外務委員会 第11号
- 発言数
- 298 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/19
会議録
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告します。 本日、黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君が選任されました。 —————————————
○委員長(寺本広作君) まず、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件審査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 次に、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件 及び、日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付) 右両件を便宜上一括して議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○青木薪次君 私は、運輸委員会の方も冒頭発言で、いま委員会の方で待っててくれておりますので、簡潔にいたしたいと思っております。 十七日に日ソ漁業の暫定交渉が妥結に大体導かれた。十八日には政府は大筋において了解し、このことについて妥結、調印するような訓令を発して、一時間後にまたイシコフ漁業大臣から新しい提案と思われるような内容を持ったところの新提案が出されたということで、私ども野党としても全面的にこのことについて挙党一致の体制で進んできただけに、きわめて重大な内容を示唆していると思うんでありますが、それと同時に、北海道並びに東北漁民はすでにあきらめて南へ行った人まで引き返す、あるいはまた、すぐさま北方水域に出漁するという態勢を整えておったという漁民に対する与える影響というものはきわめて甚大だと思います。 その点について、一条と二条との関係と八条との相互関連の問題だと推察できます。したがって、私どもは国会で二百海里漁業水域の問題と、それから領海十二海里の両法案を上げたという形の中で、前回の外務委員会で私は鳩山大臣に申し上げたのは、十二海里に入ることについては絶対にこれは拒否してもらいたい。それはあなたも了解したと思うのです。そうすると残されたものは何か。北方四島の問題については、これは付属覚書とか交換公文、どんな形でもいいからこれについてはもう明記させるということになる。そうすると一番心配な点は、前回も触れたと思うんでありますが、ソ連が北方四島の関係に対する二百海里の水域を設定した、線引きをした、日本がまたこの線引きをした。この点について、素人でも大体この点に対する詰めを行わないと危ないんじゃないかというように思うことはわかるわけです。その点について、鳩山大臣は今日の交渉の状態についてどう認識されておられますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま御質問のありました点が、まさに最終段階に来ましてまた大変むずかしい問題が出てまいったわけでございます。 御承知のように、ただいまおっしゃいましたような背景がございまして、鈴木農林大臣、イシコフ漁業相との間で相当突っ込んだ話し合いがあったわけでございまして、その結果相当な、まあ最終段に近づいたという判断のもとに、福田総理からブレジネフ書記長、またコスイギン首相あてに親電をお出しをして、何とか領土問題に関係なく純粋に漁業問題として本件を早急に妥結をすべきだ、このような趣旨の内容の親電を発したわけでございまして、それが十七日の会談におきましてこの問題がおおむね一致をするんではないかというふうに期待をされ、文案につきまして専門家の会議で検討するということになったわけでございまして、専門家会議で相当時間をかけて二つの案をつくって、そのどちらでも何とか円満妥結をしたいと当方の希望は申したのでありますけれども、そのようなことで、私どもとしては最終的な鈴木・イシコフ会談が開かれる。そこで、専門家会議で検討した案でございますから、それで解決を見るのではないかと、こう期待をされたのでございますが、その会談になりますと、その席でイシコフ漁業相からそれに対してさらに一文をつけ加えたいという発言がありました。その内容が大変条約の効力に関する問題を含んでおりまして、したがいまして、この問題が大変処理にむずかしい問題で、鈴木大臣は議論をされました結果、これは早急に返事ができないというのできのうは引き下がられておるわけであります。 そういった経緯でございまして、本日ただいままで福田総理、大平幹事長交えまして会合をいたしておったわけでございますが、これに対しまして、私どもは既定の路線を絶対に踏み外すことは許されません。したがいまして、既定の路線に従いまして鈴木農林大臣に今後とも一層イシコフ大臣に当方の立場を理解してもらうように最善の努力をお願いをする以外にございませんので、おおむねそのようなことになっておりまして、ただいま御指摘のような問題が最終段階でやはりこの処理をいかにつけるかという段階になってきたと、こう認識しておるわけでございます。
○青木薪次君 第一条の関係で、これに対する修正提案をしてきたということになれば、私はやっぱり問題は振り出しに戻った、表現上の線上での議論という問題ではないと、こう思うんでありますけれども、いかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) いままで議論を詰めてまいりました過程がございますので、まあ振り出しではないんじゃないかと、いろんな解釈のしようはあると思いますけれども、先方もここでもう一度交渉を振り出しに戻してというようなつもりではないのではないかと私は考えておりますが、その点につきまして、やはり今後の両国の、まあ解釈のいろんな違いが出てまいるということも予想される。それから、当初当方が提案しました、ソ連側が日本の二百海里水域内に入漁する場合の協定というものが、これは後回しになったわけでございます。その後回しになったために、ソ連側が入る場合には領海法並びに二百海里の臨時措置法との関係が先方からすれば心配なわけでございますので、その点につきまして先方としては何らか明らかにしておきたいという希望は持つわけであります。その点は、同時に双務協定にすれば両方が入り合うからはっきりするではないかと、その条文もそう複雑なことでありませんから、この際双務協定に直そうという提案もいたしたんでありますけれども、根本的に考え方が変わるからそれは後回しということになりました。その後回しというものが後に残っておるものでございますので、この方に日本の法律制度が確立をいたしたと、早急に二法案を上げていただいたものですから、その中に今度はソ連が入っていく、その場合につきましてやはりソ連側としては、その先のことは日本側がどういう主張をするかわからないという点を若干の疑念ば持っているかもしれないと思うのでございます。そういう点につきましての詰めがいま最後に問題になったということ、そのように認識をいたしております。
○青木薪次君 余りこの問題で時間を食おうと思いませんけれども、今回の協定の暫定交渉の内容というものは、これは片方で四島の関係に対して一応切り離すことができたというところに一つの一番の私は成果があった、相打ちにできたということは、やはりそこに私は意義があると思うのであります。 それからもう一つの問題点は、両法案を日本が上げたということでもって十二海里からソ連を追い出したということに日本の漁民の立場というものが救われたという点なんですよ。ところが大臣は、いままでの話の過程があるからとおっしゃるけれども、いままでの話の過程というものは、これはやはり島と魚との切り離しという問題です。それからソ連がこの二百海里マイナス十二海里——百八十八海里の水域で漁をやったんでは採算に合わないというような点からここから出ていくんじゃないか、後はバーターでもいいし、魚を売ってやろうというところに問題の焦点が行くものと考えておった。 ところが、今日イシコフ漁業相は政府のコスイギン首相と実は話をしておった、事務的な話を詰めておった。ところが、ソ連共産党のブレジネフ書記長筋から大きな圧力が来たということを消息通、ある私は外務省の人にも聞いたし、新聞社の皆さんにも聞いたわけですが、なるほどなあと私は思いました。そういう点から、この点に対する一条関係の詰めについて私は政府の考え方に非常に甘さがあったというように考えておりますけれども、その政府の判断の甘さについて御返答願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 第一条関係のいわゆる線引きの問題でございますが、これにつきましては当初から大変な問題で、もっぱら大半はこの一条の問題で、いままでの漁業交渉のほぼ相当部分がこの一条の問題に費やされているわけで、当初から二百海里に拡大をされる、まあ結局のところ領土の問題が二百海里に延長されるようなものでございますから、この問題と取り組んできたわけでございまして、この問題の処理につきましては、これは最大、また国民の側からいたしましても最も関心のある問題と思いまして、国民の総意のバックのもとにこの問題は解決しなきゃならない、そういう考え方で臨んでまいった次第でございます。しかし、先方がこの点については大変また壁がかたいという点もこれは事実でございまして、この問題につきまして最後まで既定の路線を踏み外さないように努力を続けたいと思っております。 —————————————
○委員長(寺本広作君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、田英夫君及び戸叶武君が委員を辞任され、その補欠として大塚喬君及び矢田部理君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○青木薪次君 私は、今次国会会期内の予想される会期の延長問題、参議院選挙の絡みの中で許容される会期の延長問題ということが政府部内で議論されているようでありますけれども、私はもう会期延長の理由はなくなったと、じっくりと腰を落ちつけてやらないと、相手が相手であるだけに私はここ一週間や十日の話ではない。基本的な問題、やはり第一条の振り出しに戻ったという立場に立って、この問題については今次八十国会の中においてはちょっと困難性があるんじゃないかと、そんな簡単な問題でないというように今日厳しく理解をいたしているわけでありますけれども、そういう方向でさらに今後においても発言いたしてまいりたいと、こう思っておりますので、これは私の考えですが、ひとつ鳩山大臣御自体で御判断願えるという問題でもないと思いますが、そういう方向で申し上げたいと思います。 それから防衛庁に、わが国がオーストラリアとともに東南アジア諸国の繁栄と福祉を実現するために協力すべき主眼点は、この地域に平和的にして安定的な状況をつくり出すことに求められるべきであるというように考えているわけでありますが、第二十五回の国連総会は、南太平洋の非核兵器地帯設置決議について行っておるわけでありますが、それらの点について、この地方において非核武装地帯を創設するということについて、前文との絡みの中で日本とオーストラリアが協力して推進する可能性を私は示唆していると思うのでありますが、この点防衛庁はどう考えておりますか。
○政府委員(渡邊伊助君) ただいまの御質問については、第一義的にはやはり外務省の方のお考えをまず考慮すべきかというふうに考えますけれども、防衛庁として軍事的に見てどうかということでございますならば、一般的に申し上げまして、世界の各地域に非核武装地帯ができるということは、一般の方向としては望ましい姿であろうかというふうに考えます。ただ、現実の問題といたしまして非核武装地帯を実現をするということにつきましては、関係諸国の間の合意というものがなければ実効は上がらないということで、過去の経緯を見ますると、関係諸国の合意を得られるかどうかということについて非常に実現のむずかしさがあるというふうに考えております。ただ、一般論といたしましては、大きな方向としては望ましい姿であろうかというふうに考えます。
○青木薪次君 努力しなさいと言っているんだ。評論家みたいなことを言わないで努力しろと言っているので、そのことについて。
○政府委員(渡邊伊助君) いま先生おっしゃいましたのは、努力するというように……、ちょっといまの御質問の趣旨がよくわかりませんので。
○青木薪次君 日本とオーストラリアの関係というのは、これはきわめて条約の内容は私はいいと思うんです。だからこのことについて、前文の精神にあるように繁栄と福祉に貢献するということであるならば平和でなければならぬ。しかも、国連が非核武装に対する決議をしているという状況の中において、ちょうど日本とオーストラリアの関係はいまいい関係にあるわけだから、非核武装地帯の宣言をするような方向へ日本が努力するということについてどうかと、こう言っているんです。
○政府委員(渡邊伊助君) この問題は、軍事のみならず広く国際関係、外交関係と申しますか、そういう問題との複雑な絡み合いがあると思いますので、防衛庁自身として努力する云々ということよりも、むしろ日本国としてどうすべきかということになろうかと思います。国家の政策として、具体的にこういう方向について努力するかどうかということにつきましては、やはり所管としては外務省の方からお答えをいただいた方がよろしいかというふうに考えます。
○青木薪次君 じゃ外務大臣にお聞きします。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま非核地帯のお話がございまして、世界で非核地帯がふえてまいること、これは大変結構なことであろうと思います。私どもといたしまして、来年は軍縮の特別総会が国連でも開かれるわけでございます。わが国といたしましても、当面は核爆発の全面禁止ということから実行すべきだと思いますが、先々はやはりこれは核兵器の全廃というようなことも、これは将来相当時間のかかることであろうと思いますけれども、努力をいたすべきことでありますし、その前提として、できることからやっていくという意味で非核地帯というものをつくっていくということは大変結構なことであろうと思いまして、努力をいたします。
○青木薪次君 わが国の牛肉輸入量のうち、オーストラリアからの輸入は八割を占めているのですね。それから、今度の北方の漁業の暫定交渉の中における問題もありまして、いまオーストラリアの方は、あのオーストラリアの周辺二百海里を線引きをしよう、そこから日本の漁船を締め出す、そのかわり肉を買いなさい、これがいまオーストラリアの立場だと思うのですよ。ただ私どもは、魚から、動物性たん白へという今日の食糧事情というものはわかるわけですけれども、国内の畜産関係のことも考えなければいかぬと思う。非常に草資源の活用その他の関係について、いま農林省でも努力しているようでありますし、関係団体も努力しているようでありますけれども、いよいよ昭和四十九年の消費量の減退で、国内生産者の経営悪化等の理由もこれあって輸入割り当てを停止した、ところがオーストラリアとの関係がおかしくなった。 そこで今日、第四回の日豪関係委員会で昭和五十一年度下半期分の追加として一万五千トンの枠を認めて、五十一年度全体としては八万トンとなって五十年度の七万五千トンを上回ったために、オーストラリア側もこれを了として日豪牛肉戦争は一応の矛をおさめた、こういうことになっているのですね。そういうようなことの中で、国内の畜産関係を守るという立場とどういうように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 昨年の牛肉問題は大変な政治問題になりまして、オーストラリアとのこの問題は大変大きな問題の一つになったわけであります。そればただいま御指摘のように、国内がやはり生産が若干ふえる時期になってきたということ、それから消費がふえない、この両方の理由であったと思います。したがいまして、日本の立場からすれば不足量だけを輸入すれば日本としてはいいわけでありますけれども、オーストラリア側としては日本のために特別に脂の多い品種の育成をしたというようなこともあって、大変オーストラリア側の不満を買ったわけでございます。 そこで、国内の畜産業界に被害を与えないようなことを考えなければいけないというので、昨年度の下半期分は、一つは学校給食用の枠をふやしていただきまして、やはり特別なルートで特に学童、子供さんに肉を食べてもらおうということと、あるいは煮沸肉のようなものにして、特殊なものにいたしまして一般の畜産とはちょっと違ったような形をつくるとか、それと実のところ上期は若干翌年度の分としてそれを計上するというようなかっこうにいたしまして、昨年度は下半期は調整をとったわけで、今年度の上期におきましても同じような考え方で、畜産業界との調整を図りながら、輸入量としてはなるべくコンスタントなものとして輸入をいたしたい、こういうような大まかな考え方でございますが、もし専門的なことでございましたならば、担当の方からお答えをいたします。
○青木薪次君 結構でございます。これで私の質問を終わります。
○委員長(寺本広作君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(寺本広作君) 速記を起こしてください。
○塩出啓典君 それでは、二条約の問題についてお尋ねをいたしますが、オーストラリアは現在領海三海里、経済水域十二海里と聞いております。オーストラリアを中心にニュージーランドあるいはその近辺の国々が二百海里経済水域の方向に進むのかどうかということは非常に関心の持たれるところでありますが、現状はどういう方向であるのか、これを簡単に御説明願いたいと思います。
○説明員(山下新太郎君) 豪州、ニュージーランド、それにパプア・ニューギニア、さらには南太平洋の島嶼諸国の間におきましては、御高承のとおり南太平洋フォーラムという組織がございます。このフォーラムが昨年の十月の半ばでございますが、フィジーで会合いたしまして、そこで昨年行われました国連における海洋法会議の結論を——結論と申しますか、そこで行われましたことを各国政府が評価をいたしまして、それを持ち寄った会合をいたしました。その際、関係国の間では、メンバー国の間では、この次開かれる国連の海洋法会議、この五月二十三日からでございますが、それまでの間には一方的な措置をとらないという一応の意思統一ができている次第でございます。豪州政府は、私どもが聞いているところでは、これから開かれます海洋法会議において合意が達成されるように努力をする。しかしながら、もし合意が得られないような場合にはその立場を再検討すると、そういうことを言っているわけでございます。同じような考え方はニュージーランドあるいはパプア・ニューギニアもとっていると見ている次第でございます。
○塩出啓典君 昨年十月、フィジーのスパで南太平洋フォーラム外相会議が行われて、いまおっしゃったような結論になっておるようでありますが、それから以後、まあかなり世界の情勢も変わってきておるわけでありますが、ソ連の二百海里宣言あるいはわが国の二百海里宣言、そういう情勢の変化があるわけでありますが、そういう変化にかかわらず、大体オーストラリアとしても昨年十月のフィジーの会議で決まった方向に変更はないと、オーストラリアあるいはニュージーランド、パプア・ニューギニアは変更はないと、こう理解していいわけですね。
○説明員(山下新太郎君) 私ども四六時中豪州の大使館ともコンタクト等いたしておりますし、わが方のキャンベラの大使館もそういうことをやっているわけでございますが、そういう形で豪州政府から得ている情報では、昨年十月以降その態度は具体的には変わっておりません。ただ、二百海里水域の設定ということが世界の大勢だということで、法案を議会に出すべく準備を始めているということは承知いたしております。 なお、ニュージーランドにつきましては、本日、五月十九日でございますが、関係法案を議会に上程するということをマルドーン首相が言明しておられます。 パプア・ニューギニアにおきましては、関係法律はすでに議会を通過しておりますが、海洋法会議の結果を見ると、その結果が出てくるまで施行はしないでいるという状況でございます。
○塩出啓典君 外務大臣にお伺いいたしますが、海洋法会議の結論が間もなく始めるニューヨーク会期ではまとまらないのではないか、こういうことが非常に言われておるわけであります。われわれとしては、願わくは結論が出て、各国が先走りするような状態は好ましくないと考えておるわけでありますが、わが国としては、このような問題を含めてオーストラリアあるいはニュージーランド等の諸国に対しどのように対応していくのか、どういう考えで進むのか、それをお伺いしておきます。
○国務大臣(鳩山威一郎君) オーストラリア、ニュージーランドにつきまして、私どももこの海洋法会議の結論が仮に出ない場合にも、この二百海里問題につきましてはある行動がとられる確率が高いのではないかという気がいたしております。いまおっしゃいましたように、海洋法会議がはっきり結論が出て、それに従って各国が実施をするというのが好ましい形であろうと思いますが、わが国自身が二百海里法踏み切ったわけでございますので、そのようなことも主張する立場は失ったわけでございます。わが国といたしまして、海洋法会議で今回何らかの結論が出ますように、最大の問題になっております深海海底資源の問題につきましても、わが方といたしましても柔軟なる態度をもちまして会議に臨む、こういう考え方で臨むつもりでございます。
○塩出啓典君 日豪漁業協定がありますが、その中でオーストラリアの港への寄港の問題があるようでありますが、私が調べた日豪漁業協定は大分古いやつしかなかったので、あれを見ると寄港の問題がたしか年限が決められておったと思うのですが、あれはその後延長され、そういう点については問題はないのかどうか、簡単に説明してください。
○説明員(山下新太郎君) ただいま御質問の日豪の漁業協定でございますが、最初につくりましたのが実は一九六八年でございます。それが七五年の十一月に交換公文という形で一年間延長されまして、その結果、昨年十一月二十七日でその期限が、一年延長の期限がくるわけであったわけですが、日豪間でいろいろ話し合いをいたしました結果、ことしの一月二十八日でございますが、交換公文をいたしまして、二年間寄港について日本のマグロはえなわ漁船がこれを行うことを認めるという合意が成立いたしております。
○塩出啓典君 それから日豪の貿易問題で、特に牛肉の輸入問題でありますが、英国がECに加盟したことによりましてオーストラリアの対英輸出というものが非常に急激に減少をしたと、このように聞いておるわけであります。したがって、わが国のオーストラリアとの間の貿易というものがオーストラリアにとっても非常に重要になってきておるわけであります。 そこで、牛肉の輸入の問題でありますが、一九七三年、七四年等においては非常に急激な変化があった。私の知っているところでは、一九七三年には割り当て十六万トンを四万トンへずって十二万トンになったと、七四年は全然輸入をしなかったと、こういうようなことで、その当時オーストラリアからもかなりの日本に対する非難の声が上がったわけであります。日本の立場とすれば、畜産農家の関係もあるしある程度はやむを得ない。しかしまた、オーストラリアの方とすればやはりコンスタントの輸出をしたいと、こういうようなことで両方の立場の違いがあるわけでありますが、いずれにしても円満に解決する道を求めなくてはいけないと思うのであります。いまオーストラリアからのわが国への牛肉の輸入量はどういう現状になっておるのか、特に両国満足すべき状態であるのかどうか、この点はどうでしょうか。
○説明員(甕滋君) 豪州からの牛肉の輸入量につきましては、五十年度が約五万二千トン、五十一年度が約七万八千トンでございまして、わが国の牛肉輸入全体の八〇%以上を占めるという状態でございます。豪州がわが国への牛肉供給源としまして重要な地位にあるということは御案内のとおりでございます。五十二年度につきましても、さきに本年度上期の一般枠の輸入量といたしまして三万五千トンを割り当てたところでございます。また、煮沸肉等の特別枠としまして上期分を五千トン割り当てるという方針も明らかにしたところでございまして、そういったものの中で、豪州から相当量の輸入が本年度につきましても行われるだろうという見通しでございます。 —————————————
○委員長(寺本広作君) この際委員の異動について御報告いたします。 本日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君が選任されました。 —————————————
○塩出啓典君 私たちとしては、やはり安い肉を輸入をして国民に供給していくということも大事だし、しかしまた、一方では畜産農家を守っていかなければならない、こういう問題があるわけであります。いろいろ関係者の話あるいは生産者の話を聞いてみると、実際に牛肉というものが卸値が下がっても小売値が下がらない、だからもうちょっと卸値に応じて小売値も下がる、そうなってくれば需要も拡大をされて、そういう道を行けば消費者も生産農家も非常によくなっていくんではないか、こういうことを言っておるわけであります。こういう点についてはどう考えているのか。やっぱり日豪友好とともに、あるいはわが国の畜産農家も守っていかなければならない、消費者も守っていかなければならない、こういう点でどういう方針を持って進んでおるのか、このあたりの考え方についてお尋ねをいたします。これはやっぱり農林省になりますか。
○説明員(甕滋君) 農林省といたしましても、生産が拡大をいたしまして、ふえていく需要に対応をするというために、国内生産の振興に努めるということを基本に考えておるわけでございますが、国内生産では需要に対して足りない分につきましては輸入にあおいで、消費者に対してもリーズナブルな価格で牛肉を供給していくということが必要であるというふうに思っておるわけでございます。 先ほど牛肉の輸入数量について申し上げましたが、そういった輸入が国内生産に悪影響を及ぼさないかという点についても、輸入のやり方としては配慮をしなければならないわけでございまして、その辺の考え方を一言申し上げさしていただきますと、まず現在の牛肉輸入の基本的な考え方といたしましては、これからも増加していく牛肉需要に対応するために、国内生産で足りない分を、自給率の向上を図るということでございますけれども、一〇〇%自給というわけにはいかない、そこでその不足する分を輸入に仰いでいこうという先ほど申し上げました考え方に従いまして、輸入数量の決定は、需給見通しを慎重に行いまして、国内生産で不足する分として見込んでこれを割り当てるという基本的な考え方でございます。また、具体的な輸入に当たりましても、畜産振興事業団が大部分を取り扱いまして、需給事情を見ながら何回かに分けて発注を行います。また国内市場への放出も、そのときどきの需給でございますとか価格の動向を見ながら、国内生産に悪影響を及ぼさないように配慮をして運用をしておるわけでございます。 それから、先生御指摘になりました、卸売価格がまあそういうことで安定化するとしても、小売価格が下がらなければ消費者のためにならないという点につきましては、おっしゃるとおりでございます。 そこで、現状について申し上げますと、牛肉の卸売価格は、いわば大衆肉とも言える乳雄牛肉の中規格のもので見ますと、昨年の一月が東京芝浦の価格で一キログラム当たり千四百八十一円がピークでございましたが、その後鎮静側に転じておりまして、昨年九月には安定価格帯に入り、さらにその後も弱含みで推移をしてきておりまして、本年三月以降は安定価格帯のほぼ中心水準で推移をしておるわけでございます。また、和牛の中規格につきましても、昨年中は安定上位価格をやや上回って推移しておったわけでございますが、本年三月以降安定価格帯の中で推移をしている。 まあこういった卸売価格の動きに対しまして小売価格はどうかと見ますと、昨年から本年にかけまして、ほぼ横ばいの状態で推移をしております。卸売価格に見合った適正な小売価格の形成ということが必要でございますし、また、たまたま現在国内生産が増加する時期に当たっておりますだけに、消費の拡大による需給と価格のバランスを図るということが必要であるということで、小売価格の引き下げが現時点で必要だというふうに考えております。このために、昨年十二月に引き続きまして、去る四月二十八日でございましたけれども、小売関係の団体に対しまして、小売価格の引き下げ指導を行ったところでございます。また、それを実効あらしめるために、これとあわせまして、五月中旬から九月までの長期にわたりまして、牛肉のいわば値下げ消費キャンペーンというものを大規模に実施することにいたしておりまして、東京都の例で申しますと、昨日の十八日から国産牛肉の安売りを開始しております。一週間に一回、毎週水曜日は牛肉の安売りを一斉に行う、こういったことを行っております。 以上申し上げましたようなことで、輸入牛肉の売り渡し、流通を図ることを通じまして卸売価格を安定させ、その卸売価格に見合った小売価格の形成を促進をいたしまして消費の安定を図るということを考えておりまして、また消費の安定の中にふえてくる生産が吸収されていくというようなことで、価格の安定を図ってまいりたいという考え方で現在進めておるところでございます。
