行われたという経緯もございまして、実は物理探査も精力的にはやっておりませんし、むしろ遠慮しておったというのが実情でございますし、ボーリングというのは、実は行われてないわけでございます。したがって、そういう意味で言えば確定埋蔵量というのは出せないというのは御指摘のとおりでございます。  ただ、この審議会の資料でもってどういうやり方やっているかと申しますと、いま申し上げましたいろいろな調査で大体の地質構造というのが大体把握されてきておる。その地質構造をベースにいたしまして、堆積物の総量を出し、その中にあります炭化水素の量を経験値からいろいろな計算をいたしまして割り出していったものでございます。したがいまして、われわれがいろいろな説明資料に書きます場合には、七億キロリットルという推定もありますという書き方を実はしているわけでございます。そういう意味では御指摘のとおり、これは確かに推定値でございます。ただ何もない状態でもって、われわれの立場からすれば、日本の周辺の大陸だなの開発につきまして計画がつくれないものでございますから、一応の数字の目安をこういう形でつくって持っておるというのが実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一問だけ関連。  いま私、関連なので言わぬけれども、いまおっしゃったように、審議会では、共同開発区域にはその数字がないです。  それから、堆積油層でいくならば、そこよりも尖閣列島の方が多いんですよ。そこで七億キロリッターなどということを出すこと自体、私はこれは大変な問題であると思うけれども、取り消さなければ資料を出す、あなたのエネルギー庁で、これはもう全然推定量でございますと、そう言わなければ、それに対する反論の資料を出さなければ、この審議は進みませんよ。  それから外務省は、エネルギー庁がああ言ったからわれわれは書いたんですよ、このパンフはそういう意味では無意味ですと、そう言わなければこの論議は進みませんよ。もう一遍ひとつ。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 外務省の方の部分の御指摘に対しましては、ここに傍点が振ってございますが、「石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるとも推定されています。」ということで、確定埋蔵量がないということを、また、確定埋蔵量を決めるためには試掘しなきゃならない、その試掘ができないということでございますので、推定として「超えるとも推定されています。」という表現で書いて、この表現が不適当だということであるならば反省しなきゃいかぬかと思いますけれども、大体どれぐらいあるのかということについて全く何の推定の目安もないということでは意味がなかろうじゃないかということで、こういうふうな表現にしたということでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そんなことで国民はごまかされちゃたまらないよ。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 一問だけ関連させていただきたいんですが。  私もこの点は非常に重視をして、改めて質問をさせていただきたいと思うんですが、何回もいま出ましたので、一点だけ明確にしてほしいと思いますのは、いま資源エネルギー庁の説明では、七億キロリットルというのは推定の一つにすぎないわけでしょう。それを何か推定の全部であるかのような書き方をしているのが第一点の問題。  それから、いまエネルギー庁の説明では、東シナ海の特定区域じゃないわけですね、この七億キロリットルというのは。ましてや、いま大陸だなで問題になっている共同開発区域内で七億キロリットルが推定をされるというんではなくて、それ以外の部分も含めてそうだという趣旨のように答弁はとれたんですよ。外務省のパンフはどうでしょう。「東シナ海大陸棚の共同開発対象区域は、」という主語で、その中に七億キロリットルが推定されるように書かれています。これは明白な間違いですよ。こういう宣伝をして国民をたぶらかそうとしている。これは徹底的に取り消して謝罪をしなきゃ、これは大変な問題ですから、このままではおさまりませんよ。その点、外務省に明確な答弁を求めたいと思うんです。主語と述語をよく読んでごらんなさい。

中江要介外務省アジア局長

○政府委員(中江要介君) 私、専門でございませんので、あるいは間違った言い方をするかもしれませんけれども、この共同開発区域といって線引きをした中に、それじゃ何億リットルあるのか、あるいはこの区域には何億リットルあるのかというようなその区分というのはできない話だというようなことを聞いておりまして、つまりこの九州から西の共同開発区域を含めましてこの地域全体にはこれぐらいあると、その中のどれだけが共同開発区域の中に入っているのか、あるいはそこから吸い上げられてくるのかというのは、これは試掘してみなきゃわからないんだと、こういう御説明だったものですから、私どもとしては最も希望と期待を持っている数字としてここに推定として掲げたわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 ちょっといまの答弁ね、ちょっとお待ちくださいよ。この文章そのものが、東シナ海の大陸だなの共同開発区域は、という主語になっているんですよ。きわめて有望な地域で、この文脈は、その中には七億キロリットルを超えるとも石油埋蔵量は推定されると。その中に囲われている推定量になっている。こんなでたらめな文章ありますか。故意に事実をねじ曲げて、基礎も持たないで勝手に書いたものだ。これは明白に取り消さなきゃ大変なことになりますよ。いまの答弁では全く正鵠を得てない。統一的な見解を出さなきゃだめだ。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 全く国民を瞞着している、愚弄している、そういう宣伝資料だよ、これは。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) ただいまの御指摘の点は、外務省のパンフレットは確かに開発対象区域、共同開発対象区域ということを書いてありまして、通産省のパンフレットは実は違う表現になっておるわけでございます。  それで、これは先ほどから答弁がございましたように、推定埋蔵量を考えます場合に、いろいろな実は数値を使っているわけでございます。それで、その数値の使い方によって実は変動があるわけでございまして、外務省で書いております「七億キロリットルを超えるとも推定されています。」という数字は、それの甘い数字であるというふうに、つまりマキシマムに近い数字を使っている数字であるというところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 外務省、そういうのを本気になってやったんだね。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 政府の答弁に乱れが見えるようでございますから、暫時休憩いたしますので、その間に答弁を統一してください。  それでは、暫時休憩いたします。    午後三時二十分休憩      —————・—————    午後三時四十四分開会

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) これより委員会を再開いたします。  まず、政府の見解を求めます。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど申しましたことに関連いたしましてお答え申し上げます。  石油の存在いたしますいわゆる背斜構造の中におきます原油と天然ガスの賦存量としての推定につきましては、先ほど申し上げました石油・可燃性天然ガス審議会の計算をもとにいたしまして、そのうちの共同開発区域につきまして賦存量を計算いたしておりますが、一つの推定値といたしまして七億二千二百万トンという数字がございます。その場合に、この共同開発区域を含みます沖繩、東シナ海全体では十三億七百万トンという推定になっております。外務省の数字は、先ほど申し上げました七億二千二百万トンという賦存推定量をもととして書かれたものでございます。  なお、この計算の基礎になりました石油・可燃性天然ガス審議会の資料につきましては、後刻提出をいたしたいと存じます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 関連質問。  どのくらい埋蔵されているかというのは、このいわゆる共同開発区域における一番の問題点なんですね。この点について、われわれも一番この点を興味を持って見ているわけです。  二番せんじになっちゃいけないからこの際発言しておきますけれども、民間の推定で七億キロリッターと言われているわけです。日本のいま年間の石油消費量は二億七千万キロリッターでしょう。使うときは四億ぐらい使っておったんですね。そういう中で、不況とそれから節約で二億七千万キロリッターになっているんだけれども、これは共同開発区域を含んでいるんだということは、反面、東シナ海、沖繩一帯を全部含めて七億キロリッターということが言われてきたわけです。今度はこれを上回る数値としては、岸信介さんと矢次一夫さんは五十億キロリッターか百億キロリッターありますということを、これは確かな数字だと言って発表しているわけです。そうすると、いまあなたが言われた十三億七百万キロリッターというのもこれもまたまやかしになる。大体、この共同開発区域の中で七億キロリッターの数値のまやかしという点は過去からもうずうっと言われてきたわけです。そういたしますと、この委員会を乗り切るためにわざと七億二千二百万トンだとか、沖繩、東シナ海を含めると十三億七百万キロリッターだということを言っても、数字的な根拠というものは全くないと私は思うんです。そうだとするならば、その点の資料を逆に出してもらわなきゃならぬということになるわけですよ。だから、いままでわれわれだけの調査によって、だれがどう言ったこう言った、ということは一応これは調べてあるわけですから、だから、いま言われたことについては単なる数字合わせの、全くごく一部の調査を全体に実施したような調査でしかないと思うんだけれども、その点全く確信を持って資源エネルギー庁次長、あなた言われますか、その点確認しておきたいと思います。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど申し上げました数字は、十三億七百万トンという数字もそれから七億二千二百万トンという数字も手元にあるわけでございまして、この答弁のために急遽つくった数字ではございません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、石油の埋蔵量といいますのは実際に探鉱、試掘をやってみませんとつかめないわけでございまして、その限りにおきましては、推定値といたしましても先ほど来申し上げておりますようにいろいろな推定値があるわけでございますので、本当に七億二千二百万トンあるのかどうかということになりますれば、先ほど申し上げましたようにボーリングをやってみないと本当のところはつかめないというのがまあ資源エネルギー庁としての偽りのない感じでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これで終わります。  この辺——沖繩、いわゆる台湾の北東地域と言われている尖閣列島の地域におきましても、この共同開発地域の数十倍の埋蔵量があると言われているんですよ。したがって、いまあなたの指摘によりますと、いわゆる十三億七百万キロリッターから七億二千二百万キロリッターを引いたのがこの地域に存在するという、埋蔵されているということに裏返すとなるわけですから、この点は私は数字合わせにすぎないというように思うんですけれども、その点いかがですか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど来申し上げましたように、一つの推定値でございますので、これか絶対に正しいというほどの、何といいますか、ほかに数字がないというようなものではございませんので、御指摘のように、沖繩の地域にもっと非常に大きな賦存量があるというふうな計算もあろうかと存じます。ただ、われわれはよく承知しておりませんが、そういう推定もできるかと存じます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 確認をいたしますが、そうしますと、このパンフにあります「南部共同開発協定が定めた東シナ海大陸棚の共同開発対象区域」、この区域内には埋蔵量七億キロリットル、これが全く根拠のないそういう数字だということになりますね。そう確認してよろしいですか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 根拠という言葉の意味でございますが、確実にあるかと言われれば、われわれといたしましてはボーリングをしてみないと確認できないということでございますが、一つの推定値としてはそういう数字がございますと、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 これから私が質問に入ろうと思った、その前段のところでつまずいたわけですが、この国連の報告書、この報告は共同開発区域に有力油田の存在を示唆しておる、そういう文章が、記録があるんですかないんですか。この資料で見れば「各種調査によれば、」という先ほどの答弁の中で、国連の報告書がもうすべて中心だったという答弁をいただいたわけですが、この地域が該当する地域だと、こういう報告の文章がどこかありますか。いまも青木委員から関連の質問があった。ここで、国連の報告の中で述べられておるのは、台湾の北東部にはあるという、そういう文章がありますが、この共同開発区域の中にあるという、そういう文章が一句でもありますか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) エカフェの調査は、この共同開発区域を含みます東シナ海大陸だな全体につきまして行ったものでございまして、それによりますれば東シナ海大陸だな区域について、先ほど申し上げましたように、地質的に石油賦存の可能性が強い新第三紀層に属するということと、それから堆積物の厚さも非常に厚いということからいたしまして、さらに詳細な地震探鉱あるいは試掘が必要であるという前提ではございますけれども、この区域の浅海底が将来一つの有望な産油地域になる可能性があるということをエカフェの調査は指摘しておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そこが問題。この報告の中にはこの共同開発区域の中に有力油田があるという、そういう示唆した文章が一句でも入っていますか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど申し上げましたように、当時におきましてはこの共同開発区域というふうなことはまだないわけでございまして、東シナ海大陸だな全体についての調査でございますので、そういう全体についての指摘が行われているわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 全体についてはあったと、まあこういうことですが、この東シナ海大陸だなの共同開発区域内はということでこの説明がなされておるわけですが、そこには、国連の報告の中には有力油田があるという示唆は一句もないですね。これはひとつ確認いただけますね。よろしゅうございますか。あるんですかないんですか。あるんならばその文言を読んで説明してください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど来申し上げておりますように、エカフェの調査が行われました時点ではまだ南部共同開発区域というふうなものは定められておらないわけでございますので、共同開発区域というものを名指しての文言というのはもちろん当時の時点ではないわけでございますが、東シナ海大陸だな全体としては非常に有望であるということが指摘されておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 とすれば、この大陸棚協定の「早期締結の必要な理由」、こういう副題をつけて出されたパンフ、このパンフ自体が一番冒頭のところで、「極めて有望な海底油田開発」と、こういうことで政府の宣伝かなされておるわけですが、その各種の調査というのは国連の報告だと。それ以外にあろうかということで質問したら、それは言葉を濁して具体的な答弁が一つもありませんでした。埋蔵量は七億トン、七億キロリットル確認されているのかと、こう聞いたら、これも確認をされておらない。こういう不確定な事実をもとにしてこのように国民に大量宣伝をする、それが政府関係機関によってなされる。とすれば、一体この政治的な背景というのは何なんだ。どういう意図のもとにこういうことがなされるのか。これは重大な私はこの協定審議に関して基本的な問題、そう受けとめざるを得ないわけでありますが、外務大臣はこの件に関して、当面の責任者としてどうお考えになりますか。外務大臣にお答えいただきたい。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) この「石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるとも推定されています。」という表現が、いかにも石油が確実にあって、しかもその量はこれくらいと推定されると、このような誤解を与えますと、これは確かに適切でなかったと思うのでございます。あるいはもう少し後段の方に備考等で書く方がよかったんではないかという気がいたしますが、しかし、エカフェの調査自体によりまして大変有望であるということは言われておるわけでありますし、まあそれならばどれくらいの量があるんだろうかという、すぐそういうことが頭に描かれるわけでございますので、このような初めのところに七億キロリットルという数字を持ってきたと思いますが、しかしこれにつきましては、御指摘の点は反省しなければいけないと思います。  で、背斜構造が大きいということがこれはやはり有望な一つの要素であるということで、しかし、中がからであればこれはゼロでありますから、背斜構造というものがあるから中は必ず油があるというわけではないわけでありますから、そういうことを考えれば、これは果たして適切な表現であったかどうかは反省をいたしたいと思います。しかし、現在このような有望な地点があって、そこに手がつけられないということははなはだ残念でありますので、この表現の適否は別といたしまして、私どもといたしましてはぜひここをさらに探鉱をして、あるかないかを確めるということは早くやるべきであるというふうに思う次第でございます。いま御指摘の点は、大塚先生の御議論は御議論として拝聴させていただきまして、これを刷り直すというのももうこれは時間がちょっとありませんのでございますが、そのような趣旨で、油というものは、これは背斜構造さえあれば必ず油があるというものではないということは確かで、したがってこれはさらに試掘を要する、あるいは地震探鉱等をやってさらに試掘をやると、こういうことが手順でございます。しかしそういうことを——もうこれは当然のことでありますのて、まずどれくらいの大きさだと、どれくらいの背斜構造があればどのくらいの油があると推定されるかと、こういうことで数字を考えたと、このようにあくまでも推定であるということで書いたのでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 外務大臣が私の話に御高説拝聴というような、そういう態度で答弁されて、私も実は面食らっております。しかしこの説明の資料、これは適切なものでない。ともかく国連の報告にもこの地域が有力油田があるという示唆の文言は一言もないと、そういうことがはっきりいたしました。いま、あるなら、ですからここを説明してください。それから、七億キロというものは確認された数字ではない、こういうこともいまの答弁で明らかになりました。そうすると、この国民の宣伝のためのパンフというものは正当な、信憑性のあるものではないということだけは大臣お答えいただけますか。お認めになりますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 油があるかないかというのは、本当にこれは試掘してみなければわかりません。したがいまして、それは必ず七億トンあるのだと、こういう保証はもちろんないわけであります。しかし、石油を探します場合には、背斜構造の大きさで、大きいところならば採算が合うわけですから、背斜構造の大きいところを探すわけでありますから、そういう意味で有望な地点であるということを示しておるのでございまして、必ずあるということはそれは言えないわけで、したがいまして推定の数字、推定されるということで、これはあくまでも推定であるという趣旨で掲げてあるのでございまして、もうそれは完全にあるということがわかっておればもっと油の開発というのも非常に楽になるわけでございますけれども、これはあくまでも推定ということであります。  それから、この地域に必ずあるということは言ってないという御説でありますけれども、それはやはり東シナ海一帯が有望であると、この地域は東シナ海に面した地域、東シナ海の一部でありますから、したがいまして、この特定の地域が言及されていないということではないと、したがって、この地域を含んだ東シナ海が有望であるということをエカフェの報告が言っておると、こういうことでございまして、決してこれが全く誤りであるというふうには、私はそのようなことはないと思います。しかし、誤解を与えるとかいうような意味では反省をしなきゃならぬと、こういうことを申しておきます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうも答弁がすれ違って困るんですよ。外務省で出している資料というのは、いわゆる共同開発対象区域とはっきり場所を定めて、各種の調査によればということで、こう書いてあって、その各種の調査ということについて具体的に質問をいたしたわけですが、それらの問題については先ほど休憩されたように、政府側の答弁が大変混乱をしておると、こういう事実。