○塩出啓典君 輸入肉を直接販売をする指定店、これは小売価格もある程度ガイドラインを設けて指導している店のようでありますが、これが現在八百店あると聞いておりますが、非常に少ないと思うんですね。こういう店をもっとふやすことが、そして適当な値段を指定することが、小売値段の不当な値上がりを防止するようになっていくんじゃないかと思うのでありますが、この指定店は今後ふやすのか、ふやすとすれば大体どの程度ふやすのか、簡単にひとつ答弁してください。
○説明員(甕滋君) 先生おっしゃいましたように、現在全国約八百店の事業団指定店を設けまして、指定店には事業団から直接輸入牛肉を売り渡しまして展示的な販売を実施しております。この指定店制度を強化拡充いたしまして、消費者に対してより適正な価格と表示のもとに輸入牛肉を届けるという観点からいままで検討を重ねてまいりました。その結果、このたび新しい指定店を従来の八百店から二千二百店程度に拡大をしたいと考えております。これらの店におきます輸入牛肉の小売価格につきましては、目安になる価格を事業団が公表いたしまして、消費者モニターによる監視もつけまして、適正販売を推進していきたいと考えております。
○塩出啓典君 それから、さきの委員会でも砂糖の輸入に関する長期協定の点が問題になりました。細かい点は省略いたしますが、ただ、このような事態が起こるということは両国にとっても好ましくないことではないかと思います。やはり、できるだけ長期的な協定を結ぶということは非常に好ましい。しかしまた一方、その結んだ協定が守られないようでは困ると、そういう二つの相反する要素があるわけでありますが、今後外務省としてはどう指導していくのか、これ、実際に協定するのは民間であり、あるいはまたいろんな団体である場合が多いわけでありますが、今後の日豪間の長い友好のためには、今回の砂糖に関するような問題が二度と起こってはならないと思うわけでありますが、そういう点でどのように反省をし、また今後はどういう方針が望ましいのか、外務大臣の見解を承っておきます。
○国務大臣(鳩山威一郎君) この砂糖の長期協定の締結の契約の決め方につきましては、当時の情勢判断が実際予想と大変狂ったということであろうと思います。生産者の方は、やはり生産を仮にふやしていく場合には、所定の投資等もありますでしょうし、そのような安定的な取り決めにつきまして、生産者の方はその方がよかった面もあろうかと思います。しかし当時として、ほかの国からの輸入より非常に半額に近い安値であるというところであったと思いますし、またその価格の条項につきまして、価格について事情変更の場合に価格の改定ということ、これがあり得ることに当然しておくべきであったというのが常識的であろうと。五年間価格が動かないということはかえって常識に反するようなことであったろうと思いますが、これも当時の情勢判断の誤りからきたことであろう。このような契約をいたしましたのでありますけれども、日本の精糖業界の実情から何とかこれを修正してほしいということ、それにつきましては、農林省の方でもこの一月の会談の際に希望を申し述べ、私どもの方も申し述べて、民間ベースでの解決を望んだ次第でございます。 私どもといたしまして、豪州政府に対しまして、やはり何らかこれは実情をよく調査をして相談に応じてもらいたいと、こういうことを申し述べる以上のことはなかなか政府としてはやりにくい話でございますが、これは何とか円満に解決してほしいということで希望を申しております。
○塩出啓典君 ひとつこの砂糖の問題は、確かに民間の問題ではございますが、非常に大きな問題であると思いますので、この友好協力基本条約にも、第一条に、「永続的な平和及び友好」を目指すわけですから、そういう立場から外務省としても側面的に御努力をしていただいて、円満に解決をするように努力をしてもらいたいと思います。 次に、わが国の将来のエネルギー問題を考えるときに非常に大きな要素を占めるであろういわゆる原子力発電に必要なウラン鉱石の問題でありますが、一説によりますとオーストラリアにはウランの鉱石はかなりあると言われておるわけであります。しかし、現実にはまだ日本への本格的な輸出等は始まっていないようでありますが、わが国政府としては、わが国将来の原子力発電のためのウラン資源としてオーストラリア、カナダがどういう位置を占めるのか、また、その見通しをお伺いしたい。 それから、あわせてアメリカと日本との、いま再処理工場をめぐる動きにもありますように、カーター大統領が平和利用が軍事利用に転用されることに非常に気を配りまして、わが国の再処理工場の稼働についてもいろいろな注文をつけてきておる。その動きにカナダもやはり同意をして、日加原子力協定の問題もなかなかむずかしいと。恐らくカーター大統領からはオーストラリアに対しても同調を求めるような、そういう話が行っておるように聞いておるわけでありますが、そういうカナダ、オーストラリア等が日本へのウラン鉱石の輸出についてはどういう姿勢をとっておるのか、この点をできるだけ簡潔に御説明ください。
○政府委員(大川美雄君) わが国は、御承知のとおりほとんどウラン資源がございませんので、ほとんど海外に依存するわけでございますが、現在のところではカナダの天然ウランが一番大きな輸入ソースでございます。そのほかに、今後の輸入市場といたしまして豪州に期待するところ大でございますが、豪州自身がまだ国内のウラン資源の開発についての政策あるいは輸出政策を検討中でございまして、これはまだ今後の、将来の問題である部分が大きいと思います。ただ、すでに電力会社と豪州の会社との間で既契約がございまして、それの供給の確保という問題はございますけれども、一、二カ国に余り大きく依存いたしますといろいろ問題が生じますので、全般的な政策としましては、できるだけウラン供給市場を広く世界に広げてまいるというのが基本的な考え方であろうかと思います。 それから、カナダとの協定改定交渉のお話でございますけれども、これはことしの一月に東京で協定の改定交渉を始めまして、その後、外交ルートを通じまして引き続きやってまいりました結果、大体におきまして問題点の原則的な問題は煮詰まっております。これは今後実際に署名をいたします協定のテキストづくりに重点が移っておりまして、実はすでに数日前から政府の交渉団がオタワに乗り込んでおりまして、十九日、日本時間の明日かと思いますけれども、その協定づくりの交渉が始まるばかりになっております。これは一日も早く妥結してまいりたいと思います。 その関連もございますけれども、実はことしの一月からカナダは日本に対するウラン鉱石の輸出を停止しているような状況でございます。ただし、これは日本だけではございませんで、ユーラトム諸国あるいはスイスといったようなヨーロッパの国々に対しても同じような輸出停止措置をとっております。この背後にありますカナダの基本的な考え方は、一九七四年のインドの平和核爆発以来、とにかく核の拡散が助成されるような輸出を行うことは非常に危険であるということで、カナダの核原料物質あるいは資材、器材の輸入国が軍事用にそういうものを転用しないように十分の保障措置をかける。いままでの保障措置をより一層強化するような方向に国内世論が非常に強く出てまいりましたために、カナダの協定締結相手国との間でそういった保障措置の強化について交渉を要求してまいったわけでございます。それが背後の事情でございまして、政府としましてはできるだけ早くこのカナダとの協定の改定交渉の妥結を図り、対日ウラン輸出停止の措置を解除してもらいたい、それに全力を傾倒しておるところでございます。
○塩出啓典君 それでは最後に、あと航空協定等の問題につきましてはすでに前回の委員会でもいろいろ論議がありましたので質問は省略いたしますが、わが国とカナダ、オーストラリア、こういう二国の関係を見てみますと、カナダ、オーストラリアともに資源の豊富な国である。したがって、わが国にとってはこれはなくてはならない国である。鉄鉱石や石炭にしてもウランにしてもそうであります。たくさんあるわけであります。また、それは向こうの国にとってもわが国が必要なわけでありまして、そういう意味から両国が末長くやっぱり友好をし、そして事務的な交流、文化的な交流等を進めていくことは非常に大事じゃないかと思うわけでありますが、今後の両国とわが国との関係をさらによくしていくために、外務大臣としてはどういう決意でおられるのか、それを伺って質問を終わります。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま御指摘のように、豪州及びカナダ、いずれも太平洋に面しておる国であり、そして大変有力な資源国であるということで、日本としては本当になくてはならない相手国であるという認識のもとに、この両国関係の関係をますます緊密化さすべきであると思います。経済関係が拡大されればされるほどいろいろなまた問題も多く出てまいります。これらの問題につきましては、お互いに相互理解を増進することによって解決をしていかなければならないと思います。そのために、やはり問題が起きてからということではなしに、平常からの両国の友好関係ということをますます増進をさせなければならないと思います。 また、経済関係以外の部面におきまして、特に文化的な交流を盛んにすることによりまして、日本並びにカナダ、豪州それぞれの国、その国民同士の理解を増すということが何より大事なことではないかと思いまして、そのような考えに基づいて努力をいたしたいと思っておる次第でございます。 —————————————
○委員長(寺本広作君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。 —————————————
○立木洋君 条約と協定に関連して二、三お尋ねしたいんですが、最初に日豪友好協力基本条約の第六条の点で、エネルギー資源の問題でありますけれども、去る七四年の十一月に日豪首脳会談が開かれたわけです。共同新聞発表がなされておりますが、その中では、豪州からの日本へのウラン鉱石の供給のうち七六年から八六年まで既契約分九千ショートトンを供給するという内容での合意が見られておるというふうになっておりますが、この合意は今日でも有効なんでしょうか、それとも何らかの変更が生じておるのかどうか、その点まず最初にお尋ねしたいと思います。
○説明員(山下新太郎君) 田中元総理が七四年の十一月に訪豪されました際に発出されましたコミュニケの中に御指摘の点が確かに記述されているわけでございます。わが国の四国電力あるいは九州電力、中部電力等、電力会社と豪州のレインジャー・ウラニウム、マインズ会社あるいはクィンズランド・マインズという会社等との間で昨年から十年間にわたる供給契約というものができております。それらは九千ショートトンほどの天然ウラン、これを購入する契約になっているわけでございますが、いろいろな機会にわが方といたしましてもウランの燃料としての重要性にかんがみまして、豪州政府とその契約を遵守するということにつきまして確認を求めておりますが、これまでのところ、現在の政権といたしましてもこれを承認するということになっているわけでございます。
○立木洋君 現在アメリカのカーター政権、カーター大統領が新しい原子力政策を打ち出してきておりますが、これが非常に大きな問題になっておりますけれども、こういうアメリカの新しい対応の中で、豪州からのウラン鉱石の輸入という問題について何らかの影響が生じる可能性があるのかどうなのか、その点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 具体的なことは存じませんけれども、カーター大統領は、やはりウラン資源産出国としてカナダ並びにオーストラリアの二国に対しては、カーター大統領自身の新しい考え方を、どのような形で申しておるか知りませんけれども、カーター大統領自身の口から、この二国はよく了解をしておるというようなことをおっしゃっておるので、いろいろな連絡がとられておるのではないかというふうに考えております。
○立木洋君 この間ザルツブルグで会議が開かれて、この会議の席上でも豪州あるいはカナダの代表等は、核拡散防止のための具体的な平和利用計画が見つからない限り、ウラン供給は制限をする意向を表明したというふうなことが新聞で報道されておりますけれども、この会議での豪州やカナダがとった態度、どういうふうな態度をとったのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大川美雄君) ザルツブルグの会議でそれぞれの国が具体的にどういうような提案をしたかということにつきましては、私実はあいにくいまここに詳しい資料は持っておりません。しかもザルツブルグの会議は、いわば四、五年に一回ずつ国際原子力機関の主催で開かれる世界的な学会と申しますか、シンポジウムという性格のものでございますので、そこに出席されているそれぞれの国の多数の学者あるいは役人、事業家等がそれぞれ個人の立場からいろいろなことを自由に意見交換する、こういう場でございます。でございますので、いま立木先生がおっしゃったようなことをカナダ、豪州がもし申しましたといたしましても、それは必ずしも直ちに両国政府の意見を表明しているとは限らないかと思いますが、とにかくどういうような立場をとったかということは、ぜひ調べて、また後刻御報告申し上げたいと思います。
○立木洋君 この核燃料の問題に関しては午後の一般のところで質問さしていただくことにするので、ちょっと調べておいていただきたいと思います。 文化協定の問題に関してですが、カナダとの教育、文化交流の現状がどういうふうになっておられるのか。
○説明員(田中常雄君) お答えいたします。 日本とカナダとの間には文化、教育交流については非常に多岐かつ年々増加しているのが現状でございます。現在までのところの実績を申し上げますと、国際交流基金が行っております人物交流の一環としまして、文化人の派遣及び招聘、この招聘の中には短期及び長期両方ございますけれども、その総計を申し上げますと、大体四十八年からことしの三月三十一日までの間に二十八名になっております。内訳を申し上げますと、文化人の派遣は十二名、それからその他招聘が十六名でございます。五十一年度をとりますと、文化人の派遣はわが方からは三名、招聘は四名ということになっております。その他留学生でございますけれども、カナダから国費留学生招聘というものを文部省が行っておりますが、これを四十八年から五十一会計年度までの間に全員で二十八名招聘しております。五十一年だけとりますと八名カナダの国費留学生を招聘しているような現状でございます。その他、総理府がやっております青少年交流、それから国際交流基金がやっております青少年招聘、それから地方団体が非常に各種の青少年交流をやっているのが現状でございます。
○立木洋君 いつも当委員会でも問題になるわけですが、在留邦人の子女教育の問題で、外国で小さいとき過ごした人々がそこの国とのいろいろな意味でのつながりを強く持つ。将来大きくなってもいろいろな意味でその国との文化交流等々の上でも一定の役割りを果たすというふうなことも少なくないと思うんですけれども、このカナダにおける在留邦人の子女の教育、学校の施設等々がどういう現状になっているのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○説明員(高瀬秀一君) 現在カナダにおきましては、まだ全日制の日本人学校というものは設立されておりませんで、バンクーバーその他二、三カ所の都市に補習授業校ということで、現地の学校に通いつつ週一回日本語その他の主要の、国語その他の主要教科について授業を行う補習授業校というのが開設されております。
○立木洋君 モントリオールとトロント、バンクーバー等に三つの補習授業校があると。あるところには日本人学校というのがある、ところがカナダの場合にはこの三カ所とも補習授業校というふうになっているんですが、日本人学校と補習授業校とはどういう違いがあるのか、あるいは政府としてはどういうふうな区別をされておられるのか、その点はどうでしょうか。
○説明員(高瀬秀一君) 日本人学校にいたしましても、補習授業業校にいたしましても、まあこれはいつでも現地のコミュニティー、日本人コミュニティーがそういうものをつくりたいという希望が出てまいりまして、それに対しまして政府が援助を行うというたてまえになっております。 カナダの場合には、補習校がバンクーバー、トロント等あるわけでございますが、これは週一回現地の学校に通っている子供たちが、国語、算数、その他主要教科につきまして日本におくれをとらないようにということで、補習の授業を行うということでございます。それに比べまして、全日制の日本人学校と申しますのは、まあほぼ国内の義務教育課程に準じた、何というか月曜日から土曜日まで一週間ずっと授業を行う、そういう学校でございます。
○立木洋君 政府の対応としては、日本人学校として認められた場合には校舎の借料の援助だとか、もちろんこれは一部負担でしょうけれども、あるいは教員の派遣だとか、教科書の問題についての便宜を図るとか、いろいろな特典があると思うんですね。このいただいた一覧表を見てみますと、それが人数の多少にかかわっていない、人数が多いところでも補習授業校があり、人数が少ないところでも日本人学校というふうになっておる。日本人学校になれば一定の特典が得られるけれども、これは人数ではないように私は見受けられるが、この日本人学校と補習授業校というのはどういうふうな基準で決めておられるのか。
○説明員(高瀬秀一君) 第一義的には現地の教育環境と申しますか、そういうようなものが第一義的な何というか、考えます場合のポイントになるわけでございますが、そのほかに現地の日本人コミュニティーにおいてどちらを主に強く希望するかということにもよるということでございます。
○立木洋君 それはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですがね。教育環境の問題にしたって、あるいは政府から援助を得られる内容からすれば、日本人学校を申請するのがほとんどでしょう。うちは補習授業校で結構ですなんというふうな、この日本在外企業協会が出した在留邦人子女教育アンケート結果等々の内容を見ても、うちは補習校で結構ですなんというふうなことを言っているのはほとんどいない。やはり一定の政府から恩典が得られるような日本人学校というのを要望しておる。いまおたくがおっしゃったんでは、それはなぜ日本人学校と補習授業校とに区別するのか、その基準は政府としてはどういう基準を持っているのかというのが私は明確じゃないと思うんですよ。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 立木さんおっしゃるのは、全日制の日本人学校の方がいいんじゃないか、こういう御説ですけれども、しかしこれは、いま教育環境と申しましたのは、やはり現地の学校のレベルが高い場合には、在留邦人といたしましても現地の学校にやりたい。しかし、日本語を忘れてしまうから日本語の力も忘れないように、日本に帰ったときに困らないようにということで補習的に日本語の教育、日本語中心の教育も受けさせたいというのが親の気持ちであろう。したがいまして、途上国あたりでは一般的に教育程度が低いものですから、そういったところは日本人学校が非常に要望される。しかし、先進国の主要都市におきましては、その地域の教育制度が完備をしておる。また、義務教育も非常に程度が高いという場合でありまして、その場合には補習校の方がぐあいがいいと現地の希望があると、そういうようないろんなことも勘案した上で、それが希望に応じてということであるということだと思います。
○立木洋君 大臣、日本在外企業協会のさっき言いましたアンケートの結果をごらんになりましたか——ごらんになっていない——だからそういうお答えになるんだろうと私は思うんです。文部省の方ではこのモントリオール、トロント、バンクーバーの三つの補習授業校が出しておる、そこの父兄の希望というのはごらんになっていますか、どういうふうにするかというのを検討されていますか。
○説明員(川村恒明君) 私どもは、この問題につきまして常に外務省と御協力を申し上げながら進めておるわけでございまして、ただいま先生御指摘のその在外企業協会の方で御調査になりました問題につきまして、一応目は通してございます。ただ、日本人学校を設置するか補習授業校をどうするかというのは、これはいろんな要素が絡んでまいる問題でございます。ただいま鳩山大臣からお答えのありましたようなこともございまして、いろんな要素を勘案して設置をしていくということではなかろうかというふうに思っております。 —————————————
○委員長(寺本広作君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、木内四郎君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君が選任されました。 —————————————
○立木洋君 文部省の方では、在外邦人の子女教育というのは、結局義務教育の責任を負うというのは外国におる子女の場合には適用されないというふうに基本的に考えておる。しかしその場合、いわゆる外国に在留しておる日本人の子女の教育の問題に関しては、基本的にやはり国として何らかの援助なり、それに対する対応してほしいということは、私はこのアンケートを見る限りすべての基本的な要求になってきているだろうと思うんです。この問題に関しては、文部省の方としては、そういう立場をとる。外務省の場合にはいろいろなことから何とか援助をするという必要性を感じておる。その間なかなかうまく、協議をし合ってきちっとどちらの省が基本的に責任を持って対応するのかというふうなあたりというのは、外国に行っていろいろ意見を聞いてみると常に食い違いが生じておるというふうなことに直面するんですけれども、このあたりの責任の分担というか、責任の所在というのはどういうふうになっているんでしょう。
○説明員(高瀬秀一君) 一般的には、海外におります日本人学校でございますので、在外公館が窓口になっていろいろやらせていただいておりますが、そこからいろいろ報告なり申請なりそういうものが上がってまいりました段階で文部省と緊密な連絡をとってやっておると、こういうのが実態でございます。
○立木洋君 一つそれなら例を申し上げますと、たとえば教員の派遣の問題ですね、教員の派遣の問題というのはほとんど大体都道府県の教育委員会が、それぞれ自分の県の海外に在留しておる子女が多い場合いろいろな要請があって派遣をすると。しかし一定の枠が決まっている。そうすると、そこから教員を派遣するとなると、国内的な教員に負担がかかるとかいろいろな問題が生じてくる。こういう問題、やはり国としてそういう教員の派遣等との問題については考える必要があるんではないか。ただ単に都道府県の教育委員会だけに任して、それによってやっておくというんでは、どうも県が外国に送っておるというふうなかっこうにどうしても思われがちになるし またその県の、あるいは教育委員会自身に負担を負わして、国としてはやはり教員の派遣の問題については十分に配慮が払われていないんじゃないかというふうなことをどうしても感じざるを得ないんですけれども、いま見てみますと相当数の教員が海外に派遣されておる。これは本当に、そう言ったら失礼ですが、都道府県委員会の場合に、それぞれの外国の状態を十分に考慮しながらどういう教員を派遣するのが最も適切か等々の問題、また限られた人材の中で条件があった人でなければなかなか送れないと、いろいろな問題があるわけです。これはやはり全国的な見地から、この海外子女の問題に対してどういう教員を送るのが適切かどうなのか、それはどういうふうに当然対応すべきかというようなことをその国との関係においてもよく考えながら教員の派遣等々は検討されるべきではないだろうか、そういうふうな意見も常に聞くわけですけれども、ここらあたりはどういうふうにお考えになっておられるのか、これは外務省ですか、文部省ですか、どうですか。
○説明員(高瀬秀一君) 先生御指摘のとおり、いまの制度では地方公務員が行っておるわけでございますが、これは先生の数が比較的少なかった時代はそれでもよかったんでございますけれども、何分先生の数も多くなりましたので、制度的にもいろいろ問題が出てきておるということでございまして、昨年から文部省、外務省の両省の間で検討いたしておりまして、近く何らかの処置をとるように前向きに検討しておる、そういう段階でございます。
○立木洋君 やはり海外に在留しておる、外国で仕事をされておる、企業にしましてもあるいは国から派遣されたり等々の方にしても、常に子供の教育というのは非常に重視して、そのことが一つの悩みの種になっておるということはもう大臣御承知だろうと思うんです。ところが、来られた先生が限られた科目しか教えられないとか、あるいはその先生の質が低いとか、いろいろな要望というのは常に絶え間なく外国から、カイロからも手紙来ましたり、各地から私のところに手紙が来るわけですけれども、こういう問題については、やはり基準を国としてもいま申されたような点積極的に検討して、人数もふえてまいったわけですから、積極的に対応していただきたいと思うんですが、大臣その点いかがでしょう。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 海外子女教育につきまして、これは外務省といたしましてもことしの予算編成につきましても最も力を入れていた部類の一つでございます。幸い本年の予算におきましてもほとんど要望どおり財源措置もとられたような次第でございまして、今後ともこの子女教育の問題につきましては格段の配慮をしてまいりたい。その中には、ただいま御指摘のあった教員の身分の問題その他質の問題等いろいろあると思います。この点につきましても文部省とよく緊密な連絡をとりながら、拡充に努力をさしていただきたいと思います。
○立木洋君 その点はお願いしておきたいと思います。 次に、外務省の広報活動の点なんですけれども、この広報活動というのは、日本の状況、事情を正しく外国に知らせる、相互の友好関係を発展するというのは一つは相互の正しい理解から前進するわけで非常に大切なことだと思うんですが、この外務省の広報活動の基本的な考え方、基本方針といいますか、これはどういうふうにお考えになっておられるのか、その点最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(柳谷謙介君) 御指摘のとおり、日本の国際的立場が非常に高まり責任が重くなりますにつれて、日本に対する理解、正確な理解あるいは広い理解あるいは深い理解というものがますます重要になってくるということは申すまでもないことでございまして、わが国の海外広報活動も、外交再開の当初のころは、日本について知っていただく、日本の事情を一般的に紹介するという、私ども一般広報と呼んでおりますけれども、そういうような手段が主でございましたが、最近は、そういう一般広報の重要性も引き続き高いということのほかに、やはり、特定の問題につきましてその都度正確な日本の考え方、実情というものを周知するという必要性が逐年高まりまして、これは私ども特別広報と一応呼んでおりますけれども、そういう問題ごとに、案件ごとあるいは地域ごとに行う機動的あるいは重点的な広報をあわせて行うということに最近力を入れております。 最近の二、三の例を挙げますと、東南アジアにおける日本に対する理解が非常に偏っているという場合にそこに重点的に行うとか、あるいは昨年来のEC諸国、西ヨーロッパにおける日本に対する主として経済問題から端を発した問題に関してはここに重点を置くと。あるいは先進国首脳会談ということになりますと、それに伴う日本の立場を広報するというようなことに重点を置くというようなことで、一般広報と政策広報というものをしかるべく適当に組み合わせまして拡充していくというのが現在の私どもの基本的な考え方でございます。