しかもこの中でこの説明というものが、少なくとも正当な表現で国民に説明を、納得するようなそういう説明の表現ではないということは、私が指摘したことで、外務大臣そのことを否定されるわけですか、肯定されるわけですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 大塚先生の御指摘はよくわかりますし、この表現が、「南部共同開発協定が定めた東シナ海大陸棚の共同開発対象区域は、」ということが、いきなりそれを主語にして、石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるものと推定されているという、いきなり非常に端的に書いてあるということにつきまして、これは私どもも十分反省をいたしまして、やはりこの一帯がエカフェで非常に有望だと、こういうことになっておると、それからこの共同開発地域はそのうちの一部分であるというふうに書くべきであったというふうに反省をいたしております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうすると、この表現は適切でなかったと、訂正をされると、こういうことで受けとめてよろしゅうございますか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 訂正はいといません。ただ、ここに書いてありますことは全く誤りであるということでもないということで、少しはしょって書いてあるというふうに考えますので、もう少し丁寧にひとつ……、まあ要するに、まず埋蔵量があるかどうかすら、それははっきり言えばまだ試掘をしなきゃわからぬわけでございますから、そういう面で言えば、これは表現が少し誤解を与えるといえば与える書き方であるというふうに感ずるわけでございまして、この辺をどういうふうに改めていいか、改めるべきか、考えてみたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 訂正はやぶさかでないと、こういうお答えがあったんですが、具体的にどう訂正をされますか、ひとつそこのところはっきりさしていただきたいと思います。具体的にこの訂正の内容を明らかにしてください。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 先ほどからの御議論でありますれば、それはこの南部共同開発地域は、エカフェの調査をしておる東シナ海大陸だなの一部であると、エカフェはこの東シナ海大陸だなは大変有望な地域であって、その石油の埋蔵量がどれぐらいあるかということは、これはさらに探鉱を進めてみなければわからないことでありますけれども、一つの試算によれば、この地域には七億キロリットルを超えるというような数字もあると、こういうような趣旨であれば恐らくおしかりを受けなかったんじゃないかと、こう思うのでございます。そういうような趣旨に、これは外へ出ましたけれども、そのような表現の方が誤解は少なくて済んだのではないかというふうに反省しているところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 大臣の答弁、一応了承いたしました。具体的に訂正文を文章にしてひとつ出してください。至急に、事務当局にひとつ訂正文を書いて出させてください。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま申し上げたような趣旨で書いてお出しいたします。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 関連して。そうするとこの刊行物ですね、これは一体部数はどのくらい発行になっておるんですか。それから配布先はどういうところに配布をされておるんですか。ただいま外務大臣が発言をされました訂正文、この訂正文をこれらのところに、配布先に全部配布されるという、そういう保証をいただかないことには、私どもも、これはもう国民を愚弄をした、そういうものだと私は率直に受けとめておるわけですが、誤った資料で国会の審議をした、そういうことが後世に残ることになるわけですから、訂正文も全部その配布先に配布いただかないことには困るわけです。この点はどうされるわけですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 印刷いたしました部数はいま申し上げますけれども、少なくとも国会の先生方にお配りいたしてありますので、この国会の先生方には皆さまに渡るように努力をいたします。しかし、この点につきましては衆議院でもずいぶん議論のあった点でございまして、この七億キロリットルというのはどうであるかということ、これはまたその議論も新聞等にも報道されたりいたしております。そういう意味で、これは表現の適否の問題でございますので、これは私どもそのような、ただいま申し上げたような趣旨によりまして、これをお配りしてあるような先には皆様に渡るように極力努力をさしていただきたいと思います。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 配布部数につきましては、ただいま至急連絡して調査しておりますので、その結果わかり次第御報告いたします。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの答弁をぜひはっきりさせてもらいたいことは、こういうことをやって、ここで、いままでの発言で万事終われりと、こういう問題では済まないと思います。これだけの国民に重大な判断の誤りをしたわけですから、何らかの謝罪があってしかるべきだと、こう思います。  それから、情報文化局長、関連するアジア局長、外務大臣、これらの方の政治責任は一体どういうことになりますか。これだけのことで国民の、国会の審議を煩わしていままできたんですから。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) ここに書きましたことは、全く根拠がなくして書いたものではございません。ただ、先ほど大塚先生がそれは必ず七億キロリットルあるかと、こういうふうにおっしゃいますと、これは掘ってみなければわからないことでございますから、そういう意味で申し上げたので、これから試掘をやる、これからさらに地震探鉱をやって試掘をやるという段階のものでございますから、そういう場合にやっぱり何か、どれくらいの大きさで、どれくらいの埋蔵量というものが可能性があるのかということで議論をされているわけで、それが当たるか当たらないかということはわからないわけでございます。そういう意味で、そういう前提でこれは書かれてあるものでございますから、ただ、これが必ずあるんだと、こういう趣旨に読まれたのでは困るわけで、そういう趣旨で誤ったことが書いてあるということではありませんけれども、もう少し適切な表現に直した方がいいだろうと、このようなことを私は申し上げておるのでございまして、そういう意味でこの書いた文章が責任がどうのこうのと、こういう問題ではなかろうというふうに考えられるところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 大臣は先ほど訂正文を口頭でされたわけですが、そうだとしますと、間違いという言葉が適当な表現かどうかわかりませんが、正しくなかったことは事実ですね。そうでしょう、訂正されたんですから。とすれば、そのことに関して、これはその当事者はそういうことを公表したことに関して何ら意思表示、そういうことはされないでこのままで済まされるわけですか、いかがです。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) これはやはり答案であれば百点か八十点か七十点かと、こういうもので、シロかクロかという性質のものではないということを申し上げているのでありまして、これはそういう誤解の、七億キロリットル必ずあるかと、こういうことを言っているのではないのでございますから、したがいましてそのようなことではなくて、いま御指摘がありましたので、もっと点数をよけい取れるような文章はどうかと、こういうことで申し上げておるわけでありまして、ここで書いておりますことは、いろんな観点から有望な地域であると、こういうことを申しておるわけで、その有望な地域であるということにつきましては現在とも私どもは考えを変えておらないところでございますから、その点はひとつ御了解を賜りたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 大臣、感情的に、何というか、私の情感に訴えるような、そういうことであれされる問題とこの問題は本質的に違う問題だと思いますよ。そうじゃありませんか。ともかく、これだけ国会で重要な審議になっておるその一番基本的なところで、政府機関が、信憑性のない「各種調査」というような表現、しかもその開発地域という限定した中で確認もされない七億キロリットルと、こういう埋蔵量があると、こういうことで国民に宣伝をして、この参議院の審議を通過させようと、こういうことのあれですから、しかも大臣がここで改めて訂正された以上、答案が五十点か六十点か七十点かという、そういうたとえの問題ではこれはありません。しかも、さっきから申し上げてありますように、国連の報告の文言の中には、この地域を指しておるという文言は一言一句ないわけですから、そういうものを拡大解釈してそうして国会の審議に供すると、こういうことは、これは政府関係機関の担当者、あるいは情報文化局長かアジア局長かわかりませんが、これで責任まるでなしということでここで逃げるわけにはまいらないんじゃないですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) これはたびたび申し上げて恐縮でございますけれども、あくまでもこれは推定ということで書いてございますので、これは確認されておるというふうに書いておるわけではございませんので、その点は御了解を賜りたい。ただ、もう少しうまい文章にすればこうだということを申し上げております。ただ、あくまでもこの責任はこれは私が負うべきものというふうに考えておるわけでございまして、この文章自体につきまして私自身が責任をとらさせていただきたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 情報文化局長は見えていますか。直接の担当者、おいでになっていますか。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) このパンフレットにつきましては、外務省情報文化局の名前で作成配布されたものでございますが、外務省部内、アジア局を含めまして外務省部内において資料、このもとになる原稿等は作成されたわけでございまして、その意味で必ずしも情報文化局長の問題ということではないわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 じゃ、だれなんですか。いま大臣がこの文章を、政府の公式文章を訂正されたんですから、そのことに関して一言なかるべからずという、これはだれでもそう思いますよ。一切そういうことに関して申しわけありません、済みませんでした、そういう謝罪のあれはないんですか、考えは、どうです。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) その前に、先ほど大塚先生から御質問のありました本件パンフレットの配布部数でございますが、約三千部ということでございます。  なお、ただいまの先生御指摘の点でございますが、このパンフレット作成に関与いたしましたアジア局の一員といたしまして、先ほど大臣申されましたように、表現に必ずしも適切でなく、誤解をあるいは加える点があったという点については、深く反省している次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そういう答弁ではとても納得できません。これはもうやっぱりその責任の所在を明確にしていただかなければ審議はできません。  それからもう一つ、これらに関連する同様な問題で、「この地域の堆積層の厚さは、一部では六千メートル位のところもあり、これは中東に匹敵するものです。」という表現がなされております。共同開発区域内に六千メートルもの堆積層があると、エカフェの調査の一体どこにそういう表現があるのか。これは国連の報告の中にあるのかないのか。もしないとすれば、いつだれの調査を基礎にしてこの六千メートルの堆積層の厚さがあるという、こういう国民に対する宣伝をされたのか、それを伺いたいと思います。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) この堆積層の厚さでございますが、六千メートルという推定につきましてはエカフェの調査とは別に、先ほど開発課長から申し上げましたか、日本石油開発であるいは西日本石油開発等がこの地域がいろいろ国際的に問題になります前に調査をした例がございまして、それで地域によって六千メートルという推定が行われているものでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 先ほどからあなた方の答弁の中で地震探査なりそういう具体的なことをやらなければわからないと、こういうことを言って私どもに答弁を繰り返してきたわけです。ところが、ここでははっきり「この地域の堆積層の厚さは、一部では六千メートル位のところもあり、」と断定しているわけです。こういうことで国民にこれパンフを配布しているわけですが、先ほどから私はどういう基礎資料だと、基礎各種調査だと、こういうことを質問しておったわけですが、そういうことについては一言も答弁なくて、いま突如としてこういう問題が出てきたわけですが、そういうものに対する信憑性、政府の公的機関の刑行物の中にそういうことを入れた、その根拠は一体何なのか。もう少し具体的にその責任の所在を明確にして答弁をいただきたい。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 背斜構造が存在するかどうかとか、あるいは堆積層の厚さ等につきましてはスパークスといいまして、電波でやりましたり、あるいは音波で調査いたしまして大体推定がつくわけでございますが、その背斜構造の中にあるいは堆積層の中に実際に石油が入っているかどうかということにつきましては、これは先ほど来申し上げましたように試掘を実際にやってみないとわからないわけでございますが、石油があるであろう有望な地質構造を持っているという点につきましては、いま申し上げましたような物理的な調査でもって推定が可能な技術になっておると、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この堆積層の厚さというのが石油がこの中にあるかどうかということに重大な関係があるわけですよ。それで国連の調査報告の中にそれがあったのかないか、そこをひとつまずはっきりさせてください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど来申し上げましたが、堆積層の厚さにつきましては日本石油開発等の民間が先ほど申し上げましたように音波調査等を行いまして推定いたしましたところが、堆積層の厚さにつきまして六千メートルぐらいのところもあるという結果が出ておると、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 それはいつですか。そのことがなぜ国連の調査報告の中に全然入らないわけですか。そこの関係をひとつ明らかにしてください。ここのところだけは別な調査のあれを持ってきたんだと。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) 御指摘のとおり、エカフェの調査の結果六千メートルの堆積層の厚さがあるということではありません。エカフェの調査で明らかになっておりますのは、実はスパーカー調査でございまして、出力も実は三万ジュールということでございまして、相対的に低いわけでございます。したがって、その反射波というのは余り厚いところまでいかないということでございますので、エカフェの調査に出ておりますいわゆるアイソパック、堆積層の厚さの地図でございますが、これが一つの結論でございますけれども、その地図では二千メートル以上というのがあり得るということが書いてあるのでございます。この二千メートル以上ありますあるいは千二百メートル以上ありますという実はその地域が、現在問題になっております共同開発区域の中に入ってきているというのがエカフェの調査のポイントの一つだと思います。  いま次長が申し上げました六千メートルの堆積層の厚さがあるという調査があると申しますのは日石開発の調査であろうと思いますが、これは昭和四十六年にエアガンを使いまして実施しました調査でございます。したがいまして、エカフェの調査は昭和四十三年に行われておるものでございますから、その後行われました企業の調査によればということを私が申し上げましたのは、日石開発あるいは西日本開発のデータをベースにして申し上げたわけでございまして、エカフェの調査には、そもそも日石開発がやりましたデータというのは入っていないということでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうしますと、この一部六千メートルと、これは国連の調査の内容のように、先ほどの各種調査というのが国連の調査ということを主体にして九分どおりこれが報告されたというような答弁をいただいたわけですが、この六千メートルというのは全く国連の報告の中にはないわけですね。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) 御指摘のとおりでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうなりますと、幾つか政府の報告で、適切でない説明が重ねられておるわけであります。そこのところも、やっぱりこれは注を入れないことには誤解を受けるおそれがあると思うんですが、いかがですか。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) この部分の前段第一段目におきまして「ECAFEの調査をはじめとするこれまでの各種調査によれば、」ということで、推定埋蔵量が書いてあり、その次に「一部では六千メートル位のところもあり、」という記述としているわけでございますが、これはエカフェの調査ということに限って申しているわけではございませんで、これまでの各種調査によればということで、その延長線の記述としての「一部では六千メートル」云々ということでございますので、特に誤りであるというふうには私は考えない次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 ここに書いてあるような表現が適切かどうかということで、私は適切でないという感じがするもんだからお尋ねしているわけですが、個々の問題にかかずり合うことよりもまた進ましていただくことにして、ただいまの調査内容、これは資料として速やかに提出いただけますでしょうか。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) 先ほど、エカフェの調査で六千メートルという数字はないかという御指摘がございまして、そのとおりでございますということを申し上げましたけれども、実は正確に申し上げますと、堆積部の厚さは二キロメートル以上に達していることが明らかである、恐らく台湾で知られている九キロの厚さにも達するかもしれないというような結果がところどころに書いてございまして、ただ先ほど申し上げましたアイソパックの地図では千二百メートルないしは二千メートルの結果しか実は示してないということを申し上げた次第でございます。  それから、民間企業が行いました探査の結果につきましては私どもも実は持っておらないわけでございまして、そのデータそれ自体につきましては、提出というのは差し控えさしていただきたいというふうに考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そういうことになると、いよいよこれはもう、あなた方に私どもがだまされているということを何度も何度も繰り返されるわけですよね。ここでは六千メートル、あなたの言うのは一千二百ないし二千メートル、こういうことで、六千メートルという数字を握って具体的な根拠があるから政府の刊行物にまでこういう具体的な数字を挙げて国民に宣伝しているわけでしょう。その資料がないなんということを国会でぬけぬけとよくあなた答弁できますね。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) 私が千二百メートルないし二千メートルと申しましたのはエカフェの調査でございます。六千メートルについては、確かに六千メートルという調査結果もあるということを聞いておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そんなことであんた国会の重要な資料を出されちゃ、国会の審議になりませんよ。きわめて不謹慎だよ、そういう答弁でこれらの資料が出されるということは。あんた方がこの重要な法案を通してくれと、こういうことでいま審議を国会に煩わしているわけでしょう。それらの資料の六千メートルという具体的な数字を挙げられた根拠が示せないなんということで国会の審議ができますか。いいかげんなもので国会の審議を惑わされるようなことをされちゃだめだよ。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) ただいまの民間の企業の資料でございますが、これは先生も御承知かと思いますが、こういった民間がやりました調査のデータというのは民間にとりましては非常に貴重な資産になるものでございます。したがいまして、そのものそれ自体を通産省に出せと言うわけにもまいらないわけでございますが、いまのこの六千メートルに関連いたしました関連の場所の説明資料につきましては、できる限りとりましてお出しいたしたいというふうに考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 できる限りなんというあいまいなあれでなしに、確実に出していただけますね。確約してください。この堆積層の深さが埋蔵量を左右するかぎですから。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) この調査の結果六千メートルの堆積層があるということを説明するのに十分な資料をお出しいたしたいと存じます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いっその提出をいただけるのか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) なるべく早くお出ししたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 だめだ。なるべく早くなんて、いつだ。はっきり日時を限定してください。委員長、それを計らってください。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 二十六日の委員会までに出せますか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 相手がございますのであれですが、できるだけ出すように努力いたしたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そこはどうしてもやっぱりはっきりさせてもらわないと困る。二十六日の委員会までに提出いただけますか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 先ほど来申し上げましたように、会社の機密資料の中から説明書をつくって出させるわけでございますので、これから会社にいろいろ話しますが、二十六日までに確実に出せるかという点につきましては、われわれといたしましては、最大限の努力をいたすということしかこの場ではちょっと申し上げられないということでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 先ほどの答弁ではあんた出すと言ったんだよ。これから調査をやるものじゃなくて、すでに調査結果がまとめられて、政府がこれを基礎にして六千メートルという表現までもう公表しているわけだ。それをあんた二十六日、きょうが二十四日、二日間の期間でそれができないはずないでしょう。二十六日委員会の開会十時までに出すと、このことをはっきり確約してください。そうしますと、資料を出せないということになると、この情報文化局で出しておるあれは何らの資料を政府が手持ちしておらないで腰だめで、あるいは言葉だけ聞いてこの宣伝資料をつくったと、こういうことになりますね。いよいよ外務省の責任これは重いですよ。情報提供者の方のエネルギー庁の方に資料がない。二十六日、きょうのあさってに出せない、こういうことを言っているんですから、外務省はその資料が何らかあってこの資料をつくったんですか、腰だめ、言葉だけで書いたんですか、そこをはっきりしてください。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 資源エネルギー庁から伺った数字に基づいているところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 あるじゃないですか。それがあさってまでに出せないなんて、そんな法ないよ。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) これにつきましては、先ほど来申し上げましたが、日本石油開発という会社が調査をいたしました結果を通産省といたしまして聴取をいたした、その聴取の内容を外務省のお尋ねによって外務省にお伝えした、こういうことでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 もう少しそれじゃ具体的にお尋ねをいたしますが、この共同開発区域、あなた方がそういうことでおっしゃる以上は、北緯何度、東経何度ということの地域まで明らかにならなければ六千メートルという断定した数字というのは出てこないはずですが、そこの場所は一体どこですか。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) これは先ほども申し上げましたが、こういった石油の調査に関しますデータというのはいわゆる企業機密でございまして、その六千メートルある地点が正確にどの地点でどういうふうにはかってどうだったかというふうな資料はこれは企業としてはやはり企業機密に属するものであるというふうに考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうだというと、この共同開発地域の促進のためにこのパンフが出されているんだけれども、この中にあるのかないのかもまだわからないわけですね。確実にあるんですか、この地域の中に。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) その地域の中に六千メートルの地域があるわけでございます。それで、ただいま先方といいますか、その企業とも事務的に連絡をとりましたが、場所につきましても正確に、本当に正確にここというのは問題でございますけれども、大体どの辺というふうなことを含めまして六千メートルの推積物があるということを説明するに足りる十分な資料をお出しいたしたいというふうに考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 じゃ、いまの問題は二十六日の十時の本委員会開会までに必ずひとつ提出をいただく、そのことを委員長に確認を願ってひとつ次に進みたいと思いますので、お計らいを願います。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) 二十六日の朝までにお出しいたします。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうなりますと、今度は問題が発展してくるわけであります。七億キロリットルの埋蔵量というものがきわめて不確定要素を含んでおると、こういうことが先ほどの答弁で明らかになったわけでありますが、この投資効果について説明を受けたいわけであります。この開発に伴う投資総額、一体探鉱のために、それから今度はそれを採掘するために、おおよそ分けて採算効果という点からその投資総額はどの程度になるものか。そこのところをひとつ、現在この法案を提出される、もう開発を急ぐという政府の立場から言えばそういうことについても一応の試算をなされておるはずだと思います。そこのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) これは試掘の費用、それから油があることがわかりました場合の開発、生産の費用につきましては、その地形でございますとか水深でございますとか、それから実際に油がどのぐらい出るかというふうなことによりまして非常に変わってくるものでございますから、あらかじめどのぐらいの金がかかるということを推計することは非常に困難でございますが、大体義務的なこの地域におきます試掘が十一本ございまして、そういたしますと、最低限おおむね試掘のための費用が二百五十億円ぐらいかかるのではないかと思います。  それから、参考例でございますが、新潟沖の阿賀沖の例でございますが、ここは確認埋蔵量が一千万トンということになっておりまして、この場合は試掘、それから採掘のための設備投資で約三百億円という数字がございます。全体でこの共同開発地域について幾らかというふうな点につきましては、まだ開発権者も決まってないわけでございますので、計算はいたしておらないような状況でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうしますと、先ほどの問題で私が重ねて質問を続けたわけですが、その堆積層が六千メートルある、一番石油が有望だと、こういう地域の水深の問題と採掘可能かどうかという問題がきわめて重要な関連があろうと思います。いまあなたが六千メートルあると、こう言っておる具体的な場所はなかなか明示できないと、こうおっしゃったわけですが、この水深はどの程度の水深の個所が堆積層六千メートルと、こういう個所に当たりますか。