○立木洋君 大分以前は、日本と言えば外国の教科書とかいろいろ写真を見ますと、フジヤマ、ゲイシャだとか人力車だとか、大変古い写真が掲載されておる。最近は大分変わってきたようでありますけれども、現在の状況で、そういう先進資本主義国なんかで日本の状況が紹介されているのがどういうふうに改善されてきておるんでしょう。
○政府委員(柳谷謙介君) 御指摘のように、いろいろな経緯がありまして、外交再開の時点におきましては非常に日本に関する古いイメージ、日本の古い写真、明治時代の写真とか、あるいはまた第二次大戦中のいろいろ対日感情というものを反映して、ややわれわれから見て公正でないような叙述というのがかなりありましたので、外交再開後は、外務省としてはかなり早い時期からそういう点、特に教科書是正工作と呼んでおりますが、それぞれの国の次の世代を担う青少年が日本についての誤ったイメージを持つということが一番将来にわたって望ましくないということで、これに非常に重点を置いておりましたが、立木委員も御存じと存じますけれども、昭和三十二年にこの目的のために国際教育情報センターという財団法人を設立いたしまして、外務省が全面的に協力しながらこの財団法人を通じまして世界にある教科書をできるだけ集めてその叙述を調べまして、誤った叙述、偏った叙述についてはその旨を指摘してその是正を図るということで、一昔前に比べますと現在においてはこれらの教科書の記述等もかなり正確なものになったのではないかと思いますが、この仕事をやっておりまして一つ感じますことは、これは恐らく日本と大分事情が違う国が多いのかと思いますが、なかなか教科書の再版あるいは改訂版が出ないと、一度出しました版が十年あるいはそれ以上も続くということがございまして、いろいろ古い叙述を指摘して向こうにわかってもらいましても、次の改版のときに改めるというような返事に接することもありますので、したがって、現在におきましてもまだ改められていないというものが間々あることは残念でございますけれども、全体として相当に改善されてきたということもこれは事実であろうかと存じております。
○立木洋君 国際教育情報センターでいろいろチェックをされて、その都度要望もし、いろいろやっておられる。この機構というのは十分に活用されて、正しく日本を理解してもらうように今後ともやっていくということはきわめて大切だろうと思うのです。 それで、いままでいつも当委員会でも問題になってきたわけですが、いわゆる核兵器を全面禁止するという課題に伴って、世界で唯一の被爆国である日本がその先進的な役割りを発揮して、原爆の被害というのはきわめて人道に反する恐ろしいものである、こういうただ単に恐ろしさを宣伝するだけではなくて、これに対して正しく、やはり核兵器を全面禁止していくべきだという立場を積極的に日本としては広報活動の中でも重視すべきではないかというふうなことが何回か議論されてきたと思うんですが、この点、現在の時点で大臣のお考えをもう一度確認しておきたいと思うんです。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 日本が核の唯一の被爆国であるということから、日本が非核三原則を国是としておる、こういうような点につきまして、その趣旨の広報につきましては、日本として大いに努力をしなければならない、このように考えます。 なお、核兵器を全廃するという問題につきましても、当然そこから到達できる問題でありますけれども、この問題につきましては相当な議論があることでございましょうし、来年の軍縮特別総会におきましても相当な議論が予想されるところでございます。適当な機会をもちまして、政府としてどの程度この核全面廃止というようなところまで主張をしていけるかどうか、その辺につきましても検討の上、考えたいと思います。
○立木洋君 それで、いま言いました今日の時点に立っても、また日本が世界の唯一の被爆国としての立場からいっても、この問題はやはり重視してやる必要があるだろうと思うんですが、その点でちょっとお尋ねしたいんですが、一つは、この問題に関する外国の教科書の記述がどういうふうになっているのか。それから、一般広報では外務省としてはどういう努力をされておられるか。それから特殊広報ですか、この点ではどういう努力をされておられるか、その点について。
○政府委員(柳谷謙介君) 外国の教科書の記述につきましては、全部を私自身承知しているわけではございませんけれども、先ほど申しましたように、各国の教科書の誤まりを調べるという作業の中で、第二次世界大戦あるいは原子爆弾等につきまして、長崎、広島ということにつきましての叙述の部分につきましても、そこに非常に誤まった事実とか偏った説明とかありました場合には、当然この教育情報センターを通しましてその是正というか、正確な事情を、ときには写真を添えたりいろいろな文献を添えて送ることによってそれの改まることを望むという措置はとっておりますが、この教育情報センターの仕事はあくまで客観的な事実の過ちを指摘するというところにとどめることになっておりますので、こういう書き方は不十分だからもっと詳しく書いてくれとか、こういうような評価で書いてはどうかというようなところまでは立ち至らないということになっております。 それから一般広報、特別広報で何をやっているかという御質問でございますけれども、一般広報になりますと、これはやはり主として現在の日本の実情、政治、経済、社会、文化等の実情の説明ということが中心でございますけれども、そういう広報の過程において当然過去の、今日に至るまでの日本の歴史とか、平和憲法の生い立ちというようなものが叙述の対象になりますので、その中において原爆というものに言及し、その悲惨さということが戦後の日本の平和憲法あるいは平和外交の発足になったというような叙述は当然含まれておるわけでございます。 それから、これも一般広報に属するかと思いますけれども、在外公館には原爆の写真、原爆の落ちた跡の惨状の写真等は相当量送ってあるほかに、日本で刊行されますいろんな歴史関係の第二次大戦等を扱いました写真集その他も相当量送って備えつけてございますので、現地における行事があったり、あるいは特集号の刊行とか、そういう形で原爆についての資料の積極的な提供あるいは要請に応じての提供の際にこれらをできるだけ活用するということは、当然、措置として講じております。 それから特別広報という点、御質問ございましたけれども、最近、私どもが特別広報で非常に重点を置いています一つの形態は、外国から日本にいろんなお客さんが来るわけでございますけれども、特に広報を目的としてその国のオピニオンリーダーあるいは報道関係者というものを招く計画を年々拡大して実施しているわけでございますけれども、現に昨年では七十五件、二百十五人をこのカテゴリーで招いているわけでございますけれども、その中で相当な数の方が広島に行きたいと、あるいは長崎に行きたいという御希望が出てまいります。これは日本の実情を単に教科書等でなくて、目で広島、長崎の実情を見てもらういい機会でございますので、現地とも連絡をとりましてできるだけその便宜を図る、ときには担当者が同行するというような措置によりまして、これらの、それぞれの国に相当な影響力のあるオピニオンリーダーあるいはジャーナリストというものの目を通し、その筆を通して、原爆の惨状というものが伝えられるということば好ましいことと思っておりまして、現に、そういうことで広島を視察して帰った方が帰国後に新聞雑誌等にそういう印象記というようなものを出した例もたびたび見ている次第でございます。
○立木洋君 来年、国連軍縮特別総会が開かれる、そういう時期ですし、この問題に対して被爆の実相と後遺を正しく世界に普及をして、いわゆる真の平和をかち取るための努力をするということは、被爆国日本という立場というのは日本だけしかできないわけですから、これは非常に私は重要だろうと思うのですね。それがやはり国連の軍縮特別総会でも日本が率先的な役割りを果たせば私は大きな意味を持ち得るだろうと思う。 ただいまおっしゃった特別広報に関してですが、いろいろ外国から来られてぜひ広島を見たいと言われる方が非常に多いと、その希望にこたえるように積極的に対応しておられるというお話ですが、私が海外広報課からいただいた資料によりますと、昨年参りましたのが地域社会指導者招待が五十四件、報道関係者招待が二十一件、七十五件。七十五件の中で広島に行きたいと言われる方が多い。多いというのは何件か私はわかりませんが、希望されたのは。現実に行ったのは五件なんです。七十五件の中で、多くの人が希望しておりながらわずか五件しか行ってない。これはおたくからいただいた資料です。それから五十一年度の講演会、セミナー開催件数、これはいろいろ希望する内容があるでしょうけれども、昨年行った件数は全部で百三十四件講演会やセミナー等を行っておるけれども、原爆被害に触れたものはわずかに一件だ。それは要請する方からこういうテーマについて話してくれというから、全部そこで原爆の被害を話せなんというような、そういう極端なことを私は言っているんではありませんけれども、やはり日本の外務省の広報課の立場としては、日本がそういうふうに置かれておる、そういう意味では、世界の平和に貢献するために被爆国日本としてやはりどう努力していくかという積極的な姿勢がもっとあってしかるべきだろう。いままでもそういう点については当該委員会でいろいろと検討されてこられたと思う。私は一例を指摘したにすぎませんけれども、今後こういう面で先ほど言われた広報活動がきわめて重要であり、そして日本を正しく外国に知ってもらうことが相互の国際的な協力を深めていく、友好を発展さしていく、その基礎になり得るわけですから、正しい理解を得るための広報活動というのは重視していただかなければならないし、同時に被爆国日本としては、その面での普及ということも重視をすることが、ひいては世界の平和に貢献していく上で果たさなければならない国際的な義務とも言えるかもしれませんけれども、そういう点も重視して今後努力をしていただきたいということで私の質問は終わりますが、この点についての大臣の御所見を最後に伺って終わりたいと思います。
○政府委員(柳谷謙介君) 立木委員の御趣旨よく体して、今後努力してまいりたいと思います。 広島に行った数が比較的少ないんではないかという御指摘でございますけれども、日本に来ます者が、一週間、十日、二週間というような日程で組むわけですけれども、どうしても多くの希望者が、来訪者の希望が東京を中心、それからやはり工場等の見学、週末は京都、奈良というようなことが非常に出てまいりますので、いろいろ意見は聞かれれば私どももたとえばこういうところがあるというようなことで申しますけれども、一義的にはなるべく先方の希望を尊重するということもありまして、全部を全部広島、長崎というわけにも、主として日程の関係でいかない事情がございます。 それから、いま数をお挙げいただいたわけですけれども、これは私どもが招待して来た外国のジャーナリスト等ということでございますが、それ以外に相当量の外国のジャーナリスト等が私費で、あるいはほかの国に行った帰り道ということで寄って参りますので、そういう意味での広島等の訪問者の数は、これ以外に、いま御指摘の数以外にかなり上積みされているんではないかというふうに思っております。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 来年は軍縮特別総会も開かれるということでありますので、立木先生の御趣旨をよく承りまして、努力をさしていただきたいと思います。
○委員長(寺本広作君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。−別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(寺本広作君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(寺本広作君) 会全一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午前はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 —————・————— 午後一時四十分開会
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○秦野章君 日韓大陸だな条約の問題は、日韓の共同開発ということであるわけですけれども、しかし、これは日本にとってはいわゆるナショナルプロジェクトというものであろうと思うんですね。まず、ナショナルプロジェクトとして日本の政治課題になった。そこで、最初に批准以前の問題で、ナショナルプロジェクトになった、つまり政治的な経過といいますか、およそのところでいいですけれども、三年前にとにかく政府間の署名があった。それ以前にもいろいろ交渉があったわけでございます。そのおよそのところをちょっと説明していただきたい。
○政府委員(大森誠一君) 日韓大陸だな協定の締結に至りました経緯について、概略御説明申し上げます。 昭和四十三年にエカフェによる東シナ海海域におきまする海底資源の問題につきまして調査が行われました。その結果、エカフェから出されました報告によりますと、この東シナ海地域一体は石油の賦存する相当有望な地域であって、石油賦存の必要な条件とされております堆積層の厚さも相当厚いという報告が出されました。また、その後の各種の調査によりましても相当有望な石油資源の賦存する地域であるというふうに調査の結果が出ている次第でございます。 このようなことを背景といたしまして、韓国側では昭和四十四年ごろから四十五年にかけまして米系企業などに開発権というものを付与いたしました。また、韓国が昭和四十五年には海底鉱物資源開発法という国内法も制定いたしまして、それに基づいての鉱区の設定と鉱区権の付与ということを行うに至ったわけでございます。 わが国といたしましては、日韓間の大陸だなというものはこれは一つの大陸だなであって、その境界画定については中間線によって画定されるべきであるという立場に立ちまして、韓国側のこのような動きに対して日本側としては認めるわけにいかないという申し入れを行いました。他方韓国側は、この日韓間の南部地域の大陸だなというものは韓国の大陸が自然に延長して大陸だなとなっているものであって、この区域については韓国側がその開発等については主権的な権利を有するという、いわゆる自然延長論の立場に立ちまして、韓国側はこれを自国の大陸だなとして単独で開発し得るという立場をとったわけでございます。 このために、昭和四十五年十一月から四十七年二月にかけまして三回にわたり日韓間の外交レベルにおきまして話し合いを行いました。しかしながら、両国の主張、すなわちわが国による中間線論の立場と韓国による自然延長論の立場というものが調整がつかず、双方の見解というものが厳しく対立した次第でございます。 このような状況下におきまして、昭和四十七年九月に韓国側から、この区域については日韓共同で開発するという構想を提示するに至りまして、検討の結果、わが方としてもこれを原則的に受け入れるということで協定の細目交渉に入った次第でございます。すなわち、この日韓間の大陸だなの協定、特に南部の共同開発協定につきましては、日韓双方の権利主張の重複する区域につきまして、双方の法的な立場というものは維持しつつ、実際的な解決を図るという見地から、共同開発ということに話がついた次第でございます。
○秦野章君 ちょっと前の慣例に従ってすわってやらしてもらいますので、政府側も気軽にしゃべってもらいたいと思います。 いま大ざっぱな経過を、われわれが知っている程度のことをお話しあったんだけれども、私はきょうはここでは法律的な問題とかそういう問題よりも、むしろこれから先進国が開発をやる。これはエネルギーの開発を初めその他資源以外の問題でもいろいろ大きな投資をする、巨額投資をする、そしてまた、科学技術の総合的ないわばビッグサイエンスの活用ということを考えますと、どうしてもナショナルプロジェクトということは本格的にやっぱりいろいろな方面でスタートさしていかなきゃならぬ、そういう時期だろうとは思うんですよ。 そこで、むしろきょうは初めでありますので、そういったナショナルプロジェクトの大義名分といいますか、あるいはナショナルプロジェクトが成立するための条件といいますか、そういう基本的な問題について質問をしたり意見を言ったりしたいと思っているんです。そういう意味で答弁をひとつしてもらいたい。 そういうことで考えたときに、いまの話にあったように、言うならば法律論争みたいなことで二、三年ぐらい韓国とやったのか、大陸だなの解釈とか、そういう国際法上の論争みたいなもので。そうじゃなくて、プロジェクトそのもの、ナショナルプロジェクトとしてスタートさせるには政府の金をうんと使わなければならぬ、科学技術も動員するんだ、一企業やなんかだけにやらし切れない問題であるという、そういう高度先進工業国の開発スタイルの一つの仕事だと思うのです。それが成立するための条件というものは、そういういま言ったような法律論争みたいなことももちろん共同開発でやる場合ありますけれども、問題はむしろその基礎の、ナショナルプロジェクトに値する一体実態というものがどこまで調査をされたのか。政治決定をする場合には、むしろその実質的なナショナルプロジェクトに値する実態の上に政治決定があったのであろう、こう思うんです。 そこで、いまエカフェの調査という話が出たからついでに聞くんだけれども、エカフェの調査というものはどのくらいの調査の力量というか、投資にしても技術員の動員にしてもどの程度のことをやったのか。あるいは、エカフェの調査その他各種の調査と、こうおっしゃったから、エカフェの調査その他各種の調査というものがどの程度のことをやったのかというのをわかりいいように説明してもらいたい。
○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘のエカフェの調査でございますが、東シナ海におきまして、昭和四十三年の十月の十二日から同年の十一月の二十九日まで実施いたしております。これに要した費用は、全体で約六十万ドルと言われておりますが、この六十万ドルのうち、いわゆる共同開発地域にどの程度充当されたかということは、これははっきりいたしておりませんが、ただこの調査によりまして全体の調査測線長が一万二千キロメーターになっております。このうち約一千キロメーターがこの共同開発地域に相当しておる部分でございます。この調査に動員いたしました技術者はアメリカ五名、台湾二名、日本三名、韓国一名の十一名でございます。 調査方法といたしましては、いわゆる物理探鉱を実施いたしておりまして、ハント号という海洋調査船を使いまして、スパーカーによる地下反射の記録、プロトン磁力計による磁力測定、その他海底地形や水質等、海洋データの調査を実施いたしたわけでございますが、この調査の結果によりますと、東シナ海大陸だな区域の堆積物は石油賦存の可能性が最も大きいとされている新第三紀層に属しておる。その堆積物の厚さも非常に厚いということが言われております。さらに、この報告書によりますと、詳細な地震探鉱、試掘が必要であるとしながらも、この区域の浅海底は将来一つの世界的な産油地域になるだろう、こういうふうな指摘をいたしておるわけでございます。 なお、日韓の大陸だな共同開発地域は、この一九六八年のエカフェ調査の地域に当たります東シナ海大陸だなの北部に当たっている、かような関係になるわけでございまして、この共同開発地域はこのようなエカフェの調査からいたしましても、地質的に石油類の賦存の可能性がきわめて高い地域であるというふうに考えられるかと思います。 それから、その他の調査のことでございますが、これは大陸だな協定がつくられる前に、日本側の民間企業の二社が物理探査を実施いたしております。その一つは日石開発でございまして、昭和四十六年の十月から十一月にかけまして、測線長三千五十キロメーター。それから西日本石油開発が北部地域につきまして、これは断続的ではございますが、昭和四十四年から四十八年まで、南部地域につきましては四十八年の五月から六月にかけまして、約二千三百キロメーターにわたって調査をいたしております。こういった物探のほかに試掘までにはまだ立ち入っておらない。 ざっと調査事情を申し上げると、そういうことでございます。
○秦野章君 調印の以前の調査と以後の調査との関係、批准の問題がいま登場しているんだけれども、協定の調印をしたわけでしょう。協定を調印するまでに調査したのはエカフェだけですか。
○政府委員(橋本利一君) エカフェの調査は、調印前でございます。それから日本側の民間企業二社の調査は調印前でございます。
○秦野章君 調印後の調査というのもあるわけですか。
○政府委員(橋本利一君) まだ実施いたしておりません。
○秦野章君 そうすると、調印前の調査で、このプロジェクトが実行されればまず油は出るんだという自信があるわけですか。
○政府委員(橋本利一君) 民間調査の結果はまだ詳細にわかりませんが、また、断定的に申し上げることはいかがかと思いますが、ただいま申し上げました二つの民間企業の地震探鉱の結果は、この地域におきましては、堆積盆地の厚さは最大六千メーターに及ぶ、それから地質条件も安定しておる。また、先ほど申し上げましたエカフェの報告どおり、新第三紀層に属す地質を持っておるということは確認されております。
○秦野章君 ナショナルプロジェクトとしていろいろな開発が進んでいく場合に、これはまあ通産省の一般的な立場というか、問題としてお聞きしたいんだけれども、全然リスクが一%もないという開発もあるかもわからぬが、しかし何%かのリスクというものはあっても国家の、あるいは国家経済の必要性があればやらなきゃならぬという場合も私はあると思うのですよ。一〇〇%の確率だけのものしかナショナルプロジェクトの対象にならないということでは、これは恐らく進歩というものはないだろうと、こう思うのだけれども、問題は相当の巨額投資をするしするものだから、そこで私は、そのリスクの問題でいろいろ聞くんだけれども、大陸だなの問題でも、われわれが聞くのは、大陸の方にすでに石油があって、そこからすぐ海の方に出てくるんだということが普通らしいんだね。今度の場合は、中国の大陸には出ているけれども非常に距離がある、こういう例はほかの国にもありますか。
○政府委員(橋本利一君) お答えする前に一言申し上げたいと思われるわけでございますが、石油の探鉱、探査、開発はリスキー性の本来高いものでございまして、世界的に見ましても、百本のボーリングに対して十八本、成功率としては一八%というのが平均値でございます。そのボーリングの成功した後、まだ油田として成功するかどうかという問題がございまして、これは百本のボーリングに対して二・七%、三%以下の油田成功率というのは世界の通常のケースと、平均的な数字ということでございまして、委員が御指摘になりましたように、一〇〇%確実なものというものは本来ないわけでございます。ただし、多額の投資を必要とするだけに、ボーリング段階におきましてもよほどプロジェクトというものに対して慎重に取りかかる必要はあろうかと思います。きわめて本来リスキーなものだということでございます。 それから、ただいまのお尋ねでございますが、たとえばオーストラリアの例を引きますと、東部の陸上の地域では石油を全く産出いたしておりませんが、その近くの海上で、メルボルン南方のバス海峡というのがございます。これはメルボルンとタスマニア島の間にある海峡でございますが、このバス海峡で石油を産出したという例がございます。
○秦野章君 参考のためにいま一つ、北海油田が英国をよみがえらせるのか、なんというタイトルのどっかの雑誌の記事があったけれども、あの北海油田は大変大量の石油が出ることになりましたね。あの開発前に、北海油田は掘ってもだめだ、油が出ない、そういう専門家の意見ありましたか。参考の話です。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように、北海に石油がないという意見が論文その他の文献にあらわれたということは承知いたしておりません。ただ、北海地域におきまして、一般に大油田が存在するであろうというふうに考えていなかったということも事実だと承知いたしております。
○秦野章君 そうすると、大ざっぱな素人の国民にわかりやすい表現で言うなら、北海油田よりはリスクは大変高いというわけだね。
○政府委員(橋本利一君) それは、いまの段階であらかじめリスクが多いか少ないかということは申し上げかねると思います。やはり、現実にいろんな物理探鉱あるいはボーリングを経まして判断をすべき問題だと思います。ボーリングも大体一本十五億ないし二十五億円かかるわけでございますが、このボーリングなりあるいはその前段における地震探査等を通じまして、大体通常のケース、二百億円程度投下してなおむずかしいというときにはギブアップする例がございますが、大体その程度の調査なりボーリングをやってからでないと判断できないというのが通常のケースでございます。
○秦野章君 そうすると、今度の大陸だなの言うならばあるかないかという探査の問題で、もし出なかったらという場合もあり得る、あり得ないことはないですね。 そこで、費用の問題だけ聞いておくけれども、出なかったらむだになるんだけれども、むだになるお金の最下限というか、下限と上限をちょっと言ってくれませんか。一番ひどいとこのくらい損する、一番うまいこといけばこのくらいで済むという上限と下限。
○政府委員(橋本利一君) これはケースによって、たとえば陸地であるとか海上であるとか、海上の場合にも非常に波の高いところとしからざるところ、あるいは深浅と申しますか、深さの関係でも違ってくると思うわけでございますが、先ほど申し上げましたような二百億あるいは百五十億といったところが普通のケースのようでございます。ただ、非常にはっきりした場合には物探段階である程度判断がつく場合もケースによってあろうかと思うわけでございます。
○秦野章君 上限がわからないかね。多少心配ですよ。金を何ぼでもつぎ込んで……
○政府委員(橋本利一君) ケースによって違うわけでございますが、大体百五十億から二百五十億、ボーリングまでの経費は。二百五十億かけてまだ十分埋蔵量が確認できない、あるいは賦存状況がわからないといったようなときには、やはりそれ以上の投資というものは考え直さなくちゃいけないだろうと思います。大体二百から二百五十前後というところではなかろうかと思います。
○秦野章君 通産省でいろんなナショナルプロジェクトをこれから組んでいく、これは石油だけじゃなくて、あると思うんですよ。何かいまほかに考えられているもの、通産省でどういうものがありますか。
○政府委員(橋本利一君) ナショナルプロジェクトをどういうふうに解釈するかということによろうかと思いますが、御承知のように、一般的には私企業体制を前提といたしまして、それに対して国が助成をしていくというのがいまの一般的な形態であるわけでございます。ただ、趣旨的に解釈いたしますと、私は日本が置かれているエネルギー事情あるいは世界的なエネルギーの需給動向、こういった点からいたしますと、エネルギーの安定確保と申しますか、特に石油の安定確保ということが非常に重要な問題である。特に、御承知のように日本の場合、一次エネルギーの九〇%までを外国に依存いたしておる、あるいは一次エネルギーの七五%までを石油に依存し、かつはこの石油の九九・七%までを輸入いたしておる。かように日本の経済が、あるいは国民の生活レベルが上昇すればするほど、それに要するエネルギーを安定確保しなければならないという状態にあるわけでございます。そういった意味合いにおきましても、石油の安定確保ということは非常に大切な問題でなかろうかと、かように考えるわけでございます。
○秦野章君 いま私が聞いたのは、お金を応援すればみんなナショナルプロジェクトになってしまうみたいな話じゃなくて、やっぱりナショナルプロジェクトという概念は、いま日本では形成過程にあるような感じがするんですけれども、アメリカの宇宙開発のようにがばっとしたプロジェクトになるとナショナルプロジェクトとしてのスタイルが非常にはっきりするのだけれども、きょうは大臣がいないから次官に来てもらったのだけれども、これからの日本の産業政策を考えていく場合に、要するに高度成長から減速経済あるいは安定成長になっていくわけでしょう。これは外務大臣も専門家だ、ちょっと聞いてください。 要するに、高度成長のときには企業の自由競争で資源もかなり自由になったということで、国家は比較的のんきに構えておられた。ところが減速経済、安定成長になってくるというと、限られた資金なり財政力で、どうしても優先順位を決めて国家が誘導していかなきゃならない、そういう必然的な状況になってくると思うんですよ。だから事業そのものが巨大であり、巨額投資をし、そうして政府の資金も必要であるということのほかに、減速経済になってくればくるほどやはり企業任せでは、自由競争原理の方向だけではいけない、そういう時代がだんだん来るんじゃなかろうか。そうして、言うならばナショナルプロジェクトは資本主義経済とある意味では社会主義経済との接点みたいな、そういうようなミックスエコノミーの姿になってくるという私は感じがするものだから、日本の産業政策を推進していく場合に、自由経済は自由企業が自由競争してやっていくということは原則だけれども、どうもそういうことだけではやっぱり無理になってくる。そこでナショナルプロジェクトというものの観念というか、理念というか、そういうものをだんだんはっきりさしていかなきゃならない。 いまエネルギー庁長官が言うように、お金を援助をしてやればナショナルプロジェクトだなどというような発想ではこれからはいけないのだというような、あらゆる角度からの検討を必要とする、スタートにおいて検討をする、自後においていろいろ問題がある、こういう意味で聞いているのですよ。日本の産業政策、これは産業だけでもないのだけれども、とりあえずきょうは石油に関連するから通産省の産業政策として、私はナショナルプロジェクトというものが先進工業国では恐らくアメリカが先頭を切っていると思うけれども、日本はアメリカとは違った角度で安定成長、減速経済の中にだんだん入っていかざるを得ないという状況の中で改めて認識をし直す必要がある。これは通産行政として、日本の産業政策としていやでも応でもそこに行くのじゃなかろうか、こう思うわけですよ。これはどうですか。
○政府委員(松永光君) 従来、そうしてまた現在のやり方としては、民間企業の活力を十二分に活用しながら、その企業に対して国家資金を投資または融資をするというやり方でやってきたわけであります。しかし、いま秦野先生の御指摘のように、低成長下に入ってくる、民間企業の資金を集める力は非常に弱まってくる、こういったこと等を考えますと、先生がただいまお述べになりましたようなお考え方もあろうかと思いますので、先生の御意見も貴重な御意見として参考にしながら、将来の問題として検討をしていかにゃならぬ、このように考えておる次第でございます。
○秦野章君 その場合に、つまりナショナルプロジェクトとしてやっていこうという場合に、ナショナルプロジェクトの成立の条件といいますか、そういうものをいろいろ、今度の石油に関してもそうなんだけれども、いろいろあると思うのですよ。一番は、科学的合理的な調査というものがどこまでできているかということの基礎的な問題があろうと思いますが、これはいままである程度聞いたのですけれども、要するに、プロジェクトそのものが国民に説得力を持つということが非常に大事だと思う。なぜならば、ナショナルプロジェクトはまさに国民のプロジェクトである。役所のプロジェクトであって国民のプロジェクトであるから、そういう意味において、ナショナルプロジェクトの成立するための条件として、きょうは総論的なことだから余り突っ込んだあれはできませんけれども、少なくともこれは長期の展望に立って、いま長官おっしゃるような資源の問題は当然なんだけれども、長期展望に立って日本が存立していくための、先進工業国と言われる日本の存立するための基礎的条件だから政策はすべて長期的な政策だと思うんです。だから、そういうものがいまほかにどんなものがあるかということをちょっと聞きたいわけです。
○政府委員(橋本利一君) 先生が御指摘になっているようなナショナルプロジェクトにそのまま該当するかどうかは別といたしまして、一般にナショナルプロジェクトと言っておりますのは、日本の経済にも役立つと同時に、たとえば海外における経済協力にも役立つもの。最近の例といたしましては、ブラジルあるいはインドネシア等におきましてアルミの製錬会社を発電所の建設とあわせて実施するといった計画がございます。この場合ナショナルプロジェクトと言っておりますのは、一、二の特定の企業じゃなくて、その業界全体が出資をして、あるいは関連企業もこれに参加しているといったような場合にナショナルプロジェクトといったような表現を使っております。あるいは、たとえば電力は現在九電力体制をとっておりますが、電源開発会社に対しましてはいわゆる電力行政の一翼を実施面で担当させるといったような意味で、むしろこれはナショナルプロジェクトというよりも国策会社といったような表現をとっておるかと思いますが、先生の御指摘の点は私なりに解釈いたしますと、長期的な日本の経済との関連においてとらえられるプロジェクトであって、それは一私企業のためにするものでない、国民経済全体のために資するような計画として意識したらどうだろうか、こういう御指摘であろうかと私どもは解釈するわけでございまして、そういったところから先ほどお答えいたしましたように、内外のエネルギーの需給動向からいたしましても、石油に対する依存度を低めつつあるわけではございますが、依然量的には大量の石油を確保しなければならない。そういった意味においてナショナルプロジェクトとして意識した場合、これを企業としてはどのような形で担わせる問題かと、かように思うわけでございまして、その点につきましては、先ほど政務次官からもお答えいたしましたように、そういった御趣旨を体しまして今後の検討課題とさせていただきたい、こういうことでございます。
○秦野章君 いままでのやり方では、やっぱり日本の場合、企業の技術力あるいはいろんな総合的なノーハウの問題、その他の力を活用するという方向がやっぱり普通だと思うんですよね。そこで、株式会社の大企業の株を持つ、まず一つ資金的な問題。それから資金援助をする、融資をする。株式会社を先頭に立てて株をある程度持ち、それから資金援助をするということでナショナルプロジェクトだということではだんだんこれむずかしくなるだろうという気もするんです。 というのは、それはそれで自由経済の活力を使うということにおいて当然私も必要だと思うけれども、たとえば今度の石油でも、もし出なかったら銭が捨て金になるんだ、しかし開発やるんだから仕方がない。あらゆる開発にそういうリスクはあるだろうと思う。しかし、株式会社はもうかったときは株式会社がもうけてしまうということになると、ナショナルプロジェクトは国民のプロジェクトだから、言うなら株主は国民なんだという線がちょっと出てこないとうまくないと思うんですよ。それは、私は具体的に株主ということを言ってるんじゃないんで、観念的にというか、抽象的に考え方の問題で言ってるんだけれども、ナショナルプロジェクトは国民のプロジェクトだから、大きな意味で言えば株主は国民なんだという発想、そういう意味の大きなプロジェクトについてのやっぱり考え方を将来とっていかなければいけないんではないか、こういうふうな気持ちで言ってるわけで、今度いま衆議院で鉱業法の適用に関連した法律が出てますね。どうですか、鉱業法の適用だけではそういうチェックシステムが必ずしも十分じゃないでしょう。どうですか。
○政府委員(松永光君) いま衆議院にお願いをしておる鉱業法の特例法は、この委員会でただいま御審議を願っておるいわゆる日韓大陸だな協定が効力を発生した後に必要な範囲における特例法であるわけでございます。 なお、秦野先生の御指摘では、仮定の話でございますけれども、民間会社が石油の開発をやって、それが成功した場合にはその利益は民間会社に行くだけで国民には関係がないというふうなお考えの人もあるかもしれませんけれども、しかし実際には、もし石油の開発が成功した場合には鉱産税という形で税金が国庫に入ってくるわけでありまして、その意味では国民全体もその利益を享受できるということになるわけだろうと思います。それから、民間会社の利益の約半分近くは法人税という形でこれまた国庫に入ってくるわけでありますから、民間企業の開発の成功はその民間企業のみの利益であるというふうなことにはならぬだろう、やはり国家国民の利益でもあるというふうに考える次第でございます。
○秦野章君 確かに、自由主義経済の論理から言えばおっしゃるとおり、私もそのことをまるまる是認するんだけれども、ナショナルプロジェクトというような大事業ということになってくると、要するにミックスになってくるんだよ。あなたの言うような、会社がやっても出てくる品物は国民が使うんだし、品物が足らなくなりゃ国民が困っちまうんだから、それは社会的に貢献しているんだという論理はあるんだけれども、しかし、やっぱりお金の問題というか、株式会社ということになると営利ということが中心になるから、もしあなたの言うような意見だと公団公社なんか要らなくて、会社でやればいいわけだ。やっぱりそこらに私は多少プロジェクトによっては企業体というものが、どういうスタイルがいいかという検討の余地はあるだろう、こう思うんですよ。一概に会社だけでいいんだと、会社にやらせる場合にはそれ相応の、日本銀行は株式会社だけれども特別法を使っていろいろチェックをしているように、鉱業法の適用だけでいいのかということを聞いてるのです。だから自由主義の論理を私は否定しませんよ。もちろんそうなんだけれども、だんだんナショナルプロジェクトで大きな仕事をやっていく場合に、そういう論理だけでは、国民のプロジェクトとして、できたものは国民の利益になるには違いないけれども、できるプロセスの中で国民に説得力を持たせるということ、国民とちゃんとつながっているということ、そういう意味で少しやはり工夫の余地が将来あるのではないか。将来通産行政、産業政策でもってナショナルプロジェクトを考えていく場合にそういう問題が出てくるんではないか、また、すでに出てきつつありはしないかと、こう思うわけです。
○政府委員(松永光君) 新潟の沖合いの阿賀沖油田というのが成功したわけでありますが、この場合は石油開発公団が六〇%の株を持った石油資源開発株式会社というのがございまして、その子会社が実際の開発に当たり、その子会社の株の五〇%は石油開発公団が持っている形の企業が成功したわけでありますけれども、いま問題になっておる日韓共同開発区域というものは、新潟沖などとは比べものにはならないぐらいに大きな地域でありますし、また、先ほど資源エネルギー庁長官が申し上げましたように、相当多量な石油、天然ガス等の賦存の可態性がきわめて大きいという地域でありますから、阿賀沖などとは比べものにならぬぐらいの大きなプロジェクトであろうと思いますので、そういったことを考えますというと、いま秦野先生が申されたような考え方は当然出てくるであろうと思います。先生の御意見を貴重な参考として、この協定が承認され、実際に開発に着手するときの課題として今後十分検討さしていただきたいと、このように考える次第でございます。
○秦野章君 私もこういった開発問題で、たとえば公団公社が何でもかんでもやった方がいいとは思わない。非常に非能率のところもある。金貸しだけぐらいならいいとか、いろいろ問題によってあるだろうと思うのだけれども、いままでのようなやり方だけではという感じでいま申し上げたんだけれども、今度、鉱業法の適用、ちょっと教えてもらいたいけれども、鉱業法の適用だけを考えたということはどういうことですか。
○政府委員(大永勇作君) 鉱業法の特例法を今度お願いをしておるわけでございますが、ただ、一般の鉱業法とは違いまして、開発主体につきましては通産大臣の認可ということで、その経理的基礎及び技術的能力につきまして十分に審査をした上で開発の適否を決めるということになっておりますので、先般来おっしゃっております開発主体のあり方につきましても十分考えておるわけでございます。 ただ、なぜ私企業の申請を待ってそれに対する認可という形にしたかという点につきましては、やはり民間の技術的な能力でございますとか、あるいは民間企業の持っております活力というものを活用することが当面の処置として最も適切ではないかというふうに判断したからでございます。
○秦野章君 いま開発主体の問題、開発主体と、あと開発されたものをずっと維持していく主体、この協定は五十年契約でしょうけれども、しかし、その開発の主体というものは初めからしまいまで同じですか。
○政府委員(古田徳昌君) 現在の事態では、最初の探鉱の主体が引き続きましての開発の主体ということで考えておりますが、たとえば北海の開発の事例を考えてみますと、一九七〇年前後に相次いで巨大な油田が発見されたわけでございます。その実績を踏まえまして、ただいま先生御指摘いただきましたように、この石油資源がイギリス経済にとっての重要性といいますか、ナショナルプロジェクトとしての性格を踏まえまして、イギリス政府は一九七六年の一月に英国石油公社といったものを発足さしているわけでございます。したがいまして、この地域につきましての探鉱につきましても、やはり私どもとしましては将来の推移を見まして開発のあり方といいますか、主体につきましても検討すべきではないかというふうに考えております。
○秦野章君 いまの話で大体見当ついたけれども、少なくとも株式会社でずっとやっていくというようなことになれば、どうしたってチェックのシステムが要るんではないかということは当然でしょうな。どうですか、チェックするシステムは何にも要りませんか。鉱業法というのはわかったけれども。
○政府委員(大永勇作君) 先生の御指摘になりますチェックシステムということの意味の内容が必ずしも十分理解できておるわけではございませんが、先ほども申し上げましたように、鉱業権者としてはやはり経理的基礎なり技術的能力というものを持つことが必要でございます。将来、非常に開発規模が大きくなりまして、そういった事業を行うに足りる経理的基礎、あるいはやってみたけれども、技術的能力が不十分であるというふうな場合には、石油部長が申し上げましたように、その段階であり方についてさらに検討するというふうなことはあろうかというふうに考えております。
○秦野章君 よくわからないという話だけれども、わかるようにいま一遍言うと、巨大開発だから金の要るときは大いに援助しましょう。それから二百億ぐらいのリスクがあるなら、これはエネルギー問題を考えれば仕方がない、目をつぶろうと、仮にそれはいいとしても、がぽがぽ出てきて利益を得たようなときにもチェックシステムが要らないかと、こう言っているんです。非常にわかりいい話じゃないか。
○政府委員(松永光君) 秦野先生のおっしゃる理由とお気持ちはよくわかるわけでございますが、これは開発に着手した後の推移を見ながらやるべきことで、先生のおっしゃるとおり、何らかのきちっとしたチェックができるようなシステムというものは必要であろうと、こういうふうに考えるわけでございます。
○秦野章君 非常にくどいようになるけれども、やっぱり一種の、経済方式からいけば自由主義経済でもなければ社会主義的経済でもない、ミックスなんだよ、総合巨大開発は。ミックス的なものだと思うのですよ。だから、いろいろな着眼が要るだろうと、こういうことです。日本の経済全体は自由主義体制でいいんだけれども、こういうふうにナショナルプロジェクトになってくると、そういったようなことを考えながら国民とのつながりをつけていくということが必要なんだと、そういう意味で聞いているわけだから、ひとつぜひいま次官のおっしゃったように、大いに創意工夫をこらして日本独自のそういったシステムの開発まで考えると、つまりこれは行政機能の開発というか、そういうことになろうかと思うんですね。そういうことで、ひとついま一遍結構だというなら結構だと言ってください。
○政府委員(松永光君) 先生のおっしゃる趣旨を体しまして今後十分検討してまいりたいと思いますし、大多数の国民から御理解と納得が得られるような仕組みをしていかなきゃならぬというふうに考える次第でございます。
○秦野章君 要するに、ナショナルプロジェクトの国民に対する説得力が問題だと思うんです。それでこの説得力の問題はいろんな角度から検討せにゃならぬと思いますけれども、一つは、私ははっきりしておきたいと思うのは、思いついた人はだれでもいいです、だれでもいい。世間でどうかなと思う人でもかまわない。しかし、その思いついたような人が思いついても、プロジェクトを組むときにはそのプロジェクトというものは合理的、科学的なものでそれにたえ得るだけのものをつくっていくという、それだけの役所の気魄と心意気というものが絶対に必要だろうと思う。町の散髪屋のおやじさんが考えたことでもいいんだ、いいことなら。あるいは何かボスみたいな者が考えたということでもかまわない、私はそう思う。問題は、プロジェクトをつくった場合に、それを支える合理的、科学的基礎ありや否やということが基本的な問題なんだが、果たしてそれにたえるかどうかという、そういう検討が私は国会のやっぱり問題だと、こう思っているから聞いているんですけれども、そういう考え方で私はいいと思う、ナショナルプロジェクトは。だから、役所から出てこなくたっていいんです。むしろナショナルプロジェクトは政治家が出すべき問題です、本当は。政治家が出して、それを役所でいろいろ検討して、だめならだめでまたいま一遍考えるということがあってもいいと思うんだけれども、この日韓大陸だな問題に政治と科学がどっちが優先したか。あるいは循環していいんだとも思うけれども、エカフェの調査とかその他各種の調査をおやりになって、やってもある程度限度があるということはさっき説明がありましたけれども一また話がもとへ戻っちゃうけれども、石油部長きょう来ているからあれだけれども、海の一番深いところで石油の出た新記録は水深何メーターぐらいですか。
○政府委員(古田徳昌君) 最近、技術が非常に発達いたしまして、深い海も掘れるようになってきたわけでございます。最近の実績で見ますと、たとえばタイ沖で千メートルを超える深さの海で石油の試掘をしたというふうな実績もございます。ただ、石油の試掘はいたしましたが、発見した事例につきましてはちょっと手元に——最近たしか五百ないし六百メートル程度の深さのところでも石油を発見したという事例、ちょっと場所を忘れましたが、記憶してございますが、生産に移行した事例としましては、深さが二百メートル前後といったところが現状ではないかと思います。
○秦野章君 いまの問題になっている日韓大陸だなのところの深さ、それはどんなことになっているんですか。計画の一番深いところと浅いところの深さはどんなようになっていますか。
○政府委員(古田徳昌君) この共同開発区域では、一番水深の深い部分が大体千メートルということになっておりますが、大部分は水深二百メートル以浅ということでございます。したがいまして、技術的に見ますと、今共同開発区域におきます開発には支障はないというふうに考えます。 なお、先ほど私御説明いたしました試掘の事例でございますけれども、最も水深の深いところで開発が行われている例としまして、カリフォルニア沖で約三百メートルという事例がございます。
○秦野章君 千メートルのところというのは区域が余りないんですか、この計画の中の範囲としては。
○政府委員(古田徳昌君) 区域としてはごくわずかでございます。
○秦野章君 何%ぐらい。
○政府委員(古田徳昌君) この地域に沖繩海溝の一部が入っているわけでございまして、その海溝の一部が千メートルに達しているというわけでございまして、面積で言いますと、全体の約七〇%前後が二百メートル以浅ということになっております。
○秦野章君 リスクの問題ではいろいろ言ってもなかなかわれわれにわからないところもあるんだけれども、できるだけひとつ説得力というものが大事だから、われわれにもらう材料、まだもらっておりませんから、ひとついろいろ材料を提供してもらいたいと、この際要望しておきたいと思います。 いま一つは、説得力という問題では、地元の漁業関係とかそういう方向には、まだ批准にはなっていないが、もしやるということになればというようなことで、ある程度の対話とか説得とかということを行政ベースはやっているんだろうか。あるいは知事とかそういう地元の方は時期尚早だということになっているのか、これだけ問題になっているからある程度やっているのかどうか。どうですか、これは。
○政府委員(大森誠一君) これは、水産庁の方からの答弁がある方が適当かと存じますが、私どもが聞いておりますところでは、この協定が署名された際に、水産庁の方から全漁連を通じて説明をしてあると、こういうふうに聞いております。
○秦野章君 まあこれは時間の経過の中で消化していくもので、これまだどうなるのかわからぬのだからということがあるけれども、やっぱり大きな計画をやっていくときには、いきなり飛び出してくるみたいなことはうまくないから、そこらの点はやっぱりむだと思っても——このごろいろいろ現地がむずかしいですからね。これはもう大いにひとつ私は要望しておきたいと思うんですよ。 それからその際に、これはまたいろいろなプロジェクトをやる場合の一つの問題なんだけれども、住民パワーというか、こういうものが出てきたときの対応がどうも余り日本はうまくないような気もするんですよ。これはできるかできないかわからないうちにそんなことを言う必要ないかもわからぬが、これは私は一般論として特に政府に要望しておきたいんだけれども、きょうは通産省、原子力の問題なんかにも、通産は直接関係ないかもしれぬが、電気事業なんかで関連するわけだけれども、住民の理解を得るといってもなかなか理解ができないというような、理解をしようとしないような状況の場合もある。そういう場合に、ナショナルプロジェクトに関連してときどき暴力が起きることがあるんですね。これはきょうは通産、外務省の問題じゃないけれども、結局実際は起きちゃったときに警察だとかなんだとかというんじゃなくて、起きる前のそのプロジェクトの成立の過程の中で消化をしていくという作業が実は日本の場合大変弱いような気がするんです。それは自分の領分じゃないという発想がどうも積極官庁の方にあって、積極行政の方にあって、消極行政の方の、つまり警察とかそういうところはまた起きてくるまでは自分の領分じゃないと、こういうようなかっこうになっているんですね。私は、成田闘争なんか見てもそう思うんだけれども、この問題は直接は関係ないけれども、私は、きょうは一般論として、ナショナルプロジェクトというものをどうしてもこれから考えていかなきゃならぬ、特にナショナルプロジェクトの一種の大枠というか、ナショナルプロジェクトをつくる場合の配意事項というか、ナショナルプロジェクト憲章というか、何か行政指針みたいなものを、いろんな気がついてやらなきゃならぬようなことを通産省あたりはやっぱりつくった方がいいんじゃないだろうかと−あるいは通産省だけの問題でもないんだが、そういう感じもするんだが、あらゆるところに目を配って、あらゆる着眼で手を打っていくということをやらないと、いろんな後で要らざる犠牲も起きるし、また問題が複雑になるということがあるんですよ。さっき私は、ナショナルプロジェクトの問題を一般論として言っておりますけれども、そういうような点について通産行政の中ではいままで余りなかったか、どうですか。これからは私はあり得ると思う。何といったって日本は政治的意見も多様ですからね、そして多党化ですから、政治で言うならば。国民はまた政治以上に多様でございますから。中には暴力を喜んで楽しんでいるという分子もいますから。暴力を使うこと自身に喜びを感じているという、そういう人間が高度成長の中で出てきたということもあるので、あんまり油断をしちゃいけない、このナショナルプロジェクトをやる場合には油断をしちゃいけない。暴力に大義名分を与えちゃいけないと思うんですよ。このことは、まあこれ、きょうの日韓大陸だなに直接の問題じゃないけれども、私はこういう機会に特に積極的な行政を進めていく通産省あたりには要望しておきたいと思うんだけれども、そんなことを含めて、大きな事業をやる場合に、ナショナルプロジェクトと言われるようなものをやる場合に、こういう配意事項が要るんだといったような、一種の大きな行政指針というか、大げさに言えばナショナルプロジェクト憲章みたいなものでも考えておいた方が大丈夫じゃないんだろうか、安全じゃないんだろうか、あるいはまた行政として非常にやりいいんじゃなかろうか、これは通産だけの問題じゃないけれども、通産なんかはこれからいろんなことをやっていかにゃならぬと思うから、そんなことを考えるんだが、松永さんどうですか。
○政府委員(松永光君) いま御審議を願っておる日韓大陸だな協定に基づく海底油田の共同開発の問題は、先生がよく御承知のように、エネルギー危機が非常に叫ばれておる情勢下で、エネルギー危機に備えるという意味もあっての開発を始めるわけでもありますから、大きく言えば国家民族の運命がかかっているようなことでもあるわけであります。そういう意味でありますので、これはまあ協定が承認をしていただいて、そして鉱業権の特別措置法も成立をさしていただいて、そして実際に開発に着手するまでの間には国民の理解と協力が得られるようなあらゆる努力をしなければならぬと思います。 特に、先ほど先生の御指摘にありましたように、漁業関係者等の御理解をいただけるように、これは政府はもちろん、実際の開発に当たる者もそうでありますが、政府もそれと一緒になって漁業関係者の不安等を解消するような努力というものは当然すべきものだというふうに考える次第でございます。 それから、エネルギー問題の解決のために総合エネルギー調査会が設けられておりまして、目下検討していただいておるわけでございますけれども、その総合エネルギー調査会の中にも、国民的合意を形成するにはいかなるやり方をすべきかという問題について、専門的に検討していただいておる委員会ができまして、その委員会で検討していただいておるわけでございまして、そこからいい意見というものが答申の形で出てまいりますれば、それを尊重して、いま先生がおっしゃったように、国民的な合意が得られるようないろんな施策を進めていかにゃならぬと、こういうふうに考えている次第でございます。
○秦野章君 そのいまの委員会は、具体的にもう発足しているんですか。
○政府委員(松永光君) 具体的に発足しておるわけでございます。
○秦野章君 その諮問事項というか審議事項というか、そういうものはある程度いまわかりますか。
○政府委員(大永勇作君) 若干補足いたしますと、これは稻葉先生が委員長でございまして、あと産業界だけでなくて、消費者、漁業関係の人、組合関係の人、あるいは学識経験者、全部入っていただいておるわけでございますが、あらかじめ審議事項をむしろ限定してしまうことは適当でございませんので、エネルギー問題について国民的な合意を得るやり方としてはどういうやり方がいいかということをいま広く議論をしていただいておるということでございます。