箕輪哲資源エネルギー庁石油部開発課長

○説明員(箕輪哲君) 正確な水深は私いまちょっとデータがないのでわかりませんけれども、大体水深二百メートル以下のところであるというふうに聞いております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 水深二百メートル以下、具体的にそれがどの程度になるのか、そこが肝心なところになるわけですが、水深二百メートル以下のところで現在採掘が可能なのか、採算がとれるのか、そこのところはどうですか。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(古田徳昌君) 石油の探鉱開発につきましての世界的な事例を幾つか御参考までに申し上げたいと思いますが、水深で現在世界で一番深いところで掘っておりますのはエクソンがタイの沖で千メートルを超えた水の深さのところで掘っております。それから日本の記録としましては帝国石油が常磐沖で一九七四年に掘りましたのは水深二百十一メートルという事例がございます。なお開発に移行しまして生産を開始するというふうな場合につきましては、現在世界で一番深いのはアメリカのカリフォルニアの沖合いでエクソンがやっております三百メートルの水深の地点というのがございます。それから日本の記録を見ますと、先ほど私どもの次長の方から御紹介申し上げました阿賀沖油田の開発は水深八十メートルということでございまして、最近の石油開発の技術的な水準からいきますと、二百メートル前後まででしたらさしたる困難はなしに開発できるというふうに承知しております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 だとすれば、その先ほどの堆積層六千メートル以上、こういうところの個所が、せっかくこういうことで審議をしておって採算がとれない、そういうところだったら意味がないわけですね。だからそれらの水深の個所は、その六千メートルという個所は一体どこなのか。これは今後の審議に重要な関連があるものですから、そこのところは二百メートル以下なんですか。採算のとれる個所なんですか。そこのところをひとつ聞かしてください。

大永勇作資源エネルギー庁次長

○政府委員(大永勇作君) その点も合わせまして資料として御提出いたしたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 じゃ、先ほどのパンフの問題で、パンフの内容の訂正文、それから発行部数、これから先どう訂正をそれらの関係者に全部やるのか、その具体的な方法をひとつ速やかに結論を出して納得いくような答弁をいただきたいと思います。ちょっといまの論議が中途でいま資料が提出されないままでとまっているものですから、開発可能な地域なのか、採算がとれる地域なのか、採算がとれない地域なのか、そこのところがはっきりしないものですから、ここで政府間の協定をいま結ぶこと、そういうことの是非、こういうことについての論議はちょっとこれ以上ここの席では困難だと思いますので、この間の問題はひとつ次回に保留をさしていただきたい。そこのところがきわめて重要な問題ですから、そこのところでひとつ保留をさせていただいて次に質問を進めます。——さっきの外務省の答弁先にいただいてからにすることにしましょう。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止〕