○秦野章君 そういうものができたら、よく世間にわかるように、ひとつ周知を図ってもらうということが必要だろうと思うんですね。 それから、探査の段階なんかでも、いろいろ情報や何か乱れ飛びますからね、いろいろな日韓大陸だなのこれからの、もしこれができればやっていくわけでしょう、そのプロセスの問題を、そういった一般的な審査のほかに、現地や何かの問題で、事業の計画のもし実行するという段階になってきたら、そのプロセスの問題なんかを十分にわかるようにやっぱりやっていかなきゃならぬ、国民にわかるようにしていかなきゃならぬ、こう思うんです。 最後に私は、締めくくり的なことで一つ、繰り返すようになるかもしれませんけれども、国際的な立場でナショナルプロジェクトを組むという場合がこれからまたふえてくるだろうと。それから、場所も日本の領域を越えてどこかの国でやるといったような問題も、国際経済協力のような姿で実際に出てくる場合が、外務省なんかでも出てきますね。それを、アメリカじゃ多国籍企業が批判をされ、日本でも若干の批判を受けましたけれども、お金を貸す、あるいはやれば、それでナショナルプロジェクトだという安易な発想にならぬように、これはやっぱりかなりのチェックシステムをつくって、現地の中に日本のナショナルシステムが溶け込んでできるような、そういう方法というものをこれからもっと真剣に考えていかなきゃならない、こういう気がするんですよ。お金を貸せばいいとか、やればいいとかということだけじゃなくて、技術にしても、技術のかみ合わせにおいて現地とどういうふうに溶け込んでナショナルプロジェクトが実現をしていくか、そしてそれは日本のナショナルプロジェクトだけれども、同時にそれは向こうの国にとっても相当のプロジェクトであり、言うならば国際的なものなんだと、そういうものがだんだんふえてくるだろうと思うんですよ。そういうものにとっていままでのやり方というものだけでいいだろうかどうかという感じもするんだけれども、いろいろいままで経済協力、援助その他、あるいはまた企業の海外進出なんかについて批判があるけれども、なかなかこの批判というものを解消するという努力が、実際やっているんだろうけれども、なかなかこれはむずかしいんですね。何かそこらに新しい知恵がないものだろうか。日本はやっぱり国際的に生きていかなきゃ生きる道がないんですから、そういう問題について何か外務省は考えていることはないだろうか、外務大臣、どうですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 最近ナショナルプロジェクトと呼ばれているような企業がふえつつあると思います。これは現にそういう名前も使っておるんですけれども、たとえばシンガポールに石油化学が進出をする、シンガポール政府としてはぜひともやってもらいたいと、こう言われておるわけでございます。そうなりますと、進出する側でももう一企業の力では負えない、こういう事態が現に生じておりまして、関係業界が一つにまとまって進出をするというようないま計画が進んで、大体まあ構想が固まりつつある段階でございます。それから、各国政府からも同様な、相当巨大な設備を要する装置産業に日本が出てもらいたい、日本の力でやってもらいたい、こういう要望がどんどん出てきておるわけでございまして、これは一つにはまた日本の国内との調整問題も起きてきておるわけでございまして、そういったことでこれからの——これらはそれぞれの国によりまして、やはり相手の中に入って相手国のために働くべきものでございますから、日本自体の、日本の企業利益というようなことではなしに、相手国の企業、相手国の利益のために日本が活躍をする、日本の技術と資本力とで相手国に本当の意味で協力をしていくということでございますので、これにつきましては従来ありました利益本意の立場ということでなしに、これは相互のそれこそ国と国との協力という形になろう、こう思いまして、まあ企業形態等につきましていろいろ御意見があったわけでございます。それらの点も含めましてこれからのあり方、これはもう新しいものが逐次生まれつつある時代になっておるというふうに考えまして、今後ともそのあり方、従来のような非難を受けないような、逆に国際協力の実の上がるようなやり方、こういったことを目指してやるべきである、このように考えておるところでございます。
○秦野章君 全く理念はおっしゃるとおりなんで、まあわれわれも前からそう思って、みんなだれもそう思っているんだけれども、何かこう仕掛けが要るんじゃないか、仕掛けがなきゃ、理念と精神だけではなかなか人間凡人ばっかりだからうまいこといかぬという感じもするんで、何か仕掛けが要るような気がするんですよ。これひとつ、まあきょうの問題というのは無理だけれども、ちょっと考えていかなきゃならぬと思うんですね、仕掛けを。これからますます私はそういったような方向を日本は強めて生きていくほかはないんですから、具体的な仕掛けを、理念だけじゃなくて、これをひとつ工夫して、これは政府全体の問題だと思いますので、通産省にも外務省にも要望しておきます。
○政府委員(松永光君) 先生の御指摘のように、開発途上国等に対して援助をしておりながら、海外に進出しておる日本の企業等の行動が発展途上国の風俗習慣等々について無理解であったり、あるいは企業利益を追求するの余り喜ばれない、こういったことがあることははなはだ遺憾なことでありまして、その国の経済の発展や国民生活の向上のために日本が援助をするわけでありますから、そのことが正しく理解されて、その目的に沿うような行動を日本の海外に進出した企業並びにその関係者にはしてもらわなければいかぬ、こういうふうに考えるわけでありまして、先生の御指摘まことにごもっともでございます。 通産省の関係では、海外企業協会というのがつくられておりまして、海外に進出しておる企業の協会でございますが、その協会の中に海外に進出しておる企業並びにその関係者の言うならば行動指針といいますか、そういったものがつくられておりまして、それに従って、これは当然守るべきことではありますけれども、そういった指針がつくられておりまして、その指針に基づいて関係者は行動していただいておるというふうに聞いております。したがって、以前はいろんなトラブルがあったやに聞いておりますけれども、最近はそういうトラブルはなくなってきておるというふうに聞いておるわけでございまして、しかし先生御指摘のとおり、将来とも問題が起こらぬように通産省としては指導していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○大鷹淑子君 エネルギー資源の経済性というものが国益というものに対して大変重要な問題ということは大変よくわかります。しかし、日本の外交政策のあり方から考えることも重要だと思いますので、私は日韓大陸だな協定に関係の深い中国、韓国、北朝鮮、つまり朝鮮半島に対する日本の今、後の政策を頭に入れて質問さしていただきます。 最近、外務省は中国に対して大陸だなについて協議する用意があると申し入れたということを新聞で見ましたが、私はなぜもっと早くやらなかったのかなという疑問が起きてきたわけでございますけれども、これはどうしてでしょう。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 最近、中国北京の小川大使に訓令を出しまして、申し入れを改めていたしたことは事実でございます。これはこの大陸だなの衆議院の審議の際にそのような御意見の表示がありまして、私がこの国会中にもう一度改めて申し入れをすべきではないかという御意見がありまして、それはまことにごもっともでもう一度申し入れをいたしますということでございます。しかし、これはこの協定の調印をする前から大平外務大臣が先方の外務大臣に対しまして申し入れをいたしましてよく事情を説明し、それからこの調印をいたしまして国会に提出をするという段階でまた御説明をし、以後国会へお出しするたびに、その都度よく御説明をしてきたところでございます。そういう次第でございまして、今回初めて申し入れをしたということではございません。 なおまた、いままではこの大陸だな協定についての御説明をして御理解をいただく、こういう態度でございましたが、昨年、ことしになりましてからは、日中間におきましてもこの大陸だなの境界の問題、あるいはこの南部の地域におきましては、まだ大変石油の有力なる資源があるだろうと言われておる地帯が南部に続いておるわけで、これらにつきましては中国との間にやはりお話し合いをしなければならない、そういったために大陸だなにつきまして何でも御相談に応じたいということも先方にお伝えしてあるところでございます。
○大鷹淑子君 いまのお話を伺っておりますと、何度も御連絡をなすったと、一方的に通知をなすったというような形で受けとめるんですけれども、大陸だな協定が署名された当時に中国外交部スポークスマンの声明が出ておりますね。読ましていただきます。「中国政府は、大陸棚は大陸が自然に伸出したものであるという原則にもとづいて、東海大陸棚の画定は当然中国と関係諸国の話合いによって、きめられるべきである」ということを言っております。その中国側と協議するということですから、一方的な通告ということではなくて、どういうレベルでいつごろからどういう人たちと協議をお始めになるんでしょうか。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど外務大臣から御説明ございましたように、わが国といたしましては、日韓大陸だな協定というものは日本と韓国の間にまたがる大陸だなに注意深く限定いたしまして、中国の権利をいささかも損じないようにとの配慮のもとにこの協定を結んでいるわけでございますが、ただ、この地域につきましては中国も関心を有しておるということを当方として承知しておりますので、日中友好という立場から、中国側に対して累次にわたりましてこの協定の趣旨というものを説明いたしますとともに、かねてよりその都度、日本と中国との間の大陸だなの境界画定の問題については、日本側としてはいつでも中国と話し合いに応ずる用意があるということを先方に申し入れてきた次第でございます。また、最近は、在中国小川大使に対しまして、同様の説明と申し入れをするように訓令を発出いたしてあるわけでございますが、これまでのところ中国側からは、このわが方の話し合いをしたいという申し入れにつきましては返事をいたしてきていないというのが実情でございます。 もし、日中間でこの大陸だなの境界画定について話し合いを始めるという合意ができました際には、どういうレベルでどこで話し合いを始めるかということについては、その段階で中国側と話し合いをした上で決めていきたいと考えている次第でございます。
○大鷹淑子君 先ほどの外交部のスポークスマンの声明の後段の方で、「しかし、いま、日本政府と南朝鮮当局は中国にかくれて東海大陸棚にいわゆる日韓「共同開発区」を画定した。これは中国の主権を侵犯する行為である。中国政府はこれに絶対同意できない。もし日本政府と南朝鮮当局がこの区域で勝手に開発活動をおこなうなら、これによってひきおこされるすべての結果に全責任を負わなければならない。」と、こうあるわけでございます。「ひきおこされるすべての結果に全責任を負わなければならない。」。そこで、その安全性について日本政府としては自信がありますか。
○政府委員(大森誠一君) 初めに、中国外交部スポークスマン声明について簡単に私どもの立場を申し上げますと、ただいまお読みになられましたように、中国としては、東シナ海の大陸だなの境界画定の問題については、関係国がすべて協議した上でこの境界画定について取り決められるべきであるという立場が一つあるわけでございます。私どもといたしましても、この問題につきましては全関係国が集まって相談をして一つの合意ができるということが最も望ましいこととは考えておりますけれども、現在の国際情勢を見ますと、御案内のように、たとえば中国、北鮮と韓国との間、あるいはわが国と北朝鮮との間には外交関係がないというような事情がございまして、現実の問題としては、これらの関係国すべてが集まって話をするという状況にないわけでございます。したがいまして私どもとしては、次善の策といたしまして、日本と韓国の間にまたがる大陸だなの部分に注意深く限定いたしまして今回協定を取り結んだ次第でございます。このような例は、たとえば北海の油田開発に関連しまして、関係国が当初はそれぞれ二国間で話し合いをいたしまして、その上でまた全般的な取り決めを結んだという例もあるところでございます。 次に、中国のスポークスマン声明に関連しての御質問でございますが、汚染という問題でございます。南部の共同開発協定におきましては、開発は共同開発区域とその上部水域における漁業などの正当な活動が不当に影響されないよう行う旨を明記してございますとともに、日韓双方の開発権者の間で取り結ばれる事業契約の中には必ず漁業上の利益との調整ということを含めるということをも規定してございます。また、両国は衝突の防止、海洋汚染の防止及びその除去のためにとるべき措置について合意することが規定されているわけでございます。この規定に基づきまして交換公文が交わされておりまして、その中で種々の汚染防止及び除去のための措置などについて詳細に規定されているところでございます。私どもといたしましては、これらの基準にのっとって開発が行われる限りにおいては、大きな事故というものが起こる可能性はきわめて少ないというように確信はいたしております。しかしながら、先般の北海における事故に見られますような事故ということもあり得るわけでございまして、その見地から、事後の救済措置というようなものにつきましてもこの協定で詳細に規定している次第でございます。
○大鷹淑子君 いま北海油田のことにお触れになりまして、秦野先生も先ほどお触れになりましたけれども、外務省は安全性については日韓共同開発のモデルであるような北海油田を引き合いに出していらしたわけですけれども、現実に噴出事故が起きておりますが、この事故の原因と、いまどういう手が尽くされているか、ちょっと知らしていただきたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 今回の北海油田の事故につきましては、四月の二十二日の午後十時三十分に北海油田中第二の大きさでありますエコフィスク油田で発生したわけでございます。この事故の原因につきましては、四月の二十六日にノルウェー政府が調査委員会を設けまして調査中でございますので現在のところ推測の域を出ないわけでございますが、いままでの情報を総合いたしますと、坑井の噴出防止のための一部の装置を取りつけないままに坑底圧測底装置の回収作業を行ったということが大きな原因であるというふうに考えられております。
○大鷹淑子君 では、この第七鉱区でございますが、北海油田に比べて悪条件があると聞いておりますが、それは比べますとどういうことになりますか。
○説明員(嶋田勝弘君) お答えいたします。 北海につきましては、気象、海象上等の条件につきましては、霧が発生しやすく、また年間を通じまして条件が非常に厳しいと考えられておりまして、必ずしも日韓共同開発区域が北海油田に比べまして作業に当たっての条件が悪いというふうには言い切れない面があるかと存じます。こういったことも十分考慮いたしまして、事故防止対策につきましては、鉱山保安法に基づきまして、噴出防止装置の設置等を義務づけ、あるいは事故が生じないように十分規制をすることによって万全を図り得るのではないかと考えております。
○大鷹淑子君 第七鉱区、この地域には黒潮の分岐点があるということを聞いておりますけれども、もし事故が起きて原油が噴き出して、その黒潮に乗って、日本と韓国の沿岸だけではなく中国の沿岸にも流れていくということが考えられますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(堀定清君) 東シナ海の海流は、複雑な変化がございまして一般的に述べますことは困難でございますけれども、いままでにわかっております調査結果から模式的に要約しますと、東シナ海には南西諸島に沿って北上する黒潮がございます。その速さは一・五ないし三ノット程度でございます。この黒潮は奄美大島の西北西約二百キロメーター付近で二つに分かれます。これは共同開発区域の最南部に当たっております。黒潮の本流はここから奄美大島と屋久島の間を抜けまして、太平洋に入ります。本流から分かれました黒潮の分枝が共同開発区域の中央部を北上いたしますが、その速さは〇・五ないし一ノット程度でございます。その分枝が五島列島の西方約百キロメーター付近、すなわち共同開発区域の最北部でさらに二つに分かれまして、一つは対馬海流として対馬海峡から日本海へ入ります。その速さは〇・五ないし一ノット程度でございます。いま一つの流れは、黄海暖流として済州島の南方を北西方へ向かいます。その速さは約〇・五ノット程度であると考えられております。 油の漂流につきましては、海流だけでなくて、そのときの風にも非常な影響を受けますので、その場合場合でないと海流だけで推定することは困難だと思います。
○大鷹淑子君 ということは、まあ台風もあるでしょうし、風の流れ、いろんなことで、どちらの方へ行くかということはだれも保証できないということは、もう事故が起きないという保証もないし、また起きた場合に中国沿岸の方に油が流れていかないという保証もないということだと受け取ります。 で、協定の二十条なんですけど、二十条以下によりますと、安全性については日本と韓国の二国間のことしか書いてないわけです。中国沿岸またはその他に原油が流れていった場合、まず技術的にどういう手を打つか、お考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(久世勝巳君) 大陸だなの開発によりまして海洋施設から万一の油の排出による海洋汚染があるかということでございますが、その場合に対しまして海上保安庁はどういうふうに防除措置をとるかということでございます。 実は、海上保安庁は御存じのとおり海上におきましていろいろ、大型タンカーあるいは石油基地等から大量に流出油があった場合に対します措置というものを、体制をとっております。そして現在では油回収船とか油防除艇あるいはオイルフェンスその他処理剤、それから油回収装置というものを全国主要基地に配備して備蓄しているわけでございます。万一そのような海洋施設から災害が発生した場合には、一応私どもとしては、原則的には先ほど申し上げました大型タンカー等の流出油事故に対してと同じようでございますが、まず当該施設の管理者に対しまして油の排出防除措置の必要な措置をまずとらせる。すなわち、当事者がまずいろいろな資機材を活用して排出防除措置をとるということを指示するわけでございますが、この海域は比較的わが国の沿岸から遠いところでございますので、私どもとしましては、大型の巡視船あるいは大型の消防艇あるいは大型の飛行機等を飛ばしまして、まず人命の救出あるいは流出油の防除、消火作業等やるわけでございますが、先ほど海象課長が説明しましたように、いろいろ油の流れといいますのは、海流あるいは潮流、それから風の影響、それから油の種類にもよりまして大分いろいろ複雑な動きをするわけでございます。しかし、当該漁場等の、またいろいろ水産に対します影響等、これも考慮いたしまして、まず第一に原則的にはこれを回収すると、いろいろ回収船がございますので、それを回収して、それからどうしても回収できない場合には地元関係者の同意を得て油の処理剤というもので処理するというふうに、いろいろ資機材を効果的に運用を図りまして、まず流出油の回収というものを重点に防除措置を実施したいと、このように考えているわけでございますが、特に先ほど申しましたように、流出油の被害が沿岸に及ぶおそれがあるというときには、当庁は関係機関あるいは民間の機関とも密接な連絡を、あるいは協力関係をとりまして被害の発生の防止に万全を期したいと、このように考えております。
○大鷹淑子君 まあ、事故が起きるかもしれない、起きないという保証がないというところで、もし問題が起きた場合に外交的な責任が生ずるわけでございますけれども、二十条について、汚染の防止及び除去について中国やその他の関係国に対して責任もしくは補償の問題を書き加えるお気持ちはございませんでしょうか。
○政府委員(村田良平君) この協定におきましては、第二十一条に損害賠償の規定があるわけでございますが、第二十一条は「いずれか一方の締約国の国民又はいずれか一方の締約国の領域内に居住する他の者」が被害を受けた場合という事態を想定いたしておるわけでございます。したがいまして、仮定の話として、もしも共同開発区域からの汚染がわが国あるいは韓国以外の国民に損害を及ぼしたという場合には、その及ぼした態様によりますけれども、直ちに国家責任、外交問題ということではなくて、まず第一義的にはそれは中国あるいはその他の、わが国及び韓国以外の国民に与えた被害ということで民事事件としてまず考えられるのではなかろうかと思います。その場合には、裁判管轄権の競合あるいは抵触が生じないように国際的に裁判管轄権を配分するルールがあるといいわけでございますけれども、そういう規則はいまの国際法では存在いたしておりませんので、その事件が提起されました裁判所が自国の国内法体系に照らしましてその事件に関して管轄権があるかないかということを決定し、そしてその結果、その裁判所の属する国が裁判管轄権を行使するというふうなことになるわけでございます。 そこで、具体的に考えてみますと、この共同開発区域におきまして事故が起こったという場合に、その態様あるいは故意、過失がどの程度あったかというようないろんな状況に照らして考える必要があると思いますけれども、一般論として申しますと、裁判管轄権に関しましては損害発生地国の管轄が国際的に広く認められておるわけでございます。 それから準拠法に関しましては、当該行為が不法行為に当たる場合には不法行為地法主義というのがまた一般的でございます。この共同開発区域に関しましては、現実には公海において事故が発生するということでございますので、法廷地主義によるということが一番妥当かと考えられるわけでございます。 いずれにいたしましても、何らかの形をもちまして損害を受けた人あるいはその法人に対しまして国際法及び国際私法に基づいて妥当な損害賠償が行われるということは当然でございます。 しかしながら、いま申し上げましたように、国際法あるいは国際私法上のいろんな問題もございますので、先般来外務大臣あるいは大森次長が説明いたしておりますように、中国側と日中間の大陸だなの問題について話し合うというふうな機会をできるだけ早く得まして、その際にこういった広く各国にわたり得るような事故に対して、単にその事故の防止とかあるいはその救済措置のみならず、仮に損害が発生した場合にその損害賠償をどうするかということも中国と話し合えるということになれば一番いいというふうに考える次第でございます。
○大鷹淑子君 大変いろいろと影響のある協定だと思うんですけれども、中国沿岸がその影響を受ける最大な場所ではないかと思うんですけど、そのためにも、一日も早く日中平和友好条約を締結して、お互いに話し合いのできる状況をつくることが最も大切ではないかと思うんですが、私、五月に中国に三十年ぶりに行ってまいりまして、いろいろな新中国を見て印象を受けたわけですけれども、最も強い印象は、やはり日中平和友好条約の一日も早い締結をということでございましたが、鳩山大臣、おくれている問題点というのは何でしょう。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 中国との平和友好条約につきましては、これはもう既定路線は引かれておるものと私どもは考えております。したがいまして、今日このおくれている理由というものは、特別のこういうことがあるからおくれておるということではなしに、やはり両国がこれでよかったと言えるような、そういった条約をつくりたいというのでございまして、したがいましてこれからの政治日程等、これらとの絡んだことであるというふうに私自身は考えております。
○大鷹淑子君 とおっしゃいますことは、これという問題点はないということ。ただ、いま時期を見ているということと伺いますけれども、その御決断がいつごろになりますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) その時期がまだ決められてないという率直なところでございまして、しかし、これはなるべく早い方がいいということも事実でございます。でございますが、まだ決まるまではちょっと時期はいつということも申し上げられないと思います。
○大鷹淑子君 鳩山大臣御自身訪中なさるお気持ちはございますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 両国の国交のために役立つならば、いつでも参りたいと思っております。
○大鷹淑子君 この協定は、将来日本は北朝鮮との国交正常化することを頭に入れて署名なさったんでしょうか。朝鮮側は、この協定は朝鮮が統一されてから結ぶべきだという主張をしておりますけれども、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(大森誠一君) 今回の協定は、北緯三十六度十分以南の日韓両国に隣接する大陸だなについて取り決めたものでございまして、北朝鮮の方とは何ら関係はないものであると考えております。
○大鷹淑子君 この協定は今後五十年有効だということなんですけれども、好むと好まざるとにかかわらず、朝鮮半島をめぐる情勢が大変急速に動いていることはもう御承知のことだと思いますが、アメリカのカーター政権が韓国からの米軍撤退の時期が早まるとも言っております。また、これに対して北朝鮮側がこれを見守るという態度をとっています。 私は、アメリカを米帝と強く批判し続けてきた北朝鮮がこうした態度になったことは非常に重大な変化だと見るわけです。つまり、アメリカと朝鮮の雪解けがそう遠くない将来始まるのではないかと見るわけですが、そうなれば韓国だけに比重を置いた朝鮮政策は再検討をされなければならない。韓国との関係は、日本にも一番近いところですし、日本にとっても大変重要だと考えますけれども、いろんな問題を含めますと、いろんな点を考えてみますと、この協定の批准が北朝鮮との間にしこりを残すものだとすれば、日本外交を長い目で見てプラスにはならないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) このたび共同開発をしようというこの大陸だなの部分は、朝鮮半島の南部から接続している大陸だなでございます。したがいまして、現在南部を有効に支配しております大韓民国との協定をしておるわけでございまして、将来この朝鮮半島の統一というような事態になりましたら、これは仮定の問題でございますけれども、そのときには当然その地位というものは承継されるということになろうと思います。しかし、これは仮定のことでございますので、そのように御理解を賜りたいと思います。
○大鷹淑子君 いろいろな問題がございますんですけれども、ちょっと私自身まだ勉強が足りませんで、経済水域二百海里の問題についてもし御説明いただければありがたいんですが、この南部の共同開発区域が日本の経済水域に入るということですが、詳しいことを聞かしてください。
○政府委員(村田良平君) 経済水域と申しますのは、現在行われております国連海洋法会議におきましてまさに審議の対象となっておるものでございます。 先般国会で御制定いただきました漁業の暫定措置法、これは漁業専管水域として距岸二百海里の水域を設けたわけでございまして、このように漁業に関して二百海里の専管水域を設けるという国際慣行はすでに米国、ソ連、EC、カナダ、その他世界の多数の国が行っておるところでございますが、経済水域は、この漁業専管水域に加えまして、その他の資源であるとか、あるいは海上に固定施設を設ける権限であるとか、あるいは汚染の取り締まりであるとか、科学調査に関する管理権であるとか、非常に広範な権限を含む考え方でございまして、この海洋法会議の間に登場してきた考え方でございます。まだ国際的には定着したものということは言えないのでございます。 いずれにいたしましても、わが国におきまして、もしも経済水域が国連海洋法会議の結果として設けてよろしいということになった場合には、いま海洋法会議で出ております考え方に従いますと、経済水域は海底にまで及ぶということが主張されており、また単一草案等にもそのような規定があるわけでございますので、わが国が経済水域を設けた場合には、その海底もすべて日本の管轄権が及ぶはずであると。そうすれば、現在共同開発区域とされておる区域は、わが国がいわば排他的な管轄権を及ぼし得るはずであるというふうな主張がわが国の中でも行われておるわけでございますが、実は海洋法会議におきましては、この経済水域の考え方と全く並行いたしまして大陸だなという考え方もまた議論されておるわけでございます。しかも大陸だなの場合には、一九四五年のトルーマン宣言というものによって国際的にはいわば発足した制度でございまして、過去三十年の伝統と申しますか、実績がある制度でございます。また、一九五八年には大陸だな条約というものもできておりまして、海洋法会議の様子を見てみますと、この大陸だなという制度と経済水域という制度は、両方が並行してそのまま最後まで存置されるという傾向にございます。 そうなりますと、仮にわが国が経済水域の理論をもちまして、海底もわが国に帰属するということを主張いたしましても、韓国側がこの共同開発区域の海底にある地域は韓国からの自然延長の大陸だなであるという立場をとりますので、この協定を交渉いたします前の日韓の法律論争の段階では、韓国の自然延長論に対するわが国の中間線論という争いであったわけでございますが、それが形を変えまして、韓国の自然延長に基づく大陸だな論とわが国の経済水域論の法律論争というふうに変わるだけでございまして、しかも韓国、わが国それぞれが、国際法上のそれぞれの根拠を持った主張を行うという事態になりますので、結局、日韓間で何らかの交渉、話し合いを行って実際的な解決を図るという以外には調整の方法はないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○大鷹淑子君 最後でございますが、この日韓大陸だな共同開発を言い出したのはだれですか、言い出しっぺはどなただったんでしょう。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど御説明いたしましたように、日韓の間では法律的立場からする立場の相違というものが厳しく対立していたわけでございますけれども、それを背景といたしまして、昭和四十七年九月に日韓閣僚会議がソウルで開かれました際に、この会議の席上自体ではございませんけれども、その当時の大平外務大臣が韓国の朴大統領に表敬訪問をいたしました際に、先方からこの区域を共同で開発するという構想が示された次第でございます。
○大鷹淑子君 と申しますと、朴大統領の方からのお話だということでございますね。
○政府委員(大森誠一君) そのように承知いたしている次第でございます。
○大鷹淑子君 ありがとうございました。また改めてさせていただきます。
○委員長(寺本広作君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 最初に、日ソ漁業交渉についてお尋ねいたしますが、昨日日ソ漁業交渉が鈴木・イシコフ会談によって大筋合意に達したと伝えられ、なお報せられるところでは、政府として昨日最終訓令をモスクワへ送ったというように言われておりますが、その後、重大な内容を含むソビエト側の新しい提案があり、局面が大変むずかしくなったと言われております。これは、その鈴木・イシコフ会談の合意の受け取り方において、政府側に判断や見通しに問題があったのではないかとも考えられるわけでありますから、それらの問題も含めて、今日までの経過と見通しを問題点を中心にして御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 鈴木農林大臣が三回目の訪ソをされまして、その際は国会で御審議、御決定いただきました領海法並びに二百海里の暫定措置法を背景に鈴木大臣が交渉に臨まれたわけでございます。そして、鈴木大臣は今回の交渉の再開に際しまして、三つの案を先方にお示ししたわけでございます。 一つは、日本も二百海里をしくようになったので、ソビエト側の二百海里と同じ立場に立って、双方とも双務協定の形にした案をつくりまして、これを第一案として提示をいたしたわけでございます。第二案は、この双務協定の変形でございますけれども、観念的には双務協定でありますけれども、実際的に日ソ協定の方が先行をいたしておりますので、その基本的な点だけを今回の協定に織り込むというような形にした案でございます。それを第二案といたしまして、第三案は従来の交渉をされておりました日ソ協定、日本が先方の水域に入っていくという案をもとにいたしまして、それに対しまして日本側が必要な措置を取り込んだような案をいたしました。 この三つの考え方で臨んだわけでございますが、先方は双務協定をこれから改めてやるというのはその準備がないと、その検討には大変時間がかかるということが先方の主張でございまして、結局はいままで継続して協議をしていた案、これをもとにして話を進めよう、こういうことにならざるを得なかったわけでございます。そしてそれぞれ、日本が領海並びに二百海里を実施したという立場に立ちまして、イシコフ漁業相と鈴木農林大臣の間に相当詰めた話をしていかれたわけでございますが、日本側といたしましてもぎりぎり基本線を守るという線で最終的な妥結を図ろうということになりまして、福田総理からブレジネフ書記長並びにコスイギン首相に対しまして、純粋に漁業問題として今回の妥結を図ろうという趣旨の親書を発出をされました。 そこで、最終的にこの日本の立場というものを、領土問題には絡ませないでやろうという立場に立ちました、いわば留保条項のような考えでございますけれども、この文章をつくろうということになりまして、その点で鈴木・イシコフ間の了解ができた。その文章をつくりますのは両方の専門家レベル、実務家レベルで会合をして文案を練ろうと、こういうことになりました。その練った文案をそれぞれ首脳部に諮って決めようではないか、そこまで話が進んだわけでございます。その文案の作成で、専門家レベルの案が二つできまして、わが方が主張をしておるものを主体とした案、また先方の希望するような案というのが二案できまして、わが方といたしましてはわが方のつくった案がベターでありますけれども、最終妥結としては先方の趣旨を入れた案でも、これでも最終段階としてはやむを得ないからまとめようというところまで実のところまいったわけでございます。 そして、昨日の鈴木・イシコフ会談が開かれました。先方の主張する案でまとまるであろうと、こういうふうに期待をいたしましたんですが、それではなくて新しい提案が、さらにもうワンパラグラフ新しい提案として出てまいりまして、これが相当問題を含んで関係するところが大きいものでございますので、目下その処理をどうするかというのが現状のところでございます。
○久保亘君 ということは、結局日本の国民が受け取りました、もう後はその協定の案文を詰めて調印をするだけになったと、こういう受け取り方をするような判断を政府側も持たれたんじゃないかと思うのです。その判断に甘さがあったんじゃないかと考えられるのですが、その鈴木・イシコフ会談で大筋合意の方向が出てきても、なおソビエト側にはそのことを受け入れずに新たな提案をしてくる可能性はその段階では残っておったのではありませんか。残っておるとすれば、政府はその最終訓令を出されるときにはそういう可能性の残っているということを協議をされた上で出されたのですか。その点はどうなっておりますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) それは先ほど申し上げましたけれども、最終案をつくりましてそれで最高首脳部に諮る、こういうことになっておりますので、先方としてはその段階ではほかの方面からの意見が入ってきた、こういうふうに考えますので、これは約束違反でも何でもないと思います。そこに首脳部の了解を得る案でありますから、したがいまして、そこで専門家レベルで決めた案というものがすぐ最終案になるということの期待はいたしましたけれども、それは最終ではないということは当然だと思うのでございます。
○久保亘君 そうすれば、いま非常に重大な内容を含むということは、恐らくぎりぎりこの鈴木・イシコフ会談で日本側が合意に達しようとしたところから、二条の問題、八条の問題を含めて魚と領土の分離、それから領海内操業の要求、こういうような問題にやっぱり触れてくる内容でもって修正が提案をされている、こういうことなのでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) いま、最終的にいま問題になっておりますところで、詳細御説明できないのは残念でございますけれども、いまお触れになりました領海内におきます先方の操業という点につきましては、これはわが方も終始領海法の御審議の経過を踏まえまして、これは日本としてはどうしても認めるわけにはいかないということを主張し続けておりますし、先方にもその点につきましては十分徹底をしておるというふうに考えております。これはわが方の主権的な権利の問題でございますから、これはあくまでも貫くということで進んでおるわけでございます。先方がやはり何らか気にかかっているということがやはりあるのではないかという点は、やはり日本の二百海里内に先方が入漁をする、鈴木農林大臣はソ日協定というふうに呼んでおられるわけでございますが、そのソ日関係も含んだ完全な双務協定ができる、あるいは両方のやつが同時にできればそういったことははっきりするわけでございますが、まだそこまでいってなくて、ソ日協定の方は後になるものですから、したがいまして、先方としては若干の心配があるのではないか、そういった点を、非常に抽象的な表現の問題でございまして、非常に特定のことについて主張をし出したということではございません。非常に抽象的な表現の問題でございますので、そうはっきりしたどの点がということではないのですけれども、そういった点につきまして、わが方としては非常に受け入れにくい新しい提案があったということでございまして、先方はそれほど日本を困らすためにそのようなことを言ったということでもないかもしれないのでございますが、実のところ日本としては大変受け入れにくいような条文の提示を受けた、こういうことでございます。
○久保亘君 けさ開かれました緊急関係閣僚会議は、その点については、きのう鈴木・イシコフ会談で一応の合意が見られたと考えている線から、さらにそれらの条文を受け入れるかどうかということについても協議をしていこうと、こういうことになっているのですか。この問題について見通しはどういうふうに考えられているんですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) きょうの総理のもとでの会議におきましては、この経過の御説明を申し上げ対処方針を御相談いたしましたけれども、日本側といたしましては従来の方針で鈴木大臣にもう一度御努力を願おう、こういうことでございます。
○久保亘君 外交交渉中の問題でありますから、この問題については質問これでとめておきますが、ただ、この漁業交渉の問題に関連してお聞きしたいのは、漁業交渉が妥結をいたしましてから漁船が出漁できるまでに必要な手続があとどれだけ残るのか、この点はどうなりますでしょうか。もちろんサケ・マス漁業と二百海里内漁業とはそれぞれ違ってくると思いますが、それぞれについて、この漁業交渉が終わった後、妥結した後、どれだけの手続が残って漁船が出られるようになるのか、その点について御説明いただきたい。
○説明員(米澤邦男君) お答え申し上げます。 サケ・マスにつきましては、日ソ漁業条約に基づく日ソ漁業委員会の場において漁獲割当量を決定をいたしますと、中身についてはすでに決定をいたしておるわけでございますけれども、これを合意議事録に双方で仮調印をする、続いて署名をするというのが従来の慣例でございますけれども、合意議事録について、従来の慣例からすると仮調印をいたした段階で出漁ができるというようなことになっております。したがいまして、交渉がまとまりますと仮調印という段階ですぐに出漁させるように、わが方としても国内的な許可証の発給そのほか、万全の態勢を整えている次第でご、ざいます。 それからサケ・マス以外の魚種につきましては、すべて新しい日ソ暫定協定、漁業取り決めの対象となるわけでありまして、暫定取り決めにおいてはソ連政府の発行する許可証の取得であるとか、従来にない手続がいろいろあるわけでございますが、したがいまして、それを完了するに若干の準備期間が必要になると思われますが、水産庁としては、四月一日以降漁船がすべて出港を停止して港で待っておるという実情でございますので、取り決めが効力を発生いたしました後には、できるだけ早く出漁ができることになるように、万全の態勢で準備を進めたいと考えております。
○久保亘君 そうすると、外務省の方はこの暫定協定の案文の合意を見ましてから、今度また漁獲割り当ての交渉を終えて本調印ということになるんだと思うんですが、国会への批准を求めるられるのはどの段階になりますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 国会にお出しするのは本調印をしてからとなろうと思います。しかし、現在までのところ三条以下の条文につきましては、法制局にも逐次連絡をして審議は進めていただいております。したがいまして、関係の条文が出そろいましたところで内部の手続はなるべく早く処理をしていただいて、調印と余り違わないときに国会の方に——もちろん閣議を決定いたしまして調印ということになりますが、それから法案の閣議を至急とりまして、もう即刻御提案申し上げたいという気持ちでおります。
○久保亘君 そうすると、本調印が行われた後はほとんどもう日時を要せず即刻国会に批准を求めると、こういうことになりますと、水産庁としては、これが国会の批准を終了してから漁船が出るまで大体どれぐらいかかると予想されますか。
○説明員(米澤邦男君) 大変むずかしい質問であると思いますのは、ソ連側の手続、国内手続の関係もございまして、何日で終了するということをはっきり申し上げることはむずかしいわけでございますけれども、わが方の手続に関する限りは、もうできるだけなるべく間髪を入れずに完了するように準備をしたいというぐあいに考えております。
○久保亘君 この問題で最後に、そうすると暫定協定が合意に達した後、ソビエト側の二百海里内の漁獲割り当て量の交渉というのは、これはもうほとんど同時に解決すると見てよいのですか。かなりやっぱりかかりますか。
○説明員(米澤邦男君) ソ連側は暫定取り決めの中身が固まらない以上漁獲量そのほかの具体的な漁業規制の細目についての議論は行わないという立場をとっておるわけでございますけれども、これがまとまればすぐに、直ちに遅滞なくそういう漁獲量そのほかの問題について日ソ双方で協議を開始することになるかと思います。それが何日ぐらいで完了するのか、出てくる内容にもよりますし、なかなか的確に何日で終了するということはちょっと申し上げにくいんでありますけれども、なるたけ早く完了させませんと困るのは漁民ばかりでございますので、そういうことで全力を挙げてまいりたいというぐあいに考えております。
○久保亘君 すると、外務大臣としては、暫定協定が合意に達したら、漁獲量割り当て交渉を終わると同時に本調印もして、そしてもうそれができるとすぐ国会に対して批准を求められると、こういうことになりますでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) さように考えております。
○久保亘君 それでは、この問題はまた後刻お尋ねをすることにします。 次に、在日外国人団体の政治家等に対するいやがらせや脅迫などについて調査を要求をされたという事実がおありかどうか、まずその点からお尋ねいたします。
○説明員(城内康光君) お答えいたします。 日韓問題を取り上げております東京都選出の国会議員に対しまして多数の抗議のはがき、電報、それから電話があったということにつきましては、当該国会議員さんから御連絡を受けまして調査方を依頼されました。現在それに基づきまして調査中でございます。
○久保亘君 私がいまからお尋ねしようと思います資料などとの関係もございますが、その調査を求められた国会議員の氏名と、それからその調査の状況で御報告できる点がありましたらお知らせいただきたい。
○説明員(城内康光君) お答えいたします。 ただいま申し上げましたのは、東京都二区選出の宇都宮徳馬代議士でございます。まあ現在捜査中でございますので余り詳細な点は省かせていただきたいと思いますが、同代議士から資料としていただきましたものは、はがき二百六十一枚、それから電報三十九通でございます。その二百六十一枚のはがきの中で、内容をいろいろ調べますと、脅迫的な言辞にわたると思われるものが二枚ございました。それは大阪消印のものでございます。
○久保亘君 これらのいやがらせまたは脅迫と思われるような政治家に対する行為が、個人の意思ではなくて団体の組織的な指示に基づいて行われたのではないかと考えられるものがあるんでありますが、この点については承知をされておりますか。
○説明員(城内康光君) こうしたいわゆる抗議の運動というものが二月初めごろから急に発生いたしまして、しかも、内容を分析してみますと、全国各地から寄せられているということで、私どもこの二通が脅迫の容疑があるということで現在捜査しておるわけでございますけれども、その捜査をするに当たりまして、背後にそうした団体が関与しているという可能性を全く排除しているというわけではございません。
○久保亘君 外務省はこの問題について、当該国会議員等から、在日外国人あるいはその団体等の活動について調査を依頼された事実がありますか。あるいはこれらのことについて承知されておることがありますか。
○政府委員(大森誠一君) 外務省といたしましては、そのような件について調査を依頼されたということはございません。ただ、宇都宮先生に対してのそのような投書と申しますか、そういう文書が寄せられているということは承知いたしております。
○久保亘君 私がここに持っております資料によれば、在日本大韓民国居留民団中央本部発の一九七七年一月十一日付の指示文書があります。この指示文書は、各地方本部の団長、傘下団体長あてになっております。題目は、いま名前をもう言われましたのでそのまま読ませてもらいますが、「宇都宮徳馬正体暴露に対する抗議指示」という題目で出されております。この発行責任者は、在日本大韓民国居留民団中央本部組織局長であります。 この指示文書によれば、これ向こうの文字が使われておりますから、少し正確に読めない点もあるんでありますが、後でごらんいただけばいいんでありますが、そういう指示文書をやっておりまして、この指示文書の中に国会議員の自宅や事務所の電話番号も書いてあります。それから、電話は事務所にかける場合は午前は十時から十二時まで、午後は三時から五時までにかけろ、自宅は午前零時から午前二時までにかけろ、こういうことになっております。そして電報や電話あるいははがきを送る場合の例文も示してあります。たとえば、電話でやる場合の内容というのはここに例が七つほど挙げてあります。「金日成の戦争統一路線を支援することは、貴下も戦争挑発の共犯者になるということを銘記すべきである。」というのから始まって、「朝総連の手先になって対韓破壊活動を画策している一部不純分子らを支援することを中止せよ。」とか、あるいは「宇都宮氏のいう民主々義とは反政府運動や反国家運動、共産化活動を野放しにすることか。」というようなこと、ずっと例文が示されております。電報を送るときには「エセ ジ ユウシユギ ノカメンヲトレ」とか、「オヤジ タイシヨウ アナタゲ リラ」とか、こういう電報を打てということで、電文も例が示されております。これは地方本部の団長や傘下団体長に出された文書であります。 それから、これを受けました今度はある県の在日大韓婦人会県本部が、傘下の各支部会長、組織部長あてに同じものを今度はまた二月十二日付でおろしております。いま二月ごろからいろいろなはがきや電話や電報がふえているというお話でありましたけれども、したがって、この一月十一日に出された指示が各地方本部へおりましてから、その地方本部から今度はさらに下へ移牒されていきまして、そしてそういう行動が全国的に起こっているものと考えられるのであります。こういう点については警察庁は全然お調べになっておりませんでしょうか。
○説明員(城内康光君) お答えいたします。 ただいま触れられました資料、その一部はすでに宇都宮代議士から提供を受けて私どもの捜査の参考にしておるわけでございます。ただ、その前にひとつ、この文書の出所につきましては、事情があって私どもに教えていただくわけにいかないということで、その文書の信憑性と申しますか、本当にそういうものであったかどうか、私どもまだ現在そういうことも含めて捜査中であります。 なお、その内容について検討いたしてみますと、脅迫等の犯罪を構成するような文言というものが見当たらないわけでございます。むしろ刺激性のある文句や言辞は避けるように指示しておるわけでございます。そういうことで、直ちにこの文書をもって脅迫罪云々というのは早いと、そういうことで捜査をしておるわけでございます。
○久保亘君 確かに、非常に注意深く出されております。電話抗議は民団名を使用せず、個人個人の名ですることを厳守することを望むと、こういうことが書かれております。しかし、刺激的なことをやるなと書いてある反面、自宅に対する電話は午前零時から二時の間にかけろと、こうなっている。午前零時から午前二時の間に自宅に電話しろ、こういうやり方というのは、大変注意深く出されておりますが、この指示文書を受けていまはがきや電報や電話が集中していることと見なければならぬのであります。 私はこの問題について私自身の立場でこれを入手して調べているのでありまして、したがって、当該代議士の名前も私からは申し上げないつもりでありましたが、お聞きしましたところお答えいただきましたので、名前を申し上げているわけであります。 恐らくあなたの方で脅迫と見られると受け取られたはがきというのはこれではないかと思うんであります。「宇都宮アクマ太郎オヤジはどれだけの人間をコロシタカ?金日成の手先になりさがったアワレなヤツいくら金をもらったか月夜の晩ばかりじゃないよ」というのがありますね。それからまた、前文は全く同じで、後ろの方で、「いづれはわかるね子供達は元気かわかっているね」と、こういうのがあります。こういうものに脅迫の疑いがあるという意味のことを言われたんだと思いますが、そうでありますか。
○説明員(城内康光君) 脅迫というのは人を畏怖させるに足りる害悪の告知ということでございます。ただいま挙げられました二通のはがきはまさにそうした脅迫にわたる文言を用いてあるというふうに私どもは考えております。
○久保亘君 外務大臣は、このような国会議員の言動に対する脅迫的な干渉とも思えるような行為が国内において組織的に行われる——個人であっても問題でありますが、そういうことについて、これはやはり在日外国人の団体等に許された政治活動の範囲内のものというふうにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいままでお聞きしていた限りにおきまして、このような活動といいますか、組織的にこのようなことが行われるということはまことに遺憾なことであると思います。したがいまして、きょう初めて伺いましたので、この問題につきましての措置につきましては、至急検討いたしたいと思います。
○久保亘君 先ほど役所の方では、直接は本人からはそういう調査を依頼されたことはないけれども、そんなことがあるということは知っていると言われた。外務省はそういうようなことを知っておれば、そのことに対してやっぱり対策を考えなければならないんじゃありませんか。ここで私がその事実を指摘しなければ、この問題に対して外務省としては取り上げたり措置したりしないということで済む問題ではなかろう、こう思うのですが、いかがですか。
○政府委員(大森誠一君) 先ほど私が申し上げましたのは、宇都宮先生に対しての一部の書信といったようなものを承知しているということを申し上げた次第でございまして、先ほど先生が御指摘になりましたようないわゆる民団からの指示の文書というものにつきましては承知していない次第でございます。
○久保亘君 特に外務省は、国会議員の政治的な発言や行動がそういう外部の力によっていろいろ抑制をされるというようなことは、いま大臣言われるようにきわめて遺憾なことだと、こう思います。だからそれに対する措置を緊急におとりいただきたいと思います。 また、警察庁としてもこの種の問題についてはやはり徹底した事実関係の調査をやっていただいて、その調査に基づいて必要な措置を速やかにおとりいただかないと大変困った事態だと思うんでありますが、この調査はかなり積極的に進められておりますか。
○説明員(城内康光君) 抗議運動自体は、それが法に触れるものでない限り警察の関知するところではございません。 先ほど来申し上げましたように、二百六十一通のはがきの中で二通脅迫の容疑が認められるものがあるわけでございまして、それについて現在鋭意捜査中でございます。
○久保亘君 常識的に考えます場合に、午前零時から午前二時まで自宅に電話しろと、こういう指示を受けて、その指示に基づいて自宅に午前零時から午前二時に電話をかけてくるというのは、これは常識的な抗議行動とお考えになりますか。
○説明員(城内康光君) 私は常識的な行動であると思いませんが、しかし重ねて申し上げますが、それが刑法上の罪になるかどうかということは別でございまして、私どもも一とおり検討をいたしたわけでございますけれども、刑法で、あるいは軽犯罪法で問擬するようなことではないと、これは罪刑法定主義のたてまえ上、やむを得ないことであるというふうに考えます。
○久保亘君 自治省見えておりますか。外国人の団体や外国人の国内における政治活動というのは、一般的には投票権や被選挙権はないとしても、その他は国内においては自由に認められているという立場でよいわけですか。
○説明員(大林勝臣君) 公職選挙法の上におきましては、仰せのように外国人には選挙権、被選挙権はございませんが、選挙運動につきましては外国人の場合と日本人の場合とで特に異なった取り扱いをいたしておりませんので、在日外国人も公職選挙法の規制に従って日本人と同じように選挙運動ができると、こういうことになろうかと思います。
○久保亘君 それはわかりました。 それでは、これは外務大臣としては、この問題について先ほどお約束いただきましたように、非常に重大な問題でありますから、しかるべきその対策をおとりいただくようにお願いをしておきます。なお、この資料につきましては、必要があればぜひごらんいただきたい、こう思います。 それから、同じく韓国にかかわる問題として、現在韓国に逮捕され、取り調べを受けているといわれる沢登幸篤氏について、外務省としては沢登氏が韓国のいかなる機関によって逮捕され、そしていかなる機関によって取り調べを受けているのか承知されているかどうか。それから、逮捕された容疑事実は何であるか。この点についていま外務省の調べておられる結果をお知らせいただきたいと思います。 逮捕されましたのは四月二十五日でありますから、もうかなりな日時を経過をいたしております。
○政府委員(大森誠一君) 沢登氏は、韓国の反共法、大統領緊急措置第九号及び出入国管理法の違反容疑で韓国の中央情報部によって勾留されていると、かように承知いたしております。
○久保亘君 外務省としては、海外に出ました日本人の安全について大使館等を通じて十全の対策をとる責任をお持ちだと思うのでありますが、もちろん、法に違反した場合に相手国の法律によって措置されることのやむを得ない点もあろうかと思います。しかし、それならばこの沢登氏の場合に、伝えられるところでは配布しようとしたビラに問題があって、この二つの法律と措置によって逮捕されたということのようでありますが、この配布しようとしたビラの内容については外務省は御確認になっておりますか。
○政府委員(大森誠一君) ビラの内容につきましては、現在までのところ、その入手に努めているところでございまして、現在までのところはまだ内容を承知いたしておりません。
○久保亘君 外務省は何かこの問題についてやるべきことを少し遠慮されておるんじゃありませんか。四月二十五日に逮捕をされた人について、大使館が知ったのもその日ではないようであります。そして、その後韓国におります日本大使館のだれかが本人に面会をしたのですか。 それから、外務省としてはこの問題に対してどんなことをされたんですか、いつからどんなことをされたのか、いま何をされているのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大森誠一君) 沢登氏が逮捕されたのは四月二十五日のことでありますが、翌日、二十六日にこの事実を承知いたしまして、わが方の在ソウル大使館から先方当局に対しまして直ちに人道的な配慮のある措置というものを先方に求めた次第でございます。また、五月十四日にはわが方の大使館員が沢登氏と面会をいたしております。 さらに、現在外務省といたしましては家族の方々が沢登氏に面会できるようにその実現方に努力をいたしておりますとともに、沢登氏の弁護人選任手続等につきましてあっせんを行っているという状況でございます。
○久保亘君 五月十四日といいますと逮捕されてから二十日たっております。二十日たって大使館が初めて本人と面接しているようでありますが、それまでの間、余り積極的にやられてきていないんじゃないか。 それから家族に対しては、外務省の方から積極的に沢登氏の家族に対してこの事態を連絡をするということをおやりになったんでしょうか。
○政府委員(大森誠一君) 外務省といたしましては、先ほど申し上げましたように、本件事実を承知いたしまして、直ちに韓国側に対しまして、わが方の在留人の保護という見地から、先方に対しまして人道的な措置というものを求めた次第でございます。大使館員による面会につきましては、わが方からは同様に直ちに先方に申し入れていたわけでございますけれども、この面会につきましては韓国政府の許諾を要する問題であるわけでございまして、その許諾のもとに面会が実現したのが十四日ということでございます。 また、沢登氏の家族に対する連絡につきましては、若干の手違いもありまして少々おくれたことを遺憾に思っておりますけれども、五月の十一日、十三日に詳細な事情を説明した次第でございます。