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 速記起こして。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 さっきのパンフにつきましてのあれはできましたか、訂正文は。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) この文章につきましてはさらに検討をいたしまして、しっかりしたものにした上で措置をとりたいと、かように考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 さっきから発行部数と配布先のことをお尋ねしてたんですが、このこと一つもお答えないんですが。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 発行部数につきましては、先ほど御報告いたしましたように約三千部と承知いたしております。配布先は国会議員の方々、それから有識者という方々、大体そういうところと聞いております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 それもひとつ資料として後日出してください。どういうところ、国会議員全員ですから七百六十二名になりますか、そこのところはわかった。三千部ですから、その残りの部数、どういうところに出しておるのか、その配布先もひとつ明らかにしてください。  で、この開発地域の採掘の困難な問題に関連をして公害、それから漁業関係に対する問題が当然出てくるだろうと思います。これの関係官庁、関係団体、そういうところの協議、これは一つは水産庁、気象庁、こういうところのいままでの話し合いの経過をひとつ説明いただきたいと思います。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 本件南部共同開発協定を結ぶにあたりまして、どういう骨組みの協定をつくるかという過程におきまして、外務省といたしましては関係省庁、特に通商産業省、資源エネルギー庁、農林省、水産庁、運輸省の海上保安庁、それから環境庁というようなところと十分協議いたした次第でございます。  環境汚染の防止あるいは汚染の除去というような面につきましては、この協定におきましては、この共同開発というものは、共同開発区域とその上部水域における漁業等の正当な活動が不当に影響されないように行う旨を協定二十七条で規定いたしますとともに、両締約国の開発権者の間で結ばれる事業契約の中には必ず漁業上の利益との調整という項目を含めるべきことを協定第五条一項で規定いたしております。さらに、操業を開始します前に、政府は開発権者が自国の関係国民と漁業上の利益の調整を図るよう指導することといたしております。また、海上汚染の防止と除去のためにとるべき措置につきまして、協定第二十条で両国政府間で合意することが規定されておりまして、この規定に基づきまして安全上の対策措置を含めました基準などにつきまして、交換公文で詳細な取り決めを行っている次第でございます。  さらに、これはあるいは資源エネルギー庁の方から御説明いただいた方がどうかと思いますが、資源エネルギー庁と水産庁の間に一つの了解がございまして、事業契約の中には、漁業との調整に関する業務のうち日本の漁業者との調整は日本側の企業が担当すること、また、物理探査は盛漁期を避けること、また、坑井の掘削にあたっては坑井ごとに関係漁業者の了解を得ることなどの基本方針を記載させるように通産省の方で指導するということで了解がございまして、その内容が漁業との調整の観点から支障があると認められましたときには事業契約を認可しないという方針で臨むということが水産庁と資源エネルギー庁の間で了解されていると、かように承知いたしている次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 韓国と日本政府の問題でなくて、国内の各関係官庁、各関係団体、そういうところと協議し、理解、協力を求める、そういうことに対しての具体的な措置、その協議した資料、こういうものをひとつ知りたいと思っておるわけです。そこのところをどういうふうにいままで、この協定を国会に提出するまでにその提出責任者である外務省がやってきたか、そこのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 外務省といたしましては、先ほど申し上げました関係省庁と協議を種々いたしたわけでございまして、関係省庁において、たとえば漁業関係につきましては水産庁の当局において全漁連等を通じて漁業関係者に説明を行っていると、かように承知しているわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 欲しいのは、その協議資料をひとつ出していただきたい。きのうも実は委員長以下私どもお供をして現地を視察をいたして関係者から意見を聞いてまいりました。あの南方地域がスルメイカとかアジ、サバ、タチウオ、グチなどの産卵場になっておるということを聞いて、これはなかなか漁業関係者の反応というのは複雑なものがあるなと、こういうことを感じたわけですが、この漁業関係者の反応をひとつお聞かせいただきたいと思います。公害という問題が、後ほどこれから触れるわけですが、そこのところに関連して漁業関係者の反応をひとつお聞かせください。

米澤邦男水産庁海洋漁業部審議官

○説明員(米澤邦男君) もちろん漁業者でございますから、漁業者の立場から言えばもちろん何もないにこしたことはないわけでございますけれども、海底油田開発が安全に行われ、そして探査、採掘の地点、時期等に十分な配慮が払われる。協定あるいはそれに伴う措置法の規定によりまして十分な配慮が払われる限りにおいては、漁業への影響は余り大きな影響はないものと考えております。もちろん万一何か事故があったというような場合、われわれ余りないというぐあいに了解しておりますけれども、そういう場合には迅速に損害の賠償措置が図られるということを期待を、そういうことで図られるということで漁業者としては比較的冷静に受けとめておるというぐあいに考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 これだけ重要な問題ですから、そういう口頭説明で、はいそれで終わりましたと、こういうことで済む問題ではないだろうと思います。それらの協議して、そして政府が責任を持つと、こういうことに対する協議の資料が当然その中になければならないはずだし、あってしかるべきだと思うんですが、そこの資料の提出をいただけませんか。