○久保亘君 家族に対して二週間以上たってから初めて外務省が接触されるというような状態なんで、これは私はだれが言われたとかいうような正確なことではないんですが、外務省にどうして家族に対する連絡もそんなに遅いんだと、それから日本人が外国で犯罪の容疑で逮捕されたという事実があるのに、そのことに対して外務省が現地に対していろいろ指示をしたりするようなことがおくれているんじゃないか、こういうようなことに対して、あそこではいろいろ例があるので、もう現地の判断に任せておったというようなことを外務省筋で言われたということも聞くんであります。 私は、旅券にもちゃんと外務大臣が署名をされて、その旅行中の安全などについて万全の措置をとってもらいたいというような意味のことを書かれてありますね。そういう立場からしても、何らかの容疑事実をもって旅行中の日本人が逮捕されたということになれば、そのことに対して外務省は直ちに反応すべきことではありませんか。あそこではちょいちょいあるから大使館で適当にやるだろう、こういうようなことでほうっておかれて、家族にも二週間過ぎなきゃ連絡もしない。やっと大使館員が面会できるのが二十日もたってから。そうして、その犯罪の容疑事実の原因になっているビラについてはいまだに内容の確認もできない、これは私は外務省少し無責任過ぎるんじゃないかと思うんですが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 沢登氏の事件につきましては、私ども新聞で知ったわけでございます。新聞で知りまして、当方からソウルの方に連絡をとったのでございますが、家族等に対する連絡が非常におくれたということ、私は知らなかったのでございますけれども、恐らく新聞に出ましたデータしか持ち合わせがなかったというようなことであったんだろうと思います。先方からの何らかの連絡があればそれを家族に連絡するということはすぐとらなきゃいかぬと思うのでございますが、このような家族等に対する連絡のおくれましたことを大変残念に思いまして、今後とも気をつけるようにしたいと思います。
○久保亘君 この人と一緒に一遍連行されて釈放された人がありますね。この一緒に連行されて釈放された人については外務省は事情をお聞きになりましたんですか。
○政府委員(大森誠一君) わが方の在ソウル大使館の館員が事情を聞いております。
○久保亘君 帰ってきているんですよ、この人たちは、二十五日の日には。翌日か、当日か、ほかの観光団と一緒に帰ってきているんです。だから、当然外務省としては——これは大変なことですよ、二十三日に韓国に行って、そして二十五日には逮捕されているんです。だから、そういう人たちがどういう事情でどんなことだったのか、在ソウル大使館員が本人たちから聞いたからいいと、こういうことで問題が済むんでしょうか。当然外務省としては一緒に連行された者がいるんだから、その人が日本へ帰ってきているんだから、すぐ来てもらって事情を聞いてみるというようなことは外務省のやるべき任務じゃないんでしょうか。いまだに接触もされておらぬということになれば、私はもう外務省としては、行って逮捕されたのが悪いということで、向こうの裁きが出るまではもうしょうないなと、こういうことでほうってあるんじゃないかという気がするんですが、拘留されている人にしてみれば、もうすでに二十数日間ですよ。だから、そう外務省として全然アクションを起こさずに、これはもう成り行きに任せるよりしようがないということで済ましていい問題じゃないんじゃありませんか。
○政府委員(大森誠一君) 外務省といたしましては、決して成り行きに任せて差し支えないという立場ではございませんで、先ほど申し上げましたように先方当局に対する申し入れ、また大使館員と本人との面会、また弁護人の選任等、外務省としてできる範囲での助力と申しますか、措置をとってきているわけでございます。 なお、種々の点で、特に家族の方への連絡がおくれていたというようなことにつきましては、大変遺憾に思っておるところでございまして、今後特に気をつけてまいりたいと考えております。
○久保亘君 時間がなくなりましたので、最後に、法務省の入国管理局が朝鮮民主主義人民共和国代議員グループ代表団の言動に対して注意を喚起することを、招請者であります日朝友好促進議員連盟に行った、そしてそれは外務省と協議の上、特に外務省の要請によったものと報ぜられておりますが、それは間違いありませんか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 北朝鮮から来日されております議員団の方々の問題につきまして、羽田に到着されました日の翌日の新聞にいろいろな政治的な発言が載ったわけでございます。私ども北朝鮮からの今回の来日につきましては、民間ベースの通商の問題、通商協定等の問題につきまして協議をすると、こういうことで、その目的外の活動はしないという了解のもとに入国の特別な取り扱いを認めたと、こういう経過になっておりまして、御承知でございますけれども、国交が正常化いたしておりませんのでやはりそのようなことになっておるわけで、これから北朝鮮との間の交流を逐次積み上げてまいりますためにも、やはりルールは守っていただきたいと、こういうことで、これがいかなる政治的な活動といいますか、発言が大きく行われるということは、今後の交流にまたいろいろな支障が生ずるということが予想されますので、そのような発言は表に出ないようにという、そのような御注意をした方がいいのではないかということで、久野忠治先生がこちらの方の代表でありますので、法務省の方とはそういったラインで相談をしてはどうかというようなことを御相談申し上げたのでございます。
○久保亘君 保利衆議院議長を訪問したことについても同じような見解をお持ちになったわけですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 儀礼的な訪問につきまして、これがどうのということは私ども特に考えておることではございません。政治的な趣旨の発言が大きく取り扱われるということが支障のもとになりはしないかというふうに考えております。
○久保亘君 私はこの点に関しては、新聞の報ずるところによれば、福田法務大臣は、聞かれたらいろいろ言うのは、それはまああり得ることだし、そんなこと一々言う方がおかしいんじゃないか、だから私は何も指示しなかったと、こういうふうに言われたという報道がありますが、その方が非常に常識的なんじゃありませんか。羽田における記者会見だって、質問に答え、しかも大変注意深く発言をされているようであります。そういうものに一々外務省が、入国条件を逸脱をするおそれがあるとかいうようなことで注意を喚起するとかいうようなことの方が、よほど政治的な判断、偏った政治的な判断である、こう思うんです。 私がいままでお尋ねしてまいりました一連のものを考えてみましても、私は国交のある国、国交のない国、いずれの国とも正常な状態において友好を保ち、平和な関係にあることを望んでおりますし、どこの国の方々とも親しくしなければいけないと思っております。先入観でもって、一つの固定観念でもっていろいろ物を言うということはいけないと思います。しかし、あらわれてくる事実については的確に私どもは判断をしていかにゃいかぬと思うんであります。そういう意味では、私が先ほど申し上げました二つの問題についてはどうも外務省としては大変遠慮深く、そして朝鮮民主主義人民共和国の代表団に対しては非常に神経質におやりになっているんじゃないか、そういう点で外務省がかえって政治的になり過ぎているんじゃないか、悪い意味で、そういう気がするんです。こういう点については、もう少し各国との友好や平和を促進するという意味で大らかな外交、外務省の方針というものがあっていいんじゃないか、こう思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもも、この羽田での発言がそれ自体がすぐどうのこうのということよりは、目的を逸脱してしまわないようにということを申し上げたのでございます。それは、一つには新聞報道によりますと、今度の入国は政治的な目的の入国であるというふうにずいぶん新聞に報道されておったのは、これはお読みになったと思います。これは目的が違うのであって、私ども個別の行動がどうのということよりも、むしろ今回のことが非常な政治的な活動が主体となって、それが大々的に報道されるということになりますと、これまたいろんな支障が現実問題として予想をされますので、今回の入国は、やはりルールはルールとして当初の約束どおりということを守っていただけると、そういうことを積み重ねていって、次第に何といいますか、もうこれが当然なことであるというふうになってこそ、私はやはり本当の交流関係ができ上がるというふうに思います。いまのところは、新聞報道が、全く北鮮との政治的な関係を取り結ぶために来日されておると、こういうふうな意味で新聞が取り上げられたものですから、したがいまして、いささか出過ぎたようなきらいがございますけれども、そのようなことを御注意申し上げた次第でございまして、そう神経質になっておるという、そういうつもりではないのでございます。
○矢原秀男君 日ソ漁業暫定交渉について伺いたいと思います。 まず、新聞の報道等によりますと、きのうまでの新聞では政府の、総理を初め閣僚の皆さん方でございますが、十七日までの好結果というものについて、非常に浮わついた感じがあるんではないかというふうに私感じたわけでございます。 そういう中で、首相の親書が交渉進展の決め手になった、こういうふうにも出ているわけでございますが、親書の内容についてはこれは当然明らかにされないと思いますけれども、私は、親書の中には、自信たっぷりのああいう姿を見ておりますと、日ソ経済協力の中のシベリア開発の問題、二番目には対ソの長期借款供与の問題等々、それから三番目には技術や資材などの面等について親書内容等に記されておったのではないか。それを見たコスイギン首相やブレジネフ書記長も、その時点においては非常に気分がよくなったんではないかなとも思うんですけれども、この点については大臣、親書内容のそういうふうな概略的なものはどうなんですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 十六日に福田総理からブレジネフ書記長及びコスイギン首相に対しまして親電を出したわけでございますが、これは今回の漁業交渉が大変もう時間がかかっております。鈴木大臣が行かれましてからももう二週間になる——三回目に行かれても二週間になるという大変長い時間がかかっておりまして、これが妥結を見るかどうかということが日ソ間の友好関係に大変な影響を持つことであるから、どうか円満に妥結をいたしたいという趣旨でございまして、したがいまして、それ以外のことは何ら触れられておりません。いま御指摘になったような事項は、言もそのような趣旨のことも全く触れられておらないわけでございます。
○矢原秀男君 この漁業交渉が、十八日にソ連側が新しい修正案を提示したというところで足踏み状態になったわけでございます。いろいろ言い尽くされておりますけれども、ソ連側の新修正案の内容が第八条、そうして第一条、第二条も絡んでいるのか、まあこういうふうな問題点を私は感じるわけでございますが、第八条は協定による線引きを漁業に限定する条項でございますし、第一条はソ連二百海里水域内の適用水域の問題でございますし、第二条は日本の二百海里内のソ連船の操業を規制しておると、こういう問題でございますが、一条、二条、八条とすべて絡んでいるわけでございますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 向こうの新提案に対しまして、目下折衝中でございますので、ここで詳しく御説明できないのでございますけれども、何と申しますか、日本側といたしまして、今回の漁業問題は漁業問題といたしまして解決をいたしたい、こういうことを、福田総理の親電をお出ししたわけでございまして、そういった趣旨のことを何とか条文化を、まあ両相の間でお話し合いになっておったわけでございます。 先ほども申し上げましたその点につきまして二つの案ができまして、その一つの案で最終的に妥結が見れるんじゃないかと、こういう期待を持ったわけでございますが、それに対しまして、さらにもう一つのセンテンスをつけ加えるということが先方から新たに出てきたということで、したがいまして、その先方から出てきたものはいろいろな意味で関係が出てくるわけでございます。
○矢原秀男君 ソ連の表現関係を見ておりましても、まあ手直しで基本的な問題に触れるものではないとの非常に軽やかな判断をしておりますし、鈴木農相の方では、このイシコフ修正は広範かつ重大な影響を暫定協定そのものにも与えるおそれがあると発言しているように報道されております。そういう具体的な意味合い、そうして長期の期間等私考えておりまして、この新段階の交渉に対処をするために外務大臣として訪ソをして、やはりあなたが積極的にやっていく手順というものが必要ではないかというふうに私感じるわけでございますが、そういうプログラムをあなたが持っていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回の交渉にお役に立つならばいつでも飛んでまいりたいわけでございます。しかし、たびたび申し上げているところでございますけれども、今回の交渉はやはり漁業の問題として解決するほか道はないというふうに考えております。そして、最終段階におきましてもその精神でやろうということになりまして、鈴木、イシコフ両大臣の間で収拾の方策が協議をされたわけでございまして、したがいまして、この鈴木、イシコフ両大臣の最終的な御努力というものに期待をすることが一番の早道でございます。 領土問題が絡むではないかというお話を承るわけでございまして、領土問題が無関係であるとは決して申せないわけでございますけれども、領土問題を解決するには、これまた改めて時期を選んで行わなければならない、軽々に行えない問題でございますので、その点につきましては切り離すことによって問題の解決を図りたい、こういう考え方を今日なおそのとおりに考えております。
○矢原秀男君 私も、いままでに交渉が暗礁に乗り上げた理由にはいろいろ議論があったかと思いますが、重複すると思いますけれども、二点あったと思います。まあその二点とも、ソ連の一方的な主張であったということは国民の方々も周知のとおりだと思うわけです。 その第一点は、北方領土を含めたソ連の二百海里線引きを認めよというのが問題になっているわけですね。これを受け入れれば北方領土はソ連領であると認めたことになる、こういう第一点があるわけです。 また第二点は、日本の領海十二海里内でソ連漁船の操業を許可せよというものでございます。これはもう皆さん周知のとおりでございますが、これを承認すれば領海を従来の三海里から十二海里へと拡大した意味がなくなってしまうわけですから、わが国にとってはこの二点ともとうてい受け入れられない性質のものでございます。 そういう観点の中で、私はソ連が対米漁業交渉における漁獲量の削減があるとか、対EC交渉の難航といった背景があったとしても、余りにも一方的で理不尽な主張だなと思うわけなんですけれども、政府として、今後の見通し等について、こういうことを勘案しながら、非常に厳しくなったこの修正問題を絡めて、きょうの会議等々においてもどういうふうに対処しようとされていらっしゃるのか、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) このソ連側の提案に対しまして、鈴木大臣に対しまして、既定の方針を貫いて解決を図るしかないわけで、その点につきまして再三の御努力をお願いをすると、こういうことでございます。結果の見通しというのは、これは全く相手のあることでございまして、いまここで申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、両相の間で相当突っ込んだ話し合いが行われまして、両相の間には、ある程度の共通の考えが実質的に両相の間で合意に近い線までいっておりますので、最後のこの問題につきまして、これを両相の力によって解決を図っていただきたいというのが現在の考えでございます。
○矢原秀男君 まあ、この交渉においては常に魚と領土というものを明確に区別をすべきであると主張してきたことは、これはお互いが認めるわけですけれども、この考えに立ってでき得る限りの譲歩というものを日本側がしている。こういうことが交渉前進の直接のきっかけになったと私も思うわけなんですけれども、この第五回の鈴木・イシコフ会談における鈴木新提案というものがあるわけでございますが、この延長線上にあると言っても過言ではないと思うんですけれども、もう少し私は日本の姿勢として、政府も、向こうで努力をしていただいております、御苦労していらっしゃいます鈴木さんを初め皆さん方の御苦労は大変だと思うんですけれども、政府と日本を代表する鈴木さんの姿勢というものが、やはりソ連側に非常に腰の弱さ、そういうものを見透かされているんではないかなとも思うわけですけれども、そういう点については外相いかがお考えでございますか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 二月の末から今日まで鈴木大臣に大変な御苦労を願っておるわけで、先方としても大変と手ごわい相手だというふうに、私は先方は先方でお考えだろうと思います。このようにいま時間をかけて粘りに粘って折衝を続けておるわけでございますので、これは私は両国はやはり自分の国に少しでもいいような解決を望みたいわけでございます。国益を確保するということがお互い任務でございますから、やはりそういったベースで話がどうしても始まるということはいたし方ないことであろう。しかし、最終の段階を迎えて本当にぎりぎりのところまで話をお詰めになられたものでございますから、その線によりますこの交渉の円満妥結ということを願う、もうそれだけの気持ちでおるわけでございます。
○矢原秀男君 確かに大臣、私も鈴木農相の新提案を見ておりましても、本当に日本としては譲れるところまで譲っているなと非常に感じるわけなんですね。一つは北方領土を含むソ連の二百海里線引きは認める。二番目には日本領海内でのソ連漁船の操業は認めない、これは向こうは不満でしょうけれども。三番はこの協定は双方の漁業以外の利益には抵触しないといった趣旨の新条項を明記されて交渉されたと思うわけですね。しかし、十八日の問題点からまた私は振り出しに戻ったような感じでございますが、いま大臣のお話を伺っておりますと、煮詰めは相当の段階まで行われているから大丈夫だというふうないまお話もあったんですけれども、この問題については、どうか日本国民の将来の問題等もございますので、相当姿勢をきっしりして今後とも進めていただきたいと思います。 では、次に移りますけれども、またこういう段階が好転しますと、いろいろ論議されておりますように、二百海里内で操業するソ連漁船を規制するソ日漁業協定についてもできるだけ早急にソ連側と交渉しなければならない、こういうふうな日程というものがやはり用意されなくてはならないと思うんですけれども、こういう論議も非常に重なっておると思うんですけれども、そういう点についてはどこまで具体的に煮詰まっているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ソ日協定につきましては、まだ今後の問題として残されるわけでございますけれども、やはり先方といたしましては、たとえば漁獲量はまだ話がございませんけれども、漁獲量の話の際には、果たして先方が日本の海域でとる漁獲量がどれぐらい日本は認めるつもりであるのかというようなことは、やはりある程度絡んでくるであろうと思いますし、条文的な問題といたしましても若干の、先方は日本が法律的な対処をしたことも存じておるわけでございますから、そういった中でのソ連側がどのような海域になるかというような点につきましても、先方もある程度研究もいたし、論議も重ねてきておるわけでございます。そういった関係も今回の最終のこの日ソ協定を決めますときにもある程度の大枠というもの、これにつきましてはやはりある程度の話し合いがあっての上であろう。しかし、正式にはやはり後の交渉になるであろうと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○矢原秀男君 まあ当然、この協定というものがソ連漁船の二百海里水域内での操業という問題に絡んでまいりますので、話によりますと、向こうの方から六月じゅうにはこの協定の交渉というものも、これは日本側か向こう側かどうかわかりませんけれども、早期締結というふうな形もあるやに伺っておるわけですけれども、そういう点はどうなっておりますか。
○説明員(森実孝郎君) ソ日協定を結びます場合、一つの国内的な準備といたしましては、わが国の二百海里法案をいつ施行するかという問題がございます。現在、関係各省間で調整中でございますが、七月一日に施行することをめどにいたしまして、六月の上中旬には政省令を公布する段取りにいたしたいと思っております。そのことが交渉上わが国としても一つの条約をつくる枠組みの前提になるわけでございます。 それからもう一つは、やはり漁獲量をどういうふうに認めていくかという問題がございます。わが国としても一応われわれなりに資源評価をいたしまして試案を持っておりますが、この問題を整理する必要があるだろうと思っております。さらに、許可に当たってどういう条件を考えていくか、ソ連の入漁を認める場合の許可条件の問題等でございます。そういった点をわれわれとしても現在準備中でございまして、ただいま外務大臣からお話がございましたように、大枠の、抽象的な意味での大枠の枠組みについては三回にわたる鈴木・イシコフ会談を通じていろいろな議論が行われて、ある程度集約している点もありますし、ソ日協定自体も日ソの暫定取り決め自体が一つの原型的なものになることも否定できないと思いますが、具体的に交渉に入れるのはやはり来月中旬以降ではないかと、このように考えます。
○矢原秀男君 大体発効の手順というものを伺ったわけですけれども、ちょっと別な話になりますけれども、ソ連側といたしまして、わが国の二百海里の線引き、これについてはどういう形で、向こうではもう認めようとしているのか、日本側が一方的にやってもソ連としてどんな形になるのか、そういう点はどうなんですか。
○説明員(森実孝郎君) 御案内のように、ソ連側の幹部会令、閣僚会議の決定の構成とわが国の二百海里法案とは法的構成は若干異にしております。線引きの問題につきましては、わが国はいわば政令で定める海域を除くという形で、ネガティブの形で海域をどこにするかということを決める形になっております。そのような意味で、まだ私どもとしては、先ほど申し上げましたように、政令の最終的な詰めを行っている段階でございまして、具体的にまだソ連側に提案するところまでは来ておりません。ソ連側がその問題に重要な関心を持っていることは、私事実だろうと思いますが、しかし、いま申し上げたような事情でございますので、具体的にこの海域がどうであるかという議論にはまだわたっていないように理解をしております。
○矢原秀男君 これと同じ問題になるんですけれども、今度はわが国の領域内でのソ連船の操業問題で、十二海里内の操業について断念をしようとしているのか、したのか。そのような点の微妙な問題点、現時点においてあなたの方ではどういうふうに把握をしていらっしゃるのか。
○説明員(森実孝郎君) これは申すまでもなく、ソ日の今後開かるべき協定の交渉事項になる点だろうと思います。その意味では一〇〇%詰まっているというふうな状況ではないこともまた事実だと思います。しかし、再三にわたる交渉を通じて、われわれは領海内操業については、ソ連も十二海里であり、わが国に領海内操業を認めていない。また、領海内操業というのはむしろ国際社会では例外的な問題ということで拒否する姿勢をとっておりまして、そのこと自体はソ連側も仕組みとしては理解しているというふうに私どもは了解しておりますが、ただ、非常に具体的な問題といたしまして、イワシの漁獲というものに非常に執着を持っておりまして、その漁獲を確保するためにわが国の周辺の領海、わが国の周辺の海の深度の問題とか、あるいはソ連側が主として中層トロールを漁法としている関係から、ソ連側ができるだけイワシが漁獲できるようにするためには領海内操業というものをやはり例外的に期待している、そういう要請を出していることも事実でございます。そういう意味で、その問題についてソ連側がそのようにイワシに非常に関心を持つならば、われわれとしてはイワシとスケトウのバーターという問題についても提案をしておりまして、これも今後まあ外交交渉が詰まれば次の段階で話し合いをしたいということになっておりますので、そういった問題が総合的に解決されていくことになると思いますので、いまの段階では断定できませんが、先ほど申し上げたように、たてまえの問題については私ども十分ソ連側に理解を求めたつもりでおります。
○矢原秀男君 時間ございませんので、最後の質問に入ります。 農林省にお伺いしたいんですけれども、北方漁民の立場からでございますけれども、八十日にも及んでいる日ソ漁業交渉は十七日にようやく実質的なゴールの段階かと思ったんですけれども、先ほどから申し上げておりますように、十八日に突然新しい修正案の提示の中で、またまた将来不安というものに駆り立てられておるわけでございます。 そこで問題になりますのは、漁場を追われておる北洋漁民と関連産業に働く人々、これをどう救済していくかという問題と、第二点には、沿岸漁業の整備並びに沿岸漁業の育成という問題が大きな課題になります。その次には、消費者の台所を圧迫する狂乱魚価への対策という問題が出てくるわけでございますが、さしあたり、特に一つは漁船、漁民、加工業者への救済対策、それから同じく乗組員、加工業に働く従業員ですね。三番目には中小零細の関連業者、木箱の製造業であるとか、造船、トラック輸送、食料品店等々あるわけでございますが、こういうふうな救済の問題について私は特に懸念をしますのは、きのうの新聞でも、ある報道によれば、水産庁の方が出港の指示を流したとか、こういうふうなニュースも出ているわけですが、その信憑は私も確かめておりませんのでどうこう言うわけではございませんが、いずれにしても、関係の方々が非常に右往左往されていらっしゃると、こういう点についての救済対策をお伺いしたいと思います。
○説明員(森実孝郎君) まず最初にお答え申し上げたいと思いますが、たとえば先生いま御指摘になったのは恐らくサケ・マスの問題だろうと思いますが、この種の漁業につきましては、一定の漁期に備えてもうすでに各船とも仕込みの準備は漁期前に完了しておりますし、乗組員の雇い入れもやっております。ただ、日ソ漁業交渉の現状にかんがみ出漁をストップしている。乗組員もその間は郷里に帰っていたと、こういう形でございまして、新しく出漁準備をするということは、直ちに新規の投資につながるものではなくて、すでにその点はもう投資済みになっているという実態にあることは御解賜りたいと思います。 基本的な救済問題でございますが、まず第一点は、基本といたしましては、やはり日ソ漁業交渉の最終結果を見まして休漁を余儀なくされたり、あるいは今後減船を余儀なくされるものは必ず出ると私ども思っておりますが、これら休漁、減船に伴う影響については最終的な救済措置というものを船単位に考えていく必要があるだろうと思います。 それから第二点は、しかし、この救済措置というのは、やはり現実の漁獲量や減船の規模等が漁業種類ごとに決まってまいりませんと確定いたしません。その間につきましては、当面経営資金をつなぎ資金でやろうということを方針を決めておりまして、すでに四月中に漁業については三分資金を百五十億、五月に入りましてサケ・マス関係で百五億のつなぎ資金をつけております。五月中のつなぎ資金についてもできるだけ早い時期に決定をしていきたいと思っております。サケ・マス以外は、仮に早期に交渉が妥結される場合でも、まず五月中の出漁は非常に困難と思いますので、これは考えてまいりたいと思っております。 それから三番目は加工業等の問題でございます。特に、加工業の場合はそれぞれの立地によって非常に事情が違いますし、業態の態様によって違いますから、影響の程度、業態の性格に応じましてやはり救済措置が地域によっては必要になると思っております。とりあえずの問題としましては、これにつきましても四分資金と六分五厘の資金をもうすでに準備して救済融資を行ったわけでございますが、さらに事態を見ながら追加は考えていきたいと思っております。 また、レイオフの問題に関連いたしまして、加工場従業員のレイオフに関係いたしまして雇用調整給付金の問題が問題になっておりますので、すでに九業種を政令に指定して交付金を行っている点でございます。 最後に、減船により離職を余儀なくされた従業員の救済、乗組員の救済、これは非常に大きな問題になると私どもも思っております。これにつきましては、現在、農林省、労働省、厚生省、運輸省、四省で継続的に協議を続けておりますが、特に、離職を余儀なくされます乗組員に対しましては、職業転換給付金制度を、現在の再建整備特別措置法とか雇対法の体系とは別に、現状に即した体系のものとして給付する仕組みをつくることが一つの課題であろうと思っておりまして、この点を今後詰めてまいりたいと思います。 なお、いわゆる離職を余儀なくされる時点までの問題につきましては、つまり雇い入れ期間中の問題については、漁業の救済措置の内側で考えていくのが従来の例でございまして、つなぎ融資等についてもこの分は給与の問題等含めて行っております。
○立木洋君 最初に、いまの問題と関連してちょっとお尋ねしておきたいのですが、ソ連が出してきたと言われる新しい提案とも言われる今度の問題ですね。これは、協定内のどの条項と言うよりも、全体にかかわる問題だというふうなことも言われておりますし、それは交渉が進行中でありますから、大臣なかなかお答えにくい点もあるかもしれませんけれども、これはあれですか、領土問題と漁業の問題を切り離すことができるかどうかということにかかわるような問題の性質でしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) イシコフ大臣から提示のあったのは二つの考えが示されたのでございまして、一つの考え方はやはり若干関係をしてくる。もう一つの考え方は、領土は領土ということに、そっちは認めるけれどもというような話になっておりまして、それがなかなか御説明がむずかしいのでございます。したがいまして、相当広範にわたる影響のあるような表現で示されたということでございまして、どうも申しわけないんですけれども、この点ちょっと御説明をこれ以上は差し控えさしていただきたいと思います。
○立木洋君 しつこいようですけれども、そうしますとあれですか、いままでソ連が主張しておったのを同じような形で繰り返したという性質の問題ではなくて、関連はあるけれども、新しい問題の提起のような内容として出されてきているわけですね。
○国務大臣(鳩山威一郎君) やはり、表現としては新しい形で一つのパラグラフの提示があったわけでございますけれども、やはりソ連側としては従来からの主張の延長にあると思うのでございます。
○立木洋君 一応、大体最終段階に来て、大体合意ができそうだった、最後の段階に来てまた新しいそういう問題提起、協定の全般にかかわるような問題が改めて出されてきたということについて、ソ連の意図というものはどういうところにあるというふうに大臣お考えでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) その意図をもう少しはっきりつかみたいというのが正直なところでございますけれども、しかし、私はこれ、いま本当の仕上げの段階でございまして、実体の話といたしましては、相当両大臣の間で実体の話をもう詰められたのは事実でございまして、したがいまして、その詰められた実体というものはそれで動かないので、条文上何を書いても実体は動きませんということかもしれませんし、書いたら今度はこの言葉にとらわれちゃって、こっちの実体の方も変わってくるのか、その真意がわからないというのはいまそういう関係のことを申しておりまして、したがいまして、実体が動かないかどうかということがまず第一の問題であります。 それから、それにしては、日本としてはきわめてのみにくいような表現は勘弁してもらいたいということになるわけなんでございますので、その程度のものでございます。
○立木洋君 中身を言わぬで周りを探っているわけですから、聞いている方もはっきりしないし、お答えの方も大変だろうと思うのですけれども、向こうから問題提示があって、鈴木農相の方がこういう提起があったということを報告されて、検討されて、ソ連側としてはそういう問題を出してきたのが全体にかかわるのかどうなのか、実体は動かなくて表現上の問題で多少修正ができるのかどうかというふうな問題のように説明されておりますけれども、大臣いまの時点で判断されて、この問題というのは比較的短期間に解決できそうですか。それとも少しまたこじれて若干長引きそうな判断ですか。展望の問題ですが、大臣御自身の判断で結構ですから、どういうふうにお考えになっておられるか、それほどむずかしくなくて早く解決できそうかどうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) これはどうしても、私としては希望的判断をしたいわけでございますけれども、これはやはり、ここは楽観も悲観もしてはいけないんだろうと思って、最終の段階でございますので何とか妥結を図りたい、しかし、さらばどういう方法があるかと言いましても、もうぎりぎりのところでございますので大変むずかしいと言えばむずかしい段階でございます。
○立木洋君 中身がわからぬでやる質問はもうやめておきます。 それで、午前中ちょっとお尋ねしたのですけれども、アメリカのカーターが新しい原子力政策を出してきたという点に関連してですが、この問題に関して、これは日本の今後の原子力政策にとって非常に大きな影響があるということですけれども、日米原子力交渉を行なわれたわけですね。そして第二回の交渉をどうするかという点ではアメリカ側としては国際会議が終わった後で、五月三十一日、六月の一日というように第二回の交渉を行いたいというふうなことがけさの新聞に載っておりましたけれども、現在日米原子力交渉の内容がどういうふうな内容なのか、あるいはアメリカ側から具体的にどういうふうな問題が提起されたのか、その点について、これは外務省の方でしょうか、科技庁の方でしょうか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(大川美雄君) ただいまお尋ねの点でございますが、新聞には五月の三十一日、六月の初めといろいろ出ているようでございますけれども、正直のところ申し上げますと、ロンドンの首脳国会議で決まりました二カ月で終了する予備協議というものの場所も、それから日取りもまだ国際間の相談の対象でございまして、はっきり決まっておりませんのが現段階でございます。したがいまして、人繰りの関係もございますので、これも新聞に一時伝えられておりましたけれども、五月の下旬、二十二、三日とかという日取りも出ておりましたけれども、日米の第二次の交渉も、もう一つの方の協議がいつどこになるかという関係とのかかわりあいがありますので、最終的にまだ決まっておらない状況でございます。日米の交渉の内容、問題点につきましては、これは三月の福田・カーター会談に引き続きまして、事務レベルでワシントンで、いわゆる第一次の交渉団を派遣して、二週間ばかりワシントンでいろいろ詰めてまいったわけでございますけれども、その後に例のロンドンにおける輸出国協議、それから首脳国会議といった一連の会議がございまして、日米の直接の話し合いはその間一応停止と申しますか、中断しているような形になっております。政府といたしましては、もちろんできるだけ早く交渉の再開にこぎつけて、できるだけ内容も早く煮詰めていかなければいけないということを痛感しております。
○立木洋君 その内容を聞かしていただきたい。向こう側が何を提起してきたか。
○政府委員(山野正登君) アメリカの打ち出しておりますこの原子力につきましての新しい政策と申しますのは、一つは本年四月の七日に国内原子力政策といたしまして発表しておりますものとか、あるいは同じく四月の二十日にエネルギー教書として発表しておるものがあるわけでございますが、このうち原子力関係につきまして一言で申し上げれば、核拡散の防止を強化しようという方向でこの原子力政策、新しいものを打ち出しておるわけでございます。その中に、商業的な再処理とプルトニウムリサイクルを期限を定めず延期するという国内政策を打ち出しておるわけでございまして、米国としましては、これをそのまま諸外国に押しつけるといったふうな姿勢をとってはおりませんけれども、できるだけこのアメリカの国内政策に先進諸国が同調してくれるということを期待しておるわけでございます。 一方、この日米間で従来進めてまいっております日米原子力交渉と申しますものは、日米原子力協定に基づきますればわが国が米国から導入いたしました濃縮ウランにつきまして、これを再処理いたします場合、国内において再処理いたします場合あるいは再処理のために海外に移転します場合、この両方のケースにつきまして米国政府と協議をし、その同意を取りつける必要があるわけでございます。国内で再処理いたします場合には、これは同協定の八条C項に基づく共同決定という行為になっておりますし、海外に移転します際には移転の同意を取りつけるということになっておるわけでございまして、これらにつきまして、わが国の原子力開発についての核拡散防止強化を含めた基本的考え方を先方に述べながらこの話し合いを進めていこうとしておるところでございます。
○立木洋君 アメリカ側が出してきた点、もうちょっとお尋ねしたいんですけれども、条件が調わなければといいますか、アメリカのそういう出してきた内容に同調してもらえないならば、いわゆる軽水炉で使う濃縮ウランの供給はできかねるというふうな否定的な見解が交渉の中で出されたのか、どうなのか。
○政府委員(山野正登君) いまの御質問にダイレクトにお答えいたします前に、アメリカの新政策の内容というものを一通り申し上げておきますが、先ほど申し上げました国内における商業的再処理とプルトニウムのリサイクルの期限を定めない延期というものに加えまして、プルトニウム以外を利用します増殖炉の代替設計というものにより大きな重点を置いていこうと、これは従来の金属冷却による高速増殖炉にかえまして、そういう代替炉というものの設計により重点を置くとともに、その増殖炉の商業化というものも延期していこうというのが第二でございます。 それから第三としまして、従来の燃料サイクルと違った代替核燃料サイクルといったふうなものを研究を促進しよう。 第四点としまして、核燃料を必要とする国々に、その国自身が再処理をする必要がないように濃縮ウランの供給能力を増大しておこうと、これは米国の供給能力を増大するという趣旨でございます。 それから第五点は、核燃料供給保証のための国内立法といったふうなことがございますが、これはいま申し上げました濃縮ウランの供給能力の拡大といったふうなものを国内法的に裏づけようという立法措置でございます。 それから第六点が濃縮再処理技術の施設の輸出禁止、これは従来とも米国は禁止いたしておりますが、この禁止を継続しよう。 最後は、先ほど国連局長が御説明いたしました国際的な将来の原子力平和利用と核拡散防止を強化する、この両方の道を両立させるための各種の方途についての再評価といったふうなものの提唱、この七つが新しい政策内容でございます。 この中で、いま先生御質問の、わが国に対する濃縮ウランの供給ということにつきまして、日米間の今次の交渉において日本に濃縮ウランの供給を制限するとかしないとかいったふうな話は一切出ておりません。
○立木洋君 これは新聞で見た記憶があるのですけれども、混合抽出方式ですね、いわゆる減損ウランとプルトニウムを……、それをやってもらったらどうかというふうな話はアメリカ側から出たわけですか、いまの点と関連するわけですが。
○政府委員(山野正登君) 四月の初めに参りました第一次の実務交渉団と申しますのは、これは名前は交渉団とついておりましたけれども、技術的に日本側の考えておることをできるだけ先方に理解していただこう、またわが方としましては先方の考えておることをできるだけ理解しようという姿勢で臨んだわけでございまして、交渉といったふうなことはなかったわけでございますが、そういう技術的な話し合いの一環としまして、いま先生のおっしゃいましたような共沈法と申しますか、再処理の過程でプルトニウムを単体で分離しませんで、プルトニウムとウランが混合状況のままでこれを再度混合酸化物としての燃料に加工していくといったふうな、そういう方法についての話というものが一般的な議論の一部として出たということは事実でございますが、今後この方向で日米間の話をまとめようという趣旨で出たものではないというふうに理解をいたしております。
○立木洋君 これも新聞の報道ですけれども、アメリカの政府筋が五月の十一日明らかにしたところによると、日本の電力会社がイギリスとフランスとの間で契約を結ぼうとしておる使用済み核燃料の新規の再処理の委託について、アメリカはこの計画は承認できないというふうな趣旨の発表をしたと、発言をしたというふうなことが十二日の新聞に載っていたんですが、こういう話というのは日本側の方に交渉の中で出てきたのか、あるいはその後にそういう話が伝わってきたのか、その点はどうでしょう。
○政府委員(山野正登君) ただいまの海外に再処理を委託します件につきましては、わが国は、将来は国内に自主技術による再処理工場をつくりまして、国内で必要な再処理は行っていくということを基本方針にいたしておるわけでございますが、そういう将来の実用工場をつくるまでの間におきます過渡的な措置としまして、再処理需要の一部をイギリス、フランスといった国に委託しようといたしておりまして、現在省議をしておるところでございますが、これの可否につきまして米側がコメントしたといったふうな事実はございません。これは先ほど申し上げましたように、将来この交渉が成約いたしまして、いずれ日本から再処理すべき使用済み燃料をイギリスないしはフランスに移転するという際には、改めて米側の同意を求めるという行為があるわけでございまして、その以前の問題でございまして、現在米政府がとやかく申しておるわけじゃございません。
○立木洋君 アメリカの提案した内容をよく見てみますと、プルトニウムリサイクルの経過の中で核兵器の所有の危険性が考えられる、そういう警戒心を持たれる点については、一面うなずける点は確かにあるだろうと思うんですが、こういう点については日本の政府としてはどういうふうに判断されておりますでしょう。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 核兵器のこれ以上の拡散は、先般の首脳会議でも、それ自体といたしましてどこの首脳もそれはそのとおりだ、賛成であるということで、福田総理とされても、これ以上核兵器保有国がどんどんふえるということについては反対だと、それはカーター大統領のおっしゃるとおり反対であるという、その点はおおむねもう皆一致しておるというふうに見られるところでございます。しかし、そのために平和利用が妨げられては困るということで、これは何らかのやり方があるに違いないというふうに考える首脳と、いやこれはもとからそういうことはやめてしまった方がいいんだと、こういう考え方との違いのように、ごく大ざっぱに言えばそんな感じがいたしております。
○立木洋君 先般本委員会で審議をして批准されました核拡散防止条約、あれの第四条でしたか、いわゆる平和利用の問題、これは協力するということになっているわけですね。核拡散防止条約の中では、新しい加盟国が平和利用の権利を確認しておるし、それに対して協力するという内容になっていますけれども、今回アメリカが提起してきたものとこの核拡散防止条約の第四条で確認されている内容とはどういう関係になるんでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) これは、現行の条約とか現行体制とか、そういったものと全く違った次元で新しくこういう方針と考え方を打ち出されたのだというふうに思います。したがいまして、これからこの新しいカーター大統領の方針どおりやっていった場合に、それでは現行の核拡散防止条約は何らか改正なり何なりというようなことが必要になってくるだろうというふうに思いますけれども、現在はまだ構想というような形のものでございますので、現行体制とどこがどういうふうに矛盾するかというようなところよりまだ根本的な議論の段階というふうに考えておるのでございます。
○立木洋君 さっき言いましたように、一方では核兵器の所有の拡大の危険性を警戒するという点はわからないわけではありませんけれども、しかし、現実にアメリカでは核兵器の生産を引き続いて行っておりますし、商業用のプルトニウムのあれについては延期するということになっていますが、実際には軍事用の点についてはさらに大規模に生産をしておる。自分の国では一生懸命軍事用のプルトニウムはたくさん大規模に生産しておって、そして核を持たない国が平和利用しょうということについてもその制限をするような提案をしてくる。この点について、率直に言って大臣どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 実際にこの核拡散防止条約の思想というものがそういうような思想でできておるわけで、核兵器国をこれ以上ふやさないということだと思いますが、しかし、カーター大統領としてはやはり真剣にSALT交渉に臨まれておる。このSALT交渉自身がこれはなかなか難題だと思いますけれども、やはり私どもといたしましては、SALT交渉に真剣に取り組んで、核兵器の新しい製造というふうなものはもうやめるというところまでとにかくやってくれなければなかなか非核保有国は納得できないという、これはどこの国もそういう感情は持っておると思います。しかし、その点はSALT交渉自身の問題でございましょうし、日本としてもその点は、やはり先ほど来申し上げているように被爆国という立場もありますし、したがって、核兵器のこれ以上の地域的な、何というか、広がりと申しますか、国別の広がりというものもやめてもらいたいし、特定の保有国の中で核兵器の、何といいますか、どんどん量的な広がり、これ自身もやはり同じ考え方でやってもらいたい、私自身としてはそう思います。
○立木洋君 矛盾というふうに言われませんでしたけれども、私はやっぱり矛盾だろうと思うんですね。これは核兵器の拡散を防止するという点では、ある面ではもちろんわからないわけではないんですけれども、しかし、現実にアメリカが核兵器の独占的な所有を維持しながら、そして実際には核兵器を持たない国が平和利用しようという問題にまで危険性があるからといって抑えていく、制限していく、こういうことになったらあの核拡散防止条約の第四条というのは一体どうなったのか。現実にエネルギーがきわめて不足している日本、将来原子力のエネルギーについてもやはり相当開発するなり依存していかなければならない状態でこれはきわめて大きな問題に私はなってくるだろうと思います、つまり平和利用の面にまで大きな制限をしてくるというふうな状態になれば。この点は私はやっぱりはっきりさしておかないといけないと思うんですが、アメリカの今度のそういう新しい原子力政策を提起してきたことによって日本の原子力政策がきわめて大きな状態、重大な時期に立たされておるという原因がどこにあるというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) カーター大統領の考え方というものは、やはり率直に核兵器のこれ以上の拡散というものを本当に危険なことと考えられておると思います。現実において、いわば大国が核兵器を持っている場合にはこれは抑止力であって、実際は使われないというような恐らく考え方であろう。しかし、仮に現に紛争地域なり、そういった特定の国の名前は差し控えますけれども、相当まだ完全な平和が回復してない国もあるわけでありますし、そういった国が核を持った場合というのは非常に危険だという発想もあると思います。したがって、発想自体が全くおかしいとは言えないことであろうと思うのでございます。本当にいろいろなことは言われますけれども、現実に核拡散の危険があるという考え、そしてそれらはやはりいろんな裏づけがあるようなふうに考えておるのではないか。これはインドは恐らく私は核兵器は持たないだろうとは思うんですけれども、核実験をやったということ自体、持つ能力はあるだろうと思います。しかしその他、現実にはインドの核実験というのは非常な脅威を与えたわけでございますけれども、現在、核に関する技術者が非常に増加し、あるいは再処理技術というものが非常に広がっていった場合には、やはり何らかの手段を講じなければ非常な危険な事態になるかもしれないということは考え得るところであって、何らかこれからの国際的な何といいますか、安全を保ち得るような、そういったセーフガードのようなことをどういうふうに取り決め等によって解決できるものかどうか、そういった問題も含めて早急にとにかく二カ月間におきまして何らか当面の答えを出してもらいたいと思っております。
○立木洋君 原因の点を私はお尋ねしたんですが、大臣なかなかお答えにくいようで、アメリカの態度がなるほど結構だということには、私は大臣の立場でもならないだろう。大変結構だということになったら日本の原子力政策大変なことになる。かといって、アメリカのやろうけしからぬというようなこともなかなか大臣としては言いにくいだろうと思います。しかし、問題はやっぱりはっきりさせるべきだと思うんです。問題は日米原子力協定の八条C項、これはアメリカの合意を得なければ処理できない。ほかの国が原子力協定を他国と結んだ場合にそういう内容になっているのかどうか。これは日本だけの特徴だと思う。あれは、この原子力協定が委員会で議論になって、議事録を読んでみたわけですけれども、そうすると、政府側の答弁で言われるのは、その当時、日米というのは友好関係だから日本が困るようなことはアメリカさんは絶対いたしませんよというのがあの当時の政府の見解なんです。しかし現実にこうなった。フォードさんのときにはああいう状態だった。今度カーターという方が出てきて新原子力政策を打ち出してきた、日本としては大変な事態に落ち込んだ。日米関係というのは友好関係だからこういうふうな協定の内容になっているけれども、日本が困るようなことは絶対しないから、野党の皆さん、そう言わないで安心してくださいと言ったのが、日米原子力協定の討論のときの内容です。私は、現実にこういう形で困ってきた。やっぱり根本は、アメリカのこういう原子力の技術の面から燃料の面から、あらゆる面で従属的な地位に日本が甘んじていくという状態を続けるならば、私は大変なことになるだろう。 先般の話を聞きますと、科学技術庁の宇野長官ですか、衆議院の議事録を見てみますと、いまの状態で言えばアメリカにおんぶでだっこであったというふうな発言を宇野長官もされておるわけですが、やはり基本的にはこういうあり方というのを根本的に考えていく必要があるだろう。そうしないとあれは一九八五年ですか、日本の原子力発電は電力の全体の量の二五・六%も占める、これは政府の発表だと思うんですけれども、そのときにアメリカが濃縮ウランやりませんよというふうなことをばんとまた言ってきた場合、これは大変に工場から生活から全体的に影響を及ぼすような事態になるだろう。私は、いまはやはり重要な時期だと思う。そういう意味では、原子力政策というのを何でもかんでもアメリカにお願いをしてアメリカに頼み込んで問題を解決するんではなくて、原子力政策の問題についてはもっと基本的に自主的な立場で日本の原子力政策というのをいま考え直すべき重要な時期にあるんではないだろうか。もう時間がありませんのでこれで終わりますけれども、その点について科技庁の局長の御意見、それから最後に大臣の所見を伺っておきたい。
○政府委員(山野正登君) 過去のわが国の原子力平和利用の歴史を振り返ってみますと、現在実用化されております軽水炉と申しますものも、これはオリジンは米国から導入したものでございますし、また、燃料サイクルの濃縮あるいは再処理、そのほか全体見渡しまして確かに外国依存が多いわけでございまして、私どもこの点は今後とも原子力基本法の実施という基本理念にのっとりまして、できるだけ国内で自主技術により開発していくという方向で考えたいと思っておるわけでございます。軽水炉につきましても、そういうことで昭和四十七年以来年々大幅に研究費を増額してまいりまして、いま大体九五%以上の国産化率になっておりますし、また、これの必要なコンポーネント部品等もできるだけわが国の国情に合ったものにする、あるいはまた、さらに改良、標準化を行うといったふうなことを進めておりますし、さらに将来の軽水炉に続きます新しい型の、たとえば新型転換炉でございますとか、あるいは高速増殖炉といったふうなものにつきましても、可能な限り自主技術で開発するという方向で現在鋭意開発を進めておるところでございます。 それから燃料サイクルにつきましても、本年度から濃縮のパイロットプラントを建設する予定にいたしておりますし、また、再処理につきましても、先ほど来お話に出ておりますように、東海村につくりましたパイロットプラントの来年度における本格操業に続きまして、このパイロットプラントと申しますか、実証プラントで得られました技術で将来の実用第二再処理工場というものもつくり、燃料サイクル全体としてもできるだけ自立化していこうという方向で考えておる次第でございます。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま科学技術庁の方からお答えがありましたけれども、日本としては、おっしゃいますように何でも独立できた方がいいわけで、独立した燃料源というものが持てればそれはその方が好ましいということは一般的に言えるだろうと思います。そういう意味で燃料の供給源を多様化を図るということもいまお話が出たところでございます。しかし大勢といたしまして、現在の原子力開発の現状といいますか、あるいはプルトニウム時代に入りかけてきたというこの時代を迎えまして、十年前の核防条約の起草が始まったころとは大分世の中変わったことは事実でありますし、こういった時代を迎えたときに当たって、このプルトニウムの核兵器化への危険というものが警鐘をいまカーター大統領が乱打をしているというときであろうと、こう思うわけでございます。したがいまして、これは新政権になって急に変わった事態が出現したと一般にとられておりますけれども、問題としてはやはりあるに違いない問題だと。そういう事態に対していかに対処するかというのは、やはり関係国が本当に英知を集めて、この燃料のサイクル問題、これを平和目的だけに限った開発が保障され得る、そういった体制をいかにつくり上げていくかということにこれから取り組まなきゃいかぬ、こういった感を深くするわけでございます。 まあ、以上お答え申し上げます。
○政府委員(大川美雄君) けさの立木先生の御質問の中に、ザルツブルク会議で豪州とカナダが、保障措置の強化をしなければウラン供給の点で何か制限する必要が出てくるかもしれないということを言ったんじゃないかという点がございましたが、これは役所に帰りましていろいろ調べてみたんでございますけれども、そういうような発言が豪州、カナダ等から行われたということは出てまいりませんでした。あそこで発表された論文にもそういったようなものはなさそうでございますけれども、ただ、アメリカとカナダと豪州と三つの国の間でいろいろ要人たちが往復しているようなことは事実でございます。ただ、現在の時点で三カ国がウラニウム資源国として何かOPEC的なあれをしようというようなはっきりした徴候はまだ出ておりません。少なくとも現在の段階では、そういう了解と申しますか、合意はないと申し上げられると思います。
○立木洋君 最後に一言だけ。答弁要りません。 西ドイツと日本というのは大体原子力開発は同時期だったと思うんですが、西ドイツなんかの方は、自主的に開発をやっていくという方向に努力をされた、やはり高速増殖炉なんかの問題についても進んできておるし、だから問題は、従属的な点は直していくということを私は重視しなければならないということだと思うんです。これ以上、いろいろ言いたい点がありますけれども、もう時間がないので終わりますが、最後に安全局長、きょう来ていただいたけれども、時間がなくて安全の問題までいきませんでした。どうも失礼しました。
○委員長(寺本広作君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十三分散会 —————————————