米澤邦男水産庁海洋漁業部審議官

○説明員(米澤邦男君) いままでこの海域に関連のある漁業団体としては、日本遠洋底曳網漁業協会、日本遠洋まき網漁業協同組合、それから長崎県の五島を中心とした東シナ海沿海の各漁業協同組合というようなもので合計およそ三十九組合がございますが、水産庁としてはこれらの代表、団体に対して大日本水産会などを通しまして説明会を何度も行ってまいりました。また当該海域と非常に関連の深い漁業者、つまり長崎県漁連のことでございますが、に対しては、さらに係官を派遣していままで関係者の理解に努めてまいりました。それから、本協定について大日本水産会からは水産業界の総意として三点の要望がございました。鉱業権の設定、それから海底鉱物資源開発の計画実施に当たってはあらかじめ関係大臣と協議するよう措置すること、それから開発事業の実施に伴って生ずるおそれのある公害が発生しないよう措置することはもちろん、万一発生した場合の損害賠償措置を確立すること、漁場の喪失、漁業活動の制約による損害について十分な補償措置を講ずることという要望があったわけでございました。  で、水産庁といたしましては、本協定の実施に関してこれらの要望に沿って必要な措置を講ずるよう関係省庁と協議してきたところでございます。これらに関する資料は一括して提出いたすようにいたします。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 こういうことになれば、開発という事態になれば当然公害という問題がよその事例のようにこれは予測されるわけです。漁業関係者にとってはない方がいいということは、もうこれはどなたが考えてもそれらの関係者の考えだろうと思います。  ところで、現地できのうおとといと関係者の意見聴取を行ったわけですが、こういう事実が明らかになりました。私どもは、漁業関係者は当然これらの問題に重大関心を示し、いまおっしゃったように、なければない方がいいと、こういうことでおるものと考えておったわけですが、現地の事情聴取の中でこういう事実がございます。誤りないように一応その新聞記事をひとつ朗読をして、外務大臣にこれらに関する所見を率直にひとつ求めたいと思います。  これは長崎新聞の五月三日号の記事であります。「日韓大陸だな協定 知事ら早期批准を要請本県に重大影響」という見出しで、「韓国側が強硬姿勢 漁業協定の廃棄も」と、こういう小見出しであります。その内容をちょっと朗読させていただきます。  日韓大陸だな協定の批准問題で韓国側では日本側の批准が実現しえない場合は、日韓漁業協定を廃棄するとの動きが出ていることから、県は本県水産業に重大な影響が出るとして二日、久保知事と松田県議会議長がそれぞれ福田総理大臣と各党党首へ「安定操業を確保するため、速やかに批准して欲しい」との要請電報を打った。 と、この要請電報はここに知事の分と議長の分とあります。もう少しそこのところをひとつわかっていただくために説明をいたします。  県日韓親善議員連盟会長の松田議長は二日、県庁で記者会見し、「一日夜から二日朝にかけて韓国政府の数人の高官から、韓国としては今月十日までに日本側が同協定批准の見通しを立てない場合は日韓漁業協定は廃棄する。その場合の責任は日本政府にあり、水産県の長崎としても了解しておいてもらいたい、との連絡があった」ことを明らかにした。 いいですか。外務省を通じないで長崎県の日韓親善議員連盟会長のところに数名の韓国の政府高官から電話があったと。  日韓大陸だな協定の批准同意案は四月二十七日、衆院外務委員会で採決されたが、二十八日の衆院本会議に上程されなかったことから韓国側では漁業協定廃棄の動きが出ている。松田議長は「韓国政府高官からの国際電話では、協定の批准がなされない場合は、漁業協定の廃棄措置がとられることは間違いないように思えた。そうなると李ラインが復活、同ライン内の操業 は困難となり、本県はじめ福岡、佐賀の漁業に重大な影響が出る心配があり、未然措置が必要」と語っている。  このため久保知事と同議長は同日、政府、各党首、衆参両院の農林水産、外務委員長あてに「日韓大陸だな共同開発協定批准の遅れにより日韓漁業協定の一方的な廃棄等の不測の事態が予測されるが、このことは本県漁業に重大な影 響を与え、その推移が憂慮されるので、速やかに同協定の批准が行われるよう強く要望する」との要請電を打った。また同議長と知事が上京して政府へ直接要望することも検討している。  県水産部の調査では、韓国沖合では以西底引き網漁を中心に年間、約十三万三千五百トンの漁獲量があり、本県の年間漁獲量の一九・二%を占めている。 こういう記事が明らかにされたわけであります。この問題に関して、外務省はこれらの事実関係を御承知だったでしょうか。それから、こういうことが一国の政府高官、それも数名の方から正規の外交ルート、外務省を通じないで、一地方の自治体の機関にそういう要請をされることが国際信義上あるいは国際慣習上許されることなのかどうか、外務大臣から答弁をいただきたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 長崎新聞に掲載されております記事につきましては、この記事はただいま拝見をいたしたところでございます。私どものいままで得ております情報といたしまして、韓国国内におきましてこの大陸だな協定がおくれておることにつきましていろんな議論があるということで、私どもの交渉いたしております韓国政府の外務部といたしましては、そのような背景につきましては極力抑えるように努力をしておると考えておりますが、内部の議論といたしましては相当いろいろな議論が行われておるということは承知いたしております。そして、政府の高官というふうに書いてございますけれども、どういう方なのかこの文章で明らかでございませんけれども、私ども外交面を通しましてこのような、先方の要望は常時来ておりますが、しかし、対抗措置でどのようなことをするかというようなことは外交ルートでは申してはおりません。しかし、国内の世論が大変厳しくなっておるということはいろんな面で連絡があるところでございまして、あるいはそのようなことのあらわれがただいま御指摘のような記事になったのではなかろうか、このように考えられるところでございまして、まだ政府ベースで正式にこのようなことを申しておるということは聞いておりません。この批准がまだ行われる、国会の御承認が得られるということをやはり期待をしておるところでございます。  そういう意味で、いまのところはそのように静観をいたしておりますが、韓国内部としていろんな議論があるということ、そして、そういうような議論に対しまして韓国政府としてなかなかそれをおさめるのに大変苦労になってきたという段階ではなかろうかというふうに見ておるところでございまして、したがいまして、そのような動きの一つとして、何らか韓国内部の、韓国政府の方であるかあるいは国会関係の方であるか、この高官という表現だけでは必ずしも明らかではございませんけれども、まだ私ども外交交渉というようなことでこのようなことは先方も申しておりません。したがいまして、いまここで初めて拝見をいたしましたので、直ちにコメントいたしかねるわけでございますけれども、韓国政府の良識ある行動というものを私どもは期待をいたし、またそのように、私どもの大使館を通じましては極力平静であってもらうように努力をしているところでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの外務大臣の答弁は、大変韓国に好意的な答弁を繰り返されたわけでありますが、これらの事実関係、その政府高官はいまだれかわからないということだったんですが、政府高官数名からそういう電報があったというんですから、事実関係を、それらをお調べなさることはここで約束いただけますか。  それから、そういうことが国際慣行上正規な外交ルート、韓国の外交部と日本の外務省、こういうところを通じてそういう話が出るならば、たとえ理不尽なものであってもそのことはそれぞれの国益というものがあることから私もあって不思議ではないという感じがするわけですが、そういう正規のルートを通さないで、直接漁業県である長崎県にそういう要請をすることは、これは明らかに外交慣習を越えた恫喝ではありませんか。そしてこのことは、何というか、内政干渉ということにはならない問題ですか、外務大臣の重ねての見解を承りたいと思います。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) この新聞に報道されております事実、このとおりであるのかどうか確めてみたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 調査しますね。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 確めてみたいと思います。ただ、このような国と国との漁業協定のようなものを廃棄をするというような話は、これは当然外交ルートを通じてなさるべきことであろう、こう思います。そして、いままでの韓国の外務部と私どもの接触を通じまして、協定の国会承認を非常に期待をしているということはありますけれども、それ以上の報復的な、恫喝的なことは先方は申しておりません。したがいまして、廃棄をするというようなことか現場で行われるというようなことは、恐らく、これはどのような表現であったかが問題だろうと思いますが、あるいはいろいろ個人的なおつき合いの関係その他で、いろいろな情報とかなんとかいうようなことではなかったんであろうかと。政府としてのそのような行為というものを、そのような意思を示すのであれば当然外交ルートを通ずるのが本旨であろうと思いますので、この点につきましては確めてみたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 これは、新聞報道を先ほど読んだんですが、電話だけでなくて現実に、そういうこちらの漁業の責任者それから日韓親善議員連盟会長、そういう人を呼んでそういうことをやっぱり強要しているわけですね。それらの事実を調査してひとつこれはぜひ報告をいただきたいと思うわけですが、こういう事実、これは全く根も葉もない、根拠のない事実ではなくて、現実にそういうことか、向こうの高官はだれかは別にして、あったことは事実です。このような恫喝、策謀、そしてそれによって日本の国会の審議を承認までかち取ろうと、こういう態度、この朴政権の態度の中にこれは明らかに私どもは不純なものを感ぜざるを得ません。それと一緒に、日本の側で強行しても成立、批准を図ろうと、こういう人たちに対するその腐敗関係、癒着関係というものに対して重大な疑問を持たざるを得ないわけであります。先ほど内政干渉にならないかと、こういうことを聞いたんですが、この点について外務大臣どう見解をお持ちですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) 私はこの事実を存じませんからコメントできない立場にございますけれども、いまのお話ですと、やはり何らか政府のベースではなくして、あるいは政治家等のべースの話ではないだろうかという感じがいたします。その政治家同士の話し合いになれば、これはやはりいろんなことかお話し合いにはなろうかと思うわけでございまして、本当に政府がそのようなことを申したのかどうか、その点ははっきり確かめたいと、こう思います。  私どもいままで得ております情報では、韓国内におきましてもやはり攻撃は朴政権自体、政府自体がということよりも、やはり政府は攻撃を非常に受けると、こういうことを言っておる、そういう情報を聞いておりまして、したがいまして、韓国内におきまして政府批判的な立場にある方、こういった方々の方がむしろ政府攻撃として非常に激しい議論が行われるようになったというふうに聞いておるところでございます。しかし、本件につきましての実際の真実を知っておりませんので、これらにつきましては早速極力調べまして、どういう経路であったか確かめてみたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 これらの問題は、先ほど申し上げたように、恫喝と策謀で国会の審議を動かそうとしている事実ですから、国会としては黙認できない。これは早急にひとつ調査をして、事実関係を明らかにしてもらいたい。  もう一点は、そういう事実関係があったという場合には、日本政府として外務大臣として韓国政府に厳重な抗議をいたしますか。そこのところをはっきりさせてください。そういう事実を黙認をされるお考えですか。

鳩山威一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(鳩山威一郎君) これは調査をいたしてみます。そして、それが本当に政府としてそのようなことが行われたのかどうか。この辺がまあ大変問題であろうと思いますので、もし政府としてこのような廃棄の通告をするぞというようなことがありますれば、それは大変問題でありますので、当方の大使を通じまして先方によく申し入れさせたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 それは単なる申し入れということでなくて厳重な抗議を、日本の内政干渉ですから、しかも権威ある国会の審議をそういうことで動かそうとするわけですから、これは断じて許すことはできません。ひとつ外務大臣としての責任、明確な態度をとっていただきたいと思います。  続いて、この問題に関連をして、公害の問題についてやっぱり重大な関心か全国民から示されております。先ほどイギリス・ノルウェー間の大陸だな、いわゆる北海油田、北海大陸だなの事故がありました。この概要を、どういう経過であったのか、ひとつ説明をいただきたいと思います。これらの漁業関係に与えた影響、期日を追って、数字的なものを示して説明をいただきたいと思います。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 先般の北海油田の流出事故の概要について御説明申し上げます。  ノルウェー及びイギリスにありますわが方大使館からの報告によれば、概要は次のとおりでございます。  まず経緯でございますが、四月二十二日、ノルウェー沖のエコフィスク油田の米国フィリップス社所属のプラットホームで、パイプの一本につきまして安全バルブを取りかえ中に原油とガスが噴出し、当初は一日約四千トンの割合で海上に流出し、これはその後の発表では実際の流出量はこれを下回った由でございますが、ノルウェー、デンマーク、スコットランド沿岸にも達することが心配されましたし、また、爆発や大火災のおそれもあって緊張した状態が続いておりました。  事故が起こりまして後に、米国から油田の火災予防の専門家が現場に到着いたしまして、火災防止と原油の拡散の防止などの作業に努め、その結果、四月三十日に至りまして石油とガスの噴出をとめることに成功したということでございます。  事故の原因につきましては、現在その詳細についてノルウェーにおきまして調査委員会というものが設けられまして、この調査委員会と警察当局の手で目下調査中ということで、最終的な結論はまだ出ていないわけでございます。ただ、ノルウェーの担当大臣が五月六日にノルウェーの国会に提出しました報告によりますれば、事故発生の状況は次のとおりとなっております。  昨年の八月、先ほどのエコフィスク油田にあるブラボー・プラットホームという場所で行われました圧力測定の際に、井戸の底に落ちたままになっておりました圧力測定器の引き上げ作業を行っている際に噴出事故が起きたということでございます。  この八月の事故の後に引き上げ作業が成功しないまま生産か続けられていたわけでございますか、フィリップス社は、本年三月この測定器引き上げ作業の計画をつくりましてノルウェの石油庁に提出し、石油庁は安全性に十分の配慮を払うことを条件にこの計画を承認いたしました。今回の事故は、この計画に基づいて作業が行われている最中に起きた由でございます。  この引き上げ作業のためには、生産パイプ引き上げの前に原油生産中の状態からボーリングを行っているときと同じ状態に切りかえる必要があり、このため生産バルブを取り除いて、ボーリングの際に使用されるのと同じタイプの安全バルブを取り付ける作業中に事故が発生したということでございます。  汚染の状況でございますが、当初非常に心配されました流出原油の沿岸に達するという可能性はほとんどなくなりまして、最近の状況では、関係を含めまして、いままでのところ具体的被害の報告は出ていない由でございます。海洋生物への影響につきましては、詳細な調査結果待ちということでございます。  以上が大体いままで受けている報告の概要でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 ただいまの北海事故については、いままで現在外務省が入手をしております全資料の提出を求めたいと思います。委員長でお計らい願います。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) いかがですか。提出できますか。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 外務省が現在までに入手しております資料について、取りまとめの上御提出いたしたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 このいわゆる共同開発区域の公害について大変心配が大きいものですから、万が一事故が発生したという場合には、日本の重要な漁業場をつぶすことになるおそれがあるわけです。これに関して外務省の先ほどの情報文化局のパンフによると、事故防止は十分であると述べられておるわけですが、十分であると述べております根拠は一体具体的にどういうことなんですか。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) 先ほど御説明の中で申し上げたことでございますが、この協定の二十条におきまして、海洋の汚染の防止と除去についての基準を設け、その措置をとるということとされておりまして、この規定に基づきまして交換公文が交わされているわけでございます。  外務省といたしましては、この交換公文における措置を韓国側と取り決めるに際しましては、わが国の関係省庁と十分に協議いたしまして、事故が万一にも起こらないように、必要な措置というものについて協議の結果得ましたところを交換公文の内容として盛り込んだ次第でございます。この措置か完全にとられれば事故は起こる可能性はきわめて少ないというふうに私どもは確信している次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 事故の起こる可能性はきわめて少ないということですが、現に北海で起きているんですね。対韓国のそういう協定の内容については、条文に書いてありますからわかります。国内の関係諸官庁との協議事項はどうなっていますか、事故後の対策。

大森誠一外務省アジア局次長

○政府委員(大森誠一君) この点につきましても、先ほど申し上げましたように、水産庁あるいは海上保安庁等とも十分協議いたしまして、汚染の起こらないようにその防止の措置、それから汚染か生じた場合にどういう措置をとるかということにつきまして、この交換公文に規定されているような措置をとるということで了解を得まして、この交換公文を取り交わした次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 事故後の対策がそういう口頭禅だけではやっぱり納得できません。具体的にどういう措置をとる、そういう各省間の協議事項、それをひとつ説明いただかないとわかりません。

久世勝巳海上保安庁警備救難部長

○説明員(久世勝巳君) 先生ただいま御指摘になりました件でございますけれども、外務省とは衝突の予防あるいは公害、汚染の防止につきます事前のいろいろ連絡は受けております。そのことにつきまして、今後私どもとしましては、共同開発区域におきますいろいろ汚染の防止、あるいは万が一事故が起きた場合の対策というものを現在いろいろ想定しながら対処しているところでございます。  まず、汚染の防止につきましては、当然海洋汚染防止法に伴いまして、その設置されました海洋施設あるいは当該作業に従事します船舶等につきまして、私どもとしましては当然その海洋施設の建設前におきまして協議を受け、建設に際しましてのいろいろな海洋汚染防止法上の義務というもの、たとえば海洋汚染防止のいろいろな資機材というもの等につきましても、通産省等関係省庁と連絡をとりながら、十分なる対策をその当事者にとらせると、同時に、その後、万が一汚染が起こらないように、当庁としては協定によりましてわが国の責任分野となっています分野につきまして巡視船艇、航空機によります監視というものを十分に行いまして、海洋汚染防止法に関しますいろいろな励行というものを確実に図りまして、汚染の防止というものの取り締まりを図るとともに、関係者に対しまして十分なる事前の指導というものをまずとりたいと思います。  次いで、万が一、不幸にして汚染が発生した場合の措置でございます。これにつきましては、実は現在海上保安庁としましては雄洋丸事件、あるいは水島におきます大量流出事故、こういう非常に油等によります大量の流出事故がございまして、これらの事件に対処しますための防災対策といたしまして全国各地に巡視船艇、航空機を配置しまして、あるいは油防除艇、オイルフェンス展張船等の指導体制を整えておりますとともに、油回収装置あるいはオイルフェンス、油吸着材、油処理材等の流出油防除資機材を全国主要基地に配備しておるところでございますが、万一、不幸にしまして当該海洋施設から油の排出事故が発生した場合の対応対策としましては、基本的に先ほど申し上げましたような大型タンカー等、あるいは陸上の石油基地等からの大量の流出油事故の場合と同様でございまして、まず海洋施設の設置者等に対しまして引き続く油の排出防止等、排出油防除のための必要な措置を講ずるよう指示するとともに、当該海域は比較的陸岸から遠く離れておりますので、まず事故対策としましては外洋で実施されるということとなると考えられますので、主として中型以上の巡視船あるいは航空機を出動させ、まず人命の救出あるいは現場付近海域の警戒等の措置をとるとともに、流出油の防除措置を実施することとしております。  具体的に申し上げますと、事故現場におきます海流、潮流あるいは風の影響あるいは油の種類等によりましてその流出油の拡散状況等、こういうものを見ながら油回収装置あるいは油吸着材等の資機材を効果的に活用しましてまず流出油の回収というものを中心に、重点に実施するとともに、関係機関と密接な連携を保ち、必要によりまして関係官民の協力を得て、被害発生の防止及び災害の局限を図ることとしております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 作文でお答えいただいただけでは納得できないのですね。瀬戸内海で水島の事故、これが全く大きな災害になって地域住民あるいは関係漁民に重大な損害を与えたことは御承知のとおりであります。それらの問題と今回の東シナ海あるいは玄海灘という荒海の中で起きる事故、しかもその量についてけた違いのそういう事故の発生も万が一には予想されるわけであります。具体的に、そういう作文だけでなくて、それらの措置をとるために政府関係機関がどういう対策を持っておるかということを私はお聞きしたかったがためにやったわけです。  それから関連する事項がもう一つあるものですから、協定の内容によりますと、発生の場合の責任、これは無過失連帯の責任ということになっておりますが、この責任の具体的な内容はどういうことなんですか。そこのところを、これは協定の責任者である外務大臣からその無過失連帯の責任ということの具体的な内容をひとつお答えいただきたいと思います。

村田良平外務省条約局外務参事官

○説明員(村田良平君) 具体的な内容というのは、その起こりました事故の具体的な内容によって定まるものと思いますが、一般的に言いまして金銭的な賠償責任あるいは原状回復の責任というふうなことではなかろうかと思います。それは事故が起こってみませんと具体的にその内容というものは申し上げられない事柄でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 じゃ一応ここで。

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) 暫時休憩いたします。    午後五時四十分休憩      —————・—————    午後五時五十三分開会

寺本廣作自由民主党

○委員長(寺本広作君) これより委員会を再開いたします。  本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十四分散会      —————・—————

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